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198回国会衆議院2019/05/10

経済産業委員会 第10号

発言数
95
登壇者
14
会派数
4
開催日
2019/05/10

会議録

赤羽一嘉公明党

○赤羽委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の審査に資するため、経済産業委員会といたしまして、去る四月二十四日に、埼玉県内の中小企業及び埼玉県事業引継ぎ支援センターの視察を行いました。八名の委員の皆様の御出席をいただきました。参加委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。  まず、株式会社金子製作所から、同社の事業内容、BCPの概要及び策定経緯等について説明を聴取いたしました。  同社は、医療機器部品や航空機部品等の精密部品を加工するメーカーで、非常に高度な技術を有しています。東日本大震災により、竣工してから間もない福島県のいわき工場が被災した経験等から、災害への備えの必要性を痛感し、昨年、BCPを策定されました。  その後も、半年ごとにBCPの運用の検証や定期的な見直しを実施しており、いわき工場でバックアップデータを共有するなど相互補完体制を整備し、防災・減災対策の取組の強化を進めていることを伺いました。  あわせて、部品加工の現場を視察したほか、金子社長及び同社の関係者の方々と、ものづくりに対する基本的な考え方や、事業承継の状況、健康経営に対する取組等について質疑応答を行いました。  次に、株式会社サイホーから、同社の事業内容、MアンドAによる事業承継の経緯及び概要等について説明を聴取いたしました。  同社は、電気・消防設備の点検や省エネ提案サービス等を主要事業としています。外注していた電気工事にMアンドAによる内製化ニーズがあったことから、埼玉県事業引継ぎ支援センターのマッチング支援を受けて、後継者が不在であった売り手側企業との間で意向が一致し、MアンドAの成約に至ったことを伺いました。  また、埼玉県事業引継ぎ支援センターから、県内の事業引継ぎ支援の動向等について説明を聴取いたしました。  埼玉県においても事業承継問題が喫緊の課題となっている状況の下、同センターでは、相談件数が急増し、MアンドAの成約は、時間はかかっているものの、徐々に実現し始めていることを伺いました。  あわせて、株式会社サイホーの平沼社長及び埼玉県事業引継ぎ支援センターの関係者の方々と、MアンドAによる事業承継の現状及び課題や、関係者間の連携協力の重要性、事業承継支援体制のあり方等について質疑応答を行いました。  以上が、今回の視察の概要であります。  なお、最後に、視察に当たりまして御協力をいただきました関係者の皆様に深く感謝の意を表しまして、御報告といたします。     ―――――――――――――

赤羽一嘉公明党

○赤羽委員長 この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総合政策局審議官油布志行さん、金融庁総合政策局参事官中村修さん、経済産業省大臣官房審議官上田洋二さん、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長松山泰浩さん、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史さん、中小企業庁長官安藤久佳さん、中小企業庁次長前田泰宏さん、中小企業庁事業環境部長木村聡さん及び中小企業庁経営支援部長奈須野太さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤羽一嘉公明党

○赤羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

赤羽一嘉公明党

○赤羽委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田嶋要さん。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 おはようございます。立憲民主党・無所属フォーラムの田嶋要でございます。  令和の時代に入りまして最初の衆議院経済産業委員会、しかもトップバッターという、図らずもそういうチャンスをいただきました。委員長並びに理事各位に御礼を申し上げます。どうもありがとうございます。  早速入らせていただきますが、令和の時代ということで、私、実は最近、高校の日本史の教科書を読み直しておりまして、今ちょうど鎌倉なんです。鎌倉まで来ているんですけれども、改めて、高校時代とかに習った日本史というのは、天皇の、天皇陛下の歴代の歴史である、元号の歴史でもあるなということを改めて感じたわけであります。  クイズをするわけじゃありませんが、世耕大臣、最初の元号は何ですか。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 大化でございます。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 大分もう巷間言われておりますので。大化の改新ムズカシイとみんなでよく覚えた記憶があります。  しかし、やはり、そうした連綿とつながるものには多くの人々が価値を置くというのは、本当に自然なことだなというふうに思います。長きにわたってそうした天皇陛下の仕組みがずっと続いてきているということがやはり日本の誇りでもあろうかと思うわけでありますが、きょうは、民間の企業の中でも、そうした連続性、連綿と続くということに関して、事業承継とのかかわりで御質問させていただきたい。  まず最初の質問でありますが、日本は長く続いている企業が多いとよく言われますが、創業百年以上、二百年以上、そうした企業が何社ぐらいあるかということをおわかりでしたら御報告ください。

前田泰宏中小企業庁次長

○前田政府参考人 お答え申し上げます。  東京商工リサーチの調査によりますと、二〇一七年に創業百年を超えるという企業は、全国で三万三千六十九社あるということでございます。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 百年ですね。(前田政府参考人「はい」と呼ぶ)三万三千六十九社ということで、二百年は答えがありませんでしたけれども。  それがどのぐらい世界の中で図抜けているかというところがポイントでありまして、質問をいたしませんでしたが、私が今手元にある資料は、ちょっと古い二〇〇八年のデータですが、百年以上が五万社と言われているんです、当時。だから、当時から大分減りましたね、三万三千ですから。しかし、五万社の企業のうち二百年以上は、当時、三千百四十六社と書いてあるんですね。今、二千数百社かもしれません。  その数字がどのぐらい大きい規模かというと、当時、この資料によると、二百年以上が三千社余りあったというとき、世界の二百年以上は五千五百八十六社。したがって、これは多分今も変わらないんだと思うんですが、百年以上も二百年以上も、半数以上が日本に集中しているという話なんです。  これはよく演説でも使いませんか。使いますよね。これはよく演説でも使うんですけれども、やはりこれは、演説でも使うぐらい、日本人がうれしくなる、そうだよ、日本はすごいよなと感じる一つの誇りなんですね。私もよく使わせていただいておるんですが。  しかし、これがおもしろいのは、これは韓国銀行が出しているんですよ。韓国銀行が、長寿企業がなぜ日本に多いかを分析している。要するに、ほかの国からも評価されているんですよね。  なぜ長寿企業が多いかということを書いているんですけれども、本業重視、信頼経営、透徹した職人精神、保守的な企業運用、財務ですね、それともう一つは血縁を超えた後継者選びと書いてあるんですよね。  なるほど、要するに、息子や娘に継ぐだけじゃなくて、血縁を超えた事業承継が行われているということもこういう長生き企業が多いという証左だな、理由だなというふうに分析をされておるわけですが、しかし、にもかかわらず今大変な状況にあるということで、これまでも委員会で多くの委員から、このままいくと多くの会社が消えていき、多くの雇用が失われる、こういうことが言われているわけであります。  そこでお尋ねをしますけれども、二〇一二年当時、これもよく演説で、中小企業は三百八十五万者、覚えたわけですけれども、最近、その覚えた数字が使えなくなってきた。  今、何者あるんですか。今日までにどのぐらい減ったんですか。

前田泰宏中小企業庁次長

○前田政府参考人 お答え申し上げます。  二〇一六年で、平成二十八年経済センサス活動調査によりますと、三百五十八万者でございます。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 五と八がひっくり返ったわけでありますが、三百五十八万者になりましたということでありますが、大事なのは、この減った数字の中で、御本人は本当はなくしたくなかった、不本意にも廃業に至った中小企業の数がどれだけあるかということでありますが、いかがですか。

前田泰宏中小企業庁次長

○前田政府参考人 不本意というのをどのように捉えるかはちょっと難しいと思いますけれども、例えばですが、二〇一九年の中小企業白書のアンケートによりますと、主に経営者の引退後三年以内の人を対象にしたアンケートによりますと、資質がある後継者がいなかったということを理由に廃業したというのは、約二割の数字が出てきております。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 黒字の会社もたくさん廃業しているというふうに聞いております。たまたま後継者が見つからなくて、やはり不本位でしょうね、自分が生んだ会社を引き継げなかったということであります。連綿とつなげることが得意な日本だけれども、今大変危機的な状況に陥りつつあるということであります。  そこで、お尋ねします。かつて有名になりました、痛くない注射針ということがありましたですね。あの痛くない注射針は今どうなっているんでしょうか。

前田泰宏中小企業庁次長

○前田政府参考人 お答えいたします。  岡野工業だと思いますが、岡野社長に聴取いたしました。自分が元気なうちは痛くない注射針をつくり続けるつもりだが、一方で、後継者はおらず、いずれは廃業する予定であるというふうに聞いております。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 あの痛くない注射針は多くの人にとって朗報だったと思うんですけれども、そういう状況だということで、何か残念ですよね。私は、そんなに有名になった、私も知っているような企業がなぜ承継されずになくなっちゃうのかなというのが、どうも合点がいきません。  そこで、大臣にお尋ねしますけれども、事業承継というのは経済産業省にとって本当に重要な経済政策と位置づけているんでしょうか。  そして、存続すべき中小企業、要するに、いろいろな企業が消えていく中でも、痛くない注射針のように、この企業は残したいな、この技術は承継したいな、そういう企業に関して、例えば、不本意な廃業はゼロにするとか、そして中小企業のMアンドAの成功件数は何社に年間するとか、そうしたKPIを私だったらセットしますけれども、そういうKPIがあるのかどうか、お尋ねします。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 まず、事業承継、企業が存続をしていくということは非常に重要だと思っています。  二〇二五年までに、平均引退年齢とも言える七十歳を超える中小企業、小規模事業者の経営者は二百四十五万人と見込まれています。その約半数の百二十七万人が後継者未定ということになっていますので、これを放置した場合は、推計では六百五十万人の雇用と二十二兆円のGDPが失われるというような計算もあるわけでありまして、極めてこれは深刻かつ重要な問題だというふうに思っています。  事業承継というのは、中小企業の後継ぎ問題にとどまらず、例えば、サプライチェーンですとか、あるいはその地域にとってどうしてもないと困るというような会社で、地域経済の活力や雇用の維持といった観点からも待ったなしの課題だというふうに思っています。日本経済を支える上でも極めて重要な政策課題だと認識をしております。そういう意味で、税制その他、政策を集中をさせて、この事業承継をしっかりと後押しをしていくという取組を行っているところであります。  KPIについては、本当は不本意な廃業をこれぐらい減らすとやれればいいんですが、先ほども前田次長が御答弁したとおり、この不本意な廃業というのは何なのかということもあります。  我々としては、数値目標としては、例えば、事業引継ぎ支援センターで、令和四年度、二〇二二年度になりますけれども、年間二千件の成約件数を達成するというような数値目標を掲げているところであります。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 ああ、そういうのはあるんですね、年間二千件。  資料一でございますけれども、私が調べた成長戦略にかかわる安倍内閣のKPIですね、キー・パフォーマンス・インディケーターですか、これ、一が中小企業と小規模企業でありますけれども、この三つを確認をいたしました。どれも大事だと思います。一万社の海外展開、そして特許の出願、中小企業一五%、黒字企業を倍増させる。どれも重要でありますけれども、今、大臣、私が重要政策ですかと言ったら、極めて重要政策だと。極めてがつくんですよ。極めてがつく割に、私、力の入れ方が十分入っていないような感じがしますね。  今、そういうKPIがあるという、何とか支援センターの二千件というのがありました。それはないよりあった方がよかったと思うんですけれども、私の今回の問題意識は、本気度が足りないということだということをまず申し上げたいというふうに思うんです。  それで、次の質問をさせていただきたいんですけれども、MアンドAですね。今も埼玉の御報告で、MアンドAによってうまくいった実例の視察の話がございましたが、実は、先ほどの痛くない注射針に関して、平成二十九年の十二月にこの経済産業委員会でこういう議論があるんですね、それをちょっと御説明いたします。  ある委員の方が、「そういう私が本当にびっくりしたのは、痛くない注射針を開発した日本の中小企業がございました。これは世界的に話題になりまして大変な反響があったそうですが、この会社が何と、」「事業承継税制が非常にハードルが高いために承継ができなかった。」飛ばします、「この事業承継税制については、本当に抜本的に使い勝手をよくしないと、」これは二十九年のときですからね、その後よくしたことになるわけですが、「黒字企業であって、世界的な有名な技術を持っても、廃業するかどこかに買われちゃうというそういう話になったら、何のためのものづくりかわかりません」。こういう、質問者、委員の発言があるんですよ。  これを聞いていてどう思われますか、大臣。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 ちょっと御質問の趣旨があれですけれども、やはり、そういった技術が引き継がれない、そういった立派な企業が継続できないというのは大変残念なことだというふうに思います。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 ちょっともう一回読みますよ、大臣。世界的な有名な技術を持っていても、廃業するとかどこかに買われちゃうというそういう話になったら、何のためのものづくりかわかりません。何か変だと思いませんか。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 いや、どこかに買われてその技術が存続するのであれば、これは別に、個別の案件に私がコメントするわけにはいきませんけれども、一般論としては、技術がしっかり何らかの形で存続していくのであれば、これはある意味一つの選択肢としてあり得るんだろうと思います。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 そういうことなんですね。ただ、この委員はこういう表現をされている。私、これはある意味、一般、世の中の感覚とは近い感じがするんですね。どこかに買われちゃう、よそのどこかの国に買われちゃうとよく出るじゃないですか。  しかし、事業承継というのは、さっきの話で、MアンドA、入っているんですよね。私も同意見ですよ。ここに書いてありますよ、テルモさんが技術は買ってくれたとその方はおっしゃっているんですよ。テルモさんが買ってくれたと言っているのに、何か廃業するとかどこかに買われちゃう、つまり、廃業ということと買われちゃうということが何か同じようによくないことだという認識がやはり当時あった。この委員会ですよ、この委員会。  その前段で、副大臣が流れの中で答弁しているのは、事業承継の重要性についての気づきの機会の提供やMアンドAを通じた事業承継のマッチング支援、正しい指摘もあるわけですね。  だから、政府が勘違いしていたということではないでしょうけれども、私が申し上げたいのは、国会の立法府でも、認識の中で、どこかに買われちゃうことは事業承継じゃない、どこかに買われちゃうことは本来避けるべきで、息子や娘に事業承継したり、外から優秀な人を招き入れるのが事業承継だという、私はそういう頭の中での優先順位がいまだにあると思うんですよ。  MアンドAというのは外来語ですもんね。ということは、金剛建設じゃないけれども、百年、二百年、三百年続いている企業の承継の時代には、MアンドAはやはりなかったんですね。だから、そのMアンドAということに関して、私は少し位置づけが弱いんじゃないかなというふうな感じがするんです。  一つの選択肢としてのMアンドAは、親族への事業承継等に比べて遜色のない経済的インセンティブが付与されているのかどうか、御答弁ください。

木村聡中小企業庁事業環境部長

○木村政府参考人 お答え申し上げます。  親族内承継とMアンドAによる第三者承継における経済インセンティブについてでございます。  まず、親族内の承継につきましては、先ほど御指摘にもございましたけれども、平成三十年度の税制改正におきまして、贈与税、相続税の納税を猶予する制度を充実させていただいたところでございます。  一方、MアンドAによる第三者承継についてでございますが、同じく同年度の税制改正におきまして、中小企業がMアンドAによる事業承継を行う際に生じます登録免許税、不動産取得税の軽減措置を講じさせていただいております。  これらの税制措置に加えまして、平成二十九年度からでございますが、事業承継を契機として新たな取組に挑戦する後継者を支援する事業承継補助金を設けさせていただいております。この支援措置では、親族内承継そして第三者承継の双方につきまして、例えば設備投資や販路開拓に要する経費の一部を補助しているというところでございます。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 支援に差がないということですよね。それでいいですね。支援には、MアンドAも、いわゆる世の中でイメージしやすい承継、息子とかへの承継も差がないということであります。  大臣、MアンドAというのは何の略ですか。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 マージャー・アンド・アクイジションであります。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 マージャー・アンド・アクイジション。やはり、ちょっとおどろおどろしいですね。敵対的買収という言葉がある。  ところが、ある中小企業団体にきのうお話ししたら、そこはそう思っていないんですよ。MアンドAは何の略か、マリッジ・アンド・アライアンスと。そうしなきゃだめだということを言っているんですよ。敵対的じゃだめだよ。だって、お互いのシナジーとか、やはりこの人たちと一緒だったらくっつけたいなというように持っていくようなマリッジに、結婚ですね、マリッジにしていかないとだめだということをおっしゃっております。  添付している資料をごらんください、資料の二でございますけれども。  これは、役所からいただいている資料の中で、先ほどの埼玉とも似ているのかもしれないけれども、理想的といえば理想的でしょう。この藤田鮮魚さんというのは、個人事業主ですよ、従業員三名。小が大を食べちゃうと言うと語弊がありますけれども、売られた会社は蔵吉フーズという従業員五名の株式会社です。株式会社の方が体力的にということで後継ぎを探していた。そして、先ほどもお話の出ました仲介の引継ぎセンターに相談をした結果として、シナジーもあるということで、この個人事業主、藤田鮮魚店さんの方にくっついたということであります。  私はこういう事例が紹介されているのを大変うれしく思ったところでありますが、しかし、私が思いますに、今申し上げたとおり、マリッジ・アンド・アライアンスになっていないがゆえにまだまだ弱いというふうに思います。  添付の資料をごらんをください。資料の三です。  資料の三で、形態別の事業承継の推移ということがございますけれども、一番下の地をはうようなものが買収、MアンドAということで、親族あるいは内部昇格に大変ほど遠い、外部招聘も大変少ないということで、私は、この買収、MアンドAというか、マリッジをもっと中心に据えた、気合いの入った事業承継対策を政府にはお願いをしたいというふうに思います。  そこで、次の質問ですが、副大臣、中小企業のMアンドAによって、現の経営者、今の経営者は売却による利益を上げるというふうに思われるんです。いただいた資料にもそれがMアンドAの場合だけのメリットだというふうに書いてあるんですが、経産省の資料ですよ、どのぐらいの利益が上がるものなんですか。もしわかったら教えてください。その売却利益に対して、現在、課税関係等でインセンティブがあるのかどうか、お答えください。

関芳弘自由民主党経済産業副大臣

○関副大臣 我が国の中小企業経営者が会社売却などのMアンドAによりましてどの程度利益を上げているかということでございますが、網羅的に把握することは困難でございますけれども、例えば、事業引継ぎ支援センターにおきましてマッチングが実現しました案件に係ります売買金額につきましては、比率の多い順に、百万円未満の場合は三〇%、一千万円以上五千万円未満が、これは二五%ございます、また、百万円以上五百万円未満が一九%という順になっております。  先ほど政府参考人からもお話がございましたけれども、現行制度下でございますと、MアンドAの売り手側に対します税制上のインセンティブ措置は存在しないところでございますけれども、今後、MアンドAによります事業承継を一層促進いたしますために、MアンドAの売り手側が税制面での課題を抱えているのか否か、それをよく聞きまして、また、抱えている場合にはどのような措置が求められているのか、こういうところに耳を傾けてまいりたいと思います。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 なるほど、それはいただかなかった数字でございますけれども。  それは、MアンドAによらずして不本意ながら廃業したら入ってこないお金という理解でいいですか。

関芳弘自由民主党経済産業副大臣

○関副大臣 これはもう、実際にMアンドAが行われたときの手数料でございますから、そのとおりと思います。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 廃業したときも何か資産を売ったりするかもしれませんけれども、いずれにしても、それって結構、私、ビッグサプライズだと思うんですよね。あっ、そんなにうちの会社は価値があるのかと。  百万円以下という話もありましたが、一千万円から五千万円のケースが二十何%とかですね。ということは、四社に一社はそれだけの、ある意味では退職金みたいな話ですけれども、今まで育て上げた会社をマリッジして送り出す、だけれども、自分にはそれだけのお金が入ってくるということですよね。  私は、事業承継を今回も強化して、個人も拡大してと、結構なことでありますけれども、一つの御検討ポイントとしては、買った側のいろんな承継、固定資産税やら登免税の話じゃなくて、売った側のそういった部分に関して税制上のメリット等を考えたらどうかなと。  これは、やったら切りがないということもあるんですが、時間が限られている闘いだからです。極めて大事だと言って、税制の特例も十年間に限っているんですよ。つまり、オリンピックから十年ですよ。この間に時間が限られていて、本気度が足りないと私は本当に思っております。  本気度が足りないがゆえに、もう少しやれることがあるんじゃないかということで、このMアンドAを軸に置いた事業承継が一気に全国で注目されるように、売り主側にこうした金銭的メリットを付与することも検討すべきだと思いますが、いかがですか。

関芳弘自由民主党経済産業副大臣

○関副大臣 田嶋委員御指摘のとおり、国がしっかり支援していくことは重要であると思います。  中小企業、小規模事業者のMアンドAの手数料収入が十分見込めないために、民間仲介事業者の存在が希薄である、こういう声があることも事実なんですが……(田嶋委員「ちょっと飛ばしているような気がするけれども。それ、次の質問」と呼ぶ)あっ、そうですか。済みません。  そのような御要望を、確かに、国がもっと力を入れていきまして、どのようないわゆる措置が求められているのか、事業者の声をしっかりと聞いていくという対応をとっていかないといけない。確かにそのとおりだと思います。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 これは、むしろ財務省とかとの話合いになると思うんですけれども。売る方は喜びますよ、それはもちろんね。  私が申し上げているのは、ずっと大事な政策じゃなくて、お尻の切れている政策だと。あと十年間に承継が成功しなかったら日本の雇用が五百万人、六百万人失われるって言っているわけですよ、大臣が。にもかかわらず、やれることを残しておいていいんですかと。  それは、財務省は渋い顔をすると思いますよ。しかし、売る側が、五千万円も入ってくる、そういうときの魅力が、更に課税が少し有利だったら、それはMアンドAは軸に考えたいなって思うんじゃありませんか。  さっきのグラフを見たって、どんどん親族承継は減ってきている。当たり前ですよ、人がいないんだから。息子も孫もいないというケースが多いわけでしょう。  だから、やはり、MアンドAの印象はこれまで余りよくなかったかもしれないし、外来種であったとしても、マリッジ・アンド・アライアンスなんだ、そういうことで、それを検討していただきたいということを副大臣そして大臣にも申し上げたいんですが、大臣、一言何かありますか。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 まさに、思いは一緒です。だからこそ、我々は、まずは親族内の承継を、中小企業そして個人事業主と、二年間でばんとやってまいりました。これも過去は考えられなかった税制を入れました。  次は親族外のMアンドAというのが大きな課題だというふうに思っています。これは財務省とこれからかなり税調の中でもやり合わなきゃいけないと思っています。  ある意味経営者の退職金だと思っていますから、そういう感覚で私は考えていくことが重要だと思っています。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 いいんですけれども、聞いていて不思議に思うのは、なぜそれをシーケンシャルにやらなきゃいけないんですか、一個ずつ。全部一気にやるべきでしょう。  私、そもそも、何で個人事業主が一年おくれたのかがよくわかんないんですよ。麻生さんの本会議での説明もわかんないし、今、世耕さんもそういうことをおっしゃる。何で一年、個人事業主はおくれたんですか。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 これはなかなか、税というのは時間がかかる。ここは野党の皆さんに御理解いただくのは大変かもわからないですけれども、それでも一つ一つ成果を出しているということは御理解いただきたいと思います。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 御理解はいたしますけれども、大体、十年前に法人に関しては着手したんですよ。それが不十分で去年、更に改正したんでしょう。その十年間の間に、個人だって、確かに、資産のどこまでを事業の資産にするか難しい話があったと思うけれども、だけれども、麻生さんも本会議で言われたとおり、それが整理されたから今回やるんだと。じゃ、整理が一年早く整理されていれば、ちゃんと一緒にできたわけですよ。個人事業主からしたら、何で法人だけ先にそういう優遇がつくんだって、不思議な感じがしますよ。  今大臣がおっしゃっているのは、まさにそうですとおっしゃりながら、何で今までマリッジに関してやらないんですか、売り手側のポイント。そこも一緒に今回全部やれば、すごく魅力的になりませんか。それで、こんな低迷しているMアンドAががあっと膨れていくというふうに私は思いますよ、大臣。  だから、大臣がお認めになったのは、順番に一個ずつしか、何か小出しにしかやらないということ。お尻が限られている政策なんだから、ちょっと私はスピード感が足りないと思いますよ。ちょっと反省の弁をいただきたいと思います。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 我々としては今おっしゃっているようにやりたいんですけれども、これはなかなか、政府内の調整もあるわけであります。しかも、MアンドAも完全に放置したわけではなくて、買う側にはいろんな支援措置も入れているわけでありますから、その辺は御理解いただきたい。  全部を求めて何もできないよりは、やはり一つ一つきっちり前進をしていくことが重要だと思っています。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 まあ、物は言いようだと思います。  いずれにしても、私はちょっとまずいと思いますよ、こんな数字では。頑張っていらっしゃるというのは否定しませんが、六百万の雇用が失われると言っておきながら、キャッシュレスぐらい力を入れてくださいよ。キャッシュレスはなりふり構わずやっているじゃないですか、混乱をしても。事業承継の方が深刻じゃないですか。事業承継、まずいでしょう、こんな。五千件が実現しましたって、それは実現しないよりはいいけれども、六百万の雇用が失われると言っているのに、やり方がちょっとぬるいような気がしますよ。  それで、もう時間が近づいてきていますけれども、もうちょっとMアンドA推進をやはり力を入れていかなきゃだめだと思うし、資料の四をごらんください。これはやはり、私はMアンドAにしかないメリットがあると思うんです。それは規模の経済ですよ。垂直に承継すれば規模は変わらないけれども、さっきの三人と五人の従業員を足し合わせれば八人ですよ。  今いろいろな研究者が言っていることは、規模を大きくすると、まず生産性が上がる。日本は従業員数の少ない会社が大変多いんです、この一番上のグラフを見ていただくと。右側の軸はひっくり返っていますけれどもね。  そして、真ん中を見ていただくと、逆に従業員数の多い企業は相対的に少ない国なんです、日本は。そして生産性が非常に低い。日本よりも低い生産性のところには、ポルトガルとギリシャとかイタリアとか、大体何となくイメージできそうな、そういう国ですよ。だから、生産性は非常に低い、日本は。  そして一番下のドイツ。輸出をしている国は生産性がうんと伸びていく。そして、社員数が大きくなると、やはり輸出をするということになるわけです。  つまり、政府もKPI、書いていますけれども、輸出のできる体制を多くの日本の中小企業も備えていかなかったら、国内市場はどんどんちっちゃくなっていくわけですよ。生産性も上げる、そのためには、垂直的な事業承継にはないメリットとしての、企業規模を大きくするMアンドAというのが中心に据えられるべきだと私は思いますけれども、大臣、いかがですか。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 そういうMアンドAも極めて重要だと思いますし、当然、規模が大きくなれば仕入れとかそういったところの効率化も図られるわけですから、規模を大きくするという観点でのMアンドAというのも一つ視野に入れるということは重要だと思っております。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 もう一度言います。私は、本気度が全く足りないと思っております。  それでは次に、商工会、商工会議所、今、加入率はどのぐらい地域であるのか、全国的な数字をお願いします。

奈須野太中小企業庁経営支援部長

○奈須野政府参考人 お答えします。  商工業者に占める会員の割合の全国平均でございますけれども、商工会地域で五七・二%、商工会議所地区で三三・六%というふうに聞いております。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 それだけの企業を国のお金の入った二つの団体だけで把握できているわけです。そうした中でマッチングがどのぐらいあるのか、それから、データベースの構築なども今どんどん進めていただいているとは思うんですけれども、大臣にお尋ねします。  そうした全国の地域ごとの各種団体、商工会議所や商工会のみならず各種団体、法人会などもありますね、それからもちろん税理士会とかいろいろあります。資源を活用しながら、私のポイントは、悉皆的に把握すべきだということなんです、悉皆的に。これはできないわけがないんですよ。中小企業の事業承継を、MアンドAを中心に、周知、広報が足りなければそこも計画的にやる。  大体、その会社が本当に直面するのが何年ごろかなんていうのは、その会社の社長さんの年齢を見ればわかるじゃないですか。今、社長さんの平均年齢は五十九歳でしょう。あと十年が勝負というのはそういうことじゃないですか。  その人の今の年を見ればその会社がいつごろ事業承継に慌て出すかがわかるんだから、その十年手前から一社一社悉皆的なコンサルテーションを行って、残すべき優良な中小企業が一〇〇%この国に残るような体制を私は築いてもらいたいと思うし、今はやりのAIも含めて、どの会社が最優先でコンサルテーションすべきか、そういうことをちゃんと選別しなきゃいけない。余り大きな声では言えないけれども、こっちの会社の方がより守りたいよという、国策として守りたい会社を優先順位をつけてやっていくべきだと思いますよ、それは。  こういう民主主義の、資本主義の国であっても、今危機的なんだから、日本の国のために、失われちゃいけないものを守るという、そうしたAI導入も含めて、大臣、検討していただきたいと思います。いかがですか。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 まさに経産省では、二〇一七年度から、都道府県単位で、商工会、商工会議所や事業引継ぎ支援センターのほか、それだけではなくて、都道府県や金融機関などが参加する事業承継ネットワークを構築しています。中小企業に対して事業承継診断や専門家派遣を行うほか、後継者不在の事業者に対しては事業引継ぎ支援センターを紹介するなど、適切な支援への取次ぎも行っているところであります。  データを悉皆的に蓄積していくというのは、それは一つのやり方だと思います。まさに事業承継ネットワークも、これはデータの蓄積をどんどんどんどんやっていくというところが一番大きなポイントであります。  AIを活用してという点、これも一案だと思いますが、一方で、何かAIで存続企業を政府が選別しているみたいな御批判をいただくような可能性もありますから、その辺は大変示唆に富む御示唆だと思いますので、よく検討してみたいというふうに思います。

田嶋要立憲民主党・無所属フォーラム

○田嶋委員 時間が来ましたけれども、数字を確認しませんでしたけれども、三百八十五万者が四年間で三百五十八万者になっているんですよ。二十数万者が消えているんです。二十数万者が消えている中で八百件MアンドAが実現しましたというのは、悪いことじゃないけれども焼け石に水なんですよ。もっと本気にならないと。  全部守る。これは大きな声では言わないけれども、ゾンビじゃない企業ですよ。ゾンビじゃない企業は全部守る。そういう真剣な取組をお願いしたいと思うし、もう一点だけ申し上げると、いいタイミングでマッチングができずにMアンドAができなければ、その間、当分の間、中小企業の関係の中小機構などがハンズオンのブリッジ的な経営をするべきだと私は思います。  これは、お金を出すだけじゃなくて、次の本格的な経営者が見つかるまでの間のつなぎの経営も、中小機構あるいはその関連の組織としてやるしかない、一種の国営化かもしれませんけれども。そうでもして日本の国益にかなう企業の技術を守っていただきたいというふうに申し上げまして、質問を終わりにいたします。  ありがとうございました。

赤羽一嘉公明党

○赤羽委員長 次に、山崎誠さん。

山崎誠立憲民主党・無所属フォーラム

○山崎委員 こんにちは。立憲民主党の衆議院議員、山崎誠でございます。  質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  きょうは中小企業強靱化法案の質疑ですが、ちょっと先立ちまして一点だけ、エネルギーシリーズを一言、質問で入れさせていただきたいと思います。  順番をちょっと変えまして、エネルギー基本計画についてということで、二〇三〇年の電力のミックスについて少し議論をさせていただきたいと思います。  資料を今、皆様のお手元にお配りをさせていただいています。二の方の資料をごらんいただきたいんですが、政府の今提案しているエネルギーミックス二〇三〇年と、あと、私たちが今、野党合同で原発ゼロ基本法案という、提出をしていまして、その中で描いているエネルギーミックスの比較をさせていただきました。  お手元、配りましたかね。じゃ、前段で、ちょっと一つだけ質問します。  現状の、最新のエネルギーミックスの数字を教えていただけますか。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 まず、再生可能エネルギーを二二から二四%、原子力発電を、ではなくて……(山崎委員「現状、現在」と呼ぶ)現在。ちょっと待ってください。  二〇一七年度の数字を申し上げますが、石炭が三二・三%、石油等が八・七%、天然ガスが三九・八%、原子力が三・一%、再生可能エネルギー合計が六・一%で、うち、水力が八%、太陽光が五・二%、風力が〇・六%、地熱が〇・二%、バイオマスが二・〇%ということになります。

山崎誠立憲民主党・無所属フォーラム

○山崎委員 ありがとうございます。  今、再エネ六・一%でしたっけ。そんなことないよね。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 済みません、読み間違えたかもしれない。一六・一%です。

山崎誠立憲民主党・無所属フォーラム

○山崎委員 しっかりしてください。よろしくお願いします。  今、現状を大きく捉えて、原発三・一、再エネが一六・一%、残りの約八割が火力ということですね。  今、お手元に資料をお配りをしました。二番の図を見ていただきたいんですけれども、今、二〇一七年がそういう数字だということでございます。それを二〇三〇年にどういう姿にするか。もうざっくり、できるだけわかりやすくと思って、整理をしました。省エネとか節電の部分はちょっと省略をしまして、比率だけ。  政府案を見ると、火力発電は五六%、再生可能エネルギー、二二から二四のうちの二四、高い方をとった、それから、原発は二〇から二二のうちの二〇という低い方をとって、図を描くと、こんな図になります。再生可能エネルギー二四、原発二〇で、四四%がいわゆる政府がいう非化石で、火力が五六ですね。  私たちが今提案している原発ゼロ基本法案の中身は、単純に描くと、五六%が石炭火力、再生可能エネルギーは四〇%以上、これは法案でも決まっていますので、高度化法を踏まえると四四%という図になるんですね。これを我々はもっと高くしたいんですけれども、単純に政府に合わせて比較をするとこういう図になるということです。  私は、この図を見ながら、政府が言っている三EプラスEをそれぞれの分野で比較をしていって、では、この二つのエネルギーミックスのよしあし、きちっと見きわめていきたいということで、この資料をつくりました。  火力発電については、言うまでもないんですが、ここはもう私どものアイデアを特に入れるまでもなく、例えば、政府と同じアイデアをとったとします。石炭火力とか減らさなきゃいけないというのは我々のアイデアですが、それはとりあえずここでは議論の外に置くとすると、例えば、CO2の排出量も、発電コストも、エネルギー自給率に与える影響も、ここは同じだと思います。同じです。  問題になるのは、その下ですね。再生可能エネルギーと原発を組み合わせるのか、再生可能エネルギー四四%まで行くのかという、ここの違いなんですよ。  CO2排出量に関して、右側に表をつけました。これは基本的には同じとしましょう。  発電コストについて。発電コストについては、これはほぼ同じです。これは政府の数字として、原発は十・三円ですか、モデル計算。太陽光発電、風力発電にも出ていますが、十円よりも安い金額で二〇三〇年の絵を描いています。ですので、ここはほぼ同じ。長期的に見ると、原発は高く、再エネはどんどん安くなっているという流れの中で見ると、発電コストについても、実は、再エネ四四%の方が優位です。  それから、エネルギーの自給率は、言うまでもありません。原発は準国産。若干燃料を輸入しなきゃいけない。再エネは完全に国産ということですね。  大きく違うのは、Sの部分の安全性です。事故のリスクというのがゼロではないという以上は、ここはやはりリスクを見なきゃいけないんです。再エネにはそういうリスクはありません。  これは単純に政府の皆さんの考え方に沿ってまとめたものですけれども、本来、これにまた、例えばバックエンドの問題だとか、そういうものも載せなきゃいけないということだと思います。  この比較において優位性を考えたら、例えば我々が出している原発ゼロ法案、このエネルギーミックスの方が優位じゃないかというのが一つです。  では、この四四%再エネ入れるのと二四%再エネ入れるのの、この比較です。コストは、先ほど言いましたとおり、ほぼ同じになってきますよ、二〇三〇年。  そうしたら、では、あと、皆さんが言っているのは系統の安定性のようなお話ですね。ただ、私が言えば、火力発電が五六%も残っていて、この火力発電の中の例えばガス火力は、非常に調整がやはりききやすい、例えば石炭火力や原発に比べれば、変動に対応することができる電源です。そういう意味では、この五六%の火力発電をうまく使いながら再生可能エネルギー四四%入れることは、非常に私は現実的だと思います。世界でもこのぐらいの目標はどこも掲げているところです。  吹き出し、右下に書きました。この導入のためには、幾つか今までもずっと議論してきたことが必要だ。  私は、やはり、いろいろな再エネをその地域地域に合わせてバランスよく入れるべきだというふうに考えていますが、そういうような取組をきちっとやっていく。それから、系統の整備ですね、再エネの優先接続だとか、そういったことをきちっとやらなきゃいけない。それから、地域間の連系線の話もいつも出てきます。日本は海外とつなげないのでという世耕さんの決めぜりふがありますが、これは、地域を日本の中でも区切って見たときに、海外と同じようなネットワークをつくっていけばいい話です。そんなに大変な作業ではない。市場の活性化、それから需要のコントロール、揚水発電あるいは蓄電池、今蓄電池が爆発的に安くなっています。  こういったことを組み合わせれば、この四四%という数字は、実は非常に私は、実現可能であるし、これをやることによって、日本産業、大きくプラスになります。  今、いろいろな試算をさせていただいていて、その中で、例えば雇用、この新しい再エネのこういう世界を展開することによって百万人規模の雇用が生まれるというような数字を今専門家の皆さんからいただいています。これはまた、まとまり次第、皆さんにもお示しをしたいんですけれども。日本社会にとっても大きなプラスのある、この原発ゼロのエネルギーミックスなんです。  この比較をして、二四%で再エネとめる、再生可能エネルギー四四%に行く、この比較。それでも、これを見て、ああ、やはり、でも四四%は無理だなと世耕さんはお思いになるのか、今のお話をどう受けとめているか、お聞きしたいと思います。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 我々が、再エネの比率について、エネルギーミックス二〇三〇年の姿で、二二から二四%、これは必ず国民負担が伴うわけでありますから、三兆円で実現するということになっているわけであります。日本の再エネコストがいまだ高い中で、この二二から二四%という目標でさえ、水力発電以外の再エネを現在の二倍にするという極めて野心的な水準となっているわけであります。  こういった状況の中で、今御提案をいただいている、二〇三〇年に仮に再エネ比率四四%に持っていくとした場合、単純に試算をしても、国民負担の水準も現在の想定の二倍近く、約五兆円ということになるわけでありまして、コスト低減には再エネは努めていますけれども、それがまだ道半ばで十分ではない現状では現実的な選択肢ではないというふうに思います。  この吹き出しで、四〇%以上導入のために必要なことで書いていただいていること、これは全部我々もやりたいと思っています。系統の再構築もやりたいと思っていますが、簡単だとおっしゃいますけれども、そんなことないですよ、これは。送配電網を根底からやり直すとなったら大変な投資が必要で、その費用をどうするのかといったような問題も出てくるわけであります。  ですので、まずは再エネの主力電源化に向けて、コスト低減の取組を強化しながら、長期安定的な事業運営を確保して、系統制約の克服や調整力の確保などにしっかり取り組むことが重要だと思っています。  もちろん、我々も、二四%でやめますと言っているわけではない。これはキャップではないわけであります。いろいろな取組を通じて、少しでも多くの再エネの導入に努めてまいりたいというふうに思っています。  一方で、もう一つ重要なのは、やはりCO2の排出なんです。今のこの御提案、ここの絵には出てこないわけですけれども、こういう構成になれば、当然、再エネがうまく稼働しないときは火力発電でバックアップをしていかなきゃいけない。これは政府の案に比べて、こちらの案の方が火力発電の稼働率は高まるという面があろうかと思います。そうなると、たとえLNGであってもCO2はある程度出るわけでありますから、このCO2をどうするかということも、我々、コスト以外に考えていかなければいけない面だというふうに思っています。  これも、我々はただ何もしないというわけではなくて、二〇五〇年に向けては温室効果ガス八〇%削減しなければいけないわけであります。そのためには、再エネの導入を最大限進めていくだけではなくて、蓄電池ですとか水素ですとかあるいは原子力も含めて、あらゆる選択肢の可能性とイノベーションを追求していくことが必要だというふうに考えています。

山崎誠立憲民主党・無所属フォーラム

○山崎委員 私、簡単だと言ったらちょっと語弊があるのかもしれないので訂正しますけれども、それなりに投資も必要です。ただ、技術的に、社会的に可能だという話だと思うんです。  それは未来に対する投資なので、きちっと新しい仕組みをつくっていって、例えば再エネが安く導入ができる、地域地域で発電をして、地域で経済が回る。再エネをベースにした新しい社会のあり方、経済のあり方を目指す起爆剤になる、インフラになるんだという意味で、それを早くやるべきだ。それができなくなっているのが、例えば原発のような中央集権的な大型の施設に依存する、そういう電力システムなんですよ。  それをどこで切りかえるか。早く切りかえないと、今お話ししたような、私たちは、やはり地域分散型、ネットワーク型で、そして電気を供給できる、地域で経済が回る、そういった仕組みに切りかわらないから言っているお話でございます。  CO2の話は、どうかなと思います。確かに、再エネは発電の変動があるものもあります。今それに蓄電池を組み合わせることで、例えば南のオーストラリアで大きな蓄電池が動き出した、そんなお話も聞きました。非常に今、そういう意味だと、太陽光や風力、それをうまく組み合わせることで安定的な電源になりつつあるんです。  なので、必ずしも、だから、再生可能エネルギーがうまく動かないから火力発電所をたき増ししなきゃいけない、その辺も分析はさせていただきますけれども、この比較を私は精緻にしていくことで、原発ゼロのメリットというのはもっと打ち出せるというふうに思っている次第です。  まず、そこを御説明をさせていただきました。  それでは次、中小企業の強靱化法についてお話をしたいと思います。  前回の委員会、元経済産業省の古賀茂明さんが参考人として意見を言われていました。要するに、経済政策が体系的になっていない、新しい施策を予算獲得のために小出しにしている、毎年毎年、予算獲得のためにそういう施策が並んでいるんじゃないかという御指摘があって、私もどうかと思っていろいろ調べてみました。  三十一年度の当初予算で、中小企業、小規模事業者関係があって、三十年のものもあって、五年間、一応取り寄せて見せていただきました。  古賀さんの指摘のとおりだと私は思いました。非常にそれぞれの施策がわかりにくいです。どういう展開で、何をやりたいのか、それじゃ、その効果はどういうふうにつながっているのかというのをここから読み解くことはほぼ私はできないというふうに思いました。  これだけ見ていても何ともわからないので、じゃ、ちょっと資料一、文字が小さくなりましたけれども、生産性向上と研究開発支援だけ抜き出して、こんな項目がそれぞれに当たるんだよということで抜き出してみました。  生産性革命、資料の上ですね、平成二十七年の当初、それから平成二十六年の補正で上がっているものが、例えば、ものづくり・商業・サービス革新事業というのが補正で一千二十・四億円、それから小規模事業者支援パッケージ事業で二百五十二・二億円、これも補正予算。下に、研究開発支援で、革新的ものづくり産業創出連携促進事業で百二十八・七億円、これは新規ということで、これは二十七年です。それで、横に行くと、二十八年、二十九年、三十年、三十一年でずっと並ぶんですが。  一つは、幾つか問題はあると思うんですけれども、事業の名前が年度ごとにころころころころ変わります。見ていただくとわかると思うんですけれども、ものづくり・商業・サービス革新事業だったものが、ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金になったり、平成三十一年には中小企業生産性革命推進事業になったりと、名前がころころ変わります。  それから、大項目も全部違うんですよ。毎年、大項目も変わります。中小企業、小規模事業のイノベーション推進だったものが中小企業の生産性向上支援になって、ずっとなるという話。  それから、大所の予算ですね。中小企業支援の大所の予算が補正予算なんですよね。補正予算というのは、財政法二十九条を読むまでもありませんけれども、緊要性があってという話だと思います。この中小企業支援も、その場その場で、GNPの統計だとかいろいろな産業統計を見ながら調整をしているのでというお話はわかるんですけれども、例えば、この生産性革命に関しては、平成二十九年の新経済政策パッケージで、二〇二〇年までの三年間で、集中期間でやるという話ですよね。であれば、これは、予算をやはり本予算に立てて、きちっと体系的に腰を据えてある意味やっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。  例えば、一の資料の右につけましたけれども、要するに、生産性の推移を見ると、変わっていない、非常に苦しいまま動きがない。そういう状況を何とかしなきゃいけないという中で、この予算立て、この事業の組立てというのはどうなんだろうと思うんです。  今の私の質問というか意見、どうお考えですか。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 ちょっといろいろ言っていただいたので、いろいろお答えしたいと思いますけれども。  全体像がわかりにくいというのは、これは、本当はシンプルな政策ができればいいんですけれども、やはり日本の中小企業が直面している課題というのは業種とかによっていろいろ多岐にわたるわけですから、それに対応していかなければいけないという意味で、少し、細かい政策も含めて複雑になっている面はあるんだろうというふうに思います。  あと、ものづくり補助金の名称でありますけれども、これはやはり、その時点の経済社会情勢を踏まえて、名称も毎年の事業内容に合わせて適切なものをつけてきているわけであります。  例えば、平成二十四年度の補正予算で、最初は製造分野を対象に実施をした、これはものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金という名前になっていますけれども、これを、平成二十五年度補正予算からは、やはり小売とかサービス産業も加えてほしいというような要望もあった、それに対応するという意味で、名称を中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業に変更してきている。そういう中で名前が変わってきているわけですけれども、基本的には略称としてはものづくり補助金ということで、ある意味、人口に膾炙しているというところがあるんだろうというふうに思っています。  補正予算でばかり手当てしているじゃないかという御指摘については、これはやはり、経済情勢変化の影響を受けやすい中小企業、小規模事業者に対して、その年の経済状況に応じてタイムリーな支援を実施するという意味では、やはり緊急性の高い予算を補正予算で措置をしてきているところであります。  例えば、二〇一八年度補正予算で計上されたものづくり補助金については、二〇一八年七―九のGDP成長率が二四半期ぶりにマイナス成長になった、これを受けて、中小企業、小規模事業者に対する支援を拡充する必要性が生じたことなどから、緊急性が高いと判断をして補正で措置をしたところであります。  一方で、おっしゃるように、本予算でしっかりやって、予見性を高めるということも重要だというふうに思っています。今年度当初予算において初めて、補助事業者による連携型の設備投資を進めるものづくり補助金も計上させていただいているところであります。

山崎誠立憲民主党・無所属フォーラム

○山崎委員 今の連携型は五十億ですよ。五十億ですよ。  今のお話で、緊急性が高いので支援が必要だ、臨機応変というのはわかります。そうだとしても、これを見ると五年間ずっと同じなんですよ。一千億、一千億、一千億、まあ、一時期ちょっと落ちていますけれども。要は、もう補助金は補正予算でとると決まっているんじゃないですか。  それで、今自慢するのは五十億でしょう。桁が全然違うじゃないですか。それでまた補正予算でどかんとつけている。私は、補正予算でつけた、では、事業のシートを見て、本当にこの評価がわからなくなっちゃいます。  それで、ちょっとびっくりした記述があって、平成三十年度の行政レビューの中で、これは、二十九年の補正予算で予算がついたものの行政レビューシートを見ているんですね、ものづくり・商業・サービス経営力向上支援事業とあって、この中の項目にこういう記述があるんですよ。  本事業では平成二十四年度補正事業以降、採択事業者に対して事業終了後に実績報告書や事業化状況報告書等の提出を求めてきており、これまでの平成二十四年度補正から平成二十七年度補正までの四年分のデータが集まったところ。アウトカムの目標値や達成時期の設定の仕方、付加価値の目標やその他の指標の活用、さらに、商業、サービス業の指標について、上記の報告から集まったデータを踏まえながら検討していくと書いてあるんですよ。  これはレビューシートですよ。事業の効果を検討すると言っていて、平成二十四年度から四年の分のデータがようやく集まりましたので、ではこれからデータの分析をしますというお話に聞こえるんですけれども、これは事務方でいいですよ、これはどういうことですか。

前田泰宏中小企業庁次長

○前田政府参考人 お答え申し上げます。  ものづくり補助金は、基本的に、設備投資等々に対して、あるいはサービスに関しましては、革新サービスの開発に対しての補助でございますので、その効果が出るのが次の年度とかというのでは少し短過ぎるということでございまして、約四年ぐらいをめどにその効果の測定をしていくという趣旨でございます。

山崎誠立憲民主党・無所属フォーラム

○山崎委員 そう思って、いろいろシートを見せていただくと、例えば、平成二十七年の補正でついた事業のこの行政レビューのシートはないんですよ。見つかりません。本来だったら、平成三十年度でこのレビューシートがなきゃいけないと思います。平成二十八年度のシートはあるんですよ。だけれども、この平成二十八年度の補正でついたシートの結果はまだ出ていない。二〇一九年の六月に報告書が上がるので、そのときに分析しますとなっているんですよ。では、二十七年度は、一年前のものはもう出ているはずじゃないですか。この行政レビューシート、ないんですよ。  何が言いたいか。やはり、補正予算のせいなのかわかりませんけれども、一つ一つの事業の成果、効果分析、ちゃんとできていないんじゃないですか。それで、一千億、一千億、一千億を積んで、それで結局このグラフですよ。生産性、上がっていないじゃないですか。事業の評価と事業の体系、政策の効果、どういうふうに全体像を把握されて事業をやっていくのか。五十億でどれだけの効果が、ことし本予算にしたことで上がるのか。どうですか。

前田泰宏中小企業庁次長

○前田政府参考人 いろいろ御指摘あると思いますけれども、今私どもの手元にデータがございまして、大体四年をたちますと、似たような企業で、この補助金を使った企業と使っていない企業で売上高で大体四割ぐらい違うというふうな効果測定が出てきております。  これからも、例えば製造業の場合とサービス業の場合で違うと思いますけれども、どのような効果の測定が有効なのかということについては研究してまいりたいと思いますけれども、いろいろな各種の事業がございますものですから、そのあたりのところについては、引き続き不断の見直しをしていきたいというふうに思っております。

山崎誠立憲民主党・無所属フォーラム

○山崎委員 時間になりましたので終わりますけれども、私はこれを見ていて、やはり、古賀茂明さんがお話しされた、事業をどういうふうに組み立てて、体系的に、もちろん臨機応変の対応は必要なんですよ、だけれども、例えば、大項目が毎年変わって、事業もあっち行ったりこっち行ったり。これでは、中小企業の皆さんも何を信じて何をベースにして事業を組み立て、経産省の皆さんとの事業の整合性をとりながらやっていくのか、もう極めて私はわかりにくいと思います。  綿密にそういうことができる事業者さんもいるでしょう。ものづくり補助金をとるのも大変だ、いろいろ運営も大変だ、報告も大変だ、そういう話も聞きます。そういうことがきちっとできる人はいいんです。でも、それ以外、こういう事業体系で、こういう事業の運用の仕方で果たして本当に中小企業の皆さんのためになるかどうか、私は甚だ疑問でありまして、また引き続き議論させていただきたいと思います。  以上です。ありがとうございます。

赤羽一嘉公明党

○赤羽委員長 次に、石原伸晃さん。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 御代がわりしました今日、令和の新時代に経産委員会で久しぶりに質問をさせていただけますことを、赤羽委員長、梶山筆頭始め同僚の議員の皆様方に感謝を申し上げたいと思います。  今朝の宮崎の地震でございますが、大きな被害はないと聞いておりますけれども、世耕大臣を始め政府として万全の対策をおとりいただきますように、まずこの場をおかりいたしましてお願いを申し上げたいと思います。  さて、私と中小企業政策との出会いはかなり古くなりまして、橋本内閣で、佐藤信二通産大臣のもと、通産政務次官をさせていただきました。当時の経済状況は、消費税の増税の前でございましたので、まだまだ巡航速度でありましたけれども、地方を回らせていただきますと本当に、当時でありましてもいろいろな業種で、先ほど大臣も、本当に多岐にわたるいろいろな業種が、サイズがある、また業種もあるという御指摘でございましたが、御苦労もさまざまであるということを拝察してまいりました。  その後、安倍内閣では経済担当大臣もさせていただき、熊本地震の後、中小企業の被災された現場というものも見せていただきました。また、党にあっても、中小企業調査会長として、先ほど同僚の山崎議員が予算のボリュームについてお話がありましたが、それなりの努力をさせていただいたわけでございます。  そんな中で、振り返りますと、平成が始まったころには、役所に、おい、中小企業はどのぐらいあるんだと聞きますと、五百万以上でございます。まあ、五百二十万ぐらいだったと思います。それが、一番新しい統計でいいますと、三百五十八万者ですか、ざっと考えて三割ぐらい削減、減少してしまった。中でも、やはり私が愕然としたのは、ちょうど政務次官をさせていただいたころの経営者の方々の平均年齢を聞いたのを覚えているんですけれども、四十七歳、まさにまだまだこれから。それが、直近の数字でいいますと六十九歳と。高齢化が進んでいるからということだけでもないような気がいたします。  平成の時代は、それにあわせて、阪神・淡路の大震災、東日本の大震災、そして私が被災後すぐ中小企業の現場を見させていただいた、まだ復興相途中の熊本地震、そして昨年は集中豪雨、また、台風が東から西に行くといったような異常気象、自然災害が頻発したと思います。これ一つとっても、中小企業を取り巻く環境というのは大きく変わってきていると思います。  今回、この法案の中で、自然災害の頻発化や、先ほど御指摘をさせていただいた高齢者の方の、高齢化といった、中小企業にとりまして待ったなしといったような課題を的確に捉え、それに対応するための非常に重要な法案であると認識をさせていただいております。  我が国は、少子高齢化、人口減少、第四次産業革命といった構造的な課題を抱え、中小企業もこうした課題へ的確に対応していかなければ、幾ら助成をしていても生き残ることはできないと思います。そして、今後も、日本経済や、ここは重要だと思うんですが、地域社会、地域経済ですね、これを維持発展させていくために中小企業が担うさまざまな機能を再認識して、維持発展させていくことが私は重要であると考えております。  平成から令和へ、これまでの中小企業政策に対する問題意識を踏まえ、以下、質問をさせていただきたいと思っております。  世耕大臣におかれましては、参議院の議会があるということでございますので、冒頭質問をさせていただきましたら御退席いただきまして、あとは関副大臣にお任せをいたしたいと思っております。  法案の背景にありますように、少子高齢化、人口減少化による日本の人口構造の構造変化、地域にとって大きな課題でありますとともに、中小企業の数の減少の一因ではないかと思っております。  しかし、これを、何とか構造変化をやめさせようというのは、これはまた逃げようがあるわけではない。そうであるならば、中小企業政策というものは、現状を温存しようというものではなくて、大きく変わる変化に的確に対応できる政策でなければならないんだと思います。  そのため、中小企業が持ちます機能、これをどういうふうに認識するのか、そして、それをどうやって継続、発展させていくかが一つの大きな課題であると私は思っております。  世耕大臣には釈迦に説法でありますけれども、中小企業というのは、こんなところでもかと思うぐらい、日本のサプライチェーンを支えているんだと思います。また、先ほどからしつこいように地域、地域という話をさせていただいていますけれども、地域のコミュニティーやインフラを支えているのも実は中小企業であります。  私の暮らす東京でも、三多摩では、生活インフラを支えるといったような中小企業も減少して、地域コミュニティーの維持というものに影響が出ていることも事実でございます。大きな工場、個社名は言いませんけれども、それが撤退することによって、周りにあったサプライチェーンである中小企業も存在が危うくなるといった問題でございます。  私は、今求められているのは、先ほど数がこんなに減ったという話はさせていただきましたけれども、中小企業の数を維持する政策じゃなくて、中小企業の役割というのは一体何なんだろうか、そこに着目して、それをしっかりと果たすための支援策をつくっていく。  中小企業政策に明るい世耕大臣の御見解というものをお聞かせ願いたいと思います。

世耕弘成自由民主党・国民の声経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)

○世耕国務大臣 今、石原大先輩にきょうは答弁させていただくので、大変緊張しておりますけれども。  まさに今御指摘のとおり、中小企業政策がやはり着眼すべきは、中小企業の数ではなくて、今おっしゃるとおりの機能、役割だというふうに思っております。  そういう意味で、どういう役割があるのかということになりますと、今も御指摘のように、サプライチェーンの中で、なくてはならない製品を提供している中小企業の役割ですとか、あるいは地域の生活にとって、その企業がないともう生活が成り立たないというような役割、こういった役割をやはり中小企業政策をやっていくに当たっては重視をしなければいけないんだろうというふうに思っています。  まさに、その役割に着目をしているからこそ、我々は事業承継ということで、これも、数というよりは、やはり機能がしっかり存続をしてほしい、だからこそ我々は、親族内承継だけではなくて、MアンドAによる事業が継続していくということも着目をしているわけであります。  そして、今回、特に、この中小企業強靱化法というのは、災害によってその役割が途絶えることがあってはいけない、これは一時的に途絶えてしまうというようなことでも影響は非常に甚大ですけれども、私が見ていると、災害をきっかけに事業を諦めてしまうというようなことも出てくるわけでありますから、こういった役割をしっかりと存続をさせていかなければいけない。  そして、存続するに当たっては、その中小企業に頑張ってくださいというだけではなくて、例えば、サプライチェーンの中での役割であれば、そのサプライチェーンの頂点にいる発注元の大企業にもしっかり中小企業の事業存続に役割を果たしてもらう、あるいは、地域であれば、その自治体ですとかあるいは地域の商工団体にも役割を果たしていただく、そういうことに着眼をして、中小企業の災害に対する備えをしっかりと行っていく、いろいろな方々に参画をいただいて備えを行っていくというのが、今回、中小企業強靱化法の考え方であります。  おっしゃるように、中小企業が担うべき役割をしっかり果たせるよう、その他の分野でも中小企業政策をしっかりと進めてまいりたいと思っております。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 今、世耕大臣と私の認識はほぼ一致していたと思います。機能に着目して、そして地域にどうあるべきか、これを追求していく。そして、事業承継で重要な点を指摘されたと思います。  この後各論に入ってまいりますけれども、必ずしも息子さんが、娘さんがいい経営者じゃない、これは、中京圏を歩かせていただきまして、経営者の方から聞いた言葉であります。ですから、MアンドA、あるいは仲介者が入って大企業から人を引っ張ってくるといったような幅広い人材の登用というものをやっていかないと、どんな優秀な企業でも、中小企業も小規模事業者も存続をしないんだと思います。  大臣、お忙しいですから、御退席願いたいと思います。  それでは、今回の法案の中の各論でございますが、個人事業者の事業承継を促進するために、遺留分に関する民法の特例というものが盛り込まれています。この民法の特例、聞きなれない言葉でございますけれども、相続人全員の合意があれば、後継者に生前贈与された資産を簡便な手段で遺留分から除外できるというものであります。  これまでは、実は法人の株式のみが特例の対象でした。しかし、今回、法制的に定義が、これは私も民事局といろいろ話をしたんですけれども、難しいなと言われれば本当に難しいと思われたものを、個人事業者の事業用資産を対象とした、範囲を広げるということで、まさに画期的な取組ではないかと思っております。  三十年、昨年の税制改正で、極めて思い切った形で、法人の方の事業承継税制を抜本拡充はいたしました。そして、三十一年度税制改正では、その個人版となる事業承継税制を創設したわけでございます。  個人版の事業承継税制については、対象資産の範囲や、事業をやっていない個人との公平性の観点といった論点があり、実は与党の中でも四年間にわたりまして検討項目とされてきた経緯がございます。それが今回、政治の大きな決断により制度が創設されたわけでございます。  そして、この新税制と車の両輪となるのが、実はこの遺留分に関する民法の特例ではないかと私は考えております。  与党の税制改正大綱では、民法特例の個人事業主への拡大を検討しなければならないと指摘をさせていただき、本法案でこの特例を速やかに措置されたということは、私は高く評価をさせていただきたいと思います。長官、大変御苦労もあったのではないかと思います。  今後は、個人版事業承継税制の意味というものを本当に内容のあるものにするためにも、この民法の特例の活用を更に促していく、個人事業者への直接的な発信というものも、先ほど御同僚の議員の中で制度が複雑で難しいというお話もございましたとおり、やはりしっかりと告知していくということが重要だと思います。  これをどのように進めていくのか、これは長官にお聞かせ願いたいと思います。

安藤久佳中小企業庁長官

○安藤政府参考人 お答えさせていただきます。  まさに、個人版の事業承継税制の創設に当たりまして、今御指摘のありました遺留分の特例についても万全を期すようにと、このような与党の税制大綱のいわば宿題を受けさせていただきまして、今回この法案を御提出させていただきました。これまでの御指導に大変感謝を申し上げたいと思います。  今御指摘がございました遺留分に関する民法特例も含めた個人の事業者の皆様方に対する周知の徹底ということ、これはもう大変大切なことだというふうに思っております。いわば制度ができればそれで自然に動いていくというものでは私どもないと思っておりまして、やはり個人の事業主、とりわけ事業承継という非常に微妙な課題でございますので、こういった問題につきまして、個人の事業者の方が、それではこの制度を使ってこの機会に事業承継しようじゃないか、生前贈与しようじゃないかというお気持ちになっていただくことが本当に大切でございます。  申請手続のわかりやすいパンフレット、さまざまな事例を提示させていただくようなものを、全国千六百五十余の商工会、そして五百余りの商工会議所などを通じまして個人事業者の皆様に直接お届けをさせていただきたいと思っております。  また、個人事業主の方に日ごろ寄り添っていただくいわば支援機関の皆様方、この方々のお働きが大変大切でございます。税理士の皆様、そしてまた取引関係のある地域金融機関の皆様、そしてまた弁護士といった皆様、こういった方々がいわばいい意味で背中を押していただく、一緒になってお考えいただく、こういったことが大変大切でございます。こういったことへのお働きの説明会、セミナーなど、こういったことについても御支援をさせていただいているところでございます。  いずれにいたしましても、御指摘のありました、個人事業主の方にしっかり寄り添った形での丁寧な周知活動に万全を期させていただきたい、このように思っております。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 今長官がおっしゃられたとおり、もちろん、セミナー等々をやって広く、広しめるということは重要である。さらに、御言及があったとおり、地域の商工会や税理士や弁護士や、支援をしてくれる金融機関も含めて、こういう方々の協力なくして制度というのは、これは長官の言葉ですけれども、制度だけでは動かないと。私もまさに同じ認識でございます。  そこで、ことしの個人版の事業承継税制について、ツールがそろったわけですから、申告件数も昨年の個人事業主ではない方では大幅に増加したと聞いております。その一方で、支援機関の側にお話を聞いてみますと、やはりちょっとわかりにくいですよね、もう少し誰か説明してくれないですかねと、これは専門の税理士の先生からも聞きました。第二に、事業承継の後もしっかりサポートしてくれないと困りますよね、それを支援する側、手間とリスクを考えると、これを勧めようか勧めまいかちゅうちょする、こんな話も聞いてまいりました。  しかし、やはり、事業承継について考えることは、ある意味では、これからの経営、今までの経営を見直すいいチャンスでありますので、全ての経営者の方々にこれを機会に真剣に考えていただきたいと思います。  もちろん、税制を利用するか利用しないか、新しい制度を利用するかしないかということは事業者の皆様方の判断ですけれども、選択肢に加えない支援機関があるとすれば残念なことであります。  そこで、今後更に事業承継というものを促進していくためには、支援機関がこの税制をしっかり理解し、顧客の選択肢として提示できる、促すべきだと考えています。具体的にどんなことがあるのか、また今後どんな取組をされていくのか、これも長官になるんですかね、お答え願いたいと思います。

安藤久佳中小企業庁長官

○安藤政府参考人 法人版の事業承継税制につきましては、過去十一年間の利用件数が約二千五百件ということでございましたが、拡充をしていただいた後、昨年度だけ、昨年の四月からことしの三月まででございますけれども、既に二千九百件を超えるという数字になっております。単純に考えますと十倍以上の御利用をいただいておるということで、大変大きな効果を上げつつあるなという実感を持たせていただいております。  肝心なことは、これをどういうきっかけで、あるいは、どういう方がお働きをしていただいて事業承継税制の利用にこぎつけていくのかということでございます。  私ども、事業承継税制に当たりましては、特例承継計画というもの、これを御提出をいただくということになっておりまして、この特例計画の策定をどういった方が御支援をしていただいているのかということについて、さまざまなアンケート調査をとらせていただいております。そうしますと、やはり、約七割が税理士の方からの働きかけであったということでございまして、税理士の方が大変この税制の御利用に当たって大きな役割を果たしているということを改めて認識をしております。  また、今、石原委員御指摘のように、その税制の活用に当たりましてはさまざまな声がある、現場の税理士の皆様方の中にはさまざまな声があるというのも、これも私ども事実だというふうに認識をしております。  一部にはやはり消極的な税理士の方はおられるということも否定はしがたいことだな、このように思って、こういった方々にどのように理解をしていただいて、先ほど来お話があるみたいな、個人事業主の方の、あるいは事業者の方の背中を押していただくのかということは大変大事でございます。  私ども、説明会やセミナーというだけではなくて、事業者の方に加えて、今の税理士の方を中心とした支援機関の皆様方にしっかりと理解をしていただくことが大事だと思っておりまして、いわば、しっかり頑張っていただいておられるこういった支援機関の皆様方の取組の実例、あるいは、どういったある種のコツを持って事業者の方にお働きをしていただいたのかという、いわば私どもから見れば優良なケースを事例として整えて、それをどう横展開をしていくのかということを考えていきたいと思っております。いわば、具体的にわかりやすい事例集の作成、公表を行わせていただきたいと思っております。  こういったことを通じまして、事業承継税制の活用、個人版事業承継税制の新たな御利用を最大限促させていただきたい、このように思っております。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 長官から数字を聞きまして、十年間で二千五百件だったものが一年間で二千九百件、これは周知したということと、制度が機能しているということのあらわれだと思います。  そして、今最後に御指摘されたところは非常に重要だなと思ったのは、優良ケースの実例集、わかりやすく、以前たしか白書か何かで百ぐらいのケースを御提示いただいたものがあったと思うんですが、あれはわかりやすかったと思うんですね。白書物というのは誰も見ないですけれども、あれだったら、ぱらぱらっと見て、ああ、これはうちのケースに合うんじゃないかということができますので、更に進めていただきたいと思います。  そして、もう一つ本法案の中で重要な点でございますけれども、災害があったときですね。私も先ほどお話ししたとおり、二〇一六年の四月の熊本地震が発生した後行かせていただいたんですけれども、大手半導メーカーであるルネサスエレクトロに重要部品を納めていた熊本の多くの中小企業が被災いたしました。最終的には、トヨタの生産が一週間ストップするなど自動車のサプライチェーン全体に影響を及ぼしたことは記憶に新しいことだと思っております。  こういう中でも、グループ補助金の活用やさまざまなことによって、本来ならもうこれでやめちゃおうと思ったものがリバイバルしているケースも見ました。引き続いてしっかりと支援をお願いしたいと思います。  昨年の西日本の集中豪雨でも、広島でございますけれども、マツダへ部品を納めている中小企業が被災して、マツダのサプライチェーンというのは、調べましたら、従業員数でいうと百人以下の中小企業が千五百周りにあるそうでございます。二カ月間生産を縮小して、その減収額は二百八十億、これは結構経営に響いたのではないかと思います。  自然災害によりまして中小企業が被害を受けたことで、大企業の生産活動は、ああ、やはり自分たちだけじゃなくて中小企業に支えられているんだなということに改めて気づく。ですから、これも長官がおっしゃられたように、大企業も中小企業の災害の備えにもっと関心を持つべきだと思っております。  また、生鮮食料品やガソリンスタンドが地域の生活に必要である、重要インフラであるということは言うまでもないんですけれども、こういう事業者の方々が被災して廃業に瀕しますと、その町、字自体が存在し得なくなる。地域が生き残っていくためには、そのもとであります地方自治体が中小企業対策に積極的にこれからはやはり関与していかなければならないのではないでしょうか。  このように、サプライチェーンの維持や地域コミュニティーの存続など、中小企業が果たしている役割というものは極めて重要だと思います。そういった中小企業の役割をしっかりと踏まえて、自然災害などでその役割が中断されないようふだんから備えておく。今回の法案ではここも一つの大きなポイントだと思いますので、どんな制度があるのか、簡潔にお聞かせ願いたいと思います。

安藤久佳中小企業庁長官

○安藤政府参考人 お答え申し上げます。  中小企業の皆様方、小規模事業者の皆様方が担っておられる、まさに冒頭御指摘のあった機能がしっかりと維持をしていただくことが大変大切でございます。他方、中小企業、小規模事業者の方だけでは、なかなか、大きな災害に対する対応能力を備えていただくことについても限界があると思っております。  今回の法案におきましては、今御指摘のございましたような親事業者、地方自治体、あるいは金融機関、さまざまな業界団体、こういった皆様方、場合によっては経団連の皆様方、こういった方々にも入っていただいて、しっかりと検討させていただきました。  法律の中におきまして、外部の、今申し上げましたような関係者の皆様方をしっかりと協力者として位置づけをさせていただきまして、防災対策を講じます中小企業、小規模事業者の方々と一体となって計画の策定をしていただく、こういうことを法律上の制度として講じさせていただいております。  また、損害保険の活用というもの、これは大変大事でございまして、中小企業、小規模事業者の方が計画をおつくりいただいて、保険のリスクを今低減をしていただくということを前提としていただきまして、民間の損害保険におけますいわば保険料の設定を適切にしていただく、ありていに言うと、最大限引下げをお願いしたい、このようなことを議論させていただいております。  また、計画の策定に当たっても、御自身たちだけではなかなか困難でございますので、民間金融機関、損害保険会社、そして商工団体、こういった方々にいわば計画の策定自身をまた御支援をしていただく、こういったような形で一体となって、関係者の皆様方や中小企業、小規模事業者の皆様方が一体となった中小企業の災害対策、こういったことを講じさせていただきたいと思っております。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 やはり、金融機関、そして損害保険会社も含めてですけれども、リスクファイナンスの観点から重要であるという長官の御指摘はごもっともだと思います。  ただ、過度に保険会社に頼むということも、これまた保険会社も、商品を設定してそれで利益が上がっての世界でございますので、保険料の算定等々、できる限り安くはしていただきたいですけれども、商売にかなったものにしていかなければならない。損害保険の代理店の方からお話を聞いたんですけれども、自分が被災しても、今はもう本当に、査定等々に行ってくださっております。  そういう観点からも、中小企業のリスクファイナンス、何を期待し、これからどう取り組んでいくのか、これは金融庁の立場でどう考えるか。簡潔に、金融庁、お答え願いたいと思います。

中村修金融庁総合政策局参事官

○中村政府参考人 中小企業に関するリスクファイナンスという観点から申しますと、地域金融機関、それから損害保険会社、それぞれ役割があると思います。  地域金融機関につきましては、地域の中小企業の経営課題を的確に把握して、その解決に向けた適切なアドバイス、ファイナンスを行うということが求められておりまして、災害時における事業継続の強化の対応もその中の一つに含まれております。  現在、地域金融機関におきましても、取引先のニーズに応じまして、BCPの普及ですとか啓発セミナーの開催、それからBCP対策に必要な資金の融資、こういった取組事例があります。  また、損害保険会社、その使命を果たすために、災害発生時の迅速な保険金の支払いに尽力したと考えておりますし、このほかにも、商品開発面での対応ですとか、リスク評価や対応策についての中小企業に対する提案などの支援、それから、実際に中小企業がリスク軽減を行った場合には、それを適切に評価しまして、その評価に基づいて保険料を割り引くといった形で中小事業者のニーズに対応しているというふうに思っております。  大規模な災害が発生した場合には金融庁からさまざまな要請をさせていただいておりまして、地域金融機関及び損害保険会社は、適切に、その要請を真摯に受けとめて対応していただいていると考えておりますし、今回の法案に掲げられているさまざまな施策についても、我々としても、中小企業庁と連携し周知、広報を行っていきたいと思いますし、業界団体とも緊密に連携しながら、一連の取組の着実な実施に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 最後になりますけれども、今金融庁の方から答弁がありましたとおり、さまざまな関係機関との関与というものは重要にこれからなってくると思います。  そこで、最後に関副大臣にお聞かせ願いたいんですが、中小企業政策、中小企業を取り巻くステークホルダーや関係省庁との協力、政府一丸となって強力に推進する必要があると御答弁をいただいておりますけれども、関副大臣としての御見解を聞いて、質問を終了させていただきたいと思います。

関芳弘自由民主党経済産業副大臣

○関副大臣 石原先生が御指摘のとおりでございまして、中小企業の事業活動は本当に多岐にわたっております。中小企業庁や商工団体等によります支援だけでなく、大企業、金融機関、自治体など、中小企業に取り組みますさまざまな関係者、関係省庁と連携をしまして中小企業政策をしっかりと進めてまいる決意を述べさせていただきまして、答弁とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 終わります。ありがとうございました。

赤羽一嘉公明党

○赤羽委員長 次に、太田昌孝さん。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 公明党の太田昌孝でございます。  先月十六日の日には、本会議でこの中小企業強靱化法案について質疑をさせていただき、また、このような形で委員会の中でも質疑の機会を頂戴いたしました。委員長を始め理事の皆様方に心から感謝を申し上げる次第でございます。  昨年は、西日本豪雨、あるいは台風二十一号、二十四号、また北海道胆振東部地震、さらに、私の選挙区でございますが、福井県を中心とした豪雪被害など、大変な災害があった一年でございました。いまだに御苦労されておられる被災者の皆様方に、この場をかりてお見舞いを申し上げる次第でございます。  公明党は、全国三千人の議員のネットワークを活用しまして、災害が発生をしますれば、まず現場へ急行し、個人のお宅、あるいは今回問題になっております中小企業、そうしたところの被害状況を確認させていただき、そして市町村、県議会、さまざまな場面において迅速な復旧支援に努めてまいりました。  また、昨年の福井の関係では、災害特、あるいはこうした経済産業省の関係でも質疑をさせていただき、速やかな対応をしていただいたこともまことに感謝にたえないところでございますが、こうした地方議員とのネットワーク、そんなことの中で、とりわけ災害につきましては、昨年私どもが実施しました百万人訪問・調査運動、こんなものを行いまして、さまざまな声も寄せられました。  こんなことも含めまして、以下幾つか質問をさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。  先ほど申し上げましたとおり、近年、気候変動、地球規模の温暖化の影響とも言われております豪雪や豪雨、こうした局所的な自然災害が頻発をしております。中小企業者もこうした自然災害のリスクに直面をしていると思いますが、今回の法案に基づきまして中小企業者事業継続力強化を進めるということになっておりますけれども、この防災・減災対策の強化についてお伺いをしたいというふうに思います。

安藤久佳中小企業庁長官

○安藤政府参考人 お答えさせていただきます。  委員御指摘のとおり、昨年また一昨年、中小企業、小規模事業者の方々に対して大変大きな自然災害が直面をいたしました。そういった中で、私どもも最大限、現地に入らせていただきまして、お声をお伺いさせていただいたところでございます。  ありていに申し上げますと、さまざまな教訓が、中小企業、小規模事業者の皆様方にもおられました。電源を少し高いところに設置しておけばよかったなという御反省の声、あるいは逆に、損害保険にちょうど直前に入っていたので何とか助かったという、これはうまくいった事例、さまざまでございました。  こういった、うまくいった事例、うまくいかなかった事例も含めて、そういった事例を参考にしていただきながら、今回の法案において、できるだけ中小企業、小規模事業者の皆様方にこれをいい意味で横展開をしていただいて、多くの皆様方の防災・減災対応能力を高めていただきたい、こういうふうに思っております。  中小企業の皆様方に、単独あるいは連携で事前災害対策の強化についての計画をおつくりいただく、こういったスキームを創設させていただいております。こういった制度に基づきまして、設備投資、あるいはさまざまな事前準備を行うに当たりまして、税制、金融面の支援を行わせていただきます。  また、こういった計画策定そのものがなかなか困難な、とりわけ小規模事業者の皆様方がおられます。商工会、商工会議所が市町村と共同で、こういった方々へのいわば防災・減災体制を構築するに当たっての支援体制、こういったもの自体も強化をさせていただきたい、このように思っております。  これはまだ第一歩でございますけれども、こういったことを通じまして、中小企業、小規模事業者の方々の防災・減災対策、最大限強化をさせていただきたい、このように思っております。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 そうした支援策、これからまた少し個別に聞いてまいりたいというふうに思います。  東日本大震災、あるいは昨年の西日本豪雨等々、災害が発生するたびに、やはり中小企業のそうした防災・減災対策というのが確かに進む、一方で、数年たつとまたもとに戻ってしまうというような、白書の中でもそんなようなことが少し出ていたかなというふうに思うわけでございますが、そういう中で、十八年には、中小企業庁、BCP策定指針を策定し、取組が行われてまいりました。  中小企業のBCP策定率というのは、大体今、一七%というふうに言われておりまして、なかなか取組が、現実、私の地元においても進んでいないのが実態でございます。  中小企業庁として、その原因をどのように捉え、また今後の施策に生かしていくか。また、改正法の施行によりまして、中小事業者の防災・減災対策が、これは着実に進むということが期待されるわけですけれども、その効果等をどのように把握をしていくものか。これについて伺いたいと思います。

安藤久佳中小企業庁長官

○安藤政府参考人 お答えいたします。  中小企業者、小規模事業者の皆様方の生の声といたしまして、防災・減災対策の必要性はわかっているんだけれども何から始めたらよいのかわからない、こういうお声が大変多うございます。また、自然災害もさまざまでございますので、複雑で、とりわけハードルが高い、このように感じておられる方も多うございます。また、日々の経営の中で、とりわけ人手不足の中で、こういった問題について時間を割いて検討する余裕がなかなかない、こういった現実的なお声も承知をしております。  こういったお声を受けまして、先ほど来申し上げましたような、やはり具体的にわかりやすい事例でございますね、こういったようなことを中小企業、小規模事業者の方々によく認識をしていただいて、単独あるいは一緒になっていただいて計画をおつくりいただく、こういった制度を入れさせていただいております。  また、先ほども申し上げましたように、これの支援、こういった防災・減災体制をつくるための支援を行っていただくために、商工団体あるいは自治体の皆様方にも最大限のサポートをお願いしたい、このように思っております。  また、先ほど来もちょっとございましたけれども、サプライチェーンが傷むということで考えますと、やはり親事業者の方々もこれは大変大きな問題でございますので、いわば関係者として親事業者の方もしっかりとお入りいただきまして、中小企業、小規模事業者の皆様方をサプライチェーン一体として強化をしていただく、このようなスキームを入れさせていただいております。  今後でございますけれども、制度の利活用を最大限進めさせていただきたいと思っておりまして、これまで災害を受けられましたグループ補助金を活用しておられる企業さんとか、あるいは、今回残念ながら被災をされた企業の皆様方にも、ちょっと先行しておりますけれども、こういった制度について御説明をして、成立をさせていただいた暁にはぜひこれを御利用くださいという働きを進めさせていただいております。  法案の附則の中に、施行後五年見直しの規定を入れさせていただいておりますので、この期間を一つのマイルストーンにさせていただきまして、しっかりと進捗状況等について把握をさせていただきたい、このように思っております。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 ありがとうございます。  本会議場でも取り上げさせていただきました、サプライチェーンの中で、やはり今おっしゃっていただいたとおり、親企業といいますかそちらの関係も大変に大事だというふうに思いますし、みずからの事業の継続ということも考えましたときに、中小・小規模事業者に対する支援というもの、これはしっかりと後押しをしていただければ、こんなふうに思うわけでございます。  そうした中小事業者、全ての自然災害に対してこうした実効性のある取組を進めること、これは今お話もありました、ノウハウあるいは経営資源が不足する中でなかなか大変に厳しいというふうにも聞いております。  こうした中小事業者の事情を踏まえまして、まずは小さな一歩からでも結構ですから防災・減災対策を行えるように、例えば申請書類の簡素化であったり計画策定時の寄り添った支援、そんなものも進めていただきたいと思いますが、今後どのような支援を行っていくものか、ちょっとお伺いをしたいと思います。

石川昭政自由民主党経済産業大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官

○石川大臣政務官 委員御指摘のとおり、中小零細事業者の皆様は防災、減災のノウハウが乏しいということは事実だろうと思っております。  何から始めればよいかわからない、複雑で取り組むハードルが高いといった課題があることを踏まえまして、先ほど安藤長官から答弁申し上げましたとおり、先行事例を提示いたしましたり、申請書類の作成を支援する手引書の整備などにより、申請をしやすくなるような工夫をしてまいります。  特に、申請書類につきましては、例えば、人、物、金、情報など、あらゆる経営資源について対策を講ずることを求めますと非常にハードルが高いということでございます。こうした経営資源の備えを全て講じなくとも計画認定の対象とするなど、中小企業が初めの一歩を踏み出しやすい工夫を行いまして、できるだけ簡素になるように検討してまいりたいと思っております。また、申請書類の簡素化につきましても取り組んでまいります。  これに加えまして、平成三十年度第二次補正予算を活用いたしまして、計画策定を支援するシンポジウムを全国で開催をし、中小企業診断士等の専門家を個別の中小企業へ派遣し、計画策定づくりを直接支援いたします。また、中小企業に対し適切に助言を行える支援人材を全国各地で育成するための研修会を開催するなど、事業継続力強化計画の認定申請を支援してまいります。  これらの取組を通じまして、中小企業、小規模事業者に寄り添って、防災・減災対策の取組を多面的に推進してまいります。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 申請書類の簡素化、また寄り添った支援ということで、丁寧な御説明を頂戴をいたしました。ぜひとも、まずは小さな一歩が大事だと思いますので、そちらからの御支援をよろしくお願いしたいと思います。  金融庁にちょっと伺いたいと思います。  こうした、日本は地震のリスクが高いにもかかわらず、地震保険の加入率が九%、これは中企庁の調査だと思いますが、また、風水災保険の加入率も半数は超えているものの、事業再開に必要な金額に対するカバー率というのが三割程度というふうにも聞いております。  中小事業者にリスクに見合った損害保険への加入を促していくためには、これは、わかりやすい保険商品の開発、普及啓発、リスク軽減に対する適切な評価など、民間損害保険会社による具体的な支援が重要だと考えますけれども、どのように取組を進めていくものか、お伺いをいたします。

中村修金融庁総合政策局参事官

○中村政府参考人 お答えいたします。  最近、地震や台風等の自然災害が多発しております。こうした中、中小企業の事業継続に資するために、被災時に必要な補償を受けられるよう、民間損害保険へ加入するということの重要性が高まってきておりまして、損害保険会社でもさまざまな取組が進められております。  例えば、先ほど御指摘ありましたような、わかりやすい保険商品の開発、普及啓発の観点からは、補償内容の明確化ということが重要であります。一般的な火災保険ではカバーされない水災等も含めたオールリスクを補償する商品の開発ですとか普及促進等に取り組んでいる会社もございます。  それから、リスク軽減に対する適切な評価という御指摘がありました。中小事業者の防災、減災に向けたリスク評価や対応策の提案等の支援を行っている会社も存在しますし、さらには、中小事業者が行ったリスク軽減対策を適切に評価いたしまして、それに基づいて保険料を割り引くといった取組も行われているというふうに承知しております。  金融庁としましては、中小企業庁とも連携いたしまして、損害保険会社に対しまして、この法案に基づく支援制度を含めました防災・減災対策の周知、広報を行うほか、業界団体とも緊密に連携しまして、先ほど申し上げましたような一連の取組の着実な実施を促してまいりたいというふうに考えております。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 ぜひ、こうした、まさに先ほど申し上げましたとおり、リスクに見合った損害保険の加入の促進に向けての御尽力を更によろしくお願いをしたいというふうに思います。  政府の中小企業強靱化研究会では、中小事業者の防災・減災対策を支援する人材も、特に地方では不足しているというふうに報告がなされております。中小事業者の防災・減災対策を進めていくためには、そうした中小事業者に寄り添った人材をこれから確保していくことが大切でございます。  先ほど、そうした中での研修なども行っていただいているという話もございましたけれども、例えば、災害ということに関して言うならば、防災士など、防災に知見を有する外部の専門家との連携も進めていくべきではないかと思いますが、この点についても伺います。  また、特に小規模事業者に対して指導を行う経営指導員の資質向上に向けて、先ほど取組もされているという話でございましたけれども、今後のまた取組について、再度ちょっとお伺いをしたいというふうに思います。

木村聡中小企業庁事業環境部長

○木村政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘ございましたとおり、中小企業の防災・減災対策を支援する人材でございますが、その活動拠点は大都市周辺に集中しておりますため、特に地方において支援人材を育成、確保していくことは重要な課題である、このように考えてございます。  このため、中小企業庁といたしましては、平成三十年度第二次補正予算を活用いたしまして、全国各地で、中小企業に対し、従業員の安否確認でございますとか、あるいは被害状況把握等の初動対応、さらには保険等のリスクファイナンスの活用、設備の固定などの防災・減災対策について適切な指導助言を行える人材を育成するための研修会、これを開催する予定でございます。  また、小規模事業者が気軽に相談できる環境を整備することも重要な課題でございます。このため、小規模事業者にとって身近な存在でございます商工会、商工会議所の経営指導員につきましても、防災・減災対策に係る専門的な知見、スキルを身につけていただけますよう、今年度から、経営指導員向けの研修におきまして、新たに、自然災害のリスク認識に関する事項でございますとか、保険等のリスクファイナンスの活用など、防災・減災対策に関する内容を追加させていただくことといたしております。  こうした人材育成や現場での支援に当たりましては、防災・減災対策に精通する中小企業診断士の方でありますとか、あるいは、先生から御指摘ございました防災士の方々などに研修会の講師をお務めいただくなど、外部の専門家の方とも密接な連携を図ってまいりたいと考えてございます。  以上でございます。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 そもそも何をやっていいかわからないというところから始まっているようなところが結構ありますので、そういう意味では、そうした知見を有する専門家との連携などもぜひ推進をしていただきたいというふうに思います。  さて、BCP、あるいはこの後の事業承継なども含めまして、経営指導員、先ほど来お話ありますとおり、商工会、商工会議所の機能の強化も大変に重要な課題であろうかというふうに思います。  そんな中で、この体制強化に向けて地方交付税措置を講じていただくということでございますけれども、例えば、地方交付税を今回のスキームによって上乗せをしたとしても、自治体の裁定によって結局なかなかそうした商工会や商工会議所にお金が回らないというようなことも、これは想定をされるところでもございます。  商工会、商工会議所にそうした支援のお金が行き渡るような体制、総務省とも連携をして対応していただきたいと思いますが、これについてお伺いをしたいと思います。

関芳弘自由民主党経済産業副大臣

○関副大臣 近年、商工会、商工会議所の経営指導員の支援業務が多様化しております。その一方で、経営指導員の数が減少しているという状況もございまして、小規模事業者の支援体制の整備が重要な課題になっております。  今回、この法改正にあわせまして、商工会、商工会議所が災害関係の業務等に対応できる体制を整備しようと、都道府県、市町村の商工行政費の単位費用を増額したところでございますが、今委員御指摘のとおり、この措置なんですが、普通交付税の使途は、これは地方公共団体の裁量に委ねられているという制度になっております。  このために、今回の措置につきましては、総務省も、予算編成上の留意事項の一つといたしまして自治体の行政担当に通知していることに加えまして、中小企業庁からも全ての自治体の商工担当部署に通知をしている、そのようなところでございます。  こうした対応を通じまして、事業実施を行います商工会、商工会議所に必要な財源措置が、しっかりとお金が回っていきますように、自治体に働きかけていきたいと思います。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 ありがとうございます。  私も地方議会出身でございますが、議会としてもしっかり目を光らせているところでもございますけれども、どうか国においても、そうしたアドバイス、支援、あるいはしっかりと助言などしていただければ、こんなふうに思うところでございます。  事業承継の円滑化ということでちょっとお伺いをしたいと思います。  個人版事業承継税制や遺留分に関する民法特例も重要であります。しかし、そもそも後継者がいなければ事業承継が進まないという、先ほど来の本日の指摘のとおりであろうかというふうに思います。  今後は、そうした親族内承継の支援にとどまらず、マッチング、第三者承継をより一層後押しするために、税制、予算を含めたあらゆる措置を講じていくべきだと考えますけれども、この点についての見解をお伺いしたいと思います。

木村聡中小企業庁事業環境部長

○木村政府参考人 お答え申し上げます。  親族内承継の支援に加えまして、親族外の後継候補者とのマッチングを含めた第三者承継を後押しすることの重要性につきましては、四月十六日に開催されました衆議院本会議でも先生から御指摘いただいたところでございますけれども、中小企業庁といたしましても、御指摘のとおりと考えているところでございます。  このため、私どもでは、全国四十八カ所の事業引継ぎ支援センターにおきまして、後継者不在の事業者に対するマッチング支援を実施させていただいているところでございます。二〇一一年、平成二十三年でございますが、この発足以来、毎年、相談、成約件数ともに増加してございまして、累計では三万六千件を超える相談に応じ、二千四百件を超える成約実績を上げているところでございます。  本年度には、親族外の多様な者とのマッチングの機会をふやしていきますために、同センターが活用します事業引継ぎ支援データベースを抜本的に拡充をさせていただきたいと考えてございます。  具体的には、金融機関、税理士、MアンドAの仲介業者さん等の民間事業者さんでございますとか、あるいはジェトロ等の政府系機関にも御参画いただきました上で、売り手、買い手双方の発掘を強化し、それらの登録件数を増加させることによりまして、全国大でのマッチングを促進していきたいと考えてございます。  また、御指摘のございました税制措置につきましては、平成三十年度から、中小企業がMアンドAによる事業承継を行う際に必要となります登録免許税あるいは不動産取得税の軽減措置を講じさせていただいているところでございます。  さらに、第三者による承継も含めました事業承継を契機として、新たな取組に挑戦する後継者を支援する事業承継補助金を設けまして、例えば設備投資や販路開拓に要する経費の一部を補助させていただいているところでございます。  引き続き、センターの体制を整備、充実しながら、税制措置や予算制度も活用いたしまして、中小企業の第三者承継にもしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  以上でございます。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 大変に推進していただいている、ただ、やはり今の経営者の高齢化が著しくて時間が足りないというのが実態であろうというふうにも思います。推進をしていただいているところでもございますので、どうか制度を最大限に活用しまして、第三者承継、一層後押しをよろしくお願いをしたいと思います。  事業承継の際に、経営者保証が次代を担う後継者の決断を阻害している面があるというふうにも伺っております。とりわけ、金融庁の調査結果でもあるということで、中小企業の経営者が子供などに事業を承継した場合に、金融機関が旧経営者の個人保証を解除せずに新たな経営者と二重で保証をとっている、いわゆる二重徴求となっている割合が一九・三%あるやに伺っております。さらには、その二重徴求のケースも含めまして、後継者が保証提供する割合は五八%にも上り、後継者にとっては心理的な負担が少なくないと考えます。  今後は、各金融機関に対しまして過度に保証に依存しない取引の徹底を改めて求めるなど、円滑な事業承継に向けた対策を講じるべきだと思いますが、これにつきましては、中小企業庁、さらに金融庁について、お伺いをしたいと思います。

木村聡中小企業庁事業環境部長

○木村政府参考人 お答え申し上げます。  経営者による個人保証が事業承継の障害要因の一つになっているということは先生御指摘のとおりでございます。経営者保証を真に必要な場合に限定していただきまして、円滑な事業承継を行いやすい環境を整えることは重要な政策課題である、このように認識してございます。  平成二十六年二月から運用されております経営者保証に関するガイドラインでは、事業承継時の金融機関の対応についても定められておりまして、金融機関が、経営者の交代を機に保証契約の見直しを行ったことで、前経営者の保証解除とともに後継者からの保証も求めない対応を行った事例が出てきているということも承知いたしているところでございます。  他方、中小企業の方々からは、金融機関の現場の対応にばらつきが大きくて、保証解除のための明確な基準が欲しいでありますとか、あるいは、中小企業単独で金融機関と保証解除に向けた調整を行うことは難しくて、専門家の支援が必要である、こういった御指摘もいただいているところでございます。  中小企業庁といたしましては、円滑な事業承継を促進していく観点から、ガイドラインのさらなる明確化など、事業承継に焦点を当てた、なお一段の対応を検討することが必要であると考えてございます。  このため、中小企業庁では、現在、金融庁さんでありますとか金融機関、関係団体と議論を行っているところでございまして、今後、ガイドラインの取扱いなどにつきまして鋭意検討を深めてまいりたい、このように考えてございます。  以上でございます。

油布志行金融庁総合政策局審議官

○油布政府参考人 金融庁からお答え申し上げます。  議員御指摘のとおりでございまして、私どもの調査では、直近の平成三十年度上期でございますが、新旧経営者から二重に保証を求めている割合が一九・三%、これを含めまして新経営者から保証を求めている割合は五七・九%でございます。  これらは、同じ基準で調査を始めました平成二十八年度下期にはそれぞれ四六%、約七三%でございましたので、一定の改善は見られているというふうに考えておりますが、ただ、この改善の度合いにつきましては、個別の金融機関ごとにばらつきも見られるところでございます。また、全体としてもさらなる改善の余地があるのではないかと考えております。  この点、私どもの方で昨年六月に実態調査の結果を公表させていただいておりますが、事業承継の際に、過度に保証に依存しないような、そういうタイプの金融機関では、経営トップの主導のもとで、例えば、二重徴求自身を原則禁止する、あるいは、行内の独自の基準を策定いたしまして、代表権の有無とか株式保有の割合など、更に具体的な基準をつくるといった取組が行われておりました。  今後につきましては、こうした結果も踏まえまして、経営者保証ガイドラインの活用状況などにつきまして、それぞれの金融機関の経営トップ、頭取とも対話を行う、あるいは、すぐれた取組を金融界全体に周知する、こうしたことを含めまして、金融機関が過度に経営者保証に依存することなく融資等を行うよう、また、経営者保証の存在が円滑な事業承継の妨げになることのないように、更に対策を進めてまいるつもりでございます。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 対策に一定の効果があらわれているということも伺いました。  申し上げたとおり、なかなか、心理的な不安、あるいは、過度に保証に依存しないということを徹底、これからぜひ、また更に進めていただきたいというふうに思います。  事業承継も重要なのですが、中小企業の新陳代謝を促進するためには、創業を力強く後押しすることも非常に重要であります。かねてから経産省は創業支援策を講じてまいりましたが、我が国の足元の開業率は五・六%と、いまだに欧米の一〇%台を大きく下回っておりまして、非常に低水準であります。  こうした中で、ことしの中小企業白書では、起業を促進する観点から、後継者難によって廃業する企業などから経営資源の引継ぎを進めることの重要性もうたわれております。  こうした経営資源を他者から引き継いだ形での起業促進を含めまして、いま一度、創業の支援策を徹底的に進めていくべきだと思いますが、御所見をお伺いをします。

関芳弘自由民主党経済産業副大臣

○関副大臣 委員御指摘のとおりでございます。  創業を通じまして産業の新陳代謝を促進することはまことに重要でございまして、政府は開業率一〇%を目標として掲げております。  例えば、産業競争力強化法に基づきまして、市町村を中心といたしまして、創業希望者に対しましてワンストップで支援する体制を整備をしたり、また、予算、税制面の優遇、融資制度などの支援策を今講じているところでございます。  そうした結果、日本の開業率は、二〇一二年から二〇一七年度の五年間で四・六%から五・六%に上昇したといいますものの、委員御指摘のとおりでございまして、目標は達成されておりません。  一方、ことしの中小企業白書、小規模企業白書でも指摘しておりますが、IT技術や働き方改革などの進展に伴いまして、兼業そして副業などが容易になりつつありまして、年齢、性別、地域を問わず、多様な担い手に創業が可能になりつつあります。  また、事業承継と同時に、廃業する企業から経営資源を引き継いだ形での、先ほど委員からも御指摘のあった創業の重要性、これが高まってきておりまして、創業の手法も幅が広がりつつある、このような状況でございます。  例えば、あるウエブの制作企業でございますが、これはフリーランスの形でまず創業したんですが、その後法人化いたしまして、十名以上を雇用するまでに規模を拡大してまいりました。また、ある企業、メーカーでは、廃業した企業の従業員が、もとの企業の従業員や顧客などの経営資源を引き継いで創業をいたしました。  このように、リスクやコストの低い創業を実現する事例が出始めている状況も踏まえまして、経産省としましては、多様な担い手や手法によります創業を実現していこう、開業率のさらなる向上を実現していく、この施策を総動員しまして、委員おっしゃるとおりで、全力で創業支援に取り組んでまいりたいと思っております。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 本法案、BCPあるいは事業承継、大変に重要な案件ばかりでございます。ことしも、七月からいよいよ台風シーズンも近づいてきているわけでございまして、そういう意味では、本法案成立後、一刻も早く施行する必要があると考えますが、この施行についてちょっと最後に伺って、質問を終わりたいと思います。

木村聡中小企業庁事業環境部長

○木村政府参考人 お答え申し上げます。  本法案では、政省令の制定など、施行に向けました諸手続に要する期間を考慮いたしまして、公布の日から六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するということにさせていただいております。  一方、御指摘のとおりでございますけれども、例年、夏から秋にかけまして台風等による災害が発生していることを踏まえますと、そうした時期に備えて、中小企業の災害対応力強化に向けた取組を早期に促していくということが必要であると認識してございます。  このため、本法案を成立させていただきました後には、国会での御審議の内容も十分に踏まえさせていただきまして、政省令、基本方針としての告示に加えまして、中小企業が計画策定に当たり参照できるわかりやすいマニュアル等を整備した上で、パブリックコメント等の必要な手続を経まして、できるだけ速やかに本案を施行できるように準備を進めてまいりたい、このように考えてございます。  以上でございます。

太田昌孝公明党

○太田(昌)委員 ありがとうございます。  終わります。

赤羽一嘉公明党

○赤羽委員長 次回は、来る十五日水曜日午前八時二十分理事会、午前八時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時七分散会

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