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198回国会参議院2019/03/12

財政金融委員会 第2号

発言数
150
登壇者
22
会派数
8
開催日
2019/03/12

会議録

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、小川克巳君が委員を辞任され、その補欠として愛知治郎君が選任されました。     ─────────────

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官井上裕之君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁雨宮正佳君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

松川るい自由民主党・国民の声

○松川るい君 ありがとうございます。自民党の松川でございます。  本日は、質問の機会をいただきましてありがとうございます。所信に関する質疑ということで、まず最初に内外の経済情勢についてお伺いしたいと思います。  世界経済が割合好景気と言われて昨年から来たわけですけど、ここに来て減速傾向というのがいろいろ見られていると、特に中国経済の減速が非常に心配な状況にあるということが言われております。二〇一八年の実質成長率が六・六%で、二十八年ぶりの低水準。これ聞くと私なんかは、六・六、すごいなと思っちゃうわけなんですけど、しかし、不良債権処理の問題も含めて成長率が下がっているというのが一点。  この背景に、やはり米中の貿易戦争、これは、もちろん貿易だけじゃなくて次なるテクノロジー覇権をめぐる、覇権に関する争いではあるので、長期化するという見通しもあります。関税だけなら四月に合意するかもという見通しもあるわけですけど、ここに来て相当米中間の関係が中国経済にも影響を及ぼしてきたという見通しがございます。そのこともあってか、今回の内外経済見通しに関する景気動向についても、日本の中でも景気指標が下方修正されたというところもございます。  もう一つの心配は、中国が一番大きな経済体ではあるんですけど、欧州、特に今日ちょうど十二日で、英国下院で離脱協定案が採決諮られると思いますが、どっちにしても、ハードブレグジットに行くのか、又は延長を認められてしばらく続くのか分かりませんけど、相当英国の景気減速というのは避けられないなと思いますし、また、イタリアの経済も非常に悪くなっていて、欧州全体の景気動向も心配だと。  まず最初の質問は、こういう中国それから欧州、アメリカもFEDが利上げを棚上げしたということなので、少しその見通しについては自信をなくしているのかなという気もしますし、世界経済の動向、特に中国、それからブレグジットが懸念される欧州の動向について、ちょっとどのように御覧になっているのか、まずお伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、今おっしゃるように、経済の見通しとしては、日本の国内につきましてはこの六年間で、簡単に言えばGDPは一割以上増えていますし、一番問題だった雇用も間違いなく今、人不足であって、就職難より求人難みたいな形になって、世の中は全く変わってきているんだと思いますけれども、国内だけではなくて国外で見れば、中国はどうかとか懸念材料はいろいろあることは確かです。  特に中国の場合は、いわゆる不良債権とか、数え上げれば幾つも出てくるんでしょうし、また、内容がよく、我々として数字が、そんな統計とかいろんな数字が明らかにされている部分、なっていない部分といっぱいありますので、ちょっとよく分からない部分もありますので、昔から、成長率がそんなに高いかよという感じがいろいろな方から指摘があるところではありますけれども、そういった面が表に出てきて何となくこのところしんどいのではないか。加えて、米中間の感じが数年前とは全く一転していますので、そういったところが確かに心配なところもあります。  また、EUにつきましては、御存じのように、これは対中に懸けていたドイツなんかは具合が悪くなってきていますし、イタリアもおっしゃるとおりですし、そういった面も幾つもあるのはもう間違いないという事実はあるんだと思いますが。  他方、アメリカは、少なくとも今の状況で金利を上げるのを止めたおかげで、少なくともアメリカの景気というものは引き続き今までのような状況を維持するということになりますので、いわゆる土地の値段が少々上がり過ぎているのではないか、土地バブルになっているのではないかというようなことが言われているのは間違いありませんけれども、そういった中にあっても、アメリカの景気全体としては間違いなく、緩やかではありますが確実に上がっておりますし、日本の状況も同じような状況でもありますので。  その点に関しては、少なくとも日本のことに関しては、国内需要というものに関して、今回の消費税の値上げ等々をさせていただいたにしても、その対策等々によって前回、前回というのは五から八に上げたときのような反動減とかいうようなものをかなり平準化させられると思っておりますので、そういった意味では長期的というか、今年という年で切らしていただければそれなりのものが確保できるのではないかというように考えておりますが。  とにかく、この米中間の話とかそういった話はちょっとアンノウンファクターで、先行きがはっきり見通せない部分がありますので、そういった点はちょっとこれですよと確実なことを申し上げられるわけではありませんけれども、見方としてはそれほど、よほどのことがない限り、今申し上げたような状況で推移していくのではないかと思っております。

松川るい自由民主党・国民の声

○松川るい君 ありがとうございます。  確かに今の分からない中でもいろいろかじ取りをしていかなければならないということで、私も、アメリカが利上げを見送ったということ、それからECBの方もある意味それも見送って、ちょっと金融については、各国とも今の緩和状態というのをある程度維持したまま何とか経済を軟着陸というか、保っていこうということを各国努力しているんだと思います。  我が国もそうだと思うんですけれども、ここでちょっと心配なのが、既に日本はマイナス金利政策まで踏み込んでやっていますので、今のところ日本経済は欧州や中国ほどの変調が見られているというふうには、私自身はそこまでではないと認識はしているんですけれども、日本が取れる金融政策というのは、相当今取っている緩和策がかなり限界に近いんじゃないのかなというふうに私は思うんですが、追加的な金融政策を取る余地がそもそもあるのかなと。まだそこまで日本経済は悪くなっていないけれども、これから下支えを金融の方でしないといけないということになった場合に、それができる余地があるのでしょうかということをお伺いしたいと思います。

雨宮正佳日本銀行副総裁

○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。  あくまで一般論ということで申し上げますと、緩和の手段としては、現在私どもが取っております長短金利操作付き量的・質的金融緩和という枠組みの下で幾つか考えられておりまして、まず短期政策金利の引下げ、長期金利操作目標の引下げ、資産買入れの拡大、マネタリーベースの拡大ペースの加速といった様々な手段が考えられるわけでありまして、その際、こうしたことを考慮する場合には、もちろん金融仲介機能や市場機能に及ぼす影響などもバランスよく考慮する必要があります。  今後とも、政策のベネフィット、コストを比較考量しながら、今申し上げたような手段、単独もありましょうし、組合せもありましょうし、これらを応用するということも考えられますので、そうしたことも含め、その時々の状況に応じて適切な方法を検討していきたいというふうに考えております。

松川るい自由民主党・国民の声

○松川るい君 ありがとうございます。  実は、金融政策は余地があるのかということをお伺いはしたんですけど、日本経済に一番必要なのはそこではもちろん実はないとは思っていた上でお伺いをしました。  今回、ついせんだって発表された、内閣府の発表した景気指数がちょっと先月から非常に下がっていると、二・八ポイントぐらい下がったんですかね。  日本の経済というのは、一つには輸出が、中国経済や欧州経済の減速によって輸出に多少打撃が出ているということであるとか、設備投資は堅調なんだけれどもなかなか生産性が上がっていないとか、いろんなことがあるんですけれども、日本経済自体、先ほど少しお触れになっていただいたとは思うんですけど、はどういう状態にあって、この先の見通しといいますか、まあ世界経済がどうなるかも分からないのに日本だけ語るのは難しいとは思うんですけど、今年十月、消費税についても検討しなければなりませんし、日本経済の現状、それから見通しについてはどのように今お考えか、改めてお伺いします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) いわゆる最初に、冒頭に言われたように、景気動向指数という話ですけれども、これは御存じのように、この基調判断というのは、これ機械的に三か月連続したらこうするという、こういう表現すると決められていますので、そういった意味ではあらかじめ下方への局面変化とされるというルールになっていますので、それは承知をしておりますが。  景気動向指数というのは、これは毎月の生産とか雇用とかいろんなものの経済指標を統合したものなのであって、一月の場合は、中国の春の春節がとかいう話もありますし、正月休みが連続九日間あったりする、また、一部の自動車工場がいわゆる部品の不都合でできなかったとかいろんなものが重なっていますので、影響しているとは思っていますけれども、景気判断自体としては月例経済報告で基調を判断することとしておりますので、現時点では緩やかに回復しているとの従来どおりの認識を示しておるんだと思っております。  その上で、今後の話をされておられましたけれども、先ほど申し上げましたように、確かに中国とかEUのブレグジットの話だとか米中間の話とか、いろんな不安定要素、予見ちょっと難しいところの要素はありますけれども、日本の経済自体というものは、先ほど申し上げたような形で、雇用も間違いなくきちんとした形で人手不足の方向にあるのは事実ですし、給料も緩やかではありますけど確実に上がってきておりますし、そういった意味では、私どもとしては国内の景気、経済というものが急激に悪くなっていくということを予測しているわけではありませんので、消費税につきましても、法律で決められておりますとおりにやらせていただければと思っております。

松川るい自由民主党・国民の声

○松川るい君 ありがとうございます。少し安心をいたしました。  ただ、これ実は前の、前というか、去年ですかね、二年前かもしれませんが、の財政金融委員会でもお伺いをして、そこからいろいろ考えて、いまだによく、まあ何となく今自分の中では解答はこうかなというのはあるんですけど、一体どうして日本の経済はこの二十年成長してこなかったんだろうというのが非常にやはり大きな疑問で、それが分かるんだったらみんな困らないよという話ではあるんですけど、やっぱりそれはずっと考えてまいりました。  ほかの先進国も、少子化というのは別に日本だけが直面しているわけでもありませんし、確かにアベノミクスのおかげで五百五十兆ですか、九七年以来の、今までの過去における最大の名目GDPは超えましたし、雇用も今大臣おっしゃられたとおり一・七に近くて、これ二〇一二年は〇・八ですから、明らかに、同じく少子化が進行している中でもいろんな指標って改善していると思うんです。  ただ、一番問題は、株価と同じなんですけど、この会社はこの先成長するのかどうなのかなというのがやっぱり現在の価値を、現在のその会社の価値を決める。国も、この先この国は発展するのかどうなのかなということが現在の国力を決めると思います。で、それを端的に見る指標がやはり潜在成長率だと思うんです。  潜在成長率というのは、もうプロの皆さんの前で言う必要は別にないんですけど、労働力であるとか労働生産性であるとか設備投資とかを組み合わせて、どれぐらい経済成長がスピーディーにいくかなということを見る指標だと私は理解しておりますけど、それがずっと一%前後で張り付いたままだというのが、やはり一番日本がこの二十年成長してこなかったし、この先もどうなるのかがよく、余り明るい、バラ色に見えないというところにある原因じゃないかと思います。  大臣はもう本当にいろいろな、国のトップとしても、それから財務大臣、副総理としても、もうあらゆる、政治から経済から財政から金融からいろんなことを御覧になられて、長年トップの政治家としてずっとこの国を見てこられて、一体どうしてこの日本は成長してこなかったのかということに関して是非お伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 一九八九年、いわゆる平成が始まった年に消費税入れたんですよ。そして、この年の十二月の二十九日に株価は三万八千九百十五円付けていたんですけど、それが株価の最高値です。それ以後、それを超えたことは一回もありません。  もう一つ、この年に冷戦という戦争が終わったんですね、これすっかり忘れられていますけれども。そのときに、やっぱりアメリカという国は、世界見て、冷戦の時代に一番銭稼いだの誰やといったら、日本やないかと。そう思いましたよ、僕。アメリカでもそう思ったろうと思いますから。何だと、貿易黒字はアメリカの対外貿易赤字の四八%ぐらい、五〇%近くを占めておるやないかというので、まあソ連という相手もいなくなったことだしというので、せいので方向転換をされて最初がビッグバンで始まったんだと思いますが、それ以後、御存じのようにいろいろなことをやってきたんだと思いますが。  その間、松川先生、日本というのは大努力をして、結果的には、自動車なんか四百何十万台輸出していた分を百万台代まで落として、残りの三百何十万台はアメリカで造るというような工場の移転をやり、いろんなことをやってきた結果、今日ではアメリカの対外貿易赤字の中に占める日本の割合は九%まで落ちたと。だから、五〇を九まで落としてきているわけですから、そんなすごい勢いでやった分だけ日本の雇用は海外に輸出されて、日本その分だけなくなった。事実ですよ。  加えて、九二年ぐらいだと思いますけれども、土地のバブルも終わった九〇年、九一年ぐらいから、日本は間違いなくいわゆるデフレーションという名の、我々、昭和二十年、敗戦この方経験したことのない経済状況に突入した。御存じのように、デフレーションによる不況というのは一九三〇年代にやったことが一回あるきりで、それ以後やった経験者はいません。したがって、日本人でそれを経験した人はもちろんいませんし、それに対応策を出した人もいない、皆経験がないんですから。したがって、あの時代に日本は、日本銀行を含め、我々政府含めまして、間違いなく対応を間違えた。私は、それはもう素直に認めにゃいかぬところなんだと思います。  不況というので、インフレ不況しかやったことないものだから、従来のインフレ不況をデフレ不況に対応したために、結果としてデフレ不況が長引いたという結果を招いたんだというのが一番大きな理由かなと思っておりますので、私どもは、今回の政権に復帰させていただいたのを境に、日本銀行ともお話をさせていただき、共同声明まで出させていただいて金融の緩和を踏み切る。財政も積極財政というような形で、これまで財政緊縮一本では駄目というので、いわゆる経済の再生なくしてということなんかを申し上げたり、財政の再生もありませんよとか、経済発展なくしてというようなことを大方針転換をさせていただいてかれこれ五、六年たつんですけれども、今それが少しずつ効果が現れてきているかなと思いますけれども、その間他国はそうではなかったわけですから、その差が極めて著しく差が付いたということなんだと思って、まあ少し、少々粗っぽい分析かもしれませんけど、何となくそんな感じがしております。

松川るい自由民主党・国民の声

○松川るい君 ありがとうございます。  確かに、日本だけが直面した課題だったんだろうなとも思います。  今大臣おっしゃられたとおり、私、アベノミクスの中でいろんなものってすごく改善されてきた。一つは、アニマルスピリットも、下向いていたのが上に向いてきたという意味でも、前に比べればできたし、いろんな指標が改善しているんですけど、やっぱり私が思うに、課題になって残っているのは、労働力もいろんな形で確保します、設備投資も一応まあやっています、内部留保多いですけど。労働生産性がやっぱり低いというのが問題なんじゃないのかなと。生産性が低いというのは、なぜ低いかというと、付加価値が高いものを生み出していないからじゃないのかなと。いないということはないんですけど。  一つ、私、車を買ったんです、外車を。ここで別に名前は言わないんですけど。それがすごく、ドイツ車だったんですけど、たまたま円高の時代に買ったから、当時大した給料をもらっていなかったのに買えたんですけど、そのときに衝撃的に典型的に日本とやり方が違うなと思ったのが、夏休みがあるので納車が三か月後ですと言われたんですね。これ、日本だとあり得ないと思うんですけど、それだけ人を待たせて。でも、じゃ、自分はどうしたかというと、買ってしまったんです。  何かというと、やっぱり待ってでも買いたいものとか多少高くても買いたいものというものの割合がどれぐらい多いのかということが、生産性というか、一時間当たりでどれぐらいの価値を生み出しているかということに影響しているんじゃないのかなと。日本だったら多分いいものをより安くということで頑張るんだと思うんですけど、何か人口減少している中で、そこには解答はないんじゃないのかなと思います。  もうちょっと端的に言うと、今、是非私は、安倍政権というか日本が力を入れるべきだと思うのはイノベーションの創出でありまして、これはもちろん政府挙げて取り組んでいただいていることは存じているんですけど、というところにあるんじゃないのかなと非常に思っています。  この前、中国の深センというところに行ってきました、去年の夏なんですけど。ついでにインドのバンガロールというところにも行ってきて、私が非常に何を感じたかというと、特に中国なんかは、全然西側と違うみたいな、また民主主義じゃないということも言われますけど、イノベーションに関しては本当に真面目にもうすごいなと率直に思って、まねしなければならないと思いました。中国の深センのバス停の後ろとか、中国、標語社会なんで、大好きなんで、工場の現場の囲いとかもいっぱい習近平語録が書いてあるんですけど、何て書いているかというと、リスクを取ってチャレンジせよとか、イノベーションが全てとか、そういうことなんですよね。  これは、日本こそまさにこれを念頭に置いて、もうそこに精力を集中するぐらいやれば、今、安倍政権の下で働き方改革で女性や高齢者も含めて労働参加するようになった、外国人の労働者の方も入ってこれるようになった。あと必要なのは、やっぱり生産性を思い切って上げるために、イノベーションとか新しく価値を生み出すことに関する規制緩和であるとか、そこへの投資だと思いますという、済みません、ここはもう意見だけなんですけど、ということを申し上げて、是非、引き続き麻生大臣のリーダーシップを御期待したいと思っております。  次の質問に移らせていただきます。  私、地元が大阪でありまして、本当に今大阪ではいろいろ選挙の方でもちょっと話題になっているんですけど、そっちではなくて、G20、今バッジ付けていますが、G20が大阪に六月に開催されるということで大変盛り上がっていますし、また、オリパラ後の日本の目標でもあると思いますが、万博を、大阪・関西万博、これが誘致できたということで、そこに向けて大阪をいろいろ盛り上げていこうと、関西圏を日本の成長センターにしていこうということで非常に盛り上がっております。麻生大臣におかれましては、G20、そしてまたその前にありますG20財務大臣会合においても議長として活躍いただくということを承知しております。  そこで、まずG20関係でお伺いをいたしますが、G20において大きな恐らく一つのアジェンダとなると思われるのが、GAFAのような新しい分野の企業、デジタル企業に対してどうやって課税をしていくのかということだと思います。今日、何かニュースを見ていましたら、EUではデジタル課税についての合意を作るということで去年から検討していたんだけど、結局合意ができなかったというニュースが流れておりました。来るそのG20におきましてこのデジタル課税も大きな議論になっていくと思いますが、どのような方針でお取り組みになられるか、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) GAFAに限らず、いわゆるグーグル、アップルの話に限らずですけれども、いわゆる多国籍企業、巨大な多国籍企業によります課税逃れという話に対しては、これは一国でどうのこうのできる話ではありません。  今から六年前のバーミンガムシャーで行われたG7の財務大臣・中央銀行総裁会議のときに日本から提案をして、このまま行ったらどこの国も、巨大な利益を得て、それを、利益を得るためにいろいろ公共工事やら何やら提供している国には一円の税金も入らぬというようなふざけた話がどこにあるんだという話を持ち上げて、ドイツが協調して、それがそもそものスタートだったんですけれども、今日まで約六年掛かりましたけれども、最初はほんの数か国でしたけれども、三年前に日本でこの第一回をやったときは四十二か国、今百何十か国までこれに加盟してきておりますので、そういった意味では、BEPSのプロジェクトにつきましては、これは公正な競争という観点からも、これはいわゆる税制とか公平感とかいろいろなものを考えて確保するということは意義があるんだと思っていますが、これに関しましては、今後ともこれやって、大阪までには、その前に中央銀行総裁会議もありますので、その前の段階でそれなりの形を出して、二〇二〇年までにきちんとした形をというのでなっているんですけれども。  この積み残された話として、いろいろ結構積み上がっているんですけれども、いわゆる経済のデジタル化に伴いまして、これ電子化に伴う課税上の課題については、これは、いわゆる物理的な拠点がそこにないにもかかわらずそこのところに国際課税を対応するというのはなかなか難しい。というのは、見えませんから。そういった話なんですけれども。  少なくとも、技術革新とか経済のグローバル化がどんどん進んでいく今の中にあって、いわゆる経済社会の構造が大きく変化していっているわけですから、その変化に対応するような仕組みを考えにゃいかぬというので、焦ってフランス先に突っ走ったんですけど、例によって調わずという形になったという話なんだと思いますけれども、少なくとも私ども、こういったフランスでデジタル、そういうところだけやってもそれはとても無理よというので、ルメール、ルメールというのは大蔵大臣、フランスの大蔵大臣といろいろ話をしていて、それだけやったって決して成功しないよという話して、案の定ということになったんですけど、事は急いでおるというのは結構ヨーロッパの気持ちなんだと思いますので。アメリカは、引いていたのがだんだんだんだん、この六年掛かってここまで、出ていかざるを得ないところまで来ているような気がいたしますけれども。  いずれにしても、日本としては、これ議長国をやりますので、来年サウジアラビアが議長国になりますので、ちょっと期待できぬから今年中に決着付けろというのがヨーロッパとアメリカの言い分ですから何とかしたいし、いや、サウジアラビアも日本に来て今年中にしておいてくれという話を言ってくるので、今私どもはその対応にえらく追われているところではありますけれども、何らかの形として、少なくとも、完璧なものが最初からできるとは思いませんけれども、曲がりなりにもそういったものに対して、課税逃れを合法的にやれるという形を何としても抑えないといかぬのではないかという思いがこれは先進国皆出てきましたので、そういったことから、私どもとしてはきちんと対応させていただきたいと思って今努力をさせていただいておる。今途中経過ですので、ちょっとそれ以上の段階に、これができますとかこれができませんとかいう情報を申し上げる段階まで行っておりません。

松川るい自由民主党・国民の声

○松川るい君 ありがとうございます。  まさに今回の日本への期待というのは非常に高いんだと、次の議長国がサウジということも考えても本当にそうだと思うので、是非期待をしております。  もう一つ、G20の財務大臣トラックのアジェンダの中で非常に面白いというか目を引きましたのが、今回新しく、日本の議長国の下で、質の高いインフラ投資、それからもう一つは低所得国における債務透明性の向上及び債務持続可能性の確保という二つの議題が追加されたと承知しています。  これはやっぱり、例えば中国がハンバントタ港を借款漬けにして何か借り上げたとか、いろんな例がちょっと頭をよぎるわけなんですけど、こういう私はG20という、今中国も入っているし、別に先進国だけじゃなくて新しい新興の勢力も入っている、地域も幅広いこのG20でこの二つの議題を取り扱うこと、一帯一路構想を念頭に置いた上でも非常に意味があると思っているんですが、勝手に私が邪推してもいけないので、どういう狙いでこの議題を追加されたのか教えていただければ幸いです。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) カンボジアのお札を見られたことがあるかどうか知りませんけれども、外務省におられたので。カンボジアのお札の裏というのは橋なんです。橋の名前はニホンバシという名前が付いています。この橋は、カンボジアというのは毎年洪水が出てくるんですが、いろんな国がこれ援助して橋を造るんですけれども、毎回、できると数年で大体その橋は壊れる。日本の橋だけがずっと壊れない。かなり、何キロとわたる長い橋なんですけれども、それで、その橋をお札の裏にして感謝の意を表したというのがカンボジアだったと思いましたけれども。  そういう具合に、質の高いインフラというのは、同じお金を掛けるにしても、日本の方が少々高いかもしらぬけれども、少なくともずっとあるぜと、そっちは安いかもしれぬけど、数年したらまた補修するというんだろうがというような、質の高いインフラというのはそういうものだという話を、まあこれは外務省それから建設省、いろいろなところが合同でこの数年間、あちらこちらで日本のやったインフラと同じようなことをやったインフラが数年たったらどうなるかというのを、これは口で説明しても政治家はなかなか理解できる人いませんし、私らのようにセメントやった人じゃないからその種のことを分かる人も余りいませんから、そういった意味では写真で見せる以外手がないというんで、これは外務省がそういう建設の話言ったって分かりませんから、建設省の技官と一緒に行って写真を撮ってそれをやってというようないろいろ努力させていただいた結果、この質の高いインフラという言葉が少なくともG20の中で定着したと思っておりますし、最近、もうついに中国も質の高いインフラとか言い始めましたから、少しずつ定着しつつあるんだと思いますけれども。  インフラそのものの物理的な話も確かに大事なところなんですが、その波及的効果にもっと視野を持って見なきゃ駄目ですよと。これによって物流がどうなるという直接的なこともありますけれども、それをメンテナンスするための技術も要りますしというような話をさせていただいて、少なくとも、それが雇用を創出したり、インフラを造る能力をやってみたり、メンテナンスするための能力を維持したりとか技術が移転するとか、そういったことが結果として質の高いインフラということの波及的効果なんだという話をして、これはG7の伊勢志摩サミットのときにこの話が出て、あれは杭州ですか、G20の杭州サミットでこのコンセプトが合意をされておるんですが。  今、これに加えて、日本ではそういったものを造るときに開放性も入れろと。例えば、どこかの国が造ってその国の船しか入れませんというのとか、スリランカで起きたりいろいろしておりますから、そういった意味での開放性とか、また、金は貸してくれるんだけど、その金は返さにゃいかぬという、金の返還というものの計画性をある程度考えて金を貸してやるというようなことを考えないと、金が返せぬようになったら、いいですよと、じゃ、それ返さなくていいですから、その代わりこの港を九十九年間租借させてくださいというような話になって、何となく話が別な方向に行っちゃうというようなこともありますので、いろんな要素を加味した上でのきちんとしたものを原則として作ろうじゃないかというのを申し上げております。  債務の透明性というのも、今その話ですけれども、きちんとした債務の累積とか脆弱性とかいうことを考えながら、我々としては、債務者だけではなくて、少なくとも公的及び民間の債権者等々いろんな人を入れたことによって、こういったものをやっていくとより健全なものになるのではないかと思っておりますので、我々としては、質の高いインフラというものが、結果としてインフラを造った国、それを提供した方の国、両方がウイン・ウインの関係になるような形のものまでつくり上げられる、その基準としてこれは新たに提案をさせていただいております。

松川るい自由民主党・国民の声

○松川るい君 ありがとうございます。  済みません、透明性の方が新しく追加されるもので、質の高いインフラは前から継続物だということで、ちょっと訂正をさせていただきます。  時間がもう少しですので、あと一問、どうしようかなと思ったんですけど、是非お伺いしたい件がございます。これは金融庁さんなのか財務省なのかが難しい案件です。つみたてNISAなんですけど、つみたてNISA。  長期的な資産形成が非常に、日本人というのは金融資産で稼ぐというか、それが諸外国に比べても非常に少ないと。これをやはり、金融において資産形成をするということを、ある意味能力開発ではありませんけど、一般の方も含めて安心した形で広げていこうじゃないかと、これがつみたてNISAのそもそもの背景だというふうに理解しています。  私もこれは非常にすばらしいと思って、自分もマイナンバーカードを作って、マイナンバーカードを普及するきっかけにもなると思うんですけど、作って、今始めたところなんです。  私は初年度に、まあ支援した手前、初年度には、開始と同時にこれは入ったんですけど、これが、今二十年の期間で設定はされていますけど、期間の延長がないので、今年始める人は十九年、来年始める人は十八年しか非課税での積立てができない。これだと全然つみたてNISAを元々つくった制度趣旨が全うされないと思うんですね。十年後には十年しか積み立てられないのに誰が買うんですかという話でございます。  私は、これについては少なくとも期間の延長だけは、財務省もいろいろと御懸念もあるのは分かるんですけど、すごい額じゃないんで、これは長期、積立てで安心して資産形成しなさいよといって始めたものなんですから、是非延長ぐらいは、できれば恒久化、是非延長していただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。

中島淳一金融庁総合政策局総括審議官

○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  金融庁といたしましては、ただいま御指摘のとおり、家計の安定的な資産形成を進めていくために長期、積立て、分散投資の定着を促しているところであり、つみたてNISAの普及に取り組んでいるところであります。  そうした中で、今後のNISA制度の在り方については、平成三十一年度与党税制改正大綱において、その政策目的や制度の利用状況を踏まえ、望ましい在り方を検討するとされております。つみたてNISAについても、ただいまの御指摘も踏まえつつ検討を進めてまいりたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 隣の人に聞いた方が話が早いような気がしないでもありませんけれども、少なくとも、松川先生、一千八百数十兆円の個人金融資産を日本という国は持っているんですけれども、国家予算の十八倍を個人で持っているという話ですが、その金の約半分以上、九百八十何兆円が現預金だと。ちょっと異常じゃないですかね、どう考えても。  したがって、それが他の金融資産に、安定したものにある程度振り分けられてしかるべきなのではないかというような観点からこのつみたてNISAというのを考えさせていただいているんですが、今言われましたようにいろんな御意見が分かれておりますところなので、是非与党税調の中において御発言をいただければと思っております。

松川るい自由民主党・国民の声

○松川るい君 どうもありがとうございました。しっかりと取り組んでいきたいと思います。宮沢先生、よろしくお願いします。  ありがとうございました。

風間直樹立憲民主党・民友会・希望の会

○風間直樹君 よろしくお願いします。  今日は、日本の、我が国の経済成長についてイノベーションが果たす役割を、麻生大臣、そして今日は経産、文科の政務官にお越しいただいておりますので、意見交換をさせていただきたいと思います。  先般の麻生大臣の所信表明を伺いますと、やはりそこに通底している内容は、我が国財政が非常に厳しいということ、そのために各施策に関して財政上のハードルが非常にあるということであります。私も地元で座談会をしますと、参加者の皆さんから出る意見というのはもうほぼこれに集約されますね。高齢化が進んでいる、少子化が進んでいる、人が少なくなっている、この地域の未来どうなるんだろうと、どうしたらいいんだろうと、こういう声がまずたくさん出ます。  国会での議論見ていましても、これまで我々は財政難にどう対処するかということで、こちらの予算を減らしてこちらを増やすという、こういうゼロサムの議論をやっていることが多いんですが、今日はそうではなくて、イノベーションというものを活発にすることによって経済成長をどの程度促せるかということを質疑をしたいと思います。  イノベーションが起きた場合にどれぐらいの経済効果があるのか、その実例をちょっと世界経済の中から一つ探ってみました。アップルという会社の例です。アップルの場合、マックというパソコンもありますし、アイフォンもありますし、数多くの革新的な、まさにイノベーションを起こして、その起爆によって経済を活性化させる製品を多数出しているわけですけれども、過去のアメリカ経済の中でアップル社がアメリカ経済に貢献した経済的な規模はどれくらいかなと思って調べてみたんですが、ちょうど昨年一月にアップル社自身が、今後五年間でどれぐらいの貢献をアメリカ経済にできるかというプレスリリースを出していました。この中で、同社の活動がアメリカ経済の現状と将来にどれほど好影響を及ぼしているかをアップル社が説明しています。  それによりますと、今後五年間、同社がアメリカ経済に行うことができる直接的な貢献は日本円で三十八兆円だそうです。五年で三十八兆ですから、相当の規模ということになります。具体的には、アップルは、アメリカ国内のサプライヤーからの部品調達や投資、従業員への賃金支払などを通して、今後五年間で三千五百億ドル、約三十八兆円の直接的な貢献をしていくとしています。また、雇用面でもアメリカの経済に貢献しており、五十州全てで従業員を雇用し、その合計は八万四千人にも達します。さらに、今後五年間で新たに二万人以上を新規に雇用すると予想しています。こういうリリースです。  それで、翻って我が国において、今政府が成長戦略というものを行っていますが、将来のアップルを生み出すようなイノベーション施策というものはどんなものがあるのかなと思って、経産省と文科省からそれぞれの資料をいただいてみました。経産省の資料は今朝届きました。ざっと拝見しました。A4の用紙で五、六枚でしょうか。文科省の方は、こちら冊子で、二〇一九年度科学技術関係予算案の概要ということで、かなり豊富な事例が載っております。  これ、全部取り上げていると時間が足りなくなるので、両政務官にそれぞれちょっと簡単にまず伺いたいんですけれども、この経産省と文科省のイノベーション施策の中で、日本経済にとってそれを起爆するような大きなイノベーションを起こす可能性のあるものが多分それぞれあるだろうと思うんですが、両政務官、もしそれらがあれば、ちょっとかいつまんでこういうものがあるという御説明をいただきたいんですが。

滝波宏文自由民主党・国民の声経済産業大臣政務官

○大臣政務官(滝波宏文君) 経産省のイノベーション施策についてお答えいたします。今先生お話ありましたように、イノベーションの関係の施策、多岐にわたるところがございますので、若干かいつまんでお答えさせていただきたいと思います。  まず一つは、IT投資など、また技術開発など、こういった無形資産への投資、ソフト投資と言っていいかと思いますけど、これが日本の場合まだまだ少ないというふうな観点からでありますが、この促進のために、研究開発税制ですとかIT導入補助金等の既存の施策についても、これは不断の見直しをしながら、必要に応じて改善を施し、無形資産投資の量的拡大を図っているところであります。  それで、あと予算の関係ですと、経産省におきましては、三十一年度予算でありますけれども、科学技術関係予算として六千七百八十六億円を計上してございまして、これらを通じて、先ほど先生から御言及ありました、当省の方で作っております様々な施策を整理したものにも書いてございますけれども、コネクテッドインダストリーズを推進するAI、IoT、ロボット等の革新的技術開発やイノベーションを生み出す環境整備としてJ—Startupを中心とした研究開発型ベンチャーエコシステムの構築、強化、国際標準化や国際連携の推進、二〇三〇年以降を見据えた先導的な研究開発などに取り組むこととしてございます。  この辺りは、未来を開拓するような革新的な開発がまだまだ日本で不十分だというところのこの質的な部分を何とか後押しをしようとしているところでございまして、同じように、昨年、生産性向上特措法を通していただきましたけれども、これに基づきまして、期間や参加者等を限定して、事業ではなくて実証と整理することによって規制が適用されない環境下でスピーディーにプロジェクトを実施することを可能とする新技術等実証制度、いわゆる規制のサンドボックス制度でありますけれども、これも創設しているところであります。  また、大きく方法の問題もあるかと思ってございます。オープンイノベーションがまだまだ足りない、自前主義が多い、こういう問題に対応するところでありますが、産学連携等の推進ですとか研究開発型ベンチャーの育成なども行ってございますし、今申し上げた特措法、生産性向上特措法において、データの共有、利活用を進めるための環境整備の支援も措置しております。  その他もろもろございます。アメリカの、先ほどアップルの話もございました、シリコンバレーなどを参考にしながら、私の下で省内にグローカル成長戦略研究会、ローカルな地方産業とグローバルな市場を、世界市場をつなげる、そういう成長戦略を考える研究会も立ち上げてございまして、地方の成長なくして我が国の成長なしと、そういった観点でも議論を行っているところでございます。  こういった様々な施策、先ほど御質問がありましたように、どれが大きく爆発するかといいますと、なかなかイノベーションというのは先が見通せないから大きなイノベーションが起きるというところがございますので一概には申し上げられないところはありますけれども、しっかりとこれらの施策進めてイノベーションを実現していきたいと思ってございます。

風間直樹立憲民主党・民友会・希望の会

○風間直樹君 ありがとうございます。  ちょっと質問の仕方を変えます。どうしてもこういう場で質疑をすると総花的な話になってしまうので。  滝波政務官は政務官に御就任されて、去年の夏ぐらいですか、就任されたのが。十月ですか。そうするとまだ一年未満ということですが、就任以降、全国の例えば経産省が所管されている事業あるいは研究の現場というところに視察に行かれたことはありますか。そういう中で、いや、これはちょっとイノベーションすごいなと、これは日本経済に起爆的な影響を与えるなというものがあったかどうか。その二点をお尋ねします。

滝波宏文自由民主党・国民の声経済産業大臣政務官

○大臣政務官(滝波宏文君) 地方のいろんなところに出張の折に、様々なブロック単位の会議等に経産省を代表して行ったりする機会がございますので、そういった機会捉まえて地方の現場の企業を視察させていただいたりしてございます。  その中でちょっと記憶に特に残ってございますが、産総研、経産省所管の研究所でありますけれども、九州のセンターの方に行かせていただきましたところ、ミニマルファブというふうなコンセプトで、半導体を作るのはすごい大型の投資が必要なんですけれども、それを極力小さくして、小さいウオーターサーバーぐらいの大きさのもので小さい半導体を作る、そういうふうなシステムを産総研がつくってございます。  例えばこういうものが何がプラスかというと、ベンチャーなんかが大型投資をしないでも、例えばその産総研の九州センターに行って、こういうものをちょっと作りたいんだと、それのパーツとして半導体を一つ作りたいんだと言うと、相談に行くと、比較的安くそういったものが作れる。そういうところから試作品を作って売出しに行くとかいうふうな、そういうサポートもしていたところが印象的でありました。

風間直樹立憲民主党・民友会・希望の会

○風間直樹君 白須賀政務官にも同じことをお尋ねしますが、御就任以降、文科省の所管をする研究の現場ですとか、あるいは様々な大学ですとか、そういうところに視察に行かれたことがあるかということと、その中で日本経済に起爆的な影響を与えるイノベーションというものがあったかどうか、その具体例、以上二点、お願いします。

白須賀貴樹自由民主党文部科学大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官

○大臣政務官(白須賀貴樹君) 文科省は基本的に、できたものというよりもこれから育つものを見ていくことが多いので、私が一番印象に残ったのは、やはり福島第一原発の近くでやっていました廃炉ロボコン。高専の学生さんたちが廃炉をするために必要なロボットをコンテストで競っているというレベルの高い、かなり高いコンテストをやっておりまして、それこそ一、二年前まではただこういうふうに積んであったブロックを越えるだけのロボットの技術だったのが、今ではほとんど、廃炉をする予定の原発のモチーフにしたところに穴を通っていって下りていって、そしてそこから下に落ちているものを回収して上がってくるまでをコンテストにしているもの等がございます。  やはり、これから廃炉も含めて何十年という時間を掛けていきますから、あそこでのやっぱりロボット技術等の開発、そういったものの先端地域として私はなかなか面白かったなと思っておりますし、また個人的には、本当に個人的にはですけれども、やはり、今は計画段階ですけど、国際リニアコライダーみたいなもの、ああいったものがしっかりと造られていけば、少なくともあそこで造られて研究すると世界の研究者が二千人ぐらい来ますので、その方々を世界で本当にお金を出して呼び寄せたら物すごい金額掛かりますが、できることによって集まってきてくださるということも考えていきますと、そういったものがやっぱりイノベーションの起爆剤になるんじゃないかなと個人的には思っております。  以上です。

風間直樹立憲民主党・民友会・希望の会

○風間直樹君 ありがとうございました。今お二人に挙げていただいた実例、私もちょっとこれから調べてみたいと思います。  それで、ここからは財政の話に入っていくんですが、当然イノベーションを活性化するには資金が必要でして、例えば国からのそうした研究に関する委託開発あるいは研究費用の支援、もう一つはそういう研究の資金源となる基金の設置、大学単位ということになるのか、あるいは国家単位ということになるのか。  それで、その辺が我が国でどうなっているのかということをちょっと調べてみたんですが、日米の大学の資金力の比較なんですけれども、これは白須賀政務官にお尋ねをしますが、日米の大学別の運用基金を比較した場合、投資の運用益、そして国の研究開発委託、この二つの項目で日米間のギャップというのはどれぐらいあるのか、ちょっと教えていただけますか。

白須賀貴樹自由民主党文部科学大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官

○大臣政務官(白須賀貴樹君) 風間先生の質問したい内容よく分かりますので、まず全体のお話をさせていただきますと、日本とアメリカでは大学の制度や規模が異なるため、年度ごとの金額が大きく変動しているために一概に比較することは困難ですが、一大学当たりの投資運用益を比べますと、アメリカの州立大学は約六・三億円、アメリカの私立大学がマイナスの一・四億円、日本の国立大学は約一千二百万円、日本の私立大学は七千二百万円となっております。そしてまた同様に、一大学当たりの国などからの研究費の受入れを比較しますと、アメリカの州立大学は約四十三億円、アメリカの私立大学は十二億円、日本の国立大学は二十九億円となっております。  これ、でも全体の話ですから、恐らく、先生が提示されましたこの資料の大学で比べますと、やっぱり東京大学とハーバード大学を比べるのが一番分かりやすいと思いますが、東京大学とハーバード大学比べますと、二〇一八年、東京大学の全ての収入は二千三百四十七億円、それに対してハーバード大学は五千六百七十二億円でございます。その五千六百七十二億円のうち約三九%の二千二百一億円がこれハーバード大学の運用益になっておりまして、そしてほかのハーバード大学が提示している資料を見ますと、運用資金の総額は約四兆円もございます。その四兆円を、びっくりするぐらいの高利回り、一〇%で利回り取りまして、ざっくり四千億ぐらいもうかっているんですが、そのうちの約二千億円を大学に入れていると。  やっぱりこの規模感というのは物すごくレベルが高いものでございますが、日本はまだそういったものが、元々の種銭が、元々のお金が、資金がないので、それをこれから強化していくために、御党の議員立法でもいただきました科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律を、昨年制定させていただきました。これ本当に立憲民主党の皆様方も議員立法で御協力いただきまして、これをしっかりと運用していくことによってこのギャップが埋まっていくようなものだと思っております。  以上です。

風間直樹立憲民主党・民友会・希望の会

○風間直樹君 ありがとうございます。  今、白須賀政務官にお話しいただいたように、寄附あるいは運用による基金というものを我が国もそろそろ本腰を入れて考えた方がいいんじゃないかと私は強く感じております。  文科省、経産省からもイノベーション実現のための成長戦略施策というものをリストで出していただきましたが、いろんな項目が並んでいるけれども、いかんせん、その予算の規模感が非常に小さいんですね、今御指摘いただいた例えばハーバードのような規模と比べると。  それで、今日配付資料でお配りしたのは、日米の大学別の運用資金のリストということになります。これ、安宅和人さんという方が分析をし作った資料でして、この人は前ヤフーの役員、そして今は慶応大学の湘南藤沢キャンパスで教授を務めていらっしゃいますけれども、安宅さんがそれぞれの資料をいろんなデータからまとめました。  このちょっと安宅さんの話をまとめてみましたので、簡単にそれを御紹介しますと、まず日米の大学の資金力の差が大きいと。日本の大学は国際競争力のない給与、スタッフ不足の環境にいると。これは、最近の運営費交付金の話をめぐっても大学関係者から噴出している声でもあると思います。  この日米のギャップを解析すると、圧倒的に大きいのが投資運用益、次が国の研究開発委託となっている。大学別の運用基金を見ると、アメリカの大学の数兆円に対し、東大は百十億円、京大に至ってはない可能性すらあると。私の調査では、京大も約百億円規模の運用基金を持っているようでありますので、付言をしておきます。一過性の予算ではなく、人材開発に向けた国家的な運用基金をつくり上げなければ、このアメリカの規模に対抗するのは難しい。  一つの提案としてこの表が出てくるんですが、トップ研究大学の強化費用の運用基金として十兆円程度を準備し、これは日本政府として準備しという意味であります、運用プロを任命して七%ほどの運用益を出し、その利益の半分ほどを予算化していく。これは、今ほどの白須賀政務官の御説明、ハーバードの例からも、荒唐無稽な話ではないということが分かると思います。それによって、大学の人件費や施設、それからPhD学生の費用問題など、多くの点が改善できる。アメリカにある、大学や研究機関に直接寄附をする、また勤務先が更にマッチアップすると税的に考慮される仕組みは日本も学ぶべきである。また、アメリカでは、連邦政府が大学や研究機関にかなりの研究開発を委託している。ここからスタートアップが数多く出て、ノーベル賞受賞者も輩出していると、こういう話なんです。  それで、私はこのアイデアは非常にすばらしいなと思っていまして、実際、この配付資料を見ますと、ハーバードの場合、基金が三兆数千億規模と、それに対して東大の場合百十億規模ということで、桁が違うわけですよね。このハーバード並みの大学が、そこにありますように、スタンフォード、MIT、イエール、プリンストンと、それぞれ兆円規模の運用基金を持っています。これは毎年度こういう規模だということじゃなくて、これは二〇一五年現在でこれだけの基金の規模だということですから、恐らく二〇一九年現在の今でもこの規模はそう変わらないんだろうと思います。彼らは運用のプロを雇って、それぞれの数兆円の基金を元にそこから毎年一〇%前後の運用益を上げて、その半分程度を実際に研究開発資金として学内で使っているということであります。  今、我が国は翻って財政難ではありますが、いつまでも財政難を嘆いていてもこれはしようがないので、まず小さな規模からでもこうした基金をそれぞれの大学に設けさせる、あるいは政府として基金を用意するというところから始めたらどうかなと思うんですね。  そこで、各大学の基金の現状も調べてみました。日本の場合、非常に強い国の縛りがあります。例えば、運用するときの金融商品はこういうものでなければならないというところまで含めて、箸の上げ下げに至るまで強く縛っています。同時に、大学の中で、そうはいってもある程度裁量権を持って比較的自由にやっていいよと国から言われている大学は、東大や京大を含め約十校前後に限られています。この辺を少し変えていったらどうかなというのが私の今日の問題意識であり、政府に対する提案なんですが、麻生大臣、いかがでしょうか。  大臣は企業経営者でもいらっしゃいますし、研究開発の重要性も経営者として肌身で感じていらっしゃる。また、企業が新たなイノベーションを起こすときに、通常であれば銀行から借入れをするということになると思うんですが、銀行が、日本の場合、そうしたものに対してどの程度の貸出しをするか、この部分も肌身を通してなかなか容易でないということもお感じかと思います。仮に、日本政府がこうした政府による基金を設けて、それを通して全国の大学や研究機関の研究を支援する、あるいは政府として研究開発費用を大規模に予算化して、それを民間の企業等に渡していく、こういう可能性について、大臣のお考えを伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 急な御質問ですけれども、少なくとも今の話を伺っていて、少なくとも大学にその種の運用基金を預かって、仮に預かってですよ、運用して金もうけできる才能のある人が大学にいるんですかね。そんな人がいたら、各校みんな飛び付くと思いますけれども。なかなかおられないんじゃないんですかねと、まずそう思います。ましてや大学の中に。  大学が金もうけをするために、基金を殖やすために、そういう特殊才能のある人を引き抜くわけですかね、どこかから。その人には多額の給料を払ってもらわないと、その人はとてもやらぬと思いますね、常識的に。かつて日本の政府でそれをやろうとしたら、その給料が高過ぎて、わんわん言ってみんなで潰したわけですから。ついこの間の話ですわな、これ。それ、大学には認めるというわけ。それ、御党ではそれは賛成されるんですか。風間先生の御意見ですか、御党の御意見ですか。私は、ちょっとそこはついていけぬのでよく分かりませんが。  少なくとも、そんな簡単に年率一〇%で回れるような能力はとても今、日本の大学の中にいるとは思えぬし、余りそういった有能な方を聞いたことがないので、ちょっと正直、かなり現実的に、としては難しいかなという感じはしますが、ただし、大学としてきちんとしたそういった国からの運営資金に頼らないいろんなものを持とうというのは、極めて正しい方向だとは思います。

風間直樹立憲民主党・民友会・希望の会

○風間直樹君 大臣、実は、例えば年率で一〇%程度の運用益を上げることができる能力を持った運用担当者というのは、今世界中にかなりの数がいます。  私もこういう委員会に所属しておりますので、国内でもいろんな運用業者の関係者と会って意見交換をすることがありますが、これは運用する資金の規模にもよるんですけれども、といいますのは、どの金融商品で運用してそれだけの利益を上げるかということになってきますので、例えば百億、一千億の運用資金である場合とアメリカの大学のように数兆規模の運用資金である場合とでは違ってくるんですけれども、例えば国内の運用業者で、今、年間千五百億とか二千億程度の資金の運用を任されて最高の運用益を上げている業者というのは、私が知っている中では年率で五〇%の利回りを上げている業者がいます、コンスタントにですね。国内でこういう状況ですので、世界でもそういう能力を持った担当者はかなりの規模いるだろうと。  同時に、今大臣がおっしゃったのは先日の経産省の例だと思いますけれども、なかなかそういう運用担当者というのは、当然支払うものも大きくなりますので、そこはどうなんだというお話でしたが、これは非常に単純な話でありまして、その人が運用することによって上げた運用益の中から何%かの報酬を払うということでそこはクリアになる問題なんだろうというふうに思っています。  したがいまして、私は可能性は十分検討する余地はあるんじゃないかと考えています。これは我が党の考えではなく、私個人の考えでありアイデアですので、また引き続き質疑をさせていただきたいというふうに思っています。  そんなことで、政府が今後こういう国家的な基金の立ち上げを検討するかどうかという点は、今の大臣の御答弁とかからすると、現状では余り検討する準備はないということかと思いますけれども、一つ問題提起を今日させていただきますが、大学単位ではこうした運用基金を、東大始め、あるいは京大始め、持っているところがありますので、そこの縛りについては是非、財務省、金融庁、あるいは文科省としても、少し柔軟化するための検討をしていただきたい。それによって、東大も京大も相当自分たちの基金で運用収益を上げていける可能性が出てくると思っています。この点について、白須賀政務官に御答弁をお願いします。

白須賀貴樹自由民主党文部科学大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官

○大臣政務官(白須賀貴樹君) 風間先生の御質問は、恐らく大学の財政基盤を強化するために規制緩和を行うべきではないかという御質問ということでよろしいですよね。運用ですね。  ですから、国費も含めて財源の多様化というのはやっぱり必要でございます。その中で、大分変わってきたこと、今改革している中には、やはり科学技術イノベーション活性化のための制度改正を昨年しました。  その中では、産学官連携のベンチャーの創出等でも、今までは大学が、ベンチャー企業が使ったときには対価としてお金を求めていた、ベンチャー企業にお金を求めていたんですけれども、そのベンチャー企業に新規予約権、株の新規予約権を出すことを許すと。そしてまた、今までオッケーだったんですけれども、それはすぐ売りなさいという指導だったんですが、ちゃんと上場するときとかまでしっかりと保有することができるようになって、また、あと、ムーンショット型の基金も含めて、今まで個別の法改正によらず資金配分機関に基金を造成できるスキームもつくってきましたので、ちょうどこれから、今動き出すところでございますので、注視していただきたいと思っております。  以上です。

風間直樹立憲民主党・民友会・希望の会

○風間直樹君 ありがとうございます。また注視し、フォローをしていきたいと思います。  多分最後になるかと思いますが、麻生大臣に国務大臣としてお尋ねをしたいと思います。  一月の二十九日に私、本会議で代表質問をいたしました。その代表質問の最後に北方領土返還交渉に関連する質問を一つしたんですけれども、こういう質問をいたしました。日米安保条約上、米軍は日本全国どこにでも望む場所に基地を置ける権利があるとされていますが、これは事実でしょうかと。この質問の趣旨というのは、お気付きのとおり、北方領土のいずれかが返ってきた場合、そこに米軍基地が置かれる可能性があるんじゃないかということをかねがねプーチン大統領が言っていますので、その法的可能性について尋ねたものであります。  今日なぜ私がこの委員会でこのことを取り上げるかといいますと、この質問をしているときに、ひな壇にいらっしゃった麻生大臣が、私の記憶では、私の方に体を向けていただいて、それはないとひな壇でおっしゃったと私は記憶をしているんですけれども、大臣、こうした委員会でお尋ねをして恐縮ですが、それはないとおっしゃった大臣のこの問題に関するちょっと事実の認識をお尋ねしておきたいんですけれども、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 一月二十九日、ひな壇で何を言ったかって、ちょっと正直記憶がありませんから、議事録も残っていないような話なんでしょうから、ちょっと正直記憶はないんですが。  御存じかと思いますけれど、これ、日米安保条約というものとそれからいわゆる関連の取決めによりまして、少なくとも日本国内の施設とか区域というものについて使用というものを許されておるのは御存じのとおり。米軍がですよ、日米安保条約に基づいて。しかし、どこに施設とか区域を置くかについては、これはあくまでも日本政府の同意がなければならぬということだけははっきりしておりますよ。

風間直樹立憲民主党・民友会・希望の会

○風間直樹君 ありがとうございます。また別の委員会で所管大臣とこの質疑はしたいと思います。  それで、最後、若干時間がありますので、麻生大臣に簡単に伺いますが、今日は三月の十二日ですね。ちょうど六年前の、私の記憶では三月十四日だったと思いますが、参議院本会議で黒田日銀総裁の同意人事案件が可決されました。つまり、黒田総裁の異次元金融緩和が始まってからほぼ丸六年がたったということになります。  そこでお尋ねをしたいんですが、アベノミクスの三本の矢に対する大臣の評価について、実施から丸六年経過をしているわけですけれども、この三本の矢それぞれの成果に対する大臣の評価、点数でいうとそれぞれの矢に対してどれぐらいの点数を大臣は付けていらっしゃるのか、簡単にお伺いできればと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) このアベノミクスの三本の矢と言われるものに関して、私どもとしては、結果として総体的には、まずGDPとかいわゆる企業収益とか、それから有効求人倍率、失業率、まあいろんなものがありますけれども、そういったものは総じて私どもとしては大きな成果を上げられたことができたと思っております。  そういった中で賃金のアップというような話も出ますけれども、これは、少なくとも連合の調査によれば二%の高い水準でずっと上がってきているということですし、総雇用者所得見ましても実質でも名目でも伸びておりますので、経済の好循環は着実に回っているんだと思いますが。  三本の矢をそれぞれで見ていくということになるんだと思いますが、金融政策ということについて言えば、政権交代の後、日銀の共同声明というのを、その前の政策、いわゆる白川さんのときに共同声明をさせていただいているんですが、したがって、そのときの共同声明に基づいて物価安定目標の実現を目指して大胆な金融緩和というのを推進して量的・質的金融緩和を導入させていただいた結果、マクロ経済政策と相まって、もはやデフレではないという状況をつくり出すことができたんだと思っております、金融政策につきましては。  財政政策につきましては、これは過去最高水準のGDPというのを達成しておりますし、国と地方と合わせた税収も約七年間で二十八兆円税収が増えておりますし、そういうところの経済状況に応じていろいろ財政運営を行いつつ、歳出改革の取組も併せて継続するということをさせていただいて、経済再生と財政健全化の両立を図らせていただいて、少なくとも、税収を増やす、新規国債発行等々を抑える等々、減らさせていただくということができたんだと思っています。  それから、いわゆる規制等々ありましたけど、これは農業とか医療とかエネルギーとかいろいろ岩盤規制というのをやらせていただきましたけれども、農協の改革も六十年ぶりにさせていただきましたし、それからいわゆるガスとか電力の小売とかいうのをやらせていただいたり、エネルギーとか農業、医療もありましたけれども、患者の申出療養の審査期間というものを六か月から六週間に短縮させる等々、いろんなものをやらせていただいて、法人実効税率も二〇%台までということを実現させていただくことができましたし、TPP11とかできっこないとか言われた話でしたけど、これも、TPP11も合意に、日本のリーダーで合意ができましたし、日本とEUとの間のEPAの発効等々、民間投資を喚起するようないわゆる成長戦略という、様々な分野で実行してきたと思いますので、我々としてはそれなりの、まだまだ足りない部分はいっぱいありますけれども、そういった部分も含めまして、私どもとしては総じてそういったものが確実に出てきた成果が今の数字に表れてきていると思っております。

風間直樹立憲民主党・民友会・希望の会

○風間直樹君 先ほどの質疑でも景気の下方修正の可能性についての議論がありましたけれども、六年前、本当に鳴り物入りで登場したアベノミクスでした。特にこの金融緩和については、黒田総裁も当時非常に意気軒高だったというふうに記憶をしています。  今後また景気に関する数値等は注視する必要がありますけれども、本当に今大臣おっしゃったように、この三本の矢が日本の景気をまさに起爆させたのかどうかというのは恐らく今年中に結論が出るんだろうということで、私もフォローし、またこの場で質疑をさせていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。  今日は所信に関して質問をさせていただきたいと思いますが、経済を良くしたいというのは、これは何党であってもみんな同じように考えていますし、我々政治家のみんな責務であると思いますので、経済の状況をしっかり点検した上で、改善すべき点があれば改善のための策を打っていただきたいという思いは同じでございます。そういう観点から質問をさせていただきたいと思います。  大臣は所信表明で、正確に読み上げさせていただきますと、企業部門の改善が家計部門に広がり、好循環が進展する中で、今回の景気回復期間は本年一月時点で戦後最長になったと見られと、こういうふうに述べられたんですね。  まず、この家計部門に広がっているかどうかと、これがずっと論点になっているわけです。家計部門に広がっているというのはどういう根拠に基づいてそういう認識に至っているかということを改めてお伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 大塚先生の今の所信の話ですけれども、これは政権交代以降、間違いなく、経済全体でまず言えば、いわゆるよく言われますように、GDPが大きく伸びましたし、過去最高になりましたし、企業収益も過去最高という形になっておりますし、当時は求職難だった時代で、有効求人倍率は〇・八とかいうような時代だったと記憶しますけれども、それが今、一・五とか六とかいうことになってきておりますので、就職難ではなくて求人難という形に大きく変わったのも事実だと思いますし、そういった意味では確実に状況は変わってきた。  また、賃金を見ましても、よく言われますけれども、少なくとも雇用が増え求人難になってくれば、当然のこととして賃金も少しずつ上がってくることになりますので、賃金アップというものも間違いなく五年連続。加えて、ベアなんという今まで聞いたこともないような単語が最近出てくるようになりましたし、絶えて久しく聞かなかった言葉だったんですけれども、そういうのも出てくるようになってきておりますので。  私どもとしては、そういった所得とか雇用とかいうものの改善というものが結果として好循環に着実に回り始めておりますので、私どもとしては、景気回復期間の長さが戦後最長になった可能性が示されたということが出ておりますけれども、今私どもとしてはそういったものを背景にして景気の動向というのを判断しているんですけれども、私どもとしては、今申し上げたような状況が結果として個々人のところに反映してきているというように思っております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それに類する御説明は予算委員会等でも総理も含めいろんな方からお伺いをしているわけでありますが、そうはいいながら、世論調査やると、これは新聞各社によって若干違いますが、景気回復を実感できていないという方の割合が非常に多いと。せんだっても、たしか八〇%を超える方が実感できていないという世論調査もありました。  もちろん景気は、どんな時代でも、いいと感じる人もいれば悪いと感じる人もいるというのはこれはもう十分承知をしておりますが、それにしても何となく、この大臣所信でもおっしゃった家計部門に広がりという表現と国民の皆さんの平均的受け止め方とはちょっと違うかなという感じがいたしております。  今、御答弁の中で有効求人倍率とか賃金のこともおっしゃいましたけれども、これも総理にも是非お伝えいただきたいんですけれども、予算委員会なんかでの議論でも、限られた時間でうまくちゃんとかみ合って議論が生産的な方向に行くためにも改めて申し上げたいのは、有効求人倍率が上がったのも、もちろんある程度、ある部分はこれは実際に企業の業績が良くなって採用したいというマインドが高まっていると、これはあると思います、もちろん。  しかし、ある部分は、これはかねてより私以外の人も多分申し上げていると思いますが、ベテラン層、団塊の世代が抜けるこのボリューム感と新たに新人として若い人が入ってくるこのボリューム感のギャップも、これも有効求人倍率に影響しているのは間違いないと思いますので、やっぱりそういう要素も入っているんだということを冷静、客観的に表現された方が、多分、より総理なり財務大臣のテレビで国民に伝わる答弁も信頼性が増すと思うんですね。この有効求人倍率の上昇がこれ全て企業業績の好転とアベノミクスの成果だ的に言われると、何となくそうかなという疑問を持つ人がかえって増えちゃうという気がしますので、あえて申し上げておきます。  賃金も、これも、もちろん上がった人もいます。しかし、上がっていない人たちもかなりいますので、これも冷静に表現された方が、より国民の皆さんのマインドには結果としてはプラスになるんじゃないかと思うんです。  その観点で、今日質問でお伝えを申し上げている先に三番の方からお伺いしたいんですけれども、これ、賃金や就業者数の問題にどういうことが影響を与えていて今のような仕上がりの数字になっているかということに関連して、今年度、ああ、先年度と言った方がいいですね、二〇一八年度における配偶者特別控除の見直し、これがどういう内容であってどういう影響を現時点でもたらしているのかについて御答弁いただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは平成三十年、二十九年度の税制改正なんですけれども、配偶者控除の見直しは、これは女性を含めてパートの方々の年収が、よく百三万円の壁と言われたあの話ですけれども、百三万円以下となるように労働時間を減らす、いわゆる就業時間の調整という問題があったんですが、それに対応させていただくために、配偶者控除について配偶者の収入制限を百三万円から百五十万円に上げさせていただくという見直しを行ったものを平成三十年度から適用させていただいております。  この税制のほかに、社会保障に関わる取組で、両立支援とかいろんな何か表現がありますけれども、民間企業におけます配偶者手当制度の見直しといった総合的な対応をさせていただいて、働きたい人が就業調整を意識せずに働くことができるというような環境づくりに寄与しているんだと考えております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 その結果として、どういう影響が二〇一八年度の例えば雇用情勢とかにも顕現化したかということについてはどういう御認識でありましょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 平成三十年ですけど、雇用者が約百二十万人増加しておりますが、これは特に女性や高齢者の新規就労者が進んだということだと思って、そこが大きいんだと思っておりますが、女性のみで見ますと八十一万人増加しておりますし、女性の雇用者数が近年継続的に増加しておりますけど、その背景として、景気回復により仕事が増加したということもありますでしょうし、民間企業の求人が増えたということもありますでしょうけれども、仕事と家庭の両立支援ということや短時間労働の話を始めとした多様な働き方に対する環境というものの対応を随分させていただいたんだと思いますが、妊娠、出産後も離職せずに働き続ける女性が近年増加していることなどがその点では考えられると思っています。  また、御指摘のありましたように、配偶者控除の見直しというのが適用を開始されてもおりますし、あわせて民間企業においても、配偶者手当の見直しなども民間企業でも行っておられるようなので、女性を含めて働きたい人が就業調整というものに余り気にすることなく働くことができる環境づくりというのが結構進んだような形をしておりますので、新規就労を促した面は大きいのではないかと思っております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 就労を促す効果があったというのは、私もそう思います。  この間、予算委員会で総理に、今就業者数が増えていることの原因の一つにこの配偶者特別控除の見直しの影響があると思いますよと、それはちゃんと調べてくださいというふうに申し上げました。ちょっと時間がなかったので、あのときは、それを申し上げるにとどめたんですけれども。  結局、百三万円から百五十万円に見直しを行い、そして百五十万円から今二百一万円まで特別控除の金額が徐々に漸減していくと。で、二百一万円超えたらなくなっちゃうという格好ですから、フルの三十八万円の控除が百五十万円まで受けられるわけですよ。つまり、これまで百三万円の壁と言われていたものが百五十万円の壁になったわけですね。  それはそれで、そういう方向は我々も同じですから、結構なんですけれども、これ、そうすると、今まで百三万円でやめていた人たちが百五十万円までは働きますので、今までより働きたいと思う女性も増えたし、それに、特別控除が漸減していくとしても、今まで百三万円でやめていた人や百三十何万円という保険適用の問題でやめていた人が、じゃ、二百一万円までは働こうとかといって、その結果、そのゾーンの女性たちが相当就業者数にカウントされるようになってきているんですね。これは、結果的に非正規の方が多いです。  だから、非正規でかつ女性の雇用者数が増えているというのは、それは大臣がさっきおっしゃったような非常にポジティブな要因も幾つかあるんですが、そういうものばかりではなく、というよりも、どちらかというと、もちろん定量的には区分けできませんけれども、どちらかというと、恐らくこの配偶者特別控除の見直しで、じゃ、働いてみようかなと。しかも、働いてみようかなと思うのは、女性の社会進出のためにとかそういうことではなくて、やっぱり家計の所得を少し補うために働きたいという思いで働きに出ている人が増えているんじゃないかという認識で私は見ているんですが、そこは大臣、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これ、先日の御質問では、確かにおっしゃるように急な御質問だったので、これは税制改正の影響の確認についてはちょっと全く不可能とは言い切れないだろうという話を申し上げました。  ただ、これ繰り返しになりますが、これ、配偶者控除の見直し控除というものをこれは定量的に明らかにするという話になってくると、これは趣旨でおっしゃっているというのであれば、これはそうした効果を取り出して分析するというのは、定量的に取り出すというのは少々難しいんじゃないかなという感じはします。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今質問のときに秘書官とお話ししておられたんで、別に私は定量的に把握しろというふうに申し上げたんじゃないんです。それが難しいというのは分かる。その大臣のおっしゃるような要因と税制改正の要因、これを定量的に分けるのは難しいと私も申し上げたので、それは大臣と認識一致しています。  ただ、これもさっきの有効求人倍率の問題と一緒で、就業者数が増えているというのが、予算委員会なんかでテレビの場で総理が答弁されたりする内容が、非常にポジティブな材料ばっかりを並べて、だから就業者数が増えているんだと言われると、テレビ見ている人は、いや、ちょっと違うんじゃないと思う人が増えちゃうんですよ。むしろ、配偶者、あっ、秘書官、ちょっと待ってね、ちょっとここ大事なところだからね。配偶者特別控除の見直しとか税制の問題も影響し、かつ家計の収入の足しにしたいと思って、税制改正の影響を受けて働きに出ている女性の方も多いんじゃないんでしょうかと、こういうふうに率直に言っていただいた方が、ああ、政府はちゃんと状況を把握しているなというふうに思えるんですね。だから、これが余りにもいいことばっかりを答弁でおっしゃり過ぎると、かえって国民の気持ちを萎えさせちゃうんですよ。そこは率直に印象として私申し上げたいと思います。  先ほど来、同僚議員から、日本がこれから発展していくためにはどうしたらいいんだという趣旨の御質問がるるありましたけれども、これ、やっぱりマインドが非常に大事でして、やる気になっていただくためには、何か今もうバラ色のように全てうまくいっているんだと言われると、いや、そうじゃないという実感を持っている人たちは、バラ色でこの程度かと。かつてのバブルの頃を知っている私の世代としては、今の状況で何かバラ色みたいなことを言われると日本も限界だなというふうに思えちゃうので、そうすると、いや、日本にいるぐらいだったら海外に行って働こうといって、優秀な人ほど海外に行っちゃうというような傾向も助長するかもしれませんし。  大臣にお願いをしておきたいのは、総理にもお伝えいただきたいんですが、有効求人倍率にせよ、就業者数にせよ、賃金の問題にせよ、もちろん全面否定は我々はしていませんので、ポジティブに評価できる部分はこういうところだけど、検証が必要な部分として、あるいは決してポジティブではない要因でデータが良くなっていることについてはこういう要因があるというふうにちゃんと分けて説明を今後はしていただきたいと思いますが、その点お願いをしておきますが、一言御答弁いただければと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃいましたことはもう間違いない事実だと思いますので、やっていることが全て完璧で何も言うことないなんということは、政治やっておりますので、そんなものはあり得ぬということはよう分かっておりますが、やっぱり表現するときはなるべくいいことを言わぬと支持率は上がりませんので、私どもとしては努力をしていろいろいいところを探して申し上げているんで、悪いところは一点もないなんと言うつもりもありませんし、今言われたことは事実だと思いますんで、きちんと対応させていただきたいと存じます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いやいや、今みたいな御答弁の方が支持率上がると思いますよ。  そういう同様の観点で、今日は景気動向指数について更にちょっと確認をさせていただきたいと思います。  お手元に、せんだっての予算委員会でもお配りした景気動向指数のグラフがございます。  もう委員の皆様方、専門家ばっかりですから釈迦に説法ですが、ちょっと解説をさせていただきますと、要するに、安倍政権発足後のこの期間が景気回復期にあるという定義に基づいているので、今、戦後最長なんですよ。これもさっきの話と、大臣、一緒でありまして、戦後最長と言われると何か物すごい好景気なような印象を受けるんですが、いや、景気悪くはないけど、そこまでじゃないだろうと思っている人も結構多いので、戦後最長と言って余りにも高らかにラッパを吹かれると、この程度で戦後最長かというと、やっぱり萎えちゃう人もいるんですよ。  そこで、この景気動向指数なんですが、まず、今日内閣府においでいただいているので、ちょっと通告の質問の趣旨と違うかもしれませんが、この景気動向指数の作り方について簡単に概要を御説明いただけますか。

丸山雅章内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(丸山雅章君) お答え申し上げます。  今お手元にお配りいただいておりますのが景気動向指数のCIという指数だと思いますので、それにつきまして簡単に概要を、作り方の概要を御説明をさせていただきます。  まず、CIの中に一致指数、それから先行指数、遅行指数ありますが、一致指数でもって御説明させていただきたいと思います。  まず、個別の採用系列というのを選定をいたしまして、それぞれの系列につきまして、非常に大まかに言えば、前月からの変化というのを計算しまして、それを各個別系列ごとに一定の方法で積み上げて総合的な指数にするといった方法で計算をしているということでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ありがとうございます。  今から私が申し上げる内容で大体間違っていなければ間違っていないと後で言っていただきたいんですが、私の知り得る限りでは、その先行指標、景気が良くなるか悪くなるかを先に把握をするような先行指標が大体十一で、あと景気とほぼ一致する一致指数が九、それから景気にちょっと遅れて傾向が出てくる遅行指数が九、合計したがって二十九のデータを基に一定の加工を加えてこの景気動向指数を作っているという、こういう理解でよろしいですか。

丸山雅章内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(丸山雅章君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおりでございますけれども、それぞれの系列ごとに指数を作っている、一致指数、先行指数、遅行指数、それごとに作っているということでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それぞれの系列というのは、先行、遅行、一致ということですね。はい、ありがとうございます。  それで、お手元のグラフの青いシャドーの掛かっているところ、これ、前回の消費税の引上げの後の二年間なんですよ。ここは御覧のとおり、指数的にはちょっと低下傾向にあるんですね。  この局面について、これは景気後退ないしは停滞ではなかったかという議論が、一昨年の五月か六月ぐらいの景気動向指数研究会の判定会議で随分かんかんがくがくの議論があったと聞いているんですが、それは、内閣府にお伺いしますが、そういう状況だったという認識で間違いないですか。

丸山雅章内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(丸山雅章君) お答え申し上げます。  二〇一七年六月開催の第十七回景気動向指数研究会で行われていた議論とその結論についてお答え申し上げます。  二〇一七年六月開催の第十七回景気動向指数研究会では、第十五循環の景気の谷以降、景気の山が設定されるかについて検討を行っております。景気の山の設定に当たりましては、景気動向指数のCI一致指数の採用系列から作成するヒストリカルDIが五〇%を下回る直前の月を山の候補とした上で、三つの要件、転換点を通過後、経済活動の縮小が大半の経済部門に波及、浸透しているかといった波及度、それから経済活動の収縮の程度の量的な変化、そして景気後退、拡張の期間、これら三つの要件を全て満たしているか等について検討をいたしております。  第十七回の研究会における検討の結果、波及度を示すヒストリカルDIを見ますと、二〇一四年以降、五〇%を下回った期間があるものの、過去の景気後退の局面ではこれがゼロ%近傍まで低下していたことに対して十分に低下しておらず、二〇一四年以降、経済活動の収縮が大半の経済部門に波及、浸透したとは言えないこと等から、研究会として、第十五循環の景気の谷以降、景気の山は付かなかったとの結論となったところでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今御説明いただいた状況をもう少しかみ砕いてお伺いすると、その研究会、出席者大体何人いらっしゃったんですか。

丸山雅章内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(丸山雅章君) 七名でございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 七名のうち、この期間を景気拡大期、つまり、山は付かずに拡大が続いているという主張をされた方は何人ですか。

丸山雅章内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(丸山雅章君) お答え申し上げます。  この第十七回の景気動向指数研究会では、先ほど申し上げました結論、第十五循環の景気の谷以降、景気の山は付かなかったということにつきましては、七名の委員全員の了解が得られたということでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 最終的に研究会としてもちろん了解が得られているというのは理解しているんですが、私もその研究会、じかに拝見したことはないので分からないんですが、それ、最終的に研究会の結論としてこうするというときに、何か多数決か何かで決めるんですか。

丸山雅章内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(丸山雅章君) 特に多数決ということはしておりません。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 場の空気というやつですね。いろいろ議論があって、じゃ、最終的にこの研究会としてどういう答えにしますかというときに、議論を踏まえて、じゃ、こういう結論で皆さんよろしゅうございますねと言って、多少意見の違う人がいる場合もありますけれども、そこで決まっていくということだと思うんですね。  ところが、この期間については、当然マーケットのエコノミストや専門家もみんな、データは割と共有できるものですから、いろんな御意見があって、やっぱりこの期間は、後退とまで言わないけど、停滞もしていたし、この期間も含めて戦後最長というのはいかがなものかという意見も随分あるような気がするんですが、こういうことについて内閣府に対してやっぱり問合せなり質問なりというのはございませんか。

丸山雅章内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(丸山雅章君) お答え申し上げます。  あくまで私どもに、この景気動向指数を担当する部局に寄せられる御質問等につきましては、やはりこの景気動向指数研究会でどういう議論が行われてどういう結論が出されたのかということでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 予算委員会でも申し上げましたが、これは別に神様が客観的にこうだと決めるものではないので、研究会の議論としてそうなったということであればそうなったという事実を受け止めるしかないんですけれども、大臣、ここで私が申し上げたいのは、この期間も含めて戦後最長と言われると、やっぱりちょっと実感と違うんですよ。その実感との違いが、戦後最長で、アベノミクスで有効求人倍率も賃金も企業収益もこんなに良くなっている、ジャパン・アズ・ナンバーワン・アゲインみたいなことを言われると、そうかなと思って、むしろ萎えちゃう国民が増えているという部分があるので今日こういう質問をさせていただいているし、この間の予算委員会でも申し上げているんですよ。むしろ、潜在的な力はあるけれども、いろいろハザードがあってその潜在力を発揮できていないから若い皆さん頑張ってくださいと言った方がよほどアニマルスピリッツが出てくるということだと思うんですね。  だから、今日のいただいた時間でお伝えしたい趣旨は、冒頭から一貫してなんですが、安倍さん、もう既に六年間やっているわけですし、何事もなければあと二年は続けられるわけですから、もうアベノミクスの過大評価はやめて、客観的にこの六年間やってきたことの評価と、あと、必ず政策というのはアウトカムも出せば課題も残すんですよ。これは黒田さんの異次元緩和もそうですが、こういう課題を残しつつある、次の政権には大変負担を掛けて申し訳ないけど、こういう課題は解決してくれということをぼちぼち伝える時期に入っているにもかかわらず、相変わらずいいことばかりしかおっしゃらないというところが、だんだんだんだん少し世の中の雰囲気が変わりつつある背景にあると私は思います。  そういう観点でもう一個確認をさせていただきたいのは、これも予算委員会で話が途中で終わりましたが、総雇用者報酬というものですね、総雇用者報酬。  安倍さんがよくおっしゃるのは雇用者総所得。これは賃金掛ける就業者数なんですよ。賃金は今回の統計問題でそもそも、まあそんな白を黒とか黒を青とか言っているわけではないにせよ、実際の賃金よりもちょっと高めに評価されているかもしれないということが今問題になっているわけですね。就業者数は余り問題になっていませんが、繰り返し私予算委員会で申し上げていますが、この就業者数は、海外の統計と比べるとちょっとかさ上げ、かさ上げという表現は的確じゃないかもしれませんね、算出上やや他国よりも上振れ傾向があると。そうすると、元々少し過大評価されていた賃金掛ける上振れ傾向のある就業者数をぶっ掛けた総雇用者所得、安倍さんがよくおっしゃるのは、これ、ちょっとやはり実態よりも高めに出過ぎている可能性があるということが一つです。  で、今お伺いしているのは、もう一個、総雇用者報酬というものなんですよ。これは、総務省の統計から算出して、これで労働分配率を出しているんですよ。この労働分配率が、今日これだけお話しできるんでようやく大臣にもきっちりお伝えできていると思うんですが、去年の三月の予算委員会でアベノミクスの下での労働分配率はずっと過去のアベレージを下回っていますねということをお話し申し上げたら、二〇一八年に今度はぴいんと労働分配率が伸びたわけですよ。この労働分配率の算出の分子になっているものが総雇用者報酬なんですね。  この総雇用者報酬はどういう項目の合算で構成されているかということを、まず内閣府に御説明いただきたいと思います。

長谷川秀司内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。  雇用者報酬でございますが、その内訳は、賃金、それから雇主の社会保険に分けて推計しているということでございます。また、賃金・俸給は、現金給与、それから役員報酬、議員歳費、それから雇用者ストックオプションなどから構成されているところでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 もう一回聞きます。そう遠慮なさらずに、統計作成書に並べられている項目を全部ちょっと読み上げてください。

長谷川秀司内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。  国民経済計算におきます雇用者報酬の推計は、SNAに準拠いたしまして、賃金・俸給とそれから雇主の社会負担に分けて推計しているところでございます。  一年ごとに公表しております年次推計では内訳を公表しておりまして、ちょっと金額を申し上げますと、賃金・俸給は二〇一六年が二百二十九・九兆円、二〇一七年が二百三十三・二兆円、次に雇主の社会負担でございますが、こちらが二〇一六年で四十・四兆円、二〇一七年が四十一・五兆円となっております。  なお、二〇一八年でございますが、こちらの期間は速報期間になりますので、基礎統計の制約もありまして内訳項目は公表しておりませんが、二〇一七年から二〇一八年にかけましてこの雇用者報酬が伸びている要因については、この賃金・俸給を推計する際に用いております基礎統計の毎月勤労統計の一人当たり平均賃金、いわゆる現金給与総額、そして労働力統計の雇用者数も伸びていることが影響していると考えられます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、ちょっと質問と答弁が余りかみ合っていないと思うんですけれども。今のは、ここに通告申し上げた質問に対するそのままの答弁書を多分読んでいると思うんですが、私がお伺いしたかったのは、いや、一問一答なら、これ四問で終わっちゃいますので。やっぱり委員会というのはそういうものじゃないので。  今おっしゃっていただいた各項目の傾向は分かるんだけれども、その前提としてどういう項目が合算されて総雇用者報酬になっていますかということで、この間予算委員会でも申し上げましたが、大臣、これには役員報酬も入っているし、ストックオプションも入っているんですよ。今、社会保険のことは何度かおっしゃいましたけど、雇用者側の社会保険の負担も入っているということは、これ、例えば増税や社会保険料の値上げをすると総雇用者報酬が増えるという形になるんですね。これは全然労働者側の所得上昇の実感にはつながらないんですよ、役員報酬やストックオプションは当然ごくごく平均的な国民の皆さんには関係ない話なので。だから、こういうものも合算されているという、統計書にはそういうふうに書いてありますよねということを聞きたかったんだけど、それでよろしいですね。

長谷川秀司内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官

○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。  結構でございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 それで、大臣、これは内閣府の話なので、担当は茂木さんですか、これ。じゃ、茂木さんにお願いしてほしいんですけれども、この間予算委員会で僕が予算委員長にお預かりいただいて理事会協議事項にさせていただいたのは、こういう項目について、それは計算の結果出てくるものなので公表できないという趣旨なのかもしれないですが、計算上どういうものが入っているかという項目は列挙してあるわけですから、ということは、この総雇用者報酬が二〇一八年にこんなぐっと伸びたというのはそれはなぜかということについて、そこに含まれている個々の項目について、やっぱりデータを確認させていただかないと検証ができないわけですよ。  私の部屋で担当官から御説明いただいたときにも、ちゃんとこれ公開できるように持って帰って相談してくださいと言ったら、最初は開口一番、いや、公開できませんとおっしゃったんですけど、いや、ここで回答しなくていいから、持って帰って検討してくださいと言って、今私と事務方の間ではそういうことになっています。それから、この間予算委員会でも理事会協議事項としてお引き取りいただいた内容も同じ内容にしてありますので。  やっぱり私は、これ、労働分配率は大事な数字ですから、この総雇用者報酬の内訳項目は、計算上それぞれがどういうデータになっているのかということは明らかにした方が統計の信頼性が増すと思いますので、そういう方向でこれは副総理として御指示をいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 正直、俺の担当じゃないんで何ともいいかげんなことは言えませんけれども、おっしゃっていることはよく分かります。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いやいや、副総理ですから、全部御担当、森羅万象を御担当いただいているというふうに理解していますので、よろしくお願いしたいと思います。  もう時間ですのでこれで終わりにさせていただきますが、予算委員会で二度たしか申し上げた記憶があります、一月か二月のときとこの間と。今回この統計がこういうふうに問題になったのは結構なことだと思いますので、私も過去何回か取り上げているんですが、余りにもマニアックなんでなかなか話題にならないのが今回こうやって関心が高まったわけですから、今申し上げましたような総雇用者報酬の内訳も含めて、信頼性の高い統計とすることに協力をすることはやぶさかではありませんので、是非、今お願いした件も含めて前向きに御対応いただくことを改めてお願いして、終わりにさせていただきます。  以上です。

杉久武公明党

○杉久武君 公明党の杉久武でございます。  本日は大臣所信の質疑でございますけれども、私が本委員会で初めて質問させていただいたのは昨年十二月でありましたが、前回は日銀報告の質問でありましたので、本委員会で麻生大臣に質問をさせていただくのは実は今日が初めてでございます。  二〇一六年の八月の第二次安倍第三次改造内閣におきましては、本委員会の三木理事とともに財務大臣政務官として一年と三日間、麻生大臣の下、公務に参画する機会をいただきました。その間、本委員会で中西委員長、また風間理事、藤巻理事からも御質問をいただきまして、私は答弁する機会をいただきました。したがいまして、私のこの財政金融委員会での質問は答弁者側からスタートをしたところでありまして、大変貴重な得難い経験をさせていただいたこと、感謝の思いを表したいと思います。  本日は、そういう経験も踏まえながら、本委員会のメンバーとして充実した審議を行えるよう力を尽くしてまいりたいと思いますので、麻生大臣を始め皆様にはどうかよろしくお願いを申し上げます。  さて、本日のこれまでの議論で既に出てきた論点もございますけれども、それぞれ大切な点でもございますので、通告に従いまして順次質問をさせていただきたいと思います。  それでは初めに、麻生大臣の所信表明につきまして確認をしていきたいと思います。  所信表明の冒頭にもございましたが、我が国経済は戦後最長の景気回復期間であると、このような評価がございました。しかしながら、この所信表明が行われました先週七日には内閣府から平成三十一年一月の景気動向指数の速報値が発表されまして、一月に達成したと見られていた戦後最長の景気拡大局面は幻であったのではないか、また、景気が後退局面に入った可能性が出てきたのではないかと、こういった報道がなされたところであります。具体的には、景気の現状を示す一致指数が前月から二・七ポイントマイナスの九七・九と三か月連続で悪化し、基調判断が四年二か月ぶりに下方への局面変化に修正されたと、こういったことがございました。  当然、これはあくまで指数ですので、政府としての景気判断は月例経済報告でその都度総合的な評価が行われると考えておりますが、少なくとも現下の経済状況は予断を許さない大切な局面に差しかかっているのではないかと思っております。  そこで、大臣に伺いますけれども、景気動向指数の基調判断の引下げについてどのような御見解をお持ちなのか、改めて確認をさせていただくとともに、現下の景気、経済状況を手堅く、更に良くしていくためにも、先月可決、成立をした二〇一八年度第二次補正予算の着実な実行と今現在審議中の予算の一日も早い成立また執行が求められますけれども、大臣の御見解をいただければと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) この景気動向指数のいわゆる基調判断というのは、これは、この景気動向指数というものの計算方法というのは決められたルールがありますので、三か月連続だとそれをそのままこうしますというやり方になっておりますので、機械的に当てはめて、いわゆる一定の方向に局面変化したということで、足踏みをしているから下方への局面変化を示しているという表現になったというように理解しておりますが。  私ども、この景気動向指数、これはいっぱい、この種の指標というのはいっぱい見ることになるんですが、少なくとも毎月の生産とか雇用などの経済指標というのを統合したものであることは間違いありませんけれども、この一月につきましては、中国のいわゆる春節、春のお休みというのが早くやってきたというのが一点。また、それに伴って中国の輸出が減ってきたこともあるんですけれども、正月休みというのが、日本の場合は今年は連続九日間でしたっけね、長かった。稼働日数が当然のごとく短くなるんですが、もう一点は、自動車会社の一部故障というか部品の不具合で稼働が停止していた期間があったりしましたりしておりますので、私どもとしては、そういったものも考えると、政府としての景気判断としては毎月出しております月例経済報告において基調判断とすることにしていますので、その中では、現時点では緩やかに回復しているとの従来の認識を示させていただいているところです。  いずれにしても、経済指標の動きというのは毎回いろいろな面で反応している生き物みたいなものですから、そういったものに関しましては私どもとしてはいろんな政策というものを動員して、いわゆる消費税の二%上がることによる影響がとか、それによるマインドがどう影響するとか、いろんなことを考えねばいかぬところなんだと思っておりますので、私どもとしては経済の好循環というものを更に確かなものにしていくために、今言われましたように、予算の話にしても補正の話にしても、そういったものはきちんとやっていくというのが大変大事なことだと思って今努力をさせていただいているというところであります。

杉久武公明党

○杉久武君 今少し触れていただきましたが、やはり今年十月、消費税率の引上げ、この引上げを円滑に進めるためにも景気の安定というのはやっぱり最重要私は課題だというふうに思います。景気回復の軌道を一層強化するためにも、麻生大臣には一層の御尽力をいただきますようお願いを申し上げます。  そこで、次に質問をさせていただきたいのが十月の消費税率引上げに伴う様々な施策についてであります。  申し上げるまでもなく、我が国が世界に誇る社会保障制度を維持、安定させていくためには、やっぱり財源の確保ということは欠かせません。そこで消費税率の引上げを進めるわけでありますが、しかしながら、一方では景気への影響や家計への負担といった懸念がございます。それら影響を最小限に抑えるためにもあらゆる施策を講じていくべきであると、私ども公明党は徹底して訴えてまいりました。  その諸施策の中でも特に大きな柱となるのが軽減税率でございますが、私からこの場でもきちんと申し上げておきたいのは、やはりそもそも軽減税率導入の根底にある理念は、社会保障を守るための財源確保は欠かせない、それは理解するけれども、税率の引下げは、やはり大変だと、こういう声があるからでありまして、せめて食べるものだけは税率を上げないでほしいとの生活者の声が根底にあって、その声を形にするために私ども公明党が一貫して主張してきたものでございます。  そこで、今日は日銀に伺いたいと思います。  日銀では今年十月の消費税率引上げについて以前試算を行っていたと認識をしておりますが、消費税率引上げに伴う家計負担の増額についてどのような試算を行ったのか、また、税率引上げに伴う軽減税率を始め様々な負担軽減策が家計経済に与える影響をどのように考え、日銀の政策に織り込んでいるのか、伺いたいと思います。

雨宮正佳日本銀行副総裁

○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。  先生御指摘の私どもの試算と申しますのは、昨年四月の私どもの展望レポートで公表したものだと存じます。  ここでは、本年の十月と、あと過去二回の消費税率引上げ時における一年間の家計のネット負担額を試算いたしました。それによりますと、過去二回における負担額はおおむね八兆円程度でございましたが、本年十月につきましては、飲食料品などへの軽減税率の適用、あるいは教育無償化政策等が併せて実施されることなどから、負担額は二兆円程度と、これまでよりも小幅なものにとどまるとの結果が得られております。  加えまして、ただいま申し上げたのは昨年四月の試算でございます。その後、政府は、消費者へのポイント還元支援策ですとか自動車の購入に対する税制上の支援といった消費税率引上げ前後の需要の変動を平準化させる政策を導入されております。こうした措置も消費税率引上げの経済への影響を軽減するものではないかというふうに見ております。私どもの経済物価見通しにはこうした効果も織り込んだ上で、政策判断の基礎となる情勢判断を行っているところではございます。  ただし、税率引上げの影響というのは、やはりその時々の消費者マインドですとか雇用・所得環境、物価動向によっても変化し得るものでありますので、引き続きその動向は注意深く点検していきたいというふうに考えております。

杉久武公明党

○杉久武君 今御説明いただきましたとおり、過去二回の引上げ時では家計負担が約八兆円規模だったものが、昨年の分析の段階でも二兆円台、そして、それから加えて更なる政策を今政府としては検討しており、家計負担の軽減が図られていると、私はこのように理解をさせていただきました。  続いて、内閣府にも伺いたいと思います。  内閣府で出されている年次経済財政報告においても、消費税率引上げによる家計への影響について様々整理をされておりますが、消費税引上げに伴う影響、そして軽減税率を始めとした様々な反動減対策がどのような効果をもたらすのか、確認をしておきたいと思います。

黒田岳士内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。  前回、二〇一四年の消費税率引上げについて、平成二十七年版経済財政白書で行った機械的な推計によれば、駆け込み需要の規模は三兆円程度と推計されており、耐久財を中心にその反動減が大きかったとされております。このように税率引上げ前後に大きな需要変動が生じてしまうと景気の回復力が弱まり、結果的に経済そして財政にも影響が及んでしまうことが考えられます。  今回の引上げ幅は前回の三%に対して二%と小さいことに加え、前回の経験を生かし、軽減税率制度等とともに各種の施策を実施することにより、駆け込み需要と反動減を抑制することを意図しております。  この消費税引上げに伴う対応の効果を申し上げれば、今回の消費税率引上げでは、軽減税率制度の実施や幼児教育の無償化などの恒久的に講じる措置との差引きで経済への影響が二兆円程度に抑制される一方、新たな対策、臨時特別の予算措置として、ポイント還元、プレミアム付き商品券、そして防災・減災、国土強靱化によるマクロ需要の下支えなど合計二兆円程度、加えて税制面では自動車に係る税負担の軽減や住宅ローン減税の拡充など〇・三兆円程度、合わせて二・三兆円の措置を講ずることとしており、消費税引上げによる経済への影響を十二分に乗り越えるものとなっております。

杉久武公明党

○杉久武君 今、日銀と内閣府からそれぞれ答弁いただきましたが、軽減税率を始めとする様々な施策を講じることによって社会保障制度構築のための財源確保をしっかり行うとともに、軽減税率を始めとする反動減対策を十分講じることによって家計に及ぼす影響を最小限に抑えることができる、このようなことが認められているわけでございます。  ところが、この軽減税率の導入を反対される意見の中には、高価な飲食料品が購入できる高所得者ほど恩恵を被り、低所得者対策にはならないといった話がありますけれども、この点について財務省に伺います。  所得に占める飲食料品の割合を見た場合、低所得者と高額所得者の飲食料品への支出はどちらが多いのか、また軽減税率を導入した場合の負担軽減効果と逆進性に対する効果、また軽減税率が低所得者への有効な対策となり得るのか、確認をしたいと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  家計調査に基づき申し上げれば、収入に占める飲食料品等の消費支出の割合は低所得者の方が高所得者よりも大きいということになっております。例えば平成三十年家計調査の二人以上世帯の消費支出で見てみますと、収入に占める飲食料品等の消費支出の割合は、年収二百万円未満の世帯では約三二%、年収千五百万円以上の世帯で約一七%となっております。  今般の軽減税率制度は、そのような低所得者ほど収入に対する消費支出の割合が高い酒類、外食を除く飲食料品等を対象品目としていることから、収入に対する消費税負担の割合について低所得者の方が高所得者よりも大きく引き下げることができて、消費税の逆進性の緩和につながるものと考えております。例えば、先ほど申し上げました平成三十年家計調査の二人以上世帯の消費支出におきましては、収入に対する消費税の負担の軽減額の割合は、年収二百万円未満の世帯では約〇・七%程度軽減をされます。これに対して、年収一千五百万円以上の世帯では〇・一%程度にとどまるということになっております。

杉久武公明党

○杉久武君 今答弁いただきましたが、軽減税率はまさに低所得者こそ恩恵を受けるという有識者の指摘にもあるとおり、軽減税率による実質的な負担軽減効果が大きいこと、これは私は明らかだというふうに思います。また、諸外国でも導入されておりますけれども、それは家計負担を軽くする効果が広く認識をされているわけでございまして、軽減税率制度は世界標準と言ってよいわけであります。  我が国の社会保障制度を安定的に持続していくためにはその財源をしっかり確保しなければならない、それは分かって誰もが理解をするところでありますけれども、やはり痛税感というものがこの税率引上げには伴うわけでありまして、我が国の社会保障を持続可能なものにしていきながら負担をできる限り軽減をしていく、そのためのあらゆる施策を実行していく、私はこれが政治の責任だろうと思います。  しかし、残念なことに、こういった形で多くの庶民に恩恵を及ぼす軽減税率について、一部では天下の愚策という、こういう発言があったことは、私は大変残念な発言であると、無責任な発言ではないかというふうに思っております。  そこで、麻生大臣にお伺いいたしますが、軽減税率は国民生活への最大の支援策であると考えますが、軽減税率に対する大臣の御見解を伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これはそもそも、ほぼ全ての方々が、低所得者、高所得者区別なく、毎日購入されておられる飲食料品に限って八%に税制を据え置くというのがこれ大前提なんですが、それは、買物の都度にいわゆる痛税感がある、上がったことによるというのを緩和できるというのと同時に、低所得者ほど収入の中に占める消費の比率が高いという傾向にありますので、その方々にとっていわゆる消費税率の逆進性というものも緩和できるというのが大きな利点なんだと思ってこれを実施することにさせていただいたというのが背景で、したがいまして、この軽減税率制度というのが円滑に入っていく、スムーズに入っていくということに向けて、今私どもとしては、事業者のまず理解をいただかにゃいかぬということで、具体的な事例を紹介したQアンドAを作成させていただいたり、これまでも延べ五万回ほど事業者向けの説明会をやらせていただいて、百四十五万程度の事業者が参加していただくなど、周知、広報にこれまで取り組んできたところでもあります。  また、これ、事業者の準備をしてもらわにゃいけませんので、そういった意味では、軽減税率対応のレジの導入を支援する補助金等々をやらせていただいて、三分の二だったところを四分の三までこれを引き上げる等々させていただいて、補助対象の拡充を行うなど今様々な取組を進めさせていただいておりますので、今後更にこの対応が進んでいくように、私どもとしては関係民間団体とも綿密に連絡をして、軽減税率というものが円滑に入っていけるように努めてまいりたいと思っております。

杉久武公明党

○杉久武君 今大臣に御答弁いただきましたように、これから準備をしっかりとこれやっていかないといけないわけでありまして、そのためには、今御紹介もいただきましたが、やはりレジやシステムのやっぱり準備、これをやっていかなければなりません。  やはり、食品などを扱う小売事業者などでは八%と一〇%という税率の異なる品目が発生をいたします。それぞれ売上高や仕入れ代金をしっかり区分して計算、納税する負担が掛かります。そこで、これら負担を軽減するためにも、複数税率に対応したレジの導入や受発注システムの改修、こういった準備が欠かせないわけでございます。  しかし、昨年十月、引上げまで約あと一年という段階で、これは日本商工会議所が公表した調査でありますけれども、中小企業の約八割で軽減税率について経理方式の変更の準備に着手をしていなかった、こういう現状も公表されたところであります。本年十月まであと半年強と迫っております。十月の直前になってレジ導入などが集中いたしますと、レジ機材やシステム技術者が不足することは容易に想像されますので、早め早めの対処をしませんと混乱を起こしかねない、このように危惧もしております。  そこで、今回の対策を所管する経済産業省に伺いますが、レジや受発注システムの更新準備などの現状について確認をするとともに、導入促進に向けた支援策、特に軽減税率対策補助金の活用状況や周知徹底についていま一度確認をしたいと思います。

木村聡中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。  軽減税率制度につきましては、中小企業・小規模事業者の方々の準備が円滑に進むよう、様々な支援を行ってきているところでございます。  御指摘ございました軽減税率対策補助金につきましては、軽減税率に対応するためのレジの改修でありますとかあるいは導入を行います事業者の方々への支援を行うものでございまして、本年二月末時点で約九万五千件の申請を受け付けているところでございます。  本補助制度の一層の活用を促しますため、商工会、商工会議所など中小企業団体と連携して相談窓口の設置、説明会の開催、パンフレットの配付といった周知、広報を行いますとともに、団体に属していない事業者の方々向けに、都道府県、市区町村、民間金融機関、税理士会、青色申告会などにも御協力をいただきまして、あらゆるルートを通じた周知、広報を実施しているところでございます。  これに加えまして、事業者の方々の事前準備を一層強く後押しいたしますため、本補助制度につきましては、今年から補助率を従来の三分の二から四分の三に引き上げますとともに、請求書管理システムの改修も補助対象に追加いたしますなど、支援内容の大幅な拡充を行っているところでございます。  軽減税率対策補助金は、今年九月三十日までにレジ、システムの導入等を完了させることが条件となっておりますので、事業者の方々には是非早めの対応をお願いしたいと考えているところでございます。  引き続き、全国の中小企業・小規模事業者の方々への周知、広報にしっかり取り組んでまいりたいと考えてございます。  以上でございます。

杉久武公明党

○杉久武君 是非、政府一丸となって現場関係者の円滑な準備を支援していただけるように、引き続きお願いをしたいと思います。  次に、駆け込み反動減の平準化対策について伺います。  政府では、十月の消費税率一〇%への引上げに伴う需要の平準化対策として、キャッシュレス決済で買物をする際に消費者にポイントを還元する制度の導入を行うこととなっております。期間は今年の十月から来年の六月までの九か月間ということでありますが、中小企業や個人事業者が経営する小売店などでは、クレジットカードや電子マネーなどを使った場合に利用額の五%のポイントを付与することや、コンビニにおいては、個人などが経営する加盟店に限って二%分を政府が負担し消費者に還元すると、こういう設計になっております。  そこで、続けて経産省に伺いますが、今般のキャッシュレス決済によるポイント還元制度についての準備状況及び企業、店舗への補助策について確認をしたいと思います。

江崎禎英経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官

○政府参考人(江崎禎英君) お答えをいたします。  今回のポイント還元制度でございますけれども、御指摘のありましたように、消費税引上げに伴います駆け込み需要と反動減の平準化、そしてキャッシュレス化の推進のため、中小・小規模事業者の支援を目的として、中小・小規模事業者に限り、キャッシュレス決済で支払った消費者へのポイント還元に対する支援を行うものでございます。  このため、今回のポイント還元制度では、中小・小規模事業者に対しましては、端末などの導入費用、これにつきまして中小・小規模事業者の負担がゼロになる形で支援を行いますとともに、手数料につきましては三・二五%以下とし、その三分の一を期間中補助するものでございます。  また、今回の制度でございますけれども、クレジットカードだけでなく、信用審査を要することなく簡易に作成可能であり、スマートフォンがなくてもカード決済可能という長所があります電子マネー、これなどを入れまして多様なキャッシュレス手段を選択肢とすることで、幅広い消費者の皆様に御利用いただけるよう環境を整備してまいります。  なお、予算成立後、年度明けの四月、ここから中小・小規模事業者の方々がスムーズにキャッシュレス化の準備を開始していただけますよう、できるだけ早いタイミングで、対象となる中小・小規模事業者の範囲など制度の詳細について公表することとしたいと考えております。  以上です。

杉久武公明党

○杉久武君 このキャッシュレス化の問題についてはやはりまだまだ設計図で、どうなるか議論中のものもたくさんあろうかと思いますが、できるだけ早く、やはり十月がスタートラインになりますので、できるだけ早めの周知徹底、また丁寧な説明をお願いしたいと思います。  今回、この平準化策として打ち出しておられるキャッシュレス決済でありますが、私はこのキャッシュレス決済というものが大きな副次的効果を生むのではないかと期待もしております。我が国は諸外国に比べキャッシュレス後進国と言われておりますけれども、ある意味、現金に対する信頼が諸外国に比べ高いという評価もできますが、他方、来年は東京でオリンピック、パラリンピックもございます。また、二〇二五年には私の地元大阪で開催されます大阪・関西万博もありまして、インバウンドによる消費拡大にはやはりキャッシュレス決済というものが不可欠であろうかと思います。  また、キャッシュレス化を進めますと、売上げや支払などの日常業務を管理しやすくなりますので、企業、店舗のコストの削減や運営上の効率化、こういったものも進み、過剰労働の抑制や生産性向上、ここにもつながっていくんではないかと思っております。  また、キャッシュレス化は一度別のシステムを経由して入金をされますので、脱税や裏金といったお金の不透明な動きも抑制され得ることから、今回のポイント還元制度を契機としてキャッシュレス化が相当進むことを期待をしております。  そこで、ちょっと所管ではないとは思いますけれども、是非麻生大臣に、このキャッシュレス化の推進についてどのような御見解をお持ちか、お伺いをできればと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、杉先生お尋ねのこのキャッシュレスの取引につきましては、いわゆる利便性が向上するという話をよく言われるところですけれども、確かにお釣りをもらう時間やら何やら、えらい早く済むというのは確かだと思っております。また、中小零細加盟店等とかいろいろ言われていますけれども、これ、レジ締めの手間が削減されるというのは、これは大きなことを言えば生産性が向上するということにもなろうかと思いますが。  加えて、いわゆる観光庁の調査でしたか、外国人の客が、日本でもっといわゆるキャッシュレスというものが普及していればもっと物が買えたと言っている人が七十数%は出ているという数字がありますので、そういった点を考えますといわゆる売上増にもつながるということだと思いますので、消費者にとりましても小売をしておられる事業者にとっても双方にメリットがもたらされるんであろうと、これは予想しております、私どもとしては。  当然のこととして、これは、いわゆる消費増税に伴いましていわゆる反動減とかいろいろな話があって、こういったものの需要平準化というのに加えて、今申し上げたような観点からこれは経済産業省において主にこれを、還元事業というものの準備が進められているんだと思いますけれども、いずれにいたしましても、これが丁寧に適切に執行されることによってキャッシュレス取引の普及というものにつながっていく可能性というのは大きいんだと思いますので、現実問題として、小さなところでも今いろいろ現場を見ましても結構事は進んでいるような感じがしていますので、それほどくちゃくちゃな感じになるような話にはならぬのじゃないかなという感じが、私の地元でもそんな感じはいたしております。

杉久武公明党

○杉久武君 さて、先ほど来申し上げているとおり、軽減税率による負担減については中高所得者よりも低所得者の方が恩恵が多いということでありますけれども、低所得者への更なる生活支援策として、今回、プレミアム付き商品券の導入も進められております。  このプレミアム付き商品券は、軽減税率の対象ではない日用品の購入負担感をカバーするものでありまして、独り暮らしの高齢者の方を始め低所得者の方への生活支援策として大変有効であると考えております。また、乳児期のお子さんがいる家庭にとっては、おむつ代といった衛生用品やベビーカー、電動アシスト自転車などが必要でありますが、割増金が付いたプレミアム付き商品券の購入は、こうした子育て世帯の負担を和らげる効果も期待できます。  そこで、内閣官房に伺いますけれども、プレミアム付き商品券の導入に向けた対応状況について確認するとともに、購入対象者への一層の周知徹底や、低所得者、子育て世帯の方が購入しやすいよう、一口当たりの販売金額や実際に商品券を販売する場所、販売方法についても工夫を凝らしていく必要があると考えますが、実施主体となる自治体への対応を始め、どのような検討が行われているのか、確認をしたいと思います。

井上裕之内閣官房内閣審議官

○政府参考人(井上裕之君) お答えいたします。  今回実施しますプレミアム付き商品券事業は、消費税率の引上げの影響が相対的に大きいと考えられます低所得者の方々、それから小さな乳幼児のいる子育て世帯に対して、税率引上げ直後の負担増などによる消費への影響を緩和することを目的として実施いたします。  対象となる方々が商品券を購入し利用しやすい仕組みとするために、例えば必要な分を必要なときに無理なく御購入いただけるよう五千円単位での分割販売を行う、あるいは商品券一枚当たりの額面を例えば五百円など地域の実情に応じて日々のお買物で御利用をしていただきやすい額とする、あるいは地域の幅広い店舗で御利用可能とするようにするなど、様々な配慮、工夫を検討しております。  そのほか、御指摘の販売場所、販売方法なども含め、地方自治体がこれまで独自に実施されてきた商品券事業の取組の蓄積、ノウハウを十分に御活用いただくことにより自治体の円滑な事業の実施を後押ししてまいりたいと考えておりますし、しっかりと商品券を購入いただけるよう、制度の内容、必要な手続などについて幅広くかつきめ細かな周知を図ってまいります。  こうした細かい制度設計、それから周知徹底の取組を通じて、対象となる方の税率引上げ直後の消費への影響を確実に緩和する、それから駆け込み需要、反動減の平準化、地域における消費の下支えにも貢献する仕組みとなるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

杉久武公明党

○杉久武君 是非円滑に導入が促進されますよう、内閣府を中心に全省庁を挙げて取組を是非お願いしたいと思います。  あと残りの時間で、最後、金融行政について何点か質問をしたいと思います。  大臣所信の中で、今後の金融行政の在り方について、まず一つ目としてつみたてNISAについて質問いたします。  このつみたてNISAは、昨年の一月からスタートをいたしまして、今月で一年三か月が経過をいたしました。  そこで、まず金融庁に確認をいたしますが、つみたてNISAの口座数及び買い付け額の推移、また購入年齢層の分布について確認をするとともに、つみたてNISA実施後の効果についてどのように評価をしているか、確認をいたします。

中島淳一金融庁総合政策局総括審議官

○政府参考人(中島淳一君) お答えいたします。  昨年一月から開始いたしましたつみたてNISAについては、昨年十二月末時点の速報値で百四万口座が開設され、総買い付け額は九百二十七億円となっております。また、昨年九月末時点の口座開設者を世代別に見ますと、一般NISAにおいては五十代以上が七割を占めているのに対して、つみたてNISAにおいては、二十代が一五%、三十代が二四%、四十代が二六%と、四十代以下で七割を占めております。  つみたてNISAが始まって約一年しか経過しておりませんが、こうした利用者の状況を見ますと、これまで投資を余り行ってこなかった若年層を中心に投資の裾野が広がりつつあるのではないかと考えております。

杉久武公明党

○杉久武君 今御説明いただきましたとおり、若い世代、また子育て世代を中心に一定の広がりを私は見せている、成果が出てきていると思いますが、大臣所信の中で金融経済教育と銘打って盛り込んでいるところを見ますと、やっぱり貯蓄から投資への資金を回す投資意識の向上という点でいえば、一年を経過したところでありますけれども、まだまだ伸び代は大きいかなと、このように感じております。  また、大臣所信の中ではつみたてNISAの普及施策の包括的推進とありましたが、そもそもやっぱりこのつみたてNISAに関する情報に接する機会がまだまだ少ないようにも思いますし、まだまだよく分かっていないという方もいらっしゃるんではないかと思います。  そこで、金融担当大臣でもあります麻生大臣にお伺いしますが、つみたてNISAの普及施策の包括的推進について具体的にどのようなことをお考えなのか、確認をさせていただければと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 先ほどもどなたかの御質問にお答えしておりましたが、日本の個人金融資産の総額、約一千八百五、六十兆ということになってきていると思いますので、そういう状況の中で、現預金が占める比率が九百五、六十兆というのは間違いなく、半分以上が現預金というのはちょっと普通じゃないような感じがしますので、家計の中における安定的な資産というものを形成していく上で、長期、分散の積立投資というものの定着を促していくというのがこれ重要だと、ずっとやらせていただいてきているんですが。  こうした長期、積立て、分散投資というものを促進するに当たってつみたてNISAの普及促進が非常に有効というように考えているところでして、これまで地方団体とか民間企業に対する職場におけるセミナー等の開催を依頼をさせていただいたり、また開催依頼を受けたりしておりますので、一般の個人に対する説明会とか、またツイッター等々のSNSを通じましたいわゆる情報発信を含めていろいろやらさせていただいておりますが、このほか、いわゆる金融、今風の言葉ではリテラシーの向上と言うんでしょうか、そういったものから、私どもの金融庁の職員が学校に出向いて行う出張授業をいわゆる抜本的に拡充をさせていただいたりしておりますので、金融庁としては、こうした取組をしっかり行うことを通じて、引き続き、こういったつみたてNISAというような形で資産の形成、現預金ではなくて資産というような発想にいい意味で健全に変わっていっていただける、理解が深まっていくというような方向に事を普及させていければと思ってやらせていただいておるところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 是非、普及啓発に取り組んでいただきたいというふうに思います。  最後、G20に関しての質問も準備をしていたんですけど、ちょっと時間になりましたので、以上で質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十七分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、財政政策等の基本施策及び金融行政に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 日本維新の会・希望の党、中山恭子でございます。  まず、国際芸術祭、国際文化交流に関して質問いたします。  昨年の通常国会で六月に、文化のプラットホーム日本との議連によりまして議員立法が作成され、国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律が、衆参で多くの議員の先生方の御賛成を得て成立いたしました。お手元に、その法律の概要を示すポンチ絵と、それから国際的な芸術フェスティバルの例と、世界の芸術祭が開催されている町を示す世界地図を配付しております。  この法律では二つのテーマがありまして、一つは、ポンチ絵の右側に示されております現在日本各地で開催されている国際的な文化の催しに対して支援をしていこうとするものであります。もう一つが、左側、赤の枠で示されております今後新たに日本で質の高い国際芸術祭を開催していくことについて定めています。  国際芸術祭の実施に当たっては、多くの省庁が関係する事案でございまして、現在、文化庁が中心になって各省庁と連絡を取り合い、連携して作業を進めていると伺っております。文化庁として法律の実施に向けてどのような活動をなさっているのか、お知らせください。

内藤敏也文化庁審議官

○政府参考人(内藤敏也君) 昨年六月に国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律、いわゆる祭典法と言っておりますが、これが成立をし、昨年九月に、文化庁、外務省、経済産業省、国土交通省などから成る国際文化交流の祭典推進会議を設置いたしまして、現在、この法律に基づく基本計画の策定に向けた検討を行っているところでございます。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 これまでの文化庁の仕事に加えて新たな仕事が入ってくると思いますが、是非対応していただきたいと思っております。  現在、価値ある国際芸術祭といえば、表を配付しておりますけれども、西欧諸国で開かれているものがほとんどでございます。お手元の表の中でいいますと、例えば映画といえばカンヌ、ベネチア、ベルリン映画祭、現代アートといえばベネチア・ビエンナーレ、音楽、演劇といえばエジンバラですとかアビニョンの芸術祭が挙げられます。残念ながら、日本では、このような世界の人々、芸術家たちが、どうしてもあの祭典に参加したい、出展して又は出演して認めてもらいたいと思うような祭典は日本にはありません。  ベネチア・ビエンナーレは、スポーツの祭典オリンピックが開催された年の前年、一八九五年に第一回が開かれており、既に百二十年以上続いている国対抗の芸術の競技会です。これは国対抗というところが特徴がありまして、以前ベニスで仕事をしていましたとき、町の人から、フランスの大統領が応援に来たこともあるし、アメリカの大統領が軍艦を仕立てて来たこともあるよといった話を聞きました。  このような芸術祭は、現在、西欧諸国が中心となって開催されていますが、日本で開催される芸術祭であれば、世界の全ての国、地域の人々が思う存分自分たちの文化を表現できるであろうと考えています。日本で世界の多様な国や地域から優れた芸術家の参加を得て質の高い芸術祭、国際的に影響力を持つ芸術祭を開催することは、世界に対する日本の大きな貢献であると考えています。  もちろん、日本にとっても大きな利益をもたらします。多くの人々が日本を訪れ、日本のことを直接知ることとなります。訪問客の経済効果のみならず、日本理解が進むことは金額では測れない大きな利益であると考えています。海外で日本とはと言葉で説明しようとしましてもなかなか日本理解をしてもらえることはありませんが、海外の方が日本に来て日本で日本の人々と接すれば、一瞬で日本のことを理解してもらえます。  現在、文化庁では基本計画を作成中と伺っていますが、どのような方針で進めていらっしゃるのでしょうか、お知らせください。

内藤敏也文化庁審議官

○政府参考人(内藤敏也君) 国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律、祭典法には、大規模祭典及び地域の祭典の双方についての推進のための国の施策が規定されているところでございますが、特に大規模祭典、すなわち、この法律の三条第二号で定義をされております創造的な内容の企画、優れた芸術家の世界の多様な国又は地域からの参加等により国際的に大きな影響力を有し、国内のみならず海外からも多数の来訪者が訪れる国際文化交流の祭典及びこれを目指して実施される大規模な国際文化交流の祭典、この実施に向けた取組が重要であると考えてございます。  このため、本法律の趣旨にのっとり、今検討してございます基本計画には、国際文化交流の祭典の実施の推進に関する基本的な計画かつ振興に当たっての指針として大規模祭典の国の施策を盛り込むとともに、地域の祭典も含めた国の施策等も盛り込むこととしてございます。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 今お話にありました大規模祭典というのが、日本では新たな祭典といいましょうか、新たな考え方に基づく祭典になると思っておりますが、大規模な祭典についてもう少し詳しくお知らせいただけますでしょうか。

内藤敏也文化庁審議官

○政府参考人(内藤敏也君) 先ほど先生が御説明いただきましたように、世界においては、国際的に大きな影響力を有する国際文化交流の祭典として、例えばベネチア・ビエンナーレとかカンヌ国際映画祭などが開催されていると承知しております。  この祭典法の三条二号で規定をされている国際的に大きな影響力を有し、国内のみならず海外からも多数の来訪者が得られるという、ここで想定されている国際的な祭典、残念ながら我が国においてはまだそのような祭典は実施されていないと考えておりますが、この法律の趣旨を踏まえ、このような大きな影響力を有する大規模祭典が我が国で開催されることを目指しつつ、祭典法及び基本計画に基づく施策を講じてまいりたいと思っております。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 ありがとうございます。  私から御説明した方がいいのか、大規模祭典の特徴としましては。というか、お伺いした方がいいのかもしれませんですね。大規模祭典とはというようなことの御説明がいただけますか。

内藤敏也文化庁審議官

○政府参考人(内藤敏也君) 祭典法に基づきまして、先ほども御説明させていただいておりますけれども、国際的な大きな影響力を有し、国内のみならず海外からも多数来訪者を得られる国際文化交流の祭典、これが祭典法に基づく三条二号の祭典でございます。この三条二号の祭典及びこれを目指して実施される大規模な国際文化交流の祭典、これが祭典法に基づく大規模祭典というふうに定義されているものと承知しております。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 大規模祭典という名前で呼ばれておりますけれども、これを実施するに当たりましては、まず、単発ではなくて継続的かつ安定的に実施していくこと、これを図っていかなければならない。また、企画に関して専門的能力を有する者の継続的な確保、そういったものを準備していかなければならない。また、公演、展示等を行う施設を確保する必要がある。海外の芸術家を円滑に受け入れることができる体制を整備する必要がある。  さらには、企画等に関し、専門的な助言、情報の提供その他の協力を得ることができる体制を整備しなければならない。  国は、大規模祭典の海外での理解を深めるための紹介及び宣伝の強化を図るべきである。そして、有識者たちの大規模祭典への招聘を促進する必要がある。  さらには、大規模祭典について、この祭典のために来訪する芸術家はもちろんですが、それ以外にたくさんの海外からの人々が日本を訪ねてまいりますので、そのときの交通手段ですとか滞在のための施設の確保、それから展示、公演等に関する外国語、少なくとも八か国語による紹介等を準備する必要がある。  さらには、海外において国際文化交流の祭典を実施している、今実施しているその関係者たちと常に連携を取る、それができる体制を日本側で持たなければならない。  さらには、日本の中でも、国だけで行えるわけではありませんので、国内でこれに関係している民間の組織又は地域の関係者と連携を深めるように、こういったことが法律ではうたわれております。  こういったことについて文化庁としては基本計画を作っていただいているのだと思いますが、いかがでしょうか。

内藤敏也文化庁審議官

○政府参考人(内藤敏也君) 今先生が御指摘をいただいた各事項、この祭典法の法律の条文にそれぞれ基づいて私どもやらなければいけないことだと思っておりまして、その趣旨の内容につきましては基本計画に盛り込む方向で現在検討を進めているところでございます。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 是非、基本計画を、各省庁との連携を取らないといけないテーマだと思いますが、文化庁としても頑張って進めていっていただきたいと思っております。新しい動きということもありましていろいろ御苦労があると思いますが、是非進めていっていただきたいものでございます。  二〇二〇年にはオリンピック、パラリンピックが開催されます。このときの大きな文化事業として、日本文化紹介を主とした事業ですけれども、日本博が予定されておりまして、オリパラとともに重要な役割を果たしてくれると考えています。ただ、オリンピック、パラリンピックが通り過ぎた後、二〇二一年以降のことを、今私たちはもうこのときから準備しておく必要があると考えています。  国際芸術祭は、ちょっと準備に時間掛かりますけれども、今後、日本としてオリパラや日本博に代わる役割を十分果たしていけるとは思っておりますが、とはいえ、二〇二〇年オリパラで、二〇二一年に、じゃ、こういった大きな祭典ができるかというと、これは無理でございます。大変難しいと思っています。プロデューサーや芸術家の確保、会場の確保など、芸術祭の開催までには少なくとも三年、数年を要するであろうと考えております。今から準備を進めて、種目によっては早くて二〇二三年がやっとでしょうか。二〇二五年に大阪万博が開催されますので、その頃にこういった芸術祭が開催されるということを目指すのがやっとであろうかと、そんなふうに考えているところでございます。  国際芸術祭を実施する主体が、これは国とか公共団体ではなくて、芸術祭の中核を成すのはやはり専門家や民間の方々でございます。国際芸術祭を推進するに当たって、国の組織だけではなく、民間の関係機関や民間企業、有識者、専門家の方々との連絡が重要になると思いますが、文化庁はその辺り、どのようにお考えでしょうか。

内藤敏也文化庁審議官

○政府参考人(内藤敏也君) 大規模祭典の実施の推進のためには、我が国以外の国又は地域の政府機関やそのほかの国内外の関係機関及び民間の団体等との連携を促進していくことが重要であると考えております。  そのため、国、地方公共団体、有識者、民間などによる新たな大規模祭典の創設及び大規模祭典を継続的かつ安定的に実施するための会議を設置いたしまして、地域の祭典との連携も含め、国際文化交流の祭典の実施を推進してまいりたいと考えております。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 専門家の方々、非常に重要な役割を果たしていくと思いますので、自由な発想、自由な考え方を進めることができるような環境づくりを是非進めていただきたいと思っています。  そうはいっても、やっぱり国の役割というのはしっかりあるはずでございまして、特に、このような芸術祭が一回限りのものではなくて継続的に安定的に開催していくということが大切でございます。できれば百年は継続して開催することを当初から念頭に置いて計画を立てることが必要であろうと考えております。内容の充実を図ること、その継続性、安定性を担保することが不可欠で、このためには、やはり民間に加えて、国、地方公共団体が一体となって運営していくことが求められると考えています。  国際芸術祭に関する調査というのがこれまで非常に少なくて、一九九三年、もう二十五年前のことですが、に調査をしたものがありまして、この調査によりますと、欧州で開催されている芸術祭の運営は、大体国が三分の一、町が三分の一、そして民間と入場料で三分の一で賄われているとの報告がなされております。  実施までに相当の準備期間が必要となること、準備期間中も人材の育成、調査等、さらには国際芸術祭との連携などいろいろ作業をしていくことが必要だと思います。今から動き出すことが肝要ですので、文化庁はそのためにどのような準備を想定していらっしゃるでしょうか。予算なども付いてくれるといいと思うんですが、いかがですか。

内藤敏也文化庁審議官

○政府参考人(内藤敏也君) 新たな祭典の実施、とりわけ先ほど来お話にありますような国際的に大きな影響力を有し、多数の来訪者が国内外から得られるというような国際文化交流の祭典を継続的かつ安定的に実施していくためには、様々な検討事項がございますので相当な準備期間が必要であるというふうに私ども考えてございます。有識者などの意見も参考にしながら、早急に対応できるよう関係省庁と連携を図りながら検討を進め、本法律及び基本計画に基づく様々な施策を講じてまいりたいと考えているところでございます。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 麻生副総理にお伺いいたします。  この問題、ここで取り上げることを少しちゅうちょしましたけれども、幾つもの省庁にまたがりますし、また、平和の維持や経済の活性化、地方創生など多岐にわたりますので、今回取り上げました。  以前、財政金融委員会で国際文化交流の問題を取り上げましたのは二〇一四年十月十六日のことでございました。既にもう四年半ほど過ぎております。そのときも、麻生大臣から貴重な御示唆をいただいております。その後、文化のプラットホーム議連などで議論を重ねて法案を作り、昨年、国際文化交流の祭典を日本で実施する推進法が成立いたしました。今、緒に就いたばかりでございますが、日本が国際的な文化交流の場となることを目指して、今種々動いているところでございます。  継続的に安定的に開催することが要でございます。その内容については、アートなのか音楽なのか演劇なのか祭りなのか漫画なのか食なのか、これから専門の方々が検討してくださるものと考えておりますが、民間だけで継続していくということは非常に難しいことでございます。国も共に動いていくとの方針を示せば、民間の方々も安心して進むことができると考えています。文化については民間の方々の力は想像を超えていますので、今後の動きに期待しています。  麻生副総理こそは、文化についても御理解があり、これからもリードしてくださると見ております。やはり、どなたかがリードしてサポートしているよと言っていただけるということが、こういった事柄が順調に継続的に進んでいくものでございますが、麻生副総理の御感触をお伺いいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 人様から麻生さんは芸術に理解があると言われたことは人生一回もありませんので、ちょっと今言われて、中山先生のちょっと御意見とは少し違うかもしれませんけれども。  国民体育大会というものを始めて、結果として日本中の各県に大きな陸上競技場と体育館ができた。あれは間違いなく国民体育大会という制度をつくっていなければあんなものは定着しなかったろうと思っているんですけど、そういった意味では、定期的にこういうのをやっていくというのは効果のあるものだというのは国体が分かりやすい例だと思っておりますけれども。  いずれにしても、ベネチアのビエンナーレにしてもカンヌの映画祭にしても、みんな結構有名なものになっていったんだと思いますけれども、この種の話を後追いで今から日本でやるといったときに何を元にして集めるかというのはちょっと考えないと。ベネチアのビエンナーレでも、あれ、建築もやっている、演劇もやっている、たしかあれ、一回しか見たことがないので記憶がありませんけど、音楽もやっている、舞踏もやっていたと思いますけれども、そういったいろんなのをやっておられるんだと思いますが、そういったものをやっていくのに何を元にやるかというのでいくと、映画とか音楽とか演劇とかいうのはそれなりの、継続をすると、一つの力を持つというのははっきりしています。  例えば、トーマス・プリツカーという人のやっているプリツカー賞というのがありますけれども、これはいわゆる建築部門のノーベル賞と言われている部門で、これはハイアットリージェンシーを持っているプリツカーのファミリーでスタートされたんだと聞いていますけれども、この間は表彰式を日本でやって、今上陛下出られまして、両陛下で御出席でしたけれども、一建築屋がスタートしたものがあれだけのものにのし上がっていったというのは、長い時間掛けてあれをやり、極めて公平に、それを選択している人たちのレベルが極めてフェア、フェアというか公平に行われているんだと思っております。プリツカー賞を取った、最近では隈先生もそうですし、昔は偉い方が随分、日本人でも何人もこのプリツカー賞を取っておられますけれども、そういったようなもの、とてもインターナショナルになっていますし、いろんなものをやっていくことになっていますが。  これ、何をするかが一つ、そして、それを選択して選んでいく、採用する側のこちら側がどれだけそれをフェアに公平なものにやれるか、そして、それに対して理解を得て多くの方々の支援を得られるか等々、これは今から考えにゃいかぬところがいっぱいあるんだと思いますけれども、これ、なかなかスタートするのが大変だなという感じは今伺っていてしましたけれども。  いずれにしても、今漫画とか言われましたけれども、カンヌの映画祭で、あのときの最後の最後まで残った映画というのは、「タイタニック」のあの沈没の話と「千と千尋の神隠し」というのと二つだったんです、最後まで残りましたのは。で、結果的に「千と千尋の神隠し」がオスカー取ったんですね、あのとき。日本の新聞には余り書いていなかったので、ああ、なるほど、このレベルかと思ったんですけれども。少なくとも、観客動員数は「タイタニック」とほぼ同格ぐらいのものを世界で「千と千尋の神隠し」は取りまして、結果的にどちらかがということになったときに、アメリカの場合は当然「タイタニック」かと思ったら、あちらは金を掛けた割に観客動員数は、ほとんど金掛かっていない「千と千尋の神隠し」にほぼ同じしかなかったと。したがって、効果は「千と千尋」の方が高いという結論を下ろして「千と千尋」にあれを与えたというのがアメリカの新聞に載っかっていましたけれども。  是非そういった意味で、これ、選ぶときの、選考委員というのかな、そういったようなものを含めて、これはよほど時間を掛けて、国際的な人を集めてやっていくというのはちょっと壮大な企画力と何とかというのは要りますので、かなりな時間を掛けて国も少なからぬ関与をした上でやらなければ、世界的なものにのし上がっていくというのはなかなか難しいんじゃないのかなと、今お話を伺っただけですけれども、そんな感じがいたしました。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 まさにおっしゃるとおりであると考えておりまして、ここからが真剣勝負になるかと思いますが、世界中からの専門家の方に集まっていただくというようなことも考えないといけないであろうと思っております。  大変貴重なお話をありがとうございました。国際的な芸術祭についてはこれからでございますので、多くの方々の御意見を得ながら進めていっていただきたいと思っております。  さて、財務局に関して質問いたします。  今年二月十日の夕刊フジに、財務省地域おこしに参戦との記事が載っておりました。財務局に関する記事でございました。一九九一年、私は四国財務局長として着任しましたとき、高松空港を出てタクシーに乗って四国財務局までと言いましたら、運転手の方は、四国財務局が何なのか、どこにあるのか、空港にいるタクシーの運転手が知りませんでした。財務局の仕事は地域に密着したものが多いはずなのになどと考えたことを思い出します。  具体的にどのようなことを実施しているのか、御説明ください。

上羅豪財務大臣官房審議官

○政府参考人(上羅豪君) お答え申し上げます。  財務省では、これまで各地域の財務局におきまして、企業、金融機関、地方公共団体等と連携いたしまして、これらの各主体のつなぎ役としまして地域経済活性化の取組を進めてきたところでございます。具体的な事例を申し上げますと、若手経営者と異業種の専門家等との交流、マッチングの場の設定、また、事業承継セミナーや起業家向けのベンチャーイベントの開催といった取組を各地の財務局や財務事務所で進めているところでございます。  財務省では、こうした各地域の取組を可視化し、さらに、地域を越えた連携を促進すべく、昨年十一月に地域経済エコシステムの形成に向けたこれまでの取組を取りまとめ、公表したところでございます。また、更にこうした取組の加速化を図るべく、本年一月、金融庁や経済産業省、経団連と連携いたしまして、全国の企業や金融機関、地方公共団体等が参集する地方創生イベントを開催するなどしてございます。  今後とも、関係府省庁と連携しながら、財務省、財務局が一丸となり、地域経済活性化に向けた取組を推進してまいりたいと考えているところでございます。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 ありがとうございます。  財務局のネットワークといいましょうか、財務省のネットワークというのでしょうか、財務局でそれぞれの局が経済調査を行っていますし、金融については金融庁の出先の仕事をしている、さらには国有財産の管理等を行っているわけで、そういったもののノウハウというのを各財務局だけではなくて各県にあります財務事務所が持っているということでございますから、これは全国的に見て非常に大きくて強いネットワークであると考えております。地域の方々の御意見を十分に聞きながら、役に立つ仕事がたくさんあるはずでございますので、是非工夫を凝らして地域との関連する仕事を進めていただきたいと思っております。  崖地の話などを伺いたいと思ったんですが、少し時間が足りないかもしれません。  麻生大臣、財務省の出先として税関とか国税庁、財務局があるわけですが、税関や国税局とはまた趣の違う財務局、全国の財務局のネットワークがございます。財務局がこのような形で各地域の人々と連携しながら仕事をしていくという方向を打ち出していることでございますが、財務局について何らかの御感想やら御所見がありますでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 中山先生、やっぱり役所におられたので御存じだと思いますけれども、国税庁はやっぱり感じが悪いですよね、どう考えたって。イメージが良くないでしょう。税務署とみんな仲がいいなんという話は余りネットワークとしてはなかなか広がりにくい、何となく暗いようなイメージがありますけど、財務局の場合はその点は少しイメージが違うので。少なくとも、地方の財務局というのはそこそこ横で連絡をし合えるという面は大きなものがあるという感じがしますので、いわゆる地方公共団体と連携して各主体のつなぎ役等々のものが、何というんですかね、地域経済の活性化とかいろんなものにも十分に取り組めるところだと思っていますので。  そういったところでは、今、若手経営者とか異業種の専門家との交流とかマッチングとか、いろんな表現していますけれども、事業承継セミナーなんかのあれをやってみたり、いろんな形で起業家向けのベンチャーイベントの開催といった取組を各地の理財局とか財務事務所等々が今少しずつ進めているところだと思いますけれども。  地域経済のエコシステムとか、そういった形成に向けた取組を昨年の十一月だかに発表させていただいておりますので、取組の加速化を図るべく、経産省とか経団連とか、いろんな形での、金融機関等々にイベントを開催するなどさせていただいているんですが、いずれにしても、こういった取組というのを進める一つの真ん中のつなぎ役としての役割を認識してやるというところが大事かなという感じはいたしております。

中山恭子日本維新の会・希望の党

○中山恭子君 この夕刊フジの記事でも、地域でパンジーやマリーゴールドなどの食用花を一緒になって栽培を進めているとか、それから軍用資産を観光拠点化にしているといったようなことについて財務局がそれぞれの地域の方々と連携して動いているという話でございました。  そして、これは全国ネットワークを持つ財務局であれば全国的に活動ができるわけでございますので、是非そういった意味でもこれからも続けていっていただきたいと思っております。  またいずれ質問の機会がありましたら、ほかの問題伺いたいと思います。  ありがとうございました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 大門です。  まず、経済の今の認識について少しだけ伺いたいと思います。  先日の本会議でも安倍総理に質問いたしましたし、今日大塚さんからもありましたので、ダブらないようにお聞きいたしますけれど、要するに、いろんな数字を政府は挙げてこられておりますけれども、それでも国民の七割以上が景気回復を実感していないのはなぜかということで、それでまた改めて数字を言われてもまた同じことの繰り返しになるんですけど、そういう数字があるけどなぜ実感がないのかということなんですが、いろいろ本会議では指摘をさせていただきましたが、総理からかみ合った答弁はなかったわけでございます。  加えて申し上げたいのは、GDPの数字が膨らんでいると、にもかかわらず国民の多くが実感がないのは、もう一つ、本会議では言いませんでしたけれども、格差の拡大があるのではないかという点です。つまり、GDPもどこに偏って膨らんでいるかと、どこが低迷しているかというところに、その低迷しているところに実感を感じない方々がたくさんいるのではないかということでございます。その点で、アベノミクスの中心は異次元の金融緩和ということで、後で日銀にお伺いするんですけれども。  つまり、円安・株高政策とは言いませんが、誘導があって、結果的に誘導になって、大企業の利益は輸出をする企業中心に純利益が二・三倍、株を持っている富裕層の資産は一・五倍ということになったわけです。しかし、株を持っていない方とか輸出大企業、大企業と関係のない人たちにとってはそういう恩恵はほとんどないわけでありますので、八〇年代後半のバブルのときは、同じ金融政策のバブルではありましたけれど、株価の上昇、利益の上昇が賃金に波及するような賃金と雇用の構造がありましたからまだ給料も上がるというのがあったんですけれど、いいか悪いかは別にしてですね、今はその賃金に波及する回路がシャットダウンされておりますので。昔と違って、非正規を増やす、正社員減らすということですね。  したがって、幾らそういう株が上がっても回らないということが続いているわけでありますので、つまり、大企業と中小企業、大企業の労働者でも正社員と非正規の人たち、あるいは大企業と中小企業という、大企業労働者と中小企業労働者ですね、というのは格差が広がっていると。そういう中で、GDP全体が増えても回らない人たちがたくさんいる、それで実感が得られないというのも一つの大きな理由ではないかというふうに思うんですけれど、麻生大臣、いかがお考えでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、数字とは違って実感の話なんだと思いますので。  確かに、ちょっと世代が違うのかもしれませんけれども、私、東京に出てきて学校に入ったときに、革のランドセルをしょっている人というのは全校で一人だったと記憶します。学習院に入ったんですけど、制服を着ていたのが、全学生の三分の一は着ていなかった、そういう時代。  小学校を出るときに、六年後どうなったかといえば、全校で革のランドセルじゃなかったのが私と私の弟二人、あとは全員革のランドセルに変わっておりましたので、世の中が経済的にわあっと良くなっているというのは実感しましたし、中学に入ったときに、麦の弁当、麦飯で弁当を食っているのはもう三年生で私一人しかいませんでしたので、そういった意味では実感はしますよ。そういうのが一番実感する話でしょう。私はそう思っていますから。だから、そういった意味ではえらい目に遭いましたので、吉田茂の孫のおかげで割を食った話ばっかりしかなかったんで、そういう実感が私にはあるんですけれども。  今言われましたように、やっぱり給与の話というのはかなり大きな話でして、あのバブルのときはと言いますけど、バブルのときに、税金を見ていただいたら分かりますが、あのときの税金は、増えたのは所得税ですよ。所得税だけがばあんと増えて、あとの法人税やあれは伸びていませんから。しかし、今回は所得税も法人税も、いわゆる基幹三税と言われる消費税も含めて全部上がっているというので六十二兆ということになっているので、内容としては今の方がはるかにいいことははっきりしています、数字の上では。  しかし、今言われたように、給与の面でいったらどうかと言われる点は、この間からもお話し申し上げているとおりで、少なくとも企業収益が上がっている割にはその収益の内容が、設備投資に回る分も意外と少なく、配当に回っているのは意外と前に比べて増えましたけれども、いわゆる給与という部分に関して言わせていただければ、企業が年間二十五、六兆の利益剰余金、内部留保に増えている割には、少なくとも設備投資が七、八兆、所得というか賃金で五、六兆、残りが内部留保ということになっているような状況というのは、少なくとも、やっぱり賃金に対するものが最初の六年前はマイナスだったとあのときは記憶しますんで、その頃に比べれば増えてきているとはいえ、少なくとも企業の利益の剰余金の割には少ないというのは私どもも同じような感じは持っておりますので、その点に関しましては、そういった給与を支払う、積極的に支払っているところに対してのいわゆる税制面の支援をしたり、いろいろさせていただいてはおりますけれども、今言われたのは、実感としてそういう感じがあるのではないかというのは、私どもも同じ実感があります。  いわゆる労働分配率が全然、昔は七四、五%あったのに、今は六五、六に下がっていませんかね。そんな感じがしますんで、そこらのところが、企業者の経営マインドとしてはそこらの点の発想が大きくマインドが変わっていかなきゃならぬというのが、我々も同じような実感を持っているのは確かです。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  そこで、今日はその格差を広げた異次元の金融緩和政策について質問をしたいというふうに思います。政策論議ですので本来なら黒田さんに来てもらうところでございますけれど、最近元気がないというか、答弁も痛々しい感じがしますけど、そこで今日は元気な雨宮さんに来ていただいたわけですけど。  異次元の金融緩和はアベノミクスの中心で、これは日銀が勝手にやっていることじゃなくて、二〇一三年の共同声明からスタートしておりますので政府の政策そのものだというふうに思いますけれども、したがって、日銀単独で、まあ出口の議論がさんざんされていますけど、日銀単独で方向転換するのは難しいのかも分かりませんけれど、ただ、私は、もう出口は見えないというところまで来ちゃっていて、出口に向かって、正常化に踏み出して出口を探るというような段階ではないかなと思っておりますけど、それを本当に、これお世辞じゃなくて、雨宮さんと一度じっくり議論させてもらったことありますけれど、かじ取りができるといいますか、方向を変えるときのことを考えられるのは雨宮さんしかいないんじゃないかという点も思っておりますので、今日は雨宮さんに来てもらったということでございます。  政策の話の前に、資料をお配りいたしましたけれど、一点だけ、この間マスコミで話題になっている点について確認だけしておきたいと思います。  配付させていただいたのは日銀が出しております展望レポートの一月なんですけれども、何がマスコミでちょっと話題になったかといいますと、一番右の欄ですね。消費税引上げ、教育無償化政策の影響を除くケースというのがあります。今までも消費税引上げの影響を除くケースというのはこういうふうに書かれてきて、今回はわざわざ(参考)となっていると、参考値になっていると。これはどういう意味なのかと。今まで参考値というのは、参考というのはなかったんですね。こういうふうに書いてあったんですけど、参考じゃなかったと。この参考に入れた点について、朝日新聞含めていろんな書き方をされております。  つまり、特に不正統計とか数字のかさ上げが問題になっている時期なので特にそういうふうに思われたのかも分かりませんが、要するに、日銀は二%の物価上昇目標を追いかけていると。で、当たり前のことですけど、消費税の二%分は、引上げ分はそれには入らないと。それは一時的なものだから除外したもので日銀の目標は考えていると。これは従来、最初からそうですよね。にもかかわらず、今回参考としちゃったものだから、何か日銀が本来目指すべき目標値の方が参考扱いになっているというので、簡単に言いますと、二%が達成できないので、もう何といいますか、少しでも、消費税の影響を含んでもいいから少しでも高い見通しを出したがってそうしたのではないかというふうな書かれ方をしているわけですけど、私は誤解ではないかなと実は思っておりまして。  改めてお聞きしたいんですが、なぜ参考というのをわざわざ入れたのか、今回からですね。それと、あくまで日銀の二%の目標というのは、消費税、一時的ですよね、一時的なそのときなんだけど、消費税上げたのは入れない、除外したものでの二%目標と、これは変わらないですよね。その点だけちょっとお願いします。

雨宮正佳日本銀行副総裁

○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。  まず、済みません、総裁の黒田でございますが、先週末からスイスのバーゼルのBISの総裁会議に出席しておりまして、多分ちょうど今頃成田か羽田に着いたところでございますので、大変今日は失礼いたしました。御容赦いただければと存じます。  その上で、物価の問題でございますけれども、御指摘のとおり、私どもは、物価を判定する際には一時的な変動要因の影響を取り除いた基調を把握するように努めているわけでございます。そうした観点から、一時的な変動要因ですとか大きな変動を取り除いて基調を判断するということで、例えばコアとかコアコアといった手法を採用もしているわけでございます。  今回について申し上げますと、ちょうどこれは脚注で、今先生御指摘の脚注でもお示ししたとおり、税率引上げに伴います物価に対する影響と教育無償化政策に伴う物価ヘの影響がほぼ大体同じぐらいということでございますので、これを一つの政策パッケージ、対応として捉えると物価への影響は比較的軽微ということで、脚注で解説するという扱いにさせていただいたということでございます。  基本的な考え方としては、先生御指摘のとおり、先ほど申し上げた物価の基調の判断という観点から申し上げますと、消費税の引上げなどの一時的な要因で物価上昇率が二%まで上昇したとしても、事後的にはその影響が剥落するということが見込まれるような場合にはこれは物価安定が実現したと判断することはできませんので、基調を判断するときにはそのような一時的な要因は除外して考えるというのは先生御指摘のとおりでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ですから、参考というのをもう、今までなかったんだから取られた方がいいんじゃないかな、誤解されるからねというふうに思います。  それと、今おっしゃったように、影響が軽微だというのは、下の注三のところに、引き上げた場合は何%物価が上がるけれども、教育の無償化等を含めてマイナスがあって、プラスマイナス軽微だというのが注三に書いてございますが、これは、ちょっとこれ詳しく追及するつもりはないんですけど、ちょっと機械的で、本当にこうなのかというのを、これ一つの仮定なのでね、これそのものがちょっといかがなものかというのは思っているところであります。  いずれにせよ、参考というのは取られた方が余計な誤解を生まないんじゃないかと思いますので、それだけは指摘しておきたいと思います。  異次元の金融緩和ですけれども、二%の物価目標を当初二年間で成し遂げるというふうに打ち出したわけですけれども、それが六年たってもできないということで、この間、この前の予算委員会でも本会議でも野党の批判が、なぜ二%できないんだというところにかなり集中しているわけでございます。  ただ、改めて今回、その異次元の金融緩和がスタートした頃の、二〇一七年の三月のこの委員会の議事録を見てみますと、黒田総裁は自信満々に二年で二%やれるというふうにおっしゃっておりまして、そのときのこの委員会というのは、与党はもちろんですけど、野党の議員も二年でやれると、自信を持って頑張れというような激励、持ち上げの、私以外ですよ、質問が相次いで、随分野党も変わったなというふうに私は実は見ているわけですけれども。  そんな中で、議事録読んでいて思ったのは、冷静に見ておられた方が一人いらっしゃいますね、いらっしゃいました。麻生財務大臣でございまして、三月二十一日のこの委員会で中西委員長の質問に答えて、二年で簡単に行くもんかいなと正直思わないではないというふうに麻生大臣はおっしゃっているんですね。本当に先見の明があったと、私と同じだと思いますけど。  なぜ、麻生大臣はあのとき二%は簡単に行かないだろうというふうに思われたのか、ちょっと思い出していただけますか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 最近記憶がないって表現がはやっておるそうですけれども、今ちょっと、何を言ったかちょっとよく読んでみないと分からぬのですけれども、少なくとも、あの頃はみんな各国大体二%ぐらいのものを目標とするとイギリスも言い、ドイツも言い、みんな言っていたんですよ、あの頃。したがって、その頃は二年で二%とかいう話が日本銀行との間ででき上がったというのがあの当時の記憶なんですけれども。  そのときに、私の場合は、石油の値段が当時百何十ドルだった時代からごそっと下がって三十ドルなんという時代になって、四分の一ですよと。そういった時代に、どう考えても物価に関してはマイナス影響を与えるんだし、日本の場合はデフレーションで、ほかの国とは違ってデフレーションからスタートしていますので、そういった状況の中で、こういう国際的な状況で二%上がるかねというのが正直な実感でして、大門先生のように数値を詰めた上で話すなんというのは、私には全くそういった趣味はありませんので、全体的な思い付きで、ぱっとした勘では行くかなという感じがあったのでそう申し上げたというような記憶であります。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 中西さんとの議事録見ていると、何かそういうことを、二%やれるというようなことを言う学者の方もおられて、やっぱり学者というのはこんなものかなと、実体経済が分かっておらぬなというようなこともこのときにはおっしゃって、まさにそういう実感なんですよね。  それと、デフレを克服することは重要でありますけれど、デフレの原因の処方箋が違うんではないかというふうに私は何か思っているところでございます。  で、雨宮さんに、まあ黒田さんには何回も聞いているんですけど、雨宮副総裁に改めて聞きますけれど、二年どころか六年もたつのになぜ二%が達成できないのか、雨宮副総裁としてのお考えを聞きたいというふうに思います。

雨宮正佳日本銀行副総裁

○参考人(雨宮正佳君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、まだ二%の物価安定の目標は実現できていないわけであります。  その背景、いろいろ複雑な要因があろうかと思いますけれども、一つは、先ほど大臣からも御指摘もありましたが、二〇一四年以降の原油価格の大幅な下落等を背景に、それまで上昇した人々の物価感、いわゆる物価上昇率予想がまた落ち込んでしまったということが一つございますが、より大きな根源的な背景としては、やはり相当長期にわたる低成長ですとかデフレの経験を背景に、企業サイド、あるいは家計サイドも、物価、賃金は上がらないんだ、上がりにくいんだということを前提とする考え方、これをざくっと申し上げればデフレマインドということになるんだろうと思うんですけれども、やっぱり二十年掛けてこれを、定着したものを変えるのに相当時間が掛かっているということがやはり大きな要因かと思います。  それに加えて、ここ一、二年、私どもが大変注目しておりますのは、これ、言わば日本の企業の得意分野かと思うんですけれども、労働力不足を一つのきっかけに相当生産性上昇の取組が始まっておりまして、賃金やコストの上昇を、生産性向上、技術進歩、IT技術、あるいは事業再編を伴いながらコストを吸収すると、で、結果的に生産性上昇になるわけですけれども、そういう努力が目に見えて始まっておりまして、これ自体は日本経済にとっては明らかに良いことが起きているわけでありますけれども、これも物価を上げにくくする要因として作用し始めているように思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 消費税増税は別にして、経済というのは元々生き物ですから、デフレマインドの問題から、原油価格の問題から、いろんな外的要因で動くのは当たり前のことで、そういうことは、織り込むのは難しいかも分かりませんが、いろいろ想定してやっぱり目標というのは立てるべきであって、非常に、そもそもさっき申し上げましたけど、デフレを克服するというのは大事なことだということは思っておりましたけれど、原因といいますか原因の捉え方、金融政策の結果だみたいなのがありましたから、で、金融政策でやると、だから無理があったんじゃないかと。私どもは賃金デフレではないかということを主張してきたわけですけどね。  そういうのがあってなんですが、いずれにせよ、私が思うのは、二%という目標、二という数字が間違っているとかいうふうには思わないんですけれど、目標というものの立て方といいますか、位置付けといいますか、何というんですかね、それがちょっと違うんではないかと。  つまり、欧米のセントラルバンクの場合は、がんじがらめでどうしてもやるということじゃなくて、政策目標ではありますけれど、それはやれないこともあると。必ずいついつまでにやらなきゃいけないというようなちょっと何か命懸けみたいな、そんな目標ではないんですよね。  日銀の場合はなぜそういうふうに、もう自分で自分の首絞めていると今思うんですけど、その目標がですね、なってきたかというと、当時のインフレターゲット論、あれが強烈に影響してこんな目標の立て方になってしまって、それに縛られているんではないかというふうに思うわけです。  つまり、あのときは日銀がそんな政治家の圧力に屈しないと、速水さんから始まって、軽々しく金融緩和はできませんというような姿勢があって、その日銀に対してやれやれやれという政治的な圧力があって、言うこと聞かなければ総裁を辞めさせる、日銀法改正して解任権を持つということとかいろんなことがあったので、そういう質問をされる議員もいっぱいいたわけですよね。で、安倍内閣が復帰するときに、まさにインフレターゲット論を掲げて復帰されたと。  したがって、あのインフレターゲット論の議論がなければ、欧米のように政策目標は掲げてもいろんな要因でやらないこともある、まあ努力はしていくというようなものになったのが、本当に首が懸かったような目標になってしまったのはあのときのインフレターゲット論があるんではないかと、それにいまだ縛られているのではないかと思うんですよね。  そういうふうに考える必要はないんではないかと思うんですけれど、麻生大臣、いかが思われます。この二%にこだわってこだわってこだわって、やり遂げるまでもう今の政策やり続けるやり続けるやり続けると。どう思われます。もういいかげん、どうですかね、これ本当に。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは先生御存じのとおりに、この種の話、この種の話というか、この金融政策の話は、これはかかって、ちょっと財務省が口を差し挟むのは非常に問題が起きるところなんで、ちょっと発言としては御希望されるような答えを私の口から申し上げるわけにいかないんですが、少なくとも世の中、二%に行っていないからといって怒っている一般の庶民がいるかと。僕は一人もいないと思いますね、私の知っている範囲では。上がらなくて何が悪いのというのは普通の人の感情なんだと思いますがね。  したがって、この二%というのに、やっぱり最初に目標に掲げましたのでどうしてもそれをやらざるを得ないという形のものになっているんだと思いますが、そのためといってそればっかりが頭にこびりついちゃっているんじゃないかと言われると、ちょっと黒田さんの頭の中まで分解しているわけじゃないんでよく分かりませんけれども。  全体として、今おっしゃるように、ドラギ、ドラギって欧州銀行の総裁ですけれども、この人なんかの話聞いていても、先生と同じように極めてアバウトに、大体、大まか、大体っていう話で、物すごくきちんとしていない。頭にきてこれだけは絶対と言って、一・九九じゃ駄目で二・〇じゃなきゃ駄目だというような発想は全くありませんから、そういった意味では少し考え方を柔軟にやってもおかしくはないのではないのかという感じは率直私もいたしますけど、ちょっとこれから先は日銀の金融政策の話になりますので、差し控えさせていただきます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 本当に貴重な発言をしていただいたと思います。  このまま、二%があるものだからどんどんどんどんいろいろやっていこうとすると、もう何度も指摘されているように、ハイパーインフレになるのか、日銀の利払いが膨らんで大変なことになるのか、いずれにせよいいことはないというふうにみんな思っているわけですね。  だから、このままでいいのかということで、出口どうするんだという議論がさんざんされているわけですけど、私はもはや出口は見えない状況になっていると、もっと早く出口のことを考えるべきであったと思うんですけど。少なくとも、だからといってこのまま行っていいというわけじゃなくて、やっぱり正常化の方に踏み出して出口を探るということに入らなきゃいけないんじゃないかというふうに思いまして、前回、委員会でも紹介させてもらいましたけど、私、本書かせてもらって、雨宮さんに謹呈しようと思ったら既に買って読んでいただいたということで、さぞや気分を害されたと思うんですけど、日銀批判ですから。  ただ、提案も入っておりまして、正常化に向けて、まずやっぱり二%の呪縛から解かれなきゃいけないと。掲げてもいいんですけど、掲げるのはいいんだけど、どうしてもやらなきゃ、それまでやるとかじゃなくて、もう少し政策的なものに変えてもいいんじゃないかということと、もう一つ、一番大事なのは、国債の保有をどう減らすか、あるいは、後で申し上げますが、ETF、株をどう減らすかというときに、率直にもう市場関係者に協力を求めていくといいますか、もう対話を始めていくといいますか。国債も国内で保有されているのが多いうちに、今のうちに、国債の国内の保有者、機関投資家も含めて多いうちにそういう対話を始めていくことが重要ではないかというふうに思います。ちょうどあのJPモルガンのエコノミストの方ももうこういうことをおっしゃっていますね、将来の手じまいの道筋を市場関係者と正面から議論すべきときに来たと。JPモルガン、投資を促進するようなエコノミストまでもそういうことを言う、私と同じようなことをおっしゃっているわけでございまして。  今までサプライズばっかり狙ってきた日銀なんですけれど、これからは本当に対話に入って、堂々と恐れないで市場関係者と対話を、率直な対話に入ってやっぱり正常化の道に踏み出すべきだと思いますけれど、雨宮さんのお考え、聞きたいと思います。

雨宮正佳日本銀行副総裁

○参考人(雨宮正佳君) 御指摘のとおり、出口の局面になりますと、課題としては、金利水準をどうやって調整するか、オペレーション上どう対応するかということと、この増大したバランスシート、国債や株式の保有をどう処理するかという大きな二つの課題があるわけでございます。  私ども、政策手段としては、例えば保有国債の償還ですとかいろいろな短期オペレーションも利用しながら、対応は十分可能であるというふうに考えております。問題は、マーケットとうまくコミュニケーションしながらそうした手法をどうやって使っていくかということでございますので、その際にはマーケットのコミュニケーションが重要であるという点は先生御指摘のとおりだろうというふうに思っておりますので、いずれかの時点で今申し上げたような点に関する戦略や方針について、あるいは出口の進め方について情報発信していくということは必要であり、重要であろうと思っております。  ただし、これはあくまで、先ほど先生からいつ出れるか出れないかというお話がございましたけれども、やはり物価安定の目標、二%の目標が見えてきた段階で議論を始めるべきことであると考えておりまして、今の段階ではまずはこの物価安定目標の達成に全力を挙げていくことが重要であるというふうに考えておりますが、いずれそこの出口に向けた戦略や方針については適切に情報発信していく、あるいはコミュニケーションしていくことは必要であり、重要であるということは十分認識しているつもりでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ですから、二%を取り下げないと動きが取れないですよというふうに申し上げているわけでありまして、このまま続けていくようになっちゃうわけですね。  資料の二枚目ですけれど、国債よりも減らすに減らせない、売るに売れないのが株式、日銀が保有する株式ETFでございます。今、もう二十九兆円に膨らんできております。  ちょっと改めてお聞きしますけれど、これ何のためにETFそもそも増やして、保有を増やしてきたんでしょうか。

雨宮正佳日本銀行副総裁

○参考人(雨宮正佳君) もう先生御案内のとおりだと存じますけれども、ETFの買入れでございますが、現在の緩和政策の枠組みの一つの重要な要素として、株式市場のリスクプレミアムに働きかけることを通じて経済、物価にプラスの影響を及ぼしていくという観点から実施しているものでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 リスクプレミアム縮小の効果がどうなのかとかいろいろ聞きたいことはあるんですけど、要するにこれも、一月末ですか、株価急落したときに、まあ持ち直しましたけど、日銀が七百億ぐらいですか、後から分かって、株をETFで買い支えたと。その七百億ぐらいが全体を支えるだけの金額とは思わないんですよ。日銀が支えたと、今までも支えたと、これが、この効果が大きくて、金額じゃなくてね。それが続きますと、下がっても日銀が支えてくれるだろうということでまた買うと。要は、結果的に株価の下支えを、日銀が意識しているとまでは言いませんけれど、そういうふうになっちゃっていますよということは、やっぱり市場の価格形成をゆがめているという点で副作用として認識をもうちょっときちっと持っていただきたいのと、もう一つは、日銀自身がこの株を保有し続けますと、急落したときにやはり損失が生まれるわけですよね。  ちょっとお聞きしたいんですけれど、今、日銀が保有しているETFは、簿価の関係ですが、日経平均が幾ら以下になると簿価割れになるのか。これ、昨年九月末の公表値とか一定の条件の下でも結構ですから、日銀保有ETFが簿価割れになるのは日経平均が幾ら以下になったときなのか、ちょっと教えてもらえますか。

雨宮正佳日本銀行副総裁

○参考人(雨宮正佳君) 御指摘のとおり、私ども、上半期末及び事業年度末についてETFを含む保有有価証券の含み損益を公表しておりますので、現時点での公表資料が昨年の九月末ということでございますので、それを前提に申し上げますと、機械的に試算しますと、日経平均株価が一万八千円程度を下回ると保有ETFの時価が簿価を下回るという状況になるという試算でございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 つまり、一万八千円、日経平均下回ったら簿価割れになっていくということが、一つの仮定を置いたそのときの数字ですけれど、これは十分あり得ることで、いろいろ株価については不安材料出てきておりますから。  それで、どうされていくのかなと思うんですけれども、株価があの一月のようなことがぼんぼんと更に続いたり、やったときに、日銀は自分の、自らのためにも支えるということもあるかも分かりませんが、要するに金融の世界というのは、何といいますかね、楽観論というのは、暴落する前日まで楽観論が続くというのが金融の世界でありますので、急に訪れるわけですね。  そういう点でいくといろんなことを考えておかなきゃいけないわけでございますけれども、簿価を、日銀が保有するETFが簿価を割って損失が膨らんでいった場合、赤字転落といいますか、資本が減るということになると思うんですけど、どういう対応がなされることになるんですか。仮定の話で結構ですよ、これがずっと簿価が割っていった場合、どういう対応になるんですか。私が申し上げたのは、引当金積むというのはこれは当たり前の話で、それも超えての場合の対応としてどういうことが準備されるべきなんでしょうか。

雨宮正佳日本銀行副総裁

○参考人(雨宮正佳君) まず、御質問のETFの時価が簿価を下回った場合には、これは損失を積むことになるわけでありますけれども、日本銀行の収益は、このほか国債の利息収入ですとかETFの分配金等もありますので、どういう条件になると全体として赤字になっていくかというのはいろいろな要因によって決まってまいりますので、今の一万八千円がそういう状況になるということではないわけであります。ただし、収益については下押し要因になっていくわけでありますけれども、そのために私ども準備金というのを持っておりますし、そうした準備の範囲内で対応をするということがまず第一になると思います。  ただし、御理解いただきたいのは、私どもの目的は、何といっても物価の安定の下での経済の安定の発展に資するということが目的でございますので、あくまでこうしたバランスシートの問題、あるいは収益の問題もしっかり念頭に置きながら、まずは中央銀行としての使命達成を優先して政策運営をするということになろうかと存じます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 もう終わりますけれど、指摘だけしておきたいのは、国債の保有リスクもありますが、ある意味ではこの株の保有リスク、大変高いものがございまして、一遍に何兆円の損失を生むわけですね、場合によっては。そうしますと、国に対しては国庫納付金ができなくなる、あるいは日銀そのものが資本が減ると、政府が資本注入ということも最悪の場合あるわけですね。そういうことにつながっていく。そうなると、通貨の信認そのものも低下して非常に経済パニックを引き起こす可能性も、国債のリスクからだけじゃなくて株の保有からもそういう道筋はあり得るので、この株の保有については本当にこれも方向転換をよく考えていただきたいという点を指摘して、今日は質問を終わります。  ありがとうございました。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 最近、ツキディデスのわなという言葉をよく聞きます。御案内のように、古代ギリシャの歴史家ツキディデスが、当時の覇権国であったスパルタ教育でおなじみのスパルタ対新興国アテネの戦い、これをツキディデスのわなと名付けたのはグレアム・アリソン教授であります。  このツキディデスのわな、グレアム・アリソン教授の米中戦争前夜という本を読みますと、こういった新興国対覇権国の戦い、五百年間で十六回起こったと。そのうち、十二回が戦争に至った。米中関係というのは、まさにツキディデスのわなの典型例であるというわけであります。  先ほど来御議論のあります貿易戦争、米中のですね、これは当面妥協がなされるのかもしれない。しかし、相当これは根深い問題だなということですよ。  お手元に、中国、米国のGDP、PPPベースの推移という紙を配ってございます。  これはIMFや世銀の推計を財務省に作ってもらった資料でありますが、為替レートを決定する理論としては購買力平価というのはかなり無理がある。しかし、軍事力を比較するという指標としては適切であるとアリソン教授は言っているんですね。例えば、ロケットだ、ミサイルだ、軍事基地だ、兵隊さんのコストだ、こういうものは購買力平価で測った方がはるかにどれくらいの実力差があるのかよく分かるわけですね。  このグラフを見ますと、二〇一四年ないし二〇一三年にPPPベースのGDPが米中逆転をしていると。二番じゃ駄目なんですかと言えないのがアメリカ人ですよ。とにかく一番でなきゃいけないというので、アメリカ・ファーストの大統領が誕生する歴史的な背景の一つになっているわけであります。  一方、中国は、御案内のように、習近平主席が毛沢東路線に回帰していますね。共産党というのは言わば中国の官吏のシステムであると、そして、習近平さんが目指すのは世界に冠たる中華帝国であると。  相当この対立は根深いなと思いますが、このPPPベースの逆転グラフを見て、麻生大臣はどのような御所見お持ちでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) IMFとか世銀とか、購買力平価のGDPにおいて、先ほど言われたように中国が米国を逆転しているというのは承知をいたしております。  これは、中国が米国を逆転したというのは、これは中国の物価が経済規模に比較して比較的水準が低いということも考えられるんだと思いますが、購買力平価ベースのGDPについては、これは統計指標の一つとしては確かにそういうものがあるのは承知しておりますが、これは御存じのように、品目の選び方とかウエートの付け方とかいうのでこれ恣意性が伴いますし、また、いわゆる補助金等々によって、価格統制などの各国の政策というものの、何というのかな、原因等々が全く考慮されておりませんし、また、同じ種類の商品であっても品質が異なるということなどから、客観的に各国の経済力というものの指標として用いるのはこれは難しいと、基本的にそう思っております。  ただ、現実に用いられている為替レートによって米ドル換算にした場合においては、この名目GDPで比較をしていれば、これは間違いなく米国のGDPは中国を上回っているというのは現実だと思いますので、基本的には客観的な指標としてはこちらの方が信頼できるものではないかと、そのように思っております。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 中国の統計は、恐らく日本の統計よりもはるかにいいかげんなものだろうと思います。ただ、大きなトレンドは指し示しているだろうと。  この三十年間で日本の名目GDPは一・三倍であります。成長率、平均にならすと〇・九%。アメリカは三・六倍、ドルベースであります。平均成長率は四・四%ぐらいですね。中国は、まあ統計が正しいという前提ですけれども、五十二倍、人民元ベース。この差ですよ。何でこんな成長しない国になっちまったんだと。平成だからといって平らになる必要はなかったんですね、経済まで。  午前中の質疑で麻生大臣が述べられていたように、平成元年、消費税が導入をされたと。あのときは減税先行ですから、バブルの真っただ中でこれはうまくいくだろうと思いましたよ。直間比率の是正という構造改革でもあった。  ところが、呪われた消費税。その年、雨宮さんの大先輩の三重野総裁がなられて、いきなり金融引締めですよ。一般物価が上がっていないのに、資産価格のバブルを潰すんだといって金融引締めをやらかしてくれた。まあ、そこから先は解説を要しない。  二回目の消費税増税は九七年。私が一年生議員のときでした。既に不良債権問題がかなりシビアな状況の中で二回目の引上げを行った。その後は、大臣が御答弁されたように、デフレ経済真っただ中に突き進んでいくわけ。  先ほどの大臣の御答弁だと、デフレ対応を間違ったと率直に述べられておられました。アベノミクスになって積極財政、金融緩和の一体政策をやってこられたというわけでありますが、この三十年間の低成長、どう総括されますか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今、渡辺先生おっしゃいましたように、やっぱり発端はデフレ、資産のデフレーションというのが、やっぱりこの三十年間を振り返るとそういうことだったと思うんですが、やっぱり土地の神話に限らず、株価が飛んだ八九年の後も九〇年、九一年ぐらいまでまだ土地は上がっていますから、あの頃は少しずつ。これがはじけたのが九二年。神話と言われるものが飛んだのはこれだと思うんですが。  少なくとも初めての経験、一九三〇年代以来から初めての資産のデフレーションによる不況というのを経験したんですが、やはり先ほど言われましたように、名前出た三重野さんにしても我々の方の政府にしても、このときの対応を間違えたんだというのはやっぱり率直に認めた上でないとこの三十年間の話の説明は付かないと思うんですね、私は。やっぱりデフレにもかかわらずインフレ対策みたいなことをやったわけですから、金融引締めとか。それは明らかに間違えたんですよという前提でちょっと考えないと、この種の話はなかなか言われないので。先ほど、発行紙幣の数を見ても、圧倒的にずっと伸びているのは日本だけでというようなことになっていますので。  したがって、資産のデフレーションに起きたことによって、企業のバランスシートも、これは御存じのように債務超過を、土地を担保に金を借りている、株を担保に金を借りているところがほとんどこれはいわゆる債務超過という形になりましたので、債務超過になると金融機関としては金は貸せないという形になって、加えて、貸し渋りだ、貸し剥がしだというのがだあっと起きてきましたし、銀行自体も持っている資産もこれは債務超過に陥りかねないというようなことになりましたので、新規借入れというのはもちろん企業も抑制しましたし、金融機関も新規貸出しはもう全くということになって、結果としてそれがデフレが長期化するということになっていったという点は、これは反省せにゃいかぬ一番大きいこの三十年、二十数年間の話なんだと思っておりますので。  安倍政権になりましてからいわゆる三本の矢というものを立てさせていただいて、日銀の金融政策とか財務省の財政政策等々をいろいろな形で変えさせていただいて、成長戦略というので岩盤規制等々いろいろやらせていただいたということになって、今やらせていただいているんですが、デフレではないという状況にはなりつつあると、そこは私どももそう思っておりますけれども。  形としてはいろんなもので随分数字が上がってきていることは確かだと思いますが、まだまだそういった意味では、一番の問題は、やっぱり企業家、経営者側の方の、いわゆる長い間、金さえ持って、じっと持っておきさえすれば物価が下がっていく。それは、結果として企業の内容としては、じっとしている方が力を持つ、金を持つという形になっていった時代の名残というのはそう抜けなくて、その頃ひどい目に遭った課長さんとかそういう人たちが今ちょうどみんな社長やら何やらになってきて、銀行を見たときは、向こうの方はあのとき貸し剥がしたやつらが全部頭取にいるとなったら、それはあいつらには頭なんか絶対下げてやるか、金なんか借りるかと思うのが、元経営者としてはそういう意識になりますので、ちょっとそういった意識はかなりあるのははっきりしていると思っていますけれども。  結果的に、企業は自己資本でやる、自己資本でやるんだというので内部留保がどんどんたまっていっているという形になっているような形になっていますので、これをもうちょっといろんな形で政府の政策でいろいろやりながらも、そういった気分を、デフレマインドとかいわゆる、そういう英語があるのかどうか知りませんけど、こういった気持ちを少し変えていってもらうというのをもっと積極的にやってもらわない限りはなかなかこの種の気分は上がらないし、賃金をより多くというようなこともなかなか気分としてやらないというのが、このデフレというものが三十年、まあ三十年とは言いません、二十数年続いてしまった背景は多分そういうところではないかなと、私なりにそう思っております。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 私に言わせれば単純な話でありまして、増税やっちゃいけないときに増税をやった、金融引締めをやっちゃいけないときに金融引締めをやった、これに尽きますよ。早い話が、国家経営のイノベーションができない体質になっちまったと、それがこの一・三倍という数字に露骨に表れている。アベノミクス、私は評価をしますが、はっきり言って中途半端です。  二枚目のグラフを御覧ください。これも、先ほど来出ております景気動向指数、コンポジットインデックスのグラフであります。  大体、金融政策というのはタイムラグがあるんですね、効果の。さっき雨宮さんの答弁の中で出てこなかったのが消費税増税ですよ。麻生大臣がいるからって別にそんたくする必要はないのであって、何で言わないんですか、消費税増税でもって物価安定目標が達成できなくなっちゃったと。もうこれに尽きますよ。このグラフ見れば一目瞭然じゃないですか。せっかく財政金融一体政策をやろうというときに緊縮財政やるわけですから。大体二年掛かるわけですよ、金融政策の効果が出てくるのにね。それを一年目にして、物価も上がっていない、まあ上がり始めたけれども十分上がり切っていない、賃金はもっと上がっていないときにいきなり強制的に物価上げるわけですから、景気悪くなるに決まっているじゃありませんか。それが如実にこの景気動向指数、はっきりと出ていますよ。  大臣、どうですか、消費増税、金融引締め、これが三十年の低成長の背景にあるとお考えになりませんか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 平成元年のときの話にこれ遡っているんだと思いますけれども、このときの消費増税というのが非常に最初の引っかかりになったというのは確かなのかなと、これ数字の上かグラフの上ではそういうことになろうかと思いますけれども、少なくともそういったものの反省があったものですから、今回、消費増税というものを二度延期をするという形になった背景はそれだと思っております。  少なくとも、今の状況の中で、日本としてこれ今後、今の少子高齢化という状態でいわゆる勤労所得を払える人の数がどんどん減っていって、いわゆる年金を受け取る側の人の方がどんどんどんどん増えていって、かつてこの法律ができた昭和三十五年の頃には、国民皆保険ができたあの当時は勤労者六人に対していわゆる高齢者一人の比率が今二・四か何かで一になっておりますので、消費税のような形での間接税によって賄っていくことを考えないと、少なくとも所得を得ている勤労者だけにその負担を頼るというのは極端な形になりかねぬというのが、今の人口構成の比率から考えても、長期的にはこれ何とかせにゃいかぬという問題も一つ抱えていますので、それとのバランスの取り方なんだと思いますが、今の形としては、そういった状況をこのまま放置したままで更に借入金が増えていくというような形は断固ここは抑えにゃいかぬところかなというのが率直な実感です。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 税収弾性値を考えればいいだけの話なんですよね。要するに成長できる国家になればきちんと税収も増えると、それだけのことです。  時間がありませんけれども、雨宮さん、ちょっとアドリブ質問になって恐縮ですが、このグラフ見て、大体、金融引締めをやって、タイムラグを持ってピークが来て動向指数が下がっていると、長いときで一年から一年三か月ぐらいがピークで、その後下がっていると。というと、これ見ると、イールドカーブコントロールというのは金融引締めだった可能性が極めて高いと思いますが、いかがですか。

雨宮正佳日本銀行副総裁

○参考人(雨宮正佳君) まず、景気動向指数の推移ということで申し上げますと、それぞれの景気ピーク、景気の転換点については、政策のほか、国際経済情勢、あるいは国内の景気動向等、様々な要因が絡んでおります。  例えば、二〇〇〇年の当時は例の世界的なドットコムバブルの崩壊ということがございましたし、あるいは二〇〇七年、八年は御案内のとおりのリーマン・クライシスということもございましたので、恐らく景気を見る場合には政策効果あるいは世界経済の動向等も含めて総合的に考える必要があるだろうというふうに思っています。  その上で、日本銀行は、残念ながら金融政策でこの二十年間物価安定ということを達成できなかったということは事実でございますので、ここは当然反省点だろうというふうに思っております。  その上で、昨年のイールドカーブコントロールでございますけれども、その後も低金利の状況が続いておりますこと、あるいは金融機関の貸出姿勢が引き続きあるいは一段と緩和的になっておりますこと等を考えますと、全体としての金融環境は緩和的な状況が続いているというふうに判断しておるところでございます。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 とにかく、イールドカーブを立てるといってマイナス〇・二%をゼロにしたら、それは金融引締めというんですよ。だから、これはもう八十兆円の買取りに戻すということが大事なことであります。  続きは次回やらせていただきます。

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。麻生財務大臣。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げさせていただきます。  政府は、消費税率の引上げに伴う対応、デフレ脱却と経済再生の実現、国際的な租税回避への効果的な対応などの観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うため、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、消費税率の引上げに伴う対応等の観点から、住宅ローン控除制度の拡充、環境性能に優れた自動車に対する自動車重量税の軽減措置の見直し並びに揮発油税及び地方揮発油税の税率の変更を行うことといたしております。  第二に、デフレ脱却、経済再生を確実なものとするため、研究開発税制の見直し及び個人事業者の事業承継税制の創設を行うことといたしております。  第三に、国際的な租税回避についてより効果的に対応するため、国際課税制度の見直しを行うこととしております。  このほか、土地の売買等に係る登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うことといたしております。  以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

中西健治自由民主党・国民の声

○委員長(中西健治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三分散会

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