予算委員会 第5号
- 発言数
- 439 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/03/06
会議録
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成三十一年度総予算三案審査のため、本日の委員会に前内閣総理大臣秘書官中江元哉君、統計委員会委員長西村清彦君、元厚生労働大臣官房統計情報部長姉崎猛君、元厚生労働省政策統括官酒光一章君、厚生労働省前政策統括官大西康之君、毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会委員長樋口美雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成三十一年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、統計問題・内外の諸情勢に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声八十一分、国民民主党・新緑風会八十二分、立憲民主党・民友会・希望の会六十七分、公明党六十分、日本維新の会・希望の党五十二分、日本共産党五十二分、無所属クラブ二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成三十一年度一般会計予算、平成三十一年度特別会計予算、平成三十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、統計問題・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。北村経夫君。
○北村経夫君 おはようございます。自由民主党の北村経夫でございます。 今日は貴重な機会を与えていただきまして、先輩議員並びに同僚議員の皆様に感謝申し上げる次第でございます。 質問に先立ちまして、本日、私が胸に付けておりますブルーリボン、オレンジリボンでございますけれども、失礼しました、オレンジリボンのお話をしたいと思っております。 これは、児童虐待防止のシンボルマークでございます。(資料提示)連日、子供虐待の事件が後を絶たない。今日もニュースで見ましたけれども、私は、ニュースを見るたびに胸をえぐられるような思いであるわけでございます。子供の虐待をなくす、これは我々大人の責任だと思っております。自民党としても、政府、関係機関と一丸となって対策を講じてまいりたいと、そのように思っております。 そして、全国の皆様にお願いしたいことがございます。テレビで御覧になっている方、ラジオで聞かれている方、皆様にお願いがございます。虐待と思われたときはちゅうちょなく、今掲げております一八九、いちはやく、これは全国共通ダイヤルでございますけれども、この一八九、いちはやく、ここに電話をしていただきたいと、そういうお願いでございます。 私は、このオレンジリボン運動を通しまして、虐待のない国づくり、それに向けて邁進してまいりたい、そのように思っているわけでございます。どうかよろしくお願い申し上げます。 それでは、質問に入ります。 先日提出された厚労省の毎月勤労統計調査等に関する特別監査委員会による追加報告書、そして一月に提出されました元々の報告書、そしてこれまでの国会審議を通じて分かったことを整理いたしますと、二点に要約できるかというふうに思います。 一つは、従業員五百人以上の事業所が本来とは異なる調査方法になっていたこと、さらに、統計的復元がなされず長い間見過ごされていたことについては、明らかに不適切、不正な事務処理であり、厚労省並びに政府は猛省すべきであるということ。そして、二点目でありますけれども、中規模事業者でのサンプルの入替え方法への変更については、厚労省内での検討、総務省の統計委員会での審議で議論を重ね、最終的に適当とされている。つまり、手続も変更自体も適正、適切であることは明らかになりました。官邸の指示などないというストーリーは推測以外の何物でもないと、あっ、官邸の指示というストーリー、それは推測以外の何物でもないということになろうかと思っております。 そのことを申し上げた上で、今後、政府、厚労省は取り組むべきこと、いわゆる過少給付に対して速やかかつ簡便な手続で支払ができるように万全を期すこと、さらに信頼回復、特に統計調査自体の見直しなどを不断に努めることであろうかと思います。 さて、報告書を読んでみて、統計部門のIT化の脆弱さ、化、そういうものを痛感したのは私だけではないかと、そういうふうに思っているわけでありますけれども、そもそもシステム改修を担える者は担当以外いなかった、正しい統計数値を復元しようとしても収集した過去のデータ、その在りかが分からないといったようなことがあったわけであります。 そして、私は、この毎月勤労統計調査では、基本は、基本的にはオンライン回答とするよう工夫すべきだろうというふうに思っているわけでございますけれども、このIT化、厚労大臣、どのように進めていこうとしておられるのか、御所見を伺います。
○国務大臣(根本匠君) オンライン化のお話がありました。統計調査における調査対象先の負担軽減及び利便性向上については、平成三十年三月に閣議決定された公的統計の整備に関する基本的な計画を踏まえ、統計調査の企画に当たりオンライン調査の導入やオンライン回答率の向上方策を引き続き検討することを原則とされております。 厚生労働省においても、当該基本計画に基づきオンライン化の推進を図っております。省内所管統計調査のうち六割以上がオンライン調査を導入しております。引き続き、北村委員御提言、御提案のように、対象、調査対象先の負担軽減を目指して、特にオンライン調査回答率が低い事業所、企業における取組を促してまいります。 さらに、新たに統計調査を企画する際のオンライン促進に関する検討を進めるとともに、行政記録情報等の活用による調査事項の縮減や代替を推進してまいりたいと思っております。
○北村経夫君 IT化が進めば人員も削減できますし、効率化というものがうんと図れるかというふうに思うわけであります。 十年ほど前には統計の精度が低いと言われていた中国でありますけれども、中国は今、人、物、金というものを完全に掌握できるような、そういう国になっているわけであります。そして、この中国は、デジタルシルクロード構想というものに乗ってこの取組について海外にそれを輸出している、それによって結果的には統治しやすくなっていると、そういう時代であるわけであります。やはり、このIT化というのは早急に進めていっていただきたい、やはり人海戦術というのは時代遅れなんだろうというふうに思っているわけなので、どうかよろしくお願い申し上げます。 そして、新たな元号の公表まで一か月を切りました。今国会では平成の名を冠した最後の予算を今審議しているわけでありますけれども、私は、平成というものを振り返ってみますと、一般的には総じて暗い時代であった、失われた三十年とか、そういうふうに言われているわけでありますけれども、私は、この平成という時代はバブルのうみを出し切って雄飛のときを迎える雌伏の時代であったと考えております。 私たちは、昭和の末から平成にかけていろんな課題、重要な問題に直面してまいりましたけれども、一つ一つ、それを諦めずに克服しようと努力してまいりました。この国は、まさに世界の問題解決先進国であると言っても過言ではないと考えております。そして、これらの問題に対峙し解決していく過程で、数多くのノウハウというものを学んでまいりました。そうした経験という資産を活用して、苦しんでいる世界の国々に手を差し伸べ、世界に更に貢献していく、それが我が国の役割でないかというふうに考えております。 そして、外交に目を転じれば、米ソ冷戦に代わる米中対立が激化する中、我々は、覇権主義あるいは自国中心主義ではなく、徳による王道を進み共生と持続可能性を国内外で追求していく、そうした国家を目指すべきだと考えております。 五月には改元を迎えます。次の時代における我々の新たな国づくりに必要な肝は何か。これは私の私見でございますけれども、今から六十年前の我が国を率いていた岸内閣、その覚悟に似たものがあると感じております。 岸内閣、御承知のとおり、多くの反対にも遭いました。国民を啓蒙しながら、次世代のために布石を見事に打っていったのも岸内閣でございます。日米安保条約を強化しつつも独自外交を展開し、米ソ冷戦の中にあって、アメリカでもソ連でもない第三極、日本独自の視点という、その独自の視点という価値に根差した国際社会での立ち位置を模索したのであります。それは、まさに今、米中対立が激化しているこの今日と酷似しているように感じております。また、社会福祉、経済対策においても、国民皆年金、国民皆保険といった社会保障制度改革に加えまして、高度成長の端緒となりました新長期経済改革の策定、最低賃金法による分配強化などの経済政策も並行して行っております。 今は六十年前と改革の力点は違いますけれども、アベノミクスによる経済成長を図ることと並行しまして、安保法制の見直し、全世代型社会保障の構築、災害に強い国土強靱化などを断行しようとしている覚悟、安倍総理の言動に明確に表れているものと思っております。 高度な情報社会が世界の勢力図を塗り替えるこの時代、私は大きな転換点に入っているものと思っておりますけれども、やはり我々は次の世代に向けて新たな国づくりが必要だと、そういうふうに思っております。そうした私の認識を踏まえた上で、安全保障について質問に入りたいと思います。 私たちは、国家というものに守られて初めて平和あるいは民主主義というものを享受することができるわけであります。一昨日の堀井議員の質問では、総理は、安全保障について新たな形を構築する、新たな形を構築するとの決意を示されたわけであります。米中の今貿易戦争が現実化し、そして先日も発表がありました。米韓の大規模な軍事演習、それを中止するという発表もあったわけであります。 そして、この東アジアの安全というものは、アメリカを中心とした日米韓の同盟関係によって今まで保たれてきたわけでありますけれども、その日本と韓国との関係、徴用工の問題あるいはレーダー照射問題等、いろいろなことが起きております。日々、この朝鮮半島情勢を含む東アジアの安全というものは変化しているわけでございます。 そうした中で、どのような日本が安全保障の政策を取っていくか。やはり日本と、日米韓、この同盟関係は必要であり、これからもこれを続けていくわけでありますけれども、日韓の関係が変質している、そうした中で、この安全保障政策、どのように進めていかれるのか。総理の御決意をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府の最も重大な責務は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことであります。これは独立国家として第一義的に果たすべき責任であり、自らの主体的、自主的な努力によってその責任を果たしていくことが安全保障の根幹であります。 今、国際社会のパワーバランスは大きく変化しつつあり、我が国を取り巻く安全保障環境は、朝鮮半島を始めとする東アジア情勢を含め、格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しています。こうした中、日韓関係は現在非常に厳しい状況が続いておりますが、韓国との間では、北朝鮮問題を始め、連携すべき課題についてはしっかりと連携していくことが重要であります。 朝鮮半島の非核化に向け、今後とも、日米、日米韓で緊密に連携をし、そして、中国、ロシアを始めとする国際社会と協力をしていく考えであります。 また、中国は、我が国周辺海域で軍事活動を拡大、活発化させています。このような中国の軍事動向等については、国防政策や軍事力の不透明性と相まって、我が国を含む国際社会の安全保障上の強い懸念となっており、今後も強い関心を持って注視する必要があります。 同時に、日中両国は、地域の平和と繁栄に大きな責任を共有しており、昨年秋の訪中の際には、習近平主席との間で互いに脅威とならないことを確認しています。政府としては、完全に正常な軌道へと戻った日中関係を新たな段階へと押し上げていく考えであります。 このような我が国を取り巻く安全保障環境の現実を踏まえ、政府は、昨年末、新たな防衛大綱を策定したところであり、新たな大綱の下、従来の延長線上ではない真に実効的な防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を図っていく考えであります。 今後とも、安全保障の現実から目をそらすことなく、真っ正面から向き合い、国民の命と平和な暮らしを守り抜いていく決意であります。
○北村経夫君 ありがとうございます。その強い決意を総理からお聞きすることができました。 それでは、いろいろな問題について触れたいと思っております。 防衛計画大綱でございます。昨年の暮れに防衛大綱が改定されました。それによると、我が国の防衛における基本概念として、多次元統合防衛力、これに基づく領域横断、クロスドメイン作戦というものが打ち出されたわけであります。 現代の戦争というのは、情報技術の進展などに伴って、従来のそれとは一線を画すようなそういう時代に入っているわけでありますけれども、例えば二〇一四年、クリミア併合、ロシアによって行われたわけでありますけれども、あのときは情報操作、政治工作、経済的圧力といった非軍事手段、そして電磁波作戦などを組み合わせるハイブリッドな戦いが現実なものとなりました。あのときは、ロシア軍が入っていくときに情報が遮断されて、NATO軍はなすすべもなかった、そういうようなハイブリッド戦争が起こったわけであります。 戦争は、これまで国家が堂々と宣戦布告して始まるものであったわけでありますけれども、この時代は、今の時代は、いつ始まったのか分からないうちに始まって、最悪の場合は知らないうちにもう終わっていたと、そういう時代になっているわけであります。こうした現実を踏まえた対応、今般の防衛計画大綱の見直しは私は高く評価しております。 一方で物足りなさというものもあるわけでありますけれども、最初から私はお願いをしたいのでありますけれども、それは今回の防衛大綱の見直しにおいて、併せて国家安全保障戦略、この改定が行われなかった。日本には戦略三文書というものがあります。国家安全保障戦略、そして防衛大綱、中期防衛力整備計画というものがあるわけでありますけれども、その防衛大綱の上位概念である国家安全保障戦略というものが今回行われなかった。 今の国家防衛戦略というのは平成二十五年、五年以上前に作られたものであります。この五年間において大きな様々な情勢の変化というものが起きているわけであります。そして、五年前と政権が違うというのは、やはりこの国家安全保障戦略の中には韓国というものが記述されていない。当時の政権とは今は替わっているわけでございます。 そうした大きな変化が現出している中、やはり早期に見直すべきだというふうに思っておりますけど、御所見を伺います。総理大臣に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権においては、我が国初となる国家安全保障戦略を策定するとともに、司令塔として国家安全保障会議を設置し、安全保障や危機管理上の課題に前例にとらわれず取り組んでまいりました。 委員から御指摘のとおり、国家安全保障戦略の策定以降、数多くの重要な変化があり、現在も日々情勢は変化をしています。このような国際情勢を踏まえ、国家安全保障会議において関係閣僚の間で幅広い情勢分析、評価を続けているところであります。同時に、与党でも精力的な御議論をいただいた結果、昨年末、我が国防衛の指針であり、陸海空自衛隊の在り方などを定めた防衛計画の大綱の見直しを行ったところであります。 他方、国家安全保障戦略は、我が国の掲げる理念や我が国の国益といった、我が国の安全保障に関する大枠の方針を示したものであります。昨年、内容のレビューを行ったところでありますが、今回は国家安全保障戦略の下で防衛力の強化に注力することとしたものであります。 政府としては、引き続き、変化する国際情勢の分析、評価を続け、我が国の将来の安全保障の在り方について閣僚間で緊密な議論、検討を行っていく考えであります。 また、委員御指摘のとおり、複合的な危機に際して、政府として迅速に対応することは極めて重要であると考えております。国家安全保障会議のうち、中長期的な外交防衛政策の議論を行う四大臣会合においては、案件に応じて四大臣以外の閣僚も出席をさせ、平素から先を見通した幅広い議論を行ってきているところでございます。 また、実際の危機に際して開催する緊急事態大臣会合については、事態に即応した柔軟かつ機動的な対応が特に重要であると考えています。このため、事態に応じて議長である私が出席閣僚を機動的に指名することとしています。 また、複合的な危機をはらむ、危機を含む様々な事態を想定したシミュレーションも行っているところであり、危機管理に遺漏のないよう不断の見直しを行い、万全を期してまいりたいと思います。
○北村経夫君 今総理は不断の見直しを行っていきたいというふうに述べられました。是非そのことをお願い申し上げます。 次に、防衛省・自衛隊の組織においても、こうした高度なクロスドメイン作戦に当たりましては、いろいろな意味、形で見直しが必要であろうかというふうに思っております。 その一つに、常設の統合司令部、統合司令官の設置、このことが私は今の時代必要かと考えておりますけれども、いかが、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(岩屋毅君) 自衛隊の運用につきましては、先生御案内のとおり、これまでも陸海空自衛隊を一元的に運用する統合運用体制を取ってきております。また、統合幕僚監部の機能強化を進めてまいりました。 新たな中期防におきましても、統合幕僚監部において、自衛隊全体の効果的な能力発揮を迅速に実現できる効率的な部隊運用体制を強化するというふうにいたしております。具体的には、統合幕僚長による防衛大臣に対する軍事専門的見地からの補佐、それと効率的な部隊運用、この両方を、双方を両立させる体制を構築する観点から、統合幕僚長と統合幕僚副長との間の適切な役割分担を見直していく、それから事態発生時における統合幕僚長を支える体制について検討するということにいたしております。 また、これらに加えまして、将来的な統合運用の在り方として、新たな中期防期間中に強化する統合幕僚監部の体制を踏まえつつ、大臣の指揮命令を適切に執行するための平素からの統合的な体制の在り方について検討し、結論を得るということといたしております。この検討に際しましては、防衛大臣による指揮やその補佐の在り方、自衛隊内の部隊意識の在り方等について、既存の司令部に屋上屋を架すことのないよう留意しつつ、必要な機能や効率的な指揮命令系統をどのように確保するかという課題をしっかり検討してまいりたいと考えております。
○北村経夫君 ありがとうございました。 次に、隣接する現実の脅威というものについて御質問したいと思います。 今日は冒頭から防衛について質問しておりますけれども、これは我が国の主権を侵す可能性が極めて高い脅威が巨大化しているからであります。アメリカの戦略文書あるいはペンス副大統領の演説を引き合いに出すまでもなく、我が国の安全保障にとって目下最大の脅威というのは、率直に申し上げて、私は中国なんだろうというふうに思っております。 近年の中国は、人民解放軍に海外権益の確保を求めているため、その軍拡は同国の領土の外で進んでおります。例えば、一万人体制の海兵隊の規模を来年、二〇二〇年までに三倍に拡大する。海洋分野の軍拡が急激に進められているわけであります。また、宇宙、サイバー、その重要性も強調しております。 総理は、昨年、七年ぶりとなります単独訪中をされました。習近平主席との日中首脳会談が実現したわけでありますけれども、この十月二十六日、習近平主席は午前中どこにいたかでありますけれども、あの南方を視察いたしまして、あらゆる事態に備えよと人民解放軍に号令を出しております。そして、その南方から帰って、安倍総理との首脳会談に臨まれたわけであります。次の日の中国のメディア、大きく掲げていたのは、日中首脳の雪解けではなく、この南方での習近平の発言、これが大きく取り上げられているわけであります。 つい先日でありますけれども、香港経済日報という新聞、これがスクープした習近平主席の言葉がございます。これは二十一文字の漢字で書いたものであるわけでありますけれども、その内容は、対抗せず、冷戦を戦わず、歩みに即して開放し、国家の核心的利益は譲らずと書いてあります。これは、米中対立が激化する中で、中国は戦略的後退をするというふうな戦略がここに描かれているんだろうというふうに理解されているわけでありますけれども、こういうこともありまして、やはり我々は、そう簡単に、日中友好というものを進めていく、それだけである、その裏にどういうことがあるかということも認識しておかなければならないと、そのように思っております。 こうした情勢であるにもかかわらず、新たな大綱では、北朝鮮を重大かつ差し迫った脅威と、そう呼んでおりますけれども、中国については安全保障上の強い懸念と表現しているわけであります。北朝鮮は脅威で中国は懸念ということであります。そのことを私は、やはり中国も脅威である、両方脅威であるというふうに書き込むべきであったというふうに思っているわけでありますけれども、この資料二を御覧いただきたいと思います。 この資料にありますように、中国海軍の艦艇、航空戦力、これは我が国周辺区域における行動を一方的にエスカレートをしております。空母、二隻目の空母、これは純国産になりますけれども、今試験航行中でありまして、三隻目も進水を予定しております。 そうした中で、昨日は中国全人代で今年の予算を明らかにいたしました。その中で、経済が低迷している中国経済でありますけれども、国防費、これは前年比七・五%増ということになって、日本円にしまして十九兆円という巨額な額になっているわけでございます。これは世界第二位の軍事費ということ、国防費ということになるわけでありますけれども、同時に、習近平主席は世界の一流軍隊になると。これは建国、二〇四九年までにそういうことを目指すということを公言しているわけでありますけれども、こういった中国の脅威というものがある。その脅威に対してどういう認識を持っていらっしゃるか、防衛大臣、御見解を伺います。
○国務大臣(岩屋毅君) 今先生示していただいたように、中国軍の最近の動向を見ますと、第一列島線を抜けて太平洋側に進出するという活動が非常に活発化しております。 それから、今も予算のお話がありましたが、中国の公表国防費は過去十年間で二・五倍、過去三十年間で四十八倍に増加しております。予算の内訳なども詳細が公表されていない上に、公表されている国防費に関しても軍事予算の一部にすぎないという指摘もございます。 また、核・ミサイル戦力、海上・航空戦力を中心に軍事力の質、量を広範かつ急速に強化してきております。また、新たな領域、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域における能力も非常に向上しており、いわゆるゲームチェンジャー技術の開発にも注力しているというふうに見ております。 こういった中国の動向が国防政策や軍事力の不透明性とも相まって、我が国を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念となっていると考えておりまして、これまでも注視してまいりましたが、これからも強い関心を持ってその動向を注視していきたいと考えております。 一方で、総理が訪中されまして、お互いに脅威にならないという話をしていただきました。中国に対しましては、こういった懸念を踏まえた上で、地域や国際社会においてより協調的な形で積極的な役割を果たすことを強く期待もしているところでございます。 したがって、我が国は中国を脅威であるとは位置付けてはおりません。そもそも特定の国を対象として我が国の防衛政策を構築するという発想には立っておらないところでございます。 その上で申し上げれば、今先生おっしゃったハイブリッド戦につきましては、軍事と非軍事の境界を意図的に曖昧にした現状変更の手法でありまして、非常に複雑な対応を強いられるものというふうに考えております。 したがって、防衛省・自衛隊のみならず、政府一体となった取組が必要であると考えておりまして、新たな大綱で示されている政府一体での取組、地方公共団体、民間団体等との協力を可能とするような総合的な防衛体制を構築していくことなどを通じて、複雑な状況への対応についても万全を期してまいりたいと考えております。
○北村経夫君 ありがとうございます。 私は、この国防、防衛について国民の皆様の理解を得るには、やはり中国の脅威というものをもう少し知っていただく必要があるんだろうというふうに思いまして、その観点から今質問をさせていただきました。 次に、情報通信技術、このことについて質問をさせていただきたいと思います。 安倍総理は一月のダボス会議で、二十一世紀の石油と言われるデータの取扱いについて、データ流通圏の構築を提唱されたわけであります。その際、データ共有の条件に自由と信頼を求め、多国間の枠組みをつくることを目指されたものと聞いておりますが、これはまさにデータ流通が経済の域を超え、安全保障の根幹に関わることになるとの御認識からではないかというふうに思っているわけであります。 この先、我が国として、どのような国との間でどのような分野で流通圏を、データ流通圏を築いていくのか、是非戦略を伺いたいと思います。特にアメリカと中国、この二極化しているわけでございますけれども、それぞれどのようなスタンスで臨んでいかれるのか、御所見を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二十世紀は石油、原油をめぐる熾烈な争い、戦いが行われたわけでございますが、現在はAI、IoT、ビッグデータが世界を一変させようとしている時代でありまして、データこそが新しい付加価値の源泉であり、データをめぐって熾烈な争奪戦が世界で繰り広げられています。ソサエティー五・〇時代のイノベーションを促すためには、プライバシーやセキュリティーは適切に保護しながらも、透明性が高く、公正なルールの下、自由にデータが流通する環境整備が必要であります。 安全保障の観点からも、国際的に共通の互恵的なルールを作り上げていくことが必要です。そうした観点から、先般のダボス会議で私から、データ・フリー・フロー・ウイズ・トラストという考え方を提唱しました。G20大阪サミットの機に、その国際的なルール作りに向けた大阪トラックを開始し、WTO改革への流れを力強く後押ししていきたいと考えているわけでございまして、この考え方を表明したところであります。 この御指摘のとおり、EUとは既に個人情報の保護について相互に十分性を認定し、データの自由な流通を保護する、自由な流通を促進する枠組みをつくり上げてきたところでありますが、自由な国際データ流通網を世界に広げていくためにはできるだけ多くの国々とともにルール作りを進める必要があるわけでございまして、ある特定の一国のみがデータを独占する、そのことによって、競争において、この第四次産業革命の時代において相当優位な立場に立つことがないようにしなければならないわけでありまして、そのためにも、まさに公正なルールの下に自由な流通が必要であろうと。そのルール作りのスタートをG20大阪サミットからスタートさせたいと、こう考えています。 そうした観点から、ダボス会議の私のスピーチの直後に、米国や中国を含む七十六のWTO加盟国とともに、交渉開始の意思を確認する共同声明を発出したところでございました。先般来日をされたメルケル首相とも、日本とドイツ、またあるいは日EUがしっかりとリーダーシップを取っていこうと、そして、米国、中国とともにG20でそうしたルール作りをスタートしたいと、こういう意思確認をしたところでございます。今後、大阪トラックのスタートに向けて各国の理解を更に深めていきたいと思います。 G20の議長として、日本が先頭に立って国際的な新たなルール作りをリードしていく考えでございます。
○北村経夫君 このデータ流通圏の構築というのは、やはり我が国にとっても死活的な問題になってくるんだろうというふうに思いますので、是非、G20の開催に向けて前に進めていただきたいと、そのように思っております。 それでは次に、技術、技術者の流出防止、そういう技術者の育成問題について質問したいと思います。 安全保障や中国製造二〇二五などについて、中国の脅威についてこれまで述べてまいりましたけれども、その底流には、中国の技術力の飛躍的な進化という要因があるわけであります。これは、中国が経済力を蓄えるに従って自国の技術力を高めるため、技術者や専門家、これを戦略的にかき集めているわけであります。 ウミガメ政策というものがございます、中国。海外に出ていって、しっかりと学んで、そして卵を中国で産むという。留学生などを海外から帰国させて、研究者、起業家として活躍させようとしている、このウミガメ政策がございます。そして、各分野の一線級の研究者を呼び込むという千人計画というものもあるわけであります。さらに、二〇一一年からは外専千人計画、これは外国人向けのプログラムを稼働して、アメリカや日本、ドイツなどから外国籍の人材を中国に招請しているというようなことが起きているわけであります。 こうした外国政府による戦略的な人材流出、そういった働きかけ、我が国としても守りを固めなければならないと思っております。 例えば、アメリカ政府においては、この千人計画を知財、技術侵害の脅威と認定して、違法行為を厳格に監視し、そして摘発しているわけであります。大統領補佐官のピーター・ナバロ、ピーター・ナバロ大統領補佐官が、その対抗策として軍事産業基盤の包括的見直しという報告書をまとめました。その中において触れているのは、人材を育成するため、科学技術、数学の教育を発展させる中長期の方針をこの戦略の中、方針の中で示しているわけであります。 我が国もまた、こうした海外から研究者を呼び込む攻めの取組というものも必要になっているのではないかと私は思うのでありますけれども、これについて政府の御見解を伺います。
○国務大臣(平井卓也君) 私も先生と同じ問題意識を持っております。 我が国が国際競争を勝ち抜くためには、イノベーション創出の担い手である人材の育成や魅力的な研究環境を整備して世界中の優秀な人材を引き付けるとともに、厳格な技術管理が必要だと考えています。 そのため、人材育成や魅力的な研究環境の整備に向け、関連省庁と連携して、世界に通用するグローバルトップのAI人材育成など優秀な人材の育成確保、また、世界中から第一線の研究者を結集させる取組として世界トップレベルの研究拠点プログラム、WPIによる国際研究拠点の形成支援、将来顕在化するであろう困難な社会課題の解決等を目指すムーンショット型の研究開発制度の構築、さらに、将来のイノベーションの担い手である若手の活躍支援として、国立大学における人事給与マネジメント改革等を進めるとともに、科学研究費補助金の大幅な拡充による若手研究者への重点配分や海外で研さんする機会の拡充などの取組、もちろん、最近企業と大学の中での連携が強くなっているので、そのオープン・クローズ戦略も確実に進めていきたいと思っています。 一方で、技術流出防止という観点からは、日本企業や大学が保有する技術が安全保障上機微な技術に当たる場合、その厳格な管理をすべく、輸出管理の罰則の強化などを盛り込んだ改正外為法を平成二十九年十月に施行したところです。また、不正競争防止法では、営業秘密について、国内外の不正取得、不正使用などに対する民事や刑事の措置がある上、海外使用等の場合には通常より重い罰則を設けているところです。 いずれにせよ、そのイノベーションエコシステムを機能させつつ、厳格な技術流出防止のために全力で努めてまいりたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 北村君、時間が来ておりますので。
○北村経夫君 分かりました。 経産大臣と文科大臣に質問を用意しておりましたが、申し訳ございません、時間となりました。大変失礼しました。 私は、最後に憲法改正問題について触れさせていただきます。 これだけ激甚災害が起こり、国防上の緊張が高まっている今日、国会で緊急事態条項の新設の議論がいまだに盛り上がっていない。そして、国家の在り方を考えるにも、国民の間に憲法について考える機運を盛り上げることが我々国会議員の責務であろうかというふうに思っているわけであります。 憲法審査会、ほとんど先国会から開けておりません。国会発議に至ることはかなっていないわけでありますけれども、やはり国会で議論して、国民の間に憲法を考えるという機運を盛り上がるはずもないわけでありまして、国家の将来を考える上でも、憲法改正の議論の重要性を大変最後に強調いたしまして、私の質問を終えさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で北村経夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、太田房江君の質疑を行います。太田房江君。
○太田房江君 自由民主党の太田房江でございます。今日は質問の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。 質問に先立ちまして、私もここにオレンジリボンを付けさせていただきました。全国でテレビやラジオを聞いていらっしゃる方々、少し聞いていただきたいと思います。 昨年の目黒区の事件、そして今年の千葉県の野田市の事件、いずれも大変痛ましい事件でございました。このような事件が後を絶たないことに、私どもみんな胸を痛めております。そして、二度とこうしたことが繰り返されないように、子供たちの命を守るのは私たち大人全員の責任、社会の責任という強い決意の下で、党としても、政府関係機関と一丸となりまして対策を講じてまいります。もしも虐待かもと、こういうふうに思われたときには、先ほども御紹介しましたけれども、一八九、一八九番にためらわずに電話をしていただきたいと思います。 オレンジリボン運動を通しまして、子供が虐待で命を落とす事件が後を絶たないという現状をまず知っていただきたい、それとともに、この問題に関心を持っていただくことで、子供たちへの虐待のない、そういう社会を築いていきたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、統計に関する問題であります。統計に関わる課題につきましては、かなり以前から指摘がなされておりました。実は、平成九年の橋本行革のときにも、行政改革会議の最終報告でこの統計の問題が取り上げられております。 今回の不祥事を契機といたしまして、我が国の統計については、作成に携わる人員が少な過ぎるのではないかとか、関連の予算が少額なのではないかというふうなネガティブな評価ばかりが聞かれますけれども、政府がこの間統計改革に向け様々な取組を行ってきたことは、余り知られておりません。 一例を紹介いたしますと、一昨年の平成二十九年には官房長官を議長とする統計改革推進会議を立ち上げまして、諸外国の事例等も参考に、EBPM推進体制の構築、あるいは人員、予算など、統計行政部門の構造的な問題などについて改革の方向性を取りまとめておられます。こうした地道な取組が進む中で今回のような不祥事が起こりましたことは大変残念でありまして、徹底的にうみを出す必要があります。 EBPMとは証拠に基づく政策立案という意味でありますけれども、要は、担当者の直感や経験則といった曖昧な基準によるのではなくて、政策手段と効果に関するエビデンスに基づいて政策立案を行おうというものであります。 私自身、経済産業省に在籍をしておりました頃に、産業構造の長期ビジョンという産業別の長期見通しを行う作業に携わったことがございます。当時はエネルギー多消費型から省エネ型への産業構造の転換ということを目指していたわけで、これを申し上げますと年がばれますけれども、そのときに各種統計の駆使をもうさんざんいたしました。ただ、上司から、どの統計、どういう統計の使い方、あるいは正確性の問題についてエビデンスを強く求められたという記憶がございます。だからこそ、良い政策立案が行われて社会に受け入れられていったのだと思います。 今回の不適切な事案は、EBPMにおける証拠についての透明性、説明責任、これが果たされてこなかったからではないでしょうか。厚労省の責任感の欠如が甚だしかったということで、官邸へのそんたくなど全く関係ありません。EBPMの推進体制構築にはいま少し時間が掛かりますけれども、その考え方自体は活用していく必要があります。 このEBPMの考え方を毎月勤労統計調査の改善にどのように生かすおつもりか、厚労大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(根本匠君) 委員のお話のように、EBPMが一層重要性を増す中で、常に正確性が求められる政府統計について、今般の事案を引き起こしたことは極めて遺憾であり、国民の皆様に御迷惑をお掛けしたことを深くおわび申し上げます。 そして、我々、委員からも御指摘がありましたが、次の三点を柱とする改革案の策定に早急に取り組みたいと思っております。一つ目は、統計に関する認識、リテラシーの向上。例えば、全職員に対する統計研修の実施や、他府省や民間の統計専門家などとの人事交流等が考えられます。二つ目は、統計業務の改善。統計の調査内容の正確な公開や利用者の視点に立った統計の見直しなどが考えられます。三つ目は、組織の改革とガバナンスの強化。統計に対する外部有識者の視点の強化や民間人材の活用、内部組織の強化などが考えられます。 厚生労働省として、統計に対する姿勢を根本から正し、御指摘の点を含め、再発防止を徹底するとともに、私が先頭に立って厚生労働行政の重みに対応したしっかりとした組織のガバナンスを確立してまいります。
○太田房江君 ありがとうございました。是非頑張ってください。 次に、私の地元大阪の諸課題についてお伺いをいたします。 まず、大阪・関西万博についてです。ここでは、改めて安倍総理と世耕経産大臣にお礼を申し上げたいと思います。 昨年十一月二十三日、パリで開催をされました博覧会国際事務局、BIEの総会で、二〇二五年の大阪・関西万博の開催が決定をいたしました。ロシアとアゼルバイジャンといういずれも自国での初開催を売りといたしました二か国との争いに、見事日本が、大阪、関西が万博誘致を獲得したわけでございます。 政府、地元自治体、そして経済界のオールジャパン体制での誘致活動が功を奏したわけでありますけれども、この私自身も在京の大使館を幾つも回りまして、大使に直接支持をお訴えいたしました。御尽力をいただきました経済産業省、外務省、そして各国に出かけていったたびに折に触れて万博に対する熱い思いをお伝えいただいた安倍総理に対して、心よりお礼を申し上げます。 大阪・関西万博の決め手となったのは、私は最終のプレゼンテーションではなかったかと思っております。壇上に立たれました世耕大臣のスピーチ。大阪市には千百二十四軒のすし店があるのです。そのうち個人オーナーのお店、どことも違う独特のお店は七百五十もあります。何十という数では利かないほどのカラオケのお店もあります。大阪、関西には全てがあるのです。皆さん、うんと楽しんで大いにやりましょう。このようにおっしゃっていただきました。ありがとうございます。 そして、最後に総理もビデオに登場いただきました。大阪、関西は、楽しいところ、わくわくするところ、これが全世界に向かって発信をされたと、こういうふうに思っております。それが最後の投票行動につながったのだと。本当にありがとうございました。 先月二十三日には、二階幹事長を本部長といたします大阪・関西万博推進本部を新たに設置をいたしまして、これは党でございますけれども、引き続いてしっかりとした体制で万博の準備を行っていこうという決議もいたしております。これからは大阪・関西万博の成功に向けて邁進をしていかなくてはなりません。 ところで、このようなときに、大阪では、本来十一月に行われるはずであった知事、市長選のダブル選挙、これが統一地方選に合わせて四月に前倒しするという動きが出てきております。大阪市を廃止して特別区を設置する大阪都構想をめぐって、既に二〇一五年五月に実施をして否決をされた住民投票について、これをもう一度やる、いつやるかということについての議論がまとまらず、知事、市長が辞職をして四月に出直し選挙をやると、こういうものでございます。万博の成功に向けて皆が一致結束をしなくてはならないときに、まあ、これを分断するような動きとも取れるわけで、これについては少し残念な思いがしております。 二兎を追う者一兎も得ずということわざもございます。実際、万博推進のための事業と大阪都構想、さらにIRの整備という巨大な三大事業を同時期に手掛けると、こういうことになりますと三兎を追うということにもなるわけでありまして、財政も大変厳しい中、特に財政面への影響などを含めまして、私は懸念なしといたすところがあるのではないかと思います。三兎を追うということになるわけですから、私どもも一生懸命やってまいりますけれども、十分な注意を払う必要があると、こう思うわけです。 ところで、政府はこうした今の大阪の状況についてどのように御覧になっているでしょうか。総務大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(石田真敏君) 御指摘ありましたように、大阪府、大阪市におきましては、二〇二五年の大阪・関西万博の開催に向けた準備が進められていると承知をいたしておりまして、この万博につきましては、それを成功させるために政府、自治体、経済界が一体となってオールジャパンで準備を進めることといたしております。 また、IRにつきましては、昨年七月に成立をいたしました特定複合観光施設区域整備法を踏まえまして、大阪府、大阪市においてIRを核とした国際観光拠点の形成を目指し、IRの誘致実現に向けて取り組んでおられると承知をいたしております。 なお、いわゆる大阪都構想につきましては、大阪府と大阪市で協議が行われているところでございますが、万博開催やIR誘致と併せて都構想を推進する場合には、大阪府、大阪市への財政運営に与える影響も含めて、地元において十分に議論されるものと認識をいたしております。
○太田房江君 しっかりと見守っていただきまして、必要なときには御助言等をお願い申し上げたいと思います。 ところで、この万博の開催場所、大阪のウオーターフロントに造られる人工島、夢洲でございます。万博開催中の百八十五日間で二千八百万人が訪れると、経済効果は二兆円ということでありまして、国家プロジェクトの名にふさわしいものであると考えます。 ただ、これを夢洲周辺だけに一時的なイベントとして終わらせてはなりません。政府の資料でも、開催地である大阪・関西のみならず地域経済を活性化する起爆剤とするというふうにはっきり書かれております。もっと広がりを持たせ、もっと効果が持続する、そういう国家プロジェクトにしないといけない、こう思います。 例えば、万博に来られた世界からのお客様が北海道に足を延ばす、由布院や別府の温泉を楽しんで帰る、こうした取組が万博を地域経済活性化の起爆剤とするということにつながると思います。 また、万博終了後のパビリオンをインキュベーター群として活用して、アジアを始め多くの人材が集まる新産業拠点にする。世耕大臣は、J―Start構想というようなことも唱えられておられますけれども、まさにO―Start構想、大阪、O―Start構想などにつなげていくアイデアもあるんではないでしょうか。 万博の効果がより広域に広がり、持続的な発展に結び付けられるかどうか、これが大切な鍵になってくると思います。経産大臣のお考え、いかがでございましょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 太田房江議員におかれては、大阪・関西万博の誘致活動では本当に多大な御貢献をいただいたことをまず心から御礼を申し上げたいと思います。 今回、私も誘致活動に携わっていて、非常に決め手になったのは、太田房江大阪府知事時代のレガシーだと思います。 それは、関西空港の二本目の滑走路、これを当時、二本目なんて要らないんじゃないかというのが割と日本全体の意見だったわけですが、当時、太田府知事のリーダーシップで、やはり地元としてこの二本目の滑走路が必要だということをきちっと言っていただいた。やっぱり滑走路二本ないと、世界からのお客さん、なかなか受け入れられない。各国にアピールするときに、やはり二本目、二本の滑走路がある国際空港あるんですよということも非常に大きなアピールポイントだったというふうに思っております。 今また御指摘のように、やはり全国に広がりのある万博にしたいというふうに思っています。それは単に観光地としてだけではなくて、今回は「いのち輝く未来社会のデザイン」というのがテーマになっています。まさに、健康、医療とか気候変動への対応とか貧困への対応とか、そういったことを世界中の皆さんが集まってきていろいろどうやって解決していくかというのを共に考えていく万博であります。 そういう意味では、この夢洲の会場に閉じるのではなくて、全国でそういう取組や研究をやっている拠点というのはたくさんありますから、そういったものをネットワークするような万博にできればなというふうに考えています。 また、レガシーも残していかなければなりません。今、太田さんは、例えばStartupのインキュベーション施設として残してはどうかという御提案をいただきました。ただ、その建物が百八十五日で取り壊すことを前提にするのと恒久的に建てるのではやっぱりコストが一・五倍から二倍ぐらい違うという話もありますので、その辺はよく費用と効果も見ながら、でも、やはりあの万博でこういうものが残ったねということが後世に胸が張れるような万博にしていきたいというふうに思っています。
○太田房江君 世耕大臣、大変ありがとうございます。過分なお言葉も頂戴をいたしまして、感動いたしております。 もう一つ、万博をきっかけにして、日本に来てみよう、関西で勉強してみようと、こういうアジアの若者も増えてくるんではないかと、こういうふうに思っております。 関西留学生国際交流支援連絡会の代表幹事千田忠司さんという方がおられますけれども、十年以上前からアジアに注目をされておられまして、若い留学生の企業への橋渡しなどのサポートにも熱心に取り組んでこられました。こうした民間の力を最大限活用しながら、アジアからの留学生の受入れ、就職などへの取組、こういう機会に積極化していただきたいと、私はこのように思っておりますので付け加えさせていただきます。答弁は結構でございます。ありがとうございます。 次に、インバウンド消費による経済効果につきましてお伺いをいたします。 法務省のデータによりますと、二〇一七年に関空を経て我が国を訪れた外国人は七百十六万人、近年は特にアジアからのお客様が増えているということであります。 こうしたインバウンド増加の経済効果は大変大きくて、日銀大阪支店が二〇一九年一月にまとめたリポートによりますと、関西でのインバウンド消費額は二〇一七年度に一・三兆円と、こういうことで、内訳は買物が多くを占めております。日銀のレポートでは、二〇一五年度から二〇一七年度までの関西の年平均成長率、これは一・七%ということなんですけれども、実にこのうちの〇・二%がインバウンド消費の経済効果ということでございました。関西経済にいかにこのインバウンド消費が貢献してきたかが分かるわけです。 ただ、ここに来て、一つちょっと気になることがございます。それは、今年一月に中国で施行された中国電子商取引法であります。中国で電子商取引が規制をされ、日本でまとめ買いをした商品を転売しにくくなっていて、一月になってからは、百貨店だけではなく、おむつや化粧品などの一部の商品も売上げが大きく落ちてきていると、こういうふうに聞いております。新聞では爆買い失速などという見出しも出ておりますけれども、実際、関空に出入りをしております地元泉佐野市の業者さんからお伺いをいたしますと、お土産用に使った段ボールとかあるいはスーツケースの数が昨年末ぐらいから格段に減ってきたと、こういうふうな声も聞かれております。 インバウンド消費、多くの数字が達成をされる中でこの消費額だけは達成できていないという指摘が昨日も堀井委員の方からございました。インバウンド消費によるこれまでの経済効果とこれからの見通しについて、政府はどのように見ておられるでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年、日本を訪れました外国人観光客は三千万人の大台に乗りまして、その消費額は四兆五千億円となるなど、観光は地方創生の核となる一大産業となりました。関西地方につきましても、外国人旅行者が大幅に増加をし、地域経済が活性化しているものと認識をしております。 委員御懸念の訪日中国人による消費額についてでありますが、二〇一五年頃に買物代を中心に急拡大をいたしましたが、その後は買物から事消費への関心の移行など、中国人の消費行動に変化の動きも見られているところでございます。 中国人による買物消費につきましては、本年一月には一部落ち込みがあったものの、二月には回復してきているといった事業者の声もございまして、引き続き動向を注視してまいりたいと思います。 〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕 今後とも、二〇二〇年訪日外国人旅行者数四千万人、旅行消費額八兆円という目標の達成に向けまして、明日の日本を支える観光ビジョンに基づき、決済環境の整備や地域固有の自然や文化を活用した体験型観光の充実といった各種施策を政府一丸、官民一体となって更に推進してまいりたいと考えております。
○太田房江君 観光産業は、もうこれからの日本の基幹産業でございます。特にインバウンドの消費というのは日本がこれから大きく期待するところでもございますので、どうぞよろしく、注視をしつつ、目標達成に向けてお願いを申し上げます。 さて、海外からの方を受け入れる空の玄関、先ほど世耕大臣にも御指摘をいただきましたけれども、関空に関連してお伺いをいたしたいと思います。 言うまでもなく、関空は、関西国際空港は羽田、成田と並ぶ日本の基幹空港であります。昨年の台風二十一号で一時壊滅状態に陥ったあの関空でございますけれども、政府の早急な御対応もございまして、思いのほか早く復旧ができました。二〇〇七年に完成をした二本目の滑走路ができていたからこそということもございまして、滑走路が一本しかなかったならば、それが壊れたら終わりという状況もあったわけで、基幹インフラというのは、やはりリダンダンシー、余裕というのが必要だなというふうに痛感いたしたところでございます。 実は、この二本目の滑走路、先ほども御指摘をいただいて恐縮でございましたけれども、私が大阪府知事時代に造ったものでございます。二〇〇七年に完成をいたしました。もちろん私が造ったわけではなくて、多くの方の御協力をいただいてのことでございますけれども、当時は、言いたかったことは、当時は公共工事無用論が渦巻いておりました。二〇〇〇年代でございます。このときに、関空の二期工事も無駄だ、不要だとさんざん言われました。そして、空港のような、空港のような基幹インフラには緊急時に備えて余裕や重複があるリダンダンシーというのが必要だということを一生懸命主張させていただきまして、いろいろな批判もあった中、当時の塩川正十郎財務大臣にも心からお訴えをした上でようやく実現をしたのがこの二本目の滑走路であったわけでございます。 最初は赤字ということもございましたけれども、この二本目の滑走路が二十四時間化を達成いたしまして、それがその後のLCCの飛来、インバウンドの増加に結び付いていった、そしてまた大阪・関西万博決定にも大きな寄与をしたと、このように考えております。そういう意味で、関空の二期工事は私の大阪府知事時代の一番大きな仕事であったと、こう思っております。ありがとうございました。 安倍総理は、施政方針演説で、外国人観光客四千万人時代を迎えるに当たって、これからも空港の発着枠を拡大することで観光立国として発展をしていくという決意を述べられております。関空もその拠点の一つとしてしっかりと位置付け、ハブ機能を更に強化させていきたいと思います。 私は、北陸新幹線、これはまだこれから工事に掛かるわけでございますけれども、この北陸新幹線を新大阪まで早期に開業する、そしてその北陸新幹線を関空まで延ばしてくる。これは我が党の西田昌司議員が常におっしゃっておられることでございますけれども、こうした縦割りを超越した空港と新幹線との直結、こういった発想を含めてハブ機能の強化を大胆に進めるべきではないかと、こういうふうに考えます。リニア中央新幹線の三兆円の融資というのも実現していただいた安倍内閣でございます。これからの大胆なハブ機能の強化ということについても御英断を賜りたいと、こう思っておるところです。 また、昨年の台風二十一号で関空が浸水をした際には、八千人もの人々があの関空島の中に閉じ込められてしまいました。この中には多くの外国人、アジアの方々も含まれていたことは皆様御承知のとおりでございます。こうした災害に備えての危機管理機能。あのときには、自家発電機が地下にございましてすぐ電気を送れなかったというようなこともございましたし、それからまた、空港島が使えなくて緊急物資が輸送できなかったと。実際に一晩を過ごした方々のお声を泉佐野で私、聞かせていただきましたけれども、内情は大変なものがあったというふうにも聞いております。 こういった危機管理機能というものも、これからハブ機能を担う空港その他には必要になってくるのではないか。いつ何が起こってもしっかりとハブ機能を維持できる、そういう状況をつくっておくことも大切ではないかと思います。インバウンド四千万人時代にふさわしい、関空を始めとするハブ機能強化の在り方について、総理はどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本を訪れる外国人観光客は昨年、とうとう三千万人を突破したところでありまして、三千万人台の大台に乗りました。中でも、関西の空の玄関口である関空につきましては、着陸料の割引やLCC専用ターミナルの整備などを積極的に進めた結果、と同時に、先ほど世耕大臣が述べましたように、太田府知事時代に、大変困難な決断だったと思いますが、まさに第二滑走路をしっかりと進めていくという大きな決断をしていただいた結果、それも合わせて、この六年間で百七十九万人から七百六十五万人、四倍強に増えたわけでございます。まさに、当初は赤字であっても未来を見据えた決断をしていただいたと、こう敬意を表したいと思います。 外国人観光客四千万人時代を見据えて、関西を始めとする国際拠点空港において、発着枠の拡大や国際観光旅客税も活用したCIQ施設の充実などにより、世界と日本とをつなぐハブ機能を強化をしてまいります。また、関空と新大阪駅や大阪都心を乗換えなしで移動できるなにわ筋線の整備を支援するなど、空港へのアクセス改善にも努めていく考えであります。 〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕 昨年九月、台風により関空は甚大な被害を受けました。官民を挙げて復旧に努め、一か月後には本格的な運用に回復し、現在、旅客数は従前の水準を上回っておりますが、生活や経済活動を支える空港の重要性を改めて認識したところであります。 今後、政府として、昨年の自然災害も踏まえ取りまとめた、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策に基づき、関空等について、災害時にもその機能を維持できるよう、電源設備の浸水対策や護岸のかさ上げなどを着実に実施し、防災機能を強化していく考えであります。
○太田房江君 今回の補正予算でも、連休明けの関空の完全復旧ということで大きな措置をいただきました。しっかりと実施してまいりたいと思っております。 さて、万博の効果をより広域にということを申し上げました。大阪、関西全域にまずはこの万博の効果を波及させていくということから考えますと、大阪府内のこのインフラ整備についても是非御理解を賜りたいと、こういうふうに思います。 このフリップを御覧いただきたいと思います。(資料提示) 実は、大阪は、大阪南部から和歌山県、奈良県につながる一帯のインフラ整備が進んでおりません。河内長野市、富田林市、南大阪の拠点でございますけれども、この部分は言わば真空地帯というふうになっておりまして、ある方が大阪のチベットだというふうに呼んでいらっしゃいましたけれども、そんなことはございませんよ、全くございませんけれども、真空地帯と……(発言する者あり)あっ、チベットに申し訳ございません。撤回いたします。撤回いたします。私の言葉ではございませんけれども。真空地帯というふうに呼んでおられる方もおられました。申し訳ありません。撤回させていただきます。失礼いたしました。 この一帯は、百舌鳥・古市古墳群というものや高野街道などの古墳や遺跡がたくさんございます。関空から近いのにアクセスが難しい、そして世界遺産を訪れることができない。万博会場から足を伸ばせないというのでは、おもてなしの心はどこへ行ったのかというふうに言われても仕方がありません。 地元では、大阪南部に高速道路を通して関空からのお客様を呼び込みたいという思いが日増しに強くなっております。大阪南部の高速道路、略して大南高と私たちは言っておりますけれども、大南高は関西の地域活性化の要になるというふうに考えております。 そこで、国土交通大臣にお伺いをいたします。 真空地帯となって取り残されております大阪南部地域の活性化のために、大南高、必要だとお考えにならないでしょうか。外国人観光客四千万人時代に対応するためにも、社会インフラ、とりわけ道路の重要性についてどのようにお考えか、お伺いをいたします。ポテンシャルは高いのに道路がないためにその力を生かし切れない地域を私はミッシングエリアとも呼びたいと思っておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘の大阪南部地域につきましては、南北に縦断する幹線道路は国道百七十号のみであり、東西の幹線道路との交差部などに主要渋滞箇所が存在をいたしまして、朝夕の通勤時間帯を中心に渋滞が発生をしております。このような交通課題は大阪南部地域の広域的な観光交流等の妨げの一つであると認識をしております。こういった状況の中で、この当該地域において大阪南部高速道路が構想されていることは承知をしております。 国土交通省といたしましても、こういった課題の解消に向けまして、現在も調査を行っておりますが、引き続き必要な調査を進めてまいりたいと考えております。
○太田房江君 最後に、児童虐待についてもう一度お伺いをさせていただきたいと思います。 「いのち輝く未来社会のデザイン」というのが今回の万博のテーマでございます。このいのち輝く未来社会というのは、あらゆる境遇の人たちがベストを尽くすことができる社会ということも私は意味しているのではないかと、こういうふうに考えています。子供たちや高齢者、女性、障害を持つ方々に寄り添う政治がこれまで以上に求められていると言えるのではないでしょうか。 今年二月十日、自民党大会が開かれましたときに、安倍総裁は、今この瞬間にも児童虐待が行われているかもしれない、児童虐待の根絶、これに政府が全力で取り組むということを強い口調でお述べになりました。 冒頭にも申し上げたように、児童虐待対策は今も大変重要な課題でございます。自民党でも虐待等に関する特命委員会等を開きまして、十九項目の提言案が示されたところでございますが、フリップを御覧いただきたいと思います。 児童虐待の件数、実は大変うなぎ登りに増えておりまして、この内容も深刻化をしてきています。中でも大阪府は、御覧いただいて、赤い棒グラフなんですけれども、相談件数が全国でも群を抜いて多くて、私自身、知事時代に大変対応に苦慮いたしました。 先日、守口市にあります幼稚園訪れましたときに、園長先生がこのようなことをおっしゃっておられました。幼稚園には親に虐待をされて痕跡のある児童が来ているんだと、しかし、これに有効な手だてを取ることができない、すぐ引っ越してしまわれると。そして、市役所に行っても話を聞くことができないんだと、話を聞いてくれないんだと、こういう御指摘をいただいております。 今国会では、児童福祉法、児童虐待防止法の改正案なども提出をされると聞いておりますし、また、児童相談所の増設、警察との連携などの強化などについても様々な対応をされると聞いております。 子供は社会の宝、未来への夢でございます。私は残念ながら子供に恵まれませんでしたけれども、大阪中の子供が自分の子供だと思って、知事時代にも子供施策を展開してまいりました。今こそ、児童虐待根絶が必要でございます。総理のリーダーシップの下、児童虐待根絶に向けての対策を進めていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 千葉県野田市で十歳の女の子が死亡し、両親が逮捕された事案について、このような形でお亡くなりになったことは誠に痛ましく、あってはならないことであります。子供たちの命を守るのは、私たち大人全員の責任であります。子供を守るとりでとなるべき学校や教育委員会、児童相談所といった周りの大人たちが心愛さんの悲痛なSOSを受け止められなかったことは、本当に悔やんでも悔やみ切れません。 昨年七月に緊急総合対策を取りまとめたにもかかわらず、今回の事件が繰り返されたことは誠に残念であります。政府として深刻に受け止めており、去る二月八日、関係閣僚会議を開催し、新たな対応を指示いたしました。これに基づき、通告元の秘匿や関係機関の連携等に関する新たなルールを既に発出をしたところであります。また、把握している全ての虐待ケースの緊急点検を今週中に完了することとしております。 さらに、現在三千名の児童福祉司を来年度一気に千名増員し、二〇二〇年度には五千名体制とすること、児童心理司を八百名増員すること、全ての児童相談所に保健師を配置することなどを内容とする児童相談所の体制の抜本的強化などを直ちに実行するよう、厚生労働大臣を始め各府省に指示をしました。 また、今国会に提出を予定している児童福祉法等の改正法案において、体罰禁止の法制化、ちゅうちょなく一時保護に踏み切れるよう、一時保護等を行う介入の担当者と保護者支援の担当者の分離、児童相談所における弁護士等の配置促進、DV対策との連携強化など、実効性のある対策を盛り込むよう準備を急がせているところでございますが、今後、子供たちの命を何よりも守ることを最優先に、児童虐待の撲滅に向けて全力を尽くしてまいります。
○太田房江君 ありがとうございました。質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で太田房江君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、大塚耕平君の質疑を行います。大塚耕平君。
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。 前のお二人の委員が児童虐待の問題についても触れておられましたが、児童虐待の撲滅に向けては国民民主党もしっかり対応させていただきたいと思いますが、児童虐待や自死、こういうことが起きる、先進国としては考えにくいこういう状況が、どのような社会や経済の構造的背景があるから起きているのか、こういうことにもしっかり目を向けて我々も解決策を模索をしていきたいというふうに思います。 今日は、統計問題でございますが、本題に入る前に総理に一つお伺いしたいと思います。 韓国の国会の議長の耳を疑う発言など、最近の韓国の動きにはいろいろと考えさせられる点が多々ございますが、韓国に対してどのような姿勢で臨んでおられるのか、国民の皆さんに御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘されました文喜相韓国国会議長の一連の発言は、甚だしく不適切であり、極めて遺憾であります。我が国として、韓国側に対して外交ルートを通じて累次にわたり強く抗議しており、引き続き謝罪と撤回を求めていく考えであります。 また、レーダー照射等につきましては、韓国軍艦によるレーダー照射事案については専門的、技術的観点から防衛当局間で協議が行われたところでありまして、今後の対応についてはこれまで防衛大臣から明らかにしているとおりでございます。 また、慰安婦、そして旧朝鮮半島出身労働者の問題や先般の韓国国会議長の発言など、これまで日韓両国が築き上げてきた関係の前提すら否定するような動きが出ていることは大変残念なことであります。大変遺憾でもあります。こうした状況に対する我が国国内の厳しい見方、これは当然と思います。 政府としては、国際法に基づき毅然として対応していく考えであり、我が国の一貫した立場に基づき、主張すべきは主張し、韓国側に適切に対応を強く求めていく考えであります。
○大塚耕平君 両国の友好関係を模索しつつも、国として毅然として対応すべきことには、今総理御自身もおっしゃったように毅然と御対応いただくことを求めたいと思います。 今日の本題でございますが、統計不正問題。 二月の予算委員会でも質問をさせていただきましたが、そのときに委員長に理事会協議事項でお引き取りいただいた何点かについて、まず確認をさせていただきたいと思います。 毎勤統計のこのデータが不正にゆがめられていたということに伴って他の統計にどのような影響を与えるかということについて、調査結果はどうなりましたでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 先月二月二十一日に厚生労働省において、毎月勤労統計に係る再集計値の影響を受ける経済指標、統計指標について公表をいたしました。これは、今委員のお話があったような求めがありましたので、関係省庁からの報告を取りまとめました。 毎月勤労統計の数値変更に伴い影響を受ける経済指標、統計指標は、各府省全体で計十一件確認されました。このうち、既に必要な修正を行い公表済みのものは六件、今後必要な修正を行い公表する予定のものが五件であります。
○大塚耕平君 今、パネルもお示しさせていただいております。(資料提示) これは厚生労働省から出た資料でありますが、大臣おっしゃるように、修正の必要あり十一件、その中には、景気動向指数、雇用者報酬、よく総理が言及される総雇用者所得も入っているということでありますので、今日はこれらの点についても議論をさせていただきたいと思います。 その個別の話に入る前に、特別監察委員会の委員長にも今日は来ていただいておりますが、なぜこういうことが厚生労働省で起こったのかということについて調査報告が出たと。この特に追加報告書について、様々昨日も議論がありましたが、総理から、一般の感覚では隠蔽ではないかと思うという、これは適切な御発言だと思います。全くそのとおりなんです。 委員長にお伺いしたいんですが、委員長も、一般の感覚では隠蔽であるとお考えになりますか。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 組織的隠蔽、隠蔽というのはいろんな意味で受け止められている面がございます。多義的であり、確定的な定義あるいは見解は逆に見当たらないというふうに私ども考えておりまして、本委員会では、隠蔽行為というのは、法律違反ないしは極めて不適切な行為を対象に、その事実を認識しながら意図的にこれを隠そうとする行為であるということを前提としました。 今般の不適切な取扱いについて見ますと、担当課室の職員、少なくとも主観的には統計数値上の問題はなく、またあるいは、許容される範囲内であるなどといった程度にしか捉えておらず、当人や厚生労働省、担当課室にとって極めて不都合な事実であるとか深刻な不正であるなどと捉えていたとは認められませんでした。また、担当課室の職員らにおいても、綿密な打合せや周到な準備などがなされた形跡は見えず、むしろ、随所でいずれ不適切な取扱いが露見するだろうというふうに思われるようなその場しのぎの事務処理をしていたことが認められております。 これらを踏まえまして、本報告書では、担当課室の職員らにおいて意図的に隠したとは認められず、隠蔽行為があったとは言えないというような、結論付けております。 以上でございます。
○大塚耕平君 委員長、こちらの委員長ではなくて監察委員会の委員長ですが、私がお伺いしたのは、総理が昨日、一般的な感覚では隠蔽だと思うと適切なことをおっしゃったので、監察委員会の委員長としてもそうお考えになりますかということを聞いたんですが、それに対する今のような答弁をされると、テレビでこれを聞いておられる多くの国民の皆さんは、一体この監察委員会の委員長は本当に真摯に調査をされたんであろうかということについて多分疑問を持たれたと思います。総理の方がより的確な発言していますよ。 それはともかくですね、それはともかく、この調査報告書の十ページから十一ページにかけて、平成二十七年、この平成二十七年の経過が書かれているわけであります。この中に、実名は登場しませんが、統計情報部長が登場するわけですね。 この平成二十七年の検討会と言われる、ここでこの大きな変化が起きていくわけなんですけれども、この過程でこの統計部長は当時の総理の秘書官と何度かお会いになっておられるようなんですが、監察委員長は、この平成二十七年の経過について秘書官からもお話を聞きましたでしょうか、聞かなかったでしょうか、事実関係だけ教えてください。
○参考人(樋口美雄君) 聞いておりません。
○大塚耕平君 総理、二〇一五年の三月三十日に厚生労働省が突然、この毎勤統計の速報値の発表を取りやめたんですよ。二〇一五年の三月、三月。そして、その頃、当時の事務次官であった村木さんは、ちょうどその頃、官邸からいろいろ言われているようだということを事務方から報告を受けていたということを新聞の取材に対して答えておられるんですね。そして、その年の半年後、九月にまた統計部長が秘書官とお会いになった、その二日後に、突然、これまで検討会が出していた結論と百八十度違う結論に変わっていくんですよ。 ここの平成二十七年の経過についてはもう少ししっかりと調べる必要があると思いますが、今、監察委員会の委員長も秘書官からは話を聞いていないということでありますので、平成二十七年検討会をめぐる状況についてもう一度再追加調査をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。総理にお答えを願います。
○国務大臣(根本匠君) 事実関係だから申し上げたいと思いますが、委員がおっしゃったような、二十七年のときに公表値を、公表を遅らせた。これは、要はシステム上の問題があったので、それで遅らせたということが事実で、事実であります。 それから、もう国会でもずっと議論がありましたが、第五回から第六回の検討会で、検討会については、例えばローテーションサンプリングという部分入替え方式については、第五回の検討会のときにこれも必要ではないかという議論があって、そして、当時の姉崎部長もそう認識しておりますが、第六回の検討でローテーションサンプリングが引き続き検討とされました。その過程でも、姉崎元部長が答弁しておりますが、当時の総理秘書官からお話がありましたけれども、それがあってやったのではないと、これ、これは明確に姉崎元部長が陳述をしていると、これが事実であります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まずですね、毎勤統計のサンプル入替えに係る議論は、これ、過去五十年間にわたって続けられてきた不適切な統計処理の問題とはこれ全く別の問題であるわけでありまして、それ、言わば法令違反も問われるのではないかと言われた問題とは全く別の問題であるということをまず申し上げておきたいと思います。 その上でですね、当時の秘書官が問題意識を伝えた点につきましては、毎月勤労統計のサンプル替えによって大きく統計数値が変わることに対してその理由を尋ねたり、あるいは専門家の意見を聞いてみてはどうかとした当時の秘書官の対応は、私は至極当然のことではないかと、こう思う次第でございます。それに対してどう受け止めたかということについては、これは厚労省側の受け止め方であるわけでございますが、中江当時の秘書官がこうした問題意識を持つのは、私は本当に至極当然。 というのも、これは、三年間ずっと入替えを行わずにまとめて入替えをこれは行われれば、ぶれは当然三年間分ですから大きくなるわけであります。そして、なったときに、これは三年間全部また修正するわけでありますから、例えば今毎月毎月聞いているものが三年後とすると、三年後にならないと実はどういう数字かというのが分からないということになってしまうと、使う側としては、ユーザーとしてはどうなのかという疑念を持つのは当然のことであろうと。 ですから、統計委員会におきましても、正確性という観点からは、サンプリング、サンプル入替えの方がよいのではないかという議論があったわけでございます。これは議事録にも残っている中で、コストの面から考えるとどうかという議論も当然あったと、こういうことだと承知をしているわけでございまして、これは決して、毎年毎年、これサンプル入れ替えていますから、こう、こう、こうなってきていますから、三年まとめた方がむしろ段差は大きくなるんですよね。ですから、毎年毎年こうなっていくということでありますから、これは別にアベノミクスを良く見せようということでもなくて、毎年毎年、言わば正確性をと、タイムリーにその状況が分かる。 これ、中身の議論をしないと分からない話でありますから、中身の議論をですね、大塚委員もこういう中身の精査な、精密な議論を重視しておられる方ですからあえて中身についてお話をさせて、テレビを見ている方が、これは、大塚委員は御承知のとおりですが、テレビを見ている方が分からないかもしれませんから述べさせていただいたところでございますから、これを申し上げれば、中江秘書官のこの疑問、問題意識は当然のことではないかと、こう思うわけでございまして、まさに当然のことを申し上げたということであり、また、五十年間続けられた不正とは全く……(発言する者あり)いやいや、十五年間続けられたこの不正問題とは関わりがないということだと、こう思います。
○大塚耕平君 再調査の必要があるかないかという総理の御認識をお伺いしたんですが、それについてはお答えがありませんでした。 今回の統計不正問題、確かに今、ラジオで聞いている方はなかなか、詳しくない方は何を議論しているだろうということだと思います。テレビを御覧になっている方のためにあえて整理をさせていただくと、幾つも問題があるんですが、まず、この対応によって国民の皆さんに不利益が生じた、給付金が適切に支払われていない、未払問題が生じている。これは総理の責任で、厚労大臣も含めて、可能な限り一〇〇%是正をしてほしいと思います。 それから、そのことの背景となった、前提となる統計内容に問題があると。不正があった、虚偽報告があった、隠蔽があった。不正と虚偽までは認めたわけですね。隠蔽については、総理は、一般の感覚では隠蔽ではないかと思うというごく常識的なことをおっしゃって、監察委員会の委員長は何だか訳の分からないことを言っていると。そして、この前提となる統計内容にもし問題があるとすれば、アベノミクスの実態は一体本当はどうなのかということも影響してくるわけであります。 その観点で、総理、総理、総理、ちょっと一つ、もう本当に率直な印象と、できれば真摯に過去と向き合っていただきたいんですが、私、今の、二〇一五年の三月から九月にかけてのこの一連の、秘書官、ちょっと待ってね、ここ大事なところだから。いや、彼にもいろいろお世話になっているので余り強く言う気はないですが。大事な、大事なことを質問しているときだから、よろしくお願いしますね。 二〇一五年の三月、当時の事務次官の村木さんは、統計部長が中江さんからそういうことを言われていたという認識があって、したがって、そのさっきの三月の突然の速報発表中止というのが、関係がないという説明ももちろんあり得ますけれども、関係がなかったかどうかということは、私は根拠を持ってそれをそうですと言い切る自信はありません。 おまけに、その三月から九月にかけて、今日はこれパネルではお示ししませんけど、去年の五月の十四日に森友の関係でここで過去の経過をずっとお示しをしたときに、かなりこれよく整理をされた、自分で言うのもなんですが、よく整理をされた資料なんですが、何と二〇一五年のその時期は、三月二十六日に森友が建設用地に軟弱地盤があると申し出て、その後、その前後、二月四日、二月二十日、四月二十七日、二十八日、三十日、五月二十七日と文書の改ざんがかなり行われた時期で、しかもその後の九月にいよいよ様々な問題が表面化をしていった、まさしくその時期なんですよ。この統計問題が、こうやって、平成二十七年検討会と言われるのは、二〇一五年検討会です、要するに、全く時期が一緒なんですよ。 そこで、総理、これ率直にお伺いしたいんですが、二〇一四年の暮れにまた総選挙で圧勝をされて、政権基盤が安定し、それは選挙に勝ったわけですから、自信を深められるのはいいことですよ。しかし、そのことによって、当時の官邸、スタッフ、秘書官も含めて、かなり万能感というか、自分たちは何をやっても許されるというような絶頂感、こういうものが多少なりとも官邸の中にあって、そのことが同じ時期にこういう様々な問題を起こす背景になったというような、そういう反省というか過去を振り返るお気持ちはございませんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに今、過去を振り返っていただいたんですが、一四年に選挙を勝たせていただいたなということを思い出していたところでございますが、じゃ、一五年はどうだったかということでございますが、一五年はまさに平和安全法制で千問にわたって私、質問を受けました。これは新しい憲法上の解釈の上に初めて答弁をするものでありますから、大変我々も緊張をしてこの問題に集中をしていたところでございますので、私が統計について何か気を配ってこうしろああしろと言うことはもちろんないわけでございますし、ましてや、統計を私たちの都合のいいように変えようなんということは誰も考えていないわけでありまして、そうすれば、まさにマクロ政策を、これはもう大塚委員が御専門でございますが、マクロ政策を誤るわけでありまして、これは誤ったら、まさにこれ経済が順調に回復しているこの順調な軌道を誤った方向に持っていってしまうわけでありますから、むしろ統計というのは専門家がちゃんとやってもらいたい。 しかし、その中で、先ほど来、もう先ほども説明をさせていただきましたが、まさに、中江秘書官がこういう説明を受けてこういう問題意識を示すというのは、秘書官の仕事、責任感の中では当然のことではないか。ただ、それを漫然と聞いていたら、ややこれ、ユーザーからしてどうなのかと思うことをただスルーしているということで、むしろこれ業務をちゃんとこなしているとは言えないのではないかとすら私は思うわけでございまして、むしろ、毎年毎年サンプルを入れ替えることによって、毎年毎年、これは分かりますよね、この実態が分かる。でも、三年たって、後を遡って三年間修正するのでは、毎年毎年、毎月毎月の勤労統計というのが何だったのかなと、こう思う思いすら出てくるわけでございますし、上下の振れも大きくなってくるわけでございます。 この振れ方については、上振れはしやすいわけでございますが、必ずしも上振れとも限らないというのはもう委員御承知のとおりだろうと思いますので、これも委員も本当はよく御承知のとおりだと思いますが、これは、我々が経済指標を良くしようという行為とは全く関わりがない、行為ではないということははっきりと申し上げておきたいと、こう思います。
○大塚耕平君 経済を悪くしたいと思っている人は誰もいませんので、それは総理もそうであられるし、我々もそうであります。ただ、総理は今、データが間違っているとあるいは客観的でないと経済政策を間違える可能性があるとおっしゃったんですけれども、間違えている可能性があるから議論しているわけです。 そこで、今度は、この低下した労働分配率というのを出していただきます。 総理、ちょっと似たようなグラフがお手元にありますが、これは、去年のやはり一年前に御提示した、低下した労働分配率という、総理、労働分配率低下していますよということをお示ししたんです。この労働分配率のデータは、冒頭に厚労大臣が御説明いただいた見直しの必要がある雇用者報酬というものを使ってこれは算出するんですね。 これ、去年はこれをお示ししたんですよ。私もその後、データ見るのも仕事ですから、データを見ていましたら、じゃ、その次の、労働分配率の推移というのを見ていただけますか。それを御指摘申し上げたら、労働分配率がその後の発表では急にぴんと上がるんですね。これはすごいことだなと、私も不思議に思ったんですよ。 この労働分配率を出しているのが総雇用者報酬ということなんですが、それでは、その総雇用者報酬についてどういう出し方をしているかというと、統計不正問題とアベノミクス。 まず、この上の緑のところは、これは総理がよくお使いになる総雇用者所得というものなんですが、この一人当たり賃金、これは毎勤統計に問題があるということが今議論されているわけですので、必ずしも今までのデータは、この一人当たり賃金というのは適切なデータではないものが使われていた可能性があるんですね。 この雇用者数の方は、厚労大臣、どうやって出すんですか。
○国務大臣(茂木敏充君) まず、そこにあります総雇用者所得、グリーンの方でありますけど、これは月例のために参考に作成している月次ベースのものでありまして、下の雇用者報酬、これが国民経済計算、基幹統計でありますが、四半期別に出している。そして、雇用者数でありますが、これは総務省の労働力調査から出しております。
○大塚耕平君 労働力調査と労働力統計と二つのものがあって、この労働力統計の就業者数についていろいろ問題があることについては先般も御指摘をし、今厚労省も調べてくれていますけれども、雇用者数は労働力調査の方ですから、このデータについても精査をして、どのような出し方をしているのかということを委員会に御報告をいただきたいと思いますので、協議事項にしていただければ幸いであります。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○大塚耕平君 そして、労働分配率を出すときのデータは、この下の赤い、雇用者報酬というのを使うんです。労働分配率はどのように算出しているか、担当大臣に御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 労働分配率につきましては、内閣府では、国民経済計算年報において、雇用者報酬を国民所得、ここからが重要なんですが、これは名目GDPに海外から得た純所得を加えた上で、国民の所得とはならない間接税であったりとか固定資本減耗を控除したものでありまして、それで割って算出をしております。 したがって、名目GDPとはかなり数字的な違いが出てまいります。
○大塚耕平君 こういうことにお詳しい茂木さんが妙に慎重に今答弁しておられたんですが。(発言する者あり)いや、いいんです、いいんです、正しく答弁していただいて。 私も、これ改めてこの間事務方の皆さんに説明を求めたら、ちょっとびっくりしましたけど、これ、SNA、つまり国民経済計算の統計をどうやって作るかというマニュアルを持ってきてくれまして、この雇用者報酬には、もちろん現金給与も入るんですが、この中には役員給与も入ったり雇用者のストックオプションも入ったり、実は、いわゆる一般の国民が、ああ、普通に働いている国民の皆さんにどのぐらい分配されているのかなというふうに感じるものとは別のものも含まれているんですよ。だから、労働分配率が急に高くなったのは、ひょっとしたら、役員報酬や、あるいは去年は後半株価が下がり始めたのでストックオプションを大量に行使した人がいたら、この雇用者報酬はどっと増えて、あの労働分配率が不思議にぴんと跳ね上がるんですね。 前回の委員会の最後でも申し上げましたが、今回のこの統計不正問題を契機に、統計全体を信頼のあるものにしていくことに我々も協力をしますから、一個一個見直してほしいんですよ。あの労働分配率の動きは異常です。 で、茂木大臣、ここが大事なんですが、そのマニュアルによると、現金給与や役員報酬やストックオプションなどなど入っているので、じゃ、一体どのデータがどういう動きをしたかということについてデータの詳細を見せてほしいということと、どういうふうに出すか教えてくれと言ったら、出し方が分からないんですよ、担当官も。そして、この雇用者報酬に含まれているデータの詳細の時系列を見せてくださいと言ったけど、いまだに見せていただけない。 これでは、あの労働分配率が二〇一八年急にぴんと跳ね上がって、過去の、過去数年の平均値より上がってきた、これアベノミクス成功だと、多分そういう根拠になるんでしょうけれども、それが本当かどうか分からないので、委員長にお願いを申し上げます。この雇用者報酬の算出の仕方について統計作成のマニュアルどおりに本当に行われているのかどうか、構成している項目についてのデータの開示も含めて、委員会に提出を求めたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほども御説明申し上げたように、答弁申し上げたように、国民所得でありますから、それは一般の雇用者の方であったりとか経営者の方、その所得も入るわけでありますし、海外から得た純所得、これも加えるんですけど、一方で間接税とか資本の減耗というのは除いた方が国民所得の概念としては正しいんだと思います。 そして、先ほど示していただいた労働分配率の推移、これは国民所得、まあ国民所得で割ったんではなくて簡易な方法で労働分配率を算出をされたということで、ぴんと上がっているんですけど、これ二〇一八年、これ分母を国民所得ではなくて名目GDPでやっていますから、自然災害、それから春の天候不順、この影響でGDPの方が横ばいになっているのに対して、分子の方の雇用者報酬、これは増加基調になっていますから、この名目GDPでやりますと上がるという形でありまして、国民所得でやりますとそういうふうにはなりません。
○大塚耕平君 今の大臣の御指摘の点も、もちろん私も全面否定するつもりは全くありません。ただ、出し方については、先ほど委員長にお諮りしたとおりでありますので、今後しっかり議論をさせていただきたいと思います。 その上で、総理、二〇一八年は、まあ確かに総雇用者所得も、今まで発表されていたほどには増えていなかったかもしれないですが、それなりに増えていたとすると、恐らく雇用者数が増えているんですよ。この雇用者数が増えた理由というのは何だと思いますか。一緒にお考えいただけませんか。なぜ増えたと思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 雇用者数におきましてはこの六年間に三百八十万人増えておりますが、その多くは、女性が新たに仕事を始めたということと、あと、六十五歳以上の方々が継続雇用がより可能となったことから働き始めた、あるいは働き続けている。ただ、働き続けている上におきまして今まで正規雇用だったものが正規ではない形になるということはもちろんあるわけでございますが、そういう方々、もちろん、それ以外の現役世代の方々も新たに一時休んでいた方がまた働き始めているということもありますが、多くは、今申し上げたような、特に女性ですね、二百五十万人かな、新たに働き始めたということではないかと、こう思います。
○大塚耕平君 一部分同感である部分とちょっと違う点も御指摘申し上げますと、統計見ると、確かに女性が増えて、しかも非正規が増えているんですよ。それは、実は多分、配偶者特別控除の税制改正の影響なんですよ。これまで三十八万円の控除が百五十万円で打ち止めだったから百五十万円までは働きましたけど、これが二百一万円まで引き上げられたこの配偶者特別控除の見直しに伴って、それではといって働き始めた女性の皆さんが統計上数字に表れているんです。だから、これ多分一年限りですよ。来年はこの効果続きませんので。 だから、まず総雇用者所得の雇用者数をどうやって出しているかというのを先ほど委員長に提出を求めました。それから、雇用者報酬の出し方についても提出を求めました。是非よろしくお願いします。 そして、雇用者数が二〇一八年にもし増えているとすれば、それは配偶者特別控除の見直しの効果だということもこれは財務省に検証してほしいと思いますが、財務大臣、これ検証して御報告いただけますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 急な御質問ですけれども、やれぬことはないでしょう。
○大塚耕平君 まあ、やっていただけるというふうに私には聞こえましたので、お待ちをしております。 今度は、景気動向指数を出していただいていいですか。 先ほどの、冒頭の厚労大臣からの、今回の統計不正に伴って影響のある、修正の必要のあるデータとして、この景気動向指数というのもあるんですよ。 今、戦後最長の好景気ということを繰り返しうたっておられるんですが、総理、この景気動向指数で景気が今拡大している、していないというのは、どこがそれを決定しているんですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 内閣府において決定いたしております。
○大塚耕平君 そうなんですよ、内閣府の景気動向指数研究会というところに学者やエコノミストの人が集まって決めていましてね。実は、この前回の消費税の引上げから二年間は景気動向指数は低下していて、その中のメンバーのまあ大体半分近い方々は、この時期は景気後退していたんじゃないかということを主張されていたんです。ところが、おととしの六月にこの景気動向指数研究会で、多分かんかんがくがくの議論があったと思うんですが、いやいや、このブルーの帯のところも景気拡大ということに定義しますといって定義をされたので、今、戦後最長なんですよ。 景気拡大しているかどうかというのは、これは何か神様や第三者がいて景気拡大と決めてくれているわけではなくて、この景気動向指数を見て判定会議の皆さんが決定をするとそうなるんですが、何とこの青い帯の時期は賛否両論だったということは、まず総理、御認識ください。 その上で、我が党の足立議員や他党の皆さんも何人かお取り上げになられたと思いますが、ちょうどこの時期にGDPの統計の作り方が改定をされて、防衛装備品とか研究開発費とか、それから国際的な標準には含まれない他の項目も含まれて一編に三十兆円ぐらいGDPがかさ上げされたという議論がここでも行われています。 したがって、この景気動向指数そのものも今回の統計不正問題でこれから修正が必要だと厚労大臣がおっしゃり、そもそも、しかし、今の景気動向指数でもこのブルーのラインの時期が本当に景気拡大だったかどうかということについては議論があると、こういうことでありますので、総理、これ、今年の秋に消費税上げている場合じゃないと思うんですが。 これ、こういう議論が行われていて、今私がこのような指摘をしても、なおかつ消費税を引き上げるお気持ちにお変わりはないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先月、今回、戦後、景気回復期最長になったのではないかと、こう言われておりますが、六年を超えてですね。その前の最長の期間というのは、小泉政権のときに始まり、第一次安倍政権を通じて、二〇二〇年の二月まで続いた、十四年から二十年まで続いた期間であります。 では、いろんな議論があったということでございますが、そうやって議論をしながらもちろん決めていくわけでありますが、そうした議論も我々も受け止めなければならないと思っておりますが、前回の景気回復期は、最長と言われた期は、これは長引くデフレの中で名目GDPは二・五%しか成長していなかったんですが、今回は六年間で一一・三%成長しておりますし、御出身の日本銀行の地域別業況判断におきましても、前回の六年間は例えば北海道と四国はずっと悪いが良いを上回るマイナスで推移をしておりましたが、そして、良かった、最初の一年間はしようがないんでしょうけれども、五年間ずっと通じて良かった地域は東海地域とそして関東地域だけだったんですが、今回のこの五年間は、北海道から沖縄まで九つの地域全部、良いが悪いを上回るプラスで推移しているということも申し上げておきたいと思いますし、雇用の増え方も、前回の六年間よりも増えておりますし、賃金の増え方も、増えているということであります。 いずれにいたしましても、消費税につきましては、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律にのっとって消費税を引き上げていきたいと、こう考えております。
○大塚耕平君 この景気動向指数が正しいかどうかという、言わばこれも神学論争ですから、それをしても本質的な議論にはならないと思います。私自身もそう思います。問題は、本当に日本の経済や産業がしっかり発展をして国民の皆さんが豊かさを感じられているかどうか、そこがポイントなんです。 総理は、この間様々なデータを挙げて、今もそうでしたが、うまくいっています、うまくいっていますとおっしゃるんですが、多くの国民の皆さんが何となく実感できないから、その経済政策そのものも手段を間違えているんじゃないか、あるいはその手段の裏付けとなっている統計データもおかしいんじゃないか、おかしいことが今もう明らかになっているわけですから、これも見直さなきゃいけない。 その上で、御覧いただいている棒グラフも、これ去年の予算委員会でもお示しをし、その後何回か使っていますけど、私が作ったグラフじゃないんです。去年の一月二十二日の日本経済新聞の一面朝刊に、G7のうち日本だけが二〇〇〇年と比べて賃金が下がっている、だからこれでは人材が流出しますよということを日経新聞も警鐘を鳴らしているわけです。そのとおりだと思います。 だから、今回のこの統計不正問題を機に、もう様々、日本の統計の信頼性が大きく揺らぐことがもう明らかになっているわけですから、これは我々も協力しますので、データを徹底的に見直す。そのためには、さっき申し上げたような幾つかの委員会提出資料については徹底的に提出をし、そして、玉虫色のことを言わないできちっと我々に報告をするように各担当部署に厳命をしていただきたいと思いますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 総理の方から、方針、この後答弁あると思うんですが、そのグラフについて申し上げると、何でこうなっているかと……(発言する者あり)申し訳ないですけれど、静かに聞いていただけますか。 一つは、日本だけデフレだったということです。それから、二〇〇九年にリーマン・ショックが起こって、ほかの国はですね……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) ええ、簡潔にやります。 二〇一一年に回復したんですが、日本の場合は二〇一三年の政権交代後になってしまったということが原因です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 資料につきましては、委員会の御決定があれば、当然政府はその指示に従う考えでございます。
○大塚耕平君 それがお伺いしたかったんです。 総理、私の古巣の日本銀行の金融政策はもう限界です。日本銀行の金融政策だけで何とかなるような問題ではありませんので、これは、日本の経済や産業を発展させられる人材をしっかり育てる。今や中国は国策として産業政策やっていますから、国営化すればいいというものではありませんが、車載用電池の問題にしろ半導体にせよ、相当日本は国家的な産業政策として後れを取っています。そのことをしっかりやっていただきたいということを申し上げた上で、最後に一つだけ質問をします。 そういう人材を育てる上でも、幼児教育の無償化、これ私たちも言っていたので、今回の本予算に入っているのはいいことだと思います。 この財源約三千億分を今回は国費で負担をするということになっていますが、初年度だけはそういうことになっているんですが、次年度以降もこの幼児教育無償化について財源を保障する御覚悟があるかどうか、意思をお伺いしたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 時間が限られておりますので、答弁簡潔に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この幼児教育の無償化につきましても、財源について我々も適切に対処していきたいと、こう考えております。
○大塚耕平君 いろいろお約束していただいたことをしっかり御対応いただくことを重ねて求めまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で大塚耕平君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、礒崎哲史君の質疑を行います。礒崎哲史君。
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 今日は、大きく二つのテーマで質疑をさせていただこうと思っております。 この一年間で明らかになりました行政の不正が二つございましたので、その二つについて、一つは毎月勤労統計の不正、それからもう一つが障害者雇用の水増しに関する不正ということで、この二つに関して今日は審議を進めてまいりたいというふうに思います。 今日のこの審議の私の持ってきた目的としては、やはり、二度とこういうことを起こさないためにどうすればいいか、それをするためにはしっかりとした再発防止を打たなければいけない、再発防止を打つためには、しっかりとした原因究明、真の原因究明がなければその再発防止には結び付かないと私は思いますので、まず、その再発防止に結び付けるために、現状をもう一度改めて、原因究明の点についてしっかりと確認を今日はさせていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。 まず、毎月勤労統計の不正に関係する質疑に入ってまいりたいと思いますが、まず、これまでも様々な議論がありまして、一月に中間報告、さらには二月に入りまして追加報告というものが特別監察委員会の方からも提出をされておりますが、まずこの報告書の中身以前の問題として、今回のこの調査実施に際して、これ実は障害者雇用の水増しに関する不正の検証委員会の方を読んでいたときに私気付いたんですけれども、この障害者雇用のときには、調査に適切な協力をしない場合には業務命令違反となり得ることの周知というものを、これ厚労大臣の名前によって事務連絡をまず行っています。ですから、とにかく全省庁、これに対しては真摯にしっかりとアンケートや様々なヒアリングに対して答えるようにということ、これがまず大臣からの意思表示としてされた上でこの検証委員会が行われているんですが、今回のこの毎月勤労統計の不正の調査、様々な検証に当たっては、こうした大臣からの業務命令違反となり得るというこうした宣言、周知、事務連絡というものはそもそも出されているんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) まず、論点を整理させていただきたいと思います。 国の行政機関における障害者雇用における検証委員会、これは、いいですか……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 大臣、答弁は簡潔にお願いします。
○国務大臣(根本匠君) ちょっと、答弁をさせてください。 調査に協力的ではない職員がいた場合に職務命令違反となることを、この障害者雇用の検証委員会の場合には調査依頼時の事務連絡によって周知しました。これは自分たちと違う組織ですから、これをきちんと職務命令違反となりますよということを周知した、これは内閣官房及び厚生労働省が検証委員会の事務局として三十三の国の行政機関を対象とした調査を行うので、これは調査の実効性を担保するための措置でした。 一方で、今回の特別監察委員会、これについては、検証委員会による調査のときのような事務連絡は発出せずとも、私が、厚生労働大臣が自ら設置したものでありますから、私の管轄下である厚生労働省における調査が主となりますから、これは当省の職員は職務として調査に応じる義務があるものであります。
○礒崎哲史君 いや、大臣、分からないんですけれども、障害者雇用のときも、大臣、本部長ですからね、あの調査するときの体制についても、大臣、厚労大臣が本部長なんです。 今回も、この毎月勤労統計の不正に関する調査についてもこれは大臣がトップに立たれるということで、そこはどっちも一緒のはずです。なぜ他の省庁、厚労省でない他の省庁に対してはこれを出さないといけないんだけれども、なぜ身内だとこれは出さなくても大丈夫ということになるんでしょうか。そこの理屈がよく分かりません。もう一度お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) この件、この障害者雇用の件、水増し、検証、つまり障害者雇用の検証委員会、これは各省庁にまたがるんですよ。私は各省庁に対して指揮命令権はありません。ですから私は、事務方は内閣官房及び厚生労働省が委員会の事務局ですから、ですから各省庁には、きちんと真に協力的ではない職員がいた場合には職務命令違反となりますよと、だからしっかり各省庁で自分の、自らの省庁を厳正に調査して、そして、これは政府全体でやった話ですから、これは各省庁に対して職務命令違反となりますよと、これが実は大事なんですよ。ですから、そういう発出をしたと。 今回の特別監察委員会は、職員は私の指揮命令下にあるわけですから、当然職務として調査に応じる義務がありますから、これは私の指揮命令下にある厚生労働省の職員ですから、実はそこの差があるということであります。
○礒崎哲史君 繰り返しになるような感じがするのでもうこれ以上はと思いますけれども、障害者雇用の水増しに関しても、あれもしっかりと内閣も入った上で、そうした体制を組んだ上で調査をされていたはずです。その観点からいくと、やはり今回の調査に関するその大臣の姿勢も含めて、私は少し認識として甘いところから実は調査がスタートしてしまったのではないかなというふうに私個人は今回のこの件については感想を持っています。 これ以上やっても多分水掛け論になると思いますので次に行きたいと思うんですけれども、今日は特別監察委員会の樋口委員長にもおいでをいただきました。お忙しい中、ありがとうございます。 委員長には、ちょっと具体的なことを改めて確認をさせていただきたいと思うんですが、今回私は特に中心的にお伺いしたいのは、平成十六年の一月の時点で、事の始まりですね、始まりの時点について中心的、その部分を中心に確認をさせていただきたいんですが、まず、この東京都の大規模事業所を抽出する調査、これを理由とする客観的な資料がこれ今回見付からなかったということでもありましたけれども、具体的にどういう調査をされたのでしょうか。例えば、その文書、あるいはメモですとかメール、どこまでの範囲を今回は調査対象とされたのか、まずそれを確認をさせていただきたいと思います。
○参考人(樋口美雄君) お答えさせていただきます。 追加報告書では、東京都の大規模事業所について抽出調査に変更された理由としまして、一つは、東京都に大規模事業所が集中し、全数調査にしなくても適切な復元などを挙げております。 今回の追加調査では、厚労省職員への追加ヒアリングや、あるいは関係自治体のヒアリング、これは東京都、神奈川県、愛知県、大阪府……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 委員長、質問者と答弁の中身が違う。
○参考人(樋口美雄君) はい。 関係自治体のヒアリング、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府、そして当時の関連資料の精査、必要な範囲での担当者のメモや個別のメールのやり取り等、必要な範囲で行いました。 一方で、御指摘の点につきましても、東京都の大規模事業所を抽出調査とした平成十五年当時についても、十五年前というふうに時期が古いために担当者のメモや個別のメールのやり取りは確認できなかったということでございます。
○礒崎哲史君 そうすると、ありとあらゆるもの、メモやメールも含めて調べられたということであります。 もう一度確認になるんですけれども、これらを調べても、特に中身がしっかりと確認できる、確証として、証拠として足り得る情報が出てこなかったということでよろしいですね。
○参考人(樋口美雄君) そのように理解しております。
○礒崎哲史君 もう一つ、そこの中身になるんですけれども、追加ヒアリングもされたということでありましたが、このときの実際に抽出することが議論をされた当時、ですから平成の恐らくは十五年若しくは更に遡って十四年ぐらいのタイミングになると思うんですが、その頃の担当者ですとか係長ですとか、いわゆるその関係者へのヒアリングというものは実施されましたでしょうか。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 追加調査におきましては、今般の不適切な事案の事実関係及び責任の所在を解明するために必要な範囲でヒアリングを行っており、平成十五年当時の関係者にもヒアリングを実施しております。
○礒崎哲史君 そのヒアリングされた結果についてはどういった内容になりましたでしょうか。
○参考人(樋口美雄君) 残念ながら、追加ヒアリングにおきましては一月報告以上の供述は得られなかったことから、改めて追加報告書に掲載することはしなかったところでございます。
○礒崎哲史君 改めて追加報告書には掲載をされなかったということなんですが、これ、実はほかの項目でいきますと、関係者、当時の担当者にヒアリングをしたけれども、特に覚えていないと、記憶があやふやだということから、確実なヒアリングの結果としては得られなかったというようなことが書いてある項目もあるんですね。そうやって細かくちゃんと事実を書いてくれている項目があるんです。 なぜ、そもそも抽出を始まった当時のことについては、誰にヒアリングを行ったのか、あるいはその結果として有用な結果が得られなかったということは一切記述をされていないんでしょうか。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 一月報告におきましては、東京都の規模五百人以上の事業所について抽出調査が導入された平成十六年頃に担当課である統計情報部雇用統計課の担当係長は、ヒアリング調査において抽出調査の導入の理由について、全数調査の事業所については企業から特に苦情が多く、これはずっと継続して全数調査でありますから行われるという意味で、そういった意味において苦情が多く、大都市圏の都道府県からの要望に配慮する必要があった、そしてまた、理由は都道府県の担当者の負担を考慮したからだと思うが、誤差計算しても大丈夫だという話だったと記憶している、平成十六年からこれまでの集計方法をやめることとしたが、それだけだと都道府県の負担が増えてしまうので、その調整という意味でも、東京都の規模五百人以上の事業所に限り抽出調査とすることとしたというように述べております。 そして、本報告書、今回の報告書におきましては、報告書の中で、追加調査を踏まえた審議の結果、一月報告における事実認定及び評価に変更の必要がない部分については、改めて言及は割愛したところであるというふうに書いてあります。
○礒崎哲史君 これ、ちょっと後でもう一回聞こうと思っていたところなので、その前として、そもそもの部分ですね、東京都や自治体の方からそういう依頼があったということももちろんその動機の一つになるんでしょうけれども、実際に、じゃ、抽出にしたときにどういう影響が起こり得るのかですとか、そういう検証作業というものをした上で、恐らくは最終的に抽出にするかどうかという判断をこの担当の課の中でやっているはずなんです。最終的にそれを例えば統計委員会ですとか総務省にどういう形で相談をするかということも恐らく議論はしていたと思うんですね。 そういう、今回、ヒアリングの結果、そのそもそも行われた議論の中身ですとか、統計委員会に対してどういうふうに説明をするか、その辺についての情報というものも一切得られなかったんでしょうか。
○参考人(樋口美雄君) 十五年前のお話ですので、当時は統計委員会はございませんでした。二〇〇七年から統計委員会になったというふうに思いますので、それ以前、統計審議会の方だろうというふうに思います。 その事実について、何しろ十五年前ということでございますので、なかなかそれが、御指摘の点が見付けることができなかったということでございます。
○礒崎哲史君 実はここが事の発端の部分であり、何も明確になっていない部分なんです。そもそも組織としてどういうプロセスを踏んでどういう判断をしたのかということが一切残っていないんです。証言としても何も得られていないんです。 最終的な今回の委員長まとめられたこの監察委員会の報告の中としては、これはもう半分推理になるんでしょうけれども、担当課の中で独断的に判断をしたというようなことが考えられるということが書いてありますが、これも確証したものではないんですよね。 これ、担当課の中でもう単独で判断をしたんだということ、これは何か証言あるいは証拠があってそういう判断を最終的にはされたんでしょうか。
○参考人(樋口美雄君) 関係者のヒアリングを行った結果、これは本人とその課の人たちに聞いているわけでありますが、そこについてそういった証拠が得られなかったということであります。
○礒崎哲史君 なので、やはり断定的なものは見付からなかったということです。つまり、なぜこの不正がそもそも平成十六年の一月から始まったのかというのは、いまだもって闇の中ということが実態なんだというふうに思います。 冒頭、私申し上げましたが、やっぱり原因をきちっと究明しないと再発防止につながらない。要は、何を再発防止していいか分からないという観点でいくと、まだまだ本来であればここの部分をしっかりと私は検証していく必要があるんではないかなというふうに思っていますが、大臣、通告していないんですけれども、今申し上げました私の考え方、要は原因がきちんと究明なければ再発防止につながらないという考え方からすると、今の部分、もっとしっかりと掘り下げて私は調査をすべきではないかなというふうに思いますけれども、大臣、もう一度調査するお考えはありませんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 当時、どういうことが行われたのか、これは一月の調査報告に書いてあるんですよ、担当者に聞いてね。(発言する者あり)いや、ですから、実は一月報告書にきちんと事実関係は書いてある。担当者が、担当者が抽出でいいやと思って、例えばプログラム作成の人間に言ったんだけど、それがプログラム作成するところにどういう形か知らないけど伝わっていなくて三倍の復元ができなかったと、そういうような報告書に、一月の報告書に原因についてはしっかり書いてあります。 それから、それから……(発言する者あり)いや、いや、読んでいただければ分かりますよ。それで、もう一度必要なら樋口委員長にその話を聞いてください。そして、特別監察……(発言する者あり)いや、メールがあるかとか、そういう、そういうことだけでお聞きになるから、実はきちんとあのときの供述もありますから、それを答えていただければはっきりするんですよ。私はそういうことを申し上げております。
○礒崎哲史君 きちんとした供述含めて報告書に書いていないから今ここで確認をさせていただき、そして、その事実関係がないということが分かったので追加調査が必要ではないですかということを大臣に私はあえてまた要請をさせていただいたということでもありますので、大臣、是非、今申し上げましたが、何も明確になっていないんです、この部分については。これは是非御認識をいただきたいと思います。 あと、もう一つ、ちょっと間の部分もう飛ばしまして、今回のこのこと、抽出データそのものに取って代わったのが平成十六年の一月ということで全ての物事が進んでいるんですけれども、実際に平成十六年の一月に抽出データが変わったんだということは、どんな調査を基にして断定したのかどうか。例えば入力データの数が変化したということを具体的にデータの数字をもって確認されたんでしょうか。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 平成十六年一月調査から東京都の大規模事業所が抽出調査に変更されたことにつきましては、平成十五年当時の厚生労働省の担当係間での事務連絡や、都道府県知事宛てに通知された事務取扱要領に、平成十六年一月調査から東京都の大規模事業所が抽出調査に変更される旨の記載がございました。 さらに、東京、都道府県宛てに通知されております平成十六年一月以降の逆数表、これは抽出率の逆数が業種別あるいは事業所規模別に都道府県単位で示されているものでありますが、そういったものに対して、東京の大規模事業所のうち一部の産業において全数調査でない旨の記載がなされているということから、その事実を確認したものでございます。
○礒崎哲史君 そうなんですね。これは、ですから、周りの状況からここが起点だろうというふうに考えているということなので、本来であれば、こうした客観的なデータとしては、デジタルデータといいますかね、実際に入力したデータの総数が幾つという記録、残っていると思うので、一個一個じゃなくて総数そのもののチェックをすれば、明らかに変化点、三分の一に入力データの総数が減ったところがあるはずですから、そこの部分を私は起点として調査も本当はすべきではないかなというふうに思うんですが、実はそこも調べたというような、昨日もヒアリングの中で厚労省の方来ていただいて聞いたんですが、ちょっとやっぱり分かりませんでした。 なぜこれを私がこだわってあえて質問したかというと、要は、ここの起点から、例えば雇用保険ですとか様々な保険、失業保険も含めた、遡りをして払い直さなきゃいけないと、もらえるはずだったのにもらえなかった人がいるという遡及の処理を今やっているわけです。その起点がずれてしまう可能性があるので、ここの部分、しっかりと調べるべきではないですかということで、あえて今改めて質問させていただきました。 これまでも野党の合同ヒアリング等でも、この起点についての様々なデータについての提出というのは恐らくしてきたと思います。改めて、ここの部分についても私は改めてチェックをしていただきたいということを要請をさせていただきたいというふうに思います。 ちょっと時間がなくなってきていますので、委員長、今の点、お取り計らいをお願いしたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○礒崎哲史君 それでは、次の質問に入ってまいりたいというふうに思います。 毎勤統計の部分については質問、以上となりますので、監察委員長におかれましては御退席いただいても結構でございます。委員長の御配慮をお願いいたします。
○委員長(金子原二郎君) 委員長、帰っていいですよ。どうぞ退席してください。
○礒崎哲史君 それでは、もう一つの行政における不正問題ということで、障害者雇用の水増しについて質問をしてまいりたいと思います。 この不正につきましても既に検証委員会の報告書が提出をされております。中身かなり分厚いものになりますので、厚労大臣、総理含めてなかなか全てを読んでいるということではないんだろうと思いますが、報告は当然受けられていると思います。 改めてお伺いしたいと思いますが、この報告書をもって真の原因究明はなされたという認識をお持ちかどうか、総理と厚労大臣両方にお伺いをしたいと思います。まず、厚労大臣の御認識、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 検証委員会では、厳正に、そしてしっかりと調査をしていただきました。そして、検証委員会の報告書においては、厚生労働省、要は職業安定局の問題と各行政機関側の問題とが相まって、大規模な不適切計上が長年にわたって継続するに至ったものと言わざるを得ないという指摘がされています。 各行政機関に共通する今般の事案の基本的な構図、基本的な構図として、組織として障害者雇用に対する意識が低く、ガバナンスが著しく欠如している中で、担当者が法定雇用率を達成させようとする余り、恣意的に解釈された基準により、例えば既存職員の中から対象障害者を選定するなどの不適切な実務慣行を継続させてきたことにあるとの心証を強く形成するに至った旨が明記されているものと承知をしております。 このような指摘がなされたことは極めて遺憾であって、深く反省するとともに、改めておわびを申し上げます。 障害者雇用に係る検証委員会においては、書面調査やヒアリング調査を基に、多面、多角的に分析を行って、大規模な不適切計上が長年にわたって継続するに至った原因を明らかにしていただいており、私としては十分にその役割を果たしていただいたものと認識しております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、根本大臣から答弁をさせていただきましたが、委員会の検証の結果、各行政機関側における今般の事案の基本的な構図を明らかにしていただいたところであり、それを受けて、政府としては、公務部門における障害者雇用に関する基本方針を昨年取りまとめたところでございます。 委員会報告にもあったとおり、厚生労働省と各行政機関の問題が相まって、大規模な不適切計上が長年にわたって継続するに至ったとされたことについては極めて遺憾であり、その是正に向けて、障害者の雇用と職場定着が促進される総合的な対策に政府一丸となって取り組んでまいります。
○礒崎哲史君 基本的な構図が明らかになったということで今総理の方からも御答弁をいただきましたが、今、私、真の原因究明という言葉を使いました。これもう先ほどの議論でも再三申し上げていますけれども、やはり真の原因究明があってこそ、きちんとした再発防止の案というものにつながっていくんだというふうに思いますので、その真の原因究明の部分で、更にちょっと深掘りした質問をこれ厚労大臣にさせていただきたいと思います。 今厚労大臣のお話の中でもございましたが、厚労省自身、障害者雇用の実態に対する関心が低かったということ、これが指摘をこの報告書の中ではされています。なぜ関心が低かったんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 御指摘のとおり、検証委員会の報告書においては、今般の事案についての厚生労働省側における根本的な問題として、国の行政機関における障害者雇用の実態に対する関心そのものが低かったという指摘をいただいております。この理由について、検証委員会の報告書では次の点を指摘しております。 障害者雇用納付金制度、これは昭和五十一年改正により義務化されましたが、民間事業主に対する指導に重点が置かれ、他方、国の行政機関については、自主的に適切な対応がなされるであろうという期待があったせいか、各機関の実雇用率が法定雇用率を超えていれば、それ以上に実態把握を行うことについてはほとんど視野に入っていなかったと考えられます。
○礒崎哲史君 今厚労大臣が御答弁いただいた内容というのは、この報告書の中で記載されている内容なんです。私がお伺いしているのは、もっと深いところ、もっと深いところなんです。何で関心が低いということになってしまうのかなんです。 そもそも、仕事をしているのであれば、自分の担当業務であればもっと責任を持ってきちんとやるべきところであるのに対して、なぜこんなに関心が低くなってしまったのかというもっと深い、それこそ厚労省の中で働いている皆さんの心理の部分に含めてどういうふうにお考えなのか、あるいは、そういった部分について更に独自に厚労省の中で何かお話がされているのであれば、それについて見解をいただきたいということなんですけれども、その点についてもう少し深掘りしたお話、何かありますでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 国の行政機関については自主的に適切な対応がなされるだろうという期待があったということと、やはり障害者雇用に対する関心が薄かったんだろうと思います。 〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
○礒崎哲史君 なので、その関心が低かった理由は何ですかということでお伺いをしているんです。 やっぱり、大臣、ここはしっかりと分析をしていかないと、本当の、恐らく大臣、この後の答弁で多分ガバナンスという言葉も使われるんでしょうけれども、ガバナンスをしっかりしていく大前提なんですよ。そこで働いている皆さんがどういう気持ちで働いているのか、自分の仕事がどういうふうに評価をされているのか含めて、そうした部分をしっかりと見直しをしていかないと、恐らく私は駄目なんだというふうに思います。 ですから、もっと深掘りをした原因究明というものを、これは厚労省の中で大臣の責任において私はやっていただかなくてはいけないんじゃないかなというふうに思っているんですが、そういう部分、もう一回、厚労大臣として厚労省の中の調査していただくというようなことをお考えいただけないでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 厚労省は障害者雇用を担当している官庁ですから、私もあの事案が起こったときに実際に厚労省で働いている障害者の皆様ともお話を聞かせていただきました。それぞれの皆さんが非常に前向きに、そして仕事をしっかりやっておられる、改めて私も実感をいたしました。 その意味では、やはり障害者雇用、これは厚生労働省が担当していますから、やっぱり、チャレンジ雇用とかそういうことも厚労省においては対応していたんですが、そこは、各省庁がどういうことをやっているのかということに対する関心、そこが薄かったと思いますし、報告も受けて、報告書も受けて、いろんな課題、問題点が指摘されておりますので、私も、その問題点、課題を踏まえて、障害者雇用のこの問題について具体的な対応、これを、法改正もう今準備をしておりますが、あの指摘された事項について、問題点についての対応ということで適切に対応していきたいと思います。
○礒崎哲史君 なかなか気持ちのいいお言葉がいただけないのが残念ですけれども。 繰り返しになりますけれども、大臣、やっぱりここをしっかりと調査をするということ、これが本当にガバナンスの強化、見直しにつながっていくことになりますから、これ是非お考えをいただきたいというふうに思います。改めてお願いを申し上げます。 今、その真の原因究明というキーワードで少しやり取りをさせていただきましたけれども、実はそれ以外にもいろんななぜなぜがあるんです、この中には。読めば読むほど疑問に思うことがいっぱいあるんです。 〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕 実は、この事案が発生したのが前回の通常国会の後、閉会中だったものですから、総理ともこうした形でやり取りをさせていただくことは少なかったと思います。是非、総理に御承知おきいただきたいことなんですけれども、参議院の厚生労働委員会の中で参考人質疑を行いました。実際に、障害者の団体の方、参考人にお呼びをして、おいでをいただいてお話をいただきました。 彼らの言葉です。今回の事案において固有名詞なき被害者がいるということだと、その立場に立った政治責任が問われなくてはならないんだと、こういう言葉をおっしゃられました。あわせて、私たちが知りたいのは、なぜ関心が低かったのか、なぜ正しい理解が欠如していたのか、なぜ意識が低かったのか、このなぜなんですと、恣意的だが意図的ではないとか、そういう状態が残っているままでは私たちの中では疑問が残ったままですというのが、これが実際に障害者の団体の方の代表の御意見であります。 是非、こうした言葉を真摯に受け止めて、今回の事案の更なる深掘りというものも、これも総理のお考えの中で進めていただければと思っておりますけれども、総理のお考え、いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、礒崎委員が持たれている問題意識、私も大変重要なことだと、こう思っております。ただ単に、これは障害者政策あるいは障害者に対する関心が低かった、しかし、本来なぜ低かったのかということなんだろうと思いますが、例えば、厚労省においては、本来、本来障害者の皆さんがそれぞれ自分たちの可能性を追うことができる社会をつくっていく、言わばその責任を負っているという責任感そのものもあるでしょうし、あるいは、障害者の方々が参加する、その多様性が社会を発展させていくという意思も低かったのかもしれないと、こう思うわけでございます。 そういう意味におきましては、そうしたことも反省しながら、そういう認識をしっかりと共有していくことが大切であろうと思うわけでございます。ただ単に、これ義務的にそういうことが決まっているからという形でですね、まあほかの役所もやっているんだろうなということだったと。むしろ、そういう情熱とパッションを持って取り組んでいくことが重要だろうと、改めて今御議論を聞いていて感じたところでございます。
○礒崎哲史君 今総理からも情熱を持ってというお言葉をいただきましたので、是非そうした総理の情熱を厚労大臣含めて関係大臣に共有をしていただいて、本当に深掘りをした議論をして、再発防止に向けた活動に当たっていただきたいというふうに思います。改めてお願いをさせていただきます。 次の問題なんですが、ちょっと具体的な原因究明から少し離れまして、現状見えている課題について何点か確認をさせていただきたいと思います。 今回のこの障害者雇用を進めていく上で、やはり障害者の方が働くための環境整備、職場の環境整備というもの、これが大変重要になってきます。要は受入れ側の体制整備ということになります。これを法律の言葉の中では合理的配慮という言い方をするんですけれども、この合理的な配慮に関して、人事院から、昨年末になりますけれども、通知が出されています。 この人事院から出された通知内容に従って実際に各省庁が対応しているのかどうか、そうしたチェックについては誰が行っていくのか、この点について確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(合田秀樹君) お答えいたします。 委員御指摘のように、人事院におきましては、各省人事担当者の障害雇用に関する理解を促進し、障害者である職員の働きやすい職場環境づくりを進めるため、昨年十二月に、職員の募集及び採用時並びに採用後において障害者に対して各省各庁の長が講ずべき措置に関する指針、いわゆる合理的配慮指針を策定し、それを発出したところでございます。 それぞれの職場におきます合理的配慮は、この指針に従いまして、障害者である職員と各省各庁の長との間で十分に話合いを行っていただき、職員の意向を尊重して、過剰な負担にならない範囲内で各省各庁の長から提供するものでございます。職員の方々の障害の程度や事情も多様でございますので、個別具体の状況に即して行っていただく必要がございまして、提供する配慮は各省において決定し、対応していただく必要がございます。 人事院といたしましても、各省から御相談がございますれば、それに対して対応していきたいと考えておりますし、また、各省が合理的配慮指針、これに従いましてどのように対応しているのかについてもフォローしていきたいというふうに考えております。
○礒崎哲史君 これ、例えば民間の場合でいきますと、この合理的配慮の提供義務違反というものがあったときに、罰則規定はないんですけれども、行政指導というものが、各地方局の労働局長から企業に対して指導が行われると、助言であったり指導であったり勧告ということが行われるということになっているんですけれども、今回の、行政機関の中で同じようにこの提供義務違反というものがあったときには、これは誰がそれぞれの省庁に対して行政指導を行うことになるんでしょうか。それができる立場は一体誰になるんでしょうか。
○政府参考人(合田秀樹君) お答えいたします。 障害者雇用促進法全般につきましては厚生労働省の方でも進められておりますので、そちらにおいて各省における指導というのもあるというふうには存じておりますし、また、国家公務員の職場環境の整備については人事院も責務を負っておりますので、各省の状況に応じて、私どもも厚生労働省と連携しつつ必要な対応を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
○礒崎哲史君 民間でいきますと、これ行政指導、それも労働局長からの行政指導ですから、企業側からすればかなりやっぱり厳しい、重たい指導ということになろうかというふうに思います。 今、人事院の方がそういったフォローもしていくということでお話をされたんですが、単なるフォローなんでしょうか。もう少し強い人事院からの各省庁に対する、それこそ労働局長からの行政指導のようなものに当たるそうした指導というものは行うことはできるんでしょうか。
○政府参考人(合田秀樹君) お答えいたします。 先ほどフォローと申しました内容として考えておりますのは、各省各庁において具体的に配慮として取られているものにつきまして、どのような対応がなされているかということを情報収集いたしまして、好事例というようなものについて各省に対して情報共有するというようなことは考えているところでございます。 委員御指摘のような強い行政指導となりますと、この障害者雇用促進法全般の実施について厚生労働省の方でも進められているところでございますし、また他方、国家公務員の職場環境の保持という観点から人事院として行っている、そういったものについての指導というのもあるというふうには存じているところでございます。
○礒崎哲史君 実は、これがよく分からないんですね、明確になっていないんです。民間においては明確なんです。何が起きたときに誰がどこに対して指導するのか、どういう権限が与えられているのかも明確なんです。でも、行政についてはここがいまだに不明確なんです。誰がその窓口となり、誰が誰に対してどういう権限を持って指導ができるのかというのが実はいまだに明確ではありません。 その意味では、この今回の報告書の中で指摘された、様々なその外部的なチェックも含めたそうしたものに対して行政側の甘え、緩みというものがあったということ、この指摘に対して何もそうすると解決していないということになりますので、是非こうした点についてはしっかりともう一度お考えをいただきたいと思います。 それと、あと最後にもう一問だけ。 今回、公的機関において合計で、国でいくとおよそ四千人、地方でいくと六千人、合計一万人の雇用をしなければいけないということになるんですけれども、この点について、民間企業の採用計画に影響を及ぼすことが考えられるんですけれども、その点についてのまずお考え、それと、こうしたことによって法定雇用率の未達が生じる可能性があります。こうした、民間企業にこうした影響が及んで法定雇用率未達になったときの対応としてどのようなことをお考えになっているのか、この点について、最後、確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 今般、国において相当数の障害者を採用することによって、これまで勤務していた民間企業を離職する障害者が実際に一定程度発生することが考えられます。民間企業との競合が起きないように、ハローワークにおいて障害者の特性や希望に応じたきめ細やかな職業紹介を行うことなどを通じて、丁寧に対応してまいりたいと思います。 厚生労働省としては、ハローワークとの、ハローワーク等関係機関との連携により、障害者御本人の希望に沿って、これ以上にきめ細かな職業相談、職業紹介などのサービスを提供していきたいと思います。
○礒崎哲史君 今回は、今回起きた事象というのは行政機関の不正がまず事の発端なんです。その不正を当然改めていくことは当然ですので、それは雇用をしっかりと進めていきたいと、これはもうみんなが同じ思いだというふうに思います。 ただ、それによって影響が出て、これまで民間企業でも苦労していたものが更に困難になって、その未達が出て、さらには障害者雇用の納付金制度によってお金を納めなきゃいけなくなった事例が出たときにどうするんですかということを私はお伺いをしております。 ちょっと、大臣、その点についてもう一度明確にお答えいただけないでしょうか。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ていますから。もう時間オーバーしている。
○国務大臣(根本匠君) 障害者の就職促進、これは今申し上げました、官民を問わず進展して、全体として障害者雇用の底上げを図る、また、公務部門における障害者の採用が民間企業における障害者雇用に与える影響についても、実態把握に努めた上で、必要に応じて対応策を検討していきたいと思います。
○礒崎哲史君 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で礒崎哲史君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成三十一年度総予算三案を一括して議題とし、統計問題・内外の諸情勢に関する集中審議を行います。 休憩前に引き続き質疑を行います。小西洋之君。
○小西洋之君 立憲民主党・民友会・希望の会の小西洋之でございます。 まず、厚生労働省の統計不正問題から質問をさせていただきます。(資料提示) 衆議院の審議、また昨日のこの本予算委員会の審議において統計の監察委員長の樋口委員長の御説明、なぜ隠蔽行為ではないのか、厚労省の職員の皆さんが事実に反する虚偽のことを述べたり虚偽の文書を作成したことは報告書で認めているのに、なぜそれが隠蔽にならないのか。隠蔽ではなくて申述行為というふうに言っております。 実は、その樋口委員長がおっしゃっている申述行為と隠蔽行為の違いなんですが、一言で言いますと、その当該厚労省の職員に事実を隠す意図があったかどうかということになるわけでございます。事実に反する虚偽を話しているのだけれども、隠蔽ではないというふうに樋口委員長は言っているんですが、じゃ、なぜ隠蔽にならないかというと、この隠蔽行為の定義の二行目ですが、意図的にこれを隠そうとする行為とありますね。ある事実を隠す意図が職員にあったかどうか。報告書ではそうした意図は認められないというふうに書かれているところでございます。委員の皆様には配付資料で報告書の抜粋を付けておりますけれども。 ところが、この報告書よく読むと、その当該厚労省の職員に事実を隠す意図があったかどうか、調査報告は書かれていません。この職員、統計課長さんは、事実を隠す意図を、この統計課長さんが事実に反する説明をしたようなことは認めているんですけれども、じゃ、事実に反する説明をしたときにその事実を隠す意図があったかどうかについては、調べて、調査報告に載っていないわけでございます。なので、そこのところからまず確認をさせていただきたいと思います。 樋口委員長に伺います。 報告書の十一ページですね、統計課長D及び担当補佐に対して、平成二十七年検討会で全数調査である旨の事実と異なる説明をしたことというふうに書いてありますけれども、この当該説明をこの課長と課長補佐がした際に、当該事実を隠す意図が二人にあったかどうか、この二人に調査委員会として事実を隠す意図があったかどうかという質問をしたのかどうか、その事実関係を答弁してください。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 御指摘のように、毎月勤労統計の改善に関する検討会におきまして、担当の課長及び担当補佐が東京都分も含め日本全体の大規模事業所について全数調査である旨の回答を行っておりますが、この事案に関する特別監察委員会のヒアリングでは、課長D及び担当補佐に対して、全数調査である旨の回答を行う際に事実を隠す意図があったかについて確認しております。
○小西洋之君 では、その結果について答えてください。課長と課長補佐は事実を隠す意図があったかなかったのか、どういうふうに答えたのか。
○参考人(樋口美雄君) 具体的には、課長Dがこうした説明を行った理由として、抽出調査は東京都の大規模事業所のうち一部の産業のみで行っていたものであり、大規模事業所については原則的には全数調査であった上、検討会という公の場であるから対外的に公表されている調査方法を説明すべきという認識だったということが報告書に書かれておりますが、この課長Dは、原則的には全数調査であったという点について、東京都で抽出調査を行っていることはごく限られた話であり、東京都以外の都道府県は全数調査であることから、全国で見れば全数調査と言っても誤ったことを言った意識はなかったという説明を行っております。 よろしいでしょうか。
○小西洋之君 ちょっと申し訳、樋口委員長、尊敬する学者先生であられて、独法の理事長でもあられるんですから、聞かれたことに端的に答えてください。 今、樋口理事長が読み上げたのは、十一ページの、当該課長がなぜ事実に反する虚偽を述べたかの理由ですね。理由について読み上げただけなんです。そんなことは聞いていない。どういう理由を持っていたかは関係ない。理由はさておき、どんな理由であれ、その事実を隠す意図を持ってこういう理由の中身を述べたかどうかを私は端的に聞いているんです。 その事実、隠す意図があったかないかについてはヒアリングで質問されたというふうにさっき言いましたから、もうイエスかノーかではっきり答えてください。課長と課長補佐は事実を隠す意図を持っていた、持っていなかった、どういう答弁、どういう回答をなさいましたか、それだけを答えてください。
○参考人(樋口美雄君) 確認できておりません。 いや、意図があったということが確認できておりません。意図があったということが確認できておりません。
○小西洋之君 その課長Dと課長補佐にはどなたがヒアリング、直接されていますか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) ちょっと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) 誰がヒアリングを行ったかということにつきまして、これは、ヒアリングの内容について非公開とするというような、委員会として合意したことから、これ以上の具体的内容についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○小西洋之君 私が聞いているのはヒアリングの内容ではなくてヒアリングの手続、プロセスですから、答えてください。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) 玄田委員、萩尾委員、柳委員でございます。
○小西洋之君 ありがとうございました。 じゃ、その上で先ほどの答弁を確認、意味を確認させていただきます。 意図があったという確認はしていないという答弁をなさいました。では、当該課長や課長補佐は、事実を隠す意図は私は持っていませんでしたということを回答したんでしょうか。どういう回答をしたのか、もう少し具体的にきちんと答えてください。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) 課長Dは、原則的には全数調査であったという点について、東京都で抽出調査を行っていることはごく限られた話であり、東京都以外の都道府県は全数調査であることから、全国で見れば全数調査と言っても誤ったことを言った意識はなかったという説明を行っております。(発言する者あり) 課長補佐には、担当補佐に対して、全数調査である旨の回答を行う際に事実を隠す意図があったかについて確認しております。具体的には、担当補佐がそうした説明を行った理由として、事実と異なるとの認識はあったものの、以前から全数調査としている旨説明しているとの趣旨があり、殊更事実を隠す意図を持って行われたものではないことを確認しております。
○小西洋之君 余りそういう答弁をされると答弁拒否になってしまうんですね、委員長。 いや、委員長が今おっしゃったのは、議場の皆さん、御覧ください、十一ページに書いてある、課長と課長補佐がなぜ事実に反する虚偽の説明等をしたかの理由を述べているだけですよ。そんなことは聞いていないんです。 あなたは、だから、私が聞いているのはこういうことなんです。課長や課長補佐は事実に反する虚偽の説明をしたと。なぜそういうことをしたか、その目的は、その事実を隠す意図があったんですか、課長さん、そういう事実を隠す意図があったんですか、課長補佐さん、という質問をしたんですかと聞いたら、したと先ほど言いましたね、したと言った。その、じゃ、質問に対する答えを、意図を持っていたのかどうかを、どういう答弁を、回答をしたのか、二人が。それを端的に答えてください。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) 同じ答弁で恐縮でございますが、担当補佐に対しましても、全数調査である旨の回答を行う際に、事実を隠す意図があったかについて確認しております。 具体的には、担当補佐がそうした説明を行った理由として、事実と異なるとの認識はあったものの、以前から全数調査としている旨、説明しているとの趣旨があり、殊更事実を隠す意図を持って行われたものではないことを確認しております。
○小西洋之君 今委員長がおっしゃられた一番最後の事実を隠す殊更意図を持っていなかったというのは、これ、委員会の評価なんですね。そんなこと私聞いていないんですよ。当該課長補佐や課長が、私は事実を隠す意図は持っていませんでしたという答弁を、回答をヒアリングでしたのかどうか、したのであれば隠蔽なんですよ、皆さんの定義に当てはめると隠蔽。それを殊更に隠しているんですね。 いつまでたっても同じ答弁、答弁拒否ばかりされるので、次、委員長、伺いますけれども、樋口委員長、樋口委員長、伺いますが、報告書十二ページの統計室長Fと担当補佐にヒアリングをされたのは、樋口委員長、ヒアリングされていますか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) しております。
○小西洋之君 では、同じ質問です。 統計室長F及び担当の補佐は、これ、変更申請において事実と異なる記載をしたということなんですけれども、事実と異なる記載をしたときに、まず樋口委員長はそのお二人に対して、お二人に対してですね、事実を隠す意図を持って、事実を隠す意図を持って事実と異なる記載をしたかという質問をされていますか。
○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) 事案の詳細な説明をしてほしいというふうに聞いております。
○小西洋之君 事案の詳細の説明をお求めの中には。もう同じことを聞かさないでください、お二人に対して、事実を隠す意図をあなたは持っていましたかという趣旨の質問をされていますか。事実関係を教えてください。
○参考人(樋口美雄君) 報告書に記載しているとおり、特別監察委員会のヒアリングにおいて、当事者である担当室長から詳細な経緯の説明を受けております。 具体的には、まずは厚生労働省側からではなく総務省の担当者の方から、大規模事業所は全数調査である旨を記載してはどうかという指摘があったこと。これに対し、室長は、担当補佐を通じて、全数調査に関して、原則、基本的にとの修飾語を置けないかと相談させたこと。しかし、総務省担当者から、変更予定があるという趣旨かとの質問を受け、既に抽出調査としていることを説明すれば、これまでの不適切な取扱いの説明に窮することから、事実を正直に言えず、総務省の指摘どおり全数調査である旨を記載したということがございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) 供述の内容を踏まえますと、事実を知りながら対外的に事実と異なる説明を行ったことは認められますが、一方で、総務省の担当者からの指摘が契機であったことなどを考えれば、積極的に隠そうとする意図を持って全数調査である旨を記載したものではないと考えております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) 報告書に記載してあるとおり、特別監察委員会のヒアリングにおいて、当事者である担当室長から詳細な経緯の説明を受けております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) ちょっと速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 小西さん、済みませんが、もう一回ちょっと尋ねてください。
○小西洋之君 はい。 では、樋口委員長に伺います。 調査報告書十二ページの統計室長F及び担当補佐に対して、この二人は事実と反する虚偽の記載をしたんですが、この二人が当該虚偽の記載をするときに、当該事実を隠す意図を持ってこういう虚偽の記載をしたんですかと、事実を隠す意図をあなたは持っていたんですかという事実関係の確認の質問をお二人に樋口委員長はヒアリングしたと言うので、されましたか。された場合には、お二人はどういう回答があったのか。もう一言だけで答えられるものですから、読み上げはやめてください。
○参考人(樋口美雄君) 私の記憶によりますと、直接的にこういった質問をしてはおりません。ただし、今申し上げましたように、詳細な状況について話を聞いたときに、その結果としてそう判断したということでございます。
○小西洋之君 今、樋口委員長は、事実を隠す意図があったかどうか、直接的な質問をしていないということでした。 では、樋口委員長に伺います。 室長Fと担当補佐にヒアリングを行った樋口委員長以外の方を教えていただけますか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) 玄田委員、柳委員、萩尾委員などでございます。
○小西洋之君 では、今おっしゃっていただいた樋口委員長以外の方は、この室長Fさんと担当補佐に対して、隠す意図を持って虚偽の文書を作ったこと、隠す意図を当時持っていたかという質問をされていましたか。
○参考人(樋口美雄君) 私の記憶によりますと、委員から直接そういった質問をしてはないんではないかというふうに思いますが。
○小西洋之君 虚偽の文書を作る際に事実を隠す意図の有無を確認しないのであれば、皆さんが定義した隠蔽行為を確認することは論理的にできないんですね。 樋口委員長に伺います。 こんな言い方はしたくないんですが、テレビの前の国民の皆さんももう怒っていらっしゃると思うので、怒っていらっしゃると思うので、これは元々目的があって、隠蔽ということはどうしても認めないという目的を持って作られた報告書ではないですか。
○参考人(樋口美雄君) 御指摘の点につきまして、本委員会では、本人の意図を確認するため、まずは本人の供述をしっかりした、確認した上で、関係者の供述や当時の状況、事実関係を踏まえ、法律実務家であります元裁判官あるいは検事の方であり、事実確認、事実認定について豊富な経験を持つ専門家にも参加していただき、その上で判断したものでございます。
○小西洋之君 委員長がおっしゃるように、確かにいろいろ法曹経験者の皆さん入っているんですけれども、これ行政処分されているんですね、職員の皆さんは。行政処分されるに当たって、隠蔽の意図、すなわち事実を隠す意図があったかどうかを確認しないなんてことはあり得ないですよ、これ。そういう意図があったんだったらより重い処分になったでしょうし、あるいは、それも確認せずに処分をしたのであれば、厚生労働大臣、それは適切な処分とは、適正手続に当たらないんですね。 また、委員長に、もう答弁幾ら聞いても答えてくださらない、テレビを御覧の皆さんはもう御理解されていると思いますけれども、一番核心的なこと、隠蔽の一番核心的なこと、厚生労働省は不正を働いたというのは認めているんです。不正を行った厚生労働省職員に、不正を行うに際して、そのときに事実を隠す意図があったかどうかをこの調査委員会は直接聞いていないわけですよ、聞いていない。いやいや、こういうことを考えましたからという、こういう理由を不正を働いた厚生労働省の職員の皆さんは答えたんですけど、その理由を勝手に評価して、事実を隠す意図はないというふうに勝手に報告書に書いてあるだけなんですね。 委員長に理事会にお諮りしていただきたいと思うんですけれども、お手元の配付資料のこの報告書の十九ページの上の段でございますけれども、この樋口委員長の下の委員会で、私が①から⑤付けさせていただいておりますけれども、十九ページの上でございますけど、適切な復元処理を行っていなかった、長年放置した、あと有名な、事務取扱要領の記載を削除した、今申し上げた、検討委員会で事実と異なる説明をした、今の、変更申請において虚偽の記載をした、あと五番は、その復元処理に後で着手をしたということなんですけれども、これらについて、これらの行為を行った、厚生労働省の職員が行ったときに、事実を隠す意図があったかどうかを調査委員会としてまずヒアリングしているかどうか、一点、それ。 ヒアリングしているのであれば、それに対して厚生労働省の職員の皆さんがどのように答えていたかを委員会に出していただきたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○小西洋之君 ありがとうございます。 併せてお願いしたいんですけれども、ヒアリングをしたときに、供述、聴取したメモ、供述のメモがあるはずですので、それ以外のところは墨塗りしていただいて結構ですから、事実を、事実を隠す意図を持っていたかどうかの質問をしている箇所、かつそれに対するお答えの部分を、その調書を、文書を出していただけますようにお願いいたします。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議します。
○小西洋之君 ありがとうございます。 これで、以上でこの厚生労働大臣が諮問された委員会が、隠蔽を隠す、隠蔽工作の調査をしていたということが明らかになりました。 実は、こうした隠蔽問題なんですけれども、安倍総理の下の安倍政権、安倍内閣では頻発しております。 麻生大臣に伺います。 昨年の六月に決裁文書の改ざんなどについて報告書を出されましたけれども……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○小西洋之君 委員の皆様にはお手元に、資料三ページでございます。 この決裁文書の改ざん、また、土地の値段の交渉をしていたその交渉記録、交渉記録についてはないというふうに言ったのが、実は残っておりました。結果、我々国会に出さなかった、会計検査院にも出さなかったし、改ざん文書を出した。こうした改ざん行為や交渉記録を出さなかった行為は隠蔽に当たるとお考えでしょうか。麻生大臣の隠蔽の解釈を教えていただいた上で、麻生大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 文書改ざんの問題、これはもう極めてゆゆしい、ゆゆしき話なんであって、誠に遺憾ということで、これは深く申し上げねばならないと考えておりますし、度々申し上げてきたところでもあります。 昨年六月に公表した調査報告書において認定した一連の問題行為が隠蔽に当たるかどうかということを聞いておられるんだと思いますが、もう一回言いましょうか、時間が掛かりますから損しますよ、いいですか。隠蔽という言葉の定義次第であるとは思いますけれども、そのように評価されてもやむを得ない面があったのではないかと思うと、そのようにお答えをさせていただいたと思いますが、いずれにいたしましても、二度とこうしたことが起こらないよう、文書管理の徹底とか、秋池参与をお招きして財務省組織として抱える問題を抽出した上で、今、信頼回復に努めてまいっているところであります。
○小西洋之君 ありがとうございました。 では、防衛大臣に伺いますが、南スーダンの自衛隊の日報とイラクの日報、ちょっと時間が押してしまいましたので、防衛省として、日報、国会質疑などで存在を問われ、かつ国会提出などを求められたものですが、結果、あったんだけれどもないと言ったり、あるいは出してこなかったんですが、それは隠蔽というふうに考えて、それはもう結論だけで、南スーダンの日報とイラク日報の問題は、防衛省として、あれは隠蔽行為に当たるというふうに考えていらっしゃるかどうか。
○国務大臣(岩屋毅君) 隠蔽とは、人又は物が目に付かないように意図的に覆うこと、隠すことだとされていると承知しておりますが、南スーダン日報についても、イラク日報においても、防衛省・自衛隊に不適切な対応があったことは事実ですけれども、それぞれ隠蔽には当たらないというふうに考えております。
○小西洋之君 これは実は昨年から防衛省が答弁しているんですけれども、国会に提出を求められたものを出さなくて隠蔽でなかったという、およそ民主主義の世の中で理解し難い答弁ではないかというふうに思います。麻生大臣は、隠蔽と言われても仕方がないということをお認めになりました。 樋口委員長に伺います。 これまでの審議の中で、隠蔽かどうか、どうお考えですかと聞かれて、グレーであるというふうに考えていますとおっしゃっていました。グレーというふうにですね。樋口委員長の御見解として、グレーであると。端的に伺いますが、グレーである、グレーだから白と黒の中間ということですよね。白なのか黒なのかを、隠蔽に当たるか当たらないかは、先ほど申し上げた、当該職員に事実を隠す意図があったかどうかを樋口委員長始め委員の皆様が聞いて確認すればいいだけなんです。なぜ、なぜ確認せずにグレーのままにされたんでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) 我々の委員会では、本人の意図を確認するため、本人への直接的な質問のみならず、関連する本人の様々な供述をしっかりと確認した上で、関係者の供述や当時の状況、事実関係を踏まえ、法律実務家であり、また事実認定について豊富な経験を持つ専門家にも参加していただき判断したものでございます。
○小西洋之君 もう先ほどと同じ答弁なので、答弁拒否と受け止めます。 安倍総理に伺います。 以上のやり取り、安倍総理、聞いていただきまして、安倍総理は、今回のこの厚生労働省の報告書の内容について、一般的な意味では隠蔽であるというふうにおっしゃっています。安倍総理が一般的な意味で隠蔽であるというふうに今回の事件を考える理由は、厚生労働省の職員らに事実を隠す意図があったんであろうと総理として思われているからですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私がこの予算委員会で、これ蓮舫委員の御質問に対してお答えをさせていただいたのは、一般的な感覚で、これは隠蔽ではないの、ないのというふうに疑問を持たれるということは当然だろうと思うところでありますがと、こう答えているわけでありまして、私がそう思うということではなくて、そう疑問を、ということは当然だろうと思うところでありますが、そのところは法律的な観点から、言わば厳密なこの定義の上から整理をされたと、私はこう受け取っているところでございますと、このように答弁をさせていただいております。
○小西洋之君 では、安倍総理に伺います。 安倍総理、これ厚生労働大臣が調査委託をした委員会ですが、今言ったように調査になっていませんので、安倍総理自らの責任において、厚生労働省の当該職員の皆さんに事実を隠す意図があったかどうかの調査を安倍総理の責任において行うということをこの場で約束してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 厚生労働省の特別監察委員会は、元最高検検事の方を事務局長に迎え、より独立性を強めた上で先般追加報告書を取りまとめていただいたところでありまして、組織的隠蔽や隠蔽行為の疑いに関して厳しい御批判もあることは真摯に受け止めたいと思いますが、当該報告書は中立的、客観的な立場から検証作業を行っていただいた結果であると考えているところでございます。 いずれにいたしましても、こうした事態が二度と生じないよう徹底した検証を行い、信頼を取り戻すことが何より重要であり、再発防止に全力を尽くすことで政治の責任をしっかりと果たしていきたいと考えております。
○小西洋之君 安倍総理の責任において、これ厚労省職員が事実を隠す意図を持っていたかどうかの調査をお願いしましたが、拒否されました。 安倍総理は、先ほど麻生大臣がお答えくださった森友学園の決裁文書の改ざん事件の際に、うみを出すというふうにおっしゃいました。安倍総理が言ううみには、隠蔽、事実を隠す意図を持って不正行為を働く、そのうみも含まれていますか。うみの中に隠蔽も含まれていますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども答弁、引用して答弁させていただいたんですが、私が、蓮舫議員の御質問に対する答弁の中におきましても、この隠蔽ではないのかというふうに疑問を持たれることは当然あるんだろうと、こう思う次第でございますが、しかし、今回、特別監察委員会におきましては、法律家の皆様、元検事の方も集まり、が参加をしていただき、法律的な観点から厳密な定義を定められてこの上から整理をされたと、このように考えているところでございます。
○小西洋之君 弁護士や元裁判官らが当然踏まえるべき事実確認をしていないと、しかも処分が行われる事案についてということを私は立証をさせていただいています。 安倍総理、さっきから全く答弁されていませんけれども、うみに、安倍総理がうみを出すと言ったうみに隠蔽が含まれるのかどうか、答えてくださいませんでした。 私、十二年間、郵政省、総務省で働いておりましたけれども、決裁文書の改ざんをして国会に提出する、会計検査院に提出する、こんな政府は戦後一秒たりとも安倍内閣以外は存在いたしませんでした。また、更に隠蔽を行い、そして厚労省など政府が委託した調査委員会でもまともな調査も行われない、こんなことも、私が知る限り、十二年間の経験に照らして、安倍政権以外では起きませんでした。 安倍総理は、隠蔽や改ざんの不正のうみ、うみの生みの親である、そういう自覚はございますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにいたしましても、決裁文書の改ざんの件につきましては司法の手も入ったわけでございます。その中で処分もされ、そしてまた、麻生大臣の下にこの問題について検証が行われ、処分もなされたと、このように承知をしております。 その上で、しっかりと再発防止に努めていくことが私の責任ではないだろうかと、こう思っております。
○小西洋之君 全く答えませんけれども、安倍総理、デンマークのアンデルセンの童話の「裸の王様」という童話を御存じだと思いますので、是非お読みいただくことをお勧めいたします。 じゃ、これに関連して、安倍総理に伺います。 今回のこの統計問題ですけれども、私、一つ非常に不可解なことがあるわけでございます。厚生労働省が統計の仕方を変えて、二〇一八年一月からのデータについて統計のやり方を変えました。ローテーションサンプリングというようなことをして、かつこっそり復元処理などいろんなことをやっていたんですけれども、その結果、御覧いただいて分かりますように、二〇一八年、すなわち平成三十年の一月から現金給与総額、それは分かりやすく言うと収入ですね、が跳ね上がっております。安倍総理がこれ渇望していたアベノミクスの成果なんですけれども、賃金や収入の増加なんですが、安倍総理は、この平成三十年一月以降のこの給与などの跳ね上がりについて、一度も自分のアベノミクスの成果の中で触れておりません。 安倍総理がアベノミクスの成果を触れる際には、もう必ずと言っていいほど、正当性が疑わしいような数字も含めて、そればかりのように私は理解しておりますけれども、そうした数字を必ず述べているんですが、なぜこれ、真ん中の六月、本当に跳ね上がっていますが、これ二十一年五か月ぶりの三・三%という伸びなんですね。空前絶後のこうした給与、賃金の上昇があるのに、なぜ安倍総理は二〇一八年一月以降のこの賃金の伸びについて具体的に一度もアベノミクスの成果を国民や国会で語る際に触れていないんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そもそも私は、毎月勤労統計について、これを基にして、これだけをもって私の経済政策についてうまくいっているとか語ったことはないのは御承知のとおりなんだろうと思います。総雇用者所得については申し上げているところでございますが、それも言わばこの議論になった毎月勤労統計の議論の中で申し上げているようなところでございます。 そこで……(発言する者あり)よろしいでしょうか。毎月勤労統計における現金給与総額の昨年六月の対前年比三・三%が公表された際、報告等はこれ受けていません。三・三%という数値を認識したのは、毎月勤労統計の問題が多く報じられるようになったからであります。 このように、毎月発表される毎月、毎勤統計の結果についても、毎回その都度私に報告されることはないということでございます。
○小西洋之君 参考人の中江元総理秘書官に伺います。 あなたは、厚生労働省がこの統計の仕方を変えるべきだということで、総理にも状況を報告した上で厚生労働省に話をして、二〇一八年一月以降、まさにあなたが言っていたとおりのサンプリング、やり方をローテーションサンプリングというやり方に変わりました。結果、給与跳ね上がりました。 その結果をあなたは安倍総理に全く報告していないんですか。また、あなたが知る限り、こうした結果について安倍総理に首相官邸の中で誰も報告していないということでよろしいですか。
○参考人(中江元哉君) お答えいたします。 まず、今委員がおっしゃられた、私が問題意識を持って厚労省に伝えて、厚労省が、それを受けてかどうかは分かりませんけれども、検討会を開催されてというところで、総理と御相談されてということをおっしゃられましたが、私、そんなことは総理には報告しておりません。そこは一点申し上げておきたいと思います。 それから、今お尋ねの二〇一八年の一月以降のデータですけれども、これは、毎月勤労統計については、私、一々総理に結果の報告はしていなかったということでございます。 それから、特に、二十何年ぶりですか、六月の賃金上昇率、これについては、公表されたのが、速報が昨年の八月七日、確報が八月二十二日でございまして、その時点では私もう既に総理秘書官の職を辞しておりますので、何らかの説明を受ける立場にございませんでした。したがって、総理にも当然説明しておりません。
○小西洋之君 統計のやり方を変えるべきだと必死になって動かれていた秘書官がこの結果について何ら関知していないかのような答弁をされましたが、非常に不可解なんですね。 これちょっと、安倍総理が、いつもアベノミクスの成果を誇る際に数字を使われる安倍総理が、なぜこの三・三%、二十一年五か月ぶりの数字の跳ね上がり、しかも平成三十年、二〇一八年一月以降に、初めてですね、安倍内閣になってですね、給与が伸びていることをなぜ言わなかったのかというのは非常に非常に疑問であると思いますが、参議院の予算委員会、この後続きますので、引き続き追及をさせていただきたいと思います。 じゃ、次の質問に移らせていただきます。 一月二十八日の施政方針演説で安倍総理は、今フリップ出しますけれども、明治天皇が、一九〇四年の、日露戦争が始まったんです、日露戦争に際して明治天皇が詠んだ歌、「しきしまの大和心のをゝしさはことある時ぞあらはれにける」という歌を施政方針演説の中でこのとおり読み上げました。 それに続いて、会議録を読み上げますが、「明治、大正、昭和、平成。日本人は幾度となく大きな困難に直面した。しかし、そのたびに、大きな底力を発揮し、人々が助け合い、力を合わせることで乗り越えてきました。 急速に進む少子高齢化、激動する国際情勢。今を生きる私たちもまた、立ち向かわなければならない。私たちの子や孫の世代に輝かしい日本を引き渡すため、共に力を合わせなければなりません。」。
○委員長(金子原二郎君) 質問中ですが、ちょっと退室させていただいてよろしいですか。
○小西洋之君 統計の関係の皆さんですね。ちょっと場合によっては後で聞くこともあるんですが、ちょっと時間押していますので、退席していただいて結構でございます。
○委員長(金子原二郎君) それじゃ、樋口委員長、退室していただいて結構ですから。御苦労さまでした。
○小西洋之君 実は一番最後に聞くつもりだったんですが、時間が押していますので。 議事録の読み上げですが、「平成のその先の時代に向かって、日本の明日を、皆さん、共に切り開いていこうではありませんか。」。 平成の後の、安倍総理がつくる元号ですね、の時代について、共に国民に切り開こうと呼びかける言葉に、何と明治天皇が日露戦争の戦意発揚に使った、使われた歌を安倍総理は本会議場で読み上げたわけです。これ、普通の内閣だったらもうこれで終わりですよ。国際紛争を武力行使で解決するということを禁じた九条や前文の平和主義の下で、こんな歌を総理大臣が読み上げたら終わりですよ。そのことを追及させていただきます。 まず、安倍総理に伺いますが、安倍総理、与謝野晶子さんの「君死にたまふことなかれ」という歌を御存じですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは与謝野晶子が自分の弟が出征するときに向けて歌った歌であろうと、このように承知をしております。
○小西洋之君 今、私の手元にその「君死にたまふことなかれ」の歌がありますので、ちょっと時間押していますので早口で申し訳ありません。「あゝをとうとよ、君を泣く、君死にたまふことなかれ、末に生れし君なれば親のなさけはまさりしも、親は刃をにぎらせて人を殺せとをしへしや、人を殺して死ねよとて二十四までをそだてしや。」。で、次の二つ目の歌を飛ばして三つ目行きます。「君死にたまふことなかれ、すめらみことは、戦ひにおほみづからは出でまさね、かたみに人の血を流し、獣の道に死ねよとは、死ぬるを人のほまれとは、大みこゝろの深ければもとよりいかで思されむ。」。 今の私が紹介した与謝野晶子の歌を、安倍総理、聞いていられてですね、二つ目申し上げたのは、「すめらみことは、戦ひにおほみづからは出でまさね、」。要するに、天皇陛下は戦争には行かないということです。御自身は戦争に行かない天皇陛下が、国民、臣民、当時は臣民ですけれども、戦争で獣の道で殺し合って死んでいく、そういうことを思っているのかどうかというようなことをおっしゃっているんですが。 安倍総理に伺います。 これが当時の、これは一九〇四年の十一月です。日露戦争が始まってから、九月です、半年後に詠まれた歌でございますけれども、安倍総理が言っているその明治天皇ですね、「しきしまの大和心のをゝしさはことある時ぞあらはれにける」。国民が一致団結、困難を乗り越えてきたと言っているんですけれども、日露戦争の当時にも、与謝野晶子の歌を含め、戦争についていろんな国民の思い、感情があったのではないですか。 そうしたことに照らすと、とにかく戦意発揚で、みんなで一致団結だと、こういう明治天皇の歌を読み上げることは極めて不適切とはお考えになりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 個別具体的な歴史的出来事に関する評価については、これはまさに歴史家に委ねられるべきであろうと、このように考えるわけでございます。 そして、そのときの市井の人々の感覚から比べてどうかということでございますが、私が施政方針演説で引用させていただいたこの演説、施政方針演説におきましては、この前段はどういうことを、その御製を引用したところからしか今引用していただいていないわけでございますが、その前に、平成という時代はどういう時代であったかということを申し上げ、平成というのは大変災害が多かったということに言及し、そして阪神・淡路大震災に触れ、また東日本大震災に触れ、そして市井の人々がその苦しさの中でけなげに頑張っておられたということを申し上げ、そしてこの御製を引用させていただいたところでございます。そして、様々な困難な中を、困難に直面してきたけれども、みんなで頑張っていこうという趣旨でこれを引用させていただいたということでございます。
○小西洋之君 明治天皇は日露戦争に際して非常にたくさんの歌を詠んでいるんですが、当時、新聞で続けて発表された、今御紹介している歌と一緒に発表されている歌を申し上げますと、石畳堅きとりでも戦人身を捨ててこそ打ち砕けれ。分かりますか、石畳堅きとりでも戦人身を捨ててこそ打ち砕けれ。まさに与謝野晶子の弟さんは、旅順攻略戦、トーチカで固めた旅順に肉弾戦を行ったわけですが、当時の日本軍。まさに、そうした状況、それはもう身を捨てては打ち砕けるんだということを、砕くことができるんだということを明治天皇は言っております。 そのような歌を、安倍総理に伺いますが、よろしいですか、安倍総理に伺います。日本国憲法は、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることがないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定するというふうに前文に書いてあります。つまり、二度と国家権力によって戦争を起こさせない、そうした国民主権、そうした平和主義の国民主権の下に作られた憲法です。その憲法の下の国民代表機関の国会の本会議の場で、行政権をつかさどる総理大臣が、かつてのこの戦争、日露戦争、朝鮮半島や中国の権益を争った覇権戦争です、その戦争で国民を鼓舞する歌、国民よ、身を砕けるまで戦えという鼓舞するような歌、そうしたものを読み上げるということは、憲法前文の平和主義又は憲法九条のその理念に反する行為とは考えませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 明治天皇に対して批判的に他の歌も挙げて取り上げられた、まさに批判をされたわけだろうと、こう思いますが、十万首近い歌を明治天皇は詠まれているわけでございまして、この時代に、日露戦争期に詠まれた歌におきましては、例えば、よもの海皆はらからと思う世になど波風の立ち騒ぐらむという歌も詠んでおられるわけであります。つまり、これは、まさに平和の大切さ、平和を希求しているという気持ちを詠まれた歌でもあろうと、こう思うわけでございます。 いずれにいたしましても、この御製についての、この御製についての解釈について私が今ここで申し上げましたのは、私の受け止めた解釈として、まさにその前に、平和、平成という時代は大変災害が多い時代であったということでございまして、それを申し上げたわけでありまして、施政方針演説におきましては、内平らかに外成る、地平らかに天成る。大きな自然災害が相次いだ平成の時代、被災地の現場には必ず、天皇、皇后両陛下のお姿がありましたということをお話をさせていただき、阪神・淡路大震災で全焼した神戸市長田の商店街では、皇后陛下が焼け跡に献花された水仙が、復興のシンボルとして、今なお地域の人々の記憶に刻まれていますということを御紹介させていただき、そして、東日本大震災の直後、仙台市の避難所を訪れた皇后陛下に、一人の女性が花束を手渡しました。津波によって大きな被害を受けた自宅の庭でたくましく咲いていた水仙を手に、その女性はこう語ったそうです。この水仙のように私たちも頑張りますということを御紹介させていただき、そして、今、先ほど御紹介をしていただいた御製を紹介をさせて、引用させていただいたわけでございます。まさに、日本人は大きな底力を発揮をし、人々が助け合い、力を合わせることで乗り越えてきましたということを申し上げたところでございまして、それがなぜ憲法九条に違反するかということは、この跳躍ぶりには驚くばかりでございます。
○小西洋之君 安倍総理は、聞いたことは全く答えずに、こういう答弁拒否、時間稼ぎをされているんですね。 さっき私、十二年間の官僚経験を言いましたけれども、いろんな総理、大臣の答弁作成、私もしましたけれども、安倍総理のように時間稼ぎをするような総理は戦後一人もいませんでしたよ。国民と国会に対する冒涜ですよ。聞かれたことだけを堂々と答えなさい。 答えなさいって違和感あるかもしれません。これは安倍内閣の答弁ですが、我々国会議員は国民の代表として議院内閣制の下で質問しますので、私の質問は安倍総理に対する監督行為なんですよ。これ、安倍内閣の質問主意書で書いてありますよ。なので、しっかりと監督させていただきます。 では、次の質問を行かせていただきます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) それじゃ、速記を起こしてください。
○小西洋之君 横畠法制局長官に伺います。 こうした趣旨の答弁を内閣はしているはずでございますけれども、議院内閣制の下、国民代表の国会議員が国会で行う質問は国会の内閣に対する監督機能の表れである、こうした閣議決定、質問主意書の答弁があるということを確認してください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 突然のお尋ねでございまして、御指摘の質問主意書は手元にございませんが、憲法上、まさに議院内閣制でございまして、内閣は国会に対して責任を負うということでございます。 その観点で、国会が一定の監督的な機能、もちろん行政権の行使は内閣の全責任で行いますけれども、国権の最高機関、立法機関としての作用というのはもちろんございます。ただ、このような場で声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えておりません。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に、御静粛に。 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 先ほどお答えした国会の監督権といいますのは、まさに議院であり、委員会、組織としての監督権でございまして、個々の議員、委員の発言について述べたものではございませんので、先ほど、先ほどの声を荒げてというところの部分については、これはまさに委員会においてその方法についての適否について判断すべき事柄でありまして、私がその評価をすべきことではありません。撤回いたします。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 先ほどお答えいたしましたが、委員会において判断すべき事柄について評価的なことを申し上げたことは越権でございますので、この点についてはおわびをして撤回させていただきます。
○小西洋之君 分かりました。その撤回を受け入れることにさせていただきます。 ただ、私の官僚経験と照らして、法制局長官が国会で政治的な発言をしたのは私初めて聞きましたので、このことは是非、テレビの向こうの国民の皆様、御認識いただきたいとお願いするとともに、先ほどの横畠長官の答弁ですが、個々の国会議員の質問は監督権でないようなことをおっしゃいましたが、今私は、ここには会派を代表して、国会の組織的活動の会派を代表して私は質問に立っています。まさに国会の組織行為として、私は内閣の監督のために質問をさせていただいているわけでございます。 先ほどの明治天皇のこの戦意発揚の歌ですが、安倍総理もう答えないので、委員の皆さんと国民の皆さんに御紹介だけさせていただきますが、戦後七十年に総理談話というのを出しています。その中で安倍総理はこういうことを言っているんですね。もう質問しませんから、ただ、ゆっくりは言います。 二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。事変、侵略、戦争、いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としてはもう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に決別し、日露戦争は朝鮮半島の、中国の植民地の権益の戦いでございました、全ての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければなりません。植民地支配を日本は行いました。さきの戦争への深い悔悟の念とともに、我が国はそう誓いました。自由で民主的な国をつくり上げ、法の支配を重んじ、ひたすら不戦の誓いを堅持してまいりました。七十年に及ぶ平和国家としての歩みに私たちは静かな誇りを抱きながら、この不動の方針をこれからも貫いてまいります。 このような総理談話から、なぜ日露戦争の戦意発揚の歌をもって、これからの時代、国民の皆さん、共に切り開いていこうではありませんかというようなことが言えるのか、私には到底理解できないわけでございます。 安倍総理、一つだけちょっと今気付いたので、安倍総理、よく法の支配という言葉をおっしゃいますが、端的に質問に答えてください。法の支配の対義語は何ですか。法の支配の反対の意味の言葉は何ですか。法の支配の反対の意味の言葉は何でしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、私が申し上げているのは、私が申し上げている法の支配というのは、まさにこの反対語というよりも、法の支配ということを申し上げているのは、言わばこの海、繁栄の海、アジア太平洋の海を繁栄の海としていく、インド太平洋を繁栄の海としていく、地域としていく上においては、法の支配、国際法の支配の中においてルールを守るということが大切であると、言わば力による現状変更ということは認めないということでございまして、そういう意味におきまして、まさに法の支配による、ルールによるこの国際秩序を維持をし、そして平和な海を守っていくことがそれぞれの国の繁栄につながっていくという考え方を示しているところでございます。
○小西洋之君 後ろにいる秘書官は、総理との質問ですから、知っているかどうかを私聞いていますから、助言はしないようにお願いいたします。 法の支配の対義語は、法の支配の対義語は、憲法を習う大学の一年生が一番初めの初日に習うことですよ、法の支配の対義語。改憲を唱える安倍総理が法の支配の対義語を答えられないんですか。法の支配の対義語を一言で答えてください。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 小西君。
○小西洋之君 憲法がよって立つ基本原理すら理解せずに改憲を唱えている安倍総理に教えてさしあげます。 法の支配の対義語は人の支配です。権力者の専断的行為によってルールをねじ曲げて国民の権利や自由を侵害する、そういう時代がかつて人類にあったから、近代立憲主義に基づく憲法を作る、その近代主義の憲法が基づく理念が法の支配の原理なんですよ。(発言する者あり)全然興奮していない。 安倍総理が法の支配の対義語を答えられなかったことに国民の皆さんも驚いていらっしゃると思いますが、私予測していたんですが、実はこれちょっと予測していて、今から六年前に安倍総理は、日本国憲法で一番大切な憲法十三条を一ミリも理解せず、答えることもできなくて、まさに国民にとって悪夢そのものの答弁をなさったんですね。なので、私も法の支配の対義語を知らないのかなと思ったら、やっぱり知りませんでした。 では、法の支配の対義語である人の支配を安倍総理はどのように繰り広げているか、次のテーマに移らせていただきます。では、専守防衛。 今回の防衛大綱等の見直しによって空母保有などをすることになっていましたが、安倍内閣は、安保法制やそうした空母の保有などについて、一見して専守防衛に反しないと言っているんですね。しかし、実は専守防衛の定義の意味を安倍内閣が二〇一四年の解釈変更、集団的自衛権を容認した解釈変更のときに、専守防衛の定義を改ざんしているんです。言葉はそのまま、意味を変えてしまっているんですね。 専守防衛の定義、時間がないので私がフリップで申し上げますが、これ、田中角栄内閣から続いて安倍内閣も踏襲している専守防衛の定義です。専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また、保持する自衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、法の支配にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうというふうにされているところでございます。 ちょっとこれを聞こうと思ったんですが、ちょっと安倍総理に、今、先ほど法の支配の対義語を知らなかったのは私も驚いたので、もう一つ、これの前段で質問させていただきます。 安倍総理は……
○委員長(金子原二郎君) ゆっくり、ゆっくり。
○小西洋之君 はい、ゆっくり申し上げます。 安倍総理は、憲法学者において、自衛隊を合憲と言い切る人が二割で、違憲の疑いあるいは合憲と言い切れないという立場の人が七割いるということをもってして自衛隊明記の改憲をするべきだというふうに言っておりますけれども、一般に、憲法学者の皆さんの違憲学説には、いろんなジャンルというか、いろんな考え方があります。 安倍総理が認識している、自衛隊を違憲だという違憲論をお持ちの憲法学者の学説の概要でいいですから、こういう考え方で、九条をこういうふうに解釈して違憲と言っている学者さんがいらっしゃるという学説を二つほど御紹介していただけますか。どういう考え方で違憲になっているか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、先ほどもとうとうと述べられたわけでございますが、まさにこの人治主義に陥ってはならないということは当然のことであろうと、こう申し上げているところでございまして、先ほど私が、法の支配ということにつきましては、言わばアジア太平洋地域、インド太平洋戦略の中におきまして法の支配を尊ぶべきであるということを、この考え方、そういう世界を実現していこうということで申し上げてきたわけでございまして、それは言わば人治主義ということだけではなくて、力によるこの現状変更等々もこれはあるわけでございます。 そして同時に、今、学者の解釈論でございますが、学者の解釈論につきまして私がここにおいて論評する立場にはないということでございます。さらには、合憲だと言い切れる憲法学者は二割しかいないということについては、違憲であるということと合憲とは言えないという方等々も含めた調査の結果であるということは申し添えておきたいと思います。
○小西洋之君 秘書官から人治主義という言葉を教わって答弁するのはやめてください。 重ねて聞きます、答弁されていないので、答弁されていないので。 安倍総理は、自衛隊は違憲説を唱える学者が七割、八割いるということで自衛隊明記の改憲をおっしゃっているわけですが、憲法学者の違憲論にどういうものがあるかということを国民に対して説明できないですか。そういう態度、そういう在り方というのは、これほど自衛隊員をばかにしたことはないんじゃないんですか。自衛隊員のために憲法改正をすると言いながら、その学者が言っている違憲論の中身答えられないんじゃ、おかしいんじゃないですか。 違憲論の内容と違憲説、合憲説をおっしゃっている学者の名前、どなたでも御存じの方がいたら答えてください。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。 小西君に申し上げますが、落ち着いて質疑を行うようにお願いいたします。できるだけゆっくり、分かりやすくお願いいたします。
○小西洋之君 委員長、私、極めて落ち着いているんですが、安倍総理が法の支配の対義語を知らないような、もう次から次へと恐ろしいことがいっぱい起きるので、国民の皆さんにとんでもない災難が起こるということで国会議員として必死になっているだけでございます。 ちょっと安倍総理はお答えになりませんけど、私がなぜこのような質問をするかというと、安倍総理は、参議院の本会議あるいはこの予算委員会の場で、我々国会議員に対して憲法改正の議論をしろというふうに何度も何度も呼びかけているわけです。憲法尊重擁護義務を負う内閣総理大臣が憲法改正の議論を国会議員たちに呼びかけながら、自分はその根拠となる自衛隊の違憲学説について全く何にも紹介できない。これほど自衛隊員をばかにした話はないですよ。 違憲学説には大きく二つあります。九条において非武装、もう自衛隊の存在そのものが非武装、もう一つは、大きく分けてです、私の理解ですが、九条において一定の実力行使は認められるけれども、今の自衛隊の組織や装備が戦力に該当するというようなことで違憲。この後者の方の考え方は、実は歴代政府の解釈とそんなに基本的な考えはずれていないんですよ。だから、違憲論をごっちゃ混ぜにして述べているということを指摘させていただいて、ゆっくりしゃべります。失礼しました。 安倍総理が答弁拒否するので時間がなくなるんです。専守防衛について質問をさせていただきます。 安倍総理に伺います。委員の皆様はお手元の配付資料の七ページ、八ページの会議録を御覧いただけますでしょうか。 安倍内閣は、集団的自衛権、相手から武力攻撃を受けたときではない、日本がまだ相手から武力攻撃を受けていないときでも日本は実力行使ができる、集団的自衛権も専守防衛に反しないというふうに言っています。ただ、相手から武力攻撃を日本が受けていないときに武力を行うということは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使しというこの専守防衛の定義とどう考えても日本語として相矛盾するわけでございます。 じゃ、なぜ矛盾しないと安倍内閣が考えるのか。安倍内閣は、この専守防衛の定義の冒頭の太い文字の部分ですね、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、この相手が日本国に攻めてくる日本の相手ではなくて、日本の同盟国のアメリカの相手という意味も含むというふうに安倍内閣は専守防衛の定義について考えていると、そういう理解で、安倍総理、よろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまた突然の質問でございますが、専守防衛の説明という、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使しとの部分についてはですね、ついては、これは我が国が武力を行使するのはあくまで憲法上許容される自衛の措置に限られたという、限られるということを述べたものでございます。それを申し上げているということでございます。 あと、小西委員、勝手にいろんな臆測をした上で批判をする、あるいはかなり人格的な批判をするということは、これは、まだ若い議員であられますから、将来を思えばそういうことは控えられた方がいいのではないかと、こう思う次第でございます。
○小西洋之君 申し訳ないですが、私の今まで自分の生きてきた、愚直にやってきただけの人間ですけども、安倍総理に人生説かれるほど私は落ちていないと。そのことを今から安倍総理に、質問の中で立証をさせていただきたいと思います。 委員の皆様、お手元の七ページ、八ページの会議録ですね、テレビの皆様はこのフリップの下段を御覧いただきたいんですけれども、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使するという専守防衛の定義の冒頭の言葉は、イランからアメリカが武力攻撃を受けたときに初めて日本国が防衛力を行使する、こういう日本語としても読めるというふうに理解していると、質問に対してそういうふうに理解をしているというふうに安倍内閣は、これ防衛省の官僚ですけども、また、八ページには安保国会の中で中谷大臣が全く同じことを答弁しているところでございます。 安倍総理に伺います。専守防衛の定義の言葉は変えずに、日本語の文字は変えずに、その意味、この相手ですね、相手に、日本に対する相手だけではなくて、日本の同盟国に対する相手も含むというふうにこの相手という言葉を読み替える、これこそまさに人の支配ではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘は、これ新三要件の当てはめの問題、言わば当てはめの問題なんですね。この新三要件に該当するかどうかは、これは個別具体的な事案に即して総合的に判断する必要があり、一概に申し上げることは困難であります。これはもう既に平和安全法制のときに何回も答弁をさせていただいているところなんだろうと、こう思うところでございます。 そして、他方、特定の国を名指しして、貿易を、今イランということでおっしゃったわけでございますが、米国を攻撃するといった仮定を置くことは、これは、総理大臣として答弁する上においてはこれは適当ではないと、こう思うところでございまして、あえて申し上げれば、御指摘が既に新三要件を満たしているとの前提のものであるとすれば、外国の武力攻撃によって我が国の国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態に至っているわけでありまして、この文言で御指摘のように読むことができるというふうに考えているということはもう既に何回も答弁させていただいているとおりでございます。
○小西洋之君 今、安倍総理、最後に、この相手からのこの相手という言葉に、日本に対する相手ではなくて日本の同盟国アメリカに対する相手とも日本語として読めると。これ、田中角栄内閣に作られて安倍内閣も変えていない専守防衛の定義ですが、解釈変更の際にこの専守防衛の定義の意味を勝手に改ざんしているわけです。国民の皆さん、テレビの皆さんにもお伝えしたい、これが今の日本の安倍内閣の実態なんです。人の支配そのものですよ、これ。どこに法があるんですか。 安倍総理、専守防衛のこの相手の言葉を改変して、集団的自衛権は専守防衛に反しない、こんな主張ほど自衛隊員の尊厳を傷つけるものはないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はよく、御指摘の意味がよく分からないところでございまして、なかなか分かりにくいところでございますが、先ほど来申し上げているのは、この法の支配ということにつきましては、これは別に先ほど秘書官から言われたことではなくて申し上げているところでございますが、私が法の支配ということを申し上げていることを引用されて、そしてその反語は何かということだったんだろうと思いますが、これはまさに、最初に申し上げましたように、アジア太平洋そしてインド太平洋地域を法の支配による秩序が守られ自由で繁栄する海にしていくという考え方を共有する国々とこの地域を共に繁栄させていこうという考え方でありまして、まさに力による現状変更、これは、国際法をねじ曲げるということにおきましては一国による力による支配ということなんだろうと、こう思うところでもございます。 そこで、この自衛隊の皆さんは、まさに国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくということについて誇りを持って仕事をしておられるわけでございます。その意味におきまして、しっかりと法整備をしていく、足りないところは補っていくのは我々政治家の責任であろう。立法府の皆様は法律を作っていく。我々は、政府の提出の法案につきましては、法案を作り、国会の皆様に御理解をいただき、それを立法していくということになるわけでございますが、そういう意味におきまして、我々は我々の責任を果たしていかなければならないと、そしてその上で、自衛隊の皆さんはしっかりとその責務を果たしていただけるものと確信をしているところでございます。
○小西洋之君 安倍総理は、自衛隊員に誇りを持って仕事をしていただくために頑張るというようなことをおっしゃいましたけれども、専守防衛の定義を改変して、集団的自衛権が専守防衛に矛盾しない、こんなことをしておいて自衛隊員の命や尊厳に対する配慮があるのか。そのことを私は質問させていただきましたけど、お答えはございませんでした。 では、続いて、安倍総理の更なる人の支配ですね。フリップ七番をお願いさせていただけますでしょうか。 憲法二十四条なんですけれども、憲法二十四条ですが、婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立する、第二項に、婚姻に関する法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならないというふうに書いてあります。 実は、この二十四条について、戦後、安倍内閣で初めての二十四条の解釈が飛び出しました。平成二十七年二月十八日の参議院の本会議でございますけれども、一言で言うと、同性婚を法律で制度化することは二十四条に違憲であるという趣旨の答弁だと私は理解していますけれども、安倍総理はこのように答弁をされております。「憲法二十四条は、婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立すると定めており、現行憲法の下では、同性カップルに婚姻の成立を認めることは想定されておりません。」。両性というふうに書いてあるので、普通に読むと男女であろうと、なので、この二十四条で男女の結婚というのは民法や戸籍法でありますけれども、民法でありますけれども、同性婚というのは想定されていないというふうな答弁だと思います。 安倍総理にこの意味を、私、質問主意書で、想定されていないという意味は、同性婚を法律で定めるとそれは憲法違反、かつて集団的自衛権は違憲であると、九条の条文変えない限りできないと言っていたように、同性婚は二十四条で違憲であるという趣旨で二十四条では想定していないと答えているんですかというふうに二回質問主意書を出しましたけど、答弁拒否されました。先般、衆議院で立憲会派の尾辻さんがすばらしい質問をされましたけれども、答弁拒否を安倍内閣はしているところでございます。 安倍総理が本会議で答弁していますので、安倍総理に伺います。この二十四条において同性婚は想定されていないというその憲法解釈は、同性婚を認めるその法制度をつくればそれは違憲になるという解釈ですか。同性婚のLGBTの皆さんの人権が懸かっている問題ですので、明確な答弁をしてください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 憲法第二十四条第一項は、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」すると規定しており、この「両性」という文言、先生、文言大変大事にされますけれども、この両性という文言は男女を表しているということは明らかであろうかと思います。したがいまして、当事者双方の性別が同一である婚姻の成立を認めるということは、この憲法第二十四条は想定していないというふうに解されます。
○小西洋之君 答弁拒否をされました。想定していないというのは、そういう法制度は違憲であるかと聞いたんですが、答えませんでした。 じゃ、横畠長官、事実だけ。この安倍総理の本会議の答弁、あるいは横畠長官がそうした今答弁されましたけれども、二十四条二項で、婚姻についての法律は、個人の尊厳、LGBTの皆さんにも当然、我々とみんなと等しく尊厳があります。この二十四条二項の解釈、あるいは十三条で個人の尊厳の尊重、十四条で平等権があります。そういう条文などでもなぜ想定されていないというような解釈になるのか、その解釈を整理した文書が法制局の中にありますか、あるいは法務省の中にありますか。ないという説明を受けていますけれども、イエスかノーかで答えてください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘の憲法第二十四条第二項にも、「両性の本質的平等に立脚し」という、まさに「両性」という言葉が明記されております。すなわち、憲法の条文そのものから両性による婚姻というものが想定されているということが自明でございますので、特段解釈について検討した文書というものがあるわけではございません。
○小西洋之君 終わりますけれども、憲法を作ったときの担当大臣の答弁は、個人の尊厳に基づいて制度を考えるということを言っているので、安倍政権の解釈は憲法違反である。 安倍政権を打倒する決意を申し上げて、質疑を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で小西洋之君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、杉久武君の質疑を行います。杉久武君。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。 本日は、統計問題並びに内外の諸情勢に関する集中審議ということでございますので、まず、前半は統計問題について順次質問をしてまいりたいと思います。 今回のこの統計問題はやっぱり国の根幹に関わる重要な問題でありますので、やはりこういったことを二度と起こさない、やっぱり再発防止をしっかりと取り組んでいくことが大事だというように思っております。 では、まず、二月の二十七日に公表されました毎月勤労統計の不適切な取扱いに関する特別監察委員会の追加報告書の中身について、冒頭何点か確認をしたいと思います。 まず、特別監察委員会の樋口委員長、お越しいただいておりますので、今回公表されました追加報告書におきまして厚生労働省による組織的隠蔽あるいは職員による隠蔽についてどのように評価をされているのか、改めて樋口委員長の御認識を確認したいと思います。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 組織的隠蔽の概念につきましては、確定的な定義やあるいは見解は見当たらないところでございます。本委員会では、隠蔽行為というのは、法律違反ないしは極めて不適切な行為を対象に、その事実を認識しながら意図的にこれを隠そうとする行為であることを前提としました。 今般の不適切な取扱いについて見ますと、担当課室の職員らは、少なくとも主観的には統計数値上の問題はなく、あるいは許容される範囲内であるなどといった程度にしか捉えておらず、当人や厚生労働省、担当課室にとって極めて不都合な事実であるとか深刻な不正であるなどと捉えていることは認められませんでした。また、担当課室の職員らにおいて、綿密な打合せや周到な準備などがなされた形跡もなく、むしろ、随所でいずれ不適切な取扱いが露見するような、その場しのぎのずさんな事務処理をしていたことが認められています。例えば、各県に配付する資料におきましても、この東京都が大規模事業所において抽出調査であるというようなことを書いた資料を配付したりしております。 これらの事実を踏まえますと、本報告書では、担当課室の職員らにおいて、意図的に隠したとは認められず、隠蔽行為があったとは言えないというような結論を導いております。
○杉久武君 今、樋口委員長から御答弁がありましたとおり、ずさんな処理が横行していたと、ただ、意図的な隠蔽はなかったというように評価をされているわけでございますけれども。 次に、厚労大臣にお伺いをいたします。 大臣は、今回の統計問題について、厚生労働省としても組織的な隠蔽はなかった、あるいは厚生労働省の職員による意図的な隠蔽もなかったと、このようにお考えになっているのか、確認をしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) もう樋口委員長からお話がありました。 追加報告では、そもそも組織的隠蔽の概念は多義的であることから、隠蔽行為とは、法律違反又は極めて不適切な行為について、その事実を認識しながら意図的にこれを隠そうとする行為、故意行為であると位置付けております。これを前提とした上で、担当課室らの職員において、意図的に隠したとまでは認められず、隠蔽行為があったとは言えないとされているものと承知をしております。 一方で、追加報告では、公的な場で、課室の長の判断の下に、真実に反することを認識しながら事実と異なる虚偽の申述を行ったことが認定され、厳しく非難されるべきだ、あるいは課という組織としての独自の判断又は怠慢による不適切な取扱いは到底容認できるものではないという厳しい御指摘をいただいております。組織的隠蔽の疑いに関して厳しい御批判があることは真摯に受け止めたいと思っております。 なお、特別監察委員会の検証結果、これは尊重すべきものだと考えております。
○杉久武君 今大臣からもお話がありましたとおり、独自の判断、また怠慢であったと、そういうふうに評価をされているわけでございますけれども、今大臣の御答弁にも出てきました申述という言葉が今回のこの追加報告書で使われております。 そこで、まず、樋口委員長に確認をしたいと思いますが、そもそも、申述、今回はこの追加報告書の中で、組織的隠蔽よりも虚偽申述を重視すると、こういう表現が出てくるわけでありまして、この申述というのは改めてどういう意味か、なかなか日頃使わない言葉でありますので、御説明いただければと思います。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 虚偽申述というのは、日常用語では余りなじみのない言葉かもしれません。しかし、例えば会社法でありますとか金融商品取引法などの法律におきまして虚偽の申述との用語が用いられており、本委員会では、虚偽申述とは、真実に反することを認識しながら事実と異なる虚偽の申述を行うこととの意味で使用しております。
○杉久武君 法律用語であると。 今回、この報告書の中では、虚偽の申述をしたと、要は、事実と違うこと、端的に言えばうそをついたということが認定をされているわけでございまして、しかも、今回の追加報告書の中身を確認をいたしますと、追加報告書の十八ページには、統計を所管する担当部署の長のレベルの判断の下で部下の協力を得ながら行われたと、こういう表現もあるわけでございます。 そういった意味におきましては、報告書の言葉を引用すると、組織として独自の判断によって虚偽の申述行為をやったというふうに読めるわけでありまして、担当部署が組織的にこの事実と違うことを言うということは、それを普通であれば隠すためにやったんじゃないかというふうに思われる方が私は通常の感覚かなというように思っております。 そういった意味におきましては、やはり今回の追加報告書、どうも私自身が感じるには、特別監察委員会のこの調査の在り方について厚労省からバイアスが掛かっていたんじゃないかと、こういうふうに論点がすり替わっているんではないかというふうに誤解を生み出しかねない私は記載になっていると、残念ながらこれは感じます。 そこで、続けて樋口委員長にも御質問いたします。 今回のこの追加報告書、第三者委員会という言葉が一言も出てまいりませんけれども、今回も第三者委員会という立場で行ったのか、その認識について確認をしたいと思います。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 本委員会は、一月報告公表後、その内容及び調査手続の中立性等に関する指摘を踏まえまして追加調査を行ったものであり、委員会としての性格を変更したものではございません。 その上で、本委員会では、事務局を弁護士三名により設置したほか、職員に対するヒアリングは委員及び事務局で実施するなど、本委員会の中立性、客観性をより高める形で調査審議を行い、先月二十七日に追加報告書を取りまとめました次第でございます。
○杉久武君 今、樋口委員長からお話がありました。中立性、客観性を高めるというお話がありました。 誤解のないように申し上げたいと思いますけれども、今回の追加報告書に携われた特別監察委員会のメンバーは樋口委員長を始め立派な御見識をお持ちの方であり、メンバー一人一人が各人の良心に基づいて調査に臨まれたものと、私自身、私も公認会計士で長年監査という仕事をやっておりましたので、そういった意味では強く信じたいと思います。 しかし、やはり今回の問題の一つは、どんなにすばらしい方が関わっていたとしても、一たび不信の目で見られてしまえば、なかなか信用を取り戻すことは難しいというふうに感じます。特に今回、厚労省においてはこれまで過去にいろんな事案が発生をしておりましたので、そういった意味におきましても、なかなかこれを全て信じてくれというのは難しいのではないかなというふうに思っております。 また、今回の事案においては、やはり統計の不適切処理が発覚した後に厚労省自身が調査形式を整えないまま慌てて進めたこと、今更だが、第三者委員会と言わずに例えば外部の、今更ではありますけれども、当初、これを第三者委員会と言わずに外部有識者を交えた省内緊急調査チームと、こういう初動をすればよかったんではないかなというふうに思っております。 それに加えて、厚労省の役人が加わったことで独立性と透明性に疑問符が付いてしまったと。第三者委員会の第三者性がやっぱり問われることになってしまったというふうに思っております。この疑惑の当事者である役人が介入したということは、真相究明についての新たな疑惑を呼んでしまった、私は、こういったところについてはやっぱり強く指摘をしていきたいと思います。 やはりこの外部から調査をするというときに対して、一番やっぱり大切なポイントがあります。やっぱりそれは独立性と透明性、これが確保している主体がやってこそやはり信頼をしていただけるんではないかと思います。 残念ながら、今回の報告書の中にも独立しているという言葉は一言も出てまいりません。独立をしているというのは、単に経済的、例えば利害関係がないとか、身分的、例えば家族、親族等を含めても関係がないだけではなくて、やっぱり外見的に独立をしている、あの人は独立な人だということが国民の皆さんから見てもやっぱり理解を、そういうふうに見られる人、そういう人を、やっぱりそういう組織立てをして調査をするということが私は非常に大切なんではないかなというように思っております。 改めて大臣に伺いますけれども、厚生労働省による組織的、個人的隠蔽はなかったとの追加報告を国民は納得して信じてくれると思われるか、率直な御意見をいただければと思います。
○国務大臣(根本匠君) 組織的隠蔽の疑いに関して厳しい御批判があることは真摯に受け止めなければならないと考えております。 特別監察委員会においては、統計の専門家、元高等裁判所長官、弁護士などの民間有識者に参集をいただくとともに、元最高検検事の方を事務局長に迎え、虚偽申述や組織的隠蔽について法律的な観点から整理した上で、本事案における事実関係の評価を行っていただきました。このような評価は、中立的、客観的な立場から精力的に検証作業を行っていただいた結果であると考えております。 特別監察委員会の検証結果については分かりづらいとの御指摘もあるかもしれませんが、専門家に法律的な観点から整理、評価していただいた結果、隠蔽行為があったとは言えないとされております。 委員長ももう答弁されておられますが、例えば、各都道府県に発出された通知に記載された抽出率の逆数表を見れば、東京都の大規模事業所で抽出調査を行っていることが一目で分かる、担当課の職員において厳密な打合せや周到な準備などがなされた形跡はなく、むしろ、随所でいずれ不適切な取扱いが露見するような、その場しのぎの事務処理をしていたことが認められるというような点で、隠蔽行為があったとは言えないとされたものであります。 厚生労働省としても、国民の皆様に御理解いただけるよう、客観的に、中立的にやっていただいたものですから、丁寧に説明する努力を続けていきたいと思います。
○杉久武君 是非、大臣には先頭に立ってやはり丁寧な説明、国民に対する説明、そして後半で触れますけれども、やはり今回のこのような事案が発生したルートコーズ、根本的な原因はどこなのかというところをしっかりと、やはりこれを、うみを出して対処をしていただきたいというふうに思っております。 やはり厚労省では、平成十三年の省庁再編以降から今年で十八年経過をいたしますけれども、残念ながら毎年のようにいろんな事案が発生をいたしました。例えば、重立ったものだけ挙げても、例えば平成十九年には消えた年金問題、平成二十七年には年金情報の流出、平成二十九年には振替加算の支給漏れ、そして昨年は、私もこの当予算委員会のこの集中審議で質問をいたしましたけれども、年金データの入力ミス等、本当に、こういった事案が発生をする中で、今回の毎月勤労統計の問題は平成十六年から始まっていたということであります。 したがって、様々な事案が発生し国会で厳しく追及している中でも、省内では足掛け十四年、こういった毎月勤労統計の不適切な処理が行われていたということについて、私は苦言を呈さずにはいられません。 また、今回の追加報告書では、特別監察委は今後も必要に応じて検討を続けていくというように記載をされておりますけれども、先ほども申し上げましたとおり、やはり最初に厚生労働省が深く関わり過ぎたがために、やはりなかなか、この調査をこのまま続けていても、客観性、また中立性に対し、また透明性、独立性に対してなかなかこれは国民の理解を得るのは難しいのではないかなと、一生懸命調査をしていただいているこの特別監察委のメンバーの皆さんにも私は気の毒ではないかと、このように思います。 したがって、私は、やはりこの特別監察委員会、一回仕切り直しが必要なのではないかなと、やはりしっかりと独立性、中立性を担保した組織を立ち上げて、国民の信頼を得るための、やはり今回の特別監察委員会は、一定の私は成果はあったと思います。やはりこの問題に対して緊急にこれを調査をして取りまとめていただいたという一定の成果はあろうかとは思うんですけれども、いま一度立ち戻って、これらの報告書を尊重しつつも、新たに独立した調査組織を立ち上げて、視点、切り口を変えながら報告書で指摘をされた部分についても時間を掛けて調査を行う、こういったことがやっぱりできるのは私は総理だけだというように思っておりますので、是非この必要性について御検討いただければと思います。 総理に御見解をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまの御質問の趣旨は、当初、一番最初のときには、官房長等が聴取を行った、この第三者性が強く疑われたのは事実であろうと思います。 しかし、その後、特別監察委員会については、この委員会の下に元最高検の検事の方を事務局長に迎えまして、この事務局の皆さんも法曹界の方々に入っていただき、樋口委員長をサポートする方々も、これはそうした方々がサポートしているということで、私は、これはまさに第三者委員会の名にふさわしいんだろうと、こう思っているところでございます。 そしてまた、この結論についてどうかということでございまして、私も先ほど来答弁をさせていただいておりますが、非常に私は、中立性、客観的な立場から厳格にこの法的に定義を定めこの対応をされたのではないかと、こう考えているところでございますが。言わば、では、より厳しく出れば、それは、果たしてそれが本当に中立的なものなのかということでありまして、しっかりと定義を決めて、厳密にこの中に入るかどうかということで作業を検証をしていただいたと、こう思っているところでございますが。 今申し上げましたように、独立性を強めた上で二月二十七日に追加報告書が取りまとめられたところでありまして、その内容については、中立的、客観的な立場から精力的に検証作業を行っていただいた結果であると、こう考えている次第でございます。 これは、国民的に、組織的隠蔽、あるいは隠蔽ということに関して、これは隠蔽なのではないかという厳しい御批判があることは承知をしておりますが、しかし、それは専門的な知識を持っている方が、例えば弁護士や元検事の方が法律的に厳密に定義を決めた中において厳密に仕事をした結果でもあると、こういうことではないかと、こう思う次第でございますが、厚労省においては、今回の事案を真摯に反省するとともに、報告書の厳しい御指摘を重く受け止め、信頼回復と再発防止に全力を挙げる必要があると考えております。
○杉久武君 今、最後、総理の御答弁の中で、やはり厚生労働省が再発防止をこれからしっかりやっていかないといけないというお話がございました。やはりこの再発防止、これがやっぱり非常に大切だと私は思っております。 今回の報告書の中でも再発防止策、八つ列挙を、これはあくまで監察委からの提案ということではありますけれども、提示をされておりますが、ここで厚労大臣に、この再発防止に向けてどのように対処をされるのか、また、再発防止策について今検討されていると思いますが、誰がいつまでに、どのように取りまとめていくのか、現状をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(根本匠君) 二月二十七日に取りまとめられた追加報告書においては、公的統計の意義やその重要性に対する意識の低さ、幹部職員の公的統計に対する無関心、組織としてのガバナンスの欠如等が厳しく指摘されております。このことについては真摯に受け止めております。その上で、再発防止策としては、幹部職員も含めた統計の基本的知識の習得や意識改革の徹底、ガバナンスの強化を目的とした管理職を含めた研修の強化など、八項目にわたる提案をいただいているところであります。 このため、これから申し上げる三点を柱とする改革案の策定に早急に取り組みたいと思っております。一つ目は、統計に関する認識、リテラシーの向上。例えば、全職員に対する統計研修の実施や他府省や民間の統計専門家などとの人事交流などが考えられます。二つ目は、業務統計の改善。統計の調査内容の正確な公開や利用者の視点に立った統計の見直しなどが考えられます。三つ目は、組織の改革とガバナンスの強化。統計を外部有識者により審議する仕組みの強化や民間人材の活用、内部組織等の強化が考えられます。 厚生労働省として、国民の視点に立って統計に対する姿勢を根本から正し、再発防止を徹底するとともに、しっかりとした組織のガバナンスを確立していきたいと思います。
○杉久武君 今、再発防止策、御説明いただきましたが、策定の目安というのは、私は質問で一応いつというふうにお伺いをさせていただいたので、目安というものは、いつ頃をめどにとかいうのがあれば教えていただければと思います。
○国務大臣(根本匠君) できるだけ早く取り組んで、改革案の策定に努めていきたいと思います。
○杉久武君 今、様々、再発防止に向けた取組についてお話をいただきました。それぞれの項目、例えば統計リテラシーの向上であったり統計業務の改善、また組織の改革、ガバナンスの強化と、こういった視点は私は間違っては当然いないというふうには思っております。 ただ、この追加報告書の最後の再発防止策のところで、再発防止策の具体策においては厚生労働省自身が自助努力と自浄作用により国民の信頼に向けて検討することを望むというようにありますけれども、正直申し上げまして、やはり先ほども挙げさせていただいたように、毎年のように何かいろいろな問題が出てくる。やはりそこを、そういった状況の中で自助努力と自浄作用、ここだけに頼っていて本当に大丈夫かなと、こういったやっぱり心配が出てくるわけでございまして、やはり私は、この再発防止という観点からやっぱり一つ御提案をさせていただきたいのが、やっぱりしっかりとした組織としての内部統制、この内部統制の整備をすること、これがやっぱり大事なんじゃないかというように思っております。 内部統制というと専門用語になりますけれども、ちょっとこれは、なので少し難しいお話になるかもしれませんが、やはりこの組織の業務が適切に確保される体制、それをやっぱり構築していく。業務のプロセスを見直して、業務が適切に動いているか、業務上のリスクはちゃんと把握されているか、また、そういったことに関して指揮命令系統、また情報がしっかり伝達されているか、こういった全体的なこのシステムを総じて内部統制というわけでございますけれども。 この内部統制というのは、アメリカではエンロンとかワールドコムという会計不祥事、巨額粉飾決算を端に発しまして、企業ではそういった内部統制の仕組みを構築する必要があるということで法制化されました。 日本でもこれはその後法制化されて、上場会社、民間の企業では当然にこれは制度として今定着をしておりますし、そういった制度を、私はやはり国の組織においてもこれはしっかり導入をしないといけないのではないかなというように思っております。 これがなぜ大事かといいますと、内部統制をしっかりこれ整備、運用すれば、これは単なる不祥事の対症療法ではなくて、組織全体として不正や誤謬を常に防止できるやっぱりシステムなんであります。不正とか不祥事というのはあらゆる組織でやはり起こる可能性はこれは否定できないわけでありますけれども、そういった中で、発生したものをやっぱり迅速に食い止める、こういったことができるのが私は内部統制というふうに思っております。 そこで、厚労大臣にお伺いをいたします。 今回の統計問題、内部統制の視点からはどういったところに問題があった、原因があったというように考えるか、お聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(根本匠君) やはり大事なのは、個人レベルで法令遵守の意識を徹底することは当然として、統計部門の組織の改革だけではなくて、厚生労働省全体が国民の目線を忘れず、これに寄り添った行政ができる体制を改めて構築していかなければならないと考えています。 先ほども申し上げましたが、今般の事案の反省の上に立って、統計に関する認識、リテラシーの向上、統計業務の改善、そして内部統制、委員も専門家であられますけど、やはりコーポレートガバナンス、民間ではコーポレートガバナンスの強化をしていただいております。 その意味で私も、組織の改革とガバナンスの強化、これをしっかりとやっていきたいと思っています。改革案を早急に策定して再発防止を徹底する中で、しっかりとした組織のガバナンスを確立していきたいと考えています。
○杉久武君 この内部統制の視点から、私は、今回のこの統計問題について二つ原因があったんではないかなというふうに思っています。 その一つは、やはり組織の長を中心とした管理職の姿勢や考え方、職業的な倫理観、こういったものが十分ではなかったんではないか。二つ目は、どこかで起きた問題が可及的速やかにしかるべき部署に正しく伝わったのかどうか、やはり情報が、情報の伝達がしっかりとこれ行われなかったんではないか。私は、この二つがやはり今回の問題の原因ではないかと、内部統制上の課題なんではないかなというふうに思っています。 〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕 今回の統計というのは、今政府が進めていただいておりますエビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、EBPM、証拠に基づいた政策立案の基礎となるやはり重要な部分でありますので、やはりこういった国民の皆様にとっても分かりやすく納得いただける政策を今打ち出していただいているんですが、その基礎となる部分が今回やはりおかしかったんではないかと言われていることについては、やはり国民に対する私は背信行為であり、やはり厚労省の私は今回の責任は非常に重いというふうに思っております。 やはり先ほど申しました組織の気風とか組織内の意識、倫理観、これを上げていくというのは、これは言葉で言うのはそれほど難しくはないんですけれども、やっぱり実際達成をするというのは非常に私は難しいことだと思っています。 でも、公務員の方、私ももう日頃、この議員という立場になりましていろいろと日頃からコミュニケーション取る場も増えましたけれども、公務員の皆さんはやっぱり非常にレベルが私は高いと思います、知識としても。ただ、やはりこの倫理観というのは、偏差値の高い試験からではこれは養えるものではありませんし、一度養ったらずうっと持てるというものでもありません。やはり、継続した倫理観の醸成をする、そういったことが私は今このガバナンスの中で一番求められていることではないかというふうに思っておりますけれども。 そこで、厚労大臣に改めて伺います。 内部統制の再構築に向けて、今回の統計問題の総点検はもとより、組織形態、業務手順の見直しや変更、それに対応させるためのやはり教育、職員教育、私、ここは非常に大事だと思いますけれども、一部先ほどと重複する部分もあるかもしれませんが、御答弁いただければと思います。
○国務大臣(根本匠君) 私は、厚生労働大臣として常々言っております。職員に対して、行政のプロとしての誇りを胸に持てる力を存分に発揮してほしい、その際、常に国民の目線を忘れてはならないと言っております。 追加報告で指摘されているような状態を、根本的な、防げなかった根本的な原因についてのお尋ねであって、私は、厚生労働省が、国民の日々の生活に思いを致し、これに寄り添う行政を展開していくという姿勢を改めて私は問われているんだろうと思います。 今、厚生労働省全体として、統計に対する意識とともに、組織のガバナンスが問われております。委員がおっしゃられるとおり、職員の教育、これもあると思います。やはり個人レベルで法令遵守の意識を徹底する、これは当然のこととして、統計部門の組織の改革だけではなくて、厚労省全体が国民の目線を忘れずに、これに寄り添った行政ができる体制を改めて構築していかなければならないと考えております。
○杉久武君 是非、大臣のリーダーシップで進めていただきたいというふうに思っております。 やはり不正が起きる原因、よくこれ不正のトライアングルという分析もあるんですけれども、要は、不正をする機会がある、チャンスがある、そして動機がある、そしてそれをやることに対して自己正当化する理由がある、こういった要件がそろったときにやはりこの不正というものは行われるという分析もございます。 やはり私も、今回の報告書を読んでも、周辺は触っているんですけど、どうも本丸のこの原因分析までたどり着いていないんじゃないかなと。これは私の個人的な感想ではありますけれども。そういったところをはっきりとやはり分析をしていくことは私は大事なんじゃないかなというふうに思います。 さて、少し話は変わりまして、再発防止策のところでも書かれているように、の一つとして挙げられているのが外部による関与というところであります。例えば、今回の統計問題についても一つのルールに基づいた手法がちゃんと取られているかどうか、こういったところについて、例えば外部の目が入っていればもしかしたら防げたかもしれない、私はやっぱりそういった面も感じているところでありまして、ちょっと今日は御紹介をしたいと思うんですけれども。 例えば、一定のルールに基づいてそのとおり作業が行われているかどうか。これは、その手法の一つとして公認会計士が行う合意された手続と、こういう業務もあります。これは少し耳慣れない言葉ではありますけれども、公認会計士が依頼者との間で事前に調査手法を合意して、そのとおりなっているかどうかという報告をする、こういう業務が現実ございます。 実はこの業務、既に厚生労働省の一般労働者派遣事業者の許可審査、こういったところでも既に活用をされている業務ですので、これに私は限定するつもりはありませんけれども、やっぱりそういった外部の目による、第三者によるそういう監査なりチェックなり、こういったものが、担保する手法を是非この再発防止策の中で活用していただきたいと思いますが、御意見をいただければと思います。
○国務大臣(根本匠君) 今、委員、公認会計士として様々な監査もやってこられた経験からのお話だと思います。 今回の問題の背景にある一つは、特に、統計部門が専門的な領域として、閉じた組織の中で外部のチェック機能が適切に働かずに、担当者任せにする姿勢や安易な前例踏襲主義など、組織のガバナンスが著しく欠如していた側面もあったのではないかと思います。 あと、追加報告においては、再発防止策の一つとして、他府省や民間の統計専門家などとの人事交流や相互研さんの機会の拡充などを通じた開かれた組織への変革と、まさに委員おっしゃられるように、外部チェック機能の導入が提言されているところであります。例えば統計を外部有識者により審議する仕組みの強化など、組織の改革とガバナンスの強化に取り組んでいきたいと考えています。
○杉久武君 続いて、総務大臣にお伺いをしたいと思います。 今回の統計問題、毎月勤労統計を所管する厚生労働省だけではなく、統計行政全般を担う総務省の統計委員会の機能や権限を強化することも私は一つ重要なポイントだというふうに思っています。 具体的には、やっぱり調査をいつ誰にどういう手法で行ったかといった調査手法を情報開示する、国民の目に開かれたやはり情報開示をするということ、これを統計委員会が定めていくことも私は一つ必要なんではないかというふうに思いますけれども、こういった最低限のこの記録のルール、これを是非統計委員会が主導してルール作りをすべきだというふうに思いますが、総務大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(石田真敏君) 昨年の統計法改正におきまして、各府省の統計部門を束ねて統計委員会との調整、連携を行う部局長級の統計幹事が設置されたところでございます。各府省の統計幹事に対しましては、統計委員会の場で積極的に説明を行うなど、府省内の統計をしっかりと取りまとめる責任と役割が期待をされておりまして、統計の作成過程の透明性を図る観点からもその機能を十分に活用してまいりたいと思っております。 また、統計の信頼回復に向けまして統計委員会に新たに設置されました点検検証部会におきましては、再発防止、統計の品質向上の観点から、調査、集計方法の透明性、そして各府省の人員体制といった視点を含め、統計、基幹統計及び一般統計調査についての検証を進めているところでございます。 さらに、今回、厚労省の特別監察委員会で調査報告書が出されましたけれども、賃金構造基本統計調査については総務省の行政評価局が調査を行っておりますし、また、先ほどの点検検証部会、こういうところで、おけるいろいろな検証、これらの調査結果を踏まえつつ、今後の統計全体を考えていく中で総合的な対策を講じてまいりたいと考えております。
○杉久武君 是非よろしくお願いしたいと思います。 内部統制に少し話を戻しまして、先ほど内部統制の整備がやはりこういった不正を防ぐために重要な私はことだというふうに申し上げましたが、地方公共団体、地方公共団体においては、国に先んじてこの内部統制制度の導入が決定をされております。 具体的には、平成三十二年四月、来年の四月から、都道府県と指定都市では知事又は市長が内部統制に関する方針を定め、これに基づき必要な体制を整備し、毎年内部統制を評価した報告書を各議会に提出することということはこれ法制化されました。 この地方公共団体で内部統制制度を法制化した背景、またその狙いについて総務大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(石田真敏君) 地方公共団体における内部統制制度は、人口減少社会に対応した地方行政体制を確立するために、監査制度の充実強化及び地方公共団体の長や職員等の損害賠償責任の見直し等とともに平成二十九年の地方自治法改正により一体的に導入をされまして、御指摘のように、平成三十二年四月から施行されるものであります。 地方公共団体の総職員数は減少してきておりまして、個人任せによるチェックを行う体制だけでは複雑多様化した事務処理に適切に対応できなくなると想定されるところでございます。また、地方分権改革の進展による地方公共団体の責任領域や自己決定権の拡大、さらには行政制度の複雑多様化、行革による職員一人当たりの業務分担の増加など、地方公共団体を取り巻く環境も適正な事務処理を一層難しくするおそれがございます。 こうした状況を踏まえまして、地方公共団体の長自らが行政サービスの提供などの事務上のリスクを評価し対応策を講じることでコントロールして、限られた資源の中で事務の適正な執行を確保する体制を整備、運用する取組を進めるために内部統制制度を導入したものでございます。
○杉久武君 今その制度の導入の背景と狙いを御説明いただきましたが、やっぱり適正な事務、やっぱり複雑化していくこの事務の中で、限られた人員の中でこれをしっかりと間違いなくやっていくためにこの内部統制制度というのが導入を、地方自治体では来年四月からスタートするわけでありますけれども、海外に目を向けますと、アメリカではもう一九八二年から国の機関においてもこの内部統制を整備、運用することが義務となっております。 今の総務大臣からお話しいただいたことが背景とすると、これは地方自治体だけにやってもらう話ではないんではないかなと、言い換えれば、やっぱり国においてもこれを法制化する、全省庁的に導入するということを、是非私はこれを検討を始めていただければというふうに思いますけれども、総理の御見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成二十九年の地方自治法改正によって、地方公共団体に内部統制制度を導入することとしました。 委員御指摘のとおり、内部統制の必要性は国の行政機関も同様でありまして、例えば各府省では全ての事業を対象に、プラン、計画の立案、ドゥー、事業の実施、そしてチェック、事業の効果の点検、アクション、改善のリサイクルでありますが、いわゆるPDCAサイクルが機能するようリスク分析を含め点検、見直しを自ら行い、予算や機構、定員の見直しにも役立てています。こうした各府省内部の統制機能とともに、外部から各府省のチェックを行う仕組みも重要であり、総務省行政評価局が行政評価・監視、会計検査院が会計検査を行う体制が設けられています。 政府統計の分野でも、各府省に統計幹事が置かれ、品質確保を含め統計業務を統括しています。また、統計委員会が第三者機関として設置され、中立公正かつ専門的な見地から各府省が行う統計についてチェック機能を果たしており、さらに、昨年の統計法改正により機能が強化され、自律的、機動的に政策提言やそのフォローアップを行うことができるようになったところであります。まずはこうした機能を十分に活用していくことが重要であると考えています。 その上で、今回の統計をめぐる問題を受け、統計委員会において点検検証部会を設置をし、そして先月から審議を進めていただいているところであります。委員会による検証結果を踏まえ、総合的な対策を講じてまいりたいと思います。
○杉久武君 今、様々現状の仕組み、そしてこれからの取組もお話をいただきましたが、やはり一つ私は御提言したいのは、対症的な改善も必要ではありますけれども、やはりそういったものを二度と発生させないという制度的な担保というものも、やっぱりこの内部統制制度を地方自治体だけではなく国に入れることによって、実は内部統制をこれしっかりと整備することによって業務の効率化、実は業務がここで重複をしているとか無駄なことをやっているかって、これも全部見える化されるわけでありますので、是非国においてもこういった視点の考え方を取り入れていただけるように、また今後もこの点については議論をさせていただければと思います。 以上で、統計に関する質問は以上になりますので、樋口委員長におかれましては御退室いただいて結構です。
○理事(二之湯武史君) それでは、樋口委員長、御退席いただきまして結構です。
○杉久武君 では、それではちょっと質問、設問の順番を変えまして、次に学校施設における防災・減災の緊急三か年計画について質問をしたいと思います。 パネル一をお願いをいたします。(資料提示) このパネルは、今年一月の十八日に私の地元大阪府におきまして、松原市の小学校で重さ八百キロのコンクリート製のひさしが落下をし、また、お隣の写真は、二月二十日に羽曳野市というところの小学校で、こちらは約八キロの天井の石こうボードが落下をしたという、こういった事故が発生をいたしました。幸い人的な被害はなかったわけでありますけれども、双方とも日常的に使っている場所においてこういったことが起こりました。 こういった事案に対して、まず文科省のこれらの事故に対する認識と対応について確認をしたいと思います。
○政府参考人(平井明成君) 学校施設は児童生徒等が一日の大半を過ごす学習、生活の場であり、日常の安全性の確保は極めて重要でございます。今般の大阪府松原市や羽曳野市で起きた天井やひさしの落下事故については、直接子供たちの安全性を脅かす大変重大な事故であったと認識しております。 文部科学省では、従来より、学校施設の維持管理の徹底について各学校設置者に通知し、建築基準法等に基づく法定点検の確実な実施に加え、維持管理のための手引等により定期的な点検の実施について指導してきたところでございますが、この度の学校のひさしの落下事故を受け、本年一月、改めてコンクリートのひさしや外壁の劣化状況の点検及び必要な安全対策について全国に注意喚起を行ったところでございます。 また、学校における具体的な施設の点検方法等をまとめた学校施設の非構造部材の耐震化ガイドブックについて、この度の事故も踏まえ、専門家の御協力の下、関係の記載内容を充実し、改めて周知することとしてございます。 文部科学省としましては、このような取組を通じ、各学校設置者において学校の安全、安心な維持管理が着実に実施されるよう万全を期してまいりたいと思います。
○杉久武君 今、文科省からお話があった中で、法定点検の確実な実施ということもお話もありましたけれども、今回のこの二つの事案、双方とも地元自治体が確認をしたところ、まず法定点検というのはちゃんとやっていたということであります。 じゃ、この法定点検というのは、具体的にこういった学校施設の天井とか外壁は、求められている法定点検について国交省に確認をいたします。
○政府参考人(石田優君) お答えさせていただきます。 建築基準法では、一定の規模、用途の建築物の所有者などは、建築物の劣化や損傷等の状況について定期的に建築士などの専門知識を有する資格者に点検をさせなければならないことを定めております。 学校施設につきましては、特定行政庁である公共団体の定めによるところもありますけれども、一定規模等の場合、定期的な点検が必要となり、ひさしなどを含みます外壁や一定の天井についても定期的な点検が必要とされております。点検の実施時期につきましては、三年以内の期間ごとに行うこととされておりまして、外壁等につきましては、少なくとも目視による劣化及び損傷の状況について点検を実施することとしているところでございます。
○杉久武君 定期点検、法定点検はやっていたということではあるんですけれども、ミニマムはやっぱり三年に一度の目視というところで、やはりこういった事故を本当に防ぐためには、当然これは管理者たる自治体の皆さんにしっかりとやっぱり見ていただく必要はあるんですけれども、今やっぱり学校施設というものは非常に老朽化をしてきている、また、昨今の様々な自然災害に対しても、例えば地震による耐震に対して本当に大丈夫なのか、そういったものもやっぱり懸念がある学校施設というものは私は増えてきているんではないかというふうに思っております。 そういった中、今、防災強化機能予算、文科省でもしっかりと予算を、まさに今審議をしているこの本予算の中でも組んでいただいておりまして、二〇一八年の一次補正で九百八十五億、また二次補正で三百七十二億、そして今の議論している本予算でも千六百八億円、これは公立学校施設の安全対策、防災機能の強化の推進予算の総額でありますけれども、こういった予算が今まさに審議をして、これを成立を期していきたいと思っておりますが、やはりこういった予算を是非各自治体にも活用していただいて、特に今回落下をした非構造部材の耐震対策、これはやっぱり文科省としても是非自治体と協力をして前へ進めていっていただきたい。 今日は浮島文科副大臣にお越しいただいておりますので、御見解をいただければと思います。
○副大臣(浮島智子君) 学校施設は、子供たちが一日の多くを過ごす学習の場であるとともに、災害時には避難所となるとても重要な施設でございます。 このため、文部科学省といたしましては、公立の学校施設の安全性を確保するため、非構造部材の耐震対策を含めまして、一定規模以上の改修事業について補助を行わせていただいているところでございます。また、昨年、安全性について課題がある学校施設の対策を早急に進めるために、全国の学校施設等を対象に外壁や天井等の耐震性、また劣化状況について緊急点検を実施をさせていただきました。 これを踏まえまして、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策、これに位置付けさせていただきまして、非構造部材の耐震対策等の学校の施設強靱化を図る緊急性の高い事業等に対応するため、今委員からも御指摘ありました二〇一八年度の第二次補正予算では三百七十二億、そして今、二〇一九年度の当初予算案では一千六百八億を計上させていただいているところでございます。 これらの予算をしっかりと活用を図りまして、我が国の未来を担う子供たちの学習、そして生活環境及び避難者の生活環境、安全、安心を確保するため、自治体において早急に非構造部材の耐震策等の整備がしっかりと進められるよう、全力を尽くしてまいりたいと思います。
○杉久武君 是非、文科省の皆さんには各自治体ともしっかり連携を取っていただいて、これをしっかり活用して、子供たちの安心、安全を確保していただきたいというふうに思います。 さて、続いて、設問を少し飛ばしまして、医療費控除の話をちょっと少しさせていただきたいというふうに思います。 私も毎年、確定申告の会場を視察をさせていただいております。今まさに確定申告期間でありまして、この医療費の控除というのはたくさんの方が利用されておりますので、まず、この医療費控除の制度の概要と利用者数、そして一人当たりの平均控除額について国税庁に確認をいたします。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 所得税の医療費控除は、納税者の方が自己又は自己と生計を一にする親族の医療費を支払った場合に、その医療費の額に応じて所得から一定額を差し引くことができる制度でございます。 納税者の方が確定申告によりこの医療費控除の適用を受ける場合、納税者が御自身で医療費控除の明細書を作成し確定申告書に添付するか、又は医療保険者が発行する医療費通知で一定の要件を満たすものを確定申告書に添付する必要があるという仕組みとなっておるところでございます。 この医療費控除制度の利用者数等につきましては、平成二十九年分の確定申告で申し上げますと、申告をされた方二千百九十八万人のうち、医療費控除を適用した人数は七百四十七万人となっております。また、一人当たりの医療費控除の平均控除額は二十三万円となっているところでございます。
○杉久武君 医療費控除、これは皆さん御存じのとおり、確定申告しないといけない、年末調整はできない制度でありまして、今、年間は約七百五十万人、確定申告をする人の三人に一人は医療費控除をやっているというわけでありますけれども、医療費控除の一つの課題はやっぱり領収書、特に昨今は、医薬分業になると、一回病院行くと領収書は病院と薬局で二枚出てくるわけです。これを集計をして、そして十万円を超えた部分、いろいろ細かい計算はありますけど、概要を言うと、十万円を超えた部分については医療費控除ができるわけですけれども、やっぱりこの計算というのは非常に煩雑でありまして、これは納税者にとっても税務行政をやられている税務署の職員にとってもこれは大変な作業であります。 そういった中で、平成二十九年度の税制改正で、この社会保険医療については、各保険者から送られてくる医療費の通知、これを領収書に代えることができるという制度改正が行われたわけなんですけれども、この要件が、ちょっと時間がないので答弁は求めませんけれども、六個、記載要件が六つありまして、これを全部満たさないと使えませんという制度になっています。そして、多くの保険者のところで、やはり自己負担額、これがなかなか記載されていない、今回、五番、赤字で書きましたけれども、医療費の自己負担額、これがなかなか掲載をされていない保険者が多く、実は全員が使えるわけではないというのがこれ現状になっております。 〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕 私は、すぐにこれどうこうするには非常に難しい課題だというふうには思っておりますけれども、やはり今後のその管理コストや納税額の計算等も踏まえたときに、やっぱり将来的にはこの医療費の通知、これでもって社会保険診療の医療費は全てカバーできる、やっぱりこういった将来の形を私は求めていくことが、納税者の負担軽減また税務職員の負担軽減、そういったやっぱり税務行政に携わっている方々にとって大切だと思いますが、最後にこの件について麻生大臣に御見解をいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、これやった方じゃない方はほとんど分からぬ話なんですけれども、今言われましたように、二千万人ぐらい、まあ二千二、三百万人の方の確定申告のうちの約七百万人を超える方々がこれを使っておられるのは間違いありません。ただ、これをうまいことしていただきますと、これは国税側の方も楽、それから申告する側も楽になりますので、これは双方いいじゃねえかという話になるところなんということは間違いありませんので、これを普及拡大をやっていかないかぬところだと思いますので。 その意味で、医療費通知のみで可能な制度にするという、早い話が医療通知書、医療保険者名等々でやるという話なんで、こういった話は、これは医療サイド等のちょっとあれもいただきませんと、申告すると十、十一月の分が翌年とかいろんなことになるのはもう御存じのとおりなんで、そういった意味で、厚生労働省等々、関係者との間で連携をして、これ普及に向けた方が我々の方にとりましてもええと思っておりますので、その方向で検討させていただければと思っております。
○杉久武君 前向きな御答弁いただいて、ありがとうございます。 いろいろ課題があるのは私も承知をしておりますので、この件については今後とも議論をしていきたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で杉久武君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 希望の党の松沢成文でございます。 今国会から日本維新の会と希望の党は参議院の会派で統一会派を組みまして、今、共に活動をしております。今日はその維新・希望の会派の立場から、不正統計の問題あるいは憲法の課題について質問をさせていただきたいと思います。 まず、今回の毎月勤労統計の不正が表に出ましてから総務省は、全ての基幹統計、これもう総務省、文科省、厚労省、農水省、経産省及び国交省が所管する二十三の基幹統計で問題があることが明らかになったと。まあ不正とは言えませんが、統計法に照らして様々な問題があるということが分かったと。 実は、総務省は一七年にも、これは基幹統計だけではなくて全ての、政府がやっている三百七十七の統計を一斉点検して、三百七十七のうち百三十八の統計で問題が確認されたと。つまり、日本の統計は、霞が関がやっている統計は約四割はみんなおかしなことをやっていると、こういう調査結果が出たんですね。日本の統計行政は、まあ崩壊とは言いませんが、大きな問題を抱えているということが分かってきたわけなんです。 で、今回のこの毎月勤労統計の問題もこれありでありまして、総理、もう霞が関の統計行政、これもう破綻しちゃっているんじゃないですか。まず、そのことについての、この結果についての感想を聞かせてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高い専門性と信頼性を有すべき統計の分野において毎月勤労統計のような事案が生じたことや、あるいはまた基幹統計の点検の結果、これは手順の誤り等の問題が多数認められたことについて、重く受け止めております。 今回のような事態が二度と生じないよう、徹底して検証を行い、再発防止に全力を尽くし、政府統計に対する国民の信頼を取り戻すことで政治の信頼をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
○松沢成文君 総理、ちょっとこれ通告していないので、総理の考え方、感想を聞かせていただきたいんですが、総理、今も答弁で言いました、今後、再発防止に全力を挙げると、徹底した検証で総合的な対策を講じると、実は予算委員会の中でこの言葉を連発しているんですね。 しかし、一昨日の参議院の予算委員会では、ここでは、厚労省が巨大官庁になり過ぎてガバナンスが利いていない、厚労省を分割するような組織改革考えたらどうかという質問に対して、こう言っているんです。組織論は非常にエネルギーを費やすことになるから。まあ恐らく難しいということなんでしょうね、消極的な答弁しているんです。 じゃ、この二つの答弁、私はちょっと矛盾があるんじゃないかと思うんですね。総合的な対策を講じると言いながら、組織論は非常にエネルギーが要るのでちょっとやりたくないなと。総理、これ、どう解釈したらいいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この統計については、しっかりと我々も検証を行いました。その上において、統計を確かなものにしていく、その品質を高めていくために全力を尽くしていきたいと思っております。 また、組織論においては、他方、厚生労働省において様々な課題がある中において、まずは今回のことを検証し、再発防止を行うと同時に、様々なこの政策的課題を進めていく上においてしっかりと取り組んでもらいたいと、こう思っているわけでございます。 他方、確かに不断の検証が必要だと思っていますよ、そのそれぞれの組織については。しかし、それはそういうものに本格的に取り組むということについては相当のエネルギーが掛かるわけでございまして、組織に属する人たちがそこに自分、この精力を注入すると、本来やるべき仕事とのバランスの問題も考えなければ我々いけないわけでございまして、もちろん組織がどうあるべきかということは常に検討しつつ、まずは今の様々な課題に全力を尽くしていきたいと、こう思っております。
○松沢成文君 でも、総理、改革というのはエネルギーをめちゃくちゃ注入しないとできないわけですよね。 組織論だけじゃなくて、まず最初に、今日は、ちょっと統計法の強化、これをやっていかなきゃいけないんじゃないかということで、ちょっとこれは総務大臣になりますかね、質問させていただきたいんですが、現行の統計法では、政府の統計を管理監督する立場にある総務大臣や総務省の権限には私は限界があるというふうに思っています。例えば、資料提出要求などの権限は求めることができるというできる規定でありまして、相手側が拒むことができない例えば立入調査等の権限は規定されていないんですね。 そこで、今回の厚労省の不正調査のような場合には、総務大臣及び統計委員会が資料の提出命令や立入調査の権限を設けるなど、相手側が拒むことができず、拒んだ場合は罰則が適用されるような統計法に改正をしていく必要があるんじゃないかと。規制強化ですね。その点についてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(石田真敏君) 議員御指摘のように、統計法には、総務大臣は行政機関の長に対し統計法の施行状況の報告を求めることができる、統計委員会は関係行政機関の長に対し資料の提出等を求めることができるといった規定が設けられております。 そして、今回の毎月勤労統計の事案に関しましては、平成三十一年一月四日に、統計法のこの規定に基づきまして、総務大臣から厚生労働大臣に対しまして報告を求めました。そして、同年一月十七日の統計委員会を開催することとなったわけでございます。平成三十一年の一月十七日の統計委員会におきましては、厚生労働省から事情説明があり、東京都の五百人以上の事業所について全数に戻すべきなどの意見をまとめ、同年一月二十二日に厚生労働大臣に対し通知をいたしました。 こういう手続があるわけですけれども、いずれにいたしましても、総理も申されておりますように、今、厚生労働省の特別監察委員会から報告書が出ました。そして、今、賃金構造基本統計については総務省の行政評価局が調査をいたしております。さらに、統計委員会では、今回の事案を受けまして、点検検証部会、ここで再発防止あるいは統計の品質向上、こういった観点から徹底した検証を行うということでございますし、また、この国会でも様々な御提言をいただいておりまして、こういうものが一定の出そろった段階で、総理もおっしゃられているように、結果を踏まえ、統計全体について、総合的な対策について検討していきたいと思っておるところであります。
○松沢成文君 その総合的な対策の中に、統計法の規制強化も是非とも実現をしていただきたいと思います。 さて、次に、総理が余りエネルギーを注入したくない組織改編の問題に入りたいと思うんですけれども、今回の不正統計のような問題が起こる原因に、我が国の統計機構が、統計庁や中央統計局のような一つの機関が一元的に官庁統計を担うのではなくて、もう御承知のとおり、各省庁に統計担当部門が分散して設けられているということが挙げられます、分散型ですよね。もちろん、これ、分散型にもメリット、デメリットあるでしょうし、統計庁のような一つのきちっとした統計専門の役所をつくるのにもメリット、デメリットが私はあるとは思います。 そこで、やはりここまで来ると、官庁統計の専門性の確保あるいは整合的な体系の構築、これをしっかり重視して、統計庁をつくるという方向を考えていくべきではないかというふうに私は思っておるんですが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の統計機構では、各府省が所管行政に関連する統計作成を担い、統計委員会は第三者機関として統計整備の司令塔機能を果たしてきました。 さらに、統計機構の一体性を確保するために、昨年の統計法改正により、統計委員会の機能が強化され、各府省の所管する統計調査について、予算や人材の配分も含め、自律的、機動的に政策提言やそのフォローアップを行うことができるようになりました。まずは、こうした機能を十分に活用していくことが重要と考えます。 こうした取組の一環として、今回の統計をめぐる問題を受け、統計委員会において点検検証部会を設置し、先月から審議を進めていただいているところであります。委員会による検証結果も踏まえ、総合的な対策を講じてまいりたいと思います。
○松沢成文君 総合的な対策でありますけれども、私は、もうここまで統計行政が破綻しているのであれば、統計庁というような一つの強力なお役所をつくって、そこに長官も置くようになると思いますし、専門家も充実できると思いますし、各省庁の二重統計みたいなのも排除できる、まず、こういうメリットもありますので、そういう機構改革を考えるべきだということをあえて申し上げておきたいと思います。 さて、この統計不祥事だけじゃなくて、最近の霞が関は、もう年に一回どころじゃないですね、年に数回いろんな不祥事が出てきます。厚労省も、今回の統計の問題じゃなくて、働き方改革のときもデータの改ざんみたいな問題がありました。あるいは昨年、一昨年ぐらいですか、昨年ですね、モリカケ問題があって、財務省の公文書の隠蔽どころか改ざん、こういうこともありましたし、あるいは、これ一昨年ですかね、文科省の方でも天下りあっせんですか、こんなこともありました。もう国民の皆さんから見ると、これまで優秀だと思っていた日本の官僚、霞が関、今日も関係者たくさんいると思いますが、何なんだ、これはと。本当に政治家に対する不信もすごいですが、日本の官僚に対する国民の不信というのも私は物すごく大きくなっているというふうに思いますね。 そこで、この霞が関の官僚の不祥事が起きないように、何か機構改革をして新しい仕組みをつくることができないかと、いろいろ考えてみました。そこで、人事院という役所があるんだから、これをもっともっと積極的に使えないかという提案でございます。 人事行政の公正の確保とかあるいは職員の利益の保護に関する業務をつかさどる人事院というのがございます。この中立的な第三者機関である人事院には国家公務員倫理審査会が設置されておりまして、この倫理審査会は国家公務員倫理法違反の疑いがある場合の調査やその結果に基づく懲戒手続を実施しております。 そこで、この人事院に、国家公務員倫理法違反だけではなくて、今回の統計法などのその他の業務関連法案に違反する行為への強力な調査権限を持たせて、第三者機関人事院が霞が関の職員不祥事の御意見番になるような、御意見番じゃないですね、もう調査してきちっと改善させる、そういう権限を持つ役所、つまり国のお金、予算や決算について会計検査院があります、それと同じように人事院に公務員の倫理あるいは不祥事に関しても調査して監督する権限を持たせる、こういう新しい考え方があるんじゃないかと思いますが、総理はいかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人事院の調査権限は、国家公務員の人事行政の公正の確保等の責務を担う人事院が、例えば職員の処分といった人事行政に係る事項を調査するために付与されているものであり、これを一般的な行政監視にまで広げることについては、人事院の基本的な役割に関わることから、慎重な検討を要するものと考えられます。 なお、人事院は独立性を有しており、直接内閣の指揮監督を受けない位置付けとなっていることから、その具体的な権限行使の在り方について私から答弁することは差し控えたいと思います。
○松沢成文君 まあ余り前向きではない答弁でしたけれども、ただ、私は、様々な再発防止策、組織として、先ほどから議論がありました、考えるんでしょうけれども、何かこの霞が関の行政機構として、もう少し公務員の不祥事が起きないような体制をつくっていかないと、私は、また、またぞろ一年か二年すると不祥事が続発するということになりかねないと思っていますので、是非とも前向きな検討をお願いしたいと思います。 続いて、憲法の問題を伺っていきたいと思います。 安倍総理は、この国会の場で憲法の問題を聞かれても、これは国会の方で議論してください、憲法審査会でやってくださいということで余り答弁をなされませんが、あえてまず総理の考え方をお聞きしたいんですが、総理は自民党総裁という政党の党首でもありまして、憲法の改正を目指すと、特に最近では九条に自衛隊を明記するんだということを様々な場で訴えております。 ただ、安倍総理の総裁の任期ももう二年半ぐらいですよね。この二年半の中で、憲法改正に向けてどういう道筋を総理自身描いているのか。今年は選挙もあります、忙しい年です。来年はオリンピックもありますよね。かなり、憲法改正やるには国会の決議だけじゃありません、国民投票もやらなきゃいけないわけですね。 こういう非常に難しいプロセスを経なきゃいけない憲法改正、この二年半の中でどのようにやっていきたいか、道筋を描いているのか、その辺りの考え方をまずお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) こういう答弁になって恐縮なんですが、今もこの場には内閣総理大臣、行政府の長として立っているわけでございまして、予算や法律等についてここで答弁する義務を果たすところでございまして、憲法についてこの場で、また、あるいは憲法についての自由民主党総裁としての私の考え方について述べることについては基本的に差し控えさせていただきたいと思いますが、私が一昨年、この九条二項を残して自衛隊を明記するべきだということを申し上げたのは、一石を、憲法の議論に一石を投じるという意味でこの発言をさせて、これはまあ自由民主党総裁として発言をさせて、これは国会の場ではなくてセミナー等の場で発言をさせていただいたところでございます。 そこで、どういう計画があるのかということでございますが、これは、あとはまさに国会において、憲法審査会において議論がなされ、この国会で、この公僕においてですね、三分の二の多数が形成され国民投票に付されていく、それに向けて国民的な議論、また国会の議論が深まっていくことを期待しているところでございます。
○松沢成文君 ここには総理・総裁として立っているので、憲法は国会の方で議論してください……(発言する者あり)ああ、総理として立っているので、こういういつもの答弁なんですけれども。 それでは、ちょっと私たち希望の党が考えている憲法改正案を少し披露しますので、それについての感想ぐらいは言えますよね、政治家ですから、ちょっと是非ともお示しいただきたいと思うんです。 私たち希望の党は、日本国憲法の最大の問題は、国家の安全保障あるいは緊急事態の対応についての条文が全くないと、ここが最大の問題だというふうに考えています。これでは、例えば侵略があったとき、大災害があったとき、あるいは大規模テロが起こったとき、国民の生命、財産を守れないというふうに思うんです。 この認識については、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国家の緊急事態に際しては、国民の生命、財産を守るため、政府全体として総合力を発揮して対処することが重要であります。このため、政府としては、様々な緊急事態に対処するための制度及び体制の整備を行っており、時々の情勢に応じ、その充実に努めているところであります。 例えば、大規模災害が発生した際には、災害対策基本法などに基づき、避難指示等の災害応急対策や災害復旧などに取り組むこととなりますが、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて、緊急災害対策本部設置の要件を緩和、また、東日本大震災の教訓を踏まえ、内閣総理大臣の指揮監督の下、政府が一体となって対処するため、対処方針の作成、閣議決定を義務付けなどの法改正を行い、所要の見直しを適時に行っているところであります。 政府としては、今後とも、緊急事態において取るべき対応について不断の見直しを行っていくとともに、いかなる事態にあっても、国民の生命、財産、そして幸せな暮らしを守るために万全を期していく所存でございます。
○松沢成文君 緊急事態に万全を期すのは政府として当たり前ですが、やっぱり憲法にきちっとした規定がないから、万全を期すというのはどういうことをやるのか分からないわけです。そこが今の憲法の一番問題なんですね。 私たち希望の党は、自由民主党と一緒で、憲法の九条の改正、それから緊急事態条項、これを入れようと、これ両方とも提案しているんです、テーマとしては。ただ、内容はかなり違います。 そこで、今日は、安全保障、憲法の第九条について、まず私たちの案を総理に、あるいは国民の皆さんに説明したいというふうに思います。(資料提示) まず、九条の第一項ですよね。これは、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する、侵略戦争はしない、もうこれは一番大切なことですから、きちっと守っていきましょうと。 しかし、第二項なんです。現行の第二項は、陸海空軍持たない、交戦権は否定します、こうなっているわけですね。ですから、この第二項があって自衛隊の存在があるからその説明が難しくなって憲法解釈がごちゃごちゃ出てきて、あるいは自衛隊の存在が、先ほども議論ありました、憲法違反だというふうに言われてしまうんですね。 そこで、その問題を抜本的に解決するには、第二項を、今の第二項を削除して、自衛のための戦争ですよ、日本国は、日本の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つとともに、国際社会の平和と安全に寄与するため、自衛隊を保持する。きちっと書くべきだと思うんです。自衛隊の存在と、それから目的ですね。自衛隊の目的は、まず平和と独立を守るんです。それから、国及び国民の安全を保つことです。これは災害なんかも入りますよね、防衛だけじゃなくて。そして、国際社会の平和と安全に寄与する。これ、国際貢献です。この自衛隊の任務の三大任務をきちっと書いて自衛隊を保持する。 そして、第三項に、自衛隊はやはり実力組織ですから暴走しては困ります。そこで、シビリアンコントロール、文民統制をきちっと書き込む。内閣総理大臣は、内閣を代表して、自衛隊の最高の指揮監督権を有する。国会は、法律の定めるところにより、自衛隊を統制する。 これ、安全保障の基本原則として非常に分かりやすいでしょう、総理。これ、まず、日本は平和国家として侵略戦争はしません。しかし、独立国として自衛権はあるんだから自衛隊を置きます。自衛隊の任務はこの三つです。自衛隊が暴走しないようにきちっとシビリアンコントロールで内閣総理大臣が指揮監督権を持つ。自衛隊の予算や自衛隊の行動については国会が議論してきちっと決めるんですと。この三点セットがあれば、日本の安全保障というのは、なるほどこうやってやっていくんだなと非常に分かりやすいと思うんですよ。 総理、感想いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの答弁の際に、緊急事態に対する御党の提案についての感想についてはどうかということもございましたので、それも併せて申し上げたいと。 基本的には答弁を控えさせていただきたいと思いますが、あえて申し上げれば、大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため国家や国民がどのような役割を果たし国難を乗り越えていくべきか、そのことを憲法にどのように位置付けるかについては、極めて重く大切な課題であると考えています。特に、緊急事態に際し、衆議院議員が不在となってしまう場合があるのではないかという従来からの指摘については、現実的で重要な論点であると認識をしているところでございます。 そして、今この九条についてもお示しになったのでございますが、基本的には総理大臣としてこの場でお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、お尋ねでございますのであえて申し上げれば、我が国が独立国家として国民に対して第一義的に果たすべき責任は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことであります。その意味で、安全保障の基本原則を確立するため憲法九条を改正しようという御党の取組については敬意を表したいと思います。 昭和二十九年の自衛隊創設以来、政府としては、一貫して、自衛隊は我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織であって、憲法に違反するものではないと考えて、解しています。この点はまず明確に申し上げておきたいと思います。他方で、近年の世論調査でも、自衛隊は合憲と言い切る憲法学者は二割にとどまり、多くの教科書に合憲性に議論がある旨の記述があるという状況があるのは事実でございます。 現在、自民党の党内において行われている憲法改正をめぐる議論の状況や御党の案についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、元々の自民党の九条の改正草案にはこれ似ているなという印象を持つ方が多いのではないかと、こう思うところでございます。 私自身は、国民のため命を賭して任務を遂行する自衛隊員の諸君の正当性を憲法上明文化し明確化することは国防の根幹に関わることだと考えています。同時に、少なくともこれを実現することは私たちの世代の責任ではないかというふうにも考えているところでございまして、憲法改正は、国会が発議し、国民投票により決められるものであります。国会の憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待しております。
○松沢成文君 安倍総裁と言った方がいいのかもしれませんが、自民党の憲法改正案と我が党の改正案、似ているようで全然似ていないんです。(発言する者あり)あっ、元々のやつね。 今回の、この前出した自民党の改正案は、九条の二項を残し、それでその下に、その次に、これ九条の二として自衛隊を、自衛権があるから自衛隊を明記して、その下にシビリアン条項、文民統制もつくっているんですね。これ、やはり九条の二項を残したまま、また自衛隊を加えても、この自衛隊の存在と九条の矛盾というのはそのまま残っちゃうんです。ずっとその憲法論争は続くことになるんですね。 これ、九条の二項を削除するとなると、何だ、あの人は軍国主義者だという誤解があるんですが、全くそうじゃありません。侵略戦争を否定しているんです。独立国として当然持っている自衛権を担保するために自衛隊を置くんです。でも、自衛隊は自衛のための軍隊としてきちっとシビリアンコントロールを担保するというふうになっていますので、私は、国民にとっては、この憲法九条の矛盾を解消して分かりやすい九条改正案としては希望の党が勝ちだと思います。 これ、でも、国民の皆さんにどれだけ早く理解いただけるかという、こういう問題もありますから、条文は難しいんですが、是非とも、もし九条を改正して自衛隊をきちっと明記するのであれば、自衛権をきちっと明記する、自衛隊は自衛のための軍隊だとしてきちっとその機能を書かない限り、この憲法論争、九条論争というのは終わらないので、どうせやるならばそこまで踏み込んでやっていただきたいんですけど、いかがでしょうかと言っても答えませんかね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど似ていると言ったのは、言わば二項を残した形の改正案ではなくて、元々、その前の谷垣執行部で作ったときの草案に似ているなと、こう申し上げたわけでございます。 そこで、憲法の論争ということは本当は基本的に差し控えさせていただきたいと、こう思うのでございますが、今のお尋ね、あえてお尋ねでございますのでお答えさせていただきますと、言わば九条との矛盾ということでございますが、二項との矛盾という意味でおっしゃっているのかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、我が国としては、この自衛隊の存在自体は憲法違反ではないという立場を二十九年の発足以来ずっと取っているものでございますから、本来、政府としては矛盾するものではないという立場でございまして、その上に自衛隊を明記することによって違憲論争をなくしていきたいと、こう考えているわけでございます。
○松沢成文君 政府解釈があるから矛盾するものじゃないとしか総理の立場としては言えないと思うんですが、この矛盾を解消できない九条改正だったら私はやらない方がいいんじゃないかなぐらいに思っています。 次に、もう一点提起したいと思うんですが、個人情報保護、まあプライバシー権ですね、あるいは国民の知る権利、この問題なんです。 実は、私たち希望の党は、安全保障や国家緊急事態とはまた違った意味で今の日本国憲法の大きな問題というのは、やっぱり新しい人権について、もうできたのが七十年前ですからね、七十数年前ですから、全く明記されていないんです。でも、近年の高度情報化社会の中で、我々の個人情報、プライバシー、脅かされているんじゃないか。あるいは、我々の知る権利、国の、行政の情報は主権者である国民のものなのに、幾ら国会で追及されても政府はのり弁しか出してこない。全く情報の、何というか、隠蔽、改ざんまでしているわけですよね。だから、ここをきちっと国家として基本原則を憲法に私は書くべきだと思うんです。 総理、このプライバシー権、国民の知る権利、新しい人権、これを憲法にきちっと新しい時代に合ったものに加えていく、こういう発想についてはいかがお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御党の改正案を含め、憲法改正の内容については内閣総理大臣としてこの場でお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上であえて申し上げれば、御指摘の新しい時代の人権、すなわちプライバシーの権利や知る権利を保護することは現代社会において極めて重要であるものと認識しております。 このような観点から、政府としては、これまで個人情報保護法や情報公開法といった法律を制定するなど、国民のプライバシーや知る権利を保護するための施策を行ってきましたが、御指摘のように、これら権利を憲法に位置付けるかどうか等については様々な議論が必要であるものと認識をしております。 いずれにいたしましても、憲法改正につきましては憲法審査会で議論がされることを期待したいと思います。
○松沢成文君 我が党のこの条文をちょっと説明させていただきたいと思うんです。 プライバシー権というのは、精神的自由権の一つと考えられることから、集会、結社、表現の自由について定める二十一条の次に位置付けさせていただきました。ちょっと読みますね。何人も、みだりに私生活を侵害されない、これをはっきり明記します。プライバシーは守ってもらう、守るんだ、権利も義務もあるんだと。そして、二として、国及び公共団体は、その保有する個人情報を適正に保護しなければならない。私は、是非とも日本国憲法に必要な条文だと思いますね。 というのは、今政府が年金の情報をたくさん持っている。それが漏えいしてしまって何か大事件になって、第一次安倍内閣も苦労しましたよね、この問題では。あるいは、地方自治体もマイナンバーカード、これにいろいろ個人情報を持っていて、それがどうやって使われているのか、下手したら目的外に使われているんじゃないかとみんな心配しています。ですから、自分のプライバシー、個人情報はきちっと守るんだということは、これは憲法で宣言するべき最も重要な人権だと思うんですね。 それで、加えて、個人情報は、政府は的確に保護しなければならないと。これ、総理、政府だけじゃなくて、例えばGAFAと言われる巨大情報産業、グーグルとかアマゾンとかアップルとかですね。これ、大変な情報収集できます。その情報をビッグデータとして保管するだけじゃなくて、それをうまく利用して商売に使おうとしているんじゃないかという疑惑がたくさん出ているわけですね。ですから、これは政府だけじゃなくて、こういう巨大情報産業が持つ個人情報もしっかり守られなければいけないということを宣言するためにも絶対に憲法に必要な条文なんですね。 それと、二つ目です。国民の知る権利。これは地方自治体の方から情報公開条例といって進んできて、それで国でも情報公開法を作ったんですね。でも、その憲法上の担保がないからまだまだ弱いんですよ。以前、神奈川県に長洲知事っていました。覚えていますか、三十年ぐらい前ですけどね。情報公開法を作るときに非常な名言を残しているんです。県の情報は県会議員や県の職員のものではないんだ、主権者である県民のものなんだと。だから、原則全て県民に公開するといって条例作ったんですよ。先見の明がありますよね。 その言からいくと、霞が関にある国家の情報は原則主権者である国民のものなんですね。国会議員のものでも内閣のものでもないんです。ですから、原則公開する。しかし、国は外交、防衛とか表に出しちゃおかしくなる情報を持っているので、そこは公共の福祉としてきちっと守ることができる、この基本原則も憲法にしっかり書かなきゃいけないと思うんですね。これ以上聞いてもなかなか答弁しづらいと思いますので、是非とも我々としてはこの条文も新しい憲法に入れたいと思っているんです。 総裁、これから憲法の議論が始まります。憲法の議論が始まると、やっぱり私たちのように改憲を目指す政党は改憲案を出してきます。自民党もそうです、維新の党もそうです。我々希望の党も出します、四項目、もっと出していきたいと思うんですが。そのときに、やはり憲法改正に非常に消極的な考えの野党の方もいらっしゃいます。そういう皆さんも論争に、一緒になってやってもらうには、皆さんが一番求めている方向の条文改正が必要ですよね。真っ二つに割れるような条文だと、なかなか憲法審査会でも議論進んでいかないと思います。 そこで提案なのは、この国民の知る権利、プライバシー権というのは、実は立憲民主党の枝野さん含めて野党の皆さんもここはしっかりと議論して、できれば新しい人権として規定していくべきだという意見も持っているんですよね。野党の皆さんの多くは、憲法というのは国家権力から人権を守るためにある装置なんだという解釈もあります。 そうであれば、このプライバシー権や国民の知る権利をまず一番目に改正してみようじゃないかという提案であれば、私は多くの政党が議論に乗ってくるんじゃないかというふうに思うんですが、総裁の感想をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自民党は四項目の改正案のイメージを既に提出をさせていただいておりますが、まさにそうしたことも含めて、各党各会派が様々な案を憲法審査会に持ち寄り、議員同士の議論をまず行うということが大切ではないか。そのことにおいて三分の二を形成する項目があれば、当然それはその項目について発議をされていくという、そういうことが望ましいんだろうと、こう思っております。ですから、私がどの案を先にとか言うことは、述べることは差し控えたいと思います。 まさに憲法審査会において、これは憲法審査会じゃなくて、皆さん、予算委員会で私に聞くわけでありますが、まさに憲法審査会で、我が党のここにいるそうそうたるメンバーも出ますよ、今こちらを見ている山下雄平さんだって、二之湯議員だってみんな、皆さん、あと、この憲法について見識を持っておりますから、そういう議員同士の議論を行うことによって国民的な議論も深まる、理解も深まっていく、そういう中で議論が収れんしていくということが一番望ましいのかなと、こう思っております。(発言する者あり)
○松沢成文君 私は全て賛成じゃないんですね。 というのは、安倍総理は、やはり政治家として、総裁としてあるいは総理として、憲法改正についていろんな場で提起されているわけですよ。そうであれば、国民の皆さんがこれだけ見てくださっている予算委員会でも、議員から憲法論争を仕掛けられたら、それを受けて立つといって論争することによって国民の皆さんに憲法改正の重要性というのは伝わるんです。それを、私は政府の代表で来ていますからお言葉は差し控えていただきますと、こうやってずっと逃げ続けていたら、これ憲法論争なんか深まるわけないですよ。 御自身がやっぱり憲法改正必要だと思っているのであれば、どんな場でも議員さんから論争を仕掛けられたらしっかりと受けて立つ、それぐらいの根性ないと憲法改正できませんよ。いや、この場では控えさせていただきますと逃げていたら、国民の皆さん分からないじゃないですか。あえてそのことは忠告させていただきたいというふうに思います。 さて、次の質問に行きます。 天皇陛下の皇位継承、退位の問題についてお伺いしますが、四月三十日に退位礼正殿の儀が行われて、ここで天皇陛下が退位をするというふうになっています。その式典の中で、総理は首相として国民代表の辞を述べられます。それに続いて陛下からお言葉をいただくことになっています。 そのお言葉の中で、陛下は、政府はですね、ごめんなさい、譲位という言葉を使わないようにという調整をしているというふうな新聞記事が載りました。陛下は、昨年十二月の誕生日の記者会見でも自ら譲位という言葉を使っておりまして、私は国民の皆さんにとっても譲位の方が分かりやすいんじゃないかと思っているんです。 そこで、なぜこの譲位という言葉を陛下は使わないようにというふうにおっしゃっているんですか。それは事実ですか。おっしゃっているとしたらその理由をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 退位礼正殿の儀における天皇陛下のお言葉については現時点で何ら決まっておらず、政府として譲位という言葉を使わないよう調整しているという事実は、これはありません。 その上で、天皇陛下の御退位を実現する天皇の退位等に関する皇室典範特例法においては、退位という用語を用いております。これは、平成二十九年に取りまとめられた「「天皇の退位等についての立法府の対応」に関する衆参正副議長による議論のとりまとめ」において、「今上天皇が退位することができるように立法措置を講ずること。」とされ、制定された法律の名称も天皇の退位等に関する皇室典範特例法とされていることでありまして、今回の皇位の継承は、天皇陛下がその意思により皇位を譲るというものではなく、この特例法の直接の効果として行われるものであることを踏まえ、政府として譲位ではなく退位という用語が適切であると考えたことによるものであります。
○松沢成文君 陛下のお言葉にそういうふうにしろということは言っているわけではないという答弁でありました。そこは安心をいたしました。 そこで、確かに皇室典範特例法では退位という言葉を使っていて、譲位という言葉は使っておりません。ですから、法律名称としての退位と、私は今回の実態としての譲位というのは両方あっていいと思っています。使い分けていいんじゃないかというふうに思っています。これ、退位というと、まあそこで退位ですから、引退の退ですよね、もう天皇陛下終わってしまって、もう引退でお休みいただくというイメージにもちょっとつながって、断絶の意味にもなってしまうんですね。 実は、今度の特例法では、この退位で天皇陛下が終わりになって引退するんじゃないんですね。上皇という新しい位を設けているんです。ですから、天皇陛下は、上皇という新しい、何というかな、名称を設けているんですね。上皇になられるんですよ。ですから、天皇陛下は、皇位は皇太子殿下にお譲りします。そして、自らは、全て引退するんじゃなくて、上皇になられるんですね。そういう意味でも、私は、譲位という方が分かりやすくて、天皇陛下もそれになじんでいるからそのお言葉をいろんなところで使っているんじゃないかというふうに思うんですね。 この退位と譲位の使い分けというか、私は両方あっていいと思います。それで、国民の皆さんも私は譲位の方が分かりやすいと思うんですけれどもね。その辺りについて、総理はどうお考えですか。両方あってよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、総理としてこの法律に縛られる立場でございまして、用語等におきましてもこの法律にのっとって使わなければいけない立場でございまして、その観点から退位という言葉を使わさせていただいております。天皇の退位等に関する皇室典範特例法による用語を使わさせていただいているということでございまして、その意味をどうか御理解をいただきたいと、このように思います。
○松沢成文君 恐らく政府、これは、総理じゃない、宮内庁も含めてですね、お考えは、譲位というふうになると、天皇陛下のお言葉から発しているというふうに思われてしまって、憲法四条ですか、で規定している天皇は政治的権能を持たないというところに触れてしまうんじゃないかという御心配があると思うんですが、いや、私はそうは思わないんですね。やっぱり、実態を表すのは譲位ですから。やはり譲位というのは、天皇陛下から言ったからではなくて、実態を表す言葉として譲位という呼び方があってもいいという考えでありますので、是非ともまた政府も参考にしていただきたいなというふうに思います。 さあ、最後に、いよいよこの皇位継承の様々な儀式があるわけですが、退位礼正殿の儀、ここで天皇陛下は退位というか、上皇になるわけですね。天皇陛下を降りて上皇になっていくと。その大きな国事行為としての儀式が行われるわけです。そして、五月になって、五月一日に剣璽等継承の儀ですね。要するに、三種の神器のうち二つの刀と玉ですか、ええ、そうですね、それを今までの天皇から新しい天皇に譲られたというこれ儀式ですよね。 ただ、ここに問題がありまして、四月三十日に退位正殿の儀があって、一日空いて剣璽等継承の儀ですから、この空白の一日間はこの剣璽が誰が持っているのかという問題が発生してくるわけです。政府が一時預かるという認識なんでしょうか。これをもし許してしまうと、これは長い間続いてきた皇室の伝統が私は崩れるんじゃないか。旧天皇から新天皇に譲られるのがこの剣璽ですから、そこに一日あるということは入ってしまいますよね。 ですから、私は、こういう、皇室とともに伝わるべき由緒あるこの儀式を継承させていくためには、やはりこの剣璽等継承の儀を四月三十日の退位礼正殿の儀の中に入れるか、あるいは直後に行って、その剣璽を旧天皇から新天皇に、新天皇の即位は正式には五月一日ですが、そこに、間に政府が入ることなく、政府が一時預かって、あした新天皇に渡しますよって、極めてこれは不遜ですよね。そうじゃなくて、必ず直接渡るような工夫をしないと、私は、おかしくなるんじゃないかと、この伝統に反するんじゃないかと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の皇位の継承は天皇の退位等に関する皇室典範特例法に基づき行われるものであり、同法第二条により、天皇陛下が、法の施行日、平成三十一年四月三十日限りで御退位され、直ちに皇太子殿下が御即位されることとされていることから、皇位はこれ、途切れることなくまず継承されるわけでございます。 私どもといたしましても、長年引き継がれてきたこの伝統を大切にしなければならないと、こう考えているところでございますが、法令にのっとって行われるこの退位、即位も、これは途切れることなく、皇位は途切れることなく継承されるわけでございます。 また、御心配であるこの剣璽でございますが、皇室経済法第七条に規定される皇位とともに伝わる由緒ある物である剣璽は、本年五月一日午前零時の皇位の継承と同時に新天皇に継承されることになるわけでございまして、政府、私とか政府が一時預かるということはないわけでございまして、ぎりぎりまで、御退位になるまで今上陛下、そして、五月一日の午前零時をもって皇位の継承が行われますが、その同時に新天皇に継承されることになるわけでございまして、このようなことから、このまさに剣璽を政府が継承が行われるまでの間預かるということにはならないということでございまして、どうか御安心をいただきたいと、こう思います。 なお、これを前提に、新天皇が剣璽等を継承されたことを国民の代表の前で目に見える形で公にする国事行為たる儀式として、剣璽等承継の儀を新天皇の御即位後速やかに行うこととしているところでございます。
○松沢成文君 じゃ、そこには次の存在のタイムラグはないということですね。しっかりと、じゃ、午前零時で受け継がれると。はい、まあそこを国民に分かりやすくまた説明をいただければというふうに思います。 〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕 あと二分ありますので、最後、財務省に来てもらっているので、持論の、また、たばこ対策をやりたいんですけれども、あと二分なので、お聞きしますけれども、まず、JTの筆頭株主が財務大臣である、これ、どう見ても解せないですよ。たばこというのは健康に悪いから、政府は規制すべき財なんですね。それを何で政府が株主、筆頭株主として抱え、それも、たばこ事業法、JT法でJTを守り、一つの社会主義体制のように、たばこ農家が作る葉っぱは全部JTが買い上げ、全量ですよ、そして日本ではJTしか紙巻きたばこを作れないわけです。生産独占ですよ。そしてまた、売る様々なたばこ屋さん、コンビニも全部財務省、JTが決めているわけですよ。 こんな社会主義体制あり得ませんが、最後に……(発言する者あり)本当ですね、社会主義だってこんなことやらない。失礼しました。今、たばこが国家管理しているのは北朝鮮と中国だけですから。先進国でたばこ会社の筆頭株主なんというのは日本だけですから。なぜたばこは国家管理でやらなきゃいけないのか、JTが、筆頭株主じゃなきゃいけないのか、分かりやすく国民に説明してください。
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。 たばこ事業法が、たばこ関連産業の健全な発展を通じて地域の雇用、経済の発展に貢献すること、また、国及び地方の財政収入の安定的確保に寄与することを目的として定められております。 〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕 この目的を達成するため、ただいま委員御指摘がございましたように、まず、葉たばこ農家の経営安定を図るためJTによる全量買取り契約を実質的に義務付けております。続きまして、これと一体の関係にあるJTの国内たばこの製造独占を認めると、さらに、この製造独占の弊害を防止し小売店の経営を安定させるために卸売価格及び小売定価の認可制を定めていると、先ほど委員が御指摘になったとおりでございます。 政府がJT株式を保有しておりますのは、こうしたJTの全量買取りや適正な業務運営などを担保するためでございます。
○松沢成文君 時間ですので終わります。 どうもありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 まず、統計不正について聞きます。 昨日、小池晃参議院議員が、毎月勤労統計の不正を調査する特別監査委員会の樋口委員長の厚労省の審議会、研究会等の委員歴、就任の経歴が示された資料を求めましたが、今日昼前、昼の理事会でこれが提出をされました。パネルに示しております。(資料提示) 私、これ見て驚きました。樋口委員長、労働政策審議会会長などの現職の四つを含めて、二〇〇一年から現在に至るまで、一旦退任され再任をされたものを除くと三十二もの厚労省の検討会等の委員を務めてこられておられます。 総理、今回の調査というのは、やっぱり第三者性の確保というのが何より大事なんですね。これ、樋口委員長、厚労省、一体ではないですか。第三者性、確保されないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、昨日も小池先生にお答えをさせていただいたところでございますが、なかなか御期待には応えていなかったんですが、厚生労働省の特別監査委員会は、二月七日に元最高検の検事の方を事務局長に迎え、民間有識者で構成される事務局が新たに設置をされ、より独立性を強めた形で裏付けや検証作業を進めていただいたものと承知をしております。 そして、樋口委員長は、統計委員会の委員長を務められるなど統計の専門家であるとともに労働経済研究の専門家であること等から、まさに専門家として様々な御依頼を厚生労働省も今までしてきたんだろうと、こう思うところでございますが、今回もその個人の資質に着目をして委員長をお務めいただいたものと認識をしております。
○辰巳孝太郎君 ですから、私の問いに答えていただいていないんですけど、これでは国民からの疑念は晴れないですよ。これ、第三者性とはこれはやっぱり言えないですよ。こういうことだから、うそをついても隠蔽ではないというような、誰も納得できないような報告書が出てきてしまうんですよ。これ、やっぱり委員会、きちんと第三者性、独立性を確保するためにも、これきちんと新たな報告を作って、第三者性が確保できるものを作ってやるべきだと私は言いたいというふうに思います。 二〇一八年の毎月勤労統計が上振れした原因は主に四つあります。東京の大企業についてこっそり三倍の復元処理をした、サンプル企業を全部入替えから部分入替えへ変更し、それに伴い遡り補正をやめた、ベンチマーク更新の遡り補正をやめた、常用雇用者から日雇労働者を外したなどであります。 今日パネルに示しましたけれども、そのうちの一つですね、ローテーションサンプルの導入の経過を示させていただきました。ここに官邸の関与や影響があったのではないか、これが焦点の一つでもあります。 姉崎さんにお聞きいたします。 あなたは、二〇一五年三月三十一日に、中江秘書官、当時の総理秘書官に、その年の一月の中規模事業所のサンプル総入替えによって、過去の賃金伸び率が下振れをしたことを説明し、中江氏から手法の改善について示唆をされたことを当時の厚生労働省の村木事務次官に説明した事実はありますか。
○参考人(姉崎猛君) 初めに、まず最初に、今回の毎月勤労統計をめぐる問題につきまして、統計に対する信頼を失わせるとともに、国民の皆様に御迷惑をお掛けしていることにつきまして、以前統計情報部長をしていた者として心からおわびを申し上げます。 今、議員の御質問ですけれども、三月三十一日の日にサンプル入替えに伴って過去に遡って数値が大幅に変わるということにつきまして総理秘書官のところに御説明に行きましたけれども、それを当時の村木次官に報告をしたかどうかということなんですけれども、直接そのことを村木次官に報告したかどうかというのは覚えていないんですけれども、総理秘書官のコメントですから、どこかの時点では多分、次官にはきっと報告しているのではないかというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 報告をしたんですか、していないんですか、どっちなんですか。
○参考人(姉崎猛君) 次官とは日頃から接しておりますので、どのタイミングかというのはよく分かりませんけれども、多分、報告をしたかもしれません。
○辰巳孝太郎君 さっきはしたと言ったんじゃないんですか。どちらですか。したんですか、していないんですか。
○参考人(姉崎猛君) 記憶が定かではないのですけれども、多分したんだというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 あなたは、中江元総理秘書官のこのいわゆる問題意識を単なるコメントだと受け止めたということを国会でも答弁していますね。つまり、それは官邸の影響はなかったんだ、六月に検討会が発足され、それで第六回の検討会の報告書が第五回の素案とは全く違ったものになった、だけど、それは九月の十四日に、まさに第六回の二日前に中江氏と会ったこととは影響が全くなかったんだと、単に、言われたことはコメントなんだと、こういう話をされていますよね。自分の意思でやったんだと。そうですよね。 これは、総理秘書官の単なるコメントというのは、これ事務次官にやっぱり報告をしていくものなんですか。
○参考人(姉崎猛君) お答えをいたします。 私自身は総理秘書官のところにそんな頻繁に行くようなということはありませんけれども、次官は恐らく総理秘書官と会うような機会もあるでしょうから、一応こういうコメントがあったということは多分どこかの時点でお伝えをしたのではないかというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 つまり、総理秘書官の言葉というのはそれだけ重大だという認識があった、伝えなければならないという認識があったということでよろしいですか。
○参考人(姉崎猛君) 重大というか、重大というかですね、やはり総理秘書官と多分次官はそれなりに会う機会が多いでしょうから、そういうコメントがあったということは伝えておいた方が多分いいんだろうなというふうに思って、どこかの時点で伝えたんだろうというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 やっぱり重いということなんですよ。それは当然伝えると私も思いますよ。だけど、あなたはそれを、衆議院の審議でもそれを否定するような、検討会の結論もあるいは中江氏の言葉というのもそれは結局自分は影響なかったんだと言いたいがためにいろんなストーリーを言うものですから、こういうことが出てくるわけですね。 三月十日付けのしんぶん赤旗日曜版で、毎月勤労統計の改善に関する検討会座長を務めた阿部正浩さんがインタビューに答えておられます。阿部座長は、厚労省の担当部長が、つまり姉崎さん、あなたですね、首相秘書官から意見を聞いていたとするなら大きな影響を受けた可能性があったと述べておられます。 総理、これ当然の疑念だと思うんですよ、座長にとっては。これ、検討会の座長がこう述べているのは重大だと思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) また、阿部座長は、日経新聞のインタビューにおいて、正確性を上げていく上においてこのサンプルを入れ替えていく方法の方が優れているという趣旨の発言もされていると、こう了解をしているところでございまして、要は、まず、この問題はですね、混同される方がおられるといけないと思いますが、この十五年間にわたって不正な調査が行われてきた問題とは全く無関係な問題であるということは申し上げておきたいと、こう思う次第でございますが、サンプルを入れ替えていくこの方法については、これは統計委員会におきましても、言わば正確性を上げていくということについてはおおむねそれはそのとおりだろうということではシェアされていたのではないかということも言われているわけでございまして、一方、コストにおいてはどうだろうかという議論があったということでございまして、それは阿部座長もそういう趣旨の話をされているというふうに理解をしているわけでございまして、その点において、当時の中江秘書官がそういう問題意識を述べるのは、伝えるのは私はむしろ当然のことなんだろうと、こう思う次第でございますし、ユーザーにおいては、むしろ毎年毎年これは入れ替えていった方がタイムリーに正しい統計が分かる、ぶれが大きくならないというこのコメントがあるということも承知をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 総理、私の問いに答えておられないんですね。私は統計の正確性を聞いているわけではないんです。今私が問うているのは、適正な手続がされていたのかということを聞いているわけですよ。そこに官邸の影響があったのかどうかというのを聞いているんですね。これ、私の問いに答えてないんです。 樋口さん、樋口委員長、これ、今回、追加報告書でも、官邸の影響があったのかどうかということについては全く調査もされていないんです。調査されていないんですよ。今、阿部座長自身が官邸の影響があった可能性はあると述べておられるわけですから、これについて調査すべきじゃないですか。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 我々の委員会におきましては、今般の毎月勤労統計事案に関しまして設置されたものでございます。 今般の事案の事実関係及び責任の所在を解明することを目的としておりまして、対外的な説明が実態と相違している疑義があるケース、統計法上の手続についての疑義があるケース、統計の専門的な視点から合理性を欠いている疑義があるケースなど、統計法違反等を含む不適切な取扱いが疑われるケースを調査の対象としております。 本委員会におきましては、こうした考え方に基づき、ローテーションサンプリング方式の導入に関しまして、委員がおっしゃった点でございますが、きちんとした手続を踏んだ上で採用されており、また、サンプル入替えに伴うギャップをできるだけ少なくし、国民を始めとする統計の利用者にとっての分かりにくさを解消するための措置であり、統計学的にも十分な合理性が認められると判断したことから、調査の対象とする必要がないというふうに判断いたしました。
○辰巳孝太郎君 結局、身内の調査だからなんですよ。 私は、野党も含めた真の第三者による調査と阿部座長の国会招致を求めたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をします。
○辰巳孝太郎君 森友について聞きます。 二〇一六年三月、森友学園が八か所の試掘を行い、三・八メートルまでごみが発見されたとして、八億二千万円の値引きの根拠と国交省はいたしました。これがこの試掘調査報告書であります。私は、このデジタル解析も行いました。写真の使い回しを指摘をしてきましたが、四日の質疑で国交大臣はとうとうそれをお認めになりました。 八億の値引きの根拠は崩れたということで、石井大臣、よろしいでしょうか。
○委員長(金子原二郎君) 今質問中ですが、樋口さんはもう退室していただいて結構ですか。
○辰巳孝太郎君 はい、結構です。
○委員長(金子原二郎君) じゃ、樋口参考人、退室していただいて結構です。御苦労さまでした。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二十八年当時、地下埋設物の撤去処分費用の見積りに用いるために設計業者から入手した資料の一部に誤りがあったことが、本年一月三十日付けの設計業者からの回答書で分かりました。このことは大変遺憾であると考えております。 ただ、御指摘いただいております三枚の写真、今パネルにもあるかと思いますが、ナンバー七、ナンバー十、ナンバー十一が写した試掘穴であります試掘穴3番と試掘穴4番については、写真の選定は間違えたものの、掘削深度やごみの層を記載した説明内容については誤りはないとされております。 また、約八・二億円の地下埋設物の見積りの参考資料の一つとして用いられましたのは、深さ三・八メートルまでごみが確認されたとされております試掘穴1番でありますが、これにつきましては、今般の回答書におきましても、この試掘穴についてはミスはありませんなどとされておりますので、この試掘報告書を見積りの材料の一つとしたことについては問題があるとは言えないと考えております。
○辰巳孝太郎君 大臣、ごみの層は間違いないんだと、こういう話ですね。 ちょっと聞きたいんですけど、三枚の写真がこれ一緒の穴の写真だと。ナンバー七は、実はこれ工事事業者によりますと試掘ナンバー3ではなくて試掘ナンバー4、試掘ナンバー4の穴の写真であるということが一点ですね。じゃ、試掘ナンバー3は、これ何メートルなんですか。どの写真なんですか。ここに記されていませんけど、どうなるんですか。これ何メートルって書いていますかね。これ、ごみの層は八十センチから二メーター七十センチの間ですが、この写真はこの穴じゃないんです。こっちのナンバー4の方なんです。どうするんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 設計業者からの回答書によりますと、今委員御指摘いただいたように、ナンバー七の写真については、本来の試掘穴3番の写真を選定すべきところを試掘穴4番の写真を選定してしまったと。ただし、この試掘穴3番、4番の写真の右側にある説明書き、これについては誤りはないというふうにされておりますので、試掘穴3番のごみの層というのは、ここに、説明書きにございます地表面から八十センチから二メーター七十センチの間にあるというものと考えております。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、八十センチから二メーター七十センチを示しているメジャーの写っている写真はここにはないでしょうと聞いているんです。どうやって検証するんですか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) ちょっと速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(石井啓一君) 当時、大阪航空局の職員も四月五日に現地確認をいたしまして、試掘穴にごみがあるということを確認をしております。 また、今回、設計業者から回答書をいただいておりますけれども、この中では再調査はしっかりと行われ、再調査というのは、元々二十か所、業者の方が試掘をしたと、その後、半分ぐらい埋めて八か所残しておいて、それは当初はごみの深さ等は測っていなかったんだけれども、四月五日の打合せを受けて再調査をしたということでありますが、再調査はしっかりと行われ、調査報告書の本文の説明書きは実際に試掘を現認した者によって書かれたものであるというふうにされているところであります。
○辰巳孝太郎君 大臣、国交省の職員が確認したのはメジャーを見たんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 当時、メジャーは見ていなかったようですが、どの程度の深さまであるかということは見ていたようであります。
○辰巳孝太郎君 ええかげんですね、すごいですね。まだ疑惑はあるんですよ。 次に示すのは、国交省が国会に提出した八か所の試掘位置を示すものであります。これ、校舎側に三か所、グラウンド側に五か所なんですね。これ、ほんまですかね。 実は、財務省が廃棄したと隠蔽をしてきた近畿財務局と森友学園側との二〇一六年四月五日付けの応接録、これまあ廃棄して、出てきたわけなんですけどね、こうあるんです。グラウンド側の掘削状況については、西側の一か所しか掘削していない、グラウンド側は一か所しかしていないと言っているんです、西側は。試掘位置、この図では二か所あるんじゃないですか。何でこれ違うんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘の応接録は近畿財務局において作成されたものでありますから、私ども国土交通省でその詳細の内容について説明をするのは難しい部分もあることを御理解をいただきたいと思いますけれども、そこの今図面見ていただいて、西側というのは、グラウンドの西側というのが試掘穴4番、5番に相当するかと思いますが、当時、大阪航空局の職員が平成二十八年四月五日に現地確認をしております。その際には、試掘の穴の横に積み上げられたごみを含む土砂だけでなく、穴そのものを奥深くのぞき込み、ごみの状況を確認したが、その時点で職員が見た穴の数は五か所程度だったのではないかというふうに言っております。これは、当時の状況について改めて当時の職員に確認をしたところ、このように言っております。 その後、五か所程度だというふうに言っていますが、その後、工事業者から、試掘された試掘結果報告書に穴の数が八か所とされておりますが、これは、四月五日の現地確認の際には見ていなかったグラウンド南側の三か所、すなわちそこでいうところの6番、7番、8番の穴が含まれていたものの、これら三か所の位置は見積り対象面積の範囲外と考えていたため、特段の追加の現地確認はしなかったということでございます。 そういったことから、当時、西側には二か所あったものというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 四月五日以降に掘ったということですね。それ、業者に確認したんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の設計業者からの回答書によりますと、二十八年三月時点で現地から大量のごみが出てきたので、二十か所ぐらい試掘穴を掘ったと。そのうち半分ほど埋めておいて、八か所残っていたと。その八か所に、当初試掘をしたときは、ごみの量はマニフェスト等で確認すればいいということで、ごみの深さはチェックはしていなかったんだけれども、二十八年四月の五日の打合せにおいて確認をせよというふうに言われたため、これは建設業者ですけれども、建設業者の方は改めて残っていた八か所の試掘穴をきちんとごみの深さを確認して写真を撮ったというふうに回答書に述べられているところであります。
○辰巳孝太郎君 当初は二十か所やっているんですよ。だけど、その後埋めているんです。埋めた結果、四月五日は西側には一か所しかしていないということになっているんですよ。大臣、これでたらめなんですよ。この資料も穴もごみの層も全部でたらめですよ。 大臣、三・八メートルのごみがある、これだけは正しいんだと、そういう根拠、示してください。
○国務大臣(石井啓一君) 委員は西側の穴が一か所しかなかったというふうにおっしゃっていますが、それは近畿財務局の方の応接記録で森友側の弁護士が言っていることでありますが、その真贋について私どもの方で説明することは難しいところであります。
○辰巳孝太郎君 四月五日は航空局の職員はいなかったんですか。応接録、出してください。
○国務大臣(石井啓一君) その応接録は、あくまでも近畿財務局の方です。それで、同じ四月五日に大阪航空局の職員は、現地を確認して、その南側の三か所を除いて五か所は、五か所ぐらい確認をしているということであります。
○辰巳孝太郎君 四月五日の応接録、出してください。あるんですか、航空局。
○委員長(金子原二郎君) 止めてください、速記を。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(石井啓一君) 平成二十八年四月五日の会合に大阪航空局の職員も参加をしておりますが、工事関係者に求める資料の説明をする場としか認識していなかったということでありまして、そもそも協議メモを作成していなかったということであります。
○辰巳孝太郎君 出してくださいよ。これ、この六日前のやり取りでは、ごみはそんなに深くから出ていないと言いながら、地中深くから出てきたストーリーで値引きをするという口裏合わせが行われているんですよ。だから、それを前提に適当な資料を工事事業者は作ってきているんですよ。もう国交省はいいかげんに、これが三・八メートル、八億二千万円の値引きの根拠にはならないって、このことを認めるべきですよ。 公文書は改ざんする。必要な書類は出さない。腹心の友には異例の優遇する。統計のうそも隠蔽と認めない。そして、でたらめな報告書で八億の値引きをしても認めない。 近畿財務局の職員は、公文書の改ざんに関わって、一人命を落としました。 財務大臣、財務大臣、近畿財務局と本省理財局との公文書の改ざんの経緯を記した公文書、行政文書、残していますね。これ、提出してください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、森友学園との交渉記録について、押収されていた文書の写しを入手するなど捜査当局の協力も得まして、存在が判明したものについては全て公表させていただいたところであると思っております。 今御指摘の話は、これまでも答弁しておりますが、事務方において徹底して調べたものの限りでこれまで出したもの以上のものを発見するということはできておりません。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
○辰巳孝太郎君 いや、これまでの答弁と違いますよ。 近畿財務局と本省の文書はあるでしょう、あるでしょう。もう一回答弁してください。出してください。ちょっと。
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。 ただいま委員が御指摘になっておりますのは、近畿財務局と理財局の間の行政機関内部のやり取りについての資料のお話であろうかと思います。その森友学園の国有地売却につきましては、これまでに約四千ページの決裁文書並びに交渉記録、それから四百ページの法律相談文書、さらにその他の千九百ページの決裁文書を出させていただいておりまして、更にお尋ねをいただいたときは、必要に応じて担当職員に確認を行って、考え方を御説明させていただいております。 行政機関内部における意思決定過程の中で日常的に行われる職員の間での様々なやり取りについては、率直な意見交換や議論が妨げられるおそれがありますことから、提出を差し控えさせていただいているところでございます。
○辰巳孝太郎君 引き続き徹底究明する姿勢を見せ、私の質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、吉良よし子君の質疑を行います。吉良よし子君。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子でございます。 私は、大学生や若い世代に今重くのしかかっている奨学金、特に返済に関わる問題、そして安倍政権による教育無償化政策について今日伺いたいと思います。 現在、日本では、高い学費の下で、二人に一人がローン型の奨学金を借りないと大学に通えない実態があります。そして、若い世代の多くは、卒業と同時に背負った奨学金という名の借金返済に追われております。今の奨学金返済の取立てというのは大変厳しく、少しでも滞納すれば自宅や職場に来訪したり電話での取立てがある、三か月過ぎるとすぐに個人信用情報機関のブラックリストにも登録される、九か月目には裁判所から督促があると。これだけ厳しい取立てやペナルティーもある下で、もう奨学金の利用者というのは必死になって返済を続けている実態があるわけです。 学生時代、月十万円の奨学金を借りていたある女性は、大学卒業後、IT企業に就職したと。長時間労働の会社で、残業時間は年々増え続けていたんですけれども、奨学金の返済が残っているから頑張らないとと親御さんに言い続けて、毎月二万円きちんと返済しながら働き続けた結果、過労でうつ病を発症して、入社四年目で自ら命を絶ったといいます。 総理、国の制度であるこの奨学金の返済が若い世代の重い負担となっていると、こういう認識はありますか。これ、深刻な問題だと思いませんか。いかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) どんなに貧しい家庭に育っても安心して学ぶことができる環境を整えていくことが重要であると考えております。 このため、安倍政権では、大学等奨学金事業の充実を図り、返還を必要としない給付型奨学金制度を創設するとともに、貸与型の奨学金についても、かつては、これは奨学金というよりも学生ローンではないかという、そういう批判もあったわけでありますが、この無利子奨学金の拡充などを進めてきたところであります。 この貸与型の奨学金については、大学等を卒業後、経済的理由から奨学金の返還が困難となった方には、返還の期限を猶予したり、将来の収入に応じて返還できる制度を導入したりするなど、無理のない返還が可能となるようきめ細やかな救済措置を併せて講じてきたところであります。 政府としては、こうした取組を通じて、経済的理由により進学を断念することがないよう、引き続き高等教育への進学支援の充実に取り組んでまいりたいと思います。
○吉良よし子君 無利子拡充されたと言いますけれども、圧倒的多数は有利子の奨学金を借りなきゃいけないと、借りているのが現状なんです。 そして、救済策様々やっているとおっしゃいましたけれども、パネル御覧いただきたいと思います。(資料提示) その改正された救済策でもまだまだ問題点が多数あるわけです。例えば返還期限の猶予、返還を先送りできる制度ですけど、これ猶予期間は十年までです。十一年目からはたとえ無収入であっても返済を迫られると。所得に応じて返済額を減らせるという連動型というのはありますけど、これは有利子奨学金の返還者はそもそもが対象外になっていると。収入ゼロでも返還しなければならないですし、返済額が減るだけなので返済期間というのは長期化してしまうという、そういう問題もあるわけです。だから、こういう救済策あってもなお返済の困難とされる方々の数というのは減っていない。 数を確認したいと思います。先ほど申し上げましたブラックリストへの登録件数、個人信用情報機関への登録件数は、二〇一三年度、そして二〇一七年度、それぞれ何件か、文科大臣、お答えください。
○国務大臣(柴山昌彦君) お答えをいたします。 日本学生支援機構の所有する債権のうち、個人信用情報機関へ各年度中に新たに登録した件数でございますが、二〇一三年度においては一万三千四十七件、二〇一七年度においては二万五千二百八十八件です。
○吉良よし子君 大きく増えているわけですよ。先ほどの改正、二〇一四年にあったわけですけれども、全く改善されていないと。 また、先日、私、本会議場で自己破産の件数増えているという話ししました。この件数についても確認をしたいと思います。二〇一三年度、二〇一七年度、それぞれの自己破産件数、大臣、お答えください。
○国務大臣(柴山昌彦君) まず、前提となった、先ほど紹介をさせていただいた数字ですけれども、奨学金トータルを裕福であっても利用できるようにする方もいらっしゃるということは付言をさせていただきたいと思います。 また、今の御質問ですけれども、自己破産の件数、これも日本学生支援機構の調査でございますが、二〇一三年度においては、返還者本人の自己破産件数は千四百五十三件、連帯保証人が千百六十五件。(発言する者あり)本人だけで結構ですか。じゃ、千四百五十三件。二〇一七年度においては、返済者本人の自己破産件数は二千四百四十七件です。
○吉良よし子君 急増なんです。二〇一六年度は二千九件だったのが、二〇一七年度で二千四百四十七件。本当に急増しているのが今の現状なんですね。だから、今、先ほどおっしゃられた救済策というのがまだまだ不十分であるのは明らかなわけです。 私たち日本共産党は、こうした奨学金借金苦の解決策として、こうした提案をさせていただいています。 まず、返還猶予の利用年限については、今年、十年の年数切れになる対象者が多く出る可能性があるため、緊急策として、更にその期限を延長することと、それに対する相談体制を整えること。また、そのほかの必要な救済策ということで、有利子奨学金についての利子分の返還を免除するとか、有利子奨学金を所得連動型の対象にするとか、二十年間返還し続けたらもう超過分は免除にするとか、一定のこうした救済策必要だと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) いろいろと御提案を頂戴いたしました。 まず、返還猶予について、十年の年限を更に延長するということでございますけれども、そもそも二〇一四年度に年数制限を従前の五年から十年に延長したところであります。返還金が次の世代の原資となるということを考えると、事業の健全性を考えるためには猶予期限の更なる延長は難しく、少しでも返していただいて減額返還措置を御利用いただけたらというように思います。 また、有利子奨学金の利子分の免除というところでございますけれども、これは、そもそも無利子奨学金については予算の制約上必要な規模の事業費が確保できないということから財政投融資資金を財源とする有利子奨学金を導入したという経緯がありますので、実質的に無利子奨学金とするための財源の確保はこれもなかなか難しいということでございます。 また、所得連動型の対象を有利子奨学金にも広げてほしいという御提案ですけれども、これも、返還者の所得が低く、返還月額が低額となる場合に利息の支払が増大し、より返還者の負担を増大させるということになる懸念があります。 また、二十年間返還したら超過分を免除するということにつきましても、返還金を大幅に減少させ、これもまた次世代のための原資を減少させるという懸念がありますので、いずれにしても健全性確保の観点から十分に慎重な検討が必要であると考えます。
○吉良よし子君 何かゼロ回答なんですけど。総理、せめて検討することぐらいしてはいかがですか。総理、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 人づくり革命の担当ですから私からお答えいたしますが。 先ほど総理の方からも御答弁申し上げたように、来年の四月からということでありますが、高等教育の無償化、進めることにしております。住民税非課税……(発言する者あり)まあ、待ってください。住民税非課税家庭については給付型の奨学金によって十分生活費もカバーできる、さらに、それに準ずる家庭についてもそれに準じた形の支援をしていくということによってこれまでの状況は大きく変わると、今御指摘のような状況は大きく変わると思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 様々な困難を抱えている学生の皆さんがおられることは承知をしております。そういう皆さんへの支援を限られた財源の中で、あるいは先ほど大臣から答弁をさせていただいたように、奨学金をその次の方にこれ回していくということも必要でございます。そういう中におきまして、文科大臣が答弁をさせていただいたようなことでございますが、十分に慎重な検討が必要と考えております。
○吉良よし子君 慎重な検討じゃなくて、積極的に検討すべき状況だということを言っているわけなんです。 どんな収入状況でもとにかく返せと言っているわけですよ。先ほど、二十年したらもう超過分免除にということを私言いましたけれども、なぜかというと、結局これ、とにかく返せ返せと言えば、年金生活者になっても奨学金の返済し続けなければならないと、そういうことになってしまうんですよ。それを本当に強いるんですか。そんなに血も涙もないようなことを奨学金制度でやっていいんですかということを私伺っているんです。こうした事態はもう既に多くのマスコミ等で報道されていて、もう機構自身も、奨学金申請者に対して奨学金は借金ですという説明をしている。今や学生の中の多くは、奨学金は借りたら怖い、こういう認識になっているわけですよ。 じゃ、そういう下で何が起きているか。借り控えです。借り控えなんですね。これについて言いますと、先ほどもちらりとありましたけど、奨学金の受給率というのは二〇一一年をピークに七年連続で減少していると。これというのは貸与型敬遠の傾向だと大学生協連の学生生活実態調査では分析をしているんですが、その一方で増えているのがアルバイトなんです。 アルバイトに従事している学生の割合というのは幾らになっているか。二〇一四年度と二〇一六年度の数を、文科大臣、数だけで結構ですのでお答えください。
○国務大臣(柴山昌彦君) これも日本学生支援機構の学生生活調査でございますが、大学学部生のアルバイト従事者の割合は、二〇一四年度は七三・二%であり、二〇一六年度は八三・六%でございます。
○吉良よし子君 一〇ポイントも急増しているわけなんですね。 この学生のアルバイトの急増については、どう文科省では分析されているのかと。やはり借金となっている奨学金の借り控えが背景にあるという、そういう認識があるのかどうか、大臣、お答えください。
○国務大臣(柴山昌彦君) 一部に借り控えを原因とする分析もあるんですけれども、ただ、今年二月に公表された大学生協が実施した学生生活実態調査においては、近年、アルバイトをしている学生が、特に四年生でその割合が増加していることから、就活期間の短縮ですとか好調な就職状況も背景にあるという分析もなされております。
○吉良よし子君 好調な就職状況とおっしゃいましたけれども、一部の分析じゃないんですよ。 先ほどの機構の学生生活調査、そこに付いている識者の分析の中に、このアルバイトの急増というのは雇用状況の好転とは考えられないと書いていて、貸与奨学金離れによってアルバイトで収入を確保しようとする学生の増加が主要因だと書いているんです。機構の調査の、その識者分析にそういうふうに書かれているわけです。 そこで、このパネル御覧いただきたいんですけど、実際、景気が良くなったからなんかではないのがよく分かるのが、家庭からの仕送りががくんと減っているというこのグラフです。 もう今や、家庭からの仕送りというのは一人当たり八万五千七百円、まあ以前は九万円とかもっと多かった時期もあったわけですけど、それからこれだけ落ち込んでいる。一方で、じゃ、奨学金を借りられるかというと、借りると大変なことになるから借りることもできないからということで借り控えも起きている、あとは頼るのはアルバイトだけなんだということなんです。 ちなみに、この八万六千百円という仕送りだけで生活するというのはどういうことか。家賃を除けば、まあ六万円ぐらいだと仮定すれば二万四千五百円、月当たりですけれども、一日に直すと、これ八百十七円で生活するということになるわけです。これが東京で私学で学ぶ学生の実態になる。 総理は、この間、就業者数が増えたのがアベノミクスの効果だと盛んに自慢されているわけです。しかし、その増えた就業者数三百八十四万人のうち七十四万人がまさにこの学生アルバイト就労なわけです。この学生たちは、先ほどの高い学費負担、親の仕送りの減額、奨学金も借りたくないというやむにやまれぬ生活苦の結果、無理してアルバイトを増やしてきていると。 これは決して、雇用が増えたなどといってアベノミクスの成果として誇るような話などではないと思うのですが、総理、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど文科大臣からも答弁させていただきましたが、学生アルバイトの増加に関しては、家庭からの給付のみで修学が可能と回答しているアルバイト従事者の割合が増加をしているという事実や、就活期間の短縮や好調な就職状況が増加の背景にあるとの分析もあるのは事実であります。アルバイト従事者の割合の増加の理由には様々な要因が考えられるため、このことだけをもって生活が苦しい学生が増加しているとは言えないと考えているところでございます。 いずれにせよ、政府としては、返還を必要としない給付型奨学金制度の創設や奨学金の返還負担の軽減を始め、高等教育への進学の支援の充実を図ってきたところでございます。 そしてまた、政府としては、奨学金の返済が、大学等を卒業した若者が無理のない返還が可能となるよう、引き続き、きめ細やかな救済措置に取り組むことを通じて学生、生徒が安心して学ぶことができる環境を整備してまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 現場の声を本当に聞いていただきたいと思うんです。 私、信州大学の学生さんの話、直接聞きました。一年生で奨学金を借りていたけど、もう二年生からは借りたくないんだと、だからバイトを週六に増やしたんだと、そうしたら希望しているゼミの授業が取れなくなっていて本当に悩んでいるんだ、そういう深刻な声が上がっているんですよ。 家庭からの仕送りだけで、家庭からだけで生活している人がアルバイトを増やしていると言いますけど、それは、決してそれだけで十分だという話ではないと思うんですね。奨学金を借りられていない、借りていないことをもってして、家庭からだけで大学に通っている、そういう学生もあると思うんです。 このアルバイトがどれだけ学生の負担になっているのかというのもあります。これは現役の学生の皆さんが中心になって活動している高等教育無償化プロジェクト、FREEという団体の皆さんによる実態調査です。千人の学生のアンケート集めたと。それによると、アルバイトしていると答えた学生は九一%、その負担になっているものとして挙げられたのがこれです。睡眠時間、学習時間、この学習時間が削られているというのは五五・九%にも上るんですよ。自由記述欄の中でも、講義を休んでまでバイトに入らなければならないことがしばしばあった、アルバイト入れ過ぎて授業に出席できなくなった。 これは本当に誇れる話ではない、学生がアルバイトに従事している状況というのは。むしろ、こうした学業に支障を来している現状、問題だと思わないのかということで、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このアルバイトの学生が増加をしているということについての分析の、一つの分析についての結果については先ほど私が申し上げたとおりでございまして、この増加の理由には様々な要因が考えられるため、このことだけをもって生活が苦しい学生が増加しているとは言えないと考えられますが、しかし、それは今委員がおっしゃったような方もおられるのは事実なんだろうと、こう思っております。 だからこそ、私どもは、先ほど茂木大臣から答弁をさせていただきましたように、来年の四月からは真に必要な子供たちに対する高等教育の無償化を進めてまいります。授業料をこれを無償化し、そしてかつ、同時に生活費に充当する奨学金についてもこれも拡充していきたいと、こう考えているところでございますし、給付型の奨学金を安倍政権において創設をし、また無利子型の奨学金も増やしているという努力をスタートしているわけでございますから、逆の方向に決して行っているわけではないわけでございまして、吉良委員が御心配をしている状況をなるべく少なくしようと我々も限られた財源の中で努力をしていることはどうか御理解をいただきたいと、このように思います。
○吉良よし子君 やはり私、生活苦しい、学生が生活苦しくなっているわけじゃないなんということは全く実態を認識していないということは強く言いたいと思うんです。 その上で、総理が先ほど来おっしゃっている給付奨学金の拡充、教育無償化、これ消費税を、消費税増税分を財源とした政策なんですけど、これが本当に、この現在の二人に一人が奨学金という借金漬けになっている事態とか、バイト漬けになっている学生を救う制度になるのかということを問いたいと思うわけです。 確認するんですけれども、この制度というのは非課税世帯、準非課税世帯の学生が対象となっていて、学費と生活費を賄うだけの給付奨学金を支給するんだとおっしゃっていますけれども、じゃ、現在、現在ですね、高等教育の無償化の対象になり得る非課税世帯、準非課税世帯の進学率、現状の進学率が何%であり、それが人数とすると何人程度になるのか、大臣、お示しください。
○国務大臣(柴山昌彦君) お尋ねの高等教育機関への進学率についてですけれども、全世帯では御案内のとおり約八割でございますけれども、住民税非課税世帯ではこれが約四割程度、そしてそれに準ずる世帯の進学率は六割に満たない程度と推計しております。そして、人数、学生数ですけれども、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生数、現状約四十二万人と推計されております。
○吉良よし子君 現状四十二万人ということです。 パネル御覧いただきたいと思うんですけれども、四十二万人ってどの程度なのかと。現在、大学、短大、高専、専門学校に通う全ての学生の数は約三百五十万人です。うち四十二万人というと、この一二%程度になるわけですけれども、つまりは全体の一割にすぎないということなんですね。 新しい制度で、アルバイトしないで学業に専念できるようにすると総理はおっしゃっているわけですけれども、新制度を導入した下でもこの九割近くの学生がその対象外になっているわけです。対象外となっているその多くの学生はどうなるかといえば、やはり高い学費はそのままですから、それを補うためには、奨学金を借りるか、若しくは借りるのが怖ければアルバイトを増やすか、それしかないと。しかもその上、消費税増税という負担までのしかかってくると。 これで高等教育無償化と言えるのでしょうか。総理、いかがですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 今、柴山大臣の方からも答弁させていただいたことをよく聞いていただきたいんですけれど、一般の世帯でいいますと大学の進学率が八割なのに対して、住民税非課税世帯、非常に貧しい家庭においては四割しか行っていない。そして、それに準ずる世帯においては六割であると。 これからは、どんな家庭環境に育っても、自分が進学したい、そういう意思があれば専門学校でも、大学に行ける、そういった環境をつくるためにこの大学、高等教育の無償化を進め、そして、授業料だけではなくて生活コストも賄えるような給付型の奨学金をつくっていく。これによりまして、四割しか行けていない、六割しか行けていない、こういった人たちが、こういった制度があるんだったら自分も大学に進学してみようということによってこの割合がきちんと増えていくと、そういったことを進めていきたいと思っています。
○吉良よし子君 もちろん、非課税世帯、準非課税世帯の皆さんの進学率が上がる、これは大事なことだと思いますし、また、そうした世帯に対してちゃんとこうした支援策をやるということを私たち否定しているわけでは全くありません。全くありません。けれども、多くの学生が取り残されたままになっている現状についてを私は伺っているわけです。 しかも、この対象者を今後もし拡大するとしたらどういうことになるか。今の新制度というのは、消費税が財源だと法案に書かれているわけですよ。もしこれを前提とするならば、対象をもし拡大しようとするならば増税がセットになってしまう。それだと駄目なんですよ。消費税増税というのがどれだけ学生の生活にのしかかるか。一日の生活費が八百十七円ですよ。そこに消費税増税が来たら、本当に大変な生活実態になるじゃないですか。 今、学費については消費税は掛からないということになっているわけです。しかし一方で、基盤的経費、大学の、基盤的経費の不足が叫ばれる下で消費税増税されてしまえば、それはもう大学の運営、経営にも大打撃になることは確実であり、この増税を契機に学費の更なる値上げも進むかもしれない懸念もあるわけです。 実際、現状、私立大学の初年度納付金というのは約百四十五万円です。国立大学は約八十一万円です。今でさえ十分に高いわけですけれども、私立大学だけで見れば、五年連続値上がりしているんです。国立大学の授業料についても、ついに値上げをする大学が出てきました。 もし、総理、教育無償化だと言うんだったらば、少なくともこういった大学授業料の値上げは許さない、そうはっきりと宣言するべきではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど茂木大臣から答弁させていただいたように、私どもは、今の段階、例えば家庭の経済事情で大学を進学、大学進学を諦めている子供たちに対して、来年、高等教育の無償化を行うことによって、そういう新たなチャンスが生まれてくる、自分も大学に行こうということで先ほどの割合が更に増えてくるということを期待をしているところでございますし、我々が進めているこの政策の成果によって、例えば母子家庭の大学進学率も二四%が四二%へと、これ増えているわけでございますし、生活保護世帯の高校進学率もずっと八割台だったものが九割台に上がってきているという成果も上げているわけでございまして、今後も更にそうした形で、子供たちが家庭の経済事情に左右されずに、学びたい子供たちが学べるような、意欲ある子供たちが学べるような環境をつくりたいと思っております。 そこで、大学の学費は、大学における充実した教育研究環境を整える観点から、教職員や施設整備といった学校運営等に要する経費に充てられるものであります。この学費の設定について、近年、国立大学は国において授業料の標準額を据え置いているものの、基本的には各国公私立大学が適切に定めるべきものと認識をしております。 いずれにいたしましても、政府としては、真に支援が必要な学生に対し、確実に授業料等が減免されるよう大学等を通じた支援を行うとともに、学生生活の費用をカバーするために十分な給付型奨学金を支給する高等教育の無償化を行うこととしているところでございます。
○吉良よし子君 真に必要なところへの支援が必要なのは大事ですけど、そこに限っていては今の大学生の生活苦は解消されないと言っているんです。教育無償化と言うんだったら、やっぱり学費そのものを下げていかなきゃいけない。運営費交付金だってこの間ずっと下げられてきて、ようやく微増ですけど、微増にとどまっていますし、私学助成だって全く増えていない。二分の一まで補助できる、国の補助できるはずなのに、そこに今全く至っていない。そういう状況で教育無償化なんて言っていただきたくないと思うんです。教育無償化と言うんだったらば、やっぱり学費そのものを値下げするべきです。 私たち日本共産党は、全ての学生の学費……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ております。
○吉良よし子君 直ちに半額に値下げする改革案、財源とともに示しておりますので、是非ともそれこそを実現していただきたいということを強く申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で吉良よし子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もよろしくお願いいたします。 まず、緊急に解決すべき問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。障害者雇用水増し問題です。 実は、政府は、初めて障害者向けの国家公務員試験で面接、大変混乱を生じているという事態がございます。それにつきましてまず御説明いただきたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますか。
○政府参考人(鈴木英司君) お答え申し上げます。 今回の障害者選考試験の第二次選考でございます各府省の採用面接の実施に際しまして、御指摘のとおり、第一次選考通過者の発表直後から、特に関東甲信越地域におきまして採用面接の申込みが集中いたしました。その結果、受付を一時中断する府省が生ずるなどの状況が見られました。 この事態を受けまして、人事院といたしましては、直ちに各府省に対しまして採用面接の対応体制を強化して予約を再開するように指導いたしますとともに、ホームページにおきまして、受験者の方々に対しまして、ほかの受験者の面接機会を確保するため、実際に訪問が可能な範囲内の数の申込みとしていただくよう呼びかけを行いました。この結果、各府省合同業務説明会の当日には多くの府省が申込受付を再開したところでございます。 人事院といたしましては、受験者の方々の御意見を伺いながら、引き続き選考試験のより適切な実施に向けて必要な措置を講じてまいりたいと考えておりますし、あわせて、来年度の選考試験の実施に当たりましても、今回の選考試験の状況を十分に踏まえまして必要な見直しを行ってまいりたいというふうに考えてございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 総理、私は、御説明をいたしました、障害をお持ちの皆様方に寄り添った配慮、今回は残念ながらそれが実行されませんでした。是非強く指示をしていただきたいんですけれども、お願いできますか。障害に寄り添った支援というものがこれからいかにこの試験におきまして考えられていくのかということが重要な課題かと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害者の採用についてでございますが、これは、各省にこれはしっかりと徹底するように指示をしているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 では次に、ゲーム障害につきまして質問させていただきたいと思います。(資料提示) 昨年六月、WHOは、ゲームに過度に依存している状態、いわゆるゲーム障害を新たな病気として分類をした発表がございました。海外では、体を動かさず一日中寝食忘れてゲームに興じてしまう、いわゆるエコノミー症候群というようなものを起こしまして死亡した事例も多数見受けられております。 まず、この日本における状況、私も電車に乗りまして、隣を見ても前を見ても横を見てもどこを見ても皆さんスマホでゲームをしている、こういう状況もございます。しっかりと日本、この問題を私は重く受け止めていただきたいんですけれども、総理の認識をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界保健機関が昨年六月にいわゆるゲーム障害を疾病等の分類に位置付ける新たな国際疾病分類の案を公表し、今年五月の総会へ提出される予定と承知をしております。ただし、現時点においては診断基準等が明確になっておらず、必ずしも効果的な対策を直ちに進められる段階には至っていないと考えています。 このため、まず厚生労働省において、国内におけるゲーム障害に関する実態等の把握に着手したところでありまして、その結果も踏まえながら必要な対応の在り方を検討させたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私も厚生労働委員会で何度かこれ議論をいたしておりますけれども、ゲーム障害という病気がないからというような状況で、なかなか対策を打っていただけませんでした。 今、特に問題になっておりますのがオンラインゲームでございます。これは多くの仲間とともに一緒にゲームをするものですから、自分だけが抜けるわけにはならない。だからこそ、そこで依存という状況が生じてしまうわけです。私も大変危惧をいたしております。面白いようなものを商品開発していく、それはもちろん産業として必要なことかと思います。いわゆるガチャというもので射幸心をあおっていく、それがために子供たちはどんどんそこから抜け出せなくなっている。この実態というものを、私はしっかり日本としても受け止めていく必要があるかと思います。しかし、残念ながら、今規制がないんです。ネット過剰使用にする規制もない。 実は、韓国はいち早くこの問題に取り組んでくださっている国でございます。韓国はこのネットゲームに関する官庁もつくられました。そして、しっかりと十六歳未満の青年たちがそのネット環境から離れるためにということで、午前零時から午前六時までの間、オンラインゲームをプレーするということを禁じた時期もございます。 このような動きの中で、私は若者をターゲットにした一定の規制というものも必要かと思っておりますけれども、大臣、どのような御意見をお持ちでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(宮腰光寛君) インターネットは、大変便利なツールとして今日の我々の生活になくてはならない存在である一方、インターネットを利用する子供たちが有害情報に触れる機会の増加等も懸念されるところであります。 御指摘のインターネットの過剰使用に係る規制については、様々な課題があると認識しておりまして、慎重な対応が求められるものと承知をしておりますが、昨年七月に決定した青少年インターネット環境整備基本計画に基づきまして、青少年が自立して主体的にインターネットを利用できるようにし、また、保護者が青少年のインターネット利用を適切に管理できるようにするための各般の施策に政府を挙げて取り組んでまいります。 また、私、ギャンブル等依存症対策の担当をやっております。委員のこの資料の中で、このゲームという文字をギャンブルに置き換えると、まさに全く同じなんです。 先日、この国立病院久里浜医療センターに行ってまいりました。そこで、このギャンブル依存症対策の治療プログラムを現に依存症になっておいでになる方々に対してやっておいでになる現場も見てまいりました。ギャンブルに加えてアルコール依存症、それから薬物依存症、それに加えて、最近はゲーム依存症の青少年が急速に増えてきているという状況であることをしっかりと伺ってまいりました。 今のうちに何とかしなくてはいかぬという気持ちは委員と全く同じでありまして、総理の御答弁のとおり、実態の把握の結果も踏まえながら必要な対応の在り方について検討していく必要があるというふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 もちろん産業としても、これは日本は収入源にしていかなければなりませんけれども、その一方で、そのバランスというものがとても重要かと思います。 もう、これは、問題の認識を共有していただけたということは大変うれしゅうございますし、まさにギャンブル依存、まず、ガチャはギャンブル依存と同じだというふうに言われております。子供たちを守るためにも、やはり依存症というものが疾病であって、疾患であって、自分では治したくても治せないものなんだということをやっぱり国民の皆様方も一緒に共有をしていただきたい。だから、治療が必要なんだ、何かしらのカウンセリングが必要なんだ、そういう窓口もこれから私は必要だと思っておりますので、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。 今もございました、やはりこうやって病院で治療をしているということは、やはり厚生労働省としてもしっかりと普及啓発に私は努めていただかなければならないと思いますし、かつこれを病気として認識をしていただくということも必要かと思っております。 実は、昨今、虐待という問題も起こっております。虐待というのは、決して傷つけるだけではないんです。それ以上に問題なのが、我々に見えない虐待、いわゆるネグレクトです、育児放棄です。先日も、プールのような浮き輪に、子供をお風呂の熱湯の中に入れたまま、親がゲームに依存してしまったがために、ゲームしたいがために子供をほったらかしにして、結局は湯舟の中で熱中症で死亡してしまった事例が出てまいりました。 こういう事例というのは、やはり親も自分がこのゲーム環境の中で依存しているんだということを気付かなければ、自分が病気なんだということに気付かなければ、治療にも結び付かない、自分たちがネグレクトをしているということにも気が付かない。しっかりと国民への普及啓発というものを、私は厚労省、尽力をしていただきたいと思っておりますけれども、大臣の御意見いただけませんでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) ゲーム障害については、今委員からいろいろと意見が開陳されました。 まずはその実態等を把握するために、平成三十年度から、今もお話がありましたが、国立病院機構久里浜医療センター、この院長先生はWHOにも参画された方ですから、この樋口院長の医療センターにおいて予備的な調査に取り組んでいます。 また、全国の都道府県、政令市に設置されている精神保健福祉センターなどにおいて、ゲーム障害を含む依存症全般に係る相談対応を行っているところであります。 委員御指摘のように、やはり自分自身への気付きを促すという観点から、厚生労働省としては、ゲーム障害を含む依存症については、正しい知識、理解を深める啓発が重要であると考えております。引き続き、ゲーム障害に関する実態などの把握を進め、その結果を踏まえて必要な対応を進めていきたいと思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 eスポーツというようなものが出てまいりまして、急激に、このいわゆる私どもが進めたいような、ネット依存、まさにゲーム依存というようなものが陰に隠れてしまった感もございます。それとこれとは全く問題が別でございます。的確な使用をしていただければ依存症というのにははまらない。だからこそ、しっかりとその間に私どもが、どういうものが依存症であって、どういうことをもし依存というものを気付いたときにしなければならないのかということを厚生労働省として整理をしていただきたい。 先ほども御紹介いただきました久里浜の樋口院長が、まさに陣頭指揮を執ってこのゲーム依存というものを世界に知らしめてくださったわけです。ですから、日本としては、まさに対策、これは先陣を切って行っていただきたいと思っているところでございます。 この久里浜医療センターでも、ネット依存患者の九割はゲーム依存、五六%が未成年です。子供たちの脳というものは十分に発達しておりませんので、短期間で依存症になりやすいんです。センターで治療を受けるゲーム依存症の患者さんは、ほとんどの場合、動かないので体力が低下しております。かつ、うつ病を合併する場合、若しくは一般の方よりも自殺率が高いんではないかというようなデータも出てきております。 これだけ深刻になった状況をいかにしてこの日本、克服していくべきなのかということを、最後に、総理、御答弁いただきたいと思います。 しっかりと、私どもはこうやっていきたい、こう思って政策を打ち出したとしても、これは産業界の皆様方にも御協力いただかなければ実効性あるものにはなりません。スマホ等のいわゆる端末供給の皆様方、そしてゲーム等のコンテンツを作成なさる皆様方、そしてアプリを提供するプラットフォームを運営する皆様方、多くの皆様方に御参画をいただき、しっかりと私はテーブルをつくり、この問題にどうやって対応していくのかという場を私は設けていただきたい。 実際に、韓国も号令を掛け、そのようなテーブルはございました。そして、アメリカも、物言う株主の皆様方がしっかりこの問題に対応していこうじゃないかというような世界的な流れもございます。 是非御協力いただきたいんですけれども、御答弁いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどお話をさせていただきました実態把握調査の結果等も踏まえつつ、必要に応じ、関係省庁やゲームの供給を行っている企業を含む関係団体の協議の場を設けることなども含めて、必要な対応について厚生労働省に検討をさせたいと、このように思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私どももこのようなたくさんの依存症というものを議論する場をいただきました。先ほどもございました、今までは薬物依存、そしてギャンブル依存、かつアルコール依存、これにまたゲーム依存、ネット依存、スマホ依存、いろんな依存症が今、現代病として浮かび上がってきております。 ですから、自分で止められないこの衝動というものをどうやったらいいのか。なかなか専門医の先生もこの日本、少のうございますので、そういうところも含めまして、厚生労働省中心となって展開をしていただきたいと思っております。 では、統計不正につきまして私も質疑をさせていただきたいと思います。 今日は、樋口委員長にもおいでいただいております。私は、まず、樋口委員長におわびを申し上げたいと思います。 樋口委員長は、参考人としてこの予算委員会に御協力をいただいた身でございます。昨日、今日と長時間、時間も割いてくださっております。しかし、やじで大変私は失礼な言葉というものを昨日今日と耳にすることが多かった。本当に申し訳ございません。 それは、私どもが、真実を知りたいんだ、何としてでもこの問題、解決していきたいという、そういう強い思いから起こったものだということをもう一度私からも申し上げさせていただきたい。是非、今後とも御協力のほどよろしくお願いを申し上げます。 国民の皆様方も、私ども、ここに立っているだけでも手が震えますし、頭も真っ白になってまいります。そんな中で、時間を掛かりながらも丁寧に御答弁いただいているということは、私ども大変感謝しているということは御理解をいただきたいと思っております。 そこで、質問に移らせていただきたいと思います。 特別監査委員会の追加報告書、私も読ませていただきました。最後のところに、公的統計をめぐる問題について、府省をまたがる政府全体での取組も検討されているところであり、これを視野に入れつつ、今後、必要に応じて検討を続けていく所存であるという記載がございました。 私は、真実を追求する、それは一本の柱としては大変重要だと思いますけれども、再発防止策というものを、委員長が様々な皆様方からヒアリングなさった中でこれを提案していただけるということも重要なことかと思っております。 府省をまたがる政府全体での取組、どういうことを意味するのか教えていただけませんでしょうか、お願い申し上げます。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 御指摘のとおり、公的統計をめぐる問題について、府省をまたがる政府全体での取組も検討されるところであり、これをも視野に入れつつ、今後、必要に応じて検討を続けていく所存であるというふうに考えております。 具体的に、この政府全体での取組について、例えば統計委員会の点検検証部会における点検検証を想定しております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 その点検検証部会における点検検証、再発防止ということで果たして十分なのか、私はちょっと疑問に思っておりますけれども、樋口参考人の御意見いただけますでしょうか、お願いを申し上げます。
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(樋口美雄君) お答えいたします。 統計委員会の点検検証部会の議論は先月から開始されたところであり、この部会において夏の時点で一旦結論を得ることを念頭に審議を進めているものと承知しております。本委員会としましても、この動きを視野に入れつつ、今後必要に応じて検討を続けていく所存でございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 これを総務省の中でということになると更にまた疑念を私は生んでしまう可能性もあると思います。総理、統計を一元的に扱いながら独立した行政機関というものを新設すべきだと私は思いますけれども、いかがでいらっしゃいますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の統計機構では、各府省が所管行政に関連する統計作成を担い、そして統計委員会は第三者機関として統計整備の司令塔機能を果たしてきました。さらに、統計機構の一体性を確保するために、昨年の統計法改正により統計委員会の機能が強化され、各府省の所管する統計調査について、予算や人材の配分を含め自律的そして機動的に政策提言やそのフォローアップを行うことができるようになりました。まずはこうした機能を十分に活用していくことは重要であると考えています。 こうした取組の一環として、今回の統計をめぐる問題を受け、統計委員会において点検検証部会を設置をし、先月から審議を進めていただいているところであります。委員会における、委員会による検証結果も踏まえ、総合的な対策を講じてまいりたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 薬師寺さん、時間が来ました。
○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて統計問題・内外の諸情勢に関する集中審議は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 公聴会の開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。 平成三十一年度総予算三案審査のため、来る三月十二日午前九時に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認めます。 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 次回は明七日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十七分散会