国土交通委員会 第17号
- 発言数
- 124 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2019/06/12
会議録
○谷委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省鉄道局長蒲生篤実君、航空局長蝦名邦晴君、運輸安全委員会事務局長篠部武嗣君、経済産業省大臣官房審議官上田洋二君、通商政策局通商機構部長渡辺哲也君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○谷委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。津村啓介君。
○津村委員 六月七日の衆議院国土交通委員会は、外務副大臣答弁の混乱によりまして、内閣提出法案の採決予定日としては異例の流会、散会となりました。 本日朝の理事会で、外務省総括審議官より不手際を深くおわびするとの謝罪のお言葉をいただきましたので、この場で御報告いたします。 この間の経緯につきましては、委員の皆さん、本日配付いたしました当事務所の作成の配付資料一ページ目に、この間の経緯として皆さんにお配りしておりますので、御確認いただければというふうに思います。 外務省に改めて御質問いたします。 日米地位協定に基づく航空交通管制合意が約三十年にわたって公開をされず、二〇〇〇年代になって突如として外務省ホームページに掲載された理由を教えてください。また、外務省ホームページに現在掲載されている同合意、皆さんにお配りしている紙の四ページ目がホームページに掲載されているその実物でございますけれども、この合意文書は概要ですか全文ですか、はっきりとさせてください。
○佐藤(正)副大臣 津村委員にお答えいたします。 私の方からも、七日の衆議院国土交通委員会の審議を中断させたこと及びその後の理事会において外務省からの説明に誤りがあったことをおわびいたします。 理事会におきまして、現場に赴いた担当者の認識に誤りがあり、概要と御説明すべきところを全文と説明してしまったものであります。 今後は、国会審議への十分な準備を含め、このようなことがないよう、私からも事務方に必要な指示を行ったところでございます。 その上で、お尋ねの件について御説明いたします。 公表されております航空管制合意につきましては、昭和五十年五月の日米合同委員会において承認された後、翌月には国会に対して提出させていただいており、その後、予算委員会等国会の場でも審議をされております。 外務省のウエブサイトにつきましては、平成七年に立ち上げておりますが、数次にわたる全面改定を経ているため、掲載された正確な日時をさかのぼって把握することは困難でありましたが、省内で可能な限り調べ、現存するログを確認したところ、遅くとも平成十六年十二月十日の段階では掲載されていたことが確認されております。 平成十六年に前後する時期というのは、外務省におきまして、国民や外国向けを含めまして、説明責任を積極的に果たすべく、そのウエブサイトのコンテンツの充実を図っていた時期でもあります。御指摘の航空管制合意を含め、日米地位協定に関する資料につきましても、そうした努力の一環としてウエブ上で公開するようになったものと認識しております。 次に、外務省ウエブサイトに掲載されている航空管制合意が概要か全文であるかにつきましては、これは概要でございます。
○津村委員 今、幾つかの時間的な事実関係が明らかにされました。一九七五年、昭和五十年の六月に、この合意はなされているわけですけれども、そもそもそれは全文ではなく概要しか公表されていないということが一点。そして、その後、一番早くても、ホームページをつくったのは平成七年とおっしゃいました、一九九五年まで二十年、間隔があいております。さらに、遅くともということで、二〇〇四年、平成十六年からは掲載が確認できると。 一番最初に、昭和五十年の六月に国会に提出したということをおっしゃったわけですけれども、事務方とのやりとりの中で、参議院の運輸委員会に提出されたというものは出てまいりましたが、衆議院に提出したかどうかは今でも確認ができないというふうに伺っています。 そのような公開のレベルで、また、その後、少なくとも二十年にわたってはホームページその他で公開をされてこなかった。横田空域、岩国空域その他、航空管制のあり方についてどういう合意がなされているかというのが国民の皆さんに容易に確認できないような、いわば密約に近い形で存在すること、そして、いまだに全文ではなく概要しか公表されていないということに大変強い違和感を覚えるものでございます。 国民生活に重要な影響を及ぼす二国間合意が、公開もされず、この国会でも審議されることもなく、また、一般国民の目に触れない形で事実上非公開とされてきた、二十年。この国会の民主的コントロールということが全く働いていない中で、一般国民の権利義務関係が大きく毀損されるというのは、これは一体どういうことでしょうか。その民主的な正当性を伺いたいと思います。
○佐藤(正)副大臣 お答えいたします。 国会提出についても、事実関係から御説明いたします。 昭和五十年六月十日に国会に提出された後、昭和五十年六月十七日の参議院運輸委員会、昭和五十二年四月九日の参議院予算委員会、昭和五十九年二月二十一日の衆議院予算委員会において議論がなされており、当該議論の様子は国会議事録において確認することができるようになっております。 昭和五十年代は現在のようにインターネットが普及していなかった時代でありまして、当時の政府にとって、国会審議の記録となる議事録は、国民への広報という意味におきまして重要な役割を果たしてきたと認識しております。 また、今回の正当性についてでございますけれども、お尋ねの航空交通管制合意は、日米地位協定第六条の規定にのっとって、第六条にかかわる技術的な事項を定める細則であり、同六条においては、空域に関する協調及び整合を図るために必要な取決めを結ぶことを行政府に求めているものであります。 日米地位協定が国会の承認を経て締結された国会承認条約であることを踏まえれば、協定の規定にのっとり、その細則を行政府がその責任で定めるのは手続的に適正なことと考えております。 また、日米合同委員会合意につきましては、その政治的重要性によって扱いは異なりますが、重要なものにつきましては、各省庁間において、大臣等に対して説明を行い、また承認を得るのが一般であり、統制という観点では担保されているというふうに思っております。 また、御指摘の国民一般との関係におきましても、日米合同委員会合意の積極的な公表にも努めていきたいと思っております。 当該管制合意のように全文を掲載することが難しい場合でも、合意のうち国民の生活と密接に関係する事項等については、米側の了解を取り付け、その概要を公表するなどの努力を行っております。 いずれにせよ、委員の御指摘を踏まえまして、国民の皆様によりよく理解していただくという観点から、引き続き努力をしていきたいというふうに考えます。
○津村委員 今、佐藤副大臣から、二度、三度にわたる国会審議でこの合意の概要が議論の俎上にのってきたことをもって、公開してきたかのような御発言がありましたが、議事録には、そうした合意の中身について、具体的な文言はございません、断片的なものしかございません。つまり、国会議事録を通して公開されているというのは、それはやはり言い過ぎで詭弁だと思いますし、また、当時メディア対応したということも確認されていないというふうに思います。 インターネットがない時代でも、メディアに、記者会見をするとか、幾らでも公開する方法はあったわけですけれども、そういったことが全くなされていないということについては指摘をしておきたいと思います。またいずれの日か議論させてください。 最後の質問としますが、皆さん、この四ページ目の、先ほど私が指摘した、この状態でこれは掲載されているんですね。これ、幾つの文章があるか数えられますか。六番が切れていますよね。これは、五つなのか六つなのか七つなのかよくわからないような、この状態で掲載をされているんです。 私は、この日米合同委員会の合意、これは、両国間の合意がなければ公開できない、両国間の合意の範囲での公開ということになっている、それはそうかもしれませんが、だとすれば、公開できるとなっているものについては、きちんと見やすい形で、整理された形で、誠意を持って公開されるべきだと思うんですね。 私は、現在全て外務省ホームページに公開されているのかどうかを伺いたいと思いますし、またそれが、まさにこれがそうですけれども、全文か概要かが不明な状態で掲載されていること、あるいは一部の文章の文字が見切れて読めない、こういった状況は適切でないと思います。 きちんと、日米合同委員会で合意された公開可能な文書については、それが概要であるのか全文であるのかを明記した上で、一覧性のある整理された形で掲載をするべきだということを御提言したいと思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤(正)副大臣 お答えいたします。 まず、事実関係から御説明いたします。 日米合同委員会合意の中には、外務省ウエブサイトにおいて掲載していないものも存在いたします。例えば、施設・区域の提供や返還に関する合意につきましては、その概要を防衛省のウエブサイトの方に掲載しているというものもございます。 次に、まさに御指摘のこの航空交通管制の改正は、四ページのもの、御指摘のように、これは概要か全文かわかりませんし、六番というものが切れたり、あるいは穴をあけた跡が残っていたりというもの、非常にこれは御指摘のとおりという部分もございますので、外務省といたしましても、委員の御指摘を真摯に受けとめて、国民の皆様により理解のしやすい適切な掲載法を検討し、適切に対応していきたいというふうに考えます。
○津村委員 適切に対応するということは前向きな御答弁をいただいたと思いますが、防衛省とか、何なら、航空交通管制合意は、見ようによっては国土交通省のホームページに載っていてもいいのかもしれないというぐあいに、これは境界がよくわからないものがたくさんあるわけですけれども、日米合同委員会のヘッドは北米局長ですよね。これは外務省が責任を持って、リンクを張る形でも結構ですから、このページを見れば役所関係なく全てこのページから飛べるという状態にきちんと作業していただきたいと思いますけれども、お約束ください。
○佐藤(正)副大臣 委員御指摘のように、国民の方々によりよく理解をしていただくという観点から、御指摘を踏まえまして、関係省庁と連携しながら対応を検討していきたいと思います。
○津村委員 検討じゃなくて対応してください。明言してください。これは事務方ともお話ししたはずです。
○佐藤(正)副大臣 はい。委員の御指摘を踏まえまして、しっかり対応してまいります。
○津村委員 ありがとうございます。 それでは、次の、日航一二三便墜落事故の原因究明の問題に移りたいと思います。 昭和六十年八月十二日に発生したJAL一二三便墜落事故の原因について、事故調査報告書ではどのように説明されているのでしょうか。概要を御説明ください。
○石井国務大臣 日本航空一二三便事故につきましては、当時の航空事故調査委員会が昭和六十二年六月に航空事故調査報告書を公表しております。 報告書におきましては、事故原因につきまして、本事故は、後部圧力隔壁の不適切な修理に起因し、隔壁が損壊したことにより、胴体後部、垂直尾翼、操縦系統が損壊をし、飛行性能の低下と主操縦機能を喪失したために生じたと推定されるとしております。
○津村委員 最後に推定とおっしゃったんですけれども、推定というのは断定ではないということでしょうか。断定と推定の意味の違いを教えてください。
○石井国務大臣 事故調査報告書の記載は、ICAO、国際民間航空機関のガイドラインに基づきまして、原因等の推定度合いを四段階に分類して記載をしてございます。 断定できる場合には、認められるという記載でございます。断定できないが、ほぼ間違いない場合には、推定されるという記載でございまして、一二三便については、断定できないが、ほぼ間違いない場合を意味する、推定されるを使用していると承知をしております。
○津村委員 JAL一二三便墜落事故の事故調査に関連いたしまして、例えば紙での分析資料もあると思いますが、同機の残骸、死亡診断書等、さまざまな資料を使用したと承知をしております。 運輸安全委員会が保存している資料の種類、保存場所、件数、保存期間とその法的根拠について御説明ください。
○石井国務大臣 運輸安全委員会によれば、当該事故の資料の保存に関する基本的考え方は次のとおりと聞いております。 まず、事故原因の究明及び再発防止のために必要なものは、全て事故調査報告書に記載することにより永久に保有をする。その他の資料についてはマイクロフィルム化し、事案の重要性に鑑み、できるだけ長期に保存する。国際民間航空条約においては、事故調査のために収集をし作成等をした資料は当該事故調査以外の目的に利用できるようにしてはならないとされていることから、具体的な件名や件数等については不開示とする。こういう基本的な考え方と聞いております。 お尋ねの件につきましては、こういった考え方から、次のとおりになると聞いております。 まず、資料の種類及び件数についてでありますが、具体的な件名及び件数は開示できないが、分析資料等はマイクロフィルム化して保存をし、同機の残骸等の本体は所有者に返却をしておる、資料の保存場所については、マイクロフィルムを運輸安全委員会において保管をしている、資料の保存期間については、現時点では、平成二十年十月の運輸安全委員会発足より三十年間とされているが、事案の重要性に鑑み、今後延長を検討するということでございます。
○津村委員 国土交通委員の皆さんに申し上げますが、八ページのニュースの記事をごらんいただければというふうに思います。これは四年前になりますけれども、日航機墜落事故のちょうど三十年の日、二〇一五年八月十二日のテレビ朝日系列のニュースでございます。 テレビ朝日系列ANNは、情報公開請求で得た資料などから、残骸が沈んでいるとされる相模湾の海底を調査し、一二三便の部品の可能性がある物体を発見しました、先月二十九日、静岡県東伊豆町の沖合約二・五キロメートル、一二三便の推定飛行ルートの真下に当たる水深百六十メートルの海底で撮影された映像です、一・五メートルから二メートルほどの大きさ、当時の事故調査官は、仮に飛行機の部品だとすると、APUの周りについているコントロールボックスと言われているようなものではないかとおっしゃっています。 一二三便をめぐっては、先ほどお話がありましたとおり、相模湾上空でのトラブルの際に、機体から、垂直尾翼の大半やAPUを含む機体後部の部品が見つからないまま、事故から一年十カ月後に調査が終了しているということであります。 私は、ぜひこの物体を調査するべきだと思うのですが、この後、運輸安全委員会が動いた形跡もなければ、報道も一切途絶えております。極めて不自然だと思っているんですけれども、運輸安全委員会において調査を行ったのでしょうか。伺いたいと思います。
○石井国務大臣 運輸安全委員会におきましては、本件報道を受けた調査は行っていないと承知をしております。
○津村委員 仮に、水深百六十メートルで、一メートルから二メートルの物体を海底から引き揚げる場合の費用はどの程度でしょうか。
○石井国務大臣 運輸安全委員会がサルベージ会社に話を聞いたところによりますと、報道の時点から約四年経過をしていることから、その位置を改めて探査するとともに、物体の重量、形状、状態等を事前に調査することが必要とのことであります。 引揚げ費用につきましては、探査範囲や引揚げの難度、所要日数等によって大きく変動するということでありますが、少なくとも数千万円のオーダーが見込まれると聞いているところでございます。
○津村委員 数千万円のオーダーということですね。わかりました。 ぜひその数千万円を国費として支出して、この重大事故の原因究明に役立てるべきだということを申し上げたいというふうに思います。大臣のお考えを聞かせてください。
○石井国務大臣 運輸安全委員会は、国家行政組織法第三条に基づくいわゆる三条委員会でございます。府省の大臣などからの指揮や監督を受けず、独立して権限を行使することができる合議制の機関でございます。 特に、運輸安全委員会は、国土交通大臣への勧告、意見の発出を行うこともあるため、運輸安全委員会設置法第六条に基づき、委員長及び委員の職権行使の独立性が担保されております。 このため、国土交通大臣は、個別の調査案件につきまして、運輸安全委員会に対して特段の指導等を行う立場にはございません。 本件報道を受けた対応につきましても、国土交通大臣から指示することは適切ではなく、運輸安全委員会において適切に判断されるべきものと考えております。
○津村委員 機会を改めまして、運輸安全委員会の責任者の方に御質問をしていきたいと思っています。 九ページ以降に、もく星号墜落事故についてのウィキペディアを皆さんにお配りいたしました。 このもく星号の事故というのは、空白の七年間と言われた、まさに戦後直後、日本の航空業界が飛行機を飛ばせなかった時期の直後に、JALが飛行機を飛ばし始めた直後に起きた、伊豆大島に激突したという事故でありまして、資料その他、まだ原因が非常に不透明だと言われている事故であります。 ちなみに、この事故は、JAL一二三便墜落事故と極めて近接した、あえて言えば、横田空域と極めて近接した場所で起こった事故でもございます。 この事故の原因について、国土交通省はどういう認識でございますか。
○石井国務大臣 もく星号事故につきましては、航空事故調査委員会設立前の事故であり、記録が残されておりませんが、当時の国会の議事録によりますと、事故原因及び飛行の状況につきましては、飛行中、同機の操縦者が航法上何らかの錯誤を起こして、航空路に規定をされている最低安全高度以下を飛行したことにより、大島三原山の山腹に衝突したものと推定をされております。
○津村委員 時間が来ておりますので、もう終わります。 ぜひ、日本の空の安全のために、日米間の航空その他、日米合同委員会の合意についてはきちんと透明性を確保していただきたいことと、過去の重大事故に関する原因究明にはベストを尽くしていただきたい。数千万円のオーダーなのであれば、運輸安全委員会にはぜひこの部品の引揚げと調査を求めたいと思います。 終わります。
○谷委員長 次に、井上英孝君。
○井上(英)委員 日本維新の会の井上です。 航空法の改正ということで、質疑に入らせていただきたいと思います。 我が国の航空機産業は、全体として、二〇二〇年、オリパラの年には約二兆円、そして、その十年後の二〇三〇年には約三兆円の規模となることが見込まれております。自動車に続き基幹産業として発展することが期待されている中、三菱航空機が来年半ばの運航開始を目指して、我が国初の国産ジェット旅客機MRJを現在開発中であります。 航空機は一度の事故により甚大な被害が生じるため、何よりも高い安全性が求められることになりますが、多くの国民は、MRJが、安心して利用することができる、世界に誇る航空機となることを願っている。私もそう思っていますし、皆さん多分そう思われていると思います。 先週五日、MRJの視察がありましたが、航空機の設計国として、国産航空機MRJの安全性維持に関する制度を構築するための今回の航空法の改正案というふうに聞いておりますので、るる質問させていただきたいと思います。 まずは、MRJの開発により、我が国は、国際民間航空条約上、MRJの設計国となり、全世界に対してMRJの安全性を維持していく責務を負うことになるとのことでありますが、これまでもYS11といった戦後初の国産旅客機などの国産航空機を開発してきた歴史がある中で、なぜ今般、改めて航空法の改正を行うのか。また、加えて、MRJの安全性を第一にしつつも、長期間の運航停止に陥ることを避けるため、審査の適切性とともに迅速な判断というのが求められると考えますが、我が国はどのようにMRJの安全性を維持して航空機設計国としての責務を果たしていくのか、お聞かせください。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 これまでにも我が国では、YS11を始め、小型飛行機や回転翼航空機の開発が継続的に行われてまいりましたが、いずれも、国際民間航空条約上、航空機設計国の責務が規定されました平成六年、一九九四年より以前であったために、我が国としては法制上の措置を講じておりませんでした。 今般、我が国はMRJの航空機設計国となりますが、国際民間航空条約上、航空機設計国は、国産航空機のふぐあい情報を収集するとともに、必要な安全対策を関係国に周知することが求められております。この責務を果たすために、今回の制度改正におきましては、新設する具体的な制度が二点ございます。 一点目は、欧米を始めとする航空機設計国と同様に、国産航空機の航空機メーカーに対しまして、国内外の航空機使用者からふぐあい情報を収集し、国土交通大臣に報告することを義務づけます。国土交通省は、報告されたふぐあいの安全性への影響を適切に評価し、航空機メーカーに対して適切な措置を講じさせることで、MRJの事故やトラブルの発生の未然防止を図ってまいります。 二点目は、国内外で使用される国産航空機に不測の大きな損傷などが発生した際に、航空機メーカーが作成した航空機の修理改造の手順を国土交通大臣が事前に承認することによりまして、航空機使用者が迅速に修理をし、速やかに航空機を運航に復帰させることを可能といたします。 国土交通省は、これらの制度を的確に実施することによりまして、航空機設計国としてMRJの運航開始後の安全性を確実に維持してまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 ぜひ、当然ですけれども、安全性を第一にしつつも迅速な判断が可能となるということでありますので、しっかりと責務を果たしていっていただきたいなというふうに思います。 YS11以来初めてとなる民間旅客機の完成機事業が今般ようやく実を結ぼうとしておりますが、我が国の航空機産業のさらなる発展のためには、完成機事業だけではなくて、我が国の航空機部品メーカーの発展というのも非常に重要と考えます。 今回の法改正は、我が国の航空機部品メーカーに対してどのような効果があるのか、お伺いいたします。
○蝦名政府参考人 今回の航空法改正によりまして、航空機のあらゆる装備品や部品について、国があらかじめメーカー等の民間事業者の製造や修理の能力を審査の上認定し、認定を受けた民間事業者が製造、修理した装備品等を航空機使用者が航空機に取り付けることとなります。 欧米を始めといたします諸外国と同等の制度のもとで、国が我が国の装備品、部品メーカーの能力を認定することで、安全性が確保され、信用力を得た装備品、部品が市場に供給されることとなり、世界の部品メーカーに伍して競争していくことが可能になるものと考えております。 また、国土交通省では、我が国の航空製品の輸出促進のために、装備品等の安全性を二国間で相互に認め合う枠組みである航空安全に関する相互承認協定の締結に向けまして、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 国土交通省としては、今回の制度改正を通じて、安全面での環境を整え、適切に運用していくことが、我が国の装備品、部品メーカーの海外進出の促進、ひいては我が国の航空産業の発展に寄与していくものと考えております。
○井上(英)委員 次に、運輸安全委員会についてお伺いをしたいと思いますけれども、運輸安全委員会がMRJの設計国として全世界にMRJの安全性というのを維持する責務を負うことに当たっては、国内外でMRJの航空事故や重大インシデントが発生した場合、それらの調査に適切かつ迅速な対応というのが求められるというふうに考えます。 そのために運輸安全委員会はどのように事故等調査能力を高めて委員会としての責務を果たしていかれるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○篠部政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、国産航空機MRJの国内、国外での事故等調査に際しては、航空機設計国としてこれらの事故等調査に適切かつ迅速に対応する必要がございまして、そのための高度な専門的知識を持つ人材を育成し、事故調査能力の向上を図ることが極めて重要でございます。 運輸安全委員会におきましては、MRJの設計コンセプトや操縦、整備等に係る研修、訓練を始めとした教育訓練の充実による人材育成に取り組みまして、調査能力の高度化を図ってまいる所存でございます。 さらに、特に海外での事故等調査を迅速に行うためには、関係国との連携強化が不可欠です。事故等が発生した際に迅速に調査を行うことができるよう、日ごろから関係国との間の連携を強化し、航空機設計国としての責務をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 それでは次に、検査制度についてお伺いしたいと思います。 今回の航空法改正では、MRJに伴う改正にあわせて、これまで、原則、国が一機ごとかつ一年ごとに実施していた耐空証明検査制度についても見直すこととしております。 いわゆる連続式耐空証明という、一年ごとの耐空証明検査を免除する制度は、これまで十分な整備能力があると認められるエアラインのみを対象としており、エアライン以外の航空機については、どんなにしっかり整備をしている場合であっても、必ず毎年国の検査を受けなければならないという点で、航空機を保有する方々の負担になっていた。このため、今回の耐空証明検査に関する改正は、例えばビジネスジェットの普及促進にも資する重要な改正であるというふうにも考えています。 一方で、そのような航空機もしっかりと安全を確保してもらわなければならないというふうに考えますが、国としてどのように航空機の安全性を監視、監督していくおつもりなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 今般、航空運送事業者以外の航空機使用者の耐空証明の有効期間の延長に際しまして、当該航空機に対する十分な整備能力を有することを担保するため、当該航空機の整備方法やその管理方法を具体的に記載した整備規程を作成し、国の認定を受けることを求めることとしております。 例えば、ビジネスジェットの使用者のように整備専門事業者に航空機の整備を委託する場合については、航空機使用者と整備専門事業者との間の整備委託契約書の提出を求め、整備委託先を変更する場合には、その都度、契約書の提出を求めることや、航空機使用者の定める整備規程に、整備委託先や整備する整備の内容等について詳細に記載させることなどによりまして、耐空証明の有効期間を延長する前に、国が十分な整備の実施体制を確認をし、整備規程を認定することとしております。 また、整備規程を認定し、耐空証明の有効期間を延長した後も、航空機使用者に対して整備の実施状況を含めた航空機の安全性の維持の状況について定期的な報告を求めるとともに、航空機使用者及び整備委託先である認定事業場の双方に対して航空法に基づく立入検査を実施することによりまして、整備規程に従って適切に整備が実施されていることを国が定期的かつ継続的に確認することといたしております。 今般の制度改正後も、航空機の安全性が低下することのないよう、引き続き航空機使用者や認定事業場に対する監視、監督を厳正に行ってまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 いずれにしても、やはりしっかりと安全を確保するということが大前提ですから、そこを間違えることなく、かつ、過度に負担になっている部分があれば合理的に解消していっていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、ドローンについてお伺いしたいと思います。 現在、我が国において、ドローンは、空撮、測量、農薬散布、そしてまたインフラの点検や荷物の輸送、災害対応などさまざまな分野において急速に利活用が進んでおります。ドローンタクシーというのも何かあるやという議論もありますけれども、少子高齢化や人口減少に伴う社会問題への対応に当たって、新たな産業、サービスの創出や国民生活の利便性の向上に資するものとして大変期待をされているというふうに思います。 ただ一方で、もちろんこれは日本国民もそうなんですけれども、外国人旅行者が、航空法に定められたドローンの飛行ルールを知らずに、無許可で人口集中地区上空を飛行させる事案というのも発生していることから、今般追加される遵守事項を含めて、国土交通省としても、これは外国人のみならず、利用者に対してしっかりと周知を図っていくべきと考えますが、国土交通省はどのような取組を行っていくおつもりなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 国土交通省では、無人航空機の飛行の安全を確保するために、航空法上の許可、承認に関するルールなどにつきまして、販売店頭でのポスターの掲示、購入時のパンフレットの配布、ウエブサイトに必要な情報を掲載するなどのインターネットを通じた周知を行っております。 また、外国人観光客の無人航空機の利用者によるトラブルを予防するために、航空局及び日本政府観光局のホームページの英文版を掲載をし、空港や観光案内所に英文版のポスターを掲示及びパンフレットを配布をする、本邦航空会社の国際線、国内線の機内誌に告知するページを設けることなどにより、周知を図っているところでございます。 今般の改正法案の内容につきましても、国民に広くルールを理解してもらうために、これまで同様、あらゆるチャネルを通じて周知活動を行っていくこととしておりまして、無人航空機を飛行させる方の安全意識の向上を図ってまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 周知を徹底することで事故などの発生というのを未然に防止することも非常に重要でありますが、万が一事故等が発生した場合には、今般新設される報告徴収、立入検査制度というのをしっかりと活用していくことも重要だと考えます。 国土交通省として、当該制度をどのように運用していくのか、また、飛行許可不要の区域で飛行させた者に対する報告徴収、立入検査の実効性をどのように確保していくのか、お伺いします。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 今般の報告徴収、立入検査制度につきましては、万が一無人航空機の事故等が発生した場合に、国土交通大臣が迅速かつ的確に実態を把握し、同様の事故等の発生を防止するための対策を適切に講ずることができるように、国土交通大臣が、無人航空機の飛行を行う者や無人航空機の設計、製造等を行う者に対して、報告徴収及び立入検査を行うことができることとするものでございます。 御指摘のように、報告徴収、立入検査の実施に当たりましては、実効性を確保することが重要であると考えております。 担当する職員としては、航空に関する専門的な知見を有し、無人航空機の飛行に関する許可や承認の実務を行っている地方航空局などの職員に、関係者に対する事実関係の確認等に当たらせたいと考えております。 また、報告徴収、立入検査を実際に行う対象につきましても、警察や近隣住民の皆様等からの通報や報道などを踏まえまして、重要な事案から優先的に対応するなどの工夫も凝らしてまいりたいというふうに考えております。 国土交通省といたしましては、当該制度を適切に活用することで、事故等が発生した場合の迅速かつ的確な実態把握や再発防止策の策定に努めてまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 もう時間も来ましたので、最後の質問です。 今後のドローンに関する制度構築に当たっては、安全確保を第一としつつ、それは当然大前提なんですけれども、国内では、福島県の南相馬市や埼玉県の秩父市などにおける荷物配送が行われております。世界的にも物流を始めとしたさまざまな場面におけるドローンの利活用というのも始まっていますし、また、徳島県の那賀町では、ドローンを自由に飛ばすことができる三十五カ所のコース設定で、ドローンマップを作成して、全国から毎年、まだまだ百人ですけれども、約百人の方が訪れて、町おこしの一環としても期待をされています。 このようなドローンの利活用を妨げないためにも、過剰な規制にはならないように配慮すべきだと考えますけれども、国土交通省として、今後、どのような制度整備というのを行っていくつもりか、お答えいただけますでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 無人航空機の利活用を着実に拡大させるためには、無人航空機が社会的に信頼される手段として受け入れられることが必要であり、そのためには、無人航空機の将来的な利活用の状況を踏まえつつ、無人航空機の飛行のさらなる安全確保を図ることが重要と考えております。 こうした観点から、官民で構成する協議会で昨年取りまとめられました空の産業革命に向けたロードマップ二〇一八においても、二〇二〇年代の有人地帯での目視外飛行の実現に向け、技術開発の進展に合わせて段階的に制度整備等を進めていく必要があるとされております。 国土交通省といたしましては、無人航空機の発展段階に応じまして、機体の安全性認証、操縦者、運航管理者の技能などの安全確保に関する事項を的確に制度化していく所存であり、関係省庁及び民間関係者と連携して、制度の基本的な方向性の検討を進めてまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 国産航空機のMRJの開発、それからドローンの普及促進というのは、国民の生活がより豊かになることが期待をされますが、それは安全というのが確保されるということが大前提であります。国土交通省としても、新制度を確実に実施できるようしっかりと体制を整備して、引き続き空の安全の確保に努めていただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○谷委員長 次に、伊藤忠彦君。
○伊藤(忠)委員 おはようございます。自由民主党の伊藤忠彦でございます。 それでは、質疑に入らせていただきます。 私たちが六月の五日に訪問させていただきました三菱重工の壁に、「世界に飛ばすぞ! 国産ジェット」という横断幕がかかっていたのを思い出します。 私は、国会議員に初当選をさせていただきましたとき、当時、県営名古屋空港への、JAXAの試験をさせていただく施設をぜひ立地をさせてもらいたいものだということで、その調整にも加わった経験を思い出しますと、本当に隔世の感があり、今度の質疑に立たせていただくこと自体、非常に大事な場面に立ち会っているんだなという自覚を持って、きょうは質疑をさせていただきたいと思います。 今回の航空法の改正は、一九七一年に我が国がYS11の製造を断念して以来、四十八年ぶりの国産旅客機の製造、また、その海外への輸出のために必要な改正を行うものであり、まさに時代を画する非常に重要なものと考えております。この国産機の将来にわたる安全性を確保することは、我が国の航空産業においても、諸外国から信頼をかち得る上でも、本当に大切な課題だと承知しております。 少しここで、戦後の我が国の航空機開発の歴史をひもといてみたいと思います。 一九四五年のGHQによる航空機の研究、設計、製造の全面禁止、それが、一九五一年、サンフランシスコ講和条約による独立回復に伴う航空禁止解除、そしてその後に、空域を使うということについて、まず、佐賀県出身で、航空行政に詳しかった松尾静磨さんという人が、先頭に立って日本の空域についてさまざまな交渉をしながら、飛行機を飛ばすということについて一生懸命やられたという歴史があります。 あわせて、一九五六年、国産機開発に着手をし、翌五七年、輸送機設計研究会が発足をし、一九五九年に日本航空機製造株式会社が設立をされ、一九六二年に名古屋空港における試作機初飛行、そしてその三年後の一九六五年に運用を開始したということであります。これが国産旅客機YS11の就航に至る歴史であります。 YS11はその後、海上保安庁、自衛隊で運用されたほか、民間でも広く使用され、日本国民に親しまれましたけれども、一九七一年をもって製造が中止をされました。それ以来、実に半世紀を経て、我が国は再び国産旅客機の設計国とならんとしているわけであります。 この間、一九九四年に、ICAO、国際民間航空機関締結国間の議論を踏まえまして国際民間航空条約の附属書が改正をされて、各国の国内法において航空機設計国の責務について新たに明記すべしとされたことから、我が国としても、いよいよ、航空機設計国としての責務を果たすべく、今般の法改正になったということであります。 そこでまず、我が国の技術の結晶ともいうべき国産旅客機が世界に羽ばたこうとしている今、今後、将来にわたって空の安全を守り抜いていかなければなりません。その決意を、国土交通省として決意をお聞かせいただきたいと存じます。 〔委員長退席、松本(文)委員長代理着席〕
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 今回の航空法の改正は、MRJの開発を契機に、我が国が、国際民間航空条約上の航空機設計国として、国産旅客機の安全性を継続的に維持するとともに、航空機の修理、整備のあり方も時代に即した体制を構築するものでございます。 新たな制度によりまして、国産旅客機も含めた我が国の航空機の安全をしっかり確保し、諸外国からの信頼をかち得ることで、安全で質の高い航空産業の振興、育成にも寄与するものと考えております。 また、今回の改正は、我が国のみならず、世界各国で運航されることとなる国産旅客機の安全を確保することを通じて、世界の航空安全にも貢献できる内容になっております。 さらに、MRJの就航とその後の我が国の航空の発展のためには、航空関連業界を支える人材の確保が重要であると考えており、今後とも、産官学が一層協調して、人材の育成にも努めてまいりたいと考えております。 こうした取組を通じまして、空の安全を断固守り抜くという決意で、引き続き航空行政を推進してまいりたいと考えております。
○伊藤(忠)委員 世界に極めて有名な大手航空機メーカーの最新の航空機が昨年来、立て続けに墜落をし、多くの乗組員、そしてまた乗客の方が亡くなられました。心から哀悼の意を申し上げておきたいと思います。 我が国においても当該メーカーの航空機が多数運航されているわけでありますが、それら航空機の継続的な安全性を確保していくためにも、当該航空機の設計国当局が責任を持って是正措置を承認し、それらを航空機使用者、すなわち航空会社等において迅速かつ適切に実施していくことが必要であろうかと思います。 今般、我が国もいよいよこうした航空機設計国の仲間入りをするわけですが、それは、我が国も、ほかの航空機設計国と同様に、国産旅客機の継続的な安全確保に責任を有することとなるという意味であります。先ほどまさに局長がお答えをしていただいたとおりであります。 国土交通省として、今般の航空法及び運輸安全委員会設置法それぞれの改正において、MRJの設計国としての、具体的にどのような制度を新設するのか、新設する制度の趣旨とあわせてお聞かせをいただきたいと思います。また、新設する制度の運用面では、課題ということになりますと何かということについても、ただいまの認識をあわせてお聞かせをいただきたいと思います。 〔松本(文)委員長代理退席、委員長着席〕
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 我が国はMRJの航空機設計国となりますが、御指摘のように、国際民間航空条約上、航空機設計国は、国産航空機のふぐあい情報を収集するとともに、必要な安全対策を関係国に周知することを通じて、国産航空機の安全性を継続的に維持することが求められます。 一点目は、欧米を始めとする航空機設計国と同様に、国産航空機の航空機メーカーに対して、国内外の航空機使用者からふぐあい情報を収集し、国土交通大臣に報告することを義務づけます。 国土交通省は、報告されたふぐあいの安全性への影響を適切に評価し、航空機メーカーに対して適切な措置を講じさせることで、MRJの事故やトラブルの発生を未然に防止を図ってまいります。 二点目は、国内外で使用される国産航空機に不測の大きな損傷などが発生した際に、航空機メーカーが作成した航空機の修理改造の手順を国土交通大臣が事前に承認することにより、航空機使用者が迅速に修理をし、速やかに航空機を運航に復帰させることを可能といたします。 これらの制度の実施、運用に当たりましては、安全をしっかりと確保することはもちろんのこと、迅速に改善策を承認していくことが重要であると考えております。 今後は、航空機設計国として、運航開始後の安全性の維持に重大な責任を負うこととなりますので、国側の安全性審査能力の維持向上に努めることもまた重要であると考えております。 国土交通省は、今回の改正により新設する制度によりまして、MRJの運航開始後の安全性を確実に維持し、関係国の信頼を得ることで、今後の新たな国産航空機の開発も含めた我が国の航空機産業の発展につなげていきたいというふうに考えております。
○篠部政府参考人 次に、運輸安全委員会設置法改正について答弁申し上げます。 条約上、海外で発生したMRJの事故等調査は当該事故等の発生国が実施いたしますが、我が国は、設計国といたしまして、調査参加権に基づき調査に参加し、必要な情報を発生国に提供する必要がございます。 今回の法改正により、調査の対象となる航空事故の兆候の範囲を駐機中の事態にも拡大すること、経過報告の段階でも原因関係者等への勧告を可能とすること等の規定を整備いたしまして、事故等調査を的確に行い、航空機設計国としての責務を果たしてまいる所存です。 制度の運用に当たりましては、調査能力の高度化及び海外事故調査機関との連携強化が極めて重要です。 その際の課題といたしまして、まず、調査能力の高度化では、特に、新たに設計という重要なファクター、要素に対応するための能力強化が課題となります。MRJの設計コンセプトに係る研修、訓練などを重点的に行っていく必要があると強く認識してございます。 また、海外機関との連携強化では、事故等が発生したときに直ちに連携できる、顔の見える関係を築いておくことが課題となります。 先日、エアバス設計国のフランス事故調査機関事務局長との意見交換で、先方より、航空機設計国は、国産航空機の登録国、運航者国、飛行経路下の国々等の事故調査機関との間で、常日ごろから、携帯電話番号等を交換して、連絡を密に行うことが極めて重要であるとの御示唆をいただいており、その準備を進めておるところでございます。 これらの課題に適切に対応いたしまして、航空機設計国としての責務をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
○伊藤(忠)委員 続いて、我が国の航空会社の航空機乗組員によりますところの飲酒にまつわる不適切事案が、ここのところ、たびたび発生をしておりました。その数は実に二十件を上回ってまいったところでございまして、非常にゆゆしき事態であります。空の安全を守るという点では、非常に難しい課題を持っていると言わざるを得ません。 国土交通省として、航空機乗組員の飲酒という問題について厳格に対応していくべきだと思いますけれども、飲酒のみならず、航空機乗組員に対して、ほかのどのような安全対策を進めていくのか、航空管制官並びに航空関係者全体の問題としてどのように進めていくのかについてお答えをいただきたいと存じます。
○蝦名政府参考人 今般、人命を多数預かる航空機の乗組員等が立て続けに飲酒に関する不適切な事案を起こしたことは、まことに遺憾であります。 今後、このような事案が二度と発生しないよう、まず、我が国における航空会社に対しまして、アルコール検知器を使用した乗務前後の検査の義務づけと検知された場合の乗務の停止、全社員へのアルコール教育の徹底、飲酒に係る不適切事案について報告の義務化、安全統括管理者の責務として飲酒対策を明確化し必要な体制を整備するなど、飲酒に関する厳格なルールを設けました。 また、こうした組織に対する対策に加え、乗組員個人に対しても、アルコール数値基準を設定するとともに、飲酒等の影響で正常な運航ができないおそれがある間に航空機の操縦を行った場合の罰則強化を今般の航空法改正でお願いをしているところでございます。 また、このような航空機乗組員等に対する対策の実施を踏まえまして、パイロットと直接交信を行い航空の安全を担っている航空管制官等につきましても、本年四月から、業務開始前のアルコール検査を実施しております。検査においてアルコールが検知された場合は、管制業務等に従事させないこととしております。 加えて、飲酒対策以外にも、疲労に起因する事故防止に向けて、本年三月二十九日に、有識者検討会において、操縦士の乗務時間の上限や必要な休養時間等の安全基準の考え方について取りまとめ、現在、関連基準の改正作業を進めているとともに、航空管制官についても同様の取組を進めてまいります。 国土交通省といたしましては、こうした対策を通じまして、引き続き、日本の空の安全確保に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○伊藤(忠)委員 この飲酒のことにつきましては、ある会社の社長様から言われたことですけれども、パイロットは家族である、その家族の大黒柱であるその人がちゃんと安全を守ってくれるように、社員だけではなくて家族一同でこれを守っていくようにしたいものだという話を聞かせていただきました。ぜひ、みんなが一つの心になって空の安全を守ってもらいたいものだというふうに思います。 ところで、ドローンのことについて一言お伺いをしたいと思います。 最近、ドローンが急速に普及している一方で、イベントでドローンが落下し観客が負傷するなどという事故もございます。このような状況を踏まえまして、今回の改正では四つの法遵守についての事項が追加をされたところでございます。 一方、今後、ドローンの利活用を更に進めて、物流、配送のドローンが町じゅうの上空を飛来するということは少し言い過ぎかもしれませんけれども、こうした、今よりふえていくドローンというものについて、さらなる安全確保のために、今般の四つの事項以外を含めて、制度整備がまた必要になってくるのではないかというふうに思います。 国土交通省として、今後、ドローンの安全を確保しつつ利活用の促進をしていくための、どういう方針での制度設計が今後構築されていかなければならないのか、その考え方についてお伺いをしたいと存じます。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 無人航空機の利活用を着実に拡大させていくためには、無人航空機が社会的に信頼される手段として受け入れられることが必要であり、そのためには、無人航空機の将来的な利活用の状況を踏まえながら、無人航空機の飛行のさらなる安全確保を図ることが重要と考えております。 このような観点から、官民で構成される協議会で昨年取りまとめられました空の産業革命に向けたロードマップ二〇一八において、二〇二〇年代の有人地帯での目視外飛行の実現に向けて、技術開発の進展に合わせて段階的に制度整備等を進めていく必要があるというふうにされているところでございます。 国土交通省といたしましては、無人航空機の発展段階に応じまして、機体の安全性認証、操縦者、運航管理者の技能などの安全確保に関する事項を的確に制度化していく所存でございまして、関係省庁及び民間関係者と連携して制度の基本的方向性の検討を進めてまいりたいと考えております。
○伊藤(忠)委員 航空機の装備品の製造、修理過程における不適切事案も、私が国土交通部会長に就任して以来、何件かございました。 我が国の大手エンジンメーカーや装備品メーカーというそれぞれ歴史のある会社において、国土交通省の立入検査により、適切な社内資格を有する検査員ではなく、資格を有さない作業員が検査を実施していたという事案など、不適切な事案が複数発覚をいたしております。我が国の航空産業の信頼を大きく揺るがす事態であり、極めて遺憾であると申さざるを得ません。 そうした中で、今回の航空法改正案では、航空機に整備する部品の安全性の確認について、対象となる部品の範囲を広げる規制強化を行う一方、メーカーなどの民間能力を信頼して、一層その能力を活用することが盛り込まれたわけであります。 今般の不適切な事案を踏まえまして、安全性の確認を民間企業に任せてもしっかり安全が確保されるのであろうか、今回の改正案は適切なものであるかどうかということについて、これは今後の航空産業の発展のためにも重要な課題であり、国においても航空機の安全性について重大な責任を負うことになりますので、国土交通省としてこれからの空の安全を守ると先ほど決意を出していただきました局長に、再び答弁を求めたいと思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 これまで我が国では、エンジンやプロペラなどの一部の重要な装備品のみを安全規制の対象としておりましたが、航空機の装備品等が飛躍的にデジタル化、高度化した現代においては、一部の重要な装備品のみの安全性確認では航空機全体の安全性を確認することが困難となっております。 また、欧米等の諸外国では、全ての装備品等について一律の安全規制をかけており、欧米基準との相違は今後のMRJの円滑な輸出の障害となる可能性がございます。 このため、今般、安全規制の対象を一部の重要な装備品のみから航空機に装備する全ての装備品等へと拡大することといたしております。 同時に、国による航空機や装備品といったものの一点ごとの検査から、それらを製造、修理又は改造する民間事業者の能力を国が認定し、その後も認定の更新や継続的な監視、監督を行うことにより安全を確保する制度へと一本化を図ります。 また、今般、認定を受けた民間事業者に不適切事案が発生したことを受けまして、法律改正に加えまして、従来は事前に通告していた国の認定事業場に対する随時検査を、今後、原則抜き打ちで実施するとともに、認定事業場が実施した検査記録の裏づけまで確認するなど検査方法を見直す、また、認定事業場に対して業務量に応じた適切な人員配置がなされているか定期報告を義務づけるなど、管理体制を強化するといった運用面での抜本的な見直しを実施し、認定事業場に対する監視、監督を強化してまいりたいと考えております。 これらによりまして、国も民間に安全性の確認を委ねることに重大な責任を負っているとの強い自覚のもとで、引き続き、航空機の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。
○伊藤(忠)委員 今お話をいただきましたとおり、私たちは今、空の安全、そして旅客機の安全、これをしっかりと確保しながら、成長、進化を遂げていかなければなりません。ぜひ全力を挙げて、皆様方の法改正をもって新しい時代を迎えていただけるようにお願いを申し上げて、質疑を終わります。 ありがとうございました。
○谷委員長 次に、中野洋昌君。
○中野委員 公明党の中野洋昌でございます。 通告に従いまして、早速質問をさせていただきます。 いよいよ国産初のジェット旅客機であるMRJの開発、これが進んでいる。国土交通委員会として視察にも行ってまいりました。我が党からは、地元の伊藤衆議院議員も参加していただきまして、こうした現場も拝見させていただきながら、いよいよ型式証明を取得していく、こういう段階に近づきつつございます。 この航空機産業というのは、大変に裾野も広い、そしてまた成長していく、こういう産業だというふうに思っております。私も、地元では、航空機の関連する部品の製造を行っている、こういう企業もさまざまございます。本法律の中では、装備品メーカーについても、一点ごとの検査ではなく、認定を受けたメーカーが確認をするという制度に一本化する、こういうさまざまな航空機産業に関連する内容も盛り込まれております。 成長産業としての、大変に期待の高い分野でもございますので、国土交通省としても一丸となりましてこの航空機産業の発展に取り組んでいっていただきたいと、まずは冒頭、お願いを申し上げたいというふうに思います。 他方で、航空機といえば、やはり安全の確保というのが一番大事でございます。最近は、ボーイングの事故などもございまして、安全性の確保、本当に大丈夫なのか、こういう懸念の声もいただくこともございます。 国産の航空機ということになりますと、先ほど来ずっと質疑がありますとおり、設計国は我が国日本だということになりますので、航空機の安全性の確保について全面的な責任を負うということでございます。アメリカのFAA、あるいは欧州の機関のように、日本の航空局が安全に関する知見を持つ、そしてノウハウを持つ、信頼を担保する体制を構築するということがやはり必要だというふうに思います。 現在、さまざまな能力の強化ということは行っていただいていると思いますけれども、どういう体制でこれを行っていくか、そしてまた、その能力の強化について、今後の取組についてお伺いをしたいと思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 国土交通省では、MRJの開発の進捗に合わせまして、県営名古屋空港に設置をいたしました航空機技術審査センターの体制を大幅に拡充してまいりました。 また、航空機開発経験者や航空機運航経験者を採用するとともに、宇宙航空研究開発機構、いわゆるJAXAや航空会社を始めとする研究機関や民間企業との活発な人事交流を行うことによって、専門知識を有する人材を確保してきております。 また、MRJに対する安全性審査能力の向上を図るために、米国の航空当局と連携して専門研修を拡充するとともに、米国や欧州の航空当局の安全性審査担当者と密接に連携して安全性審査を実施しております。 さらに、今後は航空機設計国として運航開始後の安全性の維持に重大な責任を負うこととなることから、安全性審査能力のさらなる維持向上のために、国土交通省の職員に対する教育訓練を充実させてまいりたいと考えております。
○中野委員 もう一つ、安全の確保という意味では、運航の安全の確保、運航体制ということもございます。残念ながら、パイロット、あるいは客室乗務員の飲酒の事案というのも先ほど来続いているところでございまして、本当に大丈夫なのかということで、懸念の声が寄せられているということも事実でございます。 この運航に係る安全確保という点につきましても、一連の事案を踏まえて、今回の法律の改正でどういう対応をするかということも含めて、対応の強化をどう図るのかについても御答弁いただきたいというふうに思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 今般、人命を多数預かる航空機の乗組員が立て続けに飲酒に関する不適切な事案を起こしたことは、まことに遺憾でございます。今後、このような事案が二度と発生しないよう、我が国における航空会社に対しまして、アルコール検知器を使用した乗務前後の検査の義務づけと検知された場合の乗務停止、全社員へのアルコール教育の徹底、飲酒に対する不適切事案についての報告の義務化、安全統括管理者の責務として飲酒対策を明確化し必要な体制の整備など、飲酒に関する厳格なルールを設けました。 また、こうした組織に対する対策に加えまして、乗組員個人に対しても、アルコール数値基準を設定するとともに、今般の法律改正案におきまして、飲酒等の影響で正常な運航ができないおそれがある間に航空機の操縦を行った場合の罰則の強化をお願いしているところでございます。 国土交通省といたしましては、安全監査等を通じて、航空会社に対する飲酒基準の遵守徹底と個人に対する規律の強化の双方に取り組むことによりまして、航空の安全に対する信頼をできる限り早期に回復できるよう、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○中野委員 続きまして、人手不足の問題についてもお伺いをしたいというふうに思います。 訪日外国人旅行客が急増いたしまして、これから、二〇二〇年には四千万人を目指して、そして二〇三〇年には六千万人を目指して、こういう大きな目標も立っております。 しかし、私も国土交通部会の方で羽田空港をことし視察をさせていただいたんですけれども、いわゆるグラウンドハンドリングというか、航空の関係の人手というものが非常に不足をしている。グラハンの関係を含め、これが大変人手不足だということをお伺いをしております。 受入れ現場も見させていただきましたけれども、やはり、運航をするに当たりましてはさまざまな、裏方ではないですけれども、本当にいろんな、多くの方がかかわられておられて、ここの現場で人が足りないということになりますと、航空機を飛ばしていくということに大変に支障を来すわけでございます。 このため、入管法の改正もありまして、外国人労働者の受入れなども議論をさせていただいた、制度改正も行わせていただいた、こういう状況でございます。 現状といたしまして、この人手不足の対策はどうなっているのか、そして今後の取組についてお伺いをしたいというふうに思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 近年のインバウンドの拡大などに伴いまして急速に航空需要が増加する中、今先生が御指摘になりましたような、グラウンドハンドリングを含めて、空港における働き手の不足が顕在化していることは認識をいたしております。 明日の日本を支える観光ビジョンに示されている目標を達成する上でも、グラウンドハンドリングサービスの提供は不可欠でございまして、国土交通省といたしましても、羽田空港も含めまして、設置管理者である空港会社とともに、主としてそれらのサービスを担う航空会社などを集め、至急に対応策の検討を進めておりまして、受入れ調整が整ったものから順次増便等が行われる予定となっております。 また、グラウンドハンドリングの人手につきましては、本年四月に施行されました改正出入国管理及び難民認定法に基づく特定技能を有する外国人材の活用も考えておりまして、今年度中の受入れに向け、技能評価試験に向けた準備等を現在進めているところでございます。 御指摘の空港における人手不足対策については、こうした取組に加えまして、空港内の車両の自動走行等の省力化や自動化に向けた先端技術の活用による生産性の向上といった取組でございますが、こうしたことも有効と考えておりまして、国土交通省として、これらの方策の着実な実施に向けて適切に対応してまいりたいと考えております。
○中野委員 続いて、防災の対策についてお伺いをいたします。 昨年、台風二十一号がございまして、皆様も御記憶に新しいかと思いますけれども、関西国際空港が閉鎖をされる、三千人が孤立をする、こういう状況がございました。これはタンカーが連絡橋に激突をしたというのが原因ではあるんですけれども、高潮で滑走路も冠水をいたしまして、機能が長期間にわたって麻痺する、こういう状況がございました。 そのため、私どもも、防災・減災、国土強靱化のための緊急三カ年計画、こういうことで、空港機能を維持するための点検、そして対策、これについて講じているというふうに承知をしております。 全国的にはもちろんそうですけれども、私の地元、関西におきましては、関西国際空港、そして、海上空港という意味では同じ神戸空港もございますし、そして伊丹空港、主に、大きな、中心的な役割という意味ではこの三つでございます。これら関西三空港につきまして、防災・減災対策の取組の現状、今後の方針をお伺いをしたいというふうに思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 昨年九月の関西国際空港の浸水被害などを踏まえまして、国土交通省では、全国主要空港における大規模自然災害対策に関する検討委員会を設置しまして、政府全体で実施した重要インフラの緊急点検を踏まえて、専門的観点から検討を重ね、本年四月に最終取りまとめを公表いたしました。 この中では、さまざまな自然災害に対する適応力の強化、災害時に備えた空港運営体制の構築などといった基本的考え方や、空港の維持、復旧を目的としたBCP、いわゆる業務継続計画の再構築、電源施設等の水密性確保、護岸のかさ上げ等のソフト及びハードの両面の対策について取りまとめ、現在対策を進めているところでございます。 御指摘の関西国際空港では、具体的には、護岸のかさ上げや電気設備の水密化、地上化等の防災対策を進めております。また、国土交通省としても、関西国際空港の防災機能強化に関して、新関西国際空港株式会社に対する財政融資を活用した支援を行うなど、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。 また、大阪国際空港及び神戸空港では、今季の台風シーズンに向けて、訓練などを通じながら空港のBCPの充実を図っておりまして、災害対応力強化に努めてまいります。 こうした対策を通じまして、大規模な自然災害が発生した場合においても、空港利用者の安全を確保しつつ、我が国の航空ネットワークを維持できるよう、関西三空港の機能確保等に必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
○中野委員 最後に、この関西三空港につきまして、その活性化策をぜひお伺いをしたいというふうに思います。 特に、私、地元は兵庫県でございまして、近年、関西方面のインバウンドというのは非常に伸びているという一方で、県内を訪れる外国人観光客の伸びが非常に鈍い。この中で、どうやってインバウンドを伸ばしていくのかというのが大変大きな課題であるというふうに思っております。 特に神戸空港につきましては、海上空港でもございますし、発着の能力としては恐らくまだまだ活用ができるのであろう、こういうふうにも思っております。 この神戸空港につきましては国際線の就航というのが大変に地元では要望が強く、また、伊丹空港につきましても、国際便の就航ということも含めて、地元からさまざまな活性化の方策というのを頂戴をしている、こういう状況でございます。 先月、この関西三空港につきましては懇談会が開催をされまして、特に神戸空港については、二〇二五年の大阪・関西万博までの中期的な検討課題ということで国際線の就航というものを位置づけられている、こういうことでございます。 兵庫の経済の活性化にとりましても非常に重要な課題であるというふうに思っておりまして、これら空港の活性化策について、ぜひ国交省としても全力で後押しをお願いをしたい、このように思っておりますけれども、最後にこれについて答弁をいただきたいというふうに思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 五月十一日に開催されました関西三空港懇談会では、これまでの三空港の役割を確認しつつ、将来の航空需要の拡大に対応して、関西全体の発展につなげていくための取組や課題について取りまとめられております。 この取りまとめは、過去の経緯や歴史を踏まえた上で、これまで地元関係者の間で十分に議論を重ねたものであると承知しておりまして、国土交通省としても、その合意を尊重してまいりたいと考えております。 例えば、今回まとめられた神戸空港の運用時間や発着枠の拡大への対応につきましては、所要の管制業務の体制を整えるなど、国土交通省として必要な対応を行ってまいりたいと考えております。 今御指摘のございましたような課題も含めまして、国土交通省としても、関西三空港の活用に向けて、今後とも、地元の関係者あるいは関係機関と連携をしながら、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○中野委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○谷委員長 次に、清水忠史君。
○清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。 航空法及び運輸安全委員会設置法の一部改定案について質問をさせていただきます。 法案の質疑に入る前に、六月一日に発生した横浜シーサイドラインの列車逆走事故について質問したいと思います。 今回の事故では、十四名の方が重軽傷を負われたと報道されております。被害に遭われた方々に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。 初めに、鉄道局より、この事故の概要について簡潔に説明願えるでしょうか。
○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。 六月一日二十時十五分ごろ、横浜シーサイドライン新杉田駅におきまして、新杉田発並木中央行きの自動運転列車が、本来進むべき方向とは逆の方向に走行して車どめに衝突する事故が発生し、十四名の方々が骨折や打撲等のけがをされました。 事故の原因につきましては、現在、運輸安全委員会等におきまして調査中でございますが、横浜シーサイドラインによれば、折り返し駅である新杉田駅におきまして、ATO、自動列車運転装置の地上側の装置から進行方向を切りかえる指示が出ていたにもかかわらず、当該列車は進行方向を変えずに走行し、車どめに衝突したとのことでございます。 このように、今回の事故では、ATOに何らかの異常が発生したことが想定されていることから、横浜シーサイドラインでは、当分の間、ATOを用いず、ATC、自動列車制御装置を用いた運転士による運転により、四日午前十一時より運転を再開しているところでございます。 以上でございます。
○清水委員 運営会社の話によりますと、運行制御の回路が切断されていたとか、あるいはシステムそのものに欠陥があったというふうにも言われております。大変重大な事故だということです。 シーサイドラインと同様に無人の自動運転をしている新交通システムは、このほかに六事業者七路線あるわけで、影響は重大だと思うんですね。事故の原因究明を早急に求めたいと思います。 気になるのは、今回の事故について、シーサイドラインの三上社長が、逆走することは全く想定していなかったというふうに述べておられるんです。無人運転の車両が逆走するということを、国土交通省としても、これは想定していなかったんでしょうか。
○石井国務大臣 今回の事故では、横浜シーサイドラインによれば、ATO、自動列車運転装置の地上装置から車上側の装置に進行方向を切りかえる指示が出ていた、これを受けて、車両側では前照灯、尾灯が正常に点灯し、進行方向を切りかえる指示は車両に伝わっていた、一方、車両の進行方向を伝える回路に断線があり、モーター制御装置には進行方向が切りかわった情報が伝わらず、折り返す前の進行方向へ逆走したとのことであります。 このように、ATOの地上装置と車上側の装置との間では進行方向の切りかえに関する情報は伝達されていたにもかかわらず、モーター制御装置には伝わらなかったという事象は、これまでの調査によれば、我が国においては前例がない初めての事象であります。 このため、国土交通省といたしましては、六日、横浜シーサイドラインと同様に無人による自動運転を行っております鉄軌道事業者七社を集めまして、今回の事故に関する情報の共有や、事故防止に関する意見交換等を行ったところでございます。
○清水委員 前例がないということで、国交省としても想定していなかったということだと思います。しかし、実際に列車が逆走するという重大事故が起こったわけです。多くのけが人が出ていますし、この路線の利用者も代替輸送の利用を余儀なくされ、混乱を招いたわけです。想定外ということで本当に済まされるんでしょうか。 六月四日付東京新聞も、「無人運転の場合はあらゆる事態を想定し、自動停止で事故を防ぐ機能が必要不可欠」との社説を掲載しています。 無人による自動運転については、もとより、あらゆる事態を想定した安全対策が必要であり、国としてもやはり反省が求められるというふうに思うんですよね。 今、七事業者を集められて協議会を立ち上げるというお話をされたんですが、いずれもこれは事故を受けての対応についての答弁だと思うんですね。私が確認したのは、やはり、前例がないということだけで、運転士のいない列車を走らせるということ自体について、あらゆる事故を想定しておく必要があったのではないかということだと思うんですね。 その点について、今後も想定外では困るわけですから、七事業者集めて協議会を立ち上げるのも重要ですけれども、あらゆる事態を想定するということが必要だと思うんですが、この見地はいかがでしょうか。
○石井国務大臣 今回の事故は、ATOの地上装置と車上側の装置との間では進行方向の切りかえに関する情報は伝達されていたにもかかわらず、モーター制御装置には伝わらなかったという、我が国においては前例がない事象であります。 我が国の鉄軌道では、このような前例のない事象が発生した際には、その原因を徹底的に分析をし、さまざまな再発防止対策を講じることによりまして、鉄軌道の安全性、信頼性の向上を図ってまいりました。 今回の事象につきましても、運輸安全委員会での調査の状況等も踏まえながら、無人の自動運転を行っております鉄軌道事業者や研究機関等の関係者から成る協議の場を六月の十四日に立ち上げまして、再発防止対策の検討等を進める予定であります。 国土交通省といたしましては、このような協議の場などを活用しながら、鉄軌道の安全輸送の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○清水委員 前例がないから事故が起こっても仕方がないという立場ではなくて、やはりあらゆる事態を想定して事故防止に取り組んでいただきたいと思います。 さて、石井大臣は四日の会見で、鉄道における自動運転技術検討会を立ち上げて検討を進めると述べられました。しかし、こういう事故が起こったもとで鉄道の自動運転の導入を更に拡大するということは、果たしていいのかということについては首をかしげざるを得ません。 お伺いしたいんですが、この検討会では、既存の新交通システムにおける鉄道事故を防止するとかあるいは軽減したりするということが議論されたり、この検討会の目的に入っていたりしたのかどうか、この点について、これは鉄道局長に伺いたいと思います。
○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。 我が国は、本格的な人口減少社会を迎え、鉄道分野におきましても、運転士の確保、養成が困難になってきております。特に経営環境や人口減少の厳しい地方鉄道においては深刻な問題となっていること等に鑑みれば、省力化により生産性の向上に資する自動運転の導入は重要な課題であると認識しております。 このため、国土交通省では、昨年十二月に、踏切がある等の一般的な路線での鉄道の自動運転の技術的な要件を検討するため、鉄道における自動運転技術検討会を立ち上げ、検討を行っているところでございます。 同委員会におきましては、一般の鉄道路線の自動運転において必要となると考えられるATO、自動列車運転装置の機能等につきましても検討することを予定しておりますが、この検討に当たりましては、今回のような事象等も踏まえつつ検討を進めることが必要になると考えているところでございます。 以上でございます。
○清水委員 もともと、この検討会の目的に当初安全対策等については含まれておらず、結局、無人による自動運転を拡大していくということが前提だということだと思うんですね。 検討会の目的、今言われましたように、もともと、この七事業者八路線については、一定の条件が設けられています。高架であること、それからホームドアがあること、これによってみだりに人が入らない、あるいは踏切がない、こういうところにおいてはいわゆる無人による自動運転を行ってきたわけですが、この鉄道における自動運転技術検討会では、そういう条件を乗り越えて、いわゆる踏切がある、高架でない、ホームドアがない、そういうところでも無人の自動運転列車を走らせることができるようにできないかということを検討しているということだというふうに思うんですね。 実際、既にJR東日本では、山手線で、ドライバーレス、いわゆる無人運転、この試験を去年とことしにわたって行っております。 結局、今この検討会でやられているのは、安全性を担保するための規制を外そうというものだと思うんですね。今回の事故を受けて、無人による自動運転の規制緩和ではなくて、事故防止についての検討を盛り込むということが極めて大事だと思うんですね。 今後、今回の事故を受けて、検討会でも対応していくというふうに局長は述べられたんですが、加えて言えば、この検討会は、そこで何が議論されているかわからないんですよね。ホームページを見ましても議事概要もありませんし、そういう点では、何が議論されているのかはわからない。議事録も公表されていません。会議で配付された資料さえ国民に公開されてこなかったわけなんですね。 このような事故が起こったのに、無人による自動運転を更に拡大しようという議論を行う検討会で一体何が議論されているのか国民がわからないとなれば、一層これは不安が高まるばかりだというふうに思うんですね。 やはり国民に開かれた議論にするべきだということと、そして、事故を受けて、自動運転の規制緩和ではなく、事故防止についての検討についてしっかりと協議をしていく、検討していくということが必要だと思うんですが、この二点について、石井大臣、どのように思われるでしょうか。
○石井国務大臣 前半の方は、後ほど鉄道局長に答弁をさせます。 私は後半の方をお答えいたしたいと思いますが、自動運転技術検討会におけます一般的な路線での鉄道の自動運転の検討につきましては、まずは、本件事故に関する原因究明の状況等も踏まえつつ、鉄道輸送の最大の使命である安全の確保を大前提として進めてまいりたいと考えております。
○蒲生政府参考人 検討委員会におきます検討内容等、資料に関しましても公開されていないという御指摘をいただきました。 このような御指摘を踏まえまして、今後、そういった資料については、外に出せるものに関してはしっかり公開したいと思っておりますし、今まで行ったものに関しましても、ホームページの方へのアップということをさせていただきたいと思っております。
○清水委員 初めに、今の鉄道局長の答弁ですけれども、例えばこれまでも、鉄道局が所管する検討会、都市鉄道における利用者ニーズの高度化等に対応した施設整備促進に関する検討会、あるいは東京圏における国際競争力強化に資する鉄道ネットワークに関する検討会、いずれもホームページに上がっておりまして、議事概要、それから配付資料、全てこれは公開されているんです。 ところが、今私が指摘しましたように、鉄道における自動運転技術検討会については、議事概要も配付資料もなかったわけなんですね。 私の事務所の方から、せめて資料については公開するべきではないかということで、政府が配付した資料についてはいただくことができましたし、順次公開していくということなんですが、やはり、同様の検討会と同じように、議事録を出すのが一番いいんですけれども、せめて議事概要や、あるいは委員の方々が配付された配付資料についても、これはやはり国民に公開する。 もちろん、これまで一回、二回と行われてきたことについては、委員の方々との申合せもあるので、遡及して公開するかどうかについては検討が必要だと思うんですが、中間取りまとめを今年度中に出すという仕事をされているわけですから、そういう点においては、今後については、委員がお配りされた資料も含めて公開をする、議事概要についてはせめて公表する、これは約束していただけませんか。
○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。 委員がお出しになられた資料に関しましては、委員の御了解が必要になるというふうに考えておりますので、委員の御了解を得た上で、どうするかという形で検討してまいりたいと思います。 なお、議事概要に関しましては、概要でございますので、それに関しましては公開する方向で検討したいと思っております。
○清水委員 よろしくお願いいたします。 大臣がお答えになられたことについて一言申し上げると、今回の事故を受けて、無人による列車の自動運転、これについて、やはり国民の不安、懸念というのが大きく高まっております。一方で、新交通システムを運営している会社の協議会を立ち上げて、安全対策、事故再発防止、そして原因究明をやる。一方で、国交省が、無人による自動運転を更に拡大しようということを進めていく。これは果たして両立するのかどうかというところが非常に問題になっているというふうに思うんですよね。 そういう点では、先ほども言いましたけれども、検討会が今年度中に、いわゆる規制緩和で更に無人による自動運転を拡大しようということについての取りまとめを行うというのは、これはやはり時期尚早というふうに私は思いますし、結論ありきではなくて、慎重であるべきだというふうに思います。 さらに、無人の自動運転という点では、リニア新幹線も無人なんですよね。リニアの場合は、時速五百キロという超高速運転ですから、これは事故が起これば大惨事になりかねないわけです。事故原因の究明と再発防止の明確化、そして安全の確保という前提抜きに、このような高速列車を無人で走らせるということはあり得ないというふうにも思いますので、このことを指摘し、法案に入らせていただきたいと思います。 初めに、予備品証明検査についてです。 航空機及び装備品の整備、検査、これは何のために行うのか、航空局長、簡潔にお答えいただけますでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 航空法におきましては、航空機の安全・環境基準への適合性を確保するために、国が原則一機ごとかつ一年ごとに耐空証明検査を行うとともに、その間に航空機使用者が航空機の性能等に大きな影響を与える修理又は改造を行う場合には、国が修理改造検査を実施することとしております。 予備品証明制度は、国が、エンジンやプロペラ等の一部の重要な装備品について、あらかじめ安全性を確認した装備品を用いて航空機の修理をする場合に、国による修理改造検査を省略することができることとするものでございます。
○清水委員 要するに、旅客を安全に輸送するため、そして航空機材の安全性を含む信頼性を維持向上させるために、航空機及びその装備品の整備、検査が行われているということだと思うんですね。耐空証明も含めて、そうだと思います。 本法案は、これまで国土交通大臣が航空機のエンジンやプロペラなどの重要装備品について一点ごとに直接検査する、予備品証明検査を廃止しようというものです。このベースになっている「国産航空機の運航開始を見据えた今後の航空機検査制度のあり方について 航空機検査制度検討小委員会とりまとめ」を拝見しますと、この予備品証明検査の廃止の理由の一つに、「航空機使用者の立場に立つ」とか、あるいは「航空機使用者にとって大きな負担」などの文言が散見されるわけです。 しかし、航空機及び装備品の整備、検査が旅客の安全確保や機材の安全性の維持向上ということであれば、検査制度の見直しはその目的に沿って検討がしかるべきであり、事業者だとか航空機使用者の立場におもねるという法改定が果たして妥当かどうか、ここは慎重に議論が求められるというふうに思うんですね。 なぜ、検査を受ける側である、する側じゃなくて、される側である航空機使用者側の要求に沿ってこの検査制度を見直すのか、ここが問題だと思うんですね。 先ほど来、局長は、今後は、国土交通省が能力を認定した事業場が、装備品の製造、修理又は改造の作業開始から作業完了まで一貫して安全基準への適合性を確認することにより装備品等の安全性を確保したいと答えられてきたわけですが、その認定事業場のIHIだとかジャムコでこれまで不正があったわけです。それを航空検査官が見抜くことができなかったという事例が、これまであったわけですよね。 そこで質問なんですが、この取りまとめの中に、予備品証明検査廃止の理由の一つとして、こう書かれているんです。「航空機使用者の立場に立つと、機材不具合等で急遽「重要装備品」の交換が必要となった場合、国の「予備品証明」を受けるまでは航空機に装備することができず、その間の運航便の遅延や欠航等の恐れがある」、こう記述されているんです。 これは航空局もそのように答弁してきたと思うんですが、そこで伺います。予備品証明が要因となって運航便の遅延あるいは欠航がこれまでどの程度起こったのか、直近五年間の状況で結構ですので、お答えください。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 大手航空会社に確認をいたしましたところ、直近五年間で国の予備品証明の検査待ちによって運航便の遅延や欠航等が発生した事例はなかったと承知しておりますが、これは、運航停止などの国民生活への影響を考慮し、航空会社が、予備品証明を受けた予備品をあらかじめ多目に保管しておいたり、緊急時においては、休日、夜間であっても予備品証明検査の受検を国宛てに要請し、これに国も可能な限り対応しているためであると考えております。
○清水委員 今答弁されたのをお聞きしますと、そういう事例はないということなんです。 なぜそういう事例がなかったかということについても、いわゆる航空会社の努力によってそれが担保されてきたと。これは、この予備品証明を廃止するということの理由に挙げるというのは不適当ではないですか。 航空検査制度検討小委員会には航空局も多数参加されていたわけです。そういう点では、運航便の遅延だとか欠航が起こるので予備品証明を廃止するというのは理由になりませんよということを、なぜこの検討会で指摘しなかったんですか、航空局は。そこをちょっと知りたい。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申しましたように、御指摘の点につきましては、運航停止などの国民生活への影響を考慮して、航空会社が予備品証明を受けた予備品をあらかじめ多目に保管しておいたり、緊急時において、休日、夜間であっても予備品証明検査の受検を国宛てに要請し、これに国も可能な限り対応しているためであると考えております。 実際に、大手航空会社では、このような緊急的に予備品証明検査を受けている事案が年間二十件程度発生をしておりまして、運航便の遅延や欠航のおそれはあり得るものと考えております。 こうした状況も踏まえまして、御指摘のありました本小委員会では、関係業者からのヒアリングや、あるいは学識経験者、有識者により航空機検査制度の見直しについて議論をされた結果、装備品の安全規制の対象を全ての装備品等に拡大するとともに、国際的な枠組みである、民間事業者の能力を認定し安全性確認を行わせる制度に一本化をし、予備品検査証明を廃止すべきとの取りまとめがなされたということでございます。 国土交通省といたしましては、こうした委員会の取りまとめも踏まえまして、国際的な安全規制の方向性、航空機使用者のニーズ、航空機産業の発展性等を総合的に勘案をして、今回の航空法改正案を提出させていただいたものでございます。
○清水委員 無責任だと思うんですよ。その理由については後で述べますけれども。 次の質問に行きます。 次に、航空機の耐空証明についてです。 これは自動車でいう車検に相当するわけですが、現行は、整備体制のある航空会社は、国の一年ごとの更新検査が免除され、連続式の耐空証明となっています。 この法案は、エアライン以外であっても、十分な整備能力を有すると認められる場合は航空機の耐空証明の有効期間を延長できるとして、連続式耐空証明制度の対象を広げようというものなんですね。 このベースになっているのも「航空機検査制度検討小委員会とりまとめ」なわけなんですが、この連続式耐空証明を取得していたNCA、日本貨物航空で、昨年七月に整備不正が明らかになっています。 この不正が明らかになった時期というのは、まさしくこの小委員会の開催期間中ですよね。これは、イエスかノーかでお答えいただけますか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、日本貨物航空による不適切な整備が発覚したのは平成三十年四月十八日でありまして、航空機検査制度等検討小委員会の開催期間中でございました。
○清水委員 開催期間中にNCAの不正が明らかになったわけなんですね。その不正の内容について、小委員会は熟知できる環境にあったわけです。 本来ならば、小委員会で、こういう事例が出てきているのに、連続式取得をしているNCAで不正があった、それを更に拡大して大丈夫なのかとか、あるいは、NCAの不正にかかわる調査が終わるまでは小委員会の取りまとめは延期するべきではないかなどの意見が出なければおかしいというふうに思うんですね。 先ほどの予備品証明を廃止するという理由、これも立法事実になるのかどうか、あるいは、今議論がありましたNCAの不正が発覚した時期の問題、こういうことを踏まえたら、航空局はこの検討会でやはりイニシアを発揮して、こういう事例が発覚している、これは廃止をする理由にならない、そういう指摘をするべきだったにもかかわらず、いわゆる航空機使用者あるいは事業者の立場におもねるという状況を繰り返してきた。 これで本当に空の安全、航空行政を守ることができるんでしょうか。余りにも主体性がないのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 本小委員会では、学識経験者や民間有識者により議論された結果、航空運送事業機以外の航空機であっても、航空運送事業者と同等以上の整備能力を有する者に対しては、航空運送事業機と同様に耐空証明の有効期間の延長を検討するべきであるとされました。 国土交通省としては、航空運送事業者以外の航空機使用者の耐空証明の有効期間の延長に際して、当該航空機に対する十分な整備能力を有することを担保するため、航空運送事業者と同様に、当該航空機の整備方法やその管理方法を具体的に記載した整備規程を作成し、国の認定を受けることを求めることといたしております。 また、整備規程を認定し、耐空証明の有効期間を延長した後も、航空機使用者に対して、整備の実施状況を含めた航空機の安全性の維持の状況について定期的な報告を求めるとともに、航空機使用者及び整備を実施する認定事業場の双方に対して航空法に基づく立入検査を実施することにより、整備規程に従って適切に整備が実施されることを国が定期的かつ継続的に確認するという形で今回の制度改正をお願いしているところでございます。 御指摘の日本貨物航空の件につきましては、航空運送事業者として、従来の制度に基づき、延長された耐空証明を保持してまいりましたけれども、昨年四月に発覚した不適切な処置事案により、国は、事業改善命令及び業務改善命令を発出し、保有する全ての航空機に対し、耐空証明の有効期間の延長を取り消し、有効期間を一年に短縮する措置をとりました。 このような相当の不正事案が認められた場合には、日本貨物航空と同様に、今後も耐空証明の有効期間の短縮などの措置をとることで個別の事案ごとに厳正に対処してまいりますが、今回の改正によりまして、耐空証明の延長措置の対象を拡大した航空運送事業者以外の航空事業者についても十分な整備能力があるかどうかしっかりと確認をし、航空機の安全性が低下することのないよう、引き続き、航空機使用者及び認定事業場に対する監視、監督を強化して、安全を確保してまいりたいと考えております。
○清水委員 いろいろ言われましたが、不正があった事業場に対して連続式を取り消すというのは、それはもう当然の措置であって、私が述べたのは、そういう事例が起こっているにもかかわらず、何の関心も払わずに、連続式の対象を拡大するという取りまとめを見逃すということについて責任を感じないのかということを指摘したいわけですね。 先ほど来、予備品証明の問題につきましても、いわゆるエンジンだとかプロペラなどの重要装備品だけではなく、全ての装備品を検査するというふうに胸を張られるんですが、それは国が直接検査するんだったらいいですよ。それを事業場に任せると。その事業場で不正があったわけだが、それも見抜けなかった、ここに対する私は反省が全くないのではないかなというふうに思うんです。 それで、最後に、ここまでの議論を受けて、石井大臣にお伺いしたいと思うんです。 本法案では、航空機とその装備品に対する国の直接検査を廃止あるいは縮小、緩和するということになるわけですが、民間事業者で不正が相次いで起こっている中で、更に民間に委ねて空の安全が守れるのか、こういう不安が国民の中に広がっていると思います。 今回のような事業者におもねる規制緩和が、これまでの不正防止や航空機の安全確保につながるとは私は思えません。空の安全を守るためには、現行どおり、国による直接検査と監督を更に強化することこそ必要ではないかと思うんですが、お答えいただけますでしょうか。
○石井国務大臣 今回の装備品に関する制度改正の趣旨は、さらなる航空機の安全性の向上のため、装備品の安全規制の対象を一部の重要な装備品から全ての装備品等に拡大するとともに、国際的な枠組みである、民間事業者の能力を認定をし安全性確認を行わせる制度に一本化するものであります。 今般、認定事業場に不適切事案が発生したことを受けまして、法律改正に加え、従来は事前に通告をしておりました国の認定事業所に対する随時検査を今後は原則抜き打ちで実施するとともに、認定事業所が実施した検査記録の裏づけまで確認するなど検査方法を見直す、認定事業所に対して業務量に応じた適切な人員配置がなされているか定期的報告を義務づけるなど、管理体制を強化するといった運用面での抜本的な見直しを実施をし、認定事業所に対する監視、監督を強化をしてまいります。 また、耐空証明の有効期間の延長措置は、従来、十分な整備能力を有すると認められる航空運送事業者のみに対して認めておりましたが、今般、航空運送事業者と同等の整備能力を有する者であれば、同様の延長が可能となるよう措置するものであります。したがって、十分な能力を有しない場合は、航空運送事業者でありましても、国は、従来どおり、一年ごとに耐空証明検査を実施をし、航空機の安全性を確認をいたします。 さらに、耐空証明の有効期間の延長に際しましては、事前に国が十分な整備の実施体制を確認するとともに、耐空証明の有効期間を延長した後も、航空機使用者に対して、整備の実施状況を含めた航空機の安全性の維持の状況について定期的な報告を求め、航空機使用者及び整備を実施する認定事業場の双方に対して航空法に基づく立入検査を実施することによりまして、適切に整備が実施されていることを国が定期的かつ継続的に確認することとしております。 今般の制度改正後も、引き続き認定事業場や航空機使用者に対する監視、監督を厳正に行うことによりまして、航空機の安全確保に万全を期してまいります。
○清水委員 時間が来ましたので終わりますが、事業者の要請に応じた検査手続の簡素化ではなく、より多方面から安全対策を充実させる航空政策こそ利用者や国民の支持を得られると指摘をして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○谷委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 社会保障を立て直す国民会議の重徳和彦です。 先日、六月五日に、谷委員長を始め委員の皆さん方とともに、MRJ、三菱航空機の製造現場を視察に行ってまいりました。半世紀ぶりの国産機の製造、開発ということですから、本当にさまざま御苦労が多いということを実感してまいりました。 実は、日本には、航空機の製造、開発を促進する法律が一応あるんですよね。航空機工業振興法という法律があります。だけれども、これは非常に限定されているんです。国際共同開発に限定されているんですね。これは、国内産業の特定の企業を応援するということは自由貿易の競争を阻害する、こういう側面があるので共同開発に限定する、こういう法律になっているということなんです。 しかし、聞くところによりますと、例えばエアバス社は、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、こういった国が有利な融資を行っていたり出資を行っていると聞きます。また、アメリカの軍需産業でも、実質航空機産業を支援するという形につながるものになっていると思います。 確認ですが、こういったことはなぜ行われているんでしょうか。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。 委員御指摘の国内産業支援とWTO協定の関係でございますけれども、WTOに補助金協定というのがございます。あらゆる場合に禁止される補助金、いわゆるレッドと言われる補助金と、それから、他国に悪影響を与える場合にWTO協定違反になる、いわゆるイエローという補助金がございます。 レッドに該当するものとしては、輸出補助金、それから国内産品の優先補助金がございます。 委員御指摘のエアバスへの支援でございますけれども、これはいわゆるイエローの補助金に該当いたしまして、特定の企業や産業のみを対象とし、補助金の供与の結果、他国の国内産業に対する損害をもたらすなど、他国に悪影響を与えるものと認められれば、WTO協定違反となるということでございます。 現に、欧州のエアバスへの支援につきましては、米国がWTOに提訴いたしまして、現在、WTOの紛争手続で二〇〇四年以降争われているところでございます。 それから、御指摘の軍需産業への支援ということでございますけれども、ガット二十一条、安全保障のための例外というのがございます。自国の安全保障上の重大な利益の保護のために必要と認める武器弾薬、軍需品取引などに関する措置をとることができると規定がございますので、これに該当すれば例外となるということでございます。
○重徳委員 安全保障の例外というのは一つあるということでありますが、欧州のエアバス支援というのは、いわば提訴されること覚悟で戦ってる、こんなことだと思います。まあ、いい悪いは判断はあると思いますけれども、こういう国もあるということが今確認できました。 そんな紛争になる以前に、私は、WTOのルールに違反する、あるいは違反するおそれがあるなんという領域まで行かなくても、もっと一般に、航空機をもっと速く、高燃費でもっと静かに飛ばすための基礎研究、基礎研究は、これは特定性とか他国への悪影響というものが直接あるとは言えないと思いますから、WTOルールにも抵触しないと思うんです。 この航空機産業振興の基礎となる技術開発支援、基礎研究というものをもっと積極的に行うべきじゃないかと思うんですけれども、現状を含めて、お答えいただければと思います。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。 経済産業省では、エンジンの燃費向上のための高耐熱複合材に関する技術でありますとか、電気推進に必要な技術など、次世代航空機に必要となる基盤技術の研究開発に対して支援を実施をしております。 また、航空機を主たる対象にしたもののほか、構造材料の開発など、航空機産業にも役立つ汎用技術の開発に対する支援も実施をしております。 さらに、本年一月、経済産業省とボーイング社との間で将来の航空機に向けた技術協力に関する合意を締結するなど、日本の企業が既に有しているすぐれた技術の航空機への適用拡大を目指して、海外メーカーと協力促進などを行っているところでございます。 引き続き、こうした取組を通じて、我が国の航空機産業の拡大と競争力強化に向けて、しっかり取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。
○重徳委員 しっかりと応援していくということではありますけれども、今の御答弁ですと、基盤技術はやっています、それから、航空機に限らず役立ちそうな技術も支援していきますということでありますけれども、明確に、国内の航空機産業を振興していくんだということを、もっとはっきりとさせていくべきではないかと思うんですね。 何か、何となくやっていると言うと言い方は悪いですけれども、戦略がはっきりしないわけであります。 防衛産業を支援することだって大事なことだと思うんですね。やはり、国内で戦闘機をつくれないから、FMSでやむなくアメリカからF35を購入せざるを得ない状況ですね。そうすると、何か、爆買いとか、アメリカに依存しているとか、こんな批判すら受けてしまうということでありますから、もっと航空機産業をしっかりと、明確に、支援していく姿勢を国として示すべきではないかと思います。 現に、国内では、例えばJAXAでは、ソニックブームと言うらしいんですけれども、超音速の飛行で衝撃波によって物すごい爆音がするんですけれども、その爆音を低減させる、ソニックブームを低減させる技術も、これは世界トップレベルだと聞いております。 こういった技術も、せっかく持っているんだから、明確にこれを、国産の航空機、戦闘機だっていいです、そういったものに生かす、こういったこともはっきりさせるべきじゃないかと思うんです。 だけれども、そのための法律すら今はないということでありますが、きょうは、経産省、滝波政務官にお越しいただいております。お忙しいところありがとうございます。何か、こういった法律を、これは一議員でもあられます滝波政務官、政府として、あるいは国会として、こういった法律の整備というものは必要じゃないかと私は思うんですけれども、どのような御見解をお持ちでしょうか。
○滝波大臣政務官 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、航空機産業の育成のためには、基礎技術の育成から出口としての産業化まで、一貫した支援が必要であると認識してございます。 こうした発想のもと、関係省庁共通の認識を持って、航空機産業の発展に向けて統合的に取り組むため、平成二十七年に、内閣官房取りまとめのもとで、関係省庁で航空産業ビジョンを策定してございまして、これを戦略的に、各省庁で密接に連携をしながら、それぞれの支援策を講じているところであります。 具体的には、経産省では、先ほど政府参考人からも御答弁させていただきましたが、電動推進に必要な技術の研究開発支援などを行っているほか、ほかの省庁でも、例えば内閣府では、次世代航空機への適用に向けたさまざまな材料の研究開発に取り組んでいると承知しておりまして、こうした関係省庁の取組の状況については、定期的に情報交換、意見交換を行っているところであります。 御指摘のソニックブームの関係、JAXAの方で研究をしておりますとか、また、構造技術なんかについてのこういった研究開発、これは、さまざまな、超音速飛行も含めての先進的なものについての重要な要素であるとは認識してございます。 それで、現時点で例えば国内企業が超音速旅客機の開発に取り組んでいる事例というのはまだちょっと承知してございませんけれども、関連する技術の開発が進展すればビジネスとして成立することも容易になる、こういった効果もあるかと思いますので、しっかりと関係省庁また企業等とも連携をしながら、航空機産業の育成に戦略的に取り組んでまいりたいと思ってございます。
○重徳委員 法整備の必要性についてはどうお考えですか。
○滝波大臣政務官 お答えします。 航空機産業における支援、航空機工業振興法というものがございますけれども、このほか、先ほど申した航空産業ビジョンなどについて、各省庁連携して支援を行っているところであります。 今、現時点でちょっと航空機の研究開発等に特化した法律が必要であるとは考えておりませんけれども、例えば研究開発税制など、要件を満たせば航空機産業も対象となる支援策も講じてございますし、さまざまな予算措置を含めて、現行の法律、予算税制をしっかりと活用して、航空機産業に対して戦略的に支援をしてまいりたいと思ってございます。
○重徳委員 今は滝波さんは政府の方ですから、政府の公式答弁となると、そういう御答弁になるんじゃないかと思いますけれども、やはりこれは、立法府に置かれております我々としても、国の進むべき方向として、航空機産業支援というものを明確に立法するべきではないかと思っております。 これは、今、経産省の御見解を中心に述べていただきましたけれども、やはり国交省も大いに関係あることでありますね。省庁横断で、国を挙げて応援していく必要があると思っております。 先般、四月にも私、この委員会で触れさせていただいたんですが、航空機も、MRJをつくっている三菱航空機、こういう一定の規模の会社のみならず、最近ではドローンでも、有人ドローン、人を乗せたドローン、これも技術的にはもうできていると思います。それから、小型の飛行機もベンチャー企業がつくる技術を持っています。こういうところを国交省としても、耐空証明なんかをきちっと出さなきゃいけないのは国交省が審査するわけですから、国交省も応援いただけないかと思うんですね。 四月の石井大臣からの御答弁では、昨年十二月にできた官民協議会のロードマップの目標においては二〇二三年の事業スタートを目指す、こういう御答弁をいただきました。 二〇二三年、もう四年後ですから、耐空証明の審査基準、こういったものも準備しておかないと、せっかくつくった飛行機が実際実用化できるかどうかもテストできないということになります。耐空証明をとる前に試験飛行も必要ですから、そのための体制といいましょうか環境を国として整えていくべきじゃないかと思います。 大臣、現状、事業者の準備状況も含めてですけれども、国として、いつでもチャレンジを待っていますよ、こういう姿勢で行っていただきたいと思うんですけれども、現状はどうなんでしょうか。
○石井国務大臣 有人ドローン、いわゆる空飛ぶ車の実現に当たりましては、その実現に取り組む事業者の技術開発や構想の具体化と並行いたしまして、機体の安全基準の整備等の安全確保や離着陸場所の確保等といった環境整備が必要となります。 こうした観点から、昨年末に空の移動革命に向けた官民協議会におきましてロードマップが取りまとめられまして、二〇二三年の事業スタートを目標とされたところであります。 現状といたしましては、事業者がまずは無人の状態で飛行方法や飛行場所を限定して安全性を担保することによりまして、耐空証明を受けずに飛行を行うための航空法第十一条ただし書きによる特別な許可を受けて試験飛行を行う制度は整っておりまして、順次、試験飛行が行われております。 国土交通省といたしましては、ロードマップに掲げられた目標を踏まえつつ、空飛ぶ車の実現に向けまして、技術開発の状況に応じて、審査基準の策定を含めた必要な環境整備について、引き続き官民で連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
○重徳委員 聞くところによりますと、耐空証明審査基準、ヨーロッパではもう昨年出されている、そう聞いております。あと、ドバイなんかも今月には出すと。かなりスピード感を持って各国取り組んでいると思います。国も、官民ともに力を合わせてということでありますが、日本もしっかりと、もっとスピードアップして取り組んでいただきたいと思います。 最後に、この間、視察に行かせていただきましたMRJの開発に関連して。 やはりこれは、MRJ開発、大変苦労していて、型式証明がなかなかとれない、納期ももう現時点で七年おくれているということなんですが、半世紀ぶりの飛行機製造ですから、人材もノウハウも大変不足して苦労してきたということなんですが、このMRJの型式証明を取得するための三菱航空機さんのノウハウとか国の検査官の知見、こういったものをどのように確保したのかという事実確認と、それから、今後、今お話し申し上げましたように、航空機産業をどんどんと推進していかなきゃいけない、こういう中で、航空機、それから空飛ぶ車、これを実用化、量産化していくために、型式証明、耐空証明、必要なノウハウ、検査官の人員、どのようにふやしていくのでしょうか。このあたりのお考えをお聞きしたいと思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 国土交通省では、約半世紀ぶりの国産旅客機となりますMRJの安全性審査を行うために、開発拠点である県営名古屋空港に航空機技術審査センターを新設するとともに、開発の進捗に合わせて審査体制を大幅に拡充してまいりました。 また、安全性審査を行う職員として、航空機開発経験者や航空機運航経験者を採用するとともに、宇宙航空研究開発機構、JAXAや航空会社を始めとする研究機関や民間企業との活発な人事交流を行うことによって、専門知識を有する人材を確保してまいりました。 さらに、MRJに対する安全性審査能力向上を図るために、米国の航空当局と連携して専門研修を拡充するとともに、米国、欧州の航空当局の安全性審査担当者と密接に連携して安全性審査を実施してまいりました。 一方、今後、MRJに続く国産旅客機やいわゆる空飛ぶ車など、我が国の航空機産業の発展のためには、官民双方にとって、航空機の設計技術の能力を有する人材のさらなる育成や審査ノウハウの継承は非常に重要な課題であると認識をいたしております。 このため、民間におきましては、外国人技術者の採用と既存日本人技術者への知識経験の伝承、国においては、研究機関や民間企業との人事交流や技術者の中途採用、専門研修の充実等を通じて、引き続きその対応を図ってまいります。 国土交通省では、今後とも、官民が一層協調してノウハウの継承や人材確保に努め、今後の新たな航空機開発に向けて的確に対応してまいりたいと考えております。
○重徳委員 これで終わりますけれども、航空機産業は本当に、基礎研究から人材、ノウハウ、大変長期の期間、戦略性が必要だと思います。こういったことを、国としての方向性をしっかりと定めていく必要があるということを最後に申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○谷委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○谷委員長 これより討論に入ります。 討論の申出がありますので、これを許します。清水忠史君。
○清水委員 私は、日本共産党を代表して、航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改定する法律案に反対の討論を行います。 反対理由の第一は、予備品証明検査を廃止することです。 航空機のエンジンやプロペラなどの重要装備品に対する国による一点ごとの直接検査は、空の安全を守る上で国が果たす最低限の責務です。ところが、改定案は、検査を受ける側である事業者の要求に沿って、国の検査を廃止し、メーカーが行う認定事業場制度に委ねようというものです。 現行の認定事業場制度のもとでさえ、IHIやジャムコなど、国土交通省の認定を受けた装備品メーカーが、規定どおりの製造、修理改造検査を行っていなかったという不正が相次いで発覚しています。 こうした現状を顧みず予備品証明検査を廃止することは、空の安全を守るための国の最低限の責務を投げ捨てるものと言わなければなりません。 反対理由の第二は、連続式耐空証明の制度をエアライン以外にも拡大することです。 耐空証明は、自動車でいう車検に相当するもので、航空機一機ごと、一年ごとに国が直接検査し更新することが原則です。整備能力を備えた航空会社のみを対象に認められる連続式は例外なのであります。 ところが、改定案は、さらなる民間能力の活用と称して、例外と原則を逆転させ、航空会社以外の法人、個人にまで連続式耐空証明の対象を拡大しようというものです。 二〇一八年には、連続式耐空証明を取得して運航していたNCA、日本貨物航空における不適切整備が明らかになりました。空の安全にかかわる重大問題であり、法案の準備過程における不正の発覚であるにもかかわらず、政府のまともな検証や反省のないことも質疑で明らかになりました。 民間任せの航空行政が拡大する中で、整備不正や航空機事故、重大インシデントが相次いでいます。そのようなもとで、検査を受ける側である事業者の立場に立ち、国の直接検査を廃止縮小すべきではありません。 なお、航空機乗組員の飲酒対策、ドローンの飛行に関するルールの追加、国産航空機の安全性維持のための体制確保及び運輸安全委員会による航空機事故等調査の強化は、いずれも必要な措置であり、反対するものではありません。 以上申し上げて、討論といたします。
○谷委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○谷委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、参議院送付、航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○谷委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、伊藤忠彦君外五名から、自由民主党、立憲民主党・無所属フォーラム、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会及び社会保障を立て直す国民会議の六会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。福田昭夫君。
○福田(昭)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。 航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 今後の国産航空機の就航に当たっては、国際民間航空条約上の航空機の設計及び製造国政府としての役割・責任を確実に果たすとともに、新たな国際基準の策定等、世界的な航空機の安全性向上のために必要な活動に貢献すること。 二 国産航空機の就航後の安全運航の維持及び我が国航空機産業の更なる発展のため、航空機の安全性審査能力の維持・向上に努めること。 三 航空機の安全確保における民間能力の活用に当たっては、装備品等の設計・製造者、航空会社を始めとする航空機の使用者、航空機整備会社等の航空機の安全確保に関連する民間事業者等に対する認定を適切に実施するとともに、航空機の安全性が確保されるよう厳格な指導・監督を行うこと。また、民間事業者の指導・監督に必要な体制の充実を図ること。 四 航空機乗組員の飲酒等による不適切事案については、その発生に至る背景について、十分な分析を行うこと。また、航空運送事業者に対し、従来にも増して航空機乗組員の心身の健康状態を適切に把握・考慮できるような体制の確立に向け、必要な助言・指導を行うとともに、航空に携わる関係者に対し、飲酒に係る意識改革の徹底を促すこと。 五 無人航空機に係る事故やトラブル等を未然に防止するとともに、今後の更なる利活用の拡大に対応するため、無人航空機の技術開発の動向や利活用の状況を見極めつつ、機体の安全性認証、操縦者・運航管理者の技能などの安全確保のための方策について、引き続き検討を進めること。 六 運輸安全委員会において、事故調査の報告までに一定の時間を要している現状を踏まえ、組織としての独立性を確保しつつ、航空事故の再発防止等の観点から、早急かつ適確な事故調査を実施するための人材の育成、組織体制の充実を図ること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○谷委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣石井啓一君。
○石井国務大臣 航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を始め、理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。 まことにありがとうございました。 —————————————
○谷委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、従来どおり委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○谷委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十七分散会