内閣委員会 第18号
- 発言数
- 186 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2019/05/23
会議録
○委員長(石井正弘君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、長峯誠君、愛知治郎君及び三木亨君が委員を辞任され、その補欠として山東昭子さん、有村治子さん及び野上浩太郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石井正弘君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官向井治紀君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井正弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井正弘君) 情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤川政人君 おはようございます。自由民主党の藤川でございます。 アナログ人間を標榜し、それを美徳で生き続けていけたら、こんなにすばらしいことはないなと思うときがよくあります。そんな時代遅れの人間であってもいいじゃないかということはよくよくあるわけですけれど、今回のこのデジタル法案についても、委員の質問者の誰にお願いしようかといろんなことを考えましたが、デジタルで非常に興味のある先生方ばかりだと思いますが、私がトップバッターとして質問させていただきます。平井大臣始め、関係の皆さん方、よろしくお願い申し上げます。 行政のデジタル化は喫緊の課題であります。本法案によって今後どのような社会を実現をしていく、いきたいと考えておられるのか、デジタル手続法案の背景と、これによって実現すべき社会像をまず大臣に伺えればと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 質問ありがとうございます。 この法案といいますか、このデジタル化の目的ですけど、基本的には、アナログの世界をより良きものにするためにデジタル技術を使うというのが正しい私は見方だと思います。人間のインターフェースはどうやったってデジタルにはなりませんし、我々の生きている空間はアナログです。 ソサエティー五・〇みたいに言っちゃうと分かりづらくなるんですが、つまり、今住んでいる我々の空間を更に良きものにするためにありとあらゆる技術革新を取り込んでいこうということが基本ですので、安心をしていただきたいというのを冒頭にお話をさせていただいた上で、IT基本法が制定されたのが二〇〇〇年です。このデジタル化に向けて、例えばIT、それからデジタル化というこの流れの中で、本当にいろんなものが変わってしまいました。これから先の変化が恐らく今までよりももっと速いだろうというふうに予想をしています。 そして、一方で、我が国が置かれている現状というのは、少子高齢化、人口減少、また、当然、サービス業の生産性の低さとか行政の非効率性とか、地方がこのままでは大変だというようなことを皆さんおっしゃっていますし、私もそういう認識です。 先ほどもお話ししましたけれども、政府では、ソサエティー五・〇という社会を掲げて、経済発展と社会的課題の解決を両立できる次の新たな社会をつくっていこうということです。ですから、まず、単に何かをデジタル化するということではなくて、社会全体の中にデジタルをうまくどう取り込んでいろんな社会問題を解決していくかということが一番重要な点だと思います。 そして、私もつい先日、ワシントンとEUの方に行ってまいりましたけれども、日本の令和という時代がビューティフルハーモニーというふうに紹介されていることに多くの共感が示されまして、それはもうまさに日本がこれからやっていかなきゃいけないのは、世界で誰もがやっぱり日本が高齢社会のトップランナーだと思っているわけです。すごい注目が集まっている中で、次の時代をどのようにしていくかということに対して積極的にデジタルの力を使っていこうと。そのことに我々はやっぱり注力をしていく上で、次の時代の基盤をつくるというような考え方に基づいて、まずその第一歩としてこの法案があるというふうに思っております。
○藤川政人君 経済的発展、我々の社会にどのようにデジタルを取り込むのか、そういう大きな目標の下で、この法案は、行政手続法に関する、もちろん他省庁含め、それぞれ基礎自治体まで全てこの中で、それぞれの地域の発展、そして生活の維持、多く多くをカバーしていかなければいけない法案だと思います。この法案では、行政手続を原則としてオンライン化を全て行うようにして、国民の利便性が格段に上がるものと私も期待しております。 実際にこの取組を進めるに当たって、乗り越えなければならない課題や考慮しなければならない論点がたくさんあると思っています。この法案には、参考資料集だけでもこんなに分厚いものですから、これこそペーパーレス化の一番のお手本になるななんということを思うわけですけれど、今参議院においても議運でデジタル化、ペーパーレス化についても大きな前進、論議を推し進めているというところでございますので、今回は大臣にはタブレットではなく従来どおりの質疑方法でお願いしたいと思いますが、多岐にわたりますので、余り深掘りした質問ではなくて、全体的にそれぞれ気になるところを伺っていきたいと思います。端的に、簡潔にお答えをいただければと思います。 まず、原則オンライン化の対象はいかがなものになるのか、どういう形になるのか、それに対しては、大きな問題であるかと思いますが、このことにおいて国のどれぐらいの手続を現在オンライン化しようとしているのか、そして、どれほどの手続がそのオンライン化の例えば例外になるのか、それについて、例えばプライオリティーをどこに付けていくのか、利用者が多いところをまず優先していくのか。オンライン化すべきその手続、手順、その辺についての見解を伺えればと思います。
○政府参考人(時澤忠君) お答え申し上げます。 現在、各府省庁からの回答を集計しております行政手続等の棚卸し調査というのがございます。まだ暫定的な数値でございますが、法令に基づく行政手続は約六万種類、年間件数が約二十億件ございます。このうち、国に対する申請等及び申請等に基づく処分通知の行政手続が約三万種類弱ございます。 オンライン化を進めていくに当たりましては、御指摘のとおり、利用者の多い手続など、国民の利便性の向上に資する手続から、費用対効果を精査しつつ、優先的に進めていくべきと考えております。 この点、例えば年間件数が一万件以上である国の手続について見てみますと、手続数が約千三百ございます。この千三百種類の手続が行政手続全体の年間件数の約半数を占めているところでございます。この千三百種類の国の手続の中には、既にオンラインで行うことが可能になっているものもございますけれども、今後、オンラインで行うことができない手続につきましてオンライン化を進める、既にオンライン化されているものにつきましても、手続に係る添付書類の省略など、更なる利便性の向上に取り組んでいきたいと考えております。 取組に当たりましては、オンライン化の例外、これは厳しく精査をいたしまして、国の手続につきまして可能な限りオンライン化を図っていきたいと考えております。
○藤川政人君 そのオンライン化を進めるに当たって今法案を審議をしているわけですけど、これをどのように計画的に進めていくか、それを進めるに当たって、本法案では、行政手続のオンライン化、添付書類を撤廃を実現するために政府が情報システム整備計画を策定することとされております。 本法案成立後、速やかに情報システム整備計画を策定すべきだと考えておりますけど、今後のスケジュールをどのように現段階で想定されておられるのか。また、情報システム整備計画には、新たにオンライン化するためのシステムだけではなくて、既に、今申されたように、オンライン化されている手続についても手続のオンライン利用率を上げるなど、利便性向上の取組も併せて記載すべきであると考えておりますけれど、いかがでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) 情報システム整備計画の策定のスケジュールにつきましては今後検討することといたしておりますけれども、情報システム整備計画は、本法案による行政手続オンライン化を実効あらしめるために不可欠なものでございます。法案をお認めいただけました際には、法案の施行の同じタイミングで年内をめどに策定する方向で検討していきたいというふうに考えております。 また、利用者に対して利便性の高い行政サービスを実現するためには、御指摘のとおり、既にオンライン化されている手続につきましてもオンライン化率等の目標を設定いたしまして、更なる利便性向上の取組を行うことも重要でございますので、情報システム整備計画におきましても併せて取り組んでまいりたいと考えております。
○藤川政人君 計画は、やはりこれは大変重要であり、綿密に、そして正確に、的確に策定をしていただきたい、その作業についても国会等ともいろいろな協議をしながら進めていただきたいと、これは要望をしておきます。 次に、事業を進めるに当たって重要なのは、財源、その予算をどういうふうに持っていくか、これはもうしっかりとしたまた設計も必要になってくるかと思います。また、財源は無尽蔵にあるわけではありませんから、新たなシステム、それを構築するに当たっても、もとより基礎自治体まで行き渡るサービスを提供しようとすれば、後ほど質問もしますけど、在外公館、海外の出先に対してもどういう形でそのネットが結ばれるかということも十分勘案する。ただ、理想と計画と違うところは、それに伴う財源がどれだけ担保できるかというところにも来ると思いますけれど。 その財源についてちょっとお伺いをしますが、行政手続を原則オンライン化する本法案の目的を実現すべく、政府の情報システムを整備していくに当たっては、無駄なシステム、関係予算が発生しないよう効率的に投資を行っていく必要があります。 現在、システム関係予算が無駄に増大化しないよう関係機関で取り組んでいることは承知をしておりますけれど、今後、内閣官房において情報システムの予算や調達を一元化に、実行すべきじゃないか。要するに、それを合わせて、国としても無駄がないようにそれぞれ省庁は横断的にやらなければなりませんけれど、その予算をどういう形で無駄がないように、私が言うように官房に一元化するなり、今、IT、ICT、IoT、それぞれの言葉があって、それぞれの省庁でもそれぞれの必要性に応じて取り組んでいただいているのは分かっておりますし、もちろん、今回の社会保障関係でもこのデジタル化の中でどういう形で運用していくかというのも大きな課題になってくるかと思います。 今申し上げました予算の関係について、一元化の問題についても御答弁をいただければと思います。
○国務大臣(平井卓也君) これからの時代は、このIT調達のやり方次第で、要するに後年度の負担がいろいろと変わってくると思います。それだけ相当賢い調達をしていかなきゃいけないし、その体制を整備しなきゃいかぬということで、現在、内閣官房の下にその要求から執行までを一元化する仕組みを検討しています。できるだけ早く人材を集めて、そういう体制に持っていきたいと思います。 データの利活用ができるようなシステム化であるとか、今、クラウド技術が進んでいますので、セキュリティーを見極めた上でそれをやるということとか、制度改正のたびに物すごいお金が掛かっている今のシステムをそうじゃないようにするであるとか、あと、政府全体として、例えばクラウドを使うんだったら、そのボリュームディスカウントができるような形にするであるとか、いろいろあると思います。 そして、各省ばらばら、これはどんな国も同じような悩みを抱えているんですが、やっぱりサイロ化してしまうというのはこれは世の常なんですね。そこをできるだけそういうふうにしないようにするために、今、我々、非常にその努力をしているところであります。 ですから、単年度ですぐに効果を出せと言われてもなかなか難しいんですが、中長期的には大幅なシステムのコストを削減すること、特に維持管理を含めて、できると思います。そして、それが更に新しい価値を生むような投資になれば、それはそれでもっとすばらしいことになるというふうに考えております。
○藤川政人君 是非、大臣、そこまでの計画もお持ちでありますから、そちらについてはしっかりお進めをいただきたいと思います。 次に、大臣はIT関係にも非常にお詳しいですし、この社会においての政府の牽引役でもあると思いますが、常々大臣は、デジタルディバイドの解消、その対策については非常に興味をお持ちであるというのは私も存じておりますし、もう五年、六年前になりますか、私も通信の方の大臣政務官をしているときに、やはりデジタルディバイド解消というのは非常に大きな課題でもありました。 緒に就いたといいますか、まだキックオフしなくちゃいけない状況にあったときかもしれませんけれど、当時の話題は、やはりこの海洋国家日本において若い世代は船乗りさんにどうやってなってもらうか。エネルギーを運ぶのもそう、車を輸出するのもそう、それもどれだけ立派な船を造ろうとも、それをやはりオペレートする人の技術やその思いがなければ、やはり安心、安全に貿易もできないのがこの国の大きな経済的な基本であると思っています。 そうした中で、海員組合さんや皆さんとお話しすると、船はどんどん良くなる、どんどん居住性も良くなる、ただ若い人が全然来ないと。いろいろ理由はあるんでしょうけれど、それは大海原に何か月も四方が区別もできないところへ若者が船乗りさんになって出ていくというと課題も多い。ただ、一番の話題は、十年近くたつ、このスマホ、もうこれが見られないというのが、若い人たちは船乗りさんに絶対にならないというんですよ。だから、それは衛星やいろんな技術でスマホは用意しなくちゃいけないんだろうけれど、例えば彼女がいる、家族がいる、たまに友達に電話したい、でもほとんど通じなくなっちゃう、もう近海を出てしまうと。だから、それが、まず我々が要求を受けて総務省としても予算を付けたのが本当五年、六年前だと思います。まず、デジタルディバイド解消をする、それが彼らの本当に切実たる思いの中で行った、まず情報不利地域に対する通信の確保、それが当時のところだったと思います。 そういう中で、自衛隊、海上自衛隊の皆さん方も定期的にそれが見られるようにどうも変わったとも聞いておりますけれど、ただ今回はその若者の船乗りさんや、SNSを使えなければその仕事に入る動機付けができないということも解消しなくちゃいけないと同時に、これからはやはり、このオンライン化、それぞれ自治体で暮らす方々、みんなふるさとがありますから、その中で、役所に出かければ必ずこのオンライン化の中で情報手続をする、行政情報をもらうという流れになります。 そこで、使えないから取り残されるのか、そういう環境を解消するのもデジタルディバイドの解消だと思いますが、これからは取り残される方がもっと増えてくる。それがどういう方々かというと、やはりコンピューターにまず不慣れ、そういうことに慣れていない、そういう他人の手助けも必要、それがまさに高齢者、障害者と言われる方々、その方々でもあると思っています。何もスマホで毎日毎日こうやってネットを検索する方々ではない。でも、その方々がやはりこのオンライン化、デジタルを利用しなければ、それぞれの生活が維持できない。千キロ離れた親の安否確認も、やはりこの通信技術、そういうものを利用しなければやはり安否確認もできないような時代がもう本当に今来ているのかと思います。 そういうことに当たって、行政手続を原則オンライン化する本法案の目的を実現するためには、今申し上げたお年寄りや、他の方々の手助けが必要となる障害者の方に対して、この手続についての支援を間違いなく確実に行っていかなくちゃいけないと思いますが、具体的にどのような支援策を講じていくのか、大臣、お答えいただければと思います。
○国務大臣(平井卓也君) この法律でやっぱり一番重要な点の一つだと思います。全ての国民にデジタル化の恩恵を届けるという意味のディバイドをなくすというのは、もう絶対やらなければならないことだというふうに感じています。 私も実家に帰りますと、今年で八十八になる母親がiPadを使っておりまして、フェイスタイムとかスカイプ、私のフェイスブックもたまにチェックをしてくるんですが、突然電話掛かってきて、画面が凍ったと私に掛かってくるわけですね、そのときは。何とかしろと。 多分、恐らくそういうことが、日本、いろんなところで起きているんだと思います。つまり、デジタル機器をやっぱりちょっとした操作で使える使えないの境目がありますので、そこをサポートするというのはまず基本的にあると思います。ですから、社会全体としてそういうデジタルにアクセスするための手助け、これを用意をしていかなければならないというふうに思います。 いろんな分野でいろんなディバイドがあると思うんですが、例えば、雇用保険の電子申請は社会保険労務士の皆さんがアドバイザーとしてオンライン申請を支援したり、あと、日々の日常生活も含めていろんな場面で高齢者とか障害者の方々がIT機器を使えるように、これは機器の開発もあるんですけれども、ITリテラシーのあるNPO団体とかIT企業の退職者の皆さんなんかをデジタル活用支援員として、全国の自治会や社会福祉協議会、地域運営組織等とも連携して支援する仕組みを今総務省の方で計画をされていると聞いております。 ですから、いろんな形でそのデジタル化の恩恵を届けるようにしなきゃいけないのと、格差を絶対につくらないようにしていかなきゃいけない。これはデジタル化もAIもそうなんですけど、かえって社会に実装されたがために格差が広がるようなことがあってはならぬと私は考えております。
○藤川政人君 大臣、このことについてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、やはり我々が東京にいるとき以外はそれぞれのふるさとで暮らす時間もあるかと思います。こうした中で、地方公共団体、こちらについてちょっと質問させていただきますが、原則オンライン化の恩恵を一番受けるべき県民、市民に直接対面をする地方公共団体の取組が重要であると考えています。国民にとって利便性の高いデジタル化を実現するためには、やはり行政サービスの最前線であります地方公共団体のデジタル化が不可欠であります。 本法案では、地方公共団体にオンライン化の努力義務を課すこととしておりますが、具体的には地方公共団体のデジタル化をどのように進めていくのか、伺えればと思います。
○政府参考人(時澤忠君) 本法案におきましては、御指摘のとおり、地方公共団体につきましては、それぞれの実情を踏まえてオンライン化を進めていけるように、オンライン化を努力義務としております。他方で、国民の利便性向上という観点からいたしますと、地方公共団体の手続のオンライン化というのは急務だと考えております。 今回の法案によりまして、国のオンライン化を進めるとともに、積極的に取り組む地方公共団体に対しましてはこれは手厚く支援をしたいというふうに考えておりまして、地方公共団体のオンライン化の取組を前進させたいと思います。 具体的には、現在、電子申請、四月現在で二百六十の市町村でまだ電子申請のシステムが未整備でございます。今後、原則として全ての市町村につきまして電子申請のための情報基盤を整備するということを目標にしたいと考えておりますが、その際に、自治体単独でシステムを導入するのではなくて、電子申請システムの共同利用に重点を置いていきたいと考えておりますし、あわせまして、現在、マイナポータルというのも用意しておりますので、それも積極的に活用していただきたいと考えております。 あわせまして、例えば旅券の発給申請でありますとか行政への補助金の申請につきましては国のシステムを地方が活用することができると、こういう動きもありますので、情報システム整備計画を通じまして、こういった点からもオンラインを進めていきたいと考えておりまして、今申し上げました取組を総合的に講じまして地方公共団体のデジタル化を国としても推進して支援していきたいと考えております。
○藤川政人君 二百六十の自治体について電子政府化、いろいろなところの今御説明もありましたが、その理由、そして原因等々の深掘りもいろいろ質問をしたいわけでありますが、またそちらについては次回、機会があればまた進めていきたいと思っています。 続いて、もう少し各論に踏み込まさせていただきまして、具体的に想定される問題点について取組をお伺いしたいと思います。 一つ目は、海外に住む、あるいは住んでいる日本国民についてでありますが、国外転出者によるマイナンバーカードや公的個人認証の利用を実現するに当たりまして、海外転出後の更新や再発行を可能な限り利便性が高いものとしておくべきと考えておりますけれど、今回の改正案ではどのような仕組みになっているのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。 現行法上、マイナンバーカードや公的個人認証は住民票を基礎としておりますため、国外に転出して住民票が消除された方は利用できないこととなっております。 今回の改正におきましては、国外転出者について、海外に行っても消除されない戸籍の付票、これを基礎といたしますことでマイナンバーカードや公的個人認証の利用を可能とし、国外転出者のオンラインでの確実な本人確認やそれを基にした様々な行政手続を実現しようとするものでございます。 マイナンバーカード、公的個人認証を国外で利用するための手続につきましては、国外転出時には最終住所地市町村で行っていただくことが可能でございますが、国外転出後につきましては、国内に住所を有する方と同等の厳格な本人確認が必要でございますため、戸籍の付票を管理する本籍地市町村において厳格な本人確認を受けていただくこととしております。
○藤川政人君 それと同時に、在外邦人支援の観点から、在外公館が窓口になっているマイナンバーカードの交付や記載事項変更などの維持管理などを行うべきではないかと考えています。多くの在外邦人がマイナンバーカードを保持してオンラインで手続を行うことができれば、在外公館としての事務負担も軽減されるのではないかということを常々考えておりますけれど、こちらについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(高橋克彦君) お答えいたします。 外務省といたしましても、マイナンバーカードの普及に向けて積極的に取り組んでいきたいと考えております。その上で、在外公館においてマイナンバーカードの交付などの扱いをどのように行うかについては、マイナンバーカードの国外利用に係る制度づくりの進展を踏まえながら、関係省庁と協議しつつ、在外邦人の方々の利便性が高まるような適切な在り方を検討していきたいと考えております。
○藤川政人君 是非、在外公館としての事務負担が軽減もできるよう、また在外邦人の支援もしっかりできるよう、こちらについてもしっかり取り組んでいただきたいと思います。 もう最後の方の質問にさせていただきたいと思いますが、続いて、罹災証明について伺えればと思います。 本法案では罹災証明書の交付事務においてマイナンバーが利用できるようになるとのことでありますけれど、国民にとってどのようなメリットがもたらされるのか、また、防災分野におけるマイナンバー制度の活用を一層進めるべきと考えておりますけれど、内閣府の防災担当部局として今後の取組はどのようになっておりますか。
○政府参考人(米澤健君) お答え申し上げます。 被災者の負担軽減及び被災自治体の行政運営の効率化を図る観点から、本法案におきまして、罹災証明書の交付事務を個人番号利用事務に新たに位置付けることとしたところでございます。これによりまして、市町村は、罹災証明書の交付申請の受理、申請内容の審査、応答に関する事務につきまして個人番号を利用することができるようになりまして、罹災証明書の情報を迅速かつ正確に検索し、管理することが可能となります。 さらに、市町村が罹災証明書の情報に係る庁内連携条例を定めた場合には、当該市町村内で個人番号を用いた罹災証明書の情報と税、社会保障の情報の連携により、減免申請等の罹災証明書の添付が不要となってまいります。 罹災証明書の情報の情報連携につきましては、市町村における罹災証明書の交付に係るシステムの整備動向を見極めつつ、被災自治体の事務負担の軽減の観点にも留意し、検討を進めてまいりたいと考えております。
○藤川政人君 もう最後にさせていただきますけれど、大臣に伺えればと思います。 今、私がそれぞれの分野について質問させていただきました。これでもほんの一部にすぎないと私は思っております。それを総括して、この法案提出者の責任者としての大臣がそれぞれの省庁に横断的にこれは対応していかなければならないこのデジタル化について、大臣は、社会全体、このデジタル化社会に向けて今後どのような取組が必要なのか、また、この法案が成立した暁にはどのような次なるステップを歩んでいくべきなのか、その課題等々について大臣の思いを、決意をまた伺って、最後の質問とさせていただきたいと思います。若干時間がございますので、よろしくお願いします。
○国務大臣(平井卓也君) ありがとうございます。 まず、この法案の一番大事なところは、やっぱり原則をアナログからデジタルに変えていくというところだと思います。そのことを、単に一つの手続がオンライン化される、デジタル化されるというような形で考えてはならないと。つまり、マインドセットを国も地方自治体も、もう民間も変えましょうというところが多分一番重要で、これはもう正直言って、戻れない道だと思います。要するに、デジタル化とグローバル化はもう完全に不可逆的に進行しますし、更にそれは速くなって、多くの利便性や富ももたらし、また、いろんな問題もそこには起きてくると思います。そういう問題を全部解決して乗り越えていくというのが一番重要な点で、それはもう官民挙げて取り組まなきゃいけない正しいデジタル化だというふうに考えます。 地方自治体の皆さんも、これが努力義務とか義務とか、そういうことはおいておいて、本当にデジタル化することの意義というのは、みんなが想像以上にやっぱり便利になって、しかし安全で、そしてディバイドがなくてという世界です。それを実現をしないと、単にオンライン化したって意味がないと私は思っておりまして、こういう問題は本当に私は国を挙げて今後取り組んでいかなければならないというふうに思います。 この法案の中に幾つか規定されている、例えばマイナンバーカードの問題とか、戸籍の付票の問題とか、在外公館とのこれからの手続をどうするかみたいなことで、部分最適化はやっぱり積み上げていかなきゃいけなくて、それはもうどんどんやっていかなきゃいけないと思います。これは恐らく、この委員会のみならず、多分いろんな委員会の中でもこのデジタル化の話は今後出てくるというふうに思っておりますので、個別にそういうものには対応しつつ、じゃ、その最後に目指している社会は何かというところを共有するというのも重要だと思っていて、そこが要するに、これ英語で言うとややこしくなってしまうんですけど、デジタル化という言葉は英語では二つあります。デジタイゼーション、これは要するに物をデジタル化するということですが、もう一つ、一般的に使っている我々の用語としては、デジタライゼーションという言葉があります。このデジタライゼーションというのは、要するに、単に物をアナログからデジタルに変えるのではなくて、社会システム全体をデジタル対応にしていこうということです。 この法案の目指すものは、もうまさにそのデジタライゼーションの方で、単に紙からデジタルに変わるということではない。そこのためには、真にデジタライゼーションというものをちゃんと進めていくためには、そこにはやっぱり、人に優しいインターフェースと、社会全体が協力するというそのムードが必要だと思います。そこが要するにデジタルディバイドの解消というところで、ここは恐らくこれからいろんな方々がいろんなところで気が付く点があると思うんですね。それを全部吸収して対応していくという必要があって、デジタル化によって不公平が起きたりすることを絶対にやっぱり我々は見逃してはならないというふうに思います。ですから、高齢者でも障害者でも、地理的ないろんな問題、条件不利地域にいる方にとってもそのデジタルの恩恵が届くようにするためには、やらなければならないことはたくさんあるというふうに思います。 ただし、これも余り時間を掛けてやってはやっぱり恐らく進まないというふうに思いますし、デジタルネーティブの皆さんが同時に世の中に今出てきています。用意ドンからデジタルであり、SNSがあり、スマホがあるという方々が社会の中心になるのがいつかと考えると、そんなに時間がないんです。ですから、そのデジタルネーティブの人たちのための基盤をつくっているということもありますが、その移行のプロセスの方が我々にとってはもっと大きなチャレンジだと思います。 その意味で、海外のITの責任者と意見交換をしていると、どこもそんなにすっきりうまくいっているわけではないんです。皆さん言います、デジタルトランスフォーメーションジャーニーだと。要するに、この旅に一緒にやっぱり意見交換しながらやっていこうということで、日本はそういう意味では課題先進国なのでここは更に注意深く積極的に進めていく必要があると、そのように考えております。
○藤川政人君 終わります。
○和田政宗君 引き続き、自由民主党・国民の声、和田政宗が質疑をさせていただきます。 今、大臣から、正しいデジタル化、オンライン化というお話がございました。これはペーパーレス化ということも含めてであろうということであるわけでございますけれども、どんどんどんどん技術の進歩によってデジタル化、オンライン化が進んでいく、これは極めて私もいいことであろうというふうに思っております。 ただ、その中でも課題というものはあるわけでございまして、これはそのシステム上の課題もそうですし、例えば機器上の課題、これは携帯電話、スマホ、我々はよく見るわけでありますけれども、これ極めてバックライトが強いというようなところで、じゃ、目に対する影響がどうなのかとか、そういうことも含めてこういう課題は乗り越えていかなくてはならないでしょうし、例えば学校の教育の現場におきまして、やはり全てがデジタル化、ペーパーレス化ということにはならないわけでありまして、小さい頃にはしっかりと読み書きが、手で文字を書く、こういったことができた上でそういったところに進んでいかなくてはならない、こういったようなところがあるというふうに、課題として私はそういったところを認識をしております。 ではありますけれども、技術の進歩というのは目覚ましいものでございまして、まさか、私たちが、十年前、十五年前のことになろうと思いますけれども、キーボードがなくなってタッチパネルになる、こういったことも発想としては想像が付かなかったこともあるわけでございまして、この後の進化がどうなるのかということを考えた場合に、やはり行政のデジタル化の推進、こういったものはしっかりと道筋を付けていかなくてはならないというふうに私は思っております。 そこで、大臣にお聞きをいたしたいというふうに思いますけれども、デジタルガバメントを目指す意義について改めて答弁を願います。
○国務大臣(平井卓也君) もうそこが一番重要な点だと思うんですが、デジタル化はやっぱり手段であって、その目的は、デジタルを取り込んだ、要するに次のより良き社会をつくろうということです。 そのためにはいろんなことをやらなきゃいけないですね。セキュリティーの問題とか、個人情報やプライバシーに対する配慮であるとか、デジタルディバイドの問題であるとか、いろんな問題をクリアしながら、さりとて、我が国はやっぱりいろんな社会的な課題を抱えています。それをやっぱり解決するためにデジタルが役に立たなきゃいけないというふうに思っていて、私は、結局、社会全体の生産性や効率性を上げるということと、財政再建にもこのデジタル化がやっぱり貢献しなければならないというふうに考えています。 ですから、少子高齢化の先頭にいる我が国が世界に対して成功モデルを提示できるチャンスでもあるというふうに思っているので、そこが恐らく、今、頭出しはソサエティー五・〇という言葉を使っていますが、それは実際どんな社会かということは、もういろんなデジタルの実装が始まりますので、これを世界に提示していくために政府が自らデジタルの手続に踏み込んでいこうという、そういう一つの方向性を示すということが一番大きな意義だと考えています。
○和田政宗君 そうした中で、今、大臣、セキュリティーという話もございました。行政のデジタル化進めるに当たって、サイバーセキュリティー対策の一層の強化というのは極めて重要であるというふうに思います。これは、まさにその侵入を、行政のデジタルの様々な手続、またオンラインの部分に侵入しようとする技術もこれはもう進化をし続けているわけでございまして、情報を取ろう、盗もうというふうにもくろむ人たちは、人物たちは、そういうものもこちら側の技術の革新の度合いを見ながら更に上回ってくるような、そういうような侵入の方法をしてくる。 こういった中で、このデジタル化を進めるに当たってのサイバーセキュリティー対策の一層の強化、この観点について答弁を願います。
○政府参考人(三角育生君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、オンライン化を進めていくに当たりましては、情報セキュリティーの確保、これは非常に重要でございます。 デジタル手続法案におきましても、情報システムの整備に当たり、情報セキュリティー対策を講ずる義務を国の行政機関等に課しております。具体的には、サイバーセキュリティ戦略本部が定めます、政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準群に基づきまして、各府省庁において、手続のオンライン化に当たり必要な情報セキュリティーを確保するための対策を講ずることとしております。 今、どんどんセキュリティーへの攻撃方法がアップデートされているという御指摘もありましたけど、この統一基準の方も随時、定期的にアップデートしておりまして、最新の状態を維持しているところでございます。引き続き、サイバーセキュリティー対策を着実に強化してまいりたいと思います。
○和田政宗君 これは、推進するに当たりまして、一か所を突破されて、そこから芋づる式にやられるというような形というのがこれ極めて怖いわけでございまして、そこの遮断というものは当然お考えになられているというふうに思いますけれども、やはり最新の知見を行政の側も、しっかりと政府の側も収集をしていただいて、各省庁、連携、情報を共有する中で、今現在もできているというふうに思いますけれども、更に一層進めていただければというふうに思っております。 通告の四番を先に質問したいというふうに思いますけれども、デジタル化、オンライン化を進めていく中で、現在まだ技術的には本人確認が極めて重要な手続については、これはオンライン化ではなくやる部分というのも出てくるのではないかというふうに思いますけれども、本人確認が極めて重要な手続としてオンライン化を行わないもの、現時点では具体的にどのようなもの、手続などを想定しているでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) 本法案におきましては、行政手続をオンラインで行うことを原則とする一方で、御指摘のとおり、手続の性質上、オンライン化することが適当でないものにつきましては、本法案のオンライン化に関する規定を適用しないこととしております。 対象となる手続は、今後、真にオンライン化になじまないものであるか否か、これを内閣官房において精査をした上で政令で規定するということとしておりますが、現時点で確定した例を挙げることはできないわけでございますけど、例えばということで挙げさせていただきますと、まず、運転免許がございます。これは申請者が視力等の運転に必要な適性を有するか等について対面で確認する必要があります。そして、運転免許証の交付という手続がございます。 もう一つが生活保護でございまして、これは申請者の生活状況や就労又は求職活動の状況について、窓口での対面のやり取りによってその実情を把握する必要があるというものでございます。 今のところ、こういうところが適用対象外になるのではないかというふうに考えております。
○和田政宗君 人が介在しなくてはならない部分というのは当然ありますので、そういったものはそういったものとしてしっかりやっていく。そして、例えば一度提出したものをもう何回も繰り返し紙で提出するとか、そういうものにつきましては、用語としてはワンスオンリーというものがあるわけでございますけれども、それは効率化していく。そういった趣旨であるというふうに思っております。 そういった現場というのは地方公共団体ということになるわけでありますけれども、地方公共団体のシステム整備などに関する国の支援の在り方についてはどのようになるでしょうか。
○政府参考人(佐々木浩君) 総務省においては、地方公共団体が税や福祉といった事務を処理する際に、セキュリティーの向上や業務の継続性の確保、経費の節減、削減などを図るため、クラウド技術を活用した情報システムの導入を支援しているところでございます。 クラウドを導入するためにも、総務省では、先行してクラウドを導入した団体の事例も盛り込んだガイドラインを整備するとともに、情報システムの共同利用を進めるための所要の経費について地方財政措置を講じてきたところでございます。さらに、政府CIOと連携し、地方公共団体の長、首長さんたちを訪問し、直接、クラウド導入の働きかけも行っているところでございます。 また、地方公共団体における行政手続のオンライン化につきましては、その取組を促すため、総務省では、平成十八年度にオンライン利用促進指針を策定し、優先的にオンライン化に取り組むオンライン利用促進対象手続を具体的に定めた上で、総務省において、これらの手続に関するオンライン利用率を公表してきたところでございます。 オンラインの利用率は年々向上してきているものの、平成三十一年四月時点で、電子申請に係るシステムが未整備となっている団体が二百六十団体ございます。これらの団体においては、速やかにオンライン化のための情報システムを整備する必要があると考えております。システムの整備に当たっては、自治体単独で導入するのではなく、電子システムの共同利用や、さらにはマイナポータルの活用による取組を検討するよう働きかけてまいりたいと考えております。
○和田政宗君 その点をもう少し具体的にお聞きをしたいというふうに思いますけれども、自治体がシステムを整備して行う事務のうち、共通のものについては国がシステムのひな形を示す必要もあるのではないか、そのように考えます。 地方自治の観点からいえば、各自治体が横並びで行う事務についてはやはり可能な限り効率化を図る必要があるだろうというふうに思いますし、地方公共団体にはそのほかの分野で特色を発揮していただくべきではないかと思いますが、その点についてはどうでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) 地方公共団体のデジタル化は極めて重要でございます。御指摘のとおり、地方公共団体ばらばらに構築するというのは非効率でございますので、今後は地方公共団体がシステムを共同利用するというふうな方向だというふうに考えます。 先ほど総務省からもお話がありましたけれども、クラウドも、自治体クラウドも共同利用の一つだと思っておりますが、今後、更なる共同利用の方策といたしましては、例えば国がプラットフォームをつくって地方公共団体が利用するという方法もございます。また、地方公共団体が共同利用することを前提として開発をした優良なアプリケーションを横展開していくということも考えられます。 さらに、議員御指摘のとおり、行政分野ごとに全国の共通標準仕様書を策定いたしまして、地方公共団体は、システム等の更新時期に合わせて標準仕様書に準拠したシステム等を導入するという方向もございます。これ、実際にはもう、戸籍の情報システムにつきましては、標準仕様書を示して、これに基づいて作成をしているという例はございます。 さらに、今総務省の方で研究会を開催しておりまして、地方自治体における業務プロセス・システムの標準化及びAI・ロボティクスの活用に関する検討会というのを開催しております。ここでは、国、地方公共団体、そしてシステムベンダーが十分に関与した形で標準を設定することの重要性を今議論しているというふうに伺っております。また私どもも注視しているところでございます。 いずれにいたしましても、地方自治体の事務の効率化を図りまして、地方公共団体の職員は職員でなければできない、より価値のある業務に従事できるように、地方公共団体のデジタル化につきまして関係省庁と連携してしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○和田政宗君 是非、進めていただければというふうに思います。 次に、国民へのこのデジタル化、オンライン化、電子申請化に係る周知についてお聞きをしたいというふうに思うんですが、例えば、今まで行政書士さんなどに手続などをお願いしていた方については、引き続き行政書士さんが、紙で提出するのかとか、デジタルでやるのかとか、そういうようなことをアドバイスをしながら業としてやっていただくというようなこともございましょうし、周知という観点からは、行政書士会などから国民の方に、国民の皆様の方に行政書士会の活動として周知をしていただくというようなこともあるというふうに思うんですが、やはり、ホームページなどでの周知が政府としても中心になるのかもしれませんけれども、何が今までどおり書面でやらなくてはならなくて、原則とは言いますけれども、今までどおり書面でできるのか、それとも完全に書面というものがなくなってしまうのか、当初は基本的には並行してやっていくんだというような形になるんだというふうに思いますけれども、これかなり周知難しいと思うんですけれども、政府としてどのように周知の努力をしていくか、答弁を願います。
○政府参考人(時澤忠君) 国民の方への周知というのは非常に重要だと思っております。その際、やはりユーザー目線の観点から取り組むということが重要だと考えております。 したがいまして、今後、国民の皆様方に対しましては、本法案によって実現される行政手続の利便性の向上や負担軽減といった効果だけではなくて、情報セキュリティーや個人情報の保護を始めとした安全性、信頼性の確保のための対策、あるいは、ITリテラシーの向上等のデジタルディバイド対策などを含めました丁寧な説明を国、地方公共団体、民間も含めた幅広い主体において実施するということが必要だと考えております。 あわせまして、個々の手続を実際にオンラインで行うために必要な詳細につきましても、これは所管の官庁とか関係機関がございますので、そういったところにも説明していただきたいと思います。 その周知の取組でございますが、講演会といった対面のツールだけではなくて、例えば多数の方々が慣れ親しんでおりますSNS、こういったものの活用など、ユーザー目線の観点から多様なチャンネルを活用するということを考えております。 こうした取組を通じて、国民の皆さんが安心してデジタル技術の恩恵が受けられるように取り組んでいきたいと考えております。
○和田政宗君 これ結構、私、実際のところ、ちょうどうちの事務所の隣に仙台市の青葉区役所がありますので、自分自らも手続等に行くわけでございますけれども、窓口の対応の方のやり取りなどを見ていましても、やはり御高齢の方は、これはなかなか、そのデジタル化というところにどれだけ対応できるのかというところが実際のところあるんだというふうに思っています。そういった方々が取り残されないようにしなくてはならないというふうに思っております。 若い人たちは、こういうようなことができるんだなと分かれば、自分でいろいろインターネット上で検索をしてやっていく。それでも分からない場合は、例えば行政書士さんのような専門家の方に、これどうすればいいですかというようなことで聞いたりですとか、手続をお任せをするというようなことになるというふうに思うんですけれども、やはりそのデジタル化、これは極めて重要なことでありますけれども、そういう御高齢の方を中心として、なかなかそのデジタルというところが自分でどういうふうにやったらいいか分からない方というのは、これ窓口が大変にならないように、例えばそういう行政書士会さんですとか、そのほかの士業、サムライ業の方々ですとか、そういった方々と連携をしていただくということも含めて、これはより良き方向に政府全体、日本国全体が進んでいくような枠組みをつくっていければというふうに思いますので、その点も何とぞよろしくお願いをしたいというふうに思っております。 次に、マイナンバーカード、マイナンバーのことについてお聞きをしていきたいというふうに思います。 まず、マイナンバーの通知カードを廃止する理由について答弁願います。
○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。 通知カードは、平成二十七年十月のマイナンバー制度施行後、国民の皆様に対しマイナンバーを速やかに通知するほか、まず必要となります職場等へのマイナンバー提示の際にマイナンバーを証明する書類として役割を果たしてきたところでございます。 一方、通知カードの記載の正確性を維持するために転居等の際に記載事項変更が必要となっておりまして、住民、市町村職員の双方に負担になっているとして見直しが求められてきたものでございます。また、社会のデジタル化を進める観点からは、紙製の通知カードから公的個人認証の電子証明書が搭載されたマイナンバーカードへの移行を早期に促していくことが重要でございます。 こうしたことを踏まえまして、通知カードの新規発行や記載事項変更の手続等を廃止することとしており、国民の皆様にはマイナンバーカードを早期に取得することで御対応いただきたいと考えているところでございます。
○和田政宗君 マイナンバーカード、この取得を進めていく中での観点だということで理解をしておりますけれども、これ、マイナンバーカードを私は活用すると、様々なことが利便性が増すだけではなく、極めてセキュリティーの高いものというものを構築できるのではないかというふうに思っております。 そこでお聞きをいたしますが、マイナンバーカードの健康保険証としての活用が二〇二〇年度から本格運用されますけれども、その進捗状況と、本法案では関連して何を行うのか、その狙いとともにお願いをいたします。
○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。 マイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認につきましては、社会経済の各分野において情報通信技術が進展する中で医療保険制度においてもより便利で効率的な運営を実現する観点から、昨日公布されました健康保険法等の一部改正法に基づき、導入していくというものでございます。 お尋ねの進捗状況についてでございます。現在、二〇二一年三月からの導入に向けて、保険者、医療関係者等と協議をしながら準備を進めているところでございます。具体的には、今年度から全ての保険者において個人単位で資格情報を管理するためなどのシステム改修に着手できるよう、厚生労働省において改修のための解説書を作成しているところであり、本年六月から全国の保険者を対象に説明会を開催してまいります。また、オンライン資格確認は支払基金と国保中央会が保険者の委託を受けて運営する仕組みとしており、支払基金において医療機関に対して資格情報を提供するためのシステム開発の準備を進めております。さらに、今回の改正法によりまして、本年十月に創設される医療情報化支援基金を活用し、医療機関等におけるシステムの整備を支援していくというものでございます。 これらの仕組みを着実に進めまして、二〇二一年三月からの導入に向けて、保険者、支払基金、医療機関等におけるシステム整備等の準備を円滑に進めていきたいと考えております。
○和田政宗君 これは、例えばスマートフォンなどの電子決済が進む中で、いわゆる私の企業が全てその人物の情報、またその人物に絡む交友関係、例えば家族の情報とかを一手に握る、こういうようなことが、実は、例えば中国のある電子決済などを運用している企業ではそういった把握がその電子決済システムを通じて可能な状況になっているわけでございます。 それを考えた場合に、個人情報がどれだけ守られるのかという観点というものは極めて重要であるというふうに思っておりまして、私は、このマイナンバー、マイナンバーカードを進めていくということは、非常に、日本人の個人情報、これを守っていく、そのためにも重要であろうというふうに思っておりますので、その観点から、健康保険証でありますとかマイナンバーにしっかりとひも付けられるものというものは私はやっていくべきであろうというふうに思っております。 そのマイナンバーカードの普及を進めるためにも、マイナンバー制度自体の目的、長期的に得られる効果について国民の理解を得る必要というものが更にあるというふうに思いますが、そのための努力について政府はどのように行っていくのか、お願いいたします。
○政府参考人(向井治紀君) お答え申し上げます。 マイナンバー制度は、より公平公正な社会保障制度や税制の基盤であるということとともに、マイナンバー制度は、例えばマイナンバーというのは番号で本人を特定する、カードはマイナンバーカードで本人を証明すると、そういうふうなものだというふうに考えているわけでございまして、これらというのは、民間の番号等やカードでも同じでございますけれども、やっぱりどうしてもIT化とともに歩んでいくものであり、これと相まって行政の効率化とか国民の利便性が増すものだというふうに考えております。 先生御指摘のとおり、こういう目的、それから長期的な効果、例えば社会全体がIT化するとともに、より政府と、あるいは地方政府と国民が身近になっていくというのもIT化で可能だと思っております。 こういうふうな長期的な効果につきましても広報をいろんな形で進めていく必要があると思いますが、ややもすれば、どうしても正確さを期する余り、やや分かりにくいというふうな御指摘は多数いただいております。これらには気を付けまして、できるだけ分かりやすい、そういうふうな広報、周知に努めてまいりたいというふうに考えております。
○和田政宗君 国民の中には、このマイナンバーによって何か自分の個人情報が監視されるのではないか、そういうような不安というのもある方はいらっしゃるんだというふうに思いますが、私は、もう世界のいろいろなセキュリティー、電子決済、まだまだでございますけれども勉強する中で、我が国のこのマイナンバー、マイナンバーカードのシステムというのは、真に国民の個人情報を守るために私はこれ極めて重要であるというふうに思っておりますので、その辺りの周知を分かりやすくしていただければというふうに思いますし、私もそういう発信をしていきたいというふうに思っております。 次に、項目が変わりまして、住民票と戸籍の除票のことについてお聞きをしたいというふうに思っております。 これ、実は私、前職が放送局でございまして、かなり転勤というものがございました。非常に手続の中で、その前の住所がどこであったか、前の前の住所がどうであったか、前の前の前の住所がどうだったかとか、これ、場合によっては取り寄せるのに大変であったということもございました。そういう経験もございました。 また、私は今、和田家の長男でありますので、祖母が三年前に亡くなったときに、祖母が持っていた、手元に持っていた戸籍なんかを見て、ああ、これ、こういうようなおじいちゃんがいておばあちゃんがいてとかというようなことを見る中で、もう一度これ、しっかりとそうした形で残っているのかちょっとたどってみたいというようなことで、いろいろやってみたりもしたんですけれども。 これ、住民票と戸籍の除票の保存の現状、これはまずどうなっているのかということと、今回の法改正によってその保存期間というのは延びるということであるというふうに思うんですけれども、その保存期間でありますとか、そういったものをしっかりと、すぐ申請をしたときにぱっと出てくるのかどうかということも含めて、この本法案によって何が変わるのか、その辺りをお願いをいたします。
○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。 現行では、住民票及び、今回、海外転出者のマイナンバーカード発行の基盤となります戸籍の付票、これにつきましては、消除されてから五年間保存することとされておりまして、また、その保存について、市町村の安全管理義務等は現行では法令上規定されておりません。しかしながら、これら消除された住民票等は、マイナンバー制度や住基ネットにおける本人確認情報の原本として各種行政事務の基盤となるものでございますし、また、例えば所有者不明土地問題等におきまして、過去から現在までの居住関係を証明するために活用できるものでございます。こうしたことから、長期かつ確実に保存する必要が生じております。 このため、今般の改正によりまして、住民票及び戸籍の付票を消除した後も除票として保存しつつ、安全管理等の措置を講じることを法律に明文で規定するとともに、あわせて、政令を改正いたしまして、住民票及び戸籍の付票の除票の保存期間を百五十年に延長することを考えております。
○和田政宗君 これは、所有者不明土地の問題というものは、もう今現状、日本の社会において極めてこれ重要な課題にもなっておりますので、そういったところの観点からも、この本法案の改正によって、しっかりとそういったことが将来的に起こり得ることを少なくしていくということは極めて重要だというふうに思いますので、しっかりと進めていただければというふうに思っております。 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございます。
○牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会・希望の会の牧山ひろえです。 本日は、デジタル手続法案に対する質疑を担当させていただきます。 御承知のとおり、デジタルガバメントに向けた取組はこれまでも進められてこられました。行政手続オンライン化法を始めとした法律が策定され、マイナンバー制度もスタートするなど、一定程度デジタルガバメントの基盤となる制度自体は整備されているのは御承知のとおりでございます。 にもかかわらず、これまでその取組は当初思い描いていたほどには実を結んでいないのではないかなと思うんですが、行政のデジタル化が進んでこなかった理由をどのように分析されているんでしょうか。そしてまた、なぜこのタイミングでデジタル手続法案を提出されたのか、御説明願いたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) このデジタルガバメントという言葉を最近使っていますが、それまでには、二〇〇〇年から言うと、電子政府、電子行政というふうに言葉がどんどん変わってきています。二〇〇〇年のIT基本法が導入されて、その後、マイナンバー制度が導入、政府CIOの設置、サイバーセキュリティ基本法とか官民データ活用推進基本法、これは議員立法ですけど、そういうものが整備されて、政府情報システムの運用コストなんかは明らかに三割削減することができています。これは間違いなくそうなんですが、ただ、やっぱり進んでいないように思われるのは、圧倒的な国民の利便性が要するに顕在化していないところに私はあると思います。 つまり、答弁がちょっと脱線するみたいで申し訳ないんですけど、結局、電子化になったときに思った以上に便利にならないと要するにそれはもう意味がなくて、要するに、ああ、こんなものかと思われると、次にまたそっちに行かないんです。皆さんもスマホでいろんな手続やるときに、途中でちょっと、えっと思った時点で離脱されませんか。つまり、最後までやるのがもう面倒だと思った時点でもう駄目なんです。だから、ところが、そういうユーザー目線みたいなものがやっぱり足りなかった部分が絶対あります。今までの手続をそのまま電子化するということだけではやっぱり国民はもう圧倒的にそれを支持してくれるというわけではなくて、そこら辺りはやっぱり反省点として持っておかなければならないというふうに思います。 一方で、少子高齢化とか人口減少とか生産性の低下とか地方自治体の苦しい状況とかいろいろ考えると、ここら辺りでデジタル化をうまく活用して活路を見出さないと、もうそういう時期に来ているということだと思います。デジタル化はもう止まらないということがみんな分かったので、なら、やっぱりそれをうまく進めようという意味で、今回この法律を出すというのはタイミング的にはもうぎりぎりのタイミングではないかというふうに思います。 この法案によって、次の時代に進化、発展させていけるようなデジタルの基盤をつくっておくということが一番重要なことではないのかなというふうに思います。よく我々は国民目線とかいう言葉を使いますが、使ったときに限って国民目線になっていないことの方が多いんですね。ですから、そこを要するに徹底的にここはもうやっぱり変えなきゃいけないというふうに考えております。また、是非御協力いただくことをお願いしたいと思います。
○牧山ひろえ君 政治的なメッセージとしても、日本の歴代政権は十数年にわたって電子政府宣言を繰り返してきたというのは御承知のとおりです。電子政府の、ある整備を柱とした最初のe—Japan戦略が策定されたのは二〇〇一年一月、森喜朗政権のときですね。安倍政権では二〇一三年と一六年に二度も世界最先端IT国家創造宣言を出しているんですね。ですが、結果は頓挫の歴史と言っても過言ではないと思うんです。 平成三十年七月十九日に国連の経済社会局が発表した、国連に加盟する百九十三か国を対象とした世界電子政府ランキング、これでは我が国の順位は十位だったんです。電子政府化の先進国と我が国における電子政府に向けた取組、どのような違いがあるのか、御認識されておられますでしょうか。
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。 委員御指摘の電子政府化の先進国との比較ということでございますけれども、例えばエストニアなどについて申し上げますと、本人確認を可能といたしますIDカードを国民の九八%が所有しておりまして、これを活用することにより様々な手続のオンライン化が完結をできるという状況だと承知をしております。例えば、会社の設立もオンラインで十八分で手続可能、セキュリティーなどを確保した上でインターネット投票が可能というような状況でございまして、日本と比較をいたしますと社会実装が進んでいるというふうに考えているところでございます。 他方、日本とエストニアを比較いたしますと、その国の人口規模でございますとか歴史的な背景、社会的な情勢などが異なっているところでございまして、日本の状況に合った電子政府の取組をしっかりと進めていくことが必要だろうというふうに考えてございます。例えば、高齢化が急速に日本国内進んでございますけれども、そういった国内におきまして高齢者の方々などにもデジタル化の恩恵をしっかりと実感していただけるような政策を進めていくということかと考えてございます。
○牧山ひろえ君 近時、電子政府化に向けた国際的な連携が加速しているわけですが、特に英国、エストニア、韓国、イスラエル、ニュージーランドというデジタルガバメント先進五か国で、二〇一四年十二月にD5ロンドン・サミットを開催して、D5、ファイブ・ワールド・リーディング・デジタルガバメント宣言を採択しました。これでは、相互協力や経験やアイデアの共有を通して各々の国の情報、技術セクターの発展促進を目指したネットワークなんですが、その後、カナダとウルグアイが加わってD7になったことは御承知だと思いますが、このような電子政府化に向けた国際的な連携について、大臣はどのような御所見をお持ちでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) デジタル5は、イギリスやエストニアなど、電子政府に関心を有する国々が集まって、互いのデジタル化に関する政策や経験を共有するネットワークと承知しています。デジタル化の取組は各国に共通の課題も多いので、こういった取組は非常に意味があると思います。 日本はこのネットワークには参加しておりませんが、例えば、私もデジタル化が進んでいると言われるエストニアには何度も訪問しておりまして、情報共有や意見交換は頻繁に行っています。また、昨年十月、エストニア政府が主催したデジタルサミットにもIT担当大臣として参加させていただきまして、各国の要するに大臣はデジタル担当大臣というのが多かったですね、もうITではなかったです。そういう方々と意見交換をさせていただきました。 そして、今後どうやるかという意味で、ゴールデンウイークにアメリカとEUとその政府関係の要人の方々と面談をさせていただいたんですが、彼らは日本の高齢化ということに本当に注目をしておりまして、デジタル化でその高齢化にどう向き合って問題を解決していくのかということに高い関心を持たれています。こういった各国と、またアメリカやEU等とデジタル化に向けた先進的な取組や経験を共有しながら問題を解決していきたいと、そのように思います。 いろんな形のデジタルのネットワークというものがあるというふうに思っていまして、例えばデータに関して、セキュリティーに関して、デジタルガバメントに関して、いろんな形でそれぞれの強みもあれば、やっぱり問題もそれぞれ抱えているんですね。そういうものをシェアしながら、先ほどお話ししましたが、これ、デジタルトランスフォーメーションジャーニーなんですね。こう言ってしまうとちょっと誤解を生みそうですけど、要するに、長い時間掛かって試行錯誤しながら一つの答えを見付けて進んでいくということだと考えています。
○牧山ひろえ君 他国と連携を深めて、今大臣がおっしゃったような高齢化について話し合うですとか、いろんな共通点もあると思いますので、そういったことを共有したり、お互いにいい刺激を与え合うということは非常に重要だと思います。 電子政府の推進に向けた国際的な連携には数多くの利点があると考えます。デジタルガバメントの推進には、デジタル化、オンライン化の推進だけでは不十分で、オンライン化が実施されてオンライン手続とオフライン、アナログ手続の併用状態となっているものについては、オンライン手続の利用率を上げていくことも重要だと思います。 そこで御質問なんですけれども、行政手続における現在のオンライン利用率を御教示いただきたいのと、そして、このオンライン利用率を向上させるために、では具体的にどのような取組を行っているんでしょうか。
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。 現在、各府省からの回答の集計を進めております行政手続等の棚卸し調査、平成二十九年度時点でございますけれども、これによりますと、暫定的な数値ではございますけれども、オンライン化義務の対象となる国の行政手続のうち、オンラインで行うことができる国の行政手続のオンライン利用率、こちらは約六〇%となってございます。 行政手続のオンライン化だけでなく、既にオンライン化された手続のオンライン利用率を向上させることも委員御指摘のとおり重要だというふうに考えてございまして、具体的には、オンライン申請時の初期設定の簡易化とか、電子署名だけでなく、ID、パスワードの本人確認の多様化、さらにはAPIの活用、オンライン申請時の添付書類の省略、手数料の低減といった様々な取組を進めているところでございまして、引き続き、オンライン利用の利便性向上に取り組んでまいりたいと存じます。
○牧山ひろえ君 今回の法案では、行政手続の原則オンライン化がうたい上げられております。もちろん推進すべき方向性だと言えますけれども、今まで申し述べましたように、電子政府化、デジタルガバメントは結果として目覚ましくは進んでいないのが現状です。目的達成に向けた進捗管理やPDCAサイクルを回すためにも行政手続のオンライン化の指標が必要だと考えていますが、この指標なんですけれども、これについてはどのようなものを想定されているのかということと、また、その指標についてですが、二〇〇一年の電子政府化への取組開始以来、どのような推移を描いており、そしてまた現在はどういう状況なのか、併せて御教示いただければと思います。
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。 行政手続のオンライン化の徹底を図るためには、まずは手続のオンライン化率、これが指標になると考えてございますが、それだけではなく、利用者の利便性向上という観点から、それぞれのシステムにおきますオンライン利用率、これも重要な指標になるというふうに考えてございます。 国のオンライン手続におけるオンライン利用率につきましては、総務省が実施をした調査によりますと、二〇〇五年度では約一一%でございました。その後、利用率は徐々に上昇しておりまして、先ほど申し上げましたとおり、暫定的な数字ではございますけれども、現在は約六〇%となってございます。 このようにオンライン利用率は上昇はしてきておりますけれども、いまだ十分であるというふうには考えてございませんで、引き続き、オンライン手続の利便性向上に取り組んでまいりたいと存じます。
○牧山ひろえ君 二〇一七年度に、内閣情報通信政策監、すなわち政府CIOの指揮の下で各省庁の行政手続の棚卸しが行われました。その結果、約四万三千の行政手続のうち、デジタル化されているのは約五千件、約一二%にとどまっていることが分かったということですが、行政手続の原則オンライン化という目的を達成するために、では、いつまでに、それからどの程度の指標を達成する、こうした期限を定めた目標や計画が私は必要だと思いますけれども、この電子政府化に向けた数値目標については、では、どのようにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。 国の行政手続の原則オンライン化に向けた取組を進めるに当たりましては、委員御指摘のとおり、期限や目標を定めまして計画的に取組を進めることは重要だというふうに考えてございます。 本法案におきましては、手続のオンライン化等に係る国の行政機関等の情報システムの整備を総合的かつ計画的に実施をするため、政府が情報システム整備計画を策定することとしてございますけれども、この計画の策定に当たりまして、それぞれの情報システムのライフサイクルも勘案しつつ、オンライン化の実現時期、オンライン利用率等の目標を定めまして、計画的に取組を進めてまいりたいと存じます。
○牧山ひろえ君 やはり国民の目から見ても、このデジタルガバメントの進捗度合い、これが見えやすい目標を設定していただくのが私は望ましいと思うんですね。 さて、次の課題ですが、現在の日本は判こ社会と呼ばれるほど、至る所で印鑑の捺印が求められる局面が多いです。今回のデジタル手続法を始めとするデジタルファーストの推進で、判こですとか印鑑の行政上の取扱いは将来的にはどうなっていくんでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。 本法案では行政手続のオンライン化を徹底するものでありまして、行政手続をオンラインで完結するために、申請自体だけではなくて、それに伴う本人確認もオンラインで行うことといたしております。具体的には、行政手続を書面で行う際に求められます押印等につきまして、オンラインで手続を行う際には電子署名等のデジタル的な手法で代替することとする規定を設けておるところでございます。 この法案によりまして行政手続のデジタル化が進むことで、行政手続における印鑑等につきましてもデジタル的な手法への代替が進んでいくというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 衆議院における議論でも、本法案では手続のオンライン化を義務付けてはいますけれども、紙の扱いについては触れていない、紙を一気になくすというようなことは現実的に難しいといったような答弁がなされています。 過渡期には紙とデジタルの手続が併存することになりますけれども、そこからデジタル化された手続を主体とするために、では、どのような取組を行っていくことをお考えなのでしょうか。この点がスムーズに進まないと結局はデジタルが中途半端になって行政コストの増大にもつながりかねないと思いますが、御答弁を大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(平井卓也君) 本法案では、行政手続のデジタル化を契機として社会全体のデジタル化を実現したいと、目指すこととしています。 印鑑とか紙などの社会における慣行についても、デジタル化のメリットや投資対効果も踏まえつつ、デジタル化への移行が進んでいくものと考えていますが、そのためには、やっぱりこのデジタルに対する利用者の意識も同時に変わっていくんだろうというふうに思います。 したがいまして、行政手続をオンライン化する際にも、単に手続をオンライン化するだけではなくて、書面からデジタルへの円滑な移行を図るため、できるだけ多くの方に手続をオンラインで行ってもらうための措置を併せて講ずることが必要だと思います。誰でも容易に操作できるシステムの申請画面をシンプルでユーザビリティーの高いものにするということ、あと、高齢者に対してはデジタル技術の利活用に精通した者が支援をするというようなこと、そういうことをいろいろやっていかなきゃいけないんだと思います。 行政手続のオンライン申請に限らず、日常生活を含めた様々な場面で高齢者や障害者の方々がIT機器を利活用できるよう、ITリテラシーのあるNPO団体やIT企業の退職者が、デジタル活用支援員、これは仮称ですが、地域の自治会や社会福祉協議会、地域運営組織等とも連携して支援する仕組みが現在、総務省で検討されています。 こういったことによって、要するに、紙とか印鑑などの社会における旧来からの慣行はそれとして、社会全体のデジタル化に向けて取り組んでいくという方向性をやっぱり定めておけば、それは自然とそういう形になってくるし、印鑑も恐らくまた違った形で残っていくんだろうというふうに思います。かえってデジタル化することによって社会にストレスを掛けるようなことになるとこれも本末転倒なので、デジタル化のメリットをもうできるだけ最大限化するということが一番重要だと考えます。
○牧山ひろえ君 デジタル化が進まない理由として、社会の多くが印鑑や紙などを用いる旧来からの慣行を変えることに抵抗感を示していることが挙げられるのではないかなと思うんですが、このような意識にも配慮したきめ細かい対応が求められると考えております。 次に、セキュリティーに関してもお話をしたいんですが、デジタルガバメントを推進するためには、個人情報がしっかりと保護されていることも重要な点だと考えております。 これは、個人情報が保護されているということのみでは十分ではなくて、国民や住民の方々が行政により自らの情報を悪用されないという安心感を持つことが必要ではないかなと思うんですが、そういった意味で、今回の法案による行政手続のデジタル化の推進、マイナンバー制度の運用に当たりましては、個人情報保護について万全を期すべきであり、また、どのように情報が使われているかについて情報公開を徹底するべきだと考えますが、この点につきまして御確認を、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 行政のデジタル化を推進するに当たっては、業務の安全性及び信頼性を確保しつつ、個人情報の厳格な取扱いが重要だと考えています。 本法案によって行政手続のデジタル化を進める際も、行政機関等個人情報保護法等の個人情報保護法制に基づき、個人情報を保有するに当たっては、法令の定める所掌事務を遂行するために必要な場合に限り、かつ、個人情報の利用の目的をできるだけ特定するとともに、保有個人情報の漏えい等を防ぐために必要な措置を講ずるなど、個人情報の保護に関する規律が課せられているところであり、このような規律を前提として取り扱うことになります。 加えて、本法案においても、情報システムの整備に当たり、情報システムの安全性及び信頼性を確保するために必要な措置を講ずる義務を国の行政機関等に課しています。 このような取組を含めまして、個人情報の保護に十分配慮し、デジタル化による国民の利便性の向上を進めていくということで、個人情報の保護は大前提だというふうに考えています。
○牧山ひろえ君 この情報の安全面に関しましてですが、国税庁では、去年の十二月に、マイナンバーを含む個人情報を記載した源泉徴収票等のデータ入力を委託していた事業者が無断で国内のほかの事業者に再委託していたということが発表されました。この事案では個人情報が流出した痕跡はなかったと言われていますけれども、こういったようなケースは今後も起こり得るものだと思います。 政府全体として、委託先も含めた万全な安全管理措置を講じていくことを私は求めたいと思いますが、この点につきまして御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。 内閣官房では、政府情報システムの整備及び管理の共通ルールでございますデジタル・ガバメント推進標準ガイドラインを策定をしてございます。各府省は、このガイドラインに基づきまして政府情報システムの整備を行うこととなっているところでございます。 このガイドラインにおきましては、御指摘の再委託につきましても定めてございまして、調達仕様書の記載事項といたしまして、契約した業務の再委託の制限及び再委託を認める場合の条件を明示するということとしてございます。 また、事業者との契約におきましては、各府省は、受注事業者が再委託を行いたい旨を申し出た場合には、不適切な再委託により効率性及び機密性が損なわれないように、再委託を行う合理的理由、再委託先事業者が再委託される業務を履行する能力、これがあるかどうか、その他必要と認められる事項につきまして厳しく審査をし、適当と認められる場合に承認を行うということとしているところでございます。 加えまして、各府省は、受注事業者に再委託先事業者の業務の履行状況を確認、報告させること、再委託先事業者に受注事業者と同等の義務付けを行うことなど、契約の着実な履行のための必要な措置を講ずることとしているところでございます。
○牧山ひろえ君 先日、地面師による詐欺事件が盛んに報道されました。印鑑登録証明書でパスポートを偽造して大企業に土地取引を持ちかける、こういった成り済まし事件が発生している状況なわけです。 電子申請によって対面での手続はなくなるため、成り済ましの防止ですとかセキュリティーの確保がより重要となってくるのではないかなと思いますが、こういった問題についてどのような対策を講じられるのでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。 オンラインで行政手続を行う際には、内閣官房が策定いたしました本人確認ガイドラインというのがございます。これに基づきまして、電子署名等のデジタル的な手法で本人確認を行うことになるわけですが、例えば申請データに電子署名を行うことによりますと、その申請データが本人により作成されたのか、そして真正なものなのかということを確認することができるわけでございまして、成り済ましや改ざんの対策を講じることが可能となっております。 セキュリティーの確保につきましても、本法案におきましては、国の行政機関等が情報システムの整備を行うに当たりまして、セキュリティー対策等を講ずる義務を課しております。具体的には、内閣官房のサイバーセキュリティセンターが定める情報セキュリティー対策のための基準がございます。これに基づきまして、各府省におきまして、行政手続のオンライン化に当たりまして適切なアクセス制御やログ管理等を行うことによりまして、リスク管理や安全性を確保するということになるわけでございます。 これらの対策を講ずることによりまして、安全性、信頼性を確保しつつ、利便性の高い行政サービスを実現してまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 セキュリティーには絶対というのはないと思うんですね。なので、より高い安全、安心を目指して、不断の見直しを行っていただければと思います。 今回のデジタル手続法案の実施体制、すなわちデジタルガバメントの推進体制について御説明いただければと思います。
○政府参考人(時澤忠君) デジタルガバメントの推進につきましては、内閣官房長官を議長といたしますデジタル・ガバメント閣僚会議の下で取組を進めております。具体的には、政府全体の取組方針でありますデジタル・ガバメント実行計画に基づきまして、各府省が中長期的な計画を策定し、個別の取組も進めております。実行計画につきましては、デジタル・ガバメント分科会に諮りまして、大学教授、地方公共団体の関係者、民間企業の有識者等の御意見を伺った上で策定、改定を行っているところでございます。 また、各府省におけます個別の取組につきましては、官民の情報システムの開発や整備を現場で行ってきたエキスパートであります政府CIO補佐官から直接必要な支援を受けつつ、推進するとともに、その取組状況につきましては、やはり民間企業の出身でありましてデジタルガバメントの推進政策全体を統括いたします政府CIOが把握し、必要な助言、指導を行っているところでございます。 デジタルガバメントの目的の一つであります利用者目線に立った行政サービスの実現によります国民、企業の利便性の向上を実現できるよう、官のみで取組を進めるのではなくて、行政のユーザーであります民のお力も借りながら推進してまいりたいと考えております。
○牧山ひろえ君 どうしても、政府のIT推進に関しましては船頭多くしてというような印象が拭い切れないんですね。政府において、やはりデジタルガバメントを推進するコア、コアというか、中心的な組織、ないし、デジタル化全体ににらみを利かせる強力な司令塔が必要なのではないかなと考えております。 本法案に基づいて、今後、情報システム整備計画を策定し、デジタル化を進めていくことになるかと思いますが、この計画は閣議決定されることになりますけれども、どのように検討が進められていくおつもりなんでしょうか。政府部内で検討するだけではなくて、ITに関わる民間の意見や、より住民に近い立場で行政サービスを担っている自治体の意見を聞くなど、オープンな議論をやはり行う必要があるんではないかなと思います。 そこで質問ですが、今後の情報システム整備計画の作成に当たって、検討の進め方についてどのようにお考えになっているのか。それからまた、政府では既にデジタル・ガバメント実行計画を始めとした関連する計画を幾つも作成しておられます。同じく、今後の情報システム整備計画の作成に当たって、ほかの計画との整理はどのようにお考えなんでしょうか、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(時澤忠君) お尋ねのありました情報システム整備計画でございます。先ほど申し上げました、デジタル・ガバメント実行計画もございます。この情報システム整備計画につきましては、関連するデジタル・ガバメント実行計画と一体のものとして作成したいというふうに考えております。 また、情報システム整備計画を作成するに当たりましては、官のみでの取組を進めるのではなくて、民間出身の政府CIOの下、内閣官房を中心として、民間出身のエキスパートであります政府CIO補佐官を活用するとともに、ITに精通した民間事業者や優れた技術を有するスタートアップ等とも積極的に意見交換を図るなど、行政サービスのユーザーでもあります民の力を積極的に活用していきたいと考えております。 また、地方公共団体等に関連したものもございますので、地方公共団体への説明、あるいは意見交換を行うことによりまして、ニーズを把握しながら進めていきたいと考えております。
○牧山ひろえ君 今回の法律は言わば方針を指し示すもので、この整備計画の中身がデジタルガバメントの鍵を握るかと思うんですね。官民の知恵をやはり結集して質の高い計画を策定していただければと思います。 次に、情報システム整備計画の内容について伺いたいと思います。 本法案では、デジタルガバメントの推進に向けて目的規定が改められ、デジタル化の基本原則が書き込まれています。しかし、実際にデジタル手続の義務化につきましては、国の行政機関等は情報システム整備計画に従って情報システムを整備しなければならないという規定が置かれているにとどまっているんですね。 ここで質問ですが、デジタルガバメントを推進していくとの観点から、情報システム整備計画に盛り込む行政手続の範囲が重要と考えておりますけれども、計画の中に説明していく行政手続の範囲についてどのような基準で制定される御方針なのかお示しいただきたいのと、また逆に、デジタル化に対応できない分野は、では、どのような分野があるのか。これ、こちらは具体的に事例を挙げて御答弁いただければと思います。
○政府参考人(時澤忠君) 情報システム整備計画に明記していきます行政手続の範囲につきましては、国の行政手続のうち、オンライン化を進めることによりまして利便性の向上につながりまして、そして費用対効果が見込まれる利用件数、利用者件数の多い手続から優先的に規定していきたいというふうに考えているところでございます。 また、本法案では、手続の性質上、オンライン化することが適当でないというものは適用の除外をしておりますが、真にオンライン化になじまないものであるかどうか、これを見極めた、精査した上で政令で規定していきたいと思っております。 現時点で確定した例ではございませんが、想定される例でございます。まず、運転免許証の交付、これは、申請者が視力等の運転に必要な適性を有する者かというのをまず対面で確認する、さらに、運転時に携帯する免許証というのを交付するという手続がありますので、これが適用除外になるだろうと。さらに、生活の保護、これは申請者の生活状況や就労又は求職活動の状況について、窓口での対面でのやり取りによってその実情を把握するということが必要でございますので、これも例外というふうに考えられるのではないかと思っております。
○牧山ひろえ君 デジタル化の対象の除外されるものが分かりやすく判別できて、内容的にも国民に納得感を感じさせる区分となるようにしていただければと思います。特に、デジタル化が除外される項目は、あくまで例外ということになりますので、むやみに拡大しないように注意が必要ではないかなと思います。 今回の法案では、行政手続の原則オンライン化のために必要な事項として、民間手続における情報通信技術の活用の促進が規定されております。この具体的な項目として、行政手続に関連する民間手続のワンストップ化、それから、法令に基づく民間手続について支障がないと認める場合にオンライン化を可能とする法制上の措置を実施、こういったものが想定されているわけです。 そこで質問ですが、これらの対象として想定される民間手続は具体的にどのようなものがあるのかということと、この措置の対象とされる場合の具体的な決定方法、対象として決定された後の具体的な手法や手続の流れについて御説明いただきたいのと、また、どの程度の規模の民間手続がこの対象になるのか。合わせて、済みません、三つ質問ですが、よろしくお願いします。
○政府参考人(時澤忠君) このデジタル手続法案では、社会全体のデジタル化を進めるという観点から、行政手続のオンライン化の原則だけではなくて、委員御指摘のとおり、民間事業者による情報通信技術の活用の促進といたしまして、民間手続のオンライン化、そして、行政手続に関連する民間手続のワンストップ化ということで規定をしております。ただ、この対象となる手続の規模につきましては、法令に基づかない手続というのもございますので、十分に把握できていない状況でございます。 まず、民間手続のオンライン化につきましては、これは利用者の利便性の向上というものである一方で、利用者の保護の観点も考慮する必要がございます。したがいまして、オンライン化された際も利用者に十分かつ正しい情報が提供されることなど、個別の手続を所管する府省におきまして情報通信技術の安全かつ適切な利用に支障がないというふうに判断する場合にオンライン化するということになるわけでございます。 ワンストップにつきましては、民間手続を行政手続と一括してオンラインで実施できるようにするため、民間事業者に協力を求める規定をこの法案に盛り込んでおります。現在、ワンストップにつきましては、引っ越し、そして死亡相続といったライフイベントごとに関連する手続につきまして、地方公共団体や民間事業者などの関係の方々とワークショップを開催して検討してきたところでございまして、これから実証実験等によります検証を行った上で順次サービスを開始するというふうにしているところでございます。
○牧山ひろえ君 デジタルファーストは、行政にとどまるものではなく、社会全体のデジタル化につながらなくてはならないと思います。それでこそ、国民の利便性の向上と国全体の競争力の向上につながると言えると思うんですね。 デジタルガバメントは、官、そして官と民の関係に関わるものですが、それを起点として社会全体、特に民と民の関係にもプラスの影響を与えてこそ本当の効果を発揮できると思うんです。それを踏まえて、民間手続へのデジタル化の波及に努めていただければと思います。 地方公共団体のデジタル化の推進について、次にお伺いしたいと思います。 官民データ活用推進基本法第九条第一項において、都道府県は都道府県官民データ活用推進計画を定めなければならないとされています。また、第三項において、市町村は市町村官民データ活用推進計画を定めるよう努めるものとされています。 市町村における同計画の策定状況、並びに都道府県、また市町村の同計画に基づく情報システムの整備を含めた官民データの活用状況について、どのように評価されておられますでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) お尋ねのありました官民データ活用基本法に基づきまして、市町村、都道府県、取り組んでいただいておりますが、四月一日現在で都道府県につきましては二十二の団体が計画の策定を終えております。二〇二〇年、来年度までには全ての都道府県が策定を終える見込みとなっております。一方、市町村につきましては、策定済団体、七十四団体ということにとどまっておりまして、今後、市町村におけます計画策定の推進というのが課題だというふうに認識をしております。 この計画に基づく官民データの活用状況につきましては、まだ計画策定直後ということで、今後フォローアップしてまいりたいというふうに考えております。 現時点での計画、一般論で申し上げますと、地方公共団体の情報システム、主な幾つかの項目がありますが、例えば電子申請につきましては、電子申請の整備状況、都道府県では全ての団体が整備、市町村では千四百八十一が整備、未整備が二百六十市町村でございます。また、クラウドも、今、自治体クラウドも推進しておりますけれども、三十年四月現在におけます自治体クラウド導入数、四百七となっております。 一方、この三月十一日、三月時点におけます地方公共団体のオープンデータの取組状況でございますが、都道府県は全ての団体で取り組んでいただいておりますが、市町村では四百十八というふうになっております。 今後、今申し上げましたように、市町村を中心にいかに策定、あるいはいろいろなことに取り組んでいただくかというのが課題でございますので、そういったことを念頭に置いて各いろんな施策を講じていきたいと考えております。
○牧山ひろえ君 地方自治体のデジタル化は努力義務にとどまっているだけに、計画の策定とその質はとりわけ重要になるかと思います。国は状況の把握に努め、必要な後押しを行うべきだと感じております。 自治体では、住民と直接接する窓口が重要であり、デジタル手続の推進で窓口を軽視することはあってはならないと考えております。この点につきまして当局の御認識をお示しください。
○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。 自治体の窓口は、住民の多様な相談を受け、住民のニーズをすくい上げるという重要な役割を持っていると考えております。他方で、質の高い公共サービスを効果的、効率的に提供する観点から、行政のデジタル化や行政手続のオンライン化の推進を図り、そこで捻出された人的資源を職員が自ら対応すべき分野に集中することも重要と認識しております。 このため、定型的な申請や証明書の交付といったデジタル手続の活用で住民の利便性が向上するものにつきましてはデジタル化を進めながらも、住民からの相談については職員が窓口で直接説明や助言を行うことが求められるものでありまして、窓口の役割は引き続き重要なものであると考えております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。 時間となりましたので、終わります。
○委員長(石井正弘君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(石井正弘君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、豊田俊郎君及び石井準一君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君及び松川るいさんが選任されました。 ─────────────
○委員長(石井正弘君) 休憩前に引き続き、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会、矢田わか子です。 平井大臣、今日は、この行政手続法案、ようやくこの審議ができるんだなということで、私も楽しみにしてまいりました。六十五分間もいただいておりますので、ゆっくりとお話をさせていただければと思います。 私は長年、総合エレクトロニクスメーカーというところで、三十年です、働いてきました。その中の三十年の間には、いわゆる民間企業の中でも紙を中心とした実務から、どんどん十年、二十年とデジタル化に移行していく、その過程も体験してきた者の一人であります。そういうところからいくと、本当にこの政府が進めようとしているデジタル化、どこまで本気度を持ってやろうとしているのかということについて、いささか不安を持っております。 といいますのも、三年前に国会議員にならせていただいて国会来たんですけど、正直なところ、いや、こんなに遅れているのかというのが素直な気持ちです。今日もタブレットを用いて質疑やらせてほしいというふうにお願いしましたが、衆議院ではできても参議院ではできないんだということで見送られたんですが、今日、いろいろ資料も準備していまして、実は今日、皆さんにも理解を深めていただければということで九枚も資料を用意したんですが、これなんかも、本当だったらタブレットさえあれば配らずにもう皆さんに見てもらうことができるわけです。場合によっては立体映像だとか、そういったものも用いて理解を深めていくこともできるのに、いまだこういう二次元のこの紙で全てが統治されているということにすごく不満を持っております。是非、そういうものの改革も含めてやりたいなという気持ちを持って今日は質問に当たりたいと思います。 まず、第一問というか、一番最初にお聞きしたいのは、これだけデジタル政府と言われていますけれども、その描く政府像を平井大臣がどこまで考えられているかという点であります。 政府は、行政から生産革命をするということで、今回、世界最先端のデジタル国家の実現を目指すということで様々な取組方針を打ち出されました。今までも、先ほど午前中の質疑にもありましたとおり、二〇〇〇年以来、官民デジタルデータだとかサイバーセキュリティ基本法だとか、いろんな理念法を打ち出してこられたんですが、ようやくここに来て手続法の改正ということで、具体性を帯びた法の改正、これでもって具体論を進めていくんだなというふうに私自身は捉えています。 今回、法案、特に行政の手続、利便性の向上やコストの削減等も更に追求していくというふうにされていますが、ただ一方で、資料一、御準備しましたが、午前中の論議にもありましたとおり、この行政手続の改革を進めるという割には日本の行政手続は国際的に見劣りする状況になっています。先進国三十五か国中二十四位ということで、二〇二〇年度にOECDで第三位以内に持っていきたいという目標を未来投資戦略として立てられていますけれども、本当にそこの実現ができるのかどうか、この目標達成にどの程度この法案が寄与するのか、是非戦略を伺いたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 私も、電子政府、電子行政、デジタルガバメントという流れ、もう二〇〇〇年ぐらいから関わってくる中で、進んだものと進んでいないものとやっぱり両方あったと思います。ただ、ここに来て何が変わったかというと、やっぱり皆さんがスマホを持ってスマホでいろいろな手続をやりたがっているという事実があり、その機能も、またセキュリティーレベルもどんどん上がってきたということで、これから先、国民が一番利便性を感じる方向にこのデジタルガバメントを持っていけたらなというふうに思います。 各国、いろんな比較があるんですけれども、これ、国によってやっぱり優先順位が違うだろうというふうに思うし、日本の場合は何といっても高齢化です。高齢化の一方で、デジタルネーティブの若い人たちも世の中にどんどん出てきている。そこの要するにビューティフルハーモニーですね、令和という時代はそこが大事なんだろうというふうに思っています。 そういうことで、まず、日本の場合は、要するに、マイナンバーカードを国民に全部国費で持ってもらうというのは、本人確認の基盤をどの国よりもちゃんとしたいと。例えば、アメリカのソーシャル・セキュリティー・ナンバーなんかは、成り済ましというのをもうある程度計算して運用していますよね、それは。しかし、日本の場合は、後発だっただけに、そういう各国のその失敗事例等々も踏まえてスタートしたんです。ですから、私は、デジタルガバメントのやっぱり基盤になるのはマイナンバーカードによる本人確認だと思っています。その上で、あとは徹底的な利便性をどこに求めていくかというのはもうまさにこれは国民が決めていくことだろうというふうに思っていて、その基盤をつくるための今回は法律というふうになっていくんだと思います。 先生の資料にあるような、例えば、ここにあるホームタックスのようなものであるとか、エストニアの十八分で法人登記ができるというような話、これは非常に象徴的な取組だと思うんですけれども、是非、国民の要望に応えながらそういうものを実現していきたいというふうに思います。 この法案によって手続のオンライン化や添付書類の撤廃が進めば、共働きや育児中など、役所が開いている時間帯に訪れることが困難な方々にとって、何度も役所に足を運ぶ必要がなくなります。また、引っ越しなどのワンストップ化によって民間も含めた複数の手続を一度に行えるようになれば、国民の手続の負担が軽減されます。これもやっぱり民間の協力がないと本当のワンストップにはならないんです。ですから、官も民もマインドセットを変えて、国民が一番利便性を感じるものを一気に進めるということが重要だというふうに思います。 同時に、今回進めるに当たってコストがやっぱり重要だと。要するに、もう青天井でコストが膨れるようなことにならないように、内閣官房に予算を一元化をしていくということと同時に、やっぱりその費用対効果を全部見極めながら制度変更に強いシステムをつくり上げていくと、またそういうことが必要だろうというふうに思います。 ですから、私は、要するに、一億人を超える、これだけ高齢者の多い社会において、そして日本がその日本流の、人に優しいデジタルガバメントを実現できたとしたら、これは世界で最先端のモデルになるだろうというふうに思っていて、日本流の、一番を目指したいと思っております。
○矢田わか子君 大臣おっしゃるとおり、日本は最先端を目指すということですが、最先端に課題の多い国でもありますので、その課題をやはり並べて、ソサエティー五・〇ではないですけど、このデジタル化によってこそ改善できるんだということを是非示していきたいという気持ちは同じであります。 そのときに、やっぱり、これ打ち出してもなかなか進まない要因の一つとしては、その情報の管理ということですよね。個人情報の管理について国民が不安に感じているということが一つあると思います。加えて、もう一つがサイバーセキュリティー対策です。サイバー攻撃が、それだけ用途が広がれば広がるほど受ける可能性も高くなりますので、そこをどのように防御していくのかという大きな課題が立ちはだかっていると思います。 資料一の次の資料二に、先ほど大臣が触れられました韓国におけるホームタックスを記載したんですが、ここは本当に納税者の立場からしても、このホームタックスができたことによって、所得と控除の内容の確認、修正すれば自動的に全てが納税申告できる仕組みになっていまして、しかも、個人情報についても、個人個人の所得のみならず、クレジットカードの明細の情報、現金の領収証、国税庁が学校などの教育機関や職業訓練機関、あるいは金融機関、年金や健康保険を所管する機関から全ての情報を集めて一括管理しているという状況です。したがって、お店で現金で払っても、納税者が現金領収証カードを提示して、利用店舗から現金領収証の事業者を介して国税庁にデータが送られるという驚くべき仕組みまで韓国では既に導入されているということです。 圧倒的に納税者からすれば便利で、何もしなくてもきちっと公平な税が徴収される仕組みが既に行われているということなわけなんですが、ただ、本当にここまで目指すのかということも当然のことながら論議としてあると思います。全ての個人情報が国税庁なり政府に一括管理されるということなので、そこの部分のそのハードルをどう乗り越えていくのかということが大きな課題になってくるかと思われます。 どちらを目指すのかというと極端に一かゼロになってしまいますが、やはり今回のデジタル法の手続の改正案がこうした社会を含めて目指していくべき社会として掲げられているのかどうかの御見解をいただければと思います。
○国務大臣(平井卓也君) こういう、情報を一元化にして利便性を上げるというのは技術的にはできます。そのときに一番重要なのは、要するに国民の政府に対する信頼だと思うんですね。例えば、スウェーデンなんかは国税庁が全てのこういう情報管理のハブになっているし、デンマークなんかは、おぎゃあと生まれたら国民は全員ゲノム情報を国に預けるというようなことが普通になっています。それも全てやっぱり国民と政府との関係だと思うんです。 日本の場合は、全ての情報を一元管理するということに対する懸念というものがずっとあるわけですね。ですから、どこまでやるかということに対してはまだ基本的な合意はできていないと思います。ただし、このデジタル化のメリットというものがもっと顕在化してくれば、おのずとどの程度やっていくのが一番国民が望む姿ということが分かってくるんだと思います。ですから、ここはやっぱり走りながら国民の理解を得つつ進めていくということで、ある一定の形を全部決めて、それでこのとおりにやるんだというふうに突っ走れるものでは私はないと思います。 ただし、世の中はやっぱりデジタルネーティブの方々がどんどん出てきて、もうスマホ一つで生活している人もたくさんいらっしゃいますし、スマホで起業する、業を起こすですね、そういう方も現れてきたし、最近、地下鉄なんか乗ってもみんなスマホを見ています。ある意味ちょっと異常な状態かなというふうに思いますが、完全な社会のインフラになってしまっているので、そういうのに慣れている方にとっては徹底的に進めたらいいというふうに思われるんだと思います。 そこら辺りは、やっぱり日本の事情を勘案しながら、優先順位を決めながら進めていきたいと、そのように考えています。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 圧倒的な便利さを求めるのと掌握されるということ、おっしゃるとおり、やっぱり政府に対する信頼というのがなければ掌握にはつながらないと思いますし、そこの信頼を一歩一歩勝ち取っていくしかないわけなんですが、特にその個人情報の管理という点で私、大変懸念しますのが、今回のこの法案には余り情報の保護、個人情報保護という観点がきっちり記載されていないんじゃないかという点であります。 今は、個人情報を含む膨大な情報がネットにあふれて、ネット間を行き交いをするというふうなことで、それがビッグデータとして蓄積をされて、それがまたマーケティングやその生産管理、顧客管理などに活用される時代になってきております。アマゾンだとか楽天でいろいろ注文すると、その人の嗜好がどうなっているのかということが知らない間に管理されていて、この人はこういうのを買うんじゃないかということが宣伝として流れてくるような、そういう時代ですよね。 そんな中でこういう情報管理システム自体に欠陥があると、よくニュースでもあるとおり、ハッキングされたり、誰かがこれを持ち出して個人情報の大量な流出というふうな事件が起こったりということでもありますが、これは当然行政上のデータ管理にも言えることであって、今民間が結構先にそういった個人情報管理を始めていますけれども、行政上のデータ、じゃ、どのようにきちんとその安全性を確保していくのかということが大事になってくると思います。 行政機関が保有する個人情報の取扱いについては、既に行政機関等個人情報保護法というのがあって、その利用目的やその変更は制限され、個人情報の漏えいを防ぐための必要な措置を講ずる義務を課せられていますが、ただ、この本法律案になぜこのデジタル化社会において非常に大きな課題である個人情報保護の視点が出されていないのか、ないとすればなぜなのかという、その理由を是非今日はお聞きしたいなというふうに思います。
○国務大臣(平井卓也君) この法律は個人情報保護法が大前提の上で作っているので、あえて明記していないというのが今回の答えだと思うんですが、一方で、個人情報保護法のいわゆる三年見直しの検討を今行っているところです。 行政機関が保有する個人情報の扱いについては、既に行政機関等個人情報保護法等の個人情報保護法に基づいて、個人情報を保有するに当たっては、法令の定める所掌事務を遂行するために必要な場合に限り、かつ、個人情報の利用の目的をできるだけ特定するとともに、保有個人情報の漏えいを防ぐため必要な処置を講ずるなど、個人情報の保護に関する規律が課せられているところ、本法案に基づくデジタル化の取組も、このような規律というか、この保護法が前提です。加えて、この法案においては、情報システムの整備に当たり、情報システムの安全性及び信頼性を確保するために必要な措置を講ずる義務を国の行政機関等に課しています。 この個人情報等に関して言うと、一方で、皆さん、フェイスブックとかアマゾンとかいろんなものに平気で個人情報を渡してしまう。その代わり、ただでいろんなサービスがあると。約款をちゃんと読んでいるかというと、皆さん読んでいないというふうに思います。そういう問題が少しずつ顕在化はしてきているんですが、一方で、日本ならのモデルも出てきたんです。情報信託、情報銀行、要するにPDSと言われる情報のポータビリティー、それをやっていこう。あと、情報の要するに流通をやるその市場も、これ日本、初めてできました。 つまり、この情報の扱いに関しては、今後世界がどう動くかというのは私はもう分からない。要するに、GAFAと言われる、だあっと全部囲い込むというものに対する反動が今出てきているわけで、日本はそういう意味では、そういうプラットフォームは持っていないけど、個人情報に十分配慮したビジネスモデル、つまり、国民側に近いところのビジネスモデルというものが幾つか出てきたと。まさに、これからその辺りの議論が深まっていくんだろうというふうに思います。 ですから、個人情報に対するいろいろな保護というのは大前提の上で、これはやっぱり、国の行政機関は当然なんですが、民間に対してもここのところは十分に配慮をして求めていく必要があろうと。で、社会全体の中で、個人情報やプライバシーに対してやっぱり日本人が安心できるレベルにはしていかなければならぬというふうに考えています。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 個人情報保護法が全部これも含めて見ているんだというお話だったと思うんですが、三年に一度の見直しでは、これだけデータ量の流出が、利用拡大が大きくなってくる中で、またサイバー攻撃も増加してくる中で、三年に一回の見直しでいいのかなという点、疑問に思っておりますし、私は、あえて、このデジタル手続法ができたのであれば、この情報通信技術を活用した行政の推進についても、個別に個人情報の保護に十分配慮するし、個人の権利利益が害されることがないように配慮して行われなければならない的な個別のやはり法文の追記が必要だったのではないかというふうに思っておりますので、後ほど修正案として提出させていただきたいというふうに思っております。 続いて、サイバーセキュリティ協議会の運用についてお聞きをしていきたいと思います。 去年の十二月です。サイバーセキュリティ基本法が改正をされまして、この内閣委員会においても慎重な審議が行われました。この改正案において、サイバーセキュリティー施策の一層の推進のために、サイバーセキュリティ協議会という新たな機関が設置されました。今年の四月一日に協議会、発足しております。 この協議会は、インフラの事業者、そしてサイバーセキュリティー事業の事業者、教育機関等々の関係者が参加するということのために、参加者の守秘義務をいかに確保するかが大きなテーマだったというふうに思います。協議会、スタートして一か月半になりますけれども、この守秘義務に関してどのような内規や合意形成がつくられたのか、また、事務局のスタッフや構成員に対して誓約書のようなものを交わしたのかどうか、説明をいただけますか。
○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。 サイバーセキュリティ協議会では、安心して積極的に情報共有活動に御参加いただけますよう、協議会の事務局、それから構成員、今委員御指摘のあった、これは政府機関も含みます、重要インフラ事業者、それから企業、この方々が遵守すべき運用ルールをサイバーセキュリティ協議会の下で規約等として定めております。 この中で、秘密に関してでございますが、協議会の事務局、構成員に関しましては、守秘義務の対象となる秘密情報を取り扱う方、これを事務従事者というふうにこの規約の中で呼んでおります、あらかじめ所定の様式で届け出るという形にしております、これをもって御参加をいただく、その応募をしていただきました。この当該事務従事者以外の者には秘密情報を取り扱わせてはならないということをこの規約の中では定めております。 したがいまして、誓約書等というものは特にございませんが、この従事をする方を定める形で御参加いただく形になっております。
○矢田わか子君 協議会に関しては、昨年の委員会審議でも取り上げさせていただきましたが、課題の一つは、セキュリティー対策を主たる業務としている民間の参加者がどの程度必要な情報を安心して協議会に持ち込むかということだと思います。そして、その持ち込んだ情報が流出しないように保障できるのかということなんですけれども、これが担保されなければ、やっぱり参加する人は安心して参加できないということですし、来てくださいと幾ら呼びかけても、来ない人は来ないんだと思います。 したがって、主要分野と言われた分野から本当に今現在全ての方々が出てきているのかというふうに、これは非公開だと思いますが、漏れ聞いた情報では全ての分野からは出てきていないというふうにもお聞きをしていて、もっと敷居を低く、安心して参加できるということをしていかなければいけないんじゃないかと思います。 資料をお配りさせていただきました。資料三ですが、これが政府が今作っている、安心して参加してもらうための運用ルール例ということであります。 課題はここに確かに網羅されていると思います。事業者の皆さんが持ち得る懸念、不安を解消する様々なルールを決めていきますよということで、実際に来て、やっぱりその自分たちの情報を信頼する人にしか見せたくないというのは誰もが思うことですし、場合によっては、そこに競合他社がおるわけですよね。そんなところに手のうちを見せられるかというふうな気持ちにもなるわけです。私も電機メーカー出身なのでこの協議会のことをいろいろとヒアリングしましたけれども、やっぱりまだまだ安心感が得られない中に本当にいて大丈夫かという声があるのも事実であります。 これも平井大臣おっしゃったとおり、少しずつ信頼関係を得て、大きな事故につながらないように参加者を、参加を呼びかけ続けていくしかないんだというふうに思いますが、この協議会の場が、いかに情報交換していただくことが有益なことになるのかということを実体験していただくということをやっぱりやっていただかなければいけないと思いますが、これ、ルールの例ですけれども、実際のこの対応方針、今後の、について御説明いただければと思います。
○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。 先ほど御説明をいたしましたこの規約の中で、やはり情報の共有の範囲と、今委員御指摘のとおり、出す方が、いかにこの協議会、それから実際に情報を出す相手を信頼をするのかというのは非常に大事な点だというふうに思っております。 したがいまして、この規約の中では、情報を提供する側、情報提供者が情報の共有の範囲、どこまで共有をするのか、誰に共有をするのかと、これを自ら設定をすることを可能にしております。この共有の範囲を超えることはこの情報提供者の同意を得ずにはできない、勝手に変更することはできないと。したがいまして、もしセキュリティー上の関係で共有することが必要だと認める場合にはこの情報提供者の方の同意を得て変えるということを、必要だということをこの規約の中で定めることによって、出す方に安心して情報の共有をしていただくという仕組みをつくっております。 これも御指摘にあったとおりでございますが、まだまだ私どもの周知、多く図っていくということも必要かというふうに思っております。したがいまして、これから更に協議会の構成員の方を今増やしたいというふうに思っているところでございますが、この方々に対してこの点を十分にアピールをしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 政府が思い描く社会を実現していくためには、申し上げたとおり、やっぱりサイバーセキュリティーに対する対策というのはこれからも強く求められるところだと思いますので、そのためのこの協議会、せっかくのこの仕組みをつくったわけなので、実質的に機能できるように、是非とも、信頼の積み重ねとともに、広くやはり呼びかけをして、多くの方々に安心して参加してもらえるような仕組みづくりを今後もお願いしておきたいというふうに思います。 続きまして、省庁のデジタル化における標準化の重要性について質問していきたいと思います。 今回、何といっても、このデジタル手続法によって前に進んでいく具体的な手続、現場現場での判断がすごく重要になってくるんだというふうに思っています。二〇〇二年のときの法律と圧倒的に違うのは、各省庁が自分たち独自でこれやると決めてやるわけではなく、今回は内閣府がこれをやってくださいという大きな基本計画を立てて、その下で一元管理をしていくということのリーダーシップ力が問われるものだというふうに捉えております。 その上でなんですが、行政のデジタル化において、まず、セキュリティーを確保して個人情報の保護を図っていくとともに、各省庁の横断的な項目についてはデータやシステムの標準化、共通化が必要となってきます。これまでのように各省庁が縦割りで、次年度超えて、年次を異なってばらばらに予算を要求して、独自でメーカーと契約して独自のシステムをつくっているようでは機能しないというふうに思います。やはり、議論となっているように、予算の要求段階から一元的に管理していく必要があるというふうに思います。この場合、IT総合戦略室、CIOと言われる各府省の情報化統括責任者やCIOの補佐官の役割がますます重要になってくるというふうに思います。 皆さんには資料四をお配りしておりますが、この政府のCIO、CIO補佐官制度については、平成二十四年に設置されて以降、デジタルガバメントの実現やデータ利活用の推進に関して、府省庁の縦割りを打破し、横串を通すという役割を担ってこられ、専門知識を生かした成果を上げてこられていると思います。ただ、この政府CIOの補佐官、上席補佐官が今たった二名、補佐官が三十九名任命を受けていますけれども、私はそんな数で本当に足りるのかという疑問を持っております。 このCIOの補佐官、しかも非常勤の国家公務員で任期は一年ですよね。そして、給与は日給制ということであります。この人たちが実際に、大学の教授だとか企業の第一線でデジタル対応をしてきたその実績を持ってCIOとして入り込んで、補佐官として、具体的なシステム運用に当たっては本当にこれぐらいの規模の投資が要るのかとかいう目利きも含めて役割担っていくわけです。 そんなときに、これ公募制によって人集めても、実際に本当に人が集まってきているのかなという疑問もありますし、このCIO補佐官の役割とか権限、どんなふうに高めていくのかということも含めて、今後の見解があれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、標準化、共通化を進めていくに当たりましては、府省庁の縦割りを打破をいたしまして横串を通していくというのは極めて重要なことだというふうに認識をしているところでございます。 私ども、政府情報システムの整備及び管理に関しまして、共通ルールといたしまして、デジタル・ガバメント標準ガイドラインというものを策定をしているところでございます。それに基づきまして、政府のデータや情報システムの標準化、共通化を進めることといたしてございます。 標準化、共通化の推進につきましては、御承知のとおり、各府省単独ではなく政府横断的に取り組む必要があるということでございますし、それに加えまして専門性の高い技術面の知見も必要となるということから、政府CIO補佐官の支援や助言が極めて重要となってくるところでございます。 このため、内閣官房IT総合戦略室におきまして、政府CIO補佐官と政府全体を統括いたします政府CIOが、政府情報システムの将来的な在り方、さらにはその具体化に向けた方向性をこれ直接議論をいたしまして、共有する場を設けてございます。その上で、各府省庁側におきまして、府省CIOや府省の情報システムの管理を担う職員が、その方向性、これをしっかりと理解をいただき、分野横断的な取組強化が図られるように予算要求段階等において政府CIO補佐官の指摘に対応することをルール化するということなど、政府CIO補佐官の業務環境を整備をしているところでございます。 また、先生御指摘の体制につきましても、政府CIO補佐官の知見をより一層活用できるように、体制の強化も含めまして必要な環境整備を整えてまいりたいと存じます。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 今年度の政府CIO補佐官の募集要項を見せていただいたんですけれども、今年度三十名ほど募集しますということで、A型勤務というのが週五日間来る人が八名程度、B型といって原則として一週間三日という方が二十名程度というふうなことなんですけれども、こうして公募して本当に集まってくるのかなということなんですね。デジタル人材はどこでも足りません。一般企業もそうですし、金融機関もそうです。そんな中で、これ、わざわざ手挙げて、日給で言えば四万ぐらいなんですね、四万から五万円。現場離れて、よっぽど志の高い、政府のために何かというような人じゃないと個人での応募は難しいんじゃないかと思います。 それより、どちらかというと、政府が企業に働きかけをして、企業でちょっと悪いけど何人か協力してもらえないかというようなことで出していただいているのが現実ではないかというふうに臆測しているわけなんですが、そのときに、やっぱりこれ政府、国にとっても第一優先で取り組まなくちゃいけないことなので、企業も大変だろうけれどもということで、やっぱり使命感持って来ていただける方を私はきちんと集めていかないといけないんじゃないのかなと、こんな三十名とかいう規模ではなくて。 それを集めることによって、そして処遇を改善していくことによって、志高い人が集まり、かつ、ほかの予算を、例えばです、厚労省なんかで多く使っているシステムサーバーを確保していくのに今回マイナンバーをきちんと行政にひも付けして、八十億も投資したと、けれども、結局それが機能しなくて、使われているのが〇・〇一%程度だったみたいなデータ出ていますけれども、こういうふうな、目利きをせずして概算で要求したようなことが結局無駄になってしまうぐらいであれば、先にそういうCIOの人たちにきちっと目利きをしていただいた方がよほど予算についても縮減できるのではないかというふうな思いもありますので、そういった観点から、このCIO補佐官を集めるということについて、ちょっと何かコメントがあれば是非お願いしたいと思います。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。 全く先生御指摘のとおり、二つばかり障害があると思っています。 一つ目は、もし常勤で雇用しようと思った場合、公務員の給与体系だととても一流の人材が来るような給与は出せないと。非常勤の場合は兼職の禁止がございませんので、したがってこういう形を取っているというのが現状であると。したがいまして、もう少し給与を柔軟化できないかということにつきましては検討したいと思っておりますし、関係当局に働きかけを行いたいと思っています。 それから、もう一つは予算の話でございますが、私ども、今現状、IT室で持っております予算、全部基本的に目いっぱい使って補佐官を雇っておりますけれども、何といいますか、最近の政府の取組がそういう業界にも広がってきたのか、今年辺りの公募を見ますと、なかなか非常に優秀な人材が集まってきているというふうに考えておりますが、いずれにしても、数の問題はどうしても予算の制限があるということで、私どももその予算の確保について努力してまいりたいですが、是非先生方の御支援をお願いしたいというふうに思っております。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 いずれにしましても、このCIO補佐官の役割というのはかなりこれからも高まってくるものと思いますので、多分、今までもこの方々が入って目利きをしたことによるその効果というもの、検証、並べてみればいろいろと出ているはずなんですよね。それをデジタルデータ化して、それこそ見える化して、これだけの効果が上がったのでもう少しこれだけの人数採りたいんだというふうなことで、これを採れれば更に各省庁が予算立てしているデジタル化の投資に対するところも半減できるのだとか、そういった何か指標を出されて、私たちも要請しますけれども、是非増やしていただく方がいいのではないかなというふうに思いますので、よろしくお願いをします。 続いて、システム入札の在り方についてお聞きをしていきます。 税務や社会保障など膨大な情報をコントロールするシステム、巨大なシステムとなるため、どうしてもハードとシステムの開発の調達は大手企業に集中しているのではないかと思います。 政府は、これまでも一者応札の改善に取り組まれ、また、情報システム関係の調達については、平成二十六年十二月の政府情報システムの整備及び管理に関する標準ガイドラインに基づき、特定の業者に有利な仕様とならないように仕様書におけるシステムの要件定義を明確化するということと、仕様書については先行して運用を行っている事業者から引継ぎ期間が十分に確保されるような内容にする等の方針を打ち出されていますが、実際に近年の情報システムの調達における傾向を説明していただければと思います。
○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。 ただいま委員から御指摘のございましたガイドラインの中に、一般競争契約を原則といたしまして、一者応札、ベンダーロックイン等による適正な競争を阻害する事態が発生しないように十分に注意をすることを求めているところでございます。 具体的には、調達の前の段階からどういった内容をどの単位でいつ調達をするのかにつきまして事業者に広く公開をすること、また、規模や性質に応じまして複数分割も含めた合理的な単位で調達をすること、さらに、事業者が交代する際に円滑な引継ぎができるよう引継ぎ作業を調達要件として事業者に求めること、システムが複雑化することによるベンダーロックインを抑制するため、定期的にシステム機能を棚卸しをいたしましてシステムをスリム化することなど、競争性、透明性を確保しながら調達を円滑に進めるために取り組むべき事項を定めているところでございます。 各府省におきましては、ガイドラインを踏まえた適切な調達が行われることになりますと、多数の事業者からの提案が得やすくなり、参入機会が拡大することにもつながることから、新規参入の促進にも資するものと考えているところでございます。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 行政手続の電子化に関わるシステムは、当然、品質の確保というのが何よりも重要だというふうに思います。 現場からちょっといただいている声としては二つあって、やっぱり仕様書がきちんと固まらない段階でばあんと出てくる、取りあえず走って、取りあえず走って追加でこういう改善するんだと。ほとんど、この仕様書がきちんと固まらない段階で出してくることによるやっぱり弊害が一つです。 そして、もう一つは、その固まらない中でも日程だけは決まっていて、そこまでに何とか仕上げてくれと言われるが余りに、結局、すごい莫大な量のデータを慌てて打ち込んだり、改修していかなければいけない、作業に追われて。働き方改革どころか、不夜城と化してもう帰れないような状況が続くんだというふうな、そんな苦情も受けております。 資料の五のところに少し、診療報酬改定プロセスを一つの例にシステムエンジニアの働き方について要望を受けていることを入れ込ませていただいております。明らかなとおり、決まってくることが遅いわけですね。三月下旬に診療報酬改定に係る告示、通知があるわけですけれども、実際にシステムエンジニアは三月から五月まではほとんど帰れなくて、どんどん追いかけて、追いかけて、とにかく間に合わせなければということで仕事をしているという現状です。 当然、予算は最初から組まれているので、どれだけ長時間になろうが、もうそれ以上の予算はもらえなくて赤字に陥るようなケースも中にはあるということでもありますので、こんなことにならないように、働く者からすれば過重労働ですよね、にならないようにということも含めて、やはり調達の在り方、データを変えていくときの改修の在り方については是非対応を考えていただきたいというふうに思いますが、御答弁があればお願いします。
○政府参考人(二宮清治君) お答えいたします。 先ほども言及いたしましたが、政府情報システムの整備及び管理の共通ルールといたしましてデジタル・ガバメント標準ガイドラインを定めているところですが、調達の前の段階から事業者が事前準備に十分な時間が確保できるようにすること、さらには、要件や作業範囲を明確にすること、事業者とのコミュニケーションや合意形成を綿密に行うことを求めているところでございます。 CIO補佐官と協力をいたしまして、あらかじめ発注要件や作業範囲を明確にした上で十分な準備期間が確保されれば、事業者からの提案や見積りの精度が高まるということになると考えられます。また、そのため、入札の不調や不落に伴うスケジュールの遅延、これが防止をされ、それらに伴うシステム技術者の方々の負担やコストの増加、これが回避されることとなるものと考えます。 さらに、事業者との明確な役割分担の下でコミュニケーションを密にすることで、事業者任せにするのではなく、検討漏れによる追加作業やそれに伴うスケジュールの圧迫による技術者の過重労働といった負担増、これらが回避をされることになるのではないかと考えているところでございます。
○政府参考人(向井治紀君) 診療報酬改定の話がされましたので、これはどういうことを考えているのかというのを、今まだまだ内々の検討段階でございますけれども、お話ししたいと思います。 おっしゃるとおり、診療報酬改定は期間が短く、かつ関与者が非常に多く、システムも多数あると、保険者、それから医療機関。いずれにしても、国の調達ではないんですが、実際にはやはりそれぞれの保険者、それから医療機関がばらばらのシステムを持っていると。 したがって、それぞれが診療報酬改定に対応しているというところでございますが、これらをできるだけ標準化していって、本来は厚労省が一つのものをつくったものをダウンロードするような仕組みにしてしまえばいいんではないかというふうなことが目的として、目指すべき方向としてあると思っておりまして、そういう、何といいますか、その全体の社会、まさに国が関与してつくっている社会のシステム全体をうまく見直していくことによって、そしてまた、ベンダーもこういうところで商売している時代じゃないと、もっと先端的なもので商売していかないと、先生おっしゃったように、技術者が入ってきて一つの病院に張り付いて過重労働を強いられると結構早く辞められる方多くおられますんで、むしろ日本のIT人材の無駄遣いにもなると。そういうことも考えながらこういうことを考えないといけないというふうに思っています。
○矢田わか子君 是非、現場からの要請もありますので、お取組を強化をお願いしたいというふうに思います。 続いて、厚労省来ていただいていますが、医療におけるマイナンバーの活用についてお聞きをしておきたいと思います。 今年の法改正でマイナンバーカードの健康保険証としての活用が進んだということについては評価をしたいというふうに思っております。行政手続のデジタル化という点においても大きな一歩となるのではないかと思います。 ただ、この制度は、患者の保険証の有無、ありなしをリアルタイムで確認できるということではすばらしいんですけれども、果たして医療機関、受入れ体制がきちんとできるのかという課題が残っていると思います。 政府として医療情報化の支援基金を創設して対応するという方針、お聞きしておりますけれども、今後、全ての医療機関が対応できるようにするための支援策を説明いただけますか。
○副大臣(大口善徳君) 矢田委員に御答弁申し上げます。 今委員からも御紹介いただきましたように、健康保険法の一部改正法案、これが成立し、昨日公布されたところでございます。そして、このシステムの導入の費用を支援するため、今御案内ございましたように、この医療情報化支援基金を創設し、令和元年予算において三百億円を確保したところでございます。 そして、医療機関では、オンライン資格確認を導入することで、失効した健康保険証の利用による過誤請求の事務コストが減少することなど、八十億ぐらいのこの効果があると試算しておるわけでありますが、この事務の効率化や利便性の向上につながることが期待されております。 できる限り多くの医療機関等で導入が進むよう、医療情報化の支援基金を、百五十億円分でございますけれども、活用して普及に取り組んでまいりたいと考えております。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 事務経費の節減ということもあるんですけれども、今回このマイナンバーを健康保険証に活用するのであれば、将来的には医療情報を総括的に管理できるものとしてやっぱり社会保障費の引下げに寄与しなければいけないんじゃないかというふうに思っています。 特に、薬の問題に関しては、従来から、多剤・重複投薬の問題、あるいは患者が多量の薬を飲み残す残薬の問題が指摘されています。この問題は、将来的にこのマイナンバーカードを活用して医療や投薬情報を一元管理してしまえば、どこの医療機関で誰がどんな医療を受けて、そしてどんな薬をいつ誰がどれだけの量をもらったのかということを一元管理すれば、同じ薬を多重に出すというようなことも制限されるわけです。今や残っている薬が五百億超えるという、こんなばかげた状態になっているわけですので、要るものは出さなくてはいけない、けれども、要らないものは出さないという、この当たり前のことをしていくということは今大事なんじゃないかと思います。 ブラウンバッグ運動ですか、ブラウンバッグを薬局に持っていけば、ブラウンバッグに残っている薬を詰めて持っていけば重複を解消しますみたいな運動をされているというのは聞いていますけど、やっぱりいろんな薬局行っても、ほとんど、千代田区とかこの間も行って聞いてみたんですけど、いや、まだうちは始めていませんのでというところが多いわけですよね。母とか高齢者の方に聞いても、そんなん家じゅうの薬集めてあんなバッグに持っていくこと自体が面倒やわというふうなことで。ここら辺も、せっかくマイナンバーを活用するのであれば、そのカードに全ての情報を入れるということをやっぱり進めていただきたいというふうに思います。これによって本当に医療費全体の抑制、大きく貢献できるという期待ができるということも含めて、お願いをしておきたいと思います。 一方で、三月十五日付けの日経新聞の朝刊に、大変残念なことですけど、医療機関の間で診療データを共有し、重複医療を解消するという目的で設置されました地域医療情報連携ネットワーク、膨大な補助、これ五百三十億円の公費が投入されているわけなんですけれども、にもかかわらず、登録患者や参加施設、低迷していて、全国約二百十の地域ネットワークの中で登録した患者の数は全日本の人口のたった一%だというような記事が載っておりました。五百三十億円も投資したのに重複医療を解消する効果が出ていないというふうにも言えるかと思います。 なかなか一石二鳥には進みませんので、一歩ずつかもしれませんが、様々なデータをデジタル化してネットワークを構築し、本当に効率化し、利便性を実現するシステムをつくるというのはすごく難しいことなんだと思いますが、是非、厚生労働省も意識をしていただきたいと思いますし、私、実は先週の決算委員会でもこの問題取り上げて大臣にはお話をしたんですけど、残念ながら大臣からは直接の答弁が得られなかったんです。 したがって、今日の段階で、是非、副大臣、こういうことについてどう思われているのかについて御意見をいただければと思いますが。
○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。 まず、この度、マイナンバーカードを健康保険証として活用していくということに併せまして、このオンライン資格確認の仕組みを活用いたしまして、二〇二一年度から薬剤情報をマイナポータルで本人が確認できるようにするとともに、本人の同意の下で医療機関や薬局においても薬剤情報を確認できる仕組みを導入する予定としております。これによって、議員が御指摘されたように、重複投薬の削減につながることが期待できるというふうに考えております。 また、御指摘になりました新聞報道におけますいわゆる地域の医療ネットワークにおける情報共有の仕組みについてでございますけれども、これにつきましては、それぞれの地域において、その目的に応じて情報共有の仕組みをつくってきたところでございます。これ、主として、医療の診療情報の生データを医療機関で共有することによって、その患者さんにとってより良い医療を提供していくということが目的でございます。 この使われ方というのは、地域のニーズに応じてそれぞれの仕組みを構築してきたところでございまして、ここは評価していくというのはなかなか難しいところでございますけれども、私どもとしては、できるだけこれがニーズの大きさと費用対効果という観点からより良い機能になるように、データヘルス改革全体の中で検討してまいりたいというふうに思っております。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 是非、国民目線に立って、いろんな医療機関で受診したときのデータが、例えばレントゲンを撮りました、そのときの画像データが一元管理をされて、必要であればほかの機関からも取り出せる、そういうことはやっぱり国民にとっては利便性も高まり、良かったなと思っていただけることの一助になると思いますので、是非もう、マイナポータルは何よりもこのマイナンバーがなければアクセスすらできないというふうな、私は不便なまだ状態であると思いますし、であれば、マイナンバーをやっぱり皆さんが持つような施策を更に進めていかなければいけないんじゃないかというふうに思っています。 厚労省、特にいろいろとトライをされているんですけれども、社会保障費がこれだけ問題になってきている中で、年金の伸び率よりも医療費の伸び率の方が高いというふうに言われていて、特に国民健康保険ですよね、もう本当に大赤字になっている中で、まずは、皆さんが重複を意識して、重複した医療を受けないとか重複した薬をもらわないという意識付けを含めてやっていくべきだというふうに思いますので、是非このマイナンバー活用をもう一歩進めていただけるよう御検討をお願いしたいなというふうに思います。 では、マイナンバーカードに戻りますが、このマイナンバーカード、とにかく持たなければ始まらないというふうにしていかなければ、どうしても附帯率が高まっていかないというふうに思っています。いまだ一三%程度の方しか持っていないということなんですが、これ、年間でいっても、初期投資がほぼ三千億ですか、そして維持していくだけでも年間三百億円が掛かっているということでもありますので、このマイナンバーカード発行促進策、様々な施策が今後検討されていくと思いますけれども、第一に、この消費税増税に伴うポイント還元もその一つであろうかと思います。 しかしながら、本人を確認するツールが今はほかにもたくさんあって、取りあえず免許証があり、パスポートがあり、健康保険証がありということですね。でなると、どうしても持たなければならないというインセンティブが働かないんじゃないかと思います。発行率を見ると、六十歳以上の高齢者の人ほど発行しようかというふうな人が増えているわけなんですが、この辺り、何が要因で発行を妨げているのかということも含めて、もう一度私は検証していくべきだと思います。 特に、平井大臣おっしゃるとおり、圧倒的に快適で便利だということを、マイナンバーカードを持っていれば圧倒的に快適で便利が実現されるんだというふうにしていかなければいけないんじゃないのかなと思っていまして、当然、低い発行率の要因の一つがセキュリティーの問題とも言われているので、持っているけれども、なくしたらどうしようとか、盗難されたらどうしようだとか、成り済ましのリスク等もありますので、そんな中でどうすれば国民の皆さんにインセンティブを感じていただけるのかということについて、是非御見解があればお願いをしたいと思います。
○政府参考人(北崎秀一君) マイナンバーカードの取得がなかなか思うように進んでおりません状態につきまして、その原因について調査をいたしますと、取得予定がないと五三%の国民の方々、調査対象の方々が答えておりまして、その理由として一番大きいのは、紛失や盗難が心配だからということを挙げていらっしゃる方がいます。 そのために、更なる普及に向けましては、一つには、そもそもマイナンバーカードのICチップには機微な情報は記録されていないんだということ、また二つには、利用には顔写真やパスワードによる本人確認が必要であり、成り済ましは困難な仕組みなんだということ、三つには、たとえ紛失いたしましても、二十四時間三百六十五日体制のコールセンターでカード機能の一時停止が可能であることなどなど、国民の皆様方に周知し、安心、安全に御利用いただけるということを御理解いただきたいと思っておりまして、これに力を尽くしてまいりたいと思っております。 また、委員御指摘ありましたメリットを感じるものということで、私ども、デジタル・ガバメント閣僚会議の中で御指示をいただきまして、一つは消費喚起のためにマイナンバーカードを使っていただくこと、そして、今回厚生労働省の方で法改正をいたしました健康保険証としてマイナンバーカードを使えますこと、またさらには、今現在やっておりますものでは、コンビニエンスストアで住民票を交付しましたときには、正規に、正規にといいましょうか、市役所の窓口で発行するよりも廉価で安く入手できたりするような、そういった努力もしておるところでございますので、利用者の方がメリットを受けられる場面を増やすとともに、利便性の向上に取り組むことで普及を図ってまいりたいと考えております。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 インドでは、十三億人全ての国民に固有の番号を振り割ったアドハーが導入されまして、平井大臣、御一緒にインドへ行かせていただきましたけれども、何と驚くべきことに九〇%以上の十一億六千万人がこのカードを既に持っているということなんですね。そして、そのアドハーに登録した身分証明、登録の際には顔写真とか全ての手の指の指紋、それから両目の虹彩の登録などもされるというふうになっています。 生体認証の活用ができる状態の中で多くの人が持っている、この持っているのも、理由の一つにはやっぱり、日本のように税、タックスを徴収するときだけに必要なんだということではなくて、給付を受けるのにもこのカードが要るんだと。福祉的な給付含めてです。だから、そういったことも含めた取組だというふうに思うんです。 だから、今おっしゃったように顔認証とパスワードだというふうなこともありましたけど、パスワードって、たくさん覚えなければいけないというようなことを考えると特に高齢者に対するハードルはますます高くなる一方で、パスワード幾つも覚えられないよというふうな声も出ていることでもありますので、そういうデジタルデバイドへの対応も含めて考えれば、今後、やっぱり生体認証というのが一つのトリガーになるのかなというふうに思うんです。生体認証については、いかがお考えですか。
○国務大臣(平井卓也君) インドの場合、先生のおっしゃるとおり、生体認証はもう皆さん、虹彩とか指紋とか顔写真とかあるんですが、日本のマイナンバーカードも、顔写真のデータは、本人と識別できるデータは入っているんです。 先生のように、生体認証に、積極的に導入せよという意見が増えてきたのはもう最近ですよ。それまでは生体認証ということに対してのやっぱり不安みたいなものがあったと思います。ここもやっぱり世の中が変わったなというふうに思っていまして、生体認証に限らず、セキュリティーレベルを上げるためには多要素の認証というのがやっぱり一番理にかなっていると思いますので、我々も生体認証をできるだけスムーズな形で導入できる環境をつくっていきたいと考えております。
○矢田わか子君 顔認証含め、認証の仕組みもどんどん技術が向上してきております。今、静脈の認証なんかも新しく発表されたりしておりますので、是非、だから、ポイントはやっぱりその徴収する側の税のひも付けだけじゃなくて給付にも要るよというふうなことで、何かやっぱり、これがなければ不便なんだというふうなことも含めて考えていかないとなかなか向上しないんじゃないのかなと思いますので、マイナンバーをやっぱり一つのトリガーとしてデジタル社会が大きく動くんだというふうなことを意識付けするためにも、活用をお考えいただければというふうに思っております。 続いて、行政手続における活用範囲の拡大の問題とリスクについてお聞きをしていきます。 日常的な行政の申請においては、やはり戸籍謄本、抄本の提出、住民票の提出というのはもう圧倒的に多いわけです。資料六にお配りしたとおり、戸籍謄本だけでも、調べてみればこれだけ多くのものに必要とされます。パスポート、入籍、離婚、養子縁組、年金の受給、民間の生命保険の請求や自動車の名義変更まで戸籍謄本を求められるんですね。これ、求められるたびに結局取り寄せなければいけないわけです。住所が変わっていると、そこに通知を出して郵送してくださいとか、勤め人だと、土日なんて行けませんから、そういうふうな不便が起こっているわけです。 こんなものがやっぱり残っているようでは、なかなかデジタル化進めたというようなことにならないので、是非、行政上の手続、特に不動産関係、民間の契約、なぜやっぱり戸籍謄本や住民票、印鑑証明の提出が必要なのか、住民票はコンビニでも取得できる自治体増えてきていますけれども、なぜこれらの証明書は基本的に窓口申請や郵送申請になっているのか、そして、何よりも、全ての国民にマイナンバーが付与されていて圧倒的にその人を特定できる番号があるにもかかわらず、そのマイナンバーがあるのになぜ紙というまた取り寄せたアナログな情報を添付しなければいけないのかということは、今後大きくやはり皆さんが疑問に思われることになってくるかと思います。 今回の法案、これらの疑問に対してどこまで対応できるのか、将来展望を含めてお聞かせください。
○政府参考人(時澤忠君) お答えいたします。 各種の行政手続において戸籍謄本、戸籍抄本、住民票の写し、こういった添付を求めている理由につきましては、網羅的に把握しているわけではございませんが、主として、申請者等の氏名、住所、生年月日、本籍、世帯主、世帯主との続き柄、法定相続人などを確認するためと承知をしております。 この法案に、今御提出し、御審議いただいております法案により、行政機関間の情報連携が進み、添付書類の提出を省略することができるようになりますれば、そもそも戸籍謄抄本、住民票の写しの交付を申請すること自体は不要になるわけでございます。添付書類の省略の対象となる添付書類につきましては、この省略を実現するため、必要な情報連携の仕組み等の一定の条件が整うというものから順次、政令で定めまして、その省略を実現することといたしております。 現在、住民票、マイナンバー等もございますし、現在、戸籍謄抄本につきましては、戸籍法の一部改正の法律が提出されておりまして、二〇二三年以降にも各種手続において添付省略が可能となるということもございますので、私どもといたしましては、情報システム整備計画に基づきまして、計画的に行政機関等の情報連携の仕組み等を構築することによりまして、その対象の拡大を図ってまいりたいと考えております。また、現在、戸籍謄抄本、住民票の写しにつきましてはコンビニ交付という手段もあるわけでございます。 また、今回の法案におきまして、地方公共団体のオンライン、これは努力義務でございますけれども、そういったことも規定をさせていただいております。積極的に取り組む地方公共団体を支援をしまして、地方団体のオンライン化の取組ということにも力を入れていきたいと思います。
○矢田わか子君 ありがとうございます。 本法案においての懸念事項の一つが、地方公共団体は今、これ義務ではなく、努力義務なんだというところです。本当に国がそう思っていても地方公共団体が積極的に取り組むのかどうか、やっぱりオンライン化をするに当たって最初にインフラ投資が必要なわけなので、まあ枯渇する地方の予算の中で、これを乗り越えれば本当は最も恩恵が得られるんだというふうな使命感を持って取り組む地方行政がどこまで出てくるのかなというところであります。 ですから、私はやっぱり義務化すべきだったんじゃないのかなと思っていまして、財源の問題がありますけれど、例えば、政令指定都市五十万人いるところはやっぱり効果が出るからやるべきなんだというふうなことを内閣府が旗振ってやらなければ進まないんじゃないのかなということも思いますので、是非お取組をお願いしたいというふうに思います。 そして、この空いた時間を是非、今多く地域で問題起こっている子供の虐待だとか、貧困問題だとか、お年寄りの介護の問題だとか、窓口でフェース・ツー・フェースできちっと相談業務に、アナログの対応とおっしゃいましたが、アナログ的なことこそ時間掛けて、デジタルで解決すべきものはしていくんだというふうな姿勢を是非国が示して、そちらの方向に持っていくように旗振りをしていただければと思いますので、よろしくお願いをします。 それから、もう一点、ちょっと重複するので要望だけにしますが、やはり、この必要のない押印ですね、判こを押すという作業をなくしてほしいということであります。 私、これ企業側で勤務をしてきた経験からいくと、いろんな、保育園の入所の手続とか従業員に対する就労証明書の発行とか、いわゆるバックオフィス業務というのはたくさんあるわけなんですけど、行政に関わるこのバックオフィス業務が本当に煩雑でたくさんあって、これが本当、労働生産性を下げているんじゃないかと思うぐらい煩雑なものがあります。印鑑を押すというのも一つの業務で、多くの従業員がいる場合、印鑑ばかり半日ぐらい押しているような日もあったぐらいに大変な業務になってきます。 したがって、このデジタル手続を進めるのであれば、オンライン申請であっても印刷してPDF化して、それにまた印鑑を押すようなことがやっぱり解決されるように、是非進めていただきたいなというふうなことであります。 何のための承認かというと、この人が実際、例えば就労証明であれば、その企業にいますよということの確認だけなので、わざわざ印刷して印鑑押さなくても、いるから、その担当者が手続して行政に送ればいいだけのことなので、文化のように残すということについて、是非行政が旗を振ってこれも進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。中小企業です、特に。中小企業はこのバックオフィス業務が本当に大量に労働生産性を押し下げているというふうなデータも出ておりますので、是非この辺りも進めてください。 時間がなくなりました。最後、在外投票におけるマイナンバーカードの活用についてお話ししたかったんですが、資料だけお配りしたのでまた見ておいてください。これだけ今多くの、百三十五万人という方々が今海外に滞在をしています。多くは民間企業や語学の研究者、それから政府の関係者入れれば、ほぼ七五%が一定期間海外にいて、また帰国する方々です。そういう方々に今回国外転出時にマイナンバーカードが付与される、利用可能になるわけですので、是非、そうしたときに、外に、海外にいてても在外投票ができる仕組みについても構築をしていただければと思います。 資料八にも在外投票制度の仕組み書いておりますので、御検討をお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 今日は、公明党のICT社会推進本部というのが党内にございまして、そこでは、本年三月の二十日の日に、利用者に寄り添う行政サービスの構築に向けた提言というのを平井大臣に御提出をさせていただいております。このICTの利活用は国民生活を一層向上させるための最重要課題でありまして、特にこの行政手続のオンライン化というのは、行政の生産性や効率性を向上させるのみならず、地域の暮らしをより持続可能にしていくという基盤になっていくものとして、十項目にわたる提言をさせていただきました。今日の質疑はこの提言を基に行いたいというふうに思います。 このデジタル化に関しましては、地方の情報システムの在り方を規定しております条例優先の法体系を見直して、全国共通システムの導入をすべきとの考え方がある一方、地方自治でありますので、その自主、自律というのは尊重されなければならないと。 行政手続のデジタル化を推進するには、住民からの申請を受け付けることの多い地方公共団体のデジタル化への理解が最も必要であるというふうに思っております。しかし、その地方自治体の職員の皆様におかれましては、日々大変業務に忙殺されております。また、財政的な制約もあります。行政サービスの向上のために、今も行政のデジタル化に向けて懸命の努力をいただいていることもまた事実でございます。 しかし、その自治体が抱える課題というのは、私ども、三つに集約をさせていただいております。まず、地方自治体は、厳しい定員管理の下で人員が不足していると、税収がなかなか増えていかない中で財源不足といった慢性的なリソースの不足を抱えております。そのため、高い専門性と高額の予算を必要とするICTへの投資は後回しになりやすいという点がまず第一にあります。第二に、現行の行政手続の大半がデジタル化やオンライン化を想定しておらず、法令や運用により、書類添付あるいは窓口への来訪が必須となっております。第三に、技術的な実現性だけでなく、オンライン化やデジタル化におけるデジタルデバイドの進行など、地域の特性等を踏まえた上での総合的かつ中長期的な支援が必要になっている。こういう三点、これが地方自治体が抱える現状ではないかというふうに思っております。 よって、この行政手続のデジタル化を推進するに当たりましては、各地域における利用者の状況やニーズを理解するということが大変大事でありますし、これまでの行政制度の提供という視点からサービス利用という視点に転換をしていかなければならないと、このような問題意識に立って質問をまずさせていただきたいと思います。 最初に、まず平井大臣にお聞きします。 デジタル化、デジタル手続法のこの制定に何を期待されておられるのか。また、その期待どおりの効果を生むためには何が必要と考えるか。特に、国民の皆様の多くにデジタル化の意義を理解いただくには、どういうメリットがあるのかという、どういうメリットを享受できるのかということが理解されなければならないわけですけれども、それをどのように説明をされるのか。まず冒頭、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 先生のお話しになった問題意識はもう全く私も共有をしておりまして、その上で、デジタル手続法というものをどのようにこれから社会の中で理解をしていただくかということは重要だと思います。 今回のやっぱり法案の一番大きいところは、原則を紙からデジタルに転換すると、ここでもうマインドセットを変えなきゃいけないんだと思います。ですから、単に過去の延長線上で今の行政をデジタル化をするということではなくて、デジタルに対する考え方を改めて、デジタルを前提とした次の時代の新たな社会基盤をどうつくるかということを理解してもらわなければならないんだと思います。本法案を契機に社会全体のデジタル化を目指すことになるんですが、国民の利便性や生産性の向上、いろんな面でのですね、図られるだけではなくて、中長期的には財政再建にも大きな効果がなければならぬというふうに思います。 また同時に、少子高齢化の、特に高齢化の先頭を走っている我が国が世界に先駆けてソリューションを示していくための第一歩だと思っておりまして、大げさに言えば、歴史的な大きな第一歩ではないかなと思います。 このような社会基盤を構築するためには、本法案だけではなく、その確実な実施が必要だと思います。このため、各省任せにせず、本法案の情報システム整備計画の策定などを通じて、私がIT政策の担当大臣としてリーダーシップを発揮して、行政のデジタル化を強力に進めていかなければならないと思います。 そして、具体的なメリットとしては、今回の法案の結果によって、手数料の支払を含め、オンラインにより実施できる手続が増えて、全国、二十四時間三百六十五日、手続が可能になるとともに、添付書類が不要になることによって、例えば共働きや育児中など、役所が開いている時間帯に訪れることが困難な方々にとって、その手続や添付書類のために何度も足を運ぶというようなことがなくなる、そのことによって国民は広く利便性を享受するということになると思います。 次の時代に進化、発展させていけるような基盤を次の世代のために残していくこと、そして、次の時代の日本がすばらしい、そのデジタル技術の恩恵によって問題をいろいろ解決して、すばらしい時代を迎えられるように取り組んでいきたいと考えております。
○西田実仁君 今、大臣からメリットについてお話がございました。 いろんな生活シーンごとにこの法案が制定された際にはメリットがこうあると、共働きの世帯ではこうだとか、子育て世代ではこうだとか、この法案が成立した暁には、是非、こういうことがメリットとしてあるということを国民の皆さんに周知徹底、広報を分かりやすくまたしていただきたいというふうに思います。 現在、経済財政諮問会議におきましても、次世代型の行政サービスということに向けての改革が検討されているというふうに仄聞してございます。この本法案も踏まえまして、政府として成長戦略等にどう反映させていくのか、これについて大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) この次世代型行政サービスというのは、単なるデジタル化だけではなくて、IoTやAI等の新技術活用やデータ整備等を通じて、行政が保有するデータを民間も活用し、より効率的で質の高い行政サービスに転換するとともに、行政が新しいデータを整備し、民間の利活用を積極的に後押しする必要もあるというのがこの諮問会議の次世代行政サービスという言葉だと思うんですが、ここで午前中も話しましたけど、我々が目指す行政のデジタル化は、アナログからデジタルへの転換、これだったらデジタイゼーションという言葉だと思います、とは全く別のデジタライゼーション、すなわちデジタルの力で全く新しい姿に変えるという改革、つまり、そのデジタライゼーションそのものをやっていかなきゃいけないんだと思います。デジタルを前提とした、次の時代にふさわしい、セキュアで便利な行政サービスを実現するよう、デジタルに対する考え方も改めながら、サプライサイド思考から徹底的なユーザーサイド思考に変更、変革していくことも重要だと思います。 このため、この法律には、単に過去の延長線上で今の行政をデジタル化するのではなくて、デジタル化の前に業務改革、BPRを徹底して、エンド・ツー・エンドで最新の技術動向を踏まえたデジタル技術の活用を前提とした見直しや、情報システムの共有化やデータの標準化の推進、行政手続と関連する民間手続のワンストップ化等を図ることによって、セキュアで利便性の高い次世代型行政サービスを実現していきたいと、そのように思います。 このような国民目線の真の行政のデジタル化を強力に進めていくために、年内をめどに情報システム整備計画を策定して本法案に基づく取組を具体化していくほか、成長戦略においてAIやデータを活用したスマート公共サービスを盛り込むとともに、IT戦略においても、デジタル技術を徹底的に活用した行政サービス改革をデジタルガバメント実現の柱として位置付ける方向で現在調整しているところでございます。
○西田実仁君 今大臣が御指摘いただいた、セキュアで便利なサービス、あるいはユーザー思考、ユーザーサイドの思考ということは、大変、先ほどの最初の質問に関連しますと、メリットというものを国民に感じていただくには非常に大事な点だというふうに思うんです。 特に、今、与党に身を置いていて様々な政策を考えるときに常にぶち当たる問題というのがございまして、それは行政の基本が申請主義になっているということでございます。もちろんその意義は当然あるとは思うんですけれども、例えば家計の厳しい方々への給付支援策を検討しようというふうになったときに、そもそもその支援策、支援が必要な方にこういう支援策があるよということを周知することが大変まず難しいということ、またさらに、それが周知されたとしても、さらにその方が申請をしようというときには様々な背景によってなかなか困難が生じやすいという、そういう壁にぶち当たることが少なくありません。 そういうときにいつも思うのは、支援の対象者があらかじめ分かっているとすれば、従来からの行政の在り方をこの申請主義からむしろプッシュ型に変えていくという必要があるのではないかということを感じておりまして、そういう問題意識に立ちますと、今回のデジタル化、単なるアナログからデジタルへの転換ではなくという大臣のお話がございました。こういう転換もまさに進めていく契機になるのではないかというふうに期待をしております。 具体的に、例えば消費税に対する対応として、簡素な給付措置というのがこれまで行われてまいりました。所得の厳しい方々に給付された臨時福祉給付金、これも当然申請主義になっておりまして、申請書の発送からその受付、支給決定から実際の振り込みによる支給、この一連の流れがあろうかと思いますけれども、もう既にこの取組がどうなっているのか分かっていると思いますので、厚労省の方にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。 臨時福祉給付金でございますが、消費税率の引上げを踏まえまして、所得の少ない方への影響に配慮するという観点から、市町村民税が課税されていない方を対象に、平成二十六年度から平成二十九年度までの間に複数回にわたり支給を行ったものでございます。 この給付金は、対象者からの申請に基づき支給決定を行い、本人が指定する口座に振り込む形で支給を実施をしており、直近に実施をしました給付金の給付では、平成三十年三月末時点で二千六十万人に支給がなされています。 この給付金の実施に当たりましては、対象者に対して確実な周知を行うということが重要でございましたことから、国として、新聞広告やテレビCM、特設ホームページを始め、ポスターやチラシを幅広く配布するなど、周知を実施をしたところでございます。市町村では、対象となる可能性のある方に幅広く個別勧奨を行うために申請書の送付を行ってございます。これらを踏まえまして、対象者には市町村に郵送等により支給申請を行っていただき、市町村から口座振り込みにより支給を行った、このような手続でございました。
○西田実仁君 この際、一番そうした情報で難しいのは、税の関連する情報の取扱いでございます。今お話しのように、住民税が課税されていない世帯に対して支給するというこの簡素な給付措置、ここでは、税情報の融通というんでしょうか、これはどのような手続で行ったんでしょうか。
○政府参考人(八神敦雄君) お答え申し上げます。 この給付金の対象者は市町村民税が課されていない方を対象としておりますが、法律上の守秘義務との関係で、課税情報をそのまま用いた個別勧奨等はできなかったことでございます。そうしまして、各市町村は給付金の対象となる可能性がある方に対して幅広く個別勧奨を行ったと、こんな形で行ったところでございます。
○西田実仁君 そういう税情報の取扱いの問題もございますし、また、周知徹底、我々もこの政策をつくった側だったものですから、党を挙げて相当取り組んでもなかなか知っていただくことに時間も手間も掛かるわけですけれども、しかし、今回の簡素な給付措置はかなりの高い率で必要な方にお届けできたというふうには思いますが。 こうしたことは一例でありまして、申請主義からプッシュ型の行政サービスに変えていくという、そういうことがこのデジタル化の手続法でどう変化していくのかというところを先ほど申し上げたように大変期待しておりまして、大臣にお聞きしたいんですけれども、行政の在り方が申請主義であることの意義もあるとは思いますが、その限界についてどうお考えになるのか。また、このデジタル化を通じて行政の在り方を申請主義からプッシュ型に変えていく、移行していく、そして国民に必要な給付を確実に行うことを可能としていく必要があるのではないかという問題意識についてどうお考えになるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 私も同じような問題意識を持っています。ユーザー目線で人に優しい行政サービスを実現したいと思っておりまして、国民からの申請を待つのではなく、対象者に対して必要なお知らせをする、言わばプッシュ型サービスを普及させることは非常に重要なことだと思います。 現在も、例えば、自治体が行う行政サービスについて、サービスを受けられる可能性がある住民を抽出して、マイナポータルのお知らせ機能を活用して効率的にサービスに係る情報を提供することはできるようになっていますが、マイナポータルを使っている方が非常に少ないということで、余り知られていないのかも分かりません。 今後、今般のデジタル手続法案を契機として、行政機関間の情報連携を始めとしたシステム整備を推進するとともに、デジタル社会の本人確認の基盤であるマイナンバーカードの普及に取り組んで、その上でプッシュ型の行政サービスを拡大していきたいと考えております。
○西田実仁君 ちょっとこれ通告していませんけれども、今お話しの行政機関のシステム整備の話なんですけれども、これまた政策をつくっているときにいつも思うんですけれども、予算を取るときに、何かやろうと思うとこのシステム整備は物すごく掛かるんですね。野党の皆さんから随分それを批判をされて、何のための政策なんだと言われることがあって、確かにそういう面もあるなというふうに思うこともないことはないんですけれども。 このシステム整備の、行政に、地方自治体におけるシステム整備の、何というんですかね、お金が掛かり過ぎているのか、適正な、まあ適正じゃないとは言えないと思いますけれども、そういう予算面での制約というかはどんな御感想を持っていますか。もしお答えできたらお願いします。
○国務大臣(平井卓也君) 行政のシステムコストというのは全国一律ではありません。それぞれ地域によっても異なるということは我々が見ていても明らかです。競争が働いている、働いていない、またシステムの考え方によってもコストが違うし、これからはやっぱりクラウドを前提にするというのも、実はそんな昔から言っていることではないんですよ。明らかに所有から利用へという考え方によってコストダウンが図れるということは皆さん分かってきたので、これからエリアを超えて共通化できるものはしていく、自治体クラウドの考え方はそこだと思います。 そして、さっき、診療報酬の改定の話とシステム改修のコストの話がありましたが、これは診療報酬のみならず、我々が法律を触れば触るほどそれがそのままシステムに跳ね返るという、改修に跳ね返るということがあって、これも考え方なんですね、システムの考え方。制度を変更するということに対して、今はやっぱり昔の考え方のシステムのアーキテクチャーだとそれは掛かってしまいますが、これから全部コンポーネント化をしていくというようなシステム構成になれば、そこはもう大幅に削減をできると。 次世代のシステムは、やっぱり過去の延長線上ではないと。ですから、システム更新の時期なんかを見ながら、ベストのものをこれから推薦していくということだと思います。で、できるだけ共通なものは共通で使っていくというような方向で考えるべきだと思っております。
○西田実仁君 勉強になります。 まさに、そういう何か施策をやろうとするときに、必ずシステム改修でこれだけの経費が掛かりますという、そんなに掛かるのかと思うぐらいに大体予算を確保しなきゃいけないというふうになるんですけれども、しかし、今のお話のような自治体クラウドも含めてやればそれほど掛けずにできる可能性が随分出てくるんだろうというふうに思っておりまして、そこは是非、予算の査定等につきましても、概算でこのぐらいというのはこういうデジタル化法案ができることによってもっとこれだけになるというような姿を見せていくことも、この法律を成立させた一つの国民に対するメリットということも言えるんだろうというふうに思いますので、是非お願いしたいと思います。 もう一度、我が党の提言に戻りますけれども、この行政手続のデジタル化を推進するには、やはり住民からの申請を受け付けることの多い地方自治体、このデジタル化への理解というのが必要ということで、地方自治体向けの研修、あるいはソフト面のサポートを適切に推進することが必要だと、このように提言でも盛り込まさせていただきました。 これを受けまして、このオンライン化法第五条第五項には、地方自治体等へのオンライン化について国は情報提供その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない旨が規定されております。 そこで、総務省におきましては、IoTの地域実装のための総合的支援というのを行っておられまして、平成二十八年度から計画策定の支援、地域情報化アドバイザー派遣等の人的な支援、また、民間プラットフォームの活用を始めとするデータ利活用の明確化、実装事業の支援等を実施しておられます。 二〇二〇年度を目指しての地域ICTの普及ということだろうというふうに思いますけれども、現状どこまで行っているのかということと、またその効果、また二〇二一年度以降どのように取り組んでいくのか、これをちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(赤澤公省君) お答えいたします。 御指摘のとおり、総務省では、ICT、IoTの地域実装に向けまして、地方公共団体におけるIoT実装のための計画策定支援、それから補助金、特別交付税措置を含む財政支援、それから専門家の派遣などの人的支援、それから優良事例の紹介等の普及促進活動を総合的に行っているところでございます。 このような取組の成果を把握するため、平成二十九年度から毎年度、前年度末、三月三十一日時点において、どれほどの地方公共団体等がICT、IoTを活用して地域課題の解決等に取り組んでいるか等々について全地方公共団体に尋ねる、地域IoT実装状況調査を実施しているというところでございます。 直近の平成三十年度末の状況は本年五月二十一日締めで調査をしておりまして、現在、その結果を取りまとめているという状況でございます。現在その取りまとめている直近の調査ではなく、一つ前の平成二十九年度末の調査で御参考までに申し上げますと、ICT、IoTの実装の取組について実施している、検討している、関心があると回答された地方公共団体は全体の九割を超えておりまして、地域におけるICT、IoTの実装への関心の高さがうかがえる結果になっていると考えております。 総務省といたしましては、これまでに実施した調査結果、それから現在取りまとめ中の最新の調査結果も踏まえまして、引き続き、ICT、IoTの実装が地域においてより一層進展するよう進めてまいるとともに、令和三年度以降の取組についても検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○西田実仁君 それから、先ほど大臣からもメリットの一つとしてもお話がありましたが、この行政手続の効率化、また申請者の利便性を向上させるために、各種申請手続における手数料のキャッシュレス化も推進する必要もございます。本法案では、その第六条第五項におきまして、手数料の納付に係るオンライン化規定が新設をされております。 そこで、内閣官房にお聞きしますが、手続のデジタル化による行政処理コスト、この低減を踏まえまして、今後手数料は引き下げられるということがどの程度見込まれるのか、国民に対するメリットとして是非御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(時澤忠君) 本法案では、行政手続をオンラインで行う際に、手数料の納付についてもオンラインで実施ということとしております。この結果、窓口対応や行政内部の事務処理の効率化など、オンライン化による行政処理コストの低減が期待されることから、これを踏まえた手数料の引下げにつきましても各府省に検討を促してまいりたいと考えております。 なお、現時点におきましても、既に登記事項証明書の交付請求、あるいは自動車の継続検査手続など、これをオンラインで行う場合には手数料の引下げが実施されているところでございますので、こういうのを参考に取組を広げていきたいと考えております。
○西田実仁君 地方公共団体における行政並びに住民のデジタルデバイド対策として、機器の拡充などのハード面、また利用者への情報提供や操作補助などのソフト面、この双方について予算措置を含めた適切な対策を講じることが必要であります。 本法十二条におきましては、情報通信技術の利用のための能力又は知識経験が十分ではない者が身近に相談、助言その他の援助を求めることができるようにするための施策、その他の情報通信技術の利用のための能力又は利用の機会における格差の是正を図るために必要な施策を講じるものとされております。 そこで、総務省にお聞きしたいんですが、総務省、厚労省の研究会の下に設置されましたICT地域コミュニティ創造部会におきまして、デジタル活用支援員制度なるものの検討がされているというように聞いております。これは必ずしもデジタル手続にとどまらない施策だとは承知しておりますが、その検討状況とデジタルデバイド対策としての効果についてお話しいただきたいと思います。
○政府参考人(赤澤公省君) お答え申し上げます。 御指摘いただきましたとおり、昨年十一月から厚生労働省と連携して立ち上げました両省の政務官主宰のデジタル活用共生社会実現会議の下で、ICT地域コミュニティ創造部会を設置いたしまして、住民から地理的に近い場所でICT機器の使い方などを教えてくれる、そういうデジタル活用支援員の仕組みの在り方も含めまして、高齢者等のデジタルデバイド対策について御議論をいただいたということでございます。 この部会での御議論も踏まえまして、本年三月にはこのデジタル活用共生社会実現会議において報告書が取りまとめられまして、その報告書では、地域のNPO団体の構成員やICT企業の退職者などのデジタル活用支援員の候補のイメージというものが示されるとともに、地域での相談会の開催、それから地域の町内会、自治会等との連携による個別対応等の支援員の活動の在り方、それから支援員の募集、管理、活動費等の支援員が継続的に活動をしていくための国、自治体、それからNPO団体等のサポートの在り方等について、具体的なモデルの構築を進めるよう提言がされたというところでございます。 総務省におきましては、現在、この提言に基づきまして、デジタル活用支援員のスキーム全体について具体化のための検討を行っているところでございます。本年度中にモデル実証を調査研究として行いながら、その中でデジタルデバイドへの効果も検証しつつ、スキームの整備というのを図ってまいりたいと考えております。
○西田実仁君 五月十四日の経済財政諮問会議におきまして、民間議員の方から、AI、ICTの活用に関心がない、あるいは関心はあるけれども専門性が不足していてなかなか検討に至らない自治体が多数である、このことを踏まえて、総務省については技術面のみならず、人材面、財源面、業務面からの課題を早急に洗い出すべきであると、こういう御意見がございました。そして、ソサエティー五・〇時代にふさわしい自治体行政のデジタルトランスフォーメーションの実現に向けて、AI、ICT化、アウトソーシング、クラウド化等を抜本的に進める計画を立てて進展を図るべきと、このような指摘が民間議員からございました。 この指摘を一言で言えば、ソサエティー五・〇時代にふさわしい自治体行政のデジタルトランスフォーメーションということのようでありますけれども、こうしたデジタルトランスフォーメーションの実現に向けての課題をどう認識し、またその解決のためには何が必要とお考えになるのか、大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 我が国において、地方自治体は行政手続に際して住民とじかに接する機会が多いわけですから、地方自治体に対する手続は多数存在するため、五月十四日の経済財政諮問会議における民間議員が指摘するように、地方自治体のデジタル化は極めて重要だと考えます。 地方自治体のデジタル化を進める上での課題は、業務の標準化など業務改革、BPRを前提としてデジタル技術を活用して先進的な取組を行っている自治体もあれば、デジタル化の取組が進んでいない自治体も数多く存在し、自治体の取組の差が結構大きいということだと理解しています。このような状況で我が国全体の地方自治体のデジタル化を効率的、また効果的に進めるためには、先進的な取組を積極的に横展開して広げていくことが有効な手段の一つだと思います。 その際に重要なことは、サプライサイドの思考ではなく、設計、開発の段階から利用者視点に立ったサービスになるよう、デザイン思考を徹底することがまず必要かなと思います。具体的には、今後、AI等のデジタル技術を活用した優良なシステムやアプリケーションを地方自治体が共同利用することを前提として、全国の地方自治体の職員とデジタル技術を有する開発者が一緒になってデザイン思考で設計、開発して、開発者がそれを地方自治体に提案して実装していけるような場を設けたいというふうに考えています。 いずれにしても、今回の法案をきっかけとして、今後人口減少による労働力の供給制約に直面する地方自治体も、行政サービスを持続可能な形で提供するために積極的にデジタル化に取り組むときが今来ていると思います。政府としても、地方自治体のポジティブな取組をもう最大限応援していきたいと、そのように考えております。
○西田実仁君 ちょっと本法から若干離れるかもしれませんが、IT担当大臣なので是非お聞きしたいと思って、今日は国交省の方にも来ていただいていますが、MaaSについてちょっとお聞きしたいというふうに思います。 MaaSというのは、モビリティー・アズ・ア・サービスということでございますけれども、いろんな種類の交通サービスを需要に応じて利用できる一つの移動サービスに統合することと、このようにITS会議等では定義をされております。このMaaSということが、特に関心を持っているのは、今の、一つは高齢者の方々の免許返納によってマイカーを手放すときにそれでもなお不便ではない暮らしができるようにする、そのための一つのアプローチとしてあり得るということであり、また、いろんなパターンはあると思いますけれども、自動運転とかあるいは地域の公共交通機関とかを組み合わせて、ファーストワンマイルとかラストワンマイルですね、便利に過ごせるようにしていくというための交通戦略をどう立てるかということ、そのときにはデータをどう扱うかということが、大変にビッグデータになりますので、道路からの情報、また車からの情報等々、相当入り組んだ情報を整理しながらこのMaaSを構築していかなければならないんだろうというふうには思っております。 このMaaSは、まさにICTを活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外の全ての交通手段によるモビリティー、移動を一つのサービスとして捉えてシームレスにつなぐ新たな移動の概念であるというふうに承知をしてございます。 我が国におきましても、幾つかの都市において民間事業者による取組が散見されるようになりました。この地域の足をどうつくるかという足づくりというのはもう町づくりになるというふうに私は思っておりまして、今日はちょっとお聞きしたいと思います。 このMaaSには、ICTにより、鉄道、バス等の経路、時刻表等のデータを検索して組み合わせ、利用者のニーズに合うサービスが提案されます。このため、検索対象となる交通機関の運行情報、あるいは駅などの地理的情報等のデータを利用できる必要があって、欧米ではオープンデータとして整備をされております。我が国におきましても、四年前の九月に公共交通オープンデータ協議会なるものが設立されておりまして、公共交通におけるオープンデータ推進に関する検討が進められていると理解しております。 そこで、国交省にまずお聞きしたいんですけれども、ICT技術の進展、MaaSの考え方が広まる中、公共交通分野におけるオープンデータ化について、現状どう取り組んでおられるのか、また、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを見据えて更に積極的にこのオープンデータ化に取り組むべきではないかという点から国交省にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大野秀敏君) お答えいたします。 公共交通分野におけるオープンデータ化を推進することは、一層の利用者利便の向上に資するとともに、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における円滑な輸送にも寄与するものと認識をしております。 このため、国土交通省では、平成二十九年に、学識経験者、交通事業者等を構成員といたします検討会を設置しまして、検討を進めてきておるところでございます。同じく、この検討会において平成二十九年に取りまとめられました中間整理におきましては、オープンデータのメリットや費用対効果、データ管理の在り方等の課題について引き続き検討をすることや、そのための実証実験を実施することが指摘されております。 この指摘を受けまして、平成三十年度には、実証実験として、鉄道事業者の協力の下に首都圏の複数の駅で電子地図等のデータを整備いたしますとともに、オープンデータを活用したスマートフォンアプリのコンテストを関係団体と共催で実施をいたしまして、多くの応募をいただいたところでございます。 今後、この検討会におきまして、この実証実験の結果を踏まえて、今後の推進の方向性を検討することとしております。また、今年度も引き続き実証実験を実施することとしております。 国土交通省としましては、引き続き、公共交通分野におけるオープンデータ化を推進してまいります。
○西田実仁君 MaaSにおきましては、ICTデータを用いてそれを収集、分析することによって、混雑ルートからの需要分散を図ったり、あるいは価格設定による交通誘導等の可能性があるとされます。こうしたデータの活用は、オリパラなどの大規模なイベント、あるいは災害、事故時における交通対策、交通対応策の検討にも資すると考えられますが、この点について国交省、いかがでしょうか。
○政府参考人(城福健陽君) MaaSにつきましては、委員御指摘のとおり、移動に当たって利用いたします複数の交通手段を統合、一貫することで一つの移動サービスとして捉えようとする考え方でございます。具体的には、スマートフォンなどで最適ルートなどの検索や予約、決済を事前に一括して行うことでシームレスな移動が可能となります。さらに、統合された一つの移動サービスにつきまして、利用しやすい定額制などの料金を設定することで価格面での利用利便の向上も期待できるところでございまして、交通需要や交通流のマネジメントにも効果が期待できるものと考えております。 さらに、MaaSは、移動の利便性の向上をもたらすのみならず、スマートフォンで目的地までの交通手段の検索などを行われることからしましても、利用者の移動データを広範に把握することが可能となります。このように把握されましたデータは、個人情報への配慮を前提とした活用ということを想定すれば、委員御指摘のとおり、大規模イベントや災害時あるいは事故時などにおけます、バスなどのルートや便数の検討などの交通対策、ひいては地域の公共交通、あるいは町づくりの計画の立案にも資するものと考えております。私ども国土交通省の有識者懇談会が本年三月に行いましたMaaSに関する取りまとめにおきましても、このようなデータ活用の可能性と重要性につきまして指摘されております。 私どもとしては、今後、MaaSにつきまして、運行情報や予約状況など、交通事業者のデータを事業者間で連携するためのルール作り、あるいは実証実験の支援を通じました地域特性ごとのモデルの構築などに取り組みまして、地域の交通などの課題の解決に資するMaaSの展開に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○西田実仁君 最後に、大臣にお聞きしたいと思います。 今テーマにしましたこのMaaSですね、このオープンデータ化の問題でありますとか、あるいは、このまさにビッグデータをどう整理するかという意味では新しいシステムアーキテクチャーみたいなことも考えていかなければ多分対応できないんだろうと思います。道路が発する情報もあるし、車が発する情報も、そうしたことをどう組み合わせて最適化していくかという新しいこの概念のMaaSについて、またオープンデータの活用について、大臣としてどのような所感をお持ちなのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(平井卓也君) 社会全体のデジタル化が進む中で、様々なデータを広範かつ自由に活用して経済成長に役立てていくことは重要な課題です。その中で、国及び地方公共団体、企業等が保有するこういう公共データをオープンデータとして提供することで、新たなビジネスの創出や行政サービスの効率化につなげることが期待されています。 オープンデータの推進は、議員立法により成立した官民データ活用推進基本法により、国及び地方公共団体の義務として位置付けられており、これまで政府としては、データの公開、活用を希望する者と関係府省庁が直接対話を行うオープンデータ官民ラウンドテーブルを開催し、ニーズのマッチングを行ってきました。また、二〇二〇年度までに全ての自治体がオープンデータに取り組むという目標達成のために、ガイドラインや活用事例集の提供、オープンデータ伝道師の派遣などの人的、物的支援を積極的に今行っているところです。 委員のお話のとおり、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が迫っておりまして、期間中、大量の外国人来訪者や生活者がストレスなく移動、生活できるようにするためには、様々な言語、属性に応じたきめ細やかな対応が必要だと思います。この点、二〇一二年のロンドンや二〇一六年のリオでの経験を踏まえ、公共交通や病院等の施設情報、バリアフリー情報やイベント情報等、様々なデータをオープンデータ化することが鍵となると考えます。それにより、企業や市民の自由なイノベーションを促して、便利なアプリケーションの開発を進めることができると思います。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に我が国のオープンデータ活用が飛躍的に高まることを目標として、更なるオープンデータの提供に向けて自治体や関係企業等の取組を積極的に支援していきたいと考えております。
○西田実仁君 終わります。
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。よろしくお願いをいたします。 まずは、これまでにも質疑の中で、デジタルデバイドという言葉が出てきました。これについて、まず大臣にお伺いをしたいと思います。 私も決して得意な方ではなくて、今回の法案を読んでみたり、その説明資料を見ていても、なかなかすんなりと頭に入ってきて理解できるような状況では残念ながらなく、なかなか付いていくのも大変だなというふうに思っているところです。 私の年代でもそういう人もいるわけですから、もっと年代が上がってきて、ふだんから携帯電話やインターネットにそれほどなじんでいない方々もたくさんいらっしゃるというふうに思うんですね。そうしますと、やはりそういった方々が取り残されてしまうことが発生する、その格差が生じる、そういった中で、使える方と使えない方、使わない方の差が生じてしまうということが発生する可能性が大きいと思います。 こういった方々を、大臣、どのようにフォローアップしていって本当に世の中が便利な仕組みをつくっていくのか、大変重要なところだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) 高齢化が進む中にあって、デジタル技術に不慣れな方でも容易に操作できるユーザーインターフェースを設計することも必要だと思いますし、ユーザー目線で人に優しい行政サービスの実現というのが我々の目標です。 デジタル化の恩恵を一部の者だけではなくて全ての国民に届けなきゃいけないというふうに思うのは、先ほど、行政のコストダウンと、はっきり言って手数料を下げるという話、これセットになっているとしたら、これは明らかにやっぱりそのメリットを享受できない人がいるというのは問題なんです。ですから、そこのところを、やっぱりデジタルディバイドの是正を図るあらゆる施策を講じる必要があると思います。 何度かこのお話もさせていただきましたが、雇用保険の電子申請では、社会保険労務士がアドバイザーとしてオンライン申請を支援する取組が行われていますが、これはまたいろんな形で広げることができると思います。また、行政のオンライン申請に限らず、日常生活も含めた様々な場面で高齢者や障害者の方々がIT機器を利活用できるよう、ITリテラシーのあるNPO団体やIT企業の退職者等がデジタル活用支援員として地域の自治会や社会福祉協議会、地域運営組織等とも連携して支援する仕組みが今総務省で着々と検討されているところです。 結局、デジタルにアクセスできないということをまずなくさなきゃいけないので、その間に人が介在して助けるというのは一番分かりやすいというふうに思っています。
○清水貴之君 まさに、そういう高齢者の方というのは、なかなか自分で役所まで何か手続をしに行くとか病院行くとか、そういう移動が大変な方とか、それこそ中山間地域に住んでいらっしゃってなかなかそういった現場まで行くのが大変だという方が使ってこそ、より便利な世の中になっていくというふうに考えますので、その辺りのフォローというのは是非進めていただけたらと思います。 続いて、マイナンバーについてお伺いをしますが、そのマイナンバーの前に住基カードについて伺います。 住基カードというのがありました。まだ有効期限内だったら有効だとは思うんですけれども、平成十四年から導入されまして、これ税金は大体二千億円を超える額が投入されましたが、二〇一五年で発行を終えています。ただ、普及は十分だったかというと、普及率は五・五%ということですので、これについてまずはどのような評価をされているのか、お伺いしたいというふうに思います。
○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。 住基カードにつきましては、平成十五年から平成二十七年まで発行されておりました。平成二十七年十二月末時点での有効交付枚数は約七百十七万枚であり、総人口に対して約五・六%という数字でございました。この要因といたしまして、住基カード活用方法として、一つは本人確認書類としての活用、もう一つはe—Taxなど行政手続における電子申請などに限られたものとなっていたことが普及が十分に進まなかった要因であると考えております。 片や、平成二十八年一月から住基カードに代わって交付されておりますマイナンバーカードにつきましては、今年五月二十一日現在で約一千六百九十三万枚、人口の約一三・三%の方に今至ってございます。これは、現在、マイナンバーカードは、オンラインでの新規証券口座の開設や住宅ローン契約締結など、民間分野でも利用が拡大しているということだろうと思っております。 また、現在、関係府省で連携して、マイナンバーカードを活用した消費活性化策や、あるいは健康保険証との一体化などを含めたマイナンバーカードの普及策やマイナンバーの利活用促進策について取りまとめるべく検討を行っているところでございまして、これらの取組を通じてマイナンバーカードの利便性を高め、取得しやすい環境を整えることで普及促進を図ってまいりたいと考えております。
○清水貴之君 今ありました点の、住基カードが普及率が五・六%だったと。まあ低いですよね、これは二十人に一人なわけですから。マイナンバーカードに移行して、それでもやっぱり十数%でしかないわけです。これからいろいろポイントの制度を導入するとか、健康保険証とひも付けるとか、いろいろと普及策、便利になればやっぱり使う人は増えるとは思うんですが、住基カードが十分普及しなかったのを引き継いだマイナンバーカードでもやっぱりこれぐらいということは、何かやっぱりこの辺り、普及に至るに当たって問題があるんじゃないかと、この辺をしっかり見ていく必要があるというふうに思っています。 続いて、マイナポータルについてもお伺いをします。 これは、行政機関が有する個人情報の把握ができたり、子育てに関する手続がオンライン上でできるという、使いこなしたら大変便利なものですが、これも利用が非常に低調であるというような話があります。このマイナポータルの今、利用状況であるとか、今後の利便性の向上、こういったことが必要ではないかと思いますが、現状についてはどのような認識でしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。 マイナポータルは、マイナンバー法の規定に基づきまして、国民が自宅のパソコン等から、行政機関がマイナンバーとともに保有する自己情報の確認、それから、行政機関同士が情報をやり取りする、例えば所得情報を福祉に使うとかそういうことがございますが、そういうマイナンバーを用いて自己情報をやり取りした、その自分のA行政機関からB行政機関に移った履歴を確認すると、こういうふうなことで国民が自らマイナンバー制度の運用の適正を確認できるように設置されているものでございまして、これはマイナンバーが民主党政権時代に検討された時期からこういうことをやろうということで検討されて、できたものでございます。 その上で、マイナポータルにつきましては、国民一人のポータルサイトであるという特色を生かして、国民の利便性向上を図る観点から、子育てを始めとする行政手続の検索、あるいは電子申請ができる機能を提供してございます。 この電子申請のできる市町村につきましては、現在、九百九団体、人口カバー率七二%になってございますが、実際の利用を見てみますと、マイナポータルで電子申請したものと、マイナポータルを通じておりますけどそのまま自治体に飛ぶものとございまして、その自治体に飛ぶものの件数は把握してございませんが、マイナポータルだけでいいますと一万件弱でございますので、まだまだ少ないのかなというふうに思ってございます。 したがいまして、その利用の促進には、マイナポータル自体の魅力を向上させること、それから国民のアクセス環境を改善することが肝要であると認識してございます。この観点から、介護、引っ越しなどのマイナポータルを利用した電子申請や手続の拡大、それから電子申請を行う場合のやっぱりデバイスは非常に重要だと思っていまして、スマートフォンでも、アンドロイドではもうほとんどの機種が今読めるようになって、マイナンバーカードを読めるようになっていますけど、アイフォンがまだだということでございますので、アイフォンも含めたそういうものの機種の拡大というのをできるだけやっていく必要があるのかなと。 それから、いろんなウエブサービスがマイナポータルの各種の機能を利用することを可能としますと、API連携しまして、民間のウエブサービスとの連携というようなことも重要だと思います。 これらのマイナポータルの魅力と利便性の向上に今後とも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○清水貴之君 一万件って、やはり少ないですよね。これ、これまでに五年間で三百五十億円ぐらい予算を使っているというふうに聞いております。それで一万件しか利用がないということは、費用対効果で考えたら相当悪い数字になっています。 先ほど西田委員からもありましたとおり、本当にシステムの構築というのは単価が非常に高くて、もう何百億とか何千億とかいう予算が掛かるわけですね。もう私もちょっと想像できない世界なので、何でこんなに、橋造るとか道路造るとかでしたらそれぐらい費用が掛かるというのは何となくイメージできるんですが、システムにこれだけ費用が掛かるというのはなかなかやっぱりイメージができないところがあるんですが、やっぱり現実掛かっているわけですね。ということは、これだけ税金を使っているわけですから、費用対効果、効率性というのも頭にすごく重きを置きながら進めていただきたいというふうに思います。 今の話で、アイフォンが使えないという話、私、この普及が今それほど進んでいない問題点、二点あると思っていまして、アイフォンが使えないというのがありました。これはアイフォン側のこれは規約とか規格とかの問題だと思います。ここは交渉が必要だと思います。これは進めていただきたいと。 あと、マイナンバーカードがこれないと利用できないわけですね。マイナンバーカードの中に入っているICのそのデータを読み取って初めて使えるわけです。これ、マイナンバーカードがそもそも普及をしていないわけですから、一〇%ちょっとの人しか持っていないわけですから、携帯持っていてもマイナンバーカードがないとこれが使えないということは、やっぱりなかなか普及しないですよね。 これ、何とか解消することは難しいんですかね。やっぱりマイナンバーカードとセット、若しくは単純にIDとかパスワードを入れて使えるようにするとやはりセキュリティー上問題があるというような認識なんでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。 先ほど申しました一万件弱というのは電子申請の数字でございまして、トップページのアクセス件数は約三百十五万件、このトップページにつきましてはマイナンバーカードは必要ございません。それから、電子申請でも自治体のサービスを検索する機能がございまして、これもマイナンバーカードは必要ございません。 ところが、自己情報とか自己情報のやり取りの確認というのは、これはまさにマイナンバー付きの個人情報そのものでございますので、これは厳格な本人確認がないと駄目だということで、これはもうマイナンバーカードの公的個人認証制度を使った厳格な確認が必要となっております。 それから、電子申請につきましては、自治体によって要求する部分が若干違ったりはしておりますけど、必ずしも、何といいますか、電子申請で公的個人認証を要請していないところもございまして、そういうところについてはマイナンバーカードが不要な場合もございますが、それにつきましては、何といいますか、例えば給付を申請するものについて、給付を申請した後何らかのまた面談手続とかあったりする場合、あと、子育てなんかありますので、そういう場合は厳格な本人確認は要らない可能性もございますが、一方で、申請した瞬間に給付が確定するような電子申請につきましては、これはやっぱり厳格な本人確認を取らないと成り済ましが起こるというふうなことがございまして、そういう部分につきましてはマイナンバーカードが必要になってくると。 ただ、先生御指摘のとおり、やはりこのマイナンバーカードを普及させるというのは、一つの何といいますか、鶏と卵のようなところがございまして、便利になったら使われると、でも、使われていないから、所持が少ないから民間が余り使わないとかもありますので、やっぱり政府としては、今後いろんな、例えば自治体ポイントとか健康保険証とかで一気に加速度的にマイナンバーカードを普及させることによってマイナポータルの利便性を実感していただけるようになると、そのためにもスマートフォンも大事だろうと、そういうふうに考えております。
○清水貴之君 審議官、なじみのある関西弁で説明されるんで、すんなり何か全部納得してしまいそうになるんですけれども、しっかりとまた議事録などを見させていただいて、また改めて質問をさせていただけたらというふうに思います。 もう一点、ハローワークの中間サーバーについても質問をさせていただきます。 これも矢田委員から先ほど指摘がありましたが、マイナンバー制度とハローワークを連携させる中間サーバー、これに整備費に八十億円掛けたと、維持費に年十億円ということなんですが、利用率が非常に低いという話です。最大想定している、最大これぐらいまで使えますという数字に比べたら、使われている割合は〇・一%にしかすぎないということなんですね。 これも、やはり費用対効果などを考えた場合に、多額のコストを掛けているわけですから、やっぱり整備したからにはしっかり使ってもらわなければいけないと思います。使われないなら整備する必要はないわけですから、この辺はしっかり見ていく必要があると思いますが、この中間サーバーの整備の状況、利用の状況、この辺りについての認識をお伺いをいたします。
○政府参考人(田畑一雄君) 厚生労働省におきましては、各種申請等の添付書類の省略による国民の利便性の向上や公平公正な社会の実現などを目的といたしまして、他の行政機関等とマイナンバー制度に基づく情報連携を行うためのサーバー等を整備しておりまして、その設計上の月当たり最大件数、約三百八万件としているところでございます。 この件数、システム上で安定的に処理できる上限数であり、情報連携件数の目的として設定した数値ではないことから、利用率という観点から議論をすることは必ずしも適切ではないものと考えておりますけれども、一方、全体としてマイナンバーの利用が低調になっていることは事実でございまして、マイナンバー制度に基づく情報連携の環境を整えて国民の利便性の向上等を図っていくことが重要であると考えております。 このため、ハローワークでのマイナンバーの取得を徹底することとしており、雇用保険の各種申請において、マイナンバーの記載がない場合にマイナンバーを記載した上での再度の提出を求めるとか、求職者給付関係手続におきまして、マイナンバーを取得することができない場合にハローワークシステムにより住基ネットに照会を行い、マイナンバーを取得する等の取組を行っているところでございます。 引き続き、他の行政機関等から情報照会があったときに情報提供できるよう、ハローワークの窓口においてマイナンバーの取得の徹底に努めるとともに、日本年金機構との情報連携、今試行的な開始が行われているところでございますが、その本格的開始に向けて必要な調整を進めていきたいと考えております。
○清水貴之君 今の説明で、その三百八万件というのはあくまで設計上の最大件数という話でしたが、ただ、これ利用件数というのは、今、月平均で二千五百八十件です。月最大、今まで使われたのでも三千五百五十件なんですね。としますと、三百八万件と三千件ですから、桁が三桁違うわけです。余りに懸け離れているわけですね。 ということは、そんな最初の想定が私は甘かったんじゃないかと。三百万件使えるようなサーバーを導入して、それを整備する必要が本当にあったのかどうかと。三千件しか今使われていないわけですから、ちょっと多く見積もって、例えば五万件でもいいですし、十万件でもいいですし、もっと容量の小さいものでしたらこんなにコストは掛かっていないわけです。年間十億掛かっているんです、これ整備費だけで。 ここにこんなお金を使っていることが本当にふさわしいのかどうかと、余りにこの想定が曖昧だったんじゃないかというふうに思いますけれども、これについてはいかがですか。
○政府参考人(田畑一雄君) 設計に当たりましては、ハローワークシステムにおける中間サーバーの設計時点では、正確な情報連携の規模を把握することが困難であった一方で、将来的に他の行政機関等との情報連携が進み、最大限利用された場合においても必要なデータを遅滞なく照会、提供できるようにする必要があったため、業務ごとの繁忙期の処理件数や情報提供対象となる方の数などを基に、将来の拡張性も考慮して設計をしたところでございます。 いずれにしても、全体としてマイナンバーの利用が低調になっていることは事実でございますので、先ほど御答弁申し上げた取組を進めることにより、このシステムの活用を図ってまいりたいと考えております。
○清水貴之君 年金機構との提携、本格的に始まるという話は、どれぐらい増える見込みなんですか、それが始まったら。
○政府参考人(田畑一雄君) 年金機構との連携で想定している数、情報の照会で約百二十万件、それから情報提供で約五十四万五千件、合わせて百七十七万件程度を見込んで、想定して設計したところでございますけれども、こういった設計の数、先ほど御答弁申し上げましたように、システム上で安定的に処理できる上限数と設定したものでございますけれども、活用が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。
○清水貴之君 その上限の設定、確かに大きければ大きいほどいいですよね、大は小を兼ねるですから。でも、やっぱり適正なサイズというのがあると思うんです、費用が掛かるわけですから。三百八万件、それだけ行って、超えて破綻するというそのぎりぎりのラインだったらいいですけれども、これ、決してオリンピックのチケット買うときみたいにわあっとみんながアクセスするようなものでもないわけですね。今、現に数千件しか使われていないんですよ。余りに懸け離れている。 これはもう正しい数字だというふうに、繰り返しになりますけど、思われているのか。今の答弁だと思われているという答弁ですよね。本当に思われますか。
○政府参考人(田畑一雄君) 繰り返しで恐縮でございますが、設計に当たっては、当時、設計時点で正確な情報連携の規模を把握することが困難であった一方で、将来的に他の行政機関との情報連携が進み、最大限利用された場合に必要なデータを遅滞なく照会できるようにする必要があるということでこういった設定にしたところでございます。 マイナンバーをめぐるいろんな環境、それから年金機構との連携につきましても、当初想定より若干スケジュールが後ろ倒しになっているということ等もございまして、現状、委員御指摘のとおりの活用状況でございますけれども、私ども、マイナンバーの連携が図られることにつきましては、国民の利便性の向上や公平公正な社会の実現等を果たす上で重要と考えておりますので、我々としてもしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○清水貴之君 もう一点、費用対効果の面で質問をしたいと思うんですが、コンビニエンスストアでの交付です。 大変やはりこれは便利になるということで、利用されている方もどんどん増えているんじゃないかなというふうには思うんですけれども、これも、コスト、これは新聞記事を基にお話しさせていただきますが、これは埼玉県で調査をされているものなんですが、やはりコストがかなり掛かるわけですね。埼玉県で調べたところ、最低で一通発行するのに、利用者が払うのは二百円とか三百円とかこういうお金、窓口で払うとかコンビニの機械で払うのはそういった額になるんですが、全体のコスト、いろんなものを含めたコストになりますと、最低で一通千四百五円と。最高だと三万円ぐらい。たった一枚ですよ、発行するのに三万円ぐらい行政がコスト負担をしなければいけないと。これぐらいお金が掛かるということなんですね。 何でこんなに費用が掛かるかといいますと、コンビニに委託の手数料を払わなければ、コンビニはそうですね、これで利益を得るわけですから、一通当たり百二十三円掛かると。に加えて、これ、地方公共団体情報システム機構というところ、これ元々、地方自治情報センターが組織改編したものですけれども、このマイナンバー等を一手に担っている組織ですが、ここに負担金もこれ自治体は払う必要があるわけですね。人口百万人を超える政令市だと年一千万円、十五万人以上の規模の都市だと年五百万円と。ちっちゃな町になりますと年間百万円ですが、今度は百万円の町とか村になりますと、利用する方が少ないから一通当たりのコストというのはぐっと上がってくるわけですね。 先ほど大臣からも、やっぱりコストを、行政コストを下げていくとか、利用者がコストが下がって便利になる、これはデジタルの大きな利点だというふうに思うんですけれども、こういったところに、コンビニは実際これ使わせてもらうからしようがないわけですけれども、こういった、間に、地方公共団体情報システム機構、これ、はっきり言って総務省の天下りの組織です。総務省の方々がここに理事長とかで下りられるわけですけれども、ここにもうお金がばっと入るような、行政としては支払わなきゃいけないような仕組みになっている。 それはコストになって、これ、今のところ利用者は跳ね返っていなくて行政が負担をしているということですが、こういったところもしっかりコストの面から見ていかないと、本当にデジタルが進むことによった恩恵というのが全然受けられていないというふうに感じるんですが、これはどなたがお答えいただけるんでしょうか、お願いします。
○政府参考人(北崎秀一君) コンビニ交付につきましては、もう委員御承知のとおり、早朝から深夜まで、住民の利便性を向上するために平成二十二年からサービスを開始いたしまして、現在拡大をされておるところでございます。 私どもといたしましては、今、清水先生御指摘にございましたような、まずはシステムの改修経費も掛かってまいります。これにつきまして、廉価なクラウドの仕組みをつくって五割程度経費が削減されるようにするとか、あるいは、J—LISの運営負担金について、これを、メンバーが増えますとこれは下げることができますものですから、そういった努力をしますとか、あるいは、コンビニ事業者に支払う手数料について、これも枚数が増えますとこれは減らすことができますので、先ほどの百二十三円から二十九年度からは百十五円に引き下げるとか、るる努力をさせていただいておるところでございます。 また、引き続き、各地方公共団体と相談をして、コストについて引き下げる努力をしてまいりたいと思います。
○清水貴之君 時間ですのでもう質問はいたしませんが、大臣、こういった行政のコスト削減、経費削減、負担削減になるはずが逆にこうやって負担が大きくなっているところもあります。こういうところもしっかりと見ていただけたらというふうに思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 情報通信技術の発展を行政手続に活用していく、そのこと自体に反対するものではありません。個人情報保護などに十分配慮をし、真に国民の利益になる方向でどう進めていくのか、これは慎重な検討が必要だと考えています。その点で、これまでの政府の取組、また本法案とも問題が山積していると言わざるを得ません。 まず、本法案によって、マイナンバー通知カードが廃止されます。マイナンバーカード、これICカードですね、この普及を一気に進めるためだ、また転居時等における記載事項変更の手続が住民及び市町村職員の双方に負担となっているからだと、これは午前中の質疑でも答弁があったところです。 通知カードというのは全国民に送付をされていますので、転居する際は必ずその通知カードに記載された住所の修正が必要になってくる、ところが、持ってきていないとか紛失したなど、役所での手続が混乱しているという御答弁なんですよね。 通知カードの送付は、二〇一三年です、通知カードの送付を決めたのは、二〇一三年、第二次安倍政権になってから、既に国会に提出されていたマイナンバー法案をわざわざ修正して加えられたものなんですね。当時の甘利大臣は、通知カードはすぐに送付できる、より良いものにしようということだという答弁をされています。免許証などと併用をすれば本人確認もできて、通知カードだけですぐにマイナンバーを使えると、こういう趣旨の答弁だと思います。 ところが、送付時の未配や誤配、そしてその後のこうした混乱など、より良いどころか国民や自治体に不要な負担を押し付けているじゃないかと。こういう現実をどう認識されているのか、まずお答えください。
○大臣政務官(古賀友一郎君) お答え申し上げます。 このマイナンバーカードでございますが、マイナンバーの確認と本人確認を一枚で行うことができるカードということでございまして、マイナンバー制度の利用に重要な役割を果たしていると、このように認識しておりますし、また、このICチップに搭載されました公的個人認証によりまして非対面での電子的な本人確認を確実に行うことを可能とするものでございまして、ソサエティー五・〇時代にふさわしい本人確認ツールだと、こういうふうに認識をいたしております。 したがいまして、引き続きまして、このカードの活用場面を増やしまして、その利便性や安全性を国民の皆様方に御理解をいただくことによりまして、多くの方にカードを取得して活用していただけるように努めてまいりたいと、こういうふうに考えているところでございます。 以上でございます。
○田村智子君 お聞きしたのは通知カードの廃止の方なんですよね、通知カードの方。 当時、政府の担当者は解説書で、当時の政府の担当者、通知カードを導入した理由について、国民が亡失しにくい、紛失とか、なくしてしまわないようになると、申請書などへの個人番号の記入の利便性等を挙げています。また、マイナンバーカード発行を全国民には義務付けなかった、それは厳格な個人確認の必要性から役所の窓口での交付としているので、全国民が役所に出かけていってこの交付を受けるという、これは義務付けをするのは無理だと判断したと。これはマイナンバーカードの制度発足時の政府の担当者が法解説書の中で書かれていることなんです。 ところが、通知カードの送付から僅か四年足らずで、今度はマイナンバーカードを国民に普及させるためだとして、通知カードは廃止だというと。こういうやり方はまさに朝令暮改だと言わざるを得ないと思うんですが、この通知カードの廃止のことについて、いかがでしょうか。
○大臣政務官(古賀友一郎君) この通知カードについてでございますけれども、これは、平成二十七年十月のマイナンバー制度の施行後、国民の皆様にマイナンバーを速やかに通知、送付するということ、それから、施行後まずは必要となる職場等へのマイナンバー提示の際にマイナンバーを証明する書類として導入をしたところでございまして、マイナンバーカードの取得を義務付けることが難しいということで導入したわけではないということは御理解いただきたいと思います。 この通知カードでございますけれども、この制度の円滑な導入のための役割を果たしてきたところではございますけれども、その記載の正確性を維持するために、御指摘のとおり、転居等の際は市区町村の窓口で記載事項を変更する必要がございまして、これが住民、市区町村職員の双方に負担となっているとして見直しが求められている、こういった状況にあると、こういうふうに考えているわけでございます。 あわせまして、社会のデジタル化を進める観点からは、紙製の通知カードから公的個人認証の電子証明書が搭載されたマイナンバーカードへの移行を促進していくことも重要であると、このように考えておりますので、こういった状況を踏まえまして、通知カードの新規発行、そして記載事項変更の手続等を廃止させていただくと、こういうふうにしているところでございます。 以上でございます。
○田村智子君 通知カードということで、より便利になるんだとか、より良いものにこのマイナンバーの制度がなるんだと言ったんですけど、そうならずに、むしろ混乱を生んじゃったんですよ。本当に、何というか、見切り発車でいろんなことをやっているために不要な負担が押し付けられているということの一例なんですよね。 当時、甘利大臣はこうも言っているんです。通知カードを番号カード、つまりマイナンバーカードに替えるのは、法律で強制的に全部やりなさいということを言っているわけではないですよねと、それで不便を感じない人は替えないのかもしれません、不便を感じる人は替えるのかもしれません、ただ、奨励策として、一枚のカードでいずれにしても済んでしまうということでありますから、これはそうした方が保管や携帯上もいいんじゃないかと思っておりますという御答弁だったんですよ。 一枚で済むということが便利で、だからこれで奨励されていくんだと。ところが、先ほども質問あったとおり、全く普及が進んでいないわけですよね。ということは、国民の側にはマイナンバーカードを持ちたいという要求が希薄である、国民にとっては切実な必要性も緊急性もないと、むしろ個人情報の流出のリスクから持ち歩きたくないという国民が少なくなくいるということも今表れていると思うんですよ。 ところが、今国会では、この法案だけじゃありません、健康保険法や戸籍法まで改定して、言わば何が何でもマイナンバーカードを普及しようというふうに進めていくわけですね。こうした施策はそれぞれに相当な費用も掛かります。無理に普及すれば個人情報漏えいのリスクも高めることになると、私、言わざるを得ないと思うんです。 先ほどから清水議員も費用対効果のことについて質問されていたと思うんですけれども、共感するところが多々ありました。 二〇一八年五月、内閣官房番号室とIT総合戦略室が費用対効果についての取りまとめを行っています。これ、システム経費は初期投資で二千七百億円、維持費で三百億円としているんですけれども、この中には、自治体で新たな業務に必要となる人件費だとかマイナンバーカードそのものの発行費用というのは含まれていないわけですよ。 一方、効果の方はどういう試算か。行政機関の事務軽減で一千七百九十八億円、国民、事業者への効果は二千六百二十九億円というふうにしているんですけれども、これは、パソコンやスマホを使ったマイナポータル、この活用が目標となる姿になったときの想定額なんですよ。 じゃ、現状どうかというと、マイナンバーカードの普及率は今年三月時点で一二・八%と。四月二十一日の東京新聞の報道を見てみますと、東京都杉並区でのマイナポータルからの届出件数は、システムが始まった二〇一七年十一月以降で三件しかない。目標となる姿からは懸け離れた実態なんですね。 その上、これ今後出てくる問題ですけれども、二十歳未満でマイナンバーカードの交付を受けた人は、交付後五回目の誕生日を迎えるとカードの更新が必要になります。必ず本人が役所に行かなければならないので、子供さんの場合でしたら、保護者が一緒に付いていかなければならないでしょう。それで、二十歳以上の場合も十年で更新が義務付けられているので、やはり必ず本人が役所に行って更新が必要になると。そうすると、マイナンバーを持つことの利便性よりも煩雑さの方が大きいんじゃないだろうかと。これでは、普及率が上昇するのかどうかというのは極めて危ういというふうに思うんです。 この法案では、国は情報システム整備計画を持つことになります。システムを利用して行う手続や事務の簡素化、合理化、これ義務付けられているんですけれども、費用対効果の検証については法案の中でどこにも規定されていないんですよ。なぜそのことを求めないんでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) 情報システムの整備に当たりましては、その計画段階からその費用対効果を精査するということは非常に重要でございます。このため、本法案に基づきます、情報システム整備計画の中の情報システム整備に関する基本的な方針におきまして、費用対効果を踏まえた情報システムの整備について位置付けることを予定をしております。情報システム整備計画の策定を通じまして内閣官房におきまして費用対効果を厳しく精査をし、費用対効果に見合うもののみを計画の対象とする予定としているところでございます。 策定に当たりましては、民間企業の出身であります政府CIOの下、官民の情報システムの開発や整備を現場で行ってまいりましたエキスパートであります政府CIO補佐官を活用して費用対効果を厳しく精査するとともに、クラウドの活用等の情報システムの共有化、現在検討を進めている、予算の要求から執行までを通じました年間を通じたプロジェクト管理、こういったことを通じて最大限、費用対効果が出るような取組を進めてまいる予定でございます。
○田村智子君 だったら、見込まれる効果で計算しちゃ駄目ですよ。現実にどうかと毎年毎年ちゃんと費用対効果出すなんというのは、当たり前のことじゃありませんか。どこが厳しい費用対効果の検証なのかと、こう言わざるを得ません。 次に、今国会は戸籍事務の合理化のために戸籍法改正案も提出されていて、戸籍をマイナンバーにひも付けしようとしているんですね。この戸籍関連情報というのは、例えば配偶者がいるのかとか、誰が配偶者か、親子関係、婚姻の有無など、本当に身分情報が、本当にセンシティブな身分情報なんですけれども、これをデータベース化して、マイナンバーでこうした戸籍情報を引き出せるようにシステム整備をしようというものなんですね。 これ、今後五年程度を掛けて実用化を目指すとされているんですけれども、これまでの法務委員会の質疑を見てみますと、法務省は、どのような規模のシステムになるのか、また予算がどれぐらい掛かるのか、費用対効果がどうなのか、これら答弁を避けておられます。 一方で、必要性の方はどうなのか。例えば児童扶養手当の支給を申請する場合には、その方が本当に、つまり配偶者がいないかどうか、これは確かに確認しなければならないんですけれども、そういう身分情報の照会というのは戸籍等で確認することとされていて、自治体では住民票であるとかその自治体が持っている情報で確認しているというのは、これ幾らでもあるんですよ。自治体の事務の合理化、住民の利便性、費用の節約になるのか、非常に懐疑的だと言わざるを得ないんです。 このシステム構築に幾ら掛かるか分からない、節約できる費用も明確ではない、このデータベースがどのように使われるかもよく分からない、ところがシステム構築だけは先行して法律で決めてしまう、これでは費用対効果、明確とは言えないと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(時澤忠君) 情報システムの整備に当たりましては、先ほども申し上げましたけれども、その計画段階からその費用対効果を精査するというところは重要でございますが、現在、各府省がそれぞれの予算に基づき、ばらばらに調達しておりまして、政府全体としてIT投資の最適化が図られていないということもございますし、また、情報システム部門を支える人材が不足しているといった課題もございます。 そこで、本法案におきましては、閣議決定でございます情報システム整備計画に基づいてシステムを整備することとしておることによりまして、政府横断的かつ計画的なシステムを可能とし、また、内閣官房が計画を策定することで、民間企業の出身者でありますCIO、政府CIOや政府CIO補佐官といった専門人材の活用も可能となります。 こうした点に加えまして、現在、予算、調達のサイクルを、プロジェクトの計画段階である予算要求前、プロジェクトの具体化段階である予算要求時、詳細仕様の検討段階である予算執行前、この三段階に分けまして、各段階に応じた検証を行う、年間を通じた管理の仕組みに変更することも現在検討しております。 これらを通じまして、費用対効果が曖昧なままシステム整備をしているとの疑念を生じることがないよう取組を進めてまいります。
○田村智子君 そもそも、どう利用するのかも分からないまま費用対効果が本当に検証できるのかということなんですけど、これ、大臣にもお聞きしたいんですね、本当に現時点で利便性が向上しているのかと。 現在、住民票や印鑑証明のコンビニ交付の導入を理由に、自治体の自動発行機がどんどん減少しています。自治体としてはコンビニ交付との二重投資を避けるという理由なんですけれども、一方でコンビニ利用も進んでいないと。役所の窓口は、自動発行機が少なくなっちゃったので逆に窓口が混雑して、たくさん待たされてしまうと。こういう実態があるので、荒川区では、七台ある自動交付機、撤去はしないんだと。報道によれば担当者は、利用者が多い、撤去することに区民の同意が得られないと、こう説明をしているんだといいます。 また、健康保険も番号連携今行っているんですけれども、この健康保険は、社会保険診療報酬支払基金と国保中央会、それぞれ中間サーバーを設けて情報連携をしています。この費用負担について、そもそも中間サーバーの費用が高過ぎるという批判が出ていて、健保連からは厚生労働省に五月に要望書が出されています。「現段階では健保組合の業務効率化に繋がらず具体的なメリットが享受できない中で、運営費を負担しなければならない状況に、全ての健保組合が不満を持っています。」と。ここまで書かれているわけですね。 マイナンバーにそもそも様々な情報のひも付けすることは必要ないんじゃないかと。私たちは、だからマイナンバーに反対をしてきました。それぞれの行政でそれぞれに番号を振って、そこでシステムは動いているわけなんですよね。ひも付けしようとして、むしろ無駄なコストと手間が掛かっているというのが実態なんですよ。 こういう実態に照らして、計画段階から本当に費用対効果があるのか検証すること、これ義務付けることこそ必要だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(平井卓也君) 計画段階からその費用対効果を精査することは非常に重要だと思います。そして、このシステムに対する考え方も、やっぱり所有から利用へ、クラウドにするとかいろんな形で、これから内閣官房でシステムの予算、調達の一元化によってスマートな調達をしていきたいというふうに思います。 それと、さっきからいろいろ費用対効果の話があるんですが、この国は要するに名寄せコストが世界で一番掛かっているわけです。だから、そのマイナンバー、マイナンバーカードというものを導入せざるを得ない状況になったということも御理解していただきたいのは、現時点において、我々の名前の読み方は要するにどこも公証していないんです。公に明かしていない。つまり、名前の読み方が確定していないというすごい弱点を持っている状況の中でこの番号というものを国民に持ってもらったというのは、本人確認によるやっぱりセキュアな社会をつくるという、これはもうこの国全体の大きな財産になるものに向かって挑戦をしているということだと思います。 マイナンバーに関して言えば、これはもうはっきりと法律で連携できるのは税と社会保障、まあ今回災害とかいろいろありますけど、これはもう本当に限定されていて、例えば健康保険証の今回のオンライン資格確認というものもマイナンバーは使わないわけですから、要するに、そこに入っているICチップと健康保険証のデータをつなぐと。つまり、医療機関においては、そこでマイナンバーを預かるわけでもないわけです。 このようなところがちゃんと理解していただければ、もっとマイナンバーカードの普及が進むし、この国の一番脆弱な本人確認機能というものを、ここをきっちりやれば、全体のシステムコスト、社会全体としてのシステムコストは大幅に下がることだけは間違いありません。ですから、ここは産みの苦しみの部分も含めて、私はやっぱり進めていかなきゃいけない大きなチャレンジだと考えております。
○田村智子君 本当にあらゆる情報のひも付けが必要なのかということで、更に聞きたいんですけれども、今回の法案で、国外転出者がマイナンバーカードを利用できるようにするためだとして、戸籍の付票の記載事項に氏名、住所、生年月日、性別という四情報と住民票コードを追加して、戸籍の付票ネットワークを構築することとしているんですね。これ、国外転出者のためとしていますけれども、全ての国民の戸籍の付票に住民票コードなどが書き込まれることになるんです。この付票というのは、住民票の異動など、つまり、住所履歴が全部書かれたものですね。 一方、先ほど指摘したように、戸籍法改定によって、今度は戸籍の副本、これ自治体が持っている戸籍の記載事項が全てバックアップされていて、これオールジャパンで国が一元管理するんですね。この戸籍の副本のデータベース化を行い、全国で参照できるようにしようとしているんです。また、マイナンバーとの連携によって、こうした身分関係のデータベースも構築しようとしています。これ、どのように行っていくのかは全て政令に委ねられているということなんですね。 法務省の検討会の報告では、住民基本台帳と一対一対応となる付票を利用するとしています。つまりは、付票にこの四情報と住基コードを追加するとしている本法案の改正を前提に行われていくことになるんじゃないんでしょうか。
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。 付票に基本四情報が先生御指摘のとおり記載されるという法案が法務委員会で審議されていると思いますが、マイナンバー制度におけますその情報連携、これ自体は、マイナンバーそのものではなくて、マイナンバーを暗号化した情報提供個人識別符号、これは各機関ごとに違います、税なら税、年金なら年金ごとに違う符号がございまして、この符号で個人情報をやり取りする仕組みとなっております。 戸籍のマイナンバーのひも付けというふうに御質問されましたけど、戸籍そのものはマイナンバーはそのまま使わないということでございますので、使うものは、法務省が持っている、情報の連携に使う情報提供用個人識別符号というものを使うということになります。 マイナンバーを直接保有しない法務大臣におきましては、この情報提供用の個人識別符号を取得しないといけないということになりますので、それは総務大臣から取得することになりますが、これは通常ですとマイナンバーで個人識別符号を取得するんですが、法務大臣は所有しておりませんので、本籍地の市町村がマイナンバーの代わりに戸籍の付票に記載されます氏名、性別、生年月日、住所を地方公共団体情報システム機構に通知することによって取得する仕組みとなっているということでございます。
○田村智子君 答弁が非常に分かりにくいんですけど、つまり、戸籍のデータベース化をしようとすれば何らかのナンバリングが必要で、そのナンバリングの動機付けとなるのがこの付票に対するナンバリングなんですよ。これ、事前の説明でそういう説明、私たち受けているんですよ。 そうすると、新たに構築される戸籍の副本のデータベース、これすごい情報になるんですね。一億数千万人全ての国民の出生、誰の子供なのか、嫡出子か非嫡出子か、実子か養子か、あるいは結婚、誰と結婚しているか、離婚したのか、誰を産んだのか、犯罪歴、こういう情報を全部保管することになるんですよ、データベースで。その具体化というのはこの戸籍の付票を個人認証の基盤とすると、この本法案の改定と一体不可分で行われていくことになる。これは、事務方は私たちの事務所への説明で認めているわけなんですね。 ところが、この戸籍の付票についての改正については、これは国外転出者によるマイナンバーカードや公的個人認証の利用関係の改正だと。これは、私は余りに不誠実な説明だと思いますよ。もっと使われるのは戸籍のデータベース化の方ですもの、海外に出た人が使うよりも。このことをちゃんと説明することを、本当は必要だというふうに思うんです。 それで、ちょっと時間が来てしまったんですけれども、この副本データの方は、実は、特定個人情報を取り扱うシステムとして個人情報保護委員会の特定個人情報保護評価の対象にしないんだというふうにも聞いているんですよ。一方で、今度、戸籍法の改正というのは、今言った身分情報のデータベースだけじゃなくて、誰と誰が婚姻していたのかという身分関係、これもデータベース化するという戸籍法の改正が今この国会で審議されて、今日辺りでしょうか、法務委員会で審議されているところなんですけれども、こちらの身分関係の情報データベースの方は個人情報保護委員会の評価の対象になる。ところが、副本データベース、戸籍情報そのもののデータベースについては対象にしない、こういうことも言われているんですね。 ちょっともう時間になってしまいましたから、ごめんなさい、指摘だけにとどめたいと思うんですけれども、こういう非常にセンシティブな情報までもマイナンバーにひも付けができるんです。もちろん、マイナンバーそのものに振らないですよ。でも、マイナンバーそのものにひも付けしていくんです。そういうデータベースを作るんです。だけど、個人情報保護委員会の様々な評価の対象にもしないと。 私、非常に様々な不十分な点を持ったまま、次々にデータベースを行って、次々にマイナンバーにひも付けする、このようなやり方は私は改めて立ち止まって見直すべきだと、このことを申し上げて、質問を終わります。
○委員長(石井正弘君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について矢田さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。矢田わか子さん。
○矢田わか子君 情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨説明を行います。 私は、情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、立憲民主党・民友会・希望の会及び国民民主党・新緑風会を代表して、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりです。 これより、その趣旨について御説明いたします。 政府原案の方向性には賛成をしておりますが、社会課題の迅速かつ柔軟な解決、持続的な経済成長の実現のためには、個人情報の保護やデジタルデバイドに配慮しながら、より一層のデジタル化を進めることが必要であると考え、本修正案を提出した次第であります。 以下、修正案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、基本原則として、「情報通信技術を活用した行政の推進は、個人情報の保護に十分配慮するとともに、個人の権利利益が害されることのないように配慮して行われなければならない」との規定を追加しております。 第二に、法令に基づく申請に際し省略できる添付書面等に、マイナンバー法別表第二の第四欄に掲げる特定個人情報が記載された書面等が含まれることを明記するとともに、地方公共団体が条例等に基づく手続をオンラインで行う場合においては、法令に基づく申請の場合と同様に、特別な事由がない限り、添付書面等を省略するとの規定を設けました。これに伴い、行政機関等又は地方公共団体が添付書面等の省略のために特定個人情報を入手し、又は参照することができるよう、特定個人情報の提供の制限に係るマイナンバー法の規定を改正しております。 第三に、地方公共団体が行うデジタルデバイドへの対応に関する施策の例示として、「情報通信技術の利用のための能力又は知識経験が十分でない者が身近に相談、助言その他の援助を求めることができる機会の確保、当該援助を行うために必要な資質を有する者の確保及び配置」を明記することとしております。 第四に、地方公共団体によるオンライン化施策に対する国の支援措置について、これを努力義務から明確に義務付け規定とし、その支援措置に技術的及び財政的援助が含まれることを明記しております。 第五に、政府は、国民によるオンライン手続を促進するため、オンライン手続に係る手数料の費用効果分析の結果を踏まえた減額又は免除、オンライン手続の処理に際して優先的な取扱いその他の優遇措置を講ずるものとすることとしております。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(石井正弘君) これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、デジタル手続法案に反対の討論を行います。 反対の第一は、行政手続のデジタル化、オンライン化の促進によって、障害者や高齢者などの行政手続に関する困難を一層深刻にしかねないからです。 本案は、行政手続のオンライン化を原則とし、利便性の向上、行政の効率化を図るとしていますが、障害者や高齢者など、デジタルを使いこなすことが困難な条件や環境にある人、経済的事情でIT機器が利用できない人などへの具体的な対策は、デジタル手続に習熟せよと求めるにすぎません。デジタル化を理由に現に窓口の縮小などが問題となっており、これらの皆さんに対する必要な施策の後退を促進しかねません。 第二は、地方自治体のデジタル化促進によって自治体行政の画一化を促進しかねないからです。 本法案は、地方自治体に対してデジタル手続導入促進の努力義務を課しています。この間、政府は自治体に対して、マイナンバーカード導入に伴うデジタル化や、複数の自治体でシステムを共有し標準化する自治体クラウドの導入を推進してきました。自治体クラウドによってシステムに行政の仕事内容を合わせることが目的となり、自治体独自のサービスが抑制されていることも明らかになっています。デジタル化、クラウド化を一層促進することは、地方自治体の多様性、自律性を失わせることになりかねません。住民の福祉の増進を図ることを基本とした地方自治体の住民自治、団体自治を侵害するものと言わなければなりません。 第三に、戸籍とマイナンバーの関連付けを行うものだからです。 今回の法改正で、戸籍の付票の記載事項を追加します。これは戸籍とマイナンバーの関連付けを目的とするものですが、そのことは全く説明されていません。出自、身分関係など、極めて機微な情報の塊である戸籍を国が一体で管理し、マイナンバーとひも付けることで、戸籍情報を全国どこでも見られるようになります。漏えいリスクを高め、これまで自治体ごとだった戸籍の管理を国家管理に移し、国民への国家管理を更に強めるものとなります。 最後に、本法案が、全国民の一割余りとほとんど普及の進まないマイナンバーカードの利用促進をしようとしているからです。 通知カードが廃止されますが、通知カードは、全国民に一律にマイナンバーカードの取得を義務付けられないことから、その代替手段として導入されたものです。導入当時、通知カードがあってもマイナンバーカードは利便性ゆえに利用が進むと説明がされましたが、実際にはそうなりませんでした。マイナンバーカード制度は失敗していることは明らかです。マイナンバーそのものの問題点もさることながら、このような国民へのマイナンバーカードの押し付けはもうやめるべきです。 なお、立憲民主党、国民民主党提出の修正案はデジタル化の一層の促進を図るものであり、賛成できません。 以上を申し上げ、反対討論といたします。
○委員長(石井正弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、矢田さん提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石井正弘君) 少数と認めます。よって、矢田さん提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石井正弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、清水君から発言を求められておりますので、これを許します。清水貴之君。
○清水貴之君 私は、ただいま可決されました情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党及び日本維新の会・希望の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 情報通信技術の活用による行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るための行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法による行政のデジタル化の推進に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。 一 情報の改ざん、漏えい、不正使用等が行われないよう、技術革新に対応したセキュリティー対策及び個人情報の保護その他の個人の権利利益の保護のための措置を講じ、業務の信頼性・安全性の確保を図ること。 二 経済的事情によりパソコン・スマートフォン等の情報通信機器を所有していない者も、情報通信技術の便益を享受できるよう、必要な施策を講ずること。 三 地方公共団体が、情報通信技術の利用のための能力等における格差の是正を図るため、当該能力等が十分でない者が身近に相談、助言その他の援助を求めることができる機会の確保、当該援助を行うために必要な資質を有する者の確保及び配置等の施策を講ずることができるよう、必要な支援を行うこと。 四 地方公共団体が、行政のデジタル化の推進を図るため、条例又は規則に基づく手続について情報通信技術を利用する方法により行うことができるようにするための施策を講ずるに当たり、必要な情報の提供その他の援助を行うこと。 五 マイナポータルを使用する際に必要な個人番号カードの読み取りに対応したICカードリーダライタ又はスマートフォン等の普及に努めるとともに、多くの国民がその利便性を享受できるよう、制度の周知徹底を図ること。 六 地方公共団体の業務において窓口における対面業務が市民と接する上で重要な機能を有していることに鑑み、このような機能が損なわれることがないよう配慮すること。 七 行政運営の簡素化及び効率化により、行政機関等の職員の事務の負担が軽減されるよう配慮するとともに、行政のデジタル化の推進は、真に必要な行政分野にリソースを配分することにより、行政サービスの質の向上を図るものとなるよう十分留意すること。 八 情報システム整備計画の作成に当たり、国民が情報通信技術を利用する方法により申請、届出その他の手続を行うことを促進するため、当該方法による手続に係る手数料の費用効果分析の結果を踏まえた減額、当該方法による手続の処理に際しての優先的取扱いその他の優遇措置を講ずるよう必要な検討を行うこと。 九 情報通信技術を利用する方法による手続を促進するに当たっては、その利便性や留意点、具体的な申請方法等について、国民に丁寧かつ分かりやすい説明・広報を行うよう努めること。 十 国外に転出した者が、円滑に個人番号カード及び電子証明書を取得し、及び利用し続けることができるよう、在外公館において個人番号カード及び電子証明書の交付及び更新の事務を行うことについて検討を行い、関係府省が連携して体制の整備に取り組むこと。 十一 健康保険証としての活用等により個人番号カード及び電子証明書が必要となる場面が拡大することを踏まえ、これらの交付及び更新を無償で行うとともに、交付及び更新が円滑に進むよう地方公共団体等の体制強化や国民に対する十分な周知に関係府省が連携して取り組むこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石井正弘君) ただいま清水君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石井正弘君) 多数と認めます。よって、清水君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平井国務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平井国務大臣。
○国務大臣(平井卓也君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。 ありがとうございました。
○委員長(石井正弘君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井正弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十五分散会