厚生労働委員会 第18号
- 発言数
- 365 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2019/06/18
会議録
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、岩井茂樹君、矢田わか子君、伊藤孝恵君、高階恵美子君及び木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として馬場成志君、礒崎哲史君、足立信也君、こやり隆史君及び朝日健太郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石田昌宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省子ども家庭局長浜谷浩樹君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石田昌宏君) 児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋通宏です。 今日も法案の質疑に入る前に、前回の質疑のときの宿題事項がありますので、それを先に取り上げさせていただきたいと思います。引き続き問題になっております年金について、老後二千万円必要だという金融庁ワーキング・グループのこの報告書について、消し去られようとしている報告書、これ決して消し去ってはいけないということも含めて、改めて確認しておきたいと思います。 まず、金融庁、お見えをいただいております。理事会協議案件で、今日、理事会に資料提出をいただきましたが、前回確認をさせていただいた、ワーキング・グループに、年金について、とりわけ高齢御世帯で五・五万円、月額不足すると。これ、厚生労働省以外にこのワーキング・グループで資料の提供、ヒアリングあったのかということの確認をお願いしましたが、改めてこの場で回答をお願いします。
○政府参考人(佐藤則夫君) お答え申し上げます。 金融審議会市場ワーキング・グループにおきまして、高齢夫婦無職世帯の実収入と家計支出の差が月五万五千円程度となっているとの説明、データの提供等は、第二十一回の同ワーキング・グループでの厚生労働省のプレゼンテーション以外では行われておりません。
○石橋通宏君 これは明確に金融庁に確認、過去の議事録も含めて精査をいただいた上で、改めてこの御確認をいただきました。厚生労働省以外にこの資料、データを提供した事実はないと。つまり、ワーキング・グループのこの根拠はやはり厚生労働省のみであったということを改めて確認をいただいています。 金融庁、ちょっと改めて確認ですが、これ今日、具体的に五・五万円の不足云々についてお答えいただいていますが、いわゆる年金の推計ですね、今後いろんな御世帯で年金が不足する、家計調査、総務省の家計調査の支出、標準的な世帯、様々な例があろうかと思いますが、こういったことも含めて年金収入との比較で寿命が延びている中で不足してくる、こういった具体的な年金に関するプレゼンなり資料なりデータの提供も含めて、厚生労働省以外からは一切なかったという理解でよろしいですね。
○政府参考人(佐藤則夫君) 委員の御発言の中で、年金に触れられたところは場合によってはあったかもしれません。ただ、五・五万円というところについては触れられている方はいらっしゃらなかったということでございます。
○石橋通宏君 ここ、改めて明確に確認しておきたいと思います。 厚生労働省の責任です。厚生労働省のデータ、プレゼンです。つまり、ワーキングは厚生労働省のこれに基づいて、掛け算をしたのはワーキング・グループだと、すり替えのような議論は、根本厚生労働大臣、是非やめてくださいね。その根拠になったのは厚生労働省の提供データということは、改めてここで確認をいただきました。 金融庁、もう一点確認をさせてください。 この報告書って結局、つみたてNISA若しくはiDeCo、皆さん、将来、老後不安ですね、老後足りませんよ、だから、是非iDeCo、つみたてNISA使ってくださいねという、そういう報告書ですね。 結局、これ金融庁の意図としては、もっともっとiDeCoやらNISA、皆さん、これ投資してくださいねということを喚起するためにこの報告書が作られた、そういう理解でよろしいですか。
○政府参考人(佐藤則夫君) この報告書につきましては、まず高齢社会全般についての議論をされて、その取りまとめがなされております。例えば、認知症になった方々の保護をどうするかという問題ですとか、いろいろな問題が触れられていると認識をしております。 その中で、いわゆる資産形成支援制度、先生おっしゃいましたiDeCoとかNISAですとか、そういうものの普及推進ということも重要であるということが述べられていると認識をしております。
○石橋通宏君 報告書を読んでいる方はよく分かると思います。後半は、NISA、iDeCo、分散投資してねとか、投資の手法まで説明をされている。皆さん、老後心配だから投資して自分で頑張ってくださいねと、そういう趣旨になっているのは明々白々ですが。 金融庁、iDeCoとかNISAとか、運用実績、個人の積み立てられている人、これ、みんな成功して、これで二千万、老後稼げるんですか。皆さん確実に運用実績がプラスになって、これをやれば間違いなく運用がプラスになる、そういうことで責任持って提案されているんですかね。
○政府参考人(佐藤則夫君) この貯蓄から投資へというようなことを、現状で家計金融資産の過半が現預金となっているという現状に鑑みて、個々人のニーズに応じてより有効な運用ができる、そのような制度を整えていくことが重要と考え、そうした観点から、金融庁におきましてNISA、つみたてNISAの導入、拡充などに取り組んできたところでございます。 あわせまして、株式投資などいろいろな商品の販売に当たって、金融機関は十分にリスクを説明することが当然必要でございます。そうした利用者が安心して投資できるような環境を整備する、そういう観点から関係法令の整備を行ったということでございます。 私どもとしまして、今後とも、個々のニーズに応じた資産形成が進むよう、丁寧な御説明、御議論を進めてまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 重ねて、私、この報告書の問題だと思うのは、そうやって自助をうたって、自分で投資して自分で頑張ってくださいね、明らかにiDeCo、NISA、この推奨をされているということ、私はそれ自身が問題だというふうに思っています。 是非、じゃ、個々人の投資家の実績、前回お聞きして、個々人の投資家の運用、これは金融庁としても把握をされていない、一体どれだけの人が損をしているのか、そういったことも把握をしないままに推奨していると。余りに無責任な政府の対応だと言わざるを得ないというふうに思います。 根本大臣にお聞きします。 これ、標準的な無職高齢世帯で月五・五万円。じゃ、五・五万円以上に不足する世帯はどれだけいるというふうに厚生労働省は推計されていますか。
○国務大臣(根本匠君) まず前段の話で、厚生労働省がこの高齢者夫婦無職世帯の平均的な収入と支出の差である五万円、あるいは、厚生労働省は平均貯蓄額が二千四百八十四万円、これを示しております。これは、二〇一七年の総務省家計調査の数字、これをそのまま出したということであります。厚生労働省が調査したり推計したりしたデータではない、これはまず確認しておきたいと思います。 その上で、家計調査では、サンプル数からして確かなところが取れるところは幾つかあるとは思いますが、家計調査で取れるところが、引退後の高齢期の生活としての高齢者夫婦無職世帯の平均の収入と支出、そして預金がどのぐらいあるか、二千四百八十四万円。だから、それぞれの家庭では、家計では貯蓄を活用しながら支出に充てている、賄っているという資料。これは総務省家計調査の数字としてお出ししたもので、それ以外は、家計調査から拾っている数字は厚生労働省としては今ありません。
○石橋通宏君 ありませんというこの無責任な厚生労働省の大臣の答弁、すごいですね。 これ、家計調査といっても、実収入のところは社会保険給付十九万一千八百八十円ということで言われている。これ、要は年金収入。ここ、厚生労働省、責任持ってこれ逆に御説明いただかなきゃいけない。 前回の年金制度改革の大議論になった、例えば、今、これから一番問題なのは、御高齢の単身の女性の方々の年金給付がこれ大幅に少なくなるのではないか、年金が足らない方、無年金の方々、高齢単身女性の方々が大幅に増えてくる、それをどうするのかという議論を三年前にさんざんさせていただいたわけです。 じゃ、大臣、単身高齢の女性の方々の今後の年金、十年後、二十年後、三十年後、恐らく寿命からいっても女性の方の寿命が長いわけですから、どういった推計になるのか、大臣、厚生労働省、出しているんですか、出していないんですか。
○国務大臣(根本匠君) まず、公的年金制度の性格を申し上げたいと思います、まず。 社会保険方式の下で、法律で定められた一律の算定式に基づき、過去に納められた保険料に応じて給付を行うことを基本としております。個々人が高齢期におかれた様々な事情に応じて給付額を決める。これは、そもそもこの社会保険方式はこういう考え方で出していますから、これはなかなかなじまないということをまずは御理解いただきたいと思います。 そうした中で、国会での議論、三党合意を経て、この十月からは年金生活者支援給付金がスタートいたします。そして、これは御指摘の高齢期の単身女性に対しても一定の下支えになるものと考えておりますし、社会保険の税の一体改革においても、要は、医療、介護の保険料負担軽減を実施して様々な総合的な、社会保障全体で総合的な対策を講じていっておりますので、委員の御指摘の単身の高齢世帯に対する対応は、その意味では社会保障全体で総合的に対策を講じていくということであります。
○石橋通宏君 要は、出していませんということを言われている。 これ、重ねて言います。 大臣、前回の議論、これまでの年金の問題の議論、厚生労働省は、御夫婦でというモデル世帯で、それで年金のことをいろいろ議論する。もう今やモデル世帯じゃない方々が多数おられて、そういう方々の老後、年金がどうなるのか、それが問題なんだという議論をさんざんした。これまでの、前回の財政検証も、モデル世帯で基本的にはやっている。それじゃ分からないから、ちゃんと財政検証でちゃんとした様々な状況にある高齢期の状況に応じて試算を出すということでやってきた。全然やっていない。余りに無責任な厚生労働省の対応と言わざるを得ません。今世間では、いや、二千万円と言うけど二千万円どころじゃない、三千万、四千万円足らない方々もいるんだという、そういうプランナーの方々の予測まで出てきてしまっています。厚生労働省がそういう無責任なことをするから、こういう混乱を巻き起こしているんです。 大臣、やはり一刻も早く財政検証を出していただかなければいけませんが、今日も、これも協議案件で説明いただきましたけど、前回お聞きをしました、なぜ財政検証が出せないのか。これ大臣、答弁、これ大臣も見ているんですかね。なぜ今財政検証が出せないのか。制度改正の議論に資する財政検証をしっかり行うことが重要です、当たり前です。丁寧に作業を行っているところです、当たり前です。じゃ、前回丁寧じゃなかったんですか、大臣。それを厚生労働省、認められるんですか。済みません、前回はいいかげんに行っておりました、前回はしっかりやっていませんでした、だから今回はしっかり丁寧にやっております、そんなふざけたことを言うんですか。こんな質問に対して答弁を返すこと自体が、厚生労働省、疑いますよ、皆さんの姿勢を。唯一、新たなオプション試算などの内容、これを聞いているんです。 私、委員から直接聞いています。オプション試算の内容は前回と変わらないというふうに聞いています。大臣、じゃ、是非説明してください。オプション試算の内容は、前回よりも拡充をされた。じゃ、具体的にどう拡充をされて、今どのオプション試算の計算に時間が掛かっているのか、それを聞かせてくださいとお願いしているんです。具体的に教えてください。
○国務大臣(根本匠君) まず財政検証、公的年金制度というのは、マクロ経済スライドを導入していますから、基本的には制度を持続可能なものにしました。そして、これは五年に一遍財政検証をして、人口や経済の長期の前提を設定して、それでおおむね百年間という長期的な給付と負担の収支の見通しを確認するもの、言わば年金制度の定期健康診断というべき性格のものであります。これは、やはり我々は制度改正の議論に資する財政検証をしっかり行うことが重要と考えております。 現在、年金部会の議論や未来投資会議での議論がありました。未来投資会議でも幾つか提案をいただいておりますので、それは、我々、オプションとして、その政策の、提言された政策で財政検証をするとどういうふうになるのかと、これを検証して提示しなければいけないと、こう考えております。 例えば、例えば、被用者保険の更なる適用拡大に関する試算。現行の賃金要件や企業規模要件を見直した場合の試算、これをやらなければならない、被保険者を拡大するという観点で。あるいは、保険料拠出期間の延長と受給開始時期の選択に関する試算。これは、例えば在職老齢年金制度を見直した場合にどうなるか、あるいは受給開始時期の選択肢を拡大する等々。こういうオプション試算を今やっていますから、ここはしっかりとした制度の議論をする前提として我々この検証をしっかりとしなければいけないので、そこは我々しっかりとしたものを出したいと思っていますから、現在その作業中であるということであります。
○石橋通宏君 これでよく分かったと言う人の気が知れないですが、全く分かりません。前回も、今おっしゃられたようなことは、当然ながら要素としてはやっておられるはずです。全くそれでは説明になりません。 大臣、重ねて、今のような説明をされていれば、やはり選挙前に出したくないから隠しておられるとしか国民の皆さん受け止められませんよ。我々もそう受け止めます。一刻も早く、重ねて、これだけ国民の不安が増大しております、出していただいて、年金の絵姿、この国会中に出していただいて、選挙前にこれしっかりと説明いただく、そのことは再度重ねてお願いしておきたいと思います。 以上申し上げて、法案の質問に入ります。 最初に、資料の一で改めてお配りをしました。札幌の二歳の女児の死亡事案についてアップデートを出させていただいておりまして、だんだんと経緯が明らかになっておりますが、私も、改めて今回、これ赤字で強調させていただきましたが、累次にわたって本来対応すべきが対応されていなかったのではないかということが、重ねて重ねて重ねて発生していたという疑いが濃厚になりました。 一つ確認させてください。 これ、今回も、健診の際にということを強くこの今回の改正でも議論しておりますが、四か月健診、体重増加不良、二か月後、経過観察でも来所しなかった。一歳六か月健診、体重、標準下回っていた、経過観察、でも経過観察で来所しなかった。これ、ルールどうなっているんですか。経過観察で来所しなかった、それでほっておかれたんですか。ほっておいていいものなんですか。これ、どうして対処をしなかったんですか。まず、ルールがどうなっているのか、それを確認させてください、局長。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 乳幼児健康診査の結果、経過観察、精密健康診査、処置又は医療等が必要とされた方に対しましては、適切な事後指導を行うこと、そういうルールになっております。その際でございますけれども、市町村保健センター、母子健康センター及び保健所等におきまして事後指導を受けるよう勧奨いたしますとともに、必要に応じ訪問指導等を行うこととしております。 このような対応を行ってもなお児童の状況が確認できない場合、あるいは必要な支援について検討すべきと思われる場合につきましては、要対協へのケース登録を行うなど、児童相談所や関係機関と連携して対応することとしております。これが現在のルールでございます。
○石橋通宏君 局長、そのとおりになっていなかったということでいいんですか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 札幌におきましては、来所しなかった後に訪問あるいは電話等を行っておりましたけれども、結果として、何といいましょうか、把握といいましょうか、本人と会うことができなかった、あるいは連絡が付かなかったということでございました。
○石橋通宏君 なので、付かなかったままにされていたことは適切ではなかったという理解ですね。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 先ほども申し上げましたけれども、こういったアクセスをしてもなお児童の状況が確認できない場合には、要対協へのケース登録を行うなど、児童相談所や関係機関と連携して対応すべきものであったと考えております。
○石橋通宏君 局長、ストレートに答えてくださいね、質問に対して。これ、事実関係解明しないと、今回の法案審議にもこれどうするのか。単に連携強化、連携強化と言う。でも、重ねて繰り返し起こっている事案、でも、結局今回の札幌でも、これ累次やるべきことが行われていなかった。であれば、それをちゃんと事実認めてください。なぜそれが行われなかったのか。これ何度も申し上げている。 局長、ここでちゃんとその事実を認めていただかないと先へ進みませんよ、局長。やるべきだった、そうなっています、なっています。じゃ、だから、それができていたんですか、できていなかったんですか。できていなかったとしたら、なぜできていなかったんですか。そのことを確認しないと。 重ねて言います。 これ、法案でやろうやろうと言ったって、結局現場でできていない、なぜできていなかったのか、そこに切り込んでいかないと同じこと繰り返されるじゃないですか。そうしないための議論でしょう、局長。ちゃんと答弁してくださいよ、そこは。 時間がないので、これ重ねてお願いしておきます。局長、そんないいかげんな答弁やめてください。また大切な命が失われているんです。 警察に確認します。 じゃ、警察の方は、五月十五日に、直接、結局、最終的に単独で行かれた。十四日のやり取りで警察が単独で行くことになった。ここ、私は、重ねてこれ自体が問題だと思っておりますが。警察は、当然ですが、この児童、二か月、四歳児健診で体重増加不良、一か月半健診で経過観察、来所していない、その後のフォローが一切できていなかった。こういう事実関係は全て把握をされて、その上で担当者は現場に入られた、それでよろしいですか。
○政府参考人(小田部耕治君) お答えいたします。 北海道警察札幌方面南警察署におきましては、五月の十三日に札幌市児童相談所に対しまして、本件被害児童に関する過去の取扱い状況を照会しております。その結果、児童相談所におきまして過去二件取扱いがあること、いずれも付近住民からの児童相談所への通報であり、本件同様、子供の泣き声がするとの内容であったこと、また、児童相談所が親子と面接したが虐待事実は認められず、児童の発育状況も問題がなかったということについて回答を得たものと承知しております。
○石橋通宏君 ごめんなさい、分からなかった。四か月健診、一年六か月健診、経過観察、その後来なかった、つまり体重について確認ができていない、そこは確認はできていたんですね。
○政府参考人(小田部耕治君) 今の御指摘の点につきましては回答を得ておりませんで、先ほど申しましたように、児童相談所におきまして過去二件取扱いがある、その内容が子供の泣き声についてでございます。
○石橋通宏君 つまり、体重のことについて警察と共有できていなかったということなのであれば、重ねて、この十五日に警察が単独で行かれた、体重が健康診断で増加不良であった、その後の経過観察にも来ていなかった、それを確認すべきだというのは、共有できていたらもう少しやりようがあったのではないか、警察。ここは是非確認してくださいよ。共有できていなかったとすれば、ここもなぜそれが共有されていなかったのか。要対協で情報が確認されていたはず、でも警察には確認できていなかった、しないままに警察が単独で十五日、女児に面会をした。これ、いや本当に残念でなりません。ここも含めて、どうそれを今後の対応でしっかりやっていくのかということを是非これ学んでください。生かしてください。 重ねてそのことはお願いし、これも引き続き追及していきますので、改めて今後の事実解明の中でそこは明確に確認をしていただきたい。なぜできなかったのか、どうするのか、明確にしていきたい。それを運用の中でもしっかりやっていただきたいと思います。 その上で、重ねて、札幌の児相の人員体制、これが余りにやっぱり脆弱ではなかったのか。人がいない、夜に対応できない、結局それで警察行ってくださいということで、結果、こういう結果を招いてしまった。 前回ちょっと分からなかったので、改めて資料を出していただいて、資料の二で、標準的業務量って一体どういう根拠で積算をしているのかということが何か分からないので説明いただいたところ、こういう計算式で標準的業務量を出しておられるんだというのが改めて確認をされました。児童虐待と比べると、相談で、養護とか非行相談とか障害相談とか、業務量が係数を掛けてトータルとしてこういうふうに出しているということです。 ちょっとこの係数が、この実証的研究、これ随分前の実証的研究をそのまま引っ張られているので、果たしてこれが正しいのかどうか私もよく分かりません、本当にこの業務量なのか。札幌の場合は、もう一人当たり百件以上という話を所長さんがされていた。それと比較しても、これが正しいのかどうかと言われると、もっと本当は業務量が著しいのではないかと思わざるを得ませんが。 確認します。 これ、札幌市児相と一月に事件がありました柏児相、これだけ皆さんの標準的業務量でも二十ケース近くの差があります。児相ごとの標準的業務量、厚生労働省、ちゃんと把握をされていますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 個別に児相ごとの標準業務量を今この段階におきまして厚労省において計算はしておりません。
○石橋通宏君 私、驚いたんですけど、把握していないんだそうです。個々の児相で具体的に人員体制がある。でも、当然ながら相談件数は違います。虐待も違えば、これはもう見ていただければ、札幌と柏、比べただけでも、相当相談内容も違うし件数も違います。ですから、福祉司の皆さん一人当たりの負担というのも全然違います。こういうのをちゃんと把握をして、体制の強化、どう人員を配置していくのか、これやらなかったら駄目なんじゃないですか、局長、大臣。 大臣、どうなんでしょう。児相ごとのちゃんとした状況を把握をして適切な迅速な対応をしていく、これ必要なんじゃないでしょうか、大臣、やるべきだとお思いになりませんか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) ちょっと、支援プランにおきましては、五十ケース相当だった配置標準を四十ケース相当となるよう見直しまして、人口当たりにいたしますと、配置人数を四万人に一人から三万人に一人に見直しいたします。 さらに、現在のルールにおきましても、児童相談所における児童福祉司の職員定数の算定に当たりましては、虐待相談対応発生件数が全国平均と比べて四十件多くなるごとに児童福祉司が一人配置される仕組みとしておりまして、そういう意味では、各児童相談所の業務量も勘案した仕組みとなっております。 さらに、今後虐待以外のケースが多くなって、例えば、札幌の事案では、札幌の児相では虐待以外のケースが多い傾向がございますけれども、児童福祉司の一人当たりの業務量が過重になるなどが生じた場合でございますけれども、衆議院の附帯決議におきまして、児童福祉司一人の相談対応件数が平均で四十件を超えないよう、更なる増員に向けた人材・財源確保に努めるとされておりますので、こういった附帯決議も踏まえまして、実態を踏まえた上で、一人当たりの件数が過重にならないようにする観点から対応を検討してまいりたいと考えております。
○石橋通宏君 過重にならないようにと言っている。でも、児相ごとの状況は把握をしていませんという答弁でしょう。全国平均で出すんですか。児相ごとにちゃんと把握をしていただいて、そして過重になっている、まさに札幌のような事例はまず優先的にちゃんと対応していく、そういう対応しなかったら駄目なんじゃないんですか。それが把握をされていないままに平均で平均でと。いや、でも、具体的に対応できていないところがあるじゃないですか。こういうところで迅速に対応していただかなかったら、命守れないでしょう。そのことを申し上げているんです。 ちゃんとやってください、大臣。こんな状況ですよ。児相ごとの状況も把握していません、分かりません。これではきめ細かい対応できないと思います。それは是非やっていただきたい。このことは強くお願いしておきたいと思います。 済みません、法務省も来ていただいておきながら、また質問できずに申し訳ありません。 最後に一点だけ。前回、国民党の矢田議員が相談ダイヤルについて質問されて、一点だけ確認をしておきます。 一八九ダイヤル、これ無料化はやるんですよね。無料化をして、そして、無料化をすること、予算の確保もできているんでしょうね。無料化をすることによって、今、接続率二四%にとどまっていますが、これが改善されると、改善していくんだということでこれよろしいんですよね。そこだけ確認をさせてください。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 無料化の効果につきましては、一つは、利用者側にその通話料が掛かる、これが掛からなくなる、もう一つは、利用料金の案内に時間が掛かる、これもその時間が掛からなくなるということで、接続率低下につながる可能性のある要因を解消することで利便性や接続率の向上に資するものと考えております。
○石橋通宏君 何か分かったような分からないような答弁ですが。 今日は、済みません、文科省も来ていただきながら、済みません、質問できませんでしたが、資料としてSNSの、二年前のこの委員会でいじめ相談についてSNSの活用について質問させていただいて、その後、配付資料のとおり、昨年も多くの自治体で具体的にSNS活用したいじめ相談、やっぱり実際に今子供たち、電話よりもSNSだということで多くの相談が寄せられている、その効果が明らかになってきたと思います。 児童虐待についても既に始めていただいていると理解をしておりますので、是非、児童虐待、SNSも活用して、様々な形で叫び声がしっかりと届くように、受け止めていただけるように、迅速な対応をいただけるように、しっかりとした対応をいただきたいということをお願いだけ、済みません、申し上げて、質問を終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。 今日は、まず、法案の審議に入る前に、先週の金曜日、十四日に、PMDA、医薬品医療機器総合機構の審査・安全業務委員会で、新薬の専門協議に参加している専門委員のうち二人が利益相反ルールに抵触していたということが明らかになりました。 これは、申請企業又は競合企業から五百万円超の寄附金や契約金など受取があった専門委員は専門協議に参加できないということを定めていますが、問題になった二人は、この利益相反に問題がないと事前に報告して専門協議に参加していたが、協議後に同ルールに抵触したことが判明したということですが、これは事実ですか。そして、事実であれば、これ、いかに二度とこういったことが起こらないように再発防止をするのか、お答えください。
○政府参考人(宮本真司君) 今委員御指摘のような事案があったということを、PMDA内部の審査や安全業務に関する適正さを審議するための委員会、審査・安全業務委員会に報告をしたということでございます。 今先生御指摘ありましたように、一つ一つ、二つの薬剤それぞれにつきまして、本来、利益相反のルールに従えば、専門委員として参加することができない委員がいたということが分かったという点につきましては、先生おっしゃるようなお話でございます。こうしたことは、医薬品の公平性や中立性を確保するためには非常に大きな問題であり、私どもとしましても非常に遺憾なことだと思っております。 なお、PMDAにおきましては、このルールに抵触した委員の方を除外したとして審査結果が影響を受けるかどうかということにつきまして確認をしておりまして、それにつきましては影響はないだろうという結論を得ております。 なお、再発防止につきましては、一つは、専門委員に加わっていただく委員の方々に再度ルールを徹底するということが一つ。それからもう一つでございますけれども、PMDA内部の手続といたしまして、ちょっと補足させていただきますと、医薬品の承認審査におきましては、まずはPMDAが審査をする、審査をするプロセス、過程におきまして専門委員の方にもお話を伺うことがある、さらに、それを内部として文書を、審査報告書を確定していく段階で決裁を取った上で、その次に今度は厚生労働省にその審査報告書が報告されますと薬事・食品衛生審議会において審議するという仕組みになっておりますけれども、PMDAがその審査報告書を確定する段階、その段階において、このような専門委員の方々についての利益相反のルールを守っているかどうかをきちんと確認しているかどうか、それを確認する事項として加えるということによりまして再発防止についてきちんとやっていきたいということを定めております。 私どもとしましても、こうしたルールがきちんと守られているかどうか、PMDAに対する指導の強化は努めてまいりたいと思っております。
○川田龍平君 この審査したこの専門委員の発言を削除して、それでも承認には問題ないということなんですけど、これ利益相反のある企業の審査、これをやっぱり製品を審査する、そのこと自体がやっぱりもうモラルが余りにも欠如していると言えると思います。そして、利益相反のルールというのがこれ何のためにあるのかと。参加していることだけがやっぱり問題なんですから、これはしっかりとやっていただきたいと思います。 しかも、これが、こういった問題が規制改革会議など、もう本当に利益相反の問題というのはこれ上から下まで行われていると。本当にこういった状態で今いろんなものが審査されているということが本当に大きな問題だと思っています。 それでは、この児童虐待の法案の審査に入ります。 これ先日委員会で質問できなかった虐待の問題について、五月十日の衆議院の本会議において、井出委員の質問に対し、安倍総理は、親権者以外の者については、民法上の懲戒権を持たないため、従来より体罰を加えることは許されていない、本法案により、たとえ懲戒権を有する場合であっても体罰の禁止が法定化される、体罰はどのような場合であっても許されないと答弁しています。 これは、あらゆる人、つまり親権者以外の養育者、保育所、幼稚園、学校などで子供と関わる全ての人による体罰が許されないということを意味していると思いますが、そのように考えてよろしいのでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 本改正法案では、体罰の禁止を法定化しております。この改正によりまして、体罰が子の監護、教育に必要な範囲には含まれないと解釈されまして、懲戒権の行使としても許されないものであることが法律上明らかになります。 また、委員御指摘のとおり、そもそも親権者以外の方については懲戒権そのものがございませんので、現在でも体罰が禁止されております。また、学校、施設等についても、学校については従来学校教育法において、それから施設においては今回の改正において体罰を禁止いたしますので、そういう意味では全ての体罰が禁止されるというふうに理解をいたしております。
○川田龍平君 この学校教育法第十一条の運用を参考としながら体罰の範囲を定めるガイドラインを策定すると、衆議院厚生労働委員会の答弁にて厚生労働省が述べています。しかしながら、五月十七日に文科省は、高橋議員の質問に対し、そこに精神的屈辱というのは入らないという答弁をされていますが、心理的苦痛は考慮されないということなのでしょうか。暴言もこの身体的な苦痛同様、子供の脳への影響があると科学的に明らかになっていますが、その点についてどのように認識しているのでしょうか。また、精神的屈辱について、なぜ体罰の禁止規定に含めないのでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 今回禁止される体罰の範囲には、言葉により戒める行為は含まれません。ただし、著しい暴言等に該当するものにつきましては、児童虐待の心理的虐待に該当し、禁止をされております。 それで、今回の体罰の範囲に言葉による戒めを含めていない理由でございますけれども、正当な言葉による叱責と不当な言葉掛けとの線引きについて国民的な合意ができておらず、言葉による心理的負荷については明示的に禁止することが現段階では困難ではないかというふうに考えております。
○川田龍平君 それでは次に、この五月十七日の衆議院厚生労働委員会において、厚生労働大臣の初鹿委員に対する答弁の中に、児童相談所で実施されている保護者への虐待再発防止プログラムが予算や人員不足のためなかなか活用されていないとありました。 虐待をした保護者への再発防止プログラムの実施が児童相談所の努力義務とされる予定となっていますが、その実施のために予算や人員を国及び市区町村が確保すべきではないでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 児童相談所におきましては、保護者への指導、援助を行っておりまして、その手法の一つとして、保護者の特性に合わせて各種の保護者支援プログラムによる支援を行っております。 これまでも、児童心理司が行う心理療法等に加えまして、保護者支援プログラムの実施も含めたカウンセリングにつきまして、外部の精神科医等の協力も得まして、保護者への支援、指導を実施する場合あるいは外部委託を行う場合の費用の補助、保護者支援のためのプログラム活用ハンドブックの作成、効果的な実施に向けたマニュアルの作成等に努めてまいりました。ただし、現状におきましては十分に保護者プログラムが実施されていないというのが現状でございます。 今回の衆議院の修正によりまして保護者指導を行う努力義務が規定されたことを踏まえまして、適切な保護者支援プログラムが実施されるように、保護者支援プログラムの実施を担う専門人材の養成、あるいはそれを実施する場合の支援の拡充など、より児童相談所でプログラムを実施しやすい環境整備、あるいは保護者がプログラムによる支援を受けやすくするための仕組みについて検討してまいります。
○川田龍平君 この体罰によらない子育てに関して、例えばスウェーデンでは、体罰禁止法定化、後に国の予算を付けて大規模な啓発キャンペーンを行い、法務省が体罰禁止規定や体罰によらない子育てに関する情報を含んだ冊子を子供のいる全家庭に配布しています。ドイツでは、また政府と多数の民間団体が連携して啓発キャンペーンを実施し、テレビ、ラジオでの啓発に加え、ゼロ歳児から五歳児までの子供がいる家庭へ、子供の発達段階や体罰によらない子育てのアドバイスを載せたニュースレターを毎月配布するなどしています。また、社会的な啓発活動と法改正をセットにすることで体罰への意識や行動が効果的に変わることが報告をされています。 この日本においても体罰禁止についてしっかりした社会啓発活動が必要と考えますが、例えば、関係省庁を横断した全社会的な啓発キャンペーンをすることは検討しているのでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 委員御指摘の問題意識は全く共有をいたしております。 今回の体罰禁止の法定化は、子供が健やかに育つことにつきまして、子育て中の親に対する支援も含めまして、社会全体で啓発していくための取組の一環であるというふうに考えております。 体罰が禁止されるべき本質でございますけれども、子供に対して痛み、苦しみを与えようとすること、その痛み、苦しみを利用した懲戒により子供の言動を支配しようとすること、体罰が子供の心身の健全な育成の観点から悪影響があること、こうしたことにあると考えておりまして、こうしたことが国民に分かりやすく伝わるように、ガイドラインを策定し、普及、周知をしていくというのが基本でございます。 また、このガイドラインの策定後でございますけれども、これまでも、児童虐待防止の広報につきましては、インターネット、SNS、政府広報ラジオ、新聞広告など、様々な手法を用いて行ってきております。体罰禁止に関しましても、こうしたインターネット、SNS、ラジオ、新聞等、様々な手法を用いて幅広く行っていく方向でしっかり検討していきたいと思います。
○川田龍平君 今年の三月十九日に政府から出されている児童虐待防止対策の抜本的強化についてでは、愛の鞭ゼロ作戦などを活用し、普及啓発活動を行うと書かれていますが、啓発活動が有効になるための予算や施策を講じる必要があると考えます。 まず、啓発活動のための予算はどのようになっているのでしょうか。また、愛の鞭ゼロ作戦以外の啓発手段はあるのでしょうか。さらに、普及啓発活動に関して学校等も活用して行うとありますが、具体的にどのような普及を考えているのでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 児童虐待防止に向けまして、虐待を受けたと思われる子供を見付けたときあるいは子育てに悩んだときにためらわず通告、相談ができるように、相談窓口について普及を図ることはもとより、広く国民の意識を高めていくことが重要と考えております。 まず、厚労省といたしましては、まず広報啓発活動でございますけれども、これは、児童虐待防止対策費ということで、三千六百三十万円の内数ということでございますけれども、厚生労働省におきまして児童虐待防止推進月間等の児童虐待防止についての広報のための費用を計上いたしております。また、自治体における児童虐待防止対策の広報啓発事業に対する支援といたしまして、これは、百六十九億円の、これも内数でございますけれども、児童虐待の通告先の周知あるいは意識啓発などを行う広報費用の補助等を計上いたしております。 このほか、関係省庁も含めまして、必要な広報が行われているものと考えております。しっかり広報啓発に努めてまいりたいと思います。 また、学校等における活用ということでございますけれども、学校を含めました様々な場におきまして虐待防止に向けた広報活動を進めていくことが重要であると考えておりまして、これまでも学校にポスターを配付するなどの取組を行ってまいりました。 また、議員御指摘のこの三月十九日の関係閣僚会議決定におきましては、愛の鞭ゼロ作戦などを活用し、普及啓発活動を行うという決定の後に、体罰禁止に関する考え方等を含め、こうした普及活動については、子育て世代包括支援センターや乳幼児健診の場、子育て支援拠点、保育所、学校等も活用して行うというふうに決定しておりますので、学校等の場を活用した普及啓発活動について、今後具体的な在り方について検討をしてまいります。
○川田龍平君 続いて、引きこもりの問題について質問いたします。 カリタス学園の事件、元農水事務次官による息子の殺人事件など、四十歳以上の引きこもりの方が関係する事件が相次いでいます。前回の質問ではいじめを取り上げましたが、引きこもりもいじめ同様人間関係の問題ですので、ここで取り上げたいと思います。 今年三月二十九日に公表された内閣府の調査によれば、四十歳から六十四歳の引きこもり状態の人が全国に六十一万三千人いるということで、その理由は、退職、人間関係、病気が主な理由ということです。 まず、四十歳から六十四歳の引きこもりの方への国による対策については、引きこもりの主な理由であるこの三点を網羅した対策でなければならないと思いますが、現在、どのような対策を考えているのでしょうか。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。 厚生労働省におきましては、ひきこもり地域支援センターを全都道府県及び指定都市に設置しておりまして、四十歳以上の方も含め、年齢に関わりなく、引きこもり状態にある御本人や御家族からの電話や来所による相談、家庭への訪問支援を行い、早期かつ適切に関係機関につなぐ体制を構築しているところでございます。 また、各市などに設置されます生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関におきましても、四十歳以上の方も含め、年齢に関わりなく、経済的困窮のみならず引きこもりなど様々な課題を複合的に抱えている方に対しまして、包括的な相談支援を実施しているところでございます。 これに加えまして、先般お示しいたしました厚生労働省就職氷河期世代活躍支援プランにおきましては、生活困窮者自立支援制度の自立相談支援機関を入口といたします相談支援体制の強化や、ひきこもり地域支援センターと自立相談支援機関の連携強化、中高年の方に適しました居場所づくりなど社会参加の場の充実などを掲げておりまして、中高年の方も含めて、あらゆる年齢層に対応する支援策の充実を図っていくこととしているところでございます。
○川田龍平君 この引きこもりの理由の一つが退職ですが、退職の理由も調べる必要があり、職場の人間関係やいじめが起因している場合も考えられます。ですが、病気としている中には、この人間関係の問題から発生する精神的な疾患も含まれていると。人は信頼によって人間関係の構築がなされるわけですが、こういった様々なレッテルを貼られてしまうことで孤独な世界へと追い詰められて人間そのものを信じられなくなってしまうと。そういう一度生まれた人間不信は残念ながら簡単には払拭できず、その後の人との関わりを阻害して引きこもりになるものと推測されます。引きこもりの解消は簡単ではなく、そのためには適切な支援が必要になると思います。 国では、平成二十一年度よりひきこもり対策推進事業を推進していますが、この十年間でどのような成果を上げているのでしょうか。また、引きこもり者本人や家族が地域支援センターにアクセスする場合は、電話を掛けることになるんでしょうか。郵便やメール、SNSなど、アクセスできる環境も必要ではないでしょうか。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。 まず、ひきこもり対策推進事業の成果でございますけれども、ひきこもり地域支援センターでの相談支援の実績でございますけれども、平成二十九年度におきまして延べ件数で約十万二千件に上っておりまして、平成二十四年度の三万四千件から比べますと、約三倍の数となっているところでございます。 また、ひきこもり地域支援センターは、引きこもり状態にある方に対しまして相談等を行って、早期に適切な支援機関につなぐこととしております。平成二十九年度において、支援対象者の方をつないだ関係機関を見ますと、精神保健福祉センターや保健所、医療機関が約四割を占めるほか、障害者総合支援関連施設、自立相談支援機関といった福祉機関、地域若者サポートステーション、ハローワークといった就職支援機関などとなっておりまして、その方の状態に合わせて適切な関係機関につないでいると承知しております。 また、引きこもり地域支援センターにおきます相談の受付でございます。これは様々な形で取り組まれておりまして、御本人や御家族からの電話や来所による相談に加えまして、議員が御指摘になりましたメールによる相談、SNSによる相談、手紙での相談に対しても受け付けているところでございます。
○川田龍平君 また、引きこもりの方が社会復帰をするためには、今答弁にもありましたけれども、就労支援は大変重要であると思います。その内容と質、そしてステップを踏んでいくことが何より肝腎だと思います。 まずは職場での人間関係の問題で傷つかないという保障、そして自分の意思で職場へ向かえること、人間関係の問題があるので、最初は一人で作業できるところから始めるのも一つの方法であると思います。その保障があれば、勇気を出してその職場へ向かうことができるという引きこもりの方もいらっしゃると思いますが、引きこもりの方の就労に向けた支援のステップについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。 引きこもりの状態にある方でございますけれども、地域や社会との関係性が希薄であるといった状況があり、対人関係の不安や自己喪失感を抱いている場合も少なくないため、就労支援に当たりましても、本人の複雑な状況や心情などを理解して丁寧に寄り添う対応をしていく必要があると考えております。 そのため、生活困窮者自立支援制度におきます就労準備支援事業におきましては、対人関係に不安を抱えているなどの対象者の様々な状態像に応じまして、日常生活自立、社会生活自立、就労自立の三つの自立段階を想定した多様な支援メニューによる支援を実施することで、社会参加能力の形成、改善や自己有用感の醸成を目指して、就労に向けたステップアップを図ることとしております。 また、平成三十年度からは、訪問支援、アウトリーチなどによります早期からの個別支援を重点的に実施して、より丁寧な支援に取り組んでいるところでございます。
○川田龍平君 また、平成二十九年度、小中学校の不登校者数が十四万四千三十一名と過去最高を記録いたしました。その中にはフリースクールやホームスクーリングなど選択されている子供たちも含まれていると思いますが、いじめなどで不登校になった子供たちが引きこもりにならないように、国としてどのように対応しているのでしょうか。
○政府参考人(丸山洋司君) お答えをいたします。 委員御指摘のありました文部科学省が平成二十九年度に行いました調査によりますと、小中学校における不登校児童生徒数は約十四万四千人でございまして、このうち出席日数がゼロ日の者は約五千人、全体の約三・六%程度となっております。 文部科学省では、不登校児童生徒に対する支援として、児童生徒の学習状況に応じた指導、配慮の実施、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の配置推進による教育相談体制の充実、児童生徒理解・支援シートを活用した組織的、計画的な支援の実施、地域の不登校施策の中核的役割を担う教育支援センターの設置促進や機能強化、教育委員会と民間団体等の連携による支援体制の整備などに取り組んでいるところでございます。 また、こうした不登校児童生徒の支援に当たりましては、各自治体においても、例えば不登校を長期化させないため、適切なアセスメントとスクールカウンセラーやソーシャルワーカーによる早期対応の実施、定期的な家庭訪問による本人の状況把握、福祉や医療等との関係機関と連携した支援の実施等を行っていると承知をいたしております。 また、一方、学校内外の機関等での相談、指導等を受けている不登校児童生徒の割合については増加しているところであり、文部科学省としては、引き続き、児童生徒の社会的自立を目指して、個々の状況に応じた必要な支援を推進をしてまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 それでは、児童相談所の体制の強化について質問をいたします。 本年三月に関係閣僚会議において決定された児童虐待防止対策の抜本的強化についてにおいて、一時保護所の環境改善、体制強化として一時保護の受皿の適切な整備や確保を進めるとの方向性が示されていますが、また、今般の衆議院修正においても、児童相談所の職員の処遇の改善に資するための措置、児童を一時保護する施設及び委託を受けて一時保護を行う者の量的拡充に係る方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の規定が設けられたところです。 まず、一時保護の受皿整備について、具体的にどのように進めていくのでしょうか。あわせて、夜勤体制の確保、充実をどのように図っていくのか、お答えください。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 まず、一時保護所の設置、運営につきましては、現行でございますけれども、職員配置も含めまして、児童養護施設の面積や配置基準等に係る基準を準用する形で基準を定めております。 御指摘のとおり、三月の関係閣僚会議で決定いたしました抜本的強化におきましては、一時保護所の環境改善、体制強化等に向けて、委託一時保護を含めて一時保護の受皿の適切な整備や確保を進める、個別的な対応ができる職員の体制や環境整備を促進するといった決定をいたしております。また、附則七条におきましても、御指摘のとおりな検討規定がございます。 厚労省といたしましては、現在、一時保護所における職員の状況あるいは居室の状況等につきまして、自治体に対して調査を行っております。また、引き続き詳細なデータ収集を検討してまいりたいと考えておりまして、そういった調査、データ収集など、一時保護所の現場の実情を、しっかり実情を把握し、それを踏まえた上で具体的な内容につきまして検討してまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 昨年七月二十四日に厚労省が、①、協同面接を実施した事案について、子供の支援のために必要があるときは、児童相談所、警察及び検察の三機関において打合せを行うことを含めた適切な方法により、必要な情報の共有に努めること、②、都道府県の児童福祉主管部局、都道府県警察本部、地方検察庁による連絡会議を実施するなどの方法により、各自治体の実情に応じて児童相談所、警察及び検察の適切な連携体制を強化することを求めた通知を発出しています。また、同日、検察庁、警察庁も通知を発出しています。これは、平成二十七年の十月二十八日付け通知を更に強化した通知です。 通知発出後のそれぞれの連携強化の進捗状況やその効果について伺います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 児童相談所と警察の連携につきましては、これまでも児童相談所への警察OBの配置等、あるいは児童相談所と警察の合同研修等によりその強化を図ってきております。こうした取組によりまして、情報共有、児童の安全確認、一時保護、立入調査等の際の調整を円滑に行うことが可能となると考えております。 例えば、情報共有につきましては、全件共有する自治体なども増えておりまして、またこの全件共有をする前段階に当たりましては、やはりその警察と児童相談所との連携といいましょうか、研修を行うとか人事交流を行うとか、もうそういった基盤整備の上で全件共有なども進んでいるものというふうに考えております。 今後でございますけれども、こうした対応における警察のノウハウを児童相談所において共有、蓄積をいたしますとともに、更に連携を強化するために、これも先ほど申し上げました関係閣僚会議決定におきまして、児童相談所への警察OBの常勤的な配置、あるいは警察職員の出向等を進めることとしております。 具体的には、警察OBの常勤的な配置等に要する必要な財政支援の拡充を図る、あるいは警察における知識経験を生かした保護者への対応、警察との連携に役割を果たせるような配置等に関する活用方策をまとめて全国に周知するなど、今後とも連携強化に努めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 これはまた、警察と情報を共有することにより、保護者からの児童相談所への自発的な相談などが抑制されるおそれや通告へのためらいも懸念されます。子供の命を守るために情報の共有は必須であるため、こういった懸念を払拭して情報共有の必要性を理解してもらい、社会のコンセンサスを得ることが重要だと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 児童相談所におきまして情報共有を行う目的は、情報共有を契機といたしまして、警察と連携して子供の安全確認を確実に行う、安全確認を必要な支援につなげるということでございます。 御指摘のようなことでございますけれども、社会保障審議会の下に設置したワーキンググループの議論におきましても、警察との情報の共有におきましては、子供の意思が無視されたり、福祉や医療での関わりが尊重されずに警察の判断だけで対応がなされて当事者の福祉が損なわれたりすることのないようにすることが必要といった議論がなされたものと承知をいたしております。 そういう意味では、警察との情報共有等に当たりましては、単なる情報共有にとどまるのではなくて、円滑に連携が図られるように、要対協も活用して、児童相談所等の支援の方針等を警察とも共有して、方向性を一つにした対応を取ることが重要であるというふうに考えております。先行する自治体ではこうした考え方の下に取組をされておりますので、引き続き、先行する自治体での取組も十分踏まえながら、情報共有の在り方について検討してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 大臣、大臣に質問しなかったら時間内に質問が終わりました。 大臣にちょっと一問質問したいと思いますが、大臣、先ほどのこの引きこもりの事案、それから体罰の問題について、大臣としてこれいかに取り組んでいくか、一言お願いします。
○国務大臣(根本匠君) 引きこもりの事案については、私もこれは前々からそういう事例も承知しておりましたし、実際にそういう対応をしている方からも話は聞いてきました。引きこもりについては、今回、就職氷河期対策の中でも、要は長期的に引きこもりの方も、全体を見て、そしてそれぞれお一人お一人に寄り添った伴走型支援をするというのが私は大事だと思います。その意味では、就職氷河期対策の中にそこも位置付けております。 それから、体罰はもう決してあってはならない、これはもう今回法定化しましたから、ここは委員からもお話ありましたけれども、体罰はあってはならないということを法定化するわけですから、あとは社会的な啓発活動、そして社会のそういう機運を高めていく、社会的なある種の規範にしていくということも大事だろうと思います。取り組んでいきたいと思います。
○川田龍平君 ありがとうございました。よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○福島みずほ君 福島みずほです。 この報告書はまさに、不足額の総額は単純計算で一千三百万円から二千万円になると報告書はしております。 ところで、議事録を見ると、金融庁自身も試算をされています。今朝の毎日新聞、金融庁、老後最大三千万円必要、独自試算、四月十二日提示されていますが、三千万円最大で必要という試算をされているということでよろしいですね。
○政府参考人(佐藤則夫君) お答え申し上げます。 四月十二日の金融審議会市場ワーキング・グループにおきまして、事務局の説明資料として提出した資料があるというのはそのとおりでございます。 この御指摘の資料につきまして、御指摘といいましょうか報道されている資料につきましては、退職後の支出と収入について一定の仮定を置いた上で、仮にそのような生活を行った場合どの程度の資産形成が必要になるかについての試算を行ったものでございます。資料にも記載されているところでございますが、一律に個人にとって必要な資産形成額を示したものではないと承知をしております。
○福島みずほ君 二千万でもびっくりしましたが、三千万という金融庁の試算には、これ、付いていける人どれだけいるでしょうか。実際、この二十一回目の議事録の中に、一千五百万から三千万円程度を資産形成することになってくるかということでございます、金融庁がこのワーキングチームでちゃんとやっぱり話して試算も出しているんですね。厚生労働省は二千万、金融庁は三千万、でも、それだけ準備できる人がどれだけいるでしょうか。 最近、生命保険会社、ある生命保険会社が発表した調査によれば、還暦の回答者二千人のうち、現段階の貯蓄金額、百万円未満が四人に一人です。今六十歳になるという人にアンケートを二千人取ったら、貯蓄が百万円未満が四人に一人なんです。これが状況ですよ。三割が貯蓄なしという人たちというデータもあります。年収は今、半分の人が三百万円以下になっています。この状況で二千万、三千万言われても、ないんですよ。六十歳で、ないんですよ、貯蓄が。 このことに関して、私、雇用の問題が大きいというふうに思います。小泉構造改革のときに派遣法の改悪をし、安倍政権の下で原則として全ての業種について派遣を可能としました。高度プロフェッショナル制度、これしかり、賃金は下がっています。実質賃金は下がり続けているんです。だから年金が少なくなるし、それから退職金も少なくなるんです。雇用を壊してきた、雇用、実質賃金が下がってきた、厚生労働省、この責任についてどう思いますか、大臣。
○国務大臣(根本匠君) まず、答弁する前に一言言わせていただきたいと思います。 一千万から二千万、厚労省が出したと言っていますが、それは全くありません。全くありません。そこだけは確認しておきたいと思います。 それから、年金と雇用の問題がありましたが、年金制度を議論するに当たっては雇用の動向も踏まえる必要があって、次期年金制度改革においても、人生百年時代を展望して、より長く多様な形となる就労の変化を年金制度に取り組み、長期化する高齢期の経済基盤を充実するという基本的な考え方の下で今後の具体的な検討を進めていくこととしています。やはり、雇用と年金の関係、これは非常に私も大事だなと思います。 御指摘の非正規雇用労働者については、同一労働同一賃金、これをやることにしておりますし、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方を自由に選択できるようにしていきたいと思います。また、キャリアアップ助成金により、正社員転換や処遇改善をより一層進めていきたいと考えています。 また、年金制度としても、短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大にこれまでも取り組んでまいりました。平成二十八年十月からの大企業で働く短時間労働者を対象とした被用者保険の適用拡大の施行に加えて、平成二十九年四月からは中小企業等で働く短時間労働者についても、労使合意を前提に、企業単位で適用拡大の道を開きました。今後、更なる適用拡大に向けて、次期年金制度改革を議論する社会保障制度審議会年金部会等において検討していきたいと思います。 先生おっしゃるように、我々も雇用対策は大事だと思っていますから、これまでも、働き方改革を推進しようというのは、そういう視点からも我々しっかりと働き方改革を推進していきたいと思います。
○福島みずほ君 何か焼け石に水ですよ。この二、三十年間のツケが一気に来ているわけじゃないですか。雇用を壊して、そして年金が、本当にそこにちゃんと税金もつぎ込んできたのか。年金積立金半額、二〇一四年、年金積立金百四十九兆円を株につぎ込んだことが正しいのかどうか、それの検証が必要ですよ。 この金融庁の報告書、金融庁がNISAだイドコだと言うのも問題もあると思いますが、厚生労働省自身は年金でやっていく……(発言する者あり)iDeCo、ごめんなさい。iDeCoとNISAということの、投資せよというこの報告書も問題だと思いますが、厚生労働省が、やっぱり年金でやっていけない。 大臣に端的にお聞きします。月五・五万円不足している、データは全部厚生労働省が出していますから、月五・五万円不足してどうやって暮らしていけというんですか、貯蓄がなくてどうやって暮らしていくんですか。
○国務大臣(根本匠君) 今、五・五万円の話が出ましたので、答弁させていただきたいと思います。 市場ワーキング・グループに提出した資料においては、高齢者無職世帯の平均的な収入と支出の差である五万円や平均貯蓄額二千四百八十四万円を示しております。これは、二〇一七年の総務省家計調査の数字であります。そして、これは厚生労働省が調査したり推定したりしたデータではないと、これは事実関係で確認しておきたいと思います。 そして、今回は、この資料については、引退した後の高齢期の生活として、家計調査における高齢者世帯の平均的な収入と支出の差や、これについては貯蓄を活用して支出に充てているということを示した資料だと思っておりますから、家計調査でこの無業者、高齢者、高齢夫婦無職世帯については、あれは貯蓄もありますから、貯蓄を活用してその所得から支出をしていると、これが私は本質ではないかなと思います、我が方の出した資料としてはですね。
○福島みずほ君 貯蓄がないから困っているんですよ。二千万円貯蓄必要、三千万円不足していると言われてみんなが仰天しているのは、その貯蓄がないんですよ。ごく一部の人はそれはある人もあるでしょう。しかし、大方の人はこれないんですよ。 さっきも言いました。今、六十歳の人、四分の一が貯蓄百万円以下です。今の若い人たち、非正規雇用率、とても高いです。二十代、三十代、本当に高くなっている、非正規雇用が多いです。貯蓄ないんですよ。返せ年金じゃなくて、年金もらうときに貯蓄がないんですよ。そして、五・五万円不足していると厚生労働省は基礎データを出すから、今の大臣の答弁は、五・五万円不足しているが貯蓄を取り崩してと言ったけれども、貯蓄がないからみんな困っているんじゃないですか。雇用を壊してきたツケじゃないですか。 だから、私たちは、雇用をどう立て直し、年金をどう立て直すか、それは出しますよ、出しますよ。でも、厚生労働省は、この報告書に対して、やっぱり年金と雇用を壊してきた責任をちゃんと反省して、それは謝るべき、言うべきだというふうに思います。 金融庁に御質問をいたします。 麻生大臣にこの報告書を出す前に説明をしているはずですが、それはいつですか。
○政府参考人(佐藤則夫君) 大臣に対しては、私ども事務方から報告書の概要について五月二十四日に御説明をいたしております。
○福島みずほ君 報告書を出すときには、その諮問をした大臣に、こういう中身で出しますと事前にレクをすると思うんですが、それはされていますね。そして、報告書を発表したときに、大臣、これ発表になりましたと渡していますね。
○政府参考人(佐藤則夫君) まず、報告書が発表される前に大臣に概要は御説明を申し上げております。 具体的に、まあ物理的にと申しましょうか、大臣に直接渡したかというと、それは渡しておらず、秘書官に渡しております。
○福島みずほ君 秘書官に渡したのはいつですか。
○政府参考人(佐藤則夫君) そこはちょっと正確な記憶がございませんが、当日とかそういうタイミングだったと思っております。
○福島みずほ君 六月三日に発表されていますので、六月三日頃というか、その前ということですよね。 そして、概要を麻生大臣にレクチャーしたのはいつですか。
○政府参考人(佐藤則夫君) 繰り返しになりますが、概要を御説明したのが五月二十四日ということでございます。
○福島みずほ君 麻生大臣がちょっと不思議なことをおっしゃっているので、時系列を確認させていただきました。 蓮舫議員の六月十日の決算委員会での質問で、読んでいますかと聞かれて、全部は読んでいないが一部読みましたというふうに答弁をされました。ところが、受け取らないと最近言い出して、これが理解できないので、今の発言で、この報告書を五月の段階でレクをしていること、そして秘書官にちゃんと渡していることをおっしゃったので。で、大臣は記者会見もされています。ですから、その点については大臣に渡っていると思います。 また、ちょっと細かいことの確認ですが、大臣は、記者会見のときにどんな質問があるか分かりませんし、報告書など、プランなどを発表するときには記者会見用のレクのペーパーも作ると思いますが、それはされていらっしゃいますよね。
○政府参考人(佐藤則夫君) 大臣用の記者会見用のレクの資料を作ったかどうか、済みません、ちょっとそこは記憶にございません。 と申しますのは、ワーキング・グループの報告書を出したときに私ども事務方から記者の方に対して説明を申し上げておりますので、特段大臣として報告書の内容を誰かに説明するような機会というのは想定されておらなかったというふうに認識をしております。
○福島みずほ君 ただ、大臣は記者会見で、幾らお金が必要か計算したことあるかとかおっしゃっていますので、やはり、この報告書のレクも受けているし、秘書官にこれを渡しているしということで、全部ではないが一部読んだというふうに言っているから、やっぱり受け取っているんですよね。 だから、例えば、ちょっと比喩、私の友人がこういう比喩を言いました、まんじゅうを一口かじって二日後に返すぐらいむちゃくちゃだと。私が思うのは、まんじゅう一口食べて、まんじゅう受け取っていないと言うぐらい変なんですよ。だって、食べているんだもん。読みましたと言っているわけで、読んだのに受け取らないというのは、だって、あなた、まんじゅう食べているでしょう、あなた、受け取っているでしょうという話なんです。 今、この報告書を受け取っていないと言うことそのものは、私は、これは官僚制度からいっても、税金の使い方からいっても、審議会の在り方からいっても、読んで、まんじゅう食べているのに、それに関して受け取っていないなんということを大臣が言う、こういう政府、政治、官僚制度、大臣と官僚の関係つくったら大変なことになると思います。 今、金融庁はこれ報告書をホームページに上げていますが、これに関してきちっと更に議論していきたいというふうに考えております。 私は、麻生大臣が何をおっしゃっているのか、その論理が全く理解できないので、あえていつレクチャーされたのかなどを質問をいたしました。ちなみに、レクされたときの大臣の反応、どうでしたか。
○政府参考人(佐藤則夫君) 特段、印象はございません。話を聞いて、うんうんという感じで我々の説明をお聞きになっていたというふうに認識をしております。
○福島みずほ君 つまり、報告書を事前に、当たり前ですが、大臣にレクをして、で、ふうんという感じでそれは聞いていて、受け取っているわけですよね。で、読んでいるわけですよ。で、今になって受け取らないというのはおかしいですよ。 こんなことを許したら、本当に官僚制度が壊れる、政府そのものが壊れるというふうに……(発言する者あり)壊れていると今、いや隣でありましたが、私は実はこれとても危機を感じています。こんな言辞を許してはいけないというふうに思っております。 では、法案について質問をいたします。 子供シェルター、カリヨンやいろんな様々なところをかつて訪問させていただき、いろんな話を聞かさせていただきました。とても重要だと思います。 子供シェルターと自立援助ホームについて、国の支援状況について、現状はいかがでしょうか。厚生労働省、もっと支援していただきたい。いかがでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 まず、自立援助ホームにつきましては、児童福祉法におきまして児童自立生活援助事業と位置付けられております。保護者の下で暮らすことが難しい義務教育終了後の子供たちの自立支援に大きな役割を担っているものと考えております。 厚生労働省といたしましては、設備、職員など一定の要件を満たす場合に、職員の人件費あるいは入所者の生活費等の運営費の補助を行っております。また、平成二十八年の児童福祉法改正によりまして、入所措置を二十二歳の年度末まで延長できることとするなど、子供たちの自立支援に資するよう施策を講じてまいりました。 また、いわゆる子供シェルターでございますけれども、これは民間団体の任意の取組だというふうに承知をしておりまして、また、子供シェルターで自立援助ホームを兼ねているものもかなりあるものと考えております。先ほど御指摘のものも自立援助ホームを兼ねておるものだと思います。この子供シェルターにつきましては、児童相談所長と連携して活動することで、地域において虐待を受けた子供の安全確保、自立支援に大きな役割を果たし得るものと考えております。 厚生労働省といたしましては、平成二十三年の七月から、自立援助ホームの要件を満たすものにつきまして、自立援助ホームとして運営費の補助を行っております。また、満たさないものにつきましても、児童相談所から一時保護委託を受けた場合には、子供の生活に要する費用などに関する補助を行うなどの必要な支援を講じてまいっておるところでございます。
○福島みずほ君 その子供シェルターに行ったときに、例えば高校生の男の子が、親には修学旅行に行くと言って、実際修学旅行のスケジュールがあったわけですが、ボストンバッグに荷物を詰め込んでやっぱり子供シェルターにやってきたと。やっぱり、女性のためのシェルターがとても大事なように、子供のためのシェルターも本当に大事です。逃げていける場所があると思えば、子供にとって本当に命拾いする場所だというふうに思っています。 子供シェルターと自立援助ホームは別のものであって、子供シェルター自体、緊急対応ができる重要な施設です。自立援助ホームとは別の制度として位置付けるよう児童自立生活援助事業実施要綱を是非改正していただきたいということを要望として強く申し上げます。 次に、子供シェルターと自立援助ホームを退去した者の支援が困難という声があります。実際、支援のところの、またシェルターにも行ったことがありますが、退去者への支援を中心とする専門職員が必要ではないでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 自立援助ホームの要件を満たしました子供シェルターも含めまして、自立援助ホームにつきましては、児童福祉法におきまして、自立援助ホームを退所した方々への相談支援を含めましてその業務に位置付けております。これまで、それらの業務全体に必要な人員配置を行ってきたところでございます。 一方で、関係団体からは、議員御指摘のとおり、退去後の生活を支援するための専門の職員の配置が必要というような御要望をいただいております。更なる人員配置が必要かどうかにつきましては、まずは現場の実態を十分に把握をした上で検討する必要があると考えております。 その上ででございますけれども、本年三月の関係閣僚会議決定におきましては、十八歳到達後の方を含めまして、児童養護施設を退所した子供等に対し、住まいの確保や進学、就職を支援する措置の拡充を図る、こういったことを盛り込んでおりまして、こういった決定を踏まえて今後検討していきたいと思います。
○福島みずほ君 子供シェルターはまさに二十四時間営業しなければならないので、夜勤もあるし交代制もしかなければならない。子供シェルターの運営には人件費が本当に必要で、現在は職員配置二・五名ということですが、それではまだまだ不足をしています。正職員、補助職員、二十四時間体制なので宿直要員も必要です。四・〇名が必要であるという現場の声も本当に聞いています。是非応援してくださるようお願いいたします。 若草プロジェクトという女の子のためのシェルターをNGOの方たちがつくりました。若い女の子というか少女がSNSでどこか泊めてくれなんということを発すると、とんでもない男性のところに泊めてもらうと、性暴力受けたり、とんでもないことに遭う。しかし、どこにも泊まるところがなくて、どこにも行く場所がないという場合に、やっぱりそういうシェルターがとても必要です。若草プロジェクトはNGOでやっていますが、一軒借り切るのにもやっぱりお金が掛かるし、ひっそりと運営をしなければならない。そういうところにもしっかり、子供シェルター、応援してくださるように、心から本当にお願いを申し上げます。 次に、性暴力被害者支援施設との連携について、今日は内閣府にも来ていただいております。 性暴力被害者支援法案を野党で衆議院に出しております。性暴力対策ワンストップサービスの連携の強化をすべきではないか、いかがでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 性犯罪・性暴力被害者支援のためのワンストップ支援センターにおきましては、子供も含めて性暴力の被害者に対してカウンセリングや医療的な診察などのワンストップサービスを実施しているものと認識しております。こうした機関につきましては、医療機関など、地域の実情に応じて適切な支援を行うことができる機関を拠点といたしております。 支援センターと児童相談所との連携につきましては、例えばでございますけれども、支援センターが医療機関型である場合には、性的虐待の被害を受けた子供に対する医療的ケアを支援センターで実施する、あるいは、性的なDV被害者が婦人相談所を兼ねた支援センターに相談に行った場合には、同伴している児童につきまして支援センターから児童相談所に情報を供与することなどが考えられると考えております。 中でも、性犯罪被害に遭った子供など心に深い傷を負いました子供の支援に当たりましては、被害児童にとって二次被害とならないよう十分配慮するとともに、適切な治療が提供されることが重要でありまして、医療機関を拠点とする場合には適切な支援につながるものと考えております。性的虐待を受けた子供に対する支援、子供の心のケアの観点から、児童相談所と支援センター等の専門的な機関との連携を図り適切な支援を行うよう、効果的な方策について今後とも検討してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 性暴力被害者の場合、予期しない妊娠、出産で母子手帳がない、健診も受けていないなど、子供の虐待に結び付くケースもあります。行政がつながっていないケースやつながりにくいケースにはどのように対応していくのでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘のような予期せぬ妊娠に悩む妊婦に対する支援につきましては、まず、都道府県等が設置しております女性健康支援センターにおいて相談支援を行っております。 具体的にはでございますけれども、まず今年度から、若年世代がアクセスしやすいインターネットあるいはSNSを活用いたしまして、積極的にこのセンターへの相談につきまして周知、広報を行うことを促しております。また、今年度の予算におきましては、妊婦に早期の産科受診を促して関係機関等に確実につなぐために、新たに産科への同行支援を行う際に掛かる人件費、それから妊娠判定料も含む産科受診に係る費用の補助を行っております。 予期せぬ妊娠に悩む妊婦を支援するために、こういった女性健康支援センターの設置促進、あるいは財政支援を含め、積極的な支援に努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 よろしくお願いします。 やはり性暴力被害者センターのお医者さんから聞いた、産婦人科の女医さんに聞いた話では、子供が性病にかかっていることが分かったと。それは実は親からうつされていて、そこから親からの性暴力が分かったわけです。ですから、性暴力被害者センター、とりわけ医療拠点型だと、やっぱり大人がそこに連れていくとか診察を受けるとか、性暴力を発見するとか支援するというようなことは、とても大事なことだというふうに思っています。是非、今後も力を入れていただきたいですし、性暴力被害者支援法案、本当、是非成立させたいと思っております。 虐待やDVの加害者の支援プログラムが必要です。DV加害者更生教育プログラム全国ネットワークが発足し、民間でも加害者支援の要請が強まっております。衆議院の附帯決議でもこの点は盛り込まれておりますし、修正案にも盛り込まれております。具体的な支援の連携についての見解をお願いいたします。
○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。 昨今、加害者更生プログラムを実施する民間団体による全国ネットワークの設立など、全国的な広がりを見せております。 内閣府では、今年度の事業で、地域社会において加害者更生プログラムを現に実施する民間団体と連携して加害者更生プログラムのガイドライン、実施基準の作成に向けた検討を開始したいと考えております。 DVと児童虐待が同じ家庭内で重複して発生していると思われるケースも見られることから、加害者への対応に当たっては、DV被害者のみならず、その子供の安全、安心を同時に確保する配慮が必要であると考えております。加害者更生プログラムの実施基準の作成にあたっては、加害者による虐待の危険性など児童虐待対応の観点についても考慮した上で、関係省庁と連携しながら必要な検討をすることとしたいと思っております。 以上です。
○福島みずほ君 今日は文科省にも来ていただきました。おなかをすかせている、親から殴られている、性暴力を受けているという状態で学校で勉強が身に入るわけはありません。ここでも何度か言っていますが、是非、文科省は、学校を勉強する場所とだけではなくて、子供の命を守る場所と是非本当に位置付けて頑張ってほしいというふうに思っています。 スウェーデンの社会科の中学校の教科書を読んだときに、虐待、暴力のことなども書いてあって、あなたがいじめや虐待を受けているときはここに電話をしてください、赤十字社の電話番号が教科書に書いてありました。ここでこの間、倉林委員が、子供に対するというか、親が体罰をしてはいけないだけではなくて、やっぱり全ての人は子供に対して体罰をしてはいけない、子供は尊厳を持って大事にされて扱われていいんだというのを、私は教科書や授業でやっぱりもっともっと取り上げてほしいというふうに思います。 学校で虐待について考える時間を設けるべきではないか。女の子、男の子もそうですが、自分が性暴力に遭っていると実は分かっていない、大人になってそうだと分かるというようなことも実はあるんですね。いかがでしょうか。
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。 親からの体罰も含め、虐待の解釈につきましては、体罰の範囲や体罰禁止に関する考え方等について、国民に分かりやすく説明するためのガイドライン等を厚生労働省において作成されるというふうに承知をいたしております。 学校が子供たちに親からの体罰などの虐待に関して教えることにつきましては、発達段階に応じてどのように伝えていくのがよいのか、また、何をどのように教えていくことが必要であるかなどについて十分な検討が必要であると考えますが、厚生労働省と連携をして今後検討をしてまいりたいと思います。 委員御指摘の学校で虐待について教える時間を設けることについても、この検討の中でどのような形で教えることが適切かについて検討を図りたいと思います。
○福島みずほ君 前回の委員会でも、文科省は子供の意見表明権に関連して人権教育に取り組むとの答弁がありました。 道徳教育が始まっています。小学校は道徳の教科書で今勉強しておりますし、中学校も検定教科書が出されました。小学校の道徳の教科書全て読みました。学習指導要領は、祖父母、父母を敬愛し、明るい家庭をつくることとなっています。 ある教科書は、朝起きたらお父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、目上の人に元気に挨拶しましょうと、目上というふうにおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんのことを書いているんですね。教科書、道徳の教科書を読んだとき、性暴力や暴力に遭っている子供はどう思うだろうか。自分が体罰受けるのは自分が悪い子なんじゃないか。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、やっぱり尊敬しなくちゃいけない。おじいちゃんから性暴力受けているかもしれない。問題を子供が家庭の中で受けているかもしれない。道徳教育ではなくて、まさに子供が自分のことを大事だと思い、被害に対して嫌だと思えるような力をつくっていくべきだと思います。 ある道徳の教科書にこういうのがありました。相手の話を聞くときは、相手の目を見て、遮らず、うなずきながら聞きましょう。でも、そんなことをやっていたらデートレイプに遭うかもしれない。嫌だ、私は望まないと言う力を子供が持たなかったら、子供自身、本当に食い物にされたり被害に遭うかもしれない。 是非、道徳、いわゆる道徳教育ではなく、子供自身を励まして、子供自身を本当に支援していく、そんな教育をしてくださるよう、文部科学省にも心からお願い申し上げ、質問を終わります。
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典でございます。 法案の質問に入ります前に、私からも、大臣、大臣、大臣、年金をめぐるこの一連の騒ぎについて苦言を呈させていただきたいと思います。 今回のこの金融審議会の報告書でありますが、これ元々、市場、取引をめぐる諸問題に関する検討ということで、麻生金融担当大臣が二年前に諮問をされた内容であります。その内容に基づいて、審議会で十数回に及ぶ審議を行った結果として諮問が出ている。その中には、経済の持続的な成長及び家計の安定的な資産形成を支えるべく、諸問題について幅広く検討を行うことという、こういう諮問なわけであります。 私は、今回の報告書を拝見しておりまして、この諮問に基づいて、金融庁、審議会としては、淡々と事実関係を報告書にまとめて出してきているということだと理解いたしております。にもかかわらず、政府の政策スタンスに合わないからということで、都合の悪い数字を隠そうとして受け取らないというような反応をされたことで、結果的に国民の皆さんの年金に対する信頼が失墜してしまっております。 言うまでもなく、厚生労働省は年金制度を所管する役所であります。したがいまして、厚生労働省としては、今の年金制度が実際どうなっているのか、老後の資産形成を行う上で、老後の生活資金を確保していく上で、一体、今何をしなければいけないのかということも含めて、厚生労働省の立場から、年金を所管する省庁の立場から、きちっと国民に説明する責任があると私は思っております。 それに対して、この一連の騒ぎが起こってからの答弁、聞かせていただいておりますと、火消しと言い訳に終始していらっしゃいます。私にはそうとしか受け取れなかった。そうです。そうでなければ、そのことの説明の合理性がきちんと国民の皆さんに伝わっているのであれば、これほどの騒ぎにならない。そう思われませんか。 そこで、大臣に一点だけ確認をさせていただきます。 この年金をめぐる一連の問題について、所管省庁として、厚生労働省としての説明責任を国民に果たすおつもりがあるのかどうか、この点についてだけ大臣にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 要は、我々は年金制度を所管していますから、やはりきちんと今の年金制度の、こういう制度になっている、これはちゃんと私は国民の皆さんに、今までも説明してきましたし、正しく理解されることが大事だと思っております。 今の日本の年金制度というのは、当たり前ですけど、世代間扶養方式を取っていて、そして給付と負担についてはマクロ経済スライドを導入して、将来の世代の負担が過重にならないようにという観点から、高齢者世代と現役世代のバランスを取って、保険料を一定の水準にとどめて、そしてあとは、給付はマクロ経済スライドで調整するという、極めて世界的に見ても長期的に持続する安定した制度をつくり上げている、これが、我々日本の年金制度だと思っております。 この日本の年金制度をしっかりと私は説明していかなければならない。年金というのは基本的には負担と給付のバランスの問題、私はこれが本質だと思いますから、そこはしっかりと説明し、信頼を得られるようにしなければいけないと、こう思っております。
○川合孝典君 制度についての御説明はそういう話なわけでありますが、結局、今回の問題はマクロ経済スライドを導入したことによって、実際の要は年金の価値が下がるという事実なんですよ。どう説明を加えても、所得代替率が下がるということの事実はもう動かしようのないことであって、そのことによって、従来であれば年金で相当部分老後生活を支えられたものが、年金では支えられる範囲がごくごく限定されてきているという事実なんです。この問題としっかりと向き合って、今から何をするべきなのかということの議論をするべきなんです。 私は、そういう意味では、報告書を受け取らなかった総理と麻生金融担当大臣の姿勢は、これはもうゆゆしき問題だと思っておりますので、そのことだけ申し上げさせていただいて、法案の中身に、審議に入らせていただきたいと思います。 実は私、毎日、連日質問しているつもりだったんですが、この児福法の質疑、これが初めてでございまして、したがいまして、ここに至るまでの間、それぞれの委員の皆様の質問聞かせていただいておりまして、そもそも何でこういう状態に今、日本は陥っているのかということについて、改めてじっくりと見直してまいりました。 大臣、これ、通告にない話なので答弁書を御覧にならずに聞いていただきたいんですが、最近、深刻な児童虐待の事例というのが以前に比べて増えてきていると思われませんか。そして、それが一体なぜそうなっているのかというふうに大臣としては御認識されているかという、大臣のお考えで結構ですので、お聞かせください。
○国務大臣(根本匠君) 客観的な事実関係で申し上げれば、児童虐待の件数は増加をしています。私は様々な要因があるかと思いますが、実際に、いろんな要因があって児童虐待が増えている、一概には言えないと思いますが、実際にそういう状況にある家庭が増えている。それともう一つは、児童虐待の件数がずっと増えているということで、一つの傍証で言えば、要は警察と児童相談所の連携が強化されて、各機関の連携が強化される。これは対応でも大事だし、児童虐待、やっぱり早期発見、早期予防ですから、その意味では、関係機関の連携によって早期発見がされてきたということもあるんだろうと思います。 その意味では、我々、いや、詳しくはもう少しきちんと話をしたいと思いますが、私は、いろんな要因がありますけど、そういう要因ではないかなと思います。
○川合孝典君 私、不思議だなと思いますのは、今よりも我々が子供で育った世代の方がもっと体罰教育が普通だった、殴られて育った世代なわけであります。しかしながら、むしろ我々の世代の方が深刻な児童虐待というものが余り社会的に顕在化していなかったという事実がある。何でなんだろうと考えたときに、私、その原因は恐らく日本のこの高度経済成長期の核家族化にあると思うという実は結論に私自身は達しました。 以前は二世代同居、三世代同居、当たり前だったわけであります。したがって、子育てに慣れていない新米のお父さん、お母さんに対して、やはりその教育だとか行き過ぎたしつけということに対して、祖父母やまた地域の友達、友人、御近所の方々がそのことに対して指摘し、指導し、そして抑止力として働いていたと思うんですよ。しかし、これが核家族化が進むことによって、要は新米のお父さん、お母さんを怒ってくれる人、止めてくれる人がいなくなってしまっている。そのことが、そのことが、要は子供を死に追いやるほどのひどい虐待につながっている大きな要因なのではないかということを私前提に置かせていただいて、では、その問題を解決していく上でどうすればいいのかという、こういう議論していかなければいけないと思っています。 ここまでの委員会の審議の中で、起こったことをどう防止するのかということについての対策については様々な御意見がありまして、このことを是非進めていただきたいんですけれども、そのこととは別に、そもそもの話として、国がやらなければいけないことが何なのかということ、このことを議論させていただきたいと思います。 先ほどの話に戻りますけれども、要は、おじいちゃん、おばあちゃんが見守ってくれない、御近所の人が注意してくれないというこの状況、こういう環境がなくなってしまった、このことを国や行政が代替しなければいけないということだと私は思っております。したがって、本来おじいちゃん、おばあちゃんがやるべきことを国や自治体が代替するのであれば、それだけの抑止力というものを国や自治体が持たないと抑止効果は発揮できないということだと思うんですよ。 そこで、その観点から、体罰のいわゆる禁止という問題について少し意見のやり取りをさせていただきたいと思います。 厚生労働省に確認しますが、厚生労働省が言うところの体罰の定義というものを改めてお聞かせください。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 まず、今回の体罰の禁止の法定化の趣旨でございますけれども、痛みや苦しみを利用して子供の言動を支配するのではなくて、子供が健やかに育つことについて、子育て中の親に対する支援も含め、社会全体で啓発していくための取組を進めていく、こうした取組の一環として体罰禁止の法定化をしていくということだと思っております。 体罰が禁止されるべき本質でございますけれども、今の話とちょっと若干重なりますけれども、子供に対して痛み、苦しみを与えようとすること、その痛み、苦しみを利用した懲戒により子供の言動を支配しようとすること、それから体罰が子供の心身の健全な育成の観点から悪影響があること、こうしたことにあると考えておりまして、こうしたことが国民に分かりやすく伝わるようにガイドラインを通じて普及、周知していきたいと思っております。 また、ガイドラインにおきましては、有識者の方々からの御意見もお伺いしながら、学校教育法の体罰の範囲あるいは子どもの権利委員会における定義なども参考にしながら、具体的には体罰の範囲を今後検討、定めていきたいというふうに考えております。
○川合孝典君 先ほど、川田委員の質問の中に、いわゆる暴言についての問題提起がありました。私、非常にこれ重要な問題提起だと思っておりまして、たたく、たたかないということとは別に、言葉の暴力、これが成長期にある子供の精神に対して極めて深刻な悪影響を及ぼすということについては様々な研究もなされているようでありますけど。 そこでちょっと確認なんですが、親から子供へ継続的な暴言を行うことを規制することの必要性というのを私、実は感じておるんですけれども、この暴言を規制するということの必要性について、現状、厚生労働省としてはどのように認識されているでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 現行の児童虐待防止法におきましても、児童に対する著しい暴言等につきましては児童虐待に該当し、禁止されております。そういう意味では、こういったものにつきましては禁止されるべきものというふうに考えております。
○川合孝典君 もう一回確認ですけど、厚生労働省としては暴言もいわゆる体罰に含むという認識でしたか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 今回禁止されるような体罰の範囲には、言葉により戒める行為は含まれておりません。これは、この言葉による、先ほど虐待、著しい暴言等と申し上げましたけれども、体罰でありますと、著しいというものじゃなくて、一般的なもう軽いものも含めての言葉により戒める行為についても禁止ということに、禁止といいましょうか、になりますと、正当な言葉による叱責と不当な言葉掛けとの線引きにつきまして、なかなかやっぱり現時点では国民的な合意ができていないのではないかというふうに考えております。 そういう意味では、現段階においては、言葉による心理的負荷につきまして明示的に禁止することはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。
○川合孝典君 じゃ、局長のお考えで結構ですけど、正当な暴言と不当な暴言ってどういう線引きなんですか。明確に説明できますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 著しい暴言につきましては、ちょっと、例えばでございますけれども、繰り返し繰り返し、何といいましょうか、不適切な言葉で叱るとかいうようなことで、継続性とかそういったものも勘案しながら個別判断ということだと思います。 一方で、この体罰でございますけれども、身体的なものでございますけれども、そういった著しいということではなくて、そういう意味では、相当広い範囲について体罰については基本的には禁止という、こういうふうに考えておりますので、その中で、その言葉というものを体罰の範囲に加えますと、なかなかやはり正当な叱責、厳しく叱る行為と不当な言葉掛けとの線引きが難しいのではないかというふうに考えております。
○川合孝典君 その正当か不当かということを判断するのは基本、親御さんですよね。親御さんが判断するということになると、当然そこには主観で正当か不当かということを判断しなければいけないんです。実はこの問題、難しいのはそこなんです。 冒頭、私が長々と背景についてお話しさせていただいたのも、そういう、要は正当か不当かが曖昧だから、判断ができないから、線引きができないから決めないという状態で今回この話が進んでおりますけれども、線引きをしないと、要は、第三者が子供を、虐待児を虐待から、虐待をされている子供を守るために要は何らかのアクションを起こしたときの抑止力が働かないんですよ。 大臣、厚生労働省は、これ、虐待というか、体罰による虐待もそうですけど、言葉による虐待については、今回の法案では厚生労働省は暴言は含んでおりません。このことも含めて、今後見直すべきだと思われませんか。
○国務大臣(根本匠君) 要は、今回禁止される体罰、体罰の範囲には言葉により戒める行為は含まれておりませんが、今回の体罰という定義からすると。一方で、委員のおっしゃられたお話で言うと、著しい暴言等に該当するもの、これについては児童虐待に該当して、心理的虐待に該当して、これは禁止されていると。法制度的にはそういう整理だと私は思います。 じゃ、具体的に、著しい暴言と要は正当な、著しい暴言だとこの児童虐待防止法上の禁止される、してはならないという虐待に該当いたしますが、正当な厳しい言葉による叱責と不当な言葉掛けとの線引きについて、これは国民的な合意ができておりませんので、現段階において、言葉による心理的な負担、これを明示的に禁止するということは困難ではないかと思っております。
○川合孝典君 今はそういうことなんですけど、それで十分な効果が得られるのかどうかということについての問題提起をさせていただいておるわけでありまして、ちょっと切り口変えて問題提起したいんですが。 体罰禁止をいわゆる法定化した国というのは、ヨーロッパには既に幾つもあります。これスウェーデンなんですけれども、元々、一九七〇年前後の時代には、日本と同じように、半分以上、五〇%以上の親御さんが体罰容認だと、体罰も教育上必要であるという御認識をされていたわけでありますが、一九七九年に体罰禁止が法定化されております。その結果、二〇一〇年代には、体罰を容認する親の比率は一〇%を切って八%にまで来ているということでありまして、私、これ大きな示唆に富んだ動きだというふうに思っております。 つまりは、曖昧だから線引きをせずに禁止ということにはしないという今判断を政府や厚生労働省としてはされているわけでありますけど、一旦禁止にした上で検証を行って、それが適正か適正でないかということのチェックをきちっと入れられるような枠組みにするべきだと思うんです。禁止をするということを明確にまず線引きをするということが、私は、そもそも児童虐待が起こったものをどう早く捕捉してどう救い出すのかということ以前の問題として、そもそも虐待を起こさないということにつなげるという意味では、入口のところできちんとした整理をするべきだと思うんです。この問題を乗り越えることができなければ、本質的に児童虐待の防止の推進にはつながらないと思っております。 このいわゆる体罰禁止、暴言も含む体罰禁止のきちっと法定化を行うということについて、今私が言ったことも含めて、大臣、是非御検討いただけないでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 今委員御指摘の基本的な考え方は、今回の厚生労働省も同じでございます。要は、今回、身体的侵害、言わば体罰に限りはしますけれども、基本的な考え方は、痛みや苦しみを利用して子供の言動を支配するのではない、子育てはそういうことではなくて、そういうことをしなくても子供は健やかに育つんだと、そういう子育てを推進していくんだという、社会全体でそういう考え方を共有する、啓発していくということが重要と考えておりまして、そういう意味では、今回のその体罰禁止の法定化と併せまして、これまでも子育てについての愛の鞭ゼロ作戦ということで普及啓発をしてまいりましたけれども、そういった体罰によらない子育てをしっかり社会全体で共有する、そういったことを目指して今回法案を出させていただいているということでございます。
○川合孝典君 今回の法改正ではそこまで踏み込んだ話になっていないことは私も理解しておりますけど、近い将来この問題と向き合わなければいけない必ずときが来るということでありますので、是非その辺りのことも視野に入れて様々な検討を進めていただきたいと申し上げておきます。 ちょっと質問を変えます。 体罰の関係、これもでありますが、体罰経験のあるお子さんが親になると子供に暴力を振るうという、いわゆる体罰の連鎖ですね、このことがよく指摘されるわけでありますけれども、この辺り、親から子へ、体罰を受けた子供が親になったときに子供に体罰を振るう比率が高くなるといったようなことについて、厚生労働省として調査とか研究というのは何か行っていらっしゃいますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 まず、厚生労働省におきまして、地方自治体の職員用に作成いたしました子ども虐待対応の手引きにおきましては、その保護者が子供を虐待する要因として幾つか挙げております。 一つは、今御指摘の点ですけれども、子供時代に大人から愛情を受けていなかったこと、それから、生活にストレスが積み重なって危機的な状況にあること、それから三つ目は、委員冒頭御指摘いただきましたけれども、社会的に孤立化し援助者がいないこと、それから四つ目といたしまして、親にとって意に沿わない子であることなどの要因があるとしております。そういう意味では、様々な要因が複合的に絡み合って起こるもので、によるものであると認識しております。 それでまた、数字的なものでございますけれども、昨年度実施いたしました調査研究におきましては、虐待をした保護者の生育時の状況等について調べておりますけれども、不明が約六七%とかなり多かったんですけれども、何らかの虐待を受けた者についても約一三%という数字が調査研究で明らかになっております。
○川合孝典君 そうなんですよね、結局そういう傾向が出ているということでありまして、要は、子供の時代に虐待されてというか、体罰を受けながら育った子が親になって、核家族化しているわけでありますから、誰に指導を受けるでもなく孤立状態の中で自らの価値判断、自分の子供時代の経験に基づいて子育てをするということになりますから、必然としてそういうことになると思うんです。 あれもこれも禁止だ禁止だということになってしまいますと、当然親御さんもどうしていいのか分からぬという話になるわけでありますから、親御さんにどう寄り添うのかということも当然政策的に非常に重要なもう一つの虐待防止の取組のポイントになると思いますので、この問題についてもちょっと後ほど触れさせていただきたいと思います。 時間の関係ありますので、先に進めさせていただきます。 懲戒権について、大臣にちょっと御確認させていただきたいんですが、児童虐待防止の観点から、いわゆる民法八百二十条の懲戒権というものがどのように影響していると大臣は御認識されているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 民法の懲戒権ですか、民法の懲戒権についてどう考えるか。(発言する者あり)今回の、いや、これ結構大事なことなんで。要は、今までの民法の懲戒権では、しつけと称して体罰をする親がいる、懲戒権ということで。しかし、今回の法改正では児童虐待、体罰を加えることは今回禁止しましたから、だから民法の懲戒権の中では、この体罰についてはそこは懲戒権の範囲から除かれる、今回の法改正でそういう整理になっていると。 それから、民法の懲戒権をどうするかどうかは、法務省の方で審議会で、法制審議会でこれは早期に検討するということになっております。
○川合孝典君 これは参考人で結構ですので確認なんですけど、前回の民法改正、これは平成二十三年でしょうか、そのときに、議論の中では、懲戒権の削除についてが議論の中では有力だったというふうに伺っておるんですけれども、結果的に懲戒権、削除されませんでした。なぜ削除されなかったのかということ、御説明できますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 通告いただいておりませんし、懲戒権に関する議論は法務省の法制審で行われたものというふうに承知しておりますので、現時点で議論については今承知をいたしておりません。
○川合孝典君 結局、いろいろ踏み込んだ議論を行いますと、ここがやっぱり縦割りの話になってくるわけでありまして、懲戒権が、当然、規定する内容が結果的に親のいわゆる体罰、しつけの名を借りた体罰を正当化する裏付けに使われてしまっているという側面もあるわけでありまして、したがって、児童虐待の防止を今後進めていくという観点からいくと、この問題についても厚生労働省としても積極的に関わっていく必要があるということの問題の指摘だけさせていただきたいと思います。民法の話は法務委員会に行ってやらせていただきたいと思います。 今日は法案の修正提出者にもお越しいただいておりますので、岡本議員にちょっと確認をさせていただきたいと思います。 しつけと体罰ということについては、これ、非常に曖昧な定義になっておるんですけれど、修正提出者としては、しつけと体罰の線引きというものをどのように行うべきだとお考えになられているでしょうか。
○衆議院議員(岡本充功君) 御質問ありがとうございます。 今回の改正により児童虐待防止法第十四条一項において体罰の禁止が明記されましたが、衆議院における質疑を通じて、しつけと体罰の線引きに関わる体罰の範囲について必ずしも明確にはなりませんでした。 そこで、衆議院厚生労働委員会における附帯決議において、「体罰によらない子育てを推進するに当たり、子どもの権利条約を参考に具体的な例示を示したガイドライン等を早期に作成するとともに、体罰が子どもに与える影響について広く国民が理解できるよう啓発活動に努めること。」と規定し、政府において体罰の範囲の明確化や啓発活動を行うことを求めているところであります。 法案提出者といたしましては、体罰の範囲は広く捉えるべきものだと考えておりますが、具体的には、体罰として、子どもの権利条約第十九条第一項においては、あらゆる形態の身体的若しくは精神的な暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取とされており、また、国連の子どもの権利委員会の意見では、体罰を、どんなに軽いものであっても、有形力が用いられ、かつ何らかの苦痛又は不快感を引き起こすことを意図した罰と定義するとしていること等を参考に、政府において体罰の範囲を明確化したガイドラインを早期に作成するべきだと考えております。
○川合孝典君 ありがとうございました。 次の質問、行きたいと思います。 文科省さんにも今日お越しいただいておりますので、確認させてください。 児童虐待防止法では、学校での虐待は通報義務の対象外になっておりますよね。それはなぜかということをお聞かせください。
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。 児童虐待防止法では、保護者などの児童を現に監護する者による虐待を児童虐待とし、その虐待を受けたと思われる児童について通告義務が課せられていると承知しております。 学校における教師からの不適切な指導については学校組織において対応されており、体罰などがあった場合には、教育委員会において懲戒処分などの必要な対応がなされているものと考えており、児童虐待防止法ではなく学校教育法において対応されるものというふうに認識をしております。
○川合孝典君 実は、これ触れさせていただいたのは、問題意識として、障害児への虐待、この問題にどう対応するのかということについての問題意識があったからでありまして、ちなみに、障害児の、障害を持つお子さんへの虐待の現状把握は厚生労働省としてはできていますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 平成三十年度の調査研究事業によりますと、調査期間中に児童相談所が受理した虐待相談のうちで、虐待を受けた子供の生育歴等の状況といたしまして、発達障害の疑いがある子供が一一・四%、精神発達の遅れ等がある子供が六・六%、身体発達の遅れがある子供が一・四%といった結果があるものと認識をいたしております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 これ、民間のNPO法人が行った調査によると、障害をお持ちのお子さんが虐待をされた場所というのを調査したところ、やっぱり小中高、学校なんですね、ほとんどが。ということでありまして、したがって、この学校での虐待にどう対応するのかということが非常に重要なポイントになってまいります。 このことの議論を行う上でちょっと確認したいので、改めて、文科省さんなんですが、学校教育法十一条が根拠になって様々規定しておりますけれども、この学校教育法十一条が言うところの監督庁の定めるところという記載なんですが、この監督庁の定めるところというのは具体的に何を指しているのか、教えてください。
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。 学校教育法第十一条におきましては、「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」と規定をされております。 委員御指摘の同条の文部科学大臣の定めるところにつきましては学校教育法施行規則第二十六条において規定がされておりまして、児童等に懲戒を加えるに当たっては、児童等の心身の発達に応ずるなど教育上必要な配慮をしなければならないこと、懲戒のうち退学、停学等については校長が行うこと、退学については、性行不良で改善の見込みがないと認められる者等に対して行うことができることなどが定められております。
○川合孝典君 いじめ、虐待による子供のいわゆる自殺につながるような事例も含めて、実際問題として学校の中で問題が生じることは非常に多うございます。 したがって、ここからちょっと厚生労働省さんに戻したいんですけれども、児童虐待防止法の方も、これは省庁縦割りの弊害の最たるものだと思いますが、学校も児童虐待防止法のきちっと対象として、厚労省と文科省が情報共有して対策を講じるべきだと私は思うんですけれども、大臣、いかがでしょう。そういう働きかけを是非検討していただけないでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 今、文科省からも答弁がありましたが、児童虐待防止法では、保護者などの児童を現に監護する者による虐待を児童虐待として、この虐待を受けたと思われる児童について通告義務が課せられています。一方で、学校における教師からの不適切な指導、これについては学校組織において対応されておりまして、体罰などがあった場合には、教育委員会において懲戒処分などの必要な対応がなされているものと考えております。これは、その意味では、学校教育法という話がありましたが、これは学校教育法の体系の中で適切な対応が行われているということだと思います。 ただ、今、発達障害の遅れがある子供等々について、児童相談所が受理した相談のうち、やはり障害、発達障害等々の障害児が児童虐待を受けていると、こういう状況もあって、今委員がおっしゃられたように、小中高の中での、場所としては小中高が多いということですから、やはり大事なのは、児童虐待についての具体的な認識や、どういう状況でどういうことが起こるか、この辺の情報は、厚労省と文科省でそこは共有すべきだと思っています。
○川合孝典君 今後そのことの取組を是非進めていただきたいんですけれども、ちょっと申し上げておきたいのは、この障害のあるお子さんへの体罰とか虐待とかというのは非常に表面化しにくいんです。 理由は幾つか指摘されておるんですけれども、まず、障害をお持ちのお子さんは自分自身で被害を訴えるのが難しいという問題がありますし、また、親がその被害を仮に知っても、非常に手の掛かるお子さんを預かってもらっているということに対する遠慮や負い目があることから、一般の健常児の親御さんよりも遠慮をして物が言えなくなってしまうといったような、そういう指摘もされております。 したがって、この障害をお持ちのお子さんに対する虐待への対応というのはもっとより寄り添った対応を図らなければいけないということでありまして、そういう問題意識からの今質問をさせていただいたということであります。 時間がいよいよなくなってまいりましたので、最後、別の質問をさせていただきたいと思いますが、いわゆる通告の義務についてであります。 虐待を捕捉したときには通告しなければいけないということで一応規定されておるんですけれども、実際問題として、通告が十分になされているかというと、必ずしもうまく機能していないわけであります。 その背景にあるのが何なのかということで、本当は聞こうと思ったんですが自分でしゃべりますけれども、要は、確信がないままに通告をすること、何か泣いている、何か虐待を受けているんじゃないかといったような状況を把握したときに、確信がないまま通告することへのためらいが結果的に要は通報遅れにつながる事例というのが非常に多く指摘されるわけでありまして、このためらいの意識を除くための制度的な何らかの枠組みというのが私必要なのではないのかと。要は、まずはためらわずに通報していただけるような枠組みというものを整備する必要なのではないのかというふうに思っておるんですが、この点について厚生労働省の御認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘のとおり、虐待については、早期発見、ためらわずにしっかり通告をしていただく環境、制度を整えることが必要だと考えております。 まず、制度面でございますけれども、児童虐待防止法におきましては、虐待を受けたと思われる者を発見した者、要は、確信がなくとも虐待を受けたと思われる者を発見した者につきまして、市町村や児童相談所等への通告義務を設けております。もうそういう意味では、そういう疑い、思われるという段階で通告義務が一応制度上は掛かっているということでございます。 それから二点目といたしましては、市町村や児童相談所等は、通告をした者を特定させるものを漏らしてはならない旨規定しております。そういう意味では、秘密は守られる、誰が通告したか分からないようにするということでございます。 また、運用面におきましては、児童相談所全国共通ダイヤル、いちはやくの周知を図るポスター等におきましても、連絡は匿名で行うことも可能である、連絡者や連絡内容に関する秘密は守られることも周知をいたしております。
○川合孝典君 制度的な枠組みとしては一定のものが構築されているんですが、問題は、それが周知きちっとされて皆さんが御存じでなければ制度がきちっと機能しないということであります。 最後になりますけど、岡本議員にちょっと確認させていただきたいんですけれども、この児童虐待防止を今後進めていく上で、いわゆる周知啓発を効果的に行っていくために、岡本議員としてはどういう取組を厚生労働省として進めていくべきとお考えでしょうか。
○衆議院議員(岡本充功君) 御質問ありがとうございます。 先日の委員会でも私は指摘をさせていただきましたけれども、かつて、厚生労働省に対して、虐待の兆候についてきちっと整理をして、そして研究をする、この必要性を私は指摘をしてきたわけであります。 そういう意味で、児童虐待の兆候に関する調査研究をより一層進めて、どういったものが児童虐待のある意味兆候として重要なのか、またあり得るのかということをきちっと整理をすること。そして、それを、今委員御指摘のとおりでありますけれども、そこから得られた知見に基づいて、医療機関や学校、それから、最も重要なのが、やっぱり一般国民に対して児童虐待が生じている可能性が高い兆候を周知をしていくこと。これは、もちろんガイドラインなども想定をされるわけでありますけれども、様々な機会を通じて呼びかけを不断に行っていくということが極めて重要であり、その取組がやはりまだまだ薄いのではないかという認識を私は持っております。 そういう意味で、今回の議論を機に、厚生労働省がこうした取組を進めていくことを私としても期待をしたいと思っています。
○川合孝典君 ありがとうございました。 最後に大臣に。今回、児童虐待防止のための取組を前に進めていただくというこの方向性についてはとても大切なことだと思いますし、我々も、これ与野党抜きにして前向きな議論を進めてまいりたいと思っております。 ただ、今回の法律の中身というのは、大事な部分が今後の検討課題になっていたり、ガイドラインでどう整理していくのかといったような立て付けになっておりますので、そういう意味では、せっかく枠組みだけつくっても、実際に今後どうなっていくのか、この法律に魂がこもっているのかどうかというのは今後の数字が、厳然たる数字が出てくるわけでありますので、あのとき法律を改正してよかったと皆さんに思っていただけるよう、是非強力な取組を進めていただくことをお願い申し上げ、時間が参りましたので、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(石田昌宏君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十一分休憩 ─────・───── 午後一時十分開会
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○足立信也君 国民民主党の足立信也です。 資料が今配られておると思いますが、先週の火曜日、一週間前に一体どうなっているんだということを冒頭申し上げまして、木曜日にも質問時間はあったんですが、あえて一週間置かせていただいて、一週間あれば出てくるだろうというつもりで今日やりますが。 その前に、今までお聞きしていて四名の方々が年金問題からスタートされたので、私、ちょっと通告しておりませんが、二点もう確認だけしたいと思います。 大臣は口癖のように、まずは実態把握だと、そういうふうにおっしゃいます。それは正しいですよ。実態把握、検証が何よりも大事だと、もう何度も答弁で聞いてきました。 そこで、今回の資料もその実態です、まさに実態。これがないと、衆議院で修正を加えて全会一致になった法案で参議院になって新たに加わるものといったら、この実態調査しかないんですよ。これがないと、果たして終局、採決まで行っていいのかというのが私の疑問です。 通告しておりません、さっき言いましたように。年金の問題で、もう確認だけしたいです。財政検証はいつ出すんですか。それと、GPIF、これ積立金の運用、昨年の、昨年度か、昨年の第三・四半期、これマイナス九・〇六%ですね、運用実績。昨年度の運用実績がいまだに出ていない。これはいつ出すんですか。この二点です。
○国務大臣(根本匠君) 財政検証については、私、何度も答弁しておりますが、現在作業中であって、必要な検証作業が終わり次第公表することを予定しております。 厚生労働省としては、制度改正の議論に資する財政検証をしっかり行うことが重要だと考えております。現在、年金部会の議論、さらに未来投資会議でも議論をされて様々な提案もされておりますので、財政検証本体の試算作業に加えて、要は、新たなオプション試算などの内容の充実を図りたいということで鋭意作業を行っているところであります。具体的なオプション試算の話については、先ほど例えばということで申し上げました。 それから、GPIFについては、GPIFについては、今運用実績についてのお話がありましたが、これは今、ただいまの通告でありますので、ここは確認させていただいて対応させていただきたいと思います。
○足立信也君 調べるのは多分、私、五十分ありますから、時間内にできると思いますので、GPIFは分かりました。 財政検証は目安ぐらいは言ってくださいよ。
○国務大臣(根本匠君) やはり大事なのは、私はしっかりとしたものを出したいと思っておりますので、ここは今鋭意作業中ですので、新たなオプション試算等々も内容の充実を図りたいと思っておりますので、ここはしっかりと作業をして、そしてしっかりしたものを出していきたいと、こう思います。
○足立信也君 今国会中にも年金の集中審議があるやに聞いておりますので、そのときには更に聞きたいと思いますが。 私、四年前か五年前、前回の財政検証に関係して、条件を付けて、こういう検証をやってもらいたいということを列挙いたしました。で、やると答えたと思います。ですから、もしそういう機会があったら一つ一つ聞きますよ、あのときうそをついたのかということを聞きますから。それは、準備に手間取っているのであれば、そこまでも含めて是非検討してください。一つだけ言えるのは、目安も言わなかったということです。 じゃ、資料に基づいていきます。 私が挙げた三つの緊急安全確認フォローアップですね、フォローアップ。特に一枚目と二枚目は、これは結愛ちゃんの事案が発生した後、取り組まれたんだと思いますが、三つ目、四つ目については、それよりも前からだという認識でいます。 そこで、六月七日までに国に対して報告して今取りまとめているということですが、それを申し上げます。 児童相談所において、一枚目ですね、在宅指導している虐待ケースの緊急安全確認です。対象は全国で三万七千八百一名。そして、一回目の調査で、児童と保護者一万百七十二人が継続して対応することが必要だと。その中で、二回目のフォローアップで、三千七十二人、児童が四百三十八人、そして保護者が二千六百三十四人。そして、このフォローアップ三千七十二人のフォローアップについて六月七日までに報告されているはずです。その後の集計、この結果はどうなりましたか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘のとおり、この児童相談所における在宅指導している虐待ケースの緊急安全確認につきましては、各自治体から厚生労働省に対する調査結果の報告期限、六月七日としておりました。 自治体から報告が出てまいりました。出てまいりましたけれども、数字について、ここが正しいかどうか等の数字の精査を自治体に問い合わせて行っておりまして、現在、鋭意作業を進めているところでございます。 可能な限り早期に公表したいと考えておりますけれども、正確な数字で公表を行うために一定期間の精査を行うための時間をいただきたいということで御理解を賜りたいと思います。
○足立信也君 過去の国への報告期限から発表までの時間差については私も全部把握しているつもりです。局長、法案審議にこのフォローアップ結果を役立てようという気持ちはあるんですか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 委員御指摘のとおり、前回のフォローアップにつきましては二週間強ぐらいの時間が掛かりました。できる限り早期にというふうに思っておりますけれども、やはり正しい数字ということを、正確な数字が必要でございますので、一定期間のお時間をいただきたいということで御理解いただきたいと思います。
○足立信也君 法案の審議に必要だから急ぐべしだという感覚はないんですかと聞いたんですよ。
○政府参考人(浜谷浩樹君) できる限り法案の審議にもお役立てできればとは思いますけれども、物理的にやはり一定のお時間を要するということで、その点については御理解を賜りたいということでございます。
○足立信也君 大臣、間に合わせるのが大事だと思いませんか。これ、三つ出すんですけど、最後は六十一人ですよ、六十一人、対象が、後で言いますけどね。六十一人の対象のその後の集計がまだできませんというのを皆さん信じられますか。 大臣は法案審議に、今一番目を言っていますからね、このデータは極めて大事だと、大臣がお答えされる前に局長にもう一回聞きます。 この一番の児童相談所において在宅指導している虐待ケース、この調査がどれだけ大事か、その重要性を話してもらいたいと思います。これは、私は最もハイリスクなグループだと思いますよ。それを法案審議の中で出さない、まず位置付けをお聞きして、大臣は法案審議のうちにこれを間に合わせろという指示はしたんですか、この二点聞きたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 まず、今回の緊急安全確認の位置付けについてという御質問でございました。 今回の児童相談所におきまして在宅指導している虐待ケースの緊急安全確認につきましては、千葉県野田市の事案を受けまして、同様に在宅指導を行っているほかの事例の状況を点検するために、本年二月の関係閣僚会議決定に基づき実施したものでございます。これは、在宅指導を継続していたにもかかわらず、その命を守ることができなかったことを重く受け止めたものでございまして、まずは同じ悲劇を繰り返さないよう緊急の対応として行ったものでございます。 在宅指導ケースにつきましては、家族は予想以上に早く変化するものでございまして、いつの間にか虐待が深刻化していたり保護者が援助に対して拒否的になったりする危険性を有するものと考えておりまして、定期的な状況の確認と方針の見直しが必要と考えております。
○国務大臣(根本匠君) 今局長から答弁をさせていただきました。私も、この六月七日に、これは六月七日までに報告ということでありますから、私も、これは局長も同じ思いですけど、これはできるだけ早く出さなければいけないと思っております。ただ、局長から話もありましたように、我々も可能な限り早期に公表したいと考えております、考えてもきました。 ただ、正確な数字で公表を行うためには、やはり精査を行うための一定の期間が必要であると。これは、作業は局長以下の部局で今精力的にやっているわけでありますが、そこは物理的にやはり正確な数字で公表しなければいけないということがありますので、ここは、たった今の今日の時点までには取りまとめることを今できておりませんが、これはとにかく早急に取りまとめていきたいと考えております。
○足立信也君 浜谷さんね、浜谷さんがおっしゃったことはそのとおりで、みんなそれは共有しているんですよ。だから法案審議に役立つように間に合わせてくれと言ったわけですよ、一週間前に。 今の大臣の答弁ですと、明確に指示はしていないということだったと思います。残念ですね。だから、GPIFと、私、財政検証の件をわざと期限を聞いたんですよ。全て終わってからという話なんですね、この政権はということです。 じゃ、二番目に移ります。これも大事なケースです。二枚目の資料です。 虐待が疑われるケースに係る学校・教育委員会等における緊急点検です。内閣府と文科省と厚労省です。対象は十八万七千四百六十二人。フォローアップで学校教職員や教育委員会の職員等により面会できた人が七千百二十六、できなかった人が三千二百九十一、このうち虐待のおそれなしと判断して情報共有を行わなかった人、千九百九十九人。これが対象で六月七日までに報告と。もう報告されていると思います。 ただし、もっと大事かもしれません。面会できなかった者のうち、市町村、児童相談所又は警察に情報共有したのは三百二十一人。この、その後のことも知りたいんですが、さらに重要なのは、赤字で書きましたように、面会できた者のうち、虐待のおそれがあると判断して情報を共有した人は百七十二人です。 今申し上げましたように、千九百九十九人、この出された報告のその後の集計、分析は進んだでしょうか。できたでしょうか。
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。 委員の御指摘の緊急点検の再フォローアップについてでございますが、前回の緊急点検フォローアップにおいて、四月の十五日までに面会ができず、関係機関と情報共有も行わなかった児童生徒等について引き続き情報を把握をするため、四月の十六日以降五月三十一日までの間の状況等について取りまとめることとしております。 現時点の作業状況でございますが、各教育委員会等から提出をされた報告について数字等の精査を行っているところでございまして、しっかりした精査を行った上で、可能な限り早期に公表したいというふうに考えております。
○足立信也君 これも同じです。一週間前ですから、それよりも約一週間近く前に報告出ているわけで、これは間に合わせてくださいと言って、私はできないことなのかな、行政の今の能力ってそんなものなのかなと、非常に残念ですけどね。じゃ、これはまあ内閣府と文部科学省と厚生労働省共通ですから。 ただ、今まで面会できた者のうち、さっきも言いました、虐待のおそれありと判断して情報を共有した方が百七十二人います。この方々はその後どのような対応をされているんでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 今回の調査でございますけれども、虐待のおそれのある個別の事例につきまして個人が特定できる形で報告を求めておりませんので、そういう意味では、個別個別の事例について今どのような形かということについて厚生労働省として網羅的に把握しているものではございませんけれども、今回のこの調査結果によりまして情報提供があったわけでございますので、虐待通告を受けた場合に当該児童について安全確認を行った上で必要な措置を行う、こういったルールに基づいて児童相談所において適切に対応がなされているものと考えております。
○足立信也君 大臣のいつもの答弁の、まずは実態把握ということを申し上げました。これは数がどうだったかで終わる話ではなくて、その後どのような対応をしたかというのがやっぱり何よりも大事なんですよ。でも、それは分かりませんという話です。これが本当に今この国が抱えている、多くの国民がこんな国でいいんだろうかと思っている内容ですよ。それが数の集計、正確に集計はまだできていない、かつどのような対応をしたかは検討の中にも入っていない、そういうことなんですよね。 これまた非常に残念ですけど、ちょっと質問、最後の方で入れていますが、参考人の方もおっしゃっていましたように、どのような対応をしたか、あるいはAIを使った三重県の取組ありましたけれども、どのような方がリスクが高いのかというのが極めて大事であって、これはデータベース作るべきだと私は思いますし、働き方改革のときに一番の問題になった労災認定、裁量労働制でどこが多いのか、どういう働き方が多いのか等々は、やっとデータベースの構築が始まったと、後追いだったですけどね。この問題も、データベース化してAIを取り入れて、ハイリスクの方々を拾い上げて、そこで予防的に対処するということが極めて大事だと思いますよ。 それが、数が正確かどうかまだ調べています、その後の対応は分かりませんと言われたら、何をやってきたんだと。悲鳴を上げている方々に対してある意味不作為に近いんじゃないかという気がしてならないですね。頑張っている方はいますけどね、全ての方がそうだとは言いませんが。 そのデータベースの構築についてどのように考えられますか、あるいはAIの導入等について、リスクグループを、リスクのある方々をピックアップするという意味で、いかがでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 児童虐待の対応に当たりましては、データの収集及び分析を行うことによりまして事案の緊急性の判断に活用できる仕組みを構築すること、議員御指摘のとおり、これは大変有効であるというふうに考えております。 三重県におきましては、これは国の調査研究事業でございますけれども、AIを活用いたしまして、これまでの児童相談所の関わりあるいはその保護者の年齢、子供の意向、あざの部位等によりましてリスクの高さを判断する取組を行っておりまして、こうした取組が全国展開できるよう、今年度、その効果に関する調査研究を実施しているところでございます。 また、本年三月の関係閣僚会議の決定におきましても、虐待事案に関するデータを収集し、その結果をAIで解析することにより、緊急性の判断に資するツールの開発を加速化する、こういう決定をいたしております。 議員御指摘のようなデータの収集、分析、AIの活用等につきまして、今後具体的な検討を進めてまいりたいと考えております。
○足立信也君 これ、通告では大臣ということになっています。これは政治の判断ですよ。これは急ぐべきです。正確な分析に基づいて予防的に対応すべきです。 このデータベース化について、大臣はどういう決意で臨んでいますか。
○国務大臣(根本匠君) 私は、AI、今デジタル革命の時代ですから、このAIあるいはICT、これをしっかり医療や介護の分野を含めて、この技術イノベーションの成果をしっかりと我々の行政に取り組んでいきたいと思います。 ですから、今委員がおっしゃられたように、局長からも答弁しましたけれども、このAIの活用、現に三重県で先進事例が出てきていますから、これらをしっかり取り組んで、全国展開できるように、このAIの活用については全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。
○足立信也君 前半部分の一般論のような話ではなくて、これは最優先課題として取り組みたいぐらいの気持ちは言ってほしかったですね。その点申し上げて、三枚目、四枚目に行きます。 まず三枚目なんですが、まず、これは乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の緊急把握調査なわけですね。ちょっと内容はまた後になりますが、この今私申し上げてきた三つの緊急調査、フォローアップ、これで、この日本にいる虐待、被虐待、虐待されている可能性のある子、あるいはハイリスク、この子供たちを、この三つの調査を組み合わせることによって、あるいはこの調査によって把握できるんではないか、あるいは拾い上げができるんではないか、網羅できるんではないか、そういう意図でこの三つの緊急調査を行ったんではないんですか。そこを確認したいです。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 先ほど虐待ケース、在宅指導ケースや文科省の調査については申し上げましたけれども、この三つ目の乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の緊急調査につきましては、これは東京都目黒区の虐待事案を受けまして、これまでの居住実態が把握できない児童への対応の調査を行っていたわけでございますけれども、これに未就園児を調査対象に加えまして、昨年七月の緊急総合対策に基づき実施しているものでございます。 昨年七月の目黒区の虐待事案の教訓といたしましては、児童が保育所や幼稚園に通っていない場合には、子供にとっての安全な場所の提供、子供の心身、家庭状況の把握と変化の観察、保護者とのコミュニケーションの確保などの役割が期待されないということで、緊急総合対策において未就園児をリスク要因と捉えまして、新たに調査対象に加えたものでございます。
○足立信也君 先ほど言いましたように、一番目、二番目は、結愛ちゃんに関連して、これ緊急で調査すれば同じようなことが拾い上げられるんではないか。三番目、今挙げたことは心愛ちゃんですか、これによって似たケースは拾い上げられるんではないか、そういう意味の緊急調査あるいは緊急フォローアップです。恐らく日本全体でこれで網羅できるんではなかろうかという考えで臨んだと思います。 そこで、ちょっと三枚目のここに行きます。 先ほど申し上げました乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児、これは対象が、去年の六月ですが、一万五千二百七十名、このうち、三月ですけれども、確認できていない児童が四百二十六人。この方々を第二段階、第二段階で確認して、できて、確認できた児童三百六十五人中四人が虐待があった。確認できていない児童六十一人、これが今回六月七日までの報告の対象です。六十一人ですよ。報告されているその六月七日から今日で十一日ですか、この六十一人のその後の集計把握、これはどうなっていますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘のとおり、この三つの調査につきましては、六月七日を報告期限といたしまして自治体から数字が出てまいりました。そういう意味では、その三つの調査、並行して自治体に確認作業を行っている最中でございまして、現在でも自治体に問合せを行っている数字もございます。そういう意味では、鋭意作業中ということでございまして、可能な限り早期に公表したいというふうに考えております。
○足立信也君 これもそうなんです。六十一名なんですけどね。この三つによってほとんどリスクのある方あるいはお子さんは網羅できると思っているのに、三つともまだ報告、集計、公表されていないんですよ。これで、今回の児童虐待防止法、児童福祉法、これで質疑が終局して本当にいいんだろうかというのが私の思いです。 それでは、その審議の間も大変悲しい事件が起きました。池田詩梨ちゃんですけれども、彼女のケースは、この三つ、網羅できているはずだというこの三つのケースの調査に彼女のケースは入っているんでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 札幌のケースでございましょうか。札幌のケースにつきましては、今回の調査対象外でございました。そういう意味では、先ほど来申し上げましているとおり、在宅指導のケースについては千葉県野田市の事案、それから健診未受診者、未就園等については目黒区の事案を受けたわけでございますけれども、今回の札幌の事件につきましてはこの対象外ということでございました。 そういう意味では、本ケースに、札幌のケースにつきましても課題があるというふうに考えておりまして、現時点においては少なくとも三つございます。一つは、通告受理後、原則四十八時間以内に子供の安全確認等行うルールの徹底を示していたにもかかわらず、このルールに基づいた対応ができていなかった。それから、子供に会えないこと自体をリスクが高いものとすること等の新たなルールを示していたにもかかわらず、このルールに基づいた対応ができていなかった。それから、虐待などの対応については、組織的に協議して決定するとともに、事例の進行管理は、状況の変化等についてのフォローを確実に行うため、全ての事例について定期的に確認する必要がある。そういう意味では、組織的な対応が必要だったわけですけれども、そういった組織的な対応、事例の進行管理ができていなかったという課題がございました。 そういう意味では、これまで行っておりました緊急調査とはまた別に、今月七日に関係省庁から成る局長会議を開催いたしまして、子供の安全確認に関するルールについての改めての文書での徹底、それから、先週金曜日でございますけれども、全国の児童相談所長を緊急参集して、子供の安全確認について徹底を図り、その点検を行うことについて大臣から直接児童相談所長に対してお願いをいたしました。また、児童相談所における通告受理後四十八時間以内の安全ルールの実施状況について緊急点検を行うことも決定したところでございます。 札幌の事案につきましては、詳細について札幌市において今後検証がなされるものと考えておりますけれども、検証結果も踏まえまして現場において対策が徹底されるように更に対応が必要というふうに考えております。
○足立信也君 浜谷局長の答弁が何か暗くなって、ううん、網羅しているというふうに感じていたけれども、見事に抜け落ちたケースが今回出てきたと。やっぱりこういうのを調べようと、緊急対応だと、まあ上の方から天の声があったのかもしれませんが、やっぱりそれでは抜けがあるんですよ。だからこそ、さっき言ったように、これデータベース化して、これはどの段階まで来ていて、どこが抜けているじゃないかと、ここで落ちているじゃないかというようなことをみんなが共有できる形にするのが大事なんですよ。見事に抜け落ちて、何の法案審議しているんだって、国会議員もある意味ばかにされるところもあるかもしれませんよ。見事に抜け落ちているということを私は感じましたが。 この三枚目と四枚目、実は私は同じ調査だと思っているんですが、二つ報告があって、この四枚目に行きますけど、ちょっと確認ですが、先ほどのように、一万五千二百七十人が対象で、第一段階、第二段階とで確認をしていっているわけですね。その中で、今年の三月一日時点で確認できた二千五百十三人中十六人に虐待があった。四百二十三人が確認できずとありますが、先ほどのでは四百二十六人となっていますが、これはどちらが正しいんですか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 乳幼児健診未受診者、未就園児等の緊急把握調査のフォローアップにつきましては、今年三月に公表を行いました段階では、三月一日時点での確認ができていない児童を四百二十三人としておりました。この四百二十三人につきまして、四月八日時点での確認状況の集計を行いましたところ、前回の結果に集計誤りがございまして、前回の時点で確認ができていない児童、四百二十三人ではなく四百二十六人でございました。訂正しておわびを申し上げたいと思います。
○足立信也君 ある意味、間違った公文書、数を間違った公文書もしっかり残しているというのはある意味立派なところありますよ、ほかと違って。こっちは間違いでしたと言っているんですが、報告は報告でこうあったわけですからね。 そこで、私がこの三枚目、四枚目の報告、安全確認で分かっている、結局、三枚目に書いていますが、四百二十六人中、確認できた三百六十五人のうち四人に虐待があった。そして、先ほどありましたが、第二段階で二千五百十三人中十六人に虐待があった。それでは、第一段階の確認できた一万二千三百三十四人のうち、虐待があったのは何人ですか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 乳幼児健診未受診者等の緊急把握調査におきまして、平成三十年十一月三十日時点で確認ができた児童一万二千三百三十四人中、虐待又は虐待の疑いに関する情報ありとされた人数は百四十三人でございました。また、本年四月八日時点におきましては、確認ができた児童、計一万五千二百九人中、虐待又は虐待の疑いに関する情報ありとされた人数は合計百六十三人でございます。
○足立信也君 それで、第一段階で百四十三人、第二段階で十六人、第三段階で四人、合計百六十三人に虐待があったということが分かっているわけです。それで、まだ六十一人確認できていないと。これはどうなりましたか。確認できて、そこまでできないということはかなりリスクが高いのかもしれないし、だからこの六十一人がどうなりましたかということを今聞いているわけなんです。残念ながら、集計はまだ間に合いませんという話なんですよ。 これは、合計百六十三人がここで虐待を受けていたと。しかし、その中には札幌の事案、詩梨ちゃんは入っていないということなので、やっぱりこれは、午前中、大臣もおっしゃっていましたが、増加している、増えている、これは間違いのないことだと思います。これが実態です。大臣が何度も言われるまずは実態把握がやっとそこまで行ったんだけど、まだ不十分で、できていないという第一段階の結論です。 私は、この前の質問のときに、虐待が起きないように予防することが極めて大事だということを申し上げました。今回、それに匹敵するぐらい、あるいはそれに次いで大事だと思うテーマに行きます。それは、保護した後の、子供を保護した後の支援です。参考人五名いらっしゃいましたが、アフターケアについての重要性をおっしゃっていた方はお一人だけだったと思います。 そんな中で、まず、これは余り示しちゃいけないんですが、有川浩さんの「明日の子供たち」というのがあります。私も昨年読んで、大変心を動かされましたし、感銘を受けました。児童養護施設あるいはその後のフォローアップのことについて、当事者の手紙を基に書かれた小説です。直接議事録に残るような形では聞きませんが、大臣は読まれたことがあるでしょうか。まあ、うなずいてくれればいいと思いますが。 そこで、大事なことは、アフターケアにもいろいろあります。まずは一時保護のことについてお聞きしたいと思うんですけれども、今現在、この一時保護される方というのが、私のデータでは、二十九年度、一時保護所内の保護件数二万四千六百八十件、うち虐待は一万三千百五十二というふうになっていますが、一時保護所はそうです。けれども、一時保護所以外も相当数一時保護される方がいると思いますし、これは原則最長二か月までであって、その後の、一時保護にいる間は、学校に行けない、家に帰れない、これからどうなるのか分からない、物すごく不安の中でいる。その後のフォローというのがすごく大事だと思うんですが、まずは一時保護所以外での一時保護、これは何名ぐらいいるんでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 平成二十九年度における一時保護所以外への一時保護委託の件数でございますけれども、合計一万七千四十八件でございます。そのうち、児童虐待を要因とするものが八千百十六件、それ以外のものが八千九百三十二件となっております。
○足立信也君 今、後半でちょっと触れられていたんですが、数が正確ではないのでちょっと確認しますが、じゃ、一時保護所、これは被虐待児はさっき言いました一万三千百五十二で全体の五三%。じゃ、一時保護所以外の一時保護での被虐待児の割合はどれぐらいで、それには一時保護所とそれ以外、例えば病院とか、この差はあるんですか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 平成二十九年度における一時保護の件数でございますけれども、一時保護所では、児童虐待を要因とするものが一万三千百五十二件でございまして、一時保護所への一時保護のうち五三・三%でございます。一方で、一時保護以外につきましては、先ほど申し上げましたけれども、児童虐待を要因とするものが八千百十六件でございまして、一時保護所以外の一時保護のうち四七・六%でございます。 こういう数字でございますので、児童虐待を要因とするものの割合については一時保護所の方が上回っておりますけれども、おおむねということで申しますと、双方半数程度というような認識でございます。
○足立信也君 ということですね。虐待の割合としては余り変化が、変わりはないということだろうと思います。 そんな中で、この一時保護所の配置基準なんですけれども、今回のケースもそうですが、やっぱりネグレクト等々、虐待を受けている場合に、正常範囲内といいますか、正規分布内に収まるような生育をしていないことが非常に多いわけですね。顕著に表れるのが虫歯であるとか、あるいは低体重なわけです。その方々が一時保護所に預けられる。そこでは、四十人以上定員のところは、職員の配置基準で栄養士さんがいなければいけないんですけど、私は、人数に関係なく、そういうお子さんが入る可能性が非常に高いわけで、これまた、そこでむやみやたらに食事を与え過ぎるのもよくないですし、体には。栄養士さんというのは、これは私は四十人以上じゃなきゃ必要ないみたいな、四十人以下でも、未満でも、栄養士さんというのは必要なんじゃないかと私は思います。これを必置にするという考えはいかがですか。
○国務大臣(根本匠君) 私も、栄養士さんは大事だと思います。 今、現行では、一時保護所の設置、運営、これ、栄養士などの職員配置も含めて、これは児童養護施設の面積や配置基準などに係る基準を準用する形で基準を定めていますから、定員四十人以下では栄養士は必置となっておりません。現状は必置となっておりません。 ただ、一時保護所に入所する子供、これは年齢も一時保護を要する背景も様々でありますし、それから、食物アレルギー対応も含めた個別の状況に配慮した対応が可能となるような職員配置あるいは環境整備、これが必要だと思っております。 三月の関係閣僚会議、これにおいては、一時保護所が安心、安全な場となるよう、個別的な対応ができる職員体制の強化や環境整備を促進することにしております。また、今回の法案の附則第七条においても、一時保護施設と職員の量的拡充と質的向上に係る方策を検討して、必要な措置を講ずることとされております。 衆議院の修正の趣旨も踏まえて、具体的な内容については一時保護所の現場の実情を踏まえた上で今後検討してまいりたいと思います。
○足立信也君 栄養士の存在、私大きいと思いますので、是非前向きに検討していただきたいと思います。 そこで、一時保護所が、原則最長二か月ですけれども、その後いよいよ児童養護施設あるいは乳児院あるいは里親等々でその後の流れが決まっていくわけですけれども、第一選択というか、一番多いのはやっぱり児童養護施設だと思います。 そこで、よく現場の方々から言われるのは、人手不足、人材不足はもちろんのこと、やはり一時保護所で預かる方が非常に多い中で、児童養護施設としてはやっぱり足りないんだと言う方もいらっしゃいます。この現状認識、私の認識では、今現在、六百五か所、定員三万二千二百五十三人だというふうに聞いておりますが、これが足りないという認識なんでしょうか、そうじゃないんでしょうか、まずそれを聞きたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 児童養護施設の定員につきましては、都道府県におきまして、児童相談所における虐待等相談対応件数あるいは一時保護児童数の伸び率等を踏まえて必要な供給量を見込み、必要な受皿を整備していただいているものと考えております。平成三十年三月時点では、委員御指摘のとおり、定員三万二千二百五十三人に対しまして現員は二万五千二百八十二人となっておりまして、全国的に見れば受皿が不足しているという状況ではないというふうに認識をいたしております。 ただ、これは地域ごとの事情がございますので、現在、都道府県に対しまして、平成二十八年の児童福祉法改正によりまして定められました家庭養育優先原則を徹底していくために、社会的養育推進計画を今年度中に策定いただくよう依頼しております。この計画の中では、保護が必要な子供の行き場がなくなることのないように、改めて、潜在的なニーズも含め、個々の子供に対する十分なアセスメントを行った上で必要な受皿を確保していただくようお願いをいたしております。 厚生労働省といたしましては、計画に基づく受皿整備が着実に行われますよう、引き続き都道府県に対する支援を行いますとともに、計画の進捗状況のモニタリング及び評価を行いまして、支援の在り方や進め方について検証していきたいというふうに考えております。
○足立信也君 不足とまでは言えない状況だということです。 この児童養護施設、措置延長もありますけど、原則十八歳までですね。私が先ほど言いました有川浩さんの「明日の子供たち」、ここで私がやっぱり心を動かされたのは、当事者の人たちは自分たちをかわいそうな存在だと思わないでほしいということです。人によって生まれ育った環境、個性、身体的特徴もいろいろあります。でも、十八歳という年齢で、十八歳までにそれを受け止めて、受け入れて道を切り開こうと頑張っているんだと。そこに必要なのは、その個人の頑張りを応援してもらう、支援してもらうこと、そして寄り添う人と憩える場所であるということが大きな流れの中で書かれてあった。私もそのとおりだと思います。 そんな中で、参考人の高橋さんは、アフターケア相談所ゆずりはですね、彼女は、あの彼女の発言から申し上げますと、退所児童等アフターケア事業、これありますけれども、補助は八百万円以下で足りないんだと、資金不足なんだということなんですが、今現在、この事業でどれぐらいの箇所にどれぐらいあって、その補助というのはどれぐらいになっているのかと、まず概略を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘の退所児童等アフターケア事業でございますけれども、平成二十九年度から社会的養護自立支援事業という事業に組替えをいたしまして、従来の相談支援に加えまして、居住費や生活費等の支援を行うことで児童養護施設等の退所者が円滑に社会生活を送ることができるような取組になっております。 この社会的養護自立支援事業を活用して相談事業を実施している児童養護施設などでございますけれども、平成二十九年度で四十二か所となっております。それで、補助単価でございますけれども、これは令和元年度の補助単価の案でございますけれども、生活相談支援につきましては一か所当たり年額で常勤職員二名以上を配置した場合に千二百十五万円、常勤以外の場合には八百九十一万三千円。それから、これに加えまして、就労相談支援を行う場合には一チーム当たりの年額で五百七十三万二千円を予定をいたしております。
○足立信也君 様々な相談を組み合わせることによって補助は積み上がっていくと。しかも、その箇所ごとではなくてそれを取り組むチームごとに出ていくということで、以前よりもかなり補助の額としては増えているという、まとめるとそういうことだと思います。 そこで、十八歳で原則出ていくわけですが、高校進学は九四%だけど大学等の進学は一六%、仕事に就いても三年以内に七割近く離職する方がいるというようなこともデータとしてあります。帰れる家がなくて、相談できる大人もなくて、一人で生きていくには余りにやっぱり過酷だと思います。だからドロップアウトする方もいるということで、身近なところで寄り添うということが非常に大事だということだと言われておりますので、ちょっと時間がなくなってきたので、二点申し上げます。 一つは、参考人の奥山先生もおっしゃっていましたが、できるだけ身近な市町村で寄り添い型支援が必要だと。私は、そういう概念でつくり上げたのが地域包括ケアシステムだと思っているんですよ。中学校単位で保健から医療から介護から福祉まで、その中で寄り添い型の支援というのはできる環境づくりなんですよ、コミュニティーの再生。だから、地域包括ケアシステムの中にこの寄り添い型支援という概念をしっかり打ち立てるべきだと、これが一点。 それから二点目は、引き続きで申し訳ないんですが、この分野も常に人材不足、人手不足です。社会福祉士や精神保健福祉士に加えて、子ども家庭福祉士という新資格という話も聞いています。聞いていますが、私は、多くいる潜在看護師さんを何とかその分野で活用できないのかなという思いを持っています。児童福祉全般にわたって子供や子供のいる家庭を包括的に支援するような子供家庭支援を専門に、あるいはしっかり勉強した看護師さんを認定してあげるような、認定看護師の一つの類型にそういう分野の、医療だけではないですね、そういう分野の方を認定するような仕組みもあれば、その分野に看護師の、潜在看護師の方々が働く場が増えるのではないかという思いがあります。 この二点について、私はそう思いますが、いかがでしょうか、お願いします。
○国務大臣(根本匠君) じゃ、ちょっと簡潔に申し上げたいと思います。 寄り添い型支援、これについては地域包括ケアシステム、これは高齢期におけるケアを念頭に論じられておりますが、必要な支援を身近な地域の中で包括的に提供して地域での自立した生活を支援する、こういう考え方は困難を抱える地域への子供や子育て家庭に対する支援などにも応用可能な概念であると、こう考えています。 さらに、次の認定看護師、議員が今御指摘の認定看護師。やはり、児童虐待防止あるいは子供の福祉について社会全体で取り組んでいくには、あらゆる専門職がそれぞれの専門性を発揮して子供の健やかな成長が保障されるよう支援することが重要だと考えています。 日本看護協会が認定するこの認定看護師は、分野ごとの専門性を発揮しながら実践、指導、相談の役割を担う看護師とされております。この認定看護師の中で新たな分野を創設するということについては、日本看護協会が関係学会などの意見や社会的ニーズ等を踏まえながら検討するものでありますが、今、議員の今の問題意識等々もあります。ここは日本看護協会にもお伝えして、そして引き続きこの動向を見ていきたいと思っております。
○足立信也君 ありがとうございます。 冒頭に約束したGPIFの昨年度の運用、時間内にという話ですが、答えがあれば、いつ出しますか。
○国務大臣(根本匠君) GPIFの平成三十年度の運用実績の状況、これは、GPIFの平成三十一年度計画に記載のとおり、七月五日に公表すると聞いております。七月五日に公表すると聞いております。
○委員長(石田昌宏君) 時間です。
○足立信也君 はい、終わります。 ─────────────
○委員長(石田昌宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として元榮太一郎君が選任されました。 ─────────────
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 先ほどの話ともちょっと関連してくる話でありますが、前回ちょっと質問させていただいた、緊急安全点検を行って、所在不明、所在不明となった方が十五人いるということが判明をいたしました。まだ確認できていない方も、先ほどの資料で言わせていただくと六十一人ですかね、おられるということでありますが、やはり、児童虐待に関わっている御家庭で居住を移された、引っ越しされた、居住先がどこに行ったか分からない。住民票を移せば、ちょっと時間がたって、どれだけ時間がたつのかというのがよく分かりませんが、まあいずれは分かるんだろうと思うんですけれども、そんなことを待っていたんでは子供の命が危ないケースだってあるわけですよね。 特にやっぱり所在不明というのは一番危険な状況だというふうに思うわけでありまして、子供の命の安全をやっぱり確認していくために、今は携帯電話の位置情報システムなんかありますよ。だから、携帯電話なんかなくしたら、どこにあるのかというのは分かるようになっていますよね。そういった情報というか手段も使ってやったら、探したらどうですかというふうにこの間質問したら、局長からの答弁は、親に義務化するというのは現時点では難しいかなというふうに思いますとか言って、よく分からない答弁だったので、もう一度ここを聞かせていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 転居の際の扱いにつきましては、速やかにかつ効率的に行うことが重要と考えております。そういう意味では、GPSやスマートフォンを使用するということについては、速やかにかつ効率的にという意味では有用な方法であるというふうに考えますけれども、一方で、やはり個人情報の保護の観点からの課題はやっぱり残るのではないかというふうに考えております。
○東徹君 いや、まあだから、課題はあるけれども、そういったものを使ってやっぱり子供の安全を確認すべきと思いませんか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) GPS、スマートフォンで位置を特定するということは、多分この分野に限らず様々な分野におきまして課題認識としてあるものと考えておりますけれども、やはり、繰り返しになりますけれども、極めて有用であるということはそのとおりだと思いますけれども、やはり個人情報、プライバシーの保護の観点からはやはり十分な検討が必要ではないかというふうに考えております。
○東徹君 子供の命の安全と個人情報とどっちが大事だと思いますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 そういう意味では、子供の命第一というのはおっしゃるとおりでございますけれども、そういう意味では、何といいましょうか、例えばですけれども、虐待をしているあるいはそのおそれのある親にそういうことを義務付ける、あるいはそういうことにルール化した場合に、なかなか児童相談所に相談に来ていただけないのではないかとか、やはりいろいろやっぱり検討すべき課題はあるのではないかというふうに考えておりまして、そういう意味では引き続きの検討課題ということではないかというふうに思います。
○東徹君 いや、誰も義務化せよとかそんなことを言っているわけじゃないわけですよ。やっぱり子供の命の安全を確認していくために、そういった方法でもって捜し出すということができるんじゃないでしょうか、そっちの方が大事じゃないでしょうかということを聞いているわけで、義務化というのがよく答弁でこの間もおっしゃっていたんですけど、よく分からないですね、そこは。
○政府参考人(浜谷浩樹君) そういう意味では、GPSを使ってその親の居場所を特定するということ自体について、厚労省として正式なといいましょうか、詳細な検討をしたことはございませんので、現時点において、何といいましょうか、詳細な検討課題等について申し上げることは難しいわけでございますけれども、今思い付く範囲で申し上げますと、そういう義務化でないとすれば、その親御さんが了解して、了解してそのGPSで追っかけていくというようなことになろうかと思いますけれども、その場合には、事前にその親の了解が取れるのかどうかとか、そういうような課題があるのではないかというふうに考えておりまして、そういう意味では、今までそういう詳細な検討を行ったことがございませんので、少ししっかりとした課題等についても検討をさせていただく必要があるのではないかということでございます。
○東徹君 いや、一人でも子供の命を助けたいと思いませんか。やっぱりこれまでいろんな事案がある中で、やっぱりいつも、この間からの千葉県もそうだし札幌もそうなんですけれども、そういったニュースを聞くたびに、やっぱり一人でも命を救いたい、もう児童虐待で亡くなる子供をやっぱりゼロにしたい、そういう思いってないんですかね。僕はあるから、やっぱりそういうことを是非やっていかないと、所在不明になるとやっぱり分からないじゃないですか、そうでしょう、所在不明というのは。一番やっぱり所在不明こそ捜し出して子供の安全確認をしないといけないわけでありまして、そういった努力を前向きにやっていこうという姿勢がないのが僕にはよく分からない。もう本当に子供の命を助けようという気があるのかなと、そう思ってしまうわけですよ。是非これについては検討をしていただきたいというふうに思います。 続いて、児童福祉司についてお伺いしたいと思いますけれども、児童福祉司として働いている人の四四%は三年未満の経験の浅い人だということです。現場ではベテランの方と一緒にチームを組んで対応されていることが多いと思いますけれども、職員を育てる意味でも、十年以上勤務されているようなベテランの方の経験、知識、こういったものはやっぱり非常に大事だというふうに思うわけですね。 ベテランの方がプロとして誇りを持って働いていただくためにどのような対応を考えているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 子供の健全な育成及び福祉の積極的な増進を進める上で、専門性の高い児童福祉司がやりがいを持って職務を担っていただけるように環境整備をすることが重要だというふうに、委員御指摘のとおりの問題意識を持っております。 児童相談所におきましては、児童虐待に対する通告への対応、あるいは介入的な対応、夜間、休日の緊急的な対応に備えが必要となります。そういう意味では、精神的、肉体的負担が大きい、専門性を有する人材の確保が求められている、こういったことから、関係閣僚会議におきまして手当などによる処遇改善を図る旨を決定したところでございます。また、改正法案の附則第七条におきまして、政府は、速やかに、児童相談所職員の処遇の改善に資するための方策について検討を加え、必要な措置を講ずるものとされておりますし、衆議院の附帯決議でも同様の決議がなされております。 ベテランの活用という意味では、人事ローテーションの話とかOBの再任用とか、いろんな働きかけ、地方団体に対する働きかけも行っておりますけれども、処遇改善に加えまして、現場の職員がやりがいを持って業務に取り組むことができ、なり手が増えるようになるように、地方自治体ともどうやったら効果的な人材確保ができるか、採用に向けた支援、職場のやりがいの発信などを始めまして、どのような方策がより、最も効果的なのか、自治体ともよく相談しながら検討していきたいと思います。
○東徹君 是非、ベテランの方が、やっぱりそういった知識、経験が必要だと思うわけですから、是非そういった方をやっぱり大事にしていくような方法を検討していただきたいと思います。 あと、先日の参考人質疑でも、奥山参考人の方からも意見がありました。児童相談所に子供家庭福祉の専門家として入る前に知識と経験を身に付けていなければ、素人に医者になれと言うようなものだというふうなことをおっしゃっていました。 今、児童相談所で働いている職員には、一般行政職として採用されて、人事異動でたまたま児童相談所の勤務になった人もいるわけですよね。そのような職員の割合というのは大体どれぐらいなんですか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 児童福祉司のうち一般行政職の割合ですけれども、平成三十年四月一日時点で二四・七%でございます。
○東徹君 二四・七%の人がたまたま、一般行政職として入って、こういった児童虐待の児童相談所のケースワーカーになることがあるということだと思いますけれども、もちろん、その方が非常にやっぱり能力もあって、こういった仕事に責任を持って対応してくれる、そういった方だったらいいと思うんですけども、なかなかこういった過酷な仕事ですから、早く替わりたいなとか、やっぱりそういったことも結構あると思うんですね。 一般行政職として採用されて人事異動で児童相談所の勤務になる職員は、数年で入れ替わってしまうために勤務年数の長い職員というのはやっぱり少なくなってくるわけですよね。児童相談所にベテラン職員を増やすためには、社会福祉士とか精神保健福祉士もそうかもしれませんけれども、専門職の採用とか児童相談所のOBの配置、職員の人事サイクルなど、人事政策全般の見直しが必要と思いますけれども、都道府県がベテランの職員を増やすことができるように厚労省としてどのような対応を考えているのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 私も委員のおっしゃられるとおりであります。 自治体における専門的な人材の確保を国としても支援するために、自治体の採用活動を支援するための補助、これを行っております。採用のみならず児童相談所における組織としての専門性を確保すること、これが重要だと考えておりますので、例えば積極的に児童相談所配属経験者の再配置、今OBのお話もありましたが、児童相談所OB職員の再任用などを行う。そして、あとは専門性を確保できるような人事異動サイクルで人材配置を行う、こういうことなど、自治体での工夫が進むように、これは周知して、補助もやりますが、こういう形で周知していきたいと思いますし、社会福祉士の話がありましたが、日本社会福祉士会等の専門団体に対する働きかけも行っております。 このような取組に加えて、計画的な人材の確保、育成に関しては、今後、児童相談所の設置基準など、地方団体と様々な検討を進めていく中で協議していきたいと思います。
○東徹君 是非進めていっていただきたいと思います。やっぱり知識、経験、専門性、非常に必要な分野なのかなというふうに思うわけでありまして、是非その辺は前向きに検討していただきたいと思います。 奥山参考人にもちょっと聞いたら、子ども家庭福祉士という資格を新たにつくって、基礎的な知識や技術を学んだ人が現場で働くという形をつくるべきというふうな意見も述べられておりましたけれども、児童福祉司の国家資格化も含めて資格制度についてはどのようにすべきと考えているのか、これも大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 子供の福祉に関わる人材の専門性の向上、これは極めて重要な課題だと思います。 子供の福祉に関する今委員のお話のあった国家資格の創設、これについては、昨年行われた社会保障審議会の下に設置したワーキンググループ、このワーキンググループで議論していただきました。その中では、国家資格化を進めるべきだという意見があった一方で、社会福祉士などを活用して養成カリキュラムの充実で対応するべきなどの様々な御意見がありました。様々な意見がありましたが、最終的には、人材の専門性の向上及び具体的な方策について検討すべきである、この点については意見が一致をいたしました。今後、国家資格化も含め、一定の年限を区切って引き続き検討すべきという取りまとめをこのワーキンググループで取りまとめていただきました。 これを踏まえて、今回の改正法案の附則においては、その施行後一年をめどとして、児童福祉司等の資格の在り方を含めた資質の向上を図るための方策について検討することとしております。 引き続いて、この規定を受けて、人材の資質向上を図るための方策について検討していきたいと思います。
○東徹君 是非、一年をめどとしということでありますけれども、非常に大事だというふうに思います。 なかなか、子供の家庭というか、子供に対する知識を持った人というのは、知識、経験のある人というのは余りいないと思うんですね。社会福祉士を持った人も、大体の現場で働いている人は高齢者福祉とかそういったところの方が多いと思います。だから、子供に特化した専門性のある人というか、また家庭ですよね、子供を持つ家庭に対してどうやって介入していくのかとか、やっぱりそういったところというのは非常に専門性が必要だというふうに思いますので、是非御検討をしていただいて、早くそういった子供に特化した専門性を持った資格というのが必要だというふうに思います。児童福祉司ではやっぱりちょっと足りないですよね。児童福祉司というのは恐らく誰でもなれますよね、社会福祉主事もそうですけれども。 だから、やっぱりそういった専門性を持った資格制度というのは必要だし、そういったことをやることによってまたモチベーションも上がっていくのではないのかなと思いますので、是非検討していただきたいと思います。 次に、児童相談所の設置についてなんですけれども、児童相談所が虐待相談に対応した件数が年々これ増加してきております。今の児童相談所の数が妥当なのかどうか、まずこのことから伺いたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 今回の改正法案におきましては、児童相談所の管轄区域につきまして、地理的条件、人口、交通事情その他の社会的条件について政令で定める基準を参酌して都道府県が定めるという新たな規定を設けることとしております。この規定の趣旨でございますけれども、児童相談所の管轄区域が大き過ぎることによってきめ細やかな対応を行うことが困難になっているのではないかといった指摘があることも踏まえたものでございます。 具体的な基準設定については、過去、人口五十万人に一か所程度といった基準があったことも踏まえつつ、今後地方団体等とも協議しながら検討していく予定でございますけれども、協議に当たりましては、この法案審議におきましても、管轄人口が多過ぎる児童相談所があるのではないか、あるいはこれを踏まえてきめ細やかな対応ができるようにする必要があるのではないかといった御指摘もあったことも踏まえまして、具体的な基準の内容を検討してまいりたいと考えております。
○東徹君 数が妥当であると考えているのかというところを一番お聞きしたいんですけれども。 例えば、大阪市なんかは人口二百六十万人です。人口二百六十万人で児童相談所は二か所しかないんです。今、三か所目の児童相談所を、北部こども相談センターというのを新たに設置しようとしているわけですけれども、その費用、これまでもいろいろとありましたが、児童相談所と一時保護所、合わせて十六億五千二百五十三万円掛かる見込みというふうにされているそうです。 児童相談所の設置について、地方交付税で、あくまでも市役所のこれは庁舎として扱われるわけでして、措置される金額というのは費用の二分の一までというふうになっているわけですよね。このような状況だと、なかなか児童相談所の設置というのは進んでいきにくいというふうに思うんです。 上限の引上げとか児童相談所の設置促進についてどのように考えているのか伺いたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘のとおり、児童相談所を整備する際にはその費用の二分の一が地方債の対象となりまして、その元利償還金につきまして地方交付税の対象となる措置が講じられております。 今般の三月の関係閣僚会議決定におきましては、この児童相談所につきまして、国と中核市及び都道府県等の関係団体が参画する協議の場を国において設置するほか、児童相談所設置に向けた支援を抜本的に拡充するといった決定がなされております。 各地方公共団体におきましては、新プランに基づく人員増と併せまして、児童相談所の配置等についても計画的に準備を進めていっていただく必要がございますので、法案成立後、国と中核市及び都道府県等の関係団体が参画する協議の場を活用しながら、その意見も聞きながら、先ほどの関係閣僚会議の決定も踏まえて必要な支援について検討してまいりたいと考えております。
○東徹君 根本的な考え方なんですけれども、二分の一ってやっぱりちょっと厳しいと思いませんか、二分の一というのは、児童相談所を設置するに当たって。二分の一までしか地方交付税で見ないというふうにされているわけですから、これ上限の引上げについては必要だというふうに思うので、局長、これ上限の引上げぐらいはやっていく方向で検討しているということでよろしいんですか。 〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 具体的なその内容につきましては、国と地方の協議、あるいは予算編成過程、予算に向けてこれから調整ということでございますので、その中でしっかりとした支援ができるように検討してまいりたいと考えております。
○東徹君 是非、上限の引上げについて検討していただきたいと思います。 次に、一時保護所の設置についてですけれども、次世代育成支援整備交付金というのが活用できることになっておりますけれども、その額も少なくて、先ほどの大阪市のケースだと必要な事業費の半分にもこれ達しないわけなんですね。 子供を児童虐待から守るためには、児童相談所と同時に一時保護所の設置もこれ必要不可欠ですよね。その対策は早急に必要だというふうに思いますけれども、この交付金の在り方についても見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 一時保護所の環境整備、これは極めて重要だと考えております。 三月の関係閣僚会議決定におきましては、一時保護所の環境改善、体制強化等に向けまして、一時保護所が安心、安全な場となるように、個別的な対応ができる環境整備を促進することとされております。また、改正法附則の第七条におきましても、一時保護施設の量的拡充と質的向上に係る方策を検討し、必要な措置を講ずることとされております。 また、地方団体から、一時保護所の整備費の単価が実態に合っていないという御指摘もいただいていることも承知しております。 そういった御指摘等も踏まえまして、また、一時保護所における拠出の状況等について自治体に対して調査を行っておりますけれども、その調査結果、現場の実情も踏まえた上で、一時保護所の量的拡充、質的向上に向けてしっかり今後検討していきたいと思います。
○東徹君 一時保護所というのは、もうこれ必要不可欠なわけですから、是非ともこの交付金の在り方について十分に見直していくように検討していただきたいというふうに思います。 児童相談所の体制強化について伺いたいと思います。 今回の法改正では、一時保護等の介入を行う職員と、それから保護者の支援を行う職員に分けるということの措置を講ずることになっておりますけれども、既にこのような分離をしている児童相談所もありますよね。 分離することによる課題について、まずは伺いたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 まず、今回の改正の目的でございますけれども、ちゅうちょなく一時保護等の介入が行われる体制を整備することでございまして、地域における職員配置の状況も踏まえまして必要な体制を整える必要があると考えております。 その点からは、既に議員御指摘のとおり、部署を分けている児童相談所あるいは職員を分けている相談所、既にございます。これらのこうした機能分化につきまして、先行する児童相談所におきましては課題といたしまして、やはりなかなか、ケースを途中で引き継ぎますので、事案の引継ぎのタイミングが難しいといったような課題が挙げられております。 一方で、引継ぎ時に支援プランの見直しが、引継ぎのときにそういう見直しの機会がございますので、支援内容につながっているというような御意見もございまして、そういう意味では、課題といたしましては、やはりその引継ぎの問題というのが最大の課題でございます。
○東徹君 もう一つちょっとお聞きしたいんですけれども、業務を分離することによって、児童相談所内でこれ業務が縦割りになってしまうんじゃないのかというふうに思うところもあるわけですね。児童相談所内で連携というか、これが非常に重要だし、どうやって情報を共有して、そして、誰がどう、いつ判断していくのかというところが一番難しいのかなと思うわけですけれども、縦割りの弊害をなくすためにどのような対策を講じていくのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 そういう意味では、御指摘のとおり、縦割りにならないようにしっかりと児童相談所内でマネジメントを行うことが重要だと考えております。 まず、大前提といたしましては、児童相談所内の機能分化でございますので、所長の指揮命令下でしっかりと、所としてしっかりマネジメントがされるということが大前提でございます。 その上ででございますけれども、この三月の関係閣僚会議決定におきましては、児童相談所におきまして、機能に応じて部署や職員を分けることのほか、専門人材の確保及び育成に関する方策など、体制整備を推進することについて、国においてその取組内容を示すとともに、都道府県等において体制整備に関する計画策定を進めるというふう決定しております。また、国におきましては、介入的な対応等に着目した研修の充実、アドバイザーの派遣や助言を行う、こういったことも決定をいたしております。 こういったことも踏まえまして、厚労省といたしましては、介入と支援で縦割りが生じることのないように、まずは今年度に、介入と支援を分けて対応する、先行する事例の御指摘もございましたけれども、好事例の収集を行いたいと思っております。その上で、関係閣僚会議決定で決定いたしております専門人材の確保、育成に関する方策など、体制整備の取組内容の周知、それから、介入的な対応等に着目した研修の充実、あるいはアドバイザーの派遣等を行いまして、地方自治体を支援していきたいというふうに考えております。
○東徹君 ここ、非常に難しいポイントなのかなというふうに思いますので、実際に今やっている現場から意見を聞いて、是非いい方法を導いていっていただきたいと思います。 次に、児童相談所の業務を減らすためには、軽微な事案などを市町村へ送致して、児童相談所が重大な、特に命の危険性とかそういったものに集中させていくことがやっぱり必要だというふうに思います。 実際に送致が進んでいるのかどうか、都道府県によって違いはあるのかどうか、まずこの点について伺いたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 まず、基本的な問題意識については委員御指摘の問題意識を共有をいたしております。 具体的にでございますけれども、平成二十八年の児童福祉法等の一部改正におきましては、都道府県や市町村の役割分担の明確化を行いました。具体的には、都道府県の児童相談所におきましては一時保護や施設入所措置などの専門的な知識や技術を要する支援等を行う一方で、市町村におきましては身近な場所における継続的な支援を行う、こういう役割分担を法律上明確化したところでございます。 〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕 さらに、平成二十八年の改正におきましては、それまでの事案送致が市町村から児相に行うということで一方通行だったわけですけれども、子供の身近な場所における継続的な支援を行うことが適切と判断される場合には、逆に児相から市町村に事案を送致することといたしました。それは委員の問題意識と全く同じ問題意識でございます。 それで、この市町村送致の実績でございますけれども、平成二十九年度におきまして約二千件でございますが、自治体別に見ますと、市町村送致の実績がない自治体もございます。一方で、最も多い自治体では千葉県で四百六十五件ということで、地域によって取組にばらつきが生じているのが現状でございます。
○東徹君 これ、地域によってすごいばらつきだと思うんですね。千葉県四百六十五件でしょう。東京とか大阪はゼロ件ですよね。これどうしてこんな差が生じるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 市町村間で送致に差が生じている理由につきまして、網羅的にといいましょうか、統計的にしっかり把握しているわけではございませんけれども、幾つか要因は考えられると思っております。 これは関係者からいろいろお話を聞いた結果ということでございますけれども、一つは、事案の送致の活用に当たりまして、安全確認、初期評価の共通リスクアセスメントツールというのを国が示しておりまして、それを県と市町村とで、各県、各市町村がそれを基にしながらアセスメントツールをまた独自につくり上げる、あるいはそれを使うというような形で、それを基にしまして市町村送致をするという立て付けになっておりますけれども、この共通リスクアセスメントツールが十分に活用できていないのではないかといったこと。それからもう一つは、市町村に送致しようといたしましても、事案に対応するための市町村における体制が十分整っていないのではないかということ。この二つが今のところ要因ではないかというふうに考えております。 そういう意味では、このばらつきをなくすためということでございますけれども、一つは、児童相談所と市町村において使用いたします共通リスクアセスメントツールにつきまして、活用方法の在り方を含めて検討いたしまして、児童相談所と市町村がより実践的に活用できるように見直す必要があるのではないかというふうに考えておりまして、その旨関係閣僚会議決定でも決定をいたしております。 もう一つは、やはりその市町村における相談支援体制の強化が必要だと思っております。そういう意味では、新プランに基づきまして、二〇二二年度末までに全市町村に子ども家庭総合支援拠点を整備することといたしておりまして、今年度から常勤職員、人口十万人当たり一名配置できるように、必要な人件費について地方交付税措置を講じることといたしております。
○東徹君 是非、大臣、ここは一回きちっとやっぱり整理する必要があると思うんですね。 この間の参考人質疑の中でもこういった意見が出ていました。何でもかんでも都道府県の、政令市もそうですけれども、児童相談所に何でもかんでも相談を持っていっていたら、それはケースはどんどんどんどんと増えていくわけですよ。児童相談所からその子供の家庭まで、やっぱり距離も結構あると思います。大阪市内でも、人口二百六十万人の大阪市内でも今現在までに二か所しかなかったわけですから、それはやっぱり距離も時間も掛かりますよ。 だから、児童相談所で扱うものというのはどういったもの、やっぱり特に重大な命の危険性のあるそういったものを扱っていって、継続的に子供を見守っていくようなそういったケースについては、やっぱり身近な市町村が子供を見守っていくと、御家庭の、御家族の相談にも乗っていくと、そういった役割分担を一回きちっと見直していくべきだというふうに思うんですね。 だから、今はやっぱりそういうふうになっていないから、東京とか大阪府では市町村に送致している件数はゼロ件なんです。ところが、千葉県では四百六十五件とか、愛知県でも二百二十九件とかあるわけですね。だから、都道府県によって物すごく差があるわけでして、一回、その児童相談所、都道府県、政令市と身近な市町村との役割分担、機能分担、そういったものをやっぱりやっていくことによって、児童相談所はちょっとでも件数が少なくなって、重大な危険なものに特化していくことができると。市町村は、危険性はないけどやっぱり継続的に見ていかないといけないところにずっと見守っていくと。そういった対応を是非検討すべきと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 委員おっしゃられるように、この都道府県の児童相談所と市町村、これはもう既に答弁してありますけど、平成二十八年の児童福祉法等の一部改正、これについては、都道府県の児童相談所においては一時保護や施設入所措置などの専門的な知識や技術を要する支援等を行う、一方で、市町村においては身近な場所における継続的な支援を行うこととして、実はこれ法律的には役割を明確化をいたしました。委員がおっしゃられるとおり、子供の身近な場所における継続的な支援を行う、これはやはり市町村が一番身近な存在なので、ここは市町村に事案の送付を行って、やってくださいということで市町村への事案の送付というものも規定されました。 やっぱりこれだけ差があるというのは実際の事案送致の運用の問題が一つあると思いますが、そこは先ほど局長から答弁がありましたように、それぞれの事案において児童相談所と市町村のリスクの判断を共有する、これが必要になって、その共有するという観点から、共通リスクアセスメントツール、これについて活用方法の在り方なども含めて検討して、児童相談所及び市町村がより実践的に活用できるものに見直す、こういうツールの見直しはしようと。 このような取組を通じて、委員がおっしゃるとおり、しっかりと児童相談所、市町村が役割分担をして、そして連携をしながら児童虐待の事案に対応していく仕組み、これを、今の委員の御指摘も踏まえて、我々も、そういう具体的に対応していく仕組み、これを更にブラッシュアップしていきたいと思います。
○東徹君 そこは大臣、是非進めていっていただきたいと思うわけですね。何でもかんでも児童相談所ではやっぱり無理があると思います。だから、やはり市町村でやっていくことができるのは、継続的に見守ることができるのは市町村でということで。ただ、これは都道府県によって物すごくばらつきがあるわけでありまして、もう一度、都道府県と市町村との役割をもう一度きちっと明確化して役割分担して、先ほどの共通リスクアセスメントツールも活用してやっていくということを是非進めていっていただきたいと思います。 あと、死亡事例、児童虐待による死亡事例が年間七十件あるということなんですけれども、これがなかなかやっぱり減らないわけであるわけですけれども、死亡件数、都道府県別にこれを把握して、都道府県ごとの傾向も私知りたいなと思ったんですが、厚労省さんからは都道府県ごとの数字は出せないと言われるわけですけれども、何でこれ出せないのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) まず、大前提といたしまして、過去の児童虐待事例を分析して、そこで明らかになった課題を具体的に対策につなげていくことが重要だという認識では一致しております。 こうした分析の一環といたしまして、社会保障審議会の下の専門委員会におきまして死亡事例等の検証を実施しております。この死亡事例の検証等に当たりまして都道府県ごとのデータも分析するかどうかにつきましては、これは、まず結論といたしましては、社会保障審議会の専門委員会で御議論いただいて検証しておりますので、この審議会において、そういったことができるかどうかにつきましてもしっかり審議会で御議論いただくのかなというふうに思います。 その上ででございますけれども、例えばですが、事務的に多分レクのときに申し上げましたのは、余り事例が多くありませんので、県別で出してしまうと事例が特定されてしまうのではないかというような懸念は少しあるものと思います。そういった点も含めまして、審議会において、そういったものの必要性、可否も含めて検討していきたいと思います。
○東徹君 是非、都道府県に問題がある場合もあるわけですし、やっぱりそういったところの分析も必要かと思います。 あと、時間がなくなってきましたので、一点、評価についてお聞きしたいと思いますけれども。 今回の法案が成立すると、児童相談所の質の評価を行うこととなるわけですけれども、これ全国ばらばらであると、緩い基準の都道府県の児童相談所が高い評価を受けるということになってしまうわけですけれども、評価基準の項目、全国で統一について、これどのように考えているのか伺いたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 昨年行われました社会保障審議会の下に設置したワーキンググループにおきましては、全国どの地域においても子供の権利が守られることを目的にいたしまして、児童相談所の質の確保向上が図られるよう、業務について自己評価及び第三者評価を行う仕組みの創設に取り組むこととされました。 本法案でもそういった旨の規定を盛り込んでおるわけでございますけれども、厚労省といたしましては、都道府県知事の取組に資するように評価ガイドラインの作成を行いたいと思っております。そういう意味では、ガイドライン自体は全国共通のものということでございます。その上で、そのガイドラインを基にいたしまして都道府県において第三者評価を行う、こういった仕組みを想定いたしております。
○東徹君 あと一点、児童福祉審議会についてお伺いしたいと思います。 児童福祉審議会というのは、二か月に一回程度しか開催されていないわけですけれども、今回の改正では、児童福祉審議会において児童に意見を聴取する場合には、児童の状況、環境等に配慮するという内容が含まれておりますけれども、児童福祉審議会、これ活用されているんでしょうか、それとも、何かこれ、していく方向に何か考えているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 児童福祉審議会についての全体の開催回数については把握しておりませんけれども、平成二十九年度に行った調査研究によりますと、児童福祉審議会等の下に設置される専門部会につきまして、当該部会が設置された自治体における平成二十八年度の平均開催回数でございますけれども、里親に関する部会が三・五回、児童相談所に関する部会、措置に関する部会が五・九回、被措置児童等虐待に関する部会が三・二回となっております。 また、児童福祉審議会及びその下に設置されました専門部会が児童の意見を聞いた件数でございますけれども、二〇一七年十月から二〇一九年三月までの間で五件でございまして、この仕組みは現状では十分活用されているとは言えない状況でございますけれども、今後更なる活用をすべく検討が必要という認識でございます。
○東徹君 時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(石田昌宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君が選任されました。 ─────────────
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 先週の六月十四日に、全国児童相談所長緊急会議が開かれまして、改めて四十八時間ルールの徹底の指示がされたというふうに伺っております。子供の安全確保が求められるということは当然のことだというふうに思っているわけです。しかし現状は、通告や相談件数が増加し続けるという中で、二十四時間三百六十五日の対応に追われるという児童相談所、本当に疲弊しているんじゃないかと、本来業務に支障を来しているんじゃないか、こういう実態広がっていると思うんです。緊急会議でも当該所長の中からそういう発言があったというふうにも報道を見ておりました。更に政府がルールの徹底を求めるということ、これ自身が児相の現場を追い詰めることにならないだろうかという懸念持っております。 児相が本来の支援業務ができるように、児相の過重負担、これ緊急に軽減する支援策が私必要だというふうに思います。加えて、現場の意見も踏まえて、通告に対する安全確保の在り方、これも含めて早急な検討が求められているというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 北海道札幌市において二歳の詩梨ちゃんが死亡した事案を受けて、六月十四日に全国児童相談所所長緊急会議、これを開催しました。具体的には、児童相談所において、通告受理後、原則四十八時間以内に子供の安全確認を行うこと。保護者が家庭訪問や子供と会うことを拒む場合など、関係機関との関わりを避ける場合等はリスクが高いものと認識すること。この際、ちゅうちょなく一時保護、立入調査を行うなど、的確な対応を取ること。虐待通告などの対応については組織的に協議して決定するとともに、事例の進捗管理は、状況の変化等についてのフォローを確実に行うため、全ての事例について定期的に確認することについて改めて周知を行いました。 このような対応を可能にするためには、児童相談所の児童福祉司一人当たり業務量を減らして、よりきめ細やかにケースワークが行えるようにすることが重要だと考えています。今回の新プランにおいては、児童福祉司一人当たりの標準的な業務量、これについて、児童虐待相談及びそれ以外の相談合わせ五十ケース相当だった配置基準を四十ケース相当となるように見直しを行うこととしています。 そして、二〇一九年度からの四年間で、現在三千人の児童福祉司を二〇二二年度には五千人体制とする、児童心理司も二〇二二年度に八百人程度増員する、保健師を各児童相談所に配置するなど、この児童相談所の体制、これは抜本的な拡充を図ることとしています。政府としては、まずはこの増員計画を着実に実施していきたいと思います。 また、制度を検討するに当たっては、現場の状況をよく把握することが重要だと考えております。これに関しては、現場の皆様から、定期的な全国の児童相談所長を集めた会議の開催、あるいはブロックごとに児童相談所長が集まる会議への参加を通じて、様々な現場からの御意見をいただいております。 このような取組を続けるとともに、人材の確保、育成策、これについては今後児童相談所の設置基準など、地方団体の様々な御意見もお伺いしながら進めていきたいと思います。
○倉林明子君 改めて御丁寧な説明ありがとうございました。 しかし、そういうことを踏まえた上でも現場は混乱していて、四十八時間ルール分かっているのにできていないという現状をどうやって早急に解決するかということでいうと、今の御説明はその先の対応ですよね、今々じゃなくて。これから現場の人も増やして対応できるようにしていくということなんだけど、今々の混乱、今々の疲弊に対して、安全確認の在り方も含めて、現場の声聞いて対応してほしいという趣旨でしたので、改めてしっかり受け止めていただきたいというふうに思います。 今日は、社会的養護のアフターケアについても伺いたいと思います。 先ほども出ておりましたし、参考人高橋亜美さんの方からお話も伺いました。児童養護施設等を巣立った子供たちに寄り添い、支援するアフターケアの取組ということで、改めて参考人のお話も伺って、虐待を受けた子供たちがセーフティーネットとなる家族がないまま社会の中で生活する上でどんな支援が必要なのかということを教えていただいたというふうに思っております。児童という年齢ではなくなったとしても、児童福祉の観点から切り離されてはいけないという指摘は、これ実践に裏打ちされた御意見だったというふうに受け止めました。 政府においても、こうした取組も踏まえ、二〇一七年から社会的養護自立支援事業が創設されたということで伺っております。しかし、これ任意の事業ということでとどまっておりまして、アフターケアの事業所数というのは、先ほど答弁でもありましたように、全国で四十二か所ということにとどまっているんですね。全国どこでも利用できるものということには残念ながらまだなっていないという状況だと思います。 そこで、改めて、高橋参考人からも御要望がありましたけれども、明確な法的根拠を与え、自治体の責務というふうに位置付けていくべきではないかと思います。いかがでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 児童の育成に関する自治体の責務につきましては、児童福祉法の第二条第三項におきまして、「国及び地方公共団体は、児童の保護者とともに、児童を心身ともに健やかに育成する責務を負う。」と規定されております。都道府県におきましては、こうした規定を踏まえながら、今御指摘の社会的養護自立支援事業の実施等によりまして、児童養護施設を退所された方々など社会的養護経験者の自立支援に取り組んでいただいているものと承知しております。 また、国から都道府県に対しまして、平成二十八年改正後の児童福祉法に定められました家庭養育原則を徹底するために、社会的養育推進計画を今年度中に策定するよう予定しておりまして、自立支援に関することもこれに盛り込んでいただくこととしております。その中で、社会的養護自立支援事業を実施していない都道府県におきましては、事業の実施に向けた計画、実施予定時期、あるいは実施メニューを策定していただくこととしております。 社会的養護自立支援事業につきましては、都道府県の責務規定、あるいは支援事業の根拠を置くことの必要性について、各自治体の取組状況等を踏まえて検討すべきものと考えておりますけれども、まずは、今申し上げましたように、社会的養護推進計画の枠組みが着実に実行されるように、国として進捗状況を把握しながら自治体に対して必要な支援等を行っていきたいと思っております。
○倉林明子君 計画で進めていくと、方向性としては目指していただきたいということをしっかり指摘しておきたいと思います。 社会的自立支援事業を担う多くの民間団体、本当に脆弱な財政の下で事業継続も極めて困難だという状況もあるわけです。高橋参考人からも、高い専門性が求められているにもかかわらず、委託費の現状では職員が働き続ける賃金を保障する上で全く不十分だという意見、本当にそのとおりだと思いました。 先ほど上積みもしているんだという予算の説明も受けましたけれども、民間に委託している場合、必要な人員配置、これ二人以上ということでしたけれども、更に引上げということも含めて予算化が必要だというふうに思います。これは大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(根本匠君) 児童養護施設などの退所者が円滑に社会生活を送ることができるように自立支援などを担っている民間団体を支援していくこと、これは重要だと思います。このため、社会的養護自立支援事業として、自立支援などを担っている民間団体に対して様々な財政支援を行っております。 具体的には、自立に向けた支援上の課題を明らかにし、支援内容を定めた計画を策定するとともに、支援全体を統括する支援コーディネーターを配置する費用や、居住や交友関係、将来への不安など、生活上の問題についての相談を担う相談支援担当職員を配置する費用、雇用先となる職場の開拓や就職面接などのアドバイスなど、就労支援を行う就労支援チームを設置する費用について支援を行っております。これは都道府県にも、もう繰り返しは避けますが、社会的養育推進計画に自立支援策の強化、これを盛り込むように依頼しております。 そして、本年三月の関係閣僚会議決定において、社会的養護自立支援事業の積極的な実施の促進など、自立に向けた支援の強化を図ることとしております。御指摘の人員配置の強化を含め、この中で検討していきたいと思います。
○倉林明子君 高橋参考人もおっしゃっていました。予算もいろいろ付いてきているけれども、やっぱり予防的支援が中心なんだということで、現場の一番の支援ニーズは、今困っている当事者の問題解決に使えるような改善してほしいんだと。こういう声もしっかり受け止めていただいて、全国にこの実践が広がるような財政支援にしていただきたい、これを強く要望しておきたいと思います。 それで次に、DV被害者の支援について伺いたいと思います。 本法案では、子供への虐待の陰にDVがあるということから、婦人相談所及び配偶者暴力相談支援センター、そして婦人相談員が法律に位置付けられたと、これは大事なことだと思います。 そこで、まず、自治体窓口でDV被害者の相談支援を担うことになっている婦人相談員について確認したいと思います。 都道府県の婦人相談員は義務ということになっているんですが、市町村への婦人相談員は配置義務がありません。そこで、市区町村で婦人相談員の配置がない数は幾らか、全体に占める割合はどうか。そして、配置されている場合でも、三相掛け持ちという言い方しますけれども、母子、父子の自立相談員あるいは家庭相談員、こういう兼務状況にある婦人相談員というのはどれだけいるんでしょうか。数だけでお願いします。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 平成二十九年四月一日現在におきまして、婦人相談員が配置されていない市区及び町村の数は千三百九十三でございます。全市区町村に占める割合は、機械的に計算すれば八割程度でございます。ただし、仕組みといたしましては、町村や婦人相談員……(発言する者あり)はい。また、配置している婦人相談員に他の相談業務を兼務させている数でございますけれども、婦人相談員の人数ベースで見ますと、平成二十九年四月一日現在で市区に配置されている九百八十一名中五百五十一名が他の相談業務との兼務でございまして、割合にいたしますと六割弱でございます。
○倉林明子君 法定化に伴いまして、私はこれ実効ある機能を果たしていただくと、役割を果たしていただくということが市区町村のところでも求められてくるというふうに思うんですね。この市区町村の相談員については今八割のところでゼロだという状況ありますし、兼務ということでいいますと六割になっているわけですから、専念するということについては不十分な体制にあるということは、これ共有できる問題意識だというふうに思うわけです。 そこで、やっぱり市区町村の婦人相談員を配置義務化を展望していくこと、そして複数専任化ということが求められるというふうに思うんですけれど、大臣、前向きにお願いします。
○国務大臣(根本匠君) 全ての市区町村に対して婦人相談員の配置を義務付けること、これを義務付けることは地方分権の観点からここは慎重な検討が必要だと思いますが、三月十九日に関係閣僚会議において決定した児童虐待防止対策の抜本的強化についてを踏まえて、DV対応と児童虐待との連携強化に資するよう、まずは婦人相談員が置かれていない市に対し配置について検討するよう要請していきたいと思います。 また、御指摘のあった複数の専任職員の配置については、各自治体における相談、支援ニーズなどの実態を踏まえて考えるべきものでありますが、いずれにしても、厚生労働省としては、様々な困難を抱える女性が地域の身近な場所で相談支援を受けることができるように、婦人相談員を配置するよう自治体に対して働きかけていきたいと思います。
○倉林明子君 働きかけるだけでは体制組めません。財源も含めてしっかり措置するということが求められておりますので、そういう財源の担保も含めて配置の義務化という方向に向かっていただきたいと思うんです。 今でも、複雑多様化している困難を抱えた女性の支援というのを相談員一人で抱えなくちゃいけない、これ本当に極めて困難ですし、じゃ対応しているときに緊急対応って入りますと、その対応ができなくなる、さらに研修も行けない、専門性のスキルアップが本当にできないという悩みも伺っております。 婦人相談員の処遇ということでいいますと、この間、やっぱりそれ重要だということで、非常勤規定の削除がされましたし、賃金についても引上げの予算措置もとられてきたと承知しております。 実際に、じゃ改善状況といいますと、直近のところどうなっているか、端的にお答えください。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 婦人相談員につきましては、平成二十九年度に引き続き処遇改善を図る観点から、平成三十年度予算におきまして、一定の研修を修了された方につきまして、国庫補助基準額を月額最大十九万千八百円、平成二十八年度の月額最大十万六千八百円から八万五千円の増に拡充してきたところでございます。 この国庫補助基準額の引上げによる効果につきましては、実際にどの程度の手当額の増につながったかなど、実態調査につきましては今年度、自治体を対象とした実態調査を行う予定でございます。
○倉林明子君 実際に現場際までどうやって給与水準上がっているのかということをつかむということですから、しっかりつかんで更なる引上げにつなげていただきたいと思っているわけです。 既に全国婦人相談員連絡協議会が調査しておりまして、二〇一八年の調査ですが、経験五年未満の相談員が実に六一%を占めています。東京都市区で見ると、三年未満の経験しかないという方が七〇%に上っております。これ、二〇一八年四月の、じゃ正規職員はどのぐらいいるかというと、僅か四%しかいらっしゃいません。一人のみ配置の自治体ということでは全体の三割を超えております。 これ、非正規職員には、賃金、月額の引上げという措置はとったというものの、昇給もありませんし、退職金もないし、八割以上の婦人相談員には皆勤手当もありません。これ調査で明らかになりました。 二〇一六年に非常勤規定が外れたこと、これは良かれと思ってやったことだったんだけれども、現場で何が起こっているかというと、一年契約を繰り返してきた経験ある相談員が雇い止めされると、こんな事態が生じているわけですね。 そこで、地方自治法の改正によりまして、会計年度任用職員制度、これ各自治体で始まる、この制度に婦人相談員の取扱いというのは明記されていないんです。だからこそ、一体雇用は守られるのかと、雇い止め進むんじゃないだろうかという不安が広がっております。更に婦人相談員の経験を蓄積していくということを阻害するようなことはあってはならないと私思うわけですね。 大臣に聞きたいと思うんですけれども、雇用の実態調査やるということでした。雇用というか実態調査をするということでした。雇用の実態もよくつかんでいただいて、私、この婦人相談員の位置付けからいっても、特別職というふうに位置付けるなどして、雇用の継続を可能とするような対策取るべきだと思います。どうでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) DV被害など女性を取り巻く様々な問題、これは年々増加するとともに、深刻化しております。その意味で、婦人相談員については、高い専門性と切れ目のない継続的な相談支援を行うこと、これが求められております。 このような実態を踏まえて、厚生労働省としては、今年三月一日の全国会議において、婦人相談員の勤務実態や業務内容などを踏まえ、婦人相談員の専門性にふさわしい処遇改善や配置の拡充について適切に検討していただくようお願いするとともに、能力のある婦人相談員が理由なく雇い止めされることがないように、継続的な雇用に配慮するよう地方公共団体にお願いしております。 さらに、婦人相談員の任用については、任期の定めのない常勤職員や会計年度任用職員のうちいずれが適当かについては、職務内容、勤務形態などに応じて基本的に各地方公共団体において適切に判断されるべきものでありますが、厚生労働省としては、引き続き適切な任用をしていただけるようにお願いしていきたいと思います。
○倉林明子君 いや、お願いは大いにしていただきたいんだけれども、やっぱり大事だとおっしゃるわけだから、経験、蓄積も必要だとおっしゃる、位置付けも高いとおっしゃっているわけで、これを自治体の裁量任せというようなことにせずに、やっぱり国としても明確に考え方も示して一定歯止めを掛けないと、やっぱり財政事情等で相談員切られる、兼務になるということ起こり得るので、その点では、雇い止めなどをしっかり止められるということで動いていただきたい。私は、国の責任が、これ法でも位置付けたということになるわけですから、問われる問題だということを指摘しておきたいと思います。 そこで、DV被害者支援における課題をいち早く提起して、解決に向けて活動し、先駆的な役割を果たしてきた、これは民間シェルターだったというふうに思います。内閣府では、せんだって検討会も設置されたもの、報告書もまとまったということでしたが、その場でも様々な課題が出されていたかと思います。 内閣府に確認しますが、五月に行ったこのアンケート調査も踏まえて明らかになった課題ですね、これは「おわりに」のところで端的にまとめてあるかと思いますので、その部分、できるだけ短くまとめて紹介していただければと思います。
○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。 四つポイントを申し上げます。 一つは、民間シェルターがDV被害者その他の生きづらさを抱える方の支援において柔軟な対応ができる重要な社会資源であること、二点目、財政的に厳しい状況に置かれ、民間の自主的な取組のみでは存続が困難となりつつあること、三点目、DV被害者等の支援という共通の目的の下、民間と行政が対等な立場で連携する必要があること、四点目、一時保護終了後における被害者の視点に立った切れ目のない支援や被害者自身の力を回復させるためのカウンセリングが重要であるところ、こういったポイントを御紹介したいと思います。 以上です。
○倉林明子君 ありがとうございます。 その中でも本当に財政の問題ということは本当に待ったなしの課題だというふうに、私も報告書読ませていただいて実感いたしました。内閣府の検討会の報告書でも、DV被害者が配偶者等の暴力から逃れ、自立の道を進む上で、支援者、支援機関の存在は欠かせないものだというふうにされておりますし、しかし、シェルターの財政状況については厳しくて、支援者の待遇は低く、多くをアンペイドワークにより支えられているというふうになっているんですね。 私、民間の熱意にもう依存するだけではやっていけない状況になっているんじゃないかというふうに思います。シェルター関係者からは、今すぐ公的財政支援を付けてほしいと、切実な声であります。現在、民間シェルターに対する財政支援というのはどうなっているのか、これも簡潔にお願いします。
○政府参考人(池永肇恵君) お答えいたします。 DV防止法第二十六条において、国及び地方公共団体は、民間団体に対し必要な援助を行うよう努めるものということが定められております。これに基づきまして、地方公共団体が民間シェルター等に対する財政支援を行った場合には、当該支援費の二分の一が特別交付税の算定基準に盛り込まれております。 平成三十年度の実績申し上げますと、地方公共団体の民間シェルター等を始めとする民間団体に対する財政的援助額、これ見込みの額でございますけれども、一億九千八百九十六万円でございます。このうちの二分の一が特別交付税措置されているという、こういったところでございます。 以上です。
○倉林明子君 地方公共団体の財政支援額の二分の一ということで御紹介ありました。都道府県による一時保護委託費、これについても二分の一を国が負担していると承知しております。 民間シェルターに入る財政支援ということでいうと、実際に一時保護費が主なものかと思います。その上、一時保護基準というのは大変厳しいという声も上がっておりますが、そのとおりで、民間シェルター利用者が対象とならないと、一時保護費の財政支援制度としてあるけれども使えないという場合も聞いております。 その一時保護費がどういうふうに出されているかというと、一日の出来高払なんですね。その上、何件委託が来るのかということも見通せないわけです。期間も二週間、ほぼ、という定めもあって、必要な支援の期間に一時保護費についての担保が付いてくるというものでもないんですね。一時保護の委託件数そのものも、この間、減少し続けているんですね。つまり、民間シェルターの運営、これ継続する上で、見通しが持てる状況が年々厳しくなってきているわけです。見通し持てるような最低限の基礎的運営経費に対する財政支援がここでも本当に求められていると。 私、シェルターの存廃、要は、続けていけるのか、もうやめるしかないのかというような判断も迫られているというような状況になってきているという状況だと受け止めております。本当に急いだ予算措置が必要だと思います。この点では、お考えいかがでしょうか。
○政府参考人(池永肇恵君) お答え申し上げます。 民間シェルターは財政的に非常に厳しい状況だということ、その認識は共有しております。 民間シェルターへの支援の在り方でございますが、具体的な内容について詳細を申し上げる段階ではまだないのですけれども、検討会における議論の内容を踏まえまして、民間シェルターが、先ほど柔軟な取組と申し上げたところですが、先進的な取組、被害者に寄り添った先進的な取組を公的に支援してまいりたいというふうに考えております。 例えば、心理専門職などによるメンタル面のケアであるとか、児童虐待対策との連携、また、よりつながりやすいメールやSNS等を活用した相談などを現在検討しているところでございます。 以上です。
○倉林明子君 先進的な取組へということで予算措置の検討の提示ありましたけれども、基礎的運営経費の部分ですよね、そこの支援が要るということは重ねて指摘をしておきたいと思います。 DV被害者の必要な一時保護を適切に行う上で、入所の措置決定、これに時間が掛かり過ぎるという指摘も度々伺っております。緊急の場合ということでいいますと、受け入れるのが民間であっても、まずそこで保護、受入れを優先させると、その上で入所後に遡って措置判定を可能とする。措置判定なしには入れないと、こういう状況は改善すべきだというふうに思うんですけれども、それこそ柔軟な運用を国の方でしていただきたいと思うわけですが、どうでしょうか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘のように、DV被害者等が一時保護委託の契約施設に直接来所して保護を求めた場合には、当該施設におきまして被害者の安全を確保した上で、婦人相談所は一時保護の要否の判断を速やかに行うことを通知で示しておりまして、御指摘の点については現在でも運用で対応可能でございます。 一方で、こうした取扱いが自治体によってはなされていないという指摘もございますので、厚生労働省として、引き続き取扱いの徹底に努めてまいります。
○倉林明子君 通知出すぐらいして、運用可能なんだから、本当、困難な女性たちを待たせたり、あっち行ったりこっち行かせたり、そのDVの被害何回も言わせたり、そんなこと本当にやめさせるべきだと思うんですよ。できるよという通知をしっかり出していただく、こういう検討をしてほしいと思うんだけど、どうです。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘を踏まえまして、改めて自治体に対して文書等により周知徹底を図ってまいります。
○倉林明子君 本当に、困難を抱えた女性を中心にした支援の在り方ということで、大いに進めていただきたいと思います。せめて進めていただきたいと思うんです。 民間シェルターは、困難な女性を支援する組織として報告書でも、先駆性、柔軟性、地域性、専門性等の強みを有し、地域社会における不可欠な資源と高く評価をされております。公的機関とも、先ほど紹介あったように、対等なパートナーとして位置付けてほしい、これはずっと一貫して言われていることであります。これ正面から受け止めるべきだと思います。 長年、女性がゆえに困難に陥る女性、こういう方々に寄り添って支援を続けてきた民間シェルターに対し、その公的役割を担っている実態を踏まえて、大臣、第一種福祉事業、こういう法的な位置付け含めて考えるべきじゃないかと思うんです。そうしたら、対等ということでも関係性改善につながるんじゃないかと思う。どうでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) いわゆる民間シェルターについては、DV被害者の一時保護にとどまらず、相談への対応、被害者の自立へ向けたサポートなど様々な援助を担っていただいております。その形態は様々であります。NPO法人や社会福祉法人などの法人格を持っているところのほか、法人格を持たない運営形態を取っているところもあって、実はその態様が様々であります。 仮に、民間シェルターを法律に位置付けることとすれば、財政支援や税制優遇など様々な支援措置の対象とする契機になるというメリットがあり得ますが、ただ一方で、例えば社会福祉法の第一種社会福祉事業とすることとした場合には、利用者の保護の必要性から経営の安定性が必要で、法人格を持たない運営形態を取っているところも社会福祉法人となることを求められるなど制約も生じ得るのではないかと思います。 そういう観点から、民間シェルターを法律に位置付けることについては、今私が申し上げたようなことや支援や経営の実態も踏まえながら、関係者の方々の御意見をよくお伺いしながら考えるべきことであると、こう考えております。
○倉林明子君 確かにデメリットもあるということなんですが、今回、婦人保護事業の在り方検討会、さらに、内閣の方では民間シェルター等に対する支援の在り方検討会ということで、様々に当事者の声をよく聞いていただいているというふうに思うわけです。当事者の本当に意見を最大限生かして取り組んでいただきたい、これは要望にとどめておきたいと思います。 DV被害者の一時保護、これ担うとともに、暴力、性暴力、性虐待、貧困、心身の疾患、障害、様々な社会的な被害を受け、居場所がなく孤立した女性、これを長期にわたり支援している、これやっぱり婦人保護施設だというふうに思うんですね。 ところが、その職員体制は余りにも脆弱でありまして、元々、売春防止法、これを根拠とする施設となっていることから、配置基準は支援員二名。これいつから変わってへんのかちょっと調べたんですけど、間に合いませんでした。直近のものではありません。 さらに、この二名、長年変わっていない二名という基準、これは支援どころか安全に見守ることさえ困難な体制ではないかと。まるで牢獄の看守、そういう職員配置だという批判まで上がっているものだということです、紹介したい。その上、居室も、今の時代に四人部屋が最低基準ということになっているんですね。私、こうした基準については早急な見直しが必要だと強く指摘をしておきたいと思うんです。 長年にわたって基準が見直されることがなかった最大の理由は、私、やっぱり売春防止法の存在にほかならないと思うわけです。厚労省の設置した検討会の中でも、繰り返し繰り返し多くの皆さんから出された意見というのは、この売春防止法の抜本的な見直しということだったわけです。 改めて、この売春防止法の目的、第一条読み上げて御紹介ください。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 売春防止法第一条を読み上げます。「この法律は、売春が人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものであることにかんがみ、売春を助長する行為等を処罰するとともに、性行又は環境に照して売春を行うおそれのある女子に対する補導処分及び保護更生の措置を講ずることによつて、売春の防止を図ることを目的とする。」。 以上です。
○倉林明子君 すなわち、売春は社会の善良な風俗を乱すものとして、環境浄化、保護更生、これを目的とされているものとなっているんですね。売春した女性処罰すると、売春のおそれのある女性は補導し保護更生すると、これが目的になっているわけですね。 つまり、困窮して風俗で働かざるを得なくなった女性、これは犯罪者でしょうかというんですね。犯罪者として罰する対象じゃないと思うんです。実際に今行われている婦人保護事業というのは、様々な人権侵害から守られ尊重する存在として、寄り添う支援に実態としては変わっているわけですよ。 そこで、改めて大臣に伺いたいと思います。 売春防止法、これ制定されてから六十三年になります。二〇〇九年には、国連の女性差別撤廃委員会から女性差別規定だというふうに指摘をされておりまして、売春による性的搾取、そして、人身取引の被害者である女性と女児の回復及び社会復帰のための施策を講じるようにというふうに勧告されております。 これ、厚生労働大臣として改めてこの売春防止法について、そしてこの国連からの指摘、勧告に対して見解を伺っておきたいと思います。どうでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) ただいま御指摘いただきました国連の女子差別撤廃委員会の最終見解にあるように、売春や人身取引の被害を受けてしまわれた方々に対し支援を届ける、これは大変重要な課題だと考えています。政府としては、売春防止法に基づく婦人保護事業において、こうした方々のほか、DVやストーカーの被害を受けた方々を含め様々な困難を抱える女性に対し支援を行ってきております。 婦人保護事業については、当初、売春をした女性や売春を行うおそれのある女性の保護更生を行うことを目的に設けられましたが、その後の支援ニーズの多様化に対応して支援対象を拡大してまいりました。今委員のおっしゃる寄り添い型の支援というお話がありましたが、支援を拡大してまいりました。このような経緯を踏まえて、現在、有識者による検討会においてその在り方の見直しに関する議論を行っております。夏頃をめどに基本的な考え方を取りまとめることとしております。 政府としては、検討会での議論を踏まえ、また御指摘の勧告の趣旨を受け止めながら、必要な見直しに関する検討を進めていきたいと思います。
○倉林明子君 売春防止法というのが、世界的に見れば差別規定、女子差別規定じゃないですかという指摘って極めて重いと思うんですよ。だから、政府として対応方向については分かりました。しかし、この差別規定ということと勧告に対して大臣はどういうふうに思うてはるんですかと、それ聞いたんですけど、言っていただきましたかね。政府の方針は聞きました。 差別規定という指摘について、大臣も女性差別規定だというふうには、聞き方変えますね。二〇〇九年の国連委員会からの指摘で女性差別規定だというふうに指摘されたことについては、そう思われませんか。どうですか。
○国務大臣(根本匠君) 私は今の委員のお話を受けてお答えをしたつもりであります。 繰り返しになりますが、婦人保護事業については、当初、売春をした女性や売春を行うおそれのある女性の保護更生を行うことを目的に設けられましたが、その後の支援ニーズの多様化に対応して支援対象を拡大してきました。そして、このような経緯がありましたから、現在、有識者による検討会においてその在り方の見直しに関する議論を行っていて、夏頃をめどに基本的な考え方を取りまとめることとしています。 そして、この検討会での議論を踏まえて、また御指摘の勧告の趣旨を受け止めながら、必要な見直しに関する検討を進めていきたいと思います。
○倉林明子君 勧告から十年たっておりますので、本当に本格的な売防法については抜本的な見直し強く求めまして、終わります。 ─────────────
○委員長(石田昌宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、礒崎哲史君が委員を辞任され、その補欠として木戸口英司君が選任されました。 ─────────────
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 今日は、私も宿題をいただいておりました子供の社会的入院につきまして質疑させていただきたいと思います。 まさに小児科入院病棟九百三十五施設、皆様方に御協力をいただき、回答率四二・二%。昨年一年間で診療時に虐待が疑われた子供は五千百十六人。入院した千七百八十一人のうち、家庭など受入先がなく退院できない社会的入院が約、約ではないですね、これは正確な数字が出ております、三百九十九人、一年以上もの長期入院が十五人いた、そういう報告書が出ております。これは私はしっかりと議論していかなければならないことと思います。 虐待で病気若しくは障害を負ってしまった、そういう子供たちの行き場がないこの現実に厚生労働省としてしっかり向き合っていただきたいと思っております。 今回のこの調査から様々なことが分かり、そして提言も行われております。医療機関ごとに児童虐待対応と捉える内容にかなりの幅がある。これ、統計取るにも大変困難であるということも分かってまいりました。 問題点の抽出がしづらい現状がございますので、全国で統一した基準を設けていただく必要があるのではないかと御意見をいただいておりますけれども、局長、いかがですか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘の調査につきましては、虐待を受けた子供が入院時から退院後まで一貫してその児童の最善の利益に資する支援ができるよう、医療機関と児童相談所のより良い連携体制の構築に向けて平成三十年度に行われたものでございます。 本調査におきましては、調査対象の医療機関が通常、虐待と捉えて対応している事例の実態を把握するために、虐待の定義をあえて明確化せずに、回答に当たりまして調査対象の医療機関にその判断を委ねたものと認識をいたしております。 その結果でございますけれども、本調査におきましては、御指摘のとおり、医療機関によって虐待と捉えて対応する範囲に違いが生じている可能性があるものと認識をいたしております。一方で、入院事例九百六十七人のうち未通告の場合が四百十人でございまして、その理由として、軽症と考えたとか、確信がなかったなどが挙げられております。 本来、通告する事案の範囲や通告するか否かの判断は通告者に委ねられるものではなくて、児童虐待を受けたと思われる子供を発見した場合には広く児童相談所等に通告を行うべきものと考えております。 今回のこの調査結果を受けまして、医療機関に対しまして児童虐待を受けたと思われる子供を発見した場合における通告の在り方などにつきまして周知徹底を図りますとともに、今後、継続的な調査によりフォローアップを行うことも含めまして、必要な対応について検討してまいります。
○薬師寺みちよ君 是非お願いします。 実は、これ以前にも調査をしていただきました。その場合には、児童相談所を通じて調査を行った、全く違う数字が出てきております。一か月以上医療機関に入院した子供たちが全国に百九十五人、そして、その治療が終わったにもかかわらず退院できなかった子供たちが六十三人。 〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕 この二つの調査、この差について厚労省はどのような見解をお持ちなのか、局長、教えていただけますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘のように、平成二十九年度に全国の児童相談所に対しまして厚労省が行いました調査結果では、治療が終わったにもかかわらず退院ができなかった子供は六十三人でございました。 この二つの調査につきまして、平成三十年に医療機関が虐待を疑った児童と、平成二十八年度に児童相談所が虐待により一時保護委託を行ったケースとあることなど、調査の時期、対象が異なっておりまして一概に比較することは困難ではありますけれども、両方の調査結果の比較からは、虐待を受けた児童につきまして、一時保護ではなくて医療機関で長期間入院しているケースが一定程度存在することが明らかになったというふうに認識しております。
○薬師寺みちよ君 これ、二回目調査しなかったらそれが分からなかったということが、どうして厚生労働省として気付いていただけなかったのか。これ、以前から指摘をされていたことです。 大沼先生が政務官のときに、やはりこの事態というものをすごく重要に捉えてくださいまして、厚生労働省の方でもやはり児童相談所を通じて調査しようということになりました。しかし、関西医科大学の石崎先生、小児科の先生から、いや、それでは実際の数値というものが分からないから病院に直接行ってくれと、もう一度調査を行いましたよね。 やはり、これがなぜ二回行わなければならなかったのかということをもう少し私は反省をしていただきたいと思っております。そうでないと、この虐待の実態というものも分かりませんし、病院によってやっぱり何が行われているのか、病院が何を悩んでいらっしゃるかも分からなかったわけです。 今回、この調査を行いまして初めて分かってきたこともございます。これ、図二にございます。これは、週に約一人対応したと考えられる五十人以上の子供たちを診療したという機関、実は二十二施設ございます。病院によってもこれだけ対応件数が違うということが分かってきているわけです。 本来だったらもう少し均てん化が期待されていいはずだと思うんですけれども、この実態を厚労省としてどのように捉えているのか、局長、教えていただけますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 御指摘のとおり、本調査の結果でございますけれども、虐待の疑いで対応した年間の患者数ごとの医療機関数について、医療機関によって大きな差があります。例えば、虐待の疑いのある実患者数、ゼロ人が百三十五か所、三四・二%ある一方で、五十人以上が二十二か所、五・六%ございます。 医師等の医療従事者につきましては、診療の機会を通じまして、児童の虐待の兆しあるいは疑いを直接的に発見しやすい立場にございます。そのために、早期発見、早期対応のためには、全国どこでも適切な対応が図られる必要があると考えております。このため、地域の医療従事者を対象といたしまして、児童虐待の医学的診断、あるいは医療機関としての関わり方などについて理解を深めていただく研修等を普及していくことが重要だと考えております。 こうした観点から、民間団体が、医療従事者向けの虐待対応の研修プログラム、BEAMSでございますけれども、開発いたしまして、研修会を開催しておりますけれども、これは医療従事者に理解を深めていただくための重要な取組の一つと認識しております。 厚生労働省といたしましても、BEAMS研修を始めといたしまして、より多くの医療従事者に研修を受講していただけるように、関係団体の連携協力の下で、研修手法の充実、周知などを進めまして、地方公共団体が行う研修として実施ができるようにしっかり取り組んでいきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 今回、その回答率としては五〇%に満たないので、この虐待が疑われた子供たち五千百十六名、これ実はもしかしたら倍になるかもしれない可能性があるわけですよね。ですから、しっかり治療が行われていなければならない、その後のケアが行われていなければならないということを考えると、もっと均てん化されるべく、もう少し、その研修を行うだけではなく、しっかりと対応を、その現状に合わせた対応を私は行っていただきたいと思います。 大臣に伺わせていただきます。 このようなことというものが現実の今の医療現場だということを認識していただきました上で、やはり均てん化というものはすごく重要な課題ですけれども、高度な専門性を発揮する必要のある重篤事例につきましては、集約化を進めていかなければならないということも一方でございます。そうした場合には、医療が時間、労力、医療資源を提供するに見合う診療報酬の中でインセンティブというものも提供できなければ、私はなかなかこれ進んでいかないと思うんですけれども、大臣の御意見いただけませんでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(根本匠君) 児童虐待の対応においては、子供に関わるあらゆる機関が連携して虐待の早期発見及び早期対応を行うことが重要だと思っております。 昨年七月の緊急総合対策などに基づいて、要保護児童対策地域協議会における学校、医療機関、児童相談所等との情報共有の推進や、また地域の医療機関で児童虐待を発見しやすい体制を整えるための医師等への研究費用に対する補助も行っているところであります。 今の委員の御指摘でありますが、被虐待児の入院診療に当たっては、入院早期から関係機関との連携が必要であると考えられますので、平成三十年度診療報酬改定において、患者の退院に向けて関係機関などが連携して支援する取組に関する評価の対象として、虐待を受けている又はその疑いがある患者、これを追加をいたしました。 これからも関係団体と協力をしながら、児童相談所や市町村と医師の方々との連携が強化されるよう努めていきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 是非強力に進めていただきたいと思います。 それから、表一にお示しをさせていただいておりますけれども、社会的入院と申しましても、かなり幅がございます。社会的入院、いわゆる入院しなくてもいいのに入院している子供たちが、一年以上になる、十五名です。これは人間形成の上でも私は大変な弊害になってくるかと思いますけれども、厚労省としてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。局長、お願い申し上げます。 〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 虐待によって医療的なケアが必要になった子供たちにつきましては、医療機関での一時保護の期間がいたずらに長期化することは望ましくないと考えております。病院は生活の場ではございませんので、可能な限り速やかに、医療的なケアを受けながらも適切な生活の場におきまして養育されることが重要というふうに考えます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 しかし、結局、その施設がなかなか見付からなかったりというところも大きな原因であるということを私も認識をいたしております。であれば、中間的な役割を担うような場、人材というものをやっぱり用意するということも有効な施策だと思います。 例えば、新規の施設というものを設置しなくても、医療的なケアが、配慮というものが必要な子供たちが見られるような体制を整えました乳児院の補助というものを行う、そういう選択肢などもあるということでこの報告書でも提言がなされているところでございますので、しっかりともう少し、厚生労働省としてももう少し子供たちに優しいような施策というものを充実させていただきたいと思うんですけれども、局長の御意見いただけますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 子供の一時保護につきましては、必要最小限の期間でありますとともに、個々の子供の状況に応じまして適切に行われることが重要と考えております。 御指摘の乳児院につきましては、医療的ケアなど個別の子供のニーズに応じたきめ細やかな対応を行うことが必要と考えます。こういった観点から、まず一つは、施設の人員配置の充実を図っております。また、平成三十年度の予算におきましては、乳児院等に医療機関との連絡調整等を行う職員を配置いたしまして、医療機関との連携強化を図るために乳児院等多機能化事業を創設をいたしました。またさらに、今年度予算におきましては、ケアニーズが高い、医療ニーズも含めまして、ケアニーズが高い子供たちのための生活単位における養育体制の充実を図るために常勤一名の加配の予算も計上いたしております。 また、本法案におきましては、児童相談所に医師及び保健師の配置を義務付けております。医療と児童相談所との、医療機関等と児童相談所との連携を強化するものとなっておりまして、こうした取組によりまして、より連携強化、適切な対応が可能となるように努めてまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 様々な施策を更に充実を私は望んでおります。 一方、社会的入院の期間が長い場合、それを解消するにはどうしたらいいのか。根本的な解決方法としては、いわゆる重心、医療型障害児入所施設の増設、子供の様々な状態に対応できる環境の整備というものを検討すべきであると思いますけれども、橋本部長、更に前進させていただけますか。
○政府参考人(橋本泰宏君) いわゆる社会的入院の期間が長い障害のある子供たちへの支援につきましては、在宅で生活するための支援、それから受皿となる入所サービスでの支援、そういった、委員御指摘のとおり、子供たちの様々な状態に応じて必要な支援が受けられる環境の整備が必要であるというふうに考えております。 このため、私ども厚労省におきましては、必要なサービス量の見込み等を踏まえて自治体が策定する障害児福祉計画におきまして、サービス提供体制の計画的な整備を推進しております。既にこの第一期の障害児福祉計画が昨年度から動き出しておりますし、また、この計画の基本指針の中には、重症心身障害児ですとかあるいは医療的ケア児に対する支援体制の充実につきまして丁寧に位置付けを行っているところでございます。 また、重症心身障害児施設など、医療型も含めました障害児入所施設につきましては、本年の二月から、関係者や有識者を構成員とする障害児入所施設の在り方等に関する検討会を開催いたしまして、関係団体へのヒアリング等も実施しながら、本年十二月の取りまとめを目指してその役割や機能等について議論を行っていただいているところでございます。この検討会におきましては、今月の二十六日にも第四回を開催してヒアリングや課題の整理などを行う予定でございまして、取りまとめに向けて精力的に検討を行っていきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 是非お願いいたします。 虐待によって結局障害を負ってしまった、その障害をまた原因に家に帰れなくなってしまった、そういう子供たちを社会でどうやって育成していくのか。特に、重心に入ってしまったお子さん方にとっては、もう本当にもしかしたら誰も会いに来てくださらないかもしれませんよね。そういうときに、もっと愛情深くそういう子供たちを育てるというシステムもやはりこの日本で今は必要になってきているこの現実というものを私はしっかりと直視していただきたいと思っております。 それで、先ほど局長からも御答弁いただきましたけれども、児童相談所に通告されていないというような現実がこの医療機関の調査によっても分かってまいりました。実際に児童相談所に通告されている事例は三四・七%、市町村に通告されている事例は二〇・二%。もちろん、先ほどの御答弁のとおり、虐待という範囲がかなりばらばらであるからこそこういう数字になっているのかもしれません。しかし、どこの関係機関にも連携していないと思われる、いわゆる抱え込み事例が約三割存在しているということも、これはもっとその改善の余地があると思います。 周知徹底をするということを局長より御答弁いただいたところでございますけど、私は、もっと信頼関係というものも築きながら医療機関に対して通告というものの義務があるんだということを認識していただくためにも、通知などもう一度発信していただきたいと思いますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(根本匠君) 本来、通告する事案の範囲や、通告するか否かの判断は通告者に委ねられるものではなくて、児童虐待を受けたと思われる子供を発見した場合は、発見した者が広く児童相談所などに通告を行うべきものであります。特に、医師等の医療従事者は、診療の機会を通じて児童虐待の兆しや疑いを直接的に発見しやすい立場にありますので、早期発見、早期対応のためには全国どこにいても適切な対応が図られる必要があります。 今回の結果を受けて、医療機関に対し、児童虐待を受けたと思われる子供を発見した場合における通告の在り方などについて改めて周知徹底を図っていきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 周知徹底するためには、もう一回通知を私は発信していただきたい。しかし、その通知を発信するにも実は大きな問題が裏にあるということが表の八から分かってきております。信頼関係がなかなか築けていないというこの現状でございます。 これは任意でございますので、これが全てとは申しませんけれども、四十一事例の回答の中で、子供の安全にその連携をすることによって大きな懸念が生じたというのが五八・五%、連携の上でコミュニケーションが円滑に取れなかった、五六・一%、児相の職責と考えている対応というものを医療機関が行うように迫られた、三六・六%、これゆゆしき事態だと思います。しっかりと、私は、今こそ連携というものを実際に行っていただくための多機能のチーム、いわゆるMDTというものの存在を見直していただきたいとも思っております。 この多職種の、多機関で連携をしているチームというものが自治体、どのくらいお持ちなのかということにつきまして、局長、教えていただけますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 多職種多機関連携チームでございますけれども、医療機関、児童相談所、警察、検察などの虐待対応の関係機関それぞれが持つ異なる強みを生かして子供とその家族への対応を行っていく取組であるというふうに認識をいたしております。 現在、多職種多機関連携チームを持っている自治体数について網羅的に把握しておりませんけれども、例えば神奈川県におきまして、認定特定非営利活動法人チャイルドファーストジャパンが子どもの権利擁護センターを設置いたしております。これは診療所も設置されておりまして、子供が虐待やネグレクトなどの人権侵害を受けたりDVや犯罪を目撃したりして、子供から事情を聞かなければならない場合に、その子供がそこに行けば調査、捜査のための面接と全身の診察を受けられるワンストップセンターが設置されております。こういった先進的な取組を始めている地域があることについては認識をいたしております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 もっと現場を、先ほどから何度もありますけれども、現場の現状把握をお願いしたいと思います。こういうものがあれば、こういうところにこれがありますということで、私はもっと好事例を御紹介いただけるのではないかと期待いたしておりますけれども、全体を把握しているわけではないというのが今の厚生労働省の立場だとすると、これは残念なことです。 結局、医療機関が連携をしたくても連携する相手方が信頼できないから連携をしない、通知しない、通告しないという、これが、これから先のその虐待の更なる防止にもつながっていかないですよね。ですから、しっかりとこの好事例というものを日頃から展開をしていただきまして、もっとこれが、これは実は全自治体に広がっているんですよと御報告をいただけるようになりたいんですけれども、大臣、どのようにお考えになられますか。
○国務大臣(根本匠君) 今委員が述べられたように、やはり連携にはお互いの信頼関係が必要だ、私もそのとおりだと思います。その意味で、それを一つの仕組みとしてつくり上げたのがこの多職種多機関連携チームだと思います。そこにこのチームの意義があるのではないかと思います。 具体的には、医療機関、児童相談所、警察、検察などの虐待対応の関係機関それぞれが持つ異なる強みを生かして、子供とその家族への対応を行っていく取組、これが多職種多機関連携チームだと思います。民間団体と自治体が連携して先進的な取組を始めている地域がある、これについては私も認識をしております。 やはり先進的な取組を好事例として収集して全国の自治体に周知するなど、横展開が必要だと思いますので、必要な展開について検討していきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 是非お願いをします。 私も、一回目の調査結果を見たときに、こんなことが出てくるとは思いませんでした。しかし、やっぱり医療機関には医療機関の立場がございます。医療機関って、やっぱり一番先に考えるのが子供たちの安全です。先ほども、この中の調査にございましたように、子供の安全に大きな懸念が生じたと、こういうことがあっては絶対になりませんよね。連携することによって、より安全にならなければならないはずの子供たちの現状というものが、更にこれが悪化してしまうということになってはなりません。ですから、是非その多職種連携につきましても、現実的なものをということでお願いをしておきます。 この多職種同士を結び付けるのは、じゃ一体誰なのかということを考えたときに、医療ソーシャルワーカー、いわゆるMSWの皆様方の存在というものが医療機関の中ではすごく今、重要視されているところでございます。このMSWの皆様方が十分にやっぱり時間を掛けながら知識を得、そしてこういう体制というものをコーディネートする役目というものを取っていただくためにも、診療報酬という形でもインセンティブを与える、これは一つの考えでございますけれども、施設基準として、一定の経験があるMSWの配置というものを私は義務付けるということが一番適当なのかなと思っております。厚生労働省としての御意見をいただけますでしょうか、お願いを申し上げます。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 医療機関における虐待事例の対応に当たりましては、多職種連携を図るために、医療ソーシャルワーカー、MSW等の配置が進むことがやはり有効だというふうに厚労省としても考えております。 医療ソーシャルワーカーの配置を現時点で、今のこの現状において一律に義務付けることはなかなか難しいと思っておりますけれども、厚生労働省といたしましては、まずはしっかり財政支援したいと思っております。現在の事業でも、都道府県等の中核的な病院に児童虐待の専門知識を有する医療ソーシャルワーカー、MSW等の配置をした場合、あるいはその病院内に児童虐待防止、児童虐待対策委員会を設置するなど児童虐待対応体制の整備などを行う病院等に対しまして財政支援を行うことを行っておりまして、こうした財政支援等を通じましてMSW等の配置を促進してまいりたいというふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 是非お願いをいたします。 それからもう一つ、ここの調査ではなく、また別の調査で分かってきたことがございます。これは、全国の小児科グループが行った調査の中で明らかになってきたことです。病院に子供たちが長期間いることのもう一つのリスクです。入院中に親などから再び虐待を受けたと疑われる子供たちがいるんです。その先生方の調査によって一・二%存在する。少ないか多いか、やはりこういうことが絶対あってはならない。 医療機関がいわゆる安全なシェルターとしての機能を発揮していないというこの事実が分かってまいりました。例えば、親が子供に面会した後、新たな骨折が見付かったケース。点滴に異物が混入されていたケース。親が子供たちの入院先を知っていれば、施設と比べても出入りしやすいんです。そういった自由な病院ではこういったことが起こる可能性があるということも念頭に、私はきっちりとケアをしていただきたいと思います。 病院における親子の面会というものにも細心の注意を払ってもらわなければ、更なる被害というものが病院の中で起こっているということ、これを厚生労働省としてはどのように捉えていらっしゃるのか、局長、教えていただけますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 虐待を受けた子供が入院中に再び親などから虐待を受けるということは、もう本当にあってはならない事態でございます。こうした事態を防ぐためには、まず児童相談所が医療機関に委託一時保護した子供はもとよりでございますけれども、医療機関が虐待を受けたと思われる子供を発見した場合につきましても、これまで議論がありましたとおり、これを確実に児童相談所に通告した上で、個々のケースの状況に応じまして、子供の入院先の情報を例えば親には秘匿するとか、面会、通信制限あるいは接近禁止命令を行うとか、面会させる場合におきましても医療機関あるいは児童相談所の職員が立ち会う、こういった措置を講じまして、子供の安全に十分配慮した対応を行うことが必要と考えます。 そのためには、先ほど来議論になっておりますけれども、児童相談所と医療機関との信頼関係をしっかり築くということが大前提でございますので、冒頭申し上げましたけれども、児童相談所に医師及び保健師の配置を義務付けましたし、医療機関に対する研修もこれから更に充実させてまいりたいというふうに思っておりますので、地域におきまして児童相談所と医療機関との信頼関係をしっかり築く、そのための環境整備、支援に努めてまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 これもうテレビで見るようなことだなというふうに私も思うぐらいに、やはり悲惨な状況というものが今病院の中でも起こっているわけです。実際にこの先生方は、二〇一五年、二〇一六年にかけて調査していらっしゃるわけですよね。もうそのときから注意喚起されているわけですよ、医療界の中では。でも、なかなか全国的な調査も行っていただけなかったというのが私は残念でなりません。 わざわざここで取り上げられるまでもないですよ。虐待というものなんであれば、最新の情報を厚生労働省としてもちゃんとキャッチして、必要があれば自分たちで判断して調査すべきだったんではないでしょうか。それに当たりましても、やはりこういう個別の事例として私はこのような社会的入院につきまして処理をすることというのは許されないと思っております。 全国的な実態というものを今後も把握しますと先ほど御答弁いただきましたけれども、しっかりと継続的に調査を行って、そのデータを蓄積し、政策に反映すると、局長、お約束いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 実際に社会的入院を要した事例の実態を把握しましてその要因や課題を明らかにすることは、こうした社会的入院をなくしていくために必要な方策を検討していく上で重要だと思います。今後、継続的な調査によりフォローアップを行うことを含めまして、必要な対応についてしっかり検討してまいります。
○薬師寺みちよ君 絶対にお願いをしておかなければなりません。 子供たちは、私もびっくりしまして、あるテレビでこれをフォーカスした番組、入院先からリュックをしょって小学校に行く、そんなことないですよね。やはり、しっかりとした家庭的養育の中で、温かい心に育まれながら、それが子供たちのあるべき姿ですので、そこをしっかりと受け止めていただけませんでしょうか。それに当たりましては、やはりこの社会的入院の妥当性につきまして第三者的に検討するということも必要になってくると思うんです。 大臣、しっかりこれ、自治体におきましても、このような事例というものを私は取り上げながら第三者的に検討をするということをお約束いただきたいんですけれども、いかがでいらっしゃいますか、お願い申し上げます。
○国務大臣(根本匠君) 子供の心身の健全な育成という観点からは、入院治療の必要がないにもかかわらず病院で長期間過ごす、これは適切ではありません。医療機関と児童相談所が連携を図り、速やかに適切な生活の場における専門的な支援につなげていくことが重要であると考えます。 その観点から、児童相談所において、医療機関入院中から速やかに退院に向けたケースマネジメントを適切に行うことなどが必要だと思います。このため、本法案では、児童相談所に医師及び保健師の配置を義務付け、医療と児童相談所との連携を強化するものとしております。医療機関との適切な連携を図っていきたいと思います。また、本法案では、都道府県知事は、第三者評価の実施も含め、児童相談所の業務の質の評価などを行うことによって業務の質の向上に努めなければならない旨の規定を盛り込んでおります。 今後、評価ガイドラインの作成等を行うこととしておりますが、入院時の子供への支援や退院に向けたマネジメントを行うことができる体制整備の状況なども含めた適切な評価ができるように、この評価ガイドラインの中で検討していきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。しっかりと私もそのガイドライン、また見せていただきたいと思います。 次の話題に移ってまいりたいと思います。資料二にお配りをいたしております。先ほど倉林先生からもございました。全国の児童相談所長を集めて、大臣が四十八時間ルールの徹底をというふうにおっしゃっていただけた。これは私もいいとは思いますが、そこから悲鳴も上がってきたという記事でございます。 先日、私もお願いいたしました。やはり現場の疲弊があってはなかなかこれうまくはいきませんよね。どんな御意見が出てきたのかということにつきましても、局長、教えていただけますか。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 先般、先週金曜日でございますけれども、全国の児童相談所長を緊急に招集いたしまして会議を行いましたけれども、その会議の場におきましては、新聞記事にもございますけれども、虐待相談対応の増加等によりまして疲弊している実態も認識してほしいなどの御意見もいただきました。 その場でも私からも申し上げましたけれども、今回の緊急招集における現場の声のみならず、今後も、いろんな全国会議とかブロック別の会議とかあるいは出張でお話を聞く機会とか様々ございますので、しっかりと意見交換をしながら、要は、厚労省と児童相談所が同じ認識を持って取り組まないとしっかりとした取組になっていかないわけでございますので、認識を共有する意味でも、しっかり意見交換をする必要がある、してまいりたいということを申し上げたところでございます。
○薬師寺みちよ君 そうですよね。私たちは、制度をつくることはできるかもしれません。でも、その現場の声というものに耳を傾けずに制度をつくってしまうと、結局誰が被害に遭ってしまうのかというと、子供たちです。ですから、そこをしっかりと私は認識していただきたいと思って問合せをしましたのですが、一つの児童相談所で年間何件の安全確認を行っていらっしゃるんですかというこの問いにつきまして、私から御紹介させていただくと、これ厳密には調査できていないという回答でございました。やはり現状が分かってないんです。 対応件数で、児童相談所の数で割ってみると約六百件だと。この六百件に三百六十五日向き合っていかなければならないわけですよね。それも、二十四時間です。本当にこれができるのか。やはり、ルールというものはルールでございます。しかし、十分な余力がなければ、体制整備なくして私はこれは成功しない。先ほど倉林先生からもございましたけれども、それだけの手だてというものをしっかり講じていただけるんですよね。局長、もう一度お願いいたします。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 ルールを徹底するためには、児童相談所においてもしっかりとした体制整備を並行して行うことが必要と考えております。 これまでもるる申し上げてきておりますけれども、昨年十二月に新プランを策定いたしまして、現在三千名の児童福祉司につきまして今年度一気に千名増員して、二〇二二年度には五千名体制とするなどの抜本強化をプランで打ち出しております。このプランが実現できるように、厚労省といたしましても、様々な支援も含めて自治体をしっかり支援してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 局長、人がいないんです、今。人手不足なんです。採用できないんです。その現実というものも私は分かっていただかなければ、それだけのプランが、打ち出していますって、それは旗を掲げるのは簡単なんですよ。だからこそ、現場の声に耳を傾けてください。だったら、誰をどういう形でお願いしなければならないのかということも私は打ち出していただきたいと思います。 要対協のこともお聞かせいただきたいと思います。要対協では一度の会議で平均どのくらいの件数を扱っていらっしゃるんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(浜谷浩樹君) 要対協におきましては、全国で二十六万のケースが登録されております。一市町村当たりの登録件数は平均で約百五十件でございます。
○薬師寺みちよ君 ですよね。ですから、これもまさに厳密に調査できていないという御回答をいただいております。どのくらいのものがどういう形で検討がなされているのかというものを私はもう少し詳細に分析をしていただきたいと思っております。 大臣、やはりこの要対協におきましては、いろんなこの児童に関わるものというものが全てここに放り込まれてくるんです。そうすると、一回でじゃ百五十件って検討できますかという話です。若しくは、これ検討していても、何回も何回も同じ案件について継続的になっていっているものも含めると、相当なこれ労力が掛かっているんではないかと思います。 ですから、もう少し仕分をしながら必要な案件に十分に時間が掛けられるように私はこの要対協の在り方も見直していくべきだと思いますけれども、御意見いただけませんでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(根本匠君) 児童虐待への対応に当たり、各ケースの状況や支援方針の確認といった進行管理を定期的に行う、これが重要だと考えます。このような進行管理は、家庭に身近な地域で適切な体制の下、専門性を持って対応すべきものだと考えておりますので、これは要保護児童対策地域協議会、これが行うことが適当であると、こう考えます。ただ、要保護児童対策地域協議会がこのような役割を適切に担うためには、要は事務局である市町村の体制の整備と専門性の確保が必要だと考えます。 平成二十八年改正においては、要保護児童対策地域協議会に調整担当職員の配置を義務付けるとともに、調整担当職員に対し研修受講の義務付けを行いました。さらに、新プランに基づいて、二〇二二年度までに調整担当職員全員が全市町村において常勤で配置できるよう、今年度から常勤の調整担当職員を人口十万人当たり一名配置するために必要な人件費、これを交付税措置を講じております。 人口規模の多い自治体においては、複数の調整担当職員を配置した上、進行管理を行う会議を地域別に開催するとともに、調整担当職員も地域別に担当を分けることなどにより一回の会議で取り扱う件数を減らす、こういう工夫も必要だろうと、こう思います。まずは、市町村において要保護児童対策地域協議会の運営を行う体制の強化を図っていきたいと思います。 さらに、効果的な運営ができるようにガイドラインを今後策定する予定です。ケースの進行管理を行う際のチェックポイントを示すなど、運用面においても市町村への支援に努めていきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 大臣、ありがとうございます。 しかし、これからますます増えていくんです。一回に扱う件数が増える、そうしたらそのワンケースにつき集中できる時間というのは少なくなりますよね。本当であれば手当てできるものも手当てできなくなってしまう、その現実を私はもう少し考えていただけないかと思います。というのが、今日も何度も出てきました、現状把握できてないではないかということなんですよ、各児相ではどういうことが困っていらっしゃるのか。 ですから、せっかくここまで法改正してやるんであれば、小手先ではなく地に足付いた議論をしていくためにも、まずデータをください。そのデータを蓄積するために、もっと厚生労働省としても汗をかいていただきたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(石田昌宏君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(石田昌宏君) 速記を起こしてください。 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○自見はなこ君 自民党の自見はなこです。どうぞよろしくお願いをいたします。 本日は、安倍総理をお招きをして質疑をさせていただく機会を頂戴いたしましたことを心から感謝申し上げたいと思います。 さて、私は小児科医として勤務をしてまいりましたけれども、候補者として全国を回っている間、安倍総理が、平成二十七年、新三本の矢に子育て支援ということを入れてくださいましたときに、本当に大きな世の中の変化の流れが来たなと思い、大変うれしく思ったところでありました。そして、平成二十八年、児童福祉法の改正が行われ、初めて子供の権利を明確化したわけであります。これは、私たち小児科医にとって、子供を真ん中に置いた社会づくりをしてほしいという中で、本当に有り難い法改正だったと。当時議論を引っ張っていただきました塩崎恭久厚労大臣も含めて、大勢の関係各位の皆様にも心から感謝をしているところであります。 一方、私たち小児科医そして産婦人科医の領域では、子供を真ん中に置いた社会づくり、特に妊娠期からの切れ目のないサポートをしてほしいと二十五年前から成育基本法の設立を訴え、活動をしてまいりました。妊娠期からの切れ目のない支援を行うことで、妊産婦に届く支援をする、そして子育てを孤立化させない、こういったことを我が国の理念法として制定できないか、これを超党派の皆様の多くの賛同をいただきまして、去年五月二十二日に超党派の議員連盟を設立し、そして、去年の十二月でありますけれども、本当に皆様のおかげで成育基本法を成立することができたわけであります。 そういった中、この成育基本法が私は目指しているところは何かといいますと、これは母子保健の拡充であると思っております。特に、今回の児童虐待の問題に関しましては、支援の拡充、介入と支援を分けて、支援を拡充させるということが言われておりますが、この支援の拡充の部分にこそ、成育基本法、まさに役に立つのではないかと思っております。 現在、施行までの一年間の準備を進めているところでありますけれども、是非総理にお伺いいたしたいのは、この児童虐待防止における成育基本法、ここに期待する役割と、それから児童虐待防止対策の抜本的な強化に向けた総理の御決意をお伺いさせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供たちの命を守るのは、私たち大人全員の責任であります。 昨年十二月に成立をいたしました成育基本法では、妊娠期から始まる子供たちの健やかな成長を切れ目なく支援をしていくことを目的に、成育過程にある者に対し、虐待の予防や虐待の早期発見に資するよう、必要な施策を講ずることとされています。 この成育基本法に基づき、地方自治体や関係省庁が連携をし、子育て等に悩み孤立しがちな家庭に対し適切な支援を行うことにより虐待防止対策を更に強化させていきたいと、このように考えております。
○自見はなこ君 大変有り難いお言葉、ありがとうございます。 また、この法案では、初めてCDR、チャイルド・デス・レビューについてを記載した議員立法になっております。また、石井みどり先生には自民党の中の死因究明全体の議論をずっと牽引をしていただいておりまして、そしてこの度、六月六日に、死因究明等推進基本法も恒久法として成立をしたところであります。死因究明、非常に重要だと思っています。本当は虐待だったのかもしれない、あるいは防げる事故だったのかもしれないということを、我が社会、私たちの社会でしっかりと検証していく仕組みづくりに私も引き続き尽力をしてまいりたいと思っております。 また、産後ケアなどの非常に重要な役割を示しているものもございますので、ここについても、私も一生懸命に勉強しながら、日本全体で子育て支援を応援する中で虐待予防につなげていきたいと思っております。 次の質問に移ります。 私たちの中では、この成育基本法の中の検討事項に、実は、「政府は、成育医療等の提供に関する施策を総合的に推進するための行政組織の在り方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」という検討事項を置かせていただいております。私自身も、特に認定こども園ができてから、この子供を取り巻くもろもろの行政の在り方というものには、内閣府、厚労省、文科省、ここに縦割りがあるんだというふうに思っております。 是非総理に私はお伺いしたいんでありますけれども、中長期的な視点でも構いませんが、子供家庭庁を是非つくるべきだと私は思っております。お考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 成育基本法の目的にあるように、子供の心身の健やかな成長のため、生まれてから大人になるまでの成育過程全体を切れ目なく支援することが極めて重要だと思います。このため、まずは厚生労働省を始めとして関係省庁が一体となって、子供に関する施策を切れ目なく運用してまいりたいと思います。 その上で、附則に規定された成育医療等の提供に関する施策を総合的に推進するための行政組織の在り方等についてでありますが、検討を行っていきたいと。もう少し期待されたかもしれませんが、まずは検討を行ってまいりたいと、このように考えております。
○自見はなこ君 行政、厚生労働省も働き過ぎだと言われておりますけれども、行政の皆様にも気持ちよく働いていただくことも必要ですし、何よりそれは子供たちのためでありますので、総理に是非ここはリーダーシップを発揮していただいて、子供家庭庁の創設に向けて一歩進んでいただけたら本当に有り難いというふうに思っております。 最後の質問に移ります。 今回もまた大変残念な虐待の事件が起こりました。札幌市の詩梨ちゃん、二歳で六キロだったということであります。そして、警察の方が確認をしたんだけれども、その子が二歳で六キロだということの異常に気付かなかったという大変残念なこともございました。 私といたしましては、警察の皆様におかれましても、子供の発達、発育に対しての多少の知識、そして、虐待というものはどういうものであるかといった知識をしっかりと持っていただく、みんなで子供のことを考えていくんだというふうな方向を是非示していただきたいというふうに考えております。 そこで、総理にお伺いをしたいと思います。警察における児童虐待への対応力強化のため、必要な知見を有する人材の育成や配置を進める等の取組が必要だというふうに考えますが、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 警察においては、児童虐待事案に的確に対応することができるように、新規に採用された職員に対して基本的な対応要領を指導しているほか、児童虐待を担当する職員に対して各種の専門的な研修を実施するなどして、必要な知見を有する人材の養成に努めているものと承知をしています。また、児童相談所と合同で具体的な事例を想定したロールプレーイング方式による実践的な訓練を実施することなどにより、児童相談所と連携した現場対応能力の向上や危険性の認識の共有にも努めているものと承知をしています。 累次の関係閣僚会議決定等を踏まえて、子供の命を守ることを最優先に、警察職員の児童虐待への対応力の強化に向けた取組を今後更に推進してまいりたいと思います。
○自見はなこ君 子供を真ん中に置いた社会づくりにみんなで頑張っていきたいと思います。これからもよろしくお願いします。 終わります。
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。 今日は、十三分という貴重な時間、ありがとうございます。今、私だけでなく、国民の多くが総理に聞きたいこと山ほどある中で、本当は十三分では足りません。 トランプ大統領の来日中に一体何の交渉をしていたのか。こんなに景気が悪く、夏以降更に悪化すると言われている中、消費税を本当に上げるのか、上げないのか。総理、予算委員会を是非開いてください。それは国会が決めることだと逃げるのはやめてください。かつての参議院自民党ではこんなことは起きませんでした。官邸の意向がどうであろうと、参議院自民党として、ちゃんとやるべきことは独自に判断をしていました。 思えば、私が選挙に初めて出馬をした二〇〇七年、あのときの選挙の争点も、総理、消えた年金でしたね。これは、今また二・二人で一人を支えるという状況で、今後は、老後は今度二千万貯金が必要だから資産形成してくださいという、今朝は、これ最大三千万だという新たな数字まで出てくる始末です。 数字が独り歩きして国民の不安が大きくなっていますが、まず、この前回六月に出した年金の財政検証、これをまず出してください。まさかこれ、国会が終わってから出そうと思っていませんよね。この国会が終わってから出したり、ぎりぎりに出して議論できなくするのは駄目です。これは、今隣に厚生労働大臣座っていますから、今ここで根本大臣に指示してもらえますでしょうか。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 年金の財政検証については、まさに年金に対する信頼性を確かなものとするためにしっかりと検証をするわけでございまして、政治的にどうのこうのという観点から決めるものでは決してございません。しっかりと厚労省において適切に財政検証し、しかるべく国民にお示しをするということではないかと思います。
○川田龍平君 これはいつまでに出すんですか。根本大臣にすぐ指示してください。
○国務大臣(根本匠君) 私もここで再三再三答弁をしておりますが、今、財政検証は現在作業中でありますから、必要な検証作業が終わり次第公表することとしています。様々なオプションもありますので、それを踏まえてしっかりとしたものを出していきたいと思います。
○川田龍平君 安倍総理、是非出すと言ってください。そして、いつまでに出すのか、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 財政検証は当然出すことになっています。当然財政検証を、これは五年ごとに財政検証を行うということになっているわけでありますから、その準備を進め、今財政検証を行っているんだろうと、こう思うわけでございまして、いずれにいたしましても、こういう問題については、言わば政争の対象とするのではなくて、冷静な議論が大切でございますから、それはまさに確かな検証をしっかりとお示しをするということが政府としての使命なんだろうと、このように考えております。
○川田龍平君 今、国民が不安に思っていることを、すぐここの、国民の不安に応えるのが政府の責任ではないですか。年金に対する不安、これを総理として応えないでどうするんですか。 総理、総理は老後に不安を感じたことはないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私自身の個人的なことにつきましては答弁は控えさせていただきたいと、このように考えておりますが、いずれにいたしましても、年金制度を老後の生活設計の柱として安心して老後生活を送っていただけるようにセーフティーネットの充実を図っていきたいと、このように考えております。
○川田龍平君 二千万、三千万とこの数字を出してから、資産形成してくださいなどと投資で老後資金をつくるよう勧めています。この報告書のワーキング・グループのメンバーにも投資関係者がたくさん入っていますが、投資を勧める前に、政府にはやるべきことがあるでしょう。まずは、最低限の生活に掛かる費用がどんどん高くなるような今の政策を見直すべきではないですか。 例えば、給料の大半が家賃に消えてしまうような今の現状で、老後の資産形成など夢物語ではないですか。そして、政府がヨーロッパのように高齢者や若者、母子家庭や子育て世帯への住宅支援を手厚くするだけで、これかなりの負担が軽減されます。 また、奨学金という名の教育ローンで、卒業と同時に多額の借金を背負って社会に出なければならない若者は、既にマイナスのスタート地点から始めなければなりません。奨学金という名のローンに金融業界が参入して利益を上げるような今の仕組みを見直して、OECD諸国並みの、この最低の教育予算を上げることをまずすべきではないでしょうか。 女性に社会進出しろ、活躍しろと言いながら、政府は保育や介護の報酬を上げるどころか下げている。保育園が見付からないことで子育て世帯にますます負担を掛けて、介護施設が見付からないことで介護難民がますます増えています。 国民が老後に一番不安だと思っている医療費も同じです。国民健康保険の国庫負担をどんどん減らしていますが、国民の命と健康を守るためには、まず国庫負担を元に戻して、早期発見、早期治療で予防、治療や栄養指導など、医療費を下げることを考えるべきと考えますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、急に幾つか質問が行われたわけでありますが、まず、公的年金は老後の生活設計の柱という方針にこれはいささかの変更もないということはまずしっかりと申し上げておきたいと、このように思います。 政府としては、安心できる老後生活を送っていただけるように、医療や介護も含めた社会保障全体のセーフティーネット機能の充実に努めてきたところであります。人生百年時代を見据えて、お一人お一人の皆さんが直面する様々な事情にも十分留意しながら、今後もしっかりと取り組んでいきたいと、このように思います。 そこで、金融審議会の報告書で平均貯蓄額として引用された金額は二千五百万円、収入支出の差はそれを月々五万円ずつ活用している姿が示されたにすぎず、あたかも一律に老後の生活費が月五万円不足、赤字になるとしたことは国民に誤解と大きな不安を与えるものであり、高齢者の実態は様々であり、平均での乱暴な議論は不適切であったと、こう考えているところでございます。公的年金は老後の生活設計の柱であり、国民の皆様の不安を払拭できるよう丁寧に説明をしていきたいと、こう考えております。 他方、この年金の財政について果たしてそれが不安があるのかということでありますが、マクロ経済スライドについて、これをなくせという議論もあるわけでありますが、マクロ経済スライドは、少子高齢化が進む中でも、公的年金制度を持続可能なものとして今の現役世代の方々に将来にわたって給付を確保するために必要な仕組みでありまして、安倍政権でこの仕組みがきちんと機能するようになったのは事実でございます。このマクロ経済スライドが機能することによって、将来受け取る、年金を受け取る方々の給付と負担の均衡が取れていく、これはそういう仕組みであるということは御理解をいただきたいと思います。そして、それが初めて事実上しっかりと機能するようになったということでございます。 年金というのは、これはまさに保険料、そして税金と積立金、また積立金の運用で賄われているわけでございますが、いわゆるアベノミクスの効果によって、今年度は、これまで未実施の分も含めてマクロ経済スライドを発動して、なお年金の増額を実現した、プラスとなった、プラスとなったわけでございます。そして、積立金の運用益もこの六年間で四十四兆円プラスとなっておりまして、民主党政権時代の十倍運用益は増えているという事実があるわけでありまして、これらによって公的年金の信頼は、信頼性はより安心できる強固なものとなったと、こう考えているところでございます。 また、奨学金等々につきましては、言わば無利子の奨学金をしっかりと充実をし、そして返還不要の奨学金制度についても拡充を図っているところでございます。また、来年からは、来年の四月からは真に必要な子供たちの高等教育の無償化を行うこととしておりまして、そうした形でしっかりと私たちは拡充していきたい。子供たちが安心して学び、育てる、子供たちを安心して育てることができる、子供たちが将来へ向かって、家庭の経済事情にかかわらず目標に向かっていくことができる、そういう日本をつくっていきたいと、このように考えております。
○川田龍平君 住宅に、医療、介護、保育という、生きていくために必要な、最低限必要なインフラを、この二千万という数字そのものよりも、なぜ、その数字を聞いただけで国民が不安になるような今の社会の方がおかしいんです。見直すべきは、資産形成の仕方より、間違った政策によってそういう社会をつくってきた今の政権の方を見直すべきなんです。 国が暮らしや第一次産業を守らなくなり、地域コミュニティーがどんどん崩壊していく中で、昔は地域全体で子育てを支えていたのが、若い親が助けを得られなくなっています。現在、我が国の児童虐待は右肩上がりに増えていますが、これはなぜだと思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 保護者が子供を虐待する背景には、社会的に孤立し、そして援助者がいないこと、予期せぬ妊娠により生まれたなど親にとって意に沿わない子であることなど、様々な要因が複合的に絡み合っているものと承知をしています。 したがって、児童虐待防止対策においては、子育ての孤立化への対応など、地域における子育て支援と虐待の発生予防の強化、また、児童虐待の早期発見と迅速的確な対応など、一連の過程において関係機関が連携し、切れ目のない支援を提供していくことが必要であります。 このため、子育て世代包括支援センターの整備や乳児のいる全家庭への訪問などに加え、さらに、これまで三千名体制の児童福祉司を今年度一気に千名増員し、二〇二二年度には五千名体制とすることや、全市町村への身近な相談拠点の設置を進めることとし、必要な予算等の手当てを行ったところであります。 また、与野党間の協議の結果も踏まえ、本改正法案においては、体罰禁止の法定化や、ちゅうちょなく一時保護に踏み切れるよう、一時保護等を行う介入の担当者と保護者支援の担当者の分離、そしてまたDV対策との連携強化やアドボケート制度の検討など、虐待防止のために実効性のある対策を盛り込んでいるところであります。 何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。
○川田龍平君 この虐待されている子供をどう救うかということも大事ですが、根本の原因は、母親が社会から孤立していることや、子育てを見守る社会の機能が消滅していることにあるのではないでしょうか。子育てする母親を孤立させない地域コミュニティーを破壊するような今の政策を見直し、地域をもう一度立て直す政策に切り替えることが根本的に必要です。乳幼児の親やこれから親になる人のみならず、この教育予算を増やして、子供たちに学校で命の教育をすることや全ての命がひとしく尊いことを教えるために、障害児やマイノリティーの、共生をしていく、インクルーシブ教育をしっかりと取り入れるべきと考えます。 つまり、命を大切にしない政権の下では将来の生活への不安は消えず、資産形成をする余裕どころか日々の暮らしもままならなくなり、公共資産や国の産業を売り飛ばすようなTPPのような貿易条約を進めることで地域社会はますます崩壊していきます。その上、消費税まで上げるんですか。これは年金制度云々の問題だけではない、国民の命を守るつもりのない人々が政権に就いていることが一番の問題なんです。 総理、見解をお聞かせください。予算委員会を開いてください。
○委員長(石田昌宏君) 申合せの時間が過ぎていますので、質疑をおまとめください。 川田先生、時間が過ぎていますので、質疑をおまとめください。
○川田龍平君 総理はこういった問題にしっかり答えるべきです。これ、予算委員会をしっかり開くべきです。そういったことを開かないでおいて、このまま国会を閉じて逃げるということは許されません。そう予算委員会を開くよう強く要求して、私の質問を終わります。
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。 私も、不本意ながら、法案の質疑に入ります前に、年金の一連の騒ぎについて少し総理に御意見を賜りたいことがありますので、まずそこから入ります。 先ほど、総理はこの問題を政争の具にしてはいけないとおっしゃいました。私も、客観的に冷静に国民の皆さんに正しい情報をお伝えすることが本来あるべき姿だと思っております。 そこで、素朴な質問なんですけれども、あの金融審議会の市場ワーキング・グループの騒ぎの発端になった報告書でありますが、私読ませていただきました。どこにもおかしなことが書いてなかったんですが、金融審議会のこの報告書が示す数字自体誤っているという御認識なのかどうか、まずちょっと総理の御認識をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この数字自体が、例えば誤った統計上の数字なのかどうかという観点があるんだろうと思います。それと、実際その数字はどういう意味を持つのかということもあるんだろうと思います。言わば年金、そして生涯においてどれぐらい果たして支出をし、そして年金があり貯蓄があるのか。非常に個々の人々にとって、相当それぞれ個々の人たちのありようは違うんだろうと思いますが、それを果たして平均して示すことが正しいのかどうかという視点も当然あるんだろうと。 大切なことでありますから、そういう丁寧な議論が必要だろうと思うわけでございますが、その中において、この報告書においては、単純な平均値の議論によって、あたかも公的年金だけでは生活費として月五万円、三十年で二千万円足らないかのように述べており、世間に著しい誤解や不安を与え不適切なものであると、こう考えているところでございます。 当然、これは今まで述べてきたように、貯蓄があればある程度その貯蓄を取り崩していくことを前提に生活設計をするかもしれないわけでありますが、しかし、それが、平均としてそういう貯蓄があれば、それに足らない、それに満たない方々も当然おられるわけでありまして、その個々の状況においてそれをしっかりと見ていく必要があるんだろうと、こういうことでございまして、私たちが今まで従来から申し上げてきたことは、公的年金については、老後の生活を支える柱としては将来にわたり持続可能な制度を確保しているということでございまして、安心できる老後生活を送っていただけるように、医療や介護も含めた社会保障全体のセーフティーネットの機能の充実に努めてきたところでありまして、今後ともしっかりと努めていきたいと、こう考えているところでございます。
○川合孝典君 今るるお話しいただきましたが、ということは、総理の御認識としては、この現在の年金制度と水準で老後資金は足りるという御認識なんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今御指摘がございました年金につきましては、国民の老後所得の中心となる公的年金制度については、今後とも老後の生活の柱となる役割を果たしていくものであると、こう考えているところでございまして、今までも既に申し上げておりますように、この年金におきましては、言わば老後において、所得代替率、少なくともモデル世帯においては五割以上を確保していくものとしていきたいと、こう考えているわけでありまして、例えば厚生年金については現役世代に被用者であった人の生活をある程度賄うものであるとの旨答弁してきているところでございまして、モデル世帯で現役世代所得の五〇%以上の水準を将来にわたって保障をしていく、公的年金は老後の生活設計の柱との方針にはいささかも変わりがないということでございます。
○川合孝典君 感情的に私議論するつもりはないんですけれども、この報告書をよく精査してみますと、退職金の問題も含めてなんですが、一九九〇年の時点で平均の退職金の金額が二千三百万ちょっとです。これが、二十年たった二〇一七年には千九百九十七万円にまで低下しているんですよ。三、四〇%実は低下しております。つまりは、退職したときに、従来の感覚であれば、退職金をもらうことである程度の老後の蓄えが得られるということが前提となった制度でもあったわけであります。 今回この数字が出たこと自体については、私自身は、そうだろうなと思って実は見ておりました。何よりも、今回のこの一連のどたばたで、この年金の問題に関して国民の皆さんが不安と怒りの声を上げていらっしゃるわけであります。これはどう総理が御説明されようが、実際に国民の皆さんは憤りを感じていらっしゃいます。なぜ国民の皆さんが不安を感じ、怒っていらっしゃるのかということについて、今の総理の御認識をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは先ほど申し上げましたように、言わばこの金融庁の審議会から示されたものが、平均貯蓄額として引用された金額は二千五百万円だったわけでございますが、そして、収入支出の差はそれを月々五万円ずつ活用している姿が示されたにすぎないわけでありますが、あたかも一律に老後の生活費が月五万円不足、赤字になるとしたことについて、これは今までの政府の説明とは違うではないかという誤解を受けたわけでございます。 先ほど申し上げましたように、ある程度賄うものであるということを私も答弁してまいりました。五万円、もしそれが赤字、足りないのであれば、ある程度賄うということにはなっていないのではないかという疑問を持たれたんだろうと、こう思うわけでございますが、先ほど申し上げましたように、高齢者の生活実態は様々であり、平均での乱暴な議論は不適切であると、こう考えるところでございます。 まさに平均したことによって、例えば平均したことによって、例えば貯蓄額が五千万円以上の高齢者が一割以上いますが、これが平均を引き上げる構造になっているというのも事実でございます。ですから、それは実態よりも高めにこの貯蓄額が出ている。そして支出においても、それによって支出額が多くなっておりますから、それを全ての人たちに当てはめるというのは、これは言わば間違っていると、適切ではないと、こう考えているわけでございまして、それはそれぞれの方々、生活実態は様々であり、そういう様々な方々についてしっかりとセーフティーネットを張っていくことが大切であろうと、こう考えているところでございます。
○川合孝典君 公的年金のうち国民年金だけで生活していらっしゃる方々が年金受給者の半分以上を占めていらっしゃいます。もちろん、たくさんの資産をお持ちの方もいらっしゃるということですから、それを全ての平均をすると今のこの今回の審議会の報告書の数字になるということですが、光を当てるべきなのは、足りない人をどうするのかということの議論を今からしなければいけないということでありまして、そのことを私は問題提起させていただいているということであります。 審議会のメンバーの方からも、自分たちで諮問しておいて報告書の内容が意に沿わないから受け取らないというのは、国民の将来をないがしろにする前代未聞の過ちであるという指摘も出ているわけであります。 私が、最後にこれ指摘させていただきたい、一問だけお聞きしたいと思いますが、今回、この問題が生じたことで国民の皆様が不安を感じてしまわれた。そのことによってかえって貯蓄傾向に拍車が掛かります。そのことは景気を冷え込ませることにもつながりかねないということであって、これは政府が進めようとしておられる景気刺激にとっても大きなマイナスであります。したがって、私はこの問題に正面から向き合って、今後、年金制度をどうしていくのかということを総理が旗を振って議論を進めなければいけないと思うわけでありますが、その点について総理の御見解をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど川合委員が、低年金の方々にもしっかりと光を当てることが大切だと、こういうふうに指摘をされました。まさにそれはそのとおりだろうと我々も捉えております。そして、本年十月から、低年金の方々へ年間最大六万円の年金生活者支援給付金を支給し、所得をしっかりと確保してまいりたいと、こう思っております。 そこで、消費との関係でございます。消費との関係でまいりますと、言わば年金財政そのものについて、年金が果たして大丈夫か、将来の年金の給付が大丈夫かという、そういう不安が生じれば当然消費に対しては消極的になるんだろうと、このように思うわけでございます。であるからこそ、先ほど申し上げましたように、我々安倍政権になりましてから、例えば特例水準については解消いたしました。皆様に御協力をいただき、特例水準を解消し、そして、このマクロ経済スライドにつきましても、キャリーオーバーした分も含めてですね、それを今回発動することができたわけでございまして、そういう意味におきましては、将来受け取る世代の皆さんにとりましてもより均衡が取られたものになっているのでどうか御安心をいただきたいと、こう思っておりますし、かつ、マクロ経済スライドにつきましても、これはもう川合先生よく御存じのように、かつて〇・九であったものが今度は〇・二に縮小したわけでございます。 マクロ経済スライドは、平均寿命とそして被保険者の増減を入れたものでございますが、平均寿命が延びていけばこの〇・九が更に伸びていくわけでございますが、寿命は延びておりますが、しかし、生産年齢人口は減ったんですが、三百八十万人の方々が働き始めて保険料を払っていただいた結果、保険料収入が増えたことによって〇・九から〇・二になりましたので、今回は、物価あるいは所得が〇・六伸びたことについて、それについてこのマクロ経済スライドは〇・二引き、そしてさらに今までのキャリーオーバー分が〇・三ありましたから、〇・五引いてもプラス〇・一になったと、こういうことでございますから、将来世代の皆さんの均衡も得つつ、かつプラスとなったということではないかと、このように考えております。
○川合孝典君 私、年金制度自体が危ないということを別に言っているわけではなくて、水準の問題を今指摘させていただいているわけであります。 所得代替率の問題がどうなるのかということ、そのことも含めて、金額が増えるか減るかということ以前の問題として、その年金の価値が、購買力の観点から年金の価値が果たして維持されるのか、老後生活を支えるだけのものになるのかということを、このことを議論しなければいけないですよということを御指摘させていただいているわけであります。 済みません、最後、ちょっと時間がもうなくなりましたので、一点だけ、児童虐待の関係のことについて総理の御見解だけちょっと一点だけお伺いしたいと思います。 昨今、非常に深刻な虐待事例が起こってきております。昔に比べても最近の方が非常に虐待死等の問題が増えております。この原因は一体何だと総理は分析していらっしゃるでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 保護者が子供を虐待する背景には、社会的に孤立し援助者がいないこと、また、予期せぬ妊娠により生まれたなど親にとって意に沿わない子であることなど、様々な要因が複合的に絡み合っているものと承知をしています。したがって、児童虐待防止対策において、子育ての孤立化への対応など、地域における子育て支援と虐待の発生予防の強化、児童虐待の早期発見と迅速的確な対応など、一連の過程において関係機関が連携し、切れ目のない支援を提供していくことが必要であろうと、こう考えております。 川合委員からは、ではなぜ今増えているのかという御質問でございますが、この背景には、社会的な背景としてはこういう背景があるわけでございますが、近年の急増においては、例えばそれが顕在化した、言わば通報等々によって、法改正によって通報等々によって顕在化しているという側面もあるんだろうと思います。 いずれにいたしましても、しっかりと分析しながら対応していくことが大切だろうと、こう考えております。
○川合孝典君 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、私はこの問題の背景には核家族化があると思っております。二世代、三世代で生活していた時代のように、おじいちゃん、おばあちゃんや近所の人が見守りや抑止力として働かなくなっている。そうした問題も含めて、今後は、核家族化の状況、今の社会情勢の中で国がその代替機能をどう果たしていくのかということが問われると思っておりますので、これからもこの問題について議論させていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。 まず、総理に児童福祉司等専門人材の確保、専門性向上についてお伺いをさせていただきます。 六月五日の参議院本会議におきまして、安倍総理から、地方公務員である児童福祉司等の専門人材の確保、専門性を図るため、地方公共団体において、必要な経験を積むための人事ローテーションへの配慮等をしていただくことは重要だと、今後、地方団体とも十分に協議すると、従来よりも踏み込んだ答弁をしていただきました。ありがとうございました。 しかし、また痛ましい事件が札幌市で起きました。通報三回もありました、母親は特定妊婦と認定されていました、連絡も長期間取れていなかった。どの情報も虐待リスクが高いと、にもかかわらず札幌市の児童相談所はリスクがあると認識しなかった。これは明らかに児童相談所の判断の問題です。子供を守る最後のとりでという使命感に関わる問題です。 現在、児童虐待事案が急増しておりまして、人手が追い付いていないために児相の職員が疲弊している状況にありまして、増員することは待ったなしなんですが、私は、このままの形で人員や予算を拡大しても、また同じことが起きるんじゃないかと思っております。本法律案が成立した後に地方公共団体と様々たくさん協議しなくちゃいけないことがありますが、総理、是非ともこの問題を最重要課題として位置付けて議論をスタートしていただきたい、政府を挙げて取り組んでいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 児童福祉司等の専門人材の確保、そして専門性の向上を図るため、地方公共団体において必要な経験を積むための人事ローテーションへの配慮等をいただくことは重要と考えております。 今後、本法案の施行等に当たり、地方団体と協議する場を設定する予定でありまして、当該協議の場において、児童福祉司等の専門人材の確保、専門性向上を図るため、人事ローテーションへの配慮等について、最重要課題の一つとしてしっかりと協議をしていく考えでございます。
○山本香苗君 地方公務員だから地方任せにするということなく、是非議論をしていただきたいと思っております。 また、長く経験を積めるような人事ローテーションだけではなくて、その経験が、またそういう経験を持っている職員が評価されるような仕組み、例えば十年勤務していたらインセンティブが与えられてきちんと定着できるような、そういう制度設計も是非重ねてお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 こうした地方との協議がスタートしたとしても、人材育成には時間が掛かります。すぐ実現できるわけではありません。即効性のある対策、今すぐ役立つような施策も必要でございます。 参考人質疑の中で、大阪府の児童相談所では、ベテランの方のスーパーバイズできる方と経験の浅い職員の方が一緒に家庭訪問して、一緒にリスクアセスメントをして、そしてその後どうだったかということを振り返っていくという作業をすることによって力を付けているというようなことを伺いましたけれども、そもそもスーパーバイザー自体が圧倒的に少ないんです。そのために、都道府県によっては、職員が判断に迷うような場合に現場経験豊富な外部の有識者等の方からアドバイスを受けるような仕組みをつくっているところがございます。 そこで、根本大臣にお願いしたいわけでありますが、児童相談所において、外部有識者や経験豊富な他の児童相談所職員などをアドバイザーとして招いてアドバイスが受けられるような仕組みを国でつくっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 各児童相談所での経験を共有し、職員の専門性向上を図ることは重要です。このような観点からも、対応が困難なケースに対応できる体制づくりや職員の資質向上策などについて、今御提案がありましたが、経験豊富なアドバイザーから児童相談所に対して提案いただくような仕組みづくり、これが必要だと考えています。 これまでも、子どもの虹情報研修センターにおいて虐待対応の有識者が児童相談所からの相談に応ずる事業を実施しております。また、これに加えて、今年度から、全国レベルの研修講師など、虐待対応等について経験、知見を有する医師、弁護士、児童相談所の職員などをアドバイザーとしてモデル的に派遣する取組を進め、アドバイザーとなり得る方を対象に、国が主催するブロック単位の研修を開催していくこととしております。 このような取組を進めていく中で、派遣できるアドバイザーをリスト化し、地方公共団体の希望に応じて派遣できる仕組みをつくっていきたいと思います。
○山本香苗君 ありがとうございます。 法律を改正しただけで虐待は防げません。虐待が増えている背景には、先ほど総理もおっしゃいましたけど、孤立した子育てがあります。こうしたところに対応していくためには社会全体で見守っていくことが極めて重要であって、これは行政だけではできません。ですので、この間の本会議でも、地域における様々な民間の取組の多くと是非とも連携すべきだということを申し上げました。 ここでもう一つ根本大臣にお願いしたいわけなんですけれども、こういう行政と民間の連携のみならず、民間同士の連携も促していくことも重要でありますので、官民連携、協働を進める前提として、困難な家庭を含め子育て世帯を支援する全国の様々な取組等を見える化して、そして全国的なネットワークをつくるような、そういうような仕組みを是非つくっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 地域において子育てを支援するネットワークを官民共同で構築して地域全体の支援力を向上させること、極めて重要であると認識しています。委員のおっしゃるとおりだと思います。 このため、そうしたネットワークの構築に資するように、地域において様々な子育て支援活動を行っているNPO等の団体の情報を全国的に共有し、行政と民間団体、また民間団体同士が連携していけるような基盤を整備していくことについて、委員のただいまの御提案を踏まえ、関係府省と連携し、検討していきたいと思います。
○山本香苗君 終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 今日は、児童虐待防止対策の強化を図るための法案の総理質疑ということですから、年金の問題も大変大事でありますけれども、これまでの児童虐待に遭って亡くなってきた子供たち、そしてまた、今本当に児童虐待に遭って、目の前の子供をどうやって救うのかということを是非質問をさせていただきたいというふうに思います。 二〇一八年三月の東京目黒区であった船戸結愛さん、そしてまた、今年の一月、千葉県野田市で起こった栗原心愛さん、そしてまた札幌市の事件、こういった児童虐待に遭って子供が亡くなるという事件を聞くたびに、これほどつらいというか悲しいものはないなというふうに思います。だからこそ、一人でも児童虐待で亡くなる子供の命を救っていかなければならないというふうに思うわけであります。 政府の方で、これまで、千葉県野田市の事案を受けて、二月に児童相談所において在宅指導をしている虐待ケースの緊急安全確認、これやっていただきました。これ意義があったと思います。百五十人の一時保護をしたということ、そして十五人の所在不明、まだどうなっているか分からないという、報告がないケースもまだありますけれども、早くこれ点検しなくてはいけないというふうに思うわけであります。 十五人の所在不明ですよね。問題は、十五人の所在不明をどうやって救うのか。どこにいるのか分からない、その子供たちをどうやって救うのかということ、すごく大事だと思います。ただ、やはり、住民票が移されるのを待つ、待っていたのではその子の命が危ないということがあるわけであります。だからこそ、今日も質問をさせていただいております。 やっぱり親というのは、大概今、携帯電話を持っているわけです。携帯電話で位置情報というのが分かるわけでありますから、やはりそういったものも使って、子供が今どこにいるのか、そして子供の安全がどうなのかというのをやっぱりいち早く確認するということは非常に大事だというふうに思っておりまして、警察と協力するとか、何かやっぱり方法を考えて、一人でも虐待で亡くなる子供の命を救っていくということはまず大事だというふうに思うわけであります。 是非、この件について安倍総理の方から、こういったことについて、子供の安全確認、携帯電話の位置情報とかそういったものを使って子供の安全確認をしていくということについて是非前向きに検討いただきたいと思いますので、是非御答弁をしていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 何としても子供の命を守らなければいけない、その中で今、東委員からも、位置情報も含めてそれを把握する手段というのを考えるべきではないかという趣旨で御質問いただいたと、このように思っております。 GPSなどの活用については個人情報保護の課題などもあると考えられますが、転居などの際に速やかかつ効果的にケースの移管が行われることが重要と考えておりまして、具体的な手法などについては所管省庁においてよく研究をさせたいと思います。
○東徹君 個人情報保護の観点があるということでありますけれども、もちろん個人情報保護の観点も大事でありますが、子供の命の方がもっと大事だというふうに思っております。是非、これについては是非前向きに御検討していっていただいて、そして一人でも子供の命を救っていただきたいというふうに思います。 もう最後の質問になるかも分かりませんが、我が国では虐待によって死亡する児童というのが年間大体七十人程度いるというふうに言われております。今年に入ってからも、野田市や札幌市の事件のように、適切に対応しておけば救えたかもしれない命が失われていっているわけです。 このような悲しい事件をなくすためにも、安倍総理はこれまで、新三本の矢、アベノミクス新三本の矢で介護離職ゼロというのをうたわれましたけれども、私は、今こそ児童虐待死亡ゼロというのをしっかりと安倍総理が宣言することが、私はこれからの児童虐待防止にもつながっていくというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本来であれば守ってくれる親に虐待され、殺されることほど悲しいことはないんだろうと思います。子供たちの命を守るのは、私たち大人全員の責任であります。痛ましい虐待事案が二度と繰り返されないよう、何よりも子供の命を守ることを最優先に、これまでの累次の対策やこの法案に盛り込まれた施策を徹底し、児童虐待の根絶に向けて、すなわち児童虐待死亡ゼロを目指して総力を挙げてまいります。
○東徹君 時間になりましたので、是非とも死亡虐待ゼロに向けて全力で取り組んで、我々もしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 法案の質疑に入る前に、一言だけ私からも申し上げたいと思う。 年金問題は政争の具にしてはならないと総理おっしゃった。しかし、この年金問題で不安を国民の間に拡大した責任は一体どこにあるのかと。政府の責任は私、明らかだと思うんですよ。その上で、これを政争の具ではなくて、本当に国民の前で政治の問題として堂々と議論すべきなんですよ。その国民の不安を解消するためにも、会期残っているんですから、しっかり正面から議論をする、それは与党も野党も政府も挙げて国民の不安に応えるべきだということを強く申し上げて、質問に入ります。 児童虐待の通告、笑わぬと聞いておいてくださいね、通告、相談件数が今増加し続けているという中で、二十四時間三百六十五日の対応に追われる児童相談所というのは本当に疲弊していると議論でも取り上げました。 総理に、児童相談所が現在本当に疲弊しているんだと、そういう認識はおありでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、全国の児童相談所長を緊急に招集して行った会議においては、現場の声として、虐待相談対応の増加等により疲弊している実態も認識してほしいなどの御意見をいただいたということは承知をしております。 そのため、政府としては、現在三千名の児童福祉司について今年度一気に千名増員し、二〇二二年度には五千名体制とするなど、児童相談所の体制を抜本的に強化することに加えて、児童心理司も二〇二二年度に八百名増加、保健師についても全児童相談所に配置をし、さらに、警察との連携も大幅に強化することなどにより、相談体制の整備を進めていきます。 何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、やれることは全てやるという強い決意で児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。
○倉林明子君 虐待で子供が命を落とす、こんなことあってはならないという思いは本当に国民共有しているものだと思います。しかし、現場が本当に混乱しているという中で、四十八時間ルールの徹底だ、さらには緊急点検だと、本当に現場を更に混乱させる、過重な負担につながるようなことになっていないかということを私は強く指摘したいと思うんですね。 必要なことは、おっしゃったように、現場の負担の軽減につながるためにも増員していくと、前倒しでやるということで取り組んでおられることの御説明も受けてまいりました。これ、本当に現場に必要な、確実に人手が届くようにしていくということが求められているわけですね。 この新プランに基づく児童相談所の前倒しの増員、これ職員削減率を用いた交付金算定を見直すということになっている。しかし、市町村の子ども家庭相談、虐待相談担当する職員についても、私、交付金削減の対象からせめて外すべきだと言ったんだけれども、総務大臣からは明確な答弁ありませんでした。私、政治決断して、こういうところで頑張っている自治体に削減率同じように掛けると、これやめた方がいいと思う。 総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この新プランに基づきまして児童虐待防止対策の強化を図るため、児童相談所や市町村の子どもの家庭総合支援拠点を担当する職員に係る地方交付税措置を今年度から拡充します。これに併せて、職員数削減率を用いて行政改革の取組を反映するという地方交付税の算定の在り方についても、新プランに基づく児童相談所や市町村の体制強化に支障が生じないように、来年度以降見直しを行う予定です。具体的な算定方法については、地方の意見も踏まえて今後検討してまいります。
○倉林明子君 中核市がやっぱり踏み込めなかったというのは、人も確保できないし、お金の担保もないということだったわけですから、本当に前向きに、人が確保できるように、財源面でもこの交付税の問題は避けて通れないことですので、前に進めていただきたいと思います。 交付税の基準財政需要額に算定したという話、これ議論もさせていただいたんだけれど、全体として交付税総額が増えるということになっていないわけですね。自治体には、行政改革で定員の純増に踏み出せない、こういうジレンマもあるわけです。総理に是非、今その部分で踏み込むというお話もあったんだけど、予算と定員で自治体の足を縛るなと申し上げたい。 時間ですので。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大切なところなので。 大分、倉林先生に疑われているわけでございますが、明確に答弁させていただきたいと思いますが、政府としては児童虐待防止に向けて抜本的な体制強化を図っているところでありますが、新プランに基づく体制整備に支障が生じないように、地方交付税の算定についても来年度以降見直しを行わせることといたします。
○倉林明子君 終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 総理とは、予算委員会でこの六年間、何度もこの虐待につきましては議論をさせていただきました。 そこで、先ほどから同僚議員からもその原因は何かという問いがございます。これ、総理に私どもがやっぱりなぜこの原因というものを求めているのかということは、今までこの虐待、虐待死につきまして、個別の事例だろうと、個人が悪いんだろうというような考え方で対策を打っていたんではないか、社会的に問題を抱えているんであれば、やはりしっかり分析した上で、それも併せて対策を打つべきだよねという意見だと私は思っております。 総理はどのようにお考えになられますか。お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 保護者が子供を虐待する背景には、社会的に孤立し援助者がいないこと、予期せぬ妊娠により生まれたなど親にとって意に沿わない子であることなど、様々な要因が複合的に絡み合っているものと承知をしております。 したがって、児童虐待防止対策においては、子育ての孤立化への対応など、地域における子育て支援と虐待の発生予防の強化が大切であろうと、こう思います。先ほど川合委員からも、核家族化、あるいは、地域における、地域全体のきずなが薄くなったこともあるのではないかと、私もそうなんだろうと、こう思っています。そういう意味におきましても、地域における子育て支援と虐待の発生予防の強化が大切だろうと思います。また、児童虐待の早期発見と迅速的確な対応など、一連の過程において関係機関が連携し、切れ目のない支援を提供していくことが必要であります。 このため、子育て世代包括支援センターの整備や乳児のいる全家庭への訪問などに加えて、さらに、これまで三千名体制の児童福祉司を今年度一気に千名増員し、二〇二二年度には五千名体制とすることや、全市町村への身近な相談拠点の設置を進めることとし、必要な予算等の手当てを行ったところであります。 また、与野党間の協議の結果も踏まえて、本改正法案においては、体罰禁止の法定化や、ちゅうちょなく一時保護に踏み切れるよう、一時保護等を行う介入の担当者と保護者支援の担当者の分離、DV対策との連携強化やアドボケート制度の検討など、虐待防止のために実効性のある対策を盛り込んでいるところでありまして、何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手を尽くして子供の命を守り抜いていきたいと、このように考えております。
○薬師寺みちよ君 それがみんなの願いでもございます。 そこで、児童虐待防止対策に関する関係閣僚会議を開いてくださいました。あれもっと省庁横断的に、私は大胆に動いていただきたいと思っております。例えば、先ほどから何度も出ております四十八時間ルール、通報があって、四十八時間以内に安全確認をしなければならない。しかし、本当に今人がいない、こういう課題にどう立ち向かっていくのか、私は是非そういう場で提案をいただきたいと思うんです、ほかの省庁さんからも。 警察OBの皆様方の力も借りることはできないのかな、安全確認にという提案もさせていただけないでしょうか。例えば警察OBの皆様方は、交番相談員として各交番に勤務していらっしゃいます。今、空き交番多いですよね。そういうところでOBの皆様方はもっともっと、警察だけではなく公務員のOBの皆様方も活躍できる場というものがもしかしたらこの安全確認にも求められるのかもしれないと私は考えているんです。 総理、今、是非こういうことに御協力いただきまして、厚労省だけが責任を持つんではなく、ほかの省庁からも斬新なアイデアをもらって子供たちの安全を確保する、そこを確約いただきたいんですけれども、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員御指摘の四十八時間ルールの徹底など、子供の安全確認を確実に行うとともに、安全確保や必要な支援を的確に行っていくため、児童相談所の体制強化と併せて警察OBの活用等、警察と児童相談所との連携強化は重要であります。 そのため、児童相談所への警察OBの常勤的な配置や、警察職員の出向等の推進のための必要な財政支援の拡充などの対策を実施しているところでありまして、こうした取組を通じて子供の安全を確保してまいります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 最後に大臣にお伺いします。 明石市に西日本こども研修センターができまして、横浜とこれで子ども虹情報研修センターは二つになりましたけれども、私は、最低限でもブロックに一つずつ、そして、それがデータセンターとして機能するということが必要かと思いますけれども、御意見いただけませんでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(根本匠君) 児童虐待に対応する機関の指導的立場にある職員等に対する研修、これまで子どもの虹情報研修センターが実施してまいりました。国としても支援を行ってまいりました。 専門人材の更なる増加や専門性の向上に取り組んでいくため、今年度予算において、これまで全国一か所としていた研修センター事業を拡充し、西日本地域を拠点とした研修センターを創設することにしました。公募の上でこの研修センター事業は明石市で実施されることとなって、今年度より、スーパーバイザー研修や市町村の子ども家庭総合支援拠点の指導者に対する研修などを行う予定であります。 今、データセンターの整備という委員からの御提案がありました。これは、まず必要な情報を集約する仕組みの構築が必要だと思います。今年度予算においては、同一の都道府県内での児童相談所と市町村の情報の集約や共有を可能とするシステム構築を支援するため、必要な予算を計上しております。さらに、こうしたシステムを活用して都道府県間で情報共有を行うことも検討すべき課題と考えています。 また、委員が御指摘のブロックごとに研修拠点を置く、これについては、今後、研修の実施状況や実施先の確保の可能性なども見ながら検討していくべき課題だと考えております。 また、情報共有システム、これについては、子どもの虹情報研修センターや西日本こども研修センターあかしといった研修拠点を活用することによって、より効率的な取組につながるかといった点を含め、システムの構築の検討を進めていきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(石田昌宏君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(石田昌宏君) 速記を起こしてください。 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石田昌宏君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、川合君から発言を求められておりますので、これを許します。川合孝典君。
○川合孝典君 私は、ただいま可決されました児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、深刻な児童虐待事件が後を絶たない事態に鑑み、児童虐待の根絶に向けて、本法及び関係閣僚会議等において定めた対応策を着実に実施するとともに、子どもの命を守ることを何よりも第一に据え、国・地方自治体・関係機関が一体となって児童虐待防止対策の更なる強化を図るため、必要な取組を率先して進めること。 二、体罰によらない子育てを推進するに当たり、子どもの権利条約を参考に具体例を示したガイドライン等を早期に作成するとともに、体罰が子どもに与える影響について広く国民が理解できるよう啓発に努めること。その際、子どもに体罰をしてしまった保護者を追い込むのではなく、その行為の非を自ら認知し、再発の防止が確保されるよう、可能な限り早期に適切な子育ての方法や相談窓口について周知し、支援すること。また、本法施行後二年を目途として検討される民法の懲戒権の在り方については、子どもの権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ、規定の削除を含め、早急に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。 三、虐待リスクの高い子どもを早期に発見し、支援につなげられるよう、乳幼児健診及び就学時健診未受診者、未就園、不就学等の子どもに関する安全確認を実施すること。あわせて、乳幼児健診、就学時健診、学校健診及び保育園健診の充実を検討するとともに、乳幼児・子どもの健診等の機会を活用して保護者、とりわけ母親に対する相談・支援の拡充について検討し、必要な施策を講ずること。さらに、虐待の未然防止を図るため、支援を必要とする保護者、特に妊産婦への産前・産後の支援を強化すること。 四、医師、歯科医師その他の医療従事者から児童虐待に関する通告又は児童相談所の対応に対して意見等があった場合には、その医学的知見に基づく意見等が十分に勘案されるようにすること。また、地域の医師会等と協力して研修等を実施するなど、医師等の児童虐待対応の向上に努めること。さらに、児童虐待の発見のため必要な知識・技術を十分に有する医師、歯科医師、保健師、助産師及び看護師の確保、養成に努めること。 五、子どもの適切な保護の実施及び一時保護等の解除の判定に当たっては、医療とのより密接な連携の強化が必要であることから、協同面接と医学的判断とを連携させたアセスメントの取組を参考とするなど、具体的な方策を検討し、必要な措置を講ずること。 六、子ども自身が教職員等に適切に相談することができるよう、学校教育の場において児童虐待に対する正しい知識を提供できる取組を推進すること。また、学校、教育委員会の教職員等に対し、子どもの権利条約の周知も含めて必要な研修を実施するなど、教育現場における児童虐待対応の向上に努めること。 七、児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づく児童福祉司等の増員を確実に進めるとともに、その資質の向上が図られるよう、中長期的な研修の実施を含め、人材確保のため必要な措置を講ずること。また、児童福祉司一人当たりの相談対応件数が平均で四十件を超えないよう、更なる増員に向けた人材・財源確保に努めるとともに、非常勤職員の常勤化を含め、児童虐待に係る相談に応ずるための職員の処遇改善に努めること。 八、児童福祉司を始め、児童福祉を担う人材の専門性の向上に当たっては、地方自治体の職員が十分な経験を積み上げることが必要不可欠であることから、当該職員の人事異動等に際し、地方自治体に対し配慮を求めるなど、必要な措置を講ずること。また、児童相談所における介入機能と支援機能の分化に当たっては、一体的な対応が必要なケースもあることを踏まえつつ、各児童相談所の実情等に応じた柔軟な取組が行えるようにすること。 九、保護者を孤立させず、妊娠期からの切れ目のない支援を実施するため、市町村における相談支援体制の強化に向け、全市町村における子ども家庭総合支援拠点及び子育て世代包括支援センターの設置・運営や人材育成のため必要な支援の拡充を図るとともに、そのための財源の確保に努めること。 十、一時保護を必要とする子どもが一時保護中においても従前の学校に通学できるようにするなど、子どもの生活環境に配慮した一時保護所の環境改善に努めるとともに、一時保護の受皿の整備を早急に進めること。また、一時保護所が安心・安全な場となるよう、個別的な対応ができる職員体制の強化のため必要な支援の拡充を図るため、職員の配置基準の改善と地方交付税の単位費用算定基礎や措置費の充実について改善に向けた検討を進めること。 十一、要保護児童対策地域協議会の実効性を向上させ、関係機関が有機的に連携しながら活動できるよう、調整担当者の研修内容の充実や参画することが望ましい構成機関、効果的な運営方法に関するガイドラインの作成などにより必要な支援を講ずること。 十二、中核市及び特別区における児童相談所の設置を目指し、設置に係る必要かつ十分な支援を講ずるとともに、中核市及び特別区の理解が得られるよう努めること。また、不交付団体に対する支援について検討すること。 十三、学校の教職員、児童福祉施設の職員等子どもの福祉に職務上関係のある者の守秘義務については、職務に関して知り得た秘密の漏えいが深刻な事態を招きかねないことに鑑み、十分に徹底するとともに、関係機関間において必要な情報提供等を妨げることのないようにすること。 十四、児童虐待の対応に当たり、家庭が転居する際には、リスクが増加するため十分な注意を払いつつ、地方自治体間及び児童相談所間の引継ぎを徹底するとともに、児童相談所及び市区町村相互間の情報共有を効率的かつ効果的に行うことができるよう、全国統一ルールの作成を検討するほか、全都道府県において情報共有システムの構築を推進すること。あわせて、同一都道府県内だけでなく全国の都道府県間の情報共有システムの構築についても速やかに検討すること。 十五、児童相談所における援助方針会議の会議録には、事後に検証ができるよう、組織としての判断とその判断の理由を明確に記録するよう支援を行うこと。 十六、警察と児童相談所の合同研修の実施や、警察における虐待対応の専門部署の設置等を通じ、警察及び児童相談所双方の対応力の強化を図ること。また、児童相談所や警察等の関係機関間で要保護児童の情報を共有できる共通データベースシステムの整備について、必要な検討を進めること。 十七、虐待対応とDV対応の連携の実効性を確保するため、婦人相談員の配置促進や専門性確保、待遇改善など、必要となる体制整備等の措置を講ずること。そのために、また婦人相談所と一時保護所の環境改善に向け、職員の配置基準の改善と地方交付税の単位費用算定基礎や措置費の充実について改善に向けた検討を進めること。 十八、児童虐待の再発を防止するため、加害者、特に虐待を行ってしまった保護者への支援プログラムについて、既に支援を実施している民間団体等との協力・連携を進め、必要な専門人材の養成などの支援体制を充実させ、保護者の抱える複合的な問題に寄り添った継続的な支援を実施することを念頭に、個々の事情やニーズに応じた支援プログラムの開発及び実施を推進すること。 十九、一時保護等から家庭復帰した後の虐待の再発により、子どもが被害を受けることも少なくないことから、家庭復帰後の一定期間においては児童相談所による家庭訪問の実施等を通じて子どもから意見を聴取するなど、養育状況等を把握するとともに、切れ目なく保護者支援が実施されるよう、必要な措置を講ずること。 二十、児童虐待が再発した状況等に関する調査、分析等を行い、必要な対策を講ずること。 二十一、新しい社会的養育ビジョンを踏まえ、里親の開拓、研修及び養成のほか、フォスタリング機関の整備等の支援体制を拡充すること。 二十二、心理的困難や苦しみを抱えているなど、里親委託が難しい子どももいることから、心理的治療や相談援助を行う児童心理治療施設の整備が図られるよう、必要な支援を講ずること。 二十三、児童養護施設等の施設内における暴力、性暴力について、実態調査の結果等を踏まえ、子ども間に限らず、問題の発生を防止するための効果的な対策について早急に検討を行い、必要な措置を講ずること。また、被害に遭った子どもが、継続的に心身のケアを受けることができるために必要な措置を早急に講ずること。 二十四、子どもの死因に関する情報の収集、管理、活用等に関し、府省間での情報共有を含む体制整備の在り方について速やかに検討し、虐待の再発防止に資するよう必要な措置を講ずること。 二十五、子どもが意見を述べることを支援するための制度を構築し、子どもの最善の利益を確保するため、いわゆるアドボケイト制度の導入に向けた検討を早急に行うこと。 二十六、若い世代を始め、子育てに悩みを抱える者等が相談・支援につながりやすい仕組みづくりを進めるため、児童相談所全国共通ダイヤル一八九(いちはやく)について早急に無料化を実現するとともに、運用改善による通告者及び相談者等の利便性の向上に努めること。加えて、SNS等を活用した相談窓口の開設を進めるとともに、専門性を有する応対者の育成・確保に努めること。 二十七、日本で暮らした経験が限られるために、日本語や日本の社会通念等について意思疎通が難しい子ども・家族が一定程度存在していることから、そのような子ども・家族に対応する児童相談所等における対応の実態を調査し、適切な支援を行うこと。 二十八、過去の虐待により心の傷を負ったことで、社会生活を送る上での困難を抱えている成人に対する支援を充実させるよう、必要な検討を進めること。 二十九、児童虐待相談対応件数の急増に伴って児童相談所の業務量も大きく増加している中で、児童相談所の確実な業務遂行体制が確保されなくなる懸念が生じていることから、保健所、子ども家庭総合支援拠点、子育て世代包括支援センター等への将来の業務移管を含め、児童相談所の業務内容を必要に応じて検証すること。 三十、児童相談所の設置目的について、子どもの命を第一に掲げるという理念を宣言する内容に改正することの検討を行うこと。また、職員一人一人に児童相談所の設置目的とその理念が浸透するよう、必要な研修等を行うこと。 三十一、オレンジリボン運動を国民運動として強力に推進するため、企業・団体・個人のサポーター会員の募集やポスターコンクールとその配布の活性化など、政府として積極的に関わること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石田昌宏君) ただいま川合君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石田昌宏君) 多数と認めます。よって、川合君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、根本厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。根本厚生労働大臣。
○国務大臣(根本匠君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。
○委員長(石田昌宏君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十一分散会