北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2019/05/17
会議録
○山口委員長 これより会議を開きます。 北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。 この際、米国出張について政府から報告を聴取いたします。菅拉致問題担当大臣。
○菅国務大臣 拉致問題担当大臣の菅義偉でございます。 先週行った私の米国出張について御報告申し上げます。 今回の米国出張では、拉致問題の解決等に向けた日米両国の連携強化を図るべく、ワシントンDC及びニューヨークを訪問してまいりました。 ワシントンDCでは、ペンス副大統領、ポンペオ国務長官、シャナハン国防長官代行とそれぞれ会談をしてまいりました。これらの会談において、拉致問題の早期解決に向け、日米両国で引き続き緊密に連携をしていくことで改めて一致をいたしました。 ニューヨークでは、国連本部において、日本、米国、豪州及びEUの共催による拉致問題に関するシンポジウムに出席をいたしました。シンポジウムにおいては、日本の拉致被害者御家族を含めた当事者から生の声を国際社会に訴えていただくとともに、私から、基調講演において、御家族の痛切な思いに寄り添い、拉致問題の一刻も早い解決に向けて国際社会の理解と協力を呼びかけてまいりました。 拉致問題の解決のためには、米国を始めとする国際社会の理解と協力を得ることが不可欠であります。我が国としては、引き続き、米国を始めとする関係国と緊密に連携をしつつ、あらゆる外交上の機会を捉えて拉致問題を提起していく考えです。 同時に、我が国自身がこの問題に主体的に取り組むことが重要です。安倍総理自身、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意を述べております。御家族も御高齢となる中、一日も早い解決に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、果敢に行動してまいります。 山口委員長を始め、理事、委員の皆さんの御理解、御協力を心よりお願い申し上げます。
○山口委員長 以上で報告は終わりました。 —————————————
○山口委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官岡本宰君、警察庁長官官房審議官河野真君、外務省大臣官房参事官長岡寛介君、外務省大臣官房参事官田村政美君、海上保安庁次長一見勝之君及び環境省大臣官房審議官上田康治君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○山口委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。串田誠一君。
○串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。 まずは、菅拉致問題担当大臣におかれましては、アメリカへの出張、大変御苦労さまでございます。じかにアメリカに出向き、関係者と会って、そしてこの拉致問題を訴えるということは、アメリカのみならず、世界じゅうへ日本の意気込みを示すという意味では大変有意義ではないかと思います。 そこのところで質問に移らせていただきたいと思います。 こういったような形で、ずっと国民としても念願の全員帰国ということを願っているわけでございますが、時間がたつということもありまして、拉致被害者の家族の方々の年齢や健康状態というのを大変国民が心配しているところではないかと思います。そういったようなところの今の状況を説明していただければと思います。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。 拉致被害者御家族の個々人の年齢や健康状態につきましては、プライバシーにかかわる話でもございますので、詳細にお答えすることは差し控えたいと存じますけれども、北朝鮮に残されております拉致被害者の方々の帰国が実現しないまま、長い年月がたち、被害者の御家族の方々の多くも御高齢となられているところでございまして、体調を崩され、入院されたり手術を受けたりされている方もいらっしゃるところでございます。
○串田委員 国民の皆さんも大変その点についても心配しているのではないかと思いますので、とにかく早い解決というものを望んでいるわけでございます。 現状がどうであるのかというのは、やはり被害者の家族の方々というのも一番関心事だと思うんですが、なかなかその情報が伝わってこないというようなことも耳にすることがあるんですけれども、現在、政府が持っている情報が、拉致被害者の方々の家族に対して、どのような形で報告をされているのかということをお聞きしたいと思います。
○菅国務大臣 拉致被害者御家族が、北朝鮮にとらわれております肉親の状況や、肉親を取り戻すため、政府の取組状況について情報を強く求めている、このことは当然のことだろうというふうに思いますし、そうした事実も承知をしております。 政府としては、種々の機会を通じて、御家族の声を直接お伺いをするとともに、御家族の皆さんに対して各種情報をできる限り提供するよう努めているところであります。 総理自身も折に触れて御家族の皆さんと面会をし、お話を伺うとともに、政府の取組状況について御説明をさせていただいています。 例えば、本年二月の第二回米朝首脳会談、この前後にも総理は御家族と面会して、現状を説明する機会を持ちました。私も同席をしたところであります。 今後とも、委員のおっしゃるように、御家族の皆様方に寄り添いながら、きめ細かな対応に努めるとともに、一日も早い拉致被害者全員帰国に向けて取り組んでいきたいと思います。
○串田委員 質問を、遭難船というか漂着船についてお聞きをしたいと思います。 ことしの二月四日に、北朝鮮から、遭難船員帰国支援に対し、日本に謝意があったという報道がございました。 毎年多数の遭難船が漂着をしているということで、私も秋田県の男鹿半島に漂着船の視察に行ってきたわけでございますけれども、毎年百隻以上の船が北朝鮮から日本にたどり着いている。 場合によっては、乗組員がいる場合もあれば、誰もいない場合もあれば、あるいは遺体のまま漂着しているというようなこともあって、そして、これがそのまま放置されているというのが現状としてありまして、ひっくり返った船が何隻も沿岸にそのまま放置されているという状況で、魚をとったりしている漁民の方々も、見たくないものをずっと見なきゃいけないですし、また、男鹿半島の場合には近くに温泉も、そういうところがあるんですけれども、風光明媚なところで、海岸に行って日本海とかそういったものを見ようと思ったりすると、そこに漂着船がひっくり返ったまま置かれているというようなこともございまして、大変、私としても、これは何とかしなければいけないんじゃないかというふうに思っているんです。 一番問題なのは、この漂着船の撤去費用が、漂着をした地方自治体に任せているという説明をそのとき受けたんですね。非常に予算が潤沢なところであればすぐに撤去できるんですけれども、ちっちゃな市町村ですと、漂着船を撤去する費用というのがないということで、放置しておくしかないというようなことなんですね。 また、漂着船に乗り込んでいる乗組員には結核菌の保有者がいたということも報道されていますし、北朝鮮は炭疽菌を持っているという人もいっぱいいるわけで、そういう意味で、昨日、本会議において防衛問題を取り上げられたわけですけれども、こういったようなことで、菌を保有している乗組員が、容易にといいますか、一年で百隻以上漂着をしているというようなことなんですけれども、こういったようなことを放置しているような状況もあるんですが、国として、この漂着船について、どのように今後対応していくのかをお聞きしたいと思います。
○上田政府参考人 お答えいたします。 漂着した北朝鮮籍と見られる漂着木造船等が所有者不明のごみとして扱われる場合、海岸管理者である市町村や都道府県がその処理を行っております。 こうした漂着木造船等の処理に関し、関係自治体から財政支援の拡充の御要望があったことから、地方自治体が財政的不安を伴うことなく漂着木造船等を迅速かつ円滑に処理できるよう、平成二十九年十二月に海岸漂着物等地域対策推進事業による補助制度を拡充いたしました。 具体的には、補助率の引上げとともに、残りの地方負担分に対する特別交付税措置を拡充することにより、実質的に地方自治体の財政負担が生じないようにいたしました。 環境省といたしましては、本補助制度を活用いただくことにより、地方自治体による漂着木造船等の処理が迅速かつ円滑に進むよう支援してまいる所存でございます。
○串田委員 謝意があったということなんですけれども、こういったような費用は、乗組員が漂着をしますと、保護して、その後、飛行機で返還しているというような説明を受けたんですが、相当費用もかかるわけなんですね。 また、漂着船も、今話がありましたように、地方自治体に負担をさせないようにするということなんですが、これもまた、要するに国が負担するということになるわけで、いろいろな費用がかかるという意味では、謝意というだけではなくて、これらの費用を北朝鮮に要求するべきではないかと私は思うんですけれども、その点についての見解をお聞きしたいと思います。
○田村政府参考人 お答え申し上げます。 環境省から答弁したとおり、漂着した木造船等が所有者不明のごみとして扱われる場合、海岸管理者である市町村や道府県がその処理を行っており、その費用に関しては、環境省において、地方自治体による海岸漂着物の回収、処理等を補助する制度があると承知しております。 この補助制度では、北朝鮮からのものと思われる漂着木造船等を廃棄物として処理する場合は、実質的な地方自治体の財政負担を生じないように措置を講じているものと承知しております。 いずれにしましても、北朝鮮からのものと思われる漂着木造船等を廃棄物として処理する場合については、そのほかの国、地域に処理費用に関する支払いの請求を行っていないのと同様に、北朝鮮に対しても処理費用に関する支払いの請求は行っておりません。
○串田委員 毎年百隻以上の漂着船が、数的には何か余り減っていないというか、非常に多くの漂着船があるわけですが、これは船を見るとわかるんですけれども、船底が平らなんですね。普通の船は、ちょっと専門用語を調べてこなかったんですが、細長くなっているんですけれども、平らな船というのは、これは漁民の方、漁業の関係者に聞いたところ、非常に安定感がないんだと。なので、これはもう漂着するべくして漂着しているんだというような、そんな話もあるんですね。 そういう意味では、費用を負担させていないのはほかの国と一緒だというのはわかるんですけれども、一向にこの百隻というものが変わっていない。なおかつ、結核菌だとか炭疽菌を保有している乗組員がやってきていて、場合によっては把握されないまま上陸もしているという報道もありました。 そういう意味で、そういったような菌を保有している人たちがかなりの数でやってくる可能性もあるわけで、北朝鮮に対して、費用は請求しないまでも、漂着をしないような努力をするべく何らかの要請をしていたのかを確認したいと思います。
○田村政府参考人 お答え申し上げます。 一昨年及び昨年の北朝鮮からと思われる船舶等の漂着事案は従来よりも増加しており、関係省庁及び関係地方自治体による対応が行われてきたところ、外務省としましても、北朝鮮に対して、こうした事案の再発防止を求めてきているところでございます。 北朝鮮の対応についてお答え申し上げる立場にはございませんが、その上で申し上げれば、ことしの三月には、北朝鮮水産省が小型木造船を対象に遠洋漁業禁止の指示を出したとの報道も出ていると承知しております。 いずれにしましても、我が国としましては、引き続き北朝鮮の動向について重大な関心を持って情報収集、分析に努めていく考えであり、今後とも、関係省庁と緊密に連携しつつ、適切に対応してまいりたいと思っております。
○串田委員 日本の国民の健康を守る意味でも、あるいはいろいろ情報に関する漏えいという問題もありますので、しっかりと減らしていただかないといけないんじゃないかと思うんです。 一方で、謝意があったということなんですけれども、日本に対しての漂着をした乗組員は飛行機でちゃんと帰しているわけですよ。それに対して、日本の拉致被害者は一向に帰してくれないということで、乗組員を帰すに当たって、拉致被害者も帰してほしい、ちゃんと帰してくれという要望をしていいんじゃないかと思うんですが、漂着船の乗組員を帰すに当たっては、拉致問題に関してこういったような言及をしてこなかったんでしょうか。
○田村政府参考人 お答え申し上げます。 従来から、我が国は、我が国に漂着、漂流した北朝鮮からの遭難者について、関係省庁で緊密に連携し、適切に対応した上で北朝鮮側に引渡しを行ってきておりますが、事柄の性質上、これ以上の詳細についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにしましても、北朝鮮との間では、北京の大使館ルート等さまざまな手段を通じてやりとりを行っており、拉致問題の解決に向けてあらゆる努力を行ってきているところでございます。
○串田委員 いろいろ確認をすると、毎回そういう、これ以上はという話もありまして、無理に聞き出すこともできないわけですが、そういった意味で、善処していただいているんだということを信頼したいと思っています。 ちょっと質問がかわりますが、これまで日本はEUと共同して北朝鮮人権状況決議案を人権理事会に提出してきた。ところが、今回は見送ったということなんですが、この見送った決定の過程、どういう状況で行われたのかを説明をいただきたいと思います。
○長岡政府参考人 お答え申し上げます。 今委員御指摘の北朝鮮人権状況決議案につきましては、第二回の米朝首脳会談の結果あるいは拉致問題等を取り巻く諸情勢を総合的に検討した結果、今回、政府としては、この決議案を提出しないこととしました。しかしながら、その意思決定過程の具体的内容についてはお答えすることは差し控えたいと思います。 その上で申し上げれば、この決議案については、三月二十二日、第四十回人権理事会において無投票で採択をされております。この決議については、拉致問題及び全ての拉致被害者の即時帰国の重要性及び緊急性に留意し、また、日本人に関する全ての問題の解決、特に全ての拉致被害者の帰国が可能な限り早期に実現することを期待する、そういう旨が言及をされております。 いずれにしましても、今後とも、事態の推移を注視しながら、全力で対応してまいりたいと考えております。
○串田委員 見送るに当たって一番心配になるのは拉致被害者の御家族、関係者の方だと思うんですね。いろいろな理由があって見送ったんだとは思いますけれども、政府が少し弱腰になったんじゃないかというような誤解というか、そういったようなこともあり得るわけでございまして、この見送りに関しては、拉致被害者の家族の方々等に意見聴取あるいは説明の機会というものを設けたのでしょうか。その点を確認したいと思います。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。 今回、北朝鮮人権状況決議を提出しないこととした件につきましては拉致被害者御家族に対して丁寧に御説明しておりますけれども、御家族の反応などその詳細についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○串田委員 どんな対応であったのかというのは、ちょっと今、話はしていただけなかったわけですけれども、こういったようなことに関して、いろいろな戦術といいますか駆け引きがあるんだと思います。ですから、そういったようなことの詳細を私としても必ず明らかにしなければならないとは思わないわけですが、いずれにしても、拉致被害者の家族の方々が非常に失望するとかそういったようなことがないような、しっかりとした説明というものはしていただいているものと信頼したいと思うんです。 今まで共同で提出をしてきたということに対して、今回提出をしなかった。先ほど、菅担当大臣がアメリカまで行って、世界的にもいろいろな共感を得なければいけない、協力を得なければいけないという中で、EUと共同で提出してきたものを見送ったということに関して、EU側が誤解をするのではないかというようなことも考えられるんですが、見送ったことに関するEU側からの何か意見ということがありましたでしょうか。
○長岡政府参考人 お答え申し上げます。 北朝鮮に関しましては、EUを始め関係国等々、あらゆる機会を通じて緊密に意見交換を行っております。 ただし、個別の案件について、外交上のやりとりの詳細についてのお答えは差し控えたいと思います。
○串田委員 最後の質問をさせていただきたいと思うんですが、そういったような見送りということが、いろいろな駆け引きの中で行われているわけでございますが、一方で、北朝鮮に対する強硬姿勢の転換と捉えられないだろうかという心配もございます。この点について、政府の意識を確認したいと思います。
○長岡政府参考人 お答え申し上げます。 北朝鮮人権状況決議を提出しなかった理由につきましては、先ほど御答弁しましたように、諸情勢を総合的に検討した結果でございますが、いずれにしましても、我が国としては、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指すという考えを一貫して持っており、その方針には変わりはございません。 北朝鮮には、豊富な資源があり、勤勉な労働力がある、北朝鮮が正しい道を歩むのであれば明るい未来を描くことができる、そうしたメッセージも伝えておりますが、我が国としては、相互不信の殻を破り、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題を解決するとの決意で、引き続き全力で取り組んでいく所存でございます。
○串田委員 拉致被害者の全員の早期帰国を願いまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○山口委員長 次に、山田美樹君。
○山田(美)委員 自由民主党の山田美樹と申します。 質問の機会をいただき、感謝を申し上げます。 菅拉致問題担当大臣におかれましては、御出張お疲れさまでございました。 今から十七年前、私は内閣官房の職員でした。小泉政権下で拉致問題が急展開したため、私は、直接の担当者ではありませんでしたが、何度か拉致被害者の御家族を御支援する機会をいただきました。 拉致被害者の一人、横田めぐみさんは、私が通っていた東京・大井町の私立小野学園幼稚園の先輩です。北朝鮮が一度目の調査を発表した二〇〇二年九月十七日、私は、当時、官房副長官でいらっしゃった安倍総理が横田めぐみさんの御両親と面会されている部屋の前で、不審な人が近づかないように見張り番をしていました。 交代で部屋に戻ったときに、NHKの臨時ニュースで、北朝鮮が、めぐみさんは病院の裏山で首をつって自殺したと発表したことを知りました。余りにむごい内容に、私は、部屋から出てきた横田さん御夫妻のお顔を見上げることができませんでした。ところが、滋さんも早紀江さんも、動じる御様子は全くなかったのです。 拉致被害者の蓮池さんと地村さん御夫妻が、北朝鮮に残してきたお子様方五人を連れて再び日本に帰ってきた二〇〇四年五月二十一日、羽田空港から御家族を乗せたリムジンバスが赤坂プリンスホテルの別館側の玄関に到着し、御家族がバスからおりてきたとき、私もその場でお迎えした一人でしたが、何十人もの報道のカメラが一斉にフラッシュをたいて、目の前が真っ白になりました。今から思えば、あのとき、生まれて初めて祖国の地を踏んだお子様方にフラッシュの光を浴びせるのではなく、例えば拍手でお迎えするとか、みんなで声を合わせてお帰りなさいと言ってお迎えすべきではなかったかという気がしております。 今、実は、私の手元に、私がかかわらせていただいた二〇〇四年五月二十一日の小泉総理訪朝の際の内閣官房の事務方のロジブックと、それから職員のリボン記章がございます。当時は、自分が将来再び拉致問題にかかわることになるとは想像もしていませんでしたが、五人の帰国の後にはいつか必ず続きがあるはずだと思って、捨てることができずに大切にとってあったものです。あれから十五年もたって、紙が黄ばんで、リボンも色あせました。 今回、菅担当大臣の訪米が決まったとき、国民の多くが、拉致問題が新たな局面を迎えたのではないかと期待を抱いたと思います。この十五年の紆余曲折を振り返り、そして、今回の訪米を終えられて、菅担当大臣は拉致問題の現在の局面をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか。そしてまた、解決に向けた御決意をお聞かせいただければと思います。
○菅国務大臣 今委員からお話をいただきました二〇〇二年、五人の拉致被害者が帰国して以来、一人の拉致被害者の帰国も実現しておらず、政府としては大変申しわけなく思っております。 ことし二月に第二回米朝首脳会談が行われ、トランプ大統領から金委員長に対し改めて拉致問題が提起され、そして、政府としては、引き続き米国を始めとする国際社会と緊密に連携をしながら、拉致問題解決に向けて全力で取り組んでいるところであります。 私自身、先週、拉致問題解決に向けた日米両国の連携を強化するため米国を訪問し、ペンス副大統領を始めとする米国政府要人との会談において、拉致問題の解決に向け、日米両国で引き続き緊密に連携していくことで改めて一致をいたしました。 また、国連本部においては、日本、米国、豪州及びEUの共催による拉致問題に関するシンポジウムに出席をし、御家族の痛切な思いに寄り添い、拉致問題の一刻も早い解決に向けて国際社会の理解と協力を呼びかけたところであります。 米国を始めとする国際社会との連携、その強化と同時に、我が国自身がこの問題に主体的に取り組むことが重要であり、これは当然のことであります。安倍総理自身、条件をつけずに金委員長に直接向き合う決意を述べております。まさに正念場であると思っております。 政府としては、最重要課題である拉致問題について、一日も早いその解決に向かって、総理を中心に、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組んでいきたいと思っています。
○山田(美)委員 ありがとうございます。強い御決意をお聞かせいただいたかと思います。 次に、最近、日本が北朝鮮との対話を模索し始めたことについて、国際社会はどのように受けとめているかということについてお伺いをいたします。 私は、三年ほど前に外務大臣政務官を務めておりましたときに、各国とのバイ会談では必ず日本をめぐるアジア情勢を取り上げて、とりわけ、尖閣問題、東シナ海、南シナ海、北方領土そして拉致問題について、日本政府の立場を説明し、相手国の理解を求めました。 十カ月の任期の間に国内外で百三十件余りの会談を行いましたが、拉致問題について先方から積極的に強い共感を示してくださったのは、私が経験した中では、国境警備兵が隣国に拉致されたという国の国防大臣お一人だけでした。 国連に加盟する百九十三カ国のうち八割以上の国が北朝鮮と国交があることを考えますと、仕方のない反応かもしれません。さまざまな外交上の思惑がある中で、諸外国に日本の拉致問題について心の底から共感いただくということの難しさを肌感覚で感じました。 ことし三月、日本は、過去十一年連続で提出してきた国連人権理事会での北朝鮮人権状況決議案の提出を見送りました。先ほど串田議員の御質問にもあったとおりです。 この提出見送りを受けて、国際社会は、日本が北朝鮮との対話を模索して対北朝鮮政策を方針転換したと受けとめているのではないかと思います。一昨年に国連でNPT、核兵器禁止条約が採択されましたときに日本が反対の立場をとったことについて、日本政府の真意が十分に理解されず、国内からも批判を受けた苦い経験を思い出します。 今般、菅担当大臣は、米国の政府要人と会談をされ、そしてシンポジウムにも御出席をされましたが、この方針転換について、米国や国際社会から理解は得られているとお感じになられたでしょうか。お伺いいたします。
○菅国務大臣 北朝鮮人権状況決議に関する対応というのは、第二回米朝首脳会談の結果と拉致問題等を取り巻く環境、そうした諸情勢を総合的に分析した結果であります。 いずれにしろ、我が国は、従来から一貫して、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイル、こうした諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算をして、北朝鮮との国交正常化を目指す、この考え方に全く変わりはありません。 北朝鮮との間では、従来から、北京の大使館ルート、さまざまな手段を通じてやりとりを行ってきておりますけれども、日本が北朝鮮との対話を模索して北朝鮮政策を方針転換をした、そうしたことは当たらないと思います。 その上で申し上げれば、我が国としては、核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題の解決に向け、米国を始めとする国際社会と緊密に連携をし、その上で、我が国が主体的に解決しようという方針で取り組んできております。 先般、私の訪米に際しても、米国の首脳との間で、そうしたことについては、全く疑問もなく日本の立場というものを理解をしていただきました。
○山田(美)委員 ありがとうございます。 今のお話の中にもございましたけれども、今月、安倍総理が、拉致問題の解決に向けて、前提条件をつけずに日朝首脳会談を模索するということを表明されました。 拉致問題の進展を条件とするという従来の方針の変更ではないかとも受け取れますけれども、これまで、日本政府は、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイル問題の包括的な解決を目指すこと、拉致問題の解決なくして国交正常化はないということを大原則にしていましたが、この原則に変更はないとの理解を改めて確認をさせていただければと思います。 また、菅担当大臣の今回の訪米で、米国政府は、このような日本政府の原則に変更がないということを十分に理解をしていただいた上で、拉致問題についての日本の取組をしっかりと支持をしていただいて、そして解決に向けて全面的に協力するという立場であったか、そういう理解でよろしいでしょうか。大臣の見解を伺います。
○菅国務大臣 安倍総理は、北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を打ち破り、次は自分自身が金委員長と直接向き合うとの決意を従来から述べてきております。 そういう中で、我が国として、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算をし、国交正常化を目指す考え、この方針には全く変わりありません。 米国との間では、先般の日米首脳同士の電話会談において、拉致、核、ミサイルの諸問題の解決に向けて今後も日米で緊密に連携をして、そして対応していくことで完全に一致をしたところであります。私自身の訪米の際にも、このことを確認をしてまいりました。
○山田(美)委員 ありがとうございます。しっかりと確認をさせていただきました。 ここまでは、国際社会の中で、あるいは米国を始め対外的なというところでお話を伺ってまいりましたけれども、最後の質問になりますが、今度は、国内への問題について、拉致被害者の全員帰国への国民の強い期待に対する政府の取組についてお伺いをいたします。 よくテレビのいろいろな討論番組などでも、この拉致問題がテーマになることが多かろうと思います。メディアに出てくる論者の方々の中には、拉致問題の解決について非常に悲観的な発言をなさる方もいらっしゃいますが、国民一人一人が、私たちは諦めないんだ、今の状況は認めないんだという強い気持ちを持ち続ける必要があろうかと思います。拉致被害者は必ず帰ってくるんだという機運を日本国民の中に醸成すること、そして、断固とした姿勢を国内外に、海外にも示していくということが、拉致解決に向けた交渉を進めていく上でも、非常に重要なかなめとなるところであるかと考えます。 今後の展開は見通せませんけれども、二〇〇二年の当時のことをさまざま、あのときどうだったかなということを思い出しますと、もしかすると、ある日突然光が見えてくるのではという期待も感じますし、もしもそういう日が来たらば、私たちは万全の態勢で帰国される方々をお迎えしたいなという思いもございます。 拉致被害者の方々お一人お一人に、同じふるさと、同じ思い出を共有する仲間がこの日本の中に大勢いらっしゃるはずです。私であれば、もしもめぐみさんが帰国をされたら、幼稚園のころ毎日歌った朝のお歌やお帰りの歌、お弁当を食べる前の感謝の言葉とか、毎日練習したはとぽっぽ体操や旗体操を思い出してほしい、幸せだった子供時代を思い出して、この四十年間のことは一日も早く忘れてほしいというふうに強く願います。 被害者の帰国を待ち焦がれる日本人一人一人の思いを途切れさせないために、対外交渉に全力を挙げていただくのと同時に、国民への広報啓発にも力を入れていただきたいのです。政府の取組についてお伺いします。
○菅国務大臣 極めて重要なことだという認識をいたしております。 拉致問題の解決のためには、やはり国民が心を一つにして、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現へ強い意思を示していくこと、このことが重要だと思っています。そういう中で、啓発活動にも力を入れているところであります。 特に、これまで拉致問題について触れる機会の少なかった若い世代の方々への啓発が重要な課題であると思っています。中高生を対象とした作文コンクールだとか、あるいは教員等を対象とした研修、こうしたものを実施してきております。さらに、今年度は、新規施策として、教員を目指す大学生を対象に、授業の実践事例を積み重ねていく事業を実施をいたしております。 また、全国で国民の集いというものを開催をしていただいております。その集会には拉致問題担当の私や副大臣、政務官が参加をし、そうした皆さんの声を全国に広めることができるように取り組んでいるところであります。 さらに、加えて、毎年十二月十日から十六日までの期間が法律で北朝鮮人権問題啓発週間と定められており、全国でさまざまな啓発イベント、これを開催をさせていただいています。 政府としては、今後とも、拉致問題に関する国内外世論の理解と支援を得ることができますように、いろいろなことを効果的に行う、そうしたことをしっかりと今以上に、広報啓発、しっかり取り組んでいきたいと思います。
○山田(美)委員 非常に強い御決意をお伺いさせていただき、ありがとうございました。 どうか、拉致問題、この被害者の方々の全員帰国、一日も早い帰国に向けて、全身全霊で、全力を挙げて努めていただきますよう心からお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○山口委員長 次に、竹内譲君。
○竹内委員 おはようございます。公明党の竹内でございます。よろしくお願いいたします。 私は公明党の拉致問題対策委員長を仰せつかっておるわけでございますが、実は、横田めぐみさんのお母様が京都市の御出身ということでございまして、かつて、京都市会議員をやっておったときから拉致問題にかかわっておりまして、応援してきた経緯がございまして、今、党の拉致問題の対策委員長を仰せつかっている、こういう経緯でございます。 そこで、きょうは、端的に、外務省の方にまず幾つかお聞きしたいと思います。 北朝鮮が五月四日、五月九日と複数の飛翔体を発射したわけでございますが、今回の五月四日の飛翔体につきましてはまだ分析中であると、その正体は。一方で、五月九日の飛翔体につきましては弾道ミサイルであるということで、これは日米一致しているわけでございます。 今回の北朝鮮のこれらの飛翔体の、また弾道ミサイルの発射の意図についてどのように考えていますか。
○鈴木(憲)大臣政務官 お答えを申し上げます。 北朝鮮の軍事動向については、我が国として、平素から重大な関心を持って情報収集、分析に努めているところでありますが、御指摘の発射事案に関する北朝鮮側の意図について、我が国としてお答えする立場にはなく、差し控えさせていただきたいというふうに思います。 その上であえて申し上げれば、北朝鮮内における体制への求心力を高めるためであるという指摘がある一方で、米国を揺さぶる狙いであるといった指摘もあるものというふうに承知をしております。
○竹内委員 そこで、五月九日の弾道ミサイルでございますが、これにつきましては、日本としては、関係国と緊密に協力しつつ、関連する安保理決議の履行を一層強化するなど、しかるべく対応するとはっきりと表明しているんですけれども、一方で、トランプ大統領の方は、我々は状況を注視し、よく見たいであるとか、関係は継続するとか、信頼の裏切りとは思わない、いつかはそう思うかもしれない、ただ、今ではないと述べるなど、この米国側の反応は微妙なものがあるというふうに思うんです。 この点につきましては日米で認識の違いがあるのかどうか。今後、米国政府は、この弾道ミサイル発射についてどのように対処していくと思うか。そしてまた、今後の安保理での対応はどうなると想定されるか。過去、短距離だという理由で安保理が特段の対応をとらなかったことはないというふうに伺っておるんですけれども、それらの点につきましてお答えをお願いいたします。
○鈴木(憲)大臣政務官 お答えを申し上げます。 今回のトランプ米国大統領の発言は、日米首脳同士の信頼関係にかかわる、そしてまた米朝首脳同士の信頼関係にかかわるやりとりの中で行われたものであり、我が国として、その一つ一つに対してコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で申し上げれば、今般の北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射については、米国国防省も、弾道ミサイルの発射を行った旨発表しております。 弾道ミサイル発射が安保理決議違反であることは明確であり、この点において日米の認識は完全に一致をしております。 米国との間では、こうした立場について累次の機会に確認をしてきており、日米両国が引き続き安保理決議の完全な履行を進めていく考えであり、あらゆるレベルにおいて緊密に連携をしていきたいというふうに思います。 また、委員から御質問ありました、安保理での対応はどのようになるのかという点でありますが、安保理の対応については、安保理理事国がその時々の状況を総合的に勘案をして決定をされるものであり、今後の安保理の動向を予断することは困難でありますが、過去の事実関係について申し上げれば、北朝鮮が弾道ミサイルを発射するたびに安保理会合が開催されてきたわけでは必ずしもありません。 いずれにしても、我が国としては、朝鮮半島の非核化に向けて、引き続き、安保理決議を完全に履行すべく、米国や韓国と緊密に連携し、中国やロシアを始めとした国際社会とも協力をしてまいりたいというふうに思います。
○竹内委員 さらに、北朝鮮の内部事情についてもちょっと確認をしておきたいと思います。 さまざまな情報筋からは、北朝鮮の軍であるとか軍需産業関係者は、非核化に強く反対している勢力もあると。そしてまた、北朝鮮では今、数百万人に飢餓状態が迫っており、人口の約四割に当たる一千十万人程度が食料不足に直面しているというWFPの報告もあるわけであります。外務省はこのような認識をしっかりと共有をしていますか。
○田村政府参考人 お答え申し上げます。 我が国としましては、北朝鮮をめぐる動向について、重大な関心を持って平素から情報収集、分析に努めているところでございます。 事柄の性質上、その具体的な内容につきましてはお答えすることは差し控えますが、その上で申し上げれば、委員御指摘のとおり、北朝鮮の非核化に関しては、本年三月、北朝鮮高官が、軍需工業に関連する人民、軍部及び当局者が核計画を決して放棄しないよう何千もの請願書を送付した旨述べたものと承知しております。 また、五月三日には、国連世界食糧計画、WFP及び国連食糧農業機関、FAOが北朝鮮に係る共同報告書を発出し、深刻な食料不足が発生している旨指摘しているものと承知しております。 我が国としましては、引き続き、関連の動向について情報収集、分析を行っていきたいと考えております。
○竹内委員 そこで、次に、今回、四月下旬に安倍総理が米国を訪問されまして、トランプ大統領と会談もしっかりとなされ、またゴルフなどもされているわけであります。 その様子は各種メディアでも報道されているところでありますけれども、五月三日の産経新聞の報道によりますと、このときが初めてだったと思うんですけれども、総理が、相互不信の殻を打ち破るためには金委員長と直接向き合う以外にはない、ここまではこれまでどおりですが、ですから条件をつけずに金委員長と会い、率直に、また虚心坦懐に話し合ってみたいと考えていますというふうに述べられていまして、この条件をつけずにというところが、これまでと変化したところではないかなというふうに私もそのとき思ったんです。 この変化の理由は、本来は総理にお尋ねすべき質問ではあろうかと思うんですが、この辺につきましてどのように考えたらよいのか。また、この背景に、トランプ大統領から何らかの示唆や感触などがあったのかどうか。この点につきましてお答えいただければありがたいと思います。
○菅国務大臣 まず、私自身、訪米をし、ペンス副大統領及びポンペオ国務長官との会談で、私から、拉致問題の早期解決に向けて米国に協力を要請し、引き続き緊密に連携していく、このことを確認しました。そして、その上で私から、安倍総理の、条件をつけずに金委員長に直接向き合う、その決意をお伝えをいたしました。 内容について、先方との関係もあり、お答えを差し控えますけれども、ただ、いずれにしろ、副大統領、国務長官とのやりとりを通じて、日米首脳の間で拉致問題に関する取組が行われている、そうしたことを米国の閣僚も全て承知をして私と会談をしておられる、自身の問題でもあるという、非常にそうしたものを会談の雰囲気からは感じました。
○竹内委員 そうすると、トランプ大統領だけではなくて、米国政府として、そういう安倍総理の真意は十分伝わっているという感じでございますね。 そこで、現在、核、ミサイルの放棄についての交渉は、客観的に見れば極めて難渋しているというふうに思います。 これまでも、北朝鮮は、米国との関係に行き詰まると日本に接近してきた歴史がございます。二〇〇二年に当時の小泉総理の電撃訪朝が実現したのは、北朝鮮が、ブッシュ政権、お父様の方ですが、の米国と激しく対立していたときであると言われております。当時、北朝鮮は、米国による軍事攻撃への不安を募らせておりました。そういう意味で、拉致問題で日本に近づいて米国側と間接的に対話しようとしたというふうに解釈されているわけでございます。 現在、まさに再びアメリカとの交渉が行き詰まっている今回のようなときこそ、逆に拉致問題が動く可能性があるというふうに見てよいのか、その点につきましてお答えをいただきたいと思います。
○菅国務大臣 二〇〇二年九月の小泉総理による訪朝時の北朝鮮の意図について、政府の立場でお答えすることは控えさせていただきたいと思います。 その上で申し上げれば、本年二月の第二回米朝首脳会談において米朝は特段の合意に至らず、その後、北朝鮮側は、米国側に対して、年末までに新たな姿勢で米朝交渉に臨むよう求めている、こうしたことを承知をしております。 今後の米朝関係の推移や日朝関係への影響について予断を持って判断することは差し控えたいと思いますけれども、いずれにしろ、拉致問題の解決に向けては、我が国自身が主体的に取り組む、こうしたことが極めて重要だというふうに考えております。御家族も御高齢となる中、一日も早い解決に向けて、ありとあらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組んでいきたいと思っています。
○竹内委員 菅拉致問題担当大臣のニューヨーク・シンポジウムでの基調講演も拝読をいたしまして、まことに含蓄がありました。 日本は北朝鮮が有する潜在性を解き放つため助力を惜しみませんとか、それから、北朝鮮との相互不信の殻を破り、新たなスタートを切る考えですであるとか、それからまた、安倍総理も、条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意であると累次の機会に述べています、このように、北朝鮮に対する明確なメッセージを述べられているというふうにお見受けをしたわけであります。 他方で、北朝鮮が、拉致問題を解決しなくても対話が進むと解釈するリスクもはらんでいるのではないかなというふうにも思うわけでございますが、決してそのようになってはいけないわけでございまして、そのようにならないように、今後、北朝鮮との交渉をどのように進めていく方針か、お答えいただければありがたいです。
○菅国務大臣 まず、我が国の基本姿勢ですけれども、このことについてはシンポジウムにおける基調講演でも申し上げましたが、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算をし、北朝鮮との国交正常化を図っていく、これが方針でありまして、この方針に変わりありません。 また、シンポジウムにおいては、日本の拉致被害者の御家族を含めた当事者から生の声を国際社会に訴えていただきました。そして、拉致問題の一刻も早い解決に向けて国際社会の理解と協力を呼びかけました。 我が国として、引き続き、米国を始めとする関係国と緊密に連携し、あらゆる外交の機会を捉えて拉致問題を提起をしていきたいというふうに思います。 そして、同時に、先ほど来申し上げておりますけれども、我が国自身が主体的に取り組んでいくことが極めて重要だというふうに思います。 そういう中で、総理は、条件をつけずに金委員長と直接向き合う、その決意であります。御家族も御高齢となる中でありますので、一日も早い解決に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、政府を挙げて、総理を先頭に私ども取り組んでおります。
○竹内委員 わかりました。 しっかりと我々公明党も与党の一員として政府をバックアップしていきたいというふうに思っております。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○山口委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時十一分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。村上史好君。
○村上(史)委員 立憲民主党の村上史好でございます。どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。 また、菅大臣におかれましては、先般の訪米出張、本当に御苦労さまでございました。拉致問題解決に向けて御努力いただいておりますことに、まずは敬意を表したいと思います。 先般、五月六日でございますが、安倍総理の、いわゆる日朝首脳会談に向けては条件をつけないという発言がございまして、それ以来、安倍内閣の方針転換ではないのかという懸念あるいは危惧というものが広がっております。 私自身は、拉致問題を解決するためには方針が変わってもいいと思ってはおります。それは、あくまでも拉致問題を解決するためにということで方針を変えることは別に問題ではないと思いますけれども、ただ、まだ安倍総理御自身から公の場で、あるいは委員会の場でそういう説明がないものですから、どうしてもその危惧、懸念というものが払拭できない、そういう状況だと思います。きょうはその懸念や危惧について質問をさせていただきたいと思います。 菅拉致担当大臣は、今回の訪米の中で、国連の拉致シンポジウムで講演をなさいました。その中で、北朝鮮との関係に関する日本政府の方針は、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指す、この方針には変わりはない、このことは先ほどの答弁でも繰り返し言っておられますけれども、ここで言う包括的という意味は、各懸案に優先順位はないという解釈でよろしいでしょうか。
○菅国務大臣 我が国は、従来から、日朝平壌宣言に基づいて、核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題といった諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指す考えは変わりはない、これが基本的な方針であります。 ただ、包括的な解決の詳細というのは、やはり交渉に影響を及ぼすおそれもありますので、この場では控えさせていただきたいと思いますけれども、いずれにしろ、基本方針は、今申し上げましたように、日朝平壌宣言に基づいて、核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題といった諸懸案を包括的に解決をして、不幸な過去を清算して、北朝鮮との国交正常化を目指す、その基本方針は全く変わっておりません。
○村上(史)委員 我が党にとれば、従来の政府方針ではございますが、拉致問題をまず解決をする、そこからスタートするんだというのが基本的な立場だと私は理解をしているんですけれども、残念ながら、お答えとしては納得しがたい部分がございますけれども、とはいいながら、前に進めていかないといけないわけでございます。 特に、北朝鮮は我が国とは国交がない国でございます。国交がないもの同士がまず交渉しようとすれば、いわゆるどのルートを使って交渉を続けるのがいいのかどうか、これを見きわめるのが鍵だと思っております。 安倍総理は条件をつけずに金委員長と向き合うんだと言われておりますけれども、こういう下交渉というのは当然あると思うんですけれども、どういうルートで、また相手方はどういう窓口になるのか、その辺のことをお尋ねをしたいと思います。 ただ、北朝鮮は、先般、人事異動があったようで、今まで接触をしていた相手方がかわってしまったという経緯もあるようでございます。その点について外務大臣にお尋ねしたいと思います。
○河野国務大臣 今のところ、日朝首脳会談に向けて対外的に申し上げられるものはございません。 どういう事前交渉をやるかやらないか、あるいはどういうルートでやるか、それを含めいわば交渉の一部でございますので、今の時点で対外的にそうしたことを公に申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○村上(史)委員 外交交渉ですから、とりわけ北朝鮮ということで慎重になられるのもわかるんですけれども、一般的には南北の統一戦線部だとかよく言われていますが、そういうぐらいのことはお話しいただければなと思うんですが、どうでしょうか。
○河野国務大臣 大変機微な話でございますので、公の場で申し上げるのはお許しをいただきたいと思います。
○村上(史)委員 わかりました。もう何度質問しても同じ答えだと思いますので。 それでは次に、安倍総理は前提条件をつけずに金委員長と直接向き合うと再三発言をされております。政府の従来の前提条件は、拉致問題解決の進展がなければならないというはずだったと思うんですけれども、この拉致問題の解決を条件から外すということでよろしいんでしょうか。
○河野国務大臣 安倍総理が述べているとおり、我が国として、日朝平壌宣言に基づきまして、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化を目指すという考え方に何ら変わりはございません。 その上で、安倍総理は、北朝鮮の核、ミサイル、そして拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次はみずからが金正恩委員長と直接向き合うという決意を従来から述べてきたわけでございまして、この条件をつけずに会談実現を目指すという発言は、そのことをより明確な形で述べたものでございます。 拉致問題の解決に向けては、最終的には我が国自身が主体的に取り組む必要があるわけでございまして、御家族も御高齢となる中、一日も早い解決に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく行動してまいりたいというふうに思っております。
○村上(史)委員 ちょっとお答えにはなっていないと思うんですが、ただ、外交交渉には必ず優先順位というものがあるはずであります。やはり、拉致問題の解決がまず第一だという姿勢をぜひ堅持をしていただきたい、そのことを強く要望しておきたいと思います。 また、我が国の方が前提条件を外したとしても、相手方の北朝鮮が条件を突きつけてきたときにはどのように対応をされるのか、お尋ねします。
○河野国務大臣 当然、北朝鮮側もこの特別委員会を見ているわけでございますから、我が方の手のうちを明かすというようなことは差し控えさせていただきたいと思います。
○村上(史)委員 だったら、この無条件というのを外さないと意味がないんじゃないですかね、外交交渉とすれば。まず無条件だとおっしゃるから、こういう今の私のような質問も出てくるわけであります。 北朝鮮の立場は、もう拉致問題は解決済みだというのが基本的な立場になっているはずですけれども、我々としてはそんなことは認められない。それを条件として、まずそれを認めるのかということを突きつけられたときに我が国はどういう対応をするのか、そのことは十分国内で議論をしていかなければならない課題ではないかな、そのように思っております。 時間もございませんので、また違う機会で質問させていただきたいと思います。 ミサイルの問題でございます。 北朝鮮の強硬姿勢は、第二回の米朝首脳会談が物別れになったというところから、また先祖返りをするような行動に出ております。五月九日には、中距離弾道ミサイルという形で日米両政府は断定をされております。 これでは明らかに国連決議違反であることは紛れもない事実でありますけれども、こういう状況の中でも金委員長と直接向き合うのか、条件なしで向き合うのか、そのことをお尋ねしたいと思います。
○河野国務大臣 五月九日の北朝鮮のミサイルの発射によっても、今の立場は変わりはございません。
○村上(史)委員 先ほど来出ておりましたけれども、それを弱腰とかいう次元のことではなくて、原則論で言えば、やはりこれは違反しているということは明確に発信すべきではないのかなと思いますし、アメリカ政府はICBMじゃないから大丈夫なんだみたいなことを言っていますが、我々日本にとっては地勢的にそういう悠長なことは言っておられません。 今後、中距離弾道ミサイル、日本が射程に入るようなミサイルが発射されたとしても条件なしでやるんですか。
○河野国務大臣 仮定の質問へのお答えは差し控えます。
○村上(史)委員 想定はすべきだと思います。 それでは、次の質問に移りたいと思います。 昨年の六月二十九日、家族会などが主催をする全国集会がございました。私も出席をさせていただきましたけれども、そのときの決議に、日朝首脳会談に前のめりにならず、全拉致被害者の即時一括帰国が実現できると判断した後に首脳会談に臨むよう、安倍総理にそのことを求める決議を採択をされました。 拉致被害者の立場からすれば、金委員長と会うことが目的化しては困るよという強い意思だと思いますけれども、この家族会始め皆さんの声に対して、現状でどのようにお答えになりますか。
○菅国務大臣 政府としても、今御指摘をいただきましたけれども、その決議の趣旨と同様に、対話のための対話であってはならない、ここは政府としても明快であります。 その上で申し上げれば、我が国は、従来から、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算をして、北朝鮮との国交正常化を目指す、この方針でありますし、総理は、北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は自分自身が委員長と直接向き合うという総理の決意も従来から申し述べてきております。 日朝首脳会談については、決まっていることは何もないわけでありますけれども、その上で、政府としては、御家族の思いを胸に、全ての拉致被害者の帰国実現に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、果敢に行動していきたいということであります。
○村上(史)委員 会談の問題には直接お答えにはなっていないんですけれども、前のめりになる、会うことが目的化する、これは本当に気をつけないといけないことですし、我が国の国益、そして何よりも拉致被害者の救出に向けてこれが大きな足かせになってしまうようではだめだと思うんですね。 いわゆる六カ国の中で金委員長と会っていないのは安倍総理だけだ、何とかしなきゃならない、そういう類いの発想で条件をつけずに会うんだということは、一歩間違えれば外交的な大きな損失を招くおそれが強いと思います。そういう懸念、危惧があるということをぜひお含みをいただいて今後の交渉に当たっていただきたい、そのように思います。 それでは次に、総理は、対話と圧力、行動対行動、この原則を貫いてこられましたけれども、この日朝首脳会談が実現し、対話が実現すれば、この圧力は変えることになるのでしょうか。
○河野国務大臣 安保理決議は、核、ミサイルのCVIDを達成するまで、これは国際社会と足並みをそろえ、国際社会が一致して安保理決議の完全なる履行を目指すという政府の方針に何ら変わりはございません。
○村上(史)委員 安保理決議による対北朝鮮の制裁、全くそのとおりだと思いますが、私がちょっと思うのは、日本独自の制裁も科しております、この日本独自の制裁も変えない、圧力はそのまま維持をする、それでよろしいですね。
○河野国務大臣 何ら変わりはございません。
○村上(史)委員 拉致家族が帰ってくるというまで、ぜひそういう姿勢で貫いていただきたい、そのように思います。 それでは、時間も迫ってまいりました。最後の質問、菅大臣にお尋ねをしたいと思います。 昨年十月十二日、菅大臣が拉致問題担当大臣になられてすぐだと思いますけれども、家族会と面会をされました。このときに菅大臣は、日朝首脳会談は拉致問題の解決に資する会談でなければならない、その段取りをつくっていくのが私の役割だ、こういうふうに発言をされております。 まさにそのとおりだと思いますけれども、今般の、いわゆる前提条件なしで首脳会談を実現したいということで、事実、その会談が実現したときに、今大臣がおっしゃったように、発言されたように、会うときは拉致問題の解決に資するとおっしゃっているわけですから、解決への成果が期待できる、そのように思うんですけれども、明確なお答えをお願いします。
○菅国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、対話のための対話であってはならない、ここは明確であります。 そういう中で、我が国は、従来から、平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を解決し、不幸な過去を清算をして、国交正常化を目指す、こういう思いの中で私自身申し上げたのであります。 政府としては、一日も早い解決に向けて、総理を中心に、政府を挙げて全力で取り組んでいるところであります。
○村上(史)委員 まだまだお答えにくい部分だったかもしれませんけれども、少なくとも我々は、拉致被害者家族の方が待ち望まれる、被害者が一日も早く帰ってくるために、与野党を超えて、力を合わせて北朝鮮に向かい合っていく、そのことを強く訴えまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○山口委員長 次に、西村智奈美君。
○西村(智)委員 立憲民主党・無所属フォーラムの西村智奈美です。 私の地元は新潟市、横田めぐみさんが拉致されたところが選挙区でございます。御家族の皆さん、御友人の皆さん、本当に一日も早い御帰国を待っていらっしゃる、そのために資する時間を、二十分ですが、持たせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 まず最初に、菅官房長官と呼んだらよろしいのか、担当大臣と呼んだらよろしいのか、担当大臣ということできょうは要求しておりますので、担当大臣として質問させていただきます。 私、条件をつけずに総理が会うということについては異論はございません。ただ、それを言うべきタイミングが今だったのかということについて、それから、なぜ今こういった状況でそういった発言をされたのかということについては、やはり聞いておかなければいけないという考えです。 菅担当大臣は、先日、ニューヨークでしょうか、開催されたシンポジウムでこんなふうに述べておられます。安倍総理も条件をつけずに金正恩委員長と直接向き合う決意であると累次の機会に述べています。 私、これを聞いたときにあれっと思ったんです。安倍総理も、当然、菅担当大臣も、直接向き合う必要があるということについては、確かに国会の場面でも累次にわたって答弁をされておられたと記憶をしております。主には参議院の本会議とか決算委員会とか、議事録をたどればいろいろございますけれども、最後は私自身が向き合い、首脳会談を行わなければならない、拉致問題の解決に資する会談としなければならない等々と述べておられましたので、確かに対話をするということについては、その決意は累次にわたって述べておられたんだと思うんですけれども、条件をつけずにということで累次にわたって述べていたのかどうか、ここの事実関係をまず確認をさせていただきたい。 いつ、累次にわたって、条件をつけずに向き合うというふうにおっしゃっていたのですか。
○菅国務大臣 安倍総理は、北朝鮮の核、ミサイル、そして何よりも重要なこの拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は自分自身が金委員長と直接向き合うとの決意を従来から述べてきたというふうに私申し上げました。そして、条件をつけずに向き合うとは、そのことをより明確な形で述べたものであります。 具体的には、五月二日の産経新聞に掲載されたインタビュー、また、五月六日の夜の日米首脳電話会談、その後の総理のぶら下がりの会見、さらに、五月九日の参議院内閣委員会における答弁においてもそのように述べてきたところであります。
○西村(智)委員 果たしてそれを累次にわたってというふうに表現することが適切だったのかどうかだと思うんですね。むしろ、累次にわたって述べてきたということであれば、まさに昨年来からの国会での答弁、これこそが累次の発言だったのではないでしょうか。 何かここに来て急に、新聞紙のインタビューに応じて話させるとか、あるいは、週明けの決算委員会、これは内閣委員会ですか、決算委員会ですか、総理が恐らく入るということは連休前には固まっていた日程だったと思うんです、そこで言わせるということも含めて考えて、恐らく菅担当大臣のスピーチ原稿がこういうふうに書かれたんだというふうに思うんですけれども、私は、やはりこれは累次じゃない。本当に累次にわたって総理が述べてきたのは、直接向き合うということ、核、ミサイル、拉致問題の解決に資する会談としなければいけないということであって、条件をつけずにというのはまさに明確な方針転換だというふうに思うんですよ。 このことについては方針転換であるというふうに、担当大臣、お認めくださいますか。
○菅国務大臣 これも先ほど来御質問に答えさせていただいていますけれども、核、ミサイル、そして何よりも重要な拉致問題を包括的に解決をして国交正常化を目指すという基本方針は全く変わっていません。
○西村(智)委員 お答えになっていらっしゃらないと思います。 私、今回の流れをずっと見てまいりましたときに、やはり先ほど村上委員も指摘をされておりましたけれども、六カ国協議の枠の中でとうとう首脳会談、トップ同士の会談をやっていないのは日本だけになりました。 中国との首脳会談が、昨年の三月以降、四回開催されています。また、南北首脳会談は、昨年の四月以降、三回開催されています。米朝首脳会談は昨年の六月、これはことしの二月にも開催をされました。そして、ことしの四月にロシアとの首脳会談。まさに日本が、言ってみれば、取り残された状況になってしまって、そして、このタイミングで方針転換をするということが発表をされたのですけれども、このタイミングについても、私はやはりいささかの疑問があります。 重ねて申し上げますけれども、向き合うということ、条件をつけずに向き合うということについて異論はありません。ぜひ成果を出していただきたいと心から願っています。 だけれども、これまた、この連休中に、四日とそれから九日ですか、北朝鮮からの飛翔体が飛んできたタイミング、また、四日のものは単なる飛翔体ということで、弾道ミサイルという断定はされておりませんけれども、九日のものはやはりこれは弾道ミサイルである、国連安保理決議違反であるというふうに我が国政府は明確に認めているわけですから、果たしてこのタイミングで無条件で会うというメッセージが発せられるということは本当によかったのかどうか。 やはり、これは客観的に見ると、いささか場当たり的な対応ではないかというふうに見えるんですけれども、この点、どういうふうにお考えですか。これは外務大臣にも伺いたいと思います。
○河野国務大臣 二〇〇二年に五名の拉致被害者の方々が帰国されて以来、残念ながら、一人の拉致被害者の帰国も実現していないのは痛恨のきわみであります。 ハノイで行われました第二回の米朝首脳会談におきまして、初日の、最初のいわゆるテタテの会談の中で、トランプ大統領から金正恩委員長に、安倍総理の考え方を明確に伝えていただきました。また、その後の少人数の夕食会でも再び拉致問題を提起をしていただきました。 先日の日米首脳会談の中でも、トランプ大統領から、今後も全面的に協力するという力強いお言葉もありました。 そういう中で、この拉致問題の解決は日本が主体的に取り組むことが必要なわけでありまして、御家族が御高齢となる中、一日も早い解決に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく行動していくことが必要だというふうに考えているところでございます。
○西村(智)委員 先ほどの外務大臣の答弁を伺いました。私のそれを聞いた印象は、日米首脳会談で、この間、拉致問題の解決に向けても米国としては協力をする、そういう後押しがあった、そういった流れの中で今回の方針転換があったのではないかというふうに推察をします。 菅担当大臣、この点についてはいかがでしょうか。今回の方針転換の背景には、米国からの後押しがあったということが言えるのでしょうか。
○菅国務大臣 これも先ほどから申し上げていますけれども、総理は、北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は自分自身が金委員長と直接向き合うとの決意、ここは、委員も認められておりますように、従来から述べてきています。条件をつけずに会談を実現をするとの発言は、そのことをより明確な形で総理自身が申し上げたのであります。 いずれにしろ、不幸な過去を清算をして国交正常化を目指す、そのために拉致、核、ミサイル、諸懸案を包括的に解決する、その考え方には変わりはありません。
○西村(智)委員 明確に申し上げたにすぎないということは、では、今回の、安倍総理が五月二日の紙面以降述べておられることは、これまでの方針とは全く変わりがないということでしょうか。
○菅国務大臣 総理は変わりはないと思っています。
○西村(智)委員 それだと、何だかまたちょっと、いかにもその答弁がその場しのぎの答弁のように聞こえます。 私は、条件をつけずに向き合うということは、これは明らかな方針転換だというふうに受けとめています。各党の代表者が集ったNHKの「日曜討論」でも、自民党の岸田政調会長も、公明党の石田政調会長も、これについてはきっちりと説明をしてもらいたいということをお二人とも述べていらっしゃいました。 これは方針転換ではないということですか。もう一回確認させてください。
○菅国務大臣 今私が答弁したとおりであります。
○西村(智)委員 そうしますと、今までと何が変わるのか。 では、今までと交渉方針、あるいはルートを通じてのさまざまな働きかけ、これに何も変化は生じないということなんでしょうか。どうなんですか。
○河野国務大臣 御家族も御高齢になる中、一日も早い解決を目指すという方針に何ら変わりはございません。
○西村(智)委員 いや、何も答えていません。そんなこと誰でもわかっています。 私が伺いたいのは、条件をつけずにというのは、これはやはり明確な方針の転換だというふうに思うんですよ。だからこそ、これだけさまざまなマスコミも方針転換だと書いているし、多くの国民もそういうふうに受けとめています。 それについて、いいとか悪いとか、そういう意見はいろいろあると思うんです。私は異論はありません。拉致問題の解決に資するのであれば、ぜひそれはやってもらいたいと思っています。とにかく直接会って話をするところからでしか、この六カ国協議の枠組みの中で日本だけが取り残されている状況ですから、これについても私は日本政府は責任があると思いますよ。 ですけれども、とにかくやってもらいたいというふうには思うけれども、であるがゆえに、今回のことは大きな方針転換なんだというふうにまずは認めていただかないと、内外に対する説明がまるっきり違うということになりませんか。菅担当大臣、どうですか。
○菅国務大臣 私自身、先般、訪米をした際にも、米国にもこうしたことを説明を申し上げました。そこは理解をしていただいて、当然、この拉致問題解決のために全面協力をしたいということでもありました。
○西村(智)委員 累次にわたって条件をつけずに会うと言ってきた、それは対外的なアピールである。しかし、国内的には従来の方針と何ら変わりはないというのでは、これは外交方針、なかなか一致しているとは言えませんね。外に向けての発信と内側に対する説明が全く違うというのであれば、これはやはり方針として一貫のものとはとても言えないというふうに私は思います。 そのことは、もうお二人からは幾ら聞いても答弁が出てこないということですので、ちょっと別の角度から質問したいと思います。 私、先ほど申し上げましたけれども、六カ国の枠の中で日本が首脳会談をしないまま最後に残っている、これはやはり日本政府に、ある意味、省みるべきところはあるんじゃないかというふうに思っています。というか、そのことについて外務大臣そして担当大臣としてはどういうふうにお考えになっているのか。 もう一回繰り返します。 六カ国の枠の中で首脳会談がやられていないのは日本だけということになりました。そして、今、総理が条件をつけずに直接向き合うというふうに発表をされておられます。このことについて外務大臣と担当大臣の所見を伺いたいと思います。
○河野国務大臣 別に、取り残されているとも思っておりませんし、特に問題があるとも思っておりません。
○菅国務大臣 私も全く同じで、取り残されているとは思っておりません。 拉致問題解決に向けて、総理を中心に、政府一丸となって、まさに日米を始めとし、諸外国としっかり連携をしながら今進めております。
○西村(智)委員 私は、外交というのはやはり一貫したメッセージを発し続けることが必要だと思っています。ですから、今回、飛翔体ないしは弾道ミサイルの発射についても、日本政府として、国連安保理、各国などに働きかけをしつつ、断固とした抗議をすべきだというふうに思っておりますし、また、北朝鮮における人権状況も改善をしたというふうには聞いておりません。 外務大臣、ことし、人権理事会への共同提出を、EU各国とずっと日本政府は一緒にやってきたわけですけれども、これについて今回は乗らなかった、この理由について教えていただきたい。
○河野国務大臣 第二回米朝会談の結果、あるいは拉致問題などを取り巻く諸情勢を総合的に検討した結果、今回はこのようなことにいたしました。
○西村(智)委員 やはり一貫した主張をしないと成果も出ない、これは私は外交の鉄則だと思います。そこのところが今回はやはりちょっと場当たり的になっているのではないかという印象は拭えないということは申し上げておきます。 最後になると思いますので、一点伺います。 今後のその向き合うに当たって、会談成立までの具体的な道筋を、外務大臣それから担当大臣、それぞれどのように描いていらっしゃるのか。これはルートがどうなっているとかいろいろな話はありますけれども、政府としてどのような具体的な道筋をたどって会談成立というか、会談まで進んでいけるのか、このことについて考えを伺いたいと思います。
○河野国務大臣 先ほど村上委員の御質問にもお答えをいたしましたが、今の段階で対外的に申し上げられることはございません。
○菅国務大臣 今日までもそうですし、現在も拉致問題解決に全力で取り組んでおりますが、今後の交渉等に支障を来しますので、詳細について明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○西村(智)委員 やはり私は、まずは基本は、内外における外交方針を首尾一貫して、日本政府として明確な主張をし続けることだと思います。その中で、直接的に向き合うということを必ず実現をしていただいて、拉致問題の一日も早い解決につなげていきたい。私も議員の一人としてそのことに力を尽くしていきたいと思っております。 そのことを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○山口委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 まず、去る五月九日に北朝鮮がミサイルを発射したことについて、拉致問題担当大臣である菅官房長官に、政府としての見解を改めて端的に伺いたいと思います。
○菅国務大臣 政府においては、これまでに収集した種々の情報を総合的に勘案をした結果、北朝鮮は五月九日、短距離弾道ミサイルを発射したものと考えております。このような弾道ミサイルの発射は、関連する国連安保理決議に違反をするものであり、極めて遺憾であります。 我が国としては、米国を始めとする関係国と緊密に連携しつつ、関連する国連安保理決議の完全な履行を進めてまいりたい、これが政府見解です。
○笠井委員 今大臣言われたように、私も、国連安保理決議に反する軍事的挑発は厳に慎むべきだと強く考えております。 そこで、国連安保理決議違反ということで、今、菅大臣も言われましたけれども、直近の関連決議といえば、二〇一七年の十二月二十二日に採択をされた安保理決議二三九七号であります。 外務省に伺いますけれども、この主文第二項目めには何とあるか。これに違反するということになるんでしょうか。
○長岡政府参考人 お答え申し上げます。 二〇一七年十二月に採択されました安保理決議第二三九七号の主文二を含む一連の安保理決議の関連規定においては、北朝鮮による弾道ミサイル技術を使用したいかなる発射も実施しないように求めております。 したがいまして、五月九日の発射はこれらの規定に明白に違反すると考えております。
○笠井委員 この安保理決議二三九七号の主文の二十七項目めには何と書かれているでしょうか。
○長岡政府参考人 お答え申し上げます。 安保理決議第二三九七号主文二十七は、朝鮮半島及び北東アジア全体における平和と安定の維持が重要であることを改めて表明し、事態の平和的、外交的かつ政治的解決の約束を表明し、対話を通じた平和的かつ包括的な解決を容易にするための理事国及びその他の国による努力を歓迎するとともに、朝鮮半島内外の緊張を緩和するための取組の重要性を強調する、そのように規定しております。
○笠井委員 今紹介がありましたけれども、河野外務大臣、この国連安保理決議の立場で、やはり、関係国と国際社会が一致をして努力をする、このことが必要だと思うんですけれども、大臣の所見を伺いたいと思います。
○河野国務大臣 安保理決議は、核兵器を含む全ての大量破壊兵器とあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄、いわゆるCVIDを求めております。 我が国としては、現在の米朝プロセスを後押しすべく、国際社会と一致団結して安保理決議を完全に履行をする、そのことによって、この北朝鮮のCVIDを実現させてまいりたいと考えております。
○笠井委員 そういうことで、CVIDを完全に実現すると。 同時に、相手は非常に手ごわい交渉相手ということも言われておりますが、ここは本当に粘り強くやっていく必要があるというふうに思うんですけれども、その辺の臨み方のスタンスといいますか、その辺については、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○河野国務大臣 委員おっしゃるように、この問題はかなり長く国際社会で問題になっているものでございまして、北朝鮮というのはかなり粘り強い体制でございますので、ここは時間がかかるかもしれませんけれども、国際社会がしっかりと連携をし、粘り強くこの問題に対処していかなければならぬというふうに思っております。
○笠井委員 去る二月のハノイでの第二回米朝首脳会談は、これは合意に至らなかったものの、米朝双方が、会談は建設的というふうに評価をし、協議を続けるというふうに表明をいたしております。 そこで、菅大臣、官房長官に伺いたいんですが、やはりそういう中で今必要なのは、国連安保理決議に基づいて対話と交渉を継続する、粘り強くということで今お話もありましたけれども、これがやはり問題解決への道だと思うんですけれども、菅大臣、いかがでしょうか。
○菅国務大臣 本年二月の第二回米朝首脳会談において、米朝は特段の合意に至らなかったんですが、重要なことは、米朝首脳共同声明のとおり、朝鮮半島の完全な非核化に向けた北朝鮮のコミットメントを含む両首脳の合意が完全かつ迅速に履行されることだと思っています。 六日の日米首脳電話会談においては、両首脳間で、この米朝合意の速やかな実現を目指していくことで完全に一致しています。 我が国としては、引き続き米朝プロセスを後押ししていく考えであり、今後とも、日米、日米韓で緊密に連携をし、中国、ロシアを始めとする国際社会と連携をしながら、朝鮮半島の完全な非核化を目指していきたいと思います。
○笠井委員 そういう点では、目標を明確にしながらというお話がありましたが、対話と交渉を継続する、こういう立場で臨むということでは、それがやはり解決につながるというふうにお考えでしょうか。
○菅国務大臣 今申し上げたとおり、米朝プロセスを後押ししていきたい、こういうふうに思います。
○笠井委員 とりわけ、米朝双方には、今お話もありました昨年六月のシンガポールの共同声明を具体化、履行するための真剣な協議を続けることを私も強く、そして我が党としても求めたいと思うんです。 そして、現在の膠着状態を打開するためには、米朝双方が朝鮮半島の非核化と平和体制構築の目標を明確にしたいわば包括的な合意を交わして、そして、この包括的な目標についての合意を交わしながら段階的に履行する、それがやはり最も合理的で現実的な道だと考えるんですけれども、菅官房長官、その点では所見はいかがでしょうか。
○河野国務大臣 昨年六月の米朝首脳会談におきまして、トランプ大統領は、相互信頼を醸成しながら非核化の先の明るい未来を共有し、相手の行動を促すという新しいアプローチを採用されたわけでございます。 今重要なことは、米朝プロセスを後押しをしていくことだと思います。 日米間は、先週の日米首脳会談あるいは官房長官の訪米を含め、さまざまなレベルで緊密に連携をしているところでございます。 我々としては、国際社会が一致団結をして安保理決議を完全に履行することによって、北朝鮮の大量破壊兵器並びにあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDを実現したいと思っております。
○笠井委員 米朝合意を本当に具体化して進めるための後押しということを両大臣ともに強調されました。 私がなぜ、目標を明確にした包括的合意を交わして、それを段階的に履行する、これが本当に合理的で現実的だということを強調するかといいますと、やはり互いに相手を信頼できない、強い相互不信があるからということがあったからだと思うんですね。特に、戦争状態にある米朝間にはそれが極めて強い。 河野大臣に重ねて、改めて確認的に伺いたいんですが、そうした状況を乗り越えていくためには、やはり非核化と平和体制構築の目標を明確にした包括的合意を交わして、段階的措置を双方が誠実に実施することによって相互不信を解消して、信頼醸成を図りながら進んでいく、これ以外にないんだということだと思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。
○河野国務大臣 段階的措置ということではないんだろうと思います。 安保理決議が、そこは、北朝鮮の大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルのCVIDを明確に求めているわけでございますから、国際社会は、この安保理決議を完全に履行することによって北朝鮮のCVIDを実現させる、そういうことだと思います。
○笠井委員 目標を明確にして段階的にやるということだと思うんですね。長年にわたって敵対関係にあった米朝両国が非核化と平和構築という事業を成功させるためには、やはりさまざまな紆余曲折があり得ることです。しかし、大切なことは、どんな困難があっても、目標の実現に向けて対話と交渉を継続することだということを強調したいと思います。 米朝両国政府が昨年六月のシンガポールでの首脳会談で共同声明を出して、そして、そういう点では、共同声明という世界に対する公約の具体化、履行のために真剣な協議を続けるということが大事だと思うので、このことを重ねて強く期待をしたいと思いますし、日本政府としてもふさわしい役割を発揮するように求めたいと思います。 そこで、日朝関係について伺います。 先ほどからさまざまな御議論がありましたが、私は、安倍総理は、前提条件なしで、条件をつけずに日朝首脳会談を行うという旨を表明されている、やはりその点で大事なのは、二〇〇二年の日朝平壌宣言の精神に立った積極的な対応だと思いますし、我が党もそういう立場を明確にしております。 この日朝平壌宣言の精神というのは、核、ミサイル、拉致、そして過去の清算、つまり、日朝間の諸懸案を包括的に解決をして国交正常化に進もうというものであります。 河野外務大臣は、五月五日のぶら下がりの中で、日朝首脳会談について、拉致問題を入り口として取り上げるわけではないと発言されました。包括的解決というのは、いわば優先順位をつけないで、全てをテーブルの上にのせて、同時に解決をして先に進もうという外交の知恵だと思うんですけれども、この辺については、外務大臣としてどのようにお考えでしょうか。
○河野国務大臣 我が国は、従来から一貫して、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算し、北朝鮮との国交正常化を目指すと申し上げてきておりまして、その方針に何ら変わりはございません。 我が国としては、相互不信の殻を破り、北朝鮮の核、ミサイル、そして拉致問題を解決するという決意で、引き続き全力で取り組んでまいりたいと思います。
○笠井委員 私、今紹介させてもらった五月五日のぶら下がりで、外務大臣御自身が、日朝首脳会談について、拉致問題を入り口として取り上げるわけではないというふうに言われた趣旨について、少し、どういうことなのか御説明いただけるでしょうか。
○河野国務大臣 首脳会談の前提条件として拉致問題がぶら下がっているわけではないということでございます。
○笠井委員 菅官房長官に伺いますが、今のことの関連ですが、やはりある意味、日本が拉致問題は最優先だと言って、北朝鮮は過去の清算が最優先だというふうに言って、互いに優先順位をつけて、例えばそれを相手に認めさせようとしたら、交渉のテーブルに着けないということになってしまうんだと思うんですね。どれも大事な問題だけれども、やはりある意味、優先順位をつけないで、全てをテーブルの上にのせて、ワンパッケージで解決する、この考えでまとめたのが日朝平壌宣言で、そこには外交の英知が働いているというふうに私たちは確信をいたしておりますが、拉致問題は日本国民にとって大変重要な問題で、課題であります。何としても解決をしなきゃいけない。 そして、そういう中で、しかし、それを本当に解決する上でも、優先順位をつけるということではなく、本当にテーブルに全部のせながら包括的に解決をする、そうやってこそ拉致問題の解決の道も開かれ得るというふうに思うんですけれども、これについて、菅大臣としてはどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○菅国務大臣 日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイル、諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算し、北朝鮮と国交正常化を目指す、この方針というのは全く変わりありません。 その上で、拉致問題の解決に向けては、我が国自身が主体的に取り組むことが重要であり、御家族の皆さんも御高齢となる中で、拉致問題の一日も早い解決に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、果敢に行動していきたい、こういうように思います。
○笠井委員 これは本当に解決する上でも平壌宣言の精神で、この立場に立ってと言われるわけですが、それを具体的に進めるにはどのようにしていったらいいのかということについては、何かお考えはあるでしょうか。 なかなかこれは大変困難な道といいながらも、平壌宣言、これが大事だ、その立場でというふうに言われるわけですが、優先順位の問題とかいろいろな議論があってなかなか入り口に入れない、そういうことではなくてということで、先ほど外務大臣ともやりとりさせていただいたんですが、その辺では、知恵としてどの辺が大事だというふうに考えていらっしゃるか、伺いたいと思います。
○菅国務大臣 平壌宣言の中にこの三点について、諸課題を包括的に解決し、国交正常化を目指す、これを明確にうたっています。まさにこのことが全てだと思います。 ただ、特に拉致問題については、我が国が主体となって取り組むことが重要であって、御家族も御高齢となる中で、どんな小さなチャンスでも逸することなく取り組んでいきたいということであります。
○笠井委員 最後に、山本国家公安委員長に伺いたいと思います。 この拉致問題解決という点では、本当になかなか、さまざまな問題がありながら、御苦労もされてきた、お互いに苦労してきたと思うんです。私も、拉致問題の特別委員会ということでは、二〇〇六年以来ここに所属させていただいて、福井、新潟、あるいは鹿児島ということで、その拉致をされた現場にも伺って、関係者の皆さん、そして御家族の皆さん、さらには捜査の関係にかかわっている方々ともいろいろな意見交換もし、お話も伺ってきました。 そういう中で、国家公安委員長として拉致問題の現状についてどのように見ていらっしゃるか、それが一つ。それから、そういう中で、今議論させていただきましたが、そういうことで一つ一つ努力をしながら、やはり全体として、今こそ日本政府が、日朝平壌宣言を基礎に据えて、朝鮮半島をめぐる平和のプロセスが前進するように積極的にコミットをすることが拉致問題の解決にもつながるというふうに思うんですが、その点での公安委員長としてのお考えあるいは所見についてもあわせて伺えれば幸いです。
○山本国務大臣 お答えをいたします。 北朝鮮による拉致容疑事案が発生して、もう長い年月が経過しているところでございます。いまだに全ての被害者の帰国が実現していないことにつきましては、一刻の猶予も許されない状況であるというふうに我々認識をいたしております。 これまで、警察におきましては、北朝鮮による拉致容疑事案等の全容解明に向けまして、関係機関と緊密に連携を図りつつ、所要の捜査、調査を推進しているところでございますけれども、拉致問題は安倍内閣の最重要課題でございます。私といたしましても、拉致問題の早期解決に向けまして、政府一体となった取組に引き続き貢献してまいりたいというふうに思っております。
○笠井委員 政府一体の取組という点では、私の後段で質問させていただいたことなんですけれども、そういう取組を一体となってやるという点でも、全体として、やはり平壌宣言に基づく平和のプロセス前進という中で拉致問題の解決というのも展望が見えるのではないかというふうに思うんですが、その点での大臣としてのお考えがあれば伺いたいと思うんですが、いかがですか。
○山本国務大臣 今ほどもお答えいたしましたけれども、拉致問題の早期解決、さまざまな御提言もございましたけれども、我々としては、政府一体となった取組、繰り返しになりますけれども、その取組に引き続き貢献してまいりたい、その結果として、拉致問題の早期解決を図っていきたいというふうに思っております。
○笠井委員 拉致被害者の御家族が、今大臣も言われましたが、一日千秋の思いで望んでおられる一刻も早い拉致問題解決のためにも、日本政府は、この機会を逃さずに、日本国憲法九条の精神に立って、日朝平壌宣言を基礎に据えて、平和のプロセスが前進するように積極的に関与することを重ねて強く求めまして、私の質問を終わります。
○山口委員長 次に、渡辺周君。
○渡辺(周)委員 国民民主党の渡辺でございます。 北朝鮮のこの問題につきましては、昨日の本会議でも私、質問いたしました。ですから、重複することのないように質問をさせていただきます。 まず、冒頭に、先ほどちょっと質問の追加をしましたけれども、午前中の菅大臣の所信の中で、拉致問題の解決のためには、米国を始めとする国際社会の理解と協力を得ることが不可欠であります、その後に、先ほどの答弁にもありますように、我が国自身がこの問題に主体的に取り組むことが重要ですとあります。 そこで伺いますけれども、六月の二十八、二十九日にG20サミットがございます。ここで拉致問題をテーマにする、まさに国際社会の理解と協力を得るために拉致問題を議題とするということはあるのでしょうか。いかがでしょうか。
○菅国務大臣 六月のG20大阪サミットでは、自由貿易の推進やイノベーションを通じた世界経済の力強い成長、格差への対処、また開発、地球規模課題への貢献などについて議論される見込みであります。 ただ、同時に、我が国としては、拉致問題の早期解決に向けて、米国を始め関係国と緊密に連携していくという考えを累次述べております。 そうした考え方に基づいて、このG20サミットの際に、多くの首脳が会しますので、二国間会談の機会、これも数多くありますので、そうした中をしっかりと活用させていただいて拉致問題解決につなげていきたい、こういうふうに思っています。
○渡辺(周)委員 日本政府は主体的に、我が国自身がこの問題に主体的に取り組むと、もうこれだけ何回も繰り返して主張しているわけですので、このような我が国で開かれる大きな機会に、ぜひ、この拉致問題、もちろん核やミサイルの問題もテーマであります。もっと言えば、先ほど来、質問の中に出ていましたけれども、北朝鮮の人権状況について、なぜ我が国が今回共同提出しなかったのか。それはいろいろ戦術的なこともあるんだろうとは思いますが、こういうことも含めて、一堂に首脳が会する機会を利用して、ぜひ主体的に取り組んでいただきたい、まずそのことを強く訴えさせていただきたいと思います。 続けて、今までもずっといろいろな方が質問されています、前提条件なしに向き合うということの意味については、きのう私も本会議で答弁をいただきました。反面で、こちら側が前提条件をつけなくても、北朝鮮側が前提をつけてきた場合はどうするのか。こちら側は虚心坦懐に、お互いの不信感の殻を取り除くために会うと言っても、北朝鮮側は、いろいろなことを言って、いや、どうしても会いたいというんだったら、これとこれとこれは取り下げろ、あるいは、二度とこういうことを言うなという、これは向こう側から要請があることは十分考えられるんですね。 ちょっと一つ例を挙げますと、私は去年の二月に平昌オリンピックの開会式に行きました。平昌オリンピックの開会式に行きまして、いわゆる美女軍団、美女応援団という人たちがいっぱい来ていて、その前に芸術団という人たちも来て、韓国との交流のような形でいろいろな催し、演奏会なんかをやっていたわけで、南北の雪解けかなどということを、オリンピックは本来政治的な場ではないんだけれども、政治的に当然利用していた、韓国と北朝鮮の利害が一致したと言ってもいいと思いますが。 例えば、統一コリアチームの応援のために、東京オリンピックに北朝鮮からまた芸術団だとか美女軍団が来るので、万景峰号に乗ってくるから、新潟港に万景峰号を寄港させろ、特例を認めろと。今まで我が国は独自の制裁を科しています。それを、今回を契機にして例えば条件をつけてきた場合に、この点について、いろいろなことが考えられると思うんですね。 先般の東京新聞にも、北朝鮮の関係者という方のインタビューということで、きのうもちょっと本会議で述べましたけれども、その点については御答弁をいただいておりません。何らかの形で北朝鮮が条件をつけてきた場合、それも込みでやはり向き合うということを決断するのかどうか、その点についてはどうでしょう。お答えいただきたいと思います。
○河野国務大臣 交渉の方針について、公の場で申し上げるのは差し控えたいと思います。
○渡辺(周)委員 そういう答弁をすると思った。 だけれども、我が国が独自に制裁を科していたことについて、こちら側が無条件で会う会うと言ったけれども、向こうは条件をつけてくる。そのときには、その制裁の緩和や、北朝鮮国籍を持つ人間のいわゆる入国を認めるような形で条件闘争になったときに、これは我々の国として、先食いだけされて、きのうも申し上げました、ストックホルム合意で痛い目に遭って、制裁を先に解除してしまえば、結果として、向こうは従来の主張を繰り返すことで時間を稼がれる。結果的には何の解決の進展にもつながらないということがあってはならないと思うのです。 この場で、例えば詳細について答えてくれとは言いません。先ほどおっしゃっていたけれども、もしかしたら、この国会内の中継を朝鮮総連を通して北朝鮮だって見ている可能性があります。だとするならば、なかなか、詳細をお答えいただかなくても結構なんですが、聞き方を変えると、北朝鮮側から何らかの条件をつけても、それも含めても、それをある程度のみ込んででも会う、そこまでの決断だということでよろしいですか。聞き方を変えます。
○河野国務大臣 交渉の方針について、対外的に申し上げるのは差し控えます。
○渡辺(周)委員 それは、実は北方領土交渉をやったときも同じような答弁を聞きました。結果的に何が起こったか。向こうは勝手に、ラブロフ外相が、我々の主張をまず認めろと。こちら側がどんなに譲歩をしていても、ロシア側は好き勝手な、一方的な自分たちの主張を言う。 北朝鮮も当然同じような手法を使うでしょう。こちら側がどれだけ言葉を選んで、できるだけ北朝鮮を刺激しないように言って、交渉の方針は対外的に言わないといっても、向こうは、拉致問題はもう既に解決済みだ、もう拉致問題については、この話は終わった話だと、例えばこれからひょっとして言ってくることもあるかもしれない。ミサイルを飛ばしたって、会う方向には変わりないときのう安倍総理は言ったわけですから。 どんどんどんどん前提が変わっても、我が国は、とにかく向き合うために大幅な譲歩をもう一歩強いられるなんということになったら、完全にこれは北朝鮮の主導下での、北朝鮮が、そんなに会いたいんなら会ってやるというような、下手な交渉が優位になるようなことが絶対あってはならない。その点については、表舞台ではできなくてもいいから、水面下では絶対守るべきところは守っていただきたい。 これ以上言っても同じ答弁でしょうからもう繰り返しませんけれども、ぜひ、その点については今後の交渉の中でお願いをしたいと思います。 それで、もう一点だけ確認しておきたいんですけれども、この日朝で向き合うというのはいつごろを考えているんですか。これはぜひ伺いたいんです。これは余り先になっても、実は先ほどからも、御家族も御高齢になっている、もう時間はない、だから、あらゆる好機を捉えて拉致問題解決に向けて取り組むと言っています。 ここで伺いたいんですけれども、今が好機だと捉える根拠は何なのか、であるならば、いつまでをめどに日朝首脳会談を実現しようとしているのか、その点については、担当大臣、いかがですか。
○菅国務大臣 まず、条件をつけずに向き合うというのは、金委員長と会い、率直に、また虚心坦懐に話し合う、そういうことであります。 そして、時期等も、これは相手のあることでありますから、この場で申し上げることはできないのを委員は承知の上での御質問だろうというふうに思います。 ちなみに、久しぶりに万景峰の話を聞きましたけれども、あの入港禁止を私ども議員立法でやったとき、私と外務大臣が提案者でありました。
○渡辺(周)委員 もう時間がありませんので、また改めての機会にやりたいと思いますが、我が国がなぜ独自制裁を科してここまでやってきたかということについて、ぜひともその重みを我々としてはやはり忘れてはいけない。 進展もないのに、何か結果を急ぐ余りに、こちらから一方的に譲歩したような形だけは、とにかく北朝鮮の、正直言って彼らは交渉上手です。三代にわたって、金日成から金正恩に至るまで、とにかく大国を相手に回してこの国は今日まで生き延びてきたということをやはり考えれば、彼らのしたたかな交渉に対して、我が国が余りに物欲しそうな、しかし、時間はないのはわかっていますが、物欲しそうな形で、とにかく会ってくれるだけでいいんだなんということはゆめゆめなきように、ぜひともお願いをしたいというふうに思います。 もう時間がなくなります。国家公安委員長に伺いたいんですけれども、ことしの二月十二日の予算委員会で、北朝鮮からの漂着船について私がお尋ねをしたときに、警察としましては、カメラを用いての警戒システムの導入の検討を行うほか云々と言っていました。 予算をつけて、この広い、漂着船がたどり着いた、北海道から今やもう山陰にかけての範囲で漂着船が発見をされております。私に言わせれば、何でいつも船ばかり見つかって人が見つかっていないのか、本当に途中で母船に救われたのか、それとも途中で海におっこちて亡くなったのか、甚だ疑問です。ひょっとしたら彼らだって脱北のために来ているのかもしれない。ひょっとしたら工作員かもしれない。 そんな中で、この広い日本海側で、このシステムが今どのように、もう既に設置をされているのか。あるいは、きょうは海上保安庁も来ていると思いますけれども、今までに比べて、海上保安庁の取締りによってどれぐらい功を奏して、北朝鮮の違法操業あるいは日本海側への漂着が阻止され、数が減っているのであれば、ぜひその辺、お答えをいただきたいと思います。
○河野政府参考人 お答え申し上げます。 警察におきましては、沿岸警戒を強化するため、カメラを用いての警戒システムなどを導入することとし、そのための経費約二億三千百万円を今年度予算で措置したところであります。 現在、当該システムの導入に向けて所要の手続を進めているところであります。
○一見政府参考人 海上保安庁では、巡視船艇、航空機による巡視警戒、地元の自治体等との迅速な連絡体制の確保を行っておりまして、これを徹底しまして、漁船やあるいは地元の住民の皆さんからの通報をお願いしておるところでございます。 それでもって漂流、漂着船、木造船の早期発見に努めておりますが、広い海域でございますので、なかなか直ちに見つけるというのは難しいところではございますが、例えば、ことしになりまして、一月十二日でございますけれども、隠岐の島の沖で漂流している木造船がございました。これは実は人が乗っておりまして、エンジン故障で、私どもが確保をしたわけでございますけれども、こういった事案もございます。 加えまして、二十八年の十二月に海上保安体制に関する強化の方針というのを決めていただきまして、そこで、大型巡視船や高性能レーダーを搭載した新型ジェット機、あるいは陸上の監視拠点の整備などについてもやるということにしておりますので、この強化に努めてまいりたいと思っております。
○渡辺(周)委員 それは、たしか赤外線の夜間の監視のシステムを取り付けるというような話だったと思うんですけれども、実際、これは地元自治体が設置を要請するんですか、それとも、ある程度漂着する場所が多いところをあえて選んでそこに設置をするのか、その点についてはどうなっているんですかね。この広い海岸線に限られた予算で監視のカメラをつけても、全てを把握するのは非常に難しいと思うんですが、効率的にやるためにどのように今後検討していくのか、その点について教えていただきたいと思います。 もう時間がありませんから、もう一つ、大臣に伺いたいんですが、最近、北朝鮮の民主化のために海外で行動している自由朝鮮という組織があります。 実は、先般、大臣がアメリカに行かれる前に、私もアメリカに行ったときに高官の方と意見交換をしたんですけれども、この自由朝鮮なる、スペインにある北朝鮮大使館のコンピューターを奪い取ったということで、指名手配も含めて、いろいろ問題をされている方々がいるんですが、こういう、北朝鮮の外で北朝鮮の民主化を求めるために行動するような組織が出てきた。金正男氏の息子をかくまっているとかいろいろな話もあるわけなんですが、こういう団体の存在をどう認識しているかということについて、日本政府の見解を最後に伺いたいと思います。 一つは、先ほどの再質問、そしてもう一つは、今の自由朝鮮についてお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○河野政府参考人 お答えいたします。 カメラにつきましては、当該システム等につきましては、導入に向けて所要の手続を進めているところでありますが、設置場所等につきましては、警察の方で判断してやることとしております。
○河野国務大臣 北朝鮮をめぐるさまざまな情勢につきましては、外務省としても、重大な関心を持って平素から情報収集、分析に努めているところでございます。
○渡辺(周)委員 では、終わります。
○山口委員長 次に、源馬謙太郎君。
○源馬委員 国民民主党の源馬謙太郎です。 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 大前提として、ほかの先輩委員の皆さんと全く同様ですが、やはりこの問題は、与野党関係なく、国として一日も早く解決をしていただきたい問題ですし、これで何か政府の足を引っ張ろうとか、そういった気持ちも全くありませんし、一日も早く解決をしていただきたいという思いで質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、これも重ねて言いますが、決して批判をしているわけではありませんけれども、これまで拉致問題が起こってから相当長い時間がたって、横田めぐみさんも含めて、相当長い間、北朝鮮に拉致をされたままでいる。そして、平成十四年にあの五人の拉致の被害に遭われた方が帰国されましたけれども、それから数えても十七年もう既にたっております。 この十七年間の総括をまず大臣から伺いたいんですが、この十七年間、もちろんいろいろな取組をされてきたと思いますが、成果があったのか、また、拉致問題に進展があったのか、本当に率直なところをお伺いいたしたいというふうに思います。そして、今後、それに対する見通しをぜひ、まず伺いたいと思います。
○菅国務大臣 まず、二〇〇二年に五人の拉致被害者が帰国されて以来、一人の拉致被害者の帰国も実現していないことは痛恨のきわみであり、そして、拉致された方々、またその御家族の長年にわたる苦しみと悲しみに思いをいたすとき、胸が張り裂けるような思いであり、政府としては大変申しわけなく思っております。 拉致問題については、これまでも政府全体として関係省庁が緊密に連携するとともに、関係方面の御意見に十分配慮しながら取り組んできたと思っております。重要な課題であるこの拉致問題について、御家族も御高齢となる中、一日も早い解決に向け、総理を中心に、あらゆるチャンスを逃すことなく、果敢に行動をしていきたい。 この十五年間の中で、やはり米朝首脳会談が二回行われました。このことで、大きな新たな流れができてきたのではないかなというふうに思っています。ですから、政府としては、この大きな流れをしっかりと、日米、日米韓、また、中国、ロシア、こうした国々と連携をしながら全面解決に向けて頑張っていきたい、こう思っています。
○源馬委員 ありがとうございます。 私、今大臣が御答弁いただいたように、もちろんいろいろなことに取り組んで、これまでの歴代政府もそうだったと思いますが、取り組んできていただいたんだと思います。 ただ、これを客観的に見ると、五人の方が帰ってきて以来、一人の方も帰ってきていないという現状を見ると、これはやはり、やり方も見直していく必要があるのではないかなと私は率直に思います。決して今までが悪かったとか何にもやっていなかったということではなくて、そろそろやり方も見直していかなくてはいけないのではないかというふうに思います。 国民民主党の前身の希望の党時代でしたけれども、松原元拉致担当大臣と、そして中山恭子元拉致担当大臣が中心になって、安倍総理に要請文をつくりました。その中でも、このお二人の元拉致担当大臣の方がこういうふうにおっしゃっています。「北朝鮮の中に、拉致され、監禁されている日本人が多くいることが判明しているのに、長期間、拉致被害者の救出ができていないことは、これまでの政府、外務省及び拉致対策本部の活動が、失敗であったと言わざるを得ません。この十五年間一人も拉致被害者を救出できていない事実を、拉致問題に関わってきた私達は、分析・直視し、拉致被害者救出の対応のあり方を変えていかなければならないと考えます。」と。 お二人の拉致担当大臣をやられた方がおっしゃっているということにはすごく重みがあると思います。決してここで失敗だったと認めろということではありませんけれども、そろそろ、今までのやり方とは違う、大臣も今おっしゃった、米朝の新しい流れができたんだったら、もう本当に、これを機に、ぜひやり方を変えて、解決への道筋をつけていただきたいというふうに思います。 その上で、先ほどからいろいろな委員から御質問がありますが、先日の安倍総理の御発言がありました、前提条件なしで北朝鮮と総理自身が向き合っていく。私は、今申し上げたとおり、これまでのやり方から新しく変えていくという意味では、いいことではないかなというふうに思います。先ほど来いろいろな委員の方から御質問があって、方針は変わっていないんだという御答弁がありました。拉致問題を解決するという方針は変わっていないんだと思いますが、そのためのやり方や手段を少し変えるという、そういう認識でよろしいんでしょうか。 今まで総理は、いろいろな場面でも、国際社会の圧力をてことしつつ、北朝鮮に拉致問題の解決に向けた決断を迫ってまいりますのように、どちらかというと、やはり圧力に重きを置いた手段で解決を図ろうとしてきた。これは私は、方針が変わったんだろうとは言っていただかなくて結構です。手段ややり方を変えて、この大きな方針、変わっていない方針に向けて、解決へのやり方、手段を変えるという認識でよろしいか、御答弁いただきたいと思います。
○菅国務大臣 これも先ほど来申し上げていますけれども、日朝平壌宣言に基づいて、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算をして、北朝鮮との国交正常化を目指すとの考えに変わりはない、こうしたことは全く従来のことと一定であります。 そして、総理御自身が条件の話をされましたけれども、これについては、従来、この方針、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決してという方針を実現するために総理御自身が明確に申し上げたということだと思います。
○源馬委員 核やミサイル、そして拉致問題を日朝平壌宣言に基づいて解決していくんだという方針は変わっていないということはわかりました。 ただ、その方針に沿って解決していくために、これまではやらなかった新しいやり方で、手段を変えて、総理は条件もなしで向き合って、これまでは圧力中心だったけれども、手段を変えてその方針達成のためにやっていこう、そういう理解でよろしいんでしょうか。
○菅国務大臣 今日まで常に私ども申し上げていたのは、対話と圧力、そして何が最も効果的であるか、そういうことを常に念頭に入れながら拉致問題は対応していきたいということを申し上げてきていました。
○源馬委員 ありがとうございます。 先ほど来お話が出ているとおり、日朝平壌宣言ですが、これは方針は変えていないということでしたけれども、やはりここの方針も変えないのも拉致問題解決をおくらせている一つの要因ではないかなと私は思います。既にストックホルム合意も破綻しているということは明らかなわけで、拉致の問題はもちろん大事であって、核やミサイルの問題もこれももちろん大事なんですが、それを全部包括的にやろうとしていることが、かえって私は解決をおくらせているのではないかなと。拉致は拉致で切り離して問題解決に向かっていった方が、ひいては核やミサイルの問題の解決にも資するのではないかなというふうに思います。 核やミサイルの問題と拉致を切り離していく、そういったやり方の変更ということはあり得ないかどうか、方針を伺いたいと思います。
○菅国務大臣 朝鮮半島の平和と安全をどのように確保していくのか、我が国を含む関係国の間でここは議論していく課題でありまして、我が国としては、先ほど来申し上げておりますけれども、拉致、核、ミサイル、ここを包括的に解決する中でこの問題には対応していきたいというふうな方針は変わらないということであります。
○源馬委員 方針はそれでいいと思うんですが、手段として切り離すということもぜひ私は御検討いただけたらなと思います。 加えて、これは質問ではなくて提案なんですけれども、先ほど来いろいろお話も出ておりますが、やはり拉致対策本部というと、啓蒙活動も大事であったりとか、国民の皆さんの意識を高揚してもらうことも大事、あとは被害に遭った御家族の皆さんへのケアも大事、こういったことも、これもまた包括的に担当されていると思うんですけれども、ここもそろそろ拉致被害者救出は切り離して、そうした啓蒙の部分とは切り離して、御家族のケアとは切り離して、総理直轄なり、菅拉致担当大臣直轄なりの違う部門をつくっていった方が私は前に進んでいくのではないかなというふうに思います。これは私の意見として申し上げさせていただきたいと思います。 それから、大臣のお話の中で、本日の御出張の御報告にもありました。関係国と緊密に連携しつつ行っていくんだけれども、我が国自身がこの問題に主体的に取り組むことこそが重要だというふうに大臣はおっしゃっておりますけれども、いろいろな、先ほどの米朝の話もありましたが、やはりアメリカに期待するところが大だというふうに思いますけれども、どの部分までアメリカに期待をしていて、どの部分を我が国が主体的にやっていこうとされているのか、伺いたいと思います。
○菅国務大臣 まず、米朝の首脳会談が行われてから、大きな流れができたというんですかね、それは正直言って事実だと思います。直接二回、米朝首脳会談が行われて、そのたびに日本の拉致問題というものを米国から提起をしていただいた、そのこともこれは事実だというふうに思います。 そういう中で、米国を始めとする国際社会との協力を取り付けていくというのは、やはり拉致問題解決にとって極めて重要な部分だというふうに思っています。 しかし同時に、我が国自身、これは我が国の国民が拉致されているわけでありますから、我が国が主体的に取り組んでいく、そのこともこれは極めて重要なことであって、しかし、我が国だけでは解決するのはなかなか難しいということもこれは事実だというふうに思っています。 そういう中で、ありとあらゆるチャンスを逸することなく、何としても、一つの米朝首脳会談という大きな流れがありましたので、こういう中で解決をしていきたい。 ですから、米国に偏り過ぎているということではなくて、拉致問題解決に、できるものは全て活用したい、そういう思いの中で解決していきたいということであります。
○源馬委員 ありがとうございます。 最後に一つ、細かなことをちょっとお伺いしたいと思います。 私、地元で一緒に活動している浜松ブルーリボンの会の方たちから、ぜひこれは聞いてほしいということで、参考人の方なのかと思いますが、ことしの二月に家族会、救う会の合同会議で、金正恩委員長宛てに全拉致被害者の即時一括帰国を決断していただきたい旨のメッセージ発信が決議されたということですけれども、これは事前に資料をいただいたのを拝見すると、ホームページ等に載せて発信したということでありました。 金正恩委員長宛てに、しかも家族会、救う会の合同の皆さんの切なるメッセージですから、もう少し発信の仕方を考えていただいて、金正恩委員長にもう少しダイレクトに届くような発信の方法、例えば先ほどから出ている北京の外交ルートですとか、そういったところも通じて発信していただきたいという要望がありますが、それについての御意見を伺いたいと思います。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。 先般、拉致被害者家族会、救う会が公表いたしましたメッセージ、肉親の帰国を強く求める御家族の切実な思いが込められているものとして、私ども政府といたしましても真摯に受けとめているところでございます。 このメッセージの発信のあり方を含む具体的な北朝鮮へ向けての対応の一つ一つについてお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、いずれにしても、政府としては、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けて、総理を中心として、あらゆるチャンスを逃すことなく、果敢に行動していく方針でございます。
○源馬委員 ありがとうございました。 終わります。
○山口委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十一分散会