法務委員会 第6号
- 発言数
- 126 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/04/11
会議録
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、片山さつき君が委員を辞任され、その補欠として中西哲君が選任されました。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長小野瀬厚君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之でございます。質問の機会を頂戴し、大変ありがとうございます。 今回の司法書士法及び土地家屋調査士法の改正、これ本院先議でございますので、改正の趣旨等を中心に御質問をさせていただきたいと、このように思います。 まず、第一条の目的規定を使命規定に変更するという点でございます。 世の中には数多くの士業、いわゆるサムライ業というのがございます。そのうち、例えば住民票であるとか戸籍謄本、これを職務上請求できる権限がある、これ八士業という八つの士業がございます。 お手元に資料を配りました。八士業と呼ばれるものの第一条を比較したものでございます。これ、御覧いただきますと、例えば弁護士法、税理士法、弁理士法、上の三つはそれぞれの使命ということで、例えば「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」というような書きぶりになってございます。その下の現行の司法書士法、土地家屋調査士法、行政書士法、社労士法、これにつきましては法律の目的というような書きぶりになってございます。 多くの法律、大体第一条には目的規定というのを置いておりますが、実は法令検索してみると、使命の規定を置いている法律というのはほとんどございません。例えば今回の、弁護士、税理士、弁理士のほかには、例えば公認会計士法、こういったものには置いているようでございます。第一条に使命規定を置いているのは、例えばこのほかには保護司法がございますし、例えば第二条に置いていますのが人権擁護委員法ということで、いずれも司法制度あるいは法務に関わる法律について使命規定を置いている例が多いということでございます。 そこで、法務省にまずお伺いしたいんですが、今回の改正で目的規定を使命規定に変更するその理由についてお伺いしたいと、このように思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 現行の司法書士法第一条、また土地家屋調査士法第一条は、昭和五十三年の法改正の際に新設されたものでありまして、それぞれの法律自体の目的を定める規定でございました。 しかしながら、近年、司法書士、土地家屋調査士は、その業務内容の拡大に伴いまして、以前にも増して我が国社会において専門家として重要な役割を果たすようになってきております。また、最近では、所有者不明土地問題の解決等のため登記制度の適正化が重要な課題となっておりますが、このような各種の課題解決に当たって専門家として果たすべき職責は極めて重くなっていると言えます。 このような状況に照らしますと、司法書士、土地家屋調査士が我が国社会において専門家として認知されていることを前提に、その使命を明らかにする規定を設けることで、個々の司法書士、土地家屋調査士がその使命感をより高めていただき、その職責を果たしていただくことを期待することは極めて重要であると考えられます。 このような観点から、司法書士法、土地家屋調査士法の冒頭において、現在の目的規定を改め、それぞれ専門家としての使命を明らかにする使命規定を設けることとしたものでございます。
○徳茂雅之君 分かりやすい説明、ありがとうございます。 その改正後の条文を拝見しますと、司法書士法につきましては、下線部引いたんですが、この法律の定めるところによりその業務とする何々というふうになっております。一方、土地家屋調査士法を見ますとそういう文言がないということで、今回の改正は、司法書士法の定めるところによりその業務とする使命というふうに理解できると思いますが、こういう書きぶりにすることによって、従前の目的規定から今回の使命規定に変えることによる実質的な内容の変更、こういったものはあったのでしょうか、お伺いします。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 この改正法案によります改正後の司法書士法第一条におきましては、あくまでもこの法律の定めるところによりその業務とするとの限定を付しているところでございます。したがいまして、司法書士法に基づいて定められます司法書士の業務範囲については変更が生じないこととされております。 また、改正法案による改正後の土地家屋調査士法第一条におきましても、不動産の表示に関する登記及び不動産登記法第百二十三条第一号に規定する筆界を明らかにする業務の専門家としておりまして、土地家屋調査士法に基づいて定められます土地家屋調査士の業務範囲について変更は生じないこととされております。 したがいまして、この使命規定の創設によって司法書士及び土地家屋調査士の業務の範囲などに関して実質的な変更が生じるものではございません。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 続いて、今回の改正案によりますと、これまで司法書士あるいは土地家屋調査士には認められていなかった一人法人、これを認めるということになっております。弁護士の場合は、弁護士法人、これが認められた平成十四年当初から一人法人というのが認められております。これまで司法書士あるいは土地家屋調査士について一人法人が認められなかった理由、今回改正してそれを認める理由についてお伺いします。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 御指摘のとおり、この改正法案では、これまで社員が二人以上いなければ設立あるいは存続することができなかった司法書士法人、土地家屋調査士法人について、社員が一人であっても設立することができることとし、また、二人以上の社員がいた法人の社員が一人となった場合であっても引き続き法人として存続することができることとしております。 これまで一人法人が認められていなかった理由でございますが、この司法書士、土地家屋調査士に法人化を認める制度は平成十四年の法改正によって導入されたものでございますが、その当時は、一人法人の設立、存続を認める必要性に乏しいと、そう判断されたためにこれを許容することとはしなかったものでございます。 しかしながら、近年におきましては、例えば親と子の二人が社員となって司法書士法人、土地家屋調査士法人を設立、運営していた場合に、その親が亡くなったときは新たに司法書士あるいは土地家屋調査士を社員として加入させない限り法人を清算しなければならなくなるといったような事態が生ずるなど、一人法人の存続を許容しないために法人制度の利便性が損なわれていると、こういう指摘がされております。また、法人化することによりまして経営収支状況等の透明性が確保され、国あるいは公共団体が行う競争入札に参加しやすくなるといった利点も指摘されております。 このようなことを踏まえまして、司法書士や土地家屋調査士の業務の拡大に伴ってこの一人法人の設立等についてのニーズも高まっているものと考えられるものでございます。そこで、今回の改正法案では、社員が一人である司法書士法人、土地家屋調査士法人の設立、存続を認めることとしているものでございます。
○徳茂雅之君 続きまして、懲戒手続の見直しについてお伺いします。 今回、懲戒権者につきましては、従来の例えば法務局又は地方法務局の長から法務大臣に変更されるということであります。同じ士業であります弁護士につきましては、これは戦前の旧弁護士法の世界では司法大臣が懲戒権を持っておったわけでありますが、戦後、弁護士自治という見直しの中で議員立法によって弁護士法が改正されまして、これは日弁連が持つということにされております。 そこで、今回懲戒権者を法務大臣にするという理由について、これもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 国家資格を与えた者に対する懲戒権の行使は、原則的には公権力の行使として国の機関が行うこととなると考えられますところ、現行の司法書士法、土地家屋調査士法は、司法書士及び司法書士法人、あるいは土地家屋調査士及び土地家屋調査士法人に対する懲戒権者、管轄法務局長等としております。これは、従来、司法書士、土地家屋調査士の業務の中心が登記等の法務局における事務であったことから、懲戒事由の発生を最もよく知り得る管轄法務局長に懲戒権限を持たせたものとされております。 もっとも、近年、司法書士、土地家屋調査士の業務内容が拡大していること、あるいは活動領域が広域化していることに伴いまして、管轄法務局長が懲戒事由の発生をよく知り得るとまでは言えない状況も生まれております。また、司法書士、土地家屋調査士の業務内容が拡大していることに伴い、ある行為が懲戒事由に該当するかどうかの法的判断や処分の量定を行うことに困難を伴う例も増えてきております。そこで、改正法案におきましては、懲戒権者を管轄法務局長から法務大臣に変更することとしたものでございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 先ほど、使命に変更するということで小野瀬局長からも答弁ありましたけれども、司法書士あるいは土地家屋調査士の今日的な役割についてお伺いしたいと思います。 近年、所有者不明土地問題、あるいは空き家問題というのが大きな課題になってきております。司法書士あるいは土地家屋調査士というのはまさに不動産登記の専門家であります。こういった登記実務の専門家として、今後、高齢化、人口減少が進む中で、このような今日的な課題の解消に向けて、これから更に御活躍いただかなきゃいけないというふうに思っておりますが、司法書士及び土地家屋調査士が空き家問題等に対してどのように役割を果たしていくのかということについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 司法書士及び土地家屋調査士は、それぞれ不動産登記のうち権利の登記と表示の登記の専門家として幅広く活躍をされておられます。空き家問題や所有者不明土地問題等に関しても重要な取組をされてきているものと承知しております。 例えば、空き家問題に関しては、司法書士及び土地家屋調査士がそれぞれの専門的な知見を生かし、市町村が設置します空き家対策協議会の構成員として参画するなど、空き家対策の推進に積極的に協力していただいているところでございます。 また、所有者不明土地問題に関しましては、司法書士はこれまで相続登記の促進のための取組を法務局と連携して行ってきているほか、昨年十一月に一部施行されました所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に基づいて進められております、長期間相続登記がされていない土地についての登記名義人となり得る者の調査の実施等に関しても、その主たる担い手となっております。 また、土地家屋調査士につきましても、これまで相続登記の促進のための取組を法務局と連携して行ってきておりますが、加えて、所有者不明土地対策の一環として、この国会に提出しております表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律案で創設することを予定しております所有者等探索委員の主要な担い手としての活躍も期待されているところでございます。 このほか、二〇二〇年中に所有者不明土地問題の解決に向けた民法、不動産登記法の見直しを行うこととしておりますけれども、この検討の過程におきましても、司法書士及び土地家屋調査士は不動産登記の専門家として積極的に検討に参画され、有益な御提言をいただけるものと期待しているところでございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 また、高齢化の進展に伴いまして、自らの財産、これを管理、処分が行うことが困難な認知症の方も増えてきております。財産管理のための成年後見制度、これの普及というのが喫緊の課題であります。平成二十八年に成年後見制度の利用促進法、これが施行されてきていますけれども、必ずしもその数については十分増えてきていないのかなというふうに思っております。 そこでお伺いするんですが、成年後見人に司法書士が選任されている件数、割合、これについて最高裁にお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 平成三十年一月から十二月までの一年間に全国の家庭裁判所で成年後見人等が選任された事案の数は三万六千二百九十八件でございまして、このうちの一万五百十二件、約二八・九%の事案におきまして司法書士又は司法書士法人が成年後見人等に選任されており、他の職業等と比べますと最も高い割合となってございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 成年後見人の選任につきましては、親族から親族以外の者が増えてきております。その中でも、今御説明ありましたとおり、司法書士あるいは弁護士、社会福祉士といった三士が随分増えてきております。とりわけ司法書士につきましては、都市部だけではなくて地方を含めて全国の法務局等、ここに関するということで、司法書士の皆さんの地域的な偏在が私は少ないんだろうと、このように思っておりまして、ある意味、身近な法律の専門家として相談できる役割をお持ちなんだろうと、結果として選任件数も一番増えてきているんじゃないかなというふうに思っております。 また、いろんな課題としては終活ということがございます。実は、全国の郵便局でも終活についての相談窓口というものを開いているところがあります。その場で地域の司法書士の皆さんといろんな連携をして相談に乗っているというケースもあるというふうに聞いております。 ところで、先週、若干気になる報道がありまして、成年後見制度について、その支払われる報酬の算定方法、これが不透明ではないかというような報道がございました。これにつきまして今後どのように見直していくのか、また最高裁にお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(手嶋あさみ君) お答え申し上げます。 平成二十九年三月に閣議決定されました成年後見制度利用促進基本計画におきましては、利用者がメリットを実感できる制度、運用とすべく、家庭裁判所が後見等を開始する場合には、本人の生活状況等を踏まえた、本人の利益保護のために最も適切な後見人を選任することができるようにするための方策を検討することとされております。 後見人の選任の問題は、後見人の果たす役割をどのように評価するかという報酬の問題と密接に関連するものでございまして、特に職務として後見事務を遂行する司法書士等の専門職につきましては、報酬の在り方は後見人の担い手の確保の観点からも重要な問題となってまいります。他方で、成年後見制度の利用者側からは、後見人の報酬が後見事務の内容に見合わず高額な事案があるというような指摘もあるところでございます。 そこで、最高裁判所は、成年後見制度の重要な担い手であります司法書士、弁護士及び社会福祉士が所属する各専門職団体と基本計画を踏まえました後見人の選任及び報酬の在り方について議論を行い、これを踏まえまして、各家庭裁判所での今後の検討のたたき台とするための資料を作成いたしまして、各専門職団体からの御意見、意見書と併せて、本年一月に各家庭裁判所に情報提供をいたしたところでございます。御指摘の報道はこのことを指しているものというふうに理解をしております。 後見人の報酬は、個別の事案におきまして当該事案における諸事情を勘案した上で各裁判官が判断すべき事項でございますので、最高裁判所から何らかの基準や運用指針を示し、これに沿った一律の運用がされるという性質のものではございません。今後は、各家庭裁判所におきまして、最高裁判所と専門職団体との議論の状況等も踏まえ、後見事務の内容に応じた報酬の在り方につきまして更に検討が進められるものと認識をしております。 最高裁判所としましては、今後も引き続き必要な情報提供を行うなどして、各家庭裁判所での検討を支援してまいりたいというふうに考えてございます。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 是非安心して利用できるように、選任できるように家裁の指導等もよろしくお願いしたいと思います。 最後に、大臣にお伺いしたいと思います。 これまで司法書士あるいは土地家屋調査士の業務といいますと、どちらかといえば不動産登記の実務が中心だったと思います。これから新たな今日的な課題として、所有者不明土地問題、空き家問題あるいは成年後見といったところに対して司法書士の皆さんにしっかりとまた貢献いただく、これが大切だなというふうに思っています。 その中で、最初申し上げた、若干その業際の問題が気になるところでございます。こういった新しい課題に対しては、それぞれの士業が縦割りで対応するのではなくて、やはり連携をして、むしろ身近に相談できる相手として運用していくことが大切ではないかなと。まさに法律の専門家へのアクセスを確保する、これが大切だろうというふうに思っております。 そこで、こういった成年後見等の今日的な課題に対応するため、各士業間の連携、これをしっかり深めていくことが重要でないかというふうに思いますけれども、大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、我が国社会は、現在、高齢化社会の進展に伴い、成年後見制度の普及促進といった課題、あるいは所有者不明土地問題、空き家対策問題など様々な現代的な課題に直面しているものと認識しております。それゆえに、そういった課題に対応する、そういったことも含めて今回の改正法案提出させていただいている次第でございます。 そして、こういった各種の課題を解決していくためには、もちろん行政がその役割を果たすことにとどまらず、やはり各いわゆる士業と言われる専門職者が相互連携を深めつつ、それぞれの専門性を遺憾なく発揮してこれらの課題の解決に当たることが極めて重要であると考えております。 法務省としても、各専門職者の知見を活用しつつ、様々な課題の解決に取り組んでまいりたいと考えております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 こういった今日的な課題に積極的に対応できますように、今回の、そういう意味では、司法書士法そして土地家屋調査士法の改正、とりわけ第一条の使命規定への変更というのは私は極めて意義深いものだと、このように思っております。是非とも法務省におかれましてもしっかりお取り組みいただきたい、このように思います。 以上で質問の方を終わります。
○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫でございます。 まず、大臣に基本的なことをお尋ねしますけれども、今回、司法書士、土地家屋調査士の懲戒処分権者が法務局長から法務大臣に変わったということでありますけれども、見方を変えてみますと、法務局長だって法務大臣だって、いわゆる昔の言葉で言えばお上じゃないかと。例えば弁護士の場合には弁護士会が自主的に行っているということでありますので、どうでしょう、どっちみちお上じゃないかと、もう少し自主的にそういうことを任せたらいいんじゃないかと思うんですが、そうしたことはいかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 先ほど局長が若干お答えしましたとおり、国家資格を与えた者に対する懲戒権の行使は、原則的には公権力の行使として国の機関が行うこととなるところでございます。 本改正案におきましては、これは司法書士の先生方や土地家屋調査士の先生方の業務内容の拡大、活動領域の広域化等の状況の変化を踏まえて、その懲戒権者を各法務局又は地方法務局の長から法務大臣に改めて、法務大臣が処分の量定等の判断を統一的に行うということ、そして、戒告処分についても必要的に聴聞を実施することとするなどの措置を講じ、懲戒手続を適正合理化することとしているわけでございます。 確かに、小川委員御指摘のとおり、他の専門職に関する懲戒手続に関する仕組みとして、処分の対象となる者の所属する団体が懲戒処分を行うというものや、有識者を含む機関のした決定に基づいて行うというものが存在していることは承知しておりますが、まずは、改正案に基づき、司法書士、土地家屋調査士等の懲戒手続について、これは法務大臣というところで考えることによって、全国的な組織、すなわち日本司法書士会連合会や日本土地家屋調査士会連合会などとも直接意見交換もできることになると思いますし、そういった意見交換をしながら、まずはその適正化、合理化が果たされるようにしっかりと運用させていただきたいと考えております。
○小川敏夫君 まずはということですから、いずれまた自主的な対応、あるいは第三者による対応などを検討していただくという趣旨かなというふうに理解いたしまして、さらに、重ねて質問しますけれども、法務局長から法務大臣に変わったといっても、法務大臣が直接別に一個一個判断するんじゃなくて、実際の事務はやはり法務局長に受け付けさせる、調査させるということで、事務そのものは法務局長さんがやるから、結局、処分の名前が局長から大臣に変わっただけで中身は変わらないんじゃないかという見方もあるんですけれども、具体的にこの処分権者を法務大臣に変更することによってどのようなその合理性が見出せるんでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) まず、処分権者が法務大臣というところで集約されることによって、その調査の内容あるいは聴聞手続、あるいはそういった処分の判断において全国的に統一的な見解がなされるのであろうというふうに考えております。そしてまた、こういった全国的な取扱いについて、先ほど申し上げました司法書士会あるいは土地家屋調査士会の全国的な組織などとも意見交換をしながら、全国における適正な処分の在り方ということについてもいろいろ意見交換が可能であるというふうに考えております。したがって、そういう意味においては、その各地域の法務局長というよりは法務大臣という方が合理化されるのであろうということに考えております。 加えて、元々、法務局長ということについては登記を中心とした業務があるからというふうな見解もあったわけですけれども、近年の例えば成年後見業務の拡大とか、そういったものにおいても、やはり単位の法務局長というよりは、法務大臣が全国的な視点からそういった処分の在り方等について、あるいは手続の在り方について検討できるという意味において、合理性あるいは適正化、図れるものではないかと考えております。
○小川敏夫君 手続の細目等これから決めるところがあると思いますけれども、適正化ということにより重点を置いて取り組んでいただきたいというふうに思います。 次に、今回、司法書士法と土地家屋調査士法のこの条文を、使命の条文を見比べてみますと、司法書士法の方は、業務が列記して最後にその他のということがあるので、列記した業務のほかにそれに関連するといいますか、その他の業務ということで幅広い条文の規定の仕方になっておるわけですが、土地家屋調査士法の条文の方は、などとかその他が入っていないので、第一条ですか、「土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、」と、この二つしか入っていなくて、などという言葉もないし、司法書士法にあるその他という言葉がないから、この条文だけ文字どおり読むと、不動産の表示に関する登記と土地の筆界を明らかにする業務の専門家、これだけが仕事というふうにも読み取れる規定なんですよね。ちょっとバランスが悪い。 土地家屋調査士さんは、今課題となっています空き家対策についてもそうですし、あるいは借地法で、借地上の建物が朽廃したかどうかということで、その建物の朽廃しているかどうかの判定をするということもありますし、これからも空き家対策法は、マンションの建て替えなどで当該建物が建物としての効用を有するのかどうか、要するに朽廃しているかどうかということを、これを判定するという非常に重要な業務があって、これも土地家屋調査士さんの仕事だと思うんですね。だけど、これはこの条文に言う表示の登記でもないし筆界の特定でもないわけです。 ですから、この条文の規定ぶりは、土地家屋調査士さんの仕事を何かあたかも狭く限定したかのように誤解を招く規定でありますし、司法書士法のこの規定ぶりと比較しても、ちょっと規定の仕方がまずいんじゃないかと思うんですが、これはいかがでしょう。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 まず、改正法案における一条において、「不動産の表示に関する登記及び土地の筆界を明らかにする業務の専門家として、」と規定しておりますのは、土地家屋調査士の皆様がこれらの業務をその本来的な業務としている専門家であるということを明確化する趣旨でありまして、さらにそのような専門性に基づいてより幅広い分野で御活躍いただくことを期待しているというところでございます。 したがって、改正法案による改正後の土地家屋調査士法第一条の文言により、土地家屋調査士の先生方が現在行っている業務を行うことができなくなるといったことや、将来新たな業務を行うことが制約されるといったことは生じないというふうに考えております。
○小川敏夫君 そこのところもしっかりと法律上も明示していっていただきたかったわけですけれども、今の大臣の答弁をしっかり踏まえた対応をしていただきたいというふうに思います。 司法書士さん、それから土地家屋調査士さんも、これまでの登記とかそうした業務だけにとどまらず、ADRの主宰とかそうした紛争解決、あるいは司法書士さんについては簡裁の訴訟代理権ということで、幅広い分野で社会貢献していただいておるわけでありますけれども、そしてまた、司法制度改革によってそうして幅広く職務を拡大して行っていただく中で、それの社会的評価も高いし、非常に成功しておるというふうに思うわけでありますけれども、なおしかし、具体的には、なかなかほかの士業との業際もありますでしょうけれども、運用上スムーズにいかない部分もあるかと思うんですね。 例えば、司法書士ですと百四十万円の訴額ということがあります。例えば、法律相談ですと相談してみなきゃ幾らか分からないわけでありまして、相談を始めたら百四十万円を超えたから、じゃ、もう自分じゃできないよと、じゃ、もうそこで終わりというのが合理的なのかどうかですね。 あるいは、もう少し具体的に言いますと、例えば法テラスなどで、法テラスに来所しなくても相談する、成年後見とか財産管理等の方がいらっしゃって、法テラスまで足を運べない人のためには出張して相談をするというようなところがあります。ところが、わざわざ出張して行ったところで、司法書士さんが行ったところ、百四十万超えているから、じゃ、もう駄目だから帰ってきますよというんじゃなかなかスムーズにいかないし、逆に、スムーズにいかないから司法書士さんをそういうところから行かせない、余り行かないようにするというようなことでその活躍の、活動の範囲が狭められているようなところもあるかと思うんですね。 ですから、そうした面、もう少し様々な、この司法書士、土地家屋調査士についてそれぞれ、この法律で規定した登記とかそういうだけじゃなくて、幅広く社会貢献していただく、活躍していただくためにはより前向きな検討が必要だと思うんですが、そこら辺、法務大臣のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 御指摘のとおり、司法書士の先生方は、その業務内容の拡大に伴い、以前にも増して社会において重要な役割を果たされるようになってきております。 具体的には、委員御指摘のとおり、平成十四年の司法書士法の改正において、一定の研修を受講した上、能力を有するとして法務大臣の認定を受けたいわゆる認定司法書士については、簡易裁判所における訴訟代理等の権限が付与されることになり、その認定司法書士の先生方の数は昨年末時点で一万七千人となっております。また、司法書士の成年後見、財産管理業務への関与も大幅に増加しておりまして、平成二十九年には、成年後見に就任した者のうち、先ほど最高裁の局長から御紹介ありましたように、司法書士の先生方が占める割合は約三割に及んでいるということでございます。 また、最近では、所有者不明土地問題の解決等のため登記制度の適正化が重要な課題となっており、昨年成立した所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に基づく事業の実施に当たっては相続人の探索に関する業務も担っていただいているということでございまして、司法書士の先生方はより一層社会に貢献する主体として活躍されているものと認識しております。 さらに、司法書士の先生方の相談業務の在り方については様々な意見や議論があることは承知しているところでございます。高齢化社会の進展など社会全体が大きく変化し、これに伴って司法書士を取り巻く状況にも大きな変化が生まれているという状況も踏まえ、引き続き、先生の御指摘も踏まえて、司法書士と関連他士業との相互連携の状況なども見定めながら、各専門職者がその専門性を発揮して我が国社会に貢献していくことができるよう検討を深めてまいりたいと考えております。
○小川敏夫君 土地家屋調査士さんについても、土地家屋調査士さんについては弁護士との業際というのは余りないんですけれども、先ほど言いましたように、登記とか筆界とかいう従来の職務を超えて、これからの空き家対策等を含めた住居に関わる問題についても幅広く活躍していただく必要がありますし、また、そうした問題についての紛争についてもADRなどを通じて積極的に関わっていただきたいというふうに思います。 要するに、社会貢献できるその場面を更に拡大して、市民のそうした不動産に関わる問題についての解決に資するというような対応をしていただきたいと思うんですが、土地家屋調査士さんについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) もとより、土地家屋調査士の先生方についても、おっしゃるとおり、今、所有者不明土地問題、大変問題になっております。その中でも、例えば権利関係の確定の基になる筆界の確定も極めて大事でございますし、また、今回、表示の登記に関する改正法案も提出させていただいているところでございます。 そうした中で、先生御指摘のとおり、土地の境界に関するADRの手続の代理人など、土地の筆界、境界をめぐる紛争の専門家としてそれぞれ活躍の場を広げているというところでございます。 そうした役割をやはりまずは国民に広く周知するということは極めて重要でありまして、法務省としても各種の取組、かなり長くなりそうなのであれでございますが、いろいろと、例えば合同開催における法務局休日相談所を全国で開設して、土地家屋調査士の専門分野である表示の登記に関する登記の相談や土地の筆界等の相談など、広く国民からの相談を受けたりなどしております。そうした広報活動も実施しながら、その業務の拡大等について幅広く周知する努力も法務省も行ってまいりたいと思っております。
○小川敏夫君 是非、大臣が答弁されたことを実行に移していただきたいと、いただけると思いますけれども、そのことを述べて、私の質問を終わります。
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。 まず最初に、土地家屋調査士法の一部を改正することに関連して、地籍調査についてお伺いさせていただきたいと思います。 全国の地籍調査はどの程度進んでいるんでしょうか。
○政府参考人(鳩山正仁君) 地籍調査の実施により土地の境界を明確にしていくことは、災害後の迅速な復旧復興、社会資本の整備、土地取引の円滑化などに資するため大変重要と認識しております。 平成二十九年度末時点、すなわち昨年三月末時点での地籍調査の進捗率は、全国ベースで約五二%となっております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 今御答弁があったとおり、震災からの復旧復興の際に、非常に大きなもしかするとネックになるかもしれない問題なんです。 そこでお伺いしたいのは、東日本大震災、被災三県で結構です、岩手県、それから宮城県、それから福島県の沿岸地域で津波被害があったところの地籍調査はどのぐらい進んでいたんでしょうか。
○政府参考人(鳩山正仁君) 東日本大震災で被災されました東北地方で、今おっしゃいました三県ですが、当時、厳密には三月十一日なんですが、平成二十二年度末、すなわち三月末の時点の数字を捉えておりますけど、その時点での地籍調査の進捗率は、宮城県では八八%、岩手県では九〇%、それから福島県では六一%と、これ全国平均、その時点では四九%でございましたけれども、非常に高い状況にございました。
○櫻井充君 今、被災三県では、沿岸部は居住地域として外されているところがあって、土地の売買をきちんとやっていかないと財産の確保ができないわけであって、そういう意味では、地籍調査が進んでいたから震災の復旧復興が早く進んでいったんではないかと思っているんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(鳩山正仁君) 東日本大震災からの復旧復興に際しまして、被災地域におきまして地籍調査が進んでおりましたことから、用地取得が円滑に進み、迅速な事業の実施につながるなどの効果があったと伺っております。 例えば、宮城県名取市における防災集団移転事業でございますけれども、地籍調査の成果を活用することで、地籍調査が実施されていなかった場合と比べますと、用地調査に要する期間が半年から約一年短縮されたとお伺いしております。 また、震災を契機といたしまして、災害への備えとしての地籍調査の重要性が改めて認識され、調査に取り組む市町村も増加しているところでございます。
○櫻井充君 まさしくそのとおりなんです。 それで、震災から八年が経過いたしました。もう今や復旧という事業ではなくて、復興プラスそのときの経験をどう生かすのかということがもう大事な局面に入ってきているんだと、そう思っています。 そうすると、この後、東日本大震災の後予想されるのが東南海トラフということになります。この東南海トラフが起こるであろうと想定されている地域の地籍調査はどのぐらい進んでいるんでしょうか。
○政府参考人(鳩山正仁君) 今、東南海とちょっとおっしゃられたので、全くこれ正確に合っているかどうか分かりませんが、南海トラフ地震の発生によりまして津波被害が想定される地域のうち、避難対策特別強化地域というものに指定されている地域がございます。そうした地域を有する十四都県、これは都道府県全体の、県全体のベースでございますけど、そうした地域を有する十四都県の地籍調査の進捗率は都県ベースで四二%でございまして、現在の全国平均五二%に比べて遅れている状況にございます。
○櫻井充君 ここがすごく問題なんだと思うんです。 それで、よく東日本大震災と比較される貞観地震というのがあります。この貞観地震というのは八六九年に起こっていまして、今回の東日本大震災と非常に酷似しているんです。それはなぜかというと、この貞観地震が起こる前に実は中越地方で地震が起こっています。今回の東日本大震災が起こっている際も、実は中越地域で地震がありました。大きな地震が二回あったと思います。その後、今度は鹿児島の開聞岳が噴火してきているんですが、貞観の地震の際は、今回は鹿児島からちょっと南の口永良部島で噴火が起こってきています。それから、その後、朝鮮半島でも地震が起こっていますが、今回も朝鮮半島で地震が起こってきています。ちなみに、貞観地震の後、東南海地震と言われるものがいつ起こったのかというと、実は十八年後です。 そうすると、こういう過去の古文書から学ぶべき点というのは僕はかなりあると思っていて、正直申し上げて地震予知というのに対しては全く信用していませんが、今の在り方を見てくると、かなり酷似してきているわけです。 そうすると、今八年がたちました。十年ぐらいの間に、起こらないことが最も理想的なことですが、起こり得る可能性が高いんじゃないかと、この今回のことから申し上げれば予測されるところが出てくるわけですよ。そうすると、その程度の、四〇%程度の地籍調査であったとすると、ここで大きな震災が起こった際には復旧復興の大きな妨げになるんじゃないかと思っているんです。 この地域の地籍調査は、一体いつ頃までに進められるおつもりでしょうか。
○政府参考人(鳩山正仁君) 先ほどお話しさせていただきました東日本大震災の名取市の例などを見ましても、被災地域において地籍調査が進んでいたことにより、用地取得が円滑に進み、迅速な事業の実施につながるなどの効果がありました。逆に言いますと、先生今御指摘されたとおり、地籍調査が完了していない地域で災害が発生しました場合、地籍調査が完了している地域に比べて復興事業に必要な用地取得等に時間を要する場合があるというふうに考えられます。 具体的にいつまでにその地域で完了するかということを申し上げることはなかなか困難でございますが、国としましては、国土調査事業十箇年計画に基づきまして計画的に事業を進めております。特に、南海トラフに関係する都道府県の中には、最近非常に熱心に取り組まれているところがあると承知してございます。
○櫻井充君 地籍調査が進まない原因はどこにあるんでしょうか。
○政府参考人(鳩山正仁君) 地籍調査が進んでいない理由でございますけれども、大きく進んでいないと言われている地域が二つございます。一つは都市部、それからもう一つは山村部、林地でございます。 都市部におきましては、権利関係が複雑であることや土地が細分化しており、境界確認が困難なことが理由として考えられます。それから、山村部におきましては、土地所有者の高齢化が進む中で、急峻な地形が多く、現地での立会いや測量作業が困難なことが挙げられると考えております。
○櫻井充君 これは、マンパワーとか予算に関してはどうなんでしょうか。
○政府参考人(鳩山正仁君) まず、予算面では、地籍調査の実施主体からの全ての御要望にお応えできているというわけではございませんけれども、平成三十一年度当初予算で百二十九・八億円、それから、先般の平成三十年度第二次補正予算でも二十九・七億円を措置しているところでございます。 それから、マンパワーの点でございますけれども、都市部、山村部に限らず、地方公共団体でその地籍調査がなかなか進まない原因の一つとして、先ほど申しました地域的な状況に加えて、それぞれの市町村におけるその実施体制の状況が異なることが挙げられております。 この実施体制につきましては、国土交通省としては民間へ包括委託を可能にするなど制度もつくってございますので、そうしたところで今後もその体制が十分でない市町村を支援してまいりたいと考えてございます。
○櫻井充君 国土強靱化計画はそれで一つ、それはそれだと思いますよ。しかし、この手のことをずっとやっている間に震災が起こる可能性が十分あり得るわけであって、その可能性が高いと思われる地域の地籍調査をもっと早く進められるように、予算措置なり、それから人を投ずるなり、それをやっておく必要性があるんじゃないかと思うんですよ。これはまだ決められていないんだろうと思いますが、この点について少し御検討いただけないでしょうか。
○政府参考人(鳩山正仁君) 地籍調査につきましては、昨年六月に所有者不明土地の対策関係閣僚会議で決定された基本方針の中で、やはり地籍調査の円滑化、迅速化ということ、これは南海トラフの想定地域も含めてございますけれども、そういうことを、方策について検討するようにということが決まってございます。 現在、それを受けまして、国土審議会で検討を進めているところでございます。なお、この場合に、所有者不明土地問題に対応して、所有者不明の場合でも円滑に調査を進める等の手続の関係も議論していただいております。 今後、来年、二〇二〇年の国土調査法等の改正を予定してございますけれども、そういう改正に向けて検討を進め、災害想定地域も含めた地籍調査の更なる円滑化、迅速化に取り組んでまいりたいと考えております。
○櫻井充君 全国的にやることも大事なことだとは思いますよ。しかし、災害が予想される地域に対して前もって手当てする方が僕はよっぽど大切だと思っているんですよ。 ですから、もう御答弁結構ですが、めり張り付けてやっていただきたいと。後からまたやるようになったら、今回の場合には、かなり都市部が入りますよね。そうすると、この都市部の土地利用をどうするかという議論がここに出てくるわけです。例えば、今回の沿岸部のところは人がそこは住めませんよといって、今度は町を移しました。だけど、そういう地域だったらいいんですが、人口密集地帯だったら恐らくそういうことはできないんじゃないかと思っているんです。 南海トラフが起こった際に、どういうような、もう一度、町の再生のイメージをお考えなんでしょうか。
○政府参考人(徳永幸久君) お答えします。 南海トラフ地震につきましては、巨大な津波により、広範囲にわたって市街地の被害が想定されております。南海トラフ地震からの市街地の復興に当たっては、被災状況等に応じまして、現地での再建、盛土による宅地のかさ上げ、さらには高台への移転など、地元自治体が主体となって町づくりの計画をお考えいただくことになると考えております。 以上です。
○櫻井充君 そんな一般論、どうでもいいんですよ、はっきり言っておきますけど。そんな分かり切っていることであって、都心部であったとしたら、その人たちを集団移転させるということはほとんど不可能だと思うんです。そうすると、そういう地域の地籍調査をきちんとやっておかないとなかなか復旧復興が進まないんじゃないかということを申し上げているのであって、是非前向きに御検討いただきたいと、そのことだけ御要望申し上げておきたいと、そう思います。 先ほどから所有者不明の土地の問題というお話がありましたが、これは総務省と組んでやればほとんど解決している問題なんですよ。なぜならば、固定資産税というのは、じゃ、所有者不明の土地から固定資産税が徴収できていないかというと、必ずしもそうではありません。その総務省が持っている台帳で大体、市町村が持っている台帳と照らし合わせてみると、私は少なくとも仙台市と、それから法務省が調べてくださったのが神戸市であったと思いますが、ここで納税率はほぼ一〇〇です。つまり、納税率ほぼ一〇〇ということは、所有者不明の土地の問題というのはある程度解決しているんですよ。 これは縦割りの問題で、法務省が持っている台帳とそれから総務省が持っている台帳と市町村が持っている台帳が全然違ってきていて、今度それ突合できることになっていますから、むしろ土地家屋調査士の皆さんにきちんとやっていただく仕事は、私はこちらの地籍調査の方が大事なことではないのかと、そう思っていますので、それは併せて、またこれから法案出てくるんでしょうから、そこで併せて議論はさせていただきたいと、そう思います。 それから、児童虐待についてお伺いしていきたいと思いますが、今話題になってきている懲戒権というのがございます。この懲戒権というのが本当に必要なんでしょうか。しつけと称して暴力を振るってくる親が随分いらっしゃるようでして、その根拠規定になっているのがどうやらこの懲戒権です。 反社会的行為をしたときに子供に対して注意する際に、それは言葉でも、それから、暴力はいいとは思いませんが、言葉の暴力に近いようなことが起こることはあることだろうと、それは思っています。しかし一方で、本来のしつけと言われるようなものについてこういう暴力を認めるような権利があるというのは私はおかしいと思いますが、この点についていかがでしょう。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 御指摘のとおり、民法八百二十二条でございますけれども、親権を行う者は、八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができると定めております。ここで言う懲戒とは、一般に、子に問題行動等があった場合にこれを正すために厳しく説教をするなど一定の制裁を加えることをいうものと考えられております。ですから、個別具体的な事案にはよりますけれども、例えば子供が親の言うことを聞かずに夜更かしを繰り返すなどの問題行動をしている場合には懲戒権の行使が必要な場合に当たり得るものと考えられます。 もちろん、この懲戒権の行使は子の利益のために行われるべきものでありまして、子の問題行動を正すために懲戒する場合も、それが子の監護及び教育に必要な範囲を超えると認められるときには懲戒権の行使として許容されないこととはなります。
○櫻井充君 時間が来たので終わりますが、ここは非常に大事な問題だと思っているので、児童虐待の問題について、済みません、今日は厚生労働省にも来ていただいて、御答弁いただける時間がなくなってしまいましたが、これからの一般質疑の中でもまた取り上げていきたいと思いますので、よろしくお願いします。 これで質問を終わります。ありがとうございました。
○伊藤孝江君 おはようございます。公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。 今日は、司法書士の業務、使命に関連する問題に関してお伺いをさせていただきます。 昨年八月、経済産業省の方から法務省に対して、産業競争力強化法に基づいて、グレーゾーン解消制度による照会がなされました。内容としては、事業者がウエブサイトを通じたサービス上で本店移転登記手続に必要な書類を洗い出すための質問をし、利用者の判断で回答をさせ、その結果により必要な書類の一覧を表示をして、利用者が入力した情報を自動的に本店移転登記の書類として生成をすること、加えて、生成した書類を代行印刷し、登録免許税として本店移転登記に必要な額の収入印紙を同封し利用者に送付することが司法書士に認められた業務に該当するのかどうかという照会になります。この司法書士に認められた業務というのが、法務局又は地方法務局に提出をし、又は提供する書類を作成することに当たります。 この照会に対する法務省からの回答について、この二月に公明党の高木美智代衆議院議員が質問もされておりますけれども、同じ問題意識の中で質問させていただきたいと思っております。 まず、経産省にお伺いをいたします。 この経産省に対して事業者が提出をした照会書の中で、新事業活動及びこれに関連する事業活動の目標という中に、新たな需要の獲得が見込まれるサービスの記載がなされております。この事業者の照会内容を前提とすると、ここには当然、本店移転登記の書類作成に関する事業計画が記載されなければならない。しかしながら、本店移転登記の件数ではなく、その約六倍以上もある登記事項の変更件数を前提とした目標が置かれております。 今後の事業を本店移転登記以外に広げるということを念頭に置いているとも読めるものでもありますけれども、そもそも経産省から法務省に対する照会についてはこの事業計画を踏まえたものかどうか、確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(新居泰人君) お答え申し上げます。 事業者からの照会書には、委員御指摘のようなこの登記事項の変更件数やそれを基にした需要獲得見込みに関する記述があることは事実でございますが、事業者が具体的に確認したい事項としては、照会書のこれは五になりますが、具体的な確認事項の部分になりますが、ここには本店移転登記に関することのみが記載されております。したがって、経済産業省から法務省への照会は、本店移転登記に関することのみになります。
○伊藤孝江君 その照会に対する法務省の回答ですけれども、結論部分としては、本店移転の登記に限定をしていること、また、個別の事案において利用者からの依頼に基づき個別具体的なアドバイスをするようなものでない限りにおいてとの条件を付して、司法書士法との関係で実施可能という回答になっております。 今回の回答は、あくまでも本店移転登記に限定をしたものということで確認をさせていただいてよろしいでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 本件確認の求めに対する法務省の回答におきましては、株式会社の本店移転の登記の場合に限定して検討の上、回答を行ったものでありまして、このことは回答の文言においても明記しているところでございます。すなわち、法務省としては、本件確認の求めのあった事業は、株式会社の本店移転の登記という特定の登記に必要となる登記申請書、印鑑届書等を利用者が登記所に提出するためだけに作成する場合に限定されていることを前提として確認した上で、さらに、個別の事案において利用者からの依頼に基づき個別具体的なアドバイスをするようなものでない限りにおいてとの条件を付して、司法書士法との関係で実施可能であると回答したものでございます。 したがいまして、本店移転以外の登記については、法務省としては事業実施の可否に関して回答は行っていないものでございます。
○伊藤孝江君 この事業者が、照会書の中で、本店移転登記に必要な書類の生成に関しという言葉を用いております。司法書士法では先ほど紹介したような書類を作成するという文言ですけれども、法務省としては、この業者が用いております生成という言葉と作成という言葉について違いがあるというふうに捉えているのかどうか、確認させていただけますでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 本件確認の求めに添付されました事業者の照会書の中において用いられております本店移転登記に必要な書類の生成という表現は、事業者側の判断で用いられたものでございますのでその趣旨は必ずしも明らかでない部分はございますが、利用者が入力した情報を基に自動的に入力された申請書の様式が生成されると、そういったような部分もございますところから、法務省としては、必要な書類が自動的に作成される、こういう意味であると認識して回答したところでございます。 したがいまして、ここでの生成も作成の一つの形態であると考えております。
○伊藤孝江君 この事業者のホームページですけれども、少し文言を紹介させていただきますと、法人登記申請はウエブから簡単に申請書類を作成でき、その先の登記完了まで支援するサービスです、また、書類の不備で通らなかった場合、一定の条件の下で全額手数料を返金するという旨まで書かれております。 まさに登記申請書類の作成に責任を持つ立場で関与をするということ、もう本当に司法書士の業務であるんじゃないかというふうに考えるんですけれども、その点、法務省の見解をお願いいたします。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 当該事業者のホームページにおきましては、委員御指摘のような表現が記載があることは承知しております。当該事業者が今後予定しておられる事業の具体的な態様は現状では明らかではございませんため、このようなホームページ上の宣伝内容の意味が委員御指摘のようなものであるかどうか即断して申し上げることは差し控えたいというふうに思いますが、法務省としましては、サービス内容や宣伝広告の内容を含めた事業活動の実態を注視し、司法書士法等に抵触することがないかどうかを見極めた上で、違法な行為を認知した場合には、関係機関及び関係団体と協力しつつ、適切に対処してまいりたいと考えております。
○伊藤孝江君 法務省としては、その照会書の内容だけを見て回答している、実際の事業を踏まえたわけではないということかと思うんですけれども、ただ、この回答の後、この業者のホームページでは、グレーゾーン解消制度により当社が提供予定のウエブサービスが司法書士法違反でないことが確認されましたとの見出しの下で、法務省から、当該事業は司法書士法第三条第二項第二号の司法書士の独占業務に該当せず、司法書士又は司法書士法人でなくとも事業を行うことができる旨の回答を受けましたとの記載が既になされております。これだと、当該業者のサービスが無条件で認められているというふうに読めますけれども、この点に対しての法務省の受け止めをお願いいたします。 また、現在はリニューアルオープンに向け、このホームページ等準備を進めている段階ということですけれども、法務省として、このリニューアル後の事業に対して適法性を判断したものではないということを改めて明確に答弁をお願いいたします。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 法務省としましては、先ほども申し上げましたとおり、株式会社の本店移転の登記に必要となる書類を作成する場合に限定した上で、さらに、個別の事案において利用者からの依頼に基づき個別具体的なアドバイスをするようなものでない限りにおいてとの条件を付して回答しているところでありまして、本件確認の求めにおいて照会された事業がいかなる態様においても司法書士法違反には該当しないとしたものではございません。むしろ、事業者が今後予定している事業の具体的な態様によっては個別具体的なアドバイスに該当する余地があるものとして回答を行っているところでございます。 どのような要件を満たした場合に個別具体的なアドバイスに該当することになるかについては、なかなか抽象的にお答えすることは困難でございますが、仮に、個別の事業者において実際に実施している事業が、司法書士法第三条第一項、所定の事務を司法書士でない者が行ったものと評価される場合には厳格に対処する必要があるものと認識しております。
○伊藤孝江君 経産省にお伺いをします。 そもそも、このグレーゾーン解消制度は新事業の活動に行われるものです。ですので、実際になされている業務を確認することがないまま抽象的に照会をされ、照会をされた省庁側は回答を出さなければならないと。一般論として、民間事業者は事業を早く有利に進めていきたいのでありますから、この回答を正確な内容で用いるかどうかの懸念もあり、また、その後実際に行う事業が当初の照会と全く同じものかどうかも分からないという現状があるかと思います。 経産省には、新規事業の拡大、推進という方向に前のめりになり過ぎて、制度を悪用されるリスクがないようにきちんと対応していただきたいというところは強く求めるところであります。ただ、現状として、この悪用のリスクをなくす担保する仕組みはないということですので、しっかりと対処していただきたい。 また、現状において、グレーゾーン制度による回答を不適切な形で使われていると見られる場合に、経産省としてはどのように対応されるということになるんでしょうか。
○政府参考人(新居泰人君) お答え申し上げます。 このグレーゾーン解消制度は、事業者が現行の規制の適用範囲が不明確な分野において安心して新事業活動を行い得るよう、具体的な事業計画に即して、あらかじめ規制の適用の有無を確認できる制度ということで運用しております。 御指摘の不適切な形で使われている場合どうするかということについてですが、事業者が実際に行っている事業が、確認の求めに対する回答、役所側からの回答の内容に沿ったものかどうか、規制に抵触していないかどうかについては、グレーゾーン解消制度上、当該規制を所管している役所、この場合は法務省において判断され、必要に応じて措置が講ぜられるものと認識しております。したがって、法務省から具体的な協力要請があれば、経産省としても対応してまいりたいとも考えております。 以上です。
○伊藤孝江君 元々、商業法人登記というのは、会社等に係る信用の維持を図り、かつ取引の安全と円滑に資することを目的とするものであります。不実の登記を生むということがあってはならないというのが登記制度の前提かと思います。その中で、今回、本店移転登記ですけれども、実体を伴わない登記を防ぎ、また犯罪利用の防止に必要だと考えます。 例えば、犯罪利用等を目的として銀行口座を開設するために、架空の本店所在地を本店とする設立登記や本店移転登記が行われ、振り込め詐欺等に利用されるというおそれも実際に考えられます。法務局が形式的審査権しか有していないところ、司法書士の先生方が登記簿謄本で所有権の確認や賃貸借契約書など実態的な確認を行っておられます。私がお聞きした中でも、やっぱり本店移転登記というのはかなり慎重にもなりますし、本当にきちんと確認が必要で、実際に依頼をされても断ると、そういう場面があったという方も、先生方は多くいらっしゃいました。 本当に、司法書士の先生方がされている仕事は、申請書に単に必要事項を記入する作業を行っているのではなく、その本質は、これに至る前段階を含む全体のプロセスを適正に判断できる資格者だからこそ認められた必要事項の記入作業であると考えます。この作業を本当に軽んじるということがあれば、まさにその資格制度というか、司法書士制度の根幹を揺るがしかねない本当に大問題だと思っております。 登記の申請に関して司法書士が有している役割、使命について、大臣から答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘の、ダミー会社など実体のない会社の設立が極めて大きな問題になっているということは、例えばFATF、金融活動タスクフォースにおいても指摘されている、厳しく指摘されているところでございまして、国際的に取組が必要なところでございます。 そういった中において、司法書士の先生方には、例えば司法書士法第二条において、司法書士の職責について、「司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」と規定しているところでございますし、改正法案についても、「国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。」旨の使命規定を設けるところとしているところでございます。 このような職責及び使命の下で、司法書士の先生方は、商業法人登記の申請の場面においても、登記の手続に関与する専門家として、国民の権利を擁護するため公正かつ誠実にその業務を行っているものと認識しておりまして、その結果、実体のない会社の設立など不実の登記を防止するという重要な役割を担っていただいているものと認識しているところでございます。
○伊藤孝江君 今回のその法務省の回答に対して、司法書士会連合会の方からは、回答の再考とともに、当該事業者の事業活動の監視、司法書士法違反に該当する事実の調査の徹底及び違法な行為が確認された場合は司法書士法違反による告発等を含む厳格な対応を求める旨の要望も出されております。 先ほど来法務省からも同様の趣旨の発言もあったかと思いますけれども、改めて今後の法務省の対応について、最後、よろしく御説明お願いいたします。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 法務省としましては、日本司法書士会連合会等から委員御指摘のような御意見があることは承知しております。こうした御意見も踏まえつつ、本件回答が及ぼす影響に留意し、対応方策の検討を速やかに進めてまいりたいと考えております。 また、サービス内容や宣伝広告の内容を含めた事業活動の実態を注視し、司法書士法等に抵触することがないかどうかを見極めた上で、違法な行為を認知した場合には、関係機関及び関係団体と協力しつつ、厳格かつ適切に対処してまいりたいと考えております。
○伊藤孝江君 法務省がしっかりとこの資格制度を守っていただくように、よろしくお願いいたします。 以上です。 ─────────────
○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、岡田直樹君が委員を辞任され、その補欠として青山繁晴君が選任されました。 ─────────────
○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。 本法案は非常に専門的なので、私は、司法書士の方々とお会いしまして、国会議員として、一般的な質問も踏まえてお聞きしたいと思います。 基本的な質問なんですけれども、これは私が疑問を持ったことでございまして、司法書士及び土地家屋調査士について、これまで使命規定がなかったのに、今回使命規定が設けられました。この使命というのは、つまりミッションというふうに、いいんですよね、それで。使命規定が今回設けられたのはなぜなのかということを聞きたいと思います。 両者とも登記に関する重要な業務に従事していて、国民の権利に深く関わるという意味で使命規定がなかったのは非常に不思議に思われるので、今回使命規定が設けられたということは大変良いことだと私は思っているんですけれども、これまでなかった理由というのを教えていただけますか。法務大臣にお伺いします。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 現行法の司法書士法一条、あるいは土地家屋調査士法一条、これは昭和五十三年法改正の際に新設されたもので、その時点では、法律自体の目的を定める規定ということで、特に使命に関する条項が設けられなかったところでございます。 しかし、その後、司法書士、土地家屋調査士の皆様が専門資格者としてその職域を確立し、近年はその業務内容が拡大して社会において重要な役割を果たすようになってきております。また、最近では、所有者不明土地問題の解決等のため登記制度の適正化が重要な課題となっており、その専門職者としての職責は極めて重くなっていると考えます。 このような状況を踏まえますと、司法書士、土地家屋調査士が我が国社会において広く専門家として認知されていることを前提に、その使命を明らかにする規定を設けることにより、個々の司法書士、土地家屋調査士の方々に自らの使命感と職責、これを更に高めていただいて、幅広い分野において活躍していただくことは重要であると考えております。そこで、今般、司法書士法及び土地家屋調査士法に使命規定を設けることとしたものでございます。
○石井苗子君 よく分かりました。社会の変化に伴ってそのポジションと使命も変わってくると、認知が広まってきたということですね。 そこでなんですけれども、司法書士の方々にお話をお伺いしたところ、もし司法書士のミッション、さっきの使命ということであるならば、これまで成年後見で大きな実績を積んできたと、このようにおっしゃっておられます。親族以外の成年後見人の就任では司法書士が約三七%を占めているということでございますが、しかしながら、法テラスの中の、高齢者、障害者などで認知機能が十分でない特定援助対象者に対する援助では、まだ司法書士の活用が十分でないということなんですね。非常に弁護士ばかりが就任されているんだけれどもという話で、司法書士どのぐらいなんですかと言ったら、八%ですというお答えだったんですね。 今後、高齢社会がますます進んでいくことになるんですが、その中で成年後見人への就任で実績のある司法書士の活用を検討すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。政府参考人の方にちょっとお伺いを先にさせてください。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 法テラスでは、平成三十年一月二十四日から、委員御指摘の認知機能が十分でない高齢者、障害者等を対象として、福祉機関等からの連絡を受け、弁護士、司法書士が出張して法律相談を行うアウトリーチ型の特定援助対象者法律相談援助を実施しております。 この援助でございますが、平成三十一年三月二十七日現在で、速報値で合計六百七十六件の利用実績がございますが、このうち司法書士が実施したものは五十五件でございまして、委員御指摘のとおり、その割合は八・一%となっております。 ただ、この同一の期間の一般の民事法律扶助事件における法律相談援助の全事件数が速報値で約三十七万件ございまして、このうち司法書士が実施したものの割合で見ますとこれが一・八%であることと比較いたしますと、この特定援助対象者法律相談援助における司法書士の実施割合は高いということが見て取れるところでございまして、この援助の運用開始前に、司法書士会等と連携しつつ、この援助の利用につきまして司法書士会内や福祉機関への周知、広報を徹底したこともございまして、司法書士の方々には法テラスのこの援助を積極的に利用し相談に当たっていただいているものと承知しております。 引き続き、市民に身近な法律家であります司法書士の方々が、より一層この法テラスの特定援助対象者法律相談援助を積極的に利用して法律相談を行っていただけるよう、法務省といたしましても必要な協力をしてまいりたいと考えております。
○石井苗子君 まさしくそのアウトリーチのところなんですけれども、いろいろお聞きしまして、なぜかというところで、司法書士が家事代理権を持たないからなのかとかといろいろ質問があったんですけれども、大臣に重ねてお伺いしますが、これ司法書士を十分に活用する方策の検討というのは急務ではないかなと、なぜなんだと思うんですけど、これから先はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(山下貴司君) これはもう先ほど司法法制部長からも答弁させていただきましたとおり、特定援助対象者法律相談援助における司法書士の実施割合が高いということでございますので、今後、更に司法書士会等とも連携しつつ、この利用について周知、広報を徹底していきたいというふうに考えておりますし、そういったことをしっかりとやっていくことによって更に御活躍の場を広げられていくのでありましょうし、また、この相談援助以外のものについても活用の場を広げていただきたいと考えておるところでございます。
○石井苗子君 事物管轄に関してですね、簡裁の事物管轄というんですか、これが正しく発音しているかどうか分からないんですけど、百四十万以下しかないので、それでなぜというところで、そこら辺はどうでございますか。もう一回お願いいたします。
○国務大臣(山下貴司君) 今御指摘のありました相談業務の在り方について、様々な御意見、御議論があろうかと、そのことは承知しております。 我々法務省としても、高齢化の社会の進展や、社会情勢が大きく変化し、それに伴って司法書士を取り巻く状況にも大きな変化が生まれているという状況も踏まえて、これはやはりまず司法書士の先生方と関連他士業との相互連携の状況、これをやはり見極める必要があるんだろうと考えております。 そうした状況なども踏まえ、また先ほど申し上げた様々な御意見等を踏まえながら、各専門職者がその専門性を発揮して我が国社会に貢献していくことができるよう更に検討を深めていきたいと考えております。
○石井苗子君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。 次は、ちょっと専門的な質問をさせていただきますので、政府参考人の方に教えていただきたいんですが、今回の改正の中で、よく読みますと、戒告の処分をするときも聴聞の手続をすることになっております。これ、戒告の場合、公表されるため事実上の不利益が大きいというのが理由だと理解しておりますが、正しいでしょうか。あと、戒告が官報公告されるにもかかわらず聴聞を経る必要のない立法例というのはどこかにありますでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、戒告でありましても、その処分の内容が公告され、司法書士あるいは土地家屋調査士としての経歴に残ることなどからしますと、その業務に対して与える事実上の不利益は大きく、その手続保障を図る必要性があるとの指摘がされているところでございます。そういうことから、今回、公告につきましても、聴聞を経る必要があるというふうにするものでございます。 お尋ねはその立法例でございますけれども、例えば弁護士法ですとかあるいは税理士法につきましては、戒告を含めた懲戒の処分についてその内容を官報公告しなければならないとされておりますけれども、戒告の処分については聴聞を経ることを必要とする規定は設けられていないと、こういう立法例は現在ございます。
○石井苗子君 ありがとうございました。 それでは、最後の質問になりますけれども、ちょっと読んでおりまして、司法書士法四十八条二項、それから土地家屋調査士法四十三条二項の改正についてなんですけれども、これ独自の質問になってしまいますが、懲戒処分の手続に付された法人は清算が終わった後でも存続したとみなされると、このように読めるんですけれども、これ正しいでしょうか。 となりますと、業務停止や解散の処分というのは、清算を済ませた法人にとって公表されること以外の不利益というのはほかにも出てくるんじゃないかと思うんですが、実際的なその懲戒の効果というのを、不利益と効果ですね、この二つについてどのようにお考えか、最後の質問です、政府参考人の方に教えていただきたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 現行の法制度の下では、その清算を結了しました司法書士法人、土地家屋調査士法人については、法人格が消滅し、処分の名宛て人が消滅するため、これに対してはもはや懲戒処分をすることができないものと解されます。このため、このことを利用して、司法書士法人、土地家屋調査士法人について、その清算を結了させて不当に懲戒処分を免れるという事態が生じ得るわけでございます。 そこで、今回の改正法案においては、その対策として、懲戒処分の手続に付された法人については、清算結了後においても懲戒処分をすることを可能とすべく、その法人は存続するものとみなす旨の規定を設けることとしております。 この実際的な効果でございますけれども、まず、当該法人に懲戒事由があったことを社会的にも明らかにすると、こういう実際的な効果がありますことのほか、司法書士法人、土地家屋調査士法人が解散又は業務の全部の停止を受けた場合において、その処分を受けた日以前三十日以内にその社員であった者で、その処分を受けた日から一定の期間を経過しないものについては他の司法書士法人の社員になることができない、こういったような法律上の制約を受けることが挙げられます。
○石井苗子君 簡単に申しますと、効果は公表されるということで、どのくらいの期間、しばらく法人をつくれない、三年ぐらいつくれないと、このように理解してよろしいですか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 御指摘のとおり、処分につきましては公表されますし、期間につきましては処分を受けた日から三年。ただ、業務の全部の停止の処分を受けた場合にあっては、当該業務の全部の停止の期間ということになります。
○石井苗子君 ありがとうございました。 終わります。
○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之でございます。 本日は、まず司法書士法についてお伺いいたします。 〔委員長退席、理事伊藤孝江君着席〕 今回の、現行の目的規定を廃止して使命規定を新設しようとしておりますが、これは専門職の構築において極めて重要であると思っております。専門職の構築では、高度な教育水準、それから法的、社会的承認、それから利他主義、それから公共へのサービスといった要件を満たすことが重要であると考えております。今回の法改正において、司法書士が新たな法的、社会的承認を得ると言えます。また、ふだんの活動や大災害時の復旧支援活動を見れば、司法書士が利他主義の精神を持ち、公共へのサービスを行っていることは疑いようがありません。 ただ、問題があるとすれば、高度な教育水準を確保できているかという点でございます。現行法上も今回の法改正も、司法書士試験を合格した者は無条件で司法書士登録が可能であり、試験科目以外のことを全く身に付けていなくても司法書士業務ができることというふうになっております。幾ら難しい試験だとはいえ、ペーパーテストだけで専門職に必要な高度な教育水準を確保することができるかは疑問が残るところです。司法書士会連合会の試験の合格後の研修を見ると、二か月間の研修をしてようやく実務を覚えるということをしていると聞いております。国で定めている資格と現場とのギャップはそこにあると思います。 〔理事伊藤孝江君退席、委員長着席〕 法律事務所の専門家として司法書士の質を担保するためには、登録前研修を義務化すべきではないでしょうか。また、その際に、司法書士試験合格者の八割ほどがすぐに合格して受けている簡易裁判所代理権を取得するための特別研修も、登録前研修の内容とすることによって、より高度な教育水準を確保することが可能になると思います。 このことについて、山下大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のとおり、司法書士の先生方におかれては、強い使命感を持って重要な役割を果たされているところでございます。 そして、御指摘のとおり、現在、司法書士の研修については、日本司法書士会連合会の会則に基づく研修や、全国各地の各司法書士会が独自に行う研修等が実施されているところでございまして、御指摘の登録前研修や簡裁訴訟代理権を取得するための研修については、全ての司法書士について受講義務があるとまではされていないものと承知しております。 まず、登録前研修の義務化についてでございますが、御提案のあった登録前研修の義務化も司法書士の質を担保する良い手段の一つであるとも認識しております。他方で、現在実施されている登録前研修は、日本司法書士会連合会や各司法書士会において自主的に実施されているものでございまして、研修生の受講意欲の向上に向けた研究や工夫も重ねられているものと承知しております。 そうした自主性を尊重することも重要ではないかと考えているところでございまして、法務省としては、今後も日本司法書士会連合会等の関係団体と連携しつつ、司法書士の質を担保するための方策について検討してまいりたいと考えております。 そして、簡裁訴訟代理権を取得するための研修は、これは司法書士法の規定に基づくものでございまして、研修内容についても、研修時間を百時間以上とするなど所定の基準を充足することが必要となるものでございます。 こういった一定の負担があることを考えると、簡裁訴訟代理業務を行う予定のない方も含めて全ての司法書士にその受講義務を負わせることについては、この受講者の負担なども考慮する必要があることから、慎重な検討を要すると考えているところでございます。
○山口和之君 簡易裁判所の代理権を取得するための特別研修は、八割方、ほぼほぼの方が受講しているということを考えて、また、いわゆるその資格を取得した後に二か月間をやらねば恐らくその実務というのはなかなか難しいということを考えれば、この実務研修と一緒に八割方取っているものをしっかり担保するということは、国民にとっても非常に重要なことかというふうに考えます。 全ての司法書士について高度な教育水準や実務能力を確保されれば、司法書士にとっても国民にとってもより良い結果になると思います。是非前向きに検討をするべきと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、法は家庭に入らずに関して前回残してしまった質問をさせていただきます。でも、ちょっと、あと二分しかないんですが、一分しかないので入れないかな。済みません、ここで終わっておかないとまた入れない。次回に入らさせていただきます。よろしくお願いします。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 今回の両法の改正は長い間の関係者の皆さんの要望が実ったものでありまして、関係の皆さんに心から敬意をまず申し上げたいと思います。 まず大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、今日も様々出ておりますけれども、司法書士さんは登記や相続の専門家と。ですが、それにとどまらず、広くホームローヤーとして大変重要な役割を果たしておられると思います。そのことが、簡裁代理権だったり、あるいは成年後見人就任の最も大きな担い手という形で表れているのだと思うんですね。特に司法過疎と言われるような地域で、もう町の唯一の法律家というような方々に私も随分出会ってまいりました。 また、土地家屋調査士さんたちのお仕事が、例えば字図が混乱していて、実際の土地の境界だったり地籍だったりというのを、これもうよく分からないと紛争になる、そうしたときの判定というのには決定的な役割を果たしておられることを始めとして、そうしたそれぞれの専門職あるいは専門職能の社会的役割の重要性について、大臣はどんな御認識でしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) まず、司法書士の先生方につきましては、司法書士法の定めるところにより、その業務とする各種の法律事務の専門家として、不動産取引の場面のみならず民事紛争の場面など、国民生活の様々な場面において、国民に身近な法律家として、国民の権利を実現し、これを擁護する役割を果たしておられるものと承知しております。 また、土地家屋調査士の先生方は、不動産の表示に関する登記の専門家であって、また土地の筆界に関する専門家として、不動産取引の場面のほか、法務局における筆界特定の手続の円滑な運用や登記所備付け地図の整備にも尽力し、我が国における不動産に関する権利の明確化に寄与してもらえるものと承知しております。 そうした認識から、今回の改正案、出させていただいたものでございます。
○仁比聡平君 今日、特に司法書士の皆さんの基本的人権を擁護する様々な多様な活動についてちょっと御紹介をして、大臣の認識をお尋ねしたいと思うんですが。 お配りをした資料のまず一つ目は、全国青年司法書士協議会の皆さんに作っていただいた資料なんですけれども、御覧のとおり、二〇〇五年度より、生活保護一一〇番、これ年一回開催して、憲法二十五条に則した生活保護実現のために様々な努力が続けられています。 また、全国一斉養育費相談会、これ日本司法書士会連合会とともに行っていらっしゃるわけですけれども、ちょっとめくっていただきますと、その報告書を二つ目の資料としてお配りしております。 昨年九月の実績でいいますと、相談件数百四十二件で、養育費について悩みを抱えている当事者の状況や、貧困に苦しんでいる家庭、お子さんの切実な状況が浮き彫りとなりましたということで、その代表的な相談事例が続けてありますけれども、元夫のクレジットカードで子供に掛かる費用と学資保険などを毎月払うということになっているけれども、だけども元夫の収入状況が悪化したと、送金に変えてもらいたいけれども、これ協議が調わないとか、離婚した場合に、破産した場合に養育費が請求できるのか、養育費の相場だとか、不倫を相手がしていたときにその金額はどうなるのかなどに始まって、公正証書にした場合とそうでない場合の効果、あるいは養育費の減額の調停の申立てというのがあったけれどもどう対応したらいいかなどなど、一番最後の十番目の事例でいうと、上の子が今度受験、奨学金制度はあるけれども有利子、返済不要の奨学金があると知人に聞いたけれども、養育費は実際は払ってもらえていないと。そうした養育費をめぐる国民の皆さんの本当に最も身近な相談相手として努力を続けておられるということが浮き彫りになっていると思うんですね。 全青司の皆さんのその活動でいいますと、さらに、労働トラブルの一一〇番を二〇〇六年から開催しておられて、貧困問題を解決するためには、労働問題を解決しなければ生活の再建はできないと、そのとおりだと思います。 また、法律教室という事業がありまして、児童養護施設、これ原則十八歳で退所しなければならないということになるわけですが、生きていく力を身に付けてもらうために身近な法律ハンドブックの教材も作って、そうした事業を続けておられる。 また、外国人学校、例えば朝鮮高級学校のそうした取組や、また入管法の改定で増加が見込まれる外国人労働者が被害に遭ったり貧困に陥ったりすることがないように今後取組を強めていきたい、あるいはLGBTの問題で初の相談会、それから、今日はちょっと具体的にはお伺いする時間がありませんが、破産者マップという、過去に破産手続を受けた方の個人情報がグーグルマップ上に表示されるというサイトが公開をされて、これは大問題になっているわけですけれども、この問題でのホットラインなど、本当に人権擁護という観点で実に多様な活動を司法書士の皆さんが取り組まれていると思うんですね。 大臣、どんな御感想でしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) もう本当に日頃から、先ほど仁比議員がおっしゃったこの全国青年司法書士協議会における人権擁護活動として、全国一斉生活保護一一〇番、あるいは全国一斉養育費相談会、全国一斉労働トラブル一一〇番、法律教室事業、あるいはその他の人権擁護活動、これはもう本当に関係者の皆様に対して深い敬意と謝意を表する次第でございますし、また、日本司法書士会連合会においても、もちろん市民の権利擁護推進室を設置して、経済的困窮者や高齢者の権利擁護などに関する様々な事業を行っておられるということでございます。 こうした様々な人権擁護活動を行っているその背景には、司法書士の皆様が国民にとって身近な法律家であり、そうした方々がその専門性を生かしておられるということで、そうした人権擁護活動の一翼を担っていただくこと、これは非常に重要なことであると考えております。
○仁比聡平君 大臣のしっかりした御答弁いただいて、本当にありがとうございます。 そうしたことを踏まえて今回の改正案があるのだと思うんですけれども、司法書士法の第一条、この司法書士の使命を明確にして使命規定を置くということはやっぱり極めて重要だなということを改めて思うんですね。ここに言う権利を擁護し、つまり、司法書士は「権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。」という部分については、これ憲法上保障される人権擁護の担い手であるということを明確にしようとするものであると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) 改正法案の第一条は司法書士の使命を規律するものでありますが、主語が司法書士を主体としたということでございます。そして、国民の権利を擁護することをその使命として明確にしたものでございます。そして、司法書士が国民に身近な法律家として幅広く国民の権利を擁護することが期待されていることに照らせば、ここで言う権利の内容として当然憲法上の基本的人権も含まれると考えております。
○仁比聡平君 今の御答弁はとても大切なことだと思うんです。司法書士制度の目的として権利保護というのがこれまで掲げられてきたわけですけれども、今回の改正によって、一人一人の司法書士の方々がお一人お一人依頼者や相談者の権利を実現する、憲法上の人権を保障する、その主体として専門職としてのプライドを持って活動をするものなのだと、その主体性を明確にしたというものだと思うんですが、そういう理解でいいですか。
○国務大臣(山下貴司君) もうまさにおっしゃるとおり、この法律の定めるところにより、主体性を持って「国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。」ということで、その活動について期待しているところでございます。
○仁比聡平君 今も期待しているという御発言があったわけですけれども、ちょっと念のための確認ですが、この法文は国民の権利というふうになっておりまして、これが様々な外国籍の方々の権利を擁護するというその司法書士の使命を排除するものではこれは全くないだろうと、当然のことですが、いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) これも、委員の御資料にもあります全国青年司法書士協議会における人権擁護活動として、例えば外国人学校法律教室であるとか外国人のための法律ハンドブックという外国人への支援、これは大変評価しているところでございまして、この国民という言葉によって外国人の権利の擁護を除く趣旨のものでは全くないということでございます。
○仁比聡平君 当然のことですよね。 それで、今日もちょっと議論がありました懲戒に関してお尋ねしておきたいと思いますが、法案の四十七条は、全国的な統一性や、それから成年後見や財産管理の広範な業務ということを鑑みて、懲戒権者を大臣にしているわけですけれども、七十一条の二によって法務局又は地方法務局への委任という規定があります。 そこで、局長にお尋ねしますが、その懲戒事案が起こったときの事実関係の調査というのは、これは従来、司法書士会に委嘱して行われてきたものと思います。これは、今後も同じように、司法書士会の自律性などに鑑みて同様にすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 改正法案では、御指摘のとおり、この懲戒については法務大臣が行うこととしておりますが、その権限を、法務省令で定めるところにより、法務局又は地方法務局の長に委任することができるものとしております。これは、懲戒事由の存否の判断に係る事実面の調査などについては、対象となる司法書士や土地家屋調査士の活動範囲に近接した各法務局等の長が行うのが合理的であることが少なくないと考えられることから、その権限の一部を委任することを可能にしたものでございます。 そこで、改正法案の施行後においても、懲戒に係る手続のうち、事実の調査等については法務省令に規定を設けることで全国の法務局、地方法務局の長に委ねることを予定しておりまして、この法務局又は地方法務局の長が行う事実の調査については、引き続き必要に応じて各司法書士会にも委嘱することを想定しております。
○仁比聡平君 法務大臣が全国の一人一人の司法書士に目を光らせるみたいな、そんな話では全然ないわけですから、お一人お一人の司法書士の方々が権利擁護の担い手として活躍をできるようにという運用を心掛けていただきたいと思います。大臣もうなずいていらっしゃいますが。 最後に、七年の除斥期間が定められていますが、これまで扱った事件の、二十三年もたって懲戒事案になったとか、十年以上前の事案というのは案外たくさんあるというようなことで、不安定な地位に置かれてしまうということがあったわけですが、今後はそういうことはなくなるということですね。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 現行法には、その懲戒処分について除斥期間に関する規定が設けられておりませんので、業務を行ってから相当程度長期間を経過した後に懲戒に関する調査が実施された際、その資料が廃棄されたり、あるいはその記憶がもうなくなっているということで十分な防御をすることができなかった事案があるとの指摘がされておりますし、また、このような事態を避けるために、業務に関する資料等の保存について相当な負担をしなければいけないといったような指摘がされているところでございます。 こうした指摘を踏まえまして、改正法案については新たに七年の除斥期間を設けることとしておりますので、改正法案の下では、懲戒事由があったときからこの除斥期間を経過したものについては、例えばそういうものが蒸し返されて、調査されて、懲戒処分がされるといったような事態は生じないこととなります。
○仁比聡平君 不当な蒸し返しなどはもう絶対にあり得ないということで、今回の改正法を契機に、ホームローヤーとしての、あるいは人権擁護の担い手としての司法書士の皆さんが一層活躍をしていかれることを、私も大臣とともに期待をいたしまして、質問を終わります。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 最後の質問になりますので、重なることもありますが、改めて確認の意味で質問いたします。よろしくお願いいたします。 まず、司法書士法について質問いたします。 今回の目的規定を削除し使命規定を新設するということですが、この現行の目的規定は、「国民の権利の保護に寄与することを目的とする。」と定めています。一方、改正案では、司法書士の使命として、「国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与すること」と定めており、目的規定から使命規定に改正するのに際して、表現が微妙に変化しています。司法書士法について、目的規定では国民の権利の保護となっていたものを、使命規定では国民の権利を擁護としたその理由についてお聞かせいただきたいと思います。 また、これは現行の目的規定でも今回の改正案の使命規定でも同じなのですが、国民の権利と規定されています。一方、弁護士法では基本的人権の擁護が弁護士の使命であると規定されております。司法書士法において基本的人権ではなく国民の権利と規定しているその理由をお答えください。法務大臣に伺います。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 現行の司法書士法では、これは法律の目的規定ということにしておりまして、「司法書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、」「もつて国民の権利の保護に寄与することを目的とする。」と定めております。他方で、改正法案は、これは司法書士を主語にした使命規定に改めまして、「司法書士は、この法律の定めるところによりその業務とする」「法律事務の専門家として、国民の権利を擁護し、もつて自由かつ公正な社会の形成に寄与することを使命とする。」と定めることといたしました。 このように、現行第一条は司法書士法という法律の目的を規定するものであるため、同法によって実現される状態として国民の権利が保護されることを掲げているものでございます。一方で、改正法案第一条は司法書士の使命を規律するものであり、先ほども申し上げたように、主語として司法書士を主体とした上で、国民の権利を守っていくということをその使命として規定するものであって、能動的な行為をより表すものとして、弁護士法と同様に擁護との言葉を使用するのがより適切であると判断したものであります。 また、弁護士の使命規定を定めた弁護士法第一条と異なり、改正法案については基本的人権との用語を使用しておりませんが、これは現行法第一条が国民の権利との用語を用いていたことを踏まえたものでございまして、ここで言う権利の内容が、先ほど仁比委員にお答えしましたように、当然憲法上の基本的人権も含まれるものと考えております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 次に、土地家屋調査士の人数について伺います。 土地家屋調査士についてでありますが、まず、土地家屋調査士及び土地家屋調査士法人について、最近五年間の数をお答えください。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 まず、土地家屋調査士の人数でございますが、近年、減少する傾向にございます。各年の四月一日時点の数でございますが、平成二十六年が一万七千百十一人、二十七年が一万七千十七人、二十八年が一万六千九百四十人、二十九年は一万六千七百六十一人、三十年は一万六千六百二十五人となっております。他方で、土地家屋調査士法人の数は近年増加する傾向でありまして、これも同じく各年の四月一日時点ですが、平成二十六年は百九十七、二十七年が二百十三、二十八年が二百二十六、二十九年は二百三十九、三十年は二百五十六となっております。
○糸数慶子君 近年、土地家屋調査士法人は増えている一方で土地家屋調査士自体は減少している傾向にあるとのことですが、土地家屋調査士の数が減少しているのはいかなる原因でしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 土地家屋調査士の人数が減少傾向にある原因、必ずしも明らかではございませんが、近年、この土地家屋調査士試験の出願者数自体が減少傾向にあるため、土地家屋調査士に新たに登録される人数も大きく増加していないことが要因の一つであると考えられます。 現在、自然災害に対する備えの充実や所有者不明土地問題への対応などの観点から、登記所備付け地図の作成作業の重要性がこれまで以上に高まっていることなどを踏まえますと、土地家屋調査士の業務に対する需要が高まることも予想されます。 法務省としましては、土地家屋調査士の業務の円滑な実施が阻害される状況が生じないように、土地家屋調査士の業務を取り巻く状況を注視するとともに、より多くの方々に土地家屋調査士を目指していただけるよう土地家屋調査士制度の広報等に努めてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 次に、ADRに関する業務について伺います。 平成十七年の土地家屋調査士法の改正によって土地家屋調査士にADRに関する業務が認められたということですが、このADRに関する業務とは具体的にどのようなものでしょうか、伺います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 現在、五十の土地家屋調査士会におきましては、土地の筆界が現地において明らかでないことを原因とする民事上の紛争を取り扱う裁判外紛争解決手続機関、いわゆるADR機関として境界問題相談センターを設置しております。 このセンターでは、境界が現地において明らかでないことを原因とする民事紛争の早期解決のために、土地家屋調査士と弁護士とが調停人として当事者間での話合いによる解決の支援を行っているものでございまして、典型的には、隣接する土地の境界について争いがあって、時効取得の成否が問題となる事案や、越境している工作物の撤去や明渡しも併せて求めている事案などが取り扱われております。また、法務大臣の認定を受けた土地家屋調査士は、弁護士と協働してADR手続の代理人として業務を行うことも可能でございます。
○糸数慶子君 それでは、具体的に伺いますが、近年における土地家屋調査士が関与したこのADRの件数の推移はどのような状況でしょうか、伺います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 全国の境界問題相談センターにおけます相談件数でございますが、近年では、平成二十四年度の千九十二件をピークに減少しておりまして、平成二十七年度に六百三十七件と最も少なくなりましたけれども、平成二十八年度には六百八十八件、平成二十九年度には七百十三件と増加傾向にございます。 また、調停の申立て件数でございますが、平成二十九年度は三十八件と少なかったものの、平成二十二年度から二十八年度までおおむね約五十件から約六十件前後で推移していると承知しております。
○糸数慶子君 それでは、近年、土地家屋調査士が関与するこのADRの件数ですが、特に増加はしていないようですが、その理由及び土地家屋調査士によるADRに関する業務を増やすためにはどうすればよいと考えるのか、伺います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 全国の境界問題相談センターにおけますADRの利用件数が伸びていない要因としましては複数のものが考えられますが、その一つとして、やはり国民に対する周知が進んでおらず、知名度が十分でないことがあるものと考えられます。 その対応策といたしましては、法務省におきましても、これまで法務局と境界問題相談センターとが連携して筆界特定制度あるいは土地家屋調査士会ADR制度のそれぞれのメリットなどを記載した共通のリーフレットを作成するなどして広報活動を行ってきたところでございます。 また、平成三十年の二月には、当局の民事第二課と日本土地家屋調査士会連合会の連名で、より効果的な連携方策を実施するために、筆界特定制度と土地家屋調査士会ADR制度の今後の連携方策についてというものを取りまとめておりますけれども、その中では、広報の重要性を再認識しつつ、弁護士会のほか、裁判所や地方公共団体等に対しても積極的に広報活動を実施していくこととしております。 法務省としましては、引き続き、関係機関と連携して、この土地家屋調査士会が関与いたしますADRの一層の周知に取り組んでまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 次に、司法書士業務とAI化について伺います。 四年前の二〇一五年に、野村総研とイギリス・オックスフォード大学のAIに関する共同研究が発表されました。それによりますと、司法書士の業務のうちAIによる代替可能性があるものは七八%にもなるとのことでありました。 それから四年後の現在、AIの利用が広がってきていますが、現在、AIによって代替される司法書士の業務はあるのでしょうか。また、近年、AIによって代替される可能性のある司法書士の業務はあるのでしょうか。そして、AI化の進展に伴い今後司法書士の業態はどのように変化すると考えるでしょうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、法律サービスの分野を含む極めて幅広い分野において、人工知能を含む最先端の技術の活用が進み、法律サービスの在り方等についても様々な変化が起こり得るとの予測が様々にされていることは認識しております。 他方で、この最先端の技術の具体的な活用方策としては様々なものが想定されるところでありまして、技術革新の成果がどのように法律サービスの内容に影響を及ぼすのかについてはにわかに予測することも困難でございます。司法書士が現に提供する法的サービスの内容や司法書士が我が国の取引社会において取引の安全や安定のために現に果たしている役割にどのような影響を及ぼしていくものであるかについては、今後の技術革新の推移等も踏まえつつ、注意深く見守る必要があるものと認識しております。 いずれにしましても、法律サービスにおけるIT技術の活用については、それが国民全体の権利利益を損なうことなく、法律サービスの質の向上に資するものであるかといった観点を含め、司法書士等の業務の在り方に与える影響についてよく注視してまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 次に、弁護士との関係についてでありますが、個人の場合も法人の場合も、司法書士と土地家屋調査士を合わせても弁護士の方の数が多いというのが現状のようであります。弁護士の増加に伴い、地方裁判所の支部単位で弁護士登録のないいわゆる弁護士ゼロ地域は二〇〇八年に解消し、弁護士が一名の弁護士ワン地域もほぼ解消しました。 しかし、現在では、身近な暮らしの中の法律家と言われる司法書士や土地家屋調査士は弁護士よりずっと数が少ないので、むしろ弁護士よりアクセスしにくくなっているのではないかと考えます。 司法書士や土地家屋調査士は増加の必要があると考えますが、この点について政府の見解を伺います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 例えば司法書士について見てみますと、司法書士の全体の人数は弁護士の人数の半分程度ではございますが、実際に司法書士の人数が弁護士の人数を下回っている都道府県は、東京都、大阪府、愛知県など一部の都道府県にとどまっているところでございます。このように、都市部などを除きますれば、引き続き司法書士、土地家屋調査士は市民に身近な存在として御活躍いただいているものと認識しております。 加えて、日本司法書士会連合会におかれましては、司法過疎地の開業支援や巡回相談の実施などにも取り組まれているところでもありまして、司法書士、土地家屋調査士には今後とも市民に身近な存在として活躍していただくことを期待しているところでございます。
○糸数慶子君 最後に、一つちょっと飛ばして質問いたしますが、権限の委譲についてお伺いしたいと思います。 先ほども出ておりますけど、今回の改正案では、司法書士法においても土地家屋調査士法においても、法務大臣の権限を法務局又は地方法務局の長に委任することができるという権限の委任の規定を設けることとされています。 今回、懲戒権者が法務局又は地方法務局の長から法務大臣に変更になっておりますが、懲戒に関する権限の委任を予定しているのでしょうか、また懲戒以外の権限の委任も予定しているのでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 改正法案においては、法務省令により懲戒に関する法務大臣の権限の一部を法務局又は地方法務局の長に対して委任することを許容する規定を設けておるところでございます。 これは、例えば司法書士あるいは土地家屋調査士の方々が、対象となる方が事務所を設けている場所を管轄する法務局又は地方法務局の長の方が情報収集といった意味では法務大臣よりしやすい、あるいは地方の実情も把握しているといったことなどから、効率的かつ効果的な調査が行われると考えられるところでございます。 そういった配慮に基づきまして法務局又は地方法務局の長に委任する権限としては、法令違反の事実があると思料するときに国民が行う通知等の受領の権限、あるいは懲戒事案の事実についての必要な調査の権限、あるいは懲戒処分をしようとするときにする聴聞の手続の権限といったものを想定しているところでございます。 この改正案が成立いたしましたら、法務大臣として、改正法案の趣旨を踏まえつつ、司法書士及び土地家屋調査士について懲戒手続の適正合理化を実現することができるよう努めてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 時間が参りましたので終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(横山信一君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(横山信一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 正午散会