法務委員会 第14号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/05/21
会議録
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、中西哲君及び岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として片山さつき君及び松川るい君が選任されました。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に伊藤孝江君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、公正取引委員会事務総局経済取引局長菅久修一君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○徳茂雅之君 おはようございます。自由民主党の徳茂雅之でございます。 ちょうど十年前の本日、平成二十一年五月二十一日に裁判員制度がスタートいたしました。それまでは、裁判官、検事、弁護士というプロ法曹三者による刑事裁判。これに対して、国民の目線、国民の感覚を取り入れて、司法に対する国民の信頼をしっかりとしていこうというような目的でスタートしたというふうに理解しております。 まず、大臣に御質問したいんですが、制度創設十年に当たって、裁判員制度についての大臣の受け止め方、これをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山下貴司君) 裁判員制度は、国民が刑事裁判に参加し、国民の感覚が裁判の内容に反映されることにより、国民の皆様の司法に対する信頼や支持が深まり、司法がより強固な国民的基盤を得ることができるようになるという大変重要な意義を有しております。このような制度が本日十周年という節目を迎えたことにつきましては、法務大臣としても大変意義深く思っておるところでございますし、私も法曹の一員でございますので、大変感慨深いものがございます。 これまで九万人を超える国民の皆様が裁判員やあるいは補充裁判員に選任され、裁判員経験者を対象としたアンケートにおいても、九割以上の方が裁判員として裁判に参加したことについて良い経験をしたと感じた旨の回答をされているものと承知しております。 このように、裁判員制度はおおむね順調に運営され、国民の皆様の間に定着しているものと認識しておるところでございます。裁判員制度が我が国の司法制度の基盤として重要な役割を果たすことができるよう、私も法務大臣として引き続き努めてまいりたいと考えております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 先ほど大臣から、九万人を超える一般の国民が裁判員に参加したと。もう既に一万二千件を超える実例も積み重なってきております。制度創設当初は、刑事裁判に一般の国民が参加するということに対する、例えば本当に憲法上問題はないのかというような御意見もあったわけでありますけれども、これまでの十年間、多くの関係者の努力によって裁判員制度は定着してきたものと、このように理解しております。 これから最高裁に、これまでの状況、取組についてお尋ねしていきたい、このように思っております。 従来の刑事裁判、これは御存じのとおり、例えば多くの書証でありますとか調書、こういったものを積み重ねて、裁判官が精緻に細部にわたり事案を検証していく、よく言われる調書裁判あるいは精密司法と呼ばれる手法で取り組まれてきたわけであります。これに対しまして、裁判員裁判につきましては、プロではない一般の国民が参加するということで、公判を中心に裁判を進めていく公判中心主義、これが取られてきたわけであります。いわゆる核心に迫る核心司法ということでございます。 裁判の手続いいますと、公判の準備、それから公判、それから評議、判決という流れの中で、いわゆるプロである法曹三者、これがしっかりと一般国民が裁判体に参画しているということを意識して連携して取り組まなきゃいけない、取り組んできていると、このように理解しておりますけれども、まず最高裁に対して、法曹三者の連携でどのように裁判員制度を改善してこられたのか、これについてお尋ねしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) お答え申し上げます。 裁判員制度という新しい制度の導入を契機にしまして、法曹三者が各々の立場にこだわることなく、より良い裁判員裁判の実現という共通の目標に向かって努力をするようになったと、その結果、委員から御指摘がありましたように、公判中心主義あるいは核心司法へと刑事司法の在り方は変わってきたものと認識しております。 三者の連携の一例を申し上げますと、個々の裁判員裁判の終了後に、その裁判に関与した法曹三者で振り返りの検討会を行いまして、率直な意見交換や情報共有をして、その後の運用改善に生かす、こういった取組が広く行われております。 また、様々な階層におきまして、法曹三者合同の研究会、協議会等を行ったり、実務検証目的の模擬裁判、模擬評議を行ったりしている地域もあるものと承知してございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 これまで、法曹三者の取組によって着実にその裁判員制度については定着してきたということだと思います。 公判後の評議においては、これまではある意味専門家、プロである裁判官がしっかりと証拠を見ながら積み重ねていくという精密司法だったわけでありますけれども、これからは、裁判官と裁判員がある意味共同作業で評議について取り組んでいくということになってきているわけであります。そのためには、例えば、法律用語というのは極めて専門的で、一般人に分かりにくい、こういったものでありますとか、いろんな面での法律上の概念、これを分かりやすく裁判員の皆さんに御理解いただくような努力でありますとか、あるいは評議の場も、自由な雰囲気で一般の国民である裁判員が参画しやすい、そういった場づくりも必要かと、このように思っております。 その上で、裁判員制度を円滑に実施していくために、やはり裁判官と裁判員のある意味共同作業、これが重要だと思いますけれども、どのように取り組んでこられたのか、お尋ねしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) 委員から今御指摘がございましたとおり、裁判員裁判におきましては、裁判員と裁判官がそれぞれの役割を十分に果たし、実質的に協働できるようにすることが求められます。そのためには、裁判員を含む裁判体が公判廷で的確に心証を取る必要がありますから、あらかじめ整理された争点に焦点を当てた人証中心の公判審理、これが連日的に行われるようになりました。 また、御指摘もありましたとおり、量刑や難解な法律概念につきまして、裁判員の方々にも御理解いただけるように、法曹三者において、本質に立ち返った説明、これに向けた工夫や努力を積み重ねてきたところでございます。 また、評議におきましては、裁判官は、裁判員が法廷で形成した心証に基づきまして率直に自らの意見を述べられるような雰囲気あるいは環境を整えまして、裁判員と裁判官が真に対等な立場で意見交換できるように努めているものと承知してございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 プロである裁判官側の努力ですね、一般人である裁判員が参画していることの理解、これが進んできたということだと思います。 従来の裁判官裁判、裁判官による裁判というのは、ともすれば前例主義、あるいは他の案件とのバランス、こういったものを重視して、例えば、時代の流れでありますとか国民の感覚、意識、こういったものが必ずしも反映されてこなかったのではないかというようなことも考えられます。 とりわけ、裁判員裁判制度というのは重大事件を扱うわけでありますので、国民の関心が高い案件、これも多いわけであります。その上で、例えば最終的な判決、判決文の分かりやすさでありますとか量刑の上下、こういったところについて何らかの変化が生じること、これも期待されるわけであります。 そこで、国民の視点が裁判に反映されることによって、例えば量刑等にどのような変化があったのかお尋ねしたい、このように思います。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) 裁判員裁判におきましては、裁判員と裁判官が協働することで、その時々に裁判員として関与した国民の方々の多様な視点や感覚が量刑に反映されまして、裁判官裁判時代と比べますと、軽重の双方向で量刑判断の幅が広くなっていることがうかがわれるところでございます。 例えば、殺人既遂あるいは強制性交等致死傷などにつきましては刑が重くなる傾向が見られる一方で、同じ殺人既遂や現住建造物等放火などについては執行猶予が付される割合も増加しております。また、執行猶予の場合に保護観察が付される割合、これについては大きく上昇しているということでございます。
○徳茂雅之君 もちろん公平というのもあるわけでありますけれども、そういった形で国民の目線がしっかりと判決にも反映させるというのは、まさに裁判員制度、この十年間のお取組の努力の結果だろうと、このように思っております。 裁判員裁判というのは、個別事案の例えば量刑とか判決文の分かりやすさ、こういったところに変化をもたらすだけではなくて、広く刑事裁判一般にいろんな面でのプラスの効果、変化をもたらすものだと、このように理解されています。 とりわけ、事実審であります第一審に限らず、控訴審においては、国民の視点が反映された第一審裁判を尊重して、控訴審というのは第一審の事後審であると、こういった役割をしっかりと徹底していく、控訴審においては事実認定についてはある程度制限的に運用していくといったことも考えるわけであります。 そこで、第一審を尊重し、控訴審についてはある意味事後審としての役割を果たしていくと、こういった方針、考え方についてどのように達成されたのかお尋ねしたい、このように思います。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) 今御指摘がございましたとおり、裁判員制度の導入に当たりましては、裁判員が加わってなされた第一審の裁判を尊重するという意味から、控訴審は事後審であるという控訴審本来の趣旨を運用上より徹底させることが望ましいと、そのように解されていたところでございます。 そこで、裁判員裁判対象事件のうち主要十五罪名について、控訴審が第一審判決を破棄した割合、破棄率の推移を御紹介いたしますと、第一審が裁判官裁判の場合、具体的には控訴審の終局が平成十八年から平成二十年までの期間でいいますと破棄率は一七・六%であったのに対しまして、第一審が裁判員裁判の場合の破棄率、具体的には控訴審の終局が制度施行時から昨年十二月末までの期間の合計というその平均となりますが、これにつきましては九・八%という数字に下がってございます。 また、控訴審の在り方につきましては、引き続き事後審の徹底という趣旨を踏まえつつ、高裁、地裁の裁判官の間で議論、検討が重ねられているものと承知してございます。
○徳茂雅之君 多くの刑事裁判というのは、裁判員が参加しない裁判官による裁判というのが中心なわけであります。今回の裁判員裁判については、例えば、第一審が裁判官裁判に対しても、いろんな面での国民の感覚あるいは目線、こういったものが反映されることが司法全体の信頼にもつながってくると、このように思っております。 その上で、裁判員裁判が、これまでの従来どおりの裁判官裁判、いわゆる非裁判員裁判にどのようにプラスの影響、効果を与えてきているのか、これについてお尋ねしたいと、このように思います。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) まず、手続面の運用について、裁判官の研究会における裁判官の議論を御紹介しますと、核心司法や公判中心主義など刑事訴訟法の本旨に立ち返った裁判は、裁判員裁判だけではなく、裁判員裁判非対象事件の裁判においても実現されるべきものであり、事案に応じて裁判員裁判のプラクティスを活用する必要性、相当性をよく吟味しつつ実践していくことが重要であるなどと指摘されております。このような問題意識が徐々に広がりつつありまして、例えば否認事件において、公判前あるいは期日間の整理手続又は打合せなどを活用して、争点及び証拠の整理をあらかじめ行った上で実質審理に入るといった実例が見られるようになっています。 また、先ほど裁判員裁判の量刑の変化についても御紹介いたしましたが、裁判員裁判と裁判官裁判で事件について共通する部分、要素もございますので、各裁判官は、自らが担当する裁判官裁判の例えば量刑に当たりましては、裁判員裁判において裁判員の方と議論した内容やその結論を適宜思い起こしながら量刑判断をしていくことになります。判断の内容につきましても、こうした形で裁判員裁判が裁判官裁判に一定の影響を与えていくものと、そのように思っているところでございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。裁判員制度は刑事司法全体にプラスの影響を与えてきているというような御説明でございました。 続いて、その裁判に参画する裁判員の負担についてお尋ねしたいというふうに思います。 プロの法曹ではない一般の国民にとって、裁判員として刑事裁判に参画する、これは物理的にもそうでありますし、精神的にも大きな負担、これがある、このように思います。 最高裁の統計によりますと、制度がスタートした平成二十一年の裁判員の候補になるときの辞退率、これが五三・一%、約半数が辞退されたということでありますが、平成三十年には六七・五%ということで、三分の二ぐらいがその候補者として選定されたにもかかわらず辞退したということでございます。 また、裁判員として選任したにもかかわらず期日に欠席をする欠席率について申し上げますと、制度がスタートした平成二十一年には出席率が八三・九%ということで極めて高かったわけでありますが、平成三十年というのは六七・五%に出席率も低下、欠席が増えているということでございます。 この辞退率が高いあるいは欠席率が高いということについて、裁判員制度そのものに対する国民のある意味理解、関心が低下してきているということでありますとこれはかなり憂慮すべき問題でありますが、一方で、裁判員になることによる負担、こういったものは改善できる余地があるのではないかと、このように思っております。 そこで、裁判員候補者の辞退者を減らすためにどのような取組を行ってきたのか、あるいは裁判員の出席率を高めるためにどのような取組を行ってきたのか、お尋ねしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) 最高裁が外部業者に委託して行った辞退率上昇・出席率低下の原因分析結果によりますと、審理予定日数の増加、人手不足や非正規雇用者の増加といった雇用情勢の変化、高齢化の進展、裁判員裁判に対する国民の関心の低下などの事情が辞退率上昇又は出席率低下に寄与している可能性があるなどと分析されているところであります。 そこで、各裁判所におきましては、不在を理由に呼出し状が不送達になった場合の再送達、あるいは事前質問票が期限までに返送されなかった場合の書面での催促といった、今言った分析で推奨された運用上の工夫を実施しております。 また、裁判員候補者の方が御自分の勤務先に相談しやすいようにするため、勤務先向けの協力依頼書面、これを呼出し状に同封したり、裁判員候補者の方々の参加意欲を高めるために、裁判員経験者のアンケートの結果や経験者の声を分かりやすくまとめた書面を同封する取組も実施しております。 さらに、裁判官とともに裁判員経験者が企業や学校などに出向いて裁判に参加した感想を語っていただくなど、裁判員経験者の生の声を届ける広報活動も積極的に行っているところでございます。 こうした取組の結果、出席率につきましては平成三十年から回復傾向が見られるところでございまして、裁判所としては、引き続き国民の皆様から幅広い参加がいただけるように必要な取組を続けてまいりたいと考えております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。是非、辞退率の低下あるいは出席率の向上に努めていただきたい、このように思います。 刑事裁判においては、一般の国民がふだん目にすることのないような例えば書証を扱うこともあります。とりわけ、殺人事件における書証というのは一般の国民にとってもかなり衝撃的なものだろうと思います。 また、裁判員として裁判に参画した結果、生涯守秘義務が掛かってくるということで、いろんな面で裁判員になることに対する精神的な、心理的な負担、大きいというふうに思われます。 こういった心理的な負担の軽減についてどのように取り組んでおられるのか、お尋ねします。
○最高裁判所長官代理者(安東章君) まず、国民の皆様の中には、重大事犯の有罪無罪、量刑の判断に加わること自体に負担を感じる方もおられると思いますが、裁判官におきましては、例えば、裁判員の方が一人で判断する制度ではなくて、裁判員六名と裁判官三名が一つのチームになってチームで議論して結論を出す制度であると、こういったことをよく説明しまして、評議でも充実した議論がなされるように心掛けているものと承知しております。 また、御指摘がありました、裁判員にとって重い精神的な負担となるおそれがある遺体写真などの刺激証拠、これにつきましては、証拠を最良のものに絞るという観点からも証拠の必要性を慎重に吟味する必要がありまして、どういった犯罪事実、あるいはどういった量刑の要素の認定に必要なのか、検察官の主張も踏まえて具体的に検討する必要があると解されてございます。 また、仮に採用する場合でございましても、例えば写真でありましたら、枚数や取調べ部分を最小限に限る、あるいは必要に応じて白黒にしたりイラスト風に加工したりすると、そういったことで裁判員の方の心理的な負担を和らげる運用を行っているところでございます。 また、守秘義務についても御指摘ございました。守秘義務の範囲について分かりにくいのではないかという声が一部にあることも踏まえまして、各裁判体におきましては、裁判員の方に対して、例えば公開の法廷で見聞きしたことあるいは裁判員として裁判に参加した御感想、これは守秘義務の対象にならないことなど、事案に応じまして具体的で分かりやすい説明に努めているものと承知しております。
○徳茂雅之君 是非、裁判員になることの心理的な負担についてしっかりと取り除く対応をお願いしたいと思います。 最後に、裁判員制度の定着に向けて、裁判員制度の周知、これは必要でありますけれども、やはり法教育、刑事裁判も含めてですね、これを一般国民、成人も含めて徹底させることが今後の裁判員制度の更なる定着に向けて重要と考えますが、法務省の御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 まず、法務省における周知に向けた取組状況でございますが、裁判員制度専用のページを設けまして関連情報の提供などに努めているほか、全国の検察庁におきまして、職員が学校、職場などを訪問して裁判員制度等について説明するなどして、地域に密着した広報活動を実施しております。 このような周知活動のほかに、広く国民に裁判員制度がよって立つ司法や裁判についての理解を深めてもらうことは裁判員制度の更なる定着につながるものであり、委員御指摘のとおり、これらの内容を含みます法教育の重要性はこれまで以上に増しているものと考えております。 法務省におきましては、昨年度までに作成、配付した小中高校生向けの法教育教材におきまして、司法の意義や役割、裁判員制度を含む刑事裁判等についての基本的な理解を深めるための具体的な指導案を提示しております。 そのほか、全国の学校や職場等に検察庁の職員等を講師として派遣し、裁判員制度の広報に加えまして、司法の役割や刑事裁判等についての法教育授業を実施するなど、学校教育そして一般社会において法教育がしっかりと根付くよう取組を進めているところでございます。 今後とも、多くの国民が法教育に触れ、司法や裁判についての理解を深めてもらう機会を持てるよう、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○徳茂雅之君 裁判員制度の更なる定着に向けて関係者の御尽力を期待して、質問を終わります。
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。 いわゆるヘイトスピーチ解消法が本参議院の法務委員会で全会一致で可決をされたのが五月十二日、三年前でした。それから、本会議、衆議院に回って、この法律が公布されたのが六月三日でした。それから三年がたったんですけれども、大きな前進があると同時に、様々な課題、問題点がまだ残念ながら存在するというのが現実ですけれども、まず人権擁護局長にお聞きをしますけれども、この三年間でどういう成果があったのか、あるいはまだまだ解決しなければならない課題がどのようなものが具体的に存在するのか、まずそこからお示しください。
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。 いわゆるヘイトスピーチ解消法の成立により、不当な差別的言動に対する国民の関心が高まり、その解消が喫緊の課題であるとの認識が社会の中で共有されつつあると考えております。 具体的には、当局において作成した「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスター等の啓発資料が地方公共団体や市民の間でも利用されるなど、ヘイトスピーチの解消に向けた取組に対して国民の高い関心が示されております。 さらに、地方公共団体におけるヘイトスピーチ解消に向けた条例の制定や公の施設の利用許可に関するガイドラインの策定など、ヘイトスピーチの解消に向けた各種取組が広がりを見せているものと認識しております。 しかし、残念ながら、依然として本邦外出身者に対する不当な差別的言動がなくなってはいないように思われます。例えば、インターネット上の不当な差別的言動や選挙運動等に藉口した不当な差別的言動への対応など、取り組むべき課題はなお残されていると認識しております。
○有田芳生君 付け加えれば、漫画入りのパンフレットも作成をされていますけれども、同時に、「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスターが、法務省が作ってくださったんだけれども、実際には、予算の問題もあるんでしょうけれども、この解消法が施行される直前に岡山で行われたヘイトスピーチのデモ、拉致問題を利用していましたけれども、そこで反対する人たちが法務局に行くと、いや、もうないと、ポスターが。予算の問題だと思うんですけれども、そういったものを常時予算の範囲で更に広げていただくことをお願いしたいというふうにまず思います。 そして、具体的に伺うんですけれども、三月十二日に法務省人権擁護局調査救済課補佐官の名前で、全国の法務局、あるいは後に警察庁、総務省などに対しても事務連絡が発せられておりますけれども、この内容を端的に伝えていただけますでしょうか。あるいは、更に続けて、なぜ今年の三月十二日の段階でこういう事務連絡という言わば通達を出されたのか、その二点についてお話しください。
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。 委員御指摘の事務連絡は、選挙運動等の自由の保障は民主主義の根幹を成すものであるが、不当な差別的言動は、それが選挙運動等として行われたからといって直ちにその言動の違法性が否定されるものではないこと、ついては、選挙運動等に藉口した不当な差別的言動その他の言動により人権を侵害されたとする被害申告等があった場合には、その言動が選挙運動等として行われていることのみをもって安易に人権侵犯性を否定することなく、その内容、態様等を十分吟味して、人権侵犯性の有無を総合的かつ適切に判断の上対応するよう各法務局に対して周知したものでございます。 この事務連絡を発出した理由でございますけれども、かねてより、地方公共団体等から、選挙運動、政治活動等に藉口して不当な差別的言動等が行われる場合があるとの指摘がなされていたところでございます。また、昨年十月に開催したヘイトスピーチ対策専門部会におきまして、選挙運動としてなされたヘイトスピーチへの対応について、国としての考え方を示してほしい旨の意見が地方公共団体から出されていたところでございます。 こういった指摘や意見を踏まえ、当局としての考え方を明確にするために事務連絡を発出したものでございます。
○有田芳生君 一般的な説明をしていただきましたけれども、具体的には、これまでもそうでしたけれども、今年行われた前半、後半の統一地方選挙において、ヘイトスピーチを事とする政治団体が立候補をした。そこに属していなくても、それにシンパシーを感じる人物も選挙に立候補をして、公職選挙法に私の判断では守られながら堂々とヘイトスピーチを行うという事態、それが危惧されたと同時に、実際に行われたということなんですよね。 例えば、日本第一党という、存在そのものがヘイトスピーチ、差別に寄生しているという指摘が最高裁でも認定をされた、桜井誠という人物が責任者の団体があり、そしてまた、最高顧問にはヒトラーナチズムを支援する、支持するというような人物が今でも活動をやっている。 その日本第一党という団体を自分たちでどう判断しているかというと、例えば一つだけ紹介します。日本第一党のある人物はこうツイッターで書いております。敵の返り血を浴びることを恐れてはいけません、命をこいねがう敵に慈悲を与えてはいけません、日本第一党を国会で多数派にして、国家の敵を物理的に日本から消滅させましょう、日本第一党は戦闘的な愛国政党です。こういった自分たちで規定をしておきながら、選挙においては、例えば具体的には、選挙権のない朝鮮人は日本から出ていけというような、これまで法務省が解消法以降につくられた参考情報によっても明らかなヘイトスピーチというものがまき散らされてきた。もっとひどいものもありますけれども、時間の関係でそれぐらいにとどめておきますけれども。 擁護局長にお聞きをしたいんですが、先ほどの問題意識でもって地方選挙に臨まれたわけですけれども、じゃ、今回の地方選挙においてそういったヘイトスピーチが行われたということを、それは調査されていたんでしょうか。で、今どう総括されていますでしょうか。
○政府参考人(菊池浩君) お尋ねは、今般の統一地方選挙におけるヘイトスピーチの実態について法務省としてどのような調査、情報収集を行ったのかという御質問だと思いますけれども、一般的に申し上げまして、選挙運動等としてなされたものであるか否かを問わず、不当な差別的言動の事案については関係機関からの情報提供や市民からの相談等により把握しているところでございます。 今般の統一地方選挙における不当な差別的言動についても、これに関連する相談が市民から法務局に複数寄せられているところでございます。
○有田芳生君 それが立件に向かう可能性というのはあるんでしょうか。
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。 現時点においては何とも申し上げ難いところでございます。
○有田芳生君 いずれ結果を公表される御予定はありますか。
○政府参考人(菊池浩君) 考えたいと思います。
○有田芳生君 先ほど、法務省からのいわゆる通達が警察庁にも発せられたと思いますけれども、警察庁の方ではその法務省の対応についてどのように周知されたんでしょうか。
○政府参考人(田中勝也君) 本年三月二十八日付けで警察庁から各都道府県警察に宛てた事務連絡におきましては、不当な差別的言動に関しまして、選挙運動等として行われたものであっても、刑事事件として取り上げるべきものがあれば法と証拠に基づいて適切に対処することについて改めて確認し、徹底しているところでありますが、その内容につきましては、都道府県警察におきまして、選挙違反の取締り担当者を集めた会議の場等を通じて選挙違反取締りに当たる警察本部の各部署や各警察署に対し指示等を行い、その周知徹底を図ったものと承知をいたしております。
○有田芳生君 今の御説明の上に更にお聞きをするんですけれども、そういう説明を行った内容が現場の警備の警察官にも周知されたんでしょうか。
○政府参考人(田中勝也君) ただいま選挙違反取締りに当たる警察本部の各部署に対しというふうに申し上げましたけれども、これは警察の刑事部門に限らないわけでありまして、取締りに当たる各部門、全部門に対する指示でございます。
○有田芳生君 総務省はその通達についてどのように受け止められましたでしょうか。
○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。 御指摘の事務連絡につきましては、総務省選挙部におきましても参考として送付を受けたところでございます。しかしながら、統一地方選挙が行われている時期でございまして、選挙管理委員会が立候補者等に対してヘイトスピーチの解消に係る啓発等を行うことについては慎重に対応する必要があると考えましたところから、特段の対応はいたしておりません。
○有田芳生君 そういう御答弁をこの間三回お聞きをしておりますけれども、被害者の立場に立てば、いつまでもそういった説明、あえて言えば、表現の自由があるんだから選挙においては何を言ってもそれは選管としてもどうしようもないんだという立場から、法務省のこれまで到達した水準に少しでも近づいてほしいんですよ。 だから、この間もお願いしましたけれども、例えば候補者の説明会において、法務省がこれまで努力をされてきて作成をされた「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスターであるとか説明文であるとかパンフレットであるとか、そういったものを、政府が率先して努力しているんだから、選挙の候補者の説明会で配られてもおかしくないと思うんですよね。それが全く、表現の自由という言葉でとどまっているままなんですよ。これからもやっていきますよ、彼らは。だから、実際にお願いしたいのは、被害者の声、思い、悩み、苦しみというのを直接聞く努力をしてもらいたいんですよ。 この法務委員会で解消法が成立したその努力の中には、当時の人権擁護局長は、土曜日、日曜日、休みを使ってヘイトスピーチが行われているようなデモや集会に行って自分の目で耳で経験をして、あるいは、この法務委員会で川崎市の桜本という在日コリアンの集住地区に視察に行ったときも人権擁護局長は同席をされて、被害者のおばあちゃんたちの声を直接肌身で感じているから、こういう法律は絶対必要なんだという、そういう認識をしたんですよ。法務省はそれから三年間努力してくださっているんですよ、現場で、ヘイトスピーチ許さないという市民の闘いも含めて。だから、選管の方々はそういう実態を残念ながら御存じないんだというふうに思うんです。 先にお聞きしますけれども、八王子の選管から法務省に、選挙においてそういう候補者が出る可能性が高いということで問合せ来ませんでしたか。対応したいという思いを、八王子の選管が法務省に問合せをされた。それに対して法務省はどのように答えられましたでしょうか。
○政府参考人(菊池浩君) お答えいたします。 一部の地方公共団体から立候補者説明会で配りたいとして法務省啓発資料の提供要請があり、要請に応じて提供したことはございました。
○有田芳生君 だから、総務省も、そういう具体例があるんですよ。だから、そうやって法務省も提供されているわけですから、それが実際八王子の選管で配られたかどうかというのは確認されていないでしょうけれども、でも、そういう努力をやっていくのがこの三年間の到達点に少しでも近づくことだと思うんですよね。 ですから、これからそういう検討を内部でしていただけませんでしょうか。総務省にお尋ねします。
○政府参考人(吉川浩民君) 総務省といたしましても、いわゆるヘイトスピーチ解消法の趣旨等は重要であると認識しているところでございます。 一方で、選挙管理委員会自らが選挙を行う際に候補者に対してヘイトスピーチの解消に係る啓発活動を行うことにつきましては、候補者の政見等についての介入、干渉と判断されるおそれがある、また、選挙を行う際でなくても、時期、対応によってはそのような認識を持たれるおそれもあるところでありまして、慎重に考えざるを得ないことを御理解いただきたいと存じます。 なお、選挙に全く近接しない時期におきまして、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ、法務省が行う啓発活動の内容を一般的に周知することなどについては、選挙の結果に影響を与えるおそれや候補者の政見等についての介入、干渉に当たるおそれがないなど、選挙の自由、公正が阻害されない限り差し支えないものと考えております。
○有田芳生君 理解してくださいって、理解できないから毎回毎回質問しているんじゃないですか。被害者の立場に立ったら、ヘイトスピーチ許さないという日本政府の立場を、理念法であっても具体的に何ができるのかというのは検討してくださいよ。八王子ではそういう努力しているんですよ。ほかのところだって、困っているから法務省に問合せがあるわけですよ。ヘイトスピーチ許さないという立場で、最高裁だってもう決定を何回も出しているわけですよ。だから、そういう状況の下で新しい取組するというのが大事だというふうに思うんです。繰り返し言ってもしようがないですから、お願いをしておきます。 そして、最初に人権擁護局長が、成果の方として、各地方自治体で条例の制定の動き、あるいはガイドラインの作成などのお話がありました。 例えば、京都市、それから京都府の井手町、宇治市でもヘイトスピーチ防止のためのガイドラインが出ております。それを読むと、具体的に、法務省の参考情報に基づいて何がヘイトスピーチなのかということを、全国各地の地方自治体でガイドラインを作る努力で明らかにされているんですよね。 あるいは、狙い定められている川崎市においては、条例を今準備をしておりますけれども、ずっとこの三年間の努力の中で、罰則も入れた条例を、慎重に表現の自由との関わりを配慮しながら進めているんですよね。罰則付きの条例が今川崎ではできようとしている。そういう努力があるんですよ。 だから、そういうことに呼応して、全国各地で今でも行われているヘイトスピーチのデモ、集会に対して、一般市民がヘイトスピーチ解消法の趣旨に基づいて抗議行動、反対運動を行っている。五月十二日も川崎の駅前でありました。そのとき、私もその場で見て、ヘイトスピーチを行ってきた団体、そしてそれに反対する市民がいる。警察の警備体制は、そこに柵を置いて、トラブルがないように努力をされているというのはよく分かりました。だけど、その横には百人を超える警察官がいらっしゃる。市民から見たら、何だこの異様な状況はと思ってしまう。努力されているのは分かるんだけれども、余りにも警察官の数が多過ぎる。そこで誤解されないように努力していただきたいんです。 それで、皆さん、資料を是非見ていただきたい。ヘイトスピーチの現場です。左見てください、去年の六月三日、神戸、拉致問題などを利用したヘイトスピーチ。中に見えます。拉致怖いと言いながら他民族を排斥するようなことを言うのがこういう団体なんですよ。これ見てくださいよ、左側の写真。警察官のデモじゃないですか。そう見られてもしようがない実態というのがあるんですよね。こういうことをやはり改善していただきたい。 これは去年だけれども、東京の銀座でも新宿でも同じような光景が見られる。だから、歩いている人からすれば、外国人から見れば、ヘイトスピーチが警察官に守られて白昼堂々と行われているとしか見えないんですよ。川崎でも努力されているの分かったけれども、市民の方言っていました、何か警察官に守られてああいうことをやっているんですねと女性がおっしゃっていました。誤解を生まないような警備体制やっていただきたい。 同時に、写真の右側見てください。これ、新宿が特にひどい。ずっと三年間ひどい。ヘイトスピーチやる人たちがデモをやる、それに反対する人たちが当然出てくる。そして、反対する人たちが歩道を渡ろうとすると止められるんですよ。見てください、警察官が止めるんですよ。私もこの場にいましたけれども、止められる。特に新宿署はひどく、三十分ぐらい止めることがあった。歯医者に行きたいという人、普通の人ですよ、歯医者行けなくなる。それを警察官に言ったって通してもらえない。犬の散歩に行こうとする人も、すぐそこにある公園に散歩に行けない、止められるんですよ。 ヘイトスピーチ解消法の趣旨にのっとって警察の警備体制も努力されているのは分かる。この解消法成立の直前に岡山で拉致問題利用したデモがありました。そこでは、岡山県警、物すごくスマートな警備やっていました。ヘイトスピーチやる方、反対する方、交互に警察官が見ながら配置を取って、そして女性たちがちょっと危ないなというときには女性警官がその人たちに行く。だけど、新宿だって銀座だって、女性たちに対する注意を、がたい大きい方多いですからね、そういう人たちがやめなさいと言うと、やっぱり萎縮するんですよ。 こういうことを改善していただきたいということをちょっと警察にお願いしておきたいと思います。いかがですか。
○政府参考人(河野真君) お答えいたします。 警察におきましては、デモの警備に際しては、現場における混乱、交通の危険防止等のため必要な体制を構築し、中立性、公平性を念頭に置いて警備活動を実施しております。具体的な警備の在り方については、そのデモの状況、その時々の情勢、様々な政治的な事情などを踏まえて判断することとなります。 いずれにしましても、各都道府県警察におきましては、それぞれのデモの状況等を踏まえ、安全の確保の観点から所要の警備活動を実施するものと承知しております。
○有田芳生君 東京オリンピック・パラリンピックを目の前にして、銀座であるいは新宿で、外国人が多くいるところでこういうヘイトスピーチの行為が行われているということで、政府一丸となってこういう対策を更に取っていただきたいとお願いしまして、質問を終わります。
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。 まず最初に、前々から取り上げてまいりました秘匿特権について質問させていただきたいと、そう思います。 調べてみてきて、どこにどういうふうに問題があるのかは大体分かってまいりました。それで、まず最初に、民事と刑事における秘匿特権の根拠となる法律をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 現在、民事訴訟法におきましては様々な規定がございますが、まずその証言の関係で申しますと、弁護士は、職務上知り得た秘密については証言を拒むことができると、これ民事訴訟法の百九十七条で規定がされております。また、弁護士が職務上知り得た秘密が記載されている弁護士作成の文書につきましては、弁護士あるいは依頼者もその提出を拒むことができるとされておりますし、弁護士と依頼者との相談の結果をまとめた個人用のメモのように、専ら自己の利用に供するための文書につきましては、これは弁護士が作成したものであっても依頼者が作成したものであってもその提出を拒むことができるというように民事訴訟法で規定がされております。
○政府参考人(小山太士君) 刑事手続についてお答えします。 まず、弁護士の権利でございますが、刑事訴訟法におきまして、弁護士につきましては、依頼者とのコミュニケーションも含めて、業務上の秘密に関しまして、押収拒絶権、これは刑事訴訟法百五条、あるいは証言拒絶権、刑事訴訟法百四十九条が認められております。 また、被疑者、被告人の権利といたしましては、弁護人とのコミュニケーションも含めまして、包括的な供述拒否権、刑事訴訟法百九十八条二項、三百十一条が認められておりますほか、身柄拘束中、立会人なくして弁護人と接見をすることができる接見交通権、これは刑事訴訟法三十九条一項が認められております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 そうすると、民事と刑事においては欧米と、要するにほぼ同等だと考えてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) アメリカ等と全く同じかといいますと、それはある程度ございますけれども、一定程度で欧米と類するような保護はされているというふうに考えております。
○櫻井充君 そうすると、問題がもう一つあって、公取関連のことになるわけです。 その公取関連のことになってくる、まあカルテルとかですね、これについての秘匿特権が認められているかどうかというと、必ずしもそうではないようなんですが、この点について公正取引委員会、いかがでしょうか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 現状におきましては、他法令と同様、独占禁止法におきましても、いわゆるアメリカ、イギリスで言うような秘匿特権というのは認められていないところでございます。今回の独占禁止法の改正法案を提出しておりますが、その中で一定の制度を設けるということが今予定されているところでございます。
○櫻井充君 問題はここなんですよね。 このことが認められていないがゆえに、日本の弁護士さんは外国での裁判に関与してどういう不利益を受けているでしょうか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 不利益についての懸念というものを我々も伺っております。これは、独占禁止法に関連するものといたしましては、公正取引委員会の行政調査におきまして、事業者が弁護士との間の通信文書、これを公正取引委員会に提出した場合に、その事業者が秘密を放棄したとみなされて、米国での民事訴訟におけるディスカバリー手続の過程でその文書を開示せざるを得なくなるのではないか、そういうおそれがあるのではないか、そういう懸念があるというふうに認識しております。
○櫻井充君 いや、それは懸念ではなくて実際にそういうことが起こり得るんだと、私は日弁連の方からお伺いいたしました。 そうすると、これは日本の弁護士さんが、これから日本企業、今でも海外にどんどん進出していきますが、そういう中で日本の弁護士さんたちが海外業務をやる上においては相当な損失を被ることになるんだろうと、そう思います。それで、ここの穴を早めに埋める必要性があるかと思いますが、この点についていかがですか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 今般の独占禁止法の改正法案提出しておりますが、これに伴いまして一定の制度を設ける予定としております。この制度は、審査手続の一環といたしまして、独占禁止法七十六条に基づく規則などによりまして制度を定める予定にしております。 具体的には、七十六条一項を根拠とする公正取引委員会規則に規定するとともに、指針におきまして、対象物件の具体的な内容や対象物件の判別手続、こうしたものを明確にすることにしております。それによりまして、カルテル等の不当な取引制限の行政調査手続におきまして、それに関する法的意見について事業者と弁護士との間で秘密に行われた通信の内容を記載した文書、これに関しまして、所定の手続により一定の条件を満たすものであると確認された場合には、審査官がその文書にアクセスすることなく速やかに事業者に還付する、これによってこうした通信が実質的に保護されることになると、このように考えております。
○櫻井充君 これ、条文ですけど、雑則の中に入っている条文ですよね、七十六条というのは。要するに、その他大勢の中に入っているものだと、普通の法律の作り方から見ればそういうふうに見えるんだと思っているんです。しかも、これを根拠にして規則を作っていきますと言いますが、これを根拠にしてみても、かなり広範に書かれていて、そこの弁護士さんたちとのやり取りについてのみの言及ではないということですよ。そうすると、こういうような雑則七十六条に示されていることを根拠に規則を作っていくようなやり方をするべきでしょうか。 私はおかしいと思っているんです。法律の条文の制定や規則の制定は、根拠になるものはきちんと明確にして法律を作った上でやっていかないと、何でもこの手のもの、ちょっと読んでみれば、この条文を読めば、かなりの規則を作れるんです。極端に言えば何でも作れるかもしれないような内容になってきていて、そういうことを根拠にして規則の条文を、規則を作っていくということについては問題があると思いますが、この点についていかがですか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 御指摘の独占禁止法七十六条、これは公正取引委員会が事件の処理手続などについて規則を定めることができると規定しているものでございます。私が先ほど申し上げました制度、これは審査手続の一環として整備するものでありますので、この規則によって整備することは可能であるというふうに考えております。これによりまして、事業者と弁護士との間で秘密に行われた通信の内容、法的意見についての通信の内容が実質的に保護されることになるというふうに考えております。
○櫻井充君 例えば、アメリカの裁判所なら裁判所というのは、日本の規則まで全部読んで判断するんでしょうか。それとも、法律の条文を読んで判断するんでしょうか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 このディスカバリーに対する懸念につきましては、様々な御意見があるかと思います。アメリカでの民事訴訟手続ということでございますので、アメリカの法律に基づいてアメリカの裁判官が判断するということでございますけれども、現状におきましても、米国での民事訴訟におけるディスカバリー手続の実務で、我が国の弁護士と依頼者との間の通信に含まれる秘密、これが米国弁護士の通信と同様に今保護されている例もあると承知しておりますし、また、本制度が整備されますと、その効果としまして、アメリカの民事訴訟におきまして事業者は、文書の秘密性、これは保持されているということを主張しやすくなります。 したがいまして、こういう制度が整備されますとディスカバリー対策として一定の効果を持つと考えておりまして、日本の事業者が日本人弁護士に相談することをちゅうちょする、こういう懸念は解消されるのではないかと考えております。
○櫻井充君 済みませんが、こういうときっていい例だけ挙げるんですよ。どの役所の方もそうです。こういう効果があるんですとか、こういうふうに、例えば今のようなことで守られているというふうに、例もありますと。 守られていない例があるからこうやって聞いているんですよ。どうして自分の都合のいいことだけそうやって答弁されるんですか。現実は違いますよ。だから日弁連が言っているんじゃないですか。日弁連の言い分はおかしいということですか、じゃ。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 今般の独占禁止法改正法案の提出に至る過程で、このいわゆる秘匿特権的な扱いについても日弁連ともいろいろ意見交換をしてまいりました。本法案の提出におきましては、我々の認識しているところでは、日本弁護士連合会としては、いわゆる一歩、最初の一歩として評価するというふうに評価していただいているものと考えております。
○櫻井充君 私はそういうことを申し上げておりません。あなたの答弁がおかしいと言っているんですよ。訂正してくださいよ。必ず実態でいい方だけしか言わないんですよ。問題点のあることは言わないんですよ、役所というのは。これまでそういう問題点があったから規則だって作るんでしょう。そこをまず認めてくださいよ。
○政府参考人(菅久修一君) 今回こういう制度を設けますのは、あっ、お答え申し上げます、設けますのは、今般の独占禁止法改正案によりまして新たな課徴金減免制度を導入するわけでございますが、これは事業者の調査協力の度合いに応じて、調査協力の度合いに応じてその減免率が変わるという制度を設けるわけでございますけれども、そうすると、外部の弁護士に相談するニーズが、外部の弁護士に相談するニーズが高まるということから、そのニーズに対応するものとして、審査手続の一環として整備するものでございます。その効果として、米国のディスカバリー手続についても効果があると考えております。
○櫻井充君 もう一回だけ言いますけど、私はそんなこと聞いていませんよ。これの効果なんて聞いてないんだよ。あなたは守られることがあると言ったから、守られてない例もあるんでしょうと聞いているんだよ。それについて答えてないだろう。ちゃんと答えてくださいよ。いいことだけしか言わないのが役所だよ。自分たちがやっていることは間違っていないということを言いたいのかもしれないけど、実態の把握はそうじゃないでしょう。このことについてちゃんと答弁してくださいよ。守られていない例もあるからこうやって規則変えなきゃいけないんじゃないの、規則を作らなきゃいけないんじゃないの。そのことをちゃんと明確にしてくださいよ。
○政府参考人(菅久修一君) この秘匿特権的な扱いについては、独占禁止法改正法案を検討する過程で研究会など様々な場で検討されてまいりましたが、その中で、いわゆる具体的な不利益、これによる具体的な不利益というのはなかなか見出し難いという意見もかなりあったところでございまして、そういう点も踏まえて、今回このような制度を整備することになったものでございます。
○櫻井充君 具体的な不利益は、ちゃんと全部調べた上でそうなっているんですか。守られていることはちゃんと例として挙げますよね、守られていると。守られていないことについてはちゃんとじゃ調査されたんですか。専門委員から言われたからこうですという話であって、御自身たちできちんと調べてこういうことを言っているんですか。 日弁連は不利益を被っている例があると言っているんですよ。これは、法務省とやり取りした際にも、その法務省の人たちはちゃんと聞いてくれています。その上で、民事と刑事ではちゃんと法律ができ上がって、そこは大丈夫なんだけどということもおっしゃっているんですよ。 そのぐらいどうして認められないんですか。その実態の穴を埋めるためにこういうふうに変えているんですと、なぜそういうふうに言えないんですか。私、おかしいと思いますよ。違いますか。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 独占禁止法のこの改正に当たりましては、一年超に及びまして検討会を行い、この秘匿特権に関する問題についても明示的に取り上げて議論をしてまいりました。 その中でも、そういう懸念というものが表明されたわけでございますが、具体的な不利益というのがなかなか見出し難いということもあり、かつ法体系全体への影響ということも考え、今般、独占禁止法の固有の事情に鑑みて、規則に基づいて制度を整備するということで考えたところでございます。
○櫻井充君 まあいいですよ。 じゃ、そうすると、改めてお伺いしますが、不利益になった事例はないということでよろしいんですね。
○委員長(横山信一君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(菅久修一君) これまでの検討の過程で明示的にそうしたものが示されたことはなかったものと認識しております。
○櫻井充君 それは役所の見解でよろしいですか。 要するに、そういうことで議論している場であって、現実に本当に起こっていないということで、役所はそれでいいんですね。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 様々な意見ございまして、そういう懸念ということはかなり、表明する意見はあったわけでございますが、検討会、研究会におきましても具体的な不利益が明示的に示されたということはなく、その上で検討してきたということでございます。
○櫻井充君 だらだら言わないで簡潔に答えてくださいよ。ないということでいいんですね、役所の認識としては。
○委員長(横山信一君) 答弁は簡潔に行うよう願います。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 これまでのところ、見出し得てはいないということでございます。(発言する者あり)
○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。 菅久局長、簡潔かつ明瞭に答弁をお願いします。
○政府参考人(菅久修一君) お答え申し上げます。 公正取引委員会としては、これまでのところ具体的には認識しておりませんけれども、今後この制度を具体化していく過程で、関係者とも十分話し合いながら作っていくことになります。その過程では、委員御指摘のことも念頭にしっかりとしたものを作っていきたいというふうに考えております。
○櫻井充君 野党の理事の方に調整していただいたことについて感謝申し上げたいと、そう思います。あっ、与党の。ごめんなさい、済みません。 その上で、ちょっと、ここで別に今までのことについて何か不作為だと責めるつもりはないんですよ。要するに、実態上問題点があるんでしょうと、問題点があるから、そこを変えていかなきゃいけないから、建設的にやっていきましょうと言っているだけの話ですよ。問題点がないんだったら別に制度を変える必要性はないはずなんですよ。それを、自分たちがやってきたことについてやれていないと言うと不作為を認めることになるのかもしれません。別にいいじゃないですか、それで。 だからこそ、こうやって制度を変えていくんですという話をすればそれで済む話なのに、こうやってどうでもいいような答弁をずっと、ちょっといいですか、どうでもいいような答弁をだらだらだらだら繰り返されて、たった十五分の質問時間しかないものがこれで終わるんですよ。ほかにも人質司法の問題とか新しい問題についてやろうと思っていたけど、全くできなくなっているんです。いいですか。この委員会を相当無駄にしたのはあなたの答弁ですよ。 国会ってどういうところですか。問題点があったら、それを議論する場でしょう。議論するときにちゃんとした実態を踏まえた上でやってくださいよ。自分たちの都合のいいようにいいようにということではなくて、国益がどうなのかと。これ、弁護士会からそういうふうに言われているんだから、一歩だと、完全に良くなったとは言っていないでしょう、日弁連だって。それなのに、さも良くなったかのように、これで問題が全て解決したかのように言うのもやめた方がいいと、私はそう思います。 いずれにしても、これは日本の国益に懸かっていることなので、きちんと法整備をしていただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。 今日は、刑事施設における自弁品の価格設定についてお伺いをしたいと思っております。自弁品というのは、刑務所で自費で購入するそういう物品のことで、支給されるものと自分で購入するものがあります。 受刑者が使用する日用品、衣類等につきましては、当然支給されるものもたくさんありますけれども、それぞれ、例えば肌着であればこれだけ、歯磨きであればこれだけというような形で数とか支給頻度などが全て定められております。例えば衣類につきましては、ほかの被収容者が使ったものが支給されることになるので、作業報奨金がある受刑者は御自分で例えば肌着などを買うことが多いとか、そのような形で自弁品、食料品とかだけではなく、いろんな形で買うものがあります。 この受刑者が自弁品を買うには、所長、刑務所長が定める品目について、所長が指定した販売業者からしか購入することができないというのが現状の制度であります。この売る、販売業者ですけれども、以前はほぼ全ての刑事施設において財団法人矯正協会、刑務官を会員とする組織ですけれども、この矯正協会が売っていたんですけれども、これが民間業者に変更されるようになっております。 この自弁品販売業者が、まず矯正協会から民間業者に変更された理由についてお伺いできますでしょうか。
○政府参考人(名執雅子君) 刑事施設は全国にあり、過疎地にある場合も少なくないために、多品種小ロットの物品を統一的、安定的に供給することに困難が認められることから、刑事施設の物品販売事業につきましては、従来、財団法人矯正協会が担っておりましたところ、平成二十二年五月の内閣府行政刷新会議における事業仕分におきまして、現職の刑務官が中心となって会費を出し合っている公益法人に当該事業を担わせる仕組みを改めるべきとの指摘を受けまして、指定事業者の変更を行うものとなったものでございます。 そのため、一つの事業者が全国一括で事業を展開することによるスケールメリットなどを考慮しまして、法務省の矯正局におきまして事業者を公募することとし、その結果、二十三年五月から民間事業者が物品販売事業を行うこととなったものでございます。
○伊藤孝江君 この自弁品の販売業者に関しまして、その設定する価格が高過ぎるのではないか、また品質についてということで、先般、大阪弁護士会の方から大阪刑務所長におきまして、自弁品の品質と価格帯が受刑者の生活実態に合ったものとなるように販売業者と協議をして改善するようにという勧告書が大阪刑務所長についてなされているというふうに承知をしております。 この人権救済申立て事件の元々の申立て自体は、その受刑者の方がちり紙を支給されている以上に必要となると。周期的に口の中から血が出てしまうということで、それを拭いたりというようなこともあり、支給されるものだけでは足りないので、ちり紙を自弁品で購入をされていると。ただ、そのちり紙の値段が、二〇一一年に百五十円、二〇一六年に五百九十四円ということで、枚数自体が二〇一一年がちょっと不明なので正確ではないんですけれども、もし同じ枚数が支給されているのであれば約四倍の値段になっていると。枚数が仮に想定している分の半分ぐらいであったとしても二倍ぐらいにはどうしてもなってしまうと。また、市場価格と比べても約四倍を超える価格になっているということも指摘をされております。また、それよりも更に、現在、令和のこの今の時点においては更にもう少し金額が上がっていると。肌着も二倍以上に上がっていて、更に市場価格よりも高いということが指摘をされております。 この民間業者への販売委託に伴って、日用品、衣類などの使用頻度及び生活における重要度が高いと思われる自弁品について価格が上昇している理由について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(名執雅子君) 平成二十三年度に物品販売事業者を公募により選定しまして、民間事業者に変更した後、価格が上昇した自弁物品があることは事実でございます。 ただ、取扱物品の品名は同じでありましても、メーカーや仕様が変更になったものがある上、この事業者の変更後に自弁物品の価格が一律に上がったわけではありませんで、中には逆に価格が下がったものもありますので、物品ごとに個別の理由があると思われ、一概に理由を説明することは難しいのでございますけれども、全般的に申し上げますと、刑事施設の物品販売事業については、取扱物品に制限があることや、多品種小ロットのため採算ベースに乗りづらいなどの理由がある上、製造元における納品価格、定価の上昇、物流コストの高騰といった状況の変化が影響しているものと承知しております。
○伊藤孝江君 この自弁品のそもそもの価格設定は誰がどのように行っているんでしょうか。
○政府参考人(名執雅子君) 自弁物品の価格については矯正局としても可能な限り低廉なものとなるよう努めていくという、そういう必要があると認識をしておりまして、これは矯正局と事業者との間で協議をして決めているものでございます。
○伊藤孝江君 その販売している業者だけではなくて、矯正局と協議の上で価格を決めるということで今御説明いただきましたけれども、この自弁品の価格を決めるに当たって刑事施設において支給されている作業報奨金の額を考慮しなくていいかということについてお伺いしたいんですけれども、例えば大阪刑務所の場合、作業報奨金の月額平均をお聞きさせていただいたところ、今年の三月時点では三千四百六十三円と。この作業報奨金は、当然、出所後には社会復帰の足掛かりともなる、そういう財産でもありますので、なるべくであれば、残すことができるのであれば残しておきたいという面もありますでしょうし、決して多くはない額の中で、例えば肌着を千円、二千円という形で使ってしまうというのは大変厳しいものがあると。 この作業報奨金の額を自弁品の価格を決めるに当たって考慮する必要がないのかという点についてお伺いいたします。
○政府参考人(名執雅子君) 御指摘の作業報奨金につきましては、刑務作業に従事した受刑者に対して原則として釈放のときに給付する金銭でございます。その意義は、主として受刑者の勤労意欲を高めて改善更生の意欲を喚起し、所持金を持たせて釈放したいということにありまして、円滑な社会復帰の一助としたいということで、必ずしも日用品等を購入するためだけの金銭ではないということでございます。また、刑事施設におきましては、収容中に必要な日用品については刑事施設の方から原則支給するということになっておりますので、必ずしも受刑者が自ら購入しなければならないというものばかりではございません。 したがいまして、物品販売事業者と矯正局との協議により、自弁物品の価格を決定するに際しまして、作業報奨金の額を考慮する必要性というものは必ずしも高くはないのではないかと認識しているところです。
○伊藤孝江君 ただ、受刑者にとっては、被収容者にとってはその作業報奨金というのが唯一の収入という場合も当然多くありますよね。もちろん、面会に来られる方、あるいはその親族などから差し入れという形で現金が入る方、また物品がもしかしたら入るというような形の方もいらっしゃるかも分かりませんけれども、収入がこの作業報奨金のみという方も当然たくさんいらっしゃると。 その中で、面会も数限られる中で、切手やはがきやとかというようなものも定期的にというか、買っておきたいというような方もたくさんいらっしゃる中で、作業報奨金の額しか使うことができない人がいると、しかもそういう方が決して少なくはないというようなことは踏まえて決めていかなければいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(名執雅子君) 受刑者も様々な経済的基盤を持っている人がおりますけれども、大変低い収入あるいは低い所持金しかない者もいるということは考慮してこの価格については決めなければいけないと認識しております。
○伊藤孝江君 この自弁品の価格設定について、先ほど矯正局の方が販売業者と協議をするということでしたけれども、当該施設、例えば大阪刑務所であれば刑務所長において課せられている義務あるいは与えられている権限というのは、価格設定に関してあるんでしょうか。
○政府参考人(名執雅子君) 物品販売事業者が販売します自弁物品の価格につきましては、事業者と法務省の矯正局との協議により価格を決定しております。刑事施設の長は、その自分の庁で取り扱う品目を検討して採用するということはしておりますけれども、この統一物品の価格決定には刑事施設の長は関与しておりません。
○伊藤孝江君 ただ、平成十九年五月三十日付けの被収容者に係る物品の貸与、支給及び自弁に関する訓令の運用についてという通達の中で、この販売業者を、事業者を指定した場合に協定書を取り交わさなければならないということで、また、この協定書の中には、物品の販売又は取扱いを行うに当たり、刑事施設の管理運営に関わる事項については、刑務所長の指示に従うこと、価格の変更を行う場合には、事前にその旨を刑事施設の長に連絡し、協議を行うことというふうにも掲げられておりますし、刑事施設の長が一定程度の関与をするということを当然の前提として規定されているんだと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(名執雅子君) 事業者との協定書におきまして、今引用していただきましたような取決めを行っているのは、例えば物品納入の方法など、あらかじめ事業者と刑事施設の長が協議すべきようなこと、これは施設の管理運営に必要な事項を指しておりまして、この自弁物品の価格自体につきましては、事業者と矯正局との協議においてこの価格を決定しているところでございます。
○伊藤孝江君 刑事施設の長が具体的な権限という形で関与をすることはなくても、その分を矯正局が全国統一という形で関与している、矯正局において責任を持って価格を決めているということでよろしいんですね。
○政府参考人(名執雅子君) そのとおりでございます。
○伊藤孝江君 実際にその受刑者が購入できるもの自体を、ものも限り、またどこから買うかということも制限をしてというのは前提として先ほどお話もしたところですけれども、それを考えた場合に、国の側で受刑者が生活を送ることができるようにというところでは、購入できる物品の品質及び価格帯が標準的な品質で、また市場価格からは乖離しないもの、乖離しない価格、こういうものを提供する義務が国側にはあると、それを決めるのが矯正局に義務があるんだというふうに考えますけれども、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(名執雅子君) 委員御指摘のとおりでございます。 また、自弁物品の価格については、矯正局としましても可能な限り低廉なものとなるよう努めていく必要があると認識しております。 このため、物品の価格の決定に際しましては、矯正局がその事業者との協議を行うに当たりまして、定価やメーカー希望小売価格のような基準が設定されているときにはそれを超える金額にならないように、また、このような基準が設定されていないときは同一品又は類似品の市場価格から大きく乖離した金額とならないように、また、同じ品目であっても選択できる種類を増やして価格帯に幅を持たせるようにするなど、いろいろな工夫をしながら協議をしてまいりたいと思っておりますし、そのように努めてまいりたいと思っております。
○伊藤孝江君 今後も、当然この自弁品の価格設定という問題というのか、業務自体はずっと続いていく部分だと思いますので、今御説明いただいたような考えの下にしっかりと進めていっていただきたいというふうに思っております。 最後に大臣にお伺いをいたします。 今回、この問題に関連をしまして、先ほど御説明をしました大阪弁護士会が発出をした勧告書に関しての受け止めがいかがなものかという点が一つと、また、作業報奨金、実際の収入に見合わない価格設定をしてしまえば、それによって受刑者が生活必需品を購入する権利が不合理に制限されてしまうおそれがあると。この点についてはもう人権侵害であるというふうに私自身は考えますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) まず、価格については物品販売事業者と矯正局との協議により決定しておりまして、可能な限り低廉となるよう努めているというところでございますし、定価やメーカー希望小売価格のような基準が設定されているときにはそれを超える価格とならないようにしているというところでございます。 また、作業報奨金の趣旨については、受刑者の勤労意欲を高めることにより改善更生の意欲を喚起し、所持金を持たせて釈放することにより円滑な社会復帰の一助とすることにありまして、必ずしも収容中の日用品等の購入を自弁するためということとはリンクしていないというところはございまして、人権侵害とまでは言い難いのではないかと考えております。 ただ、この大阪弁護士会からの勧告につきまして、その品質及び価格帯が受刑者の生活実態に適合したものになるように販売業者と協議して改善することを勧告するという趣旨については、これは真摯に受け止めまして、受刑者が購入できる物品の価格については今後も一般社会における実情も踏まえながら適切に対処をしてまいりたいと考えております。
○伊藤孝江君 作業報奨金でしか自弁品を購入できないということは、それで買えなければ生活を進めていくことができないということにもなりかねませんので、その点も踏まえてしっかりと御対応いただきたいと思います。 以上で終わります。
○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。 昨日の決算委員会で、私、外国人の土地取引のことについて質問したんですけれども、法務省への質問もそろえていたんですが、時間切れになってしまいまして聞けなかったので、再度、今日、法務委員会でお聞きしたいと思います。 この外国の方の土地取引についてですけれども、民法上、契約の自由が認められておりますわけですが、外国の方も自由に土地の取引というのはできるということになっているのでしょうか。法務省の方にもう一回確認をさせてください。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 民法上は、当事者は、「法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。」とされておりまして、現在の法律には明文の規定はございませんが、来年四月に施行されますいわゆる債権法改正後の民法五百二十一条第一項はこれを明文化しております。お尋ねの外国人につきましてもこの原則は妥当するものと考えられております。また、民法の三条二項でございますが、「外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。」と規定されております。 このようなことから、民法上、外国人は原則として日本人と同様に自由に契約の締結等をすることができるものとされますので、土地の売買契約も民法上は同様に自由ということでございます。
○石井苗子君 規制する場合というのはあるんでしょうか。規制することというのはございますか。もう一回お答えください。
○政府参考人(小野瀬厚君) 一般論として申し上げますと、法律によって外国人の権利を制限しようとする場合には、権利の制限目的が正当であるか、制限手段が必要かつ合理的と言えるか否かの観点からその可否が検討されることになるというふうに考えられます。 ですから、例えば安全保障の観点など、特定の行政目的に基づいて、その目的達成に必要な範囲で外国人の土地取得を規制する立法をすることはあり得るというふうに考えられるところでございます。
○石井苗子君 ありがとうございます。 安保ということで、規制する目的が正当で、その手段が必要かつ合理的な場合には規制できるというように理解しました。 国会でこれ度々取り上げられていることなんですが、現在、法務省が管轄となっておりますこれは法律なんですが、大正十四年、古い法律でございます、ここにあります外国人土地法というものの中の四条で、国防上必要なる地区においては勅令をもって外国人又は外国法人の土地に関する権利の取得につき禁止又は条件付又は制限付きとすることができるとされております。 この法律に基づいて外国の方との土地取引を制限することは現在有効とされていますでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 御指摘の外国人土地法でございますけれども、今御指摘ありましたように、大正十四年に大日本帝国憲法の下で制定された法律でございまして、一定の場合に、政令を定めることによって外国人や外国法人による土地に関する権利の取得を制限することができると規定しております。 ただ、この外国人土地法でございますが、制限の対象となる権利ですとかあるいは制限の態様等について政令に包括的、白紙的に委任しておりまして、この点で現在の憲法上問題が生ずる可能性がございます。 したがいまして、現行の憲法下において、この法律に基づいて外国人による土地取得を制限することは困難であるというふうに考えております。
○石井苗子君 事実上この法律の適用は無理だというふうに理解しますと、昨日の決算の委員会でも質問したんですが、安全保障上の観点から外国の方の土地取引を規制することにつきまして防衛大臣にも質問したんですけれども、例えば、法務省としては安全保障などの一定の行政目的から土地取引を規制するような法改正や立法を検討することというのはできないんでしょうかと。 やはり、今防衛省が調査をしているのは、防衛施設の敷地の境界線に隣接している、つまり、そこにべったりくっついている土地のみの調査をしているんですね。ですから、そのすぐ近くにあって、そこに大きな高いマンションが建てて、その土地を買ってそこに建てて、その防衛施設の中が全部見れるというようなことがあっても調査の対象にはならないというお答えがあったんですけれども、一般的な国民の気持ちからしますと、もう少し何か調査してくれないのかな、せめて土地を買い占めた目的ぐらい聞いてくれないのかなと思うんですけれども。 質問は、法制の、法の改正や立法を検討することできないんでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、特定の行政目的に基づいて、その目的達成に必要な範囲で外国人の土地取得を規制する立法をすることはあり得ると考えておりますが、これはその目的と態様に応じて、それぞれの所管行政事務を担っている各省庁において検討されるべき問題であると考えております。 もちろん、その検討の際には、法務省といたしましては、民事基本法制を所管する立場から、各所管省庁との協議に誠実に対応してまいりたいというふうに考えております。
○石井苗子君 つまり、法務省としては、その協議の要請があれば検討していただけるということでございますので、これまで防衛省など他の、防衛省に限らず他の省庁から協議の要請というのは過去にございましたでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) 具体的な協議のお話はございません。
○石井苗子君 これまではなかったということで確認させていただきました。 この件に関しましては、法務大臣にもお伺いしたいんですけれども、非常に法律的には難しいところがございます。一般的な人間が読んでいてもどちらが協議を先に出すのかなというようなことがあるんですが、入管法のときも、御質問したときに、大臣の御答弁で、法務省としては、外国の方の入国や在留の適正化を図る法律であって、その所管が法務省であると、なので、労働力の不足を補うという、それを対応するということでやっているのではないとはっきり区別しておっしゃったんですね。労働不足だからこういうことをやっているというような考え方ではないということを確認させていただいたんですが、今回も、法務省が所管している法律が、実際に、大正十四年ということで、戦前のことなので戦後は使われていないと。しかし、戦後もずっと存在はしているわけです。あるんですね、法律は。ずっと存在しているというその状況の中で、他省庁の方から法務省の所管する法律には口を挟むのははばかれるんだというような雰囲気があったんです、いろいろとレクを受けますと。 この矛盾があって、何とか安全保障という意味においてはどちらかがかじ取りをして国民の財産なり国土なりを守っていただきたいと、このように思うんですけれども、外国の方の土地法を、外国人土地法という法律があるんですが、これを改正しようとなった場合は、法を所管する法務省は一定の行政目的のための法整備、規制を検討できないのでしょうか。できないのであれば、法務省が防衛省に法改正の協議を持ちかけるのでしょうか。ちょっと教えていただきたいんですが、大臣、お願いいたします。
○国務大臣(山下貴司君) まず、外国人土地法におきましては、これは局長からも答弁させていただいたとおり、制限の対象となる権利や制限の対応について勅令に包括的、白紙的に委任しておるということで、これを仮に勅令を政令と読み替えるとしても、この包括性や白紙性から憲法上の問題が生じるような状況にございます。ですので、この外国人土地法を土台にして改正をということについてはなかなか慎重に考えなければならないと、困難ではないかと考えております。 ただ、他方で、これは局長も答えましたとおり、特定の行政目的に基づいて一定の範囲内で土地取得を規制する立法をすることはあり得るということでございますが、それは、特定の行政目的とは何なのか、どのような政策目的実現のために規制するのかといった点を含めて、それはその所管の行政事務を担っている各省庁においてまず検討していただくということになろうかと思っております。 昨年の臨時国会には御党の議員から法律案が提出されたものと承知しておりまして、法務省としては、国会における御議論の状況も注視しながら、民事基本法制を所管する立場から、必要に応じて、各所管省庁からその所管する特定の行政目的に基づいて何らかの規制をということであれば、これは協議に誠実に対応してまいりたいと考えております。
○石井苗子君 維新だけじゃなくて他党からも出ているので、この点につきましては今後も行動を起こしていこうと思っております。 どうもありがとうございました。質問を終わります。
○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之です。 本日は、まず福島への風評の払拭に関して質問いたします。 先週、全国新酒鑑評会で福島の日本酒が二十二点が金賞に選ばれて、金賞受賞数七年連続日本一となりました。福島県の地方紙各社は号外を出して、県民として非常にうれしく、多くの人々が喜び、またとても誇らしくも思っております。この結果は、もちろん福島の蔵元の方々の努力があってこそですが、それを応援してくれた県内外の皆様のおかげでもあります。また、福島県が積極的なPRを行ってきた成果でもあると思っております。 ただ、福島県のPRに関しては、残念ながら悪質な中傷がなされたことがありました。福島県が東北電力福島第一原発事故の風評払拭のため昨年九月に公開した日本酒のPR動画に対しては、放射性物質が含まれているなど根拠のない中傷コメントが書き込まれ、県が全コメントを削除する事態となりました。 福島の酒はおいしい水や米だけでできているのではなく、情け、情が込められております。放射性物質が含まれていることなど断じてございません。風評を助長する、放射性物質が含まれているなどといった根拠のない悪質な中傷コメントは決して許すことはできません。 一般論としてお伺いします。業務を妨害するような根拠のない中傷には偽計業務妨害罪が成立するという理解でよろしいのでしょうか。
○政府参考人(小山太士君) お答えいたします。 犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断される事柄でございますが、あくまで一般論として申し上げますれば、偽計業務妨害罪、こちらは、虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いてその業務を妨害した場合に成立し得るものと承知をしております。
○山口和之君 他人の信用を毀損したり業務を妨害するような根拠のない悪質な中傷コメントは絶対に許してはいけません。是非、そのようなことがなされた場合には、刑罰法令の適正かつ迅速な適用実現をお願いしたいと思います。 福島第一原発事故の風評は、福島県や県内企業への業務妨害に該当するようなものだけでなく、個々人への人権侵犯に該当するものもあり、法務省としても根絶の取組を行うべきと思います。 福島第一原発事故の風評根絶に向けた山下大臣の意気込みをお聞かせ願います。
○国務大臣(山下貴司君) 東日本大震災における原発事故に関連して根拠のない中傷等による風評が今でも続いていることは、誠に遺憾であると考えております。 委員御指摘のとおり、風評による人権侵害等も発生していることを承知しております。いわれのない風評を根絶するためには、国民一人一人が被災地の方々の気持ちに寄り添い、偏見や差別がなくなるよう様々な取組を進めることが肝要であると考えております。 私も個人的に、国会の売店で売っております清酒「衆議院」、「参議院」、これは福島県産のおいしい清酒が基になっておりまして、これを各国の大使にもお勧めさせていただいて、風評被害、個人的には努めておるところでございますが、それを超えて、法務大臣として、例えば法務省の人権擁護機関では、東日本大震災に起因する偏見や差別をなくそうというのを強調事項として掲げておりまして、震災をテーマとするシンポジウムの開催や人権教室の開催など様々な啓発活動を実施しているところでございます。また、被災地等に特設の人権相談所を設けるなどして人権相談に応じているほか、震災に起因する人権侵犯の疑いのある事案を認知した場合には、人権侵犯事案として立件し、事案に応じた適切な措置を講ずるなどしておるところでございます。 法務省としては、粘り強い人権啓発及び調査救済活動を実施するなど、引き続き風評の根絶に向けた活動にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○山口和之君 どうもありがとうございます。個人的にも応援していただいていること、本当に感謝いたします。是非よろしくお願いいたします。 次に、法人処罰について質問いたします。 現在の日本の法律では、法人の活動によって人が死亡するような重大な事件、事故が発生した場合でも、法人が処罰されることはありません。そのような場合、法人の機関である取締役等について処罰できるかが検討されることになりますが、法人の機関が処罰されるのみで法人自体は何ら刑事上の責任を取らないというのでは、社会的実態を反映した結果とは言えません。 法人としての過失等を観念して、法人処罰に向けた法改正を検討すべきと考えますが、山下大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 法人を構成する個人を離れて法人自体の過失による刑事責任を問える制度を導入することについては、法人の刑事責任の在り方全体について検討する中で様々な検討を行う必要があると思います。 例えば、法人に刑法上、自然人について考えられている犯罪能力と同視すべき能力あるいは意思などがあると言えるのかどうか。そして、役職員の個人の過失とは異なる別個のものとして、法人自体の過失というものの内容をどのように考えるか。あるいは、代表等の個人の過失が問えないときに法人自体を処罰することについて、刑法の責任主義との関係で問題が生じないかというふうな諸点がございます。 こういった問題については、理論面及び実務面において様々な課題があることを踏まえて、慎重に検討していくことが必要であると考えております。
○山口和之君 法人の持つ影響力はますます大きくなっています。国民、国家、社会の法益を守るためには、法人による犯罪というものを観念し、法人も処罰されるというルールをつくって、強力な抑止力を働かせる必要があると思います。是非、前向きな検討をよろしくお願いいたします。 次に、企業の顧問、相談役について質問いたします。 企業の旧経営トップがその企業の顧問や相談役に就くケースがありますが、会社法上、このような顧問や相談役というのはどういった位置付けになるのでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、代表取締役等であった者が顧問や相談役といった役職に就任している企業があることは承知しております。この顧問や相談役の位置付け等は各社によって多様でございますが、会社法上、顧問や相談役自体は会社の機関ではございませんで、その職務あるいは責任に関する規律も設けられてはおりません。
○山口和之君 では、顧問や相談役のように、会社法において企業の機関として想定されていない者が経営判断に対して影響力を持つことに対して、山下大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 顧問、相談役といっても各社によってその位置付けや役割は多様でありまして、一概にその良しあしを判断することはできないと考えられますが、他方で、会社法上、株式会社において経営判断等の業務執行を決定する権限を有するのは取締役又は取締役会でございます。したがって、会社法の機関でない顧問や相談役が実質的な影響力を持って、実質的に経営判断等の業務執行の決定をする権限を行使するとすれば、これは会社法上も問題があり得ると認識しております。 こうした問題点等を踏まえ、上場会社については、退任した社長、あるいはいわゆるCEOが相談役、顧問等に就任した場合には、その氏名、役職、地位、業務内容等がコーポレートガバナンスに関する報告書の自主的な開示事項とされていると承知しております。 顧問、相談役をめぐる問題につきましては、法務省としては、現在、このような取組による効果等を注視しているところでございますが、こうした効果等を踏まえながら、関係省庁とも連携して必要な検討をしてまいりたいと考えております。
○山口和之君 顧問や相談役の制度は、コーポレートガバナンスを骨抜きにしかねません。企業の経営トップは、退任した場合、同じ企業の顧問や相談役になるのではなく、違う企業の社外取締役に就任して活躍していただくのが本筋だと思います。コーポレートガバナンス強化の観点から、会社法上、顧問、相談役について何らかの対処ができないか、是非検討願います。 以上で終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 五月十四日、その前は四月の二十三日に、原発構内での特定技能一の作業についてお尋ねをしましたが、東電福島第一原発事故の収束、そして除染も含めて、三たびお尋ねをしたいと思います。 前回、経産省の製造三分野について、原子炉内部に留置されている汚染物質の除去などの作業に特定技能外国人を従事させることは想定をしておりませんと答弁をする一方で、原発構内におきましては様々な作業があり得ますので、特定技能外国人が原発構内で従事することの可否については一概に申し上げられない、個々の事案については出入国在留管理庁が個別に審査することになると経産省は答弁をされました。 そこで、長官にお尋ねをしたいと思いますが、この原発事故の収束それから除染、こういった作業での受入れの可否、その作業に必要な専門用語も含む日本語能力の基準や、それを確認する手法というのを、これ法務省は持っているんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 入管関係法令におきまして、今御下問の原子力発電所における業務に関する特段の基準というものは設けておりません。 その上で、どのように判断するのかというお問いですので、申請に係る活動内容が特定産業分野に該当すること、それから受け入れる外国人が求められる技能水準、日本語水準を満たしていることなどについて、関係法令及び分野別運用方針等に照らして個別に判断をいたします。
○仁比聡平君 原発構内あるいは放射線管理区域内などの、そうした環境下での作業の基準、受入れの基準や日本語能力の基準というのは法務省は持っていないわけです。 元々、この特定技能一の制度の組立てというのは、そうした作業について十四分野に限定をし、その十四分野をそれぞれ所管する省庁、ここが必要な能力を試験などをしてこれ確認をしていくと、そういう組立てのはずであって、そういう基準もないのに個別に入管が審査する、これはとんでもない話なんではないですか。 経産省に先に確認しますが、今申し上げているような基準あるいは確認の手法というのは経産省は定めているんですか。
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。 製造三分野において特定技能外国人を受け入れる際には、一般的に国際交流基金日本語基礎テストの合格又は日本語能力試験でN4以上の水準を求めております。 しかしながら、福島第一原発での就労に当たって、放射線に関する知識や作業指示の理解等に必要な日本語能力について定めた特段の基準は設けられていないと承知をしております。
○仁比聡平君 定めていないわけです。 その下で、東京電力が三月二十八日に協力企業に対する説明を行ったということは前回政府参考人が答弁をされたわけですけれども、そこでの東電の説明なんですが、朝日新聞によると、日本語能力の確認は元請や雇用企業に求めているというふうに報じられているんですね。 これ、制度そのものを歪曲する極めて無責任なやり方じゃありませんか。基準は分野別運用方針で定められなきゃいけない、そこに定められていないものはこれは受け入れないというのが基本的な政府の説明だったでしょう。これ、東電がこうした説明をしている、これは制度を歪曲するものだとは経産省は考えないんですか。
○政府参考人(新川達也君) 三月二十八日に東京電力が関係事業者に周知を行った際に、必要な日本語能力について、東京電力は事業者に対し、放射線量の正確な理解、班長や同僚作業員等からの作業安全指示等の理解が可能な日本語能力が必要と考えられることを周知し、法務省や特定分野の所管省庁等により示される方針に基づいて対応していくことを求めたと承知をしております。
○仁比聡平君 おかしいじゃないですか。省庁が、関係機関が求める基準というのがないのに、それに基づいて外国人を受け入れると、これあり得ないでしょう。基準がないものを従えといって周知したって何の意味もない。それはつまり、受入れ制度そのものを歪曲しているということじゃありませんか。経産省、いかがですか。
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。 この段階におきまして、現時点においてもそうでございますけれども、福島第一原子力発電所で受け入れるに当たっての日本語能力の基準がないという状況の中で、東京電力は、今申し上げたことの周知、それから対応を、今後の方針に基づいて対応していくことを求めたということと承知をしております。
○仁比聡平君 何を言っているのか全然分からないでしょう。これ、分野別運用方針に基準がない、である以上は審査のしようもないですから、これ受け入れられないんですよ。これ、そういう仕組みでしょう。そう国会でずっと説明してきたじゃないですか。 これ、先に国交省にもお尋ねしたいと思いますけれども、先週、五月の十六日に超党派議連の国会エネルギー調査会が行われまして、ここでびっくりする発言をされているんですね。前回の私の質疑までは基本的に想定していないというふうにおっしゃっていたと思いますが、主たる業務に付随して行う関連業務が仮に除染や除雪だった場合には、これが日本人と同等の取扱いであればそれは差し支えないというふうに説明をされました。 これ、建設の特定技能一で受け入れると言っている職種、これ主たる目的だというふうにすれば、除染とかあるいは原発構内の作業でも、関連業務ならこれ認められるなんというようなことを一体どこに書いてあるんですか。分野別方針の、十二月二十五日に閣議決定をされた、ここにはそんなこと全然書いていないでしょう。これ、除染と受け入れると言っている職種を同列に並べるというのは、これどんな認識をしているんでしょうか。
○政府参考人(北村知久君) 今回の外国人の受入れ制度におきましては、分野別運用方針に基づいた業務について働いていただくために外国人の受入れを認めているものでございますけれども、関連して付随的に行うものについてはできるということで、あくまでもメーンの仕事ではないけれども、関連するものにはできるというような取扱いに一般的になっているというふうに承知しております。
○仁比聡平君 今、一般的になっているというようなことをおっしゃるんだが、お手元に資料をお配りしました。 今年、平成三十一年三月付けで、法務省、国土交通省の連名で、分野別運用方針、閣議決定したものとは違う運用要領、建設分野の基準についてというのを出しておられまして、ここの二枚目ですね、「建設工事に該当しない除染・除雪等の業務に従事させることを主な目的としている場合は、建設業への従事を目的とした受入れに該当しない」としながら、「ただし、これらの業務について、同じ特定技能所属機関に雇用され、特定技能外国人と同様の業務に従事する他の技能者が従事している場合、特定技能外国人に同程度の範囲内で従事させることは差し支えありません。」と書いてあるわけです。 これ、例えば、除染で放射線量がすごく高い土壌を重機で掘削をしたり運んだりする、そうした作業を行うということになれば、これは安全を確保するために相当な注意やあるいは義務付けが必要なんですよね。ところが、それを、皆さんが試験で確認すると言っている職種の日本語能力、これのみで、原発構内あるいは高濃度の放射線があるような地域、そうした地域で作業をさせるときに特段の義務付けを全く行わない、特段の基準を持っていないということが説明をされ、大変驚いているわけです。 国交省、確認ですが、今申し上げているような放射線環境下での作業について、日本語能力について特段改めて基準を設けているわけではありませんと先日説明されていますが、そのとおりですね。
○政府参考人(北村知久君) お答え申し上げます。 建設分野に特有の専門用語に関する能力につきましては、建設分野の技能試験を日本語で実施することで確認することとなり、その試験の内容については、現在、業界団体において検討しているところです。 一方で、今回のその建設分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領では、労働安全衛生法に基づく特別教育又は技能講習等が必要とされる業務については、受入れ企業は、特定技能外国人に対し、当該教育又は講習等を修了させなければならないということを明記してございます。 除染等の業務につきましては、特定技能外国人を従事させる場合には、いわゆる除染電離則に規定されている除染等業務に係る特別の教育を受入れ企業が行う必要があり、当該教育を行わなければ特定技能外国人を除染等業務に従事させることはできません。 国土交通省としては、関係省庁や業界団体とも連携しつつ、適切に対応してまいりたいと思います。
○仁比聡平君 答えてくださいよ。だから、原発なり除染なり、そういう作業についての日本語能力というのを国交省としては試験で確かめないでしょう。
○政府参考人(北村知久君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおりに、その除染とかについての専門的な能力を試験で確認するということはいたしてございません。 ただ、今申し上げましたとおり、こういう講習をしっかり受けさせるということを義務付けることによって、必要な知識は身に付くものというふうに考えてございます。
○仁比聡平君 必要な知識が身に付くって、一体、現場の廃炉作業だとか除染作業でどれだけ労働安全衛生法違反の実態がありますか。 お手元に、厚労省の福島労働局が今年三月二十九日に発表された監督指導結果の概要、お配りしていますが、廃炉作業で監督実施事業者数のうち違反したのは五三・一%、除染作業においては六一・四%ですよ。 その違反の中身について、もちろん経年で変化はありますけれども、例えば、二枚めくっていただくと、労働安全衛生法で、電離健康診断、これの実施をしていないとか、その結果を報告しなければならないのにしていない、あるいは、被曝線量の測定結果の確認、記録そのものをしていない、こうした事業者が御覧のようにたくさんあるじゃないですか。除染作業の中身で違反の実態でいいますと、二枚更におめくりいただくと、作業場所の事前調査を義務違反というのが二十一、放射線量の測定義務違反四件、除染電離健康診断の結果の報告をしていない、二十一事業者もあるわけですよ。 これ、厚労省にお尋ねをしますが、そもそも、低線量被曝だったり内部被曝だったり、そうした危険というものを労働者、従事者そのものがしっかり認識をして、だからこそ事業者は何が義務付けられているのか、安全衛生法自体に何が義務付けられているのかということをちゃんと従事者の方が認識するということがなかったら身が守れないじゃないですか。なし崩しにそんなやり方やらせるなんて、これ、とんでもないんじゃないですか。
○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。 本年四月に創設されました在留資格「特定技能」の枠組みにより日本国内で活躍される外国人の方々でございますが、先生の御指摘のとおり、その大半は五年経過後に帰国されること、また日本語それから我が国の労働慣行に不慣れであることといった点を勘案する必要があると考えているところでございます。 現状では、御指摘のような業務に特定技能外国人の方々に従事していただくか否かにつきまして極めて慎重な検討を行う必要があると考えておりまして、本日、厚生労働省から東京電力に対しまして、本件に関する慎重な検討と検討結果の報告を求める旨、文書で通知したところでございます。
○仁比聡平君 本日そのような通知をしたと、そのこと自体は前向きに捉えたいと思いますけれども、慎重な検討を求めるんじゃなくて、制度をゆがめてこうした作業に受入れをしようなんという、この方針そのものを撤回をさせなきゃ駄目ですよ。 もう大臣の答弁いただく時間ありませんけれども、今私が申し上げている立脚点というのは、秋以降、国会で徹底して議論してきたことじゃないですか。立場は違うけれども、閣議決定をして、全体像を示して、それ以上の受入れはしないと言ってきたじゃないですか。そこに書いてもいないことを、日本語能力を確認をする、労働者が身を守る、その基準さえ定めていないのに、法務省も所管省庁もその基準さえ持っていないのに、東電に受入れを委ねるなんというようなことは絶対にあってはならない。 断固として撤回をさせるべきだと強く申し上げて、質問を終わります。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 本日は、検察出身の山下大臣に、駐留米兵らの裁判権を日本が放棄していた問題と選択的夫婦別姓についてお伺いをいたします。 本日は、資料としてこの琉球新報の記事を配付しております。 日米地位協定は、米軍関係者の公務中の事件は裁判権が米側にあると定め、公務以外は日本に裁判権を認めていました。ところが、日本政府は、一九五三年に殺人などの凶悪事件を除き裁判権を行使しないと米側に伝達、いわゆる裁判権放棄密約が成立しました。 翌年の一九五四年には、密約を検察内に浸透させるために、法務大臣から検事総長らに処分請訓規程という内規が出されております。この内規には、米軍関係者の起訴のときは法務大臣の指揮を受けなければならないと記されていましたが、一九六〇年には削除されていたというものです。 この問題に詳しい日本大学の信夫隆司教授は、この削除について、密約が検事に十分周知され、不必要となったために外れたと分析をされています。そのことを裏付けるように、密約後の三年間で米軍絡みの事件の九割超で裁判権が放棄されたデータが一九五七年六月十日付けで米国務省に残され、一九六五年一月十五日付けの米国務省公電によると、削除後三年間で日本は約七千七百の事件の九割で裁判権を放棄していたことが報じられています。 そこで、山下大臣にお伺いいたします。山下大臣は、この内規の存在と削除後の事実を御存じだったでしょうか。また、この事実をどのように受け止められているのか伺います。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 御指摘の報道については承知しておりますが、私が今法務大臣として承知する限りにおいて、そもそも日米間においてアメリカ合衆国の軍隊の構成員等に対する刑事裁判権等の行使に関して、何らかの公にしない約束がなされた事実はないと承知しております。 また、お尋ねの昭和二十九年時点の規程においては、アメリカ合衆国の軍隊の構成員等の犯した罪について、起訴処分を行う際にあらかじめ法務大臣等の指揮を受けなければならないなどの定めが存在したわけでございますが、同規程における当該部分は昭和三十五年に廃止されたと承知しております。そして、その後も同規程にのっとった運用はなされていたとの事実はないと承知しております。
○糸数慶子君 日本政府は、二〇一一年に関連文書を開示した上で、双方の合意はなかったと密約説を否定していますが、米側の要請に応じ日本が裁判権を放棄したことを示す公電を米側が公開したということです。 二〇一一年に開示された関連文書がどのようなものでなぜ密約を否定されたのか、法務省に伺います。
○政府参考人(小山太士君) お答えいたします。 外務省におきまして平成二十三年に日米行政協定十七条の改正交渉の経緯が記載された外交記録ファイル等を公表いたしまして、その中に改正交渉の過程における日本側代表等の発言が記録された書類が含まれていることは承知をしております。 この日本側代表の発言は、まず、日本国の当局は、第一次裁判権を有する事件のうち日本国にとって実質的に重要であると考えられる事件以外については合衆国の軍法に服する者に対し裁判権を行使する意図を通常有しない、日本国の当局が日本国にとって実質的に重要な事件であるか否かを決定する専権を有するとの内容であると承知しております。 このような日本側代表の発言を見ましても、米側に対して実際上の運用方針を一方的に説明したものでございまして、これに基づいて米側が日本側に一定の措置を要求できるような性質のものではなく、現に、これまでそのような要求、主張が米側からなされたことはないものと承知しております。また、実質的に重要であると考えられる事件以外とは、日本側において起訴を必要とする程度に重要であるとは認められない事件でございまして、日本人に対して起訴猶予の処分を相当とするような事件と実質的には同一でございます。 こういうような次第でございまして、日米間において、米軍関係者に対する刑事裁判権の行使に関して何らかの公にしない約束がなされた事実はなかったものと承知しております。
○糸数慶子君 そうはおっしゃっても、やはり密約があったのは明らかなわけで、主権国家であるこの日本が国民の裁判権を放棄するのが問題であるということを強く指摘をしたいと思います。 警察庁と法務省に伺います。 二〇一五年から二〇一七年の直近三年間の一般刑法犯の認知件数と検挙件数、起訴された人員及び起訴率と米軍関係者による一般刑法犯の認知件数と検挙件数、起訴された人員数と起訴率をそれぞれお答えください。
○政府参考人(田中勝也君) まず、警察庁から、認知件数と検挙件数について申し上げます。 警察庁の犯罪統計によりますと、平成二十七年、二〇一五年中の全国の刑法犯総数については、認知件数百九万八千九百六十九件、検挙件数三十五万七千四百八十四件でございます。平成二十八年、二〇一六年中の全国の刑法犯総数につきましては、認知件数九十九万六千百二十件、検挙件数三十三万七千六十六件でございます。平成二十九年、二〇一七年中の全国の刑法犯総数につきましては、認知件数九十一万五千四十二件、検挙件数三十二万七千八十一件でございます。 以上申し上げたもののうち、米軍関係者による刑法犯の検挙件数につきましては、平成二十七年、二〇一五年、七十六件でございます。平成二十八年、二〇一六年、六十五件でございます。平成二十九年、二〇一七年、九十三件でございます。 なお、米軍関係者による刑法犯の認知件数につきましては、通常、被害を認知した時点では米軍関係者による犯行であるか否かは不明であることから、警察といたしまして統計は持ち合わせていないところでございます。
○政府参考人(小山太士君) 起訴人員、起訴率等についてお答え申し上げます。 法務当局の方で計算をいたしまして、一般刑法犯の起訴人員、日本全国では、平成二十七年が七万七千二百六十八人、平成二十八年が七万三千六十人、平成二十九年が六万九千六百七十四人、三年間合計二十二万二人でございまして、米軍関係者でございますが、平成二十七年が十七人、平成二十八年が十四人、平成二十九年が十七人、三年間合計四十八人でございます。 そして、この三年間の一般刑法犯の起訴率でございますが、すなわち、受理した事件のうち起訴した人員数と不起訴にした人員数の合計に占める起訴した人員数の割合は、日本全国では約三八・三%、米軍関係者では約一七・八%でございます。 なお、こういうような事情でございますが、米軍関係者につきましては、我が国への滞在が一時的であるため、我が国における前科前歴がない者が大部分である等の事情もありますので、一概にこれを評価することは難しいかと考えております。
○糸数慶子君 今の答弁でも分かりましたが、いかに起訴率が低いかというところです。これは、結果的には米軍関係者が特別扱いをされているという実態で、法務大臣のその指揮が削除された以降も検察に受け継がれているということだというふうに思います。 次に、沖縄県では、一九四五年に米軍駐留が始まって以降、多くの女性たちが米軍人や軍属に性暴力を受けたり殺害されるという危険な目にさらされてまいりました。 統計がある本土復帰の一九七二年から二〇一八年末までのその間に、米軍関係者による刑法犯罪が何件発生し、うち、殺人、強盗、強姦などの凶悪犯は何件だったのか、警察庁に伺います。
○政府参考人(田中勝也君) 昭和四十七年、一九七二年から平成三十年、二〇一八年までの沖縄県における米軍関係者による刑法犯の検挙件数の累計につきましては五千九百九十八件でございます。そのうち、凶悪犯の検挙件数の累計につきましては五百八十件でございます。
○糸数慶子君 これまでの答弁でも分かることなんですが、やはり米軍関係者の犯罪、特別に扱われているというその実態が浮き彫りになってきた答弁だったというふうに思います。米軍関係者の起訴率が低いのは日本側も現在このような密約を忠実に守っているためではないかと思いますが、密約を撤回して、米軍関係者も日本人と同じように扱うべきだということを強く申し上げたいと思います。 次に、選択的夫婦別姓について伺います。 参議院本会議で五月八日、選択的夫婦別姓の導入を認めるべきだと福島みずほ議員の質問に対して、山下大臣は、夫婦の別氏の問題は、家族の在り方と深く関わるものであるところ、平成二十九年の世論調査の結果を見ても、国民の意見が大きく分かれている状況にございます、今後も引き続き、国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しながら、慎重に対応を検討してまいりますというふうに答弁されました。 ここ数年、意見が分かれている、様々な意見があるという理由だけで法改正が行われておりません。法制審議会が五年の歳月を掛け答申をし、国連や国際機関も法改正を求め、全国で法改正を求めて提訴されていることをどう受け止めていらっしゃるのか、山下大臣に伺います。
○国務大臣(山下貴司君) 御指摘の平成八年における法制審の答申について、また、あるいは国際人権諸条約に基づいて国連に設置された委員会から、選択的夫婦別氏制度の導入を含む民法の改正について勧告を受けていることは事実でございまして、こうした答申あるいは勧告について、法務大臣として真摯に受け止めているところでございます。 他方で、やはりこの夫婦同氏を定める現行制度については、平成二十七年十二月の最高裁大法廷判決においても合憲であるとの判断も下されております。また、選択的夫婦別氏制度の導入の是非について、この判決においては、国会で論じられ判断されるべき事柄であるとの指摘がなされたところでございます。 選択的夫婦別氏制度の導入の問題というのは我が国の家族の在り方に深く関わる事柄であるという認識は先般申し上げたとおりでございまして、いまだ国民の意見が分かれている状況にあるという認識も同様でございます。 法務省としては、今後も引き続き、国民各層の意見を幅広く聞くとともに、国会における議論の動向を注視しながら、慎重に対応を検討してまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 先ほども伺いましたが、法制審議会が五年の歳月を掛け答申し、国連や国際機関も法改正を求めて、全国でその法改正を求めて提訴されている、それらの意見を受け止めずに、様々な意見で済まされているということ自体が問題ではないでしょうか。 そもそも、多様化が進み、多様な価値観と様々な家族の形があるのですから、いつまでたっても様々な意見がある、この意見というのはもちろん当然であります。家族の在り方に深く関わるというその言い方にも理解に苦しみます。一部の考え方のあるべき論、あるいはその在り方論ということなのでしょうか。選択制にすれば、より多くの国民の望む家族の形に合致するのではないかと思います。 山下大臣に改めて明確な御答弁を伺います。
○国務大臣(山下貴司君) 先ほど申し上げたとおりでございまして、やはりこの問題につきまして、これは我が国の家族の在り方に深く関わる事柄であると考えております。いまだ国民の意見が分かれている状況にあるということも申し上げたとおりでございまして、法務省としては、今後も引き続き国民各層の意見を幅広く聞くということ、そして国会における議論の動向を注視しながら、慎重に対応を検討してまいりたいと考えておるところには変わりはございません。
○糸数慶子君 個人の尊厳や男女の平等といった憲法や条約の理念に沿って見直すということが法制審の議論の出発点であったはずです。そのことが全くないがしろにされているというふうに思います。 この夫婦別姓を選択する人たちは、必ずしも多数とは言えないかもしれません。私の友人で、最近本を出された伊是名夏子さんという方がいらっしゃいますが、この本の中にも細かく記されております。自分の呼ばれたい名前を大事にしたいということで、この夫婦別姓に関する大切な文章がございますが、後で是非読んでいただきたいと思います。 先ほども申し上げましたけれども、この夫婦別姓を選択する人たちは必ずしも多数とは言えないかもしれませんけれども、法改正をしない理由にその世論の動向を挙げることは問題だと思います。部落差別や障害者の問題のように少数派の問題を世論の多寡に委ねてしまうと、常に置き去りにされてしまいます。そのことを強く申し上げ、質問を終わりますが、今後ともこの件に関しては改めて質問を続けてまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(横山信一君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 戸籍法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。山下法務大臣。
○国務大臣(山下貴司君) 戸籍法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、国民の利便性向上及び行政運営の効率化を図るため、一定の行政手続において戸籍証明書の添付を省略できるような措置を講ずるとともに、戸籍証明書の提出が必要な場合においても、本籍地の市町村長以外の市町村長に対する戸籍証明書等の交付の請求、戸籍電子証明書提供用識別符号等の発行の制度を設け、その取得の効率化を図るなど、戸籍の制度について所要の整備を行おうとするものであります。 その要点は、次のとおりであります。 第一に、法務大臣が、磁気ディスクをもって調製された戸籍又は除かれた戸籍の副本に記録されている情報を利用して、親子関係の存否その他の身分関係の存否に関する情報、婚姻関係その他の身分関係の形成に関する情報その他の戸籍関係情報を作成し、これを行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づき、行政機関、地方公共団体等からの照会に応じて提供することができるようにする措置を講ずることとしております。 第二に、戸籍又は除かれた戸籍が磁気ディスクをもって調製されているときは、戸籍に記録されている者等は、本籍地以外のいずれの市町村長に対しても戸籍証明書等の請求を可能とすることとしております。現行の制度では、相続手続等で過去の戸籍を遡って取得しようとする場合に、それぞれの本籍地の市町村役場に対して郵送又は直接出向いて戸籍証明書の請求をする必要があるところですが、この制度を導入することにより、最寄りの市町村役場で戸籍証明書を取り寄せることができるようになるものです。また、戸籍証明書等の交付に代えて、その提供をもって、行政機関等が電磁的記録である戸籍電子証明書等を取得することができる戸籍電子証明書提供用識別符号の発行の制度を設けることとしております。 第三に、戸籍の記載の正確性を担保するための措置として、市町村長及び管轄法務局長等による調査権の明確化、戸籍の訂正手続の見直し等を行うこととしております。 以上が、この法律案の趣旨でございます。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十五分散会