農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2019/04/18
会議録
○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、藤末健三君、長峯誠君、佐々木さやか君及び紙智子君が委員を辞任され、その補欠として平野達男君、谷合正明君、山添拓君及び小川克巳君が選任されました。 ─────────────
○委員長(堂故茂君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農業用ため池の管理及び保全に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官山口博之君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(堂故茂君) 農業用ため池の管理及び保全に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○進藤金日子君 自由民主党・国民の声の進藤金日子でございます。 本日は、私の専門分野の一つでありますため池に関する法案に質問の機会をいただきまして、理事の皆様方、委員の皆様方に心から感謝申し上げたいというふうに思います。 本題に入る前に、昨日、二十例目の豚コレラの発生が岐阜県恵那市で確認されました。これはまさにゆゆしき事態でございます。本件につきましては、ちょうどもう、四月九日ですよ、九日に本委員会で決議をして、その後も与野党を問わず質疑を通じて再三対策の強化を、徹底強化を申し入れてきた中での発生であります。本当に言葉を失うという状況でございます。 ただ、これは気合で乗り切るとか関係者を厳しく怒る、叱責するとか、そういうことで終息するものではないんだろうというふうに思います。こういうときだからこそ沈着冷静に、みんなで英知を出し合いながら、時には冷徹に、そして毅然として必要な対策をスピーディーかつ強力に推進していくことが重要だというふうに考えております。 そうした中で、必ず議論になるのがワクチンの接種であります。このワクチンの接種の問題、吉川大臣にお尋ねしたいと思います。 今回の豚コレラ発生の状況や過去の家畜伝染病予防法改正の経緯等を踏まえまして、ワクチン接種に対する我が国の方針、これ明確に御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) ワクチン接種について御指摘と申しましょうか、御質問をいただきましたけれども、もう既に進藤委員御承知のとおりだと思いまするけれども、豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針におきましては、埋却を含む防疫措置の進捗状況、感染の広がり、周辺農場数、山や河川といった地理的状況を考慮して、発生農場における迅速な屠殺及び周辺農場の移動制限のみによっては感染拡大の防止が困難と考えられる場合には、蔓延防止のための緊急ワクチンの接種を決定するといたしているところでございます。 これまでの発生事例につきましては、疫学調査チームの報告等によれば、飼養衛生管理基準の遵守がなされていたとは言えない部分もあると指摘をされているため、まずは飼養衛生管理基準の遵守や早期発見等により、同病の発生予防及び蔓延防止を図っていくことが重要であると考えております。 ワクチンの接種につきましては、専門家の話も聞き、様々な角度から検討を重ねているところでもございまするけれども、今のところ、この接種を直ちに行う状況にあるとはまだ考えていないところでございます。仮に飼養豚へのワクチンを使用した場合でありまするけれども、再感染へのおそれからワクチン接種を止めるのに長期間を要すること、その間、生産者にはワクチン接種のための掛かり増しのコストが必要となることがございます。かつて我が国で、ワクチン接種の中止宣言から完全に中止するまで十年以上掛かったという経緯もございます。野外感染豚とワクチン接種豚との区別ができないことから接種豚のトレーサビリティーや移動制限等が必要になること、さらには風評被害が生ずる可能性もございます。そして、非清浄国となりますれば輸出入に影響が出る可能性がございます。さらには、農家の飼養衛生管理水準を向上しようとする意欲がそがれまして、アフリカ豚コレラ等の農場への侵入リスクが高まる可能性もあります。 以上のようなデメリットも考えられますが、加えて、ワクチン接種を行う場合にはこれらの影響を受ける可能性のある関係者間の合意形成が前提となります。そのために様々な今ことを想定をいたしながら考慮をしなければならないと思いますが、先ほど申し上げましたように、今のところはこういう状況にあるとは考えていないところでもございます。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 やはりワクチン接種、様々なデメリットが想定されるという御答弁いただいたわけでございますが、家畜伝染病予防法、いわゆる家伝法の大改正が行われたのは平成二十三年三月でございました。その当時は民主党政権下でございまして、当時の田名部匡代農林水産大臣政務官、これいろいろな答弁されております。 そして、ワクチン接種に関しましては、当時、紙智子委員と鹿野道彦農林水産大臣の間で質疑がなされているんです。これ、紙委員はマーカーワクチンの開発の推進、必要性について質問したわけでございますが、これに対して鹿野大臣は、ワクチン接種に関しましてこのように答弁しております。防疫指針におきましても、殺処分と移動制限による方法のみでは蔓延防止が困難であると判断される場合に限って接種家畜の殺処分を前提として実施することとしていると答弁しているわけであります。やはり非常にこれは慎重な判断だということを、当時、鹿野大臣も述べられているわけでございます。 御案内のとおり、我が国ではかつて、今大臣からも御答弁ありましたが、豚コレラ発生、これワクチン接種で克服した経緯があるわけであります。こうした中で、関係者の本当にこれは大変なコストと血のにじむような努力の結果、二〇〇六年であります、平成十八年四月一日以降にワクチン接種を全面中止することができたわけでございます。そして、ワクチンの非接種国という前提の下で、翌年の二〇〇七年、平成十九年に国際獣疫事務局、いわゆるOIEと言われているところです、このOIEの規約に従いまして、日本はこれ晴れて豚コレラ清浄国になった。これも十二年、本当にまだ最近なんですね。こういった経緯があるわけであります。 また、やはりワクチン接種というのは、これ他の豚、豚のみならず他の畜種にもこれ影響を及ぼすんじゃないかと。まさに今回の岐阜県や愛知県の豚コレラ発生を抑える手段としてこのワクチンを仮に使ったとすれば、これは我が国の畜産業全体の存亡に関わる重大事態になるんじゃないか、これやはり関係者でしっかりと認識しないといけないんじゃないかというふうに思います。 また、現実問題として、今回の豚コレラ発生をどのようにして抑えるのか。これは甘い見方は禁物でございます。これは甘い見方しちゃいけないんですが、実はこれ、今のところ岐阜県と愛知県、一部大阪府、滋賀県、長野県ありますが、そこはもう拡大していませんから、ある意味では岐阜県と愛知県に封じ込めているという見方をする関係者もいるわけであります。であれば、県や市町村との役割分担、これは法令等に基づいてきっちりと整理しているわけですから、これは大前提として極めて重要であります。 しかしながら、徹底的な封じ込めに、これ吉川大臣いつも言われておりますけど、できることは何でもやるんだと、これやはり大切です。しかし、従来の法令等に基づく役割分担の中で、往々にして県任せ、市町村任せとなってしまいますと、これはやっぱり豚コレラは終息しないんじゃないか。もちろん県にも市町村にもしっかりやるべきことは徹底してやってもらわないといけないということはこれはもう前提なわけでございますが、しかしながら、結果としてまだ終息していないということであります。 そこで、二月五日に出された対策の更なる徹底図るか、あるいはこの対策を見直すのか、さらには各種対策費用、対策費の費用負担の在り方も含めて、国がもう更に前面に立って、前に立って、豚コレラの終息を図るべきと考えるんですが、吉川大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) この豚コレラの発生予防対策につきましては、先ほども申し上げましたけれども、まずはこの飼養衛生管理基準の遵守が最も重要であると考えております。 岐阜県内の全ての養豚場に対しまして国が主導して現地指導を行うとともに、その後の現地調査で指導事項の一部について改善されていない農場がありましたことから、再度、全農場を対象に国主導による現地指導も今進めているところでもございます。 さらには、私ども農林水産省消費・安全局から岐阜県、愛知県に参りまして、両県の幹部の皆さんとも協議をしながら、この飼養衛生管理基準、さらには今後の対策等につきましても話合いも行っているところでもございます。さらに、必要でありますれば、また幹部あるいは政務二役も派遣をさせていただいて、更にこれからの次善の策というものも進めていかなければという、そういう思いでもございます。 さらに、今、進藤委員から御指摘をいただきました各種対策の費用負担の在り方などについてお答えをさせていただきたいと思いますけれども、まずは、感染イノシシからのウイルス侵入リスクの低減も重要な課題でありましたので、防護柵の設置ですとか捕獲活動の強化等を支援する対策を講じてまいりました。我が国初めての取組でもあります野生イノシシに対する経口ワクチンの散布も、県の費用負担なく今実施をしているところでもございます。 加えて、豚コレラの発生農場等への支援も重要な課題であると認識をいたしておりまして、家伝法に基づく手当金の支払を開始をいたしましたほか、経営再開に向けて、この家畜疾病経営維持資金等の低利融資ですとか家畜防疫互助基金も用意をさせていただきました。 さらには、この対策につきまして国が前面に立って、委員会で御決議をいただきました内容や、この蔓延防止と経営再開に向けまして、自治体の御意見も踏まえながら、養豚農家の皆様に寄り添った対策も今後共に検討をしながら、検討した結果はもう早期に実施をしてまいりたいと思っております。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 やはり今回の豚コレラ終息に向けて更に対策を徹底していくということとともに、やはり今一番不安な思いをされているのは養豚の農家の方々なんだろうと思います。そういった方々にしっかりと寄り添って、この両方の側面から是非ともお願い申し上げたい。今、大臣からは前向きな、非常に前向きな御答弁いただきましたので、是非またその対策を進めてもらいたいというふうに思っております。 私、今回の豚コレラの件、いや、これはもう手を抜いている人は誰もいないんだろうと思います。本当にこれ、みんな一生懸命に対応していると。しかしながら終息しないんです。ですから、本当にこの苦しみはいかほどなのか。 しかしながら、この岐阜県、愛知県はもとより、我が国養豚業のために、これはもちろん岐阜県、愛知県だけのことではなくて、もちろんそこは一義的には岐阜県、愛知県なんですが、やはり我が国の養豚業全体のこれ問題になってくるということだろうと思いますし、ひいては我が国の畜産業全体の話になってくる。まさに不退転の覚悟で、責任を持って早期にこの豚コレラ終息させなければならない。これはアフリカ豚コレラの問題もあるわけですので、水際対策も含めてこれしっかりやっていかないといけない。 今御答弁いただいたわけでございますが、引き続き吉川大臣の強いリーダーシップによりまして、豚コレラの早期に終息すること、是非ともお願い申し上げたいというふうに思います。 あとは、本題のため池の方の質疑に移りたいと思います。 本法案につきましては、これは自民党内、野村部会長の下で相当議論いたしました。そして、衆議院の質疑を見てみても、各会派から非常に丁寧な質問、いい質問が出て、審議なされております。これは多様な視点から本当に質疑がなされているわけでございまして、そうした意味においても、私は、この本法案、しっかりとした内容に仕上がっているんじゃないかなというふうに評価いたしているところでございます。今回の私の質疑では、そういった中での全国の土地改良関係者から寄せられた疑問点を中心に、少し確認的な意味での質疑を行いたいというふうに思います。 まず、歴史的に我が国国民の生存基盤を支えてきたと言っても私は過言でないと思いますこの農業用ため池、これを対象にした、これは本邦初の法律なわけであります。この農業用ため池管理保全法案の制定に向けての吉川大臣の決意をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 進藤委員御指摘のとおり、農業用ため池は、農業生産上不可欠な水を供給する施設といたしまして、我が国農業の発展に歴史的に大きな役割を果たしてきております。しかしながら、江戸時代以前に築造されたり、また築造年代が不明の古い施設が多いことも事実でございまして、昨年の七月豪雨におきましては、西日本を中心に三十二か所のため池が決壊をいたしました。近年、豪雨や大規模な地震によりまして被災するケースが多発をしているところでもございます。 一方で、築造から相当な期間が経過をしまして、権利関係が不明確となっている事例ですとか管理組織が弱体化している事例など、日常の維持管理が適正に行われなくなることが危惧される状況にもあります。このため、施設の所有者、管理者や行政機関の役割分担を明らかにして、今、一刻も早く農業用ため池の適正な管理及び保全が行われる仕組みを整備するべく、本法案を提出をしたところでございます。
○進藤金日子君 ありがとうございました。 やはり昨年も、決壊によって、悲しい、一人の子の命が奪われたという本当に悲惨なことがあったわけでございます。今後、農業用ため池の決壊による災害によって、これはやっぱり一人も犠牲者を出しちゃいけない、そういう中で、この法案、しっかりと運用していかないといけないというふうに思います。 それでは、本法案について細部の確認をさせていただきます。 まず、農業用ため池の届出制度についてお尋ねしたいというふうに思います。 農業用ため池は、歴史的、地域的に様々な経緯がある中で、これ、長年にわたり関係者の緻密な努力によって管理が行われているわけであります。こうした中にありまして、今大臣も御答弁ありましたが、所有者不明のため池、これ一定程度あるわけでございまして、このため池の改修等を行う際には関係する方々が非常に大きな苦労をしてきたわけであります。こうした実態を踏まえれば、まずはこのため池の所有者や管理者を特定することが重要であるというふうに考えるわけであります。 一方で、農業用ため池の届出を行うという行為は、これ、これまでにない新たな義務を課すということになるわけでございまして、率直なところ、管理者等におかれましては届出の積極的なインセンティブが働きにくいんじゃないかという懸念もあると思います。このような懸念を踏まえて、届出制度の必要性をどのように考えているか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) まず、届出のインセンティブがなかなか働きにくいんではないかという御質問でございますが、ため池の防災・減災を的確に講じていくためには、やはり行政機関におきまして、そのため池に関する情報を正確に把握することがまずもって重要ではないかと考えております。 この法律案におきましては、農業用ため池の所在地、所有者、管理者、諸元、構造、こういった情報に関しまして所有者等から都道府県に届け出る仕組みを導入することとしておりますが、これは行政の一方的な必要性から行うものではなく、例えば、現在でも、施設管理者あるいはその所有者に対しましては民法上の工作物責任を負っておりまして、届出をしなくても、何か災害があって被害があれば損害賠償責任を負う場合があるということ、それから、届出を行うことによりましてため池の所在が明らかになるということで、都道府県を始め関係機関の様々な支援を受けることが可能となること、そういったことから、届出制度は農業用ため池の所有者、管理者にとっても意義のある仕組みであると考えておりまして、しっかりその辺りの趣旨を周知を図りながら進めてまいりたいと考えております。
○進藤金日子君 やはり、そういったインセンティブが働かないというところでありますけれども、メリットもあるんだということ、そこをしっかりと周知していただくことが重要ではないかというふうに思います。 次に、本法案では、この農業用ため池の届出をすべき者を実質的に六か月間でこれ特定することとしているわけであります。六か月という期限には、やはり早急に本法案の実効性を確保しなければならないという強い意思が伝わってくるわけでございますが、実務面を考慮しますと、関係者への十分な周知を始め、都道府県、市町村の集中的な取組が重要になるというふうに考えるわけであります。 そこで、国として、こうした状況をどのように受け止めて、具体的にどのような支援を行っていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
○副大臣(高鳥修一君) 進藤委員にお答えをいたします。 委員がおっしゃる集中的な取組が重要という御指摘はそのとおりであると考えております。 都道府県における、昨年十一月から新たな選定基準による防災重点ため池の再選定作業を開始しておりまして、今年五月末を目途に選定を終える予定で進められており、農業用ため池に関する情報は整備されつつございます。 一方で、届出対象となる農業用ため池の数が、現在ため池データベースに整備された約九万六千か所から大幅に増加することになり、これらの農業用ため池につきまして六か月の経過期間中に届出を促していくことが必要であることから、制度開始当初における都道府県や市町村の事務負担には十分配慮していく必要があると考えております。 このため、所有者等が届出すべき事項につきましては、これら既に整備したため池データベースの記載と整合を図りつつ、項目を絞り込むことで簡素化いたしまして、都道府県における事務負担の軽減を図ることを考えております。 また、届出に係る行政事務に要する経費につきましては、総務省と調整をいたしまして普通交付税の中で適切に措置されることとなっており、これにより地方公共団体の負担軽減が図られるものと考えております。 さらに、届出が円滑に行われるよう、ため池の所有者等に対しまして本法案の趣旨や届出内容を分かりやすく説明するパンフレット、また、行政の担当者に対しましては事務処理の内容を分かりやすくまとめたマニュアルを作成いたしまして、また、全都道府県において説明会を開催することとしており、こうした取組を通じて、本法案が成立次第、速やかに法案に係る手続の周知を図ってまいりたいと考えております。
○進藤金日子君 ありがとうございます。本当に今具体的な御答弁をいただきまして、感謝申し上げたいと思います。是非とも、今副大臣おっしゃいましたような、答弁なさいましたような内容を是非とも丁寧にやっていただきたいというふうに思います。 次に、この法案の中の第九条に言う防災工事でございますが、この防災工事には土地改良事業を除くというふうにあるわけであります。ということは、この本法案に対応した新たな事業制度が必要なんだろうというふうに考えるわけであります。 ため池防災工事という側面では、これ土地改良法に基づく事業もあるわけでございますから、この土地改良法に基づく事業と同様の工事がなされると、この根拠法が二つあるんだけれども、工事はほぼ同じじゃないかというふうに思われるわけでございます。この場合、双方の工事に関して、技術基準なり助成水準、区分して制度化するのかどうか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) まず、この法律に関連して新たな事業を創設することというのは一切考えておりません。従来から豪雨対策、耐震対策、老朽化対策という防災工事を行ってまいりましたが、公共事業である農村地域防災減災事業、それから非公共事業である農業水路等長寿命化・防災減災事業と、この二本の事業で対応していくということになろうかと思っております。 そして、第九条の届出が必要な防災工事から土地改良事業を除くとしておりますが、これは、土地改良法とこの法律の二重の手続を避けるというふうな意味合いから、そのような規定を設けております。 技術基準につきましても、農水省において土地改良事業設計指針「ため池整備」という設計指針ございまして、土地改良事業と同じようにこの設計指針を参考として設計を行うこととしておりまして、基本的に、技術基準、それから事業、この二点について土地改良事業と同じ扱いになるというように考えてございます。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 これ、新たな制度を創設しないということになりますと、既存の制度の中で根拠法が違うものを選んでいかないといけないということになるんだろうというふうに思います。そうなりますと、どちらの法に基づいてこの事業を実施すればいいのか、現場、非常に悩むケースがあると思いますが、例えば、本法案に基づき実施する防災工事というのを、所有者不明等の要因によって土地改良事業でため池防災工事実施するのが困難なため池、これは、この今の土地改良の中では非常に難しいと。ただ、今回の法案でやりますといろいろな規定がありますから、特例は、特例というのは裁定だとかいろいろありますから、そっちでやった方がいいんだと。 まさに所有者不明等の要因によって土地改良事業でため池工事の工事を実施するのが困難なため池について本法案での基づく事業を実施する、こういったような理解でよろしいのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) 進藤議員のおっしゃるとおりでございまして、これまでどおり、地元で合意形成ができて、それで老朽化対策などで申請行為ができるというものは、従来どおり土地改良事業でやっていただくということになろうかと思います。 一方で、所有者が不明であるとか、なかなか地元合意が、それを要因として地元合意が取れないといった場合には、こちらの法案で粛々と知事が公告し、探索した上で公告し、名のり出なければ知事の代執行ということで、極めて手続が、これまでできなかった手続がスムーズにいくというふうに考えてございます。 先ほど申し上げたとおり、いずれの場合でも、今、現存、ある補助事業、これを活用していただくことになろうかと思います。
○進藤金日子君 ありがとうございました。 これは、やはり実務を担う現場の担当者に迷いだとか混乱が生じないように分かりやすく指導、周知することが大切だと思いますので、よろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 次に、所有者不明のため池についてお尋ねしたいと思います。 私も先ほど申し上げましたように、各地で相当苦労しているのが所有者不明のため池の管理や整備であります。こうした中で、本法案におきまして、都道府県知事の裁定によるため池の管理の仕組みを整えていただいたこと、これは本当に画期的なことなんだろうというふうに思うわけであります。 そういった中で、第十三条、裁定の申請という条文があるんですが、この中で、政令で定める方法による検索ということを書かれているんです。これ、具体的にはどのようなものを想定されているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) まだ検討中の段階でございますが、あらあらお答えいたしますと、農業経営基盤強化促進法とか森林経営管理法と、いわゆる既に制度化されている制度と同様に、合理的な範囲で探索することを考えております。 具体的に申し上げれば、ため池の敷地について、まず登記簿を確認するということでございます。その後、ため池の占有者、地上権者などから聞き取りを行い、所有者と思われる者の住所地の市町村に照会し、住民票等、これを確認すると。所有者が死亡していることが分かった場合には本籍地の市町村に照会し、戸籍簿等からの相続人の特定といったものを規定する方向で現在検討中でございます。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 ちょっと時間の関係もありますので、少し飛ばしまして、農業用ため池のデータベースについてお尋ねしたいというふうに思います。 本法案では、都道府県知事がため池のデータベースを整備して公表することとしておりますけれども、このデータベースはこれ随時更新するということが必要になってくるわけであります。継続的に相当な事務量もこれ伴うんじゃないかと想定されるわけでございますが、このデータベースの整備等に関してどのような仕組みを考えているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) この都道府県で整備いたしますデータベースについては、その届出情報を的確に登録、更新できるということ、これら情報を活用したため池対策に資する情報分析が行えると、そういった機能を持ち合わせる必要があるだろうと考えております。 国立研究開発法人農研機構がため池防災支援システムというのを内閣府のSIPで開発していただきましたので、この持っているデータベース機能を全国で統一的に活用できるよう現在準備を進めてございます。このシステムを活用しまして届出情報の登録、更新を行うことによって、都道府県の事務量としてはかなり軽減されるといった側面と、都道府県、市町村、国が最新の情報を日常的に共有して、適宜情報を取得、確認することが可能になるというふうに考えてございます。
○進藤金日子君 ありがとうございます。 やはり、こういったデータベースとの関連と、それで今農研機構のお話がございましたけれども、ため池防災支援システム、どう連携していくのか、極めて重要なんだと思います。そういった中で、やはり各地から出てくるのが、水土里情報というのがあるわけでございますが、そことしっかり連携してほしいんだというようなことも来るわけでございますので、是非またその辺も御検討いただきたいと思います。 各方面から提案いただいている内容につきましてはまた別途事務的に御提案させていただいて、しっかりとこの法案成立後に有効に動くように私も努力してまいりたいと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。 これで私の質疑を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○藤田幸久君 私は進藤先生と違ってため池の素人でございますが、まず法案から質問させていただきたいと思います。 本法案で、市町村は、所有者不明の特定農業用のため池について施設管理権を取得することができると、特定農業用ため池に関し必要な防災工事等の実施が期待されているとありますけれども、つまり、市町村は実施主体として農業用ため池に関わる情報を正確にあるいは迅速に把握することが求められているということですが、では、その情報把握を促進する対策をどういうふうに考えているのか、農水大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 藤田委員御指摘のとおり、市町村は、現場に密着した行政機関といたしまして、所有者不明で管理者も不在となった農業用ため池の施設管理権を取得し、適正な管理を行うことを、都道府県と協力して防災工事等を実施することなど、本法案においても重要な役割を果たすことが期待をされているところでございます。 このため、市町村においては正確かつ迅速な情報把握が求められますが、都道府県が行うデータベースの整備において、市町村は、届出内容を確認するための都道府県が行う立入調査に関する協力、未届けため池を確認した場合の都道府県への通知を行う役割を法律上位置付けられておりまして、市町村と都道府県の間で十分に情報共有が図られることが何よりも重要であると考えております。 このことから、国といたしましては、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構で開発したため池防災支援システムをフルに活用いたしましてデータベースを運用することによりまして、市町村及び都道府県が最新の情報を日常的に共有できますように、ため池情報の一元的管理に向けた支援も行ってまいりたいと思っております。
○藤田幸久君 茨城県では、平成二十七年九月の関東・東北豪雨により鬼怒川の堤防が決壊したわけでございまして、周辺に大きな被害が発生いたしました。このため茨城県では、総合治水計画を策定するために平成二十九年度予算に総合治水計画策定事業を計上いたしました。この事業では、ため池等を活用したためる対策として、流域にため池が多い水戸市の西田川をモデル河川としてシミュレーションを行ったわけです。 そこで、農業用ため池の有する洪水防止機能についてどう認識されておられるのか、また、農業用ため池の洪水防止機能を発揮するためにはどのような政府としての支援ができるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) この農業用ため池は、農業用水の確保だけではございませんで、洪水調節や生物の生息域の形成など多面的な機能を有していると認識をいたしております。 農業利用するため池につきましては、ため池の安全性を確保するための地震、豪雨、老朽化対策等を含む様々な支援策も講じているところでございますが、委員御指摘の、農業用のため池を洪水防止単独の目的で活用する方法といたしましては、農業用の用途を廃止し、治水目的に転用して利用することが該当すると考えられます。この場合においてため池の補強等を行う場合には治水施設の基準に適合させる必要があることから、治水部局の補助事業等により再整備を進めていただく必要がございます。 いずれにいたしましても、農林水産省といたしましては、農業用ため池を他の目的に転用する場合には地元や関係行政機関の調整が円滑に行われますように、関係省庁とも連携をしながら取り組んでまいりたいと存じます。
○藤田幸久君 次に、韓国による日本産の水産物等の輸入規制について質問いたします。 東京電力の福島第一原発の事故に伴って、韓国は、福島県を始め私の地元茨城県を含む八県からの全ての水産物について全面的に輸入を禁止するなどの輸入規制を行っています。 第一審のパネルでは、こうした韓国による規制を不当との判断を下したわけですが、先日、これを取り消す判断が上級委員会によって行われたわけです。これは大変なことであります。 日本の主張が、根幹が認められなかったということは、実質的に日本の敗訴と言わざるを得ないんではないですか。これは事実を素直に認め、なぜこういう事態に至ったのか、原因を分析し、検証し、今後の対応に生かしてもらわなければいけないと思っておりますが、政府としての今後の対応についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) WTO上級委員会の報告書において、韓国の輸入規制措置がWTO協定に違反するとしたパネルの判断について、その分析が不十分であるとして取り消されたことは事実でございまして、我が国の主張が認められなかったことは、復興に向けて努力をされてきました被災地の皆様のことを思いますと誠に遺憾でございます。 一方、上級委員会におきましても、日本産食品は科学的に安全であり、韓国が定める安全性の数値基準を十分にクリアできるものであるとの第一審の事実認定は維持されているところでございます。 我が国といたしましては、韓国に対して規制措置全体の撤廃を求める立場に変わりはなく、パネルによる食品安全に関わる事実認定が維持されていることを踏まえまして、韓国との二国間協議を通じまして措置の撤廃を今後も求めていく所存でございます。
○藤田幸久君 そういうふうに説明しているわけですけれども、実際、韓国側は、規制措置は恒久的に続くというふうに言っているわけでして、事実上お墨付きが与えられたような状況にあるんです。 問題は、被災地ばかりではなくて、国内外で日本の農林水産物・食品に対する風評被害が拡大しているわけです。海外において風評被害が拡大しますと、韓国だけではなくて、二十三の国・地域で輸入規制が残っているわけです。この撤廃、緩和にも支障が出るわけでございますが、こうした風評被害、これに対して、要するに、どっちが正しい、間違っているという以上に、どうやって風評被害を止めていくか、この打開策についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 韓国の輸入規制措置につきましては、上級委員会は、第一審の判断をその分析が不十分であるとして取り消しましたが、韓国の措置がWTO協定に整合的であると認めたわけではなく、また、日本産の食品が科学的に安全であり、韓国が定める安全性の数値基準を十分にクリアできるとした第一審の事実認定を維持したと承知をいたしておりますので、この日本産の農林水産物・食品に対する風評被害が拡大がしないように、規制の残る二十三の国・地域に対し、こうした事実関係と、我が国が行っている安全管理の措置により基準値を超える食品が流通することはないことを改めて伝えたいと思いますし、輸入規制の撤廃、緩和を更に働きかけてもまいりたいと存じます。
○藤田幸久君 つまり、伝えたいとか働きかけたいじゃ済まない話なので、それをどうするかということを聞いているわけですから、事実関係云々じゃなくて、実際広がっているわけですから、これを伝えたい、あるいは申し入れたい以上の対策をしていただきたい。これは、恐らく今答えできないかもしれませんけれども、強く要望しておきたいと思います。 そこで、資料をお配りしておりますが、農林中金のこれ大変な問題について質問したいと思っております。 本委員会で、これ重要な問題ですから、農林中金の理事長を出席を求めたところ、農林中金側から、国会で答弁できるレベルの人が出席できないという理由で出席されていないんです。 これは、委員長、やはり非常に重要なことですから、是非出席をしていただくようにお取り計らいをお願いしたいと思います。
○委員長(堂故茂君) 後刻理事会で協議いたします。
○藤田幸久君 そこで、農林中金ですけれども、農協あるいは漁協などが農民や漁民から預かった現在六十六兆円とも言われる資金を預かって、その運用益をこのJAとかJFに還元するという役割であります。しかし、マイナス金利の下で、農林中金の経常利益は二〇一四年度の五千百四十五億円をピークに減少が続いて、二〇一七年度は千七百十億円と減ってきております。二〇一八年度は第三・四半期で前年同期比で五割まで落ちております。これが資料の一番目でございます。右側のグラフ御覧いただきたいと思いますが、この五千百四十五億円が千七百十億円、二〇一七年度。昨年は、これは第三・四半期で前年度比五割に落ち込んでいるというこの数字でございます。 それから、二〇一八年九月末の時点における市場運用資産が六十三兆円でございますけれども、これは、次のページ御覧いただきたい、二ページ目です、二ページの棒グラフの一番右側が六十三兆円です。六十三兆円の内訳がその次の丸でございますけれども、実は海外での運用が七六%です。済みません、白黒の薄い部分、七六%が海外。一番右が内訳ですが、米ドルが五四%占めているんです。 それから、いわゆる企業向けのローン担保証券の保有率が三兆円も増加しています。ローン担保証券というのは、三枚目の図に示してございます。 こういう状況になっているわけですが、以下質問したいと思いますが、まず最初に、吉川大臣は、これ通告していませんが当たり前のことでお聞きするんですが、吉川農水大臣は農林中金の主務大臣でしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 金融庁とも関連をいたしますが、そのとおりでございます。
○藤田幸久君 そこで、主務大臣であります吉川大臣にお聞きしますけれども、農林中金の減益が続いている要因と、このいわゆるローン担保証券を含む対外投資の運用状況についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 決算の概要説明資料によりますと、農林中金の経常利益は、平成二十七年度三千二百四十九億円、平成二十八年度二千百四十億円、平成二十九年度は一千七百十億円と減益傾向が続いております。 これは、農林中金からの聞き取りによりますと、近年、米国の継続的な利上げに伴う外貨調達コストの高止まり等によるものであるということでございまして、また、ディスクロ誌では、農林中金の総資産百四・九兆円、一八年三月末でありますけれども、のうち、その四分の一に当たる二十六・一兆円がCLOを含む外国債務となっているということであります。
○藤田幸久君 そのCLOのお話が出ましたので、一つ飛ばして次の質問ですけれども、質問通告しておりますが、実は二〇〇八年のリーマン・ショックの際には多くの欧米の銀行が今おっしゃったCLOの購入を縮小したんです。ところが、農林中金はこのCLO市場にとどまって投資を続け、影響力を拡大しているんです。 現在、農林中金の投資先はCLOの中でもトリプルAという格付の高いもので、これはまあ今のところはよろしいわけですが、ただ、これは市場をめぐる状況が一たび変われば損失が出かねない。この三枚目の資料を御覧いただければ、三枚目の資料、大臣、一番右のところにリスク・リターンとありますが、低、高、要するに、景気が悪化すれば不良債権化する。だから、リターンも高いけれどもリスクも高い。したがって、市場をめぐる状況が一たび変われば損失がしかねないと。 そこでお伺いしたいんですが、こういう運用方法については経営陣が全く自由に決定できるのか、例えばポートフォリオなどの規定はないのか。そのことについて、質問通告しておりますが、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。 国際分散投資を行うといった基本的な運用方針を含む経営計画につきましては、主要な県域の代表者が構成員となっております経営管理委員会で決定されることとなっておりまして、経営陣が構成員の理事会のみで決定されるという形にはなっていないというふうに承知しております。 また、具体的な金融商品ごとのポートフォリオにつきましては、年二回、ポートフォリオ運営方針というのを理事会で決定いたしまして、それに基づく運用状況につきまして、この経営陣、理事会から経営委員会に報告が行われているというふうに承知しております。
○藤田幸久君 そうしますと、ポートフォリオの変更というのは今までできてきているんですか。例えば年金運用基金はポートフォリオを変えましたけれども、そういうふうに変えてきているんですか、ポートフォリオを。
○政府参考人(大澤誠君) これは、年二回ずつそのポートフォリオ運営方針というのを決定しておりますので、その都度変更してきているというふうに理解してございます。
○藤田幸久君 では、その、ここ五年ぐらいでもいいですけれども、ポートフォリオ、年二回にどういうふうに変わってきたかという資料を出していただきたいんですが、よろしいですか。
○政府参考人(大澤誠君) それにつきましては、農林中金という民間金融機関の個別の経営判断でございますので、今ちょっと即答しかねます。
○藤田幸久君 では、ただ、公開が可能かどうか検討して、できれば提出をしていただきたいと思います。 それから、運用方法についてJAやJFに対して事前説明や事後報告を行っているのか。そうすると、例えばポートフォリオ変更についてもJAやJFについて事前説明しているのか、あるいは事後報告、変更したことによってこれだけ損失が出ている、事後報告をやっているのかについてお答えいただきたい。
○政府参考人(大澤誠君) これ、先ほどの答弁の中にも触れさせていただきましたが、農林中金の運用状況につきましては、主要な県域の代表者等がメンバーとなっております経営管理委員会におきまして、経営陣、理事会の方から報告が行われているというふうに承知をいたしております。また、JAやJF等の会員の代表者で構成されます総代に対しましては、運用状況や収支見通し等を踏まえた中期経営計画や単年度経営計画の策定に当たりまして、事前段階で説明を行いまして、意見聴取を行っているというふうに承知しております。
○藤田幸久君 ということは、農林中金は仮に民間機関としても、JAやJFについての説明資料については農水省としてアクセスが出て、あるいはそれについて出していただくことは可能ですね。
○政府参考人(大澤誠君) JA、JFにつきましても、これは、法律には基づいておりますけれども、協同組合としての法律に基づいておりますけれども、運営自体については、これは民間企業でございますので、これにつきましても即答はしかねます。
○藤田幸久君 その二〇〇八年、リーマン・ショック後も、先ほど申しましたけれども、欧米の銀行がCLOから撤退した、縮小した後も、この農林中金はとどまって拡大をしていった理由は何でしょうか。
○政府参考人(大澤誠君) これにつきまして農林中金から聞き取ったところ、リーマン・ショック時におきましても、トリプルA格のCLOにつきましては、時価の変動はありましたけれどもデフォルトした実績はございませんで、ストレスに対する高い耐久性が確認されているということをまず聞いております。 特に、リーマン・ショック以降に農林中金が保有しているCLOにつきましては、そのCLOを組成するマネジャーの厳選でありますとか定期訪問でありますとか、クオリティー分析あるいはストレス耐性分析、月次、毎月のモニタリング等を通じまして高度なリスク管理が行えるものに限定しているということで、ほかの投資商品と比べてもリスク面で遜色のない状況にあるということが理由ではないかというふうに聞いております。
○藤田幸久君 では、そういう理由を述べた上で、何で昨年、CLOへの投資を急増させたんでしょうか。
○政府参考人(大澤誠君) これも農林中金からの聞き取りでございますけれども、農林中金のポートフォリオの基本コンセプトとして国際分散投資ということがございます。これは、債券、株式、CLOなどのクレジット資産を中心に、これらから得られる収益とリスクを考慮しながら農林中金のリスク管理体制の下で投資判断やリスク管理を実施する中で、結果的にCLOへの投資が増加したものというふうに承知しております。
○藤田幸久君 仮に損失が出た場合、JAやJFに対して農林中金はどういう責任を取るんでしょうか。
○政府参考人(大澤誠君) これにつきましては、農林中金の運用状況につきましては、まず、主要な県域の代表者がメンバーとなっております経営管理委員会におきまして理事会から報告が行われていると。また、JAやJFなどの会員の代表者で構成される総代に対しましては、運用環境や収支見通し等を踏まえた中期経営計画、単年度経営計画の策定に当たりまして、事前に説明を行い、意見聴取を行っていると承知しております。 このように、農林中金の運用方針につきましては系統内での一定の理解が得られるものと認識しておりますけれども、仮に損失が出ている場合には、まず農林中金において系統内への説明責任が果たされるべきものだというふうに認識しております。 なお、最終的な理事の選任権は経営管理委員会にあるものと承知しております。
○藤田幸久君 農林中金が損失を出すと、JAとかJFの系統組織全体、とりわけ多くの農家にとって被害は甚大であるわけですが、最近の資産運用状況について改善などを求める必要がないのか、これを農水大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 農林中金は、農協系統の持つ資金を運用し、還元することによりまして、JAバンクやJFバンクの利益の相当部分を担っております。仮に損失が発生をすれば、JAバンク等や農村地域に甚大な影響を与えるおそれがあると認識をいたしております。 このため、農林水産省といたしましては、農林中金に対し、金融庁と連携をしながら、監督部局と検査部局が一体となって、有価証券運用状況の把握のための聞き取りや、保有する有価証券等のリスクに見合った管理体制の整備を求めているところでもございます。
○藤田幸久君 管理体制の整備等を求めているわけですけれども、もしその適正な運営を確保するためには改善命令等を出すことができるということがありますが、今の段階で改善命令は必要ないと考えているのか、どういう段階になったら改善命令が必要になるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(大澤誠君) 大臣から御答弁いただいたとおり、現在の段階としては、これは金融庁と連携もしながら、運用状況の把握でありますとか、保有する有価証券等のリスクに見合った管理体制の整備ということが大事であろうと思います。 先生の御趣旨は、このCLOが本日のテーマですのでCLOに関してということだと思いますけれども、我々としては、まず、一般的にCLOとしては、格付が低い企業向け貸出しを裏付け資産とした証券化商品と言われておりまして、裏付け資産の悪化を通じてCLOを保有する金融機関に損失を与える潜在的なリスクは指摘されていることは事実でございますけれども、他方、農林中金の保有するCLOにつきましても、先ほどお話ししたとおり、格付が最上位クラスのものに限定しておりますし、裏付け資産の分析やストレス耐性分析も厳格に実施されているという状況であるというふうに認識しておりますので、まずは我々としてはこの運用状況を注視して管理体制の整備をしっかりと求めていくと、今はそういう段階ではないかというふうに考えてございます。
○藤田幸久君 金融庁は、三月ですか、これCLO全体に関する調査をしたと聞いておりますけれども、その調査の状況についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(屋敷利紀君) お答えいたします。 一般にCLOは、先ほど大澤局長からも御説明がございましたけれども、格付が低い企業向け貸出しを裏付け資産とした証券化商品であるために、景気後退局面において、裏付け資産の悪化を通じてCLOを保有する金融機関に損失を与える潜在的なリスクについて指摘されているところでございます。 議員御指摘の実態調査に関する報道を含めまして、金融モニタリングの詳細についてはお答えを差し控えさせていただきますが、金融庁といたしましては、金融機関の低金利環境下における過度な収益追求行動に伴うリスクを注視し、必要に応じてリスク管理体制の整備を促しているところでございます。
○藤田幸久君 その米国企業向けのローンの債権の三分の一が日本の銀行が保有しているというふうに言われておりますし、日本のメガバンク等のCLOの購入が残高が十兆円というふうに言われておりますけれども、このCLOに関しては、イギリスのイングランド銀行のカーニー総裁が、世界金融危機の原因となったアメリカのサブプライムローンとCLOとの類似性を挙げて警鐘を鳴らしておられます。それから、イエレン前アメリカのFRB議長も懸念を表明していると。 こういう状況について、金融庁はこれはどういうふうに認識していますか、こういう方々の見解に関して。
○政府参考人(屋敷利紀君) 議員御指摘のカーニー・イングランド銀行総裁やイエレン前FRB議長の懸念も、裏付け資産の悪化を経由した金融システムへのリスクについて言及されているものと承知しております。 議員御指摘のサブプライムローンの証券化商品でございますけれども、サブプライム商品の下落につきましては、米国の住宅価格の下落をきっかけに、裏付けとなる住宅ローンにおいて利払いの延滞等が生じた結果、サブプライム証券化商品においてもデフォルトが生じ、金融危機の端緒になったと承知しております。 他方、CLOも同じ証券化商品ではありますが、リスクの所在、例えば、再証券化があるかないか、裏付け資産の性質、住宅ローンのみか、あるいは多様な企業向けのローンなのか、デフォルト率の違いなど、サブプライム証券化商品と比較して、CLOのリスクの性質は異なるものと承知しております。 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、CLOの拡大がシステミックリスクに発展し金融システムの安定性が損なわれないよう、内外の経済、市場動向を注視し、必要に応じて適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 と言いながら、去年、金融庁は十二月にこの規制を強化したんで、ぐっとCLO下げましたよね。大丈夫だと言っていながら十二月に下げさせた理由は何ですか。
○政府参考人(屋敷利紀君) 先生御指摘のとおり、昨年、私ども金融庁では、証券化商品の元となる資産の組成者にその一定割合の保有を促す効果を持つリスク・リテンション規制を導入するという対応を行ったところでございます。 私ども金融庁といたしましては、CLO投資の拡大がシステミックリスクに発展し金融システムの安定が損なわれないよう、種々の規制を強化しているところでございまして、引き続き、内外の経済、市場動向を注視し、必要に応じて適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 そのシステミックリスクまでは至らないにしても、それから、先ほど来お話出ておりますように、トリプルAだから今大丈夫だとおっしゃっていますけれども、これでも状況が変われば損失になるわけですね。その点、どうお考えですか。
○政府参考人(屋敷利紀君) 御指摘のとおり、裏付け資産となっております担保の貸付けの状況によりましては損失が生じる可能性というのもあり得るというふうに承知しております。 いずれにいたしましても、そういったCLOを始めとする証券化商品を始め、様々なリスク性商品がシステミックリスクにつながることがないように、金融庁といたしましては適切にモニタリングをしてまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 損失が出てシステミックリスクに至らないという部分は、これ金融庁で対応できるんですか。
○政府参考人(屋敷利紀君) 私ども金融庁の所管金融機関に対しましては、システミックリスクが発生しないように日頃から適切にモニタリングをするとともに、必要に応じてリスク管理体制の整備、高度化を促しているところでございます。
○藤田幸久君 つまり、トリプルAというのは格付ですけれども、一方で、金融庁がこの三月にですか、留意事項の中で、格付をうのみにせず、客観的な資料に基づいて原資産の質や元々の債権者の債権回収能力を個別に検証するよう金融機関に求めたということですね。ということは、トリプルAだから大丈夫だという話じゃないということですね。
○政府参考人(屋敷利紀君) 委員御指摘のとおり、私ども金融庁といたしましては、格付をうのみにすることはなく、金融機関独自にしっかりとリスクの所在を把握しろというふうに私どもでは金融機関に対して求めているところでございます。 先ほど大澤局長からの御答弁もございましたけれども、農林中央金庫を始め金融機関におきましては、格付に依存することなく独自にリスクの所在等の把握に努めているものと承知しております。
○藤田幸久君 農林中金というのは名うての機関投資家という、大変技術あるいはノウハウがあると言われているわけだが、ここに至ってしまった。私は、原因、元凶は、農林中金の問題もさることながら、マイナス金利だろうと思っているんですね。要は利回り追いをしているわけですね、水は低い方に、金利は高い方に。このやっぱりマイナス金利の問題だろうと思うんですけれども、結局海外に融資先を求めざるを得ないと、マイナス金利の結果ですけれども。このマイナス金利政策そのものが、あなた日銀じゃないから自由に言えると思うんですけれども、これが間違っているんじゃ、あるいはそのマイナス金利の弊害がやっぱりこういう影響になっているということは少なくとも言えるんじゃないですか。
○政府参考人(屋敷利紀君) お答えいたします。 日本銀行による金融政策は、政府と一体となり、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けた取組の中で行われているものであり、その具体的な手法については日本銀行に委ねられるべきと考えております。その上で申し上げますと、近年我が国金融機関が外貨建て資産運用を拡大する背景には、金融政策のみならず、国内における顧客の資金需要の低下や国内外の金融市場の動向など様々な要因があると考えております。 金融庁といたしましては、予期せぬ経済、市場環境の変化に対しても金融機関が健全性を維持できるよう、外貨建て資産運用を始め適切なリスク管理体制の構築を促してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 一方で、日銀がこういうマイナス金利政策の結果、アメリカに莫大な巨額のジャパン・マネーが供給されておりまして、今、アメリカだけではなくて、日本の金融機関がアメリカ、ヨーロッパの財政赤字の尻拭いをしていると。もし日本がこの金融緩和政策、マイナス金利政策をやめたらば、アメリカにお金が行かなくなってしまうわけですから、第二の世界金融危機が発生することが懸念されると。 これは昨年なんかも、欧米の新聞、これはファイナンシャル・タイムズの去年の八月ですけれども、日本が、金融機関が海外向けドル建て融資を止めてしまうと、これ金融市場安定性にとって予期せぬ脅威となってしまうと。ですから、マイナス金利で今、日本の銀行困っているわけですが、これ止めたらば欧米が困っちゃうということになっているわけですが、ということは、日本は限界が来るまで金融緩和政策を続けざるを得ないと。 非常に今困っている状況にあると思うんですが、金融庁は、日本の金融機関を守る、そして金融機関に、間接金融の国ですから日本の中小企業等を守る立場にあると思っておりますけれども、そういう立場から今の状況をどうお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(屋敷利紀君) お答えいたします。 銀行をめぐる厳しい経営環境の背景の一つとして低金利環境の継続があると考えられますが、銀行の収益は、金融政策のみならず、借り手企業の資金需要、金融市場の動向や国内外の経済動向、人口減少といった環境変化など、様々な要因の影響を受けるものと考えられます。 現時点において、日本の銀行は充実した資本基盤を備えており、我が国金融システムは安定しておりますが、委員御指摘のとおり、低金利環境の継続などを背景に、金融機関をめぐる経営環境は厳しさを増しております。金融機関においては、こうした厳しい経営環境の下でも持続的なビジネスモデルを自ら構築し、金融仲介機能を発揮していくことが重要と考えております。 金融庁といたしましては、引き続き、将来にわたって金融システムの安定性が確保され、金融仲介機能が十分発揮されるよう、内外の経済、市場動向を注視し、金融機関が厳しい経営環境の下でも持続可能なビジネスモデルを自ら構築できるよう促してまいりたいと考えております。
○藤田幸久君 一言質問します。 つまり、マイナス金利じゃなくて、地方銀行等が自分たちの経営が芳しくないので自分たちで勝手にしろということですか、金融庁としては。
○委員長(堂故茂君) もう時間が来ておりますので、簡潔に答弁願います。
○政府参考人(屋敷利紀君) はい。 金融庁といたしましては、地域金融機関を始め、厳しい経営環境の下でも持続的なビジネスモデルを自ら構築することが重要だと考えております。それに、金融庁といたしましても、モニタリングをしっかりと行いつつ、持続可能なビジネスモデルを構築できるよう促してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○藤田幸久君 先ほどは、農水省の答弁が……
○委員長(堂故茂君) もう時間が来ておりますので。
○藤田幸久君 聞き取りばかりでございましたので、是非、聞き取りではなく、農林中金の理事長の出席を改めて求めまして、質問を終わらせていただきます。
○森ゆうこ君 進藤議員と違って何の専門分野もない森ゆうこでございます。 まず、農業用ため池の管理及び保全に関する法律案についてお聞きをいたします。 昨年の西日本豪雨の災害の後、岩井茂樹前農林水産委員長のリーダーシップによりまして、衆参併せて被災地へ委員会として視察に行ったのは、まあいろんなこともあって当農林水産委員会が初めてということになりました。そして、そのときに広島県、特にため池の状況、確認をいたしまして、また、道中、自由闊達な意見交換がなされ、このような、本当に必要な法律だと思います、提出に至ったというふうに思いますので、この法案が提出されたことについては評価をさせていただきたいというふうに思います。 この法案について逐条でちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、まず、要するに、私たちが視察に行ったところもそうだったんですけれども、裏山にため池があります、林とかで隠れて見えません、その下に住宅地がある、新しく住んでいる住人はその裏山にちょっと雨が降ると決壊するかもしれないため池があるとは想像も付かないというような状況があって、だからこそこうやって、ため池そしてあるいは特定ため池ということでここで定義をして様々な対策を打つということになったわけです。 その住民に危険性を知らせるということは非常に重要であると思うんですけれども、この法律の中では、その住民に知らせることについては努力義務にとどまっているんですけれども、これもう少し強い表現とかはできなかったんでしょうか。
○政府参考人(室本隆司君) 委員おっしゃっているのは、ハザードマップあるいは危険がある場合のその退避の体制整備のことだと理解しておりますが、これは、一般的に努力義務規定であっても、これまでもハザードマップを作って住民参加で退避体制を組んでいただいて、全国でも約七千か所のハザードマップを作っていただいてそういう取組をやっていただいているということで、今回法律に位置付けることによってその辺の周知をしっかりやっていけば、努力義務規定でも十分対応できるというふうに考えてございます。 一方で、例えば土砂警戒区域とか地すべり区域、こういったものというのはその周辺でそういう災害が起きる可能性が十分ありますので、こういった法律においては極めて厳しい措置がとられておりますが、このため池に関しては、ため池の構造物に雨とか地震とかその影響があって、それが決壊するような場合にそれを未然に防止するという、そのための法律でございますので、ハザードマップも努力義務規定で十分周知徹底していけば対応は可能だと、このように考えてございます。
○森ゆうこ君 今のは第十二条なんですけれども、住民に周知させるよう努めるものとするという規定になっているわけです。 ただ、これ、この後聞きますけれども、その防災のための工事をしなければならなくなる、してもらうわけですけれども、やはり今、ゲリラ豪雨とか、何と言ったらいいんでしょうか、物すごい、今までは五十年に一度の雨に対応するように治水施設なんかも設計されていたんですけれども、それでは到底足りないような大変な豪雨、そして災害が起きているわけですから、もう少しこの十二条も、努力義務規定が入ったことはいいんですけれども、もう少し、まずはやっぱり人命救助というか防災ということが重要でありますので、この点はもう少し強めでもよかったのかなというふうに考えるところであります。 それで、特定農業用ため池と指定されますと工事を行わなければならなくなるわけですけれども、先に費用の支援について、これは第二十条ですね。都道府県の市町村あるいは所有者に対する費用の一部の補助、そしてそれに対して、又は国が都道府県に対して、予算の範囲内において、都道府県が前項の規定により補助する費用の一部又は都道府県が自ら施行する防災工事に要する費用の一部を補助することができるというふうに第二十条で規定されているわけですけれども、ため池の改修、その防災のための改修費用等、現場を見た感想ですけれども、かなり掛かるんじゃないかなと、場合によってはというふうに思いますので、この費用の補助というのはどの程度のことを考えられているのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) まず、ため池の防災工事は、主にいわゆる豪雨対策と耐震対策というのがございます。これは、農業者が農業用水を使うということと、それから周辺の住民に危険を与えるという公共性の観点から、今でも私どもの補助事業で農家負担ゼロでできるように措置がされております。 一方で老朽化対策ですね。これは老朽化したものを改修して新しくしていくということですから、これは農業者側も農業用水を継続的に使っていくということで農業者にもベネフィットが下りるということでございまして、こういう場合には農業者負担をいただいているということでございまして、ただ、ほかの排水機場とか揚水機場とか農業水利施設と比べれば農家負担分というのは極めて抑えられているという状況でございます。 農家さんにとってはそう大した大きな負担にならないよう今でも配慮しておりますし、これからもそういうことで対応していきたいというふうに考えてございます。
○森ゆうこ君 場合によっては全額補助ということも考えているということでよろしいですか。確認です。
○政府参考人(室本隆司君) 先ほど申し上げたとおり、豪雨対策若しくは地震対策の場合には、農家負担は基本的にゼロでできます。仮に廃止を行う場合も、これは全面撤去とかあるいは埋立てをしてかなりの金額が掛かる場合はちょっとこれは別でございますけれども、V字カットして水をためないようにするといった工事の場合は定額補助でできることになっております。 現に、今回広島県では、この定額補助をがんがん使いながら廃止に誘導していきたいと、こういうふうに言っておりまして、引き続きそういう対応で私どもも全面的に支援していきたいと考えてございます。
○森ゆうこ君 同じく費用なんですけれども、これ代執行、十一条関係ですけれども、代執行がございます。この十一条を見ておりますと、代執行する場合にはあらかじめ費用負担があるということも相手に告知をする、その執行に関しては代執行法を準用するというふうになっているわけですけれども、この代執行の場合の費用負担というのはどのようになるんでしょうか。
○政府参考人(室本隆司君) これは本来、所有者が特定できないという場合に県知事の代執行ができるという規定を設けておりますが、その所有者にかかわらず、例えばそのため池を使っている水のユーザーがいてる場合、水利組合がある場合、こういったところは現にその農業用水の水を使って耕作をして利益を得ているということになりますので、仮に都道府県知事が代執行をしたとしてもそのユーザーから水を徴収できるということになります。 ただ、これ、例えば多額の金が掛かる防災工事をやった場合、とてもじゃないけどその農家さんが負担できないということも十分あり得ますので、その辺りは事前に県、市町村、それから水のユーザーさんでしっかり情報共有した上で、それでもなかなか所有者が確知できなくて知事がやるしかないといった場合にはやっていくということで、費用負担はその後の手続になってくるのではないかと、こう思っております。無理のない形でやるという、こういうことでございます。
○森ゆうこ君 ありがとうございます。 とにかく、かなり、先ほども御指摘ありましたけれども、これは六か月以内に、法が施行されてから六か月以内にこれを届出をしたりとか、もちろん早急にやらなきゃいけないと思います。また、豪雨災害が起こる時期がもうすぐまた迫っておりますので、昨年のような災害を防ぐためにもこの法律に基づいた早急な対策が必要であるというふうに思っております。 ちょっと細かく通告していなくて、逐条でということでお願いしてあったんですけれども、データベース、今九万ぐらいあって、そして更に増加をして、さらには、今回、特定農業用ため池ということで指定をしていくわけですけど、大体数としてはどれぐらいというふうに予想していらっしゃるのか。
○政府参考人(室本隆司君) 現状のデータベースが九万六千か所でございます。全国二十万か所あると言われておりまして、今その防災重点ため池の選定作業を五月末を目途にやっておりますが、アバウトに言いますと五万か所を超えるのではないかと、防災重点ため池ですね、防災重点ため池は五万か所を超えるのではないかと思っております。 ただし、特定農業用ため池は、そこから国なり地公体が財産権を持っているものを除きますから、これがまた全体の中でたしか一〇%かそのぐらいあったと思いますので、除いてどのぐらいになるかというところだと思います。 今の現状では、新しい基準では五万か所を超えるという見通しを持っております。
○森ゆうこ君 ありがとうございました。 その防災対策に向けたしっかりとした予算措置も併せてお願いをさせていただきたいというふうに思います。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 先ほど来御指摘もありますけれども、豚コレラについて、先般も質問をさせていただきました。質問通告のためにちょっとレクのためにお呼びをしたその次の日にまた新たな二十例目が出るということで、もう大変な状況になっていると私も改めて申し上げたいと思います。 皆様に資料をお配りをさせていただいております。一ページ目でございますけれども、これは、平成二十二年の宮崎県で発生した口蹄疫にどのような対応をして、どれぐらい掛かったのかという資料でございまして、これは農林水産省から作っていただいた資料でございます、一ページ目。そして二ページ目、これも分かりやすいグラフで、発生頭数と殺処分頭数ということで。 皆さん、この一ページ目御覧いただきますと、四か月で終息しているわけでございますけれども、五月には政府口蹄疫対策本部及び現地対策本部が設置され、様々な対応がされて、六月四日には特措法及び政省令の公布、施行というのがされております。その特措法で口蹄疫の予防的殺処分や、様々な対策を講じるために特措法が制定されたというふうに思っておりますけれども、この辺について、当時の対応を御説明いただけますか。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。 議場に配付していただいた資料にもございますように、二〇一〇年、平成二十二年の四月二十日に宮崎県で約十年ぶりに発生いたしました口蹄疫につきましては、感染力、伝播力が非常に強いウイルスであったこと、それから畜産密集地帯の発生であったことということでございまして、一か月を経過した五月十九日までの疑似患畜は十三万頭を超えていたということでございます。同日に最高でございますと十五の複数農場で発生をしたというような状況でございました。 これらによりまして、埋却地の確保が遅れたということで処分が間に合わないという状況もございましたので、それ以上の蔓延防止をする観点から、五月十九日に政府の対策本部を開きまして、患畜、疑似患畜以外の家畜についての殺処分を前提とした口蹄疫のワクチン接種の実施を決めたというふうに承知をしております。 このような対応を可能とするため、五月二十八日に議員立法によりまして口蹄疫対策特別措置法が制定され、六月四日に公布、施行、その後、ワクチン接種患畜のいわゆる予防的殺処分が可能となりまして、九万頭の牛と豚等がその対象となったということでございます。
○森ゆうこ君 当時は、この間も申し上げましたけれども、民主党政権、いわれなき批判を受け、対応が遅いとか全然なっていないとかと言われましたけれども、御覧のとおり、きちんとこれ、議員立法ですけど特措法、民主党が中心となって、当時野党であった自民党の皆さん、他の政党の皆さんからも御協力いただいて、特措法で、予防的殺処分等々、あるいは地域の再生、産業の再生というような様々な項目を入れて特措法で緊急対策を講じたと。そして、それに基づいて、翌年、家伝法が改正をされて、今、そういう、更にきちっとした対応がされているというふうに思っております。 資料三ページ目を御覧ください。これは今回の豚コレラ発生後の経緯でございます。同様に農林水産省からも資料を提出していただいたんですけれども、ちょっとこういう感じで、口蹄疫のときの資料と比較ができないものですから、提出していただいた資料を基にこのような資料にさせていただきました。 既に九か月というふうにこの間御答弁いただいたわけですけれども、随分、ずっと発生して終息がないままに来ている、大変な事態であるというふうに思います。改めてこれ見ていただければというふうに思いますけれども、何度か皆さん方からいろんなワクチンの接種やらいろんなことが質問されていますけれども、なかなか次のステップ、対応に行かないということでございます。 それで、ワクチン接種について先ほども質問ありましたけれども、今隣にいらっしゃる我が会派の政審会長である徳永エリ先生のところに、養豚業界や専門家から、やはりワクチンを接種すべきと強い要請があります。 なぜ接種しないかについてはもう繰り返し要りません。先ほど進藤さんに対して説明をされましたけれども。 それでは、防疫指針、四ページ目に付けておりますけれども、豚コレラ防疫指針第十三ワクチン、法第三十一条というところに、感染の拡大が困難と考えられる場合というふうに、その場合になったらまずワクチンを接種するということなんですけれども、この感染の拡大が困難と考えられる場合とは具体的にどのような場合でしょうか。その前段に書いてあるんですけど、これだとちょっとよく分からないので、どのような場合でしょうか。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。 今御指摘ありましたとおり、家畜伝染病方針におきましては、発生農場における屠殺や周辺農場の移動制限のみによっては感染拡大の防止が困難と考えられる場合ということでございます。 現時点におきましては、関連農場を除きますと、岐阜県、愛知県での発生ということでございますし、現時点で早期に通報をいただきますと、移動制限を掛け、あるいはしっかりと防疫措置をとっているということで、現時点での対応はこの範囲の中で行われているのではないかというふうに考えております。
○森ゆうこ君 それは本当にそうなんでしょうか。 それで、ちょっと質問飛ばしちゃったんですが、先ほどの口蹄疫のとき、結局口蹄疫で死亡した患畜と、及び防疫措置で予防的殺処分ということで殺処分した頭数の合計は何頭だったんでしょうか。 あわせて、今回の豚コレラの発生で死亡した患畜及び防疫措置で殺処分した頭数の累計といいますか、現時点で、昨日発生して、また九千頭ですか、八千頭ですか、処分が追加されたわけですけれども、現時点で今何頭に達しているんでしょうか。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。 宮崎県で発生いたしました口蹄疫につきましては、四月二十日からの約二か月間で合計二十九万七千八百八頭でございます。その内訳は、患畜、疑似患畜として殺処分いたしましたのは二十一万七百十四頭、予防的殺処分をいたしましたのが八万七千九十四頭でございます。 今般の豚コレラにつきましては、十七日に発生いたしました二十例目を含めまして、九月以降、現時点におきまして約八万五千七百頭が殺処分されております。
○森ゆうこ君 そういう意味で、結構限界に来ているんじゃないかなと。殺処分している頭数も、もうその数からして、また更に発生も予想されるわけですから、これ大変な状況ではないかなというふうに思うんですね。 それで、どのような状況になったらワクチンを接種するのか、あらかじめ接種のタイミングとか対象、範囲などについて決めておかないと、もう九か月たっているわけですから、これから慌てて検討したのでは間に合わないんじゃないかと思うんですけれども、あらかじめ、どのような状況になったらワクチンを打つのか。それと併せてなんですけれども、結局、家伝法十七条の二の予防的殺処分、これは口蹄疫なんですね。だから、豚コレラの場合は、防疫指針にも書いてありますけれども、予防的殺処分認められていないんですよ。これから更に深刻な状況になったときにワクチンの接種どうするのか、そして、これ法改正しないと予防的殺処分できないと思いますけれども、これを考えているのかいないのか、それから、ワクチンの備蓄量は現在どうなっているのか、併せて答えてください。
○政府参考人(新井ゆたか君) まず、緊急ワクチンを接種する場合をあらかじめ考えておくべきではないかという御意見でございます。 私どもといたしましては、この防疫指針が考える枠組みということでございまして、これにつきましては専門家等の意見を聞きながら様々な角度から検討を重ねているところでございます。 それから、予防的殺処分につきましては、御指摘のとおり、法律の根拠が要るということでございます。これは患畜でない個人が所有している豚を殺処分するということでございますので、財産権の侵害になるということで、憲法との関係におきまして、ぎりぎりのものということで口蹄疫について認められたということでございます。これにつきましても、現状においてはこのような措置をとることについては極めて慎重であるべきだというふうに考えているところでございます。 それから、ワクチンの備蓄量についてお尋ねがありましたので、お答えをさせていただきます。豚コレラワクチンにつきましては、百万頭分の備蓄を現在しているところでございます。
○森ゆうこ君 専門家からも、もうワクチンを打つようなタイミングに来ている、なぜそこまで抵抗するのかと。もうアフリカ豚コレラも入っていたりしてワクチンが効かないというような話になったりすることを恐れているのではないかという声さえも聞こえてくるわけでして、もう少し、何というんでしょうかね、あらかじめ、今答えられないとしても、きちんと、もう九か月もたっているわけですから、そういうことについて具体的にシミュレーションをしておくべきではないかというふうに思います。 先般、専門家の疫学チームの拡大検討会について議事録を出していただくようにお願いしましたところ、今準備を、黒塗りとか進めていただいているようですので、個人情報は黒塗りと。それから、いろいろ業者さんに迷惑が掛からないようにということで準備をしていただいていると思いますけど、その確認と。それから、三月二十八日の拡大疫学検討会の開催後、記者会見が行われまして、その記者会見の詳しい情報をいただいたんですけれども、そこでは、この間私が指摘しました、要するに立入検査によって拡大したということが否定できないというようなことについて、やはり記者さんたちも深刻に考え、追及をしていらっしゃる部分。それから、田原市ですね。田原市の発生については、イノシシの影響というのが考えられないというような状況でありまして、この間も局長は、いや、今はイノシシからの感染の防止というのに力を入れているというふうにおっしゃったんですが、田原市の場合は、その三月二十八日の検討会だとまだ情報が集まっていないので、その辺のところは断定できないということなんですけれども、この検討会、疫学チームの検討会の最新の状況、分析の状況等々、今言えるところがありましたらお願いいたします。
○政府参考人(新井ゆたか君) 疫学チームにおきましては、ウイルスの侵入経路につきまして、あらゆる可能性を検討しているところでございます。これまで六回開催をしておりまして、十二例目までの発生農場につきましては、現地調査を踏まえ、判明した事実を基に豚コレラの感染経路や今後の対策の検討ということで、今後に向けてのいろいろ指導、助言の材料にも使っているということでございます。十三例目以降につきましては現地調査を逐次実施しておりますけれども、今のところまだいろんなデータが集まっておりませんので、疫学チームの開催まで至っていないということでございます。 委員から御指摘いただきました議事録、それから十二例目のいろんな詳細の情報等につきましては、検討させていただいて、お答えをさせていただきたいと思っております。
○森ゆうこ君 いや、準備して、私に提出してくださるのは準備してくださっているんじゃないですか。別に個人情報が知りたいわけではなく、議事録そのものをいただかないと、私たちがまだ分かっていないいろんな問題点とかそういうことがその会議の中で指摘されているかもしれませんし、私たちが思っている以上に大変な危機、かなり切迫している状況というのが指摘されているかもしれないし、そういうことをやっぱり確認しなければいけないんですよ。確認するべきだと思うんですね。いや、もう終息されているならいいんですよ、終息しているなら。ここまで終息していない、毎日毎日新たな症例が出てくる、こんなんでいいんですか。全然なってないじゃないですか、対応が。 大臣に伺います。予防的殺処分、これは法改正必要ですから。そして、アフリカ豚コレラの場合も、これは予防的殺処分の対象になっていませんので。アフリカ豚コレラはワクチン効かないんですよね。予防的殺処分というか、大々的なことをやらないと急速な蔓延というのを食い止められない。感染力も強い、致死率も高い、だから、そういうことをもう着手していなきゃいけないと思うんですよ。だから、大臣、どうですか、一歩踏み込んでください。
○国務大臣(吉川貴盛君) 予防的殺処分につきましては、森委員も御承知のとおり、これは法的な処置が必要だと思います。 それで、今、岐阜県並びに愛知県とも、私どもの職員も派遣をして、岐阜県、愛知県の農政部あるいは幹部の皆さんとも次善の策についていろいろな協議を今させていただいております。今まで、特に岐阜県におきましては、国主導において飼養衛生管理基準の徹底ということもやってまいりました。改善策も出させていただきました。改善もしていただいたところもございまするけれども、まだ未改善の部分もあるところもございます。 疫学調査チームにおいて、この徹底的な感染経路、イノシシからの感染というのはもうはっきりしているわけでありまするけれども、愛知県におきましては、御指摘いただきましたようなその感染経路につきましてもこの調査チームによってしっかりと今対応をさせていただいておりますので、この検討会、疫学調査チームの検討の結果につきましては、また御報告もしっかりとさせていただきたいと存じております。 今後、この次善の策において、例えば、豚に対する岐阜県において早期出荷ができるのかどうなのかということ、さらに、それと併せて、この予防的殺処分、どのような状況が考えられるか、そして、最終的にワクチンということも考えられます。そういったことも視野に入れながら、これからしっかりとまた更に対応策を強化をしていかなければならないと、私自身はそう思っております。
○森ゆうこ君 そう思っているじゃなくて、指示を出す立場なんですよ。 それで、イノシシが原因だと特定されているという答弁は違うんじゃないんですか、そこは。だって、田原市は周りに陽性の出たイノシシがいない。だから、このイノシシ感染源というのは特定されていませんし、ほかにもいろんな感染の原因が提示されているわけですよ、専門家から。完全にイノシシ、まあイノシシが多いんでしょう、しかし、それで特定されたわけじゃないですよ。そこ、認識違いますよ、大臣。
○国務大臣(吉川貴盛君) 認識が違うと言われれば訂正はさせていただきますが、最初の岐阜県の事例におきましては、野生イノシシによる感染というのが極めて濃厚であるということであります。田原市等につきましては、往来する自動車等々で感染をした経緯があるとも考えられておりますので、まだ特定はされておりませんけれども、これを早めに特定をしていかなければならないと思っております。
○森ゆうこ君 ということで、別にイノシシだと特定されたわけじゃないんですから、そうじゃないところからも発生しているから、これはどうなんだと、情報が集まっていないからその検討結果もまだ示してもらっていないわけですからね。だから、そういう意味でどうなのかなと。ちょっと自民党の皆さんも与党として、政府、督励するように是非お願いしますよ。 もう一回言いますけど、民主党のときはちゃんとこうやって様々な対策をして、四か月で口蹄疫、あれだけの問題を終息させているんですから。遅いですよということを言っておきたいと思います。 だから、資料は、黒塗りが必要なら黒塗りをしていただいて、早めに提出をしていただきたいというふうに思います。 それでは、日米FTA交渉について伺います。 この間の質問の続きから入ろうと思ったんですけれども、今日も各紙で報道されておりますが、日本時間で昨日と言ったらいいんでしょうか、本格的な日米交渉ということで、もう早速農水産物についてはもう合意をしたと、ほぼ合意をしたというような報道もされておりますけれども、そんなぎりぎりの交渉をやってできるだけ抑えていくということをやらなきゃいけないのに、もう合意しちゃったんですか。内閣府副大臣、来ていただいていると思いますが。
○副大臣(田中良生君) 今御質問でありますが、合意をしたということではなくて、今これからやっと交渉が始まるということであります。茂木大臣とライトハイザーの間で、これ昨年九月の日米の共同声明に沿って進めるということがまずは再度確認をしたということであります。
○森ゆうこ君 この間の米国パーデュー農務長官の発言に対する抗議について、ちょっと曖昧だったのでもう一回確認させていただきたいんですけれども、それはいつ誰がどのように抗議をしたんですか。
○政府参考人(塚田玉樹君) お答えいたします。 これまでも日米間の農林水産品の譲許につきましては、首脳間も含めて、重ねてTPPの水準が最大限であるという我が国の立場は明確に米国側に伝えてきておりまして、今回につきましても、先週同発言があった後、直ちに米国の農務省に対しまして、外交ルートを通じて改めて当方の立場を申し入れているところでございます。
○森ゆうこ君 ありがとうございます。 外務省から今答弁いただいたんですが、この答弁をいただくのに、昨日、農水省そして内閣府呼んだんですが、何かはっきりしなくて、結局やっぱり外務省みたいな話になって。もうそういうところをはっきりさせなきゃいけないんですよ。これもうぎりぎりの交渉ですよ。 しかも、改めて伺いますが、二〇一八年九月二十六日の日米共同声明、日本としては農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であることということなんですけれども、これTPPだけじゃないですよね。過去の経済連携協定で約束した譲許内容とは、具体的に何ですか。
○副大臣(田中良生君) 昨年のこの日米共同声明においては、この農林水産品については、過去の経済連携協定で約束した譲許内容が最大限であるとの、この日本の立場が明記をされたところであります。 そして、過去のこの経済連携協定でありますが、全体としてこの最大限のものはTPPであると考えております。その旨も米側にはしっかりと説明をしているところであります。
○森ゆうこ君 時間ですけれども、TPPだけじゃなくて、例えば今回カリフォルニアワインとか、要するにEPAで更に輸入自由化というか障壁が低くなっているものがあるわけですよね。だから、それはEPAも、全体としてという私質問じゃないでしょう。具体的に何かと聞いているわけですよ。それぞれ違うんですよ。 だから、その辺のところをしっかりと、実はTPPだけじゃないと、そこだけ一つ、そこだけ答弁していただいていいですか、TPPだけじゃなくてEPAもあると。例えば、チーズとかワインとかはかえってハードル低くなっているんですよ。TPPが最大じゃないんですよ。そこだけ間違えないようにきちっと明らかにしておいてください。
○委員長(堂故茂君) 時間が来ておりますので、簡潔に答弁願います。
○副大臣(田中良生君) はい。 主要品目等もおいても、これはやはり全体的なものを見ればこれはTPPが間違いなく最大限であると、そのように考えているところであります。しかし、市場アクセス自体はやはり相互に絡み合っているものであります。そういった意味で、我々は、言わばこのガラス細工のようなものをしっかりと合意に持っていこうという過程の中で、あくまでもこのTPPの内容が最大限であるということはしっかりと守っていきたい、そのように考えております。
○森ゆうこ君 ちょっと不満ですけど、時間ですから終わります。
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。 まず、法案に入る前に、私からも豚コレラについて触れざるを得ません。 昨日、残念なことに、岐阜県恵那市で豚コレラの二十例目の発生が確認をされました。岐阜県内でこれまで最大の飼養頭数、九千六百二十八頭ということでございます。同じ恵那市では、二月二日、そして去る四月九日と立て続けに発生をしておりまして、大変ショックを受けております。あえて答弁を求めませんけれども、大臣、先ほど、できることは何でもやると、また考えているということでございます。現状の施策、対応にこだわらずといいますか、日々状況に応じた臨機の対応をお願いしたいと思います。 今日は、もちろんこの今苦しんでおられる養豚農家のことも非常に心配ではありますけれども、実は、その周辺の農家、あるいはジビエに関わる皆様方からも飼養という観点ではない様々な御懸念の声もいただいておりますので、その観点から御質問したいと思います。 先日、愛知県の春日井市の岐阜県境の中山間地の農家の方からお話をお伺いしました。今政府で進めていただいている野生イノシシの経口ワクチンの散布、これはこれでいいんだけれども、ただ、これまでの鳥獣被害対策という文脈からすれば、むしろワクチンを摂取なんということではなくて、もうすぐに捕獲をして生息数を低減させる、その対策をもっと加速させるべきだと、そのように御意見をいただいております。 この点、政府はどのように捉えられているか、お伺いいたします。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。 まず、経口ワクチンについてお話をさせていただきたいと思います。 これは一年間を三期に分けてということでございまして、第一期目が三月二十四日—四月二日に行いました。その経験を踏まえまして、第二期の、二回目の散布を今後開始することにしておりまして、両県の要請を踏まえまして、散布地域をそれぞれ約一・五倍に拡大して経口ワクチンの投与を始めたいと思っております。愛知県は四月二十一日、岐阜県は五月七日から開始をすることにしております。 また、御指摘のとおり、鳥獣被害対策の視点を踏まえて野生イノシシの生息数を減少させるという捕獲も大変重要でございまして、愛知県、岐阜県におきましては、従来から、鳥獣保護法に基づきます第二種特定鳥獣管理計画というものにイノシシを指定いたしまして、それぞれ目標と対策を決めて推進しているというふうに承知をしておりますけれども、今回の豚コレラを機に、わなを大幅に増やして今加速化しているという状況だと聞いております。 このように、経口ワクチンと、それから捕獲による生息数の減少ということを並行しながら、それぞれの自治体とも連携しながら進めてまいりたいというふうに考えております。
○里見隆治君 これ通告はしていないし、今日答弁求めませんけれども、実は、その経口ワクチンの散布についても、猟友会の皆さんなどから、これなかなか、届け出るにしても、血液を採って提出をして、またお支払いいただく手数料も相当時間が掛かるといった、そんなお声も聞いていまして、そんな手間ならもう検体を提出しなくていいんじゃないかと、そんなお話も聞いているところでありまして、これはまた改めてお伺いをしますけれども、そうした観点も是非御検討いただければと思います。 この鳥獣被害という対策に加えまして、今政府ではジビエ対策、対策といいますか、ジビエを振興していこうという対策を進められておりますけれども、私の地元愛知県、またその周辺でも、せっかくこの数年、ジビエが振興されてきたという中で、今回の豚コレラの発生、そして野生イノシシへの経口ワクチンの散布ということで、そこに冷や水を浴びせられたというような印象を持っております。このジビエ業界への影響について、農水省ではどのように把握をされていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(室本隆司君) まず、イノシシへの経口ワクチンの散布決定を受けまして、農水省の本省職員を岐阜県、愛知県に派遣をいたしております。ジビエ処理加工施設に訪問しまして、どういった経営への影響があるとか、あるいは何か課題がないでしょうかという聞き取りを行いました。 主な意見としては、いわゆるこの豚コレラ対策が長期化することで、イノシシの食肉利用への影響も長期化が予想されるのではないかといった意見や、処理加工施設周辺の養豚場や野生イノシシで新たに豚コレラ陽性が確認された場合に経営への影響が深刻化するのではないかと。あるいは、イノシシの受入れ範囲で感染イノシシが確認された場合、鹿主体の処理への変更も検討しなければならない、こういった様々な意見、要望が出されております。 これを受けて、農水省として、風評対策被害として、まずは小売、流通団体、外食団体に対して三月二十五日付けで通知を発出しております。中身としては、豚コレラは人に感染することはない、仮に豚コレラにかかったイノシシの肉や加工品を食べたとしても人体に影響はない旨会員に周知を依頼するということと、豚コレラ発生県産であることを理由とした不適切な表示、取引拒否等が行われることがないように要請をしたところでございます。 また、経口ワクチンを摂取したイノシシに由来する食品の安全性についてでありますが、農水省で予備的に検討した結果、人への健康への影響はないと考えられましたが、念のため三月十二日付けで食品安全委員会に評価を諮問しまして、この四月の二日に人の健康に影響を与える可能性は無視できる程度というふうな評価案が委員会で取りまとめられ、現在パブリックコメントが行われているところでございまして、この評価の最終的な評価が示され次第、こうした点も加えて更なる周知徹底を図ってまいりたいと考えてございます。
○里見隆治君 もちろん、我々関係している者は風評被害を抑えようと、実態への、人間への被害はないんだと、これよく分かっているわけですけれども、これでも現に経営に影響が出ているという、これは深刻な問題でございます。 大臣、是非このジビエの振興という点と豚コレラ対策、これ両方相並べて政策を打つのは非常に難しいと思いますけれども、どのように対応いただけるか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(吉川貴盛君) 豚コレラの対応につきましては、もう様々な御指摘、御議論をいただいておりますので、これは終息に向けてしっかりと、さらに次善策も対応してまいりたいと思いますが、今、里見委員から御指摘をいただいておりましたこの豚コレラの発生を受けましてのジビエ等への影響に対してでありますけれども、ジビエの処理加工施設から風評被害に対する国の対策への要望が出されておりますし、また、今後の経営への影響が不安といった声もあることも重々承知もいたしているところでございます。 風評被害の防止を徹底するために、流通、小売関係者への文書の発出等も行ってきたところでありまするけれども、今後は早急にイノシシ肉の安全性をPRするポスターなども作成をしていきたいと思いますし、広く消費者に対する啓発に努めてもまいりたいと存じます。 このジビエ振興というのは政府を挙げた取組でもございます。有害鳥獣の捕獲を地域一体となって進めるためにも非常に重要と考えておりますので、その歩みを止めないためにも、この処理加工施設がジビエ利用を今後とも継続ができますように、イノシシから鹿へ処理を切り替える場合に必要となる処理加工施設関連の資機材の導入支援ももちろんのこと、できる限りの支援につきまして関係者の御要望を伺いながら対応をしっかりとしてまいりたいと存じます。
○里見隆治君 是非、現地の意見、要望も聞きながら対策を進めていただければと思います。 では次に、本題の農業用ため池管理保全に関する法律案について御質問いたします。 このきっかけとなりました昨年の平成三十年七月豪雨、これを受けて、農水省、また政府を挙げて様々取組を進めていただいております。今日は、私のお隣は谷合当時副大臣もため池法案見届けに来ていただいておりますけれども、これは先ほどもう答弁いただいたんで私の方で申し上げますけれども、これは農水省の対応の中で防災重点ため池の選定基準の見直しを行われていると。この結果、見直し前の一万一千だったのが約五万というふうに増えていくということで、その数としては非常に対象範囲広がっていくわけでございます。 そうした中で、その上で、これも政府全体としての動きでございますが、昨年の重点インフラの緊急点検を踏まえて実施することと決定をされている防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策において、ため池の改修、これについてはどのような対策を講じられることになっているか、高野政務官にお伺いいたします。
○大臣政務官(高野光二郎君) 御質問ありがとうございます。 里見委員の御指摘のとおり、防災重点ため池の数は五万か所を超えることが想定をされています。その全てを対象に堤体、これは水をためるための沢等を締め切るための堤でございますが、の改修等のハード対策を短期間で進めることにつきましては、予算の制約や都道府県、市町村等の組織体制からも困難であると考えています。 したがいまして、三か年の緊急対策では、整備の緊急性を踏まえた優先順位を付けた上で、対策期間中に効果が上げられる約一千か所のため池について堤体の改修、補強、洪水吐きの拡幅等対策を実施することといたしております。
○里見隆治君 これ大分、この五万と約一千ということで大分格差があるわけですけれども、ちょっとこの数だけ比較しますと非常に不安になる面もあるんですが、そこはどういうふうに措置をされるのか、農水省として、更に詳しく安心感を与えていただけるような御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) まず、政務官から答弁がございましたとおり、短期間でハード対策を進めるというのは予算の制約等々があって困難であるということで、ため池対策については、その整備の緊急度を踏まえて、ソフトも組み合わせながらやっていくということが基本ではないかと思っております。 その具体的な避難行動につなげるソフト対策でございますけれども、まず、全ての防災重点ため池の位置と貯水量を記載した市町村ごとのため池マップ、これを作成したいと思っております。それを受けて、ため池管理者、行政機関の緊急連絡体制を構築した上で必要なため池情報を地域住民に周知を図るということ、優先順位の高い防災重点ため池から住民のワークショップとかも交えながらハザードマップを作成すると、こういったことを順次進めてまいりたいと考えてございます。
○里見隆治君 いずれにしても、これ全てをハードで即座にというわけにはいかないのは理解しますので、ソフトと併せてということだと思います。 今おっしゃった市町村のハザードマップの作成、これは法律上も努力義務として今回規定をされているわけですけれども、市町村としてはこれで何か新たな負担が加わるのではないか、あるいは財政上もつのか、様々な不安の声も聞いておりまして、これは市町村にお任せということではなくて、国として予算、技術面の支援、お願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(室本隆司君) おっしゃるとおり、ハザードマップについては市町村の努力義務規定として入れております。 ただ、私どもとしましては、都道府県なり市町村にこれを全部一任するのではなくて、国としてもこれまで同様積極的に支援をしてまいりたいと考えてございます。具体的には、予算の関連でございますが、三十一年度のハザードマップの作成予算としては昨年度の約三倍に当たる三十億円を確保してございまして、その他技術支援の面では手引を、どうやってハザードマップを作るかという手引を作成しておりますので、この手引をしっかり周知を図る、あるいは研修なども行っていくということで農政局の方で対応していきたいと、こう考えてございます。
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。 先ほどから広島ということで何回か出ておりますけれども、兵庫県に次いで二番目にため池が多いということでございます。谷合前副大臣からもいろいろお話をお伺いしましたけれども、当委員会としても、本委員会としても視察をし、そういう意味では非常にコミュニケーションを取って地域の要望を丁寧に聞いて御対応いただいているということ、非常に感謝を申し上げたいと思います。 特にこの広島県から、また広島県内の自治体から、ため池の廃止手続が円滑に進むようにという御要望が非常に多かったということも伺っております。この要望について、本法案においてどのような措置が講じられているか、お伺いをいたします。
○政府参考人(室本隆司君) ため池の廃止でございますが、基本的に形状変更を伴うことから、民法上、共有物の場合は全ての共有者の全員同意が必要になると、これがこれまでの必要な手続でございまして、権利関係が複雑化して所有者を特定できない場合には所有者の同意が得られず、なかなか廃止ができなかったというのが広島県さん始め西日本の各県さんの悩みでございました。 広島県始め全国の自治体、それから全国知事会からも、特に廃止が円滑にできるような制度をつくっていただきたいというふうな要望をこの七月豪雨の後受けまして、この法案においては、廃止する必要がある農業用ため池について、所有者の探索を行ってもなお特定できないような場合には、公告手続を経て知事が代執行することができるという仕組みを導入したところでございます。これを活用していただければ、これまでの各県さんの悩みは解消できるのではないかと考えてございます。
○里見隆治君 この法案で都道府県にある程度権限が集約されるといいますか、付与されると。都道府県が所有者等に対して勧告や命令を行う仕組みができております。 ただ、都道府県と所有者あるいは管理者というとこれ距離感がありますし、その間に立つ市町村が適切に関与し、都道府県と管理者、所有者との間を取り持つような、そうした仕組みをうまく醸成していく、持っていく必要があると思います。この点、市町村に対してはどのような役割を期待しているか、お伺いをいたします。
○政府参考人(室本隆司君) 法第三条第一項、これは都道府県及び市町村の責務という条項でございますが、これは相互に連携を図りながら、この法律に基づく措置あるいは農業用ため池の適正な管理、保全に関する施策を講ずる責務を有する旨規定してございます。 市町村は、委員おっしゃるとおり、現場に一番近い、密着しているというふうな地公体でございますので、市町村が直接行う事務については、地域の防災あるいは産業振興を担う自治体として、特定農業用ため池に関しまして、一つは、周辺住民の避難に必要なハザードマップの作成、二つ目は、所有者が不明の場合に、地域の農業者や周辺住民と調整しつつ行う日常的な施設の維持管理の主体に位置付けているということでございます。 また、都道府県が担う事務についても、市町村は特定農業用ため池の指定に対する意見具申ができる、さらに、県が行う立入調査に協力をする、それから、未届けため池を市町村が確認した場合は県に通知を行うという旨の規定も設けているところでございまして、現場に密着した立場で行政を行う市町村との連携をしっかりと確保していきたいと考えてございます。
○里見隆治君 県、市にそれぞれの役割を与えた上で、しっかりとこれ法律で枠組みをつくったということは、国からの御支援をよろしくお願いしたいと思います。 先ほど来お話ししている広島県内で、世羅町という町があります。こちらで去る三月三十一日にため池シンポジウムを開催されたというふうに報じられております。その中で、ため池の維持管理について熱い議論が交わされたということでございます。 例えば、発言の内容でいいますと、農地の減少、ため池を管理する農業者の高齢化などにより、ため池の管理維持が難しくなっている、ため池の災害リスクが叫ばれる中、防災・減災の専門家ではない農家に対策を求めるのは困難であり、管理責任を問われる精神的な負担は大きいなど、ため池を管理する農事組合の法人の代表などから切実な訴えがあったということでございます。 本法案の第五条で、農業用ため池の所有者は、当該農業用ため池の機能が十分に発揮されるよう、当該農業用ため池の適正な管理に努めなければならないと規定をしております。今御紹介をしましたような高齢化、あるいは専門家ではない農家という、その農家にため池の適正な維持管理を求めるというのは非常に負担が大きいと、それはごもっともな感想、受け止めではないかというふうに思いますが、こうした農家のお声をどのように受け止められますでしょうか。 そもそも、これも先ほど来議論がありましたように、ため池というのは、農業用水という意義のみならず、生物多様性確保という環境保全、また地域用水、洪水調節、親水空間の維持、こうした多面的な機能があるわけでございます。こうした多面的また公的な機能を有するため池に、これを維持管理する農業者に対しては、それが公的な機能を持つというゆえからしても公的に支援をしていく必要があると考えますけれども、農林水産大臣に御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(吉川貴盛君) ため池につきましては、個人や集落、水利組合等で管理しているものがほとんどでございまして、今、里見委員御指摘のとおり、農家の高齢化等によりましてその管理が脆弱化しているものが大きな課題であると私どもも認識をいたしております。 このため、ため池管理マニュアルを管理者等に配付いたしますとともに、例えば、兵庫県と三十八の市町村で組織する協議会が設置するため池サポートセンターで行っているようなため池の点検やあるいは軽微な補修等の技術指導に対しまして国が定額で支援する事業をこの平成三十一年度に創設をしたところでもございます。 ため池の有する環境保全、さらには洪水調節等の多面的機能の適切な発揮を目的といたしまして、地域住民の参画を得てため池の点検、草刈り等を行う場合には、多面的機能支払交付金ですとかあるいは中山間地域等直接支払交付金により支援も行っているところでもございまするけれども、今後とも、こういった各種の制度を活用しながら、ため池の管理についてもしっかりと支援もしてまいりたいと存じます。
○里見隆治君 大臣、よろしくお願いいたします。 以上で質問を終わります。
○儀間光男君 維希の儀間でございます。 質問に入る前に、私の方から、やっぱり豚コレラに対する心配がありますから、政府にあるいは農水省に申入れをしたいと思います。 昨日も新たに発見されて、関係者一同、発見後、恐らくもう寝もやらず、目は腫らして防疫に一生懸命やっていると思うんですが、なかなか出口が見付からない。出口の見えないトンネルほど怖いところはありません。そういうことから、これが、是非、大臣、出口が早めに見えて農家のダメージが少しでも小さくなるように、そして再経営、再生産に意欲が持てるようなことをやっていただきたいと、こういうふうにお願いを申し上げて、質問に入ります。 農業用ため池関連の質問でございます。 まず、これまでのため池の被災数が、六千百九十一件、そのうち七一%が豪雨によるものだと認識をしております。こうして見ますと、その豪雨に対する対策、これがどうも後手後手に回っている。たくさん例はあって、経験もして反省もしておるのに対策が遅れているというように見えてしようがないんですね。 気象変動がやゆされてからもう長くなります。本当に予想できない気象状況です。昨日、おとといなんて、北海道と沖縄が同じ気温ですからね、びっくりですよ。しかも、最低と最高の幅があり過ぎる。北海道は朝から夕方、昼間二十四度ぐらい、違っているんですね。沖縄のは四度、五度ぐらい。そういうようなことで、北海道と沖縄が何で今頃気温が一緒なのか不思議でたまらないぐらい、テレビの番組じゃないけど、あり得へんことだと思っているんですね。 そういう気象が異常になっている状況の中で、やはりそれに対応するような行政であってほしい。今、去年の反省も含めてこの法案が出た、法案は立派な法案であるし、賛成するし、歓迎もしますけれど、後手後手に回った感が否めない。どういうことに、どうなっていたのか、これをスピード感を持ってやっていただきたいと思いますが、どうなんでしょう。今の豚コレラもそうですが、発生して罹患してから対策というのはなかなか難しいから、災害もそうですね、起きてから後のダメージというのは大変ですから、それを予防医学みたいな感じで、予防に先に手を着けて予算等を配置していくというようなことだと、こう思えるんですが、どうなんでしょうか、災害に備えるという意味で。
○国務大臣(吉川貴盛君) 儀間委員御指摘のとおり、このため池の被災要因を見ますと、豪雨を原因とするものが多くございます。その対策の必要性は私どもも十分認識をしているところでもございます。 一方で、平成二十三年の東日本大震災におきまして、福島県の藤沼ため池が決壊をいたしました。ここで死者、行方不明者八名の甚大な被害が発生するなどの経緯も踏まえまして、豪雨対策とともに耐震対策も推進をしてきたところでございます。 事前の防災対策につきましては、被害を未然に防止することができ、災害に伴う被害額及び復旧費と比較をいたしましても経済的に有利であることから、今後更に事前防災を重点的に推進することが重要であると考えているところでもございます。 農林水産省といたしましては、今後とも、豪雨対策と耐震対策について、ため池の緊急性ですとかあるいは優先度に沿って対策を進めていく所存でもございます。
○儀間光男君 今大臣、優先度を決めてとおっしゃいましたけど、この優先度を付けて、これだと復興予算でも、失礼、国土強靱化予算でもいろいろ配慮できると思うことから、どうなんでしょうかね、このことを何年掛けて、幾つの欠陥ダムを発見して何年掛けてやるんだというような具体的なスケジュールは示せませんか。
○政府参考人(室本隆司君) そういう意味では、まさに今般の三か年の緊急対策、この予算を措置していただきましたので、それを使いながら、まずは一番優先度の高いものからこの三か年で整備を進めていくということかなと思っております。 まず、この三か年の緊急対策では、下流の家屋、あるいは学校とか病院、こういった公共施設があるかないか、ため池の規模はどうなんだという辺りで、特に下流への影響度が大きく、かつ二〇二〇年度までに堤体の補強を完了すると、完了すれば効果が発現しますので、そういった約一千か所の防災重点ため池について、この三か年の緊急対策の中でまずは緊急的に対策を進めていこうというふうに考えてございます。 その裏付けとなる予算でございますが、本年度は昨年度の約二倍に当たる国費ベースで二百億円を緊急対策の予算として確保したところでございまして、引き続きスピード感を持ってため池対策を推進してまいりたいと考えてございます。 残るため池については、これはもう数も多くて、今選定している防災重点ため池の作業が終われば、また各県においてその優先度を決めていただいて、各県の予算措置もございますから、そういうもの等をしっかり踏まえながら対策を進めていきたいと、このように考えてございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。 三年で何か一千か所ですか、二千か所ですか。(発言する者あり)三年で一千か所、優先順位を決めておやりになるというようなことでありますから、是非ともそういうことをやっていただきたいなと、こういうふうに思います。 続いて、あとまた時間があれば一回帰ってきたいんですが、平成三十年九月に、いわゆる農研機構、農業・食品産業技術総合研究機構が民間企業と協力をしまして地震や豪雨時にため池の決壊リスクを予測するシステムを開発したと聞いて、認識をしております。そのシステムを活用することで被害が最小限度に恐らく食い止められ、人的被害も避けられるような可能性があると聞いておりますけれど、同システムに基づく情報の共有を国やあるいは都道府県、市町村がどのように連携して活用していくか、あるいは災害を未然に防ぐことにつながっていくか、非常に期待するんでありますが、本年度、聞いておりますと、支援システムの本格的な運用はもうできるんだということに仄聞しておりますが、いつ頃これが実施されていくのか、ちょっと時期を明示していただきたいと思います。
○政府参考人(室本隆司君) まず、法案の第四条に定めるため池の届出の中身、これについては、今委員がおっしゃいました農研機構が開発したため池防災支援システム、このデータベース機能を活用しまして、全国で統一して登録できるよう準備を進めてございます。 このシステムのメリットは、まず、気象庁等が公表する降雨予測データ、これを活用しましてリアルタイムでため池の危険度が予測できるというのが一点です。もう一点は、都道府県、市町村、国による予測結果や被災状況の写真等を瞬時に共有できると。雨が降ってため池が崩れれば、その写真を撮れば、もう全て関係者が瞬時に共有できるという、こういったことが可能でありまして、豪雨時の、あるいは地震時もそうですが、ため池の点検とか応急措置を迅速に行うためには極めて有効であるというふうに考えてございます。 これによって、豪雨災害、地震災害のときにおいても被害を最小限に食い止めることが可能になるのではないかと考えてございますが、今年そのシステムを試行して、もう来年度から本格運用を始めるということで、今関係者が相互に連携してこのシステムの構築に携わっているという状況でございます。
○儀間光男君 これはあれですか、このシステムがスタートするというと、全国の河川の状況を座り所にして分かってしまうと。急ぎ対策しなければ、何々都道府県のどこそこだというところまで掌握できるということの認識でいいんですか。
○政府参考人(室本隆司君) このシステムは、まず、ため池についてデータベース機能をこれは付加して、私どもの農水省の世界でそれを活用することにしていますが、このデータというのは全部関係機関が共有できることになっておりまして、委員がおっしゃるように、河川の水位が例えば上がってきたと、上がってきたということはため池の水位ももちろん上がるわけですから、その周辺の河川等の情報も全て共有する中でため池の危険度を総合的に判断しようということも可能になると考えてございます。
○儀間光男君 是非フル活用して、早めにため池から安全を、安心をいただけるような体制をおつくりいただきたいと思います。 次に行きますけど、一番心配なのは、やっぱり東北、福島県を中心とする東北にあるため池ですよ。放射線が降り注いで降雨とともに山や森や林から下流に流れて、河川にも行くだろうし、あるいはため池にも行く、田んぼにも行くでありましょう。そういう東北、福島県を中心とする東北のため池の状態、これ今、除染作業で国が都道府県に依頼していろいろやっていることは知っておりますけれど、これらは、先ほど言いかけたんですが、いわゆる復興予算が手当てできると思いますね。農林水産省として福島復興復旧担当を設置するなどいろいろ手をやっているんですが、このため池の除染の状況、これどうなっているか。特に福島県を中心に、二、三、例を挙げていただければと思いますが。
○政府参考人(室本隆司君) まず、福島県内のため池において、これは県とか市町村が事業主体となって、ため池の、これは除染ではなくて、除染ではなくて高濃度放射性物質対策、これを今進めているということでございます。この目的は、ため池にたまる土砂等をしゅんせつ、農家さんとか水利組合がしゅんせつするときに、そのため池の堆積土にキログラム当たり八千ベクレル以上の高濃度の放射線が堆積しておれば被曝を受けるということで、あらかじめそれを取ってやろうということで今やっております。 平成二十五年度から二十九年度にかけまして福島県内のため池を調査し、底質の除去が必要とされるため池を一千か所選定いたしました。そのうち二十七年度から四百四十四か所で事業に着手をしまして、現在までに二百七十一か所で対策を完了してございます。 二十七年度から二十九年度までは、年間百か所程度のため池で、底質の除去工法をポンプしゅんせつ、ポンプでくみ上げるようなしゅんせつをやっていたんですが、なかなかこれは時間が掛かるということで、新しくバックホーで、アームでもう直接かき出すというような工法を採用したことによりまして、昨年度は、従来百か所だったものが二百三十九か所で着手することが可能になったということでございます。 これからもこの対策を進めていきたいと、こう考えてございます。
○儀間光男君 このバックホーというのは、水抜いてやるんですか、それとも水たまったままやるんですか。
○政府参考人(室本隆司君) 完全に抜かなくても、バックホーのアームが届くぐらい水位を低下させて、全て低下させると今度被曝を受けますから、作業員がですね、ある程度ためた状況で掘削をしていくということでございます。
○儀間光男君 今、その水をためたままだと被曝する可能性を素人ながらも分かるものですからちょっと心配したんですが、聞きますというと、大体いかだみたいなものを作って浮けて、船上で、底板の薄いいかだみたいな船上でしゅんせつする作業をやっているというような状況を現場から私聞いておるんですが、どうなんですかね、取り残す、池の底にしゅんせつ土を取り残す可能性というのはないんですか。完全にしゅんせつできて、それを水分を抜いて、いわゆる含水率をほぼゼロにしてやっていくことは可能性はあるんですか。
○政府参考人(室本隆司君) 今委員がおっしゃったいかだを浮かべてというのは、まさに従来工法の、そこからポンプ、ポンプで吸い上げて、配管して吸い上げるという工法だったんですが、今はまさにバックホーで水を、水位を低下させて重機でかいているということで促進を図っているということでございます。 それで、全ての堆積土砂を取らなきゃいけないかどうかは、これは、基本的にキログラム当たり八千ベクレルを下回ればこれは影響はないということになりますので、現場ではその八千ベクレル未満になるような堆積土砂の除去を行っているというふうに承知をしてございます。
○儀間光男君 これ、聞いていますと、今の答弁もそうですが、都道府県、市町村に任せているからなかなかというような感じがしないでもないんですが、これが今の基準値を下回ったかどうかは誰が検査をしているんですか。その管理はどういう機関でやっているんですか。
○政府参考人(室本隆司君) 基本的には、これは発注者である、例えば市町村が発注者であって建設業者が受注をするということになれば、業者は発注者が指定した特別仕様書に基づいて検査を行うことになります。ですから、その仕様書に基づいて、一応、全ての確認行為は行われているというふうに考えてございます。
○儀間光男君 時間がないので、これ詳しくはまた後で、続いて機会があればやりたいんですが、なぜそういう心配をするかというと、今、ただでさえ福島の農産品、風評被害も含めてなかなか諸外国から受け入れられていない。この前の韓国からのWTOの敗訴も、いわゆる信頼がないからなんですよ、風評も含めて。韓国とは国対国が余り信頼できていないからああいう形にもなるのかなと思ったりするんですが、安全を提供するというのと安心をいただくというのは別なんですね。 だから、風評で、あるいはどんなに日本側が、あるいは生産者側が、役所が基準値内ですから心配ないですよと言ったって、買手側が心配か心配じゃないかは決めていくんですから、安全を何年か続けてやっぱり安心だなという安堵感を与えないと買手取らないんですよ。だから、将来更に取り残してセシウムがまた実は発見したんだというようなことになったりしますと、福島の風評被害というのはなくならないんですよ。それが心配なんです。 ですから、取り残しを一切しないように、これを、発注者側から委託を受けた検査員がそれをやって、オーケーでしたからってオーケーということにしますと、信頼しないというわけじゃないけれど、ひょっとすると取り残した分があって、何年か後また同じことに風評が飛んだというようなことがあっては駄目なんですよ。これは豚コレラも口蹄疫、皆そうなんですよ。 だから、風評をはねのけていくには緻密な安全活動が必要なんです。安全活動をして、やっぱり安心よねと言わしめるようなことをしないといけないんですが、今申し上げたような、取り残しはしないんだと、させないんだということは、政府はどういうことを、農林水産省はどういうことを、どういう体制からどういう話を聞いて、あるいはどういうものを見てそういうことに判断するのか、その判断を教えていただきたい。
○政府参考人(室本隆司君) 基本的には、これは、先ほど申し上げたとおり、事業主体は県若しくは市町村でございますので、これは普通の補助事業と同じ手続でございまして、私どもが、例えば市町村が発注する工事に何か検査をするということは基本的にございません。これは補助事業のいわゆる配分者として、補助金適化法に基づいて、それが不正がないかどうか、そういう事実がもしある場合には当然検査をいたしますが、今のところそういう話もございませんので、国の関与は基本的にはないと考えてございます。 発注者たる市町村とか県は、これは環境省が定めるいわゆる様々な基準に基づいて仕様書等を組みますから、一応事業主体の方で検査をして、それでよければよしという判断になっていると思いますが、一応、私ども国としては、その堆積土が今おっしゃったように残っているかとか、あるいは本来取るべきところがまだ取れていないというようなことについて常時定点観測をしておりますので、そういう中で国としての関与をしっかり維持をしていきたいと、こう考えてございます。 このモニタリングをすることによって、一応極端な数字が出たか出ていないかというのは常時把握できることになっておりますので、そういう意味での国の関与というのを維持をしていきたいと、このように考えてございます。
○委員長(堂故茂君) 時間が参っておりますので、よろしくお願いします。
○儀間光男君 はい。 是非しっかりしていただきたいと思いますが、南相馬市の行政情報公開、これはNPO法人が出典して、この出典を私許可を得て、今資料来ているんですけれど、いろんな資料が入っています。これ、今日使い切れませんから、次にしたいと思います。 どうもありがとうございました。 ─────────────
○委員長(堂故茂君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、山添拓君が委員を辞任され、その補欠として紙智子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(堂故茂君) この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に紙智子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(堂故茂君) 質疑を続けます。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 昨年七月の西日本豪雨災害を受けて、農林水産委員会で広島、岡山に調査に行きました。あれから八か月です。復興のために努力している皆さんに敬意を表したいと思います。 福山市で決壊した堂ノ奥池に行きましたけれども、このため池というのはいつできたか分からないところで、木がうっそうと茂っていましたよね。同じ福山市内でため池が決壊して、大量の泥水が民家を直撃して三歳の女の子が亡くなったということでした。 危険なため池であることが把握されていれば、集中豪雨の備えや避難をすることもできたと思うんです。ため池の決壊や河川の氾濫、山の崩壊など自然災害に備えて、まずは自ら身を守るということ、それから家族や近所で助け合うと。行政は、事前にやっぱり危険箇所を把握し、いざというときにいち早く住民に知らせて対応する責任を果たすというのが大事だと思いますので、今回のこの新たな仕組みというのは必要なんだというふうに思います。 そこで、西日本豪雨で六府県の計三十二か所でため池が決壊しましたが、防災重点ため池に選定されていたのは三か所だけと。選定されていないため池が、これなぜ決壊したんでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) これまでの防災重点ため池は、国が、下流に家屋や公共施設等が存在をして、決壊した場合に影響を与えるおそれがあるものとの考えを示していたものの、都道府県が独自に選定基準を策定しておりましたために規模の小さいため池が選定されていなかったものでございます。 七月豪雨で決壊をいたしましたこの三十二か所のため池の多くは、築造年が不明又は古く、周辺地の山の強度が低い真砂土を使って築造されていたために決壊したものであると認識もいたしております。 今後は、決壊等により人的被害が生じないように防災重点ため池の選定の考え方を全国統一基準にいたしまして、本法案に基づく特定農業用ため池の指定を行い、優先順位を付けて、施設の補強に向けた対策と避難行動につなげる対策を効果的に推進をしてまいりたいと思っております。
○紙智子君 農林水産省は、西日本豪雨被害を受けて、ため池対策検討チームというのをつくったわけです。検討したということは、従来のため池保全管理が不十分だったということでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 昨年の七月豪雨を踏まえまして、農林水産省本省、研究機関、広島県等地元関係者等から成るため池検討チームで今回の災害の原因と今後のため池対策の在り方について検討いたしました結果、約二十万か所のため池のうち十万か所しかデータベースに登録をされておらず、ため池の所在地や所有者、使用実態が把握されておりませんでした。 利用実態のないため池や日常の維持管理が適切に行われていないため池が数多くあることが判明をいたしました。権利関係が不明確かつ複雑で、補強や撤去を行うにも権利者の合意が取れないため池も増えておりました。施設の構造上の課題に加えまして、管理保全に関する課題が明らかになったところでございまして、これらの課題に対応するために本法案を今国会に提出をいたしたものでございます。 これを機に農業用ため池の適正な管理及び保全が効果的に行われるように、農林水産省といたしましても万全を尽くしてまいりたいと存じております。
○紙智子君 災害に強い町づくりということは必要なわけですけれども、従来の対策のやっぱりどこに弱点があったのかということを明らかにすることは、今後の対策につなげる上では大事だというふうに思っています。 それで、農業用ため池は、全国、今二十万か所あるというふうに言われていますけれども、江戸時代以前に築造された施設も多く、管理者がデータベース化されたのは約九万六千か所と。データベース化されたため池のうち、管理者が不明なため池が三%の二千四百か所というふうに聞いています。 管理者が不明なため池二千四百か所のこの対応、対策、いつまでにこれ完了するということでしょうか。
○政府参考人(室本隆司君) 管理者が不明又は不在の農業用ため池というのは、まず、農業上の利用が著しく低下しているか全く使われていない状態にある場合が多いというふうに考えておりまして、今後、法に基づき整備するデータベースでは、届出のあった所有者、管理者に関する情報により改めて情報の把握を行うということになろうかと思います。 その上で、依然として管理者が不明又は不在である場合についてですが、施設を廃止するか、あるいは治水などの他用途に転用するのか、地域の関係者において速やかに決めていただく必要があると考えておりまして、仮に廃止工事を行う場合は国の定額の補助事業を活用することが可能であります。また、この法律に基づいて廃止する必要がある農業用ため池について、所有者の探索を行ってもなお特定できない場合には、公告手続を経て都道府県知事が代執行することができる仕組みを導入してございます。
○紙智子君 今後、データベース化されると対策が必要なため池が増えると思いますので、迅速な対応が必要だと思います。 そこで問われるのは、先ほどもちょっとありましたけれども、台風シーズンにいよいよまた向かうと、今年の夏をどうするかということもあるわけで、昨年の経験から、ため池が決壊する危険性があるのであれば早い段階から住民に知らせて避難対策を示すことが必要だというふうに思います。 それで、五月末に向けてため池の再選定を行っていますけれども、ため池法が今年の夏に備えてどういう役割を発揮するんでしょうか。
○政府参考人(室本隆司君) まず、委員がおっしゃるように、夏の台風シーズン前にこの法律を施行することによりまして、再選定が五月の末ということでございますので、それを経て、この法律の手続を経て、まずは特定農業用ため池、これが指定されることになります。これは恐らく一挙に行われるのではなくて、数が多いものですから優先度等を勘案しながら、各都道府県で順次、といえども遅くならないようなスケジュール感で進めていくのではないかと考えておりますが、この法律の施行によりまして、現場レベルではため池の管理上必要となる措置が講じられていないと認められる場合には、まず都道府県による勧告が可能となると、勧告を出せるということになります。 特定農業用ため池については、必要な防災工事が行われない場合の都道府県による工事命令あるいは代執行と、こういうことも可能になってきますし、所有者不明で適正な管理が行われていない場合の市町村による施設管理権の設定、つまり、今まではほったらかしになっていたんだけど、市町村の方で管理権を持てるという手続にも入れますし、あるいは、委員がおっしゃるように、円滑な避難を図るためのハザードマップ、この作成が促進されるというふうな効果があると考えてございまして、そういう観点からも早期に施行することが望ましいというふうに考えてございます。
○紙智子君 やっぱり、昨年のような被害が出ないようにしっかりとした対策が必要だというふうに思います。 それで、ため池には洪水調節機能、土砂流出機能があるわけですけれども、このため池を廃止してこうした機能が失われてしまったら困ると。洪水機能調整を維持するためにため池を残したいと住民が求めた場合にどういう対応すればいいんでしょうか。
○政府参考人(室本隆司君) 仮にそのため池が農業利用がなくなっているため池であれば、管理者不在等によって適正な管理が行われないおそれが高いことから廃止していただくのが基本ではないかと考えておりますが、委員がおっしゃるようにそういう声が現場にあるのであれば、ストックの有効活用の観点から治水目的、洪水調節目的などの他用途に利用されることも十分あり得るというふうに考えてございます。ただし、農業利用を廃止して他用途に使うということになれば、新たな管理者や財産の所有者を決めていただいて、適切に管理していただく者も決めていただかなければいけないと、こうなります。 仮に治水目的、洪水調節目的で補修、補強を行う場合には、治水施設としての施設基準に適合させる必要があることから、治水部局の補助事業等を活用していただいてこのため池の再整備を進めていただくということになりますが、全てそういう治水部局に任せるのではなくて、農水省としても関係行政機関とか地元の調整に乗り出していって、関係省庁と連携が取れるようしっかり取り組んでまいりたいと考えてございます。
○紙智子君 防災工事についてお聞きするんですけれども、危険なため池と認定されて、改修費用が掛かるわけですよね。それで、データベースに登録されているため池のうち、集落、個人等が管理者になっているため池が五万六千か所というふうに書いてありますよね。地震、豪雨に備えて防災工事をする際に、これ自己負担はあるのでしょうか。
○政府参考人(室本隆司君) これは、当該管理者である集落等が自ら工事を行う場合は当然自己負担でやっていただきますが、普通はそういう莫大なお金を自己投資できるわけではありませんので、ほとんどは県営事業で行うことになります。 その場合、豪雨対策、地震対策ということで工事を行うということであれば、農家負担はゼロということになっております。
○紙智子君 市町村の業務と防災工事への支援についてもお聞きします。 ため池法案では、所有者が不明で適正な管理が困難なため池は市町村が管理権を取得することになっています。昨年の森林経営管理法などもそうなんですけれども、市町村の業務がそれによって増えているわけですよね。ため池法によって増える市町村の業務に対する国の支援があるのかと、また、防災工事の実施に当たって財政面を支援すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(室本隆司君) まず、工事の関係でございますが、今回、特に三か年の緊急対策工事を行っていただく場合には、起債充当率が一〇〇%、交付税措置が五〇%という防災・減災・国土強靱化緊急対策事業債というのが活用できることになっておりまして、地方公共団体の負担軽減が図られるというふうに考えております。 それから、一つ目におっしゃいました行政事務が増えるということに対しても、普通交付税の中で適切に措置されることと考えてございます。
○紙智子君 昨年は、このため池の決壊によって多くの被害が発生しました。今年からは、やっぱり早く住民に知らせて、甚大な被害が発生しないように全力を尽くしていただきたいと思います。 あともう少し時間ありますので、前回、先週ですかね、藤木議員が質問されておりました新規就農支援の制度についてお聞きをしたいと思います。 農林水産省は四月一日に、農業次世代人材投資資金の投資対象者の考え方についてという通知を出しました。新規就農支援制度の対象を前年度の世帯全体の所得が六百万円以下にするというものです。これなぜ足切りをするんでしょうか。
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。 農業次世代人材投資事業につきましては、これまでも生活費確保が必須の者などを優先するよう求めておりましたが、事業実施主体でございます自治体等から明確な基準等を提示してほしいとの要望があったところでございます。 農林水産省といたしましては、こうした要望等を踏まえ、今年度の本事業の交付に際しまして、真に支援を必要とする方々に次世代投資資金が効果的に活用されるよう、支援対象者の採択に当たって考慮すべき考え方を示すということで、四月一日付けで御指摘のとおり課長通知を発出いたしまして、交付対象者の考え方の一つとして六百万円以下という数字を具体的にお示ししたものでございます。 なお、これはあくまで優先すべき者を示したものでございまして、六百万円を超える所得があったとしても支援対象とすべき者であると事業実施主体が判断する場合には、予算の範囲内で交付対象とすることは可能であると考えておりまして、四月三日にその旨関係者に通知したところでございます。
○紙智子君 今のお話でも、明確な基準を提示してほしいというふうに市町村から要望があったというふうに言って、それで考え方なんだというふうに言いながら、もう一方で、今の答弁にあったように、市町村の判断で支援対象にすることができるというふうに言っているわけですよね。市町村の判断というのであれば、やっぱり足切りの通知は出すべきではないと思うんです。市町村から問合せがあれば相談に乗ればいいのであって、通知にしてしまうとこれが独り歩きして、実質的にはもうそれが基準になるという面があると思うんですね。 それで、昨年度の実績に当てはめた場合に、この足切りで給付を打ち切られる方というのは何人になるんでしょうか。
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。 昨年度交付した方の報告が全て上がってきておりませんので、今上がってきている範囲でお答えいたします。 現時点で、農業次世代人材投資事業平成三十年度新規採択者は、準備型、研修等を行います準備型で約千人、経営開始型約二千人と見込まれておりますけれども、このうち、現時点で交付対象から氏名等の交付情報の報告がありましたのは、準備型三百六名、経営開始型二百四十五名でございます。これらについて、世帯所得が六百万を超えるかどうかで見ますと、六百万円を超える方は準備型で七十三人、これは三百六人のうちですので約二割、それから経営開始型は二十六名、これは二百四十五人のうちでございますので約一割となってございます。
○紙智子君 だから、切られてしまうという人たちが実際に出てくるんだけれども、今学校に通っているという方から訴えがあったんですね。北海道の親から給付金をもらえなくなったという通知が来たので、学校をやめなければならないと。で、実家の農家を継ぐということで給付金を受けてきたんだけれども、父と母と祖父で六百万円の年収というのは高過ぎるんですかということですよね。 大臣、この方は兄弟もいて、お父さん、お母さん、それからおじいちゃん、家族三人で六百万円というのは高過ぎるんでしょうか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 高過ぎるかどうかと言われるとなかなか返答に困りまするけれども、まあ決して高くはないんではないでしょうか。
○紙智子君 そうなんですよね。 だから、やっぱり本当にぎりぎりかつかつでやっているという中でこういうふうに通知出されて、それでもらえないからという話になると、こういう具体的な話も出てくるので、ここは是非、まあ市町村の判断でということでもあるので、相談に乗っていただいて、ちゃんと丁寧な対応をしてほしいというふうに思うんですけど、大臣、どうでしょう。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今、大澤局長からもお答えをさせていただきましたけれども、今回の通知はあくまでも優先して採択すべき者の考え方を示したものでございまして、六百万円を超える所得があったとしても支援対象とすべき者であると事業実施主体が判断する場合には、予算の範囲内で交付対象とすることはもちろん可能でございます。 また、所得だけで判断するのではなくて、就農ビジョンと研修の目的が明確かどうか、就農が確実に見込まれるかどうかも併せて考えることといたしております。 これらの点を丁寧に現場に説明をいたしまして、事業実施主体が、個別の事情をよく勘案しつつ、真に支援を必要とする方々が採択されますように適切に指導してまいりたいと存じますし、間違ったメッセージを与えないように今後は適切にやってまいりたいと思います。
○紙智子君 大臣、先日、食料自給率について質問したときに、大臣は、生産基盤が弱体化しているということで、若手の新規農業者を着実に増やしていくことなどもしっかりと対応したいというふうにおっしゃったんですよね。 新規就農者を増やすために、この間口をやっぱり広げるということが必要なんだと思うんです。間口を広げるんじゃなくて狭めるようなことはやっぱりやるべきじゃないというふうに思うんですけれども、狭めることになるんじゃないかと、これは、どうですか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 今も私がお答えさせていただきましたように、そのようなことがないように、真に支援を必要とする方がきちっと採択されるように、適切に更に指導してまいります。
○紙智子君 安倍総理も、安倍政権になってから新規就農者が増えているということで、成果として強調してきたわけですよね。だから、やっぱり農業の次世代人材投資資金の投資対象者の考え方についてという通知は、これ新規就農者の夢を壊して現場に混乱を与えてしまうということなので、撤回すべきだということを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(堂故茂君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 農業用ため池の管理及び保全に関する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(堂故茂君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、田名部君から発言を求められておりますので、これを許します。田名部匡代君。
○田名部匡代君 私は、ただいま可決されました農業用ため池の管理及び保全に関する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農業用ため池の管理及び保全に関する法律案に対する附帯決議(案) 農業用ため池は、農業用水を供給する施設として我が国農業の発展に重要な役割を果たしてきた。近年、台風等による豪雨や大規模な地震等により農業用ため池が被災する事例が発生している一方で、江戸時代以前に築造された古い施設や築造時期が明らかでない施設が多く、管理が適正に行われなくなることが懸念される状況にある。 よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 都道府県及び市町村が農業用ため池の適正な管理及び保全に関する施策を講ずるに当たって、農業用ため池に係る正確な情報が、都道府県の整備する農業用ため池に関するデータベースに蓄積されることが前提となる。このため、所有者等による届出が確実に行われるよう周知徹底を図るとともに、市町村が農業用ため池に係る情報を把握できるよう配慮すること。 二 決壊による水害等により周辺区域に被害を及ぼすおそれがあるため池の防災工事が迅速かつ確実に行われるよう、特定農業用ため池の指定の要件を適切に定めること。 三 農業用ため池の管理や廃止に当たっては、地域における水利用の在り方、農業用ため池の位置付け、必要な対策について、農業用ため池の所有者・管理者、農業用水の供給を受ける農業者及び地方公共団体の関係者が十分に話し合いを行うよう、ガイドラインの策定等による支援を行うこと。 四 地方公共団体又は農業用ため池の所有者等が施行する防災工事に対して、適切な財政上の支援を確保するとともに、農業用ため池の所有者等が行う適正な管理に対して、必要となる資金面及び技術面からの援助を実施すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ御賛同をお願いいたします。
○委員長(堂故茂君) ただいま田名部君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(堂故茂君) 全会一致と認めます。よって、田名部君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、吉川農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川農林水産大臣。
○国務大臣(吉川貴盛君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(堂故茂君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十五分散会