国家基本政策委員会合同審査会 第1号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2019/06/19
会議録
○会長(佐藤勉君) これより国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。 本日は、私が会長を務めさせていただきます。 この際、このたび山形県沖を震源とする地震で被災された方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。 国家の基本政策に関する件について調査を進めます。 これより討議を行います。 討議に当たりましては、申合せに従い、野党党首及び内閣総理大臣は、決められた時間を厳守し、簡潔に発言を行うようお願いを申し上げます。 また、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に慎まれるよう、御協力をお願いをいたします。 発言の申出がありますので、順次これを許します。枝野幸男君。(拍手)
○枝野幸男君 まず冒頭、私からも、昨夜の地震によって被害に遭われた皆さんにお見舞いを申し上げます。 けさほど、国対を通じて、政府としての迅速な対応に必要ならば、きょうのQTの延期も含めて柔軟に対応をいたしますということを申出させていただきましたが、問題ないというお答えをいただきました。しかし、引き続き、余震等の心配がございますので、ぜひ、政府におかれては、万全の対応をお願いを申し上げたいと思います。 さて、金融審議会のワーキング・グループによるいわゆる二千万円報告書を契機として、年金に対する関心と老後に対する不安の声が高まっております。 総理は、今回の事態の中で、多くの国民の皆さんが年金の何について関心を持ち、老後の何について不安を持っていると認識されているでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、改めて、昨日の地震により被害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 政府としては、発災直後から、人命を第一に、被害状況の把握、救命救助など、災害応急対策に全力を尽くしてきたところでございます。 現在も、雨が現地降っておりますので、多くの方々が不安な時を過ごされておられると思います。 先ほど関係閣僚会議を開催したところでありますが、政府といたしまして、土砂崩れやあるいは余震といった二次災害に対して万全を期すとともに、道路等のライフラインの早期復旧に全力を挙げてまいります。 現在も雨が降っておりますので、現地の皆様におかれましては、自治体の避難情報に十分に注意をしていただきたいと思います。 そして、年金についてでございますが、年金については、皆様方、恐らく国民の皆様方、果たして年金によって自分たちの老後の生活を賄うことができるのかどうか、そしてもう一点は、果たして年金は持続可能なのかどうかということについて不安を持っておられるもの、このように考えております。
○枝野幸男君 今の不安が前提なんだろうと思いますが、今回のいわゆる二千万円報告書を契機として多くの皆さんの声が上がっているというその本質は、安心ばかりを強調して、そして実態と向き合わない、この姿勢にあるのではないかと私は考えております。 今回の二千万円という金額についても、確かに、平均値であったり一つの試算であったりします。しかしながら、多くの有権者の皆さんがそれぞれの生活を考えたときに、自分が今もらっている年金、あるいは将来もらうと見込まれている年金だけではなかなか老後の暮らしが成り立っていかない、にもかかわらず、今回の報告書が出た後も、安心ばかりが強調されて、多くの有権者の皆さんが抱えている不安に向き合っていないということに対して多くの皆さんが怒っておられるのじゃないかと思います。 そして、これは、年金問題ということで、国民、有権者の皆さんの生活と直接結びつくという今回の事案で大きな関心の輪が広がりましたが、これまで、森友、加計学園問題を始めとして、公文書の隠蔽、改ざんなどが繰り返され、それに対する責任の所在等についても曖昧のまま来ています。見たくない事実はなかったことにしてごまかす姿勢、これが自分の暮らしと直接かかわる問題で見せられたこと、それが短時間で多くの皆さんの関心を招いているそのベースにあるのではないかと私は考えます。 まずは、今回の二千万円報告書を、存在しないとか受け取らないとかという、そういうびほう策ではなくて、きちんと、一つの試算ではこういうこともある、そうした場合に、自分の力だけではなかなか二千万円のような規模では貯蓄はできないと不安を持っていらっしゃる皆さんたちに正面から向き合うこと、それが今求められている政府の姿勢ではないかと思いますし、また、今回の件で改めて突きつけられた、公文書の管理や情報公開、議会における徹底した説明責任を果たす、こうしたことをなさっていくことが今求められていることではないのかと思うんですが、総理の御認識はいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般の金融庁のワーキング・グループの報告の問題点は何かということでありまして、枝野議員も既に指摘をされたように、平均値で見るのがいいのかということでございまして、ここに大きな問題があったわけでありました。 この報告書によると、月々、年金生活者の方々が五万円不足する、いわば五万円赤字であって、そしてそれは、九十五まで生きれば二千万円になるということから大きな誤解が生じたわけでございますが、これには前提条件があり、前提条件としては、二千五百万円、平均で預金がある、その預金の中から五万円ずつを活用して生活をしていくということでありますが、平均値でございますので、二千五百万円預金があるということに、そんなにないよと違和感を感じた方々もたくさんおられるのではないかということでありました。 大切なことは何かといえば、年金生活者の生活実態は多様でありまして、その多様な実態に対してしっかりと対応していくものとなっているのかどうかということであります。 ですから、大切なことは、例えば、年金が少ない方につきましては最大年六万円の給付を行っていく、あるいは、無年金者の方々、大変でありますから、この無年金となる原因である給付の払込みの期間を二十五年間から十年間に短縮することによって無年金者の数を減らしていく、あるいは、高齢者の皆さんにとっては介護保険料は大きな負担でありますから、この介護保険料のいわば負担を軽減をしていくということを、しっかりと私たちは対応していく。 そして、さまざまな状況に向き合っていないのではないかということでありますが、さまざまな持続可能性に対する不安は何かといえば、例えば、平均寿命が延びていきますから、受給期間が長くなるということが一点。そして、例えば、生産年齢人口が減少していきますから、支え手が減少していくのではないかということであります。 そうしたものに向き合って行った改正が平成十六年の改正であったわけでありまして、マクロ経済スライドを導入をして、そして、平均寿命の延伸と、あるいは被保険者の増減に対応するようになった。これによって、将来の年金受給者の給付と負担のバランスをとると同時に、現在年金をもらっている方の受給の水準と将来年金をもらう方の水準の、これは均衡をとっていくということをお願いをしているわけであります。 そして、デフレが続いていけば、残念ではありますが、申しわけないけれども、受給者の皆様にデフレスライドをお願いをする、あるいはマクロ経済スライドによって、賃金の伸びには残念ながら追いつかないんですが、そのことによって持続可能性をお願いをしているということでありまして、まさに私たちは現実と向き合いながら、御説明をしながら制度の改正を行っているところでございます。
○枝野幸男君 るるお話をいただきましたが、私の問いかけには正面から答えていただいたと思っておりません。 今回の報告書そのものは、一つの仮定なりモデルを前提として、二千万円というのは、あるモデルに当てはまる人にとっては老後必要な金額ということかもしれませんが、今回のことを契機にして、従来から、それは例えばこの二千万円のケースで想定されている二十万円弱の年金、国民年金の方はとてもこんな金額の年金を受け取っていませんし受け取ることもありません、そうした皆さんたちは、従来から、この年金だけでは老後食べていけないということを意識をしている、あるいは、この年金だけでは食べていけないという中で暮らしておられる。 それから、厚生年金などで一定の年金額を受け取っている皆さんにとっても、既に高齢者になっていらっしゃる皆さんは、今、例えば数百万の貯蓄しかないけれども、今さらふやせと言われても困るけれども、さあ、どうしようかという不安の中に過ごしておられる。 そこにこうした報告書が出てきたことに対して、じゃ、その貯蓄がない人たちはどうしたらいいんだろうかということに対しての答えの前に、その報告書自体がなかったことにしてしまうという姿勢は、これはやはり高齢者の抱えていらっしゃる不安に対して正面から受けとめているということにはならないというふうに思っています。 年金制度については、確かにこれを改革しようと思えば長期的な期間が必要になります。現に、年金を受け取っていらっしゃる方の年金を大幅に上げるということは、現実的になかなか難しいことであるということをよくわかっています。 ただ、やれることがあるのに、僕はやれていないというふうに思っています。 それは、もちろん年金生活者の中にも、まさに多種多様でありますから、それこそ国民年金で食べていくことも今できていないというような方にとっては、年六万円とはいえども、私はそのこと自体は評価をしたいと思いますが、そうした方々を含めて、一定程度の年金を受け取っていらっしゃる方を含めて多くの皆さんの抱えている課題は、健康な間は何とかなるかもしれない、ただ、最大の不安は病気になったときの医療費であり、あるいはそのことによって介護が必要になったときの介護、あるいは、更に年齢を重ねたことによって、病気でなくてもやはり介護の必要度というのは高まっていきます。 今、健康だからこの年金で何とかやりくりしているけれども、病気になったり介護が必要になったときというものの不安が大変大きい、これに私は向かい合う姿勢が今求められているというふうに思っております。低年金であっても資産がなくても、万一のときに一定の医療や介護が受けられる安心、このことこそが、私は、多くの高齢者の皆さん、あるいは間もなく高齢者になる皆さんが求めていることだと考えています。 私どもは、そのための総合合算制度を早期に導入するべきであるということを主張をしています。制度ごとに、例えば、医療費の自己負担あるいは介護費用の自己負担などを計算するのではなくて、家計単位で、医療、介護、保育、障害者福祉に関するトータルの金額について自己負担に上限をかける、当然のことながら、年金を始めとする所得に応じて上限をかける、こうした制度をしっかりと導入することによって、年金が低い方でもその範囲で一定の医療や介護が受けられるという安心、これがつくれれば、もちろん年金の額が大きくふえていくことが一番いいことかもしれませんが、それは困難であるということは私もよく承知しています、そうした中で高齢者の皆さんの安心を高めることにつながるんだと、私たちは国民の皆さんに提案をさせていただきたいというふうに思っております。 その前提として、そもそも質、量ともに医療や介護のサービスが不足をしているこの大きな要因は低賃金による人手不足の慢性化であります、介護・医療従事者の賃金を抜本的に底上げをしていくということ、こうした形で、病気になったり介護が必要になったときでも一定の医療や介護が受けられるようなサービスの質、量の安定と、それから、そのときにかかる自己負担の所得に応じた低廉化というものを進めていくべきだと思っています。 ちなみに、医療、介護のサービスを提供している賃金の底上げに係る費用は、直接には、まず一次的に現役世代の皆さんの所得の底上げということに回っていきます。高齢者の皆さんにとってだけではなくて、現役世代の賃金の底上げ、雇用の拡大ということにつながっていくというふうに考えています。 私どもは、今こそこの総合合算制度と、そして医療、介護の質、量ともに、賃金の底上げによる充実というものを進めていくべきだと思っていますが、総理の御見解をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、高齢期において生活を支えるものはもちろん年金が大きな柱でございますが、基礎年金と厚生年金あるいは企業年金等がありますが、これについては既に今まで私も答弁をさせていただいたとおりでございまして、もちろん、国民年金だけではなかなか、それは生活費全てを賄うことはできないということについては、お話もさせていただいたところでございます。 これはもう委員も御承知のとおり、まさに給付と負担のバランスでありますが、給付をするためには負担をしていただかなければならない。と同時に、年金というのは、これは年金の保険料と、そして同時に税金を投入する、さらには、年金の積立金と、そしてその運用益でございます。 そこで、今委員がおっしゃったように、若い人たちの給与がふえることというのは、支え手の皆さんの保険料もふえていきますから、年金財政にはプラスになっていくことが当然のことであろうと思います。 そういう点におきましては、この六年間で三百八十万人の方が新たに働き始めた。正社員においても、この六年間で百五十万人ふえました。我々が政権交代前は五十万人正社員が減っていたんですが、百五十万人ふえたことによって、例えばマクロ経済スライドの数字は〇・九から〇・二に大きく、これはある意味では、これを改善と捉えているわけでありますが、数値としては改善した。これは、平均寿命が延びているにもかかわらず、働いている方々の保険料がふえたことによって改善をしているということでありますから、まさに委員がおっしゃったように、経済が成長していくことによって新たな働き手がふえて、まさに働きたい人が仕事ができるという環境をつくることが極めて重要であります。 経済が成長をしていくことによって、先ほど申し上げましたように、四十四兆円運用益が出ているわけでありまして、民主党政権時代の約十倍、運用益は出ている。つまり、しっかりと経済を成長させ、働き手をふやし、雇用をふやし、それでそのことによって当然保険料収入もふえていく、マクロ経済スライドのマイナス分も減っていくということになるわけでございますから、これからもしっかりとふやしていきたい。 そして、最低賃金につきましても、我々、政権を奪還してからこの六年間で百二十五円ふえています。民主党政権時代も、皆さんも頑張ったと思いますよ。皆さんのときには三十六円ふえています。皆さんは三年間で、我々は六年間です。しかし、私たちは倍なんですが、三・五倍最低賃金はふえている、そういうことであります。 経済を成長させ、収入をふやし、そして当然税収も、今、税収もふえてきておりますから……(発言する者あり)
○会長(佐藤勉君) お静かに願います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この税収も活用して、社会保障の基盤を厚くしていく、成長と分配の好循環をしっかりとつくっていくということであります。 そして、最初に申し上げましたように、皆さんの収入がふえていくということについては、これは社会保障の基盤を大切にしていくことにおいて大変大切であり、まさに私たちはそのことを行っているということを申し上げておきたいと思います。
○枝野幸男君 私も民主党政権の一翼を担わせていただきました。至らない点がたくさんあったことは改めてこの場でもおわびを申し上げたいと思いますが。 経済の数値の最終成績はどこなのかといったら、私はやはり実質経済成長率、二〇一〇年から一二年の実質経済成長率は一・八%、二〇一三年から二〇一八年の実質経済成長率は一・一%であります。これが客観的な経済のトータルの総合成績であるということは、私は自信を持って申し上げておきたいというふうに思っております。 そして、先ほどの安倍総理のお話は、私の問いかけには答えていただけませんでした。年金の範囲の中で一定の医療や介護が受けられる総合合算制度というものについては、全く答えをスルーされました。これについては、いっとき導入の方向で話が進んでいたものが、軽減税率導入の財源にするためにこれは実施をされないという流れになってきたということも付記をしておきたいというふうに思っております。 それから、全体としての雇用の話を一生懸命しておられましたが、私が提起をしたのは、特に、安心できる医療と介護、安心できる老後のためには、介護従事者のほとんど、そしてかなりの比率の医療従事者、こうした皆さんが、非常に重労働であり、なおかつ低賃金であるために慢性的な人手不足に陥っている、そもそも老後の安心のためのサービスの質も量も不足をしている、そこをまず充実させていくために、そこに対してかなり抜本的な所得底上げ、そこに財政を投入していくということを申し上げましたが、一般論に転換をされてしまいました。 これでは、なかなか現実には、介護従事者の皆さんの所得の上がり方は微々たるものであって、本当の意味で、今急激にふえている高齢者の数に対応して、今、不足分を埋めてまでしっかりと安心できる介護をつくる、こういう状況は到底できません。 抜本的に分配のやり方を変えて、介護従事者そして医療従事者、低賃金でありながら人手不足の分野、これは老後の話だけではありません、保育士さんなどにも当てはまる問題であります、こうしたことをしっかりと進めていくこと、これを私どもは、今の社会政策に対する、そして経済政策に対する明確な対案として訴えていきたいと思っていますので、ぜひ、安心できる医療や介護をどうするのかという具体的な案を示していただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一点だけ申し上げますと、実質成長の自慢をなされましたが、名実逆転をしている実質成長の伸びはデフレ自慢にしかならないということは申し上げておきたい、こう思うわけであります。 安倍政権においては、しっかりと経済を成長させているわけでございますが、これからも成長と分配の好循環を回していきたい、このように考えております。
○会長(佐藤勉君) これにて枝野君の発言は終了いたしました。 次に、玉木雄一郎君。(拍手)
○玉木雄一郎君 まず冒頭、昨夜の地震で被害を受けられた方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 総理、引き続き年金のことを聞きたいと思いますが、総理は、一部報道によると、この金融庁の報告書、金融庁は大ばか者と激怒したということが報じられていますが、事実でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、めったに激怒しない人間として、自由民主党では大体こう理解されているわけでありまして、温和に、円満に生きているつもりであります。 大切なことは、国民に誤解を与えない、そういう資料をつくることではないか、こう考えております。
○玉木雄一郎君 金融庁の本来の大臣は内閣総理大臣なんですね。ですから、総理、報告書があるので、これをお渡ししますから、読んでください。お忙しいと思うので全部附箋をつけてきましたから、これをぜひ読んでいただければと思います。真っ当なことが書かれてありますよ。 私は、今回、麻生さんが受け取らないと言ったのは、これはまずいです、我が国の行政のガバナンスとして。専門家の方も、そしてそれを事務局として取りまとめた金融庁の役人の方も、一生懸命まとめたと思いますよ。諮問したのは麻生大臣じゃないですか。頼んでおいて、出てきたら、受け取れないと。こんなことをやっていたら、やっていられないということになりますよ。ますます行政のガバナンスが衰えていくので、その意味でも、しっかり受け取ってください。 そして、まず総理に伺います。 百年安心、これはいろんな意味が込められて、与党、野党、政治家はこれを話しますけれども、基本的には、百年間制度が安定的に保たれるということです。積立金が百一年目に一年間の支払いが残っている、そのために少子高齢化に合わせて自動減額の仕組みを入れて、何とか百年間制度が維持されるよう、こういう仕組みであります。 総理は、年金制度の持続性は担保されていると国会でも何度も答弁をされましたが、その根拠がよくわかりません。総理、何をもってそれを言っているのか。五年前の財政検証がもしその理由であるとしたら、それは崩れていると思います。 総理、まず伺います。 新しい財政検証をなぜ速やかに出さないのか。これが出てこない限りは、今の最新の年金制度の安心が保たれているかどうかは判断できません。それとも、総理はこっそり、我々は見ていないんだけれども、それを見た上で、どうやら百年もちそうだということで答弁されているのか、総理自身もまだ見ていないのか、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、先ほどの枝野さんも、ちょっと誤解されたかもしれませんが……(発言する者あり)いや、済みません、これは党首討論でありますから、やはり討論なんですね。討論でありますから、私が質問に答えるだけではなくて、私も反論もさせていただきたいということであります。(発言する者あり)
○会長(佐藤勉君) お静かにお願いします。静かにしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それと、まず、この報告書については、私ももう既に、これを私もいただいておりまして読んでおりますから。私自身は読んでおりますから、わざわざ附箋を入れていただきましたが、これはもう結構です。 そこで、百年安心ということについては、これは平成十六年の改正において行ったわけであります。私は当時、幹事長でございましたが、この際、マクロ経済スライドを導入する上において、その前から議論が始まっておりまして、その前は社会部会長を務めておったこともございますので、この議論には参加をしておりました。 その結果、どういうことが決まったかといえば、マクロ経済スライドを導入することに……(発言する者あり)まあ、ちょっと短くしますが、これは大切なことなので、お答えをさせていただきたい。 国民の皆様に御説明をしなければいけないと思いますが、まさにマクロ経済スライドというのは、将来の平均寿命の延伸あるいは被保険者の増減等を入れて、物価の上昇あるいは賃金の上昇にはついていけないけれども、これはマイナスに残念ながらなっていくわけでありますが、このマイナスをすることによって、いわば持続可能性を担保する、将来の年金受給者の受給額をなるべく確保していくという仕組みを導入したわけでございます。 しかし、デフレ下におきましては、このマクロ経済スライドは……(発言する者あり)今申し上げますから。マクロ経済スライドは発動されなかったのでございますが、安倍政権になって、消費税が引き上がったときに一回、そして、今度初めてしっかりと、賃金スライドが〇・六だったんですが、このマクロ経済スライドのマイナス二と、そして今までのキャリーオーバー分の三を引いてもマイナス一でありまして、これが初めて発動され、プラスになりましたから、いわばより持続可能性が担保されたということでありました。(発言する者あり) これは、皆さん、討論でありますから、こちらの考え方も述べさせてください。年金の持続可能性について申し上げているわけであります。 そして、そこで……(発言する者あり)済みません、ちょっと座ったままで。私、今、お答えをさせていただいておりますから。まず大切なことを申し上げているわけでありまして。 そして、その上で、財政再検証につきましては、これは五年に一度行います、五年に一度行う。この五年に一度行う財政の再検証については、これは、平均寿命とか出生率、そして支え手の増減もあります。 そして、今度の財政再検証については、在職老齢年金の見直しのオプションについても入れるわけであります。このオプションがどうなるかということも含めて議論をしていくということ、今、厚労大臣がそのように答弁をしているというふうに私は承知をしています。私自身はこれはまだ、もちろん、財政検証をしている最中でありますから、その報告は受けてはおりません。 そして、じゃ、いつ出すかということにつきましては、政治の状況とかかわらず、しっかりと専門家が出てきて数理計算をしていく上においての大切な検証でございますから、それを政治とはかかわらず、政局とはかかわらず、しっかりとこれは検証していただき、報告をしてもらいたい、このように考えております。
○玉木雄一郎君 簡潔に、総理、お願いします。いい議論がしたいので。 私が申し上げているのは、実は、五年前の財政検証はもう崩れています。八つのパターンがあるうちで、半分の四つは、もしそれがちゃんと働いていたら、平成二十九年、三十年そしてことしで、厚生年金の調整は終わっているんです、これ以上減額しなくていいんです。でも、もっと減額をしていかなければいけない、実質的にマクロ経済スライドを適用していかなければいけないということは、五年前の前提が崩れているんです。 それと、もう一つ言います。 実は、新しい財政検証は出てきていませんけれども、その新しい財政検証の前提となる経済前提は三月に発表されているんです。御存じですか。それを見ると、五年前の経済前提がいかに楽観的で、全部外れまくっていることが、もう既に発表されている新しい財政検証の経済前提で明らかになっています。 幾つか言いましょう。 前の財政検証のときのHまでやった八つのケースで最悪のケースの実質賃金の伸びは〇・七%でセットされていました。今回出てくるのは〇・四です、最悪のケースは。ただ、安倍政権の過去六年間の実質賃金の平均値はマイナス〇・六です。その最悪のケースにも足りていません。 私が何度も予算委員会でも出した、いわゆるトータル・ファクター・プロダクティビティーという、一番最初の、経済の成長の前提となる全要素生産性、これは五年前には〇・五あったんですよ、最悪のケースですよ。今回、三月に発表された新しい財政検証の前提は、最悪のケースは〇・三にまでなっています。では、二〇一七年のこの生産性の実質値は幾らかというと、〇・三です。 そして、申し上げたいのはここからです。前回、五年前の財政検証の最低のケース、実はこれは一番今の経済実態に近いと思いますよ。そのケースだと何が起こるかというと、あと十七年で早くも所得代替率五〇%に達して、更に財政の均衡を達成しようと思ったら、更にそこからめり込んでやっていって、何と、百年どころか、三十六年後に積立金が枯渇するということになっているんです。ですから、全然百年安心じゃないじゃないですか。 さらに、五年前の経済前提よりも、この三月に、もうすぐ出てくるであろう財政検証の経済前提は更に悪いんですよ。であれば、百年間の年金財政の安心なんて、誰も今確たることを言えない状況じゃないんですか。それなのに、総理が、百年安心だ安心だ、制度の安心だと言っているのは、そんなの何の確証もないですよ。 それで、今回の報告書の問題ですよ。やっと出てきたのに受け取らない、なきものにする。都合の悪いことを隠蔽したり、隠したり、受け取らない、なきものにする、こういう政権の態度が国民の皆さんに不安を与えて、そして、将来が不安だからもっとためなきゃいけないのかなと。消費が喚起されるどころか萎縮しているじゃないですか。安倍政権のこうした隠蔽体質が、アベノミクス成功の一番の阻害要因になっているんじゃないですか。 今、総理がやるべきなのは、そういった真実を、仮にそれが不都合であっても、真実をしっかり出して、国民に、どういう年金の姿になっているのか、将来それぞれどうなるのかということを正直に語る政治を実現することじゃないんですか、総理。今のままでは、数字も信じられない、そしてその数字を扱っている政府を信じられない。これでは国民の皆さんの将来不安は消えませんよ。 今、私たち政治家がやるべきなのは、そういった真実に向き合いながら、不都合であっても真実に向き合って、誠実な政治を国民の皆さんに見せていくことではないですか。選挙が近いからといって、情報を出さなかったり、隠したり、時には改ざんしたり、こんなことでは行政への信頼は得られませんし、何より年金制度の信頼は得られないと思いますよ。 これは極めて本質的な議論をしているんです、総理。いや、私もしゃべらせてください。総理、たくさんしゃべっていましたからね。 私たちが今大事だと思うのは、家計をしっかりと重視する経済政策に変えていくことだと思いますよ。これから米中の貿易戦争も厳しくなりますから、ある種、外需に頼れない経済になっていく。そんな中で、しっかりと内需、とりわけ消費、家計を下支えする経済政策が今こそ必要だと思います。 私たちは、国民民主党としても、家計第一の経済政策、これをしっかり掲げて、子育てやあるいは家賃補助……
○会長(佐藤勉君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
○玉木雄一郎君 こういったことにもきめ細かく対応していきたいと思いますので、国民の皆さんの不安に応える、そんな政治を進めていくことをお誓い申し上げ、私の討論を終わりたいと思います。
○会長(佐藤勉君) これにて玉木君の発言は終了いたしました。 次に、志位和夫君。(拍手)
○志位和夫君 冒頭、昨夜の地震で被災された皆様に心からのお見舞いを申し上げるとともに、二次災害等、被害の拡大防止に万全を尽くすことを政府に求めます。 金融庁が、夫婦の老後資金として公的年金以外に三十年で二千万円が必要との報告書を公表したことが、年金への不安を広げております。年金への不安は、これにとどまるものではありません。マクロ経済スライドによる給付水準の引下げという大問題があります。 直近の公的年金の財政見通しによれば、マクロ経済スライドは、現在四十一歳の人が六十五歳で年金を受け取れるようになるまで続き、これによって、受け取れる年金の水準は、平均的な高齢夫婦世帯で月額四万三千円、三十年間で約一千六百万円も減らされます。 先日の参院決算委員会で、我が党の小池晃議員がマクロ経済スライドはやめるべきだと求めたのに対し、総理は、年金は給付と負担のバランスで成り立っている、やめてしまうというのは無責任でばかげた政策と言いました。 しかし、今でさえ老後の生活を支えられない貧しい年金を、マクロ経済スライドを続けて更に貧しい年金にしてしまうことこそ、私は無責任でばかげた政策と言わなければなりません。 マクロ経済スライドを中止しても、給付と負担のバランスをとる手だては幾つもあります。私は、その手だての一つとして、高額所得者優遇の保険料のあり方を正すことを、きょうは具体的に提案いたします。 今の年金保険料は、月収六十二万円、ボーナスを含め年収で約一千万円を超えますと、保険料負担がふえない仕組みになっています。年収が約一千万円の上限額を超えますと、二千万円の人も一億円の人も、みんな保険料は同じ、年間九十五万五千円です。 そこで、提案でありますが、約一千万円のこの上限額を、健康保険と同じ約二千万円まで引き上げる。そのことによって、約一・六兆円の保険料収入がふえます。その際、アメリカでやっているように、高額所得者の年金給付の伸びを抑制する仕組みを入れる。そうすれば、それによる給付増分を差し引いても、毎年約一兆円の保険料収入をふやすことができます。この一兆円を、マクロ経済スライドをやめ、減らない年金にする財源に充てる、これが私たちの提案であります。 総理に端的に伺います。 年収一千万円を超えますと保険料がふえなくなる高額所得者優遇の保険料のあり方、これは正すべきではないですか。端的にお答えください、正すかどうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この議論で大変残念なのは、先ほどの党首の議論で、年金のいわば積立金が枯渇するというときに拍手が起こったことであります。 私は、そういう議論はすべきではないですし……(発言する者あり)
○会長(佐藤勉君) お静かにお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) テレビを見ている方々がおられますから……(発言する者あり)
○会長(佐藤勉君) 静かにしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大切なことも述べなければいけないわけでありまして、基礎年金の運用については、四十四兆円プラスになっているということははっきりと申し上げておきたいと思います。 マクロ経済スライドについての御質問でございますが、マクロ経済スライドについても、先ほど来お話をさせていただいておりますように、これは平均寿命が延びていきますから、給付はふえていく。そして、生産年齢人口がふえていきますから、当然、これは被保険者は減っていく、その分を調整していく。そうしたファクターを調整していく数字によって、将来の受給者の所得代替率を五割を確保していくというものでありまして、それが今発動されて、しかも、それが〇・九から〇・二になったということは、まさに改善したということを申し上げているわけでありまして、先ほどさんざん毀損されましたから、そのことをはっきりと申し上げておきたいと思います。 その上において、共産党の主張は、マクロ経済スライドを廃止して、その上で、なおかつ将来の受給者の給付が減らないようにする上においては、これは七兆円の財源が必要でございます。皆さんはその財源がある、こうおっしゃっています。七兆円というのは巨大な財源であります。巨大な財源があるというのは、これはかつて聞いたことがあるような話でございますが、それはそう簡単には出てこないわけでございます。 いずれにいたしましても、私たちは、今の形で、マクロ経済スライドの形において、それを発動させていくことによって今の受給者と将来の受給者のバランスを図っていく、あるいは将来の給付と負担のバランスを図っていきたい、こう考えておりますが、今、志位委員がおっしゃった御提案については、これはまずはちゃんと検証しなければ、その数字は明らかでないわけでありますし、一兆数千億円で賄えるものではなくて、七兆円という、全く枠が違うわけでありますから。 いずれにいたしましても、マクロ経済スライドをやめてしまうという考え方は、もう一度申し上げますが、これはばかげた案だと思います。
○会長(佐藤勉君) 時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
○志位和夫君 私は、減らない年金にするための具体的提案をやった。それに対するお答えは一切ありません。七兆円というのは、私たちの暮らしを応援する政策のパッケージでやる財源の問題なんです。この問題……
○会長(佐藤勉君) 時間が参っておりますので、終わりにしてください。
○志位和夫君 マクロ経済スライドをやるということは、今の年金の水準を六割から五割に、現役世代との所得代替率を減らすわけでしょう。これは減っていくんですよ。
○会長(佐藤勉君) 時間です。
○志位和夫君 私は、今政治に求められているのは、貧しい年金の現実を直視して、安心の年金に変えるための責任を果たすことだ、報告書を隠蔽することじゃないということを申し上げて、終わります。
○会長(佐藤勉君) これにて志位君の発言は終了いたしました。 次に、片山虎之助君。(拍手)
○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助でございます。 まず、昨日の地震で被害を受けられました皆さんに、心からお見舞いを申し上げます。 総理、ほかの党首の人がずっと、言いたくても言えないのか言いたくないのか、国会も間もなく終わりますね、解散をこの国会ではされるんですか、されないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変重要な質問でございますが、解散という言葉は私の頭の片隅にはございません。
○片山虎之助君 それでは、野党から内閣不信任案や総理の問責決議案が出たときはどうされますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 片隅にはありませんし、片隅にもないと言った方がいいのかもしれませんが、まずは、きょうのこの党首討論におきましてもしっかりと御議論をさせていただきたい、このように考えておりますし、この後、どのように展開していくかということは、私も、これは国会の皆様にお任せをしておりますので、予測することはできないわけでございますが、重ねて申し上げますと、頭の片隅にもないということでございます。
○片山虎之助君 解散と為替はうそを言ってもいいということになっているんですね。どうも、片隅にはあるんでしょう、片隅には。まあ、わかりました。 それでは、あと、総理も、再来年の九月末ですよね、総裁の任期が、三選なら。四選なら知りませんがね。それから、衆議院の任期が、恐らくこれも再来年の十月の二十一日だそうです。(発言する者あり)再来年のね。そうすると、いずれにせよ、この二年数カ月のうちに解散をされるわけでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 衆議院の任期は再来年の十月まであるわけでございますので、任期いっぱいということにもなるでしょうし、私の任期は九月まででございますから、私自身が解散する可能性というのは九月までということになるんだろうと。その後は、その次の方は、あと残りの一カ月の中で判断をされるんだろう、こう考えておりますから、いずれにいたしましても、私は、まずは総理大臣としての責任を果たしていくことに全力を尽くしていきたい、このように考えております。
○片山虎之助君 いろいろ、年金のことも私なりに質問しようと思ったんですが、例の金融庁のワーキングチームですか、ワーキング・グループがつくった報告書を、受け取らないというのが私はよくわからない。受け取らない、諮問をしておいて受け取らない、つくらせておいて受け取らない。受け取ったらいいじゃないですか。受け取ったら困るんですか。あるいは、中を直したらいい。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このワーキング・グループがつくった報告書につきましては、私も報告書を拝見させていただきましたが、議論において、いわばミスリードする議論になっている、こう思うわけでございます。 つまり、月々五万円なければ、年金生活者は直ちに五万円ずつの、月々五万円の赤字になっていくかのごとくの印象につながっているわけでございますが、これはまさに平均をとっているわけでございまして、前提条件、この前提条件については余り報道されていないのですが、二千五百万円という前提条件となっています、貯金がですね。多くの年金生活者の方々はそんなにない。じゃ、大変だということになるわけでありますが、これは平均でございますから、一割の方は五千万円以上の貯金があって、それが上に引っ張っている結果、こうなっているわけでありまして、庶民の方々にとっては、さらにこれは誤解があって、大変だということにつながっていくわけでありまして。つまり、年金生活者の皆さんの生活実態はさまざまでありまして、そのさまざまな実態の中で対応していくことが大切なんだろう、こう思っております。 そこで、では、なぜ麻生副総理が受け取らなかったのかということにおいては、いわば政策としてそれを取り入れる、つまり、預金だけでは足りないのでそれをもっと運用した方がいいということではなくて、いわば年金というものの持続可能性については先ほど来御説明をしているとおりでございますし、再検証をする上において、これは政治とは無関係に再検証させていただき、しっかりと数理計算をした上においてちゃんとお示しをさせていただくことになるんだろう、こう思うわけでございますが、受け取らなかったというのはそういうことでございます。 繰り返しになりますが、我々としては、年金につきましては、この六年間で三百八十万人新たな雇用が生まれ、そして保険料収入がふえた結果、先ほど悪くなったかのごとくの議論がございましたが、マクロ経済スライドにおいては、平均寿命が延びていくにもかかわらず、保険料収入が伸びていくことによって、〇・九から〇・二になり、その結果、〇・一プラスに事実上初めて改定されたということでございます。
○会長(佐藤勉君) 片山虎之助君、時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。
○片山虎之助君 受け取らなくても、公文書ですから十年はこれは残るんですよ。それが国立公文書館に行くんです。同じなんですよね。非常に評判がよろしくないので。麻生副総理、申しわけないんだけれども。 メディアの調査なんかを見ると、七割以上が納得できないなんです。頼んでおいて、答申したものが気に入らないからといって受け取らないということは、私はやめた方がいいと思いますよ。
○会長(佐藤勉君) 時間が参っております。簡潔にお願いいたします。
○片山虎之助君 それから、もう時間がありませんから申し上げますが、年金について、野党も批判するだけじゃだめなんですよ。具体の提案をしないと。具体の提案、論議をしないと、それはだめなんですよ。我々は検討していますから。みんなで議論すべきだ、こういうふうに思います。 それを申し上げて、終わります。
○会長(佐藤勉君) これにて片山君の発言は終了いたしました。 以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたしました。 これにて散会いたします。 午後三時四十九分散会