国土交通委員会 第16号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2019/06/04
会議録
○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、堀井巌君、二之湯武史君、若松謙維君及び山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として末松信介君、吉田博美君、矢倉克夫君及びこやり隆史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省土地・建設産業局長野村正史君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) 建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。 羽田委員長、酒井理事を始め理事の皆様方には、質問の機会を与えていただきまして、感謝を申し上げたいと思います。 私は、建設省、国土交通省で長年勤務をし、インフラ整備や災害対応、防災などに取り組んでまいりました。本日は、そうした経験を踏まえまして、建設業法、入契法の改正について質問をさせていただきたいと思います。 我が国では、昨年の大阪府北部地震や西日本の豪雨災害、台風二十一号や二十四号の災害、北海道胆振東部地震を始め、近年、激甚な災害が頻発をいたしております。このような大規模災害発生時に復旧復興の担い手として頑張っていただいているのは、地域の建設産業の皆さんです。お手元の資料一に写真を載せておりますとおりでございます。 災害の現地では、どうしても警察、消防、自衛隊、海保などの実動官庁の皆さんに注目が集まりますが、真っ先に現地に駆け付けて、崩れた土砂の除去、アクセス道路の確保、決壊した堤防の復旧など様々な緊急対応やその後の復旧復興の担い手として大切な役割を果たしているのは、地域の建設産業の皆さんです。 しかし、警察や消防、自衛隊の皆さんが本来公務として災害対応を実施するのとは違いまして、建設産業の皆さんは、日頃建設工事を行う中で利益を上げて、それによって体制を整え、いざというときに蓄積した技術力や機動力を発揮して対応をされています。また、災害時のみならず、日頃の河川、道路の維持管理や除雪の作業なんかも担っているのが地域の建設産業の皆さんであり、彼らの存在なくして地域の安全、安心は確保できないわけであります。その地域に住んで、災害対応の担い手、地域の守り手として機械力や技術力を駆使して頑張っている建設産業の皆さんの活躍を決して忘れてはならないというふうに思っております。 その建設産業の皆さんに災害時に迅速な対応をしていただくためには、行政が建設産業団体等と事前に協定を締結するなど、災害発生時に円滑に活動できる体制をあらかじめ確立しておくことが必要であります。さらには、迅速な応急対応を行うため、時間の掛かる一般競争入札ではなくて随意契約で直接契約することや、手続の簡単な指名競争入札を行うことも重要であります。 国土交通省では、一昨年、災害復旧における入札契約方式の適用ガイドラインを作成して、そのような契約が可能であることを発注者に徹底するように取り組んでおります。それを受けて、国や県などでは随意契約により迅速に契約を行う取組がかなり進んできたところもございますけれども、市町村や一部の県では、そうしたことの徹底がなされておらず、残念ながら迅速な取組がおろそかになっているような、そういう状況も見受けられます。 まず、伺います。 災害対応の担い手、地域の守り手である建設産業が災害時に迅速に対応できるように国土交通省として今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
○政府参考人(野村正史君) お答えを申し上げます。 被災地の早期の復旧復興のためには、災害復旧工事を発注するに当たって早期かつ確実な施工が可能な者を短期間で選定することが重要でございます。このため、国土交通省では、今御指摘がありましたとおり、平成二十九年七月に、工事の緊急度や実施する企業の体制などを勘案して、随意契約や指名競争入札などの適切な入札契約方式を選定する基本的な考え方を示した災害復旧における入札契約方式の適用ガイドラインを策定し、直轄工事において本ガイドラインの適用の徹底を図っているところでございます。さらに、これを、地方公共団体に対しても、このガイドラインを参考とすること等について、総務省と連名で通知を発出して周知徹底を図っているところでございます。 また、災害発生時における迅速な復旧を図るため、あらかじめ建設業者団体が地方公共団体などと災害協力協定を締結していくことも重要でございます。本法案におきましては、建設業者団体が災害復旧工事の施工に必要な地方公共団体等との調整に努めるべきことを建設業法に規定することとしておりまして、公共発注者との事前の災害協定の締結が促進されることで、より適切かつ迅速な災害対応が可能となるものと考えております。
○足立敏之君 ありがとうございます。 災害対応では初動が大事です。建設産業の皆さんが迅速に応急対応に着手できる体制をあらかじめつくっておくことが大事です。それをより確実なものとするために法的な規定が必要と考えますので、よろしくお願いしたいと思います。 さて、昨年度は、先ほども申しましたが、西日本豪雨災害や北海道胆振東部地震を始めとする大規模災害の復旧復興のための補正予算、重要インフラの緊急点検を踏まえました三か年緊急対策に対応した補正予算など、公共事業予算の大幅な増額が実現されました。資料二に示したとおりでございます。 建設産業の分野にとりましては、工事量が大幅に拡大されることは大変有り難いことであります。しかし、一方で、そうなると、それらの工事量に対応して入札、契約が順調に行われているか、そういったことに対する心配の声が出てまいります。 最近の入札、契約の状況について何か問題は出ていないか。特に、工事量が増えたことによって不調、不落等が増加しているとの懸念もありますけれども、実際にはどのような状況なのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。 国土交通省直轄工事における平成三十年度の不調、不落の発生状況については、年間平均の件数ベースで一一・九%となっております。地域別では、建築投資が旺盛な関東地方や沖縄地方、昨年度、災害で大きな被害を受けた中国地方など一部の地域において不調、不落が比較的多く発生していますが、こうした地域を除けばおおむね例年どおりとなっております。 また、不調、不落が発生した工事においても、再公告などを行うことにより、おおむね調達に至っております。
○足立敏之君 ありがとうございました。 心配しておりました不調、不落の問題ですけれども、特定の地域を除いては大きな問題を生じていないというふうに判断していいのではないかというふうに思います。入札、契約の状況につきましては引き続きしっかりと推移を見守っていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 さて、入札、契約の面で大きな問題は生じていないということではございましたけれども、地域によっては人手不足で困っているのではないかという声も聞こえてまいります。 先週三十日、木曜日に、東京オリンピックのメーン会場である新国立競技場、この建設現場を視察させていただきました。驚いたのは、そこで働いている方々は現在三千人というようなことでございまして、本当にたくさんの皆さんが、それも技術者のみならず技能者、多様な分野の技能者の皆さんがおびただしい数働いておられるということでございました。オリンピック・パラリンピックを迎える東京では、このように建築分野を中心に需要が大幅に拡大しているというふうに考えられます。 一方、激甚な災害が発生した岡山、広島など西日本豪雨の被災地でも人手不足の傾向が指摘されています。しかし、私が全国各地に伺いまして、地方の生の声、特に建設産業の皆さんの声をお聞きしますと、人手不足よりも仕事不足という地域がたくさんあります。 資料三、お手元の資料三でございますが、これは建設保証会社のデータなんですけれども、東京や岡山、広島などでは公共工事が増大していますけれども、他の地域では減少傾向にあり、公共工事の偏在が顕著になっております。 また、資料四、次のページですけれども、この資料によりますと、公共事業関係費はここ二十年で〇・四六と半減しているのに対しまして、建設業の従事者は〇・七六ということで、公共工事ほどは減少はしていません。そうしたことからすると、地域的偏在や分野的な偏在はあるにしても、全体としての需給ギャップは必ずしも厳しいという状況ではないというふうに考えてもよいのではないかというふうに思います。 国土交通省として、人手不足の懸念についてどのように認識しているのか、お答え願います。
○政府参考人(野村正史君) 建設業の担い手の現状につきましては、建設技能労働者の過不足率という点で見ますと、今御指摘もありましたとおり、大規模な災害からの復旧復興工事が続いている中国、九州地方や建設投資の旺盛な都市部などの一部地域においては人手不足感が強くなっておりますけれども、全国的に見れば足下では工事の施工を担う人手はおおむね確保し得る状況にあると認識しております。 また、事業量について見ますと、これも今御指摘がありましたとおり、例えばオリンピック関連工事などにより建設需要の大きい東京都などでは大きく増えているところも見られますが、一方で、工事の分野や地域によって、大型プロジェクトの終了や復旧復興事業のピークアウトなどにより、御指摘のとおり、仕事が不足しているという声もあるものと承知をしております。
○足立敏之君 ありがとうございます。 人手不足についても、非常にそういう声が大きいようにマスコミでも報道されておられますが、実際のところ今御説明のあった状況ということで一安心したところでございます。今後、人手不足についても、懸念についても、最新データに基づく正しい情報発信を国土交通省で行っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ところで、人手不足との懸念のある地域では、私の経験上も、発注件数の増大に対応するために、発注する個々の工事の大きさ、サイズ、すなわち発注ロットを拡大するとか、あるいは、出先の発注機関の権限を拡大して、大きな予算規模の工事でも地方の出先機関で発注できるようにするなど、発注時の工夫を進めまして発注手続の円滑化を図ることが大事だというふうに思っております。 一方、被災地では、資材が手に入りにくくなっていたり、様々な物資の流通が滞っていたりする場合があります。また、人手不足で人件費が高騰している場合もないわけではないと思います。そのような際には、最新の単価や見積りを活用することなどによりまして適正な予定価格を設定することが必要であります。 発注者の責務として、地域で頑張っている建設産業の皆さんが報われたというふうに感じることのできる発注や入札、契約に努めるべきと考えます。発注についてもお詳しい石井大臣の方から見解を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 地域の建設業は、社会資本整備の担い手であると同時に、災害時には最前線で地域社会の安全、安心の確保を担う地域の守り手として重要な存在と認識をしております。 こうした地域の建設業が持続的に活躍できる環境を整えるため、国土交通省におきましては、企業が適正な利潤を確保できるよう、予定価格の適正な設定、ダンピング対策、適切な設計変更、施工時期の平準化等に取り組んでおります。また、地域の建設業の受注機会の確保の観点から、分離分割発注を徹底するとともに、入札の参加要件におきまして、会社の本支店、営業所の所在地などの地理的条件の適切な設定、総合評価落札方式における災害時の活動実績や表彰等の加点評価、災害等緊急的な工事を実施した場合には工事成績への反映等に取り組んでいるところでございます。 今後とも、建設企業が将来にわたって地域の守り手としての役割を担えるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○足立敏之君 大変きめの細かい対応、ありがとうございます。 建設産業の皆さんには、被災地のみならず地方においても本当によく頑張っていただいているというふうに思っております。彼らの頑張りに応える入札、契約に努めていただくようにお願いを申し上げたいと思います。 さて、年度予算という考え方に縛られまして、特に市町村の発注においては、発注事務の遅れなどもありまして、いつ発注しても工期が三月三十一日ばかりというような状況がよく見受けられます。それに伴い、工事のピークが集中するだけではなくて、受注者に無理な工期を強いるようなケースも見受けられます。一方的なしわ寄せが受注者に来て、休日がないとか長時間労働が常態化するなどの問題が生じています。働き方改革という観点からは、こうしたことを是正することが必要です。 また、最近では週休二日への対応も求められております。先週三十日に伺いました新国立競技場の工事現場では、夜二十時には閉所する、それから日曜日には閉所というような、めり張りの利いた勤務体系を取っているというふうに伺いました。こうした現場を挙げての対応が大事だというふうに思います。 なお、各現場で働き方改革を進めていくには、発注者サイドでの工事の施工の時期の平準化、工期設定の適正化などの取組が必要であります。資料五をお配りしましたが、これで、国、都道府県、市町村の発注者ごとの工事の施工の状況が分かりますけれども、国では工事の平準化が進んでいるというのが分かります。 工事の施工の時期の平準化や工期の適正な設定について、国土交通省の直轄事業が範を示して先導的な取組を進めていくべきと考えますが、現状どのような取組を進めているのでしょうか。 また、取組の遅れている市町村、地方公共団体において、今後どのように平準化や工期の適正化のための取組を進めていくつもりなのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) まず、国土交通省直轄工事におきましては、適正な工期を設定するとともに、国庫債務負担行為の活用などにより施工時期の平準化の取組を進めているところであります。 一方、地方公共団体におきましては、国土交通省が調査を行った平成三十年度の債務負担行為の活用や柔軟な工期設定等の取組状況を見ますと、都道府県では取組が進んでいるのに対しまして、市区町村では、取組を実施している団体は増加基調にあるものの、いまだ低い水準にあると考えております。 このような状況を踏まえまして、この法案では、入札契約適正化法を改正しまして平準化の取組を規定することにより、特に地方公共団体の平準化の取組を促進することとしております。具体的には、入札契約適正化指針に公共発注者が取り組むべき事項として施工に必要な工期の確保や施工時期の平準化を図るための方策を定めることによって、地方公共団体などに努力義務を課すとともに、国から地方公共団体に対して必要な措置を講ずるよう要請することや、地方公共団体から取組状況の報告を求め、それを公表することが可能となります。これによって、地方公共団体が自らその現状を把握することが可能となりまして、その推進に大いに有効になると認識しております。 国土交通省といたしましては、引き続き、施工時期の平準化や適正な工期の設定に積極的に自ら取り組むとともに、様々な場面を通じて地方公共団体に対しても働きかけてまいりたいと考えております。
○足立敏之君 ありがとうございます。 建設業が魅力ある産業となるためにも、働き方改革は必須でございます。是非とも、発注者、受注者が総力を挙げて取り組んでいただきますよう、お願いを申し上げたいと思います。 ところで、五年前の平成二十六年度に建業法、入契法の改正が行われましたときには、私は国土交通省の現役として担当をさせていただきました。当時、担い手三法ということで、公共工事の品質確保の促進に関する法律、すなわち品確法の改正を建業法、入契法の改正と併せて議員立法で行っていただきました。その際、適正な予定価格の設定やダンピング対策を改正内容に盛り込み、特に受注者が適正な利潤を確保できるようとの画期的な規定が盛り込まれまして、建設産業界から大きな称賛の声を集めました。その結果、歩切りの根絶やダンピングの防止などの具体的な成果も上がっています。 しかし、前回の改正からもう五年が経過し、頻発する災害への対応だとか働き方改革への対応、生産性向上への対応など様々な新しい課題が発生してきています。それに加えまして、工事の上流側の調査、測量、設計などの分野では、近年の災害の頻発を受けて災害対応業務が激増しています。資料六でございますが、災害現場で頑張る測量設計業ということでございますけれども、ここに示しているとおりでございます。 さらには、この分野では技術革新が非常に目覚ましく進んでおります。例えば、UAV、ドローンとかですね、衛星画像、レーザープロファイラー等による三次元データを活用した災害時の被災情報の収集、分析、BIM、CIMなどの施工管理、維持管理、IoTを活用した構造物の点検、分析など、従来に比べても格段の進歩が見られます。 国土交通省では、石井大臣の命令一下の下でi—Constructionとして取組を進めてございますけれども、特に調査、設計、測量の分野の技術革新についてどのように評価をされているか、伺いたいと思います。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。 国土交通省では、人口減少社会を迎えている我が国において、働き手の減少を上回る生産性の向上と担い手確保に向けた働き方改革を進めるため、建設現場においてICTの活用や施工時期の平準化等を進めるi—Constructionを推進しているところでございます。 今後、更なるi—Constructionの推進には、施工のみならず、調査、測量、設計分野の技術革新が重要であり、これまでも、空中写真を用いて三次元測量を行うための運用基準を定めたUAVを用いた公共測量マニュアル案の新設やCIM導入ガイドラインの改定など、新技術導入のための環境整備に取り組んでまいりました。 この結果、例えば車に積んだ車載レーザーの活用による測量等作業の効率化、災害現場でのドローン活用による被災状況調査の迅速化、BIM、CIMの活用拡大、水中部の計測が可能なグリーンレーザーをドローンに搭載し洪水後の河川への土砂堆積状況の把握等河川管理の効率化など、新技術の開発、導入が着実に進んでおり、地質調査、測量設計、建設コンサルタントの皆様方に積極的に取り組んでいただいているところでございます。 こうした取組を通じて、調査、設計、測量の現場の生産性向上を加速化し、給料が良い、休暇が取れる、希望の、期待の持てる、魅力ある現場の実現に目指してまいります。
○足立敏之君 ありがとうございます。技術革新を支えている皆さんに心から敬意を表したいというふうに思います。 こうした状況を踏まえまして、現在、建業法と入契法と併せて、新担い手三法ということで、品確法の改正の手続に各会派の皆さんと協力して議員立法という形で進めさせていただいております。 具体的には、災害時の緊急対応の充実強化、働き方改革への対応、生産性の向上への取組の強化などの項目について新たに品確法に規定することといたしております。 さらには、先ほどもありましたけれども、調査、測量、設計などの分野の業務が建設工事の品質確保のためにより重要性が増していることも踏まえまして、今回、品確法の改正で測量設計業や地質調査業、建設コンサルタントなどの皆さんの業務も品確法の対象となることをより明確に規定することとしています。 こうした動きに対しまして石井大臣はどのように評価されているか、伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 今般、議員立法による公共工事品質確保法の改正案が提出されており、公共工事における受発注者の基本的な責務として、適切な入札契約方法の選択による災害時の緊急対応強化、適正な工期設定等による働き方改革の推進、情報通信技術の活用による生産性の向上などが規定されていると承知をしております。 国土交通省といたしましては、これらの基本的なスキームが法律に位置付けられることによりまして、随意契約、指名競争入札の活用による迅速かつ円滑な災害復旧の実施、債務負担行為や繰越明許費の活用による施工時期の平準化や建設生産プロセスにおけるICTの活用などによるi—Constructionの推進などの具体的な取組が促進されると期待をしております。 建設投資の約四割を担う公共工事の品質確保の重要性に鑑み、これまで議員立法で公共工事の受発注者に向けて基本的な責務を唱えてきた公共工事品質確保法が政府提出の建設業法及び入札契約適正化法の改正案とともに改正されれば、働き方改革、生産性向上といった建設産業を取り巻く環境の改善がより一層前進していくと期待をしております。
○足立敏之君 ありがとうございます。 大臣からも高く評価いただき、感謝を申し上げたいと思います。是非とも、建業法、入契法の改正と併せて品確法の改正についても早期に実現できるよう、議員立法でございますので、国交委の先生方にもよろしくお願いをしたいと思います。 最後の質問です。 二十一日の国土交通委員会で、共産党の山添議員から国土交通省の人員の確保の必要性について御質問がありました。私も同感であります。 国土交通省では、災害が頻発する中、資料八、資料九にも示しましたけれども、テックフォースの派遣の頻度が増加するとともに、復旧復興のための発注業務や緊急三か年対策の発注業務も増大をしております。また、本日御審議いただいております建業法、入契法、さらにはこれから出てきます品確法、こういった面での指導、技術者が不足している自治体の入札、契約の指導に国交省のメンバーが直接当たらざるを得ません。 国土交通省では、これまで政府の定員削減方針に基づきまして長年人員が削減されまして、資料十に示してございますが、特に地方整備局、北海道開発局など出先機関では大幅な削減がなされてきました。職員の個々の努力で削減された人員をカバーするのは既に限界に来ておるというふうに思います。私自身、国交省の出身ですので、なるべく発言はこれまで差し控えてまいりましたけれども、国交省の実情を考えますと、これまでの人員削減を反省し、この辺りで大きくかじを切って人員増の取組を進めていく必要があるのではないかというふうに思います。 この委員会には、国土交通省の実情をよく御存じの委員の先生方がたくさんおられます。羽田委員長は元国土交通大臣でございます。末松委員は元副大臣でございますし、高橋委員、室井委員、中野委員も皆さん元政務官というポストを経験されてございます。その他の委員の先生方も、国土交通分野と長らくお付き合いがありまして、大変国交省の厳しい状況をよく御存じのところだというふうに思います。 こうした国土交通省の人員確保や組織の充実強化などについて、長らく国土交通省で勤務をされました経験のあります石井大臣からもお考えをお聞きしたいというふうに思います。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省の現場を支える地方整備局、北海道開発局は、従来からの直轄の社会資本の整備や管理に加えまして、老朽化対策、近年頻発する自然災害への対応など、その役割が増しており、地域からの期待も大きくなっているものと認識をしております。 一方、定員合理化計画等によりまして、国土交通省発足以降、年平均約三百六十人、十八年間で約二割もの定員が純減をしておりまして、大変厳しい定員状況にあります。 特に、老朽化対策や災害時の初動対応等、現場の最前線を担う事務所、出張所の職員が大幅に減少しており、また、四十代以上の職員が約八割を占め、中堅、若手職員が極端に少ないという偏った年齢構成となっております。このままでは、国民の生命、財産を守り、安全、安心を確保するという地方整備局等の使命を果たすことが困難となるものと考えております。 国土交通省といたしましては、今後とも、災害からの復旧復興や国土強靱化など政府の重要政策を確実に実施していくため、必要な定員を確保すべく最大限努力してまいる所存でございます。
○足立敏之君 ありがとうございました。 建設産業については、災害対応の担い手、インフラ整備、維持管理の担い手であり、貴重な地域の守り手でもあります。決してなくなってはいけない、なくすわけにはいかない大事な産業であります。その持続的発展に向けまして、工事量の計画的確保と、仕事をすれば必ず利潤が生まれる環境をつくり上げていくこと、この二点が必要でございます。 建設産業は、これからも若者たちが将来を委ねたいと考える未来のある産業として、魅力のある職場としてなければなりません。そのために、かつて言われたような3Kですね、きつい、汚い、危険、そういった産業ではなくて、新しい3K、給与が良くて、休暇が取れて、希望の持てる産業、そうした産業に向け努力を重ねて、建設産業を魅力ある産業として再生していくことが必要だというふうに思っております。 国土交通省についても同じだと思っておりまして、国土交通省も、私が入省していた頃に感じていたブラック的な企業というか、そういうような職場ではなくて、将来に夢を持てる、魅力のある役所であり続ける必要があるというふうに思っております。そうでなければ優秀な若者が入ってくるはずはありませんし、そのためにも、これからも引き続き、石井国土交通大臣の力強いリーダーシップの下に、国土交通委員会の先生方のお力もお借りして、必要な組織、定員を確保し、未来のある、夢のある魅力的な職場となっていくよう心からお祈りを申し上げまして、質問を終えさせていただきます。 以上です。
○野田国義君 立憲民主党の野田国義です。 公共工事の入札及び契約ということになりますと、今、建設省OBの足立先生の方からいろいろ話がありましたが、私自身思い出すのは、市長時代、朝、市長室に入ると、職員が追いかけるように来まして、札を入れてくださいと。いわゆる、入札価格をそこで決めて札を入れるということが十六年間繰り返されたわけでありますけれども、私、この入札、契約、本当に重要な任務だと思っております。 そこで何が求められるかというと、やっぱり一番大切なのは、公正さ、そして透明であること、このことが私は一番求められるし、己自身を律していかなくてはいけないと、そういう思いでやらせていただいたところでございます。 最近、森友問題を始め、改ざんとか隠蔽とか、この間も判決があっておりましたけれども、大阪地裁ですか、そういうようなことがないようにしっかり国土交通省として取り組んでいただきたいなと、そういう要望をしながら質問をさせていただきたいと思います。 まず、これ、何度も質問をさせていただき、また、現場に行きますと、本当に、我々の賃金が上がらないと、職人のですね、そういう声を聞くわけでございます。いわゆる公共工事の設計労務単価、本当に皆さんの御尽力によりまして七年連続で引き上げられたわけでございますけれども、引上げが本当に下請の建設企業まで行き渡っているか、建設現場で働く技能者の賃金上昇につながっていくということがこれは最も大切なことではなかろうかなと、そのように思っているところでございます。 それで、私、資料を二枚出させていただいているところでございます。そうですね、民間の方から見ましょうかね。四十四人の回答、そして、これ平均年齢が四十一・九歳ですか、平均賃金が一万三千七百二十七円。これは四月八日に、ここに書いておりますように、福建労さんがいわゆる抜き打ちで建設現場に行って、職人の方に数字を聞いたそうです、幾ら大体もらっておられますかと。そうしましたところ、こういうことなんです。 今、民間が一万三千七百二十七円。そして、もう一枚の方が公共工事でございまして、二十二人の回答者で、平均年齢が四十歳、そして平均年数が十七年ですか、そして平均賃金がこれはまた一万三千円切っているんですね。一万二千六百十九円というような聞き取り調査の結果が出ていると。これも本当、リアルに、直接聞いた数字だそうでございます、四月八日にですね。 これを見ても明らかなように、七回も、七年連続で上げていただいた、本来だったら五五%ぐらい上がっておかなくてはいけないこの賃金がなかなか現場の方々まで及んでいないという、この実態が非常に私問題であろうと思っているところでございまして、この建設労務単価の引上げの効果についてどう、七回上げたけれども、評価を国交省としてされているのか。そして、技能者の賃金上昇に向けてどのような今後取組を、今後じゃなくて今までですね、そしてまた今後ともどういう取組を行おうとされているのかということで御質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省におきましては、公共工事設計労務単価につきまして、平成二十四年度に法定福利費を反映させる形で引上げを行って以降、本年二月の直近の改定まで七年連続で引上げを行ってまいりました。 一方、厚生労働省が行っております賃金構造基本統計調査におきましては、建設労働者の賃金が六年間で一八%上昇しており、こうした賃金の上昇傾向は、この間の建設投資の堅調な推移に基づく技能労働者需要の増大と相まって、労務単価の引上げの成果が効果を現しつつあるものと考えております。 国土交通省といたしましては、労務単価の引上げが現場の技能労働者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう、法定福利費の確保と社会保険の加入の徹底を図るとともに、繰り返し建設業関係団体に対しまして適切な賃金水準の確保を要請をしてまいりました。 この結果、業界団体側の自主的な取組といたしまして、例えば、日本建設業連合会では下請業者の見積りを尊重する労務費見積り尊重宣言が行われ、全国建設業協会では労務単価改定分を下請契約に反映する単価引上げ分アップ宣言が行われるなど、業界全体で技能労働者の賃金水準の確保に取り組んでおります。 また、この四月から、技能者の就業履歴や保有資格を業界横断的に蓄積をする建設キャリアアップシステムが本格運用を開始をしております。今後も、技能や経験に応じた適切な処遇が実現するよう、システムの普及拡大と能力評価基準の整備などに努めてまいります。 今後とも、技能労働者の適切な賃金水準の確保に向けまして、官民一体で取り組んでまいりたいと考えております。
○野田国義君 ありがとうございました。 しっかりと、指導をするだけじゃなくて、報告をさせるというか、ちゃんとやっているというようなことで、そういうところまで突っ込んだ指導と申しますか、そういうのをやっていただきたいなと要望をさせていただきたいと思います。 それから二番目に、許可基準の緩和についてお伺いをさせていただきます。 営業業務管理責任者は、建設業の許可要件の一つであり、財産的基礎と併せ常勤役員等に一定の経験を求めることで経営の安定性を確保するという考え方に基づいて設けられたものであり、暴力団関係者や施工能力のない業者など不良不適格の事業者の排除など、実質的な機能も果たしてきたと私は考えるところであります。 この度の改正で経営業務管理責任者に関する規制を緩和することとした理由はなぜか、また、経験年数の短縮などは考えられなかったのか、さらには、この緩和により不良不適格業者を招くことはないのかということで、御質問をさせていただきます。
○政府参考人(野村正史君) お答えをいたします。 建設業の許可におきましては、これまで、適切な経営業務の管理能力を、許可を受けようとする建設業に関し五年以上の役員等の経験を有する者を配置するという、言わば個人の経験を要件にすることによって担保しておりました。 今回の法案では、これらの要件が建設業の実情に照らして厳しい要件となっていて、今後の建設業の事業承継等の障害になると懸念をされたことなどから、従来の制度を見直して、建設業者の組織全体の体制によって会社の経営管理能力を担保することとしたものでございます。 ただ、建設工事は一品ごとの注文生産でありまして、一つの工事の受注ごとに、その工事の内容に応じて資金の調達、資材の購入、技術者等の配置を行う必要があるなど、他の産業とは異なる経営能力が必要とされるところでございます。 このため、建設業者が適切に経営業務を管理する能力を有しているかという点につきましては、引き続き建設業の許可に当たって重要な観点であると考えることから、今回の改正では、相応の役職を相応の年数経験した者を役員等として配置した上で、この者を適切に補助できる能力を有する者を役員を補佐する相応の役職に配置することなど、建設業者として適切な経営管理責任体制を有することが確認できるように省令において基準として定めてまいりたいと考えております。 そして、不良不適格業者が参入することがないよう、許可の審査に当たってもこの許可基準の適切な運用に努めていきたいと考えております。
○野田国義君 どうぞよろしくお願いをいたします。 三番目で、事業承継の規定についてお伺いをさせていただきます。 本法案は、事業承継に関する規定を創設し、これにより事業譲渡や合併等に伴う新たな許可取得までの空白期間を解消し、円滑な事業承継を可能にしているところでございますが、法案では、譲渡人と受取人が一般建設業と特定建設業といった許可が異なる場合等において、創設されるいわゆる承継制度の適用が認められていないこととされております。 この理由はなぜか。少なくとも、譲受人が特定建設業の許可を受けている場合は事業承継を認めても問題ないのではないかと私自身は思うところでございますけれども、建設省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) お答えをいたします。 特定建設業というのは、一定金額以上請け負った工事を更に下請契約を締結して施工するという場合に取得が求められる建設業なんですが、この一般建設業と特定建設業では専任で置くべき技術者の要件が異なっております。そして、今、事業譲渡、事業承継の場合のお話がありましたけれども、例えば同一の建設業、同一業種の建設業について、譲渡や合併などの結果、一般建設業の許可と特定建設業の許可が同一事業者に重複してしまう場合には、どちらの許可を営むことになるのか外形上必ずしも直ちに明らかとはならないということもありまして、そのままでは承継できることとはいたしませんでした。 ただ、特定建設業と一般建設業が承継後の建設業者に重複する場合は、特定建設業を引き続き営もうとすることが通常と考えられますので、その場合は、一般建設業の許可を持っている建設業者があらかじめこの許可を廃業しておけば、そこはもう一般がなくなりますので、今回の規定を利用した承継を行って特定建設業者として営業を行うことが可能という、ちょっと手続上の工夫なんですけど、そういったことが可能でございます。 こういう取扱いもあることを建設業者に対して十分周知していくことによって、同一の建設業について一般の建設業の許可と特定の建設業の許可が混在する場合においても円滑な承継が行えるように配慮してまいりたいと考えております。
○野田国義君 ちょっと理解が難しかったんですけれども、よろしくお願いいたします。 それでは四番目、最後になりますけれども、建設業者団体の責務の追加について、現状では既に多くの地方公共団体と建設業団体との間で災害協定が結ばれており、災害時における協力体制が築かれているところでありますが、法案では、建設業者団体の責務として、災害が発生した場合における復旧工事の円滑かつ迅速な実施を図るための地方公共団体等の関係機関との連絡調整について新たに努力規定を追加する理由はなぜなのか、ちょっと私分からないので、このことについてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 災害が発生した場合に、当該災害を受けた地域における公共施設等の円滑かつ迅速な復旧が図られるように、あらかじめ建設業者団体が地方公共団体などと災害協力協定を締結しておくことや、あるいは災害に際して対応可能な会員企業の情報提供やあっせんを行うことは、これは非常に重要なことであると考えております。 今回、建設業者団体が災害時に果たす役割を法的に位置付けることで、一層円滑な災害対応が図られることを期待するものであります。また、災害からの早期復旧という社会的に重要性の高い業務を建設業者団体が実施していることを法律に明記することによって、建設業界が地域の守り手として重要な役割を担っていることの社会的な認知を高めるとともに、そこで働く建設業界の方々に誇りを持って仕事をしていただける効果も期待しているところでございます。
○野田国義君 質問を終わりますが、この建設業法、時代とともにいろいろ変えなくちゃいけないところもあろうかと思いますけれども、最初に申し上げましたように、しっかりと公平公正、そして透明性を持った入札、契約が行われることを望みたいと思います。 ありがとうございました。
○増子輝彦君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の増子輝彦です。 今回の法案の改正に当たって、改めて、私もずっと振り返ってまいりますと、一九九〇年に初めて衆議院に当選したときからずっと建設業関連で言われてきたことが今日も余り変わらないなと、そんな気がしております。 公共事業の平準化、これも依然として業界団体の強い第一番目の要望のように伺っておりますし、入札制度の改革、あるいは長時間労働の是正、災害時の対応、対策、そして公共事業と民間事業の格差の是正、元請と下請の関係等々、いろいろとあるわけであります。 当時は、まだ労働力については比較的、農家の皆さんが、農村の皆さんが建設業に入ってきたということで比較的労働力不足ということは余り感じられませんでしたが、その後の、これは小泉さんの改革によって公共事業を減らされた後、大分もう農村に戻ってしまって、その後、担い手不足や労働力不足ということも現実になってまいりました。今回、労働力、担い手不足は、外国人労働者を受け入れるということで少しは是正されていくのかなと、そんな気がいたしているわけであります。 いずれにしても、今回の法改正の中で幾つかの点について議論をさせていただきたいと思いますし、また国交省としての考え方を明確に打ち出していただければ有り難いと思いますので、これから質問させていただきたいと思います。 まず、今回の大きな改正の一つは働き方改革についてでありますけれども、建設業は、就業者の高齢化が著しく、一方で若い入職者が少ないなど担い手確保が大変急務となっていることはもう御案内のとおりであります。一方で、建設業は他産業に比べて長時間労働が多く、休日も少ない、こんな課題を今もって抱えているという状況で、今回の改正は建設業の長時間労働を是正して働き方改革を進め、担い手確保を図ることが大きな目的の一つであります。 当然、このことを含めて、建設業の現場を支える技術者、技能者の長時間労働の現状や課題について今どのように認識しているのか、見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) お答えをいたします。 数字を挙げて御紹介をさせていただきます。 まず、建設業における二〇一七年度の年間の実労働時間の平均は二千五十四時間となっておりまして、全産業や製造業と比べても長い状況でございます。それから、他産業ではここ十年ほどの間で労働時間の短縮が進んできている中、建設業は横ばいで推移している状況にあります。年間の出勤日数についても建設業は年間二百五十二日と、全産業の平均や製造業と比べて高い水準にあります。さらに、休日の状況について見ますと、例えば労働組合のアンケートによると、これは技術者、エンジニアのデータですけれども、技術者では九・五%しか週休二日を取得できていないという、そういう状況にあります。 これらの長時間労働の是正など建設業の働き方改革につきましては、何よりもまず発注者の理解と協力を得ながら進めていくことが喫緊の課題と認識してございます。 建設業における時間外労働の上限規制が二〇二四年四月から適用されることに向けて、更なる取組を加速化させることが今非常に求められております。そのため、工期に関する基準の作成や、著しく短い工期による請負契約の締結の禁止などを内容とする本改正案を本国会に提出させていただくこととしたものでございます。
○増子輝彦君 今の局長の答弁のとおりで、私も大変厳しい環境の中にあると思っていますし、今、工期についての答弁がありました。 この工期について、建設業は受注産業であり、現場では何よりも工期の遵守がこれ求められているわけであります。この工期がもうかつかつでは、働き方改革を進めるのは極めて不可能に近いという現状もまた我々しっかりと認識をしていかなければいけないと思っています。 今回、新たに工期に関する基準を設けるということがありますが、どのような基準を策定するのか。また、この基準は中央建設業審議会で定めるということですが、この構成員に工期の影響を直接受ける下請の専門業の代表も私は入れるべきだと考えているわけでありますが、著しい短い工期は違法と言うが、その判断は難しい部分もあります。誰がどのように判断するのか、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) まず、工期に関する基準は、定量的な形でではなくて、工期を設定するに当たって考慮すべき定性的な事項が定められるものと考えております。 具体的には、例えば全工程に共通する事項としては、雪や雨などの自然的な要因、あるいは週休二日、年末年始等の不稼働日などに配慮して設定されるべきことが、あるいは各工程において考慮すべき事項としては、例えば、準備段階では用地買収や建築確認などのほか資材などの製作などの事項、施工段階では掘削土の排出や受電の時期、そして後片付け段階では工事の完成検査や仮設工作物の撤去など、考慮すべき事項として示される必要があるのではないかと考えております。 そして、この工期の基準を策定する中央建設業審議会は、建設工事の受注者、発注者、有識者、この三者で構成されておりまして、そして受注者の中には専門工事業の団体の代表者も含まれているところでございます。 そして、著しく短い工期であるかどうかをどうやって判断するかということでございます。 これは、工事の内容や工法であるとか投入する人材、資材の量などによるものでございまして、一律の判断ということはなかなか困難でございます。国土交通大臣など、建設業者の許可を行った行政庁が、例えば、まさにこの中央建設業審議会において策定した工期に関する基準で示した事項が考慮されているかどうかの確認、あるいは過去の同種、類似工事の実績との比較、そして建設業者側が提出した工期の見積りの内容の精査などを行い、工事ごとに個別に判断することが必要と考えております。
○増子輝彦君 ただいまの局長の答弁の中にありましたとおり、結局誰が判断するのかということも含めると、中央建設業審議会というのは極めて重要だと思っていますので、ここに、先ほど専門業者の代表も入っているというような答弁でございましたけれども、是非、ここは私はどのぐらいの数が入っているかは確認していませんが、少しでも増やしながら、末端の現場の一番しわ寄せが受ける業者というものの考え方もしっかり聞く必要があるんではないかというふうに思っておりますので、今後とも御検討いただければ有り難いと思います。 と同時に、建設業は請負であります。受注者側は立場が非常に弱いわけであります。工期の基準を策定しても、結局受注者は発注者の言いなりになっているということがこれ当然のことになる現状でありますから、短い工期でも拒否できないという現状もまた認識しているんだろうと思いますが、結局そのしわ寄せが下請や現場の技能者へ行くという本当に厳しい現状にあることは、もう国土交通省としてもよくいろんな声を聞いていると思います。 適正な工期についてどのように実効性を確保するのか、このことについてお答え願いたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 働き方改革に資する適正な工期を確保していくためには、今委員の御指摘のとおり、改正法の規定を的確に運用して実効性を上げていくことが大切だと考えております。このため、著しく短い工期が疑われる場合に、建設業者に対して報告徴収及び立入検査を行うことに加えて、例えば民間の発注者に対しても資料の提出や報告を求めることができることとして、実効性の確保を図っております。 そして、具体的に著しく短い工期の契約が疑われる事例を了知した場合には、例えば、地方整備局に設けております駆け込みホットラインなどに提供される情報を端緒として、地方整備局において報告徴収や立入検査を行うことにより事業の状況調査などを行うとともに、特に疑いの高いものについては、国土交通省本省においても更に内容を精査の上で、本省関係部局のみならず、必要に応じて専門的な知見を有する有識者の意見も伺いながら工期の適正性を確認した上で、その結果、著しく短い工期であることが確認された場合には発注者に対して勧告等の措置を適切に講じるといった仕組みを構築していくことを検討しておりまして、国土交通省の組織を挙げて実効性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○増子輝彦君 ただいまの答弁の中で、立入検査あるいは駆け込み寺的な地方整備局における体制というのがあります。これ、実際にどの程度のことが今あるのか、そしてそれに対する改善を具体的にどういうふうにしているのか、これ極めて重要だと思います。 今日は時間がないのでここのところまでは踏み込みませんが、このことは後で私、是非資料も頂戴したいと思っておりますけれども、こういう仕組みがあっても、それが有効に機能しなければただ形だけつくったということになりますから、しっかりとここのところは私は是正をするような対策をしていただかなければ実効性は確保できないんではないかというふうに思っていますので、しっかりと対応していただきたいと思っています。 そして、今もお話がありました働き方改革ということになれば、週休二日ということが極めて重要なこれ問題になっているわけです。前の一般質疑のときにもこのことについては触りだけ申し上げさせていただきましたが、今日は法案の改正の審議ですから、このことにもう一度きちっと触れていきたいと思っていますが、国交省や都道府県の工事でも週休二日の工事が増えています。これにより、大手ゼネコンは平日に工事を集中的に行います。それなりの成果が得られると思われます。しかしながら、地方の中小建設業者は、平日、技能者が大手ゼネコンに取られてしまう。 先ほど、新国立競技場、私どもも視察に行ってまいりましたが、確かにあのように三千人の皆さんが働いている、整然と表向き行われているということが、我々も現実見てまいりました。あれはもう国策ですから、必ず工期に間に合わさなければいけない。全国各地からと言ってもいいほど技能者や下請を集めてくる。そのしわ寄せが実は、どんどんどんどん地方の中小業者や中堅的なものにしわ寄せが実は来ているんですね。よって、技能者が大手ゼネコンに取られることによってかえって仕事が進まず、やむなく週末、特に土曜に集中して工事を行うということが現状なんですね、これは。 これは国交省でどのように把握しているか分かりませんが、この現場の現状というのをしっかり把握しているのかどうかということも含めて、是非、週休二日を確保することが極めて困難で、四週八休なんてことは地方の下請建設業者はまず不可能に近いという声がこれ現場からどんどんどんどん寄せられているわけであります。 国交省はこうした週休二日に伴う地域の中小建設業の悲痛な声を認識しているのかどうか、このことについてどのように対処していくのか、このことについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 中小建設業者には、例えば週休二日の導入による後工程のしわ寄せや勤労日数の減少に伴う収入減の可能性を懸念する声、あるいは今委員の御指摘のような都市部の大型工事に人手が割かれるというふうな声などがあることは私どもも承知をしております。 まず、賃金の観点から申し上げますと、国交省、先ほど来お話があったように七年連続で設計労務単価引上げを行うとともに、直轄工事では、これは他の発注者の参考となる取組という観点からも週休二日工事を対象に労務費の割増し補正を導入するなど、踏み込んだ対策を講じてきているところでございます。 それから、現在においても、政府全体において、建設工事における適正な工期設定等のためのガイドラインを策定して工期の適正化を図っているところでございます。このガイドラインの中では、週休二日の確保などを考慮した適正な工期を設定することや、後工程の内装工事などの適正な施工期間を考慮して全体の工期のしわ寄せがないよう配慮することなどを定めております。 そして、本法案では、さらに、中央建設業審議会における工期に関する基準の策定、あるいは著しく短い工期による請負契約の締結を禁止するなどの措置を講ずることとしております。 そして、これらのガイドラインあるいは工期に関する基準につきましては下請契約も対象とされておりまして、民間発注者や下請契約の当事者を始めとして様々な関係機関に周知徹底が図られるべきと考えております。 こうした取組とか、あるいは既に業界団体において自主的に打ち出している時間外労働を段階的に抑制していく方針と併せて、現場で働く方々に寄り添った形でしっかりと建設業の働き方改革に取り組んでまいりたいと考えております。
○増子輝彦君 大臣、今の私と局長のやり取りをお聞きになっていたと思いますが、極めて、この週休二日制、大手ゼネコンは可能なんですよ、これ。どんどんどんどんいわゆる下請業者を集めることができるんです。 ところが、今、局長から賃金の問題がありました。賃金が減少するような、逆なんですよ。週休二日取るためには、大手ゼネコンが五日間、下請業者、専門業者を集めるんです。彼らは日給月給が多いものですから、土曜日も、場合によっては日曜日も働きたいんです、収入が増えるから。逆に収入が増えるんですよ。収入減ではないんです、このいわゆる労働者の皆さんは。そこはちょっと見識が、考え方が違うと思いますから。 地方の中小建設業者や下請専門業者は、月曜から金曜までは大手ゼネコンの工事に駆り出される。これは力が強いですから、当然そうなる。ところが、そのしわ寄せが地方の中堅建設業者や専門工事関係者に来て、彼らはこの間仕事をできないんですよ、極端な話。ですから、土曜にその人たちを来てもらって、賃金は増えます。場合によっては日曜日もこれやるんですよ。そうすると、週休二日というのは、地方の中小建設業者は週休二日はできないんです。ここが今最大の問題なんです、地方の建設業者のこの問題は。 是非、ここのところは、今の答弁で私は不十分だと思っていますから、ここのところをもう少し現場をしっかりと把握しながら、大臣の指導力も含めて是正という形を何らかの形で取っていただかないと、地方の建設業者は働き方改革、四週八休だなんて無理ですから、これは、是非そこのところを認識をしていただきたいと思っています。 そして、技能者の賃金確保については、別な視点から見れば、建設業は現場を支える技能者によって成り立っている。建設労務単価は七年連続で引き上げられていると言いますが、現場の技能者にはそれほど賃金が上がっていないという声も聞いてまいりました。元請から下請へ、現場技能者へきちんと支払われているかどうかは疑問ではないかという声もあるんです。これはあるんですよ。 これでは建設業に未来はない、建設業の現場の技能者に賃金が行き渡るように徹底すべきだと考えていますが、どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(野村正史君) 先ほど大臣からも答弁がありました。国交省において本年二月の直近改定まで七年連続で設計労務単価を引き上げてきた一方、厚生労働省の調査では建設労働者の賃金が六年間で一八%上昇していると。これは労務単価の引上げの成果が効果を上げていることの一つの現れではないかと考えているところではございますが、他方で、この労務単価を引き上げた効果が現場の技能労働者まで十分に行き渡っていないのではないかとの声があることも私どもは承知をしております。 こうした指摘も踏まえて、国交省といたしましては、法定福利費の確保、社会保険の加入の徹底を含めて、適切な賃金水準の確保を様々な機会を捉えて建設業関係団体に対して繰り返し要請してきたところでございまして、そして、これも答弁ございましたけれども、業界団体側の自主的な取組として、日本建設業連合会における労務費見積り尊重宣言であるとか全国建設業協会における単価引上げ分アップ宣言が行われるなど、業界全体で処遇改善に取り組むという機運は確実に増してきてはいるかと思います。 こういった状況と併せまして、この四月から、技能者の就業履歴や保有資格を業界横断的に蓄積する建設キャリアアップシステムが本格運用を開始しておりまして、これは、システムの普及拡大と能力評価基準の整備などを急ぎ進めていくということを私どもとしては取り組んでいこうと考えております。 今後とも、技能労働者の適切な賃金水準の確保に向けて官民一体で取り組んでいく、その覚悟でおります。
○増子輝彦君 しっかりとお願いしたいと思います。 くどいようですが、建設労務単価がしっかりと行き渡るという形がまず一つ。それから、技能者の皆さんは、先ほど来言うとおり、週休二日ということではなかなか地方の建設業者が仕事が工期までに間に合わないから、土曜、場合によっては日曜日まで仕事をしてもらわなきゃならない。そうすると総額は増えてくるんですよ、日給月給が多いですから。また、技能者の皆さんも働きたいんです、収入を増やすためには。ここのところのアンバランス的な賃金というか工賃というものについてもよく認識をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、安全確保、これまた極めて重要な課題が長い間あるわけであります。 建設現場では安全確保が第一であることは言うまでもありません。平成二十八年には全会一致で議員立法で建設職人基本法が成立しました。私がそのときの国土交通委員長をさせていただきましたが、与野党一致して、御協力をいただいてこの基本法を作ることができました。 しかしながら、依然として墜落による死亡事故が後を絶たない。それを防ぐためには、先行して足場に手すりを付ける工法が有用であることは言うまでもありません。公共事業の発注では義務付けられているものの、民間工事では進んでいないというのが現状であります。 こうした現状について国交省はどのように認識しているのか。あわせて、民間工事でも手すり先行工法を義務付けるなどの対応を強化すべきだと考えておりますが、これについては厚生労働省からも見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 今御指摘ありましたとおり、国交省の直轄工事では、平成十五年度の土木工事共通仕様書において、仮設工の施工に当たって適用すべき諸基準の一つとして、平成十五年に厚生労働省が策定した手すり先行工法に関するガイドラインを位置付けております。 一方で、民間工事を含む手すり先行工法の義務化につきましては、厚生労働省におきまして、現在、建設業における墜落・転落防止対策の充実強化に関する実務者会合が開催されておりまして、その中で義務化の是非も含め検討中と考えております。 そして、必要な安全衛生経費の確保ということもまた大事でございまして、これにつきましては、建設職人基本法に基づく基本計画を踏まえて、安全衛生経費が下請まで適切に支払われるような実効性のある施策の検討のために、建設工事における安全衛生経費の確保に関する実務者検討会を設置して、実態把握なども踏まえながら現在議論を行っているところでございます。 国交省においては、厚生労働省とも連携しながら、民間工事も含めて建設現場で働く技能者の方々の安全等の確保の推進のために、この基本計画に基づいて必要な政策を進めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。 手すり先行工法につきましては、平成二十七年に改正いたしました足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱におきまして、より安全な墜落防止措置の一つとして位置付けておりまして、厚生労働省としても普及を図っております。 同工法につきましては、現在、墜落・転落防止の一層の充実を図るため、建設業における墜落・転落防止対策の充実強化に関する実務者会合におきまして、義務化の要否も含め検討をいたしております。 同会合では、同工法を義務化すべきとの意見、それから義務化には慎重な意見の両方がございまして、引き続き議論を進めておるところでございますが、厚生労働省としては手すり先行工法は墜落・転落防止のために大変有効な工法の一つと考えておりまして、本会合での議論を進め、その結論を踏まえ、建設現場で働く労働者の方々の墜落・転落災害の防止を推進してまいりたいと考えております。
○増子輝彦君 これは、田中審議官は部長時代からもうずっと関わってきたことでありますからよく御存じだと思います。公共事業は、ほぼ完全な形でこれが行われています。しかし、民間工事はなかなかそういかない。これはいろんな関係があるんでしょう。是非、実務者会議の中で積極的に、できるだけ早くこの安全対策をしていただきたい。超党派のフォローアップ会議もありますので、そこでも様々な意見も出させていただいておりますので、十分これらの意見も踏まえながらしっかりと対応していただきたいと強く要望させていただきたいと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。 委員長、田中審議官は退席していただいて結構です。
○委員長(羽田雄一郎君) 厚生労働大臣官房田中審議官、どうぞ御退席ください。
○増子輝彦君 ありがとうございました。 これまで述べたように、工期の遵守、下請の賃金の支払、安全確保などの課題について、官発注ではかなり取組が進んでいることは一定の評価をしたいと思っています。一方で、民発注や下請以外の工事については、いずれも依然として課題が多く残っていることはもう御案内のとおりであります。民発注や下請工事について、工期、賃金、安全確保などの取組を更に強化すべきだと考えています。国交省の現状認識と今後の対応方針を国土交通大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省におきましては、まず、直轄工事で他の発注者の参考となる取組を率先して進める観点から、週休二日工事の適用拡大など取り組んでおります。また、適正な工期設定の取組を、地方公共団体や民間発注者、建設業団体を始め様々な関係機関に対しまして周知徹底を図っているところであります。 公共工事設計労務単価につきましては七年連続で引上げを行っており、改定された際には、適正な水準の賃金が発注価格に適切に織り込まれるよう、民間発注者団体に対して要請を行っております。また、職人の安全確保につきましては、職人の安全を規定している建設職人基本法に基づく基本計画にのっとり、建設工事従事者の安全及び健康の確保のため、政府において様々な施策を推進をしております。 こうした取組を進めている一方、各地方整備局に設置しております相談窓口に寄せられる声や建設業団体等を通じまして、工期、賃金、安全確保などの取組について引き続き課題があることも認識をしております。このため、国土交通省といたしましては、民間発注者や下請契約の当事者などにおきましてもこうした取組が進むよう、中央建設業審議会による適正な工期に関する基準の作成や、著しく短い工期による請負契約の締結の禁止等を本法案に新たに盛り込んだところであります。 今後、本法案を踏まえまして、引き続き工期や賃金の確保を進めていくとともに、安全確保につきまして、厚生労働省と連携をしながら、必要な施策を推進してまいりたいと考えております。
○増子輝彦君 大臣、しっかりお願いしたいと思います。 今回、政府提案の建設業法改正案、この法案に加えて、議員立法、委員長提案で公共事業品確法が改正される方向でこれは動いています。足立委員、御苦労さまでございます。 先ほど足立委員からもこの話がありましたけれども、この法案の検討に当たり、我が党の提案で、基本理念の中に、下請契約の際、労務賃や社会保険料等を的確に反映した請負代金にすべき旨を明記をさせていただきました。 今回の建設業法改正と品確法改正案が相まって、更に下請契約の適正化が期待されるように考えておりますが、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 今御指摘がありましたとおり、政府提出の法案におきましては、例えば、元請、下請間においても注文者が著しく短い工期で契約を行うことを禁止する、あるいは元請業者から下請業者への労務費相当分の請負代金の支払を現金とするよう配慮を求めることなどの規定が盛り込まれております。 そしてまた、今議員立法によって進められております公共工事品確法の改正案では、発注者の基本的な責務としての適正な工期設定、あるいは公共工事等を実施する者の責務として適正な額の請負代金、工期での下請契約の締結などが規定されていると承知してございます。 まさに、議員立法という形で、公共工事の受発注者に向けて国会より基本的な責務を唱えてきたこの品確法と政府提出法案がまさに一体となって運用されることになれば、適正な下請負契約の締結という課題についても、これはより一層促進をされていくものと期待をしております。
○増子輝彦君 このことについてもしっかり対応していただきたいと思います。 次に、オリンピック・パラリンピック関連工事の安全性確保についてお伺いしたいと思っています。 このことについては、前回の委員会で舟山委員からも質問がありました。 我々、先日、先ほど申し上げたとおり、新国立競技場を視察に行ってまいりました。大変いい労働環境だというふうに感じをしていることは間違いありません。 しかしながら、一方では、二年前、新国立競技場の建設現場で二十三歳の若者が過労死したという痛ましい事件があったことも記憶に新しいわけです。そして、我々が見れない部分の多分労働環境の中で様々な課題があるんではないかというふうに思っています。なお工期までにしっかりと安全管理の徹底は不可欠だと思っています。 今回のBWIの報告について、事実関係と今後の対応方針についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(齋藤福栄君) お答えいたします。 二〇二〇年大会施設の整備を着実に進める上で、建設現場で働く方々の安全と健康を確保することは不可欠であります。 新国立競技場においては、建設現場に看護師が常駐する健康相談室や休憩所、シャワー室を設置し、安心かつ快適に働ける環境を整備するとともに、現場内事務所の二十時閉所を徹底し、時間外労働の短縮化を促進するなど、健康管理に係る取組を講じてまいりました。 今般、BWI、国際建設林業労働組合連盟より大会施設の建設現場の問題点を指摘するレポートが組織委員会などに届いたことは承知しており、新国立競技場については、工事の発注者である日本スポーツ振興センターにおいてレポートの内容の事実関係の精査を行っているところであります。 スポーツ庁としては、安全は大会成功のための最優先事項という方針の下、関係省庁とも連携し、建設現場において安全で快適な環境づくりが図られるよう、しっかり対応してまいります。
○増子輝彦君 時間が参りましたが、最後に、建設業は災害時の地域の守り手であり、インフラの維持管理の担い手として地域にはなくてはならない重要な産業であることは言うまでもありません。さきの入管法改正により、今後、外国人労働者も増えていくと思います。しっかりとした受入れ体制の確保を図ること、あわせて、本法案の改正により地域の建設業が希望を持ち、入職者が増えるよう、働き方改革や処遇改善、生産性向上の取組を強化していくことが大変重要だと思っています。 このことについての最後に国土交通大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) まず、特定技能として建設業で受け入れる外国人材につきましては、同一技能同一賃金や技能習熟に応じた昇給を行うこととしているか等、処遇や就労環境について確認をする、受入れ企業が外国人材の受入れ環境整備を目的とした法人に加入し、業界共通行動規範を遵守させるなど、適正な受入れに努めていくこととしております。 このように適正に外国人材を受け入れるとともに、発注者の理解と協力を得ながら、建設業の働き方改革と生産性向上を進めていくことが喫緊の課題と認識をしております。 そのため、本法律に規定をされております中央建設業審議会による基準の作成、実施の勧告や、著しく短い工期による請負契約の締結の禁止のほか、公共工事入札契約適正化法の適正化指針に追加をいたします施工時期の平準化の推進、工事現場の監理技術者や主任技術者に関する規制の合理化など、迅速かつ円滑に施行し、働き方改革及び生産性向上を図ってまいります。 国土交通省といたしましては、本法案の規定を適切に運用することなどによりまして、建設業における働き方改革と生産性向上の取組を更に加速化させ、建設業が魅力ある産業となり、担い手の確保が図られるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。
○増子輝彦君 終わります。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。 質問に入る前に、まず、横浜のシーサイドラインの逆走事故であります。被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。自動運転技術の信頼性にも関わる部分もございます。国土交通省には徹底した調査を引き続きよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。 その上で、法案質問に入らせていただきます。 今回の改正法案、建設業の持続可能性を図る上で重要な法案であるというふうに評価もさせていただきます。 もう御案内のとおり、建設業は、防災のためのインフラ整備のみならず、いざ災害が起きたときに真っ先に復旧に駆け付けてくださる大事な大事な産業であります。特に、地域の建設業をしっかりと持続可能にしていく、この観点はこの法案の趣旨でもあるというふうに思いますが、国民の安心、安全を守る、この上でも大事な視点であるというふうに思います。是非、引き続き、よく国土交通省もおっしゃっていただいている新3Kですね、給料が良い、休暇が取れる、希望が持てる、これの実現に向けて引き続きお願いをしたいと思います。 その上で、そのうちの特に給料が良いですね、給料が良い、こちらについての観点の幾らか質問をまずしたいと思います。 資料をお配りをしております。一枚目の資料になりますが、先ほど来より話がありました労務単価、公共工事設計労務単価、こちら、太田前大臣、また石井大臣のリーダーシップございまして、七年連続で引き上げられて、平成九年度以降では最高値と今なっている状態であります。 まず、この労務単価、このように上がっている、先ほど来よりも一部話があるわけでありますが、これが実際の賃金の上昇つながっているか、その労務単価の上昇と賃金の上昇に相関関係があるか、この点についての国土交通省の意見をいただきたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 今委員が御指摘されましたとおり、国土交通省においては、平成二十四年度に法定福利費を反映させる形で引上げを行って以降、七年連続の引上げを行ってきたということでございます。一方で、厚生労働省が行っている調査においては、建設労働者の賃金が六年間で一八%上昇しています。 この間の因果関係というお尋ねでございますけれども、国土交通省が毎年度全国の一万四千の建設業者に対して行っております下請取引実態調査によりますと、技能労働者の賃金について、労務単価をそのまま使用している、又は変動等の動向を賃金に反映させているという回答が五六%と過半を占めております。このことからも、近年の賃金の上昇傾向は、この間の建設投資の堅調な推移に基づく技能労働者の需要の増大と相まって、労務単価の引上げの成果が効果を現しつつあるものと評価できるのではないかと考えております。
○矢倉克夫君 相関関係はあるという評価でありました。 私も現場の声をお伺いするたびに、建設業の方、この労務単価がずっと上がったことで賃金が上がってきている、そういう部分の、現場の声もあるわけであります。非常に相関関係があるという点は、私も同じ評価であるというふうに思います。 その上で、これを更に賃金上昇に実感していただくためにはどうすればいいかという点から改めてまた質問もしたいと思いますが、二枚目、資料もまたお配りもいたしております。これ、以前も行田委員が一部同じような趣旨で提示もされた資料かというふうに思います。建設埼玉、埼玉の方の建設業に従事されている方の組合がやっていらっしゃるアンケートであります。 こちらにつきましてでありますが、この労務単価、こちらにも書いてありますとおり、労務単価が上がる、それで賃金上昇の傾向が見られる。一方で、設計労務単価と実際の賃金で差があるという調査結果でありました。 こちらによると、二〇一八年の埼玉県の設計労務単価が全職種平均で二万四千四百三十五円で、こちらのアンケートですと、平均賃金は一万七千三十九円、七千三百九十六円の差があって、これ、設計労務単価の七割弱というような話もあります。 当然、設計労務単価というのは、公共事業の際の予定価格の積算のためのものでもありますし、個々の契約を拘束するものでも当然ない。その上での御質問でありますが、他方で、やはり現場との乖離がある、これは事実であるというふうに思いますし、これをどれだけ少なくしていくのかというところが重要であるかなというふうに思っております。 その上で、二問目といたしまして、なぜ乖離が生まれるのか。これについては、どのように分析をされて、どのように対応されているのか、国土交通省に御意見をいただきたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 七年連続で引き上げてまいりましたこの設計労務単価がやはり実際の賃金に反映されるような取組を進めていかなければならないと考えております。 まず、国交省の直轄工事におきましては、経済社会情勢の変化を勘案し、労働市場における実勢価格を踏まえた最新の設計労務単価を適用することで、適正な予定価格、まずこれを積算しております。加えて、直轄工事におきましては、平成二十九年四月より、低入札価格調査基準の設定において、労務費を弾力性のない費目と考えて、一〇〇%その基準の中に見込むこととなっております。 それから、公共団体に対しましては、設計労務単価改定の際には、その早期活用を促し、適正な予定価格を設定するように要請しているとともに、民間工事につきましても、民間工事については、これはまさに当事者の合意により請負契約額が決定されるものではありますけれども、設計労務単価改定の折には適正な水準の賃金が発注価格に適切に織り込まれるよう、民間発注者団体や建設業団体に要請を行っているところでございます。 これらの取組を行っているところでございますけれども、一方で、国土交通省の調査によりますと、技能労働者への賃金水準の設定において、労務単価を参考にしていないと回答する者がやはり四割ほどいる。あるいは、下請次数が高く、いわゆる深くなるほどその傾向が高まっているというふうな結果も出ておりまして、そして、その理由としては、例えば経営の先行きが不透明で引上げに踏み切れない、あるいは、受注者の立場では、発注者、施主、又は元請負人あるいは一次下請負人、そういう上位にある方に賃金引上げの費用を求めづらい、あるいは、他社との競争上、賃金にコストを掛けられないといった回答も挙げられているところでございまして、やはりこのような実態を踏まえますと、これは引き続いて、発注者、元請、一次下請の立場にある者に対しまして、設計労務単価を反映させた適切な賃金水準が確保されるように引き続き繰り返し要請していく必要性があると認識しているところでございます。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 発注者に対してのいろいろな働きかけも含め、今御説明あった。その上で、今、局長からもお話がありましたとおり、元請からまた一次、さらには二次、三次、この、いろいろ、特に建築は、建設の中の建築は特に多層になりますから、それが、下請の段階が下に行けば行くほど波及がやっぱり遅くなるんじゃないかというような問題意識があったかというふうに思いますし、その上での様々な取組もこれからされるというようなお話でもありました。是非、最終的に、この労務単価が上がっているというこの実感が、そのまま、上昇のままに全ての人に実感できるように、引き続きの取組を是非お願いをしたいというふうに思います。 大臣にお伺いもしたいというふうに思います。 建設埼玉の、これ今三枚目の資料になるんですが、こちらでも意見、要望、様々あります。今局長がおっしゃったものに一部含まれるかもしれませんが、若い人がやりたくなる職業になればいいなと思う、大手は職人を安く使い過ぎる、発注者から元請に法定福利を支払っているか確認してもらいたい、今は相見積りが多いので賃金も総合的にはカットされるなどの声もございます。こういう声を含めて是非いろいろと御考慮いただいて、この労務単価の水準と実際の賃金の水準の乖離が可能な限り少なくするための不断の努力、必要であるというふうに思っております。 私事で恐縮ですけど、私も学生時代とかは建設現場で働かせていただいたこともある。あのときはやはり、給料がいいという感じで働かれる方が非常に今よりももっともっと多かったと思うし、給料がいいからこの職場で頑張ろうというような雰囲気がすごいあったわけでありますが、その後のいろんな動きで、公共事業自体もカットされたり様々あったりしたような中で全体として働き手がいなくなって、そういう環境の中で、今インフラ整備で働き手がいなくなって困っているというような悪循環に今陥っているかなというふうに思っております。 改めてですけど、建設現場で働く人、この担い手確保という意味では、賃金面でも相応の額を払っていく、この労務単価をぐっとこれからも引き続き上げていくとともに、先ほど来より申し上げている、単価の水準と実際の平均賃金の乖離を可能な限り少なくしていくために不断の努力をしていくことが必要であるかというふうに思いますが、大臣の御見解をいただければと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省といたしましては、労務単価の引上げが現場の技能労働者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう、法定福利費の確保と社会保険の加入の徹底を図るとともに、繰り返し建設業関係団体に対しまして適切な賃金水準の確保を要請をしてまいりました。この結果、業界団体側におきましても、技能労働者の適切な賃金水準の確保に向けた取組が生まれている状況でございます。 加えて、公共工事の入札、契約におきましても、この四月から低入札価格調査基準の上限を予定価格の九二%に引き上げるなど、ダンピング対策を強化をしているところであります。 また、この四月から、技能者の就業履歴や保有資格を業界横断的に蓄積をする建設キャリアアップシステムが本格運用を開始をしております。今後も、技能や経験に応じた適切な処遇が実現するよう、システムの普及拡大と能力評価基準の整備などに努めてまいります。 国土交通省といたしましては、建設業が今後もその役割を担い続けることができるよう、これらの措置を通じて適切な賃金水準の確保に引き続き努めるとともに、改正法に基づきまして適正な工期の確保や施工時期の平準化などの働き方改革や生産性向上などにしっかり取り組み、給料が良く、休暇が取れ、希望が持てるという新3Kの魅力ある産業へと変えていきたいと思っております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 大臣、労務単価を上げていただくために業界にも働きかけをしていただいている、その上で、技能の見える化、それに対する適正な賃金、そういうようなシステムづくりも含めてやっていただけるというような力強い言葉もありました。是非、引き続き、この点に関してはよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。 続きまして、生産性の向上に関わって質問をいたします。 賃金を上げて人を呼び込むというのもありますが、その上で、やはり少子化の時代、人が少なくなったときに、その上で同等かそれ以上の生産性を上げることができれば個々の賃金がやはり上がっていくというようなことにもなります。そういう意味でも、給料を良くする意味でも生産性の向上というのは非常に重要であります。 その上でお伺いしたいのが、i—Constructionの推進についてであります。 先日、私も東埼玉道路の建設現場に行って、松伏町に行ってきたんですが、測量の関係でこのi—Construction、見てまいりました。通常であれば、一人の人が機器を差し込んで、その地点のデータ、平面的な位置だとか高さだとか、これを測る人がいて、地点を指し示す人がいて、それをまた測量する、三人の人が行為をするわけでありますが、その場の現場では、レーザーを当てたら、それぞれの地点ごとの平面の高さやまた様々なデータが全部瞬時に画面に出てきて、そこに、設計図から3D化された盛土の設計がそれに覆いかぶさって、それが覆いかぶさることで、じゃ、どれくらいの土の調整をすればいいか、盛土を盛ればいいかというのがその地点ごとに全部データで分かると。 さらには、これはまだ実用化されているかどうかはあれとしても、このデータが、例えばブルドーザーなどの建機に移っていって、GPSで移って、そのGPSで移られた情報に基づいて排土板が動いていく、最終的には無人で動くと、こういうような想定までされているというような話も聞いて、改めてすばらしいなと思いますし、こういうようなことになっていけば生産性は当然上がる、人手は少ない中であっても今まで以上の生産性は上がっていくというような形を実感もいたしました。働き方改革という意味合いでも大事だなということも実感した取組であります。 その上で感じたのは、やはりこういうことが対応できる人材の育成であります。その場では、外注して、ほかの企業の方からいろいろ来ていただいて、そういうオペレーションでやったりしていただいたわけでありますが、例えば中小企業とかでもこういうのも内製化してできるような人を育成していく、それがまた工期との調整の関係でも非常に重要な観点になってくるかと思います。 こういうi—Construction、情報技術、分析、このような最先端の技能実習を、中小企業の従業員も含めて学べるような環境づくりも含めた支援の在り方、これについては国土交通省としてどのように考えているのか、御見解をいただければと思います。
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。 今後、i—Constructionの普及促進を図るためには、地方公共団体や地域の中小企業等へ取組を広げていく必要があり、委員御指摘のとおり、人材の育成支援は重要であるというふうに考えてございます。 このため、地方公共団体や中小企業等の技術者等への研修等の実施、ICT施工の経験のない地方公共団体や企業に対し施工計画立案への指導、助言等を行う専門家を派遣する支援事業の実施、これまで地方整備局等に十か所設置していた相談窓口を今年度より各都道府県五十三のi—Constructionサポート事務所に拡大、また、i—Construction大賞を通じ優れた取組を表彰し、ベストプラクティスとして広く紹介する、また、中小企業等におけるICTの活用の先進事例を共有する場の設置などの支援体制の強化を図ってきたところでございます。 国土交通省といたしましては、引き続き、地方公共団体、中小企業等でも取り組みやすい環境整備を進め、i—Constructionの更なる普及促進に努めてまいります。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 こういうi—Constructionが非常に、それぞれの経営も含めて、また働き方改革にも必要だということを啓発する意味合いでも、今のお取組一つ一つ重要であるというふうに思います。窓口もつくられるということでありますし、その上で、経営者の方が従業員たちを学ばせてあげるインセンティブであったりとか、そういう研修の支援であるとか、そういう技術を持っているところとのつながりであるとか、そういうソフト面も含め、いろいろと国土交通省としてもまた御支援いただくことを引き続き要望をさせていただきたいなというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。 いずれにしても、人材の育成が、今後の働き方改革、i—Constructionにとっても重要であるというふうに思います。 その上で、またもう一つ、今、東埼玉道路のときの現場の視察も申し上げたんですが、橋梁も見てきたんですけど、橋の工事とかだと当然雨季は工事できなかったり、工期との闘いであるということも改めて実感もしたところであります。 今回の法案に関係して工期もまた質問をしたいというふうに思いますが、先ほど、私も去年の十一月の末のこの国土交通委員会の質問で、工事不能日程であったり週休二日とか、そういうような予測し得るものは当然工期として織り込むように、著しく短い工期はなくすべきだというようなことをお訴えをして、今回、この改正案にもその趣旨が盛り込まれていることはまず評価をしたいというふうに思います。 この著しくということの基準についてお伺いもする予定でしたが、先ほど増子先生もお話、質問されていましたので、この点は飛ばしをさせていただきたいというふうに思います。 その上で、改正の二十条二項ですね、今回の法案で、また、発注、設計前に工期等に影響を及ぼすような事象があれば、注文者は事前にそれを受注者等に伝えなければいけないというような規定が盛り込まれました。これは非常に有効な規定であるというふうに思います。そこが情報共有されることで、事前の設計変更もし得るかもしれませんし、いざ工期が始まった後の工期の延長も含めた設計変更のときの円滑なものにもなり得る基礎事情だというふうに思います。 まず、こちらは省令事項であるというふうに思いますが、工期等に影響を及ぼす事象として省令で定める事項としてはどのようなものが考えられるか、国土交通省にお伺いをいたします。
○政府参考人(野村正史君) 今御指摘のありました工期等に影響を及ぼす事象の詳細については、今後更に検討を深めることとしておりますけれども、現時点におきましては、例えば、支持地盤深度、支持地盤の深さですね、地下水位、地下埋設物、土壌汚染など地中の状況などに関する事項、あるいは設計図書との調整、あるいは設計間の整合など設計に起因して必要となる調整に関する事項、あるいは近隣対応、騒音、振動、日照阻害など周辺環境に関する事項、あるいは資材の調達に関する事項、これらのことを定めることを考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 いろいろ一般的に考えられる事象と個々の現場で考えられる事象、様々あるというふうに思います。この漏れがないような省令の制定、今の要素も含めて、是非引き続きよろしくお願いを申し上げます。 その上で、こういう形で法案ができて、成立した後の、実際工期等に影響が起きるような事象も共有し得た上で、いざ工期がまた変えなければ間に合わないというような事実が起きたときに柔軟に工期変更等ができるかどうかというところ、この手順であったり人手の問題もあるかというふうに思います。 国の方では工期の設定に関するガイドラインも既に制定をされていて、一部の政令市なども含めて地方自治体も制定もされているかというふうに思いますが、こういう、どういう事象のときに工期を変更するか、それのノウハウ共有とともに、実際工期を変更する、設計書を変える、こういうときの人手の問題であるとか、そういう様々な課題の中で、国が今定めている趣旨が果たして地方自治体全体に共有できているかというような問題意識はあるかというふうに思います。 自治体まで、隅々までこのような工期の柔軟な変更、これは受注者であったり様々な関係者のためにも必要なところはあるかというふうに思いますが、こういうものを可能にするためには何が国として必要であると考えているか、その対処を国土交通省にお尋ねをいたします。
○政府参考人(野村正史君) 公共工事品質確保法に基づいて適切に設計変更や請負代金の変更などが行われることは必要なことでございます。私どもとしては、総務省と連名で要請を行うなど、地方公共団体に対して様々な場面を通じて、直接、間接を含め周知徹底しているところでございまして、この結果、設計変更につきましては、各公共団体においてガイドラインの策定が進んでおりますが、都道府県及び政令市においては平成三十年八月時点で全ての団体が策定した一方、市区町村の策定状況は二割強といまだ低い状況にございます。 そしてまた、やむを得ない理由により年度内のみでは適正な工期を確保することができないと見込まれる場合に繰越制度を適切に活用するよう、これも本年二月に改めて公共団体に対して要請を行ったところでございますけれども、この速やかな繰越手続の取組状況についても市区町村では約二割強といまだ不十分な状況であります。したがって、前者、設計変更ガイドラインの策定と併せて、市区町村においても取組を促進されるように、国や公共団体で構成される会議などの場を通じて、これは特に直接働きかけることが大切ではないかと考えております。 それからもう一点、工事の繁忙期においては受注者だけではなくて発注者側の契約事務も集中することから、施工時期の平準化を進めることによって発注者が適正な契約事務にしっかりと時間を掛けることができる環境を整えるということも重要であると認識をしておりまして、今回の入札契約適正化法の改正に伴って、地方公共団体における平準化の取組が促進され、このような契約事務が適正に施行されるというふうな環境が整うように、これについても引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 引き続き、ガイドラインの普及も含めて、繰越しの方もそうでありますが、よろしくお願いいたします。 最後、施工時期の平準化の話もいただきましたが、私も予算委員会で石井大臣と、また総務大臣にも質問もさせていただいた件であります。特に自治体とか、平準化も進める上で、やはり財務当局の理解なども、これも必要である。そこはまた総務省とも連携もして、平準化を進めることが、それぞれの自治体のインフラ整備も含め、住民の安全にもつながるんだということを広くつなげていきたいなということは御要望申し上げるとともに、最後はやはり自治体の体制、人事、人員の体制整備というところも重要であるかというふうに思います。 先ほど来より話がある品確法の議員立法の方の話でも、この自治体発注関係事務を行う職員の育成、確保等の体制整備ということも、これ一つ今検討もされている項目でもあります。こういう自治体の方の人員確保というところも、特に土木関係を含めて専門的に理解をしている人、しっかりこれを確保していくということも施工時期の平準化等においても大事でありますし、最終的には働き方改革、現場の方の働き方改革にもつながるということでもありますので、引き続き御対応いただきたい、この点を申し上げまして、質問を終えたいと思います。 ありがとうございました。
○行田邦子君 日本維新の会・希望の党の行田邦子です。よろしくお願いいたします。 私は、まず、法案の内容についての質問の前に、ちょっと質問の順番を変えさせていただきまして、建設業における人材育成と確保について伺いたいと思います。 まず、大臣に伺いたいと思います。 建設業における女性の活躍推進に向けた取組についてなんですけれども、建設業における女性技術者・技能者の数のこれまでの推移を見ますと、平成九年は二十六万人だったのが平成二十六年には十万人へと大幅に減少しております。六割減っているということ、これ相当減っているなと驚いているんですけれども、この同じ時期に建設技術者・技能者の全体の数も減ってはいますけれども、三割弱の減少ということです。それに比べると、女性の技術者・技能者が大変に減ってしまっているということであります。女性技術者・技能者が大幅に減少してしまった原因をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。 そしてまた、平成二十六年八月に策定されましたもっと女性が活躍できる建設業行動計画では、五年以内に女性技術者等を平成二十六年当時の十万人から二十万人に倍増するという目標を立てています。今年、平成三十一年というか令和元年ですけれども、今年がその五年目に、ちょうど目標達成の年になりますけれども、現在の女性技術者等の数がどのようになっているのか、そしてまた目標値を達成するための取組の現状について、大臣に併せてお伺いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 建設業における担い手の確保、育成の観点からも、女性にも積極的に入職していただき、性別や世代の分け隔てなく意欲ある方が建設業で活躍できる環境を整備することが重要と考えております。 平成九年から平成二十六年にかけまして女性技術者・技能者が大幅に減った原因は、景気低迷期の建設投資の減少等により女性を含む求職者に対する十分な求人が行われなかったことや、繁忙期に限って雇用されるなど非正規的な立場で就労していた女性が離職を余儀なくされるケースがあったと考えられておりまして、こういったことが要因だと思われます。 国土交通省では、業界団体と共に平成二十六年にもっと女性が活躍できる建設業行動計画を策定いたしまして、女性の更なる活躍を建設業の担い手確保、育成策の柱の一つに位置付けるなど、官民一体となった取組を進めております。 具体的には、女子小中学生を対象といたしました現場見学会の開催などソフト面の取組を行うほか、男女共に快適に使用できる仮設の快適トイレの普及や更衣室の設置等のハード面での環境整備等についての取組も進めております。また、ICTの活用等によるi—Constructionを推進をいたしまして建設現場の安全性を向上させることなどによりまして、女性を含む全ての人々が働きやすい現場の労働環境の整備について、業界団体とも連携を図りながら施策を進めているところであります。 同計画におきましては、女性技術者・技能者の五年以内の倍増という目標を掲げているところではありますが、建設技術者・技能者の総数が減少傾向にある中、これらの取組等の結果でありますが、平成三十年の女性技術者の数は約二万人、技能者は約十万人と、平成二十六年から技術者は約一万人増加をいたしまして二倍に近い成果となっておりますが、技能者は約二万人ということで目標にはまだ大きく届かない状況でございます。 本計画は、同計画策定から五年が経過することから、建設業界と共に計画の総括、見直しを行うこととしております。引き続き、建設業界とも連携をいたしまして、建設業における女性活躍に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 建設技術者・技能者全体が減少の傾向の中で、女性の技術者・技能者は何とか、微増というんでしょうか、倍増にはなっていませんけれども、程遠いんですけれども、増えているというのは国土交通省としての取組の成果も現れているのではないかと、ちょっと少し甘い言い方かもしれませんけれども、思っております。 私は、二年前でしょうか、この委員会で建設業における女性の活躍について質問させていただいたときに、女性も使いやすいトイレ、快適トイレが必要だという話をさせていただきましたところ、これが結構、いや、そのとおりなんだという声が、反響がありまして、驚いております。やはり、女性が建設業においても活躍しやすい環境整備には女性の視点、目線というのも必要かなというふうに思っておりますので、大臣、よろしくお願いいたします。 それでは、続いて質問させていただきます。 i—Constructionなど生産性の向上というのは大きな建設業での課題となっていますけれども、一方で、我が国には宮大工を始めとする伝統的技術を持つ職人がいます。世界に誇れるこれらの建築技術を後世に継承するためにも、後継者の育成は重要な課題となっていると思います。 こうした技術の継承に対する国土交通省としての取組、どのような支援を行っているのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。 長年我が国で受け継がれてまいりました伝統的な建築技術を後世に継承することは大変重要であると認識しております。 このため、国土交通省におきましては、従来から伝統的構法に関するものを含めまして大工技能者の育成のための研修活動を支援させていただいております。昨年度におきましても、全国で二十一のグループの研修活動を支援させていただきましたが、そのうち十二のグループにおきまして継ぎ手、仕口といいました伝統的構法の技術を含んだ研修を実施していただいているところでございます。 また、環境負荷の低減を図るモデル的な伝統的構法による住宅供給への財政的な支援、また和の住まいの魅力を発信するためのシンポジウムの開催などを実施させていただいてきているところでございます。 今後とも、伝統的な建築技術の継承が進みますよう、大工技能者の育成や伝統的構法による住まいの供給促進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 是非よろしくお願いいたします。 それでは、法案の内容について幾つか質問をさせていただきます。 まず、十七条の関係についてなんですけれども、建設業の許可というのは、大工工事、左官工事など二十九の業種ごとに行われて、それを取得しなければいけないということになっております。一方でなんですけれども、現行法上は、建設業の承継、事業譲渡、合併、分割、相続ですけれども、に係る規定は存在しないということで、行政庁から許可処分が下りるまでの間は引き継いだ業種の建設業を営むことができないという、空白期間が生じてしまうという問題が指摘をされていました。 そこで、今回の改正法案におきましては、事業承継等において事前認可を受けた場合は事業の空白期間なく建設業を営むことができることとしていますが、許可に係る建設業の全部の承継に限られているということになっていますけれども、なぜ許可に係る建設業の全部の承継に限られているのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 今御指摘がありましたとおり、建設業の許可については二十九の業種別に取得することとされておりますけれども、一つの会社が複数の建設業について許可を受けている場合でありましても、例えば複数の建設業について同一の営業所で営業を行っているケースが多いほか、一人のいわゆる営業所に置かれる専任の技術者が営業所で行っている複数の建設業の業種に関わる営業所専任技術者を兼ねている、つまり、複数の許可業種についてリソースを共有しながら事業者全体として事業が営まれている実態がございます。 このため、業種別に譲渡等をできるようにした場合には、建設業の実態を踏まえると、技術的な要件を満たさなくなる蓋然性が高いということを勘案いたしまして、本改正案におきましては、言わば政策的な判断といたしまして、建設業の全部を承継する場合にこの特例を適用するということ、そういう場合に限定することといたしました。
○行田邦子君 御説明は分からなくもないんですけれども、ただ、建設業を承継しようとする業者も、様々な事情で、一部の業種であれば受けてもよいと考えるケースもあると思われます。中小建設業を中心といたしまして後継者問題というのが非常に今重要な課題、深刻な課題となっている中で、多様なケースに対応した承継を円滑に行うスキームづくりも必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(野村正史君) 建設業の全部ではなくて一部を承継する場合においては、承継先の事業者によって新たに当該建設業の許可を取得するという手続が必要になります。この場合については、新たに申請するということで、どうしても許可に要する手続の期間が存在することになりますけれども、今後、これについては、事前に許可申請の内容についてあらかじめの調整を行うことなどによって速やかに、できるだけ速やかに許可を行うということで、その許可の空白期間の影響ができる限り小さくなるように配慮していきたいと考えており、また、そのような措置をとった場合については関係方面にもしっかり周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○行田邦子君 よろしくお願いします。 次に、七条関係について伺おうと思ったんですけれども、これは先ほど同様の質問がありましたので省かせていただきます。 そして次に、二十四条の三関係について伺いたいと思うんですけれども、下請労働者の処遇改善の一環として、この改正法案におきましては、下請の下、働く技能者が賃金を遅滞なく受け取れるように、元請負人は下請代金のうち労務費に相当する部分については現金で支払うようという配慮義務が規定されております。これが二十四条の三なんですけれども、要は、これは建設業者の経営また商取引に関する規制だということであります。 規制を掛ける以上は、経営の自由度が損なわれるということですので、規制を掛ける以上は、この規制が合理的なものなのかどうか、そして本当に必要な規制なのかどうかといったこともしっかりと見なければいけないと思うんですけれども、そういった視点で伺いたいと思うんですけれども、下請の下で働く技能者の賃金受取の遅滞状況を国土交通省としてどのように把握をされているのでしょうか。そしてまた、下請が技能者への賃金支払を遅らせる理由がどこにあるのか、それをどのように把握をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) 下請取引の実態を把握するために、毎年度全国の一万四千業者に対して下請取引等実態調査を国土交通省において行っておりまして、その結果では、現在でも約九〇%の元請負人が下請代金のうち労務費相当分は現金払をしていると回答しているところでございます。 それからまた、国土交通省では、公共工事に従事した約十三万人の技能労働者を対象に公共事業労務費調査を行いまして、実際に支払われた賃金を調査した上で、これは公共工事設計労務単価の設定に役立てているところでございますけれども、今委員御指摘にあったように、支払の遅滞状況といった個々の賃金の受取の状況の詳細までは、その調査の中では大変恐縮ながら把握をすることといたしておりません。 ただ、一方では、各地方整備局ごとに建設業の法令違反に関する通報窓口である駆け込みホットラインを設置して、技能者や建設業者からの相談や通報などを受け付ける体制はしいてございまして、この駆け込みホットラインなどにおいて下請代金の支払遅延などの事実を把握した場合は事案に応じた指導を行うなど、いわゆる個別の対応という形で行うことも私どもとしては行っているところでございます。 引き続き、適正な下請取引の推進に取り組むとともに、ひいてはこれが技能者への賃金の適切な支払につながるように取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 法律で、下請代金のうち労務費に相当する部分については現金で支払うよと、まあ配慮義務でありますけれども、このように法律で縛るということでありますので、それが本当に必要なのかどうかという根拠ですね、証拠がないとすべきではないのではないかというふうにちょっと私は考えておりまして、今の御答弁ですと、賃金受取の遅滞状況を客観的にというか、定量的に把握はされていないということですので、是非これは把握をしていただくようにお願いをしたいと思います。 そして、最近よくEBPMという、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングということが言われていますけれども、根拠に基づく政策立案ということで、規制を行うに当たっても、また法改正を行うに当たっても、根拠に基づくものであってほしいというふうに思っております。 そして、最後の質問なんですけれども、二十七条関係について伺いたいと思います。 この改正法案では、限りある人材の有効活用と若者の入職支援といたしまして、技術検定試験を第一次検定と第二次検定に再編することとしておりまして、第一次検定に合格した者には技士補の資格を付与することとなっています。新たに創設される制度では、一級技士補の資格を有する方は元請の監理技術者を補佐することができることとなっておりまして、若い方たちが早期に現場で経験を積み、そしてまた活躍することが期待されると思っております。 一方でなんですけれども、二級技士補についてはどうでしょうか。二級技士補については、どのような活用が今後予定されているのでしょうか。
○政府参考人(野村正史君) 建設業における将来的な技術者不足が懸念される中で、若い技術者を養成していくことは重要な課題と考えております。 法案では、現在の学科試験と実地試験から成る技術検定制度について、一級及び二級の双方とも第一次検定と第二次検定に再編し、第一次検定に合格した者を技士補として新たに資格を付与することとしています。 二級の技術検定でございますけれども、これは十七歳以上であれば実務経験のない高校生でも第一次検定の受検が可能であり、合格すると二級技士補の資格が付与されることになります。 このように、二級技士補は、建設業の担い手としての入口の資格として施工管理技術の一定の知識及び能力を有することが対外的にもより明確となって、例えば就職活動にも有利となることから、若年層のモチベーションを向上させて、入職の促進や定着に効果があるものと期待しております。 このように、二級技士補はキャリアステップとしての活用を想定しているものではありますけれども、これをどう活用していくかということにつきましては、まさに若手技術者のモチベーションを確保するという観点も含めて、今後、工事での活用などについて検討してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 よろしくお願いします。 本法案が、建設業の働き方改革の促進と、そしてまた建設現場の生産性の向上に資するものとなることを期待をいたしまして、質問を終わります。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 昨年春以降、建設現場で鉄骨をつなぎ止めるのに使われる高力ボルトが全国的に不足し、周防大島の大島大橋で補修工事が延びたり、滋賀県では認定こども園の開園が遅れたりするなど影響が生じております。国交省の調査では、供給量全体が需要全体を著しく下回っているわけではないということであります。しかし、現状は、引き続き需給が逼迫し、通常は一・五か月程度の納期が八か月に長期化をし、九割で工期への影響ありとされています。 一時的なボルトの不足で疑心暗鬼を招いて、工事が決まる前から先行発注や水増し発注、重複発注が行われた結果として不足が生じています。過度な取り置きや架空発注の実態を具体的に把握して、建設現場でのボルト不足を解消する対策が必要ではないでしょうか。
○政府参考人(野村正史君) 国土交通省が実施しました最新の調査によりますと、高力ボルトの需給逼迫は継続し、前回の十月調査よりも納期が更に長期化する、調査対象の九割以上が工期に影響が及んでいるという回答をしております。 鉄骨需要量はこの一、二年で大きく増加をしていないことから、高力ボルトの納期の遅れなどから市場が混乱して、重複発注や先行発注、水増し発注を誘発して、実需以上の注文が一時的に膨れ上がっているものと私どもとしては受け止めております。 このため、今年五月十七日に、納期、納入先が明確な発注を優先するべく、発注様式を作成して、ボルトの需要、供給、流通の各段階の事業者に不確定要素が高い発注を避けて必要な分を必要な時期に注文するよう、関係業界宛てに活用徹底の要請を行ったところでございます。 今後、国土交通省におきましては、本取組による効果を注視するとともに、場合によっては工法の変化等によって高力ボルトの需要量自体が変化している可能性もあるため、実需の動向を把握するための調査を実施する予定でありまして、このような取組を通じて、引き続き高力ボルトの需給安定化に向けて対応してまいりたいと考えております。
○山添拓君 今、今後のことについてはお話しいただいたんですが、現に不足が生じている事態への対応も必要だと思います。ふだん鉄骨工事が多いわけではない中小業者、地方などでは、在庫がなく、工期や受注に大きな影響が生じております。架空発注などについては、今からでもやめるように指導すべきだということを申し上げたいと思います。 次に、法案でも焦点である工期の適正化に関わって、東京会館などを建て替える丸の内三の二計画工事の実態を取り上げたいと思います。過労死事件のあった新国立競技場と同じく、大成建設が元請です。 資料をお配りしております。千葉土建発行の昨年十月の機関紙です。「想像の上行く大成の労働実態 まるでリアル蟹工船」とあります。二年前に三人が亡くなる転落事故が発生をしまして、昨年の夏は、猛暑の中で休憩所にエアコンがなく、熱中症が懸念をされ、腐るために弁当も持参できなかったと、こう伺っています。 労働組合が立ち上げたツイッターには、写真もありますが、地下三階の床にシートを敷いて机代わりの段ボールにぐったりと伏している労働者の様子や、元請社員の命令で早朝から入場口で強制挨拶行動をさせられる、十八年間働いた中で一番ひどい、大成建設は職人を人間扱いしていない、あるいは、今日も父は朝五時半に家を出て翌朝の二時半を回っても帰ってこない、家族みんな心配でしようがないといった訴えまでありました。 組合から国交省に情報提供、要請がされたと聞いております。どのような対応を行ったでしょうか。
○政府参考人(野村正史君) 建設業は言わば人材で成り立っている産業でありまして、建設現場で働く方々の安全そして健康の確保は工事の大前提であり、そして最優先事項であるとも考えております。 国土交通省においては、今御紹介ありました平成二十九年丸の内三の二計画建設現場を含む労災事故の多発を受けて、同年九月、業界に対して安全確保の徹底について改めて要請を行ったところでございます。そして、その後、この丸の内三の二計画の建設現場では、下請も含めた作業員の労働時間管理を改めて徹底するという取組がなされたほか、下請事業者や技能労働者からの声に耳を傾けるために目安箱の設置、あるいは工事打合せに際しては二次下請以下の業者も参加するなどの対応が取られたと聞いております。 国土交通省としましては、労働関係法令を所管する厚生労働省とも連携しながら、建設現場において安全で快適な労働環境づくりが図られるように諸般の取組を進めていきたいと考えております。
○山添拓君 国交省に大成建設を呼び出して、情報を伝えて、改善についての説明を受けたと、こういう対応を行っていただいたということであろうかと思います。 労働行政は、基本的には使用者である下請業者を対象として行われるかと思います。元請に指導できるというのは、建設業を所管する国交省であろうかと思います。ですから、今後も通報、相談、情報提供に対して適切に対応いただきたいと思っています。 丸の内三の二計画は昨年の十月竣工とされていました。電気、空調、配管関係など設備や仕上げ工事の段階に至って工期が逼迫をして、現場では、工期が遅れているから休むな、二十四時間働けといって無謀な長時間労働が強いられました。 本法案の建設業法の十九条の五では、著しく短い工期とする請負契約を締結してはならないとしています。しかし、実際には工事の開始後に事故やトラブルで工期がずれ込むケースも多いでしょう。契約途中で著しく短い工期を強いるような事態にはどのように対処をするのか、大臣に伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 工事後半に至り工期が逼迫することのないよう、まずは全体の工期の設定の段階で休日や雨天による不稼働日などを適切に考慮をし、十分な期間を持った工期による請負契約が締結されるべきものと考えております。その上で、事情の変更等により工事後半に至り工期が逼迫する場合においては、著しく短い工期を強いるようなことがないよう適切な変更契約がなされるべきものと認識をしております。 本法案におきましては、工期の見直しに係る事項も含む工期に関する基準を中央建設業審議会が作成するとともに、著しく短い工期による請負契約の締結を禁止しておりますが、これは民間発注工事や元下間の契約についても対象としております。 これらの取組を通じまして、工事後半に至り工期が逼迫する場合も含め、工事全体の工期が適正化されるよう、本法案の趣旨を踏まえ、しっかりと取り組んでまいります。
○山添拓君 工期の変更の合意に応じるように是非指導をいただきたいと思います。 規模の小さい自治体などでは、公共工事で工期が延び事業費が膨らんだ場合に、これを交付金で賄うことができずに自治体の持ち出しになってしまうことがあると伺います。そのため、工事完了後に行う工事成績評定では工期を重視せざるを得ないと、こういう話を伺いました。しかし、適切な成績評価というのは適切な工期設定が前提のはずであります。 著しく短い工期が設定されていたり、やむを得ない事情で工期が延びたりという場合でも工期を基準として低い評価をするのは不当ではないかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(野村正史君) 公共工事品質確保法におきまして、発注者の責務として、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場の状態が一致しない場合や、設計図書に示されていない施工条件について予期することができない特別な状態が生じた場合などにおいて必要と認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代金の額又は工期の変更を行うこととされております。 さらに、この法の規定の趣旨を踏まえて、地方公共団体に対しても適切に設計変更や工期の変更等を行うよう総務省と連名で要請を行っているところでありまして、この結果、設計変更手続の円滑な実施を目的として設計変更事務の運用に関するガイドラインなどを策定している地方公共団体は近年増加しているところではございますけれども、先ほど御紹介しましたように、一方で、やはり市区町村などにおいてはまだまだ進んでいないという実情もあることも事実であります。したがって、これはしっかりとまたこのガイドラインの策定が進むように働きかけをしていかなくてはいけない状況はいまだ残っているかと思っております。 さらに、適切に設計変更や工期の変更などが行われた場合には、受注者側の責めに帰すべき事情がある場合を除いて、工程管理に関する工事成績評定が低く扱われるべき理由は生じないものと認識をしております。 国土交通省としては、引き続き、今のように比較的取組が遅れている実態にある市区町村を中心に公共団体において適切に設計変更等が行われるように周知を行って、そしてまた適切な工事成績評定が行われるように努めてまいりたいと考えております。
○山添拓君 工事成績評定は次回入札時の参考にされるもので、業者にとっては大きな関心事であります。工期ありきの評価にならないように是非お願いしたいと思います。 長時間労働是正のために週休二日を原則化していくとしています。しかし、建設業では日給月払が当たり前で、一日仕事に出て初めて賃金が払われますので、週休二日は賃金に直接影響することになります。今でも他産業に比べて三百時間、二割労働時間が長く、かつ年収では二割も少ない現場の労働者にとって死活問題となりかねません。 二年前にこの問題を指摘した際に、公共工事の設計労務単価の積算に当たって、週休二日の導入に伴う賃金支払の実態について調査項目に追加したということを伺いました。 休日が拡大して減った賃金が基本給の引上げや手当の支給によって補われているのかどうか、賃金総額への影響をどのように把握しているでしょうか。
○政府参考人(野村正史君) 公共事業労務費調査では、平成二十九年度の調査より、今御指摘のありましたとおり、週休二日対象工事に該当するかどうかの調査項目を追加をして、全労働者という区分に加えて、週休二日対象工事に従事した労働者の区分についても賃金の実態を把握するようにいたしております。 現在、週休二日対象工事の労務費の積算について行っている補正による割増しについては、この追加調査項目から得られたデータに基づいて、全労働者とそれから週休二日対象工事に従事した労働者の八時間当たりの賃金を比較して補正係数を設定しております。なお、ここで言う賃金という中には、手当という名目で支払われるものも含まれております。 この補正係数ですけれども、例えば四週八休の週休二日対象工事においては、一日八時間当たりの労務費に対して一・〇五の補正係数を乗じて労務費を算出しているところでございます。
○山添拓君 週休二日の工事で補正が必要だということは分かったわけですが、週休二日によって賃金額が具体的にどのぐらい下がるかということについてはまだ分かっていないということであろうかと思います。 低賃金の背景には重層下請構造があります。設計労務単価を上げ続けても現場で十分に行き渡っていないという声が続くのはそのためであります。 国交省は、昨年度、特定の公共工事における下請各層の賃金実態、つまり中間搾取の実態がどうなっているかを把握するためのモニタリング調査も開始したと伺います。現時点で判明している事実と、それから、その調査そのものの課題について御説明ください。
○政府参考人(野村正史君) 今回行いました調査では、平成二十九年度に発注し、平成三十年十月一日時点で完了している直轄工事から無作為に抽出した四十九の工事に携わった元請負人、下請負人の五百七十八業者に対して労働者への賃金の行き渡り状況に関する書面調査を行ったところでございます。 建設工事における労務費の行き渡りを明確にするためには、建設工事の施工に携わった全ての元請負人と下請負人の締結した請負契約の少なくとも法定福利費相当分を確認し、そこから労務費相当額を推計するという手法が有効かと思っております。 この調査を現在精査しているところでございますが、調査対象の六五%の元請負人や下請負人が調査未回答あるいは法定福利費を把握していないという状況にありました。そしてまた、法定福利費が確認できた三五%の請負契約については、今のような形で法定福利費から遡って労務費相当額の推計を試みましたけれども、非常に回答率が低かった上に、その回答の中には明らかに異常値と思える回答あるいは精度の低い回答が多く、現時点では十分な分析ができていないというところが正直なところでございます。 国土交通省といたしましては、今回の結果を踏まえて、今後、労働者への賃金の行き渡り状況の確認が可能となるような方法の改善をこれは検討するべき必要があるだろうと考えております。 それとともに、請負契約の当事者がやはり分からないとかそういったことにならないように、法定福利費を確実に把握することができるように、私どもとして、平成二十九年七月に、内訳明示の措置を盛り込んだ公共工事標準請負契約約款、そして民間建設工事標準請負契約約款、建設工事標準下請契約約款、いずれも改正をしてございますけれども、これがしっかりと使われるような状況になるということも必要だと思っておりますので、この改正された、内訳明示がされた契約約款の活用について更なる周知を図っていく、これも重要な課題であると考えております。
○山添拓君 詳しく答えていただいてちょっと時間がたってしまったので。 今の調査は非常に大事な調査だと思うんですね。実際に中間搾取がどれぐらいされているのかということを見るには、特定の公共事業についてそれぞれどのように行き渡っているかを調べなければならないということで、今初めてこの調査が行われています。公共工事で社会保険の加入が義務付けられていますが、法定福利費の支払、それは建設職人基本法でも確認されているものですが、それでも分からないという事業者が多いというのは深刻な事態でもあろうと思いますので、是非工夫をしていただきたいと思います。 時間がなくて恐縮なんですけれども、最後に是非大臣に、今の週休二日の点、それから下請構造の中での調査の点踏まえて、認識をお示しいただきたいと思っています。
○委員長(羽田雄一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
○国務大臣(石井啓一君) はい。 国土交通省としましては、労務単価の引上げ等が現場の技能労働者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう、繰り返し私から直接建設業団体のトップに対して要請を行ったところであります。この結果、業界団体以外におきましても、技能労働者の賃金水準確保のための自主的な取組が講じられているところであります。 今後とも、更なる実態把握に努めるとともに、官民一体となりまして技能労働者の適切な賃金水準の確保に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
○山添拓君 ありがとうございます。 終わります。 ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、吉田博美君が委員を辞任され、その補欠として今井絵理子君が選任をされました。 ─────────────
○平山佐知子君 無所属クラブの平山佐知子です。 私も先日の新国立競技場の視察に行かせていただいたんですけれども、実際に現場に行ってみて、あのスタジアムの観客席に立ってみますと、すっと風が自然に通るような構造になっていたりですとか、また、周囲には木々、緑があふれて、木材もたくさん使った構造になる、視覚から見ても涼しげな印象があって、世界にも誇ることができるすばらしい競技場だなという印象を受けました。 また、現地では、先ほどもスポーツ庁からも説明ありましたけれども、健康相談室を設置して看護師を常駐させるなど、作業をする方々の健康管理を徹底しているというほか、時間外労働の短縮化を促進するなど、細やかに取り組んでいるという話もありました。 そこで、東京オリンピック・パラリンピックの競技会場などの建設現場で作業員が過酷な労働環境に置かれていると指摘する報告書が国際建設林業労働組合から公表された件について、国交省として事態をどのように把握しているのかなどを伺う予定でしたけれども、先ほど増子委員の質問の中にも出てこられましたのでこの質問はやめつつも、国を代表するようなこのような工事で事案が発生したことは国交省としても重く受け止めていただきながら、安全第一、それから適切な休憩、休日の確保というところの指導を引き続き徹底をしていただきたいと思います。 それでは、本改正案について質問をさせていただきます。 建設業の働き方改革について、長時間労働の是正と平準化そして処遇改善と、大きく三つの項目について書かれています。どれもこれからの建設業界に必要不可欠な内容であり、これを地方の中小の建設業者にまできちんと浸透させなければいけないというふうに思っています。 そこで、長時間労働の是正についてですが、本改正案では、中央建設業審議会におきまして工期に関する基準を作成するとされています。その中央建設業審議会の過去の開催実績、これを見ますと、おおむね一年に一回程度の開催となっています。 建設業における工事ですけれども、規模や種類ですとか地域性など、様々な要素が絡んできているんですね。そうした中で、一年に一回程度の開催では現場に即した工期の基準を作成できるのかどうか。中央建設業審議会の今後の開催の見通しと、また議論される内容について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) まず、この工期に関する基準につきましては、これまでも答弁申し上げましたとおり、定性的な事項、例えば、全工程に共通する事項としては、自然的な要因とかあるいは不稼働日などに配慮しろというふうなこと、そして、準備段階、施工段階、後片付け段階、それぞれの各工程において考慮すべき事項として、例えば、準備段階では用地買収や建築確認などのほか様々な周辺環境や近隣状況等の状況、施工段階では地下埋設物の存在とか掘削土の排出、そして後片付け段階では完成検査を始めとして各種の検査あるいは工作物の撤去等に要する期間、こういうものに配慮するということなどが定められるのではないかと考えております。 そしてまた、これを中央建設業審議会において策定するということになってございます。この法案が成立を見て、実際この作業に入るとなった場合には、これからは中央建設業審議会、この審議事項検討のために弾力的な開催を行っていくこととしておりますけれども、さらに、具体的な検討を専門的に行うためにも、この中央建設業審議会の下に建設工事の受発注者や有識者などで構成されるワーキンググループを設置をして、まさに、現場に即し、地域に即し、そして実情を踏まえた工期の基準の策定がなされるよう、機動的な検討体制を整えてまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 ワーキンググループで細やかに、設置してやっていくということでございましたので、是非実効性のあるものとなるようにお願いを申し上げます。 続いて、平準化について伺います。 私は、この平準化が最も重要であって、一刻も早く地方自治体にまで徹底させるべきだというふうに考えています。 地元の建設業者から聞いた話なんですけれども、国直轄河川の工事で、まずは四月に発注があったそうなんです。そうしますと、実際に工事に入るためには、受注した建設業者は二か月ぐらい掛けて準備、つまり段取りを行って、その段取りを終えたのが五月の末。いざ着工しようとしますと、河川工事は六月から八月の雨季は、太平洋側だけかもしれませんけれども、工事をしてはいけない期間に入っているので、結局九月から工事を開始することになったということなんです。 こうした事例を考えますと、平準化を進めるとともに、やはり現場に即した発注時期も考慮すべきだというふうに思います。先ほど質問した工期に関する基準についても、実質的に工事できない期間などを考慮して発注すべきではないかというふうに考えますけれども、これについてはいかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 施工時期の平準化に当たりましては、降雨や降雪、出水期に配慮いたしまして、債務負担行為や繰越明許費を活用することで現場に即した取組を発注者が進めることが重要であります。 工期に関する基準につきましては、中央建設業審議会において御審議いただき決定をされますが、工期の設定に当たりましては、降雨や降雪、出水期など実質的に工事できない期間も考慮する必要があると考えております。 審議会において策定された工期に関する基準につきましては、民間発注者を所管する関係省庁も参加いたします建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議などを通じまして民間発注者も含めた関係者に周知をし、適正な工期による契約の締結を促進してまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 河川は六月から八月が工事できない期間というふうになっていますけれども、道路については年末年始は工事ができないようになっているようでございます。そう考えますと、例えば道路工事は十二月中旬には工事が終了するように逆算して発注をするとか、河川工事は工事ができない雨季に発注するなどの工夫が必要だというふうに考えますので、そうした配慮もお願いを申し上げます。 また、本改正案では、下請の建設企業も含めて社会保険加入を徹底するために、この社会保険に未加入の建設企業は建設業の許可、更新を認めない仕組みを構築するとしています。これは、企業規模が大きければ体力的に問題はないというふうに思うんですけれども、例えば従業員が数人の企業であったり、これから建設業を起業するという方にとっては結構負担になります。 そこで伺いたいのですが、国として、そうした建設業を起業しようとしている方ですとか小規模の建設業に対する支援施策、それから相談窓口などはどのようにされているのか、お答えをお願いいたします。
○政府参考人(野村正史君) 建設産業が持続可能な産業であるために、適切な社会保険に加入できる環境整備を図ることで将来にわたる担い手を確保し、そしてまた、法定福利費が適切に負担されることによって公平な競争環境を構築することが重要と考えております。 現在、公共工事に従事する企業ベースでは社会保険の加入率が九七%まで向上してきたことも踏まえ、今般、建設業法を改正をして、社会保険加入を建設業許可あるいは更新許可の要件とすることとしたものでございます。 そして、まず第一に、建設業の許可の要件として加入しなければならない社会保険は、社会保険法令上、事業者に労働者を加入させる義務があるものを対象とすることを考えていて、四人以下の個人事業主や一人親方について、法令上加入義務のない健康保険や厚生年金への加入まで義務付けることは考えておりません。 そして、やはりこれはなかなか大変なことであるという御指摘であります、起業しようとされている方や小規模の建設業者に対しては、例えば中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画による税制支援のほか、建設業者向けの経営についての相談窓口を設置するなど、引き続き建設業者に対する支援施策を推進していく必要があると考えております。 そして、この改正内容など建設業の許可取得に関する情報については、社会保険労務士や行政書士など関係士業の方とも連携した周知を図るなど、起業しようとされている方や小規模の事業者に適切に情報が行き渡るように取り組んでいきたいと考えております。
○平山佐知子君 周知等もしっかりしてくださるということですけれども、夢を持って起業しようとしている人たちに対しては一層きめ細やかな支援をまた重ねてお願いを申し上げます。 本改正案では、元請の監理技術者を補佐する技士補の資格制度を創設し、先ほどもありましたけれども、一級技士補が専任で一つの現場にいられれば監理技術者の複数現場の兼任を認めるというものになっています。この技士補という資格は今回新設されるものですけれども、技術検定試験を学科と実地を加味した第一次と第二次検定に再編成した上で、第一次検定の合格者に技士補の資格を付与するものとされています。 技術検定試験には土木施工管理や管工事施工管理など現在も様々な種類がありますが、再編成されるその具体的な内容と、今の試験制度で一次に該当する学科試験の合格者、これは法改正後、技士補の資格がもらえるのかどうか、教えてください。
○政府参考人(野村正史君) 技術検定でございますけれども、現行制度では今御紹介があったように七つの種目があって、いずれの種目も学科試験及び実地試験から成っております。そして、この学科、実地両方の試験に合格した者が技士となる、現行制度はそのような制度でございます。 今回の法案では、技術検定制度を第一次検定及び第二次検定に再編をいたします。そして、第一次検定では、施工技術のうち、基礎となる知識及び能力を有するかどうかを判定します。第二次検定では、施工技術のうち、実務経験に基づいた技術管理及び指導監督に関わる知識及び能力を有するかどうかを判定します。そして、第一次検定に合格した者を技士補、第一次検定及び第二次検定の両方に合格した者を技士とすることを予定しております。 特に一級技士補については、今回の法案において監理技術者を補佐する者として配置できることとしているため、監理技術者に準じた知識及び能力を有することが求められます。このため、第一次検定では、これまで一級学科試験で求めていた一般的な知識に加えて、現場経験に基づく施工管理の能力についても求める予定であります。 したがいまして、再編前の学科試験合格者に新しい制度に基づく技士補の資格を直ちに付与することは今のところ考えておりません。 一方で、現行では、学科試験合格者に対して、翌年以降の一定期間内に技術検定を受検する際、再度の学科試験の受検を免除する措置を適用しておりますけれども、再編前の学科試験合格者のうち免除回数又は免除期間が残っている者に対しては、今後、新しい制度に再編した場合であっても、試験の一部免除など、技士の資格を取得するための何らかの経過措置を今後検討していきたいと考えております。 試験の再編と併せて、その経過措置を設けた場合については、建設業団体あるいは教育機関などを通じてしっかりとした周知を施してまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 試験の再編というか、変わるということは、やはり現場が混乱することも見込まれますので、今おっしゃっていただきましたけれども、周知しっかりとしていただきますようお願いを申し上げます。 建設業は主に特定建設業と一般建設業の二つに分かれます。この建設業全体のおよそ九割は一般建設業者です。一般建設業は中小企業それから小規模事業者がほとんどを占めており、つまり、建設業界の発展はこの中小・小規模事業者がいかに元気になるかが、これが懸かっている、これがポイントだというふうに思っています。 中小・小規模の建設業者は、経営者であっても現場で働いていらっしゃる方も多く、この方々にまで含めた働き方改革、それから生産性向上が重要だというふうに思いますので、単に大きな建設業に勤める労働者の働き方改革にとどまることのないよう、建設業全体が持続的に発展していけるものとなるようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木愛君。
○青木愛君 私は、ただいま可決されました建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党、日本共産党及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 令和六年度から適用される建設業における時間外労働の上限規制を視野に、長時間労働の是正や週休二日の確保が図られるような工期に関する基準を策定するとともに、この基準を踏まえ、国及び地方公共団体において、適正な工期の実現が図られるよう努めること。 二 工期の適正化等のための措置が講じられるに当たっては、公共工事のみならず、民間発注の工事についても、その実現のため十分な取組が進められるよう努めること。また、週休二日を実現するための大手建設業者による人材確保等に伴い、地域の中小建設業者・専門工事業者において人材不足や追加費用の過度な負担等が生じることのないよう留意するとともに、必要な対策を講ずること。 三 債務負担行為や繰越明許費の活用により施工時期の平準化に取り組むべきことを、地方公共団体に対して要請するとともに、これらの円滑な実施のために必要な取組を進めること。 四 元請負人と下請負人の間における請負代金の支払の適正化など建設工事の請負契約の適正化を図るとともに、重層下請構造の改善に向けた取組を進めること。 五 公共工事設計労務単価の引上げを一次下請以下の全ての建設労働者の賃金上昇につなげていくとともに、下請代金のうち労務費相当分が着実に現金で支払われるようにすることで、建設労働者への賃金の着実な支払を確保すること。 六 建設業の許可業者における社会保険加入を達成するとともに、下請負人への法定福利費の着実な支払及び一人親方を始めとした小規模な個人事業主やその労働者における適切な保険への加入を促進すること。また、建設技能者が加入する国民健康保険組合に対する十分な財政支援に努めること。 七 建設業は、労働災害による死亡者数が全産業中最も多いことを踏まえ、墜落・転落、交通事故、熱中症等に係る安全対策とともに、メンタルヘルスにも留意した健康管理が適切に行われるよう、事業者等に対する指導を徹底し、好事例の収集、周知等を通じ、その取組を支援すること。 八 技術検定制度の再編を契機として若年者の積極的な登用の促進などを図り、担い手の確保や適正な施工の確保に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(羽田雄一郎君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十一分散会