予算委員会 第13号
- 発言数
- 346 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/03/25
会議録
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成三十一年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長上田良一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成三十一年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は二百九十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声三十分、立憲民主党・民友会・希望の会五十五分、国民民主党・新緑風会六十四分、公明党四十三分、日本維新の会・希望の党四十四分、日本共産党四十四分、無所属クラブ十四分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成三十一年度一般会計予算、平成三十一年度特別会計予算、平成三十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。上月良祐君。
○上月良祐君 おはようございます。茨城県選出、自由民主党・国民の声の上月良祐でございます。本日、質問の機会をいただきましたことを心から感謝を申し上げたいと思います。 質問に先立ちまして、私が胸に付けておりますのは子供虐待防止のシンボルマーク、オレンジリボンであります。痛ましい事件が二度と繰り返されないよう、もしかして虐待かもというふうに思ったときには、児童相談所全国共通ダイヤル一八九、いちはやくにためらわずに電話していただきたいと思います。 今回の集中テーマは安倍内閣の基本姿勢でございます。それでは、私は地域経済の活性化につきまして質問に入らせていただきたいと思います。 まず初めに、安倍総理に現状認識についてお伺いをいたしたいと思います。 様々なデータがある中で、安倍総理は地域経済の現状をどのように御覧になっておられますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 元気な地方なくして日本の再生なし、その決意の下、安倍内閣はアベノミクスの三本の矢の政策や地方創生の取組に全力を挙げて取り組んできました。その結果、日銀の短観の地域別の景況感では、二〇〇〇年代の景気回復期に通じてプラスであったのが関東地方と東海地方のみであったのに対しまして、今回の景気回復では、この五年間にわたって北海道から九州、沖縄まで、全国九地域全てでプラスで推移をしております。 また、地方の雇用を支える中小企業の倒産件数は政権交代前から三割減少し、有効求人倍率は史上初めて四十七全ての都道府県で一倍を超えました。 委員御地元の茨城県では、有効求人倍率は、就業地別で見ると、直近で六年前の倍を超えております一・八一倍に達しています。さらに、来年度の地方税収は過去最高でありまして、法人関係税収は政権交代前と比べてほとんどの県で四割、五割増加をしておりまして、茨城県では四五%伸びていますなど、全国津々浦々で景気回復の新しい風が、温かい風が届いております。 実感については、様々な世論調査がある中で、平成三十年度の内閣府の調査によれば、現在の生活に満足と回答した者の割合は七四・七%と過去最高となり、多くの方々に景気回復の実感をいただいているものと思いますが、ただ、実感できないという方がたくさんいらっしゃることも我々も承知をしております。 例えば、直近の景気ウオッチャー調査においても、上月議員の地元の茨城県を含む北関東地域では、生活防衛の中、生活防衛なのか、単価上昇が期待できず、来客数も横ばい傾向や、タクシーを利用する客が少なくなっている、朝は多少動くが、午後から夜、深夜の利用客が減っているといった声が寄せられています。 こうした現場の声に耳を傾けて、国民一人一人の皆様に景気回復の実感が届くように全力を尽くしていきたいと思います。
○上月良祐君 ありがとうございます。 総理の御認識は正確な御認識だと思います。 パネル一を御覧ください。(資料提示)まさに総理がおっしゃっていたように、リーマンの前、左端の青い点線のところは中央値の上下に各地がばらついておりましたが、直近のところ、赤い右端の点線の丸のところを御覧いただきますと、中央値よりも、ゼロよりも全地域が上に上がっているということで、大変そういう意味では良くなっている、まあ企業データでありますが、そういう状況ではあります。 今総理からもお話がありましたが、パネル二を御覧いただきますと、これは景気ウオッチャー調査です。これは体感の景気を見る大変重要な政府の調査だと私は思っておりますが、ただ、パネル二は、ちょっと真ん中辺に西日本豪雨であるとか北海道の地震がありますので、ちょっとデータが、何というんでしょうか、安定していない感じもいたします。 なので、パネルの三を御覧いただきたいと思います。その更に一年前の状況であります。その前一年間の状況でありますが、かなり沖縄、東京辺りは非常に好調である反面、まあ少し、北関東もこの後は良くなっているんですけれども、ばらつきがあります。何より一番違うのは、日銀短観と中央値が違うんですね。日銀短観では中央値の全部上にあるけれども、景気ウオッチャー調査では中央値を挟んでばらついているんです。これは、企業を見ているか、個人の消費動向を見ているかというようなことで違いがあるんだと思います。 私も全国津々浦々まで景気の温かい風を運んでいく必要があると思っております。そして、それは与党の一員である私の仕事であるというふうにも思っております。なので、以下、自分なりに歩いて感じた何点かにつきまして意見交換させていただきたいというふうに思います。 まず、インバウンドです。 観光消費額見まして、地域経済の活性化にインバウンドというのは大変大きな効果があるんですね。特に今増えていますから、純増なので、大変大きな効果があるんですが、地域にはかなり偏りがあるんです。パネル四を見ていただくと、五年前のオレンジ色と比べて大変伸びています。しかし、かなり差があるんですね。 国際クルーズ船の寄港回数も、上位十港を見ると、七港は九州であったり沖縄であったりします。そして、もっと言えば、九港は西なんですね。北海道や東京を除いたら、かなり西高東低の感じがございます。是非ともこれは全国に均てん化していく必要があると思うんですけれども、東の方も是非意識して誘導していっていただきたいんですが、石井国交大臣に御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 観光は成長戦略の柱、地方創生の切り札であります。昨年の訪日外国人旅行者数は三千百十九万人と過去最高を記録をいたしました。こうしたインバウンドの効果を全国に波及させるためには、幅広い国や地域からの訪日外国人旅行者を確実に増加をさせ、地方誘客を進めていくことが重要と考えております。 委員の御地元、まあ私にとっても地元でありますが、茨城県におきましても、例えば、一面のネモフィラが美しいひたち海浜公園、日本三大名園の一つである偕楽園、関東平野を一望できる筑波山、日本三名瀑の一つ、袋田の滝等、多くの観光資源がございます。このような観光資源について、訪日外国人旅行者が楽しめるように観光コンテンツの磨き上げや受入れ環境整備等が進められており、全国各地でこうした取組を推進していく必要があります。 国土交通省といたしましても、明日の日本を支える観光ビジョンに基づきまして、国際観光旅客税の税収も活用しながら、全国どこでもストレスなく快適に観光できるよう、観光地や交通機関における受入れ環境の整備、体験型観光コンテンツの充実等による体験滞在の満足度向上などの地域の取組を支援するなど、訪日外国人旅行者の地方誘客に引き続き全力で取り組んでまいります。
○上月良祐君 ありがとうございます。 実際に訪れること以上の復興支援はないんだと私は思っておりまして、その観点からも東日本を意識していただくということは大変重要だと思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 ただ、何でも国にやってくれということではなくて、自治体も関係の事業者の方々にも頑張っていただかないといけないと思うんですが、その点、日本遺産という取組がございます。認知度がまだまだ十分ではない面もありますけれども、とても大切な取組で、ポータルサイトも大変魅力的ではありました。 茨城県でも一件登録をされているんですが、永岡副大臣、おいでになっていますが、この日本遺産の取組、お聞きしたいと思います。
○副大臣(永岡桂子君) 御質問ありがとうございます。 日本遺産は、地域の文化、伝統を語るストーリーを認定するものでございます。これまでに全国で六十七件を認定をしております。先生の御地元の茨城県でも近世日本の教育遺産群が認定をされておりますが、今後も各自治体から積極的な御提案をいただきながら、二〇二〇年まで、来年まででございますが、百件程度の認定を目指していきたいと考えております。 また、日本遺産は観光に大きく貢献するものでございます。文部科学省といたしましては、日本遺産の観光資源としての更なる磨き上げ、それから国内外への戦略的な発信によりまして、地域の活性化や観光振興の促進に努めてまいります。
○上月良祐君 ありがとうございます。 私、地域振興には、地方経済の活性化には外の力をしっかり使うことが大変重要だと思っておりまして、一つはインバウンドだと思っております。そして、もう一つは売りに行くことだと思っておりまして、農産物輸出について、これは今全国的に大きく伸びつつありまして、しかも全国各地にチャンスがあるということであります。そういう意味で、今、党の輸出委員会でも、そこにいらっしゃいます二之湯武史先生に引っ張ってもらいながら、事務局長として働かせていただいております。 吉川大臣、お聞きしたいと思いますけれども、改めて、なぜ農産物輸出を今していかないといけないんでしょうか。農産物輸出の黎明期であります今、私は何よりも稼げる輸出ということの重要性を再認識する必要があるというふうに思っております。一兆円目標、これ、売上げであります。その中でどれぐらい利益があったんだろうか。稼ぐ仕組みがしっかりできないと、次の目標を作っても更なる伸びにはなかなかつながっていかないんだというふうに思います。 国内で余ったから売りたいなんていって売れるものではもちろんないですので、どこの国の誰に対してどこで何をどんなふうに売るのか、青果物か加工品か、アジアなのかヨーロッパなのかアメリカなのか、富裕層なのかミドル層なのか、いろいろ違いがあるというふうに思っております。産地側、作る側から見がちですけれども、産地側からではなくて、マーケットインでこれまで以上に海外に対してやっていかなければいけないと思います。 農家が稼げる輸出にしていくことの重要性と、その重要性をどのようにして自治体の現場であるとか農業関係者に伝えて理解を深めてもらうのか、その点につきまして大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 上月先生におかれましては、党内において輸出対策に大変なお力添えいただいておりますことに、まずもって感謝を申し上げたいと思います。 少子化あるいは高齢化に伴って国内市場の縮小が見込まれる中で、生産者の所得向上ですとか、あるいは新規就業者の増加による農林水産業の活性化に向けて、輸出により拡大する世界の食市場をつかむことが最も私は必要だと考えております。その際、単なる価格競争ではなくて、日本の農林水産物のおいしさですとか、あるいは品質の高さをアピールしながら、御指摘のとおり稼げる輸出にすることが最も重要であろうかと存じております。 稼げる輸出の成功例を見ますと、輸出商社と連携をして、輸出に必要な書類作成やあるいは現地の顧客対応などをもううまく役割分担もしている例が少なくないわけでございまして、こうしたノウハウが輸出成功の鍵と考えられます。 農林水産省といたしましては、昨年立ち上げました農林水産物・食品輸出プロジェクト、GFPと呼んでおりますけれども、に参加する生産者ですとか自治体に対しまして成功事例を伝えますとともに、輸出商社とのマッチングなどを通じまして、持続的な輸出を実現できるように今後もしっかりと支援してまいりたいと存じます。
○上月良祐君 ありがとうございます。 例えば、逆の目線で見て、どこかの国のどこかの州のトップが、例えば年一回だけやってきて、二、三日のイベントをやるということをやっても商流にはならないですね。人を張って、PRに継続的にお金を掛けて、現地の方々との信頼関係をつくってビジネスにしていかなきゃいけない。 地元のメーカー、酒造メーカーでも、もうオーストラリアに八、九年親族が住み込んで販路を拡大していたり、あるいは海外のコンテストで優勝した後、ビールを、欧米のまねじゃなくて日本らしいビールを造るということでアメリカを中心に大きく伸ばしているような会社もあります。それぞれに大変苦労して、時間とお金もコストも掛けて一生懸命やっていらっしゃいます。 一兆円という目標は通過点だと思います。そういう意味では、それが達成できたかどうかも重要ですけれども、それ以上に課題が何なのかを把握して、次に向かって体制をつくっていく、それが大変重要だと思いますので、是非とも大臣には引き続き頑張っていただきたいと思っております。 それから、外の力じゃなくて、内なる力についてちょっと何点かお聞きしたいと思います。 一つ目は、建設業の関係なんです。石井大臣にお聞きしたいと思います。 建設業の関係というと、しっかり予算を確保するということがよく言われます。これは大変重要なんです。大変重要なんですけれども、マクロの予算を確保する以上に地域経済にとって重要なのは、ミクロの発注なんです。予算があったって赤字で取らなきゃいけないような発注では全く意味がない、地域経済には意味がないんです。発注の重要性というのはなかなか分かっている人いなくて、品確法の改正もあって、予定価格であるとか適正工期の問題であるとか、公共関係では少しずつ取組が前進しているようではあります。 しかし、人手不足の中で、現場を回ると結構悲痛な声聞こえてくるんです。この工期でどうやって週休二日取らせられるんだとか、この受注額でどうやって社会保険加入できるんだというような声が下請の皆さんから聞こえてきます。きちんとした工期で適正な額で発注をされなければ、週休二日も社会保険も、そして一番何より大切な安全の問題も確保も絶対にこれできないんです。若年入職者も結果的に確保できることにもなりません。 私は、そもそも法定福利費とかを競争対象にすべきなのかというふうに強く思っております。それは別枠で取っておいて、それで入札するなりして別枠で加算してあげなければ、重層下請に行く過程でどうしても額が確保しにくくなるのは、これは誰が見ても明らかなのかなと思います。 また、年度をまたぐ繰越しとかということにもしっかり対応していただきたいと思っておりまして、官だけではなくて民民も含めた適正な発注の在り方につきまして、石井国交大臣のお考え、お取組を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘のとおり、建設工事の品質の確保や担い手確保のため、民間工事も含めまして、工事の適正な発注を確保していくことが重要と認識をしております。 このため、国土交通省におきましては、必要な法定福利費を予定価格へ反映させるほか、建設業団体に対しましても、法定福利費の適切な確保を繰り返し要請するとともに、法定福利費を内訳明示した見積書の活用を促進をしております。また、建設業の適正な労働環境が確保できるよう、週休二日などを考慮した適正な工期設定に取り組むとともに、工事の契約締結後に発生した事由により年度内のみでは適正な工期確保が難しい場合には、繰越制度や債務負担行為の適切な活用に努めておりまして、地方公共団体に対しましても総務省と連名で繰越制度等の活用を要請をしております。 さらに、本国会におきまして、働き方改革の促進と生産性向上を図るため、建設業法及び入札契約適正化法の改正案を提出しております。民間工事も含めた工期の適正な設定等について、更に取組を進めることとしております。 国土交通省としましては、引き続き現場の実態の把握に努めつつ、建設工事において適正な発注がされるよう取り組んでまいります。
○上月良祐君 ありがとうございます。 元々重層で、それから多職種が関わる業種であります。元請だけではなくて業界の隅々までよく目を配るべきだと思いますので、特にローカルには大変重要な点でありますので、是非ともしっかりお願いしたいと思います。また、役所の技術者の確保とかも是非お願いをいたしたいというふうに思っております。 続いて、下請たたきについて、たたきの防止というかについて経産大臣にお聞きをいたしたいと思います。 全国的に見ると、ほとんどが中小・小規模な企業でございます。茨城でも、従業員数で見ても九割近くが中小・小規模の従業員でございます。この中小企業の様々な対策に世耕大臣が物すごく力を入れていただいていることは、本当心から感謝を申し上げたいというふうに思います。 ただ、それでもまだまだ下請に厳しい事案がたくさんあることも事実でして、私も現場で、どうしてこれが助けられないのかというような事案に出くわしました。経産省と、中企庁とも随分議論したんですが、法律知識が少ない一般の方には大変酷な原因がちょっとありまして、これは仕方なかった面はあるんですが、専門の弁護士さんにお聞きしますと、世の中には大変こういう事案が多いんだということでございました。 地域には下請が大変多くて、例えばもの補助なんか使って技術磨いて下請から脱却する、そういったことを促していくことも大変重要だと思います。しかし、やっぱり下請たたきを撲滅しないとローカルの景気、経済というのは上がっていかないというのが実態だと思います。 大変数も業種も多くて簡単に全体の実情はつかみ切れないと思いますし、一足飛びに一気にというわけにいかないかもしれませんが、津々浦々の本当に重要な点だと思っておりますので、きめ細かく積極的に下請たたきの根絶に向けて対応していただきたいし、自治体との連携や情報共有も是非やっていただきたいと思うんですが、世耕大臣にお伺いします。
○国務大臣(世耕弘成君) まさにアベノミクスの果実を地方の中小・小規模事業者に回すためには、やはり下請取引の適正化を図らなければいけないということ、これ私は、官房副長官時代から心血を注いできたテーマでもあります。 また、経産大臣になってからは、未来志向型の取引慣行に向けてという、世耕プランと呼んでいますけれども、プランを出しまして、関係法の運用強化ですとか、あるいは手形のルール、これ五十年変えていなかったんですけど、これを改定するというようなこともやりました。また、過去、経産大臣が足を運んだことがないような業界団体にも私が直接出向いて、下請取引の適正化をサプライチェーン全体でやってほしいということをお願いして、三十二の業界団体で自主行動計画を策定いただいたりしています。 ただ、おっしゃるように、まだ全然、完全に改善したとはいきません。部分的にうまくいっていることはあります。例えば、一方的なコストカットみたいなのは大分減りました。あるいは、手形取引も大分減って、現金での振り込みというのが広がってきております。一方で、金型管理のコスト負担を一切大企業がしていないとか、まだ商慣習に根差した悪い事例というのもたくさんあると思っていまして、これはしつこく続けていくしかないと思っています。 我々も、下請中小企業振興法の振興基準というのを去年の年末見直しました。また、自主行動計画を策定していただいているところも更にバージョンアップをしていただきたいと思いますし、策定する業界ももっと広げていきたいというふうに思います。 あと、地域の声を聞くのがすごく重要で、今、上月議員が指摘していただいたような事例、我々ちゃんと対応をしていますし、今下請Gメンというのを全国を回らせて事例の把握に努めていますし、また地域の中小企業の実態に精通した自治体との連携も重要でありまして、経産省と和歌山県は今、中小企業、下請取引改善の連携協定というのを結んでいまして、県からの情報提供をしっかり受ける、我々もヒアリングをした結果をしっかり県と共有をする、またセミナーとかシンポジウムを開くという連携もやっております。 そういった結果もあって、だんだん大企業も責任を持って下請取引改善しなきゃいけない、下請の中小企業も言うべきことは言っても構わないという空気ができてきているということは極めて重要だと思っております。
○上月良祐君 ありがとうございます。和歌山だけじゃなくて、茨城でも是非お願いをしたいと思います。 中小企業行政というのは、経産行政の中で華やかではないかもしれないけど大変重要なところだと私は思っております。うまくいっていないところもちゃんと示してくださっているのは大変重要な一歩だというふうに思っております。私は是非、そういう報告も大臣にしにくいと思うんですけど、是非聞いていただいて、ここはまだうまくいっていないけどこうやりたいというようなことをしっかり聞いていただいて、現場をちゃんと歩いて実情をよく分かっている、そういう職員は目立たなくても大切にしていただきたいというふうに思います。大臣の熱意が本省から出先までしっかり伝わるようにお願いをいたしたいと思います。 続いて、地方公共団体の基金の在り方につきまして、石田大臣にお聞きしたいと思います。 近年、都道府県や市町村の基金残高、増加していまして、ちょっと僕、懸念しています。小さな自治体は災害に備えるということもあると思います。それから、全国的に三位一体の改革のトラウマがまだあるんだというふうに思います。しようがない面があると思いますけれども、例えば印刷や清掃や植栽や、そういった事例で最低制限価格すら設けずに入札をしたり、赤字覚悟でないと、先ほどもありましたが、落札できないような発注をして、それが結果的に基金の増加につながっても私何の意味もないんだと思っているんです、地域経済のためには。 なので、県レベルでもなかなか万全とはいっていないですから、市町村レベルになるとかなりばらつきがあるのかなと思っておりまして、是非とも、まずインフラの長寿命化とか、例えば生産性向上のためのインフラ整備、例えば観光をすごくやっているんだから渋滞しちゃったらインバウンドの人に申し訳ないし、次のまた需要につながりませんから、そういったところ、あるいは、やるときには入札の最低制限、ローアーリミットを入れる、そういったことをしっかりやっていただきたいと思います。 石田大臣、地域力強化プランも示されて地域活性化に大変力を入れていらっしゃいますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石田真敏君) お答えをさせていただきます。 地方公共団体の基金につきましては、御指摘のように災害など様々な将来への備えとして積み立てているものでありますが、同時に、御指摘のようにインフラの長寿命化、また現在でいいますと防災・減災、国土強靱化、この方に優先的に取り組むべき事業のために適時適切に活用していただきたい、そのように考えているところでございます。 また、公共施設の老朽化対策についても、各種の地方財政措置講じておりますので、地方公共団体におきましては、これらの地方財政措置の活用とともに、基金の適切な管理運営を図っていただきたいと考えています。 次に、地方公共団体の入札契約手続についてでありますけれども、これにつきましては最低制限価格制度あるいは低入札価格調査制度を活用いたしましてダンピング受注の排除を図りまして、御議論もありましたけれども、公共事業の円滑な施工を確保することは、品質の確保とともに地域の経済にとっても非常に重要であるというふうに認識いたしておりまして、総務省としても各地方公共団体において適切に制度を活用していただくよう、様々な機会を捉えまして周知徹底してまいりたいと考えております。 もう一点、地域力強化プランにつきましては、昨年十二月に総務省に設置をいたしました地域力強化戦略本部におきまして、ソサエティー五・〇時代の地方をキーワードといたしまして取りまとめたものでございます。 このプランに基づきまして、革新的技術の実装例などについて、自治体だけでなく地域の企業とか産業における事例を含めて全国の首長を始めとする地方の皆さんに総務大臣メールとしてこれまでに二回送付をさせていただいて、情報の共有を図っているところでございます。 これらを基にしまして、ソサエティー五・〇を支える技術革新の着実な進展の果実を地方で取り入れていただいて、さらには、今、若い人たちの意識の変化で、生活環境を変えたいと、こういう若者の意識の変化を捉えて地方移住につなげていく、こういう取組を合わせ技ですることによって、地方のチャンスとして持続可能な地域社会づくり、これの構築をしっかり目指していく時代だと思っておりますので、しっかりした取組を進めてまいりたいと思っております。
○上月良祐君 ありがとうございます。是非、地域経済をもう少し意識していただけるように是非お願いをしたいと思います。 時間がないので、麻生大臣には御要望を申し上げたいと思います、金融担当大臣としてですね。 私は、地銀力という言葉はまあないんですけど、地銀の力を、やはり地域経済活性化に大変重要だと思っています。経営指標は結構比較されているんですけど、利ざや低下で大変厳しくなっていることもよく分かっておりますが、地域のために、例えば経営者保証なしでどれぐらい貸しているかとか、どの業界にどんなふうに貸しているかというのは余り比較されていないんだと思うんです。それは大変重要な視点だと思いますので、今金融庁でもしっかり指導、深い指導をやっていくということでやっていただいているようですが、是非、地域経済意識して、うまく御指導いただけるように要望いたしたいと思います。 最後に、総理にもう一言、今までの議論聞きまして、御決意をお聞きしたいと思います。地域経済、地方創生、御決意をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政策を進めていく上においては、マクロの数字も大切なんですが、やっぱり国民の皆さんあるいは地域の皆さんの実感というのは細部に宿るんだなということを改めて、今質疑を聞いていて実感をさせていただいたところでございますが、先月も上月議員の強い熱気によって、梅の、水戸の梅大使の皆さんとお目にかかることになったわけでございますが、実は、上月議員の情熱もあってか、最も官邸を訪れる、そういう大使の皆さんの数が多いのは茨城県でございまして、水戸の梅のほかにも古河の桃や潮来のアヤメなど、すばらしい観光資源がたくさんあるなということを改めて感じております。そろそろ季節は終わるものの、ひたちなかの干し芋もありますが、鉾田のメロンも有名でございまして、こういうものをいろいろと持ってきていただきながら、発信のお手伝いもさせていただいておりますが、魅力発信にも協力をしていきたいと、こう思います。 大切なことは、地域の皆さんが実感するためにも、先ほど国交大臣との議論もお伺いをさせていただきました。下請の皆さん、あるいは工事を請け負う中での下請の皆さんの生活実感にも目配りしながら対応していくことが必要だなと、こう思っておりますし、また農家の皆さんの手取りが増えるような、そういう輸出に心掛けていきたいと、このように感じております。
○上月良祐君 ありがとうございました。 これからも、総務部長や副知事もやりましたけれども、現場をしっかり歩いて頑張っていきたいと思います。 今日はありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で上月良祐君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、有田芳生君の質疑を行います。有田芳生君。
○有田芳生君 立憲民主党沖縄県連代表として、沖縄の方々の積年の思いを背負いながら、辺野古新基地建設問題について、総理以下関係閣僚に質問をしたいというふうに思います。 大臣、まずお聞きをしたいんですけれども、県民投票が終わって、投票者の約七二%が辺野古に基地反対だと、そういう意思を表明された翌日に、引き続き土砂の投入が行われました。そして、今、私がここに立って辺野古問題を質問をしていきますけれども、今日も新たな場所で土砂を投入するというのは、それはもう進行しているんでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 今日については、気象条件等様々検討した結果、工事を進めさせていただきたいということで、沖縄県さんには届出をさせていただいたところでございます。まだ実際の工事は始まっておりませんけれども、届出をさせていただきました。
○有田芳生君 民意を全く無視するそういう横暴なことが、戦後の沖縄の歴史を見ても、沖縄県民の非暴力抵抗の精神をどんどんどんどん強めていっているんですよ。 そして、総理以下、お聞きをしますけれども、民意とは何か。総理も含めて、沖縄に寄り添うという言葉を何度も使われました。これは、日本国語大辞典という日本で一番詳しい辞典などなどを調べてみても、寄り添うというのは主体があるんですよ。例えば、安倍総理に寄り添うという、そういう表現をしたときには、安倍首相が主体なんですよ。だから、沖縄に寄り添うと言ったときには沖縄が主人公なんですよ。だけど、その主人公の民意を踏みにじっているのが安倍政権の現状であると言わざるを得ません。 したがって、防衛大臣にまずお聞きをしますけれども、二月二十六日の記者会見で、沖縄には沖縄の、国には国の民主主義があるという、そういう発言をされました。これは驚くべき発言ですけれども、民意を大事にするという民主主義は、沖縄であろうが本土であろうがどこであろうが一緒じゃないですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 御指摘の記者会見は、県民投票が終わった後に、民主主義というものが問われていると思いませんかという記者さんの質問に答えて申し上げたところでございます。 県民投票の結果については真摯にこれを受け止めなければいけないというふうに思っております。普天間基地の危険性を除去したいと、返還を成し遂げたいという思いにおいては、国も沖縄も共通の思い、共通の認識に立っているというふうに思います。県民投票というのも一つの地方の民主主義の姿であると思いますけれども、一方、国も民主的に選挙された国会議員によって内閣が構成されていて、そして政府は国の安全保障という大きな責任を果たしていかなければなりません。 そういう意味で、地方における民主主義も尊重されるべきものだし、また、国の民主主義も、営みも非常に大事であると、そういう意味で申し上げたところでございまして、私ども、やはり今の日本を取り巻く安全保障を考えますと、南西地域における抑止力を減退させるわけにはいかないと。したがって、是非、辺野古への移設を実現させていただいて、一方、普天間については必ず全面返還を成し遂げて沖縄の負担軽減につなげていきたいと、こう思っているところでございます。
○有田芳生君 普天間の移転という一九九六年十二月のSACO合意の前提は、朝鮮有事ですよ。それが変わりつつあるときに、やはり新しい局面においては新しい交渉をしなければいけないというふうに私は考えております。 更に大臣に伺いたい。 じゃ、それだけ民意を大事にするとおっしゃった防衛大臣は、辺野古の新基地建設現場、視察されたことはありますか。
○国務大臣(岩屋毅君) 直接まだ現場には行っておりませんが、日々報告を受けておりますし、時期を見て現場にも伺いたいというふうに思っております。
○有田芳生君 辺野古の問題、普天間の問題をアメリカ政府と交渉する立場にあられる河野太郎外務大臣、辺野古の新基地建設現場、視察されたことがありますか。
○国務大臣(河野太郎君) お答え申し上げる前に、この度、急性腎盂腎炎を患いまして、委員会に大変御迷惑をお掛けしたことをおわび申し上げたいと思います。今後は体調管理しっかり努め、御迷惑を掛けることがないように努力してまいりたいと思います。 工事が始まってからということはございませんが、工事が始まる前に、ここが予定地だというところに出かけたことはございます。
○有田芳生君 総理は、辺野古新基地建設現場、視察されたことはおありですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 建設状況等についての報告は受けておりますが、私自身が視察したことはございません。
○有田芳生君 やっぱりなるべく現場を見て、辺野古グリーンと言われるあの海の美しさなどを、そしてさらに、土砂投入が始まってどれだけ汚染されているかということもやはり目で見ていただきたいということはお願いをしておきます。 そして、いかに辺野古基地建設が自然環境を破壊しているかという問題に移りたいと思います。 パネルを。ジュゴンです。元気なときのジュゴンです。(資料提示) 絶滅危惧種、そして一九七二年に沖縄が本土に復帰したときに国の天然記念物になりました。非常に貴重な生物ですけれども、防衛省、このジュゴンをずっと調査をしてきたと聞いておりますけれども、いつからどんな目的で調査をされてきたんですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 普天間飛行場代替施設建設事業におきましては、事業実施前の平成十九年八月から現在に至るまで、航空機によるジュゴンの生息状況調査を継続して実施しております。 具体的には、平成十九年八月から平成二十一年六月にかけましては沖縄本島全域を対象といたしましてほぼ毎月調査を行い、その後は、沖縄島北部の西海岸から辺戸岬、沖縄島中部の東海岸側を対象として年四回調査しております。 また、工事着手後は、年四回の調査に加えまして、辺野古沖、大浦湾、嘉陽岬、古宇利島沖を対象といたしまして、おおむね週一回の頻度で調査を実施しております。 この調査は、工事の着手前は、沖縄本島におけるジュゴンの生息場所や移動範囲等の生息状況を把握し、工事の実施によるジュゴンに対する影響について予測及び評価を行いまして、適切な環境保全措置を検討することを目的としたものでございます。 また、工事着手後は、環境保全措置及び事後調査といたしまして、ジュゴンの工事海域への来遊、接近を監視すること、工事によってジュゴンの生息範囲に変化が見られないかを把握することを目的としているものでございます。
○有田芳生君 ジュゴンの生態上の特徴を一言で言えば何ですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) なかなか一言では申し上げるのは難しいことでございますけれども、今私ども、こうした観測を通じまして、沖縄におきましては、いわゆる個体A、B、Cの三個体のジュゴンの生息海域、それから主な活動海域等を把握しているというような状況でございます。
○有田芳生君 そんなことを今聞いているんじゃなくて、ジュゴンは、一言で言うならば、防衛省の報告書にも明らかなように、環境影響、特に水中音に敏感だというのは、そういう分析されているじゃないですか。ジュゴンは音に物すごく敏感なんですよ。だから、こうやって生き生きと泳いでいたジュゴンが二〇一四年の八月に海底ボーリング調査を始まってからいなくなっていったんですよ。 三頭という話を今されましたけれども、この間、残念なことに一頭が亡くなっているということが分かった。だけど、あとの二頭、今どうしているんですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 先ほど申し上げました調査によりまして、三頭のジュゴンの生息を確認してきたところでございますけれども、そのうち嘉陽沖が主な生息域であるジュゴン、個体Aでございますが、これは平成三十年九月十一日に確認されて以降、航空機による生息状況調査においては生息が確認されておらず、また十二月以降の嘉陽地先海域における海草藻場の利用状況調査におきましては、ジュゴンのはみ跡についても確認されておりません。 ただ、このジュゴンが確認できなかった時期は、工事、護岸の造成など、水中音を発する工事は実施していないことから、ジュゴンのこの個体Aが確認されていないことについては、工事による影響は言えないというふうに考えてございます。 それから、もう一つの、古宇利島沖から辺野古沖までを行き来する広範囲で確認されておる個体Cでございますけれども、これは平成二十七年六月二十四日に古宇利島沖で確認されて以降、生息が確認されておりません。これについても、この最後に確認された古宇利島沖というものは事業の実施区域から遠く離れておりまして、工事による影響が想定できないことから、このジュゴンが確認、Cが確認されていないことについても、工事の影響とは言えないと考えてございます。 こうした考えについては、部外の専門家から成る環境監視等委員会において指導、助言を受けているというものでございます。
○有田芳生君 要するに、ボーリング調査を始めてから、三頭いたうちの二頭は消えているんですよ。藻場というところにジュゴンは餌を食べに行って、そしてそれがちゃんと確認されていた、はみ跡という言葉を使いますけれども、そのはみ跡は、最盛時には辺野古、嘉陽、安部で月に大体百二十本確認されていたじゃないですか。それがボーリング調査されて以降、去年の十二月、今年の一月、ジュゴンが藻場でそれを食べたという、はみ跡というのはゼロになったじゃないですか。工事の影響なんですよ。そんな言葉だけの評価言ったって、現実に大きく変わっていっている。 だから、ここで提案をしたいのは、亡くなったジュゴンの、今冷凍保存されていますから、死因が明らかになりますよ。そしてさらに、二頭いなくなっているのだから、これを探して、確認して、保護すべきじゃないですか。大臣、それプラス、玉城デニー知事と総理は二回お会いになって会談をなさっていますけれども、橋本龍太郎元総理は当時の大田昌秀知事と十七回話し合って、基地問題を、解決の方向を考えていった。だから、そういう話合いの場をこれからも増やすべきだと思う。 だから、ジュゴンの死因が分かること、それから、あと二頭、一体どこにいるのか、それを保護すること、そして、沖縄県、話し合おうと言っているんだから、もう一度工事を止めて話し合う期間設けるべきじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(岩屋毅君) ジュゴン三頭のうち今行方が分からないA、ジュゴンAとジュゴンCについては、さっきも説明させていただきましたように、週に一回近隣の海域をジュゴン観察のために調査をさせていただいておりますので、見付かればしっかり保護できるような対応も考えていきたいというふうに思っております。 それから、総理も、県民投票の後ももう二回も玉城知事と直接お話をされていますが、私は就任以来四回お目にかからせていただきましたが、おっしゃるように、できるだけあらゆる機会を通じて知事さん始め沖縄の皆さんと対話を行って、御理解をいただくべく努力をしていきたいというふうに思っております。
○有田芳生君 更に防衛大臣に伺います。 先日発表された、この参議院予算委員会に提出された約一万ページの地盤に係る設計・施工の検討結果報告書ですけれども、それは、一言で言ってどういう意味があるんでしょうか。つまり、三年八か月、これは更に地盤改良工事が必要だという、なぜそういう結論が出たんですか、簡単にお知らせください。
○国務大臣(岩屋毅君) 先般のあの報告書につきましては、二回にわたるボーリング調査の結果を踏まえまして作った地盤に係る設計・施工の検討結果報告書でございます。 この報告書の中身は、調査の結果を踏まえて、護岸、埋立地等の設計、施工に係る検討を行い、その内容を整理したものでありまして、検討の結果、地盤につきましてはサンド・コンパクション・パイル及びサンドドレーン工法という工法を使って七万七千本を施工すると、また、最大施工深度は水面下約七十メートル、改良面積は約七十三万平方メートルで、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であるという結果を示したものでございます。 なお、環境保全図書で予測された影響の最大値を超えない施工が可能であるという検討結果をその報告書に示したところでございます。
○有田芳生君 設計変更はいつ終わるんですか。
○国務大臣(岩屋毅君) 今、この調査結果を踏まえて詳細な設計をこれから行うところでございまして、今この段階でいつそれができるという確定的なことは申し上げられませんけれども、できるだけ早く設計変更承認願を沖縄県さんに提出できるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○有田芳生君 設計変更をやって、そしてそれが認められたとしても、少なくとも三年八か月海上の地盤改良が必要になる。だけど、根本的なことを言えば、その設計変更、設計概要変更の申請を玉城デニー知事は認めないですよ。認めなければ工事はできませんよね。
○国務大臣(岩屋毅君) 先ほどちょっと申しそびれました。 その我々の検討の結果、海中の地盤改良工事に三年八か月、そして地上の地盤改良工事に一年ということを書かせていただいているわけですが、それは並行して行うことも可能だと考えておりまして、工期についてはできるだけ短縮したいと思っております。 そして、沖縄県さんにも納得していただける設計変更を行って、是非承認をいただきたいというふうに思っております。
○有田芳生君 聞いていることは、玉城デニー知事はその申請を許可しないんだから、そうしたら工事できないでしょうと聞いているんです。一言でお答えください。
○国務大臣(岩屋毅君) まだ設計変更承認願をしておりませんので仮定の話にお答えをすることは控えたいと思いますが、是非承認をいただきたいと、最終的に普天間の返還につながる事業でございますから、御理解をいただきたいというふうに思っております。
○有田芳生君 沖縄県知事は県民投票の結果を尊重する義務があるんですから、申請を、それを認めるはずがない。だから、工事はできない。したがって、辺野古の基地はできないんですよ。 さらに、さっき水深七十メートル地域とおっしゃいましたけれども、水深九十メートルのところに軟弱地盤、まるでマヨネーズのような、例えて言えば崩れた豆腐のような地盤があることが明らかになっているのに、そこに基地なんかできるはずがないじゃないですか。何でできるんですか。そもそも不可能です。
○国務大臣(岩屋毅君) これも累次御説明しておりますが、一番深いところも含むその土の層が、試験の結果、非常に固い粘土層に分類されるということが分かっておりますので、安定的に施工をすることが可能だという検討結果を得ております。
○有田芳生君 違います。全く違います。総理の言い方で言えば、全く違います。Bの27という地点、水深九十メートルのところは軟弱地盤じゃないですか。何でそこピンポイントで試料を取ってこないんですか。違うところを三か所、百五十メートル、三百メートル、七百五十メートルも離れた別のところを調査して、大丈夫ですなんというのは全く根拠にならないじゃないですか。そんな非科学的なやり方でごまかそうとしたって駄目ですよ。 辺野古に基地は造れないんですよ。マイナス九十メートルのところをちゃんとピンポイントで調査してくださいよ。それなしに設計変更なんというのはあり得ないじゃないですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘ございましたB27の地点でございますけれども、この地盤調査に当たりましては、どのような種類の土の層がどのように分布しているかを把握するとともに、それぞれの土の層の強度を把握する必要があるというふうに考えてございます。そして、これらを把握するために、音波探査ですとか所要のボーリング調査を行うとともに、ボーリング調査の各地点の間におきまして、先端に円錐状の、コーン状にとがったセンサーが付いている棒、これを刺すことによって地盤の特性を把握するコーン貫入試験、これを行っているところでございます。 御指摘のB27地点の強度の確認方法について申し上げれば、その付近でありますところのS3地点を含む複数の箇所においてボーリング調査を実施しました。そこで得られたサンプルを用いて土の層の強度を明らかにするための室内試験を行ってございます。その結果として、S3地点というところを含めまして、水深七十メートルより深いところの土の層は非常に固い粘土層に分類されることが確認されてございます。 そして、御指摘の27地点は、その付近でボーリング調査を実施していることから、先ほど申し上げたコーン貫入試験、これを実施するとともに、密度を確認するような物理試験を実施して土の性質を確認したところ、水深七十メートルより深いところの土の層は非常に固い粘土層に分類されることが確認された、その先ほど申し上げたS3地点のものと同じものが確認されたと、そういうことでございますので、B27地点においてはこのような方法で強度が非常に固い粘土層に分類されるものであることが確認できているというふうに認識してございます。
○有田芳生君 確認できてないんです。B27の地点、コーン貫入試験やったって言うけれども、じゃ、何で標準貫入試験やらないんですか。そこのピンポイントでやらなきゃ、マイナス九十メートルのところがマヨネーズ状で基地なんかできないということは否定できないじゃないですか。そんなごまかしで、沖縄県民は、あるいは基地に反対する人たちはそんなことを認めるわけがないし、そんなことを理解できないんです。 そして、大浦湾の現場というのは、御存じだと思うけれども、物すごく複雑な地形ですよ。B27の近く、C1護岸、C2護岸だって、C2護岸は水面下五メートルのところは物すごく固い地盤があるんだけれども、すぐ横のC1護岸は深くて軟弱地盤だというのは分かっているじゃないですか。そこに七千二百トンから七千四百トンのケーソン置くことできるんですか。沈むじゃないですか。 この間、法務委員会で、ケーソンを仮設置する予定だった海上作業ヤード、これだってできなくなったわけでしょう。何でできなくなったかというと、そこが軟弱地盤だということが分かったからじゃないですか。違いますか、大臣。
○国務大臣(岩屋毅君) ケーソンの工事については、先生御指摘のように、最初はそういう大型のものを仮置きして施工するという予定ではあったわけでございますが、今般のボーリング調査の結果を踏まえまして、例えばそのケーソンそのものを小型化する、仮置きせずに現場で直接施工する等々、様々な方法をこれから考えて、しっかりと設計変更に生かしてまいりたいというふうに考えております。
○有田芳生君 ここに軟弱地盤があるって前年に分かったからそれができなかったわけじゃないですか。それで、陸上でやるとか小さなケーソンにするって言うけれども、小さなケーソンでやったら海に浮かびますよ。そんなことできるわけがない。それは土木工学の専門家がはっきり指摘されていますよ。 もう時間がありませんから、さらに、辺野古新基地建設現場、アメリカが認めている高さ制限にも引っかかる、高専もある、高等専門学校もある、住宅地もある、そこに飛行機なんか飛ぶことができるわけがない。そして、大臣、活断層明らかになったって専門家が去年調査して分かっている。だけど防衛省は活断層ないって言う。どっちが本当なんですか。ちゃんとデータ示すべきじゃないですか。去年の八月に学者が調査をした結果、断層があるということが分かったわけだから。
○政府参考人(鈴木敦夫君) お尋ねにつきましては、防災対策上考慮すべき地震に関わる国内の知見を包括的に集約して提供してございます地震調査研究推進本部、これが活断層について整理、紹介している各種調査結果、そのデータベースのいずれについても、辺野古沿岸沖に、沿岸地域に活断層の存在を示す記載はございません。そして、さらに一万件以上の文献を網羅的に収集し、新文献についても随時追加、更新している最新のデータベース……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○政府参考人(鈴木敦夫君) これについても同様に記載はございません。 こうした権威ある文献等において、辺野古沿岸沖において活断層の存在を示す記載がないことを沖縄防衛局において確認しているということでございます。
○委員長(金子原二郎君) 有田君、時間が来ております。
○有田芳生君 活断層があるという専門家の指摘があるんだから、ちゃんとデータを示すべきです。 最後に総理、一言お伺いしたい。
○委員長(金子原二郎君) いや、時間が来ております。
○有田芳生君 工期と予算についてはどのように考えていらっしゃいますか。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので。 以上で有田芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、吉川沙織君の質疑を行います。吉川沙織君。
○吉川沙織君 立憲民主党の吉川沙織でございます。 本日の集中審議のテーマは安倍内閣の基本姿勢でございます。 第四次改造内閣の基本方針は、初閣議の昨年十月二日に閣議決定されています。この五つの基本方針のうち、最初の項目の冒頭に掲げておられるのは、「閣僚全員が復興大臣である」、こう書かれておりますが、間違いございませんか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはそのとおりでございます。
○吉川沙織君 櫻田大臣は、昨年の臨時会と今年の常会で所信表明を行っておられます。 特に臨時会の所信では、「閣議決定した基本方針に基づいて、」、「東京大会の重要な柱の一つは、復興オリンピック・パラリンピックです。」と、衆参両院の委員会で発言されておられます。 しかしながら、昨日、東日本大震災があったが、東北自動車道だとか健全に動いていたからよかったですが、しかし、もし首都直下地震でも来たら人の移動や物資の移動が妨げられるとの発言をしたと報じられております。本当にこのような発言をされ、そのような御認識なんでしょうか。
○国務大臣(櫻田義孝君) お答えさせていただきます。 御質問の国道、交通網と高速が健全に動いていたとの発言は、発生から一定期間経過後に内陸部の一部の幹線道路では緊急車両の通行ができるようになったとの意図でお話をしたところであります。しかしながら、広く国道、交通網ということに言及して申し上げたことは、事実と異なるため、おわびの上、撤回させていただきたいと思います。 二月十四日の衆議院予算委員会で御答弁したとおり、震災の際には自ら主導してトラックを手配して東北まで支援物資を運ぶなどの支援に取り組んで、震災後の交通状況等、輸送の困難さや生活再建の厳しさについては理解をしております。今回の発言は、地元の集会において、今後日本のどこかで大規模な震災が発生した際に、幹線道路の通行がかなりの長期間にわたって全く不可能となる可能性も想定して対応策を事前に考慮して備えるべきものとの趣旨を述べたものであります。 来年に迫った東京大会では、ホストタウンを始め、被災地での競技の開催、復興の火の展示、聖火リレーのスタート、被災地産の食材や木材の利用など、復興を後押しする取組を関係機関と連携して進めており、今後とも被災地に寄り添った取組を進めてまいります。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(櫻田義孝君) 国道を含めて多くの道路が寸断され、復旧に大きな影響を与える深刻な状況だったと認識をしております。一方、高速道路については、発生後、一定期間の経過後、一部の区間を除き、緊急車両の通行が可能になったと認識しております。 いずれにいたしても、広く国道、交通網ということに言及して……
○委員長(金子原二郎君) 答弁は簡潔にお願いします。
○国務大臣(櫻田義孝君) 健全に動いていたとの発言は、事実と異なるため、おわびの上、撤回させていただきます。
○吉川沙織君 櫻田大臣の昨日の御発言のメモを持っておるんですが、行間から今の答弁の内容をどうしても読み取ることができないんです。事実誤認ということはお認めいただけますか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こして。
○国務大臣(櫻田義孝君) いずれにしても、広く国道、交通網ということに言及して健全に動いていたとの発言は、事実と異なるため、おわびの上、撤回させていただきます。
○吉川沙織君 第四次改造内閣の初閣議の議事録を拝見いたしました。危機管理の観点から、閣僚の対外的発言等について、対外的発言に当たっては、内閣の基本方針を踏まえること、講演会であっても私見を述べることは厳に慎むことと明記されています。 昨日の発言は、今、櫻田大臣、お認めいただきましたけれども、内閣の基本方針をないがしろにし、私見どころか事実にも基づかない発言であり、何より復興に向けて日々歩みを進める被災地の方々を傷つける発言にほかなりません。 内閣の基本方針に反し、危機管理の観点からも重大な問題だと考えますが、総理、御見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 櫻田大臣の発言につきましては先ほど大臣が答弁したとおりでございまして、いずれにせよ、今後、発言の正確さには十分に留意していただき、来年に迫った東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと考えております。
○吉川沙織君 今、総理、発言の正確さと答弁なさいました。 櫻田大臣、大臣に就任なさってから、十一月六日に報道各社のインタビューをお受けになられています。そのときに、復興五輪について尋ねられたとき、どうお答えになっているか。被災地の人の気持ちを、この表現自体、私、どうかと思うんですが、逆なでしないように、気持ちに寄り添う姿勢で取り組んでいくことが大事なのではないかとおっしゃいました。 事実誤認、これも、しかも甚だしい、事実とは遠く懸け離れている、このような御発言をされて、とても被災地に寄り添っているとは思えないんです。 御自身で身を処する、そういうお気持ちございませんでしょうか。
○国務大臣(櫻田義孝君) 昨日の私の発言は正確さを欠いており、申し訳なく思っておりますが、東日本大震災からの復興に関しては、自分自身で支援物資を運んだ経験もあり、強い思いを持っております。 今後とも、一層身を引き締めて、オリパラ担当大臣として復興オリンピック・パラリンピックの実現にも努力していきたいと思っております。
○吉川沙織君 今の問いに関しては、大臣御自身のお言葉で御答弁をいただきたかったという強い思いがあります。でも、これ以上伺ってもどうかと思いますので、改めて総理に伺います。 まず何よりも、閣僚全員が復興大臣であるとする第四次改造内閣、初閣議は昨年の十月二日に行われてございますが、この閣議の基本方針と大きく懸け離れ、事実誤認も甚だしい大臣が復興五輪を語るべきではないと思うんですが、総理、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 全閣僚が復興大臣であるという認識を持てということは言葉どおりでございますが、同時に、それぞれの所管において、この復興のために何ができるかということを考え、そして実行していくということであろうとも考えているわけでございまして、櫻田大臣は、オリンピック・パラリンピック担当大臣として、復興した姿を世界にしっかりと発信をしていくということと同時に、復興に資するオリンピック、パラリンピックにするように、その意を踏まえてしっかりと職責を果たしてもらいたいと考えております。
○吉川沙織君 では、総理は、櫻田大臣が復興五輪にふさわしい任にあるとお考えでよろしいんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、発言等については正確さを欠くことのないように留意しつつ、情熱を持って取り組んでもらいたいと考えております。
○吉川沙織君 正確さを欠くどころか、議員の一人としてすらその資質が疑われかねないような御発言でございましたので、このことについては引き続き問うていきたいと思います。 今日は、安倍内閣の基本姿勢が集中審議のテーマでございます。立法府に対する法案提出の在り方について、幾つかお伺いをしていきたいと思います。 予算非関連の内閣提出法案の締切り、国会提出の締切りは三月十九日とされていましたが、今のところ、この国会に提出されている本数は戦後最少本数の五十六本です。ただ、もう既に私、数年前から指摘をさせていただいております、複数の法律案を見かけ上一本にして出している束ね法案の割合が多うございます。これは、国会審議の形骸化を招き、国会議員の表決権を侵害し、そして国民の皆様にどの法律がどのように含まれているかというのを分かりにくくする、いろんな意味で問題があるものです。 そこで、一つ伺います。女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に本則で法律案が何本含まれているか、本数だけで結構でございます、厚労大臣、お願いします。
○国務大臣(根本匠君) 五本であります。
○吉川沙織君 五本ということでございましたが、これ、女性活躍推進法等の一部を改正する法律案ですが、これが閣議決定されて国会に提出されたその日の夕刊とか翌朝、どういうふうに報じられたか、厚労大臣、御存じでしたら教えてください。御存じでなかったら結構です。
○国務大臣(根本匠君) パワーハラスメント、あるいはハラスメント、こういうことがこの法律を出したときに取り上げられていると承知をしております。
○吉川沙織君 今答弁いただきましたけど、女性活躍推進法等の一部改正案であるにもかかわらず、当日の夕刊と翌朝の新聞は、今、私手元に持っておりますが、ほぼ、パワハラ防止法案、パワハラ対策法案決定というふうに、表に出ている、つまり、国会に出ているのは女性活躍推進法等の一部改正案なんですが、実際報じられているのはパワハラ対策防止法案であって、国会に出されている法律名とその報じられている内容が合いません。 そこで伺います。法案の題名として女性活躍推進法等の一部を改正するとなっていますが、その女性活躍推進法の改正の内容にハラスメント対策というのは含まれているでしょうか、いないでしょうか、御存じだったら教えてください。知っているはずですので。
○国務大臣(根本匠君) この法律は、法律の趣旨、目的、これは女性を始めとする多様な労働者が活躍できる就業環境を整備するために事業主による雇用管理の改善のための取組を促すものであって、よろしいですか……(発言する者あり)この法律に直接、ハラスメントは書いておりません。
○吉川沙織君 今伺いましたのは、女性活躍推進法等の一部を改正する法律案は、本則で五本入っています。でも、国会に法律として出されて題名として見えているのは女性活躍推進法等の一部を改正する法律案で、その女性活躍推進法の改正内容に、実は大きく報じられたパワハラ対策とかハラスメント対策というのは入っていません。 ですから、国民の皆さんが、パワハラ対策法案、決定されたんだ、じゃ、法律は何だろうと思って探したときにその法律にたどり着けず、パワハラ対策防止法案から女性活躍の方にもたどり着けないという、摩訶不思議なこういう状況になってしまっています。国民に対する情報提供という意味でも、こういった束ねは余りよろしくない。 私も数年前から指摘をしてまいりました。安倍内閣になってから増えたのが指摘をさせていただいて少し減ったんですが、このような束ね法案はやはりよろしくないと思いますが、総理、御感想があればお願いします。なければ結構です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府においては、これは従来から答弁もさせていただいているんですが、二つ以上の法律の改正を提案しようとする場合においては、一般に、法案に盛られた政策が統一的なものであり、その結果として法案の趣旨、目的が一つであると認められるとき、あるいは内容的に法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められるときは、一つの改正法案として提案することができると考えています。 また、法律等を実施し、又は施行するために必要な事項のうち、罰則を設け、実質的に義務を果たし、又は権利を制限する内容を含まない細目的事項について定める実施命令は、憲法、国家行政組織法等の規定により、個別の法律等による特別の委任がなくても制定することができるとされておりますが、言わば今回のこの束ねにつきましては、こういう基本的な考え方の下、厚労大臣が判断したものと、このように考えております。
○吉川沙織君 今、一つの目的とおっしゃいましたけれども、今回の女性活躍推進法とハラスメント対策のパワハラ防止の趣旨、目的というのは、実は同じではありません。全く異なっています。趣旨、目的も異なりますし、世の中の関心は、新聞報道にもあるとおり、圧倒的にパワハラ防止対策の法制化と考えられますが、それが国会に出されている法律の題名には表れてこないといった問題をはらんでいます。ですから、総理が多用されておられる国民への丁寧な説明という、こういう趣旨にも反するものであると私は考えます。 そして、もう一つ、事例申し上げます。(資料提示) 立法府に対する法案提出の在り方として、束ね法案とともに、この間、細目的事項を具体的に法律の中に定めずに実施命令の根拠規定を法律に設けようとする、これを包括委任規定と申し上げておりますが、今回の統計不正に関し、総理や総務大臣も昨年の統計法改正に関し何度も言及されておりますが、これ、去年改正されたんですが、改正前は、「この法律に定めるもののほか、基幹統計調査の実施に関し必要な事項は、命令で定める。」と書いてありましたが、今回、去年の改正で手続的なものを全部すっ飛ばして、「この法律の実施のために」。立法府の側からしたら法技術的には問題ないということなのかもしれませんが、政省令で定めるべき内容が具体的に法律の条文に示されていない。 こういう規定ですと、立法府が法律の制定時に想定しなかった事項、あるいは立法府が許容することのできない政省令がいつの間にか行政の裁量で定められてしまうようなこともあるかもしれません。実際、二年前の統計に係る一斉点検で厚労省は平然と虚偽報告を行っているような事案があると、そういった懸念はより高まると言わざるを得ません。 法律による行政の原理の意義を埋没させないためにも、立法府が空洞化をしていかないためにも、こういった内容の条項というのは増やすべきか、増やすべきでないか、総理、御所見あれば、一言で結構です、いただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどちょっとまとめて答弁させていただいたんですが、法律等を実施をし、また施行するため必要な事項のうち、罰則を設け、実質的に義務を課し、又は権利を制限する内容を含まない細目的事項について定める実施命令は、憲法、国家行政組織法等の規定により、個別の法律等による特別の委任がなくても制定することができるとされているところでございまして、取扱いを変える必要はないと考えております。
○吉川沙織君 去年の本会議でも伺ったんです。でも、去年、実は内閣法制局長官に総務委員会においでいただいてお伺いしたんですが、こういった法律の書き方というのは去年まではほとんどありませんでした。去年、内閣提出法律案は六十五本あったんですが、そのうち七件もこのような条項を定めたような法律がありましたので、法律による行政の原理の意義を埋没させかねないような危惧がありますから、こういったことは警鐘を鳴らしておきたいと思っています。 そこで、統計不正について伺います。 昨年末に発覚した厚労省の統計不正を受け本年行われた一斉点検においては、残念ながら、五十六ある基幹統計のうち二十三に問題があることが明らかになりました。平成二十九年は経産省の統計不正を受け一斉点検を総務省が行っていることから、総務大臣に伺います。これら二十三の事案は、平成二十九年の点検でも問題が把握され、本年まで対応がなされなかった事案、ありますでしょうか。あるなら、その件数のみお答えください。
○国務大臣(石田真敏君) お答えさせていただきます。 前回、平成二十九年の点検では十六基幹統計で公表遅延、一部未公表等の問題が明らかになったところでございますが、本年、平成三十一年の点検では二十三基幹統計について問題が報告されたところでございますが、そのうち十基幹統計については、周期的に行われる統計調査であることから、本年の点検時には再度公表遅延が指摘されたところでございますが、これは前回点検以降新たな公表が行われないことなどのためであり、ただいま改善中でございます。
○吉川沙織君 二十三件今回やって、そのうち十件が前回から残念ながら改善されていなかったということでよろしいですね。
○国務大臣(石田真敏君) お答えさせていただきます。 具体的に申し上げますと、六件については改善措置済みでございまして、七件については改善の取組中でございます。また、三件については、新たな調査結果の公表が今行われておりませんので、これについても改善する予定であります。
○吉川沙織君 二十三件中十件今回見付かって、では、重ねて伺います。 平成二十九年の点検の段階で問題はあった、各府省から報告がなされず不適切な処理が続いていた事案というのは何件でしょうか。件数だけでいいです。
○国務大臣(石田真敏君) 報告漏れが明確となっている賃金構造基本統計を含め、前回の点検漏れと見られるものが十六件見られました。
○吉川沙織君 前回の点検、今回の点検、それぞれ、立法府として行政監視機能を高めていかないと、私、これ二年前、経産省の統計不正が発覚したときに、国の根幹を揺るがす問題だと思って委員会で何度も取り上げました。そのときに、総務省の方からしても、うその報告をされたという思いでじくじたる思いだと思うんですが、これだけ今回も見付かって、不適切な処理が二年も続いていて、本来だったら二年前に見付かっていたはずの問題が見付からず二年も先送りされたということは、立法府に身を置く議会人の一人としてじくじたる思いです。 そこで、経産大臣に伺います。 平成二十九年の統計一斉点検は、経産省所管の繊維流通統計の不正事案を契機に行われています。これについては、不正発覚直後から何度も委員会で取り上げてまいりました。平成二十八年十二月二十六日の繊維流通統計の不正発覚後、経産省所管の統計調査において不適切な事案はありましたか。あったのであれば、件数だけお答えいただければと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) これ、平成二十八年十二月に判明した不正事案、これはもう本当に申し訳ないことだと思います。その後、総務省の一斉点検が行われました。それに加えて、翌年の六月から七月にかけて経産省でも自己点検をやっています。これは反省に立って、二十八年の事案の反省に立って自己点検をやっていこうということであります。 そういった取組の結果、平成二十九年度以降、調査計画における集計事項の記載誤りですとか、あるいは政府統計のホームページにデータの掲載漏れといったことが判明をしたわけであります。こうしたミスに対して計画上の記載の修正や必要なデータの掲載などを随時行っておりまして、一定の結果が出ております。 しかしながら、今年一月に実施をいたしました基幹統計の一斉点検では、新たに三統計で四件、調査計画の最新の内容に変更していなかったなど、手続上の問題が判明したところであります。
○吉川沙織君 長い答弁いただきましたが、結局、平成二十八年十二月二十六日に、経産省で繊維流通統計の一般統計調査でございますが、不正が発覚して、でも、その後も、今回の一斉点検で三統計四件とありました。 総務大臣に改めて伺います。 平成二十九年の一斉点検の後に新たな不適切な取扱いがなされるようになった事案数、数だけお願いいたします。
○国務大臣(石田真敏君) 平成二十九年の点検の後に新たに不適切な取扱いがなされるようになった事案は三統計でございます。
○吉川沙織君 平成二十九年の一斉点検をしたにもかかわらず、その後新たに不適切な取扱いがされるようになった事案、三統計と今総務大臣から御答弁をいただきました。この三統計はどこの省庁ですか。
○国務大臣(石田真敏君) お答えいたします。 企業活動基本統計、ガス事業生産動態統計、商業動態統計でございます。(発言する者あり)経産省でございます。
○吉川沙織君 先ほども指摘申し上げたんですけど、平成二十九年の一斉点検の発端というのは経産省の統計不正でございました。経産省はこれを受けて再発防止策、おまとめになっておられます。でも、統計委員会に報告したら、一回目は突き返されて、二回目でようやく了承された。でも、その再発防止策、とてもいいことを書いてあるんです。でも、経産省でその再発防止策をおまとめになったにもかかわらず、平成二十九年の一斉点検の後新たに三件不適切な取扱いがなされるようになったのが判明して、その三件ともが経産省であるということは、当時、何回も指摘をして、その担当者の方々も一生懸命まとめておられたのは重々承知はしておるんですが、結果として、その再発防止策が経産省内どころかほかの省庁にも展開をされていなかったということになってしまいます。 これだけ行政と統計等データの信頼が地に落ちてしまいますと、問題解決、それから毎月勤労統計のいろんな問題があるんですが、そのデータの使い方について、少し自分自身の取組を含めて最後にお伺いをしたいと思います。 私、これまでずっと、今、三十代後半から四十歳代前半は就職氷河期世代に当たります。この世代のこと以外は関係ないんじゃないかと思われる方多いんですが、これまで十二年間、その就職氷河期世代が正規雇用になれないことによる国税、地方税に与える減収額などを伺ってまいりましたところ、物すごく大きな影響が出ています。そうなると、二〇四〇年頃の社会保障に大きな影響が出かねません。 今月、三月五日に厚生労働省が生活保護の年齢別年次推移の新しい資料を出してくださいました。それを、これ御覧いただきますと、生活保護の年齢別年次推移で見ますと、六十五歳以上の割合がほぼ半数、四七・四%に至っています。この今六十五歳の方でいえば、正規雇用が基本の時代です。就職氷河期世代とは異なります。 この我々就職氷河期世代は、どれだけ靴の底すり減らして一生懸命就職活動しても思うように職が得られず、五年前の賃金と比べてもこの世代だけ下がってしまっているような状況にあります。二〇四〇年頃の社会保障制度の持続性を維持していくためにも、今から生活保護の将来推計やっていく必要があると思うんです。 去年の代表質問でも総理に伺いましたが、試算をする必要あると思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 生活保護費の将来推計については、平成三十年五月に公表した二〇四〇年までの社会保障全体の給付と負担に関する見通しにおいて、全世代を対象に人口、経済について一定の前提を置いた長期的な推計をお示しをしているところでありますが、将来の給付費は今後の経済情勢、世帯構成の変化、資産の状況や扶養関係など、様々な要素の影響を受けることから、就職氷河期世代といった特定の世代に着目した詳細な推計を行うことは困難である点については御理解をいただきたいと思います。 一方、就職氷河期世代の方々がより安定した仕事に就くことができるように、雇用失業情勢の改善が着実に進んでいるこの時期を捉えまして、マンツーマンによる相談支援、個々のニーズに即した職場体験、就職後の定着、ステップアップ支援などの就労支援を行っているところでありまして、こうした方々が高齢になっても安心して生活できる総合的な取組を進めてまいりたいと思います。
○吉川沙織君 実は、この生活保護費の実績と将来推計は、以前、政府の方から出していただいています。なぜ今は出せないのか。あと二十年たったときに取り返しの付かないことにもなりかねませんので、ここはこれからも事あるごとに問うていきたいと思います。 三月六日に金融会社の調査としてその結果が新聞等でも大きく報じられましたが、三十代、四十代貯金ゼロ、二三・一%という衝撃的な報道もありました。ですから、実態を正しく、正しい統計等データがそれには必要ですけれども、実態を正しく把握して、その対策を打っていく必要があると思っています。 統計等データ、今まで作り方、取り方、ありましたけど、その用い方というのも大事な問題だと思っています。今年に入ってから、総理は、国会、衆参両院の答弁で少なくとも九回、昨年十二月一日時点での大卒者の就職内定率は過去最高となっている、この答弁を繰り返されておられますが、この統計はいつから取っているか、総理、御存じでしょうか。御存じでなかったら結構です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今すぐにそのお答えはできません。
○吉川沙織君 一九九七年三月、平成九年三月の卒業生分からしか実は取っていないデータです。 私は、平成十年、一九九八年に、就職氷河期ど真ん中の世代ですが、そのときに就職活動をして、私は運と縁と巡り合わせが良くて最初から正社員として社会に出ることができました。つまり、空前絶後のバブル期はこのデータは取っていなかったということになります。 ですから、統計は、正しいデータを取る必要と、それを使う側が自分の意見を支えるために用いることもあるんですが、統計はその使い方も留意していく必要があると思うんですが、総理、何か御見解ありますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、統計を用いる上において何に意を用いるかということであると、こう思っておりますが、今申し上げましたのは、まさに今、吉川委員が御紹介いただいた昨年の十二月の時点で最高となっているということでありますが、当然これ、統計を取り始めてからということになるわけでございまして、それも踏まえて申し上げているところでございます。 と同時に、例えば、これはバブル期のときの経済の状況がどうであったか、またあるいは今回の経済の状況がどうであったかということも分析をしながら見ていく必要もあるんだろうと、このように考えております。
○吉川沙織君 実態を把握するために正確に統計を取り、推計し、対策を講じて備えることこそが大事なんですけれども、残念ながら、去年の三月一日、予算委員会の冒頭でも、行政と統計等データの重要性について総理に伺いました。でも、その質疑当日の未明には裁量労働制に係るデータ不適切があって条文削除、質疑翌日の朝には財務省による公文書改ざん、その後も、障害者雇用水増し、そして今般の厚労省による毎勤統計の問題、行政、統計等の信頼は地に落ちてしまいました。 国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報たる統計の在り方については、立法府に身を置く者としてこれからも厳しくチェックしてまいりますので、そのことを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で吉川沙織君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、森本真治君の質疑を行います。森本真治君。
○森本真治君 国民民主党・新緑風会の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 総理にお伺いします。 安倍政権下となって、この間、国民生活、国民の暮らし向きは良くなってきたとお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) どこに着目するかということなんだろうと思いますが、政治の責任としては、大切なことは、働きたい人が働くことができる、そういう社会をつくっていくことなんだろうと、このように思っております。特に、高校を卒業して、大学を卒業して、就職する機会がある、就職できるということは大変重要だろうと思います。 先ほどの議論の中でもございましたが、昨年の十二月の時点におきましても大学の就職率は過去最高となっているところでございますし、そして、昨年の四月の就職率自体も最高水準となっているのも事実であろうと、こう考えておりますし、失業率につきましても完全雇用に近い状況となっているということであるわけでございまして、そういう意味におきましては、言わば仕事がある、働きたい人は仕事があるという状況はつくっていると、こう思いますし、また、賃上げにおきましても、五年連続、今世紀に入って最も高い水準の賃上げが行われているのは事実であろうと、このように思います。 ただ、その感じ方におきましては、それぞれの個々の方々によって感じ方は違うわけでございますから、そういう多くの方々により多くこの経済が良くなっているということを実感していただくように努力をしていきたいと、こう考えております。
○森本真治君 国民の暮らし向きですね、先ほど大臣も言われたように、個々の皆さんが、感じ方、これが良くなったなというふうに思ってもらえるように努力をしていかなければならないんだというふうに思います。 先日発表された内閣府の消費動向調査、消費者態度指数五か月連続でマイナスです。二〇一六年以来の低水準です。暮らし向きや収入の増え方といった項目で低迷しています。まさに感じ方の部分ですね。さらに、景気動向指数、経済の方でも、月例経済報告も下方修正が相次いでいます。 国民生活、さらには景気動向、先行きに、今多くの国民に不安感もこれから生じているんではないかというふうに思います。その中で消費税の引上げ、その判断も今後慎重に見極めていかなければならない局面に入ってきたと思いますけれども、大臣の、総理の御認識をお伺いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 景気であったりとか経済、様々な指標はあるわけでありますが、国際的に見ても、基本的には、一つは経済の規模、パイが大きくなっているか、それからもう一つはやはり仕事、雇用の状況がどうなっているかと、こういった点が一番重視されているんだと思います。 この点、今総理の方からも答弁ありましたように、六年にわたりますアベノミクスの推進によりまして日本経済は大きく改善をしておりまして、名目GDP、これは五百五十兆円と過去最大になってきております。また、国民生活に密接に関連します雇用環境も大幅に改善しまして、直近の有効求人倍率、これは一・六三という数字ですから、実に一九七〇年代の前半以来四十五年ぶりの高水準ということになります。個人消費につきましても、雇用・所得環境の改善とともに二〇一六年後半以降増加傾向で推移をしております。 〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕 そして、委員の方から御指摘いただきました消費者の態度指数、これいわゆる消費マインドについてでありますが、これ先行き半年間の見通しを尋ねるアンケート調査でありまして、様々な外部環境の変化によって影響を受けるものでありまして、昨年の後半以降、マーケットが世界的に不安定な動きをし始めた頃から弱い動きが見られていると、これは事実でありますが、その上で我が国の消費ということを考えますと、可処分所得から消費に回す割合、いわゆる消費性向と、これを見てみると、六十代以降というのは八〇%、九〇%と高いんですが、三十九歳以下がこれが六四・三%と非常に、本来でしたら様々な消費ニーズがあるんですが低い状態にあるということで、現在、幼児教育の無償化を始め、二十代、三十代、この子育て世代に大胆に政策資源を投入するという人づくり革命、そして全世代型社会保障改革、これに全力で取り組むことによりまして子育て世代の支援を行い、同時にこれを消費の拡大にもつなげていきたいと考えております。
○森本真治君 景気は気からというふうによく言われます。経済が後退局面となって、さらに暮らしの不安から消費を控える状況になる、そのような状況で消費税引上げがどのような結果をもたらすのかということですね、今後の動向を慎重に見極める必要が出てきていると思います。 今、私、地元広島県でございますが、地元を歩いていまして、暮らしの不安を訴える方が非常に多くいらっしゃいます。増えてまいりました。さらに、自分の住んでいる地域の将来の不安を抱える皆さんも多くなってきました。人口減少、そして高齢化の問題がやはり一番皆さん、不安感としてあります。 今、我が国の高齢化率二七・七%ですけど、広島県内で二十三市町あるんですが、全国平均を上回っているのが二十三市町のうち十八市町あります。さらに、四〇%を超えている市町ですね、これ安芸太田町というところがもう既に四九・九%、さらに、四〇%を超えているところが加えて六市町あります。過疎地を回っていても、更に独り暮らしの高齢者の方、非常に増えてきました。介護の不安を訴える声もどんどんと大きくなっています。 その一方、介護現場、お邪魔をするたびに開口一番言われるのは、人手が足りないということでございます。もうこれは悲鳴にまでなっています。これも日々大きくなっています。 厚労大臣にお伺いします。 安倍政権となっての介護職の有効求人倍率の推移、それと、もう一つ併せてちょっとまとめてお伺いします、離職率の方です、勤続年数三年未満と三年以上の直近のこの離職率、併せてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) まず、介護分野における有効求人倍率については、平成二十九年度で三・六四倍となっており、全職種の一・三八倍に比べて高い水準となっております。 そして、離職率ですが、平成二十九年度の調査では、介護職員の離職率は一六・二%になっております。そして、三年未満ですか、御質問の勤続三年未満あるいは勤続三年以上の介護職員における離職率、これ自体は把握しておりませんが、この介護職員の離職率、この一六・二%、このうち、その中身については、勤続年数が三年未満で離職した者が占める割合、これが六五・一%になっております。
○森本真治君 先ほどちょっと申しましたけど、介護現場のこの不安の方ですね、(資料提示)今非常にこの人手不足ということの実際の不安感、ちょっとパネルでも御説明しますと、二十八年度六二・六%がもう二十九年度では六六・六%です。もう七割近くのこれ不足感ということになっている状況ですね。 とにかく介護の人材確保ということで、これまでも処遇改善、何度も何度も努力をされました。結果として、有効求人倍率は平成二十九年三・六四倍ということで、ちょっと安倍政権のスタート時点の倍率お伺いしませんでしたけれども、これ恐らく改善はされていますか、この有効求人倍率は、改善されているのかどうかということですけど。 ただ、現状ももう四倍近いこの有効求人倍率があるという中で、これまで同じように処遇改善加算をしてというやり方でやって、たしか五万三千円でしたっけ、トータル……(発言する者あり)一千円ですね、五万一千円やってきました。 実際これ、ちょっと一つまず大臣に聞きたいんですけど、きちんとこの五万一千というのは介護職の職員の皆さんのベースアップにつながっていますか。ここの把握ってできていますか、ちょっともし分かれば。
○国務大臣(根本匠君) 今の御質問ですが、介護職員の処遇改善、そのフォローについては、各事業所において、職位や職務内容などに応じた賃金体系の整備や、経験などに応じた昇給や昇格の仕組みの構築を求めるとともに、事前に事業所から処遇改善に向けた計画の提出を求め、事後に報告、実績を求めております。 その意味で、五万一千円については、賃金改善が確実に行われることを対応した後の実績で捉まえて、そして、それをこう積み上げると月額五万一千円の改善につなげております。処遇改善をした、そして実績を評価する、そして実態を、それを確認すると五万一千円ということになります。
○森本真治君 ちょっと現場で皆さんとお話しすると、本当に実感として、先ほど来ちょっと私繰り返している、実感として給料がしっかり上がっているというこの実感が、これまで何度も報道で、ああ、来年は給料が上がるんだな給料が上がるんだなというような期待感がずっと繰り返されているのに、その実感、なかなか感じる人がいないんです。今の御答弁じゃ、明確に御答弁いただけませんでしたけれども、本当にベースアップがきちんとされているのかということですよね。 そして、そういう中で、まあ努力はされたけれども、有効求人倍率は高止まり。その中で今回、新たに勤続十年以上の方に八万円というようなことが今報道等でもあります。 これも、もしかしたら勤続十年以上になったら給料が八万円一気にベースアップするんじゃないかというふうに思われている方がいらっしゃったらちょっと混乱をいたしますが、これは本当に勤続十年頑張ったら給料が皆八万円上がるんですか。 〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
○国務大臣(根本匠君) 要は、本年十月から、リーダー級の介護職員について他産業と遜色のない賃金水準を目指して更なる処遇改善を行います。そして、今委員がお話がありましたが、具体的な処遇改善に当たっては、処遇改善加算の要件として、経験、技能のある介護職員に最大八万円相当等の給与増を行うこと、平均の処遇改善額は、経験、技能のある介護職員はその他の介護職員の二倍以上とすることという内容を設定する予定にしております。 そして、経験、技能のある介護職員については、考え方として、フロアのリーダー級、要は勤続十年以上の介護福祉士であることを基本として、介護福祉士の資格を有することは要件といたしますが、必要な勤続年数の考え方は事業所の判断で柔軟に設定することができるといった内容で予定しております。
○森本真治君 必ず一人は八万円相当、これは、そのリーダーはもう上げなさいということなのか、十年以上の方はみんな八万円以上これはもう上がっていくというような財源措置というこの加算されているのか、そこまでされているのか。どのぐらいの財源措置されているんですか、これは。
○国務大臣(根本匠君) そういうふうに設定しております。(発言する者あり)いや、最低一人はちゃんとやりなさいと。それと、勤続年数十年というのは、その事業所に応じて柔軟に設定していいですよと、ここは柔軟化しております。
○森本真治君 一人分の財源措置ですか。十年以上の方がみんなそれで対応できるぐらいの財源措置しているんですか。もう一度、そこを明確に。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(根本匠君) 必ず一人は十年以上の介護福祉士で、そういう要件といたしますが、一人、必ず一人はやっていいですよと、そして、その以外は事業所の判断で柔軟に設定できるような加算をしております。そこは柔軟に、必ず一人はちゃんとやってくれと、あと、それ以外は柔軟に事業所の判断で対応できるような加算にする予定であります。
○森本真治君 一人は確実に八万円の財源措置はしていただいた。それ以外の方も対応する部分の財源措置もされているんですね、それは。
○国務大臣(根本匠君) だから、最大八万の方について、一人は最低やりなさいと。そして、そのほかは事業所の判断で柔軟に対応できるようにしております。そういう全体の財源は措置しておりますから、そこはそれぞれの事業所で柔軟に判断できる対応にしております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) ちょっと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(根本匠君) 勤続十年以上の介護福祉士について月額平均八万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費一千億円を投じて処遇改善を行うということにしております。それ以外は私が先ほど申し上げたとおりであります。
○森本真治君 だから、算定根拠として一人八万円だから、これは、例えば一人だけ八万円上げたら、ほかのところのベースアップできませんね、これは。だから、ほかのところもベースアップしようと思ったら、八万円は下がっていくということですね。 これ、非常に今現場混乱していて、一人だけ八万円上げるとかそういうことをして本当に、じゃ、ほかの皆さん、やっぱりこれ職場の中も混乱が起きて、いろんな感情的な部分も対立が起きる。結構多くの事業所がこれ申請しないと言っていますよ、もうそんなことではですね。 しかも、ベースアップですよ。先ほど私、冒頭言いましたように、勤続三年未満で離職する人がほとんどのときに十年耐え忍べということですか、これは、十年間。ではなくて、やっぱり一年目、二年目、三年目ときちんとした賃金カーブですよ、ここのベースアップをしっかりしていくというところをもっと財源措置しないといけないと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) そこはおっしゃるとおりで、やっぱりきちんきちんとステップアップをしていくような体系が私は必要だと思います。 そして、要は、繰り返しになりますが、今回の一千億円の公費、これは十年で八万円、これは必ず一人やってくださいねと、それ以外は柔軟に対応できますよと。 介護職員が三年で離職するかしないかは、これやはり大事なのが、職員のやる気を引き出して、良好な人間関係のある職場環境づくりや、今おっしゃられたとおり、賃金体系やキャリアアップしていく、そういうものもきちんと示していただく。そして、これを前提として、全体の組織マネジメントが重要なので、こういう形でいい施設がより良いサービスを提供していくと。 私は、この現場の、現場がきちんと対応できるようなそういう加算も含めて、適切に対応しております。
○森本真治君 冒頭申しましたように、今回、何か給料がいきなり八万円上がるんではないかというような風潮もちょっとある。これまでは、一人当たり一万円とかということで処遇改善、ベースアップの努力をされていた。 今回、例えば、これ一千億円で全体のベースアップをしようと思ったら、大体一人当たりどのぐらいのベースアップになるんですか。ちょっと分かれば。
○国務大臣(根本匠君) そういう、八万円、ある方が上がって、それ以外上がらないという、そういう誤解があるということもありますが、そこは我々、丁寧に話し合いながら周知をしていきたいと思います。(発言する者あり)そして、平均、平均がどのぐらいに上がるかということは我々は算定しておりません。
○森本真治君 ちょっと、前回の総選挙の前に突如として経済政策パッケージのような形で、選挙のとき、八万円上げるというような、そういうようなところの中で今回流れているんだというふうに思うんですね。でも、現実、今本当に、これから各事業所の皆さんが、いろんな混乱が起きているというような、今非常に不安感が次から次に私のところに届いているという現状があります。 大臣、これまでの五万幾らかの処遇改善のことも含めてなんですけれども、きちんとしたこの賃金表、賃金体系というものが、今多くの職場、事業所、やっぱり明確になっていないところが多いんだというふうに思うんですね、特に小規模の事業所も多いので。しっかりとそこをまず示していくということ、そして働く皆さんにきちんとそれが実感として感じてもらうということをまず整備すること、これも非常に大事だと思うんですけれども、大臣のお考えをお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今先生から指摘された点は大変重要であると我々も認識をしております。 介護職員の処遇改善に係る加算を行うに当たっては、各事業所において、職位や職務内容などに応じた賃金体系の整備や、あるいは経験等に応じた昇給や昇格の仕組みの構築を求め、キャリアパスを明確にしていく。キャリアパスを明確にしていくというのは、自分が経験を積んでいけば給料も上がっていくんだということだと思います。 事前に事業所から処遇改善に向けた計画の提出を求め、事後に実績報告を求めることで賃金改善が確実に行われたことを担保しておりまして、これは自公政権においては月額五万一千円の改善につなげたところで、これは福田政権のときから、野田政権のときに六千円上がっていますから、これ足すと五万七千円になるわけでありますが、そして、このキャリアパス要件に基づく賃金体系の中で職員の定着が進めば更なる賃金改善につながることについて理解を得てまいりたいと、こう思います。 本年秋から最大八万円の処遇改善制度の活用を促進しつつ、介護職員の……
○委員長(金子原二郎君) 簡潔に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 着実な賃金改善と、介護職員が長く働き続けられる職場環境づくりを図ってまいりたいと。これは、言わばベースアップではなくて、キャリアを積んでいけば上がっていくという、そういう階段をしっかりとつくっていきたいと、またそのこともしっかりと分かりやすく説明をしていきたいと、こう思っております。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
○森本真治君 はい。 終わりますが、全世代型社会保障は大変重要です。ただ、その一方で、高齢者の部分の財源の部分がどんどんと削られていって、そして介護の人材不足も含めて深刻になっていくのではないかという声が多くありますので、しっかりとこれからもこの介護の分野についても引き続き議論というか、声を出していきたいということをお伝えさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で森本真治君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、徳永エリ君の質疑を行います。徳永エリ君。
○徳永エリ君 国民民主党・新緑風会の徳永エリでございます。 私も、先ほど御質問がありましたけれども、まずは櫻田大臣にお伺いをしたいと思います。 櫻田大臣、東日本大震災発災当初、東北自動車道、東北道は健全に動いていましたか。
○国務大臣(櫻田義孝君) 国道を含めて多くの道路が寸断され、復旧に大きな影響を与える深刻な状況であったと認識しております。一方、高速道路につきましては、発生後、一定期間の経過後、一部の区間を除き、緊急車両の通行が可能になったと認識しております。 いずれにしても、広く国道、交通網ということに言及して健全に動いていたとの発言は、事実と異なるため、おわびの上、撤回させていただきます。
○徳永エリ君 櫻田大臣は、御地元で行われた集会の中で、東日本大震災がありましたけれど、まだ国道とか交通、高速道路もですね、東北自動車道も健全に動いていたからよかったですが、しかし、もし首都直下型地震が起きたら人の移動や車の移動、物資の移動も妨げられると思いますと発言しているんですね。 今、自分の発言の真意、あるいは説明不足の点を言われたんだと思いますけれども、大臣、もしそうだとしたら、なぜそのペーパーを見て発言しなければいけないのか分かりません。御自分の説明をしているんですから、御自分の言葉で答えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(櫻田義孝君) 閣僚として、失敗のないように、正確に相手に理解していただくためにペーパーを見てやっております。 御質問の国道、交通網等、高速につきましては健全に動いていたとの発言は、発生から一定期間経過後に内陸部の一部の幹線道路では緊急車両の通行ができるようになったとの意図でお話ししたところであります。 しかしながら、広く国道、交通網ということに言及して申し上げたことは、事実と異なるため、おわびの上、撤回させていただきたい。 また、二月十四日の衆議院予算委員会で御答弁したとおり、震災の際には……
○委員長(金子原二郎君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(櫻田義孝君) 自ら主導してトラックを手配して東北まで支援物資を運ぶなどの支援に取り組んで、震災後の交通状況等、交通の困難、生活再建の厳しさについては理解しております。 今回の発言は、地元の集会において、今後、日本のどこかで大規模な震災が発生した際に……
○委員長(金子原二郎君) 答弁は簡潔に。
○国務大臣(櫻田義孝君) 幹線道路の通行がかなりの時間にわたって全く不可能となる可能性を想定して対応策を事前に考慮して備えるべきものとの趣旨を述べたものであります。 来年に迫った東京大会で、ホストタウンを始め被災地での競技の開催、復興の火の展示、聖火リレーのスタート、被災地産の食材や木材の利用など、復興を後押しする取組を関係機関と連携して進めており、今後とも被災地に寄り添った取組を進めてまいります。
○徳永エリ君 さっきと同じか、さっき以上にひどいんですけれども、ペーパーを見ないで自分の言葉で説明してくださいと申し上げたのに、またペーパーを読んで説明をしていただきました。 失敗をしないようにとおっしゃっていましたけど、そもそも答弁で失敗しないんじゃなくて、発言で失敗しないようにしていただきたいと思います。 これ、事実誤認だったということはお認めになるんですね。
○委員長(金子原二郎君) 簡潔に。
○国務大臣(櫻田義孝君) 事実誤認と認めます。
○徳永エリ君 事実誤認だということでございます。 大臣としていろんな方の前で発言する機会は多いと思います。しかも、その復興オリンピック、これをしっかり応援していくということで今頑張っておられるというわけでございますから、少なくとも被災地の事情はしっかり把握していただいて、正確に説明をしていただく、正確な情報を伝えていただく、それが大臣としての責務だと思いますので、この東北自動車道の問題に関しても、緊急車両がいつから走っていたのか、どこの区間から走り出したのか、あるいは東北自動車道が全面的に開通して一般車両も走れるようになったのはいつ頃からなのか、そのこともしっかり把握をしておいた方がいいと思います。 ちなみに、東北自動車道、全面的に開通をして一般車両が走れるようになったのは発災から何日後のことでしょうか。
○国務大臣(櫻田義孝君) 発生一日後は、東北道自動車道、緊急車両のみ通行可能になりました。そして、十三日後は東北道全線、一般車両通行可能になりました。発生二十一日後、常磐道、原発規制区域を除き、全線一般車両通行可能となりました。 ちなみに、常磐道が全面開通したのは二〇一五年三月一日でございます。
○徳永エリ君 知らなかったということで、今、官僚から説明を受けてペーパーを渡されたということであります。 さすが総理ですよね、総理はすぐ十三日目というふうにおっしゃいました。総理、ちゃんと、復興大臣なんですから……(発言する者あり)復興オリンピックを担当しているわけですから、ちゃんとその東北の事情を把握していただくように、それも閣僚の皆さんにしっかり徹底してください。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) にわかに何日後かと言われても、なかなかこれは分かりにくいんだろうと、こう思っておりますが、いずれにいたしましても、櫻田大臣におきましては、オリンピック・パラリンピック担当大臣として復興した姿を世界に発信していく、そしてまた、オリンピック、パラリンピックを更なる復興につなげていく努力をしていただきたいと思っております。
○徳永エリ君 少なくとも、本当に発言には気を付けていただいて、失敗のないようにしていただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。 それから、これ、ちょっと質問通告していないんですけれども、根本厚労大臣にお伺いをしたいと思います。先週の金曜日、突然入ってきたニュースで大変気になりましたので、御質問させていただきます。 厚労省の前賃金課長が韓国の金浦空港で空港職員とトラブルになったと、そのときの動画が韓国やあるいは我が国のメディアで流れたということは御案内だと思います。お酒に酔っていて暴行があったのではないかという疑いが掛かっているということで、根本大臣は、事実関係を把握し、厳正に対処するとおっしゃっています。事実関係はその後把握されたんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 現在調査中であります。
○徳永エリ君 調査中って、どのように調査をされているんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 事実関係などについて、今事務方が調査中であります。
○徳永エリ君 厚労大臣は責任者ですよね。事務方に任せていて、今の状況も分からず、後ろから今調査中だという言葉が掛けられて御答弁をいただきました。 この前賃金課長に対して、二十二日付けで大韓航空の労働組合が賠償と謝罪を要求する声明を発表したということであります。泥酔状態で搭乗しようとした、他の乗客の安全を考えて制止した組合員を無差別に暴行した、日本のキャリア官僚で労働の専門家が隣国の労働者をばかにした行動を取っていいのかと主張し、謝罪と賠償という要求、これを受け入れない場合にはこの前賃金課長の公務員資格剥奪を目指す行動に出ると警告しているということであります。 前賃金課長は、この暴行の疑いだけではなくて、官僚としてそんなことを口にしていいのだろうかというような発言もしたやに聞いております。我が国と今韓国との関係が余り良くないという状況の中で、この行動や発言が韓国世論へ少なからずとも影響があるというふうに私は思います。 個人の問題ということではなくて、もっとこれが大きな問題になるのではないかと大変に懸念をいたしておりますが、根本大臣、厚労省のトップ、責任者としてどう受け止めておられますでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 私は、今回、業務上の私的旅行中の行為でありますが、これは私は極めて遺憾であります。事実関係をしっかりと把握し、厳正に……(発言する者あり)業務外、業務外の、業務外の私的旅行中の行為であり、極めて遺憾であります。事実関係をしっかりと把握し、厳正に対処をしてまいりたいと思います。
○徳永エリ君 大韓航空の労働組合は、日本のキャリア官僚で労働の専門家が隣国の労働者をばかにしたと、このように言っているわけですね。これ、あくまでも業務外の私的な旅行の間にあったことだからということで済まされるんでしょうか、本当に。大丈夫なんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 私は極めて遺憾であります。業務外の私的旅行中のことであり、これは本人が判断して誠実に対応すべきだと思います。 ただ、いずれにしても、暴力は許されるものではなく、厚生労働省としては、事実関係をしっかり把握し、厳正に対処したいと思います。
○徳永エリ君 今大臣がおっしゃったとおりですので、早く調査をしていただいて、事実確認をしていただいて、あちらが言っていることがもし間違っているのであれば、それは違うと言わなければいけないし、本当に暴行があったり、あるいは官僚としては言ってはいけない発言があった場合には、ともすると、これは個人の問題ではなくて、厚生労働省、上司として、責任者として謝罪するような場面も出てくるかもしれないというふうに……(発言する者あり)いや、私は思っております。これまでのいろんなその韓国で起きていることも含めて、今本当に関係が良くないという状況でありますから、ここはプライベートでは済まされないというふうに私は申し上げておきたいと思います。 それから、次に行きたいと思いますけれども、二十一日から統一自治体選挙が始まっています。北海道は、全国で唯一の与野党対決の知事選挙が一騎打ちという形で行われております。北海道はいろんな課題を抱えておりますけれども、今回の知事選挙の大きな争点となっているのは、IR、カジノリゾート施設の誘致、それから原発も含めたエネルギー政策、そしてもう一つはJR北海道の単独では維持困難な線区の存廃問題だというふうに思っています。 そこで、このJR問題について御質問させていただきたいと思いますけれども、まずこちらを御覧いただきたいと思います。(資料提示) 単独では維持することが困難な線区、このパネルでは、この赤い線区、ここが輸送密度二百人未満の線区、そして黄色いところが輸送密度二百人以上二千人未満の線区、そして茶色いところがバス転換も含めて既に協議をしているところですね。そして、もう一つが方向性が出た線区ということですけれども、この方向性が出た線区が夕張と新夕張間なんですね。 三月三十一日、石炭を運ぶために敷設されたこの夕張―新夕張間の石勝線夕張支線でありますけれども、これがいよいよ廃止ということになります。本当に北海道の鉄路、これまで少しずつ少しずつなくなってきたわけですけれども、これ以上鉄路をなくしていいのか、鉄路を守らなければいけないという道民の声が高まっています。 このJR北海道の経営が厳しくなって赤字がどんどん膨らんで廃線をという話も出てきているわけでありますけれども、北海道、今五百三十万人の人口ですが、これが二〇四〇年には四百二十万人にまで減少するんじゃないかと言われています。これまでも、他の府県と比べると十年も早く北海道は人口減少が進んでいるんですね。それから、北海道は国土面積の二二%です。東北六県プラス新潟という、とにかく広さがあるんです。すごく広いんです。一年に半分は雪に閉ざされています。人件費も上がっていく中で、除雪費用もどんどん膨らんできます。それから、鉄道施設も老朽化していますから、鉄道の安全の確保をするための経費も掛かる。 そういうことで、ますます厳しくなっているという状況でありますけれども、それ以外なんですが、実は北海道新幹線、この北海道新幹線の赤字がJR北海道の経営を圧迫しているのではないかと、これは大変深刻な問題だと思っています。 二〇一六年の三月に北海道新幹線が開業になってちょうど丸三年たったわけですけれども、開業当初から年々赤字が増えていっているんですね。この赤字額、具体的に御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。 北海道新幹線の新青森―新函館北斗間におきましては、平成二十八年度の赤字が五十四億円、平成二十九年度の赤字が九十九億円となっているところでございます。
○徳永エリ君 開業した年は五十四億円、そしてその翌年は倍近く九十九億円、そして昨年は百二億円の赤字の見込みだということであります。 続いて、北海道新幹線の乗車率はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。 北海道新幹線の乗車率でございますが、平成二十八年度、輸送密度でございますけれども、五千六百三十八人パー日でございます。平成二十九年度でございますが、四千五百十人パー日という形になっております。 以上でございます。
○徳永エリ君 このパネルを御覧いただきたいと思いますけれども、乗車率は二〇一六年度が三二%、そして二〇一七年度が二六%、そして二〇一八年度は二四%となっているんですね。観光シーズンのピークの八月でも乗車率は三〇%、四〇%程度であります。冬場の一月、二月の乗車率は三年連続で一〇%台ということなんですよ。 在来線というのは、元々、分割・民営化当初、三十二年前からずっと赤字でした。北海道を走る鉄道はほとんどが過疎地を走る不採算路線ということで赤字ということだったわけですけれども、JR北海道の経営を圧迫しているのはこのやはり新幹線の赤字、これがどんどん増えていることなんだというふうに思います。 この点に関して、石井大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 北海道新幹線ですが、二〇一六年度の開業ブームが落ち着いた一方、本格化した車両検査や青函トンネル内の老朽設備の取替えの費用が増加したことによりまして、二〇一七年度は一六年度より赤字が拡大をいたしまして約九十九億円となっております。 一方、北海道新幹線につきましては、本年二月から三月にかけて、沿線自治体と連携した北海道新幹線体験ツアーの開催やPR活動など、北海道新幹線の高速化によりまして東京―新函館北斗間の所要時間が四時間を切ったこと等を記念したキャンペーンが行われております。 このようなJR北海道と地域の関係者が一体となった利用促進を積極的に進めていただくとともに、JR北海道において誘客キャンペーンの拡大や安全面に配慮しながらの費用の削減など、収益拡大に向けた取組を強力に進めることを引き続き求めていきたいと思っております。 国土交通省としましては、北海道新幹線の札幌開業を機に経営が自立できるように、昨年七月に発出をいたしました監督命令に沿いまして、収益の増加策とコスト削減策などの徹底した経営努力を行っていただきたいと考えております。
○徳永エリ君 質問にお答えになっていただいていないんですよ。 赤字がどんどん膨らんでいっていると。これ、その赤字でもってJR北海道の経営が厳しくなっていると。その経営が厳しくなっていることによって単独では維持困難な線区の存廃問題になっていると。単独では維持困難なその線区は元々赤字なんです、元々。 更に苦しくなったのはこの北海道新幹線の赤字のせい、この赤字が経営を圧迫しているんじゃないんですかということをお伺いしているので、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 二〇一六年度で見ますと、北海道新幹線の赤、営業損益は約九十九億円となっておりますが、一方で、単独では維持困難な線区における営業損益を見てみましても約百六十二億円の赤字となっております。このように、JR北海道の経営が厳しい原因が北海道新幹線の赤字によるものであるとは一概には申し上げられないというふうに思っております。 いずれにいたしましても、北海道新幹線の札幌延伸を契機として、特に東北、北関東方面からの旅客輸送量の増加や航空からの転移等による利用者の増加が見込まれ、また、札幌駅周辺には今まで以上に人々が集い、にぎわう空間がつくり出されることによりまして、JR北海道にとっては鉄道事業以外の関連事業においても大きな収益の拡大が図られると考えております。 JR北海道においては、北海道新幹線の札幌開業を機に経営自立ができるよう、昨年七月に出しました監督命令に沿いまして、収益の増加策とコスト削減策などの徹底した経営努力を行っていただけると考えています。
○徳永エリ君 北海道新幹線の赤字が経営を圧迫しているのではないというのが大臣の御見解のようでございますが……(発言する者あり)一概には言えない、はい、一概には言えないというのが御見解のようでございますが、平成三十年四月二十五日に開催された財務省の財政制度等審議会財政制度分科会では、社会資本整備予算担当の当時の主計官から、北海道新幹線について説明がありました。どのような説明だったのか、お話しいただきたいと思います。
○副大臣(鈴木馨祐君) 今、徳永先生御指摘の会議における議論でございますけれども、社会資本整備の今後ということにつきまして、エビデンスに基づく事業評価の厳格化が必要という中での議論と承知しております。 具体的には、今議論となっております平成二十八年三月開業の北海道新幹線の新青森―新函館北斗間につきまして、先ほどお話もございましたけれども、開業前の想定が四十七億円の赤字ということに比べまして、開業後の赤字が百二億円の赤字という形で大幅に拡大をしております。そのことがJR北海道の経営状況を一層悪化をさせ、地域交通網の維持に影響を及ぼすおそれが出てきているということ、そして、この状況を踏まえれば、整備新幹線の着工五条件を含めて、事業採択に当たっては、客観的な見通しの策定を制度的に担保して、こうした事例が繰り返されないようにしていく必要があるということが議論に上がっていたと承知しております。
○徳永エリ君 御説明をいただきましたけれども、そのときに配付された資料が私の手元にあるんですが、北海道新幹線では、開業前の想定に比べ、赤字が大幅に拡大している、JR北海道の経営状況を一層悪化させ、地域交通網の維持に影響を及ぼすおそれ。これを踏まえ、整備新幹線の着工五条件を含め、公共事業の事業採択に当たっては、客観的な見通し策定を制度的に担保し、こうした事例が繰り返されないようにする必要があると。そして、さらには、北海道新幹線の赤字拡大がなければ、維持困難な線区の営業損失の解消により、経常利益の黒字化が見通せる状況であったと。これが財務省の見解なんですよね。 国土交通大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど、JR北海道の赤字、二〇一六年度とちょっと答弁したような記憶がありますが、二〇一七年度の間違いでした。訂正させていただきます。 昨年四月の財政審において、北海道新幹線の赤字がJR北海道の経営状況を悪化させているとの指摘があったことは承知をしております。 一方で、先ほども答弁しましたとおり、東京―新函館北斗間が四時間を切ったと。四時間を切るというのは航空からの転換が促される一つの大きな目安でございます。これをきっかけに、本年二月から三月にかけて、沿線自治体等と連携した体験ツアーの開催やPR活動など、キャンペーンが行われております。 このようなJR北海道と地域の関係者が一体となった利用促進活動を積極的に進めていただくとともに、誘客キャンペーンの拡大や安全面に配慮しながらの費用の削減など、収益拡大に向けた取組を強力に進めることを引き続き求めていきたいと考えています。 さらに、先ほども答弁しましたように、札幌開業を機により収益が拡大する、そういうチャンスが大いに広がっておりますので、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。
○徳永エリ君 新青森―新函館北斗間も最初の見通しはもっと良かったわけですよね。札幌延伸まで、必ず収益が改善していくというようなお話でありましたけれども、本当にその見通しが正しいのかどうか、ここもしっかりと、やっぱり客観的な判断の必要性も財務省は訴えておりますので、考えていかなければいけないと思っています。 平成二十一年の十二月二十四日の整備新幹線の整備に関する基本方針に基づき、基本的な五つの条件を満たしているということを確認していました。安定的な財源見通しの確保、収支採算性、投資効果、営業主体であるJRの同意、並行在来線の経営分離についての沿線自治体の合意、こういったことがあったからこそ北海道新幹線の工事を進め、そして開業に至ったんだと思うんですけれども、ただ、その効果が恐らく出てくるだろうと見込まれている札幌延伸、これは二〇三〇年度の末ということでありますよね。ここまでの間にこの今の北海道新幹線の赤字がどんどんどんどん膨らんでいくということになったら本当にこれは相当経営的に厳しくなってくると思うんですが、そこは、国土交通大臣、どのように手を打っていくというか対応していくというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 北海道新幹線新青森―新函館北斗間については、開業後二年間までの実績において赤字を計上している状況でありますが、JR北海道からは、収益拡大に向けた取組を強力に進め、収支改善に取り組んでいくというふうに、こととしているものと聞いておるところであります。
○徳永エリ君 財務省の指摘とは違って、国交省は非常に楽観的な説明をしているわけですけれども、財務大臣、聞いておられて、今の財務省の指摘と国交省のこの見解の違いといいますか、どのようにお感じになっておられますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) この北海道新幹線については、もうこれは先生御存じのように、着工するに当たって、収支の採算性とか投資効果を、今言われた着工の五条件ですよね、その五条件については、これはJR北海道を含むいわゆる関係者でこれ確認をした上で始めておられるというのは御存じのとおりです。 したがいまして、この考え方に沿って今後やっていかにゃいかぬのですが、JR北海道の経営が自立していくようにプラス方向に持っていかにゃいかぬわけなんですけれども、御存じ、まあ御存じって、先生は御存じなんでしょうけれども、貨物と併用しているという事態というのをみんな、知らない人が圧倒的に多いんですよね。これを併用していくために、少なくともスピードは百四十キロまでしか出せなかったはずなんだが、それを百六十キロに上げられるように努力した結果、三時間五十八分になったという話を先ほど石井先生がしておられるんだと思うんですが、これを今後二百キロに上げていくというのはほぼでき上がりつつありますんで、更に時間が短くなるというようなことが出てきますんで、一つ状況としては間違いなく良くなります。 それから、いわゆる新幹線事業というのは、まあやっぱり函館じゃなくて、やっぱり北海道の場合は、もう奥地の札幌の方が奥地じゃないんですよね。今、函館の人に言ったら、ようこそ奥地からと今でも函館の人は言うよね、確かに、札幌の人に向かって。この間函館行きましたけど、奥地からようこそって言っているの見て、ああ、やっぱり函館はプライドがあるなと思って聞いていましたよ、そのときは。だけど、その奥地の方が今、しかもこれ小樽経由して入ってきますからね。 そういった意味では、いろんな形でこの状況が変わってきている、変わってくることになりますんで、新幹線としての採算としては、先ほど石井大臣が言われましたように、形としては不動産とか開発事業とか観光事業とかいうのが、大体、鉄道というのはそれ自体でもうけているより関連関係でもうけている利益の方が大きいのははっきりしていますから、そういった意味では、JR九州って赤字抱えた会社をそばで見ていましたけれども、間違いなくJR九州は、北海道、四国、赤字と言われた九州が黒字になったその背景というのは、間違いなくそういった観光とか開発とか、そういったものをやってきたことは事実だと思いますんで、こういったような努力がないとうまくいきませんよ。
○徳永エリ君 麻生大臣、今、奥地というふうにおっしゃいましたけれども、北海道の人、奥地とは言っておりません。本州のことを内地と言ったりはしますけれども、(発言する者あり)いや、それでも余り奥地という言葉は使わないと思います。余り適切ではないかもしれません。時間がありませんので、そこはお伝えしておきたいと思いますけれども。 パネル御覧いただきたいと思うんですが、それこそ国鉄の分割・民営化当初から、北海道のこの在来線はなかなかその経営が厳しいということは分かっておりましたから、経営安定基金、これを六千八百二十二億積み増して、そして、当時七・三%の金利ですか、それで運用をして、その運用益でもって赤字の補填をしていたわけですね。ところが、これがどんどんどんどん目減りをしていきまして、この平成二十三年辺りですね、ここではもう本当に運用益が、当初四百億円以上あったものが二百三十五億円まで減ってしまっているわけであります。 こういう状況でありますから、国にも何度も基金の積み増しをお願いしてまいりました。で、二〇一一年に特別債券という形で二千二百億円、実質、経営安定基金の積み増し、追加支援をしていただいたわけでありますけれども、それでも赤字は解消されていないという状況であります。 先ほど申し上げましたけれども、そういった状況の中で、新幹線、二〇三〇年度札幌延伸までまだ十年も時間があるわけでありまして、ここで本当にもうどうにもならないような赤字ができてしまっては、もう本当に北海道の鉄路、厳しい状況に追い込まれるばかりでありますので、そこをしっかり対応していっていただきたいということを再度申し上げたい。 そして、昨年の七月の二十七日に、国からJR北海道に対して経営改善に向けた取組を着実に進めるように監督命令が出されました。それとともに、国の支援として、関係者による支援、協力、総額二年間で四百億円、これが公表されました。この四百億円、四百億円台となっているんですけれども、この四百億円台というのをどのように理解したらよろしいんでしょうか。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。 昨年七月二十七日、国土交通省より発出しました監督命令におきましては、来年度からの二年間で総額四百億円台の国の支援を、JR北海道の徹底した経営努力を前提として行うこととしております。このうち、利用が少なく鉄道を持続的に維持する仕組みの構築が必要な線区における鉄道施設及び車両の設備投資及び修繕に関する支援につきましては、国は地方自治体等と同水準の支援を行うこととしているところでございます。
○徳永エリ君 単独では維持困難な線区のうち、地元負担前提で線路維持方針の八区間について、鉄道施設及び車両の設備投資及び修繕への支援、これが自治体等からも国と同水準の支援を求めるということでありますが、先週の土曜日に北海道新聞に、JR北海道が、八区間の年間赤字約百二十億円のうち負担できるのは三分の一までであると、国と北海道と沿線自治体で年間八十億円の支援を想定しているということが記事になりました。 北海道と沿線自治体の負担額、これが国と分けるわけでありますから四十億ということになりますけれども、財政難の北海道や自治体にとって負担は相当に重いということになります。 この金額は実際には難しいのではないかと思いますが、この支援スキーム、これをJR北海道は具体的に数字を出しているわけですから、国の負担をもう少し大きくするとかそういった支援スキームの変更ができないのかということと、それから、いつ頃までにこの具体的な額が示されるのかということをお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。 地方自治体からの支援につきましては、昨年十二月二十四日に開催されたJR北海道の事業範囲の見直しに係る関係者会議におきまして、平成三十一年度及び三十二年度に緊急的かつ臨時的な支援を行うべく地域において速やかに協議を行うことが確認されたところでございます。 国土交通省としては、これに基づきまして速やかに結論が得られることを期待しておりますし、その結論を受けまして、国の支援の水準に関しましても決めてまいりたいと考えているところでございます。
○徳永エリ君 あくまでも、道とそれから自治体が金額を決めるのを待って、その金額が出たら同水準を国が決めるということなんですね。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。 昨年七月二十七日に発出しました監督命令におきましては、国は地方との同水準の支援を行うということでございます。したがいまして、地域におきます現在の議論の結論が得られることを待っているところでございます。
○徳永エリ君 いつまでにこの金額ははっきりするんでしょうか。めどはあるんでしょうか。
○政府参考人(蒲生篤実君) 我々といたしましては、できるだけ速やかにということで期待しているところでございますが、何分、地方自治体におきます議論の結果でございますので、その結果を我々しっかり待っていきたいと思っているところでございます。
○徳永エリ君 これ、これだけ大きな金額を示されると、なかなか自治体としては結論を出すことに時間が掛かるというか、難しいのではないかというふうに思っています。 ただ、もう本当に支援は一日も早くというか、額をしっかり決めていただいて対応していただかないと、どんどんどんなに努力をしても赤字が膨らんでいっているという状況でありますので、ここは待つということではなくて、国からもしっかりと道や自治体に働きかけながら具体的な金額を早く示していただきたいというふうに思います。 とにかく、本当に北海道、もうどんどんどんどん人口も減っていっていますし、高齢化も進んでいる中で、バスも運転手不足というところがあって、バスに転換しても本当に生活の足、命の足が維持できるかどうかということも大変に心配な状況でありますし、それから二〇二〇年には空港も民営化されるということで、北海道の鉄路を使って札幌からもっと先、いろんなところに今観光客の方々が行っています。今、観光インバウンド、二百七十万人が北海道を訪れていますけれども、今後五百万人まで増えるということもありますから、移動の足、あるいはすばらしい北海道の大自然の中を走る鉄路、これはもう観光資源としても絶対に残していかなければいけないと思っています。 ですから、こういった赤字解消のための支援、それからこの新幹線の問題もそうですけれども、本当に国には北海道の特別な事情を理解していただいてしっかりと支えていただきたいということを改めてお願いを申し上げたいと思います。 済みません、時間がなくなりましたので次行きたいと思いますけれども、児童虐待問題についてであります。 十四日に発表されました警察庁の集計によりますと、昨年摘発した児童虐待件数は千三百八十件、前年比で二一・三%も増えています。そして、その約八割は身体的虐待、さらに性的虐待、ネグレクト、心理的虐待。被害に遭った児童数は千三百九十四人と、事件の数もそれからこの被害に遭った児童数もいずれも過去最高となっています。死亡児童数は、保護児童の数が増えた影響か減少していますが、それでも三十六人の児童が尊い命を落としているということであります。 この警察庁の数字、集計、これを受けて、総理、どのようにお感じになりますでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘のとおり、警察庁の発表でも厚生労働省の統計でも、虐待対応件数、増えております。この虐待対応件数の増加に対してしっかりと対応する必要があるというふうに考えております。
○徳永エリ君 今の数字を受けて、総理がどのような御感想を持たれているかということをお伺いいたしました。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この虐待の件数が非常に増えているわけでございます。この増えていることを我々しっかりと受け止めていかなければいけないと思っておりますが、認知件数が増えてきているということは、児童虐待防止法等によって認知される件数が増えてきているということもあるんだろうと、こう思うところでございますが、この児童虐待の根絶をしっかりと目指していきたいと、このように考えております。
○徳永エリ君 先週の火曜日、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案が閣議決定をされました。 国民民主党では、昨年の六月に、児相の児童福祉司の数を劇的に増やすと、そして対応していこうということで法案を提出させていただいておりましたが、当時、余り与党の皆さんが積極的ではなくて、今回こういった法案提出ということになったんですけれども、やっぱりもっと早く対応していただきたかった、そうすればもっともっと多くの命を救えたのではないかということも指摘をさせていただきたいと思います。 今回の改正で、児童の権利擁護の観点から、親権者は児童のしつけに際して体罰を加えてはならない、児童福祉施設の長についても同様とするという規定が入ったのは大きな前進だと思います。しかし、警察庁の集計を見ますと、検挙人数千四百十九人のうち、女性は三百七十一人で九五%が実母、男性は千四十八人で五九%が実父ですが、二五・四%は養父、継父、そして内縁の男性が一二・一%となっています。虐待を行うのは親権者だけではありません。親権者や児童福祉施設の長としたのはなぜなのか。対象が狭いのではないでしょうか。 あらゆる体罰を禁止するという、そういったメッセージに果たしてつながっているのか、そういったメッセージに欠けるのではないかと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 今回、体罰禁止規定を設けましたのは、親権者とそれから児童福祉施設等の長等につきましては特別に法律上懲戒権が認められているということでございます。そういう意味では、この懲戒権の中で体罰が行われるということも現行法上あり得るわけですけれども、この特別に持つ懲戒権について体罰を禁止すると、そういう趣旨でございます。
○徳永エリ君 懲戒権、親権者だけ体罰を禁止すると。一緒に暮らしている、要するに内縁の夫とかそういう人たちが体罰をすることは禁止しないということですか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 元々、親権者等以外の同居人の方等については懲戒権が民法上もございません。そういう意味では、元々そういうことはできないということであります。そういう意味では、特別に認められている懲戒権について今回制限を加えるということでございます。
○徳永エリ君 はい、分かりました。 今のこの懲戒権ですけれども、民法の第八百二十二条の懲戒権、監護及び教育に必要な範囲で懲戒することができるとの関係で体罰禁止を規定できるかどうかという議論も今までありました。法案ではしつけと称して体罰を加えてはならないことを明記していますけれども、そもそも体罰が具体的に何を指すのか、不明確です。この点はどのように線引きをしていくんでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 今回、体罰の禁止の法定化をするわけですけれども、今回、体罰禁止を法案に盛り込みましたのは、体罰は許されないということをまず社会全体で共有し、体罰によらない子育てを推進することを目的としています。 この体罰に関する規定につきましては、既に学校教育法の第十一条にも禁止する規定が設けられておりまして、この学校教育法におきましては、こうした懲戒行為が体罰に当たるかどうかにつきましては個々の事案ごとに判断する必要があるとされておりますけれども、例えば、殴る、蹴るなどの身体に対する侵害を内容とするもの、それから正座、直立等の特定の姿勢を長時間にわたって保持させるなどの肉体的に苦痛を与えるものというふうにされております。 今回の児童福祉法におきまして禁止する体罰につきましても、学校教育法を参考といたしまして、基本的には同様の範囲とすることを想定しておりますけれども、具体的には、今後、体罰の範囲、体罰の禁止に関する考え方等につきまして国民に分かりやすく説明するためのガイドライン等の作成をしたいというふうに考えております。
○徳永エリ君 ガイドラインの作成をして線引きをしていくということでありますけれども。 与党の議論の中では、この民法八百二十二条を削除してこの懲戒権の改正を行おうというような意見もあったというように聞いています。総理は、体罰禁止規定が入ったこと、また、民法で認められたこの懲戒権との違い、どのように認識されておりますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘の懲戒権については、家族の在り方に直接関わり、国民の間でも様々な議論があるものと承知をしておりますが、改正法案においては、体罰を加えることが民法上の懲戒権の範囲を超え、法律上許されないものであることを明確化するとともに、民法上の規定の在り方そのものについても施行後二年を目途に検討を行う旨を盛り込んだところであります。 これにより、体罰、たとえしつけを目的、名目とするものであっても許されないということを法律の上でも、また国民の意識の上でも徹底し、虐待の根絶につなげてまいりたいと思います。
○徳永エリ君 今回の政府提出法案は、保護というところに強化、力点を置いているんだと思いますけれども、やっぱり虐待をなくしていかなければいけない。なくすためには、国民民主党としては、やはり親への指導、保護者への更生プログラム、こういったものを盛り込む必要があるのではないかというふうに思っております。もう実際に実施団体もありますから、そういうところとも連携をしながら、本当にこの虐待の根絶に向けてしっかりと取り組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。 今年の七月から商業捕鯨が再開するということで、農林水産大臣そして水産庁長官に御質問させていただく予定だったんですけれども、時間がなくなりましたので、また木曜日の農林水産委員会で質問させていただきますので、これで終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で徳永エリ君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、平木大作君の質疑を行います。平木大作君。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 平成という時代が間もなく終わりを迎えようとしております。私、平成が始まった年のことをふと思い出すんですが、あのときに一番強烈な印象として記憶に残っておりますのが、あのベルリンの壁の崩壊でありました。ようやく東西冷戦が終わって、これで世界に平和がやってくるんだ、安定がやってくるんだ、こう期待したわけでありますけれども、その後の三十年間で我々が突き付けられた現実は何だったかというと、むしろ不安定化する世界の中で地域紛争が勃発しているという、こういう現実でもございます。なかなか、この平和な日本にいる限りにおいては意識に上る機会というのは少ないかもしれませんけれども、今もどこかで地域紛争というのが続いているわけであります。 そして、この世界の紛争地におきまして人道支援に携わっている国際機関あるいはNGOといった市民社会の皆様がいらっしゃいます。先日、イラクから帰国をされたばかりの国境なき医師団で活躍をされている日本人医師の方にお会いをいたしました。お伺いをいたしましたのは、この紛争地において医療活動に従事される方たちが今攻撃の対象とされているという、国際人道法のルールを踏みにじる現実でございます。 こうした状況を受けまして、国連の安全保障理事会は第二千二百八十六号決議を採択をしております。 まず、外務省に確認したいんですが、この安保理決議二二八六号、この概要について、紛争地の現状と併せてお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(鈴木哲君) お答え申し上げます。 紛争下の医療に関する国連安保理決議第二二八六号は、二〇一六年五月三日に、我が国、エジプト、ニュージーランド、スペイン、ウルグアイ、この五か国が共同提案国として安保理に提出いたしまして、全会一致で採択された決議でございます。 この決議は、世界各地の紛争地で医療スタッフや医療施設への攻撃が多発し医療へのアクセスが困難な状況になっていることを踏まえまして、紛争当事者による医療スタッフや医療施設への攻撃を非難し、国際人道法及び国際人権法を含む国際法上の義務遵守を要請するものでございます。 こうした医療スタッフ、医療施設への攻撃は依然として紛争地で発生しているのが現状でございます。
○平木大作君 資料一を御覧いただきたいと思います。(資料提示)この二〇一六年の安保理決議の以後も、実はシリアなどの紛争地におきましては医療従事者に対する攻撃というのが一向に収まる気配を見せておりません。こうした事態を受けて、昨年、WHO、世界保健機構は、この医療従事者若しくは医療施設に対する攻撃をモニターするシステムの運用を開始しております。 見ていただいて分かるように、残念ながら、二〇一八年以降ですね、ですのでたった一年ちょっとの間でありますけれども、二〇一八年以降でこの医療従事者、また医療施設に対する攻撃というのは合計で八百四十九回を今数えるに至っております。 日本は、今御説明にもありましたけど、当該安保理決議の共同起案国でもございます。是非、この国際人道法の履行強化、また紛争予防のために積極的な役割を果たすべきと考えておりますが、河野大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 紛争下における医療従事者あるいは医療スタッフ、そして医療施設の保護というのは、この紛争下の文民活動を保護するという意味でも非常に重要な問題でございます。 日本は、この共同起案国の一つとして、国連の場あるいは国際人道法の履行強化に係る政府間プロセスなどの場において、こうした履行の強化のための議論に積極的に関わってきているところでございます。また、国内でも、日本赤十字社を始めとする関係機関と協力をして、国際人道法国内委員会においてこの国際人道法に関する様々な議論を行ってきているところでございます。 こうしたことの重要性に鑑み、今後とも、国連ですとか、あるいは赤十字、市民社会とともに履行強化に向けてしっかりと努力をしてまいりたいと思います。
○平木大作君 この国際社会の中でリーダーシップを発揮するための絶好の機会が、本年、日本で開催をされるG20であるというふうに思っております。 実は、紛争下の、紛争地域の医療従事者の保護につきましては、これまでのG20、二〇一七年のドイツと、そして二〇一八年のアルゼンチンと実は二つの会合で、それぞれG20、これ保健大臣会合の共同声明の中でも言及していただいているんですけれども、これ残念ながら実効性のある措置には至っていないわけであります。 是非、これ、本年六月に開催をされます大阪サミット、そして十月の保健大臣会合でも主要議題として取り上げていただいて、日本として解決に向けたリーダーシップを発揮していただきたいと考えておりますが、安倍総理、また根本大臣、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 紛争下における医療従事者への攻撃はあってはならないものでありまして、国際社会が一致団結して解決していくべき問題であります。 本年のG20サミットにおいては、世界経済の持続的な成長に向けて、国際保健を始めとする地球規模課題を含む世界が直面する様々な課題について議論をしますが、国際保健に関しては、保健大臣会合において国際的な健康危機への対応も議題としておりまして、この中で御指摘の課題についても各国の意見を踏まえながら議論する方向で検討したいと思います。
○国務大臣(根本匠君) もう総理からお話がありましたが、これまでも国際的な健康危機への対応、保健大臣会合で掲げております。そして、この中で、委員が指摘した課題、これまでも国連安保決議に基づき医療従事者への攻撃を非難するなど、大臣会合でこれまでもやってきておりますので、これまでの保健大臣会合の経緯や、あるいは各国の意見を踏まえながら議論していきたいと思います。 外務省と連携しながら、議長としての務めをしっかり果たしていきたいと思います。
○平木大作君 大変前向きな答弁をいただきました。どうぞよろしくお願いをいたします。 関連をいたしまして、国際人道法上看過できない問題についても一問、是非お伺いをしておきたいと思っております。 実は今日、ちょうど三月の二十五日からでありますけれども、スイスのジュネーブで特定通常兵器使用禁止制限条約、通称CCWと言われる専門家会合が開催をされることになっております。ここで議題に上りますのが、自律型致死兵器システムと、英語で頭文字を取ってLAWSと言われるんですが、通称、一般的にはキラーロボットと言われるものの開発規制であります。 このキラーロボットというのはどんなものかというと、端的に言うと、人間の関与なしに自律的に敵をAIが探して、そして攻撃してしまうという、こういう兵器のことでありまして、これ、技術的にはもう実用化は時間の問題だというふうにも言われております。ある意味、映画「ターミネーター」で見た悪夢の世界が、実はもしかするともう間もなくやってくるかもしれないという、こういう状況でございます。 この開発規制ということにつきましては、これまでCCWの中でも、実は二〇一三年から、もう六年前でありますけれども議論が始まっておりまして、一昨年には専門家会合を公式に設けるという形で議論が続いております。議論は六年間やってきているんですけれども、実は、各国の利害、もう既に開発に着手している国ですとか様々なものが絡み合って、実はこのキラーロボットとは何かという定義すらいまだ決めることができていないという、こういう状況に今あるわけであります。 このキラーロボットの開発ということにつきましては、先日、参議院の代表質問におきまして、これは山口代表からの質問に答えていただく形で、安倍総理からも、日本として開発する意図は有していないんだということを言明いただいたわけでありますが、また、公明党としても、PTをいち早く立ち上げまして、検討を進めてきた結果を、先日、これ政府に対して申入れをさせていただいたところでございます。 改めて、今日から始まりますこのCCWの開催に当たりまして、これは是非とも日本に国際社会の合意形成のリーダーシップを発揮していただきたいと思っております。河野大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘ありましたこのLAWSというのは、火薬あるいは核兵器と並んで戦争の在り方を変えかねない非常に大きな問題だと思っておりますし、また、先般は公明党のPTからも中間提言をいただきました。そうしたものを参考にして、今日から始まります専門家会合に対して、日本の考え方をまとめた作業文書を提出をいたしました。 我が国は、このLAWSに関して言えば、意味のある人間の関与が必要であるということと、国際人道法が適用されるべきということを常々訴えてきているところでございますが、この人間の関与の在り方、あるいは、今委員からも御提示ありましたように、定義をどうするというところについては、なかなか意見の一致を見ることができていないのが国際社会の現実でございます。 我が国として、完全自律型の致死性を有する兵器の開発はしないということを明確にしているわけでございますが、他方、この自律性を有する兵器システムは、ヒューマンエラーを減少させる、あるいは省力化、省人化といったことにつながるという安全保障上の様々な意義があるのも事実でございます。今回の作業文書では、こうした重要な論点についてまず我が国の考え方を示し、この専門家会合における議論を踏まえて成果文書を発出するということもオプションの一つたり得るということを提案をしているわけでございます。 このLAWSの議論については、日本が積極的に貢献できるように今後とも努力をしてまいりたいと思っているところでございます。
○平木大作君 是非よろしくお願いいたします。 これまでの六年間の議論を経て、定義すら決められないという中で、CCWじゃない場で議論しようみたいな動きも出てきてしまっている。やはりしっかりとこれ合意をつくって、何よりも、なし崩し的に開発の方が進んでしまわないように日本としてもリードしていただきたいと心からお願い申し上げたいと思います。 次のテーマに移りたいと思いますが、性的マイノリティーの方たちを取り巻く環境の解決に向けまして、政府の方針と、そして、今日はちょっと具体的に、働く環境における具体的な取組ということについてもお伺いをしていきたいと思っております。 日本でもLGBTという呼称が定着をしてまいりましたけれども、骨太の方針二〇一八の中にもこう記述があります。性的指向、性自認に関する正しい理解を促進するとともに、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりを進めると、こう書いていただいているわけですね。明記してあるわけであります。実はこれ、同様の記載は二〇一六年から続いておりまして、大部な骨太の方針の中の本当に一部分、一文であるわけでありますけれども、でも、短い一文かもしれませんが、これ、当事者の皆様にとっては本当に大いなる希望であるというふうに思っております。 そこで、まず安倍総理にお伺いしたいんですが、この性的マイノリティーを取り巻く社会の現状についての御認識と、そして多様性を受け入れる環境づくりに向けた総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) LGBTと言われる性的マイノリティーの方々の中には、例えば、職場や学校などにおいて、性的指向、性自認に関する理解の欠如に基づく偏見や不適切な取扱いを受けるなど、社会の中で様々な困難に直面している方々がおられるものと認識をしています。もとより、社会のいかなる場面においても、性的マイノリティーの方々に対する不当な差別や偏見はあってはなりません。 政府においては、多様性が尊重され、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会を実現するため、性的マイノリティーに関する啓発の充実、適切な相談対応、人権侵害の疑いのある事案への迅速な救済等にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。
○平木大作君 今国会におきましても、実は政府関連法案の中に関連するものがございます。 先ほども少し取り上げられましたけれども、女性活躍推進法、これの改正案と一括して今国会に提出をされました改正労働施策総合推進法案という法律なんですが、この中でハラスメント対策の強化ということが盛り込まれているわけであります。特に、このパワーハラスメントの防止対策ということについては初の法制化になるわけであります。 改めて、そもそもLGBTに関するハラスメントをどのハラスメントに位置付けるのかということは、これはこれで議論があるわけでありますが、実は、国家公務員を対象とする人事院規則の中には、このセクハラ指針の中に性的指向と性自認に関するハラスメントは禁止するということで、これ明記がもう既にあるわけであります。 そこで、今日は厚生労働省にまずお伺いしたいんですが、この今回の法案で、民間企業に対してLGBTに関するハラスメントはどう位置付けられているんでしょうか。
○政府参考人(小林洋司君) お答え申し上げます。 御指摘いただきました女性活躍推進法等の改正案におきまして、今般新たにパワーハラスメントの防止のための措置義務を盛り込んでいるところでございます。具体的には、優越的な関係を背景とした業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により労働者の就業環境が害されることというのをその定義としております。性的指向あるいは性自認に関する言動というのは業務上必要のないものでございまして、例えば性的指向や性自認を理由に仕事から排除いたしますとか、あるいは性的指向、性自認に関して侮辱的な発言を行う等によって精神的な苦痛を与えたような場合には、このパワーハラスメントに該当し得るものというふうに考えております。
○平木大作君 もう一問だけ午前中お伺いをしておきたいと思いますが、今御答弁いただいたとおり、LGBTに関するハラスメントというのはパワハラに該当するという御見解を示していただいたわけであります。であるんだったら、これ是非根本大臣にお伺いしたいんですが、通知にとどめるのではなくて、これ大臣の御判断で指針の中にしっかりと明記をしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 今議員御指摘のように、パワハラの判断基準や具体例、あるいは措置義務の内容などについては、今後、法律に基づく指針で具体的に示していくこととしたいと考えております。 指針については、法案が成立した後に労働政策審議会において御議論いただくことになりますが、御指摘も踏まえ、例えば性的指向や性自認に関する侮辱的な言動などがパワハラに含まれ得る旨を記載することについてもしっかりと検討していきたいと思います。
○平木大作君 まずは法案の成立、そして労政審もあってということでありましたが、指針の中にしっかりと書き込んで、これ民間企業の皆様にも内容も含めて周知徹底をお願いしたいと思います。 以上で終わりたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成三十一年度総予算三案を一括して議題とし、安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議を行います。 休憩前に引き続き質疑を行います。平木大作君。
○平木大作君 それでは、午前中に引き続きまして質問に立たせていただきます。 少し、先ほど午前中で議論が一旦途切れてしまったんですが、午前中の質疑の中では根本厚生労働大臣より、どういった行為が具体的にパワーハラスメントに該当するのかと、この具体例についてもきちっと指針の中で示していきたいということを言明していただきまして、また、特に性的指向や性自認に関する侮辱的な言動がパワハラに含まれ得ることを記載していくことも検討していきたいと、こういう御答弁をいただいたところでございます。 このテーマについて、もう一問だけお伺いしておきたいと思います。 この骨太の中にでも記載していただいた社会全体が多様性を受け入れる環境づくり、これを本気で進めていこうと思いましたら、やはりこれは、まずは実態をきちっと把握するというところが欠かせないわけでございます。 実は、このLGBTの方たちが職場で直面する様々な課題につきましては、これまでも例えばシンクタンク、民間のシンクタンクですとかあるいは団体、いろんな団体が独自に調査というのは行ってきております。その中からいろいろなものも見えてきておりまして、例えば、職場において働かれている方の大体八%ぐらいはこのLGBTの該当者に当たるんじゃないかというデータもありますし、また、職場で受けた差別ですとかハラスメント、こういったものをきっかけに電話相談窓口に相談を寄せられた方、実に三人に二人が自殺を考えたことがある、また四割ぐらいの方が自殺の未遂にも及んだことがあると、こういうショッキングな実は調査結果も出てきているわけでございます。 そして、今日審議をしておりますこの平成三十一年度予算案には、国として行う初めての職場におけるLGBT施策の調査事業というのが計上されているところでございます。具体的にどのようなものになるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(小林洋司君) お答え申し上げます。 平成三十一年度政府予算案に、御指摘のような職場におけるダイバーシティ推進事業を新たに盛り込んでおるところでございます。事業内容の詳細につきましては今後検討していくことになりますが、現状におけます職場における性的指向、性自認への対応等は様々なものが考えられるところでございまして、まずはそうした実態あるいは企業の取組事例等を調査いたしまして公表したいというふうに考えております。 こうした取組を通じまして、職場におけます性的指向、性自認に関する正しい理解を促進し、多様性を受け入れる職場環境の整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○平木大作君 是非これ、職場における実態しっかりつかんでいただいて、同時に、私も個別にお伺いする中で、これ、すばらしい取組をしている企業というのもたくさんあるんですね。そういった好事例も含めてきちっと把握をしていただいて、これから民間事業者の皆様の間に共有できるように是非取組をお願いしたいと思います。 では、次のテーマに移らせていただきます。 ギャンブル等依存症対策について少しお伺いしていきたいんですが、政府は、今月の七日でありますけれども、ギャンブル依存症対策の基本計画案というのを発表しております。このギャンブル等依存症というのは、本当に裾野が広いというんでしょうか、多重債務ですとか貧困、虐待、あるいは自殺といった本当に多くの社会的課題と密接にこれつながりを持った問題というふうに知られているわけでございます。 この計画案の基本的な考え方というところにも示されているんですけれども、この依存症克服に向けた取組を実効性あるものにしていこうと考えると、これ当然、多くの省庁をまたがって、あるいは地方自治体ですとか、もっと言うと民間の事業者、こういったところともまず連携をしていかなければいけない。そして、この基本計画案の言葉を借りれば、重層的、多段階的に、かつ不断の取組としていかなければこれは克服できないという、大変これ大きな取組になるわけでございます。 そこで、また安倍総理に是非お伺いしておきたいんですが、まさにこの省庁横断的な、もっと言うと官民の壁を越えた取組がしっかりとこれ求められているわけでありますが、安倍総理の御決意をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府においては、IR推進法の附帯決議を契機として、本人や家族の申告によるアクセス制限措置、全国における相談、治療拠点の整備、学校教育、消費者教育における指導、啓発等の包括的な依存症防止対策を順次実行に移してきました。 今後、昨年成立をしたギャンブル等依存症対策基本法に基づき、内閣に設置された推進本部において、外部の有識者を始め関係者の意見を適切に聴取しつつ、基本計画を本年五月までに策定するなど、対策を一層総合的、計画的に推進していきます。 ギャンブル等依存症により不幸な状況に陥る人をなくし、健全な社会を構築するため、地方公共団体と連携しながら、政府一体となって必要な取組を徹底的に講じてまいる所存でございます。
○委員長(金子原二郎君) 平木ダイスケ君。
○平木大作君 大作でございます。
○委員長(金子原二郎君) 平木大作君。
○平木大作君 AMEDの調査等もこれまで出てきておりまして、これ、全成人の実に〇・八%、七十万人相当ということでありますが、七十万人の方がこのギャンブル等依存症というような、現時点で苦しまれている、当事者として苦しまれておりますし、その御家族の方ですとか御親戚、御友人、こういった方も含んで大きな実は問題になっているわけでございます。 このギャンブル等依存症対策に向けた本格的な取組がいよいよ始まる、五月に計画案を策定してということであります。是非これ、総理のリーダーシップに期待したいと思います。 このギャンブル等依存症でありますが、基本法の中でも様々な施策というのが定められておりまして、普及啓発ですとかアクセス制限、また施設の改善、それから相談、治療に取り組む民間団体への支援と、こういういろんなメニューが実は並んでいるんですが、まずはこの具体的な施策を進めていくということに当たっては、やはり公営ギャンブル、公営競技のところにおいて率先してこれは取り組まなければいけないんだろうというふうに思っております。 これまで、もう基本法が施行されましてから時間もたっておりますので、改めてこれまでの政府としてのお取組と、そして今後の方針について、宮腰大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮腰光寛君) 公営競技における依存症対策につきましては、昨年七月にギャンブル等依存症対策基本法が成立する前の平成二十八年十二月に関係閣僚会議を設けまして、各公営競技の全主催者等に依存症対策担当を設置をし、公営競技ギャンブル依存症カウンセリングセンターを設置するなど相談対応体制の整備、それから競走場、場外券売場やインターネット投票における本人、家族申告によるアクセス制限の導入等に取り組んできたところであります。 基本法成立後、依存症対策に係る国や事業者の取組等を定めた基本計画を法律に基づき現在策定中でありますが、この中では、新たに本人、家族申告によるアクセス制限について個人認証システム等の活用に向けた研究の実施、それから施設内のATMの撤去、自助グループを始めとする民間団体等に対する経済的支援等の様々な強化策を盛り込んでおります。 海外におきましても、例えばシンガポールにおいては二か所のIRがオープンをしておりますが、その前の二〇〇五年の数字ではギャンブル依存症が疑われる国民の割合は四・一%、オープン後の直近の二〇一七年におけるこの疑われる国民の割合は〇・九%と、依存症対策をしっかりと講じることによりまして大きく減少をしてきているという事実もあります。 引き続き、関係者会議の場等を通じて関係者の御意見をしっかりと聴取をし、充実した基本計画を策定できるよう全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○平木大作君 今具体的に海外のいろいろな先行的な事例も含めて、四・一%の方が疑われていたものが、ちゃんと対策をやると〇・九%まで下がったんだということもお示しをいただきました。これ、時間がたったら今度は日本も同じ数字をある意味問われるわけでありまして、その意味でも全力で取り組むんだと、今、宮腰大臣の方から御答弁いただいたとおりでございます。 また、今この基本計画案というものが五月の策定を目指してパブコメに出されたりということで、まさに今そういう期間にあるわけでありますけれども、これ別に基本計画案が策定してからいろいろ進むというよりは、もうこれまでもしっかり取り組んでいただいたんだということも今御紹介をいただきました。 実際に、公営競技等を楽しまれている方は、例えば競馬場行ったときに、前はあったATMがもうなくなっているみたいな話が実際に私のところにも声としていただいています。残っているものについては、いわゆるキャッシング機能が付いていないものについてはまだ残っていたりするようでありますけれども、こういったものも基本計画案の策定後には撤去するということを今言明いただいたわけでございます。 この計画案の中に並んでいる様々な施策、私とってもこれ一つ一つ具体的ですばらしいなと思って見ているんですけれども、中でも、アクセス制限、つまり依存症が心配される方の入場規制ですね、ここに対する期待というものは大変高いものがございます。 これは、IR推進法を議論したときに、カジノに対する入場規制の在り方ということで様々検討がなされたわけでありますが、あのときの一つの整理としては、依存症防止の観点から、今御答弁にもありましたが、本人から申告があった場合のみならず、心配されている御家族、御家族から入れないように申告があった場合にも入場規制しなければやっぱりなかなか実効性が高められないということで、これ整理を見たわけでございます。 じゃ、この実効性を担保するにはどうしたらいいのかということでありますが、基本的に二つポイントがあるというふうに思っておりまして、まずその一つ目が、これは今、宮腰大臣からも御答弁いただきましたが、入口のところで人物をしっかり特定するということですね。ここにつきましては、近年、大変実は精度の向上が高まっておりまして、顔認証を始めとする個人認証システム、この導入がやはりこれ効いてくるんだろうというふうに思っております。 そして、二つ目のポイントって何かというと、ここが、資料の②を見ていただきたいわけでありますが、実際に入場規制、この制限を実施するアクセスポイントの数ということがこれやはり効いてくるわけです。ある意味、こっちは入れなかったけど、あっち行ったら入れたよってなるんじゃ全く意味がないわけですね。 こういうことを考えたときに、これもう図でお示しするまでもないんですけれども、この検討すべき拠点の数ということでいったら、これはもうパチンコ場が圧倒的に多いわけであります。いまだに一万を超えるパチンコ場というのが国内にありまして、公営競技の百倍以上の実際にはこういう場所があるということでございます。 しっかりとこれパチンコの入場規制についてもやっていただかなければいけないと思っておりますが、政府の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(白川靖浩君) お答え申し上げます。 パチンコ業界では、利用者や利用者の同意を得た家族からの申告に基づきまして入店制限等を行う制度の普及に取り組んでおりまして、現在約二千二百店舗まで導入店舗数が拡大しているところでございます。 パチンコへの依存防止対策を更に推進するため、業界におきましては、導入店舗を業界団体のウエブサイトに掲載するなどして導入店舗数の一層の増加を図ることとしているほか、利用者の同意のない家族からの申告に基づく入店制限を導入することとしているところでございまして、警察といたしましても、こうした取組が推進されるよう引き続き指導してまいりたいと考えております。
○平木大作君 是非よろしくお願いいたします。 重ねて、今申し上げた二つのポイントをしっかりやり切るということがとても大事だというふうに思っております。今言ったように、一つはアクセスポイント、しっかりとこれ網羅的にやっていただくということ、そしてもう一つが、先ほども重ねて強調しましたけれども、これ、入口のところで今人物を特定するって技術的にもかなりの精度でできるようになってきているんですね。 今日、図には示しておりませんけれども、これ実は、この顔認証を始めとする個人認証システム自体は日本が世界の先頭を走っております。もうこの十年ぐらい、実は世界のいろんなコンテストの中で負け知らずということでありまして、私もちょっとお伺いしたんですけれども、カメラを意識せずに歩いている、しかも複数の十人とか二十人とか同じ画面に映り込んでいるという方でもこれ瞬時に判別をできるということで、その照合精度九九・二%ということであります。 一枚の顔写真から、歩いている方たち、たくさんいる中の人物を実際にぱっと見出してどの人だと分かるということでありまして、実際にこれ、世界七十か国以上の空港あるいは犯罪捜査、こういったところでも導入されているというふうにお伺いしておりますし、日本の実はスーパーマーケットですとか商店でも実は一部導入しているところがもうあると。万引き等で指定された方ですね、入店をもう拒否されている方というのは、実は入口で把握をできるようになっております。 そういう意味では、これせっかく日本が冠たる技術持っているわけでありますから、これしっかりと使っていただいて政策を進めていただきたいということをお願いしたいと思います。 それでは、残りの時間を使いまして、もう一つのテーマ、移りたいと思います。 これが、昨今、貸金業法あるいは銀行法、こういった制度のはざまあるいはSNSなどのテクノロジー、こういったものを利用して、最近、中小零細企業からあるいは個人から高い手数料を徴収する通称新型闇金と称されるような事業者の存在が指摘をされているところでございます。 今日は、ちょっと具体的な事例に即して政府の御認識や今後の対応についてお伺いをしていきたいと思っております。 資料の三を御覧いただきたいと思います。 これ、一つの事例ということで、二者間ファクタリングという取引について説明をさせていただいた図であります。あらかじめ誤解のないように申し上げておきますと、ファクタリングというのはもうこれは全く何の問題もない合法的な取引なわけでありますが、これにある意味、形上、似せた形で、最近、ルールのないところでどうも荒稼ぎしている闇金がいるんじゃないかということが言われているということでございます。 どういうことかというふうに御紹介しますと、この真ん中に中小零細企業の経営者の方が今いるわけでありますが、中小企業、零細企業にとってのやっぱり一番の大きな悩みというのは資金繰りでございます。物が売れてちゃんと売上げは立つ、これはこれで商売としてはいいことなわけでありますけれども、実際に物が例えば売れて、相手のところにつくったもの、サービスが届いたとしても、その代金の支払を受けるのは当然、時間差があるわけであります、一か月後とか数週間後とか、こういうタイムラグがある。 でも、このタイムラグがある中で、例えば、当然、従業員のお給料というのは払い続けなければいけませんし、あるいは自分の方にも大きな支払のタイミングが来てしまうとこれ工面しなければいけない。この運転資金の工面ということが、中小企業の経営者の皆さんにとっては本当に大きな課題になっていくわけであります。 なかなか、売上げは立ったんだけれども、代金の支払を受けるまで、図でいくと、この①で販売をして③で支払を受けるところ、この間は、中小企業のこのオーナーの方は、経営者の方は、取引先との間にいわゆる売掛債権、支払の期日にお金を払ってもらうというその権利だけを今持った状況ということになるわけであります。 こんなときに、大きな支払、間もなく来るなと、いろいろな資金需要をにらんで悩んでいるところに、左側からファクタリングの事業者の方がささやくわけです。その売掛債権、すぐに資金化できますよ、買い取りますよといって、こうささやいてくるわけですね。 別に、このままちゃんと売掛債権を買い取るんであれば、これ何の問題もないんです。ちゃんとこの先の取引先も含めて三者間でこれはきちっと合意をして債権を買い取ってもらうということをやれば、これ何の問題もない取引なんですけれども、実はみそは、この買い取りますよという話と同時に、売掛債権をファクタリング業者に移転するのと同時にこの債権回収業務委託と、こういうのを行います。 これ、何を言っているかというと、結局、これ一応資金化してもらうんですけれども、中小零細企業のこの経営者の方は、結局、自分の取引先から代金の支払を自分で受けて、そしてそれをこのファクタリング業者に支払う、④という、そういう取組を全部自分の責任でやらなければいけないということになるわけでありまして、こうなると、これ一応ファクタリングとかたっているんですけれども、もう本来のファクタリングとは全く似て非なるものになるわけであります。 そして、もっと言うと、この左側の部分がいわゆるお金の融通に当たるわけでありますが、ここだけ見ると、結局のところ、中小零細企業のこの経営者の方がファクタリング事業者から八十万円を受け取って、そして一か月後に二十万円の利息を乗っけて百万円で返していると。こういう取引になるわけですから、取引の契約形態だけ見ると、むしろこれって債権担保貸付けとほとんどやっていることは一緒になります。 ただ、先ほど、冒頭申し上げましたように、このファクタリングについてはこれ何にも規制する法律がないんです、今。ないということで、一説には、例えばこういった悪質な取引、八十万円で利息二十万円取るということは、これ金利換算をしてしまうと年利三〇〇%の取引になりますから、こういうことがある意味野放しになっていたり、もっと言うと、反社会的勢力が今参入しているんじゃないかということも言われているわけであります。 これ是非、今ルールがない、規制する法律もないという中でありますけれども、政府として是非実態を把握していただいて、今後、事業者登録の義務化等を含めて検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ファクタリングに関する法規制の現状については麻生財務大臣から答弁させますが、ファクタリングを装った違法な貸付け等に対し、これまでも関係省庁において様々な対応を行ってきたところでありますが、手口が巧妙化していること等も踏まえ、引き続き厳正に対処してまいるとともに、関係省庁で連携して実態把握を強化させたいと思います。 御指摘の、これ、例えば事業者登録の義務付けについては、実態をよく把握した上で検討させたいと、こう考えております。
○国務大臣(麻生太郎君) ファクタリングと言われても分かっておられる方がほとんどおられないのが世の中の普通だと思うんですが、いわゆる企業が保有している債権というものを、融通してあげるよと。三か月後に一千万って、入ってくるか入ってこないかは知らないけれども、少なくとも目当て、一月後にあなたは五百万要るでしょうが、その間融通してあげますからと。決して悪い話じゃありませんよ。そして、問題は、その債権を仮にファクタリング業者に売ったとします。そうすると、それは相手側の債務者に教えておいてもらえば三者間のファクタリングが成り立つんですが、教えないで二者間だけで、債務者に言わず二者間だけで話をして、千万円のところを八百万だ、七百万だというんで、目先に要るのは五百万だから、はい、今というのは、それは悪い話じゃありませんから、そういうふうになる。 問題は、その債権の残りの二か月間の回収分は、ファクタリング業者がするなら貸付業者になりますけれども、その債権者、債務者の二者間でやって、そして取ってくるのはこの人であって、そして、ここはまた別の契約をして、債権、一か月後に回収した千万円の分、はい、あなたに貸した七百五十万円はちゃんと私へ返してねという話を隠密にやるわけですな、簡単に言えば。 そうすると、これは、貸金業者という資格を持っている人がやればまだしも、そうじゃない人がやると、これは、いわゆる貸金業法という点からいくと、明らかにこれは債権担保貸付けという、正確にはそういう名前のものの別の話になりますから、それに対しては、きちんと別な法律をやってもらわないかぬという法律は今ないんですよ、基本的には。そういうことはもう事実なんで、これは、そういったものが分かればこれはちゃんと罰則の対象になりますけれども、どれくらいの業者がいるかとか、そういったものはどういった実態になっているかというのに関しての調査は、これは今ありません。 したがいまして、今総理からも御答弁がありましたように、これは手口がもうかなり巧妙化してきているんであろうと思われるんですけれども、いずれにいたしましても、これは違法な貸付けをしているというんであれば、これは捜査当局の対象になりますのではっきりしているんですけど、とにかく、よく実態を調査してみぬと分からぬところですが、これは、貸している人も借りている人もみんなそれぞれそんなに損はないもんですから言わないんですよね、みんな。だから、全然、外に被害者ですと言ってくる人はほとんどおられませんので、これはなかなか難しいんですが、明らかに金利の常識からいきますと、上は、御存じのように額によって二〇%、一八%、一五%と決まっていますので、それよりはるかに高い一五〇%、何%という計算になっちゃいますから、今おっしゃるように、それはちょっと明らかにいかがなものかということになるというのが実態なので、それを、貸金業者法違反というのが一つと。さっき申し上げたような、いろんな法律に引っかかるところじゃない部分で手口を考えておられることになりますので、そこに対する対応は、ちょっと実態をよく一回調査をさせていただかないかぬところなので、なかなか届けが出てこないものだから、なかなか難しいというのが実態としか今の段階では申し上げられません。
○平木大作君 これは、今御答弁いただいたように、当事者から実はなかなか話が出てこないんです。トラブルになっちゃったときに初めて、実は裁判ですとか、いろいろなことで出てくるわけであります。さっき言ったように、百万円の売掛債権ですから、本来だったら百万円回収したいところなんですけれども、中小零細企業のオーナーの方は、今すぐだったら、これ八十万円になってでもやっぱり資金化したいというニーズが実態としてある。こういう中でどうしても我慢しちゃうとか、まあ、ある意味いろいろ、これは大丈夫かな、怪しいかなという思いもある中で、でも自分の中で終わらせてしまうということがあるわけでありまして、これ実態調査は難しいんだということもおっしゃっていただきましたけれども、是非前向きに検討していただければというふうに思っております。 残りの時間、もう一問だけ。 これ、SNSですとか、あるいはフリーマーケットアプリ、こういったものを使って、個人間の融資についても実は似たようなことが指摘をされております。ちょうどこれ、先週の火曜日、三月十九日の朝日新聞の夕刊でも具体的な事例が紹介をされておりまして、これ、個人間融資というハッシュタグを付けてツイッターで検索をすると、ぶわっと貸し手と借り手からいろんな情報って実は出てくるんです。 これ、書かれていた具体的な情報を申し上げますと、八万円借りて、一か月後に利息四万円払っているという、こういう取引を個人間でやっているというんですね。ただ、これ個人でこんなことを知らない人とやるかという話がやっぱりありまして、裏側には結局、これ個人を装った闇金グループがいるんじゃないかということも指摘をされているわけであります。 これ是非、いろいろ今SNSとかいろんなもの、提供しているプラットフォームを、この提供している事業者と連携して実態やっぱりこれつかんでいただきたい、そしてできればルール作りも含めてやっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 SNSやフリーマーケットアプリを使って個人間融資が行われているという御指摘があることは、我々としても十分承知しております。 なお、貸金業法上、金銭の交付と返還の約束が行われていれば貸付けに該当すると解されますことから、個別に判断する必要はございますけれども、個人間融資についても反復継続の意思を持って行うなど業として行われている場合には貸金業の登録を受けていただく必要があると考えております。 消費者被害の拡大防止の観点からは、SNS等のサービスを提供するプラットフォーマーに対しまして、個人間融資が貸金業法上の無登録営業の禁止に該当する可能性がある旨を注意喚起するとともに、SNS等を闇金業者に悪用されないための取組の検討を促してまいりたいというふうに考えてございます。
○平木大作君 是非、こういった今いろんな技術を使って新しいやり方というのがいろいろ出てきています。フィンテックみたいな前向きな取組は是非後押ししていただきたいんですが、同時に、そのはざまの中で新しく被害者になる方も出てきているということを是非政府にも御認識をいただいて実態調査進めていただきたい、このことを申し上げまして、私の質問、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で平木大作君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、藤巻健史君の質疑を行います。藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。 今日は、日銀に出口があるか、ひいてはアベノミクスというのはやってよかったのかということをお聞きしたいと思います。 デフレというじり貧を脱しようと思ってどか貧になりますと、これは国民生活地獄ですので、これを避けるためには、どうしても日銀がきちんと出口から出られるかなということを確認しなくてはいけないと思うんですね。 それで、まずパネル一を出していただきたいんですが、(資料提示)実は二月の二十六日に、パウエルFRB議長、アメリカの中央銀行の議長が、上院の銀行委員会で、連邦政府の債務が持続不可能な経路をたどっていることは広く認められていることだと発言したわけです。要は、もう財政はひどいよと、このまま行ってしまうと借金が多くなって大変なことになりますよということを言ったんですが、そのときのというか、今のアメリカの政府債務、借金の対GDP比は一〇七%なんですね。 GDP、これはいつも対GDP比で比べなくちゃいけないんですけれども、なぜかというと、例えば船に浸水をしたと、浸水した量ではその船が沈むかどうかは分からないわけです。要するに、タンカーでは沈まないかもしれないけれども漁船では沈むということで、やっぱりこれは浸水量と船のトン数で比べなくちゃいけないんですが、同じように、借金がどのくらい悪いかということは、いつも対GDP、経済規模で比べなくちゃいけないわけです。 ということで、対GDPというのは、GDPが大きくなると当然税金も上がってきますから、借金と税金でどのくらい返せるかという比なわけで、数字が大きければ大きいほど財政は悪いということになります。 先ほど中央銀行の議長がこのまま行くと財政危ないよと言ったアメリカでさえ一〇七%なんですが、日本は二四〇%、はるかに悪いですね。本来であれば、これは財政破綻の可能性ありますよ。ところが、これ財政危機を飛ばしちゃって、日銀飛ばしているんですね。 どういうことかというと、例えばイタリアとかギリシャなんかで危なくなると、借金が増えてくると、例えば安倍首相の給料危ないというと、これもうどうしようもないんでIMFとか世銀に借りに行くわけですけれども、なぜかというと、ユーロというのはヨーロッパ中央銀行しか刷れませんので、どうしようもない。だけど、日本の場合には、足りない、安倍首相の給料足りない、藤巻の給料が足りないとなると、日銀に国債を買ってもらって紙幣を刷って渡していると。ですから、紙幣をどんどんどんどん刷ることによって財政をファイナンスしていったわけです。しかし、そんなことはいつまでも続くわけなくて、紙幣を刷れば財政が何とかなるということであるならば税金要らないことになりますから、いつまでもこんなことが続くわけない。 そういうことをやっていた結果が、下にありますように、中央銀行、日銀の資産規模が対GDP比で一〇二%になっちゃったわけです。アメリカはもう資産を縮小を始めています。それでも二〇%しかないわけですね。 こういうように、今、日本の現状というのは、財政が世界最悪、先進国で、中央銀行が最大のメタボ、非常に不健全な状況なんですね。こういう状況にあるということをお話ししたい、まず確認しておいていただきたいと思います。 これは、先ほど言いましたように財政が危ないということで、財政ファイナンスである異次元の量的緩和をしたせいだと思います。これは、デフレ脱却というふうにいつも政府はおっしゃいますけれども、まさに異次元の緩和をやってきたせいだと思うんですね。 異次元の量的緩和というのは何かというと、一九九八年の日銀のバランスシートがあると思います。これは、私がJPモルガン・チェース、今のJPモルガン・チェースの日本代表で東京支店長をやっていたときのバランスシートなんですけれども、まず九十一兆円と非常に小さい。現状はその五倍半ぐらいにもなっているわけです。非常に資産規模が大きくなっている。何が大きくなったかというふうに見てもらいますと、国債が五十二兆円あったものが四百七十六兆円、しかもほとんどが長期国債持っているわけですね。一方、負債の方は、日銀当座預金、これが四・四兆円だったものが三百八十五兆円に増えているわけです。 これ、どういうことか。日銀当座預金というのは、皆さんが例えばみずほ銀行に預金をするがごとく、みずほ銀行が日本銀行に預金をしているわけです。で、異次元の量的緩和ということで国債をどんどん買ってきました、みずほ銀行から。だから、当然、今の日銀というのは国債の残高が物すごく増えている。その代わり金を、買ったお金を別に現金でみずほ銀行に渡すわけじゃなくて、みずほ銀行が日銀にある口座に振り込むという形をしていたわけです。ですから、これ非常に国債が増えて、負債サイドの日銀当座預金が増えたと、これが異次元の量的緩和なわけですね。 ここから質疑に入りたいと思うんですが、まずアメリカの、今、利上げを始めてはいますけれども、アメリカの状況を見ますと、アメリカというのはやっぱり国債たくさん買っています。それで、ここから生じる収入というのが十二・五兆円あるんですね。というのは、利回りが二・六%の国債を買っていますから、十二・五兆円ある。しかし、純利益は八・九兆円なんですよ。差がある。 どうして純利益が低いかというと、FRB当座預金ですね、例えばシティバンクとかJPモルガン・チェースから預かっている預金に金利を払うということで、利上げを始めていますから、今二・〇から二・二五利上げを始めているということで、収入が減っちゃっているわけです。今、八・九兆円です。きっと二〇一八年になっちゃうともっと減って、七・二兆円、減ると思うんですね。要するに、利上げを続けると、FRBでさえ債務超過になっていっちゃう可能性があるんですよ。 ここで日銀にちょっとお聞きしたいんですが、日銀、今四百七十六兆円の国債持っています。一・二兆円の収入があります。これ、えらい少ないですよね、FRBに比べると。FRBが十二・五兆円あるのに、日銀というのは一・二兆円しかないですから、物すごい日銀の収入って低い。これは当たり前の話で、FRBの方は利回りが二・六%の債券たくさん持っている。日本の日銀の買っている国債の利回りというのは、〇・二七九%です、二〇一七年でね。非常に低い利回りの国債買っているから、当然収入が低い。 だけれども、まだゼロ金利を継続していますから、日銀当座預金の方に残高三百八十五兆円もありますけれども、ほぼ〇・一%ぐらいしか払っていないから、支出の方は二千億円しかない。だから、あと経費がありますから、したがって、七千六百億円の純利益があるわけです。これもえらい少ないですよ。アメリカが八・九兆円純利益があるのに、日銀は七千六百億円の純利益しかない。ということで、これからもし景気が良くなったときに日銀の財務は、バランスシートはどうなっちゃうのという疑問が非常に出てくるわけです。 例えば、日本銀行、一%金利を上げます。先ほど申し上げましたように、日銀当座預金のところに一%金利を上げると、三・八兆円です、一%。二%上げると、七・六兆円の支払金利です。先ほど申しましたように、国債からの収入は一・二兆円しかないわけです。途端に損の垂れ流し。しかも、準備金と引当金を合わせて八・四兆円しかありませんから、途端に債務超過になってしまう。こういうリスクがあると思うんですが、黒田総裁、大丈夫でしょうか。
○参考人(黒田東彦君) この量的・質的金融緩和というものは、これを実施している際はバランスシートの拡大によって収益が押し上げられる一方、出口の局面では日銀当座預金に対する付利金利の引上げ等によって収益が減少しやすいという特徴があります。 もっとも、将来、経済・物価情勢が好転し日本銀行が付利金利を引き上げる場合には、長期金利も相応に上昇すると考えられます。したがいまして、当座預金に対する支払利息が増える一方、日本銀行の保有国債についてはより高い利回りの国債に順次入れ替わっていくため、受取利息は増加することになります。 このように、出口の過程における収益面の影響は、受取利息も含めたバランスシート全体について考える必要があります。 また、二〇一五年度から、利息の受け払いによって、利益が上振れる局面ではその一部を積み立てて、収益が下振れる局面では取り崩すことができるように、債券取引損失引当金を拡充いたしました。こうした措置は、出口に向けた収益の振れを平準化して財務の健全性を確保する観点から一定の効果を持つと考えておりまして、事前の対応としては十分なものというふうに認識しております。
○藤巻健史君 金利を、出口に差しかかったときに減少しやすい、利益が減少しやすいとおっしゃいましたけれども、とんでもないんで、減少幅がめちゃくちゃにあるということが事実だと思うんですよね。 それから、例えば、今、黒田総裁は利益の一部を積み立てているとおっしゃいましたけど、積み立てたって、今、八・四兆、これどのくらい積み上げるんですか。これ、日銀当座預金一%上げると三・八兆円ですからね、もう微々たるものですよ。大体、純利益七千六百億円しかないのにどうやって積み立てるんですか、そんなものを。まさに言葉のあやだというふうに思います。 それからもう一つ、今の黒田さんのそういう話でいいますと、資産サイドも金利が上がってくるとおっしゃいましたけれども、異次元の量的・質的緩和の質的というのは長期国債を買い始めたことですよ。私がさっき言いましたように、あの一九九八年のときはほとんど短期国債しか買っていませんから、三か月たてば新しい金利になって、すぐに収益上がりましたよ。 今、日銀は大量に十年国債、三十年国債、四十年国債の固定金利の債券を買っているわけですよ。いつ上がるんですか。十年待てば金利上がる、収入上がりますよ、三十年たてば上がりますよと。十年国債、百四十兆円ぐらい買っているうちの、二〇一七年ですね、三十二兆円、十年国債で、あの頃の平均利回りって〇・〇五%ぐらいですから、もう微々たる金利の国債買っているわけ。十年間そういう金利があるわけです。いつ上がるんですか。支払金利の方はぼんぼん上がっていっちゃうわけですよね。十年も何とかなるんでしょうかね。そういう疑問が非常にあるんですが。 〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕 あと、ついでに、ちょっと次に行きますけれども、若しくは景気が良くなると、当然、こんなに国債買っていますから、長期金利が上がります。お答えしているときっと長くなると思うので、私、もう事前に聞きました。財政金融委員会でも聞いたことがあるんですが、国債金利が一%上がると評価損が二十九・三兆円、二%上がると五十三・一兆円、五%上昇すると百五・五兆円、それで一一%上昇すると、それは、一九八〇年に私がトレーダーになったときは一一%でしたが、そうなっちゃうと評価損が百六十八兆円ですよ。今、含み益七・二兆円あると言いますけど、そんな評価損だったらとんでもないことになると思いますけど、それをマーケットが無視してくれるのか。 特に、さっき、ちょっと先ほど言い忘れましたけど、短期金利も一%上がった、二%上がったという話しましたけど、一九八〇年に私がトレーダーになったときの短期金利一二%ですから、一二%になったときに支払金利はどのくらいになっちゃうかという非常に危機感を私は思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) まず、先ほどの御質問の関係で、日本銀行が持っております国債の平均残存期間というのは七年強であります。平均残存期間が二十年、三十年あるわけではありません。 その一方で、先ほど申し上げたように、長期金利が次第に上がっていく、景気が回復し、更に回復し物価も上がっていく中で、なだらかな形で金利が上がっていくときには、先ほど申し上げたように、金利の高い国債の方に乗り換えていきますので、仮に付利金利が若干引き上げられたとしても両面を見ていかないといけないということであります。これは、利益というか、その動きについてであります。 一方、今委員がおっしゃられた件は保有国債の評価損の話ですけれども、保有国債の評価方法については、御承知のとおり償却原価法を採用しておりますので、仮に長期金利が上昇して国債の市場価格が下落したとしても、決算上の期間損益によって評価損失が計上されるということはありません。 したがいまして、これは、日本銀行の保有する国債の性格からいって、そういう経理処理が適当であるということでやっているわけですから、その面で特に大きな問題が生ずるということはないと思います。
○藤巻健史君 日銀というのは、今、民間金融機関に時価会計をやれと言っているわけですよ。じゃ、自分たちだけ簿価会計でいいのかという話になりますけど。基本的に、簿価会計で大丈夫であれば倒産しないんだというようなことであるならば、リーマンだって山一だって潰れていませんよ。いや、幾ら簿価が大丈夫だといったって、マーケットというのは危なくなれば時価評価して、債務超過になったらばお金はすうっと逃げていっちゃうわけですよ。 それは中央銀行だって同じで、もし日本人が円は使わなくちゃいけないといったって、外国人はそんな国の通貨要りませんよ。円を売ってドル買おうと思ったって、誰もそんな円じゃドル売ってくれませんからね。もう原油も買えないなんということ、事態になっちゃうわけですよね。ですから、簿価会計だから大丈夫だなんて、そんなばかな話はあり得ないと私は思います。 それから、先ほど、いずれ長期金利が上がるとおっしゃいましたけど、金利が二%上がると、さっきの話じゃないけど七・八兆円の損が生じるわけですよ。七年間デュアレーションがあるとおっしゃいましたけど、七年間、三・八兆円掛ける七、二十八兆円も赤字たまっていっちゃいますからね。そんな時間軸を無視して資産価格も上がるから大丈夫なんて、そんなの誰が、マーケットの人間が信じるかという話だと思います。 もう一つ、次に、今までは景気が良くなったらどうなるのという話をしていましたけど、景気が悪くなったらどうなるのという話で、前どこかの、財務委員会だったかな、私も聞きましたけれども、日経平均が、今日も日経平均大分落ちていると思います、今も、午前中七百円ぐらい下がっていたと思いますけど、下がってきて八千円になると評価益、七・二兆円の評価益がなくなるというお話を前、回答を日銀されたと思いますけれども、じゃ、さらに、幾らになったらば日銀の、日経が幾らまで下がれば債務超過になるのか教えていただきたいんですが。
○参考人(黒田東彦君) まず先ほどの御質問の点について補足いたしますと、長期金利も別に一挙に上がるというわけではなくて徐々に上がっていくわけですので、その間に徐々に高い金利のものに買い換えていくというわけでありまして、委員のおっしゃるように長期金利が一挙に上がると、そういうことを考えているわけではございません。 そこで、このETFの評価方法については原価法を採用しておりますが、その上で、保有ETFについては、期末時点で時価総額が帳簿価格の総額を下回る場合にはその差額に対して引当金を計上することとしております。したがいまして、引当金を計上いたしますと決算上の期間損益は下押しされることになります。 もっとも、日本銀行の損益は、国債の利息収入あるいはETFの分配金等の収益があるわけでして、その他いろいろな要因を組み合わせて全体としてのバランスシートが決まってくるわけであります。したがいまして、ETFの要因だけを取り出して債務超過になる日経平均なりなんなりをお答えするというのは適当でないというふうに思います。
○藤巻健史君 今、総裁おっしゃいましたね、先ほど、前の質問に関する答えですけれども、長期金利は途端に上がるわけじゃないから大丈夫だとおっしゃいましたけど、私が申し上げたのは、日銀が長期国債を大量に保有しているから、満期が来て新しい金利が上がるまではすごい長い時間が掛かるよというわけであって、長期金利が急上昇しようがじわじわ上がろうが同じなんですよ。今買ったものが〇・〇四%だったら十年間は〇・〇四%の利息しか入ってこないんですから、だから収入は上がらないということを申し上げただけですね。 それから次の問題で、私、今、日経平均幾らになったら債務超過になる、日銀は債務超過になるのか。いろんな要因があるから分からないとおっしゃいましたけど、これはいろんな要因といったって、先ほど来申し上げましたように、純利益七千六百億円しかないんですから。それから、引当金に回しているから大丈夫だ。引当金も八・四兆円しかないんですからね。これ、全然、そのレベル、マグニチュードが違うのかなと思います。 まさに、例えば藤巻が幾ら損すると個人倒産するかって聞かれたときに、いやいや、私は、いろんな要因がありますと、私の子供は小学生ですけれども、きっとお小遣いが増えるかと、お年玉が増えるかと思いますから大丈夫ですというもので、本質的に全く、一番根本的なことを考えればこれは簡単ですよ、私だって計算できますよ。一万一千円を割ったら日銀は債務超過になりますよ。その他、もうちょっとここは、ちょっとここ、上のレベルかもしれませんけれども、根幹は一万一千円になっちゃいますよ。千円当たり一・二兆円の含み損が減るというのは、この前の、八千円で評価損なくなるということをおっしゃっている。逆算すればこれ計算できますからね、小学生だって。ということで、なぜそういう数字をおっしゃらないでごまかしているのかというと、数字をおっしゃると大変何か怖いということだと思うんですね。 世界の中央銀行で金融政策で株を買っているなんというのは日銀だけなんですよと私は理解しています。ちょっと違ったら教えていただきますけれども。ということは、そういう何かがあったら危なくなるようなものを買っちゃいけなかったんですよね。まあ株は、引き上げたかったから、サポートしたかったから買っていたかもしれませんけれども。 やはり中央銀行の財務の内容というのは、バランスシートというのは非常に健全性が重要で、だからこそ、そういうような危なくなるというものは買わないで、昔は金本位制だったから金が担保してくれましたが、今はないんですから。日銀の財務の内容というのは極めて重要なんです。それをきちんと、そんな危ないものを買ってきて一万一千円割れ。これ、一万一千円ってどういう数字かというと、リーマン・ショックの年、二〇〇八年の、たしか八千円ぐらいですよ。もしリーマン・ショックがあったら、日銀、債務超過でひょっとすると倒産、まあ倒産といっても、元々中央銀行というのは、世界に、日本に、社会にとって必要なインフラですから、当然新しい中央銀行をつくるんでしょうけれども、今の日銀駄目になっちゃいますよ、リーマン・ショックもう一回来たら。 それから、黒田さんが総裁になる前の株価って一万円台ですよ。二〇一二年の末の株価って一万円台ですから、一生懸命アベノミクスをやった、そして何かいいことがあったけれども、結局何も、戻ってみたら日銀が倒産していただけってことになっちゃう可能性があるんですよね。 ということで、今までの議論を聞いて、安倍首相にお聞きしたいんですが、アベノミクスというのは今までやっていて成功したと思いますか。これ、きちんと出口脱出できて、アベノミクスは成功と考えられるかどうか、御回答いただければと思います。
○理事(二之湯武史君) 簡潔にお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい、もう時間がございませんので、成功したか、失敗したかと。 極めて短い期間で、二十年間デフレから脱却できなかったのでありますが、極めて短い期間でもはやデフレではないという状況をつくり出すことができたと思っております。その結果、雇用においては、有効求人倍率、全ての都道府県で有効求人倍率は一倍を超え、正規の有効求人倍率も一倍を超えた。また、極めて早い段階でもはやデフレではないという状況をつくり出しましたから、まさに名目GDPも、今回、この五年間で一〇%以上成長することができたと、このように考えております。
○藤巻健史君 時間が来たので、終わります。ありがとうございました。
○理事(二之湯武史君) 以上で藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○理事(二之湯武史君) 次に、儀間光男君の質疑を行います。儀間光男君。
○儀間光男君 維希の儀間でございます。 質問させていただきますが、まずは最初に我が国の防衛費について少しお尋ねをしたいと思います。 冷戦時代が終わりを告げて、世界はいよいよ軍縮の時代に入るというようなことで期待をしておりましたけれども、最近どうもまた、世界の軍事の動きを見ているというと、軍縮の方向ではなしに軍拡の方向に向いているのではないかというような思いするんですね。 ここで、我が国の防衛費の対GDP比をちょっと見てみたいと思います。 これ、関係近隣国も入れてありますけれど、まず、日本が四百九十二億ドルでGDP比〇・九%、米国が五千六百八十九億ドルで二・九%、それから中国が二千七百七十九億ドルで一・三%、ロシアが千百八十三億ドルで三・一%、インドが千四百五十九億ドルで一・五%、韓国は四百六十億ドルで二・三%、これは防衛省資料から取ったものです。さらに、三十年版の防衛白書によると、この十年間の動きを追ってみますというと、ロシアが二・八四倍、中国が二・七〇倍、韓国一・六二倍、オーストラリア一・六〇倍、日本一・〇四、アメリカ一・〇三。 この数字を踏まえつつ、我が国の国防費について、歴代最高二十七兆円を投入するというようなことがされておりますけれども、現在、世界でそれでも八位、かなり高位な方なんですね。 ところが、NATOの掲げる、二〇二四年度においてNATO加盟国のGDP比の二%にするんだと。これからすると、日本のそれははるかに大きく下回っておるのでありますが、このGDP比、政府は、この目標は適切でない、これで語るのは適切でないというような見解を言っているようでありますが、現状をどのように捉えていらっしゃるか、お伺い、総理に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府の最も重要な責務は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことであります。 安全保障政策の根幹は、自ら行う努力であります。第二次安倍政権では、防衛費は十年連続で前年比、第二次安倍政権まではですね、防衛費は十年連続で前年比マイナスとなっておりましたが、我が国を取り巻く安全保障環境は格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しており、特に、宇宙、サイバー、電磁波という新たな領域の重要性の増大により、陸海空という区分による従来の安全保障の在り方は根本から変革が求められています。このような中、我が国の平和と安全を維持していくため、防衛力を抜本的に強化し、大きな変革を図っていく必要があると考えています。 その上で、防衛費の在り方については、従来よりGDPと機械的に結び付けることは適切ではないと申し上げているところでありまして、今回も、GDPと比較して何%にするのかという考え方ではなく、あくまでも施策の実施に必要な経費を見極め、所要額を積み上げた上で計画を策定し、予算に計上しているものであります。 なお、新たな中期防衛力整備計画に基づく防衛費の伸びは実質で平均一・一%でありまして、諸外国に比べて極めて抑制的であります。NATOについては、多くの国が加盟しているため、各国の防衛努力の平準化を図るため、GDPとの比較を一つの目標としたものと思いますが、我が国としては、引き続き、我が国の平和と安全を守るために必要か否かという観点から防衛費をしっかりと確保していく考えであります。
○儀間光男君 もう御答弁にありましたように、NATOは加盟国が多くてGDPもかなり大きい、経済力もかなり高い、そういう意味でNATOの比較でやってはならないという総理のお話、よく分かります。 ところが、我が国のGDP比が一%前後でとどまっているかどうか、それが妥当かどうか議論もありますが、さきの自民党の防衛大綱によりますと、NATOの提言を基に十分な規模の確保、支出目標を掲げていらっしゃる。だから、NATO並みに、NATOを手本にしていくと膨大な防衛費になるということが懸念されるわけでありますから、各国の軍事強化の著しい中で、我が国はそれを追っかけてはならないというようなことを考えているのであります。なぜなら、我が国のGDPがこれから飛躍的に伸びていくんだというようなことをちょっと考えづらいことから、その辺の軍拡競争には余り参加しない方がよいというような思いがしてなりません。 続いて行きますけど、日韓関係、最近大変厳しい。平成の時代に入って、金大中大統領、盧武鉉大統領、李明博大統領を経て朴槿恵政権の間、我が国との関係で未来志向で行きましょうよということが示されて、極めて良好な日韓関係であったんでありますが、現在の文在寅大統領、平成二十九年、大統領になりましたが、政権が替わるや否や、もう最近ではこれ未来志向が一気に冷え込んで、むしろ敵対さえにじますような、表現するような最悪な状態になっておって、我が国の国民の国民感情にも非常に悪い影響を及ぼしている、嫌韓の世論が形成されつつあるということで、非常に懸念をするところです。 これ以上の悪化は避けていかなければならないとするんですが、どういう方法、対処法をお持ちか、総理、御見識を示していただきたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国と国との関係を考えるときに、特に隣国であれば、その長い歴史の中で様々なことが起こります。しかし、様々なことが起こるんですが、未来に向かって両国関係を発展させていく上において、条約を結ぶ中においてお互いに発展していく基盤となる約束をつくるわけであります。また、お互いの問題を解決をしていくために交渉を重ね、合意をしていく、その合意の上に未来をつくっていくわけでございます。 例えば、朴槿恵大統領との間において、慰安婦について合意をまとめました。国内でも様々な御批判もありましたが、しかし、それを乗り越えて合意をしたのであります。そこで、政権が替わったからといってその合意が守られないのであれば、国と国との約束が意味を成さないものになってしまうわけでありまして、それはまさに国際社会を安定的なものにしていく上の根本に関わってくるものではないだろうかと、こう思うところでございます。 〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕 慰安婦問題、そして旧朝鮮半島出身労働者の問題、韓国国会議長の発言など、これまで日韓両国が築き上げてきた関係の前提すら否定するような動きが続いていることは大変遺憾でありまして、こうした状況に対する我が国国内の厳しい見方は当然と考えております。 我が国は、それぞれの約束について誠実に私たちの務めを果たしてきているわけでありまして、政府としては、国際法に基づき毅然として対応していく考えであり、我が国の一貫した立場に基づき、主張すべきは主張し、韓国側に適切な対応を強く求めていく考えであります。 日韓関係は非常に厳しい状況が続いておりますが、例えば北朝鮮問題を始め、連携すべき課題については韓国ともしっかりと連携していくことが重要であり、朝鮮半島の非核化に向けて、例えば今後とも日米、日米韓で緊密に連携し、中国、ロシアを始めとする国際社会と協力をしていきたいと考えております。
○儀間光男君 おっしゃるとおりですが、現在の大統領のやり方、仕方、行動を見てみますというと、一気に冷え込んで、北へ向くのはそれいいんです、分断された民族が統一されていく、それを志向して北を向くのはいいんですが、相対的に我が国とは敵対するような、敵対しないでもできると思うんですが、わざわざいろいろなことをやって、条約を破ったり、この二年間の間にいろんなことをやって、敵対をするようなことを意識的にやっている。答弁にありました元徴用工の問題、慰安婦の問題、自衛隊機の火器の管制レーダーの照射問題、盗人たけだけしい、天皇が韓国へ来てわびたらよいなどなど、竹島問題もそうですが、多く介在するわけでありますから、この辺、慎重になって積極的に取り組むようお願いをしたいと思います。 さて、次へ行きたいと思いますが、総理がおっしゃる自由で開かれたインド太平洋の取組についてであります。 総理は、第七十三回国連総会において、インド太平洋戦略を高らかに宣言し、本国会の施政方針演説においても明言をされております。演説そのものについては異論を挟むものではありません。 おっしゃるように、北東アジアから対立構造を除いたとき、北極海から日本海、太平洋、インド洋に抜ける海の回廊に重みが増して、思いを共有する国々と協力していく。思いを共有する国々、これが持つ意味は大きいと思うんですが、そんなような、こういうことですから、一方では、同戦略は、総理のこの戦略は、軍事、経済面から見て、同盟国と一緒になって中国を追い込む、封じ込む、いわゆる中国包囲網であるというような指摘をする知識人もおるわけでございます。 したがって、我が国周辺には十分に制度化された安全保障面の地域協力、枠組みがない環境から見ると、積極的に進めなければならない外交政策だと、総理もそうおっしゃっているんですが、いかように進めていこうとされておるのか、お示しください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) インド洋と太平洋という二つの大きな海で、法の支配に基づき、自由で開かれた秩序を維持し、地域や世界の繁栄のためにこれらの広い海を国際共用財として活用していくことは死活的に重要であろうと、こう考えております。具体的には、航行の自由、法の支配などの基本的価値の普及、定着、そしてインフラ整備等を通じた連結性の強化などによる経済的繁栄の追求、海洋法執行能力の向上支援や防災等を含む平和と安定のための協力を進めていく考えであります。 我が国は、このビジョンを世界で共有できる全ての国々と力を合わせて、自由で開かれたインド太平洋を築き上げていくためにリーダーシップを発揮していく考えであります。これは、この考え方は、この今私が申し上げたことに共感を持っていただく国々と協力をしていきたい。どこかの国を排除するということを、あらかじめどこかの国を排除するためにこの構想を打ち立てたものではなくて、こうあるべきだという考え方を述べて、この考え方に共有していただける、共感していただける国々とともに協力していきたいと、こう考えているところでございます。
○儀間光男君 恐らく、封じ込め作戦だと、戦略だと言わしめる理由には、この反対に中国が提案する一路一帯があるわけですよ、海のシルクロード。これはまた、ある人によると、日本やアメリカをあるいは封じ込んでいくような戦略であるというような言い方する方もおられるわけで、まあそれぞれ、人それぞれいろんな考え方があって、いろんな理屈があって、いろんな研究、結果を招いて、論ずるのはいいんでありますが、こうしてややもすると抽象的な表現となって、それがお互いの誤解のし合うようなことになってはいけません。 中国政府は強力にこの一帯一路政策を進めておりますが、恐らく我が国にも参画をしてくれと、一緒に協力してやろうという呼びかけはあると思うんですが、それについての対応はどうなさるおつもりか、お示しください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、お互い誤解はないんだと思うんです、実はですね。私たちが言っていることは、言わば本来あるべき姿を言っている。で、そうではないかもしれないという疑いがあるから特に強く言っているわけであります。 アジアは世界の成長センターであり、膨大なインフラ需要が存在をします。このアジアの旺盛なインフラ需要に日本と中国が協力をして応えていくことは、両国の経済発展にとどまらず、アジアの人々の繁栄に大きく貢献をしていくことになるわけであります。 そこで、一帯一路については四つの考え方をお示しをしているんです、私たちはこうすべきだという。インフラの開放性、そして二番目に透明性、三番目に経済性、そして四番目に対象国の財政健全性等、国際社会共通の考え方を十分に取り入れることで、地域と世界の平和と繁栄に前向きに貢献していくことを期待をしているわけであります。 この債務国となる国に対して、その国の経済の力以上のお金を貸し込んでいく、あるいは金利も含めてですね、そうすると、その国の経済の健全性が失われてしまうと、それはよくないでしょうということであります。また、そこで造るインフラについてもしっかりと質の高いものを造っていきましょうと、こういうことでありまして、我が国としても、こうした観点から言わば協力をしていきたいと思います。 その上で申し上げますと、自由で開かれたインド太平洋構想は、一帯一路など他国の政策に対抗するために進めているものでありません。これ繰り返しになりますが、インド太平洋という広大な海を自由で開かれたものにしていこうと、地域や世界の繁栄のための国際公共財としていこうという考え方でありまして、この考え方に賛同してもらえるのであれば、これは中国も含めて、いずれの国とも協力をしていく考えであります。 一帯一路につきましては、先ほど申し上げましたように、あの四つの条件、この考え方を取り入れていくべきだと、これを取り入れているのであれば我々も協力をしていこうと、こういうことでありまして、全面的に賛成ということではなくて、こういうことをやっていくことによってお互いより良い地域をつくっていこうと、こういうことでございます。
○儀間光男君 総理のインド太平洋戦略と中国の一帯一路、これはクロス点があるんですよ。総理のインド太平洋からすると、いわゆる日本海から北極海、これがつながっていくわけです。一帯一路の中国は、恐らく日本海を通って北極海ということでシルクロードを延ばそうということだと思うんですね。そうするとクロス点がありますから、このクロス点でいろんな議論をして、双方がウイン・ウインになるように頑張っていただきたいと、こういうふうに願うところです。 さて、今日のメーンディッシュです。これを言うために今まで並べてきましたから。時間余りないんですが。 アジア集団安保、保障構築、これについてでありますが、さきの二月の二十七、八日、ベトナムのハノイで米朝会談がありました。まあ物別れとはなったんですが、我が国にとっては必ずしもこれは失敗だったというふうには取れないと思うんですね。なぜなら、北朝鮮の本意が、本心が分かってきた。トランプさんがいわゆる中距離、長距離だけじゃなしに半島から核をなくすんだというような注文を付けたら、それを拒絶した。 ということは、北朝鮮はつまり核の保有は放棄しないんだというようなサインだったというふうに取ります。その会談前は、アメリカの大統領はICBM、これさえ廃棄すれば妥協していって、周辺国困るんじゃないかと、特に日本困るんじゃないかという風評がありましたが、ここはそういうことにならないで、あの半島から核をなくすんだというアメリカ大統領の注文に、これを拒否してきたというところに大きな意味があったように思います。 そこでです、危惧するのは日本の対岸側の大陸、韓国は別にして、ロシア、北朝鮮、中国、皆核保有国です。そういう国と向き合う厳しさがあるわけですが、だからといって、答弁のあった、大気圏外で、宇宙でもっても軍拡活動をやって、中国も宇宙軍、アメリカも宇宙軍、自衛隊も何かそれらしいことをやろうと今していらっしゃいますが、こういうことをやってはならない。つまり、平和は、あくまでも地域が集団を成してお互いを保障し合う中で平和が生まれてくる、真の基地問題の解決もそこにつながっていくというふうに認識するのでありますが、総理の御見解を賜りたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今度の、今回の米朝首脳会談の結果についてはおおむね今議員が述べられたような感想に近いものを持っているわけでございますが、今回の結果について、朝鮮半島の非核化を実現するという確固たる意思の下に、安易な譲歩は行わず、建設的な議論を続けていくというトランプ大統領の決断を我々は支持をしているところでございます。 今後、例えば東アジア首脳会議あるいはASEAN地域フォーラム、拡大ASEAN国防相会議など様々な対話の枠組みを活用して、地域における法の支配を徹底していくことが重要ではないかと、こう思っております。
○儀間光男君 総理、私、覚えていらっしゃるか分かりませんが、ちょうど四年前、平成二十七年の三月二十四日、ちょうど四年前ですね、本委員会でもってこの集団安保の話をやった。答弁は、具体的には、まだまだ各国が発展段階であり、政治体制も違うことから難しい。具体的には、フィリピン、ベトナム、マレーシア、シンガポール、インドネシア、豪州、ニュージーランドなどの諸国と法執行能力を安全面で協力して進めながらこのことに向き合いたいというような内容の答弁であります。 おっしゃったように、四年間で今挙げたことはほとんど総理おやりになっている。どうぞ、もう集団アジア安保をつくって軍拡を止めていくような、そのリーダーシップを総理が取っていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘をいただいたように、ASEAN諸国やインド、豪州、そして英、仏を始めとするパートナー国とは法執行能力や安全保障面での協力関係を強化をしてきておりますが、更にその強化を進め、そのネットワーク化を進めていきたいと、それによって地域の法の支配あるいは地域の安定化を進めていきたいと、こう考えております。
○儀間光男君 御答弁ありがとうございました。 是非リーダーシップを取っていただきたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で儀間光男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下芳生君。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 今、全国で国民健康保険の保険料が高過ぎることが大問題になっております。国民健康保険の加入者は、職を持たない高齢者、非正規で働く若者など、所得の低い方が多く加入しています。にもかかわらず、保険料は他の健康保険と比べて飛び抜けて高いと。国保の構造問題と言われております。 安倍政権は、昨年四月から国民健康保険の都道府県単位化を進めています。国保の都道府県単位化でどう変わるのか。厚生労働省の資料によりますと、ポイントは二点です。パネルにしました。(資料提示) これまで市区町村ごとに行っていた国保の財政運営を都道府県単位化すること、二つ目に、都道府県が市区町村ごとの標準保険料率を算定、公表すること。厚労大臣、間違いありませんね。
○国務大臣(根本匠君) その点においては間違いありません。
○山下芳生君 お認めになりました。その下で何が起こっているのか。全国の市区町村で、今でも高い国保料が更に値上げされようとしております。 都道府県が公表した二〇一九年度の標準保険料率に合わせた場合、国保料がどうなるかを試算いたしました。パネルにしました。大阪市の場合、年収四百万円、四人世帯では、二〇一八年度四十二万円だった国保料が四十六万円へ四万円上がります。年収二百四十万円の単身者では、二十万二千円が二十一万二千円へと一万円上がります。年金二百八十万円の高齢者夫婦では、十六万七千円が十八万二千円へと一万六千円上がります。 さらに、新宿区の場合も試算をいたしました。年収四百万、四人世帯では、四十二万六千円が五十二万五千円に九万九千円上がる。年収二百四十万の単身者では、十六万三千円が二十万一千円に三万八千円上がる。年金二百八十万円の高齢者夫婦では、十五万五千円が十九万一千円に三万六千円上がると。極めて高い国保料が更に上がるということになるんですね。 何でこんなことになるのかといいますと、この都道府県が行う標準保険料率の算定は、これまで市町村が独自に保険料を抑えるためにやっていた例えば一般会計から国保会計への繰入れも、あるいは子育て世代、一人親世帯などへの減免も全部なしにして計算することになるからであります。そういう算定の仕方を都道府県にさせているのは国なんですね。 総理に伺います。 安倍政権が導入した国保の都道府県単位化で、今でも高い国保料が更に値上げされようとしております。これでは国保加入者の生活は成り立たないのではないか、国保料を払えずに滞納する人がますます増えて、お医者さんに行けない方、命を落とす方も増えるのではないかと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは根本大臣からお答えをさせていただきますが、今回の国保改革では、国保の財政運営を都道府県単位化することにより財政の安定化を図ったことに加えまして、年約三千四百億円の財政支援の拡充を行います。財政基盤を大幅に強化をしたところであります。その中で、低所得者、低所得の方への支援や子供の被保険者の多い自治体への支援を拡充するとともに、保険料水準の激変緩和措置を講じています。また、差押えの対応についても、個別の状況に応じたきめ細やかな対応を講じているところでございます。
○山下芳生君 いやいや、総理ね、三千四百億円の財政基盤強化とおっしゃいましたけど、その三千四百億円投入した後で試算したらこうなっている、上がるんですよ。物すごい上がるじゃないですか。認めないんですか。
○国務大臣(根本匠君) 三千四百億円の、財政基盤強化のために投入しました。そして、この保険料率と自治体の、今委員がお示しになりましたけど、その点について申し上げますと、標準保険料率、これは市町村ごとの所得水準や医療費水準を勘案して都道府県が算定する、これは理論上の保険料率であります。そして、実際の保険料率は、各市町村において保険料の算定方式や積立金の状況、一般会計繰入れ等を考慮して決定されるものであります。 このため、二〇一九年度の標準保険料率が算定されても、実際の保険料率は今後決定されることになりますから、二〇一八年度の実際の保険料率を単純に比較することは難しいのではないかなと、こう考えております。 いずれにしても、国保については三千四百億円の公費の、国の支援を行っておりますので、全体として我々、負担感、負担は緩和していきたいと思って対応しているところであります。
○山下芳生君 じゃ、何でこんな算定やらすんですか、都道府県に。 さっき根本大臣は、実際の保険料は市町村が決めるんだとおっしゃいました。これまでだったら財政運営が市町村単位ですから自分で決めることができたでしょう、何も縛られることなくね。しかし、こういうものを、都道府県単位化に財政運営がされた下でその都道府県から標準保険料率を示されたら、これはもう単なる参考では済まないんですよ。A市がこんな標準保険料率守りませんと決めたとしたら、それによって、B市、C市、D市にこのしわ寄せが行くんじゃないかという圧力が、これ掛かってくることになりますよね。だって都道府県単位で財政運営することになったんですから。 実際、現に厚労省が先進例と示している大阪府では、あと五年で全ての市町村を統一保険料にすると決めているんですよ。もう例外なしですよ。全部の市町村一緒に大阪府が決めた保険料率にすると言っている。 財政制度審議会、平成三十一年度の予算編成に関する建議、どう書いてあるか。国保財政の都道府県化を機に、速やかに法定外一般会計繰入れを解消というふうに書いてあるんですよ。 繰入れを解消したら上がるに決まっているじゃありませんか。それを、都道府県化を機に繰入れをなくそう、解消させようと国がしているじゃありませんか。上がるじゃありませんか、大臣。
○政府参考人(樽見英樹君) 国民健康保険の都道府県単位化ということでございます。 まさに、その都道府県を財政単位にするということによって財政規模は大きくなりますので、それによって、その市町村ごとの保険料は、したがいまして、上がるところもあれば下がるところもあるという関係になるわけでございます。そういうことも含めて財政的には安定するというような構造になっているということを申し上げたいと思います。 それと併せて、これまで保険給付に五割の公費負担というのを国民健康保険やってまいりましたが、さらに公費の先ほどの三千四百億円の財政支援の拡充というようなことを行いまして、財政基盤を大幅に強化するということをやっているということでございます。 標準保険料率は、そういうことで都道府県のレベルで算定する理論上の保険料率ということでございますが、まさに、これまで市町村でいろいろやってきたというところの違い、あるいは財政方式の違い、あるいは収納率の違いといったようなこともありますので、直ちにそれを一本にするということではなくて、まさに都道府県と市町村とよく相談をしていただいて保険料を決めていただくと、そういうことで進めているということでございます。
○山下芳生君 今、政府の方から、直ちに一本化するわけではないと。そのとおりなんですよ。大阪府だって五年掛けてやるんですよ。これにずっと圧力掛かって収れんされていくような仕組みをつくったんですよ。そのためにつくったんですよ、これは。 実際、標準保険料率に合わせるために、国保料の値上げが起こっております。去年一月三十日の北海道新聞、こうあります。国民健康保険の運営が道に移行されるのに合わせ、旭川市は新年度から市独自の保険料軽減制度を段階的に縮小し、二〇二四年度に廃止する方針を決めた。こういうことが既に起こっているんですね。軽減制度を縮小し、廃止するということは、国保料が上がるということであります。 旭川市の軽減制度を見ますと、国保料の均等割を十八歳未満については五割軽減する、そういう制度だったんですね。高過ぎる国保料の中でも一番問題なのが、私はこの家族の人数に応じて掛かってくる均等割だと思います。旭川市の場合、子供の均等割は三万八千円なんですよ。だから、赤ちゃんがおぎゃあと一人生まれたら、三万八千円国保料が上がると。これでは心からおめでとうと言えないですよ。まさに少子化を促進する、それが均等割なんです。そこで、旭川市は子供の均等割を軽減することにしたんですね。 ところが、二〇一六年度に始まった子供の均等割の五割軽減が、二〇一八年度、国保の都道府県単位化に伴って三割軽減に縮小され、二〇二四年度に廃止されることになったと報じられております。 総理、子供に係る均等割については、全国知事会や全国市長会からも軽減制度をつくってほしいと要望が出ております。総理も、二月一日の参議院本会議の答弁で、地方の意見を聞き、引き続き検討すると答弁されました。 しかし、国保の都道府県化でそれに逆行する事態が起こっております。少子化を促進する事態が起こっております。総理、問題だと思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは厚労大臣から答弁させますが、国保改革においては、交付金制度を見直しをして、子供の被保険者数が多い自治体への財政支援を強化をいたしました。 子供の均等割保険料の今後の在り方については、財政支援の効果や、そして国の国保財政に与える影響などを考慮しながら、厚生労働省を中心に、国保制度に関する国と地方の協議の場において引き続き議論をしてまいりたいと考えております。
○山下芳生君 総理、引き続き協議すると、考えているとおっしゃいますけど、協議する前に均等割の軽減が逆に縮小されちゃっていますよ。総理の答弁と逆行する事態が目の前で今起こっているんですよ。 北海道新聞は、国保の都道府県化に合わせ、軽減制度を縮小、廃止と報じております。これ、因果関係はっきりしているんですよ。国の、国保の都道府県化によって、せっかくの子育て世代への軽減、負担軽減がなくなっていっている。これはゆゆしき問題だと思いますね。このままでは私はえらいことになると思います。国保料の値上げと消費税一〇%への増税がダブルで国民生活に襲いかかることになります。いいのかと。 私、消費税一〇%への増税が世帯ごとにどれだけの増税額となるかも総務省の家計調査に基づいて試算をしてみました。パネルにしました。年収四百万円の四人世帯では、消費税が一〇%に上がりますと三万四千円程度の増税額になります。年収二百四十万円の単身者では一万八千円程度の増税額になります。年金暮らしの二百八十万円の高齢者夫婦では三万二千円程度の増税額になるわけですね。消費税一〇%の増税額です。先ほど試算してパネルにしました国保料の値上げを合わせますと、それぞれ赤い矢印のように、大阪市の場合は七万四千円、二万八千円、四万八千円の負担増、新宿区の場合は十三万三千円、五万六千円、六万八千円の負担増です。 総理、これではもう家計、もたないんじゃないですか。国民生活は破綻するんじゃありませんか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税の引上げにつきましては、これはまさに、伸びていく社会保障に対応するためと同時に、国の信認を確保する、そして子供たち、子育て世代に大胆に投資をしていくために引き上げていくものでございますので、我々は、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律にのっとって引上げを行っていきたいと、こう考えているところでございます。
○山下芳生君 いやいや、国民生活が破綻するんじゃないですかと問うたんですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の消費税の引上げによって、先ほど、子育てに、この保険料について子育てに逆行するのではないかというお話がございましたが、今回の消費税の二%の引上げを行うと同時に、十月から幼児教育、保育の無償化を行うことになるわけでございますし、来年の四月からは真に必要な子供たちに対する高等教育の無償化を行う。言わば、子供の教育費、保育費等の負担を思い切って軽減をしていくことにもつながっていくと、こう考えているところでございます。 また、低年金者に対する給付、年金の給付も行う予定でございます。
○山下芳生君 子育て世代、低年金者世帯に対してこれだけの負担がかぶってくるようなことをこれから安倍政権がやろうとしているという問題を提起しているんです。 さっき、自民党席の方から、大阪市、新宿区以外はどうなんだと。全部試算していますよ、都道府県の標準保険料率が発表されたところ。八割の自治体で国保料は上がるということになっているんですよ。これは全国的な趨勢なんですよ。その上に消費税一〇%、まさにダブルパンチじゃありませんか。これで国民生活が破綻するんじゃないかと言っているのに、一言も答えがないと。驚くべき生活実感だと言わなければなりません。 大体、社会保障のための消費税と言っていたけど、どこが社会保障のためですか。消費税を増税しながら、今でも高い国保料を更に値上げして、医療を受けられない人を増やす。国民をだまし討ちにするようなやり方だと言わなければなりません。 私は、消費税増税も国保料の値上げもどちらもやめるべきだと思いますし、財源はありますよ、財源はある。大企業にせめて中小企業並みに法人税を払ってもらえば、年間四兆円。そして、富裕層の株のもうけにせめて欧米並みに税金を掛けて、下げ過ぎた所得税、住民税の最高税率を元に戻したら、三兆円。合わせて七兆円ですね。消費税一〇%中止の財源にもなるし、昨年、全国知事会が提言された、公費一兆円投入による国保料大幅値下げの財源もこれで出てくるんですね。日本共産党は、こういう別の道があるということを国民の皆さんに広く知らせて、ダブルパンチを止めて、高過ぎる国保料を引き下げるために頑張ることを表明したいと思います。 さらに、特別支援学校の問題について、次、質問したいと思います。 私は、社会保障の充実というんだったら、障害のある子供たちの教育環境こそ充実させるべきだと思います。 総理に伺います。障害のある子供たちが学ぶ特別支援学校が果たしている役割について、どう認識されているでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの……(発言する者あり)いやいや、先ほどの引き上がる市町村が多いというパーセンテージについて厚労省から答弁をさせたいと、こう思います。(発言する者あり)いや、その共産党の調べとちょっと違うわけでございますので。 そして、私に対する質問でございますが、特別支援学校の教室不足など教育環境に関するお尋ねでありますが、まずはこの特別支援学校については文科大臣から答弁させたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 樽見保険局長、簡単に。
○政府参考人(樽見英樹君) はい、簡単に申し上げます。 保険料が国保改革によって上がるか下がるかということでございますけれども……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。 樽見さん、席に帰ってください。
○国務大臣(柴山昌彦君) 特別支援教育について御質問でございます。 障害のある子供に対してその障害の種類や状態に応じて柔軟な対応が行える教育環境を整えて学校教育を提供することによって子供の権利を充実させていくということで、極めて重要でございます。
○山下芳生君 先日、私は、ある特別支援学校を視察いたしました。障害のある子供にこそ本物の芸術をと、美術や音楽の専門の先生が配置されていました。音楽の授業を見学いたしました。ピアノや打楽器のメロディーとリズムに合わせて子供たちが声を出し、体を弾ませていました。立っている子もいれば、椅子に座っている子、それからもう寝転がっている子もいました。大変リラックスして音楽を楽しんでいました。その様子を見て、この子たちは間違いなくこの授業を楽しんでいると、力を引き出されている、仲間と一緒に学んでいると感じました。もう余りに楽しそうなので、私も思わず笑顔になったんですけれども。 先生方に話を伺いますと、子供たち一人一人について、人格的発達はどこまで来ているか、今この子には何が必要か、教師がみんなで話し合いながら集団で判断していると言います。教育の原点を見た思いがいたしました。子供たちの内側から発達要求を引き出すという言葉にも感動いたしました。 保護者の声も聞きました。ある保護者の方は、人の集まりが苦手、友達との関わりがストレスという子でしたが、支援学校に通うことにより、そのストレスが軽減され、大人との関わりから子供への関心も増えましたと語ってくれました。別の保護者の方は、子供を支援学校に行かせて良かったと思うのは自己肯定感が高まったところかな、得意なところはめっちゃ褒めてもらえて、少し苦手なことは少しでもできるようになったら評価してもらううちに自信付けてきたと思うと語ってくれました。 支援学校は、障害のある子供たちの学び、発達する権利を保障する大事な役割を果たしていると思います。 総理、先ほど御答弁ありませんでした。総理の認識を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害のある子供に対し、その障害の種類や状態に応じて柔軟な対応が行える教育環境を整えて学校教育を提供することは重要であります。 このため、政府としては、法律に基づく設置義務を有する都道府県に対し、特別支援学校の新設や増改築等に取り組もうとする都道府県等に国庫補助を行うなど必要な支援を行うとともに、学校指導要領において障害の特性に応じた指導上の配慮事項を規定するなど、特別支援教育の充実を図ってきたところであります。 今後とも、こうした取組を通じて、障害のある子供たちが安心して学ぶことができる教育環境を整えてまいりたいと思います。
○山下芳生君 その特別支援学校に通う児童生徒が今、全国で急増しております。 特別支援学校の児童生徒数と学校数の推移をグラフにしました。二〇〇〇年に全国で九万人だった児童生徒は、二〇一八年に十四万三千人になりました。一・六倍に増えております。一方、学校数は九百九十二校から千百四十一校、一・一五倍。児童生徒数の急増に対して学校建設が全く追い付いていないという実態にあります。私が訪ねた滋賀県の草津養護学校、三雲養護学校、野洲養護学校では、僅か十年の間に児童生徒が一・五倍から一・九倍に急増しておりました。 そういう中で、子供たちが学ぶ教室が足らなくなる事態が生まれています。文部科学大臣、特別支援学校の教室不足数、全国で幾つありますか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 特別支援学校の教育環境の整備については、従来から各設置者である地方公共団体において取組が進められているところですけれども、調査によれば、近年の特別支援教育を必要とする児童生徒数の増加により、全国で合計三千四百三十室が、一時的にはありますけれども、一時的ではありますけれども、不足しているという調査がございます。 それぞれ各地方公共団体は、これに対して、学校の新増築や、特別教室や管理諸室を教室に転用するなど、教室不足に対応しているということですけれども、先ほど総理が答弁をされたように、国としてもしっかりと、財政的支援等を始め、こうした事態に対応してまいります。
○山下芳生君 三千四百三十、教室不足があると。一時的だとおっしゃったけど、一時的じゃないですよ。もう二十年近くずっとこういう状況があります。 その下で何が起こっているか。教室不足のために、ある支援学校では玄関前の通路で体育の授業をやっています。後ろに写っているのは靴箱ですね。クラスが増えて、運動場や体育館の空きがないんですね。だから、私が見学した支援学校も、体育館をどうやって使うのかを、そのカリキュラムを組むのにもう一生懸命組合せをやっていました。あぶれる子供たちはこういう状況になるんですね。 それから、多くの支援学校で特別教室が普通教室に転用されております。ある支援学校の小学部の転用状況を伺って、図にいたしました。これ、左側は一階の図でありまして、元々生活室と音楽室があったんですが、二つのクラスの教室に転用されました。右側は二階の図ですが、教材室、生活室、図工室がありましたが、いずれも潰されて四つのクラスの教室に転用されました。要するに、転用というのは特別教室を潰すことであります。 音楽室が潰された学校では普通教室で音楽の授業をやっておりまして、隣の教室に音が響くので、音楽の授業なのに音を出してはいけない事態になっております。それから、別の支援学校では、子供たちが社会に出たときに困らないようにするために、学校新設の際に作法室というのを造ったそうです。小さな前庭があって、玄関から入って部屋に上がることができる、そうやって挨拶する訓練をするという作法室を造ったんですが、それも普通教室に転用するために潰されてしまいました。それから、この写真のように、図書室が潰されたために廊下に本が並んでいる支援学校もありました。 総理に伺います。障害のある子供たちにこそ本物の芸術を、障害のある子供たちにこそより豊かな教育環境をと先生や保護者の皆さんが長年努力されて、創意を発揮されて築いてきた豊かな到達点が本当に困難に直面しております。こんな状態は普通の小学校や中学校にはありません。総理、おかしいと思いませんか。放置できない事態だと思いませんか、総理。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今委員が御紹介をいただいたように、非常に特別支援教室、不足をしているという実態から、様々な問題が生じていることは事実であります。 特別支援学校は、対象とする障害の種類に応じた多様な施設や設備が必要とされていることなどから、各学校の状況に応じて柔軟な対応が可能となるよう、その施設や設備についての基準は設けられていないところであります。 ただ、特別支援学校の設置について、学校教育法八十条において、都道府県がその区域内において就学する児童生徒に必要な学校を設置しなければならないこととされておりますので、一義的には都道府県の責任において、障害のある児童生徒の状況や地域の実情などを考慮した上で、そうした特別支援学校の設置等について対応をいただくものだというように考えております。 ただ、この特別支援学校の教室不足ということについて、今御指摘のあるような状況があることを踏まえて、私どもといたしましては、先ほど総理が答弁をされたような整備に係る補助制度を平成二十六年度に創設したところでありますけれども、その上さらに、各都道府県に対しまして、平成二十八年、潜在的なニーズを含め、児童生徒数を把握し、解消計画を策定、更新した上で、新設校の設置や校舎の増築、分校、分教室の設置など、適切に対応するよう求めているところであります。 いずれにいたしましても、今後とも、今委員が御指摘された、障害のある児童生徒が安心して学ぶことができる教育環境の整備を国としても懸命に進めていきたいと考えております。
○山下芳生君 様々な問題が生じていることは事実って、そんなさらっと言っていい問題ですかね。子供たちの学ぶ権利が今、目の前でこれは保障されない事態が起こっているわけですよ。一刻も放置できない事態ではないか、その認識、残念ながら聞こえてきませんでした。 さらに、教室不足で起こっている実態を紹介します。 教室が足りないために、一つの教室をカーテンなどで間仕切りして、二つのクラスが使用する事態が全国の支援学校で生まれております。この写真は、間仕切りした教室で片側で行われている授業の様子であります。これ、NHKさんの放送から借用しましたけれども、隣の教室から、大丈夫、一つずつ慣れていきましょう、そしたら実習問題、算数の授業でしょうか、その声が聞こえてきていますね。こちらでまた別々の授業がされているということであります。 障害のある子供の中には、突然大きな声を上げざるを得ない子供さんもいます。そういう大きな声が突然聞こえてくると、パニックになって授業が受けられなくなる子供さんもいます。ですから、こんなカーテン一枚、間仕切り一枚ではそういう状況が防げない。教育上極めて深刻な状態であります。この問題はもう二十年近く続いているんですね。国会でも二〇〇八年から問題となっていますけれども、解決されておりません。 総理、一刻も放置できない問題だという認識、ありませんか。
○国務大臣(柴山昌彦君) ソフトの面とハードの面、それぞれ我々、課題解決に向けて取組を進めております。 今、ハードの面、設備等の面について御指摘をいただきました。先ほど答弁をさせていただいたとおり、必ずしも我々、施設や整備の基準については特別な基準を設けておりませんけれども、学校教育法による規定により、省令である学校教育法施行規則においては、特別支援学校の学級編制基準などについては規定をさせていただいております。 また、ソフトの面においても、特別支援学校において、障害のある児童生徒が一人一人の教育的ニーズに応じた適切な指導及び必要な支援を受けることができるように、特別支援学校学習指導要領の改訂などによる指導の充実、また、特別支援学校教師の専門性の向上、特別支援教育に係る専門家の配置に係る補助事業の実施などを行っているところであります。 まだまだ狭隘、あるいは共用による設備の不足などについては理解をしておりますけれども、繰り返しになりますが、我々として、こういった状況を放置しないで、ハード、ソフト両面にわたってしっかりと支援をしていくということを進めていきたいと考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん政府としては、こうした現状についてもちろん把握をしておりますし、この現状を放置するという考え方はもちろん全くございません。今までも努力を重ねてきたところでございますが、潜在的なニーズも含めて、この教室不足の解消のための計画的な取組を促して、各都道府県に対しては促すとともに、特別支援学校の施設整備に対する国庫補助を行うなど必要な支援を実施してきたところでございますが、今後とも、こうした状況の解消のために力を、努力をしていきたい、また都道府県とともに努力をしていきたいと、こう考えております。
○山下芳生君 今総理から、放置するつもりは全くないと答弁がありました。 こういう事態、異常事態の根本に、では何があるのかと。私は、特別支援学校にだけ学校設置基準がないことがあると言わなければなりません。 先生と保護者は、特別支援学校にも学校設置基準を作ることを強く求めております。二〇一二年から毎年、数万筆の署名が提出されております。私も、この署名運動で特別支援学校にだけ学校設置基準がないことの深刻さを改めて認識いたしました。 文部科学大臣、確認いたしますが、学校設置基準とは何ですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほども少し紹介をさせていただきましたけれども、学校設置基準というのは、学校を設置しようとする者が、学校の種類に応じて、設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならないと規定されているところでありまして、例えば、文部科学大臣が制定した小学校設置基準においては、施設及び設備は、指導上、保健衛生上、安全上及び管理運営上適切なものでなければならないこと、校舎及び運動場の面積、その校舎には図書室、教室、保健室、職員室を備えなければならないことなどが定められております。
○山下芳生君 今大臣から答弁のあった学校設置基準、どういう性格なのかと。 上は、今読み上げられた第三条、学校教育法第三条ですけれども、その下側に文部科学官僚の書かれた解説書から抜粋したものがあります。 学校として備えるべき人的組織や物的組織等について、一定の準拠すべき基準がなければ、設置者の財政事情や教育に対する情熱の相違などによって、学校教育が一定の水準を下回ることになる懸念がある。公の性質を持つ学校がその学校の名に値しないような低劣な状況下で設置されたり運用されたりすることは国法の期待するところではないから、学校教育法は、学校の設置基準についても規定を設けているのである。 そして、この性格としては、最低基準の性格、学校設置の認可基準たるの性格、そして法規命令としての性格を持つと述べています。 文科大臣、間違いありませんね。
○国務大臣(柴山昌彦君) 性格としては、おっしゃるとおりだと思います。
○山下芳生君 次に、先ほど柴山大臣ちょっと紹介されました文部科学省の小学校設置基準から施設及び設備の中心部分を抜き出してパネルにいたしました。 一つ、校舎、運動場の面積(ただし、特別な事情かつ教育上支障がない場合、下回っても良い)。割と柔軟に対応ができるようになっています。二つ、教室(普通教室、特別教室等)、図書室・保健室、職員室を備える。三つ、体育館を備える(ただし、特別な事情かつ教育上支障がない場合、なくても良い)。 こういう小学校設置基準ですが、この学校設置基準、小学校だけではなくて、幼稚園にも中学校にも高校にも大学にもありますね。しかし、特別支援学校にはありませんね。確認です。
○政府参考人(永山賀久君) 御指摘のとおり、学校教育法第一条に規定する学校において、実質的に、設置基準、いわゆる文部科学省令による設置基準がないのは、実質的には特別支援学校のみでございます。
○山下芳生君 お認めになりました。この学校設置基準がないのは特別支援学校だけなんですね。 そこで、具体的に提案したいと思います。私は、この設置基準が、法規命令としての強力な基準がないことが、さっき言った、とんでもない、学ぶ権利が侵害されている状態が長く続く根本にあると思っております。ですから、これは具体的に提案いたしますけれども、この学校設置基準がない特別支援学校にもこの小学校設置基準と基本的に同じ基準を作ってはどうかと。文科大臣、いかがですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど少し紹介をさせていただいたんですけれども、そもそも、この特別支援学校というのは、障害のある児童生徒が、本当に様々なタイプの児童生徒がいることから、その教育環境の整備について、特別支援学校においては、その生徒に応じた適切な指導及び必要な支援が行うことができるよう適切に対応いただくべきものということからそうした設備基準というものが設けられていないわけであります。 文部科学省の調査によると、児童生徒の増加に伴う、先ほど紹介させていただいた一時的な対応として特別教室を普通教室に転用している場合があるということは承知をしておりますけれども、ただ、委員がお示しをいただいた資料にあるとおり、特別教室を普通教室に転用している場合であっても、教育上の支障、これがあるかどうかということが非常に重要な観点であろうかというように思っております。 特別支援学校の教室不足による教育環境の悪化がこれ以上生じないよう、また改善するよう、都道府県等に対し、教室不足の解消のための計画的な取組を促す通知を平成二十八年に私どもとして発出するとともに、特別支援学校の施設整備に対する国庫補助を行うなど必要な支援を行っております。 今後とも、そうした状況が少しでも改善するように、各都道府県の取組を我々としてしっかりとサポートしていきたいと考えております。
○山下芳生君 何でこの三つを作ったら柔軟な対応ができないのか、様々な子供さんに応じた適切な対応ができないのか。おかしいですよ。 もう時間が迫ってまいりましたので。 校舎、運動場の面積、これ決めたら何が問題になるんですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 例えば、車椅子やストレッチャーなど、児童生徒の使用する機器や介助の要否を踏まえた必要なスペース、また、年度の途中で入退院等による児童生徒の転学等や重複障害の児童生徒による学級編制などに対応した教室、障害種に応じた設備、点字ブロックやスロープなどや自立活動用の教室の確保などについて、やはり先ほど申し上げたように個別、柔軟に対応する必要があるというように考えております。 そういった必要となる施設や設備は個々の子供の状態によって変わってくるものであり、一律の基準を設けることは困難であるというように考えております。
○山下芳生君 いや、校舎や運動場の面積を最低基準として決めたら、なぜ体の大きな子供さんたちの発達とか対応に支障になるんですか。ならないじゃないですか、最低基準なんですから。
○政府参考人(永山賀久君) 先ほどの御答弁にもありましたけれども、年度の途中で入退院とかで児童生徒数の数が変わるということもございます。そういった状況にも柔軟に対応するということもございますので、やはり面積につきましても一律に定めることは困難であるというふうに考えてございます。
○山下芳生君 今のは全然一を否定する理由ではありません。 では、二番目、教室、普通教室と特別教室等、なぜこれがあっては駄目なんですか。 それから、柴山大臣、さっき特別な事情と言いましたけど、この二番目にはそれないですよ。特別教室は特別な事情があろうがなかろうが造らなければならないというのが小学校設置基準ですよ。これを何で特別支援学校、障害のある子供たちの学校には造ったら問題があるんですか。具体的に教えてください。
○政府参考人(永山賀久君) 設置基準にはございませんけれども、学校教育法施行規則というものがございまして、これは全ての学校に共通の規定でございます。その規定におきましては、教室についても必要だといったことも規定がございます。
○山下芳生君 そういう強力な、最低基準としての法的根拠のあるものじゃないんですよ、今言われたのは。だからどんどん潰れているんですよ。 柴山大臣、何でこれ駄目なんですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 規則において一定の定めがあるというように申し上げておりますけれども、設置したら駄目ということを答弁してはおりません。
○山下芳生君 駄目なんじゃなかったら設置しましょうよ。設置しましょうよ。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど来何度も答弁をさせていただいたとおり、個々の学校の事情や児童生徒の障害の特性、またそれぞれの設置者や学校の財政状況等に応じて適切に対応いただくべきものと考えており、国としてもそれをサポートをしていきたいというように考えております。
○山下芳生君 さっきから適切な対応適切な対応と言って設置基準がないことを合理化しようとしているけど、設置基準がないことによって音楽室が潰れているんですよ。適切な対応ができなくなっているんですよ。あんなに豊かな個性あふれる成長の姿を見せてくれた子供たちから音楽室を奪うのが適切な対応ですか。 障害のある子に音楽室は要らないと、それが文科省の立場ですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 繰り返しになりますけれども、それぞれの学校の状況や児童生徒の障害の特性等を適切に考慮した上で当該学校あるいは先生方に対応していただくということがふさわしいというように考えております。それができないということであれば、我々としても、しっかりと状況を確認した上で必要な指導等をしていきたいというように考えております。
○山下芳生君 本当にこの設置基準がないことによって起こっている実態をもっと直視すべきですよ。幾ら聞いても、私は、今この挙げた二つ、三つ目は行けませんでしたけれども、小学校設置基準と基本的には同じ設置基準を特別支援学校に作ることがなぜできないのか、全くまともな理由は返ってきませんでした。特別支援学校に最低基準としての学校設置基準を作らない合理的理由はありません。 総理、障害者権利条約には何とあるか。第二十四条、教育のところには、障害者が、その人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限まで発達させることということがうたわれております。音楽室がなかったら、最大限能力が発達できないじゃありませんか。それを支えるのが公教育じゃないですか。私は、それを、ないんだったら作るのが政治の役割だと、責任だと思いますが、総理の見解を求めます。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどもう既に大臣から答弁をさせていただいているわけでございますが、この特別支援学校の設置については、学校教育法において、都道府県が区域内において就学する児童生徒に必要な学校を設置しなければならないこととされておりまして、基本的には都道府県の責任において障害のある児童生徒の状況や地域の実情等を考慮した上で適切に対応いただくものと考えておりますが、今後とも、先ほど申し上げましたように、各都道府県と協力をしてしっかりと支援をしていきたいと、こう考えております。
○山下芳生君 障害のある子供たちの学ぶ権利、そして発達する権利が保障されない事態をなくすために設置基準を作ること、校舎新増設を促す緊急の財政措置をとることを強く求めて、質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もよろしくお願いいたします。 まず、総理に質問させていただきたいと思います。 高齢化社会、そして人口減少、日本は様々な課題、国難とも言える課題に向き合っていかなければなりません。世界でも私ども最高水準の医療を患者の皆様方に提供していると、私、一人の医師としても自負いたしております。しかし、しっかりと国民の皆様方にも今この日本の現状についても御理解いただかなければならないと思うんです。 実は今、医療現場で問題になっているのがポリファーマシー、多剤です。 高齢者の皆様方、いろんなところでいろんな処方をされます。実は、六錠以上飲んでいると副作用がかなり出てきますよということも研究で分かってきておりますけれども、七十五歳以上の患者様では四人に一人が七種類以上飲んでいらっしゃって、実は、緊急搬送そして入院中の有害事象などにも関わってきております。受診を受ける回数というものも、OECD諸国のほぼ二倍。 私は、適切な医療を適切に受けていただくために、受診抑制になってはいけない、しかし、適切な医療を提供する医療者、そしてそれを受ける消費者側である患者様方、お互いに理解していかなければならないときに来ていると思います。 特に私ども、今問題になっておりましたのが、美容の目的で保湿剤というものを保険で処方してしまう、これは年間九十三億に上るとも試算されている、これは重大なことだと思います。そうすることによって医療費は膨らみますし、かつ、本当に医療を受けなければならない、適切な医療を必要としている方々にその費用が使えないということになってしまいます。しっかりと国民の理解をこれから私は喚起していただきたいと思いますが、総理の御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 少子高齢化の進展や疾病構造が大きく変化する中で、国民皆保険を維持し、持続可能な医療制度を実現していくためには、国、地方自治体、医療提供者の取組だけではなくて、医療全体を支えるシステムに対する国民の理解が欠かせないと考えております。 このため、予防、健康づくりに対する保険者のインセンティブの強化によって、国民一人一人が健康維持増進に関心を持ち、健康寿命を延ばしていくとともに、給付と負担の見直しにより医療保険制度の持続可能性を確保することに加えて、医療従事者、国民双方のメリットにつながる上手な医療の在り方のために必要な情報提供や適切な医療の選択をサポートする取組などを進めております。 委員が言われたように、多剤投与あるいは重複受診等々、今までも様々な課題があり、取り組んできたところでございますが、人生百年時代を見据えた改革を進めるためにも、社会保障、医療の現状についての国民の積極的な情報提供や普及啓発を通じて、国民自らが改革に参画している意識醸成を進めてまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。是非お願いをしたいと思います。 それから、障害者水増し問題で初めて行われました国家公務員試験、人事院は七百五十四名の合格者が出たと報告がございました。しっかりと私はこれから国策として障害者雇用につきましても中央省庁の皆様方にルールを守っていただきたいと思っておりますけれども、障害そして病を持った者が普通に仕事や生活できる社会、まだまだ程遠いというふうに私は思っております。 障害をお持ちの方が普通学校に通学する、そして普通に就職をして働くんだという想定で、元々のこの仕組みというものが成り立っておりません。ですから、これからは、障害があったとしても病があったとしても普通に社会で生活できるために何が必要なのかを議論させてください。今の制度は継ぎはぎなんです、パッチワークになっております。 地域生活支援事業、これは前年度二億円増で、来年度には四百九十五億円計上しております。しかし、この制度、実は通勤通学に使えない地域が多いんです。だからこそ、財務省が昨年十月に障害者向けに行った非常勤職員の求人で、応募条件に自立で通勤できるということがございました。大臣、すごく怒っていらっしゃいましたけれども、まさにそういう差別的な内容になってしまうんです。 医療的なケアを必要とする子供たちは今、全国で一万八千人を超えます。介護保険の優先原則と申しまして、今まで障害の中でサポートを受けられていた者が、高齢になって六十五歳になったら急に介護保険優先されてしまって、受けたいサービスが受けられないような方々もいらっしゃる。通勤が難しい方々は、最近、障害者でも起業するというのが当たり前になってきていらっしゃいます。愛知でも寝たきり社長というようなことで、寝たきりでも起業し、そして自分で実業家としてしっかりと力を発揮していらっしゃる方々もいらっしゃいます。 やはり、もうそろそろ障害者の支援に対する在り方について見直すべきときではないんでしょうか。障害、病を持つということがペナルティーとなってしまうような社会では、これ以上、私は日本の未来はないと思っております。縦割り行政の中で、一人一人、継ぎはぎのようなものではなく、人を中心として切れ目のないしっかりとした支援につなげていく、普通に生活できるような社会というものを構築するために私は今後努めていただきたいと思いますけれども、総理の御意見いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私たちの人生においても様々なライフステージがあるわけでありますが、障害者の方々にも様々なライフステージがあるわけでありまして、そのライフステージに応じた切れ目のない支援を提供することで、障害のある方が活躍することのできる社会を築いていくことが重要であると考えています。 通学や通勤の支援については、特別支援学校などに就学する場合の通学費の支援や、あるいは事業主が障害者の通勤支援を行った際の助成など、これまでも様々な施策を講じてきたところであります。 また、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業は多様な事業に活用可能でありまして、地域によっては、関係機関の連携の下、障害のある方の通学や通勤の支援を行っている事例もあると聞いています。厚生労働省が今年度から実施している実態把握のための事業も活用し、まずはこうした取組の共有を図ることとしたいと思っています。 いずれにいたしましても、政府としては、厚生労働省や文部科学省など関係省庁はもとより、国と地方が相互に連携しながら、これはおっしゃったように各省庁の縦割りを排し、また国と地方というこの壁も取って、障害のある方がバリアなく安心して通勤通学できるように総合的な施策に取り組んでいきたい、また各ライフステージにおいてこの支援をしていきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 是非それはお願いしたいと思います。 しかし、私どもの足下を見てみてもそうではない現実が分かってまいります。国会も障害者に対し本当に優しい政治を提供しているのかということです。 皆様方にお配りをいたしておりますけれども、この点字ブロック、線字ブロックもその一つです。(資料提示)三月十八日は点字ブロックの日でございました。失明してしまう友人を何とか町中歩けるようにしたいと、岡山で三宅さんという方が考案されたということです。本当に優しさの中で生まれてきた。それが今や世界百五十か国で使われているんです。 私どものこの会館の事務所に、実はこの点字ブロック、どこにあるでしょう。皆さん御存じでいらっしゃいますでしょうか。そして、私たちの会館事務所の名前の下に点字がありますか。ないんです。何号室、誰の部屋なのか、そういうことさえも分からない。しっかりと私は足下から見直していただきたいと思っております。気付いて初めて施策というものが充実することができます。是非これは先生方にお願いをしたいことと思っております。 私どもがなぜこのような形で障害に対して鈍感になってしまいがちなのか。一つは、この国会というものが障害者差別解消法の対象でないということも原因かと思います。我々こそ、障害をお持ちの方々がここに入ってきたらどうなんだろう、一人でここまで来ることができるんだろうかということも、私は実際に目隠しをして歩いていっていただきたいと思います。そういうこと一つ一つが障害の差別解消につながると私は思います。 いつもいつも私も思っております、今のこのテレビ放送にも字幕がないということ、これが一番の問題です。今年は選挙の年です。しかし、今私どもが議論しているこの内容さえも分からない人がたくさんいる、これが問題なんです。 是非このNHKの放送に私は字幕を一刻も早く付けていただきたいと思います。今日は会長にもいらしていただいておりますので、その一刻も早くという願いを御答弁いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 国会中継に関しましては、事前の取材などにより正確さを高いレベルで確保できるだけの準備が可能だと判断した場合に字幕を付与しており、昨年、二〇一八年十月の臨時国会では、所信表明演説や代表質問に字幕を付与し、今の国会でも政府演説、代表質問に字幕を付与いたしました。これに対して、聴覚障害がある方を含む視聴者から好意的な反響を寄せられた一方で、字幕の誤りを指摘する声も寄せられました。 高いレベルで正確さを確保するよう努めていますが、聞き取りにくい言葉を字幕でうまく表示できないなど、誤りを完全になくすことは難しく、正確に字幕が付与できる状況は限定的だと認識しております。とりわけ、委員会のように発言があらかじめ想定しづらい場合には、正確な字幕付与はより難しくなります。 今後も、正確性、公平性を損なわず、国会審議の放送に字幕を付与できる条件が整う場合につきましては実施できるように努めてまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 でも、実は参議院のホームページにもインターネットの中継というものがございます。私は討論が行われた後でもいいと思うんです。しっかりと字幕を付けて正確に皆様方に情報を提供する、これが私ども、役割だと思いますけれども、参議院の事務局はいかがでいらっしゃいますか、お願い申し上げます。
○事務総長(郷原悟君) お答え申し上げます。 現在の参議院インターネット審議中継に字幕は付与されておりませんけれども、字幕を付与することは、聴覚障害者や高齢者の方にとって、国会審議の情報を得るための手段の一つとして有用であることは認識してございます。ただ、字幕を付与した場合の中継映像を一般に公開するときには、誤変換や、公式な記録であります会議録との関係が問題になり得ると考えております。また、仮に音声認識システム等を利用した字幕表示システムを導入する場合には、多額の費用が必要となります。 いずれにいたしましても、インターネット審議中継における聴覚障害者や高齢者の方への配慮につきましては、各会派の御協議を踏まえて対応してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 是非、皆様方にも御協力いただきたいと思います。 多くの国民の皆様方は、英語でありがとう、そして、こんにちは、ハローという言葉は知っております。しかし、同じ日本人でも、手話でそれをどう表現するかというのを知らない方々が余りにも多過ぎるのではないでしょうか。 これは聾のお子さんを持つお母さんが描かれた絵です。ありがとうというのは、お相撲のときにこういうふうにします。これからきているんですけれども、ありがとうという表現をします。挨拶も、人と人の頭がこういう形で落ちていく、これが挨拶です。こういうふうに簡単な手話だけでもいいんです。是非、皆様方にも覚えていただいて、これから使っていただくと、一つ一つ、少しずつですけれども、私は優しい社会が前進していくことになるんだと思います。 総理も手話で表現していただきました。是非これからも、少しずつでも構いません、そういう表現というものを国会の中でも広げていく必要があると思いますけれども、総理、御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) おっしゃるとおりでございまして、そういうところから始めていくことがバリアをなくしていくことにつながっていくんだろうと、このように思っております。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。 これにて安倍内閣の基本姿勢に関する集中審議は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) この際、御報告いたします。 本委員会は、平成三十一年度総予算三案につきまして、内閣委員会外十四委員会にその審査を委嘱いたしておりましたが、各委員長からそれぞれ審査概要について報告書が提出されましたので、お手元に配付しております。 つきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 次回は明二十六日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時十四分散会