財務金融委員会 第14号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2019/05/17
会議録
○坂井委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総合政策局長佐々木清隆君、企画市場局長三井秀範君、監督局長栗田照久君、総務省大臣官房審議官吉川浩民君、法務省大臣官房審議官筒井健夫君、外務省大臣官房参事官長岡寛介君、国税庁次長並木稔君、厚生労働省大臣官房審議官本多則惠君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○坂井委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申出がありますので、順次これを許します。松平浩一君。
○松平委員 どうも、皆さん、こんにちは。立憲民主党の松平浩一です。 済みません、限られた時間ですので、早速質疑の方に入らせていただきます。 一昨年から昨年にかけて、世界ではICOを用いた資金調達が一気に拡大しました。暗号資産、まだ法案は成立していないんですけれども、もう暗号資産と呼びます。 資料一を御用意させていただきました。こちら、ICOベンチという民間団体の集計なんですけれども、二〇一七年、米国で六十億ドル、ICOで資金調達しています。これは日本円でいうと六千五百億円ぐらい。それで、二〇一八年、去年は減りまして十二億ドル。それでも十二億ドル、一千三百億円ぐらい資金調達しています。ことしは更にちょっと減っちゃっているみたいなんですけれども。 そういうことでいうと、去年、日本でどの程度ICOが行われたのか、日本の交換業者の取扱数でいうといかがでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 昨年、国内の暗号資産交換業者におきまして新規のICOの取扱実績はないものと承知しております。
○松平委員 ないですね。ゼロです。アメリカのように、減ったとか、そういったレベルじゃないです。 日本でユーティリティートークン、暗号資産に該当するトークン、資金調達、つまりICOをしようとする場合、二つありまして、みずから交換業者になるか、若しくは交換業者を通してやるか、その二つです。ただ、前者、交換業者にみずからなるというのは、登録申請が本当に大変で、コストに見合わない。といって、交換業者に委託するというのも、今の認定協会の審査実務は非常に厳しいです。先ほど、日本のICOの取扱いがゼロだとおっしゃっていただきましたけれども、本当に事実上ICOができないという状況だったんです。 もちろん、審査が厳しくなったという背景事情はございます。流出事件がありました。これは金額が本当に大きかったです。また、詐欺的な事案とかも問題になりました。ただ、私としては、今、正直、厳しい審査というのは過度に厳し過ぎるというふうになってしまっているんじゃないかと思っています。 このICOのそもそもの理念、個人とかスタートアップ、中小企業がアイデア一つで国境を越えて世界じゅうから迅速に資金調達できる、アイデアを実現してイノベーションを巻き起こせる、そういう夢がかなえられる。でも、余りにも厳しい規制、審査であると、そういったイノベーションを起こして日本の産業を発展させるという可能性を潰してしまうんじゃないかなというふうに思います。 まず、今の交換業者登録の現状からお聞きしたいと思います。 今、交換業者、登録されている数、それからみなし交換業者の数、それから新規参入の意向を示している数、業者数を教えていただいてもいいでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 現在、暗号資産交換業の登録業者は十九社、みなし業者は一社、新規登録を希望、検討している先は約百十社でございます。
○松平委員 今、みなし業者の数は一社とおっしゃいましたけれども、もともと、みなし業者の数はもっとありました。十六社ほどあったと聞いています。それが、今お聞きしたように一社となっている。申請取下げが十二社で、登録拒否が一社ということのようです。 やはり、あの流出事件があって業務改善命令も多く出されているというので、今、暗号資産の交換業への参入というものが相当難しくなっているというふうに思います。 聞くところによると、登録審査の項目で四百項目ぐらい質問があって、それで、社内整備に人手が五十人以上かかる、弁護士フィーも含めると登録に五千万ぐらいかかるというふうに言われています。登録にかかる期間も相当かかると。公表では六カ月と言われていますけれども、一年ぐらい見ておいた方がいいというふうに聞いています。管理体制が厳し過ぎて、交換業は割に合わないということも聞いています。実際、交換業者になるのはもうスタートアップじゃ無理です。できるのは大手だけ。今、交換業の登録を実際とっているのはほとんど上場企業です。 ただ、一方で、先ほど、新規参入の意向を示したのは百十社ほどあるというふうにお聞きしました。そういう意味で言うと、この交換業について、あるべき競争原理として、競争政策として何社ぐらいが適当であるのか、どういうふうにお考えでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 暗号資産交換業者の数につきまして、適正な水準が何社かということを一概にお答えすることは困難であると考えております。 金融庁といたしましては、交換業者の登録について、利用者保護の観点から、これまでに実施しました検査、モニタリングで把握した問題点を踏まえ、深度ある実質的な審査を実施しているところでございまして、こうした審査を経た上で登録要件を満たした場合には暗号資産交換業者として登録することになります。
○松平委員 ICOについて、STOじゃないわけですね、交換業の登録業者しかできないという現状がありますので、しっかりと競争環境が保てる、しっかり真に参入を認めるという業界にしてほしいというふうに思っています。 それでは、実際にいいアイデア、プロジェクトを思いついた方がいて、資金調達、ICOをしようというふうに思ったとします。しかし、冒頭申し上げましたように、新規コインの上場というのが認定協会が審査するプロセスになっていまして、相当審査が厳しい。交換業登録のときも厳しいと申し上げましたけれども、新規コインの上場のときも非常に項目が厳しくて、やはり百八十項目ぐらい審査があるというふうにも聞いていますし、そうなると、新規コインを取り扱う交換業者の皆さんも、求められることが多くて本当に大変なんです。 これは何が問題かというと、やはり求められることが多いと交換業者の責任が重くなり過ぎる、それは新規コイン上場の際に取扱手数料にはね返ってきてしまうんです。 交換業の方から聞いたんですけれども、今、新規のコインの上場を引き受けるには引受手数料が一件当たり三千万から五千万ぐらい、そのくらいじゃないと割に合わないというようなことも聞いています。手数料がそのぐらい大きいと、ICOで例えば一億調達しましたというときに、これの三分の一が手数料で消えて、残りも、ICOというのは売上計上ですので、法人税がかかってくると三分の一また消えてしまう。一億資金調達しても半分も手元に残らないんですね。だから、そう考えると、ICOで資金調達するメリットは全くないんです。 大臣、特にお聞きはしないんですけれども、この現状、私、このままではICOを日本では誰もやらなくなってしまうんじゃないかと思っています。少なくとも、スタートアップとか個人ではできない。このICOの理念、個人とかスタートアップがアイデア一つで国境を越えて迅速に資金調達できるなんということは日本ではもうなくなってしまうんじゃないかなと思っています。これはどうなるかというと、こんな規制の厳しい国じゃなくて海外で資金調達しようと、いいプロジェクト、いいアイデアはどんどん海外に逃げていってしまうという懸念を私は持っております。 私、交換業者に課せられる責任というのもあると思います。これは今、やはりちょっと大き過ぎる現状にあるんじゃないかなと思います。 仮想通貨交換業等に関する研究会報告書がございまして、去年十二月に出たものです。私、読みますと、交換業者は発行者が作成した事業計画書、事業の実現可能性、事業の進捗等の情報についても、その客観性、適正性に留意しつつ顧客に提供することを求めることが適当というふうに記載がありました。 この事業の実現可能性、ICOを行うその事業の実現可能性についてまで仮に交換業者の意見を求めるというのであると、それは、私はやはりやり過ぎなんじゃないかなと思うんです。事業の実現可能性がどの程度あるかというのは、なかなか難しいと思います。 そういう意味でいうと、このユーティリティートークンについて、求められる顧客への情報提供の範囲というものを、どのような内容にしようとしていらっしゃるのか、教えていただければと思います。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 今、金融庁におきましては、有識者研究会の報告書では、今先生御指摘のとおりのことが盛り込まれております。 この議論の中では、海外などで行われましたICOについて、有識者の方々から、その中にはかなり、ホワイトペーパーという事業計画的なものを書かれたものが曖昧であるとか、あるいは、資金調達した後、かなりの割合で事業実態がなくなってしまっているものがある、こうした状況も踏まえて、利用者の保護であるとか、あるいは、実際こういうマーケットが発達するためには必要な情報提供がなされる必要があるということから、このような報告なり意見の取りまとめが行われておるところでございます。 それを前提といたしまして、さはさりながら、交換業者の負担が過度なものとなっても、またその健全な発展を妨げることとなると思います。こうした消費者保護あるいは市場の健全な発展あるいは交換業者の負担、こうしたものも踏まえまして、どこまでどういったことを行えば適当なのかということを、この研究会、有識者会議の報告書も踏まえながら、今、ICOに関する自主規制を検討中というふうにお聞きしています自主規制団体ともよく連携しながら、今後、検討してまいりたいと存じます。
○松平委員 過度な負担とならないようにお願いしたいと思います。 それで、今回の改正、交換業者は、新規で暗号資産を取り扱う場合に、事前に届出をしなければならないようになっているというふうに読みました。 ただ、新規の暗号資産の取扱いについて、既に認定協会の方で審査を行っている現状があります。二重に審査するということになると、それこそ無駄ですし時間もかかると思うので、この認定協会との役割分担とか、その辺について教えてもらってもいいですか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 本法案では、交換業者が新しい暗号資産を取り扱う場合には、金融庁において、業者の体制、暗号資産の特性に照らしまして、利用者保護や業の適正な遂行の観点から問題がないか、監督上、チェックするために、金融庁に事前に届出を行う仕組みとすることとしております。 一方、御指摘のとおり、日本仮想通貨交換業協会におきましては、新たな暗号資産を業者が取り扱う場合には、自主規制規則におきまして、協会への事前届出を行わせ、外部の知見を活用しつつ、暗号資産の安全性等を技術的側面から評価を行うとともに、いわゆる匿名性の高い暗号資産につきましては、マネーロンダリング等の問題が解決されない限り禁止するなどの措置を講じることとしております。 金融庁といたしましては、問題がある暗号資産の類型が技術革新によりまして変わり得るものであるということなども踏まえまして、当局の監督上のチェックにおきまして、自主規制機関である協会における審査の結果を参考とするなど、緊密な連携を行うことで、より実効的かつ効率的な対応が可能になるものと考えております。
○松平委員 いずれにしろ、タイムリーな審査をお願いしたいと思います。 次に行きます。 ブロックチェーン、皆さん御存じだと思うんですけれども、改ざんできない、セキュリティーが高い分散型のデータベースですね。このブロックチェーンを使ってシステム設計をする際、基本、トークンを発行することになると思っています。ですので、このトークン発行の際に、今度、現行の厳しい規制が全てかかってくるというのでしたら、ブロックチェーンの利用、発展というものが難しくなってしまうんじゃないかと思います。 そこで、今回の法規制の目的を考えるに、利用者保護というものだと思うんですね。ですので、この利用者保護というものが問題とならない場合は、やはり規制の射程外とすべきというふうに思います。 例えば、一つは、社内のみで完結するブロックチェーンによるシステム構築。それからもう一つ、特定の事業者間のみでブロックチェーンを利用する場合。後者については、国際紛争の際、もう既に信用状取引とかでブロックチェーンのプラットフォームを使われ出しているというふうにも聞いています。 今、例を二つ挙げましたが、こういった場合のトークン発行というもの、資金決済法で規制されないという理解でよろしいでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のような種類のトークンでございますが、これが不特定多数の者に対して代価の弁済に使用することができないものであったり、又は、その不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができない、こういうものでありますと、資金決済法で規定する暗号資産には当たらない、該当しないというふうに考えられます。
○松平委員 ありがとうございます。不特定性ですね。了解いたしました。 次に行きますね。 セナー事件というものが去年の十二月にありました。この事件、今、資料二としてそのときの新聞記事をお配りしています。詐欺的に十億円集めたグループが逮捕されたんです。スキームは何かというと、詐欺的に十億円集めました、そのうち九億円をビットコインで集めたんです。一億円を現金で集めたんです。立件されたのは現金で集めた一億円部分だけだったんです。九億円部分というのは立件できなかったんですね。現金一億円のところの容疑は、金商法の無登録営業の容疑です。 九億円、ビットコインで集めた部分は立件できなかったというのは、金商法上、お金を集めるときに、金銭又はそれに類するもので集めるときに金商法の制限が適用される。それで、金銭又はそれに類するものとして、仮想通貨は金銭でもないしそれに類するものにも当たらないということで、不適用だったんです。ここに法の不備がありました。 ここの点、今回の金商法の改正で解消されたという理解でよろしいでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 今先生の御指摘のありましたようなもの、集団投資スキーム持分ということで、金銭又はそれに類するものであれば、現在、金商法の対象になります。 暗号資産で出資された場合であったとしても、現状の暗号資産の経済実態を拝見いたしますと、その経済効果におきまして実質的な違いはないというふうに考えられますので、この法案では、集団投資スキーム持分に対しまして出資された暗号資産を金銭とみなすという規定を設けさせていただいていまして、これによりまして、暗号資産で出資された部分も規制対象となることを明確としております。
○松平委員 ありがとうございます。 こういった詐欺的なお金集めの事例というのは、同時に出資法違反で逮捕されるという場合も多いんですね。それで、出資法、こちらも同じように金銭での受入れというふうにされていて、このセナーの事件も出資法では立件されていません。 この出資法の金銭の受入れ、こちらの金銭、仮想通貨、暗号資産は含まれるのか、教えてもらってもいいですか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 現行の出資法上の金銭の概念には暗号資産は含まれておりません。
○松平委員 ありがとうございます。 今回、せっかく金商法で暗号資産も金銭に含まれるよう改正されたので、ぜひこちらも改正されたらいいんじゃないかなというふうに御意見申し上げます。 次、セキュリティートークンについてお聞きします。 金商法の改正法案では、電子記録移転権利という概念が導入されました。前提として、簡単に確認させていただきます。 発行したトークンについて、金商法と資金決済法、重畳適用されることはないという理解でよろしいですか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 金融商品取引法上の電子記録移転権利に該当するセキュリティートークンにつきましては、規制の重複排除の観点から、今回の改正によりまして、資金決済法上の暗号資産の定義から除外するということにしておりまして、御指摘のとおり、二つの法律が重畳適用することはございません。
○松平委員 どうもありがとうございます。安心いたしました。 今回、この電子記録移転権利、一項有価証券として扱われるということが明確とされています。ただ、流通性その他の事情を勘案して内閣府令で定めるものについては、二項有価証券として取り扱われることになっています。一項有価証券として取り扱われるか、それとも二項有価証券となるか、これは開示規制が全然違うので、重さが全然違うので、非常に重要だと思っています。 そこで、この「流通性その他の事情を勘案」、こちら、もっと明確にしてもらいたいなというふうに思うんです。この「流通性その他の事情を勘案」、こっちはどのように理解すればよろしいでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、電子記録移転権利につきましては流通の蓋然性が高いか低いかという観点で、今までは、集団投資スキーム、流通する蓋然性が低いものとして開示規制がかかっておらなかったわけでございますけれども、それが、今回の暗号資産につきましては流通性が高いということで、一項有価証券として扱わせていただくという案になってございます。 ただし、それは、ブロックチェーン技術を使ったさまざまなトークン、いろいろなものが今後あり得るということで、恐らく、御指摘のとおり、多くの投資家に流通する蓋然性がないという場合もあり得るだろうというふうに思っております。したがいまして、第一項有価証券に分類する必要がないと思われるようなものとしまして、トークンが多くの投資家に流通する蓋然性がない場合というのが一つあり得ると思います。 今後、よく実態を把握しながら、関係者の意見を聞きながら、こういったことについて検討してまいりたいと思っております。
○松平委員 了解いたしました。ぜひ、明確な形で定義してもらえるようお願いいたします。 次に、アクワイアラーについてお聞きします。 暗号資産、理念としては、今、投機目的というのがほとんどだと思うんですけれども、やはり、支払い手段として流通されることが究極的な理念だと思うんです。そのためには、支払い手段として広めるというためには、決済端末それからシステム導入を営業する代理店、つまりアクワイアラーの存在が重要になってくると思います。 ただ、その代理店が仮想通貨の例えば媒介に当たるとして交換業登録が必要というふうになってしまうのでは、なかなか、営業とかもできなくなってしまうということになると思います。先ほど、登録が、非常にコストもかかるし時間もかかるということを申し上げました。 そこで、アクワイアラーが業規制がかかるかどうか、はっきりさせていただきたいなと思います。いかがでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 このアクワイアラーという業務でございますが、クレジットカード決済におきましてはかなり多く見られるものと承知しております。具体的には、利用者が加盟店でクレジットカードを使用した場合に、当該カードの発行者、イシュアーのために加盟店への立てかえ払いを行うといった業務であるとか、あるいは自己を含むクレジットカードの発行者のために加盟店と加盟店契約を締結することといった業務を行っているものというふうに認識してございます。 現在、暗号資産交換業の方々でアクワイアラーということが必ずしも多く行われているとは承知していませんので、具体的な業務の詳細を現時点で把握しているわけではございませんが、仮に、この業務の中身が、今申し上げましたようなクレジットカード決済のアクワイアラーのようなものでありまして、具体的に申し上げますと、暗号資産の売買、交換とか、あるいは仲介、他人の暗号資産の管理といった、こういう業務を行わないということでございますれば、基本的に、暗号資産交換業に該当しないというふうに考えられるところでございます。
○松平委員 ありがとうございます。 該当しないということで、ありがたいお言葉でした。 それから次に、カストディー業務について伺いたいと思います。 今回、カストディー業務に暗号資産交換業登録が必要になるというふうに伺いました。先ほどから繰り返し述べていますけれども、交換業登録は大変なので、スタートアップが多いウオレット業者にとって非常に厳しいことになってしまうのではないかなと思いました。 そこで、交換業登録が必要になるかどうか、なる場合はどのような場合か、明確にしておきたいのですが。例えば、カストディー業者で秘密鍵を持っていない業者があると思うんですね。アプリ提供のみで、秘密鍵は端末にあるという場合、こういった場合、いかがでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 暗号資産のカストディー業務でございますけれども、この法案では、他人のために暗号資産の管理をすること、このように定義してございます。 例えば、利用者の暗号資産のアドレスから暗号資産を移転するために必要な鍵を利用者にかわって管理するといった行為や、利用者の暗号資産のアドレスから自身のアドレスに暗号資産の移転を受けて管理する行為といったことがこの定義に当たるというふうに考えてございます。 一方で、利用者の暗号資産のアドレスに係る秘密鍵は利用者自身、お客さん自身が管理し、業者は秘密鍵を管理しない、暗号資産の移転を容易にするようなソフトウエアのみを提供するといったような行為は、この法律案におきます暗号資産の管理の行為には該当しないというふうに考えてございます。
○松平委員 該当しないというお言葉をいただきました。 それでは、ちょっと次の例として、秘密鍵を複数の事業者間でマルチシグ、マルチシグネチャーで分散管理する、こういった場合についてはいかがでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 今申し上げましたとおり、他人のために暗号資産を管理することということでございますので、このマルチシグも、識者に聞きますと、さまざまな形態があるとお聞きしていますので、今後、その形態に応じてよく検討する必要があるかと存じます。 例えば、暗号資産の移転に対しまして、複数の異なる秘密鍵で電子署名を行う必要がある仕組みであるというふうにこのマルチシグを認識してございますが、このやり方につきまして、例えば、秘密キーが二つ存在して、その両方を暗号資産の移転のために使わなければいけないとか、あるいはその秘密鍵が三つあって、そのうち、いかなる組合せでどうなるかとか、さまざまなものがあると聞いています。 また、このカストディー業務を規制対象に含めました背景には、国際的なマネーロンダリング対策を策定しているFATFの議論等々がございますので、こういったこととか、あるいは秘密鍵の使い方についていろいろな技術革新が起こりつつあるというふうに聞いていますので、こういったこともよく踏まえて、関係者の意見をよく聞きながら、具体的な個別ケースについて明確化を図ってまいりたいと思います。
○松平委員 わかりました。いろいろな事情を個別具体的に踏まえて判断してもらいたいなと思います。 それで、私、時間となってきましたので、最後の一問です。 総括しますと、やはりICOの環境として、私は、全体的に日本は、規制そして審査が相当厳しいというふうに思っています。トークンエコノミーは世界を超えるので、そうなったら、規制が緩い又は規制がない海外に逃げていってしまう。例えば、海外でウオレットサービスをやろう、海外でICOをやろうというふうになってしまう。優秀な日本人、優秀なアイデア、優秀なプロジェクトは日本発でなくなってしまうんじゃないかな、そういう危惧があります。なので、日本でできないものは、しっかりと海外でもできないというふうになった方がいいんじゃないか。海外の国との合意形成というものが非常にこれから大事になってくるんじゃないかなと思います。 そういう意味で、この規制のアービトラージをなくすという観点、大臣、ぜひ御所見をお願いしたいと思います。
○麻生国務大臣 御存じのように、これはもう簡単にクロスオーバーしますので、そういった意味では、国際的な取引が容易とは言わないけれども、簡単ということになりますので、国際協調をやった上でないと、一国で規制しても意味がないし、そういった意味では、これは極めて重要なので。 マネーロンダリングというものの対策としては、いわゆるFATFにおいて、これは国際基準を策定するところなんですけれども、ここで、去年の秋、十月ぐらいから勧告というものが改正をされまして、暗号資産を取り扱ういわゆる業者にはこの規制を課さなければならないということが明確化されておりまして、現在、ことしの六月に行われます大阪のいわゆるG20までにこの合意をすべく、今、勧告の適用に向けた具体的な義務というものの明確化というものを行っているところ、今、経過の最中というように理解しておりますので、整備はそれなりに各国において進んでいる。これまでなかったシンガポールとかいろいろ、そういうところがみんなやり始めていると思っております。 利用者保護の観点からいえば、これは、各国の対応が分かれておりますので、証券監督者国際機構、いわゆるIOSCOですけれども、ここにおいて、G20の大阪に向けて、いわゆる当局の参考となるようなリスクの規制のあり方について今検討、取りまとめが行われておりますので、私ども金融庁としても、これまでの日本の知見とか経験とかいうものを生かしてこうした取組をいわゆる主導していくなど、今後とも、今言われたように国際的な協調というものに関して貢献をしてまいりたいというように考えております。
○松平委員 ぜひしっかりと主導していって、策定していっていただければというふうに思っております。 時間が参りましたので、これにて私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○坂井委員長 次に、緑川貴士君。
○緑川委員 皆様、金曜日の審議、大変お疲れさまでございます。国民民主党・無所属クラブの緑川貴士と申します。 今議題となっております法案について質問させていただきます。 松平委員からもICOについてお話がありました。企業や団体がトークンと呼ばれる独自の仮想通貨、法案ではこれは暗号資産というふうに呼んでいますけれども、この暗号資産を発行することで投資家から広く資金を募る仕組みがICOですけれども、これを地方自治体と民間が連携して行う、いわゆる自治体ICOの導入が今自治体で検討されているところでございます。このICOは、株式公開のような厳しい審査あるいは高額の手数料がかからないという点で、自治体が新たな資金調達の手段として期待をしているところでございます。 まず、お手元にお配りしている資料をごらんいただきたいんですけれども、現場で期待を寄せている自治体の一つが岡山県の西粟倉村でございます。 上の図ですけれども、ICO計画によれば、西粟倉村内にある民間企業などが西粟倉トークンエコノミー協会を設立して、西粟倉コインと呼ばれる暗号資産を発行し、投資家に購入してもらうことによって資金を集めて、一方で、購入した投資家は村に関係する複数の事業候補の中から期待を持てる案件に投票する、選ばれた事業に資金が配分されるという仕組みでございます。この資金は村の財政とは切り離されて管理されていますが、その協会には村からは役員を出して、村があくまでリードをしながら、運営をしながら、事業についても村がある程度絞り込むなどして、監視機能を持たせているところでございます。そういう計画です。 皆様、下の図、今度は長崎県の平戸市が計画しているICOですけれども、民間のフィンランドコイン協会が市と連携する形で、その仕組み自体は西粟倉村と大きく変わりません。世界遺産の保護や観光の振興、また特産品の開発、インバウンド、訪日外国人観光客の誘致、起業支援、こうした持続可能な地域づくりに資する事業が想定されているところでございます。 仮想通貨の活用の一方で、松平委員からも今懸念しているお話がありました。世界で二千種類もあると言われる今の仮想通貨、暗号資産は価値の変動が大変激しいですね。値上がりを待つというような投機的な印象がやはり強い。そこで、ずさんな事業計画によって詐欺まがいの案件も相次いでいる。中国や韓国ではICOが禁止され、またアメリカやイギリスでも、規制対象に加えるというような国が今どんどんふえてきているところでございます。 国内では一時、急激な値上がりがあって、それを背景にして仮想通貨がブームになりましたが、昨年は、暗号資産交換業者の一つのコインチェックで五百八十億円相当の資産が流出する、そういう事件が大変世間を騒がせました。 投資性を持つケースに対しては、今回、出資を募る行為それ自体を規制対象とする。また、それ以外のケースについても、その事業が実現可能かどうかなど、情報提供をしっかり義務づけていく。いずれにしても、投資家保護を徹底する観点から、規制をかけていくことは急務であります。 一方で、今のお話のように、低コストで世界じゅうから資金を集められるメリットもある中で、今回の改正の中で、自治体が民間と連携して取り組もうとしているICOには今後どんな影響が生じてくるとお考えでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 資金決済法の中でございますが、暗号資産と法定通貨の交換などを規制対象としておりますが、暗号資産の発行行為そのもの自体については特段の規制を入れておりません。また、暗号資産の発行者が暗号資産の販売を暗号資産交換業者に委託するという場合には、発行者自身の暗号資産交換業の登録は不要というふうにさせていただいております。 御指摘の、自治体が民間団体と検討しておられるスキームにおきましては、トークンの販売は自治体が直接行うということではございませんで、委託先の暗号資産交換業者が行うというふうにされていると承知してございます。こういうことでございますと、自治体や自治体が連携して行う民間団体において、本法案が規定している暗号資産交換業に対する規制が直接的に何か影響するということではないというふうに考えてございます。
○緑川委員 暗号資産、今回、そこから電子記録移転権利、いわゆるセキュリティートークンの方も法律上も明確にしましたけれども、事業収益を上げることでその利益が分配されるというような投資も、今後、自治体ICOの中では期待されているところなんです。 それで、暗号資産とあわせて電子記録移転権利、セキュリティートークンを介したICOについても伺いたいんですが、法案では、一般投資家への流通を制限して、対象となる業者には、金商法、金融商品取引法に基づく登録制にして、規制が強化されることになりますが、今回御紹介した西粟倉村、そして平戸市、この自治体の外郭団体、あくまで三セクとして連携して取り組んでいる業者がそれに該当した場合は、投資家への本人確認の業務などは厳格化するにしても、自治体というそもそもの信用性を備えている主体と連携して取り組んでいる業者については、情報開示規制は緩やかにする、こういう登録制の条件を緩和するべきであるというふうに思いますが、いかがですか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 自治体自身が発行されるものにつきましては、現在の古典的な有価証券でございますと金商法上規定がございまして、地方債あるいは国債という形で、地方公共団体そのものが発行される債務保証書につきましては、発行体に信用力があって投資家保護に欠けることはないということで、開示規制が免除されてございます。また、その心といたしましては、地方財政法の規律に委ねれば、返済財源等について特に金商法、金融商品取引法において何らか規制する必要はない、こういうふうに考えたところとなっていまして、地方公共団体は金商法上の業規制にもしておらないというところでございます。 ただ、御指摘のケースでございますが、地方公共団体自身ではなくて、この外郭団体が発行するということのセキュリティートークンであろうかと思います。この場合、その外郭団体の支払い能力あるいは業務の行い方というのが恐らくまちまちでございまして、こういったものにつきましては、現状、地方公共団体と同程度に債務不履行の懸念がないとは言えない状況かと思います。 したがいまして、これを地方公共団体による発行行為と全く同視するというわけにはいかないと思いまして、現在の段階で、これを地方公共団体が直接発行するもの並みに開示規制や業規制を例えば免除するといったことは難しいのではないかというふうに考えている次第でございます。
○緑川委員 そういうことなんですよ。結局、民間という扱いによって、三セクとして取り組んでいる業者に対しても同じように規制をかけていく、こういうものであります。 私たち、後で、修正案ということについては具体的に内容をお伝えしますけれども、まずICOが自治体で検討されているのは、非常に厳しい財政運営が背景にあるからです。西粟倉村の場合、昨年度の一般会計の当初予算、歳入がおよそ二十七億円のうち、国の地方交付税が十二億円、村の税収が一億四千万円ほどです。税収に使用料などを合わせても、自主財源は歳入全体の二割弱なんですね。しかも、地方創生に係る交付金が来年度で終了するということで、年間で一億円もの財源が消えることになります。村の裁量で自由に使える予算がどんどんこれから減っていく、そういう中で、この状況を何とか変えたい、打開したいということでたどり着いたのがこのICOです。 ICOであれば、先ほど触れた事業の方向性、やはりこれは地方振興策、地方創生と重なる部分が大きいですね。民間がこうした事業を推進することで、市は限られた予算を他の分野の事業へ振り向けることもできるわけですよ。本来の事業も可能になってくる。こういう、地方創生に継続して取り組めるメリットがあるわけですね。 今回の改正では、やはり御答弁をいただいても、三セクといっても、これまでの資金調達を難しくするのではないか、あるいは低コストでの資金調達というメリットを薄めるのではないかという懸念が拭えません。 そこで、自治体自身がICOができるようにする、こういうことを含めた修正案を、今回、立憲民主党と国民民主党、政府の原案に対して私たちは提出をさせていただいておるところです。 そこで、自治体自身が、公的な立場です、地方財政の健全性を確保しながら、そしてマネーロンダリングなど犯罪の収益を移転することを防止することを徹底する、こういう必要な法整備をしていくことを大前提としてお尋ねをしたいと思います。これは総務省に伺いたいんですが、地方自治体自身が暗号資産あるいはセキュリティートークンを発行したり売買することについて、地方自治法上の規制はあるんでしょうか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 地方自治法では、歳入を収入する行為は、その前提要件として、必ず法令又は契約に基づいて合法的に発生した権利によってなされなければならず、地方公共団体の長は、正当な原因のない歳入を収入することはできないとされておりまして、暗号資産等について、地方自治法との関係では、まずはこうした観点からの整理、検討が必要と考えております。 また、地方公共団体が暗号資産等の発行にどのように関与するのか、関与する場合には、利用者保護という観点も含め、どのような法的責任や将来的な債務を負うのかなど、さまざまな課題があると思われますので、この点につきましても関係省庁も含めた議論、検討が必要と考えております。
○緑川委員 地方自治法上、公権力を伴うような収入、歳入を得る手段というのは限定列挙されている、暗号資産、セキュリティートークン、こうしたものは本来想定されていないというお答えでありました。 ここで、まず、暗号資産とセキュリティートークン、二つありますが、セキュリティートークンについて、改正案では、資金決済法から抜けて、今、有価証券と同様に扱うものということで、これは金商法の方で扱うことになりました。つまり、金商法上は、国や自治体が発行して売買の取引ができるものとしては、これまでの有価証券に加えてセキュリティートークンが加わった、可能になった形です。 しかし、セキュリティートークンの発行とその売買が可能であるとしている金商法と、今申し上げた、それが可能かどうかが明記されていない地方自治法、法律の整合性がとれていないんじゃないですか。
○吉川政府参考人 お答えいたします。 地方公共団体の歳入として、地方自治法には具体的に地方税あるいは地方債などについて規定がされているものでございまして、セキュリティートークン等を発行して暗号資産等を得るということが確かにそのまま当てはまるような歳入の規定はございませんが、先ほど申し上げましたように、地方公共団体がそうした暗号資産等を発行するということにつきまして、いろいろな整理すべき課題がございますので、それは整理をさせていただきたいというふうに考えておるところでございます。 その上で、御指摘のセキュリティートークンにつきまして、発行者が将来的に事業収益等を分配する債務を負うものというふうに認識をしておるわけでございまして、地方公共団体が収益を目的とした事業を実施し、この収益を債権者に分配するというケースが想定し得るのかなどにつきましても整理、検討する必要があると考えております。
○緑川委員 セキュリティートークンについて、自治体が事業収益、利益という概念はないというお答えですけれども、あわせて、暗号資産、ユーティリティートークンについても、資金決済法においては、自治体自身がこれを発行できるんですね。一方で、地方自治法上は明確になっておりません。このあたりも伺います。
○吉川政府参考人 資金決済法上、地方公共団体が暗号資産の発行を行うということについて、特段の規制がないということは承知をいたしております。 その上で、自治体自身が発行するということになりますと、先ほど申し上げましたとおり、自治法上の歳入に関する考え方との関係、あるいは、発行に関与する場合に、利用者保護という観点も含め、どのような法的責任や将来的な債務を負うことになるのか、こういったさまざまな課題があると思われますので、関係省庁も含めた議論、検討が必要と考えているところでございます。
○緑川委員 地方自治法上の枠内の中での御答弁をいただきましたが、これは、自治法とは別に、例えば寄附という形であれば、民法上の規定にのっとれば、私法権、私法的な契約に基づく収入という扱いになるので、その中にふるさと納税というものがあります。このふるさと納税という寄附の形で募集をすれば、その返礼品、返礼という名目で暗号資産を発行することに対しては規制はかからないはずです。今もできるということです。それに対して暗号資産を発行できるということが考えられますし、また、議会の議決によっては、自治体が発行した暗号資産、これでもって出資をすることも考えられます。暗号資産はその価値が確かに変動しやすい、計算しにくいという面はありますが、発行した暗号資産を活用できるというシーンは現行でもあるわけですね。 政府原案に対する修正案の内容について少し触れますが、自治体にはやはり信用力がある。これを踏まえて、資金決済法においては、本来、暗号資産の売買などの交換業務は株式会社でなければできませんけれども、自治体が発行した暗号資産、その分については、自治体自身が売買できるようにこれを見直しております。 また、同じく、原案に対して、金商法においても、地方自治体が発行したセキュリティートークンについては、みずから発行した分についての開示規制は、自治体にはやはり信用力がありますから、適用されないように見直すということを求めております。 ICOによって事業を始める場合と、また、ICOによる資金調達、事業を終えるような場合、そういう場合を考えて、自治体が発行した暗号資産、セキュリティートークンをみずから売ったり、あるいは買い戻す、回収することをスムーズにできることを想定した修正案の中身にしております。 石田総務大臣が、三月の国会で御答弁いただきました。調達された資金を用いて、持続可能な地域社会の実現を目指して、それぞれの自治体が創意工夫を凝らしていくことは重要なことであるという大変重いお言葉をいただいております。 ここで麻生大臣にもお伺いをしたいんですが、やはり自治体で働く公務員は全体の奉仕者、地域の奉仕者と言われます。しかし、だからこそ、例えば発電事業など、本来、外部にお金が電力でとられていってしまう、お金が出ていくような、こういう電力を、自分たちでエネルギーを生み出せるように事業を進めながら、それに魅力を感じた住民とか外部の投資家がお金を出す、資金を出してもらうというように、地域から外に出ていくお金をいかに減らしていくかという視点を持つのも奉仕者の役割にかなうものであるというふうに思います。 また、今回、ICOに対する規制が強化されるに当たって、厳しい財政状況の中で自治体がようやく見出した、たどり着いた民間連携の仕組み、自治体ICOも、その資金調達のあり方がやはり懸念されるところ、この自治体自身でICOができる大きなメリットがあることについて、大臣、御所感はいかがでしょうか。
○麻生国務大臣 今お話がありましたように、これは、地方において、その地域に根差した企業というものを資金面で支援するということから、イニシャル・コイン・オファリング、通称ICOというものが、今検討しておられる地方自治体が、先ほど平戸の話が出ていましたけれども、そういったことは承知しております。 ただ、地方自治体自身によるICOというものについては、今、総務省の話がありましたけれども、これは、地方自治体がICOトークンを発行、販売するということなんでしょうが、そもそも地方自治法というものとの関係でそれは可能ですかとかという点をまず考えないかぬでしょうし、また、地方自治体が将来的にこれは債務を負うことになるわけですから、その場合は地方財政というものの健全性の確保という点を考えておかないかぬので、そういった必要性も含めて、地方自治体自身がICOで資金調達を行うということの是非についてもちょっと考えておかないかぬのじゃないかなというのが、今伺ったところの範疇なんですけれども。 その上で、一般論として申し上げれば、ICOについて、発行されるいわゆるトークンの価格というのは、先ほど御指摘があったように、上がったりすることもあるけれども下がることもありますからね、その下がったときは一体どういったリスクをとるのかといった点も考えておかないかぬということだと思いますので。 ICOについては、自治体が行うものであれ民間が行うものであれ、これは法令にのっとって、十分にいわゆる利用者の保護というものがきちんとした形で図られておくということをやっておかないと、極めて不適切なことになりはせぬかなという感じが今お話を伺っていてしましたけれども、いずれにしても、新しい事態が起きている話であることは確かですよ、今までこんなものはありませんから。 そういった意味で、新しい提案なんだということはわかりますけれども、今言われて思いついただけでもそれぐらい思いつきますから、いろいろな意味で、考えると、いろいろなことを検討しておかないと、どういったリスクがそこに転がっているのか見当がちょっとまだつきかねるというのが、正直な今のところの私の考えです。
○緑川委員 これは省庁またがる話ですから、一義的な、まず見るべき地方自治法上で、それがグレー、全く明確でないところは、早急に、やはり論点を整理しつつ、議論をいただきながら、その上で、金融庁としても、取り組む方針を、しっかりこれは連携をとって確認をしていく必要があると思います。 今回の改正によって、いずれにしても、これまで行われてきたICOが、これは規制がかかるわけですから、強化されるということであれば、これまで考えているような、外郭団体が発行する、それを考えていた、それが今までどおり都合がいいのか、あるいは、自治体自身がICOができるメリットの方がやはりあるのか。このICOを行いたい自治体の判断に、これは結局、法的な論点を整理した上でそれぞれの判断に任せればいいわけですから、それを選択できるようにしていくのが政府の務めであるというふうに思います。関連のこの法律の整合性をしっかりととっていかなければならないというふうに思いますよ。 ここで、暗号資産の交換業者に対する検査そしてモニタリングの話に移りたいと思いますが、これは、お話がありましたように、この暗号資産の交換業者は昨年度末時点では十九業者、大変少ない数字ではありますが、現状、百を超える企業が新たに参入を目指しているというふうに言われております。この業者間の適切な競争を確保していくためには、どんな競争環境が今後望ましいというふうにお考えでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 暗号資産交換業者の登録審査、モニタリングに当たりましては、今御指摘のとおり、多様かつ多数の事業者が新規参入を希望しているということなども踏まえまして、利用者保護を図ることが重要だと考えております。 各業者がこうした利用者保護の枠組みを徹底することによりまして、利用者がより内部管理体制の整備が図られた事業者を選択する、こういうインセンティブを生み、適正なサービスの提供に向けた事業者間競争が促進されるものと認識しております。 他方で、これまでのモニタリングにおきまして、内部管理体制の整備が追いつかないままに積極的な広告を続けるなど、シェア拡大等を目的とした過度な競争、これにより利用者保護が図られていない、こういう事例も把握されているところでございます。 したがいまして、こうした点を踏まえますと、金融庁としては、業者間の競争環境を阻害しないように留意しつつも、利用者保護の観点から、適切な登録審査、モニタリングを行っていくことが必要であるというふうに考えております。
○緑川委員 過度な競争というふうにはおっしゃいますけれども、実質、特に暗号資産交換業において、数十人規模の人員体制がやはり求められております。監査法人による検査、こういうものを考えますと、これは、体力のある企業でないと登録を取得するというのは事実上困難です。 こういった環境の中で、暗号交換業を含む、その管理をする別のカストディー業務についても考えたいと思うんですが、日本では国内事業者がやはり育っていかない、暗号資産の安全管理を含めて、技術開発がそういう状況のもとでは進んでいかない、こういう結果に陥るおそれもあります。 このカストディー業者に対してですけれども、顧客の預かり資産の額にかかわらず、今回、規制で一律に暗号資産交換業登録を求めて、本人確認業務、さらには利用者の財産の分別管理義務も課されることになりました。 このうちの分別管理義務についてお尋ねをいたしますが、オンラインのホットウオレット管理でしていたものが、ハッキングを受けるということを防ぐために、交換業者に対して、カストディー業者に対して、顧客の暗号資産を信頼性の高い方法、オフラインのコールドウオレットで管理することを義務づけるというふうにしていますが、これは簡単にお答えいただきたいんですが、線引きはどうなっていますでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 利用者の保護に欠けるおそれが少ないという方法で、現時点では、オフライン環境、したがってコールドウオレットといったものを想定してございます。
○緑川委員 そうなると、明確に区分できないというのはわかるんですが、日々の取引に支障が出ない範囲というのはもちろん大切です、でも、一方で、人的な作業、マンパワーを必要とするようなコールドウオレットの管理の仕方によって、やはり金融機能として重要な迅速な売買への対応ということが難しくなってくるんじゃないでしょうか。いかがですか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 おっしゃるとおりで、オンラインのウオレットにあれば迅速な取引が可能であるということで、オンラインに置かれるウオレットを否定しているものではございません。業者としては、日々の取引される取引量であるとかそのスピードと、それから持っている全体の財産、そして安全性などを踏まえて、オンラインウオレットに置いておく分量を、恐らく、その業務の円滑な遂行に支障のない範囲で最小限化しつつ、大宗のものをコールドウオレットに置いておくといったことが、ビジネス上最適な形で選択されて、かつ、それが、セキュリティーの水準との兼ね合いで、しっかりITガバナンスのもとで検討されていくものと考えております。
○緑川委員 利用者の保護とか一方での安全な管理と、そして迅速な取引、この両方の要請を両立するというのはなかなか工夫が要ることであるというふうには思います。 カストディー業者として実際の規制の対象となる範囲についてもお尋ねをしたいんですが、対象となるのが顧客の暗号資産の秘密鍵を預かっている業者という政府の説明をきょうもいただきました。銀行に例えれば、その顧客の銀行口座の暗証番号を銀行自身が預かっている場合が対象になるわけです。 一方で、国内で多くを占めているのが業者が秘密鍵を預かっていないタイプ、つまり、銀行口座でいえば、暗証番号を顧客自身が管理している場合です。 これは、暗号資産流出のリスクが少ない、そうしたタイプは規制の対象外ということはわかります。マルチシグネチャーの話もありました。秘密鍵が複数あって、鍵の一部のみを管理しているだけで暗号資産の移動は行えない業者、例えばビットゴーのように、秘密鍵を預からないタイプのウオレット機能を提供する業者などは規制の対象にはならないという御認識だと思います。 ここで問題となるのが複数の秘密鍵を持っている場合なんですが、暗号資産の管理方法、これは、秘密鍵が例えば二つあって、鍵一つだけを管理しているだけでは暗号資産の移動を行えないとしても、もう一つの鍵を、秘密鍵を別の法人が持っていて、二つの法人がつながっている、見えない形でつながっているとすれば、実際、これは法の規制を回避できるようなことにはならないでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 まさに御指摘のとおりでございまして、このマルチシグの仕組みにつきましては、二つの鍵あるいは三つの鍵を別々に保有するときの保有の仕方で、例えば公あるいは秘密の形で関連会社間で二つを持っている、三つを持っているということになりますと、実質的にはそれは業者が持っていることと同じようなリスクにさらされるということで、先ほど申しました、いろいろなことを検討しながら、実態を見ながら個別によく検討させていただきたいと申し上げましたのは、まさにそういったことをよく検討していくという趣旨でございます。
○緑川委員 時間が来ましたので終わりにいたしますが、法規制がやはり強化される分、回避策が講じられるという場合もあり得るということを念頭に置いていただいて、利用者の保護、これを徹底しながら安全な取引を進めるという観点から、暗号資産の交換業務又はカストディー業務、技術の育成などに期待が持てる中身にしていただきたいというふうに思います。それを求めて、質問を終わります。
○坂井委員長 次に、宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。 本法案は、金融機関の持つ個人情報を第三者に提供できるようになります。まず、大臣に基本的な原則を確認したいと思います。 金融審議会の金融制度スタディ・グループで、個人情報保護委員会事務局参事官の佐脇氏は、世界に共通する基本的、原則的な考え方として、情報を提供する本人にとって想像可能な範囲で使われるといいますか、本人の期待が満たされるような形式で使われるというのが大原則、こう述べておられます。 この原則について、大臣の見解を伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 金融審議会におけます佐脇オブザーバーの発言ですけれども、これは、議事録にありますように、個人情報が情報を提供する本人が想像可能な範囲で使われる、あるいは本人の期待が満たされるような形で使われるというのが世界に共通する個人情報保護政策の原則である、こう述べておられるというものだと考えておりますけれども、これはいずれにしても個人情報保護法にあるとおりでありまして、個人情報は、個人の人格を尊重するという理念のもとで慎重に取り扱われるべきものでありまして、適正な取扱いを図る必要があるものだ、さように考えております。
○宮本委員 提供先の第三者の範囲や利用目的、これは、提供する本人の合理的想定の範囲内であるべきだというのがやはり大原則だと思うんですよね。ですから、この原則に立てば、どういった情報が誰に提供され、どう使われるのかという認識は提供する本人と共有される、これが大前提になると思います。 そこで、一つ一つ確認していきたいと思います。 情報提供できる金融機関が保有する情報、データとは具体的にどういうものなのか、例示をしていただきたいと思います。また、金融機関で分析した付加価値顧客情報は第三者提供の対象に含まれるのか。さらに、金融分野における個人情報保護に関するガイドラインの第五条では、要配慮個人情報、労働組合への加盟、門地、本籍地、保健医療及び性生活に関する情報などの機微情報は、原則、取得、利用又は第三者提供を行わないとなっておりますが、この法案では機微情報が第三者提供の対象に含まれるのか。三つまとめてお答えいただけるでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 今御指摘の、まず、データ、情報の種類、中身でございます。例えば地域銀行を例にとりますと、地域銀行が地元の企業の事業性評価に用いているようなデータ、あるいはビジネスマッチングなどの経営支援に用いているような情報をいろいろたくさん収集し、二つ目の御質問と関連しますけれども、これを例えば銀行の中でできるような分析をする、あるいは経営先の支援企業に提供したり、あるいは、ビジネスマッチングを行う、こういった目的で第三者に提供するというふうな材料があり得ると思います。この中には、例えば地域の経済状況、地域の物流の状況、あるいはそれにかかわる資金の移動といった情報が、目的とするような、例えば銀行業の高度化ということで、事業性評価の中身を高度化するとか、こういったものの関係で必要なデータなどが出てくるかと思います。その意味では、そういったものを分析したということで付加価値が上がっているような顧客情報も含まれるということかと思います。 それから、機微情報といいますか、要配慮情報でございます。この法律は、個人情報保護法をオーバーライドする、あるいはひっくり返すという意図はございません、あくまで個人情報保護法の法律の適用にのっとって行うという趣旨でございます。
○宮本委員 資金の移動というお話がありましたけれども、確認しますけれども、銀行が持っている口座情報、預金残高だとか出入金の記録、決済情報、こういったものも第三者提供の対象には含まれるということですね。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 排除されるものではございません。ここで制約となっていますのは、銀行業の高度化あるいは顧客の利便性の向上に資するということで、漫然と単に名簿を売るみたいなことではなくて、こういった高度化という目的を持って何らか行っていくという過程で、その中身の、個々の情報の種類というものについて形式的あるいは画一的に、これはいいとか悪いとかという区切りはしてございません。
○宮本委員 排除されていないということですから、出せるわけですよね。個人が特定できる形で口座の情報も提供ができる。 付加価値顧客情報、金融機関で分析したものも大丈夫だということですから、金融機関がプロファイリングして、例えば、この方はこれぐらいのハイリスク・ハイリターンの投資商品を好むだとか、恐らく、証券会社にしろ銀行にしろ、そういうのをいろいろ情報を持っていると思いますが、そういうものも含めて提供できるという理解でいいわけですね。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 その情報の使い方、提供の仕方ということでありますと、例えばハイリスク・ハイリターンの商品を適合性のないお客さんに売るためにこういったことをやるということでありますと、業務範囲規制を超えまして、そもそも業務のあり方として、例えば適合性の原則であるとか顧客本位の業務運営の方針に反するということになりますので、ここはあくまで、業務範囲規制で銀行が極めて限定的な業務しかできないというふうに整理しているものとの関係で、今のITあるいは技術革新の中でどのように銀行業務が行えるようにするかということでございます。 おっしゃっているような、もし非常に顧客本位でない、あるいは顧客を害するような行為を目的とすることであれば、それは銀行法の本来の趣旨に立ち返って、そこはしっかりモニタリングし、必要であれば対応していくということを考えております。
○宮本委員 しっかりモニタリングして対応するということですけれども、法律上は、排除される規定というふうになっていないんじゃないですかね。 さらに、付加価値顧客情報といった場合は、それこそ、それぞれのところでプロファイリングされていて、自分で知らない自分の情報というのも当然入ってくることになると思います。 次に行きますけれども、では、提供先の第三者、これは制限はあるんですか、ないんでしょうか。例えば、消費者金融業者、パチンコ、カジノ運営業者、こういうところに提供できるのか、できないのか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 現在、情報技術革新が飛躍的に発展しておりまして、大変変化が激しいものですから、具体的な商品、サービスの提供形態がなかなか直ちには予測がつかないところがあります。 こうしたことから、具体的なデータの種類だけでなくて提供先についても、この法律の中で、画一的あるいは形式的に特定の業態あるいは形態を個別列挙する形で、これはいいとか、これがいけない、こういうふうな個別列挙の規定の仕方はしてございません。 でございますので、個別の業態の御質問でございますが、これを一般論に置きかえてお答えさせていただきますと、金融機関が、例えば社会的な要請が明らかに認められないような、そういう情報関連業務を行うということがあれば、これは、今回の法律改正が銀行業の高度化、利用者の利便性の向上に資する情報の提供ということですので、今回の改正の規定の趣旨に反するのではないかというふうに考える次第でございます。
○宮本委員 私は個別に挙げて質問したのに一般論でお答えになるということは、一般論として当てはまる場合もあれば当てはまらない場合もある、場合によってはこういうところにもあり得るというふうにしか聞こえない答弁ですね。 次にお伺いしますが、情報の取扱いのルールについて、もともと金融機関には多くの一般事業会社よりも厳格なルールが適用されておりますが、その理由について述べていただけますか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、金融機関につきましては、まず、個人情報保護法のもとでも金融分野のガイドラインというものがございまして、一般的な事業会社に課されるルールに上乗せする形で厳格ないろいろなルールが定めてございます。 また、銀行法を始めとします各金融関連業法の法律、それから監督指針、業界の自主ルールにおきましても、顧客情報の漏えい防止のためなどの体制整備といったさまざまな措置が設けられているということで、上乗せの厳しい規制がされております。 この趣旨でございますけれども、金融機関の業務の公共性、そしてその取り扱う個人情報の性質、利用方法などに鑑みますと、個人情報について特に厳格な措置が求められるのではないかという趣旨というふうに理解してございます。
○宮本委員 銀行やあるいは保険会社が持っている情報というのは、資産などの情報だとか、あるいは健康に関する情報なんかも持っているわけですね。公共性に鑑みて、そういうものはとりわけ厳格に扱わなきゃいけないということになっていると思うんですよね。 心配なのは、銀行の情報が第三者に提供されるという中で、多くの預金を保有する高齢者がターゲットにされるという事態が生まれないのかということです。 最近見たニュースでは、日本郵便は、新規の保険勧誘で苦情が殺到して、八十歳以上への勧誘を自粛するということを決めたというニュースがございました。郵便局の窓口あるいは訪問先での保険販売で、商品を理解しないまま契約してしまうケースが相次いだからであります。一五年度から三年間で一万九千件もの苦情が寄せられたと。 国民生活センターのいろいろな統計資料を見ましても、消費者被害あるいは金融被害、一番多い世代は七十代以上ということで、高齢者になっているわけですね。 そこでお伺いしたいんですが、個人情報の第三者への提供について、今回、特別に高齢者保護の手だてというのはとられるんでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 まず、高齢者保護の特別な手だてでございますが、今のこの法案の中身におきまして、例えば何歳以上といった画一的な基準で、個別にこの情報を提供してはいいとかいけないといった規律を盛り込んではございません。むしろ、その情報の性質、あるいはその利用目的、そして、それをお客さんにどう説明し、お客さんがどう理解されていると認められるかといった、そういった業務のプロセスで、金融機関においては、これらの個人情報保護法そして銀行法等々の関連業法を踏まえて、その厳格な規律のもとで、顧客本位の業務運営、あるいはその法律上の顧客保護の観点から適切な配慮を行って取引が行われるべきものだと考えております。 そのためにも、現在、既に金融関係業法におきまして、個人情報保護の上乗せルール、そして関連業法における高度なルールというのを設けている次第でございます。こうしたものがきちっと守られていくのかについて、私どもとしてもしっかりモニタリングしてまいりたいと存じます。
○宮本委員 しっかり守られていないから、高齢者の金融被害がたくさんたくさん毎年報告されて、金融庁にも相談室に寄せられているということだと思うんですよね。その上、今度は資産情報まで第三者に提供されていくということになったときに、もっと被害がふえる可能性というのは当然懸念されるわけですよ。ところが、新たな手だてをとるわけじゃないと。大変心配ですね、これは。 それから、次に行きますが、金融分野における個人情報保護に関するガイドラインは、第三者提供についての同意を得る際には、原則として書面で、1個人データを提供する第三者、2提供を受けた第三者における利用目的、3第三者に提供される情報の内容を本人に認識させた上で同意を得ることを定めております。 本人にとっては、誰に何のために何を提供されるのか認識するということが大変重要なわけですが、まずお伺いしたいのは、ここで言う第三者とは、提供する企業単体のことを指すのか、あるいは企業グループでも構わないのか、それとももっと抽象的なものが書面に書き込まれているというのでも認められるんですか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 個人情報保護法のもとのガイドラインでございまして、この個人情報保護法、原則、企業グループ内の情報提供であっても、法人格が異なれば第三者であるというふうに観念されるというふうに解釈しております。したがいまして、お尋ねの第三者につきましては、必ずしも提供する企業単体のみならず、企業グループの中の別法人も排除され得ないということとなります。 それから、個人の同意をとるに当たりまして、この第三者の範囲につきまして、本人がどの事業者に提供されているのかということが判断できるように情報の提供先を明確にするということに加えまして、提供される情報の内容、そして提供先における利用目的を本人に認識させた上で同意を取得するということをこのガイドライン上、求めてございます。
○宮本委員 提供先を明確にするといった場合に、○○社、○○社、○○社、○○社というふうに全部並べて書くのか、提供先ですよ、あるいは、○○企業グループというのが並んでいるのか、あるいはもっと抽象的なものでいいのか、そういう質問をしたんですが。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 これは、個人情報保護法のガイドラインあるいはその解説を拝見しますと、具体的に全ての企業名を書かなければならないということでもないんですが、抽象的であっては決してならない。どういったことに使われるのかということが、情報を提供している、出した側の人間が合理的にわかるようなものである必要があるということで……(発言する者あり)失礼しました、望ましいでございます。ということと理解してございます。
○宮本委員 だから、全ての企業名を書かなくてもよくて、でも抽象的じゃだめということを言いますけれども、どこまで自分の情報が使われるのかというのを本人が理解しようと思ったら、全部利用先を書かないと、本人が理解できる想定内にとどまらないじゃないですか。想定外までどんどんどんどん使われることになっちゃうんじゃないでしょうか。この点も大変不安ですね。 さらに、時間がないので次に行きますけれども、この利用目的や情報の内容というのはどのようなことを示せばいいのか。これは具体的にどこまで明示されるのか。これもお答えいただけますか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 この御質問につきましても、抽象的ではいけないということになってございまして、単に、例えば自社の所要の目的で用いるというのではいけないということでございます。例えば、当社の預金の受入れなどとか、金融機関が提供する商品やサービスの内容を示すということでございます。 また、銀行法や各業法の監督指針あるいは業界の自主ルールにおきましてもいろいろな措置を講じているところでございまして、こうしたことの具体的な内容でございますが、技術革新に基づいて新たなやり方が行われていくということになりますと、個人情報の量とか性質が変わっていく、拡大あるいは増加、高度化していくということになれば、これに応じて管理体制も強化していく必要があるということでございまして、こうしたことについてきちんと対応していただくという必要があるということでございます。
○宮本委員 金融庁の今のガイドラインの範囲だと、当社又は関連会社、あるいは提携会社の金融商品・サービスの販売、勧誘、この程度でいいと書いているわけですね。だからここが、会社のところがもっと漠となる。さらに、サービスの販売、勧誘なんて書いたら、何だって使えるということになっちゃうんじゃないですか。ですから、本当に情報提供者の想定の範囲内ねということを大原則にするんだったら、もっと厳格にしなきゃいけないというふうに私は思いますよ。 それから、本人の同意は、一度得たなら、同じ利活用なら再度同意を得る必要はないのか、利用目的が変わったときというのは再度同意をとるのか、お伺いしたいと思います。 〔委員長退席、越智委員長代理着席〕
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 金融機関は、既に同意を得た情報の提供先であるとかあるいは提供される情報の内容に変更がある場合には、再度同意を取得する必要があるというふうに考えております。 また、利用目的を変更する場合は、変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲内でなければならないということで、それを超えてしまってはいけないということ、それから、変更した場合には、変更された利用目的につきまして、本人に通知するか公表しなければならない。それから、特定された利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱う場合には、改めて本人の同意を得なければならない。これはいずれも個人情報保護法の規律であるというふうに理解してございまして、これらに従っていただく必要があるというふうに考えております。
○宮本委員 それからあとは、形式的に本人の同意がとれましたということがあっても、本当に本人がその内容を理解しているかどうかというのは、どう確認するんですか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 本当に理解しているかどうかという確認でございますが、これをできるだけ客観的に判断するとしますと、例えば取り扱う情報の性質や利用目的、あるいは利用者への説明の態様、様子であるとか、これまでの利用実績とか、こういったことを総合的に勘案して、合理的に見て利用者が理解しやすいような形でまず説明が行われ、これを見て同意をしているのかといった、こういう態様を見て判断するということが考えられると思います。
○宮本委員 大変抽象的な説明で、今のでは、本当に本人がどこまで内容を理解しているのか、確認をどうしているのかというのはよくわからないですね。まさか、スマホのボタンのワンクリックで同意ということにならないですよね。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 スマホのボタンのワンクリックという御質問でございますが、原則は書面による同意ということになっていますが、では、電子的な情報が一切排除されるものかという問題で考えますと、一切排除されるものではないのではないかと考えてございます。 その上で、これが実際に、利用者、もともとの情報の出し主でございますけれども、その利用者の同意を得たものと実質的に見られるのかという観点から判断すべきものと考えます。
○宮本委員 驚きましたね。スマホのボタンのワンクリックでもあり得るんだという話で、ここにいる皆さんもパソコンを使っていて、いろいろなときに同意というのでぽちっとやるけれども、あれ、文章を全部読んで同意している人なんてまずいないですよ。それでいいなんというのは驚きの答弁だと言わなければならないと思います。 ですから、本当に顧客の情報、金融機関が持っている顧客の情報というのは、資産だとか、本当にプライバシーにかかわる部分ですよね、健康情報だとか。そういうものの扱い方として、今のような説明ではとても納得しません。 それからあと、現状のガイドラインに基づいて私も質問させていただきましたけれども、現状のガイドラインは、先ほどの川内筆頭からのやじというかサジェストもございましたが、こうしなさいじゃなくて望ましいという表現で書いてある部分というのも非常に多いわけですよね。 ですから、同意のとり方というのは、この法案の是非とは別ですけれども、私の立場は反対の立場ですけれども、ガイドラインはやはり改定して、もっと厳格にしなきゃいけないと思いますが、その点の認識、いかがですか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 個人情報の保護のあり方でございますけれども、現在、個人情報保護委員会におきましても、さまざまな観点から議論がされていると承知してございます。 現在、かつてのような時代と異なりまして、これだけのデータ社会になりますと、データが金融機関にだけ集中しているという状況ではなく、さまざまな場所に、さまざまな通信手段を通じて情報がやりとりされ、さまざまな場所に蓄積されている中で、金融機関は、もちろん先生御指摘のとおり、悪用されれば大変な社会問題であり、また利用者に対するよからぬ影響があるわけでございますが、うまく使うことによって、より金融の仲介機能が発揮される場合、あるいは今まで提供されない仲介サービスが提供できる可能性を求めて、さまざまな取組をしていらっしゃる方々もおられると承知していまして、いい形で進むというものとしっかり利用者の保護が図られていくということのバランスについて、私どもも実態を一生懸命把握しながら、よりよく改善していくべく議論をしてまいりたいと思います。
○宮本委員 ガイドラインをよりよく改善するということですね。もう一度確認します。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 ガイドラインということがいいのか、あるいは、現在、従来型の検査マニュアルではなくて、今後の金融機関のモニタリングについてのさまざまなディスカッションペーパーであるとか問題提起とかを、今までとは違った形でさせていただいております。 今回、法律改正をお願いしてございますので、この法律改正が認められました暁には、この改正された法律についてどのように行政対応していくのかということについても、どういうふうにしていくのか、形式も含めて考えてまいりたいと思います。
○宮本委員 私は法案反対の立場ですけれども、いずれにしても、現状でも緩いこのガイドラインをもっと厳しくしなきゃいけないということは申し上げておきたいというふうに思います。 さらに、時間がなくなってしまいましたので、ちょっと問いを当初よりも飛ばしてお伺いしたいと思いますが、今回、いろいろな金融機関の持っている情報を第三者に出せるということになるわけですが、スマホの位置情報などに加え、金融機関が持つ金融資産あるいは取引情報などが加われば、例えば、カジノ、パチンコ店にいる人にサラ金やカードローンの広告を打つようなことも技術的には可能になるというふうに思いますが、特定の消費者の脆弱性につけ込むような広告の手法について、こういうものが許されるのかという点について麻生大臣の見解をお伺いしたいと思います。 〔越智委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生国務大臣 一般論として申し上げれば、いわゆる事業会社が情報とかデータとかいうものを活用して、消費者のそれぞれの好みとか年齢とか家族構成とかいろいろなものに応じて、ターゲットを絞って商品とかサービスとかいうものの広告を行う、これはもう従来広く行われてきたものだと承知をいたしております。 こうしたターゲティングというものは、例えば、消費者一人一人がそれぞれに適した商品とかサービスとかいうものの提案を受けることができるという利点におきましては、利用者の利便に資するという面もあるんだと考えておりますが、例えば、今ちょっと例が出ましたが、貸金業者が情報とかデータとかいうものを活用して、ギャンブル等依存症のいわゆる蓋然性が高いとか借入れの実績が多い消費者をターゲットに絞って、融資に関する広告を行うというような話を多分想像しておられるんだと思いますが、それは今回の改正とは全然無関係に問題でして、貸金業者によるこうした不適切な広告につきましては、法令上、禁止等の規定が既に設けられておると理解しております。 いずれにしても、我々といたしましては、金融庁としてはということですが、この金融分野においても、消費者の脆弱性につけ込むような不適切な広告とか勧誘とか、そういったことが行われることのないよう、引き続ききちんとして、努めてまいりたいと考えております。
○宮本委員 貸金業者だけじゃなくて、銀行のカードローンも今物すごい問題になっているわけですね。銀行がそういう広告を打つということも可能性としては出てくるんじゃないかというふうに思いますので、そういうところまでやはり考えなきゃいけないんじゃないかというのは問題提起をしておきたいと思います。 あと、時間がないので、最後にお伺いしたいと思いますが、今、個人の信用力を数値化するスコアリングというのが広がっております。このスコアリングの情報が社会生活で活用が進めば、点数が高いほど恩恵がもたらされる一方、低いスコアの方があらゆる機会から排除され、バーチャルスラムと呼ばれる新たな貧困が広がって、人権にかかわる問題となる可能性があるとの指摘がございます。 この問題について、金融庁としての考え、そして対策について伺いたいと思います。
○栗田政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のように、我が国の金融機関におきましても、スマートフォンなどを通じて、個人のお客様から取得したさまざまな情報をAIが分析して、個人の信用力を点数化、スコアリング化して、スコアを融資などに活用するという動きがあることは承知しております。また、こうした動きが広がっていきますと、一定のスコアを満たさなければ融資を否決されるなど、個人が社会生活におけるさまざまなサービスから画一的に排除されるおそれがあるという御指摘があるということも承知しております。 現状、我が国におきましてスコアリングの普及はまだ限定的でございまして、御指摘のような問題が具体的に生じているということまでは認識しておりませんけれども、当庁といたしましては、引き続き、金融機関によるスコアリングの活用や普及状況、それから社会への影響を注視していくとともに、金融仲介機能の適切な発揮あるいは顧客保護などの観点から、適切な監督に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○宮本委員 アメリカや中国はこれが大変進んでいるわけですよね。一定のスコアがないとお金が借りられない、あるいは部屋を借りるのも大変だということも起きていますね。さらに、これが就職なんかにも活用されていったら就職もできなくなる。ですから、いろいろな情報をひもづけていくというのは大変な問題を引き起こす可能性があります。 アメリカでは、州によっては人事採用にスコアリング情報の利用を禁止する州法をつくっているところもありますし、ヨーロッパのGDPRでは、人間を介さない自動的な判断によるプロファイリングに関するものについては本人に異議を述べる機会を与えるという形で規制を入れているところもあります。そういうところの規制の例なんかも学びながら、本当に今回の法案でいろいろな情報のひもづけが進んでいくことの危険性というのがどこにあるのかというのをしっかり見ていかなきゃいけないということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○坂井委員長 次に、串田誠一君。
○串田委員 日本維新の会の串田でございます。 暗号資産というものに対して、大臣はかつて、規制とイノベーションのバランスが非常に重要であるという発言がなされました。これは、金融商品に関して規制と自由度というものは当然うまいバランスというのが必要なんだろうと思うんですけれども、あえて暗号資産に関して規制とイノベーションという言葉を使って、バランスが重要であるということに関して、他の金融商品と違う特色というようなものを念頭に入れながらの発言であったのかどうか、御説明をいただきたいと思います。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 どのような金融商品でありましても、金融規制のあり方を考えるに当たっては、利用者保護や金融システムの安定性あるいは業務の適正な遂行、こういったものの必要性と、イノベーションが生まれる可能性あるいはその金融商品が有する機能、金融仲介機能であるとかさまざまな機能の円滑な発揮、十全な発揮を促す必要性、このバランスが必要であるということかと思います。 ブロックチェーンについてでございますが、ブロックチェーン技術、まだ黎明期と言われまして、新たな技術ということで、その使われ方、またその安全性も日々変わっていく状況でございます。また、その技術の中身も日々変わったり進歩しているという状況でございまして、その意味では、リスクもそれから可能性も評価が定まらない、あるいは日々変わっていく、こういった状況にあるという点が、ある程度確立した金融商品を使われているイノベーティブな取引に比べて特色のあるところではないかというふうに考えております。
○串田委員 今回答がありましたが、日々変わっているということに関して、投資家というか、これに対して商品を購入する側からすると、日々変わっているものに対して追随していけるかどうかという不安もあるわけです。 考え方としては、規制の中でそういったような自由度というものを認めるということもあるでしょうし、場合によっては規制というものをある程度少なくしてイノベーションの方を多目に、これに対して消費者の方は勉強してしっかりとついていきなさいという考え方なのか、それともイノベーション自体は規制の中で安定した中でのイノベーションなのか、その点はどちらなんでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 自己責任でいくのか、あるいは規制で保護する形でということの二つでいいますと、やはり自己責任はもちろん大変取引のベースとなることであって出発点ではございますが、他方で、実際、例えば今回の暗号資産、仮想通貨を例にとりますと、ハッキングに基づきまして多額の資産が流出したというふうなことがございまして、こうしたことが業者の自助努力あるいは投資家の自己責任だけで片づけられない部分も残ったのは事実でございます。 こうしたことで、日々、その状況あるいは評価が変わっていくことにできるだけおくれないように、一生懸命規制のあり方もチューニングしていくということが必要だというふうに考えてございます。 そういう意味では、安定的にということについてでございますが、これも、取引が発展していくためには、例えば自己責任であるとしますと、その自己責任の根拠のベースとなる、判断される投資家とか利用者の方にそれのベースとなる知識、情報が提供される、ある意味、情報の非対称性というものに対してきちんと対処していくということが必要でございまして、これが自動的に当事者のインセンティブによって情報が提供されるのであればそこに任せるということもありますが、例えば、昨今、ホワイトペーパーが必ずしも正しくなかった、そしてICOの結果、必ずしも事業が途絶していて順調に資金調達の結果が投資家に還元されていないといった状況があるとすると、そういったその情報の非対称性をどう解消していく必要があるのか、そういった実態とその変化というものを見ながら対応してまいるということではないかと存じます。
○串田委員 今、非常に重要な答弁がありましたが、投資家のインセンティブという話もありました。 これですと、例えば、日々変わる情報を投資家が、いち早く取得した側が有利に扱われるというようにも聞こえてしまうんですが、そういうような解釈になってしまうんでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 説明が大変稚拙で恐縮でございます。情報の非対称性の解消ということの趣旨は、必要な情報であれば、例えば、マーケットに広くタイムリーに情報が均てんされるような形でディスクロージャー、情報開示を行うという意味では、早耳の人が不正に先回りして利益を上げるといったことを意図しているものではございませんで、あくまでフェアに情報が提供されるという趣旨でございました。恐縮でございます。
○串田委員 次に、一般的にちょっとわかりづらいのは、暗号資産とキャッシュレス化というのがありまして、これは後でちょっと広告のところでお聞きしようと思うんですが、支払い手段という言葉が出てくるんですけれども、この暗号資産とキャッシュレス化というのは何か関係が出てくるものなんでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 暗号資産の規制の始まりが、マネーロンダリング、テロ資金供与対策について国際的な関心が高まりまして、国際的にこういったものに対する規制を導入しようと。その際の関心事が、暗号資産が現に、マネーロンダリング的な取引のもとで、投機で、支払い、決済手段として利用されていたということがあろうかと思います。その意味では、この事の始まりが、支払い手段、決済手段ということであったかと思います。この背景で、法定通貨と暗号資産の交換をするという業者に対しまして、資金決済法を平成二十八年にお認めいただきました。 その後、また技術革新がございまして、新たな暗号資産の種類が急激にふえたり、それによってICOが行われるといった新たな展開がございまして、その間、価格が大きく変動し、あるいは高騰したということがありまして、価格が大きく変動するということで、足元、この数年では決済手段としての利用は余り進んでいないといった状況もあるというふうに聞いております。 また、暗号資産の種類によっては法定通貨との変動をできるだけ抑えたような形の設計のものもあって、これを決済手段として使おうという動きも海外にはあると聞いていますが、この暗号資産が今後どのような形で使われ、その中で決済手段として広く使われていくかどうかというのは注視していく必要があるかと思いますし、これが決済手段として広く使われるということであれば、キャッシュレスの一つの重要な要素になろうかと思います。
○串田委員 今回のこの暗号資産の生まれというものが、決済手段とマネーロンダリングというようなものに対して使われていたということの生い立ちというものはわかったんですが、国内において果たして本当に決済手段として利用されているだろうかという疑問があるんですね。値上がりの上下、幅を利用して利益を得ようとする投資という面というのが非常に強いんじゃないかなというふうに思うんですけれども。 象徴的な意味では、まだこの暗号資産というのは決済手段というのを中心にして捉えているんでしょうか。それとも、売買というような、上下関係を利用した利益を得ようという投資というものが、国内の利用者として主に利用されているというふうに理解されているのか、これについて確認したいと思います。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 今回の法律案の中には、資金決済法と金融商品取引法の両方にこの暗号資産を位置づけるという改正を提案してございます。この趣旨は、支払い手段として規制が入りましたが、この支払い手段としての使われ方が現状は確かに低調ではございますが、そうはいっても一部行われているということと、それから実際には、おっしゃるとおり、投機的な取引あるいはその値上がり益を狙った取引が多うございまして、これに対して金商法の規律を導入する必要があるのではないか、こういうことで両方の規制を入れてございます。 現時点では、どちらが主流かということを金融庁として判断したわけではございませんで、まさにイノベーションが起きつつあるということで、今後どちらがどう発展していくのかということに対していわばニュートラルということで、両方について目配りをするような内容とさせていただいているところでございます。
○串田委員 ちょっとイメージ的に国民がどういうふうに考えるのか、支払い手段のキャッシュレス化というのがあるんですが、そういう意味では、例えばコンビニで今いろいろなキャッシュレスのカードがいっぱいあるんですけれども、この暗号資産もそういうようなコンビニでの支払い手段というものも想定しているんでしょうか。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 どういうところで支払いができるかという点について、あるいはどのぐらいの取引量が行われているかということについては、大変申しわけないんですが、手元に統計を持ち合わせておりませんのでお答えを申しがたいのですが、かつ、具体的にコンビニがそれを受け入れるかどうかというのは、またそれぞれのコンビニを経営されていらっしゃる経営判断かということでございます。 一応、公表されているようなものを拝見しますと、数万店舗で仮想通貨あるいは暗号資産を受け入れて物やサービスを提供することがありそうだということは見てとれるのですが、それが実際にどのぐらい受け入れて、あるいはどのぐらい取引があるかということについては、済みませんが手元に数字を持っておりません。 また、一般的には、現状の価格変動の状況からすると、そういったコンビニに限らず、一般的な消費者向けの店舗での受入れは低調であるというふうな理解でございます。
○串田委員 恐らく、コンビニ業者にしてみると、それで決済してもらった場合には、暗号資産というのはたくさんあるわけですけれども、暗号資産を保有するような形になって、かなりリスクを負わざるを得なくなるわけですよね。今、キャッシュレス化といっても、円で取引をしているという意味では千円は千円で変わりがないわけですけれども、暗号資産の場合にはその日で、買ってもらったものを支払い手段として利用されたときには、あすになると為替と同じような形で変動するおそれがあるという意味で、まさにこれはイノベーションでどのように将来変わっていくのかということにはなると思うんですが、そういうような支払い手段としてもこの暗号資産というのは考えられているという理解で今受けとめたんですけれども。 またちょっと質問をかえさせていただきたいんですが、そういう意味では、これから、国民のかなりの人が、今は投資という形で行われていますけれども、まさにコンビニだとかでも利用できるようになるということであれば、非常に爆発的に利用するというようなことが出てくる時期があるのかもしれませんが。 システムセキュリティーの脆弱性なんかではハッキングなどの問題があると指摘されていますけれども、あわせて、オペレーションミスというものも併記されているんですけれども、このオペレーションミスというのはどういうような状態のときに発生するんでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のオペレーションミスにつきましては、一般的にあらゆる業務に内在するリスクであると認識しております。その上で、仮想通貨、暗号資産に関連いたしまして当庁として認識しております事例を申し上げますと、例えば、利用者が行った暗号資産の取引においてシステムエラーを理由にトレード前に巻き戻された事例、あるいは、利用者が暗号資産を送金したにもかかわらず出金要請や記録が消えており反映されていないといった事例があると承知しております。
○串田委員 それは要するに、何らかの形で、第三者から攻撃を受けていないけれども、システム自身にバグだとか何らかの欠点があって、それによってミスが発生した、そういう理解でよろしいですか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおりでございまして、外部からのセキュリティー上のハッキングにとどまらず、そのシステムあるいは業務そのものに内在する問題、システム上のバグであるとか、そういった内部管理上の問題から発生するオペレーショナルな問題であるというふうに考えております。 したがいまして、当庁といたしましては、各業者におきます適切な内部管理体制、システムリスク管理体制、オペレーショナルリスク管理体制、こういったものが整備されるよう、自主規制機関、関係省庁とも緊密に連携しつつ、深度あるモニタリングを行ってまいりたいと考えております。
○串田委員 投資家にとっては、これはネットで取引をするということも多いんだと思うんですけれども、日本の企業なのか海外の企業なのかというのが非常にわかりづらいのかなと思います。 今回、こういうような形で日本の政府としてはしっかりとした規制の中で行われていくという意味では安心できるわけなんですけれども、そういう意味では、海外での企業というものがネット的には非常に識別がつきにくいのかなとも思うんですけれども、これについての何か対策などはあるんでしょうか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、暗号資産はインターネットを利用して容易に国境を越えて取引されますことから、利用者が海外業者にアクセスしやすい状況にあると認識しております。こうした点を踏まえまして、金融庁では、暗号資産の利用者に向けまして当庁のウエブサイトにおきまして当庁に登録された国内の業者の一覧を公表するとともに、暗号資産の取引を行う際には、利用者に対しまして、登録を受けた業者かどうか、これを当庁のウエブで確認するよう、消費者庁、警察庁と連名で注意喚起を繰り返し実施をしております。 当庁といたしましては、今後とも、暗号資産取引の実態等を踏まえつつ、利用者保護の観点から、関係省庁と連携して継続的に注意喚起を行ってまいりたいと考えております。
○串田委員 国内であるかどうかというのが、そういう表示で明確にできるということがわかりました。 一方で、海外でのそういう業者と取引をする魅力というものも恐らく感じる投資家もいるとは思うんですが、そういったときに、海外の企業であるからということで、何らかのトラブルが発生したときに、日本として、政府として、放置していいのかどうか。海外と取引をした投資家に対しても保護というものも考えていかなきゃいけないと思うんですが、そのためには海外の規制当局との連携というのが非常に重要だと思うんですけれども、その点に対しての、どういう対策を考えられていますか。
○佐々木政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、暗号資産は、先ほど申し上げましたとおり、インターネットを利用して容易に国境を越えて取引されますことから、利用者保護を図る観点からも海外当局との連携は極めて重要であると考えております。こうした中、我が国では、暗号資産に係る規制、監督をいち早く導入し、その知見等を生かして暗号資産に係る国際的な連携をこれまでも主導してきております。 具体的には、我が国の知見等を共有し、さらなる連携強化を海外当局と図る観点から、昨年の九月、海外当局あるいは国際機関等が参加いたします暗号資産ラウンドテーブルを金融庁主催で開催をしたほか、各国当局との面会、電話会議等を日々頻繁に繰り返しております。 また、国内登録業者が海外に進出する場合、あるいは海外企業が国内の業者を買収する、こういった事例も見られますし、あるいは海外の無登録の業者が国内の投資家向けに勧誘を行う、こういった事例も増加しておりますので、当庁といたしましては各国当局と監督上の連携強化に取り組んでおります。 金融庁といたしましては、G20の議長国といたしまして引き続き暗号資産に係る国際的な議論をリードし国際協調に貢献するとともに、今の利用者保護、あるいはマネーロンダリング、テロ資金供与対策などの観点から、各国当局との連携を緊密に図ってまいりたいと考えております。
○串田委員 次に、広告についてお聞きをしたいと思うんです。 専ら利益を得る目的で行うような広告は禁止されたということなんですが、先ほどから聞いておりますと、支払い手段というのは現実には大変少ないという意味で、逆に、支払い手段というような名目の広告で行うというのは、投資家の目的と広告とにむしろずれが発生してしまっていて、今回の商品というのは売買目的というものも行われているんだということをむしろはっきりした方が、投資家にとって保護に値するんじゃないか。実態と乖離した規制をするというのはいかがなものかというふうにも思うんですけれども、このような規制にした趣旨というものを御説明いただきたいと思います。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 専ら利益を得る目的でという言葉でございますが、これは法令用語で大変恐縮でございます。平たく申し上げますと、投機心をあおる、あるいは投機的取引を助長するというふうな意味合いで使ってございまして、積極的な広告を行って暗号資産の値上がり益を期待して投機的な取引をどんどん増長する、こうしたことが問題であるというふうな指摘を多々頂戴してございます。 また、そうした状況で暗号資産に投資をした投資家の中には、こういう暗号資産のリスクについて十分認識のないまま投資をしていらっしゃるという方があるというふうな御批判あるいは苦情も頂戴しているところでございます。 こうしたところから、例えばでございますけれども、暗号資産が今すごく価格が高騰していて、今がチャンスで今買うんだということで、投機をすごく助長する、こういった、投機を助長するような広告は不適切ではないか。この過程で、有識者会議で検討した際も、パブリック型のブロックチェーンは必ずしもキャッシュフローなどから見込まれるような本源的な価格、価値、いわゆるフェアバリューに相当するものがないので、需給だけで限りなく上昇し、また限りなく下落するリスクのある商品であるということからも、広告の仕方については気をつける必要がある、こういった趣旨から取り入れたものでございます。
○串田委員 大変よくわかりました。 ただ一方、仮想通貨という名称が暗号資産という形になった。仮想通貨というのは非常に支払い手段というイメージが湧きやすいんですね。逆に、今度は暗号資産、資産を支払い手段にするというのは、ちょっと言葉として、むしろ遠ざかっていってしまったんじゃないかなという気もするんですけれども、暗号資産という名称にした趣旨というのはどういうことなんでしょう。
○三井政府参考人 お答え申し上げます。 暗号資産という名前に変えました理由でございますけれども、仮想通貨、クリプトカレンシーというふうなことが英文名称でございますが、これが当初は使われておったわけですが、実際の価格の急騰あるいは急落の状況などを踏まえますと、国際的にも、クリプトカレンシーというのはちょっとよくないのではないか、むしろクリプトアセットというふうな言葉の方が適切なのではないかということで、それを訳しますと仮想通貨ではなくて暗号資産であるというふうに考えまして、国際的にも暗号資産という呼び方にしていこうという流れの中で、法律の名称もこのようにさせていただいているところでございます。 ただ、資金決済法の中におけます暗号資産の定義は、今回の改正案の中で、従前の仮想通貨時代と変更しておりません。あくまで支払い手段的に使われるということを想定したものでございます。 そういう意味では、国際的に、こういった取引に対する通例の呼び方に合わせて法令の名称も変えさせていただいているということでございます。
○串田委員 残りの時間がわずかになったので、ちょっと違ったものを質問させていただきたいと思うんですが、一人親に対する支援というものはどのようなものがございますでしょうか。
○本多政府参考人 お答えいたします。 一人親家庭に対しましては、平成二十七年に子どもの貧困対策会議で決定されましたすくすくサポート・プロジェクトによりまして、親の就業支援を基本としつつ、子育て・生活支援を始め、総合的な支援を行っているところでございます。 具体的には、子育て・生活支援として一人親家庭へのヘルパー派遣など、また、就業支援といたしましてハローワークとの連携による就業支援や看護師等の資格取得のための支援等の実施、ほかには、養育費の確保といたしまして養育費相談支援センターや弁護士による養育費相談等の実施、また、経済的支援といたしまして児童扶養手当の支給や母子父子寡婦福祉資金の貸付けの実施、こういったこと等によりまして、一人親家庭への支援を行っております。 これらに係る今年度予算額、国費の分でございますが、子育て・生活支援や就業支援などの実施に係る母子家庭等総合支援事業が百五十九億円、児童扶養手当が二千七十五億円、母子父子寡婦福祉資金貸付金が三十一億円となっているところでございます。
○串田委員 かなりの予算が使われているんですけれども、我が国は協議離婚が九割に達していて、お互いが納得をして離婚しているわけですね。にもかかわらず、一人の親になってしまうというのは、どういう原因があるんでしょうか。
○筒井政府参考人 お答えいたします。 未成年者の子供がいる夫婦が離婚をする場合には、協議又は裁判により、子供の監護をする者を定めなければなりませんが、我が国におきましては、母親が監護者と指定されるケースが多いとの指摘がされております。 法務省におきましては、協議離婚において母親が監護者に指定された割合がどの程度であるかというのは、恐縮ながら把握しておりませんけれども、基本的には、父母が協議により監護者を定めるに当たっても、どちらの親を監護者とするのが子供の利益に資するかといった観点から判断がされ、その結果として、母親を監護者に指定するケースが相当数あるものと理解しております。
○串田委員 子どもの権利条約というのが、一九九四年に我が国は批准をし、共同で養育をするということになっています。そこの規定の中には、法務委員会でも質問させていただいたんですが、法律婚とそうでないものを区別していない、これに対して日本は一九九四年に批准をしている。共同で養育をするということが条約として定められている。にもかかわらず、日本の法律は一人を監護者にして、一人親にしてしまっている。一人親にしてしまっているので、貧困になり、その貧困を税金で補っている。 これは、ほかの国と同じように、共同親権、共同養育にすれば、一人親という概念も相当減ると思うんですが、いかがでしょうか。
○筒井政府参考人 お尋ねいただきました点は、一人親家庭あるいは離婚後共同親権制度をどういった意味で理解するかといったことにもかかわりますので、一概にお答えするのが難しいのですけれども、仮に離婚後共同親権制度を導入した場合に一人親家庭が減るかどうかといいますのは、その共同親権制度の具体的な内容によるものと考えられます。 すなわち、例えば、離婚後共同親権制度を導入いたしましても、日常的な監護は両親の一方が行うことを認めることとすれば、そういった意味でそれを一人親家庭と呼ぶのであれば、制度の導入により直ちに一人親家庭が減ることにはならないようにも思われるため、一概にお答えすることは困難であると考えております。
○串田委員 我が国が共同親権を採用していないということではあるわけですけれども、共同養育ということであれば、双方が養育者であるという自覚のもとに子供を育てるということになるわけですから。今は、一人だけが監護者として、国が一人だけを選別するという、大変、極めてまれな制度を我が国は採用し続けているというようなことで、母子家庭、父子家庭というふうな言い方がありますけれども、別に子供にとってみれば、双方の親が親のままでいてくれた方がよっぽどいいに決まっているんですけれども、それを一人に決めてしまっているのが政府であって、それが貧困への状態になっているのではないかなと思っています。 ただ、これは一九九四年に批准したまま、いろいろな政権があって放置されていたんですが、安倍総理が予算委員会で答弁をしていただいたことで、三月二十九日に二十四カ国の諸外国の共同親権制度の調査を開始したということが発表されました。これは極めて、ほかの国の状況を調査し、そして条約を守ろうというような、今までにかつてないことを始められたわけなんですが。これによって、母子家庭を回避する方策をも検討していくというふうに、調査の対象としては、母子家庭にならないような諸外国の扱い方、養育費の扱い方、これも調査対象として考えてよろしいでしょうか。
○筒井政府参考人 御指摘がありましたとおり、総理答弁を踏まえた法務大臣の指示に基づきまして、法務省では、本年三月二十九日に、外務省に対しまして、二十四カ国を対象として、離婚後の親権制度や子の養育のあり方等について調査依頼をしたところでございます。 今回の調査は、離婚後共同親権制度を採用している諸外国を対象といたしまして、その制度の具体的内容や離婚後の子供の監護や養育のあり方を含め調査をすることとしておりますので、離婚後も共同で子供を監護することが実際上どの程度実現されているのかといった問題意識にも応え得る内容となっているものと考えております。
○串田委員 時間になりました。子供の福祉のために、ぜひとも検討して、結果を出していただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○坂井委員長 次に、野田佳彦君。
○野田(佳)委員 最後の質問者になります。また、例によって、ざくっとした質問を行っていきたいというふうに思いますけれども。 サトシ・ナカモトなる人物がビットコインを考案したのは二〇〇八年であって、市中に出回るようになったのは二〇〇九年の一月からと言われています。およそ十年ですよね。貨幣とか紙幣という実体を持たないけれども、ネット上で取引できる、やりとりできるいわゆる電子データ、このビットコインを先駆けとして、さまざまなものが出るようになり、それが世間を席巻するようになったと思います。 これをずっと仮想通貨と我々は呼んでまいりました。この言葉は相当定着しているように思うんですね。二〇一八年の新語・流行語大賞にノミネートされていたぐらいですから、相当社会に行き渡り、浸透していたと思うんです。 それが、きょう、質問者の方は見事に全部、これを新しい暗号資産という言葉で切りかえて質問されたので、私、驚いたんですけれども、流行語大賞の候補にもなったような言葉がもう死語になるんですよ、死語に。この切りかえは、私、劇的な転換だと思うんです。 この委員会で何回か仮想通貨の質問が出たときに、私は、大臣がいつも枕言葉のように、果たして通貨なんですかねとおっしゃっていたことがずっと気になっていたんですね。カレンシーじゃなくてアセットに変わるこの転換、法令上の用語が変わる理由というものをぜひ端的に御説明いただきたいと思うんです。さっき、何か金融庁の人が、カレンシーかアセットかというのはニュートラルとか言っていましたけれども、決してニュートラルじゃないと思いますね、この時期に大きく言葉を変えるというのは。ぜひ大臣、わかりやすく御説明ください。
○麻生国務大臣 これは平成二十八年、三年前の改正において、当時、G7のサミット等々において、ここでいわゆるマネーロンダリング対策などの国際基準を決めるという、例のFATF、いわゆるファイナンシャル・アクション・タスク・フォース、FATFというものをやって、国際的な場所において、いわゆるバーチャルカレンシー、直訳して、今言われたような仮想通貨という表現が、主にマネーロンダリングの支払い手段として着目して用いられていたというのがもともとの話であります。 その上において、日本の国内においても仮想通貨という言葉がずっと使用されてきているのは先生おっしゃるとおりなんですけれども、我々はずっと呼称してきたんですが、一方、最近のG20のサミットなどの国際的な場においては、これは専らいわゆる暗号資産、クリプトアセットという、和訳いたしますと暗号資産という表現が用いられておりまして、主に値上がりを期待するとかそういった意味の方の比重が多分高くなってきて、マネーロンダリングに関してはなかなか使いにくくなってきているというのが一つの大きな理由なんじゃないかなと思いますが。 いずれにしても、現行法では、暗号資産の交換業者というのに対して、法定通貨との誤認、間違いというのがありますので、そういった意味のために説明義務を課しているんですが、仮想通貨との呼称がなお誤解を生みやすいというような指摘もあるところでありまして、こうしたことを踏まえまして、今回出させていただきましたこの法律では、仮想通貨という呼称を、今、国際的には大体クリプトアセット、暗号資産の方が圧倒的にふえてきておりますので、そういった意味から、暗号資産という言葉を使わせていただきました。 御指摘のありましたとおり、私、前から、これは本当に通貨かねというふうな話で、前々から疑問がありましたので、ずっと、この質問をいただいたときには必ず冒頭にその話を申し上げてきたんですが、今、現実問題として、バーチャルカレンシーという利用よりは値上がり期待とかいうものの方に、いわゆる資産という価値の方の比重が高くなってきているというように思われることから、国際的にはクリプトアセットの方が圧倒的な主流になってきておりますので、我々としても、こういった意味の単語をこちらの方に変えさせていただくということにさせていただいたというのが経緯です。
○野田(佳)委員 よくわかりました。 私、さっきの金融庁の方の説明よりははるかにすとんと落ちますね。支払い手段というよりも、その比重が落ちて、それは可能性は否定はしていないけれども、明らかに投機的な動きが多いから、だからこういう利用者保護の観点で法改正が行われるわけですね。だから言葉も変える。今の大臣の説明、よくわかりました。これはよく役所も徹底した方がいいと思いますよ。 ただ、和訳で、まだきちっと頭に入りません、暗号資産。響き、悪くないですか。不気味ですよ、これは。何かこれはたちが悪いんじゃないかなと思うような名称なので、単純な和訳じゃなくて、もうちょっとよく考えた方がよかったのではないのかなというのが私の印象であるということだけ申し上げさせていただきたいと思います。御説明は、今、よくわかりました。 その上で、支払い手段、決済の手段というよりも投機的な動きをつくったきっかけというのは、私は、ある意味で、二〇一七年の四月の改正資金決済法、まさに当時の仮想通貨を法令上初めて位置づけたこと、そして登録業者をつくったこと、金融庁がある種お墨つきを与えたことが、多分金融庁自体は、支払い手段としてこれはもっと広がりが出てくるだろう、それを使える店舗もふえていくだろうという想定だったんだけれども、むしろ投機の方がふえていった。 いわゆる暗号通貨ブームというか暗号通貨バブルをつくったのは、むしろ二〇一七年の法律でこの位置づけをしたところから始まるのではないかという、何か不思議なきっかけをつくったような気がするんですが、その辺は大臣はどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
○麻生国務大臣 これは野田先生おっしゃるとおり、二〇一七年にこの法律ができたんですが、その直後は確かにばあんと上がったんです。これは間違いありません。その年、翌年の二〇一八年はばさっと、もう本当に物の見事にぼおんと落ちて、いわゆる上がり下がりの、上下間の上がり下がりの激しいアセット、資産だというような話があったんですが、もともと裏づけとなる資産がありませんから、あれは。 そういった意味では、本源的な価値というような価値の観念としてはまだなかなか反応はしがたいので、価格形成のメカニズムというのも、これは必ずしも、どうして上がるのか下がるのか、よく明らかになっていないほか、日本だけでなくて、これは極端にグローバルな取引というものが可能な形での価格形成になりますので。 御指摘のように、日本においても、このいわゆる暗号資産の、決めたおかげで価格が上昇とか下がったとかいう因果関係があるかどうか、ちょっとこれは必ずしも明らかではないとは思っておりますけれども、いずれにしても、この法案で、いわゆるクリプトアセット、暗号資産が投機の対象となっているという指摘もあるということも踏まえまして、いわゆる投機をあおる、助長するような勧誘禁止などの法整備を図らせていただきたいと思っておりますけれども。 いずれにしても、全く新しい形のものがここに出てきておりますので、それに対して、我々、今の段階ではこういうものだと思っておりますけれども、また何年かするともっと別の技術のものが進んでみたり、いろいろな形がまた出てくる可能性は、我々は注意深く見ておかないと、変な形でのまた投機というような形になりかねぬという点は、十分注意しておかねばならぬと思っております。
○野田(佳)委員 今、ちょっと仮想通貨というか、また言っちゃいましたが、暗号資産バブルの話をしました。一時は下火になったんですよね、コインチェックの事件とか不正流出の問題なんかがあったりして。でもまたちょっと活況になってきている、ピーク時に比べるとまだ半分ぐらいかもしれませんが、また元気になってきているんですよ、動きが。 そうすると、きょうは国税庁にも来ていただいていると思うんですけれども、この取引を通じて一定額の利益、たしか二十万ぐらいだったですか、利益を上げると、これは雑所得として申告しなければなりませんよね。その雑所得としての申告の状況などを踏まえて、具体的にちょっと人数とか額まで把握しているかわかりませんけれども、しっかりと所得の捕捉とそして課税が行われているかどうか、国税庁にお尋ねしたいというふうに思います。
○並木政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、個人が暗号資産の取引により得た所得は、原則、雑所得として所得税の課税対象となりまして、適正に申告をしていただく必要がございます。 国税庁といたしましては、まずは、暗号資産の取引を行った納税者の方みずからが適正に申告をしていただけるよう環境整備を行い、その上で、適正に納税を行っている方々が不公平感を抱くことのないよう、問題を把握したとき、税務調査を含むさまざまな取組を実施し、適正、公平な課税を実現することは重要であると考えております。 このような観点から、昨年四月以降、金融庁や暗号資産関連団体の出席、協力も得つつ研究会を開催し、交換業者の実態等を確認した上で、申告利便向上策を議論いたしまして、その結果を踏まえ、昨年十一月に暗号資産の税務上の取扱いに関する幅広い論点についてまとめたFAQを公表したほか、納税者が簡便かつ正確に申告できるよう、交換業者に対して暗号資産の年間取引額を集計した報告書を顧客に交付することを依頼するとともに、これらの施策を交換業者や利用者に対して改めて周知するよう暗号資産関連団体に要請したところでございます。 また、このような適正申告のための環境整備に加えまして、暗号資産取引について、あらゆる機会を通じて、有効な資料情報の収集を行い、その所得を捕捉し、課税上問題があると認められる場合には的確に税務調査を実施してきているところでございまして、こうした取組を通じまして、引き続き暗号資産取引に係る適正、公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
○野田(佳)委員 しっかりと把握して、適正に課税をされるよう期待をしたいというふうに思います。 具体的な話でもう一つお聞きしたいのは、暗号資産の取引の中でデリバティブの取引が活発であるようで、相当伸びてきているというふうに聞いていますけれども、そこで問題になるのは、証拠金の倍率の問題です。 業者によっては二十五倍ぐらいセットされているところもあるようですね、欧米では二倍ぐらいと聞きます、そして協会は自主規制で四倍とセットしているということなんですけれども、これから政令で定めるんですか、具体的に。これは今言っていいのかわかりませんが、その相場観、どの程度の設定をしようとされているのか、教えてください。
○麻生国務大臣 これは具体的な倍率の話なので、ちょっと今の段階ではあれですけれども、暗号資産の価格変動というものをよく踏まえまして、結構機動的に対応せねばいかぬだろうということを考えておりますので、いわゆる外国為替証拠金取引、いわゆるフォーリンエクスチェンジ、FX取引ですか、あれと同様に内閣府令で定めることに予定をしておりますけれども。 実際に上限倍率を設定する場合には、これは暗号資産というものの価格変動が法定通貨よりも大きいということは十分に踏まえておかなきゃいかぬと思っておりますので、今言われましたように、業界では四倍とかEUでは二倍とか、いろいろ今、実際、そういうことになっておりますけれども、現実、もっと必要ではないかという御意見もいろいろありますので、私どもは利用者保護という点を忘れてはいかぬところなので、投機の抑制という点も勘案いたしまして、適切な上限というのを今から検討させていただきたいと思っております。
○野田(佳)委員 先ほどまで、立憲民主党の委員からも国民民主党の委員からもICOをめぐる質問がございました。要は、新しい暗号通貨を発行してお金を集めることだと思いますけれども、比較的、今までの方は肯定的に、いわゆるイノベーションに期待をしている御発言だと思います。 その可能性はもちろん私もあると思いますけれども、実態としては、残念ながら、世界の動きを見ると、ある調査だと、七八%が詐欺的なものであったというものもあるんです。そこは私、相当注意しなければいけないというふうに思うんですね。ICOを活用したいわゆる有用性というものを否定はしないし、その可能性というのは探っていかなければいけないけれども、一方、現実に起こっているのは詐欺的な動きが多いということ、これは相当警戒をしなければいけないわけだと思います。 そんな中で、中国と韓国は、これはもう規制どころか禁止ですから、バツですからね。これはもう随分きっぱりとした態度だと思いますけれども、日本の場合はそこまではいかないで、いわゆる有用性、有効性を、可能性をまだよく見ていこうという、ある種、金融監督庁と金融育成庁のはざまに揺れている感があるように思うんですが、その立ち位置を、ちょっと大臣のお言葉でわかりやすく教えていただきたいというふうに思います。
○麻生国務大臣 いわゆるICO、イニシャル・コイン・オファリングですけれども、これは企業、企業に限りませんけれども、企業等々がトークンなる仮想通貨みたいなものを発行して、投資家から法定通貨、また暗号資産の調達を行うという行為をもって、通称ICOとかいう言葉が略して使われておるんですけれども。 御指摘のように、中国、韓国は間違いなく禁止を、一年ぐらい前にもう禁止をいたしておりますので。そのほか、見てみますと、これはEUとか国によっていろいろ違うんですけれども、既存の証券規制の適用対象となり得る旨を明確化して、その上で注意喚起を促している国とか地域というのもはっきり言って存在をいたしている、ヨーロッパなんかそうなんですが、これは、ICOに特化した法規制を検討して、施行している国というのもあります。今、三種類ぐらいに分かれているんだと思いますけれども。 ICOについては、先ほどもお話があっておりましたが、どこかの市でやるとか町でやるとか村でやるとかいう話が出ていましたのは事実なので、これは中小企業とかいったものが容易に資金調達ができるというなど、今までの資金調達とは全然違うような可能性が手段としてあるというのは事実なんだと思っておりますので、それは評価をなされておりますけれども。 これは他方、コインチェックのときは、不正アクセスで、あれは五百四十億だか四十六億だか、ごそっと金が流出したという事件がありましたので、ちょっと正確な数字じゃありませんけれども、そういった詐欺的な事業とか事業計画があったり、ずさんな事案というものも多いので。これは利用者の保護とか、いわゆる消費者保護とか、そういった意味の観点から問題化されていることも極めて多いので、あのコインチェックが一番、一年前の一月にあれはたしか騒ぎになったんですが、そういった指摘をされることも多いので。 これらのことを考えないと、少なくともブロックチェーンの技術とか簡単に送金できるとか送金コストがかからないとか、いろいろな意味でこれは今後ともその技術的なものは育成されてしかるべきものなんだとは思っておるんですけれども、傍ら、ひっかかったら、それは自己責任だけよといってぼんと押しつけるというのもいかがなものかなと思いますので、この規制の内容というものをかなり明確にした上で、利用者保護とかそういったものも、きちっとした取引を適正に行ってもらうというようなことを考えていきながらやる。 やはり育成と規制と、そこのところのハンドリングは極めて難しいところで、私どもは、技術としてはこれは無視できない技術だと思っておりますので、十分に、かなり進んだ技術を日本は今取り入れつつあるところでもあろうと思いますので、これを一方的に、直ちにこの芽を摘むというのもいかがなものかというのが率直な実感です。
○野田(佳)委員 そのとおりだと思います。 ブロックチェーンという技術というか仕組みというのは、やはりこれからの活用のあり方というのは、これはむしろ育成の観点で、よく注視をしながら育成をするということが大事だろうというふうに思います。 今、ちょっとコインチェック事件のお話が出ました。細かいことはいいんですけれども、額でいうとあれは五百八十億円ですね、不正流出の額。なぜあんなことが起こったのかという総括を一言でお話しいただければと思います。
○麻生国務大臣 これは簡単に言えば、多分、この不正流出という事件というのは、ビジネス展開が急拡大していたというあの背景の中で、各社の、各企業の内部体制のチェック、内部管理のチェックの整備が追いついていない、我々が立入検査やらいろいろさせていただいた結果なんですけれども、そういった整備が追いついていない多くの業者がいるというのを把握いたしましたので、業務停止命令を五社、また、業務改善命令を十七社等々させていただいております。 いずれにしても、そういった体制が不備だった、整っていなかった、急激な拡大に追いついていっていなかったというのが、多分、ああいったようなものが起きてしまった、そこに目をつけられたというところなんだというように理解をしておりますけれども、いずれにしても、検査、モニタリングの結果をまとめて公表させていただいて、各業者に対しては、体制の整備というものをきちんとやるように促して、登録審査等々を厳格化するなどやらせていただいております。 いずれにしても、暗号資産をめぐる環境とか、暗号資産の取引の実態等を踏まえて、我々としては、流出リスクなどへの対応というものが、結果的に利用した人の被害ということになりますので、今般の法改正というものをそういったものを背景に提出させていただいたという背景であります。
○野田(佳)委員 内部チェックが甘いような業者、まだあのときは登録業者でもなくてみなし業者のころですよね、しかも。というところに、五百八十億もの被害が出るような大変残念な事件が起きたんですけれども。 覚えていらっしゃいますか、大臣は余りテレビはごらんにならないですか。コインチェック社のコマーシャルがあったんですよ、テレビで。出川哲朗という、多分、誰もが知っているお笑いタレントで、毎日のようにテレビに出てくる、比較的、老若男女に人気がある好感度の高いお笑い芸人なんですが、その人が、何でビットコインはコインチェックがいいんだよと連呼するコマーシャルなんですよ。私は、あれでコインチェックに注目が集まったり取引がふえたりしたような気がするんです。 今回、新たに、過剰な広告とか勧誘を規制するということですが、今ちょっとテレビで言いましたけれども、ああいうものも規制になるんですかね。どうなんでしょうか。
○麻生国務大臣 今言われました、ちょっとそのテレビを見ていないので。僕はテレビというのは努めて見ないように努力していますので、理由はともかく。 ちょっと今、野田先生が御指摘の番組というかPRというかコマーシャルを見ていないのであれなんですけれども、暗号資産の交換業者に対して、広告とか勧誘の規制といたしまして、虚偽表示の禁止、投機を助長するような表示の禁止、また、広告に、暗号資産は法定通貨ではない旨や暗号資産の価格変動リスクなどの表示をする義務などを課すことにしているんですけれども。 既に、仮想通貨交換業協会か、あそこにおいては、自主規制において、各業者に対して、いろいろな基準の設定とか広告方法、内容等々をあらかじめ営業から独立した部署が審査するということを求めるようにしているようでありますので、いろいろな意味でモニタリングを実施して、必要に応じて指導を行っていると承知をいたしております。 金融庁としては、今般の改正法案というものの趣旨を踏まえながら、交換業協会とも連携を図って、基本的には、利用者保護というものの観点から、各業者において過度な勧誘とか広告とかそういったものが行われないような体制が整備をされているかということに関して、立入検査等々を通じて把握、検証して、機動的にこれをやっていかないと、後また被害が出てからでは遅いということになりかねませんので、今言われたようなものを含めまして、機動的な行政対応というのを行ってまいりたいと考えております。
○野田(佳)委員 そういうことで、いろいろ課題はありますけれども、私、国内法を整備するということは大事だと思いますので、この後、採決がありますが、賛成をする立場でございます。 ただ、その上で、国内法だけではやはり不十分であって、先ほどもちょっと議論がありましたけれども、これはグローバルに取引が可能なものでありますので、規制というのは国際協調で、足並みをそろえていくことに実効性が出てくると思います。 その意味では、G20大阪というのは、私、今回、本当にいろいろな重要なテーマを扱うことになると思いますけれども、マネロンであるとかあるいはテロ対策の観点からの、いわゆる暗号通貨の規制について各国の合意を得るということは、議長国として大きな責任があると思います。これは質問をしようと思っていましたが、ぜひまとめていただけるように、これは要望として申し上げさせていただきたいと思います。 ぜひリーダーシップを振るって、さっき検討状況についてはお話がございましたが、しっかりとした合意をつくっていただきたいということを要望した上でありますけれども、なぜそのことに期待をするかというと、いわゆる暗号資産をサイバー攻撃で不正に取得して、北朝鮮が外貨を獲得しているという動きがあるじゃないですか。私はそこに注目をしているんです。せっかく経済制裁をしたって、不正に外貨を取得する手段が残ったら、その効果はなくなるわけです。そのためにもG20で頑張ってほしいと思っているんですが。 その北朝鮮にかかわることですけれども、国連の安保理に設置されている北朝鮮の制裁委員会専門家パネルで、おととしの始めから去年の秋まで一年九カ月間で五回のサイバー攻撃が行われて、そして五億七千百万ドル、約六百三十億円をまさに不正に取得したという報告がなされているんですけれども、これは、外務省、事実として把握されていると思いますが。 それを踏まえて、これは政府全体として、このことを重大だと思って共有して、対策を講じようとしているのかどうか。外務省のお立場では限界があることかもしれませんが、事実だけではなくて、その対策を政府としてとられているのかどうか、そこをお聞きしたいというふうに思います。
○長岡政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘の、安保理北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの報告書、ことしの三月に出されておりますけれども、この報告書においては、仮想通貨、原文ではクリプトカレンシーズとなっていますが、この仮想通貨にかかわるサイバー攻撃が北朝鮮の新たな制裁回避手段になっている、あるいは、今委員御指摘のような、これは民間の試算ですけれども、二〇一七年一月から二〇一八年九月の間、少なくとも、アジアの仮想通貨交換業者に対する五回のサイバー攻撃によって、合計五億七千百万ドルを北朝鮮が獲得したというふうに記載されております。 サイバー攻撃への対応は、日本のみならず国際社会に共通する安全保障、危機管理上の重要な課題でありますので、各国とも連携しながら、緊張感を持って積極的に対応していく所存でございます。
○野田(佳)委員 先ほどの五億七千百万ドルの中には、コインチェック社も入っているというカウントだというふうに思いますね。 ということを考えると、国内法の整備だけではなくて、まさに国際的な協調のもとで、経済制裁が本当に効果があるようにするために、G20は私は大事であると申し上げたいと思います。 私は、G20で合意が得られて、制裁の効果が出てくるという状況をつくるなどあって初めて日朝首脳会談は可能になるはずであって、無条件にと突然言い出されたことは、本当に違和感を感じるんです。しかも、飛翔体なるものが飛ばされて、弾道ミサイルだとわかった。これは安保理決議違反じゃありませんか。それに対するアクションもないまま無条件ということは、逆に、北朝鮮が圧力をかければ日本は対話するという間違ったメッセージを出しかねないと思いますので。 あべ俊子副大臣におかれましては、去年は財金で大変お世話になりました、いろいろ御高配いただいたことに感謝申し上げますけれども、今申し上げた、これは本当は総理に聞きたいテーマなんですけれども、副大臣にきょうお越しいただいて。 無条件というのはおかしいでしょう。今まで言ったことと全然合いませんよ。しかも、今申し上げた、弾道ミサイルが飛ばされている。そして、さっき申し上げたように、暗号資産を不正取得して外貨を稼いでいる。そういう制裁効果が出てから対話すべきだと私は思いますが、副大臣、お答えください。
○あべ副大臣 委員にお答えいたします。 日朝の首脳会談に関しては、決まっていることはまだ何もございません。 その上で申し上げさせていただければ、安倍総理、北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けまして、相互不信の殻を破りまして、次は自分自身が金委員長と直接向き合うとの決意を従来から述べてきたところでございます。 条件をつけずに会談実現を目指すとの発言は、そのことをより明確な形で述べたものであるというふうに思っておりまして、拉致問題、安倍内閣の最重要課題でございます、安倍総理が述べたとおり、拉致問題を解決するために、あらゆるチャンスを逃さないという決意でもございます。 拉致問題の解決に向けては、我が国自身が主体的に取り組むことが重要でございまして、御家族も御高齢となる中にございまして、一日も早い解決に向けて、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していくという方針に変わりはございません。 以上でございます。
○野田(佳)委員 それは、もう御家族が御高齢になって、そして拉致問題の解決は急がなければいけない、その思いは全く私も同じでありますけれども、今まで言ってきたことと余りにも違い過ぎる。 外交というのは、やはりぶれない方針と、そして原点をしっかり確認しながら交渉するというのが基本だと思いますが、基本が見えなくなってきている、説明責任が本当に必要だということを申し上げて、時間が参りましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
○坂井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○坂井委員長 この際、本案に対し、緑川貴士君外一名から、立憲民主党・無所属フォーラム及び国民民主党・無所属クラブの共同提案による修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。緑川貴士君。 ————————————— 情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○緑川委員 ただいま議題となりました情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明いたします。 仮想通貨、すなわち暗号資産は、ブロックチェーン技術により、金融取引の低コスト化、新たなビジネスの創出を可能とするものとして、大きな期待を寄せられています。日本がこの分野をリードしていけるよう、育成に力を入れるべきです。投資家保護のための規制は一定程度必要ですが、必要以上に規制し、新たなビジネスの芽を摘むようなことがあってはなりません。 特に、地方公共団体にとって、暗号資産や電子記録移転権利は、低コストで資金調達にも応用できるなど地域経済活性化の手段として魅力的なものとなり得るため、国としてもできる限り規制をせずに支援をしていくべきです。しかし、このたびの政府提出法案により、地方公共団体は信用力があるにもかかわらず、暗号資産や電子記録移転権利に係る規制がかかってしまいます。また、現在、地方公共団体が直接これらを発行可能かどうかは、地方自治法上不明確となっています。 セキュリティートークンについては、政府提出法案により、有価証券と同等のものとして規制されることになりますが、これでは、簡易な資金調達方法を必要としているスタートアップ企業の利用が妨げられてしまう可能性があります。早急に検討し、手当てを行うべきです。 税制に関しても、上場株式等譲渡益が分離課税となっていることへの公平性や、商品を購入した場合の確定申告の煩雑さが指摘されており、早急に検討を行うべきです。 カストディー業務についても、業者の規模にかかわらず一様に厳しく規制していくべきなのかは早急に検討を行うべきです。 以上の観点から、政府提出法案には所要の修正を加えるべきと考え、本修正案を提出した次第でございます。 以下、具体的に申し上げます。 第一に、別に法律で定めるところにより、地方公共団体による暗号資産及び電子記録移転権利の発行等を可能とすることといたします。 第二に、地方公共団体に対する暗号資産交換業の登録等に関する規定を適用除外とすることといたします。 第三に、地方公共団体が発行する電子記録移転権利に対する企業内容等の開示に関する規定を適用除外とすることといたします。 第四に、政府は、以下の三項目について検討を加え、必要な措置を講ずることといたします。 一つ目に、暗号資産及び電子記録移転権利の譲渡等に係る所得税等の課税のあり方についてです。 二つ目に、電子記録移転権利の募集、売出しに対する規制のあり方についてです。 三つ目に、カストディー業務に対する規制のあり方についてです。 第五に、改元に伴い、法律番号の表記について、平成を令和に改めることといたします。 以上が、本修正案の趣旨及び内容であります。 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○坂井委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○坂井委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申出がありますので、これを許します。宮本徹君。
○宮本委員 日本共産党の宮本徹です。 本法案に反対する理由は、個人情報保護の仕組みが不十分であるにもかかわらず、データビジネスの拡大に対応し、金融機関が保有する情報、データを第三者に提供することができるよう業務範囲を拡大する点であります。 金融機関に蓄積された膨大な個人情報のビジネスへの利活用が促進されれば、当然、資産にかかわる口座情報等の不正利用のリスクが高まります。個人情報保護制度が不十分な中で、そのような個人情報ビジネスが拡大すれば、高齢者等をターゲットにした金融被害や消費者被害の増大が懸念されます。他業種が集積した情報に、更に口座情報、取引情報など金融機関が保有する個人情報なども集積され、プロファイリングされたデータがAIによる融資判断を始め社会生活のさまざまな面で利活用されると、プライバシーの侵害や信用格差拡大による社会的排除など、人権上の問題も深刻化する懸念があります。個人情報の保護制度の確立を抜きに情報ビジネスを先行させることには反対であります。 また、過度な事業支配力を持ちやすいため、独占禁止法により厳しい制約を課している銀行、保険会社の兼業規制を個人情報ビジネスに関して緩和すれば、公正な競争を阻害する懸念が高まります。さらに、IT分野の事業リスクを抱えることで銀行等の経営リスクが高まれば、日本の金融システムの不安定化になりかねません。 なお、本法案による暗号資産の規制強化は利用者保護を進める上で当然の措置であり、賛同しておりますが、以上のように、金融機関の業務範囲の拡大については問題があり、全体として反対とさせていただきます。 修正案につきましては、見解を異にします。 終わります。
○坂井委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○坂井委員長 これより採決に入ります。 情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、緑川貴士君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○坂井委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○坂井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○坂井委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、井林辰憲君外五名から、自由民主党、立憲民主党・無所属フォーラム、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会及び社会保障を立て直す国民会議の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。松平浩一君。
○松平委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。 情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一 近年における暗号資産及びICO(イニシャル・コイン・オファリング)取引の実態等を踏まえ、利用者保護等の観点から、実効性のある検査及び監督体制を整備すること。 その際、優秀な人材の確保と職員の専門性の向上を図るとともに、必要な定員の確保及び機構の整備に努めること。 二 暗号資産、電子記録移転権利及びそれらを支えるブロックチェーン技術は、デジタル化・ネットワーク化が進展する新しい時代の中において特に先進的かつ革新的な技術とその適用であることを踏まえ、本法により整備される各種規定の運用に際しては、民間部門が過度に萎縮することがないよう法解釈の周知徹底に努めるとともに、基礎となるブロックチェーン技術の開発及び提供によるイノベーションにも十分留意すること。 三 暗号資産、電子記録移転権利についての政府令等を定めるに当たっては、規制対象事業の実態を考慮し、整合的かつ合理的に実施可能な制度を全体として構築するよう努めること。 四 暗号資産、電子記録移転権利については、特定の地方公共団体域内や企業内、専ら事業者間において利用されるものなど多様な利用場面が想定されるほか、暗号資産交換業者の業態やICOについても、広く一般人を対象とするものから適格機関投資家等一定の知識経験を有する者のみを対象とするものなど、多様なものが想定される。本法の運用に当たっては、こうした多様性に配慮して、暗号資産の利用目的や利用対象者の関係で過度な規制とならないよう注視し、必要に応じ適切に対応すること。 五 技術革新による金融サービスの急速な変化に対応し、適切な金融規制体系を構築する観点から、必要に応じて行政当局による監督権限の行使を可能とする法令に基づく規制と、環境変化に応じて柔軟かつ機動的な対応を行い得る自主規制団体が策定する自主規制の連携を十分に図るよう努めること。 六 暗号資産、電子記録移転権利については、クロスボーダー取引が盛んに行われている実態に鑑み、G20各国の規制動向を十分に把握するとともに各国と連携し、国際的に調和のとれた規制体系となるよう適時に見直しを行うこと。 七 ICOの会計処理等は、発行されるトークンの性質に応じて異なるものと考えられるため、国際的な議論を勘案しつつ、会計処理等の考え方について整理のうえ、ガイドラインの策定等の必要な対策を講ずること。 八 附則第三十二条の検討を行うに当たっては、法的安定性の確保及び利用者保護の一層の確保のために、暗号資産、電子記録移転権利等の移転その他の権利義務関係といった私法上の取扱いの明確化も含めた検討を行うこと。 九 地方公共団体が暗号資産及び電子記録移転権利を資金調達の手段として適切に利用することができるようにするための方策について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。 十 暗号資産及び電子記録移転権利の譲渡、暗号資産を用いたデリバティブ取引等に係る所得に対する所得税等の課税の在り方について検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。 十一 金融商品取引法第二条第三項に規定する有価証券の募集及び同条第四項に規定する有価証券の売出しに対する規制の在り方について、電子記録移転権利の取引の実態を踏まえた検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。 十二 他人のために暗号資産の管理のみを業として行う者に対する規制の在り方について、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策という国際的要請に応えつつ、可能な限り暗号資産交換業の利用者の利便性の向上に資する観点から検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。 十三 八から十二までの各項の検討及び措置を行うに際しては、暗号資産及び電子記録移転権利並びにそれらの基礎となる技術が我が国の産業の高度化に資する可能性があることを踏まえ、法規制がこれらの技術の開発及び応用を過度に制限することがないように配慮すること。 十四 金融機関の顧客情報を第三者に提供する業務については、個人情報の有用性に配慮しつつ、センシティブ情報を含む個人情報の保護が図られるよう万全を期すとともに、十分な検査・監督体制の整備に努めること。 十五 金融機関の顧客情報を第三者に提供する際の当該顧客の同意においては、提供先である第三者の範囲、当該第三者における利用目的及び提供される個人情報の内容について、当該顧客が理解した上で同意に関する判断を行うことができ、かつ、その意思を明確に反映できる方法により行われるようガイドライン等を適切に策定するとともに、検査・監督によりその実効性を確保し、当該顧客の利便が損なわれることがないようにすること。 以上であります。 何とぞ御賛同賜りますようよろしくお願い申し上げます。
○坂井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○坂井委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。金融担当大臣麻生太郎君。
○麻生国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。 —————————————
○坂井委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○坂井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十三分散会