政府開発援助等に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/03/19
会議録
○委員長(松山政司君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、今井絵理子君、矢田わか子君、こやり隆史君及び野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として石上俊雄君、丸川珠代君、小野田紀美君及び山下雄平君が選任されました。 ─────────────
○委員長(松山政司君) 政府参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房審議官大鷹正人君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(松山政司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構副理事長越川和彦君及び同理事本清耕造君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(松山政司君) 去る十四日、予算委員会から、本日一日間、平成三十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費につきまして審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 政府から説明を聴取いたします。河野外務大臣。
○国務大臣(河野太郎君) おはようございます。 平成三十一年度政府開発援助に係る予算案について概要を説明いたします。 平成三十一年度一般会計予算案のうち政府開発援助に係る予算は、政府全体で対前年度比〇・五%増の五千五百六十五億五千六百万円となっており、四年連続の増額となる予算を計上しております。 このうち、外務省所管分については、前年度比〇・七%増の四千三百七十六億三千五百万円となっております。開発協力は我が国外交の最も重要な手段の一つです。 今回のODAに係る予算案計上に当たっては、戦略的なODAの拡充を含めた外交力を強化しています。特に、G20大阪サミット、TICADⅦに向けて、自由で開かれたインド太平洋の具体化やSDGsの達成等のグローバルな課題への対応に取り組んでまいります。 次に、協力の形態ごとに概略を御説明申し上げます。 まず、無償資金協力については、対前年度比一・六%増の千六百三十一億円を計上しております。 技術協力については、政府全体で対前年度比一・四%増の約二千五百七十五億七千五百万円となっております。このうち、JICAの運営費交付金等は、対前年度比〇・三%増の千五百十億円を計上しております。 国際機関への分担金、拠出金については、政府全体で対前年度比四・六%減の約八百七十四億七千百万円となっております。このうち、外務省所管分については、対前年度比四・七%減の約四百九十三億五百万円を計上しております。 最後に、有償資金協力については、質の高いインフラの推進などに円借款等を戦略的に活用すべく、出融資の計画額は対前年度比二・三%増の一兆三千九百五十億円となっております。 以上が平成三十一年度ODAに係る予算案の概略です。 なお、平成三十年度補正予算(第2号)については、ODA予算は、政府全体で約千三百三十一億六千八百万円となっております。このうち、外務省所管分については、約千二百六十七億六千九百万円となっております。 外務省としては、開発協力大綱の下、国際社会の平和と安定及び繁栄に一層積極的に貢献し、それを通じて国益の確保を追求していきます。その際、ODAに関する有識者懇談会の提言も踏まえ、NGOや民間企業など多様な実施主体と連携しつつ、人間の安全保障を中心とする日本らしい開発協力を実施していく考えです。引き続き、松山委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。
○委員長(松山政司君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎です。質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 河野大臣、政府参考人の皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。 私は、昨年九月に、参議院のODA調査派遣の第四班として、中西祐介団長の下、ヨルダン、パレスチナ、エジプトの中東地域を視察してまいりました。本日の委嘱審査では、この派遣での経験を基に伺ってまいります。 まず、青年海外協力隊員への評価についてお伺いいたします。 今回の派遣では、ヨルダン、エジプトにおいて、現地で活動する青年海外協力隊員と意見交換をする機会がありました。彼らの活動内容は多種多様で、ヨルダンでは環境や日本語の教育、障害児、障害者支援、エジプトでは小学校や幼児の教育支援や手工芸指導などを行っている隊員の皆さんとお会いしました。言葉も余り通じず、インフラも十分には整備されていない途上国において、自らの日常生活の基盤確保はもちろん、現地の活動に至るまで自分たちの力で行うという苦労話を伺いました。まさに道なきところに道を造ると、こういう生き方を体現する彼らの精神はベンチャースピリットにも通じるものかなというふうに思いました。このようなたくましい精神性は今の日本にとても大切なものであって、青年海外協力隊の皆さんの経験を正当に評価し社会に還元することが必要なのかなというふうに思います。 青年海外協力隊員への支援の必要性については、先月の本委員会についても複数の委員の先生方から指摘されているところでありますが、例えば民間経営にCSR経営そしてESG経営の一環として積極的に採用してもらうなどの取組も行われるべきかなというふうに思います。 そこで、現地で活動する青年海外協力隊員に対する河野大臣の評価についてお聞かせいただきたいと思います。 そしてまた、外務省には、帰国した隊員が具体的にどのような進路を進んでいるのか、さらには、望んだ進路に進めているのか、この点を伺うとともに、本人が進んだ、進路に進むための政府の環境整備や支援への取組について御説明願います。
○国務大臣(河野太郎君) 青年海外協力隊を含むJICAの海外協力隊は顔の見える開発協力の具体例でございまして、日本と世界をつなぐ草の根外交の担い手として派遣国の発展あるいは相手国との友好信頼関係の強化に貢献をしてきてくれております。青年海外協力隊の活躍ぶりについては、会談の相手の外務大臣あるいは首脳との会談の中で大変高い評価をいただいて、様々なコメントをいただくことが少なからずございますし、二〇一六年にはアジアのノーベル賞とも言われるマグサイサイ賞を青年海外協力隊という団体としていただいております。 外務省は、JICAとともに、四半期に一度、外務大臣感謝状あるいは感謝状の授与式並びに懇談会を開催をし、帰国された隊員一人一人の貢献をたたえております。また、昨年七月には、私自身、このJICAの活動と日本外交への貢献を評価して、これを広く周知すべく、隊員経験者などを招いた懇談会を開催をいたしました。こうした試みを今後もしっかりと続けて、彼らの貢献に報いていきたいというふうに思っております。 詳細については事務方から答弁をさせます。
○政府参考人(梨田和也君) 帰国した隊員の進路についてでございますけれども、昨年JICAが実施しました調査によれば、回答者の約九割が帰国一年後に進路を決めています。内訳として、六割強が就職、二割が復職、一割復学、入学、残りの一割非常勤、アルバイトと回答されています。就職者の内訳は、政府、独立行政法人、公益法人等の公的機関が約五割、民間企業が四五%、NGOが五%という内訳になっています。 JICAの取組ですけれども、JICAは帰国三か月前に隊員へ進路希望調査を行っています。その上で、事前の希望結果と実際の進路を比較しますと、民間企業につきましてはほぼ同じ割合が合致しておりますけれども、それ以外では若干希望と結果が一致しないケースもございます。 こうした調査も含めまして、JICAとしては、帰国後の隊員の進路開拓支援として、教育委員会、自治体の職員採用あるいは大学院入学における優遇制度の導入、拡充の働きかけ、また、帰国隊員の採用に関心のある企業、地方自治体関係者と帰国隊員との交流会の取組などを強化しています。また、今後、新たな取組としては、派遣中及び帰国隊員と企業関係者との交流会を地方や海外でも実施したいと考えています。 青年海外協力隊は我が国の重要な外交資産でありますので、外務省としても、帰国隊員が希望に沿った進路に進み、社会で活躍できるよう支援していきたいと考えております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 おっしゃるとおり、JOCVの隊員は日本の草の根外交の担い手であり、貴重な外交資産だと思います。国際支援がしっかりと行えるように、更なる支援をお願いしたいと思います。 続きまして、国連パレスチナ難民救済事業機関、UNRWAへの支援についてお尋ねします。 UNRWAはパレスチナ難民支援のために一九四九年に設立された機関であって、パレスチナ難民は現在約五百八十七万人にも及んでおります。設立されてから七十年たちますが、パレスチナ難民の問題は解決までまだまだ道半ばというところです。日本は、一九五三年に初めてUNRWAへの支援の拠出を行い、現在ではドナー国のトップテンの一つになっています。 私は、中西団長とともにパレスチナにおける難民支援の現状を視察するため、アクバット・ジャベル難民キャンプを訪問しました。このキャンプは、パレスチナ西岸にあるUNRWAが所管する難民キャンプの一つであります。そのキャンプ内の女子学校などを訪問しました。 女子学校では、生徒会の生徒たちといろいろお話ししました。彼女たちからは、日本国民からの長期的な支援のおかげで自分たちの活動が継続できているという感謝の言葉をたくさんもらいましたし、日本に対する信頼感や期待感の高さというのを本当に実感いたしました。そして、ちょうどこの時期は、私たちが訪れた時期ですが、ちょうどアメリカの拠出金の凍結を発表した直後であったということもありまして、非常に厳しい財政状況だというような声をいただきました。 そこでまず、外務省に現在のUNRWAの財政状況と日本の支援の取組について御説明を伺いたいと思います。その上で、河野外務大臣、中東へ頻繁に足を運ばれておりますが、このUNRWAの活動に対する評価と今後の日本としてのUNRWAに対する支援方針について伺いたいと思います。
○政府参考人(梨田和也君) 委員御指摘のとおり、UNRWAに対して米国の拠出が止まったということもあり、昨年、UNRWAは深刻な財政危機に陥りました。それを受けて、UNRWA自身の経費削減などの取組、また、我が国を含む各国ドナーの積極的な貢献により、二〇一八年末時点で、昨年発生した財政不足は取りあえず解消されたという状況であります。 我が国としては、UNRWAの活動の重要性に鑑み、二〇一八年、教育、医療、保健分野などにおいて、過去最大となる約五十億円の支援を実施しました。また、既に本年に入りましても、平成三十年度補正予算あるいは緊急無償資金協力として、既に三十四億円の拠出を決定しております。これに加えて、約二億円の拠出を含む平成三十一年度予算案を現在国会に提出させていただいております。 引き続き、現地のニーズも踏まえて、必要な支援を積極的に行っていきたいと考えております。
○国務大臣(河野太郎君) UNRWAがパレスチナ難民にとりまして人道的な観点から果たしている役割というのは非常に大きく、また、ひいては中東の安定に貢献をしている部分を高く評価をしております。 アメリカがこのUNRWAから離脱するということで財政危機に陥りまして、日本はかなり積極的にその穴を埋めるべく前向きに取り組んでまいりました。その結果、昨年の国連総会のUNRWA支援の閣僚級会合では、日本も共催国の一つとして役割を果たすことになりました。 単年度の穴埋めは昨年できましたが、アメリカが抜けたという状況に変わりはございませんので、中期的にこのUNRWAの財政をどうやっていくか、どういう拠出をするか。それから、UNRWAの、何というんでしょうか、支出、どこまで効率的に切り詰めることができるのか、そういったことをしっかりと対応していかなければならないという状況が出ておりますので、中期的にUNRWAが安定的に成り立つように、日本としてもしっかりと支えてまいりたいというふうに考えております。
○元榮太一郎君 昨年のUNRWAの財政危機に際しての日本政府の取組、アジア諸国への働きかけはすばらしい貢献だったと思います。引き続き御支援をお願いしたいと思います。 次に、広報強化の必要性についてお伺いします。 私がパレスチナを訪問した際には、現地の大久保大使やJICA事務所の三井祐子所長が海外のメディアから取材を受けて我が国の支援事業の目的や内容について説明している動画を視聴する機会を得ました。こういうような形で海外のメディアで取り上げられるというのは、この支援の必要性と成果をアピールするのに大変有効かなというふうに思っております。 先日発表されました今年の開発協力白書について、河野大臣は記者会見の場でも、今回の白書の特徴として、現場で活躍する人にフォーカスを当てて、JICAの海外協力隊などの活動ぶりをコラムで紹介する、こういったことも挙げまして、国民の支持を得ていきたい、このように述べられております。 そこで、外務省に三十一年度予算におけるODAの広報の取組について御説明を伺いたいと思います。その上で、河野大臣に、ODAについての広報の意義と今後の取組方針についてお尋ねしていきたいと思います。
○政府参考人(梨田和也君) ODA事業は税金を原資としており、その実施に当たって、納税者である国民の皆様の御理解と支持を得ることが重要です。平成三十一年度のODA予算政府案のうち、広報予算としては約八%増の一・六億円を計上させていただいております。お認めいただいた際には、来年度は、例えばSNS上の動画を一層拡充する、また、支援現場の生の声を直接発信することのできるようなイベント事業の開催、海外の現地メディアによる我が国のプロジェクトの視察、あるいは在外公館による発信などを通じて、一層国民の皆様あるいは海外の方々に御理解いただけるよう努力していきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 情けは人のためならずとよく言いますけれども、日本がODAでこれまで海外を支援をしてきたということは、ただ困っている人を救うというだけではなく、もちろんそういう観点もございますが、日本のODA支援によって経済発展を遂げた国々、そうした国々の経済が日本の経済の発展にも裨益をすることになっている。あるいは、テロ対策のための貧困対策というのは、ひいては日本の、これから即位の礼ですとかTICADあるいは東京オリンピック、大阪万博といった国際行事がめじろ押しでございますが、日本のテロ対策を考えた上でも、様々な国の開発支援、貧困対策というのは役に立っておりますし、感染症対策なんというのは、もう今日的にどこかで感染症を封じ込めるということが、もう既に日本国民を守るということに直結をしているわけでございます。 そうしたことをしっかりと国民の皆様に御理解をいただいて、ひいては、これは日本の国あるいは日本の国民に裨益することだということをしっかりと御理解をいただきたいというふうに思っております。 今日、私と局長がODAマンというキャラクターのバッジを付けておりますが、なるべく興味を持っていただく、いろんな世代の方に親しんでもらえるようなことをしながら、あるいはこういう事業をやっていますというのではなくて、その事業に携わっている生身の人間をクローズアップすることによって、ODAに対して興味と理解を示してもらえるような国内広報をやってまいりたいと思いますし、もちろん海外でも日本のODAでこんなことをやっていますよということは、これは広報することは大事だと思っておりますが、まずは国内でODAに対する御理解をきちんといただけるように努力に努めていきたいというふうに考えております。
○元榮太一郎君 ODAマン始め様々な取組が国民の理解につながっていくと思いますし、民放だったり、あとは民間のネットテレビとか、民間の協力を得てもいいのかなと。やはり、現地で取り組まれている隊員の皆さんの活動ぶりというのは非常に胸を打つものがありますので、そういった意味では、そういう民間を引き込む、そういうような広報もお願いしたいというふうに思います。 続きまして、国際機関における日本人職員への支援についてもお尋ねします。 ヨルダン、パレスチナ、エジプトのいずれの国においても、ODA派遣で伺った国の中で現地で活動する国際機関の方々とたくさんお会いしました。彼らの話の中で、国際機関の職員は基本的に一、二年程度の比較的短期間の契約であるということで、身分の面では日本国内で働くよりも不安定だと、これがハードルの一つになっているのではないかという話も伺いました。河野大臣も一月二十八日の外交演説で、国際機関で活躍する日本人を増やすことは急務であるということで、日本人の職員、幹部の数の増加を日本の拠出とリンクさせると明言されております。 そこで、まず外務省から、国際機関における日本人の職員の数やポストの現状とこれからの目標について伺いたいと思います。さらには、こうした国際機関を目指す日本人の就職支援やキャリアアップへの支援等について、平成三十一年度予算案における具体的取組について御説明を願います。 その上で、河野大臣に、国際機関で働く日本人の増加の重要性、増加への取組の御決意について伺いたいと思います。
○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。 国連及び国連関係機関の日本人職員につきましては、外務省調べでは、二〇一七年末時点で幹部八十四名を含め合計八百五十名となっております。 他方、ほかのG7諸国を見ますと、実は一千名を超えるところが多く、日本の職員数はいまだ十分な数ではないというふうに認識しております。このため、政府といたしましては、二〇二五年までにこの国連及び国連関係機関の日本人職員数を一千名とすることを今目標にしているところでございます。 平成三十一年度予算案におきましては、三十五歳までの若手日本人を国際機関へ派遣するいわゆるジュニア・プロフェッショナル・オフィサー、JPO制度ですとか、中堅レベル以上の日本人を派遣する予算を計上しております。また、国際機関のポストを目指すための応募書類添削ですとか面接対策への支援などの予算も計上しております。こうした取組によりまして、国際機関での将来の採用やキャリアアップを支援していきたいというふうに思っております。 なお、今御質問にありました契約期間の問題についても触れますと、国際機関のポストは最近では任期一、二年の有期雇用が一般的になっているところでございます。それは日本の雇用慣行とは異なりまして、様々なポストで経験を積むことでキャリアアップを目指すモデルと言うこともできます。 外務省といたしましては、このような雇用慣行の違いと、それから仕事の魅力、この双方を説明会の機会に十分説明するように努めているところでございます。そして、今後とも外務省といたしましては、空席情報などの有用な情報を皆さんに提供するとともに、国際機関側への採用や昇進の働きかけを積極的に行っていくことで日本人の方々がポストを獲得できて継続的に勤務できるように支援していく方針でございます。
○国務大臣(河野太郎君) 国際機関で日本人職員が活躍してくれるということは日本の人的貢献という面でも非常に大事ですし、国際社会における日本のプレゼンスということにもつながってくるわけでございます。また、日本人職員においては、その国際機関と日本をつなぐ橋渡しの役ということも期待をしているところでございます。 しかし、残念ながらこの日本人職員、英語の能力の問題があって、なかなか競争試験を突破して国際機関に入るというのが難しいのが現状でありまして、かなりの部分、JPOから国際機関に行く。JPOにはJPOの予算の上限があるものですから、この予算がなかなか増えず、国際職員の数を増やすことができない。それから、イタリアなどと比べると応募者数がそもそも十倍ぐらい差があるというような現実がございます。 何とか多くの日本の若者に国際機関という職場に興味を持っていただいて、しっかりと国際機関で活躍しようという若者の数を増やしていく努力を今後も続けてまいりたいと思っておりますし、英語の問題につきましては柴山文科大臣にお願いをして、英語能力をいかに教育の中で高めていくことができるか、今、文科省で検討していただいているところでございます。
○元榮太一郎君 力強い御答弁、ありがとうございます。 キャリアの魅力向上のために更なる支援をお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○又市征治君 立憲民主党・民友会・希望の会所属、社民党の又市です。 今日は、ベネズエラ情勢と日本の役割についてちょっと伺ってまいりたいと思います。 最近のベネズエラの政治経済状況は大変混迷を深めて、日本との関係も微妙になっている、こんなふうに見受けられるところです。 そこでまず、昨年五月の大統領選挙以前の段階では日本とベネズエラの政治経済関係はどのような状況だったのか、また、世界有数の資源保有国と言われるわけですが、その概要について御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(中前隆博君) お答えを申し上げます。 日本とベネズエラは一九三八年に外交関係を樹立し、二〇一八年に八十周年を迎えました。この間、おおむね良好な関係を維持してまいりました。 経済関係につきましては、二〇一七年の統計によれば、日本からベネズエラへの輸出額は約百五億円であり、主に自動車等の輸送機器を輸出しております。また、ベネズエラからは、日本への輸入額は約五十一億円で、原油、カカオ、アルミニウム等を主に輸入しております。 日本の対ベネズエラODAは、環境保全及び防災対策を重点分野として、技術協力や草の根・人間の安全保障無償資金協力を中心とした協力を実施してまいりました。二〇一六年度までの累計は、技術協力で約百十一億円、無償資金協力で約十三億円でございます。 ベネズエラの主要資源は原油でございまして、二〇一七年の統計でございますけれども、ベネズエラの原油埋蔵量は約三千億バレルであり世界第一位で、世界シェア一七・九%となってございます。他方、同じ統計によれば、同年の原油生産量は一日当たり二百十一万バレルであり世界十二位で、世界シェア二・三%でございます。
○又市征治君 ベネズエラが今御紹介あったように豊富な資源、特に原油の輸出に依存をしているということでありまして、経済を脱石油あるいは経済多角化、腐敗防止、あるいは石油外貨備蓄に失敗したなどが経済の混迷につながっているとも伝えられるところでありますが、しかし、やっぱり見落としてならぬのは、アメリカの経済制裁が大きい、こう見るべきではないかと思います。その制裁といっても、例えば北朝鮮の核開発に対して国連で合意をして各国が共同で行うというものではなくて、何の国際的取組にも根拠を持つものではない、一方的なアメリカが実施をしたもの、こういうふうに見られるわけですが、それは、ベネズエラが食料品を購入するために国際決済機関ユーロクリアに保有した十四億ドルを利用することを妨げたということなども挙げられます。 報道によれば、昨年三月二十四日にスイスのジュネーブで開催された国連人権委員会が、ベネズエラに対する制裁を非難する決議を採択をしています。決議はベネズエラの立場に理解を示して、経済制裁は最も貧しく脆弱な階級に偏って影響を与え、人権の実現に脅威となっているというふうに述べているわけですけれども、一方的で強圧的な措置の適用は国際法に違反するものであって、対話と平和的な関係を通じてお互いの相違を解決するように要請をしているところですね。 そこで尋ねますが、アメリカの経済制裁は国際法に照らして認められるものというふうに政府は理解をしているのかどうか、また、アメリカの経済制裁がベネズエラの経済にどの程度打撃を与えているというふうに分析をされているのか、さらに、昨年の三月の国連人権委員会の決議について政府はどういう見解をお持ちなのか、この三点を伺います。
○政府参考人(中前隆博君) 米国がいかなる根拠に基づいて御指摘の措置をとっているのか、第三国である日本としてその詳細を承知しているわけではございませんので、国際法上の評価についてはコメントは差し控えさせていただきたく存じます。 与えた影響についての御質問でございますが、米国政府により、ベネズエラ政府関係者や同国の法人等に対し、米国内の資産凍結、米国国民との取引禁止等の制裁が科されてきていると承知しております。 第三国による制裁の影響について我が国が答える立場にはなく、回答は差し控えさせていただきますが、その上で申し上げれば、IMFの発表によれば、ベネズエラの経済成長率は二〇一四年からマイナス成長が続いており、二〇一八年推定値はマイナス一八%、また同国のインフレ推定率は百万%を超えているとされております。ただし、これらの要因につきましては、主に二〇一四年の原油価格下落に加えて、同国の経済政策の失敗の影響によるものとの見方がされてございます。
○政府参考人(大鷹正人君) 御指摘いただきましたとおり、昨年三月の第三十七回人権理事会におきまして、ベネズエラを始めといたします非同盟運動諸国が経済制裁等の措置を非難する内容を含みます一方的強制措置決議を提案したというふうに承知しております。 我が国といたしましては、この決議の中で言及されております一方的強制措置とされる事柄は、そもそも国際政治経済上の措置に関する問題でございまして、人権のフォーラムである人権理事会において扱うべき内容ではないとの立場を取っております。このような立場から、我が国は、当時の人権理事会におきまして、米国、英国ほか十四か国とともに本決議に反対票を投じたところでございます。
○又市征治君 アメリカの国内法に基づく制裁だと、こう言っているんですが、昨年五月の大統領令は、アメリカ人がベネズエラ政府に関係する債券の購入などで資金調達に協力することを禁止したり、今年一月には国営石油会社を経済制裁の対象に指定したと発表しているわけで、報道によれば、これで七十億ドル、日本円にすれば約七千六百億円規模の国営石油会社の資産が凍結されるということであります。 アメリカは、ベネズエラにいわゆる人道的援助を自ら強引に持ち込もうとするよりは、経済制裁を全面的に解除するべきだと、こんなふうには思えるわけですが、あわせて、決議内容が国連人権委員会の性格になじまないというふうに言われていますが、まさにアメリカの制裁がベネズエラの国民の生活、人権を破壊していることは、これは忘れるわけにはいかないということだろうと思うんです。 そこで次に、外務大臣は、二月十九日の会見で、グアイド暫定大統領を明確に支持すると、こう表明をされて、それに先立つ二月五日の談話では、二〇一八年五月に実施された大統領選挙に関しては、その正統性に対する国際社会の疑念に対してベネズエラ政府として説明責任を果たすよう繰り返し求めてきた、それにもかかわらず、ベネズエラ政府はこれら要請に応えることなく、同国の政治、経済、社会情勢が悪化していることについて、我が国は非難しますと述べられているわけですけれども、ちょっと私はこれは理解し難いな、こう受け止めました。 例えば、日系人であるイシカワ駐日ベネズエラ大使は、今年の一月二十八日に、日本の市民、メディアの皆様への公開書簡を公表して、また二月一日には日本記者クラブで約二時間にわたって会見を行って質問にもそれぞれ答えているわけですけれども、外務省はこういう情報を外交ルートを通じて受け取っていないと、こう言うのであれば、駐日大使を外務省に呼べばいい話だろうと思うんですね。ベネズエラが説明責任を果たしていないという内容についてどのようなことを尋ねようとしているのか、まずこれを伺いたいと思います。 そして、この大使は公開書簡や会見においてグアイド氏の暫定大統領就任についても触れているわけですけれども、公開書簡では、グアイド氏が暫定大統領就任の根拠として憲法二百三十三条を挙げているけれども、これについては、この条文は、大統領の欠缺とは大統領の死亡、辞任、最高裁判所により命じられた罷免、身体的又は精神的な障害、職務放棄、その任期についての国民投票での取消しであるというふうに明確に述べているということを紹介をしているわけであります。また、グアイド氏の暫定大統領就任は最高裁判所で却下されているということでもあります。 グアイド氏を大統領としてアメリカ、EU諸国が承認したようですけれども、世界では五十か国程度なわけで、いずれにしても、現在のベネズエラの政治的混乱は内政問題であって、一方的に肩入れをすることは状況を悪化させ混乱を増大させるだけではないのか、このように思うわけですが、この点について大臣の見解を伺ってまいりたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 豊富な石油の埋蔵量をバックにして、ベネズエラの経済というのはかつては安定をしていたわけでございます。それが二〇一三年にマドゥーロ大統領が就任以来、経済的な失政により経済が崩壊をいたしました。恐ろしいハイパーインフレーション、そして汚職、腐敗が蔓延をする、そういう中で、ベネズエラにおける政治的、経済的あるいは社会的情勢が悪化をし、生活できなくなった二百万人を超えるベネズエラ国民が諸外国に、近隣諸国に流出する、そういう事態を招きましたが、このマドゥーロ政権は何らそれに対処するすべがありませんでした。 そして、二〇一八年に実施された大統領選挙は、その正統性に対し多くの国から疑義が寄せられるという状況になり、我が国もこの二〇一八年の大統領選挙についての説明責任を果たすよう累次ベネズエラ政府に求めてまいりましたが、残念ながら何らそれに対する納得のいく説明が行われておりません。そして、この難民という形での国民の流出はいよいよひどくなる一方でございます。 この状況の中で、様々な国が人道的支援を行おうといたしましたが、マドゥーロ政権はそれを物理的に阻止をするという状況にあるわけでございまして、既に停電あるいは断水といった人命に関わりかねないような状況も起きているわけでございます。 我々といたしましては、こうした状況を非常に懸念をし、グアイド暫定大統領を支持するとともに、なるべく早期に正しく民主的な手続にのっとった大統領選挙を行って、新たな政権を設立し、このベネズエラの政治、経済あるいは社会的混乱を収める、そういうことを求めているわけでございます。 マドゥーロ政権は、先ほど委員がおっしゃったようなアメリカの経済制裁を理由にするようなことをいろいろ言っていることは我々も承知をしておりますが、到底それでこの全ての状況を説明できるはずもなく、この状況を収束するためにはなるべく早期に自由で公正な大統領選挙が行われ、新しい政府の下、この状況が早期に収束されることを我々として望んでいるところでございます。
○又市征治君 暫定大統領、さっき駐日イシカワ大使の説明のところでも申し上げたけれども、暫定大統領なんという制度はないわけですよね。これを支持するというのは、これいかがなのか。そこがだから内政干渉になってしまうんではないのか。私は、大臣がおっしゃった、何とか円満に早くこの混乱を収拾するようにということはそのとおりだと思う。そういう立場で今日も質問していますけれども、やはり暫定大統領制度なんというのはない。大統領が失格する場合というのは、さっき申し上げたような条件が幾つもある。これがベネズエラの憲法にのっとっているわけでありますから、それを超えたものになるとこれは内政干渉になるんではないかということを申し上げているわけです。 そういう意味で、ともあれ、政府はグアイド氏を暫定大統領として支持をして、マドゥーロ大統領を正統な大統領としては認めなくても、まさにイシカワ駐日ベネズエラ大使については、この二国間関係の発展に尽力をしており、信任状を取り下げることはしないと、そういうふうに大臣は述べられているわけで、これは非常に賢明な判断だ、私はそのように思います。 また、今年一月にはベネズエラの相撲関係者を招待して、国民間の友好的な関係を維持することに外務省も努力をしていることについても評価をしたいと思うんです。 問題は、アメリカの軍事介入が秒読み段階というふうにも言われるこの緊迫した情勢の下、状態の下で、必要なことは、誰を支持するのか、あるいは誰を批判をするのかではなくて、今申し上げたように冷静な話合いの雰囲気をつくり上げていく、このことにどういう努力をするかということだろうと思う。独裁か民主主義かといった対峙が問題なのではなくて、両者の歩み寄りをどう強く求めていくかということが今求められているのではないかということだと思うわけです。 現政権も話合いを求めているようですし、問題となっている制憲議会の設立も野党側とほぼ合意されたけれども、野党側が署名を実は拒否をしているというふうにも伝えられているわけでありまして、既にグアイド氏を暫定大統領として承認をして今更これを撤回もできないんでしょうが、ベネズエラでは日本のこれまでのJICAを中心としたODAの経済援助等も高く評価をし、感謝もされている。先ほどお話あったように、八十周年を経て日系人がかなり活躍を政財界でもしている。まさにこの大使そのものが、駐日大使そのものがイシカワさんという名前で日系人なわけですけれども。 そういう意味で、高く評価されているだけに、グアイド氏、さらにはアメリカにも、ベネズエラ国内での対話のテーブルができるように尽力をすべきだ、そういうふうに働きかけるべきだろうと思いますが、改めて大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) その対話というのが誰と誰の対話なのか、ちょっと理解に苦しむところがございます。
○又市征治君 少なくとも、今申し上げたように、マドゥーロ氏側とこのグアイド氏側というか、そうしたところの対話、もっと言うならば、円卓会議みたいな格好で、いろんな勢力があるんだろうと思う、先ほども申し上げたように。 そういう意味では、問題となっている制憲議会の設立も野党側とほぼ合意された、こう言っているわけですが、野党側がこれを逆に拒否をしているという状況があるわけですから、そこの話合いを何とか周りから督励をするというか、そうした努力が求められるのではないかということを申し上げているわけでありまして、そういう意味で、是非とも、言ってみれば、イシカワ大使そのものを大臣はよく御存じのようでありますし、在日大使としては三番目に在任期間が長い、こういう格好で、大変な親日家でもありますから、こういう大使などとも率直な意見交換の上で、グアイド氏にも対話に応じるような働きかけをされるべきではないかということを申し上げているんです。
○国務大臣(河野太郎君) 委員には是非、ベネズエラの国内の状況がどんなものだか、しっかりと御理解をいただきたいと思います。 我々としては、グアイド暫定大統領の下、なるべく早期に自由で公正な大統領選挙が行われ、ベネズエラの情勢が好転することをしっかりと後押しをしてまいりたいと思います。
○又市征治君 終わります。
○古賀之士君 国民民主党・新緑風会の古賀之士です。質問の機会を与えていただいて、ありがとうございます。 まずは、タイムリーな質問からさせていただこうと思います。通告でいきますと一番最後の質問に関連してです。 資料の一、お手元を御覧いただければ、昨日の日経新聞の夕刊でございます。見出しは、開発投資原則、G20で提起、政府、中国牽制を狙う、透明性、財政健全性を盛ると書いてございます。本文の中に、新たなその原則というのは、質の高いインフラ投資に関するG20原則と盛られております。 そこで、通告しておりますその最後の質問から外務大臣に伺いますが、国際開発援助における中国との関係というのをどのように現時点ではお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 昨年十月の安倍総理の訪中時におきまして、総理から、二〇一八年度をもって全ての対中ODAの新規採択を終了することを中国側に表明をし、習近平国家主席から、これまでの日本のODAによる貢献を高く評価するという発言があったわけでございます。 これを踏まえて、今後は日中間で対等なパートナーとして新たな次元の日中協力を推進すべきと考えておりまして、開発分野における対話、あるいは人材の交流、地球規模課題に日中が肩を並べて対応する、そうしたことをこれから日中間でやってまいりたいというふうに思っているところでございます。
○古賀之士君 中国は援助される側から援助する国へと、そして日本との対等的なパートナー、更に連携を深めていくと、こういうまとめのお話だと思います。逆に、これから日本は、中国というのはもちろんですけれども、他国との連携をしっかりと強化していきながらこのODAを進めていく必要もあるという認識を改めて伺ったというような気がいたします。 では、次の質問に移らせていただきます。 G20はもちろんですが、先ほどからお話もありますように、アフリカ開発会議も今年、日本で開催されることになっております。通告の質問の下から二番目になると思いますが、これは資料二にも、裏返していただければ添付しております。 前回の第六回アフリカ開発会議で、我が国は三百億ドルの投資の約束をしております。資料二、官邸ホームページ御覧いただければお分かりのとおり、総理の冒頭発言の中にも、私が表明した官民総額三百億ドル規模のコミットメント云々かんぬんと書いてございます。 このアフリカ開発会議、三百億ドルの投資の約束というのは現状どうなっているのでしょうか。
○政府参考人(牛尾滋君) お答え申し上げます。 二〇一六年のTICADⅥで表明した二〇一六年―二〇一八年の三年間で官民合わせて三百億ドル規模のアフリカの未来への投資は、ODA、民間投資並びにそれを促進するための公的資金及び金融機関による融資の各取組から成っております。昨年九月時点で、各取組ごとにペースは異なりますが、実績の暫定値は百六十億ドルでございます。昨年九月時点での実績の暫定値は、ODAが約九十六億ドル、民間投資並びにそれを促進するための公的資金及び金融機関による融資を合計して約六十九億ドル、合わせて百六十億ドルということになっております。 このうち、ODAについては順調に進捗しております。一方、幾つかの被供与国において債務持続可能性の問題が発生しなければ、より多くの円借款案件を実施し得たと考えております。また、民間投資並びにそれを促進するための公的資金及び金融機関による融資については、全体として進捗は見られるものの、一次産品価格の下落、受益国の債務持続可能性の問題のために一部に遅れが見られております。 民間投資については、二〇一六年には進捗を欠きましたが、二〇一七年にはアフリカ向け外国直接投資の額に進展が見られました。 なお、これらの進捗に計上されている対外直接投資に加えて、統計上はアフリカ向け投資に含まれておりませんが、日本企業が第三国を経由する形で行っている投資の事例も存在しております。
○古賀之士君 つまり、三百億ドルのコミットに対して、現状、ODAは順調であるということ、そして百六十億ドルに関しては進捗していると。 残りについて、見通し、分かる範囲で結構ですが、教えてください。また、今課題も少しおっしゃいましたけれども、一番大きな課題どういった点があって、今後の見通しどういうふうになっているのでしょうか。
○政府参考人(牛尾滋君) 未達分については、少なくともTICAD開催まで努力するということでございます。 民間投資が要するにコミットが達成できない理由でございますが、アフリカ経済は今非常に好調になりつつありまして、ここの部分については今後伸びるというふうに考えております。 ODAについては引き続き順調でございます。
○古賀之士君 分かりました。 是非、二十一世紀最後のフロンティアとも言われているこのアフリカの開発に関してはまた大きな期待も掛かっていると思いますので、よろしくお願いをいたします。 冒頭の通告しておりました質問に戻ります。 外務大臣にお尋ねします。 百九十八回国会におけます外交演説についてです。ここからはタイムリーというよりも素朴な疑問シリーズと言った方がいいかもしれません。 まず、その外交演説の中でJICAのガバナンスの確立という文言がございますが、これはどういった意味を指すのか、教えてください。
○国務大臣(河野太郎君) 昨年度のJICAの予算執行に当たりまして、実施中案件が後ろにずれるということで、年度内の支出を抑制し、JICAの事業関係者に混乱を招くということがございました。これは、予算管理が極めてずさんだったということから、その年度内の調整をするために事業を後ろへ倒していったということがあったわけでございます。予算執行の管理ができていなかったということでございますので、予算執行管理室というものを設置し、予算執行管理体制を改善をさせ、ガバナンスを改善をするということをしっかりやらせたいというふうに思っているところでございます。 また、これは最近の話ではございませんが、かつてこのJICAが行っている様々な事業のコストを見たときに、アフリカで行われているもののコストが日本で行われている国内のコストと同程度だったということがございまして、少しそういうことについてもメスを入れていく必要があろうかと思っておりますので、このJICAの予算については外務省としてこれからも厳しく精査をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○古賀之士君 会計検査院というシステムはあるわけですけれども、もう外務省さんの方で事前にしっかりそういった防波堤を予見されて構築されていくということを前向きに評価したいと思っておりますし、引き続き、その予算管理の執行の問題については是非注視していただければと思います。 では、次、素朴な疑問の二番目ですが、外交演説に関して、JICAと競争できる実施主体を養成とありますが、これは具体的にいつまで、どのようなことを行うんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 日本のODAというと、すぐJICAという名前が出てまいります。これはJICAに対する期待が諸外国の中にも高いということにもつながってまいりますが、他方、全く競争がないと、先ほど申し上げたように予算管理がずさんだったりコストがいいかげんに管理をされていたり、あるいは効果的なものかどうかというところが非常に曖昧になったりということがございます。ですから、日本のODAをやるときに、JICAだけでなく様々な実施主体があって、その中で最も効率的、効果的にできるものにその事業をやってもらうということができるような体制整備が必要だというふうに考えております。 取りあえず、まず、様々国際的なNGOが日本にもございますが、多くは残念ながら足腰がまだまだ弱いというのが現実でございます。様々なNGOに、得意分野でこのJICAと競争して、場合によってはJICAよりも効率的、効果的にできるぞと、そういうものを育てていく必要があるというふうに思っておりまして、これまで、NGOに事業をやっていただくときに一般管理費五%を計上しておりましたが、残念ながらそれでは足が出るというような御指摘もございましたので、最大限一五%まで一般管理費を取れるような仕組みをつくるべく、今財政当局と協議を行っているところでございます。
○古賀之士君 つまり、NGOに対する、背中を押すあるいは支えをするということで、JICAと競争できる体制を構築していくと。 ですので、JICAと同等のものを、言ってみれば二リーグ制のようにつくるというわけではないという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) JICAと同じようなものを二つつくるという意味ではございません。
○古賀之士君 ありがとうございます。 では、次の質問に移らせていただきます。 外交演説の中で、国連を始めとする国際機関で活躍する日本人を増やすという文言がございます。これに関して、文科省の参考人、外務省の参考人に伺います。 日本の大学や大学院においてそういった国際開発や国際協力の講座というのはどれぐらいあるのか、把握していらっしゃいますか。
○政府参考人(森晃憲君) お答え申し上げます。 国際開発、国際協力に関する講座を開講する大学の学部、大学院は多岐にわたっておりまして、講座の数は把握しておりませんけれども、大学院の国際開発研究科又は国際協力研究科を置く大学は五校あると承知をしております。 例えば、名古屋大学の国際開発研究科では、国際社会の重要課題についてより深く学ぶための学位プログラムを提供し、海外でのフィールドワークを実施していると承知しております。また、関西学院大学では、国際公共分野のリーダーを養成、輩出することを目指した大学院副専攻、国連・外交コースを設置しておりまして、国際機関等でインターンシップを必修としているなどの事例があると承知しております。
○政府参考人(大鷹正人君) 若干補足させていただきます。 国際機関の日本人職員を増やしていくということにおきまして、一番大きな課題が、先ほど河野外務大臣からもお話ございましたように、やはり応募する日本人の数をいかに増やしていくかということでございます。 今文科省の政府参考人からも御説明したような取組もございますし、私ども外務省といたしましても、日本あるいは海外におきまして、小中高生も含めていろんな若者の層の方々に対してキャリアの一つとしてこういう国際機関の道もあるんだということを知ってもらう、そういう広報活動も積極的に取り組んでいるところでございます。
○古賀之士君 是非、そういった広報活動に取り組んでいただければと思います。 と同時に、奨学金等は現在何かこういったものに特化した形で設けられているんでしょうか。
○政府参考人(森晃憲君) 日本人学生の海外留学の状況、奨学金について、特に国際開発、国際協力分野という区分を設けているわけではございませんけれども、例えば、官民共同での海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」というのがございますが、そちらにおいてはUNDP、UNEP、WHOなどの国際機関でのインターンシップを含む海外留学を支援対象としているところでございます。
○古賀之士君 皆様御存じのように、こういった国際機関というのはその分野が多岐にわたっておりますし、また、ODAでしたら建設土木、あるいは水などの衛生、医療など様々な分野にもわたっているわけでございますので、是非そういった多岐な分野から国際機関に貢献できるような、ひいては日本のために働いてくれるようなそういう人材の発掘、これからより具体的な形で実現することをお願いをいたしたいと思います。 さて、次は、話はちょっと変わりまして、開発協力大綱及びそのODA有識者提言、その他の課題について、時間までお伺いいたします。 まず、外務大臣に伺います。 開発協力の適正性確保のための原則が掲げられておりますが、この原則と事業の効果とが相反するケース、例えば軍事政権下での災害救援あるいは人道支援、こういった場合にはどう対処されることになるんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 開発協力大綱では、開発協力政策や個別の事業の適正性を確保し、当該国や社会に与える様々な影響に配慮する観点から、適正性確保のための原則というものを定めているところでございます。 お尋ねのような軍事政権下における災害救援や人道支援を実施することについては、こうした原則との関係を踏まえた上で、その国の開発需要、経済社会状況、二国間関係あるいはその災害の状況、人道状況、こうしたものを個別具体的に検討して総合的に判断するしかないだろうというふうに思います。原則に反することなく、効果の高いものを実施するということになるのではないかというふうに考えております。
○古賀之士君 恐らく決断するお立場になりますとそれはそれなりに大変だと思いますし、また恐らく、軍事政権下でとはいうものの、その当事者の国民がやはり非常に厳しい状況にあるということに関しては相当な葛藤もなければまたいけないとも思っておりますし、是非、その辺も踏まえた上で、本当の意味での総合的な判断というものを期待しております。 では、総論として、ODAに関する有識者懇談会提言を、いろいろこれも多岐にわたっておりますけれども、要点で結構です、教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) この懇談会は、ODAに関する実施主体をどのように強化するか、どのようにそれぞれの特性を生かした役割を担ってもらうか、そういうことを主眼にして、有識者の方々にお集まりをいただき、議論いただいて提言をいただいたものでございます。 提言としましては、開発協力の全体像の中での役割分担の検討、競争と連携の強化、二つ目がODAに関する国民、市民の理解、認知度向上、三つ目がNGOの財政基盤強化としての一般管理費の拡充、四つ目が国際協力の財源強化としての官民マッチングファンドの創設、五つ目が国際協力を担う人材の育成、これを主な点とした提言をいただきまして、外務省として、これをしっかり受け止めると同時に、ODAをより効率的、効果的に実施するためにできるところからしっかりと進めていきたいというふうに考え、幾つかの取組をこの予算案の中に反映をさせていただいたところでございます。
○古賀之士君 そういった提言を受けられて、先ほどからお話が出ていますNGOへの援助ですとかあるいは一層の競争、連携、こういったキーワードに向けて実現を図っていくということの理解だと思っております。 では、先ほど元榮委員からも指摘がございましたパレスチナ難民救済事業機関、それから国連人口基金への米国の資金の拠出について一つ結びに質問させていただきます。 これ、現在、アメリカからの資金拠出どうなっているのか、現状とこれからの見通しについてお尋ねいたします。
○政府参考人(梨田和也君) パレスチナ、UNRWAに関しましては、アメリカは昨年八月に拠出を中止し、現時点まで再開はしておりません。また、国連人口基金、UNFPAにつきましても、アメリカは二〇一七年度から資金拠出を取りやめているところでございます。 我が国としては、まずUNRWAにつきましては、引き続き、財政状況不透明な状況でございますので、拠出国の更なる拡大、多様化というものに取り組んでいきたいと思っております。 また、同様に、国連人口基金につきましても、まずはその資金需要につきまして他の加盟国と議論を行っているところでございまして、日本としてもこれに積極的に関与していく考えであります。
○古賀之士君 時間がありません、一言だけ。 言葉は悪いですが、日本がこれ、アメリカの代わりに肩代わりするというような、そんな疑念はないですよね。大丈夫ですよね。
○政府参考人(梨田和也君) アメリカが出していた額をそのまま日本が肩代わりするというのは、残念ながら現実的な案ではないと考えます。
○古賀之士君 時間が来ました。また議論を深めたいと思います。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(松山政司君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として野村哲郎君が選任されました。 ─────────────
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 本日は、対中国のODAについてお伺いをいたします。 一九七八年日中平和友好条約が結ばれた翌年、一九七九年になりますが、中国に対するODA、対中ODAが開始をいたしました。以来四十年間これを継続してきたわけでございますが、先ほど河野外務大臣からお話がございましたとおり、昨年十月の安倍総理訪中の際、対中ODAの終了が発表されたわけでございます。 まず、これまでの対中ODA四十年を振り返って、その実績、意義、効果をどのように評価をされているか、外務省にお伺いをいたします。
○政府参考人(梨田和也君) 一九七九年に開始しました対中ODAは、中国沿海部のインフラのボトルネック解消、あるいは環境対策、保健医療などの基礎生活分野の改善、人材育成などの分野で実施してきました。昨年秋の総理訪中の際に、中国の改革・開放四十周年を契機に対等なパートナーとしての新たな次元の日中協力を推進すべきとの考えの下、二〇一八年度をもって全ての対中ODAの新規採択を終了することといたしました。 対中ODAは、中国の改革・開放政策の維持促進に貢献するとともに、日中関係を下支えする重要な柱の一つとして強固な基盤を形成する意義及び効果があったものと考えております。
○里見隆治君 ありがとうございます。 この対中ODA、四十年継続する中で、当初、経済インフラ整備を通じて中国の経済の安定的な発展、これに寄与をし、そして中国の投資環境が整ったところで日本企業の中国進出を後押ししたと、そうした意義もあろうかと思います。 さらに、近年は、今御答弁ありましたように、環境、また私、感染症対策なども注目しておりますけれども、こうした分野での技術協力等を通じまして、日本にも悪影響を及ぼすこうした感染症、こうした対策を行って、中国にも、また翻って日本の利益にもつながったというふうに評価をいたしますが、この点、外務省、いかに評価をされていますでしょうか。
○政府参考人(梨田和也君) 中国に対する支援の大部分を占めておりました円借款及び無償資金協力を二〇〇七年までに終了した後も、今委員御指摘の感染症対策など、我が国国民が直接裨益する真に必要と認められるものに限って支援を実施してきました。 感染症対策分野におきましては、西太平洋地区でポリオ患者の八五%を占めていた中国のポリオ撲滅に貢献したポリオ感染症対策支援、我が国の感染症輸入リスク軽減にも貢献したパンデミックインフルエンザなど新興・再興感染症等対策支援を実施してきました。 また、中国に対する最初の無償資金協力として建設した中日友好病院は、二〇〇三年のSARS発生時に重症患者の受入れ指定病院に指定されるなど、中国の感染症対策の重要な拠点となっております。 このように、御指摘の感染症対策の分野においても対中ODAは着実に成果を上げてきたものと評価しております。
○里見隆治君 ありがとうございます。 この感染症について、特に今日は深掘りをして御質問したいと思います。 今、ちょうど昨年の九月から日本国内で豚コレラの感染が広がっていると。またさらに、中国やモンゴル、ベトナムで発生をしておりますアフリカ豚コレラ、これは豚コレラよりも更に病原性が強く、また現在ワクチンや治療法がないということでありまして、その脅威にさらされているわけでございます。また、数年前には鳥インフルエンザ、こうした事案を考えますと、感染症の中でも特に動物検疫や獣医・畜産分野での協力というのは大変重要と考えます。 これまでアジアを中心に動物検疫、獣医・畜産分野でどのような協力事例があったか、外務省、更にございましたらお願いいたします。
○政府参考人(梨田和也君) 御指摘の分野におけるアジア地域における実際の協力事例としましては、例えば、ミャンマー・ヤンゴン市の国立口蹄疫研究所において、口蹄疫診断、ワクチン製造に係る施設及び機材を整備いたしました。また、モンゴルの国立生命科学大学獣医学部の新たなカリキュラムの整備、教員の指導、あるいは獣医・畜産分野人材育成能力強化プロジェクト、さらに三番目としてキルギスにおける生乳生産工程における搾乳衛生技術の改善を図るプロジェクト、こういった具体例が挙げられます。
○里見隆治君 ありがとうございます。 同様に、国境を越えた動物疾病に対する対応ということで伺っておりますと、例えば日本と中国、韓国の間で動物疾病に関する大臣レベルの覚書を結び、協力をして進めているといった事例も伺っております。こうした点も含めて、農林水産省としての具体的な取組事例についてお伺いをいたします。
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘ございましたように、我が国は、口蹄疫あるいは豚コレラなどの非清浄国であるアジアの国々に取り囲まれております。これらのいわゆる越境性の動物疾病の我が国への侵入を防ぐためには、水際対策を強化するだけでなく、疾病の発生国との協力によって我が国ヘの侵入リスクを下げる取組が重要と認識しております。このため、二国間、あるいは複数国間、さらには多国間など、様々な枠組みを活用した取組を実施しているところでございます。 具体的に申し上げますと、二国間の取組としては、例えば平成二十八年に日韓の高病原性鳥インフルエンザの防疫対策に関する会議を開催しまして、我が国の生産者が安心して早期に通報できる体制を韓国側に紹介をしております。 また、先ほど御指摘のございました日中韓の三か国では、例えば、平成二十七年に農業大臣会合で署名した覚書に基づきまして、各国の口蹄疫の検査技術を統一いたしました。 さらに、動物の疾病に関する国際機関でございます国際獣疫事務局、OIEを通じた多国間の取組といたしまして、アジア各国の口蹄疫制御のためのロードマップの作成を支援したほか、本年四月にはアジア地域のアフリカ豚コレラの専門家会合を開催し、防疫戦略、診断技術、国際検疫措置等を話し合う枠組みを立ち上げる予定になっております。 これらの取組を通じまして、周辺国の越境性動物疾病のリスクを下げる取組を行ってまいりたいと考えております。
○里見隆治君 こうした御答弁を踏まえて、外務大臣にお伺いをしたいと思います。 まず、直接御通告はしておりませんけれども、これまでの四十年間の中国へのODAについて、これを振り返っての御評価をいただいた上で、今深掘りをさせていただいた感染症対策、特に昨年来の豚コレラ、アフリカ豚コレラの脅威もある中でのアジア各国への技術協力、また、中国ともこれからまたODAという形ではない連携によりこうした感染症対策、拡大防止策を行っていく必要があるというふうに考えておりますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(河野太郎君) この中国への日本のODAの供与は、中国の改革・開放と重なりまして、中国の経済発展に非常に貢献をした、そう言っていいかと思います。 昨年、先ほども申し上げましたように、安倍総理から、対中ODA、新規の供与は二〇一八年度で最後とするという話を申し上げたときに、習近平国家主席から、日本のODAによる貢献に非常に感謝の言葉があったわけでございます。そういう意味で、この中国の改革・開放を日本のODAはしっかりと支え、中国の発展を支えてきたというふうに言ってよろしいかと思います。 また、アジア地域におけるODAによる獣医学分野での人材育成ですとか家畜の衛生改善、疾病防除に関する支援というのは、中国を始め様々なところで高く評価されてきていると言ってよろしいかと思います。 中国はODAを終了し、今後、日中、対等なパートナーとして様々な協力をしていこうということでございますので、こうした保健衛生あるいは家畜のこうした疾病対策などに関しても、地球規模で日中が協力をしていける分野というふうに思っております。 ODAあるいは非ODAにかかわらず、こうした分野でしっかりと感染症対策を日本としても今後力を入れてまいりたいと考えております。
○里見隆治君 ありがとうございます。 中国とは新しい段階に入ったと。パートナーシップを持って、パートナーとしてこのアジア、また世界を引っ張っていく。そうした日本の立場、役割を期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 続きまして、海外における日本語教育についてお伺いをしたいと思います。 海外との人の往来がますます拡大をする中で、今申し上げました日本語教育の重要性、更に増していると思います。 昨年十二月に政府が決定をいたしました外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策においても、海外における日本語教育基盤の充実がうたわれております。 海外における日本語教育については、これは決して相手国に押し付けるというようなものとなってはいけないというふうに考えますけれども、したがいまして、これまで外務省の事業の中では、国際交流基金による事業などが一定の役割を果たしてきたというふうに承知をしております。その上で、JICAにおける日本語教育支援というのは、これは開発途上国の要請に基づいて開発協力の一環として実施されたものであるというふうに承知をしております。 これまでのODAの事業として日本語関連事業としてはどのような実績があるのか、外務省にお伺いをいたします。
○政府参考人(梨田和也君) ODA事業の一環としての日本語関連事業としては、例えば、文化無償資金協力を通じたもの、あるいはJICAの行う青年海外協力隊、あるいは日系社会支援などを通じて行ってきております。 具体的には、草の根文化無償資金協力では、これまで四十七か国八十三件の事業に対して日本語教育機関への機材あるいは施設の整備などを支援しております。また、青年海外協力隊は、これまで七十か国に対して約三千人の隊員を派遣して、現地教育機関における日本語教育の実施、日本語コースの新規立ち上げ、あるいは日本語、日本文化の学習を通じた日系社会の人材育成などを行ってきております。 加えまして、海外の日系人に対して日本語教育を含めた研修を実施しており、平成十七年度以降三百十四名を受け入れております。また、海外における移住者の団体に対して日本語教育支援などの助成金事業を実施しており、平成十七年度以降約五億円を助成してきております。
○里見隆治君 今御答弁をいただいたODAの事業、これにかかわらず、日本語教育というのは、その要請をされている諸外国においても利益を生む、また私ども日本サイドにとっても利益にかなうという観点からしますと、今後さらに、海外での日本語関連事業、これを広げていくべきというふうに考えます。 これはODAに限らない話でございますけれども、海外における日本語教育に関する河野外務大臣のお考え、また今後の方針についてお伺いをいたします。
○国務大臣(河野太郎君) 最近、日本の漫画、アニメが入口となって、日本語に対する興味あるいは日本の文化に対する興味というのがいろんな国で広がっているようでございます。 フランスの漫画熱なんというのは昔から言われておりまして、谷口ジローさんなんかが非常に高く評価されておりましたが、思いもよらぬ国に行って、いや、うちでは日本語が外国語の中で人気ナンバーツーだみたいなことを言われると、びっくりして、これは何かやらにゃいかぬなと思うことがしばしばあるわけでございます。 日本語を学ぶということは、その向こうの日本あるいは日本の文化についても興味を持ってくれる、あるいは理解を示してくれるということで、非常に重要な外交のツールでもあるわけでございます。もちろん、語学ですから、押し付けたところでやる気がなければうまくならないというのは、多分、ここの部屋にいる方の多くはいろんな外国語で実際に経験をされているんではないかというふうに思っておりますが、これまで国際交流基金と連携をして、四月から始まります新制度のための日本語のテストの開発みたいなことも外務省として関わってまいりました。そして、開発途上国における文化、教育の振興を目的として、草の根文化無償というようなもので、様々な日本語教育に関連する機材ですとか、ソフト、人材、いろんなものの支援というのをやってまいりました。 こういうソフトな、何というんでしょうか、ツールでの日本の理解を広めるというのは非常に大事ですし、結構根が深く張れるものだというふうに思いますので、ここはしっかりやってまいりたいというふうに思っております。ハードウエアを整備する、あるいは機材を送るということだけでなく、この教え方とかあるいはソフトウエア、そういうことも含め、少し真剣に考えていきたいというふうに思っているところでございます。
○里見隆治君 今大臣が御答弁をいただいた漫画大賞ですけれども、私も二月下旬の表彰式に参加をさせていただき、本当に、アジアまた中東の方含めて、本当に日本のものかと思えるような、またそれ以上のものを拝見をして、大変感銘を受けたわけでございます。 そういった意味で、日本語だけということではなくて、あらゆる行動様式、また文化交流の中で、日本語、また日本文化への理解も深まっていくのだろうというふうに大変その行事を通じて感じたわけでございます。 今大臣からも御答弁ありましたように、日本への理解、また日本語の普及という点で、また外務省に更に御努力、御尽力いただくことをお願いをいたしまして、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。日本維新の会、そして希望の党を代表して質問をさせていただきたいと思います。 外務省のホームページには、開発協力を通じて途上国の発展を手助けしとあるわけですけれども、中国には昨年まで援助が続けられました。二〇一〇年、もう八年前に名目GDP、日本を抜いて世界二位になった中国に、今まで援助を続けてくる必要があったのかどうか。途上国というと、定義が、飢えや貧困に苦しみ、十分な食料や飲み水が得られない途上国と外務省のホームページにも書いてあるんですけれども、到底それには該当しない中国にずっと援助をし続けてきた理由は何か、お答えください。
○政府参考人(梨田和也君) 我が国としては、一九七九年に開始した対中ODAは、中国の経済的発展、技術水準の向上を踏まえ、一定の役割を終えたというのが基本的な認識でございます。 このような認識を踏まえ、中国に対する支援の大部分を占めていた円借款及び無償資金協力の新規供与は二〇〇七年までに終了しました。それ以降は、我が国国民が直接裨益する越境公害、感染症などの真に必要な協力のみに限って支援を行ってきました。 一方で、御指摘のあった中国は、一人当たりGNIを基準としたOECDの開発援助委員会、DACの援助受取国・地域リストに掲載されているため、国際的には依然としてODAの受取対象国の一つとして整理されております。 いずれにしても、御指摘の外務省ホームページの記載は、開発援助委員会、DACのこの援助受取国・地域リストの掲載国の一つとして説明をしたものでございます。
○藤巻健史君 結局、一九七九年、八〇年からですか、始めて幾ら中国に援助してきたんでしょうか。
○政府参考人(梨田和也君) 円借款、無償資金協力、技術協力と合わせて全体で約三兆六千億円でございます。
○藤巻健史君 中国がやはり世界的にどういう認識をされていると言われても、やっぱりGDPが世界二位の国になったという以上、その中に貧富の差があろうと、やっぱりその辺は自分たちで片付けてほしいというふうに思うわけですよね。そこまで、去年まで、もっと早い時期でやめるならともかく去年まで引きずってきたということは、これ意味的には戦後賠償の意味合いがあったんではないんでしょうか。何か中国からはそういうような発言も聞いたことはありますけれども、これはどうなんでしょうか。
○政府参考人(梨田和也君) 日中間の請求権の問題は、一九七二年の日中共同声明発出後存在しておりません。中国側も同様の認識であると承知しております。対中ODAの供与とさきの大戦に関わる請求権の問題とは何ら関係ないというのが我が国の一貫した立場でございます。中国が依然としてDACの受取国・地域リストに掲載されているため、国際的には依然として被援助国として整理されていると承知しております。
○藤巻健史君 確かにいろんな理由、一貫して外務省の方は賠償ではないというふうにおっしゃっていますけれども、中国の方から賠償だという発言もありましたよね。なかったですか。
○政府参考人(梨田和也君) 私自身は承知しておりません。
○藤巻健史君 今ちょっと手元に資料がないのでそれはそこでやめておきますけれども、じゃ、韓国のODAというのは、韓国に資金を出していたことがあるのかどうか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(梨田和也君) 韓国にも出していた時期がございます。一九六五年の国交正常化以降、総額約六千七百億円の支援を実施いたしました。ただし、円借款、無償資金協力は一九九〇年、技術協力は二〇〇一年に終了しております。
○藤巻健史君 これは戦後賠償の意味合いはあったんですか、なかったんでしょうか。
○政府参考人(梨田和也君) 戦後賠償とは無関係でございます。
○藤巻健史君 ちょっといろいろ、そうでもないというような意見もあるようなのでそれは今日は追及しませんけれども、二〇一三年から減らしてきたODA予算がまた二〇一六年から増加し始めていますけれども、これはなぜなんでしょうかね。
○政府参考人(梨田和也君) 政府全体のODA予算につきましては、我が国の厳しい経済財政事情を反映して、一九九七年をピークに約半減いたしました。しかしながら、二〇一六年度におきましては、伊勢志摩サミットの議長国として安倍政権の地球儀を俯瞰する外交を一層強化するため、増額、約前年度比一・八%が計上されました。
○藤巻健史君 私も、日本にお金があればいろいろ近隣諸国を助けるというのは非常にいいことだとは思うんですけど、御存じのように今財政非常に苦しいと思うんですよね。 私自身は、やっぱり財政もトリアージが必要だと。要するにトリアージというのは、御存じの方が大部分でしょうけど、災害があったときに患者がたくさんいるけれどもお医者さんの数が少ないと、それはみんなを助けたいけど、それが物理的に無理ならば緊急度を決めて治療をしていくというのがトリアージだと思うんですけれども、当然財政もここまで来るとトリアージが必要だと思うんですよね。 だから、確かに黒字であればどんどんこういうODAみたいなことをやっていけばいいと思うんですけれども、今の財政状況でODAを増やすような環境にあるのかという点が非常に疑問に思うわけですよ。例えば予算でも、特例公債が昔だったらば毎年国会の審議を得ないと赤字国債出せなかったわけですよね。出せないがゆえに総理の首が毎年飛んでいたと。総理の首と交換に特例公債法案を通して、そして何とか赤字財政を守っていたわけですよね。それほど赤字の状況というのは重いものだったと思うんです、毎年総理の首が飛ぶような。 だから、ここまで財政が悪いと、それはODAはいいんですけれども、ODAができないぐらいの、一種の特例公債法案がないと総理の首と同じぐらいに、要するに黒字にしなければ、若しくは財政が再建されなければODAなんか増やしちゃいけないよというのが私は筋かなと。このままいって財政がひどくなったら日本めちゃくちゃ、きっと私自身はハイパーインフレが起こると思っているんですけど、そんなことになったらば日本が途上国になっちゃうわけで、周りの国を何とかして助けてあげようと思ったら自分たちが途上国になっちゃうんじゃしようがないんですから、やっぱり節度というものがあって、財政が良くなれば当然どんどんまた戻す、だけど、ここまで財政が悪かったらば、ODA予算は一応少なくとも増やさないというぐらいの見識があってもいいのかなと思うんですが、これはできれば大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) かなり委員のお考えと私、近いと思っておりまして、こういう財政状況の中でODAを増やすことにはちゅうちょがはっきり言ってございますし、これから先、今は非常にゼロ金利、マイナス金利でございますから、国債費が限られている中でこれだけのODAを出しておりますけれども、今後、万が一金利が上がっていくというようなことがあって国債費が伸びれば財政の制約というのはますます大きくなっていく中で、この財政支出に相当厳しい優先順位を付けて、どこかから先は出さないということをやらざるを得ないときが来る可能性もあるというふうに思っております。そういう中で、ゼロにするというのも一つの考え方だと思いますし、今の状況ではとてもこんなことはできないというふうに申し上げるというやり方。あるいは、日本のODAの中でこれを切ると援助先で人が死ぬ、つまりそれに頼って人が生きていて、これを切ってしまうと人が死んでしまうというようなことがあるときに、そこはどうするのかということを考えなければいけない。 それからもう一つ、今、これまでの援助に対する信頼で日本に対する信頼というのは非常に大きいものがあって、国連の安保理改革、今進んでおりませんけれども、このプロセスが進み始めたときに日本の国連安保理入りをかなり多くの国が支持してくれるというのは、これまでの支援などによる信頼が積み重なってきたということにやはりあるんだろうと思います。そういうときに、財政を理由にして全く何もやらないということで済むのかどうかというのは、ここは総合的な判断が必要になると思いますが、何をやるのかということについて、私も少し優先順位を付けて、今までと同じように全部やるということはできないし、同じような世界中を相手にやっていきますというわけにもいきませんし、だからといって、一律減らすのでは効果が恐らく薄くなるだろうと。そうすると、めり張りを利かすということも考えていかなければいけないというふうに思っております。 他方、テロ対策ですとか感染症対策というのは、これは先ほど申し上げましたように、人のためならず我が身にも返ってくるということでございますので、今後とも慎重に予算の要求はしていきたいと思っておりますし、足下の何からやるのかということは今までと考え方を変えて、しっかりとした考え方の下やっていくようにしていかなければならないというふうに思っております。
○藤巻健史君 大変納得のいく、満足のいく御回答をありがとうございました。 あとちょっとほかにも聞きたいことがあったんですけど、この回答で結構でございますので、これで終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 モザンビークが日本とブラジルの支援を受けて大規模農業を導入する、熱帯サバンナ農業開発、プロサバンナ事業についてお聞きいたします。 今朝のニュースによりますと、このモザンビークなどでサイクロンによる大雨被害が起きておるようでありまして、まず心からお見舞いを申し上げたいと思います。 この事業は日本のODA資金を通じて進められまして、大別をしますと、大豆の品種、土地などの調査研究、マスタープランの作成支援、パイロットプロジェクトの三つから成ると承知しておりますが、まずJICAに確認をいたします。この事業の目的と内容、マスタープラン作成支援に日本が拠出した資金の合計は幾らでしょうか。
○参考人(越川和彦君) お答え申し上げます。 プロサバンナ事業は、モザンビーク政府が我が国、ブラジルの支援を得まして、モザンビーク北部のナカラ回廊地域において実施している事業でございます。持続可能な農業開発を通じまして、小規模農家を中心とした地域住民の生計向上を目指すものでございます。具体的には、作物、品種及び栽培技術の研究開発、農業開発マスタープランの策定、コミュニティーレベルの開発モデルの普及といったプロジェクトを実施してございます。 ナカラ回廊農業開発マスタープラン、これにつきましては、現時点で確認している範囲では、二〇一七年度末時点でJICAが支出した総額は七億四千二百万円でございます。
○井上哲士君 伝統的な小規模農家が中心の農業地帯を、二〇三〇年にはその四割を商業的な農業が占める地域に変えようと、こういう中身になっております。 外務省、JICAは、この事業について、現地での住民との対話を丁寧に行うよう答弁をしてまいりました。 私、一昨年の当委員会でも質問いたしましたけれども、プロサバンナの現地の住民からは、小農の自立が奪われる、環境が破壊されるという声が上がって、全国農民連合、UNACや市民団体による反対のキャンペーンが行われてまいりました。二〇一六年八月には三か国の市民社会からこの事業に抗議する公開書簡も出され、現地の市民社会や日本のNGOから、このJICAの事業が現地の市民社会への介入と分断を進めたと、こういう深刻な事態の指摘もされてまいりました。 外務大臣にお聞きしますけれども、外務省は二〇一七年の五月にマスタープラン見直し支援のコンサルタント契約を一旦停止をしておりますけれども、その理由について説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(梨田和也君) お答え申し上げます。 この農業開発マスタープラン作成プロセスの一環として、地域住民あるいは農民の意見などを広く聞き取るコミュニティーコンサルテーション、いわゆる公聴会を二〇一七年二月下旬から開始される予定でございました。しかし、コミュニティーコンサルテーションへの参加を拒んでいる反対派の意見も聞き、より丁寧な対話を進めることが必要であるとの考えから、日本政府、JICAからモザンビーク農業食料安全保障省に対しこのコンサルテーションの延期を促したところ、同省がこのコンサルテーションの延期を決定したという経緯がございます。 なお、プロサバンナ事業全体が一旦停止されたという事実はないと認識しております。
○井上哲士君 より丁寧な説明をすることが必要だという中で、今答弁があったような事態なんだと思うんですね。 この一旦停止をされる直前の一七年の四月に、この事業に関して事業対象地域の小農を中心とした十一人がJICAの環境社会配慮ガイドラインに基づく異議申立てを行っております。JICAの資金で行われた市民社会関与メカニズムによる介入と分断などの人権侵害、事業がモザンビーク市民の知る権利を侵害しているという内容でありまして、JICAの手法を厳しく問う、こういう申立てになっております。 実際、JICAは、一五年の十月から、コンサルタント、MAJOL社を使って、モザンビーク市民社会組織個別訪問という市民社会の団体や農民組織を個別に訪問する調査を実施をさせて報告書や書類を受け取っておりますが、この報告で、現地の農民組織や市民団体を反対派、賛成派など四つに分析をして色分けをしたということがNGOの調査でも明らかになっております。 それによりますと、小農を含むプロサバンナに反対の団体を赤色にして、過激派だと表現をして、取るに足らない数で考慮しなくてもよいと、こういう報告も受けていたというものになっています。実際、この色分けに従って反対派の赤に分類した団体を排除した会合も開催をされました。コンサルは最終報告書で、UNAC、全国農民連合が市民社会対話メカニズムに参加しなくても落胆不要、なぜなら全農民を代表しないからだとも述べております。 要するに、対話といいながら、地域社会、農民を色分けをして、一部を排除して、事業推進に都合のいい世論をつくろうとするものだった、こう思うんですね。その後、先ほどありましたように、一七年に一旦契約が中止となっております。 一方、日本のNGOの関係者の話によりますと、この事業の一旦停止後、二〇一八年の三月に、外務省からNGOに対して、これは河野大臣にも相談をした上として、反対派を含む参加型意思決定ルールに基づく議論の実現を今後の再開の条件とすると伝えられたとお聞きしておりますけれども、この事実に間違いないでしょうか、確認したいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) このプロサバンナ事業のマスタープラン策定支援プロジェクトにつきまして、JICAの環境社会配慮ガイドラインに違反するのではないかという異議申立てが二〇一七年四月になされておりましたが、二〇一七年十一月、異議申立て審査役から、JICAによるガイドライン違反は認められなかった旨結論付けるとともに、参加型意思決定ルールに基づく議論の実現に向けたモザンビーク政府の主体的取組をJICAは必要に応じて支援すべきとの提言を含む報告書が提出されました。これを踏まえまして、外務省及びJICAで検討し、私も相談を受けた結果として、この報告書の提言を真摯に受け止め、この方向で対応することといたしました。
○井上哲士君 反対派を含む参加型意思決定を再開の条件としてきた、これは大変大事なことだと思いますが、問題はそれが実際どのように進んでいるのかということでありますが、昨年の三月の下旬に、プロサバンナにノーキャンペーンに参加する団体に対して、JICAの資金で開催する四月四日の農業省主催の会合の招待状が突然個別に送られました。キャンペーン側はこれに対して、先ほどの外務大臣の判断が守られていないとして、欠席する旨とその理由をレターでモザンビーク政府のモザンビーク農業大臣に提出をしておりますけれども、このレターを日本のNGOが外務省に転送したけれども、外務省は、これは招待状の受領印があるとして、参加への意向を示したものだという見解を示したとお聞きしております。これは、欠席の返事を参加にすり替えるようなものになるわけですね。 団体関係者は、会合で何が起きているのかということで様子を見に行ったわけでありますが、反対の人がその場に現れたということをもってして反対派も参加をしたと、こういう既成事実化が図られている。キャンペーン側はこういう手法に反対する声明を六月に発表しておりますけれども、八月以降も既成事実化が進められておりまして、具体的には、JICAがコンサルタント契約をしてモザンビーク農業省がプロサバンナ本部に派遣する人物、この方が一五年の色分け事業をやらせたコンサルのプロサバンナ事業担当者だと聞いておりますが、この人物がプロサバンナのキャンペーンに加盟する団体に、先ほどの四月の会合のフォローアップだとして、個別の面談要請を繰り返しております。関係者が様子を確認するためだけに出席したことを利用して、参加の既成事実化を進めるものだと。面談要請は団体が断っても行われておりまして、突然訪問もあったということで、日本のNGOの下には、これを脅迫と感じたと、こういうことにも訴えが届いているようでありますけれども。 外務省、外務大臣にお聞きしますが、対話とか反対派を含む参加型意思決定といいますけれども、相手の主張を無視して押しかけて、形ばかりの参加の既成事実をつくって事業を推進することがあってはならないと思います。今行われているようなこうした事態が、外務省が示した対話と参加型意思決定というものと合致しているとお考えでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) モザンビークの農業食料安全保障省は、反対派を含む幅広い市民社会、農民団体を会合に招待し、丁寧な対話プロセスを実施していると認識しております。招待されたものの参加しなかった団体も一部あるということは承知をしておりますが、丁寧なプロセスを取っている、そういうモザンビーク政府の取組を今後も必要に応じて支援をしてまいりたいと思っておりますし、二〇一八年四月の会合については、プロサバンナ対象三州からも賛成派、反対派、双方が参加したと承知をしております。 モザンビーク農業食料安全保障省によれば、ノー・ツー・プロサバンナ構成団体を含む全ての参加者が積極的な発言を行ったということでございますので、丁寧な対話プロセスを継続していただきたいというふうに思っております。
○井上哲士君 農業団体の皆さんは、会合で何が起きているのかと様子を見に行っただけであるし、こうした手法に反対する声明を出しているんですね、先ほど述べました。しかも、このことが続いておりまして、去年の十一月に、プロサバンナのキャンペーンの主要メンバーが日本で三か国民衆会議出席のために出れないような日程で、JICA資金によるプロサバンナ事業に関する対話の在り方の会合が現地で行われました。政府系の新聞とされるノティシアス紙に、北部三州の州農民連合がこのプロサバンナ推進に合意して事務局を担当するという趣旨の声明の広告が出されたわけですね。 この声明は農民連合に確認されないまま出されたもので、UNACは一月の二十一日付けで声明を出しております。これによりますと、この広告に出された声明の内容は誤りだと、会合で州農民連合がこれまでと同じ立場を堅持すると表明したのに、それがこの会合の最終声明には含まれていなかった、UNACはこれまでと同様に事業に反対すると、その立場を堅持するという声明を一月に出したわけですね。 こうした反対の意見を外務省やJICAにもちゃんと伝えたのにもかかわらず、このJICAの資金による会合が今年一月、二月にも開かれていると。小農民運動の皆さんからは、市民社会への介入工作が続いていると、こういうふうに反発をしているわけでありまして、およそ私は丁寧にやっているとは言えない事態だと思います。 更にお聞きしますが、このJICAの事業が司法で訴訟になったことも重大でありまして、一八年の八月に、プロサバンナ事業が人々の知る権利を侵害しているとの訴えを全面的に認める判決が出ました。判決は十日以内に情報を全面開示するように命じておりますけれども、モザンビーク農業省は従前の取組を説明するような趣旨のレターを出しただけだと聞いておりますけど、ちゃんと全面開示がなされたのかと。 JICAは、事実関係はどのように承知をされているでしょうか。
○参考人(本清耕造君) 御質問にお答えいたします。 本件は、モザンビーク政府の行政機関と行政裁判所との間でやり取りがなされたものだと認識しておりますので、JICAとして直接お答えする立場にはございませんけれど、モザンビーク農業食料安全保障省によりますと、同省はマプト市行政裁判所に対し、プロサバンナ事業に関する事業情報をきちんと開示したという説明する書簡を根拠資料とともに大臣名で発出したということでございます。 また、農業食料安全保障省は、以前からウエブサイトに関連情報文書を公開しておりまして、更なる請求があれば対応していく方針を公表していると承知しております。
○井上哲士君 人ごとのように言われますけど、日本のODAで、関して違法判決を受けたということは重く受け止めるべきだと思うんですね。 訴状には、プロサバンナのマスタープランの基になったJICAによる現地調査の基礎データの開示も含まれております。モザンビークのことでは済まされない問題でありますし、これ、判決は環境社会配慮ガイドラインの異議申立ての訴えに対する審査報告書が出た後に出されたものでありますから、私は新たな事態を受けてもう一度審査すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○参考人(本清耕造君) 一七年四月に、現地住民からJICA環境社会配慮ガイドラインに基づく異議申立てがJICAに提出されたのは委員御指摘のとおりでございます。 そして、同年十一月に出された異議申立て審査役による調査結果、提言も踏まえまして、昨年四月、モザンビーク農業食料安全保障大臣が現地NGO、農民団体と対話の進め方について協議を行い、現在、現地NGO、農民団体の間で意見交換が行われているものと認識しております。 行政裁判所の情報開示命令が農業省に出された点に関して、モザンビーク政府の行政機関と行政裁判所とのやり取りでありまして、JICAとしては、先ほど申し上げたとおり、直接お答えするべき立場にはございませんけれども、モザンビーク農業食料安全保障省、同省はマプト市行政裁判所に対し、プロサバンナ事業に関する情報を開示してきた旨説明する書簡を根拠資料とともに大臣名で発出したということでございます。 ただ、JICAとしましては、実施機関として関係者に丁寧に対応するように努めてまいりたいと、このように思っております。
○井上哲士君 時間だから終わりますが、先ほど述べた昨年十一月に参議院議員会館で行われた三か国民衆会議に現地の農民の方が参加をされておりますけど、JICA資金によって市民社会に分断がつくり出されたと、人権侵害が行われていると、こう述べて、ナンプーラ州の農民連合の代表が、私たちはJICAが小農農業を撲滅しようとしていることを熟知していますと、しかし私たちはこの小農農業にこそ依存して暮らしてきたし、生存しています、しかしJICAは私たち小農がこの農業を継続することを許しませんと、ここまで訴えられております。 しっかりこういう訴えを受け止めてやっていただきたいと強調しまして、終わります。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。よろしくお願いいたします。 まず、我が国のこれまでのODAについて、河野外務大臣の評価及び大臣が今後重視したいと考えている分野、それについて伺います。
○国務大臣(河野太郎君) 様々な国を訪問する、あるいは様々な国の外務大臣と会談をしますと、日本のこれまでのODAが非常に高く評価をされております。若干意思決定に時間が掛かるということは確かにいろんなところで言われますけれども、一度決定されれば、とことんその相手国に寄り添ってプロジェクトをきちんとやり遂げてくれる、そういう評価は非常に高いものがございますし、その相手が本当に必要としているものは何かということをしっかりと見極めた上でプロジェクトが行われてきているという、そしてその質の高さというのが日本に対する信頼というものにつながってきているんだろうというふうに思っております。 ただ、最近は、円借款でやる様々なインフラプロジェクトがほかの国と比べてコストが高い。ライフサイクルで見れば恐らくそんなことはないだろうというふうに先方もおっしゃってくれるところがございますが、この質の高さとコスト、それが、むしろそのコストをいかに安くできるかというところを考えているところもあって、なかなかニーズにマッチしませんねという話が出てきているということも現実にあるわけでございます。 先ほどの藤巻委員の御質問にもありましたように、これまで日本は相当いろんなところへ大きな金額のODAをやってまいりましたが、財政がこれだけ厳しい中でこれから先どうするかというのは、本当に優先順位をきちんと付けた上でやらなければならないんだろうと思っておりまして、一つは、一円投資をしたものがどれだけのリターンになっているかということをやはり明確に数字で示す必要があるだろうと思っておりますし、何をやるかではなくて何を達成するのか。つまり、その国に小学校を造りますということではなくて、その国の例えば義務教育の普及率を高めるのか、あるいは義務教育のレベルを上げるのか、実際に何をアウトカムとして達成をする、そのために日本のODAを幾らそこへ投資するのかという関連性をやはり明確に示せるものでなければならないと思っておりますし、やはり総額も、この財政的な制約の中でどうするかということは、これは広く真剣に議論を、幅広い皆様に御議論をいただきながら、この財政の制約厳しい中で残すべきものは何なのか、そういう議論をどこかでしなければならないというふうに思っているところでございます。
○糸数慶子君 ありがとうございます。 次に、河野大臣は一月の外交演説の中で、島嶼国のように災害リスクが高まっている国については、ODAにカウントされるか否かを問わず柔軟に支援していく必要があるというふうに述べていらっしゃいます。 日本で唯一の島嶼県であり、台風災害への対応のノウハウや水資源確保、廃棄物処理など、島嶼県であるその制約を克服してまいりましたこの沖縄の知恵や経験をこうした支援にもっと活用していくべきだというふうに思いますが、大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(河野太郎君) OECDのDACがODAに計上するかどうかというのは、相手国の一人当たりGNIによって決まるわけで、その一人当たりGNIがある程度ぬきんでるとODA換算されないということがございますが、別にODAの金額を競っても仕方がありませんので、必要とされるところは、ODAになるかどうかは別として、きちんと支援をするという方針で今後もいきたいというふうに思っているところでございます。 島嶼県、沖縄の自治体あるいは企業の知見をこの島嶼国支援に利用するということはこれまでもかなり積極的にやってまいりまして、具体的には、沖縄県宮古島市の水道事業がサモアに対して行った水道事業運営の草の根技術協力というのがございます。また、沖縄の民間企業からのアイデアをベースにした支援といたしましては、可倒式、要するに、風車をメンテやら、あるいは風が強いときに倒せる、そういう風車による発電システムをトンガに無償資金協力で持っていって、風が強いときには倒す、あるいはメンテが必要なときにはきちんと倒せる、そういう事例がございます。また、昨年の十月には外務省が協力する形で沖縄において島嶼国向けの開発セミナーというものを開催をさせていただきました。 今後も、島嶼国に対する支援について、沖縄の知見をしっかりと活用すべく取り組んでいきたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 ありがとうございます。 ODAに関する有識者懇談会提言においても、我が国のNGOは規模が小さく、財政基金も脆弱であると認識されております。一方、先日の委員会で参考人から、スキャンダルで判明したことではあるが、イギリスでは非常に大きな政府資金がNGOに投入されており、国策として大きなNGOを育成しているという話を伺いました。 大臣は、NGOをODAの担い手として育成し、技術協力分野へのNGOの参入を期待されているというふうに思いますが、その具体的なイメージを伺いたいと思います。また、実施機関であるJICAとの役割分担、あるいは今後のJICAの在り方についても併せて伺います。
○国務大臣(河野太郎君) 有識者懇談会からの提言を踏まえまして、例えば一般管理費を五%から一五%まで最大、全てということではございません、最大一五%をめどとして引き上げる、そうしたことについて財政当局と議論をしております。 JICAとODAが様々な事業について競争することができれば効率的、効果的により事業を進めることになるのではないかというふうに考えております。JICAについては、引き続きODAの担い手としてこの有償資金、無償資金あるいは技術協力という全てをやる能力があるわけでございますから、JICAについては、JICAのその特性を生かしてやってもらわなければなりませんし、それぞれのNGOについて言えば、NGOのそれぞれの強みを生かしてできる事業をやっていただきたいと思っております。 また、NGOというのは決してボランティアではありませんから、しっかりとこのNGOセクターで人を雇い、人を育成し、その人がNGOから政府に来る、国際機関に行く、いろんな動きがあってもこれはいいことだと思っております。また、それぞれのNGOが、日本政府から金を受け取るだけでなく、国連機関、あるいはほかの様々な支援機関、援助機関から事業を請け負うということがあってもいいと思いますので、様々なことができるNGOに育つようにしっかりと後押しをしていきたいというふうに思っております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 まだ通告をした質問が残っておりますけれども、時間が参りましたので次回に回したいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) 以上をもちまして、平成三十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、政府開発援助関係経費についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 正午散会