財政金融委員会 第4号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/03/19
会議録
○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、足立敏之君及び宮沢洋一君が委員を辞任され、その補欠として大家敏志君及び小川克巳君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長星野次彦君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁田中一穂君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中西健治君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。 質問に入ります前に、実は昨日、ファクタという雑誌があるんですけれども、そのオンラインニュースで出たニュースで、私、びっくりしたんですが、先日、政府から内示を受けていたいわゆる公認会計士・監査審査会のメンバーの内定、提示される予定者ですけれども、この方が要するに野村総研のフェローなんですけれども、野村証券で、東証の上場株、六割が今東証一部上場という形になっていますが、余りにも多いので、これをもう少し調べるべきじゃないかという、その格付をする、その委員会の中の情報を漏らしていたというニュースが出たんですよね。これが事実だとするととんでもない話であります。 公認会計士というのはまさにそういう上場株の中身を審査するんですけれども、その審査する会計士を審査する委員がですよ、まさにモラル違反ですよね、完全な。こういうことはあってはならないと思いますが、事実関係どうなのかということ、それから、もしそういう事態があるんだったら、当然これはこの提示を、内示を取り消してもらわないといけないと思いますが、その辺の見解について政府側からお聞きしたいと思います。
○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。 公認会計士・監査審査会委員候補として提示をしております一名について、昨日、御指摘のような報道がなされたことは誠に遺憾であり、現在、事実関係について確認をしているところであります。 いずれにせよ、国会同意人事については、ただいまの議員の御指摘を重く受け止め、適切に対応してまいりたいと考えております。
○西田昌司君 それで、事実関係、もちろん調べていただくんですけれども、私はちょっとこれ、前々から気になっていたんですよ。というのは、前任者が野村資本市場研究所シニアフェロー、今回の問題になっている人が野村総研なんですね。会社は違うんだけど、要するに野村グループ。その中の一員が証券取引に関わることについて内部情報を漏らすなんていうことはあり得ない話で、そもそもこういうところ、こういう選び方自身が、今回の事件だけじゃなくて、問題じゃないかと思うんですよ。 この辺、副大臣、どうですか。問題意識お持ちじゃないですか。
○副大臣(田中良生君) まずは、今回のこの案件に関しては事実関係をしっかりと確認していきたいと思っております、それも早急に。 ただし、今般のこの公認会計士・監査審査会の国会同意人事については、前任者からの例えば推薦ですとか、そういったものは受けているものではないということであります。 いずれにしましても、国会同意人事ですから、しっかりと適切に、何といいましょうかね、皆さんが納得できるような形での対応をしていきたいと、そのように思っております。
○西田昌司君 前も、こういう不正じゃないんですけど、国会同意人事で私が指摘した事項があったんですけれども、要するに、こういう専門職は、当然専門的な知識がなければできませんから、その中で選んでいくというと、ある種狭い中で選ばざるを得ないので、その難しさはもちろんあるんですね。 しかし、その一方で、いろんな方、それでも日本の中にたくさんおられるわけですから、やはり人格面も含めて、しっかりと政府がやっぱりそこは見極めた上でこういう提案を、内示をしていただくように、これからしっかりしていただくことをまずもって指摘とお願いをさせていただきたいと思います。 さて、それで本題に移りますが、今日は一つお話しさせていただきたいのは、今回、新たな事業継承ということで、個人の事業継承の方々にもいわゆる納税猶予を設けようという話があるんですが、それに先立って、法人側でも既にこの制度はできているわけです。 この制度ができた経緯がありまして、元々この中小企業の事業継承、これはなかなか、私自身も税理士という仕事をしておりますからいろんな相談ありますけれども、いろんな問題があります。その一つが税金の問題というのも、あるのも事実なんですけれども、私はそればっかりではないと思っております。だから、必ずしも税を優遇してやったらどうかというのは、私は基本的にはいかがかなという思いも実はあったわけなんです。 現に、そもそもこの制度ができる前から、平成二十七年ぐらいですかね、たしか旧制度がありましたけれども、それでは、その制度と今の制度の違いは、要は株の三分の二が対象であると、それから、全体の税額の八割までしかいけないということになってきますので、税金の猶予される率というのは一〇〇%じゃなくて六割ちょっとぐらいになっているはずなんですけれども、今回は全部やるというのが、前回、法人でやったわけですね。 しかし、そうやっていくと、それはその制度を使われた方はもちろん有り難がっておられます。しかし、この隙間にはまっている人、要するに、二十七年度に改正して、三十年度で改正があって、前の制度使っている人はその新たな制度は使えないということになっているんですね。 元々、この制度、趣旨がちょっと違うという意味もありまして、事業の継承計画を出してやっていくんだという新たな要件が付いたりはしているんですけれども、根本的には、様々な要件的なことは、事実上、前の制度、平成二十七年度のときの制度よりもどんどんハードルは下げていっているわけなんですよ。従業員の引継ぎも八割確保というのが絶対的な条件だったのがなくなってきていますし、様々な面で優遇策がされてきているわけなんです。 だから、そういう意味でいうと圧倒的に新しい制度でやられた方が有利なんですけれども、その制度ができるということが分かっていれば、当然のことながら新しい制度を待って申請をされたんですけれども、そういうことを知らずに旧制度のままでそれをやってしまった。その人自身は、ああよかったなと、よかったなと思っていたわけですね。ところが、その次の年になったら全く違う画期的な制度ができていると。そうすると、何でこんなことになってしまったんだと、自分たちは真面目に税理士の先生に聞いて二十七年度の制度でやって、何とかそのままじかに相続するよりはましだなと思っていたけど、今度圧倒的に低い、低いというか相続ゼロになっちゃうという、事実上、制度ができちゃう、これは一体どういうことかと。しかも、それを救ってもらえる余地がないということになると、これ物すごい不公平感なんですよ。 現実に、私自身はそういう方を何件も知っていますから。また、税理士の先生方、税理士会の方でも聞いていますと、そういう話はよく聞きますというのを私自身も聞いております。ところが、現実問題、制度的にできないわけですね。だから、私はそこをちょっと見直すべきじゃないのかなと思っているんです。 そこで、この制度をつくったのは、国税もそうですけれども、元々中小企業庁の方からこれは要求があり、事業承継がしやすい仕組みというのでやってきたわけでありますから、私が今言ったような問題意識、そういう苦情というか相談事というのが現場から寄せられているのではないのかなと思うんですが、その辺のところをまずお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 先生から御指摘ございました旧制度、一般措置でございますけれども、これは本年度に拡充をさせていただきました以前の事業承継税制でございまして、平成二十年度から開始されましたこの制度は、先代経営者から贈与、相続により取得した非上場株式のうち、議決権株式総数の三分の二までの非上場株式につきまして、贈与であれば一〇〇%、相続であれば八〇%の猶予割合で納税猶予を受けていただくことができる制度でございます。 一方、新しい特例措置でございますが、こちらは本年度に拡充させていただきました事業承継税制でございまして、この制度では、三分の二という一般措置におきます対象株式数の上限を撤廃いたしましたほか、相続の猶予割合も贈与と同様に一〇〇%に拡大しましたため、贈与、相続共に一〇〇%の納税猶予を受けられることになったところでございます。 一般制度と特例制度のバランスについてのお尋ねでございますが、一般論として申し上げますと、特例措置は中小企業の経営者の若返りを抜本的に促すものでございまして、既存の一般措置を利用した者は既に事業承継という政策目的が達成されております。仮に今般の特例措置の適用を認めましても、更なる事業承継の促進にはつながらないということでございますので、現行制度上は一般措置から特例措置、旧制度から新制度への移行はできないということとされているところでございます。 他方、こうしたケースにも特例措置を適用すべきといった御要望は、日本商工会議所から要望書が出されているものと承知しておりますし、また、一部の税理士の方々などからもこのような要望はお聞きしているところでございます。 以上でございます。
○西田昌司君 今説明ありましたように、要するに、株の贈与をしたので、そういう意味でいうと、贈与をしやすくして代替わりをさせていくという、そういう本来の趣旨は効果あったんじゃないのかと、それでオーケーという話をしているんですけれども、これは全く私は本質を見ていないと思いますね。 確かに贈与を受けたわけですけれども、実際その方々が新制度では税金ゼロなんですよ。ところが、旧制度のままでは何億も払わなければならない。私の知っているところでは、具体的にあるんですけれども、ほっといたら十億近くの税金が掛かったのかな、それを納税猶予をして、三億を先、納税猶予をしてやったと。それで、もうしかしあとは二億ほど実際払わなきゃいけないわけですね。 そうすると、何が起こるかというと、この制度の本来の意味は、事業承継を納税猶予することによって、本来この税金を払わなきゃならないんだけれども、それを会社の次の投資に使えるわけですよ。個人の資力も会社の方に使えると。そのことによって事業承継をやりやすくしているわけですね。 ところが、新制度ではまるっきりそれ掛かりませんからまさにそうできるんですが、旧制度のままですと、結局納税資金を何億もまだ払わなきゃいけません。だから、そのためには何が必要かというと、納税資金を相続人が払うためには、当然役員報酬をたくさん取らなきゃいけないわけです。納税資金を自分の口座にためなきゃいけませんから。そして、そのことによって、会社から自分の方に納税資金をためることによって、会社が投資をする資力を失うわけです。それから、当然従業員を雇っているんだけれども、従業員の給料も増やしてやらなきゃいけないけれども、自分の役員報酬の分もある程度やっぱり増やしてやらないと納税資金が集められませんから、それをしなきゃならない。 つまり、何にもなかったよりはましなんだけれども、やっぱり圧倒的に今の制度と比べて、会社の事業を継承をしていくときに必要な資金を外部に納税の資金としてどんどん流出させていかなきゃならないという本質的問題点は全く変わっていないんですよ。だから、その辺のことを思うと、そう簡単に、これはいわゆる事業承継という仕事はできたと言っているけれども、実は中途半端なままなんですよ、これは。それがなかなか大変なんですね。 しかも、この旧制度のままでは、その納税猶予して残った、三分の二しか株できていませんから、三分の一の株は残っていますからね。これが、十年後、二十年後にもう一度再評価しなきゃならないんですが、そのとき会社自身が成長していて純資産額がどんどん増えていると、当然のことながらその評価額は上がっていきますよ。だから、納税猶予してもらった資金だけじゃ済まない話で、プラスアルファ当然出てくるわけです。 だから、そういうことを考えると、私は、今回の個人の制度も含め、新しい方の制度は税金面ではよくできた制度だと思いますよ。思うんだけれども、その前の制度との間のそういう隙間にはまった人は余りにも不合理な、不利な状況に私は置かれているというのは間違いないと思いますが、そういう認識をお持ちでないかということで、麻生大臣、途中で来られたんですけれども、一番よくこのこと分かっていると思いますので、どうですか。まず役人に答えさせてから大臣に聞きましょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 事業承継税制、先ほど中小企業庁からも御案内ありましたとおり、中小企業における事業承継の円滑化を図るために措置されているものでありますけれども、これまで必ずしも制度の利用が進んでいなかったということで順次拡大をしてまいりまして、平成三十年度税制改正において、中小企業の経営者の若返りを抜本的に図る、促進するということで事業承継税制を拡充することとしたわけでございます。 他方、既に拡充前の事業承継を利用した者につきましては、既に事業承継を行うという政策目的を達しているわけでございまして、仮に拡充後の特例の適用を認めても更なる事業承継の促進にはつながらないことから、既適用者に対する例外規定や経過措置は講じていないところでございます。 また、法律関係を考えてみましても、例えば事業承継税制の拡充前に総株式数の三分の二を上回る非上場株式等が贈与された場合は、その上回る部分については贈与税をお支払いいただいていたところでございますけれども、贈与税を支払って贈与した非上場株式等につきましては、既に完結した法律関係を後から変えるというような措置を講ずることは困難であることは御理解いただきたいと思います。 いずれにいたしましても、一般論として、租税特別措置などの政策税制の要件は政策効果の発現を目的として見直されるものであり、要件の緩和や要件の見直し等はその時々の政策的要請に応じて行われるものでありますけれども、ある時点で税制の適用を受けてその政策目的が達成された場合に、改めて別の時点で改正後の税制の適用を受けるものではないことを御理解いただきたいと思います。
○西田昌司君 星野局長とはしょっちゅう議論しまして、こういう一辺倒な話で終わっちゃうんでね。役所の立場ではそうだと思います。 しかし、私が問題としているのはそうじゃなくて、私は制度をつくるときから実は、これ自民党の税調で出てきたときから私は問題意識を持っていてたんですよ。つまり、例えば相続がもう実際開始されて終わっていたら、それはもう一度やり直してくださいというのはもう意味がない話でいいんですけれども、実際には相続が開始されていない、あくまで納税猶予なんです。納税猶予であるということがまず大事な条件、状態なんです。しかも、この元々の事業承継税制の意味は、会社の事業承継を経済的に安定してやらせてあげようと、過度な相続税による負担が会社の事業承継を非常に危機になしめるということが度々よく言われてきたので、そのための措置だったんですね。 そういう意味でも、前の制度でもそれなりの効果はもちろんあったと思いますよ。あったんだけれども、そのことを、次の新しい措置があると分かっていたら、当然次の措置を受けるまで待っているんですよ。ところが、そういうことを知らないでこちらの方をやってしまったらもう後はできませんというのは、余りにもこれは人情としておかしいじゃないかと。むしろ、普通だったら、これ税法を作るときに私が言っていたのは、普通だったら宥恕規定というのがあって、ただし、前年度までにこの制度を受けた者であっても、前のは三分の二の株しかできませんから、その残りの分についてはこの適用ができるということをやったらいいのに、できないという形にやっているから、前にわざわざやった人が物すごく損をした気になっちゃうわけですよ。新たな制度ができなければ、当然、ああよかったなと思っていますよ。ところが、新たな制度が、自分がやった後にわざわざつくってくれて、しかも自分はその対象にはさせない、これは一体どういうことかということになりますよ、これは。 しかも、先ほど言ったように、そもそも亡くなっているんだったら別だけれども、亡くなっていないんだったらもう一度その猶予をすることはできるし、そして条件として、事業承継の例えば計画はどうだというのを出せと言うなら出すこともできるし、もっと言えば、要するに、そのことによって本来事業のために使えるお金、それを税金のために使うお金としてこれ個人でよけておく必要がなくなるわけですよ。まさに事業承継そのものが加速度的に経営を安定させてできる仕組みなんですよ。それを、前一遍やったからそれはできませんというのは、これは役所の答弁ですな。だから、役人としては優秀な役人ですから、星野さんも、いいでしょう。しかし、政治家としては駄目です、これでは。 だから、ここで政治家として麻生大臣に登場いただいて、しっかりその辺のことを検討いただきたいと思うんですけど、いかがでしょう。
○国務大臣(麻生太郎君) この中小企業、小規模零細事業者のいわゆる承継問題というのは、これは高齢化が急激に進んだときから随分話題になって長いことなるんですけれども、これはいわゆる中小企業の、そうですね、今三百七十五万者ぐらいあると言われていますけれども、そのうちの百四、五十万の方々がいわゆる高齢化して後継者に難ありというのが商工会議所が出されたいわゆる数字だったものですから、これ何とかしないとえらいことになっちゃうというのが元々の、この事業承継税制を拡充して、承継するときの相続税とか贈与税等々の支払負担というものをどんと下げたと、ゼロにしたということなんですが。 今、承継問題に対して、その前にその措置の適用を受けて贈与を行ったということに対して、相続時点でいわゆる拡充後の特例措置への切替えを認めるということになりますと、これはちょっと勉強はしてみますけど、これは基本的には難しいですよ。私もおやじから相続したとき戻ってくればよかったなと、今言っても始まらぬ話であって、それが去年だか三十年前だかの違いで、大した違いはないということなんだと思いますので。 主税局長が答弁しておりましたように、既に完結しちゃっている課税関係というものを後から変えるというのはなかなかできませんし、既に代替わりがしたという事業者に対して、私ども代替わりをさせるためにこれやってきているわけですから、そういったことに関しては、代替わりが既に行われた事業者に対して後から措置を講ずるというのはこれは政策効果の説明というのはなかなか難しいんだと思いますので、いずれにしても、これは慎重に検討する必要があるだろうなという感じはいたします。
○西田昌司君 ここですぐやりましょうという答えが出てくるとは私も思っていません。またしっかり検討していただきたいんです。 ただ、一番大事なのは、私は、税で一番大事なのは不公平感をなくすことなんです。公平に税が徴収され、そして執行されていくと。この問題の一番は、死んでしまっていたら、麻生大臣のお父様が三十年前に亡くなられたと、例えば。亡くなっている話はこれはどうしようもないんですよ。私も、今この納税猶予を受けて、亡くなっている人がもう一度新しい制度でやり直してください、そんなことは言いません。それはもう既に相続始まっていますから。 ところが、私が言っているのは、相続が始まっていないんですよ。で、いつ始まるかは分かりません。十年後か二十年後か三十年後かも分かりません。決定的なそのときに差が出てくるわけですね。死んでしまっていたらもういいんですよ。それはもう、それはそこで完結していますから。 だから、そういう亡くなっていない、相続が開始されていないケースは、この制度自身が納税猶予ということを一つの柱として、そのことによって実際の企業経営を支えていこうと、そして、それも十年間という期間で短期的にやっていこうと、この十年の期間の間に代替わりを進めていこうと、こういうことですから、私が今言っているように、相続が始まっていないものに関しては、この元々の新制度の政策の意図からも外れないと思うんですよ。要するに、納税猶予額を新たに認めてあげることによって不公平感がなくなると同時に、実際に会社に残る金が増えて事業承継がスムーズにいけるわけですから。だから、やっぱりそこはしっかり考えていただかなけりゃならないと思います。 これはまたどっちみち自民党の税調でも申し上げます。今日は宮沢会長はおられませんが、小委員長代理の林先生もおられますので、しっかり聞いていただいたと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それで、この制度はこれで終わりますが、問題はここから先なんですよ。要するに、税の話で事業承継をしやすくやってあげよう、これも分かるんだけれども、本当のところ、中小企業がその事業を次の世代にやっていくのができないのは税だけかというと、私はそうじゃないと思うんです。その以外の環境が非常に多いと思うんですけれども、その辺のところ、事業承継の問題点、それは中小企業庁の方ではどのように捉えておられますか。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 先生御指摘の点は、中小企業の後継者不足の要因ということではないかなというふうに存じます。 中小企業の後継者不足の要因、これは様々ございますけれども、日本政策金融公庫が二〇一六年に公表した調査によりますと、六十歳以上の経営者の約半数が廃業予定でございまして、その理由といたしましては、事業自体に将来性がない、あるいは、その事業に将来性がないために適当な後継者が見付からない、さらには、後継者が見付からないため自分の代限りで事業をやめようと考えていたと回答された経営者の方が多くなってございます。 また、実際に後継者候補でもございます経営者の子弟の方からは、親の事業に魅力を感じずに、継ぎたいとは思わないでありますとか、あるいは、自分は経営者としての資質がない、さらには、株式を引き継ぐための税負担が重いといった生の声もお聞かせいただいているところでございます。 以上でございます。
○西田昌司君 そういういろんなことがあるんですけれども、私は、この調査の中にもう少し中小企業の本当の本質に入った回答事例が出てきていないかなと感じています。 といいますのは、私自身、税理士という仕事を三十年やってきてつくづく感じるのは、やっぱりあのバブル、バブルの後の不良債権処理、これが決定的に中小企業に大きな影響を与えています。バブルのときは、はっきり言いまして、どんどんどんどん、借りたいと言わなくても貸してきたわけですよ。その後は、今度はもうどんどん貸し剥がしをしてきたと。そして、返せなければ当然抵当物件は売られていく、それで返せなければ保証人として返せ、できない場合は首をつるというような事例が本当たくさんあるんですよ。私自身も幾つも見てきています。 それを見ていると、はっきり言いまして、もうこれ以上商売やるのはかなわぬと、もうやめられるものだったらやめたいと思っている人はたくさんいるんですよ。もっと言えば、事業の本当は後継者として帰ってきてもらう息子もいるけれども、もうやめておきと、おまえ、せっかく公務員になっているんだったら、帰ってこなくていいよと言っている人は物すごくいますよ。その一番の原因が、一番の原因が、私は、もうはっきり言いまして、人的保証、保証人制度だと思うんですね。 これは法務委員会で先年、先々年ですかね、民法改正であったんですけど、そのときに、本当はこの保証人、人的保証はなくすべきだったと私も今思っていますけれども、これがまだ残っています。しかし、今、そういうことを我々も言ってきたおかげで、随分外しているところも、実際には個人保証を取りませんというところもあるようなんだけれども、これが一般の銀行の方ではかなり外してきているように聞きますが、まず一般の銀行の方の話を教えてもらいましょうか、金融庁の方から。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 民間金融機関におきます状況でございますけれども、平成三十年九月期におきまして、新規融資に占める経営者保証に依存しない割合は約一九・一%でございまして、二十九年三月期が約一四・一%でございましたので、一年余りの間に五%程度改善しているという状況でございます。
○西田昌司君 二割近くが人的保証を求めなくなってきたと、その前までは一四%ぐらいと、こういう話なんですよね。 それで、政府には政府系の金融機関あるわけですから、今日は政策金融公庫の理事長、田中理事長にも来ていただきましたけれども、政府系の金融機関ではどういう結果になっていますか。
○参考人(田中一穂君) 私どもの行っています事業、かつての中小企業金融公庫の事業とそれから国民金融公庫の事業がございます。もう一つ農業がございますが、ここでは中小の事業と国民の事業についてデータを申し上げます。 まず中小事業でございますけれども、現在の足下で申し上げますと、件数で九五%、それから金額で九五%がいわゆる経営者の保証を取らない融資というふうになっております。 それから、国民事業の方は、足下、これは今両方とも平成三十年度の四月から九月の上半期のデータを申し上げておりますが、国民事業の方は、件数で二八%、金額で二二%が経営者保証を取らない融資になっております。
○西田昌司君 中小企業金融公庫の方は九五%が取らない、これは本当なかなか立派な数字ですね。田中総裁行かれてからこうなったんだかどうかは知りませんが、これ、なかなか中小企業の方はよく頑張っておられると思いますね。 一方で、国民金融公庫の方は二八%、三割弱ですよね。やっぱりこれはもう少し上げていくべきだと思いますが、いかがですか。
○参考人(田中一穂君) 私どものこの経営者保証を取る取らないという現場での判断につきましては、平成二十五年の十一月に、経済産業省また財務省から、当時の二十六年二月一日に適用を開始される経営者保証に関するガイドライン、これは民間も同様のガイドラインが適用になるわけですが、これで対応せよという御指示がございまして、したがいまして、先ほどの中小事業の分もそれが出てからかなり改善をしております。 それから、国民事業についても、例えば平成二十六年度ということになりますと、件数で一九%、金額で一二%ですから、今から一〇%程度、経営者保証を取らない率が少なかったというふうになっております。 基本的には、この経営者保証に関するガイドラインの中で、法人の経営と個人、社長さんの経理が明確に区分されているか否かとか、あるいは法人の資産、収益で借入金が返済することが可能かどうかとか、幾つかのチェックリストがございまして、それに基づいて対応しておりまして、今先生から御指摘のあったように、国民事業もでき得る限り経営者の保証を取らないで融資ができないかということを現場は考えておりますけれども、やはり小さな、それこそ株式会社ではないような町の合名会社、有限会社の中を見ていくと、まさに社長さんの持っている資産、負債と会社の資産、負債が完全に分離し切れているというふうに言えないものがやっぱりあるわけでありまして、そこにどういうふうに対応するかというのを悩んでおりまして、今申し上げましたように、この経営者保証に関するガイドラインというのが、官民統一のルールがございますので、ここに乗っかって今対応してきているということでございます。足下も少しずつ取らない割合が増えているということでございます。
○西田昌司君 ありがとうございます。 今、田中総裁のお話で、そういうガイドライン、これは民間も公も一緒にやっていこうということですが、そういう意味でいうと、先ほど金融庁の、民間銀行の方が一四%ぐらいでしたっけ、これ物すごく、国の方が国金でも二八%、中小企業の方は九五%外しているわけですから、民間の銀行が非常に対応悪いんじゃないかと思うんですけれども、それはいかがなんですか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 確かに、民間金融機関ですと、先ほど申し上げましたとおり、新規融資に占める経営者保証に依存しない割合は一九%ということで、公的金融に比べて数字が落ちているという状況でございます。 金融機関にとりましては、事業法人と経営者個人の経理の区分が十分に行われていない場合などにはやはり経営者に個人保証を求める事例が多いというふうに承知はしておるところでございますけれども、他方で、経営者保証が経営者による思い切った事業展開ですとか早期の事業再生の阻害要因になっているという御指摘も多々あるところでございまして、中小企業が法人と経営者の関係の明確な区分をし、財務状況等の適切な情報開示を行っておられるというような場合には経営者保証に依存しない融資を行うというような方向で今ガイドラインが策定されておりまして、金融庁といたしましても、このガイドラインを積極的に活用するように再三再四金融機関に求めているところでございます。
○西田昌司君 いや、ガイドラインは同じガイドラインでしょう、使われているのは。同じガイドラインで、国の方が国金でも三〇%近く外しているのにその半分だというのは、十ポイント以上離れているというのはやっぱりおかしいんですよ。 要するに、外さない理由が例えば事故率の関係であって、実は国金側とこちら、民間側では大分違うんですよと、だから経験的にこれは外しちゃいけないというんだったら分かりますよ。しかし、恐らくそういうことじゃないでしょう、これは。そうじゃなしに、私が現場で見ていましても、取りあえず判こ押してもらうんですよ、取りあえず。社長も、新しい社長も含めてやっちゃうケースが結構多い。要するに安易なんです。安易に、まあこういうものですからと言っていて、こちらが言っていけばそれは外したりすることはあるだろうけれども、知らないことをいいことにそのままやっちゃっているというのが現実問題あるわけですよ、これは。だから、それを指導するのがあなた方の仕事だと思いますよね。 今日はもう時間がなくなったのでこれで終わりますけれども、そういう現場の現実を是非皆さん方、役所の皆さん方も知っていただきたいし、それから麻生大臣には、先ほど言いました事業承継、まだ亡くなっていないところは救いようがあるんですから、是非御一考いただきたいということを再度申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○風間直樹君 よろしくお願いします。 今日は最初に、この所得税法改正案の中で、今回導入が見送られたと言われていますが、金融所得課税について質疑をいたします。 手元に二〇一八年一月十六日、昨年ですね、日経新聞の夕刊の記事があるんですけれども、財務省の官僚たちが早くも二〇一九年度税制改正に目を向け始めた、次なる増税項目としてささやかれているのが金融所得課税の増税だ、消費税率を一〇%に引き上げるのに伴い導入する軽減税率の貴重な財源として見据えていると、税率五%上げの主張も出ていると、こういう記事が昨年一月に出ています。 今のところ、今回の所得税法改正案にもこうした内容は含まれていないわけですけれども、導入の可能性が報道されながらも導入に至っていないということで、これは主税局長にお尋ねをしたいんですけれども、現在そもそもこれ検討されているのかどうか、その辺からちょっと御答弁いただけますか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 金融所得課税につきましては、所得再分配機能の回復を図るために、平成二十六年に上場株式の譲渡益等に係る税率を一〇%から二〇%に引き上げたところでございます。これによりまして、高所得者ほど所得税の負担率が上昇する傾向が見られ、所得再分配機能の回復に一定の効果があったのではないかと考えております。 更なる金融所得課税の見直しにつきましては、再分配機能の回復という論点だけではなく、経済や金融市場への影響ですとか、貯蓄から投資へという家計の資産形成を促す政策目的との関係をどう考えるかといった論点がございまして、引き続き丁寧な検討が必要であるため、三十一年度税制改正においては金融所得課税の見直しは行わなかったところでございます。 ただ、三十一年度の与党の税制改正大綱におきましても、家計の安定的な資産形成を支援するとともに、税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から検討することとされておりまして、これまでもこの関係については検討しておったところでございますけれども、今後とも総合的によく検討してまいりたいと考えております。
○風間直樹君 今、この導入に至っていない理由、大きく二つほどおっしゃいましたけれども、そのとおりなんだろうなと、最近の御時世を見ていますとね。 安倍政権の下で貯蓄から投資へという方針がありますし、我々非常に強く感じるのは、やはり日本の株式マーケットを、日経平均株価等をできるだけ堅調に上げていくという強い政府の意思を感じるわけであります。そうしたことを総合的に考えると、金融所得課税を今おっしゃったように二〇%から引き上げるという方向性は、現在の安倍政権の施策に水を掛ける、あるいは足を引っ張るようなことになりかねないので、私も、今主税局長おっしゃったことは政府の考え方としては確かにそうなんだろうなというふうに納得をするわけです。 それで、一方で、政府税調で様々な税制についての議論が非常に自由闊達に行われていると思いますが、政府税調でのこの金融所得課税に関する議論というのはどんな内容で行われているんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 今御指摘のとおり、政府税制調査会におきましても金融所得課税をめぐる議論が行われております。御紹介いたしますと、昨年秋に、老後の生活等に備える資産形成を支援する税制の在り方という観点から、企業年金、個人年金等の年金税制ですとか、あといわゆるNISAなどの金融所得の非課税制度などに関する検討を開始しておりまして、その中で、金融所得課税につきましても、税率の具体的な事項についての議論までは至ってはおりませんけれども、所得再分配の観点も含めて検討が必要であるとの議論もあったところでございます。 いずれにいたしましても、格差が固定しない、あるいは許容し得ない格差が生じない社会を構築することは重要な課題でございまして、政府におきましては、金融所得課税も含めまして所得税の再分配機能の確保について検討を行っていく必要があると考えておりますし、今申し上げたような観点から政府税制調査会では更に検討を続けていくということになっているところでございます。
○風間直樹君 今、星野さんおっしゃったのは、要約するとこういうことでしょうか。年金税制ですとかNISA等に関して、その非課税というような話も政府税調では議論されていると、同時に、金融所得課税に関しては、税の再分配機能という重要な機能もあるので、その点も視野に入れながらこの金融所得課税については議論すると、こういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(星野次彦君) おっしゃるとおりでございます。 先ほど御紹介しましたとおり、税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から検討というのが一つの検討の軸として上がっているわけでございます。老後に向けた資産形成の中で、年金だけではなくてNISA等の金融商品についてもこれは検討の俎上に上ってくるわけでございまして、NISAの検討に際しては、例えば金融所得課税の税率水準をどうするかといったようなこととも密接不可分に関連してまいりますので、そういったことを一体的に検討する中で、先生がおっしゃるような所得再分配の議論、こういったものも含めて考えていくということになろうかと存じます。
○風間直樹君 今おっしゃったことは、私も日頃有権者と座談会などをやっていますと非常に強く感じるところでして、例えば、まず年金の税制ですね、結構不満の声を頂戴します。なぜそもそも年金に課税されるんですかという声です。 同時に、金融所得課税というのは、例えば我が党でもこの導入をすべきではないかという議論がされているんですけれども、私は実はそれはどうかなという目でちょっと見ていまして、といいますのは、この金融所得課税に慎重あるいは反対される方の結構な割合が高齢者の方々なんですね。つまり、株式譲渡課税、それから利子配当課税、こうしたもので老後の収入を得ていらっしゃる方々が結構な割合でいらっしゃる。ですので、ここについては、実はこの金融所得課税の税率を上げるということがイコール高齢者の皆さんの生活に直接影響を及ぼすということもしっかり視野に入れておかなければいけないんだろうと思います。 続いてお尋ねしますが、いろいろな政府関係の諮問会議や審議会の議事録を見てみますと、海外の税制の調査に出かけていらっしゃるようですけれども、政府税調などで海外の金融所得課税に関する調査をされた事例というのはございますでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 最近、政府税調で海外の事例を調べているというのは、むしろ納税環境といった電子経済化が進む中でどのような課税を行っていくかというようなことを中心に海外の調査を行っておりますけれども、ただ、おっしゃられた金融所得課税につきましても、これまで政府税調などではいろんな調査の蓄積がございます。そういう意味では、各国で導入されている金融所得課税と日本の税制を比較をして日本の金融課税についてどうしていくかというような議論になっております。 ちょっと御紹介をすると、日本は今、金融課税については分離課税を取っているわけですけれども、こうした課税を取っているのは、現時点で申しますとドイツやフランスでございます。アメリカ、イギリスなどは、これはいろんな所得を積み上げた上で、その所得の水準に応じて、何というか、区分課税みたいなものを行うという制度になっておりまして、若干立て付けが違っておりますけれども、そういった海外の事例も比較しながら政府税調では議論を行っているということでございます。
○風間直樹君 今御紹介いただいた海外の事例ですが、アメリカ、イギリスのように総合課税の枠の中で金融所得に対する課税を行う国と、それからドイツ、フランスのようにそれとは別に行う国という違いがあるわけです。 それで、いろいろ聞いてみますと、経済学では、主流派である近代経済学の通説として、一定の前提の下ではという条件を付けながらも、資本所得に対する税率はゼロにすべきと、こういう考え方が近代経済学の通説だそうですけれども、仄聞するところでは、我が国の政府税調あるいは財務省もこうした認識に立っているというふうに聞きますけれども、それはおおむね事実なんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 申し訳ございません、資産に対する、あるいは金融所得に対する税率をゼロにしろというお話については、余りちょっと承知はしておりません。 むしろ、いわゆる二元的所得税という議論がございまして、勤労性の所得と資産性の所得は分離をいたしまして、資産性の所得については一律の課税をすることによって金融商品がかなり自由に組成されると、また、その売買について、いつの時点で行ってもマーケットをゆがめないという意味では、その一律の課税を資産性課税に行うということ、また、勤労性所得との間で例えば損益通算をしないようにその分離をするといったような、そういう考え方が一つの有力な考え方としてあって、そういう制度を採用している国はかなりございまして、日本もそういう考え方の下に金融関係の課税については二〇%の一律課税にしているということでございます。
○風間直樹君 分かりました。今後もこの二元的所得税の考え方を踏襲していくということでありました。 それで、昨年来のこの金融所得課税の税率引上げかという報道を受けて、民間の研究機関等でもいろいろと研究結果あるいは提言等が出てきております。 昨年、二〇一八年の三月に大和総研が発表した出版物、「金融所得、税率引上げ検討? 金融所得税率引上げは、富裕層課税強化にみせかけた大衆増税」というものがありまして、これによりますと、仮に金融所得税率を二〇から二五%に引き上げた場合、税収面では富裕層よりも中堅以下の所得税の増税の効果の方がはるかに大きくなる、金融所得税率引上げは富裕層の課税強化というよりは大衆増税の側面が強いと、こういう研究結果を出しているんですけれども、この金融所得課税の税率の引上げが非富裕層にかえって負担増となる見方については、財務省としてはどんな見解を持っていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 これは、富裕層、非富裕層を比べてみた場合、どれだけの資産をお持ちかということによって恐らく結果も違ってくるんだとは思いますけれども、例えば金融課税につきましては、先ほど御紹介しましたとおり、一〇%から二〇%への引上げを行っておるわけでございますけれども、その際に、例えば一〇%から二〇%のその課税の影響を、ある程度小規模の資産しか持っていない方に影響が及ばないように、NISA制度の例えば創設を併せて行うというようなことを行っておりまして、そこは資産に対する非課税制度みたいなものを組み合わせるということによりまして少額の資産を持っている方に対する配慮を行っていくというような、そこは全体制度をどのように構築するかということによって、何というか、影響も違ってまいりますし、制度の構築の仕方というのは議論があるところだと考えております。
○風間直樹君 この辺は十分いろんな検討をすべきだと思うんですけれども、今、我が国の財政難という状況の中で、とはいえいろんなところに支出が必要になる、福祉であったり教育であったり、様々な分野に支出が必要になると、軽減税率もそうかもしれませんが、その財源をどこから持っていくかということで、これは恐らく党派を問わず、金融所得の税率を上げたらどうかという議論は出ているんだろうと思います。 この背景にある考え方というのは私は幾つかあると思うんですが、まず一つは、金融所得というのは、株式の譲渡益であり、利子であり、あるいは配当だから、こういうものを受け取っている人たちというのは一定の資産を持っているんだろうと、だから、所得再配分機能の観点からもこうした層により課税をするというのは妥当なのではないかと、大体こういう思想があるように私は感じるんですね。 ただ、果たしてそうなのかなというのが実は私自身の思いでありまして、これ、この中で株式投資をやっている方がどれぐらいいるか存じ上げませんが、仄聞するところでは、この株式投資によって利益を上げる、譲渡益を取得するというのは相当容易ではないことだというふうに聞いております。同時に、利子、配当については、これも、収益を上げ続ける、そして同時に配当を出し続けることができる企業としての体力、財務体力を持っている会社の株に投資をすれば当然利子収入、配当収入が入ってくるわけですけれども、そういう会社を見極める目を持つということも私はなかなか容易なのではないんだろうなというふうに様々な実践者の方からの話を聞いて感じています。 それで、私自身は、こういう金融所得というのは一定の知的労働に対する成果という側面もあると思うんですね。つまり、ぬれ手にアワで、どこの会社に投資したからその配当が入りましたとか株価が上がってその譲渡益が入りましたということでは、恐らくそれほど簡単ではないんだろうと、そんなふうに感じています。 さらに、先ほど主税局長もおっしゃいましたように、今これだけ政府が、安倍政権、第二次政権の発足以降様々な努力をして、日経平均株価を言わば私は国策として上げる努力をしてきたと言っても過言ではないと思うんですけれども、そんな中で、例えば日銀が大量のETFを購入し、今、数多くの日本を代表する企業の筆頭株主が皮肉にも日本銀行という状況も出てきています。そういう中で、じゃ、金融所得課税の税率を例えば二五%に上げましたというときに果たしてどうなのかなと。日本の株式マーケット全体に対する影響ですとか、あるいは日本経済に対する影響ですとか、そういうものを総合的に勘案したときにこれが果たして日本経済にとってプラスの影響があるのかどうか、そこに私はいま一つ確信を持ち切れておりません。 それで、今触れましたこの富裕層の所得再配分について、ちょっと先ほどの大和総研のレポートから御紹介しますけれども、意外なことが書いてありまして、日本国民全体を母集団として、富裕層は〇・〇四%、年間所得百億円超は僅か十四名というタイトルがこの報告書の中には出てきます。 どういうことかといいますと、納税者数で見ると、株式譲渡所得が一億円を超える層の人数は五千五百九名で、株式譲渡所得の申告者の二・九%、申告納税者全体に占める割合は〇・〇九%である、合計所得が一億円を超える層の人数は全体でも一万七千三百八十二名で、給与所得者等の人数も加えると納税者に対する比率は〇・〇四%にすぎない、これは国税庁統計に基づき大和総研が試算された数字ということです。更に言えば、年間所得が百億円を超える層は申告納税者全体で十四名、株式の譲渡所得等の譲渡所得者で十三名にすぎないと。ですので、こうした観点からいうと、じゃ、金融所得課税の税率アップが果たして所得再配分機能に資するのかというのはどうなのかなということになってくるんだろうと思います。 ここまでいろいろとちょっとやり取りをさせていただきましたけれども、この辺でちょっと政治家同士の議論にさせていただきますが、麻生大臣、どうなんですかね、この所得税法の改正案の中でこれまで金融所得課税について政府として見送ってきていると、この辺の理由は、ざっくばらんなところ、どういった理由なんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 金融所得課税の見直しという話を聞いておられるんだと思うんですけど、これは再分配機能の回復という論点というのはもちろん考えにゃいかぬところで、それに併せて、平成二十六年に一〇から二〇というのに倍に上げさせていただいたというので一応の回復というのは対応しているんだと思いますが、同時に考えておかにゃいかぬ理由は、やっぱり経済とか金融市場への影響というのをこれ考えないといかぬところでして、特に貯蓄というのに、日本の場合は現金貯蓄というのが、一千八百五、六十兆の個人金融資産のうち、いわゆる現預金というものが九百七、八十兆あると言われておりますので、そういった意味ではやっぱり、そういったために、およそ金利の付かないところに現金を預けているというものからもっと資産というものを考えにゃいかぬということで、貯蓄から投資というような関係から、いわゆる家計の資産形成を促すというのを政治目的という関係、こういったものを考えますと、私どもとしてはこれは引き続き丁寧な検討が必要だろうと思っておりますので、三十一年度の税制改正においてもこの金融所得課税の見直しは行わなかったんですが。 いずれにいたしましても、金融所得課税の在り方につきましては、三十一年の与党税制改正の大綱におきましても、安定的な資産形成を支援するとともに、税負担の垂直的な公平性を確保するという観点からも検討する必要があるとされておりますので、今後ともこの点につきましては総合的に検討していかねばならぬところだと思っております。
○風間直樹君 この金融所得課税二〇%、現行の数値で、以前の一〇%から二〇%に上げたということなんですけれども、その前に二〇%だったものを一度一〇%に引き下げているんですよね。それで、その後、おっしゃるようにまた二〇%に戻したと。一〇パーから二〇パーに戻した、まあ上げたんだから、今後また二五パーに上げても大丈夫じゃないかという、そんな声も政府内にあるやに報道では見ておりますけれども。 たしか、これ、一〇から二〇に戻したときというのは第二次安倍政権の誕生とたしかほぼ同時期で、それこそ日銀総裁が白川さんから黒田さんに替わって、例の二倍、二倍、二%という会見をされて株式マーケットが物すごく沸いた時期とほぼタイミングが一緒だったんじゃないでしょうか。私の認識違いますでしょうかね、主税局長。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、この制度自体は平成二十六年に一〇%から二〇%に上げたということでございまして、当時の株式市場自体はかなりそういう意味では好調な状態だったというふうに認識をしております。
○風間直樹君 あのときのマーケット、すさまじかったんですよ、日銀の異次元金融緩和の始まりですから。もうマーケットは大騒ぎだったと私は当時の報道を見て感じた記憶があります。 今は、今後日銀が異次元金融緩和を店じまいしていく、畳んでいくと。先般、麻生大臣も二%余りこだわるのはどうかという趣旨の発言されていらっしゃいますけれども、そろそろ日銀も広げてきたお座敷を畳む時期に来ているんだろうなと。 そういう中で、ETF、保有ETFも、今後、購入からまた売却へと恐らく転じていくんでしょうから、そういう中で、この金融所得課税、税率を上げるのがいいのか維持するのがいいのか、この辺の判断は非常に重要になってくると思いますけれども、麻生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、風間先生、御存じのように、これは金融政策に関わる話なんであって、かかって、これは日銀の出口戦略等々について財務省の立場としてこれに対してどうのこうのと言うのはちょっと控えさせていただかにゃいかぬところだと思っておりますが。 いずれにいたしましても、少なくともこの金融緩和というものをやらないと、デフレによる不況というものを一九三〇年代から日本はやったことがありませんので、デフレがない以上、デフレ対策をやった人もいません。したがって、歴史に学ぶしか我々は方法がなかったと思いますが、いずれにしても、その中から金融緩和という方式を取らせていただきましたおかげでかなり金融が緩んだ。結果として、デフレ対策には大いになった。円も、対ドル交換レートが七十九円八十銭とかいうものから百十何円までドルの価格が上がり、円の価格が下がる等々、いろんな効果があって、企業にも影響を及ぼしたことは事実だと思いますが、それによって、私どもとしては引き続きデフレ対策と、正確には資産のデフレに対する対策だと思いますが、それにどうやっていくかというのにつきましては、今後、金融の政策に関わるところなので、これは黒田日銀総裁の専権事項だと思っております。
○風間直樹君 この税制の今後に関する話というのはなかなか政府側の皆さんも余りすぱっと物をおっしゃらないのかなという感じも今日したんですけれども、また引き続きこの話は議論させていただきたいと思います。 残りの時間で、ちょっと今日は外務省、防衛省に来ていただいていますので、日米地位協定における在日米軍基地の費用負担の問題について質疑をさせていただきたいと思います。 先日、御案内のとおり、アメリカ発で、トランプ政権が世界各国の米軍基地を置いている同盟国に対して、その費用負担を五〇%増加させるというような報道がなされました。それで、この話は国防長官代行が、これはアメリカ議会での発言でしょうか、一度、プラス五〇%ということを国防総省は取らないと、考えていないという発言をしたもので、鎮静化をしたところであります。私も、ああそうかと思っていたんですけれども、どうもこれ、報道を詳しく見てみますと、全然鎮静化していないようなんですね。 例えば、ここに、手元に、この三月十五日の産経新聞の報道がありますけれども、シャナハン国防長官代行、費用プラス五〇を否定という見出しなんですが、この記事の最後の方で、費用プラス五〇こそ否定したものの、一連の発言は日本やドイツ、韓国などの主要同盟国に対し、米軍駐留経費で新たな負担を求めていくことを示唆するものだというふうに書かれています。 それで、報道をつぶさに読んでみますと、今回の話はどうもホワイトハウス発のようでありまして、特にホワイトハウスの中でもトランプ大統領自身が提唱したという話のようであります。トランプ政権は国防総省に対し、米軍が駐留している国々にどれだけの額を要求すべきかに加え、米国と緊密な政策を取っている国に関し、経費負担をどこまで割引するかを算定するよう指示したと、これも産経の今年三月十日の報道でなされています。政権関係者が同通信に語ったところでは、トランプ政権は、こうした措置によって諸外国を米国の意向に従わせることを狙っているとしているというふうに書いてあるんですけれども。 まず最初に、この費用負担の規定が記されている日米地位協定、お手元に配付資料でございます。その二十四条についてお尋ねをしたいと思います。 二十四条の第一、ちょっと下線を引いたんですが、日本国に合衆国軍隊を維持することに伴う全ての経費は、二に規定するところにより日本国が負担すべきものを除くほか、この協定の存続期間中日本国に負担を掛けないで合衆国が負担することが合意されると。二項の方で、日本国は全ての施設及び区域並びに路線権を合衆国に負担を掛けないで提供しと記されています。 これ、日米間の安全保障に関する条約や協定の共通のパターンなんですけれども、まず最初の条文の一項で大枠、抽象的な大枠を記した上で、二項め以降でその具体的な内容を列挙していくというのが日米安保、日米地位協定に共通したパターンであります。 これもそのパターンでして、二十四条の一項では、要するにほぼほぼ合衆国が在日米軍に伴う経費は負担しますよと、ただ例外はありますよということを言っている、二項でその例外は何かということが示されていると、こういう理解をするんですが、今日は佐藤副大臣にお越しいただいていますが、副大臣、そういう理解で間違いございませんでしょうか。
○副大臣(佐藤正久君) 風間委員にお答えいたします。 御指摘のとおり、経費の分担に関しまして、日米地位協定第二十四条は同一条において、日本に米軍を維持することに伴う全ての経費は、同二条により日本国が負担すべきものを除くほか、米国が負担する旨を規定しているというふうに理解しております。
○風間直樹君 今日は佐藤副大臣と鈴木防衛政務官にお越しいただいているので、ちょっと具体的なやり取りをさせていただこうと思うんですけれども、佐藤副大臣は就任されてもう結構長くていらっしゃるように感じるんですが、どれぐらいでしょう。鈴木政務官はどれぐらいでしょう。
○副大臣(佐藤正久君) 留任いたしましたので、一年数か月という状況だと思います。
○大臣政務官(鈴木貴子君) 私は、昨年の十月に防衛大臣政務官を拝命をいたしました。
○風間直樹君 お二人は今まで、在任中でも、あるいは在任中以外でもいいんですが、在日米軍基地幾つか回られたことは、視察で回られたことはあるでしょうか。もしあれば、どの基地、合計何か所と御答弁いただければ有り難いんですが。
○副大臣(佐藤正久君) 在日米軍基地は、訪問したことは副大臣としてはないというふうに思います。ただ、グアム島の米軍基地は訪問したことはございます。
○大臣政務官(鈴木貴子君) 私は、視察という形ではなく、移動中の際に入間であるとか三沢の方に立ち寄ったということはあります。
○風間直樹君 意外と、日本の国会議員あるいは政務三役で、これだけ在日米軍基地の問題が国会では議論されているんですけれども、視察に訪れる方というのは多くないように思うんですよね。 麻生大臣もいらっしゃいますけれども、例えば麻生大臣それから鈴木副大臣は、これまで国会議員として、あるいは政務三役ですとか、麻生大臣の場合は総理、外務大臣も歴任されていますけれども、在日米軍基地の視察というのは何か所かされた御経験ございますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 余り数えたことありません。五、六回、もっとあるかな、結構長いことおりますので。
○副大臣(鈴木馨祐君) 記憶の範囲では、岩国には伺っていますけれども、そのぐらいかなと思います。
○風間直樹君 それで、恐らく今後アメリカ側からこの在日米軍基地の費用に関する様々な話も来るかもしれませんので、我々政治家同士でこういう場で議論する機会もあると思うんですが、今日時間がありませんので、是非、今日いらっしゃる政務の皆さん、まあ麻生大臣はもう何か所も行かれているということですが、ちょっとお時間を見て、是非主要基地に足をお運びいただければ有り難いと思います。 なぜかというと、私、何か所か回ったんですけれども、ほぼ全ての在日米軍主要基地は旧日本軍の施設をそのまま使っておりまして、それも相当の要衝をほぼほぼ米軍が押さえています。これを見ると見ないで在日米軍基地の費用負担問題の議論というのは随分違ってきますので、今日は質疑の最後にそれをお願いして、明日また引き続きさせていただきます。 ありがとうございました。
○古賀之士君 国民民主党・新緑風会の古賀之士です。 前回の続きをできる限り、時間のある限りやらせていただきます。今日は質問をする機会を与えていただきまして、ありがとうございました。 まず、前回の質問で残っておりましたこれまでの税制改正に関連して、財務省参考人にお尋ねいたします。 配偶者控除、そして配偶者特別控除の見直しといいますのは就業調整がその目的の一つと思われますけれども、実際どのような影響をこの就業調整に関してはもたらしたのでしょうか。もし分かっていらっしゃるのであれば、教えてください。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 平成二十九年度の税制改正におきまして配偶者控除等の見直しを行っておりますけれども、これは、女性を含めてパートの方々が年収百三万円以下となるような、労働時間を減らすいわゆる就業調整の問題に対応するために、配偶者控除等について配偶者の収入制限を百三万円から百五十万円に引き上げるなどの見直しを行ったものでございまして、この百五十万円の水準は時給千円で一日六時間、週五日勤務した場合の年収を上回る水準、パートで働く女性の方々の八割以上をカバーする水準となっております。 この税制改正は平成三十年から適用しているところでございまして、そういう意味ではまだ実績は出ていないのでございますけれども、この見直しに加えまして、社会保障における取組ですとか民間企業における配偶者手当制度の見直しといった総合的な対応を通じまして、働きたい人が就業調整を意識せずに働くことができる環境づくりに寄与していると考えているところでございます。
○古賀之士君 ありがとうございます。 今、星野局長がおっしゃったとおりで、実際のところ、その就業調整をやっぱりどうしても実際にパートをされる方ですとかは意識をされて、その金額の壁といわゆる言われているものに関して皆さんが一生懸命細かい計算をされているのもまた現実だとは思います。 実際にその数値的なデータが、現状ではまだ時間的なこともあって難しいというお話でございますけれども、これが実際の今大きな問題になっております人手不足の一助になっているのか、あるいはまた税制そのものに関して何か一定の効果があったかどうか、この辺については、将来も含め何か今後データを集められるという、そういう予定や見通しございますか。
○政府参考人(星野次彦君) 一つのその税制措置でもってどういう効果があるかということを取り出すというのは、実際にはなかなか、複合的な要因がございますので難しいのかなというふうには考えておりますけれども、必要に応じまして、企業の方ですとか、またお勤めになる方の御意見等々も参考にしながら、より良い制度をつくってまいりたいというふうに考えております。
○古賀之士君 是非そのようにお願いいたします。 では、戻ってこられてすぐで恐縮ですが、財務大臣にお伺いをいたします。 平成における所得税の改革、これについてどのように御所見をお持ちか伺います。 資料の一をお手元にある方はどうぞ御覧ください。 この三十年間で、所得、給与の五百万円の標準世帯、左上でございますが、所得税、住民税の減がおよそ二十三万円に対しまして、所得一千万円の場合はおよそ九十万円減、所得三千万円の場合はおよそ三百九十万円減と試算されております。これに対して消費税の負担額というのは、各世帯にとっていろいろなばらつきはあるかと思いますけれども、所得減税とそれから消費増税、この各世帯のバランスというのをどのようにお考えなのか、御所見を伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、御存じのように平成初期、まあ平成元年にいわゆる消費税というのは導入されているんですが、所得とか消費とか資産の間の均衡の取れた税体系を構築するということを大前提に置いて、いわゆる所得水準の上昇に伴う負担の累積増というのを緩和するという観点から、いわゆるよく言う直間比率というのを見直すというんで、消費税の導入、引上げ等々とともに個人所得課税の負担の軽減等が行われたんだと思っております。 しかしながら、その後、個人所得課税の所得の再分配機能が低下したということに反省もありまして、この内閣においては、最高税率を引き上げる、四〇から四五%に引き上げる、それから基礎控除の見直しということで、高所得層の逓減、消失等々、基礎控除を見直しております。それから、先ほど話題になりました金融所得課税の見直しということで、これも一〇から二〇等々の取組を進めてきたところなんですが、御指摘の年収別の消費税の負担については、これ、平成三十年の家計調査の二人以上世帯の消費支出に基づいて現行の税率八%というのを機械的に換算いたしますと、年収五百から五百五十万未満の世帯において約二十万程度、年収千万円から千二百五十万未満の世帯では二十九万円程度、年収千五百万円以上の世帯では三十八万円程度となるということになります。 消費税の導入とその後の税率の引上げだけを見れば負担増ということにこれはなるんですけれども、御存じのように、消費税によって引き上げた分に関しましては、これはその増収分は社会保障の充実とかまた安定化に充てられておりますので、その受益という意味ではこれは低所得者層ほど多いということになろうかと存じますので、所得の再分配や格差の是正につながったのではないかと考えております。 いずれにしても、今後の税制の在り方については、これまでの改正の効果というのを見極めていく必要があろうと思いますけれども、現在の社会情勢の変化も踏まえながら、これ引き続きよく検討を続けていかねばならぬところだろうと思っております。
○古賀之士君 ありがとうございます。 今まさに財務大臣がおっしゃったとおり、やっぱり格差がより開いてしまったという現実をお認めのように、それと、その一方で、再分配機能が一定の働きをまだ持ち得ていないんじゃないかという、今後の課題ではあるということを大臣も認識していらっしゃるというのは大変有り難いことですので、是非今後その面について、特に所得税の負担とそれから消費税のアップによる負担、これ総額をして、これまた計算が結構面倒くさかったりもするかもしれませんが、そのときにやっぱり不公平感ができるだけなくなるようなこれからシステム、仕組みづくりが必要だと思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。 では、続きましては、資料の二、こちらを御覧ください。 インターネットなどで御覧の方々のためにあえて申し上げますと、今年の二月の十三日、日本経済新聞の電子版です。見出しは、生保、節税保険販売停止、国税が課税見直し方針というものです。それを受けまして、いわゆる節税保険、それから来年度以降への課題について御質問いたします。 いわゆるこの新聞の記事にありますように、法人向け、経営者向けのいわゆる節税保険に関しての概要と、それから、金融庁それから国税庁の現時点までの対応についてどうなっているのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(栗田照久君) まず、金融庁の方から申し上げます。 いわゆる節税保険に限りませず、保険商品の保険料につきましては、保険数理に基づいて合理的かつ妥当な水準とすることが法令で求められております。各保険会社においては、その設定を適切に行う必要があるということでございます。金融庁といたしましては、節税の観点というよりも、こうした保険数理等の観点から保険料の妥当性についてモニタリングを行っているところでございます。 昨年、生命保険会社各社に対しまして、法人向け定期保険につきまして、保険料のうち保険会社の事業費に充てられる部分の設定状況を調査いたしましたところ、問題が認められる会社がございましたので、それにつきましては個別に是正を求めたところでございます。 いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、引き続き、法人向け保険の動向を注視し、適切にモニタリングをしてまいりたいというふうに考えてございます。
○政府参考人(並木稔君) 国税庁からもお答えいたします。 いわゆる節税保険に明確な定義があるというふうには考えておりませんけれども、国税庁といたしましても、契約期間中に支払う高額な保険料を全額法人の損金に算入して毎期の税負担を軽減できる一方、中途解約した場合には保険料の大部分が返戻される仕組みの保険商品が節税効果をうたって法人向けに広く販売されていることは承知しているところでございます。 保険商品の支払保険料に関する法人税法上の取扱いにつきましては、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算することとされておりまして、支払保険料の全額を保険期間の経過に応じて損金算入するということを原則としつつも、支払保険料の中に含まれる前払部分の保険料が相当多額である保険商品については支払保険料の一部を損金不算入とすることとして取り扱っているところでございます。また、この取扱いにつきましては、これまでも保険会社の商品設定の多様化等により前払部分の保険料の割合等に変化が見られた場合には、その実態に応じて取扱いの見直しを行ってきたところでございます。 国税庁といたしましては、今回の支払保険料に関する取扱いの見直しにつきましてもこうした観点から検討を行っているところでございまして、本年二月十三日に、関連する取扱いの見直しをする方針であることを生命保険各社に対し伝えた上で、現在販売されている保険商品について関係者の意見等を聞きながらその実態を確認し、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準を踏まえまして適切に対応していくこととしているところでございます。
○古賀之士君 引き続き注視していただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。 私どもからは、議員立法としても今やっておりますが、いわゆる企業さん向けに、従業員さんが保険料をきちんと負担をしていただいた分に関しては、その分は税制について一定の何か優遇措置があってもいいんではないだろうかと。むしろ、そういう形で税の納めやすいといいますか、あるいは優遇措置があるという、前向きに捉えていただく方法を是非御検討いただければと思っております。 それでは、今月ピークでございました確定申告に関しての質問に移らせていただきます。 財務省参考人に伺います。 確定申告の総数に占める電子申告の割合、法人、個人それぞれありますが、それに加えて、大企業の電子申告への対応というのは現時点でどのようになっているのか、教えてください。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 国税庁といたしましては、納税者の利便性向上と税務行政の効率化の観点から、政府全体の電子行政に関する取組方針に沿いまして、電子申告、e—Taxの普及及び定着に取り組んでいるところでございます。その結果、平成二十九年度におけますe—Taxの利用率は、個人の所得税申告につきまして五四・五%、法人税の申告につきまして八〇・〇%との水準となっているところでございます。 また、御指摘のございました大法人の電子申告義務化につきましては、平成三十年度税制改正によりまして、利便性の高い納税環境を整備するとともに、データの円滑な利用を進めることにより、社会全体のコスト削減や企業の生産性向上を図るという観点から、大法人については平成三十二年、二〇二〇年四月一日以後開始する事業年度から法人税等の電子申告が義務化されているところでございます。 この大法人の電子申告義務化の導入に併せまして、国税庁といたしましては、大法人を含む全ての法人が申告データを電子提供するに当たってコストや手間を掛けることなく簡便に申告できるように、例えば財務諸表のデータ形式を柔軟化するなどの環境整備を図るとともに、税理士会や法人会といった関係民間団体とも連携を図りながら、こうした取組内容の積極的な周知、広報に取り組んでいるところでございます。 さらに、電子申告義務化の対象となる大法人に対しましては、個別に説明、勧奨なども実施いたしまして、制度を御理解いただくとともに適切な対応をお願いしているというところでございます。
○古賀之士君 ありがとうございます。現時点で、大法人が平成二十九年度で八〇・〇%ということですね。 そして、さらに、じゃ、伺いますが、平成二十九年度では、今お話がありました、個人は五四・五%ということでございましたが、今後、個人の電子申告、これの移行と、それからあと、大法人以外のいわゆる中小企業の皆さんたちの電子申告の移行、これは見通しや方針というものがありましたら教えてください。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 先ほど法人の申告について申し上げましたのは大規模法人に限ったものではございませんで、法人税全体の申告についての電子化の割合が八〇・〇%、お答え申し上げたところでございます。 今御指摘がございました中小企業、個人の電子申告についてでございますけれども、先ほども申し述べたところでございますけれども、e—Taxの普及は納税者の利便性向上と税務行政の効率化の双方の観点から有効な施策と考えておりますので、国税庁といたしましても、政府全体の方針に沿ってその普及、定着に取り組んでいるところでございます。 このうち、個人の所得税申告につきましては、平成三十年分所得税等の申告から、一部の給与所得者へ限ってということでございますけれども、スマートフォン等の専用画面というものを提供する、あるいはID、パスワードのみでe—Taxの利用を可能とする仕組みを導入しましたほか、法人税申告につきましても、中小法人を含めた全ての法人について、提供いただく情報等のスリム化、データ形式の柔軟化、提出方法の拡充などの措置を順次実施してきているところでございます。 国税庁といたしましては、これらの利便性向上施策について、関係府省庁及び地方税当局を始め税理士会や関係民間団体と連携を図りながら積極的な周知、広報に取り組みますとともに、納税者や税理士の方からのe—Taxに関する御意見を踏まえまして更なる利便性向上にも努めてまいりたいと考えているところでございます。
○古賀之士君 是非よろしくお願いいたします。 今お話がありましたように、いわゆる電子化への促進、それから納付も含めてのキャッシュレスの促進、こういったものも、恐らくお金を使うだけではなく、税金を納める場合でもキャッシュレスというのがもうこれからの時代は当たり前になってくると思います。となると、残っているアナログですね、一部領収書の添付なども年払いの総額でもいいというようなシステムの変更もあったと伺っておりますけれども、恐らく、一枚一枚それをどうやっていくのか、あるいは総額で何とかならないのか、電子化していくまでの過程が実はまだアナログが満載の状態であるのはもう御存じのとおりです。したがって、その辺の簡素化をどうやっていくのかというのも含めて、是非前向きに御検討いただければと思います。 さて、次の質問に移らせていただきます。 いわゆる東証などの日本取引所グループとそれから東京商品取引所との統合の協議というのは現時点でどこまで進んでいるのでしょうか。金融庁並びに経産省、それぞれの参考人に伺います。
○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。 金融・証券分野と商品分野のデリバティブを一か所で行うことができるというこの総合取引所の実現につきましては、現在、その当事者でございます日本取引所グループと東京商品取引所との間で総合取引所の実現に向けて交渉中でございます。 交渉に当たりまして秘密保持契約を締結しておりまして、詳細について私どもからつまびらかに申し上げることを差し控えたいと存じますが、この問題につきましては大変重要な課題であるということで、昨年十一月の規制改革推進会議の答申におきまして、三月末を目途に目指すべき方向性について結論を得べく、金融庁、経済産業省において関係者との協議を行うと、こういうふうにされているところでございまして、金融庁といたしましても、この実現に向けまして、関係者との協議、そしてその促進を促してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○古賀之士君 秘密保持契約があって、なおかつまだ統合の協議が進んでいるという段階で金融担当大臣にお話を伺うのは大変恐縮でございますが、総合取引所としてそれが実現した場合における、先ほどからもお話が出ておりますが、金融所得課税、この金融所得課税について、金融庁さんも頭の中にも当然入っていらっしゃると思いますが、一体課税、それから総合課税、この辺についての見通し、御所見を伺えればと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、金融所得課税の一体化という、これ何のことかよく分からない方も世の中には多いんだと思いますけれども、何のことだか全然分からぬと言われた質問がありましたんですが。 与党の税制改正の中の大綱におきまして、これは、投資をする側が多様ないわゆる金融商品というものを投資しやすい環境というのを整備して、その上で、証券、金融、商品、いろいろあるんですけれども、一括して取り扱う総合取引所の実現に資するという観点から、いわゆるいろんなスキームによって意図的な租税回避行為というものを防止するための実効性のある方策というものの必要性を踏まえて検討するということにこの与党税制改正大綱においてはなされておるところです。 金融庁としては、この総合取引所の議論もよく踏まえながら、金融所得課税というものの一体化について今後の税制改正要望に向けてちょっとしっかりと検討してまいりたいというところが今申し上げられるところだと思います。
○古賀之士君 せっかく取引所が二つ一緒になって統合するということですので、それぞれの税制もよければある意味一体化をして、そして、それぞれが、また逆に言うと優遇できるところは優遇し、納めていただけるところは納めていただくというような視点はとても大事だと思いますので、是非その辺をよろしくお願いいたします。 では、金融庁の参考人に伺います。 いよいよ四月、ゴールデンウイーク突入となると、今回は十連休と言われております。この十連休は、本当に事前にATMなどに行ってある程度、まあキャッシュレスの方はもういいんでしょうけれども、カード決済で全部賄える方はいいんでしょうけれども、ある程度のやはり現金を持っておかないと、十連休、あれっ、滞ってしまったということも起こり得ると思います。この連休中の中での現金の出し入れはもちろんなんですが、気になるのはマーケットの動きです。 その十連休中の株式及び先物取引、こういったものの状況をどのように今現時点で感じていらっしゃるのか、それから、この取引において担当省庁から注意喚起などがありましたらお願いをいたします。
○政府参考人(三井秀範君) お答えを申し上げます。 国民の祝日に関する法律の改正をいただきまして、取引所も十連休になるということを公表してございます。このため、この十連休中におきましては、日本株について取引が行われないということになります。このため、市場に不測の影響が生じることがないように、取引所及び証券会社は広く投資家へ十連休となることの周知を行うこと、証券会社は投資家からの照会に対して投資目的を踏まえて丁寧にこの間の対応について相談に応じること、取引所及び証券会社は、連休明けに取引が集中されるということが予想されますので、こうしたことにシステムリスクがあるかどうかしっかり点検を行うこと、取引所は市場において不公正取引が行われないように証券取引等監視委員会とも連携いたしまして連休前後の売買監視を徹底して行うと、こうした対応を金融庁としても関係各方面に求めているところでございます。 過去に例のない長期の連休となることを踏まえまして、金融庁といたしましても、取引所及び証券会社とも連携しながら万全の対応を行ってまいりたいと、こういうふうに考えてございます。
○古賀之士君 ありがとうございました。 もう皆様この委員会の専門でしょうから言わずもがなでございますが、年明け、休み明けにいきなり為替も円高に一時期ぱんと振れる時期もありましたし、また今お話にありましたように、連休中はもちろんなんですが、連休明け、マーケットが開いたときにきちんとやはりシステムがうまく作動してくれるのかという一抹の不安がないわけではありません。そういった部分も踏まえて、しっかりとシステム対応、それから円滑な取引に向けて、引き続き注意喚起、よろしくお願いをいたします。 さて次は、私ども国民民主党、「つくろう、新しい答え。」に基づく税制に関して幾つか御質問させていただきます。先ほども風間理事からの質問がありましたが、よりちょっと深掘りをさせていただく形でお尋ねをいたします。 NISAと、それからあとNISAによる優遇措置と、それから先ほどから話題になっております金融所得課税の強化というのも、ある意味バランスをうまく取っていくということも必要じゃないかとは思っておりますが、まず、NISA及びつみたてNISAに関しまして、例えば、今は期間限定ですけれども恒久化していくとか、あるいは延長していくとか、あるいは金額の拡充を考えているとか、こういうことは今検討に上っているのでしょうか、お尋ねします。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、古賀先生御存じのように、約一千八百とか一千八百五十兆円と言われます個人金融資産というものの、いわゆる家計にあります金融資産のうち、過半が先ほど申し上げましたように現預金で、約九百五、六十、もっとかもしれません、九百七、八十兆、多分現預金ということになっておるという状況なんですが、やっぱり家計の中において安定的な資産形成というのを今後とも継続、進めていく上で、やっぱり長期で安定して積立て、分散投資といったようなものを促していくことがこれは大事なんではないかというように基本的に考えております。 お尋ねのNISAやつみたてNISAにつきましては、それぞれ今言われましたように期限を区切って、いわゆる貯蓄という、現預金等々の貯蓄から投資という形に動きを後押しするために創設された制度なんですが、特につみたてNISAにつきましては、小さな額からの積立てで長期投資というようなことを若いうちからというようなことを考えて、投資家の裾野を拡大させていくという考え方に基づきましてこの普及に目下取り組んでいるところなんですが、この二制度の今後の在り方につきましては、平成三十一年度の与党税制改正大綱の中におきましても、今後、政策目的や制度の利用状況を踏まえ、望ましい在り方を検討するというようにされておるところであります。 したがいまして、政府としても、これ与党における御議論を踏まえて、真に老後の生活というようなことに向けて安定的な資産形成を支援する仕組みとして、その観点に立って私どもとしては今後検討を更に進めていかねばならぬところだと思っております。
○古賀之士君 私、間もなく六十になるんですけれども、幼い頃に、いわゆる貯蓄に関してはマル優という言葉を覚えております。当時の物価の関係からすると、たしか一番多いときで、済みません、小さいときでしたから記憶をたどりですけど、たしか三百万円ぐらいまでがマル優枠、いわゆる非課税限度額だったと記憶をしております。 そういった、当時は貯金を何とか、今大臣がおっしゃったように貯蓄から投資へという意味からいくと、マル優の記憶のある世代からすると、もう少しNISAの枠、こういったものが広がってもいいのじゃないだろうか、そういう思いもあって御質問をさせていただきました。 それともう一点、済みません、今大臣の御答弁を受けて、通告なしで伺うのは大変失礼かもしれませんが、もう一点は、iDeCo、確定拠出年金、これもやはり一種の金融商品を購入して将来に備えるというものです。 このiDeCoに関して、皆さんはそれぞれの職種などに応じて数千円、一万円前後ぐらいから、それから自営の方だと一気に上がって月六万八千円ぐらいですかね、それぐらいまで。ただ、一般的なサラリーマン、給与所得者の方々は恐らく二万円前後だと思います。こういったiDeCoの枠も、先ほどおっしゃった貯蓄から投資へという視点、それから金融リテラシーという側面も含めると、もう少し月々の枠を増やしてもいいのではないかと今思ったりするんですが、その辺について、財務大臣は御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これ意見の分かれるところなんだと思いますけれども、例えば二十年をずっとやっていくと、十九年、十八年、十七年ということになっていきますので、それに入ったその年からずっと二十年にしろとか、一回のがもっと大きくしろとか、これはいろいろ意見のありますのはもう私どもよく伺っているところなんで、これちょっとこれからの検討課題なんで、今のこの段階でそういう方向で検討しておりますと申し上げるような段階にあるわけではございません。
○古賀之士君 分かりました。 私も勉強させてもちろんいただきますが、逆に言うと、iDeCoの月々のその支払額というのが、一体何を根拠にと思ったりするんですね。なぜこの職種の方たちは一万円だとか一万五千円で、この別の方の職種が何で二万円なのかと、私もちょっとよく分からないんです。自営の方が、今お話しいただいた六万八千円でしょうか、この辺は、自営の方々に関してはそういうだけの枠が広げて設けられている理由は何となく分からぬではないですけれども、その根拠ということになるとちょっと私も明確じゃないところもありますので、また勉強させていただきますし、また、このNISAとそれからiDeCo、金融に関しての様々な、言ってみれば昔でいうマル優、今はやはりNISAだiDeCoだという形に時代を変遷していくならば、少しずつでも拡充していく道というのはあってもいいんじゃないかということを御提案させていただきます。 では、先ほどからお話しになっておりますもう一つの金融所得課税の強化についてお話を一つ伺います。 先ほど財務大臣からは、金融所得課税については丁寧な検討が必要だというお話をいただきました。今、先ほど風間理事からもお話がありました、配当やそれから株式譲渡益二五%という、二〇%から二五%というお話もありました。その一方で、年金をもらっている方、あるいは年金所得者で、これをもう一部生活に充てていらっしゃる方やあるいは小遣いにされていらっしゃる方、こういったお話もありました。 もちろん、今お話伺うのは、それこそ配当所得が数万円とか数千円という方々の話ではなく、そういった方々から更に搾取をするというのではなく、例えば配当所得だけでも相当高額、誰が見ても、例えば億の単位で配当所得をもらっていらっしゃる方、そういった方々に対しては、金融所得に関してもう少し納税の割合を増やしていただけないか。ということは、逆に言うと先ほどのiDeCo、それからNISA、こういったものの拡充の一方で、今申し上げたようないわゆる高配当、高額配当、まあ超高額配当と言っていいと思うんですが、そういった方々に対してはもう少し納税をお願いできないだろうかという考え方についてはどうお思いでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 金融所得課税の話につきましては先ほども御質問があっておりましたけれども、御存じのように、平成の二十六年からそれまでのものを一〇から二〇に引き上げさせていただいたという経緯なんですけれども、これによって所得再配分機能の回復、一定の回復というものはあったのではないかというふうに考えておるところなんですけれども、いずれにしても、金融所得課税の在り方については、三十一年度与党税制改正大綱の中におきましても、今後、家計の安定的な資産形成を支援するという点とともに、税負担の垂直的な公平性を確保するという観点から検討をしようということになっておりますので、これ今後の検討課題なんだと思いますが、今言われましたように、その額を一億にするのか幾らにするのかと、これなかなか線引きも含めて、これなかなか難しいところだとは思いますけれども、総合的によく検討していかにゃならぬ課題の一つだと思っております。
○古賀之士君 時間もなくなってまいりましたので、シンプルにお答えできる質問に、一つ、じゃ、通告の質問飛ばさせていただいて、行きます。 ボランティア活動における税控除についてお尋ねをいたします。 災害が、毎年のように大災害が発生しているこの昨今で、ボランティアの皆さんたちの奮闘ぶりというのは本当に頭が下がる思いですが、こういった方々の活動の例えば交通費、宿泊費、それから装備など必要経費に関して、自己負担に対してのその税控除について何か御所見がありましたらお話し願えないでしょうか。
○副大臣(鈴木馨祐君) 先生御指摘のボランティアの方々、大変行政とも連携して災害等においても大変大事な役割を果たしていただいていると思っております。 御指摘の控除制度ということでありますけれども、必要性等について、これ所管をする内閣府ともこれは相談をして、必要があるかどうか、この検討をしていく必要があると思いますけれども、一つ、そもそも、やはりボランティアということでありますから、政府として財政的な支援というものをするのが果たしてふさわしいのかといった論点はあろうかと思いますし、あるいは税制という手段が果たして効果的なのか、あるいは例えば経費といったときにどこまでの範囲を対象とするのか等々、様々なこれは論点というものもあると思います。それを公正性も含めてきちんと把握をどうしていくのかということも詰めていかなくてはいけないことであろうと思いますので、そういった趣旨のことを考えれば慎重な検討が必要かというふうに考えております。
○古賀之士君 時間が参りますので終わらせていただきますが、あくまでも、例えば二次災害に巻き込まれたときに事前にボランティア保険に入っておく、そういったものは当然税控除の対象になってしかるべきでございまして、なっていると思いますけれども、そういった部分での最低必要なものだけでもまずは検討いただいて、前向きに御検討いただければと思います。 時間が参りましたので、質問を終わります。
○中山恭子君 日本維新の会・希望の党の中山恭子でございます。 まず、今日は所有者不明の土地について質問いたします。 現在、所有者不明の土地が増加しています。二〇一六年時点で四百十万ヘクタールになったとの報告がございます。これは九州本島の土地面積を上回る水準と聞いております。この中には放置すれば災害につながる土地も多くあるとのことで、その対策が急がれます。また、当然、空き家も増加しています。平成三十年一月十九日には所有者不明土地等対策のための関係閣僚会議が開催されたとのことですが、これらの問題は決して民間で解決できる問題ではなく、放置すれば国土が荒廃するなど、国として制度の変更も含めて早急に対応しなければならない問題と考えています。 関係省庁にまたがる問題でございますが、まず国交省に伺います。 二〇一九年二月二十七日、今年の二月二十七日に国土審議会の取りまとめが発表されたと聞いています。所有者不明の土地について、また空き家についてどのような対応を取っているのか、御説明ください。
○政府参考人(坂根工博君) お答えいたします。 今委員の方からお話がございました所有者不明土地問題に関しましては、まず、経済財政の運営と改革の基本方針二〇一七がございますが、これを踏まえまして、昨年六月に所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法を国会で制定をしていただきました。この法律では、所有者不明土地について、公共事業における収用手続の合理化、ポケットパークの整備など地域の福祉あるいは利便の増進に資する事業のために利用権を設定する制度の創設、そして所有者探索の合理化などの措置を講じており、本年六月の全面施行に向けて取組を進めているところでございます。 また、お話がございました残された課題ですけれども、所有者不明土地の発生抑制や解消につきましては、関係閣僚会議において決定した基本方針に基づき、政府一体となって取組を進めております。 その一環といたしまして、国土交通省では、人口減少社会に対応した土地の利用や管理のために必要な措置の方向性や、所有者不明の場合等も含め、地籍調査の円滑化、迅速化のための必要な措置の方向性について、本年二月、国土審議会で取りまとめ、公表をいたしました。 今後更に検討を深めまして、二〇二〇年までに土地基本法あるいは国土調査法等の改正を実現していきたいというふうに考えているところでございます。
○大臣政務官(田中英之君) お答えいたします。 国土交通省としての空き家対策の取組についてお答えしたいと思います。 我が国が本格的な少子高齢化、人口減少を迎える中、空き家については今後も更なる増加が見込まれております。地域の実情に応じて活用できるものは活用し、除却すべきものは除却することが重要であります。 このため、空き家を利活用する取組として、インスペクションの活用や、消費者が安心して購入できる物件に対し商標付与を行う安心R住宅制度、民間の空き家等を活用する住宅セーフティーネット制度、用途変更の円滑化による住宅以外の用途としての活用を促進しているところであります。 また、空き家等対策の推進に関する特別措置法等の活用により、地方公共団体が行う空き家の除却、活用等の取組に対する支援や、空き家の除却、市場への流通を図るための税制措置等を行っております。 さらに、今般、空き家対策の取組を強化するため、被相続人が相続開始直前に老人ホーム等に入居した場合を一定の要件の下で税制特例の適用対象に追加する、また、特に密集市街地の整備改善が必要な地区のうち条例などにより防火規制が行われている地区において、二〇二〇年度末までに限り空き家の除却費を全額公費負担を行うなど、予算、税制面での新たな取組を講じることとしております。 こうした取組を通じて、引き続き空き家対策に積極的に取り組んでまいりたいと思います。 以上でございます。
○中山恭子君 非常に活発に活動されている様子を伺いまして、是非、二〇二〇年まででしょうか、両方とも、きちんとした対応をしていただきたいと思っております。 所有者不明の土地は管理がされないことが多く、土地が荒廃し、景観上も良くありませんし、不法投棄の場になったり、不法に使用され不法占拠されることもあり得ます。国土については国が最終的に責任を負うものと考えております。是非、安全で美しい国土保全のために、土地の利用や管理について、また空き家対策について、これからもしっかりと進めていただきたいと思っております。 空き家の問題で、総務省の資料では、今八百二十万戸、そのうち、その他空き家の数が三百十八万戸に増加したと報告されています。この空き家の増加に対し、総務省の方ではどのような対応をしていらっしゃるのでしょうか。 済みません、今国交省さんの方でも空き家の問題、きちんとお答えいただきましたので、では、総務省さんの方も頑張ってくれているはずだ、地方公共団体との関係もありますので、頑張ってくれているものと考えております。 さらに、法務省に伺います。 二〇一九年三月十九日、今日ですが、法制審議会に対して諮問がされると伺っています。所有者不明の土地の増加に法務省としてどのように対応しようとしていらっしゃるのでしょうか。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。 いわゆる所有者不明土地は、民間の土地取引や公共事業の用地取得、森林の管理など、様々な場面で問題となっており、その対策は政府全体として取り組むべき重要な課題であると認識しております。 法務省では、平成二十九年十月から、登記制度・土地所有権の在り方等に関する研究会におきまして、所有者不明土地の発生を予防するとともに、これを円滑かつ適正に利用することができるようにする観点から、民事基本法制の見直しについて検討を行ってまいりました。そして、本年二月十四日に開催されました法制審議会総会におきまして、この研究会の検討状況も踏まえて、法務大臣から民法及び不動産登記法の改正に関する諮問がされたところでございます。 この諮問について検討するために新たに設置されました民法・不動産登記法部会の第一回会議が、ただいま御指摘ありましたように、本日、ちょうどただいま開催されているところでございます。この諮問におきましては、検討すべき事項の一つとして、所有者不明土地の発生を予防する観点から、相続登記の申請を土地所有者に義務付けること等を挙げて、調査審議を求めております。 今後は、先ほど御紹介いたしました法制審議会の民法・不動産登記法部会におきまして、所有者不明土地問題の解決に向けて充実した審議が行われるよう、私どもとしても努めてまいりたいと考えております。
○中山恭子君 私自身、法務省のこのいろんな幾つもの変更に関して、ある意味ではちょっとびっくりするほどでございました。法務省の方々が、例えば誰かが死亡したというようなことというのは普通は分からないわけですけれども、土地の所有者が亡くなったりというようなときに、地方自治体ですとか他の省庁と連絡を取っていただければ、所有者不明の土地の増加を抑えられることになると期待しております。 各省庁さんでいろいろ動きが出てきておりまして、この問題、非常に重要な課題、政策課題の非常に重要なポイントであると私自身は考えております。 この委員会で、平成二十八年十一月十七日に財務省に対して、危険な土地などの寄附を受け付けて国有財産として管理してはどうかという質問をいたしました。答えは、当然ながら、国有財産法に従い、行政目的で使用する予定のない土地等の寄附については、維持管理コストが増大する可能性が考えられるためこれを受け入れていないとのお答えでございました。ただ、麻生大臣から、財産的価値のない不動産のみを国に寄附されるとモラルハザードの問題があるし、維持管理のコストが増大するので慎重に考えるところだが、お金の話と国土強靱化といった行政目的の両方の話であるので、全部ノーと言うわけではないというお答えがありました。検討するところは多かろうとのことでございました。 その後、昨年一月十九日には、所有者不明の土地に係る諸問題について対策を推進するため関係閣僚会議が設置され、関係省庁がそれぞれ検討し、いろいろな重要な対策を今打ち出してくれています。 三月十三日の、今年の、日経新聞に、不要な土地、建物、国に寄附との記事が載っていました。所有者不明の土地や不要な土地、建物に財務省としてどのように対応するおつもりなのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。 ただいま国土交通省、法務省から御答弁がございましたように、我が国が本格的な少子高齢化、人口減少を迎える中で、所有者不明土地の対応に関しましては、政府一体となって総合的に対応するため、ただいま委員が御指摘になられましたように、関係閣僚会議が設けられたところでございます。 この関係閣僚会議の下で、国土交通省、法務省などにおきまして土地所有者の責務や土地所有権の放棄などの検討が進められており、財務省も国有財産の管理処分を担当する立場からメンバーとして検討に参加をいたしております。 今委員から御指摘がございましたように、基本的には、不動産の所有者は所有する不動産を適切に管理する必要があると考えられ、国への寄附につきましては、従来、いざというときには国に寄附すればよいと考えてかえって不動産の適切な管理が行われなくなるというモラルハザードが生じるということですとか、あるいは、財産的価値が乏しい不動産が大量に寄附されますと不動産の維持管理コストが増大するのではないかといった懸念がありますため、現時点までは行政目的で使用する予定のない不動産の寄附は受け付けていないところでございます。 しかしながら、所有者不明土地への対応について政府一体となって検討を進める中で、財務省におきましても、平成二十九年十二月に、最近の国有財産行政をめぐる状況を踏まえた今後の国有財産の管理処分の在り方について、財政制度等審議会国有財産分科会に諮問をしたところでございます。 所有者不明土地の発生の未然防止策として不動産の寄附を国が受けることも含めまして、国有財政行政としてどのような対応が可能か、検討を進めてまいりたいと考えております。
○中山恭子君 新しい動きが出てきているようで、大変うれしいことだと思っております。 私自身の経験で恐縮でございますが、もう古い、一九九一年、国有地、普通財産を担当いたしました。当時、国有地についての印象を地域の、各地の人に聞きましたら、その中の多くの答えが鉄条網という答えでございました。さらに、ある草ぼうぼうの国有地の崩れかけた廃屋に死体が放置されることがありました。非常に残念な思いがございまして、土地の所有者は、今お答えがありましたように、その土地を管理すること、これは根本の理念ですけれども、未利用の国有地、国有財産、普通財産は処分する対象の財産と考えられ、これらの普通財産を管理するとの考え方はありませんでした。 ただ、普通財産、未利用国有地は処分するものとはいっても、そこに時間軸を入れないといけないと考えておりました。一九九一年当時、普通財産はその多くを子供公園としての需要に充てましたが、でも、その当時、あと十年、二十年もしたら、子供のためより高齢者のための施設や公園としての需要が強くなると予測できました。当時、未利用国有地の利用には時間軸を入れて考えること、つまり管理が必要でありますと主張して普通財産のための管理予算を要求しましたが、当然のこととして付きませんでした。ではと、国有グループが考えましたのは、都心の土地を駐車場として、民間を圧迫しないよう配慮しながら駐車場として利用し、その上がりを全国の国有地の管理費に充てるということでございました。 財務省の御説明、今伺って、随分と良い対応をしてきてくださっていると思っておりますが、その周辺環境や社会的メリットのある土地などについて管理をするということは意味のあることだと考えております。町にとってマイナスとなる土地、空き地や空き家、廃屋の寄附を受け付けて国が適切に維持管理をすれば、地域の人々に喜んでもらえます。用途は、それぞれ災害時のための用地として保有してもいいでしょうし、子供の預かり場、高齢者のたまり場、私は花畑であってもよいと思っています。また、危険が目に見えている崖地や個人では手の付けられないきずものの物件こそ、国土強靱化の観点から国が積極的に受け入れ、国が管理するシステムがあってよいのではないかと考えています。 放置されている危険な土地が安全な崖地に変わるとか、空き地や空き家が町の憩いの場に変わるなど、有効活用のために維持管理コストを掛ける価値があると思っております。財務局の持っている能力をもっと有効に活用し、地域の人々が安心して住める町づくりに貢献してほしいと考えております。麻生大臣の御感触、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは先生、寄附の話ですけれども、これは、人口減少がどんどん進んでいっている中なので、今よく話題になっております所有者不明の土地とか、私の山のところのなんてもう全然、どこのだったか全然分からぬというのはもう幾つもあるのはもう事実なので、そういったものに対して、不動産に関します話題というか課題は結構、これは都会でも結構そういうのは起きておるそうなので、政府一体として検討を進めているところなんですが、これに関する話で、一昨年でしたか、十二月に、最近の国有財産行政をめぐる状況を踏まえた今後の国有財産の管理処分の在り方についてというのを財政制度審議会の国有財産部会でこれ諮問をしたところなんですが、所有者不明の土地の発生の未然防止の策として不動産の寄附というものを国が受けるということも含めまして、国有財産行政としてどのような対応が可能かというのに関しまして、これは検討をする必要があるのではないかと考えております。
○中山恭子君 是非、それぞれの地域が喜ぶ話でございますし、国土という非常に、今少しお話がありましたが、日本では海外の方々が国の土地を買うということに何にも制限がございません。法律もないわけでございまして、そういったことも含めて、これから国土をどうしていくのか御検討をいただきたいと思っておりますが、今のお話を伺いながら、以前に比べて随分と国の、人口減少ということもありますけれども、空き地、空き家を放置せずに、幾つもの省に関わりますけれども、それから地方公共団体にも関わりますけれども、連携を密にして国土保全に努めていただきたいと考えております。 次の問題に移ります。 貧富の格差について、格差是正の問題について質問いたします。 今日の委員会でも多くの委員から格差是正の問題、取り上げられております。現在、中流階級という言葉はほとんど使われませんし、中流階級が崩壊してしまいました。ワーキングプア、子供の貧困、地方経済の疲弊等といった暗い部分が社会の表面に出てきています。ある学者さんの発言では、将来、貧困層、低所得層が爆発するような動きがあるというような言葉も聞こえてまいります。 子供の六人に一人が貧困といった残念な状況、このような社会は決して良い社会ではありません。政府の経済情勢の見方、私自身でも絵空事のように聞こえることがございます。今、日本にとって格差是正の問題は、すさんだ社会に向かうことを防ぐためにも、国の政策として手を打たねばならない事案、重要な政策課題であると考えています。 格差是正の問題、社会保障問題や移民受入れ問題など各種の政策に絡む問題ですが、やはり最も深く関係するのは所得税制であると考えています。ただ、この問題は、今日それぞれの委員の方から所得税の問題、それから金融所得の課税強化の問題等質疑がありましたので、今回は質疑を控えておこうと思っておりますが、今日お手元に配付しております資料、二枚配付してありますけれども、そのうちの最初の資料が申告納税者の所得税負担率でございます。この一番上の文章でも、高所得者層ほど所得に占める株式等の譲渡所得の割合が高いことや、金融所得の多くは分離課税の対象になっていること等により、高所得者層で所得税の負担率は低下という文言が記されております。 財務省として、この説明でも分かりますとおり、所得配分機能が足りていないということを認識していらっしゃるのであろうと思っております。どうぞこれから金融所得課税の強化や一億円以上の所得者への総合課税の導入など、検討していただけたらと思っております。今日はお願いでとどめておきます。 さらにもう一枚、昨年の三月二十三日にも質問いたしまして、グラフを一枚配付しました。今年も、昨年四月に作られた個人所得課税、社会保険料及び消費税を含めた実効負担率のグラフをお手元に配付してあります。 このグラフを見て、まず、この黄色の部分、消費税、そして薄青い部分、社会保険料、この二つの部分が三百万以下の所得、低所得者の方々に掛かっている、この負担の大きさに驚きます。もちろん、この社会保険料の中には年金も含まれているということではございますが、それにしても大変大きな負担が掛かる。所得税も個人住民税もほとんど掛かっていないのに消費税と社会保険料は払わなければならないというのはいかにも悲しい状態であると考えています。 所得税や住民税の課税対象者ではないこの一番左側の部分ですけれども、これで二百万円の所得の人々に掛かる費用は、実効負担率ですけれども、二〇%ということになっています。計算していただきましたところ、給与収入二百万円の場合、社会保険料が三十万円、消費税が十万円、合計四十万円の負担が課されているということでございます。手元に百六十万円しか残りませんし、そのうち、消費税が八%掛かっているとすると、百二十万円ほどが全て使われている、消費税対象になるという計算になろうかと思います。 政策全体として所得再分配の機能が図られていないということがこの点でも、所得税の問題だけではなくて、明らかにあると考えており、これが格差拡大や貧困問題の主な要因であると言えると思っています。 このような状況を是正するために、諸外国でも導入されていますが、給付付き税額控除を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 給付付き税額控除についてのお尋ねでございます。 この給付付き税額控除、軽減税率制度とともに、消費税率引上げに伴う低所得者への配慮の観点から検討課題の一つとされていたものでございます。 給付付き税額控除につきましては、所得が低い方に焦点を絞った支援ができるといった利点はあるわけでございますけれども、消費税そのものの負担が直接軽減されるものではなく、消費者にとって痛税感の緩和の実感につながらないという問題、それから所得や資産の把握が難しいといった問題などがあるものと承知をしております。 一方で、軽減税率制度につきましては、ほぼ全ての人が毎日購入している飲食料品等の税率を八%に据え置くことにより、買物の都度感じる痛税感の緩和を、軽減できる、それから、低所得者ほど収入に占める所得税負担の割合が高いといういわゆる消費税の逆進性を緩和できるという利点があり、低所得者への配慮として軽減税率制度を実施するということにしたわけでございます。 したがいまして、給付付き税額控除は、消費税率引上げに伴う低所得者対策として実施するということは考えていないということでございます。
○中山恭子君 今は考えていないというお答えでございますけれども、消費税の軽減税率を導入すること、一理あるようには思いますが、格差是正という問題にとっては全くと言っていいほど役に立たないと断言できると考えています。軽減税率によって恩恵を受けるのはやはり高所得者と新聞社だけであることを正視すべきであると思っております。 給付付き税額控除についてはなかなか検討していただけないかと思いますが、この八%の消費税、一〇%に上げるということは論外だと思っておりますが、この八%の消費税でも低所得の人々にとっては大きな負担になっています。 今、マイナンバーカードが普及されてきておりまして、マイナンバーカードが制度化され、保険証代わりに使われるということも提案されています。 私事でまた恐縮ですが、一九七五年から七八年までIMF勤務で米国ワシントンDCで生活しました。もう四十年も前のことですが、米国では当時ソーシャル・セキュリティー・ナンバーが普及しておりまして、国際機関の職員でも、私もソーシャル・セキュリティー・ナンバーを持っておりました。銀行口座を開設するとき、又は店舗で、どの店舗でもですが、買物をするときなど、あらゆる機会にこのカードの提示が求められました。 もう一つちょっと余談ですけど、マイナンバーカードという名前を変えてもらえないだろうかという思いもしております、もう少し何というか、保障カードとか安心カードとか。持っていて、何かマイナンバーって全部見詰められているような気がしますので、名前も変えていただきたいんですけれども。 いずれにしても、このマイナンバーカードを利用してできることがたくさんございます。日本でできないはずはないと思うのですが、マイナンバーによって所得を把握して、特に低所得の人々については年間一定金額まで、前年の所得を基準にして年間一定金額までの消費税は非課税とする、その限度額、消費税の非課税となる限度額をこのマイナンバーカードに打ち込んで入力しておいてもらえれば、買物の都度、マイナンバーカードを提示して消費税を払わなくてもよい制度というのがあり得ると考えておりまして、といいましょうか、こういった制度を構築してみてはいかがかと考えています。 この場合ですと、一々税務署に還付を申告して還付を受けるのではなくて、マイナンバーを使って、カードを提示すれば非課税措置を得ることができる。是非検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 まず、消費税につきましては、消費に一般に広く公平に負担を求める税でございまして、そうした消費税の基本的な性格に鑑みますと、特定の者に配慮した特例を設けるということにはなかなかなじみにくいというのが基本論としてあるかと思います。 仮に、今委員御指摘されたような、低所得者に対して消費税を免税で販売する、その際にマイナンバーカードを提示するといったような仮に特例を設けるとしますと、事業者サイドから見ますと、販売の際に相手がその特例を受けることができる人かどうかということをその都度正確に確認をする必要がございますし、また、特例に係る売上げについて通常の売上げと区別して管理することなどの対応が求められます。したがって、非常に事務が煩雑になるという難しい面があると思います。 また、特例の対象者の判定に当たりましても、現状のマイナンバー制度の下では、例えば海外で得た所得ですとか分離課税、源泉分離になっている利子所得などについて正確な把握が困難であるだけではなくて、課税最低限以下の所得の方々については例えば申告義務がないので正確な把握ができないといったこともありまして、適正執行の確保という観点からもいろいろ課題があるのではないかと考えます。
○中山恭子君 確かに低所得者の方々の額を把握するということは至難の業かもしれませんが、でも、マイナンバーを普及させるということであればある一定額以下の所得の人々について把握することも可能のはずでございまして、しかも、その消費税の額も一定額を決めておけば何らかの対応ができるのではないかと思いますが、優秀な頭脳の方々のお集まりですので、是非工夫していただきたいと思っております。 もちろん、この格差是正の問題は税制だけで解決できる問題ではないこと、よく分かっております。特に、社会保障制度の見直しは必須だと考えております。速やかに検討していただけると聞いておりますが、この問題は、内閣官房だけでなく、予算を担当する麻生副総理が中核となって財務省のノウハウや精鋭たちも使って進めなければ社会保障問題の改善はできるものとは思っておりません。 麻生副総理の下で、今の所得税の問題もありますが、社会保障制度の在り方についても根本から見直していただけたらと、その時期に来ていると考えますが、副総理としていかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、中山先生ずっと言っておられますとおり、格差が固定しないというような、許容し得ないような格差というものが生じない社会を構築していくというのはこれは物すごく大事なことなので、そのためには社会保障というものの充実を図って、社会保障制度の安定的な財源の確保という理念の下で社会保障と税の一体改革というのは大体始まったんだと、そう思っております。 こうした一体改革による消費税の引上げによる増収分などを活用していわゆる全世代型の社会保障制度に大きく転換を目指すという点と、格差是正という観点から、これまで低所得者の医療、介護等々の保険料というものやら、また負担の軽減や年金の給付というものを二十五年から十年というような形に短縮などを行ってきたほか、今回の一〇%への引上げに当たりましても、年金生活者支援給付金というのを年額六万で月額五千円というような支給等の措置を講じることとしておりますし、さらに、生活保護世帯に関する支援としては、平成三十年から大学等に関する際の一時金の支給等を開始させていただいておりますし、平成三十一年度から生活保護世帯を始めとする生活困窮世帯の子供に対する学習支援事業を拡大して、生活習慣とか育成環境の改善のための取組や進路選択等々に関する支援も併せて行うこととするなど、格差の固定化を防止するという取組を行わさせてきていただいているところであります。 また、今言われましたように、税制につきましても、これまで安倍政権として、再分配機能の回復を図るために、先ほども古賀先生等々から御議論のありましたいわゆる金融所得課税の見直しのほか、いわゆる所得税及び相続税の最高税率というのを五五に引き上げておりますし、また所得税の基礎控除の見直しも行わさせていただいたなど取組を進めてきたところなんで、これまでの取組の効果をちょっと見極める必要があろうかとは思いますけれども、経済社会の情勢の変化というのを十分に踏まえながら、いわゆる格差が固定しないような社会保障制度また税制というものの構築に向けていろいろこれからやっていかねばならぬことはいっぱいあろうかというような感じがいたしております。
○中山恭子君 ありがとうございました。貴重な御答弁ありがとうございます。 この配付しました実効負担率のグラフはずっと頭に残っておりまして、何とかできないものだろうかと考えております。麻生副総理に期待しておりますので、是非引っ張っていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ─────────────
○委員長(中西健治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、杉久武君が委員を辞任され、その補欠として竹谷とし子君が選任されました。 ─────────────
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。 まず、平成三十一年度所得税法等改正案につきまして賛成をいたします。その上で、国税に関連する事項を質問させていただきます。 国税滞納事業者の経営改善に向けての国の支援策に関して伺いたいと思います。 年末また年度末になりますと、資金繰りに悩む経営者のお声が増えるように感じております。景気が良くなってきたとはいっても、過去の累積している債務を引きずっていたり、また、事業判断の失敗などから、金融機関への支払に加えて税や保険料の滞納で苦しんでいる経営者の方々がいます。 一方で、平成二十六年度の税制改正で行われました納税の猶予、換価の猶予制度で助かったというお声があります。税務署の窓口で丁寧に相談に乗っていただき今後の見通しが立ったという声も直接伺いました。 事業者が経営破綻せずに事業を再建する時間を確保するため、この制度は非常に重要だと考えますが、制度の概要及び制度ができた平成二十六年度以降の利用件数及び推移を国税庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 平成二十六年に行われました猶予制度の改正につきましては、納税者の負担の軽減を図るとともに、早期かつ的確な納税の履行を確保する観点から行われたものでございます。 具体的には、事業継続、生活維持困難といった状態にある納税者について、納税に誠実な意思があれば、納税者自らが換価の猶予の適用を申請することができるとされましたほか、猶予の際に担保を必要とする場合の基準となる滞納額の引上げ、分割納付の規定の整備や申請・添付書類の整備などが行われたところでございます。 その結果といたしまして、猶予制度の見直し以降に納税の猶予及び換価の猶予を適用した件数の合計につきまして申し上げますと、二十六事務年度は約一万九千件、二十七事務年度は約四万八千件、二十八事務年度は約五万八千件、二十九事務年度は約六万五千件といった状況、推移となっているところでございます。 引き続き、見直しの趣旨を踏まえまして、国税庁ホームページ等による広報に加えまして、関係省庁や税理士会、青色申告会などの団体に広報を依頼するなど広報、周知に努めるとともに、猶予制度を適切に適用してまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 大変重要な制度ですので、引き続き周知等丁寧な対応をお願いしたいと思います。 また、直近の所得税、法人税、消費税の滞納件数について国税庁に伺います。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 平成二十九年度末におけます源泉所得税、申告所得税、法人税及び消費税の整理中の滞納件数、滞納残高を申し上げますと、源泉所得税は四十二万九千件、申告所得税は百二万六千件、法人税は九万三千件、消費税は百二万九千件という状況でございます。
○竹谷とし子君 国税の滞納につきましては国税庁のホームページにも出ておりますけれども、推移を見ますと、全体的な件数というのは減少傾向にあるのかなというふうに見ております。一方で、先ほどの納税猶予等の適用状況については上がってきているということで、これは周知が進んできている状況ではないかというふうに思っております。 一方で、国税の滞納件数が数百万件という数に及ぶわけでありますが、その中には適切な支援と時間があればきちんと返していっていただける事業者もいると思います。 経営者の方の相談に乗って事業を再生するための国の制度として中小企業再生支援協議会がありますが、これに助けられて事業と雇用が存続できたという事業者がいます。この利用件数はどうなっていますでしょうか、中小企業庁に伺います。
○政府参考人(前田泰宏君) お答え申し上げます。 この制度は、平成十五年度から支援を開始しております。平成の三十年十二月末までの累計で一万三千六百八十二件、再生計画の策定支援を行った件数でございます。直近で申し上げますと、平成二十九年度では一千四十二件という利用実態でございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 平成二十九年度でも一千件を超える計画の策定が行われて、その中には金融機関の支援等を行って再生に結び付いているものがあるということであると理解をしておりますけれども、この中小企業再生支援協議会による支援、さらには、小規模な事業者の方々にとってはよろず支援拠点というものも現在非常に役立っているというふうに私も視察をさせていただいて確認をさせていただいているところでございますが、やはり助かっている事業者、またそこで働く方々というのがいるなというのが実感でございます。 特に困っている事業者には周知が図られるべきであると思いますが、現場へ行きますと初めて聞いたということが、再生支援協議会もよろず支援拠点についても非常に多いと感じているところでございます。一生懸命に働いている事業者の方々の経営改善のために、税務署の窓口でこの中小企業再生支援協議会やよろず支援拠点等の窓口に積極的につなげていっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。まずは国税庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 先ほども申し上げたところでございますけれども、滞納者の負担を軽減し、早期かつ的確な納税義務の履行を確保するため、国税庁としては、従来から、滞納者個々の実情を十分に把握した上で納税緩和制度を適切に運用してきているところでございます。ただ、一層の滞納者の事業経営の改善を図る上では、納税相談時に、その内容を踏まえまして、必要に応じて中小企業の支援機関である中小企業再生支援協議会やよろず支援拠点などの窓口を案内するなど、より丁寧な対応が必要であるというのは御指摘のとおりであるというふうに考えております。 今後、税務署等の納税相談窓口にリーフレットを設置し、随時これを活用するなどして、国税庁側での適切な対応を進めていきたいというふうに考えております。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 その窓口には、やはり税金の滞納に困るということは、それ以前の金融機関での借入れ等による資金繰りにも困っておられる方々もたくさんいらっしゃると思いますので、そこでこの支援策をお知らせいただけるということはその方に周知する非常に有効な手段だと思いますので、是非よろしくお願いいたします。ありがとうございます。 今、国税庁からお知らせしていくという御答弁がありました。中小企業庁も国税庁と連携をして、困っている事業者の支援に更に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(前田泰宏君) 連携は非常に重要であると思います。中小企業支援協議会につきましては、収益性のある事業を有しているものの財務上の課題を抱えている中小企業に対して、幾つか例がございますけれども、例えば不採算部門の見直し、コスト管理の徹底、市場ニーズに合わせた販売戦略の立案など収益の改善に向けた取組や、債権者との調整、国税の滞納解消を含め早期に自立的な経営が可能となるような事業再生計画の策定支援などを実施しております。この例をより広報して広げていくことが大事だと思います。 加え、よろず支援拠点でございますけれども、よろず支援拠点には、経営改善、税、会計などの様々な専門家を配置しております。例えばでございますが、事業承継後に経営が急速に悪くなってしまったと。よろず支援拠点の専門家が経営課題を整理をして、経営改善計画の策定支援、既存事業のノウハウを生かした新事業を提案するなど、こういう支援の例も多く寄せられてきているところでございます。 〔委員長退席、理事三木亨君着席〕 いずれにいたしましても、中小企業の業況改善が国税滞納の解消にも大きく寄与するという認識の下、今後、各支援機関においても、国税庁から案内を受けた事業者を支援するといった連携強化を通じまして、中小企業の経営課題の解決に向け取組を一層促進してまいりたいと思っております。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 経営者の方々の、物づくりが得意であったり、営業が得意であったり、非常に力があって事業をされてきておられますが、財務には弱いとか、コストカットはちょっと人が良過ぎてできないとか、そういういろんなお悩みがありますが、税理士さんやまた弁護士さん、また金融機関、専門家の助けを借りることによって今おっしゃられたような支援をしていくことで、その事業が存続をして、働いておられる方々の雇用も守られることになっていくと思いますので、是非よろしくお願いいたします。 続きまして、電子納税による確定申告の普及促進について伺います。 今年からe—Taxで、マイナンバーカード方式、またID・パスワード方式で電子申告ができる制度が始まったと思います。私はカードリーダーを持っていませんので、昔持っていましたけれども、住基カードのときにですね、一回使ったんですが、引っ越しをしたら住基カードがもう一回取り直しと言われたので、もうやめまして捨てました。そうしたら今度、マイナンバーカードで今度カードリーダーが要るということで、ちょっともう一回買うのはちゅうちょしておりますので、税務署に出向いてID、パスワードをいただいてまいりました。非常に短時間で取れまして、e—Taxに入れて紙で出力して郵便で送ると、あるいは税務署にまた持っていくというよりも便利で時間が短縮されると感じました。 利用状況について、昨年度との比較でお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 平成三十年分の所得税確定申告におけるe—Taxの利用状況につきましては、三月十五日の所得税の確定申告期限直後でございますので正確な確たることは申し上げられないところでございますけれども、自宅等からのe—Tax受信件数に関して足下の状況を申し上げますと、前年に比べて一〇%を超える程度の伸びを見せているところでございます。また、その全体の受信件数のうち、先ほど御指摘のございましたとおり、本年一月から導入しましたマイナンバーカード方式とID・パスワード方式、これによります利用が三割程度を占めているところでございます。 〔理事三木亨君退席、委員長着席〕 ただ、ID・パスワード方式につきましては、関係省庁との協議の結果、マイナンバーカード及びICカードリーダーライターの未取得者を念頭に、これらが普及するまでの暫定的な対応となっている点については御留意いただきたいというふうに存じます。
○竹谷とし子君 マイナンバーのカードを利用したものに私もできるだけ移行したいと思っておりますけれども、現時点でそのメリットが余り感じられません。 e—Taxの電子申告、これ普及をさせていくべきだと思っておりますし、行く行くはマイナンバーカードで全部統一できるのがいいと思うんですけど、この普及策についてどのように国税庁で考えておられるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 先ほども申し上げましたけれども、国税庁といたしましては、納税者の利便性向上と税務行政の効率化の双方の観点から、政府全体の方針を踏まえまして、e—Taxの普及及び定着に取り組んでいるところでございます。 e—Taxの利用に当たりましては、原則として事前にe—Taxを利用する旨の届出書を提出する必要がございまして、また、申告書等を送信する際には、税務署長から通知されたID、パスワードの入力等が必要であるという状況がございました。 こうした手続については、例えば、個人納税者からマイナンバーカードのパスワードとe—Taxのパスワードの二重管理が面倒であるといったような意見があったことを踏まえまして、本年一月から、先ほど申し上げたマイナンバーカード方式というものにつきましては、マイナンバーカードを利用してe—Taxを行う個人納税者に対してはe—Taxの開始届出書の提出を不要とする、それからe—TaxのID、パスワードの入力も不要とするという仕組みといたしまして、その方式を導入したというところでございます。 国税庁といたしましては、このマイナンバーカード方式の利用を拡大するため、更なる使い勝手の改善を図るとともに、その周知、広報に引き続き努めてまいりたいというふうに考えております。
○竹谷とし子君 マイナンバーカードの利用の普及、e—Taxの普及のためには、利用者が使うと便利だなという実感を持ってもらうことが重要でございますので、今はそんなに紙で、e—Taxを使って紙で出すのとさほど、余りメリットが、あるんですけれども、ちょっとしかない状況です。 これが、マイナポータルで確定申告に必要な控除証明書や医療費情報が自動連携をされて、ほとんど入力をしなくてもあなたの税金はこうですよという形で提案をされて、ほかの所得があれば追記をする等、ちょっと手を加えればできるような形で、関係機関やまた民間金融機関等も含めて連携をしていただけると非常に楽になるというふうに思います。 また、ICカードリーダーも不要な方法で、パソコンだけではなくてスマートフォンによる手続も可能にするような利用者のメリットを今後提供していっていただくように取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、確定申告に必要な情報について、国税庁ホームページで提供しています確定申告書等作成コーナーに自動的に連携される仕組みが構築されますと納税者利便の向上につながるというのは全く御指摘のとおりだと考えております。 現在、国税庁では、納税者利便の一層の向上を図るため、確定申告書等作成コーナーとマイナポータルを連携させることによりまして、まずは生命保険料控除証明書や住宅ローンに係る年末残高証明書などの確定申告に必要な情報をマイナンバーカードでひも付けまして、確定申告書に自動転記して申告書等の作成、送信が可能となる機能を二〇二一年一月から実現するという方向で関係機関への働きかけなどの対応を進めているところでございます。 今後とも、納税者がより簡便かつ正確に申告を行えるよう、今申し上げたような自動的に取得可能となるようなデータの対象を広げるなど、一層の簡便策について関係府省とも連携、協調を図りながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 また、スマートフォンによる申告の機能の拡充につきましても順次対応を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 是非、利用者の簡便性を高める、利便性を高める、そして分かりやすい仕組みの構築にお取組をいただきたいというふうに思います。 続いて、フードバンクへの食品提供に係る損金算入について伺います。 国税庁は、二〇一八年十二月十九日に、フードバンクへの食品提供に係る税制に関する質疑応答事例を農林水産省とも連携して発表をいたしました。フードバンクや子供食堂支援を行う方々が、長年の懸案が明確になったと大変喜ばれております。感謝申し上げます。 これに関して、現場から出ている更に細かい点を質問させていただき、明確にさせていただきたいと思います。 まず、子供食堂などのフードバンク団体以外への食品提供でも損金算入の対象となるか、教えてください。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 国税庁で、今お話のありましたとおり、企業がいわゆるフードバンクへ食品を提供した場合の法人税の取扱いに関しまして、昨年十二月十九日に質疑応答事例をホームページにて公表したところでございます。 この質疑応答事例では、企業が食品を無償で提供した場合、一般的には、その提供に要した費用は寄附金となりまして一定の損金算入限度額までしか損金算入することができないわけでございますけれども、その提供が実質的に企業の商品廃棄として行われるものであれば、寄附金以外の費用として損金算入できることを明らかにしたものでございます。 お尋ねの食品の提供先が子供食堂といったフードバンク以外の団体であっても損金算入可能であるかという点につきましては、企業が食品を提供する目的によることとなるわけでございますけれども、一般的に申し上げますと、企業の行う食品提供が自社ルール等に従って廃棄予定の食品を提供するものであり、実質的に商品の廃棄処理の一環で行われる取引であること、提供先、今の例で申し上げますと子供食堂などでございますけれども、において提供された食品が転売されずに食べられて費消されることが約束されていること、それから、提供した企業において提供した食品が食べられて費消されたことが後から確認できることといった点を満たしていただければ、フードバンク以外の団体の食品提供であっても、その提供に要した費用は損金算入することができるものと考えております。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 また、質疑応答事例が発表されましたのが昨年の十二月十九日でありますが、それ以前に寄附した食品でも、今期であれば対象となりますでしょうか。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、国税庁は昨年の十二月十九日に公表した質疑応答事例で、企業が行う食品提供についてその取扱いを明らかにしたものでございますが、十二月十九日以前に行われた食品提供でありましても、先ほど申し上げた点を満たしている食品提供については、同様に損金算入することができるものと考えております。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 また、食品を提供した後の手続の流れについても御教示ください。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 企業が行う食品提供が先ほど申し上げた点を満たしている場合には、その提供に要する費用は損金算入することができるわけでございますけれども、一般的に、法人税の申告を行う法人は、必要な帳簿を備え、その取引に関する事項を整然とかつ明瞭に記録し、その記録に基づいて決算を行うこととされているところでございます。 したがって、食品提供を行った企業においては、フードバンク等へ食品を提供した場合には、これらの取引に関する事項をその帳簿に明瞭に記録していただくこととなるというふうに考えております。
○竹谷とし子君 ちょっと今の明瞭にということなんですけど、品数と量が分かっていれば細かい金額までは要らないということでよろしいでしょうか。ちょっとその細かさによって企業側もどうかなというふうに迷うかもしれませんので、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。済みません。
○政府参考人(並木稔君) ただいま申し上げたとおり、帳簿に記載を整然かつ明瞭にしていただく必要がある場合でございますけれども、その場合におきましては、先ほど申し上げた取引の年月日、相手先、金額のほか、その事由といったものも記載していただくことが必要となっているところでございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございました。 続いて、食品を提供した側が廃棄扱いで損金算入、そして提供を受けた側のNPOなどが寄附として処理しても問題ないでしょうか。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 企業が行う食品提供が先ほど申し上げた点を満たしている場合には、その提供に要する費用は実質的に商品の廃棄処理の一環で行われる取引であることから、企業側では損金算入することができるとなっております。 一方、NPO法人など提供を受けた側が寄附として処理して問題ないかという点について申し上げますと、NPO法人や人格のない社団等の一般的な課税関係をまず申し上げますと、NPO法人等は収益事業以外の事業から生じた所得については法人税を課さないこととされておりまして、この収益事業とは、物品販売業や請負業など法令上特掲された三十四種類の事業のみが該当することになっております。一般的に、NPO法人等が企業から無償で食品を受領する行為はこの収益事業に該当せず、寄附金として経理処理したとしても法人税の課税関係は生じないというふうに考えているところでございます。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。非常に明確になったと思います。 先ほどちょっと御質問した件と重なるんですけれども、提供した企業側で最低限残すべき記録の内容について再度御教示いただきたいと思います。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 先ほど来申し上げていますとおり、一般的に、法人税の申告を行う法人は、帳簿を備え付け、これにその取引を記録し、かつその帳簿及びその取引に関して作成し又は受領した書類を七年間整理、保存しなければならないこととされているところでございます。 繰り返しになりますけど、この帳簿には、その取引の年月日、相手先、金額のほか、事由を記載することとされておりますので、食品を提供した企業側におきましては、実質的に商品の廃棄処理の一環で行われる取引であること等の事項を記載していただきまして、あわせて、通常作成されると考えられますフードバンク等との間で結んだ合意書を保存していただければよろしいのではないかというふうに考えております。
○竹谷とし子君 これも非常に明確にしていただいたと思います。ありがとうございます。 続きまして、消費税率の引上げに関連して伺いたいと思います。 消費税は、増大する年金、医療、介護、子育て支援など社会保障給付費の国債依存度を下げて将来にわたって安定化を行いつつ、無年金・低年金者対策を行い、さらに幼児教育無償化や低所得世帯や児童養護施設で育った子供等の高等教育無償化など教育負担軽減などに使い、福祉、教育の充実、社会保障の充実を行うためのものと認識をしておりますが、改めて、財務省に消費税率引上げの必要性、そしてその使い道を確認させていただきたいと思います。
○副大臣(鈴木馨祐君) 今先生御指摘のような使い道ということでありますけれども、基本的な認識といたしまして、やはり今年度の予算ということでいうと百一兆を超えるような状況であります。税収ということで申し上げれば、これも過去最大で六十二・五兆ということでありますけれども、やはり非常に今、社会保障費が、御指摘のように、これは高齢化あるいは高度化というところでかなり増大をしているというところ、さらには、ずっと景気ということでいえば拡大をある程度し続けていますし、金利も低いという状況にもかかわらず、こうしてかなり歳出と歳入のギャップが広がっている状況ではあります。 そうした状況をしっかり対応するためには、特に社会保障、御指摘のところに関して言えば、やはりどう安定財源というものを確保していくことができるのか、これは極めて大事なところでありますし、特に消費税については、景気の動向に余り左右されず、しかも、例えば勤労世代等々の特定のところに集中しないといったそういった特性がありますので、しっかりとこれは消費税の税率の引上げによって対応していくということが必要というふうに判断しているところでございます。
○竹谷とし子君 また、これと別に、一〇%の税率引上げ時に行われます消費の平準化対策、景気減退対策としてポイント還元、また、低所得者対策として予定されているプレミアム付き商品券、この目的と必要な財源額を伺いたいと思います。
○副大臣(鈴木馨祐君) 御指摘のポイント還元あるいはプレミアム付き商品券というところの目的ということでありますけれども、やはり消費税率の引上げというところで考えたときに、前回の引上げのときもそうですし、やはりかなり消費というか需要の駆け込みと反動減といったところがあったところであります。 どうこれをきちんと平準化をしていくのかということは極めて今大事な政策課題でありまして、今回のこの臨時特例の特別の措置ということで申し上げれば、それはまさにそうした対応をしていくために使わせていただくということであります。 財源ということで申し上げれば、二兆円程度の予算措置を講じているところであります。
○竹谷とし子君 この臨時特例の措置であるということが十分伝わっていないのではないかというふうに感じます。また、このそもそもの税率引上げの必要性についても国民の皆様の理解を得る努力を更にするべきと考えておりますが、財務省、いかがでしょうか。
○副大臣(鈴木馨祐君) 御指摘、極めてきちんと受け止めさせていただきたいと思っております。 消費税の増税の必要性というところはしっかりと我々としても国民の皆様方に納得をいただくということ、これは非常に大事だと思いますし、御指摘の臨時特別の措置についても、これはあくまで時限のものでありますから、ずっと恒久的に続けるということではなく、先ほど申し上げたように、駆け込み、反動減というところをどうスムーズにするかというところの対策として積んでいるところでございます。そこをしっかりと誤解がないように伝えていくのも私どもの務めと考えておりますので、しっかり進めていきたいと思います。
○竹谷とし子君 非常に社会保障給付費にお金が掛かっているということについては、よく国民の皆様に御理解をいただけるように説明をしていかなければいけないことであると思っております。 次に、貧困対策について伺いたいと思います。 平成三十一年度の税制改正大綱で決定をいたしました寡婦控除の適用がない未婚の一人親への措置について、財務省と総務省に伺いたいと思います。
○政府参考人(稲岡伸哉君) お答え申し上げます。 地方税についてでございますが、一定の所得以下の場合には個人住民税を課さないということとされております。現行では、前年の合計所得金額が百二十五万円以下、平成三十三年度分以後は百三十五万円以下の寡婦等は個人住民税が非課税とされております。 今回の税制改正におきましては、子供の貧困に対応するため、児童扶養手当の支給を受けており前年の合計所得金額が百三十五万円以下である一人親について、平成三十三年度分以後の個人住民税からこの非課税措置の対象に加えることとしているところでございます。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 未婚の一人親に関しましては、ただいま総務省から答弁がありましたとおり、平成三十一年度与党税制改正大綱を踏まえまして、子供の貧困に対応するため、地方税法上、一定の一人親に対して個人住民税を非課税とする措置を税制上の対応として講ずることとしたところでございます。 また、これに併せまして、予算面におきまして、児童扶養手当受給者のうち未婚の一人親に対して、一人一万七千五百円の臨時特別の給付金を支給することとしているところでございます。 国税、所得税関係でございますけれども、三十一年度の税制改正におきましては、未婚の一人親に対する税制上の対応としては特段の措置を講ずることとはしておりません。これは、未婚の一人親に対する、まさに寡婦控除の対象とするかどうかということについて御議論があったところでございますけれども、寡婦控除制度の成り立ちなども踏まえました検討が引き続き必要であるといったことで、三十一年度税制改正では見直しを行うこととはなっていないということでございます。
○竹谷とし子君 また来年度の税制改正大綱の議論の中で引き続き検討するということになっていると認識をしておりますけれども、そもそも一人親の支援に当たって、控除がいいのか給付がいいのかという議論も背景にあると思いますし、控除も、所得控除がいいのか税額控除がいいのか、そういう議論にも入ってくる、そういうものだというふうにも理解をしておりますが、いずれにいたしましても、子供の貧困を解決をしていくということは非常に重要な課題でありますので、それを第一に考えて来年度以降もまた議論をしてまいりたいというふうに思っております。 一人親にかかわらず、子供の貧困対策は大変重要でございます。また、子供だけではなく、格差の是正、貧困対策全般を的確に行っていく必要があると思います。どんな状況で貧困になっているかということを分析する、そして必要な手だてを行っていくことが必要でございますけれども、相対的な貧困に位置付けられる家庭が再分配後にもマイナスになるという、そういうケースというのはあるのでしょうか。そして、ある場合、それはどんなケースなのか、把握をしているか、厚生労働省に伺いたいと思います。
○政府参考人(土田浩史君) お答え申し上げます。 厚生労働省では、税の負担、社会保障制度における給付と負担が所得の分配にどのように機能しているかを明らかにすることを目的といたしまして、国民生活基礎調査等を用いつつ、三年に一度、所得再分配調査を実施しているところでございます。 委員御指摘のケースにつきましては、残念ながらこの調査からは明らかとはなっておりません。ただ、一般論として申し上げますと、例えば所得の低い若年層の世帯でありまして社会保障給付を余り受けていない、余り必要としていない世帯につきましては、負担を上回る受益を受けられないというケースも存在し得るのではないかというふうに考えているところでございます。
○竹谷とし子君 今御答弁いただいたように、よく分からないという状況であると理解をしております。また、若年の低所得者層にも言及をされましたが、若年の低所得者が増えているという学者の指摘もございます。具体的によく分からないというのでは的確な対策につなげにくいということになります。低所得の世帯について再分配後にマイナスになってしまうケース、これを適切に把握して分析をしていただきたいと要望をいたします。いかがでしょうか。
○政府参考人(土田浩史君) 委員の御指摘も踏まえまして、勉強してまいりたいと思います。
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。 終わります。 ─────────────
○委員長(中西健治君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小川克巳君及び大家敏志君が委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君及び宮島喜文君が選任されました。 ─────────────
○大門実紀史君 大門です。 今日は、消費税増税するならお金持ちから税金を取るべきだという質問で、証券税制について取り上げますが、既に議論もあったかも分かりませんが、ダブっていたら御勘弁をいただきたいと思います。 この証券税制については、もう何度も何度も取り上げてまいりました。今日は少しざっくばらんに、大きな流れで質問したいというふうに思うわけですけれども。 まず、資料をお配りいたしましたが、これは所得税負担率のよくいろんなところで使われているグラフで、先ほども中山先生も配付されたやつをちょっと大ざっぱにしたものでございます。 これは、国税庁の申告所得に関するデータを使用して負担率を計算したものでございます。何を言っているグラフかといいますと、要するに、所得一億円を超えた辺りから負担率が減少していくと、所得税というのは累進制ですから所得が高いほど負担が上がるはずなのになぜ負担率は下がるのかという、不思議じゃないかというグラフでございます。 実は、このグラフを最初に作って国会に出させてもらったのは私でございまして、二〇〇八年の三月十四日の参議院予算委員会でございました。当時は資料がそれほどなかったので、もっとがくがくとした非常に大ざっぱなグラフでございましたけれども、その後、我が党だけではなくほかの野党の先生にも使っていただいて、民主党政権のときは峰崎先生がいらっしゃって、財政金融委員長で、民主党の税制大綱を作られましたから、そのときにこのグラフを民主党の税制大綱の中に入れてもらったりしましたし、今や経済同友会の意見書にもOECDの対日経済審査報告書にも使われております。で、中山先生の資料を見たら、もうとうとう財務省提出資料になっておりまして、著作権を登録しておけばよかったと思うぐらいでございますけれども、使っていただくことは結構でございます。 ちょっと議論の経過言いますと、最初に、二〇〇八年の三月は尾身財務大臣だったんですね、予算委員会でね。尾身財務大臣にこれ見せて、何でここ下がるか分かりますかと聞いたら、分からないということで、財務省も実は分かっていたと思うんですけど、答弁書を用意していなかったんですね。次は、額賀大臣がここで、あのときもこのグラフ示して、やっぱり分からないということだったんですが、麻生内閣の与謝野さんが財務、金融兼ねた大臣のときに、さすがですよね、答弁書はなかったと思うんですけれど、金融所得の在り方が影響しているということで、聡明な方でぴんときて答弁されたという辺りから、財務省も、金融所得のつまり税率が低いということと、総合課税になっていないので累進が掛からないので高額の配当、株の所得のある方が負担が下がるということを、財務省もそういうふうに言うようになってきたということでございますけど。 麻生大臣、何度も聞かれていると思いますけど、このグラフ、御覧になってどういうふうにお考えか。御感想でも結構です。
○国務大臣(麻生太郎君) これは間違いなく、私の記憶では、与謝野さんのときにこの記録が出たんだと、あのときに最初に見た資料だと、私の記憶ではそうなんですけれども。考えてみると、福田内閣のときは閣内におりませんでしたので、全くこの種の話に縁がなかったんだと思いますが。 与謝野さんのときに、これ、与謝野財務大臣のときにこの資料を初めて拝見したんだと記憶しますが、これは一億円を超えるといわゆる所得税の負担率が下がってくるという話をこれ絵にしておられるんですけれども、これは高所得者ほど所得の中に占めるいわゆる株式などの譲渡益の割合が高いということの一つの表れなんだと思いますが、株式の譲渡益を含めまして金融所得につきましては、御存じのように原則として今一律二〇%ということになっておりますので、それから生じたものなんだというように考えております。 したがいまして、この金融所得課税につきましては、平成の二十六年から、これ一〇%まで落としたものを二〇%に上げさせていただいたのが二十六年だったと思いますけれども、これによって高所得者ほどいわゆる所得税の負担率が上昇するという傾向が見られましたので、所得税の再分配機能というものに関しましては一定の効果が出たのではないかと思っておりますが、いずれにしても、今後この話をどうするかという話でしょうけれども、家計というものの安定的な資産形成というものを考えていく上におきまして、税負担の垂直的ないわゆる公平性というものを確保するという観点からもこれは検討しようということが平成三十一年度与党税制改正大綱の中に示されておりますので、今後、この点につきましては総合的によく検討していくべきものであろうと考えております。
○大門実紀史君 実は、財務省の基本的なスタンスもありますので当時のことを若干申し上げたいなと思うんですけど、なぜこういうグラフが作れるようになったかというようなことも含めて申し上げますと、一つは実務的なことがございまして、二千何年ぐらいですかね、これ作れるようになったのは二〇〇六年以降のデータによって作れるようになったんですね。それ以前は所得五千万以上は皆同じ区分でしたので、こういう細かいのが作れなかったんですね。 なぜこういう細かいデータを公表するようになったかと申し上げますと、二〇〇四年までは例のあの長者番付というのが発表されておりまして、高額納税者でございますね、最後が二〇〇四年だったんですけど、忘れもしませんが、国会議員で一番高額所得者が、トップスリーが民主党議員の方だったんですね。この委員会におられた方で、今は九州で市長をやっていらっしゃる、私、仲いい方なんですけど、びっくりしましたけどね。あれが最後で公表されなくなったんですよね。その代わりにこの高額所得者の統計データが出てきたのでこういう資料が作れるようになったというのが実務的な意味でございます。 政治的な意味が実はございまして、先ほど私が自分で勝手にみたいなことちょっと申し上げましたけど、実は、やっぱり資料は財務省から提供がないと作れないわけですね。当時、やっぱり財務省は積極的にこのデータを提供してくれて、むしろ私の質問のフォローしてくれるぐらいのことがあったわけですね。それは何かというと、もう当時から、財務省のスタンスとしては、証券税制については一〇%というのは低過ぎる、やっぱり上げたい、上げなきゃいけないということを財務省のスタンスとしてあって、なかなか働きかけが難しくて私が代わりに質問するようなこともあってという関係があったんですね。 したがって、申し上げたいこと、あっ、星野さんはその頃主税局にいらっしゃいましたから、当時の主税局というのは上げたかったんですよね、どうですか、いかがですか。
○政府参考人(星野次彦君) 資料について、そういうことで、五千万以上の資料について、国税庁とも相談をしてというか、当時、資料をまとめてこういう形で整理をして出したという、そういう経緯については委員御指摘のとおりでございます。
○大門実紀史君 ですから、表の場で私がさんざん追及をして、財務省の資料の提供を受けて追及して一〇から二〇に上がったというような、連携でやってきたというような、ちょっとそういう背景もあるという問題でございます。 実は、今申し上げたように、この問題、十年ぐらいで振り返りますと、優遇税制を見直したい財務省と、金融庁の意見に代表される金融業界とのせめぎ合いといいますかでずっと来ているなというふうに、振り返ると思います。 ただ、この前ちょっといろんな議事録振り返っていたら、与謝野大臣というのはさすがでございまして、二〇〇九年三月二十七日のこの委員会でこんなことをおっしゃっていますね。金融庁が要求した、したいと思った税制は全部無理だといって止めたこともあるんだ、金融担当大臣を兼ねているから金融庁の味方をするということは決してない、税制として正しい姿を追い求めるというのはどこにいても同じことであると思っておりますと、なかなかいい御発言をこの委員会でもされているわけで、政治家というのはそういう観点が必要だというふうに思います。 それで、具体的な話に、今回の話に入りたいと思うんですけれども、そういうことがありまして、確かにこのグラフ、一〇から二〇になる前、一〇%のままのときはもっとがくっと落ちていて、確かに二〇になって少し、少し是正されたんですよ。それは分かっているんですけれども、それでもまだこういうカーブを描いているということで、このままでいいのかということを再三質問しているわけですけど。 その上で星野さんにお聞きしたいのは、一昨年末、二〇一七年末に公表された前回の与党税調の税制改正大綱ですね、見直していくということが書かれておりますけど、どのように見直すというふうに書かれているのか、ちょっと御紹介をお願いしたいと思います。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 お尋ねは平成三十年度の税制改正、一昨年の年末に出ております税制改正大綱でございますけれども、これ、関連部分が二か所あります。 一つは、金融所得課税につきましては、家計の安定的な資産形成を支援するとともに税負担の垂直的な公平性等を確保する観点から、関連する各種制度の在り方を含め、諸外国の制度や市場への影響も踏まえつつ、総合的に検討するという記述があります。 それからもう一つ、所得税についても全体議論されておりまして、所得税につきましては、働き方の多様化等を踏まえた諸控除の一体的な見直しを行い、今後の課題として老後の生活等に備える資産形成を支援する税制の在り方について検討を行う旨大綱に記載をされているということでございます。
○大門実紀史君 私、この与党税調の、与党の税制改正大綱ですね、大変重要な、一言一言、一つ一つ言葉を丁寧にきちっと選んで方向を出されているなと思うんですけど。ですから、この言葉ちょっと一つ一つにこだわりたいんですけれど、吟味されて書かれているなと思うんですね。 家計の安定的な資産形成を支援するというのがございます。これと、この一億超えると負担が減るということとは、私違うんじゃないかと思うんですけれど。この家計の安定的な資産形成を支援するということで金融所得の課税の在り方について検討というのは、ちょっとこのグラフとは結び付かない、別のことをおっしゃっているのではないかと思うんですが、これどういう意味ですか。家計の安定的な資産形成を支援する金融所得税制にするというのはどういう意味でしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) これ自体、与党の税制改正大綱でございますので、この文言が直接的に何を意味しているかというのはなかなか政府としても解釈するのはあれなんですけれども、基本的に家計の安定的な資産形成ということでございますので、金融がある意味いろんな形で自由化していく中で、家計がその資産形成を行っていく上で必要な制度改正を行うということでございまして、それは例えば、今日も議論になっておりますけれども、総合課税から分離課税にするというようなことも含めて、家計にとって貯蓄から投資を行うというようなそういった環境をつくっていくということも含めて、全体として家計がアクセスしやすい、そういう税制をつくっていくという意味が含まれているんだというふうに考えております。
○大門実紀史君 投資家を増やすといいますか、そのために金融所得課税の在り方をこうするという、その趣旨は分からなくないんですけど、そもそも、さっき申し上げたように、この所得再分配がゆがんでいる、格差是正がゆがんでいることの是正からこの見直しは始まっていますので、ちょっとこれはこの意味とは違うんじゃないかなと思ったものですからお聞きいたしました。 次のフレーズの、税負担の垂直的な公平性等を確保すると、これはまさにこの所得再分配、負担の公平だというふうに思います。 もう一つは、諸外国の制度は、これは当然、税率の引上げとか総合課税も視野に入れた表現ということで理解してよろしいんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) 本日、当委員会でも少し議論になりましたけれども、諸外国の制度という意味では、ある意味各国ごとに取っている制度がまちまちでございまして、例えばアメリカ、イギリスで申し上げますと、先生お配りになっておられる資料でもそうでございますけれども、いわゆる段階的課税ということで、所得を積み上げていって、それぞれの金融所得に対応するところの税率について二区分ないしは三区分で税率を張るというのがアメリカ、イギリスでございます。一方、ドイツ、フランスでございますけれども、これは基本的には分離課税を取っておりまして、一定の水準の分離課税の税率を適用するという制度になっておりまして、各国ごとまちまちではございますけれども、こういった実態を踏まえながら制度を考えようという、そういう趣旨だと理解しております。
○大門実紀史君 そうですね。資料用意しましたけど、二枚目等々がそうですが。 我が党もずっと、私もずっと主張しているのは、個々のどれというわけではありませんが、税率がやっぱり二〇%では低いということと総合課税の問題があるということで何度も提案してきているところでございます。 これ、報道ベースなんですけれど、この見直しの方向があったんですけど、その前年ですけどね。去年の十月でいきますと、早々と十月の終わりぐらいにこの金融所得課税の見直しは見送りというふうなことが報道されておりましたけれど、これは、済みませんが、新聞記事でよりますと政府・与党はとなっておりますので、見送りへと、今回見送りというのが十月末、早々と。つまり、税制改正の論議が本当に本格する前の段階で大変いち早く見送りが決まったというふうに、報道ベースでですが、されているんですけれど、なぜそんな早い段階で見送りを決めたのか、あるいはなぜ議論しなかったのかという点は、まあ分かる範囲で結構ですから教えてもらえますか。
○政府参考人(星野次彦君) 報道につきましてはなかなかコメントし難いところでございますけれども、先ほど御案内しましたとおり、平成三十年度の与党税制改正大綱にも盛り込まれているように、この問題については、所得税全体の見直しの議論と金融所得課税特有のこういった切り口の議論、両方ございまして、こういった議論は与党の中でも議論されておりましたし、また、政府税調の中でも老後に向けた資産形成をどうしていくかといったような議論を中心に議論がずっと行われてまいりました。 そういう中で、この問題についてどこまで結論を出すかということであったわけですけれども、ちなみに三十一年度の税制改正の大綱、与党でおまとめになられたものについてちょっと御紹介いたしますと、この老後に備える資産形成について、企業年金、個人年金等の年金税制やNISA等の金融所得の非課税制度などに関する検討を開始をしていて、その中で金融所得課税の在り方についても議論を行うというようなことになっていたわけでございまして、これを受けまして、老後に備える資産形成については来年度以降も引き続き政府税制調査会において議論を続けるけれども、税制改正大綱の中でもこの老後に備える資産形成と金融所得課税の見直しの検討を併せて行っていくということで記載をされておりまして、そういう意味では、全体の議論の中で引き続きこういった議論を行っていく必要があるというふうに判断をされたということでございます。
○大門実紀史君 そういう理由は分かりました。 もう一つは、与党税制大綱にもありますけれど、市場への影響を踏まえつつとあります。これは、こういう、前から議論があるわけですけれども、金融所得課税を是正するといいますか、税率を上げるというようなことがありますと、株式市場への影響ということがよく言われてまいりました。 この市場への影響というのは、株価への影響といいますか、株式市場への影響ということも含んだことと理解していいんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 市場への影響、これは景気や市場の動向、これは金融所得に対する税率の水準のみでもちろん決まるものではございません。様々なことが影響するということでございます。 例えば、二十六年一月に一〇%から二〇%に税率を戻したということのときに市場への影響がどうだったかというのはなかなか一概に申し上げることは難しいわけですけれども、それほど大きな影響が出なかったと。ここについては、マーケットの状況としてかなり買い意欲が強かったというようなこととか、それから、例えば株式を売ってもすぐに買い戻すクロス取引みたいなものが行われたとか、そういったようなことがいろいろ言われておりますけれども。 繰り返しになりますけれども、そこはなかなか、税率の水準だけで決まるわけではございませんので、もちろんいろんなことを勘案していくということではございますけれども、そこはストレートに結び付いた議論ではないというふうに考えております。
○大門実紀史君 私もそうだと思うんです。これに課税強化すると、金融庁なんかは株式市場に影響があるというような言い方をしたりする、業界の方もそうですけど。実際には、前回の二〇一四年のときに一〇パーから二〇%にしたときに、株価はむしろ上がりつつあったというようなことがあるし、いろんな条件で決まりますので。ただ、海外から特に何か日本が重ければいろいろ言われるかも分かりませんが、まだ海外よりも負担が軽いわけですから、そういうことはないのではないかというふうに思います。したがって、余りそういうことに左右されないできちっと課税強化をすべきではないかと、見直しと出しているんだから見直すべきではないかということを思います。 実際に財源的にもどうなるかということなんですけれど、まず、我が党は、配当所得については総合課税の対象とすべきではないかということを再三提案してきておりますけれども、もしも配当所得が確定申告、今は配当所得というのは分離課税の下ですから確定申告を要しないという仕組みになっているんですけれども、どういう聞き方をすればいいんですかね、これ提案していいのか分かりませんが、安倍政権発足後、ですから二〇一三年から二〇一八年度まで、各年度における確定申告を要しない配当所得等に係る措置に基づく減収見込額、これは財務省が発表している言い方がそうなっているので聞くんですけれど、はそれぞれ幾らになりますかね。二〇一三年から二〇一八年、それぞれの金額をちょっと教えてください。
○政府参考人(星野次彦君) 個人が受け取る配当所得等のうち、上場株式等の配当等及び非上場企業の配当等のうち、一回に支払を受ける金額が年十万円以下のものにつきましては確定申告をしないことを選択できるという租税特別措置が設けられております。 今委員お尋ねになっておられるその数字は、この租税特別措置による減収見込額を取りまとめているものでございますけれども、これは毎年度国会の求めに応じてお示ししているものでありまして、その配当の税制に関する部分であります。 ただ、この数字につきましては、利用可能なデータに大変制約がある中で、例えば平成三十年度分であれば、二年前、平成二十八年度の個人が受け取った配当税収、実はこの配当税収の中には例えば投資信託の分配金なども含まれているんですけれども、そういった取り得る配当税収の中の実績値を基に二年間数字を延伸して、それで一定の前提を置いて試算を行ったものであるということで、そういう意味では非常に仮定を置いた数字であるということを御理解いただきたいんですけれども、その上で、お尋ねの平成二十五年度から平成三十年度までの各年度の減収見込額として、国会の資料として提出したそれぞれのそのときの見込額を申し上げますと、平成二十五年度は三千百十億円、二十六年度が四千三百億円、二十七年度が八千九百十億円、二十八年度が一兆二百六十億円、二十九年度が七千三百二十億円、三十年度につきましては五千億円ということになっております。
○大門実紀史君 要するに、一定の仮定はもちろんあるわけでございますけれども、配当所得を総合課税にするだけで毎年数千億から一兆円以上の増収になるということでありまして、今景気が余り上向いていない、消費も低迷しているときですから、こういうところからいただくべきではないかということでございます。無理して消費税上げる必要はないというふうに思います。ほかにも財源はありますからね。 この問題でなかなか見直しが、一〇から二〇にして以降進まないといいますか、いろいろ抵抗があることの大本に、今の日本の経済の在り方といいますか、そういうものが大本にあるんではないかと思うんですね。つまり、株価が非常に物事の指標になって、経営の指標になっているようなんですね。よく株主資本主義とか株価資本主義とか言われますけれど、つまりROEを一番の物差しにして経営を考えるというようなことですね。 ROEというのは株主資本利益率ですかね、株主資本が分母で分子が純利益ということになるわけですね。つまり、投資家が投資したものにどれだけのリターンがあるかというようなことがROEでございまして、それが今の経営の物差しになっているということと、安倍政権そのものも、このROEを向上しろ、すべきだという、企業目標にして向上すべきだという大号令を発してこられたわけであります。二〇一四年六月の日本再興戦略においてグローバル水準のROEの達成を目標に掲げたわけですが、実現しておりません。いわゆる伊藤レポートですかね、伊藤さんのレポートでそういうようなものが出たわけですけど。 本当にこういう考え方が、株価を上げること、投資家に利益をリターンすること、それが一番の経営が本当に日本の経済とか経営にとっていいことなのかというのがやっぱり問われてきているんではないかというふうに思うわけであります。簡単に言いますと、分母が株主資本で分子が純利益ですから、ROEを高めようと思うと純利益を大きくする。これはもうできるだけ人件費を減らしてコスト削減やった方がROEは高まるわけですね。そればっかり追いかけていると、企業の中長期的な発展が、人材確保も含めて、研究開発も含めてできないということになって、もう当面の株主のことばっかり考える経営がいいのかどうかということは、自民党の皆さんも研究会とかやられているところでございます。 そういうものがやっぱりまだまだ根幹にありますので、こういう金融所得課税についても見直しが進まないのではないかというふうに、大本にそういうものが背景にあるのではないかと思いますけれど、麻生大臣、ちょっと大きな経営の、経済の話ですので、御感想でも伺えればと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われた中で、株価資本主義とか株主資本主義というもののちょっと定義がよくあれですけれども、そもそも株価なんてものはそのときの気分で動いたりもして、元々いわゆるファンダメンタルズというものが一番ですので、企業の将来の収益見込みとか、そういったようなものから市場において決定される、そういうものだと思っていますから、幾らやろうといったってそんな簡単に動くものでもありませんので、株価ばかりを重視して経済政策を行っているということではないんだと思っております。 政府としては、やっぱり経済再生というのを図って、やっぱり企業収益が拡大、その収益が設備投資、また賃金に回ったり配当にも回ったりということで全体の消費につながっていくという、実体経済というものがうまいこと回っていかないと経済運営というのはなかなかうまくいかぬものなんだと、基本的にそう思っております。 消費税率を引き上げるとか社会保障の安定財源を確保して、引き上げることによって安定財源を確保して、人口構成の変化に伴いましていわゆる全体的な全世代型の社会保障体制というものへの転換を図っていくなど構造改革にも取り組んでおりますので、いわゆるこうした改革は株価だけというものを重視してやってきているのではないということははっきりしているんだと思っています。 御指摘の企業経営の在り方ですけど、これは株主だけ相手にしたって、それはなかなかうまくいくものではありませんので、従業員もありますし、お客もありますし、また地域、その企業のあります地域社会との付き合い等々ありますので、いわゆる最近の言葉ではステークホルダーというような感じからいきますと、いろんなことを考えてやっていかないといかぬのだということは認識をしておるところでもありますし、東京証券取引所のコーポレートガバナンスというのがこの間出ていましたけれども、そういった経営を行うことが求められているんだということをあの中でもはっきり言っておりますので、そういったいわゆるステークホルダーたちとの適切な共同作業に基づいていわゆる中長期的に企業というものの価値というものの向上を目指していくということ、それを実現していくということが経営者にとっては重要なんではないかなという感じがいたします。
○大門実紀史君 私も、消費が上向いて企業の売上げが伸びて利益が上がって株価が上がるなら何も否定することではないし、実体経済が温まって株価が上がることは何も否定するわけではありませんが、どうもこの二十年ぐらい違う方向に行って、取りあえずはマネーで上げようとか、マネーが動き回って上がるようなことが多くなっておりますので、ちょっと本当に資本主義の在り方といいますか、経営の在り方とか経済の在り方、見直すべきときに来ているんで、消費税の話ございましたけれど、そうではなくて、やっぱり今申し上げたように消費が落ち込んでおりますので、国内のですね、国内を相手にしている企業の売上げが伸びない。それが伸びないと実体経済は良くならないという悪循環を一つ繰り返している面もありますので、やっぱり今は消費税の増税ではなくてこういうところに、無理はありませんから、払えますから、みんな、払ってもらった方がいいんではないかと。その方が全体として景気の好循環になって、本当の意味で株価を上げるんではないかというふうに思うところでございます。 今日はもう申し上げることはこれ以上ございませんので、これで終わります。ありがとうございました。
○渡辺喜美君 確定申告が先日終わりました。実は、日本の確定申告期限というのは世界一短い。もっと正確に言いますと、電子申告の期限は世界一短いというのが実態であります。今年、フランスが確定申告制度を導入をいたしましたが、電子申告の場合には日本よりも遅いんですね、期限が。 e—Taxを利用しているのが二十九年度で五四・五%ですか、今年どれくらい上がったか楽しみでありますが。確定申告の期限を電子申告に限って大幅に延長してはいかがでしょうか。例えば六月末にするとかですね。五月というのは、御案内のように三月決算で大変繁忙期でもありますから、六月末延長、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 所得税というのは、御存じのように暦年一月から十二月で課税期間としておるんですが、年末には納税義務が成立するということになります。したがいまして、確実ないわゆる納税というものを確保するためには、これは年末からなるべく早い時期に申告手続を完了していただくことが望ましいというのが私どもの立場であります。 他方、納税者の方々が申告書の作成に要する事務作業にも配慮して、この確定申告というものの期限というものは年末から一定の期間を置きまして三月の十五日としておりますので、この期限につきましては昭和二十七年以来から長年にわたって定着しているところでありますし、近年、パソコンとかスマートフォンとかいろいろ活用して比較的簡便に申告を行うことができるなど環境整備なども進めている中でもありますので、申告期限の延長が必要かという点についてはちょっと検討すべきだと考えております。 所得税の確定申告の情報というのは国税庁から市町村に提供されておりますので、五月末に行われます地方税、いわゆる個人住民税の税額決定にも用いられておりますし、六月以降、順次様々な社会保障サービスの給付とか負担の額などにも反映されていく仕組みとなっておりますので、所得税の申告期限の在り方については、こうした市町村の事務とか、また国民生活に与える影響も含めて検討していかなきゃいかぬところじゃないかなと思っておりまして、これ延長しますと、ほかのところも全部後ということになるんだという感じがいたします。
○渡辺喜美君 電子政府を目指すのであれば、紙の申告と併存というのはえらいコストが掛かる、この点は御留意をいただきたいと思います。 天皇陛下は、じゃ、確定申告はされるかというと、なさいません。御案内のように、内廷費はこれは非課税であります。印税収入等はおありかとは思いますが、これは分離課税ですね。三種の神器等いわゆる御由緒物についてもこれは非課税ということになっております。生前退位の場合も同じである。 憲法上、法制局にお伺いしますが、天皇は日本国の象徴であり、皇位は世襲だと書いてあります。基本的人権は、御案内のとおり、法の下の平等なし、参政権なし、国政に関する権能を有しない、職業選択の自由なし、居住、移転の自由なし。でも、お手元に配ってありますこの新聞記事のように、昭和天皇陛下の財産を相続された今上陛下、四億二千八百万円税金を払われている。 憲法三十条には、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と書いてありますが、天皇陛下は国民に入るんでしょうか。
○政府参考人(岩尾信行君) お答えいたします。 天皇がお尋ねの国民に含まれるかにつきましては、天皇は日本国を構成する人でありまして、その意味で国民に含まれるとも言えると思うところでございますが、憲法第一条におきまして、「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と規定されていることから、一般の国民とは異なる位置付けがあるものと理解されます。 その上で、御指摘がありました憲法第三十条でございますが、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と規定しておりますが、具体的な納税の義務につきましては、天皇も含めまして全て法律の定めるところに委ねられているところでございまして、同条の国民の解釈いかんにかかわらず、各税法の定めるところによることとなります。
○渡辺喜美君 納税の義務があるときには国民になると、こういう解釈でよろしいんでしょうか。 天皇がお支払いになる税金というのは一体いかなるものがあるのか、また、それは義務として納税されるのか、いかがでしょうか。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 天皇陛下は憲法上特別の地位を有されており、所得税法第九条の規定により、皇室経済法第四条第一項内廷費及び第六条第一項皇族費の規定により受ける給付については所得税が非課税とされ、相続税法第十二条の規定により、皇室経済法第七条の規定により皇位とともに皇嗣が受けたものについては相続税が非課税とされているところでございますが、他方で、例えば所得税については、個人が書籍を出版して得た印税や預貯金から生じた利子などについては一般国民と同様に所得税の課税対象となり、相続税については、例えば個人が相続により取得した有価証券や預金などの財産については一般の国民と同様に相続税の課税対象となるものと考えるところでございまして、これら課税対象となるものについては一般国民と同様に納税の義務を負うものと考えられるところでございます。
○渡辺喜美君 これは、御案内のとおり歴史的な経緯があるわけですね。先日、戦後レジームというのが戦時体制の下でつくられたという話をいたしましたが、マッカーサー、GHQの時代につくられた戦後レジームの典型的な例の一つであります。 昭和二十一年、まあ見てきたような口を利いて済みませんけれども、GHQがお触れを出します。財産税というわけですね。まず、預金切捨て。昭和二十一年の三月三日ですか、この時点での預金封鎖、新円切替え、これをお触れを出します。この三月三日時点での金融資産を強制的に申告をさせ、財産税を実行に移すというわけであります。この財産税の税率というのは超過累進課税なんですね。例えば十万円超十一万円以下が二五%から始まって、一千五百万円超は何と九〇%であります。 当時のGHQというのはかなりレフトの方が多いんですね。そもそも、ルーズベルト政権はかなりレフトの政権でありました。ソ連が同盟国でもありましたし、コミンテルンのスパイがルーズベルト政権の中では暗躍をしていた。ハリー・デクスター・ホワイト、アルジャー・ヒス、ラフリン・カリーとか、有名なスパイもたくさんいるわけであります。日本に来たGHQの部隊はニューディール左派と言われる人たちで、こういった極めて社会主義的な発想で戦時利得を没収をするという目的で作られたのがこの財産税であります。 天皇陛下の財産税はどれぐらい払われていますか。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 お尋ねの件につきましては、個別の課税事案にわたる事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○渡辺喜美君 これはもう歴史の話ですから申し上げますと、天皇陛下は三十三億四千万ぐらいですか、財産税としてお支払いになっておられます。当然、最高税率九〇%。当時の天皇家の財産の評価は約三十七億円であります。皇居、赤坂御用地等の土地が七億七千万円、御料林立木等が十六億四千万円、美術品などが四億五千万円、有価証券が約二億二千万円等々ですね。 こうした皇室財産を、当時のGHQと日本政府がいろいろちょうちょうはっし、やり取りをして、例えば公的財産、公的なものは国に移管する、私的なものについては財産税を掛けるとかいう案もあったのでありますが、これは却下をされています。そして、最終的に皇室財産の解体というGHQの大変厳しいお達しによってこの財産税が掛けられたわけであります。全てを公的、私的分けることなく財産税を掛けて、残ったのが金融資産というわけですよ。 お手元の新聞記事によりますと、皇太后様が半分相続をされておられますから約九億三千万。皇太后様が御逝去されたときにはまだ公示制度というのが残っておりました。二億円以上の財産がある場合には公示の対象になる。ところが、皇太后様の財産は公示対象になっておりません。ということは、二億円以下だったということですよ。恐らく今上陛下は九億何がしかの金融資産等を相続をされておられますが、四億二千八百万円、この財産の中から削って納税をされておられますので。 この三十年間、金利がどれくらいだったか、何度も議論をしてまいりました。皇室財産、先細りですね。非常に私は心配をしています。中小企業の事業承継税制というのを議論しているわけですが、皇室は先細りでいいのか、こういう戦後レジームの根幹にある話をこれから先も続けていいのか、いかがでしょうか。相続税、天皇陛下にこのままお掛けになるお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 天皇陛下の相続税、非課税にすべきだと、そう言っておられるんですか。
○渡辺喜美君 非課税にするという場合もあるでしょうし、また、何がしかの軽減措置をとるという場合もあるでしょうし、私は端的に非課税にするのが一番いいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 陛下の話をされる場合に、一番最初に、皆さん忘れておられているのは、皇室には戸籍があるとお思いですか。
○渡辺喜美君 ですから、先ほど法制局に聞いたんですよ、国民に入るのかと。憲法上国民に入るのかと。法制局の答弁は非常に曖昧なものでしたね。早い話が法律によって定めると、税法で定められれば納税の義務を負うと、こういう話でしたね。ですから、私は、これから先の皇室が先細りになるという現状を目の当たりにして、このままでよろしいんですかとお尋ねをしております。
○国務大臣(麻生太郎君) この話に関しましては、戸籍がないという大前提というのをちょっとまず間違いなく皆さん頭の中にしっかり入れて、多分知らなかった人の方が多いんだと思いますけれども、戸籍のところ見られたら日本国とだけしか書いていないはずですよ。それぐらい知っておいておかれた方がいいと思いますが。 少なくとも、今のお話ですけど、これは現行の法制体系で、今法制局の方から話があっておりましたけれども、憲法とか民法とかあるいは多分皇室経済法なんという話なんだと思いますが、そういった全体の問題に関わる話なんで、相続税法だけの話で完結するような話じゃないんじゃないかねと、まず基本的にはそう思いますね、今の話は。 皇室というのは、百二十五代、今度百二十六代ということになりますけれども、そういったものの中できちんとしたものをこれだけ維持しているというものは世界で日本しかありませんから、そういった意味では、こういったものは今後とも日本の最も大事にすべき文化として存続されてしかるべき、それをいかにして守るのかというのは、国民の選良として選ばれた国会議員に与えられた大きな仕事の一つだという件に関しましては、私も全く同じ意見であります。
○渡辺喜美君 それであれば、相続税を掛けないという選択肢をお取りになってはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 現行法において適切に処理されるべきなんだと思っていますけど、今の中の一つの御意見として伺っておきます。
○渡辺喜美君 この議論は引き続きやらさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(中西健治君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十九分散会