法務委員会 第12号
- 発言数
- 327 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/05/14
会議録
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、今井絵理子君及び山谷えり子君が委員を辞任され、その補欠として片山さつき君及び滝波宏文君が選任されました。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官田中勝也君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 法務及び司法行政等に関する調査のうち、技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームの調査・検討結果に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿と申します。 私にとりまして、令和になって初めての質問になります。この令和の時代、日本にとりましては、人口が減っていく、そういう時代になることは間違いありません。そういう中で、外国人材とどう向き合い、共生していくか、そういった意味で、この技能実習制度、極めて大きな問題だというふうに思いますので、そういう観点から質問をさせていただきたいというふうに思います。 このプロジェクトチームの報告書、拝見させていただきました。失踪事案に関する調査では、一部の実習実施機関については協力を拒否するなどして不正の有無の解明に至らなかった、そういうケースがあるというふうに承っておりますが、こういう実習実施機関に対して今後どのように対応していくのか、まず伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の失踪事案調査の対象実習実施機関で技能実習生が在籍中の機関に対しましては、外国人技能実習機構又は地方出入国在留管理局において、本年度末までに技能実習法ないし入管法に基づく実地検査等を行うこととしています。その実地検査等に当たりましては、必要に応じてその拒否等に対し罰則のある強力な調査を実施する方針としていますが、特に今回の調査におきまして調査拒否をした実習実施機関に対して、速やかに実地検査等を実施してまいります。 また、今後、調査拒否などにより調査ができなかった機関から技能実習計画の認定申請や特定技能の在留資格に係る申請がなされた場合には、今回の調査への対応姿勢を踏まえた慎重な審査を行う予定です。
○福岡資麿君 正直にその答えを行ったところとそれを拒否したところということでいうと、拒否したところが得をするようなことがあっては決していけないわけですから、そういった観点から厳密にチェックしていただきたいと思いますし、また、その申請を受け付けないような対応も考えているということでありますが、そういう法人でチェックするというふうに承っています。例えば代表者が一緒であったり住所が一緒であったり、明らかに同じようなところの形態であるというようなところについては、そこもしっかり検討の中に入れていただくことも是非お願いをしたいというふうにお願いをいたします。 続きまして、失踪者の推移を見ますと、技能実習法施行後の平成三十年の失踪者数が平成二十九年より増加しております。この点は法務省としてどのように評価しているのか、伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) お話のとおり、三十年の失踪者数は昨年より増加していますが、平成二十九年末時点での技能実習生の在留者数そのものが平成二十八年末に比べて約五万四千人増加していることが一因であると考えられます。 その前提で、新制度下で技能実習を開始した者の失踪割合というのは、旧制度下の実習を開始した者に比べて低い傾向が見られます。数字を御紹介申し上げます。平成二十九年に新規入国した技能実習法の適用を受けない旧制度の技能実習生のうち、入国したその同年中に失踪した者の割合は約〇・九%でした。これに対しまして、平成三十年の同じ数値は約〇・五%であり、新制度の割合の方が低くなっています。 また、もう一つの比較でございますけれども、平成三十年の二月から三月までの時期といいますのは、新制度の新規入国者が相当数いたほか、技能実習法の経過措置によりまして旧制度の新規入国者も相当数いたところでした。この時期の新規入国した旧制度と新制度の技能実習生について、新規入国から一年が経過した平成三十一年二月末時点の失踪をする割合を見ると、旧制度が約三・三%、新制度が約一・四%と、新制度の方の割合が低くなります。 このように、新制度、一定の成果があると認められますけれども、なお失踪者が発生しているところでございまして、引き続き適正化に努めてまいります。
○福岡資麿君 今のお話でいうと、率は横ばいなんだけれども、入ってくる外国人の数が増えているから失踪者も増えているんだというような言い方でありましたし、また、新制度においては、旧制度よりは一定の効果が出ているというような話でしたが、これ、正直言うと胸を張れる数字じゃないですよね。百人に一人以上がいなくなっているというのは、これ物すごい数字ですし、今後まさにまた外国人材が増えていく中においては、決してこの効果が出ているというようなことではなくて、今後、更にゼロを目指してやっていくという姿勢を持ってやっていただければというふうに思います。 続きまして、昨年十二月、私、参議院の重要事項調査議員団で、立憲民主党の難波奨二議員、そして共産党の田村智子議員、そして自民党の宮島喜文議員と一緒にベトナム、タイの方に視察に行ってまいりました。そこの中で、ベトナムの政府高官と話す機会もあったわけですが、そこにおいて悪質なブローカーについての話を行いました。 ベトナムでも、実際のところ、少数ではあるが、高額な紹介料を取る悪質なブローカーが存在しておりますが、送り出し機関、受入れ機関のどちらでもないため、また、向こうの言い方で言うと民民の契約で行われている、まあお見合いあっせん業みたいなようなものであって、取締りが極めて困難だというような話を承ってきたところであります。 そういう意味でいうと、これ、送り出し機関だけじゃなくてブローカーも含めて、どれだけ借金を負って来るかということって極めて大きな話でございまして、このような国外ブローカーへの対策、どのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 現状、技能実習計画の認定申請におきまして、技能実習生が送り出し機関に支払った金額のみならず、それ以外の機関に支払った手数料等の金額についても提出させて、不適切な手数料の支払の有無を把握しております。この中で、不適切な手数料の支払が疑われる場合は、外国人技能実習機構において慎重審査を行うなどの対応を取っているところでございます。 また、今回のプロジェクトチームでの検討結果を受け、新たに失踪技能実習生からの聴取票の様式を定め、送り出し機関やその他の者に支払った金額を詳細に聴取することとしておりまして、そのことによって、例えば高額な手数料を取られたときの送り出し機関を特定するなど、こうした情報も活用しながら悪質ブローカーの把握に努めていきたいと考えております。
○福岡資麿君 今おっしゃったところのこの費用の明細書について、外国の準備機関が徴収した費用の名目とかというところにそのブローカーからの借金も書くようなことになっているという話ですが、これ、問いを見ても、そこに本当にブローカーから負った借金を書くというふうな解説に、これ読み方、よほどしっかり読まないとそういうふうには読み取れないような形になっていますから、そういう部分でいうと、この明細書のこの問いの聞き方というのも今後検討していただく必要あるんじゃないかというふうに思います。 また、これ、いろんな国と二国間協定、二国間の取決めをやっていただいていますが、これ基本的には情報の共有を行うということが原則になっているだけでありまして、このベトナムの取決めでは、若干踏み込んで、送り出し機関の認定基準として、ブローカーが介入することを許容してはならないというふうには書いてあります。ただ、これ、送り出し機関とブローカーのそこの関係が、はっきりさせるというのはこれ極めて大変なことですから、そういう部分でいうと、これで果たしてどこまで実効ある取締りができるのかというと、私は甚だ疑問だというふうに思っています。 そういう意味において、例えば特定の送り出し機関からの、失踪者が多くて、その調書で例えばブローカーからの介入が多数疑われる場合等については、必ずしもブローカーと送り出し機関の因果関係がはっきりしていなくても、そこは極めて怪しいということを前提に話を進めていただかないと、同じような不幸な思いをする技能実習生の方々が後を絶たないということになるのではないかというふうに思っておりまして、そういった点も含めて厳正に取締りをしていただきますようにお願いをさせていただきたいというふうに思います。 続いて、ちょっと外務省にお聞きしたいと思います。 今日は、皆様方に参考資料をお配りをさせていただいています。ベトナムにおいては、近年、技能実習生の増加もあって、ビザのこの発給数が物すごい急増しています。この右上の棒グラフを見ていただければ、どれぐらいの勢いで今ビザの発給数が急増しているかというのはお分かりいただけるかというふうに思います。 例えば、留学の場合は卒業の証明書等の提出を求めているということですが、実際その卒業証明書の偽造がすごく多いというようなことでございまして、例えばベトナムの大使館であったり領事館であったりというところは、申請者をランダムに抽出して面接を行って、その人が本当に卒業しただけの日本語能力があるかどうかということをチェックをしているというような話を受けました。それをチェックすることによって、全部はチェックできなくても一部を抽出してチェックすることによって、ああ、こうやってチェックするんだからなかなかそういった偽造した卒業証書では駄目なんだということを周知するというような目的でやっているということでありますが、ただ、これだけビザの申請数増えてくると、チェックを十分に行うにはその現状の領事業務担当職員だけでは十分に対応できない状況にもあるというふうに承っています。 そういった部分でいうと、この事実関係と対応策をどう考えているか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(高橋克彦君) お答えいたします。 今委員の御指摘のとおり、ベトナム人に対する訪日ビザ発給数、急増しております。委員に配付いただいた資料ではベトナム大の数字になっておりますけれども、ホーチミン総領事館と合わせますと、ベトナム人に対する訪日ビザ発給数は過去六年間で七倍以上に増加、ビザ発給数も約二十八万件、これが昨年の数字でございます。さらに、委員御指摘のとおりですけれども、在留ベトナム人の刑法犯の検挙件数や不法残留者が増加したり、また就労目的で訪日するいわゆる偽装留学生などの問題が顕在化しておりますので、水際対策としてのビザ審査の強化、これが極めて重要になっております。 この資料の下段の方にも記述ございますけれども、ベトナム大使館、いろいろな努力をしておりまして、留学生に対する日本語面接、今お話あったとおりでございますが、あわせて、ビザ申請時の高校卒業証明書、これについても、証明書だけではなくて公的認証の提出を求めるなどして対応の強化を図っているところでございます。 外務本省といたしましても、これら増加するビザ関連業務に的確に対応できるように、例えばベトナム語による訪日ビザ相談の専用電話回線の開設を行っておりますし、あと、データ入力を大使館、総領事館がする際の入力作業の省力化などを導入することによってまずはビザ業務の合理化を図りたいというふうに考えております。また、適正なビザ審査が行われるよう、査証担当官の増員、それから臨時職員の雇用なども引き続きやっておりまして、ビザ業務の体制強化に全力を尽くしていきたいというふうに考えております。
○福岡資麿君 今おっしゃったように、水際対策としてそのビザの申請をしっかり行うということは極めて重要であります。 それで、その中で、私ども実際視察させていただいて、一生懸命その合理化のために限られたマンパワーの中で御努力いただいている姿も拝見してまいりました。しかし、これ御覧いただくとおり、これだけ申請数が増えている中で、その合理化でカバーできる範囲というのはある程度限界があるというのも、それもまた事実であります。ここは、入管の方も今人員増強等図っていただいていますが、ここはやっぱり外務省の方も、現地の人員増強を含めてしっかり審査できるような体制をつくっていく、これが求められるのではないかと思いますが、ちょっとその点いかがですか。
○政府参考人(高橋克彦君) 確かに、合理化だけでは不十分な部分ございます。体制強化についても、関係各部局と相談をしながら適切に対応してまいりたいというふうに考えます。
○福岡資麿君 よろしくお願いします。 続きまして、今までは海外のブローカーについてお話ししていましたが、国内のブローカーに関してお伺いをいたします。 今回の調査・検討結果報告書においても、不法就労先をあっせんする悪質な国内ブローカーの存在が失踪問題の背景の一つであるというふうに指摘をされております。今回、在留カード番号を活用した不法就労等の摘発強化を行うというようなことが示されているわけですが、具体的にどのようなことを行っていくつもりなのか、法務当局に伺いたいと思います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 前提といたしまして、より高い収入を得る目的等による不法就労は失踪の一つの誘因でありまして、不法就労事案に厳正に対処することは失踪防止にも資するものであると考えております。 そこで、出入国在留管理庁におきましては、外国人の所属機関や就労状況を把握し、不法就労に対処するため、厚生労働省から提供される外国人雇用状況届出情報を活用しています。この届出事項に新たに在留カード番号を追加し、その情報を厚生労働省と法務省の間で共有することで、厚生労働省が入手するどこにどの外国人が働いているかという情報と、法務省が元々有するどの外国人がどの会社等で働くことが許可されているのかという情報等を突合いたしまして、不法就労者をより迅速かつ確実に発見することができ、効率的な摘発につなげることができるものと考えています。 この施策でございますけれども、昨年末に関係閣僚会議で了承されました総合的対応策の中にも盛り込まれておりまして、現在、本年度中の実現に向けまして厚生労働省と必要な調整を進めているところでございます。
○福岡資麿君 今おっしゃったように、なかなかお名前とかで管理するにしても、国によっては非常にそこは識別がしづらいところもあるので、今回その番号を活用するというのは一つ大きな前進だというふうに思います。ただ、それだけで十分かというと、これまだまだ第一歩を踏み出したにすぎないというふうに思いますから、そういった意味では、しっかりその突合の作業を含めて、本当に違う形で就労している方々についてはちゃんとチェックできるような形を強化していただくことを併せてお願いをさせていただきたいと思います。 最後に、山下法務大臣にお伺いをしたいというふうに思います。 今回は、この調査・検討結果御覧いただいて、またいろんなことが明るみになったこともあろうかというふうに思います。今後、技能実習の在り方について大臣としてどのように考えているのか、また、今後どのように適正化図っていくのか、そういったことについて法務大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習制度につきましては、開発途上国への技術移転、技能移転を通じて国際協力を推進することを目的とする制度でありまして、多くの技能実習生が実習を全うして本国でその成果を活用し、送り出し国政府からも高い評価を受けている制度でございます。他方で、残念ながら、一部の受入れ機関において、労働関係法令違反等の問題が生じているということは重く受け止めておりますが、この国際貢献の観点からも、引き続き適正化に努めつつ、制度の維持発展をさせるべきものと考えております。 そして、技能実習制度の適正化については、平成二十九年十一月に施行された技能実習法に基づき、外国人技能実習機構が受入れ機関に対する計画的な実地検査や技能実習生に対する保護、支援に取り組んでおり、また、二国間取決めによる送り出し機関の適正化にも努めてきたところであります。 ただ、今回、国会の御指摘をも受け、こういったプロジェクトチームによる調査検討を網羅的にさせていただいたというのは、この制度について実態をしっかり把握し、適切な対応を図る上で非常に有益であったと考えております。 この運用の改善方策として、例えば、失踪、死亡事案等への対応の強化ということで、初動対応の強化であるとか、あるいは聴取票の在り方の見直しということで様式の改善等、あるいは入管当局における死亡事案の把握の徹底など、あるいは失踪に帰責性がある実習実施者は一定期間新規受入れを停止するなどの運用の改善策の提案がなされました。 また、そういった提案を、このほかにも失踪等の防止に資する制度の適正化の一層の推進等も提案されたところでございますが、こうした提案の中に既に実施に移しているところもございますけれども、さらにその省令の改正等の検討も進めた上で、引き続きこの制度の運用の改善に向けてしっかりと着実にこの制度を実施し、技能実習法の趣旨に従ったより一層の適正化に努めてまいりたいと考えております。
○福岡資麿君 今おっしゃったように新制度をしっかり運用していただくこと、それでまたいろいろ見えてきた問題については、今回もある程度措置していただいていますが、絶えずいろいろな問題の改善に努めていただくことが必要だというふうに思っております。 そして、この技能実習制度が、受け入れる側、そして来ていただく外国人にとって、双方にとっていい制度となっていきますように祈念させていただいて、質問を終わらせていただきます。 ─────────────
○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君が選任されました。 ─────────────
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。 大臣、私はこの委員会で、去年から何度も何度も技能実習制度の総括なしに新しい制度の施行は問題があるんじゃないかということを指摘をしてきましたけれども、しかし、もう実際に新しい制度始まっているという状況の下で、去年から問題になってきた技能実習生の失踪、あるいはパワハラ、セクハラ、あるいは死亡事故などなど、そういった異常な事態を本当に政府が総括できているんだろうかという疑問は今でも残念ながら払拭できておりません。何度も会議を開いていただいて、政務官中心にして、報告書を拝見をいたしました。その問題点あるいは課題ということについては、これから小川委員を始めとしてほかの委員の方々が具体的に聞いていかれるというふうに思っております。 私は、その前に、ちょっと大きな枠組みでこの技能実習制度の問題、あるいは特定技能の問題を考えたときに、これは非常に日本国内では労働力が不足をしていて、それを移民と言うか言わないか、私は事実上の移民だというふうに思っておりますけれども、そういった課題にどのように前向きに取り組んでいくのか。事海外から日本に来て働いてくださる皆さんですから、その人たちが気持ちよく働いて、本当に生きがいを持って日本で充実した仕事をやっていただくという、それを実現しなければいけないという立場なんですが、しかし、大きなアジアという枠組みで捉えたときに、かなり厳しい状況が出てくるんではないかということを思っております。 例えば沖縄なんかでは、宿泊でも非常に人材が不足をしていて、今那覇の市内でもどんどんどんどん新しいホテルが建築をされていて、まあ完成したところもあるんだけれども、ネパールから来た人たちがかなりフロントなんかで働いていらっしゃる。面白いなと思ったのは、AIの時代ですから、人間がフロントにいなくて怪獣みたいなロボットがいて、それで十分対応できるという、それはそれで御愛きょうも含めて話題になるということでいいんだけれども、問題は介護ですよね。 介護というのは、もう当たり前のことですけど、人が人のお世話をするわけですから、海外から来ていただいて人のお世話をしていただくときに、これも前、質問いたしましたけれども、例えば認知症の方に対処するときに、日本語能力がこのぐらいというだけではなくて、やはり全人間的な関わり方で理解をしていかないと、例えば認知症の人だったら、おじいちゃん、おばあちゃん、御飯食べたと、ああ、食べましたよと言ったけれども実は食べていなかったり、あるいは逆のことなんかがあるという。これは、突き詰めて言えば、人間存在そのもの、命に関わる仕事ですから、きちんと量だけではなく介護の質を高めていくということはもう決定的に重要だと思うんですよね。 それで、まずお聞きをしたいんですが、厚労省、よくマスコミでは問題になってきておりますけれども、いわゆる二〇二五年問題というのはどういうことなんでしょうか。
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。 二〇二五年問題ということでございますが、二〇二五年といいますのは、いわゆる団塊の世代の方々が七十五歳以上となる年でございます。そういう意味では、我が国におきまして、医療、介護、いずれも七十五歳以上の方がかなりの部分を占める。医療費でいいますと全体の約四割、介護費で申しますと約九割を示すということが明らかになってございます。 このように、七十五歳以上の高齢者で医療・介護需要が高まっていくということもあり、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年に向けて、国民一人一人が状態に応じた適切な医療、介護を受けられるように医療・介護提供体制を構築していくことが求められる、これが二〇二五年問題ということでございます。
○有田芳生君 御承知のように、団塊の世代という言葉そのものは堺屋太一さんが作られた表現で、それが世に今でも知られるようになった。堺屋さんは残念ながらお亡くなりになりましたけれども、団塊の世代が高齢世代になる日本社会を割とバラ色に捉えられていらしたんだけれども、果たしてそういうふうに推移するかというと、具体的に見ていけばかなり厳しいものがあると私は思っているんです。 特別技能で介護の人たちというのは、これから五年間で五、六万人海外から来ていただくという、そういうことですよね。あるいは初年度では五千人介護職を海外から来ていただくという、その数字で間違いありませんか。
○政府参考人(八神敦雄君) まず、介護人材の必要数ということで申しますと、第七期の介護保険事業計画に基づきまして、二〇一六年度から比較して二〇二五年度末までに約五十五万人、年間六万人ぐらいの方が追加で必要になるということになりますので、そのうち五年間ということで見ますと三十万人で、今おっしゃられたような数字、外国からの方も必要だということは今委員がおっしゃられたようなことでございます。(発言する者あり)はい。日本人も含めてでございます。
○有田芳生君 そうしますと、更に続けてお聞きをしたいんですけれども、特別技能だけではなくて、介護技能実習生がもう既に日本に入ってきていますよね。そこにおける目標というのはお持ちなんですか。
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。 技能実習生につきましては人材確保ということではございませんので、何人という目標というものを立てているわけではございません。
○有田芳生君 目標は初めから立てていないということですか。その必要がないんですか。
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。 技能実習につきましてはそういうことでございます。
○有田芳生君 じゃ、後でお聞きしようと思っていたんですけど、初めに、二〇一八年、去年の七月一日に中国の大連から二人の中国人女性が日本にやってきて介護技能実習生として働いておりますけれども、その人たち含めて、今現在、介護技能実習生というのは何人、日本にいらっしゃるかというのは確認されていますか。
○政府参考人(佐々木聖子君) ちょっと、国籍を特定してのお尋ねと思いましたものですので御紹介をさせていただきますが、三十一年の一月末現在で中国人の介護技能実習生が百七十九名、それからミャンマー人の介護技能実習生が二十二名となっております。
○有田芳生君 ほかの国からは来ていないということですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 来ていらっしゃると思いますが、数字として持ってまいりましたのがその二つの国籍でございます。
○有田芳生君 だから、やっぱり実態を把握して、その人たちが本当に介護の職種としてうまく日本の介護の対象者に対して働いていただいているかどうかというのはやはり追跡しなければいけないと思うんですよね、その労働条件も含めて。だから、そこは、今お話しになったように、中国から百七十九人、ミャンマーからは二十二人、恐らくほかの国から来ていらっしゃる可能性も高いと思うんですけれども、やはりそこのところも追跡をしていただきたいというふうに思うんです。 私は、今冒頭に、前提としてこの二〇二五年問題をお聞きをしているというのは、確かに日本ではそういう状況がやってくる、つまり、一言で言えば、介護を必要とするような団塊の世代より上の方々がどんどんどんどん増えていく、だから、介護人材が少なくなってくれば、いなければ海外から来ていただかなければいけないというんだけど、大臣、ここで伺いたいのは、日本だけ見ているとそうなんだけれども、アジア全体、中国、韓国、ミャンマー、ベトナム、フィリピン、タイ、そういうところから技能実習生、来てくれているわけですよね。そこで介護の人たちも、今数字があったように増えつつあるわけですよ。 だけど、これ、二〇二五年問題というのは日本だけじゃなくてアジア全体の問題になってきている。例えば中国だったら、一人っ子政策で、人口の中で、これ調べてびっくりしたんだけど、二〇五〇年になると八十歳以上の人口が総人口の八・九%で、その数からいうと一億二千百四十三万人、日本の人口と同じぐらいの人たちが八十歳以上になるということは、中国でも介護というのは必要になってきているんです、今、実際。州によってはもう介護制度を始めたりしているんだけれども。だから、そうなってくると、日本に来るようなゆとりというのは、まあこれから五年、六年の単位で見たら、中国にしても韓国にしてもなかなか厳しくなってくるんですよね。 あるいは、アジアの諸国というのは共同体がまだ強いから、介護という概念は実際ないわけですよ、社会的介護というのは。そうではなくて、おじいちゃん、おばあちゃんの面倒を見る、そういう介護の対象者に対しては家族で面倒を見るという状況なんですけれども、だから、そういう状況の下でも、アジア諸国でも少子高齢化がこれから進んでいくと考えたときに、先ほど示してくださったような数字で海外から来てもらうということは、よっぽど技能実習生の制度を魅力あるものにしなければ来てくれないと思う。 実際、中国なんかは、もう日本に行くどころか、やはり中国で賄っていかなけりゃいけないという思いが広がっているし、あるいは、後で議論になるかも分からないけれども、ベトナムなんかでも、日本での大変な状況を持って国に帰っていますから、やっぱりベトナムから日本に行くよりも韓国行った方がよっぽど待遇いいよといううわさが、情報が広がっているんですよね。 だから、そういう意味でも、皆さんが行った技能実習制度のきちんとした総括をやって、そこに問題があるならば今からでも改善をしていかないと、これはなかなか、アジアのこれからの中期的な歴史を見ても、日本に来てくれないと思うんですよ。 だから、二〇二五年問題というのは日本だけではないと。中国にしてもほかの諸国にも出てくると考えたときに、これから五年、六年という単位で見たときに、しっかりした仕組みをつくらないといけないと思うんですが、日本に閉じこもるんじゃなくて、アジアのスパンで見たときに、大臣、やっぱりこのことを真剣に、今回の報告だけで終わることなく進めていかなければいけないと思うんですが、どうお考えですか。
○国務大臣(山下貴司君) まず、介護について世界的な人材不足があるのではないかという委員の御指摘については、全く同感でございます。御指摘の中国にとどまらず、韓国もそうですし、また台湾もそうでしょう。そういったところで介護人材が国際的に非常に人気があると、その中で日本は選ばれる国にならなければならないというふうに考えております。 そこで、委員御指摘の、その技能実習全般について、これについてマイナスな評価がなされているという点、確かに、先ほど申し上げたように、一部の受入れ機関において労働関係法令違反等の事案が見られ、あるいは失踪、あるいは死亡という事案もあったということについては真摯に受け止めなければなりませんし、今回、この調査報告を受けたのみならず、その提言に基づいてしっかりと対応していきたいと考えております。 また、介護の技能実習については、これは二十九年の十一月から始まったばかりの制度でございますが、これについてはやはり新制度の下でしっかりと運用をしていくということでございます。 御指摘のありましたベトナムの大臣などとも話すことがあるのですが、日本の介護のスキルというのは国際的に見ても非常に高うございます。これについての非常に高い評価があって、日本で介護の技術を学びたいというアジアの国々の、ベトナムを始め、そういったニーズもあると聞いております。そうしたことをしっかり技術移転をする、そして技能実習の適正化を図る中で日本のイメージをアップさせていきたい。そしてさらに、これは、特定技能において介護ということがこの四月一日から認められることになっておりますが、こういった制度もしっかりと見ていって、これを、日本の介護人材をしっかりと受け入れたいと。ほかには、総合的対応策であるとか、あるいは受入れ環境の整備、そういったこともしっかりと取り組んで、日本に介護人材が来ていただけるようにしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○有田芳生君 ちょっと質問の順番を変えたいと思うんですけれども、今大臣が技術移転というふうにおっしゃったのは、それは技能実習生の立て付けからそういう発言なさったんだけれども、実際にこれは介護だけではなくていろんな分野で、ベトナムもそうですけどミャンマーもそうですが、日本に来るというのはやっぱり出稼ぎ的意味合いを持った人たちが多いんですよね。 それは、例えばミャンマーで今介護の仕事で技能実習生として来ていらっしゃる、さっき二十二人とおっしゃいましたけれども、その人たちのある受入れ機関のインタビューなんかを見ますと、やはり親のため、それから家族のために日本に出稼ぎに行くんだと。それはそれでいいと思うんですよ、それは本音ですから。だけど、じゃ、ミャンマーに帰って、介護の仕事を日本で行って、ミャンマーに帰って何をやりたいですかというアンケートを取ると、一位はレストラン、薬屋などの自営業が圧倒的に多いんですよ。二番目に日本で学んだことを生かして介護やお年寄りの仕事に就きたいという人もいらっしゃる。三位が日本語の先生、通訳、日系企業への就職と。繰り返しますけれども、断トツに自営業をやりたいという。 それは、ミャンマーに技術移転で帰ったって、介護の概念がまだないからそういうことになるというのは善意に解釈すればそう思うんですけれども、やっぱり伺いたいのは、人数を正確に全体像は把握できていないかも分からないけれども、介護の技能実習生としてもう既に日本に来ていらっしゃるわけですよね、中国百七十九人、ミャンマー二十二人というふうに来ていらっしゃる。だけど、そういう人たちが日本で技能実習生として働くときに、この間問題になった労働条件とかセクハラ、パワハラの問題など、それがちゃんと克服されている職場で働いているかという、そういうことをつかんでいらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。 介護分野の技能実習につきましては、外国人技能実習機構が、原則として監理団体に対しては年一回、実習実施者に対しては三年に一回の実地検査を行うと、こういった技能実習制度上の仕組みがございます。こうした技能実習制度上の仕組みを通じまして、必要であれば是正を求めるということになってございます。
○有田芳生君 だけど、この間、今日議題になる多くの技能実習生の大変な労働条件、職場の環境、失踪の原因などなど、それは一年に一回調べればいいという状況じゃないわけですよね。だから、そこはきっちりと介護に来られた方々の状況についてもちゃんと定点観測として、労働条件がちゃんと整っているのか、約束どおりなのか、そして職場環境はちゃんとうまくいっているのかというのは調べるべきだと思うんですけれども、そういう体制を取るお考えはないんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今、委員から定点観測というお話ありました。これは介護に限ったことではございませんけれども、外国人技能実習機構が実地検査をするということのほかに、定期的に監理団体からきっちりと実習実施機関においてこういうことが起こっているという監査報告を技能実習機構が受けることになっています。 ですので、そうした入手をする情報を分析をして、何か問題があるのではないかという端緒をつかみ、それに対して問題がありそうだというところに赴いていくということはその定期的な一年に一回の実地調査とは別にまた行っておりますので、そういう言わば静的、待っていて情報をつかむということと、赴いていって動的に検査をするという様々な方法で現状把握をするということになっています。
○有田芳生君 だけど、そういう仕組みがあったにもかかわらず、去年から各委員会で問題になっている技能実習生の様々な大きな問題というのは明らかになったわけでしょう。だから、これだけ大きな問題が明らかになって今日も議題になるんだけれども、問題が明らかになって以降、これまでと違った体制取らなければ見えないんじゃないですか。そういう新しい仕組みというのは何かお考えなんでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) もとより、仕組み自体は、これまでの、新しい制度での様々な仕組み、監理団体の許可制ですとか技能実習計画の認定制等々ございますけれども、それに加えて、例えば失踪が起きたときに、初動体制として言わばその実習実施機関に飛んでいく、そしてその関係書類を押さえておく、そして何が問題だったかということを見ていくというようなことは今まで以上にきっちり行うということを、少なくとも出入国在留管理庁の現場には徹底しようと思っています。
○有田芳生君 先ほども言いましたけれども、ベトナムなんかでは、日本に行くよりは韓国に行った方がいいんだということがこれまで外国で働こうとしていた若者たちの間にずうっと広がってきている。それだけ評判悪いんですよ。あるいはミャンマーなんかでも、介護の技能実習生を日本に送る送り出し機関なんかは、本当に日本に行ってきちんと日本人並みの賃金が払われるんだろうかという疑問があって、そのことを事前にきっちりと調べて、これは危ないなというときにはもう日本に送らないという、それは、ミャンマーなんかではそういう実情があるんですよ。 だから、本当に、最初に言いましたけれども、こんな状況の下では、アジアだって本当に少子高齢化が進むような状況で、日本にちゃんと来てくれるんだろうかという疑問を私は深く持っているんです。 さらに、具体的にお聞きをしますけれども、介護技能実習生として中国の大連から二〇一八年の七月一日に二人の四十代の女性がいらっしゃいました。今、宮崎県の介護付き有料老人ホーム、さらには認知症グループホームでお二人は働いていらっしゃいます。このお二人の介護の仕事ぶりというのはうまくいっていると理解されていますか。
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。 個別具体のケースにつきまして、厚労省として承知をしているわけではございません。
○有田芳生君 だけど、それを調べないと、海外からやってきてくださって日本人のために一生懸命働いてくださっていると思いますけれども、それが日本語能力も含めて、あるいは介護の質の充実も含めて、問題が起きているかどうかというのは、何でこれ把握しないんですか。
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。 仮に何かその実習生の受入れがスムーズに進んでいないというようなことございましたら、先ほど申し上げましたように、外国人技能実習機構ですとか監理団体の実地検査等を通じて個別に是正を図るという仕組みでございます。 ただ、昨年三月に第一号の実習生が入国して以降、就労を開始する実習生も増加をしているという状況でございますので、何らかの形で委員御指摘のような実態について把握をするようなことも検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○有田芳生君 中国の大連から介護の技能実習生として初めて二人の方がいらしたときにはメディアも大きく報道しましたよ。だけど、その後の実態調査というのが、厚労省も含めて、うまくいっているのかな、どうなのかなというのを普通は調べなきゃいけないんじゃないんですかね。うまくいってなければ、それをモデルケースとして、ここはこう改善しなければいけないとか、そういったことをやはりきめ細かくやるべきだと思うんですよ。これからでも、いかがですか、調査されたら。
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。 現時点では技能実習生全般の就労状況についての調査は行ってございませんが、技能実習生の就労状況を踏まえつつ、実態把握を行うということについて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○有田芳生君 これ、やらなきゃいけないというのは、残念ながら、宮崎のケースはうまくいっていないからなんですよ。うまくいっていないならば、そこに何が問題があるのかというところで改善をして、ほかにも中国から百七十九人、ミャンマーから二十二人来ていらっしゃるわけだから、その方々が困らないように、あるいは介護を受ける側も困らないような、そういう配慮、充実というのをやっぱりやるべきだと思うんですよね。だから、そこら辺のきめの細かさがないというのが、また同じことが繰り返されるのではないかという危惧を持ってしまうんです。 もう時間が来てしまいますので、ミャンマーのケースでいいますと、やはりミャンマーで日本語を勉強してそれを習得するというのはなかなか困難な中で、克服をされてきている。だから、ミャンマーのケースでいうと、日本語教師がやっぱり少ないというんですよね、充実した形での。特に聞き取りあるいは日本語文法、漢語圏じゃありませんから、物すごく困難を抱えて、それでも習得をされてきている。 一つだけ提案をしておきますけれども、一番うまくいったのは、日本の日本語教師と結んでスカイプで教育をやる仕組みというのがうまくいったというんですよ。そういうことも今後早急に検討していただけないでしょうか、これはミャンマーだけじゃなくてですね。
○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほど来申し上げております外国人の受入れ環境の整備ということで総合的対応策のメニューが出ておりますが、その中で、やはり日本語教育あるいは日本語の環境整備というのは非常に大事な柱になっていると思います。その方が海外にいらっしゃるか、あるいは国内にいらっしゃるかを問わず、この受入れ環境の整備の大事なポイント、柱として、日本語教育の在り方については関係省庁とも協力しながら考えてまいります。
○有田芳生君 終わります。
○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。 今回の、この失踪者が大変多い、それに関する調査の中で、最低賃金以下だとか労働時間に関する法規制が守られていないというような様々な状況が明らかになりました。 私は、監理団体がきちんとその監理に関わるその責任を果たしていないからこういう事態が起こるんだと、技能実習生がまさに劣悪な状況に置かれるんだというふうに思うんですが、この監理団体に関する監査や指導、これが十分に行っていないことの表れだと思うんですが、そのところはいかがでございましょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、監理団体はその傘下の実習実施者に対して三月に一回以上の頻度で監査を行い、技能実習の実施状況を確認することになっておりまして、技能実習制度において果たす役割は重要であると考えております。 このため、平成二十九年十一月から施行された技能実習法に基づく技能実習制度においては、外国人技能実習機構が監理団体に対して年一回の頻度で実地検査を実施するということにしておるところでございます。これに加えて、監理団体からの監査報告、あるいは二国間取決めに基づく送り出し国政府からの情報であるとか関係機関や関係者からの情報提供、これは実習生からの例えば母国語による相談も含まれておりますけれども、そうした情報に基づいて、不正の疑いがあるものについては臨時に実地検査などを実施しているというところでございます。 これらの取組によって不適切な監理団体を把握した場合には、監理団体の許可の取消しも含めて厳正に対処することとしておりまして、今後も、実地検査あるいは的確な情報把握等を通じた指導や厳正な処分により監理団体の適正化が確保されるよう努めてまいりたいと考えております。
○小川敏夫君 一般論としての今のこの仕組みは大臣がおっしゃられるとおりかもしれませんけれども、機能していないのではないかと。 具体的には、例えば、監理団体は役職員が一か月に一回以上技能実習機関に対して訪問指導を行うということになっております。あるいは、技能実習生の保護、支援に関わるということも努めなくてはならないと、これが監理団体の責任であります。これは法律に明記してある。もしそれがきちんと実施されていれば、一か月に一回、職場、受入れ機関を訪問して状況を把握する、あるいは実習生からそうした生活指導様々をきちんと受けているということがあれば、こうして大量に失踪者が出て、しかも最低賃金をもらっていない、労働時間が法律違反だというような実態は把握できて制止できるはずなんですよ。 だから、このようにたくさんの失踪者が出て、多くの外国人労働者が、賃金が法律違反、約束の賃金がもらわれていない、あるいは労働時間が法律上の規制に守られていないということが出るということは、監理団体がしっかりと指導していないから、それから技能実習生からのヒアリングあるいは指導が、支援がしっかりしていないからこういう結果が出るんじゃないかということが思うわけであります。 ですから、大臣、制度の仕組みとしてそうなっているということはお話ししましたが、しかし、実際に、監理団体の全てがとは言わないけど、こういうことを非常にずさんにしている監理団体があるのではないか、それを、十分な把握と指導が行き届いていないからじゃないかと私は思うわけであります。 どうでしょう。抽象的なことを聞くとまた抽象的な答弁が来るんですけれども、例えば、具体的にお尋ねしますと、今回、失踪者が五千人ぐらいですか、把握できたわけですね。聴取票の数が五千ぐらいたしかありましたですね。そうすると、失踪者が出た、まず、具体的な質問をいたしますけれども、受入れ事業主は、技能実習生が失踪した場合には、その技能実習生が失踪したことを監理団体に届ける義務があるんじゃないですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 報告しなければなりません。
○小川敏夫君 そうすると、そうした報告義務が適正になされているかどうかということは、現実に、この聴取票ということで五千、大まかに言って五千の失踪者がいた。この失踪者について、そういう届出が、失踪した届出というものがなされていたかどうか、これは確認しましたか。
○国務大臣(山下貴司君) 今回の失踪事案に関する調査というのは、平成二十九年一月から、この新しい技能実習法の施行の二十九年十一月をまたいで三十年九月までに聴取票が作成された技能実習生の失踪事案について、実習実施機関側に違法又は不適正な行為があったか否かについて調査したものでございます。 したがって、監理団体等から失踪に係る届出がなされたか否かということについては、現段階で網羅的に確認は行っていないところでございます。
○小川敏夫君 だから、そういう数的な調査が一部分になっているだけででして、本来行うべき事務がなされていたかどうかということについての行き届いた調査がしていないというのは、やはり私は監理団体に対する監督あるいは指導が実際には行き届いていないからだというふうに思うわけであります。 例えば、一月の議論で、失踪者が国によって、送り出し国の国によって大きなばらつきがあると、その失踪率ですね。私は、一つの私の推論として、これは我が国の受入れ側、監理団体の方に、やはりそこら辺のところの監理がしっかりしていない、言わば甘い、もっと厳しい言葉で言えば、何らかの付随業務に関わる、あるいは関連しての利益を追求するためにどんどん受け入れればいいんだというような、そういう監理団体が一部にあるのではないかと、そういうことがこの現象として現れているのではないかというふうに思いました。 そこら辺について、監理団体に関する監査、年に一回というようなお話でしたけれども、そんなのでは全然足らないんで、本当に監理団体がきちんとこの技能実習制度が実習計画どおりに行われているかどうか、技能実習生のその人権がしっかり守られているのかどうか、そうしたことについて、監理団体が本当にこの法律に定められた役割を果たしていればこのような深刻な問題は起きないというふうに思うわけであります。まあ、議論してもしようがありませんから。 私はこれまでの議論聞いていて、例えばそうした、ある国から来る実習生の失踪者が多いということについて、いや、外国の送り出し機関の問題だからとか、ブローカーがいても外国のことだからそこら辺はよく対応できないかのような、外国の責任であるかのような口ぶりも私はちょっと聞き取れたんですが、しかし、仮に外国の送り出しの方に問題があったとしても、受け入れる監理団体がきっちりしっかりしていればそのような問題がある受入れはしないはずなんですよね。 例えば、監理団体は、技能実習生が来た、そうしたら技能実習生に対して講習を行う義務がありますよね。そこで技能実習生から様々な状況を直接接して把握するわけです。であれば、むしろ送り出し側に問題がある、ブローカーに多額の報酬を取られているというような事実があれば、監理団体がきっちりそういうことにしっかり注意を持ってそれを聴き取れば、それは把握できるわけです。それが把握できれば、そのような送り出し機関からはもう受け入れないという対応ができる。しかし、そういうことが全くなされないまま、いろんな、ブローカーに高い、この聴取票によれば、百万円もの手数料を払ったというような外国人労働者がたくさん来るというような状況がある。 私が言いたいのは、もっと監理団体はしっかりその監理団体の本来職務を行えと、それに対して、行うようにしっかりそれを指導監督するのが法務省あるいは技能実習機構の役割ではないかということを申し上げたかったわけであります。 少し意見にわたるところもありましたけど、私のこの指摘について、法務大臣の御感想、御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 委員の御指摘、本当に同意する部分ございます。 まさにやはり技能実習について監理団体の役割は大きいということで、監理団体にもしっかりと役割を果たしていただく。そのために、年一回の実地のみならず、書面の報告ではございますが、そういうのをしっかり精査するとともに、また技能実習生自身からの直接の母国語による相談、そういったこともしっかり進めてまいりたいと思いますし、また入国の段階においても、そういったブローカーの、多額の借金を負わされているであるとか、あるいはそういった条件面等についてもしっかりとその計画の段階で審査していただく、あるいは入管庁としても審査するということ、しっかりとやっていきたいと考えております。
○小川敏夫君 私の考えに一部同意できるところがあるということでしたけど、一部だけというのが大変残念で、どこに同意できたのか、していただいたのか分からないんですけれども、趣旨は御理解いただいたというふうに思いますが。 私は、大臣のこの外国人技能実習生に対する問題に対する責任は、この委員会でうまいこと答弁して終わらせるということが大臣の職責ではなくて、こうした技能実習生に関わる問題についてこれを適正化するということが大臣の職責でありますので、しっかりと行っていただきたいと。とりわけ私は、監理団体が本来の責任を果たすように指導することが何よりも大切だということを指摘させていただきます。 そして、もう一つ。今回の調査の中で、最低賃金あるいは約束をした賃金を払ってもらえていないというような申出があることがありました。私は、外国に帰ってしまった人であっても、そうした本来受け取るべき賃金をもらっていない、そうした外国人技能実習生がいるんであれば、帰国した後でもきちんとそれが支払われるように、そういう手だてをすることが、私は、国としての責任、あるいは監理団体なりその受入れ事業主の責任であるというふうに思うんですが、この未払賃金、受け取るべき賃金をもらわないまま帰国した実習生に対するその未払賃金の支払ということについてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 今回の調査の結果、未払賃金も含めて労働関係法令違反の疑いが認められた事案に対しては労働基準監督機関に全て通報済みでございまして、今後は労働基準監督機関の対応を踏まえつつ、連携して所要の処分や指導を行うこととしております。 委員御指摘の適正な賃金支払を未払が認められた場合にどのようにするかにつきましては、これは実態の把握、あるいは外国に既にいて、そしてどこにいるのかという調査、これもなかなか外国におる段階で難しいという、一方でそういった調査をすることについて、外国における公権力の行使という部分もございまして、主権の問題もございますから、どのようなことが可能であるのか、そういったことも関係省庁と検討しながら対応をしてまいりたいと考えております。
○小川敏夫君 今回、事業主に聴取して事業主が認めた例がこの調査報告の結果に出ているんじゃないですか。ですから、事業主が認めているものなら、別に労基署に通報するとかなんとかじゃなくて、しっかりと支払うように指導するということは私は重要な責務だというふうに思います。 それで、今日は、別の事柄について質問したいことがございます。 本年六月から通信傍受法の新たな仕組みというものが導入をされまして、そのことが今月に入って警察庁から公表されました。それで、まず、もう公表されてから六月にという、非常に短い時間にそういうことが公表されたんで、ちょっと公表が遅かったようにも思うんですが、そうしたことは別としまして、まず、いずれにしろ、この通信傍受というものは捜査官による濫用があっては決してならないと。ですから、濫用防止の仕組みというものがしっかり構築されていなくてはいけないというふうに思うんですが、まず、その濫用防止に対する取組の在り方について御説明いただけませんでしょうか。
○政府参考人(田中勝也君) 御指摘のとおり、この通信傍受につきましては捜査官の濫用を防止する、これが大事だろうというふうに考えておりますけれども、この点につきましては、機器の面、それから規則の面、様々な面から取組を進めているところでございまして、例えば、通信傍受の際に用いられるコンピューターでございます特定電子計算機に搭載されましたプログラムを改変、改ざんして不正を働くのではないかというふうな御指摘が法律審議時のときもなされたわけでございますけれども、これにつきましては、警察におきましては特定電子計算機のOSの管理者権限を放棄しておりまして、捜査員が一般ユーザーとして特定電子計算機のOSにサインインする場合は通信傍受用のプログラムのみが起動いたしまして、それ以外の機能は利用できない仕組みとなっていることから、プログラムの改変、改ざんはできないということになっております。 その他、規則におきましても様々な取組をしているところでございます。
○小川敏夫君 時間も限られていますのでもう少し具体的に説明しますと、今回、新たなコンピューター、特定電子計算機ですか、によって濫用の防止が、できないという仕組みができた部分がありますが、ただ、そうではなくて、やはり捜査官の運用によって、コンピューターの仕組みではなくて、結局、捜査官の判断によって濫用が起き得る部分もあり得るんではないかというような場面がございます。 もっと具体的に言いますと、今度、コンピューターで録音というものが全ての時間について録音されると。ただし、それを再生する際に、捜査官が傍受した部分についてはその全てが原記録として保存される一方、傍受しなかった部分の録音部分はコンピューターが自動的に消去するという仕組みになっているということですので、その部分については捜査官の判断が入る余地もなく、コンピューターの仕組みとして、傍受しない部分が不正に保存されるということはないということが分かりました。 ただ、その次の段階で、原記録、傍受した部分の全てを原記録に保存する。その原記録は裁判所に送られますけれども、原記録の複製が捜査官のところに残ると。捜査官は、その複製の中から将来刑事訴訟における証拠として使用するという傍受記録を作成すると。その傍受記録を作成した部分は傍受記録として残すけれども、傍受記録として使用しなかった部分はこれは消去しなければならない。他の目的に利用してはならないし、もちろん、消去しなくてはならないんだから持っていてもいけないわけでありますけれども。 実は、この原記録の複製から傍受記録を作成する作業というものは捜査官が行うわけであります。ですから、それは原記録の複製から傍受記録を作成する作業のために何回も聞くことができるし、ですから、一回聞いたら自動的に消去させるというような仕組みじゃなくて、何回も聞くことができる。あるいは、その原記録の複製を他のパソコン、他のコンピューターに取り込むこともできる、すなわち複製の複製もできるという仕組みであります。 そうしますと、これはコンピューターによって自動的に濫用が防止されるというのではなくて、やはりその原記録の複製から傍受記録を作成するという作業の段階において、これは結局は捜査官が適正に行うという、その捜査官側、まあ警察なら警察の運用に関わるところがあるわけであります。ですから、そこについて、捜査官が決して、その原記録の複製でなおかつ傍受記録に残した、保存した部分以外の部分を消去しないで、これを消去しないまま保持したりその他目的以外に利用するというようなことができないという制度上の、運用上そういうことをしっかりとできない仕組みというものを構築してもらわなくてはならないというふうに思うんです。 ですから、捜査官がそうした定められた方式のとおり、しっかりと濫用しないという、そういう体制は警察庁はどのように構築するんでしょうか。
○政府参考人(田中勝也君) まずもって、通信傍受法におきましては、傍受した通信の記録が原記録として全て裁判官に提出されること、通信の当事者に対しては傍受記録を作成したことなどが通知され、当該通信に係る部分を聴取することができる手続が設けられていること、傍受をされた通信の当事者等が裁判官が保管する傍受の原記録のうち必要な部分を聴取することができる手続が設けられていること等によりまして、傍受が適正に行われたかどうかを事後的に検証できるようにされているというふうに承知をいたしております。 その上でございますけれども、通信傍受法によりまして、傍受記録を作成した場合において、それ以外の傍受をした通信の記録をした記録媒体又はその複製等があるときは、その記録の全部を消去することとされておりまして、傍受記録に記録された通信以外の通信についてはその内容を他人に知らせ又は使用することが禁止されるとともに、仮にこれに違反した場合には、懲戒処分の対象となり得るのみならず、刑事罰の対象ともなり得るところであります。 警察といたしましては、傍受記録以外の傍受をした通信の記録をした記録媒体等の通信記録物等が作成された場合には、通信傍受規則に従いまして、通信記録物等を管理する担当者が管理簿に登載して管理することとしているほか、傍受記録を作成した場合には捜査主任官又はこれに代わるべき者の立会いの下で通信記録物等の消去を行うこととしておりまして、これによりまして、傍受記録以外の記録、すなわち捜査手続に使用するため記録している以外の記録の消去を確実に実施することといたしております。
○小川敏夫君 傍受記録作成部分以外の消去を確実に実行することとしておりますと。ただ、その結論を持ってくるときの作業としては、何か管理官を定めたということ、あるいは、そうした不正を行えば処分される、場合によっては刑罰に処せられるということをお話しになったけど、私からいえば、ただそれだけですかと。 別に私は警察官を悪く言うつもりはないんだけど、ただ、この世の中、警察官でもあるいは検察庁でも、もう国会議員でも裁判官でも全ての人間社会は、本来あってはならないんだけれども、しかし、濫用、不正を行う者がいるのが残念ながら現実の事実であります。ですから、警察が私はしっかり頑張ってくれているということは、治安維持、犯罪の撲滅のために頑張ってくれているということは、私は理解し、評価しているんだけれども、しかし、残念ながら、不正、濫用を行う警察官が現れることも事実でありまして、過去にも不正な差押えとかあるいは不正な捜査情報のリークということは何回も繰り返されたわけであります。 そうした観点から、今回のこの秘密を、通信の秘密というものを捜査上秘匿するという、その秘匿した秘密の扱いについてはしっかりと、濫用される、不正に利用されるとか外部に漏えいするというようなことがないような手だてを構築してほしいということで私は繰り返し述べておるんですけれども。そうした観点から見ると、管理者を定めました、あるいは、そうした不正を行えば処分される、処罰されるというだけでは足らないので、もっと具体的に、そうした濫用をしようという捜査官が現れたときに、しかし、それでも濫用できないようなそうした運用の仕組みというものを構築する必要があると思うんです。私はそれができていないと思う。 それで、もう時間が来ちゃいましたので、またもっと詳細に具体的に議論はしたいと思うんですが、今、管理官を定める、あるいは不正を行えば処分、処罰されるというのは、これは今までと同じじゃないですか。つまり、今回の新しいコンピューターシステムによる新方式の通信傍受制度というものが六月から施行されると。しかし、されるに伴って、その濫用防止の管理体制というものを、これは従前と同じままで特別に何か強化したということはないように思うんですが。つまり、管理者を決めるとかそういったことはこれまでやってきたことをそのまま続けるということであって、何か新たに特別に濫用の防止の仕組みをつくったということはないように思うんですが、その点はいかがですか。
○政府参考人(田中勝也君) まずもちまして、御指摘の傍受記録作成という手続につきましては、今回、平成二十八年の改正が行われる前の通信傍受法におきましても規定をされていたところでございますけれども、これまでも警察におきましては、憲法上保障される通信の秘密が不当に害されることがないよう、厳格に定めた要件、手続の下、必要最小限の範囲に限定して運用してきたところでありまして、今後も引き続き適切な運用に努めてまいりたい、このように考えております。 その上ででございますけれども、新たな措置といたしましては、今回、通信傍受規則を改正いたしまして、傍受に関しまして捜査に直接当たらない人間が助言、指導に当たります傍受指導官というものを設置、例えばこういったことをいたしております。
○小川敏夫君 もう時間が来ちゃったので細かい議論はできませんけど、つまり、捜査の担当者ではない、捜査に関わらない指導官というものを新たに置くということでしょうけれども、しかし、濫用しようという意図がある捜査官がそうした指導官の目を隠れて行えばこれはできてしまうわけでありまして、ただ単にそういう指導官を置いたというだけでは不十分なのではないか。やはり、憲法に保障された通信の秘密というものを、捜査の目的だけに必要な範囲でこれを認めているという制度の本質から見れば、やはりそれが不正に濫用される、すなわち、捜査の目的以外に使用されるとか、そうした情報が漏えいされるということは決してあってはならないわけでありまして、その決してあってはならないことは決して起きないような、そうした運用の仕組みというものをしっかりと構築してもらわなくてはならない。 これが、そうした仕組みについて公表されたのがつい最近でありまして、もう、すぐ直後の六月から運用されるというのは、議論の間もないままそうしたまた新たな運用に入るということで、非常に私は、この議論の場すらなかった、ないまま運用されるということで、非常にそれは不適切だと私は思いますが、いずれにしろ時間が来ましたので、また改めて議論するということを述べて、今日の質問は終わります。
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。 今日は、まず最初に働き方改革についてお伺いしたいと思っていますが、それはなぜかというと、この入管法変わりました、で、元々その生産年齢人口が減少してきていることが大きな原因だと、そういう趣旨の答弁、この委員会でいただきましたが、ここに来て、その人手不足の原因がもう一つ働き方改革にあるんではないかと、地元の中小企業の社長さんたちから相当言われています。 これ、趣旨としては分かります。趣旨としては分かりますが、この働き方改革によって労働者不足というのは更に深刻化しているのではないんでしょうか。
○政府参考人(田中誠二君) お答え申し上げます。 働き方改革につきましては、ワーク・ライフ・バランスの改善や生産性向上を図って、女性や高齢者を含めて多様な人材が活躍しやすい環境の整備を進めてまいる、さらに、今後の労働力人口、生産年齢人口の減少、人口自体も減少してまいりますけれども、その中で人材をしっかり確保していくための改革でございます。 一方、足下を見ますと、日本商工会議所、東京商工会議所が平成三十年十月に行った調査によりますと、中小企業・小規模事業者における時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化の対応に当たっての課題として、業務量に対して人員が不足している、特定の時期に業務が過度に集中するといった人手不足や業務の繁閑に関するものが多く掲げられております。 私どもとしては、働き方改革の趣旨の周知や、あるいは専門家による企業の個々の実情に応じた無料の相談支援の充実等におきまして、中小企業・小規模事業者の方々を支援してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 済みません、最後、支援してまいりたいとおっしゃいました。何を支援するんですか。
○政府参考人(田中誠二君) 一つ具体的に申し上げますと、各都道府県に働き方改革推進支援センターを設置しており、そこで、社会保険労務士など専門家による企業の実情に応じた無料の相談支援等に取り組んでおります。 例えば、ベテラン担当者による進捗管理、チームミーティングを通じた業務プロセスの見直しにより、従来発生した手戻りが減少し業務効率の高まった事例、あるいは、勤務時間や勤務場所を限定した正社員制度の導入により、求人の応募の増加につながった事例などがあります。 働き方改革に取り組んでいる中で、非常にうまく取り組んでいる事例などもありますので、そういった事例の横展開といったことをこういった相談を通じてやるとともに、あるいは、さらに生産性改善のための様々な取組に対して助成金の整備をしておりますので、その活用に関する助言などを行っておるところでございます。
○櫻井充君 政府の説明は、うまくいったところを強調されるんですよ。うまくいったのは全体の何%ですか。
○政府参考人(田中誠二君) そういった数字については把握をしておりません。
○櫻井充君 調査していただけますか。
○政府参考人(田中誠二君) 済みません、調査の在り方も含めて考えたいと思いますけれども、なかなか全体の中で具体的な数字でお示しすることはできないと思います。 これから様々な形で御相談あろうかと思います。そういった相談の実態等をお伺いしながら、その状況についてはまた御報告させていただきたいと思います。
○櫻井充君 数字がなくてどうして実態が分かるんですか。今、実態とおっしゃいましたね。実態こそ数字ですよ。数字をもってこそ、どのぐらいのどの企業は、どの分野の企業はどれだけうまくいっている、どの企業は残念ながら努力してもうまくいかない、数字でこんなの捉えるのは当たり前のことですよ。ちゃんと数字出してくださいよ。
○政府参考人(田中誠二君) どのような定量的な把握ができるか検討したいと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。 そうしないと、例えば十日間の有休定められていますね。そして、そこの中で五日間分は確か時間休で休み取ってもいいんですよ。だけど、残りの五日間は必ず休まなきゃいけないような仕組みになっているんですよ。これ、企業のことから考えてくると、この十日間全部、時間休で調整してもらったらまだまだやれるんですよ。それを機械的に五日間ちゃんと全部休んでくださいみたいな制度にしているから問題が多いんですよ。我が国は、そうじゃなくても祝日が多いんですから。 ですから、趣旨は分かりますよ、そうやって労働者の権利を守っていきましょうということ自体は理解はしますが、例えば、我々、医者の労働時間、残業時間はどうなったかというと、結局百六十時間になったんですよ、八十時間じゃなくて。なぜこういうことになったのかというと、八十時間にしたら救急外来はやれなくなるからですよ。私なんか三十六時間働くのは当たり前でしたからね。だけど、そういう中で医療を守ってきているんですよ。だから各々の分野分野によって違うので、そこはもう少しちゃんと考えていただきたいと思うんです。 なぜこんなことを言っているかというと、例えば、鳴子温泉の老舗の旅館が今度の働き方改革で、結局年間五日間丸々休みを取らないとこの働き方改革守れないことになっちゃったんですよ。五日間休むんですよ。売上どれだけ落ちるか御存じですか。これだって、ローテーションして人を回せるような大企業だったら何とかしたいと思うけれど、結果的にはうちはそういうことができませんから、それで五日間休むことになっているんですよ。こういう実態を御存じですか。
○政府参考人(田中誠二君) そのような実態について具体的に私どもとして把握している状況にはございません。
○櫻井充君 何でうまくいったことはここでとうとうと述べられるんですか、困っていることについて何でそうやって調べないんですか、おかしくないですか。それで、どうして実態だっていうんですか。うまくいったことが実態ですか、こうやって苦労しているのも実態じゃないですか。ちゃんとこうやって苦労している実態も調べてくださいよ。
○政府参考人(田中誠二君) 様々なお声をしっかりと受け止めて対応していきたいと思っております。
○櫻井充君 さて、ここからです。それで、結果的には労働者不足を補うために一生懸命今努力されています。だけど求人を幾ら掛けても集まらないんですよ。田舎の温泉宿は特にそうです。 そこで、外国人に頼るしかないだろうといって、今仙台在住でミャンマーから来られた方でもう三十年以上住んでいらっしゃる方がいらっしゃいます。この方を頼りにして、ミャンマーから外国人労働者を雇い入れたいと思っているんですよ。ですが、外国人労働者として温泉宿で働ける場合には、たしか試験の要件として二年以上の実務経験だと私は観光庁からお伺いいたしました。これはそのとおりでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(金井昭彦君) 外国人の今回の特定技能の受入れにつきましては、試験を通った方を受け入れるということでございまして、その試験に通れば、特定技能として認められるということだと理解しております。
○櫻井充君 いや、そこの試験の要件の話を聞いているんですよ。試験受けなきゃいけないのは知っていますよ、そんなの。だから、そこの試験の要件のところに実務研修二年以上というふうに私はレクを受けましたが、それでよろしいんですか。
○政府参考人(金井昭彦君) 試験を受ける要件として実務経験二年ということは課しておりません。
○櫻井充君 課していないんだったら、ちゃんと説明のときに、そういう説明しないでくださいよ。質問通告をした際に、私はそう言われましたよ。いや、首振るけど、そういうふうに言われましたからね、だからそこはちゃんと徹底していただきたいんですよ。 であったとすると、例えばその方々は、今ミャンマーから人を連れてこようとした際に、日本語ができれば、そうであればその方々は温泉宿で働くことは可能になるんですか。
○政府参考人(金井昭彦君) 私どもの試験におきましては技能試験を課しておりまして、いわゆるペーパーテストと、あと実技試験を課しておりまして、そのテストに合格すれば受け入れるということになっております。
○櫻井充君 実技試験というのはどういう内容の実技試験になるんでしょうか。 というのは、こういうことも知らないんですよ。ミャンマーに行って交渉してきて、うちの旅館で働いてくださいで成立すれば、それで連れてこれると思っているんですよ。試験は受けなきゃいけないと思っていますよ。でも、それは日本語ができれば大丈夫なんじゃないかとしか思ってないんですね。そうだったとすると、この方々、もしそこで受けたとして、落ちた場合に、だけど、来てもいいですよ、受け入れますよ、そうなったら、今度は技能実習生で受け入れるということにできるんでしょうか。
○政府参考人(金井昭彦君) 実技試験につきましては、例えばフロント業務であるとかそういうことを想定して、簡単なやり取りをするというようなことを考えております。それで合格すれば受け入れられるということでございます。
○櫻井充君 簡単に受かるものですか。そこだけ教えてください。 つまり、だから僕は、受からない場合には、じゃ、どうするんですかと。ミャンマーから来てもいいですよと言ってくれたんだったら、技能実習生に切り替えるしかないのかなと。技能実習生であれば、日本語さえできればそれでいいんでしょう。だったら、そういうふうに切り替えるしかなくなりますが、それでよろしいんですかということを申し上げているんです。
○政府参考人(金井昭彦君) 実際の技能試験につきましては、第一回を四月十四日に全国の七か所で行ったところでありまして、今それを厳正に審査中ということでございますけれども、一定の能力があればどなたでも、基本的な資格があれば受け入れられるということで考えております。
○櫻井充君 よく分からないんですが、まず、とにかく労働者として入れるかどうかについての試験がありますと、だから、もしこれに落ちた場合には技能実習生としては受け入れられるんですか。これ所管違うでしょう。法務省、それでいいんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) その今おっしゃられました特定技能の試験に受かる受からないにかかわらず、技能実習で入ることは可能です。
○櫻井充君 いや、いいんです。受からない場合のことを聞いています。受かるんであれば外国人労働者として受け入れた方が長期間滞在できますから。 問題はここからです。もしこれに、この試験に落ちたとして、それで技能実習生として入ることになりました。これ一年間で帰らなきゃいけないことになっていますね。これ一年間で帰らなきゃいけないことになっていますが、この間の観光庁の説明と違っていて、二年の実務経験を課さないということになれば、一年間の技能実習が終わった段階でその特定技能一号の試験を受験することは可能ですか。
○国務大臣(山下貴司君) まず、試験を受けることが可能かどうかというところについては、これは、技能実習からの受験は、これは認めていないというところでございます、一号であればですね。 今委員御指摘なのは、一号ということ、一号技能ということで、これは一年ということでございます。特定技能で求められる技能水準というのは、相当程度の知識又は経験を必要とする技能と定めておりますので、具体的には技能実習二号修了時の目標と同等であることを求めているため、技能実習一号から特定技能一号への移行を認めるというのは困難であると考えております。
○櫻井充君 大臣、そうすると、現実の話です、現実の話、これ、温泉宿の方々、経営者の方と話したんですよ。要するに、一年間技能実習で受け入れた後に一回帰さなきゃいけなくなるかもしれないんだと、えって驚いていました。 だから、これでせっかくミャンマー、まあ外国から来ていただいた、田舎に連れてくるって相当大変なことなんですよ。継続してやりたいわけですよ。継続できるようにするような手段を考えていただけないですか。 つまり、制度が先にあって、その制度が現実に合っていないわけですよ。だから、現実でみんな困っているんです。現実で困っている問題が起こっているとしたら、それに制度を合わせるというのは当たり前の話じゃないですか、違いますか。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 一般論として、今、宿泊に関しては技能実習一号ということにしか該当しないということでございますが、二号というものが移行できないのか。一般論として、業界及び関係省庁において、技能実習二号に移行するためのいわゆる移行対象職種、作業の整備を検討していただければ、法務省としてその結果を踏まえた対応を行うこととしております。そして、現在、宿泊業に関してはそのような検討がまさに進められているものと承知しております。 法務省としても、これを踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 そうすると、やっと今ミャンマーに当たっているというのも無駄にならないんで、是非それを早くに決めていただきたいとお願いしておきたいと思います。 そして、その上で、さらに、更生されたいと思っている方々を受け入れようと。それで、協力雇用主に今日、仙台の方で連絡をして、多分登録されることになるんだと、そう思います。それで、犯罪を犯した方々の更生のために協力したいと、だけど、そのぐらい人が集まらないし、だけど一方で、社会貢献もしたいのでそれをやりたいとおっしゃっています。 こういう場合には、その鳴子という地区だと大崎管内になるので、大崎管内からの紹介というのが多いんですよ。というか、原則はそうなっているんです。そうなってくると、人口の少ないところで、犯罪を犯している方も少ないから、しかも地域で大体何をやった人というのがもし分かっているような場合だと、地域で生活するというのが結構大変な場合もあるんですよ。 それからもう一つは、犯罪を犯している方々というのは、家庭内での環境が決して良くない、親子関係とか良くないと。そうなってくると、親子関係を一回離した方が良くなるような場合もあるわけです。そうだとすると、東京なら東京、もっと離れた地域で、田舎の温泉宿で働いてみたいと、そう手を挙げてくださった方に対してもっと積極的に支援するようなことをやっていったらどうなのかと。 ですから、そこの地域、その地域のところから探すのではなくて、もっと全国で受け入れられるようにできないんだろうかと。特に、その温泉宿の場合には、もう寮がありますから、そこの寮でちゃんと、寮も完備されて、そこで働いてもらうということになってくると、本人としても心機一転、頑張れるようになるし、それから田舎の人手不足も解消できるんじゃないかと思っていて、その点について前向きに御検討いただけないでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) まさに、過ちを犯して、それから更生する者を助けるというのは、これは非常に政府としても挙げて取り組んでいるところでございまして、再犯防止推進計画等で、これを閣議決定して取り組んでいるところでございます。 そして、委員御指摘のとおり、昔いた場所にそのまま働くということはなかなかできないというふうなこともあろうかと思います。そういったものについてはマッチングの問題を、これをしっかりとやっていくということだろうと思います。現在、刑務所、矯正施設等においてはコレワークというこのマッチングのシステムをやっているところではございますが、これを更に拡充するなどして、そういった、いろんな様々な地方で可能性を見出す、そういったこの更生の支援に向けても取り組んでまいりたいと考えております。
○櫻井充君 前向きな御答弁、本当にありがとうございます。 それから、実はうちの事務所でも雇わせていただきたいと何回も申し上げているんですが、全く紹介していただいていませんので、是非御紹介いただきたいと、これは陳情を申し上げておきたいと、そう思います。 元々は決して悪い人たちじゃないんですよ、大体の人たちが。たまたま親子関係が悪くなって、すねてというかぐれてというか、それで自分たちが犯罪を犯したことについて悔いている方々が大半です。ですから、そういう人たちの心のケアを行いながらちゃんと雇っていくと僕はすごくいい戦力になるんだと、そう思っているんです。 ですから、是非、そういう人たちの再生の道のためにも、マッチングのところをきちんとやっていただきたいことと、うちの事務所でも人手探しておりますので、是非御協力いただきたいとお願いしたいと思います。 それで、これ、実は仙台に一回行ったことがありまして、その際、何と言われたのかというと、政治的中立だから国会議員の秘書として紹介することはできないと言われました。おかしな話です。別に、それは政治的、何というんでしょうか、まあ私は野党だから、野党の国会議員に紹介することが政治的中立というのを保てないという話に僕はならないんじゃないかと思います。 その点については、大臣、どうお考えでしょう。通告していないんですが、済みません。
○国務大臣(山下貴司君) ちょっと御通告いただいていない個別の事案でございますので、そういったところについてちょっとお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○櫻井充君 ただ、やはり積極的に雇い入れたいというところがあるんですから、そこはもう少し柔軟に考えていただきたいと、そう思います。 さて、それで、こうやって見てみると、働き方改革でも人手が足りなくなりそうなんです、更に。そうすると、当初計画していた三十四万人ではまた足りなくなるんじゃないかという要素が出てきているんですよ。 そうすると、この間の委員会で大臣から、向こう何年間かは考えていませんとは言われました。しかし、私は与党の方と話をしてみると、特に与党の座長の方はかなり積極的に、済みません、ここで言っていいのかどうか分かりませんが、その方から言われたのは、もっと短い期間で見直しをして、もう少し受け入れられるようにしたいと、そういうお話がありました。 改めてですが、人材が十分確保できない場合には、ある程度柔軟に対応していただくことはできないんでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) まず、これは特定技能に関しましては、これは政府の方針といたしまして、分野別基本方針に明記されました向こう五年間の受入れの見込みの最大数、この五年間は大きな経済状況の変化がない限りはこれを上限として運用するということになっておりますので、政府としては当面そういったところで運用してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 政府の基本的方針はそれで結構なんですよ。 ですが、そうではなくて、もし、いろんなことがあるじゃないですか。例えば、消費税だって上げることをもう決めているわけですよね。それを前提に予算も随分組んでいますよ、子供の手当とかなんとか。だけど、景気が悪くなったりとかして上げられない環境になったら、これは上げないかもしれないんでしょう、また。いや、分かりません、大臣に聞いてもしようがないことですが。再々延期もあるんですよ。 ということは、一度決めたからといって、まず方向性はそれで結構です。だけど、何らかのことが起こってきて、やはりどうしても足りないような場合にはある程度柔軟に考えてはいただけないのかどうか、その方向性についてだけです。
○国務大臣(山下貴司君) 私がお答えできるのは、これは基本方針、あるいは分野別運用方針にも定めているとおり、向こう五年間はこの受入れ最大、上限として運用させていただきたいということでございます。
○櫻井充君 これはもう水掛け論なので、とにかく対応できないような場合には検討はいただきたいということだけお願い申し上げておきたいと思います。 それで、技能実習生の方と、それから外国人労働者、特定技能一号というんでしょうか、賃金はどのぐらい違うんでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 一号特定技能外国人は、少なくとも三年間の技能実習を修了した方、これと同等の技能水準にあることに鑑みまして、その報酬額は技能実習二号で在留している方の報酬額を上回ることになると思います。
○櫻井充君 どのぐらい上回るものなんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 恐らく職種ごとにまちまちだと思います。
○櫻井充君 そこがね、それは当たり前の話なんですよ。それは職種ごとによって違うとは思います。 いや、何でこんなことを聞いているのかというと、先ほどの御答弁は、温泉旅館については一歩前進なんです。それは何かというと、一回母国に帰らなくて済むようになったから。そこは一歩前進ですよ。ですが、技能実習生の一号というんですか、それから二号に変えていただけるという話になるんですか、これは。よく分かりませんが、つまり、それでも技能実習の期間は今度は三年間になるわけですよね。だったとすると、賃金は上がらないままということになりますね。 そこのところに僕は問題があると思っていて、そういうことのないようにしていくためには、ある程度早い段階で賃金を上げていただきたいんですよね。なぜかというと、結局、失踪している原因の大半は賃金が安いからであって、そうすると、ほかのところの職種に行く、ほかの地域に行った方がいいという話になってしまうので、なるべく長い期間いてもらうようにするためには、いかに賃金を上げるかなんです。 ですから、母国に帰らなくてよくなったという点については評価いたします。ですが、この人たちの給与をどうやって手当てするのかということについて、どうお考えなんでしょう。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今申し上げました技能実習よりも特定技能一号が上であるべきということにつきましては、今回の特定技能の運用要領の中にその旨を書いておりまして、受入れ機関に奨励をしております。
○櫻井充君 いや、そこは分かっているんですよ。それは分かった上で、そうすると、例えば、最初は仕方がないですよ、試験がもし受からなかったとしたら、技能実習生で入ってくるのは、一年間はね。その後ですよ、問題はその後。 そうすると、先ほどの話だと、実務要件二年を掛けないということになってくれば、一年間やってみてフロント業務などがきちんとできれば、今度は試験をその場で受けることは可能なんですよね。
○政府参考人(佐々木聖子君) もう一度……
○櫻井充君 要するに、何も経験のないままにミャンマーならミャンマーから日本に入ってきます。その際に、外国人労働者として受け入れられるためには試験を受けなければなりません、試験に合格すれば特定技能一号としての資格で外国人労働者として日本に入国ができますと、いいですね、ここまでは。ちょっと待って、いいですね、ここまでは。 一方で、もしその試験に受からなかった場合には技能実習生として入っていただくことになるんだろうと思います。技能実習生で一年間終わりましたと。一年間終わったんだとすれば、当然そこでフロント業務なども覚えたので、先ほど、技能実習生の二号ですか、そこに移行するような話もありましたが、そこの時点で改めて試験を受けて特定技能一号という資格を得ることは可能なんですよね。
○政府参考人(佐々木聖子君) 分かりました。可能です。(発言する者あり) 技能実習を一年終わられました、その時点で特定技能の試験を受けることは国内で可能です。
○櫻井充君 それで大丈夫なんですね。そうですか。 であったとすると、いや、この間まで、結局、役所からの説明が違っていたので、自国に帰らなきゃいけないんじゃないかという心配をしていましたが、そこの時点で試験を受けられれば今度は特定技能一号の権利を得ることができるから、そうすると、今度はそこから五年間いれるんですか。それから、その技能実習生として一年間もカウントされて、そこから四年になるんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 当然のことですが、試験には合格をされるという前提で、その試験に受かって特定技能の在留資格になってから五年間です。
○櫻井充君 そうか。そうすると、この間までの説明よりは随分、済みません、説明のされ方が悪かったのかどうか、私の理解が悪かったのかもしれませんけれど、これだと継続していれるようになってくる可能性が高くなってくるので、そうすると、あとは外国人労働者の方々が、技能実習生という形でもいいので日本にどうやって、日本というよりも地方にどうやって入ってきてもらえるのかどうかということが最終的な課題になるんだろうと、そう思うんですよね。 もう一つ、今度は、こういうことも今起こっているんですが、日本語学校の受験者の数が大分減っているんだそうなんです。日本語学校に来て学んで、それから日本で働こう、若しくは学校に、さらに、例えば専門学校とか大学とかに行って学んで、それから働こうではなくて、募集を掛けているんだけれど集まりにくくなってきているんだそうなんですよ。そうなってくると、技能実習生ということで受け入れるというのはまたまた地方になってくると今度はハードルが高くなっていくような感じがしているんですが、その点について御認識はおありでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 恐らく、どのような職種によるのかということにもよるかと思いますけれども、今、技能実習の皆様は全国言わば津々浦々に、各県に入っていらっしゃいますので、それぞれにそれぞれのネットワークといいますか、つてがあるものと理解をしています。
○櫻井充君 津々浦々にそのネットのある人はいいんですよ。つまり、今、私が話を聞いてきたその温泉旅館の方のように、新規に参入されるような方になってくるとハードルが高くなっていくんじゃないかと。つまり、外国の方々は日本に来るのは、結局、自国に残した、母国に残した家族のために仕送りするために来ているわけですよね。外貨を稼ぎに来ているのであって、そうすると、一円でも高く働きたいと思うのは当然のことであって、そういう人たちをこれから、繰り返しになりますが、地方にどういうふうにして来てもらえるようになってくるのかについて、是非改めて御検討いただきたいと、そう思います。 それから、技能実習生の制度が変わりました。技能実習生の制度が変わって、技能実習生の処遇は一体どのように変わったんでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 委員おっしゃる処遇というのは、賃金という意味でよろしいでしょうか。
○櫻井充君 賃金だけを指しているわけじゃありませんで、例えば法定外の労働がどうなったとか、いろんな問題がありましたよね。そういう問題がどの程度解決したんですかということです。
○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習の方の賃金が平均して幾ら上がったというデータは持ち合わせておりませんけれども、制度そのものの改善点、良くなった点という意味でいいますと、技能実習機構が実地に検査に赴いて問題を見るようになったということ、それから母国語相談をやるようになったということ、それから実習先変更支援などを行うようになったという環境の整備が行われています。
○櫻井充君 結果的には、そういうことを行って失踪者の数は減っているんですよね。
○政府参考人(佐々木聖子君) 新制度の下での失踪率で申しますと、旧制度よりも若干減っています。
○櫻井充君 でも、先ほどの福岡議員からの質問にあるように、絶対数が増えてきているので、率では分からないわけですよね。絶対数はどうなっているんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 絶対数、二十九年末時点での技能実習生の在留者数そのものが、二十八年末に比べて約五万四千人増えています。一方で、失踪者数は、二十八年が約五千人、二十九年七千人、三十年九千人となっています。
○櫻井充君 失踪者の数は増えているということでいいんですか、そうすると。
○政府参考人(佐々木聖子君) 失踪者の数は増えています。ただ、母数が、技能実習生の数全体が増えていますので、その失踪した割合が減っているということを申し上げております。
○櫻井充君 一つは、その失踪者の割合が減ったことは、それはそれで評価はしますけどね。だけど、これから外国人労働者の数が増えるわけですよ。外国人労働者の数が増えていって、増えたからその失踪者の数が増えていっても構わないとは言いませんが、そういう話になるのはおかしなことですよね。 そうすると、失踪の原因というのはどこにあるんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の制度でも、一部の実習実施機関に問題があって、例えば賃金の不払、あるいは人権上問題のある取扱いなどがあって失踪したという事案もあります。ただ、同時に、多くの場合におきまして、より高額な報酬を求めて失踪したということも今回の調査結果にもございます。
○櫻井充君 そこの分析をきちんとするべきだと思うんです。要するに、企業側の問題なのか、それとも日本国内に入ってきた外国人の方々の都合なのか、そこについての分析をきちんとしていただかないと問題は解決しないと思います。 そうすると、まず前半の方だと、受入れすることができない程度のペナルティーにするのかどうかというのは、これは考え方だと思っていて、やはりそういうことをやってきたということ自体は犯罪ですよね、契約不履行ですから。そうしてくると、この制度上はその受入れができませんという程度で、ほかのところでペナルティーがあるのかもしれませんが、もう少しきちんとした処分を下すべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 問題の深刻さはおっしゃるとおりだと思います。入管としての恐らく大きなペナルティーは、今御指摘のように、次を入れさせないということかと思いますが、そのほか、労働関係法令などの適用がどういうのがあるかということについて、厚労省とも相談をしていきます。
○櫻井充君 ありがとうございます。 その上で、今度は、そうすると、報酬の高いところに移っていくために失踪していくと。これ、どう見たって、いや、これは長官、日本人だって、結局、田舎より都会の方が給料高いから、みんな都会に行くんですよ。これ、外国人をそれで止めるという話はどうやってするんですか。つまり、ある地域にだけ限定して入ってくるようにでもしないと、居住の自由があるからといって今回の法律上はいろんなところに行けるようになっていますよね。僕は、だからそうじゃなくて、前に申し上げたとおり、ある地域で受け入れるような仕組みをつくれば、その地域の外には出れないんですよ。 何らかのことをやらないと、結局は、日本に入ってきましたと、でも、横のネットワークがあって、給料こっちの方が高いよという話になれば都心部に集まってくるようになるんじゃないんですか、最後は。
○政府参考人(佐々木聖子君) 審査手法というのはいろいろあるかと思いますけれども、まずは地方でも外国人が住みやすい環境づくりをするということ、それから、業界ごとの協議体、協議会において、時々刻々と変わっていく外国人材の受入れの様子を見ながら、その職種として何ができるかということを協議をしていくという仕組みにしております。
○櫻井充君 いろいろ御検討いただいていることについては感謝申し上げますが、どこまで実効性があるかということだと、そう思います。 それともう一つは、今回、私、そこの温泉宿の社長の皆さんと話をした際に、制度をほとんど知りませんでした。ですから、もう少しきちんとした、こういう制度になっていますよということを、業界団体のトップの人たちは知っているのかもしれないけれど、一般の方々が本当に知らないわけですよ。 そうすると、これ、誰がどういう形で伝えていったらいいのか分かりませんが、法務省は少なくともそういう業界団体を所管している省庁ではないので、法務省から伝えることは難しいことなので、政府全体として、各関連の産業に対してそこの役所がもう少しきちんと伝えていただいて、地方の人たちがもう少し使えるようなことにしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。 今日は、まず、この調査・検討結果報告書ですね、プロジェクトチームの方から出されたこの報告書に関連してお伺いをさせていただきたいと思います。 まず、今回の調査は、そもそも任意による調査ということで、プロジェクトチームの方で調査をするに当たり、各受入れ機関の方ですね、そちらに了解をいただいたところというのか、対応していただけたところのみ実際には調査ができたという結果になっております。 その中で、報告書の方によりますと、協力を拒まれたため調査を行うことができなかったものということで、百十三の機関、そして対象者としては百五十五人分が結局調査ができなかったというふうになっております。これらの機関に関しては、監理団体からの例えば聴取であるとか、現在その当該受入れ機関の方で就労している技能実習生からの聴き取りであるとか、いろんな形での補充調査というのはできたのかどうか、また、したのかどうかという点についてまず確認させていただけますでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の調査におきまして、実習実施機関が調査協力を拒否した場合に必ずしも監理団体の補充調査を行うことにはしておりませんでした。ただし、例えば、実習実施機関から必要な書類が入手できなかった場合に監理団体からその関連資料を入手するなど、必要に応じて監理団体の協力も得ながら調査を行いました。 また、実習実施機関に不正行為等の疑いが認められる場合に、監理団体もこれに関与している疑いがある場合がございまして、それにつきましては監理団体も調査を行いました。 なお、地方入国管理局が調査を行った事案のうち、監理団体からも事実確認や関係資料の入手を行った件数は三十件強でございます。
○伊藤孝江君 今の三十件強というのは、この百十三機関のうち三十件強に関して監理団体からの資料を得ることができたということでよろしいですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) これは含まれません。含まれません。
○伊藤孝江君 じゃ、含まれないということは、この百十三機関に関しては監理団体からの資料などはなく、それ以外のところで受入先の調査にプラス監理団体からも聞くことができたということでいいんでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) お話のとおりです。
○伊藤孝江君 結局、百十三機関に関しては、監理団体等を含め、ほかからの聴取や資料の確認というのはもうできなかったということでよろしいんですね。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の調査ではできませんでした。
○伊藤孝江君 今回、その期間の、三月末までに報告書を出すという期間の問題ということもあったんだとは思うんですけれども、ただ、複数人が失踪している機関もありますし、仮にこれが一人であっても大きな問題であることには変わりはありませんので、その調査ができなかったことをもってこの百十三機関に関して問題はないというふうに判断、評価することというのはやっぱりふさわしくないんじゃないかというふうに考えております。 実際に、この調査を拒否した実習実施機関におきまして、技能実習生の雇用において、労働関係法令の遵守状況がどのようなものであったというふうに評価をされているのかということについてお教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) ただいま申しましたように、今回、これらの受入れ機関につきましては関係書類が得られませんでしたので、今御下問の労働関係法令の遵守状況がどうだったかということについて評価できる状況には至っておりません。 ただ、これまでも御報告しておりますように、今年度中に、今回まだ、その後、受入れ機関に技能実習生が在籍しているところには調査に赴きますし、御指摘のように、これらの拒否した会社、実習実施機関に疑念を持っているということは入管としてもそのとおりですので、優先してその調査を行いたいと思っています。
○伊藤孝江君 確認させていただければと思いますが、この百十三機関に関して引き続き、特に優先して、現在も技能実習生を就労させているところについては今年度中に調査を行うという方針であるということでよろしいんですね。
○政府参考人(佐々木聖子君) 結構です。
○伊藤孝江君 この報告書での記載なんですけれども、この百十三機関におきましてどういうふうな対応をするかというところで、今の調査の分とは別の観点になるかと思うんですが、書かれているのは、今後これらの機関、その中に百十三機関が入りますけれども、今後これらの機関から技能実習計画の認定申請や平成三十一年四月一日から施行される特定技能の在留資格に係る申請がなされた場合には、機構や地方出入国在留管理局において、このような経緯を踏まえた慎重な審査を行い、必要に応じ、法令の規定による実地検査等を行う必要があるというふうに書かれております。 これから新たな何か申請がなされた場合に、慎重な審査を行い、実地検査等を行う必要があるというふうに書かれていますけれども、そもそも、任意であるとはいえ、協力に応じない、労働状況を管理というのか、確認をすることができないような実施機関において、受け入れることを前提にするかのような記載がなされているということについては、やはりかなり甘いんじゃないかというところを感じるところでもありますし、この点について、この報告書の記載、どのように捉えればいいのかということを御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) おっしゃっていただきましたように、今回の調査、任意の調査で行われましたものでございまして、これを拒否したので新規の技能実習生の受入れを認めませんということを事前に周知していたものではございません。 したがいまして、今回、拒否したことだけをもって直ちにこれから入れさせないということは言わないのでありますけれども、繰り返しになりますけれども、やはり受入れ機関としての適格性に疑義が生じている優先順位の高い要注意機関だと考えておりますので、そうした機関からの申請に対しては厳格な審査を行います。
○伊藤孝江君 これは、じゃ、拒否したことをもって新規の受入れ、今の技能実習生、採用している技能実習生に対して辞めさせろというところまではできないにしても、新たな受入れについては認めないということを、そういう方向で考えるということはできないんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 一律にとはいかないと思いますけれども、繰り返しになりますけれども、非常に今回の姿勢といいますか対応が疑義があるものでしたので、当然のことながら、本当にこの外国人の受入れ機関として適正なのかということについての疑念が元々ございますので、それを踏まえた対応をいたします。
○伊藤孝江君 そこは、それを踏まえた対応というところに思いを感じるというふうに思いますので、しっかりと対応を厳しくしていただければと思います。 この調査、このプロジェクトチームの調査とは別に、機構や出入国在留管理庁の方で実地検査等、実地調査等をされることに今後もなるかと思うんですけれども、まず確認をさせていただきたいのが、この技能実習機構と出入国在留管理庁で行う実習実施機関等に対する調査権限、この内容やその強制力などに関して違いがあるのかどうかということを教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) まず、外国人技能実習機構でございますけれども、これは技能実習法令に位置付けられているものでございまして、技能実習計画の認定に関して、任意の調査として、実習実施者等に対して報告や帳簿書類の提出を求めること、実地による設備や帳簿書類等の検査を行うことが可能です。これらの調査に対して実習実施機関等が虚偽の報告を行うなどした場合には、技能実習計画の認定を受けられなくなるほか、技能実習計画の認定の取消しあるいは欠格事由の対象となります。 一方で、役所でございますが、法務省及び厚生労働省につきましても、同様に報告徴収や帳簿書類の提出の求めができます。加えまして、関係者の出頭を求めることができること、それから実習実施者等の施設内への立入り、その設備等の検査を行うことが認められております。これらの調査に対して虚偽の報告を行ったり検査を阻むなどした者につきましては、技能実習計画の認定の取消し及び欠格事由の対象となるだけではなく、三十万円以下の罰金という罰則の対象となります。これが違いでございます。
○伊藤孝江君 そうすると、技能実習機構と役所の側で調査をするかどうかによって、例えば罰則があるかどうかという違いもあるというようなことも今御説明の中にあったかと思うんですけれども、基本的には、新制度の技能実習生に対する問題については機構の方が対応するのかなというのが、そういうことなんだろうと思うんですけれども。その厳しいのが役所からの調査ということになるのであれば、最初から機構による、緩やかな調査という言い方が適切かどうか分からないですけれども、ものではなく、罰則も考えている役所の側の調査をまずすべきではないのかということも含めて、この調査の在り方についてどのように考えておられるのか、御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほど御報告申し上げましたように、この機構の調査によりまして、そもそも技能実習生が受け入れられなくなるということが、可能になる限りにおきまして、かなりこの機構の権限といいますか、作業も重要なものでございます。基本的には、今おっしゃっていただきましたように、新制度の実習実施者に対しては、機構においてこうした法的効果を説明の上、実地検査を行うこととしております。 他方で、今お話しいただきましたように、入管庁が、地方出入国在留管理局が行う調査でございますけれども、例えば調査の受入れを強硬に拒否するなどの実習実施者に対しましては、役所が、厚生労働省、それから法務省が外国人技能実習機構とも連携しつつ立入検査を行う、要するに出ていくということが合理的と考えています。
○伊藤孝江君 そうしたら、その新制度の技能実習生に関する問題を調査する場合であっても、機構による調査よりも出入国在留管理庁による調査の方が罰則の担保もあってしっかりと向こうに対応させることができるというような状況の場合には、機構よりも庁の方で調査を行うこともあり得るというようなことでよろしいんですね。
○政府参考人(佐々木聖子君) それはあり得ります。
○伊藤孝江君 そもそも、例えば、この失踪というのが今回のプロジェクトチームの調査の最初の取っかかりになったかと思うんですけれども、失踪者が失踪して、その後、例えば不法残留であるとか不法就労であるとかで摘発をされて、その後に事情聴取をして、その聴取を踏まえて調査に入るということを考えると、失踪した段階から調査に入るまでの間に結構な期間がたっているということも十分考えられる話ですし、本当に悪質な受入れ機関であれば、その間にいろんな証拠を、賃金台帳であるとかタイムカードであるとか、そういうような貴重な情報についても隠蔽をするとか、また散逸してしまうとか、そういうようなおそれが十分考えられることでもありますので、できる限り早く調査に入るということももちろん大切でしょうし、またその調査に入るときに、より実効性のあるものを的確に選ぶことができるように配慮をしていただくということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の報告書の一つの結論でございましたこれまでの対応の反省点でございますけれども、やはり失踪したときの初動体制が不十分であったということが反省でございまして、今回の提言といいますか、新しく行おうと思う取組の一番がこの初動体制、とにかく失踪したという報告を受けたらばできるだけ早くそこの実習実施機関に赴くということを行おうとしているところでございまして、御指摘踏まえて適切に対応いたします。
○伊藤孝江君 ありがとうございます。よろしくお願いします。 次に、監理団体による監理の実効性について、先ほど小川先生の方からもお聞きされていましたけれども、同じ点でちょっと確認をさせていただきたいと思います。 まず、今回のプロジェクトチームによるこの報告のための調査においては、監理団体に対する調査を行わなかったというのが先ほども確認できたところではありますけれども、本来同時に、時間がない中ではあっても、まず確認団体に対してどのような監理を行っていたのかということも含めてきちんと調査をすべきではなかったかというふうに考えますが、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の失踪事案に関する調査は、まずは実習実施機関における労働関係法令違反や人権侵害行為といった不正行為の有無等を明らかにすることを目的として実施したものでございましたために、実習実施機関が保管している賃金等に関する記録を入手したり、あるいは実習実施機関の役職員や従業員から事情聴取する方法により調査を行うこととし、監理団体を直接の対象とした網羅的な調査は行わなかったものでございます。 もとより、監理団体が技能実習制度の中で重要な役割を担っているということにつきましては先ほど来の御指摘のとおりでございまして、今後、日々の調査の中で、もちろん監理団体につきまして必要な調査はいたします。
○伊藤孝江君 監理団体がきちんと機能をしていれば防げた失踪であるとか、労働法令関係違反というところも防げた部分はあるんじゃないかというのは本当に感じるところでもあります。 実際に、今後監理団体に対して調査をされるという中で、そういう監理が功を奏していなかった監理団体、こういうところに共通の要因があるのかどうか、例えばその受入れ機関、実習実施機関と監理団体との人的な関係であるとか法的な関係であるとか、また業界の慣行であるとか、ここでは、こういう状況では監理団体の監理というのがなかなか功を奏さないんじゃないかというような懸念が共通として見付かれば、当然、今やっている監理団体の申請に対して許可をするかどうか、監理団体として認めるかどうか、又は監理団体に対する調査をどんなふうにしていくかどうかというところに反映させるべきものが今後見付かってくるんだと思います。 そういうようなことも想定をしながら監理団体に対する調査をしっかりと行っていただきたいというふうに思いますが、その点よろしくお願いいたします。 次に、技能実習生に対する支援についてお伺いをいたします。 新しい技能実習の制度という段になりまして、技能実習生に対する支援として、実習先変更を支援する体制を構築をする、また実習生の一時宿泊先も提供するというような支援が始まったというふうに認識をしております。 この支援が実際にどの程度使われているかと。一年強の期間になるかと思うんですけれども、実習先変更支援として、昨年末で実習先の確保に至った事案が二十件、一時宿泊先の提供というのは平成三十一年、今年の二月上旬時点で二十一件というふうにお聞きをしております。 失踪者の数、また当然、失踪する前に労働条件等について本当に苦しんでいるというような人がその何倍もきっといるんだろうというようなことからすると、この実習先の変更を望む技能実習生がかなり多いと思われるところ、なかなか、二十件というのは少ないんじゃないかと。これは、現在の支援の要件が厳し過ぎるんじゃないかというところにもつながっていくんだと思うんですけれども、まず、これらの支援制度が利用された件数に対してどのように評価をされているのかということについて確認をさせてください。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今御紹介いただいた数、そのとおりでございますけれども、その後も支援件数は増加をしておりまして、この制度自体は定着に向けて進んでいるものと考えています。 ただ、やはり不十分な点の一つといたしまして、そうしたことがあるということが知られていないという面があるかと思いまして、技能実習生の保護、支援制度のより一層の周知を図るために、監理団体による入国後講習、あるいは外国人技能実習機構による実地検査など、様々な機会を利用してこの技能実習生に対してこうした支援があるのだということにつきまして広く伝えていきたいと思います。
○伊藤孝江君 今のを、済みません、確認させていただくと、例えば実地調査に行ったときに、当該その箇所で働いている技能実習生に対して、このような支援制度がありますよというのを機構なり庁の方から案内をするということも想定しているということでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今のお話しいただきましたのも既にもうやっているところでございますけれども、より強力に行っていきたいと思います。
○伊藤孝江君 少し確認をさせていただきたいんですけれども、この技能実習の制度において、技能実習生が就労先から失踪した場合、この場合、失踪すれば、即不法残留であるとか入管法違反になってしまうというような評価というか判断になるのかどうかということを確認させていただけますでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 失踪した技能実習生は、通常はその失踪時点ではまだ技能実習の在留資格を有しておりますので、その在留期間が経過した時点で初めて不法残留、オーバーステイとなって入管法違反に当たることになります。 ただ、在留期間、技能実習の在留資格の在留期間であったとしても、例えば失踪後にほかの就労先を見付けて就労し報酬を受け取るとなれば、今度は不法就労で入管法違反になります。
○伊藤孝江君 不法就労であるとか期間が過ぎて不法残留という形になった場合には、その後、例えば強制退去であるとか何かしらの罰を受ける、処罰を受けるというようなことも想定できるんだと思うんですけれども、この失踪に関して、明らかに実習実施機関にのみ帰責性があるんじゃないかということが認定できる場合でも、やはりその後の技能実習生の処遇につきまして、何らかの考慮がなされるのかなされないのかというと、やっぱりもう違反は違反という形できっちりやるというようなことになってしまうわけですよね。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の調査対象の失踪技能実習生もそうですけれども、今お話しのように、不法残留などの入管法違反によって退去強制手続の対象となった外国人です。 先ほど支援の一環として、例えば実習先を変更するお手伝いをするというようなことを御紹介を申し上げましたけれども、それ、やはりあくまでも有効な在留資格を持っている方々に対してということが前提となりますので、既に入管法に違反する状態となった失踪技能実習生は、基本的には一度お帰りいただくということになります。
○伊藤孝江君 ありがとうございます。 強制退去、どういう状況であれ、どういう理由であれ、そのような状況になってしまった場合には強制退去になってしまう可能性がある、また、場合によれば前科が付くような犯罪に、何かしらの犯罪にということで前科が付くような状況になってしまうと。自分で選んで自分でそういうふうにしたということであればともかく、本当に追い詰められて逃げるしかなかったというような状況の人も、結局は同じように前科が付く可能性がある、また強制退去になるというふうになってしまうかもしれない。 仮に、強制退去になってしまうと、今度もう一度例えば日本で働きたいであるとか、そういうようなときに当然審査も厳しくなるでしょうし、入国が一定期間できないということも現実にあると思いますし、母国に帰ったとしても、強制退去をさせられた人なんだということで何かしらの不利益を被るということは十分に想定ができることかと。 そう思うと、本当に何かしんどいことがあった場合に、どうしようもないという状況であっても、何とか逃げるのではなく相談をしていただけるように、きちんとつながることができるように、先ほどの周知ですね、支援制度の周知であるとかについて、もっとしっかりと、もっとはっきりとやっていただく必要があるかと思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) その点、一層強化をしてまいりたいと思います。 例えば、外国人技能実習機構が作成をしております技能実習生手帳というものを全ての技能実習の方に入国時にお渡しをしているのですけれども、それにはなるべく技能実習生さんがその内容を理解しやすいように漫画による案内を挿入するなどを行っておりまして、そうした工夫も引き続き行ってまいりたいと思います。
○伊藤孝江君 その今の手帳、私もレクのときにも見せていただいたんですけれども、もちろん必要な説明をきちんと書いていくという性質上、字だらけになるのはやむを得ないという面もあるんだと思うんですが、先ほどおっしゃられた例えば挿絵の挿入もそうですけれども、ぱっと見たときに物すごく字も小さくて、いい例えかどうか分からないですけれども、保険に入ったときの説明書のような、ああいう本当にちっちゃい字でずっと書いているというようなページがやっぱり多かったというところに関して、それをどこまで理解をしてもらうのかというところについては手帳を渡すだけでは足りない部分があると思います。 その手帳のもっと読みやすくというか、使いやすくなるような改善等も含めて、今後必要に応じて検討をしていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) そうした配付物につきましては、不断に工夫を重ねてまいります。 あわせまして、やはり関係機関に対して、必要に応じて通訳を活用するなどして効果的な方法による周知に努めるよう指導してまいります。
○伊藤孝江君 続きまして、不法就労対策についてお伺いをいたします。 この報告書の中にもありますけれども、不法就労対策、不法就労を見付ける、発見をするための施策の一環としてということで、厚生労働省の方から法務省の入国管理局に、毎月、外国人雇用状況届出情報が提供され、法務省入国管理局で保有している情報と突合させ、在留資格や在留期間を偽って雇用主に届出をしていると疑われる者を特定していくというようなことが書かれております。 この厚労省の方から法務省の方に出される外国人雇用状況届出事項において、今回、在留カード番号を追加をしていってより発見しやすくするんだというようなことが趣旨として述べられているわけですけれども、この在留カード番号を追加することでどのような効果が見込めるのかということについて御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 実は、この外国人雇用状況届出情報というのが、外国人の方をお雇いになった雇用主さんからハローワーク、厚生労働省の方に報告が行きます。その情報を入管が入手をして、入管が元々持っている情報と突合をして、本当にその外国人の方がそこで働いていらっしゃるかということを確認をするという仕組みですが、これは月々によって多少の変化はあるのですけれども、現段階で、名前の例えばスペルが違っていたり順番が違っていたりということで、二割程度について不突合という結果になっております。 今後、届出事項に在留カード番号が追加されることによりまして、この突合がより正確に行うことができるようになるものでございまして、入管的には非常に歓迎するものでございます。
○伊藤孝江君 二割も不突合というのはなかなか、今初めて、済みません、私もお聞きしたんですけれども、かなり割合として多いのではないかというふうに考えますけれども、今長官がおっしゃった、例えばそのスペルが一文字違うであるとか、手書きで書けばそういうこともあるのかなというのもあり得るのかも分からないですけれども、この二割という割合について、今どのように評価というのか、取組を考えておられるのでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 実はこの数は、厚生労働省との協力の段階を踏みまして徐々には上がってきたものでございます。かつてはもっと突合率が悪かったのですけれども、これは厚労省においても、元々、その表記をアルファベットでなく行っていた時代などもありまして、そのときにはもっと悪かったのですが、そういう工夫を重ねてまいったのでありますけれども、もとより一〇〇%であるべきものと考えておりますので、今回、遅ればせながらでありますが、この在留カード番号を使うということに非常に期待をしております。
○伊藤孝江君 この在留カード番号を追加をしてきちんと照合するようにするというのは、平成三十一年度中に完全にできるようになるということですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) これは、昨年末の関係閣僚会議で了承されました総合的対応策におきまして、その旨表明をしているところでございます。 現在、厚生労働省とともに必要な調整を進めているところでございまして、適正な在留管理、それから不法就労等の摘発強化の観点からしっかりと取り組んでまいります。
○伊藤孝江君 この不法就労対策で、今日も少しブローカー対策というような話も出ていましたけれども、ブローカーに不当な金銭を、不当に高額な金銭を支払うことがないようにというために、どのような仕組みというのか、どのような制度を構築してどのような対応をしているのかという現状についてお教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今度の新しい特定技能制度におきまして、悪質なブローカーの介在を防止するための措置を様々講じております。 とりわけ、今回の特定技能において、保証金などの不当な金銭の徴収が認められないということを事前に御本人にお知らせをする、理解をしていただくために、入国前の事前ガイダンス、これは支援者あるいは登録支援機関が行うものですけれども、入国前の事前ガイダンスにおいて保証金などを徴収されることは法令違反であるということをきっちりと教示をするということ、それから、実際の在留資格認定証明書の交付申請時、つまり入国の審査の段階において高額な手数料などを徴収されていないということを確認するなどの措置を講じております。そのほか、送り出し国との間で二か国間取決めの作成を進めることなどを通じて、この介在防止に努めていこうと思います。
○伊藤孝江君 続きまして、聴取票のことでお聞きしたいんですけれども、今回、元々の聴取票についてきちんとした聴き取りがなかなかできていなかったことがあるということも踏まえて、今後、入国警備官ではなく、技能実習制度について専門的知識を有するという理由で、入国審査官が失踪した摘発された人を聴取するというふうに聞いております。 ただ、入国審査官、これまでこういうような形での対応はしていなかったわけで、実際に現実に対応が可能なのかというところで、人員体制強化についてどのようにお考えか、お教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) この新たな聴取票におきましては、労働関係法令を所管する厚生労働省にも意見を求めた上で、聴取項目を大幅に増やして、より詳細なものとしました。 そのような中で、今回、新しい聴取票を活用するに当たりまして、特定の地方出入国在留管理局において試行運用を実施してみて、人員体制の観点からも運用に支障がないということを確認をした上で作成したものでございます。 現在のところ、現行体制で適切な聴取を行っていこうと思っておりますけれども、なお今後の運用状況を踏まえながら、人員体制の強化の要否について検討してまいります。
○伊藤孝江君 大臣にお伺いをさせていただきます。 今回、このプロジェクトチームの方から調査・検討結果報告という形でなされているわけですけれども、元々、この調査前にというのか、想定をしていた以上にこれは実はもっと大きな大きな課題だったんだというふうに捉えている項目という点がもしありましたら、お教えいただけますでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) まず、調査・検討結果報告書において指摘されておりますように、例えば初動体制、これが十分でなかったであるとか、あるいは聴取票、これが聴取項目あるいは担当者共に改善の余地があるのではないかといったこと、さらに、例えば提案されております口座振り込み等による報酬支払を求める措置の導入等、様々な改善点があるということが指摘されたことについては真摯に受け止めております。 せっかく二十九年十一月から技能実習法が新たに施行された、そしてその運用に努めておったわけでございますけれども、今回指摘された、このプロジェクトチームにより指摘された運用改善方策、あるいは国会でも御指摘いただいた様々な諸点について、改めてしっかり真摯に受け止めて、更なる運用の改善を図ってまいりたいと考えております。
○伊藤孝江君 最後に、技能実習のこの制度の適正化について、大臣の決意をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習制度は、開発途上国への技能移転を通じて国際協力を推進することを目的とする制度でございまして、多くの技能実習生が実習を全うして、本国でその成果を活用しております。また、私も、送り出し国の担当大臣と直接意見交換をする中でも、高い評価を受けているというところでございます。 今回、一部の受入れ機関等において労働関係法令違反の問題が生じているということを重く受け止めて、二十九年十一月に施行された技能実習法、これをしっかり運用する、そのためにも、今回明らかになったプロジェクトチームによる調査・検討結果報告書も踏まえながら、また国会の議論も踏まえながら、しっかりと運用をしてまいりたいと考えております。
○伊藤孝江君 よろしくお願いいたします。 以上で終わります。
○委員長(横山信一君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、長谷川岳君、滝波宏文君及び丸山和也君が委員を辞任され、その補欠として松川るい君、山谷えり子君及び中野正志君が選任されました。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査のうち、技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームの調査・検討結果に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。 午前中に、いろいろと総括までの質問も出ましたけれども、またちょっと気を取り直しまして、私なりに報告書を基に確認したい事項から質問させていただきます。 まず、技能実習生は、国際協力、国際貢献とも書かれてもございますけれども、そういう目的があって、他方で、ちょっと調べますと、日本の市場の中で余り人手が、人手もないんですけれども、なかなか人が集まらないような職種のところに人材不足ということで補っている面があるのではないかとも言われておりますが、法務大臣、何度も聞かれていることだと思いますけれども、この事実というのを認識していらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習制度は技能移転による国際貢献の制度でありまして、例えば技能実習法におきましては、三条の二項におきまして、技能実習は労働力の需給の調整の手段としては行われてはならないと明記されているところでございます。 他方で、一部においては、技能実習生を安価な労働力として利用し、労働関係法令違反や人権侵害と認められる事案があるとの指摘がなされており、そのことについては重く受け止めているところでございます。多くの技能実習生が実習を全うし、帰国後、身に付けた技能を生かして起業するなど、これは事実として送り出し国政府から評価されていることもございます。 そうしたことの中で、平成二十九年十一月から施行されている技能実習法の下、監理団体の許可制、技能実習計画の認定制の導入、機構による実地検査等の様々な取組により適正化を図っているところでございまして、まずはこれらの適正化を引き続きしっかりと進める。さらには、今回、プロジェクトチームでの調査により明らかになった事実を基に運用の改善方策、これも提言されているところでございます。そうしたことや国会での御議論も踏まえて、制度の趣旨に沿った技能実習制度の運用に努めてまいりたいと考えております。
○石井苗子君 というような御答弁がずっとなされているんですけど、ちょっとその隙間かもしれないんですが、先ほど出ました法律三条の二項ですね、これは外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律ということなんですが、そこでのちょっと定義をお伺いしたいんですが、技能実習は先ほどのお話だと人手不足を補うものではないと、このように法務大臣が明言されたと。その上で、技能実習は労働力の需給の調整の手段として行われてはならないと規定されています、このように書かれております。 労働力の需給の調整というのはどのような意味なのか、定義を教えてください。これは法務省にお願いします。
○政府参考人(佐々木聖子君) お尋ねの技能実習法第三条第二項の労働力の需給の調整とは、国内の人手不足を補う安価な労働力の確保策として使われることを意味し、同項では技能実習制度がそのような労働力の確保策として使われてはならない旨を規定しているものでございます。
○石井苗子君 とあるんですが、何となくジレンマを感じるんですね。ここをきちんとやっていかないと、日本の国というものが世界から、評価されてしまうような事態に進まないとも限らないんです。 この労働力の需給の調整の手段とはなっていないということで、需給調整の手段とはなっていないということで、これでよろしいですかね、法務大臣に確認いたします。
○国務大臣(山下貴司君) この労働力の需給調整の手段としてはならないという法律がございます。これをしっかりと守ることが肝要かということでございます。 ただ、一部において、そういった安価な労働力の確保策として悪用しているところが、受入れ機関等が認められます。そうしたものについて、これは我々しっかりと把握し、そして適正な対処を取ってまいりたいと考えております。 また、その技能実習法におきましては、例えば日本人との同等報酬等、技能実習生に対する適切な待遇の確保等も、そういった制度が担保されているところでございまして、こうした面からもしっかりと技能実習生の擁護を図っていくということで、安価な労働力の確保策ということで使われないようにしっかりと見てまいりたいと思っております。
○石井苗子君 しかしながら、失踪問題などというのが起きているということなんです。 この報告書の十六ページは、再聴取を行いました七十四名の方の結果でございます。この失踪の動機について法務省に資料を求めたところ、なかなか出てこなかったんですね。こういうデータを出すということは、やはり国の税金で収集や分析をしているわけですから、法務省のあるいは職員が有する資料ではないということをはっきりしていかなければならない。何か国益に重大な影響があるとか出さない理由が正当にあるとかということを除いては、データは速やかに出していただきたいんです。 この技能実習生に対する調査の結果、七十四名でしたけれども、失踪した、企業でないですよ、失踪した技能実習生の失踪する動機というものはどのようなものだったのか、もう一回確認させてください。
○政府参考人(佐々木聖子君) 出入国在留管理庁では、従来から、この技能実習生の失踪原因につきまして、聴取票の結果のみならず違反調査等の結果を総合的に踏まえまして、実習実施機関側の不適正な取扱いによるものが一部に存在する一方で、例えば入国時の費用を回収するために新たな就労先を求めるなど、実習生側の経済的な事情もあるものと認識をしております。
○石井苗子君 午前中にも出てきたような答弁なんですけれども、失踪する側のその動機というのをもう少し深く掘り下げていかなければいけないと思うんです。 一方、やはり、これは午前中に小川議員からも質問がございましたけれども、実習生が失踪したにもかかわらず届けを出していなかった受入れ企業というものの調査をしているのかいないのかというところですけれども、この届出を出していなかった受入れ企業というのは何社あるのかというのを把握していらっしゃいますか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の調査におきまして、そのような観点から実習実施機関、監理団体を調査対象としていなかったためにお尋ねの件数については把握しておりませんが、一件一件の事案については把握をしております。
○石井苗子君 やっぱり届けを出さなかった企業が何件あって、何社あって、それはどうしてなのかということもちゃんと調査でしたらやって報告書に書いていただきたかったと思います、せっかくプロジェクトチームをつくったのでありますから。これは誰が考えても、届出を出していなかった受入れ企業というのは何社あったんですかというのは普通の質問だと思うんですね。 その次に、失踪者の問題がクローズアップされて、入管や警察が対処している中でも年二%の失踪者が出ているということは、これは九八%成功しているという、法律に基づいて、そういう見方をするのか。二%失踪者が出ているということは、この技能実習制度に、制度上、失踪者が出ている、構造的な欠陥があるからだと私は思うんですけれども、大臣はその制度上の欠陥などはないという認識でいらっしゃいますか。お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 技能実習法に基づいて更に適正化を図られたところでございますが、やはりこれ、その運用等においてまだまだ万全を期していかなければならないと考えております。そういったこともあって、運用の改善方策の提言を受けプロジェクトチームから提案されているところでもありますし、また国会でも様々な御指摘を受けている。そういったことにもしっかりと真摯に取り組んでいかなければならないと考えております。 その失踪原因に関する認識につきましては、例えば本国で生じた費用を回収するために新たな就労先を求めるなど、実習生の経済的な事情による場合も多いというふうに考えておりますし、また、残念ながら、実習実施機関側の不適正な取扱いによるものも一部に存在するということでございます。 こういった原因分析をしっかりやらせていただくということもございまして、今、聴取票の書式、これを改善するとともに、聴取担当官も入国審査官という専門性の持った者がじっくりと聴取するということを考えております。 なお、プロジェクトチームによる調査・検討結果報告書におきましては、新たな技能実習制度が全体として技能実習制度の適正化に一定程度機能しているとしております。例えば、調査対象者数の中で、監理団体等に失踪事案の届出義務が課せられていることから、この届出を監理団体に届け出たものがどれぐらいあるかということに関して、新制度における失踪技能実習生、これにつきましては二十三名おるわけですけれども、二十三名全員について監理団体により失踪の届出がなされております。そういったこともありまして、新制度は一定の機能、効果を持っているということでございますが、更なる改善策に基づき、運用の更なる適正化を図ってまいりたいと考えております。 今後も、関係機関等と連携しつつ、技能実習制度の適正な運用、そして技能実習生の保護を図ってまいりたいと考えております。
○石井苗子君 新しい制度ができたから、これしっかりやらないと、新しい制度ができたのにまた駄目じゃないかというふうにならないようにしていただきたい。 法律的に言えば九八%成功している、法の制度によってはこれはちゃんとできているんだというのと、私が言っているのは、構造上の問題があって、この二%が、母数が大きくなれば二%がまた人数が大きくなるという御発言がありましたので、そこしか見ないでそこを非難されるようであっては今後困ることになりますので、構造上のことをちょっと視点を変えて御質問しますと、受入先の企業を変わることができるとしたら、技能実習生が、できないですけれどもできるとしたら、どんな場合だったら受入先の企業を変わることができますか、法務省の方。
○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習生の都合による実習先変更は認められないものの、実習実施者の経営上の都合や実習実施者等における不正行為、あるいは技能実習生の対人関係のトラブルなど、やむを得ない事情によって現在の実習実施者の下で技能実習を継続することが困難となった場合、監理団体等は新たな実習先の確保に向けた支援を図ることが義務付けられています。そして、その努力の限りを尽くしてもなお実習先を確保できない場合は、外国人技能実習機構が新たな受入先となる監理団体の情報を提供するなど、技能実習生の実習先の変更支援を行っております。 なお、このこととは別に、第二号技能実習から第三号技能実習に進む段階となった技能実習生については、技能実習生自らの意思で第三号技能実習に係る実習実施者を選択することは可能になっています。
○石井苗子君 進むに当たって変更はできるんですが、最初のところは、例えば倒産とか賃金未払とか、要するに本人の責めにならない事情の場合は変えることができるということですよね。 ちょっと視点変えますけれども、日本の場合、中卒、高卒という言い方をしますが、大卒まで、三年以内の離職率というのがどのくらいか教えていただけますか、厚生労働省にお願いします。
○政府参考人(山田雅彦君) お答えします。 学卒就職者の卒業後三年以内の離職率は、中卒者が約六割、高卒者が約四割、大卒者が約三割でそれぞれ推移しております。直近の平成二十七年三月卒業者については、中卒者が六四・一%、高卒者が三九・三%、大卒者が三一・八%となっております。
○石井苗子君 かなり多いんですよ、三年以内なんです。 この三年以内の離職の原因というのは調査されていますか、日本の場合ですけれども、どのような理由で三年以内に離職するのでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 今御紹介いたしました三年以内の離職率のデータそのものでは離職理由を把握することはできませんが、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によりますと、大学、高校等を卒業後、初めての正社員勤務先に就職し三年以内に離職した方の主な離職理由というのは聞いております。 重立ったものを挙げますと、一つには労働時間、休日、休暇の条件が良くなかったため、二つ目は人間関係が良くなかったため、三つ目、肉体的、精神的に健康を損ねたためといった理由が上位を占めております。
○石井苗子君 そのとおりなんですよ。 それで、もう一つデータを教えていただきたいんですが、技能実習生や外国人労働者の労働安全衛生に関して調査したデータございますか、教えてください。
○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。 事業者から労働基準監督署に提出されました労働者死傷病報告のうち被災者が外国人であることを把握できたものを集計したところ、平成二十九年の外国人労働者の休業四日以上の死傷者数は二千四百九十四名でございます。また、同様に被災者が技能実習生であることを把握できたものを集計したところ、平成二十九年の技能実習生の休業四日以上の死傷病者数は六百三十九人でございます。 厚労省といたしましては、本年一月に労働者死傷病報告の様式を改正し、国籍・地域、在留資格を正確に把握できるようにしたところでございます。これにより外国人労働者の労働災害について分析し、その結果を今後の労働災害防止対策に生かし、活用していくこととしているところでございます。 以上でございます。
○石井苗子君 今の御答弁の中になかったんですけれども、うつ病や精神疾患というような調査というのはないのでしょうか。
○政府参考人(椎葉茂樹君) そのような調査は実施しておりません。
○石井苗子君 私も調べましたら同じデータでしたね。高卒の三年以内の離職率は四割、四〇%、大卒の三年以内の離職率が三割。基本的に転職の自由がないということでありますと、異文化の中で働くことをベースにした技能の実習生にとって相当なストレスがあると思うんです。 これ、お答えにくいでしょうけれども、転職はできないと納得して日本に来たんですけれども、かなりそれが、ここへ来たら転職ができないんだというのはストレスになると思うんですが、大臣はここのところをどう思われるでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 働く中で、様々な精神的負荷というのは、そういうのに直面することというのは十分予想されるところでございます。他方で、これ技能実習制度というものは、一定の技能を修得するために、その技能実習計画に基づいてそうした技能の修得の、それをこなしていただくということで在留資格が認められているというものでございます。そうした中で、技能実習は限られた期間内に計画的かつ効率的に技能等を修得するという観点から、これはやはり原則一つの実習先で行っていただくということを法の立て付けとしているところでございます。 他方で、制度上、技能実習二号から三号に移行する際には実習先の変更が認められているほか、先ほど長官からも御説明させていただいたように、実習実施者の問題でやむを得ない事情が認められる場合には転籍を支援すること等がなされておるところでございます。 また、技能実習生については外国人技能実習機構に対して母国語により相談をすることが可能でありまして、またこの相談の件数も増えているところでございます。こうしたところで手当てをすることによって、保護、支援制度の周知も含め適切に対応してまいりたいと考えております。
○石井苗子君 何年かしたら転職してもいいのだ、ではないんです、それ慣れていますから。最初に来たときに大変なんですね。特にアメリカのように人種のサラダと言われているような国ではなくて、今度は日本に来るということになじみがないし、日本の方々も一緒に働くことになじみがないわけです。ですから、こうした技能実習生や外国労働者の方々に、仕事上のストレスの状態というのがどういうことなのかということを把握していなくて、どうして最初の初年度辺りから失踪の防止の有効な対策が取れるのかと私は思うわけなんですが、失踪する原因として、午前中に何度も質問が出ておりましたけれども、借金して送り出すブローカーに高額な手数料を払ったので返すために賃金の高いところに移らざるを得なかったというようなことがあると。そのような実態を一体何件把握していらっしゃるのか、もう一度質問させていただきます。法務省の方、お願いします。
○政府参考人(佐々木聖子君) 外国人技能実習機構におきまして、技能実習の計画認定申請の際に、実習実施者に対して、技能実習生が送り出し機関等に支払った費用の明細を疎明する資料の提出を求めるなどして、送り出し機関等が不当に高額な手数料を徴収をしていないかという確認を一件一件しておりますが、御指摘の足し上げた件数につきましてはこの集計をしていないと承知をしております。
○石井苗子君 駄目ですよ。一件一件じゃなくて、件数を把握していないというのが、やっぱりやり方として、さっき言った構造的な欠陥を改善していくやり方ではないと思うんですね。 手数料の支払状況などは把握しております、一件一件、ではなくて、やっぱりそのような実態を何件把握しているかということです。高いところに移らざるを得なかったということがあるのか、そのようなものが何件、そんなような実態は何件あったのかというのをまず調べなければならないと思います。 次に、送り出し国での調査なんですけれども、日本は、送り出し国での調査です、これ、どのようにやっていらっしゃいますか。もう一度お願いします。
○政府参考人(佐々木聖子君) 直接に日本から送り出し国の送り出し機関に対する調査ということを行うこととした場合、相手国の主権の侵害とも取られかねないことから慎重さが必要であると考えています。 したがいまして、我が国が直接に相手国で調査を行うのではなくて、相手国に、政府に対して必要な調査等を求めることにしています。
○石井苗子君 それでは限界があります。 もう法務大臣にお伺いしますけれども、予算を掛けて、送り出し国での現地調査を調査能力のあるところに委託をして、一度ブローカーの実態を入管当局自ら把握するべきだと私は考えるんですけれども、法務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) まずは入管においてそういった状況を把握することもございまして、プロジェクトチームで提言をされました聴取票の書式については相当程度詳しい中身を聴取することになっております。まずはこうしたことを通じまして、これは実態把握をさせていただきたいというふうに考えております。 そうした入管庁で状況を把握した上で、二国間取決め等に基づいてしっかりと要請していくということが必要なのではないかと考えております。
○石井苗子君 確かに段階を踏まえてやっていく必要があると思うんですが、最初に申し上げましたように、新しい制度になったんだけれども、母数が増えたからまた二%の数が増えるということは、統計的にはそうかもしれませんけれども、何ら良くなっていないじゃないかというように言われないためにも、段階的にそういうことをやっていっているんだという姿勢を示すことは大事だと思っております。 最後に、こちらの三枚つづりの方の調査表の中から質問させていただきますが、午前中に伊藤委員の方からも質問がございました母国語相談というところでございますけれども、相談に乗る人たちというのはどのような資格を持っていらっしゃる方々なのかなと。また、通訳というのはどのような方々が通訳をされるんでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 外国人技能実習機構におきましては、外部委託の方法を用いて、現在八か国により曜日を決めて電話やメール、相談来所等の適宜の方法で相談対応を実施をしております。 そこで、その方々はどういう方かということでございますが、この機構における母国語の相談員は、対応言語に係る十分な語学能力を有する方であることはもとより、過去に外国人を対象とした相談やカウンセリングの経験を有し、かつ相談者からの相談内容を的確に聞き取り、必要な助言を行うとともに、その結果を機構に対し正確に報告することができるなど、一定の要件を満たす方から選任することとしております。 通訳につきましても、候補者名簿の中から、語学それから能力等などを判断してお願いをしているところでございます。
○石井苗子君 今のお話ですと、これから用意していくというふうに聞こえたんですが、もしそうであれば、私、元職業が通訳だったんですけれども、今すごくアプリが進んでいまして、一つ一つの通訳をするよりも、そのアプリで自動翻訳なり自動通訳なりというのを聞きながらやるのでは体力と労力が二分の一以上違いますので、本当にそういうものの助けを借りて、これから相談増えていくわけですから、面と向かって相談に来る方、通訳を置いて、少ないと思うんですよ。やっぱりメールだったりいろんなものを活用して、自分と誰かと相談したいという方が多いと思うんです。こういうふうに多様性を持って選択肢を多くして相談に乗ってあげるからというふうにしないと追い付かないと思うので、その辺のところ、自動アプリだとかそういうものも駆使してやっていっていただきたいと思います。 先ほどのこの三ページつづりの方の、したがって、資料、これ概要版というふうに書いてございますけれども、調査・検討結果報告書概要版というところの新制度の運用状況などに関して、十三か国と二か国間で取決めを作成し、不適正な送り出し機関の排除などに一定の効果があったとしていると書いてございますが、法務省、どのような効果があったのかちょっと数字で教えていただけますか。
○政府参考人(佐々木聖子君) この十三国との間で作成した二国間取決めに基づきまして、本年四月十一日現在の速報値で、我が国から送り出し国に対して四十一件の通報を実施するなどをしておりまして、その通報を基に送り出し国におきまして調査等の必要な対応を行っているものと承知をしております。 また、逆に送り出し国から通報等を我が国が受けた事例では、通報のあった旧制度下の監理団体に対して実地検査等を行い、その結果、新制度における監理団体としての許可の申請が取り下げられたという例もございます。
○石井苗子君 それが今の効果でございますか。 じゃ、効果として、ちょっと私もそれほどの専門家ではないんですけれども、統計上の誤差の範囲という効果というのがございまして、その新制度の運用状況に関して、新制度入国者の失踪率ですけれども、新制度ですね、旧制度の入国率の失踪率よりも低くなったというような説明があるんですけれども、これ見ますと、これは二ページの新規入国当年の失踪状況の比較ということで、良くなったという比較なんですけれども、〇・九%から〇・五%ということは、引きますと二十九年から三十年の間に〇・四%良くなったと。これ、良くなったというふうに〇・四%というのは思えないと思います。これ誤差の範囲だと思うんですが、これでもやっぱり統計的に見て良くなったというふうに思っていらっしゃいますでしょうか、法務省の方。
○政府参考人(佐々木聖子君) もちろん、一人たりともといいますか、一人でも失踪者が発生している以上、道半ばなのではございますけれども、割合として、発生率として〇・四%たりとも下がっているということで、私どもとしては、傾向としては有意な差だと、差異だと考えております。
○石井苗子君 有意に入っていないです、入っていないです。 なので、私が最初に申し上げたように、大臣、これ、今後は、ストレスの調査をやっていくということも必要ですけれども、構造的な欠陥として改善していっているんだということを数値で出していけるような調査を、調査結果として、そういう調査をしていただきたいというのが一つと、それから、段階的でもいいですから、外国の中に、いろいろと向こうの主権とかあるでしょうけれども、やっていっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) まずは、先ほどの聴取票等の精緻化等によりまして、あるいは、監理団体やあるいは実習実施機関に対する調査、これもしっかりやることによって実態をしっかりと把握すると。その上で適切な対応を取って、国内において、あるいは送り出し国政府に対してしっかりと働きかけていきたいと考えております。
○石井苗子君 実態調査がここまでやったんだということを示せるように新制度の中でやっていっていただきたいとお願いして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之です。 本日は、技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームの調査・検討結果に関する質疑ということですが、まずは失踪事案に関する調査について質問いたします。 今回の調査では、月額給与の額が十五万円以上であること、労働時間が四十時間以下であること及び失踪動機についての原因・理由・目的等の欄が低賃金(契約賃金以下)、低賃金(最低賃金以下)、暴力を受けた、帰国を強制されたなどの不正行為等の存在を疑わせる記載内容、その他の項目の記載内容であって暴力やセクシュアルハラスメント等の人権侵害の疑いのある行為に係るものを含む、となっていないことの要件を満たしたものは、聴取票の記載内容により実習実施機関側に不正行為がなかったことが明らかであるものとされて、調査対象から除外されています。 しかし、東京の最低賃金は平成二十九年度は九百五十八円、平成三十年度は九百八十五円であり、法定の週四十時間労働を守りつつ月に百六十時間働いたとすれば、平成二十九年度は十五万三千二百八十円、平成三十年度は十五万七千六百円、それ以下の場合、最低賃金違反があるということになるはずであり、要件を満たしても不正行為がなかったことが明らかとは言えません。 なぜ調査対象から除外する要件として月額給与の額が十五万円以上であることとしたのでしょうか。この基準では、最低賃金違反があっても軽微であって、労働者が問題にしなければ不正行為等ではないということになりかねず、不適切ではないでしょうか。また、調査対象から除外したもののうち、月額給与の額が十五万三千二百八十円以下のもの、十五万七千六百円以下のものは何件あったのでしょうか、お教え願います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の調査では、対象者の失踪時期における全国的な最低賃金の状況等を踏まえ、月額給与額十五万円以上であること等の条件を満たすものについて調査対象から除外をしたところです。 それにつきまして検証してございまして、その除外をした聴取票、これが五十八枚でございますけれども、の中には、実習実施場所が東京都であるものを含めまして、いずれも月額給与の欄に十六万円以上の金額が記載されているということを確認しておりました。したがいまして、聴取票上の月額給与の額が今御指摘の十五万三千二百八十円以下、あるいは十五万七千六百円以下であるものはございませんでした。
○山口和之君 聴取票の失踪動機についてでは、低賃金についての項目が、単なる低賃金と低賃金(契約賃金以下)、低賃金(最低賃金以下)とあります。低賃金であると感じていて、実際は契約賃金以下又は最低賃金以下であっても、自分のケースがこれらに該当するか分からず、単なる低賃金のみチェックを入れた人もいると思われます。そうすると、単なる低賃金にチェックを入れた人を調査対象から除外したのは不適切であったと思われますが、いかがでしょうか。また、調査対象から除外したもののうち、単なる低賃金にチェックを入れた人は何名だったのでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 御指摘のとおり、今回の調査では、対象者の失踪時期における全国的な最低賃金の状況や、聴取票の様式等を踏まえまして、今御指摘の月額給与額十五万円以上、また、低賃金(契約賃金以下)や最賃以下にチェックがないことなどの条件を満たすものを調査対象から除外をしました。 この各項目のチェックはインタビューをした入国警備官が行ったものでございますけれども、その聴取に当たりましては、単なる低賃金を主張されているのか、それとも最低賃金違反、あるいは契約賃金違反を主張しているものかというのをインタビューの中で区別をして聴取をし、チェックを行っていました。そこで、先ほどの条件を満たす場合は、失踪技能実習生の主張を前提としても、最賃違反や契約賃金違反でないと判断して調査対象から除外したものでございます。 なお、御下問の調査対象外五十八件のうち、聴取票の普通の低賃金に記載がなされているものは二十六件でございます。
○山口和之君 論理的に不正行為があり得る条件だと思いますし、不正行為がなかったことが明らかと断言することには大いに疑問があります。せっかくの調査検討に疑義が挟まれないよう、言葉選びは慎重にお願いしたいと思います。 次に、直接調査の目的は、当該実習実施機関に在籍している技能実習生から事情を聴取したりすることにより、調査事項である不正行為等の有無、内容を解明することであるとのことでしたが、実際に在籍している技能実習生から事情聴取できた実習実施機関の数は何か所だったんでしょうか。また、聴取した技能実習生が役職員から口裏合わせを依頼されていないかなどの確認も必要だったと思いますが、どのようにして行ったのでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 実地調査を実施いたしました千五百五十五の実習実施機関のうち、その調査場所に技能実習生がおり、実際に現役の技能実習生から事情を聴取できましたのは、今回取り急ぎ集計した速報値で申し上げますと約八百六十機関となっております。 聴取方法でございますけれども、確かに、実習実施機関の役職員等から口裏合わせを依頼されている可能性もあると考えまして、可能な限り実習実施機関の職員が同席していない場所で個別に聴取するなど、慎重に工夫をして聴取を行っております。
○山口和之君 調査・検討結果報告書には、基礎調査は、調査対象である失踪技能実習生五千二百十八人、これに対応する四千二百八十の実習実施機関の全てについて行い、ほぼ全ての調査対象について、賃金及び労働時間に係る雇用条件を確認するための雇用契約書を入手することができたとありますが、雇用契約書を入手できた件数は何件であり、その割合は具体的に何%だったのでしょうか。また、雇用契約書を入手できなかった理由の内訳はどうなっているのでしょうか、お教え願います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の調査のうち基礎調査は、まず、地方入国管理局あるいは機構が保有をしている申請関係書類等の精査を行っていたものでございますところ、このうち、今回の調査を行う時点で既に不正行為等の通知を行っていたものなどのごく一部を除き、その大部分において雇用契約書を入手しております。その件数は約四千九百件、割合にして約九四%となっており、ただいま申し上げましたように、それに外れるところはもう既に調査済みであったものでございます。
○山口和之君 次の質問なんですが、先ほど伊藤委員の方から、答弁をいただいておりますので答弁は必要ありませんが、今回の調査では、協力を拒まれたため調査を行うことができなかったものが百十三機関、対象者百五十五人分あったということでした。これらの機関に対してペナルティーはあるのでしょうかという質問だったと思いますが、ペナルティーはないということで、厳格な調査をするという話でしたが、失踪者を出しておきながら調査に協力しない、そのようなところが技能実習生を受け入れることは大いに問題があると思います。安易に協力を拒むことができないように制度設計をお願いしたいと思います。 次に、今回の調査で、倒産、所在不明等により調査を行うことができなかったものが二百七十機関、対象者三百二十人分あったとのことですが、倒産や経営者の所在不明等々、実習生の失踪との前後関係についてどうなっているのでしょうか。また、技能実習生を受け入れている機関で倒産や経営者の所在不明等が起きた場合には、技能実習生をどのように扱うことになっているのでしょうか。こういった場合に技能実習生が失踪しないようになるための対策とともにお教え願います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の調査でございますけれども、失踪技能実習生の実習実施機関における労働関係法令違反や人権侵害行為等の違法又は不適正な行為のみについて調査を実施したものでございまして、倒産ですとか今御指摘の経営が傾いたなどに起因して失踪した技能実習生等の、ある意味、直接の原因別の件数としての集計は行いませんでした。 御下問の倒産や経営状況の悪化などの受入先の問題等やむを得ない事情により技能実習が継続できなかった技能実習生が技能実習の継続を希望する場合には、監理団体そしてまた外国人技能実習機構において実習先の変更の支援を行うことが可能です。この保護策、支援策につきましてより一層の周知徹底を図ることで、失踪技能実習生が発生しないよう取り組んでまいります。
○山口和之君 今回の調査では、聴取結果から、厚生労働省や警察などの関係機関への通報や、実習実施者等に対する調査、処分等の対応が必要な事案を把握し、これらの対応を迅速に実施できるようにしたとありますが、警察への通報を行った件数は何件あるのでしょうか。また、刑事訴訟法二百三十九条二項に基づき告発を行った件数は何件でしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) この新たな聴取票によりまして、詳細な事情を酌み取って聴き取っているわけでございますけれども、この聴取そのもの、本年四月から実施をしておりますが、その結果として、警察への通報、告発を行った事案はまだございません。
○山口和之君 犯罪が成立するような悪質なケースについてはしっかりと捜査を行い、適切な処罰が行われるのでなければ、再発を防止することは難しいと思います。断固たる姿勢で臨むのだということを示すためにも、技能実習生の権利、利益を守るためにも、犯罪が成立するような悪質なケースについては通報や告発をためらわないでほしいと思います。 次に、調査・検討結果では、新制度の下での適正化策は、全体としては一定の機能を発揮していると考えられるものの、失踪、死亡事案等に対する従来の対応、体制にはなお問題や課題があり、その改善が急務であるとありますが、実習生の失踪、死亡事案をなくすための具体的な数値目標及び山下大臣の意気込みをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習生失踪事案と死亡事案のいずれについても、その防止のために最善を尽くす必要があると考えております。 その具体的な数値目標というものを設けることは考えておりませんが、今回の調査・検討結果を踏まえ、また、国会の審議等でいただいた様々な御指摘を参考にさせていただきながら、改めて技能実習生の失踪や死亡を一層効果的に防止できるよう、そして、残念ながら事案が発生した場合には迅速に適切な対応が行うことができるよう、関係機関と緊密に連携しつつ、具体的な施策を着実に実施してまいりたいと考えております。
○山口和之君 そもそも、技能実習生の保護を図るために法改正を行った後の新制度でも失踪者が出ているということは非常に大きな問題です。新制度の徹底によって、将来的に実習生の失踪、死亡事故をゼロにすることが急務です。山下大臣には、そのために、いつまでに失踪、死亡事案を何件以下にするといった具体的な数値目標を定め、効果的な取組に邁進していただきたいと思います。 次に、口座振り込み等による報酬支払を求める措置の導入についてお伺いします。 調査・検討結果では、失踪等の防止に資する制度の適正化の一層の推進に向けた方策に関して、口座振り込み等による報酬支払を求める措置の導入が掲げられています。ここで言う等とは具体的には何を想定しているのでしょうか、お教え願います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 口座振り込み以外の方法によって報酬の支払をする場合には、例えば技能実習生の給与明細書の写し及び報酬の支払を証明する書類に、実習実施者が作成したものに技能実習生が署名をしているようなものの提出を求めることにより、実際の支払状況について確認をしたいと考えています。
○山口和之君 平成三十年十二月四日の本委員会での特定技能に関する質疑において、例えば、報酬の手渡しを禁止し、報酬の全額について記録の残る銀行振り込みなどによって支払うことを義務付けて、通帳や取引明細書の写しを提出を義務付けてはどうでしょうかとの私の質問に対しての答弁は、労働基準法によりますと通貨で直接労働者に支払うということが原則となっております、これと異なる支払方法を採用するためには労働者の同意を得るなど特別の基準を満たさなければならないと、こうされているところでございますので、今回の法改正案でも給与の支払方法を銀行振り込みなどの方法に一律に限定するということはいたしておりませんというものでした。 しかし、技能実習においては、社会に問題になるほど低賃金や賃金の未払等の問題が起きていたのですから、実際に確実に報酬の金額が支払われ、簡易にそのことが確認できるよう省令等によって、それが難しければ法改正によって労働基準法の特則を定め、報酬の手渡しを禁止し、口座振り込みによる支払を義務付けることを真剣に検討すべきと思いますが、山下大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のように、報酬の実際の支払額を把握できるようにするということは、事後的な検証を可能にする観点から重要であると考えております。 他方で、答弁において労働基準法を引用いたしまして、通貨で直接支払うということについての原則についても答弁した次第でございますけれども、委員あるいは国会の御議論等も踏まえまして、特定技能制度では、省令において特定技能外国人に対する報酬支払を口座振り込み又は支払額を確認できる方法で行うことを求めているというところでございます。 そして、技能実習生に関する今回の調査・検討結果報告書においても、技能実習制度においても特定技能制度におけるこの規律を参考に、口座振り込み等による報酬支払を義務付ける旨を省令で規定すべきである旨提言しております。この提言を受け、そしてまた、委員の御指摘や国会での御議論も踏まえて、技能実習制度においても省令改正を行うなどして同様の措置を導入することを現在関係省庁とともに検討中でございます。そうしたこの検討結果が出次第、そうした取組等を通じてこの賃金に係る不正行為等の抑止を図ってまいりたいと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。 今回の調査・検討結果では、口座振り込み等による報酬支払を求める措置の導入が掲げられていることは大いに賛同いたします。 しかし、等というところで口座振り込み以外の方法が広く認められ、対策が骨抜きにならないか心配でございます。是非、原則として口座振り込みによる支払を義務付け、例外は本当に必要な場合にのみ厳しい条件下で認める、そういった制度にしていただければと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 今日、与野党を超えてこれまでの質疑を聞いて、質疑といいますか、与野党を超えた質問に対する法務省、政府の答弁を聞いておりまして、技能実習生の失踪というこの事態に対する感覚が麻痺しておられるのではないのかと、そのことをちょっと痛感しているものですから、通告をしておりませんが、長官にまず認識をお尋ねしたいと思うんです。 今回の報告において、失踪率という概念まで持ち出して今の制度やその運用を少しでも正当化しようというその感覚そのものが私は根本から間違っていると思うんですよね。 そこで、確認ですけれども、失踪者数の推移を見ますと、平成二十七年に五千八百三人、平成二十八年に五千五十八人、平成二十九年、七千八十九人、平成三十年に九千五十二人と、これ、うなぎ登りと言っていいくらい増え続けて、過去最高と。この数字、そのとおりですね。
○政府参考人(佐々木聖子君) お話のとおりです。
○仁比聡平君 このうち、平成二十九年の失踪者、平成三十年の失踪者を合わせますと一万六千百四十一人になるんですね。今回のプロジェクトチームの調査の対象は五千二百十八人ですが、この五千二百十八人という数は、この一万六千百四十一人の内訳ではありません。その前から失踪していて、平成二十九年一月から平成三十年九月に入国警備官のところにまで捕捉をされて聴き取りがなされたという人たちなのであって、それでも、およそこの今回の失踪、調査対象者の三倍以上という失踪が現実に起こっているわけです。 加えて、今回の調査によっても、一つは、不正や権利侵害は到底つかみ切れていない。したがって、二つ目に、その失踪をもたらしてきた構造的な原因、これは明らかになっていない。その下で、今、この技能実習制度が、新しい特定技能一とも結び付いて、一方で留学生の資格外活動といった状況と結び付いて現に動いているわけですよ。その下で、今日だって実習先で苦しんで逃げ出さざるを得ないという方があるかもしれないわけでしょう。 今私が申し上げた、つまり二十九年、三十年の失踪者数と、それから今回調査対象になった者との関係などについて、長官、御認識や御感想いかがですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 構造といいますか、それぞれの数の性格は今委員御指摘のとおりでございます。 全体的な母数が増えているので失踪者が増えているというのは、それがいいと申し上げているわけでございませんで、一人たりとも、失踪者が出ている以上、先ほど目標はゼロだというお話もありましたけれども、いろいろな取組が道半ばであるということは十分に自覚をした上で適正化に努めていきたいと考えております。
○仁比聡平君 いや、道半ばとか一人たりともとか、そんなことを口にするような状況ですかね。 だって、去年一年で九千人ですよ。これ、今年、一層技能実習生増えていくとすれば、今年の、この一年のですよ、失踪者というのはもっと多くなるかもしれないでしょう。今、この五月の現時点においてそういう失踪を迫られている方がたくさんあるかもしれないでしょう。ゼロにするって、ちょっと到底現実から懸け離れている。それは、技能実習制度や特定技能一などの外国人労働力の受入れ政策の矛盾そのものを曖昧にしようとしているからですよ。 その下で、一人一人の実習生がどんな思いでいるのかと、私はその警鐘を鳴らしたいという思いで、三月の二十日のこの委員会以降、新しい実習適正化法というのに基づいて入国をしてきたベトナムの二十代の女性たちの実態について、この委員会で取り上げました。その後、実習機構が現地調査を行って、その実習生たちを保護して、今現在、本来の実習項目について適正に実習のできる実習先を機構と協力をしながら探しているところということで、そうした運びになっているんですけれども。 その取組そのものは私も評価をしていますが、そのときに紹介をした御本人の手紙なんですが、実習機構に訴えると言ったら帰国させると脅かされる、一年間電話を使うこともできませんでした、何もしていないのに怒られてばかりで、私も腹が立ち、ですから書類を持って逃げました、もちろん怖いです、でも帰国させられるか逃げるかなら逃げますというお手紙でした。日本に来るまでにたくさんのお金が掛かっています、借金がたくさんあります、今帰国したら、借金の元金が残ったまま二年間何もできなかったことになります、どうか私を助けてくださいと。 それがこのベトナム人女性たちの訴えであり、実際、金属加工の実習項目だったはずなのにペットショップの仕事を朝から夜中までさせられる。監理団体で適正化するというけれども、その監理団体の代表がその不当な働かせ方をしている有限会社の社長だったわけじゃないですか。その実態が私がこの委員会で指摘をしたとおりだったからこそ、機構や入管は保護し、今適正な実習先を探しているわけでしょう。 そうした一人一人の実習生の実態というのが、例えば昨年の九千五十二人という失踪者、あるいは今年も生まれているかもしれない失踪者なんですね。お一人お一人の中にあるんじゃないんですか。局長、そこはどんな御認識なんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の新しい取組によりまして、以前よりもより詳細にその失踪者の状況などを聴き取ることができるようになりますので、初動体制を構築といいますか、できるだけ早急に実習実施機関に赴くという取組も含めまして、実態の解明と、それから技能実習生の保護に努めていくことになります。
○仁比聡平君 今おっしゃった要点も含めて、今日、対策をこうしますと政府がお話しになっていることを実際に全ての実習生に対して及ぼして権利救済を図っていくということが容易ではない、極めて困難だと。だからこそ、これだけの実習生の失踪が起こってきているわけですよね。方針を立てても、それが現実にできるかというと、それはそんな簡単なことじゃないと。その下で、私は今回の調査報告との関係でいいますと、不正や権利侵害が到底つかみ切れていないという実態になっているんだと思うんですよ。 通告をさせていただきましたけれども、私、前回、四月の十六日にこの調査報告についてお尋ねをしまして、そのときに、一つは、調査を拒否したという実習先、倒産、所在不明という実習先、これらは重大な権利侵害がそもそも疑われるところではないか。けれども、ここは調査が結局できなかったと言っている。 もう一つは、軽微な書類不備に係るものとして二千六十人分も除いているではないか。この軽微な書類不備の中心というのは、賃金台帳に必要事項が書かれていないといったことで、これは失踪実習生のうち聴き取りを行って明らかに違法がないとは認められない者が属している実習先なわけですから、ここに賃金台帳の不記載があるということになれば、これは実習生の言っていたとおりなんじゃないのか、賃金台帳の方が間違っている、あるいはあえて虚偽が書かれているんではないのか、そのことを疑うのがむしろ当然だと私は指摘をいたしました。 加えて、今回の調査は、にもかかわらず、実習機関の方の話だけ聞いてそれでよしとしているのではありませんかと。実習生が残っている、その実習生から事情聴取をしたのは僅か半分。しかも、抜き打ち調査をすべきであるのに、電話・書面調査にとどまっていると。これ、抜き打ち調査やったら、相手がいなかったら三月末までに報告を上げるということはできないから、だから事前に電話掛けて、いや、うちは駄目です、都合悪いですと言われたら、はいはい、そうですかと、で、電話調査にしているわけでしょう。 そうした結果、衆議院で、六割しかチェックできていないのではないか、あっ、ごめんなさい、六割は会社の言い分、実習先の言い分でしかチェックできていないのではないかという問題意識が提起をされているんですが、実際、いかがですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 実地調査を実施いたしました千五百五十五の実習実施機関のうち、調査場所に技能実習生がおり、実際に現役の技能実習生から事情を聴取できたのは、取り急ぎ集計した速報値として申し上げますと、約八百六十機関となっております。それから、現役の実習生から事情聴取できていない案件におきましても、今回の調査で実習実施機関から提出を受けた賃金台帳等、その全てについて記載に不備がないか否かを確認をしております。 その他、給与振り込み口座やタイムカードの提出を受けている場合、必要な突合などをやっておりまして、言い分だけではなくて、できるだけ客観的な資料、それから現役の実習生からの話を聞くように努めました。
○仁比聡平君 ですから、そうした調査をされた上で、六割、まあ五割かもしれませんが、企業側の言い分のみではないかというこの割合についてはどんな御認識なんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) まず、今御報告申し上げましたように、技能実習生から話を聞けた、それについて口裏合わせではないかという御指摘もございましたけれども、できるだけ事実を聞き出すように努めたものでございまして、そのほかにつきましても、繰り返しになりますけれども、何らかの客観証拠にたどり着くように努めたものでございまして、受入れ企業側の言い分どおりが五割から六割というものではないと考えます。
○仁比聡平君 客観証拠というのは、賃金台帳のみという場合も含むんでしょう。
○政府参考人(佐々木聖子君) 場合によっては、それしかなかったものもございます。
○仁比聡平君 ですから、その賃金台帳が失踪した実習生の言い分と違っているのではないかというこの矛盾は、企業側の、企業側というか実習先側の言い分以外には埋めるものはないわけですよ、今のところ、今回の調査では。そういうことでしょう。
○政府参考人(佐々木聖子君) そのこともございまして、また引き続き、今回の調査対象で技能実習生がいるところにつきましては、再度の調査に赴く予定でございます。
○仁比聡平君 再調査が必要であるというのは、つまり今回のプロジェクトチームにおける調査によっては明らかになっていないということなんですよ。 そうした議論を踏まえて、衆議院の四月二十四日の私ども藤野議員の質問に対して、門山政務官が、まあちょっと要約といいますか、私の拾うところだけ拾いますけれども、客観資料をなるべく調べてこれだけは認められたというだけで、認めなかった中には、全部適正だなんとは私自身は全く思っていないわけでございます、例えば、その中には調査できなかったものとか回答を拒否したものもありますし、その中にも最賃違反が疑われる可能性というのはこれは十分あるんじゃないかという認識を持っていますといった認識を政務官御自身がお示しになっておられるわけですが、まず政務官、そういう認識ですか。
○大臣政務官(門山宏哲君) 委員の御指摘のとおりの認識を持っております。
○仁比聡平君 それは大臣も同じですか。
○国務大臣(山下貴司君) 私も、調査自体を行ったものの、賃金等に関する客観的資料が得られなかった機関が存するところでございまして、これらの機関が、不正行為を行っていた機関が存する可能性は否定できないと考えております。 ゆえに、今回の調査対象機関のうち、技能実習生が在籍中のものについては、今年度中に技能実習法に基づく実地検査等を行う方針でございます。その結果、更なる不正行為等が判明する可能性がございますが、こうした場合には厳正に対処させていただきたいと思いますし、実地検査等の方針、情勢、具体的な把握については、今後も適切な御説明に努めてまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 大臣、今はそういうふうにおっしゃるんだけれども、四月十六日に私が尋ねたときにはこう答弁されたんです。今回のプロジェクトチームの調査では、失踪技能実習生の供述内容をそのまま記録した聴き取り票によってではなく、可能な限り賃金台帳やタイムカードといった客観資料を入手して、控除額やそれを差し引いた後に実際に支払われていた賃金の額などを調査したものであって、客観的にファクトとして示したものであるという答弁をされたんですよね。 この大臣の答弁、それは、この今回の報告書が公表されたときにメディアを中心に受け止められた捉え方でもあるんですよ。何しろ法務大臣が可能な限り客観資料を入手して調査したと、ここに示している、例えば最賃以下というのは五十八人であるというのがファクトであるというふうに述べれば、そういうものなのかと思うでしょう、世間は。けれども、こうやって議論を何度かやるだけで、そうした不正や権利侵害がつかみ切れたものではないんだということを、責任者として調査に臨まれた政務官も、それから大臣もお認めになるわけじゃないですか。 だったらば、今回の、今回のというのは、つまり三月二十八日に公表をされたこの報告書の概要、これだけ見ると、何だか、少ししかなかったのか、権利侵害はというふうに見えるんですから、だから、今政務官や大臣がお示しになった認識、これが今の到達点であって、調査は限られたところしかできていないし、その中でも不十分であって、まあこの不十分は私の表現ですけどね、今から再調査、この中で徹底して不正をただし、権利回復を行うことが必要なんだということを法務省としてきちんと公表すべきじゃありませんか。
○国務大臣(山下貴司君) このプロジェクトチームの調査・検討結果に際しまして、また仁比委員の質疑に対しまして私が答弁したのは、可能な限り客観的な資料を得てというところでございまして、残念ながら、この協力拒否が百十三機関あり、あるいは倒産、所在不明等によって調査できなかったものが二百七十機関あるということは事実でございまして、それには調査が及ばなかったところはございます。 ただ、その点のファクトに関しましては、プロジェクトチームの調査・検討結果の概要あるいは調査結果報告書そのものにおいて明確にこれだけの機関があったということはお示ししているところでございまして、それを踏まえた上で、可能な限りファクトに基づいて申し上げたということで答弁させていただいたことを是非御理解いただきたいと思います。 いずれにせよ、この調査拒否があったところに関しましては、これは実習生がまだ存するところについては技能実習法に基づく調査、これが可能でございますので、これを今年度中にさせていただくということでございます。そのほか、可能なこの調査の方法について、例えば今後、失踪技能実習生が現れました場合に、この新たに詳細な書式となりました調査報告書により把握することも可能でございましょうし、そうしたことで実態を把握して適切な対応を取ってまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 可能な限りとかファクトとかいう言葉を今大臣が弁明されたような文脈で使う、それは実態をごまかすということにしかならないです。それは、立場は違っても、外国人労働者の皆さんをきちんと受け入れていく、日本社会の中で共生を図っていくということにはつながらないんですよ。実態をごまかしちゃ駄目なんですよ。その点を厳しく申し上げたいと思うんですが。 ちょっと一つだけ。調査拒否をした機関に対しては、百十三ですけれども、速やかに実地検査を実施するというのが四月十六日の答弁なんですが、その調査には着手はされたんですか、長官。
○政府参考人(佐々木聖子君) 既に実地検査を実施している対象機関もあります。
○仁比聡平君 速やかにその調査を終えて、この委員会に報告をすべきです。 そうした下で、その四月の十六日も求めたんですけれども、実際に失踪者として強制帰国の手続を取られて母国に帰国をしている元実習生が膨大にいるわけですね。しかも、その後、その後というのはつまり昨年の秋ですね、これが大問題になって以降も、その強制帰国の手続というのはどんどん進むわけですから、例えば今日帰国している人もいるかもしれないわけです。現在進行形の話なんですね。ですから、その一人一人の失踪者が例えば未払賃金の支払ってもらう権利を持っている、あるいは最賃以下で苦闘してきた、そうした方々の経済的な救済は、これは図られるべきだと私思うんですね。 ですので、前回、外務省にお一人お一人への個別的なフォロー、個別通知もしたらどうかというふうにもお尋ねをしたんですが、外務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(高橋克彦君) お答えいたします。 外国人技能実習制度では、この実習機構がベトナム語を含む多言語の相談窓口を設置しておりまして、母国に帰国した元実習生もメール等によって直接相談することが可能となっております。したがいまして、ベトナム大使館ではホームページを通じてこの機構による相談制度を紹介をしておりますので、仮に母国に帰国した元技能実習生が在ベトナム大使館に問い合わせる場合には、大使館、外務省を通じて、関係省庁や同機構と連携しつつ、適切に対応していくということになります。 これは送り出しの前にも技能実習生として訪日する方々には情報提供しておりますので、このような事前、事後の情報発信をすることで、母国に帰国したベトナム人元技能実習生が既存の制度を最大限活用できるよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 私、今日、何人かの同僚議員が質問をされたように、例えばベトナムにおいて、ベトナム政府と協力をしながらではあるけれども、失踪実習生、帰国をした人たちに個別権利救済を図るための相談を行っていく、フォローしていくというのは、これは是非やっていくべきだと思うんですよね。主権という言葉が繰り返されましたけれども、そこはいろんな工夫をしながら、政府間、二国間の努力をすべきだと私は思うんですが、その上で今御答弁のあった、相談を大使館がしっかりと受けていきますよというこのメッセージが届くことで安心して相談できる方々もいるんじゃないかなと思います。 というのは、ブローカーあるいは送り出し、それから日本側の監理団体が不当な権利侵害と一体になって自分たちを苦しめていく、その下で、憧れて来たけれども日本は大嫌いだと、そんな思いで帰国せざるを得なくなった人たちもたくさんいるんですね。その方々が、例えば母国の送り出し機関とか、ましてブローカーに、こんな目に遭って帰ってきたなんていうようなことを相談するなんてあり得ないじゃないですか。日本の大使館が積極的にそうした方々の相談に乗って親身に解決していく、あそこに相談したら解決したということが伝わっていけば、物事が動いていくのかもしれないなと。是非大使館に、困ったときは、困ったことは全部大使館に相談してくださいぐらいの構えで、私、政府を挙げて取り組んでもらったらいいんじゃないかと思うんですよ。 例えば、失踪している人を捕まえたと。新しいインタビュー票、聴き取り票でそうやって調査をする。で、帰国手続に入るんだけれども、未払賃金があるでしょうと。今、日本にいる間に何とか解決できればするけれども、母国に帰ってからも日本政府が責任を持って相談に乗るから、だから大使館に行ってねと、そういう取組が現に行っていったらいいんじゃないかと思うんですけど、外務省、いかがですか。
○政府参考人(高橋克彦君) お答えいたします。 大使館、基本的にはベトナム人にできるだけ寄り添うというアプローチでございますので、例えばホームページを見ていただくと、ベトナム語でですが、現地でいろいろと流布されている話が、これは間違いなのでだまされないようにという形での情報提供はしております。 こういうやり取りを通じて、大使館の方に積極的に何か持ってくると解決するぞという動きにはなっておりませんが、基本的には既存の枠組みでの解決というのを求めたいと思いますけれども、一方で、困った人に対して我々担当ではないのでお応えはしないと、そういうアプローチはしないようにちょっと心掛けて対応していきたいと思います。
○仁比聡平君 いや、それは困った人に対応してこそ日本ですよ。是非よろしくお願いをしたいと思うんですが。 残る時間、原発構内での特定技能一の作業の問題についてお尋ねをします。 四月の二十三日に、東電が協力会社に福島第一原発などの現場作業に外国人労働力を受け入れることを決めたということで、方針説明をしたという問題についてお尋ねをしました。 東電が述べたとされる、お手元に配っている朝日新聞の記事にある分野のうち、建設、それから自動車整備、ビルクリーニング、外食業のこの業種についてはそれぞれ所管省庁が、あり得ないとか、想定されないとか、含まれないとかという形で明確なお答えがあったんです。ところが、経済産業省だけが、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業のこの二分野、これも含めて製造三分野と経産省おっしゃっていますが、ここに何だか可能性があるかのような答弁をされて、私は事前のレクと違うではないか、そごをしているではないか、一体どういうことなのだと指摘をしたんですが、経済産業省、結局どういうことなんですか。
○政府参考人(大内聡君) お答え申し上げます。 経済産業省の製造三分野につきましても、他の省庁が所管する分野と同様に、原子炉内部に留置されている汚染物質の除去などの作業に特定技能外国人を従事させることは製造三分野の職種に当てはまらず、特定技能外国人を従事させることは想定しておりません。
○仁比聡平君 まず、前回の答弁とは違って、原子炉内部の作業というのはこれは想定はされないということですね。 原発構内、福島第一の原発構内のことを私は言っていますけれども、この福島第一原発の構内における作業というのは、一般に言う産業機械製造業などとは私、場面が違うと思うんですね。私が事前に受けたレクでは、この製造三業種というのは、例えば、製造用のロボットを作る分野、ここに特定技能一で外国人は働いてもらうというようなことが想定されていて、その例えばロボットを作るというような仕事が福島原発の構内で行われるということはこれは想定されないから、その原子炉の核物質を取り出すというような作業はもちろんなんだけれども、原発構内の作業も想定されないと言っておられたんですね。 ところが、前回、四月二十三日の御答弁では、現時点でそうした具体的な事業活動は承知していないが、申請があればそれはあり得るという趣旨に読める答弁をされた。その点はいかがですか。
○政府参考人(大内聡君) 原発構内におきましては様々な作業があり得ますので、特定技能外国人が原発構内で従事することの可否については一概に申し上げられないというふうに考えております。 今先生が御指摘されたような事案以外にもいろいろなものが想定され得るのかもしれませんので、個々の事案については、法令に従いまして、申請に係る外国人が従事する活動の具体的な内容に即しまして、出入国在留管理庁が個別に審査することになると承知しております。
○仁比聡平君 いや、よく分からないんですよ。ほかの省庁じゃなくて、経済産業省がそうおっしゃるわけだから。 そうすると、東電は、この福島第一原発の構内で、この製造三業種に当たり得るような、そうした作業ということをこれ行う可能性があるわけですか。
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。 ただいま大内審議官の方から答弁ありましたように、福島第一原子力発電所の廃炉作業におきましては各種の作業がございます。今答弁がありましたように、製造三分野の業種として想定していたものの中に、原子炉内に留置されているような汚染物質の除去といったような、そういったものは当然想定をしていないということでございますが、その作業がいろいろあるという意味におきまして、もし仮に申請があれば、しっかりとそれを個別に審査することになるということと理解をしております。
○仁比聡平君 もしあればという、今の御答弁でも繰り返されていることが、これまたよく分からないんですよ。 そういう、もしあればとか、いずれとかいうような話だったらば、協力会社数十社を対象とした会議で、特定技能の労働者の原発への受入れについて説明するというようなことは起こり得ないでしょう。しかも、建設、自動車整備、ビルクリーニング、外食業に関して言うと、これは該当しない。だから、これ言ってみれば、その所管省庁にしてみたらぬれぎぬを掛けられたみたいな話になっていて、経済産業省はこれからあり得るというふうに思っているのかもしれないけれども、これはあり得るという、そういうお考えなんですか。
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。 東京電力の元請企業、協力企業に対する周知というのは三月二十八日に行われておりまして、特定技能の在留資格制度が四月一日から運用されることに伴いまして、外国人材を福島第一原発で就労させる場合の考え方について周知をしたものと承知をしております。 具体的には、制度の概要だけでなく、特定の技能を有する外国人が従事する作業が特定産業分野に該当する、又は作業安全指示等の理解が可能な日本語力が必要である等、法令に従って対応するよう周知したと聞いております。 経済産業省としましては、具体的な個々の事案について法制度が適切に運用されるよう関係省庁と連携するとともに、安全かつ着実に廃炉作業を進めていく観点から、東京電力に対して必要な指導監督を行っていきたいと考えております。 なお、一般論として申し上げれば、原子力発電所の防護区域内で働く人員については、テロ対策等の観点から厳格な信頼性確認を行う必要があり、その点にも留意する必要があると考えております。
○仁比聡平君 ちょっと時間が来たので終わらざるを得ませんけれども、ちょっと今の御答弁、私、全然意味が分からないですよ。特定技能一というここの分野だとか、あるいはこの申請だったり、これを認定するという手続というのをこれさんざっぱら議論をして、存在するわけですね。それを具体的に理解をせずに東電がこんな形で説明するのはあり得ないじゃないですか。実際に、廃炉も含めたその原発構内の作業に特定技能一の外国人労働力を導入しようとしているんじゃないのか。だから、そういうふうに訳の分からない、曖昧な答弁になるんじゃないのか。 そんなことは絶対に許されない。日本語の能力の問題、専門性の問題、これまで繰り返されてきた原発における労災などの問題について、これ厳重に認識をして、むしろ経済産業省、東電にこれやめさせるべきですよ。法務大臣はこんな説明をしたということを撤回をさせるべきです。 終わります。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 最後の質問ですので何人かの委員の質問と重なるところもありますが、確認の意味も含めて改めて質問させていただきたいと思います。 昨年の第百九十七回国会、入管法改正案の審議の際、失踪した技能実習生の聴取票が問題となりました。また、技能実習生の失踪や死亡事案についても問題となりました。そのため、山下法務大臣の指示により、門山法務大臣政務官を議長とする技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームが設置され、問題点を検証することとなり、検証の結果、三月二十八日に調査・検討結果報告書が公表されました。 本日は、技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームの調査・検討結果に関する調査ということで、この報告書の内容に関して質問をしたいと思います。 本プロジェクトチームの設置のきっかけとなった野党国会議員による聴取票の調査では、失踪した技能実習生の約七割が最低賃金以下で稼働していたのではないかとの指摘がされました。しかし、プロジェクトチームの報告書によると、調査対象となった五千二百十八人中新たに最低賃金違反が認められたのは僅か五十七人でした。 国会議員の調査とプロジェクトチームの報告書には大きな開きがありますが、これはどのような理由によるものでしょうか、法務省の答弁を求めます。
○政府参考人(佐々木聖子君) 最低賃金違反が約七割といった御指摘は、失踪技能実習生からの聴取票の記載を閲覧した結果として述べられるものと承知をしています。 他方で、今回のプロジェクトチームの調査では、失踪技能実習生の供述をそのまま記録した聴取票によってではなく、可能な限り、賃金台帳やタイムカードといった客観的資料を入手することとして、実際に支払われていた賃金の額などを調査したものでございます。その結果、客観的資料が入手できた三千五百六十人分について、賃金台帳等を確認し、そのうちの五十七人について最低賃金違反の疑いを認めたものでございまして、既に措置済みの一人を加えても最低賃金違反又はその疑いのあることが判明したのは五十八人という結果でした。 このように、できるだけ客観的な資料を分析する方法によって調査を行ったことによりまして、おのずから本人の発言した内容を記載した聴取票を根拠としたものとは異なる結果となったものと考えています。
○糸数慶子君 報告書には技能実習生の死亡事案に関する調査結果もありました。 報告書によりますと、実習中の事故以外に実習外の事故の方が多いとのことです。特に、海水浴などのレジャー中の溺死が十七件もあったとのことであります。 報告書でも触れられていますが、遊泳禁止場所等の危険情報をどのように技能実習生に提供するのかというのは重要な問題であります。また、海だけでなく、スキー場や雪山で外国人が遭難する事案も報道されております。これは、技能実習生に限らず、日本語を母国語としない外国人全体に対する対策が必要だということです。この点について政府はどのような対策を行っているのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(佐々木聖子君) 従来より、技能実習生につきましては、入国時に技能実習手帳を配付して、日本での生活上の注意点について注意喚起等を行ってまいりました。 加えて、昨年末に作られました外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策を踏まえて、本年四月に生活・就労ガイドブックの日本語版、英語版を法務省のホームページに掲載をし、交通ルールや緊急、災害等の注意喚起のほか、日常生活の注意点も記載をしております。また、そのガイドブックにつきましては、今後、易しい日本語への変換及び多言語化を進めた上でホームページに掲載するなど、周知に努めてまいります。 さらに、外国人に対する日本語教育の充実として、これも総合的対応策の中に、日本語教育教材の周知、活用促進や、日本語教育に係る地方公共団体等の取組の支援等の各種施策が盛り込まれておりまして、これらを着実に進めていくこととしております。
○糸数慶子君 今後の聴取票の公開の在り方について伺いたいと思います。 報告書によりますと、聴取票の集計結果を取りまとめた資料は公表しないとのことでありますが、これは聴取票自体の閲覧もさせないということでしょうか。法務省の答弁を求めます。
○政府参考人(佐々木聖子君) この聴取票ですが、内容の公開を前提として行われた聴取ではございませんで、その記載内容は失踪技能実習生等の個人に関する情報そのものです。したがいまして、聴取票のこの記載内容が広く開示されれば、今後の調査や捜査への協力を得られなくなる可能性があるほか、個人の特定につながったり、失踪者本人のプライバシー等が損なわれるおそれもあるため、聴取票自体を閲覧に供することにつきましては考えておりません。
○糸数慶子君 今回のプロジェクトチームは、聴取票の集計結果に誤りがあったことを契機として、聴取票を閲覧した国会議員による問題提起によって、山下法務大臣の指示により設置されたものです。聴取票を公表しないということは、このような国会議員による現状把握及び改善の提言への道を閉ざすものであり、技能実習制度の運用の改善に対して非常に後ろ向きな姿勢であると言わざるを得ません。 聴取票及び聴取票の集計結果は閲覧又は公表すべきであると考えますが、法務省の見解を伺います。また、白書等を通じて定期的に公表するとされる聴取票の集計結果等の内容はどのようなものを想定しているのでしょうか。併せて法務省の答弁を求めます。
○政府参考人(佐々木聖子君) 聴取票自体の閲覧は難しいというのは先ほど申し上げたとおりです。加えまして、聴取票の集計結果には実習実施者側への確認等を経ていない一面的な情報も含まれますことから、失踪技能実習生に関する状況の全体像を明らかにする上で必ずしも適切でないと考えるに至りました。 そこで、今後でございますけれども、聴取票の集計結果のみではなく、実習実施者に対する実地検査の実施結果やその後の措置状況、出入国在留管理庁による分析等の多面的な情報を併せて公表する予定でございます。
○糸数慶子君 次に、送り出し機関について伺います。 技能実習生が失踪する原因の一つとして、母国の送り出し機関により高額な手数料等を徴収され、その支払のためにより高額な賃金を求めて移動するということがあります。そのような悪質な送り出し機関を排除するため、我が国政府は技能実習生の送り出し国政府と二国間取決めを作成しており、報告書作成の時点では十三か国と二国間取決めを作成し、中国、インドネシア等と二国間取決めの作成につき協議中とのことであります。 報告書作成以降、新たに二国間取決めを作成した国はあるのでしょうか。また、現在、二国間取決めのための作成を協議している国は中国、インドネシアのほかにあるのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(佐々木聖子君) 総合的対応策におきまして、二国間取決めの作成に至っていない送り出し国のうち中国、インドネシア、タイについて作成を目指すとされておりますところ、このうち、タイとの間では本年三月末に二国間取決めを作成をいたしました。残る中国及びインドネシアとの間でも可能な限り早期に作成できるよう、現在、厚生労働省及び外務省とともに協議を進めているところでございます。
○糸数慶子君 次に、技能実習生が送り出し機関に支払った手数料等について伺います。 旧制度下では、ベトナムは平均約百万円、カンボジアとミャンマーでは平均約六十五万円であったとのことです。そして、二国間取決め作成後のこれら三つの国の認定送り出し機関が技能実習生から徴収している手数料等の額はおおむね三十万から四十万円とのことでありますが、旧制度からは手数料等の額は大幅に減少したとは言えますが、これらの国の平均年収を考えますと、手数料等はいまだに技能実習生にとって非常な高額であると言えます。 報告書では手数料等の過大徴収等については是正措置の履行を求めるとしておりますが、現状の三十万円から四十万円という額については適正であると考えているのでしょうか、改めて法務省に伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 送り出し機関が徴収する手数料については、例えば、派遣手数料、旅券取得等の渡航手続費用、健康診断費用等があり、また、その金額につきましてはそれぞれの送り出し国の国内法令等に基づき設定されているものと承知をしています。 他方で、不当に高額な手数料を徴収することは、技能実習生に多額の借金を負わせる原因となり、また技能実習生が失踪する遠因ともなり得る不適切な行為であるために、二国間取決めの作成、同取決めに基づき、意見交換等によりまして送り出し国政府の協力を得ながら、そのような不正な送り出し機関の排除に努めているところでございます。
○糸数慶子君 二国間取決めの内容を見ますと、送り出し機関は、技能実習生等から徴収する手数料その他の費用については算出基準を明確に定めて公表し、十分理解させるために説明すればよいこととなっています。これは技能実習法施行規則第二十五条第三号を受けたものだと思いますが、この基準ですと、算出基準を定めて公表し、技能実習生等が説明を理解さえすれば高額な手数料を課してもいいことになります。 技能実習法施行規則や二国間取決めにおける送り出し機関の認定基準として、手数料が適正であること等の何らかの手数料の額の規制に関する規定を設けるべきであると考えますが、法務省の見解を伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほども申し上げましたように、送り出し機関が徴収する手数料の額につきましてはそれぞれの送り出し国の国内法令等に基づいて設定されているものと承知をしておりまして、二国間取決めに基づく送り出し国政府による送り出し機関の認定に当たりましては、当該手数料額の適正性についても確認されているものと承知をしております。 その上で、委員の御指摘の点も踏まえまして、今後、二国間取決めに基づく送り出し国政府との意見交換等により、手数料額の適正性や規制方法について確認を行うなど、不当に高額な手数料を徴収する等の悪質な送り出し機関の排除に努めてまいります。
○糸数慶子君 手数料が高くなる一因として、報告書にもある、送り出し機関と監理団体との間の裏契約の締結があります。この裏契約、裏の契約ですから発見するのは難しいと思われますが、この裏契約を防ぐ方法はあるのでしょうか、法務省に伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) まず、監理団体に対しましては、外国人技能実習機構等を通じて、監理費以外の手数料等の受取を約束する、いわゆる裏契約は違法行為であり、技能実習法令に基づいて厳格な対応を取るということを注意喚起をしておりますほか、実地検査等において、監理団体及び実習実施者の職員だけでなく技能実習生からも事情聴取するなどして、不正な契約がなされていないかどうかを確認をしています。 一方、送り出し機関に対しましては、二国間取決めに基づく協議の際に、送り出し国政府を通じて、監理団体からの裏契約の締結を求められた場合にはその旨を日本側に通報するよう申入れをしているところでございます。
○糸数慶子君 報告書によりますと、外国人技能実習機構は、監理団体に対して一年に一回程度、実習実施者に対して三年に一回程度の頻度で定期的に実地検査を行うこととしていることです。 監理団体や実習実施者を頭から疑うものではありませんが、この程度の頻度の実地検査で法令違反等を十分チェックすることができるのでしょうか。特に、実習実施者に対しては三年に一回とのことで、これは技能実習の外国人が一号の技能実習を開始して二号を修了するまでに一回しかチェックがないことになります。 機構による実地検査の頻度を上げるべきであると考えますが、法務省の見解を伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今お話しいただきましたように、監理団体に対しては一年に一回、実習実施者に対しては三年に一回をめどとして機構が実地検査に参ります。ただ、このほかに、法令違反の疑いのある事案の情報を得た場合、あるいは関係者からの相談、申告等があった場合には、必要に応じて直ちに臨時に実地検査を行うこととしております。 御指摘の点につきましては、技能実習法の運用状況等を勘案しつつ検討が必要と考えておりますけれども、いずれにしましても、引き続き、関係機関と連携して制度の適正化に努めてまいります。
○糸数慶子君 失踪、死亡事案への対応の運用改善方策についてお伺いしたいと思います。 新しくなった技能実習制度の下でも、旧制度よりは少ないものの、依然として技能実習生の失踪が発生していることは報告書も認めていて、第六で、実効性のある改善方策として幾つかの方策を示しています。これらのうち、まず、失踪、死亡事案への対応の運用改善方策についてお伺いしたいと思います。 ここでは、失踪について帰責性がある実習実施者について、失踪後の一定期間、技能実習生の新規受入れができない旨、省令等で規定すべきとの方策が述べられていますが、このような省令は制定されたのでしょうか、法務省に伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 関係各方面とも所要の調整を経た上で省令改正を行うことを検討しているところでございます。
○糸数慶子君 初動対応の強化として、機構同様、出入国在留管理当局が技能実習生の失踪又は死亡に係る報告を受けた場合には、初動対応を強化し、速やかな調査等を行うべきであるとしています。 確かに、技能実習生の死亡は実習実施者の届出がなくても把握できるので、初動対応の強化は必要であると思います。しかし、失踪の場合、実習実施者等が届出をしない限り把握することは困難であります。そして、今回、失踪について帰責性がある実習実施者については一定期間技能実習生の新規受入れができなくなるということであれば、失踪の届出をためらうことにつながりかねません。 このような状況で、出入国在留管理当局はどのように技能実習生の失踪を把握し、初動対応を強化するつもりでしょうか、法務省に伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) まず、大事な点といたしまして、監理団体による監査の適切な履行でございます。 監理団体は、三月に一回以上の頻度で実習実施者に対する監査を行い、外国人技能実習機構に報告をすることとされています。また、技能実習一号を受け入れている場合は、監理団体が一月に一回以上の頻度で訪問指導を行うこととされています。実習実施者が必要な対応を取らない場合であっても、こうして監理団体が監査をするときに失踪が発生していないかどうかをまず把握するべきです。 また、外国人技能実習機構への届出や通知を失踪について帰責性があることを理由として行わないような実習実施者や監理団体については、監理団体許可の取消し、計画認定の取消し、また罰則の適用も含めて厳格に対応していくほか、事案に応じて告発を行うなどの対応を行うこととしております。
○糸数慶子君 先ほど仁比議員からもかなり厳しい指摘もありましたけれども、実際に書面で対応するような今の答弁の中身とは現実はかなり違うということを改めて指摘をしたいと思います。 報告書では、聴取票を見直して、聴取票に係る聴取結果が有効に活用されていない現状を改めるべきであるというふうにしておりますが、この見直しにより聴取票は一ページから八ページになります。報告書の別紙五の聴取票を見ると、例えば賃金についても額面と手取りを区別して記入することになると、確かに失踪への対応等がやりやすくなると考えられますが、記入項目が膨大になります。聴取を担当するのが入国警備官から入国審査官になり、また日数的にも余裕が出てくるとのことでありますが、失踪した技能実習生一人一人について八ページの聴取票をしっかりと記入をすることは人的、時間的に可能なのか、心配であります。 この点について法務省に答弁を求めます。
○政府参考人(佐々木聖子君) 御指摘の見直し後の新たな聴取票では、聴取項目を大幅に増やし、より詳細なものといたしました。そのような中で、この聴取票がきちんと活用できるかにつきまして一部の地方出入国在留管理局において試行運用を実施し、人員体制や時間的な観点も踏まえた上で作成をしたものでございます。 現在のところ人員体制や時間的な観点において運用に支障は生じておりませんけれども、今後の運用状況を踏まえながら、人員体制の強化の要否について検討をしてまいります。
○糸数慶子君 失踪に係る聴取票については大幅に拡充されることになりますが、死亡事案一覧については、報告書の中にこれを改めるという記述は見当たりません。 技能実習生が死亡した場合の初動対応の強化のために、死亡事案一覧の記入事項についても拡充すべきではないかと考えますが、法務省の答弁を伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 御指摘のこの死亡事案一覧につきましては、皆様方からの御要請にお応えをするために、これまで毎年、法務省入国管理局が監理団体等からの報告内容を取りまとめて一覧表として作っておったものでございまして、死亡事案の初動対応において作成するものではございません。 なお、今後の死亡事案の取りまとめ方法につきましては、今回の報告書にもありますとおり、個別の事案について、関連する客観的資料を収集した上で精査を行い、死亡と技能実習の関連性の有無等について関係機関とも連携を図りながら適切な分類、集計を行い、その結果を取りまとめることとしてまいりたいと考えています。
○糸数慶子君 報告書では、技能実習制度においても、特定技能制度における規律を参考に、実習実施者に対して口座振り込み等による報酬支払を義務付ける旨を省令等で規定すべきである旨の記述がありますが、このような省令等は制定されたのでしょうか、法務省に伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) この点につきましても、先ほどの技能実習生の受入れ一時停止と併せまして、所要の調整を経た上で省令改正を行うことを検討しています。
○糸数慶子君 報酬支払を口座振り込みにする場合、当然ながら我が国の口座が必要となります。 一号特定技能外国人の場合、口座開設に係る支援が省令で支援計画の内容とされています。特定技能外国人と同様に、技能実習生についても実習実施者や監理団体による口座開設支援を法令で定めるべきだと考えますが、法務省の答弁を求めます。
○政府参考人(佐々木聖子君) 特定技能と技能実習とでは制度のスキームが異なりますことから、技能実習に特定技能の仕組みを導入するに当たりまして、その規定ぶりをそのまま技能実習法令に用いることができるのか否かや、既存の技能実習法令の関連規定の見直しの要否などにつきまして、厚生労働省、技能実習機構などの関係機関との間で整理を行う必要がありまして、その上で速やかに省令を改正することを検討しております。
○糸数慶子君 次に、報告書では、特定技能への移行制度等の周知徹底として、第二号技能実習修了後の特定技能一号への移行についても正確な情報を積極的に提供することが必要であると述べられています。しかし、我が国で身に付けた技能を母国で活用することを目的とする技能実習の修了者が、特定技能に移行して我が国で働き続けることは技能実習の趣旨に反するのではないかということがさきの入管法改正の際にも問われました。また、こういう周知をすることは第三号技能実習への移行を減少させることにもつながり、第三号技能実習の存在意義も問われることとなります。 第二号技能実習修了後に特定技能へ移行できることを技能実習生等に周知することは、果たして適切とお考えでしょうか、法務省の見解を伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 委員御指摘のように、新しい特定技能制度と技能実習制度とは、趣旨、その目的が異なるものでございます。この点、技能実習二号を修了した技能実習生が、技能実習三号に在留資格を変更するかあるいは特定技能一号に在留資格を変更するかは、我が国で在留する目的に照らした外国人本人の自由な選択に委ねられています。したがって、必ずしも技能実習二号を修了した全ての外国人が特定技能一号へ移行するわけではないと考えております。 また、同じように、技能実習三号で在留中の方が、実習修了後に帰国されるのかあるいは特定技能一号に在留資格を変更するかにつきましても、御本人の自由な選択に委ねられていると考えています。
○糸数慶子君 次に、技能実習生の母国語による相談支援体制について、先ほども質問が出ておりましたが、技能実習生は母国語の通じない外国である我が国で技能実習を行っているので、困った場合に母国語による相談が受けられることは大変重要であります。 現在、技能実習生に対する母国語による相談体制はどのようになっているのでしょうか。対応言語、対応可能時間等についても法務省に伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 外国人技能実習機構におきまして、現在八か国語によりまして電話、メール、相談来所等の適宜の方法で相談対応を実施しています。 対応言語は、技能実習生の国籍を考慮しまして、ベトナム語、中国語、インドネシア語、フィリピン語、英語、タイ語、カンボジア語、ミャンマー語の計八か国で対応しておりまして、各言語の利用状況を踏まえて、週一日から週五日の範囲で相談可能日を決めて対応しています。 時間ですが、電話による母国語相談は、各言語共に相談可能日の午前十一時から午後七時までとなっておりますところ、電子メールによる相談につきましては二十四時間体制で受け付けております。
○糸数慶子君 現在の相談体制で十分でしょうか、拡充の必要はないでしょうか、法務大臣に伺います。
○国務大臣(山下貴司君) 現在、外国人技能実習機構については、八か国語で技能実習生からの相談、申告を受けることが可能になっておるところでございます。これによって、速報値ではございますが、母国語の相談件数、これは今年の四月十九日現在でございますが、二千八百二十一件に達しており、活用されているものと承知しております。この対応体制のより一層の充実を図るために、例えば最も需要が見込まれるベトナム語については、この四月から母国語相談の対応可能日を従前の週三日から週五日へ増やしたところでございます。また、機構の地方事務所等における人員も増員をしているということでございまして、技能実習生からの相談、申告の対応体制を拡充しているというところでございます。 今後も、技能実習生からの相談、申告に適切に対応すべく、制度を共管する厚生労働省及び外国人技能実習機構と連携の上、技能実習生の支援、保護及び制度の適正化に努めてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 ありがとうございます。 今まで技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームの報告書について質問してまいりましたが、技能実習制度の適切な運用のための方策の全てに通じるのは、出入国在留管理当局や外国人技能実習機構に十分な人員を配置することの重要性ではないでしょうか。失踪した技能実習生に対するこの聴取の不備や聴取票の送付漏れは、入管当局の人員がもっと多ければ防げたかもしれません。また、新たに入国審査官が行うこととなる大幅に項目が増える聴取票の記入や、外国人技能実習機構が監理団体や実習実施者に対する実地検査を十分に行うためには、入管当局や機構の人員増が必要不可欠であります。 最後に、入管当局及び機構の人員増加に対する見解を法務大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(山下貴司君) ありがとうございます。 外国人技能実習機構においては、平成三十一年度予算において、実習実施者、監理団体への実地検査や技能実習生に対する相談支援等の実施体制等の強化を図るための人員拡充の予算を確保していると承知しております。具体的には、外国人技能実習機構に二百四十名の職員を増員し、約五百九十名体制に拡充することとしているということでございます。入国管理局も四月一日付けで出入国在留管理庁に組織改編され、体制も強化されたところでございます。 今後、さらに、技能実習機構と連携しながら、制度の運用に適切に対応してまいる所存でございます。
○糸数慶子君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(横山信一君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。山下法務大臣。
○国務大臣(山下貴司君) 表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、所有者不明土地問題への対策の一環として、不動産登記簿の表題部所有者欄の氏名又は名称及び住所の全部又は一部が正常に登記されていない表題部所有者不明土地について、その登記及び管理の適正化を図るために必要となる措置を講ずることにより、その権利関係の明確化及びその適正な利用を促進しようとするものであります。 その要点は、次のとおりであります。 第一に、表題部所有者不明土地について、その登記の適正化を図るための措置として、登記官に所有者の探索のために必要となる調査権限を付与するとともに、所有者等探索委員制度を創設するほか、所有者の探索の結果を登記に反映させるための不動産登記法の特例を設けることとしております。 第二に、所有者の探索を行った結果、所有者を特定することができなかった表題部所有者不明土地について、その適正な管理を図るための措置として、裁判所の選任した管理者による管理を可能とする制度を設けることとしております。 以上が、この法律案の趣旨でございます。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(横山信一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十分散会