予算委員会 第8号
- 発言数
- 196 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2019/03/13
会議録
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成三十一年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日及び明日は、社会保障・内外の諸情勢に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声七十二分、立憲民主党・民友会・希望の会七十分、国民民主党・新緑風会八十二分、公明党六十分、日本維新の会・希望の党五十五分、日本共産党五十五分、無所属クラブ二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成三十一年度一般会計予算、平成三十一年度特別会計予算、平成三十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、社会保障・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。長浜博行君。
○長浜博行君 立憲民主党の長浜博行でございます。 地元の房総半島の方からは花の便りも伝わってきて、春が近づいているなということを感じますけれども、大量の花粉の飛散も伴っておりまして、私ひどい花粉症なものでございますので、お見苦しい点がありましたらお許しをいただければというふうに思っております。 本日は、内外の諸情勢ということで、今喫緊の課題について、今月中に政府にお伺いをしておかなければいけないと思った点についてお伺いをさせていただければというふうに思っております。 いよいよ天皇陛下が退位なされるときが近づいてまいりました。国民こぞってことほぎながら天皇陛下が退位をなされる、こういう日を迎えられますことを私自身とても喜んでおります。 今上陛下は第百二十五代の天皇であり、平成という元号は二百四十七番目ということでございます。退位は、江戸時代後期、一八一七年、光格天皇が御退位をされて以来約二百年ぶりとのことで、もちろん憲政史上初ということでございます。今上天皇陛下は日本国憲法下で即位をされ、そして、皇室典範と一体を成す天皇の退位等に関する皇室典範特例法の制定により退位をされます。このことは、立法府の一員として、またこの法律の検討過程の末席に参画をさせていただいた者として感慨深いものがございます。 この法律の立法に至る経緯について、官房長官、御説明をいただけますか。
○国務大臣(菅義偉君) 天皇の退位等に関する問題につきましては、各政党各会派は、象徴天皇制を定める日本憲法を基本として、国民代表機関たる立法府の主体的な取組が必要であるとの認識で一致をされて、衆参正副議長による議論の取りまとめがなされたものと承知をしております。憲法第一条において、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」とされていることを踏まえた御判断であり、その御尽力に敬意と感謝を申し上げるものであります。 その上で、この議論の取りまとめにおいては、政府においては、立法府の総意を厳粛に受け止め、直ちに法律案の立案に着手し、誠実に立案作業を行うとともに、法律案の骨子を事前に各政党各会派に説明をしつつ、法律案の要綱ができ上がった段階において、当該要綱を全体会議に提示していただき、そこで確認を得た後、速やかに国会に提出することを強く求めるとされたところであります。 政府としては、この議論の取りまとめを厳粛に受け止め、その内容を忠実に反映させ法案を立案し、御審議をいただいたものであります。
○長浜博行君 この法律の施行期日、すなわち陛下が退位をされるという日の決定につきましては、附則の第一条において「政令で定める」こととなっており、「内閣総理大臣は、あらかじめ、皇室会議の意見を聴かなければならない。」、パネルそれから資料の一の一と一の二に書いてあるところでございますが、となっておるわけであります。(資料提示) 皇室会議とは、皇室典範という法律の第二十八条、「皇室会議は、議員十人でこれを組織する。」、「議員は、皇族二人、衆議院及び参議院の議長及び副議長、内閣総理大臣、宮内庁の長並びに最高裁判所の長たる裁判官及びその他の裁判官一人を以て、これに充てる。」とあります。そして、第二十九条で「内閣総理大臣たる議員は、皇室会議の議長となる。」とされております。 議長である総理にお尋ねをいたします。 この皇室会議はいつ開催され、どのような議論がなされたのでしょうか。
○政府参考人(西村泰彦君) お答え申し上げます。 御指摘の皇室会議は、皇室典範特例法附則第一条第二項の規定に基づき、内閣総理大臣から同法の施行日について皇室会議としての意見が求められたため、平成二十九年十二月一日に開催されました。 この皇室会議におきましては、議員各位から、皇室典範特例法の施行日について、天皇陛下には一月七日の御在位満三十年の節目をお迎えいただきたいこと、国民生活への影響等を考慮すること、静かな環境の中で国民が天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位をこぞってことほぐにふさわしい日とすることなどの意見の表明が行われたところであります。 こうした各議員からの意見を踏まえ、議長から意見案が示された後、皇室会議としての意見が議長の意見案のとおり決定されたところであります。
○長浜博行君 皇室会議の開催は現行憲法下では八回目、皇族男子の婚姻以外が議題となるのは、旧宮家の皇籍離脱を決めた昭和二十二年、一九四七年の会議以来約七十年ぶりのことというふうに言われております。皇室典範には第三十四条、三十五条で議事の議決の規定がございます。今回はどのように意見の集約が図られたのでしょうか。
○政府参考人(西村泰彦君) お答え申し上げます。 先ほども御説明申し上げましたが、平成二十九年十二月一日の皇室会議におきましては、議員各位から、皇室典範特例法の施行日につきまして、天皇陛下には一月七日の御在位満三十年の節目をお迎えいただきたいこと、国民生活への影響等を考慮すること、静かな環境の中で国民が天皇陛下の御退位と皇太子殿下の御即位をこぞってことほぐにふさわしい日とすることなどの意見の表明が行われたところであります。 こうした各議員からの意見を踏まえまして、議長から意見案が示された後、皇室会議としての意見が議長の意見案のとおり決定されたところであります。
○長浜博行君 発表されております議事概要を拝見しましたけれども、個々の議員の発言、議論の展開などが記された議事録については、誰がどのような意見を述べたかということを明らかにすることは必ずしも好ましいことではないということで作成されておりません。 しかし、果たしてそうでしょうか。日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である天皇の退位の日を決める本法案の施行期日が、法治国家日本で、いわゆる三権の長が出席する皇室会議でどのように決められたかを正確に後世の人々が検証できるようにすることは大切ではないかというふうに思います。必要なら三十年後、五十年後に公開するなど、この皇室会議の議員でない官房長官や事務方も参加されていたようでありますので、詳細な議事録を公文書として残すことをお考えいただければというふうに思っております。 天皇陛下がまさに体現してこられた日本国憲法下における象徴天皇制の意義を国民一人一人が受け身ではなく主体的に考えることが、民主主義国家の基本であり、今上陛下への心からの感謝ではないかと私は思っております。 今回の特例法立案から、天皇陛下が退位され、皇太子殿下が天皇として即位されるという一連の議論の経過、プロセスについて、立憲主義に基づく国民主権の観点からは静かな環境の下で内閣の御方針をお伺いしなければならないというふうに思っております。 元号法についてお聞きをします。パネル、資料の一の三でございます。 これは、昭和五十四年、一九七九年、大平内閣で成立をした法律ですが、この法律ができた経緯を御説明ください。また、既に使われていた昭和はどういう扱いになったんでしょうか。
○政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。 元号法の成立以前に遡りますと、明治以前には元号に関する具体的な法制はございませんでしたけれども、明治元年に出された改元の詔書及び行政官布告によりまして、いわゆる一世一元の制度が設けられましたところでございます。 その後、明治二十二年に制定されました旧皇室典範第十二条におきまして、元号についての規定が置かれたところでございます。その後、大正、昭和の元号は旧皇室典範の規定に基づきまして定められましたけれども、戦後になりまして、旧皇室典範の廃止後、現行の皇室典範には元号についての規定は置かれなかったところでございます。これらによりまして、昭和の元号は法令上の根拠を失いまして、事実たる慣習として使用されることになりました。 その後、元号は制度として明確で安定したものであることが必要との議論を踏まえまして、昭和三十六年、閣議決定によりまして、総理府総務長官が主宰いたします公式制度連絡調査会議を設置し、昭和五十三年六月、元号法制化促進国会議員連盟が発足、同年十月に閣議において元号法制化の基本方針を内定し、昭和五十四年二月に元号法案を閣議決定し、同年六月、国会において成立、公布されたところでございます。 そこで、元号法第一項におきまして「元号は、政令で定める。」と規定し、附則第二条で「昭和の元号は、本則第一項の規定に基づき定められたものとする。」と規定することにより、昭和の元号についても法的根拠が担保されることになったわけでございます。
○長浜博行君 この法律はかなり短い法律で、少なくても、国旗・国歌法も短かったんですが、多分かなり短い内容だというのはパネルや資料でもお分かりになると思います。 大日本帝国憲法下では、一世一元の制度により、旧皇室典範、登極令に基づき、天皇が決めて詔書、詔の書で公布をいたしました。今は日本国憲法下の元号法により民主的手続で決められ、それがまさに昭和六十四年一月七日の官房長官により発表された手書きの平成でございました。 元号法は「元号は、皇位の継承があつた場合に限り改める。」となっており、今上天皇の退位は前述いたしました政令により四月三十日となりました。平成に改元の際の政令は資料、パネル一の四にお示しをしてありますけれども、今回は四月一日に政令は出されるんでしょうか。また、附則はどのようになるんでしょうか。
○政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。 元号を改める政令につきましては、本年四月一日に閣議決定することといたしております。また、政令の附則におきましては、御即位の日である五月一日に施行する旨を規定することとしておりますけれども、具体的な規定ぶりにつきましては現在検討しているところでございますので、お答えの方は差し控えさせていただきたいと思います。
○長浜博行君 そもそも、なぜ四月一日に発表するんでしょうか。国民生活に影響を与えない、例えばカレンダーとか手帳を考えれば去年の夏とか、あるいは四月一日から新年度がスタートをするということからすれば年初とか年末とか考えられたはずですが、四月一日の根拠を教えてください。
○国務大臣(菅義偉君) 今般の改元に当たりまして、政府においては官民の情報システム改修等の準備を進めてきたところでありますが、その準備状況を考慮すると一か月程度の準備期間が必要であると想定をされました。 こうした点を踏まえ、国民生活への影響を最小限に抑える観点から、改元の一か月前の四月一日に新元号を決定、公表するとしたものであります。
○長浜博行君 改元の政令についてですが、押印、署名されるのは今上陛下でしょうか。
○政府参考人(嶋田裕光君) お答えいたします。 元号を改める政令につきましては、本年四月一日に閣議決定し、同日中に公布することとしておりますけれども、公布に当たりましては、今上陛下に御名御璽をいただくこととなっております。
○長浜博行君 元号をどのように決めるかは法令では定められておりません。では、どのようにして決めるのでしょうか。元号制定手続について御説明をお願いいたします。皆様のお手元の資料二でございます。
○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。 新たな元号の選定手続につきましては、平成改元時の手続を踏襲することといたしておりまして、昭和五十四年に閣議報告をいたしました元号選定手続についてに基づき行うことといたしております。 具体的に申し上げますと、まず、高い識見を有する方々に新しい元号とするのにふさわしい候補名の考案を委嘱いたします。考案者から提出された候補名を検討、整理をするということになります。次に、新元号の原案として数個の案を選定した上で、各界の有識者から成ります元号に関する懇談会と衆議院及び参議院の議長及び副議長の御意見を伺うことといたしております。そして、全閣僚会議におきまして新元号の原案について協議の上、閣議において元号を改める政令を決定すると、こういった手続を取ることとなっております。
○長浜博行君 今の御説明からもお分かりになったように、天皇陛下や皇太子殿下は全く関与されていないということがお分かりになるとおりだと思います。皇室に御迷惑をお掛けすることがないように、内閣におかれましては十分な御注意をお願いをいたします。 二月七日に総理の決裁で元号選定手続検討会議の開催が決められ、翌八日に持ち回り開催で皇位の継承に伴う改元に向けた手続、資料の一の五ですが、決定をしました。 持ち回り開催とはどういう意味なんでしょうか。また、その会議の内容はどのようなものだったんでしょうか。
○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。 元号選定手続検討会議につきましては、内閣官房長官を議長といたしまして、内閣官房副長官、内閣法制局長官、内閣府事務次官等を構成員といたしまして、二月八日に持ち回りで開催をいたしましたところでございます。 その中で、現行の元号選定手続が、民間の有識者から成る元号に関する懇談会や衆参両院の議長及び副議長の御意見を伺うなど、幅広く意見を伺うこととしている点も踏まえまして、手続に変更を加える必要はないものと判断したところでございまして、こうした方針については各構成員の皆様、会議の構成員の皆様に個別に説明をし、了解を得たものでございます。
○長浜博行君 持ち回りの説明がなかったように思いますけれども、普通、持ち回りというのは議論を行っていないというふうに判断をせざるを得ないと思います。国民にとってとても大切な元号を決める手続の決め方が、たった一回の会議で、意見交換を伴わない形で前例踏襲と決められたのは、私はちょっと問題ではないかなというふうに思います。 平成という新たな元号となって三十年の歳月が経過をして、そして皇室典範特例法が成立をして一年半という時間がありながら、選定手続に関して国民参加型の新たな考え方の議論がなされなかったのはなぜでしょうか。平成改元当時の政府の実務を担っておられた内閣内政審議室長をされていた方も、次の世代を担う人たちが主体となって新たな選び方を議論してもいいのではないかとおっしゃっておられるようですが、こういったことについてどうお考えですか。
○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。 元号選定手続検討会議につきましては、二月八日に持ち回りで開催をいたしたところでございますけれども、その会議におきまして、新元号の選定手続について、平成改元時の手続を踏襲することを確認をした上で、その旨を官房長官から閣議に報告し、現行の元号選定手続に基づき行うことといたしたところでございます。 この選定手続におきましては、先ほども申し上げましたけれども、民間の有識者から成る元号に関する懇談会ですとか、衆参両院の議長、副議長の御意見を伺うなど、幅広く意見を伺うことといたしておりまして、こうした点も踏まえますと、現行の選定手続に変更を加える必要はないものと判断し、平成改元時の手続を踏襲するということといたしたところでございます。
○長浜博行君 四月一日に行われる元号に関する懇談会で新元号につき意見を求めることが国民が元号を選んだということを担保しているのだというふうに解釈しておりますが、その国民の代表たる人選と懇談会での実質的な意見交換がとても大事だと思っております。私は、元号選定の一連の手続が形を整える形式的なものであってはならないというふうに思っております。 元号選定要領について伺います。 総理が次の元号の考案を委嘱する若干名の高い見識を有する者とはいかなる方々で、選考基準はどのようなものなんでしょうか。また、何名おられますか。
○政府参考人(吉岡秀弥君) お答えいたします。 高い識見を有する者というお尋ねでございますけれども、新たな元号の選定手続におきましては、元号に関し高い識見を有する者に候補名の考案を委嘱することとなります。その考案者は、国文学、漢文学、日本史学、又は東洋史学等についての学識を有する方の中から委嘱することになると考えております。 現時点におきましては、まだ決まっておりません。今後、正式に委嘱手続を進めることとなります。
○長浜博行君 官房長官に伺います。 長官が開催をする元号に関する懇談会に参集する若干名の各界の有識者の選考基準はどのようなものでしょうか。また、何名おられるのでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 新たな元号の選定に当たっては、各界の有識者の参集を得て、元号に関する懇談会を開催をし、新元号の原案につき意見を求めることになりますが、様々な分野において活躍している有識者に参集をお願いすることとなっております。 懇談会については、メンバーの人数も含めて、現在検討中であります。
○長浜博行君 国民の代表が参加した懇談会で複数案について活発な議論がなされるのでしょうけれども、議論が分かれた場合、決め方についてはどのようにするのでしょうか。また、議事録は当然取られるのでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 新元号の選定に当たっては、元号選定手続についてに基づき、新元号の原案について、元号に関する懇談会において各界の有識者の御意見を伺うとともに、衆参両院の議長及び副議長の御意見を伺った上で、元号法の規定に基づいて、内閣の責任において新元号を決定することになっております。 当該懇談会の議事の公表については、関係法令等にのっとり適切に対応してまいりたいと思います。
○長浜博行君 憲政史上初の退位に関する事項の意思決定過程の検証を可能ならしめる方策を取っておくことは、公文書管理法の第一条「目的」の表現を借りるならば、「現在及び将来の国民に説明する責務」であり、「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」を守るために大切なことと考えますが、総理、いかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新たな元号については、国民生活への影響を最小限に抑える観点から、改元一か月前の四月一日に公表することとした上で、具体的な選定手続と内容についても早い段階から公表してきたところであります。 今後、各界の有識者から成る元号に関する懇談会や衆参両院の議長及び副議長の意見聴取を行うなど、幅広く意見を伺った上で新元号を決定することとなります。 懇談会等の議事の公表につきましては、先ほど官房長官から答弁させていただきましたが、関係法令にのっとり適切に対応してまいりたいと思います。 いずれにいたしましても、新たな元号が広く国民に受け入れられ、そして日本人の生活の中に深く根差したものとなるよう、意を用いてまいりたいと考えております。
○長浜博行君 昨今の報道を見ておりますと、新元号が事前に漏れたらどうしようということが取り上げられていますが、私は、戦前の天皇が決定し、詔書によって、詔によって国民に知らされた時代とは異なり、元号は立法府で作られた法律に基づき民主的な手続で決定され、発表される、そしてその過程が透明性と説明責任によって担保されていること、私流の言い方を許していただければガラス張りであることが重要と考えます。 むしろ、民主的な手続で決めた元号を漏れたら変えるなどということは、戦前ではあるまいし、誰がどのような権限、法的根拠でできるのでしょうか。 次に、平成の改元の経緯に関する情報公開請求について伺います。 今年は平成三十一年ですから、公文書作成から最長三十年後の国立公文書館への移管は既になされているのでしょうか。また、当該文書が内閣官房から内閣府総務課へ所管替えされたことで公文書館への移管の起算日が大幅に後ろにずれたというトラブルがありましたが、この件は解決されましたのでしょうか。
○政府参考人(田中愛智朗君) お答えいたします。 御指摘の文書につきましては、平成改元に係る事務手続の経緯等関係資料でございますけれども、これは、平成への改元の際、内閣官房及び旧総理府が作成し、ファイル化されていなかった文書を平成二十五年度に内閣府において行政文書ファイルにまとめたものでございます。 その際、行政文書ファイル作成日の属する年度の翌年度を起算日とするということにしております行政文書の管理に関するガイドラインを踏まえまして、平成二十六年四月一日を保存期間の起算日としていたところでございます。 しかしながら、ファイルに含まれる文書が実際に作成された時期を起算日とすることが適当であるという考えによりまして、改めて整理を行い、起算日を平成元年四月一日と変更したところでございます。 まだ保存期間の満了に到達しておりませんので、当該文書については移管はまだなされていないところでございます。
○長浜博行君 昨今は時代の流れが速くて、ついこの間に起こったことも忘れてしまいがちでございますが、一昨年の六月二十二日に、森友学園疑惑など様々な政治課題を国民に明らかにするために私どもは、憲法五十三条、「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。」という規定に基づき、臨時国会の開催を要求いたしました。安倍総理は、議論する場である国会開催を避け続け、三か月も経過してやっと開かれた臨時国会の初日に解散を行いました。衆議院を解散するがためだけに参議院も含めて国会を召集したとも言えます。 この選挙後に開催された特別国会において、総理はお忙しいのでお忘れかもしれませんけれども、私は本会議で、安倍内閣によるいわゆる解散権の濫用について、憲法七条、「天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。」とあり、ここには十項目が書かれているわけでありますが、その三号、「衆議院を解散すること。」、そしてそのために、その二号、「国会を召集すること。」を恣意的に行うことは、内閣による天皇の国事行為の濫用ではないかとお尋ねをいたしました。 私は今この場で総理の解散権について、憲法七条と六十九条に関する議論をするつもりはございません。 今日は、国事行為そのものについて内閣法制局長官にお尋ねをいたします。 憲法七条の国事行為における実質的決定権について御説明をください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法第四条第一項は「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。」旨を、また、憲法第三条は「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」旨を規定しております。 これらは、憲法上象徴と位置付けられた天皇と、あくまでも国民主権の下で行われるべき国政との関係の基本を定めたものと理解されます。 すなわち、国家機関としての天皇の行為は憲法の定める国事行為のみに限られており、これらの国事行為は全て内閣の助言と承認によって行われるものであることから、天皇はいかなる意味でも国事行為について実質的決定権を持たないと考えられております。
○長浜博行君 今の御説明でもお分かりのように、事実上、内閣が行う憲法七条十号、儀式について伺います。 ここでいう儀式は、実質的決定権を持つ内閣がどのようなものをどのような基準で決めているのでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法第七条第十号に規定されている儀式でございますけれども、条文に「儀式を行ふこと。」と書いてありますとおり、天皇が主宰する儀式でございます。国家的な性格を有するものであると解されております。 その上で、ある儀式を国家的な性格を有する儀式として、すなわち国事行為とすべきか否かにつきましては一義的な基準はなく、国事行為について助言と承認を行う内閣において個別具体的に判断することとなっております。
○長浜博行君 平成という時代は、現行憲法下で即位された天皇陛下が主権者たる国民とともに歩んでこられた民主主義の新たな歴史であったように思われます。 陛下は、常に憲法九十九条、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」を念頭に行動し、発言されてきました。 平成二十八年八月八日ですね、象徴としてのお務めについての天皇陛下のお言葉をテレビ等で御覧になった方も多いでしょう。その中で陛下は、憲法の下、天皇は国政に関する権能を有しません、そうした中で、この度我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ、これからも皇室がどのようなときにも国民とともにあり、相携えてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話ししました、国民の理解を得られることを切に願っていると述べられました。 資料を付けてありますので、天皇の御行為の分類について御質問を申し上げます。 法制局長官でしょうか、あるいは宮内庁でしょうか。国民の皆様に分かりやすいように、憲法との関連を含めて御説明をお願いをいたします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 天皇の行為は、①国家機関としての行為である国事行為、②象徴としての地位に基づいて公的な立場で行われる公的行為、③その他の行為の三つに分類されます。 まず、国事行為は、国家機関としての天皇の行為であり、その内容は、憲法第四条第二項、第六条及び第七条に規定されているとおりでございます。 また、憲法第四条第一項におきまして「天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを」行うと定められており、憲法第三条において「天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。」と定められているところでございます。 もっとも、言うまでもなく、天皇は、国家機関としての国事行為を行う以外にも、自然人として様々な事実行為を行うことがございます。 ②の天皇の公的行為は、このような事実行為のうち、憲法第一条に規定する「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」としての地位に基づいて公的な立場で行われるものであり、憲法上の明文の根拠はありませんが、象徴としての地位にある天皇の行為として当然に認められるものと解されます。 天皇の公的行為は、国事行為ではないので、憲法に言う内閣の助言と承認は必要ではなく、あくまでも天皇の御意思を基として行われるべきものでありますが、象徴としての地位に基づいて公的な立場で行われるものであることから、当然、内閣は、これが憲法の趣旨に沿って行われるよう配慮すべき責任を負っております。 具体的に申し上げますと、天皇の公的行為については、①国事行為におけるのと同様に、国政に関する権能が含まれてはならない、すなわち、政治的な意味を持つとか、あるいは政治的な影響を持つものが含まれてはならない、②象徴たる性格に反するものであってはならない、③内閣が責任を負うものでなければならないという制約があると考えられ、直接には宮内庁が、最終的には内閣がその責任において配慮しているところでございます。 ③のその他の行為でございますけれども、天皇の自然人としての事実行為のうち公的行為以外のものでございますけれども、そのような行為である限りは基本的に内閣が関与するということではございませんが、政治的な意味を持つものが含まれてはならないといった制約はあると考えられているところでございます。
○長浜博行君 次に、それぞれの行為と内閣の関与について御説明をいただこうと思ったんですが、今の説明の中でもよく分かりましたので、次、退位並びに即位の儀式は、配付資料に書かれているように、その多くが国事行為です。パネルの六と資料の五枚目になります。 皇室典範の第二十四条に「皇位の継承があつたときは、即位の礼を行う。」とあり、天皇の退位等に関する皇室典範特例法施行令には、第一条、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法第二条の規定による天皇の退位に際しては、退位の礼を行う。」となっております。ただし、即位の礼、退位の礼とはどのように行うかは書かれておりません。 今更申し上げるまでもないことでありますけれども、日本国憲法の一丁目一番地は天皇であり、第一章第一条において「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」とあり、第二条で「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。」とあります。すなわち、皇室典範と一体を成す天皇の退位等に関する皇室典範特例法第二条、天皇はこの法律の施行日限り退位し、皇嗣が直ちに即位すると、明確に天皇の退位、新天皇の即位が立憲主義の下、法定されているわけであります。 このことは、平成という今上天皇が象徴という役割を果たされてきた三十年余りのとき、時間的空間を陛下と共有した国民が、天皇陛下のお気持ちを理解し、これに共感したことによって実現できたとも言えます。 大日本帝国憲法と日本国憲法という二つの憲法を持った昭和という時代から日本国憲法下の平成に皇位継承した際、あの時代は、皇室の伝統的儀式の形態と憲法との関係に留意しながらの式典準備が行われていましたが、換言すれば、二つのものを一つにするときに生ずるある種の矛盾の克服に関係者が御努力をされていたことが資料により推察をされます。 しかし、平成から更に新たな時代を迎える今日、何ゆえ前例踏襲ということにこだわるのでしょうか。お代替わりの諸儀式は宮内庁のホームページに幾つも日本文と英文で紹介されております。古来より続く大切な諸儀式や宮中祭祀等の伝統行事は、天皇陛下始め皇室の皆様のお考えにより、皇室の儀式として御継承をいただき、国事行為という事実上内閣が決定をし挙行する対外的な行事を切り分けて、明確に峻別をして実施するということは検討されなかったのでしょうか。
○政府参考人(三上明輝君) お答えいたします。 今般の皇位継承に伴う一連の儀式等の挙行につきましては、昨年四月三日に閣議決定をして基本方針というものを定めてございます。 その中で、各式典は、憲法の趣旨に沿い、かつ、皇室の伝統等を尊重したものとすること、これが一つ。もう一つ、平成のお代替わりに伴い行われた式典は、現行憲法下において十分な検討が行われた上で挙行されたものであることから、今回の各式典についても、基本的な考え方や内容は踏襲されるべきものであるとの基本的な考え方が示されております。 今回、天皇陛下の御退位及び皇太子殿下の御即位に伴い行われる国事行為である国の儀式、それから内閣の行う行事の範囲については、こうした考え方に沿って整理されたところでございまして、これはパネルの六にもそのように御覧いただけるところでございます。これらの式典以外につきましては、お代替わりに際して行われる行事について皇室の行事、このように整理しているところでございます。
○長浜博行君 先ほども式典準備委員会あるいは式典委員会の資料を拝見をしたと申し上げましたけれども、昭和から平成の時代と同じように、まだこの二つの問題を私は十分に解決をされていないように思われてなりません。 この度は、天皇の退位と即位があることということからすると、直近では百十九代光格天皇から百二十代仁孝天皇への受禅践祚の例があり、前回の昭和から平成へは、いわゆる天皇の崩御がございましたことから諒闇践祚でありました。それぞれに皇室にはお考えがあることと思います。 繰り返しますが、現在の天皇の地位は、国民主権の下、憲法と法律によって決まっております。そしてまた、皇室の歴史は古く、僅か五十年余りの大日本帝国憲法下での旧皇室典範、登極令による天皇のありようと比べて、現在の象徴天皇の方が長い歴史で見た場合、伝統的な天皇の在り方に沿うものであるとの指摘もございます。 百二十五代にわたる我が国の長い天皇の歴史に思いをはせながら、この問題について、総理あるいは官房長官、どうお考えになりますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど事務方から答弁させていただきましたように、今回、新憲法下、現行憲法下においては初めて天皇陛下が御退位をされ、皇太子殿下が御即位をされるわけでございます。 その中におきまして、天皇陛下の御退位に関わる式典等、そして皇太子殿下の御即位に関わる式典等につきまして、中身についてどのように、これは国事行為であるか、あるいは純粋に私的なものであるかということについてのこの議論を法制局も交えて事務方で行った結果、今回の行事については、この検討を加え、そういう意味におきましては、まさに現行憲法下における国民の象徴たる天皇陛下の御即位にふさわしい、あるいは御退位にふさわしいものとしていきたいと、こう考えておりますが、同時にですね、同時に、百二十五代にわたって行われてきた伝統ということも当然これは考慮する必要はあるだろうと。この伝統を尊重しながら、現行憲法下の象徴としての天皇陛下の御退位、そして御即位にふさわしいものにしていきたいと、このように考えております。
○長浜博行君 なかなか峻別の意味を御理解をいただけているのかどうかちょっと疑問だったわけでございますけれども。 天皇陛下の退位に伴う儀式が昨日から始まりました。十一の儀式うち、退位礼正殿の儀のみが国事行為とされ、ほかの十の儀式ですね、全て皇室行事となりました。 皇太子殿下が天皇に即位される儀式についてお尋ねをいたします。 歴代の天皇が皇位のしるしとして継承したという三種の神器は、皇室経済法では皇位とともに伝わるべき由緒ある物と定められ、相続税法上は非課税となっております。今回は贈与となるため、皇室典範特例法により贈与税は非課税といたしました。 八咫鏡、草薙剣、八坂瓊曲玉、今更由来は申し上げませんけれども、これらを新天皇が継承する剣璽等承継の儀は、ただいま申し上げましたような即物的な意味ではなくて、日本人の伝統的な物の見方、考え方から、賢所の儀などとともに、天皇陛下の退位の儀式同様に、一体的に皇室行事としての宮中の作法に基づいて掌典職の方々の手で行われるべきではないかという考え方についてはどのように思われますか。
○政府参考人(三上明輝君) 剣璽等承継の儀についてでございますけれども、これは皇室典範第二十四条において、皇位の継承があった場合に行うこととされている即位の礼の一部というふうに、平成度において国事行為として行う国の儀式と整理されております。 先ほど申し上げましたとおり、昨年四月に閣議決定された基本方針におきまして、今回の一連の式典、平成度のときに現行憲法下において十分な検討が行われた上で挙行されたものであるので、その基本的な考え方、内容を踏襲すべきとされておりまして、この考え方に従いまして、今般も平成度と同様に、剣璽等承継の儀を国事行為である国の儀式として行うことと、このように整理しているところでございます。
○長浜博行君 剣璽等承継の儀を今国事行為で行うということでありましたが、国事行為として公開の場で行われるこの儀式に女性皇族を参列させないことはなぜでしょうか。 今上天皇陛下は平成の時代を、皇后陛下はもちろん、御一家とともに歩んでこられました。皇太子殿下も同様だと思います。皇室の行事ならこのような質問はいたしませんけれども、内閣が実質的に行う行事でありますから、お尋ねをいたします。
○政府参考人(三上明輝君) お答えいたします。 繰り返しになりますけれども、基本方針におきまして、平成のお代替わりに伴い行われた式典は、現行憲法下において十分な検討が行われた上で挙行されたものであることから、今回の式典についても、基本的な考え方、内容は踏襲されるべきものであるという基本的な考え方が示されておりまして、剣璽等承継の儀に出席される皇族の範囲につきましても、こうした考え方に沿って整理しているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど来答弁させて、事務方が答弁しましたけれども、昨年四月三日に閣議決定された基本方針において、各式典は、憲法の趣旨に沿い、かつ、皇室の伝統等を尊重したものにするという基本方針です。そして、平成のこのお代替わりに伴い行われた式典は、現行憲法下において十分な検討が行われた上で挙行されたものであることから、今回の各式典についても、基本的な考え方や内容は踏襲されるべきものであると考えました。 この基本的な考え方が示されておるとおり、そういう中で剣璽等承継の儀に出席される皇族の範囲についても、こうした考え方に沿って整理をしたところであります。
○長浜博行君 即位礼正殿の儀について伺います。 国事行為として使用される高御座は、どのような意味を持っているのでしょうか。なお、京都御所の紫宸殿に展示されていた際の玉座としての意味は理解をしているつもりです。解体をし、今回は空輸ではなかったようでありますが、東京へ輸送されて使用する際の意義を御説明をお願いいたします。
○政府参考人(西村泰彦君) お答えいたします。 お尋ねの高御座につきましては、奈良時代以降、今日に至るまで即位儀礼に使われてきているものでありまして、歴史上皇位と結び付いた古式豊かな調度品でございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 長浜博行君、もう一回。(発言する者あり) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。
○政府参考人(三上明輝君) お答え申し上げます。 今般行われる即位礼正殿の儀、これ十月二十二日のことでもございますが、現時点におきましてその詳細はまだ決まっておらないということでございます。 ただ、その上で申し上げますと、高御座は、先ほど宮内庁次長からお答えがございましたとおり、歴史上伝統的な皇位継承儀式であるいわゆる即位礼において用いられ、皇位と密接に結び付いた調度品として伝承されてきた、こういうことから、平成度において即位礼正殿の儀に用いられたものと承知してございます。 いずれにいたしましても、その平成度の前例も踏まえまして、今後、式典委員会を中心に適切にその検討を進めてまいりたいと、このように考えております。
○長浜博行君 大嘗祭について伺います。 大嘗祭とは、天皇即位後初めて行う新嘗祭と言われております。新嘗祭とは、天皇陛下が神嘉殿において新穀、新しいお米ですね、を皇祖始め神々にお供えになって、神恩、神の恵みを感謝された後、陛下自らも御栽培になった新穀もお供えになる、宮中恒例祭典の中の最も重要なもので、陛下自らもそれをお召し上がりになる祭典ということが宮内庁のホームページにも書かれております。皇室行事なので公開はされておりませんけれども、二〇一三年、平成二十五年、陛下の傘寿を記念して宮内庁が一部の映像を初めて公表しましたので、御覧になった方もいらっしゃると思います。 私は、数年前の十一月二十三日、この神々しい儀式を拝見させていただきました。午後六時から八時までの夕の儀と、午後十一時から翌午前一時までの暁の儀、両方に出席させていただき、直会で白酒、黒酒、白い酒と黒い酒ですね、を頂戴をいたしました。明かりはかがり火で、荘厳な雅楽が流れ、儀式が行われている神嘉殿の中の様子は全く見えませんでした。静寂が支配する神秘的な雰囲気で、まさに伝統と格式を持つ宮中祭祀だと実感をいたしました。 七世紀中頃までは一代に一度行われる大嘗祭と毎年行われる新嘗祭との区別はなかったようですが、第四十代の天武天皇のときに初めて大嘗祭と新嘗祭が分かれて、それ以降、大嘗祭は一世に一度行われる極めて重要な皇位継承儀式とされ、歴代天皇は、即位後、必ずそれを行われることが皇室の伝統となったようでございます。 大嘗祭は、明治より前、特に奈良、平安時代には簡素に行われていたようでもあります。五穀豊穣と国民の安寧を祈ってくださる天皇家の私的な行事に内閣が公的性格を付与することに、内閣はどのような憲法の趣旨に沿った配慮をしたのでしょうか。また、退位、即位に伴う儀式は閣議決定されましたけれども、何ゆえ大嘗祭の挙行については閣議口頭了解とされたのでしょうか。
○政府参考人(西村泰彦君) 前段の御質問についてお答え申し上げます。 大嘗祭につきましては、平成度において、稲作農業を中心とした我が国の社会に古くから伝承されてきた収穫儀礼に根差したものでありまして、伝統的皇位継承儀式という性格を持つものでありますけれども、その中核は、天皇が皇祖及び天神地祇に対し安寧と五穀豊穣などを感謝されるとともに、国家国民のために安寧と五穀豊穣などを祈念される儀式であり、この趣旨、形式等からして宗教上の儀式としての性格を有すると見られることは否定することができないことから、国事行為たる国の儀式として行うことはせず、皇室の行事として行うこととされているところであります。 他方、大嘗祭が皇位が世襲であることに伴う一世に一度の極めて重要な伝統的皇位継承儀式であるから、皇位の世襲制を取る我が国の憲法の下においては、その儀式について国としても深い関心を持ち、その挙行を可能にする手だてを講ずることは当然と考えられることから、大嘗祭は公的性格があり、大嘗祭の費用を宮廷費から支出することが相当であるとされているところであります。
○政府参考人(三上明輝君) 後半の質問についてお答えいたします。 今般の一連の皇位継承に伴う儀式等のうち、国事行為である国の儀式、それから内閣の行う行事につきましては、その準備を内閣の責任において、政府全体で、総合的かつ計画的に進める必要がございます。このため、その挙行に係る基本方針を内閣の意思決定として閣議決定という形で決めてございます。 他方、大嘗祭につきましては、平成元年十二月に閣議口頭了解された即位の礼、大嘗祭の挙行等についての整理を踏襲して、皇室の行事として宮内庁において準備を進めるということとされているものでございまして、その意思決定形式といたしましても、平成度と同様に閣議口頭了解によることとしたところでございます。 以上です。
○長浜博行君 余りくどく聞きたくないんですが、その昭和から平成のときの閣議口頭了解をしたものを閣議口頭了解とするのではなく、閣議口頭了解としたものを閣議決定することはできないんですか。
○政府参考人(三上明輝君) これは、閣議決定と申しますのは内閣の意思決定として行われるものということでございますので、専ら宮内庁において準備を進めるということであればその中身について内閣全体でそれを了知するということで足りるということで、閣議口頭了解という形を取っているものでございます。
○長浜博行君 法制局長官に伺いますが、先ほど御説明をいただいた天皇のその他の行為に、今の御説明のような形で、公的行為ではなくて、その他の行為に公的性格を付与するということはどのように御説明されるんでしょうか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 先ほどお答えしたとおり、国事行為として行われる儀式につきましては内閣の助言と承認が必要でございますので、正式に閣議決定ということになろうかと思います。 その他の行為につきましては、先ほど御答弁ありましたように、宮廷費から費用を支出するというところがまさにその政府の関与の在り方でございますので、それにつきましては、先例に従って、閣議口頭了解で足りるということであろうかと思います。
○長浜博行君 ちょっと宮廷費と内廷費の議論とは違うと思うんですが、時間が迫ってきておりますので、先に進みます。 衆参両院、立法府の意思が反映をされている皇室典範特例法の附帯決議について伺います。 昭和二十二年に制定された皇室典範という法律では、第一条、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」とされ、その九条では、「天皇及び皇族は、養子をすることができない。」となっております。すなわち、現行法では、天皇に即位される皇太子殿下、皇嗣になられる秋篠宮殿下に次ぐ次の世代では皇位継承有資格者は悠仁親王殿下お一人だけということになりました。 安定的な皇位継承を確保するための諸課題について、政府はどのように認識しておられるのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安定的な皇位の継承を維持することは、国家の基本に関わる極めて重要な問題であります。男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら慎重かつ丁寧に検討を行う必要があると、このように考えています。 また、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等については、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であると認識しています。この課題への対応等については様々な考え方、意見があり、国民のコンセンサスを得るためには十分な分析、検討と慎重な手続が必要であると考えております。 現時点において、法の施行後にどのような、どのように検討を行うか、具体的な方針を決定しているわけではありませんが、いずれにせよ、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重し、しっかりと対応してまいりたいと思います。
○長浜博行君 政権は替わりましたけれども、内閣という意味においては、野田前総理の時代にまとめられた女性宮家創設について、その後、受け継がれた内閣ではどのような検討状況になっておるんでしょうか。
○政府参考人(藤原通孝君) 御答弁申し上げます。 野田政権当時、政府が、平成二十四年十月でございますが、取りまとめた皇室制度に関する有識者ヒアリングにおきまして各種の論点整理が行われております。 私どもといたしましては、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等に係る問題につきましては、これまでの様々な議論の経緯を十分に検証する、さらには、最近の議論の動向等を踏まえ、こうしたものを含めて政府部内で検討を行っておるところでございます。 以上でございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今既にお答えをさせていただいているわけでございますが、野田政権当時、政府が平成二十四年十月に取りまとめた皇室制度に関する有識者ヒアリングを踏まえた論点整理は、女性皇族の婚姻後の身分について、婚姻後も皇族の身分を保持することを可能とする案や皇籍離脱後も皇室の御活動を支援していただくことを可能とする案について考え方を整理していただいたものと承知をしているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 野田政権時の報告書の内容については承知をしているという受け止めでございまして、そして、安倍政権においてこの報告書についての扱いということでございますが、まず承知をしているということでございますが、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少に係る問題については、内閣官房皇室典範改正準備室においてこれまでの様々な議論の経緯を十分に検証するとともに、最近の議論の動向等を踏まえ、政府部内で検討を行っているところでございます。 この問題は、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題である一方、この課題への対応等については様々な考え方、意見があり、国民のコンセンサスを得るためには十分な分析と慎重な検討と慎重な手続が必要であると考えているところでございます。 政府としては、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重し、しっかりと対応してまいりたいと、このように考えております。
○長浜博行君 御皇族の高齢化、それから女性皇族の御結婚というこういった事態でありますから、先ほど事務方の答弁の中でも、あるいは今総理の御答弁の中でも政府部内で検討されているということでありますから、それは官房長官の下でやられておられるんですか、内閣官房ですか。
○国務大臣(菅義偉君) 私の指示で内閣官房の事務方にさせております。
○長浜博行君 宮内庁も来られておられるようでありますけれども、いわゆる御公務の分担、陛下が上皇、皇后陛下が上皇后となられ、そして皇太子が天皇となられ、秋篠宮が皇嗣となられるこの状況の中での御公務の分担、あるいは時代に即した新しい公務、社会の変化に応じて公務に対する社会の要請の変化への対応、こういったことは、宮内庁、どのようにお考えになっておられるんでしょうか。
○政府参考人(西村泰彦君) お答え申し上げます。 御即位後の新天皇皇后両陛下のいわゆる御公務につきましては、現在の天皇皇后両陛下の御活動を全部お引き継ぎになります。これに加えまして、皇太子殿下としてなさっている行事の一部についてお持ち上がりになります。 お代替わり後の秋篠宮皇嗣同妃両殿下には、現在、天皇皇后両陛下が毎年なさっている行幸啓のうち、国際生物学賞授賞式、記念茶会をお引き継ぎになります。これに加えまして、秋篠宮皇嗣同妃両殿下の地方、都内のお出ましについては、当面の整理を行い、御了承をいただいているところでありますが、秋篠宮皇嗣同妃両殿下の公的な御活動が大きく増えることが見込まれることから、引き続き宮内庁において検討を行うこととしております。 また、象徴としての在り方は社会の変化に応じた形で変わっていくものであると考えておりまして、具体的な御公務についてもそれに対応して変わっていくものと考えております。 今後、新天皇陛下のお考えもお伺いしながら、宮内庁としては万全のお支えをしてまいりたいと考えております。
○長浜博行君 特例法の附帯決議のところで、本法施行、つまりこの四月三十日以降に、本法施行後速やかに、政府はどのような形で検討を行い、その結果を速やかに国会に報告することとなっている、こういった立て組み、立て方になっているものですから、この問題は早急に御検討をされて、皇室典範特例法をやったあのスキームの逆のパターンでありますけれども、それを与野党関係なく今度は国会で検討を始めなければならない順番になっておりますので、そういう順番になっておるので御質問を申し上げているということを御理解をいただければというふうに思います。 それから、恩赦について伺っておかなければなりません。 これは過去の天皇陛下の、昭和天皇の崩御のときにも行われましたし、あるいは今上天皇陛下の即位のときにも恩赦というものは行われましたけれども、なかなか言葉としては理解をされていない方も多いと思いますが、恩赦というのはどういうことでございますか。
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。 恩赦は、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権の総称であり、行政権によって国家の刑罰権を消滅させ、裁判の内容を変更させ、又は裁判の効力を変更若しくは消滅させるものであり、憲法第七条及び第七十三条に基づき、内閣が決定し、天皇が認証することとされております。
○長浜博行君 今ありましたように、これも憲法七条の天皇の国事行為の十項目の中の一つになってくるわけであります。 実質的決定権は内閣ということでございますので、この恩赦の問題はどのように取り扱うおつもりでございますか。
○国務大臣(菅義偉君) 恩赦を実施するか否かについて、現在のところ、具体的な検討は行っておりません。
○長浜博行君 具体的な検討を行っていないというか、やらないということではないわけですね。
○国務大臣(菅義偉君) やるともやらないとも、まだ具体的な検討は行われていない。ただ、二度やって、今日まであったということは十分承知をしております。
○長浜博行君 これは、先ほどの御説明にもありましたように、刑を免除するとか、大変デリケートな部分、ある意味では、一度決められたもの、あるいは途中のものも含めての変更が伴うということで国民生活にも影響しますし、国民にも大変関心の高いことだと思いますので、十分に国民に対する説明を行っていただければというふうに思っております。 今日はありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で長浜博行君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、大島九州男君の質疑を行います。大島九州男君。
○大島九州男君 国民民主党・新緑風会の大島九州男でございます。 本日は、社会保障・内外の諸情勢に関する集中質疑で質疑をさせていただけること、関係する皆さんに心から感謝を申し上げて質問をさせていただきたいと思います。 先日、震災から八年を迎え、私自身、福島復興推進会議の事務局長として継続して関わってまいりましたその経緯のある立場から、復興庁の役割を引き続き担う十分な予算を伴う後継組織の設立を目標に、引き続き風化させない取組をさせていただくことをお誓い申し上げながら、質疑に入らせていただきたいと思います。 まず、社会保障のあるべき姿について質問をさせていただきます。 参考人、消費税は、平成元年、どのような目的、経緯で導入されたんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 昭和六十三年の税制改革法におきまして、当時の物品税を中心とした個別間接税制度が直面していた諸問題を根本的に解決し、税体系全体を通じた税負担の公平を図るとともに、本格的な少子高齢化社会の到来を見据え、国民福祉の充実等のために必要な歳入構造の安定化を図るという目的の下に、物品税の廃止、所得課税の減税などと併せまして消費税を創設することとされたものでございます。
○大島九州男君 今の話ですと、所得税の少し足りない部分を消費税で補うようなイメージですよね。 当初のそういう導入目的から、二〇一四年、社会保障と税の一体改革という形でその消費税はどのような形で変化したんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 社会保障・税の一体改革におきましては、国民全てが人生の様々な段階で受益者となり得る社会保障を支える経費は国民全体が皆で分かち合うべきとの理念の下で、現役世代だけでなく幅広い世代が負担する消費税を充てるのがふさわしいという考え方に立ち、二〇一四年四月より、消費税収については年金、医療、介護、少子化対策の社会保障四経費に充てることを消費税法上明確化することで社会保障目的税化されたところでございます。
○大島九州男君 今まさにおっしゃった、消費税法一条二項で目的税化されたと。ここは本当に大切なことなんですよね。 消費税を上げるというと、無駄遣いをやめろというふうに多く国民の方はおっしゃるんですね。当然、無駄遣いはいけませんが、消費税で賄う年金、医療、介護、少子化対策というのは到底無駄遣いにはならないけれど、そういう目的税化されているという意識が国民の皆さんに余り伝わっていないんじゃないかと思うんですが、総理、それどういうふうにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民全てが人生の様々な段階で受益者となり得る社会保障を支える経費は国民全体が皆で分かち合うという理念の下、現役世代だけでなく幅広い世代が負担する消費税を充てるのがふさわしいという考え方に立って、消費税、消費税収については年金、医療、介護、少子化対策の社会保障四経費に充てることを法律で明確化することで社会保障目的税化されたところでございまして、このことによって、お預かりした消費税が年金、医療、介護、さらには少子化対策という形で用いられ、他の経費には使われないということが明確化されることとなり、消費税を御負担いただく国民の皆様の御理解を得ることに寄与してきたものと考えておりますが、今委員御指摘のとおり、十分まだ国民の皆さんにそれは浸透していないのではないかということでございますが、我々も今、そもそものこの目的税化した理念を含めて、しっかりとこの更なる引上げに向けて国民の皆様に丁寧に説明をしていきたいと、こう思っております。 消費税収の使途について国民の皆様に周知することなどにより、国民の皆様の理解を深めていきたいと、このように考えております。
○大島九州男君 今総理がおっしゃったように、国民の皆さんが、本当に目的税化されていて消費税が自分たちの医療、介護、少子化対策、そういったものに使われているというのを実感がされないと。 今ここにちょっとパネルを出していますけれども、(資料提示)国民年金というのは、この保険料、高いのか安いのかと。 これは非常に議論があるところだと思うんですけれども、私は塾の先生でございましたので、子供たちに、君たちは二十歳を過ぎると一万六千三百四十円払うんだけど、これ高いのか安いのか、どう考えると。じゃ、もしこれが消費税という形で、保険料と形をどう見るかというと、例えば、一〇%の消費税だと十六万三千四百円使うと一万六千三百四十円だよねと、じゃ、五%だったら三十二万六百八十円だよねと。そういういろんな基準でいろいろ考えたときに、この保険料が安いのか高いのか考えようねという、子供たちとそういう議論をするんです。 だから、国民の皆さんが、例えばですよ、消費税が増税されてこの国民年金保険料が何かちょっと下がったというと、消費税が何か充てられているような感じがするんですけれども、今は、これ保険料だからということで、この保険料に消費税を充てるという発想はないですよね。当然、その年金給付の部分にお金が足りないと国費を入れますと、じゃ、そういう出口のところに消費税が入っているんですよといっても、見えないからなかなか分かりづらいと。 ただ、そういうことで考えると、これ、平成十七年のときは一万三千三百円ぐらいの保険料だったんですよ。これが十三年ぐらいで三千円ぐらい上がったんですよね。だから、これ当然、給付といろんなバランスで保険料決まるんでしょうけれど、ここがもしちょっとでも何か安くなると、目に見えると、ああ、消費税が目的税化されているんだなという意識にはなると思うんですけど、総理、どう思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今既に大島委員がおっしゃったように、年金につきましては保険料とそして国費を入れているというこの二つで年金をお支払いすることが可能になっているわけでございまして、そこで、言わばその国費、国費を充てることにつきましても、言わば生産年齢人口が減少している中において、安定財源として、やはり増えていく社会保障費に対応する上においては消費税を引き上げていく必要があるということでこれを御説明をさせていただきたいと、こう思っております。 先ほど申し上げましたように、消費税率引上げによる増収分は法律に従い全額社会保障の充実及び安定化に充てられており、本年十月の消費税率一〇%への引上げは、全世代型社会保障制度の構築に向けて少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために必要なものであります。 そこで、具体的には、消費税財源を活用した低所得の高齢者の方への対応として、既に年金受給資格期間の二十五年から十年への短縮や、あるいは医療、介護の保険料負担軽減を実施したほか、今年の消費税率の引上げに合わせて、低年金の方々への年金生活者支援給付金の創設や介護保険料の更なる負担軽減を実施するなど、社会保障全体で総合的に講じることとしておりまして、一律に例えば保険料率下げるということではなく、今申し上げましたような、きめ細かく必要な方々の負担軽減を行っていくと、今回の消費税率引上げに伴って行っていくという考え方でございます。
○大島九州男君 今総理がおっしゃった低年金、年金生活者支援給付金等の施策は、僕はすばらしいと思いますよ。 それで、じゃ、その一部の人にとどまるのではなくて、全ての人からいただく消費税ですから、全ての人に恩恵が被るような、やはりこういう形でないとみんなは理解をいただけないだろうと。 例えば、四人家族で子供がいて、そして医療も掛かる、そしてまたおじいちゃん、おばあちゃんに介護のお金も掛かるというような、こういう社会保障に関わるお金だとか教育に係るお金だとかを、ある程度の上限超えればその分は国が一部負担しますよ、その財源は消費税ですよというふうな、そういう制度があると、子供からお年寄りまで何かあまねく消費税が恩恵を被るような制度だなというふうに感じるような、そういう制度の創設というのは考えられますか。
○国務大臣(根本匠君) 委員のおっしゃるのは、今、例えば高額医療、高額に医療費が掛かる場合には頭打ちをしていますよね。介護、その総合合算制度のお話だと思うんですが、要は、総合合算制度というのは、三党合意を経て成立した税制抜本改革法において、消費税率引上げに伴う低所得者対策の検討事項として、軽減税率制度と給付付き税額控除と並んで総合合算制度、要は介護も医療も掛かったやつを定額で抑えると、これも検討の一つとしてされておりました。 その議論の中で、軽減税率制度は、総合合算制度というような給付措置と異なって、日々の生活において幅広い消費者が消費、利活用している商品の消費税の負担を直接軽減することによって、買物の都度、痛税感の緩和を実感できるという利点がありますので、今回、消費税率引上げに伴う低所得者対策として、このような利点が特に重要であるという判断の下で、総合合算制度については実施しないで、軽減税率制度の導入が決定されたと承知をしております。
○大島九州男君 今おっしゃることは分かるんですよ。それは、今の政府の考え方は、総合合算制度というような制度よりも軽減税率がいいという、そういう考え方。私どもは、その非常に分かりづらい、国民の皆さんも何だこれはという、そういう制度よりも、非常に分かりやすい今の総合合算制度をもっともっと検討すべき問題だと……(発言する者あり)皆さんの御支持をいただきましたが、要は、分かりやすくというのですね。 先日、実は私、岩屋大臣の地元の別府に行って、長野市長と由布院の温泉組合長の日野さんという方が議論しているところにちょうど行きまして、どういう議論だったかというと、別府は、長野市長が入湯税を上げますと、この入湯税は目的税化して、ちゃんともう観光のためにしか使いませんと。それで、例えば大分空港から別府に来るその貸切りのバスなんかにちょっと補助しますとかいうことで、二億円上がる税収をちゃんとそこに持っていきますということで、丁寧に議論をして皆さんに理解していただいて議会で承認いただいたと。そうしたら、湯布院の市長さんは入湯税を上げるのを別府をまねして上げるんだというふうにおっしゃるんだけれども、その説明と議論が何もないと、そして、その入湯税は目的税化というよりは何か一般財源化するような雰囲気だからというので議論がなかなか進まないんだという話を聞いて、まさしくやっぱりそういう見える化する目的税だと理解が得られるなと思ったんですけど、地元ですから、どうですか、そういう、大臣、どうぞ。
○国務大臣(岩屋毅君) 防衛省の所管ではありませんけれども、地元のことなので感想だけ申し上げたいと思いますけど。 確かに、入湯税を上げると。しかし、上げた分のその増えた増収分については、何か審議会を別府市はつくられて、業者も市民も有識者も入って、見える形で使っていくので上げさせてくださいという話をされたというふうに聞いておりまして、地方の観光地の取組としてはとってもいい取組だったんじゃないかなと。 湯布院は選挙区ではないので、コメントするのはやめておきたいと思います。
○大島九州男君 ありがとうございました。御丁寧に御答弁いただいて。 要は、市民にそういう理解をいただいて、納得して、やっぱり税金というのはいただいて、それをどう配分するかというのがやはり政治の一番の大きな役割だと私は認識しておりますので、是非そういう形でやっていきたいと。 さっきの続きになるんですけれども、少子化対策。当然、私どもも教育に係る費用を軽減していくというのは少子化対策の大変重要な事項だというふうに思っているんですね。 ちょっと参考人にお伺いしますけれども、今回、高等教育の無償化だとか幼児教育の無償化というようなことを言っています。政府もそういうことを進めようというふうにおっしゃっていますが、まさに高校の無償化というのが始まった経緯とあれがどういう状況だったかというのを参考人、お願いします。
○大臣政務官(中村裕之君) 高校生等への就学支援については、平成二十二年三月に成立した法令によって、平成二十二年度から、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金制度として開始をされたところであります。
○大島九州男君 ありがとうございます、政務官。 何が言いたいかというと、高校無償化、あの当時、二〇〇七年、私が当選したときに、公立高校だけの無償化だったんですよ。でも、公立高校だけ無償化というのは、私学が入っていないのはおかしいでしょうという話の議論の中から、それが私学の就学支援金という形で広がりました。そして、それが今ずっと続いてきて、その流れから高等教育、そしてまた幼児教育というふうに広がっていっているわけですよね。民主党政権は何か非常に評判が悪いという話をされますけれども、いや、この点においては、総理、非常に私はすばらしいなと。 そして、なおかつ、これ中小企業の交際費課税のこともよく私、話するんですけど、中小企業の交際費課税一〇%必ず取られていたやつも、民主党政権時代にそれを撤廃するというふうに決めて、そして、ちょうど十二月に解散あって、翌年からですけど、その次の年に、麻生当時財務大臣でしたかね、あのときに麻生先生が、大企業は損金算入できなかったところを損金算入五割されるようにされたんですよ。 結局、最初の一歩、まずそういう最初の一歩があって、それからいろんな形で進んでいくということからすると、総理、是非、民主党政権もいいところがあったんだという、ちょっとそういうコメントいただけませんかね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大島委員が、高校のお子さんたち、高校に通わせている御家庭の負担を軽減する上において大変な御尽力をいただいたということは私も承知をしております、民主党政権時代にですね。 その上において、民主党政権下でこの導入をされた、高校無償化が導入されると。これは、この制度が、ただ、課題もございましたので、制度が抱えていた課題を克服するために大胆な改革を行い、また、ということでもございます。ただ、確かに、高校の無償化ということについては、当時の政権が一つの判断をされているということは私も認識をしているところでございます。その上で課題を我々が解決をしていったということでございます。 また、中小企業における交際費の損金算入額の拡充を実現するなど、子供たちの誰もが自信を持って学び、成長できる環境の実現や、中小企業の活動、経済活動の活性化に向けて取り組んできたところでございます。中小企業の交際費の損金算入というのは、大変大島委員が特に御関心を持って取り組んでこられたということも私は承知をしておりますが、その後、麻生財務大臣の下でこれが行われたと、こういうことだと思います。 政府としても、今後とも、これまでの政策、政策の延長線上にとらわれず、教育費の負担軽減や中小企業支援を推進してまいりたいと思います。
○大島九州男君 ありがとうございます。 基本的に政権が交代をするというのは、私はどういうふうに受け取っているかというと、政治浄化という言葉を私はいろいろ教えていただいて、水と空気が浄化するというんですね。水と空気というのはなくては生きていけないけれども、生きているときに関心ないんですよ。ところが、家に帰って、何かああちょっと臭いなと思うと、自然に窓を開けて空気を入れ替え、水がそこにあると腐っちゃうからと入れ替える。この自然な作用で、ああ、何かすがすがしいなと。 政治も、政治浄化するというと、何か将来不安だなとか、子供生まれても何か不安だなとかいうふうに思ったときに、水と空気のように入れ替えられるような、そういうことが必要なんだろうと。これはもう、それでみんながすがすがしく生きていけると。だから、そういう意味で、政権交代というのは空気と水の入替えのようにあってしかるべきなんですよ。だから、これは、それがいいか悪いかということではなくて、国民のためにはそれが非常にすばらしいという、そういう受取なんですね。 だから、さっき言った高校の無償化からどんどん広がっていった。そしてまた、当時ですよ、経済の関係でいいますと、これ一点言えば、一千五百万まで信託をして、おじいちゃん、おばあちゃんのお金、財産を教育費に回すというこの信託も、当時の審議官が自民党政権ではこれできなかったのでこれやってくださいと持ってきて、実はあれ我々が作ってそれで出たという、私はもうそういう自負がありまして、ああ、民主党政権はいいことやっているなという、そういうものがあるんです。 それで、総理、前にちょうど総理とやり取りしたときに、地方教育行政の変化をするときにちょうど私が恩師の話をしたら、総理が小学校のときに先生から褒められてすごくうれしかったという答弁されたんですよ。それで、自分はなかなか人を褒めるということができないので、事務所の人間にもちょっと怒ったりするんだけど、褒めるということはいいことだという答弁されたんですよ。だから、野党もたまには褒めていただくと。 そうやって政党がしっかり育っていくということは、これ日本のためですから、さっき言った政権交代をするという、まさにそういう原理をつくるためにはやっぱり野党も育てなきゃいけないので、是非、総理、いいところはいいで褒めていただいて、この国のためにどんどん進めていきたいというふうに思います。 それで、ちょっと一つ細かいことを言いますけど、大幅に高等教育の無償化、給付型の就学金を拡大したというふうに言っていますけど、どれぐらいの人が対象になるのかと、もう一つ、専攻課程の高校卒業生。要は何かというと、大学に行くんじゃないから高等教育ではないよと、そして高校卒業するからもうそこは就学支援金関係ないよという、ちょうど日の当たらない専攻課程の子供たちにも手をちゃんと差し伸べてもらいたいんですけど、そこはどういうふうになっているのか、教えてください。
○大臣政務官(中村裕之君) お答え申し上げます。 高等教育機関への進学率は、全世帯で見ますと約八割であるのに対しまして、住民税非課税世帯に絞ってみますと四割程度という推計をしておりまして、全世帯の半分程度にとどまっているところです。 今回の支援措置によって、低所得者世帯の進学率が新入生から順次上昇して全体の進学率に達した場合に、全員が要件を満たす大学等に進学すると仮定し、支援対象者は高等教育段階全学生の約二割に当たる七十五万人程度になると想定をしております。 次に、二点目の専攻科、高校の専攻科についてでありますけれども、学校教育法において、高校卒業者等を対象として、精深な程度において特別の事項を教授し、その研究を指導することを目的とする修業年限一年以上の課程であって、高等学校等就学支援金制度及び高等教育無償化制度では支援の対象外となっているところでございます。委員御指摘のとおりでございます。 この高校等の専攻科には資格取得をするために教育を行っている課程もあることから、一定の社会的役割を担っていると考えておりますけれども、御指摘を踏まえ、まずはその実態を丁寧に研究してまいりたいと思っております。 以上です。
○大島九州男君 ありがとうございます。 是非、その専攻科、光が当たっていない子供たちに、しっかりと研究する以上は光を当てていただきたいということを要望しておきます。 それで、所得の低い家庭に生まれて、もうはなから大学行くのを諦めてずっと小中高を過ぎていく人もいるかもしれません。だから、そういう意味からすると、家庭の所得が低くてもちゃんと大学に行けるんだという道があれば小学校の頃から頑張る子もいるので、だから、今必要とされている数がこうだというふうな限定的な見方せずに、もうちっちゃいときから、大学行けるんだと、所得がなくてもというふうな、そういう国を是非つくっていただきたいというふうに思いますし、目的税化、見える化、これが絶対大事なので、是非、そういう教育費についてもやっぱり、もう子供生まれると学資保険掛けなきゃいけないとか、もうそういうことではなくて、国が本当に全ての人に安心して教育を受けられるような国にしていただくことも要望をしておきます。 さっき軽減税率の話がありましたけれども、私は、カナダやイギリスで低所得者や子育て世帯の支援策で給付付き税額控除を導入している、そういう国を見習って是非そういう形にしていただくと有り難いということも要望します。 国民が、消費税を上げるというと、無駄遣い、無駄遣いと、無駄遣いやめろという声がありますけれども、私は、今回ちょっと防衛費の関係で、じゃ、今度もF35をこれだけ買いますという、まあ莫大なお金でありますけれども、じゃ、この防衛費をそこまで拡大をしていくというにはいろんな理由があったりするんだと思うんですけど、私自身の考えですよ、私自身の考えは、この日本を何の目的を持って侵略して攻めてくるようなことがあるのかというのをちょっと是非教えていただきたいと思うんですが。
○国務大臣(岩屋毅君) 我が国の防衛政策は、特定の国を対象としてこれに軍事力で対抗していくという発想には立っておりません。日本の防衛力は、いかなる事態においても国民の命と平和な暮らしを守り抜くためにしっかりとした備えを行っておく必要があるというふうに考えております。 その意味で申し上げますと、御案内のとおり、今、テクノロジーの進化は安全保障の在り方を根本から変えようといたしております。宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域が死活的に重要になっておりまして、そこで優位性を確保できないと、劣後すると陸海空の能力を発揮できなくなるおそれがあると、そういう状況に立ち至っているという認識に立って、今般、我が国自身の努力で、この厳しい安全保障環境の中にあって国民を守るために必要な防衛力の強化を図っていこうとしているところでございます。
○大島九州男君 私が考えるところによると、もし何かいろんな有事があってアメリカが戦争を始めたら、ああ、やっぱり一番最初に危ないなと思うのは在日米軍基地、これは危ないよなと思うんですけど、もしそういう基地が攻められたときに日本が発動する権利というのは、集団的自衛権なのか個別的自衛権なのかというと、どっちですか。 〔委員長退席、理事山下雄平君着席〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、我が国国内にある米軍基地であれば、当然、我が国に対する武力攻撃でありますから、個別的自衛権になるわけであります。
○大島九州男君 今総理がおっしゃるように、個別的自衛権で対処ができると。 私、総理に前も質問させていただいたことがあるんですけど、日本を守る防衛力は武力以外に何がありますかと、この間ちょうど決算委員会か何かで聞いたら、北朝鮮には圧力ですというふうにおっしゃって、いや、それはちょっとよろしくないんじゃないですかと。 ちょっと、私、アフリカに毛布を送る運動という、こういう武力によらない平和づくりと。これ、総理、御記憶にあられると思いますけれども、お父さんの安倍晋太郎先生が当時中心となってやられたとき、総理はその当時は秘書官か何かであったんじゃないでしょうか。この運動、もう三十五年近くずっと続いているんですよね。これは、北は北海道から南は沖縄まで、多くの国民の皆さんがこの運動をずっと続けていらっしゃる。こういった日本の国際貢献が日本を守る防衛力になるんじゃないのかというのが私の持論でもあるんですけど、総理、どのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国を取り巻く安全保障環境が大変厳しい中、政府の最も重要な責務は国民の命と平和な暮らしを守り抜くことでありまして、これは独立国家として第一義的に果たすべき責任であり、自らの主体的、自主的な努力によってその責任を果たしていくことが安全保障の根幹であると、こう考えておりますが、我が国の平和と繁栄を確固たるものとしていくために、安全保障の基盤を強化すると同時に、平和外交を一層力強く展開をしていく必要があるだろうと思っております。 今委員からアフリカに毛布を送る運動への言及がございましたが、この毛布を送る運動につきましては、これは随分、安倍晋太郎外務大臣当時、私も秘書官をしておりましたが、当時、エチオピア、ソマリアが非常に危機的な状況にあったわけでございますが、当時は、夜、アフリカの場合は温度差が激しく、夜になると子供たちがまさに寒さに凍えながら命を失うという状況がある中においてこの毛布を送るという運動を展開をしたわけでございますが、外務省、また立正佼成会の皆様にも御協力をいただいたところでございますが、多くの毛布を送ることができました。 アフリカとの関係におきましては、この八月末に横浜でTICADⅦを開催する予定でありまして、民間企業や市民社会等の幅広い参加を得て、一層積極的な平和外交を展開をしていきたいと、こう考えているところでございます。 我が国を防衛するということにおきましては、能力と意図があるわけでありまして、軍事力の能力をどんどん上げていく、しかし、能力が上がっていくだけでは差し迫った危機にはならないわけでありますが、日本を攻める、侵攻するという意図が結び付いたときに初めてこれはまさに差し迫った脅威になるわけでございます。そういう意図を持たないようにさせる上においては外交というのは極めて重要であろうと。ただ、同時に、意図を持たせないために我が国の防衛力を強化し、抑止力を確かなものとしていく必要もあるだろうと、このように考えております。
○大島九州男君 今総理がおっしゃった、平和外交大切ですよと、そしてもう一つ、こっちの武力で均衡を保つことも必要ですよと、防衛力をという部分は、いろんな考え方があるから否定はしませんが。 実は、私、高校、大学の先輩に自民党と民主党の違いを聞いたことがあるんですね。どういうことを言われたかというと、自民党はたくさんの御先祖様がいらっしゃって、その御先祖の徳分で自民党は成っていると、民主党はできたばっかりの政党だから徳をいただけないと、だから陰徳を積んで徳分が並んだときに初めて二大政党になるんだぞという、そういうことを言っていましてね、私、ふと思ったんですよ、なるほどなと。安倍総理にしても麻生先生にしても、おじい様からお父様のやっぱりそういう徳をずっといただいていると。だから、日本は今までのいろんな国際貢献によるそういう徳積みをしていく、その日本の力、まさにそういう先人の努力が日本を守ってくれる大きな防衛力になるんだというのが私の考え方なんですね。 だから、いろんな皆さん意見があってしかるべしですよ。だから、一つの政権は、いろいろ意見をいろいろ言っていく、だから、多様な政権が生まれていろんな議論をする中で国際社会とどういうふうに連携をしていくかというのはすごく大事なことで、ちょうどここにハーグの平和アピールというのがありますけれども、これは、一九九九年、オランダのハーグで世界百か国から一万人以上の人が集まって、国連のアナン事務総長や各国の政府代表などが集まって平和アピール会議が開催されたと。討議の結果、各国議会は、日本国憲法第九条のような、政府が戦争をすることを禁止する決議を採択すべきであるというふうに表明し、世界的に高い評価を受けている現憲法が平和を求めて活動する世界の人々に伝わったという、こういうことがあるわけですね。 これまた灯台下暗しで、日本の憲法でありますから、我々、やはり国民はもう一度この日本国憲法の前文やその精神をしっかりと見詰めて、そういう発信を日本がしていく必要もあるというふうに私は思うんですけど、総理、ここのところはどうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに徳を重ねることの重要性については大島委員のおっしゃるとおりだろうと、こう思います。先ほど大島先生が、たまには相手を評価しろと、こういうことでございますが、それはそのとおりなんだろうと、こう思っております。 そこで、日本も国家としての徳を私はこの戦後七十年、それなりに積む努力をしてきたんだろうと、こう思っております。例えばODA等々についてもそうでございますし、日本はまだ戦後の貧しさから完全に脱していない段階からそうした徳も積み始めていたと、こう思うところでございます。 そこで、今の、ただいまの御質問でございますが、憲法は、主権者たる国民がその意思に基づき国家権力の行使の在り方について定め、これにより国民の基本的人権を保障するものでありますが、同時に、国の未来、理想の姿を語るものであると考えております。そこで、まさにこの今お示しの点でございますが、そのお示しいただいたものについて、一九九九年のハーグ平和アピールの内容についてはこれはコメントすることは差し控えたいと思いますが、憲法改正そのものについては、これは国会の憲法審査会の場において各党の御議論が深められていくことを期待をしていると思うわけでございます。若干ちょっと先回りした答弁で恐縮でございますが、ということは申し上げさせていただきたいと思います。 ただ、もちろん、精神として、言わば平和を我々守っていくんだというこの意識の下、多くの国々が連帯をしていくことが当然必要であろうと思うわけでございますが、日本は憲法の九条の存在とともに自衛隊と日米安保条約の存在によって我が国の国民と国家を守り抜いてきたという事実もございます。そこも考えていく必要があるんだろうなと、こう思っております。
○大島九州男君 日本国憲法九条、私も大島九州男で九つながりでもあるんですが、言うなれば、日本があれだけの多くの国民の皆さんの命を失い、多くの家族の人が苦しみ、悲しんだと、だから、これを二度とそういうことはやってはいけないという決意の表れ、そしてまた、さんげと決意といつも言うんですけれども、その決意が第二項で戦争をしないんだと、武力はもう行使しないんだという、そういう思いを持った憲法を世界の人が評価をして、そして、まさにその世界の人々が、それを発信すべきだというふうに我々にメッセージを送っていただいていると受け取っているわけですね。だから、そういう意味で、日本の国民の皆さんにそのことは是非しっかり受け止めていただいて、いろんな議論に国民の皆さんも参加をしていただきたい。 〔理事山下雄平君退席、委員長着席〕 やはり、平和、命を守る、ここがやっぱり我々政治家にとって一番大事な仕事だと思いますので、そういう意味において、ちょっと最後、私は、命は動物の命も植物の命も、それこそ松本龍先生の、COP10の生物多様性という私の師匠の思いもあるんですが、ちょっとここに、動物愛護の在り方で、これはイルカとペンギンが千葉県の銚子で閉園した水族館に取り残されていて、県とその関係者がこの命を守ってくださっているということなんですが、ここは是非全国の皆さんで、水族館で引き取っていただけることがあれば有り難いなというのが一つと、原田大臣、今回、動物愛護の関係が法律変わりますけれど、アメリカとそれこそ台湾で犬食禁止の法律ができたというのがあるじゃないですか。今日ちょうどアメリカの方から書簡が来たので、さっきちょっと総理にもその書簡をお渡ししたんですけど、この動物愛護に取り組むちょっと決意を、大臣、最後、お願いします。
○国務大臣(原田義昭君) 大島議員がかねがね、本当に、動物も人間と同じ命があるんだと、それを慈しまなきゃならないということを取り組んでおられること、心から敬意を申し上げたいと思います。 犬や猫の肉を食ってはいけないというようなことも、広く台湾やらアメリカ、ヨーロッパの一部でもそういうことになっておるようであります。いろいろ食文化も違いますから。 しかし、私どもは、今の犬猫の話はともかく、動物愛護管理法の精神にのっとって、とにかく人間と動物が本当にしっかりと共生していくという時代を、また世の中をつくっていかなきゃいけないという意味では私ども努力したいなと、こう思っておりますが、よろしくまたお願いいたします。
○大島九州男君 ありがとうございました。 四十一分という時間をいただいて質疑をさせていただいた中で総理には真摯に答弁をいただいたというふうに私は理解をしておりますので、今後とも野党を褒める総理で頑張っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で大島九州男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、石上俊雄君の質疑を行います。石上俊雄君。
○石上俊雄君 国民民主党・新緑風会、石上俊雄でございます。 今日は、安倍総理始め各大臣の皆さんに質問する機会をいただきました。関係各位の皆さんに本当に心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。 せんだって、東日本大震災の追悼式がございました。あれからあっという間に八年がたちましたけれども、福島県の第一原子力発電所の廃炉の作業についても今進んでおるというところでございます。 せんだって報道がございましたが、デブリにようやく近づいて、つかむことができたという報道があったわけでございます。今日は社会保障というテーマでございますが、そこに行く前に二、三、ちょっとほかのところで質問させていただきたいというふうに思っております。 そのデブリをつかんだというところでございまして、まずは核のごみ、この最終処分場に関する質問をさせていただきたい、そういうふうに思います。(資料提示) フィンランドにある世界初の核のごみの最終処分場、オンカロの準備が順調に進んでおりまして、ここには行かれた方も結構おられるかもしれませんが、稼働まであと数年というところまで来ているというところでございます。そのこと自体が、ほかの国に対して、処分場探しがますます難しくなるのではないかという、オンカロのパラドックス的な話になっているということも聞くわけであります。 それは何でというと、オンカロが、そのパネルにも書いてありますが、十八億年も動いていない大陸性の分厚い岩盤をくりぬいた地下に造った施設であるということでございまして、なかなか、こういう環境のところが自分たちの国のところにあるんだろうかと、そういう考えから、オンカロがうまくいけばいくほど、自国としてはどうなるんだろうという考えを持っているところも結構おられるというふうな話も聞くわけであります。 ということがこの日本においてはどうなのかというところであります。オンカロ並みの地層がないと核の廃棄処分場は造れないのかということですね。政府の科学的特性マップも出されましたし、原子力発電環境整備機構、NUMOの包括的技術報告も出されておりますけれども、そこに、いや違うんだよ、それは不要なんだと、オンカロ的なものがなくてもちゃんとできるんだという、そういうような論理が示されているのかどうかというところだというふうに思います。 経産省やNUMOが今全国を回って各地で説明会を開かれているというふうなことも聞いております。この取組は、やっぱりこの核のごみの処分場をどうしていくかは国民の皆さんの共通の問題意識だというふうに思っておりますので、そのことについて積極的に進めないといけないと思っておりますが、まだまだ不足しているんではないかというふうに思いますけれども、世耕大臣の見解をお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、地層の問題でありますけれども、高レベル放射性廃棄物の地層処分が可能となる条件として、世界的には、共通しているのは地下水の動きが緩慢であるということであります。オンカロは大体十九億年から十八億年前に形成された地層と言われていますが、必ずしもオンカロのように非常に古い地層が必要とされているわけではありません。それぞれの条件はそれぞれの国が有する地質環境によって異なるというふうに考えています。 日本の地層というのは大体数千万年前に形成されているんですけれども、日本では一九七〇年代から非常に長期にわたって様々な専門分野の知見を取り入れながら研究を進めた結果、一九九九年の時点で、処分場所には、地下水以外の条件として、火山ですとか活断層といった影響を受けにくい、長期にわたって安定した地下環境が必要ということになりました。それと同時に、国内外の専門家から、そういった地下環境は日本国内に広く存在すると考えられるという評価が得られているところであります。 そして、まさに二〇一七年、政府が公表いたしました科学的特性マップというのは、こうした科学的知見を分かりやすく地図でお示しをしたものでありますし、あのNUMOの報告書も、最新の地質データを、これまでに蓄積された技術的な取組をまとめて、より安全な地層処分の方法を示したものであります。 これまでの科学的知見や技術の蓄積に基づけば日本でも地層処分は可能だと考えておりますが、実際に安全な処分を実現するためには個別具体的な場所において綿密な調査を重ねていく必要があります。そこまではまだ時間が掛かると思っています。 そのためにも、まずは広く全国で国民の理解を説明会等でしっかり得ながら、複数の地域の調査受入れを目指して一歩ずつ着実に取り組んでまいりたいと考えています。
○石上俊雄君 今、世耕大臣からの説明をいただきました。 オンカロもそうなんですけど、私もヨーロッパをぐるっと回って処分地域を視察をしてきましたけれども、いずれのところも相当な時間を要してやっています。それを進めるときに、熱いというか、熱がある人ががっと引っ張る、そういう形で長い期間継続して、ようやくオンカロも、多分四十年以上掛かっているというふうに思うんですけれども、今の状態になってきている。 そういった意味では、総理、是非この日本も熱を持った人でがっとこの核のごみの処分場に対して進めていく、国民の共通の課題を解決していくということに対してしっかりと取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最終処分については、相当量の使用済燃料が既に存在をしているとともに、日本のみならず国際社会共通の課題でもあります。次の世代に先送りはしてはならない重要な課題でありまして、まさに委員がおっしゃったように、この課題を必ず私たちの世代で解決しなければいけないという、この情熱を持って取り組んでいく必要があるんだろうなと思います。国際協力の下に、国が前面に立って取り組んでいく考えであります。 こうした観点から、安倍内閣としては一昨年に科学的特性マップを公表したところでありますが、引き続き、広く国民の皆様の理解を得ながら、一歩ずつ着実に進めてまいりたいと思います。
○石上俊雄君 とにかく、今は存在しますから、何とかしっかりと進めていただければと思います。 それでは次に、原子力発電の再稼働の禁止制限の法的扱いについてお聞きしたいと思います。 今パネルを掲げていただきましたが、昨年の七月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、可能な限り原発依存度を低減するとの方針でありますけれども、電力会社が適法に所有、運転許可された発電所を稼働するという、そこには財産権があるというふうに思います。当然、再稼働に際しては、安全性の確認、避難計画の完備、そして地元の合意が必要であることは言うまでもありませんけれども、事後の立法や正当な補償なしで一方的に禁止や制限することが一般的に可能なのかどうか。同じようなケースが海外、ドイツだったというふうに思いますけれども、あったように思うんですけれども、そのことと同じような形で日本も進めるようになるのかどうか、この辺に関して世耕大臣の見解をお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 原子力発電所については、いかなる事情よりも安全性を最優先して、高い独立性を有する規制委員会が科学的、技術的に審査をして、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であります。 その上で、今おっしゃっているその法的扱いとか事後立法のケースというのが一体何を指されているのかはちょっと私も分かりませんので、一般論として申し上げますけれども、法律にのっとって行われてきた民間事業者の事業活動を例えば事後的な規制によって制限をするという場合には、やはり目的と手段のバランスというものをしっかり考慮をする必要はあるんだろうというふうに思います。 やり方によっては、憲法で保障された財産権の侵害ということに当たりかねないおそれも出てくることが想定されますので、慎重に検討することが必要だと思っております。
○石上俊雄君 ここが結構難しい話になるというふうに思いますけれども、そこの対応についてしっかりと取組もやっていく必要があるなというふうに思いますので、そういう案件が出てきましたらまた相談をさせていただきたいと、そういうふうに思います。 それでは次の質問に入りますけれども、エネルギー基本計画の、先ほど原発の依存度を低減という質問がありましたけれども、この原発の定義というのが果たして何だというのをちょっと質問させていただきたいと思うんですね。エネルギー基本計画の中で原発依存度の低減と出てくるんですが、その政府の方針にある原発って何を具体的に指すんですかというところをちょっと本当にお聞きしたいと思うんですね。 聞くところによると、業界は、東日本大震災が発生するというかその前までは、なかなか原発という言葉は余り使わなかったというふうに聞きます。何を意味するかというのが文書からなかなか読み取れないので、これについてしっかりと考えをお聞きしていきたいと思います。 パネル二の、このパネルの下の方を見ていただきますと、原子炉という所属の中にいろいろ分類があります。この対象となる原発とは、今の国内の既設の加圧水型や沸騰水軽水炉のことを指すのかなというふうな、私はそういうふうに思っているんですけれども、同じ軽水炉でもヨーロッパの方では、より安全な次世代の欧州加圧水型の炉もあるわけでございまして、それはどうなるのかなとか、その下の方に、今開発とか展開中の高速増殖炉、高温ガス炉、小型モジュール炉、核融合等も含めて、核反応を利用するエネルギー生産システム、原子力はすべからく含まれるのかという、そこの課題だというふうに私は思っているんですが、対象範囲を明確にして整合性ある全体像を示しておくということが私は重要ではないかというふうに思うので、それぞれ世耕大臣そして柴山大臣、考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) エネ基の中で述べております原発依存度は可能な限り低減をさせるというこの方針は、総発電電力量に占める原子力発電の割合を低減させるという趣旨でありまして、ここで言う原発とは、商業用の原子力発電所を念頭に置いたものだと思っています。現在、日本でいわゆる商業用の原発と呼ばれるものは、いわゆるBWR、PWRの二つになるのかなというふうに思っています。 一方で、例えば二〇五〇年のCO2削減目標を達成していく上では、前提なくいろんなイノベーションにチャレンジをしていかないととても達成はできません。そういった意味で、開発研究段階にあるような原子炉は、いわゆる今回の原発依存度低減の議論の具体的な対象には含めていません。 その上で、原発依存度を低減する中でも、特に二〇五〇年の削減目標を踏まえた将来の脱炭素化の選択肢としては、原子力分野のイノベーションの推進は極めて重要な課題だというふうに思っています。 例えば、具体的に申し上げれば、1Fの経験から得られた教訓を今後の安全性向上に生かすべく、過酷事故対策を含めた軽水炉の安全性、信頼性、効率性向上に資する技術の開発を進めるとともに、脱炭素化のあらゆる選択肢を追求するという方針の下、より一層安全性向上や熱利用などの様々なニーズに応える原子炉の開発など、原子力分野のイノベーションに挑戦をするといった取組を行っているところでありまして、経産省としては、今後も原子力技術を維持強化していきたいというふうに考えています。ただし、いずれにせよ、現時点において原発の新増設、リプレースといったことは想定はしておりません。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今答弁があったように、我々、エネルギー需給構造上の脆弱性という根本的な課題を抱えております。 この解決のためには、いずれにせよ、革新的かつ長期的なエネルギーについての研究開発の必要性、これ、エネルギー基本計画に書かれているところなんですけれども、その中で、今御指摘があった高温ガス炉ですとか核融合等に係る技術課題についても位置付けられているところでございます。 可能な限り低減させるというのは、今答弁があったとおり、商業用の原子力発電所を念頭に置いたものでありますので、文部科学省といたしましては、今後、社会環境の変化に応じつつという留保付きではありますけれども、これらの研究開発を進めるとともに、こうした取組を通じた原子力基盤と安全を支える幅広い分野における人材育成にも努めていきたいと考えております。
○石上俊雄君 今、それぞれ両大臣から御説明をいただきました。 何でここにこだわるかというと、福島第一原子力発電所の今廃炉に向けて様々な取組がされておりますけれども、いろいろ何か、メディアの方もそうですし、いろいろな方が要は廃炉に向けて技術者をとにかく確保せぬといかぬと、人の力をずっと存続させぬといかぬという話をされるわけでありますけれども、じゃ、この原子力に携わる技術者が廃炉だけでずっと維持できるんですかという話だというふうに思うんですね。やはり、学校で一生懸命勉強して、自分がやった成果が廃炉だけだったら、どんどんそこの学問から離れていく人がいるし、そこの学問自体がなくなってしまうかもしれません。 そういった意味では、やはり政府として、先ほど両大臣から言っていただきましたが、商業用の原子炉だけを指しているんだという、そのうまい説明というか、しっかりそこを示す必要が、やっぱりこれからの技術者等を確保しながら、その福島の第一原子力発電所の廃炉に向けてしっかりと力を注いでいただくというその環境整備を整えるためにも重要だというふうに思うんですが、このことについて、総理、コメントをいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細については、先ほど両大臣から答弁をさせていただいたところでございますが、全ての原点は東京電力福島原発事故でありまして、政府及び原子力事業者がいわゆる安全神話に陥りあのような悲惨な事態を招いたことを片時も忘れてはならないと考えています。その真摯な反省の上に、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減していくというのが安倍内閣の一貫した方針であります。 同時に、あの過酷事故の教訓を踏まえれば、原子力については絶えず更なる安全性を追求していく必要性が欠かせないと考えています。世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合することは当然として、それにとどまることなく、事業者の責務として原子力の安全性向上のため、不断に技術開発に取り組むべきことは重要であると認識をしているところでございます。
○石上俊雄君 是非、この辺の切り分けというか、しっかりとした示しを是非お願いしたいというふうに思います。 それでは次に、当初予算で百兆円を超えた、初めて百兆円を超えたこの予算における財政健全化目標についてお聞きしていきたいというふうに思います。 財政健全化の必要性というのはパネルの上の方に示させていただきましたが、こういう理由からということでございまして、これは皆様御存じだというふうに思いますが、国、地方の基礎的財政収支、プライマリーバランスの黒字化の達成について、残念ながら総理は昨年、国際公約を違反する形で五年先送りの二〇二五年としたわけでございます。 二〇二五年のプライマリーバランス黒字化は、これ引き続き国際公約と考えていいのかな、その辺をちょっとお聞きしたいのと、さらには、初の当初予算で百兆円を超えたというその予算案策定に当たりまして、中身を見ると社会保障関係の伸びが大きくなっているわけです。それも含めて、財政健全化についてどう考えておられるのか。 そもそも二〇二五年には総理はその職にないはずでございますし、その辺をいかなる覚悟、認識で目標に臨んでいかれるのか。後任にしっかり任せるから大丈夫というのか、それまでにしっかりめどを付けるからとか、今話題になっている四選とかという話がありますが、だから何とかいけるんだという話になるのか分かりませんが、その臨まれる考え方、その辺について御説明をいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) プライマリーバランスの黒字化目標は、それ自体、各国との間で法的拘束力を持つものではありませんが、これまでも累次の国際会議の場で説明してきており、また、骨太の方針二〇一八において閣議決定したところであります。経済再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、その実現を目指してまいります。 この方針の下、来年度予算については、全世代型社会保障制度への転換に向け、消費税の増収分を活用して、幼児教育、保育の無償化を始め、社会保障の充実にしっかり対応する一方で、同時に、社会保障関係費の実質的な伸びについて、高齢化による増加分に収めるなど、歳出改革の取組を継続するものとしております。 これらの結果、政権交代前と比較して、国、地方合わせた税収は約二十八兆円増加し、そして来年度予算における国の税収は過去最高となり、六十二兆円を超えるわけでございますが、六十二兆円を超えるとともに、新規国債発行額は約十二兆円減少し、安倍内閣において発足以来七年連続で減少しています。 政府としては、引き続き、経済再生を図りながら、二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化、同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指してまいりたいと、こう考えているところでございまして、これはまさに政府・与党一体としてこの目標に向かっていくことになるわけでございます。
○石上俊雄君 これ、国際公約と考えていいんですか。その辺なんですけどね。お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私自身は国際公約ということを申し上げたことはないのでございますが、国際会議におけるコミュニケには、先ほども申し上げたんですが、法的拘束力はあるわけではございません。 二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化が困難になったわけでございますが、これは言わば公約違反ということではないわけでございますが、コミュニケでコミットした、ただ、国際公約では私はないと考えているんですが、ただこれは、国際会議等においてはコミットしているのは事実でございまして、これが実現できなかったことは誠に残念であると、こう考えておりますが、いずれにせよ、プライマリーバランス黒字化の目標は堅持をしておりまして、その実現に向けた道筋を国際社会に説明していくことが重要であると、こう考えております。
○石上俊雄君 今回の予算の歳入六十二兆円、最大の膨らみは消費税が上がるということに行き着くんでしょうけど、今、世の中的に、今日も春闘の先頭が回答が出ましたけど、いろんなところは今厳しいですね。私も今回っていて結構聞きますが、急速にこの景気というか、何か調子悪くなってきている、ブレーキが掛かっているという話を聞きます。米中の関係があって、いろいろ対応が厳しいんだという話は聞くわけですね。そうすると、なかなか今後見込みどおりの税収があるかどうかといったところも課題ということで残ってくるわけでありますので、しっかりとした取組を、プライマリーバランス黒字化というのは重要だというふうに考えておりますから、お願いしたいと思います。 それでは、パネルの下の方をちょっと見ながら、中長期の経済財政に関する試算の分析手法についてちょっとお聞きしたいと思うんですが、ビジネスや学術の世界では、シナリオ作りという、シナリオを分析するという意味では、このベストケースとワーストケースを大体作って、そしてそこの真ん中が、何ですかね、そのまま現状維持というか、BAU、ビジネス・アズ・ユージュアルというか、そんな感じで一般的には作るというふうに思っています。私も何かそんな感じで作ったような気がします、過去、仕事をしているときにですね。 そんな中なんですが、政府から出されたやつをよく見ると、成長実現ケースとベースラインケースの二つしかないんですね。ワーストケースがないんです。黒く書いてあるのは我が事務所で書いたので、ないんです。経済諮問会議の歴代委員には専門家の方も多くおられるわけでありますけれども、委員からこういうことに対して意見されたことがなかったのかどうか、そんなところをお聞きしたいのと、さらには、目標必達には悲観シナリオ、一番、だから今ない部分のところをベースに達成することが一番ベストだというふうに思うんですけれども、先ほど総理が述べられていたプライマリーバランスの黒字化実現に向けて、私たち国民としてはどこを見ていけばいいのかな。多分、ベースラインといったところを見ていくことになるんだろうなと思うんですが、政府もそこをメルクマールということで考えておられるのか、そういう理解でいいのか、茂木大臣、教えていただけませんか。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員は、御自身のビジネスの経験からも、シナリオ分析で、ベストケース、楽観ケースといいますか、それからワーストケース、悲観ケース、さらにはBAU、ビジネス・アズ・ユージュアルのこういった様々なシナリオ、これを作る必要があると、こういう御主張だと思いますが、ビジネスの世界では、そういうやり方もありますし、メーンシナリオを作って、さらにはサブシナリオを作る、こういうシナリオ分析をしていることも多いのではないかなと思っております。 その上で、中長期試算でも、政策効果によって成長率が高まる成長実現ケース、我々はそれを目指しておりますが、それと、潜在成長率が将来にわたって一%にとどまるベースラインケースの二種類の試算を行い、公表しております。 そして、中長期試算の経済前提につきましては、一昨年十二月の経済財政諮問会議において、民間議員から、たくさんのケースを作るというよりも、例えば経済再生ケースについても過去の実績を踏まえた現実的なシナリオにすべきと、こういう提案をいただいたところであります。これを踏まえまして、昨年一月の試算、先生のお示ししていただきましたパネルでいいますと三十年試算ということになりますが、それ以降、経済、物価の改善ペースやTFP、全要素生産性の上昇率などの経済前提を見直して試算を行っております。 この結果、成長実現ケースにおきましては、そちらのパネルの三十一年試算ということになりますが、実質GDP成長率について、見直し前の試算では、二〇二〇年度に二%超、二〇二〇年代初頭には二・四%程度に達すると見込んでいたものを、本年一月の試算には、二〇二一年度にかけて一%台半ば、二〇二〇年代前半から二%程度と、改善のペース緩やかなものになる、さらに、消費者物価の上昇率についても成長率の鈍化とともに上昇ペースは緩やかになる、こういった見直しを行っておりまして、より現実的な経済前提に基づく試算になっていると考えております。 この現実的な成長実現ケースにおいて、二〇二五年度のPBの黒字化をしっかりと実現していきたいと考えております。
○石上俊雄君 しっかり実現していきたいということで言われていましたけど、何かよく分かっていないんだけど、このグラフ自体で見ても、二〇二五年、ベストケースで見たってまだ行かないわけですよね。今、緩やかにというふうになると、本当に達成できるんですかということであります。 とにかく、国民が、どういうふうなことをすればいいのかというか、どういう覚悟というか、どういう思いでやっていけばいいのかということを分かりやすくちゃんと政府は説明するというか、示すその責任があると思うんですけど、しっかりと総理、対応していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私どもが作っているこのシナリオについて、既に大臣から説明をさせていただいたところでございますが、言わば今の御質問は何が必要かということなんだろうと、こう思うわけでございますが、人材投資や生産性向上など、あらゆる政策を総動員していくことで潜在成長率を押し上げて、実質二%、そして名目三%程度を上回る経済成長を実現することで、経済再生とそして財政健全化を同時に達成することが安倍内閣の基本方針であります。そのために、まさに第四次産業革命と言われるこの大きな変化を生かして、AIとかロボット、IoT、そうしたものを活用しながら更に生産性を上げていくということ。 そして同時に、今、日本銀行と政府の間においては、物価安定目標の二%というものを掲げております。そうしたものも相まって、この名目成長三%程度を上回る成長を実現をしていく。当然、この名目で成長を上げていくことによってしっかりとこの税収も増えていくわけでございますから、そういう中においてGDP、このGDP、名目GDPを引き上げていく、そして税収を増やしていく。成長をしっかりと底上げする中においてこの財政健全化目標に達成していきたいと、こう考えているところでございます。
○石上俊雄君 全然ちょっとよく分からないんですけど、こればっかりこだわると、あと三つも質問が残っているので、これはまたちょっと違う機会でやらせていただきます。 年金制度の財政検証の前提条件についてちょっとお聞きしたいと思うんですね。 これ、上の表を見ていただくと、今よく言われているように、本当にこれが信じられるのかという話に行き着いちゃうんですけど、赤く囲ったところ見ていただくと、過去十七年の平均二・八なんですけど、六シナリオのうち五つがそれ以上ということなんですね。甘いんじゃないですかと、シナリオ作り、これがね。 そんな中で財政検証をして、年金大丈夫だというふうなことを打ち出すものだから、先ほど大島委員からも言われましたけれども、あきれちゃって、もう若い方々はもう諦めちゃっているんですよね、冷ややかな感じで。そういう形になってきて、そういうことをどんどん出すものだから、メディアは、年金積立金が二〇五〇年代には枯渇するというような、不信を招くような報道を出したりするわけであります。 だから、政府はもっと、この見せかけの安心のための推計ではなくて、言わばフェイクシミュレーションに腐心するんじゃなくて、真の意味での、フェイクシミュレーションですよね、年金制度の持続性、健全性チェックのための厳しい財政検証を行うべきと考えているわけでありますが、根本大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) まず、財政検証に用いる経済前提、これは、社会保障審議会年金部会の下に設置した、経済、金融の外部専門家で構成する年金財政における経済前提に関する専門委員会で議論していただいております。その意味で、透明な、設定プロセスの透明性を確保しております。そして、専門委員会で取りまとめられた報告書、これは経済前提について高成長ケースから低成長ケースまで客観的に幅広く設定されていると承知しております。 そして、財政検証は、将来の状況を正確に見通す予測というよりも、将来の年金財政への投影という性格のものですから、幅広い複数のケースを設定しており、幅を持って解釈する必要があると考えております。 よろしいでしょうか。
○石上俊雄君 何かよく分からないんですけど、専門家側から指摘されていると言っているんですが、専門家からも甘いんじゃないですかというか、これ、昨年、だから、前回もこれ専門家から検証で指摘を受けて、これを改善するようにと言われているはずですけど、なのに今回もまた同じことを繰り返しているわけですよね。 こういうことを何度も何度も繰り返しているから、いいかげん国民の皆さんは信用しなくなってしまうという、こういうサイクルではないんでしょうか。じゃ、大臣、どうぞ。
○国務大臣(根本匠君) 先生が示されたこれについてコメントをしたいと思います。 年金財政は、これはここの、ここで名目運用利回りと、こう書いてありますけど、ここで、先生のお示ししたこれですね。これ、我々の、我々が経済前提でお示しした資料とは、ちょっとこの名目運用利回り、これは我々、経済前提でここまでお示ししておりません。 その上で、年金財政、これは賃金に連動する仕組みであります、委員御案内だと思いますが。保険料負担の方も賃金で連動するし、給付の方も、どんどんどんどん新しく年金をいただく方は賃金上昇率で動いていきますから、実は賃金に連動する仕組みであると、これも私は大事だと思います。 その意味では、このここで御指摘の、運用利回りと、こう書いてありますけど、これは本来、名目の運用利回りで判断するのではなくて、運用利回りから実質賃金上昇率を差し引いた実質的な運用利回り、これはいわゆるスプレッドと、こう言っております。この実はスプレッドを考慮することが必要なんですね。今回のスプレッドのケース、この六通りのケースがありますが、いずれのケースもこのスプレッドについてGPIFの実績を下回っており、甘過ぎることはないと考えております。
○石上俊雄君 時間がないので、これにこだわると終わってしまうので、次に進んでしまいます。 パネルの四、下ですね、名目下限措置というのがありますが、百年安心の年金制度の中に、この制度というのは、何ですかね、スライド調整率というのがあるんですが、それによって、今パネルに示している①と②、いわゆるスライド調整率が掛からないので、名目下限措置があると、十分年金を下げられないで今いるところがその①です。じゃ、それが、誰に将来負担に行くかというと、次の世代の方々に②の部分で、本来もらうものよりも低くなってしまうところで負担されてしまうんですね。 こういう見えないとか隠れた制度的な、何かこう、ものがあるんです。こういうことも何か年金信じられないなというところにつながってきているというふうに思うんですけれども、厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 私は、マクロ経済スライドというのは非常にいい仕組みだと思います。これは、簡単に言うとどういうことかというと、平成十六年の年金制度改正によって将来の保険料水準を固定して、その範囲内で給付水準を調整する仕組みということでマクロ経済スライドを導入しました。これは、我々はやっぱり将来世代のことも考えなければいけませんから、将来世代の負担を過重にすることを避けながら制度を持続可能なものといたしました。言ってみれば自動調整装置を導入したということなんですね。 それで、まあ年金は、年金についてはちょっと説明しなければいけませんが、同時に年金受給者の生活を支えることも重要であって、現在の受給者にも配慮して、マクロ経済スライドによって名目の年金額を下げることはしないという、要は配慮措置を導入したんですね。配慮措置を導入した結果、こういう現象が生じた。ですから、我々は、平成二十八年の年金制度改正では、マクロ経済スライドの未調整分、これを持ち越して、できる限り早期に調整する仕組みを導入しました。これによってマクロ経済スライドの調整期間が、ここが長期化しないように、将来世代の給付水準を確保いたしました。 こうした中で、昨年の物価上昇等の結果、マクロ経済スライドに、要は、未調整部分はキャリーオーバーと言うんですが、それを、それで調整しましょうということで、今年度に持ち越された、かつて調整できなかったキャリーオーバー分はこれは完全に解消されました。このように年金受給者に一定の配慮を行いつつマクロ経済スライド調整を、委員おっしゃるように、早期に終了させて、将来世代、受給世代双方にとって安心である年金制度の確立に努めていきたいと思います。
○石上俊雄君 本当は総理には最後にちょっともう一回答弁をいただきたいんですが、最後の質問になります。 在職老齢年金、受給繰下げ制度、人生百年時代の働き方ということでお聞きしたいんですが、私も結構回っていて働いている皆さんから言われるんですけれども、年金併用にすると、六十歳を超えて働く、年金と併用するとなると賃金が十分もらえないというか、フルタイム働くとこれ大変なんだよとかっていろいろ意見もらうんですね。その制度がこれですね。二十八万円と四十六万円の壁というのがあるわけなんですが、この在職老齢年金制度があることによって、その下の年金の受給繰下げ制度ということに対してのこの魅力も半減しているという事実があるんですね。 何か、いろいろ働き方が今多様化しています。それぞれに対応できるような仕組みをつくっていかないと、今、人手不足ということで本当に諸先輩方の力を一生懸命借りないといけないというこの時期の中で、やっぱり働いている皆さんがこのやりがいとかそういったところを見出しながらやってもらわないといけないというふうに思っているんです。 そういった意味では、先ほどの、前の質問でもありましたけれども、前の質問でもさせていただきましたが、その名目下限措置で、いや、なかなか仕組み的に、大臣が言われることも、今の世代と将来世代のバランスを考えていろいろやったときに結果的にこうなってしまったという、そういうことなんですけれども、トータルして年金の仕組みをやっぱり、何というんですかね、現役世代と将来世代の公平性、納得性そして安心感につながる仕組みにしっかりともう一度組み直すというか、そこをしっかりと検討していくということがやっぱり重要じゃないかと私は考えるわけなんですが、総理としてどのような考えを持たれているか、お聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど根本大臣から答弁もさせていただいたんですが、まさに公平性のためにこそ十六年の改正でこのマクロ経済スライドを導入をしたのでございますが、実質的にデフレが続いている間はこれ発動されなかったわけでありますが、平成二十八年の年金法改正、年金改正法において、マクロ経済スライドの調整期間の長期化を防ぎ、将来世代の基礎年金の給付水準を確保するため、マクロ経済スライドの未調整分を持ち越し、できる限り早期に調整する仕組みとしているところでございまして、来年度の年金額は、昨年の物価上昇等の結果、〇・一%のプラス改定となるわけであります。 実際、物価が上がったんですが、マクロ経済スライドとしては〇・二が掛かります。これは掛かったことによって〇・一となったわけでございますが、〇・一のプラス改定となったわけでありますが、これは、これまで未調整だった分も含めて、将来世代のためのマクロ経済スライド調整を行った上で、なお現在の受給額がプラスの改定となったものでありまして、今回の改定は、もはやデフレではないという状況が進展する中において、現在の受給者、将来世代の双方にとってプラスとなるものであると考えているところでございます。 また、本年行われる財政検証においては、検証を行ういずれのケースにおいても運用利回りを保守的な見積りの下で設定しており、長期的な給付と負担の均衡や将来世代の給付水準についてしっかりと確認を行われるものとなっております。 そこで、マクロ経済スライドにつきましては、これは平均寿命とそして労働人口のところを勘案して調整が行われるわけでございますが、平均寿命の方は高いところで止まっているわけでございますが、労働人口においては、この六年間で三百八十万人増えたことによって、かつてのマクロ経済スライドが〇・九であったものが今〇・二になってきた、つまり働く人が増えていくことによって年金についても大変いい影響が出てくるということではないかと、こう思っております。
○委員長(金子原二郎君) 石上君、時間が来ています。
○石上俊雄君 時間が来ました。終わりますが。 年金は安心の基本だというふうに思います。是非、国民の皆さんに分かりやすい、そして安心感のある年金制度にしていただきますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で石上俊雄君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、佐々木さやか君の質疑を行います。佐々木さやか君。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いをいたします。 本日の集中審議のテーマは社会保障でございますけれども、年金、医療、介護などの社会保障を支えるためには安定した財源の確保が必要であります。そうした観点から、消費税率の引上げが今年の十月に行われる予定であります。 しかし、消費税は所得が低い人ほど負担が大きくなる逆進性があります。公明党は、最大の負担軽減策として、飲食料品などの税率を据え置く軽減税率を主張してまいりました。問題は、軽減税率の対象外である生活必需品への負担を和らげる支援策であります。 そこで、来年度の予算案には、公明党の提言が反映され、購入額に一定の上乗せをして買物ができるプレミアム付き商品券の発行が盛り込まれております。消費税の逆進性の観点から、低年金の世帯を含む住民税非課税世帯と、二歳までの乳幼児がいる子育て世帯を対象としています。 そこで、まず総理に、このプレミアム付き商品券実施の趣旨、狙いについて伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま佐々木さやか委員から御紹介いただいたプレミアム商品券でございますが、プレミアム付き商品券については、十月に予定されている消費税率の引上げに際し、低所得者への配慮という政策目的を明確にし、そして対象範囲を限定した上で実施することとしており、さらに、現金給付ではなく、期限を区切って使用できる商品券とすることによって、確実に消費につながり、需要の平準化や地域における消費の下支えにも資する効果的な手法であると考えております。つまり、低所得者対策という大きな意味、そして、同時に、この駆け込み需要、反動減というものをならしていく上において、十月以降の消費を喚起するという二つの大きな意味があるんだろうと、このように思っております。
○佐々木さやか君 パネルをお願いいたします。(資料提示) このプレミアム付き商品券、金額といたしましては最大二万円の支払で二万五千円分の商品券を購入できるということでございます。現段階で全ての市町村で実施の見込みと聞いておりますけれども、先ほど御説明をいただきましたこの事業の実施の趣旨からいいましても、低所得、子育て世帯に使いやすいものになることが重要であると思います。 例えば、この商品券、一枚の金額が余り大きなものでは、お釣りが出ませんので、使いにくいものになってしまいます。千円の商品券で近くの商店街のおだんご屋さんでおだんごを買おうかなと思っても、ちょっと千円では大きいと思います。せめて五百円程度の金額にするべきだと思っております。 また、商品券を購入をしていただく際にも、先ほど最大二万円で二万五千円分と申し上げましたが、この二万円をまとめて支払う、購入できるという方は余りいらっしゃらないんじゃないでしょうか。この上限の二万円まで何回かに分けて購入が少しずつできる、こういった工夫も必要であると思います。こうした点はどういうふうになっているのか。 また、この商品券を購入をしていただくためには申請が必要になる予定と聞いておりますけれども、具体的にどういう手続で、どういう流れでこの商品券を購入ができるのか、知らない間に、買えるのに活用できなかったと、こういったことがないように、是非きめ細やかな工夫、配慮をして、周知、広報をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 佐々木委員の方から大変分かりやすいプレミアム付き商品券のパネルを作っていただいたところでありますが、委員御指摘のとおり、対象となる方々が実際に商品券を購入して利用しやすい仕組みとすることが重要であると考えておりまして、このため、パネルにお示しいただきましたように、必要な分を必要なときに無理なく購入いただけるように、五千円単位での分割の販売、これ、四千円で五千円分買えるわけでありますから、掛ける五で買っても構わないわけでありますけれど、そういったことができるようにするほか、商品券一枚当たりの額面を例えば五百円、いわゆるワンコインですね、にするなど、地域の実情に応じて日々のお買物で利用しやすい額とすること、さらには、地域の幅広い店舗、これを募って利用可能とすること、こういった様々な配慮、工夫を行うことといたしております。 今後の手続ということでありますけれど、まず、低所得者の方に対しては、税務情報などが確定した後の六月から七月頃に対象者を、これ自治体の方で確定をいたします。そして、九月頃から、自治体から対象者、パネルのように、これは低所得者だけではなくて、それに加えて二歳未満の小さな子供を持つ子育て世帯、ここに商品券を購入することができる引換券が送付されることになります。そして、この送付されてきた引換券を持って自治体等の窓口に行っていただくと商品券を購入できると、こういう流れを想定いたしております。制度の内容はもちろんのこと、こうした手続面についても自治体ともしっかり連携してきめ細かな周知を図っていきたいと考えているところであります。 こうしたきめ細かな制度設計や周知徹底等の取組を通じて、対象となる方々の税率引上げ直後の消費の影響を確実に緩和するとともに、先ほど総理の方から答弁をさせていただいたように、駆け込み需要と反動減の平準化、さらには地域における消費の下支えにも資する仕組みとしていきたいと考えております。
○佐々木さやか君 先ほどの御説明で、六月から七月頃に対象者が確定をされて、九月頃からこの商品券を購入するための引換券が交付されると、大まかに言ってこういう流れであるという御説明でございました。引き続き、この周知、広報、具体的に行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 この商品券は、今制度の概要御説明しましたけれども、それぞれの自治体において単独の上乗せですとか商店街振興のための工夫もできるようになっております。例えば、独自にこの対象者を広げたり、ふだんから発行している地域の振興の商品券を活用をして、二歳までのお子さんがいる場合には更にプレミアムを付けると、こういったことも例えばできるわけでございます。 実際にある自治体では、今後のことですけれども、これまで毎年独自にプレミアム付き商品券を実施してきた、そこで来年度は今回のこの国の事業の商品券と時期、デザインを統一をして同じときに一体的に実施をする、それによって相乗効果を上げられるようにしたいと、こういったことを検討を今しているところもあるというふうに聞いております。また、この使えるお店の地域ですね、場合によっては広域で使えるようにする方がいいというニーズもあるかもしれません。 こういった地域の実情に合ったより使いやすいものとする、また地域の振興と結び付けるなどのそれぞれの自治体の工夫も是非促していっていただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、先ほどのやり取りの中で、大体六月から七月頃に対象者が確定と、こういうこと、これは低所得者についてであります。例えば、八月に生まれる子供は、まだその段階では当然確定いたしませんから、生まれてからということになるということは御理解いただきたいと思っております。 それで、実際に事業を実施する地方自治体においては、例えば、私も、元々は私が生まれる二年ぐらい前までは村だったんですよ。そうすると、その村では余りお店がないんですね。そうすると、一番近い町というか市の方に買物に行っていたということがありまして、実際の住民の日常の買物の実態等を勘案して、近隣自治体と連携してより幅広い店舗を対象とすることや、今委員の方からも御指摘いただきましたように、地域における消費ニーズを一層喚起する観点から、独自財源によって対象者を拡大することと、これと併せて行うことも妨げない等々、様々な創意工夫をいただくことも可能といたしております。 こうした取組を推奨することなども含めまして、自治体がこれまで実施をしてまいりました商品券事業の取組の蓄積であったりとかノウハウ、これを十分活用いただくことによりまして、自治体における効果的な事業の実施、これを国としてもしっかり後押しをしてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 それぞれの自治体では、今恐らく、まさにどういった商品券にしようかということを考えていただいていると思います。それぞれの工夫がなされて、使いやすいものになることを期待したいと思います。 公明党青年委員会では、昨年から今年にかけまして、若い世代の皆さんの声を聞くボイスアクションアンケートという調査を各地で実施をしております。このアンケートは幾つか項目がありまして、若い世代の皆さん向けの政策を並べまして、どれに関心がありますか、こういうアンケートの内容であります。この中でも、全世代型の社会保障として、教育費負担の軽減、これに期待を寄せる声が多くございました。 例えば給付型奨学金、これにつきましては我が党も長年実現を訴えてまいりましたけれども、この平成三十年度からついに本格的な実施がなされまして、約二万人の方がこの給付型奨学金の給付対象となっております。この給付型奨学金、返済をしなくてもいい奨学金、これからも、今後、更に拡充をお願いしたいと思います。 こうした今御紹介した給付型奨学金といった奨学金の充実は、これから新しく奨学金を利用するという学生さん、若い世代の人たちに対する施策になりますけれども、他方で、既に学校を卒業して奨学金の返済が始まっているという既卒者の方への支援も重要だというふうに思います。 国の奨学金というのは、昔はどちらかというと成績優秀な一部の学生に対する制度だったと思いますけれども、一九九九年にきぼう21プランというものがスタートをいたしまして、その後もこの奨学金の対象となる学生さんたちの貸与要件が徐々に緩和をされていきまして、今は、学ぶ意欲のある学生は、希望すれば大体多くの方がこの奨学金を利用していただけるようになりました。 私も実はこの九九年に大学に入学した世代なんですけれども、なので、私より後の世代の皆さんは、この貸与型の奨学金、大体希望すれば利用ができると。他方で、結婚、子育てという時期になってきて、結婚したんだけれども、夫婦共に実は奨学金の返済があってなかなか大変だと、子育てといっても、もう一人子供が欲しいけれども、その奨学金の返済のことを考えると前に踏み出せないとか、こういったお声もいただいております。 この既卒者対策の一つとして是非お願いしたいと思っておりますのが、仮に返済がちょっと難しくなったと、こういう場合の負担の軽減でありまして、奨学金の返済を滞ってしまったときの延滞金の利率の引下げであります。この延滞金の利率というのは、以前は年一〇%という非常に高い割合でしたけれども、今は五%まで下がっております。これを更に引き下げていただきたいんですね。ペナルティー的に滞納金の支払を課すということよりも、返済が大変になった、例えば返済計画を見直すとか、そうした丁寧な相談支援を重視すべきではないかなと私は思います。 ところで、民法の債権法の改正によりまして、法定利率は五%から三%に見直されました。こういった背景もありまして、私は、この奨学金の延滞金、少なくともこの新しい法定利率の三%程度には引き下げるべきではないかなと、こう思っているんですけれども、この点、文科大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今御紹介があったとおり、従前一〇%であった日本学生支援機構奨学金の延滞損害金でありますけれども、平成二十六年度から、御紹介をいただいたとおり、民法における法定利率である五%に合わせるよう引下げを行っております。 文部科学省といたしましては、従前の対応なども考慮しつつ、この奨学金の遅延損害金に係るいわゆる利率というか賦課率の取扱いについて、関係機関と調整しながら検討を進めていきたいと思っておりますが、まず、今お話があったように、返済が困難な方に関しては猶予ですとか返還の免除ですとか、そういった措置をしっかりと柔軟に対応していきたいと、このように考えております。
○佐々木さやか君 是非、この引下げ、前向きに御検討をいただきたいと思います。 次に、質問に移りますけれども、年を重ねても自分らしくやりがいを持って地域や社会で活躍ができる、そういう社会を目指していくことが、誰もが生き生きと長生きできる、そういう社会につながっていくのではないかと思っております。そうした中で、様々な社会的な経験、また熟練した技術を持っている、そういう高齢者の方を積極的に企業が雇用するということも重要ではないかと思っております。 公明党の神奈川県本部であるアンケートを行いまして、そうしましたところ、七十代以上の方々のうち、高齢者の雇用促進、これを望む声が実に七割を超えておりました。やはり年を重ねても働くということについて非常に関心が高いということがうかがえます。 介護、医療、年金といったセーフティーネットをしっかりと整えた上で、年齢に関わりなく自分らしく活躍できるような企業での高齢者の積極的な雇用、この推進について総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 少子高齢化、人口減少が進む中で、我が国の成長力を確保するためにも、人生百年時代の到来を見据えながら、元気で意欲あふれる高齢者の皆さんが、希望すれば、年齢にかかわらず、学び、働くことができる環境を整えることが必要であると考えています。 このため、企業に対し希望者全員の六十五歳までの雇用確保措置を義務付けるとともに、六十五歳を超える継続雇用延長、定年引上げを行う企業に対する助成金の支給、また高齢求職者の再就職支援を専門的に行うハローワークの生涯現役支援窓口の設置など、六十五歳を超える高齢者、私も今年六十五歳になるわけでございますが、まだ働きたいという意欲が満々でございますので、そういう方々もたくさんいらっしゃるんだろうと、こう思うわけでございますので、六十五歳を超える高齢者を積極的に雇用する企業への支援に取り組んできたところでございますが、また、未来投資会議において生涯現役時代の雇用制度改革について検討開始をしておりまして、七十歳までの就労機会を確保できるよう、この夏までに計画を策定し、実行に移す考えであります。 〔委員長退席、理事山下雄平君着席〕 今後とも、働く意欲ある高齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高齢者の就労環境の整備や再就職の支援をしっかりと進めていきたい、それがまさに日本の成長にもつながっていくわけでございますし、日本の社会保障を支えていく上においても重要であろうと、このように考えております。
○佐々木さやか君 高齢になっても安心して暮らすことができる、そういう社会のためには介護の体制を整えていくこと、非常に重要であります。この介護については、特に人材の確保ということが課題になっておりまして、その解決のためには働く人の処遇改善を進めていかなければなりません。介護の仕事に就いているんだけれども、これから子育てをする、結婚をしていく、そういったことが不安という、こういう声もいただいたりいたします。将来設計がきちんと立てられる、そういう収入が得られるようにしなければ、長く働いていただくということは難しいのかなと思います。 今後予定されている消費税の財源を活用した処遇改善加算、これがしっかりと現場の待遇改善に反映をされるようにしていただきたいと思います。 それとともに、この介護の現場におきましても、必要な業務の効率化、例えば事務作業が煩雑で、それに非常に時間を取られてしまって、本来の仕事である利用者の方へのケアに集中できないとか、そういったことがないように事務作業の効率化とか合理化ですとか、そういったことも必要だというふうに思います。 そういうことを通して、魅力ある職場づくり、これを後押しをしていただきたいと思いますけれども、厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 介護職員の処遇改善は、自公政権でこれまで月額五万一千円の改善を実施してきました。加えて、本年十月からは、新しい経済政策パッケージに基づいて更なる処遇改善を行う予定です。具体的には、リーダー級の介護職員について最大八万円の給与増を行えるような加算といたします。また、これまでと同様に、加算額以上の賃金改善を担保した上で進めて、他産業と遜色のない賃金水準を目指していきたいと思います。 また、今、介護現場の業務効率化のお話もありました。業務効率化に向けては、介護事業者が作成する文書量削減などの取組を進めています。具体的には、今年度、行政が介護事業所に求める文書の実態把握と見直し、介護サービス事業における生産性向上ガイドラインの作成を実施しています。 今後、これらを通じて作成文書の削減やICT活用などを進めて、介護職員がケアに注力できるよう業務の効率化を推進してまいります。
○佐々木さやか君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。 次に、パネルを御覧いただきたいと思います。聴覚障害のある私立大学に通っている学生さんから御相談を受けました。大学の授業を受ける際に、ボランティアによるパソコンテーク、この支援を受けたんですけれども、大学の予算の関係で、十二科目履修をしているんですが、そのうち三科目しか支援を受けられなかったそうです。残りの科目については音声文字化アプリをスマートフォンの中に入れてそれを利用しているということでしたけれども、まだこの誤変換、誤った変換が多くて使いにくい、非常に困っていると、こういう御相談でありました。 ちなみに、その方がほかの大学に通っている友人に、同じように障害のある友人に聞いてみたところ、その友人の通っている大学ではもっと多くの科目にボランティアを付けてもらうことができたそうなんですね。通っている大学によって支援が違ってしまう、学習環境に差が出ないようにしてもらいたいと、こういうお声でありました。 大学でのバリアフリーと障害のある学生への修学支援につきましては、近年、取組が徐々に行われているというふうに認識をしておりますけれども、いまだ、今申し上げたように大学によって状況が違うというのが現状であります。 このパネルでお示ししましたのは、聴覚・言語障害のある学生への授業支援の例でありますけれども、日本学生支援機構の実施した調査によりますと、全国で現在千九百五十一人の聴覚・言語障害の学生さんがいらっしゃるそうであります。しかし、例えば今、先ほど申し上げたパソコンテーク、この支援を実施しているのは百八校にとどまっているということです。やはり、どの大学に進学をしてもひとしく学生が必要な支援を受けれるような、そういう環境整備をするべきだと思います。 また、例えばパソコンテーク、ノートテークのボランティアの確保が大学の予算や資源だけではなかなか難しいという場合には、地域にNPOさんとか、そういうボランティアをやってくださる方々、いらっしゃると思うんですね。なので、そうしたところと大学が連携をするということも考えられるのではないかと思います。 障害のある学生さんが、修学支援を受けたい、大学で学ぶに当たってボランティアの支援を受けたいというふうに思っても、厚労省の障害福祉サービスの対象なわけではありませんので、行政の福祉の窓口に行ってもそういう相談には乗ってもらえないわけですね。ですので、やはり大学の窓口でしっかり相談に対応していただくことが必要だと思います。でも、多分、大学の窓口では、先ほど言ったような地域のNPOさんとの連携とか、こういったことはなかなかできていないのではないかと思います。 こうしたことから、各大学に学生が安心して相談できる、そういう窓口を設置していくべきだと思いますし、日本学生支援機構を通じた国の支援もより充実すべきではないかと思いますけれども、文科大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 障害の有無にかかわらず、全ての学生がその意欲と能力に応じて大学等において学べる機会を確保することは極めて重要だと考えております。 日本学生支援機構の調査によりますと、障害のある学生の支援を担当する部署、相談窓口の設置は九五%の大学等で行われ、支援担当者の配置も九六%で行われているなど、大学における支援の体制づくりは一定程度進められてきてはおりますけれども、今御紹介をいただいたとおり、実際にそういった障害のある学生に対する授業支援を何らかの形で実施している大学等は六三%にとどまっております。学生の個別のニーズに基づいた支援、合理的配慮の提供の充実によってどの大学等でもしっかりと学ぶことができるように、各大学等の取組を促していかなければいけないと考えております。 文部科学省といたしましては、そうした障害のある学生への支援に当たっての基本的な考え方ですとか合理的配慮の内容の決定手順などの具体的な支援手法などを有識者会議において取りまとめ、大学関係者の会議などを中心に周知をさせていただいております。 また、日本学生支援機構において毎年度、全ての大学等を対象に障害のある学生の修学支援の状況について実態調査を行って、これを公表するとともに、教職員を対象としたセミナー等において、具体的な対応事例の共有ですとか支援手法の啓発などを実施したりするなどによりまして理解、啓発を図っているところでありますけれども、引き続き、障害のある学生に対する修学支援が適切に行われるよう充実を促してまいりたいというように思っております。 ちなみに、二〇一九年度の予算案におきまして、一般の運営費交付金ですとか私立大学の経費補助に加えて、社会で活躍する障害学生支援プラットフォーム形成事業という形で、そういった手法の研究、蓄積、普及、展開を図ってまいります。
○佐々木さやか君 障害のある学生も学べる、そういうキャンパスにしていくためには、ハード面のバリアフリーもそうでありますし、今申し上げたような授業支援、そして、例えばゼミで使う教材、専門書、これを読めるようにするために書籍をデータ化をすると、こういうことにも一つ一つ結構なお金が掛かるそうであります。そうした予算の確保もしっかりしていかなければならないなと思っております。 先日、私の地元の神奈川にある国立大学に伺いまして、障害のある学生さんたちへの支援の状況についてお話を聞いたんですけれども、そこであるゼミを見学をさせていただきました。そこのゼミでは、その大学の大学院を修了した方、この方は身体に不自由がある、障害のある方なんですけれども、その方が学部生のゼミを担当して指導しているんですね。学部生の皆さんも非常にその方を慕っていて、自然と学生さんがその大学院修了生の不自由なところをサポートしながら、一緒に大変和気あいあいとゼミをやっていると、こういうところも見せていただきまして、非常にその学生の皆さんもいろんなことを学ぶことができる、そういうキャンパスになっているなと感じました。こういったインクルーシブな環境というのが教育現場で社会に出る前にあるということは、この社会を共生社会にしていくために非常に重要なのではないかなというふうに思っております。 神奈川県では、高校におけるインクルーシブ教育の推進にも力を入れております。インクルーシブ実践校というところでは、軽度の知的障害がある生徒が同じ教室で一緒に学ぶという取組がされておりまして、二〇二〇年度には神奈川県内で十四校、こうした教育を実施する予定になっております。こういったインクルーシブ教育を是非全国にも広げていくべきではないかと思っております。 また、発達障害のある生徒に対する教育を充実してほしいと、こういうお声も多くいただきます。小学校、中学校での通級指導に加えまして、平成三十年度からは高校での通級指導がスタートをいたしました。しかし、まだまだ数が少なくて、例えば神奈川県内では三校にとどまっております。なので、近くに住んでいない生徒さんは通うことが難しいと、こういう状況にあります。 こうした障害のある生徒の高校での学び、この支援を更に進めていただきたいと思いますけれども、この点について、担当されております浮島副大臣に伺いたいと思います。
○副大臣(浮島智子君) 高等学校において、障害のある生徒一人一人に光を当て、そして、誰一人置き去りにすることなく、適切な指導、そして必要な支援を受けられるようにすることは大変重要であると認識をしているところでございます。 文部科学省といたしましては、今年度から高等学校における通級による指導、これを制度化いたしまして、教員定数の加配の措置、そして指導専門性を高めるためのモデル事業の実施、そして独立行政法人国立特別支援教育総合研究所における教員の研修等を通じまして、各自治体における取組を支援をさせていただいているところでございます。 また、加えまして、私の下に設置をさせていただきました障害者活躍推進チームにおいて本年一月公表させていただきました共生に向けた学びの質の向上プランにおきましては、通級による指導方法のガイドの作成、そして教師の特別支援教育に関する専門性を高めるための仕組みを検討しているところでございまして、今後、これらの検討もしっかりと進めてまいりたいと思っております。 また、先ほど御紹介ありました神奈川のインクルーシブ教育の実践推進校については、私も視察に行かせていただきましたけれども、このような良い取組をしっかりと広げていくために、文部科学省といたしましては、各教育委員会の担当者を集めた会議等におきまして積極的に紹介をしていきたいと考えているところでございます。 また、今後とも、高等学校における通級による指導や、障害のある生徒と障害のない生徒が共に学ぶ取組をしっかりと広げていきたいと思っております。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いをいたします。 公明党は、子供たちの命を守る観点から、SNSを活用したいじめ相談窓口の設置を提案してきました。私も力を入れさせていただいております。その結果といたしまして、文科省の予算として計上をされ、平成三十年度には全国三十自治体で実施をされていると認識をしております。 これまで、いじめに関する電話の相談窓口というのはあったんですけれども、今の子供たちは電話はほとんど使わないそうでありまして、LINEとかツイッターとか、SNSがコミュニケーションの手段になっています。ふだん使い慣れたLINEであればより気軽に相談ができますので、早い段階で悩みをキャッチするということもできるのではないかと思います。 神奈川県でも、昨年の九月に、SNSいじめ相談@かながわというものを試行的に実施をいたしました。これは、県内の中学、高校、特別支援の学校百一校を対象にして行われたんですけれども、このアンケートでは、相談が役に立った、これが八六%、また相談したいが八〇%、また、電話に比べて相談しやすかったという回答が八一%と、非常に相談しやすい、また相談したいと、こう思っていただけたのではないかなと思います。 こういう声に応えられるように、是非来年度もこうした自治体の取組を国として支援をしていただいて、より普及をするように取り組んでいただきたいと思いますけれども、この点についても浮島文部科学副大臣にお尋ねをいたします。
○副大臣(浮島智子君) 今委員の方からもお話ございましたけれども、今、多くの若者がこのSNSを主なコミュニケーションの手段として用いている中で、文部科学省といたしましては、平成二十九年補正予算及び三十年度の当初予算におきまして、児童生徒を対象にSNS等を活用して、いじめ等の様々な悩み、これを受け付ける相談体制の構築に必要な経費を計上し、今年度は、当該事業の補助を受けまして、三十の自治体が事業を実施したところでございます。また、平成三十一年度予算案においても、SNS等を活用した相談事業といたしまして二億一千万を計上したところでありまして、本年度の相談事業を実施したこれらの自治体を引き続き支援をしてまいります。 また、来年度は、新たに、当該事業におきまして、調査研究といたしまして、一つの民間団体が複数の自治体の拠点となって広域的にSNS相談を行う取組も実施する予定でございます。 文部科学省といたしましては、これらの取組を通じまして、SNS等を活用した相談体制の充実に努めてまいります。
○佐々木さやか君 来年度の実施といたしましても二億一千万円、この予算を確保を是非していきたいと思います。 次の質問に移りますが、児童虐待の大変悲惨な事件が後を絶ちません。この児童虐待、虐待死の最も多いのはゼロ歳、つまり、生まれてすぐに命を落とすケースであります。予期せぬ妊娠などで育てることが難しい、また、若年で家族や周囲に頼れる人もなかなかいない、健診や病院にも行かず、誰も知らない間に産んでしまうと、こういうケースを必要な支援につないでいくべきだと思います。 こういった予期せぬ妊娠の相談窓口として自治体や民間による妊娠SOSという相談窓口があるんですけれども、まずは病院に行こうと、こう言っても、貧困などの背景があって、病院に行くための費用、五千円から一万円ぐらい掛かるわけですが、それを出すことができないという場合もあります。 そこで、我が党は、こうした場合にもまずは病院に行くことができるように、初回の産婦人科での診察を無料で受けられるようにすべきだと、このように訴えさせていただきまして、今回の予算案に初めてこの点の支援が盛り込まれております。 是非、実施主体である都道府県の取組を後押しをしていただきまして、こうしたリスクの高い妊婦を必要な支援につなげるための取組に力を入れていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(大口善徳君) 佐々木委員にお答えいたしたいと思います。 若年の妊婦の方、あるいは経済的に困窮する妊婦の方など、妊娠に悩む妊婦の方を早期に発見し、相談や必要な支援につなげることは大変重要でございます。委員御指摘のように、この虐待死事件、本当に痛ましい事件が起こっているわけでありますが、それを防ぐためにも重要であると考えております。 公明党が昨年五月二十八日、提言をしていただいたことを受けまして、厚生労働省では、平成三十一年度予算案において、女性健康支援センター、これは全国で七十三か所ございます、四十七都道府県には全てあるわけでありますが、このセンターがこうした妊娠に悩む妊婦の方を把握した場合、早期に産科への受診を促すとともに、関係機関等に確実につなげるため、同行支援に係る人件費、また妊娠判定料も含む産科受診に係る費用等、これを新たに計上したところでございます。 厚生労働省といたしましては、この支援を必要とする妊婦の方を早期に発見し、医療機関等につなげ、この妊婦の方の悩みや不安を解消していくことが児童虐待の発生予防につながるものであると考えておりまして、女性健康支援センターを設置する都道府県等においてこうした事業の意義が理解され、積極的に実施されるよう、三月一日開催の全国児童福祉主管課長会議でも徹底したところでございますけれども、あらゆる場面でこれを周知を行ってしっかり推進していきたいと、こう思っております。
○佐々木さやか君 どうぞよろしくお願いをいたします。 十一日で東日本大震災から八年となりました。改めて犠牲になった方々に哀悼の意を表し、一人一人が心の復興、人間の復興を果たすまで被災地に寄り添った支援を継続していく決意であります。 この首都圏で大地震などの災害が発生した場合の備えをどうするか。訪日外国人への対応などといった新しい課題も出てきております。公衆無線LANなどの災害に強い情報網の整備、こういったことも必要になっております。 また、今週末の十七日に新東名高速道路、厚木南インターチェンジから伊勢原ジャンクション、これが開通をいたしますが、この道路にはヘリポートが整備されるなど、高い防災機能を備えております。こういった新規格の高速道路を始めといたしまして、救助や支援物資の輸送に重要な道路ネットワークの整備、また、災害に強い道路、橋、港湾などのインフラ整備を加速させる必要があると思います。また、災害医療体制の構築、ドクターヘリやドクターカーなどの救命体制を災害時にどう活用するのか、こういったことも重要だというふうに思っております。 そこで、総理に、首都圏での大災害への備えについて、改めて国民の命と安全を守るという観点から取組の御決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集中豪雨、地震、激しい暴風雨、そして異常な猛暑など、昨年は異次元の災害が相次ぎました。また、今委員が指摘されたように、首都直下地震や南海トラフ地震の発生も懸念されています。災害への対応はもはやこれまでの経験や備えだけでは通用せず、命に関わる事態を想定外と片付けるわけにはいきません。 このため、昨年末に、これまで培ってきた最新の知見を踏まえ、中長期的な目標や方針を明らかにする国土強靱化基本計画の見直しを行うとともに、事業規模がおおむね七兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめたところであります。 今後、政府として、三か年緊急対策等に基づき、大規模な自然災害から生命、財産を守るための重要インフラの整備、そして避難行動に必要な防災行政無線などの情報通信インフラの整備、そしてまた災害拠点病院の非常用発電設備の増設や災害派遣医療チームの計画的な養成、そしてドクターヘリやドクターカーの活用など災害時の医療体制の整備など、ハードからソフトまであらゆる手を尽くして首都直下地震等への防災・減災対策を総力を挙げて進めてまいります。
○佐々木さやか君 今月の五日に国内で赤ちゃん用の液体ミルク、これが初めて発売をされました。十一日には店頭販売もスタートしたそうでありますけれども、これまでは、日本国内で赤ちゃん用のミルクというのは粉ミルクしか販売をされておりませんでした。しかし、液体ミルクは、清潔な水、またお湯が手に入りにくい災害時にも調乳の必要なく飲ませることができます。また、日常的にも、外出時、夜間の授乳、こういったことに便利であると。こうしたことから、新たな選択肢として日本での発売を待ち望む、こういうお母さん、お父さん方の声も多くありました。 いよいよ発売ということで、これから普及をしていくと思いますけれども、新しいものですので、この乳児用液体ミルクについて、安全性や使い方など、正しい理解をしていただく必要があると思います。 液体ミルクの安心、安全な普及、適切な活用のために国としても積極的に適切な情報提供を行っていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 乳児用液体ミルクの使用に当たっては、製品の特性と衛生的な取扱方法、これが正しく理解されることが非常に重要だと考えています。 具体的には、乳児用液体ミルクに使用されている添加物、ビタミンやミネラルなど、これは既存の粉ミルクと同様であり、主に乳児に必要な栄養成分であります。そして、常温で長期保存を可能とするため、製品を無菌的にする技術、これはロングライフ牛乳やレトルトカレーなどの技術、これが活用されていて、保存料は使用されておりません。 厚生労働省では、消費者庁及び日本栄養士会と連携し、二月中旬から三月に、都道府県などの担当者を対象に説明会を全国七ブロックで開催しています。乳児用液体ミルクの成分、あるいは保存や使用上の注意点などの正しい知識を説明してきています。 引き続き、関係省庁や自治体などとも連携を図り、乳児用液体ミルクの適切な情報提供に努めてまいりたいと思います。
○佐々木さやか君 どうぞよろしくお願いをいたします。 この液体ミルク、先ほど申し上げたように、調乳が不要という観点から災害時にも有用であると。ですので、赤ちゃんのための災害用物資として各自治体などで備蓄といった取組が進んでいくことを期待したいと思います。 それを後押しする観点からも、国の指針にも盛り込んでいただきたいと思っております。その際には、備蓄の方法について、母乳代用品の販売流通に関する国際基準、WHOコードにも配慮する必要がありますので、こういった観点も踏まえながら、好事例を収集、紹介していくようなことが効果的ではないかなと、こう思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) 御指摘の男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針でございますが、東日本大震災の際に、避難所等の運営や物資の備蓄、提供につきまして女性や子育てへのニーズの配慮がないということが顕在化して、平時からやはり男女共同参画の視点に立って防災取組をしなければいけないということで、平成二十五年の五月に私ども内閣府が策定、公表させていただいたものでございまして、その後、平成二十八年に熊本地震もございまして、昨年は豪雨災害が引き続きましたので、最近の大規模災害における取組の状況も踏まえまして指針の内容を充実させるという方向でおりまして、来年度、有識者に御議論いただき、改定することを予定しております。 その際、委員御指摘の液体ミルクでございますが、昨年八月の厚生労働省及び消費者庁による安全基準等に基づく審査を経て今月から販売しているわけですし、粉ミルクと同様に災害時の母乳代替食品でございますから、この乳児支援に必要な物資として是非取組指針への追加を検討してまいりたいと考えております。 また、その際に、国際基準のコードにつきましても御指摘をいただいておりますから、御指摘の点もしっかりと改定においては配慮をさせていただきたいと、かように思っております。 〔理事山下雄平君退席、委員長着席〕
○佐々木さやか君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。 赤ちゃんやお母さんを守るためには、必要な物資の備蓄だけではなくて、お母さんが安心して母乳育児を継続できるための支援が重要であります。ただこの液体ミルクや粉ミルクを配ればいいというものではないわけであります。避難所で授乳スペース、プライベートを確保できるそういうスペースをつくる、また、お母さんが十分な食事ができるようにする、母乳育児について相談できる体制を災害時にも整える、こういう支援が必要ではないかと思います。 赤ちゃんを守る観点から、保健師さん、また助産師さん、栄養士さん、こういった専門の方々により、災害時の母乳育児の継続と必要な栄養の摂取のための支援体制、こういったモデル的な体制をつくっていくということも重要ではないかと思っております。 こういった災害時にも母乳育児を安心して継続ができる、こういう支援について是非引き続き取り組んでいただきたいと思いますけれども、厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 災害時を含めて、母乳で育てたいと希望する方が可能な限り母乳で育てられるよう支援すること、これは重要だと思っております。 例えば、平成三十年北海道胆振東部地震に際しては、避難所などにいる妊産婦などに対して、心身の健康管理に関する継続した相談支援の重要性やその留意点について周知をいたしました。特に、母乳育児については、安心して授乳ができるよう、今委員のお話もありましたが、プライベートな空間の確保、これについても周知をいたしました。 また、厚生労働省では、現在、保健医療従事者向けに母乳、離乳の支援のポイントをまとめた支援ガイド、この改訂を進めております。これまでも示している災害時における母乳育児に関する支援のポイントなどを新たに盛り込む予定であります。今年三月中に改訂版を公表予定にしております。 今後とも、このような取組を通じて、災害時においても母乳育児を希望する方への支援を行っていきたいと思います。
○佐々木さやか君 赤ちゃんは自分で声を上げることはできませんし、また、そうしたお母さん方の声も、小さい声かもしれませんけれども、そうした声にしっかりと耳を傾けて、そのための施策、力を入れていただきたいと思います。 災害弱者と言われる高齢者、また障害者、そして小さな子供たち、こういった方々への支援、非常に重要だと思います。東日本大震災でも、犠牲になった方々の多くが高齢者でありました。また、障害のある方の死亡率も高かったというふうに聞いております。 こういった教訓を踏まえまして災害対策基本法が改正をされて、避難行動要支援者名簿というものを作って、そしてそれを活用して実効性のある避難支援がなされるようにしよう、こういう制度がスタートをしたわけであります。この避難行動要支援者名簿というものは市町村に作成が義務付けられておりますので、その名簿の作成自体は多くの自治体で完了しているんですけれども、それを活用して個別の、じゃ、どういうふうにいざというときに避難をするのかと、こうした避難計画は作成が進んでいない状況であります。 個人情報の問題をクリアした上で、せっかくあるこの名簿でありますので、地域の自主防災組織などと連携をしながら具体的な支援が是非なされるようにしていかなければならないと思いますけれども、こういった災害弱者と言われる方々への個別の支援計画、この取組について伺いたいと思います。
○国務大臣(山本順三君) 今ほど委員からお話があったとおり、災害弱者と呼ばれる避難行動要支援者の名簿ですけれども、これについては今年度末でほぼ、九九・五%の作成ということに相なろうかと思っております。 ところが、個別計画につきましては、まだまだ十分な対応がなされておらず、策定することが望まれるものとして内閣府が作成した取組指針において市町村にその策定を促している、そういうところでございます。 例えば、平成二十九年七月の九州北部豪雨で大きな被害を受けた福岡県東峰村、こちらでは、毎年六月に、個別計画を策定の上、避難行動要支援者をサポートする者による避難支援等を含めた避難訓練を実施しておりまして、近隣の住民の相互の避難の呼びかけに応じて避難行動が取られた結果、被害の軽減に寄与したという事例がございますし、私、度々申し上げますが、愛媛県でも、大洲の三善地区というところでは、避難行動支援者名簿の情報を活用いたしまして、そして避難場所や避難経路を記したカードを作成いたしまして避難訓練を重ねておりまして、先般の水害でも犠牲者は発生しなかったということでございました。 なお、平成三十年七月豪雨を受けて、中央防災会議の下にワーキンググループをつくりまして、そこで議論をされて、防災と福祉の連携による高齢者の避難行動等の取組を講じるべきだという提言をいただいたところでございまして、この今回の提言を踏まえて、国交省とそれから厚労省が連携して現場で取り組んでいただく具体的な内容を示し、全国各地の大規模氾濫減災協議会とそれから地域包括支援センター、ケアマネジャーの円滑な連携の下、取組を実施してまいりたい、このように思っておりまして、引き続き、個別計画策定を含めて各市町村において避難の実効性が高まる取組が進むよう、関係省庁と連携して必要な助言をしてまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 これからも、全ての方が安心して暮らすことができる、そういう社会をつくっていくために力を尽くしていくことをお誓いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で佐々木さやか君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、大沼みずほ君の質疑を行います。大沼みずほ君。
○大沼みずほ君 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。理事各位に心から感謝を申し上げます。 冒頭、私も六歳の娘を持つ親として、児童虐待は絶対にあってはならない、そう強く思っています。今年に入ってからも多くの児童虐待事案が発生していることは非常に残念であり、事態を深刻に受け止めています。政府には、全国共通ダイヤル一八九の普及並びに今国会での児童虐待防止法改正によって現場で児童相談所と関係機関との連携強化が進むよう、予算措置を含め、しっかり取り組んでいただきたいと思いますし、私も与党の一員として共にしっかり取り組んでまいりたいと思います。 それでは、質問に入ります。 少し順番を変えさせていただいて、雪国の生活支援策について伺います。 まず、パネルを御覧ください。(資料提示)全国の半分の地域が豪雪地帯となっています。ここ十年で、雪害、つまり雪下ろしなどで雪が関連して生じる災害によって亡くなられた方々は八百三十一人に上ります。山形県では、昨年の豪雪を受けて、全国で富山県に次いで二例目となる雪条例、いきいき雪国やまがた基本条例を昨年末に制定したところです。 雪対策につきましては、昭和三十一年に成立した積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法、いわゆる雪寒法、昭和三十七年に設立した豪雪地帯対策特別措置法があります。雪寒法では、除雪、防雪、凍雪害防止事業に対して特例措置が設けられています。 豪雪地帯では、毎日が雪との闘いであります。そんな中にあって、雪の降った後の道路の傷みは年々ひどくなってきています。 雪寒法では、当時の法制局参事官が、凍結融解期における路床の、つまり路面の破損、損傷を補修するための経費は地域における道路予算の相当大きな部分を占めているのが実情である、本法はそのような状況に対処するため立案されたものであると述べていますが、それは防雪、凍雪害防止事業をもって路面の損傷などを防止するものとして法律が作られた立て付けになっています。 しかし、実際には、事前のこうした防止事業だけでは雪が降った後の道路の破損、損傷は補修できない状況であります。 凍上災というものがあります。これは、あくまでも気温が低い期間が続いて路面が割れたりしたものを災害として認定し、対応するものであって、降雪、雪が降るのとの関係性によって認められるものではありません。 私は、この昭和三十一年に措置法が作られ、四十八年改正以降改正されていない雪寒法をいま一度見直す時期に来ているのではないかと思っています。やはり、法律の根幹である第一条の目的に、除雪、防雪、凍雪害の防止の部分に降雪後の道路補修を追加すべきではないかと考えています。 つまり、凍上災や雪寒法ではカバーできないところは一般の交付税や防災・安全交付金によって措置されていますが、やはりそれでは十分ではない。しっかり雪害対策をやっていくためには、この降雪、雪が降った後の道路との関係、降雪と道路の損傷、破損の因果関係というものを明らかにして国として支援していくべきではないかと思いますが、国交大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 積雪寒冷地域におきまして、経済の発展や生活の安定を図るため、冬期の道路交通の確保は大変重要と考えております。 現在、積雪寒冷地の道路舗装の破損、損傷につきましては、雪害対策として災害復旧事業や防災・安全交付金により支援をしております。また、舗装の表層及び簡易アスファルト舗装の小規模な補修におきましては、起債に対する交付税措置を行う地方財政措置を平成二十九年度より実施をしているところでございます。 委員御指摘の降雪による道路損傷に対します更なる支援につきましては、降雪と道路損傷の因果関係につきまして今後調査をしてまいりたいと考えております。今後とも、積雪寒冷地における冬期の道路交通の確保に努めてまいりたいと思います。
○大沼みずほ君 これは大変有り難い御答弁と申しますか、これまで、道路に雪が降ってそれが傷むかどうかということは国の方で調査をされてこなかったし、また法律上もそういったものはなかった。これを初めて調査いただくということは大変有り難いことでありますし、雪国に住んでいる方々にとって、この雪と道路の損傷の関係というものが明らかになれば、また法律改正であったり予算措置というものに大きな一歩を踏み出すものであると思います。この国交大臣の、調査しますと、そして、その後に続く議論をしっかり今後していただきたいと思います。大変ありがとうございます。 また、豪雪地帯対策特別措置法は、平成二十四年の改正時に除排雪の体制の整備が盛り込まれましたが、雪寒法においても、第一条の除雪だけでなく、排雪というものも追加すべきだと思います。除雪した雪をどこに捨てるのか、これはとても大きな課題であります。この排雪に対する国のお考えについて、国交省に伺います。
○政府参考人(池田豊人君) 道路の排雪につきましては、冬期道路交通の確保に当たり重要であると認識をしております。道路の排雪は除雪作業と一体不可分であることから、雪寒法における除雪費には排雪に係る費用を計上できることとなっております。 引き続き、排雪につきましても国として支援を行ってまいりたいと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 実は、毎年毎年、雪が降りますと、地元の皆さんから除雪費が足りなくなったということで御要望がたくさん参ります。除雪ということに排雪の費用も計上されているということでありましたけれども、やはりこれは法律上、除雪という言葉だけである。やはりこれが除排雪という言葉をセットで考えていくものなんだというふうに思います。 これから、降雪と道路の傷みの関係性、また除雪、排雪の関係性を踏まえて、やはり雪寒法をいま一度見直す時期に来ているのではないかというふうに思います。 次に、ドクターヘリについてお尋ねをいたします。 豪雪地帯では、患者さんをヘリコプターで運ぶドクターヘリの離着陸場の除雪が必要になりますが、この除雪に対する支援制度はなく、自治体で除雪が行われています。この経費負担が大きいことから、山形県の場合、七百五十五か所のうち冬期に使える離着陸場の箇所は百十三か所にとどまっています。雪国ならではの課題であります。 最近では、ヘリポートに融雪システムを導入しているところもございます。融雪システムへの支援は基地病院だけですが、それ以外の除雪をして使えるようになっている病院に対しても支援を拡充していくべきと考えますが、政府のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 ヘリポートの融雪施設、雪を解かす施設につきましては、ドクターヘリ基地病院に対しましては、これまでもヘリポート周辺施設の施設整備事業として、その施設の整備に必要な費用を支援してございます。 一方、御指摘いただきましたように、ドクターヘリ基地病院以外の病院に対しましては、その支援というものが今のところございません。今後、地方自治体あるいは有識者の方々の御意見も伺いながら、どのような方策が必要なのか、そして取り得るのか、実態を踏まえて検討させていただきたいというふうに思っております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 今後、有識者の方々の意見も踏まえて検討していくということで、やはり命に関わる問題であります。雪国に住んでいるために何かがあったときにきちんとした病院に運ばれなかったり、また、その病院が除雪に係る費用が大変負担が大きくなっていることで、それが経営を圧迫している、そのような状態を是非厚労省にも理解していただきたいと思います。 次に、文科大臣にお伺いいたします。 山形県新庄市にあります、吹雪や雪崩による災害を研究する雪氷防災研究センターというものがあります。ここでは、人工の雪を作ることによって、例えば、屋根の上にどれぐらいの雪が積もるかといった点ではハウジングメーカーさんや、また、自動車メーカーさんなどにおいてはライトの部分に雪がくっつきやすくなるかどうか等々、そういった民間の方々も雪対策としてこの実験棟を使っております。二〇二〇年までには、ただ、この実験棟の冷媒のためのフロンが使えなくなることになっています。 雪国での暮らしを支えるための様々な実験を行っているセンターであり、実験棟であります。その重要性について御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) 私ども文部科学省の防災科学技術研究所において、今御紹介をいただいた雪氷防災研究センター、こちらが吹雪や雪崩などの雪氷災害の観測、予測手法の開発などを実施をしているところであります。民間企業について御紹介をいただいたんですけれども、大学などにおいても利用されておりまして、非常に重要な実験や研究の場であるというふうに認識をしております。 ただ、今少し御紹介をいただいたんですけれども、この降雪実験関連施設の冷凍機などにはフロンが使われておりまして、その生産は、モントリオール議定書及びオゾン層保護法に基づいて、我が国においては二〇一九年、今年末に生産が全廃されることになります。このため、二〇二〇年度以降の適切な時期にフロンを使用しない冷凍機を導入することなどによりまして、引き続きこの雪氷防災研究を私どもとしては推進してまいりたいと、このように考えております。
○大沼みずほ君 非常に前向きな御答弁をいただき、大変うれしく思います。 ここの研究センターにおいて、様々なこの雪国で暮らすための方策、研究がなされているということで、二〇二〇年以降もしっかりと国の方でも支援をしていただきたいと思いますし、大臣の前向きな御答弁を大変有り難く思います。 そして、総理にお伺いしたいと思います。 先ほど申し上げましたように、日本の半分以上が豪雪地帯であります。雪国で暮らす方々を支えることは、まさに日本の国土、そして農地、森林を守ることにつながります。法律改正を含め、今後の雪害対策に対する総理の思い、そして、雪国で暮らす方々を国としても支援していくんだという熱いエールをいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 豪雪地帯では、毎年の恒常的な降雪により、生活の利便や産業の振興が阻害され、特に近年は、集中的な降雪による交通阻害や高齢者の雪下ろし時の事故など、人的、物的な被害が頻繁に発生をしています。こうした雪による被害を最小限に抑えることは、雪国に暮らす方々の生活を守るための重要な課題であると認識をしております。 このため、政府としては、豪雪地帯対策特別措置法に基づく雪下ろしや除雪の担い手となるボランティアの活用や安全対策のための支援、そして積雪寒冷地域道路交通確保特別措置法に基づく道路の除雪や防雪、凍結防止のための支援、そして降雪の状況に応じた除雪車の応援派遣などを行い、豪雪地帯の安全、そして安心の確保に積極的に努めているところであります。 ただいまのフクシマ委員の御質問を伺っておりまして、いかに豪雪地帯で暮らすことが様々な困難が伴っていくのか、そこで暮らす人たちの様々な豪雪に伴う苦しみ等が伝わってきた感じがするわけでございまして、おっしゃるとおり、多くの地域、豪雪の中で困難を抱えているわけでございますが、そういうところにしっかりと政府として目を配っていくことは、地域の発展、そしてふるさと創生にとっても極めて重要なものだと考えております。 今後とも、豪雪地帯の課題に適切に対処できるよう、政府の対応についても、政府の対応について不断の見直しを行いながら、地方自治体と緊密に連携し、大雪の被害から国民の生命、暮らしを守るための対策に万全を期してまいりたいと思います。
○大沼みずほ君 今、総理の思いというものがしっかり皆さんに伝わったと思います。 私はフクシマ委員ではなくて大沼みずほでございますので、大沼みずほとしっかり覚えていただきたいと思います。同じミズホでも大沼の方でございますので、大沼みずほでよろしくお願いします。 本当に、雪国で暮らすということは本当に大変なことであります。出勤の前に除雪をして、そして夜遅くに除雪のためにオペレーターを出して、そして除雪をしていく。この雪国の人々の暮らしを支えてこそ日本国の国があると。みずみずしい稲穂の国の瑞穂でございますので、この瑞穂もしっかり守っていくために政府にはしっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、豪雨対策についてお尋ねいたします。 昨年は大変大きな災害が続いた年でありました。災害復旧にも政府の支援が欠かせません。昨年夏に豪雨災害に見舞われた戸沢村と新庄市に、自民党の二階幹事長が先日御視察に来てくださいました。二度と災害でつらい思いをさせないと、住民お一人お一人の話に真剣に耳を傾けてくださいました。 政府からの支援の中でも、地元の皆さんが待ち望んでいるのはいわゆる激甚災害指定であります。これが指定となりますと、国からの予算の補助率が上がり、市町村にとって大変助かります。私も新庄最上地域に対し、市町村に対する局地の激甚災害指定を要望してまいりました。年度末までに指定が決まると伺っていますが、現在の状況について大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本順三君) お答えをいたします。 激甚災害の指定につきましては、これまでも個々の災害ごとに復旧事業の査定見込額に応じて指定するほか、年度末、今ほどお話がございましたが、年度末においても各災害の復旧事業費を精査をして、一括して局地激甚災害の指定を行ってきたところであります。 昨年は西日本であのような大きな豪雨がございましたが、実は八月には、東北、特に山形では三百ミリという雨が降ったという、そういうお話を聞かせてもらっておりまして、大沼議員からもその被害の状況というものを度々私の方にも御報告いただいたところでございます。 先ほど、大沼議員から激甚災害指定の要望ということでございましたが、この要望も度々いただいておりまして、その中で、平成三十年八月の豪雨により山形県内でも大きな被害が生じており、公共土木施設等では大蔵村、舟形町において、また農地等では舟形町、戸沢村、鮭川村において、それぞれ被害額が激甚災害の指定基準を超えているというふうに承知をいたしております。 いずれにいたしましても、年度末の局地激甚災害の指定につきましては現在手続を進めているところでございまして、政府としてはこの指定を通じて被災地の復旧をしっかりと支援してまいりたいと思います。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 私が当選させていただいてから五年半の間に、山形県を含む東北地域、また全国的にも大きな災害が相次ぎました。昨年の十二月には政府の方で国土強靱化に向けた緊急点検ということで、三か年にわたって七兆円を使って全国の傷んでいる橋、またダム、いろんな、また農地含め点検をしていくというところで、私といたしましても、これは本当に全国津々浦々大切な視点でありますし、是非ともこれからの三か年の間にこの防災の視点からしっかりと取組をしていただきたいというふうに思います。 この局地激甚災害指定、局地であります、そうした意味で市町村全てカバーされるというわけではないというところであります。そういった意味で、これが全て指定にならない場合、しかしながら、ほかの地域においても災害の痛手を被っているところはたくさんあるわけであります。政府といたしましても、この局地激甚災害にならない地域に対しましては特別交付税含め寛大な措置をしていただいて、一日でも早くこの復旧に努めていただきたいというふうに思います。 本日は、特に雪害対策、また豪雨対策についてお尋ねをさせていただきました。国交大臣から初めて、これまで、雪が降った後の道路が凸凹になったり路面が割れたりしたのは、雪との因果関係というのはこれまではっきり分かってこなかったものであります。これを今後調査いただくと、そして、雪寒法上もこの路面の補修というものは言及されておりませんし、除排雪という言葉もありません。そうした中で、排雪に対する考え、さらには路面の損傷に対する考え、こういったものを、昭和四十八年以降改正されていない雪寒法を改正するこれがスタートとなるように、私もこれからもしっかりと頑張ってまいりたいというふうに思っております。 そして、私自身、雪氷防災研究センターについては、二〇二〇年までにフロンが使えなくなるということでありますけれども、そのフロンというもの自体は保有をして、そして少し長く使えるということの理解でよろしいでしょうか。文科大臣、お願いいたします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほどの答弁にちょっと補足をさせていただきますけれども、今、大沼議員から御指摘があったように、二〇一九年末に生産が全廃されたからといって、その時点で保有しているフロンの使用までが直ちに禁止されるわけではありませんので、当面はそれを使って稼働をつなぐということは、これは当然可能でございます。
○大沼みずほ君 実は一九九七年にこの施設はできまして、五十年ほどは、このセンター、まだ実験棟自体は使えるというふうになっております。ただ、フロンが使えなくなることによって実験棟自体が使えなくなるのではないかという声があります。フロンが使えなければ、実際、人工雪を作らせることができなくなります。 フロンがなくなって、使えなくなって以降、更に御支援をいただけるというお話でありましたけれども、その二〇二〇年までに保存しておいたフロンというものが全部なくなってしまいましたといった後は、新しいその冷凍のためのものを御支援いただけるという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど答弁させていただいたとおり、その方向でしっかりと応援をさせていただきたいと思います。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 これは民主党政権下で厳しい事業仕分に遭いまして、地元では、これはもう二〇二〇年以降は使えなくなってしまうんではないか、そうしたら、そのときにもう既に使えなくなったものを再び使うことができなくなるのではないかという不安の声があります。そういった声を含め、雪国の生活を支える上ではこういった防災センターも必要なんだということをしっかりと認識いただいて、私自身も、二〇二〇年以降もしっかりと実験棟も使えるようにしてまいりたいというふうに思っております。 残余の質問については、あしたさせていただきたいと思います。本日はありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。 次回は明十四日午前八時五十五分から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二分散会