総務委員会 第8号
- 発言数
- 354 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2019/03/28
会議録
○委員長(秋野公造君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、朝日健太郎君及び太田房江君が委員を辞任され、その補欠として山下雄平君及び徳茂雅之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省自治財政局長林崎理君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川沙織君 立憲民主党の吉川沙織でございます。 いわゆる成田財特法につきましては、昭和四十五年の法制定以来、これまで約五十年のうちに法律の有効期限が七回延長されて、今回は八回目の延長を行おうとするものです。また、有効期限の延長期間について、これまではほとんど五年間とされていたのが、今回は十年間となっています。 前回の改正に際して、有効期限を五年間延長することの理由として総務省が挙げたのは、当時の空港周辺地域整備計画の期限であった平成二十五年度末までに終わらない事業が六あること、新規に必要となる事業が七あることでありました。その法案審議を行ったのがちょうど五年前のこの委員会で、私も質疑に立ちましたが、そのとき、こう総務省にお尋ねしました。空港周辺地域整備計画がエンドレスに作成されるのではないかと問うたところ、当時の自治財政局長から、「今後、整備計画に盛り込む予定の事業は、今回五年の法律の期限の延長をお願いしておりますが、この平成三十年度までには完了する予定であります。」との答弁がありました。 しかし、実際には、現行の法律の有効期限である今月末までに完了することが困難な事業が残されているようです。事業完了に至らなかったのは地元の事情があって致し方なかった面もあろうかと思いますが、本件に限らず、時限立法に基づく事業は期限内に完了するのが原則であるということは改めて確認しておくべきことではないかと思っています。今回の延長後の事業についても、期限内に完了できず、そのためにまた期限の延長を求めるということになれば、本当に必要な事業であったとしても、何か節度を失っているのではないか、財政規律が働いていないのではないかとの疑念を招きかねないからです。 予定している事業は全て期限内に完了し、その時点で新たに実施するべき事業があるようだったら期限の延長を検討するというのが本来のあるべき姿ではないかと思いますが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(石田真敏君) おはようございます。 お答えさせていただきます。 現在の空港周辺地域整備計画におきまして、補助率かさ上げの対象となっている事業のうちで、県道二か所、それから市町道が二か所の計四か所につきまして、本来期限内に終わる見込みであったところ、一部住民から協力が得られなかった等の理由から用地取得に時間を要したこと等によりまして期限内に完了しないこととなったものでございます。 さらに、今回成田財特法の延長等をお願い申し上げている趣旨は、これらの継続事業への対応ということに加えて、訪日外国人旅行客数を二〇三〇年までに六千万人とする政府目標を実現するため実施される第三滑走路の増設などの成田空港の更なる機能強化の影響を緩和するためには、成田用水施設の改築、道路の改築などの新たな公共施設等の整備を行う必要があることを踏まえたものでございます。このような状況に鑑みまして、引き続き成田空港の周辺地域における公共施設等の計画的な整備を促進するため、この度、法律案を提出させていただいたところでございまして、御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
○吉川沙織君 今、大臣冒頭に、三月十二日の衆議院総務委員会では自治財政局長が答弁なさっていますけれども、法延長後においても引き続き事業を実施するものといたしましては、県道が二か所、市町道二か所の計四か所、今年度中に完了しない理由としては一部住民の方から理解が得られない時期があったと答弁されていますし、機能強化のことも理由として挙げられています。 ですから私、前段でそういったことも含めて申し上げて、筋論をお聞きしたかったんです。本来、時限立法が野方図にどんどんどんどん延びていくということはあるべきではなくて、定められた期間内に終わらないのであるならば、それを検証した上で、やっぱり終わらせた上で、それでもなお必要であればというのが本来のあるべき姿ではないかと思うんです。そうしないと、今回五年でしたから、五年前も質疑に立って、今日もこうやってお伺いすることができますけど、十年、平成四十年度、もうそのときはお代替わりしていますけれども、そのとき、十年後ここで誰が立法府の側からいろんな指摘できるのかといったときに、やっぱりそういう財政規律とか節度を持ってやるべきが本来の姿ではありませんかというお伺いをしましたので、一言御感想があればお願いします。
○国務大臣(石田真敏君) それは議員御指摘のとおりだというふうに思います。 今回も期限内に当然行わなければならないわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、県道二か所、市町村道二か所の四か所について残念ながら期限内に対応できなかったわけでございます。このことはこのこととして、一方で、非常に我々、今後も注意していかなければならない問題だと思っておりますが、もう一方で、新たな課題といいますか需要といいますか、出てきたということで、そのことを含めて今回、十年という長い期間でありますけれども、期限の延長をお願いしたということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○吉川沙織君 その新たな課題という側面も含めて、これから自治財政局長に具体的にお伺いしていきたいと思います。 平成二十六年三月二十七日のこの委員会で、現行の平成三十年度までの空港周辺地域整備計画に基づく総事業費を当時の自治財政局長にお伺いしましたところ、こういう答弁がございました。「計画の総事業費は五千七百二十億円となる見込みでございます。」と。この点に関し、三月十二日の衆議院総務委員会での答弁によると、平成二十九年度末までに実施された総事業費は五千六百二十五億円とのことですが、平成三十年度末の総事業費は五年前に答弁がありました五千七百二十億円から変わるんでしょうか、変わらないんでしょうか、お願いします。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 今お尋ねの平成三十年度末の総事業費でございますけれども、完了した事業費、これまで完了した事業費を決算ベースで修正して見込んだところ、現時点では、前回の御審議の際に申し上げた五千七百二十億円から二億円減少する形、五千七百十八億円という見込みでございます。
○吉川沙織君 今の時点では二億誤差がありますけれども、ほぼそのときの答弁の見込みであるということが今分かりました。 で、お伺いします。平成二十六年三月に成田財特法五年延長掛かって、平成二十六年九月に最後変更されたのが成田国際空港周辺地域整備計画、ここの参考資料に成田国際空港周辺地域整備計画事業費というのが最後に付いています。これによりますと、平成三十年度までの事業規模は四千八百八十七億円とされています。平成二十六年三月、同じ年ですけれども、そこに答弁があった事業規模五千七百二十億円に比べると八百億円以上少ない金額がこの計画に掲げられているということになりますが、この乖離というのはどこで生じているのでしょうか。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 御指摘の乖離につきましては、空港周辺地域整備計画上の事業費と実績額が異なっているということでございますけれども、整備計画の方が実績よりも少ない、八百億円以上少ないという今御指摘、裏を返すと実績の方が整備計画よりも八百億円以上大きいと、こういう姿になっているわけでございます。これは法律上、今御指摘の整備計画というのは事業の経費の概算を定めることとされているわけですが、原則として、国庫補助率かさ上げ対象事業につきましては、事業費が増加する場合にはこの計画を見直すと。これにつきましては、実はかさ上げ対象事業につきましては数十億円減少見込みということになっておるわけでございます。 他方で、かさ上げ対象事業以外の事業につきましては、これは事業内容の変更を伴う場合にこの計画の方を見直すということにしておるところでございます。 そうしまして、今申し上げたかさ上げ対象事業以外というのが、総武本線の複々線化といったような大きな事業、こちらがございまして、実績額が八百億以上計画を大きく上回ったということでございまして、結果として今御指摘あったような形になっているものでございます。
○吉川沙織君 この最後の計画に掲載された事業費と国会答弁で違う理由というのは、国会答弁の方の五千七百二十億円はかさ上げのないものも含めた事業費で、計画の四千八百八十七億円はかさ上げのないものは含めない事業費と、こういう理解で合っていますか。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 今申し上げましたのは、整備計画の変更、見直しということに関して申し上げたものでございますので、事業規模四千八百八十七億円という方にもその他の事業入っておりますけれども、状況の変更でどのような形で整備計画の方を見直すかという点に関して、先ほど答弁申し上げたような形で見直す。したがいまして、整備計画の方が結果的には見直されずに事業費の方が膨らんだ、こういうことでございます。
○吉川沙織君 結果的に事業費の方が膨らんで、最終的に三十年度末見込みの総事業費としては五年前の答弁と近似はしているんですけれども、ただ、この成田国際空港周辺地域整備計画と、あと成田空港が「成田空港 その役割と現状」二〇一八年度という、この広報誌出しているんですけれども、これにも事業費のことを書いてあるんですが、結局ここでも特に今のような説明はなされていなくて、計画よりも実績が妙に、実際伸びたんでしょうけれども、これ分かりづらい。国会で答弁したものとこの計画でかなりの乖離があって、その辺の事情はどこかで説明する若しくは分かりやすくする必要が、これだけの国費掛けてやっているんですから、何がしか分かりやすいようにしていった方がいいかなと思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(林崎理君) もっともな御指摘かと思いますので、その点は所管省庁とも協議をして検討してまいりたいと思っております。
○吉川沙織君 所管省庁はどこですか。
○政府参考人(林崎理君) これは国土交通省の方が中心になると思いますので、そちらの方とも私どもよく話をしてみたいと思っております。
○吉川沙織君 この成田国際空港の周辺地域整備計画や何かも所管の大臣、つまり総務大臣と国交大臣が主になるんでしょうけれども、その辺で話合いをして最後決めていくような立て付けにもなっていますので、是非この点、やっぱりこれだけ延長延長延長を掛けて、もう多分エンドレスになっていくんじゃないかと私は思っているんですけれども、この辺は分かりやすいせめて情報提供をすべきだと思っています。 本法案による改正後の成田財特法の期限ですが、平成四十年度までの総事業費とそのうちの国費、五年前も今回までの総事業費を伺いましたので、今回の延長期限が十年後ということですので、それまでの総事業費と国費、教えてください。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 成田財特法が施行されました昭和四十五年から、今回お願いしています期限延長、その終期であります平成四十年度までの総事業費を申し上げますと、六千百八十六億円となる見込みでございまして、うち国費につきましては、これは概算になりますけれども、約一千七百億円となる見込みでございます。
○吉川沙織君 それでは、本法案による改正後の成田財特法に基づく国庫補助金のかさ上げ額について、平成三十一年度からの新規事業分と、それを含む平成四十年度までの総額をそれぞれ幾らと見込んでいるか、教えてください。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 今回、成田財特法を改正した場合に、千葉県の要望に基づく平成三十一年度から四十年度までの補助率かさ上げ対象事業のうち、新規事業の補助率かさ上げ額は約六十七億円でございます。また、今お願いしております継続事業がございますが、これに掛かるかさ上げ分が六億円、それから平成三十年度末までに実施予定のものが二百五十三億円ということでございまして、合わせまして、平成四十年度までの補助率かさ上げ総額は、約三百二十六億円と見込んでいるところでございます。
○吉川沙織君 また確認ですけれども、いわゆる裏負担部分については、事業ごとにこれは異なると思うんですけれども、一般的にどのような財政措置が講じられるということかを改めて御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 成田財特法の補助率かさ上げ対象事業に対する地方財政措置についてのお尋ねでございますけれども、それぞれの国庫補助事業により異なっておりますけれども、例えば、今回法改正後に新たに補助率かさ上げの対象となり得る事業につきましては、道路でありますとか、あるいは水資源開発施設などは公共事業等債という地方債が当たると、それから学校施設につきましては学校教育施設等整備事業債が当たるということでございます。
○吉川沙織君 一応、建設事業ですので、裏負担部分については地方債と一般財源で賄って、地方債の元利償還金は後年度で交付税措置するということでよろしいですか。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 一般的に申し上げればそういったことでございまして、後年度の交付税措置につきましても、それぞれの事業債に応じまして措置率というのは区々でございますけれども、一般論として申し上げればそういった形になります。
○吉川沙織君 この法律案は、法律の有効期限を延長するということだけではなくて、国庫補助率のかさ上げの対象となる事業として、今回、成田用水施設の改築を追加する内容となっているかと思います。 どういった事業がかさ上げの対象となるのかについては成田財特法の別表に掲げられていますが、かさ上げの対象となる事業を追加するためにこの別表の改正を行おうとするのはいつ以来でしょうか。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 成田財特法の補助率かさ上げの対象となる事業を御指摘の別表に追加するという改正を行うのは、昭和四十五年の制定以来、今回が初めてということになります。
○吉川沙織君 この別表を見て、へえと思って、今まであったのかなと思いましたのでお伺いをしてみました。 この成田財特法の別表を拝見いたしますと、ここに掲げられた事業のうち改築と規定されていないものが幾つかございますが、本法案はそれらを全て手当てする内容にはなっていません。本法案で手当てしない事業については、現状のこの規定ぶりで改築も読み込めるということなのか、それとも、少なくとも今後、法延長後の十年間の間は改築する必要がない、若しくは地元からの要望がないので法改正しないということなんでしょうか。どちらか教えてください。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 今の御指摘でありますれば、後者に当たるわけでございます。 今回、成田財特法を改正した場合に新たに補助率かさ上げの対象となり得る事業につきまして、これは千葉県の要望に基づきまして、事業の所管省庁とも協議した上で検討してまいりまして、成田用水施設の改築以外の必要な事業につきましては、改築があるものは現行法の中でもちろん読めますし、改築という規定がないものにつきましては事業は予定されていないということで、現状の規定ぶりで対応可能と認識しているところでございます。
○吉川沙織君 今私申し上げた、読めるのか読めないのか、それとも地元の要望がないのかという、大まかに申し上げれば今回はなかったということでございました。ただ、もしこれからの十年間の間に事情が変わって改築事業が必要となったときは、逆に言うと、改めて法律を改正しなければならないと言えるとも思っています。 適切に対応することができるよう、政府としても現場の状況の把握にちゃんと努めていただきたいということを申し上げて、平成三十一年度からの新たな事業についてお伺いをしたいと思います。 平成三十一年度からの新たな空港周辺地域整備計画には、今申し上げました成田用水施設の改築も含めて、何件の事業が追加される見込みでしょうか。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 今回、成田財特法を改正した場合に、千葉県の要望を踏まえまして補助率かさ上げ対象となり得る事業のうち新たに空港周辺地域整備計画に追加するもの、これは市町村道が七か所ございます、小学校一か所、農地七か所、農業用施設二か所、成田用水の施設の改築事業を含めて農業用の施設が二か所、計十七か所の見込みでございます。
○吉川沙織君 何でこのお伺い、確認のためにさせていただいたかと申しますと、三月十二日の衆議院総務委員会で、質疑者側が四つの事業の継続に加えてまた新たに十七ですかと言及されていて、逆に、大臣は成田財特法を改正した場合に補助率かさ上げの対象となり得る二十一事業はとおっしゃっていますので、明確に会議録に新規事業の数として政府からの答弁ではありませんでしたので、今、十七ということを確認をさせていただきました。 では、平成三十一年度からの計画に基づく事業のうち、老朽化に伴う耐震化工事は何件でしょうか。
○政府参考人(林崎理君) 今回、成田財特法を改正した場合に補助率かさ上げの対象となり得る事業のうち、耐震化工事を行うものとしては成田用水施設の改築事業、この一件ということになります。耐震性能が不足している用水橋に対する橋脚の補強などが予定されてございます。 それから、今の御指摘に関連しまして、耐震化工事というそのものではございませんけれども、横芝小学校におきましては、これは老朽化した校舎、これを建て替えるということで、災害時も含めた就学環境の改善を図ることとしているところでございます。
○吉川沙織君 つまり、老朽化を含めて耐震化二か所ということでいいんですか。
○政府参考人(林崎理君) 横芝小学校の場合は建て替えということになりますので、厳密に言うと耐震化ということではないかもしれませんが、いずれにしても大きな地震が起きた場合への対応がこれで十分できるというもの、これについては二件ということでございます。
○吉川沙織君 これも三月十二日の衆議院総務委員会で、これは局長が答弁なさっているんですけど、こういう感じで、主な事業といたしましてはと今の二件を答弁なさっているんです。ほかに何かあるんですか。
○政府参考人(林崎理君) 今の二件でございまして、主な事業というよりは、むしろその二件であるというふうに申し上げるべきだったかもしれません。失礼いたしました。
○吉川沙織君 成田財特法が昭和四十五年に制定されてからこれまでもう五十年、私の人生より長いんですけど、経過しています。 初期の頃に実施された事業により設けられた施設等については、成田用水施設のように、今後老朽化が進み耐震性に不安が生じるものがこれからの十年の間に、五十年たっておりますから、増えるんじゃないかと危惧しています。五年前のこの委員会でも、私、耐用年数を踏まえると施設の改修が必要となってくるもの増えるんじゃないですかと指摘申し上げたところです。 政府としても、今後十年間の事業として実施する老朽化対策は、今答弁あった二件の事業だけで十分という御認識なんでしょうか。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 先ほど来答弁申し上げているように、千葉県側の要望も踏まえ関係省庁とも協議をして今の形でお願いをしているところでございまして、現時点におきまして、そういった意味で、その老朽化、耐震化といったようなものにつきましては、今お願いしている事業ということになるわけでございます。
○吉川沙織君 今お願いしている事業って、その二件で十年間もう新たに出てこないという算段でいいということなんでしょうか。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 かさ上げ対象事業としては、十年間の間にこの二件ということで見通してお願いをしているものでございます。
○吉川沙織君 今まで五十年経過して、あと十年延長したら六十年。大丈夫なんですかね。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 これまでまさに長い期間掛けて様々な公共施設を整備をしてきたわけでございまして、そういったもののうち、今後の十年間を見通したときに老朽化に伴いますような耐震化事業といったものは、今お答え申し上げた二件だということでございまして、委員御指摘のように、確かにこれまで長く公共施設整備してきましたので、今後そういった事業が出てくる可能性はもちろんあるわけでございますが、この十年に関しては今申し上げたとおりの二件ということでございます。
○吉川沙織君 これ、五年前も当時の自治財政局長に伺ったんですけど、ある意味では、この計画というのはエンドレス、こういう考え方もできると思いますが、局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(林崎理君) 冒頭、大臣の方からお答え申し上げましたとおりでございまして、やはりそのときそのときの状況というのもございますので、エンドレスというふうに今私が考えるわけでも申し上げるわけでもないわけでありますが、やはりこの十年まずお願いをいたしまして、その十年が切れる段階の、その段階でのまた御判断ということが出てこようかと思います。
○吉川沙織君 やらなければいけない事業、それから、地元住民の一部の方の理解がある時期得られなくてどうしても終わらない事業があるということは重々承知をしています。 ただ、さきに指摘申し上げましたとおり、本法案は今回は、今までは五年がほとんどだったものを、有効期限を十年間延長しようとするものです。これまで五十年間、成田空港はほかの国際空港には講じられていない特別な財政上の措置が講じられてまいりました。 十一年前の当委員会で、道路特定財源の暫定措置について議論した際、暫定税率ができた一九七四年より後に生まれて、私、暫定的な人生なんでしょうかなどと申し上げたことございますが、その暫定税率と現在に至る当分の間税率を合わせた期間は、実に四十五年です。 これを上回る期間、成田財特法により特別な財政上の措置が講じられてきて、本法案は、まあ可決されることになると思いますが、更に十年間延長されることになります。合わせて六十年間。成田空港にまつわる歴史的経緯や、ほかの国際空港とは置かれている環境が異なるという特殊性は勘案しなければなりませんが、六十年という期間の重みに思いを致すと、事業の適正性については引き続き十分に注視をしていく必要があると思います。 成田財特法では、千葉県知事が空港周辺地域整備計画の案を作成して総務大臣に提出し、その案を総務大臣が国交大臣始めとする関係大臣と協議して同計画を決定するということになっています。計画の変更についてもこれと同様の手順が踏まれることになります。ですから、計画の内容から期間中に必要となる国費の額を試算するということもできると思います。事業規模が計画時点で見込んだものよりも膨らんでいけば、当然必要となる国費も増加していくことになります。 先ほど答弁がありましたように、平成四十年度までの総事業費はおよそ約六千二百億円、そのうち国費の額は約一千七百億円と見込まれているようでございます。しかし、これが十年という長い期間ともなると、やっぱりその間に老朽化、今のところは二件ですけど、もしかしたら六十年の期間に耐えられず増えていくかもしれません。そうなると事業費が想定よりも膨らんでいき、必要となる国費も増加していく可能性が高いと言えるのではないかと思っています。 計画の変更に当たって総務大臣と関係大臣が協議する際には、事業の規模や内容の適正性等についても検討されると思いますが、成田財特法では法律の期限を迎えるまでの各年度における政府の関与について規定していません。さきに指摘したように、法律の期限内に事業を完了させるのが原則であることを踏まえながら、事業規模がどんどん膨らんでいってしまわないように政府の側からもしっかりと財政規律を働かせるようにすべきと私は考えます。 今後、計画案の変更時以外の機会で具体的にどのような方策により財政規律を働かせようとしているのか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(石田真敏君) 成田財特法の補助率かさ上げの対象事業につきましては、成田財特法第三条の規定によりまして、空港周辺地域整備計画に記載されている事業のうち、総務大臣がその事業を所管する主務大臣や財務大臣と協議し指定することで決定されることになっております。 この事業指定につきましては、運用上、毎年度実施することとしているところでございます。したがいまして、毎年度事業指定した上で当該事業を予算化することで適切に財政規律が働くものと考えておるところであります。
○吉川沙織君 毎年度事業指定する中で財政規律が働いていくものと考えていらっしゃるということだったんですけど、それ、どんどん膨らんでいったときに、これって国会は関与する仕組みがないんですけれども、それについて御見解があればお願いします。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 今、大臣の方から答弁申し上げました。また、先生の方からも御指摘いただきました。そういった意味で、法律ということでは十年間、そして今大臣からお答え申し上げました、整備計画に係る事業のうち協議をして指定をするということで決定される、これは運用上毎年度実施する。こういった形で、言わば国会からの委任いただいている部分と、それから、先ほど先生おっしゃった、政府としてのしっかりとしたコミットメントといいますか歯止めといったようなものができ上がっているということでございまして、その点しっかり留意しながら私ども運用してまいりたいと考えております。
○吉川沙織君 前回は本当五年の延長だったので、こうやって前回も質疑した、私、こうやって、この総事業費どれぐらい膨らみましたか、これからどれぐらいで完了しますかとか、老朽化対策はどうなるかというのはお伺いできましたけれども、十年後、今この場にいらっしゃる議員がどれだけ残っているかという問題もありますし、チェック機能を立法府が働かすことができるのはこの法改正のときのみになってしまいます。 ですから、本改正により地元の財政需要に対して的確に応えていただくことは政府の責任になってまいります。こうやって法改正、今度も実は五年でやってくれたらもう一回できたんでしょうけれども、より良い事業となるよう、政府としても引き続きしっかり取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○小林正夫君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の小林正夫です。 今日は、成田空港周辺における地域活性化策、そしてこの成田財特法に関係する労働災害の防止について、さらには成田空港の安全対策を中心に質問をいたします。 まず、成田空港周辺における地域活性化策の取組ですけれども、大臣にお聞きをいたします。 成田財特法が制定されて約五十年経過いたします。これまでの実績、そして効果及び総務省としての評価をお聞きしたい。さらに、吉川委員からも質問がありましたけれども、今回の法改正をした場合の補助率のかさ上げ対象の予定事業、それとかさ上げ額はいかほどになるのか、お聞きをいたします。
○国務大臣(石田真敏君) これまで、成田財特法に位置付けられました空港周辺地域整備計画に基づきまして、道路などの交通網、あるいは下水道などの生活環境施設、さらには河川、教育施設、消防施設などの整備が進められてきたところでございまして、昭和四十五年の法施行以降、平成三十年度末までに実施される総事業費は五千六百二十七億円、補助率かさ上げ額は二百五十三億円となる見込みでございます。 このように、本法によりまして、成田空港の周辺地域に存する地方公共団体の財政負担を軽減をいたしまして公共施設等の計画的な整備が進められてきたところでございます。さらに、公共施設等の整備が進んだことによりまして、関連企業が進出をし、雇用機会が拡大するなど、成田空港の周辺地域の発展に極めて大きな役割を果たしてきていると考えているところであります。 今回、成田財特法を改正した場合に、平成三十一年度から四十年度までに補助率かさ上げの対象となり得る事業は、新規事業といたしまして、市町道七か所、小学校一か所、農地七か所、農業用施設二か所、継続事業といたしまして、県道二か所、市町道二か所の計二十一か所を予定しているところであります。 また、これらの新規事業及び継続事業の総事業費は約五百六十億円であり、補助率かさ上げ額は約七十三億円となる見込みでございます。
○小林正夫君 成田空港開設に当たって、五十年ほど前、いろんな出来事があり今日に至っている、このように私受け止めております。是非、この地域が地域活性化が図られるように、これからも大臣としての取組をお願いをしておきたいと思います。 そして、地域から聞こえてくる声の中で、空港の機能強化の恩恵に格差があるんじゃないか、地域において不公平感があると、このように言われております。このことをどのように受け止めて、不公平感をどう解消していくのか、このことについてお伺いいたします。
○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。 成田空港周辺地域につきましては、空港の成長に伴いまして、航空や物流関連企業、そして大規模ホテル群等の立地が進みまして、商工業地域として発展をしてまいりました。 委員御指摘のように、空港周辺地域の東部、そして南部地域の自治体からは均衡ある発展を求める声が寄せられているところでございます。 成田空港の更なる機能強化が実現すれば、空港容量の拡大に伴いまして、空港を訪れる観光客の増加、周辺地域への企業立地、そして雇用の拡大等々、周辺地域において様々な波及効果が見込まれることから、昨年三月の四者協議会におきまして、成田空港周辺地域の地域づくりに関する基本的な方向性や内容をまとめた基本プランというものが策定をされておるところでございます。そして、この基本プランに基づき、現在、平成三十一年度に具体的な地域活性策を盛り込んだ実施プランというものを策定することとしてございます。 先ほど地域の声があると申しましたが、そういったことを踏まえまして、先ほど申し上げました基本プランにおきましては、空港周辺の地域づくりを進めるに当たりましては、空港の波及効果を東部、南部を含めて成田空港周辺九市町の全域に波及させ、この地域全体がくまなく発展することを目指す、こういったことを地域づくりの基本方針として明記をしておるところでございます。現在、この方針に基づきまして実施プランの作成に向けた関係者間の調整が進められておるところでございます。 国土交通省といたしましても、空港と地域との共生は大変重要との認識の下に、関係機関と連携しながら空港周辺の地域づくりに最大限協力してまいりたいと考えてございます。
○小林正夫君 いろいろ地域での受け止めもあると思います。何よりも大事なことは、国のお金を使って地域の振興を図っていくということですから、地域の人たちが不公平感を持たないということの施策をきちんとやっていかなきゃいけないと思うんです。 今のお話をお聞きしましたけれども、そういうことは地域の方々にきちんとお伝えしているんでしょうか。
○政府参考人(久保田雅晴君) この四者協議会における合意を経るまでには、各種の説明会等々を開催しておるところでございます。そういった積み重ねの下に四者合意というもので成田の更なる機能強化について合意を見たところでございますので、これからもきちっと説明をしていくというつもりで対応してまいりたいと考えてございます。
○小林正夫君 是非、不公平感をなくすようにこれからも更に努力をしていただきたい、このようにお願いしておきます。 そこで、労働災害の関係についてお聞きをするんですけれども、成田財特法の適用を受ける工事は本当に多岐にわたっていると思います。そういう中で、至近における労働災害の発生状況と労働災害の防止策についてどのように考えているか、お聞きをいたします。
○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。 まず、労働災害の発生状況でございますが、成田財特法の適用を受ける工事のみにつきましての労働災害の件数は恐縮ですが把握しておりませんが、成田空港周辺を管轄する成田労働基準監督署管内におきまして、平成二十六年から二十九年の間に発生した建設業における労働災害における死亡者数は四名でございます。また、休業四日以上の死傷者数は百八十九名となっているところでございます。また、直近の平成三十年の労働災害発生状況につきましては、速報値でございますが、死亡者数は一人でございます。また、休業四日以上の死傷者数は四十名となっているところでございます。 次に、労働災害の防止対策でございます。 成田労働基準監督署におきましては、管内における建設工事の発注者等で構成される協議会を開催しているところでございます。この協議会におきましては、安全に配慮した工期の設定など、発注機関に対する要請を行うほか、効果的な現場巡視の方法や直近の労働安全衛生法改正の内容につきます講習などを行っているところでございます。こうした取組を通じまして、地域の建設業における労働災害防止対策を推進しているところでございます。 以上でございます。
○小林正夫君 私、仕事やっているときに、自分の現場で労働災害が発生した、こういう経験を持っています。したがって、今までの組合時代の活動と、政治家になって政治の今取組をしていますけれども、何が基本かといったら、働く人の安全を確保していくことが一番大事じゃないかと、これはもう自分の体験から出てきたことです。したがって、安全は家族の願いであり企業の礎、このように私思います。 そこで、大臣、成田財特として今言ったようないろんな工事が行われているんですけれども、大臣の方からも、機会があればこういう工事に当たっている方々に安全衛生と労働災害防止について改めて大臣の方からも訴えていただきたい、このように思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石田真敏君) 今委員御指摘の点は本当に基本中の基本で、これはもう非常に大事な御指摘だと思っております。私の方からも機会あるごとにそういうことは訴えをさせていただきたいと思っております。
○小林正夫君 それでは、次の質問に行きます。 成田空港の安全対策について何点かお聞きをいたします。 千葉県において成田国際空港周辺地域における航空機騒音対策基本方針というのが昨年の十二月十八日に示されております。その目的を見ると、特定空港周辺航空機騒音対策特別措置法第三条の規定により、成田国際空港周辺の地域のおおむね十年後における航空機の著しい騒音が及ぶことになる地域及びこれと一体的に土地利用を図るべき地域について、航空機の騒音により生じる障害の防止に配慮した適正かつ合理的な土地利用を推進し、もって成田空港周辺地域の住民の生活環境の保全及び地域と成田空港の調和ある発展を図るため、その基本となる事項について定める、このようなことが千葉県で制定されました。 この生活環境の保全あるいは地域振興などの推進が書かれておりますけれども、この基本方針の受け止めと国の関わりについてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。 委員御指摘の基本方針につきましては、先ほど委員御指摘されました法律、騒特法と申しておりますけれども、その規定に基づきまして千葉県知事が定めるものでございます。航空機の著しい騒音が及ぶことになる地域や、これと一体的に土地利用を図るべき地域に関する基本的な事項が定められるということになってございます。 昨年三月の四者協議会におけます成田空港の更なる機能強化、その合意を受けまして、千葉県におきまして、航空機騒音障害防止地区を変更するなど、当時の基本方針に所要の変更を加えて、昨年十二月十八日に千葉県におきまして決定、公表したものと承知してございます。 この基本方針の変更に当たりましては、法律に基づきまして、千葉県におきまして関係市町や地域住民等の関係者から意見を聴取した上で国土交通大臣の同意を得ることとされておりまして、私どもとしては、これらの手続が適正に行われたものと承知しておるところでございます。 国交省としましては、引き続き、関係者と連携しながら、周辺環境対策の実施によりまして成田空港周辺地域の生活環境の保全が図られるよう努めてまいりたいと考えてございます。
○小林正夫君 是非、この騒音対策についてもこれからも力を入れていただいて、周辺住民の方の生活環境をしっかり守っていく、この立場で頑張っていただくことをお願いをいたします。 次に、大規模自然災害時の成田空港の取組についてお伺いいたします。 総務省は、二〇一六年から、外国人や高齢者の災害時の情報伝達をテーマに情報難民ゼロプロジェクトを開催して、二〇二〇年に目指す姿として、災害発生時の情報伝達を可能とする基盤整備や多言語対応等の課題とそれに対するアクションプランなどが示されております。 成田空港における大規模災害時の情報伝達はどのように行われていくのか、また、今日までこの伝達訓練、こういうものが行われているのかどうか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。 災害発生時におけます航空旅客を始めとしました空港利用者の安全、安心を確保することはとても重要な課題だと認識しておりまして、空港内に残された利用者に対しまして空港の運用状況やアクセスの状況、そして物資の配布等に関する情報を迅速かつ正確に提供することが必要と考えてございます。 委員御指摘のように、成田空港は国際航空ネットワークの拠点であることから、外国人の利用者も多く、多言語による情報提供が強く求められているところでございます。近年、激甚化する自然災害への対応を強化する観点から、成田空港におきましては、自然災害が発生した際に空港関連事業者が連携して迅速、的確な対応が行えるように、成田空港全体の業務継続計画を構築することとしてございます。 その中で、外国人対応としては、日本語、英語、中国語、韓国語による四か国語による館内放送や、デジタルサイネージによる文字での情報提供、そして翻訳機能付きのメガホンの活用、また翻訳アプリをインストールしたタブレット端末、これで個別対応を通ずることによりまして、外国人の利用者に情報提供を充実させることとしてございます。 また、訓練につきましても、これまで成田空港におきましては毎年災害発生時を想定した旅客誘導訓練等を実施しておりますが、今後、外国人対応の強化など、訓練内容の一層の充実に努め、関係者と連携しながら災害時の情報提供の充実に努めてまいりたいと考えてございます。
○小林正夫君 オリンピック、パラリンピックに向けて外国人の方が日本に訪れる機会、相当多くなってくると思います。また、観光立国として政府として頑張るということからも外国人の方が日本に来ることが非常に多くなると思いますけれども、災害はないことが一番いいんですけれども、あったときのために訓練もしっかり行っていくことが必要だと思いますので、継続してこの訓練も実施をしてもらいたいと、このように思います。 今日、この機会がありましたので、ボーイング社の飛行機について少しお伺いいたします。 ボーイング737MAX8、エチオピア航空のこの飛行機が三月十日の日に墜落して、乗員乗客百五十七人全員が死亡した、こういう事故がありました。この機種の事故は、昨年の十月のインドネシアでも起きている。さらに、アメリカで一昨日もこの飛行機がエンジントラブルを起こした、こういう報道もございます。 今、国内の会社でこの同機種が運航されているのかどうか、まずお聞きいたします。
○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。 ボーイング737マックスと呼んでおりますけれども、MAX型機につきましては、現在我が国で運航している国内航空会社はございません。
○小林正夫君 一月下旬に、全日空ホールディングスが最大三十機を購入する計画を公表しております。政府は、航空機に対する安全確認をどのように行っているんでしょうか、確認をいたします。
○政府参考人(久保田雅晴君) 先ほど国内航空会社のことを申し上げましたが、我が国に乗り入れている外国航空会社に対しましても、委員御指摘の二件の墜落事故に類似性があることから、本年三月十四日付けで当該機による我が国への乗り入れを停止する旨通知を発出しておるところでございます。 現在、ボーイング社におきましては、事故への関与が疑われる自動操縦装置のソフトウエアの改良が進められていると承知しておるところでございまして、我が国といたしましても、当該機を導入予定である全日本空輸とも連携し、ボーイング社、そして設計、製造国政府である米国連邦航空局等から積極的に情報を得るよう努めているところでございます。
○小林正夫君 飛行機は民間の会社が買うということですけれども、やはり飛行機の安全を守っていくということは国の責任でもあると思います。是非、全日空がこの機種を購入する、こういう計画が発表されているわけですから、国民の方がこの飛行機に乗っかるときに安心、安全だと、こういうような思いを持ってこの飛行機が利用できるようにしていかなきゃいけないというのも国の一つの役割だと思います。是非これからも注視をしてこの問題に取り組んでいただきたい、このように思います。 最後の質問になりますけれども、サイバー攻撃についてお伺いいたします。 これは、鉄道だとか電力、あるいは空港、重要なインフラ事業を守っていかなきゃいけないということが今の大きな課題になっております。さらに、これからもいろんな脅威がありますので、この対策をしていかなきゃいけないと思いますけれども、我が国の空港のターミナルビルシステムを守っていくためにサイバーの防護体制はどのようになっているのか。これはいろいろ答えにくい話もあるかも分かりませんが、答えられる範疇でどうなっているか、お聞きをいたします。
○政府参考人(久保田雅晴君) 空港分野につきましては、重要インフラ十四分野の一つということで、こういったサイバー攻撃の脅威から守っていくことが必要になるわけでございます。 空港におけますサイバー防護につきましては、まず一義的には事業者において自らのシステム、その特性を見ながら最適な対策を実施することが基本となりますが、政府といたしましても、重要インフラの重要セキュリティ対策に係る第四次行動計画を策定し、同計画に基づきまして、事業者と最新情報を含むサイバー攻撃に関する情報の共有、また分野横断的な演習、訓練を行うなど、サイバー攻撃に対する対応能力の強化等に取り組んでおるところでございます。 国土交通省といたしましても、このような政府一体となった取組を進め、空港におけるサイバー防護を高めてまいりたいと考えてございます。
○小林正夫君 以上で質問を終わります。
○片山虎之助君 片山虎之助です。順次、これから質問をさせていただきます。 まず、国際空港整備のある意味では前提となる訪日外国人観光客ですか、旅行者のその推計、政府の目標なり推計について聞きたいんですが、二〇二〇年まで四千万人ですよね。これはもう人口に膾炙している。大体見通しも四千万人になりそうですよね。二〇三〇年に六千万ということになっていますよね。これは根拠があるんでしょうかね。
○大臣政務官(阿達雅志君) 観光は地方創生の切り札、GDP六百兆円達成への成長戦略の柱であり、訪日外国人旅行者を増やし、その消費の効果を全国津々浦々に届け、地方創生につなげていくことが重要であります。 訪日外国人旅行者数については、世界そしてアジアの旅行市場成長の動向、我が国の最近のインバウンド市場の趨勢等も踏まえ、更なる政策的努力を上乗せし、一層の高みを目指すため、二〇二〇年には、当時二〇一五年の約二倍となる四千万人、二〇三〇年には約三倍となる六千万人を目標として設定したところです。
○片山虎之助君 ほっといてもなりそうだけれども、もうちょっと政策努力をしてするというんですが、それは、なるのとするのとどのくらいの比率ですか。ほっといても四千万か五千万ぐらいになるのに、あとの一千万は努力目標になるの。政府目標というんだから、そこはどうなっていますか。
○大臣政務官(阿達雅志君) その二〇一五年の時点からの四千万というのは、当時の伸び方からするとまだ非常に意欲的なものだったということでございますが、今それが目の前に見えてきたと。また、アジアの旅行市場の動向、先ほど申し上げましたが、これは大体、世界観光機関の推計では、二〇二〇年から二〇三〇年、年率大体六%ぐらい伸びるということがございましたので、この辺りの数字を踏まえた上で、更に政策的努力を上乗せをして六千万という数字を出したものでございます。
○片山虎之助君 日本の人口は今一億二千万ですからね。これ減るんですよ、一億になるんだから。旅行者の方が六千万ともっと伸びていくと、どっちがどっちやら分からなくなりますよね。まあそれはおいておいて、時間がありませんからね。 そこで、日本の国際空港の整備を、それだけの六千万になるという前提でどういうふうにおやりになるのか。特に、首都圏空港のウエートが大きいと思いますよね。それについてはいかがですか。
○大臣政務官(阿達雅志君) 明日の日本を支える観光ビジョンの目標に基づき、訪日外国人旅行者数を二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年に六千万人受け入れるためには、地方空港も含めた全国の空港の機能向上を図る必要があります。 まず、二〇二〇年四千万人の目標達成に向けては、羽田空港の飛行経路の見直しや成田空港の高速離脱誘導路の整備等による首都圏空港の機能強化や那覇空港の滑走路増設等による地方空港の機能強化に取り組んでまいります。 さらに、二〇三〇年六千万人の目標達成に向けては、先ほど述べた取組に加え、第三滑走路の整備など成田空港の更なる機能強化や福岡空港の滑走路増設などの取組を進めてまいります。
○片山虎之助君 首都圏空港の成田と羽田の役割分担はどうなるの。皆さんは百万回にしたいんでしょう、発着便数。それはどういう割合でどういうふうになっていくんですか。
○政府参考人(久保田雅晴君) 首都圏空港につきましては、二〇二〇年四千万、二〇三〇、六千万の目標を達成するためにその強化が必要と考えておるところでございます。 成田と羽田の機能の分担でございますけれども、成田は我が国最大の国際航空のネットワークを有しておるところでございます。ですので、際際の乗り継ぎでございますとか、また羽田はなかなか貨物需要が受け切れないというところでありますので、貨物需要、そういったものをメーンにしながら対応していく空港。一方で、羽田空港につきましては、これ一日五百便ぐらい国内線が飛んでおるところでございます。日本各地と海外を結び付ける、そして東京、首都圏の一番近いところにありますので、最終需要地ということで、そういった国際航空需要に対応する、そういう空港という位置付けをしておるところでございます。 いずれにしましても、二〇二〇年までに羽田では飛行経路の見直し等によりまして四万回、成田につきましても高速離脱誘導路の整備等によりまして四万回、合計八万回。二〇三〇年に向けては、成田空港の第三滑走路の整備等によりましてプラス十六万回。これによりまして、ニューヨークでありますとかロンドンといった世界の先進都市とほぼ同じぐらいの空港容量、匹敵するような容量に持っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○片山虎之助君 利用者には羽田の方がずっと楽なんですよ。成田の方があなた方は基幹だって言うけど、あれは夜間制限があるでしょう、まだ。羽田はないでしょう。そういう意味で、どう考えるか。 しかも、そのアクセスが成田は良くなりましたよ、前よりは大分速くなった。速くなったけれども、やっぱりアクセス良くないんですよ。その辺についての長期的な検討というのはやっているんですか。
○大臣政務官(阿達雅志君) 委員御指摘のとおり、成田空港とのアクセス改善は非常に重要な課題であると認識をしております。 これまでも関係事業者におけるアクセス整備が進んでおり、鉄道に関しては、現在、京成スカイライナーで日暮里駅から空港第二ビル駅まで最速で三十六分、JR成田エクスプレスで東京駅から空港第二ビル駅まで最速五十分で結ばれるようになっております。 道路に関しては、国道四百六十四号北千葉道路の整備を進めており、成田市内の約三・八キロについては本年三月三日に暫定二車線で開通し、引き続き、残る区間についても早期開設に向けて整備を進めているところです。また、圏央道の大栄ジャンクション―松尾横芝インターチェンジ間においては整備加速を図っており、用地取得等が順調な場合ではありますが、二〇二四年度の完成に向け整備を進めているところです。 今後、成田空港の更なる機能強化の実現に当たっては、発着容量がこれまでの三十万回から五十万回に拡大することから、これに伴うアクセス需要の拡大への対応が重要な課題であると考えております。今後とも、関係者と連携しながらアクセス改善に取り組み、成田空港の利便性を高めてまいりたいと考えております。
○片山虎之助君 通告していませんが、首都圏で第三空港という検討や議論はされているのかどうか。横田空港はどうなるんですか。どなたか、お答えできる。
○政府参考人(久保田雅晴君) 羽田の機能強化、そして成田の更なる機能強化を議論いたしました審議会の小委員会におきまして、首都圏第三空港の可能性についても検討を行ったところでございます。 まだ、首都圏第三につきましては、更に将来の課題ということで引き続きの検討を進めるという整理になっておる一方、横田につきましては、関係者といろいろとこれは議論していかなきゃならない空港だということで、そういう位置付けになっておるところでございます。 国土交通省としましては、まずは成田、そして羽田の機能強化をきちっと達成していきたいと考えておるところでございます。
○片山虎之助君 時間が短いんですよ。だから、また今度にしよう。もう時間がだんだんなくなってきた。 そこで、この財特法なんですけど、局長でいいけれども、財特法というのは何本ある。
○政府参考人(林崎理君) 成田財特法以外にも、例えば当省所管のものでいえば、公害の防止に関する事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律などありますし、あと、地域対策でいえば、いわゆる後進特例でありますとか三圏法でありますとか辺地とかあります。あと、公害防止は先ほど申し上げました。そういった法律がいろいろありますが、本数自体は、ちょっと全部で何本というのは私ども承知しておりません。
○片山虎之助君 財特法は山のごとくあるんですよ。やめた財特法はほとんどないのよ。やめたのはある。 それで、大臣、先ほどほかの先生の質問でこの成田財特法の成果というか実績を言われましたよ。まあ成果はありますよね。しかし、これはいつまで続けるの。もうエンドレスですか、一遍財特というのができたら。
○国務大臣(石田真敏君) まず、今回十年間の延長をお願いしておりますのは、第三滑走路を含めた新たな計画について対応していくということでございます。それをしっかり十年間お認めをいただいた中で実現をしていくということになります。
○片山虎之助君 それから、農水省に来てもらっているんでね。 今度、用水路の改築が入るでしょう。何で改築入れないんだと言ったら、元々は十年で終わるから改築はないと思ったと言うんだよね。それが延々と五十年でしょう。これからもっと行くかもしれない、先に。 そこで、今度改築を入れて、具体的な効用というのはどういうことになりますか。
○副大臣(高鳥修一君) 片山委員にお答えをいたします。 ただいま委員から御指摘いただいたとおりでありますが、成田財特法は昭和四十五年に十年間の時限立法として制定されたところでありまして、成田用水施設はその期間内に新たに造成する施設として位置付けられていたことから、当該期間内に見込まれない施設の改築までは規定されなかったところであります。 しかしながら、供用開始以降四十年近く経過をいたしまして、老朽化の進行に伴いポンプ設備の故障や管水路の漏水事故等が発生し、用水の安定供給に支障を来しております。また、東関東自動車道やJR成田線との交差部などにおいて、大規模地震に対する耐震性能が不足している施設が存在し、これらの施設が損壊した場合には地域に甚大なる被害を及ぼすことが懸念をされております。 このため、成田用水施設においては、老朽化した施設の改修及び大規模地震に備えた耐震化といった施設の改築が求められ、今回、法律の改正を行うものであります。
○片山虎之助君 新しく入るのはほとんどこれだけなんだから、これで成田周辺の農業はどう変わりますか、これを入れることによって。どう変えようとまた皆さんは思っていますか。
○副大臣(高鳥修一君) お答えいたします。 この改築を入れる、老朽化した施設の改築を入れることによりまして、元々この地域は高台にございまして、水が不足を、水源が乏しかったということでありまして、当初は水稲に加えてカンショや落花生といった耐干性の作物の栽培が中心でございました。 この成田用水施設の整備によりまして水が安定的に供給されるということから、ニンジン、ヤマトイモなど露地野菜のほか、トマト、花卉等の施設栽培も盛んに行われ、千葉県内でも有数の農業地帯へと成長しております。 今後、これをしっかりと改築をしていくことによりまして、さらに、高収益作物の生産拡大であるとか農産物の輸出促進、そして体験型観光農園の取組など、更なる地域活性化、農業の活性化に取り組んでまいりたいと考えております。
○片山虎之助君 まあいつ終わるか分かりませんが、私どもは賛成します。 終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下です。 私どもも法案については賛成であります。 まず、成田財特法は誰のために制定されたのか、その根本を聞いておきたいと思います。 私は、陸上空港であり、空港周辺の住民に耐え難い苦痛を与え、飛行ルートの下に住む住民を落下物の危険、不安におびえさせるなど、住環境、生活環境の悪化をもたらすことから、その軽減策として、さらには損害賠償的な意味合いを持って制定されたと考えますが、大臣の見解、求めたいと思います。
○国務大臣(石田真敏君) 成田財特法は、成田空港の周辺地域における公共施設等の計画的な整備を促進するため、関係地方公共団体の財政負担を軽減するよう、国の財政上の特別措置について規定する法律でございまして、この法律は、国として必要な国際空港を農業地域である内陸に設置せざるを得ない状況であったこと等を踏まえて制定されたものでございますが、周辺の住民に対する損害賠償のために制定したものではございません。 なお、成田空港の滑走路建設等により生ずる移転等の直接的な影響につきましては、成田国際空港株式会社が費用負担を行い、成田空港の機能強化により生ずる騒音対策につきましては、騒防法及び騒特法に基づき、成田国際空港株式会社等の関係者において対応されているものと認識をいたしております。
○山下芳生君 内陸部に造らざるを得なかったので、周辺住民の皆さんの騒音等の環境をしっかり守るためにもこれ作ったということはお認めになったと思います。 国交省に来ていただいておりますけれども、ちょっとこれ通告していないんですが、基本的な問題ですから。成田空港の機能強化がやられようとしておりますけれども、私の理解では、今二本ある滑走路を、三本目の滑走路、C滑走路を造る、それから二つ目に空港運用時間の延長、すなわち夜間飛行制限の緩和というもので成り立っていると思います。 それによって三十万回から五十万回に空港容量を拡大するということだと理解しておりますが、その夜間飛行制限の緩和というのはどのようになるのかということなんですが、現在、朝の六時から夜の二十二時までが運航可能時間とされておりますけれども、それがいつからどのように変わっていくんでしょうか。
○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。 昨年三月の四者協議会におきます合意におきましては、夜間飛行制限の変更につきましては、現状、朝の六時から夜の十一時まで運用しているところを、C滑走路という三本目の滑走路が完成する前には朝の六時から深夜の零時まで夜一時間延長するという話が合意になっておりまして、これにつきましては今年の冬ダイヤ、十月最終週の日曜日からでございますが、そこから適用になってございます。 そして、第三滑走路供用後につきましては、現在、朝の六時から夜の十一時までになっておりますものを朝の五時から深夜の零時三十分、二十四時三十分まで延長するということになっておりまして、その際には、三本の滑走路を運用することによって、現在七時間の静寂時間が取られていますが、その静寂時間を確保するような形で滑走路運用を行うということになっておるところでございます。
○山下芳生君 私、最初二十二時と言ったかもしれませんが、二十三時までですね。私、ちょっと資料を読み間違えました。 いずれにしても、六時から二十三時までの制限を二十四時まで、今年の冬から緩和しようということなんですよね。したがって、これは周辺住民の方にとっては騒音被害が深夜に及ぶということで、非常に大きな問題となっております。こういうことをやるのであれば、四者協議会というふうに言われましたけれども、四者協議会の構成は、国、千葉県、それから空港周辺九市町、そして空港会社でありますから、国と自治体と空港会社なんですね。直接の周辺住民というものはこの中には入っておりません。 したがって、その周辺住民にちゃんと説明をする必要がある、これ絶対にあると思いますが、その辺どうなっていますか。
○大臣政務官(阿達雅志君) 委員御指摘のとおり、成田空港の更なる機能強化を実施するに当たっては、空港の国際競争力の確保と地域住民の生活環境の保全の両立を図ることが重要であると考えており、騒音対策を始め必要な環境対策を進めていくこととしております。 成田空港の更なる機能強化については、平成二十八年九月の四者協議会における提案以降、二回のフェーズで計二百回以上の住民説明会等を開催し、延べ一万人近くの地域の皆様に御参加いただくなど、機能強化の必要性や環境対策等について丁寧に説明してまいりました。こうした説明会等における意見も踏まえ、提案内容の再見直し等を検討し、既存防音工事の施工内容の改善や寝室への内窓設置工事等の実施など騒音対策を強化するとともに、空港と地域の共生を進めるため、地域振興の充実にも取り組むこととしております。 国土交通省としては、成田空港の更なる機能強化を進めるに当たって引き続き関係者とともに丁寧な説明を行っていくこととしており、これは四者協の合意の内容でもありますが、より多くの住民の理解と協力が得られるよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○山下芳生君 納得されていない住民の皆さん、あるいは住民団体がまだまだ残っています。成田空港開港時に取決め書あるいは航空公害に関する交渉覚書を交わした住民団体と直接話合いはしていないと聞いております。 確認しますけれども、空港運用時間延長について、そうした開港時に覚書を交わした住民団体、具体的に言いますと、成田空港から郷土とくらしを守る会の方々と直接話合いをされましたか。
○政府参考人(久保田雅晴君) 委員御指摘の成田空港から郷土とくらしを守る会の方につきましては、成田国際空港騒音対策委員会に御参画をいただきまして様々な御意見、御要望をいただいておるところでございます。最近でもこれ開催されたわけですけれども、その都度、関係機関より誠意を持ったお答えをさせていただいておるところでございます。 いずれにしましても、先ほど政務官が答弁いたしましたとおり、国土交通省としましては、成田の更なる機能強化を進めるに当たりましては、関係者とともに地域の住民の方々に対して丁寧な説明を行っていくこととしておりまして、より多くの住民の理解と協力が得られるように最大限の努力をしてまいりたいと考えてございます。
○山下芳生君 住民団体の代表が入っていると言われた騒音対策委員会、これは文字どおり騒音対策について協議をする委員会でして、運用時間の延長について協議する場ではないと理解しておりますけれども、そこに入られた、先ほど紹介した守る会の代表が、対策委員会、二〇一八年三月十九日の議事録を見ますと、住民に対する説明会の様子を発言されております。 ちょっと紹介しますと、先ほど政務官が、二百回ですか、やられたという説明会の様子をその騒音協議会で紹介されているんですけれども、説明会は我々から見るとほとんど説明をするだけだった。国の政策である、機能強化をしないと世界のグローバル化の中で取り残される、それだけだった。騒音直下の住民自身がそれによって健康を害するじゃないかと非常に心配していた。ところが、そういう質問に対しての答えというのは全くなかった。例えば、五十万回になっても皆さんの健康には大丈夫ですよ、心配ありません、こういう説明は何にもなかったとこの方は発言されたことが議事録に載っておりますけれども。 住民説明会、一方的な説明で、住民の皆さんの心配、騒音による健康被害などに対するちゃんと安心できる説明はされていないんじゃないですか。
○政府参考人(久保田雅晴君) 先ほど政務官が御答弁いたしました、二回のフェーズに分けて合計二百回以上、そしておおむね一万人、延べですけれども、住民の方、御参加いただいたわけでございます。 今委員からいただいた御指摘、真摯に受け止め、我々も説明会、きちっと運営しているつもりではございますけれども、更に改良を加えていきたいと考えておるところでございますし、そういう意見をお持ちの方がいらっしゃるのも十分承知しておるところでございますので、関係者とともに、そういった地域の方々に対して今後とも引き続き丁寧な説明を行ってまいりたいと考えておるところでございます。
○山下芳生君 丁寧な説明の中に、開港当初に反対はせずに、地域の周辺の環境をちゃんと守ってほしいという立場で運動されているのが先ほど紹介した成田空港から郷土とくらしを守る会の方々なんです。この方々の存在がなければ、激しい成田開港反対の闘争の中で空港は開港できなかった、そういう役割を果たされた住民団体の方なんですよ。 その方々と各種覚書を交わして、それから取決め書を交わしているんですね、一九七二年にですよ。その中には、本約定に関し、特に定めなき事項があったとき又は疑義を生じたときには、甲乙において協議するというふうになっていまして、甲というのはこの住民団体の代表です。乙というのは、当時の丹羽運輸大臣、川上千葉県知事代理の副知事、そして今井新東京国際空港公団総裁、当時ですけどね。これだけ重い、大臣も判こをついている取決め書、覚書がありまして、新しいことが起こったらちゃんと協議すると、この団体と。 ところが、その協議がされていないんですね。これ新しい事態ですよ、空港の機能強化、深夜の飛行が拡大されるという。これは当然、この大臣が判こついた取決め書、覚書書に基づけば、この団体と当然誠意を持って話し合うのが当たり前じゃありませんか。
○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。 今委員が御指摘されましたのは、昭和四十七年四月に結ばれた覚書であると認識をしてございます。覚書というか取決め書であると認識してございます。 大変恐縮ですが、この取決め書を厳密に見ますと、夜間飛行制限に関する実は具体的な記述はございません。 そういったことから、今回の夜間飛行制限の緩和に際しまして、改めてこの取決め書、昭和四十七年の取決め書に基づく協議というところまでは行かないのではないかというふうに認識をしておりますが、いずれにしましても、この成田空港、更なる機能強化、努めてまいりますので、関係者とともに丁寧な説明を行って、より多くの住民の方の理解と協力が得られるように努めてまいりたいと考えてございます。
○山下芳生君 取決め書の読み方が全然違うと思うんですけどね。さっき最後に紹介したように、新しい、特に定めなき事項があったときは協議しなければならない、協議することになっているんですよ。新しい事態が起こっているんですからね、何で協議しないんですか。協議すればいいじゃないですか。
○政府参考人(久保田雅晴君) それは、累次説明会を開催し、御説明を累次させていただくということで我々としては対応してまいりたいと考えておるところでございます。
○山下芳生君 この方々は、かなり広い住民の皆さんの意を体した運動を今でもされているんですね、周辺の環境を守るために。ですから、自治体行政とはまた違う角度でいろんな声を聞いている方々なんですよ。その方々とずっとこの約定書に関わってこれまで、だから騒音協議会には入っておられるんですけどね。騒音問題だけではなくて、夜間飛行制限を緩和するという非常に大きな問題が起こっているんだから、いろんな運動をされてきて大事な役割を果たされた方々にちゃんと面と向かって協議をして、どうやって知恵出していくかというのをやらない方がおかしいんじゃないですか。やった方がいい知恵が出ますよ。
○政府参考人(久保田雅晴君) お答えを申し上げます。 累次で大変恐縮でございますが、私どもとしましては、関係者とともに地域の方々に対しまして丁寧に説明、引き続き行ってまいりたいと思います。それによりまして、できる限り多くの住民の方の理解と協力が得られるよう努めてまいりたいと考えてございます。
○山下芳生君 時間が参りましたので終わります。 空港の機能強化、住民不在で押し付けては絶対になりません、なりません、これは。そういうことをやったら、この法の趣旨に反します、反しますからね。その点は、政務官も来ていただいていますので、最後まで最大限の努力、その中に、こういう団体ともちゃんと最大限誠実に話し合っていただきたいということを再度申し上げて、終わります。
○委員長(秋野公造君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋野公造君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後零時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時二十三分休憩 ─────・───── 午後零時三十分開会
○委員長(秋野公造君) ただいまから総務委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として大沼みずほ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局長山田真貴子君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会会長上田良一君外七名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。石田総務大臣。
○国務大臣(石田真敏君) 日本放送協会の平成三十一年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。 一般勘定事業収支につきましては、事業収入が七千二百四十七億円、事業支出が七千二百七十七億円となっており、事業収支における不足三十億円につきましては、財政安定のための繰越金の一部をもって充てることとしております。 一般勘定資本収支につきましては、資本収入が一千六十三億円、資本支出が一千三十三億円となっております。 次に、事業計画につきましては、国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供、国際放送の充実、経済成長の牽引力として期待される4K、8Kの推進等に取り組むこととなっております。 総務大臣といたしましては、この収支予算等につきまして、受信料の還元策の実施を考慮するとやむを得ない面があるとした上で、今後も受信料の公平負担の徹底により増収を確保するとともに、聖域なく徹底的に経費節減に取り組むことを強く求めるほか、既存業務全体の見直しや受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方について、引き続き検討を行うことを求めております。 また、協会の職員や委託先による不祥事の再発防止に向け、ガバナンス強化とコンプライアンス徹底に組織を挙げて全力で取り組むこと、子会社改革を着実かつ徹底的に進めること等が必要であるとする意見を付しております。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(秋野公造君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。上田日本放送協会会長。
○参考人(上田良一君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成三十一年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明を申し上げます。 平成三十一年度の事業運営に当たりましては、自主自律を堅持し、放送を太い幹としつつ、インターネットも活用して、正確で公平公正な情報を伝え、より安全、安心な暮らしを実現する報道に全力で取り組むとともに、多彩で魅力的なコンテンツの充実を図ります。また、国際発信力を更に強化して世界各国との相互理解を進めるとともに、地域の魅力や課題を広く発信して多様な地域社会に貢献してまいります。 さらに、昨年十二月に本放送を開始した4K、8Kスーパーハイビジョン放送の充実、普及を推進するとともに、人に優しい放送サービスの拡充に取り組みます。 受信料については、公平負担の徹底に向け、受信料制度の理解促進と営業改革をより一層推進し、支払率の向上に努めるとともに、負担軽減策を実施いたします。さらに、今年十月に予定されております消費税率引上げに際して、受信料額の改定を行わないこととします。 関連団体を含めたNHKグループが一体となり、効率的で透明性の高い組織運営を推進するとともに、おととし十二月に公表したNHKグループ働き方改革宣言の実現に向けた取組を進めます。 次に、建設計画においては、緊急報道設備や4K、8Kスーパーハイビジョン設備を整備するとともに、いかなる災害時等にも安定的に放送サービスを継続するための設備整備等を実施いたします。また、東京渋谷の放送センターの建て替えを引き続き推進してまいります。 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入七千二百四十七億円、国内放送費などの支出七千二百七十七億円を計上しております。事業収支における不足三十億円につきましては、財政安定のための繰越金の一部をもって充てることとしております。 また、資本収支は、収入として減価償却資金など総額千六十三億円を計上し、支出には建設費など千三十三億円を計上しております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。 以上、平成三十一年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を申し述べました。事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。 委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(秋野公造君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○二之湯智君 自由民主党の二之湯智でございます。 今日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 まず初めに、支払率と職員不祥事との関係について質問をいたしたいと思います。 以前、NHKの職員が不祥事を起こしますと、必ず支払率が低下したものでございます。平成十五年度は七七%ありましたが、平成十六年、芸能番組の不正支出に関する職員の不祥事が起こりますと、十六年度には五%下がり、そして七二%にまで落ち込みました。さらに、平成十七年度は、七〇%を割って六九%まで落ち込んだわけでございます。 しかし、その後、ここ最近十年の支払率を見ますと、相変わらず職員の不祥事は後を絶ちませんけれども、支払率は着実に上昇に転じておるんですね。現在では、支払率と不祥事は余り関係がないように思われます。 支払率向上のためにNHKはいろいろと努力されたと思いますけれども、どのような努力をされたのか、お伺いをしたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 受信料の公平負担に向けては、これまでも契約収納体制の整備、民事手続の着実な実施、公益企業との連携などの営業改革を進めてまいりました。あわせて、放送やイベント、広報、ホームページを活用して多面的に公共放送の役割を周知するなど、全役職員を挙げて受信料制度の理解促進に取り組んできています。 支払率の向上はこうした取組の結果であるというふうに考えていますが、今後も丁寧なお客様対応に努めながら、受信料の公平負担の徹底に向けて取り組んでいきたいというふうに考えています。
○二之湯智君 次に、最高裁が、NHKの受信料の徴収は合憲であると、こういうことが判断を下されたわけでございますけれども、それについて質問をしたいと思います。 テレビを購入したものの、NHKのテレビなんて見ない、受信料契約をする気は全くないという場合でも、NHKと受信契約を交わして、そして受信料を支払う必要があるとNHKは提訴をいたしたわけでございます、裁判を起こしたわけでございますね。設置者に対して、受信契約の締結は法的義務であると最高裁が判断を下したわけでございます。 判決後、設置者、つまりテレビを持っている人からどんな反応があったのか、これは払わないと大変なことになるなと、こういうような反応があったのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 二〇一七年の十二月の最高裁の判決は、受信料制度が合憲であり、受信契約の締結は法的義務であるとの判断を示したものであります。 最高裁判決の後、視聴者の皆様から、これからもいい番組を作ってほしいという意見や、公平を保つためにも徹底的に不払者をなくしてほしいという様々な御意見を頂戴をいたしました。また同時に、インターネット等を通じて新規契約の自ら自主的に申し出る件数が増加して、受信料収入の増加や支払率の向上につながっているというふうに思います。 最高裁判決を踏まえ、引き続き受信料制度の意義を視聴者の方々に丁寧に説明し、公平負担の徹底に更に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○二之湯智君 まだまだ受信料契約をされていない世帯が多いと思うんですが、テレビを持っていながらNHKとの受信契約を交わしていない世帯、あるいはもう既に交わしている世帯、その数が分かればお知らせをいただきたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答えします。 平成二十九年度末において、世帯における受信契約の対象数は四千六百二十三万件と推計しており、そのうち受信契約を締結していただいている世帯数は三千七百六十五万件となっています。一方、受信契約を締結していただけない世帯数は八百五十八万件と推計をしています。
○二之湯智君 今年度、支払率が八二%まで上昇をしてまいったわけでございますけれども、支払率は、今私が申しましたように、つまり、受信契約をしている人の八二%なのか、それともテレビを持っている推計者の八二%なのか、これはどちらの分母を採用しているわけですか。
○参考人(松原洋一君) お答えします。 支払率は、受信料をお支払いいただく対象となる世帯、事業所のうち実際にお支払をいただいている割合を示す数値で、受信料の公平負担の状況を示す指標として算出をしています。 先生のお話のとおり、受信料の分母となる受信契約対象数は、受信料の支払を必要としない、例えば免除の世帯、そういうのを除いて、放送を受信できる設備を設置した対象者全員が分母ということでございます。
○二之湯智君 かつての受信料の支払率から見ると、格段の高率になってきているんですね。しかしながら、今なおテレビを持ちテレビを視聴していながら受信料を払っていない方が一八%の世帯に上るとなっているわけですね。もしその世帯が全て受信料を払ったと仮定したならば、一体その額はどれぐらいの額になるのか、その点お知らせをいただきたいと思うのですが。
○参考人(松原洋一君) 御承知のように、受信契約には、衛星契約、それから地上契約といった契約の種別、あるいは様々な割引、それに加えて免除等の制度が複数あるということで、支払率が一〇〇%になったときの受信料の収入額をお示しすることはなかなか難しいというふうに考えています。 視聴者の皆様に広く御負担いただく受信料制度において、公平負担の徹底は本当に重要な責務であるというふうに考えています。 現時点においては、三か年経営計画において計画をした二〇二〇年度末支払率八〇%の着実な達成に向けて最大限取り組んでいきたいというふうに考えています。
○二之湯智君 なかなか今、受信契約するのは大変だと思いますね。特に最近は、もう都会なんかは一軒家がだんだんだんだんなくなって、マンションもオートロック方式で、NHKでございますと言ったら、いや、うちとこはテレビ持っておりませんと言われたら、そのままになってしまうわけですね。 したがいまして、戸別訪問をして一々受信契約をしていただくというのは大変な労力だと思っておりますけど、やはり払っている人と払っていない人、この不公平を解消するためには一層の努力をしていただかなければならないわけでございまして、この未契約状態をできるだけ解消し、受信契約を増やすために、NHKとしてはどのような努力をされているのか、その点をお伺いしたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答えします。 御指摘のように、大都市圏では、世帯の移動が多いこと、単身世帯の割合が高い、それからオートロックマンションなどの集合住宅の割合が高いということで、なかなか面接するのが難しい状況にあるというふうに認識をしております。 こうした大都市圏において支払率を向上させることは、NHKの重要課題の一つだというふうに認識をしております。公益企業との連携や専用資材を使ったポスティングの対策等、訪問によらない契約収納活動の一層の強化を図り、更なる公平負担の徹底に努めているというところでございます。 なお、一点、先ほど、二〇二〇年度末の支払率、私、八〇%と申し上げましたが、申し訳ありません、八四%を達成することを目指しているということでございます。
○二之湯智君 次に、営業経費、つまり契約した世帯から収納に要した額など、これをお伺いしたいと思うんですが、ヨーロッパの国、イギリスやフランス、ドイツなどは、この収納費というのは一%から三%ぐらいの範囲内ですね。ところが、韓国は一三%、NHKは二〇一九年度予算では一一%近くになっておるわけですね。非常に差があるわけですね。 どうして、諸外国とそして我が国のNHKとの収納費のいわゆる営業経費に差があるのか。ちょっと高過ぎるんじゃないかと。予算の額からいっても六百億、七百億というお金が必要ということはちょっと理解に苦しむんですが、それはどこに原因があるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(松原洋一君) 御指摘のように、イギリスなど海外の公共放送と比べて、現状のNHKの営業経費率は高い傾向にあることは十分認識をしています。御承知のように、海外の公共放送においては、未払者に対する罰則とか、あるいは住民登録データなどの居住情報の活用が規定をされており、制度の違いが営業経費率の差に影響しているというふうに考えています。 NHKとしては、現行の制度の中で、法人委託の拡大や訪問によらない契約収納活動の促進など、営業改革を更に一層推進することにより、営業経費の抑制にも努力を続けていきたいというふうに考えています。
○二之湯智君 金融機関からの引き落としがかなり進んできていると、そして、先ほど申しましたように、多少の不祥事があっても着実にNHKへの支払率は向上していると、これは事実であるんですね。 そして、引き落とし以外に、今の直接家庭を訪問して、そして法人とか地域スタッフがその徴収に回っておられるわけですね。それは、法人の委託といいますか、あるいは地域スタッフはどれぐらいの数に上るのか、そして、引き落としで徴収する額と直接徴収する額の割合はどうなっているのか、さらにまた、その人たちの人件費、これかなりの額に上ると思うんですが、それは一体どれぐらいの額に上っているのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 受信料の効率的な収納活動を進めるため、平成二十年の十月に定期的な訪問集金を廃止をするなど口座振替等の利用促進に取り組んできており、二十九年度末の利用率は九八%となっています。 なお、訪問集金廃止をした後の法人委託あるいは地域スタッフの業務内容は、支払率の向上に向けた契約取次ぎを中心とした業務を行っております。 また、NHKの契約収納業務に従事している法人委託、地域スタッフの訪問要員数は平成三十一年二月末で約四千五百人となっています。 平成三十一年度の予算における法人委託、地域スタッフに支払う手数料等は、予算上、三百二十八億円を計上しています。
○二之湯智君 今、つまり、銀行引き落としの率がかなり、九〇%台というようなことをおっしゃいましたですかね。そうすると、数%のために三百億以上のお金を使っているというのは、かなり使い過ぎというか、ちょっと営業的に見ますともう少し改善の余地があるんじゃないかと、こう思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(松原洋一君) おっしゃるとおり、先ほど申し上げましたように、今、地域スタッフ、法人委託が何に従事をしているかというと、元々契約のない未契約の御家庭を専門に回っているということと、もう一つは、契約はありますけど支払が長期間滞っているお客様、この二つを回って支払率の向上にしているということで、今の制度の中では、一方で、自ら受信料の契約を申し出てくれるお客様も最高裁判決以降増えていますけど、まだまだ少ないということがあって、この制度の中では、やっぱり一軒一軒訪ねていって、テレビの設置を確認をして御契約をいただくという活動が必要になりますので、御指摘ありますけど、少し高いかもしれませんけど、今の支払率を上げていくためにはこの活動が必要だというふうに考えています。
○二之湯智君 確かに未契約世帯を解消していくということは非常に重要ですね、公平の観点から。だから、一件に数倍の受信料の金を費やしても、やはり公平という観点からそれは努力をしていただかなきゃなりませんけれども、できるだけ経費節減に努力をしていただきたいと思います。 そして、次に、今年度の予算は赤字予算なんですね、NHKは。一方、今年の十月からですか、二〇二〇年、来年ですね、いわゆる受信料を値下げすると、こういうことなんですね。月にしたら三十五円、これ普通の契約ですね、衛星放送は六十円。これが六十円あるいは三十五円が妥当な額か、あるいは多いか少ないか、いろいろと人の評価の分かれるところでございますけど、私流に言えば、三十五円とか六十円月にまけてもらうよりもですよ、よりも、それだけのまとまった金、一応国民的合意ができているのは、まとまれば相当な額になる。 したがいまして、今NHKが求められている新しい放送技術の開発とか、あるいは番組充実に使ったらどうかと思うんですが、そういう視聴者からNHKの受信料が高過ぎるんじゃないかと、もっとまけろという声が非常に強かったのか、そういう圧力に抗し切れずにNHKは受信料の値下げに踏み切ったのか、ちょっと私はその辺がよく理解できないんですが、その点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 公平負担の徹底の取組に加えまして、おととし、平成二十九年十二月の最高裁判決以降、自主的に受信契約を申し出る方が増えたことなどによりまして、当初の計画を上回る形で受信料収入を確保できる見通しとなりました。毎年度、事業収支差金が生じ、財政安定のための繰越金は一千億円を超える規模に増えていますが、この繰越金を適正な水準、私どもは事業支出の一〇%強を考えておりますが、で維持することに努める必要があります。 こうした状況を踏まえまして、中長期の収支の見通しなどを真剣に検討し、収支相償の原則から早期に受信料の値下げを実施する必要があると判断いたしました。 ちなみに、今回の受信料値下げ、全て実施した場合のトータルの金額は三百二十八億円になります。それに、既に一部実施に移しています四つの負担軽減策が完全に実施された場合に九十四億円になりまして、トータルで四百二十二億円、受信料収入の六%相当、これを視聴者の方々に還元する予定になっております。 公平負担の徹底によりこの収入を確保するとともに、業務改革を進め支出を一定の水準に管理して、収支をコントロールしてまいりたいと考えております。 その上で、受信料をめぐっては視聴者から常に様々な意見が寄せられておりますけれども、公共放送、公共メディアとして信頼される情報の社会的基盤の役割を果たすためには、豊かで良い放送をお届けすることはもとより、4K、8K放送のコンテンツ強化、インターネット活用業務の充実、国際放送の充実、情報セキュリティーの強化などの重点項目に必要な予算はしっかりと確保してまいりたいと考えております。
○二之湯智君 今会長は、値下げが通年化していくとかなりの額の減収分、四百二十二億円になると。これを、いわゆるそれをカバーする収入を得なければ、毎年赤字予算を組んでいかなきゃいかぬと。こうなりますと大変なことになりますから、NHKとしては、今後、経費削減とか、あるいはまたもっともっと支払率を向上させて、その減収分を取り戻すという努力もしていかなければならないと、こう思うんですが、その辺についてのどのような努力をこれからされるおつもりか、その点をお伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) 今先生が御指摘されましたように、まずは公平負担の徹底によりまして受信料収入をしっかりと確保していきたいと考えております。それに加えまして、業務改革を進めて、支出も一定の水準にしっかりと管理して収支をコントロールしてまいりたいと考えております。
○二之湯智君 いずれにいたしましても、ひとつ支払率の向上とそして経費削減に取り組んでもらって健全な財政運営をしていただきたいと、このように思うわけです。 次に、話題を変えまして、NHKの大河ドラマです。これは毎年、私、毎回質問をしているんですが、これはまあ、余り地元のことを言ってはいけないですけれども、地元のことが一番なじみ深いもので。 京都府では、明智光秀のゆかりの地の自治体の方々が知事を先頭に、できるだけ明智光秀をドラマとして取り上げてほしいという運動を平成二十三年からやっていたんですね。その都度、NHK行くと、会長もお会いになったか分かりませんけれども、木で鼻をくくったような返事だった、もう取り付く島がないと。一体、NHKの大河ドラマというのはどういう基準で選ばれているのか。もう会長すら口出しができない、一プロデューサーだけがこれ、これをやります、やりませんとか、こういうことなんですね。 それで、今度、突如、突如ですよ、明智光秀が、来年ですか、「麒麟がくる」という題名で大河ドラマとして放送されるということになったんですね。これは、地元の努力が実ったのか、あるいはNHKが、もう戦国武将で最後残っているのは、多少批判はあるけれども、謀反人とかいろんな、裏切り者とかあるけれども、もう明智以外ないじゃないかということになったのか、この辺がどうも、NHKの大河ドラマの選考過程がよく分からない。恐らく全国でも、恐らく自治体、知事を先頭に、我が県のこれを取り上げてほしいといういろんな運動はあるかと思いますけれども、つまり、大河ドラマ選定基準はどこにあるのか、ちょっとお知らせください。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。 大河ドラマは、視聴者のニーズや時代の動きを酌み取り、毎年の時代設定も長期的な視点からバランスを配慮するなど、番組制作部門で十分に検討を重ねた上で企画を決定しております。 企画を決める際には次のような点に強く留意しております。一つは、一年にわたって視聴者の興味を引き付けられることができる波乱に満ちた生涯を送った主人公が存在すること。二つ目は、主人公の生き方を通じて時代に即したメッセージを伝えることができること。それから、時代設定が特定の時代に偏らないようにすることであります。 来年の大河ドラマ「麒麟がくる」でも、今申し上げたような内容を番組制作部門が十分に検討して企画を決定しました。大河ドラマとしては初めて明智光秀を主役として、戦国時代の英雄たちの姿を、最新の研究を参考にしつつ、新しい解釈で、従来のイメージを覆す新しい人物像として描いていこうというふうに考えております。 様々な地域から大河ドラマへの御要望をいただきますが、これまで申し上げたような観点から総合的に検討していこうと思っております。
○二之湯智君 まあ分かったような分からぬような。 このNHKの大河ドラマの題名の付け方ですね。一昨年でしたか、「八重の桜」、そして今「西郷どん」、そして「いだてん」、それで「麒麟がくる」と。 この間、私、ある知り合いの家へ行ってしゃべっていたら、二之湯さん、私、今、「いだてん」の玉名高校出身なんやと。これから同窓会に帰るんだけれども、だけど、高校時代、金栗四三がいだてんというようなことを全然聞いたことない、学校で教えてもらったことないと。ところが、「いだてん」と。それから、私、明智光秀が麒麟って、きりん児やったんですかね。これもよく分からない。だから、題名の付け方も題材もよく分からない。この辺が、そういう声があるということをちょっと耳にしておいていただきたいと思います。 次に、大河ドラマを採用されますと、いろんな場所が出てくるわけですね。それを地方自治体はできるだけゆかりの地を観光名所として売り出して、そして多くの観光客を誘致して地方創生につなげたい、活性化につなげたいと。それで、今でも、前の「西郷どん」のときは紀行ってありましたですね。前はもっと、ゆかりの地でしたかね、そこの場所へ行くにはどういう交通機関がいいといって紹介されていましたですね。そういうことを今度も、いろんな場所が出てくると思いますけれども、そういう自治体の声に耳を傾けてあげていただきたいと、このように思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○参考人(木田幸紀君) 大河ドラマのいわゆる紀行では、ドラマのストーリーや登場人物についてより深く興味を持って理解していただけるよう、ドラマの舞台となった史跡や関連する歴史遺産、エピソードなどを紹介しております。自治体や視聴者の皆様からその紀行で扱う題材について情報をいただくことも多々ありますが、史実やストーリーなどの観点から、いつどういうものを取り上げるか、総合的に検討させていただいております。 ドラマとその紀行の双方から地域を多角的に描くことで、地域の多様な自然、歴史、文化、人々の暮らしなど地域ならではの魅力を今後とも広く伝えていきたいというふうに考えております。
○二之湯智君 史実をねじ曲げて、ここが名所やの、ここが明智光秀のゆかりの地ですというようなことまでは申しませんけれども、できるだけ地方の声に耳を傾けてあげていただきたいと思います。 最後に、NHKでよく「日曜討論」とか、いろんな番組ありますですね。突発的な事件が起きたときに、在京の学者、有識者を招いてそういう討論番組するのは、これは致し方ないですけれども、もうあらかじめ二週間、三週間と前から分かっている番組は、できるだけ地方の大学の先生にもそういう番組に出演する、登場する機会をつくってあげていただきたいと思うんですね。 今、東京の大学は余り有名になり過ぎて定員抑制しようかと言っているときに、相変わらず在京の一部の大学の先生ばっかしを登場させますと、受験生たちは、あの先生のところで勉強したい、この先生のところで勉強したいと、東京の大学をますます権威化更にするんですね。一方で定員抑制だと。だから……(発言する者あり)京都はいいでしょうね。 だから、地方にもこんな立派な先生がいるんだと、そして、地方の子が自分たちの地元の大学で勉強しようと。だから、地方の先生も有名にしてあげたい。そして、NHKに登場したら、やっぱりその道の権威のある先生だなと、こう思うわけでございますから、できるだけ幅広い人選に努めていただきたい。会長、最後、よろしくお願いいたします。
○参考人(上田良一君) NHKの取材、制作の基本姿勢をお示ししましたNHK放送ガイドラインには、番組編成や放送番組そのものの多様性の確保に向けて、常に新しい出演者を探す努力をするとともに、公共放送としての公平公正を保つためにも、特定の人に偏ることのないように幅広く人選するというふうに明記されております。 基本的には、その時々の番組のテーマにふさわしい専門家の方であれば地域を限定することなく御相談し、御出演いただいております。 今後も、地域の大学を拠点に活動されている専門家の方を含めまして、番組のテーマにふさわしい方を幅広く人選し、出演の御相談をさせていただきたいというふうに考えております。
○二之湯智君 終わります。
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。質問の機会をいただきましてありがとうございます。 今日、この後質問される大沼議員、そして杉尾議員はテレビの出身で、私は新聞の出身なんですけれども、同じメディアの出身として、報道について今日はNHKさんにいろいろ聞いてみたいと思います。 二週間ほど前、三月十一日、私も皆さんとともに東日本大震災の追悼式典に出席いたしました。八年前の三月十一日は、私、政治部の記者をしておりまして、ちょうど与党民主党の税制調査会を取材しておりまして、その税調も途中で中断になりましたし、菅総理の下の国会審議も途中で中断になりました。そのとき以来、NHKさん、私、同業他社の記者として見ていても、NHKの震災報道というのは量、質共に全力を挙げて報道されていたというふうに思います。 今も、NHKさん、公共放送としてこの東日本大震災の報道には他の民放よりも力を入れていらっしゃるとは感じますけれども、八年前と比べてはもちろんそうですけれども、この八年間、やはり質はいろいろ判断はありますけれども、量の面においてやはり減ってきているというふうには思います。これは、私としては、是非ともこの東日本大震災の報道、三月十一日に限らず続けていくべきだというふうに感じているんですけれども、今後、東日本大震災の報道についてどのようにNHKとして考えていらっしゃるのか、お聞かせください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 東日本大震災につきましては、三か年経営計画で、東日本大震災など大規模災害の課題に向き合う番組、復興を支援する番組や応援キャンペーンを積極的に展開するというふうに明記いたしております。 発生から八年になりますが、三月十一日を中心に、テレビ、ラジオの各波でそれぞれの特性を生かした特別番組を集中的に放送いたしました。 このうち、被災者の課題につきましては、「NHKスペシャル」で、被災者の方々が移り住んだ公営住宅で高齢者の孤立や孤独死などが起きている状況や、津波で崩れた住宅で厳しい暮らしが続く在宅被災者の現状をお伝えいたしました。また、東京電力福島第一原発の廃炉に向けた現状や困難に直面する現場に密着取材し、その課題をお伝えいたしました。 また、震災から学ぶ教訓につきましても、引き続きお伝えしております。「NHKスペシャル 黒い津波」では、保存された発災直後の海水の分析から、ヘドロ成分を含んだ津波が想定を上回る危険性を持っていたという新たな科学的知見をお伝えしたほか、インターネットでは、「東日本大震災 あの日から八年」という特設サイトを三月六日に開設し、被災者の声、三・一一ドキュメント、原発問題の今のほか、VR震災の記憶などのインターネットならではのコンテンツを提供いたしました。 三月十日午前十時五分から午後三時まで生放送した特集「明日へ」では、復興に向けて進む被災地や被災者の方々の暮らしなどをお伝えしたほか、同じ日の「NHKのど自慢」では、七十分のスペシャル版で宮城県気仙沼市からお届けいたしました。三月十一日には、政府主催の追悼式典を生中継で伝え、「ニュース7」を一時間に拡大するなど、定時の番組でも東日本大震災に関連する放送を行いました。 今後も、公共放送、公共メディアとして、記憶の風化と向き合い、復興に向けた動きやその課題、震災の教訓などについて様々な形で伝え続けてまいりたいと考えております。
○山下雄平君 私、昨年の十月までは防災担当の内閣府の政務官をいたしておりました。昨年の三月十一日は公務で追悼式典に出席いたしましたが、昨年の一月十七日は阪神・淡路大震災の追悼式典に政府代表として参列いたしました。今年は、今年の一月十七日はどうしても東京にいなくちゃいけなくて兵庫県に伺うことができなかったんですけれども、朝、午前五時四十六分に、私はテレビを、どういう報道をしているのかなと思って、つけました。NHKさん、中継してくださっていました、現地から。民放も見ました。民放の中にも中継をしていらっしゃった局もありますけれども、やはり中継されていない局もありました。 私の出身の新聞業界もそうですけれども、全国でやっている全国放送のテレビ、全国の新聞というのは、編集権であったり編成権というのは東京にあります。東京でニュース価値を判断して、紙面の作りだったり、放送のどのぐらいの尺の番組を作るのか、放送予定を作るのかというのを決めています。東京の偉い方たちに、どのメディアの人に聞いても、東京で判断していても地方のこと、地域のことに考えながら決めていますとはいっても、やはりそれは東京で判断しているだけあって、地方のことについての価値が少なくなっていってしまうという嫌いはあります。こういう聞き方をしても、絶対ないんだといっても、やはりそうです。新聞社も、東京本社、大阪本社でやはり作り方が違うので、この阪神・淡路大震災についても、やはり紙面を見たら明らかに違います。 これは、地方の災害について、やはり東京においても、全国メディアとしても伝え続けている意味があるというふうに私は思っているので、是非とも、この災害の風化がNHKから始まっているなどとは絶対に言われないように、公共放送として、地方で起きた災害についても、その災害が起きた直後だけではなく、その後の報道も力を入れていくべきだと考えますけれども、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 災害報道における役割を、NHKでは大きく三つの段階で考えております。第一段階が被害の軽減と防止、第二段階が救援活動の支援、第三段階が生活再建と復興支援であります。第一段階と第二段階では、命を守る報道に全力を挙げております。第三段階では、再建や復興に向けて被災者に寄り添い、支援する報道を心掛けております。 平成が間もなく終わろうとしておりますけれども、平成七年の阪神・淡路大震災、平成十六年の新潟県中越地震、平成二十三年の東日本大震災、平成二十八年の熊本地震、そして去年の北海道での地震と、震度七を観測した地震だけでも五つの地域で甚大な災害が起きました。地震に限らず、台風や豪雨など、最近の災害は激甚化、広域化しております。災害報道のたびに教訓を学び、次の災害に備え、視聴者の皆様に情報を届け切るために、改善や改良を日々重ねております。例えば、去年の西日本豪雨を受けて、ローカル放送で細かな地名や地域の気象情報を詳しく伝える地域発信の強化を実践いたしております。 本部と地域放送局の全国ネットワークを生かして、今後も防災・減災につながる報道に全力を挙げてまいりたいと考えております。
○山下雄平君 公の場でこういう話をすると頑張りますという話しか必ず出ないんですけれども、公の場でないときには必ずこうした問題については、じゃ、いつまでやり続けるんだとか、災害の追悼の関係の番組をやり続けるんであれば、ずうっとそういうこと、災害って頻発するので、そればっかりになってしまうじゃないかみたいな声も出てきてしまうんですけれども、やはりそこは何とか私は踏みとどまっていただきたいと思っておりまして、我々ジャーナリストがすごく読む本に「クライマーズ・ハイ」という小説がありますけれども、あれは御巣鷹山の事故の、災害じゃなくて事故のことを取り上げた小説ですけれども、あのときも地元の新聞は、御巣鷹山の事故をいつまで一面で扱い続けるのかというのが政治部と社会部で物すごく対立があった中で、最終的には社会部が負けてしまって、政治の話を一面に載せたというようなことが生々しく取り上げられています。 これは、公の場では先ほどの会長のような話しか出てこないんですけれども、必ず局内でもそうした対立だったりとか意見の相違が出てくると思います。その中で、何とか踏みとどまって、質はもとより量についても確保できるように御努力いただきたいというふうに思っております。 加えまして、このNHKというのは、今、地上波では総合とEテレ、BSでも4Kを除いて二波あって、四チャンネルあると思っております。しかし、この四チャンネルある中で、ニュース専用、ずっと二十四時間三百六十五日ニュースを放送しているというチャンネルは一局もありません。日本の中で、民放で二十四時間ニュースをやっているところも、BSでは、CSとかあります。TBSさんもありますし、日テレさんもあります。海外では、BBC始め、本当にニュース専用チャンネルというのは非常にもう一般的になってきたんだというふうに思っております。 元記者の立場からいえば、これ多分TBSにいらっしゃった杉尾さんもそうだと思うんですけれども、NHKの記者の数というのはほかの会社に比べるとすごく多いです。何部も、どの部でもすごく記者の数というのは多いです。羨ましいなと思いながら、私は同業他社として頑張って取材をしておりましたけれども、ということは、NHKが二十四時間三百六十五日のニュースチャンネルを持てるだけの、ニュースを作り続けるだけの記者の数は足りていると私は思っています。むしろ、私と同世代だったり私より下の記者とお話をすると、せっかく自分が取材したものがやはりテレビでは流れなかったということも多々あります。 そういう意味でいうと、そのコンテンツは作ろうと思えばあると思うので、これはNHKとして、この四波ある中で一つのチャンネルぐらいニュース専用チャンネルを設けるべきではないかと思うんですけれども、その点どのようにお考えですか、お聞かせください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKは、基幹放送普及計画に基づきまして、教育テレビ以外のテレビ放送では、総合放送、すなわち教育番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組の相互の間の調和が取れた放送番組の編集による放送を行うこととされております。これに基づきまして各波の番組編成を行っております。 二十四時間ニュースチャンネルの放送を実施しようとすれば、こうした点に加えまして、要員など実施体制の面で課題はあると認識いたしております。 NHKは、災害などの緊急時には直ちにテレビやラジオで特設ニュースを編成し、命を守るための報道を行う体制を二十四時間整えております。インターネットも活用し、防災・減災報道はいつでもどこでも視聴できるようにしております。今後も、このような体制を充実し、緊急時に公共放送の使命を果たしてまいります。 これを踏まえ、基幹放送の計画的な普及と健全な発達を図るために総務大臣が定めます基幹放送普及計画においては、教育テレビ以外のNHKのテレビ放送は、いずれも総合放送、すなわち教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組の相互の間の調和が取れた放送番組の編集による放送を行うこととされておりまして、NHKは、これに基づいて各波の番組編成を今行っているところであります。
○山下雄平君 見ている方はチャンネルを選べるわけなので、四つのチャンネル合わせて調和が取れればいいと私は思うので、一つのチャンネルを全部ニュースという形でも公共放送の意義を私は果たしていけるんだと思うので、組織内でのニュースの扱う分野の改編もあるというふうに、組織改編もあるというふうに伺っていますので、そうした点も是非考慮に入れながら御検討いただければというふうに思っております。 ニュースに限らず、NHKというのは非常に質の高い番組を作っていらっしゃいます。昔を思い返せば、私が中西筆頭や大沼議員と一緒に大学に通っていた頃も、NHKのすばらしい質の高いような番組をビデオやDVDで見ていた記憶があります。今でも記憶に残っている「映像の世紀」という番組なんかは非常に質が高くて、私の視野を広めるきっかけになったんだなというふうにも感じております。 こうした過去の番組は、NHKのオンデマンドやDVDによって視聴することが今でもできますけれども、このオンデマンドによって得られる収益というのは、収入というのはどのぐらいなんでしょうか。また、DVDはどのぐらいの収入があるんでしょうか、お聞かせください。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。 NHKオンデマンドの二〇一九年度の予算では、収入は二十一億七千万円、支出は二十一億六千万円で、収支差金は一千万円としています。 なお、決算では、二〇一七年度は、収入二十・八億、支出二十一・二億で、収支差金は三千万円の赤字となりましたが、その大きな要因としては、利用者のセキュリティー確保のためのシステム改修を行ったことにありますが、今年度は、見込みではありますが、およそ二十・六億円の収入を計上して黒字を見込んでおります。 一方、番組のDVDに当たっては、DVD販売を企画した会社等にNHKが有する番組の利用を許諾し、その使用料を副次収入に計上しております。ただ、番組の利用許諾に当たっては、相手先がDVD以外の書籍の出版なども行う場合は交渉により一括で許諾することが多いために、DVDだけの収入を算定することは難しいのが実情であります。DVDや出版などの番組活用の副次収入としては、平成二十九年度決算でおよそ四十九億五千万円となっております。
○山下雄平君 黒字、赤字はいろいろあるかもしれませんけれども、かなりの収入があって、その収益で職員の人が、子会社も含めてですけれども、給料をもらっているということですけれども、受信料で作った番組を二次利用して商売をしているというのは、国民の感情からすると、これはどうなのかなというふうなことも感じないわけではありません。 テレビを見るスタイルというのも変わってきていまして、番組、テレビ欄を見て、この時間にテレビに座って見るみたいな人というのはすごく減ってきていると思います。もう今では番組表が一週間ばあっと出るので、見たいやつを録画しておいて見るであったりとか、今性能のいいテレビだと、一週間全てのチャンネルを勝手にずっと録画されていって、見たいものを自分で後で見るみたいなこともできるわけです。 そういう意味でいうと、そのときその時間に見るということだけが公共放送の意味ではないんだというふうに私は感じているので、過去に放送した番組も全て自由に無料で見られるような形にすべきではないか、これが私は受信料を払っている国民の願いではないのかなというふうに思うんですけれども、それをやれれば、その無料化というのは事実上の受信料の引下げとも言えるというふうに思うんですけれども、このNHKが抱える膨大な財産を国民に無料で還元すべきではないでしょうか、その点についての見解をお聞かせください。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。 NHKでは、受信料で制作し放送した番組をアーカイブスとしてインターネット上におよそ二万本公開をしております。ニュースや名作番組のダイジェスト動画など、誰でも御覧いただけるようにしております。 また、NHK・フォー・スクール、これは教育コンテンツでありますけれども、ウエブサイトとアプリでは学校放送番組およそ二千本余りを配信し、小中学校などで活用していただいております。 それから、過去に放送した番組をインターネットを通じて提供する、先ほどありましたNHKオンデマンドですけれども、それに係る著作権料あるいは通信費など経費を利用者に負担していただく有料サービスということで、これは受信料財源とは別の区分経理として今やっているというところであります。 今後、インターネットでの常時同時配信が可能となる放送法の改正を我々お願いをしているところでありますけれども、これが実現すれば、常時同時配信と併せまして、総合テレビと教育テレビで放送した番組を、放送後一定期間、見逃しサービスとして配信をすることを考えております。常時同時配信と見逃しサービスは放送の補完として実施するものでありまして、受信契約世帯の構成員であれば追加負担なく誰でも御覧いただけるサービスと、こういうことで対応しようというふうに考えております。 以上であります。
○山下雄平君 もちろん全てを無料にするのは不可能というのはよく分かりますけれども、無料にできるものもたくさんあろうかと思っておりますし、先ほど、冒頭に申し上げた、八年前の例えば東日本大震災が起きたときのニュース番組などを見たいという人だっているでしょうし、それを誰もがいつでも見れるような環境をつくるというのは、公共放送としての私は大きな役割だというふうに思っておりますので、是非ともその点をお願いし、私の質問を終わらせていただきます。 よろしくお願いします。
○大沼みずほ君 NHK出身の大沼みずほでございます。本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。記者時代、御指導いただきました松坂理事にも今日御出席いただいております。ありがとうございます。 昨年、私は厚生労働大臣政務官として働き方改革関連法案に携わり、本年四月よりこちらが施行となります。NHKは、二十九年度より働き方宣言をされ、様々な改革をされてきました。そうした中で、予算の中でも、長時間労働の是正によって縮減できた部分を含む給与費の削減は十億円となっていると伺っております。御努力に敬意を表したいと思います。 ただ、働き方改革には不断の取組が必要です。働き方宣言の中で、まだ目標達成ができていないもの、更に今後力を入れて取り組んでいこうとお考えのもの、また、それによって予算の削減が更にどの程度見込めるのか、お尋ねしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 長時間労働の抑制に向けて、例えば、放送現場では、スタジオ収録は原則二十二時に終了する取組を昨年の四月から続けていますほか、長時間になりがちな番組編集作業の期間に休日を確保するなど、業務の進め方の見直しを進めてまいっております。また、地域放送局の記者の泊まり業務につきましては、緊急対応の整備を進めながら、広域的な運用を図ることによって負担軽減につなげております。 このほか、在宅勤務の拡充やサテライトオフィスの活用、モバイルワーク推進による多様な働き方の一層の支援にも努めております。 こういった取組などによりまして、二〇一七年度の一般職職員の年間総労働時間の平均は、前の年度に比べまして二十三時間減少いたしました。記者の休みの確保も進んでおりまして、二〇一七年度は前の年度に比べまして年間でおよそ七日休みが増えております。 引き続き、番組の作り方改革など放送現場での業務改革やモバイルワークの推進に向けたインフラ整備やAIの活用といった現場を支援する取組も更に進めていく予定であります。 働き方改革の取組は、NHKグループ働き方改革宣言に掲げたように、NHKで働く全ての人の健康を最優先とするということを目指しておりまして、予算の削減を目的としたものではありませんが、引き続き、既存業務の見直しや業務の効率化を進め、効率的、効果的で持続可能な業務体制の構築に取り組んでまいりたいと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 記者時代、当時は月百時間以上が当たり前でありました。やはり取材というのは、人間関係を構築する上で朝駆け夜討ちというのも必要な部分であるというふうには思っておりますが、一人が抱え込むのではなく、チームワークであったり、その効率化という中でモバイルワークであったりAIは非常に大事であると思いますけれども、どのようにその業務負担をしていくのかというところの効率化に更に取り組んでいっていただきたいというふうに思います。 次に、字幕放送についてお尋ねをしたいと思います。 テレビの音が聞こえにくい方に情報をお届けすることも大切なNHKの役割、使命だと思っております。字幕放送や手話放送など、二〇一九年度、どれくらい拡大される予定であるのか、伺いたいと思います。 また、東京オリンピック・パラリンピックは国民の関心も非常に高いわけです。東京五輪・パラリンピックの放送を音が聞こえにくい方々にも楽しんでもらうため、どういった取組を検討しているのか、伺いたいと思います。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。 二〇一九年度は、昨年二月に新たに示された国の指針を踏まえ、字幕放送や手話番組の拡充に努めていきたいと思っております。 まず、字幕放送につきましては、地上波の一週間当たりの字幕放送時間を今年度より一時間余り増やして、二百四十三時間三十九分とする計画を立てています。また、衛星放送につきましては、BS4K、BS8Kも含めて、今年度より十九時間程度増やして、二百七十時間四十分の字幕放送を計画しております。具体的には、視聴者から字幕付与の要望のあったEテレの「将棋フォーカス」、「囲碁フォーカス」等の番組に新たに字幕を付与します。 手話番組につきましては、引き続き「NHK手話ニュース」などの定時番組で手話の必要な方へ情報をお届けしていくほか、手話を学ぶ人のための番組などを放送していこうと考えています。さらに、二〇一九年度はEテレの「ハートネットTV」の放送時間帯を一部使い、視聴者の御要望の多い番組に手話を付与して放送するトライアルを行うことを検討しています。 また、東京オリンピック・パラリンピックでは、障害のある人もない人も、国籍、性別、年齢などにかかわらず、全ての人が楽しめるユニバーサル放送サービスの一層の充実に取り組んでいきます。 競技のハイライトをお伝えするユニバーサル番組では、競技の映像に可能な限りタイミングを合わせて字幕を付与する手法で映像を作成したり、手話を交えたスタジオのトークコーナーを設けたりするなど、音が聞こえにくい方々にも楽しんでいただける演出を検討しています。 また、二〇一八年の平昌オリンピックでは、組織委員会が制作したリアルタイムで提供される競技データを自動的に文字化し、インターネットで配信する競技映像に字幕を付与する自動字幕サービスを初めて実施しましたが、東京大会での更なる活用を計画するなど、多角的にユニバーサルサービスの充実に努めていこうと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 オリンピック・パラリンピックというのは百年に一回巡ってくるかどうかという大イベントでございます。国民の多くがそれを視覚的にも、また、文字なども字幕放送によって楽しみを享受できるように、最大限の努力をしていっていただきたいと思います。 そして、先ほど、ちょっと今日は通告はしていない、自動的にこの字幕サービスというものを二〇一八年のときに導入されたということで、ここで導入してうまくいかなかったというようなことはなく、むしろこれをベースに、二〇二〇年に向けてもこの自動字幕サービスというものを少し増やしていくという理解なんでしょうか。
○参考人(木田幸紀君) 二〇一八年の平昌オリンピックで初めて試みたのですが、競技データに基づいて自動的に文字化してインターネットの映像に付与するというのは非常に効果的でしかも的確だということが分かりましたので、東京オリンピック・パラリンピックでは、その知見を基に更に充実して、有効な形でできないかというふうに今取組を強化しているところです。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 自動的に字幕が出てくるというようなことが、更に研究が進んでスムーズに二〇二〇年に導入されることを期待申し上げたいというふうに思います。 次に、国際放送についてお伺いいたします。 訪日外国人のお客さんが年間三千万人を超え、今年四月からは新たな制度の下で外国人労働者の受入れも始まります。また、農作物輸出の政府目標は一兆円ということを目標に掲げており、地方においても様々な側面で外国との接点が増えてきています。 地方局においても、例えば、県内で働くベトナムや中国からの技能研修生について取材する場合、彼らがどこからどのような理由で日本で研修をしているのか等々を知るには、ベトナムや中国での取材といったことも、その深い取材という意味では必要になってくるんだと思います。 しかし、地方局にはそうした取材を、海外まで行って取材をするとなれば、当然飛行機に乗って、その飛行機代も掛かりますし、向こうでの通訳であるとか機材を整える必要もあると。そんな中での予算が必要になってくるわけですけれども、地方局にはそうした取材を行う十分な予算がないのが現実だと思います。 NHKのグローバルな拠点局、ベトナムにも拠点局がありますし、中国にも拠点局があります。そうした拠点局との連携の強化であったり、また、中央の国際局との連携がますます重要になってくると思いますが、NHKのお考えをお聞かせいただければと思います。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。 日本の地域が世界と直接つながる時代となっている中、地域の情報の国際発信、これは非常に重要なことになっております。NHKとしても、日本各地の魅力を伝えることを経営計画に掲げ、海外発信プロジェクトを設置して地域放送局との連携を強化しております。 その結果、地域放送局が掘り起こした日本各地の話題をこれまで以上に分厚く海外に伝えることができるようになりました。ニュースでは、毎年二百本以上の地域発の企画リポートを海外に発信しています。また、国際放送のキャスターが地域に出向き、現地から地域の話題や課題などを伝える特集も継続的に海外に発信しており、地域の取組を支援しているということになります。地域の放送局が海外に取材に出る場合は、予算の面のみならず、本部や海外総支局が安全管理の面などでも細かく支援しております。 今後も、本部と地域放送局が連携を更に強化して、地域社会への貢献という公共的価値の実現に努めてまいりたいというふうに考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 日本の様々な地方の魅力を海外の方に伝える、また、日本に来ていただいている外国の方に日本の現状をニュースを通じて伝える、そして、海外にいる日本人、そして海外にいる日本に興味を持っていただいている方にNHKの放送を見ていただく、いずれも非常に重要でありますけれども、取材という意味では、例えばいろんな課題も出てきます。外国の方がいらして、日本で働いてみていろんな課題を見付けられたり、また日本人側もいろんな課題を見付ける。そういったときに、より深い取材を求められる際に、その国の外交上のいろんな課題もあるでしょうし、その国自体が持っている課題もあるかもしれない。 そういったところまでやはり取材ができる幅とそして深さを担保できる地域局への予算配分というものは、もう少し潤沢にあってもいいかなと私は感じておるところでございますので、今後、いろんな連携とともに、全体のパイとしての地域放送局への予算配分ということもしっかり御議論いただきたいなというふうに思っております。 次に、ダイバーシティーについてお尋ねをいたします。 最近、CNNなどでは、必ずしも英語が物すごく堪能な記者ばかりではありません。いろんななまりがある英語が飛び交う中で、それぞれの、様々な国の出身者の方が、多少英語になまりがあっても、グローバルかつ多角的な視点でレポートをされています。NHKさんにおかれましても、ダイバーシティーの実現というものにおいては様々な取組をしていると思いますけれども、女性や障害者、また外国人などの採用においてどのような工夫をされているのか、さらに、ダイバーシティーの実現のために積極的に行っていこうとお考えの施策はどんなものがあるか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(松坂千尋君) お答えいたします。 NHKでは、職員の採用に当たって、公共放送としての責務を果たすためにも、男女の区別なく活躍してもらう必要があると考えております。 女性の採用割合ですけれども、二〇一八年度、去年の春の定期採用では三六%となっておりまして、この四月、来月からですけれども、入局予定者では更にこの割合を上回る見込みであります。 また、女性の管理職への登用については、二〇二〇年の女性管理職の割合を一〇%以上にすることを目標に掲げて取り組んでおりまして、二〇一八年度は管理職全体に占める女性管理職の割合は八・七%となっております。 また、採用に当たりましては、障害の有無ですとか国籍は問わず、多様な人材の確保に努めております。例えば障害者の雇用に当たっては、合同企業説明会への参加に加え、NHK独自の説明会をこの三月に東京と大阪で開催するなど、採用活動を強化しております。 多様な人材が活躍できる環境を整備するため、NHKでは、在宅勤務制度ですとか育児、介護に関するサポートデスクの設置など、仕事と育児、介護との両立を支援する施策を導入しております。 引き続き、ダイバーシティー推進の観点から、多様な人材の確保、多様な働き方の一層の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 女性活躍推進法案も三年を迎えて改正となります。そうした中において、一気にということは難しい中において、NHKさんでの取組も高く評価したいと思いますし、松坂理事も大変女性記者に理解のある上司でありましたので、当時の女性記者からは大変慕われていた先輩でございます。これからも、そうした意味で、女性活躍のみならず、障害者、外国人の登用などにも積極的に取り組んでいただきたいというふうに思います。 最後に、福祉施設での受信料負担について減免してほしいとの要望を総務委員会でさせていただきました。二〇一八年四月よりそのような対応をしていただいております。感謝申し上げたいと思います。また、今年二月からは奨学生に対する免除制度、さらには、十月に予定されています消費税アップに際しても受信料を上げない旨決定をされました。 これを受けての予算上の減収はどれぐらいになり、その穴埋めにはどのような対応をしていくのか、最後にお聞かせいただければと思います。
○参考人(松坂千尋君) 来年度実施する負担軽減策ですけれども、既に始めております社会福祉施設への免除の拡大、それから奨学金受給対象などの学生への免除、そして四月からは多数支払における割引の拡大など、来年度二〇一九年度は七十四億円の負担軽減策を見込んでおります。今年十月から実施します受信料の据置きによる実質値下げによる影響は六十五億円でありまして、この七十四億円と六十五億円を合わせますと、総額で百三十九億円の還元額になると見込んでおります。 今後、公平負担の徹底により収入の確保に努めるとともに、支出については、重点事項に対する予算を確保した上で適正な水準に抑えて管理することを基本としていきます。不足分につきましては財政安定のための繰越金で調整しながら、中長期において適正な財政運営を図っていきたいと考えております。
○大沼みずほ君 ありがとうございます。 様々な改革の中で、また公平負担という側面からもいろいろな努力をされていることに敬意を表しつつ、これからもNHK応援団で頑張ってまいりたいと思います。 本日はありがとうございました。 ─────────────
○委員長(秋野公造君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、青木一彦君が委員を辞任され、その補欠として羽生田俊君が選任されました。 ─────────────
○又市征治君 立憲民主党・民友会・希望の会の所属、社民党の又市です。 まず、事業計画、予算案に入る前に、公共放送NHKの報道姿勢について懸念を問うておきたいと思います。 NHKが放送法第四条に基づいて番組編集をするというのは当然のことでありますけれども、そのことと、国民がこのNHKの番組、とりわけ報道が公平中立、そして不偏不党、そうしたことが貫かれているというふうに受け止めるかどうかは別問題ということだと思うんですが、例えて申し上げると、たくさんあるんですが、三つ挙げます。 昨年の沖縄の翁長前県知事の県民葬のときに、安倍総理の弔辞の代読に対して会場から、私もおりました、大きな声でうそつき、やじが出ました。このことについては、全ての本土のマスコミもそのことは触れました。しかし、NHKだけはそのことを一切報じなかった。 そして、さきの沖縄の辺野古新基地建設反対を問う県民投票、結果として七二%の圧倒的多数で反対が出たことについても、NHKの報道は、有権者の四分の一を超えましたという報道が前面に出るということだけだった。 さらに三つ目に、今月の一日の衆議院のあの厚労大臣に対する不信任決議を野党代表が弁明をしたときに、水を飲んでいるところだけを次々と映して、その趣旨さえもまともに報道しない、こういう偏向したことが行われた。 大変にそういう意味で、このことについて多くの意見が、批判が起こされて、私のところにもいろんな批判が出ました。 昨日、くしくも全国紙の丸々本当に一面を通じるぐらいに、NHKの政治報道変だ、安倍政権寄りと保守系誌も批判、こんな格好で大きく報道されているような格好で、それも何と、見てみると、NHKのOBや元経営委員から今の会長に対して注文が付けられているということまで報じられています。 そういう意味で、多くの人がこれ違和感を持っている。NHKの優秀なスタッフの皆さんだから、ああいう報道をやればいろんな批判が出るんではないかということは当然想定をしているだろうと思うけれども、しかし、あのような報道をすることそのものが公共放送の使命だというふうに思っているのかどうか、ここが大変大きな問題だ、こんなふうに思うわけです。 振り返ってみてください。上田会長になって二年間、その前の三年間、何度この場でNHKみんな来てもらっていろいろと議論したんですか。与野党問わずに、政府が右と言うものを我々は左と言うわけにはいかないなどというとんでもない発言をしたことをめぐって、NHKの体質問題が延々と議論されてきた大変な問題だったわけです。そのことが本当の意味で反省されているのかどうか大変私は心配をするわけですが、今どういう声がNHKに寄せられているのか。 そういう意味で、この点、私は、稚拙なこの編集内容がNHKそのもの、いい番組、いろんなことを作っているんだけれども、そのことそのものをむしろ無にするような、そしてそんな政権寄りという不信感を強めているような、こんなことを自覚すべきでないのかと、こう思いますが、この件について会長のまず見解を聞いておきたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKは、公共放送として、正確な事実に基づいて、公平公正、不偏不党を貫き、自主的な編集判断で報道いたしております。 先生が今例に挙げられました沖縄県の県民投票につきましては、県の条例の規定で総理大臣とアメリカ大統領に結果を通知することを定めている有権者の四分の一を超えたことをお伝えいたしました。また、辺野古の埋立てに反対の票が七割以上を占めたこと、去年九月の沖縄県知事選挙で玉城知事が獲得した票を上回ったことを伝えました。 野党提出の根本厚生労働大臣の不信任決議案につきましては、各時間帯のニュースでお伝えいたしました。午前中に不信任決議案の提出があり、正午ニュースでお伝えいたしました。午後には衆議院本会議で不信任案の採決があり、否決されましたが、「ニュース7」では不信任案提出から否決への経過をお伝えいたしました。この中では、趣旨弁明のうち、一連の真相究明甚だ不十分、不適切だったと言わざるを得ず、不信任案提出の根本的な理由でありますという部分も放送いたしました。その後、「ニュースウオッチ9」では政府の新年度予算案の衆議院通過をめぐる与野党の攻防をお伝えし、この中で根本厚生労働大臣に対する不信任決議案についても放送いたしました。 また、視聴者からの声は、沖縄県民投票の結果に関する報道については、幅広く取材をして客観的な内容だったという意見が寄せられる一方で、辺野古沖の埋立て反対が多かったという結果について、十分に伝えていないのではないかという意見もありました。不信任決議の趣旨弁明に関する報道につきましては、視聴者から、小川議員の質問の趣旨が正しく伝えられていないのではないかといった意見や、インターネット上で投稿を見たが、実際の放送内容はどうだったのかという問合せなどが寄せられました。視聴者の皆様からいただきました御意見につきましては、常に謙虚に受け止め、経営の現場で共有いたしております。 今後も、報道機関として、正確な事実に基づいて、公平公正、不偏不党、何人からも干渉されることなく、自ら律して放送に当たってまいりたいと考えております。
○又市征治君 常にそうした意味でのやはり報道の在り方について、反省すべき点はないかどうか点検、検証されていくように強く求めておきたいと思います。 それでは、事業計画あるいは予算案に移ります。 まず、この赤字予算案になったことについて伺っておきます。 後でも触れますけれども、いろんな方面に活動領域を広げようとすれば、もう当然のこととして支出が増えるということは当たり前のことですが、しかし、逆に受信料の値下げ等で意識的に収入が削減されているというのが来年度の予算でしょう。このNHKの言葉で言えば、還元額は総額百三十九億円となっていますが、この還元額はどのような根拠に基づいているのかというのがまず第一点。 第二点目に、他方で、財務収入の受取金配当が倍以上の四十五億二千万円になっていますけれども、これは関連会社、子会社からのものだと思いますけれども、どういう事情というか、積算根拠なのか、また二〇二〇年以降の傾向はどうなるのか、お示しいただきたい。 第三点目に、それとの関連で、重点方針、創造と効率、信頼を追求の②の項では、本体と関連団体の役割を明確にし、事業統合や再編も含め具体的な検討を進め、より効率的なグループ体制にシフトすると、こうも述べているわけですが、この点についても具体的な姿を示していただきたい。 以上三点、よろしくお願いします。
○参考人(松坂千尋君) 私から、百三十九億円の根拠について御説明いたします。 今回の受信料の値下げは、中長期の収支の見通しを踏まえ、収入を適正な水準にするため、できるだけ速やかに実施する必要があると考えました。 値下げに伴って必要となる受信料の請求、収納に関するシステムの改修には、およそ一年程度の時間が掛かります。このため、システム改修を最小限に抑え、かつ最も早く対応できる、二〇一九年十月の、今年十月の消費税率引上げの際に料額を改定せずに実質の値下げを行い、消費税二%相当となる還元を行うこととしました。この受信料額の据置き分の実質値下げが半年間で六十四億円に当たります。もう一つ、既に進めております受信料の免除や割引拡大などの負担軽減策が七十五億円。合わせて総額百三十九億円の還元になったということでございます。
○参考人(黄木紀之君) 受取配当金についてお答えいたします。 二〇一九年度の子会社からの配当は、通常の配当に加えまして、利益剰余金の還元のため、特例的な大型配当を求めることといたしております。したがって、今年度に比べて増額となる見込みであります。また、二〇二〇年度も同様に特例的な大型配当を求めることを今の三か年経営計画に盛り込んでおります。さらに、二〇二一年度以降につきましては、次の経営計画の策定の際に検討することになりますが、子会社の利益剰余金につきましては適正にコントロールしていく方針でございます。 それから、NHKグループとしてより効率的な体制にシフトという部分でございます。 グループ全体で効率的な業務を進めていきますために、技術分野におきまして、来月、NHKメディアテクノロジーとNHKアイテックが合併いたしまして、新会社NHKテクノロジーズを設立いたします。これまで両社が担ってきました番組制作や送受信設備の保守などの業務に加えまして、情報セキュリティーやインターネットの展開など、今後求められる新たな技術分野にも対応することを目指しております。 また、番組制作分野におきましても、去年十二月、NHKエンタープライズとNHKプラネットが統合に向けた基本合意を締結いたしました。これは、地域向けの放送サービスをグループ一体で進める必要がある上、質の高いコンテンツ制作力の一層の強化を図ることを目指しております。 このほか、関連団体の間で重複する業務の整理も行うなど、NHKグループ一体となりまして、受信料の価値を更に高めるため、質の高い放送サービスを提供するための改革を進めてまいります。
○又市征治君 次に、同じ重点方針五の中で働き方改革が取り上げられ、改革宣言では具体的に五項目が挙げられています。宣言が発表されてもう一年以上が経過をするわけですが、この取組がどのように現場で具体的に進められ、その成果はどうか、まずお聞きをしておきたいと思います。 また、宣言では、NHKで働く全ての人の健康を守るという趣旨のことが盛り込まれていますけれども、事業の拡大、働き方改革の中で、逆に管理職等にしわ寄せが行っていないのかどうか、そのことが二点目、お伺いをします。 加えて、今年度の要員計画は、先ほどもありましたが、ダイバーシティー推進への対応等のためにということで十五人プラスとなっていますけれども、具体的な中身を、また、公共放送の役割を果たすための要員体制の構築とありますが、この中身についても伺いたいと思います。
○参考人(松坂千尋君) まず、働き方改革の取組について御説明いたします。 先ほど、スタジオ収録の終了時間の目安を設けたりしているというようなことを御説明いたしましたけれども、そのほかに、例えば、放送現場では、業務が特定の担当者に集中しないようにカバー体制をつくって標準化を図っております。特に業務が非常に増えます災害など緊急報道の際には、これまで以上に全国規模での応援も視野に入れた体制を構築するなどの対応を取っております。 それから、番組作りに関しましては、作り方改革を進めておりまして、編集の作業スケジュールを見直すなど、番組の質は確保しながら、業務の進め方を工夫するというような取組を行っております。 こういった取組などによりまして、二〇一七年度の一般職職員の年間総労働時間の平均は、前の年度に比べて二十三時間減少しました。それから、記者を例に取りますと、休みの確保につきましては、去年四月から今年一月までですけれども、この間で一か月当たり平均で〇・五日記者の休みの取得は増えております。 それから、管理職にしわ寄せがあるのではないかという御指摘でありますが、確かに管理職については、各職場で働き方改革を進める中で、よりきめ細かく部下の業務管理や勤務管理を行っていることなどもありまして、忙しさが増している面はあるというふうに認識しております。その一方で、管理職でもめり張りのある働き方とか、業務が特定の管理職に集中しないようにカバー体制の構築などを行っておりまして、管理職につきましては、去年四月から今年一月まで、前の年度に比べておよそ四日間休みが増えているというようなことになっております。 それから、ダイバーシティー推進のための十五人の増員ですけれども、これは育児や介護などの休職制度を利用する職員が増えていることから、来年度の要員計画では、仕事と育児の両立など多様な働き方を推進するため十五人の増員を行ったというところであります。 それから、最後の御指摘、御質問でありますが、公共放送の役割を果たすための要員体制の構築とは何のことかということでありますけれども、来年度は、信頼される情報の社会的基盤の役割を果たすため、経営計画に基づいた事業運営を引き続き着実に実施し、公共メディアの実現に向けて取り組むこととしておりまして、そのための要員体制のことを指しております。 要員につきましては、既存業務のスクラップにより確保した要員を重点業務ですとか新規業務に対応していくことで、要員シフトを行って対応することを基本としたいと思っております。
○又市征治君 経営の効率化というと、どうしてもこの人的資源に目が向きがちなわけですよ。また、現実にNHKもずっと人を減らしてきたわけだ、ようやく何か今、今度十五人増やすと、こう言うけれども。まあ公共放送を担う使命感から、職員の皆さん、精いっぱい頑張るということなんでしょうが、そういう意味では、過労死ではなくても、過労などで仕事が続けられずに退職を余儀なくされるようなことにならないように、これは是非とも、そういう意味では、働き方改革の場合に、労使で働き方について十分に協議、検討していただくようにこれは求めておきたいと、こんなふうに思います。 時間の関係で、もう一問あったんですが、それは飛ばしまして、総務相の方にお聞きをいたします。 事前の説明を受けたときにも実は話題になったんですが、総務相は昨年、収支予算、事業計画、資金計画についてはおおむね妥当なものと認められる、こういう意見表明をされているんですが、今年はやむを得ないという表現になっているということですね。そして、事前説明では、妥当か妥当でないかの評価はしないとも述べているわけですが、そういう理解でいいのか。ちなみに伺いますけれども、総務相の見解として妥当、やむを得ないという以外に何らかの評価の言葉はあるのかどうか、聞いておきたいと思うんです。 また、見解では、繰越金の現状や当面見込まれる事業収入の増加等を踏まえると、全体の収支構造が妥当なものと認められるか否かについて改めて検討することが適当であり、具体的には、既存業務全体の見直しや受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方について、引き続き検討を行うことを求めるとしていますが、何かややこしい言い方ですけれども、これは受信料について更に引き下げようと、こう言いたいのか、総務相は今後の受信料の推移についてどのようなそういう意味では期待感を持ってこれを言っているのか。また、受信料の在り方について引き続き検討しろということだけれども、受信料のあるべき姿というのはNHKがあくまでも提示すべきものだよと、こういうことを言っているのか、この点について見解を伺います。
○国務大臣(石田真敏君) 御質問にお答えさせていただきたいと思います。 NHKの平成三十一年度予算に対しては、赤字を見込んでいる点につきまして、本年十月の消費税率引上げ時に受信料額を据え置くなどを考慮するとやむを得ない面があるとする総務大臣意見を付けております。 NHK予算に対する総務大臣意見では、これまでそのときの予算の内容に応じて適当な表現を用いているところでありまして、例えば平成十八年、十九年ではやむを得ない内容と認める、あるいは平成二十年度から二十二年度までは着実に遂行すべきというような形での意見を申し上げているところでございます。 また、御指摘のございました受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方につきましては、今後の繰越金の状況や当面見込まれる事業収入の増加等を踏まえると引き続き検討を行うことが適当と考えておりまして、平成三十一年度予算に付した総務大臣意見においてその旨を指摘をいたしております。 具体的な受信料額の適正水準につきましては、まずはNHKにおいて検討いただくべきと考えておりますが、受信料額の水準については、少なくとも国民・視聴者にとって納得感のあるものにすることが重要であるというふうに考えております。
○又市征治君 私の持ち時間がもう来ましたので、本当は4K、8K問題も述べておきたかったんですが、ただ、ちょっと気になるのは、総務大臣の意見として、我が国の経済成長の牽引力として期待される4K、8K等の先導的なサービス云々と、こうあっているんですが、日本経済の牽引に役立つ4K、8K、NHKの受信料で賄え、つまり国民負担で賄えよと、こう言っているみたいな格好で、NHKに日本経済を牽引しろなんていうのはおかしな話じゃないのかということだけ指摘をして、私は終わります。
○吉川沙織君 立憲民主党の吉川沙織でございます。 去年も申し上げたんですが、行政と統計等の信頼は、去年は大きく揺らいでいる状態が、今は地に落ちてしまいました。NHKに対しては、これまで不祥事がどれだけ頻発しても、信頼が揺らぐことはあっても国民の信頼は続いてきました。ただ、上田会長になられる前の三年間、忘れもしませんけれども、そのときはNHKに対する信頼は著しく毀損してしまいました。 上田会長が経営委員から会長になられて二年、NHKが法令を遵守し、国民・視聴者の負託に応えているかどうかについて、今年も国民・視聴者の代表の一人として会長に問うていきたいと思います。 NHKは、今期経営計画で、公共的価値を実現するとしつつも、「社会のありようが急速に変化する中でも、NHKは引き続き、広く受信料によって支えられる公共放送の基本姿勢を堅持します。」とされています。NHK平成三十一年度予算案の審査に当たって、公共放送、公共メディアとしてのNHKの予算案策定の原則について、会長に伺います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 平成三十一年度は、信頼される情報の社会的基盤の役割を果たすため、経営計画に基づいた事業運営を引き続き着実に実施し、公共メディアの実現に向けて取り組む所存です。 事業運営に当たりましては、自主自律を堅持し、放送を太い幹としつつ、インターネットも活用して、命と暮らしを守る放送に全力で取り組むことを最優先に、豊かで良い放送番組をお届けいたします。4K、8K本放送への対応や地域社会への貢献などの重点事項につきましては、業務全般にわたる経費削減の徹底により生み出した原資を配分いたします。 一方、受信料収入が堅調に推移し、事業収支差金や財政安定のための繰越金が計画を上回って増加していく見通しとなったことから、中長期の収支見通しを真剣に検討した上で、収支相償の原則にのっとりできるだけ速やかに値下げを実施する必要があると考えました。そのため、今年十月の消費税率引上げの際に、料額を改定せずに実質二%の値下げを行うことといたしました。
○吉川沙織君 今、中長期的な視点にのっとって収支相償という答えもありましたが、今回の予算案において、事業収入は受信契約件数の増加等により前年度に対して三十六億円の増収を見込む一方で、事業収支差金三十億円の不足となり、財政安定のための繰越金の一部をもって補填するものとされています。 繰越金について、二〇一八年度末の金額と今後の見通しについてお出しになっておられると思うんですが、金額のみお答えいただければと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 二〇一八年度末の繰越金は千六十一億円を見込んでおります。二〇一九年度末の繰越金は八百七十八億円を見込んでおります。
○吉川沙織君 二〇二〇年度もお答えいただけますか。
○参考人(上田良一君) 済みません、ちょっと手元に数字がありませんでした。
○吉川沙織君 NHKの経営計画に収支計画で、今お答えいただいたのが二〇一八年度一千六十一億円、二〇一九年度が八百七十八億円、そして、この前の衆議院の総務委員会での審議でもお答えになっておられるんですが、二〇二〇年度は六百二十二億円とされています。 では、公共放送としてのNHKの財政安定の観点から、適正な水準として確保すべき繰越金というのは幾らとお考えか、会長にお伺いします。
○参考人(上田良一君) 適正な水準の財政安定のための繰越金は約一〇%相当、八百億円前後というふうに考えております。
○吉川沙織君 一〇%相当で八百億円ということは、実はさっき、あえて二〇二〇年度の繰越金の残額をお答えいただけなかったんですけれども、これから、今一千億超えていて、二〇二〇年度末見込みは六百二十二億円と、NHKは三年間で実に四百億円以上の繰越金を取り崩そうとされています。中長期的にという御判断で今回の予算案策定なさったと御答弁いただきましたが、短期的な視点で見れば、収支相償の原則に反し、公共放送、公共メディアとしての安定性の観点から問題が生じるのではないかと思っています。 事業収支差金は、これ衆議院の総務委員会でお答えになっておられますけど、二〇二三年度には黒字に転換する見通しではあるものの、長期的に見れば、受信料収入は二〇二六年度をピークとして減少に転じることもこれお答えになっておられます。繰越金を取り崩して、財政安定のための財源が仮に不足するようなことになってしまえば、視聴者に混乱を招き、責任ある経営と言えないのではないでしょうか。 公共放送としての使命を果たしつつ、業務改革を推進することで収支差金を生み出し、これを視聴者の負担の軽減に充てることこそが筋ではないんでしょうか。会長の見解を伺います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 まず、先ほど御質問がありまして、私の方で手元に資料がありませんでしたけど、先生がおっしゃいましたように、二〇二〇年度は財政安定のための繰越金は六百二十二億円というふうになっております。御指摘のとおり、財政安定のための繰越金は大規模な災害等による経済状況の急激な変化に対応するほか、設備投資の財源として、減価償却資金など、当年度の自己資金では賄えない場合などに対応するものであります。 二〇二〇年度以降も一定期間赤字が想定されるため、繰越金の一部を取り崩す見込みではありますが、今後、公平負担の徹底により受信料収入の増収を図るとともに、事業規模、事業支出を一定の水準に収めるよう厳正に管理していくことで、適正な水準の繰越金の確保に努めてまいりたいと考えております。
○吉川沙織君 適正な繰越金の確保とおっしゃいましたが、先ほど、大体NHKとして考えておられる適正な額というのは八百億円程度とお答えがございました。であるならば、中長期的で収支相償を御覧になるとおっしゃいましたが、短期的な視点で見たらこれは収支相償の原則に反しているのではないかと思うんですが、御感想があればお答えください。なければ構いません。
○参考人(上田良一君) 私が経営委員のときに値下げ問題というのが議論されたんですが、そのときに、私の方も発言させていただきましたが、やはり公共放送として大原則として収支相償というのがありますけれども、これは短期で上げたり下げたりということが極めて困難を伴いますので、やはり中長期的な視点で収支相償は図るべきという考えがありまして、今回はそういう視点で値下げというのを決めさせていただきました。
○吉川沙織君 私、NHKの予算案の審議に初めてこの総務委員会で臨ませていただいたのが、今から十一年前の福地会長のときの予算案が初めてでございました。その福地会長は、今から十一年前の経営委員会で、経営委員会と執行部の間で値下げの議論が行われたときに、やっぱり短期的な収支計画の裏付けを欠いたまま受信料収入の幾らかを原資にした値下げということは、視聴者の皆様に混乱を招くだけであり、責任ある経営とは言えないと、公共放送の使命をきちんと果たしつつ、業務の一層の効率的な運営などを進める改革努力により収支差金を生み出し、これを視聴者の皆様の負担の軽減に充てたいと考えたということで、経営委員会からのいろんな議論を執行部として、明確に三年先が見通せないのであれば、それはちゃんと業務改革によって収支差金を生み出すべきだというようなことをおっしゃっておられます。 ですから、今回、もうこう予算で決められてしまって、どんどんどんどん財政安定のための繰越金を取り崩してしまうわけですけれども、何かあったときにどうにかならないように、これからも見ていきたいと思っています。 広く受信料によって支えられる公共放送としてNHKはあると思うんですが、広く受信料によって支えられる公共放送としてのNHKが提供すべきインターネット業務とは何でしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKが実施いたしますインターネット活用業務は、放送を補完し、その効果、効用を高めること、又は受信料で取材、制作した国民共有の財産であります放送番組等を広く国民に還元することが目的であります。 インターネットの利用活用、利用拡大や視聴者の情報取得の在り方が変化する中で、信頼される情報の社会的基盤の役割を果たすため、放送を太い幹としつつ、インターネットも適切に活用し、民主主義の健全な発達や文化水準の向上に寄与する正確な情報や多彩な番組を届けることが重要だと考えております。 NHKは、インターネット活用業務の実施に当たり、その種類、内容、実施方法などを規定したインターネット実施基準を自主的に策定し、総務大臣の認可を得ております。これを踏まえ、事業年度ごとに収支計画を含めたインターネットサービス実施計画を策定、公表し、公共性の高いサービスを実施いたしております。
○吉川沙織君 今国会には、NHKのインターネット活用業務の対象拡大等を図る放送法の改正案が既にこの国会に提出をされています。NHKが広く受信料によって支えられる公共放送であることからすると、直接視聴者へ受信料を財源としてサービスを提供するいわゆる二号受信料財源業務の在り方が問題になるのではないかと思っています。 二号受信料財源業務の実施に要する費用は、先ほどの答弁の中にも含まれていましたけれども、どのように定めるのか、現在の規定と改正案が成立した場合についてお伺いいたします。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 二号受信料財源業務の実施に要する費用につきましては、NHKの現在のインターネット実施基準では、各年度の受信料収入の二・五%を上限とするといたしております。NHKが受信料によって放送を実施する目的で運営されていることを踏まえますと、常時同時配信を含むインターネット活用業務に係る経費に上限を設けて適正に運用するという視点は重要だと認識いたしております。 今国会に提出されている放送法改正案が成立し、インターネットによる放送番組の常時同時配信が可能となった場合には、そうした視点も踏まえて新たな実施基準を策定し、総理大臣の認可を得ることとなると、こういうふうに考えております。
○吉川沙織君 今お答えございましたように、現在の時点では、二号受信料財源業務の実施に要する費用は各年度の受信料収入の二・五%を上限とする旨が、これは、平成二十九年九月十三日、総務大臣認可ですけれども、されています。 平成二十七年度のインターネット活用業務開始以降、二号受信料財源業務の実施に要する費用が受信料収入に占める割合、試験的提供に係る経費を除く、について、年度ごとに数値だけ教えていただければと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 先ほど、認可を頂戴する総務大臣を間違えまして、大変失礼いたしました。 二号受信料財源業務の実施に要する費用に関しまして、二十八年度決算で百二十三億、受信料収入に占める比率は一・八%、二十九年度決算では百三十七億円、二・〇%、三十年度予算では百五十六億円、二・二%、三十一年度予算では百六十七億円、二・四%と、こういうふうになっております。
○吉川沙織君 平成二十六年の国会で放送法改正になりました。そのときは上田会長は経営委員で、前の会長で大騒ぎの中でしたけれども、放送法が改正されて、平成二十七年度からインターネット活用業務、その二号受信料財源業務の実施に要する費用等について、その割合、受信料収入に占める割合について、それぞれ会長からお答えをいただきました。一・八%、二・〇%、二・二%、二・四%、開始以来の推移を見ますと、〇・二%ずつ増加している傾向にございます。 改正案はインターネット活用業務の対象拡大を内容とすることを併せて考えますと、受信料収入の二・五%の上限を維持するという想定はなかなか難しいのではないかと思っています。今後、インターネット活用業務がどんどん拡大していき、インターネット業務の方が会長がおっしゃる太い幹になってしまうのではないかと考えますが、インターネット活用業務の拡大と受信料制度との整合性をどうお考えになられますでしょうか。このNHKの予算案審議でも、放送を太い幹としてインターネットというような、こういう言い回しが非常に多うございますが、逆にこれからなっていくようなこともあるのではないかと思いますので、御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKの収支予算、事業計画につきましては、これまでどおり国会で御審議いただくことになると思います。 NHKとしては、インターネット活用業務の費用につきましては、適正な上限の中で抑制的な管理に努め、昨年十一月に総務省の放送を巡る諸課題に関する検討会で総務省から説明のあった厳格な区分経理など会計上の透明性確保の新たな考え方に従って、十分な説明を尽くしてまいりたいと考えております。
○吉川沙織君 十分な説明を尽くされて、総務大臣が認可されたら超えることあるということでよろしいでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKが実施を目指しますインターネットの常時同時配信は、放送の補完と位置付け、受信契約世帯の構成員であれば追加負担なく利用できるサービスとすることで、受信料制度との整合性を図ることといたしております。当面、一斉同報という特性を持つテレビ放送が太い幹である状況が続くと見ております。 一方で、テレビを持たない世帯が増え、インターネットやスマートフォンが一層普及する中で、公共性の高い情報やコンテンツを届けていくことは、信頼される情報の社会的基盤という役割を果たしていく上で重要な課題だと認識いたしております。
○吉川沙織君 今、インターネット活用業務の方が太い幹ではなくて、今はテレビの方が、放送の方がというお答えでしたけれども、先ほどからありますように、テレビを視聴する、特に若い世代はテレビの視聴そのものが減っていって、そういった中で、受信料制度と、これから放送法が改正、実際にこの委員会でされればですけれども、通っていったときに、NHKのできることは広がるわけで、でも、今のインターネット実施基準は受信料の二・五%を上限とすると決めていますけれども、インターネット活用業務は認められてから〇・二%ずつ占める割合は増えていっています。ですから、その受信料制度との整合性を取っていかなければいけませんし、業務、受信料、経営の在り方は、公共放送NHKにおいて相互に密接不可分である以上、国民・視聴者の納得感が得られる、そういった経営でなければならないと思っています。 前会長の三年間は、混乱の中で全会一致の慣例が崩れ続けましたけれども、上田会長になられてからこうやって静かな環境でNHKの予算案が審議できることは、本当に五年前と比べると全く違うと思っています。ただ、国民・視聴者の代表として、私たちは、NHK予算の在り方、それからその業務の内容、これからも見ていかなければいけないと思いますので、これからもしっかり厳しくチェックしていきたいと思います。 ありがとうございました。
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会・希望の会の杉尾秀哉でございます。 質問の機会をいただきましてありがとうございます。 先ほどの大沼議員はNHK出身ということですが、私も大学のときにNHK受けたんですけれども、途中、民放の方に先に内定が出ちゃいましたものでNHKには行かずに、まあ落ちていたかもしれませんが、もしNHKに行っていたらまた別の人生があったかなと、こういうふうにも思います。 三十一年度予算についてまず伺います。 三十億円の赤字予算ということなんですけれども、会長は民間の御出身です。私は民放なんですが、これ、民間企業だと最初から赤字予算というのはちょっとあり得ないと思うんですけれども、まずこの赤字予算について会長の見解を教えてください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 受信料収入が堅調に推移し、事業収支差金や財政安定のための繰越金が計画を上回って増加していく見通しになりましたことから、中長期の収支見通しを踏まえ、できるだけ速やかに値下げを実施する必要があると考えました。そのため、今年十月の消費税率引上げの際に、料額を改定せずに実質二%の値下げを行うことといたした次第です。 一方で、事業支出では、本放送が始まった4K、8K番組制作の強化や、防災・減災報道の充実、国際放送の更なる充実等に取り組むために必要な予算を計上いたしました。 これらの理由により、事業収支差金は三十億円のマイナスとなる見込みです。
○杉尾秀哉君 支出を見ますと、国内放送番組の充実、スーパーハイビジョン、4K、8Kの推進、これで百四十四億円の支出増なんですけれども、もう少し、先ほどの総務大臣の意見もありましたけれども、聖域なき徹底的な経費削減をしていればこんなに支出が膨らむはずがないと思うんですけれども、これ本当に血のにじむような削減努力というのはしているんでしょうか。
○参考人(松坂千尋君) お答えいたします。 平成三十一年度の予算編成に当たりまして業務全般にわたる経費削減を行いましたけれども、本放送が始まりました4K、8K番組制作の強化、全国ロボットカメラの整備などの防災・減災報道の強化、それから国際放送の強化、東京オリンピック・パラリンピックに向けた番組の充実などに取り組むことで、前年度に対しまして百四十九億円の増加となりました。 予算を作成する際に、業務の優先順位を定めまして、個別事項ごとに精査を行って経費の削減には取り組んでおります。具体的には、番組制作費については番組のマルチユースですとか4Kと2Kの一体化制作の推進、営業活動においては地域スタッフの体制の縮小など効率的な営業体制の構築などを行いました。こうした取組によりまして、総額で最大規模となる百八十億円の経費削減を行いました。こうした経費削減を元に重点事項や新規事項に予算を配分しましたけれども、削減分で賄えないものにつきましては支出増となったということでございます。 今後、業務改革を一層推進することなどにより、事業規模、支出を一定の適正な水準に収めるよう厳正に管理してまいりたいと思います。
○杉尾秀哉君 民放から見ると非常に羨ましい制作環境にあって、何でNHKはこんなに金があるのかなと思うことが結構あったりするんですけれども。 資料を配らせていただきました。収支の決算と予算のレベルなんですけれども、御覧になって一目瞭然、赤枠で囲みましたけれども、事業収支差金に毎年大きな乖離が出て、大幅な黒になっているんですよね。そもそもこれ事業支出の見積りが過大なのではないか、言葉は悪いんですけれども、意図的に赤字をつくっていはしないか、これはどうでしょうか。
○参考人(松坂千尋君) 事業収支差金についての御質問でありますが、まず、収入につきましては、当初の計画を上回って受信料の公平負担の徹底による受信料収入の増大ということが一つあります。特に、おととし十二月の最高裁判決以降は自主的に受信契約を申し出る方が増えたことなどによりまして、当初の計画を上回る形で受信料収入が増えております。 それから、支出の方なんですけれども、予算の執行に当たりましては競争契約の推進など効率的、効果的な業務の実施というのに努めておりまして、こうしたことが支出の抑制につながっているというふうに考えております。
○杉尾秀哉君 先ほど来話が出ておりますけれども、人口減少時代になって、これから世帯数も多分その契約数も減っていく、ピークの時期があって、その後にだんだんだんだん収入が少なくなってくるだろう。一方で、収入と支出のバランスが本当にこれでいいのかということも含めて、そうした中長期的に安定したNHKのその財務体質、それからグループ体制の効率化も必要だと思うんですけれども、その辺についての考え方はどうでしょうか。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。 受信料収入の見通しとしましては、四・五%の受信料の値下げを実施した場合、二〇二六年度に七千四十億円余りをピークとして減少に転じると予測しておりますけれども、こうした検討に当たりましては、社会環境や視聴者環境などのデータや予測に基づいて議論を重ねているところです。 具体的には、世帯数は、国立社会保障・人口問題研究所が二〇二三年の五千四百十九万世帯をピークに減少に転じると推計していること、テレビの保有率につきましては、内閣府の調査で、総世帯で十年前の九八・九%から九五・一%に減少していることなどを踏まえまして、毎年度〇・三%ずつ低下し、二〇三〇年度のテレビ保有率が九一・四%になるものと見ております。 予算と要員が限られる中、こうしたことを踏まえまして、公共メディアとしての役割を果たし続けるために、二〇一八年四月に業務改革推進会議を設置をしております。これを改革のエンジンとして、NHKグループ一体で業務改革に進んでいるところであります。 最高水準の放送サービスを提供します東京オリンピック・パラリンピックが二〇二〇年でありますけれども、その後、終了した後、二〇二一年度以降は、将来にわたって効率的、効果的で持続可能な業務体制を構築するため、既存業務を見直す抜本的な改革を更に進めたいと考えております。 事業規模、事業支出を一定の適正な水準で管理していくということで、その一方で、受信料収入を確保するための公平負担の徹底にも全局体制で取り組んでいきたいと考えております。
○杉尾秀哉君 本当に、二〇二〇年のオリンピック以降が心配だという声が局内からも届いておりますので、どうかその辺よろしくお願いします。 先ほどから働き方改革の話が出ているんですけれども、こういう情報が私のところに来ております。NHKの放送現場で、関連会社が偽装請負の疑いで労働当局から指導を受けている、こういう趣旨の内部告発でございます。これ、子会社ということなんですけれども、いずれにしても、グループ全体として見ると、働き方改革、これ大きな問題だと思いますけれども、事実関係確認してください。
○参考人(黄木紀之君) 去年の夏に、NHKの関連団体がNHKから受託した業務の進め方につきまして、労働局から、点検、確認をして体制整備を図るよう指導を受けたことがございます。
○杉尾秀哉君 報道局でも、報道現場でもやっぱり同じような偽装請負で指摘があったそうですので、ここはしっかりと調査していただいて対策を打っていただきたい。 それともう一つ、その組織づくりが、筋肉質、そして効率的な体制構築というのは大きなテーマなんでしょう。その一環としてなんでしょうけれども、制作局の文化・福祉番組部の分割というのがこれ一部マスコミでも報じられております。私も疑問点が多いと感じておりますので、これについて一つ二つ伺います。 組織改編の目的、そして制作局の八つの部の中で硬派な教養番組なんかを手掛けてきた、NHKの良心とも言われている数々の番組制作してきた文化・福祉番組部、ここだけがどうして分割ということになるのか、教えてください。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。 制作局は、二つのセンターと八つの部を廃止して、ジャンルに基づくグループ構成にする業務体制の再編を今検討しております。これは、限られた経営資源の中で一人一人の専門能力を最大限に生かして、視聴者の皆様に最高水準の放送サービスを継続的にお届けするのが目的です。専門性の異なる集団の交流が盛んになることで、幅広いスキルを持つ人材育成を図り、制作局を公共放送が目指す多様で質の高いコンテンツやサービスをお届けできる組織にしていきたいというふうに考えています。 今回の案は、こうした組織改正の目的を達成するために最善のものだというふうに考えております。引き続き、文化番組や福祉番組を制作する体制はしっかりと確保していきたいと考えています。
○杉尾秀哉君 現場の方はどうもそうは思っていらっしゃらないみたいですよ。私、持っているんですけれども、これ現場の方のこの部の要望書。七十三人の部員の方のうちの七十二人、もう一人は海外留学、つまり、ほぼ全員が説明の場を求めています。そして、実際に説明会でこの部の部長さんがこういうふうに発言されているそうです。弱者の視点や反権力の姿勢を守ってきたこの部、こうした部が分散、消失するのはよくない、こういうふうに発言されている。 こうした現場の声、中には怒りの声、疑問の声、これトップにはどういうふうに届いているんでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 組織改正は、創造性と効率性をより発揮し、視聴者の求める新しい放送サービスを戦略的に開発するとともに、一人一人が専門性を生かしながら多様な能力を発揮できる組織としていくことが狙いであります。 制作局の幹部には、放送現場の職員の声も聞きながら、組織改正の目的や狙いを職員一人一人にしっかりと理解してもらうために丁寧な説明を続けてもらっております。
○杉尾秀哉君 これ、通告していないんですけれども、会長は、就任されてから、NHKのドキュメンタリー番組で物すごく感動したという番組ございますか。
○参考人(上田良一君) 実は、私も大変多くの、NHKに来てからほとんどの時間、空いた時間はテレビを見ることに費やしていまして、今話題になっております「ETV特集」とか、こういったやつはほぼ必ずと言っていいように録画して見ております。ニュースも、基本的には大きなニュースは全て見ております。
○杉尾秀哉君 今、「ETV特集」をほぼ全て見る、そのつまり「ETV特集」の部署をばらそうというふうにしているんですよね。民放でこうした、特に硬派で、マイノリティーであるとか社会的弱者とか国際問題なんかも、なかなかやっぱり経費のことを考えると、それから視聴率のことを考えると民放はやっぱり厳しいんですけれども、やっぱりNHKだからこそ、組織に余裕があるから、お金があるからこそこういう番組ができる。こういうのは決して数字とか効率では測れないと思うんですよね。 その辺についてのテレビジャーナリズムということについての考え方と、それから先ほど会長がおっしゃったように、体制は、放送局長もおっしゃいましたけれども、守りますというふうにおっしゃるんだったら、予算、人員配置でこれまでと変わらないそうした番組作りの体制が、どういうふうに組織を改編しても守っていきますというふうに言っていただけますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 「ETV特集」や「ハートネットTV」では、様々な社会問題をテーマにしたドキュメンタリーを制作いたしております。中でも、マイノリティーや困難を抱えて生きる人々の目線に立つことは、番組制作にとって大切な視点であると考えております。 これまで同様、視聴率に左右されることなく、創造性と効率性を共に追求しつつ、公共放送として取り組むべきテーマにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○参考人(木田幸紀君) 来年度の番組改定、番組編成でも、「ETV特集」や福祉番組のメーンであります「ハートネットTV」などはそのまま継続いたしますし、細かな運用はこれからですけれども、そういったジャンルに基づいたグループの編成替えということですので、人員及びその予算等々も大きな変化はないものというふうに考えております。
○杉尾秀哉君 「あさイチ」みたいなああいう人気の、数字のいい番組と同じユニットになるということで、最近NHKは、いい意味も含めてすごく数字を気にしていらっしゃるところがある。数字を優先していくと、どうしてもやっぱりこういった効率の悪いところがどんどんどんどん、今はおっしゃいますけれども、縮小される可能性があるというふうに思いますので、今の言葉はしっかり守っていただきたいということ。 一点、ちょっと気になったんですけれども、資料の二枚目に配らせていただきましたが、今回の組織改正の検討についての一部報道を受けて出しているコメントが、非常に、何というか、こういうコメントを出すのかなと思うところがありまして、一部に、あたかも政権にそんたくをして組織改編を行うかのような印象を強く与える一部報道があるけれども、このような事実は一切ありませんという、わざわざそんたくという言葉まで出して、これホームページですからね、ちょっと私は過剰反応ではないか。 先ほどの又市委員の指摘もありましたけれども、最近NHKの報道が変だというのはいろんなところで聞きます。今日のこの放送を御覧になっている方の中にもそういうふうに思っていらっしゃる方はいらっしゃると思いますので、ここについてはもう余り時間がないので深く聞きませんけど、もう一点、去年の、ちょうど一年前のNHKの審議で、私、Kアラートという言葉を御紹介いたしました。 Kさんという報道局長さん、森友問題で報道現場に細かい指示を出していると、こういう指摘で、私は内部告発に基づいてこういった事実があるかというふうに質問しましたところ、放送総局長さんが全面否定されました。その認識にお変わりありませんか。
○参考人(木田幸紀君) 昨年三月二十九日の当委員会で杉尾委員から御質問いただき、私は次のように答弁させていただきました。 NHKは、報道機関として自主的な編集権に基づいて放送しております。放送に当たっては、国内番組基準に基づき、報道の担当責任者が総合的に判断してニュース、番組を制作しております。実際の業務運営では、各担当責任者が時間帯ごとにその日に起きた様々な分野のニュース全般を見渡しつつ、重要度や緊急度、さらには視聴者の関心の度合いや広がりといった要素を勘案して総合的に判断しているものであります。御指摘になったような事実はございませんと答弁しました。 当時お答えしたとおりであります。
○杉尾秀哉君 ところが、森友問題でスクープを放っていた、まあ記者の名前は言いませんけれども、NHKの元記者の方が「安倍官邸vsNHK」という本を出されており、ここにあります、出しませんけれども、この中で同じことを書いているんですね。報道局長さんが報道現場に事細かく口を出して、Kアラートというふうにやゆされていると、こう書かれているんです。 これは違うんですか、じゃ。
○参考人(木田幸紀君) この本に関しましては、NHKとしては確認を行った上で、主要な部分において虚偽の記述が随所に見られる上、NHKの未放送原稿を規則に反して持ち出し、加工した上で公表もしており、極めて遺憾であるというようなコメントを出しております。 御質問につきましては、取材の、制作の過程に触れることでもあり、お答えは差し控えさせていただきます。
○杉尾秀哉君 天下のNHKが、報道機関が根拠も示さずにこういうコメントを出しますか。 主要な部分において虚偽の記述が随所に見られる。何が主要な部分で、随所に見られるって、じゃ、何か所あるんですか。それぐらい言わなければ説得力ありませんよ。
○参考人(木田幸紀君) NHKは報道機関として自主的な編集判断に基づき、正確、公平公正、不偏不党の立場を守り、放送を行っております。取材や制作の過程につきましては、報道機関としては取材源を秘匿する観点などからもお答えしておりません。 御質問につきましては、具体的な固有名詞を含め、取材、制作の過程に触れることにもつながり、お答えはいたしかねるということを御理解いただきたいと思います。
○杉尾秀哉君 時間がないから余りしませんけれども、そういうコメントは納得できません。箇所数ぐらい言ってもらわないと。 さっきのコメントもそうなんですけれども、今のコメントもそうなんですが、こんなにすぐ断定するなんてあり得ないですよ。しかも、さっき又市議員から沖縄報道もありましたけれども、「日曜討論」の総理の発言で、サンゴは全て移植しております、希少生物は全てさらって移しております、これについても物すごくいろんな批判がある。NHKは一切何の検証もしていないんですよ、物すごく批判が来ていると思いますけれども。 私は、こうしたいろんな御意見はあると思います、事実関係が微妙な問題あると思うんですが、報道機関なら、報道機関であるならば、検証する場をきちっとどんな形でもいいから設けた方がいいと思うんですけど、いかがでしょうか。
○参考人(木田幸紀君) NHKは、先ほど申し上げましたように、自主的な編集判断に基づき、正確、公平公正、不偏不党の立場を守り放送を行っておりますが、いろいろな御意見があることも一方では承知しております。謙虚にそこは耳を傾けて、これからの放送に生かしていきたいというふうに考えています。
○杉尾秀哉君 最後に一言。ジャーナリズムについての考え方、短く、上田会長、話してください。それで終わります。それで終わりです。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKは、報道機関として、放送法にのっとり、事実に基づいて、公平公正、不偏不党、何人からも規律されることなく自らを律して放送に当たるということが極めて大事であると考えております。 視聴者の信頼をベースに成り立っている私どもとしては、これを深く心に刻んで今後の業務に当たってまいりたいと、こういうふうに考えております。
○杉尾秀哉君 じゃ、守ってください。 ありがとうございました。
○森本真治君 国民民主党・新緑風会の森本真治でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 〔委員長退席、理事石川博崇君着席〕 これまでの委員の皆さんの質問と幾つか重複するようなところもあろうかと思いますけれども、通告に従って順次質問もさせていただきたいと思います。 NHKさんの方にお伺いする前に、最初に総務大臣の方にまずはお伺いをしたいと思いますけれども、今回のこの収支予算や事業計画等を提案をされたに当たって、大臣としては意見を提出すると、意見を表明するということになっております。NHKが公共放送の担い手としてのこれからも社会的使命を果たしていくために、更なるNHKの進化、発展、これは私自身も期待をしたいところでございますけれども、その時々によって時代の状況が変化をする中で、その状況に的確に対応をしていただかなければならないわけです。 大臣として、これからのNHKに対して、その使命を果たしてもらうために、現状の課題、さらには具体的にこのようなところに特に力を入れてもらいたいということ、改めて大臣の口からお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石田真敏君) NHKの平成三十一年度予算に対して付したあの総務大臣意見、これで課題について指摘をいたしておりまして、まず一つは、受信料の公平負担や経費節減の徹底に取り組むとともに、受信料額の適正な水準を含めた受信料の在り方について引き続き検討を行うこと。二つ目には、相次いだ不祥事の再発防止に向け、ガバナンス強化とコンプライアンス徹底に全力で取り組むこと。そして三つ目に、二度と働き過ぎによって尊い命が失われることがないよう、働き方改革に徹底して取り組むことなどの指摘を行っているところでございまして、国民・視聴者の受信料によって支えられているNHKにおいては、こうした指摘も踏まえて、公共放送としての社会的使命をしっかり果たしていただきたいというふうに考えております。
○森本真治君 今大臣がお話をされた中で、まず一つ、経費の節減ということですね。 この大臣意見の書面にもあります、聖域なく徹底的に経費節減に取り組むということですね。その一方で、例えば、ガバナンスの強化であったり、働き方の部分もやっていかなければならない。もちろん、番組内容の充実という部分、そこを両立をさせていかなければならないということなんですね。 よくこの経費節減とかいうようなときに、例えば一つ、行革と言うときに、行政改革というようなこともよく政治の世界でも言われるんですけれども、例えば無駄の部分についてその経費を節減していくというだけならいいんだけれども、本当に必要な部分についてまでコストカットをしていくとか、さらに、スクラップ・アンド・ビルドといいます、スクラップをしても新たなニーズに対してしっかりとそこに対応していかなければならないんだけれども、スクラップだけに終わってしまって、本来の目的が実現できていかなければ何の意味もないということですね。 NHKさんにお伺いしたいと思うんですけれども、私は、やはりこれからの時代に対応する中での社会的使命を果たしていくという中の一つに、やはり今本当に我が国にとっても情報が非常に氾濫をしているという時代です。ネットなんかでも様々な情報を、国民は簡単にその情報を入手できる時代になりました。 しかし、その一方で、その情報の正確さですね、例えばフェイクニュースというような言葉もよく言われます。様々な情報が氾濫する中で、NHKはしっかりとこれからも正確な情報、それを届けていく。そして、時には、国民が求めるものではなくて、国民が本当に生活をしていく上で必要な情報を積極的に届けていく。これもNHKにとって非常に重要な私は役割だと思います。 〔理事石川博崇君退席、委員長着席〕 そのような情報の更なる質というものを求めていくためには、これは私はやはり手間が掛かると思いますよ。人もしっかりと充実をさせて、そして、裏取りなどもそうですけれども、しっかりと真実を見極めていく。実は、これって経費節減の部分と私は本当に衝突する大変難しい課題ではないかというふうに思うんですね。 そういう面で、NHKとして今後より精度を上げていくために、更なる質も量も、NHKの人の部分も含めて重要になってくると思うんですけれども、NHKの考えを、会長の考えをお伺いしたいと思います。
○参考人(松坂千尋君) 今御指摘がありましたけれども、今の三か年の経営計画の中で六つの公共的価値というものをNHKは掲げております。その最初に、正確、公平公正な情報で貢献ということを掲げております。インターネットの浸透などで様々な情報が拡散する時代に、公共放送、公共メディアとして正確で迅速なニュースですとか質の高い番組を提供して、信頼される情報の社会的基盤の役割を担っていく、これ非常に重要だと考えております。そのためには、一定の要員の確保と質の高い人材の確保、引き続き重要だと考えております。 その一方で、NHKには効率的な業務体制も求められておりまして、今後の重点業務ですとか新しい業務にしっかり対応していくためには、既存業務を見直して要員をシフトしていくことが基本と考えております。 職員の採用などに当たりましては、メディア環境の変化などを踏まえまして、デジタル関係など新しい業務に対応できる人材の確保を目指すほか、その育成にも力を入れていきたいと思います。また、育児休職制度を利用する職員が増えていることなどを踏まえて、多様な働き方を一層支援するために、今年度二〇一八年度に引き続き、来年度二〇一九年度も要員を十五人増員しまして、安定的に必要な業務が遂行できる体制を整備することにしております。
○森本真治君 ある意味、その量の部分も含めて充実をさせていかないと、一人一人の職員さんに掛かっていく負担がやはり今後の時代の中で非常に増えていくということも懸念をされる。その一方で、これまでも議論もありますし、今回も大きな重点的な項目だと思います働き方改革のことも、これまでも議論をされてきたわけでございます。 それで、冒頭に会長の方からも、十二月に公表したNHKグループ働き方改革宣言の実現に向けた取組ということが説明があったんですけれども、ちょっと具体的な中身が冒頭は説明がありませんでしたので、この実現に向けて具体的に取り組む内容、ポイントで結構ですので御答弁いただきたいと思います。
○参考人(松坂千尋君) 働き方改革は全局的な体制で推進しております。例えば、会長以下の全役員から成る働き方改革推進会議のコア会議というのを毎月一回やっておりまして、ここではどういうことをやるかといいますと、全国の職員の中で業務が少し長時間労働になっているようなところはないかというようなことを全役員で共有して、その対策などに取り組むことにしております。 一例などを挙げますと、例えば、放送現場の取組の中では、地域放送局への支援というものもございます。大阪放送局では去年四月から、全国遠隔編集支援センターというものを稼働させました。これは、要員や機材が多い大阪局が、各地の地域放送局からニュース映像を送ってもらって、代わりに編集を行って地域放送局に送るということで、業務の効率化や地域局の負担軽減につなげる取組であります。 そのほか、災害時などには、生活に密着したライフライン情報を東京の本部や地域拠点局が取材してインターネットで地域局に送ったり、L字という画面表示の作成を東京や拠点局が支援したりするような取組も進めております。こういった様々な取組などによりまして、職員の年間総労働時間の削減ですとか、休暇の取得の増というようなものを進めております。 来月四月からは、改正労働基準法が施行されます。引き続き、長時間労働に頼らない組織風土づくりを工夫をしながら進めていくとともに、業務の効率化、スクラップにも取り組んでまいりたいと考えております。
○森本真治君 適正な労働時間を追い求めていくという中で、質を下げてはいけないという中で、いろんな効率化を求めて、その中で、例えばAIとかIoTとかよく言われますけれども、そういう技術革新のものを大いに活用していく。でも、そこの部分をどんどん強化していこうとした場合には、やはりそれなりの投資も必要になりますね。繰り返しになりますけれども、人の充実をしていこうと思っても、そこも更なるコストも投資も必要になってくる。 そういう中での今回の収支計画、これが赤字の収支計画を今回組まれたということでの様々質問もありましたけれども、やはり今後、中長期的な視点に立って、中長期的な視点に立って今回値下げにも踏み切ったというようなこともありましたけれども、本当に、この長期の視点、中長期の視点に立ったときに、今後の財務計画、本当に今回の設定が適当なのかどうかということ、まだちょっと私も疑問もあります。改めて、しっかりとその辺りについては検討されたのかどうかということ、中長期的な視点に立ってですね、お伺いしたいというふうに思います。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。 受信料の公平負担の徹底の取組に加えまして、おととし十二月の最高裁判決以降、自主的に受信契約を申し出る方が増えたことによりまして、当初の計画を上回る形で受信料収入を確保できる見通しとなりました。 また、毎年度の事業収支差金が生じまして、財政安定のための繰越金は一千億円を超える規模に増えております。この繰越金を適正な水準、事業支出の一〇%強に維持することに努める必要がありました。 こうした状況を踏まえまして、中長期の収支の見通しなどを検討し、収支相償の原則から早期に受信料の値下げを実施する必要があると判断したところであります。
○森本真治君 ちょっと今の御答弁を聞きますと、繰越金ですね、これを適正化をしなければいけないというような中での今回その料金の値下げなどというようなふうに、私はそこが主要にもちょっと聞こえたんですね。本当に、これから時代のスピードがすごく速いこの情報通信、放送の分野もどんどんといろんなことがこれから起きていくというような中で、例えば同時配信の話ももうこれまでもありましたけれども、本当に放送の方を中心に、まあインターネットの部分が補完的なというような関係が、これ例えば十年先でも本当にそうなのかというところがもう劇的に今変化していますから、先ほども吉川委員でしたか、お話がありましたけれども、私も、特に若い世代の人たちと、どのような手段で情報を得ているのかというときに、新聞でいろんな情報を得るという人がもうほとんど、この間も何かちょっと集まりをしたときにも、いない。じゃ、ニュースとかテレビとかといっても、テレビもほとんどもういない、ほとんどがネットというようなことが、これは直接私も実感として、十歳ぐらいしか、一世代ぐらいしか変わらないんだけど、もう全然変わったんだなというようなことも感じた一人ですね。 さらに、このインターネットの部分についての受信料の中からの割合の話もさっきありましたけれども、今回新たにNHKとしては一つチャンスというか可能性が広がるわけですね。いろんな領域がこれから増えるという中での今回の予算の見通しというか、インターネット分野についての、その部分もこれまでと変わらぬ方針でやるというのがどうもちょっと私にはなかなかすんなりと理解ができないところもあるんですね。 そういう面で、もう一つなんですけれども、実は、NHKの方も、これ昨年の九月だったと思うんですけれども、総務省の方とありましたでしょう、放送を巡る諸課題に関する検討会というのがあって、NHKとしても意見表明をされていますね、これは昨年の九月ですけれども。このとき、NHKさんとしては、料金などについても次の経営計画、次の経営計画の策定のときに一定の結論を得ると昨年九月の段階で言っているわけですよ。 恐らく、次の経営計画でしっかりとした中長期計画を作って、まずそれを作って、それに合わせて料金の在り方も私は検討するんだということが当初のNHKの方針だったんではないかなと、この資料を見ると思ったんですが、突如、この数か月の中でこの値下げにまで踏み切ったということなんですね。 ちょっとその辺り、何がNHKの判断として変化が起きたのかなというのが、これ短期間でですよ。だからこそ、短期間だからこそ拙速にこれは判断したんではないかなというふうにもちょっと思わざるを得ないんですよ。ちょっとその辺りを説明してください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 収入につきましては、公平負担の徹底にしっかりと取り組んできたことに加えまして、おととし、平成二十九年十二月の最高裁判決以降、自主的に受信契約を申し出る方が増えたことなどによりまして、当初の計画を上回る形で受信料収入を確保できる見通しとなりました。 一方で、支出につきましては、計画の策定段階では十分に見通せなかった4K、8K放送への対応や東京オリンピック・パラリンピック対応など、大型の支出への備えに一定程度のめどが立ちました。 今後、世帯数の減少やテレビ保有率の低下など、経営環境が厳しさを増すことを見据えつつ、NHKが果たすべき公共の役割や中長期の事業計画、収支の見通しなどを真剣に検討し、収支相償の原則にのっとり受信料の値下げを実施すべきだと判断し、今の三か年計画の修正案を経営委員会に議決していただいた次第です。
○森本真治君 これまでも、4K、8Kやオリンピックへの対応などの一定のめどが付いて今回の判断だというお話もこれまでも説明されていると思います。 ちょっと繰り返しになりますけれども、やはりその4K、8Kやオリンピックの対応で終わりじゃないですね。どんどんとこれから環境が変化していく中で、しっかりとしたもっと分かりやすい中長期に向けてのビジョンであったり方針、そのインターネットの活用も含めてですよ、そこをしっかりと示していただいて、その中で財務についてもこのようになっていくんだという、ちょっと何かその順番が違うような形で私は進んでいるんではないかというようなことをちょっと心配をするものですから、さらに、先ほど言いましたように、情報の質もどんどんどんどん上げていかなければならないという時代ですから、そのことをちょっと私の方から指摘をさせていただきたいというふうに思います。 それと、今回、その受信料の値下げということなんだけれども、なかなかこれ、ちょっと受信料を下げることについて、多くの国民の皆さんは当然これは評価をされることだと思うし、何か、下げることを反対というふうにちょっと取られたら、ちょっと気を付けて私も発言をしなければいけないんだけれども、一度これ受信料を下げると、本当に時代の変化の中で今度上げるということはなかなか私難しいというふうにも思うんですよ。 そうすると、そこは慎重にする中で、ただ、やっぱり国民への還元といったときには、私は、今様々な減免措置ということもやられていますけれども、そのところをしっかりと今後対象を広げていくということをやっていくということも、これは非常に順番としては意味があるんではないかなというふうに思います。 昨年夏、私、地元広島なんですけれども、あの豪雨災害、非常に苦労しました。被災者の皆さん、また避難をされた皆さん、様々な中で困難な生活を直接経験をされた、経験をした一人でございます。例えば、そういう被災者の方とか、突発的なそういうアクシデントに見舞われた皆さんに対しての緊急措置的な減免措置みたいな、そのようなことも今後考えていく。情報は必ず要りますので、そういう人たちは。そういうところも今後ちょっと考えていくということ、そのことについてもちょっとお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○参考人(松原洋一君) お答えします。 現三か年経営計画においては、受信料収入の増加と業務全般にわたる経費の削減によって三か年で百七十億規模の原資を生み出し、会長の諮問機関であるNHK受信料制度等検討委員会の答申や視聴者の皆さんから寄せられる御意見も踏まえて、社会福祉施設への免除の拡大、奨学金受給対象などの学生への免除、多数支払における割引、設置月の無料化の四つの負担軽減策を実施することにしました。 今回修正した経営計画では、公平負担の徹底に取り組んだことと、先ほどから申し上げていますように、二〇一七年十二月の最高裁判決以降、自主的に契約を申し出る方が増えたこと等により、計画を上回る収入を確保できる見通しとなったこと、一方、4K、8K放送の設備投資など大型の支出に対する一定のめどが立ったこと等を踏まえて、二〇一八年度の受信料収入見込みの四・五%程度となる値下げを行うこととしました。 受信料の還元については、免除とか割引など特定の視聴者を対象にした負担軽減策と全ての視聴者を対象にした値下げなど、選択肢があるというふうに考えています。その時々の社会経済状況、それからNHKの財政状況などを踏まえ、中長期的な見通しを持った上で慎重に検討すべきだというふうに考えています。 なお、委員御指摘の災害については、今の制度の中でも災害免除という規定がありますので、それに基づいて対応しているということでございます。
○森本真治君 財政安定のための繰越金が、ある程度適正な繰越金の額が大体八百億ぐらいだということを先ほど御答弁もあったわけでございますけれども、二〇二〇年度にはもう六百億強ぐらい、六百二十二億までこれは減らしていくという、これ、短期でももうそういうような計画もあるわけでございまして、この収支計画の組み方、もうちょっと長期的な視点、しっかりと作っていただきたいなというのが率直な思いでもございます。 少し災害の関係も今ちょっと触れさせていただいたので、もう一つ。 NHKさんの方針として、より安全・安心な暮らしへ、防災・減災、緊急報道、復興支援を充実という項目もあります。ちょっと私の方から今日は一点提案というかしてみたいと思いますので、是非その辺りも検討をしていただいたら幸いだなというふうに思うことがあります。 今、デジタル放送になって、マルチ編集というのがありますね。一つのチャンネルで同時に二つの番組を放送するという仕組みがあって、よく私も見させてもらうのが、プロ野球が、放送時間が終わったらサブチャンネルの方にチャンネル変えてくださいということで、そのまま見ることができるということで、以前はよく放送時間が終了して一番クライマックスの終盤の面白い時間帯にテレビの放送がなくなるということでやきもきした多くの国民、今はきちんと最後まで見れるようなそういうことがあって、これは大変私もプロ野球のファンの一人として喜んでおるところでございますけれども。 私は、このサブチャンネルをこの災害情報とかいろんな生活情報に活用できないのかなとちょっと実は思ったんですね。というのが、よく災害時とか気象のいろんな情報などを流すときに、画面の上とか下に順番にこう流れていくんですね、一部、というのはこれよくやられていただいております。 特に私も昨年の経験の中で、これ、被害が広域でいろんな情報がたくさん流さなければいけないときに、自分の地域の情報が一回流れたら、次の情報、自分の地域の情報が流れてくるまでに相当時間が掛かるわけですよ。あと、交通情報とかもそうですね。自分が使おうと思っている交通機関が今不通になっていますよとか運転再開しましたよという情報も、今から出るのか、もうさきに終わってしまっているのかということで、なかなかそれがうまくその情報活用できていない人もたくさんいらっしゃるんではないかなというふうに思っている中で、このサブチャンネルで、それこそ異常時に二十四時間これを流し続ける。もう画面も上の方とか横の方だけじゃなくてたくさんありますから、そこを、これ、しかもこのサブチャンネルって地域限定でそれぞれ情報を細かくできますよね。 というようなことにも活用をこれしていくことは、今後の特にいつ災害が起きるか分からないような状況の中で、NHKとしてしっかりとこれは役割を果たしていけるんではないかなとちょっと思ったので、少し思い付きのところもありますが、技術的なことも含めて、こういうことが対応できるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。 災害時に防災・減災のための情報、生活情報などを地域ごとにきめ細かく伝えることはNHKの使命であり、テレビ、ラジオ、データ放送、L字放送、インターネットなど、あらゆるメディアを使って情報を発信しております。 今先生御提案のマルチ編成ですけれども、これはメーンチャンネルかサブチャンネルのどちらか一方しか視聴できないために緊急に伝えるべき災害情報が伝わらないケースが想定されるなど、まだ課題があるのではないかと考えております。ライフライン放送等を実施する際には、データ放送とかL字放送、インターネットにも情報を発信し、放送で伝え切れない詳しい情報を視聴者が必要なときに得られるようにしております。 このように、それぞれのメディアの特性を生かして、地域のきめ細かな災害情報、生活情報の提供に努めていきたいと考えております。
○森本真治君 メーンチャンネルの方でサブチャンネルの方には今こういう情報が流れていますというようなフリップというかテロップとかを流しておけば、きちんとそれがあるというのが分かるわけで、そちらに切り替えれば本当に見たいときに、情報が欲しいときにそちらで見られるんじゃないかなというふうにも思ったので、ちょっとその辺りはまたいろいろ教えていただいて、NHKさんだけに限らず、いろんな情報発信の仕方の中で私も研究もしてみたいと思いますので、ちょっとその辺りはまたいろいろと教えていただければというふうに思います。 それで、ちょっと時間の方が残り少ないので、最後にもう一つだけ。 これ、ラジオの在り方のことなんですけれども、これは昨日だと思うんですけれども、これは民放連さんですね、日本民間放送連盟が、二〇二八年までにAMラジオをやめてFM放送に乗り換えるようにということでいろんな動きをされているというふうなちょっと報道を見たんですね。 私は、ラジオって、特にAMラジオ、私も特に移動中とか車の中はよくラジオを聞くんですけれども、FMラジオって結構地域が限定をされていると思うんで、例えば移動中とかだとAMラジオの方がずっと聞けるというようなメリットもあろうかというふうに思うんですけれども、NHKさんとしては、ラジオについてFMの方にというような考えは持たれているのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。 今月二十七日に開催されました総務省の放送事業の基盤強化に関する検討分科会におきまして、民放連が御指摘のような意向を示されたことは承知をしております。 NHKは、放送法第十五条で、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで良い放送番組による国内基幹放送を行うことなどが求められております。今後もこうした役割をきちんと果たしていく必要があると考えております。 NHKのラジオ放送に関しましては、現在放送しています各波とも、それぞれ独自の役割を果たしているものと認識しているところであります。
○森本真治君 基本的な方針は特に何か変化をするということはないんだというふうに思いますけれども。 それと、あと一問だけ、ちょっと申し訳ございません、お答えできればというふうに思いますけれども、そのラジオの在り方ですね、特に災害時など、特に避難所など、昨年の私も避難所、テレビなんかも設置大分してもらったところもありますけれども、そうでないような地域もたくさんあれば、やはりラジオの役割というのは非常に大きいというふうにも思います。 熱烈なやっぱりラジオファンという方は多分まだまだたくさんいらっしゃると思いますし、私も深夜放送で青春時代を過ごした一人でございますから、深夜に聞くラジオの良さというのも、今でもちょくちょく聞いたりも、「ラジオ深夜便」なんかは本当に心が癒やされるような番組だというふうにも思いますし、しっかりとそこの部分の、求める人たちも多いと思うし、こういう時代ですけれども、ラジオというものは私はまだまだその重要性というのは大事なのではないかなというふうに思います。 なかなかこのNHKラジオの部分についての議論がちょっと今日もなかったものでしたから、NHKとして、このラジオ放送の役割、在り方、どのように今後も考えているのかということも最後にちょっと、突然で申し訳ないんですけれども、御答弁いただければというふうに思います。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。 先ほど申し述べましたように、放送法第十五条で、あまねく日本全国において受信できる放送ということで、国内基幹放送でラジオということがあります。 御案内のように、ラジオ第一は、安全、安心を担う音声基幹波ということで、命を守り、暮らしに役立つ情報を届けるということになります。それから、ラジオ第二、これは生涯学習波ということで、視聴者の多様な知的な関心、欲求に応える番組ということになっています。それから、FM放送、これは先生言われたように総合音楽波ということでありますけれども、災害時の緊急時にはライフライン情報の提供も行うということで、より地域情報波として公共放送としての役割をこうしたラジオ放送で担っていきたいと考えております。 いずれにしましても、音声波を含むメディアの在り方については、まさにインターネットがこれだけ普及する中、課題の一つというふうに考えておりまして、我々としても、デジタルラジオというものも「らじる・らじる」というものを始めておりますので、そうしたことをやりながら、国民から信頼される情報の社会的基盤の役割をしっかり果たせるように取り組んでまいりたいというふうに考えているところです。
○森本真治君 ありがとうございました。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 私は、NHK経営計画の五つの重点方針に沿って質問をさせていただきます。 まず、公共メディアへの進化でございますが、国会中継への字幕付与、これについてお尋ねをいたします。 国会中継への字幕付与ですが、昨年の臨時会から、衆参の本会議の所信表明演説や代表質問で開始いたしました。これは、公明党バリアフリー施策推進プロジェクトで要望したものでございます。しかし、予算委員会等ではまだ行われていないということでありまして、今後更なる拡充が望まれます。 そこで、上田会長に二問一緒に質問させていただきますが、一つは、予算委員会は国民の関心も高いということで、本会議にとどまらず予算委員会につきましても字幕付与を行うべく、国会中継への字幕付与についても今後検討を続けていただきたいということであります。二点目がNHK予算の審議についてで、まさにこの委員会であります。これは生中継ではなく録画で放送されますので、今日のNHK予算の審議に対して字幕を付与することを是非検討していただきたいんですが、その二点、お答え願います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 まず、一点目、国会、予算委員会も含むですけれども、国会中継に関しましては、事前の取材などにより正確さを高いレベルで確保できるだけの準備が可能だと判断した場合に字幕を付与しておりまして、先生引用していただきましたように、昨年十月の臨時国会では所信表明演説や代表質問に字幕を付与し、今の国会でも政府演説、代表質問に字幕を付与いたしました。 高いレベルで正確さを確保するよう努めていますが、聞き取りにくい言葉を字幕でうまく表現できないなど、誤りを完全になくすことは難しく、正確に字幕が付与できる状況は限定的でありまして、委員会のように、予算委員会も含みますけれども、発言があらかじめ想定しづらい場合には正確な字幕付与はより難しくなっております。今後も、正確性、公平性を損なわずに国会審議の放送に字幕を付与できる条件が整う場合には、字幕を付与するように努力してまいりたいというふうに考えております。 また、本総務委員会、このNHK予算の審議の件ですが、録画番組の字幕につきましては、生放送番組とは異なる工程で付与いたしております。作業には通常数日を要しておりまして、今夜録画放送を予定しているNHK予算審議の番組に字幕を付与することは大変難しいことを御理解いただきたいと思います。 実際に字幕制作をお願いしている会社によりますと、四十四分の番組に字幕を付与する作業には、台本がある場合でも十五時間掛かっております。四時間を超える国会中継録画の場合、この総務委員会ですが、字幕を付与する作業は相当程度の時間が必要となります。 字幕付与については技術上の様々な課題があります。今後、新しい技術の開発を含めて研究し、より良い放送ができるようにしっかりと努力してまいりたいと考えております。
○若松謙維君 是非、AI等の活用も含めて今後御尽力いただきたいと思います。 それでは、パネルを使ってお話を進めさせていただきます。(資料提示) 東日本大震災の報道につきましてでありますが、東日本大震災から今月で八年が経過いたしました。 今月、私ども公明党福島復興加速化本部で特定復興再生区域の双葉駅や夜ノ森駅を視察しました。来年三月までに常磐線が全線開通ということで、ちょうどこの、見えますかね、ここに常磐線がありますけれども、これが来年三月に全線開通になるわけでありますが、その多くがいまだにいわゆる帰還困難区域、いわゆる避難指示が解除されておりません。 ですから、現在、例えばここではJR双葉駅がありますが、その駅並びにその周辺だけの除染、そして駅の改修が今急ピッチで行われまして、そうしますと、この駅周辺部分の避難指示解除が行われて初めて乗降客が駅に降りることができると、こういうことになります。 そして、この近くに中間貯蔵施設と福島第一原発があります。ここまで実は歩くことができません、避難指示解除になっていないわけでありますから。ですから、駅で、解除指示があって降りることができる、そしてすぐバスに乗って、いわゆるストップ・アンド・ライドという形で作業所に行くと。この原発、そして中間貯蔵施設、約一万人ぐらいの方が作業をしていただいているという、これが現実であります。 じゃ、これ点的なんです、これを面的に、ちょうど特定復興再生拠点区域、これが去年から始まりまして、約五年、とにかく五年以内に解除しようと。これも一部であります。こういう本当に気の長いこの面的環境再生、避難指示解除には時間が要するということであります。 そこで、もう一つ、そういう現実もありますが、明るい話題も実は増えております。 今現在、福島県の浪江町に建設中の福島水素エネルギー研究フィールド、パネルの二ですから、資料二枚目を見てください。 この福島水素エネルギー研究フィールドでありますが、ここで実は、太陽光の二酸化炭素排出のないエネルギーで水素を作っております。そして、一日フル稼働しますと五百六十台のいわゆる燃料電池車の水素が供給されると。この一部を東京オリンピック・パラリンピックに持っていき活用するということが検討されておりまして、秋からいよいよ実証的な生産が開始となります。 さらには、福島県産の日本酒が全国新酒鑑評会で史上初の六年連続第一位ということもありました。明るい話題も増えているわけであります。 震災を知らない、記憶が余りない世代も増えている中で、被災地は風評、風化と、風評被害と風化の二つの風に直面し、苦しみ闘っているのが現実であります。風評・風化対策についてどのような方針で報道を行っていくのか、お尋ねをいたします。
○参考人(木田幸紀君) 若松委員が今御指摘された福島県浪江町の福島水素エネルギー研究フィールド、また福島県産の日本酒が史上初で六年連続の日本一になるなどという明るい話題もニュースや番組でお伝えしているところです。また、東京オリンピックの聖火リレーは、来年三月二十六日に福島県の原発事故の復旧作業に当たる方々の活動拠点であったJヴィレッジからスタートし日本中を回ると、こうしたニュースもしっかりお伝えしてまいります。 風評被害を発生させないような報道に努めることが極めて重要なことだと認識しておりまして、そのためには何よりも正確な情報を速やかに伝えることが大切だと考えております。引き続き、農産物や水産物の安全を訴える催しなども随時取り上げ、国内放送はもちろん国際放送でも広く海外に発信するなどして風評被害の防止に努めていきたいというふうに思います。 また、風化に向き合うことも極めて重要であり、三か年経営計画の中で、防災・減災、緊急報道、復興支援を充実させるため、東日本大震災など大規模災害の課題に向き合う番組、復興を支援する番組や応援キャンペーンを積極的に展開することを明記しております。 東日本大震災の教訓を今後も伝え続けていくことは、次の災害の際に被害を減らす防災・減災にもつながるものであり、公共放送、公共メディアNHKの重要な使命であります。今後も、被災地の現状や復興の課題を浮き彫りにする報道、放送を続けてまいりたいと思います。
○若松謙維君 是非、事実の報道は大事であると同時に、先ほど風評ですか、風評が拡大しないように、かつ復興に今本当に頑張っている方々に勇気を与えるような報道を是非心掛けていただきたいと思います。 次に、放送とインターネット同時配信についてお尋ねいたしますが、現在、NHKの地デジ、BSの契約は約四千百万世帯と。で、NHKオンデマンドの登録利用者は二百万人に上るなど、インターネット配信で番組を見る人も増えております。インターネットはもう生活に必要なツールである時代でありまして、当然、放送とインターネット常時同時配信のニーズはあると思います。 放送法との関係で課題もあると思いますので、総務省としてどのように対応していくのか、國重政務官にお伺いをいたします。
○大臣政務官(國重徹君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、スマートフォンの普及、インターネットを活用した動画配信サービスの登場などの視聴環境の変化、また情報通信技術の発展など放送をめぐる環境の大きな変化に伴って、スマートフォンなどを用いて様々な場所においても放送番組を視聴したいという国民・視聴者の皆様の期待は高まっております。 NHKがそうした期待に応えられるよう、総務省といたしまして、NHKによる常時同時配信を可能とする放送法改正案を今国会に提出しているところであります。民放各局におきましても、近年、スポーツやニュースを中心に、総務省の予算も一部活用しながら、同時配信のトライアルを進めております。 総務省としては、引き続き、国民・視聴者の皆様のニーズに応じた放送コンテンツのネット配信、活用を後押ししてまいります。
○若松謙維君 ということで、タイムリーな今国会の審議ということだと思います。 それでは、未来へのチャレンジ、未来投資戦略のことについて質問させていただきます。 いわゆる4K、8K投資、ほかの先生方からも質問が出ておりますが、昨年十二月から新4K8K衛星放送がスタートいたしましたが、この4K放送と8K放送はどのような関係性の中で普及していくと考えているかという点であります。いわゆる方向性を伺います。 4K放送は過渡的のサービスで、早晩8K放送に収れんして8Kに投資が集中するのではないかという不安、懸念というんでしょうか、そのために4K、8K共に投資がすくんでいると、そういう話もお伺いいたします。放送産業界へ今後の展開、方向性に対する明確なメッセージを示すべきと考えますが、佐藤副大臣でしょうか、答弁をお願いいたします。
○副大臣(佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、昨年十二月に開始をされました新4K8K衛星放送につきましてですが、4K放送と8K放送双方が併存する形でサービスが展開されているところでございます。 他方で、まずは放送サービスに関してでございますが、まず第一に、4K放送につきましては現在十一事業者で十八チャンネルで放映されているのに対しまして、8K放送につきましてはNHKによる一チャンネルのみであるということに加えまして、第二に、4K放送の多くは従来の衛星放送のアンテナで受信可能であるのに対しまして、NHKの8K放送を受信するにはアンテナを交換する必要があるなど、現状では4K放送と8K放送で受信環境等に一定の差異があるということも事実でございます。また、テレビ受信機に関しましても、8K放送の受信機についてはまだ普及の価格帯とは言えないというところでございます。 こうした状況を踏まえますと、一つ目には、一般家庭向けの超高精細度のテレビジョン放送を牽引していくに当たりまして、当面4Kが中心というふうになるであろうと考えられるということと、それから二つ目には、8Kにつきまして、先進的な消費者やパブリックビューイングでの視聴に加えまして、医療やセキュリティーなどいわゆる放送以外で特に高精細な映像が求められる分野で用いられるなど、一定の役割分担の下で普及が進んでいくものというふうに思われるところでございます。 いずれにいたしましても、新4K8K衛星放送に関しましては、テレビ受信機の更なる低価格化と、それから4K、8Kならではの放送コンテンツの充実が進展することによりまして一層普及が期待されるところでありますが、こういう中で、総務省といたしましても引き続き関係者と連携をしながら、その魅力や視聴方法に関する周知広報徹底に取り組んでまいりたいと存じます。
○若松謙維君 是非、私も8Kすぐ見られるように、コストが下がるように努力してください。よろしくお願いいたします。 次に、視聴者理解、公平負担を推進という観点から質問をいたします。 一点目が、受信料の説明責任であります。 本年十月から消費税が引き上げられますが、同時に受信料の値下げですか、特に二〇二一年度以降は改革分として四百二十二億円をコスト削減すると、これは決意として評価をいたしますが、現在の受信料徴収方法ですと、消費税の負担増と受信料の負担軽減の内訳が分かりません。消費税増加分と受信料値下げ分は視聴者が知るべき情報と考えますので、今後、引き落とし通知書、領収書、ホームページ等で受信料と消費税の金額変更が分かるように工夫すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 受信料の値下げについては、様々な手段を通じて十分に周知を行うことが重要であるというふうに認識をしております。 御指摘の受信料額の表記について、消費税相当額を切り分けて表示するためには大幅なシステムの改修が必要になり、時間と経費の観点を踏まえると、十月の税率改定時の明示はやや難しいということを御理解をいただきたいと思います。まずは、NHKのホームページや訪問員がお客様にお渡しするパンフレット等に、消費税率の引上げに際して受信料額の改定を行わず、実質二%の値下げを実施している旨を分かりやすく明示し、広く周知を図っていきたいというふうに思います。
○若松謙維君 このパネルですか、資料三を見ていただきたいんですが、先ほど森本先生も振られましたが、NHKはいわゆる公的扶助受給者、障害者、社会福祉施設などに対して受信料の全額又は半額免除等の配慮が行われております。特に、このパネルを見ていただきますと、社会福祉施設につきまして、去年の四月から、今まで一部免除対象外だったものが全て対象になりました。 もう一つ、これは、今年の二月から始まりました、親元を離れて生活する奨学金受給学生等ですね、奨学金受給対象学生、又は授業料免除対象の学生、そして親元が市町村非課税の学生と、こういう学生に対して受信料がいわゆるただになると、こういうことであります。これは、私ども公明党の同僚議員がこの委員会で二回ほど要望したものでありまして、実現に対する御努力に敬意と感謝を申し上げます。 この際、受信料負担軽減策の全体像とその効果について御説明をお願いします。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 現三か年経営計画では、有識者から成る会長の諮問機関、受信料制度等検討委員会の答申内容やNHKに寄せられた視聴者の皆様の声などを踏まえ、四つの負担軽減策を実施することとしています。 このうち、昨年二〇一八年四月から実施している社会福祉施設への免除拡大については、全国の社会福祉法人へダイレクトメールを送付するとともに、社会福祉関係の団体や厚生労働省等の御協力も得ながら周知を行いました。その結果、約一万件の免除の申請を受け付けています。 また、先月二月から実施している奨学金受給対象などの学生への免除については、テレビやラジオ等で周知を行ったり、奨学金実施団体や大学の協力を得ながら周知を図っているところであります。二〇一九年度の対象は約十八万件というふうに試算をしています。 これまでも免除については公的扶助受給者や障害者などを対象としてきましたが、これはほかの視聴者の負担の上に成り立っているということがあることから、今後も限定的に運用をしていきたいというふうに考えています。 あと二つの多数支払における割引と設置月の無料化については、これから実施することとしており、周知をしっかりと行うことが重要だというふうに考えております。
○若松謙維君 御存じのように、先ほどの住民税非課税世帯とか、特に今は地上波、さらには衛星通信ということで受信料が高くなっているわけであります。そういうことで、特に住民税非課税世帯ですか、併せて障害者の方は軽減策あるんですが、もっと広げてもらいたいという気持ちですけど、先ほど言ったように、もう全体的な値下げも行われるわけでありますが、今後是非、受信者がもっと増えると、で、財政的に更に余裕が出ると、そういうときには是非そういう弱者の皆様に対する配慮をお願いを申し上げて、その次の質問に移りたいんですけれども。 受信料集金職員の不適切な行為という問合せがありました。東京都内の都営アパートにお住まいの方から、NHK受信料の集金を担当している職員が非常に高圧的で、毎年金支給日直後に来て、年金が入ったから金があるだろうと、こういうことを言ってどなったり又はドアを蹴ったりするという声を数回伺いました。 このような不適切な行為に対する苦情等はNHKとしてどう認識しているか、また、同様の事案に対してどのような対応をしているのか、お尋ねをいたします。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 当然、受信料のお支払や受信契約をいただく際は、受信料制度の趣旨をよく説明し、御理解をいただくことが何よりも大切だというふうに考えています。 お客様からの苦情等は、主にNHKのコールセンターに寄せられることになっています。訪問要員の対応に問題がある場合は、内容を把握した上で、法人委託先の指導に任せるのではなく、必要に応じて直接NHKの職員が訪問要員に指導して、再発の防止に努めています。 今後も、訪問要員の育成に重点を置き、視聴者に対する丁寧な対応に努め、行き過ぎた契約勧奨、収納活動が起こらないように引き続き指導を徹底してまいりたいというふうに考えています。
○若松謙維君 これ是非丁寧にお願いいたします。 あわせて、次の、創造と効率、信頼を追求という項目でありますが、これ是非、上田会長に、特に女性の活用ということでお聞きをしたいんですが、今、いわゆるNHKの女性管理職の割合、これを、二〇二〇年に一〇パー以上、二〇三〇年には三〇パー以上ということで女性の積極的登用に取り組んでいるわけでありますが、平成三十年度現在の職員に占める割合は一七・四%と、女性管理職の割合は八・七%、なかなか目標達成に難しいという状況であります。 さらに、これ、ちょっと質問はこちらの方なんですが、NHKでは、平成二十五年に佐戸未和記者が過労死されたということの反省を踏まえて、現在、NHKグループ働き方改革宣言に沿って働き方改革を推進していると理解しております。この働き方改革の推進は業務に携わる全ての人が対象でありますが、在宅勤務を始めとする多様な働き方を可能とすることで、女性の活用に向けた環境整備にも資すると考えております。(発言する者あり)活躍ですね、はい。 平成二十九年十二月の働き方改革宣言の公表から一年三か月が経過しましたが、進捗状況を説明していただくとともに、女性の活躍の観点に資する取組としてどのようなものがあるか、説明をお願いいたします。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 佐戸未和さんの過労死を重く受け止め、記者の勤務制度を抜本的に見直すなど、組織全体で働き方改革を進め、健康確保に努めてまいりました。 長時間労働の抑制に向けて、例えば、放送現場ではスタジオ収録は原則二十二時に終了する取組を昨年四月から続けているほか、長時間になりがちな番組編成作業の期間に休日を確保するなど、業務の進め方の見直しを進めております。また、地域放送局の記者の泊まり業務につきましては、緊急対応の整備を進めながら、広域的な運用を図ることによって負担軽減につなげております。 こういった取組などにより、二〇一七年度の一般職職員の年間総労働時間の平均は、前の年度に比べて二十三時間減少いたしました。記者の休みの確保も進んでおりまして、二〇一七年度は前の年度に比べて年間でおよそ七日休みが増えております。 女性も男性も、誰もがより働きやすく、より活躍できる環境の実現に向け、時短勤務の活用、在宅勤務制度の拡充やサテライトオフィスの活用、モバイルワークの推進など、多様な働き方の支援に努めております。 在宅勤務につきましては、現在、登録人数が千六百人を超えております。子育て中の職員を中心に月二百人程度が利用し、増加傾向にあります。今後も、利用者の声を聞きながら、より利用しやすい制度に見直していきたいと考えております。 引き続き、より働きやすい環境の実現を目指して、放送現場での業務改革やモバイルワークの推進に向けたインフラ整備など、現場を支援する取組を更に進めていく予定であります。
○若松謙維君 是非よろしくお願いいたします。 次に、ガバナンス強化についてお尋ねをいたします。 御存じのように、例えば、企業では会社法とか金融商品取引法に基づく内部統制を義務化するという規定がありまして、いわゆるJ―SOXと言うんですけれども、これが適用されておりますが、NHKの内部統制機能の整備状況、これはどうなっているのか、また、NHKにおきましても、不祥事、特に昨年十二月の帯広放送局技術部副部長ですか、単身赴任手当など五百二十四万円不正受給ということで懲戒免職処分になったわけでありますけど、この防止策ですね、再発防止策と内部統制強化についてお伺いをいたします。
○参考人(鈴木郁子君) お答えいたします。 平成二十年四月、十一年前ですが、放送法に基づきまして内部統制に関する経営委員会の議決が施行され、会長を最高責任者とするコンプライアンス体制及びリスクマネジメント体制を整備いたしました。そして、職員が守るべき基本理念としてNHK倫理・行動憲章、行動指針を策定いたしまして、職員倫理の徹底に努めてまいりました。 昨年の不祥事の再発防止策といたしまして、管理職全員を対象にした面談の実施、それから全ての役員、職員に向けてコンプライアンスの留意点を分かりやすく記して毎日送るなど、あらゆる機会を捉えてコンプライアンス意識の徹底を図っております。
○若松謙維君 今、済みません、初めて女性の方が答弁に立たれたということで、理事には今女性はいらっしゃらないんですよね、たしかね……(発言する者あり)一人いましたか、大変失礼しました。これから是非複数になるように、また女性の活躍を期待しております。 それで、グループ全体のガバナンス強化策でありますが、子会社の社外取締役を過半数にする動き、これがいわゆるまた上場会社の一つの傾向だと思いますが、NHKについてどのように対応しておりますか。
○参考人(黄木紀之君) NHKでは、経営委員会が内部統制関係議決を行いまして、その中で、協会及びその子会社から成る集団における業務の適正を確保するための体制を整備するよう定め、グループ経営を進めております。 NHKグループにはいずれも非上場の子会社が十三社あり、そのガバナンス向上のために子会社に外部から所要の知見を有する人材を招き、監査役に就任していただいております。現在、外部の公認会計士の資格を持つ方などが子会社十三社のうち九社で常勤の監査役として、また三社で非常勤の監査役として業務に当たっていただいております。外部の専門家に子会社の経営をしっかりチェックしてもらうというこうした取組は、NHKグループとして視聴者の信頼を得るために必要な施策だと考えております。
○若松謙維君 是非、何というんですか、内部統制なんですけど、結局やっぱり倫理観なんですね、経営者としての、またそれぞれ職責としての。そういったところもしっかり、日々のコンプライアンス研修の中で毎日自問自答するような取組をお願いしたいと思います。 それでは次に、防災意識社会又はその啓蒙普及策についてお尋ねをいたします。 御存じのように、昨年は、西日本豪雨や台風による災害、大阪北部地震又は北海道胆振東部地震など、甚大な被害がもうたくさん発生いたしました。近年大規模な自然災害が多発しておりまして、行政のみならず全国民が防災意識を高めて、災害に強い町づくりが必要であるということで、私どもは防災意識社会への転換を推し進めているところでございますが、その際、公共放送機関でありますNHK、これは啓蒙普及などを担うべき役割は大変大きいと考えますが、どのような方針で取り組んでいるか、お尋ねをいたします。
○参考人(木田幸紀君) 委員御指摘のとおり、昨年は災害が非常に多い年でした。北海道でも、先月も震度六弱を観測する地震が起きております。 それぞれの災害から得られる教訓は非常に大きいと思います。昨年の災害で申し上げれば、西日本豪雨では、同時多発で広範囲に危険なレベルの大量の雨が降るという事態となりました。北海道の地震では、全道停電、ブラックアウトという未曽有の事態に至りました。こうした一つ一つの災害から得られる教訓を酌み取り、しっかりと伝えていくことが防災意識を高めることにつながると考えています。 災害を自分自身のこととして認識していただき、避難行動につながる報道を心掛けております。このため、ローカル放送で細かな地名や地域の気象情報を詳しく伝える地域発信の強化を実践しております。 過去の災害の検証を防災・減災に生かすことは大切であることは言うまでもありません。東日本大震災から八年の特集番組「黒い津波 知られざる実像」では、新たな科学的な知見と当時の被害の検証を通じて災害への備えを呼びかけました。 こうした取組を一つ一つ積み重ねて防災意識の向上に役立てていきたいというふうに思います。
○若松謙維君 私も、実は防災士と防災危機管理者という資格を取りました。全国に防災士十七万人いるということなんですが、本当にまだ地域防災計画を作っていないところが多くございます。そういう意味では、せっかくのこういう知見がありながら活用されていないというところも含めての、そういった人たちの是非紹介なんかもしていただければ有り難いと思います。 それでは、もう一つの質問なんですが、これは資料五ですけど、ちょうど昨年の胆振東部地震でブラックアウトがまさかのことで起きました。御存じのように、東北六県よりも北海道の方が広いんですね。そこが二、三日真っ暗になったという大変な実は災害が起きたわけであります。 そこで、このために、このブラックアウトが起きないようにということで北本連系線という、本州からのエネルギーを北海道に送ると、逆もありますけど、こういうルートが現在六十万キロワットあるんですが、今月で、先月ですね、三十万キロワット増加しました。もし、これがもっと早く完成していればあのブラックアウトは起きなかったのではないかということもありますが、それで本当に足りるのかということで、更に三十万、更に六十万という、今四つのルートが実は検討されております。これについて今どんな検討されているのか、御説明を願います。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、昨年の累次の災害を受けまして、昨年十一月に開催されました重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議におきまして決定されましたブラックアウトの再発防止策に基づきまして、年度内の運転を目指しておりましたいわゆる新北本連系線、これ、プラス三十万キロワットでございますけれども、それがまさに運転開始をされたわけでございます。更にこの北本連系線を増強していくということにつきましては、現在審議会で議論を進めているところでございまして、シミュレーションなどによりその費用対効果を確認した上で、具体化を早期に図っていくこととされているわけでございます。 実は、昨日も審議会開催されておりまして、現在、委員お示しいただきましたような電力広域的運営推進機関におきまして、青函トンネルを活用したルートですとか、下北半島経由での海底ケーブルの敷設ルートなど、幾つかのルートや工期についての議論が行われておりまして、昨日、主に二案の方向性で議論が絞られてきたということでございます。 一つは、青函ルートの三十万キロワット、それから、下北半島経由海底ケーブルの六十万キロワットの方向で更に費用対効果を検討していこうと、こういうことになっているわけでございます。費用の負担の在り方につきましても、先月より、経済産業省の審議会におきまして、再エネ導入が進む地域ほど託送料金が上昇してしまうといったような課題も踏まえまして議論が進められているところでございます。 北本連系線の更なる増強は、委員御指摘いただきましたように、緊急時には北海道に電気を送る安定供給の役割を果たしますけれども、これに加えまして、通常時には北海道の再エネの電気を本州に送るという再エネの導入促進の効果もありますし、また取引のエリアをまたぐ活性化を通じた料金の低減効果といったような効果もあります。 他方、コストが数百億から数千億といった形で掛かるわけですから、費用対効果をしっかりと分析をして、その上で適切な受益と負担の関係に留意しながら、御指摘いただいたような費用を全国で支えるといったような仕組みも含めまして幅広く今検討が進められているところでございまして、この議論も踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○若松謙維君 いろいろと質問させていただきました。 総務大臣にお伺いいたしますが、このNHK予算、国民から受信料いただいて運営している公共放送である以上、その社会的役割は大変大きいとも思います。大臣の総括的な感想を伺いたいんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(石田真敏君) 今議員御指摘ありましたように、やはりこのNHKは国民・視聴者の受信料によって支えられている公共放送であるという、そういう大きな社会的使命を果たしていくことが求められると思っておりまして、委員の御質問、様々な分野にわたっておりました。 国会中継への字幕の付与の問題、受信料徴収の問題、働き方改革、あるいはガバナンス、それから4K、8K、またインターネットの活用、それから東日本大震災からの復興等々、本当に多岐にわたってNHKに求められる課題というのがあるわけでありまして、先ほども申し上げましたように、やはり公共放送の社会的使命ということを考えていただいて、NHKにはこれからもしっかり取組をいただきたいというふうに思っております。 今御議論あった中でも総務大臣の意見の中で取り上げさせていただいたものも多くありますけれども、それ以外でも、この委員会で先生方から御議論のあったものにつきましては、NHKにおかれてはしっかり御指摘を踏まえて今後取り組んでいただきたいというふうに思います。
○若松謙維君 終わります。ありがとうございました。
○片山虎之助君 片山虎之助です。それでは質問させていただきます。 私でNHKの予算案の審議は九人目なんですよ。今日十人質問するんだ。そうなりますと、質問ダブるんですよね、どうしても。だから、できるだけ別の観点、別の角度で質問するように心掛けますけれども、少々ダブってもお許しをいただきたいと、こう思います。 まずは、NHKの政治報道なんですけどね、大変にぎやかですね。批判が多い。まあいつもなんですよ。それは、NHKの影響力が大きいと思わなきゃ。そういうことなんですけれども、政権にとって、政権に近いか遠いかと、こういう議論ですよね、常に。今回は割に政権批判派がNHKの報道について注文付けている。文句を言っている。政権支持派の方はない。だが、それじゃいかぬのですよ、両方からないと。両方からNHKの政治報道はおかしいと言われると、これが一番いいんですよ。 会長は今日は一生懸命、放送法四条ですか、あの趣旨を言われた、不偏不党、中立、公正公平ですか、何回も言われていますけど、是非そこは心掛けた方がいいですよ。まあ、あの籾井さんの印象もちょっとあるわね、皆さん残っている。そういうこともあるんだろうとは思うけれども、是非そこは心掛けて、やっぱり政権に耳の痛いことでも事実なら言わないと、報道しないと。ちょっとちゅうちょする気持ちは分からぬでもないけれども、そうかどうか知りませんよ、是非それを心掛けてください。 それがNHKの権威を保つゆえんだと私は思いますが、御感想があれば。放送法はもう結構です。
○参考人(上田良一君) 今、片山先生から御指摘があった件を十分踏まえて、今後の業務に当たっていきたいと思います。
○片山虎之助君 意外にそっけないね。 それから、大河ドラマの話が出ましたが、いや、本当に私も大河ドラマの大ファンで、ずっと見てきました。人格形成に大変影響を受けた。しかし、これだけ長くやると少しくたびれてくるんじゃないですか。一年も続けることを、作る方も見る方も。 というのは、このところの大河ドラマの視聴率落ちていますよ。前回でもあれだけ鳴り物入りの、「西郷どん」ですか、あれでもそうは良くなかった。今回も良くないでしょう。今回も本当によく考えて、いろんな組合せをやって、よく考え過ぎて難しくなり過ぎて分からない、そういうところあるんだけれども、私はよくやっていると思いますよ。しかし、視聴率はそんなに高くないでしょう。作る方も一年もたせるのはくたびれるんですよ。見る方だって一年も付き合うのくたびれるんですよ。 しかし、これは地方にとっては地方創生の大変な戦略というのかツールなんですよね。だから、もうみんな自分のところやってもらいたくてしようがない。これを取ってきたらみんな当選確実ですよ。だが、それをそんないいかげんに決めちゃ駄目ですよ。誰か今、何か別のところで決めるようなことを言っておられるので、本当はどうか知りませんが、そこは慎重にしないと。戦国物、徳川成立までの戦国物と明治維新との交代じゃないですか。今回は明治維新の後だけれども。 だから、そういうことで、よく考えて、私は国民は支持していると思うけれども、しかし、やっぱりいつかは変わらなきゃいかぬ。いつかはどうするかという、別の変化というのが要るので。いかがですか。答えられる人、どうぞ。
○参考人(木田幸紀君) 先生御指摘のように、大河ドラマももう長いことやってきておりますし、一年間そのまま五十本程度放送することが本当に今のライフサイクルにちゃんと合っているのかどうか。あるいは、そういうコンテンツを見るデバイスもいっぱい変わってきました。その中で、本当に放送だけで、再放送も含めて三回ぐらいやることが一番いいのかどうか。そういったことについては常に研究を進めていきたいと思いますし、内容についても、当たるか当たらないかということではなくて、やはりチャレンジをしていくと。大河ドラマというような番組だからといって、そこにあぐらをかくわけではなくて、常に新しい感動を呼び起こせるようにチャレンジしていくというふうにして取り組んでいきたいというふうに考えております。
○片山虎之助君 まあ、よく検討してください。 それから、上田会長がなられて、公共メディアを目指すと言われたのが非常に印象的だったんですよ。公共放送から公共メディアへね。上田会長、どうですか、どこまで来ていますか、公共メディアへの道は。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 インターネットやスマートフォンなどの携帯端末が急速に浸透し、テレビ離れが進むなど、視聴者のコンテンツの視聴や情報の取得の在り方が急速に多様化しております。こうした中で、公共放送の原点である放送法の精神を堅持し、健全な民主主義の発達や文化水準の向上に資する公共性の高い情報や番組などを視聴者の皆様に届け、信頼される情報の社会的基盤としての役割を果たしていくためには、テレビとラジオの放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用し、情報や番組を届ける必要があると考えております。 4K、8Kを始めとする最新技術と第一級のコンテンツで魅力あふれる放送を追求するとともに、放送と通信の融合時代に視聴者の皆様の期待に応えるため、放送法やインターネット実施基準にのっとり、日々の暮らしに役立つ常時同時配信と一定期間の見逃し配信サービスを実施してまいりたいと考えております。 こうした取組により、多様な伝送路を通じて、六つの公共的価値、私どもは経営計画の中で六つの価値を挙げてはおりますけれども、この実現を追求する公共メディアとしての役割をしっかり果たしていきたいと考えております。
○片山虎之助君 総務大臣ね、公共放送なんです、今NHKは。今度、公共メディアでもっとネットを取り込んで、4K、8Kも取ってあって、巨大化するということなんですよ。これについてはどう思われますか、NHKの巨大化。民放その他は大変神経をとがらせているわね。それじゃ、民放ができるかという議論があるんだけど、まあそれは言いません。いかがですか、総務大臣として、今のあれ。
○国務大臣(石田真敏君) このNHKの業務拡大につきましては、今委員御指摘の点も含めて様々な面がありまして、総務大臣意見についても業務拡大について指摘を行っております。一つは、既存業務全体の見直しについて早急に検討を進めることということを言っております。それからもう一つは、衛星放送の在り方について、新4K8K衛星放送開始から一年以内に結論を得ること。そして三つ目といたしまして、NHKが今回要望しております常時同時配信を含むインターネット活用業務の費用については、NHKの目的や受信料制度の趣旨に沿って必要最低限かつ適正なものとなるよう適切に検討することと、こういうことを求めておるところであります。
○片山虎之助君 そこはこれからの課題なんですよ。しかし、そこは是非慎重に、両方いいように。私は巨大化は悪いと思いませんよ。思わないけれども、余り巨大化するといろんな差し障りが出ますよね。 そこで、来年度の予算なんですが、三十億の赤字予算を、九年ぶりですか、お組みになっている。これ、わざと赤字にしたんじゃないんですか。というのが、三十億ですよ、七千億、八千億の予算の中で。そんなもの、消そうと思えば簡単に消えますよ、予算なんだから。予算というのは見込みなんですから。ここで赤字を出した方が、受信料も下げるし、いろんなことのあれも、4K、8Kを含めて、ネットもやるし、いろんなことをやるんだけれども、それは努力したけどこれだけ赤字が出たと、非常に世間に通りがいいじゃないですか。いかがですか。
○参考人(松坂千尋君) お答えいたします。 来年度、平成三十一年度予算の事業収支差金がマイナスとなりましたのは、中長期の収支の状況など……(発言する者あり)はい。踏まえて検討を行って、まず受信料の値下げを早期に実施すべきだと考えたことによります。 業務全般にわたる経費節減を行いましたけれども、4K、8K番組制作の強化ですとか、防災・減災の報道の充実など、公共放送として重点的に取り組む事項にも予算を充てた結果、収支差金がマイナスとなったということであります。
○片山虎之助君 普通なら、三十億なら消しますよ。例えば、受信料の支払率というの、徴収率をちょっと上げればすぐ、もう簡単に消えるんですよ。しかし、私は、赤字を残して、赤字決算できるんだから、赤字決算したというのは皆さんのある意味では決意かなと思ったんです。そうでもないんですな。やむを得ず三十億足が出たと、こういうわけですか。簡単に言ってください、もう途中経過は何度も聞いた、九人目ですから。
○参考人(松坂千尋君) 値下げなどの還元策を実施するということをまず前提にしまして、公共放送としての必要な事項に予算を積んだと。その結果、三十億のマイナスが出たということであることは御理解いただきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 その来年度も赤字のお考えですか、再来年度、二〇年度、二〇二〇年度。
○参考人(松坂千尋君) この三か年、二〇二〇年までの三か年については、経営計画を修正議決しまして収支の見込みというのを出しております。二〇二〇年度についても赤字という見通しは出しておりまして、これは経営計画の修正議決の中で公表しております。
○片山虎之助君 この問題、またやりますよ。 それで、受信料なんだけど、毎年上がっていっていますよ。八一%か二%になったんでしょう。それは皆さんの努力ですよ、六〇%台だったんだから。それがずっと持ち直してきたのは皆さんの努力だと評価しますけれども、岩盤で払わないのはずっと払っていないんですよ。それ、どのくらいおるかは知りませんよ、私は一〇%以上おると思うんで。これ、ずっと払っていないんですよ。こんな不公平を許すということが私は昔から理解できないんで、何度もそのことを皆さんにお願いし、お尋ねしたんだけれども、それはどうされるんですか。どこかで止まりますよ、この一%ずつ上がっていくやつが。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 これまでも、支払率の向上について、契約収納体制の整備とか、民事手続ですね、裁判も含めた着実な実施、あるいは公益企業との連携で営業改革を進めてきたというふうに思います。また、全役職員で受信料制度の理解促進に取り組んできた結果が今の支払率の向上につながっているというふうに思います。 NHKとしては、引き続き、これまで取り組んできた法人委託の拡大とか訪問によらない契約収納活動の促進と、それから民事手続を更に着実に実施するということで支払率の向上に向けて最大限取り組んでいきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 それで、今非常に、最高裁の判決も出たし、受信料取りやすい環境ですよ。受信料も増えている。それから、全体に調子がいいんですよね。だから、繰越金も増える。そうなると、受信料ちょっとまけようかと。まけるという、一方では世論なり政治的な、そんなプレッシャーが掛かる、それでまける、私、それじゃ駄目だと思うんですよ。 だから、本来国民としてNHKに対する負担は、受信料はどの程度かという、どのくらいが限度かと、それをどうするかで、ちまちまちまちまでその都度何百円かまけたって国民は有り難くありませんよ。有り難い人もおるかもしれない、少なくとも私は有り難くない。それじゃ、NHK全体ではこういうあれをやるんでここまでは負担してくださいと、こういう何か要るんじゃないでしょうかね、ビジョンというのか、何か限度というのか。会長、いかがですか。
○参考人(上田良一君) 今回、中長期の収支の見通しを踏まえまして値下げということを決めさせていただきましたが、その背景には、収入の方が最高裁の判決等が出てかなり堅実に伸びているということと、大きな支出、4K、8K、それから東京オリンピック・パラリンピック、こういうのがどれぐらい掛かるかというのがはっきり支出が見通せたということで、中長期といいますか、オリンピックの次ぐらいまではある程度こういうことでいけるだろうということで今回決断したわけです。 ただ、ポスト東京オリンピック・パラリンピックに関しましては、やはり公共放送としてある一定水準でやっていくということが非常に大切になってくるんじゃないかと思いますので、今後また、新たな経営計画の中でしっかり中長期の見通しを立てながら、どういう形で、公共放送から公共メディアにもしお許しが、放送法が改正されてできるようになりましたら、そういったことでの費用等もしっかりと踏まえて計画を立てて、皆さんにもお示しして御了解を得ていきたいと、こういうふうに考えております。
○片山虎之助君 総務大臣、どうですか、今の会長の考え。
○国務大臣(石田真敏君) 今、会長からお話ありましたように、これから、一方で資金的な需要があるということ、そして一方では受信料収入が上がるという中で今回計画を出していただいて、それを総務省の方で点検をいたしまして、そして、先ほども御議論いただきましたけれども、やむを得ないというような形での今回の予算案の承認になったわけであります。
○片山虎之助君 やっぱり、あるべき国民負担みたいなやつを、公共メディアになるんですから、いずれ、そういうことの研究を、私は、総務省でも関連ある監督官庁としてやる、NHKでもやってもらうということが必要じゃなかろうかと、こう思うんです。 そこで、時間がありませんからあれですが、4K、8Kね。ちょっと4K、8K、チューナーを内蔵したそういうテレビの売行きが伸びていないんですよ、思ったより、年を越して。というのはね、それは鮮明になってきれいになるだけじゃ買いませんよ。それはやっぱりコンテンツの私は問題じゃないかと思うんですけれども、どういうお考えでしょうか。ここまで4K、8KはもうNHKも総力をある意味で挙げておられますよね。その辺のこの見方はいかがですか。
○副大臣(佐藤ゆかり君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、新4K8K衛星放送という新たなメディアの普及におきましては、いわゆる受信機などの機器側とそれからコンテンツと、このハード、ソフト両面で取組を一体的に進めていくということが極めて重要であるというふうに考えております。 とりわけ、御指摘のこのソフトのコンテンツでございますけれども、4K、8Kならではの放送コンテンツの充実が課題であるという認識の下で、具体的には、まず第一に、撮影から編集処理まで全ての過程で制作プロセスを4K、8K対応の機材で行うという、いわゆる一層の高精細映像、画像が実現できるいわゆるピュア4K、8Kコンテンツというものの普及が必要であるということと、それから二つ目には、4K、8Kチャンネルでしか放送されていないというオリジナルコンテンツ、この二つを拡充することが重要な鍵になるというふうに考えております。 一方で、昨年十二月に開始されました新4K8K衛星放送でございますが、これらの放送コンテンツの占める割合についてはいまだ放送事業間でばらつきがあるというのが現状でございまして、各事業者におきまして、自主自律の番組編集の下で、可能な限りこうしたコンテンツの拡充に向けた取組が推進されることを期待しているというところでございます。 なお、イベントといたしましては、本年九月にはラグビーワールドカップ二〇一九の日本大会がございます。来年七月には二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会、そしてさらには、二〇二一年五月にはワールドマスターズゲームズ二〇二一の関西など、こうした国際的なスポーツイベントが日本でめじろ押しに開催されるということがありますので、こうした多くの試合、競技で迫力ある4K、8K映像が放送されることで、この新4K、8K放送の普及の大きな牽引役になるというふうに考えております。
○片山虎之助君 もうあと一分切っちゃったよ。 ラジオの有用性について、特に災害における、それを佐藤副大臣にお尋ねしようかと思ったんですが、簡潔に言ってください。三十秒ほどあります。
○副大臣(佐藤ゆかり君) お答えいたします。 ラジオ放送は、災害時において被災地に必要な情報を届ける重要な手段でございまして、ふくそうなく、かつ受信機の多くが乾電池により停電時でも利用できるということで、大きな役割を果たしております。 総務省では、ラジオ放送が被災者の皆様に届きますように、難聴地域解消のための中継局の整備、それから災害時の放送継続のための予備送信所の整備などに取り組む放送事業者に対して、補助金や税制による支援を行っております。引き続き、このネットワークの強靱化を推進してまいります。
○片山虎之助君 終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 NHK倫理・行動憲章は、「NHKは、公共放送として自主自律を堅持し、健全な民主主義の発展と文化の向上に役立つ、豊かで良い放送を行うことを使命としています。」と明記しています。上田会長も国会で、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する役割を担っていると答えておられます。 私は、NHKが民主主義の発展と文化の向上に役立つためには、三つ大事なことがあるんじゃないかと思うんですね。一つは職場で一人一人が大切にされていること、二つ目に職場で多様な文化が認められ尊重されていること、三つ目に職場にうそを許さない真実を求める気風が満ちていること、これが求められると思いますけれども、この三点について、会長、いかがでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 今先生から御指摘があった点は、十分それを踏まえて公共放送としての役割を果たしていくべきというふうに考えます。
○山下芳生君 十分に踏まえてということでした。 私は、一つ目に言った職場で一人一人が大切にされていることという点で忘れてならないのは、二〇一三年七月に長時間労働の末過労死されたNHK記者佐戸未和さん、享年三十一歳のことだと思います。今日はパネルを持ってまいりましたけれども、(資料提示)これ、過労死について取り組んでおられる弁護団の皆さんが作ったホームページから拝借をいたしました。写っているのが、NHKの記者として働きながら亡くなった佐戸未和さんであります。 上田会長、若い将来性のある記者を過労死させてしまったことを、NHKはどう教訓として生かしていますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 佐戸未和さんの過労死を重く受け止め、二度と過労死を起こさないように、働き方改革を通じて全役職員一丸となってこの働き方改革に取り組んでおります。
○山下芳生君 私も、佐戸未和記者の過労死を当委員会や予算委員会で取り上げてきた者の一人として、彼女の死を風化させることなく教訓として生かさなければならないとの思いは強いものがあります。 そこで、私自身の胸に彼女の死をより深く刻むために、先日、初めて佐戸未和さんの御両親宅を訪ねました。祭壇に未和さんの明るい笑顔の遺影がありまして、婚約者とハワイに行ったときの写真だそうですけれども、それが掲げられてありました。亡くなったときに未和さんが持っていた赤い携帯電話、それからハワイの写真に写っていた帽子が御遺骨とともに飾られていました。季節柄、真っ赤なイチゴのお供えもありました。お線香を上げて、手を合わせました。 未和さんが亡くなった一年後に、NHKの職場の同僚が作ってくれた追悼写真集も見せていただきました。これなんですけれども、かなり職場の皆さんが、一年後ですから、割と思い出の新しいときに、未和さんのいろんな思い出の写真を載せて、お一人お一人が未和さんへの思いをこのようにつづった追悼集を作られて、それを私は見せていただきました。 この未和さんが、ページをめくるたんびに仲間と一緒に写っているお姿が登場するんですけれども、屈託のない豊かな表情で、ぱあんと未和さんが一ページ一ページ飛び込んでまいります。いつも大体仲間の輪の真ん中に座っておられます。写真の前半は鹿児島時代の同僚らが寄せた言葉が載っているんですけれども、大変いい職場だったと、いい仲間たちだったということが分かります。若い記者仲間が互いに切磋琢磨しながら記者として成長し合う様子が伝わってまいりました。 この写真集を私がこうじっと見ながら一ページ一ページめくっておりますと、お母様が横から、一つ一つの未和さんの写真を見ながらつぶやくんです。残念ですと、本当に明るい子だった、いつも笑っていた、ヒマワリのような子だった、食べることが大好きだった、ピアノを習ったらすぐ音をなぞり再現することができる、バレエを習ったらすぐマドンナになる、どうしたらそんな子供が育つのと周りのお母さんから聞かれた、髪の毛から吐く息までいいにおいがする、寝ている未和の体をなでていた、たった一度だけこのうちに泊まったことがある、富士山が見えるのねと言った未和の横顔も覚えているとつぶやかれました。未和さんへの愛情が次々あふれてくると。そして、お母様はぽつりとつぶやいたんです。一番の親孝行な子が一番親不孝になってしまった、我が子に先立たれるほど地獄はない、片腕をもぎ取られたよう、体全部もぎ取られるようだと。 上田会長にお母様の御様子を伝える必要があると私はその場にいて思いましたので、紹介しました。御感想を伺いたいと思います。
○参考人(上田良一君) 私も、佐戸未和さんのお宅にはお邪魔いたしまして、線香を上げさせていただきましたし、お母様ともお話をさせていただきました。 佐戸さんの過労死を防ぎ切れなかったということは痛恨の極みでありまして、大変重く受け止めております。勤務状況に応じた健康確保措置の実施や意識の面など、不十分なところがあったのではないかというふうに考えております。佐戸さんが亡くなられたことをきっかけに、記者の勤務制度を抜本的に見渡すなど働き方改革を進め、職員の健康確保に努めてまいりました。 二度とこういった過労死を起こさないように、私も全力を投球して勤務管理や健康確保の強化、意識改革に今後も邁進してまいりたいと考えております。
○山下芳生君 私は、この写真集を一ページ一ページ見ながら、このページ全部終わって閉じられる頃に、横にいたお父様が語り始めました。NHKの内部で未和の死の真相が追求されているのか、事業場外みなし制度が悪かったと制度のせいにするが、本当にそれだけか、ほかに何かあるのではないのか、そう言われたんですね。お父様は、本当のことを知るために、未和のことを知る人を探して話を聞いているとおっしゃっていました。 私、そのとおりだと思うんですね。未和さんが亡くなったのは、単に制度のせいではないと思います。なぜ、毎日二十五時あるいは二十七時、完徹などで働いている、あるいは、選挙の報道に携わっておられましたけれども、その二か月は毎月二百時間前後も残業している若い女性を誰も止めなかったのか。制度云々の前に、職場の仲間の労働者の命と健康は絶対に守るという思想が欠落していたのではないか。 これらについて、職場で一緒に働いていた人たち一人一人が、とりわけ直接の上司が血の出るようなえぐり方をして、事実を明らかにして、NHKで働く人全体の教訓とできていないのではないか、そう感じるものがあるんですが、いかがでしょう。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 佐戸さんが亡くなられた当時は、タイムレコーダーや記者自身のシステムの入力により、勤務の始まりと終わりの時間を記録していました。しかし、勤務状況に応じた健康確保措置や健康管理に対する意識の面などで不十分なところがあったと受け止めております。 現在、深夜・休日労働の事前申告、上司把握を徹底しているほか、外勤の多い記者の勤務を迅速、正確に把握するため、業務用スマートフォンで打刻できるシステムを試行的に運用いたしております。以前と比べますと、勤務管理や健康確保が強化され、意識改革も図られてきていると考えております。
○山下芳生君 不十分な面があったとおっしゃいました。あったから亡くなったんだと思いますよ。でも、どういう不十分な面があったのか、何がどう不十分だったのか、そこをえぐらなければ、幾ら制度を変えても、その魂が、えぐられていなかったら、制度を変えただけで私は命を守ることはできないと思うんですね。 具体的に聞きます。事実関係聞きます。 未和さんの婚約者は、亡くなった未和さんを見付ける前の日、実は婚約者が亡くなっている未和さんを発見されたんですが、その前の日に何度も電話やメールをしたのに連絡が取れないことから、職場、首都圏放送センター都庁クラブに問合せをしたのではありませんか。
○参考人(松坂千尋君) お答えいたします。 今お話がありました方が佐戸さんと連絡が取れないというような電話をNHKの職員にしていたことは把握しております。また、佐戸さんが亡くなったと、亡くなっているという御連絡も、今の御指摘の方からありました。 当時の都庁クラブの関係ですけれども、当時の都庁クラブの担当者などに話を聞いたんですが、御指摘のような問合せについては確認できなかったということです。
○山下芳生君 問合せについて確認できなかった。 私が把握していることでいいますと、この婚約者の方が、亡くなる当日になったんですけれども、首都圏放送センター都庁クラブに電話をされたと。そしたら、対応された方、まあ特定はしませんけれども、ここでは、未和さんについては、電源が切れているのではないかとか挨拶回りに行っているんじゃないかという答えが返ってきたそうです。もうそのときには倒れられていたということなんですが、そういう対応だったと。 もう一つ聞きます。 未和さんは、亡くなって婚約者に見付かる前日に都庁の幹部にアポを取って会うことになっていたと聞いていますけれども、都庁から佐戸記者が来ないという連絡、問合せがあったんじゃないですか。
○参考人(松坂千尋君) 今の御指摘の点については確認できておりません。
○山下芳生君 私、今の確認できていないという言葉に、本当に、なぜ亡くなったのか、なぜ防げなかったのかがえぐられていないと。そういう事態があったら、もう日付を超えて何日も連続して働いている女性が予定どおりの行動をしていないということが分かったら、捜すでしょう、追求するでしょう。それを、異常を異常と感じない職場環境になっていたと。しかし、そのなぜそうなっていたのかを未和さんが亡くなった後検証していないというのは、これは許されないと思います。取り返しの付かない、過労死というあってはならない事態を起こしてしまったことの重大性を、口で言うだけではなくて、血肉とすることができているのか。 会長に伺いますが、御両親は納得されておりません。なぜ未和さんを死なせてしまったのか。制度の問題だけでさらっと済ませたのでは同じことが繰り返されます。事実関係を今言った細部にわたって明らかにして御両親に報告するのは、私はNHKの当然の務めだと考えますが、いかがでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 繰り返しになりますけれども、佐戸さんの過労死を防ぎ切れなかったということは痛恨の極みでありまして、大変重く受け止めております。勤務状況に応じた健康確保措置の実施や意識の面などで不十分なところがあったのではないかと考えております。 佐戸さんが亡くなったことをきっかけに、記者の勤務制度を抜本的に見直すなど働き方改革を進め、職員の健康確保に努めてまいっております。御両親とお話ししたときもそうですけれども、二度とこういった過労死を起こさないように全力を尽くしてくださいと私に対するお話もありましたので、そのお言葉どおり、以前と比べると勤務管理や健康確保も強化され、意識改革も図られる、二度と過労死を起こさない、そういう働き方改革を全力を投じて進めているところであります。
○山下芳生君 やっぱり不十分の中身が伝わってきません。私が言っているのは、犯人を捜して罰するためではないんです。事実を踏まえて教訓化し、今後に生かすために真実を検証するというのはどうしても避けて通れない道だと思うからであります。 未和さんの死が果たして教訓化できているのか。二〇一三年七月、未和さんが亡くなって以降、働き過ぎが原因で在職死はどうなっているか、同じく労災認定はどうなっているか、お答えください。
○参考人(松坂千尋君) お答えいたします。 佐戸記者が亡くなって以降、労基署から長時間労働による死亡や疾病で労災と認定されたことはございません。
○山下芳生君 在職死の人数は。
○参考人(松坂千尋君) 佐戸記者が亡くなられました二〇一三年度以降の在職中の死亡者の総数は五十三人であります。また、病気により休職した職員の総数は二百十八人であります。
○山下芳生君 減っていないんですね、数としてはね。 で、今の数はNHKの職員ですね。請負などの協力会社などで働くスタッフは入っていますか。
○参考人(松坂千尋君) 今の数はNHKの職員であります。
○山下芳生君 NHKグループ働き方改革宣言には、「NHKグループは、業務に携わるすべての人の健康を最優先に考えます」とありますけれども、この業務に携わる全ての人には、本体、子会社、関連公益法人、関連会社に加え、協力会社や外部プロダクション、番組制作会社も入るという理解でいいですか。イエスかノーで。
○参考人(松坂千尋君) そのとおりであります。
○山下芳生君 私は、NHKで働いていた編集担当をされていた方が、二〇一二年、出張先で胸部大動脈不全で倒れ、昨年、佐戸さんのいた首都圏放送センターに来てしばらくした七月の初めに、今度は脳出血で倒れたと聞いております。契約は請負労働だったということですが、そのような方おられますね。今どうされていますか。
○参考人(松坂千尋君) 御指摘の点でございますけれども、NHKは御指摘の編集担当者が所属する会社と業務委託契約を結んでおりまして、勤務管理はその会社の下で行われていたと認識しております。御指摘の編集担当者が現在治療を受けていることは把握しておりますが、会社も違い、本人のプライバシーもあるため、詳細についての回答は差し控えさせていただきたいと思います。
○山下芳生君 詳細はいいんですけど、今の方は「NHK特集」だとか「NHKスペシャル」などの映像編集をされていた方です。もうプロなんですね。御家族の方は、障害認定されたが、勤務表、タイムカードがどうなっていたのか見たことがないとおっしゃっています。この方がどれだけ働いていたか、把握されていますか。
○参考人(松坂千尋君) その編集担当者が所属する会社とNHKは業務委託契約を結んでおりまして、勤務管理はその会社の下で行われていたというふうに認識しております。
○山下芳生君 つかんでいないということですね。協力会社で働く人も含めて全ての人を対象にした働き方改革といいながら、つかんでいないと。 じゃ、そういう請負労働者の方も含めてどれほどの数働いていたか、掌握されていますか。
○参考人(松坂千尋君) 業務委託契約の関係になりますけれども、契約期間や従業者数は様々で、業務の遂行は業務委託先の業者に委ねられておりまして、NHKは指揮命令を行うことはできません。また、従事者の方はNHKの業務だけを行っているとも限りませんため、働く人の総数や勤務時間等の労働環境を詳細に把握することは困難であります。 一方で、NHKグループ働き方改革宣言は、NHKとNHKの業務に携わる外部事業者などの従業者についても対象としております。従業者本人の健康状況などには可能な限り配慮するよう努めるとともに、業務委託先の方々に対しまして健康を最優先に業務を行うよう理解を促していきたいと考えております。
○山下芳生君 NHKだけじゃないかもしれないっておっしゃいますけど、今言ったような方は、「NHKスペシャル」、そういう番組があるたんびに呼ばれて一生懸命いい仕事をするんですよ。こういう方がいなければ、NHKのいい番組はできないんですよ。それをそんなふうに言うのはいかがなものかと思いますね。 会長、こういう方が何人いるのか、どのような働き方をしているのかもつかんでもいない、これでどうやってNHKの業務に携わる全ての人の健康を最優先にできるんですか。
○参考人(松坂千尋君) 繰り返しになりますけれども、業務委託契約は、業務委託先の業者が勤務管理を行っておりまして、NHKは指揮命令を行うことができないことは御理解いただきたいというふうに思います。
○山下芳生君 それでどうやって健康を最優先できるんですか。できないですよ。私は、佐戸さんの死を教訓に本当にして、NHKの職場で労働者の命と健康を守り抜く体制、ルールができ、実践され、成果が出るなら、職人気質が根強い重層構造になっている放送業界の労働環境、ひいては日本社会の働くルールを変えられるかもしれないと、影響力多いからですね。しかし、それとは逆の方向に、真相究明に蓋をし、事実を明らかにしたい、真実を知りたいと行動する者を遠ざけるような雰囲気、暗黙の了解、圧力があるなら、社会に大きな負の影響を与えることになるだろうと思います。今NHKは、その岐路に立っていると思います。 最後に会長、どっちの方向に進むのか、お聞かせください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 若く未来のある記者が亡くなったことは痛恨の極みであり、大変重く受け止めております。公共放送を共に支える大切な仲間を失うようなことは、決してあってはならないと考えております。命と健康を守ることを最優先として、NHKグループ働き方改革宣言の実現に私が先頭に立って取り組んでまいりたいと考えております。
○山下芳生君 終わります。
○委員長(秋野公造君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋野公造君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 この際、江崎君から発言を求められておりますので、これを許します。江崎孝君。
○江崎孝君 私は、ただいま承認されました放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案) 政府及び日本放送協会は、公共放送の使命を全うし、国民・視聴者の信頼に応えることができるよう、次の事項についてその実現に努めるべきである。 一、協会は、業務改革等の不断の努力を通じ、受信料引下げを要因とする事業収支差金の赤字を見込んだ予算編成から、早期の黒字化への転換を実現し、より安定した業務体制を確保するよう努めること。 二、政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性を尊重し、協会を含めた放送事業者の番組編集における自主・自律性が保障されるように放送法を運用すること。 また、経営委員の任命に当たっては、その職務の公共性を認識し、公正な判断をすることができる経験と見識を有する者を、全国、各分野を考慮して幅広く公平に選任するよう努めること。 三、協会は、公共放送としての社会的使命を認識し、公正を保持し、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るための最善の努力を不断に行うとともに、意見が分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにするなど、放送法の原則を遵守すること。 四、経営委員会は、協会の経営に関する最高意思決定機関として重い職責を担っていることを再確認し、役員の職務執行に対して一層実効ある監督を行うこと。 また、監査委員会は、放送法に基づく調査権限を適切に行使し、役員に不適切な行為がある場合、又は、公共放送の倫理観にもとる行為がある場合には、経営委員会と十分に連携しながら、時宜を失することなく厳格に対処すること。 五、協会は、平成二十五年の首都圏放送センター記者の過労死の事実を重く受け止め、協会の業務に携わる者の健康確保のため、適正な業務運営と労働環境確保に全力で取り組むこと。 六、協会は、関連団体を含め不祥事が頻発していることに対し、国民・視聴者から厳しい批判が寄せられていることを踏まえ、公共放送を担う者としての役職員の倫理観を高め、綱紀の粛正、コンプライアンスの徹底、再発防止策の確実な実施等を組織一体となって行うことにより、信頼回復に全力を尽くすこと。 七、協会は、平成二十九年十二月の最高裁判決も踏まえ、公共放送の存在意義や受信料制度に対する国民の理解を促進し、協会に対する信頼感の醸成に組織一体となって取り組むとともに、受信契約の締結は視聴者の理解を得た適正なものでなければならないことを認識した上で、公平負担の観点から、受信料支払率の向上に努めること。 なお、受信料については、繰越金の現状や今後の事業収支の見通し等を踏まえ、減免対象の拡大など受信料体系・水準の在り方を含めて、引き続き検討すること。 八、協会は、放送センターの建替については、透明性を確保するとともに、建設費の大幅な増大が生じないよう万全を期すこと。 九、協会は、その運営について、情報の十分な開示・説明を行うため、経営委員会や理事会等における意思決定に至る過程や、財政運営上の規律、不祥事に伴う処分、子会社等の運営状況、調達に係る取引等について、議事録の適切な作成・管理に努めること。 また、国民・視聴者から寄せられる様々な意見に対し、必要に応じ自律的に調査し、その結果を速やかに公表すること。 十、協会は、インターネット常時同時配信等の通信分野における協会の業務の在り方について、国民・視聴者のニーズや動向を的確に把握し、民間放送事業者等の見解を幅広く聞きながら、関係者間での情報共有及び連携を図りつつ、できるだけ明確かつ具体的にその将来像を示すよう努めること。 十一、協会は、各地域の関係者と様々な分野で連携を強化しながら、それぞれの地域ならではの魅力を紹介し、地域の活性化及び発展に寄与するコンテンツを充実するとともに、国内外に向けた積極的な発信に努めること。 十二、協会は、我が国の経済・社会・文化等の動向を正しく伝えることの重要性を踏まえ、我が国に対する理解が促進されるよう、国際放送の一層の充実を図ること。特に、外国人向けテレビ国際放送については、番組内容の充実、国内外における認知度の向上等に努めること。 十三、協会は、本院からの要請に基づく平成二十九年三月の会計検査院の報告等を踏まえ、グループとしてのガバナンスを強化し、子会社等からの適切な還元を図るとともに、重複業務の整理等を推進し、透明性の高い効率的なグループ経営の構築に向けて、迅速かつ確実に取り組むこと。 十四、協会は、4K・8K放送の整備及び普及促進に当たっては、過剰投資、多重投資とならないよう十分な計画性を持って行うこと。 また、4K・8K放送の普及段階を見据えた衛星放送の在り方について、国民・視聴者や関係事業者の意見を幅広く聞きながら、検討を進めること。 十五、協会は、障がい者、高齢者に対し、十分な情報アクセス機会を確保し、デジタル・ディバイドを解消するため、字幕放送、解説放送、手話放送の一層の充実等を図ること。 十六、協会は、自然災害が相次いでいる現状に鑑み、地震災害、風水害、雪害等、いかなる災害時にも放送・サービスが継続され、正しい情報が国民に伝達されるよう、地方局と連携し、放送設備と体制の強化を図ること。 十七、協会は、サイバーセキュリティ基本法に定める重要社会基盤事業者であること及び東京オリンピック・パラリンピックに向けてサイバー攻撃の脅威が高まっていることに鑑み、関係機関と緊密な連携を図り、サイバーセキュリティの確保に取り組むこと。 十八、協会は、早急に障がい者の法定雇用率を達成するとともに、職場での差別禁止や合理的配慮を徹底し、障がい者の働く環境の改善を進めること。 十九、協会は、女性の採用・登用について、より高い数値目標を設定し、性別に関係なく仕事と家庭が両立できる職場の環境改善を進めること。 二十、協会は、放送と通信の融合が進む中で、公共放送の在り方について、不断の検討を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(秋野公造君) ただいま江崎君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(秋野公造君) 全会一致と認めます。よって、江崎君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、石田総務大臣及び上田日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石田総務大臣。
○国務大臣(石田真敏君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(秋野公造君) 上田日本放送協会会長。
○参考人(上田良一君) 日本放送協会の平成三十一年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚くお礼申し上げます。 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。 また、ただいまの附帯決議は、協会運営の根幹を成すものでございますので、十分踏まえて業務執行に万全を期したいと考えております。 本日はありがとうございました。
○委員長(秋野公造君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(秋野公造君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十七分散会