資源エネルギーに関する調査会 第2号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2019/02/20
会議録
○会長(鶴保庸介君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。 原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。 まず、「原子力問題に関する件」のうち、「原子力規制委員会の活動状況」について、原子力規制委員会委員長から説明を聴取いたします。更田原子力規制委員会委員長。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会委員長の更田豊志でございます。 参議院資源エネルギーに関する調査会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。 原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、様々な課題に取り組んでおります。 まず第一に、原子力施設などに係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。 東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ制定した新しい規制基準への適合性審査については、これまで、発電用原子炉について十一の事業者から二十七基の原子炉に係る申請が、核燃料施設等について九つの事業者から二十一の施設に係る申請がなされております。 これまでに、九州電力川内原子力発電所一号炉及び二号炉、玄海原子力発電所三号炉及び四号炉、関西電力高浜発電所一号炉、二号炉、三号炉及び四号炉、美浜発電所三号炉、大飯発電所三号炉及び四号炉、四国電力伊方発電所三号炉、東京電力柏崎刈羽原子力発電所六号炉及び七号炉並びに日本原子力発電東海第二発電所の計十五基に対して設置変更許可を行いました。 また、関西電力高浜発電所一号炉及び二号炉、美浜発電所三号炉並びに日本原子力発電東海第二発電所について、運転期間延長の認可を行いました。 このほか、九州電力玄海原子力発電所一号炉、日本原子力発電敦賀発電所一号炉、関西電力美浜発電所一号炉及び二号炉、中国電力島根原子力発電所一号炉並びに四国電力伊方発電所一号炉の計六基について、廃止措置計画の認可を行いました。 核燃料物質の加工施設については、グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン、日本原燃濃縮・埋設事業所、三菱原子燃料並びに原子燃料工業東海事業所及び熊取事業所の加工事業の変更許可を行い、廃棄物管理施設については、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の大洗研究所廃棄物管理事業の変更許可を行いました。 試験研究炉については、国立大学法人京都大学複合原子力科学研究所の臨界実験装置及び研究用原子炉の設置変更承認、近畿大学原子力研究所原子炉の設置変更許可並びに国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の定常臨界実験装置、原子炉安全性研究炉及びJRR3の設置変更許可を行いました。 また、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構のJRR4、過渡臨界実験装置及び高速増殖原型炉「もんじゅ」について、廃止措置計画の認可を行いました。 以上のとおり、原子力施設等に関する審査、検査を順次進めております。 規制基準については、安全研究等により得られた最新の科学的、技術的知見、新規制基準に係る適合性審査の実績等を踏まえて、有毒ガスからの防護、高エネルギーアーク損傷対策、降下火砕物対策等に係る改正を行い、継続的に改善を図っております。 第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の安全な廃炉や汚染水対策の実施に向け、規制当局としての立場から積極的な監視を行っており、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、実施計画の審査などに当たっております。 引き続き、安全上の観点からの優先順位を明確にした中期的リスクの低減目標マップを廃炉作業の進捗に応じて改定し、完了した措置と引き続き監視が必要な措置を明示するなどして、処理した水の処分や使用済燃料プールからの燃料の取り出しなどの対策が適切に行われるよう、監視、指導を行ってまいります。 第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実並びに保障措置について申し上げます。 原子力規制委員会では、最新の国際的知見を積極的に取り入れるなど、防災計画の立案に使用する判断基準等が常に適正なものになるよう原子力災害対策指針の充実を図るとともに、原子力災害拠点病院の指定促進の支援など、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めております。 放射線モニタリングについては、原子力規制事務所におけるモニタリング担当職員の配置などにより、緊急時モニタリング体制の充実強化を図っております。また、総合モニタリング計画に基づき、東京電力福島第一原子力発電所事故に係る状況に応じた環境放射線モニタリングを継続するとともに、モニタリング結果について、関係自治体その他の国内外への情報発信にも努めています。 また、国際約束に基づく国内の原子力施設に対する厳格な保障措置の適用により、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を継続して国際原子力機関より得ております。 最後に、原子力利用における安全対策の一層の強化のための制度の見直しについて申し上げます。 第百九十三回国会において、IAEAの総合規制評価サービス、IRRSミッションによる勧告などを踏まえた原子力事業者等に対する検査制度の見直し、放射性同位元素の防護措置の義務化などを内容とする関係法律の改正が成立しました。原子力規制委員会としては、法改正の趣旨を実現すべく、順次、関係政令、規則などの整備や、新たな検査制度の試運用などを行ってきたところです。来年四月の全面施行に向け、透明性を確保しつつ様々な関係者の意見等を踏まえて関係政令、規則などを整備するとともに、更なる組織体制の強化と人材育成に取り組むことにより、新たな制度の運用が円滑に進むよう万全を期してまいります。 以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。 我が国の原子力規制に対する信頼の回復は、いまだ道半ばにあります。原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○会長(鶴保庸介君) 以上で説明の聴取は終わりました。 次に、原子力問題に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青山繁晴君 ありがとうございます。自由民主党の青山繁晴でございます。党利党略でなく、国益のために質問いたします。 原子力規制委員会は、西暦二〇一二年の発足から七年目に入りました。今回、質問するに当たって準備をいたし、実は改めて被災者の方ともお話をいたしました。正直、胸潰れる思いであります。足掛け七年の間お会いしてきた村長さんから、漁家漁民の方々、農家の方々、それからサラリーマンの方々、子供たち、被災地の苦しみは全く終わっていないです。あるいは、変わっていないです。この審議もどういうお気持ちで御覧になるかと思えば苦しい気持ちがありますけれども、それを踏まえて、あえて幾つかお聞きしたいと思います。 今日、私は、ありがとうございます、質問時間を四十五分もいただいていますけれども、前半は原子力で、後半は私たちの自前資源のメタンハイドレートのことをお聞きしたいと思います。 話を戻しまして、原子力規制委員会の発足は二〇一一年三月の福島原子力災害を受けてのことであるというのは周知のことであります。それは、まさしく緊急に行われた発足でもあったと思います。 二〇一一年当時、不肖私は、二〇一一年の四月の十五日に、許可を得て警戒区域の中の被災地、一人で回りまして、余り余談をしている時間はないですけれども、全く無人で、食べかけの御飯が残ったおうちの台所が見えたり、誰もいない中で、牛に豚に猫に犬、いっぱい動物が僕に寄ってきまして、既にがりがりに痩せていました。その一週間後に、これも許可をいただきまして、吉田昌郎、1Fの所長だった吉田さんの許可を得て、四月二十二日に作業員以外では初めて1Fの中に入りました。 当時は、例えば二号機、三号機の間のところに一シーベルトの箇所もありました。一ミリではなくて一シーベルトです。したがって、これも吉田当時の所長との話合いの結果ですけれども、作業員の方々が入っていないところも、専門家の端くれの責任としてつぶさに見てまいりました。 今日はそれを踏まえて改めてお聞きしたいんですが、まず、その原子力規制委員会が緊急の状態でつくられたということについて、そろそろ地元のためにも体制と実績について謙虚な見直しが必要な時期ではないかと感じております。冒頭あえて余談も含めて申し上げたのは、強い危機感は絶対に維持しないといけないです、決して風化させることがあってはいけない。同時に、言わば冷静な平常運転になるべき時期だと考えています。 この原子力規制委員会ができるときに、霞が関との癒着を避けると称してわざわざ六本木の民間ビルにつくりまして、当時、不肖私の専門分野のうちの一つが危機管理で、そのうちの一つが原発テロ防止でしたから、発足したての原子力規制委員会行くために、まあ遠いのでコストと時間ばっかり掛かって、はっきり言うと、これ一種の虚栄で格好付けで、まるで違うビルに行ったら。霞が関との癒着は本当にありましたから、原子力安全・保安院には。学者の方々もたくさん癒着されていました。それをごまかすかのように六本木のビルに行ったというのは何たることかと思って、ビルに入るとき受付でもめたのを覚えているんですが。 それがようやく、平成三十二年度以降に霞が関に移転することになった。政府の公式な説明では、前は場所が足りなかったんだという説明になっていますけど、実態はイメージを変えるためであったと思います。しかし、これも含めて冷静に見直す時期に入っていると思います。 例えば、この後いろいろ議論があることにあえて触れますけれども、癒着をしていないという証拠を見せるかのように全部の議論を公開で行うということもやってきました。本当は全部ではないけれども、大半の議論を公開でやって、ネットで中継するということをやってきたわけですけど、実はこれはテロリストに情報を与えるような部分もあります、ありましたじゃなくて。私は、そのネット中継を見ていてぎょっとすることも何度もあったわけです。 したがって、これはまだ一例ですけれども、無原則な情報公開じゃなくて、情報のあるべき公開について改めてきちんと議論をいたし、ルールを議論して作り、国民に問い、何よりも国会で審議すべきだと思いますけれども、委員長の御見解をお願いします。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会の運営に当たりましては、透明性を確保することが規制行政の信頼性確保の観点から極めて重要なことであります。同時に、核物質防護に関わる情報などを厳格に管理することも極めて重要であります。原子力規制委員会では、業務運営の透明性の確保に関する方針を策定し、これに基づいて会議及び文書の公開を行っています。この方針の中で、核物質防護に関わる情報など、情報公開法の規定する不開示情報は公開しないことを明記しております。 今後とも、この方針に基づき、公開すべき情報は積極的に公開し、非公開とすべき情報は厳格に管理してまいりたいと考えております。
○青山繁晴君 委員長が様々な努力されていることはよく承知しております。ただ、私としては、今の御答弁にとどまるのではなくて、まさしく公開の討論も含めて、もう一度情報公開について整理していただきたいと思います。 次の質問に入りますけれども、もう一度申します。更田委員長は隠れもない専門家でありますし、誠実に努力されていることを私は信じています。ただ同時に、原子力規制委員会が発揮すべき役割を発揮できていない面はあると思います。その典型例をあえて挙げれば、福島第一原発から出る汚染水の問題です。 この汚染水の問題、もちろんこの例えば調査会の中でもいろんなお考えの先生いらっしゃると思いますし、いろんな議論ありますけれども、放射性物質を除去してトリチウム、三重水素。三重水素は、あえて申せば、この今僕が手にしたお水の中にも量は少ないですけれどもあります。この三重水素だけになった水であっても、つまり処理を終えた処理水であっても海洋放出が一切できませんから。 最近も1Fには行っておりますけれども、日々良くなっている面もあります。例えば、防護服は大体九割方はもう着なくても大丈夫です。マスクと簡易な服があれば大丈夫ですけれども、しかし、その一番見える変化というのは、行くたびにタンクがどんどん増えていて、大体一週間に一個ぐらいのペースで巨大なタンクが増えていて、そこに、もう一度申しますが、日本の原発と世界の原発で海洋に普通に出している処理後の水も、そのタンクに入れてどんどん増やしているだけです。 小委員会その他でいろいろ議論はしているといっても全くこれ変わることがなくて、これ一体どうするつもりなのか。廃炉が進んでいけば当然核物質取り出して、それをどこに置くんですか。まさか1Fの場所じゃないところに置くんじゃないでしょうね。ということは、置き場所をつくらなきゃいけないのにタンクがどんどん増えていって、一体誰もどうするつもりか分からないというのがもう信じ難い気持ちです。 したがって、これ原子力規制委員会に全部の責任があるとはまさか言いませんけれども、大事なことは、更田委員長御自身が、トリチウムだけとなってそれが一定量以下になれば排水については海洋放出してよしという、安全宣言と言っちゃいけないかもしれないけど、言わばその宣言は出されていますね、やるやらないは規制委員会の責任じゃないということは分かりますけれども。しかし、あえて申せば、規制委員会の委員長がこれ出していいと言っても風評被害すら何も止められないんだったら、何のためにNRA、原子力規制委員会があるのか分からなくなってしまうと思いますので、厳しいことを申すようですけれども、この更田委員長自ら出された宣言について、もう一度御説明願えますでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 規制基準を満足する形での放射性液体廃棄物の環境への放出については、ほかの原子力施設についても従来より計画的に行われているものであります。 原子力規制委員会としましては、東京電力福島第一原子力発電所における処理済水についても、規制基準を満足する形での海洋への放出については、科学的、技術的観点から環境への影響は考えられないと認識をしております。
○青山繁晴君 この議論は、今のやり取りだけではとても国民に納得していただけない、あるいは、納得じゃなくて現状を理解していただくのは難しいと思いますから、あえて具体的にもう一度お聞きします、政府参考人で結構ですから。 まず、日本には三・一一後に再稼働した原子力発電所が現にあるわけです、川内や玄海や大飯や高浜や。そこから実はトリチウムを含んだ排水が今日も出ております。そのことを具体的に具体例を挙げて説明していただけますか。
○政府参考人(片岡洋君) お答え申し上げます。 原子力発電所から放出されます放射性廃棄物の管理状況につきましては、原子炉等規制法に基づきまして、事業者から半年ごとに報告を受けまして、取りまとめた結果をホームページに公開しているところでございます。 現在稼働しております原子力発電所のうち、例として、九州電力川内原子力発電所から放出された放射性液体廃棄物で見てみますと、平成二十八年度の実績で、トリチウムにつきましては年間六・五掛ける十の十三乗ベクレルというものが放出されているということでございます。
○青山繁晴君 今の巨大な数字を聞かれてもすぐにはぴんとこられない方の方がむしろ普通ですけれども、要は排出されているわけです。どうして福島だけそれができなくて、タンクに留めて、まるで問題の先送りしているだけ。マスメディア、僕はオールドメディアと呼んでいますが、これは全然報じないですよね。 それで、今、日本の例を挙げていただいたんですけれども、例えば世界の原子力発電についても同様ですが、これもあえて説明をお願いします、例えばフランスのラアーグであったり。お願いします。
○政府参考人(片岡洋君) お答え申し上げます。 フランスのラアーグ再処理工場でございますが、使用済燃料管理及び放射性廃棄物管理の安全に関する条約の国別報告書によりますと、二〇一六年のトリチウムの液体放出量は、一・二三掛ける十の十六乗ベクレルでございました。
○青山繁晴君 今フランスのラアーグをあえて僕からお尋ねしたのは、これはドーバー海峡に面していて、潮流にもよりますけど、普通で言うとロンドンの足下にやってくるわけですね、この排水が。で、英国側からこれ苦情が出たことないんです、英国の原発も普通にこれトリチウム含んだ水というのは排出していますから。 そうすると、福島は当然動いていないわけですけれども、福島だけ出しちゃいけないというのが、当然、さっき申したとおり、お会いしている漁家の方々からすれば、風評被害を受けてもっと大変なことになるからというのは、漁家の方々としては全く当然のことです。でも、それが、福島だけ出しちゃいけない、タンクがどんどん目に見えて膨らんでいくというのが、より新しい風評被害を生んで、漁家の方々やあるいは農家の方々のお仕事と生活の再建に悪影響を及ぼしているのは事実だと思うんですね。 それで、今日ずっと厳しいこと聞いているわけですけれども、やっぱり原子力規制委員会は、委員長が見解をお出しになればそれでよしとなさっているんじゃないかということを非常に心配しています。元々原子力規制委員会ってそういう役割だと言われればそれまでですけれども、あえて申せば、あの緊急時に参考にしたのはアメリカのNRCですよね、ニュークリア・レギュラトリー・コミッティー。そのコミッティーと日本はAがオーソリティーを変えているだけで、参考にして失敗したわけですけど。 アメリカのNRC、僕は長い付き合いですけれども、見解出したらそれでいいということではなくて、事業者と議論すべきは議論し、国民と議論すべきは議論し、議会議員とも激しい議論をしているというのがNRCのふだんの仕事であって、果たして原子力規制委員会、七年たって、七年目の歩みがそうだったかというと、僕はとてもそう思えないです。 さっきオールドメディアと申して、報道ぶりもおかしいよ、おかしいんですけれども、ただ、情報も取りにくいというのも事実だと思うんですね、伝わるべき情報がです。したがって、一般用語で言うと広報ですけれども、原子力規制委員会の成り立ち考えれば、世論にきちんと議論していただく材料をもっとお出しになっていただかないと、原子力規制委員長として、このレベルであれば、あるいはこの量であれば安全と言うだけでは話にならないと思います。 したがって、新たな広報体制について、これは広報担当の方じゃなくてやっぱり委員長、申し訳ございませんが、委員長から御見解をお願いできますでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 まず、原子力規制委員会としましては、先ほど申し上げた処理済水の放出に係る見解につきましては、機会あるごとに繰り返し申し上げたいと考えております。 これに加えまして、今後、実施主体によって処理済水の具体的な処理方法が選択されましたら、その選択に関する原子力規制委員会の見解等について、透明性のある情報発信に努めてまいりたいと考えております。
○青山繁晴君 時間の制約で次に移らざるを得ません。 原子力規制委員会の本来の仕事というのはまさしく規制でありまして、これは先ほどの委員長の活動状況の中にもきちんと含まれていたわけです。 問題の一つは原子力規制委員会の規制委員のメンバーですが、これについても、さっき僕は学者で癒着している人はたくさんいましたと申し上げました。癒着の現場も見ています、民間の時代にですね。それがあるから、その専門家を外して、申し訳ないけど、原子力の中でもすごく限られた部分の学者さんであったり、専門家を外すということも、実はこれやらざるを得なかったと思うんですけれども。 しかし、七年たった今、委員がずっと学者ばっかりで、学者ばっかりって大島賢三さんのように外交官もいらっしゃるけれども、基本的には学者中心で、何を言っているかというと、現場を知っている、現場経験の豊かな技術者と言える方がいない。あるいは、先ほどテロリズムに対する危機管理の問題申しましたが、そういう危機管理の専門家もいないです。これ本来は委員の構成というのは、五年の任期終わっていったらどういう人にするかというのは、原子力規制委員会というよりも政府の責任ですけれども。 しかし、これもあえて委員長の見解お伺いしたいのは、例えばその規制の中身が、これはいろんな議論もちろんあるんですけれども、日本は火山国です、火山国で、噴火は当然考えなきゃいけない。その中に破局噴火というものがあります。一々解説しなくてもお分かりになると思います、破局的な噴火ですよね。これは元々は学術用語じゃないんですけれども、一応みんな知っています。大体、日本では、七千年から一万年の間に一回ぐらいの割合で破局噴火が起きているわけです。もう一回言いますが、七千年から一万年に一回ほどの破局噴火です。 それから、ずっと報道も多い活断層ですが、これもいろんな見解がばらばらですけれども、十数年前に一度活動したというようなところを含めて活断層が大問題ということになっていて、それが事実上、原子力規制委員会の新しい規制のメーンになっている印象はあります。メーンじゃないと言われるかもしれないけれども、少なくともそれに多大なコストと時間が使われているのは間違いなくて、そのコストというのは結局電気代に跳ね返っている懸念もというか現状もあります。 そういうことを考えれば、この火山の噴火とか活断層とか、日本はまあ日本列島中活断層ですから本当は空港であっても新幹線であってもみんなその問題があるわけですけれども、世の空気に引きずられて目立つ規制をなさることに神経が行っているんじゃないか。それを漠然と僕は批判しているんじゃなくて、こういう議論をもっと実務的な議論にするために委員の構成をこう考えるということを、これも委員長の御見解として政府側に訴えることがあっていいんじゃないでしょうか。政府を通じて、あるいは国会を通じて国民にお諮りするということがあっていいんじゃないでしょうか。委員長、いかがでしょう。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 原子力規制委員会の委員の構成につきましては、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省を踏まえて、国会における議論の末決められたものと認識をしております。成り立ちから考えまして、原子力規制委員会設置法によって任命された者として、委員の構成に対して見解を述べることはふさわしくないというふうに考えております。 現状、原子力規制委員会設置法の趣旨にのっとり、原子炉等規制法に基づく原子力発電所やその他原子力施設の規制に係る業務、その他放射線障害防止、保障措置、原子力災害対策に係る業務等に誠実に取り組んでおり、各業務を適切に遂行しているものと認識をしております。
○青山繁晴君 まあ、やむを得ない答弁かもしれませんが、誠実に仕事をなさっているということは承知した上で申し上げているんです。 これでもう原子力の質問の時間は大体尽きてしまいますけれども、あえて申せば、危機管理の専門家のごく端っこの端くれとして申せば、危機管理の一番大事な点は、完璧主義が一番怖い。あえて世界共通の専門用語で言うとミティゲーション、つまり緩和するということが一番大事なので、最大でも六十年しかもたない原子炉を、なぜ十数万年に一度の活断層や七千年から一万年に一回ほどの破局噴火が中心になるのかというのは、これは誰がどう見ても不可思議な話なんです。 こういうことを例えば政府のどこが理解しているかというのは、これがまあ日本のひどいところであって、かつて福島が起きるまでは五十数基も原子炉を動かしながら、こういうイロハのイも分かっていない役所や、あるいは一部しか分からない学者がずっと携わってきたということが問題なので、更田委員長におかれては、現場で苦労されているからこそ、様々な法が許す機会を捉えて発信していただきたいと願います、祈ります。 じゃ、次のテーマのメタンハイドレートに入りたいと思います。 これは、先日、鶴保会長のリーダーシップの下で、つくばの産業技術総合研究所、産総研に私たち行くことができまして、ぱっと目に付いた人でいえば、山本太郎先生を始め行けなかった人もいるので余りそこに依拠した話はしたくないんですけど、でも、正直、産総研行ったときに僕申したんですけれども、これも僕の専門分野の一つで、エネルギーやって自前資源があるということを言っていて、最初は政府全然相手にしてくれなかった、国会も全然言うこと聞いてくれなかった。それが今や産総研で、もうメタハイ、メタハイ、メタンハイドレートの話をいっぱいするというのは隔世の感があって、非常に感激いたしました。 その上でまた厳しいことを申して申し訳ないんですけれども、実は世界の重大な変化というのを、産総研あるいは、産総研のもう上にあると言っちゃいけないけど、産総研にも責任を持つところの経産省エネ庁について遅れがあるんじゃないかということをお聞きしたいと思います。 実は今世界の最前線では、メタンハイドレートについて三つの類型にしているんですね。三つの類型というのは、対照的に日本は二つの類型で太平洋側に多いとされる砂層型と日本海側に多いとされる表層型の二類型にしているわけです。元々はこの表層型は全然認めてくれなかったのでそれ自体進歩なんですが、もう世界はその先に行っていて、本当は、砂層型、表層型に加えて、メタンプルームの一つを加えて三類型になっているわけです。 それを、お手元の資料、済みません、今日傍聴の方に資料が見えなくて、あそこに映してもらおうと思ったらこの部屋の構造上無理だということでありましたから、やむを得ず配付資料にいたしました。これ、余りこういう発言はすべきではないと思いますが、後で国民の方々に見ていただけるように工夫はいたしたいと思います。 委員の方々におかれては、資料の一枚目、まず御覧いただけますでしょうか。これは、その一番下に出所のところで書いていますように、先日、ブータン国民のために現地で厳しい山岳調査をなさっていてハートアタックで急逝された福岡浩新潟大学教授が編集なさったデータなんですけれども、ここにありますとおり、一九七〇年代、八〇年代には全然論文がなかったのが急激に、ここに学術用語をあえて書いたんですけれども、エクスポネンシャル、つまり幾何級的に増えている、爆発的に増えているという意味なんですけれども、その論文、メタンハイドレートに関する論文増えているというのは非常に重要な兆候ですけど、その中でメタンプルームについての論文が資源として扱うものとして増えているということをまずこの一ページで見ていただきます。 メタンプルームというのは、前もこの調査会で説明したと思うんですけれども、砂層型も表層型もいずれも海底にあるものですけど、そこから音響探査をすると、つまり超音波を当てると柱のように見えるものが立ち上がっていて、これをプルーム、プルームは直訳すると煙突ですけれども、つまり、下に大きなメタンの存在するところがあって、そこからガスが、ガスですから元々軽いので、比重が軽いですから上に上がってくる、それが音響を当てると柱に見えるというものをメタンプルームと呼んでいます。 かつてはたまたまこれが漏れたものだと思われていたのが、実はこのメタンプルームは私たちが言わば先駆的に世界の中でも研究してきたんですけど、単なる漏れだと思われていたものが、そうではなくて巨大な資源じゃないかというふうに今世界で、特に中国、アメリカ、ドイツなどで取り上げられています。それが資料の二ページ目ですね。二ページ目はまず中国語です。中国語は僕も分かりません。 それをめくっていただくと、三ページ目。この英文のアブストラクトという部分を見ていただきたいんですが、調査会で英文を読むというのをやっていいのかどうか分かりませんが、会長がどうぞということですので。そこに、一言だけ言うと、その一行目のところにオブ・グレート・シグニフィカンス・ツー・ザ・リソース・アンド・エンバイロンメント・リサーチと書いてあるんですね。これがもうポイント中のポイントであって、そのちょっと前見ていただくと、メタン・バブル・プルームと書いてあるんです。メタンプルームのことです。メタンプルームは、環境に対しての研究と、それから資源としてシグニフィカンス、非常に重要だということを中国が認めているという論文です。 次にめくっていただきますと、四ページ目、今度は英文ですけれども、これは四ページ目ちょこっと見ていただいて、下に青い海がありますが、これ大西洋です。大西洋に面しているアメリカのノースカロライナで今調査研究が行われていまして、めくっていただいて、五ページです。 五ページのところ、上の写真ちょっとだけ見ていただいて、下に論文概要と書いていますが、水深千七百メートルまでの範囲、つまりそんな深くないところで五百七十もの、実はその後が重要で、帯状のメタンプルームを確認したと。帯状というのは地層のところに広くあるという意味ですから、単に柱が何本か海底から立っているだけではなくて、そういうのもあるけれども、帯状に、つまり在来型の資源と変わらないような状態で存在しているものをたくさん発見したということを実は、アメリカのDOE、その下にDOEという文字があります、これはザ・デパートメント・オブ・エナジー、米国エネルギー省、それからUSGSというのはアメリカ地質調査所が合意して、それをサポートしてこの研究が行われていまして、この論文概要の黒丸の三つ目見ていただくと幾つかは千年以上続いている可能性とありまして、これが極めて重要なんです。 ちょっとここで、僕が話してばかりですとあれですから質問に移りますと、ちょっと予定の順番変えますけれども。 エネ庁と産総研は頑張って三年間、表層型メタンハイドレートの賦存量、賦存量というのは原始的に存在しているやつです、それだけでは済まなくて、そこからどれぐらい取り出せるかが重要なんですけれども。まずは原始資源量を調べなきゃいけませんが、それは産総研とエネ庁、経産省が最近努力してくれて三年間の調査を行ったんですけれども、その調査でわざわざメタンプルームを全部無視したんですね。無視したために何が起きたかというと、ガスチムニー構造といいまして空洞みたいになっているところがあって、そこだけ調べて、そこの中は空のところもある。詰まっているところだけ探して、そこに六億立米あるからといいまして、この間の視察のときに六億立米というのは多いのかと立憲民主の先生が聞いてくださって、これは日本が使っている天然ガスの二日分しかないですと。二日使ったらなくなっちゃうものをお金出して調査もできませんよね、それだったら。 ところが、今の資料を見ていただくと、このメタンプルーム、しかもその量が多いというのは上にちゃんと書いてあって、千年以上続いている。だから調査が、済みませんが、産総研と経産省がやった調査がいかにおかしいかというのは、これ取り切りの話ですよね。つまり、今その塊であるやつだけを見て賦存量を考えるんだったら、在来型と同じでもう新たにそんな簡単にできないでしょうと、何十万年たたないとという話でしょう。ところが、千年以上ぽこぽここれ出ているわけですから、そうじゃない、もう少し下に、あるいはもっと下にもっと大きな貯蔵がないと、あるはずがないわけです。そうすると、はっきり言えば、我々が自費、私費も投じてやってきた調査に比べると、莫大な国民の予算を使ってやった調査というのは一体なんだったのかということになります。 済みません、非常に厳しい、与党とは思えない質問ですけれども、政府参考人か経産副大臣か、お答えいただけますか。
○政府参考人(南亮君) お答えいたします。 今御質問のありました三年間の調査ですが、これは表層型メタンハイドレートにつきまして、平成二十五年度から二十七年度にかけて我が国周辺海域の資源量把握に向けた調査を実施したものであります。 その結果でありますが、ガスチムニー構造と呼ばれる表層型メタンハイドレートの分布が見込まれる地質構造が千七百四十二か所存在することを確認しまして、その上で、このうちの一か所である海鷹海脚と呼ばれる上越沖のガスチムニー構造を対象として委託先である産業総合研究所が資源量の試算を行ったところ、今先生の御指摘のとおり、メタンガス換算で約六億立米が見込まれるという結果を得たものであります。 なお、この試算につきましては限られた情報から試算を行ったものでありまして、実際のメタンハイドレートの形状や分布の連続性、地質構造についてはいまだ不透明な面があること、加えて地域によりメタンハイドレートの分布の特徴が不均一であることなどから、ガスチムニー構造全体に一般化して適用することは適切ではないという認識がありまして、このため、表層型メタンハイドレートの賦存量全体については現時点においては試算をしていないという状況でございます。
○青山繁晴君 今の南さんの御答弁は、さすが専門家であって、前進した意味はあると思います。 つまり、僕も今までの調査が意味がなかったと申しているんじゃなくて、その表層型をずっと無視してきた、今はメタンプルームを無視している、そういう偏った姿勢から偏った結論を出す、今までの政府のやってきたことは正しかったんだということを強調したいという、そういう姿勢はおかしいと。与党からすればもっとおかしいということなので、それを今あえてこの調査で分かったとは思えないと。手法に課題もあったということをお認めになったというふうに私は受け止めましたので、非常に意義のある答弁だと思います。 その上で、ちょっと資料の五ページに戻っていただくと、その黒丸の一番下のところに、DOE、アメリカ・エネルギー省が一千六百万ドル、百十円で換算すると大体十八億近いお金を出したということを書いておりますが、その証拠がその次のページ、六ページに英文ですけれども出ております。それは後で見ていただければいいと思うんですが。 これ、多いか少ないかですけれども、僕のお付き合いしている限り、アメリカのエネルギー省というのは実際資源に使えないものについてはびた一文出さないです。それはどうしてかというと、残念ながら私たちの日本の国会よりも議会のチェックがはるかに厳しくて、それから専門的知識を持っている方もいっぱいいて、さっき言ったとおり、アメリカの元々の原子力規制委員会であるNRCは情報公開もたくさんしなきゃいけないので、チェックが厳しいから、資源にもならないのに、ただのお勉強で十八億円近くも出すということはあり得ないわけですよ。でも、逆に言うと、これはアメリカはどうも手応えをつかんでいるなということであって、しかもこの資料の続き見ていただきますと、七ページ見ていただくと、七ページからは実はこれドイツの話なんですね。 七ページは一目見ていただいて、八ページ。八ページはちょっとじっくり見ていただくと、これは島の地図ですが、これスピッツベルゲンといいまして、これは観光にも行く人いますけれども、北極海の島で、これ実はノルウェー領なんですよね。ノルウェー領にドイツ政府が着目をして、この島を拠点にして、周りの海でやっぱりメタンプルームの調査をしているわけです。 その八ページの下の黒丸の一つ目見ていただくと、メタンプルーム、もう一度言いますが、砂層型、表層型という区別じゃなくて、第三のメタンハイドレートとしてメタンプルームが数百キロにわたって帯状に存在しているというのは、これは論文を見た人はみんなひっくり返ったわけですね。 これは何を言っているかというと、実はメタンプルームは、先ほどちらっと申しましたが、政府は全然やってくれなかったけれども、何とか僅かな私費も投じて研究して日本はトップランナーだったんですけど、もう今や政府の無関心のためにドイツや中国やアメリカに追い抜かれつつあるということを実は物語っているわけで、同時に、今日は悲しい話をしているんじゃなくて、これだけ可能性のあるものが日本の周りの海にたくさん出ているということに着目すれば、誰が悪かったかという話じゃなくて、前に向かって進むだけではないのかと。まさしくこの調査会らしく超党派で取り組める話じゃないかと思って、これを今申し上げています。 八ページの一番下のところに、これはDOE、アメリカ・エネルギー省、厳しいエネルギー省が、その次のページにあるんですけど、それも後で見ていただいて、将来のエネルギー資源の可能性を調査するためと明記した上で、アメリカ国立エネルギー技術研究所を通じて七千二百万円をドイツの研究に出しているわけです。 これちょっと質問じゃないことを言いますと、韓国がまた竹島で海洋調査船を不法に動かしてしかも泥を取ったらしいと、採泥したらしいというのも、表層型メタハイだけだとどうもコストに見合わないんじゃないかということを韓国は考えていてしばらく動き止まっていたんですけれども、メタンプルームというものが実は日本海側にたくさん出ているので、それに新たに着目して採泥を始めたおそれもあります。そうすると、単に今までのように抗議しているだけでは韓国の動きというのは止まらないということも、ここは資源エネルギー調査会ですから深入りしませんけれども、最新の問題としては当然政府に認識していただきたいんですね。 今までのきつい話を踏まえて、私が申し上げているのは、この日本も三類型にあるいは踏み出して、エネルギーはベストミックスが必要です。僕の意見は原子力もその中に入ります。だから原子力のこともお聞きしたわけですが、そのベストミックスはメタンハイドレートの中のベストミックスもあって、そうすると、プルームは、今まで政府はやっていなかったから、格好悪いから取り組まないんじゃなくて、格好悪いからとは言い過ぎですけれども、要は、言い訳しなくても済むように取り組まないんじゃなくて、ここぞというばかりに取り組んでいただきたい。 副大臣、お答え願えますか。
○副大臣(磯崎仁彦君) 青山委員には、これまでの経験を踏まえて、この資源エネルギー政策につきましても貴重な御助言をいただいておりますことを感謝申し上げます。 今御質問ございましたとおり、このメタンハイドレートにつきまして、特にこのメタンプルーム、非常に遅れがあるのではないかという非常に厳しい御指摘をいただきました。 このメタンハイドレートにつきましては、平成二十五年、海洋基本計画の中でその開発を進めることを明記して以来、まさにおっしゃるとおり、賦存の状況であるとか開発の方法、こういったものの観点から、表層型と砂層型、この二つに分けて研究を進めているというのはまさにおっしゃるとおりでございます。このメタンプルームにつきましては、海底面からメタンガスが噴出をしている、そういう特色を踏まえて表層型に含めているということでございます。 今後、メタンプルームにつきましての調査研究、これが進展していくというふうに思っておりますが、事業を効率化に実施するという観点から新たな分類を設定する必要があるのかどうなのかということも含めて、改めて事業の在り方は検討してまいりたいというふうに思っております。 ちなみに、昨年、平成三十年の五月に閣議決定をされました海洋基本計画、これに基づきまして今月の十五日に経産省で改定を公表したのが、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画というのがございます。この中ではこのメタンプルームを新たに海洋調査の対象とすることを明記をしておりますので、そういった意味では、非常に遅れがあるという御指摘をいただきましたけれども、この中で明記をしてこれから調査をしていくということは是非御理解をいただきたいというふうに思っております。
○青山繁晴君 今の磯崎副大臣の御発言は、僕としては非常に意を強くしました。なれ合いで申し上げているんじゃなくて、ふだんからいかに勉強されているかは存じ上げていますので、しかも、心にもないことを今答弁だからおっしゃったんじゃなくて、よく調べられた上でおっしゃったということを理解していますので。 その上で、副大臣があえて遅れているという指摘だとおっしゃったのは、これも与党質問じゃないみたいですけど、政府の取組が遅れているので、研究レベルは辛うじてまだトップランナーです。 その証拠が、証拠の一つにもなるのが十一ページ、十二ページでありまして、これ十一ページの方は大学や民間の調査に基づいて新潟県に出された資料から不肖私が整理しましたけれども、これだけたくさん日本の海、これはどこかというと、佐渡島のずっと北とかいう話じゃなくて、基本的には新潟の浜辺と佐渡島の間です。したがって、ここに調査船で行くと、振り返ると新潟の明かりが見えます。いかに近いかということですが、そこにこれだけ大量のメタンプルームが出ているということがもう確認されています。 それから、その次の十二ページ見ていただきたいんですが、これは和歌山県の潮岬沖なんです。和歌山県の仁坂知事の御努力があって民間に委託した研究が続いているんですけれども、これは研究者にとっては大変重大な話であって、すなわち、日本海側じゃなくて太平洋側にもメタンプルームがこうやって、まだ、つまり県だけの予算ですから、範囲は少ないから、ここの立っているように見えるのがメタンプルームです。緑の上に青く立って見えるのが、済みません、国民には後で見ていただきますが、メタンプルームなんですけれども。これは、数は少なくても、表層型でなくてもメタンプルームが立つということが事実上初めて立証されたこれは研究であります。 磯崎副大臣におかれては、この研究成果をうまく生かせるような政府の積極的な取組をお願いしたいと思います。もう一度よろしいですか、副大臣。
○副大臣(磯崎仁彦君) 今この資料を見せていただきまして、まさにそういう可能性があるということのあかしではないかというふうに思っております。 先ほど申し上げましたように、まさに新しい計画の中でメタンプルームというものを明記をしてこれから研究をしていくということでございますので、是非その進捗を待っていただければというふうに思います。
○青山繁晴君 あと四分ぐらいですけれども、あと二点お聞きしたいと思います。 実はこのメタンプルーム、先ほど中国の論文の中に環境にとっても重要だという表現がありましたが、ここはまさしくポイントであります。 なぜかというと、今、政府側の御答弁の中にも、メタンプルームのうち海面に届いているものもあるという答弁が正確にあってちょっとうれしかったんですけれども、海面に届いているということは、メタンプルーム、名前のとおりメタンですから、メタンガスというのは御承知のとおりCO2、二酸化炭素の温暖化効果のおよそ二十五倍前後ですから、だから、それが海面に出ているということは、ほっておけばそれはずっと地球温暖化の促進をしていたんであろうということはよく分かるわけです。この調査研究は世界でもまだなかなかできていませんが、大気中に漏れ出ていることは間違いがないです。 そうすると、今までの在来型の資源と一番違うところは、これを取って、例えばこれは取ったらそのままにしておけば天然ガスとなりますから、つまり凍ってメタンハイドレートになっているだけですから。ハイドレートというのは、要は天然ガスの主成分のメタンがこの海底下やあるいは水の圧力で凍って固体になっているだけのことですから、上に来ればそれは解けます。それを、その天然ガスを火力発電所で燃やせばCO2は出ます。出ますが、まずオイルより少ない上に、実は単純計算でいうと、その局面だけでいうと温暖化効果が二十五分の一ぐらいになるということですから、こういう資源があったのかというのは、不肖私も参加している国際学会、特にAGU、世界最高権威のアメリカ地球物理学連合で我々がこの発表をしたときもどよめきが起きたわけです、もう何年も前ですけれども。 したがって、この点も非常に大事な点なんですけれども、これを政府は認識としてお持ちなのかという、聞き方がきついですが、副大臣、お願いできますか。
○副大臣(磯崎仁彦君) ありがとうございます。 今委員おっしゃったように、このメタンは二酸化炭素の約二十五倍の温室効果を持つということは我々も承知をいたしております。 ただ、このメタンプルームの利用につきましては、現時点で実用化されるものがないため、温暖化への影響というのはなかなか不透明であるというふうに思っております。ただ、理論的には、二つの意味で温暖化の抑制につながるというふうに理解をしております。 一つは、今まさに委員おっしゃいましたように、自然状態では海中から大気中に放出されるということでございますので、そのまま放置しておけば当然温暖化の効果を持つということでございます。ただ、これが回収をして燃料として活用すれば、当然のことながら小さいCO2の排出になると、これが一点目でございます。 もう一点は、このメタンプルームの利用が実用化された場合には、石油であるとか天然ガスとか石炭といったような、こういった他のエネルギー資源と代替をされる、そういう意味で温室効果の抑制につながるということでございますので、こういった二つの意味で温室効果の抑制効果がある、そのように認識をいたしております。
○青山繁晴君 御答弁ありがとうございます。 お手元の資料の残り、十三ページを、最後の一つ手前で見ていただきたいんですが、これは何かというと、国土交通省になっていますが、本当は経済産業省のデータで、国土交通省が言わば何げなく作った資料なんですよね。 この意味するところは、実は新資源だけじゃなくて、ちょっと深くを考えたら、在来型の天然ガスやオイルもたくさんあるということなんです。これ前から経産省は分かっているんですが、はっきり言うと、まさしく利権もつながっていて海外から買えばいいんだという発想でいたから、在来型も含めて日本は資源のない国じゃないということが無視されてきたわけです。だからメタンプルーム、表層型、砂層型と在来型と併せて調査研究をすべきだと思っておりますが。 残りあと三十秒ぐらいですから、十四ページ見ていただくと、これ実はそのメタンプルームに特化して、このプルーム、下から上がってきますから、ドームをかぶせて取ろうとする調査研究計画なんですけれども、ここにプルーム書いていないですよね。最後に申し上げますが、書いていないのは、何とこれを、研究者によれば、これを産総研あるいはエネ庁に提出するときにメタンプルームは書いちゃいけないと言われたので、掘削しないのに、掘削する必要がないわけです、言わば自立の、自噴しているから。それが言っちゃいけないということがあったということですから、この審議をきっかけにどうぞ改善していただきたいと思います。 質問を終わりますが、副大臣、もしよろしければ。
○副大臣(磯崎仁彦君) 今おっしゃいましたように、従来型の石油、天然ガス、それとメタンハイドレートとは、どちらも海域に存在する地下資源ということでございますので、開発に当たっては当然共通点があるというふうに思っております。したがいまして、従来型の石油、天然ガス開発の知見を有するいわゆるJOGMEC、ここに委託をして行っているというのは、まさにそのあかしではないかなというふうに思っております。 それと、今お示しをいただいたこの十四ページ目の回収方法でございますが、これは今、表層型のメタンハイドレート、これの回収方法として今六つの提案がなされているというふうに聞いておりまして、その一つの提案、回収の方法であるというふうに認識をしております。 こういったところも含めてこれから、先ほど申し上げましたように、メタンプルームについてはしっかりと明記をしてまいりましたので、回収の方法であるとか、どういう状態で存在をしているのか、そういう形状等々について研究調査を進めてまいりたいと、そのように思っております。
○青山繁晴君 終わります。
○浜野喜史君 ありがとうございます。国民民主党の浜野喜史でございます。 まず、新規制基準への適合性審査についてお伺いいたします。 原子力規制委員会は、原子力発電所の適合性審査につきまして精力的に取り組まれております。規制委員会は設置変更許可についての標準期間を二年とされておられますけれども、平成二十五年、二十六年に設置変更許可申請を提出をし、五年近く経過した現在におきましても、いまだ基準地震動が確定していないプラント、あるいは敷地内地盤の適合性審査中のプラントがBWRを中心に数多く存在をしております。 安全を最優先に、体制の強化はもとより、効果的な審査がなされるよう施策を講ずるべきであると考えますけれども、どのような取組を行っておられるのか、まず状況をお伺いいたします。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答え申し上げます。 原子力規制委員会としましては、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、審査において妥協はできず、十分な議論を行い、厳正な判断を下すことが重要であると認識をしております。 現在、審査に時間を要しているプラントにつきましては、地震規模の想定や敷地内断層の選定などの審査過程において事業者の追加調査、検討が必要になっております。それら調査検討には時間を要しているものでありまして、これらについては事業者の対応によるところが大きいと考えております。 原子力規制委員会としましては、審査の予見性を確保するために、適合性審査の結果をまとめた審査書や適合性審査における確認事項を作成、公表をしております。この審査書は、基準の条文ごとに、事業者の申請内容、審査過程における主な論点、審査における判断の具体的な内容を記載しており、事業者があらかじめ審査に的確に対応するための準備に資するものであると考えております。 また、東京電力柏崎刈羽原子力発電所六号炉及び七号炉の審査を通じて得られた技術的知見を審査基準等に反映したり、審査過程を踏まえ要求事項を明確化するために、火災防護審査基準を改正するなどの取組を行っております。 いずれにしましても、審査を効果的に進めるためには、私ども原子力規制委員会と事業者、申請者の双方の努力が重要であり、引き続き、事業者に審査への的確な対応を求めつつ、原子力規制委員会としても、分かりやすい審査書の作成や審査における確認事項の作成などの取組を継続してまいります。
○浜野喜史君 遅れていることについてはそれぞれ理由があるんだということ、さらには、予見可能性といいますか、そういうことを高めるための努力もそれぞれされておられるということをお伺いいたしました。 その上でまた、厳正な審査ということを私も否定するつもりはございませんけれども、関連してお伺いしますけれども、厳正かつやはり効率的な審査ということも大事ではないかなというふうに考えております。 昨年十一月二十九日に開催されました衆議院の原子力問題調査特別委員会で更田委員長は、審査を効率的に進めるための取組を継続してまいりたい、効率的な審査に努めてまいりたいということも答弁されておられます。全く私はそのとおりだというふうに思うんですけれども、基本的な御認識に変わりがないかどうか、関連してお伺いいたします。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 効率的な審査は、申請者、事業者にとってだけではなく、様々な課題を抱える原子力規制委員会にとっても大変重要なことであると思っております。したがいまして、厳正、効果的かつ効率的な審査に今後とも努めてまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 ありがとうございます。是非お願いを申し上げます。 委員長もおっしゃいましたけれども、規制される側も規制に真摯に向き合い、調査検討、それから資料整理、また対策工事など、懸命に対応しているというふうに私は認識をしております。規制委員会におかれましては、それにしっかりと向き合っていただき、効率的かつ精力的な審査をされるよう、この際求めておきたいと思います。 次に、廃止措置に関する基準についてお伺いいたします。 原子力プラントの廃炉を安全かつ合理的に進めていくことは極めて重要なテーマであります。廃炉を安全かつ円滑に進めるに際しての規制の考え方及び放射性廃棄物処分に関する規制基準につきまして質問をいたします。 原子力施設は、運転を終え廃止措置が進捗するに従って、放射線リスクが低減すると考えられます。IAEA、国際原子力機関のGSR、全般的安全要件におきましては、規制機関は、法律に定められた責務を効果的に全うするようにその組織を編成し、その利用可能な資源を管理する責任を負う、規制機関は、施設及び活動に伴う放射線リスクと釣り合うように資源を等級別扱いに従って配分しなければならないとされております。 平成二十八年一月にIAEA、原子力機関によって実施をされましたIRRS、総合的規制評価サービスでは、規制委員会はこの安全要件への対応が不十分であると指摘をされているところであります。 このIAEAの安全要件は、解体廃棄物処分を含む廃止措置にも当てはまるものであり、廃止措置の規制を行う上で十分考慮すべきものと考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(山田知穂君) 先生に御指摘をいただきましたとおり、廃止措置の規制については、IAEAの安全基準、GSRパート1と呼んでおりますけれども、それに記載されている等級別取扱い、英語で言いますとグレーデッドアプローチの考え方を踏まえる必要があると考えております。 原子炉等規制法では、廃止措置の工程のリスクに応じて、その大きい小さいに合わせて安全規制、安全要求をしておりますので、このグレーデッドアプローチの考え方には沿ったものとして規制を行っているというふうに考えてございます。
○浜野喜史君 その上で更にお伺いいたします。 原子炉の運転中に安全確保のために要求される主な機能は、止める、冷やす、閉じ込めるであるのに対しまして、廃炉段階におきましては、施設内の放射性物質の閉じ込めや放射線の遮蔽が要求されるということが主な機能となると考えられます。そのため、原子力施設が運転段階にある場合と廃炉段階にある場合では必要とされる規制の内容は異なるものと考えられます。運転段階と同じような仕組みで廃止措置や廃棄物処分を規制して作業を制限すれば、作業期間が長期化することになり、かえってリスク低減活動は進まなくなるとも考えられます。 廃止措置を円滑に進めるための規制と運転規制は求められる内容が異なるものであるという観点で規制を行うべきと考えますけれども、見解をお伺いいたします。 また、廃止措置の各段階においてもリスクは異なるため、廃止措置における各工程に応じた規制を行うべきと考えておりますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(山田知穂君) 原子炉等規制法では、発電用原子炉設置者は、廃止措置を講じようとするときには、運転に関するものとは別の手続として、廃止措置計画というものを定めて、原子力規制委員会の認可を受け、それに従って廃止措置を進めるということが求められてございます。 廃止措置計画の中におきましては、廃止措置の工程を定めること、廃止措置期間中に機能を維持すべき施設の性能やその性能を維持すべき期間について定めることを求めておりまして、運転段階とは異なり、廃止措置の工程のそれぞれのリスクに応じて安全規制を行っているところでございます。
○浜野喜史君 関連で少しその部分をお伺いいたしますけれども、廃止措置は加速をすれば期間は短くなるということだと思います。トータルのリスクは減るということになると思います。こういう観点も踏まえて規制を行っているというふうに理解してよろしいんでしょうか。見解をお伺いします。
○政府参考人(山田知穂君) 廃止措置、先生おっしゃるとおり、速く進めますればその間のリスクは短くなりますけれども、また一方で、廃止措置期間中の設備については、放射能が残っておりますので、放射能を低減させるということも必要になりますので、その場合には少し時間を掛けて、放射能を低減させてから廃止措置を進めた方がいい場合もございます。 したがいまして、廃止措置を進めるに当たっては、そういった観点を全て含めて総合的に一番リスクが小さくなるような方法として進めていくのが大事だというふうに認識してございます。
○浜野喜史君 そういうことだと思うんですけれども、私、もう一度問いたいのは、廃止措置を加速できるものであれば、加速をすればトータルのリスクは減るということになると思いますので、当然、そういう要素も加味して、その上で総合的に規制をされているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 今申し上げましたとおり、速く進めればその分リスクは短くなります。その観点も重要な観点だというふうに考えてございます。
○浜野喜史君 ありがとうございました。 組織的観点で少しお伺いいたしますけれども、IAEAのGSR、全般的安全要件では、責務を効果的に全うするように組織を編成すべきともされております。アメリカ、フランス、イギリスでは、その考え方に立ち、原子炉の運転規制を行う部門、廃炉規制を行う部門を分けることで、専門性を高め効果的な規制を行っていると私は推察をいたしております。 一方、我が国では同じ組織で運転規制と廃炉規制を行っているわけでありますけれども、主要国と同様に組織を分けるべきではないかとも考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(山田知穂君) 我が国の規制の対象となっております原子力施設には、運転中の施設と廃止措置中の施設が同じサイトの中で存在している場合がございます。このような場合については、運転中の施設の安全性に影響を及ぼさないように廃止措置を進める必要がございます。運転中の施設と廃止措置中の施設の双方を考慮しながら規制を行うことで、より効果的、効率的な規制につながるものと考えられます。 原子炉等規制法では、原子炉の設置、運転に関する規制と廃炉段階の規制が別々に定められておりますけれども、必要に応じて両者それぞれをある意味連携をさせながら厳格に執行していくことにより適切な安全規制が進めることができるというふうに考えてございます。
○浜野喜史君 関連してちょっとそれをお伺いしたいんですけれども。 アメリカ、フランス、イギリスは明確に組織を分けておられるというところであります。それはそれで私は何らかの意味があるんだというふうに思うんです。一体じゃなくして分けておく方がより厳正かつ効果的な規制ができるというふうにアメリカ、フランス、イギリスでは考えられているということでありますので、それが言わば国際標準というか国際基準といいますか、呼ぶべきものではないかなというふうに思うんですけれども。 アメリカ、フランス、イギリスが別組織を取っているということについてどう捉えられておられるのか、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(山田知穂君) それぞれの国でそれぞれの規制の在り方の中でどういうやり方が一番効率的なのかというところについては、それぞれの国の事情があると思いますので、ちょっと一概に、国際的に同じにすれば効率的に進むかどうかということについては、必ずしもそういうふうに言い切れないのではないかというふうに考えてございます。
○浜野喜史君 そういう考え方もあり得るのかと思いますけれども、アメリカ、フランス、イギリスでは別の組織を取っているということも事実でありますので、そういうこともにらみながら一つの今後の検討課題にしていただければというふうに思います。 国際比較という点から更に質問いたします。 放射性廃棄物の処理、処分に係る規制基準につきましては、安全性を前提として合理的な規制を検討する必要があります。現行の規制では、廃棄物の性状よりも発生元の違いの観点が優先される枠組みであり、原子炉廃棄物と研究施設などから発生した廃棄物はそれぞれ処理、処分する必要がありますが、性状が同様で安全上の問題がなければ廃棄物の処理、処分を一括して行うということも考えられます。 実際、諸外国では発生元にかかわらず放射能濃度に応じ処理基準が設けられており、日本でも国際的な基準に合わせるよう検討すべきではないかと考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(青木昌浩君) お答えいたします。 現行の原子炉等規制法の規則では、議員御指摘のとおり、埋設処分することができる放射性廃棄物の発生元が限られているということは事実でございます。 本件につきましては、原子力規制委員会は、昨年、放射性廃棄物が発生した施設ではなく、含有する放射性物質の種類や放射能濃度に応じて埋設処分を行うことを可能とする基準の方向性を示しまして、現在、基準改正に向けた検討を行っているところでございます。
○浜野喜史君 ありがとうございます。今後とも、このような視点も大切にして継続的な検討を求めたいと思います。 次に、中深度処分の規制基準についてお伺いいたします。 原子力規制委員会は、廃炉等に伴う放射性廃棄物の規則に関する検討チームを設置し、中深度処分の規制基準の検討を行ってきました。 その検討チームでの議論に先立ちまして、平成二十六年十月二十九日の原子力規制委員会では規制の検討に係る方向性が示されております。その中で、国際原子力機関が策定している安全基準や各国の規制制度等の国際動向及び我が国の炉内等廃棄物の性状等を調査し、これらを踏まえることが重要であるとされております。 この基本的な認識に変わりはないかどうか、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(青木昌浩君) お答えいたします。 国際原子力機関が策定している安全基準の考え方を適用しまして、他国の規制制度を参考にして我が国の実情に合った規制基準を策定するとの認識に変わりはありません。
○浜野喜史君 その上で更に御質問、この関係、いたします。 廃棄物埋設に係る放射線防護基準について、原子力規制委員会は、廃棄物埋設の放射線防護基準に関する検討チームを設け、五回にわたり議論を重ねてきております。その検討の趣旨は、国際基準を踏まえた防護基準の再整理であり、検討チームでまとめられた報告書では国際的な防護基準を踏まえた線量が示されたと理解をいたしております。 その後、平成三十年一月二十四日に開催された原子力規制委員会で、原子力規制庁は、これまでの検討の上で規制庁としての線量基準案を提案をいたしました。その規制庁が示した線量基準案は放射線防護基準に関する検討チーム報告書で示された内容に沿ったものかどうか、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(青木昌浩君) お答えいたします。 まず、原子力規制委員会に提示しました中深度の廃棄物埋設に係る放射線防護基準案につきましては、国際基準を踏まえ、線量拘束値一年当たり三百マイクロシーベルト、これを上限として被曝線量を合理的に達成できる限り低いものとする、そのための設計プロセスを確認するというものでありまして、廃棄物埋設の放射線防護基準に関する検討チームで取りまとめた報告書に沿ったものでございます。 なお、本報告に関しましては、原子力規制委員会の議論を経まして、被曝線量を合理的に達成できる限り低いものとするためのプロセスの確認の一環として、線量基準値を設ける等の追加修正も行ったところでございます。
○浜野喜史君 関連して更に質問いたしますけれども、その後開催されました放射性廃棄物の規制に関する検討チームの会合では、規制庁が示した案に対しまして、国際基準に沿っていない、これまでの議論と異なるといった趣旨のコメントがありました。 必ずしも有識者からの理解は得られていない状況と承知をいたしますけれども、現在の検討状況、今後の進め方について説明をお願いいたします。
○政府参考人(青木昌浩君) お答えいたします。 今議員から御指摘がありましたように、一月に原子力規制委員会に示しました基準案につきましては、その後、昨年三月、四月の廃炉等に伴う放射性廃棄物の基準に関する検討チームで提示いたしました。その際、原子力規制委員会の議論により追加した事項につきましては、その位置付け等の説明が十分でないと有識者から指摘があったことは事実でございます。 これを踏まえまして、有識者から指摘のあった追加した事項についての位置付け等につきまして、再度原子力規制委員会の場で明確化いたしまして、また、七月に廃炉等に伴う放射性廃棄物の規制に関する検討チームにおいてこれを丁寧に説明したところでございます。その際には、取りまとめに当たってチームの有識者の方からは異論はございませんでした。 現在の状況ですけれども、これらの基準につきましては、関連規則等を改正すべく検討を進めているところでございます。
○浜野喜史君 今後の進め方についても併せて説明をお願いいたします。ちょっと聞き漏らしたのかも分かりませんけど。
○政府参考人(青木昌浩君) 今説明いたしました中深度の埋設処分、これにつきましては、埋設処分の中でウラン廃棄物のようなものも今年になって検討する予定でございますので、それらも含めて関連規則等を改正すべく今現在検討を進めているところでございます。
○浜野喜史君 また改めて原子力規制委員会、会合が開かれて、パブリックコメント等に付されるとかそういうことになるんだろうと思いますけれども、説明できる範囲でお願いいたします。
○政府参考人(青木昌浩君) 結論から申しますと議員のおっしゃるとおりでございまして、今まで議論しておりましたのは、規制の考え方、骨子案みたいなものでございまして、最終的に関連規則する場合には、当然、それらの案を作りまして、委員会の了承を得た上で意見募集を得て決定することになります。
○浜野喜史君 更にお伺いいたしますけれども、御説明では、現在示されている内容について、放射性廃棄物の規制に関する検討チームの皆様方、有識者と呼ばれる方々は理解をされたというふうに考えておられるのかどうか、改めてお伺いいたします。
○政府参考人(青木昌浩君) 理解を得たかどうかというのは主観的になりますので、客観的な事実だけまず申し上げますと、三月、四月の検討チームで我々に指摘を受けた事項について先ほど紹介しましたように丁寧に説明しまして、それについて異論はありませんでした。
○浜野喜史君 これに関してもう一問質問をさせていただきますけれども、私は、まとめようとされている内容につきましては、そもそも、平成二十六年十月二十九日の原子力規制委員会で決定をされた規制の検討に係る方向性で示しておられます、国際原子力機関が策定している安全基準や各国の規制制度等の国際動向及び我が国の炉内等廃棄物の性状等を調査し、これらを踏まえることが重要であると、こういう方向性に反しているのではないかというふうに疑問を持つわけですけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(青木昌浩君) お答えいたします。 先ほどから説明しておりますように、現在検討している中深度埋設処分に対する基準案につきましては、国際基準を踏まえまして、線量拘束値を上限として被曝線量を合理的に達成できる限り低いものとするための設計プロセスを確認するというものでありますし、また、検討に当たっては、日本で生じた廃炉等の、廃炉から生じる廃棄物のデータというものを用いたものであります。 したがって、平成二十六年十月に示した方向性に合致するものと認識しております。
○浜野喜史君 そういう御認識だということでありますけれども、ここで一件、資料要求をさせていただきたいと思います。 規制庁の判断といたしまして、放射線防護基準に関する検討チームで取りまとめられた報告書で示された線量基準と異なる内容を採用しようとされていると私は認識をしておりますが、その設定が妥当だとする科学的根拠を示した資料を本調査会へ提出いただくことを要求をいたします。 会長、よろしくお願い申し上げます。
○会長(鶴保庸介君) 後日理事会において協議させていただきます。
○浜野喜史君 ありがとうございます。 どのような根拠で、どのような考え方で基準を作るのかがしっかりと明示をされ、その上で議論が尽くされ基準が制定されることが重要であるというふうに考えますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 残り時間、IRRSへの対応についてお伺いいたします。 原子力規制委員会は、平成二十八年一月、IAEAによるIRRSを受け入れ、同年四月には、十三の勧告、十三の提言を含む報告書が公表をされております。そのIRRS報告書の勧告四のパートでは、原子力規制委員会の現在の組織体制等については効率的、効果的に遂行するために最適ではないという指摘が、さらに勧告六では、規制活動の実施とマネジメント関連文書の作成において等級別扱いが一貫して適用されていないなどという極めて厳しい指摘がなされております。それに関して私も資料要求をさせていただきました。 今日も資料を配らせていただいていますけれども、それを説明してくださいというふうに求めたところ、二つの答えが返ってきたところであります。資料もお配りをいたしておりますけれども、一つは、原子力規制委員会マネジメント規程において、マネジメントシステムの一要素として明確化し、運用を図っているところであるということ、もう一つは、個別の案件に際してグレーデッドアプローチの考え方に沿って運用するとともに、具体的な経験やノウハウを蓄積しているところと、この二つの説明をしていただいて、しっかりとIRRSからの指摘に対応しているという御説明をいただいてきているところでありますけれども、私はこの説明が成り立っていないんじゃないかというふうに疑問を持っております。 といいますのも、一つ目は、平成二十八年に原子力規制委員会はIAEAから指摘を受けておられるわけですけれども、既にマネジメント規程は平成二十六年に制定されてあって、ということは、これに関しての運用が不十分なんだというふうに指摘がされているということだと思いますし、さらには、その等級別扱いを一貫して適用しなさいという指摘に対して、個別で対応している、個別の案件に対応しているという、これも説明成り立っていないということだと思うんですけれども、対応しているということであるならばその考え方を更田委員長に御説明をいただきたいと、このように思います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 御質問にもありましたように、原子力規制委員会が等級別扱い、グレーデッドアプローチに関して定めましたのは、平成二十六年九月に原子力規制委員会マネジメント規程において、この要素として明確化し、運用を図っていたところでありますが、IRRSの報告書では、御質問にありましたような指摘を受けたところであります。そこで、原子力規制委員会では、個別の案件に際してグレーデッドアプローチの考え方に沿って運用するというのを具体的な経験やノウハウの蓄積に努めているところです。 でも、これ少し翻訳の問題もありますけれども、グレーデッドアプローチの基本は、対象に応じた規制を行う、対象が抱えているリスクであるとかそれぞれの事象の特徴を踏まえて規制を行うということですので、まず個別の一つ一つのものに対して状態把握、情報の確保に努めてその対処法を考えていくという、経験やノウハウを積むことが重要であるというふうに考えております。
○浜野喜史君 そうであるならば、例えばこのグレーデッドアプローチが一貫して適用されていないという、そのIAEAといいますかIRRSにおける指摘はやや的確性を欠いているとかというような反論をされた上で対応をしておられるなら分かるんですけれども、これはこれでお認めになって報告書までまとめておられるわけですから、その説明は成り立たないんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) IRRSのプロセスはまだ完了をしておりませんで、IRRSの指摘に対して今後フォローアップミッションが行われ、その上でIRRSの見解が示されます。IRRSは指摘を行って、この後、フォローアップによって私たちの取組が十分であるかどうかをIAEAの方で判断をされます。 私たちは、このIRRSの報告書、最初のミッションを受けたときの報告書として御指摘のようなコメントを受けているわけですけれども、これについての対処の方法は、その後の時間での対処に委ねられております。 グレーデッドアプローチの基本ですが、繰り返しますけれども、グレーデッドアプローチは、対象の施設の特徴を踏まえそれに応じた規制を行うことで、極めて個別の案件に対する対処の積み重ねが重要であります。 それから、あえてもう一つ付け加えさせていただきますと、グレーデッドアプローチは規制委員会、規制当局だけの努力で成立するものではありません。リスクに応じてということですので、グレーデッドアプローチの適用には、事業者が自らの抱える施設のリスクについて定量的に把握し、それを合理的に説明する責任があってこそ成り立つアプローチであるということを申し添えさせていただきます。
○浜野喜史君 そろそろこれで締めさせていただきたいと思いますけれども。 このことに関しましては、昨年十一月一日に開催されました原子炉安全専門審査会、原子燃料安全専門審査会、炉安審、燃安審の合同審査会におきまして、大井川委員、日本原子力研究開発機構の事業計画統括部長というお立場の方でありますけれども、こんな質問をされておられます。等級別扱いはしっかりとマネジメントシステムの中に取り込まれているということでよろしいですかという質問をされて、議事録を見させていただきますと、事務局は回答は当日はできずに次回に説明をするということになっているところであります。私は、失礼ながら、結局のところ説明に窮しておられるんじゃないかなというふうに理解をいたしております。その後、次回にまた説明をして議論もしていただけるということだと思いますので、その動向に注目をさせていただきたいと、このように思います。 いずれにいたしましても、等級別扱いの徹底など、効果的、効率的な原子力規制行政を遂行されることを求めまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○江崎孝君 立憲民主党の江崎でございます。 この質問をするに当たって三・一一の決算委員会のことをちょっと思い出しておりまして、忘れもしません、本当に、決算委員会のさなか、テレビ中継のさなかに、頭上のシャンデリアがまるで落ちるのではないかというぐらいに揺れたことを思い出しますし、そのときの委員長がちょうど鶴保委員長でございました。 その震災の後の実は五月に、当時民主党が与党でありましたので、当時の海江田大臣に質問をいたしたことを反省をしつつ、反省というか総括をしつつ、もう一度その件に関して質問をするわけなんですけれども、当時、私は、三月の十二日ですね、二〇一一年の三月の十二日、恐らく私の記憶では日本で最初にベントが行われたんではないか。つまり、格納容器の中のガスを外に排出をする、強制的に排出をするという。これ、そのままにしておけば圧力が上がって爆発する可能性があるという、そういう危機的な状況にあった。これを初めてベントをやったのが三月の十二日だったと。 調べておりますと、実は我が国の原子炉にはこのベント機能が付いていなかった、古い原発にはですね。それがシビアアクシデントということで、当時の通産省からベントの設置を要請されて、福島も東電が設置をされたということなんですけれども、驚くことに、このベントをするときに、当然フィルターというものが付いているものだというふうに思っておりましたところ、このフィルターが付いていなかったというのが議論の、その決算委員会の中の議論でございました。 ここで規制委員会の方にお尋ねするのがこれが適切かどうか分かりませんけれども、なぜ我が国の原子力発電所には、そのベント機能があった、付けたにもかかわらずフィルターを付けていなかったのか、お分かりな方がいらっしゃったらお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(櫻田道夫君) 直接のお答えになるかどうかはあれですけれども、東京電力福島第一原子力発電所事故が発生した当時の原子炉等規制法に基づく規制におきましては、そもそも格納容器ベントの設置というものは要求されていなかったという状況でございます。 一方、東京電力におきましては、原子力安全委員会が平成四年にまとめた指導文書がございまして、正確に申し上げますと、「発電用軽水型原子炉施設におけるシビアアクシデント対策としてのアクシデントマネージメントについて」と、こういう長い名前の文書でございますが、これも踏まえまして各種のシビアアクシデント対策等を自主的に整備していたという状況にございました。 東京電力福島第一原子力発電所事故の進展の中で、東京電力は、結果として、その対策の中にございました格納容器ベント、耐圧強化ベントと言われるものでございますけれども、これを実施したものというふうに理解をしているところでございます。
○江崎孝君 いや、私はフィルターが付いていなかったことのお話を聞いたんですけれども、当時の政府参考人の回答は、あれ御存じだろうと思いますけれども、サプレッションプールというか、格納容器の下に水がぐるぐる回っていまして、そこに空気というかガスというか気体を入れて、汚染された、入れて、そこで若干その放射能等をろ過をする、そしてそれを出すということで、フィルター付けていなかったという話を聞かされたんですね。じゃ、あの非常に危機的な状況の中で、発電も止まった中で、そしてそれが本当に、ウエットウエルベントと言うらしいんですけども、ウエットウエルベントが果たして機能していたかというのは誰も分からないわけなんですよ。 ですから、だから当時の知見では、ウエットウエルベントであるとフィルターを付けなくてもいいという、そのシビアアクシデントに対しても非常におろそかだった部分があって、そこでいろいろ調べたわけですけれども、実はこういう当時質問をしているんですが、これ有名な原子力プラントなんですけれども、日本の原子力プラントは世界と比較して構造上安全性が高いので、過酷事故、いわゆるシビアアクシデントはこれは工学的に起こり得ない、そういう事象として考えて、過酷事故対策を実施する義務付けは今のところしていない、過酷事故のための設備装置は一般大衆に対して原子力プラントについての安全性の不安を必要以上に感じさせ、原子力発電への社会的理解を得る点では好ましくないという支障があった、こういうことを言って、この方は、この大きな原子力プラントの電機会社の方は原子炉格納容器のベント装置の特許申請をしているわけですね。で、フィルター付けていないわけでございますけれども。 それで、お聞きしたいのは、これ知見があるかどうか分かりませんけれども、ウエットというのはそういう意味で水を通す、ドライといったらその生を出す、ドライだったら付けなさいよという、こういう話だろうというふうに思うんですけれども。そこで規制委員会の新規制基準は、これフィルター付けろという規制になっておりますよね。これ私が驚いたのは、BWR、つまり、現在、古い原子力である軽水炉の原子炉格納容器にはすぐ付けなさいと。ところが、加圧水型という、今新しいのは大体加圧水型なんですけれども、このPWRには五年間の猶予期間が実はあるわけで、これは技術的な問題として、多分、BWRの方はやっぱり危機的な状況が福島でも起きた、福島は軽水炉ですから、BWRですから。加圧水型については五年間の猶予を与えるという、再稼働しているのは大体加圧水型と私は記憶しておりますけれども。 じゃ、BWRの方のフィルターの今の現在の状況を、どれだけの原子炉、発電所の格納容器でどれだけのフィルター設置作業がもう終わっているのでしょうか、あるいはどこまで進んでいるのでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 新規制基準では、BWRについては、運転の再開に当たってフィルターベントが設置されていることが必要になってございまして、新規制基準適合性に係る設置変更許可を受けた二発電所三プラント、具体的には、東京電力柏崎刈羽六号炉及び七号炉、それから原子力発電東海第二発電所については、まだ現在動いておりませんけれども、運転の再開までに設置する必要があるという状況でございます。 それから、PWRにつきましては、新規制基準適合性に係る工事計画の認可後五年の間にフィルターベント又はそれに相当する設備の設置を求めておりまして、規制基準適合性に係る設置変更許可を受けた六発電所十二プラント、これも具体的に申し上げますと、関西電力美浜三号炉、大飯三号炉及び四号炉、それから高浜一号炉から四号炉、四国電力伊方三号炉、九州電力玄海三号炉及び四号炉、川内一号炉、二号炉については当該五年の間に設置する必要があるということで、まだこれについては工事が終わっておりませんので、設置はされてございません。
○江崎孝君 BWRは再稼働申請が、まだ再稼働する予定はないと思うんですね。どこかありますかね、再稼働、予定されているところは。
○政府参考人(山田知穂君) 再稼働するかどうかということについては事業者が地元との間で調整をした上でということになりますけれども、許認可といたしましては、先ほど申し上げました東京電力六号炉、七号炉、それから東海第二発電所について設置変更許可が終わっております。 日本原子力発電東海第二発電所については、工事計画認可も終わっておりますけれども、まだ工事は終わっておりません。 そういう状況でございます。
○江崎孝君 それでは、PWRの方ですけれども、既に稼働が進んでいる原子炉、今お話しされたと思うんですけれども、そこはもう既にフィルターが付いた状況で再稼働が許可されているんでしょうか、それともまだ五年間の猶予期間なんでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) まだ五年間の猶予期間中でございます。
○江崎孝君 の中で動いているということですね。
○政府参考人(山田知穂君) そのとおりでございます。
○江崎孝君 余りこのことって国民の皆さんよく御存じないと思います。技術的なものとして、加圧とBWR、PWRがどんなに違うのかということもよく御存じないと思いますし、もっと言えば、スリーマイル島の原子力発電所はPWRだったわけであります、加圧型だったわけでありますから。 私の、そんなに専門性がない僕からしたら、なぜこの五年間の猶予を与えて再稼働をお認めになったのかというのが正直解せないわけでございますけれども、その辺の技術的な何か大丈夫だよというのがあれば、規制委員会の方からお話しいただきたいんですが。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 東京電力福島第一原子力発電所事故の反省を踏まえて、原子力規制委員会は新しい規制要求の下で、様々な過酷事故、シビアアクシデントにおいて格納容器を守るための対策を要求をしております。その上で、PWR、BWR、それぞれの炉型の特徴を踏まえた要求の仕方をしております。 まず、BWRにつきまして、先生からウエットウエルベントとドライベントの御指摘がありましたけれども、BWRは炉心が溶けてしまうような事故のときに格納容器を守るまでの時間というものが極めて限られています。これは、BWRは格納容器の内容積がPWRに比べて極めて小さいことに主に起因をしております。PWRの場合は、炉心が溶けてしまってから圧力容器が損傷し格納容器が損傷するまでの時間的な余裕を考えると、いわゆる圧力、格納容器内の圧力を抜くためのベントシステムの必要性、重要度は、BWRに比べれば小さなものとなります。 そして、スリーマイル島二号機の事故について言及がございましたけれども、これもPWRでありまして、格納容器の損傷には至っておりません。PWRへのフィルターベント等の設置は、これは例えば故意による大型航空機の衝突やテロリズムなどの更なる安全性向上のための言わばバックアップとして求めているものであります。 一般的に、このフィルターベント等に限らず、こういった更なる安全性向上を求めるものに関しては猶予期間が必要でありまして、PWRに対する経過措置期間は適正なものであるというふうに考えております。
○江崎孝君 少なくとも、その猶予期間与えるのであれば、その設置するまでの工事の期間は当然必要でしょうけれども、それまでは再稼働をやっぱり猶予すべきじゃないのかなというのが私の率直な思いなんですけれども、ヨーロッパとか諸外国のPWRを含めて、これはフィルターは付いているんでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、お尋ねの諸外国の状況ですが、これは国によって異なります。フィルターベントそのものを要求としていなく、実際に付いていない国もあります。 それから、フィルターの能力等によっても、これは国によって異なります。例えば、石みたいなものを積んだ、砂ですとか石を積んだようなものを通すことによってある程度のフィルター機能を持たせているようなベントも存在します。それから、BWRにあっては、先生の御質問の中にもありました、ウエットウエルベントを使うことによってフィルターを必要としないとしているケースもございます。 更なる安全性向上のためには、繰り返しますけれども、経過期間が必要で、安全性向上のための新たな取組をするごとにそれが完了するまで停止するというようなアプローチは、事業者自身にしてみれば安全性向上のための提案、提言等を阻害してしまうことになりますので、やはり一定の経過措置期間というのは安全性向上を進めるためには必ず必要なものであるというふうに考えております。
○江崎孝君 もう五年間の猶予期間で決まって動いているわけでございますから、是非そこはしっかりと規制を含めて対応を改めてお願い申し上げたいというふうに思います。 三月の十二日のあのベントがどれだけの影響を与えたかというのは分からないわけですけれども、それなりに本当に大変な決断、ベントを開くというのは歴史的な決断だったんじゃないかなと思うんですが、そのときにフィルターが付いていた、いなかったというのは本当に国民知らされていなかったわけですので、是非、一に返ってというか、最初、三・一一のあの被災の状況をしっかりと見据えながら対応を取っていただきたいんですけれども、もう時間がこれで大分取っちゃったので、先ほど浜野委員からも、それと今日、更田委員長からも出されましたそのIRRSの話を少しさせていただきたいと存じます。 先ほど、二〇一六年の報告書の話が出ました。十三項目というのが出されているわけなんですけれども、幾つか浜野委員が出されたんですけれども、やはり今回のIRRSの調査の報告書に対する日本の今の規制基準等々について、簡単で結構ですから、どんなポイントで指摘をされたのか、教えていただけますか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 簡潔に一言で申し上げますと、最大の指摘は検査制度に係るものであったと考えております。 教条的と申しますか、あらかじめ定められた項目をチェックして回るといった決まり切った検査を進めるというものに対して、更にもうリスクをきちんと捉えた検査制度に移行するべきであるというのがIRRSから受けた指摘の最も肝要なところであるというふうに認識をしております。
○江崎孝君 以前の田中規制委員長の頃にこれはもらって報告していたわけですけれども、こんなふうに言われているんですよね、日本のチェックリスト型検査を見直すべきだという。いわゆるその規制基準、これに適合しているかしていないかだけをチェックリストみたいな形で基準を出していく、それがどうだということで、今回の恐らく、二〇二〇年、来年の四月一日というふうにおっしゃって、今作業中であると思いますけれども、これ規制の在り方がですが、本当に変わる、大転換をする大きな作業だと認識をしています。 そのとき、私の情報では、アメリカがやっているROPというシステムを踏襲といいますか、アメリカがやっているROPを日本の中でも導入されるんじゃないかという話もあるんですけれども、じゃ、このアメリカがやっているROPというのはどういうものか、ちょっとお教えいただきたいと思います。
○政府参考人(山田知穂君) 米国の原子力規制委員会で実施をされております原子炉監督プロセス、ROPでございますけれども、アメリカでもいろいろな経験を積んでまいりまして、従来から行われていた原子力発電所の安全実績評価のために実施してきていたいろいろなプログラムと呼ばれるものを統合して、安全実績指標、英語で申し上げますとパフォーマンスインデックスと申しますけれども、それと検査の所見から規制対応を判断をしていくといったような包括的な制度というものになってございます。 具体的には規制上注目すべき監視領域というものを七つ設定をしてございまして、安全実績指標を整理してこの七つの監視分野について確認を行いまして、監視や検査の結果、事業者の安全性に対する取組のパフォーマンス、実績が低下しているといった、そういったような場合が見られますと、その見られた事実に対して、それぞれが原子力安全に対してどの程度のリスクの観点からの重要度があるのかということに応じて追加検査を行うですとかある種のペナルティーを加えるとか、そういったようなことを行うことによって事業者の安全確保の対応を促していくという、そういう仕組みになっているものでございます。
○江崎孝君 私が調べた中によると、三つの戦略的パフォーマンス分野ということで、一つが原子炉の安全、放射線の安全、それと安全保障、セキュリティーのものですね。その具体的な監視においては七つのコーナーストーンがあるということで、原子炉の安全の中には起因事象、緩和系、バリア健全性、緊急時対応計画、放射線の安全には職業人の放射線の安全、公衆の放射線安全、セキュリティーと、安全保障はセキュリティーという。こういう細かく分かれていて、先ほどちょっと更田委員長が言われたとおり、これは事業所側もすごくオープンにしていくというか、問題があった場合にはきちっと対応するし、その相互の、規制をする側、つまり委員会側と検査を受ける側の、事業所側の意思疎通の在り方も含めて、両方がやはり国民に向かってきちっとその問題性も含めて開示をしていかなきゃいけない、公開というのが非常に大きなポイントに僕はなっているというふうに聞くんですよね。 そこで、ちょっと戻って申し訳ないんですけれども、今回、ついせんだって原発のトラブルが起きました。小さな、小さなと言っちゃいけませんね、東電が、東京電力の柏崎刈羽、福島第一、福島第二の三原発で起きた火災のトラブルについて、東電本社から、原発側からの報告を放置し、予防策を検討していなかったというのが新聞報道されました。これ、二月の十四日の朝日新聞でございます。 これは、東電側が規制委員会の方にこの報告していなかったということなんですね。これはささいなことだからしなかったのか、あるいは、元々こういう事故が起きた場合には対処のマニュアルとしてはどういうふうにしなきゃいけないふうになっていたんでしょうか。
○政府参考人(片岡洋君) お答え申し上げます前に、先ほど山田部長の発言の中でパフォーマンスインデックスと申し上げたところは、パフォーマンスインジケーターでしたので、訂正をさせていただきます。 御質問にお答えさせていただきます。 原子力発電所は、トラブルが生じました場合には、対応の一義的な責任は事業者にありまして、事業者が自ら原因究明や再発防止を行うことになります。原子力規制委員会としましては、トラブルの重要性や緊急性に応じまして、立入検査や聞き取りによりまして事業者の対応について適切に確認していくことになります。 御質問の東京電力の三事業所における保安規定違反につきましては、四半期ごとの原子力規制委員会が行っております保安検査の中で判明したものでございます。 これについては、今後、東京電力の本社における検査を実施して原子力安全への影響の程度を把握した後に保安規定違反の区分を決定しまして、その区分に応じて再発防止対策の妥当性を保安検査等で確認していくこととしております。
○江崎孝君 東電は、処理する期限が明文化されておらず先延ばしにしたというふうに新聞報道では言っていらっしゃるんですけれども、この処理する期限が明文化されておらずと言っているということは、その明文化というのは何のことを言っていらっしゃるんでしょうか。お分かりになりますか。
○政府参考人(片岡洋君) お答えいたします。 予防処置を行う期限につきましては、トラブルの重要度や緊急性に応じて事業者が自ら保安規定あるいはその下部規定の中で定めるべきものでございます。 その上で、原子力規制委員会としては、事業者の対応の妥当性を保安検査等で確認していくということになります。
○江崎孝君 私、責めているわけでも何でもないですし、今の在り方としての、やっぱり、何というか、隙間でこういうトラブルが起きたんでしょう。 もっと言えば、今回のROP、やられるとするならば、やはりこういう問題も含めてどういうふうに、こういうトラブルが起きた場合、この意思の疎通のなさみたいなところはやっぱり徹底してなくしていかなければならないものになるだろうというふうに思うんですけれども、新規制基準が仮に二〇二〇年から稼働した場合については例えばこういうトラブルとの関係性というのはなくなるんでしょうか、それとも同じようなことが起こり得る可能性はあるんでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 起こり得るかどうかということについては事業者の安全の取組の状態によると思いますけれども、新しい検査制度の中で我々としてどのように取り組んでいくのかということにつきましては、まず、今回の事案についてはまだ事実関係が必ずしもはっきりしておりませんので、今回の事案そのものがどのような安全上の重要度、リスクを持っているかということについてははっきりはしておりませんけれども、新しい検査制度では、まず第一に、今回の事案がどのような安全上の重要度を持っているのかということをしっかり見るというところに取り組むことになると考えております。その上で、重要度が高いものについてはしっかりと我々としては確認をしてまいります。 さらに、今回の新しい検査制度の中で事業者が自ら誤りを改善をしていくという取組がしっかりなされているかどうかということをチェックをするということが非常に重要になっておりますので、まだはっきりしていないと申し上げましたけど、今回の事案がもし事業者のいわゆる是正をする取組の弱さに起因するものということであれば、それに対しては我々としては厳正に対応していくということになるかと考えてございます。
○江崎孝君 まさしくそれが、やっぱりROP、リアクター・オーバーサイト、監視という英語を使っている部分がまるで変わってくる部分だろうというふうに僕は理解をするんですよね。だから、是非進捗状況はどうか聞きたかったんですけれども時間がありませんので、そのことはまた後日にお話をしたいと思うんですけれども。 これはアメリカでNRCがROPをしたときも、やっぱり相当、議会あるいは会計検査院等々がこの新しい新基準の在り方について相当厳しく追及をしたやに聞いております。果たしてそれが我が国の議会等々で可能かどうかというのもありますけれども、やはり私は、この資源エネルギー調査会みたいなところで、与野党関係なく、新しい規制の在り方についてはやっぱり本当に徹底した審議をしながらスタートをしていただきたいなという思いを強く持っております。 それで、最後に質問しますけれども、アメリカのNRCと日本の規制委員会の違いというのは、もう巨大さが違う、そして数も違う。果たして、今回の新しい規制が入って、IRRSの新しい規制、ROPが入るにしても、現在の体制では恐らくほとんど無理なのではないかと思われるぐらいに数が少ない、人も物もお金もという状況だろうというふうに思いますが、その辺の懸念あるいはその辺の今後の国に対する対応の仕方等々、委員長、何かお考えあったら、最後の質問にさせていただきます。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 まず、ROPに関して、ROPの最大の肝要、最も大事なところは、事業者、規制者を子供扱いするのではなくて、フラットな関係できちんとしたコミュニケーションを取るというところが最も重要になります。一義的な責任は事業者にあるのだということを明確にして、その上で是正がきちんとできているかというのを見ていくことになります。 ここで重要になりますのは、人数よりもむしろ、それぞれの検査官であるとか規制に当たる者の力量が大変重要になります。これは一朝一夕にかなうものではありませんし、また、国内における人材を仮にかき集めることができたとしても、そのような能力のある人間をそろえるというのは難しいことで、やはり現有勢力の努力、それからその育成に努めていくことがこのROPの成否を握っているというふうに認識をしております。
○江崎孝君 期待しております。また質問させていただきます。残りの質問ができませんでしたことをおわび申し上げます。 終わります。
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。よろしくお願いをいたします。 私、更田委員長の任命同意に関して委員会で質問させていただきました。その際に、コミュニケーションの重要性ということに関して委員長が、特に施設に関わる安全の議論というのは東京で机を挟んでやっていても決して十分なものにはなりませんので、できるだけ多くの施設へ時間の許す限り行きたいと思いますと、このように御答弁をされました。 委員長に就任されてから、施設に足を運び、また事業所の方々と精力的にコミュニケーションを取っておられると伺っております。委員長として、これまで事業者の方々とコミュニケーションを行われてきた御感想をまず賜れればと存じます。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。 適切な規制を実施するためには、被規制者、事業者の方々と意思疎通、相互の共通理解を持つということが極めて重要だと考えておりまして、事業者との適切なコミュニケーションは非常に重要だと思っております。 現地へ行って、東京でCEO、CNOと言われる経営層の方々との意見交換も公開の席で行っておりますけれども、何よりもやはり現地に行くことの価値は、その発電所や施設で働いている現場の人とのコミュニケーションを一定程度図れるということは、規制に対する、正しい規制ができているかどうかの感触を持つ上で非常に重要であると考えておりますので、今後とも積極的に進めてまいりたいと考えております。
○熊野正士君 次に、住民の方々とのコミュニケーションについて伺いたいと思います。 これも委員長から非常に示唆に富む答弁をいただいたと記憶しておりますけれども、どうしても技術者の説明というのは上から目線になりやすいと。そもそも御説明するという言葉自体が多少上から目線という感じがあるので、注意をして、なるべく多くの方々に響くような説明の努力を続けたいと思いますというふうに御答弁をくださいました。 住民の方々を始め多くの方々と意見交換をされたと思いますけれども、その感想も是非お聞かせ願えればと存じます。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 先ほども申し上げましたように、できるだけ現場、現地に行きたいというふうに考えております。その際に、こちらの方から事前の調整の段階でお願いをしているのですけれども、自治体の首長さんないしは首長さんに代わる方々との間の意見交換の席というのを持ちたいというふうにお願いをしております。なかなかそれぞれの御意向があって数多くは成立しないできておりますけれども、これまでに意見交換をさせていただいた席では、やはり規制委員会の立場でお答えできる話題だけではないのですけれども、それでも生の声をお聞きするということは大変重要なことだと思っております。 それから、その際に気を付けておりますのは、どうしても、御説明するというのは理解している者が理解していない方にというニュアンスをどうしても持ってしまうので、私は、どうしてもこの言葉を使わざるを得ないのですけれども、できるだけこの意見交換の席では、いわゆる御説明ではなくて、地元の方の声を聞くことの方に主眼を置きたいというふうに考えております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 是非これからも現場の声に耳を傾けていただいて、規制行政しっかりとやっていただきたいというふうに思います。 次の質問に移りたいと思います。 原子力規制委員会が、透明性の確保とともに予見性を高めていくということが非常に大事だというふうに思っておりまして、委員長御自身も、規制の予見性を高めることは重要ということで、実際に申請をしたらどのような目で審査をされるのかあらかじめ文書化しておくことは、申請者だけではなくて私たち自身にとっても良いことだと思うので、審査ガイドの充実と公表に努めたいと、さらには、リスクの捉え方であるとか物事の重要度に関するその規制に対する基本的な考え方に関する文書化というのが我が国は余り進んでいないので、こういった基本文書の充実に努めたいと、このようにおっしゃっておられますが、委員長就任なされてから、この審査ガイドであるとかあるいは基本文書の充実について、現時点での取組についてお教え願えればと思います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 原子力規制委員会としましては、予見可能性を高めるなど、それらを目的としまして最新知見の規制への反映プロセスを構築して、その明確化を図っているところでございます。 その中で、基準を新たに定めるときは事業者から意見聴取を行うこととしておりまして、最近の取組としましては、火山灰に関する基準の改定に際して、電気事業者を始めとする被規制者を交えた降下火砕物濃度の評価に関する検討チームを公開で開催したところでございます。また、パブリックコメントを経て基準類の改定を実施しております。 審査経験を踏まえた規制基準の見直しの流れも昨年整理したところでありますけれども、今後の審査の予見性向上の観点から基準の明確化などの見直しを行ったところでございます。
○熊野正士君 私も事業者の方々から御意見を伺うことがあるんですけれども、審査が非常に時間が掛かる、もう少し審査時間を短縮できないかといったお声をお聞きしております。恐らく委員長もそういったお声聞かれていると思いますけれども、先ほどの予見可能性とも関連すると思うんですけれども、申請をしてから何年も経過しているにもかかわらず、例えば基準地震動の策定の段階から全く動いていないといった事業者もあると伺っております。 先ほど浜野議員の方からも御指摘があったと思いますけれども、新たな疑義であるとか知見が出れば、当然調査をして分析をして事業者が報告をしていく、厳格な審査はもちろん必要だというふうに理解をしておりますけれども、例えば審査する側の、先ほど江崎議員の方からもお話ちょっとありましたが、人員を増やせば時間短縮になるのか、先ほどはその資質を高めていくことだというお答えだったと思いますけれども、規制委員会の体制の強化ということで時間短縮というのは可能なのかどうか、その辺のところを御答弁いただけたらと思います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 まず、審査に長時間を要することに関して申請者がどのように感じているかというのは、これはちょっと個人のことですけれども、私もかつて申請者側におりましたので、研究炉の申請を行っていて一日も早く許可が得られることを願っておりましたので、そういった意味でお気持ちは大変よく分かります。 しかしながら、先生も御指摘になったように、厳正な審査というものは決して譲ることなく妥協ができないところでありますし、現在の適合性審査というのは、議論を重ねて事業者との間の共通理解を得るというものですので、どうしても時間を要するものであるということは御理解をいただきたいと思います。 これまで十六発電所二十七基について申請を受け、これまでに八発電所十五基、まあ半分ちょっとでありますけれども、設置変更を許可したところであります。 この審査の体制については、専門性を有する実務経験者、これを、先ほど現有勢力の資質向上と申し上げましたけれども、実務経験者の中途採用も進めておりまして、審査を担当する職員の増強を図っております。 適合性審査の進捗状況を踏まえて、より重点化すべき案件に審査員を配置するなど、柔軟な体制の見直しを進めてまいりたいと思います。
○熊野正士君 次に、トリチウム水について質問させていただきたいと思います。 福島第一原発に貯留し続けているトリチウム水を希釈して海洋放出することに関して様々に報道がされております。海洋資源が汚染されるといった意見もあれば、希釈して海洋放出することはほかの原子力発電所で既に行っており、危険性はないといった意見まで様々であります。 そこで、この福島第一原発に貯留するトリチウム水を希釈した上で海洋放出することについての改めての、さっき青山議員の方からの問いにもありましたけれど、改めて科学的な観点から御説明いただければと思います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 原子力規制委員会としましては、処理の終わった水、処理済水の規制基準を満足する形での海洋放出については、科学的、技術的観点から環境への影響は考えられないというふうに認識をしているところであります。 まず、今、処理済水の具体的な取扱いについては、多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会において検討が進められておりますし、また、様々な方々の御意見も伺ったところというふうに承知をしております。 最終的には私は実施主体である東京電力が決定すべきものと考えていますし、東京電力が計画する計画を受けて、その上で、その影響等に関して、今申し上げたように、環境に影響を与えるものではないといったことについても丁寧な説明に努めてまいりたいと思います。
○熊野正士君 ありがとうございます。 次に、安定ヨウ素剤の配布、服用についてお尋ねしたいと思います。 原発の半径五キロ圏内の方々にはもう既に安定ヨウ素剤を事前に、事前配布ということでお配りしているというふうにお聞きをして、約六割ぐらいの自治体で配布済みだというふうなこともちょっとお聞きしましたけれども、この安定ヨウ素剤というのは、服用は、原子力災害発生時に甲状腺がん発生のリスクを抑えるということで非常に重要だと。これ、さきの東日本大震災で多くの国民が認識したというふうに理解をしております。 そこで、規制庁に伺いますけれども、この東日本大震災の教訓を踏まえて、安定ヨウ素剤の配布及び服用についての指針というものについて教えていただけたらと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。 東京電力福島第一原子力発電所事故の際、安定ヨウ素剤につきましては、的確な服用の指示が行われなかった、また配布の事前準備が不十分であったことから、結果として適切に配布、服用をされなかったという教訓があるというふうに認識をしております。このため、原子力規制委員会が策定をいたしました原子力災害対策指針では、予防的防護措置を準備する区域、PAZ及び緊急防護措置を準備する区域、UPZというものを設定をし、防護措置をとるという国際基準の考え方を踏まえまして、安定ヨウ素剤の配布、服用を行うこととしております。 具体的には、委員御指摘ありました発電所からおおむね半径五キロ圏内のPAZ圏内におきましては、住民等へ事前配布をし、全面緊急事態に至った時点で直ちに予防服用することとしております。また、おおむね半径五キロから三十キロ圏内のUPZ圏内におきましては、全面緊急事態に至った後に、原子力施設の状況や緊急時モニタリングの結果に応じまして、避難や一時移転等と併せて原子力規制委員会がその服用の必要性を判断をするという仕組みになってございます。
○熊野正士君 安定ヨウ素剤の服用に関して、二〇一七年にWHOで改定があったというふうに教えてもらいました。 このWHOの改定では、四十歳以上の方については安定ヨウ素剤の内服、服用というものが有効性が余りないんじゃないかというふうな内容だというふうな理解をしておりますけれども、まずそのことに関して、WHOの改定があったので、その観点で現在安定ヨウ素剤の配布、服用について検討されているというふうに伺いました。その検討内容についてお教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(片山啓君) お答えいたします。 原子力規制庁では、昨年の十二月から安定ヨウ素剤の服用等に関する検討チームというものを開催をしております。この検討チームにおきまして、委員も御指摘されました二〇一七年のWHOのガイドラインの改正を踏まえまして、安定ヨウ素剤の効能、効果、適切な服用のタイミング、服用を優先すべき者への配慮、副作用などにつきまして、医学的見地等に基づく検討を行っているところでございます。 これまで二回検討チームを開催しておりますけれども、今年の四月頃には検討結果を取りまとめる予定でございます。その結果に基づきまして、その後は、原子力規制委員会におきまして、安定ヨウ素剤の運用に係る具体的な方策を定めたガイドラインあるいは原子力災害対策指針へその検討結果を反映するという議論を行っていただく予定としているところでございます。
○熊野正士君 ちょっとこれ質問通告にはなかったんですけど、もしお答えいただければと思いますが。 先ほど、年齢ということで、四十歳以上の方は余りもう投与しなくていいんじゃないかということですけれども、そういうのを踏まえて日本でどうするかということだと思いますが、この甲状腺がんの発生ということでいうと、やっぱり小児ですね、子供がやっぱり一番問題だというふうに思います。そういった意味でいうと、この検討会で、子供の甲状腺がんを抑えるということで、いわゆる子供に対してどのように配布し服用させていくのかということを、ちょっと通告なくて申し訳ないんですが、お答え願える範囲でお答えいただければと思いますが。
○政府参考人(片山啓君) お答えをいたします。 子供向けにどのように安定ヨウ素剤を服用させるかということで、これまでですと、安定ヨウ素剤というのは丸剤でございましたので、丸剤を砕いてシロップと混ぜて飲ませるというようなことでございましたが、最近、メーカー、製薬会社さんの方でゼリー剤の開発というのも行われております。それにつきましては、内閣府の方で交付金の対象にして、今、全国の自治体でそういうものが実際に備蓄をされ、また事前配布の対象のところには事前配布を行うというようなことになってきております。 この検討チームにおきましては、WHOのガイドラインの改定も踏まえまして、先ほど申し上げましたように、服用を優先すべき者への配慮、要するに誰に対してしっかりと服用ができるようにしなきゃいけないのかというところを明確にする必要があるという議論が行われておりまして、そういった議論を踏まえて、先ほど申し上げましたガイドラインの改定に反映をさせていきたいというふうに考えております。
○熊野正士君 あと、子供ということであれば、ぱっと思い付くのが、学校で備蓄しているとか学校で飲ませるとか、そういったことも何か考えられるのかなと思うんですが、もしお答えいただければと思うんですが、学校に備蓄するとか学校で配るとか、何かその辺の議論もされているのかどうか、もし教えていただければと思います。
○政府参考人(片山啓君) お答えをいたします。 現に、全国の自治体の中でも学校で備蓄をするというような取組を既に始められているところもあるというふうに承知をしております。このガイドラインの中で、今委員が御指摘になられたような点も踏まえて、どういう中身を充実させていくかというのは今後しっかり検討していきたいというふうに思っております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 次の質問に移りたいと思います。 原子力災害時の避難計画について伺いたいと思います。 高浜原発のPAZ、半径五キロ圏内には京都府の舞鶴市の一部も含まれておりまして、大浦半島というのが、PAZには含まれていないんですが、PAZに準ずる地域というふうにされております。この大浦半島から避難道路というのが一本しかないということで、複合災害でもしこの一本の道が閉ざされるようなことがあれば、地震が発生してもう孤立してしまうんじゃないかということで、地域住民の方からはすごく不安が、声があるのも事実でございます。 この辺のことに関して、政府の見解を求めたいと思います。
○政府参考人(荒木真一君) 今委員御指摘の舞鶴市の大浦半島についてでございます。 地域の実態を踏まえ、今御指摘の複合災害も想定をいたしました地域全体の避難計画を含みます高浜地域の緊急時対応におきまして、陸路が使用できない場合には、船舶やヘリコプターによる海路や空路避難などを実施することとしております。あわせて、道路啓開にも努めてまいります。さらに、不測の事態が生じた場合には、国や関係自治体からの要請に基づきまして実動組織が住民避難の支援を実施することとしているところでございます。
○熊野正士君 今、陸路が駄目なら海路と空路でということでしたが、ちょっと実は地元の住民の方から伺った話ですけれども、海路でということで実は訓練をやっぱりやるんですけれども、訓練が、二回に一回は海がしけていて訓練さえもできないと、平時でも。あるいはまた、さっき空路でということでしたけれども、大体この大浦半島で五百人ぐらい住民がいらっしゃいます。五百人を本当にきちっと空路でできるのかといった、そういう住民の方々の不安が非常に強いんですね。 計画はしっかりあるんだという御答弁でしたけれども、その辺の住民の不安を解消するような避難計画というものを是非お示しいただけたらと思うんですが、答弁お願いできますでしょうか。
○政府参考人(荒木真一君) 繰り返しになりますけれども、今御指摘のように、陸路が使えない、あるいは空路、海路が駄目な場合におきましては、今御説明させていただきましたように、例えば国から関係自治体への要請があれば実動組織に出向いていただくということもあるかと思います。また一方で、このような地域は特に天気が悪くなったりする、例えば雪なり台風なりといろんな場合が想定されると思います。 この御指摘の大浦半島につきましては、PAZあるいはPAZに準ずる地域でございますので、原則としては放射性物質が放出される前に全面緊急事態に至った時点で予防的に避難を開始するというふうになってございますけれども、例えば、今申し上げたような、台風とか大雪でとてもじゃないですけれども避難ができないといった場合には、住民の安全を確保する観点から、避難よりも屋内退避が優先される場合には屋内退避を実施していただくということになってございます。 こういった対策につきましても、先ほど申し上げました高浜地域の緊急時対応に盛り込んでおりまして、状況に応じて最もリスクが低減できるような対応を行って人命を最優先にしていくと、このような避難計画を作らさせていただいているところでございます。
○熊野正士君 PAZなので、あらかじめ逃げるということだと思います。 ただ、私お願いしたいのは、計画としてはそういう計画だと思うんですが、実際問題、住民の方々がやっぱり十分に納得していないというか、不安が解消されていないのは事実でございますので、これ誰がやる、誰が説明というか、というところはあると思いますけど、政府として、やっぱりきっちり住民の方々に御説明をしていただきたいなというふうに思います。 先ほど御答弁ちょっとあったと思いますけれども、いわゆる放射線防護施設なんかもこの大浦半島にはあるというふうにお聞きをしております。だから、例えば要支援者、高齢者の方であるとかあるいは障害者の方であるとか、そういう方は放射線防護施設の中に一時的に逃げていただいて、そこからまたどう逃がすかということも含めて、是非ちょっと懇切丁寧に住民の方々に御説明いただけたらなというふうに思います。 次に、これも高浜原発の地域ですけれども、福井県の高浜町の上瀬という地域があるそうです。ここはPAZに入っているわけですけれども、避難の際に、もう道が一本しかなくて、原発の方に走っていくらしいんですね。原発の方に行ってそれからUターンするような感じだと思いますけれども、兵庫県の方に、三田市だったかな、のところに避難していくという避難道路しかないということで、この避難住民の方からすると、避難するのになぜ原発の方に一旦向かわなければならないのかと、京都の方に、京都側にすぐ逃げたいと、遠ざかる方向で逃げたいというふうに要望もあるというふうに聞いております。 この高浜町の上瀬地区に関する避難計画の妥当性について、政府の答弁を求めたいと思います。
○政府参考人(荒木真一君) 今御指摘の高浜町の上瀬地区でございます。ここにつきましては、今御指摘のように、県内の避難先の場合、もちろん県外の避難先も計画の中に位置付けさせていただいておりますが、県内の避難先である敦賀市へ避難する場合には、今御指摘のとおり、高浜発電所のある東方面へ避難することとなります。 ただし、先ほども御説明させていただきましたけれども、この上瀬地区というのは高浜発電所からおおむね五キロ圏内のPAZにございます。ですので、放射性物質が放出される前の全面緊急事態に至った段階で予防的に避難を開始することとなっております。その上で、念のために安定ヨウ素剤の服用も行い避難をしていくと、こういう形になってございます。 ただ、こうした避難行動につきましてはしっかりと住民の方にも御理解をいただかなきゃいけないと思っておりまして、これまでも自治体のパンフレットを各家庭に配付をさせていだたくような広報であるとか原子力防災訓練などを通じまして住民の方に周知をさせていただいているところでございますけれども、今後も引き続き自治体とともに協力をいたしまして、これら取組などを通じて住民への周知、理解の促進に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○熊野正士君 ありがとうございます。 やっぱり地域住民の方々、さっきの舞鶴の大浦半島の方々もそうですし、この高浜町の上瀬地区の方々もそうですけど、PAZなので早く逃げるということと、それから、いわゆる東日本大震災のときのように空中に放射性物質が飛んでくる前に逃げる、だからこっちの方で大丈夫なんですよというふうな説明だろうというふうに思うんですけれども、現場の方でお聞きをすると、やっぱりまだ住民の方々の理解というものが足りないところも、足りないというか、あるのか、不安というものが強いのかなと思いますので、引き続き説明の方をお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○会長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、浜野喜史君が委員を辞任され、その補欠として伊藤孝恵君が選任されました。 ─────────────
○会長(鶴保庸介君) 引き続き、質疑を行います。
○中山恭子君 日本維新の会・希望の党の中山でございます。 まず、更田委員長を始め原子力規制委員会の皆様が原発の安全性を確保するため誠意ある努力を続けてくださっていることに心から敬意を表します。 委員長への質問の前に、福島原子力発電所事故について大層残念だと思い続けておりますことを一言述べておきたいと思います。 参議院の第三特別調査室が作ってくれました資源エネルギー関係資料集の中にも、この五十三ページにも、国会事故調報告書の提言二にあります政府の危機管理体制の見直しについてでございます。 事故発生時の政府、官邸の対応は目を覆うばかりのひどさでございました。事情はいろいろあったものとは思いますけれども、同報告書にもあります、官邸が真の危機管理意識を持って果たすべき役割をしていたら状況はすっかり違うものになっていたと考えられます。例えば、現場で事故対応に集中できていたら、IC、非常用復水器の隔離弁にも注意を払い、全て開の状態にすることができていたのではないか、素人の感じではございますけれども、その可能性は否定できないものであり、その場合には原子炉上屋の爆発はなかったと想定することができます。 報告書では、官邸が第一義的には事業者に任せるべき発電所内の事故収束に介入した結果、事故収束に大きな支障をもたらしたと記しています。また、同報告書の見直しでは、官邸は発電所外での住民の防護対策に全力を尽くすことが自らの本来の役割であることを自覚していなかったと記しています。 今でも記憶にありますが、官邸からの避難の呼びかけでは、放射性物質の影響は、直ちに身体に影響は生じないが、万全を期すため避難してくださいといった安心感を抱かせるものでございました。しかも、SPEEDIなど政府の持っているノウハウを使わず、官邸の指定した避難場所は放射性物質が最も多く集まる地点でございました。皮肉としか言いようがありません。 国会事故調報告書では、政府の危機管理体制の基本的な見直しを行うことが提言されています。見直しは既に行われてきているものとは思いますが、もう事故発生から相当の年月がたち、少し落ち着いてきている中でもう一度検証しておくことが大事であろうと考えておりますが、これは政府の中ではいかがでしょうか。
○政府参考人(荒木真一君) 内閣府の原子力防災担当の側から、今先生御指摘の危機管理体制についての幾つかこれまでの取組について、簡単に御報告をさせていただきたいと思います。 例えば、緊急時に対応できる体制づくり、あるいは指揮命令系統の一本化につきましては、原子力災害対策特別措置法の改正によりまして原子力災害対策本部の拡充をしてまいりました。また、原子力基本法の改正による原子力防災に関する平時からの総合調整を行う原子力防災会議の設置も行ってございます。 また、関係省庁、関係自治体等と平時及び有事における原子力防災に係る総合調整を一元的に担う組織としまして、内閣府に原子力防災担当の政策統括官を設置をし、政府の原子力防災に対する体制の強化を図ってございます。 また、防災基本計画を修正をいたしまして、緊急災害対策本部と原子力災害対策本部の両本部間の連携の強化、一体的運営に係る対策などの規定などの対応も行ってきたところでございます。 また、オフサイトに関する件でございますけれども、対応措置といたしましては、原発の所在地域ごとに地域原子力防災協議会を設置をいたしまして、同協議会の活動を通じて、関係自治体と一体となって地域の防災計画、避難計画の具体化、充実化を進める体制の確立などにも対応を行ってきたというところでございます。
○中山恭子君 国会事故調報告で厳しく指摘されていることでもありますし、これからいつ何が起きるか、想定外などとは言わない、言わなくて済むように、しっかり対応していただきたいと思っております。 委員長にお伺いいたします。 二〇一二年のいわゆる新規制基準は非常に厳しい基準が設定されているところでございますが、二〇二〇年度からは新たな原子力規制検査が導入されると承知しております。この新検査制度の導入でどういったことが変わってくるのでしょうか。また、これで原子力関係の規制監視体制は十全なものとなるとお考えでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 まず、変わるべきといいますか、変えようとしている点についてお答えをいたします。 これはIAEAの規制サービス、IRRSからも指摘をされたところでありますけれども、従来のと申しますか現行の規制では、あらかじめ決められた項目をいわゆるチェックリストを持っていって一つ一つ確認をしていくという定型的な検査を進めております。 これは実は米国では、米国もかつてはそういった制度を取っておりましたけど、そのときに、これはデービスベッセという炉であったんですが、目の前に明らかに危険な兆候があったにもかかわらず、検査項目に入っていなかったためにその重要な危険を見落としたという、これは米国では大騒ぎになりまして、検査制度を変えなければいけないと。そこで、まず米国はROPへの移行を目指しました。 我が国もかつての米国と同様にいわゆるチェックリスト型の検査を続けているところであり、様々な弊害があります。検査項目にあらかじめ入っていなかったものを見落としてしまう危険性もありますし、もう一つは、事業者をある意味子供扱いすることにつながって、事業者のマインドが、国がチェックしてくれているから、国が一つ一つチェックしているから私たちの施設は安全ですといったような説明に、マインドになってしまう。 そこで、新しい検査制度では、一義的な責任、自らの施設に対する責任はとにかく事業者にあるんだということを明確にして、事業者が自ら検査をして、私たちは、その検査や検査で見付かった不具合が正しく是正されているかどうかという、そのプロセスを見張るという制度に移行しようとしております。これが今回の検査における大きな移行していくところであります。 また、体制につきましては、これは、現行の検査を行っている職員が新たな検査の仕組みの下できちんとコミュニケーションが取れるように研修を進めておりますし、それから、一年半にわたっていわゆる実際の施行前の試行期間というのを設けて、現在いわゆる、予備、予防、何といいますかね、ドリルの期間をやっています。これは事業者にも協力を受けて、新しい制度に移行したときにはこういう検査になるというのを事業者とともに、あと一年、来年度末までも含めてこの試運用を続けてまいります。 こうした取組を通じまして、現在の職員を最大限活用しつつ、また、先ほど来御指摘を受けておりますように、人材、体制の強化に努めて、二〇二〇年の制度の施行に向けて努力を続けてまいりたいというふうに考えております。
○中山恭子君 新検査制度が二〇二〇年度から導入ということでなぜなんだろうと思っておりましたが、今のお話を伺って、やはり準備期間というのが必要なんだろうというように理解できました。 先ほどこの問題は江崎委員からもお話が出ておりましたけれども、ROPで決まったことをチェックするのではなくて、その都度、どう言ったらいいんでしょう、もう全てがこれまで経験してきたことのない事態が起きるというのがこういった大きな災害のことであろうと思いますので、そのときに自由自在に柔軟に対応できる人材というのを養成しておくことというのは非常に重要なことであろうと考えております。 今もうお話しいただいている中に入っているかもしれませんが、ROPの考え方を日本に入れるとき、導入する、導入していらっしゃると思うんですが、とき、委員長が一番心を砕いたことというのは今おっしゃられたようなことなのでしょうか、又はプラスすることがありますでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 これは、一番難しいと考えているところについてまずお話をしますと、やはり社会的といいますか文化的な背景の違いがありまして、検査官はどうしても、ふさわしい言葉か分かりませんけど、お上の意識というのがありますし、事業者の方から見れば、やはりお上が検査に来るという感じになります。これは、新しい制度の中ではこの意識というのは大きな障害になります。やはりフラットな立場でお互いがその施設に対するリスクや問題についてコミュニケーションを取ることが重要ですし、先ほど申し上げませんでしたけれども、ROPで大きく変わることの一つには、検査官が常駐して、フリーアクセスといった制度でどこへでも入っていくという仕組みを取ります。 ただ、これは、このフリーアクセスも含めてROPがうまくいくかどうかというのは、検査官がむちゃなことを言わないとか、お上の高圧的な態度で相手を貝殻に閉じ込めてしまうとかそういったことのないように、お互いが信頼し合ってきちんとコミュニケーションを取るという関係を事業者との間で構築することが大変重要です。ですから、いわゆるお勉強ですとか知識を増やすことだけではなくて、マインド、姿勢を変えなければならないと考えております。 そういった意味では、事業者、それから私たち規制当局双方のいわゆる安全文化、安全に対する姿勢を変えていくことが必要で、ここが最も肝要であり、かつ難しいところだというふうに考えております。
○中山恭子君 確かに、文化の違いから始まってコミュニケーションの仕方まで全て変えていかないといけないという、心を変えていくということは大変なことであろうと思いますが、それは、やらなければいざというときに危険を防げないということだと考えますので、是非是非その方向で事業者と委員会との緊密な関係をつくっていただけたらと思っております。 また、職員が常駐するということ、これまでも常駐しているところは幾つもあると思いますが、常駐して事業者と一緒になって安全を守るという形というのも非常に大事なことであろうと思いますので、職員の皆様、それから事業者の皆様の理解もしっかり得て頑張っていただきたいと思っております。 日本的な、日本人の本当に特徴である、真面目ですし、誠実に与えられたことを遂行していくという、これを否定してはいけないんでしょうけれども、全く違う感覚の検査体制が今必要であろうと思っています。 もう一点、委員長も随分と御尽力いただいているかと思うんですが、その地域の方々との連携についてはいかがでしょうか。事業者だけではなくて、原子力発電所、原発のある地域の、現にその地域に住んでいる人々との関係というのはどのようにお考えでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 まず、新たな検査制度を円滑かつ効果的に進めていくためには、規制機関と事業者との双方がその趣旨、内容をよく理解していることが必要であり、事業者との十分な議論の上に立つ詳細な制度設計を行って、具体的な運用につなげていきたいというふうに考えております。 それから、御指摘をいただきました、事業者だけではなくて地元の方々、住民の方々ですが、これはまず、私たちは、施設の安全性であるとかその施設がどのように管理され保全されているかということの責任は事業者にあって、事業者が一人称でもって自分たちが管理する施設の安全性について住民の方々に語るべきであろうと思っております。したがいまして、私たちはその責任を肩代わりするようなことはしてはならないと考えています。 かつての規制機関はある種電気事業者の肩代わりをしている部分があって、このような審査をしてきたから、このような許可を出しているので施設は安全ですというような説明を規制当局が事業者やあるいは推進当局と一緒になって住民の方々に行ってきた、この道には絶対に返ってはいけないというのが原子力規制委員会の基本であると考えております。 したがいまして、住民の方々に私たちが行っている規制がいかなるものであるか、基準がどのようなものであるかという説明はきちんとしていきたいと考えておりますけれども、一方で、許可を与えていますから、合格していますからこの施設は安全ですというようなことは、私たち自身は決して住民の方々に向けて申し上げてはいけないのだと考えております。
○中山恭子君 安全ですというようなことを規制委員会から住民の方々に言うということはあってはならないことだと思いますが、被害が出た、何かあったときにやはり一番被害を被るのはその周りに住んでいる人々でございますので、この方々には定期的に、何か起きたときには一緒に避難しましょうとか、そういう形の、何というか、説明又は訓練も、原子力事業者と一緒に避難していくというようなことはその地域の住民の方々にもしっかり理解していただき、いざというときに一緒に動けるような、そういう訓練もしておく必要があるのではないかと思っております。 これは規制委員会の仕事でないのかもしれませんが、そうであれば、その事業者が中心になって毎月とか年に何回とかそういう訓練を行う、理解を得るという作業をしておく必要があると思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。 事業者が緊急事態にあって果たすべき役割は、自らの施設を守る、事故への対処をするということだけではなくて、当然、そのサイトの周りの、オフサイトの部分における緊急事態への対応も事業者の責任はあると考えております。これは、国によってそのオフサイト対応に対する事業者の役割というのが随分違いがあるのは事実です。それから、かつてのことを申し上げれば、我が国の事業者の責任というのがオフサイト対応について小さかったことも事実です。 そこで、その十分な事業者の対応というのは今後とも拡充される必要があると考えておりますけれども、原子力規制委員会は、そのいわゆる事業者訓練に関しての報告も受けて事業者がきちんとその訓練ができているかどうかということの監視をしておりますし、また、内閣府の原子力防災ときちんと連携をして、オフサイト対応における事業者の役割、自治体の役割、それから国の助言の在り方等々に関しては、これはもう本当に継続的な改善が重要で、また訓練の重要性につきましても先生の御指摘のとおりだというふうに思います。
○中山恭子君 やはり最も大切にしなければいけないのはその地域にいる人々であろうかと思いますが、その人々の安全を守るということについても、これは委員会の仕事なのか事業者の仕事なのか、又は他の担当者の仕事なのかちょっとはっきりしませんが、いずれにしてもそこはやらなければならない仕事であろうと思っておりますので、これからも、委員長自らがそれぞれの場所に行って何かせよという、そういうつもりではないんですが、対応を考えていただけたらと思っております。 次に、端的にお伺いいたします。 高レベル放射性廃棄物について、この処分というのは国がしなければ、進めなければならないものと考えておりますが、端的に言いまして、その処分について、地層処分というようなことは可能なのでしょうか、問題がたくさんあるのでしょうか、また、米国やロシアなどではどのように進められているのでしょうか、教えていただきたいです。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 地下深くの安定した岩盤に適切に廃棄物を埋設することで人間の生活環境から長い期間にわたって適切に隔離し、人間による管理を必要としない形で安全性上のリスクを小さくできる地層処分が最も適切な処分方法であるということが国際的にも共通の認識になっているところでございます。 今御質問いただきましたほかの国ということでございますけれども、ほかの国も同様に地下で処分をするという方針を取っているところでございまして、例えばアメリカでありますけれども、アメリカでは二〇〇二年にネバダ州のユッカマウンテンというところを処分場とする計画を持っておりましたけれども、前政権でこれを一旦中止にいたしましたけれども、現政権はこの計画を再び継続する方針に転換したものと承知をしてございます。あと、フィンランドですとかスウェーデンといった国は既に処分地が選定されてございまして、ここは地下で処分をするという方針に基づきまして地下処分の設備、施設が建設の途中にあると、このように承知してございます。
○中山恭子君 今の日本の状況では、例えば生成されたプルトニウムをMOX燃料として使用していくという、これが非常に難しいことであろうと思いますので、やはりその処分についてもしっかりした対応をしていただきたいと思っております。 もう一つ、プルトニウムの削減の方針ですけれども、今、十トン程度のプルトニウムが保有されているというふうに承知しております。今後、このプルトニウムの削減についてどのように進めていかれるおつもりなのか、原発再稼働による利用を見越した削減というのが今難しくなっているかと思いますので、どのような状況なのか、お考えをお知らせください。
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。 数字でございますが、二〇一七年の数字で国内に約十トンというのは委員の御指摘のとおりでございます。 プルトニウムの保有量の削減については、委員からも御指摘がありましたが、まずはできればプルサーマルの着実な推進ということが一義的にありますけれども、加えまして、平成三十年、昨年の七月に原子力委員会において決定された「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方」におきましてその取組方針を示しているところでございまして、具体的に申し上げますと、一つには、再処理等の計画の認定に当たっては、六ケ所再処理工場等の稼働状況に応じてプルサーマルの着実な実施に必要な量だけ再処理をするよう認可を行う、その上で、生産されたMOX燃料の確実な消費について事業者を指導するということが一つでございますし、また研究開発用にもございまして、それのプルトニウムについては、情勢の変化に応じて機動的にまずは対応をしていくということをしつつ、さらに当面の使用方針が明確でない場合にはその利用又は処分の在り方について全てのオプションを検討してくださいということをお願いしておりまして、こういうことに取り組みながら対応していきたいと思っているところでございます。
○中山恭子君 いろいろ重要な課題がたくさんありますけれども、どうぞしっかりと対応していただきたいと思っております。 この間の当調査会の国立研究開発法人の視察に参加しました折に、温室効果ガスの削減について、CO2の排出を削減するのではなくて、CO2が発生する段階で他の物質に変えてしまうという研究はないのかと質問しましたら、さすがでございまして、現在既に研究している場所がありますというお答えでございました。非常にうれしく思ったところです。 現在の状況というのはどのようなものか、御説明いただけたらと思います。
○政府参考人(南亮君) 経済産業省では、平成二十九年度から、CO2と水素からメタンを生成するいわゆるメタネーション技術について、高効率化や低コスト化を目指した研究開発に取り組んでいるところでございます。 委員に御見学いただきました産業技術総合研究所においては、メタネーション技術の重要な構成要素の一つである触媒について、化学反応の安定性向上や長寿命化に係る研究を実施しております。今後、二〇三〇年度以降のメタネーション技術の商用化を目指し、研究開発を段階的に行っていく予定であります。 経済産業省としましても、地球温暖化問題とエネルギーセキュリティーの同時解決を図るため、メタネーション技術も含めCO2を炭素資源として捉え、多様な炭素化合物として再利用していくこと、すなわちカーボンリサイクルをしっかり推進していきたいと考えております。
○中山恭子君 パリ協定などでももういろんな問題が重なって、他の国に、あれ、買ったりという、いろんな工夫がされるほどに大変なテーマであろうと思いますが、もしCO2が、触媒ですか、などに使われるというような再利用がもし可能になったら、どう言ったらいいんでしょう、地球のために物すごい良い効果が出てくるテーマであると思っておりまして、まだまだ小さい研究かも、小さいというか小規模かもしれませんが、もう最大の力を入れて、予算を入れて、人材も入れてこのCO2の再利用を進めていただきたいと、心からそういう思いがあります。頑張ってくださいませ。 もう一点、電力関係で、北海道のブラックアウトが発生したりしております。また、東日本の大震災のときにも電力が東側に来なかったというような非常に残念な、日本としてはこれほど、これだけ進んでいるのになぜという思いがするくらい残念な状況でございました。 この東西間の周波数の違いを解消することというのは、日本にとって非常に重要で、しかも早急に取り組んでほしいテーマであると考えておりますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、全国大で電気を効率的に利用し、また緊急時等における需給の安定化を実現するためにも、この電力の広域的融通、そのための東京と中部を結びます周波数の変換設備の整備は大変重要であると考えてございます。 現在、百二十万キロワットの周波数変換能力があるわけでございますけれども、これを九十万キロワット増強し、二百十万キロワットに向けた工事を進めているところでございますが、さらに、二〇二七年を目標にこれを三百万キロワットまで増強するべく準備を進めているところでございまして、御指摘いただいたとおり、早急にこの作業が進められるよう、我々としても事業者とともにしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○中山恭子君 十分価値のある仕事だと思いますので、三か所から何か所か増やしていく作業を進めていただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 日立がイギリスへの原発輸出の凍結を発表し、原発の海外輸出は総破綻に至りました。日立が計画を凍結したのは、安全対策費が増加し、事業費が高騰したからにほかなりません。二〇一三年当時二基二兆円と想定していた総事業費は二〇一八年には三兆円に膨らんだと報じられています。 三菱重工が狙っていたトルコでは、二〇一三年当時四基二・一兆円と見込まれた総事業費が一八年には五兆円に跳ね上がったとされ、断念する方針だと報じられています。 資源エネルギー庁に伺いますが、日立や三菱重工が計画をした原発の建設費、また、この日本による輸出とは別に海外で新設される原発の建設費を政府として把握しておりますか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 日立や三菱重工を含みます産業界とは日頃からエネルギー政策や原子力政策について意見交換を行っているところでございまして、今御指摘いただきました原発建設プロジェクトの建設費につきましても、一定の情報提供は受けておりますけれども、そのやり取りは企業の競争上の地位に影響を及ぼすものとして対外的には明らかにしない前提で情報をいただいているものでございます。このため、御指摘の個別プロジェクトの詳細についてのコメントは控えさせていただきたいと思います。 また、日本企業が関与しない新規原発建設プロジェクトの建設費につきましては、基本的に知る立場にございません。
○山添拓君 これもう断念したと言っているんですから、競争していないんですよね。ですから、明らかにしても何の問題もありませんし、そういう調整をしていただきたいと私、お願いしたんですが、これ一向に明らかにしようとしないと。一基一兆円に高騰している価格の実態を、海外で海外の企業が建設しようとしているものについては把握していない、日本の企業のものについては把握しているが公表をしない。 日立は、イギリスへの輸出は経済合理性がないと言っています。利益が見込めないものですから、出資する企業もなく、資金調達のめどが立たず、凍結に追い込まれたわけです。原発は、もはや民間企業が商業ベースで進めることができない事業となっています。副大臣、このことについてどう認識をされていますか。(発言する者あり)
○副大臣(磯崎仁彦君) 今、イギリスでの原発のプロジェクトについて等々お話がございました。 このイギリスのプロジェクトにつきましては、おっしゃるように、日立は、英国政府との協議の中で、経済合理性の見通しを立てるのに時間が掛かるというふうにしております。そして、プロジェクトの凍結を判断するに至ったというふうにしております。ただ、今後も協議は継続をしているという意向であり、また英国政府も日本への期待を表明をしているということでございます。 一方で、海外で原発プロジェクトを行っていくその諸条件につきましては、各国の立地環境、あるいはその国内制度、さらには経済状況などによって異なることから、原発プロジェクトにつきましてはその経済合理性が一概にないということではないというふうに認識をいたしております。 当然、経済合理性があらゆるプロジェクトで大前提になるのは言うまでもないことでございますけれども、事業者におきましては、経済性のみならず各社の経営状況、こういったものを、様々な要素を勘案をして個別事業の判断を行う、そのように考えております。
○山添拓君 各国破綻しているわけですから、いろんな事情があるとおっしゃいますけれども、民間企業がもう音を上げている、そういう事業だという事実を直視すべきだと思います。 先ほど与党席からは、経済合理性がないからできないというのは原発には限らないんだと、こういうお声が上がっておりましたけれども、皆さんも御承知のとおり、十三日の調査会、有馬純参考人は、再エネを主力電源化するなら経済的に自立した補助金に頼らない非化石電源であることが前提だと、こうおっしゃったんですよ。この前提に照らせば、原発こそは補助金など国の支えなしには成り立たない事業です。しかも、起動時や定期点検時、あるいは非常時、こうしたときには火力電源のバックアップを必要とします。非化石電源でもないわけです。 日立の東原敏昭社長は、風力発電の買取り価格が原発より安いといって、環境の変化がこの二、三年で出てきたと述べています。再エネのコストダウンで原発が競争力を失いつつあることをこれ企業の側は認めているわけですね。コスト論で原発優位を語る時代は終わっているということを自覚すべきであります。 しかし、政府やあるいは一部の有識者は、相変わらず原発は安価な電力だと主張しています。それは、委員の皆さんには資料をお配りしておりますが、二〇一四年のモデルプラント試算を根拠に、原子力はキロワットアワー当たり十・一円からと、どの電源よりも安いとしてきました。これは、原発を新たに建設をして四十年間動かしていく、この場合のモデルプラントの試算であります。 資料の二ページを御覧ください。 ところが、このモデルプラント試算を詳しく見ますと、福島事故前に建設をされた原発四基の建設費の平均四千四百億円、これに追加安全対策費六百億円を加えたもの、つまり古い原発を改修して一基五千億円、こういう計算で、原発を新たに造る、新設をするという前提にはないわけです。 エネ庁に確認をいたしますが、政府が昨年決定をしました第五次エネルギー基本計画には原発の新設やリプレース、これは含まれておりませんね。
○政府参考人(村瀬佳史君) エネルギー基本計画では、原発の新増設については具体的言及はございません。
○山添拓君 一方で、十・一円、一番安いというその根拠は、あくまでも新たに原発を造った場合のコストとされております。仮に新たに造るのであれば、当初から最新の安全対策を施すことになります。更に高くなるわけです。 昨年、この調査会で大島堅一参考人が指摘されましたが、世界的には、コアキャッチャーや二重の格納容器など、設計段階から日本の原発にはない安全性能を求めております。 委員長に伺います。 これは通告をしておりませんが、日本の規制基準、とりわけ原発後に策定された新規制基準には、原発を新設する場合に当初から備えるべき安全性能についての定めがありますか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 これは、いわゆる新規制基準を策定するときの議論のスタート時点で、これ有識者も交えて議論をしたのですけれども、まず、新設は新規制基準の考慮の外に置くという、まあ申合せというものをいたしました。
○山添拓君 ないわけですよ。 新たに造る原発というのは、今、最初に申し上げましたように、イギリスやトルコでは一兆円、日本では新設の計画はありません。まあ、するべきでもないと思いますが、仮に新設をするのであれば五千億円で済むとは考えにくいわけです。大島氏が指摘をされるように、建設中のイギリス・ヒンクリーポイントC原発の場合には、建設費は日本の原発の三倍に及んでいると言います。 ここから私は、少なくとも二つのことが言えると考えます。 一つは、新設原発についての安全基準が、今規制委員長がおっしゃったようにない、それは枠外だと。ないにもかかわらず、新設した場合のコストを論じているという点。計算できないはずの計算をしているわけです。 もう一つは、古い原発の再稼働をするかどうか、今再稼働するかどうかという議論をする際に、これから新設をして四十年稼働した場合のコストを前提として十・一円だから安いと、こう主張しているわけです。これは意図的な混同です。 政府は新増設は考えていないとおっしゃいます。しかし、再稼働を進めると言います。それでも原発が安いとおっしゃるのであれば、今ある原発の建設費、膨れ上がっている追加安全対策費と事故対応費、停止中の維持費、今後の稼働期間、廃炉費用、これらを全て考慮した試算を示すべきじゃありませんか。エネ庁、いかがですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) まず、御指摘のとおり、新増設、リプレースは政府として想定しておりませんので、新たな具体的新増設案件の費用の見積りというものがあるわけではございません。しかしながら、エネルギーの基本計画を定めそのベストミックスを検討する中で、二〇一五年に、その時点で得られているファクトをベースにOECDで使っている国際的なやり方に沿って計算したものがこのモデルプラント方式というやり方でございまして、この方法がOECDでも採用されているとおり、国際的には標準的に使われている方法だというふうに考えてございます。 また、既にある原発の再稼働につきましては、既にもう償却が終わっておりますので、関西電力のように再稼働した会社が値下げを行う、先日は九州電力も値下げを、再稼働をしたことを受けて表明してございます。つまり、再稼働することによって燃料費が節約され、値下げをして国民に還元されていく余地が生じていることは事実だというように考えてございます。
○山添拓君 停止中の期間の維持費あるいは廃炉に係る費用、こうしたものも含めて再稼働した方が安いと、こうおっしゃるんですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) そのコストにつきましては、事業者として動かした結果、値下げを行える原資が生まれたということでございますので、トータルに見て経済性が高まったということだと理解しております。
○山添拓君 政府として、再稼働をした方がコストが安くなるんだと、こういう試算をしたんですか。その事実を明らかにしてください。
○政府参考人(村瀬佳史君) 再稼働した方が安くなるということの試算ということではなく、電源ごとの比較はいたしました。これは二〇一五年に行ったモデルプラント方式で、国際的な方法でやってございます。 再稼働して、これは事業者の判断でございますけれども、再稼働するという意思を持った事業者が規制委員会の規制を乗り越えた場合のみ再稼働が実現でき、その結果値下げをしているということでございますので、経済性を持った事業者の判断によって選択されていると、このように理解してございます。
○山添拓君 現在のそういう状況を前提におっしゃるのであれば、事故対応費は膨れ上がっています。 あるいは、しんぶん赤旗日曜版がこの間各社に問い合わせた調査によれば、原発各社の安全対策費が二〇一八年度で四兆五千六百四十四億円になっています。一三年度から五年で二・五倍に膨れ上がっております。 政府の試算方法、この間の試算方法に照らしても、十・一円というのは到底維持できませんし、現在再稼働している原発が低コストだというふうには到底言えないんですね。 改めて申し上げますけれども、原発は安いから再稼働だと、こうおっしゃるのであれば、既存の原発を再稼働するという前提でのコスト計算を政府としてしていただきたい。結果として電力会社がどうなったかということではなく、これからの政策判断に当たって必要なものです。そして、その結果をこの調査会に報告いただきたいと思うんです。 会長、お取り計らいいただきたい。
○会長(鶴保庸介君) 後日理事会にて協議をいたします。
○山添拓君 私は、原発が高いから動かすなと、こう言いたいんではないんですね。少なくとも、原発は安いと言っている政府の宣伝文句、これはごまかしだらけだということを指摘しているわけです。 今日午前中、横浜地裁は、福島原発神奈川訴訟で、国と東電の責任を認める判決を下しました。集団訴訟で国の責任を認めたのは五件目です。 ふるさととなりわいを奪われ、今なお不自由な暮らしを余儀なくされる、ほかのどの公害とも異なる甚大な被害をもたらした、あの経験ゆえに再稼働反対だという世論が多数を占めています。そのことに正面から向き合うべきだということを改めて指摘をしたいと思います。政府においても、このコスト計算は改めてやり直すべきだということを強く申し上げたいと思います。 次に、原発の安全審査における火山対策について、時間の許す限り伺います。 規制庁は、昨年三月七日、火山ガイドの解釈としての基本的な考え方を発表しました。これは、合理的な根拠もなく、巨大噴火の可能性は十分に小さいと判断できる、こう結論したもので、昨年四月の当調査会でも私、取り上げました。 巨大噴火の可能性評価を二つの点で行うとしています。資料の三ページです。一つ目は、現在の活動状況は巨大噴火が差し迫った状態にあるかどうか。そして二つ目は、運用期間中に巨大噴火が発生するという科学的に合理性のある具体的な根拠があるかと。 委員長に伺いますが、第一の要件、巨大噴火が差し迫った状態と判断できる火山の現在の活動状況とはどんな状況なのかと。これ、現在の火山学では判断基準を示しておりますか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 御指摘の、火山の現在の活動状況は巨大噴火が差し迫った状態にあるかどうかについて、火山の現在の活動状況の評価は、地球物理学的及び地球化学的、物理学的及び化学的な調査によって行います。 具体的には、物理学的調査では、検討対象火山において、上部地殻内に巨大噴火が可能な量のマグマだまりが存在している可能性や大規模なマグマの移動、上昇等の活動を示す兆候の有無を把握してまいります。また、化学的調査では、火山ガスの化学組成分析、温度などの情報から検討対象火山の活動状況を把握しております。
○山添拓君 今説明にありましたように、規制庁は、火山活動というのはマグマが徐々に供給をされて次第に活発になっていく、だんだん上がってくる、だから兆候はつかめるんだと想定しております。 しかし、二〇一七年十一月一日に開かれた原子炉安全審査会原子炉火山部会第二回会合では、地球科学者の小林部会長が疑問を呈しております。カルデラ噴火の前はどちらかというと静かだ、場合によっては数百年間非常に静かなこともある、したがって、だんだんアクティブになっていくから、それを基準に何か考えるという考え方そのものがどうも違っていると、こう部会長自らが指摘をされているんですね。委員長、いかがですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。 まず、時間軸を捉える必要があると思っています。火山学における期間というのは、数千年に一回であるとかあるいは一万年規模で一回、それの直前といった状態でも数百年といった規模が考えられます。 そういった意味で、その原子力施設の運用期間、これは数十年のオーダーというふうに考えますけれども、その数十年のオーダーの中で巨大噴火、いわゆるカルデラ噴火が起きる可能性というものを考えるときに、その兆候といったものが、数百年のオーダーというのは、数百年前に捉えるというのではなくて、運用期間に対して、その巨大噴火が起きるかどうかの蓋然性をつかまえる期間において兆候が捉えられるかどうかの方が重要だというふうに考えております。
○山添拓君 実際には、人類の経験としては、巨大噴火の兆候を把握できるというのはせいぜい一週間前なんですよ。一九九一年に噴火をしたフィリピンのピナツボ火山、アメリカの地質研究所から派遣された調査チームが地元の研究機関と連携をして火山監視に当たっておりましたが、大噴火に至るという判断は一週間前になってようやくできたんですよ。 ですから、第一の要件というのは、現在の火山学では到底判断できないものを判断できると言っているに等しいと、私は極めて不合理だと指摘したいと思います。 次に、第二の要件。運用期間中に巨大噴火が発生するという科学的に合理性のある具体的な根拠があるかと、これについても質問をします。 この考え方をまとめた昨年三月七日の規制委員会で、委員の一人から痛烈な批判が出されております。すなわち、地震対策の場合には事業者は敷地内の断層が活断層ではないことを証明しなければならないと。ですから、徹底的に情報を集めるわけです。白であることの証明が必要だからです。ところが、巨大噴火対策の場合にはその逆で、危険性があること、黒であることを示唆するようなデータがない限りは可能性が低いと判断する、こういうものに見えると。事業者に黒であることの証明を求めている。しかし、事業者には積極的にデータを集めるインセンティブが働かないのではないかと、こういう意見が出されています。 委員長に伺いますが、巨大噴火が発生しない根拠ではなく、発生する根拠を求めることにしたのはなぜですか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 まず、地震とそれから巨大噴火による影響に関しては、その頻度においても、また発電所を守る防護の上でも大きな違いがあります。 巨大噴火は、広域的な地域に重大かつ深刻な災害を引き起こすものである一方、その発生の可能性は極めて低頻度な事象であります。このような巨大噴火の特質を鑑みると、巨大噴火の可能性の評価については、まず火山の現在の活動状況は巨大噴火が差し迫った状況ではないということが確認でき、かつ運用期間中に巨大噴火が発生するという科学的に合理性のある具体的な根拠があるとは言えない場合は、少なくとも運用期間中は巨大噴火の可能性が十分に小さいと判断できるものと考えております。
○山添拓君 頻度が違うとおっしゃるんですけれども、何度も想定外を経験しているんですよね、地震であっても火山であっても。 巨大噴火の可能性があれば原発は立地できないということになっています。その場所に原発を建ててはいけないという根本的な分かれ道です。にもかかわらず、事業者にとっては事業を継続できなくなるような証拠を求める、事業者が積極的に集めてくると、こういう想定自体が私は不合理だと指摘したいと思います。 考え方は、巨大噴火を想定した法規制や防災対策が原子力以外の分野では行われていないことを理由として、巨大噴火のリスクは社会通念上容認される水準だと判断しています。これに対しては強い批判が寄せられています。 東大地震研の中田節也教授は、国が率先して法規制や防災体制を考えるべきなのに全く反対のことを言っていると。前火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣氏は、巨大噴火に対する防災対策がないのは分かっていないからです、データがないので現在は調査から始めなくてはいけない、このことは内閣府などが設置した検討会で私が座長としてまとめた大規模火山災害対策への提言でも指摘していると。神戸大学の巽好幸教授は、日本列島で今後百年間に巨大噴火が起きる確率は約一%、兵庫県南部地震や熊本地震の生起前日における地震発生確率と大差なく、低頻度は安全を意味するものではないと指摘しています。 委員長に伺います。 原子力規制委員会設置法第一条は、福島原発事故の反省に立ち、原子力利用における事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないとしています。原発が一たび事故を起こせば、時間的、空間的、社会的に異質の危険を生じる。だからこそ、安全の確保を旨とし、国民の生命と健康、財産及び環境の保全に努めるべきものとされました。 巨大噴火について、ほかの分野で法規制や防災体制がないから原発でも無視してよいというのでは、規制委員会の役割を果たしたとは言えないのではありませんか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 御質問にある巨大噴火というのは、極めて広域的な地域に重大かつ深刻な災害を引き起こすものです。例を挙げますと、例えば九州であるとか、巨大噴火が起きれば全域が極めて短い時間で全てを失うような大災害であります。一方で、その発生の可能性は低頻度であることが認められています。 このような巨大噴火について、その発生を想定した法規制や防災対策が行われていないことを考えれば、巨大噴火の発生可能性は相応の根拠を持って示されない限り、巨大噴火によるリスクは社会通念上容認される水準以下であると判断できるものと考えています。 その上で、原子力規制委員会は、安全確保に万全を期する観点から、現在の科学技術水準に照らして可能な範囲で噴火のリスクを考慮し、審査等において火山学的調査が行われていることを確認をしております。
○山添拓君 巨大噴火として想定しているのは、九州全域が対象になるようなものまでじゃないんですね。もっと小さいものでもここに入ってきています。十二、三万年前以降の活動を否定できない断層、あるいは確率的には一千万年に一回以上となるような航空機の落下など、原発でのみ万が一を想定した規制がされている分野があります。これは、想定外で大事故を引き起こした、その経験があるからにほかなりません。 巨大噴火についてほかの分野で規制がないことを理由にするのは、これは論理的矛盾です。法の要請にも反するということを指摘したいと思います。 最後に、火山は分かっていることが非常に少ないということを強調したいと思います。ですから、調査研究、観測体制の充実が急務です。 内閣府は、二〇一七年、火山防災対策会議において、イタリア、アメリカ、インドネシアでの調査結果を報告しています。その全体を通して教訓は何だと捉えたか、特に日本との違いは何だと総括をしているのか、御紹介ください。
○政府参考人(小平卓君) お答えいたします。 今先生から御指摘ありましたように、内閣府におきましては平成二十九年に、イタリア、アメリカ、インドネシアの火山防災体制について現地調査を行っております。その結果、これらの国では、火山防災行政に関しましては各省庁、研究機関での連携体制が取られていること、研究に関しましては、組織内で専門家を確保し、防災に活用するための研究も行われており、ほぼ一元的な体制であったということが分かってございます。 これを踏まえまして、内閣府といたしましては、火山防災行政に関しましては火山防災対策会議の強化が必要であること、また、研究に関しては、研究機関が防災上の大きな目標の下、一体的に防災行政を支援する体制が必要であることを認識いたしました。 これを踏まえまして、内閣府では、今年度ですけれども、火山防災対策会議を強化し、研究機関が防災行政を支援するための体制を構築しているところでございます。 引き続き、火山対策の強化に努めてまいりたいと思います。
○山添拓君 それは是非とも必要だと思います。 日本には専門の研究機関がありません。研究者ではない気象庁の職員が観測と防災に当たっています。大学の研究者はパートタイムで火山防災に協力しているにすぎません。これは諸外国とは全く異なる体制で、しかも原発の火山対策は事業者任せです。火山防災の全体的な体制も原発の火山ガイドについても抜本的に見直すべきだということを指摘して、質問を終わります。 ありがとうございました。
○会長(鶴保庸介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時十三分散会