政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2019/02/14
会議録
○委員長(松山政司君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、小林正夫君、小川敏夫君、石上俊雄君、井上哲士君、松下新平君、有村治子君、野村哲郎君及び丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として青木愛君、斎藤嘉隆君、浜口誠君、岩渕友君、自見はなこ君、徳茂雅之君、中西哲君及び小川克巳君が選任されました。 ─────────────
○委員長(松山政司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に外務省国際協力局長梨田和也君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(松山政司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事長北岡伸一君及び同理事本清耕造君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松山政司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(松山政司君) 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。 本日は、平成三十年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、六十分程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。 御意見を表明していただくのは、第一班のベトナム社会主義共和国、ラオス人民民主共和国については岩井茂樹君、第二班のインド、ネパール連邦民主共和国については小川克巳君、第三班のケニア共和国、ルワンダ共和国につきましては三宅伸吾君、第四班のヨルダン・ハシェミット王国、パレスチナ、エジプト・アラブ共和国につきましては中西祐介君です。 なお、御意見を表明される際は着席のままで結構です。 それでは、まず、第一班の岩井茂樹君からお願いいたします。岩井茂樹君。
○岩井茂樹君 ODA調査派遣第一班について御報告をいたします。 当班は、本年一月六日から一月十二日までの七日間、ベトナム社会主義共和国及びラオス人民民主共和国に派遣されました。 派遣議員は、大野泰正議員、秋野公造議員、斎藤嘉隆議員、矢田わか子議員、そして団長を務めました私、岩井茂樹の五名でございます。 まず、当班の調査の方針について申し上げます。 ODAの歴史は既に六十年を超え、初期の案件が更新されていく中、諸外国の支援の特性を比較し、評価を行うべき時期が来ております。今回の派遣で本特別委員会理事会により与えられた自由で開かれたインド太平洋戦略、質の高いインフラ輸出、日本の技術を生かした支援とのテーマに加え、当班は、近時、中国や韓国がインフラ整備における存在感を増す中で、我が国のODA支援の優位性を探るという視点を加味し、案件を選定いたしました。 ベトナムは、我が国が最大のODA供与国ですが、近時、公的債務抑制策の下に、ODAに関わる政策方針の決定、変更がなされ、我が国のホーチミン市都市鉄道整備事業を含む支払遅延等、様々な執行上の問題が生じております。さらに、我が国とは留学生、技能実習生派遣等の人材交流が活発な中、日本滞在中の失踪等の問題も生じ、新制度導入に向け問題状況を整理、解消する必要があります。 ラオスは、目覚ましい成長を遂げておりますが、なおASEANでは最も貧しい国で、インフラ整備も途上です。ODAの枠組みでは最大の支援国は我が国ですが、公的支援と直接投資の筆頭は、一帯一路構想の下、各国のインフラ整備に積極的に関与する中国です。当班は、中国と我が国の関わりの相違点を実地に調査すべく、国際的にも注目をされる大型案件、ラオス・中国高速鉄道を現地で視察することとしました。 ラオスの経済は水力発電による電力の輸出に支えられていますが、その先駆けとなったナムグムダムは、日本人技術者の尽力、日本の拠出に支えられ、建設されました。数十年を経てなお主力であるこのダムは、当時と同じ企業の技術者により、拡張のための高度な改修が進められています。一方で、ラオスは、昨年七月に韓国等の合弁企業が手掛けるダムが決壊をし大きな被害が生じ、原因究明及び復興の途上にあることから、ダムに関わる比較の観点も取り入れ、調査することといたしました。 両国では、これらの案件を中心に、現地視察、複数の所管大臣との面談、受注事業者との忌憚のない意見交換等、様々な角度から調査を重ねました。その結果得られた所見を三点御報告いたします。 第一に、日本の支援の優位性をPRする必要性であります。我が国のインフラ整備は高品質だが費用が高く工期も長いと言われますが、質の高さ、長期期間使用可能なこと、現地における雇用、最先端の専門技術と安全管理のノウハウの継承という利点を持つことから、費用対効果を考えると他国の支援よりもはるかに優れていることを積極的にアピールしていくべきです。 まず、質の高さですが、今回、ベトナムで、他国が整備し、開通して間もないハイフォン―ハノイ間の高速道路を通行しました。料金所やサービスエリアまで完備し、外観は日本と変わらないものの、走行中、衝撃にも近い大きな振動を何度も感じました。道路には早くも不等沈下が生じていたのです。地盤改良工事による工期の遅れと経費の増加を避け、早さと安さを優先した結果、質が伴っていないことは明らかでした。 これに対し、我が国の円借款利用のSTEP案件であるホーチミン市都市鉄道では、地盤の構造を詳細に検討、トンネルによる周囲への影響をあらゆる角度から検討し、その時点での最善、最上の対策を講じ、アフターケア管理にまで細心の注意が払われておりました。見えないところまで気を配り、その後の管理も欠かさない。ラオスのナムグムダムも同様の思想に支えられ、完成から五十年を経てなお活用されております。長期間使用できる、長期的なライフサイクルを見て質と安全性が確保されている、これこそが日本支援の真髄です。 次に、我が国は、インフラそのものにとどまらず、現地における雇用を通じて最先端の専門技術、知見及び安全管理のノウハウをも供与していることもアピールすべきです。 我が国は、現地採用の技術者、労働者に対し、OJT等を通じ、専門技術を惜しみなく伝授しております。安全管理教育は、現地進出歴が長い帝国通信工業を始め、全ての現場で徹底されておりました。日越大学やパスツール研究所では、我が国の最高レベルの知見をベトナム、ラオスの発展につなげようとの意気込みに心打たれました。都市鉄道視察の際には、ベトナムの技術継承、現地採用スタッフの育成に注ぐ担当者の情熱に驚くばかりでした。また、ハイフォンのラックフェン国際港では、ニャッタン橋事業で雇用されていた現地技術者等の活躍ぶりにも接しました。日本のみへの利益還元にこだわらず、多くの現地雇用を生み出し、主要資材も現地で調達。まさに利他の精神が具現化されておりました。 これに対し、ラオス・中国高速鉄道では、資材の供給もコントラクターもほぼ中国企業が独占し、ラオス企業は僅かに下請に入るのみです。しかも、報道によると、整備後の一等地となる路線周辺の両側五十メートルの土地等について、中国が無償の永年使用権を与えられ、ラオスは開発に関わる利益にはあずかれないとのことであります。 なお、鉄道の運営事業体はラオスと中国の合同出資ですが、ラオス政府出資の多くは、鉱物資源等を担保に中国の金融機関から借り入れられているとも聞いております。山に囲まれた、他国との交通手段が限られてきたラオスは、悲願の鉄道建設のために子孫代々まで借金漬けになるのではないかと危惧します。 付言しますと、ハイフォンの高速道路は閑散としておりました。高利の借入金を通行料金で返済していくため、非常に高額な通行料金が設定され、利用が進まないのです。巨額の借金で見た目は立派な施設がすぐに手に入るが、質を伴わず、国民の利用も進まず、残るのは借金だけとなりかねません。 円借款も相手国にとっては借金です。長く借金を抱えることになる相手国には、競合国の売り込みが激しい今こそ、長く使える施設とともに国を支える技術も伝え、将来の国民も含めて幸福にするという日本のインフラ整備、援助の真価を積極的にアピールする必要があると考えます。 第二に、多角的な調査の必要性について申し上げます。 案件を絞り、様々な角度から調査した結果、特に複数の省庁が関わる案件についてはそれぞれから話を聞く必要があると痛感しました。 ベトナムでは、公的債務を管理する財政大臣、ODAを誘致する立場にある計画投資大臣、そして教育訓練副大臣と都市鉄道未払問題、ハイフォンでの個人所得税減税問題、日越大学の財務問題、VAT未払問題、巡視船建造問題等について意見を交わしましたが、管轄、責任の範囲も含め、発言のニュアンスが微妙に食い違うところもあり、問題の根深さ、複雑さを痛感しました。 ラオスでは、ラオス・中国高速鉄道及びダム決壊事故について、それぞれ所管大臣と個別に懇談した後、さらに場を改め、両大臣及び国民議会委員長と忌憚なく意見を交換する機会を得ました。それぞれの立場により、受け止め方が異なり、見える構図が変わってくることも実感しました。 相手国政府全体としての方向性をしっかり見極めていくためにも、今後とも多角的な調査を実施する姿勢が必要であることは強く申し上げたいと思います。 第三に、参議院ODA派遣を戦略的に使える環境を整備する必要性について申し上げます。 今回の調査に際しては、事前に問題意識を持って勉強した上で案件を選択し、現地に臨みました。そして、行政のレベルでは相手方の対応方針がはっきりせずに膠着状態に陥っていた執行中の案件について、国民の代表として、自らの言葉で大臣等の責任者に直接ただし、事態の解明、前進に貢献できたものと自負しております。ベトナムODA案件を受注する建設会社等からは、今回の派遣を心から歓迎し感謝する旨が表明されるとともに、今後も定期的なフォローアップをしてほしいとの強い希望が出されました。 このようなバックアップはODA派遣の大きな意義ですが、それには、リアルタイムの情報と、大使館、JICA、現地事業者等の密接な連携が不可欠です。今回訪問したベトナムのJICA事務所は日本語による情報発信にも熱心であり、また、都市鉄道に関わる大使の動きは海外メディアでも取り上げられましたが、例外的なケースかと思います。 ODA派遣をより活用すべく、執行過程で発生した問題の解決を参議院として後押しする体制、すなわち、行政レベルでの解決が困難という事態が生じたら、早い時点で参議院に向け何らかのSOSを発信でき、参議院側もこれを受け止め、派遣につなげていく枠組みを考えてもよいのではないでしょうか。さらに、我々が踏み込んで議論できるように、関係機関においては、冒頭でも申し上げましたが、各国の支援の状況について、供用後の経過も含めて比較、評価した上で、我が国の優位性をアピールできるような資料を積極的に整え、提供していただきたいと思います。 最後になりますが、今回の調査に当たって多大な御協力をいただきました視察先の関係者、外務省及び在外公館、JICAを始め、JICAボランティア及び専門家、日本企業関係者の方々に改めて感謝を申し上げます。 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) ありがとうございました。 次に、第二班の小川克巳君にお願いいたします。小川克巳君。
○小川克巳君 ODA調査派遣第二班について御報告いたします。 当班は、昨年十二月十五日から二十二日までの八日間、インド及びネパール連邦民主共和国に派遣されました。 派遣議員は、団長の宇都隆史議員、三浦信祐議員、白眞勲議員、浜口誠議員、そして私、小川克巳の五名でございます。 本日は、今回の調査を通じて得られました所見を中心に御報告いたします。 まず、インドについて申し上げます。 インドに対するODAでは、メトロや鉄道といった大規模インフラだけでなく、上下水道、保健、衛生といった基礎的社会サービスの支援も重視されています。今回の調査では、インドに対するODA全体を俯瞰するため、できる限り幅広い分野の案件を視察してきました。 最初に、保健分野の支援の必要性について申し上げます。 チェンナイにおいて、インド南部小児医療の拠点病院として機能しているチェンナイ小児病院を視察いたしました。同病院に小児科総合外来病棟を建設し、必要な医療機材等の整備を行った結果、乳幼児や妊産婦の死亡率の改善が図られております。 タミル・ナド州政府担当官からは、我が国の保健分野への協力に対し謝意が述べられ、インド南部の医療レベルの向上の観点から、マドライにおける医科大建設整備について日本の支援に対する期待が寄せられました。 今後も、施設等が適切に活用されているかどうかを注視していくとともに、引き続き保健分野への協力を行っていく必要性を感じました。 次に、貧困対策について申し上げます。 チェンナイでは、タミル・ナド州生物多様性保全・植林事業も視察しました。同事業は、環境保全だけでなく貧困削減にも貢献するもので、特に女性の就労支援や生計向上に関しては、現地の女性自助グループの皆さんから高い評価をいただきました。また、自営小売店の店主からは、世帯収入が上がり、子供を学校に通わせることができるようになったとの感謝の声もありました。このような取組への協力は、我が国の重要な役割と考えます。 デリーでは、日本による対インド支援の代表例として知られ、現在も事業拡張中のデリーメトロを視察しました。デリーメトロの整備は交通混雑の緩和や環境汚染の改善に寄与しておりますが、営業距離は既に東京の地下鉄、東京メトロと都営地下鉄を足した分ですが、を超えており、利用客は一日約三百万人にもなっているそうで、相次ぐ延伸により更に利用者の増加が見込まれています。 インフラの整備は経済の成長、発展を図る上で極めて重要であり、デリーメトロ公社の責任者からは今後も継続的な協力依頼がありました。その要請に応じて、今後も質の高い支援を行っていく必要があります。 また、デリー準州における知的障害者のための職業訓練所拡大計画につきましては、入所者が陶器やパン、菓子作りに取り組む姿を視察し、職業訓練機会の拡大に効果が上がっていることを確認しましたが、販路の開拓には苦戦している様子でした。 今後の対インド支援に関しては、ラダクリシュナン財務・海運担当閣外大臣との意見交換において、医療分野や自動車生産に関する協力のほか、インド北東部における道路網、茶、竹及び日本語教育などについて日本の協力を求める意見が寄せられました。 インドでは、ムンバイ―アーメダバード間高速鉄道整備計画や貨物専用鉄道建設計画などの複数のインフラ整備事業が進行しています。日本の質の高い支援により、信頼性があり、持続可能で強靱なインフラを進展させ、強化するとともに、引き続き、基礎的社会サービスである保健分野や貧困削減、社会セクター開発に資するような支援など、我が国の知見、技術を生かした的確な支援を実施していくべきであります。 次に、ネパール連邦民主共和国について申し上げます。 二〇一五年四月、同国のゴルカ郡を震源とするマグニチュード七・八の地震が発生し、甚大な被害が発生しました。現在、ネパール政府は震災からの早期復興及び国土の強靱化に取り組んでいますが、今回、当班は、我が国による復興支援を中心としてODAの実施状況を視察してまいりました。 まず、地震からの復旧復興支援を今後も継続して行う必要性についてです。 今回視察したパロパカール産婦人科病院は、無償資金協力により再建を支援しておりますが、同病院はネパール全土から妊産婦を受け入れており、多くの住民に直接裨益する施設の復旧というだけではなく、より良い復興、ビルド・バック・ベターを目指して震災前よりも効果的、効率的な医療サービスを提供するとともに、非常時にも機能し続ける病院の実現を図るものです。 視察した建設現場では、日本のコンサルタントと建設会社の指導の下、安全第一、整理整頓を旨とした作業員への技術指導が図られていました。 南アジアで最も所得水準が低く、基礎保健サービスや保健インフラが十分でないネパールにおいて、同病院の再建は喫緊の課題であると考えます。今年五月完工の予定ですが、医療サービス向上のためには機材や研修等も支援する必要があると思います。 次に、カトマンズ王宮広場内の寺院の修復状況を視察しました。 二〇一五年の地震では、世界遺産カトマンズ盆地を構成する王宮前広場や寺院に建てられた多層塔形式の建物も崩壊し、壊滅的な損傷を被りました。これらの文化財は、ネパール国民の生活、文化上のアイデンティティーであるとともに重要な観光資源でもあり、修復は急務となっていました。日本は、修復関連機材の支援だけでなく、現地に専門家を派遣して修復作業を支援しており、将来的にはネパールの技術者の力で文化遺産を守っていけるように、ネパールの伝統や文化を尊重しながら日本の技術を伝えるとの説明を文化遺産アドバイザーから受けました。 視察時には、依然として倒壊したままの寺院等も複数目にし、復興は道半ばであると思いました。ネパール国民にとっては信仰の対象でもあり、今後も引き続き協力することが我が国の重要な役割と考えます。 次に、教育に対する支援の必要性についてです。 緊急学校復興事業は約二百三十六校の再建を支援するものですが、今回は、対象校の一つであるウデカルカ高等学校を視察しました。訪問時、大勢の生徒たちから生花の首飾りをたくさん掛けてもらい、大変な歓迎を受けました。日本の支援により耐震性が確保された新校舎で安心して授業を受けている様子を観察しましたが、熱心に勉強する生徒たちの目の輝きがとても印象的でした。 一方で、学校関係者からは、れんが工場で働くため通学ができない子供もおり、本校に給食設備ができれば更に多くの子供が通えるようになり、途中退学者も減るのではないかと思う、また、暖房設備がなく非常に寒い、今後も日本から継続した支援を期待するという意見が述べられました。 ネパールの将来を担う子供たちの教育については、国の社会経済発展に必要不可欠なものであることから、最重要分野であると言えます。学校再建などの環境整備だけでなく、給食設備の整備などを通じた教育機会の拡充などへの支援も併せて考えていくべきだと思いました。 次に、その他の主な案件について申し上げます。 カトマンズでは、市内で唯一現職医療従事者に臨床教育を実施する公立病院であり、MRIや高圧蒸気滅菌器等が供与されたトリブバン大学教育病院を視察しました。無償資金協力により供与した医療機材によって患者に提供する医療サービスが改善されるとともに、医療従事者に対する臨床教育の機能も強化され、実施されたODAが現地の医療サービスの向上に貢献していることが確認できました。 二〇一五年の震災時に市中の他の病院が機能不全となる中、数十年前に日本の支援で建設された同病院では、特段の被害もなく、安定した医療サービスが提供できたことに謝意が表明され、引き続き日本の支援を求める意見がありました。 医療サービス向上の効果を継続するためには、供与機材の適切な維持管理も視野に入れた支援を行う必要性を指摘したいと思います。 また、カトマンズ市郊外では、パラリンピック種目であるボッチャの普及活動のため、ネパールボッチャ協会に民間連携ボランティアとして派遣されている青年海外協力隊員の活動状況を視察しました。同隊員は、曜日ごとに異なる特別支援学校や施設を訪問しており、その真摯な活動が現地の人々から高い評価を得ていました。 今後の支援に関しては、カティワダ財務大臣との意見交換において、二〇二二年までに最貧国から脱し、持続可能な発展につなげるため、医療分野、保健分野、教育分野などについて日本の協力を求める意見が寄せられました。なお、同大臣からは、日本からのODAを有効に活用するために会計監査や不正腐敗対策が講じられている旨の説明がなされました。 また、ティミルシナ上院議長との意見交換においては、ネパール政府は国家の繁栄、国民の幸福を標榜しており、このスローガンを実現するために、インフラや農業の近代化、商業化などの分野における更なる支援や、日本企業からの投資も期待しているとの意見が寄せられました。 医療分野、保健分野、教育分野、インフラの整備などについては、ネパールへの支援の重点分野と合致するとともに、我が国の経験、知見を生かした効果的な支援が可能な分野と考えられ、着実な協力関係の進展を期待したいと思います。 最後に、今般の調査では、インド、ネパールの両国において、青年海外協力隊員のほか、専門家の皆様、また現地で活躍する邦人の皆様と懇談する機会をいただきました。様々な分野で多くの皆様が活動して成果を上げ、各視察先や政府関係者等との意見交換でも、ボランティア等の皆様の活動に対する評価は高いものでありました。人的交流の推進は両国関係の発展の礎となるものであり、今後もボランティアの皆様等が安心して活躍できる環境整備に配慮するとともに、青年海外協力隊員に関しては、帰国後の就労支援の充実等に一層取り組んでいただく必要があると考えます。 終わりに、今回の調査に当たって多大な御協力をいただきました視察先の関係者、外務省及び在外公館、JICAを始め、JICAボランティア及び専門家、日本企業関係者等の方々に改めて感謝を申し上げます。 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) ありがとうございました。 次に、第三班の三宅伸吾君にお願いいたします。三宅伸吾君。
○三宅伸吾君 ODA調査派遣第三班について御報告いたします。 当班は、昨年九月二十二日から二十九日までの八日間、ケニア共和国及びルワンダ共和国に派遣されました。 派遣議員は、朝日健太郎議員、岩渕友議員、そして団長の三宅伸吾の三名でございます。 本日は、調査を通じて得られた所見を中心に御報告いたします。 まず、今回、両国を訪問して改めて認識したのは、アフリカにおける中国のプレゼンスの増大でした。中国の政府首脳は積極的にアフリカを訪問し、インフラ整備を中心とした大規模な支援事業を実施しています。 両国政府からは、中国を含む多様な国からの支援が必要である旨の見解が示される一方、債務不履行を理由としてスリランカが港湾の運営権を九十九年間にわたり中国に実質譲渡することとなった問題に対する懸念も示されました。 我が国としては、中国による支援の量的な拡大を前提としつつ、日本でなければなし得ない支援、すなわち、高い技術力を裏付けとするインフラ整備や、各国政府、住民の真のニーズを踏まえたきめ細かな人材育成等を継続していくことが不可欠と考えます。 こうした観点から、今回の視察及び意見交換等を踏まえた派遣団の所見は以下のとおりです。 第一の柱として、質の高いインフラ整備の重要性が挙げられます。我が国の支援によるインフラ整備に関して、ケニア、ルワンダの両国政府からは高い評価と謝意が示されました。 まず、インフラ整備の重要な役割として、円滑な交通や物流の障害除去、つまりボトルネックの解消があります。東アフリカ地域には北部回廊、中央回廊など複数国・地域にまたがる幹線道路が存在し、とりわけ内陸国にとって経済の動脈となっています。 今回視察したケニアのモンバサ港開発計画及びモンバサ港周辺道路開発計画は、その恩恵がケニアのみならずウガンダやルワンダなど他の内陸国にも及びます。モンバサ港整備については、技術水準の高い日本企業により順調に進捗するとともに、現地雇用にも貢献するなど高い評価が得られています。 また、ルワンダで視察したルスモ―カヨンザ区間道路改良計画、ルスモ国際橋及び国境手続円滑化施設整備計画、これらは、タンザニアのダルエスサラーム港からルワンダの首都キガリに至る中央回廊のうち、ルスモ国境及びルワンダ側のボトルネックの解消に資するものです。 現地では、日本の支援による道路は耐用性が高いとの評価も聞かれました。 インフラ整備の役割としては、大都市における慢性的な渋滞などの交通環境の改善も重要です。 今回、ケニアの首都ナイロビにおけるウゴング道路拡幅計画及びナイロビ西部環状道路建設計画を視察いたしました。 交通システムの改善は、道路の整備のみならず、信号システムや公共交通の整備など多様な観点から我が国の技術や経験が活用できる分野として、引き続き積極的に貢献していく必要があると考えます。 交通関係のインフラとともに、安定的な電力供給を確保するためのインフラ整備も重要です。両国では、電源開発及び送配電網の効率化が共通の課題となっています。 ケニアでは地熱のポテンシャルが確認されており、今回視察したオルカリアの地熱発電事業においては、発電用タービンなど高い技術力を誇る我が国が重要な役割を果たしていました。 また、ルワンダの第二次変電及び配電網整備計画は、首都キガリにおいて不安定な電力供給による経済活動への支障が危惧されることから実施されたものです。 ルワンダでは、生活インフラとしての安全な水へのアクセスも重要課題でした。安全な水の供給は、乳幼児死亡率等の低下に貢献します。また、水くみ労働は主に女性や子供の仕事となっており、女性の社会進出や子供の学習時間の確保のためには、こうした環境は早急に改善される必要があります。 今回視察したルワンダ東部地域における地方給水計画は、このような人間の基本的な生活環境の改善に資するものでした。 第二の柱としては、人材育成、人的交流の推進、開発協力のための人材確保が挙げられます。 アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ、ABEイニシアティブは、アフリカの若者に対し、日本の大学や大学院での教育に加え、日本企業でのインターンシップの機会を提供するものです。 ケニアはこのイニシアティブの最大の研修員派遣国となっており、派遣団は、ナイロビにおいて同事業を修了した若者と意見交換を行いました。そのうちの一人は、架け橋アフリカという人的ネットワークのコーディネーターをされており、まさに日本企業との「架け橋」として成長していくことが期待されます。 また、ルワンダにおいても、このイニシアティブを評価する声を伺ったところです。 今後は、事業の継続や改善について議論するために、その成果についての評価が待たれます。 ルワンダでは、ICTについて、経済成長を促進する産業であるとともに、全てのセクターの発展を支援する重要なツールとして位置付けています。 ルワンダにおけるICTイノベーションエコシステム強化プロジェクトは、ICTセクターの既存の関係者、新たに参入するICT企業、投資家、教育機関等の多様な関係者が効果的に、効率的につながり合う環境であるICTイノベーションエコシステムを強化するものです。 JICAにおいては、継続的に専門家を派遣しているほか、草の根技術協力である神戸市のキガリを中心とした若手ICT人材育成事業、ABEイニシアティブによるルワンダ研修生の参加なども進められており、こうした複数の事業との有機的な連携や相乗効果が期待されます。 首都キガリにおいては、現地でICTのベンチャー企業、現在のDMM・HeHe社を創業したクラリス・イリバギザ氏と意見交換しました。同氏は学生時代に創業し、現在、ルワンダのオンラインビジネスで約六割のシェアを持っているとのことでした。 また、キガリにおいては日系事業者の方々とも懇談し、ルワンダで起業するに至った経緯、現地における諸課題、今後の事業展開等について意見交換しました。 ルワンダは、世界銀行によれば、ビジネスのしやすい国としてはアフリカで第二位とされています。日本政府もこうしたルワンダの長所を引き続きアピールし、意欲のある日本人や日系事業者の進出を後押しすべきと考えます。 なお、先月にはルワンダのカガメ大統領が来日し、一月八日に日・ルワンダ首脳会談が行われたところです。我が国の総理大臣及び外務大臣のルワンダ訪問の実績はなく、遠くない将来に同国訪問が実現することが望まれます。 開発協力のための人材の確保も重要な課題です。 今回、ケニア及びルワンダの両国において青年海外協力隊員と懇談する機会を得ました。現在も約千八百人が世界中で活躍している青年海外協力隊員は、我が国の顔であり、第一線の民間外交官であると言えます。 一方、協力隊への応募者については、若年人口が減少する中、ピークであった一九九四年度の一万一千八百三十二人から、二〇一七年度には二千五百四十九人と大幅に減少しています。隊員確保のため、JICAにおいては、引き続き大学などに対する広報など取組の充実を図っていただきたいものです。 今回懇談した隊員には、地方自治体や大企業に籍を置いたまま参加している方もおられました。人材投資、人材育成の観点から、青年海外協力隊への参加に理解を持つ地方自治体や企業も増えつつあると思われます。このため、政府及びJICAにおいては、現職公務員や会社員が参加しやすい環境の整備に向けた広報等の充実強化に取り組んでいただくことを期待いたします。 また、意欲と能力のある隊員経験者については、JICAや在外公館等における登用を一層積極的に行うべきです。 最後に、今回の派遣に当たっては、外務本省、在ケニア及び在ルワンダの日本国大使館、JICA、青年海外協力隊、現地の日系企業関係者、ケニア及びルワンダ両国政府並びに視察先の関係者の方々に多大なる御協力をいただきました。改めて心より感謝申し上げます。 以上、第三班の報告といたします。
○委員長(松山政司君) ありがとうございました。 次に、第四班の中西祐介君にお願いいたします。中西祐介君。
○中西祐介君 ODA調査派遣第四班より御報告をいたします。 当班は、昨年九月二十一日から十月一日までの十一日間、ヨルダン・ハシェミット王国、パレスチナ自治区及びエジプト・アラブ共和国に、元榮太一郎議員と団長を務めました私、中西祐介で参りました。 本日は、調査を通じて得られた所見とともに提言を申し上げます。 冒頭、各訪問地域の所見概要でございます。 まず、ヨルダンですが、中東の中でも石油等の天然資源に乏しく国家財政は厳しい一方で、隣国シリアから多くの難民を受け入れているなど、周辺諸国との緩衝的役割を果たしています。有効な支援継続と良好な関係維持は、中東全体に対する平和と繁栄の構築にとって、また我が国の外交において極めて重要でございます。 今回、国内最大のシリア難民キャンプを訪問しました。各国際機関の支援により診療施設や水道衛生、生活支援活動など社会基盤が整備され、さらには虹彩認証やブロックチェーンを用いた最新支援システムが導入され、食料配分や健康管理、学習の進捗管理など、次世代社会のグローバルスタンダードが生まれる可能性すらあり、今後これら技術の導入展開も考えられます。 浄水場視察や水・かんがい大臣との意見交換を通じて、水資源の確保が国家的課題であることも痛感をいたしました。我が国が得意とする上下水道等の生活基礎インフラ技術支援などは、現地ニーズに合わせて継続すべきであります。現在、パイプラインでつないで海水淡水化を行う紅海・死海プロジェクトが進められておりますが、引き続き積極的に協力していくべきと考えます。 次に、パレスチナですが、中東和平交渉が停滞し、米国が相次いで強硬政策を展開する中、極めて厳しい立場にあります。ヨルダン川西岸及びガザ地区への抑圧事案もやみません。こうした事態が早期に鎮静化し、地域が経済的に自立することは、中東全体の安定に向けて欠かせないと考えます。 我が国は、イスラエル及び将来の独立を目指すパレスチナが平和裏に共存する二国家解決を支持し、積極的に人道支援を努めています。また、本視察期間に開催された国連総会で、安倍総理大臣より、ガザ地区の教員を毎年日本に招くことが表明をされました。地区外との人や物の往来が厳格に制限をされる中で、将来の人材育成のための人道支援は、極めて大きな歓迎をもって捉えられました。 対パレスチナODA実施に当たり、人間の安全保障に基づく民生の安定と向上、財政基盤の強化と行政の質の向上、経済的自立支援の三点を重視していることは、十分にPLO幹部とも共有をされていることを確認いたしました。我が国の自由、基本的人権、法の支配、多様性、平和等を重視する外交姿勢こそ、中東及びパレスチナにおける日本外交に寄せる高い期待の源泉であると痛感をいたしました。 経済面では、我が国が主導する平和と繁栄の回廊構想の旗艦事業であるジェリコ農産加工団地に発展的に協力し、平和による利益を域内外と共有することが必要です。平穏な日常や経済活動が一帯の今の現状でありますが、治安の悪さを強調する報道が先行しています。我が国を始めとする各国企業の懸念を払拭し、投資の可能性を広く周知して民需を拡大させ、緊張関係のある地域同士を経済交流でつなぐことが極めて重要だと考えます。 最後に、エジプトです。 二〇一一年、アラブの春を契機に混乱し停滞感がありましたが、地域大国としての存在感を取り戻しています。政府は積極的に特活など日本式教育を導入し、人口増加率が高く若年世代が多い現状に対し、日本の良き側面を多分に取り入れ、社会に規律や協調性を涵養することを目指しています。 日本人研究者や研究機材、教育方式を活用して、エジプト・日本学校やエジプト日本科学技術大学が軌道に乗っており、関係者の熱意と努力が実を結んでいます。今後も同大学が中東アフリカにおいて先端的な地位を占めるためには、最新鋭の研究機材導入やノーベル賞受賞者を招いて特別講義を行うなど、研究資金や人材を今後も集め、あわせて広く民間企業にも募集して官民共同研究や研究開発投資の促進、起業スタートアップ事業の展開を図ることなどが大切です。 また、同国が数多くの歴史的文化財を有していることは周知のとおりですが、ギザのピラミッド近くに二〇二〇年の開館を目指して工事が進められている大エジプト博物館は、十万点に及ぶ史料や発掘、修復中の太陽の船の実物など、壮大なものであります。我が国が得意とする繊細な技術指導、和紙等を活用した保存技術、移送技術等を活用し、大いに貢献しています。完成後は当然、世界から観光客の来客が見込め、併設する国際会議場にも多くの来場を呼び込むことができます。長年の粘り強い活動と強いきずなを核にして事業が順調に進み、両国の強固なきずなの象徴として、またエジプトの更なる発展につながることを期待する次第であります。 続きまして、本調査を通じて得られた知見を基に、以下提言を申し上げます。 第一に、ODA支援の重要性を積極的に広報すべきということであります。 今回訪問した中東いずれの国・地域では、我が国に大きな信頼と尊敬の念を寄せています。さきの大戦の惨禍から見事復活して世界有数の経済大国となったこと、さらには、阪神・淡路大震災、東日本大震災など、絶えず自然災害に見舞われてもたくましく立ち上がっている歴史的事実は、当地における内戦やテロで不安定感の拭えない現状に対して、やればできる、いずれ日本のようにと大きな希望を与えています。社会的地位の改善が望まれる女性の方々、とりわけ難民地区の女学生からそうした言葉を伺い、改めて自覚した次第であります。支援額や規模では測れない日本の価値こそ外交方針の根底に据えるべきであるし、多くの国民の皆様にも共有されるべき事項です。 常日頃から現場に足しげく通い、良好かつ深い人間関係を構築するよう努めておられる在外公館やJICA職員、また国際機関の方々は、地域に温かく迎え入れられ、親密に交流されています。こうした信頼に基づく人間交流の姿を広く広報すべきです。現在、政府で取り組まれている国際機関や外交舞台で活躍する人材育成強化にも直結することであります。積極的な広報展開を期待いたします。 第二に、青年海外協力隊経験者の人材活用についてです。 世界で活躍するJOCV隊員の方々が、草の根外交の象徴であり、言葉やコミュニティーの枠を努力で乗り越え、プロジェクトを推進される経験そのものが、我が国の大きな財産であると考えます。 こうした皆様を正当に評価し、社会に再還元されることは、我が国の発展にも重要です。退路を断って現地に派遣されますが、出発と同時に少なからず帰国後の再就職や生活不安を抱えていることも事実であります。社会としてその経験と能力、言わばベンチャースピリットにも通じる意欲を評価し、例えばCSR活動の一環として民間企業が積極的に中途採用することなども、政府の努力により推進すべきと考えます。 第三に、支援及び事業の積極的な周知、民需拡大についてであります。 エジプト日本科学技術大学やパレスチナの農産加工団地など、民需の呼び込みが豊かさをもたらし、貧困や紛争に貢献する取組があります。しかし、現地の正しい安全情報の不足や、案件が共有されていない結果、海外進出に意欲を持っていてもチャンスをつかめないと、帰国後の民間企業に向けた私の報告会でも意見が上がったところであります。それには各省庁間のますますの連携が必須であり、官民巻き込んだプロジェクトの推進を積極的に図るべきと考えます。 第四に、予算措置の在り方についてです。 各視察先にて、補正予算で充当されている事業の多さを感じました。言い換えれば、それ頼みの状況であるとも言えます。一定の期間が必要な事業についても、先行き不透明な場当たり的支援になりかねません。実際、次年度の予算が見込めず、国際機関で働く職員が一時帰国をして予算要望する姿にも接しました。必要な事業については当初予算によって積極的に措置し、事業を計画的に推進できるようにすべきと政府に強く要請をいたします。 第五に、今後のODA視察の在り方であります。 参議院独自の機関である本委員会を中心とした海外視察は、二〇〇四年に開始をして十五年が経過します。五十七班、延べ二百三十三議員、百四十五か国・地域という膨大な知見の蓄積がなされてきました。現地関係者や住民からの実態調査や課題の抽出がされた一方で、この間、既に中国など新興国の台頭があり、また我が国のODA方針も援助から協力へと大きく転換をしました。途上国におけるニーズの変化もあり、予算総額も必要な傍ら、人道支援や企業誘致、環境技術支援など、日本独自の強みに特化した要望をいただくことも多くなりました。現場視察の重要性は言わずもがなでありますが、より意義深い視察や官民の力を結集した展開の在り方、あるいは各省の海外事業をより統括的に展開するやり方など、更なる充実を追求すべき時期であることも指摘申し上げたいと思います。今後の本視察派遣の在り方に対する検討の場を持っていただくよう、委員長、理事、また各会派各位にお願いを申し上げたいと存じます。 最後に、参議院の呼称についてです。 現在の慣例訳であるハウス・オブ・カウンセラーズが理解されず、セネットやアッパーハウスなどと言い換えて理解されることが多くあり、現地駐在の大使等も同様の感想を持たれています。実際、二院制を採用する七十九か国のうち、G7の一部を含む五十二か国が上院についてセネットを使用し、ほかがカウンセル等を含む名称を使用しています。 参議院が相手国に正しく認識されず、その重みについて理解されないことは、我々が外交活動を行う上で損失を被ることにもつながりかねません。現在の訳語は慣例により用いられているのにすぎないのであって、国際的に正しく認知される訳語に見直す必要があるということを提起いたします。 以上が第四班の所見及び提言です。 終わりになりますが、調査に御協力をいただきました訪問先及び内外の関係機関の方々、全ての皆様に心から感謝を申し上げ、報告を終わります。 以上です。
○委員長(松山政司君) ありがとうございました。 以上で意見の聴取は終わりました。 これより意見交換に入ります。 本日は、外務省から佐藤外務副大臣及び梨田国際協力局長に、独立行政法人国際協力機構から北岡理事長及び本清理事に、それぞれ御同席をいただいております。発言に対して回答をお求めになる場合には、派遣に参加された委員に対してだけでなく、御同席をいただいている方々に対してお求めいただいても結構です。 発言を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言ください。 また、回答をされる方も挙手をお願いいたします。 なお、発言は全て起立してお願いいたします。 それでは、発言を希望される方は挙手をお願いいたします。 又市征治君。
○又市征治君 一番冒頭に当てていただいてありがとうございます。立憲民主党・民友会・希望の会所属の又市征治です。 調査団の皆さん、大変お疲れさまでございました。 私からは、ベトナム、ラオスを訪問された第一班の皆さんに、特に昨年来大問題になってきました外国人技能実習生の問題に関してお伺いをしたいと思います。 ベトナムからの実習生というのは、国籍別で見ますと第一位、十万人を超えると、こういう状況にあります。しかし、昨年来大問題になったこの実態を見ますと、世界有数の親日国と言われるベトナムとの関係において決していいことではない、これは大変大きな亀裂をもたらしていくような課題になるのではないか、そういう気がいたします。その意味で、今回、ベトナムにおいて日本で学ぶ技能実習生の育成に努めていると言われるエスハイ社を訪問されたのは時宜を得た企画だったんではないか、このように思いますが。 そこで、何点かお伺いをしてまいりますが、これはまず派遣団の皆さんからお聞きすると同時に、あわせて、外務省なりあるいはJICAなりというところからも、それらについてのもし見解があればお伺いしておきたいと思うんです。 まず一つは、日本への技能実習生の派遣に関してベトナム政府自体はどの程度関与をしているのかということがお分かりになる点、お聞かせいただきたい。また、皆さんの印象として、現地での育成状況は、日本での技能実習を行うための準備として十分なものと受け止められているのかどうかということであります。そして、現地では日本での技能実習生の処遇についてどこから情報を得ているのか、どのように評価をしているのかということが大問題だと思うんですね。 御承知のとおり、昨年来の問題になった中では、建設機械あるいは土木の技術を学ぶために建設会社に来たと言ったけれども、何のことはない、連れていかれたのはいきなり福島県で、むしろ原発事故の後処理の作業にどんどん従事させられた、こんな格好だと。逃げ出したいけれども、実際上は、ベトナムにおいて言うならば数年間分の年収に当たる借金をして日本に来ているから逃げ出すこともできない、ほかへ変わろうとしても物が分からない、こういう格好の状況が判明をしてきている、氷山の一角だと思うんですけども。 こんなことをやっていたんじゃ、一番冒頭申し上げたように、世界有数の親日国でありますなんという関係はおかしくなっている、決してその帰った人が、三年間経て帰っていったけども、日本のことを良く言うわけがない、こういう問題があるんだろうと。ですから、今そのことをお聞きをしたわけですが。 そして、外国人の人材を拡大をしようということで法律まで改正をしたわけでありますけれども、本当にこの日本とベトナムとの両国政府がこれらの問題を含めてどういう改善措置をとるべきだというふうにお感じになっていたのか。この点はJICAもあるいは政府にとっても大問題なんだと思いますから、それぞれの見解をお伺いしたい。 以上であります。
○岩井茂樹君 御質問ありがとうございます。 幾つかの項目の御質問があったんですけれども、まずは、私が実際にエスハイ社に行って感じたことなんですけれども、日本にいると、この海外からの労働者の問題というのは、どうしても国内に問題がある、日本国内に問題があるとだけ思われがちでありました。 ただ一方、現地に、エスハイ社に行って、そして向こうの社長様、学校の校長とも言えるかもしれませんけれども、その方にお話を聞いたところ、実はベトナムの方にも問題があるんだと。つまり、技能実習というのは、あくまでも日本の技術を取得してそれを母国に持ち帰って活躍をしていただくような本来ならスキームなのを、ベトナム側の送り出し機関がしっかりと行く学生にインセンティブというか目的意識を持たないで取りあえず行けというような形で送り出していることも問題だと非常に言われておりました。なので、エスハイ社においては、しっかりと教育をして、何のために日本に行くかという、日本の文化も含めて、全てしっかりと教えていらっしゃいました。 印象に残ったのは、送り出すことだけではなくて、戻ってきたときの、一回日本に行って、またベトナムに戻ってきたときのベトナムでの雇用もしっかり考えているという、そんなお話もありましたので、その辺が一つのヒントになるんではないかなと思っております。 以上です。
○副大臣(佐藤正久君) 御質問ありがとうございました。 御指摘のとおり、今回日本の方に入ってくる実習生のときに、ベトナム等におけるやっぱりあっせん業者という部分が御指摘のとおり一つ大きな課題になりまして、いいあっせん業者であればそれは問題ないんでしょうけれども、しっかり準備もし情報も与えて日本でもこういう形になるというんでしょうけれども、中にはやっぱり悪質なあっせん業者、これをいかに排除するかというのが一つの大きなポイントだと思います。 そういう面において、実際日本の方でも検挙率が増えているということから、外務省としましても、ベトナム政府と連携しまして協力覚書というものを作りまして、そこで適正な送り出しの形というものをつくっているというのが現状であります。 また、在ベトナム日本国大使館におきまして、悪質なあっせん業者、あるいはその機関によるビザの代理申請、この停止の措置という部分に一つの着目を置きまして、悪質なあっせん業者によるそういう送り出しというものが関係する部分についてはビザを発給しないということも行っており、また、その都度、そういうのがあれば、うちの方で把握をすれば、ベトナム当局の方に通報もしております。 それ以外にも、大使館の方から各種の説明会や相談窓口の設置というものを行ったり、留学生や技能実習生に対し正しい情報の周知ということは極めて大事なポイントですので、大使館の方でもそういう情報の提供というものについてもしっかり今後とも継続をしていきたいと思っております。 また、日本の方の受入れ機関との関係では、これは他省庁とも連携しながら、しっかり、外国人技能実習機構がしっかり監理ができるという体制も取っていきたいというふうに思っております。 以上です。
○参考人(北岡伸一君) JICAの経験について一言申し上げます。 又市先生、委員御指摘のは大変重要な問題で、日本の労働力の観点から、海外から大勢の方に来ていただき、楽しく気持ちよく働いていただくというのはもう極めて重要な問題だと思います。 JICAは、長年、研修生の受入れ及び留学生の受入れに従事してまいりました。これは、かなり厳重に選ばれた人々、エリートたちを呼んで受け入れております。それでもやっぱり文化の違い等々で幾つかのトラブルは発生いたします。これをマネージするのはなかなか大変な仕事でございます。ですから、今回、急に人数が増えたときに本当に対応できるかというのは、なかなか日本にとって大きな課題であると思います。その点で我々も、受入れ側で、例えば地方自治体、各都道府県等々でJICAの経験者、関係者、OB等でお役に立てる人はないかと、そういう点であれば是非協力して我々の知見を生かしたいと思っております。 また、先ほど出ましたエスハイ社というのは、向こうでは非常に優良な送り出し機関、学校でございまして、我々はここを支援するために、良い学校を支援するというのが重要でございますので、ここに対して融資を行っております。
○又市征治君 ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) 浜口誠君。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。 私は、第二班、インド、ネパールの方に派遣を今回させていただきました。ありがとうございました。概略は先ほど小川委員の方から御説明いただいたとおりであります。 少し所感を述べますと、インドでは植林事業をやっている村に行ったんですけども、そこの村の女性の方は全員集まったんじゃないかというぐらい本当大勢の女性の方が歓迎会を開いていただいて、そして、慣れないマイクで、日本のODAで私たち女性が初めて仕事を手にすることができましたと、こういった感謝の言葉を聞いて、ああ、日本のODA、しっかりといろんなところで役立っているんだなというような、そういう感想を持ちました。 また、あと、ネパールでは地震で被災をした学校に行ったんですけども、その学校でも子供たちが授業いいのかなと思うぐらいたくさん校庭に集まってくれて、子供たちが、多分手作りだと思うんですけども、作った、先ほど御報告ありましたけども、生花の首飾り、もう首に掛けれないぐらいたくさん首に掛けていただいて、本当大歓迎で、もうこちらの方がびっくりして、すごいなというふうに思ったんですけれども。 教室も非常にきれいになっていました。ただ、そのときトイレを貸していただいたんですけども、トイレはまだ日本の学校と比べると改善の余地があるなと。いろんなところにしっかり目を向けていかないといけないかなというような感想を持ちました。 そんな中で、やはり日本のODAが、日本と支援をする国お互いのやはりウイン・ウインの関係になる、そういったODAをこれからも継続して是非政府には行っていただきたいというふうに思っております。 そんな中で、二点質問させていただきたいと思います。 一点目は、ほかの団のお話の中にありましたけども、青年海外協力隊員のやはり帰国後の就業支援、これやっぱりしっかりとJICA、政府としてもやっていただきたいなと。彼ら、若くして強い志を持って、それぞれの国に貢献したいということで、任期で派遣して現地で頑張っていただいています。そういった方が本当に帰国したときに将来に不安を感じることなく現地で頑張っていただけるような、そういうスキームを是非整えていただきたいなというふうに思っております。その辺の就業支援に関して、これからこういった点を特に頑張っていきたいというような点があればお聞かせいただきたいというのが一点目。 二点目は、ネパールで文化遺産の修復の現場も見せていただいたんですけども、そのとき専門家の方から、どちらかというとODAはインフラとかが中心となって、なかなかこういった文化遺産の保護、修復にはスポットが当たらないと、非常に重要な仕事を自分たちはやっているという、そういう自負はあるんだけども、これからも政府にはこういった文化遺産の保護、修復、こういった分野も引き続き目を向けていただきたいなと、こんな率直な御意見もいただきましたので、是非その点に関して、文化遺産の修復、保護、こういった分野で今後どういう対応を政府として考えておられるのか。 この二点についてお伺いしたいと思います。
○参考人(本清耕造君) 御質問ありがとうございます。 ボランティアの帰国の就職支援について、大変心強い御質問をいただきました。 昨年度の実施しました調査では約九割の隊員が帰国後一年以内に就職の進路を決めていると、こういう状況になっておりまして、我々としましても、民間企業とか先ほども話出ました地方自治体、大学等に働きかけまして、こういった戻ってきた後の就職支援、進路支援というのを拡大していきたいと、このように思っております。 引き続き応援よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。 やや御質問を少し拡大することになるかと思いますが、実際、協力隊の諸君は大変よくやってくれております。水も電気もない、場合によっては、ところに行き、現地の言葉を学び、村の人と一緒に生活する。今日本にこういう若者が大勢いるということは、大変心強い限りでございます。 とはいえ、参加者がかなり減ってきているというのは事実でございます。応募者も減っており、その中で一定のレベルを維持するためには、応募者を増やし参加者を維持しなくてはいけないんですけれども、全盛期に比べて大分減っております。 これはもう、一つには少子化のせいでございまして、もう一つは景気が良いということであって、就職先があると、その結果、迷っていて協力隊に来るという人が減っているということなんですね。ですから、これは逆に再就職には良い条件でございまして、今のところ再就職の心配はそんなにしないで済む。 ですから、今我々の課題は、どうやって人を集めるかということでございまして、最近我々取り組んでおりますのは、大学、大学院との連携でございます。ここに、協力隊に行ったことは大学の中でその履修単位として大きく数えられるような仕組みをつくっていくということをメーンにして、何とか維持、レベルの、人数の維持あるいは拡大を目指しているところでございます。
○政府参考人(梨田和也君) 文化財の修復の件でございます。 日本のODA、確かに経済社会インフラというものが目立つところでございますけれども、ネパールなどにおきましては、文化財の修復、大変重要な事業で、ユネスコといった国際機関経由、あるいは我が国の直接の支援、JICAの専門家の派遣ということなどを通じて、現在、文化財の修復に力を入れているところでございます。 ネパールは特に観光業が中心でございますので、一刻も早い復興を目指して力を入れていきたいと思います。
○副大臣(佐藤正久君) 浜口委員、どうも御質問ありがとうございました。 特に私、前半のボランティアの方の再就職という部分については、やはり役人任せではなく政治の方も、政務の方もしっかり関与しないといけないという問題認識を持っています。 特に今、人が集まらないという、まさに人だけの問題でなく、特にニーズには、やっぱり男性ボランティアが得意なエリアとかあるいは女性ボランティアが得意なエリア、当然そこはあると思うんですけれども、ただ、男性ボランティアがどんどん少なくなっている一つの原因にやっぱりキャリアパスというものがありますので、そういう部分についてやはりきめ細かな対応をしながら、どういう形でボランティアのキャリアパスを通っていくかということは、今後、人数の確保だけではなく、その必要な支援というものの質を確保する意味でも重要なポイントだと思いますので、私の方もしっかり関与していきたいというふうに思います。 ありがとうございます。
○委員長(松山政司君) 宇都隆史君。
○宇都隆史君 与党の筆頭を務めております宇都隆史でございます。 四班の派遣団の皆様におかれましては、本当にお疲れさまでございました。また、今回報告をいただいた内容が非常に的確にまとまっていて、また今後この委員会を運営する上での非常に重要な資を得たというふうにも思っております。 その中で、外務省とJICAにそれぞれ一点ずつ、この今回の発表を踏まえた上で質問をさせていただきたいんですけれども、まず一つ目は、これは外務省に対してです。 四班の報告の中で、二班からこのODAに対するPRの重要性ということが発表されました。裏を返せば、それは、まだまだPRが重要で、しっかりと行われていないんではないかという気持ちの表れでもあろうと思いますし、また背景には、豊富な資金力で、かつ相手国の債務返済能力も考慮をしない中国のいろんな支援の在り方等もあるんであろうと思います。 このような各班からの発表を受けた上で、今後、この我が国の支援額や規模で測れない日本の価値、これ四班からの言葉ですが、また一班からは、質の高さ、長期使用可能、現地における雇用、それから最先端の専門技術と安全管理のノウハウ継承、こういった利点を踏まえた上で、我が国のODAの優位性、すばらしさ、これをどのように広報していくのか。また、実際に現在でもそのような広報に関して努力をしていること等があれば、外務省からお聞きしたいと思います。 もう一点は、JICAに関してなんですけれども、先ほど浜口委員の方からもボランティアの関係のお話がございましたが、三班の報告の中からも、JICAのボランティアの人数が随分減ってきている、もちろん少子化の影響等もあるんだと思いますが、その中で、地方自治体や企業に籍を置いたままでボランティアに参加する方々が増えてきている、こんな報告もございました。私も現地に行って、実際に地方行政職員であったりあるいは警察官であったりで、あと教員ですね、一旦職を、その籍は置いたままで、休職をした形でボランティアをされる現地のボランティア職員の方に実際に触れ合う機会もこれまでもございました。 実際それがどの程度ぐらい増えてきているのか、具体的な数字は構いませんが、大体どういうような現状なのか、また、そういう方々が実際に休職をしてそういうボランティアに参加する環境整備というのがどの程度整えられているのか、またその取組等について教えていただければ。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(梨田和也君) どうもありがとうございます。 宇都委員御指摘の点は、まさに顔の見える援助をいかにやっていくかということだと思います。 もちろん現場では、日本の援助も、御指摘のあったような単に質の高いインフラを造るというだけではなくて、技術の移転あるいは人材育成、そういった三位一体の援助に心掛けるというのがまさに日本の特徴だと思いますし、それを相手国の人々にいかに理解していただくのか、ODAの日の丸やステッカーを貼るというのはもう言うに及ばず、それをいかに相手の方々に知っていただくかということについては、様々なメディア媒体などを通じまして努力しているところでございます。 同時に、国内においてももう長年ODA広報に取り組んできております。なかなか、なぜ国民の税金をそういった形で使うのかという御指摘はいまだにございます。そこを、例えば近年ですれば、SNSといった新しい媒体、なるべくお金を掛けないでも多くの人に見ていただく、若者にも通じる、昨年は例えば地下鉄のトレインチャンネルでODA広報を流したりもしました。いろんな取組、行っております。 そのような様々な取組を通じまして、顔の見える援助というものを海外の現場及び国内でも広めていきたいと考えております。
○副大臣(佐藤正久君) 御質問ありがとうございます。 やっぱりODAの広報というのは、外務省の方としても毎年やってはいるんですけれども、なかなかそれが結果として、特に日本の国民の中でも広がっていないという部分は御指摘のとおりで、今局長の方から、そういうSNSとか、あるいはそういうトレインチャンネルというのでやったというのはありますけれども、そのほかにも、取組としてはやっぱりアニメを使ったものとかあるいは有名人を使ったもの等いろいろありますけれども、まだまだそういう、どういうアニメ、ODAマンというのはあるんですけれども、多分ODAマンのことを知っている国民というのはなかなか少ないと、秘密結社鷹の爪団というものに対して戦うんですけれども、それもまだまだ多分浸透がしていないので、そういう部分についてももう少しやっぱり工夫をしないといけないと思いますし、また、私の経験上、供与国においてやっぱり現地の大使が自らそういうフェイスブック等で動画をアップするという、特に現地の言葉で発表すると物すごい実は効果が大きくて、ある場所においてはかなり物すごい数の再生回数が起きたというのもありますので、やっぱりそれぞれの現地の特性特性に合わせて、いま一歩高みを目指した広報というものを取り組んでいきたいと思います。 ありがとうございます。
○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。 広報の点は確かにまだまだ不十分ではございますが、一点補足で申し上げさせていただきますと、我々は、過去数年来、地方の中小企業の海外展開というのに取り組んでおります。これに力を入れております。 そうしますと、現地にいろんなニーズがあると、日本の中に非常に優秀な技術や何かを持っていらっしゃる中小企業があると、これを要はお見合いさせる努力をしております。そうすると、それが実現しますと地方の新聞に載ります。地方紙に載ると、あっ、あの会社がやっているんだったらうちもできるかなという会社も出てくる。ここでまた地方の金融機関に御協力いただくということで、この中小企業海外展開自体が一定の広報になっているかなというふうに期待しております。これは国内でございます。 海外においてはまだまだ不十分かもしれません。どういうところにプレートが貼ってあるかとか必ず視察するようにしておりますが、一つのコンピューターに三つも貼ってあったり、いろいろあったりはするんですが、ただ、一般の方の目に触れるところにどれぐらい十分かというのは、まだまだ不十分ではないかなと思っております。 ですから、これをもっと強化したいというふうに考えておりまして、例えば今回御視察いただいたエジプトの博物館なんかでは、私、大統領と話したときにも言ったんですけれども、例えば幕末に日本の侍がヨーロッパに行ったときに、あそこで、スフィンクスの下で撮った有名な写真があるんですね。我々は、ですから、日本は、日本の侍たちは、古代エジプトがこうなっていると、植民地になっているというのを見て、これではいかぬと、我々はもう頑張らなくちゃというふうに思ったと。ですから、日本の近代化の出発はこのスフィンクスの下の侍の写真で非常に象徴的なんだというふうなことを言って、大統領も知らなくて、ああ、そうですかと言っていたので、例えばそういうものを博物館で小さな写真、パンフレットにして配布するというふうな格好で宣伝に努めたいというふうに考えております。 もう一つ、協力隊の話をさせていただきますと、協力隊でプラスの面とマイナスの面もございまして、ごく一部ではありますが、現職参加促進費という制度が一八年より新たに導入されております。他方で、有給休職参加者の所属先に対して参加者の給与の八割を上限とする人件費を補填するという制度があったのでありますが、これは昨年、二〇一七年度の行政事業レビューの指摘を受けまして、一八年から廃止をしております。 この点で我々にとっての痛いなというのは、これで来ていただいていたのはかなり現職教員参加だったんですね。今は学校の先生はみんな忙しいと、この方々に来ていただくのに、学校の側に、残っている学校の方に相当無理をしていただかなくちゃいけない、それをやっていたんですが、これがちょっと痛いなと、どうやってこれを埋め合わせようかなというふうに今考えている次第でございます。
○宇都隆史君 御回答ありがとうございました。 是非、一つ提案なんですけれども、広報のことに関してなんですけど、今様々な努力をしていただいていると思っているんですけど、我々が実際に海外に行くと、そのODAに絡めた感動の秘話、すばらしいこんなストーリーがあったのかというのが結構あるんですよ。そういうのを一度しっかりと、どういう国に、どういうODAの案件で、どういう感動秘話があったのかというのをちょっとまとめていただいて、冊子にする等でもいいですし、逆にそういうのを例えばテレビ局等に売り込んで何かそういうドキュメント番組として仕上げてもらうとか、あるいは映画制作会社に持ち込んで、例えば、ODAとは違いますけれども、杉原千畝外交官の命のビザなんかは、やっぱりああいうことによって世界中にすばらしいということが発信されるわけですから、ちょっとまたそういう努力をJICA、外務省、協力してやっていただきたいと思います。 以上です。
○委員長(松山政司君) 岩渕友君。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 ODA調査派遣の第三班のメンバーとしてケニア共和国とルワンダ共和国に派遣をしていただきました。派遣を通して感じたこと、そして意見を述べた上で、副大臣にお聞きをしたいと思います。 ODAを取り巻く環境の新しい変化の一つに、地球温暖化とその背景にある環境資源問題への世界的な関心の高まりがあります。国連でもSDGs、持続可能な開発目標が全会一致で採択をされて、社会、経済、環境に統合的に取り組むとしております。 今回の調査の中で、ケニアのオルカリア地熱発電所に伺いました。ケニアでは発電設備容量に占める再生可能エネルギーの割合が約六七%ということで、火力発電所が約三三%なんですけれども、これを大きく上回っています。このうち地熱発電の発電設備割合は約二七%なんですけれども、ケニア政府は、先ほど報告にもあったように地熱のポテンシャルに注目をしていて、地熱発電による発電設備容量を二〇三〇年までには更に増加させるということを目指して今取り組んでいるところです。 再生可能エネルギーを使った安定的な電力供給確保のためのインフラ整備にODAが役割を果たしていると。そして、発電タービンなどで日本の技術力が役割を発揮しております。世界の流れを見ても、再生可能エネルギーの分野でこそ日本の役割を発揮することが求められていると思います。 一方、政府は、インフラシステム輸出戦略ということで、二〇一〇年には約十兆円だった海外のインフラシステムの受注を二〇二〇年には約三十兆円まで拡大するということを目標に掲げて、原発であるとか石炭火力の輸出に力を入れています。 温暖化対策から、世界では今、石炭火力への新たな投資が減少しつつあることに加えて、機関投資家の間でも石炭火力事業から資金を引き揚げるダイベストメントが起きています。その中で、日本が最新鋭型だから例外だという立場で輸出を進めようとしていることや、日本が関わる案件での人権侵害や環境破壊が現地で深刻な問題になっているということは重大だと考えています。 ケニアのモンバサ港の整備では、港の拡張に当たって地元の人を雇用していると、地元の建設資材を使っていて、漁民の方々が代替地での漁業を継続しているというようなことをお聞きをしました。ODAに関わって人権侵害や環境破壊があってはならないと思うんですけれども、どうでしょうかということが一点です。 また、NGOが果たす役割が今大きくなってきている中で、予算の増額やNGOの情報、そして政策提言などを生かすことができる体制を整える必要があると思いますけれども、どうでしょうかということについてお聞きします。
○副大臣(佐藤正久君) 御質問ありがとうございます。 今回、ケニアの方の御視察いただいて、まさに地熱発電、再エネの重要性というのを確認いただいたと、それにODAの方も関与しているということを評価していただき、本当にありがとうございます。 日本政府としても、再生可能エネルギー、これに対する取組というのは当然、SDGsという観点からも大事ですし、気候の変動への対応という観点も大事だということで、今回のTICADⅦ、この八月であります、に行うTICADⅦにおいても、あるいはG20、六月のG20においてもこの気候変動とかあるいは再生可能エネルギー含めてこれは一つの重点分野としておりまして、日本の国内における視察の中にもそういう再生可能エネルギーの実際、現場というものも組み入れているという方向にもありますということをまず御理解いただいた上で、じゃ、ODAの方においても当然、日本の再生可能エネルギーを重視しているという観点からは、当然ODAにおいてもそういう地熱発電とかそういうものについてもしっかり取り組んでいきたいと思っておりますし、また、御指摘のありました石炭火力発電については、これは相手側政府というものの強い要望があったという特別な条件に限って、質の高い、今までとは違った形の高効率石炭火力発電というものについて、OECDのルールを踏まえながらやっているという状況であります。 原則、我々としては、世界最新鋭であります超超臨界圧以上の発電設備についても導入を支援していきたいというふうに思っておりますし、また、人権侵害の話につきましては、我々の基本としては、日本らしさを出すという観点から、できるだけ現地の方で技術を移転するという観点から、現地の方々を雇用して、その中で技術を伝承していくと、魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えるという形で取り組んでいるのが基本であります。 そのやり方については多くのアフリカの国でも評価されていまして、私自身、タンザニアの方で、ある橋の供与式に大統領と一緒に参加したときに、大統領自ら、日本政府は、大きなプロジェクトだったんですけれども、誰一人の事故もなく、現地の人間を雇ってくれて、それで技術を伝承してくれたということを自ら大統領の口から発表していただいたという、非常に心強く感じた次第です。ただ、その中で、仮にそういうような問題点というものがあれば、そういう大きな方向性は維持しながらも、改善というものもしていきたいというふうに思います。 また、NGOについては、河野大臣の下で今回有識者会議というものを開きまして、ODAの中でやっぱりNGOというものについても焦点を当てまして、ODAの中でNGOの団体から要望があったのは、実際のNGOが行うプロジェクトだけではなく、実際その支える組織の事務所とか含めた体制、そういう管理費についての支援というものを強く要望がありましたので、そういう下支えする部分、それについては一般管理費の最大一五%というまで引き上げるという形で財政当局とも話をして、今回予算が認められればそういう方向でやると。実際に、どうしてもNGO支援になると目先のプロジェクトの方に行きやすいんですけれども、実際NGOの方々の要請、御要望の強い一つにそれを支える裏方部分、支える土台の部分についての財政支援というのがありましたので、そういう部分も併せて今回の来年度予算の方には入れております。 いずれにしましても、NGOというのは極めて大事な我々のパートナーというふうに思っておりますので、今後とも連携を強化していきたいと思います。 ありがとうございます。
○委員長(松山政司君) 斎藤嘉隆君。
○斎藤嘉隆君 立憲民主党の斎藤です。 私も、第一班でベトナムとラオスの方に今回派遣をいただきました。岩井団長の類いまれなるリーダーシップで非常に意義深い訪問になったな、調査になったなというふうに思っています。 先ほど団長のお話の中にもありましたけれども、実は都市鉄道の問題とかそれからVATの問題とか、日越間で非常にもう膠着状況にあって前に進まないような課題が、非常に大きな課題があって、これは現地の梅田大使も大変御努力されてこの課題解決に奔走されておられたんですけれども、なかなかベトナム側の大臣始め要人が直接日本の代表と話を聞くという機会をなかなかつくっていただけないと、こういう状況がある中で我々が訪問をさせていただいて、直接、財政大臣や計画投資大臣とお目にかかって、こういう先ほども私が申し上げた二点の課題について直接言及をさせていただく中で、我々は、手前みそですけど、解決に向けて一歩進んだんではないかなというふうに思っております。 この点が非常に有意義だったし、先ほど団長の話にもあったように、こういう日本と相手国との間にある本当にタイムリーな課題をしっかり把握をした上でこの訪問先を決めていくと、こういうことも非常に重要なのではないかなと。そのための調査派遣団としての位置付けも今後検討していっていただきたいなと、これは私の所感であります。 その上で、今ちょっと私お話をしましたが、非常に気になるものですから、その後が。先ほどのホーチミンの鉄道の件や未払の問題ですね、それからVATの問題等々ですけれども、あのときに私たちに対しては大臣は、もう間もなくこれは解決するんだと、首相にもこれはもう承認をして未払問題は解決するんだということを盛んに言われていましたけれども、言われていたようにこれ解決したんでしょうか、その後。ちょっとその進捗状況を是非、これは多分、岩井団長に聞いてもあれだと思うので、外務省さんにお聞きをしたいと思います。
○副大臣(佐藤正久君) 御質問ありがとうございます。 実は、本当に今回の派遣団の皆様のおかげで滞っていた公的債務の返済という部分が一部動いたというのは非常に事実でありまして、やっぱり議員外交の重要性というのを改めて今回結果として表していただいた。深く感謝しております。 どうしてもベトナムの方では、先ほど報告がありましたように、公的債務が増えたということからその管理が厳格化されてしまったという結果として事業者に資金が流れないという状況が起きていたというのは御指摘のとおりで、その際、ベトナム高官の方に直接団長を含めた皆様が話していただいたというのは、まさに現地の大使の背中を押していただいた、日本政府の背中を押していただいたという感じだと思います。結果として改善が見られた例もありますけれども、完全な解決にはまだ至っていないという状況であります。 ただ、今回、一九年の一月にホーチミン市の都市鉄道に関しましてはホーチミン市の方が手続を再開したことで、一月中旬に約五億円、一月下旬に約四億円の支払が実施されたという状況で、完全ではありませんけれども、皆様の訪問を機にこの支払が動いたという事実はあります。非常に感謝しております。 御指摘のように、こういう課題があるというのがあれば、本当に派遣団の訪問先、その時期等連携させてもらうということは極めて大事な点だと思いますし、今回の提言、非常に有り難く受けたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(松山政司君) 松沢成文君。
○松沢成文君 日本維新の会・希望の党の松沢成文です。 私は今回初めてこの委員会に入れていただいたのでODAの行政について詳しいわけではないのですが、今、調査派遣の皆さんの報告を聞いていて、その中で、第何班でしたかね、アフリカのケニア、それからウガンダですか、に派遣されて調査をしてきたという報告がございました。 その報告を聞いていて、それとは別に、今月の朝日新聞に私は非常にこれ気になる記事が載っていたんですね。その記事は、この見出しは「日本整備の港…中国への担保に?」という形で載っているんです。この日本整備の港というのはモンバサ港のことなんですね。 どういうことかといいますと、私も記事を見てこれは問題だと思ったのは、日本のODAでモンバサ港の整備拡張工事が行われている。これ順調に進んでいて、コンテナヤードなんかもきっちり整備されて港が大きくなって、このモンバサ港はナイロビや内陸にもつながって、経済の回廊をつくろうという拠点ですよね。非常にいい形で進んでいると。 しかし一方で、先ほども中国の影響力が大きくなってきたのを感じたと報告ございましたが、中国がこのモンバサとナイロビの間の高速鉄道、これに中国の輸出入銀行が融資をして鉄道の建設計画が進んでいると。問題は、ケニアと中国のこの高速鉄道建設計画の契約の中に、もし返済が滞った場合、モンバサ港の運営権を含む国内インフラを担保にするという趣旨の契約を結んでいたんじゃないかということが現地の新聞でどんと報道されたんですね。 もしこれが事実だとすると大問題でありまして、日本のODAで一生懸命整備して、日本の企業も入っています、造った港が、中国との鉄道計画で債務が滞ってケニアが返せない、そうなると、契約上、モンバサ港の運営権は中国のものになるという可能性があるんです。これ、疑惑ですから分かりませんけど。 現に、もうすごく有名なのは、スリランカが一七年に、南部のハンバントタ港の運営権が、結局、中国に債務返済できずに、九十九年間、運営権、中国のものになっちゃっているんですよ。こういうこともあります。 まずお聞きしたいのは、皆さんが行かれたのは一月ですよね。この報道があったのは二月ですから、こんな議論はなかったと思いますが、中国の影響力がすごく強くなってきているという中で、こうした中国との様々な援助、契約と日本のODAのこういう関係についての議論なんかをされたのかどうかというのが質問の一点と、それから、外務省あるいはJICAはこの件についても情報収集をしなければいけないというふうに朝日新聞のこの中には載っているんですけれども、その後、ケニア政府に、この中国との計画はどうなっているんだと、この計画は、契約は十四年で、中国側の承認なしには内容を開示できないというふうに契約に定められちゃっていると、だから情報公開できないというわけですね。 これもまた問題でありまして、ここはやはりきちっと日本政府としてケニア政府にこの中国との契約がどうなっているんだということを問いただして、もしその契約の中にモンバサ港を始めとする日本が支援して造っている港が、債務が返済できなければ、運営権、中国に分捕られるという最悪の事態に陥る可能性もあるので、このことについてしっかりと日本国政府は、外務省は、調査というか、問いただしているのか、その辺り今どうなっているのかをお聞きしたいというふうに思いましたので、質問をさせていただきました。 以上です。
○三宅伸吾君 松沢委員御指摘の債務のわなの問題につきましては、私は行く前から深い関心がございました。 スリランカの事案も詳細に調べた上で、ケニア、ルワンダ両国とも政府要人と会うときには全て、スリランカでああいうことがあったけれども、あの問題についてどのような受け止め方をしているのかと、ほとんど全ての閣僚に会うときにはお聞きをいたしました。今のモンバサ港の運営権が担保になっているという話は私は存じ上げなかったんですけれども、今言ったのは昨年の九月でございますけれども。 私、一番印象に残っておりますのは、ルワンダのある大臣と話をしたときにとても率直な回答がございまして、その案件はよく知っていると、そしてアフリカのある国でも似たようなことが起きつつあるというのも知っておって、とてもショックであると、我が国は自国の財政状況、それから案件を進める場合の手続に慎重を期して、スリランカのようなことが絶対に起きないようにやりたいんだということを率直に述べられた閣僚もおられました。でございますので、松沢委員と同じような懸念は私も持っており、他の岩渕そして朝日委員も同じような問題意識を持っていらしたというふうに私は認識をいたしております。 あと、そのモンバサ港の担保の件につきましては、私、詳細知りませんので、政府の方からもし分かれば回答いただきたいと思います。
○副大臣(佐藤正久君) 御指摘の報道、これは我々も承知をしております。 ケニア政府の方に確認いたしました。向こうからの回答としては、我々がやっている、円借款でやっているモンバサ港の事業と中国の高速鉄道ですか、鉄道、これとの関係について、中国の鉄道の借款とモンバサ港との関係性は一切ないという回答を得ています。つまり、朝日新聞が懸念しているという部分については、我々は、当然それはあってはならないことなので、それは確認したところ、彼らの回答としては、一切関係がないという回答を得ています。さらに、鉄道の収益等で返済ができない場合においても、ケニア政府全体としてそれは対応しますという回答も得ております。 ただ、そういう中国政府とケニア政府との契約の中身というのは、それはなかなか我々は分かりませんので、引き続きこの件については注視をしていく必要があると思っています。 やはり、大きなインフラ支援をするときは、我々もそうですが、中国の方も国際基準というものにのっとってやるべきだと思います。それは、具体的には相手国の経済性とかあるいはプロジェクトの透明性、開放性、まさに一番大事な向こうの財政状況、財政の健全性という国際スタンダードにのっとった形でのインフラ支援というのが基本ですから、こういうものについて、我々は、いろんな場で国際基準に合ったインフラ整備というのは全ての国が行うべきだということは引き続き強調していきたいと思いますし、また、この案件については引き続き動向を注視していきたいというふうに思います。
○委員長(松山政司君) 最後に、糸数慶子君。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。よろしくお願いいたします。私もこの特別委員会は初めてでございますが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 今、第一班から四班まで伺いました。報告を伺いました。各班とも、有償資金協力、そして無償資金協力、技術協力など、それぞれの分野において精力的に調査を行い、現地法人や政府要人とも積極的に意見交換されたということに関しては敬意を表したいと思います。 また、各国では、道路事情や治安状況、それから衛生状況など、日本とは相当程度事情が異なるというふうに思いますが、実際に現地を訪問されて、今後の日本による援助の在り方や、それから日本に対して現地が寄せる期待など、とりわけ第四班の中西派遣委員に対してお伺いしたいのが一点と、それから、もう一つお伺いしたいのは、これ、沖縄関連の案件についてお伺いしたいと思います。 国際社会における開発課題というのは多様化、複雑化しておりますし、外務省等の政府や、それからJICAだけでは対応することが難しくなっているのではないかとも思われますが、それぞれの分野において精通するNGO、それから自治体、大学等の多様な主体との連携が国際協力においても重要であり、これ、各班の報告においても多様性のその主体と連携の事例を御紹介いただきまして、大変感銘をしているところでもあります。 そこで、この自治体との連携でありますが、沖縄県内の水道事業体が太平洋の島国であるサモアに対して水道事業の運営等の支援を行っているというふうに聞いておりますが、現状ではどのような取組が行われているのか、また、その中での課題などがあれば御説明をお願いしたいと思います。 以上、二点についてお伺いします。
○中西祐介君 糸数先生から御質問いただきました。 まず、日本のインフラ整備、強みを生かした部分とのお問合せでありましたけれども、例えば、先ほど御紹介し切れなかった中で、ヨルダンの事案でございますが、キングフセイン橋というものの架け替えを日本が無償資金協力で行いました。これは単に橋を造り替えるということではなくて、当然橋の技術というのも非常に大事なんですが、それよりは、ヨルダンとパレスチナとそしてイスラエルと、各国とも話ができて、それぞれの国から信用がある日本でしかできなかった事業であります。 つまりは、架かっていないところに橋を架けるということは、人の往来や物の行き来がされるわけでして、それをどこの国が、さっきの港の話じゃないですが、どこの国が中心となってやるかということを一番現地の人たちは関心を持つというか、そこが非常に重要なところでありまして、中東における日本の信用力がまさになせた橋の架け替え事業でありましたし、同時に、先ほど御紹介をした対岸の方のジェリコ農産加工団地というまさに産業を集積する地域に、その橋の延長に直結をするということでありますので、日本の構想がまさに信用力によってなしているということを好事例として申し上げたいと思いますが、額だけではない日本の強さを生かしたODAをこれからも展開されることを切に願っております。 以上です。
○政府参考人(梨田和也君) 沖縄のサモアの事業は、中小企業を支える新しいスキームとして我々として事業費を付けさせていただいて、サモアに、たしか川の水を上水に使うという事業だったかと記憶しておりますけれども、実際に行っていただいたということでございます。 このように、ODAにおきましては、御指摘のとおり、政府、JICAのみならず、NGO、地方自治体、国際機関、あるいはその他民間の企業も含めまして多様なプレーヤーに支えていただくことがこれからますます必要だというふうに認識しております。
○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。 一言、アフリカについてまず、それから沖縄について申し上げたいと思いますが。 アフリカは、とにかく大前提は、アフリカにいる中国人が百万人いて、日本人は一万人に満たないという事実でございます。このギャップというのは、いろんなことをやってもなかなか難しいというのは事実でございます。 ただし、中国の支援も最近やっぱりピークを越えたといいますか、陰りが出てきております。例えば、前回のFOCAC、日本のTICADのようなものをやったところの約束は未達でございます。中国の資金は約束したほどは行っていないんです。ただ、日本のも約束したほどは行っておりません。そういうちょっと限界が見えてきた。それから、中国のお金の貸し方について世界中からいろんな批判が起こってきていて、一時のピークは越えて少し陰ってきているなと。中国の経済自体が少し陰ってきている面もあると思います。 沖縄につきましては、沖縄には本当にお世話になっています。やっぱり島国共通の問題、技術がありまして、サモアの水道、私自身も見てまいりました。自然を利用した小さな規模の浄水装置が非常にうまく利用されていて、これぞ島国の技術の共有というので大変感銘を受けました。 沖縄は昔から移民も多く、外へ出ていかれる方が多いところでございます。世界ウチナーンチュ大会なんというのもやっておられます。ですから、外に支援をする、あるいは外の人を受け入れるという点で非常に大きな経験といいますか理解をお持ちで、この間、沖縄の事務所に参ったのでありますが、例えばアフガニスタンとかあるいはシリアの学生も受け入れていただいている。アフガニスタンの学生は、修士課程を終えてもう一度やっぱり沖縄に行きたいと言って、ドクターまで来ているのがいるんですね。沖縄の人はやっぱり情が厚くて親切だということで、私は、日本の中でJICAの事務所は十幾つございますけれども、最も活発に活動しているところの一つは、また地域からの支援を受けて活動しているのは沖縄ではないかというふうに最近行って確信した次第でございます。 ありがとうございます。
○委員長(松山政司君) 最後に、古賀君。時間も来ておりますので、簡潔にお願いいたします。
○古賀之士君 国民民主党・新緑風会の古賀之士でございます。 貴重な御報告ありがとうございました。中でも、特にあえて質問をさせていただくのは、中西委員から結びの報告で貴重かつ重要な提起がございました、参議院の呼称についてでございます。 御指摘のとおり、確かに私もそう思っておりました。で、半分仕事、半分趣味で私はボクシングもやっていたことがあるんですが、その中の世界タイトルの団体でWBCというのがございます。これは直訳すると世界ボクシング評議会、ワールド・ボクシング・コンシル。実は、参議院というのはよく一般的には評議会と訳されることが多く、したがって、対外的には、特に海外での皆さんたちがせっかく視察をされたり協議をされたりする場でも、国会の議員だということがなかなか一般的には理解されにくい部分もあるかと思います。 佐藤副大臣におかれましてはまさに私どもと同じ参議院の所属でいらっしゃいますし、また、これからラグビーのワールドカップや二〇二〇年のオリンピック、パラリンピックに向けまして、この参議院の呼称というのをしっかりと見直す必要というのは、今大切な時期、タイミングではないかと思っております。 外務省でも御存じのようにゴルゴ13を使われましたポスターや漫画を使われて様々な形で広報されていますが、参議院のこの呼称によって、皆様方の視察やそれから様々な活動によって企業、団体のしっかりとしたサポートそして支援ができるためにも、この参議院の呼称によって今まで以上の存在感、ひいてはそれが日本のプレゼンスにもつながるという意味で大切なものだと思いますが、御所見をいただけたら有り難いと思っております。よろしくお願いいたします。中西委員とそれから佐藤副大臣にお願いいたします。
○委員長(松山政司君) 簡潔にお願いします。
○中西祐介君 古賀先生から貴重な御指摘をいただきました。 この英訳につきましては、参議院の国際部の方にもこの経緯をちょっと調査をしていただいたんですが、元々、昭和二十一年の二月に憲法改正要綱ということをGHQに松本私案として提出をしたときは、実は参議院というのはハウス・オブ・セネターズだったんですね。その後、憲法が公布されてから様々な英訳をなされる中で、ハウス・オブ・カウンセラーズというのがだんだん使われ始めたという経緯があるわけでして、正確にカウンセラーズというものを使うということが決まってきたわけじゃなくて、基本的に運用の話で使われているということであります。 そもそも日本国憲法が作られるときには、GHQの指導は一院制の提示だったわけでありますが、そこから評議員という、まさに先生がおっしゃったような訳語が使われたわけでありますが、これは院のまさに価値を決める訳語に直結する話でありまして、是非この委員会を発起としながら超党派の中で議論をできるといいのかなと思っております。 ちなみに、この英訳の使用機会ですけれども、例えば憲法あるいは国会関係法規その他の法律で使われるものでありますが、やはり議員からの発議ということが何より大事だと思っておりますので、法律事項ではないということを改めて御紹介したいと思います。
○副大臣(佐藤正久君) 御指摘ありがとうございます。 まさに今年はG20サミットがあり、またラグビーワールドカップがあり、そしてまた来年はオリンピック、パラリンピック、多くの要人の方が日本に来るという、外交活動において非常に重要な年だと思います。そういうときに、やはり参議院の先生方あるいは委員会の方にも御支援を賜るという観点で、その英語の呼称というのはやはり外交活動上も非常に重要なポイントだとは思います。 よって、院の方でお決めいただければそういうのに沿った形で当然外交活動上もその呼称を使うということになると思いますので、また御検討いただければというふうに思います。
○委員長(松山政司君) それでは、先ほど御報告の中で四班から提言がありました今後の本視察派遣の在り方に対する検討につきましては、委員長としてもこれを受け止めまして、理事会で協議する等対応してまいりたいと存じます。 予定の時間が参りましたので、これをもちまして意見交換を終了いたします。 本日は、限られた時間でありましたが、派遣団に参加された方々から貴重な御意見をいただくとともに、本委員会として大変有意義な意見交換を行っていただき、誠にありがとうございました。 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午前十一時四十七分散会