法務委員会 第3号
- 発言数
- 261 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/03/12
会議録
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る七日、佐藤啓君が委員を辞任され、その補欠として長谷川岳君が選任されました。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官小田部耕治君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(横山信一君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○徳茂雅之君 おはようございます。自由民主党の徳茂雅之でございます。 本日は法務委員会での初めての質問ということで、横山委員長始め与野党理事の皆様には厚く御礼申し上げます。 まず、昨日、東日本大震災から八年を迎えました。被災された皆様、そしてまた避難を余儀なくされている多くの皆様に改めましてお見舞い申し上げます。また、復興に御尽力いただいている多くの皆様に敬意を表したい、このように思います。 司法の分野でも、議員立法で法テラス震災特例法、これが再延長されました。無料の法律相談あるいは費用の立替えということで被災者の皆様の支援が随分進んでまいりました。また、法務省では人権擁護機関で震災に関連するいろんな人権問題の対応をしっかりいただいております。司法の分野でも是非とも被災者の皆様に対する御支援、どうぞよろしくお願い申し上げます。 大臣所信の際に元榮理事から御報告がありました京都への委員派遣、私も初めて京都刑務所長等を訪問させていただきました。本当に初めてでありましたので、随分いい体験というか、ああ、こういうことをやっているんだなと改めてそのように感じさせていただきました。委員長を始め大変ありがとうございます。後ほど関連の質問をさせていただきます。 まず、企業統治と司法の在り方についてお尋ねしたいと思います。 先週新聞をにぎわせたのが、ゴーン元日産会長保釈という報道でありました。ゴーン元会長といえば、経営が厳しくなった日産にルノーから乗り込んでこられて、まさに経営の辣腕を振るって日産の経営を立て直した立て役者ということで評価されていたと、このように思います。 昨年十一月に有報の不実記載、金商法違反ということで逮捕をされ、それから継続して勾留されておりましたが、先週、百八日ぶりに保釈されたという報道がございました。長期にわたる勾留については、ゴーン元会長がおられたフランスからも、これは人質司法じゃないかというような日本の制度に対する御批判、御意見もあったかというふうに思っております。 こういった個別事件に対してはなかなか御答弁しにくいと思いますけれども、大臣、検事御出身ということもありますので、今回の東京地裁の保釈の決定に対してどのように受け止めておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(山下貴司君) せっかくのお尋ねでございますが、やはりこれは個別事件における裁判所の判断に関わる事柄でございます。法務大臣として見解を、所感を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。 そして、我が国の、一般論として保釈制度について申し上げれば、これ、保釈の許否の判断やそれに対する不服申立ての判断は、これは裁判所、つまり捜査機関から独立した裁判所が、法定の要件を満たすかどうか、あるいは法定に定められた裁量に基づいて行うということになっているということでございます。 例えば罪証隠滅のおそれがある場合など除外事由に当たらない限り、保釈を許可しなければならないとされております。これは権利保釈と言われておりますが。仮にそうした除外事由に当たる、ですから権利としての保釈が認められない場合があっても、罪証隠滅や逃亡のおそれの程度のほか、被告人が受ける不利益の程度等を考慮して適当と認めるときは裁判所が保釈を許可することができるということでございます。裁判所、場合によっては裁判官でございますが、これは裁量保釈というふうに言われておりますが。 そうしたことから、我が国の保釈制度については、法律上独立した司法審査が行われ、かつ厳格な要件及び手続が定められており、適切な制度となっているというふうに認識しております。 各国との刑事司法制度の比較において様々な指摘があるということは承知しておりますけれども、各国の刑事司法制度、これはもう実は様々な違いがございます。それぞれの国において制度全体として機能するよう成り立っているというふうに承知しております。ですから、制度全体の在り方を考慮せずに、個々の制度の相違点だけに着目して単純に比較することは適切ではないというふうに考えております。 なお、刑事司法制度全般につきましては適正に運用するようにしていきたいと考えております。
○徳茂雅之君 分かりました。 ゴーン元会長の逮捕、これ金商法違反でありますけれども、その端緒は内部通報ということでされております。上場企業の内部通報制度、体制の整備については、二〇一五年にコーポレートガバナンス・コードというのが東証で定められております。その原則の二の五に定められております。 上場企業はそのコードの遵守状況について、遵守しているのかどうか、それをしていない場合にはなぜしていないのかということを開示することが求められております。その状況は毎年フォローアップされています。 このコードによる内部通報体制の整備の状況について金融庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。 議員の御指摘のとおり、コーポレートガバナンス・コードの原則の二の五では、内部通報に係る適切な体制整備、その運用状況の取締役会における監督が求められているところでございます。 この点、上場企業が取引所にコーポレートガバナンスに関する報告書というものを提出するわけでございますが、その分析によりますと、東証一部でございますけれども、昨年の十二月末時点で本原則については九九・九%の企業が遵守しているということで、内部通報体制の整備が進んでいるものと認識してございます。また、残る〇・一%と申しますか、本原則を遵守していないと回答した企業につきましても、その回答内容を見てまいりますと、自社の課題を認識した上で内部通報の機能発揮に向けた取組に努めているということと説明しているものと承知してございます。 内部通報に係る適切な体制整備、実効的なコーポレートガバナンスの実現の上で極めて重要な課題であり、引き続き実効性の高い取組が進むことを期待しているところでございます。
○徳茂雅之君 体制整備については数字上は進んできているということですけれども、実際に有効に機能することが大切だと思います。 消費者庁の調査によりますと、企業における不正発見の端緒、この実は五九%ぐらいが内部通報によるもので、自浄努力と思われる内部監査は三八%ということでございます。東芝の不正会計問題、これも監査法人が長期にわたってなかなか発見できなかったということでございます。本来、企業の内部統制システムがしっかり有効に機能していればこういった不正を早く発見できるということでありますが、現実にはそのようになっていないということでございます。 不正を未然に防ぐ内部通報、これ一方では、通報者に対しては不利益な取扱いがあるんじゃないかと、いろんなリスクがあるということで通報を逡巡するケースもあるというやに伺っております。 公益通報者保護制度の実効性を高めるために政府としてどのような取組を行っておられるのか、これは消費者庁にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。 公益通報者保護制度の実効性の向上は、法令遵守の観点の確保から極めて重要なものでございます。消費者庁といたしましては、公益通報者保護制度の実効性の向上に向けて、制度の普及強化のため、通報窓口の整備、運用や通報対応に関する事業者及び行政機関向けガイドラインを策定、改正すること、事業者向け説明会を開催してその周知を図るとともに、行政機関の連携体制の構築といった取組を進めること、本年二月から新たに開始した適切な通報対応体制を有する事業者に関する認証制度を運用することといった具体的な取組を進めているところでございます。 また、公益通報者保護制度の強化に向けて、昨年末、消費者委員会から答申を受けたところであり、その内容を踏まえ、現在消費者庁においてパブリックコメントや関係者からの意見聴取等を進めております。 今後とも、公益通報者保護制度の実効性向上に向けた取組を不断に進めてまいります。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。是非ともその実効性が高まるような見直しをお願いしたいと思います。 内部通報制度の整備、これは決して企業の価値を損なうものではないというふうに思っています。その企業の社員を守る、あるいはその企業の製品やサービスを利用する消費者を守る、最終的にはその企業の価値を高めるものであると、私自身はこのように思っております。これはまた別途、消費者特委でも機会があれば質問したいと、このように思います。 企業統治につきましては、平成二十六年の会社法改正、ここで監査等委員会設置会社、これが新たに設置されました。その附則の二十五条で、企業統治制度の在り方について所要の措置を講ずるというふうにされております。 我が国の企業の置かれた環境、これは内外的に非常に厳しい、また急速に変化する中でしっかりと対応していく必要があると思います。企業統治制度の在り方についても早急にこういったいろんな変化に対応できるような見直しが必要だというふうに思いますが、現在の検討状況について伺います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員御指摘の附則第二十五条におきましては、その改正法の施行後二年を経過した場合において企業統治に係る制度の在り方について検討を加える旨の検討条項が定められております。 この検討条項の趣旨に従いまして、平成二十九年二月に、法制審議会に対しまして企業統治等に関する規律の見直しに関する諮問がされたところでございます。その後、法制審議会に設置されました部会におきまして調査審議が行われまして、その結果を踏まえて、平成三十一年、本年の二月十四日、法制審議会の総会におきまして会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱が取りまとめられまして、同じ日に法務大臣に対して答申がされております。 答申がされました要綱でございますが、株主総会資料の電子提供制度の創設、取締役に対する報酬の付与や費用の補償等に関する規定の整備、監査役会設置会社における社外取締役の設置の義務付け等を内容とするものでございます。 この答申を受けまして、法務省としましては、できる限り早期に国会に関係法案を提出することができるよう所要の準備を進めているところでございます。
○徳茂雅之君 早急な整備、対応をよろしくお願いしたいと思います。 次に、新たな外国人材の受入れについてお伺いしたいと思います。 いよいよ来月から新たな外国人材の受入れがスタートします。これを心待ちにしているいろんな雇用主の方もいらっしゃると思います。その反面、やはりこれからもう時間がない中で、いろんな準備をしなきゃいけない、その準備が本当に間に合うのかというふうに心配されている方もいらっしゃるというふうに思います。 政府は、昨年末に、外国人材受入れ・共生のための総合的対応策、これを取りまとめられました。外国人材を円滑に、かつ適正に受け入れるとともに、多文化共生社会、これも考慮しつつ、実現に向けて是非ともしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 前回の大臣所信の際に、政省令案の説明、これ法務省の方からございました。その中身について二点ほど、ちょっと細かくなりますがお伺いしたいと、このように思います。 まず、本年、実はマネロンそれからテロ対策、これについて日本に対する審査が行われる予定になっております。これ、各国が協調して取り組んでいる金融活動作業部会という、FATF、ファトフという組織があります。ここが審査を行うということであります。実は、十年前に対日審査が行われた際に、日本のマネロン体制等がかなり不十分じゃないかという実は厳しい指摘を受けております。それを受けて金融機関、これはメガバンクだけではなくて地方の金融機関も含めて、ある意味この対応に今奔走している状況だというふうに思っています。 今回の省令案の中に、報酬を預貯金口座への振り込み等により行うことというふうにされている部分があります。現金で払うのではなくて口座に振り込む、まさに証跡が残るということで、確実にいつ幾ら払ったかということが分かる仕組みになるということであります。 しかしながら、一方で、各金融機関がマネロン対策ということで、外国人が金融機関での口座を開設するに当たって、少しネガティブというか、萎縮しているんじゃないかというような少し動きがあるというふうに聞いております。 一方で、ある群馬県の信金の状況でありますけれども、これ、むしろ前向きに捉えて、外国人が口座開設をする際にフローチャートやチェックシートをしっかり作って、これをどんどんどんどん受け入れていこうという、経営上のチャンスと捉えているような金融機関もあるやに聞いております。 さらに、口座開設をする際には言葉の問題がございます。今日、お手元に資料を配らせていただきました。これ、日本郵政グループ、郵便局で窓口にタブレット端末を配備して多言語対応できるようにしているということでございます。郵便局全局に、全国二万局ございまして、そこに全て配置ということで、対応している言語につきましては、音声でやり取りできるものが九言語、それ以外にテキストでやり取りできるものが三十言語ぐらいあるということでございます。 次のページ御覧いただきますと、こういうタブレット端末に、これは定型文ということで、いろんな郵便局の専門用語、こういったものは事前に登録されていますし、それ以外の会話等も音声あるいは文字でできるということでございます。これ、総務省のNICTという研究機関、これが開発した多言語翻訳のエンジン、これを活用しているということでございます。 また、この利用が、実は、新宿区役所の中の郵便局でありますとか福岡市役所の中の郵便局での利用が多いということで、恐らくいろんな行政手続に外国人の方が行った際に併せて郵便局で活用されているのかなということで、もちろん観光客の用途も多いようでありますけれども、外国人の方のそういう利便にも資しているんじゃないかと、このように思っております。 そこで、金融庁にお伺いしたいんですが、外国人労働者による預貯金口座の開設、これが円滑に進むようにどのように取り組んでいるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(中村修君) お答えいたします。 外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策においては、金融機関による円滑な口座の開設、それから議員が資料を用いて説明していただきました多言語対応の様々な取組の充実、それから手続の明確化、これ支店ごとに手続が統一されていないと混乱を来しますので、手続の明確化のための規定等の整備などが求められております。 これを受けまして、金融庁としましては、本年一月に金融業界団体に対する要請文を発出しておりまして、外国人の生活サービス環境の改善に向けた具体的な対応を依頼しております。 議員御指摘のように、今年、FATFの審査がございまして、マネーロンダリング対策、非常に重要な課題だと思っております。これに関しては、口座開設時の本人確認ですとか帰国時期の確認などを徹底しまして、口座売買などの犯罪対策、それからマネーロンダリング対策を強化するよう、これを促しておりますけれども、同時に、外国人材に対する金融サービスの利便性の向上というのも非常に重要な課題だと考えておりまして、業界や各金融機関に対して、これに関する取組も引き続き促していきたいというふうに考えております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 是非、各金融機関に対して、円滑に口座開設が進むように取組をお願いしたいと思います。 二つ目でありますけれども、受け入れる外国人の健康状態の問題がございます。社会保険の未加入の問題、あるいは我が国の医療保険が外国人によって悪用されるんじゃないかといった懸念、これにつきましては大臣の所信からも御説明があったというとおりでありますので、四月以降の運用を適切にお願いしたいというふうに思います。 一点、感染症が我が国に持ち込まれるんじゃないかと、こういった観点での懸念もあるかと思います。外国人労働者は長期にわたって日本に滞在するということで、日本人に免疫がない、少ない感染症が日本に持ち込まれた場合、例えばパンデミックというようなリスクもあるのではないかというふうに思います。 今回、外国人本人に対する基準の中に、本人の健康状態が良好であることという基準がありますけれども、これをどのように確認するのか、法務省に伺います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 特定技能制度におきましては、特定技能外国人が特定技能に係る活動を安定的かつ継続的に行うことを確保するなどの観点から、特定技能外国人の上陸時の基準として、健康状態が良好であることを定めることとしております。 お尋ねの健康状態が良好であることをどのように確認するかということにつきましては、当該外国人が本国の病院等の検査機関において、私どもがお示しをいたしますガイドラインにあります健康診断個人票に記載した健康診断項目に係る検査を実施していただいた上で、医師により安定、継続的に就労活動を行える旨の診断がなされているかを確認することとしています。 なお、今回お示しする検査項目につきましては、特定技能外国人の送り出しを行うことが想定をされます各国の検査機関でも広く検査可能と考えられる一般的な検査項目としているところでございます。
○徳茂雅之君 診断書で検査をチェックするということでありますけれども、いろんな、医療の技術、診断レベルというのはやはり各国でばらつきがあるというふうに思っております。是非とも、これ、関係する厚労省ともしっかりと御検討いただき、更なる検討も進めていただきたいなと、このように思います。 今回の政省令案については、パブリックコメントが行われたということでございます。今回の新たな人材の受入れについては国民の関心も高かったというふうに思いますが、パブコメの状況はどうであったのかと、それに合わせて何か修正した点があるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐々木聖子君) お話しのように、入国される外国人に関する基準や受入れ機関、登録支援機関の基準などについて様々な、しかも具体的な御意見をいただきました。また、制度全般につきましても様々な角度からの御意見をいただきました。 そのパブリックコメントをいただきました結果を受けて、原案を修正する方向で検討している項目、三点につきまして御報告をいたします。 一点目、受入れ機関又は登録支援機関の基準として、支援責任者及び支援担当者を選任することを要するとしておりますところ、従業員のいない士業者などでも登録支援機関となれるよう、支援責任者と支援担当者を兼ねることができるようにしてほしいという内容の御意見をいただきました。このことを踏まえまして、兼ねることができる旨を明記する方向です。 それから二点目に、ただいまも御指摘ありましたように、就労者として受け入れることから、健康な外国人を受け入れるべきであるという内容の御意見をいただきましたことを踏まえ、特定技能外国人の上陸時の基準として、健康状態が良好であることを求める旨を明記する方向です。 それから三点目ですが、送り出し国において送り出しに当たりルールがある場合には、この手続を経ていることを規定するべきという内容の御意見をいただきました。このことを踏まえまして、特定技能外国人の上陸時の基準として、送り出し国で遵守すべき手続が定められている場合にはその手続を経ていることを求める旨を明記する方向です。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 健康状態の関係等いろんな面でパブコメを受けて見直しをしているということで、高く評価したいと、このように思います。 私、個人的には、実は新宿の百人町というところに住んでおります。外国人の方あるいは日本語学校で勉強されている方、非常に多い町であります。新宿区というのは二十三区内で最も外国人比率が高いところでありまして、実は今年の成人式、成人を迎えられた方の四五%が実は外国人という町でございます。 新宿区は、例えば、区の窓口に行きますと本当に多言語のパンフレット等もありますし、ホームページでは外国人向けの言語を活用したページを開設したり、あるいは自動翻訳なんかも行っておられるようであります。非常に外国人の受入れ、進んだ自治体だというふうに思っています。 新宿区長さんに一回ちょっと会ったときに話を聞いて、何が一番大変ですかと聞けば、子供の教育、外国人の子供の教育というのが一番苦労しているというようなお話はございました。 こういった進んでいる自治体もありますけれども、一方では外国人の受入れに対してまだまだ準備が進んでいない市区町村、自治体もあるかと思います。こういった自治体に対する支援について、これは法務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐々木聖子君) 地方公共団体におかれましては、住民に最も身近な総合的な行政主体として、これまでも外国人に対して情報提供や相談対応を始めとする様々な住民サービスを提供し、地域における多文化共生を推進する重要な役割を担ってこられたものと認識しております。 そこで、法務省におきましては、昨年末に関係閣僚会議で了承されました外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策に基づき、地方公共団体が情報提供及び相談を行う一元的相談窓口の設置、拡充について交付金による支援をすることとし、現在公募を行っております。 三月十一日時点で、公募に応じていただいた地方公共団体は三十五団体となっております。交付対象となった地方公共団体におかれては、この交付金を活用して相談窓口の設置、拡充が図られることを期待をしております。 また、この財政支援のみならず、そしてこの度の交付対象以外の地方公共団体に対しましても、地方出入国在留管理局の職員を相談員として派遣したり、相談窓口業務に従事する地方公共団体等の職員の皆様に対する情報提供や研修を実施するなどの支援を行うこととしております。 このように、関係省庁や地方公共団体と連携、協力しながら、多文化共生に取り組む地方公共団体への支援を行うとともに、総合的対応策に盛り込まれた施策を着実に実施をしてまいります。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。是非各自治体に対して寄り添ってしっかりと御支援いただきたいなと、このように思います。 今回の新たな外国人材の受入れを始め、これから在留外国人、必ず着実に増えてくるというふうに思います。そして、五百日後に迫った東京オリパラ、外国人の観光客もまた増えてくるというふうに思っております。そういった中で、外国人が生活する地域社会、あるいは外国人が働く企業、あるいは外国人が学ぶ教育機関、こういったところのそれぞれの主体がしっかりと自治体あるいは国と連携して取り組むことが必要だと思います。 大臣にお伺いしますけれども、多文化共生社会の実現に向けてこれからどのように取り組んでいくおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山下貴司君) 我が国の在留外国人数は、平成三十年六月末で過去最多の二百六十四万人となっております。また、現在精査中でありますが、この平成三十年末の数値は、速報値レベルではありますが、約二百七十万人となる見込みで、年々増加傾向にございます。 我が国で働き、学び、生活する外国人は今後も増加していくものと認識しております。そうした状況を踏まえて、日本人と外国人が安心して安全に暮らせる社会を実現することは極めて重要であると考えております。 先ほど徳茂委員から日本郵政グループのすばらしいお取組、NICTの翻訳システムを用いたというふうな御紹介いただきましたけれども、こうした取組を更に進めていくべく、昨年末に関係閣僚会議で了承された外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、これには、例えば地方公共団体による一元的相談窓口、約百か所を想定しておりますが、その設置の支援や、政府横断的な生活・就労ガイドブックの作成など合計百二十六の施策が盛り込まれており、充実した内容となっているというふうに考えております。また、総合的対応策関連の予算というのは約二百十一億円であり、これに加えて地方創生推進交付金等のその他の予算も活用いただくなど、財政面でも充実した内容となっていると考えております。 こうした総合的対応策の各施策をこれは政府一丸となって進めるべく、法務省も総合調整機能を発揮して着実に進めてまいりたいと考えております。 法務省としては、関係省庁と緊密に連携し、外国人を、日本で働き、学び、生活する方々として迎え入れ、国民と外国人との双方が尊重し合えるような多文化共生社会の実現に向けて一層万全を期してまいりたいと考えております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。法務省には是非総合調整の、あるいは司令塔としての役割を是非努めていただきたいと思います。 続いて、成年年齢引下げについてお伺いしたいと思います。 昨年の通常国会で民法改正が行われて、三年後には十八歳に引き下げられることになります。その際に、法案審議の際に、消費者被害の関係、随分意見といいますか、御心配、懸念が出されました。結果的には十項目の附則が付いたということでありますけれども、この三年後に迫った法施行に向けて、現在の準備状況について法務省に伺いたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員御指摘の民法の改正法案の審議がされました際に、参議院法務委員会におきまして、消費者被害の拡大を防止するための施策や、若年者の自立を支援する施策の充実等の環境整備を実施すること、また、若年者に理解されやすい形で周知徹底を図ることなどを内容とする附帯決議がされたものと承知しております。 まず、環境整備の実施に関しましては、昨年四月以降、法務大臣を議長といたします成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議を開催しております。この連絡会議におきましては、成年年齢の引下げが施行される二〇二二年四月までの間に環境整備の効果が着実に現れるよう、各施策ごとに工程表を策定し、連絡会議あるいはその下に設置された幹事会を開催するなどして進捗管理を行っているところでございます。 また、周知徹底の点に関しましては、法律が成立した直後であります昨年の六月に改正の概要を分かりやすく解説する記事を法務省のホームページに開催したほか、映画会社などとタイアップいたしまして、全国の中学、高校、大学等にポスターの掲示を行っております。また、テレビ番組やインターネット動画を作成、放映するなど、精力的に周知活動を行っているところでございます。またさらに、現在、二十九歳以下の若者を対象として動画コンテストを行っておりまして、このような参加型の周知活動も行っているところでございます。 成年年齢の引下げによって特に影響を受ける若年者の方の関心が高まるよう今後も引き続き効果的な広報の在り方を検討し、周知に努めてまいりたいと考えております。
○徳茂雅之君 消費者の被害、これ現在は未成年者が二十歳になるタイミングで急増しているということでございます。三年後には現在の十五歳、十六歳の未成年者が一度に成人になるということで、消費者トラブルが急増するんじゃないかという懸念もございます。民法改正に併せて消費者契約法も改正され、不安をあおったり恋愛感情に付け込んだりということについての取消し権の拡大、これも行われました。 しかしながら、消費者被害を防ぐのは、やはり一人一人の消費者としての行動、これが重要だというふうに思っています。消費者教育に当たっては、民法を所管する法務省、それから消費者行政を所管する消費者庁、それから学校教育を所管する文科省、さらに、特にトラブルの多い金融サービスを所管する金融庁、こういった行政組織がばらばらで取り組むのではなくて、しっかりと連携して対応を進めていくべきだというふうに思っております。 今後、消費者教育をどのように推進していくのか、あるいは消費者被害をどのように防いでいくのか、これ消費者庁にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。 成年年齢引下げを見据え、若年者が消費者被害に遭わず自立した消費生活を送ることができるよう、実践的な消費者教育の充実に向けて、昨年二月に消費者庁は、関係省庁、文部科学省、法務省、金融庁でございますけれども、関係省庁と連携して、二〇二〇年度までの三年間を集中強化期間とする若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムを決定いたしました。現在、このアクションプログラムに基づき様々な取組を進めているところでございます。 まず、全国の高等学校等における実践的な消費者教育の実施に向けて、消費者庁から全ての都道府県に出向き、二〇二〇年度までに消費者庁作成の教材「社会への扉」を活用した授業を行っていただけるよう、直接働きかけを行っております。これによって、多くの県で今年度から「社会への扉」を活用した授業を全県的に実施することを決定していただいております。 また、教育現場での取組を教材や人材の面で支援するためにも、二〇一七年度に徳島県内の全高校等で「社会への扉」を活用した授業を実施した経験を踏まえ、授業例を収集し全国へ提供する取組、授業を実施する教員の指導力向上のための研修への講師の派遣などを行っております。教員の指導力を行うための外部人材の活用促進など、アクションプログラムに盛り込んだ様々な施策も着実に進め、集中強化期間の最終年度である二〇二〇年度に向けまして、関係省庁と緊密に連携して粘り強く取り組んでまいります。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 最近、未成年者を中心に、ツイッターなどのSNSに悪ふざけをした動画や画像をアップして、そのことによって企業がダメージを受けて謝罪するケースというのが多発している、いわゆるバイトテロが多く発生しております。これも、ただ面白ければいいんだと、あるいは自分のサイト、SNSを見てほしいと、そういう単純な動機で投稿しているんじゃないかなというふうに思われます。多くの方は懲戒解雇をされたり、あるいは、場合によっては大きな被害を受けています、損害を受けていますので損害賠償請求を出すんだというような動きもあるようでございます。 社会生活をする上で、全ての人が法律の専門知識、これを備える必要はないかというふうに思いますけれども、少なくとも常識的な判断、行動ができる程度の法律面での素養、これを備えることは必要だというふうに思っています。 成年年齢引下げに伴って、学校教育の場における法教育の重要性、これはますます増しているというふうに思いますが、その取組の状況と、さらに、やはり先ほどありました消費者教育と連携して法教育を行うべきではないかと、このように考えておりますけれども、法務省の考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 民法の成年年齢引下げに向けた環境整備の一つといたしまして、若年者の消費者被害を防止するための実践的な消費者教育の実施は喫緊の課題であり、若年者が消費者として自立した消費生活を営むためにも、消費活動の前提となる私法の基本的な考え方を理解する必要があると考えております。 この点、法教育の内容には、日常生活を支える私法の基本的な考え方を実感として理解し身に付けることも含まれており、法教育の実施は消費者教育に資するものと言え、委員御指摘のとおり、その重要性はこれまで以上に増しているものと考えられるところでございます。 先ほど消費者庁から話がございました若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムにおきまして、消費者教育の推進に当たって法教育とも連携して取組を進めることとされたところでございます。 法務省におきましては、これまでに作成した小中学生向けの法教育教材におきまして、私的自治の原則や契約自由の原則などの私法の基本的な考え方を取り上げております。また、本年度に作成した高校生向けの法教育教材においても、高校生が私法の基本的な考え方を身に付けられるよう、私法と契約という項目を設け、学習指導要領に基づいた具体的な指導案を提示しております。現在、全国の高等学校等への配付準備を進めていますが、消費者教育を所管する消費者庁や文部科学省等の協力も得ながら周知を行っていく予定でございます。 このような教材の作成に加えまして、全国の学校等に法務省職員を講師として派遣して法教育授業を実施するなど、学校教育、そして一般社会において法教育がしっかりと根付くよう取組を進めているところでございます。 今後とも、消費者庁や文部科学省を始めとする関係省庁と連携しながら、対象世代や現場のニーズに応じ、多くの国民が法教育に触れる機会を持てるよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○徳茂雅之君 ありがとうございます。 最後に、京都への委員派遣に関連して、再犯防止についてお伺いしたいと思います。 委員派遣の際に、保護司会あるいは更生保護女性会、BBSの方、多くの民間ボランティアの方、お話をさせていただきました。その際に、例えば、保護司のなり手が少ない、高齢化の問題がある、あるいは財政面で厳しいといったような御意見もいただきました。民間ボランティアの役割は極めて高いというふうに思っておりますが、ボランティアの方に任せっきりにするのではなくて、しっかりと行政との連携を深めていくということが重要だというふうに思っております。 こういった民間ボランティアの方に対してどのように今後支援していくのか、これは法務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。 ただいま御指摘の民間ボランティアの方々におかれましては、全国津々浦々で刑務所出所者等の再犯防止に多大な貢献をしていただいているところでございます。 そこで、平成二十九年十二月に策定されました再犯防止推進計画におきましても、これらの方々に対しての国による支援策が盛り込まれているところでございます。 特に、保護司さんにおきましては、近年、御指摘のありましたように、担い手が減少傾向にございます。そこで、保護司の安定的な確保が喫緊の課題となっているところでございますので、その保護司活動に伴う負担の軽減やその活動環境を整備するために、保護司活動の拠点となっております更生保護サポートセンターの設置、これを進めておりまして、引き続き、その活用を図りながら、保護司活動の支援に取り組んでまいりたいと思います。 また、更生保護女性会、そしてBBS会にも御指摘ございましたけれども、それぞれ女性あるいは若者の立場から、広く犯罪予防、再犯防止に資する活動を展開していただいております。しかし、その活動を安定的に行うための資金の確保策というものが課題となっているというふうに承知しております。 そこで、更生保護ボランティアの活動のための資金を調達する方策といたしまして、クラウドファンディングの手法などを活用など、再犯の防止等に関する活動を行うための民間資金を活用した支援の在り方について検討をすることとしております。 引き続き、この民間ボランティアの方々の活動が安定的そして持続可能なものとなりますように支援をし、引き続きこの再犯防止を推進してまいりたいと思います。
○徳茂雅之君 ありがとうございました。 来年、東京オリパラ、それから京都コングレスが開かれます。日本が世界一安全、安心な社会であるということをアピールできるように、精いっぱい取り組んでいただきたいと非常に思います。 以上で終わります。 ─────────────
○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、片山さつき君が委員を辞任され、その補欠として島村大君が選任されました。 ─────────────
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。 ヘイトスピーチ解消法が成立をして間もなく三年になります。その意義と同時に、様々な限界、問題点がこの三年間で明らかになってまいりました。そのことについて集中して、今異様な事態が起きているということ、この参議院法務委員会では全会一致でこの解消法が成立をしましたけれども、そこに対する長年の攻撃がずっと続いているということ、それをどう克服していくかということについて質問をしたいというふうに思います。 今日は、山下大臣と司法修習同期で、ヘイトスピーチの専門家である師岡弁護士も傍聴されているというのは、それはもう山下大臣がどのようにこの問題に対処していくのかということを注目しているということですので、真摯にお話をいただきたいというふうに思います。 ヘイトスピーチをめぐっては、昨日今日と報道がされておりますけれども、例えば川崎市では、差別根絶条例が、骨子が昨日発表されまして、今日も新聞などで報道されておりますけれども、表現の自由などとの関わりも当然検討をしながら、パブリックコメントを求めて、十二月議会では罰則についても整理できた段階で市民に示して、これから前に進めていこうという動きがあるというのは非常に注目すべきだというふうに思います。 あるいは、三月七日には京都の宇治市で「宇治市公の施設等におけるヘイトスピーチ防止のための使用手続に関するガイドラインについて」というものが発表されまして、そこでは公共施設の、借りて集会を行ったときにヘイトスピーチが行われるという例が多いんですよね、川崎でもそうですけれども。そのことについて、どのように具体的にそれを使用制限していくことが可能かということが具体的に議論になっている。 これがもう大阪でも川崎でも全国各地でそういう動きが出ているというのは解消法の大きな成果だというふうに思うんですが、一面では、しかし、罰則まで考えなければいけないような問題がずっと続いているということなんですよね。ですから、そのことに対していかに対処していくのかということが新たな課題だろうというふうに思います。 私は、この六年ずっとヘイトスピーチの現場で抗議を続けていて、変わらないな、ひどいなというのは、やっぱり警察の警備が何ら変わっていないということなんです。 まず、お聞きをしたいんですが、三月九日、京都市でデモが行われました。どういうデモかというと、二〇〇九年に京都朝鮮初級学校襲撃事件がありましたけれども、その十周年を記念してデモを行うということで三月九日に行われました、八坂神社から出発をして。どういうデモだったと警察庁は認識されていますか。
○政府参考人(下田隆文君) お答えをいたします。 御指摘のデモでございますけれども、三月九日、京都市内の円山公園を出発し、京都市役所前で解散するコースで御指摘のデモが行われたものと承知してございます。
○有田芳生君 何人のデモですか。
○政府参考人(下田隆文君) お答えいたします。 デモの参加者数でございますけれども、警察としてお答えする立場にないということからお答えを差し控えたいと思います。
○有田芳生君 いつもそうなんだ。四人ですよ。 それに対して、警察官何人出ましたか。
○政府参考人(下田隆文君) お答えをいたします。 警備に当たりました警察官の具体的な人数につきましては、個別の警備体制に関わる事柄であり、今後の警備に支障が生じますので、お答えは差し控えたいと思います。
○有田芳生君 何を言っているんですか。たった四人のデモに対して何百人出ているんですか。数えただけでも二百人以上出ていますよ。 皆さん、写真見てください。たった四人のデモに警察官二百人以上が少なくとも出て、京都の河原町、円山公園から出発したデモ、警察官が百人以上走って、路上をですよ、行動した。観光客、外国人を含めて何が起こったんだとびっくりしていますよ。 しかも、写真見てください。写真の下の右側。一人の赤い服を着た男がマイクを持って歩いていますけれども、この一人のデモに対して百人以上の警察官が手つないで、外から見たら守っているとしか見えない、で、ヘイトスピーチやっている。何でこれ注意しないんですか。
○政府参考人(下田隆文君) 警察におきましては、デモの状況、そして時々の情勢を踏まえまして、まずは現場における混乱、そしてまた交通の危険の防止等のために必要な警備体制を構築して、中立性、公平性を念頭に置いて警備活動を実施しているところでございます。 御指摘の三月九日の京都のデモにつきましても、その情勢を踏まえ、現場における混乱、そして交通の危険の防止等のために必要な警備措置を講じたものと認識してございます。
○有田芳生君 何でヘイトスピーチをやっている人を守るんですか、警察は。そういう姿でしょう。私は六年間こういう現場にいたけれども、こんなひどい警備初めてですよ。 しかも、更に聞きます、もう詳しく言っていたら切りがない。彼は、二〇一一年に京都朝鮮初級学校襲撃事件で逮捕、起訴、そして有罪判決を受けている。翌年には、奈良の水平社博物館に行ってヘイトスピーチをやって、名誉毀損で裁判でも負けている。さらには、二〇一七年には、大阪の生野区のコリアNGOセンターでデモをやろうとしたから、仮処分で六百メートル以内ではデモをやっちゃいけないと言われても、それでもデモをやって、さらに大阪地裁は今度やったら一日六十万円支払いなさいという決定まで行っている、そういう人物ですよ。必ずヘイトスピーチをやる人物なんですよ、ずっと。その人を何で警察は守るんですか。 一つだけ聞きましょう、もう切りがないから。何で警察車両に彼を乗せて移動したんですか。
○政府参考人(下田隆文君) お答えをいたします。 御指摘の件でございますけれども、デモ終了後、参加者の一人から被害の申出がございました。そういったことから、混乱した現場で事情を聴取することは困難であったということで、警察車両より最寄りの警察署に搬送したというふうに承知をしてございます。
○有田芳生君 しかも、この人物が警察車両に乗っていくんだけれども、街宣車に乗ってしゃべっている連中は、そこにいる市民も含めてですけれども、ひき殺すぞと何回も言っている。それ、確認されていますか。
○政府参考人(下田隆文君) お答えいたします。 今御指摘いただいた具体的言動につきましては承知をしてございません。
○有田芳生君 だから、必ずヘイトスピーチをやることが蓋然性として分かっているような者がデモをやるときに、それを何で認めるんですかということなんですよ。 しかも、それに抗議をする人物たち、これは東京の新宿、二月三日もそうでしたけれども、横断歩道を止めちゃうんですよ。だから、市民も含めて動けなくなっちゃう。新宿なんかだったら、さっき多くの外国人がいるというお話ありましたけれども、市民も含めて、信号止めちゃうから市民が動けない。これ特に新宿がひどい、三十分ぐらい止めたこともありましたよ。歯医者に行けなくなる人もいる。この二月三日の新宿なんかは、公園に彼らが入っていますから、それは警備上しようがないのかも分からないけど、犬連れて散歩している人だって警察官が止めて入れないという、何の説明もないですよ。こんなことがずっとこの六年間続いていて、解消法ができてからも改まっていないんですよ。 解消法ができた直後に、こういう人物たちが川崎で挑発的に挑戦的にデモをやろうとした。多くの市民が集まりましたよ、私も行きましたけれども。そのとき、現場の警察官、主催者説得したんですよ。もうこれを見てくれと、あなたたちがやるようなことはもう世論が許さないんだから。警察官が説得をしてデモは中止になった。 だから、少なくともちゃんとした警察教育が行われているならば、この京都の例だってヘイトスピーチ確実にやっているんだから、そういうことを注意するのが解消法の精神じゃないんですか。
○政府参考人(下田隆文君) ヘイトスピーチ解消法の施行に際しまして、警察といたしましては、都道府県警察に対しては、この法律の趣旨を踏まえて警察職員に対する教育を推進するとともに、不当な差別的言動の解消に向けた取組に寄与すべしというような指示をしたところでございます。これを受けまして、各都道府県警察は法の趣旨及び内容について周知徹底を図っているところでございます。
○有田芳生君 周知徹底しているんだったら、その目の前でヘイトスピーチやったら、それはヘイトスピーチですよと言うのが当たり前でしょう。DJポリスだって出ているけれども、反対する人たちに何やっているんだというようなことを言うことが多いんだけれども、ヘイトスピーチそこでやっていたら、それはヘイトスピーチですよと言うのが解消法の精神じゃないんですか。そういう介在してくださいよ。
○政府参考人(下田隆文君) お答えをいたします。 警察では、デモの状況等を踏まえて、一般通行人の方に対するデモ行進の周知であるとか、トラブル防止のための指導といった、いわゆる警備広報と呼んでおりますけれども、これまでも全国的に行っているところでございます。 いわゆるヘイトスピーチ解消法の公布を受けて、警察庁から都道府県警察に対して広報啓発活動の推進について指示をしたところでございます。例えば、警視庁におきましては、御指摘のように警察官が車上からマイクを用いるなどにより法の趣旨等について周知をしているものと承知しておるところでございます。
○有田芳生君 だから、できていないんですよ。全くできていないんですよ。ヘイトスピーチがそこで行われたならば、それはヘイトスピーチ解消法に基づく違法なことですよということを警察だって言わなきゃ駄目だと思うんですよね。DJポリスだって、そのことをやってもらいたい。そういう改善をこれから検討していただきたいということをお願いをしておきます。 時間が限られているので、更に深刻な問題を質問いたします。 選挙を利用してヘイトスピーチが行われる、これが、これまでもやられてきたし、近くある地方選挙でもやられる可能性があるということ、人権擁護局、確認されていますか。
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。 今般の統一地方選挙につきまして、特定の立候補予定者の情報を把握しているわけではございませんけれども、そのような委員御指摘の可能性があるということは承知しているところでございます。
○有田芳生君 ヘイトスピーチ解消法ができて、法務省は、公表はされておりませんけれども、ガイドラインというのか参考情報というものを警察庁も含めて各省庁など地方自治体に発信されていますよね。そこでヘイトスピーチとはどういうものだという規定がされていますか。
○政府参考人(高嶋智光君) 参考情報として各自治体等に提供しているもののほかに、その概要をホームページ等で掲載しておりますが、その内容で御説明させていただきますと、三種類ございまして、一つは、特定の民族、国籍の人々を合理的な理由なく一律に排除、排斥することをあおり立てるもの、これが一つ目。それから二つ目は、特定の民族や国籍に属する人々に対して危害を加えることを告知するもの。それから三つ目は、特定の国や地域の出身である人を著しく見下すような内容のことを告知するもの。この三つの類型を掲げているところでございます。
○有田芳生君 そうすると、具体的に聞きますけれども、朝鮮人のいない日本を目指す会というのはヘイトスピーチに該当しますか。
○政府参考人(高嶋智光君) 委員御指摘の事案は、どういう文脈の中で述べたのか、その会の名前として掲げているだけなのか、そこら辺は具体的にはちょっと分かりませんので答えにくいところではございますけれども、そのような趣旨はヘイトスピーチの類いに親和性があるのだというふうに理解しております。
○有田芳生君 そのとおりなんです。先ほど示された第一点に当てはまる。もう一度言いますけれども、特定の民族や国籍の人々を合理的な理由なく一律に排除、排斥することをあおり立てるもの。その目的を持って朝鮮人のいない日本を目指す会というのは実際にできていて、選挙に出る可能性がある。しかも、京都の路上でもそういうヘイトスピーチをやってきた。 そのことをどう対処していくかということが、これ、法務省が去年の十月二十六日に第二回のヘイトスピーチ対策専門部会を開かれたときに、具体的に京都や神奈川県から公選法との関係でどう考えるのか示してほしいという要望ありましたよね。どう返答されましたか。 例えば、京都府だったら、ヘイトスピーチ解消法と公職選挙法の兼ね合いについて法務省と総務省の間で整理していただき、各地方公共団体に周知をお願いしたい、そういう要求が各地から出ている。それに対して法務省はどう回答されたんでしょうか。
○政府参考人(高嶋智光君) 現段階でこの、失礼しました、昨年十二月二十六日に開催されました第二回ヘイトスピーチ専門部会のこととは理解いたしますが、この中で、委員御指摘のとおり、統一地方選挙で、失礼しました、昨年十月二十六日に法務省で第二回ヘイトスピーチ対策専門部会を開催しておりますが、その中で、委員御指摘のとおり、統一地方選挙、今般の統一地方選挙でヘイトスピーチが行われることの懸念が示されております。 これに対して、御質問の各自治体にどのような回答をしているかということでございますが、その会場では問題の指摘がなされただけでありまして、その後こちらの方からまだ、各自治体に対して何か発出したということは現段階ではございません。
○有田芳生君 もう選挙直前なので、必ずヘイトスピーチをやる人たちはいるんです。調べればすぐ分かるんです。お教えしても構いません。神奈川県から五人立候補します。その候補者の紹介の集会が去年の三月三十一日に相模原でありました。そのとき、その政治団体の責任者、これは元在特会の会長だった桜井誠という人物ですけれども、木の上からぶら下げる、断固処分する、要するに虐殺宣言までやっているんですよね。そのことを聞いたこの政治団体の最高顧問の瀬戸弘幸というヒトラー崇拝者は笑っている。川崎でも候補者立てられればよかったなみたいなことを言っている。 だから、そういう、もうやることが決まっている、ヘイトスピーチをやることが決まっている、蓋然性が高い人たちが選挙に出るときどう対処していくかというのは、これ悩ましい問題だと思うんですよね。東京知事選でもそうでしたし、都議選でもそういうことがあった。そういう新しい課題をやはり解決していかなければいけないというふうに思うんです。 大臣に伺いたいです。選挙運動に名を借りて、特定の民族を社会から排斥するようなヘイトスピーチをやることはあってはならないことだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、選挙運動としてなされた言動であったとしても、いわゆるヘイトスピーチ解消法に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動はあってはならないものと認識しております。
○有田芳生君 だけど、やるわけですよ。 もっと具体的に言えば、京都でデモをやった人物は、大阪の生野区の鶴橋のコリアNGOセンターの近くでそういうことをやるから、六百メートル以内駄目だよ、それから今度やったら一日六十万円だよという大阪地裁の決定が出ているんだけれども。 一般論としてですけれども、大阪の生野区あるいは神奈川県川崎市の桜本、そういうところに選挙運動を利用してヘイトスピーチをやるような動きがあったとしたら、そういう運動というのは不適切じゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) 個別の言動がいわゆるヘイトスピーチ解消法に規定する本邦外出身者に対する不当な差別的言動に当たるかどうかというのは、やはり発言の内容や前後の文脈、言動がなされた状況等を踏まえ総合的に判断することになると考えております。 一般論としてのお尋ねだとは思うんですが、やはり言動でございますので、その当否について、その言動の内容や前後の文脈を離れて一概にお答えするということは困難であり、お答えを差し控えたいということを是非御理解いただきたいと思います。
○有田芳生君 理解できないんですよ。 もう三年間、解消法ができてからもずっとヘイトスピーチやめない人たちがいるわけ。それが選挙運動を利用しているわけです。これはもう既に東京知事選を含めていろんなケースがあるんです。前後関係見たってヘイトスピーチ明らかなんですよ、端的に言って。 だから、今後お願いしたいのは、大臣に、総務省、選管と協議して、選挙運動においてヘイトスピーチを行わないように立候補者に注意を促すということはできないんですかね。例えば、公共施設を借りたいというそういう団体、個人が来たとき、新宿区なんかはやっぱり注意しているわけですよ、ヘイトスピーチはやりませんねと。川崎もそういう注意するわけですよ。そういうことをやはり、新しい課題ですけれども、今後の問題として考慮していただけないですか。
○国務大臣(山下貴司君) もとより本邦外出身者に対する不当な差別的言動というのは許されないということで、これについてはいわゆるヘイトスピーチ解消法に基づいて粘り強く啓発活動をしているところでございます。 他方で、選挙運動の自由、その政治的発言につきましては、これは民主主義の根幹と密接に関わるものであります。したがって、立候補者の言動の内容について政府として事前に働きかけるということについては、やはり慎重を期さなければならないだろうというふうに考えております。 他方で、先ほども繰り返し申し上げたとおり、法務省としても、いわゆるヘイトスピーチに対しては、粘り強く地道な啓発活動を通じて社会全体の人権意識を高めてまいりたいというふうに考えておりますので、今後もしっかりとそのヘイトスピーチ解消法の趣旨に従って取り組んでまいりたいと考えております。
○有田芳生君 最後に、人権擁護局長と大臣にもう一度お聞きをしたいんですけれども、たとえ選挙運動という形でなされても、そこでヘイトスピーチが行われた場合には人権擁護行政の対象となるし、法的責任は生じますよね。いかがですか。
○政府参考人(高嶋智光君) 一般論として申し上げますと、御指摘のとおりで、選挙運動として行われた言動でありましてもその言動の内容の違法性が直ちに否定されるというものではございませんで、その人権侵害にわたる言動や不当な差別的言動は、人権救済機関としましても、調査、救済の対象とすべきものはしていかなくちゃいけないというふうに考えております。
○国務大臣(山下貴司君) ただいま局長が答弁したとおりでございます。
○有田芳生君 新しい課題に、これからも果敢に進めていって改善をお願いしたいというふうに思います。 質問を終わります。
○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫でございます。 いわゆる森友学園に対する国有地の払下げ問題であります。新たなごみが地下深くから出てきたということで撤去費が積算されておるわけでありますが、会計検査院はそれについて合理的な根拠はないと指摘していますが、しかし、国交省、財務省の方は、その指摘についてこれを受け入れていない対応をしております。 改めてそれについてお尋ねしますが、国交省の方では、ごみ撤去料を積算した、その積算として業者側から資料を受け取った、どういう資料を受け取ったのか全て提出していただきたいということを過去から述べておったんですが、今年の一月三十一日にやっといただきました。 さて、その積算資料の中で、まず試掘に関して、八か所の試掘という資料をいただきまして、これについて写真がそもそも使い回しされているとか様々な点が指摘されておりますが、その試掘についてお尋ねいたしますが、財務省がこの応接記録を公表しました。これは、廃棄してしまったと、都合が悪いから廃棄してしまったものを復元したということで、昨年の通常国会の終盤に公表されたわけでありますが、その応接記録の、平成二十八年四月五日の応接記録に、財務局の職員が現地を見て、現地の状況を撮影した写真が添付されております。 問題は、その写真を見ますと、国交省の方のその試掘の資料とされた八か所の写真付きの言わば資料でありますけれども、この資料の中で、敷地の南側フェンスに沿ったところに、番号でいう六番、七番、八番という三か所、試掘の穴があるというのが国交省の積算資料でございます。ところが、応接記録にある財務省のこの写真を見ますと、その穴があるべき箇所を撮影した写真、具体的には二十三番の写真でありますけれども、ここに三つの穴が写っていない。 すなわち、写真から見ると、国交省ではそこに試掘の、国交省に提出された資料ではそこに三つの穴、六番、七番、八番の試掘の穴があるとされている資料にもかかわらず、実は、財務省のその資料、応接記録添付の写真では、穴も、あるいは掘り出した土の山も写っていないと、こういう状況であります。 そこで、国交省にお尋ねいたします。 六番、七番、八番の試掘の穴がこの財務局が四月五日に写した写真に写っていないという事実を踏まえて、どのように今考えておりますか。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答えいたします。 御指摘の応接記録は近畿財務局において作成されたものであり、記載内容の詳細について国土交通省で説明することは難しい部分もあることを御理解いただきたいと思います。 その上で申し上げますと、事業者から提出され、見積りの材料の一つといたしました試掘報告書におきましては八か所の試掘穴が示されているものというふうに承知をしているところでございます。
○小川敏夫君 だから、国交省に提出されたその試掘の図面では、六、七、八の試掘の穴があると説明されているわけですよ。ところが、財務局の職員が撮った写真にはないんですよ。ないものがあるということないでしょう。写真という客観的なこの資料が、人の口じゃないので、写真に写っていない、写真で見て試掘の穴がないのに、今の答弁は何ですか。写真が間違えていると言うんですか。 この積算資料の六番、七番、八番、業者から提出されたこの穴があるという考えなら、なぜ写真に写っていないのか、それを聞いているわけですよ。そんなとぼけた答弁をしないでください。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答え申し上げます。 大阪航空局におきまして見積りを行った際に材料の一つといたしましたのは、事業者から提出されました試掘報告書でございますけれども、この試掘報告書におきましては八か所の試掘穴の位置が示されているものというふうに承知をしてございます。 一方、御指摘の応接記録の写真につきましては、近畿財務局の職員が平成二十八年四月五日の現地確認の際に撮影したものと承知しておりますが、その内容の詳細について国土交通省として説明することは難しい部分もあることにつきまして御理解をいただければと思います。
○小川敏夫君 いや、全く理解できないですよ。 だって、写真に試掘の穴が、あるべき試掘の穴が写っていないんだから試掘の穴はないということでしょう。この写真を否定するんですか。 国交省は、じゃ、この私が指摘した財務局のその四月五日の応接記録に付いている二十三番の写真に、私は、試掘の穴が三か所全く写っていない、ないと言っているわけで、国交省は、写真が間違えていて、本当はあると言うんですか。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答え申し上げます。 繰り返しで誠に恐縮でございますが、写真の詳細につきましては国土交通省として説明することは難しい部分があるということについて御理解をいただければと存じます。
○小川敏夫君 写真の撮影状況を聞いたんじゃないので。もう写真は厳然としてあるわけですよ、ここに。 写真から見て、ない、試掘の穴が存在しないんですよ。試掘の土を取り出したごみの山もない。全くの平たんな土地に、整地した土地の状況なんですよ。何で六番、七番、八番の三か所の試掘があるというこの図面に基づいて積算したのか。写真に写っていないんだから存在しない、試掘の穴六番、七番、八番なんかは存在しない穴でしょう。架空の書面ですよ、この業者提出の書類は。そうとしか考えられない。 もう一度お尋ねします。 国交省は、この財務局のに写っている写真について、私は、写真から見て、誰が見ても試掘の穴はないと明らかだと思うんですが、国交省は、この写真が間違いで、写真に写っていないけど、しかし試掘の穴があり、ごみ土の山が写真に写っていないけど実はあるんだと、こういうふうに言うんですか。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答えいたします。 試掘報告書につきましては、実際に本件土地におきまして試掘の実施、ごみの状況の確認、試掘報告書の作成等を行っていたのは、工事の専門家たる校舎建設工事を請け負っておりました工事事業者や、これらの工事の設計、監督を行っていた設計業者でございます。その試掘報告書を基に見積りを行わせていただいたところでございます。 なお、誠に繰り返しで恐縮でございますけれども、恐縮でございますけど、先ほど来申し上げましたとおり、近畿財務局の方で作成されました応接記録に基づく説明については説明が困難なことについて御理解をいただければというふうに存じます。(発言する者あり)
○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。 ただいまの質問に対しまして、財務省から答弁をお願いします。富山理財局次長。
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。 全体をちょっと御説明したいので、若干お時間をいただきたいと思います。 まず、先生が比較されておられます一つ目は、平成二十八年四月五日に、近畿財務局、大阪航空局及び工事業者側の関係者が集まりまして、地下埋設物の撤去費用の見積りのための各種資料の提出を依頼し、ごみの状況について後日報告を事業者から求めることとしていたところでございます。 その際、現地に行っておりましたので、併せて現地確認も行っております。近畿財務局の職員は、その現地確認におきまして、全体的なごみの状況を確認していたものでございまして、正確に穴がどこに何か所あるのかといったことを確認を行ったものではございませんで、例えば、大きな穴があって地表にごみが山積みになっているといった状況など、職員たちの目に付いたところを写真に撮っていたものでございます。 一方、委員の方がもう一つ比較されておりますものは、工事事業者からこの四月五日の後に提出されました試掘報告書の関係でございまして、この報告書におきましては、四月五日に国の方から依頼をした地下埋設物の撤去費用の見積りのための各種資料が入っております。工事事業者がそのために写真を撮って、深さや地下埋設物の具体的な状況について報告したものでございます。 したがいまして、両者を比較しますと、一点目として、写真を撮っている時点が、近畿財務局は四月五日、工事事業者の方は依頼を受けた四月五日以降ということで、まずその時点が違っているということ。それからまた、写真を撮ったり穴の位置図を作成した者が、近畿財務局の職員は四月五日ですが、工事事業者はそれ以降ということで異なっているということ。さらに、近畿財務局は具体的かつ正確に穴の位置を確認をしていたわけではございませんで、あくまで全体的なごみの状況を確認していたものである一方、工事事業者は国からの依頼に基づきまして試掘報告書の作成のために穴の位置や深さなどをまとめたものでございまして、おのずとそれらの穴の位置とその写真といったようなことについての精度が差がございます。 そういった意味で、両者の穴の位置が異なるという……
○委員長(横山信一君) 富山局長、まとめてください。
○政府参考人(富山一成君) 委員の御指摘に対しまして、個々の穴ごとに突合することはなかなか難しいところがございまして、具体的に御説明することが困難なところもあろうかと考えております。
○小川敏夫君 何をすっとぼけたこと言っているんですよ。 写真を撮った目的が、何か状況は云々かんぬん、違うと言ったって、写真は事実でしょう、写真を撮ったのは事実でしょう。 それから、おかしなこと、でたらめ言いましたね。財務局が撮ったのは四月五日で、この資料にある写真は四月五日の後だと。しかし、工事業者はそんなこと言っていませんよ。もっと前の三月に二十か所掘った、そのうちの残りの八か所だと言っているんですよ。四月五日よりも前だと言っている。これが工事業者から国会の方に報告されている事実で、何を、今、その工事業者が四月五日の後だなんてでたらめ言うんだ。 とにかく、写真を撮った目的が何、ただ単に状況を見た云々かんぬん。写真を撮った目的、意図なんかどうだっていいですよ。ただ、写真を撮った事実があって、この写真は間違いないんでしょう。どういう目的だろうと、どんな魂胆で撮ろうと、写っている写真はただ一枚、その状況を如実に表している、客観的に表しているわけじゃないですか。その写真に、積算資料では穴が、試掘の穴が三つあると言われているにもかかわらず、一つもない。位置が違うことはないでしょう。この二十三番の写真、明らかにその背景にあることからいって、この積算資料の六番、七番、八番の場所を写していることは間違いない。 国交省、財務局の今の答弁で、この写真は四月五日に財務局が撮った、撮影したものに間違いないという、それを踏まえてもう一回答弁してください。財務局が撮影した、間違いがないというこの現地の写真に、六、七、八のこの試掘の穴が、図面ではあるべき試掘の穴が写っていないということを踏まえて国交省はどうするのか。 今突然質問しているんじゃないですよ。これは一週間前の野党の合同ヒアリングでも指摘したし、この質問に先立って昨日も懇切丁寧に説明しているわけだ。それについて、財務局の撮った写真だから答弁できないなんて話はないでしょう。誰が撮ろうと、写真という客観的事実があって、その写真という客観的事実に存在しない試掘の穴が、業者の提出した資料には三つの試掘がしたことになっている。一言で言えば、業者はでたらめな図面を出しただけなんじゃないか。もう一度、答弁してください。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答えを申し上げます。 繰り返しで恐縮ですが、御指摘の応接記録に添付されています写真につきましては、近畿財務局の職員が現地確認の際に撮影したものと承知しておりますが、先ほど財務省から御答弁をいただいたところでございますが、こういう、そういう作成の経緯、資料の扱いも含めまして、その内容の詳細につきまして国土交通省で説明することは難しい部分があることについて御理解をいただければと思っております。
○小川敏夫君 何をすっとぼけたことを言っているんだよ。私は、この写真の撮影の経過を説明しろって言っているんじゃないんですよ。撮影の経過なんかどうでもいい。客観的に、四月五日に撮った写真がここにあって、その写真に試掘の三つの穴が写っていないんですよ、存在しないんですよ。写真に写っていないんだから、ないんだから、試掘の穴なんかないってことでしょう。 要するに、積算資料のこの試掘の穴の図面なんというのは実際の試掘の穴とは無関係に勝手に作ったでたらめの資料だということを言いたいわけですけれども、そういうふうに言えないからごちゃごちゃ逃げているわけじゃないですか。 端的に聞きます。写真という客観的な明らかな事情に、写真において写っていない試掘の穴が、積算資料の穴に、これ六、七、八があるということについて、この試掘の資料の、業者が提出していたこの六、七、八のこの図面は客観的な事実に合っていないでたらめなものだということを認めるか認めないか、答弁してください。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答え申し上げます。 参議院予算委員会理事会における御要請に応じまして、文書で大阪航空局から説明を求めまして、平成三十一年一月三十日付けで設計業者から、平成二十八年当時、実際に本件土地において試掘穴の掘削、計測、記録などを行っていた工事事業者から当時の経緯の説明が文書において提出されたものと承知しております。 この中におきましては、メジャーを当ててごみのある層を意識して再調査に当たりまして、意識して測り、ホワイトボードにも表記いたしました。また、再調査はしっかりと行われ、調査報告書の本文の説明書きは実際に試掘を現認した社員によって書かれたものですなどと説明されているというふうに承知をしてございます。(発言する者あり)
○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。 〔午前十一時二十八分速記中止〕 〔午前十一時四十三分速記開始〕
○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。 小川敏夫君の残余の質疑は後刻に譲ることといたします。答弁者、入替えをお願いします。
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。 まず最初に、社外取締役についてお伺いしたいと思います。 大臣、私は、社外取締役の規定を置いていますが、本当の意味で社外取締役としてきちんと活動されているというんでしょうか、企業に貢献されている方、私は少ないんじゃないかと思っているんですよ。それは、私の考えだけではなくて、私の周辺の方々にお伺いしてみると、社外取締役って要らないんじゃないかと、そういう声が随分ありますが、大臣は、社外取締役はどうして必要だとお考えでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) この社外取締役には、少数株主を含めた株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、業務執行者から独立した立場で会社経営を監督するとともに、経営者あるいは支配株主と少数株主との間の利益相反の監督を行う役割等を果たすことが期待されております。 特に上場会社等においては、一般に不特定多数の株主が存在して、株主が頻繁に変動することから、株主による経営の監督を期待し難い部分がございます。そのため、上場会社等については、経営が独善に陥り、又は経営陣が保身に走るといった危険を予防するメカニズムとして、社外取締役を設置することの必要性が指摘されております。 この社外取締役は、現に、資本市場の信頼性を高める観点から、ガバナンスという言葉が使われることもありますが、上場会社等においては社外取締役による監督が最低限保証されているという旨のメッセージを市場に発信すべきである、それをもって日本の資本市場についての信頼を高めるべきであるということも機関投資家や金融商品取引所等から中心になされているところでございます。 そうしたことから、上場会社等については、そういった会社経営の監督の観点から、あるいは資本市場の信頼性を高める観点からも有用であろうということで、社外取締役等の設置の義務付け等について検討する答申も先般法制審から得たところでございますし、法務省としてもこれを踏まえてしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 これ、今国会で義務化の法律が出てくるんでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 答申を踏まえて、鋭意、今、会社法等の改正案について検討中でございます。 今国会に出せるかどうかということについては、それを踏まえてでございますが、答申も出たことでありますし、なるべく早期に提出したいという思いは持っておりますが、今国会でということについて確たることは申し上げる段階ではございません。
○櫻井充君 法制審でどういう議論がなされているのか、済みません、ちょっと承知しておりませんが、しかし、今のような役割をきちんと担っていただいているんだったらまだいいんですよ。ですが、これはマスコミの報道ですから、それは一部かもしれませんけれど、例えば月に一回の取締役会議に出席するぐらいであって、あとはほとんど出席していないと、会社に来ていない方々もいらっしゃるという話なんですね。だったとすると、この人が今大臣がおっしゃったような役割を十分果たしているとは私にはとても思えないんですよ。 しかも、人材として、例えばほかの会社で経営を良くされて、そういう人たちが、そこの会社の例えば社長さんをお辞めになった、会長職をお辞めになった方々がほかの企業から請われて社外取締役になってくださいというなら分かるんですよ。そうじゃない人たちもいっぱいいるわけですよ。なぜかというと、そういう人材が数に限りがあって、しかも十分育成されていないと。 アメリカなどでも人材を育成するまでには相当な時間が掛かったわけであって、そのことを考えてくると、ただ単純に形上置かなきゃいけないと、しかもかなりの額の報酬も支払わなきゃいけないという話になってくると、必ずしも義務化しなきゃいけないという話に私はならないと思っているんです。 その観点からお伺いしたいことは、社外取締りを置いたことによって企業の業績が上がった会社って一体どのぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 この社外取締役の導入が企業価値に与える影響につきましては、幾つかの実証研究の結果が公表されております。 このような研究のうちには、社外取締役の導入が企業価値や企業業績、株主還元の向上に一定の効果があるとするものもございます。また、他方で、社外取締役を置かない場合にはその理由を説明しなければならない規律が平成二十七年に導入された後における社外取締役の導入の効果について、一貫した傾向は見られないか、あるいは一部の小規模な上場会社に関しては株式市場における評価が低下した可能性があるという結果を示すものもございます。 このように、社外取締役の導入が業績の向上に与える効果は、実証的にはいまだ明らかになっていない状況でございます。
○櫻井充君 そういうことなんですよ。一部あるかもしれません。だけど、それはほんの一部であって、繰り返しになりますが、優秀な方が行っているところは確かにあるんでしょう。だけど、そういう人たちじゃない場合がかなり多くて、僕は天下りが悪いとは申し上げません、官僚を辞めた後に何かで生活をしていかなきゃいけないので、私は天下りは否定いたしません。ただし、本当にその方々がその会社の社外取締役にふさわしいかどうかというところが問題なのであって、会社の経営を余りされていない方々が社外取締役になって何の役割を果たすことができるのかということを考えると、かなり厳しいものがあるんじゃないかと私は思っているんです。 済みません、それは、優秀な方々であることは認めます。しかし、それが、民間企業でその能力が発揮できるのかといったらなかなか難しい点もあるんじゃないのかと思っていて、繰り返しになりますが、そういうことも全部含めていって、これはもう時間がないので今日はこの点で終わりにしておきますが、急激に義務化をするようなことはやめるべきではないのかと。企業の判断に任せて、企業の判断において社外取締役が必要であれば導入すればいいし、そうでなければ導入しないという選択肢もあった方が私は、そう思っているので、この点についてはあと中で御検討いただきたいと、そう思います。 それから、もう一つ大きなテーマでお伺いしておきたいのは、少年の犯罪に関して、特に再犯防止ということが大臣の所信の中で述べられていて、極めて大切な視点だと思っているんです。 少年がなぜ犯罪を犯すのかという、まず原因の分析について説明していただきたいと思います。
○政府参考人(西山卓爾君) お答えをいたします。 少年非行の原因については様々な要因が考えられまして、一つに特定することは困難とは思われますけれども、一つには家庭、家族関係、これについて少年非行の要因として存在し得るものと考えております。 その理由に挙げられるものとして、平成二十五年に法務総合研究所が行った意識調査、これがございまして、これによりますと、同年一月一日から三月三十一日までの期間に少年院を仮退院により出所した少年のうち三七・二%の方が非行の原因が家庭や家族にあると回答しているものでございます。 以上でございます。
○櫻井充君 非常に重要なことだと思うんですよ。赤ん坊で悪人はいません。どこかで悪いことを犯すような人間に変わっていくわけですが、本人にとって本当に犯罪を犯したいと思って犯罪を犯しているのかどうかの調査が必要だと思うんですよ。 結局、追い詰められて、家族関係が悪くなって、自暴自棄に陥って犯罪を犯している子もいると思いますし、ましてや最近は、犯罪の件数、外に向けての犯罪の件数は減っていますが、一方で家庭内暴力は増えていますよね。この点は間違いないでしょうか。
○政府参考人(西山卓爾君) 委員の御指摘の点につきましてまでちょっと調査、そこまでは深めておりませんので、なかなか一概にはお答え申し上げられないことを御了承いただきたいと存じます。
○櫻井充君 データ上そうなってきているので、改めて、委員長、この理事会にその資料を提出していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○委員長(横山信一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
○櫻井充君 そうすると、この家族関係をどう変えていくのかというのはすごく大事なことになると思うんですが、犯罪を犯した少年たちは、その更生施設で様々な、何というんでしょうか、カウンセリングなりなんなりというのを受けているとは思うんですよ。じゃ、親は一体そういうカウンセリング等を受けているんでしょうか。
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。 まず、保護観察を受けている少年について申し上げますと、家族との関係というのは非常に重要なものでございますから、家族に対する働きかけというものをしております。 例えば、保護者会を開催して子供に対する関わり方を助言するですとか、あるいは、その必要性はまちまちですが、保護者に対して活用可能な地域の福祉サービスなどについて助言などを行っております。 以上です。
○櫻井充君 僕は今、心療内科医として、ちょっと大臣いいですか、僕は心療内科医として不登校とか引きこもりとか摂食障害の患者さんの診療に当たっているんですよ。ほとんどやっているのは家族療法です。親子関係が改善しないとなかなかこの問題は解決しないんですよ。それと同じだと思っているんです。それを暴力なり犯罪なりのところに向ける人たちもいれば、それから一方で、自分の中で処理しようとしている人たちは引きこもったり、それから摂食障害という、そういう行動を取っていると思っていて、暴走族に走っている人たちと話をしてみると、みんな同じなんですよ。 そうすると、この再犯防止の中で最も大切なことは家族関係をいかに良くしていくかだと、私はそう思っているんですが、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(山下貴司君) 御指摘のとおり、家族関係、非常に重要だと考えております。 委員の御指摘も踏まえつつ、再犯防止計画の中ではそういった環境調整、そういったことも含まれております。そういった中で、例えば家族に対する何らかの働きかけ、カウンセリングの効果的な手法がないかということについては、引き続き再犯防止推進計画の中でも、進める中でも検討してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 ただ、問題は、カウンセラーが果たしてどれだけいるかなんですよ。これスクールカウンセラーも置いていて、スクールカウンセラーの方々に相談してうまくいかなくて私のところに回ってくる方々随分いらっしゃいます。 申し訳ないです。これは医者にも千差万別でいろんなことがあって、私も患者さんから、傷つけられたと、あなたのおかげで私は一生台なしになったと言われた経験もあります。ですから、一概に私が全て正しいとは申し上げませんが、やはりそのカウンセリング業務というのは日本で最も遅れている中の一つだと思っているんです。医者も非常に少ないです。これは診療報酬の関係があります。 是非、この点についてやっていただけるということであれば、そのカウンセリングをする人たちの養成をきちんとしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 私、これ法務大臣の所管外ではありますが、公認心理師法の議員立法の際に櫻井委員に大変御指導いただいて、議員立法、国会の皆様の御指導もいただきながら成立したということもございます。 今後、公認心理師も含めて、こういったカウンセリングの専門家、心理職の専門家、これを再犯防止の文脈でもしっかり活用してまいりたいということはやはり再犯防止推進計画の中でも含まれているというふうに考えておりますので、そういった部分も今の御指摘を踏まえながらしっかりと検討してまいりたいと思います。
○櫻井充君 心理師の方をこうやって活用していただけることは有り難いことだと思いますが、一方で、やはり専門家が必要だと思うんです。犯罪を犯してきている子供たち、家庭内暴力を振るっている子供たち、そこの家族関係に対してどういう介入の仕方をするのかという専門家が僕はいた方がいいと思っているので、それは法務省の所管になるんじゃないかと。それはどこの所管になってやっていくのか分からないけれど、再犯防止を法務省がうたっているんだとすれば、そのことも是非セットでやっていただきたいと、そのことについてはお願いしておきたいと思います。 その上でです、我々、医者として治療している際に、摂食障害で親子関係が悪いときには親子を隔離するようなことをやることがあります。それは、一緒にいた方がかえって症状が悪化するからです。そのことを考えてくると、再犯防止をしていくためには、むしろ親と違う地域で仕事に就かせた方が私はいい場合もあるんじゃないかと思いますが、この点についていかがでしょう。
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。 家族関係の負因が少年非行の背景になっている例というのはあると思っております。 そこで、今委員御指摘のとおり、まず転居させて親子を離させる、そこで安全な環境をつくるということが一つの方策であると考えておりまして、現場においてもそれぞれの少年の状況を勘案しつつ、それを行っているところでございます。
○櫻井充君 ありがとうございます。そう御答弁いただいていますが、現実そうなっていないんですよ。 私は、秘書として、まずですね、こういう犯罪を犯した子たちを雇いたいと法務局に申し出た、地方の法務局に申し出た際に何と言われたかというと、政治的中立を保たなきゃいけないから、それはできませんと言われたんです。うちは摂食障害の子たちを雇ったりして、一人は今香川県で県会議員をやっていますし、そうやって実績があって、何とか更生するために、同じだと思っているので引き受けたいと思っても、こういうことについてまず引き受けていただけていないんです。それはそれで一つ。 それからもう一つ、私の支援者が鳴子という地区で喫茶店をやっていて、近くの子だとやはり親元から通うことになるので、じゃ、東京で、田舎に行きたいという人もいるはずだから、そういう人を探してくれませんかというお願いしたんですよ。だけど、結局はどうなったかというと、地域が違うのでと言われて、その大崎の管内から最初にやりますという話になっているんですよ。 僕は、ここは違うと思うんですよね。やはり、全国の中でも、田舎に行って、親元を離れてもう一回自分でやり直したいと。近所の人たちから白い目で見られているかもしれないし、そういう人たちにとってみれば、遠隔地に行くということは、僕はプラスになることはいっぱいあると思っているんですよ。 そういう意味では、今御答弁ありましたが、今の法務行政上はそうなっていませんよ。ここのところを根本的に変えていただいて、もう少し、何というか、自由度を増すようなことが必要だと思いますが、これは済みません、大臣、いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、家族関係によっては、場合によってはその家族と冷却期間を置いた方がいいという場合もあり得ると思います。 ただ、他方で、家族というのが最終的にその対象者が帰るよすがの場所とすれば、そこから離す、人為的に離す、公権力の介入も入れながら離すということについては、やはり若干慎重な配慮が要るのではないかと考えております。 そういうことも、委員の御指摘もございますので、様々な親子の依存関係が余りに強過ぎるとかえってよろしくないということもありますので、そういうことの研究も深めながら、より効果的な処遇について検討してまいりたいと思います。
○櫻井充君 ありがとうございます。 私は、全員そうしてくれとは言っていません。医療の場合でもそうやって隔離した方がいい場合もあって、そういう治療法もあるので、全員を全員離してくださいと申し上げているわけではありません。ですから、そこら辺も踏まえて御検討はいただきたいと思います。 それからもう一つ、法科大学院についてお伺いしたいと思いますが、結局、この改革を行うことによってお金持ちしか弁護士になれなくなったんじゃないかと思いますが、この点についていかがですか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 現行の法曹養成制度におきましても、法曹となろうとする者の経済的負担に配慮した種々の方策を取っているところでございます。 文部科学省の調査によりますと、最新の実績値である平成二十八年度のデータを見ますと、約九割の法科大学院におきまして、授業料の減免を含む法科大学院生のみが利用できる返済を要しないいわゆる給付型の支援制度を設けるなど、学生の経済的負担の軽減に努めているということでございまして、実際、法科大学院在籍者のうち約四割に当たる約二千人の法科大学院生が各大学が独自に設けている給付型の支援を受けております。 また、これとは別個に又は一部併用する形で、法科大学院在籍者全体の約三割に当たる約千七百人が貸与型の奨学金を利用しております。このうちのほとんどに当たる約千六百人が日本学生支援機構の奨学金を受給しております。この約千六百人が受給しております日本学生支援機構の奨学金のうち、約三百人が成績優秀者として返還免除制度の対象となっております。 また、御案内のとおり、平成……(発言する者あり)
○櫻井充君 済みません、肝腎なことに答えてくださいよ。私が申し上げたいのは、結局はお金の制限が出てくるんじゃないですかということを申し上げたいんですよ。実際そうなんだから。そんなことも分からずに、ただだらだらだらだら、こういう補助金みたいなのがありますみたいな、くだらない答弁やめてもらえないかな。 大臣にお伺いしたい。大臣は弁護士資格をお持ちですよね。
○国務大臣(山下貴司君) 持っております。
○櫻井充君 大臣の当時の資格でなぜ悪いんですか。なぜこんな法科大学院なんかつくらなきゃいけないんですか。法科大学院つくった結果、結局は大学の運営者の人たちの既得権益が生じて、それをやめようと思ってもなかなかやめることができなくなっていると。一般の人たちが弁護士資格を取りにくくなっていると思いますよ。 私は街頭演説をやっていたときに暴走族の子に絡まれたことがあるんです。その暴走族の子たちが何と言っていたかというと、自分は弁護士になりたいんだと、中学しか卒業していないけど、そのために今お金を稼いでいるんだと。そうやって夢描いていた子たちがいるわけですよ。だけど、そういう人たち、現実本当になれなくなっているわけですよね。 そのことを考えてくると、そんな法科大学院よりも、もっと一般的なところで、今まで普通に取られてきた、皆さんが取ってこられたような制度に戻しちゃった方がよほどいいんじゃないかと思いますが、大臣、どうなんでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 私の当時は、合格率がもう二%を多分私のときは切っていたと思います。そういうふうな状況であり、それに対して多年にわたり受験勉強をやることを余儀なくされる。早く受かるためには例えば予備校に行かなければ早く受からない、あるいはその後もずっと受からないまま受験を続けなければならないというふうな問題が様々指摘されておったところでございます。 今回については、そういった司法試験という、私は当時の、ある意味、言わば点、一点における学力による選抜というのではなくて、さらに、我々のときはたしか五百人ぐらいしか合格者がいなかったわけでございますが、さらにプロセスとしての法曹教育をすることによって底上げをして、多様な人材に法曹としてなっていただくということであったわけでございます。 他方で、委員御指摘のとおり、法科大学院に行く経済的あるいは時間的余裕がある者でないと法曹を目指せないのではないかという御指摘もあるので、そういった方々のために例えば予備試験、これを設けたり、あるいは様々、先ほど部長が申し上げたような経済的支援あるいは奨学金の実情、あるいは今般、二十九年には修習給付金ということを設けることにおいて、そういった経済的理由によって法曹を断念するということがないように図っているところでございます。
○櫻井充君 おっしゃっていることは分かるんですが、大臣、だけど、例えば合格率が低いというんだったら、別に弁護士の人たちの合格者数を増やせば済んだ話であって、法科大学院になってから増やしていますよね、弁護士の数を増やそうということでやっていますよね。であれば、当時だってそういうことをすれば合格率は二%ではなかったと思います。 それからもう一つ。浪人して弁護士を目指して勉強している方々がいらっしゃると。でも、それ、法科大学院と何か違うんでしょうか。法科大学院で勉強しているのだって同じですよ。そして、法科大学院に入学されて、じゃ、卒業したらみんな弁護士になれるわけじゃないですよね。ここで弁護士になれなかった人たちは一体どうなるのかということを考えていったら、すごく無駄なお金使わされていると思いますよ。私が親であったとしたら、絶対に法科大学院行かせませんね、私は。親ならですよ。そう思います。だからこうやって質問しているんです。 むしろ、先ほど別な道がありますと言っておられましたが、あのルートの方が今人気になっているんですよ。であったとすると、そのルートをもう少しちゃんと拡大してくれた方が、私はよほど世の中に対して、今、広く人材をという話であったとしたら、法科大学院というものをつくったから、むしろ人材は狭くなっていますよ。だって、ある程度所得の余裕のある人しか来れないんだもの。その点からしてくると、僕は大臣の御答弁ちょっと違っているんじゃないかと、そう思います。まあこれはちょっと、あと一点大事なことやりたいので。 これ、もう一つ、今回これを調べていて、私は前々から、訴訟だけではなくて、海外に進出する際の法務のことを知らない人たちがいっぱいいて、企業の海外進出を妨げるということをずっと申し上げてきていました。そこの中で、今回ちょっと勉強してみたら、日本の弁護士だけでは限界だと大手の企業の人たちが言っていたんですが、その限界とは何かというと、日本では弁護士とのやり取りを秘密扱いにして裁判の証拠から外す秘匿特権が認められていないと。ということらしいんですよ。アメリカだとそこのところが認められているので、結局、米国の資格を持つ弁護士に依頼し直したと書いてあるんです。 日本で、もし、ちょっと今日はこれ通告していません、これ調べておいていただきたいと、今後の課題にしたいと思っているんですが、それ以上に、法科大学院でもし有効に活用するとすれば、弁護士にならなくても僕はいいと思うんですよ。海外の法律に詳しくなって日本の企業の海外進出の支援を行ってくるような、そういう人材こそもっと養成するべきだと思いますが、この点についてどうでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、海外に進出する日本企業が増加しておりまして、現地における法的リスク管理等のニーズが高まっておりまして、日本企業を法的側面から支援するという観点から外国の法制度に精通した専門人材を養成していくこと、これは重要なことだというふうに考えております。この点、法科大学院におきましては、国際的な案件への対応を扱う科目が開講されているほか、司法試験においても国際関係法等を論文試験の選択科目として設けております。 このように、法曹資格を取得するか否かにかかわらず、法科大学院における教育、あるいは法務省が行っております東南アジアの国々におけるビジネス法に関する調査結果等を公表しておりますが、こういった様々な取組を通じまして、法曹有資格者に限られない外国の法制度に精通した人材の養成に貢献してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○櫻井充君 人口減少で海外に企業にもっとどんどん出ていけということであれば、ここの法律の専門家をつくっていかないと、海外での様々なトラブルで困っているところがあるんです。 是非そういう視点も持って法律関係の人材の育成をお願いしたいと、そのことを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(横山信一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。今国会でもどうかよろしくお願いいたします。 先日の法務大臣の所信表明の中にありました成年年齢引下げの件について、まずお伺いをさせていただきます。 午前中も徳茂先生の方から少し成年年齢引下げに対する対応についての御質問がありましたけれども、私の方では、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議という連絡会議での検討状況等を中心にお伺いをさせていただきます。 言うまでもなくというか、成年年齢の引下げというのは、実際に成人になる方のみだけではなく、多くの国民に影響を及ぼすものであり、またその影響の内容も、消費者被害であったり、また成人式というようなことも含めて本当に多岐にわたるものでもあります。そのため、政府一丸となって環境整備に取り組んでいただく必要があると。 それを受けて、今回、今回というか、成年年齢を引き下げる改正法のその当時の審議の中においても、公明党としては、省庁をまたぐ分野横断型の課題について関係府省庁が連携を図るべく、省庁横断型の会議体をつくるようにということを強く要望をさせていただいて、それに沿う形で成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議というものが立ち上げられております。この議長に法務大臣が就いておられるということです。 まず、この、ちょっと長い名前になるんですが、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議がこれまでにどのような開催状況なのか、またこれまでに何を検討されてきたのかについて御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員御指摘の成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議でございますが、昨年四月に第一回、昨年九月に第二回会議を開催しております。 第一回会議におきましては、環境整備に関する個別の施策ごとの工程表を作成するとともに、関係府省庁から各施策の進捗状況などについて報告がされております。第二回会議におきましては、工程表を改定するとともに、法務省の方から国会における民法改正法案の審議経過を報告し、国会審議で指摘された問題点の共有等を図っております。 また、この連絡会議の下に、関係府省庁の課長、室長級により構成されました幹事会を設置しておりますが、この幹事会は、昨年十一月に第一回、本年一月に第二回会議を開催しております。 この幹事会におきましては、これまでに、消費者関係の施策や若年者の自立支援に関する施策につきまして、それぞれの分野の有識者からヒアリングを行うとともに、関係府省庁を交えた意見交換を行っております。 このほか、成人式の在り方等について検討し情報提供を図るために、成人式の時期や在り方等に関する分科会を開催しております。昨年十月に第一回、昨年十一月に第二回、本年二月に第三回会議を開催しておるところでございまして、この分科会におきましては、これまでに、関係する業界団体や成人式の実行委員会経験者などから意見を聴取し、関係府省庁を交えた意見交換を行ったところでございます。
○伊藤孝江君 この連絡会議には、そもそもの出席者、今、過去に二回開催をされたということですけれども、各関係府省庁、大臣が出席をされるということでよろしいんですか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 この連絡会議でございますが、法務大臣を議長とするものでございますが、法務大臣以外の関係府省庁の大臣は構成員ではございませんで、出席はいたしておりません。関係府省庁の方は、局長級の職員の方が構成員となっているところでございます。
○伊藤孝江君 じゃ、その構成、出席者を聞いても、やはり法務大臣がリードをしていくというような立場にあるということはもう確実なんだろうなと思うんですけれども、そもそも、この連絡会議におきまして、法務省また法務大臣に求められている役割について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 法務大臣は、この連絡会議の議長でございまして、会議を主宰するほか、会議の運営に関する事項を定めるなど、この連絡会議の運営に当たって主導的な役割を果たすものと位置付けられております。また、法務省は成年年齢を定めました民法を所管しておりまして、この成年年齢を引き下げる民法の施行のためにはその環境を整備することが非常に重要でございます。 このようなことから、法務省におきましては、成年年齢の引下げに向けた環境整備に関し、関係行政機関相互の連携協力を確保し、総合的かつ効果的な取組を推進するという連絡会議の所期の目的を達成することができるように積極的な役割を果たすことが期待されているものと考えております。
○伊藤孝江君 今、各府省庁の連携協力を確保するというような表現でおっしゃられたかと思うんですけれども、これは、工程表が出されているということもありますが、その各工程の進捗状況を確認、把握をするというようなことでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、この連絡会議におきましては、環境整備に向けた各施策について工程表を作成しているところでございます。この工程表を通じまして、施行日までの取組につきまして関係府省庁の間で情報を共有した上で、連絡会議あるいはその下に設置されました幹事会の場で関係府省庁から各施策の進捗状況の報告を受けて、意見交換あるいは必要な調整を行うこととしております。 また、幹事会では、環境整備に向けた施策の在り方について、先ほど申し上げましたとおり、有識者からのヒアリングなども行った上で関係府省庁の意見交換を行っております。その結果を今後の施策に反映させていく予定でございまして、このようなことで進捗を管理していくというものでございます。
○伊藤孝江君 当時、成年年齢の引下げの審議の当時に、当時の上川大臣の答弁として、個別の施策ごとに工程表を作成した上で、その実施状況を連絡会議の構成員である関係府省庁が相互に確認をし、施策の進捗状況を管理するということを予定している、また、政府としては、連絡会議における進捗管理等を通じまして、関係施策の推進にしっかりと取り組んでまいりたいということを答弁されておりますので、今の御答弁とも重なるところかと思いますけれども、この進捗状況の管理、また情報を共有する、そして各省庁の調整をしていくということが法務大臣に求められている役割ということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、この連絡会議あるいは幹事会では、工程表に記載されました項目の進捗状況について関係府省庁から報告を受けるだけではなくて、この進捗状況について意見交換ですとか、あるいは必要な調整を行うこととしております。 したがいまして、連絡会議の議長であります法務大臣あるいは構成員である法務省職員が、各省庁の取組の内容等についてこの連絡会議の一員として意見を述べるということも予定されているところでございます。 これまでも、幹事会における意見交換では、法務省を含めまして、関係府省庁の出席者が相互に積極的に意見を述べておりまして、今後とも、関係府省庁の取組状況を注視して、必要に応じて法務省から意見を述べてまいりたいと考えております。
○伊藤孝江君 本日、資料として工程表を配付させていただいております。「成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議」工程表ということで、二〇一八年九月三日時点ということで、これを最新のものとして法務省から受け取りましたので配付をさせていただいております。 ここに、ちょっと、ちっちゃな字で済みません、見にくい面もあるんですけれども、大きな柱としては、まず一ページ目の若年者の消費者教育、消費者保護について、二ページ目の与信審査について、また同じく二ページ目の若年者自立支援について、そして三ページ目にあります改正民法の周知活動についてと成人式の時期や在り方等についてという、大きな柱としては五個、そして、その中の項目としては二十九の項目において成年年齢の引下げに向けて、実施に向けて進めていく工程表が配られているというふうに説明を受けております。 先ほど来、進捗状況の管理、また各省庁の役割であるとか業務の調整機能を法務省ないしは法務大臣が積極的に進めていくんだということを御答弁いただいているわけですけれども、この工程表を見て、実際そんなことができるのかというところをまず一つ疑問に思うところがあります。 工程表、当然、長い期間のもの、短期的なもの、いろいろあるかと思いますけれども、例えばこれで、一ページ目の二項目の大きな項目としては、高等学校等における消費者教育の推進、その中で二番の学習指導要領の徹底をするということで、文科省が担当をされているところです。 ここでは、現在までの取組として、「学習指導要領の趣旨の周知・徹底を図り、社会科や家庭科を中心に各教科等において充実した消費者教育を推進するほか、法教育、金融経済教育等も充実。全国の都道府県教育委員会の指導主事等を対象とする会議において、新しい高等学校学習指導要領の趣旨の徹底を図った。」というふうにあるんですけれども、二〇一八年度から実際に成年年齢が引下げとなる二〇二二年の前まで、二〇二一年度まで、結局、工程表の中身は「学習指導要領の周知・徹底」というこの一文しかありません。 実際に進捗管理の状況を、例えば学習指導要領の徹底というところでは、これからどういうふうにされているのか、また、あるいは現在どんなふうに管理をしているのか。そして、一般論としての進捗状況の管理、作業の調整というのを具体的にどのように法務省、法務大臣が行うことができるのかということについて御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 先ほど進捗管理の一般的な方法につきましては御説明させていただいたところでございます。例えば、御指摘のこの学習指導要領の徹底につきましても、今後また幹事会あるいは連絡会議というものを適宜に開催していくということになろうかと思いますが、そういった機会におきまして、この学習指導要領の周知徹底に向けた具体的な取組について、その時点での担当府省庁である文部科学省の方から報告を受けた上で、その報告を踏まえてまた関係府省庁の間で意見交換等を行い、相互に進捗状況を確認するなどしてその管理に努めてまいりたいというふうに考えております。
○伊藤孝江君 幹事会や連絡会議で、その時点での進捗状況について文科省に報告をしてもらうといっても、実際にその想定していたこと、やるべきことをやれているのかどうかというのが、こんな工程表ではとても判断することはできないと思うんですけれども。特に学習指導要領でいうと、学年単位、一年を期間として年度という単位で考えていくことが多いでしょうから、一年に一回か二回されている会議で今どうしていますかということを秋口だの冬だのに確認されたところで、何もできなくなってしまう。 その辺りも含めて、連絡会議、幹事会で聞いてその場で判断しますというのでは何の管理にもなっていないというふうに思うんですが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 幹事会等につきましては、適宜のタイミングで回数を開催していきたいというふうに考えております。また、こういった環境整備につきましては、先ほど申し上げましたとおり、幹事会で有識者からのヒアリングも行っておりまして、そういった方々からの御指摘といいますものも関係府省庁の中で共有しているところでございます。 そういったことも踏まえまして、文部科学省からの報告を受けて、関係府省庁の間で今後の方針についていろいろと意見交換等を行って進捗管理をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○伊藤孝江君 全然質問に答えていただけていないような気がするんですけれども。何をすべきか、いつまでにどんなことを例えばゴール地点とするとか、こういう取組をするということがはっきりしないことには調整も管理もできない。 今たまたま学習指導要領のところを挙げましたのでそこをお聞きしましたけど、ほかのところを見ても、結局二〇一八年度以降、取組を推進、取組を推進、協力しますみたいな文で、とてもじゃないけれどもこれを工程表と言えるのかというところからの出発点じゃないかなというふうに思います。 各省庁がどんな取組をしているのかということを具体的に把握することもないままで、議長です、また調整していますということを言うのもいかがなものかというところを思うんですけれども、その点いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) 議長を務めておりますので答弁させていただきますが、確かに学習指導要領の周知徹底という工程表の記載自体は年度を通じてこれだけかというふうな御指摘もあるんですが、これは元々、施策内容として、目的としては高校等における消費者教育の推進ということでございまして、学習指導要領はそのパーツの一つでございます。 我々重視しておるものの一つに、高校等で消費者教育教材等を使っていただくということも考えておりますが、それにつきましては、例えば「社会への扉」という教材がございまして、これを二〇二〇年度までにこれは全高校で実施するであるとか、あるいは、例えば実務経験者の学校教育現場での活用というところで消費者教育コーディネーターを配置するということで、年度ごとに達成可能なものを、これ項目一から二十九までの間で設定しているところでございます。 そして、学習指導要領というのは大きな、ほぼ十年に一度改正されるものでございますから、その進捗状況もしっかり見ていく必要があるんですが、その中に、例えばこの「社会への扉」の活用状況であるとか、そういった学校教育の現場においてやっていくということが必要であろうと思っております。 いずれにせよ、この連絡会議につきましては、御党の御指摘というか御提言、これを踏まえて、従来ともすれば縦割りだった各省庁間、これを横串を通すという組織でございまして、私が議長でありますが、関係省庁については局長級という所管法について極めて大きな権限を持つ立場の者がいて、その調整は内閣副長官補という、これも官僚的には非常に高い地位の方がおられるということで、政府を挙げてこの工程表を実現していく体制ができたというところでございまして、御党の御提言に深く感謝しているところでございます。
○伊藤孝江君 今の大臣の御答弁からしますと、法務省又は法務大臣は、単に他の各省庁から今何をやっていますかということの報告を聞くというだけではなく、それに対するスピード感なのか内容なのかということに対して意見を申し述べるという場の一つがこの連絡会議であるというふうに理解してよろしいわけですね。
○政府参考人(小野瀬厚君) 今委員の御指摘のとおり、法務省の方がこの進捗状況についてしっかりと聞いた上で積極的に必要に応じて意見を述べていくと、そういう立場でございます。
○伊藤孝江君 日頃縦割りというような表現をされますけれども、それぞれ専門分野があるわけで、その各省庁の専門分野の取組について、内容又はそのスピード感に対して法務省あるいは法務大臣が意見を述べるということが実際にどこまで可能なのかというところは不安に思うところもありますけれども、その点、大臣、いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) 実際に、例えば幹事会においては、法務省の方から意見を述べさせていただいたり、あるいは発言を促したりということをさせていただいているところでもございます。 また、連絡会議自体においても、そこで例えばどういうふうな議事進行になるのかということを検討する過程の中において、各省庁ともしっかりと意思疎通を図ってやっていく、何らかのプロダクトを出していくということでやっておりますので、そういった中で、我々、成年年齢引下げの法律であります民法の所管省庁として、しっかり意見を言っていく、民法の成年年齢引下げの趣旨をしっかりと踏まえていろいろなことを申し上げていくということは現に行っているところでございます。
○伊藤孝江君 頼りにさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。 この成年年齢引下げの中で法務省が受け持たれている取組で、午前にもお話ありましたけれども、この改正民法、成年年齢が十八歳に引き下がりますよということの周知徹底をしていくというのが法務省が担っている役割の一つということでも理解をしております。 法務省が取り組まれている具体的な周知活動について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 この周知活動の具体的な内容といたしましては、まず法律が成立した直後でございますが、昨年六月に改正の概要を分かりやすく解説する記事を法務省のホームページに掲載しておりますほか、映画会社などとタイアップいたしまして、全国の中学、高校、大学等にポスターの掲示を行っております。また、テレビ番組やインターネット動画を作成、放映するなどもしております。さらに、改正の概要に加えまして、QアンドA、消費者トラブル等があった場合の問合せ等を分かりやすく記載しましたパンフレットを作成して、市区町村、高校、中学、消費生活センター等に配布しております。 さらに、新しい取組といたしまして、二十九歳以下の若者を対象とした動画コンテストを開催いたしまして、こういった参加型の周知活動も行っているところでございます。
○伊藤孝江君 今、ポスター、映画会社と連携してポスターを貼っているということで、私もお伺いしたときには本当に画期的な、また目を引くポスターなのかなというふうに思っていたんですけれども、このポスターというのは、実際に高校とか中学、今おっしゃったような学校などに全校に貼られているとか、そういうものなんですか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 このポスターでございますけれども、全国の中学校、高等学校、大学等に配布しておりまして、約三千五百か所に合計で二万枚ほど配布しているものでございます。この映画が二つほどございまして、ですから、それぞれポスターが二つあると、こういう状況でございます。
○伊藤孝江君 ポスターというと、私とかは、古いイメージというのか、いついつから成年年齢が十八歳になりますみたいなのがぱしって書いてあるようなポスターなのかなと思ったら、基本的には映画の宣伝のポスターですので、ほぼ九割以上映画の普通のポスターで、下の方に帯で、二〇二二年から成年年齢が十八歳に下がりますって入れられているという、そういうポスターですよね。
○政府参考人(小野瀬厚君) 御指摘のとおり、映画の宣伝ポスターでございますのでその部分の面積が多いわけでございますが、そういった、映画に興味がある方がまずそのポスターを目にしていただいて、それとともにこの成年年齢についての情報を得ることができる、こういったものを狙ったポスターでございます。
○伊藤孝江君 当然、そういうポスターを見て、下にある帯を見てもらえると一番有り難いかなと思うんですが、本来であれば、きちんと中学生、高校生に、二〇二二年から十八歳成年になるという、まずそこと、あと消費者被害どうこうというようなことを伝えるためのツールを作らないといけないと思います。 映画に関しては、法務省の方での予算ということではなく、映画会社の宣伝に乗せていただいたという事情でしょうから、なかなか難しいところはあるんですけれども、法務省自身として広報するためのものをきちんと作っていくということをお考えにはならないんですか。
○政府参考人(小野瀬厚君) 先ほど申し上げましたとおり、パンフレットを作成しまして、約二十六万五千部でございますけれども、様々なところに配布しております。今後も引き続き様々な媒体を利用しまして、法務省独自の周知活動として進めてまいりたいと考えております。
○伊藤孝江君 その配布場所ですけれども、どういう場所で配布をされていますか。
○政府参考人(小野瀬厚君) パンフレットでございますが、都道府県、市区町村のほか、各地の弁護士会、裁判所、法務局、司法書士会、教育委員会、それからあとは高等学校、中学校等に配布しております。
○伊藤孝江君 高校、中学には、全校あるいは全生徒に回るように配布をされているんでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) 日本全国の全ての高等学校、中学校というほどの部数ではないというふうに承知しております。
○伊藤孝江君 そもそもの部数自体がそういう部数ではないんだと思うんですけれども、今、パンフレットを配布していますと、中で例えば役所とか法務省とかいろんなところに渡したとしても、とっても中学生、高校生がそれを目にするようにはなかなか思い難いと。きちんと費用を掛けて広報をしていく、理解をしてもらうということであれば、ちゃんと中学生、高校生又は大学生に届くような形のやり方を考えないといけないんじゃないかと思うんですけれども、その辺りのその広報の仕方について、法務省、これから考えておられることがあればお教えください。
○政府参考人(小野瀬厚君) 御指摘のとおり、特に御本人といいますか、若者に対して情報を発信するということが非常に重要だと考えております。具体的には、若者向けといたしましては、若者との意見交換会を開催するということを予定しておりまして、そういった活動を通じましてそういった若者の方々への周知活動にしていきたいというふうに考えております。
○伊藤孝江君 その意見交換会が何万か所、何十万か所で行われるわけではないでしょうから、その辺りも含めてこれからの広報活動についてきちんと取組をしていただきたいというふうに思っております。 この法務省の周知活動についてということもありますし、また全体についてということで、改めて成年年齢の引下げに関して、当然、十八歳になるということだけではなくて、そこから生じるかもしれないリスク等の、消費者被害に遭わないようにとかいろんなことを啓発活動をこれからしていかないといけない中で、大臣の思いについてお教えいただけますでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 本当に伊藤委員におかれては、やはり弁護士として御活躍でもありまして、そういった面から様々な、いろいろと具体的な御指摘ありがとうございました。 それで、確かに法務省の広報がまだまだ十分ではないということは我々も認識しております。他方で、その広報というものについて、例えば先ほど御指摘した「社会への扉」という消費者教育教材、こういったものは全生徒に渡るわけですね。その上で、例えば先ほど言った映画の広告であるとか様々なもので重畳的に周知活動を盛り上げていくということでやらせていただきたいというふうに考えております。 そして、御指摘のとおり、やはりこれは対象となる未成年、今、未成年である十九歳、十八歳のみならず、それの、例えば取引の相手方となる社会全体の問題でございますので、そうしたことについてしっかりと啓発をやっていくということを考えております。 それは各省庁にまたがる部分でもございます。消費者教育であるとか、そういったこともございます。あるいは業法において、そういった所管業を抱える省庁からもしっかりとやっていただくということで、これは連絡会議のメカニズムあるいはその下の幹事会のメカニズムをしっかりと活用して、政府を挙げて周知を図っていきたいと考えております。 また、委員からの貴重な御提言も踏まえて、しっかりと私も連絡会議議長としてのリーダーシップを発揮して周知を図ってまいりたいと考えております。
○伊藤孝江君 ありがとうございます。よろしくお願いします。 この成年年齢の引下げに関して、夫婦が離婚をした場合に子供の養育費を何歳まで払うのかというところの問題として、これまで扱われてきたことについて少しお聞きをしたいと思います。 離婚の際に子供の養育費の支払時期を決めるに当たりまして、例えば調停とか和解、審判というような場所では、表現として、子が成年に達する日の属する月までというふうな文言を用いることが多いということで、この文言の解釈について法務省の見解を確認させていただきます。 まず、成年年齢が十八歳となるこの民法が改正がされる前に、成立する前にこのような合意がなされているときには、成年に達する日というのは二十歳ということで考えていいということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 お尋ねのような取決めがされた場合のこの成年の文言の意味するところでございますが、それは最終的には当事者の合意等の内容によって定まるものと考えられます。 ただ、民法改正法の成立前におきますれば、その当時は成年年齢は二十歳でございますので、例えばその成年年齢に関する法改正があり得るということを想定して、それに連動させる意思を有していたと、こういったような例外的な場合を除きますと、成年に達する日という文言は二十歳に達する日という意味で用いられたものと考えられます。 したがいまして、最終的には裁判所の判断に委ねられることではございますが、改正法の成立前にされた合意等につきましては、成年に達する日というのは二十歳になる日という意味で用いられている可能性が高いものと考えられます。
○伊藤孝江君 例えば今回、今回というか今のような状況ですね、民法としては、改正法が成立して二〇二二年四月以降は成年年齢が十八歳になるということは確定をしていると。ただ、施行はまだである。十八歳になるということはもう公知の事実だというふうに評価もできるかと思うんですけれども、法成立後、施行前の今の状況の中において、二〇二二年四月以降に十八歳となる子供、例えばもう五年後に十八歳になります、十年後に十八歳になりますというための、子供に関する養育費をこの現状で定めた場合に、子が成年に達する日というのは、十八歳と考えるべきなのか、施行されていない以上二十歳というふうに考えるべきなのか、この点に関してはいかがでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) 先ほども申し上げましたとおり、この成年という文言が意味するところが二十歳なのか十八歳であるかというのは、当事者の合意等の内容によって定まると考えられます。 現時点で成年年齢の引下げを内容とする民法改正法が成立しているわけでございますが、この成立後ということになりますと、その改正内容の周知が進んでいるということもありまして、可能性としましては、当事者が成年という文言を十八歳という意味で用いて合意するケースもあるものと思われます。ただ、最終的にはこの当事者の合意の内容の解釈ということになりますので、個別の事案ごとに裁判所が当事者の意思を解釈して定めることになるものと思われます。
○伊藤孝江君 当事者の合意によるというのはもちろんそうなんだと思うんですけれども、じゃ、ちょっと済みません、通告の中には入れていないんですが、裁判所の例えば審判の中でこのような表現というのは、子が成年に達する日が属する月までという表現は、もう今現在は用いていないということですか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 私どもも、この養育費の支払期間の定め方につきましては、成年に達する日が属する月までといった定め方ですと後日紛争が生ずるおそれがあるということでございますので、具体的には子供が二十二歳に達した後の三月までとか、そういった定め方をするようにいろいろ周知しているところでございます。 裁判所の方も、成年に達する日が属する月までといった定め方をいたしますと、結局これの解釈は当事者の意思を推測することとなる、こういったことは最高裁判所から下級裁判所に対して周知がされているものと承知しておりますが、具体的にその下級裁判所においてどのような定めがされているかというところまでは、申し訳ございませんが、承知はしておりません。
○伊藤孝江君 合意がどうだったのかというところを、後でやっぱり紛争になってしまうというのは誰にとっても好ましい話ではありませんし、実際にその成年に達する日が属する月までという表現を用いなければならないわけでもありませんので、今おっしゃられたような、十八歳になるときとか、二十歳とか、大学出るときとか、明確な基準を設けることが別の表現でも可能なわけですよね。特に今のようなあやふやな時期においては、子が成年に達する日が属する月までという表現でもし紛争が生じそうであれば別の表現を用いることを含めて、きちんと周知なり、特に裁判なりの関係者であるとか当事者の方であるとか、していくべきであると考えますけれども、その辺りについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、この養育費の定め方によって後日紛争が生ずるということを防止するというのは極めて重要なことだと考えております。 私どもといたしましても、先ほど申し上げましたとおり、具体的に例えば子供が二十二歳に達した後の三月までといったような定め方をするように説明してきておりまして、この点は政府広報オンライン上のテレビ番組でも解説しておりますし、市区町村等に配布しております養育費や面会交流の取決めをすることの重要性等を説明しましたパンフレットがございますが、そのパンフレットにおきましてもそういった趣旨のことを記載するなどして周知に努めてきているところでございまして、今後ともこの点につきましての周知に努めてまいりたいと考えております。
○伊藤孝江君 済みません、通告させていただいた項目ちょっとありますけれども、今日はもうここで質問終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。よろしくお願いいたします。 本日は、三月七日の大臣所信の二十八項目に及ぶ内容について、一つ一つ時間の許す限りお伺いしたいと思います。 まず、四ページの最初の児童虐待防止につきまして質問させていただきます。 もう皆様よく御存じの千葉県野田市の痛ましい児童虐待事件などがございまして、児童虐待防止対策については政府全体として取り組むということになっておりますが、これは非常に過渡期にあると思っております。 ここ法務省におきましても、政府の一員として大臣がおっしゃっていることは、法務省として人権擁護機関における相談等を通じた事案の早期発見等の取組を進めてまいりましたとなっておりまして、実績を強調していらっしゃいますが、人権擁護機関で児童虐待に対してどのような相談に乗ってこられたのか、相談業務のほかにどのような活動をしてこられたでしょうか。さらに、相談業務の際に実際に事案を早期発見できたということはございますでしょうか、お答えいただきます。政府参考人の方にお願いします。
○政府参考人(高嶋智光君) お答えいたします。 まず、法務省の人権擁護機関、具体的には全国各地にございます法務局、地方法務局でございますが、ここにおきまして、子供の人権を守ろうということを一つの大事な目標として掲げまして、各種啓発活動を行っているところでありますが、このほか、子供が相談しやすい体制をつくるために三つのことをやっております。 一つは子どもの人権SOSミニレターというものでございまして、二つ目は子どもの人権一一〇番というフリーダイヤルでございます。それから三つ目がSOS—eメールというメール相談窓口でございます。 このうち、最初の子どもの人権SOSミニレターと申しますのは、全国の小中学校の児童生徒全員に対して、毎年一回、相談用の便箋と封筒を兼ねた用紙を配付しまして、人権侵害の被害や悩み事を書いてもらって無料で送ってもらえるような、そういうものでございます。 さらに、児童虐待等の人権侵害の疑いのある事案を認知したような場合には、人権侵犯事件として立件、調査しております。その際には、子供の生命、身体等の安全ということを最優先にしまして、児童相談所等の関係機関と連携して被害児童の保護を図るなど、事案に応じた適切な措置をとることとしております。 具体的な事案についての詳細は申し上げることはできないんですが、抽象的に申し上げますと、二件ほど御紹介させていただきますと、いずれもSOSミニレターを通じて認知した事案でございますが、小学生から母親から虐待を受けているというミニレターが送付されまして調査を開始いたしました。このときは、緊急性があると判断いたしまして、直ちに小学校と児童相談所に連絡した上で、その日のうちに児童相談所とも協議を行い、小学生に対する見守りを徹底し、かつ情報共有体制を構築しました。その後、関係機関からの母親に対する働きかけによりまして、暴力がなくなり家庭環境が改善したことが確認できたという案件でございます。 もう一件は、父親から性的虐待を受けているというふうに、小学生からのやはりこれもSOSミニレターがございまして調査を開始いたしました。緊急性があると判断し、直ちに児童相談所及び小学校に連絡をいたしまして、関係機関集まりまして、かつ法務局と人権擁護委員が被害者と面談した上で、その確認を得た上で、児童相談所に対応を引き継ぎ、一時保護していただいたという案件でございます。
○石井苗子君 ありがとうございました。 二件ということなんですが、この問題は、相談が来る、助けてくださいというふうに言ってくるのを待つ、待って救うということ以外にも手を差し伸べなければ子供の命が救えないというところが非常に、手遅れにならないようにする、待っていて救えること以外のことをやっていかなければならないというのがこの児童虐待防止につながるわけなんですけれども、ただいまのところ、子どもの人権一一〇番、SOSメール相談ですね、それからミニレターは全国の小中学校に配付するということなんですが、それもやっぱり今の二件のように、かなり理解力があって訴えてくる子供たちを待っていなければならないということなんです。 その際に、法務局の職員や人権擁護委員は児童の相談に乗るためにいらっしゃるんですが、何か必要な資格を持っていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(高嶋智光君) 法務局の職員は一般の国家公務員でございます。それから、人権擁護委員も特段の資格はございませんが、地方の推薦を得て法務大臣が任命するという形でございます。特定の資格はございません。
○石井苗子君 今までもお話があったと思うんですけれども、櫻井先生からもありましたが、子供の命ということを守って、今ある命を守らなければならないわけで、これは、殺害というところに至ってしまった後、その罪の重さを量るというような形の議論をしているわけではないのでありまして、ですので、子供の人権という立場に立った強い権限を持つ人、あるいは資格のある人というのを徹底して置いていくというルールを作っていくことは可能ではないかと思うんですが。 例えば公認心理師でもそうですけれども、子供の人権ということですから、ここに至っては子供が悪かったということは児童虐待においては本当に例がないと私は思うんですが、子供の人権の立場に立って物を言う人と人権擁護委員というのでは多分拮抗することもあるかもしれませんが、ここは法務大臣、子供の人権擁護の立場に立って、強い権限を持つ人の設定というのをルール作りしていく必要があるとお考えかどうか、お聞かせください。
○国務大臣(山下貴司君) まずは、ここは児童相談所というものをしっかり機能させていくということを政府を挙げてやる必要があるんであろうと思っております。 我々もちろん人権擁護機関を持っておりますが、そうした児童相談所であるとかあるいは人権擁護の関係、こういった方々がしっかりと情報連携して共有していくということが必要になってくるんだろうと思っております。そういったところを通じて、今ある制度で実効性を持たせるとともに、更に改善すべきところがあればしっかりと改善をしていくという形で、政府を挙げて取り組んでいきたいと思っております。
○石井苗子君 検察や法務省というところの機関を考えますと、組織的に直接児童虐待を防止することが難しいんではないかというイメージを持っているんですけれども、先ほどですと、SOSミニレターを全国の小中学校に配付すると。 もしかしたら、自分で言うのは怖いけど、子供が子供を見守って、子供が子供を救うというようなことも将来的には考えていける、こういう側面はどうかと思うんですね。 例えば、私の身近にいた例でございますけれども、母親が、余りにも父親が子供を虐待しているのを見るに見かねて、今日は家に帰ってくるなと。学校に送ったら、その足で警察に行けと言ったらしいんですが、その後、母親が暴力に遭って重傷を負うということでうちの病院に来たんですが、事情を聴くとそういうこともあります。命懸けで子供を助けたということなんですけれども。その場合に、知っている子供に助けてもらうように言えということもできるんじゃないかなと。これは、私が、ちょっと、子供が子供の命を守るというようなルールを作っていけないかなと思いました。 というのも、その背景には、児童虐待防止のための検察やそのほかの法務省の機関というのはどの程度のことまでできるのかなと。どんなことを今検察やそのほかの法務省の機関はやっていらっしゃるのか、どのようなことができるのかなという質問をしたいと思います。政府参考人の方にお答えいただけますか。
○政府参考人(西山卓爾君) お答えいたします。 法務省において、児童虐待の早期発見、早期対応に関する取組として、先ほど人権擁護局長からお答えした人権擁護機関における取組のほか、少年鑑別所においては、地域の少年や保護者などからの相談にも応じておりまして、これらを通じて児童虐待等の発見に努めるとともに、子供の非行や問題行動等に悩む保護者に対しては心理教育プログラムの実施をするなどし、児童虐待の未然防止を図っております。 また、少年院や保護観察所においては、在院者や保護観察対象者の被虐待経験等を的確に把握し、関係機関と連携しつつ、適切な指導や支援に取り組んでおります。 加えて、検察においては、児童の負担軽減及び供述の信用性確保の観点から、警察及び児童相談所と連携し、被害児童の事情聴取に先立って協議を行い、代表者が聴取をする取組、いわゆる代表者聴取を実施しているところでございます。 検察当局においては、刑罰権を適切に行使するとともに、再犯により児童が繰り返し被害を受けることがないようにするとの観点から、引き続き、代表者聴取の実施も含め、関係機関との適切な情報共有に努めていくものと承知をしております。 そのほか、日本司法支援センター、通称法テラスにおいては、改正総合法律支援法に基づきまして、平成三十年一月から、児童虐待事案や児童虐待を伴うDV事案等についての法律相談援助を実施しております。 法務省といたしましては、今後とも、関係機関とも連携しつつ、児童虐待防止対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○石井苗子君 ちょっと疑問を感じながら聞いていたんですけれども、いろいろな横の連携を取っているように聞こえてくるんですが、どうしても機関的に検察とか警察とか法務省というのは虐待防止については余り踏み込んでいけないから相談や案件があったときにはというような説明に聞こえたんですが、もう一度お伺いしますね。 虐待を受けているお子さんが、子供が、自分で少年鑑別所に相談に行くということは、素人ですけど、あり得ないと思うんですが、実際に相談に来られたという例があったら教えてください。
○政府参考人(名執雅子君) 委員御指摘のとおり、少年鑑別所は少年の非行に関する専門機関でありまして、現在、法務少年支援センターということで一般の相談を広く受け付けているところでございます。 その中で、児童虐待事案、疑いも含む対応としましては、児童福祉機関等と連携した例、全国で十八庁ございます。その詳細について今持ち合わせておりませんけれども、例えば、学校の中で問題行動が見られた生徒で、この者に支援を開始したところ、家庭内での身体的虐待などがうかがわれたことから、児童福祉機関と連携して心理的なカウンセリングを継続的に行った事例はございます。 委員のおっしゃいました、自分から少年鑑別所に出向いてということで虐待が発見されたという事案は今のところ承知はしておりません。
○石井苗子君 要するに、こういうことが増えているので困っているから今後どうして対策を練っていこうかというような相談、機関の相談はあるけれども、子供を直接救っていくということにはまだちょっと手が足りていない、知恵が足りていないという感じがするんですね。 私は、やはりこれは、一つの機関ではなくて、あらゆるところに横串を刺していくとさっき大臣がおっしゃっていたようなところにつながっていくと思うんです。 例えば四ページの特別養子縁組制度の利用促進というところがございまして、児童養護施設等には保護者がいないことや虐待を受けていることなどで多くの子供たちが入所しており、その中には、特別養子縁組を成立させることにより、家庭内において養育することが適切な子供たちも少なくないと指摘されております、そこで、特別養子制度の利用を必要とする子に広くその機会を与えるために、養子となる者の年齢の上限の引上げ等の措置を講ずる民法等の一部を改正する法律案を本国会に提出する予定ですと書かれてありますね。 これなんですけれども、これ、年齢、上限年齢が引き上げられるということなんですが、何歳になりますか。確認のために言ってください。
○政府参考人(小野瀬厚君) 現行の民法では、養子となるべき者は原則として六歳未満、例外的に八歳未満となっておりますけれども、今回考えておりますその改正といたしましては、原則十五歳未満、例外的には十五歳以上であっても十八歳までは養子となることができる、このようなことを考えております。
○石井苗子君 私は、いろいろな組合せで虐待の防止対策をつくっていって、今ある命を守るために特別養子縁組の年齢を引き上げたらどうかと発言した人間なんです。つまり、子供の方から今の親は嫌だというふうに言い出せるチャンスを作ったらどうかと。五歳、六歳だったら何も分からない、これが十五、十六になれば少しは、十三歳ぐらいから今の状態では自分は幸せになれないと分かると思うんですね。 ところが、虐待を受けて児童養護施設に入所している児童がいたとしますが、ここに養い親を見付けることができなければ、年齢を変えるとかいう制度を変えても余り意味がないわけですね。その特別養子縁組を成立させることが適切な子供たちの養い親を見付けるということになるわけです。 だから、この見付けることにおいて、現在どのような方法でやっていらっしゃいますか。厚生労働省の政府参考人の方にお伺いします。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。 養子縁組のあっせんにつきましては、児童相談所と養子縁組あっせん法の下で事業運営の許可を得た民間のあっせん機関とがそれぞれ実施をしておりまして、これらの機関が養親となることを希望する方々を募集をしているというところでございます。その上で、希望する方々のうち、必要な研修を修了した方からこれらの機関が子供の状況に応じまして適切な養親候補者を選定しているというところでございます。 厚生労働省といたしましては、特別養子縁組制度の周知啓発を通じまして養親候補者の確保に取り組んでおりまして、平成三十一年度予算案においても、様々な広告媒体の活用ですとか民間あっせん機関との共同の形で広報啓発を行う事業を盛り込んでおりまして、引き続き、社会的養護が必要な子供たちに家庭的な養育環境が確保できるよう、特別養子縁組制度の利用促進に取り組んでいきたいと考えております。
○石井苗子君 児童相談所と民間あっせん業者というのがマッチングを行っているんですが、書かれてあるように、施設に入っていて保護者がいない子と虐待を受けている子供たちの数が増えている。人数が多い、人手が足りない、お金が足りない、場所がないと、こういう問題があるんですけれども、ちょっと整理をしていただきたいと思うんですね。 上限が、さっき十五歳未満、それ以上でもいいんですがというふうに、今までは五歳とか六歳、八歳ぐらいまでだったのが上がりましたと。今後、特別養子縁組ができる上限の年齢が引き上げられるとして、年齢が上がったために養い親が見付かりにくくなっていくという問題もあると思うんですね。何らかの検討をしていらっしゃるでしょうか。あったらお聞かせください。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。 仮に現在検討されている民法の改正等によりまして特別養子縁組の年齢の上限の引上げが行われた場合でございますけれども、そうしますと比較的年齢の高い児童まで特別養子縁組の対象が広がることとなります。特に思春期に差しかかっているようなお子さんなど、マッチングに十分配慮すべきケースもあり得るというふうに考えておりますので、委員おっしゃるとおり、より一層の養親候補者の確保が必要になろうかというふうに考えております。 このため、法務省などとも連携をさせていただきながら、特別養子縁組制度の趣旨、内容の一層の周知啓発に努めるほか、児童相談所などにおける養子縁組成立後の養親子の支援体制についても構築をして、安心して養子縁組ができる環境を整えていくということで必要な養親候補者が確保されるように取り組んでまいりたいと考えております。
○石井苗子君 今の答弁でもちょっと引っかかるというのが、これ、ルールが非常にややこしい。 この特別養子縁組という制度ですけれども、五歳とか六歳の場合とか、十五歳、十六歳の場合、思春期かどうかというのはその個体差というのもあると思うんですけれども、もう一回整理してお伺いしたいんですけれども、養い親と元の親というところに関して、子供の立場からしてどのようなルールになっているんでしょうか。途中から知らなければならないとか、十八歳になったらどうしなければならないとかというのをちょっと整理して説明していただけますか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 年齢要件でございますけれども、今考えております改正案といたしましては、原則として十五歳未満でございまして、例外的に、例えば十五歳になる前から養育しているですとか、であり、かつその十五歳になるまでに特別養子縁組の申立てをすることができなかったと、できなかったことについてやむを得ない事由がある、こういったような例外的な場合には十五歳以上でも養子縁組の養子となることはできますけれども、十八歳未満に限ると、十八歳に達した場合には養子縁組をすることはできないと、こういう年齢要件でございます。 また、子供の関わり方につきましては、十五歳以上の場合にはその子供の同意が必要だというような制度にしておるところでございます。
○石井苗子君 確認です。育ての親、生みの親とありますけれども、子供の立場に立つと、確認ですが、生みの親のところに帰らなければいけないとか、必ず育ての親は生みの親が違うんだということを言わなければいけないとか、そういうルールはありますか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 特別養子縁組が成立いたしますと、実の親との間の法的な親子関係はそこで切れるということになります。また、そういった特別養子の縁組のことを告げなければいけないかどうかとか、そういったことにつきましては、法律上の規律というものは一切ございません。
○石井苗子君 ありがとうございました。 私は病院に勤めているんですけど、不妊治療をしている女性が非常に多くて、そういうところにも、周知徹底とおっしゃっていましたので、国としてはこういうような児童虐待防止対策に励んでいるのだというようなことで、特別養子縁組もあるのだとかいう、考える選択肢の広がりというのを見せていただいて児童虐待防止法につなげていきたいなと思っておりまして、次の、これは大臣の所信の五ページにつながっているんですけれども。 今のように正しく適切なルールの周知徹底をしないと、この無戸籍状態の解消というところにつながってくるんですけれども、児童虐待は、やむを得ずその出生のいろいろな経緯や背景が複雑なために虐待にという、子供が、まさしく子供が幸せな生活をしていないという状態があるわけなんですけれども、この無戸籍状態の解消、これ私何度も質問させていただいておるんですけれども、全国各地の法務省で常時相談を受け付け、戸籍を作っていただくための丁寧な手続の案内をする寄り添い型の取組を行っているということなんですが。 お伺いします。無戸籍の方がどこにいるかというのを把握する、これ容易ではないと思いますが、現状では相談を受けないと無戸籍者を把握することができないんでしょうか。これ、法務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 無戸籍問題の解消のためにはまず把握が必要であるというところはもう委員御指摘のとおりでございまして、まずは第一に、相談に来られた際に、例えば市区町村の戸籍や住民票の窓口などに来られた際に把握され、そして市区町村から法務局に報告されることになります。 ただ、そういった相談の際という機会ではなくても、市区町村の福祉担当部署や教育委員会等においても無戸籍の情報に接することがあります。そうした場合には市区町村の戸籍担当部署あるいは法務局に情報提供をしてくださいと、そういうことを促進するというような、これらの機関に対する協力依頼をしてきたところであります。引き続き、こういった関係機関と連携して情報の収集を進めていきたいと考えております。 また、無戸籍の更なる把握のための方策として、例えば、お子さんの出生前からその母親等に対して無戸籍者問題についての広報として、例えば相談先を記載するなどしたリーフレットを備え付けるなどはしているところでございます。
○石井苗子君 この問題に関しましては何度も申し上げているように、届出を出すことを心の中で容易と考える母親であれば当然そういうことをしているわけですし、相談しに行くことが簡単であればそういうことをしているわけです。しかし、どの母親も、自分が授かった子供をあえて虐待をしている母親ばかりとは思いませんので、その子供に戸籍さえ授かることができるんだったら、自分がどうで、どういう母親の経緯であっても子供はちゃんと育てていきたいと思っている母親もいると思うんです。 そこでなんですが、無戸籍状態を解消するほかの探り得る方策もあるとおっしゃっていますけれども、私、民法規定の見直しを検討していただきたいのは、離婚後三百日は嫡子の推定が前夫の子供となるので出生届を出さない場合もあるという、ここを何とか変えていただきたいんですが、最後の質問になりますが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、他の取り得る方策ということについては、これは、無戸籍者の把握を更に促進する方策に加え、民法の嫡出推定制度の見直しを念頭に置いたものでございます。 この嫡出推定制度については、いわゆる無戸籍者問題の一因となっているとの指摘がなされておりまして、例えば無戸籍者として把握された方を対象として行った調査においても、無戸籍となった理由として嫡出推定制度の存在を挙げた方が全体の八割近くに上ることが判明しております。 こうした状況を踏まえて、平成三十年十月、私が着任したところでございますが、嫡出推定制度を中心とした親子法制の在り方に関する研究会、これにおいて法務省の担当官も参加して検討を進めているところでございます。委員の御指摘等も踏まえながら、しっかりと検討していくことを期待しております。
○石井苗子君 ありがとうございました。終わります。
○山口和之君 日本維新の会・希望の党の山口和之でございます。 昨日で東日本大震災が八年を過ぎました。東京電力福島第一原発事故が起きた私の地元福島県では、今なお風評被害に苦しんでおります。理学療法士として長い間福島の医療、介護に携わってきた私としましては、福島県の平均寿命と健康寿命を世界一にして、命、健康という観点から風評被害を払拭していきたいと考えているところでございます。 今日は山下大臣の所信挨拶に対する質疑ということですが、山下大臣も震災から復旧復興支援に全力で取り組んでまいりますとおっしゃっていましたので、初めにそのことについて質問させていただきたいと思います。 まず、東日本大震災からの復旧復興支援に関して、山下大臣がこれまでに取り組んでこられたこと、これから力を入れて取り組んでいきたいことは何か、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(山下貴司君) 東日本大震災発災からもう昨日で八年たちました。この大震災及び福島第一原子力発電所の事故もございました。改めて、震災で亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々に心からお悔やみを申し上げます。また、避難されている方々を始め被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思っております。 私の原点は、これ私、発災の二週間後だったと思います、実際に私、岩手などの被災地を訪れているんです。本当に十メートルを超える津波が襲った直後に、当地におられた弁護士の方と実際現場を、まだ瓦れきの山でございました、そうしたところを見て、また避難所ですね、避難所も実際行かせていただいて、当時はまだ弁護士でございましたけれども、その景色は今でも忘れるところはございません。 それが私の原点でございまして、政治家にさせていただいた後も、例えば、私は元々法務省でございましたので、法テラスにおける例えば無料法律相談、こういったものについて、これは民主党政権下で最初に成立したものでございますが、側面からそういったものを法律実務家として支援させていただいたり、議員としても支援させていただいたり、また予算であるとかそういったものに尽力してまいりましたし、また議員立法として、私のさせていただいた議員立法の一つに原子力発電所の損害賠償請求権、これの時効延長、これがございます。これが、不法行為であれば三年で時効になるというところを十年でというふうなことを、これは最初、共産党の宮本岳志委員が最初のアイデアを議会で御披露なさった、それを基に、これ最終的には全会一致で議員立法になったというところでございます。 そうしたことも含めて、今こうやって、一昨年から法務省の政務官、そして大臣をさせていただいておりますが、法務行政としてもしっかりと取り組んでまいりたいと思っているところでございます。 その中で幾つか御紹介させていただきますと、まず、被災地においての地図の整備でございます。この復興型の登記所備付け地図作成作業について、二十七年から三か年で実施して、更に三か年延長して、平成三十二年度まで当該作業を実施することとしておりまして、これを着実に実施したいと。 また、法テラスにつきましては、被災者の方々が抱える法的問題の解決のためのいわゆる法テラス震災特例法、先ほど申し上げたところでございますが、資力の有無に関わらない無料法律相談を提供するなど、支援に取り組んでまいったところでございます。 また、これは、見逃せないのは風評等に基づく様々な人権問題、例えば、被災地から避難された子供たちに対するいじめ、あるいは原発事故に伴う風評に基づく差別的取扱いなど、こういった許し難い人権問題に対応するために、子供の人権を守ろうであるとか、あるいは東日本大震災に起因する差別、偏見をなくそうなど、こういったことを人権啓発の強調事項として掲げて、シンポジウムや人権教室の開催等の啓発活動に取り組んでまいったところであります。 あと、例えば人権問題については様々ございます。人権擁護委員が仮設住宅を戸別訪問するなど被災者の孤立を防ぎ、その心に寄り添う活動を続けてきたところでもございます。 こういったところを地道に法務省としてもやっていきたいということでございますし、また、法務大臣に就任してからの新たな取組として、福島地方法務局富岡出張所の業務、これを、先週金曜日でございますが、本年十月中を目途に富岡町において全面再開するということを決めさせていただきました。 富岡出張所はこれまでいわき支局内に移転して事務を行っていたんですが、復興の象徴として、これまで富岡町の中にある庁舎に定期的に職員を派遣する形での業務一部の再開をしていたところですが、富岡出張所自体の業務を富岡町において全面再開するということで、しっかり復興しているということをさせていただき、法務局のサービスの一層の充実を図り、被災地の復興を更に加速させていきたいと考えております。 今後も、委員の御指摘を受けながらしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○山口和之君 山下大臣には、法務行政分野にとどまらず、様々な面から復旧復興を支援していただきたいと思います。 次の質問ですけれども、諸外国では大災害の直後には暴動や略奪が大量発生するのが通例であるというふうに言われております。東日本大震災後の日本ではそのようなことがなく、海外から称賛の声がありました。 実際に、東日本大震災、平成二十八年の熊本地震、平成三十年七月の豪雨、平成三十年北海道胆振東部地震において暴動や略奪に該当する犯罪の発生件数は何件あったのか、また、それ以外の犯罪の傾向はどうだったのか、お教え願います。
○政府参考人(小田部耕治君) 御指摘の暴動や略奪に該当するかどうかをお答えすることは困難でございますが、お尋ねの災害が発生した日を含みます月一か月間における被災地の刑法犯認知件数につきましては、東日本大震災が発生した平成二十三年三月の一か月間における福島県、宮城県、岩手県内の刑法犯認知件数は、それぞれ福島県が千九十九件で前年同月比マイナス四百四十三件、宮城県が千六百五十件で前年同月比マイナス三百十六件、岩手県が四百四十五件で前年同月比マイナス八十件。 平成二十八年熊本地震が発生した同年四月の一か月間における熊本県内の刑法犯認知件数は六百三件で、前年同月比マイナス二百十一件。 平成三十年七月豪雨が発生した昨年七月一か月間における岡山県、広島県、愛媛県内の刑法犯認知件数は、それぞれ岡山県が七百五十五件で前年同月比マイナス二百四十六件、広島県が千二百四件で前年同月比マイナス百九十七件、愛媛県が七百二十件で前年同月比マイナス八十七件。 平成三十年北海道胆振東部地震が発生した昨年九月の一か月間における北海道内の刑法犯認知件数は二千三百五十件で、前年同月比マイナス三百三件となっております。 また、被災者が避難している機会を利用して敢行するなどの災害に便乗した刑法犯の認知件数は、平成三十年七月豪雨につきましては、岡山県、広島県、愛媛県の三県における発災後おおむね一か月間の認知件数は三十三件、そのうち窃盗が二十五件、住居侵入等のその他の刑法犯が八件となっております。 平成三十年北海道胆振東部地震につきましては、発災後おおむね一か月間の災害に便乗した刑法犯の認知件数は二件で、いずれも窃盗となっております。
○山口和之君 では、日本において大災害の発生から時間がたった復興時期における犯罪発生はどのような傾向にあるのか、東日本大震災の被災三県、福島、宮城、岩手の被災地における犯罪の発生件数、発生率が震災前と比べてどうなっているのか、お教え願います。
○政府参考人(小田部耕治君) 東日本大震災で被災した福島県、宮城県、岩手県における発災後の刑法犯認知件数につきましては、全体としては全国における刑法犯認知件数の推移と同様に震災後も減少傾向にあり、被災三県の平成二十九年三月から平成三十年二月までの刑法犯認知件数は二万九千百三十八件で、震災前の平成二十二年三月から平成二十三年二月までの刑法犯認知件数五万一千三百五件と比較して四三・二%減少しておりますが、例えば、福島県におきまして、発災後一年目に震災前の一年間と比較いたしまして、侵入盗の五百十三件、二四・四%の増加が見られるなど、地域や罪種によっては一時的に増加したものも見られたところでございます。
○山口和之君 日本には火事場泥棒といった言葉がありますが、他人の悲惨な状況に付け入った卑劣な犯罪は許すことができません。日本では、災害が多く、火事場泥棒のように災害に便乗して行われる犯罪への対策は常に課題となってきたと思います。それを防ぐには、何か行われてきたことがあるのでしょうか。
○政府参考人(小山太士君) お答えを申し上げます。 委員御指摘のとおり、大規模な災害が発生した場合には被災地の混乱に乗じた犯罪の多発が懸念されまして、そのような犯罪に対しては厳正に対処する必要があると考えております。 災害発生時における被災地での犯罪防止につきましては、第一次的には警察において警戒強化に努めるなどして対応されているものと承知しておりますが、検察当局におきましても、警察等との、関係機関との緊密な連携を行い、被災地における治安の確保や法秩序の維持に努めてきたものと承知をしております。
○山口和之君 火事場泥棒については厳罰化をすべきであるといった声もあります。安易な厳罰化は慎むべきと思いますが、火事場泥棒のように災害に乗じて行われる卑劣な犯罪をなくすためには何が効果的なのかは、刑法改正も含め、しっかりと検討していくべきだと思います。 次に、大災害後の犯罪対策という件について法務省としてどのように取り組んでいくのか、山下大臣の決意をお聞かせ願います。
○国務大臣(山下貴司君) 大規模な災害が発生した場合に、被災地に住まわれている方は様々な面で、ただでさえ多大な被害を受けて、厳しい状況の中で生活を送ることが余儀なくされております。そういった状況において、その被災地の混乱に乗じて行われる犯罪というのは、私はもう誠に卑劣なものであるというふうに考えておりまして、これはもう厳正に対処する必要があるというふうに考えております。 検察当局においては、大規模な災害が発生した際には、まずは警察等との、関係機関との緊密な連携の下、被災地の混乱に乗じた犯罪に厳しく対処するなどして被災地における治安の確保や法秩序の維持に努めるものと承知しております。そういったことをしっかりとやっていくというところでございます。
○山口和之君 是非、法務省としても対策を検討していただければと思います。 次に、死因究明について質問いたします。 死因究明に関しては平成二十六年六月十三日に死因究明等推進計画が閣議決定されていますが、法務省としてはどのような取組を行って、どのような成果が上がっているのでしょうか。
○政府参考人(小山太士君) お答えをいたします。 お尋ねの死因究明等推進計画は、内閣府に設置された死因究明等施策推進室の下、複数の関係府省庁において実施されているものでございまして、法務省として計画の取組状況につき網羅的にお答えすることは困難ではございますが、法務省としての取組を御紹介いたしますと、これまで、推進計画の重点的施策として挙げられている、法医学に関する知見を活用して死因究明を行う専門的な機関の全国的な整備に関しまして、都道府県に対しては、都道府県警察、都道府県医師会等から構成される死因究明等推進協議会、地方協議会の設置が求められておりますところ、全国の地方検察庁に対しまして、適宜の機会に都道府県からの同協議会への参加等の協力依頼には適切に対応するよう、周知に努めてまいりました。 また、推進計画の重点的施策として挙げられている、死因究明により得られた情報の活用及び遺族等に対する説明の促進に関しまして、全国の検察官に対しまして、死因等に関する被害者遺族等への情報提供を含め、被害者遺族等に対する適切な対応を行うよう指示をしてきたところでございます。 いずれにいたしましても、今後も法務省として死因究明等推進計画が適切に実施されるよう、関係府省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○山口和之君 死因究明に当たっては、特に死因の公表に関して、亡くなった方のプライバシーとの関係で問題があるとされています。しかし、死因の公表は亡くなった方が特定されないよう工夫して行うことができるのであって、死者のプライバシーを理由に公表しないとすることには大いに問題があると思います。 そもそも死者のプライバシーは法的に保護されているのでしょうか。刑法二百三十条二項は死者の名誉毀損について定めていますが、死者についての真実の摘示は、それによって死者の名誉が毀損されることとなったとしても刑事上適法としております。そのことから考えると、死者のプライバシーは法的に保護された利益でないと思われますが、いかがでしょうか。死者のプライバシーに関する法務省所管の法令の規定があるのかも含めてお教え願います。
○政府参考人(小山太士君) お尋ねの趣旨、難しいところはございますけれども、当省所管の法令において、御指摘の死者のプライバシーについて直接的に定めた明文規定はございません。 また、御紹介のございました死者に対する名誉毀損について定めました刑法二百三十条第二項におきましては、「虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。」とされているところでございますが、その保護法益につきましては、学説上、死者個人の名誉であるとする見解や遺族の名誉であるとする見解など、様々な見解があると承知をしております。
○山口和之君 死因究明は、犯罪の見逃し防止や事故の被害拡大防止に必要不可欠であり、重要な公益です。迅速かつ正確に死因を究明することは、政府が一体となって取り組むべき施策と言えます。 その観点から、前国会で問題となった、外国人技能実習生が二〇一〇年から一七年の八年間で百七十四人も死亡していたという件について法務省がその死亡経緯の多くについて把握していなかったということは、非常に問題があり、反省すべきであると考えますが、山下大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習生の死亡事案につきましては、これまで法務省において監理団体又は受入れ機関からの届出等に基づいて把握してきたほか、必要に応じて関係者から聴き取りを行うなど、個別に技能実習生の死亡と技能実習との関連性を調査してきたところではございます。しかしながら、やはり委員の御指摘、把握していないものがあったのではないかということについては、非常に重く受け止めております。 そうしたこともございまして、外国人技能実習制度については、現在、弁護士でもあります門山法務大臣政務官を議長とする技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームにおいて調査検討を行っているところでございまして、死亡事案に関しましても、記録の入手可能な平成二十四年以降の技能実習生の死亡事案について、死亡事故報告書や死体検案書まで精査して、改めて実習との関連の有無や関係機関による対応状況などを調査しているところでございます。 今後の調査あるいは検討の在り方について、これ、このプロジェクトチームの検討結果は今月中に結果を公表する予定でございます。そうしたところで、そういった検討も踏まえて今後どういうふうに把握すべきかということもしっかりと検討してまいりたいと思いますし、技能実習生が夢を持って我が国に来てくださって、その方が夢の途中で死亡されたということは誠に痛ましいことでございますので、そうしたものを全て把握できるように全力を尽くしてまいりたい、適切に対応してまいりたいと思っております。
○山口和之君 犯罪の見逃し防止や事故の被害拡大防止のためには、迅速かつ正確に死因を究明することが重要です。技能実習生の死亡事案について詳細に経緯を把握し、その死因を適切な方法で公表できなかったことによって、犯罪の見逃しや事故の被害拡大の余地を生んでしまっているということを真摯に反省していただく必要があると思います。 以上で終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 外国人技能実習生の失踪問題について今日はお尋ねをしたいと思います。 技能実習生が劣悪な労働条件でも従順に働く労働力として使い続けられて、その下で深刻な人権侵害が引き起こされてきたということは、昨年の入管法改定案の衆参国会審議、あるいは国会内外のメディアも含めた実態が報じられるという中で、多くの国民の皆さんの共通する認識になってきていると思います。 今日午前中、大臣も外国人の方々が増えているという趣旨の御答弁をされましたが、国民の体感、実感としても、技能実習生やあるいは出稼ぎ留学の外国人の皆さんと日常の生活の中で触れ合うという機会はたくさん増えていて、このありようが日本社会の働き方、労働と、そして社会のありように大きな影響を及ぼすという、そうした認識が強まっている中で、四月に特定技能一を始めとした受入れ拡大を、これ政府は押し通そうとしているわけです。 私は、その下で、深刻な人権侵害がこの国会で指摘をされてきた失踪実習生の実態をしっかり明らかにして、踏みにじられてきた権利を回復すること、繰り返してこういうことが起こらないような外国人受入れの在り方ということを真剣に検討する、そのことが政府とそして国会の重大な責務だと思います。 そこで、大臣に伺いますが、この失踪実習生は、二〇一七年に七千八十九人、二〇一八年の上半期、昨年の上半期には何と四千二百七十九人ということで、過去最高に膨れ上がったわけですね。これ合わせて一万千三百六十八人ということになるんでしょうけれども、下半期はどうなっているんでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 二〇一八年下半期の技能実習生の失踪者数につきましては、現在精査中でございまして、近日中にお示しできるよう、鋭意作業を進めているところでございます。
○仁比聡平君 近日中って、今日、三月十二日ですからね。 山下大臣は先ほどの質問に三月には示すというような趣旨の発言されましたが、四月のつまり特定技能一の手続を受け始めるというときまでもう半月しかないわけです。現在技能実習生として実習あるいは働いている人たちが三年を修了すればここに移行すると、特定技能一に、という仕組みをそもそもつくっておられるのは政府なわけですから、この技能実習制度の実態、なぜこうした失踪が生み出されるのかということを明らかにするのは皆さんの責任なのであって。今日、近日中にとおっしゃいました。もう速やかに明らかにされたいと思いますけれども、今日の時点で示せないということ自体が極めて重大だと思うんですね。 昨年の法案の審議のときに、例えば大臣こうおっしゃいました。より高い賃金を求めて失踪する者が八七%、これ十一月七日の参議院の予算委員会での答弁ですけれども。その認識というのは、つまり一部の不心得者だと、九割はうまくいっているという、そういう認識で今回の受入れ拡大の法案を準備して国会審議に臨まれたわけで、それが、野党の質問の中でとうとう隠し通せなくなって閲覧は許すということになった二千八百七十人の聴取票の分析によって、全くの捏造ではないかということが明らかになったわけです。 より高い賃金を求めて失踪する者が八七%なんていうようなものではなくて、七割は最賃違反ではないか、一割は過労死水準を超える深刻な労働時間の実態ではないかということが明らかになったわけですよね。そうした議論が半ばのまま、国民の皆さんは六割、八割がこの国会で、つまりさきの国会で、押し通すべきではないという民意を踏みにじってこの委員会室で強行採決をされたのが政府・自民、公明の与党でございます。 そこで伺いたいのは、大臣、このより高い賃金を求めて失踪する者が多いなどというような認識、これは今はどんな認識なんですか。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習について、一部の受入れ機関において賃金不払や長時間労働といった労働関係法令違反等の問題や技能実習生の失踪といった問題が生じていることは重く受け止めております。 その上で、より高い賃金を求めてという取りまとめの記載でございますが、これは、聴取票による聴取結果を含め、この聴取結果のみならず、入管当局が有する様々な情報を総合的に評価して判断したものでございます。 また、九割という割合につきましては、これは、御指摘の去年十一月七日の参議院予算委員会において、私が制度全体のファクトの問題として、二十九年において技能実習で在留していた在留外国人の数、それと失踪された方の数、これから割り出されることからして、少なくとも九割をはるかに超える技能実習生の方々が技能実習計画に基づいて日本での実習にいそしみ、これを見守る方々がいる制度であるということを御指摘申し上げたというところであり、その認識は変わっておりません。
○仁比聡平君 その認識は変わっておらないとおっしゃったんですが、今の大臣の答弁は、十二月の六日、昨年の十二月六日に、この法務委員会での法案審議、それから総理入りの審議もありましたが、そのときに大臣、総理が答弁をされたことと変わらないんだと。その答弁のときのまんまなんですよ。 私は、少なくとも二千八百七十人の聴き取りをした、その中で最賃違反が七割などという指摘がされている、先ほどのお話しになっている死亡事案というのもある、この人権侵害を脇に置くというのは民主主義の政府として絶対に許されないではないかとまず一つ申し上げました。もう一つは、そうした下で失踪したというのはごく一部の氷山の一角なのであって、失踪できずに苦しんでいる実習生がいるということに思いが及ばないのかと指摘を申し上げました。 その上で、私、指摘をしたいのが、大臣がその失踪実習生の問題について反面調査を指示したと。ちょっと議事録を読み直してみましたら、大臣が徹底した反面調査を指示したというのは昨年十一月十六日のことです。そして、三月末までに取りまとめを公表するというふうに政務官が指示をされたんでしょうか。それは、十二月五日のプロジェクトチームの検討の会合、検討会でのことなんですね。大臣が十一月に指示をされてから既に四か月なんですよ。この間、一体何をやって、何が明らかになったんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 大臣の御指示を受けて、門山政務官のプロジェクトチームの下、入国管理局で調査を行っている状況につきまして御報告を申し上げます。 まず、どういう調査をしているかというお問いでございますけれども、まず第一に、平成二十九年及び平成三十年一月から九月までの間に聴取票が作成された失踪技能実習生約五千二百人につきまして、受入れ機関側の不正行為の有無などを調査をしております。 調査対象であります四千二百以上の受入れ機関につきまして、雇用契約書の確認などの基礎調査、電話等による事実確認や関係資料の送付要請、加えまして必要に応じた現地調査などを進めた結果、大部分の受入れ機関につきましてこれらの調査作業を了しておりまして、現在、取りまとめに向けた調査結果の集計、分析を中心に作業を行っています。 それからもう一つ、平成二十四年以降の技能実習生の死亡事案につきまして、死亡事故報告書や死体検案書などを精査し、実習との関連の有無や関係機関による対応状況などについて調査をしてまいりました。 このほか、厚生労働省や外国人技能実習機構から御意見をいただくなどしながら、失踪技能実習生に対する聴取票の様式や聴取方法の見直し、技能実習法の運用状況の把握、運用の改善に向けた方策の検討などを行ってまいりました。 これらの調査検討につきまして、今月末に結果を公表する予定でございます。
○仁比聡平君 今おっしゃったような五千二百とか四千二百とか、そういう調査をしてきて、取りまとめ中だと。だから、これは今月中に公表するんだというのが局長の答弁なんですね。 私は、今の時点でその程度しか明らかにできないのかと。あと半月で新制度の実施をするという下で、今明確な総括が必要ではないかと、当然ではないかと思いますけれどもね。取りまとめは月内に公表するとおっしゃる。それはこれ以上議論してもしようがないでしょう。私は、今の時点で答えがそれ以上ないというのはとんでもないことだと申し上げておきたいんですが。 その上で、つまり五千二百とか四千二百の大部分の調査は終わっているわけでしょう。あとは取りまとめをしているわけですよ。その下で、最賃以下というのが七割あるんではないかという我々野党の指摘というのはどうだったんですか。それ、大臣、どう認識しているんですか。つまり、公表とか取りまとめの結果はこれからにしたって、これまでそうやって調べたんだったら何か明らかになっているはずじゃないですか。どうなんです、大臣。
○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほども申し上げましたけれども、これまで調査を行ってまいりました結果、それから、今後の技能実習の制度のより適正な運用に向けて今回の調査から生かすべきことなど、全部まとめて月内に発表をいたします。
○仁比聡平君 そうやって繰り返すだけで、大臣、先ほど、十二月六日のこの答弁と認識変わらないと言ったじゃないですか。それ、あれですか、最賃以下が七割というのは違っていたんですか。 お手元に十二月二十五日に関係閣僚会議決定になっている外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策から抜粋したものをお配りしました。 政府は、聴取票の記載から明らかに違法又は不正な行為を行っていないと認められる場合を除き、調査を行い、公表すると言ってきたわけですよね。この明らかに違法、不正がないものばかりだったなんということ、あり得ないでしょう。実際に違反があったでしょう。どうなんです、大臣、それ。
○国務大臣(山下貴司君) まず、私の認識につきましては、ファクトに基づいて、二十九年の技能実習生として在留されていた方、そして、その中において失踪された方の数値から客観的に割り出したものであり、このファクトとして申し上げたという意味において認識は変わらないというふうに申し上げたところでございます。 そして、その後、今、門山政務官の下でプロジェクトチームが検証しておる、これもやはりファクトに基づいてこれをやはりしっかりと取りまとめて検討した上で御報告するのが適当であろうというふうに考えておりますので、三月末までにこれ公表させていただくということで御理解賜りたいと思います。そして、その上でしっかりと対応を取っていきたいと考えております。
○仁比聡平君 だったらば、その取りまとめが公表された上で徹底した審議が必要ですよ。四月の実施、このままなんてあり得ないですよ。 それで、伺いますけれども、全ての実習実施者をこれ調査するとおっしゃっていて、その内数なんでしょう、五千二百とか四千二百という数字がさっきありました。この中で、実習実施者が、労働関係法令違反だと、あるいは入管法や技能実習法違反だということで処分をされた、あるいは関係機関に通報したという件数というのは、これ、どれぐらいあるんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 御指摘のものもちろんございまして、既に不正行為の手続をしていたものもございますし、今回の調査によりまして新たに判明した事実から関係機関に通報したものもございます。 その結果につきましては、先ほど来申し上げておりますように、結果として全部取りまとめて公表をいたします。
○仁比聡平君 厚生労働省にもおいでいただいているんですけれども、総合的対応策から抜粋した二つ目の項目、賃金不払等の労働関係法令違反などの場合に、連携して更なる調査を進めると。あるいは、労基法に基づく監督指導などを行って、賃金不払等の違反があらば是正を図らせると。 これ、賃確法の取組なども含まれるものだろうと思いますけれども、現実に失踪実習生に対するそうした違法が確認をされて現実に実習生の権利が回復された、未払の賃金が払われたとか、あるいは、実習実施者なり監理団体なり、あるいは送り出し機関なり、その不正がしっかりと正されて、失踪した実習生たちの思いが遂げられた、そうしたケースというのはどれぐらいあるんですか。
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。 今回の法務省のプロジェクトチームで行う実態調査の結果、失踪した技能実習生について最低賃金を下回る支払や割増し賃金の不払など労働基準関係法令違反の疑いがある事案が認められた場合には、出入国管理機関等が都道府県労働局に通報いたしまして、その通報を受けた事案については労働基準監督機関において全数監督を実施して、法違反については適切な是正指導等を行うことといたしております。 厚労省では、出入国管理機関等から都道府県労働局に通報があった段階での状況については把握しておりませんが、通報があった全数について監督を実施した後、その結果を厚生労働省本省に報告させることといたしております。その段階で把握することといたしておりますけれども、現段階ではまだ把握をしていないという状況でございます。
○仁比聡平君 というような状況なんですよ。本当にとんでもないと言わなければなりません。 現場から、実際の実習とか、外国人労働者の賃金、あるいはそこで働いている人手不足分野の低単価構造ががらっと良くなったというような声は全く聞こえてきません。逆に、そうした低賃金や低単価を改善することがどれほど大変かということが、この三、四か月、いよいよ深刻になってきているというもとだと思うんですね。 引き続き議論をしていきたいと思いますけれども、そのうち、もう一つその調査に関わって伺います。 母国の送り出し機関、これは調査をしたのかということなんですけれども、いかがですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 調査の対象でございますけれども、基本的には実習実施者を対象としてまいりました。 今御指摘の送り出し機関につきましては、外国に所在するために直接の調査というのは困難でございますけれども、これにつきましても、今般の失踪事案に関する実習実施者等への調査により不正行為への関与等が認められました送り出し機関につきましては、今後、二国間取決めに基づいて送り出し国に通報するなど、必要な対応を行ってまいります。
○仁比聡平君 その答弁も十二月六日と変わらない。 皆さん覚えておいででしょうけれども、聴取票には送り出し機関についてという項目があって、送り出し機関に払った金額という聴き取り項目もあって、ここに例えば百万円という金額が書き込まれているわけですね。私、あの審議の中で分析をしてお伝えをしましたけれども、ベトナム人、ベトナムから来た実習生がおよそ四割、失踪者全体の中にいます、聴取票を取られた人たちの中に四割います。その八五%が母国で禁じられている日本円でおよそ四十万円を超える手数料ないし保証金などを払わされている、六五%は百万円を超えている。 それはベトナムにおいて違法なんですよ。それは我が国の法制においてだって違法なのであって、これ法務省は、あるいは入管当局は、個別の失踪実習生は特定をできているわけです、私たちには明らかにしないけれども。その実習生を送り出してきている機関がどこなのかも特定できているわけです。だったらば、百万とか書いてあるところは、こう本人たち言っているけどという調査をする、正すというのはこれ当たり前だと思うんですけどね。それ、やらない、やっていないわけですよ。そんな調査で実習生を縛り付けてきた構造というのを明らかにできますか。 私、十二月の六日に大臣にこう求めました。反面調査の対象、これについて母国でどれだけの不当な、あるいは不正な、違法なお金を取られているのか、その仕組みの下でどんな形で実習生が縛り付けられているのか、その不正あるいは違法ということがはっきりすれば、これは正すものは正す、我が方でも正すしベトナムにも正してもらうと、そういう調査、その結果の公表というのがあって初めてこれ次に進めるということになるんじゃないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) まず、技能実習生をめぐる状況につきましては、国内におけるそういった例えば違反の状況、あるいは国外における例えば保証金徴収の状況ということがございます。いずれも取り組んでいかなければならないのですが、まずは国内における違法あるいは不当なものがあるのかないのか、これを徹底した調査を行うということを行っているところでございます。 そして、もとより、海外におけるそうした不適当な送り出し機関というものが把握できた段階であれば、それについては二国間協議の枠組みの中でしっかりと情報共有して是正を求めていくということをしっかりとやっていきたいと考えております。
○仁比聡平君 大臣が今おっしゃった二国間協議について、次の機会にしっかり議論をしたいと思っております。 一個だけ確認をしておきたいんですが、外務省か法務省か、ベトナムとの間では二国間覚書が取り決められています。それに基づく協議の中で、私が今日問題にしています失踪実習生の実態について情報を共有して協議をしたということがありますか。あるならいつですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) ベトナムとの間の二国間取決めにつきましては、平成二十九年六月六日に締結をしており、これまで、同年十月、平成三十年十二月及び本年三月の三回にわたって法務省、厚労省、外務省及び外国人技能実習機構の担当者がベトナムを訪問し、ベトナムの労働・傷病兵・社会問題省の担当者との間で協議を実施をしております。 これまでの協議におきましては、失踪技能実習生の問題等、我が国における技能実習制度の状況を説明するとともに、送り出し機関の認定基準や悪質な事案に係る通報の方法、実習先変更に係る送り出し機関側の対応等、様々な事項について協議を行っております。また、個別具体的な不適正事案に係る通報を行い、ベトナム政府による調査の依頼も行っているところでございます。 今回の総合的調査につきましても、結果がまとまりましたところでこうしたチャネルを使って確実に相手国に伝達をしてまいりまして、適正化の協力を求めてまいります。
○仁比聡平君 もう、ちょっと時間がなくなりましたから、あと一問、これだけ聞いておきますけど、その協議をこれ初めてやったんだと思います。その初めてやった協議の次の協議、これいつまでにどんなふうな進捗を図っていこうと双方でなっているんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) これまでもそうでございますけれども、適時のタイミングでお互いに課題を通報し合って準備をして協議を行うということでございます。
○仁比聡平君 のんびりした話していたら駄目ですよ。実際、特定技能一の手続を今現実に、業者といいますか、その送り出し機関の側も、あるいは日本側で登録支援機関や受入れ企業になる側もどんどんどんどん進めているわけじゃないですか。政府を挙げて皆さん分野別に説明会なんて各地でやっておられるじゃないですか。その説明会の中で、とんでもない中身だと、このままでできるのかと疑問が大きく広がっているという状況の下で、根幹のこの土台になる技能実習生の失踪問題について、今のようなお話では到底四月実施というのは認められない、強くそのことを申し上げて、あとは次回に譲りたいと思います。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 質問に入ります前に、お伺いしたいことがあります。辺野古新基地建設の一時停止を求める署名活動をしているロバート・カジワラさんの入管と警察の対応についてであります。 ロバート・カジワラさんは、ハワイ在住の沖縄県系四世で、二十万人余のその署名をホワイトハウスへ届ける、そういう活動をしておりまして、このカジワラさん自身の講演会や集会に参加するために二月十九日から三週間滞在をされていました。この入国の際に一時足止めをされて、講演会で何を話すかとかデモをするのかなどと細かく聞かれ、とても驚いたと話されていました。 私はすぐに入管局に対応し、その問題をただしたところですが、そのときは滞在期間が長いことや他の方にもこのようなことは聞いているというふうな御返事がありました。釈然としないところではありましたが、そのときは大きな問題として取上げはいたしませんでした。 ところが、今朝の沖縄の地元の地方紙見ておりますと、沖縄県警が中城村役場やカジワラさんの親戚の家まで訪ねて調査をしていたことが分かりました。カジワラさんはまるで殺人容疑者のような扱いを受けていると述べていらっしゃいますが、これ、警察の越権行為、明らかであります。強く抗議をし、今後委員会でも取り上げていくことを申し上げまして、質問に入りたいと思います。本日は通告をしておりませんので、次回に取り上げたいと思います。 では、山下大臣の所信について質問したいと思います。 大臣は、これまでにも増して国民の皆様の胸に落ちる法務行政を実現するため精いっぱい努めてまいりますと述べていらっしゃいます。そのためにも、委員会質疑では質問者の胸に落ちる答弁をしていただきますようによろしくお願いしたいと思います。 まず一点目ですが、差別や虐待のない人権に配慮した社会を実現するための取組についてでありますが、ヘイトスピーチの対策について伺います。 外国人の受入れ拡大前に、外国に背景を持つ方が差別を受けることなく安心して暮らせる社会づくりが肝要です。そのための取組の一つとして、二〇一六年三月に施行されたヘイトスピーチ解消法があると思いますが、この法律の施行後、ヘイトスピーチの件数が減るなどの効果はあったのでしょうか。具体的な数字を示して御説明ください。大臣に伺います。
○政府参考人(高嶋智光君) まず、数値的なもののお尋ねでございますので、私の方からお答えさせていただきます。 法律の施行後、地方公共団体におきまして、ヘイトスピーチ解消に向けた条例の制定、あるいは公の施設の利用許可に関するガイドラインを作成するなど、ヘイトスピーチの解消に向けた、そのヘイトスピーチ解消の必要性についての認識、あるいはその認識に基づいた取組というのは広がりを見せているものと認識しております。 効果についてのお尋ねですが、ヘイトスピーチ事案を網羅的に把握しているわけではございませんので、その件数の増減について正確にお答えすることは困難ではありますが、右派団体の街宣、宣伝活動等の数を参考に言えば、同法が施行された年は前年に比べて減少しておりまして、翌二十九年には若干の増加が認められてはおります。しかし、法施行前に比べれば減少していると、こういう状況でございます。 いずれにしましても、ヘイトスピーチが解消されたという状況とは言えない状況にありますので、今後も、外国人の人権に関する啓発活動、それから人権相談の体制強化など、法律の趣旨を踏まえたヘイトスピーチの解消に向けた取組を推進してまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 国がヘイトスピーチに関して行った実態調査は、二〇一六年のヘイトスピーチに関する実態調査が最後であったと認識しておりますが、大臣、それでよろしいでしょうか。
○政府参考人(高嶋智光君) 調査の件でございますので、これも事務当局の方からお答えさせていただきたいと思います。 委員御指摘のとおり、平成二十八年三月の調査結果がヘイトスピーチに関する実態調査としては最新のものでございます。現在は、この調査結果やヘイトスピーチ解消法の施行の実態などを踏まえた施策を実施しているところでございます。
○糸数慶子君 効果的なヘイトスピーチ対策を行うためには、実態を的確に把握する必要があります。実態調査を三年に一回など定期的に行う必要があるかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。もし定期的な調査をしないというのであれば、その理由も併せてお答えください。
○政府参考人(高嶋智光君) 同じく実態調査の実施に関してでございますので、これも事務当局の方からお答えさせていただきたいと思います。 先ほど答弁しましたとおり、現在は、この調査結果やヘイトスピーチ解消法のその余の施行状況などを踏まえながら施策を実施しているところではございます。今後の同様の実態調査の実施については現在のところ未定ではありますが、ヘイトスピーチの実態把握の在り方については、今後とも様々な御意見を伺いながら、それを参考にもして検討してまいりたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 ヘイトスピーチ解消法の衆議院の附帯決議にも、実態把握に努めという内容がありました。これが実行されることを期待いたします。 次に、入管法改正時の附帯決議には、差別についての言及がありました。これは、こうした具体的な取組がなされてこなかったことの表れだと考えますが、実際に二〇一七年三月に公表された外国人住民調査報告書によりますと、過去五年間の間に外国人であることを理由に侮辱されるなど差別的なことを言われた経験がある人が約三〇%もいるとのことであります。今後、より多くの外国の方が日本で暮らすことになりますが、四月からの制度改正を機に法務省としてどのような取組を行う予定でしょうか、大臣に伺います。
○国務大臣(山下貴司君) 外国人に対する偏見や差別をなくすために、互いの文化や言語、生活習慣等の違いを理解し、尊重することが極めて重要であると考えております。 このような観点から、従来から法務省としては、啓発ビデオや啓発冊子などを用いた様々な啓発活動に取り組んできたところでございますし、また、多言語に対応した外国語人権相談ダイヤル及び外国人のための人権相談所等の窓口により外国人からの人権相談に適切に対応してきたところであり、これら取組はしっかりと継続してまいりたいと考えております。 さらに、昨年末に外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議におきまして了承されました外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、これにおきまして、外国人に対する差別解消を含む共生社会実現のための受入れ環境整備として幾つか挙げられているところでございます。 例えば、法務省に設置した「国民の声」を聴く会議において、国民及び外国人の双方から共生施策の企画立案に資する意見を継続的に聴取することであるとか、外国人が抱える職業生活上、日常生活上、社会生活上の問題点を的確に把握し、外国人材の受入れ環境整備に関する施策の企画立案に資するよう、外国人に対する基礎調査を実施するなどの取組を行っていることとしております。 外国人が不当な差別を受けることなく我が国において安心、安全に暮らしていけるよう、多文化共生社会が実現するよう、新制度が開始する四月以降、こうした取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 その中に、差別に関する調査や実態把握は含まれていないのでしょうか、大臣に伺います。
○国務大臣(山下貴司君) 先ほど申し上げたとおり、総合的対応策においては、この外国人材の受入れ環境整備に関する施策の企画立案に資するというところで、外国人が抱える様々な生活上の問題点を把握するために、外国人に対する基礎調査を行うこととしております。 現在、法務省においては調査の内容及び実施方法について検討を行っているところでありますが、本調査の結果等を活用し、外国人に対する差別や偏見を解消するための施策の企画立案を進めてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 是非、差別に対する実態調査もやっていただきたいと思います。実態に基づかない施策であれば、これ、ただの自己満足でしかないというふうに思いますが、やはりこれが誰のための対応策なのか、きちんと確認した上で進めるべきだというふうに思います。 次に、総合的対応策に関連して更に伺います。 先ほども触れましたが、外国人住民調査報告書では、四割の方が入居差別を受けていたとのことです。日本に来て、住む場所を見付けることすら困難が伴うというのは大きな問題であります。入居差別対策として総合的対応策では何をやる予定なのでしょうか、国土交通省に伺います。
○政府参考人(眞鍋純君) 先般取りまとめられました外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策における住宅確保のための環境整備、支援対策、その中には様々な対策が込められてございます。 まず、受入れ企業が住宅を確保していただく、保証人として入居をサポートしていただく、こうした取組をしていただくことを前提といたしまして、さらに、それに加えて、全国の居住支援協議会に対して、外国人が支障なく住宅を探し住まうことのできるよう要請を行い、在留外国人への支援活動を促すこと。さらに、賃貸人や仲介事業者向けの実務対応マニュアルや外国語版の賃貸住宅標準契約書などを内容とするガイドラインの公表、周知徹底。また、家賃債務保証関係団体あるいは家賃債務保証事業者に対して、外国人も日本人と同様に家賃債務保証サービスを不当な差別なく利用し、契約ができるよう要請すること。また、住宅セーフティーネット法に基づき、外国人などの住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録や住宅情報の提供、居住支援などを促進すること。加えまして、公営住宅に関しても、在留資格を持つ外国人について、日本人と同様に入居を認めるよう地方公共団体に要請。そうしたことを位置付け、既に開始しているところでございます。 さらに、これに加えまして、不動産関係団体においても、外国人就労者を新たな入居者として円滑に受け入れるため、受入れ機関などによる支援項目、さらには賃貸借契約の締結時に配慮すべきことを内容にした詳細なガイドブックを作成し、今後周知していることとしております。
○糸数慶子君 ガイドブックを作成したり配ったりするだけで果たして状況が変わるのだろうかとも思ってしまいますが、入居拒否をしてしまう原因には、もちろん情報が足りないというのもあるかと思いますが、自分と異なる国籍や背景を持つ人に対しても差別的な気持ち、そのような気持ちを抱いてしまう一人一人の心にそもそもの原因があるのではないでしょうか。また、外国の方に対する差別が当たり前で、それが許されてしまうような土壌が日本社会にできてしまっているのではないかと危惧いたします。 そこで、やはり差別を禁止する姿勢が、これは国がリードして示す必要があるわけですが、その中でも、特に差別禁止法を作るための議論を始めるべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか、大臣に伺います。
○国務大臣(山下貴司君) 先ほどの住居問題に関しましては、これやはり民民の関係という部分もございますので、なかなか国がどこまでできるのかという問題はございます。ただ、そういう中において、例えば貸し借りのマッチングであるとか、そういうことを例えば紹介するということをやっているところでございます。 そして、我が国では、既に雇用、教育、医療、交通等、国民生活に密接な関わりを持ち、公共性の高い分野については、各分野における個別の関係法令により、広く差別待遇の禁止が規定されており、これにより、不当な差別の防止が図られているところでございます。 また、法務省の人権擁護機関では、人権相談等を通じて、外国人であることを理由とした差別的取扱い等の人権侵害の疑いのある事案を認知した場合には、個別の関係法令に照らして人権侵犯事案として調査を行って、事案に応じた適切な措置を講じているところでございます。 包括的なものがあるべきだという御意見があることは承知しておるのですが、今申し上げた現行の個別法において相当程度きめ細かな人権救済を図っていくということが重要であるというふうにも考えております。 差別のない社会、共生社会の実現のために、しっかりとこういった個別法によるきめ細やかな人権救済を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○糸数慶子君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。 次に、難民認定制度の運用の見直しについて伺います。 所信表明の中で大臣は、難民認定制度の運用の見直しに触れていました。運用の見直しは二〇一五年九月に一回目が行われたわけですが、その際の法務省の資料を見ますと、見直しは大きく分けて三つの分野で行われるとされています。一つ目が保護対象、認定判断及び手続の明確化、二つ目が難民認定行政に係る体制、基盤の強化、そして三つ目が濫用、誤用的な申請に対する適切な対応です。 大臣の所信表明を聞いても、このうち三つ目の濫用、誤用的な申請に対する対応ばかりが行われているように感じますが、そのような理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) まず、委員御指摘の平成二十七年九月の難民認定制度の運用の見直しに関して、法務省では、濫用、誤用的な申請への対応のみならず、保護対象、認定判断及び手続の明確化、及び難民認定行政に係る体制、基盤の強化についても併せて順次取り組んでいるところであり、私の思いも全く同じでございます。 この保護対象、認定判断及び手続の明確化については、例えば、平成二十八年以降における難民認定者数等の報道発表において難民認定及び難民不認定の事例の公表を拡充するとともに、人道的な配慮による在留許可の事例についても新たに公表した上で、それぞれの判断のポイントを明示するなどしているところでございます。 そして、二つ目の難民認定行政に係る体制、基盤の強化につきましては、平成二十七年以降、UNHCR、すなわち国連難民高等弁務官事務所の協力を得て、管理者クラスを対象とした研修を実施しているほか、平成二十九年五月からは、出身国情報、俗にCOIと言われておりますが、その担当官を指名して、出身国情報等の収集や地方入国管理局への共有体制を強化するなどしております。 もちろん、就労等を目的とする濫用、誤用的な申請の急増により真の難民の迅速な保護に支障が生じる事態ともなっておりますため、そういった観点から濫用、誤用的な申請の抑制も重要であるというふうに認識しておりまして、二十七年九月に続き、三十年一月から難民認定制度の運用の更なる見直しを実施しているところでございます。 これによって、三十年第三・四半期まで、すなわち一月から九月について見ると、その申請数は対前年同期比で四三%減と大幅に減少した一方で、難民認定数は二十三人となっており、この九か月間で既に前年一年間の二十人を上回っている状態にあります。 法務省としては、難民認定制度の充実のため、多方面から取組を行って、真に庇護を必要とする者への迅速な保護を図ってまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 濫用、誤用対策ばかりが進められているという感じがいたしますけれども。 二〇一八年のこの一月の更なる運用の見直し、今もお話ありましたが、難民認定者の暮らしに大きな変化が起きていること、大臣は御存じでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今御指摘の御趣旨につきまして、運用の仕組みとともに御説明をさせていただきます。 平成三十年一月に実施した難民認定制度の更なる運用見直しでは、難民である可能性が高い申請者の迅速な生活の安定及び濫用、誤用的な申請の抑制のいずれをも目的として、初回申請者について、申立ての内容等に応じて、まずは二か月の間に、早急に就労を認め生活を安定させるべき申請者と、濫用、誤用の蓋然性が高いことから早急に手続を進め早期に結論を出すべき申請者とを振り分ける判断をするという運用をいたすことにいたしました。 今の御質問の趣旨は、そのときに在留期間が三月と短いということの御趣旨、それで生活が安定しないということの御趣旨かと思いますけれども、今、早期に救うべき方、それから濫用、誤用的蓋然性の救うべき方の二つに分けるということを申しましたけれども、そのほかに、いわゆる私どもD案件と申しておりますが、そのどちらとも判断し得ない申請者の方がいらっしゃいます。 その方につきましては、それからじっくりとお話を伺ってまいるのですけれども、その結果、濫用、誤用的な申請と判断される事案も少なからず存在するため、一律に長期の在留期間を付与することも適当ではないことから、三月の在留期間を付与しているというものでございます。
○糸数慶子君 審査の結果ですが、迅速処理ではなく、ある程度時間を掛けて難民該当性審査をすべきと判断され、実際に今まで認定された方も、いわゆるD案件ですら申請から約八か月が経過しないと働くことができません。その間は、先ほどもありましたが、在留期間が三月のため住民登録をすることすらできず、自治体から見えない存在になっているわけです。 大臣、運用の見直しが難民申請者にもたらした悪影響を把握し、制度の改善のために更なる検討を加える必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) 局長からも申しましたが、平成三十年一月の更なる見直しによりようやく申請数が減少し始めておりますが、まだいまだ相当数の濫用、誤用的な申請があるという認識でございます。 法務省としては、現在の運用方針により、濫用、誤用的な申請を抑制しつつ、真の難民の迅速な保護に注力してまいりたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 保護費については、この申請者の一部しか受け取ることができていないといった問題もありますが、この点についてもまた引き続き指摘して伺ってまいりたいと思います。 次に、児童虐待防止策について大臣の言及がありました。 二〇一一年に虐待防止のための親権の一時停止の民法改正が行われました。その際の改正で民法に規定されていた懲戒場の記述は削除されましたが、懲戒権の規定は残ってしまいました。懲戒権の削除を求める意見は参考人からも上がっておりましたが、子に対する親のしつけの在り方には多様な意見があるとか、しつけとの境界線が非常に難しいという趣旨の答弁があり、残念ながら削除には至りませんでした。 規定を削除すれば、児童虐待の防止に向けた強いメッセージを出すことになり、虐待防止に資すると思います。規定を残せば、子供のしつけと称して行われる体罰や虐待というのは許されるのだというその誤ったメッセージを出してしまうのではないかというふうに危惧しております。将来的に懲戒権の規定はどうすべきだと大臣はお考えなのか、改めて伺います。
○国務大臣(山下貴司君) 懲戒権に関する民法八百二十二条の規定については、先ほど御指摘の平成二十三年民法改正の際に様々な御議論がございました。児童虐待を正当化する口実に利用されているのではないか、削除すべきだという御意見もありましたし、一方でしつけとの仕分をどうするのだというふうな意見もあって、結果として、規定を見直して、懲戒権は子の利益のために行使されるべきもので、子の監護及び教育に必要な範囲を超える行為は懲戒権に当たらないことを明確にする改正を行ったというところでございます。 更に進んで、この懲戒権についていかにすべきかということにつきましては、これはやっぱり家族の在り方に関わる問題であり、二十三年改正でも様々御議論されましたけれども、今般の児童虐待事案の急増傾向を踏まえつつ、国民の間でも様々な議論が行われるであろうというふうに考えております。 そして、我々法務省としても、国会における今後の議論をしっかりと踏まえて必要な検討を行ってまいりたいと考えております。その具体的な検討方法やスケジュール等については担当部局において検討をさせているというところでございます。
○糸数慶子君 通告した課題はまだありますけれども、時間が参りましたので、次にまた質疑をさせていただきます。 ありがとうございました。
○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。 午前に引き続いて質問いたしますが、まず財務省に午前の答弁を確認いたしますけれども、四月五日の写真の結果、業者提出の報告書の六、七、八番の試掘はないと、その六、七、八の試掘は四月五日の後に掘られたのではないかという答弁がございました。そういうことでよろしいですね。
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。 私が午前中に御答弁申し上げましたのは、六、七、八に限定した答弁ではなかったんですけれども、まず、近畿財務局の方が写真を撮影したのは四月五日であると、試掘報告書の方についてはそれ以降というふうに申し上げましたが、改めて各写真の、いわゆるナンバー八まである写真のプロパティーを確認したところ、一部、三枚程度でございますけれども、四月五日以前のものもございましたので、その点については訂正をさせていただきたいと思います。
○小川敏夫君 じゃ、訂正するというのは、その四月五日の段階で、業者提出の六、七、八番の試掘は写真から見て明らかに確認できないということは認めた上で、あとその事情は今の段階で分からないと、こういうことですか。
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。 近畿財務局の方の写真は全て四月五日に現地確認をした際に撮影をしたものでございます。 一方で、試掘報告書の方にありました写真はナンバー八まででございまして、写真の枚数としては二十一枚であったかと思いますが、そのうちの三枚については四月五日以前の三月のプロパティーのものもございましたので、その点については四月五日以降と申し上げたところを訂正させていただきたいという趣旨でございます。
○小川敏夫君 財務省はこれまで、三月三十日に現地確認して、で、試掘を確認しましたといって十七枚の写真を出してきたわけで、そうした答弁をまるっきり根底からひっくり返すような答弁。改めて時間を掛けて質問をしますけど、国交省、ですから、積算資料として受け取った資料の六、七、八番の写真、四月五日の財務省撮影の写真には写っていないというこの客観的事実を踏まえて、その六、七、八番の試掘についてどのように説明をするのか、お答えください。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答え申し上げます。 まず、委員御指摘の近畿財務局職員が撮影いたしました四十六枚の写真につきましては、平成三十年五月に財務省が交渉記録を公表する際に入手したものでございまして、平成二十八年の見積り時点において大阪航空局が入手しておらず、大阪航空局の見積りにおいて使用したものではございません。 また、御指摘の資料は、近畿財務局の職員が四月五日の現地確認の後に作成したものでございまして、その位置がどれほど精緻に作成されたものであるか等については私ども承知しておらず、先生の御指摘に対しまして国土交通省としてお答えすることが難しいことは御理解いただきたいと思います。 その上で申し上げますと、大阪航空局が見積りを行います際に材料の一つとしましたのは四月五日の後に事業者から提出されました試掘報告書でございます。この試掘報告書におきましては、八か所の試掘穴の位置が示されているものと承知しております。 いずれにいたしましても、試掘穴の掘削の経緯、当初二十か所程度を掘った後に埋め戻した結果が八か所で、それを試掘報告書で作成しているという点などにつきましては、平成三十一年三月一日の衆議院財務金融委員会の理事会におきます御議論を踏まえまして、現在、確認を進めるための準備をしているところですので、これに対する事業者からの回答の中で明らかになる部分もあるものと認識しております。
○小川敏夫君 何にも答えないから。要するに、この後事業者に、写真を提出した、報告書を提出した事業者に確認すると、こういうことですか。
○政府参考人(岩崎俊一君) お答え申し上げます。 現在、事業者に対しまして確認を進めるための準備をしているところでございまして、その回答の中で明らかになる部分もあるものというふうに認識をしているということでございます。
○小川敏夫君 これまで財務省や国交省も一貫して三月三十日に試掘を確認したと。で、財務省は十七枚の写真と資料を出して、そして国会で答弁ずっとしてきたわけで、それが今度、四月の五日の写真で穴がない、報告書の穴がないとなったら、また業者に聞かなきゃ全て分からないというのは、じゃ、これまでの説明、議論は一体何だったのか、余りにもいいかげん過ぎる。 所詮いいかげんなことやってきたからだとは思いますけれども、それを指摘して、今日の質問を終わります。
○委員長(横山信一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時十九分散会