本会議 第18号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/05/17
会議録
○議長(伊達忠一君) 会議を開くに先立ち、御報告申し上げます。 昨十六日、議長は、皇居において天皇陛下にお目にかかり、天皇陛下御即位につき、さきに本院が議決した賀詞を奉呈いたしました。 ─────・─────
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。 この際、日程に追加して、 中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。経済産業大臣世耕弘成君。 〔国務大臣世耕弘成君登壇、拍手〕
○国務大臣(世耕弘成君) ただいま議題となりました中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 中小企業・小規模事業者は、地域に根差した事業活動を行い、多くの雇用機会を提供するなど、地域経済において重要な役割を果たしています。しかしながら、平成二十九年七月九州北部豪雨、平成三十年七月豪雨、平成三十年北海道胆振東部地震など、近年自然災害が頻発し、また、経営者の高齢化が進展することによって個人事業者を含め多くの経営者の引退期が迫る中、中小企業・小規模事業者の事業活動の継続に支障を来す事態が生じています。 このような中小企業・小規模事業者をめぐる環境の変化を踏まえ、我が国の経済活力の源泉である中小企業・小規模事業者の経営の強靱化を図り、事業活動の継続に資するため、サプライチェーンや地域の経済、雇用を支える中小企業を中心として、それらの災害対応力を高めるとともに、個人事業者の生前贈与による円滑な事業承継を促進する必要があります。 本法律案は、こうした課題への対応に必要な措置を講ずるものです。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず、中小企業等経営強化法及び商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律の一部改正です。 第一に、中小企業者の事業継続力の強化のための施策を講じます。事前の防災・減災対策の先行事例を踏まえ、中小企業者が行う事業継続力強化の取組や、中小企業を取り巻く関係者による中小企業者の事業継続力強化に関する協力など、中小企業者の事業継続力強化に関する基本方針を策定するとともに、中小企業者が単独で又は相互に連携して行う事業継続力強化のための計画を認定し、認定を受けた者について各種の支援措置を講じます。 第二に、商工会及び商工会議所による小規模事業者の事業継続力強化の支援のための施策を講じます。商工会又は商工会議所が市町村と共同して行う小規模事業者の事業継続力強化を支援する事業についての計画を都道府県知事が認定し、認定を受けた者について各種の支援措置を講じます。 次に、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律の一部改正です。 個人事業者の生前贈与による事業承継の円滑化のための施策を講じます。遺留分に関する民法の特例の対象を個人事業者にまで拡大し、個人事業者の推定相続人全員の合意を前提とし、簡便な手続により、後継者に生前贈与された事業用資産の価額を遺留分を算定するための財産の価額に算入しないことを可能とする等の措置を講じます。 また、これらの措置と併せて、一定の要件を満たす中小企業者等が社外高度人材を活用して新事業分野を開拓する計画を認定し、認定を受けた者について各種の支援措置を講じるとともに、商工会又は商工会議所が行う小規模事業者の経営発達を支援する事業についての計画を市町村と共同で作成することとし、認定の際に都道府県知事の意見を聴くものとします。 加えて、こうした施策に関する情報提供などを独立行政法人中小企業基盤整備機構の業務に新たに追加するため、独立行政法人中小企業基盤整備機構法の一部を改正します。 以上が、本法律案の趣旨であります。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。真山勇一君。 〔真山勇一君登壇、拍手〕
○真山勇一君 立憲民主党・民友会・希望の会の真山勇一です。 会派を代表して、ただいま議題となりました中小企業経営強化法等の改正案について質問いたします。 本法案についてお伺いする前に、一つ大切なことを申し上げたいと思います。 安倍総理は全国津々浦々という言葉がお好きなようで、よく使われますが、アベノミクスの恩恵はいつ全国津々浦々まで行き渡ったのでしょうか。六年以上もいずれ景気が良くなると言われて心待ちにしているうちに、先日、内閣府は景気判断を悪化に引き下げました。景気回復の実感もないうちに、もう景気後退でしょうか。米中貿易摩擦などを言い訳にするのかもしれませんが、それ以前に生活の豊かさを実感した国民の皆さんは果たしていらっしゃるでしょうか。 リスクの高い金融政策と財政政策を柱にしてアベノミクスを断行し続けた結果、株価だけは一時的に上がり、お金持ちは更に豊かになった、これは事実かもしれません。しかし、その恩恵は全国津々浦々には全く行き渡らず、一般の国民生活は苦しみを訴え続けており、地方の中小企業や小規模事業者の疲弊ぶりは目に余るものがあります。しかも、やがてやってくるであろうアベノミクスによる制御不能な異次元緩和の後始末と膨大な政府の借金を、大多数の一般国民、そして中小企業が引き受けざるを得ないのです。この大きな事実を無視したまま今後の中小企業の経営強化策など議論できないということを、まずはっきりさせていただきたいと思います。 それでは、本法案について質問させていただきます。 まず、法案の目的の一つである防災・減災対策についてです。 近年の気候変動に伴い相次いで起きる気象災害、また、日本列島周辺の大規模地震等のリスクを考えると、防災・減災対策の充実は待ったなしの状況です。とりわけ、中小企業の対策は立ち遅れているのが現状です。本法案の目指すところとその意義は十分に認めますが、実効性については幾つか確認しなければならない点があります。 本法案は、中小企業が単独で策定する事業継続力強化計画や複数の中小企業が連携して策定する連携事業継続力強化計画を経産大臣が認定する制度を創設した上で、認定を受けた事業者に対して、金融支援、税制措置、補助金などの支援措置を講じることになっています。 そのためには、事業者の側が事業継続計画、つまりBCPを策定することが前提となりますが、昨年十二月の調査の時点では、このBCPを策定している中小企業は一七%しかなかったそうです。半数近くの経営者が策定の仕方が分からないと答える一方、作っている時間がないという会社もかなりの数に上ります。BCPの策定には専門的な知識も必要であり、それなりのコストも掛かります。政府は、中小企業のBCP策定率について何らかの目標を定めているのでしょうか。また、BCPの策定率を高めるためにどのような施策を実施するのでしょうか。経産大臣、具体的な数値と施策の内容をお答えください。 さらに、中小企業への支援措置の中身とその効果も、条文を読むだけではよく分かりません。災害への事前対策を講じることで一時的に経営が圧迫されることもあり得ますが、低利融資や信用保証枠の拡大といった金融支援でこれを補うことができるのでしょうか。新たに創設された中小企業防災・減災投資促進税制で認められた二〇%の特別償却は、対象範囲を更に拡大した上で、一括償却や税額控除なども選択できるようすべきではないでしょうか。また、補助金については具体的にどのようなものを対象とするのか、お答えください。 製品の原材料、部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、そして消費までの一連の流れであるサプライチェーンを単位として防災・減災対策を講じることも重要です。しかし、サプライチェーン内部の事業者同士は対等でないケースが大半です。防災・減災対策に名を借りて親事業者が下請業者に過度な負担を求めることがないか、経産大臣はどう監視するのでしょうか。仮にそのようなケースが生じた場合、どのような形で是正させるのでしょうか。 実際に災害が発生した際には、単に企業間の連携だけでなく、地方自治体などと連動すべき局面があるかもしれませんが、本法案は国と企業以外の関係するステークホルダーをどのように取り込む制度設計なのでしょうか。また、これらを盛り込んだ基本方針はいつ頃策定されるのでしょうか。 いずれも現在進行形の喫緊の課題ですが、中小企業の側に有形無形の負担を課すおそれもありますので、これらについても経産大臣に具体的な答弁を求めます。 さらにまた、小規模事業者の支援スキームも変化します。防災・減災という観点からは、商工会又は商工会議所が市町村と共同して行う事業継続力強化に係る支援事業の計画を都道府県が認定する制度が新たに構築されます。 大臣にお尋ねしますが、これは全ての商工会、商工会議所が取り組むことを目標としたものでしょうか。商工会、商工会議所の経営指導員は年々減少していますが、新たな計画策定をやりこなす力は質、量共に十分なのでしょうか。独自に計画策定ができない商工会、商工会議所及び市町村があった場合、国又は都道府県はどのような支援を行うつもりか、お答えください。 アベノミクスの恩恵などは全く行き渡っておらず、地方の疲弊ぶりが増す中で、地方に一方的に過度な負担を求めることにならないよう、新制度の運営について十分な注意と配慮を求めたいと思います。 最後に、あらかじめ決められた価格で自社株を買う権利を与える、いわゆるストックオプションについて伺います。 首尾よく上場できれば多大な利益を得られることが多く、創業者のインセンティブとなる制度ですけれども、今般、ストックオプション税制の適用対象者が拡大されて、社外から協力する高度人材にもその権利が認められることになります。元々、株の売却益の税率は二〇%に軽減されており、これ自体が金持ち優遇であるとの批判も根強くありますが、自らがリスクを取って創業し、イノベーションを創出した人々は、我が国の経済全体に恩恵を与えており、その対価としてストックオプションの権利を得るのは妥当であるという説明には一定の合理性はあるのかもしれません。しかし、自身がリスクを取ったわけでもない社外の高度人材にもこうした権利を認めるのは、やはり腑に落ちないものがあります。 高度人材は、その定義上、既に所得レベルが高いはずですし、提供したサービスや成果物に従ってその報酬を受け取り、所得に応じてきちんと納税するのが筋ではないでしょうか。政府は、逆進性の高い消費増税を断行すると繰り返し明言している今、このような新たな金持ち優遇の政策を国民にどのように説明するおつもりなのでしょうか。 世耕大臣に伺います。ストックオプション税制の対象を拡大するに当たり、どのような人材を社外高度人材とするかは経産省が省令でその要件を定めるとされていますが、具体的にどういった基準で選定するのでしょうか。また、経産省は、そうした人材を認定した後も社外高度人材活用新事業分野開拓計画の実施状況について確認に努める必要があると考えますが、政府の見解を求めます。 新たな社外高度人材を認定することで具体的にどの程度のベンチャー企業が創出されると考えておられるのでしょうか。その目標数値や見通しをお答えください。 新元号令和の出典は、我が国の古典、万葉集ですが、中国の古典に論語があります。その論語の最初の部分の中に、非常によく知られた箴言として、過ちては改むるにはばかることなかれという一節があります。余りにも有名な一節です。 私は、今、中小企業の経営強化策を考える際にも最も大切なことは、アベノミクスの過ちを素直に認めて、これを改めることだと強く思います。一部の豊かな人のみに恩恵を与えて、大多数の一般国民や中小・小規模事業者に苦しみを強いるアベノミクスなどはもうたくさんです。ところが、安倍政権は、言を左右にして過ちを認めず、その責任さえも取ろうとしておりません。ならば、国民にその審判を委ねるしかありません。 来る参議院選挙では、あるいはひょっとして衆参ダブル選挙かもしれませんけれども、全国津々浦々の国民の皆さんは賢明な判断をしてくれるはずです。その判断の材料とすべく、国会での充実した審議を求めて、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣世耕弘成君登壇、拍手〕
○国務大臣(世耕弘成君) 真山議員の御質問にお答えいたします。 中小企業のBCP策定率に関する目標や、BCP策定率を高めるための施策についてお尋ねがありました。 事前防災・減災対策の内容は、企業規模や産業の属性によって様々であり、また、直面する災害リスクも様々であることから、政府として中小企業のBCP策定率について特定の数値目標は定めていません。 一方、今回の法案では、より多くの中小企業の災害への対応力を高めるため、新たに計画の認定制度を設け、防災・減災設備投資に対する税制優遇、低利融資の深掘りなど、支援策を抜本強化します。 これに加えて、中小企業庁によるワークショップやセミナーの開催、また、地方自治体、商工団体といった関係者による普及啓発などにより、中小企業の事業継続力強化、BCPの策定率を高める取組を後押ししてまいります。 認定を受けた企業に対する金融支援、税制措置、補助金の支援措置についてお尋ねがありました。 日本政策金融公庫による低利融資の深掘り、中小企業信用保険に基づく保証枠の二・八億円の追加により、中小企業の設備投資や運転資金として十分な支援を行います。 また、税制で措置する二〇%の特別償却は、防災・減災設備に対する特別償却として過去最高水準であります。対象範囲の拡大、一括償却や税額控除の導入については、この税制の利用状況、効果検証の結果、追加措置への要望状況、財源などを踏まえて総合的検討が必要であると考えています。 改正法案に基づく認定計画を受けた中小企業が優先採択の対象となる補助金としては、例えばものづくり補助金などが考えられ、現在、詳細を検討中であります。 防災・減災対策に名を借りた下請中小企業への過度な要求への対応についてお尋ねがありました。 防災・減災の取組に当たっては、下請中小企業に負担が押し付けられる事態が生じることも想定されます。このため、事業継続力強化に関する基本方針では、親事業者は下請中小企業に対して過大な負担を一方的に押し付けないよう配慮することなどを規定することを検討しています。 また、仮に防災・減災対策に名を借りて下請事業者に過大な負担を求めるような場合には、下請法に照らし、不当な行為がなされたかどうか確認し、必要に応じて親事業者に対する是正指導や、公取に対して措置請求を行うなど、災害時であっても下請中小企業にしわ寄せが向かわないよう取り組んでまいります。 防災・減災対策に関するステークホルダーの巻き込みと基本方針の策定時期についてお尋ねがありました。 中小企業の中では、取引先の大企業や商工団体、損保会社、地域金融機関、地方自治体などからの勧めをきっかけに防災・減災の事前対策に取り組む事業者もおり、これら関係者の役割は重要です。このため、取引先大企業によるセミナーの開催や地域金融機関がチラシなどで行う普及啓発など、関係者に期待される取組を基本方針に位置付け、協力を促してまいりたいと思います。 基本方針の策定時期は、法案成立の場合、パブリックコメント等の必要な手続を経て、できる限り速やかに策定したいと考えています。 制度の実施に当たっては、申請書類の簡素化やハンズオンによる策定支援を行い、中小企業の負担軽減を図ってまいります。 商工会、商工会議所による事業継続力強化支援計画への取組、商工会などの経営指導員の質、量の現状及び商工会などへの支援についてお尋ねがありました。 事業継続力強化支援計画には、できるだけ多くの商工会、商工会議所が取り組むことを期待しています。一方で、近年、商工会、商工会議所の経営指導員の人手不足やノウハウの不足、財政事情等から、独自に行うことが困難な場合もあると認識しています。 このため、法改正に併せ、地方交付税措置について、自治体の商工行政費の単位費用を増額し、災害関係業務等に対応できる体制を整備できる措置を講じていきます。 加えて、経営指導員や地方公共団体向けの研修を充実させ、事業継続力強化支援計画ができるだけ多く策定されるよう万全を期してまいります。 ストックオプションの税制拡充の対象となる社外高度人材の選定基準と認定された計画の実施状況の確認についてお尋ねがありました。 社外高度人材は、国家資格などの一定の専門知識や実績を有し、サービス開発や事業拡大など、ベンチャー企業の成長に貢献する弁護士や弁理士などの専門人材からベンチャー企業が選任することを想定しています。また、社外高度人材活用新事業分野開拓計画を認定した主務大臣は、定期的にフォローアップ調査を行い、計画の実施状況について確認することになっています。 社外高度人材へのストックオプション税制の拡充について、数値目標や見通しのお尋ねがありました。 政府は、二〇二三年までに企業価値又は時価総額十億ドル以上のベンチャー企業を二十社生み出すことを目標としており、成長を目指すベンチャー企業の裾野を広げることが重要です。 そのため、今回のストックオプション税制の拡充で、成長を支える外部の専門人材がリスクを取ってベンチャー企業に参画することを促し、ベンチャー企業を支える関係者の層を厚くします。 この制度活用の直接の効果として創出されるベンチャー企業の具体的な目標や見通しを定量的に申し上げるのは困難でありますが、まずは、年間五十件程度の制度利用を見込んでいるところであります。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) 浜口誠君。 〔浜口誠君登壇、拍手〕
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。 会派を代表し、中小企業強靱化法案に関連して質問いたします。 質問に入る前に、一言申し上げます。 今週月曜日に公表された景気動向指数は〇・九ポイント悪化し、景気の基調判断は六年二か月ぶりに悪化に引き下げられました。実体経済の悪化は安倍総理が進めてきたアベノミクスの失敗のあかしであり、総理の強弁はもう通用しません。やはり増税できる環境ではないと国民に説明し、自ら政策の失敗を認めたらいかがでしょう。軽減税率、キャッシュレスポイント還元の愚策もきっぱりとやめるべきです。 また、安倍総理は四月末に欧米各国を訪問し、米国トランプ大統領を始め、各国首脳と会談を行いましたが、いまだ国会への報告がありません。消費税増税に対する与党幹部発言による混乱、終息しない豚コレラ、米中貿易戦争の日本経済への影響、北朝鮮の弾道ミサイル発射、拉致への対応、日米通商交渉の動向等々、国会が審議すべき課題は山積をしています。政治の不作為は許されません。 政府・与党に対して、参議院規則第三十八条に基づく正当な要求である予算委員会の開催を改めて強く求めます。 それでは、質問に入ります。 日本では、毎年のように大きな災害が発生しています。昨年は、大阪北部地震、北海道胆振東部地震、西日本豪雨、台風二十一号、二十四号などにより、全国各地で大きな被害がもたらされました。また、自然災害だけではなく、豚コレラなどの感染症や米中貿易戦争やテロなどの不確実な外政要因、サイバー攻撃や情報漏えいなど、企業は様々なリスクに対応することが必要です。こうした中で、事業継続計画、BCPの必要性に関して、経産大臣の所見を伺います。 帝国データバンクが二〇一八年六月に公表した事業継続計画に対する企業の意識調査によると、策定している企業は一四・七%、現在策定中、策定を検討しているを合わせても四四・九%と半数に届かない実態にあります。また、業界別では、最も高いのが金融三九%、製造業一五・九%など、業界ごとのばらつきも非常に大きい実態にあります。こうした現状について、経産大臣に政府見解を求めます。 また、二〇一九年の成長戦略においては、中小企業のBCP策定率について、何年後に何%まで引き上げるなどの具体的な数値目標をKPIとして新たに設定すべきと考えますが、経産大臣の所見を伺います。 事業継続計画は、直接的な利益を生み出すものではないため、経営者の理解を得にくいとの指摘があります。他方、民法や会社法が定める取締役の善管注意義務に基づき、経営者は被災しても事業を継続できるように備える責務があります。その上で、経営者が事業継続計画の策定を重要な経営課題の一つであると捉え、強いリーダーシップを発揮して対策を進めていくことが重要です。経営者への動機付けにどう対応していくのか、経産大臣に説明を求めます。 中小企業庁の中小企業のリスクマネジメントへの取組に関する調査によると、事業継続計画を策定していない理由として、スキル、ノウハウの不足、人手不足や経費上の問題といった理由が上位を占めています。こうした実態を踏まえると、既存のマニュアルやツール等に頼った中小企業任せの対応では限界があると言えます。中小企業が抱える課題に即した商工団体などによる啓発活動、現場重視の人材派遣やノウハウの提供、資金面での支援など、多面的な支援が必要と考えますが、経産大臣の所見を求めます。 経営資源に乏しい中小企業を支援するには、防災・減災に関する専門的な知識や事業継続に係る指導経験を併せ持つ支援人材が必要です。一方、こうした支援人材は全国に数百名おられますが、その活動拠点は大都市周辺に偏在しているという課題も指摘されています。今後、全国レベルで支援を強化していくためには、支援人材の絶対量が不足することが懸念されます。支援人材の育成に関してどのように取り組んでいくのか、経産大臣、お答えください。 様々なリスクに備えていくためには、中小企業単体の対応だけではなく、グループ企業、同業他社との相互支援、業界団体、地域金融機関や地方自治体との連携も大変重要です。実際に、あらかじめ、被災したときには代替生産協定を同業他社と締結し、協定先に金型を供給できる体制を整備している事例もあります。また、事業者が自然災害に対して災害リスクマネジメントを充実するため、行政と産業界が連携して活動する防災経済コンソーシアムが昨年三月に設立されました。事前対策の策定に向けて、中小企業を取り巻く関係者間の連携強化をどう図っていくのか、また、防災経済コンソーシアムの活動について、経産大臣に説明を求めます。 中小企業の中でも更に支援が必要となるのが、従業員二十名以下の小規模事業者です。事業継続計画の策定状況は、六人から二十人の企業で七%台、五人以下では四%台と、一割にも満たない状況です。小規模事業者に対しては、日常的に経営支援を行っている商工会、商工会議所の経営指導員の役割が極めて大きいと言われています。小規模事業者への支援強化と、それを担う商工会、商工会議所の経営指導員の質、量両面にわたる強化の必要性について、経産大臣の見解を伺います。 熊本地震で被害を受けた企業へのアンケート調査によると、今後取り組みたいこととして最も多かったのが事業継続計画の見直し、次にけがや交通網の寸断で出勤できなくなった従業員の代替要員の事前育成など、災害時に活躍できる人材の育成、確保、設備の拡充といった社内体制の見直しでした。既に事業継続計画を策定している企業も、今の対策で十分なのか、不断に見直していくことが重要と考えます。こうした事業継続計画の見直しに関して、経産大臣の見解を伺います。 事業継続計画を策定しただけでは、不測の事態が発生したときに計画どおり対応できるとは限りません。計画の実効性を高めていくためには、災害やリスク発生を想定した訓練を繰り返し行い、社員一人一人が果たすべき役割と行動を理解し、実行していくことが重要です。あわせて、訓練で浮かび上がった課題を改善していくことが不可欠です。各企業の訓練実施に対する政府の対応を経産大臣に答弁願います。 消防庁の調査によると、二〇一八年六月時点で、全国の自治体のうち業務継続計画を策定している自治体は八一%、ただし、国が計画に織り込むべきとした重要六要素と受援を全て計画に織り込んでいる自治体は僅か九%にとどまっていました。項目別には、水、食料の必要数、非常用発電機の必要台数、燃料の必要数などは三割から四割程度の自治体しか計画に織り込まれていませんでした。災害発生時に最も中核となるべき地方自治体においてこのような状況では、極めて問題です。早急に対応すべきと考えますが、総務大臣の見解を求めます。 新たな個人版事業承継税制について、政府はどのようにしてその周知徹底を図っていくのか、また、件数の数値的な目標は設定しているのか。あわせて、中小企業における事業承継は待ったなしの政策課題であり、税制のみならず、事業承継診断等のプッシュ型支援を積極的に推進することやMアンドAに関するデータベースを充実することで、実効性の高い取組が求められています。事業承継に関連して、税制以外にどのような政策に力点を置いていくのか、経産大臣の見解を求めます。 最後になりますが、国民民主党は、日本の産業や地域経済の基盤を支える中小企業を元気にして、地方経済を活性化させていきます。これからも中小企業の皆さんの視点で国民に寄り添う新しい答えをつくっていくことを宣言し、質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣世耕弘成君登壇、拍手〕
○国務大臣(世耕弘成君) 浜口議員にお答えいたします。 事業継続計画の必要性、業界ごとの策定率の違いへの見解、策定率の目標設定についてお尋ねがありました。 企業が備えるべきリスクは多種多様ですが、特に中小企業に影響を及ぼす自然災害が近年頻発しており、BCPの策定を含めた事前の防災・減災対策の促進は喫緊の課題です。また、業種別の事業継続計画の策定状況は業種ごとに大きく異なり、業種の特性も踏まえた対応が必要であります。 災害リスクは規模、業種によって多様であるため、政府として中小企業のBCPの数値目標を一概に定めることは考えていません。商工団体等と連携した普及啓発、専門家の訪問による策定の支援、事例集によるノウハウ等の提示などを通じてBCPの策定を後押ししてまいります。 BCPの策定に向けた動機付けと計画策定の課題に対応した多面的な支援についてお尋ねがありました。 中小企業が災害への備えに取り組む際には、何から始めればよいか分からない、人手不足、複雑と感じて取り組むハードルが高いといった課題があると認識しています。このため、BCPの策定を含む自然災害への事前の備えの動機付けとなるよう、商工団体等と連携した普及啓発に取り組みます。 さらに、専門家の訪問による策定の支援、事例集による防災・減災対策のノウハウ等の提示、商工会、商工会議所の支援体制強化、サプライチェーン上の親事業者、地方自治体、商工団体、金融機関、保険会社などの関係者の協力促進など、多面的な支援を行ってまいります。 支援人材の育成、関係者間の連携強化、小規模事業者への対応についてお尋ねがありました。 経営指導員や中小企業診断士などの支援人材のための研修会を全国で開催するなど、万全を期します。また、防災経済コンソーシアムは、経団連や日本損保協会、商工団体等から構成され、ネットワークを生かした普及啓発や事業者の自然災害への事前の備えを促進しています。その他の中小企業を取り巻く関係者とも連携して、改正法案の普及啓発を進めます。 さらに、自治体が小規模事業者を支援する際に、要する経費について地方交付税措置を講ずるほか、経営指導員の研修も充実させてまいります。 事業継続計画の見直しや訓練など、計画の実効性を高めるための対応についてお尋ねがありました。 計画の実効性を高めるためには、防災・減災対策を事前に講ずるとともに、訓練の実施や計画の見直しなどにより取り組んでいくことが必要です。そのため、事業継続力強化計画の認定に当たっては、事前対策の内容に加えて、定期的な計画の見直しや訓練などの実効性確保に向けた取組が盛り込まれていることを認定要件の一つにする予定であります。 また、申請書類作成手引きで実効性を高めるための具体的な取組を明確にし、中小企業が取り組みやすいよう努めてまいります。 個人版事業承継税制の周知、目標件数と税制以外の事業承継支援策についてお尋ねがありました。 個人事業者の資産の保有状況、事業承継の意志の有無を正確に把握することは困難であるため、この税制に係る目標件数は定めておりませんが、大切なことは、事業承継に意欲ある個人事業者が円滑に事業承継を行える環境を整備することです。そのため、分かりやすいパンフレットを中小企業団体等を通じて事業者に届けるとともに、税理士などの協力も得て、税制の利用の申請支援などを行ってまいります。 税制以外では、現在もプッシュ型の事業承継診断などを行っており、今後も取組を強化してまいります。あわせて、MアンドAによる事業承継を促進するため、事業引継ぎ支援データベースを抜本拡充してまいります。(拍手) 〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
○国務大臣(石田真敏君) 浜口議員にお答えいたします。 地方公共団体の業務継続計画に関するお尋ねがございました。 総務省消防庁では、地方公共団体が災害応急対策等の業務を迅速、的確に遂行できるよう、内閣府と連携して、知事や市町村長が不在のときの明確な代行順位及び職員の参集体制、本庁舎が使用できなくなった場合の代替庁舎の特定などの重要六要素や受援に関する規定を含む地方公共団体の業務継続計画の策定を推進しているところです。 平成三十年六月一日現在の調査によれば、業務継続計画の策定率は、都道府県で一〇〇%、市町村で八〇・五%でありましたが、重要六要素及び受援に関する規定を全て策定している団体は、都道府県で二十八団体、五九・六%、市町村では百四十一団体、八・一%、合わせて百六十九団体、九・五%となっています。 現在、この調査結果も踏まえまして、地方公共団体に対し、通知を発出するなど、業務継続計画に定めていない項目がある場合は早期に整備するよう促しているところであり、計画作成に係る研修会を実施するなど、各種の機会を捉え、全ての項目を含む業務継続計画が速やかに整備されるよう積極的に取り組んでまいります。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) 石井章君。 〔石井章君登壇、拍手〕
○石井章君 日本維新の会・希望の党の石井章です。 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案について質問いたします。 日本維新の会は、かねてより、中小零細企業が親会社を含めた大企業との取引において契約どおりの支払を受けられるようにすることや、下請いじめを防止するために、独占禁止法の優越的地位の濫用禁止規定、そして下請代金支払遅延等の防止法を厳格に適用することを主張してまいりました。 また、中小零細企業に対する交際費課税を軽減すること、災害復興時に地元の中小零細企業の復興に資するために、国の出先機関が発注する公共工事においては、その地域の中小企業の発注割合について五割をめどに拡大すべきであるということを主張してまいりました。 もとより、中小企業に働く勤労者数は多く、日本経済を根底から支えていると言っても過言ではありません。中小企業の事業の継続性を高めるための仕組みを整えていくことは日本経済の安定成長に寄与するものであるということを改めて確認いたしまして、質問に入ります。 近年は、温暖化の影響もあり、台風や水害などの自然災害による被害の規模は大きくなっています。昨年は七月に西日本豪雨があり、台風による被害も大きく、中小零細企業も大きな打撃を受けてきました。 中小企業の事前の防災・減災対策として法律による枠組みをつくって支援措置を行うことは、今回が初めてとのことであります。自然災害による被害は近年大きくなってきており、また、これまでに我が国は数多くの自然災害を経験してきたわけですから、もっと早くに行われるべきであったと思います。 経済産業大臣に質問いたします。中小企業の事前の防災・減災措置がこれまでなされてこなかった理由、対策を講ずる上で障害になってきたことは何でしょうか、お答え願います。 事業継続力強化計画の認定制度について質問いたします。 今回の改正案は、事業継続力強化に関する計画の策定と経済産業大臣による計画の認定というスキームを新設するものであると捉えておりますが、予算や人員も限られ、日々の経営以外のことで費やす余力がない特に中小零細企業にとっては、このスキーム自体が大変ハードルが高いものであります。 平成十八年二月、中小企業BCP策定運用指針が公表され、中小企業の災害対策に対する備えを普及させる取組が始まりました。しかし、実際に事業継続計画を策定している中小企業は一六・九%にすぎません。二割にも満たない現状を考えますと、事業継続計画の必要性までは理解しても、優先度が高いとは考えていないと思われます。政府による中小企業への支援策であることを考えれば、大企業と同じ手続で推し進めるのではなく、中小零細企業が自然災害への対策を考えるきっかけであるとの位置付けでハードルを下げ、着手しやすいスキームによって行うべきと考えます。 経済産業大臣に質問いたします。今回のような、大企業向けとしか思えない事業継続計画の認定の手続とされた理由は何なのでしょうか、本改正により中小零細企業の間にどれだけ事業継続計画の策定が広がると見込んでいるのでしょうか、お答え願いたいと思います。 本改正案に関連して措置される防災・減災設備への税制優遇は、事前対策を強化するために必要な防災・減災設備投資に対して二〇%の特別償却を講ずるものとしています。しかし、中小企業にとっては、その設備の導入が必ずしも直接的な増収増益に結び付くわけではないので、二〇%の特別償却だけでは事前対策を導入しようというインセンティブにつながるものにはなりません。防災・減災対策を進めるためにも、より強いインセンティブをもって導入すべきであると考えます。 経済産業大臣に質問いたします。本改正に当たり、より強いインセンティブとなり得る即時償却や税額控除のような措置を選択しなかった理由は何なのでしょうか。今後、より強い支援措置を導入する考えはおありでしょうか。御見解をお答えください。 本改正案では、親事業者が平時にサプライチェーンとして関係している下請企業との間で事業継続力を強化することにより、被災時においても製品の供給が途絶えることのない安定的な事業運営が可能になることを目指すこととしています。しかし、実際の平時における親事業者と下請の中小企業との関係は、親事業者が主導的で有利な立場にあるため、平時であっても下請側にとって不利な関係となりがちです。ましてや被災時となれば、更にその傾向が強まる可能性があることは容易に予想されます。法律に書くだけでは実効性はありません。本改正案を施行する上では、実効性のある具体的な対策が必要であると考えます。 経済産業大臣にお伺いします。本改正案を進める上において、下請の中小企業を守るためにも下請法の運用を厳格に実施すべきであると考えますが、大臣としてどのようにお考えでしょうか。御見解を求めます。 経営承継円滑化法においては、遺留分に関する民法の特例、金融支援措置、事業承継税制の適用を受けるための認定制度を規定しています。民法の特例措置の趣旨は事業用の資産散逸を防止することであり、遺留分の除外合意や固定合意を行うには、後継者を含めた現経営者の推定相続人全員によって作成した合意書をもって、経済産業大臣の確認を得た後、家庭裁判所の合意許可の審判が必要とされています。 この事業承継円滑化法による確認件数は、これまで、一年当たり三十件前後となっております。今後十年間で七十歳を超える中小企業・小規模経営者の数が二百四十五万人に上ることを考えますと、年間三十件という数字は余りにも低い水準であると考えます。これまで、事業承継円滑化法とは名ばかりでありまして、手続が円滑化され、事業承継が進んでいるとは到底認められない状況にあります。 この原因は、まだまだ事務手続が煩雑なことが要因であると考えます。現在の遺留分に関する民法の特例は、中小企業主や小規模経営者にとって優しい仕組みとはなっていません。日本経済を支える中小企業の重要性を鑑みて、より簡潔な手続によって事業承継を進めることができるよう、その仕組みを再構築すべきであると考えます。 経済産業大臣に質問いたします。円滑な事業承継を進める上で、中小企業が利用しやすいように、制度の利用要件や手続の難解さや煩雑について対策を講じる必要があると考えますが、どのような見解をお持ちでしょうか、お答え願います。 戦後高度経済成長期、そして技術立国を支えてきた中小企業の事業承継は待ったなしのときを迎えています。日本維新の会は、スムーズな事業承継を進めるために引き続き努力してまいりますことをお約束しまして、私からの質問といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣世耕弘成君登壇、拍手〕
○国務大臣(世耕弘成君) 石井議員にお答えいたします。 これまでの事前防災・減災対策への支援、対策を講ずる上での障害についてお尋ねがありました。 経産省では、これまでも、BCP策定指針の整備による策定の推進、策定した中小企業に対する低利融資など、中小企業の防災・減災対策を支援してまいりました。一方で、中小企業は、人手不足など様々な経営上の課題を抱える中で、防災・減災対策に取り組む優先順位が低くなっていることに加え、何から始めればよいのか分からないなどの課題により、対策は十分に進んでまいりませんでした。 このため、近年、自然災害が頻発している状況も踏まえ、今回の法案により、事業継続力強化計画の認定制度を創設し、認定を受けた中小企業に対する支援策を講じることで、減災・防災対策に取り組む誘因を提供するとともに、取り組む上でのハードルの解消を図るなど、対策を抜本的に強化してまいります。 事業継続力強化計画の認定手続と中小企業の計画策定見込みについてお尋ねがありました。 事業継続力強化計画は、他の中小企業立法に基づく計画認定と同様に、提出された申請書を大臣が認定するスキームです。他の計画認定手続の実績を踏まえても、必ずしも大企業向けの手続とは言えないと考えています。一方で、中小企業の災害への備えについては、何から始めればよいのか分からない、複雑でハードルが高いなどの声があり、制度の使い勝手を向上させていくことが不可欠です。 そのため、申請書類作成手引書の整備や記載内容の簡素化などにより、中小企業が取り組みやすい手続を整えてまいります。こうした取組により、まずは数千社の中小企業の皆さんに計画を策定していただくことを目指し、制度の普及を図ります。 今回の改正で即時償却や税額控除を導入しなかった理由と今後の導入に向けた考えについてお尋ねがありました。 税制措置については、目的と措置内容と効果のバランスを踏まえて措置されるものであり、防災・減災設備投資に対して最高水準となる二〇%の特別償却により防災・減災設備の投資を促進するとの目的は達せられると考えています。 今後の即時償却や税制控除の導入については、この税制の利用状況等を検証した上で、様々な視点から総合的検討を行う必要があると考えています。まずは、この税制を御活用いただき、中小企業の防災・減災対策のための設備投資が更に引き出されるよう、制度の周知、運用をしっかりと行ってまいります。 下請中小企業を守るための下請法の運用についてお尋ねがありました。 これまでも、大規模な自然災害時には、親事業者に対して経産大臣名の要請文を発出し、下請中小企業との取引解消や負担の押し付けを行わないよう求めています。 こうした対応に加え、昨年十二月には下請中小企業振興法の振興基準を改正し、親事業者に対し、災害時に取引関係の継続を求めることを明記いたしました。また、事業継続力強化に関する基本指針でも、親事業者は下請中小企業者に対して過大な負担を一方的に押し付けないよう配慮することを規定することを検討しています。 さらに、下請法については、親事業者が型の無償保管を要請するなどの違反行為事例の類型を二倍以上に増やすなど、運用強化を行っており、災害時を含めて、下請中小企業にしわ寄せが向かわないよう取り組んでまいります。 現行の会社に係る民法特例の利用要件や手続の難解、煩雑さについてお尋ねがありました。 特例適用には経産大臣の確認や家裁の許可を受ける必要がありますが、これらの手続は、遺留分放棄という重要な合意が経営継承のために行われるということや、その合意が関係者の真意に基づくことを担保するためのものであり、簡素化は困難だと考えます。 今後は、より多くの中小企業にこの制度を御理解、活用いただけるよう、手続の分かりやすいパンフレットを作成し、全国の商工会、商工会議所等を通じて事業者に届け、税理士、弁護士などの専門家に対しても周知徹底を図ることで、より一層の制度の活用を促進してまいります。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) 岩渕友君。 〔岩渕友君登壇、拍手〕
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表し、中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案について質問します。 まず、現下の経済情勢と中小企業を苦境に追い込む消費税増税について質問します。 二〇一四年の消費税八%への増税以降、実質家計消費も実質賃金も落ち込み、加えて、頼みの綱だった外需も、米中貿易摩擦や中国経済悪化の影響で落ち込みがあらわになっています。内閣府発表の景気動向指数で、国内景気の基調判断を六年二か月ぶりに悪化と下方修正しました。 そこで、経済財政担当大臣にお聞きします。米中貿易摩擦が国際経済、日本経済にどのような影響をもたらすのか。また、国内景気はこれ以上悪化しないという認識なのですか。 アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルが日本版社説で、安倍首相は十月の消費税率引上げで、景気を悪化させようと固く心に決めているように見えると評しています。前回二回の増税は景気回復基調の下で行われましたが、消費不況の引き金を引く結果となりました。今回増税することになれば、政府の統計が景気悪化の可能性を示す中でのものとなり、極めて無謀なものです。 アベノミクスによって、大企業と超富裕層がますます富み、格差と貧困が一層拡大してきました。この下で消費税が八%に増税され、消費と国内景気が更に落ち込んできたという認識はありますか。経産大臣にお聞きします。 中小企業が置かれている状況はどうでしょう。 中小企業の廃業は年々進み、十七年間で百二十六万者が減少、直近で三百五十八万者となっています。安倍首相は、中小企業の倒産が政権交代前から三割減ったと言いますが、東京商工リサーチの集計によれば、二〇一三年は休廃業が倒産の三倍、二〇一八年は四倍と増えており、安倍政権の下で倒産、休廃業は二割も増加しています。負債一千万円未満の小規模事業者の倒産件数は、リーマン・ショック直後に並ぶ深刻な状態となっています。 それに追い打ちを掛けるのが消費税増税とインボイスの導入です。 今でも、消費税は小規模事業者ほど価格転嫁できず、自腹を切ってまで納税することを強いられています。この上、消費税増税を強行すれば、景気が更に悪化し、ポイント還元など何の効果もなく、中小企業の経営を更に困難に陥れるのは明らかではありませんか。経産大臣にお聞きします。 昨年十一月、政府は、「消費税率の引上げに伴う価格改定について」と題するガイドラインを出しました。税率引上げ前の価格引上げを奨励し、前回増税時に禁止した消費税還元セールも、消費税の表示がなければ容認しています。大手スーパーの還元セールに中小は太刀打ちできず、中小企業を苦境に追い込むことになるのではありませんか。中小事業者が不利にならないよう大手スーパーなどの消費税還元セール及び消費税相当分のポイント付与の禁止などを定めた二〇一三年策定の消費税転嫁法第八条の趣旨に反するものではありませんか。経産大臣にお聞きします。 この上、さらにインボイス制度が導入されれば、中小・小規模事業者は廃業に追い込まれる危険性があります。売上げ一千万円以下の免税事業者は、インボイス、すなわち取引ごとに発行する消費税に関する適格請求書を発行できず、仕入税額控除ができなくなるからです。免税事業者が取引から排除されることになるのではありませんか。経産大臣にお聞きします。 取引から排除されれば、中小・小規模事業者の倒産、廃業を加速させることになります。日本商工会議所の調査では、インボイス導入で、免税事業者の九・二%が廃業を検討すると回答しています。インボイスは廃業促進税制です。消費税増税もインボイスも、地域の業者を潰して地域を死なせるもの、これでどうやって地域を活性化させることができるのかという怒りの声が上がっています。経産大臣、こうした声をどう受け止めますか。 財務大臣、インボイスの導入をやめるべきではありませんか。消費税の一〇%への増税はきっぱり中止すべきです。お答えください。 法案に関連して、三問お聞きします。 第一に、中小企業等経営強化法の一部改正です。これによって、防災の事前対策として事業継続計画、BCPを策定し、経済産業大臣によって認定を受けた中小企業は様々な支援措置を受けることができるようになります。法案の説明では、主にサプライチェーンの中小企業や地域の中核的な中小企業を想定していますが、事業者をBCPで選別し、サプライチェーンや基幹産業を担う中小企業に支援を限定するのですか。防災・減災の事前対策は、全ての中小・小規模事業者を対象に柔軟に運用できるようにするべきではありませんか。経産大臣にお聞きします。 第二に、中小企業事業承継法の改正です。これによって、個人事業主の贈与税、相続税を一〇〇%猶予する個人版事業承継税制が創設されます。中小企業団体は、納税猶予ではなく、免除へと税制の拡大を求めていますが、経産大臣の見解をお聞きします。 第三に、防災対策に関連してグループ補助金についてお聞きします。 衆議院の参考人質疑で、東日本大震災の被災者である参考人は経験をこう語っています。地元業者は震災直後からライフラインの復旧などに奮闘した、行方不明になった家族を捜索しながら避難所での運営に携わった事業者、家や工場を失いながら消防団員として寝ずの番に出勤した事業者もいる、こうした中で、地元業者復旧の決定的な支援になったのがグループ補助金だったといいます。先日、同様の話を岩手県宮古市でもお聞きしました。 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故以降創設されたグループ補助金は、二〇一六年に発生した熊本地震では熊本県と大分県、二〇一八年に発生した西日本豪雨では岡山県、広島県、愛媛県で活用されてきました。 ところが、中小企業庁の研究会は、グループ補助金を広範に実施することがモラルハザードとなるなどと、被災者の実態を無視した制度改悪の方向で議論を行ってきました。また、西日本豪雨では実際に補助金が減額されました。しかし、今求められているのは制度の充実と改善ではありませんか。経産大臣にお聞きします。 被災地の復興は、なりわいの再生抜きにはあり得ません。財務大臣、被災事業者を支援する財政措置を削減するようなことがあってはならないのではありませんか。 最後に、二〇一五年に策定された小規模企業振興基本法の附帯決議は、政府に社会保険料の負担軽減のためにより効果的な支援策の実現を図ることを求めています。どのように実行されているでしょうか。経産大臣にお聞きします。 小規模事業者が多数加入している国民健康保険料の値上げなど、とんでもないことです。全国知事会などが求める公費一兆円の投入を行うべきです。 中小・小規模事業者は、日本企業の九九・七%、雇用の七割を占め、地域に根差した重要な役割を果たしています。中小企業が元気になってこそ、日本経済再生の道が開かれます。中小企業憲章と小規模企業振興基本法を生かして、中小企業を日本経済の根幹に位置付け、それにふさわしい政策転換、振興策を進めることを求めて、質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣世耕弘成君登壇、拍手〕
○国務大臣(世耕弘成君) 岩渕議員にお答えいたします。 所得格差や貧困と消費税率引上げ後の消費や景気との関係についてお尋ねがありました。 ジニ係数の動向を見ると、税や社会保障による再配分後の世帯ごとの所得格差は、平成十一年以来おおむね横ばいで推移しています。相対的貧困率の動向を見ると、過去長期的に上昇傾向にありましたが、アベノミクスの下、低下に転じています。したがって、所得格差と貧困の拡大との指摘は当たりません。 また、前回の消費税率引上げの際には、駆け込み需要と反動減といった大きな需要変動が生じました。こうした中、個人消費が力強さを欠き、景気回復力が弱まることとなったと理解しています。所得格差や貧困が原因であるとは考えていません。 消費税率引上げの影響と対策についてお尋ねがありました。 消費税率については、法律で定められたとおり、今年十月に一〇%に引き上げられる予定です。 消費税率の引上げは、中小企業・小規模事業者に少なからず影響を与えると想定しています。そのため、中小企業・小規模事業者が税率引上げ分を転嫁できるよう、転嫁拒否等に対する監視、取締りを行います。また、中小・小規模事業者に限って、キャッシュレス決済で支払った消費者へのポイント還元に対する支援を行います。需要平準化対策にとどまらない様々な効果が期待されることから、強力な支援になると考えています。さらに、身近な支援機関を通じたきめ細かい経営指導に取り組んでまいります。 消費税率の引上げに伴う価格設定のガイドラインによる中小企業への影響と消費税転嫁対策特別措置法の関係についてお尋ねがありました。 ガイドラインは、消費税率引上げ前後で事業者がそれぞれの判断で柔軟な価格設定が行えるよう、整備、公表したものです。その上で、体力が弱く、自ら価格の引下げができない場合もある中小・小規模事業者に限って消費者へのポイント還元を支援することにより、強力に応援をいたします。 また、転嫁対策特措法は消費税と直接関係しない形での宣伝、広告を規制しておらず、事業者が消費税と直接関係しない柔軟な価格設定を行えるようにするガイドラインは、転嫁対策特措法に反するものではありません。 インボイス制度についてお尋ねがありました。 インボイス制度を導入すれば、免税事業者からの仕入れは仕入税額控除ができないこととなるため、取引から排除され、廃業せざるを得なくなるなどの懸念の声があることは承知しています。 政府としては、御懸念に対応するため、免税事業者が課税事業者への転換の要否を見極めながら対応を決めていただけるよう、導入まで四年間の準備期間を設けるとともに、そこから更に六年間、免税事業者への仕入れについて一定の仕入税額控除を認めることとしています。こうした経過措置により、個々の事業者への影響を極力緩和することができると考えています。 今回の法案による支援対象の範囲についてお尋ねがありました。 サプライチェーンを支える事業者や地域で多くの雇用を抱える中核的事業者が事業停止などになった場合、被災事業者だけではなく広範に影響が及ぶおそれがあるため、こうした事業者への災害への備えは極めて重要です。 一方で、例えば単独の小規模事業者であっても、地域の経済や雇用を支える重要な存在であることは十分認識しており、今回の法案においても計画認定の対象となります。 個人版事業承継税制についてお尋ねがありました。 個人事業者の事業承継を促進するため、平成三十一年度税制改正では、その土地、建物等の承継に係る贈与税、相続税を一〇〇%納税猶予する制度を創設しました。 この制度を免除制度にすべきという声がありますが、事業用資産を持たない個人との公平性の観点や事業承継を支援するとの税制の趣旨を踏まえれば、事業を承継し継続する限りにおいて納税を猶予するという今回の制度が、事業承継を後押しする税制として適切と考えています。 グループ補助金などの災害支援の在り方についてお尋ねがありました。 御指摘の平成二十九年度実施の研究会においては、一定規模を超える災害に限ってグループ補助金を措置すべきであり、災害の規模に応じたこれまでの支援の在り方について大きな変更を加える必要はないとの結論が出たものと承知をしています。 その上で、平成三十年七月豪雨への対応では、措置されたグループ補助金は初めて水害に際して措置されたもので、水害は地震に比べ保険加入割合が高いことなどを踏まえ、事業者が受け取る保険金相当分を被害額から控除して補助金を交付することにしました。制度を改悪しているということは当たりません。 社会保険料の負担軽減のための支援策についてお尋ねがありました。 社会保険制度の具体的在り方については厚労省において検討が進められるものと考えますが、経産省としては、まずは生産性の向上で付加価値を生み出し、取引条件の改善などで付加価値がしっかりと小規模事業者に残る環境を整備をしていくことが重要と考えます。 このため、補正予算を通じた設備投資やIT導入支援によって生産性向上を後押しするとともに、下請法の運用強化、産業界への自主行動計画の策定と着実な取組の要請、下請Gメンによる取引実態の把握などに取り組み、取引条件の改善を進めてまいります。 引き続き、中小・小規模事業者が無理なく社会保険料を支払うことができるよう環境整備を進めてまいります。(拍手) 〔国務大臣茂木敏充君登壇、拍手〕
○国務大臣(茂木敏充君) 岩渕議員から、米中貿易摩擦の日本経済への影響について御質問いただきました。 米中双方における追加関税のエスカレーションは、米中両国のみならず、世界経済全体にとっても決して望ましいことではないと考えております。今後の両国間の協議の進展を期待したいと思いますが、同時に、我が国経済に与える影響について、マーケットの変動を通じた影響や世界経済への影響も含め、今後の動向をしっかり注視をしてまいります。 現在、我が国経済は、中国経済の減速などから輸出の伸びが鈍化し、製造業を中心とした生産活動に弱さが続いていますが、雇用・所得環境の改善、高水準にある企業収益など、内需を支えるファンダメンタルズはこれまで同様しっかりしていると認識をいたしております。また、今国会で成立した昨年度補正予算や今年度予算の執行による公共投資の増加も期待をされます。 通商問題の動向が世界経済に与える影響や金融資本市場の変動の影響等を十分注視しつつ、今後も経済運営に万全を期してまいります。(拍手) 〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(麻生太郎君) 岩渕議員からは、インボイス制度及び消費税率の引上げ、グループ補助金等、被災地の事業者支援について、計二問お尋ねがあっております。 まず、インボイス制度及び消費税率の引上げについてお尋ねがありました。 インボイス制度は、御存じのように、売手が買手に対し正確な適用税率、税額を伝える仕組みとして導入するものでありまして、欧州諸国を始め諸外国の付加価値税制度の中で幅広く採用されておりますのは御存じのとおりであります。また、複数税率の下におきましては、例えば、売手が軽減税率で申告し、買手は標準税率で仕入税額控除をするといった食い違いを防ぐことができる仕組みであると考えております。 政府といたしましては、インボイス制度の周知、さらには広報に努め、万全の対応を行ってまいりたいと考えております。 また、消費税率の引上げにつきましては、これは、急速な高齢化等々を背景として社会保障給付費が大きく今後増加してまいります。したがいまして、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するためにどうしても必要なものだと考えております。 したがいまして、リーマン・ショック級の出来事が起こらない限り、法律で定められておりますとおり、本年十月に消費税率を引き上げることを予定をいたしております。 最後に、グループ補助金等、被災地の事業者支援についてのお尋ねがありました。 グループ補助金は、東日本大震災の復旧復興に当たり、サプライチェーンの毀損等に対応するために創設されたものであります。その後も、自然災害が発生した地域において活用してきたところであります。その内容につきましては、被災地の状況等を踏まえ、制度の見直しを行ってきたものと承知をいたしております。 今後も、自然災害による被災地の復旧復興に際しましては、被災の状況や支援の効果などを勘案しつつ、グループ補助金も含めた各種の事業者支援により適切に対応してまいりたいと考えております。(拍手)
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。 ─────・─────
○議長(伊達忠一君) 日程第一 中央北極海における規制されていない公海漁業を防止するための協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長渡邉美樹君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔渡邉美樹君登壇、拍手〕
○渡邉美樹君 ただいま議題となりました中央北極海無規制公海漁業防止協定につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 この協定は、健全な海洋生態系を保護し、並びに魚類資源の保存及び持続可能な利用を確保するための長期的な戦略の一部として中央北極海の公海水域における規制されていない漁獲を防止することを目的として、この水域における漁獲に対する予防的な保存管理措置の適用等について定めるものであります。 委員会におきましては、本協定成立の背景と協定を締結する利点、海洋環境の変化が北極海の生態系に与える影響、本協定に基づく共同計画策定への我が国の貢献等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十六 賛成 二百二十六 反対 〇 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(伊達忠一君) 日程第二 表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長横山信一君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔横山信一君登壇、拍手〕
○横山信一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、所有権の登記がない一筆の土地のうち表題部に所有者の氏名又は名称及び住所の全部又は一部が登記されていないものの登記及び管理の適正化を図るため、登記官による表題部に登記すべき所有者の探索及び当該探索の結果に基づく登記並びに当該探索の結果表題部に登記すべき所有者の全部又は一部を特定することができなかったものについての裁判所が選任する管理者による管理等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、表題部所有者不明土地の所有者等の探索の在り方及び体制整備の必要性、特定不能土地等管理命令における適正な手続の確保、相続登記における負担を軽減する必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十七 賛成 二百二十七 反対 〇 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(伊達忠一君) 日程第三 道路運送車両法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長羽田雄一郎君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔羽田雄一郎君登壇、拍手〕
○羽田雄一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、最近の自動車技術の進展に鑑み、自動車の安全性の確保及び自動車による公害の防止その他の環境の保全を図るため、一定の条件の下で自動車を自動的に運行させることができる装置を保安基準の対象装置として追加するとともに、当該装置に組み込まれたプログラム等の改変による自動車の改造に係る行為についての許可制度を創設するほか、自動車検査証の電子化、自動車の型式指定制度に係る是正命令の創設等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、自動駐車や衝突被害軽減ブレーキの実演等を視察するとともに、自動運転の実現及び国際基準策定に向けた取組、先進技術の普及に対応した自動車整備業の在り方、電子化された車検証の活用策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十八 賛成 二百二十八 反対 〇 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(伊達忠一君) 日程第四 国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長石井正弘君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔石井正弘君登壇、拍手〕
○石井正弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、国会議事堂、内閣総理大臣官邸その他の国の重要な施設等、外国公館等及び原子力事業所の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律について、その上空等において小型無人機等の飛行が禁止される対象施設に防衛大臣が指定する防衛関係施設を追加する等の措置を講ずるとともに、平成三十一年ラグビーワールドカップ大会特別措置法及び平成三十二年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法について、文部科学大臣が期間を定めて指定する大会関係施設及び国土交通大臣が期間を定めて指定する空港を対象施設とみなす等の特別の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、対象防衛関係施設に係る小型無人機等の飛行に関する規制の運用に対する懸念、小型無人機等に係る規制の積極的な周知、広報の必要性、技術開発等の動向に合わせた適切な規制の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局した後、立憲民主党・民友会・希望の会の相原理事より、対象防衛関係施設の管理者は、報道機関から小型無人機等の飛行について同意を求められた場合には、当該施設に対する危険を未然に防止するためやむを得ない場合を除き、同意しなければならないものとすること等を内容とする修正案が提出されました。 次いで、討論に入りましたところ、立憲民主党・民友会・希望の会の福島委員より原案に反対、日本共産党の田村委員より原案及び修正案に反対の旨の意見が述べられました。 次いで、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十六 賛成 百八十二 反対 四十四 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(伊達忠一君) 日程第五 金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長中西健治君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔中西健治君登壇、拍手〕
○中西健治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本法律案は、預金保険機構の金融機能早期健全化勘定に属する剰余金を活用するため、金融機能早期健全化業務の終了の日前における国庫納付について定めるとともに、金融機能早期健全化勘定から金融再生勘定への繰入れをすることができることとするものであります。 委員会におきましては、平成金融危機への対応策の効果と教訓、剰余金の算定根拠とその妥当性、剰余金を金融再生勘定へ繰入れ可能とする理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して大門実紀史委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。 討論を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十七 賛成 百六十九 反対 五十八 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(伊達忠一君) 日程第六 学校教育法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長上野通子君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔上野通子君登壇、拍手〕
○上野通子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、大学等の管理運営の改善等を図るため、大学等の教育研究等の状況を評価する認証評価において当該教育研究等の状況が大学評価基準に適合しているか否かの認定を行うこととするとともに、国立大学法人が設置する国立大学の学校教育法上の学長の職務を行う大学総括理事の新設、学校法人の役員の職務及び責任に関する規定の整備等の措置を講じようとするものでございます。 委員会におきまして、認証評価制度の改善に向けた方策、国立大学の一法人複数大学制度を導入する意義、学校法人における自律的なガバナンス改革に資する仕組みの在り方等について質疑が行われましたが、その詳細については会議録によって御承知願いたいと存じます。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の吉良委員より反対の意見が述べられました。 討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対して附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十七 賛成 百八十三 反対 四十四 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────・─────
○議長(伊達忠一君) 日程第七 農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長堂故茂君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔堂故茂君登壇、拍手〕
○堂故茂君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、農用地の利用の効率化及び高度化を一層促進するため、農地中間管理事業に係る手続の簡素化、農地中間管理機構と農業委員会その他の関係機関との連携強化等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、参考人を招致してその意見を聴取するとともに、担い手への農地集積、集約化の意義、農地や担い手の確保に向けた地域の農業者等による協議を推進する方策、農地利用集積円滑化事業を農地中間管理事業に統合一体化する理由及び運用方針等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、国民民主党・新緑風会を代表して森委員より反対、日本共産党を代表して紙理事より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。藤田幸久君。 〔藤田幸久君登壇、拍手〕
○藤田幸久君 立憲民主党・民友会・希望の会の藤田幸久です。 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。 平成から令和の時代を迎え、今、私たちは日本人であることの誇りと幸せを心から実感しております。国民からこよなく愛され、尊敬され、平和を最も尊び、国民の心を最も大切にされる皇室があらせられることの希有の幸せを私は感じております。 他方、今世界を見渡すと、各地で、武力、経済、金融、人権、宗教などをめぐる争いが増大しています。そして、それらの陰でマネーゲームと軍拡主義が闊歩し、庶民の暮らし、財産、そして命さえも奪われる時代に私たちは生きています。 そのマネーゲームと軍拡主義的政策を推進しているのが安倍総理官邸であり、TPP、種子法、水道法、漁業法など、次々と日本を売り渡す政策が国民生活を圧迫してきました。そうした手法で農業政策を官邸が仕切る官邸農政による法律が今回の法律案です。 国連では、今年からの十年間を家族農業の十年として定め、加盟国などに対し、家族農業、つまり小規模農業重視政策の推進を求めています。しかし、安倍政権は、こうした理念に逆行して、企業の農業参入をやみくもに推進する政策を強行しています。安倍総理は、二〇一四年、ダボス会議で、民間企業が障壁なく農業に参入し、作りたい作物を需給の人為的コントロール抜きに作れる時代がやってきますと強調しています。まさに官邸農政の本質そのものではないですか。 食料・農業・農村基本法は、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、農村の振興という四つの基本的な理念を定めていますが、安倍政権は、企業の農業参入のため、これらの理念を軽視し、家族農業、農村社会、農協といった重要な基盤を破壊しようとしています。官邸農政とは、正統な審議会を軽視し、規制改革推進会議などで農政や農業現場について知識のない少数の有識者が決定するやり方です。その乱暴さは、与党議員からも懸念の声が聞かれるほどです。その官邸農政が最初に制定したのがこの農地バンク法です。現場無視で制定された農地バンク法は、事業実績が伸び悩み、結局、現場の声を受け入れて見直しを行うことになったのです。 本改正案は、官邸農政の横暴の歴史と行き詰まりを象徴しており、今必要なのは、このようなびほう策を講じることではなく、基本法の理念に立ち返って農業政策を根本から見直すことであります。 以下、反対の理由を申し述べます。 反対理由の第一は、都道府県段階に設置した農地中間管理機構が農地の中間的受皿としての機能を果たしていないことです。 安倍政権は、二〇一三年に閣議決定した日本再興戦略において、当時五割であった担い手の農地利用割合を二〇二三年までに八割とする目標を掲げ、農地バンク法を設定しました。 この八割の目標こそ、農業、農村の実態に無知な、机上の空論の数値です。政府は、八割集積達成のために、都道府県別に目標値を押し付け、その進捗度合いを公表するなど、現場に圧力を掛けています。 機構の事業費や、機構集積協力金などの一千億円の予算や、土地改良事業の農家負担をなくすなど、あめを与える措置を講じてきました。 農地利用集積円滑化事業は、農村現場に近い市町村や農協、土地改良区などが、地域農業と農地を守るために、顔と顔の見える関係で農地集積に取り組んでいます。しかし、政府は、これらの人々を飛び越えて、貸付先として農地中間管理機構を最優先にしてきたのです。 あの手この手を駆使しても、二〇一三年度末から二〇一七年度末までの四年間で、担い手の農地利用割合は僅か六・五%増の五五・二%にとどまっています。年間十四・九万ヘクタールの集積目標面積の僅か四割しか達成してきていません。 実績が上がらない原因は、規制改革会議等の意向で、農地中間管理機構に農地を白紙委任するという仕組みと、農地利用集積円滑化事業のような地域の判断を否定してきたことです。 本改正案は、その農地利用集積円滑化事業を農地中間管理事業に統合一体化し、農地集積、集約化の手法を農地中間管理機構の下に一本化します。地域の関係機関を取り込んで、全てを農地中間管理機構の手柄とするよこしまなものです。 しかも、制定時には、企業の農業参入を阻むとして農業委員会を排除していたのです。しかし、今回、農業委員会の力が必要であるとしたことは前進ですが、八割目標を達成できないときには、その責任を押し付けるおそれが懸念されます。 政府は、八割目標の見直しを行うべきです。そして、現場の自主性を尊重した集積、集約化に方針を転換すべきではないですか。 反対理由の第二は、農地中間管理事業が抱える業務量の増大という構造的な問題です。 参考人質疑で、安藤参考人から、米価の下落が生じた場合には、借り手からの地代の未収問題が頻発し、貸し手との交渉業務に対する機構の対応能力に懸念が示されました。 安倍政権の下、平成三十年産からの米の生産調整が廃止されました。今後、米国や豪州などからの外国産米の輸入は増大し、米価の下落が生じかねません。農地中間管理機構がこうした業務の増大に対応することが本当に可能でしょうか。 反対理由の第三は、農政の基本である農村再生の観点の欠落です。 農業所得の向上と地域農業の振興こそが目的であり、農地集積、集約化の八割達成は手段であるべきではないのですか。 担い手が効率よく農業を行うことは大事ですが、少数の担い手だけでは地域は成り立ちません。水管理や国土の保全、祭りなど伝統文化の地域のにぎわいなどは、家族経営体、多様な経営体の存在が不可欠です。 そのためには、民主党政権が創設した戸別所得補償制度のように、農業者の所得を補償し、担い手が安心して農業、農村、農地を守ることです。稼げる農業を目指す前に、まず農家の安定収入を補償することが先決です。 現在、日本発の逆マネーゲームがアメリカに押し寄せています。マイナス金利政策で、国内向け融資では利益確保ができないジャパンマネーが米国に還流し、米国の株高、国債金利上昇、ドル高を可能にし、米国の財政赤字の尻拭いをしています。 メガバンクやゆうちょ銀行などと並ぶ巨大金融機関の一つである農林中金は、多くの農民から預かる預金からの総貸付残高の僅か四%しか農業関連の融資を行っていません。他方、米国の金融機関なら相手にもしない信用度の低い債券を買いあさり、昨年は大きな含み損も生じました。 貧しい国民や子供が増えている中で、その日本国民のお金がアメリカの財政赤字の尻拭いをしているアベノミクス、農民の生活は苦しくなる中で、そのお金が危ういアメリカの投資に使われているアベノミクス、この官邸金融というマイナス金利政策と官邸農政の両方を変えていくことが、農民や多くの国民を救うことになるのです。 最後に、安倍政権の官邸農政の反省が見られない法案に反対し、農政の基本に基づく見直しを行うべきであることを申し上げます。昨日の自民党の委員の御質問も同じような考えでございました。そうした皆さん方が良心的に判断をされることを申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)
○議長(伊達忠一君) 森ゆうこ君。 〔森ゆうこ君登壇、拍手〕
○森ゆうこ君 私は、国民民主党・新緑風会を代表し、ただいま議題となりました農地中間管理事業の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論いたします。 今、日本の政治はこれまでにない危機に瀕しています。 丸山穂高衆議院議員が、我が国固有の領土である北方領土返還のために苦難の道を歩みながら運動を続けてこられた元島民で訪問団長の戦争を断固として否定する声に耳も貸さず、ロシアと戦争で取り返すのは賛成か反対か、戦争をしないとどうしようもなくないですかなどの発言を繰り返して、日本維新の会を除名されました。 国民の代表として選ばれた国会議員がこのような発言をすることは、戦争を放棄し、平和国家として確固たる地位を築こうとしてきた先人たちの血のにじむような努力を踏みにじり、日本国民の代表の中に戦争で問題を解決しようとする勢力がいるとの疑念を国際社会に喚起させ、国益を著しく損なうものであり、断じて許すことはできません。 また、これまでの日韓友好の努力を振出しに戻すような韓国側の言動を受け、韓国との国交断絶を声高に叫ぶ与党議員もいると報道されています。 しかし、政治の最大の失敗は、戦争で国民に塗炭の苦しみを味わわせることであります。平和を構築するために外交があり、日本の平和と独立を守るために、自衛隊の皆さんは昼夜を分かたず献身的に職務を遂行しています。本来、一番冷静であるべき政治家が率先して憎悪をあおり立てて、一体どうするのでしょうか。 我が郷土新潟県の英雄田中角栄元総理が、戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない、平和について議論する必要もない、だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ないと、自民党新人議員に教え諭したと言われています。 平和を希求することの尊さをいま一度かみしめなければならない、私は皆さんに呼びかけたいと思います。 討論に入ります。 農地中間管理機構、いわゆる農地バンクは、もうかる農業を掲げて企業の農業参入を推進してきた安倍政権が最初に手掛けた農政改革であり、産業競争力会議や規制改革推進会議などが現場を無視して推し進める官邸農政の象徴的存在です。制度創設から五年たってみると、当初から懸念されたとおり、機構だけでは十分に機能せず、結局は、市町村、農業委員会、農協、土地改良区などの関与がないと農業集積は進まないことが明白となり、この改正案が提出されたのだと思います。 官邸農政に押し潰されながら、必死に地域で農業、農村を守ってきた人々の声を代弁します。だから言ったじゃないか。 政府は農地の集積が進んだと言いますが、平成二十九年度末における機構の累積転貸面積はたかだか十八万五千ヘクタール、このうち新規集積分といえば、僅か七万ヘクタールです。この七万ヘクタールも、現場が汗をかいたおかげです。機構は必要なかったのではありませんか。また、稲作などの土地利用型の農業は、利益を求める企業にとってさして魅力がなく、思ったように企業参入が進んでいないのが現状です。機構関連でこれまで一千億円を超える巨額の国費が投入されており、全く税金の無駄遣いです。 今だけ、金だけ、自分だけ、安倍総理のお友達だけ。農村を守るどころか破壊している官邸農政を、政府はまず深く反省するところから始めるべきであります。 機構はその役割を果たしていません。条件不利地域など、集積、集約化の難しい農地について、機構が一旦預かり、担い手を探して渡すことが期待されていますが、現状、全くできていません。改正案でも手続の改善は盛り込まれていますが、中山間地域など集積が困難なところ、さらには、耕作放棄地をどうしていくのかという解決策が全くありません。 また、企業の参入促進の障害になるという理由で法律制定時には排除された農業委員会が改正案で明確に位置付けられることはよいのですが、一方、政府の目標どおり農地集積が進まないとき、農業委員会が責任を押し付けられることにならないか、また、農協などになし崩し的に、本来機構が担うべき業務が押し付けられるのではないかと懸念されます。人・農地プランの実質化をうたうのであれば、関係機関の連携体制の構築を含め、政府が責任を持つべきです。 さらには、米価が下落した場合に、地代の未収問題の頻発、農地の出し手への地代の支払や契約の更新など、今後、業務量の増大に機構が耐えられるのかという構造的問題が残されています。機構の仕組みの簡素化は果たして十分なのか、懸念が拭えません。 そもそも政府は、食料安全保障、自給率の向上、国土保全を実現するために、守るべき農地を明確にすべきです。食料・農業・農村基本計画策定の際、二〇二五年時点で確保される農地面積を四百四十万ヘクタールと示しており、これを政策にきちんと位置付け、施策の基本とすべきであります。 集約化、効率化だけでは農業、農村は守れません。兼業農家、家族経営、小農、帰農など、多様な農業が営まれるように支援を行うべきであると改めて強く訴えます。 官邸農政は、農協、農業委員会を弱体し、種子法を廃止するなど、地方自治体が地域の農業資源を守ろうとする自主的な取組を全て壊してきましたが、矛盾が噴出し、今回、地域の現場の声を受けてこの改正案が出てきました。 国民民主党は、戸別所得補償制度、多面的機能支払交付金など、直接支払を抜本的に充実させるべきであると訴えます。野党は共同で戸別所得補償制度復活法案を提出しました。主要先進国でも、こうした農家への直接支払等で食料生産への国の責任と高い自給率を維持しています。 安倍政権に潰されましたが、戸別所得補償制度導入後、農業所得は回復傾向となり、後継者の増加や農地の集積、規模拡大に貢献するなど、先が見通せるようになり、農村は活気を取り戻していました。農業、農村、農地を守る、この守りをしっかり固めた上で初めて輸出やもうかる農業を推進する施策を提案するのが筋であります。 TPP11と日EU・EPAが発効しました。EUからの農水産品の輸入額は、日本からの輸出額の約三十倍であります。さらに、TPPから離脱をした米国が、日本市場における一人負け状態を挽回すべく、強硬に農水産物の関税引下げを狙っています。 安倍総理は、夏の参議院選挙に影響が出ないように日米FTA交渉の妥結を先延ばししたと報道されています。しかし、現在熾烈さを増している米中貿易戦争を見れば、トランプ大統領の強力な要求から果たして日本の農業を守ることができるのでしょうか。厳しい二国間交渉ではなく、勝手に離脱したTPPに戻ってくることをもっと強く提案してはいかがでしょうか。せっかく、TPP断固反対、うそつかない、自民党というポスターを選挙で貼り出し、国民を欺いてまで強行したTPP、利用しない手はありません。 今、安倍政権の矛盾とうそは隠しようがないところまで来ています。 安倍総理が悪夢だったと言う民主党政権では、宮崎県で発生した口蹄疫を四か月で終息させました。しかるに、安倍政権は、昨年九月に発生した豚コレラは、十か月目に入ろうとする現在でも終息が見通せない状態です。安倍政権こそが悪夢じゃないんですか。 アベノミクスは失敗でした。異常な金融緩和を六年も続け、金融機関を崖っ縁に追い込んだにもかかわらず、物価目標二%を達成することもできず、実質賃金は更に下落し、とうとう景気動向指数の基調判断が六年二か月ぶりに悪化に転じました。 安倍総理は、消費税増税再々延期を争点にして、衆議院を解散し、衆参同日選挙に持ち込もうとしていると報じられていますが、わざわざ争点にするまでもなく、この景気は消費税を増税できるわけがありません。 本当は生活が良くなっていないのに、安倍政権の代わりはいないという悪い催眠術から人々を解き放ち、国民を豊かにする政治を実現するために……
○議長(伊達忠一君) 森君、時間が超過しております。簡単に願います。
○森ゆうこ君(続) 全力を尽くすことをお誓い申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。 〔投票開始〕
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。 〔投票終了〕
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。 投票総数 二百二十七 賛成 百五十六 反対 七十一 よって、本案は可決されました。(拍手) ───────────── 〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕 ─────────────
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十七分散会