財政金融委員会 第3号
- 発言数
- 189 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/03/14
会議録
○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、大家敏志君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長星野次彦君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(中西健治君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤末健三君 本日は、所得税法等の一部を改正する法律案、この国の基盤となる税金を決める法律の質疑をさせていただきまして、本当にありがとうございます。 私は、この法案につきまして二つのポイントから、一つは経済再生というポイント、そしてデフレ脱却というポイント、二つのポイントから御質問したいと思います。 まず初めに、この所得税法の中で税金をいかに集めるかというのは非常に重要なテーマであるわけでございますけれど、今、e—Tax、私も使わさせていただいていますが、e—Taxが徐々に徐々に普及しているという状況にございます。十年前e—Taxが始まったときは普及度は一八・四%ということでございましたが、今は五〇%台になっているということでございます。ただ一方で、このe—Taxの普及、この数年は五〇%台から進んでいないという状況でございまして、このe—Taxを進めることにより、より納税者の利便性も上がり、かつ税の捕捉率も上がるというふうに考えるわけでございますけれど、そのe—Taxの普及、私個人で使っていて非常に感じましたのは、二つの問題点があるんではないかと思っております。 まず一つは、マイナンバーの普及が遅れていること。マイナンバーを取るために一回平日に休みを取らなきゃいけない。そしてまた、後で引っ越しをした後に住所の変更をしなきゃいけない。そのたびに平日に時間を取らなきゃいけないということがありまして、非常に、一般の方がこんな簡単に休めないだろうというふうに思いました。 そして、もう一つございますのが、ICカードのリーダーを買わなきゃいけないわけでございますが、これは正直申し上げまして年に一回しか使ったことありません。e—Taxを使うときだけでございます。 そういう状況の中で、IDパスワード方式なども始めていただきましたし、そしてまた、スマホによる申告も一部できるようになっているという努力をしていただいているわけでございますけれど、このe—Taxの普及、今後どのように進めていくか、その点について財務省の御意見をお聞かせください。お願いします。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 ただいまお話のございましたe—Taxにつきましては、平成二十九年度における個人所得税の利用率は五四・五%となっておりまして、まだ相当数について書面により申告がなされている状況でございます。 このe—Taxの未利用者に対して国税庁が実施しているアンケートにおきましては、e—Taxを利用していない又は利用をやめた理由として、今御指摘のありましたとおり、四割弱の方がICカードリーダーライターの取得に費用や手間が掛かる、三割弱の方が電子証明書の取得に費用や手間が掛かる、一割弱の方がセキュリティーに不安がありインターネットを利用したオンライン申請に抵抗があるということを回答しておりまして、こうしたことが所得税のe—Tax利用率が伸び悩んでいる原因であろうかと考えております。 ただ、国税庁といたしましては、今お話のありましたとおり、e—Taxの利用は納税者にとっても利便性向上のメリットがあり、また国税当局にとりましても税務行政の効率化のメリットがあるということでございますので、今委員の指摘のありましたとおり、スマートフォンによるものも含めまして様々な措置をとることによってe—Tax利用の促進に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えておるところでございます。
○藤末健三君 是非検討していただきたいのは、私、実は二〇一〇年にこのマイナンバーを進めた立場にありまして、担当者でおりまして、マイナンバーは何かと申しますと、税に使う、そして社会保障に使う、そして全体のその所得細分の最適化をもっと細かくやろうという目的でつくったものでございます、元々、二〇一〇年の発想はですね、今そうなっていませんけれど。是非、税金につきましては、一つ提案がございますのは、今、韓国やシンガポール、カナダ、フランス、そしてイギリスも今年から入れるんですけれど、記入済申告制度、もう役所の方でデータにある程度入っている、それを修正するだけで申告ができますよというようなシステムが導入されているわけでございますけど、そういうものも是非検討いただきたいと思います。 そして同時に、今日は総務省もお越しいただいていますけれど、マイナンバーの普及率、たしか一〇%をちょっと超えるぐらいしかないと思います。このマイナンバーは、本当にもうあらゆる方々が持っていただき、国民の皆様のいろんな申請の効率化を図る、そして自治体や政府の業務の効率化を図るという起爆剤として進めたわけでございますけれど、一〇%の普及率ですとほとんど効果がないんじゃないかとも思っていますが、その点どう評価するか、国税庁、総務省、教えていただきたいと思います。
○副大臣(鈴木馨祐君) 今御質問いただきました、記入済申告制度のようなものということで御指摘をいただきました。 働き方が多様化をしているということ、そういった背景を考えれば、所得税の確定申告が必要となる方、これからどんどんと増えていくことが見込まれるわけであります。どのようにして簡便かつ正確にそうした申告をしていただけるか、そのための環境整備をするのか、これは大変大事なことであろうというふうに思っております。 今、そういった意味では、例えばホームページ上で作成をする場合には自動的に転記をされるような、そういった仕組みも今進めているところでありますけれども、同時に今、政府税調の方でも、シェアリングエコノミーなどの新たな経済取引における適正課税を実現するためには、各種の情報を一元的に集約し、より簡便に電子申告が行えるよう、マイナポータルを活用したシステムの整備を進めたりするなど、官民が協働して環境の整備に取り組んでいく必要があるといった指摘もされております。 そういったことを踏まえまして、諸外国のいろんな例なども参考にしつつ、今後そういった環境の整備をしっかりとしていくという方向で検討しております。
○政府参考人(宮地毅君) お答え申し上げます。 マイナンバーカードは、三月十二日の時点で約千六百三十九万枚、人口の約一二・八%の方に交付されているという状況でございます。 先日、世論調査を実施しておりますが、五三%の方が取得予定なしという回答になっておりまして、その理由としましては必要性を感じないからなどが挙げられていることがございまして、それを踏まえまして、カードの活用場面を増やして、その利便性を国民の皆様に御理解いただくことが必要ではないかと考えています。現在、コンビニ交付サービスなどを始めとした公的分野のほか、オンラインでの新規証券口座の開設や住宅ローン契約締結など、民間分野でも利用が拡大してきているところではございます。 先般、二月十五日に開催されました政府のデジタル・ガバメント閣僚会議での官房長官の指示を受けまして、現在、石田大臣の下で、マイナンバーカードを活用した消費活性化策や、健康保険証との一体化などを含めましたマイナンバーカードの普及策や、マイナンバーの利活用促進策について取りまとめるべく検討を行っております。 引き続き、利便性の向上に取り組みまして、普及促進を図ってまいりたいと考えております。
○藤末健三君 是非頑張っていただきたいと思っていまして、このマイナンバーの議論ですけれど、当時、二〇一〇年、私はどちらかというと総務省の担当でございましたので、財務省と総務省がどっちが発行するかという議論になっていました。そのときに総務省ということで私は主張したんですけど、正直、間違ったと思っています、私。一〇%ってあり得ないですよ。 かつ、今おっしゃっていただいた対策は昔から言っていることを繰り返されていると私は思います。それは是非抜本的な対策を立てていただきたいと思いますし、これは恐らく総務省だけではなく政府全体として、政府のインフラとして是非取り組んでいただきたいと思いますので、副大臣も是非よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、経済再生について議論をさせていただきたいと思います。 今回、消費税増税という議論がありまして、併せましてガソリン税などにつきましても大きな議論があったわけでございますが、この中で、特にガソリン税、そして同時にそのガソリンを使う自動車の税金というものが議論になりました。 その中で、自動車につきましてはこれから、カーシェアリングなども普及しておりまして、自動車を保有するところから利用にシフトする中で、どのような燃料に対する課税そして自動車に対する課税を議論するかという状況にあるわけでございますが、一つございますのは、この自動車の保有から利用に移行する中でどのようなことをこれから検討いただくかということ。そして、またございますのは、自動車もガソリン車だけではなく電気自動車、EVとか、あとは水素自動車なども出てきているわけでございますけれど、その自動車間のエネルギーに課す課税、このバランスをどう取っていくかということもございます。 特にガソリンにつきましては、タックス・オン・タックスという二重課税がまだ引き続き残っているという状況でございますし、また同時に、ガソリンは価格変動が非常に激しいということでございまして、トリガー税制というものはつくっておりますけど、これなかなか正直作動しにくい仕組みになっていると私は思っております。 このようなガソリンにつきましては、消費者のみならず、ガソリンスタンドの経営者などにも非常に大きな影響を与えるものでございまして、是非とも車の利用の形態が変わる中、そして車のスタイルが変わる中で、燃料課税の是非この簡素化や負担軽減、より一層議論していただきたいと思うんですが、政府の考え方を教えてください。
○副大臣(鈴木馨祐君) 今先生御指摘のように、かなり今技術的にも変わりつつありますし、あるいは保有といったところから実際に使うといったところがメーンとなってくるという、そういった大きな動きがあろうと思います。 御承知のように、自動車については、税として購入段階であったり、あるいは保有ということであったり、あるいは走行であったり、それぞれの段階に対して課税が今されているところで来ていますけれども、そうした変化というものをどういうふうに捉まえて、そうしたバランスというものをこれから考えていくのか。 実は、三十一年度の与党の税制改正大綱の中でも、そうした技術革新や保有から利用への変化等の環境変化の動向を踏まえて、中長期的な視点に立って検討を行うといったことも言われております。そうしたことをしっかり踏まえて、これからそういった方向できちんとした検討を進めていきたいというふうに考えております。
○藤末健三君 是非議論を早めていただきたいと思います。 恐らく、このカーシェアの動きはもう急激に進むんではないかと思いますし、恐らくライドシェアもこれから起きてくるという状況、そしてまた技術革新で、自動車もあるレベルから一気にEVであり水素自動車に展開してくると思いますので、できるだけ早く新しいその燃料、エネルギー源、あとは自動車の技術に対応した議論を進めていただきたいと思います。 また同時に、経済の再生という意味におきまして、今固定資産税に償却資産課税というのが行われているわけでございます。これ、総務省の担当になるわけでございますが、何があるかと申しますと、この固定資産税、例えば工場なんかのいろんな機械やあとはプラントなりに対して固定資産税が掛けられている事例は外国ではほとんどございません、これは。ですから、例えば大規模な化学プラントであり製鉄所、そして鉄工所というところにつきまして固定資産税の賦課が掛かっているというのがまず一つございます。 そして、もう一つございますのは、この固定資産税、減価償却しても税金は掛かり続けるという状況でございまして、実は国の償却資産については完全にゼロになるものの、固定資産税、地方税についてはゼロにならずに残っている。したがって、会社の方はその管理のために、会計管理のためにやはり大きなコストを払っているという状況でございますが、そのように国際的に珍しい固定資産税の償却の制度を是非国際的にイコールフッティングする議論をしていただきたいということが一つ。 そしてもう一つ、少なくとも地方税と国税が基準が違うという状況は是非直していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。総務省、お願いします。
○政府参考人(稲岡伸哉君) お答え申し上げます。 償却資産に対する固定資産税でございますが、企業等が事業活動を行う際の市町村からの受益に着目して御負担をいただいているものでございます。また、償却資産課税は、例えばアメリカにおきましても一般的に行われていると承知をいたしております。 それから、国税の課税標準の計算方法との違いでございますが、国税におきましては、法人税におきましては、減価償却が設備投資に要した費用を資産が使用できる期間にわたって配分するために行うものであるのに対し、固定資産税における償却資産については、資産課税として課税対象の資産価値を評価するために今減価をしているということでございまして、法人税の減価償却とは趣旨が異なるということで、何とぞ御理解を賜りたいと思います。
○藤末健三君 是非、やっぱり企業サイドから見た場合に、大きく制度が違うということはすごい負担掛けているというのは御理解いただきたいと思うんですよ、まず一つ。 そして、今審議官がアメリカの事例をおっしゃいましたけれど、ほかの国は、例えば我々の産業上のライバルは韓国であり、恐らくシンガポールです、化学だったら。アジア諸国なんですよ、中国。そことの比較をしていただかないと、アメリカはもう既にそういう巨大なプラント産業や製鉄産業はどんどんどんどん衰退してなくなっているところでありますので、申し訳ないですけど、アメリカと比較するのはやめていただきたいです。産業はアジアの諸国と競争していますので、アジア諸国との競争環境をつくってあげるという観点は是非お願いしたいと思いますし、もう一つございますのが、やはり納税者の負担、事務負担も考えていただきたい。国税と地方税が違うから、台帳をわざわざ分けて管理しているわけですよ、彼ら。そして、経年して四十年たったような施設についても台帳できちんと管理しなきゃいけない。その負担を考えずに、役所の論理だけでそれを押し付けるというのはいかがなものかと私は思いますよ、これは。いや、これは本当に。それは是非議論を深めていただきたいと思います。 また、もう一つございますのは、ちょっと皆様のお手元に資料を配らさせていただきましたけれど、これは何かと申しますと、石油化学、プラスチックなんかを作るときの原料となるナフサという石油化学の材料がございます。何があるかと申しますと、これちょっと下の方に諸外国における課税状況と書いてございましたけれど、これは何かというと、日本はこのナフサに一回課税をしてそれを戻すという、そういう仕組みになっています、実は。ほかの国は、例えばアメリカ、韓国、いろいろ書いてございますけれど、課税を外しているという状況でございまして、我が国は一回税金をもらって返すという仕組みになっている。 これは何かと申しますと、この化学産業、実は、たしか二〇〇八年だったと思うんですけれど、このお金をもらって返す、返すのは租特、租税特別措置法でやっているわけでございますが、その租特法が止まったことがあります。そうすると何が起きるかというと、返せなくなっちゃうという。そうすると、石油化学業界は、じゃ、税金だけ払って返ってこないのかということで、もうすさまじい動揺が始まった。 そういう状況もありましたので、実は今はこの租税特別措置法は基本的に恒久化されているわけでございますが、是非とも、この化学産業などの方々が安心して活動するためにも、本則できちんと外すということを検討いただきたいと思いますが、副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(鈴木馨祐君) ナフサの件で今御指摘をいただきました。 この揮発油税自体、昭和二十四年だと思いますけれども、導入をされた当時、言ってみれば揮発油等の消費一般に対して担税力というものを認めてそこに掛けるといった、そういった経緯がありました。あともう一つ、やはりその後いろいろ地球環境の問題であったりとか、そういったところというものもその後に意味としては加わってきていると思います。 そういった大原則の中で、その一方で、国際競争力というところを考えて、あくまでそこからの例外としてこのナフサについては免税等の措置をその後とっているという、そういった整理で今やっておりまして、実際、実態としては、先ほど御指摘もいただいたように恒常化するという形にしておりますけれども、やはり本則にするというときには、そうした理屈というか、税としての課税の方の論理の整理というものをしていかなくてはいけないので、その点は御理解をいただければ有り難いと思います。
○藤末健三君 理屈はもう大分、昔からやっていますので理解させていただいていると思うんですが、やはり一つは経済再生という名目もございますので、やっぱり産業の競争力、これはもう税が大きく関与しますので、その点も御検討いただきたいと思います。 また、今回の税制改正におきまして、中小企業の事業承継、これ非常に強化されたわけでございますが、この事業承継については、私はいろいろ中小企業の方々とお付き合いさせていただく中で感じますのは、やはり自分の子供たちに事業を伝えていくということだけではなく、例えば社員の方々に事業を譲っていく。そうしますと、その株式を社員の方々に譲らなきゃいけない。ある意味、MアンドAみたいな形を取らなきゃいけない。そのときに税制的な問題も出てくるという話とか、また同時に、ちょっと資料も配付させていただいたんですが、これ私ちょっと個人的な思いですけれど、やはり日本の中小企業、日本の雇用の七割を支えていただいている中小企業でありますけれど、何があるかと申しますと、規模が大きいほど給与が高いという縮図があります。二ページ目にございますが、やはり十人未満は例えば三百五十万、平均給与、それが五百人を超えると四百六十万になり、五千人を超えると五百万を超えるというような形になっておりまして、大きな開きがある。 その中で私自身が思いますのは、事業継承も重要であるけれど、同時に、MアンドAで企業が大きくなり、そして安定した雇用をつくる、そして利益率を上げていくという方向も必要なのではないかと考えるわけでございますが、その点につきましていかがでしょうか。三ページ目にちょっとMアンドAの実施と非実施企業の労働生産性と書いてございますが、やはりMアンドAをした企業の方が生産性が高いというデータがありますので、政策としてこのMアンドAを進めるということも検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お願いします。
○政府参考人(風木淳君) お答えいたします。 まず、中小企業のMアンドAによる事業承継についての御指摘がありました。これ、進める取組として、現在、後継者不在の事業者に対して、事業引継ぎ支援センター、これを通じたマッチング支援を行っているところでございます。これは平成二十三年の発足以来、三万五千件を超える相談に応じております。それから、二千二百件を超える成約を実現しているところでございます。これは平成二十三年四月から平成三十一年一月までの実績でございます。 それから、御指摘のMアンドAを一層促進するための措置ということでございますが、自社株式を対価とすることで大規模な買収を行いやすくするように、昨年七月に施行されました改正産業競争力強化法、これによりまして、計画認定を受けた場合には、買収に際して譲渡した買収対象会社の株式の譲渡損益に対し課税を繰り延べるということができるようになりました。この法律によりまして、今後成長が見込まれる事業分野で革新的な技術を取得するための買収などにつきまして、生産性の著しい向上が見込まれ、買収対価の額が買収する会社の余剰資金を超えるような場合、こうした場合に計画の認定が受けられるということでございます。 こうしたことで、本税制措置、昨年七月に発効したということでございますので、まず、これが中小企業を含めた幅広い事業者に活用できるように全力を挙げることとしたいと思っています。こうした活用状況を踏まえて、まさに委員御指摘のとおり、必要に応じて制度や運用の見直し等を検討してまいりたいというふうに考えております。
○藤末健三君 是非御理解いただきたいのは、今経産省が行っている制度、例えば産業競争力強化法に恐らく申請できるというのはある程度の体力がある会社だと思うんですよね、今何件かというのは存じ上げませんけれど。是非検討いただきたいのは、二〇一四年から二〇一六年にかけて、小規模な事業者、何万件減ったか知っていますか、二十万ですよ、二年間で。そういう小さな企業もきちんと維持し、そして逆に大きくなっていくような仕組みを是非経産省の皆さんには考えていただきたいと思います。 やっぱり経産省は、すぐ何か法律作って認定してやりましょうという話になりやすいと思うんですけれど、やはり汎用的に誰でも使えるシステムをつくらなければ、私は、中小企業の、特に体力がある人は頑張るけれど、ない方々がもっと頑張っていただけるようにするという発想も持っていただきたいとお願いしたいと思います。 続きまして、グローバル化に伴います、今いろいろ議論がありますグーグルやアマゾン、フェイスブックなどのデジタル企業に対する課税の問題がございます。これはEUのレポートなどを見ますと、このようなグローバルなサイバー企業の税率、支払っている税率が九・五%と、一般的な企業の税率が二三・二%ということでございまして、何とその税金が、実効税率が半分になっているというレポートも出ています。 どうなっているかと申しますと、ポイントは何かというと、インターネット上で様々な情報とか、あとは無形資産をやり取りして、一番税金が安いところで利益が上がるように設計すると。そして、何があるかというと、実際に税金が高いところには全く税金が支払われないという仕組みがあり、それをどうするかということで、今OECDなどで議論されているわけでございますが、今年はG20、恐らくこれが大きな論点になると思っております。 是非、鈴木副大臣は、どのようにこれから日本がG20でこのサイバー企業の課税逃れを議論していくか、その方針をちょっと教えていただきたいと思います。
○副大臣(鈴木馨祐君) この問題は、ずっとBEPSというところで、これはITにかかわらず、ずっと検討も進めているところでありますけれども、特に今御指摘あったようなGAFAのようなIT企業というところ、従来から、今の国際的な課税制度の中では、外国企業の事業所得に課税するにはその自国内に物理的な拠点がなければなかなか難しいということがこれまであったわけであります。ただ、その一方で今御指摘のような問題も実際に出てきていて、これはあちこちでそういった議論が行われているというふうに承知しています。 今日も、昨日今日と若干報道もありましたけれども、EUの方でもそういった検討を進める中で、EUの場合はたしか三%暫定的に措置をするということで議論していたけれども、昨日、十二日付けで理事会か何かがあって、合意に至らなかったということがあったというふうに聞いています。 そうした中で、しかし、どうコンセンサスをつくっていくか、これまでの国際課税の原則から少しこれは考え方を変えていかなきゃいけない話ですから、それは今御指摘のようにOECDという場もそうですし、あるいはOECDの場合は新興国が入っていませんから、そこは、そういった将来的なことも考えれば、G20という枠組みでもきちんとこれは議論をしていく必要があるというふうに考えております。 今年は、今御指摘ありましたけれども、G20、我々が議長国ということでありますし、来年はサウジアラビアが議長国ということで、なるべく日本が議長国の期間にしっかりと議論を前に進めていきたいというふうに考えております。
○藤末健三君 是非議論を深めていただきたいと思います。やはり、私も聞いていると日本に対する期待というのは大きいものがございますので、是非、財務省、鈴木副大臣、主導してやっていただきたいと思います。 これは何かと申しますと、今までやっぱりグローバル企業というのは物を輸出したり輸入したりして利益を上げたわけでございますけれど、次に起きたのが映画とか音楽とか本も電子上で送ると。そうすると、どうやって課税するのかと、アメリカから売っているものを日本で買いましたと、どう課税するかという議論も後手後手になって、やっと数年前に課税が始まると。 今何が議論になっているかと申しますと、一つありますのは、やはりいろんなデータをサイバー企業が集めると、利用者のデータを、それを売る、それに対する課税どうするのかとか、あとは広告、アメリカから日本で広告を打つとか、あとはアイルランドから日本に広告を打つ、それにどう課税するか。そしてまた、大きいのはプラットフォーム、アップル、あっ、もう会社名出しちゃまずいとは思うんですけれど、ある会社があって、そこのプラットフォームを使わなきゃいけない、大体売上げの三〇%は取られるという、それに対する課税どうするかと。大きな議論がございますので、是非我が国が率先して議論を引っ張っていただきたいと思います。 そしてまた、税、企業に対する課税などにつきましては、仮想通貨の、もう今は暗号資産というふうになっておりますが、これに対する課税についてちょっと御質問をしたいと思います。 新聞記事などを見ますと、もう確定申告において、仮想通貨、名前がこれからは暗号資産に変わるわけでございますけれど、申告が始まっているということもございますし、また、読売新聞などを見ますと、無登録の仮想通貨の交換代行業が二億円の所得隠しをしていたというようなこともございます。 私も、この暗号通貨につきましては、いろいろ国会で議論させていただく中でいろんな方から話は聞いていますけれど、二つございまして、一つは、仮想通貨の税の申告、いろんなパターンがあります、もう基本的に。なかなか理解しにくいと思いますけど、同じ交換事業者で全部交換して利益が出ますよという世界じゃなくて、様々な交換事業者を組み合わせてやりますから、その積算どうするんだとかいうパターンが幾つかございまして、何かと申しますと、実は国税庁の方から明確な指針が出ていないという話も聞いていますので、是非こういう暗号資産、今回、この国会で恐らく法案が出てくると思いますけれど、この暗号資産の課税についての考え方を是非示していただきたいということと、もう一つございますのは、やはりこの仮想通貨というのは、非常に何というか危険、世間のイメージはすごく危険なものであると。なぜかというと、盗まれてどこに行ったか分からないような状況になっているということでございます。ただ、今、金融庁の方におかれましては暗号資産の管理を、モニタリングを強化するという動きもございますので、是非、国税庁と金融庁が連携してこの暗号資産、仮想通貨の所得などの管理を、モニタリングをやっていただきたいと思うんですが、その二点についてお答えいただけないでしょうか。お願いします。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 今御指摘のございました仮想通貨取引に関しましては、国税庁といたしましても、その取引により得た所得についても納税者自らが適正に申告することがまずは重要であるというふうに認識しております。そのため、国税庁におきましては、昨年来、仮想通貨取引に係る研究会を金融庁、仮想通貨関連団体とともに開催した上で、仮想通貨に関する税務上の取扱いを幅広くまとめた仮想通貨関係FAQを昨年十一月に国税庁ホームページに公表しまして、また、仮想通貨交換業者が年間取引額を集計した報告書を顧客へ交付するということを働きかけるとともに、こうした取組を仮想通貨関連団体を通じて各交換業者や利用者へ周知するといったような取組などによりまして、納税者が簡便に、適正に申告できる環境整備に努めているところでございます。その上で、課税上の問題を把握したときには、必要に応じて納税者に接触し、その是正に取り組むというような対応も行っているところでございます。 加えまして、今ございました金融庁との関係でございますけれども、ただいま申し上げたとおりの取組を行ってきておるところでございますけれども、その上で、まさに仮想通貨交換業者に該当する可能性がある取引を行っている無登録業者がいた場合などにつきましては、まずは金融庁が利用者保護の観点から厳正に対応するものと承知しておりますが、このような対応を通じて無登録業者が存在しなくなるというようなことになりますと、先ほど申し上げました仮想通貨業者やその団体に対する国税庁の取組と相まって、所得の捕捉や適正な課税の実現にも一定の効果をもたらすものと考えております。 また、これに加えまして、国家行政組織法や国税通則法の規定に基づく国税当局からの協力要請に対応して、金融庁が把握した情報のうち課税上有効と考えられるものを御提供いただくといったようなことも考えられるというふうに思っております。 国税庁といたしましては、このような形での金融庁との連携も含め、納税環境の整備、資料情報の収集、必要に応じた税務調査といったことによりまして、仮想通貨取引の適正、公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
○藤末健三君 是非、金融庁との連携、またいろんな協会と連携、そしてもう一つお願いしたいのが、実際にホームページにあるフリークエントQアンドAは私も読んでいるんですけど、あれ一般論だと思うんですね。いろんなパターンが出ていまして、今、仮想通貨のいろんな会計をアドバイスするような会社も出ているんですよ、実際に。そういうところとも是非ちょっと国税庁としても会話をしていただきたいと思うんです。協会はまだ分かっていないです、正直申し上げて。ですから、実際に動き始めている会計事務所なんかで専門のアドバイザーがもう生まれ始めていますので、そういうところとの連携を是非やっていただきたいと思います。 最後に、この税制改正の目標でありますデフレ脱却についてお話をさせていただきたいと思います。 皆様のお手元に、四ページ目、配った資料がございますが、これはIMFのワーキングペーパーでございまして、人口減少と高齢化がどれだけデフレに圧力があるかというデータを取り出したものでございます。 ちょっと英語のままでございますが、一番上に、このオールド・エージ・ディペンデンシー・レシオというのは高齢化によるインフレ圧力。あとは、ポピュレーショングロースというのは人口減少によるデフレ圧力。そして、ラグドインフレーションというのは、ラグ効果というのがございますので、その効果ということでございます。これを見ていただきますと分かりますように、人口減少、高齢化の影響が二〇一〇年からどんどんあり、何かと申しますと、二〇二〇年以降もずっとその人口減少や高齢化のデフレ圧力が続くであろうというデータであります。 この財政金融委員会においても非常にこのデフレ脱却の議論はされているわけでございますが、やはり金融であり財政出動の議論がメーンであるということでございまして、私自身のちょっと考えを申し上げますと、五ページにございますが、やはり最低賃金を上げるということをすべきではないかと。 中小企業の方々から悲鳴が上がるかもしれませんが、実際にイギリスはこの三、四年に意識的に最低賃金を毎年四%、ある年は七%というレベルで上げ、ドイツ、フランスも最低賃金を上げることにより雇用者の給料を上げていくということを取り組み、うまく成功していると。一方、韓国は急激に上げ過ぎて、二桁以上上げて中小企業からも悲鳴が上がっていると、失業が増えているという状況にありますが、我が国もこのデフレ脱却の大きな手段として、是非この最低賃金を上げていくという議論をやるべきではないかと思うんですが、鈴木副大臣の見解をお教えください。
○副大臣(鈴木馨祐君) 今御指摘をされた点、非常に大事な点だろうというふうに思います。 デフレという状況の中で、今いろいろな政策を打ちながら、デフレという状況からは脱却をしつつあるという、そういった状況になっています。その中で、やはり本来であれば賃金あるいは設備投資にお金が回って、そこから個人消費に回ってという、そういった景気の好循環、これをしっかりとつくっていかなくてはいけないし、それをつくれるような地合いになってきているんだろうというふうに思いますが、その一方で、やはりいろんな構造的な問題もあって、そこに十分に行っていない状況もあるというふうに思います。 賃金という御指摘をいただきましたけれども、本来であればその需給の中で、労働市場の中でしっかり賃金の上昇圧力が出てくるというのが本来あるべき姿ですけれども、そこに至るまではいろいろなほかのやり方というところで、これいろんな手法でやっていく。その中の一つとして、これまでも政府としてもいろいろ賃上げの要請ということもやってきたところであります。あるいはまた、租税特別措置の中でもいろいろな対応も打ってきております。 しっかり、これからもそういった意味で、あらゆる手段をしっかりと使いながら、経済の本当の意味での民間主導の景気回復への好循環というものをきちんと実現できるような方策を打っていきたいと思います。
○藤末健三君 是非議論を深めていければと思います。 実は、この五ページ目に示した八百四十八円というのは平成二十九年度のデータでございまして、平成三十年度は八百七十四円と三%アップと。実はこの三年間、三%アップしているんですよ、これはもう自然状態で。私は、実は、これ四%アップでいけば、何と四年間で千円行きます、これは。ですから、政府はある程度伸び代はつくっていくという形で、例えば千円という目標に達する期間を限定してやるというのは大きな私はデフレ対策のメッセージになると思いますので、是非、これは共産党の小池先生も提案されていましたので、党派を超えてもやってもいいんではないかと思っておりますが、議論を深めていければと思っております。 ちょうど時間となりましたので、これで私の質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。 本日は、所得税法の一部改正を始め国税全般にわたる質疑につきまして、通告に従い、順次進めてまいりたいと思います。 一昨日の質疑に引き続き、私からはまず、本年十月の消費税率引上げに対応した反動減対策、平準化措置という観点から質問を進めたいと思います。 まず、個人所得課税でございますが、特に住宅の購入については、高額な耐久消費財でありますので、税率の引上げ前後の駆け込み需要や反動減といったものが景気、経済に大変大きく影響してまいります。きちんとした準備を行っていかなければならないということは言うまでもございません。 そこで、今般の税制改正におきましては、住宅ローン減税については、所得税の控除期間を更に三年間延長することとしたことを始め、すまい給付金の拡充や次世代住宅ポイントの付与といった予算と税制の両面での反動減対策、平準化といった措置が講じられておりますので、税率引上げに影響されることなく住宅を安心して購入いただける、購入にメリットがある環境整備を目指しております。 そこで、まず国交省に伺いますが、これら住宅ローン税制の効果について確認するとともに、すまい給付金の拡充や次世代住宅ポイントの付与について、実施に向けて具体的にどのような制度設計を図っているのか、また、これら制度の利用に向けた周知活動について伺いたいと思います。
○政府参考人(小林靖君) お答えをいたします。 本年十月一日に予定されております消費税率引上げに当たりまして、駆け込み需要と反動減により経済に影響を及ぼすことのないよう、税制、予算措置による総合的な対策を講じることとしております。 ただいま委員から御紹介がございましたように、具体的な内容といたしましては、住宅ローン減税の控除期間の三年間の延長、すまい給付金の給付額等の拡充、次世代住宅ポイント制度の創設の三つのメニューがございます。これらによりまして多くの方が税率引上げ後の住宅の取得についてメリットが出るというふうな効果が得られる、そういった支援が受けられると考えております。 具体的に、すまい給付金につきましては、これまで所得層、これは従来五百十万円以下の方を対象にしてまいりましたが、所得層につきましては七百七十五万円以下の方まで拡充をし、給付額も最大三十万円から五十万円に引き上げるといったことにしております。また、次世代住宅ポイント制度につきましては、消費税率一〇%で一定の性能を有する住宅の新築やリフォームを行う方に対して、様々な商品と交換可能なポイントを発行する制度としてございます。 次に、こうした制度の周知でございますけれども、平成三十一年度予算案、税制改正大綱の閣議決定後、予算案と関連税制法案が成立することを前提とする旨を示した上で、広報用のチラシの作成や配布、住宅建築関係団体に対する説明会や各都道府県主要都市での説明会の実施、新聞やラジオ、住宅情報ポータルサイトなどにおける広告などの取組を行っているところでございます。このように支援策の広報等に取り組んでおりますけれども、引き続き、民間の関係の団体とも連携をしながら支援策の周知に努めてまいります。
○杉久武君 よろしくお願いしたいと思います。 国民の皆様の十分な理解がなければ効果が発揮をいたしませんので、税率引上げまであと半年余りと迫ってまいりました。これら対策についての国民の認知度を高めるためにも、一層の周知徹底を是非よろしくお願いしたいと思います。 次に、資産課税に関連して、個人事業者の事業承継税制の創設について伺います。 まず、中小・小規模事業者の経営者の方々のうち、今後十年間で七十歳を超えられる経営者が約二百四十五万人に上り、そのうち約半数の百二十七万人、これは我が国企業全体の実に三分の一に相当いたしますけれども、その経営者の方が後継者が決まっていないと、こういう大変深刻な数字がございます。 そこで、中小企業庁に伺います。この後継者不足の問題を放置しますと、今後我が国では雇用やGDPにどのような影響が出ると試算をしているのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(前田泰宏君) お答え申し上げます。 今御指摘のとおり、今後十年間に平均引退年齢である七十歳を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約二百四十五万人と見込まれておりまして、その約半数の百二十七万人が後継者未定でございます。この現状を放置いたしますと、約六百五十万人の雇用と約二十二兆円のGDPが失われるおそれがあるため、事業承継は待ったなしの課題であるというふうに認識をしております。
○杉久武君 今、本当に影響額、六百五十万人の雇用、二十二兆円のGDPに影響が与えるというお話がありました。この我が国経済の土台はやはり中小・小規模事業者によって私は支えられていると思っておりますので、こうした深刻な後継者不足は、たとえ黒字経営でも廃業を選択せざるを得ない可能性を秘めておりますので、これは何とかしなければ、程なくして我が国の社会経済基盤そのものが足下から音を立てて崩れる、大変憂慮すべき事態だというふうに思っております。 そこで、私ども公明党は、中小・小規模事業者の方が安心して事業承継を進められるよう様々な施策を訴えて推進をしてまいりましたが、特に昨年の税制改正では、事業承継時の株式に係る贈与税、相続税につきまして十年間限定でゼロにする特例措置を設けるなど、事業承継税制を大きく拡充をしてまいりました。 そこで、中小企業庁に伺いますが、昨年度設けられたこの特例措置の実施前と実施後で事業承継の株式贈与に関する申請件数はどの程度増えたのか、また税制改正の効果についてどのような評価を行っているのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(前田泰宏君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、平成三十年度の税制改正におきまして法人の事業承継税制を抜本的に拡充をしております。拡充前は、十一年間、平成二十年度から平成三十年度まででございますが、十一年間で二千五百件の利用でございました。拡充後、すなわち昨年四月から今年の二月末までの十一か月間、これで二千五百件を超える申請があるということでございまして、大きな効果があるんではないかというふうに私どもは認識をしております。
○杉久武君 今お伺いしたように、十一か月間で十年分の値が、件数が出てきていると、飛躍的な伸びを示しております。いかに中小・小規模事業者の支援が大切か、この今答弁いただいた数字からも読み解くことができると思います。 そして、これらの流れを更に加速するために、私ども公明党が主張してきた事業承継税制の抜本的な改革として、個人事業者の事業承継税制の創設がこの平成三十一年度の税制改正で盛り込まれました。これは個人事業者向けに事業用の土地や建物、自動車などに係る贈与税、相続税を十年間限定でゼロにする制度でございますけれども、これは本当に画期的なことであり、私も強く支持をしたいと思います。 そこで、中小企業庁に確認しますが、今般の税制改正における個人事業者の事業承継税制の創設による効果、どのように想定をされているか、伺いたいと思います。
○政府参考人(前田泰宏君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、平成三十一年度税制改正では、個人事業者の集中的な事業承継を後押しするため、十年間の時限措置として、土地、建物、機械、器具備品などの承継時の贈与税、相続税の一〇〇%納税猶予制度を創設する予定でございます。これにより、約三百五十八万社の中小企業のうち五割以上を占める個人事業者の方々にもこの税制を利用していただくことが可能となります。 今後は、この制度を御活用いただけますよう、分かりやすいパンフレットを全国千六百六十の商工会、五百十五の商工会議所等を通じて事業者に届ける、また、税理士を始めとする全国三万二千八百五十二の認定経営革新等支援機関の御協力を得て、相談対応や制度の申請支援などを行っていく予定でございます。 こうした取組を通じまして、少しでも多くの個人事業者の方々にこの制度をお使いいただけますよう環境整備をし、個人事業者の円滑な事業承継を進めてまいりたいと思っております。
○杉久武君 今お話しいただきましたとおり、やっぱりこの個人事業者の事業承継の税制創設は、中小企業の皆様からも今までにない前進と大きな期待をいただいておりますので、一日でも早い成立はもとより、円滑に活用できるように環境整備を是非お願いしたいと思います。 しかし、他方では、こうした諸制度について、実際にそれがきちんとやっぱり活用されているかどうか、この点についてもしっかり目を配っていきませんと意味がございません。 例えば、経営者の方が様々な制度を御利用いただくに当たっては、私ども公明党が推進をし、国にも十分取り組んでいただきましたよろず支援拠点の利用が挙げられますけれども、四十七都道府県での来訪、訪問者数は、平成二十九年度の数字ですが、延べ約三十二万人ということになっております。 しかしながら、このよろず支援拠点の来訪相談者数は地域によってかなりばらつきがございます。平成二十九年の数字では、福岡県が年間約一万三千件余りと飛び抜けて多く利用がございますが、これは最も来訪相談者の少ない鳥取県の約六倍以上という、こういう大きな開きがございます。また、方面別では、九州や関東の来訪相談者数は多いようでありますけれども、東北や近畿、四国では利用件数が少ないようにも感じられます。このばらつきは何なのか、また利用いただけるように工夫を凝らしていく余地があるのではないかなと、この数字を拝見するに当たり考えておりますが。 そこで、中小企業庁にお伺いをします。 まず、このよろず支援拠点の都道府県別利用者数についてどのような認識を持っているのか。また、今般の事業承継税制を始め、様々なこの中小企業に対する支援策、諸制度をしっかり活用していただくためにも、丁寧な周知活動は当然ですけれども、このようなやっぱり支援拠点、この支援拠点をより利用しやすいものにするためにも一層の創意工夫が必要かと思いますが、中小企業庁の見解を伺います。
○政府参考人(前田泰宏君) お答え申し上げます。 よろず支援拠点につきましては、全国四十七か所に設置されてから五年が経過しております。利用者へのアンケートでは、自社だけでは解決できない複雑な問題を整理できて解決策のアドバイスをもらえたという声も多数寄せられておりますが、一方で、御指摘のとおり、経営支援の質にばらつきがある、あるいは、より利用しやすくする観点から、遠隔相談に当たってはITなどを一層活用してほしい、いろいろな声が出てきているのも事実でございまして、御指摘のとおり、実際に都道府県別の利用者数にもばらつきが出てきております。 そういう中でおきまして、国がまずよろず支援拠点の活動方針を統一的に示し、それを受ける形で各拠点が定める年度計画いうようなものになっているかどうかを国が確認をし、それをPDCAサイクルの徹底によって経営相談の質の底上げを行う、あるいは、他の支援拠点と連携したサテライトの拠点の設置や出張相談等の取組を拡大するとともに、テレビ会議システムを利用した相談対応の実施により遠方の事業者でも利用しやすい環境整備などに取り組んできたところでございまして、よりそれを強化をしたいと考えております。 引き続き、これらの取組を通じ支援水準の向上を図るとともに、中小企業・小規模事業者にとって利用しやすい支援拠点を目指してまいりたいと思っております。
○杉久武君 是非、利用者目線で充実した支援拠点になるように取り組んでいただきたいと思います。 他方で、特に税務面につきましては、支援策が間違いなく円滑に進むよう、納税環境といった側面でも整備も大切になってまいります。そこで、その主軸となりますのが国税庁であり、諸制度を熟知していただいているのも国税職員の皆様であります。私も、政務官就任中、埼玉県和光市にあります税務大学校を視察させる機会も得ました。本当に熱心に、また真剣に研修をされている職員の皆様の姿、また責任感の厚さに大きな感銘を受けたことを思い出します。 ところが、本委員会でも度々取り上げられておりますが、国税庁の定員はこの二十年間で千五百人近く削減される一方で、所得税の申告件数は高止まりし、さらに法人税の申告件数は増加の一途をたどっております。また、法人税の実調率は三%まで下がっているのが現状であります。実調率三%といいますと、平たく言えば、企業からすれば三十三年に一度調査にやってくるという頻度になりますので、納税意識の希薄化やコンプライアンス意識の低下につながりかねないのではないかという危惧もございます。 また、我が国を取り巻く経済環境は近年目まぐるしく変化をしておりますし、急激な国際化に伴い、仮想通貨や民泊、また金の密輸による消費税の不正還付等、匿名性や潜在化といった新たな経済活動に関わる諸問題に誰が対処し、どのようにして適正な、また公平な納税環境を整備するのか、そういった現場を担っていただいていくことが国税庁の職員の皆様でございますけれども、その職員の数が減っている現状は憂慮すべきことと思います。 そこで、国税庁に伺いますが、国税庁の定員についての率直な御見解と、新たな経済活動への対処を始め、我が国の納税環境整備に対してどのような認識を持たれているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 近年、経済活動が国際化、ICT化いたしまして、シェアリングエコノミーなどの新たな経済活動が広がる中、御指摘のとおり、国税に関します調査、徴収事務は複雑困難化しておりまして、そういう意味では、税務行政を取り巻く環境は大変厳しさを増しているというふうに我々も認識しているところでございます。このような状況の下で適正、公平な課税徴収を引き続きしっかり実現していくためには、税務執行体制の強化を図っていくことが極めて重要であるというふうに認識しております。 こうした中、平成三十一年度予算におきましては、民泊サービス、仮想通貨取引といった新たな経済活動等への対応、それから、これも御指摘のございました国際的な租税回避等への対応、さらには税制改正等への対応などを図っていくための所要の体制整備を盛り込んだところでございます。 その結果、平成三十一年度予算におきます国税庁全体の定員はプラス九名の純増となっているところでございますけれども、引き続き、業務の効率化を図りつつ、必要な定員、機構を確保いたしまして、御指摘のような様々な対応、観点、課題への対応をしっかり実現するように税務執行体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
○杉久武君 すぐに定員を増やす、急に増やすということは難しいとは思いますけれども、しっかりと取り組んでいただければと思います。 また、それ以上にやはり困難なのは、これは人材育成だというふうに思っております。一朝一夕には当然できません。税務大学校での研修はもとより、ベテラン職員の方の調査や徴収経験を継承する、そのためにも、毎年滞りなく継続的に職員数を確保し、増員し、組織機能を維持することが不可欠だろうと思っております。マンパワーの確保は我が国の根幹たる税制を維持する生命線であると考えますので、大変であることは承知の上でございますが、どうか御尽力いただければと思います。 その上で、人材不足と業務の複雑化、調査の困難化が進む中、今何ができるのかといいますと、柔軟な発想による業務の合理化が必要なのではないかと思っております。今所得税の確定申告のまさに真っただ中でありまして、あしたが期日でございます。所得税の確定申告はここ数年で年間約二千二百万件と高止まりをいたしておりまして、事務の増加と煩雑さ、国税職員の方も、また納税者の方にものしかかっているのではないかというふうに思います。 そこで、今日お話をさせていただきたいのは、事務量削減と納税環境の合理化に向けた一つの解決案について御提案をしたいと思います。 これ、先週六日の予算委員会でも麻生大臣の方には最後ちょっと御質問させていただきましたが、ちょっと予算委員会では十分な時間を取ることができませんでしたので、その確認も含めて、今日は順次質問をしたいと思います。 まず、所得税による医療費の控除の制度であります。この医療費の控除につきましては、確定申告をしないとこれは利用できないわけでありますけれども、先ほど申しましたように、年間二千二百万人確定申告をされる中で約七百五十万人が医療費控除、これを利用されております。 医療費控除というのは、一般的には、年間の医療費が十万円を超える場合、その十万円を超えた額を所得から控除できるという仕組みでありますけれども、やはりこの医療費控除といいますと、これまでは領収書の束と格闘するという、そういった状況でありまして、特に医薬分業になってからは、一回病院へ行くと、領収書が病院と薬局で二枚出てくるわけでありまして、特に医療に関わることが多い高齢者の皆さんにとっては、これは大変煩雑な作業であります。それを少しでも簡便的にできないかということで、ちょっと今日は何点か御質問したいと思います。 それが医療費の通知、これ、各保険者から被保険者に送られてくるものでありますけれども、この活用についてお話をしたいと思います。 まず、そもそものこの医療費の通知制度、まずこの制度の目的及び導入された経緯について厚生労働省に確認をします。
○政府参考人(渡辺由美子君) 今御指摘のございました医療費通知でございますが、これは昭和五十三年に健康保険組合の独自の取組として開始されたものと承知しております。その後、昭和五十五年以降は、国の方でも各医療保険者に対してこの医療費通知の実施を促す通知を数次にわたって発出しておりまして、現在ではその取組が定着しているところでございます。 この医療費通知の目的でございますけれども、各被保険者の皆様に医療費通知を交付することによりまして、皆様方の健康についての意識を持っていただくことはもちろんでございますが、医療費ですとかあるいは医療保険制度全体に対しての意識を深めていただく、このような目的も有しているものでございます。
○杉久武君 この医療に対するどれだけ社会保険診療で掛かっているか、そういった状況を被保険者に確認をしていただくという趣旨で始まったものだと思いますけれども、この医療費の通知が、平成二十九年度税制改正で、所得税の医療費控除において領収書に代えて利用できるようになりました。その背景と狙いについて財務省の方に確認をしたいと思います。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 医療費控除につきましては、ただいま委員から御指摘がございましたとおり、適用件数、例年七百万件を超えるということでございまして、納税者御自身にとりましても多大な、また煩雑な事務負担が生じていたところでございます。 こうした状況を踏まえまして、平成二十九年度の改正では、領収書の添付に代えて、支払った医療費の一覧を示した明細書を添付することとして、その際、領収書については原則として五年間自宅で保存することを義務付けるという、そういう制度を設けたところでございますけれども、これと併せまして、納税者の事務負担について可能な限り軽減を図るために、健康保険組合などの今御説明のありました医療保険者から提供された医療費通知、医療費のお知らせなどでございますけれども、これを利用できるようにするとともに、この場合、医療機関からの領収書を自宅で保存していただく必要がないという、そういう仕組みを併せて導入すると、こういうことで納税者の事務負担を軽減するということにいたしたわけでございます。
○杉久武君 そういった意味では、今局長に御説明いただきましたとおり、私はこれ非常に納税者の利便性にかなった改正だったというふうに思っておりますけれども、しかしながら、これ蓋を開けると、全ての医療費のお知らせ、医療費の通知が税制上これ活用できるわけではないということが実態としてございます。 そこで確認をしたいと思いますけれども、医療費控除、所得税の医療費控除で利用するための医療費通知の記載要件、これはどういったものがあるか、これは国税庁にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 所得税法上、医療費控除の適用を受ける場合に添付することができる医療費通知は、被保険者等の氏名、療養を受けた年月、療養を受けた者の氏名、療養を受けた病院、診療所、薬局その他のものの名称、被保険者等が支払った医療費の額、保険者等の名称の各項目の記載がなされていることが必要とされているところでございます。
○杉久武君 今国税庁から御説明いただきましたとおり、六つ記載要件がありまして、これを全て満たしていなければ所得税の医療費控除では利用することができないということになっています。 今日、お手元に資料をお配りをさせていただきましたが、これは厚労省からいただいた各保険者の数、種類を書いていただいております。いろいろ、全ての国民が何らかの保険には加入をするわけでありまして、厚労省が所管するだけでも、市町村国保、国保組合、協会けんぽ、組合健保、後期高齢者医療制度、これだけございます。そしてまた、これ以外にも、公務員の皆さんは別途各省が所管をしている共済もございますので、このそれぞれの保険者における医療費の通知の要件を満たしている保険者の割合、これについて順次、まずこの資料に記載の保険者については厚生労働省から、また国家公務員については財務省、地方公務員については総務省、そして私学共済については文科省から答弁をいただければと思います。
○政府参考人(渡辺由美子君) まず、厚労省所管分からお答えいたしますと、先生のお配りいただいた資料に沿って申し上げますと、まず一番左の市町村国保でございますが、これ、現在私どもの把握しております中で、実施予定の保険者も含めまして現時点で約九二%が税法適格の通知を発しているということでございます。それから、国保組合につきましては約七五%、これも実施予定込みでございます。それから、協会けんぽは保険者一つですので、もう既に一〇〇%実施をしております。それから、組合健保につきましては平成二十八年度末時点でございますが約八六%、それから後期高齢者医療制度におきましては一〇〇%実施をしているところでございます。
○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。 国家公務員共済組合におきましては、現時点で税法の記載要件を満たした医療費の通知を発行している組合はございません。 具体的に申しますと、確定申告に医療費通知を用いるためには、税法上、自己負担額を記載する必要がございます。しかし、現在各国家公務員共済組合が発行しております医療費通知では自己負担額を含めた医療費総額を記載しているため、税法上の要件を満たしていない状況となってございます。 この状況を是正すべく、国家公務員共済組合におきましては、平成三十二年四月の運用開始を目指して次期標準共済システムを開発中でありますところ、この新システムの下で、平成三十二年分の確定申告から医療費通知を医療費控除に利用できるように取組を進めてまいりたいと存じます。
○政府参考人(大村慎一君) お答えいたします。 地方公務員共済組合につきまして、現在総務省として調査回答を得ているところでは、保険者となる六十四組合のうち、医療費控除の申告に添付できる医療費の通知を発行しているのは六十一組合、割合にすると約九五%となっているところでございます。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答えを申し上げます。 私立学校の教職員共済に関しまして、日本私立学校振興・共済事業団が発行します医療費の通知は、本年二月に発行したもの以降、税法の記載要件を満たしたものとなっているところでございます。
○杉久武君 今それぞれ、今日はちょっと各省からわざわざ来ていただいて答弁いただきましたけれども、税法上は記載要件さえ満たせば、これはもう法律改正要る話ではありませんのでこれ利用できるんですけれども、なかなか実際はまだ利用できない保険者もあります。 今日はあくまで保険者の割合でこれは数値を出していただきましたけど、本来、私としては、被保険者数の数字でどれぐらいのカバー率かというのをちょっと調べたかったんですが、余りにも膨大な作業になるということで、今日は保険者数でお話をいただきました。 実は、私がこれ問題意識を持ったのは、私も二年前、財務政務官させていただいたときは、これ一時的に財務省の共済の方に異動するわけでありまして、自分の医療費通知を見たら使えなかったということを見たときに、どこまでやはりこれは浸透しているのかなということを最初問題意識を持って、この問題を取り上げさせていただきました。 また、地元の国保に戻っても、実は自分の地元の国保はまだ対応していなかったり、一番やはり記載要件として漏れているのは自己負担額、ここがやっぱりまだまだ対応していない保険者が多いのかなということになります。 ただ、それぞれ皆さん、いろいろ仕事をされたりいろいろ生活環境が変わる中で、保険者というのは人生の中でいろいろ渡り歩くことがありますので、ここでは使えてここでは使えないとなると、いざというときにやっぱり非常にこれは結局かなり面倒な作業を納税者にも強いることになるのではないかというふうに思っておりますので、是非これは、医療費の通知はどこの保険者であっても必ずこの税法で利用できるという形を、これはもう取組、運動論だと私は思っておりますので、各省横断的に是非進めていただきたいということを今日は強くお願いをしたいと思います。 この医療費の通知はもう一つ課題がありまして、発行頻度とか発行の時期の問題があります。またちょっとそれぞれの省庁で、お手間を掛けますけれども、この発行時期、発行頻度についてはどういう状況になっているか、また厚労省、また財務省、総務省、文科省の順で御答弁いただければと思います。
○政府参考人(渡辺由美子君) まず、厚労省の所管分でございますけれども、全国一つの協会けんぽにつきましては、これは年一回の発行ということで、時期も、三十年度におきましては三十一年一月に交付をしておるところでございます。 それから、それ以外はちょっとかなり格差がございますけれども、例えば健保組合で申し上げますと、年二回から五回というところが四割近くある一方で、年十二回、すなわち毎月というところも全体の四割ぐらいございます。それから、後期高齢者の広域組合につきましては、全体の約八割が年二、三回というところでございまして、市町村国保につきましては、約六割が年五、六回という、こんな状況になってございます。
○政府参考人(神田眞人君) 国家公務員共済組合につきましては、その発行頻度、九割に当たる十八組合が年一回の発行、二組合が年二回の発行でございます。その通知の発行時期につきましては、十月から十二月に発行している組合が多く、二十組合中十二組合がその時期に発行してございます。
○政府参考人(大村慎一君) お答えいたします。 地方公務員共済組合の医療費の通知の発行時期は、主に一月から三月の間に発行されておりまして、発行頻度は主に年一回から二回というふうになっております。中には、年三回ですとか、多いところは年十二回というようなところもございます。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 私立学校教職員共済につきましては、年一回、二月に発行しているところでございます。
○杉久武君 各省の皆さん、ありがとうございます。 これも様々、発行頻度はばらつきがあると思いますけれども、これは余り統一云々という私は議論ではないと思うんですが。 ただ、一つ、やはり確定申告という作業を考えたときに課題になるのが、やはり十一月、十二月の診療情報が二月十五日の確定申告スタートまでに被保険者に伝わるというのが私は将来的には非常に大切なポイントになってくると思います。この件、私もこのレセプトの計算期間等についても厚労省から勉強させていただいて、なかなかこれすぐにできる話ではないとは思ってはいるんですけれども、やはりこの診療情報を、医療費の通知を通じて被保険者に伝わる期間のこの短縮というものを、これだけICT化が進んでくる中で是非厚労省としても検討いただきたいと思いますが、御見解をいただけますでしょうか。
○政府参考人(渡辺由美子君) 御指摘ございましたとおり、レセプトの審査期間をなかなか短縮というのは難しいところはございますが、やはり、医療費通知の作成と発送時期、これをできる限り確定申告の時期に合わせて実施することについて、私どもとしても保険者に周知していきたいと思っております。 また、将来的には、レセプトの情報を活用して、マイナポータルを通じて医療費控除の申告に必要な情報をe—Taxに自動転送できる、こういった仕組みについても検討しておりますので、そういった中で、医療費の情報が被保険者の方に伝わるまでの期間の短縮について、引き続き検討していきたいと思っております。
○杉久武君 是非、これは当然、元々このレセプトの情報というのは医療費の控除のための当然作業ではないというふうな理解をしておりますけれども、年間七百五十万人の方が毎年確定申告で作業をされている。私も、先日、ある地元に帰ると高齢者の方から、歯医者に行ったりいろんな病院に行ったりもう毎年領収書の束で大変なんやと、こういう声もいただきました。この点について先日、予算委員会で麻生大臣の方にも質問させていただいたところ、その方向で検討させていただきますと、是非これを財務省も旗振り役になってやっていただくということで、前向きな御答弁をいただきました。 今日はちょっと大臣御不在ですので、今日は副大臣になりますけれども、是非これは財務省も主導して、これは納税者にとっても、また税務署の職員にとっても非常にプラスになりますので、この医療費の通知だけで社会保険診療の医療費控除はできる、この仕組みの実現に向けての最後御決意をいただければと思います。
○副大臣(鈴木馨祐君) 杉先生、大変今日は有意義な、闊達な御議論をいただきました。問題点として御指摘のように、やはりスピードの問題と、そして項目をどうやってきちんとカバーしたものをそれぞれの保険者が出せるのか、そういった点に尽きるんだろうと思います。 御指摘のように、これは実際に納税者の方々の利便性、そして私どもの事務処理の簡素化というところに結び付く、しっかりと進めていかなくてはいけないことだというふうに考えておりますので、関係の省庁ともしっかり連携をして進めてまいりたいと思います。
○杉久武君 もう是非進めていただきたいと思います。 今、本当に二十九年改正で少し前へ進んだ状況なんですけれども、ただ、今どうしても中途半端な状況に陥っておりまして、例えば医療費の通知も、昨年分と今年分が交ざった通知が来る、こういったところもあると、除いたり、足したり引いたり、いろんな作業が今混在をしていまして、過渡期だとは思うんですけれども、是非そういった点も踏まえて、できるだけ早く実現できるように取り組んでいただきたいことを最後お願い申し上げまして、私の質問を終わります。 大変に今日はありがとうございました。
○長浜博行君 財務大臣、お疲れさまでございます。よろしければ始めさせていただきたいと思います。 まずは景気動向の方から入らせていただきますが、特に世界経済の影響と申しますか、ちょっと心配だなと思うことがいろいろ出てきております。もちろん、ブレグジットでメイ首相が御苦労されているのはテレビでもうしょっちゅう出てくるような状態でありますし、ちょうど先週ですか、ECBの会合といいますか、ドラギ総裁が年内の利上げも断念をされて、成長率と消費者物価上昇率も下方修正というような状況にもなってきている。 こんな状況の中において、今度はアメリカも利上げを見合わせている。多分、一時停止というような形だというふうに思いますが、パウエル議長がそのようなことを言っておられますし、予算教書といいますか、トランプ大統領の次年度の予算の中においても赤字が更に増えるんではないかなという状況にもなっています。 もちろん、貿易上大変有力な中国においては経済成長率の目標も下げということで、私の個人的な印象なのかもしれませんけれど、日本を取り巻く状況、別に日本のせいとかそういう問題じゃなくて、逆に、世界経済の状況の中において日本の経済がかなり影響を受けて、日本の企業もどちらかというと慎重な、保守的な姿勢に変わってきているのではないかなというふうに思いますが、経験豊富な財務大臣はどのように世界経済を見ておられるのか、御指導いただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 新聞等々、マスコミというようなものがいろいろ書いておるのは御存じのとおりですけれども、通商問題とか、中国、なかんずく米中の話、加えて中国経済そのものの話、そして今ブレグジット等々で言われておりますヨーロッパとイギリスの話等々、リスクがいろいろあるんだとは存じますけれども。 米国を中心として、基本的には、経済は下方寄り可能性があるとはいえ、緩やかな景気回復が続いている。少なくともアメリカの場合は、利上げを止めたというのは、これは、それまでは御存じのように連銀、十二連銀ありますうち多くの連銀の中で、特にカリフォルニア等々は土地の値段が上がり過ぎていて、商業地における土地の値段が上がり過ぎてバブルに近いんじゃないかというので、金利を上げてきて、去年ずっと上げてきたわけですけれども、約三・二五近くぐらいまでなりましたので、そういった意味ではほぼ標準なところまで金利は上がってきておりますから、そういった意味では対応ができるまでに上がった。 傍ら、これ以上上げると今度株価がというようなことになって景気対策に影響が出るということも考えて、パウエルは、パウエルって、FRBの議長はそこで止めたんだと思っておりますので、その意味では、景気を冷やさないようにしようという意欲はいわゆる金利の上げを止めたというところではっきりしたその対応は見えていると思いますので、私どもとしては、緩やかな回復が続いていると思っておりますので。 日本の場合も、この予算をこの三月通していただきますと、いろんな意味での、この中の景気対策等々が含まれておりますので、そういったものを含んで、この十月の消費税の上げ等々に応えて、きちんとした対応で景気が循環をしていけるというようになるのではないかと、そのように期待を、まあ期待も半分ありますけれども、そう思っております。
○長浜博行君 そこで、今大臣からも国内の景気と予算のお話がございました。景気動向指数の基準判断が足踏みから下方への局面変化が起きたのではないかということも話題になっているところであります。 もちろん、この間御説明をいただきましたように、これをもって景気の動向が変わったというわけではないということは理解をしておりますけれども、たしか去年の十二月の日銀の短観においても、三か月先の景況感を示すDIなど見ると、大企業でもちょっと悪化の様相があるのではないかなということもありますし、あるいは、景気の先行指数と言われているところの工作機械、機械を作る機械ですね、工作機械の受注額も二月においては前年同月比で三割近くが落ちていると、対前年割れは五か月ぐらい続いているというような状況でもあります。特に、外需といいますか輸出関係は五か月連続、そして国内需要の中においては三か月連続で、ひょっとしたらこの工作機械においては去年の三月がピークであったのではないかなというふうにも思われますし、昨日、機械受注統計なんかもこの一月のが発表されておりますけれども、船舶、電力を除く民需の受注額においても対前月比で五%ほど、これも三か月連続でマイナスという、いわゆる景気の先行指数を示すというような状況の中において余りよろしくない数字が出てきているというところが私には気になるところでございます。 もちろん、景気動向指数の問題等々も含めて、判断をされるのは政府の関係閣僚会議といいますか、月例経済報告のところだというふうに思っております。先月は二月の二十一日の段階で開かれて、政府の判断というのは緩やかに回復という状況だと思います。今月は多分二十日に開かれると思われますけれども、大臣ももちろん御出席をされると思いますが、どういったところにこの状況の中で大臣は御関心を持たれて、あるいは、発言されるかどうかは分かりませんけれども、動物的勘でどういったところをお気を付けになっておられるのか、御示唆をいただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、長浜先生御存じのように、景気動向指数というものは、これはある程度機械的にこれはめられてきちっとやってまいりますので、三か月連続で同じようなことをやるというと、機械的に下方への局面変化とされるものだということになっておりますので、御存じのとおりなんですが。 この景気動向指数の中で、この一月で見ますと、よく言われるように、中国の場合の春節がいつもより前倒しになっておりますとか、それから今年は正月の休み期間が九日間連続だったとか、それから自動車会社の一部が生産停止になったりしておりますので、そういった意味でマイナスに響いたというところで、中国向けの輸出含めていろいろなものがマイナスになったというように思っておりますが。 今おっしゃいましたように、政府としての景気判断というのは、通常、月例経済報告におきまして基調判断とすることとしておりますので、先ほどおっしゃいましたように、緩やかに景気が回復しているという試算を示しておりますので、これは、この二十日前後にもう一回ある場合にどのようなものが出てくるか。ちょっとこれは主に対応は茂木大臣の担当しておられるところなので、私の方がどうのこうのというわけではありませんけれども、少なくともその動向の指数、ちょっとこれ以外にも、今機械受注の話がありましたけれども、機械受注は大体、遅れますと大体半年後にほかのものにも影響が出てくるというのはもう通常でありますので、そういったものをよく見た上で私どもとしては判断をさせていかなければいかぬところだと思っておりますけれども。 アメリカの動向やら、このブレグジットは、今、昨晩もイギリスの議会で夜までやっていました、夜って、こちらの夜までやっていましたけれども、ああいったようなものがどういった形で出てくるか等々は、ちょっとすぐ気分的なもので影響を与えてまいりますので、それが株価に出てきてみたり、イギリスの方の金利やら株価にすぐ影響し、それがまた波及してこっちへということになってまいりますので、私どもとしては、そういった指数をよく見ながらちょっと判断をさせていただかなければならぬところだろうと思っております。
○長浜博行君 それと、もう一つは、昨日、ちょうど春の労使交渉の集中回答日を迎えたわけであります。不透明感を増す、先ほど来議論をしているところでありますけれども、世界経済の動向から、企業はかなり慎重、守りの姿勢にひょっとしたら入ってきているのかなと、官製春闘と言われたときもひょっとしたら去年で終わりで、主要製造業の大手企業の賃上げ、ベアの水準は前年割れというような状況であります。賃上げ幅の縮小。もちろん、これが影響してこれからは中小企業に入ってくるわけですから、こういった意味からも、先ほどの藤末さんの質問じゃありませんけれど、最賃を上げていくというような状況の中において、消費の動向を極めて左右するのに大きな効果を持つ給料、所得、こういったものについての賃上げの状況はどのように判断されますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 昨日、自動車総連、それから金属労連、鉄鋼労連等々でしたかね、去年出ましたのは、いずれも日産以外はほとんど前年度比マイナスというような、ちょっと全部覚えていないのであれですけれども、数字だったと思いますけれども、どれぐらい割れたかというのに対して、三千円で五百円割ったとか、大体それだったと思いますが、いわゆるベア、ベースがアップしたというのは、これ、この六年連続ベア上がったんじゃないでしょうか。その前、六年前から以前は大体ベアが上がったことありませんから。 ずうっとベアという言葉を、大体今若い人、ベアが何だか分からぬという人が多いぐらいですから、そういった時代なんじゃないでしょうかね。古賀さんぐらいの世代はまだベアに恩恵を浴したのかもしらぬけど、もうちょい前の若い人は全然知りませんから、ベアって何ですと聞かれた人がいっぱい会社におられたという話が出たぐらいだったので、少し、ベアという言葉が出ている間はまだ少なくともそういった意識を持ってよろしいんじゃないのかなとは思いますけれども、いずれも前年度に比べて少しマイナスになったとはいえ、トータルのものをちょっとまだ締め切っていないし、連合の方も、これ締めた後の調査というか発表していませんので、ちょっとうかつなことは言えませんけれども。 私どもとして見ましても、一人当たり名目賃金等々上がってきておりますので、そういったものをもうちょっと見て、他の労組のあれをよく見た上でちょっと判断をさせていただかないかぬところかなと思っております。
○長浜博行君 どう言ったらいいんでしょう、今の賃上げの幅が縮小してきているということは事実ですので、ちょっとお気を付けをいただければというふうにも思っております。 よく話題に出る、景気の山があって谷があってというこの議論の中において、いわゆる戦後最長の景気になるかどうか、茂木さん、茂木大臣の分野かもしれませんけれども、この判断は、やはり景気動向指数研究会ですか、ここでされるんだというふうに思いますけれども、このイザナギ景気を超えたかというような判断は、いつ、どのような形で行われるんでしょうか。内閣府が来ていると思いますので。
○政府参考人(市川正樹君) お答え申し上げます。 景気の山、谷の判定は、御指摘のように、景気動向指数研究会、吉川洋教授が座長でございますけれども、その判断を踏まえて内閣府で行うわけでございますけれども、その山、谷の判定でございますが、ヒストリカル・ディフュージョン・インデックスというものをつくって確定に使うんですが、その確定には一年から一年半程度のデータの蓄積を待つ必要がございまして、その上で専門家の審議を踏まえて行うというふうにしておるところでございます。 以上でございます。
○長浜博行君 そうすると、いずれにしろ、超えたかどうかというのは昨日今日で言う問題ではなくて、まだ時間が掛かるということでよろしいですね。 それと、この消費の動向とかあるいは貯蓄の動向ということで、私たちよく普通に消費性向はどうなっているんだろうとか、貯蓄性向はどうなっているんだというような言葉を使うんですが、今はこの消費性向とか貯蓄性向、国民のですね、はどのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(増島稔君) お答え申し上げます。 委員御指摘の消費性向でございますが、可処分所得に占める消費の割合でございます。一国の経済全体を表す国民経済計算ベースで見ますと、二〇一四年に消費税率引上げに伴い駆け込み需要もございましたので上昇いたしましたが、その後は低下をしております。また、一世帯当たりの動向を表す家計調査ベースで見た場合でも同様な動きになっております。
○長浜博行君 貯蓄の方はどうですか。
○政府参考人(増島稔君) 貯蓄性向は消費性向の反対側でございますので、今申し上げたのとちょうど反対の動きになりますけれども、そういたしますと、この二〇一四年に消費税引上げに伴って低下した後上昇していると、家計調査ベースで見ても同様な動きになっているということでございます。
○長浜博行君 そうすると、単純に消費に回る分が貯蓄に回っているという理解でよろしいんでしょうか。そういう単純なものでもないですか。
○政府参考人(増島稔君) 所得の中の消費に回る割合が低下をしているということでございます。
○長浜博行君 結局、消費が伸びていかないことには経済成長が達成できないという状況の中において、後ほど議論させていただきますけれども、この消費税の動向と、ああ、動向というか、もう消費税を入れることは決定しておりますから、これと消費と貯蓄がどう影響してくるかということが私は大変大きなテーマになってくると思うんですね。 それから、前回も総雇用者所得の議論がなされましたけれども、総雇用者所得が増えているという政権が判断をされている状況の中で、この当然のことながら消費性向は増えているということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 総雇用者所得の伸びに比べて消費の伸びの方は緩やかになっているというのは事実だと、私どもはそう思っております。 これ、消費の動向を見ますと、これは二〇一四年の四月の時点、八%への引上げによってこれは大きな駆け込み需要とか反動減といろいろ起きた結果、景気の回復力が弱まるということになったということだと存じますが、その後、いろいろな取組によって、GDPベースで見ますと、間違いなく二〇一六年以降になりますが、少なくとも後半以降は増加の傾向にあって、この点は持ち直していると思っておりますが、一方で、先ほどの内閣府の分析ですけれども、若年層、また高齢者層では老後の不安というものから消費を抑制しているのではないかといった指摘がなされておりますのは御存じのとおりです。 消費を取り巻く環境というのを見ますと、この六年間で生産人口が約五百万人減少する中にあって、いわゆる就業者数は三百八十万人増加いたしております。有効求人倍率は、御存じのように二年にわたって一倍半、一倍を超えると、全都道府県で一倍を超え、失業率も二十五、六年ぶりで低水準という形になっておりますので、連合の調査等々見ましても、この五年間で賃金アップが約二%程度続いているという、実現するという形になっておりますので、総雇用者所得につきましては雇用が大幅に増加する中で名目でも実質でも両方ともで増加が続いているということでありまして、雇用とか所得環境の改善が進んでおりますので、消費が引き続き持ち直していくことができるのではないかと期待をいたしております。 ただ、今般の消費税の増収も活用して、いわゆる高齢者も若者も安心できる全世代型の社会保障制度というものに大きく転換をいたしていくことにしておりますので、こうした取組を通じて将来に対する不安というものが払拭されるということになりますと、消費というものに対してはプラスの影響があるのではないかというように期待をいたしております。
○長浜博行君 そこで、消費税について伺います。 御承知のように、八九年の四月に三%の税率で初めて入って、そして九七年に五%になりということで、竹下先生と橋本先生の時代でありました。しかし、七九年の大平内閣、あるいは八七年の中曽根内閣、まあ自民党ではありませんが九四年の国民福祉税と、社会保障財源としての消費税の在り方というようなことで先輩政治家たちが常に消費税との闘いを繰り広げられておりますけれども、この日本国における消費税の歴史ですね、導入の歴史を今の財務大臣としてどのように見ておられるんでしょうか。消費税と政治家と、政治家というか内閣との在り方ですね。
○国務大臣(麻生太郎君) この消費税というのは、間違いなく、平成が始まりました今からちょうど三十年前に、平成のバブルの真っ最中だと思いますが、バブルがはじける直前にこれ平成が始まっておるんですけれども、元々これ導入するために、私どもは税収が、景気や人口構成の変化によっていわゆる税収が左右されにくいというようなものを考えて、いわゆる勤労世代から特定世代への、所得税とかそういった形で負担が集中しないようにして、世代を満遍なくとか支え合うとかいったような社会保障の財源としてふさわしいと、これは元々そのように考えて、今回も同じようなことを考えたんだと存じますが、急速な高齢化というのがその後起きてきておりますので、社会保障費負担が急激に増加して、ほたっておきゃ年率一兆円ずつ増えていくというような形になったという状況が御存じのとおりです。 したがいまして、私どもとしては、国民が安心できるような社会保障制度と、そういった、皆保険とかそういったものを次の世代に確実に引き渡すということと、少子高齢化という、長期的にはこれは国難に近いような話だと思っておるんですけれども、全世代型の社会保障費制度というものに転換をしていくためには、消費税の引上げはどうしてもこれは必要なんだと思っていろいろ御協力をお願いさせていただいておるところですけれども、これはもう先生御存じのように、この消費税というのは極めて政治的には大きな問題でして、初代竹下登、消費税やって三か月で倒れておりますし、同じく五%に上げた橋本龍太郎、三か月で倒れておりますし、八%に上げた、あの、何ていったっけ、今、安倍晋三一人が生き長らえておるという感じで、更にもう一回やろうとしているんですから、それは生半可なことじゃないんじゃないんでしょうか。 私どもは、この消費税というのはそういう意識があるから過去二回にわたって引上げを引き延ばした、このタイミングが良かったか悪かったか、いろいろこれは歴史家の評価するところだとは思いますけれども、私どもとしては、そういった意味では極めて慎重にこれ対応しなきゃいかぬものだと思っておりますので、私どもとしては、少子高齢化が進み、勤労者六人で高齢者一人を支えるときにつくったあの国民皆保険制度が、今は勤労者二・何人で高齢者一人を支えるというような人口構成になったときにも、皆保険制度をもたせるためにはどうするかというような大きな面からこの問題は考えねばならぬ問題だと考えております。
○長浜博行君 今の御発言にもありましたけれど、二回延長をいたしましたですよね。この二回延長したということは、財務大臣として、財務大臣としてですね、どのようにお考えになっているのか。その質問の趣旨は、財政健全化に対する影響と財政、プライマリーバランスの均衡を図るという意味においては、この二回延期をしたということはどのようにお考えになるのか。
○国務大臣(麻生太郎君) いずれも消費税を私、財務省として上げる方の立場なので、それに対して今うかつなことを言うと、閣内不一致なんて、後言われちゃかないませんのでね、それは。そういうような話に足を引っ張られるようなことのないという方が長浜先生だと聞かされたので。 私どもの分析だけ申し上げさせていただければ、二〇一四年の十一月だったと思いますけれども、これは、消費税率の引上げの話につきましては、これは個人消費が大きくぼおんとあの頃落ち込んでいましたので、とにかくデフレというかデフレ不況からの脱却というものを確かにせないかぬということに非常に重きを置いておられましたので、これは経済再生とかデフレ脱却というのをプライオリティーの、ああ、優先順位の一番にするということにしておりましたので、あのときは、オーストラリアかどこかでしたから、あのときのサミットのときにこの延期を判断させていただきました。 次の二〇一六年の六月の消費税率の引上げについて、これはもう景気が回復基調にあったんだとあの頃は思っておりますけれども、あのときは同時にアジアの新興国とか資源国とかいうのの経済がばあっと減速し始めたときだったので、世界経済が様々なリスクというものに直面しておりますので、これは内需が下振れしかねないなという話になりまして、こうしたリスクに対応するためには、共通認識の下に、国際的な共通認識の下に経済再生、デフレ不況脱却に万全を期すべきということから、二度目の延期をさせていただいたんだと記憶をします。 今、経済運営を努めてきた結果、落ち込んだ消費というものも、二〇一六年、少なくとも回復をしてきたような感じがいたしておりますので、前期比でプラス傾向に推移をし、そのとおりいたしておるので、あの頃とは状況が大分変わってきたのではないかと思っております。
○長浜博行君 一つの見方として、諸外国を、特に先進国を見ると、もう平均的な税率は二〇%以上が多いわけでありますね。日本の税率は上げる上げないで八%。これを比べると低いのに、なぜこの消費税に対しては抵抗感、国民のですね、あるいは、さっきの議論しました、政治家も命懸けでやらなきゃいけないという、政治家にとってもこの消費税を上げるということは大変なことなんですが、それは何が原因だと思われますか。また、それを和らげるために、二度生き延びた総理のお話もされましたけれども、一体何がキーポイントになっているんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 長浜先生、これは海外に、そういう一〇%、二〇%のところに住んでおりましたのであれですけれども、北欧若しくはヨーロッパは基本的には高福祉高負担、傍らアメリカの方はこれは明らかに低負担低福祉と、極端な分け方すればそうなるんでしょうと思いますが、じゃ、日本はといえば、多分我々は中福祉中負担を狙ってきた、みんな、そういう国民的合意があったかどうかはともかく、結果として中福祉中負担と。ヨーロッパとアメリカと比べたら、その中間ぐらいにいるのかなという感じがしないでもないんですけれども。 この間の予算委員会だか衆議院の財金だったかで、いや、そんなことはないと、日本は低負担中福祉なんだと、だからもっとやらなきゃ駄目だという野党の方の御意見もあったんで、それはそうなのかもしらぬという感じがしないでもありませんけれども。 何となく、この消費税というような間接税でいかないと、直接税でいくにはどう考えても、人口構成からいってもこれはもうとても無理だということははっきりしているんだと思いますけれども、間接税というのの方が非常に税がきちんと捕捉されやすいし、いろんな意味でよろしいのではないかという御意見、多分これ、税の偉い方が話したり、いろんな方がいろんなことをおっしゃいますのでよく分かりませんけれども、とにかく広く薄くという形の方が正しいんだと思いますけれども。 何となく、百円だと思ったら百三円くださいとか百五円とかいうのが、何となくちょっと、だったら内税にすればというと、いや、これはなかなかだというような形で、これ最初のときももめたんだよ、二〇〇〇年のときに。私は、あのときは断固、内税説を主張した記憶があるんです、二十年前、チンピラの頃の話ですけれども。あの頃言って、当時、税制は山中貞則先生という偉い方がいらっしゃいまして、この方が全部やっておられたんですけど、外税だと言うんで、当時、全部外税になりつつあったんですけど、じゃ、ビールも外税にしてくださいと、ビールを外税にしたら飲むやつなんかいなくなりますよと、あれ、ビールはだって二百円のうち百円が税金ですから、そんなものを払うやつがどこにいるんですと言って、みんなの前に言ったら、やかましいと言われて、終わった後、おまえの言うのは正論かもしらぬというので、両方やってもいいというようにしようじゃねえかとかいう話で、いろんな随分あの頃激しい議論をやった末、なったいきさつがあるんですけれども。 やっぱり、見える形で毎日税金がという形になるのはなかなか、年末、まとめて年末調整とかいろんな形で、税金というのは年に一回というような感じの日本の中に、毎日こう入ってくるという税金というのは何となく抵抗感があるのかなという感じが私の実感です。
○長浜博行君 そこで、八%の段階、二〇%ではなくて、この低い、あえて言いますが、低い八%の段階で複数税率を今回導入する、つまり軽減税率ですね。この段階での複数税率、例えば二〇%における食料品等々の複数税率というのはイメージとして分かるんですけれども、今回の状況の中で入れるということで、欧州の例を見ると、例えばフランスのバターとマーガリンですか、あるいはドイツの中で食べるのと外へ持っていくのと、こういうような、むしろ軽減税率の混乱状況が見られているということ、対象の線引きが難しいということ、消費者にとっても分かりづらいということ等で、財務大臣として、別に内閣不一致などというけちなことは申し上げませんので、この段階での複数税率の導入はどのようにお考えになっておられるのでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) この軽減税率の採用に当たりましては、これはまた党内、閣内等々、実にこれはいろんな意見の分かれたところです、正直申し上げて。給付付き税源、軽減税率、双方いろいろ、あの当時、三党合意のときにはそれに至るまでいろんな話がありましたので、結果的に軽減税率ということになったという、最終的にそれになったということですけれども。 給付付き税源、税率控除というのは一つの方法だと思っておりましたし、対象者が捕捉できるからとかいろんなことがあったんですが、残念ながらマイカード等々そんなにきちんといっているわけでもありませんし、これがあったところで、その他海外から入ったお金とかそういったものは捕捉が全然できないとか、いろんなこともありましたものですから、これは、なかなか捕捉というものが最終的にできないということからこの軽減税率ということに傾いていったんだと思いますけれども。 それで、今おっしゃいましたように、確かにマーガリンとバターの税率が違うとか、フランスの場合。イギリスでも、ジンとウイスキーと何とかはどうにかするとか、キャビアは高いけれどもイクラは安くするとか、何かもうごちゃごちゃごちゃごちゃなって、ぐちゃぐちゃになったの、私、ちょうどその頃学生でおりましたので。とんでもないことになって、何だこれと言ったんで、結果的に食い物に入るものは一律というんで全部、もう食い物に入るものはもう何でもかんでも全部一律というので、イギリス人の頭でも分かるようにしようと。あの当時、何とか財務大臣でしたね、あれ。イギリス人の頭でも分かるようにしようじゃないかと議会で言って、イギリス人の頭であっても、スコットランド人じゃ分からないとか、ウェールズ人じゃ分からないとか、当時、議会に聞いていて、物すごい激しい冗談のやり合い、言い合いで、あの当時、議会って面白いものだなと思って、当時学生で聞いていたので思いましたけれども。 それはともかくとして、一律にしない、分かりやすくせぬといかぬというのはもうおっしゃるとおりなんで、今回もそれで私どもとしては食料品だけということで限らせていただいたので、八と一〇という形で二つのものにさせていただいたということでありまして、これもっといろいろな御意見があって、日本人の場合は計算が速いからもっと分けてもいいんじゃないかとか、いろんな御意見があったのは確かです。確かですが、最終的に八にさせていただいて、五と一〇にしろとか、いろいろ御意見があったことも確かですけれども、最終的に、据え置いて八とプラスの一〇というのに分けさせていただいたということであります。
○長浜博行君 複数税率が二つかというと、そうでもなくて、何が言いたいかというと、今回のポイント還元策ですね。ですから、衆議院でも随分、前総理と議論をされたようでありますけれども、結局、五つの税率が併存するんじゃないかと。複数は二ではなくて、実は五だというような見方もあります。 もちろん、担当省庁が違うじゃないかという言い方からすれば、財務省的には違うのかもしれませんけれども、消費者からすると、五通りの税制の中で生きていくんだということはかなり事業者にも消費者にも混乱を与えると思いますが、それはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) この軽減税率制度については、先ほど申し上げましたように一〇と八の二段階で確定をさせていただいて、酒と外食を除く普通の食料品は全てという形にさせていただいて、可能な限り簡素な仕組みとさせていただいたんですが、具体的な事例を紹介した上で、いろんな形で説明会を五万回程度、全国でやらせていただいたりしているんですが。 このポイント還元につきましても、これはもう誰でも利用できます、ポイントカードというのは。これはもう我々、私の息子なんかもポイントのこんなカードをいっぱい持っていて、何が何だかよく分かりませんけど、どれが入って、何が戻ってきていない、よく分かりませんけれども、とにかく誰でもできるプリペイドカード的なものを、多様な選択肢というものを用意するということで、これは主に経産省において、消費者への還元方法とか、まあ還元率を分かりやすく店頭でやることによって、そんな混乱を招かないようにしますとかいうなどの取組を実施されておられるんだと承知しておりますけれども。 期限も限られてはおるとはいえ、このポイントというものは、私どもの周りでも実に多くの方々、若い方は使っておられるんだと思いますけれども、この種の話をやることは、ひとえに景気対策のいわゆる駆け込み需要とか、そういったものに対しての緩和策ということでやらせていただくんだと思っておりますんで、そういった意味で幾つか混乱が起きてくるであろうという点も私どもとしては十分理解はできないわけではありませんけれども、その上で、私どもとしては、こういったことにやることによって、いわゆる景気の駆け込みとか、それから反動減とか、そういったものを平準化するというための一つの手段としてこれやらさせていただこうということだと思っております。 少なくとも、これ時間が、やる期間まだまだありますんで、きめ細かな対応は、これは関係省庁いろいろやらせていただくんだと思いますが、もう既に小さな商店街の中でこういうようなの貼ってあるところが出てきておりますけれども、そういったのがすごい時間を掛けてやっていくと、私どもしてはそれほど混乱なくやらせていただけるのではないかと思っております。
○長浜博行君 需要の平準化対策としての、反動減対策のための反動減対策が生じないことを祈って、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○古賀之士君 国民民主党・新緑風会の古賀之士です。 早速質問に入らせていただきます。よりタイムリーな次元で前半は特にお話を伺いたいと思っております。 まず、長浜委員からも御指摘がありました世界情勢について、総論ではなく、より各論で深掘りをさせていただこうと思っております。 まず、金融担当大臣に伺います、イギリスのEUの離脱、これに関して。 学生時代イギリスにもいらっしゃったことがある、しかもこの間の金融リテラシーに関して、私の質問に関して、モノポリーに例えて、イギリス版のモノポリーもされたことがあるということで、かなりイギリスには造詣が深いということも伺っておりますが。 その中で、御存じのように、ロンドンというのは世界中の金融機関が集積をしているところでもあります。昨晩も、それからおとといも、夜も、そして明日の未明も採決が行われるということで、現地はかなり予断を許さない状況だと聞いております。このイギリスのEU離脱、特にこのシティーと言われる金融機関が集積するロンドンにおいて、日本の金融機関が及ぼす影響について伺います。お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) いや、これが分かればみんな苦労せぬのですけれども、これは古賀先生、なかなか難しいです。 正直、日本にあります銀行の中でも、イギリスに残る、また、ドイツのフランクフルトに移る、それからリヒテンシュタインに行く、これみんなヨーロッパ側が客引きしていますから。日本の銀行に来て、うちに来ないか、うちに来ないかというのをやるほど、これはすごく、結構熱くなった話になっている面がありますんで、少なくとも今のところ、イギリスは合意なき離脱という、ハードブレグジットはないということに関してはこれ否決をされておりますので、そこだけは一応スタビリティーが、安定性が保たれたという形になるんだろうなと、これも日本の夜中のBBCのあれを見ながら、現場はライブでやっていましたので、あの話を聞きながらの話なので、ちょっと見えませんけれども。 これまでも、私ども金融庁としても、英国の金融当局とかなり緊密に意見交換をさせてきていただいておりましたので、様々な事態を想定していろいろ私どもとしては、欧州域内の現地法人を設立を進めるというなど、我々体制をしておりますので、英国法人の行き先が、三井住友はフランクフルト、三菱重工はアムステルダム、みずほもフランクフルト、野村証券がフランクフルト、東京海上はルクセンブルク等々にそういったものを、二〇一八年の、昨年の十一月ぐらいまでに大体今言ったところはそういった法人をつくっております。 つくったからといって、それ、そこごそっと移すかどうかは、ちょっとよく周りを見ながらやっていかにゃいかぬということなんだと思いますけれども、しばらく市場動向等々を注意しながら対応させていくということになろうかと思いますので、私どもとしては、そういったものでごちゃごちゃ対応がならぬようにいろいろ支援をしてやらにゃいかぬところだろうなと思っております。
○古賀之士君 そういった形で、ロンドンから他のヨーロッパ諸国に移転をしている金融機関もあると。 そういう中で、現時点で入ってきている情報も含めて、日本の金融機関は、影響は現時点で大きいと見ていらっしゃるんでしょうか、それとも比較的軽微だというふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 私、これはもう正直言って、金融機関によってかなり対応に関して、えらいことになると思って言っておられる、ちょっと名前は言えませんけど、そういう会社と、そうじゃない会社と、現地におられる方の反応からいろいろ違っているんだと思いますけれども。 じゃ、おまえ自身の個人的なことを言えばどうかといえば、あのイギリス、そんな簡単にぐじゃぐじゃになるなんということはとても、あの国のこれまでの歴史からは考えられませんし、ロンドンの持っている金融の力というのは、これは十七世紀、十八世紀に遡って圧倒的なものがありますので、そんな簡単にくちゃくちゃになるとはとても思えませんので、スローリー・バット・ステディリーというような感じで、ゆっくりだけど確実に流れていくというような感じのもので、そうそうカオス、混乱するような形にはならずに事が進んでいくのではないかという感じです、正直。個人的な実感を言えばと言われれば、そうお答えします。
○古賀之士君 庶民レベルでは、伝わっているところでもう御存じかと思いますが、例えば輸入品の割合が高い生鮮食料品は買占め、まあ生鮮だからなかなか長時間、長期間保存はできないわけですけれども、できる限り、買占めという言い方はないですね、買い置きをしておこう、あるいはまた、どこかの国のかつてのを思い出すんですが、トイレットペーパーも非常に輸入割合が高いそうで、そういったものは、腐らないものはそれこそ買い置きをしておこうという庶民レベルの動きは広がっているやに聞いております。 ただ、もう大臣もおっしゃるところはあると思うんですが、金融業界団体のシティーUKはこんなふうに言っています。合意のないままEUを離脱することは歴史的オウンゴールになると。また、製造業もこれは悲惨な状況になるという形で警告をしておりますので、できる限り、今、個人的な見解とおっしゃいましたけれども、大きな混乱がないように済むことを祈っております。 では、続きまして、北朝鮮の制裁について質問をいたします。 まず、資料の一、これは三月十三日付けの日経新聞の朝刊です。ここにタイトルで「サイバー攻撃五・七億ドル奪取 国連「制裁履行が課題」」と書いてありますが、外務省の参考人に伺います。この国連安保理の北朝鮮制裁パネル報告書、これは一体どういうものだったのか、概要を御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。 今お話しいただきました安保理北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの報告でございますけれども、内容的には、安保理決議の実施状況を包括的に分析しましたりとか、あるいは個別の違反事例に対する調査結果を取りまとめたものでございます。 今回のこの報告書につきましては、今週の前半に出たものでございますけれども、仮想通貨に関する記述もございます。そこでは、仮想通貨に関するサイバー攻撃が北朝鮮にとって新たな制裁回避手段となっていることですとか、ある民間の試算によれば、二〇一七年一月から二〇一八年九月にかけまして、北朝鮮がアジアの仮想通貨交換業者に対して少なくとも五回サイバー攻撃を成功させ、合計五億七千百万ドルを獲得した旨記載しています。 なお、その報告書には情報元でございますその民間のレポートも添付されておりまして、その中には日本のコインチェックにおける仮想通貨流出事案も列記されている状況でございます。
○古賀之士君 結構巨額です。五・七億ドル。日本円に換算すると、当時の報道の記事では六百三十億円ということです。しかも、その大部分がコインチェックという事案ではないかと言われておりますが、この辺について、この報告とコインチェックの事案というのの関連、こういう事実として報告書に上がっている部分、どのような形になっているのか御説明ください。
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。 御指摘の報告書では、昨年一月に起きましたコインチェック事案も含めまして、二〇一七から一八年に発生したサイバー攻撃による暗号資産流出事案の概要につきまして、ロシア系の民間企業による調査結果を引用したものと承知をしております。 金融庁といたしましては、引き続き、コインチェック事案に関する捜査に関しまして、可能な限り捜査当局に協力してまいりたいと考えております。
○古賀之士君 つまり、今お話しいただいたように、ロシアの民間レポートを引用する形でということですが、これは、いわゆるその容疑者といいますか、犯人を日本では現時点では特定がなかなか難しい状況なんでしょうか。
○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。 先ほど御答弁申し上げましたとおり、現在、捜査当局において捜査されているものと承知しております。
○古賀之士君 つまり、国連の記事にありますとおりで、つまり、ほとんどがコインチェックから盗み取られた、六百三十億円の大部分がというふうな報道のされ方していますけれども、なかなか我が国では調査中あるいは捜査中ということでその実態がつかめていないという現実があるわけです。 この辺については、これから先、特に北朝鮮との関係、あるいはまた拉致や核の問題、こういった我が国における最重要課題とも密接に関連してくることだと思いますので、もう少し深掘りをさせてください。 例えば、次の資料の二、こちらは去年の六月の二十二日、これも日経新聞の電子版ですが、「北朝鮮系企業との取引、金融庁が報告命令」と出ておりますけれども、これは、合弁会社ですね、日本と北朝鮮、この十社へ不正送金に関する調査、これを行ったというような事実がありますけれども、金融庁の参考人に伺いますが、この辺の事実、あるいはそれに類する報告というのはありますでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 北朝鮮との取引につきましては、国連安保理決議や日本独自の措置によりまして原則禁止とされております中で、日本の金融機関の業務の適切な運営を確保する観点から、金融庁から金融機関に対しまして、必要に応じて北朝鮮関連企業との取引について報告を求めるなどしております。 国連の専門家パネルとの個別の事案に係るやり取りなどについてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じますけれども、この報告書に記載されておりますとおり、我が国国内において安保理決議上問題となる合弁企業や共同事業体は確認されていないというふうに承知しております。
○古賀之士君 つまり、不正送金は、調査をしたけれども、各金融機関からはその事実はなかったということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) 金融機関からの報告の詳細についてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じますけれども、結論といたしまして、この報告書にありますように、我が国国内において安保理決議上問題となる合弁企業及び共同事業体は確認されていないということでございます。
○古賀之士君 金融庁さんで日本のそういった金融機関に調査を掛けていらっしゃるわけですけれども、不正送金があったかどうかも、それも含めて公開できないということでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) それは金融機関の個別の取引内容にも関するものでございますし、今後いろいろ金融機関から情報提供をいただくというような観点から考えまして、お答えを控えさせていただきたいと存じます。
○古賀之士君 その辺の事情も非常に理解できる部分はあります。 ただ一方で、国連でこういう形で情報が先ほど開示されているということを考えると、金融機関さんの協力が得にくくなるかもしれませんが、少なくとも、先ほど申し上げましたように、北朝鮮と我が国は核やそれから拉致という大変重要な課題を抱えております。その中で、少なくともコインチェックが六百三十億円という巨額なうちの大部分を不正に盗み取られているという実態があり、そして今度は、国内で不正な送金が行われているかどうかというかなり重要な問題です。多額のお金がもしかして不正に、それを行われているか行われていないかもお答えになれないし、公開もできないというのは、一面では理解できますけれども、でき得る限り公開といいますか、報告を是非お願いしたいと思っております。 では、その北朝鮮の制裁に対してこれから先、私どもがずっと申し上げておりますけれども、例えば不正送金があったかなかったかということも含めまして、今後、北朝鮮に対する制裁も、昨日、菅官房長官が記者会見で明らかにしておりますけれども、これまで行ってきた国連人権委員会への対北朝鮮非難決議、今年、日本は取りやめる方針を明らかにされております。これは、国際的な足並みとしては、我が国はやはりいろいろな課題を抱えていて、また難しい状況であるからこそ、北朝鮮への非難決議案の提出を取りやめたというのはかなり重いお話だと思っております。 これは、財政金融委員会ではない、本来は違うところかもしれませんけれども、せっかく副総理のお立場で麻生大臣がいらっしゃいますので、この辺の難しさといいますか、あるいはまた、今後の見通しとしてどういうふうに考えていらっしゃるのか、御所見を伺えたらと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 北朝鮮の場合は、日本の場合は拉致、核、ミサイルという非常に大きな問題を抱えております隣国という形でして、これまでも万景峰を始めいろんな形でこの国は制裁は既にもうきちんとした形で、やるものは結構やらせていただいております。 そういった意味で、更にということになるというのに関しまして、傍ら、アメリカと北朝鮮との間で米朝等々をやって、いろんな形で今柔軟な動きが出てきつつあるのかなという感じのところまでは分かりますけれども、ちょっとここのところ外務大臣やっておりませんので、その内容を細目知っているわけではありませんけれども、少なくとも北朝鮮に対する対応をこのまま何にもなくじっとしたまま更にあとまた何十年というのではなくて、何らかの形でこのものが動かしていかないかぬというのが一つ。 少なくとも、この米朝の間ができ上がってからミサイルとか核の実験が行われていないというのも事実ですし、拉致の話につきましても、少なくともアメリカ大統領から二度にわたって金正恩にこの話が伝えられているというのも事実でもありますし、いろんな形で向こうの反応を見るという大事な、非常に微妙なタイミングに今来ているのかなという感じがするというところだけは分かりますけれども、どういう経緯でこれがそういう対応になったかというところまでは私の方で把握しているわけではございません。
○古賀之士君 非常にデリケートな問題だと思っております。と同時に、それぞれのシチュエーションや状況に応じてできるだけ国民に説明責任も果たしていく必要もあるかと思います。 したがって、一連のこの不正の送金の疑い、あるいはまた、こういった北朝鮮への制裁に向けての取りやめ、こういったものも含めて、一貫性があること、あるいは、私ども日本にとって、先ほどおっしゃった拉致それから核、ミサイル、こういったものが最重点課題であるという、せっかくのアピールの機会を失ってはいけないとも思っております。したがって、引き続ききちんとした調査とともに、それを開示していく、報告していただく、そして世界にアピールしていただくと、こういうことが必要だと思っております。 さて、続きましては、産業革新投資機構及びINCJについてお伺いをいたします。 まず、産業革新投資機構の人事の昨年の迷走ぶりと言ったらいいんでしょうか、及び予算を取り下げたということがありますが、これは特会所管の官庁として、もう一度また伺いますが、財務大臣にその辺の経緯を御説明いただけないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) この産業革新投資機構につきましては、これは昨年の十二月になりますけれども、社長を含めます取締役九名辞任と、経済産業省から、機構をめぐる情勢変化に鑑み、産業投資機構の要求、平成三十一年度分一千六百億円取下げ等々が行われたと承知をしております。 今後の対応だと思いますけれども、これは現在、経産省の方で検討が進められているところだと存じますが、財務省としては、これは産業投資からの出資を受けている機関というものにおきましては、政策目的に沿って効率的な運営が行われる必要があると考えておりますので、産業革新投資機構については、これは関係者において速やかな体制というものをこれは再構築していかなきゃいかぬことなんだと思いますので、これができませんと後の動きが全く止まるということになろうかと思って危惧をいたしております。
○古賀之士君 それでは、経産省の参考人に伺いますが、一連のこの経緯というのは、コーポレートガバナンスシステムに関する実務指針に照らして問題はなかったのでしょうか。
○政府参考人(新居泰人君) お答え申し上げます。 御指摘いただきましたコーポレートガバナンスシステムに関する実務指針、これは通称CGSガイドラインと呼んでおりますが、この実務指針は、企業価値向上のため、東京証券取引所が策定しているコーポレートガバナンス・コード、これを実践するためのベストプラクティスをまとめたものであります。いろんな企業、上場会社以外の企業も参照できる部分もありますが、基本的には上場会社を対象としたものであります。 いずれにせよ、産業革新投資機構、JIC、ジックとも呼んでおりますが、これについては、会社法などに基づくガバナンスのみならず、国の資金で運営されている法人として産業競争力強化法という法律の規律が適用される組織であります。具体的には、このJICの役員の選任ないしは予算に関して、経済産業大臣が認可するという制度となっており、政策目的に沿った活動を確保するための規律付けがなされております。したがって、このJIC、ジックについては関連する法律などに基づくガバナンスが求められているというふうに考えております。
○古賀之士君 いわゆる政府系の企業ということで、分からないではないです。また、上場の会社を対象にしているというお話もうなずけないではないです。ただ、逆に言うと、政府が多額の出資をしているということは、上場会社はもちろんですけれども、かなりそのガバナンスというものに関しては高いレベルが求められているのではないかと思っております。 例えば、その政策目的があるから実務指針は適用されないということはあるかもしれませんけれども、例えば辞任した社外取締役の方はこうおっしゃっています。官側の提案に基づいて取締役会で正式に決議したことを根底から覆された。また、一旦有効に成立した契約の合意を平気で否定する国だと捉えられても仕方がないと。こういったコメントが実際残っているんですね。政策目的があれば法的プロセスを無視して構わないのかというと、若干これ疑問符が付く部分ではあるかなというふうには思っております。 これはお答えが可能ですか。お願いします。
○政府参考人(新居泰人君) お答え申し上げます。 ガバナンスの問題でありますが、昨年のこの経緯でございます。先ほど大臣からございましたが、昨年の産業革新投資機構、JICの組織立ち上げの終盤に当たって、御指摘のような報酬の問題、これは経済産業省の不手際がございました、その報酬の問題に端を発して、そのガバナンスの一環としてファンド運営どうするか。例えば、これは、JICは子ファンドを認可して活動を行うというスタイルですが、その下の孫ファンドのガバナンスをどこまで求めるか、認可をどこまで求めるかといった論点について経済産業省とJICの間で認識のずれが最後まで埋まらなかったということであります。それで、取締役の社長始め取締役の辞任に至ったということであります。こういう経緯もございました。 その中で、社外取締役のおっしゃるようなことというのは、先ほど不手際と言ったのは、一度、経済産業省の方から提示したものを後になって撤回するという不手際でございます。それもあって、もうちょっと議論を詰めて、最後まで、ゴールまで至るように努力をしておりましたが、そこの溝が埋まらなかったという経緯なので、そのことについては経済産業省としても反省しまして、今、第三者諮問会合の御意見も踏まえまして立ち上げ、再構築を図っているところであります。
○古賀之士君 かなり大きく報道されたと思いますので覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、改めてその機構が出資しているジャパンディスプレイや、それからルネサスエレクトロニクスの現状をちょっと資料を見ていただければお分かりになると思います。 まず、資料三の一、これはジャパンディスプレイのいわゆる持ち株比率です。株式会社INCJが断トツの二五%、ほかは、二位以下はもう一桁の前半ですね。つまり、これだけこのジャパンディスプレイには出資がされているということです。そして、資料の三の二を見ていただければ、それだけ出資して大株主にもかかわらず、残念なことに五期連続最終赤字と、そして先行きも不透明な上に、中国ファンドなどとスポンサー交渉で数百億円規模の資金を引き出せるかが焦点に。ただ、これかなり大きな、これは日本、政府系、これは言ってみれば国税を投入してやっている企業ですので、こういった中国企業からの資本の受入れ、こういったものに関して果たして問題がないのかどうか、こういうところを一つ問題提起させていただきたいと思いますし、また、時間がありませんので、もう一つ、資料の四の一をめくっていただければお分かりになると思いますが、このルネサスエレクトロニクス、これは御存じのように日立、三菱電機、NECといった半導体のいわゆる集積された企業ですけれども、ここも株式会社INCJが三三・三七%と、もうほかのところが、ほぼ二位のところが五・七九%、圧倒的な大株主なわけです。 ここも、出資企業の再建ということで、ついこの間もニュースになっておりましたけれども、資料の四の二、ルネサス、国内工場二か月停止と、三月七日付けの日経新聞ですけれども、半導体大手のルネサスエレクトロニクスが国内外十三工場で生産停止に踏み切ると、国内の主要六工場は最大二か月という異例の長期間になるという報道がなされております。 この一連の機構が出資しているジャパンディスプレイの現状、それからルネサスエレクトロニクスの現状、こういったものをどのように財務大臣としてお考えになっていらっしゃるのか、それから中国企業からの出資のうわさ、こういったものも含めて、これから先の見通しというものは、もしよろしければ教えていただけないでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは個別の支援先の企業の話の内容ですから、これは機構においてこれは適切に、何というの、現状判断がなされるべきものなんだとは考えているんですが。 その上で、この産業投資特別会計を所管している財務省としては、これは、お尋ね社の現状についてはこれは経営状況の改善に向けた関係者のいろんな取組が今なされているんだという話は聞いちゃいましたけれども、機構による支援というのが、例えば海外企業を買収するとかいろんな話がこれあったんですけれども、これは競争力強化等々の点については一定の方向にうまく進んでいるんだというお話もあるんだと聞いておりますけれども。 いずれにしても、ちょっと具体的なコメントを私の今のこの立場でできるわけにはまいらぬということだと存じます。
○古賀之士君 時間がありませんのでもう終わりますが、資料の四の二の一番最後のところが実は大きなポイントでもあります。一九年六月をめどに国内の、これはルネサスの話ですが、間接部門を中心にグループ企業の五%に当たる一千人近くを削減する方針だと。人員の削減にまで及んでいるということはかなりゆゆしき問題だと思っておりますし、またその問題を共有化できれば大変有り難いと思っております。 本会議での質問にもお答えいただいたように、財務大臣からは、この平成の二十一年から二十五年まで、ざっくりですけれども、二千八百億円、この機構に出資をしているわけなんですね。これだけのものを投入していて、なおかつ今年の六月に一千人もの人員削減ということをしっかりと受け止めていただいて、今後の対応、対策を是非お考えいただけると有り難いと思っております。 時間になりましたので、質問を終わります。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻でございます。日本維新の会並びに希望の党を代表して質問をさせていただきたいと思います。 私は税の専門家でもないので、基本的な税のことを押さえて、確認しながらちょっと議論を進めさせていただきたいと思いますが、まず最初に、税は九区分に分かれていると思うんですが、それをちょっとお教えいただけますでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 今委員からお話があった九区分、恐らく所得税の所得のその分類のことをおっしゃっておられると思います。現行の所得税におきましては、所得につきましては、その源泉また性質などによりまして十種類に分類しております。事業所得ですとか給与所得、譲渡所得、一時所得、雑所得など十種類に分類されておりまして、各所得区分に応じて課税標準の計算方法などが定められているところでございます。
○藤巻健史君 暗号資産の譲渡益、これは原則雑所得と、それも総合課税の雑所得というふうに認識しておりますけれども、雑所得の計算方式並びに最高税率、それから繰延べができるのか、損益通算ができるのか、その辺をちょっとお教えください。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 いわゆる暗号資産の譲渡による所得は、給与所得や事業所得といった他の九種類の所得のいずれにも該当しないことから、一般的には雑所得に該当するものとして取り扱っております。 この暗号資産に係る雑所得の計算方法につきましては、公的年金等以外の雑所得の金額は、その年中の雑所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額とされているところでございまして、暗号資産の譲渡による所得については、暗号資産の売却価格からその暗号資産の譲渡価格などの必要経費を控除して算出することとなるところでございます。 また、最高税率につきましては、総合課税に係る所得税の税率は、課税される所得金額に応じまして五%から四五%の七段階に区分されており、最高税率はそういう意味では四五%となるというところでございます。 さらに、損益通算について申し上げますと、損益通算制度は、不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得の計算上生じた損失の金額があるときに他の所得金額から控除することができるというものでございまして、雑所得は損益通算できる所得に該当しないため、雑所得の計算上生じた損失の金額を他の各種所得の金額から控除することはできないところでございます。 また、繰越控除という点についてでございますけれども、純損失の繰越控除制度は、損益通算ができる損失の金額のうち、他の所得から控除してもなお控除し切れない部分の金額を翌年の総所得金額等から控除することができるものでございまして、先ほど申し上げたとおり、雑所得は損益通算できる所得に該当しないため、雑所得の計算上生じた損失の金額は翌年以降に繰り越すことができないという制度になっているところでございます。
○藤巻健史君 最高税率は四五%ということで、住民税を合わせて五五%ということですね。そして、翌年への繰越しはできないし損益通算もできないということで、納税者にとってはかなり厳しい税金になっているかと思います。 なぜ損益通算が雑所得はできないんでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 雑所得につきましては、大きな損益の変動が起こる取引が雑所得に含まれているか否かにつきましては、雑所得は給与所得や事業所得といった各種所得分類に入らない所得を包括する所得分類でありまして、様々なものが含まれることから、なかなかお答えすることが難しいところでございます。 ただ、様々な損失が恐らく雑所得の中には含まれるということでございまして、総合所得の課税ベースの計算に当たりましてこうした様々な経費を広く勘案するということになりますと、税負担の公平性等の観点から慎重な対応が必要であるということで、雑所得の損失としてこれを見るということはしておりませんし、繰越控除することは認めていないということでございます。
○藤巻健史君 雑所得、暗号資産の譲渡益、損とか、それから外貨預金の損とか得とかが入ると思いますけれども、そのほかに雑所得に分類されるような利益、損失を教えていただきたいんですが。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 お尋ねの雑所得の例といたしましては、国民年金法、厚生年金保険法などの規定による公的年金などのほかに、個人年金保険契約に基づき支払を受ける年金、著述家や作家以外の人が受ける原稿等の報酬や講演料などが該当するところでございます。
○藤巻健史君 今、例をお聞きしましたけれども、雑所得の中で、外貨預金の譲渡損とかそれから暗号資産の譲渡損、これは大きい損失が計上できる、要するに、暗号資産の例がそうなんですけれども、おととし大もうけしたけれども、翌年、去年は大損したというような非常にボラタイルな、収益が、利益がボラタイルな科目、その二つ以外に、外貨預金とそれから譲渡資産のほかにそういうように利益がボラタイルするようなものがあるのかどうかお教えいただきたいんですけれども。もしよければ財務大臣にお願いします。 〔委員長退席、理事三木亨君着席〕
○政府参考人(星野次彦君) 今お尋ねがございました、例えば外貨、外為の関係、それからこの暗号資産の関係といったような大きな損益の変動が起こる取引、これが雑所得に含まれているものもございますけれども、こういった暗号資産取引ですとか為替差損につきまして他の所得との例えば損益通算を可能とするかというようなことにつきましては、こうした取引は一定程度取引のタイミングを調整して損益の発生時期を選ぶことが可能でございますので、広く損益通算を認めた場合には他の所得の状況を踏まえた税負担の調整が可能となるという懸念があることから損益通算を認めていないということでございまして、そこは外国為替、それから暗号資産につきまして共通するところがあるかなというふうに考えております。
○藤巻健史君 元々税法を作ったときに、雑所得に、そういうように今年は大もうけ、次の年に大損するというようなものが雑所得に入るというふうに想定しなかったからこういうふうに通算をできないというふうには考えられませんか。そうじゃないんでしょうか、本音は。
○政府参考人(星野次彦君) 先ほど申し上げましたように、雑所得というのは、その他の所得分類に入らないものがある意味バスケットクローズ的に雑所得の分類になるわけでございまして、当初その予定していたかどうかということはあれですけれども、少なくとも様々な所得分類に入らないものが雑所得として入ってくるという、そういう前提の下で制度がつくられているということでございます。
○藤巻健史君 まあ苦しいとは思うんです、苦しい御答弁かなとは思うんですが、確認しておきますと、外貨預金の譲渡損とかそれから暗号資産の譲渡損、これ以外は基本的にはいつも損が出るようなものじゃない、公的年金とか印税とかそのような、講演料とか、普通、そういう毎年、年によって大もうけしたり大損したりしないようなものがほとんどは雑所得に入ると、私はこう理解しているわけなんですが。 〔理事三木亨君退席、委員長着席〕 そこでちょっと財務大臣にお聞きしたいんですけれども、この財政金融委員会で昔私が暗号資産について二〇%の源泉分離がどうかというふうに申し上げたときに、大臣は、一生懸命働いてもうかった人、これは五五%の税金を払って、暗号資産のもうかった人が二〇%は不公平だと、それじゃ国民が納得しないという回答があったんですが、それについてはいろいろコメントありますよ。例えば、リスクを取って、その汗を流すんであっても、汗を流して給料もらうんだったらば、暗号資産でもうかるのはやっぱり冷や汗かいていますからね、やっぱりリスクを取るというのはこれ日本が成長するために非常に重要なことなので、両方とも私は重要なんですけれども。 まあそれは別として、もし暗号資産が雑所得になっているということであるならば、給与所得の人たちは絶対に損をするわけない、今年大もうけして、たくさんの給料をもらって翌年マイナスの給料をもらうなんということはあり得ない。しかし、暗号資産の譲渡に関しては、もうかったときだけは五五%の最高税率を取られて、損をしたときは何とも、補填が何にもない、損益通算はできない、繰越しはできないというのは余りにもこれ現状が物すごく不公平だというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはこの前と少し質問の趣旨が変わってきているように思いますけれども、藤巻先生のお尋ねというのは、多分、暗号資産の取引の所得というのは早い話が総合課税じゃなくて二〇%の分離課税の対象とすべきだとおっしゃりたいんですね。
○藤巻健史君 いや、それは最終的には二〇%の分離課税にするべきだとは思っていますが、私は、最初に結論から言っちゃうと、取りあえずは雑所得じゃなくて譲渡課税ではないか、総合所得の中の雑所得では、最低限それでもおかしくないんじゃないかなという議論を今日はさせていただいています。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、暗号資産の取引とか為替損益について、これは他の所得との損益通算というのを可能にすべきなんだという御趣旨なんだと思いますけど、これらの取引は、先ほど星野も言っておりましたように、取引のタイミングというのを少々調整して期末調整等々やりますと損益の発生時期を選ぶという可能性がこれは十分に可能なので、そうすると、広く損益計算を認めますと、これは他の所得との状況等々を踏まえまして税負担の調整が可能になる、調整可能だということになりますので、ちょっとそれではいかがなものかということから損益計算を認めないというところなんだと思いますので、損益の変動が大きいから損益通算が認められるべきというようなことではないというように御理解いただければと存じます。
○藤巻健史君 私はちょっと違うと思うんですけどね。その取引の時期が選べるから損益通算を認めないんじゃなくて、雑所得の範疇になっているから損益計算を認めないということがロジカルだと思うんですけれども。まあ、それはいいです。それは後からこの議論するうちに御説明したいと思いますので。 今、私は、せめて暗号資産の譲渡益というのは雑所得じゃなくて総合課税でも譲渡所得じゃないかというふうに思っているんですけれども、まず取りあえず譲渡所得とそれから雑所得について、これちょっと、ごめんなさい、質問通告、雑所得、雑所得と書いちゃいましたけれども、雑所得と譲渡所得をちょっと比べていただきたいんですけど、控除額が幾らになるかとか、それから損益通算ができるのか否かと、それから長期に持っていると非常に税率が下がるとかいう差があるのかどうか。これ、雑所得だったらどうか、それから譲渡所得だったらどうかということを比べながら教えていただきたいんですが。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 まず、雑所得に関してでございますけれども、所得税法上、雑所得の金額は、先ほど申し上げたところでございますけど、その年中の公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した残額とその年中の公的年金等以外の雑所得に係る総収入金額から必要経費を控除した金額の合計額とされているところでございまして、例えば、公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を控除した残額がある方が公的年金等以外の雑所得に損失が生じている場合、これらの損益を合計することができるというふうになっております。 また、控除額につきましては、雑所得のうち、公的年金等の所得については、所得税法上、収入金額に応じた公的年金等控除額が規定されております。また、外交員や集金人といった家内労働者等の所得については、租税特別措置法上、必要経費として六十五万円まで認められる特例が規定されております。これら以外の雑所得に区分される所得については一定額等を控除する規定はございませんけれども、法令上、総収入金額から必要経費を控除することとされているところでございます。 譲渡所得との比較ということについて申し上げますと、例えばその資産の保有期間の長短ということについてでありますけれども、譲渡所得については、いわゆる分離課税の対象となる資産を譲渡した場合を除きまして、その譲渡をした資産の保有期間が五年を超えるときはその資産に係る譲渡益を二分の一とする平準化措置が設けられているところでございますけれども、御質問の雑所得の方につきましては、譲渡所得のような保有期間の長短に応じた平準化措置は設けられておりませんで、その長短のみによって税負担に差が生じるといったようなことはないという状況でございます。
○藤巻健史君 ちょっと分かりにくいんで、一つ一つ、じゃ、お聞きします。 保有期間について、最後に保有期間のことをおっしゃいましたけれども、雑所得の場合は保有期間に関しても同じ税率が適用されますが、譲渡所得になった場合、総合所得の話、今、総合所得の方の、分離課税じゃないですよ、総合所得の方の話をしていますけれども、長期保有のときと短期保有のときとは税率は変わりますか。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 先ほどお答え申し上げたとおり、その保有期間の長短に関しまして、分離課税の対象となる資産を譲渡した場合を除きまして、その資産を譲渡した資産の保有期間が五年を超えるときは、その資産に係る譲渡益を二分の一とする平準化措置が設けられておるところでございますけれども、税率に関してはその平準化のような措置はありませんで、同じように、同じ税率が適用されるというところでございます。
○藤巻健史君 譲渡所得の場合は、五年以上保有していると半額になって、それに同じ税率が掛かるということですね。
○政府参考人(並木稔君) おっしゃるとおりでございます。
○藤巻健史君 譲渡所得の方がよっぽどいいですね。 それから、損益通算については、雑所得ではできないけれども、譲渡所得、総合では損益通算ができるということですね。
○政府参考人(並木稔君) それもおっしゃるとおりでございます。
○藤巻健史君 要は、譲渡所得の方が納税者にとっては有利だということですよね。 それから、私の理解だと、控除額というのは、雑所得の場合は、一つの、会社幾つも勤めては別、収入があれば別ですけど、一つの会社に勤めているサラリーマンの場合、二十万円までは非課税になりますけれども、譲渡所得の場合には五十万円まで非課税ではありませんか。その辺ちょっと教えてください。確認したいんです。
○政府参考人(星野次彦君) おっしゃるとおり、譲渡所得の場合は五十万円の控除がございます。 それからあと、譲渡所得に関しては、先ほど申し上げたように、何というんですかね、分離課税になっているようなものもございますので、譲渡所得の中には、例えば株ですとかいろんなものがございますので、分離課税を取っているものもございますので、そういうものについては、何というか、損益通算にはならないということになります。
○藤巻健史君 いや、今日は、最初にちょっと申し上げておきますけど、私は、暗号資産というのはやっぱり特措法でいずれは源泉分離二〇%にするべきだとは思っていますけれども、今日の議論は、少なくても総合所得の中でも雑所得じゃなくて譲渡所得に相当するのではないかという今日議論していますので、分離課税の方、忘れてください。将来またそっちの方に行くべきだということは話しますけれども、少なくても総合所得の中でも雑所得じゃないでしょう、譲渡所得でしょうという話を今日はしていますので、その辺はちょっと確認しておいていただきたいんですが。 次の段階で、次の話で、平成三十年の、去年の三月二十日に参議院の財政金融委員会で、私の質問に対し藤井国税庁当時の次長、今の国税庁長官が、資金決済法上、代価の決済のために不特定多数の者に対して使用することができる財産的価値を想定されており、消費税法上も支払手段に類するものと位置付けられることも考慮する。これ、これによって譲渡所得の該当性を排除しているわけですよ。要するに、私がなぜ譲渡所得ではないかというのをお聞きになったとき、やっぱり消費税法上も考えてこれは無理だと。要するに、要は暗号資産というのは支払手段であると、支払手段であるからキャピタルゲインの生じない、だから譲渡所得ではないよという説明だったと思うんですね。 もう一つ、去年、やっぱり三月二十日の私の質問に対して、予算委員会だったか財政金融委員会、ちょっと申し訳ありません、あれですけれども、私の質問に対して星野主税局長は、この取扱い、これ雑所得という意味ですけど、雑所得は日本円と外貨を交換した場合の為替差益が雑所得として総合課税の対象になることのバランスを考えれば適当になるものと考えていらっしゃいますと。要するに、外貨の課税関係との整合性を考えて雑所得が適当だというふうにおっしゃったわけですよ。 勘案しますと、要するに、暗号資産というのは支払手段であるからキャピタルゲインを生じるわけがない。そしてもう一つは、外貨の課税関係との整合性を考えて、だから雑所得だというふうに私はそのお二人の発言から理解したんですけれども、それは違いますか。なぜその暗号資産が譲渡所得でないのか、その辺のロジックをちょっとお聞きしたいんですけど。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 所得税法上、譲渡所得は資産の譲渡による所得と定義されておりまして、当該所得に対する課税は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会としましてこれを清算して課税する趣旨と解されているところでございます。 この点、ビットコインなどのいわゆる暗号資産につきましては、先ほど御指摘もございましたけれども、資金決済法上、対価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値と規定されておりまして、また、消費税法上も支払手段に類するものとして位置付けられていることから、その譲渡益は資産の値上がりによる増加益とは性質を異にするものと考えられるところでございまして、このため、我々国税当局といたしましては、いわゆる暗号資産の譲渡による所得は一般的に譲渡所得には該当せず、雑所得に該当するものとして取り扱っているところでございます。
○藤巻健史君 後で議論しますけれども、雑所得の定義というのは何なのでしょうかね。雑所得というのは、これ三十三条、所得税法三十三条の一で、一時所得というのは、まあいいや、譲渡所得、譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じる所得以外の、まあこの辺はちょっと省きますけれども、譲渡所得以外の所得のうち、一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有さないものをいうと。 要するに、雑所得というのはいろんな、そのさっき主税局長、星野主税局長がおっしゃった分類の中に入らないものを雑所得というふうに定義されると私は思っているんですよ。だとするならば、国税当局、ちょっと後で言いますけど、国税当局は、暗号資産もそれから外貨預金も譲渡所得とか一時所得でないということを証明しない限り雑所得に入れられないわけですよ。もし私がここで、暗号資産とか外貨所得が、外貨資産の譲渡益が一時所得であるとかそれから譲渡所得であると申し上げたときに、それを完璧に否定していただかない限り、雑所得に入れる理由というのはないんですよね。だから、今日、私は、暗号資産とか外貨資産というのは譲渡所得ではないんですか、これは一時所得ではないんですかということをお聞きしたいんです。これが今後またちょっと言っていきますけれども。 それでまずお話を聞きたいんですが、麻生大臣が、この前私、本会議で登壇でお話ししたときに、今度の法律上でこの所得税法の一部を改正する法律案の中で仮想通貨という文言が入ったのは極めて画期的だというふうに申し上げましたところ、やっぱり麻生大臣にしろ安倍首相にしろ、国際的なことを考えると、国際的な動向を踏まえて今後暗号資産と呼ぶことが適当と考えるとおっしゃっているわけですね。 要するに、そして、この法律も、仮想通貨から今後法律も暗号資産に変えるというふうにおっしゃっていますから、まずその暗号資産というのは、資産というカテゴライズ、資産であるという、法律的にも資産であると、こういうふうな認識だと思うんですが、麻生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、国際金融の場面の中において、いわゆるバーチャルカレンシーなんていう言葉はほとんど今使われなくなって、ほとんどはクリプトアセットという言葉を使っているので、日本だけがということはいかがなものかということを申し上げたというのがあのときの記憶だと思うんですが、今のところはまだ法令上そういうことになっていませんので、法律の上では仮想通貨と書かせていただいておりますけれども、いずれこの点については、クリプトアセットということをそのまま直して、いわゆる暗号資産というような形にしていくのが筋ではないかということを申し上げたと記憶します。
○藤巻健史君 すなわち、法律上では暗号資産というのは支払手段ではなくて資産であるという、法律的にも明確にもう宣言しているようだというふうに私は理解しますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 藤巻先生がそれをどう捉えたかということに関してはちょっとよく分かりませんけれども、このクリプトアセットという表現が用いられている例がこれは間違いなく国際金融の場でよく出てきますので、法令上の呼称を暗号資産に変更するというもので、次にその定義を見直すというものではないという、このように御理解ください。
○藤巻健史君 分かりました。 少なくとも法律の中では資産という言葉を使っているわけですけれども、また国税、お聞きしたいんですけれども、譲渡所得の起因となり得る資産というのは譲渡性のある財産権を全て含む広い概念である、こう私は理解していますけれども、それで正しいかどうか、お教えください。
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。 今おっしゃいましたところの譲渡所得の起因となる資産とは、一般的にその経済的価値が認められて取引の対象とされまして、増加益が生じるような全ての資産が含まれるものと解されているところでございますけれども、その増加益が資産の価値の増加益とは異なる性質を持つ資産については譲渡所得の起因となる資産には該当しないというふうに考えております。 御指摘のいわゆる暗号資産については、先ほど申し述べたところでございますけれども、資金決済法上、対価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値と規定されておりますし、消費税法上も支払手段に類するものとして位置付けられていることから、外国通貨と同様に、その譲渡益等は資産の値上がりによる譲渡所得とは性質を異にするものであると考えております。 したがいまして、国税当局としては、いわゆる暗号資産の譲渡による所得は一般的に譲渡所得には該当せず、雑所得に該当するものと取り扱っているところでございまして、いわゆる暗号資産は譲渡所得の起因となる資産には該当しないものと考えております。 なお、済みません、大変申し訳ございません、先ほど冒頭の暗号資産の譲渡した場合の計算方法の答弁の中で、暗号資産の取得価額と答えるべきところを譲渡価格と誤って答弁申し上げました。大変失礼いたしました。修正させていただきたいと思います。
○藤巻健史君 今、国税当局の御回答の中ではっきりしたのは、譲渡所得の起因となり得る資産にはなるということを断定されたというふうに私は理解しましたけれども、なり得るんですよね。要するに、譲渡所得の起因となり得る資産になり得ると。それは今明快にお聞きしましたけれども、それならば、あとの課題は、あとは値上がりするとか値下がりするという、そういう観念を否定するか否かになると思うんですよね。あともう一つ、外貨の譲渡益との関係、これも後でちょっと議論したいんですけれども。 これ、要するに値上がり益があるか値下がり損があるかということ、要するにキャピタルゲインがあるかどうかの判断だというふうに思っていますけれども、キャピタルゲイン、私はキャピタルゲインだと思いますけれども、諸外国の課税で、暗号資産に対する課税で損益をキャピタルゲインとして認識しているのかいないのか、ちょっと確認したいんですが。
○政府参考人(星野次彦君) 諸外国におけます扱いでございますけれども、諸外国において暗号資産を譲渡した際の所得税の取扱いについては、これは国によってまちまちであります。 アメリカ、イギリス、フランスにおきましては、原則分離課税となる株式譲渡益等と同じ課税上の取扱いとしております。一方、例えばドイツを見てみますと、ドイツにおきましては分離課税となる株式譲渡益等とは異なり、原則総合課税として課税されるということでございまして、取扱いはそういう意味では様々であると承知をしております。
○藤巻健史君 いや、総合課税か分離課税は別として、今聞いた限りでは、他国はやっぱりキャピタルゲインと認めていると思うんですよね。 キャピタルゲインと日本の言う譲渡所得というのは違うんですか。私は同じだと思うんですが、違うんですか。キャピタルゲインであるならばやっぱり譲渡益だと思うんですけど、違いますか。
○政府参考人(星野次彦君) キャピタルゲインかどうかというよりも、例えば今ドイツの例を申し上げましたけれども、例えばドイツで暗号資産を保有し、譲渡した譲渡益につきましては、これはいわゆるプライベート取引という、既に所有している資産の売却益に該当するということでございまして、この取扱い自体は日本と同じような取扱いになっているということでございます。
○藤巻健史君 ちょっと時間がなくなってきたので、これ、今日残っちゃったのはまた次回に進めますけれども。 外貨預金の益というもの、これも雑所得なんですよ。これは後で議論していきますけど、私は暗号資産の分類、それから外貨預金の分類も、確かにおっしゃるように、おっしゃるようにじゃないな、雑所得というのは、さっきも言いましたように何にも範疇に入らないものが雑所得へ行くわけですから、可能性として譲渡所得かもしれない、一時所得かもしれないものだったらば、まあ確かにその三つの要因あるかと思いますよ、そうとも言えないというような。でも、可能性としてその譲渡所得の可能性もあり、一時所得もあるんだったらば、課税の論理で言わないで、やっぱりどの範疇にすると国が元気になるかということを考えるべきだと思うんですよ。それは、学問上雑所得にしかならないというなら話は別ですよ。だけど、雑所得の可能性じゃなくて譲渡所得の可能性もある、一時所得の可能性もあるんだったらば、国にとって何が一番いい範疇に入るのかなということを考えるべきだと思うんですよ。 例えば、外貨預金。私、今日、銀行に行ってね、銀行行ったら、今日、外貨預金どうですかって言うから、冗談じゃないよと。外貨預金で為替益があって、百円が例えば一ドル千円になって、私そうなると思っているけれども、九百円もうかっていたら、何十%か税金、総合課税で持っていかれちゃうんだと。だから、私はドルのMMF、源泉分離二〇%って言っていますけど、外貨預金なんかできるかと。損したら全然、外貨預金で為替損したら、もう国は何とも面倒見てくれないし、もうかったら、もう高所得の方、五五%税金持っていくんだったらば、ドル預金なんかしないぞとは思うわけですよ。 だとするならば、私はやっぱり、もし例えば譲渡所得であるという、よっぽどましな、分離所得まで行かないでも分離課税にも行かないでも総合所得でも、もっと有利な税制であれば、外貨預金、ドル預金をする人たくさん出てくると思うんですよ。 そうすれば、ドル高円安、消費者物価指数、デフレ脱却、景気万々歳。そんな、わざわざ異次元の量的緩和なんという、副作用で出口もなくてこんなに苦しむような副作用満載の金融政策を取らなくても、外貨預金、ドル預金を雑所得から譲渡所得若しくは一時所得に変えるだけで、ドル高が上がっていって、結局直るじゃないですか、デフレ脱却できるじゃないですか、金使わないで。 私は、だからそれを言いたいわけですよね。要するに、税制の、お金取るという、税金を取るという理論じゃなくて、どうすれば国に勢いが来るか。要するに、デフレを脱却するんだったらば、ドルの外貨資産を、外貨預金を一時所得か、それから若しくは譲渡所得、それで特措法で分離課税でやればいいじゃないですか。それをやれば、異次元の緩和以外できちんと円安ドル高になって、景気いいんですよ。そういう観点。 それも、先ほど何度も言いましたけれども、まさに雑所得しか駄目だというなら話は別ですよ。まだ議論続けていきますけれども、一時所得かもしれない、譲渡所得かもしれないんだったらば、それは全否定でしないでそっちにした方がいいんじゃないかという話です。それは全く暗号資産も同じなんです。 ちょっとお話ししたいですけど、ちょっと時間ないんで最後もう一つだけ言いたいんですが。 これ、学説的にどうかというと、ちょっと読みたいんですけれど、その権威のある、租税法の代表的教科書と言われている金子宏先生の教科書、一か月ぐらい前に新しいバージョンが出た、二十三版が出たんですけど、二十三版に、金子宏先生というのは、御存じだと思いますけど、東京大学の名誉教授で租税大学校の非常勤顧問もされている金子先生。「租税法」、まさに租税法の代表的教科書の、一か月ぐらい前ですかね、出た二十三版、二百六十一ページですけれど、新しいバージョンですよ、出たんですよ。譲渡所得における資産とは、譲渡性のある財産権を全て含む概念で、ビットコイン等の仮想通貨などがそれに含まれるとの記載があります。 要するに、この権威者の書いた、これビットコインとは書いてありますけれども、仮想通貨も譲渡所得になる財産の一つだと、こう明言されているわけですよ。 学説的にもこういうのがあるときに、わざわざこれを否定して雑所得に入れる必要というのは全くないというか、これ、この金子先生の説を否定しない限り、雑所得に入れる理由ってないんですよ。雑所得というのは、何度も繰り返し申し上げますけれども、どこにも入らないのが雑所得でございますから。 だから、是非、もしできるんだったらば次回、繰り返しますけれども、金子先生の説を否定できるだけのものをいただきたいと思うんですね。否定できなかったら、やっぱり私は、確かにおっしゃるように雑所得の可能性もありますよ、でも、譲渡所得でもいいじゃないかと、私はこう思うので、これ宿題にしますけど、また次回続きをやりたいと思いますけれども、是非、そのことを言って、ちょっともし、まだ一分ありますので、もし主税局長、何かお話ししたいのであれば。
○政府参考人(星野次彦君) 本日の議論は、所得税法上の所得分類の関連で、やはり概念整理をやるということで議論が始まりました。 国税庁も含めまして、私どもは、所得税法上の例えば譲渡所得の概念についてはるる申し上げましたけれども、資産の値上がりによってその資産の所有者に帰属する増加益を所得として認識をしてこれに課税をするという趣旨でございます。これまでの国税庁からの答弁でも、ビットコインなどの暗号資産については、これは、資金決済法上も、また消費税法上も見ても、その資産の値上がりによる増加益というふうには性質上考えられないということで、これが譲渡所得に当たらないということでございます。 また、外国為替についてもほぼ同じような理屈でこういうことを申し上げておりまして、ここの分類につきましては、そこは政策的な要請という先生の御主張も分かりますけれども、政策的要請で概念が変わるものではないということで、私どもの概念整理を御説明をしているということでございます。
○藤巻健史君 政策的なもので範疇が変わるわけではないというのは私も十分に分かっています。学説にそういうのがあるから変えてみたらどうですかという話を今日はしているわけで、今後、きっとこの今日、話を聞きながら、いろいろ学者の先生の間でも議論が始まると思いますので、是非、学説でいろんなことを、どういうふうに出るか、興味を持って見ていきたいなと思います。 ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門でございます。 税制の質問をいたしますが、先ほどちょっと気になるやり取りがありましたので確認させていただきますが、ヨーロッパの付加価値税が高いことの理由、背景として、麻生大臣が高福祉高負担だからというふうなことをおっしゃいましたけれど、これは少し違うんじゃないかなというふうに思いますので、確認しておきたいと思いますが。 ちょうど、もうお忘れかと思いますが、二〇〇九年の、たまたまちょっと今手元に資料があったので、三月二十六日のこの財政金融委員会のこの所得税法等の税法の審議のときに、必ず最後に総理が出てきていただいて、今回もやる予定ですけれど、そのときは麻生内閣で、麻生総理が出てこられたとき、与謝野財務大臣のときですね、ちょうど議論をさせてもらったんですけれども、ヨーロッパの高福祉高負担といいますか、なぜ付加価値税が高いのかということとかヨーロッパの社会保障財源の内訳について議論をさせてもらったんですが、要するに、ヨーロッパは付加価値税率が高いのは、元々歴史が違いまして、戦費調達とかいろんな歴史があって、いろんなことをやって高いということがまず基本にあるということですね。 もう一つは、ヨーロッパは付加価値税だけで社会保障を賄っているわけではありません。付加価値税、法人税、所得税、社会保険料、全体で賄っておりますし、バランスよく、応能負担の原則、再分配がありますので、本会議で申し上げましたけど、負担しているわけですね。 ちなみに、そのときに示した資料で、ほとんど変わっていないと思いますけど、例えばスウェーデンは付加価値税率二五%、今もそうかなと思いますが。ところが、スウェーデンの社会保障財源に占めるその付加価値税の割合というのは僅か一二・三%ですね。ドイツは付加価値税率一九%でありますけれども、社会保障財源全体に占める付加価値税の割合は一〇・七%と。つまり、社会保険料ですね、事業主負担と本人保険料、そしてそのほかの税金、全体で社会保障財源を賄っていて、それで高福祉をやっているということでございますので、正確に言いますと、付加価値税が高いから高福祉なのではなくて、税と社会保険料全体の負担が高いから福祉が高いということになりますので、付加価値税だけ取り上げるとちょっと話が違う話になってしまって、全体の負担は重いのは確かですね、だから。 したがって、正確に言いますと、実は与謝野さんともそのとき議論をいたしまして、与謝野さんはもう同意見だということを、私の指摘と、おっしゃっていただきましたけれど、もう十年前の話ですけど、ということがありますので、正確に言いますと、付加価値税のことではなくて全体ですね、税と社会保険料全体の負担が高いと、で、福祉も高いということだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃられた与謝野先生の話ですけれども、これはもう与謝野先生と当時話し合ったこともありますけれども、少なくとも、今言われましたように、日本の場合も、いわゆる国民皆保険といいながら、あの保険は全部保険だけで賄っていたかといえば、税金を大量に投入していましたからね、あそこは。そういった意味では、私どもとしては、今おっしゃるように、保険というものは消費税だけじゃなくて、いわゆるいろんなもの、保険料やら何やらふっ込みで今言われたような形になっておると。与謝野先生といわゆる大門先生が話された話の内容、全く間違いありません。
○大門実紀史君 ですから、やっぱり財務省のいろんな宣伝が気になるんですけれども、どうもヨーロッパ、まあマスコミも財務省の宣伝に乗っかっているというか、わざわざ宣伝をしてあげているというか、ヨーロッパのような福祉を求めるならば消費税の増税をのむべきだみたいな単純なことを言うわけですね。そうじゃなくて全体の話なんですよね、負担というのはですね。というふうに思いますので、余り財務省、星野さんはそういう宣伝はしない方がいいんじゃないかと思います。 税の問題は本当に立場によって考え方が違いまして、どこに負担を求めてどう使うかというのは本当に極めて政治的な問題になりますので、当然、政党によって立場が違うのは当たり前であります、だから議論して切磋琢磨するわけなんですが。ただ、当面の景気との関係とか、今取りあえず余裕のある人からいただくか、苦しい人から取るかというのは、これはそれほど政党の違いが出るものじゃなくて、やっぱり政治家、どの政党でもいろんな方の代表ではありますから、余り違いはないんじゃないかというふうに思います。 そういう点で今日も質問していきたいと思うわけでございますけれど、研究開発減税でございます。 現在の法人税の改正について、成長志向の法人税改革というふうに安倍内閣は持ち上げ、持ち上げというか打ち出しておられますけれども、本当にそうなのかというのがこの研究開発減税、税制については特に思うわけでございますので、取り上げたいというふうに思います。 資料をお配りするのがちょっと間に合わなかったんですけど、何年か前、財務省の資料が出されまして、法人税の実質的な、表面税率じゃなくて実質的な負担率、つまり、表面税率からいろんな、租税特別措置とかいろんなことを引いて、実際にどれぐらい負担しているのかという法人税の実質負担率を財務省が平成二十五年、二〇一三年度ベースで出されたことがあります、その後、出していないということなんですけれども。簡単に言いますと、今も余り変わらないと思いますが、資本金が十億円を超えるまでは負担率が上がっていくんですけれど、十億円超えると下がっていくと、どういうわけか下がっていくということが財務省の資料でも出ておりました。当時、そういう質問を私もしたことがございます。 で、それ以降の財務省の資料がないので、私どもでもいろいろ計算をしましたが、要するに、簡単に言いますと、五億から十億、資本金が超えていく、大きな会社に、企業になるほど負担率が逆に、それまで上がっていくんですけど、下がっていくと。ちなみに、我が党が試算してみましたら、二〇一六年度ベースでございますが、資本金一億円以下のところは実質的な負担率が一八・六%なんですけれども、十億を超えてきますともう一〇・四に下がってくるというふうな現象が起きております。 これは財務省がかつて出した資料でもそういう傾向が出ておりましたけれども、なぜ、資本金が大きくなっていく、つまり巨大な企業になるほど法人税の実質負担率が下がっていくのかと、この辺はどこに原因があると大臣、お考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、利益を出しておられます利益法人のみを対象にした財務省の推計について申し上げさせていただければ、これは大企業と連結法人の法人税の負担割合が比較的小さく示されることは、これは間違いなく事実であります。 それはどうしてそうなるかという理由は、これはグループ経営を行っております大企業においては、これは損益不算入とされております国内外のいわゆる子会社から受取配当等々が入ってきますので、それが大きくなるということや、企業内のグループがグループ内の企業間の損益通算ができる、いわゆる連結納税を行う場合の影響額によるところが極めて大きいものだと思っております。 もっとも、大法人、一億円超ということでありますけれども、中小法人とでは、これは税制上の取扱いとか利益計上法人の割合などの実態が大きく異なっておりますので、法人税の税負担率については的確にちょっと比較することは困難なんですが。 その上で、受取配当金損益を不算入にするという話は、これは子会社の段階で法人税が既に課税をされておりますので、そういった意味から二重課税ということになりますので、それを避けるための税制制度でありますし、この連結納税の場合は、企業グループを一体とみなして取り扱う制度で、これは税制が企業の組織形態に影響を与えないようにするためのいわゆる制度なので、これいずれもこのやり方は国際的には大体こういった一般的な制度でありますので、こうしたことの影響を携えて、大企業の法人税の負担率が割合が低いんじゃないかという大門先生の、これ単純にちょっと結論付けることは必ずしも妥当ではないのではないかというような感じがします。 また、租税特別措置につきましては、時々の政策課題に対応することのためで、有効な政策手段となり得るということもありますので、ちょっとこれ前々から議論がよく出てくるところではありますけれども、この問題につきましては、これは単純にちょっとやめればいいというような話、というわけにもいかぬのではないかという感じがいたしております。
○大門実紀史君 平成二十五年の財務省が出された資料は、まあ説明はそういうことなんですけれども、言ってしまえば、財務省とは長い付き合いなんですけど、わざわざ大きくなると負担が下がるというのは何らかの問題意識を持って出されたということが当時のいろいろやり取りにもありましたので、一個一個の理由はそのとおりだし、大きくなればなるほど外国取引増えますから、いろんなことがある。 ただ、その制度は問題だと、全部問題だというわけにいかないんですけど、そこでやっぱり本当に諸外国に比べて、国際的な物差しからいって、特別に優遇になっていないかということはやっぱり問われなきゃいけないという点が当時もあったということでございます。 今大臣も言っていただいた中の一つ、租税特別措置も大きいわけでありまして、今日はその租税特別措置のところに絞って質問したいと思うんですけれども、その租税特別措置の中で最大のものは何か、星野主税局長、教えてくれますか。
○政府参考人(星野次彦君) 租税特別措置の適用実態調査、これ毎年国会に報告させていただいておりますけれども、これに基づきますと、平成二十九年度におきまして減収額が最大となった法人税の租税特別措置は、これは研究開発税制でございます。
○大門実紀史君 研究開発減税も長くやられている税制でありますけど、改めて、その研究開発減税の大半が、資料をお配りいたしましたけど、これややこしいんですよね、全体。総額型というのが一番、全体の中で九七%、二〇一七年度で額を占めるわけなんですけど、この総額型というのはどういう仕組みなのか、ちょっと簡潔に説明をお願いいたします。
○政府参考人(星野次彦君) お配りいただきました資料、総額型がこの研究開発税制のメーンの制度になっております。 これは、企業が支出する試験研究費の一定割合について税額控除ができる仕組みでございまして、具体的には、税額控除率につきましては、企業が支出する試験研究費の増加率に応じて増減、六から一四%ということで、増加率が大きいほど控除率も大きくなるという制度を取っております。 また、控除限度額につきましては法人税額の二五%となっておりますけれども、中小法人や試験研究費が平均売上金額の一〇%を超えるというような高水準の研究をしている企業につきましては、最大一〇%上乗せされるというような制度になっております。
○大門実紀史君 ちょっと複雑なところがあるんですけど、要するに、研究費の総額に一定の比率を掛けて控除するという仕組みでございます。 この総額型は、二〇一七年度分の減税総額と、そのうち上位十社の占める金額と割合について教えていただけますか。
○政府参考人(星野次彦君) お答えを申し上げます。 二〇一七年度の研究開発税制、総額型の適用実績でございます。全体の適用総額が六千百二億円、上位十社の適用総額が千九百億円、したがいまして、全体の適用総額に占める上位十社の適用総額の割合、三一・一%となっております。
○大門実紀史君 つまり、この総額型が、もう数十万の会社があるわけですけれども、上位十社だけで六千百億のうち千九百億で三割を占めると。千九百億円というのは、中小企業予算と匹敵するぐらいの金額を十社が恩恵を受けているという制度というふうになっているわけですね。 これはマスコミでも、一般のマスコミでも取り上げられておりますけれども、減税額の一位はトヨタで七百九十四億円、約八百億で、このたった一社で、トヨタ一社で全体の一二%ですか、一割超えているということで、これマスコミも、何だ、この税制はということで指摘しているところでございます。 ちなみに、トヨタは安倍政権の下で、研究開発税制、総額型以外も含めると、この研究開発税制全体で約五千億の減税受けております。なぜ二兆円以上の利益を上げている企業にこれだけの減税が必要なのかというのが、マスコミを含めて疑問が出されているところでございます。 問題は、なぜこういう大きな、この研究開発税制がですね、大きな規模の巨大企業にこの減税が集中するのかと。この仕組みは、仕組みといいますか、制度上なぜそうなるのかですね、星野さん、ちょっと説明をしてください。
○政府参考人(星野次彦君) 研究開発税制でございますけれども、これ民間企業のまさに研究開発を、その基盤を強化するということが日本の成長にとってクルシアルであるということでこういった制度を設けているわけでございますけれども、上位十社、確かに適用額の割合三一・一%になっております。ただ、この税制、特定の企業ですとか特定の研究分野を特別に優遇すると、制度上優遇するといったような制度ではございませんで、研究開発投資を行っていれば広く適用の対象となる制度、仕組みでございます。 こういった中で、適用額が大きいということは、ある意味その企業が研究開発投資に積極的に取り組んでいるということ、それから、その企業の所得が大きく、法人税を多く負担していることの表れでもあると考えております。 また、上位十社が全体に占める適用額の割合は近年低下傾向にございますことに加えまして、総額型の適用件数、これは四千件を超えておりまして、幅広い企業に利用されているところでございます。 こういった状況を考え合わせれば、総額型は特定の企業、これのためにあるとかこれを優遇しているというふうには考えておりません。
○大門実紀史君 これは仕組み上なぜ、結果論かも分かりませんが、なぜ大きな企業に減税が集中するのかということなんですが、そもそもこれが始まったのは、総額型という仕組みは、小泉内閣のときに、二〇〇三年度から導入された制度ですね。それまでは、そもそも始まりは、もっと研究開発頑張ってほしい、日本の企業、国際競争で勝ち抜いてほしいと、だから研究開発費を増やした。増やしつつインセンティブ、頑張れと、そのインセンティブのためにやったんですね。ですから、最初は研究費を増やした部分だけに減税をしていくという仕組みだったんですけれど、二〇〇三年の小泉内閣のときに今言った総額型と、減らしても総額に掛け算して減税してあげると。だから、増やす、増やしてくれとかいうインセンティブじゃなくて、もうとにかく増やそうが減らそうが結果に対して減税してあげるんで、これ、政府税調なんかでも、これは補助金と同じじゃないか、もうこうなるとという指摘がされるようになってきたわけであります。 ですから、総額型という仕組みそのものが、やろうがやるまいが、だから、巨大企業ほどいつも、いつも全体の研究費に掛け算しますから大きくなるということになるわけですね、増えた分じゃなくて。 もう一つは、控除上限、どこまで法人税から控除してあげるかというこの上限ですよね。これが今は、今回の改正の前は、控除上限は期限なしの恒久措置としては二五%で、時限措置合わせれば三五%になっているわけですね。 実は、この減税の一極集中については、共産党じゃなくて、二〇一四年段階の税制調査会において批判的意見が出まして、見直すように提言されております。資料の三枚目に付けておきましたけれど、星野さん、線も引いておきましたけれど、政府税調では、この法人税の改革についてという報告書を出して研究開発減税についてどのように指摘しているか、ちょっと、読んでもらっても結構ですが、説明してもらえますか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 御指摘のありました、二〇一四年六月、政府税制調査会が法人税改革に関して取りまとめた報告書の記述でございます。この中で、研究開発税制のうち総額型の税額控除につきましては、元々平成十五年度税制改正において法人税率引下げが見送られる中で導入された経緯があること等を踏まえ、今回の法人税改革の中で、税率引下げに合わせて大胆に縮減し、研究開発投資の増加インセンティブとなるような仕組みに転換していくべきと提言されております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 ここで言っているのは、もう税額控除が結果的に補助金と同じになっちゃっているということと、引き下げるなら課税ベース拡大と、だったらば大胆に縮減しろとあったんですけれども、同時に、増加するようなインセンティブになるような仕組みに転換していくべきだと言われても総額型を維持しているということでありまして、この政府税調がせっかく検討して問題点を指摘したものが実行されていないといいますか、逆の方向にずっと来ているということなんですね。実際、この政府税調の提言の後に、その前は、当時、上限三〇%だったんですけど、今申し上げたように最大三五にしたということになります。 したがって、政府税調の提案というのは何なのかとちょっと改めて思うんですけれど、これを明らかに、あれだけ問題になってマスコミからもいろいろ取り上げられたのに、政府税調の提案をここまではっきりと無視したことはないんじゃないかと思うんですが、星野さん、どうですか、大臣でも結構です。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど星野の方から答弁をさせていただいたとおりなんですが、この政府の税制調査会で法人税改革に関して取りまとめた報告書の指摘も踏まえて、今言われた平成二十七年度の税制改正なんですが、大胆に縮減すべきとの提言があった総額型においてはその減税幅を縮減しております、この二十七年、もう御存じのとおりで。平成二十九年度の税制改正においては、研究開発税制の総額型に増加インセンティブの視点を入れろという観点から、研究開発投資の増減に応じて減税幅を変動させるという仕組みに改めさせていただいたという経緯であります。 それで、今般の平成三十一年度の税制改正においては、この研究開発税制の増減に応じたインセンティブを強化するという観点から見直しを行うことといたしておりまして、これらの一連の見直しというのは、政府税制調査会の問題意識とは整合的なのではないかと考えております。 なお、産学連携などを促進するオープンイノベーション型というのは今般拡充する方向なんですが、これは多様な主体との連携というものを通じて質の高い研究開発というものを促進するというのを目的といたしております。 いずれにいたしましても、今回のオープンイノベーションの一層の促進とか積極的な研究開発投資というものに関しましては、我々もその方向で進めさせていただければと思っております。
○大門実紀史君 私は、この政府税調よく読みますと、確かに若干の増加インセンティブの仕組みとか、何もやっていないという意味じゃないですよ、ここでは、かなり大胆に縮減してという、かなり問題意識を強く持って提案されたのに比べると、何か小手先と言ったら申し訳ないかも分かりませんけど、どうも何かちょっとアリバイ的な、見直しやったけれど、結局、額はトヨタも含めてそんなに減らないということになっているわけですね。 そういう経過があって、それで今回また二〇一九年度改正で今お話ありましたオープンイノベーションが出てくるわけですけれども、星野さん、そのオープンイノベーション型、これもなかなかややこしいところありますが、ちょっと簡潔にどんなものか、どういうふうに見直すのか、御説明をお願いします。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 オープンイノベーション型の研究開発は、複数の企業の共同による相乗効果や埋もれた技術の活用など一企業による研究開発にはない効果が期待されることから、研究開発税制におきまして、控除限度額を総額型と別枠とした上で、一般の試験研究費に比べて高い税額控除率を適用しているところでございます。 今般、平成三十一年度税制改正におきましては、企業の過度な自前主義から脱却しながら、研究開発投資の多様化を図り、質の高い研究開発を促進する観点から、機動的に研究開発投資を行うことが期待されるベンチャー企業との連携、またベンチャー企業への支援を行っていくため、このオープンイノベーション型につきまして、研究開発ベンチャーなどに対する一定の委託研究等を対象に追加した上で、控除上限を五%から一〇%に引き上げるとともに、研究開発型ベンチャーとの共同委託研究の税額控除率を二五%とすることとしているところでございます。
○大門実紀史君 外部との研究協力とか連携とか共同研究、これは、オープンイノベーションという概念は何も否定はいたしません。ただ、この研究開発税制の中のオープンイノベーション型というのはそんなきれい事なのかなというのをちょっと思いまして、資料の二枚目に、経団連の実情といいますか、実際のいろんなこれに関する何があったのかということを経団連の方が、常務理事の方が、お亡くなりになられて御冥福をお祈りしたいと思いますけれど、雑誌に書かれたのをちょっと引用させていただいております。経団連の常務理事で税制担当をされてきた方でございます。 おっしゃっているのは、問題、これはあれですね、二〇一五年改正のときにオープンイノベーション型が創設されたと。この時期はさっき言ったように総額型に対する厳しい意見が出されて、控除上限額、上限三〇%が高過ぎるということが問題になったときですね。そういった中で、このオープンイノベーション型が創設された背景について、経団連の当時の常務理事、税制担当の方が内幕を語っておられます。 問題になったのは、控除限度額の法人税額の三〇%を本則二〇%に戻すかというような政府税調の提案とか意見とかいろいろある中で、話が出ている中で、一度は三〇%を二五%にするということに決まりかけたんだけれども、経済産業省が重点を置くオープンイノベーションの試験研究費については維持したいという意見があって、そこで、今総額型の中に入っている、既に入っていて、既に存在したオープンイノベーションを別枠に取り出して、別枠に取り出して、五%の控除限度を付けると。 何というか、普通の人分かりにくいですけれども、そういう何か、三〇を二〇に減らしたけれども、ほかのところで五を付けるというような、ちょっと国民には分かりにくいからとあったのか、何か本当に国民をだますようなことをやったということが、当の経団連の方が書かれているわけでありまして、つまり、二五に下げてプラス五で三〇のままだというようなことがあったんだというような内幕を暴露されているわけでありまして、つまり、政府税調のその本来的な提案、批判的な意見について、それをごまかすため、ここは減らすけどここは増やすと、そのときに、総額型の中に含まれていたイノベーション型を外に取り出して、これが最初の経過であります。 したがって、そもそも論でお聞きしたいのは、このオープンイノベーション型が創設されたことそのものが、つまり財界、トヨタも含めて財界の、まさに経団連の方が語っているように、財界の、経団連の方の、経団連の要望でできたのではないかというふうに思いますが、経団連の方がそう言っているんですけど、いかがですか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 先生がお配りいただいたこの経団連の方のコメントは、このときのいろいろな状況を踏まえてコメントをされておられるんだと思いますけれども、このときの議論は、法人税改革の一環としてその税率を引き下げていくと、その財源として課税ベースをどう拡大するかという議論が盛んに行われました。研究開発税制についてもどうするかということだったわけですけれども、先ほどお配りいただいた提言もそうですけれども、研究開発投資の増減にかかわらず、当時一律の控除率だった総額型を見直して、増加インセンティブを働くような仕組みにするよう求めるものでありました。 したがって、そういう方向の見直しを行ったわけでございますけれども、もう一つは、その研究開発投資についてはオープンイノベーション型を増やすことによって産学官連携などを促進していくということで行ったわけでございまして、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるという税収中立の法人税改革の中で政策の重点化を図ったということでございまして、政府税調の提言とも整合的でございますし、何か財界寄りにその制度をうまくつくったというようなことではありませんで、まさに政策的な方向性をかなり明確に出しながら改正を行ったというふうに理解をしております。
○大門実紀史君 いや、星野さんの理解を聞いているわけじゃないんですよ。それは建前であって、建前がそうだったのは分かっているんですけれども、実際には経団連の税制担当の方がおっしゃっているのが実情ではなかったのかということを聞いているわけでありまして、その建前の説明を求めているわけではありません。それは百も承知でこの資料を基に聞いているわけでございます。 いずれにせよ、今回、資料の一枚目、更にそのオープンイノベーション型の上限を五%から一〇%に拡大して、全体として最大四五と。もちろん、オープンイノベーションというのは、大企業中心とかそういうことを言いたいわけじゃないですよ、ただ大企業も使いますので、どこかに集中しているということが是正されないんではないかというふうに思いますし、本来の、私は大企業だって中小企業だって同じように研究開発頑張ってほしいと。しかし、もっと中小企業にシフトするような仕組みに変えるとか、どんどんどんどんお金がたまっているところにそんな減税をする必要があるのかというような、そういう政治判断も含めて、もう少し日本が技術で勝ち抜いていくという点で本当に大事、本当にインセンティブになるような制度にやっぱり変えていく必要があるんじゃないかという意味では、本当に政府税調が真剣に議論されて提案をされたことを改めて、改めて考え直すことが日本全体の企業の発展にも役に立つんではないかと。 別に大企業憎しとか大企業敵視とか、それで言っているわけじゃないんですよね。私の兄弟はみんな大企業ですし、仲よくやっておりますし、そういう意味で言っているんじゃなくて、ちょっと隔たっているから、このままで本当に日本が伸びるのかという意味で質問しているんでございますけれど。 最後、麻生大臣に、やっぱり大きな意味で研究開発減税の在り方、やっぱりいろいろ検討するところがあるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) おっしゃっていることは、これはもう何回もこの話は大門先生とさせていただいたこれまでの経緯もあるんですけれども、これは間違いなく日本としては、いわゆる研究開発という極めてリスクの高いものをやるというのには、企業には体力がないとやりたくてもそれができないというので、少なからずそういった企業というのは、日本の中小零細の中には極めて特異な技術を持った会社が実はいっぱい今でもあります。そういった会社が今の現状で極めて利益を出していることは確かなんですけれども、更にこういったことをやろうかというのに関してはいま一つ意欲がない。一つは、年取ってもう一個新しいものをやる気がねえ、息子が後継ぐ気もないからやる気もねえというような理由が一つ。で、傍らこっちには、もう一個新しいことやって、これまでゼロから始めてここまでやったやつを元も子も全部なくなるほどのことになりますので、それまで懸けて七十になってからやるかよというと、なかなかやらない。そういったような、あの当時、そんな話がいっぱいあって、何も事業承継税制の話というのは近頃出てきた話でも何でもありません、昔からこの話はある話なんですけれども、そういったのを含めて、こういった企業の研究開発というものに関してもうちょっとこうというのがそもそものスタートだったんだ、あのとき。 ところが、何となくそういったようなものに関して意外と積極的にそれを利用してといってやっていったのがトヨタなんで、慌ててあとの自動車会社もそれにつながっていったんですけれども。何となく、トヨタというのが豊田という人の、個人のオーナー的なところもありますので、ばあんとそういうところに突っ込めるという度胸もあったのかもしれませんし、ちょっとサラリーマンの社長じゃそれやり切れなかったというところもあるんだとは思いますが、いずれにしても、そういったいきさつで出ちゃったんですが、今言われたように、結果として十何%はトヨタじゃないかという事実としてそれは挙がっていますので、それをもう少しほかのところにもっと行くようなためにはどういった、これまたトヨタだけ駄目よというわけにはいきませんから、というやり方をちょっと考えにゃいかぬかなという感じはしております。
○大門実紀史君 終わります。
○渡辺喜美君 世の中には、常識には反するが真実だということがよくあります。戦後レジームというのはマッカーサー、GHQの時代につくられたと思いきや、実は非常に多くの戦後レジームが昭和十五年前後につくられております。昭和十五年といえば、麻生大臣がお生まれになったたつ年ですね。時あたかも近衛内閣、大政翼賛会のできた年でもあります。国家総動員令というのがその二年前に出されまして、企業は競争するな、国家目的に奉仕しなさいというお触れであります。国家社会主義の体制が確立をしてまいりますが、御案内のように近衛内閣にはコミンテルンのスパイがいました。尾崎秀実という、ゾルゲ事件に連座をして処刑をされると。右と左が一緒に同居している、非常に不思議な時代だったんですね。 そういう時代に何が行われたか。まず、国家目的に奉仕するために統制会という経済団体がつくられました。今の経団連であります。当時、全国に三百ぐらいあった電力会社が九つにまとめられて国有化をされた、九電力体制というのもこの年にでき上がっております。そして、戦費調達を企業に代行させる、源泉所得税というのもこの年にできているんですね。ついでに言うと、そうやって集めたお金を内務省が引っ剥がしに掛かった、それが地方配付税、今の地方交付税であります。これも昭和十五年であります。こうして戦後レジームが完成をしてまいります。 ついでに、天下りとか年功序列人事というのはいつ頃できたかと。私が大臣のときに調べてみましたら、やっぱりこの時代にでき上がっておるんですね。 こうしてでき上がった源泉徴収制度、戦後二年目ぐらいで年末調整というのが導入されていきますが、こうした制度が、どうでしょうか、今確定申告のシーズンでありますけれども、確定申告なさらない給与所得者かなりいらっしゃいます。納税しているという実感が非常に湧かない納税意識の低下にこうした制度が貢献してはいないか、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 昭和十五年、紀元は二千六百年というのが正式な表現ですけれども、あのときの平均寿命は四十三歳だそうですから、この辺ほとんど終わっておりますが、そういう時代だったんだと思いますね。少なくとも満州事変が支那事変に拡大し、少なくとも戦争というのにずっと遂行していくためには国家体制というものを極めて統制的なものにしていったというあの時代にでき上がったものは数多くあるんですが。 今のいわゆる納税意識の話から源泉徴収という話をしておられますけれども、少なくとも、こういったものを考えるときにおいて、納税者自身に所得とかいわゆるそういったものを申告してもらうということを通じて関心を持ってもらうというのはもう意義があるんだと考えておりますが、他方、納税者自身が、国会議員含めて、一人頭、全部一般のいわゆる自営業者のように一から確定申告を行うということになったときは、そうですな、今の税務署じゃとてもじゃないが対応できませんな。もうすさまじい数の税務署が要るんだと思いますし。 また、手軽に簡便に行うという、そうした費用をできるだけ小さくするという観点も考えぬといけませんから、給与所得に対する、何でしょう、今言われたので言えば、源泉徴収とか年末調整とかそういったようなものが存在し、幅広く定着しているんだと思いますので、これをそっくりやめて全部一人頭の個人の自営業者と同じようにするということに関しては、これは企業の事務負担というのもいろいろ考えにゃいかぬところだとは思いますけれども、年末調整等々の手続を取り急ぎ電子化するとかいろんな形で今随分事が進んできていますけれども、企業の事務負担の軽減というのは今後努めていく必要もあるんでしょうし、個人もオンラインでできるようになって、ちょっとやってみましたけど、結構手間暇掛かる話なんですけれども、もうちょっと楽になってきたら大分いいかなという感じになっているとは思っておりますけれども、少なくとも今すぐこれを全部という、戦後レジームということの中からこれを全部一律にやめて新しいものにするというような段階ではないと思っております。
○渡辺喜美君 まあ全部やめろとは言いませんけれども、やはり還付申告のなさる人が七百十三万人ぐらいですか、もっとこういう方々が増えていけば、やはり自分がどれぐらい税金を国に納めているか、税金の使われ方がどういう具合になっているかという意識をお持ちになるのではないでしょうか。 今大臣が電子申告についても言及されましたが、紙の申告と電子申告のコスト、相当違うと思いますが、どれくらい違うんですか。
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。 書面による申告のコストと電子申告によるコストを国税庁として直接金額ベースで把握しているところではございませんけれども、税務申告や申請が電子申告ではなく書面で行われる場合には、書面特有の業務処理として申告書等の収受、入力、編綴、廃棄といった業務が発生することとなります。 こうした前提に立ちまして、これらの業務について国税庁が実施したサンプル調査の結果をお示ししますと、平成二十九年度にはこれらの業務処理に要した時間は約八十六万八千時間であると推計しているところでございまして、この業務に必要な経費が書面申告の場合、電子申告と比較して追加的に生じているものというふうに考えております。
○渡辺喜美君 e—Taxの利用件数が三千六百万ですか、一人頭二百七十三円と聞いておりますが、これからAIの能力次第でこうしたことはもっと進められていくべきだろうと思います。 前回の質問の積み残しでありますけれども、国民負担率、毎年二月に発表されますけれども、大体国会の議論を聞いていても、日本は国民負担率が非常に低いという議論が大半でありますが、大臣もそうお思いになりますか。
○国務大臣(麻生太郎君) この国民負担率の水準ですけれども、これは国民が望む社会保障給付とか行政サービスの水準において決まっていくもので、これは水準が高い低いというのはなかなか議論すべきものじゃないんだと思いますけれども、日本の国民負担率というのはOECDの中では三十四か国中二十七の水準になっているというのが現状なんだと思っております。それが高いか低いか。
○渡辺喜美君 まあ第二十七位だから低いではないかというキャンペーンがマスコミあるいは国会でよく我々が耳にすることであります。 お手元に配ってありますかね。このグラフを見ますと、赤い線で書いてあるのが、これが実績なんですね。実は、実績というのはほとんど報道されておりません。大体発表されて報道されるのは実績見通し、それから実績見込みの方なんですね。実績見込みなんというのは、あと一か月の見込みを出すわけでありますよ。 実は、この実績も書き換えられていますね。偽装か。偽装ではないと思いますけれども、実は、一六年ですか、一六年の秋にGDPの新基準が出てまいりまして、研究開発費などを加えてありますので、二〇一五年度のGDPは三十兆円ぐらい増えて五百三十二兆円になっております。二〇一四年の国民所得も十四兆円近く増えて、三百七十八・三兆円になっております。そうすると、二〇一四年の実績は前の見通しよりも四二・二%に低下、一・六%も低下をしていると。見た目の負担率が実は新基準によってかなり低下をしておるということなんですね。でも、トレンドとして、この赤い線、これは実績でありますが、連続して増えているというのはもう明らかであります。 どうでしょう、大臣。この国民負担率の実績は連続して増えているということとアベノミクスとは整合性がございますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 負担率の話なんだと思うんですが、これは、社会保険料率や消費税率の引上げなどによって、これは平成二十二年度以降、これは連続して増加しているのはこれは事実です、これは。間違いないんですが、それでも、先ほども申し上げましたように、OECDの中では二十七位という水準になっておるということなんだと思いますが。 渡辺先生の御指摘のその経済について申し上げさせていただければ、これは、政権交代後これまでの間を見れば、これは間違いなくアベノミクスの取組等々によって企業収益とかGDPとかそういったような、よく言われる有効求人倍率、いろんなものが全部良くなってきているということなんですが、私どもとしては、その上で、消費税率について、前、前回申し上げたように、引き上げたときには一定期間、駆け込み需要とか反動減とかいろんなものの影響が生じたのは事実なので、これを踏まえて今回いろんな施策を動員することにしておるんですけれども、いずれにいたしましても、こういった形で、少なくとも、急激ではなくて抑えられたとはいえ、増えつつあるという事実に、傾向にあることは間違いないということだと思いますが。
○渡辺喜美君 アベノミクスで国民所得が増える。国民所得というのは、御案内のように法人の所得も含みますけれども、そういう中でも国民負担率が確実に上がっているというのは、やはりこれがマクロ的に、国民が景気回復を実感できていないというマクロ的な証明がここに出てきているということであります。 この間発表された国民負担率の見通しでありますが、平成三十一年は四二・八%、平成二十九年度の実績が四二・九%であります。あれ、消費税上がるのに、何だ、見通しは減っちゃうのかという数字になっておるんですね。大体、発表と実績を比べてみますと、大半実績の方が高いというのがこのグラフですよ。先ほど申し上げたように、GDPの基準の入替えがありましたので、この赤線が見込みとか見通しよりも低く出ているような感じを受けるかもしれませんが、実は発表当初の数字は、この赤い点線で書いてあるのが発表当初の数字であります。ということは、見込みとか実績見通しとかいうのは、ほとんど実績よりも低い数字で出てきている。 これを推計偽装というと言う論者もいらっしゃいますが、いかがですか。
○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。 国民負担率の見通しや実績見込みの作成においては、分子である租税負担や社会保障負担はその時点の予算案や決算の見込み、そして、分母である国民所得はその時点で閣議決定された政府経済見通しなどを機械的に使用しており、財務省において意図的に高くあるいは低く推計しているというものではございません。 国民負担率の実績が見通しや実績見込みと乖離することがあるのは、様々な要因があり一概には言えないものですが、例えば、御指摘のように実績が上振れていくケースとしては、経済成長が政府経済見通しを下回って分母である国民所得の実績が小さくなる場合や、分子である税収の実績が予算の額を上回る場合などがあるものと承知しております。
○渡辺喜美君 政府経済見通しが当たらないというのは誰でも分かっている話なんですけれども、そういう機械的な見通しに力点を置いて発表する必要があるのかという問題ですよ。予算、決算の見通しとか国民所得の見通しが非常に甘いということを自ら言っているようなものなんです、これは。だから、統計偽装じゃない、推計偽装などとやゆされてしまうということであります。 とにかく、実績よりも予想の方が小さいというのは国民所得を過大に見積もっているから。これこそ国民を欺く数値を政府が決定、公表しているということになりますが、いかがですか。
○政府参考人(阪田渉君) 見通しや実績見込みから実績に向かって数字がずれることがありますのは、先ほども申し上げたような原因があるかと思いますけれども、その上で、国民負担率の実績の取扱いについて、私ども財務省の発表についての取扱いを申し上げれば、毎年、来年度の国民負担率の公表に合わせて当年度の国民負担率を見通しから実績見込みに、そして前年度の国民負担率を実績見込みから実績に改定するとともに、過年度の実績についても一覧表の形で公表しておりまして、今年の公表においては昭和四十五年から平成二十九年にわたる実績も一覧表でお示しさせていただいているところでございます。 御指摘なども十分耳を傾けながら、踏まえながら、引き続き分かりやすい情報提供の在り方について検討を深めてまいりたいと思います。
○渡辺喜美君 とにかく、実績重視で発表をしてください。マスコミブリーフも実績重視でやっていただきたいと思います。 以上、終わります。
○委員長(中西健治君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十八分散会