科学技術・イノベーション推進特別委員会 第4号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2019/06/04
会議録
○古本委員長 これより会議を開きます。 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、理事に青山大人君を指名いたします。 ————◇—————
○古本委員長 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件について調査を進めます。 この際、科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する実情調査のため、去る五月二十日、十六名の委員が参加し、京都市内において視察を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。 最初に、京都迎賓館におきまして、スマートフォンアプリケーションによる参観案内の状況等を視察し、その利用状況等について質疑を行いました。 次に、京都大学高等研究院において、本庶佑副院長から、我が国の創薬分野における産学連携のあり方、科研費等の研究費の配分のあり方など、科学技術イノベーションの進むべき方向性について意見を聴取した後、産学連携における大学の役割、国や民間による研究開発投資のあり方、若手研究者や女性研究者への支援のあり方等について意見交換を行いました。 なお、本庶先生からは、科研費の配分は、百万円単位の少額のいわゆるばらまき型ではなく、一千万円単位の重箱型にすべきである、政府の企業への支援は、従来型の支援ではなく、ベンチャー企業を始めとした新しい芽を育てる支援にすべきであるなど、御意見を拝聴いたしました。 最後に、京都大学とアステラス製薬の共同研究施設において、大学内に企業との共同研究施設を設置することのメリットなど、京都大学における産学連携の現状について説明を聴取し、意見交換をした後、創薬における最先端の研究施設を視察いたしました。 意見交換では、我が国においては、産学連携を行う場合における企業からの間接経費の負担が十分でないとの御意見をいただきました。 今回の視察に当たりましては、本庶先生を始めとして御協力いただきました方々に深く御礼を申し上げ、同時に、本視察においていただいた御意見、課題を本委員会を始めとした国会の科学技術政策各般の審議に生かしてまいることを申し上げて、報告といたします。 —————————————
○古本委員長 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣参事官米山茂君、内閣官房内閣審議官三角育生君、内閣官房内閣審議官大坪寛子君、内閣府政策統括官赤石浩一君、内閣府宇宙開発戦略推進事務局長高田修三君、文部科学省大臣官房審議官玉上晃君、文部科学省大臣官房審議官渡辺その子君、文部科学省大臣官房審議官増子宏君、厚生労働省大臣官房審議官佐原康之君、厚生労働省大臣官房審議官迫井正深君、経済産業省大臣官房審議官渡邊昇治君、経済産業省大臣官房審議官米田健三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○古本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。尾身朝子君。
○尾身委員 自由民主党の尾身朝子です。 本日は、科学技術・イノベーション特別委員会で質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 去る五月二十日、本特別委員会の視察で京都大学の高等研究院を訪問させていただき、本庶佑副院長・特別教授と日本の生命科学の将来など科学技術イノベーション政策について意見交換をさせていただきました。 その際に、本庶教授からは、生命科学は未知の事柄が多く、アイデア型研究としていろいろ試してみることが重要であること、研究開発の本当の死の谷は基礎研究の衰退にあること、科研費について、特に生命科学系は、細切れの配分では足りず、分野ごとの異なる配分など科研費の改革が必要であること、日本のアカデミアと製薬企業などとの信頼感のある連携、協働が不可欠であることなどの示唆をいただきました。 科学技術イノベーションをめぐっては、ことし二月の予算委員会でも質問させていただきましたとおり、米中が政府研究開発投資を大幅に伸ばすなど、熾烈な国際競争にさらされています。今年度、令和元年度は、第五期科学技術基本計画の四年目に当たり、まさに正念場です。本庶先生の示唆にもありますように、研究現場の実態や生の意見も踏まえ、真に実効のある科学技術イノベーション政策を推進していくことが求められていると思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 二〇一五年に、日本医療研究開発機構、AMEDが設立されました。末松理事長のリーダーシップにより、現在まで、健康・医療分野の研究に関する関係ファンドの推進が行われ、また、IoTやゲノム情報を用いた医療を見据えて、データシェアリングの取組やAIなどの利活用、臨床ゲノム情報データベースの構築など、ソサエティー五・〇の実現に向けた意欲的な取組を行っていると伺っております。 他方で、生命科学系の研究はアイデア型の研究であり、その種である基礎研究を更に強力に推進すべきという意見もあります。 そこでお伺いいたします。 現在、政府においては、総合科学技術・イノベーション会議、CSTIでバイオ戦略の検討、健康・医療戦略本部で健康・医療戦略の改定が行われていると承知しております。 その中で、生命科学分野の振興について、基礎研究を始めとして全体の科学技術政策の中でどのように位置づけて推進していくのか、科学技術政策と健康・医療分野の両方の分野を担当しておられます平井大臣の御見解をお伺いいたします。
○平井国務大臣 私も本庶先生のお話を何度か伺ったことはありますし、ライフサイエンスの分野独特の難しさがあるということもよくわかっております。 私は両方担当しているわけでございますが、基礎から実用化まで、やはり一気通貫の支援が非常に重要だと思っています。国としても、平成二十六年に策定した健康・医療戦略推進法において、医療分野について、基礎的な研究から実用化のための研究開発までの一貫した研究開発の推進等の施策を講ずることを定めています。 この実現のために、AMEDに関係省庁の医療分野に係る研究費を集約した上で、PM、プログラムディレクターによる一元的なマネジメントのもとで研究開発を推進してきました。本年度中に改定を行う健康・医療戦略においてこれをしっかりと位置づけていきたいというふうに思います。 また、今月取りまとめ予定のバイオ戦略においても、同様に、基礎研究から事業化まで一気通貫で支援する国際バイオコミュニティー圏を形成し、バイオ分野の研究、創業に必要な世界最高水準の研究施設等の整備及び事業化支援を集中的にやろうということを検討しています。 なお、JSPS等とAMEDとの間に、死の谷の話、これもあったと思います。現在、AMEDに研究開発課題のデータを集約するなど、まずは情報共有を図っているところであり、JSPS等のすぐれた成果をAMEDにおける実用化に向けた支援につなげたい、そのように考えているところでございます。
○尾身委員 ありがとうございました。 ただいま平井大臣から、大変心強いお言葉をいただきましたし、また一気通貫の大切さということについても言及していただきました。このような状況につきましては、各省庁の連携に加えて、全体像を見据えて、本来推進すべき取組が役割分担の中で見落とされてしまわないことが重要だと思いますので、関係の皆様方がしっかりと連携して取り組んでいただければ幸いでございます。 続いて、健康・医療分野などの基礎研究から実用化について、まさに今出たテーマですが、についての話題に移らせていただきます。 本庶教授や山中伸弥教授が行っておられます健康・医療分野の研究は、基礎研究の成果が出た後も、新しい医療や創薬といった形で社会に還元されていく過程の中で苛烈な国際競争が行われています。今回の本庶教授との意見交換でそのことを改めて痛感いたしました。 例えば、現在、米国が莫大な人、物、金を集中投入して医療分野の研究の実用化を加速して行おうとしています。このような状態が続けば、たとえ日本ですばらしい基礎研究が行われたとしても、実用化の段階で米国を始めとする諸外国に全て持っていかれてしまうという懸念があります。 ここで、創薬のみならず、見落としがちなのは機器開発の重要性だと思います。特に、健康・医療分野は、機器開発が重要な要素を占めています。医療分野ですので、規制もあります。また、市場に出すまでの過程で厳しい問題があるということも承知しておりますが、このような先端計測機器の開発には、大きな研究開発的な要素も多分に含むことを忘れてはなりません。 市販の、しかも海外の既成品を購入しているだけでは、その計測機器の性能の範囲でしか成果を出すことができません。しかし、研究者と一緒に計測機器を含めた共同研究を行っていけば、その限界性能を超えることも期待できますし、そうしたブレークスルーがイノベーションの端緒になることも少なくないと思います。実際に、例えばドイツにおいては、機器開発の研究開発性に着目して、国などの公的機関と企業が一体となって共同研究に取り組んでいると聞いております。 そこで、お伺いいたします。 先端計測機器の開発は、計測機能の限界を突破して幅広いイノベーションを創出するものであり、こうした研究開発的な要素に着目して、政府としてしっかり共同研究開発に取り組んでいくべきではないでしょうか。文部科学省の現在の取組状況についてお聞かせください。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 先端的な計測技術は、これまで見えなかったものを見えるようにするなど、先生御指摘のとおり、既存の手法の限界を突破し、研究開発のフロンティアを開拓する技術でございます。また、最先端の計測技術の発展は、我が国の基幹産業を支える重要なものと認識しております。 このような認識のもと、文部科学省では、平成十六年度より、先端計測分析技術・機器開発プログラムを立ち上げ、産学官の共同研究開発体制のもとで新しいサイエンスの潮流を創出する、オンリーワン、ナンバーワンの革新的な計測分析技術・機器システムの開発に取り組んでまいりました。 さらに、平成三十年度から、科学技術振興機構の未来社会創造事業におきまして、革新的な知や製品を創出する共通基盤システム・装置の実現をテーマに、ハイリスク、ハイインパクトで先端的な計測分析技術・機器の開発、データ解析処理技術のアプリケーション開発やシステム化、研究現場の生産性向上に資する技術の開発などを支援してまいっております。 文部科学省といたしましては、これらの事業を通じて、イノベーション創出のかなめとなる先端的な計測分析機器システムの開発を支援してまいります。
○尾身委員 ありがとうございました。日本にとって、計測機器、分析機器の分野も大変重要だと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。 基礎研究から実用化までの取組ということで、もう一問お伺いいたします。 本庶教授や山中教授など、将来それに匹敵するような世界第一線の研究者は、日本ないしは世界の宝であり、十分な研究の時間を確保していただく必要があると思います。 そのために、お伺いいたします。 世界第一級の研究者の方が研究に専念できるという環境を醸成し、また、それに付随する知財の確保や研究成果の実用化の過程といったマネジメントを別のチームが専門的に行って、責任を持って早期に実用化につなげるという体制を構築する必要があるというふうに考えております。この点につきまして、文部科学省の見解をお伺いいたします。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 大学におきまして研究者が研究に専念できるように、産学連携、知財管理体制の充実を図ることは、すぐれた研究成果の創出を促し、その社会還元を的確に進めることにつながります。その結果、我が国の科学技術イノベーションの発展を図るという上で極めて重要であると認識しております。 このため、文部科学省では、産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインを経済産業省と合同で策定し、大学に対しまして、知財管理体制の整備や知財活用の充実を促しているところでございます。 とりわけ、昨今のオープンイノベーションの高まりに対応しまして、昨年度より、オープンイノベーション機構の整備事業におきまして、研究者が研究に専念できるよう、共同研究や知財の管理など、大学のマネジメント機能の高度化の支援を行っているところでございます。 今後とも、我が国の大学において、研究成果が産学連携に円滑に結びつくよう、研究環境の改善充実に努めてまいります。
○尾身委員 ありがとうございました。知財というのは非常に重要なテーマでもありますし、また、それが一気通貫で実用化に向けて正しく行われていくということが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、分野融合の研究と目ききについて、話題を移させていただきます。 先ほど申し上げましたとおり、先日の視察の際にも、本庶教授から、生命科学におけるアイデア型研究の重要性についての指摘をいただきました。あわせて、生命科学の分野であっても、他の分野との融合を図っていくことも必要だということも伺ってまいりました。 新興、融合という視点は大変重要であり、また、統計的にも、科学技術・学術政策研究所が発表しているサイエンスマップにおいて、新たな分野への参画数とインパクトの高い論文数とは大きな相関があるという結果が出ています。 また、同じ京都大学の山中教授のiPS細胞研究も、JSTの戦略創造研究推進事業における当時の岸本忠三先生の卓越な目ききにより、その研究が大きく花開くこととなりました。本庶先生におかれましても、若かりしころの研究をさまざまな指導教官の目ききによって支えていただいたことによって、大きく進展したものと考えています。 そこで、お伺いいたします。 政府として、新興・融合分野の研究開発にどのように取り組んでいくのか、また、新興・融合分野の掘り起こしを戦略的に行うための目ききをどのように行っていくのか、内閣府、文部科学省にそれぞれお伺いいたします。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 今先生の御指摘のございました新興・融合分野というのは極めて重要でございまして、私ども、今現在、AI戦略、それからバイオ戦略、加えて量子戦略というものを策定しているところでございますが、いずれにおいても、AIだけ、バイオだけではなくて、AI掛ける生命、量子掛ける材料といった形で融合させていくことが極めて重要という観点で、今、戦略を構築しているところでございます。 関連して、こういった戦略にのっとって、きちんとした拠点を形成していくということを考えておりまして、そういった拠点分野においては、さまざまな研究者、日本だけではなくて世界からも研究者を呼んできて、そういった方々にしっかりとした目ききとしての役割を果たしていただく、こういったことが重要である、そのように考えてございます。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 我が国が将来にわたり競争力を維持強化していくためには、先生御指摘の、新興・融合領域の研究開発を戦略的に進めていくことが重要でございます。このため、文部科学省といたしましては、本年四月に取りまとめました研究力向上改革二〇一九において、新興・融合領域の開拓を強化することを一つの柱としております。 また、新興・融合領域にいち早く取り組んでいくためには、最新の科学技術動向を分析し、先見性を持って新興・融合領域を先取りしていくことや、ファンディングの審査等においても挑戦的な課題を採択できるよう、目ききを強化していくことも重要でございます。 文部科学省では、昨年七月に科学技術・学術政策局に新興・融合領域研究開発調査戦略室を新たに設置し、科学技術・学術政策研究所やJSTの研究開発戦略センター等のシンクタンクが持つ研究者ネットワークや、最新研究開発動向の収集、分析機能の活用を通じまして、新興・融合領域に関する情報収集、分析活動を強化したところでございます。 また、新しい研究を見出し、挑戦的な研究を採択できる、すぐれた目きき能力を有する人材を確保することにつきましては、例えば、JSTの戦略創造研究推進事業におきましては、課題の審査の責任者である研究総括、POと申しておりますが、の選定に当たりまして、候補者に対するインタビュー調査等を通じまして、卓越した先見性や洞察力を備えた人材を見出し、選定できるよう工夫を重ねております。 文部科学省としましては、このような取組を通じまして、新興・融合領域における研究活動を活性化させ、我が国の研究力の強化を図ってまいります。
○尾身委員 ありがとうございました。 新興・融合領域というのは、まさに今お話がありましたとおり、AとBがぶつかったことによっていわゆる化学反応が起きて、また新たなことが創出されるという、未知の世界の分野だというふうに思います。それを見きわめて、目ききとして、それを育てていくかどうかという判断をするということが極めて重要だというふうに考えておりますので、ぜひともしっかりと、萌芽を摘んでしまうことのないように、将来確実に花が咲くものだけではなくて、どのような道を進むかわからないものについても、そのようなものに期待をするというような、包括的な目ききをぜひ行っていただければというふうに要望させていただきたいというふうに思います。 今回は、生命科学系の科学技術イノベーション政策を中心に質問させていただきました。 再度申し上げますけれども、現在、科学技術イノベーションをめぐる国内外の状況はますます熾烈な競争にさらされています。 そうした中で、再来年度から第六期科学技術基本計画が始まることになり、まさに今が非常に重要な局面だというふうに思っています。関係部局や関係省が連携して、研究力の強化やさらなるイノベーションの推進に向けて一体的に取り組んでいかなければいけません。 第五期の策定のときの経験から申し上げますと、例えば、第五期の策定の時点ではAIという文言がその柱に入っていなかった。そのことが象徴的でありますけれども、科学技術イノベーションの進展というのは、私たちが想像する以上に急速に動いている、速い速度で進んでいるということが現状です。 第六期の検討に当たりましては、より柔軟かつ機動的な目標設定が必要になる一方で、基礎研究や産学官連携というような共通基盤的な政策については、引き続き大きく掲げていくことが必要ではないかというふうに考えております。 ことしも統合イノベーション戦略二〇一九というものが策定されますけれども、このような中で、ソサエティー五・〇の社会実装をしっかりと実現していくこと、研究力基盤の強化を行っていくこと、また、国際連携の抜本的強化、それから、最先端分野の重点的戦略の構築など、さまざまな課題があると思っておりますけれども。 そのような中で、例えば大学が果たす役割というものも極めて大きくなってくるというふうに思います。欧米の大学には日本の企業等が投資をするけれども、日本の大学がなかなか投資先として選ばれないというようなこと。それは、とりもなおさず大学自身の値づけというか、自分たちの価値をどれだけアピールするかということにもかかってくるというふうに考えております。 また、話を第六期科学技術基本計画に戻しますけれども、現場目線から大きく逸脱して絵に描いた餅にならないように、実際の研究現場に即した検討というものも非常に重要だというふうに思います。 これらのことを第六期の検討に当たって関係者が一体となって認識し、今から助走をつけていかなければならないと思いますし、また、今申し上げましたような科学技術イノベーション政策の司令塔がしっかりと機能して、全体像を俯瞰した上で政策を立案することが必須です。このことを平井大臣始め関係者の皆様方にぜひ申し上げたいというふうに思います。 また、その大前提として、日本政府が科学技術予算を一層の拡充を図っていくことも極めて重要です。第五期科学技術基本計画に定められた政府研究開発投資の対GDP比一%、すなわち二十六兆円の確実な確保に当たっての平井大臣の御決意をお伺いいたします。
○平井国務大臣 まさに、第五期科学技術基本計画において設定した対GDP比一%ということは極めて重要だと思います。 本年度予算における科学技術関係予算は、科研費を対前年から八十六億円増額するなど、従来の研究開発事業の拡充等に努めてきた結果、昨年度と比べて一〇%以上増加し、平成七年の科学技術基本法制定以降で過去最大規模となる四兆二千億円余りを計上しているところです。 引き続き、関係省庁と緊密な連携のもと、所要の規模の予算確保に向けて最大限の努力をしていくことが必要だと考えています。 次期基本計画について、今後、本格的な検討を開始することとしておりますが、第五期基本計画からの連続性を意識しつつも、少子高齢化の進展やSDGsなど、国内外の社会課題を科学技術イノベーションの力によっていかに乗り越え、世界に貢献していけるのか、その具体的な戦略をできるだけ多くの方々に御協力もいただき、従来の基本計画の枠にとらわれず、大胆な発想で検討していきたいというふうに考えております。 予算は非常に重要だと思いますので、また先生の御協力もよろしくお願い申し上げます。
○尾身委員 ありがとうございました。 安倍内閣総理大臣に私が予算委員会で質問させていただきましたときに、総理からは、資源が乏しい我が国にとって、日本人の人材の力と科学技術の進歩、イノベーションを生み出す力こそがこれまでも国力の源でありましたという御発言がありました。 科学技術は国力に直結いたします。これからも引き続き、平井大臣のリーダーシップのもと、科学技術イノベーションの推進に更に取り組んでいただきますように御期待申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○古本委員長 次に、古屋範子君。
○古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。 五月二十日、本委員会におきまして、京都大学高等研究院を視察をさせていただきました。ノーベル生理学・医学賞を受賞された本庶佑特別教授から日本の生命科学の将来について私たちもお話を伺うという貴重な機会をいただきました。感謝を申し上げたいと思います。 特に、生命科学分野の若手研究者には三重苦があると。私もこの点、意見交換の場でも質問をさせていただきました。三十代で独立して好きな研究ができない。また、科学研究費助成事業の採択率を維持するため、金額が少額に細切れになっている。また、ポストが減少している。 中でも、特に科研費の分配が大きい問題だと指摘をされました。現在一律で決められている配分方法を分野によって異なる方針で決めるべきだ、金額も、細切れではなくて、一つのプロジェクトで遂行できる規模が必要であるという御意見をいただきました。この点につきまして、非常に重要な指摘だと思っております。どのような対応がとれるのか。 また、四月の二十三日、柴山文部科学大臣が、日本の研究力向上に向けた改革プラン、研究力向上改革二〇一九を発表していらっしゃいます。これに、若手の研究者が一定期間安定した身分で研究に取り組める環境を整えることということが含まれております。この内容と実効性についてお伺いいたします。 内閣府、文科省、両省に簡潔な答弁を求めたいと思います。
○増子政府参考人 お答え申し上げます。 科研費についての御指摘がございましたので、まず文科省からお答え申し上げます。 科研費につきましては、人文学、社会科学から自然科学までの全ての分野にわたりまして、研究者の自由な発想に基づいて行われる基礎から応用までのあらゆる学術研究を支援する競争的資金でございまして、一課題当たり五百万円以下の小規模の研究種目から一課題当たり五億円以下の大規模の種目まで、さまざまな研究種目を設定し、研究者が行う研究内容あるいは規模に応じて応募することが可能となっているものでございます。 研究者から研究種目の上限額の範囲内で応募がなされ、審査を行っているところでございますが、学術研究の多様性を支え、また、裾野を広げるため、小規模の研究種目についてはより多くの研究課題を採択する一方、大規模の研究種目や挑戦的な研究種目についてはより厳選して採択しているというような現状でございます。 文科省といたしましては、先生御指摘いただきました若手研究者、この対応ということで、若手研究者への支援を重点的に強化するため、二〇一八年度の第二次補正予算におきまして五十億円、また、二〇一九年度の予算におきましても対前年度当初から八十六億円増という二千三百七十二億円を計上いたしまして、一課題当たり五百万円以下の若手研究に係る大幅な増額を行ったということでございます。 このような中、より多くの研究資金を必要とする若手研究者への支援をより充実させるためには、より大型の研究種目への応募を促進することが重要でございまして、現在、そのための方策を検討しているということでございます。 文科省といたしましては、今後とも、多様な研究を支援すべく、科研費制度全体の充実を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘の、若手研究者の安定した研究継続の環境整備でございますが、すぐれた若手研究者が安定かつ自立的な研究環境を得て活躍していくことは、我が国の研究力向上の観点からも大変重要であると考えております。 このため、文部科学省といたしましては、これまでの卓越研究員事業や国立大学におけます人事給与マネジメント改革の推進等の取組に加えまして、先般策定いたしました研究力向上改革二〇一九におきまして、プロジェクト雇用における若手研究者の任期の長期化、これは五年程度以上を想定しておりますが、これに取り組む方向性を示したところでございます。 具体的には、文科省の公募型研究資金における公募要領におきまして、若手研究者の一定期間以上の任期の確保を要請する記載を盛り込むことを検討しております。さらに、国立大学の人事給与マネジメント改革のガイドラインにおきましても、若手研究者の育成と雇用安定の観点で同趣旨の取組を促しております。 今後は、若手研究者の雇用状況に関する調査等によりまして進捗を把握しつつ、若手研究者の安定と自立の確保に向けた実効性のある取組の充実に努めてまいります。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 今まで、若手研究者、それから研究力の向上に向けてはさまざまな努力をしてきたのですが、本庶先生の御指摘されましたとおり、研究力の低下に大きな懸念があるところは否めません。 したがいまして、先月のCSTI本会議においては、安倍総理の指示により、我が国の研究力を抜本的に強化するために、政府を挙げて、研究力強化・若手研究者支援総合パッケージ、これを今年内を目途に策定することといたしましたので、政府全体としてこの問題にしっかり取り組んでまいりたい、そのように思っております。
○古屋(範)委員 本庶先生からも、私は必ずしもパーマネントポジションでなくてもいいと思っている、そのかわり、例えば五年から七年の契約で好きな研究をやってみる、こういうことが重要だというお答えをいただきました。 文科省の、若手研究者は原則五年以上という任期に延ばしていくという、これは大きな意義があると思っております。ぜひ着実な実施をお願いしたいと思います。 本庶先生は、皆様御存じのように、画期的ながんの免疫治療薬、免疫チェックポイント阻害薬の開発に大きく貢献をされたわけであります。こうしたがん治療の進歩は目覚ましいものがございます。 先週、五月二十九日に開かれました中医協で、がん患者の遺伝情報から最適な治療薬を選ぶがんゲノム医療への保険適用を初めて決定をいたしました。 しかし、不十分な診療体制また差別への懸念など、課題も多いと思っております。遺伝性疾患の患者や遺伝的リスクのある未発症者が雇用、保険などの分野で不利益をこうむらないような法規制が必要かと思います。こうした全国どこでもゲノム医療を受けられる体制整備とあわせまして、分析した遺伝情報によって差別が生じないような取組が必要だと思っております。この点について御見解を伺いたいと思います。 また、あわせて、パネル検査ではなくて、全ゲノム解析をすることでがんと関連する新たな変異が見つかる可能性もあり、将来的な治療や創薬につなげることができる全ゲノム解析を用いた研究開発をぜひとも世界におくれることなく早急に進めていただきたいと思っております。この全ゲノム解析の研究に必要な財政支援また体制整備についてお伺いをいたします。
○佐原政府参考人 お答えいたします。 まず、体制整備につきましては、厚生労働省では、がんゲノム医療の充実のための医療提供体制の構築は非常に重要だと考えております。 具体的には、第三期がん対策推進基本計画に基づきまして、遺伝子パネル検査を実施することができる医療機関として、これまでに全国で十一カ所のゲノム医療中核拠点病院、また百五十六カ所のゲノム医療連携病院を公表したところでございます。さらに、本年九月を目途にがんゲノム医療連携病院を約三十カ所程度指定し、全国の体制を充実していくこととしていきたいというふうに考えております。 また、差別や不利益をこうむらないようにということで御質問いただきました。この点も非常に重要なことだというふうに考えております。 このため、遺伝学的特徴に基づき差別を受けたことがあるか等に関しましてアンケート調査を実施をいたしましたところ、生命保険や民間医療保険の加入を拒否された、あるいは勤務先で異動や降格を命じられた等の差別的な取扱いを受けたという回答がございまして、ゲノム情報に基づく差別や不利益が一定程度認められたというところでございます。 この調査結果を受けまして、文部科学省、法務省、金融庁等関係省庁と必要な対応を依頼したところでございます。また、厚労省としても、引き続きこのようなことがないように必要な施策に取り組んでまいりたいと思います。 また、全ゲノムの解析につきまして御指摘をいただきました。 御指摘のとおり、こちらについても非常にこれから重要な分野であると考えております。我が国においても、世界におくれをとることなく、全ゲノム解析を用いた研究の推進などに取り組んでいかなければならないと承知しております。 しかしながら、全ゲノム解析の推進に当たっては、解析費用でありますとか、あるいはコンピューターの整備、人材の育成といった課題がございます。こうした課題を解決するため、厚生労働省としては、関係省庁とも連携し、必要な施策の充実や財源確保について引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○古屋(範)委員 ゲノムということにつきまして、今、生殖関連の技術の進歩も目覚ましいものがございます。一九八七年に世界初の試験管ベビーが誕生いたしまして、体外受精は当初は倫理的な課題が指摘をされたわけです。今はもう十八人に一人が体外受精で生まれているということです。 四月二十二日、内閣府の生命倫理調査会におきまして、赤ちゃんを得るために遺伝子改変をした受精卵を母胎に戻すことは法律で禁止する一方、受精卵を使って遺伝子改変を伴う疾患などの研究そのものは容認という方向が示されました。全世界が注目している重要な未来を決める事柄だということを認識しております。 ゲノム編集につきましては、従来、遺伝子治療が正常な遺伝子を導入することにとどまっていたところを、遺伝子のDNAを編集をして根本的に書きかえることができるようになったものであります。希少疾病や難病を根底から治療したりすることが可能になったと期待をされているわけです。 一方、御存じのように、中国で研究者がゲノム編集でエイズウイルスに感染しにくい双子を誕生させたということを公表いたしました。国内外に議論を巻き起こしております。本日付の読売によりますと、これに対して米国などの研究チームは、エイズにかかりにくい一方で、他の感染症にはかかりやすくなるということをまた発表しておりまして、こうしたゲノム編集ということについて、まだまだどういうことが起きるかわからないという今現状にあると思います。 日本においては、技術の進展の変化に即応できない過度な規制は研究開発をおくらせるのではないかとの判断で、特別に法律は設けないで指針で対応するという方針でした。指針では、受精卵へのゲノム編集は基礎的な研究に限り認め、受精卵を母胎に戻すことは禁止をしています。本年四月から運用が始まる、罰則はないということでございます。 ゲノム編集は既に簡単なキットでできる段階まで来ていて、今後、民間の医療施設が独自に患者を集めてゲノム編集を実施するような時代が来るかもしれない。急速に変化する技術の進展を見据えて、法律による整備をどう考えていらっしゃるのか。ぜひ罰則のある規制を考えていただきたいと思います。この点に対しての見解を求めたいと思います。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 CSTIにおきましては、ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方について、従来より生命倫理調査会において検討してきております。平成三十年三月には、ヒト受精胚のゲノム編集技術の利用については、基礎研究は段階的に対応、検討を進める、その一方で臨床利用は容認できないという報告書を昨年まとめたところでございます。 しかるに、その後、中国の研究者が、まさに御指摘のありましたとおり、ゲノム編集技術を用いて双子の赤ちゃんを誕生させたということでして、更に検討を深めまして、本年四月には、臨床利用は容認できないとする見解を強く再確認するとともに、臨床利用に対して、法的規制のあり方を含めた制度的枠組みの検討が具体的に必要になったと考えられ、その検討を各省庁に求める、そういう報告書をまとめてございます。 具体的な枠組みにつきましては、医療に関しては厚生労働省、基礎研究につきましては文部科学省が所管しているところでございまして、こういった関係省庁で検討を深めて、秋にはそういった検討状況の報告をCSTIとしても受けまして必要な審議をしていく、そのように考えております。
○古屋(範)委員 重大な問題でありますので、将来のためにこうした研究のメリット、デメリットを整理をして、早急に工程表、行動計画をつくって、一歩進めた議論が必要であると考えております。 急いで検討しなくてはならないことがたくさんあるとの思いから、生殖補助医療との関連も含めてお伺いをしたいと思います。 まず、体細胞に対するゲノム編集によるDNAの変化はゲノム編集を受けた人だけの問題になるんですが、生殖細胞に対するゲノム編集によるDNAの変化というのは子孫に受け継がれていくこととなります。生殖細胞や受精卵の段階で遺伝子を改変すれば、生まれる子供の全身に効果も影響も出てくることとなる。人類が誕生してからずっと維持されてきた性染色体に触れてもいいのかという問題意識や、将来の世代に予想を超えた影響が出るのではないかと思っております。 私が最も懸念いたしますのは、当初は遺伝子疾患の予防としても、不妊治療に拡大をされてしまうのではないかということであります。 そもそも、我が国においては、生殖医療に対して、出自を知る権利というもの、あるいは精子の提供、また卵子の提供というものに関して法整備ができておりません。 私たち公明党は、生殖補助医療に関する法整備等検討プロジェクトチームをつくり、座長である秋野公造参議員が中心となって、議員立法、生殖補助医療の適切な提供に関する法律案をまとめました。これは、自民党案とあわせて自公案を取りまとめたところでございます。 生殖補助医療では、治療以外の目的、例えば健康な身体や精神の機能を向上させるために行われることがあってはならないというふうに考えます。これについての見解を求めたいと思います。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 今先生の御指摘のありましたエンハンスメント、ここにつきましては、さまざまな場面で利用される可能性がございまして、不公平感の深刻化、あるいは強制利用などの倫理的な問題もあるもの、そのように理解してございます。 したがいまして、本年四月の生命倫理調査会の報告書におきましては、御指摘のいわゆるエンハンスメントも含めて、目的いかんによらず、ゲノム編集技術を利用したヒト受精胚の臨床利用は容認できない、そういった見解を強く確認しております。これにつきましては、当然エンハンスメントも含まれてございます。
○古屋(範)委員 私たちがこの立法作業の中で最も大事だと考えましたのは、母体の、女性の健康の保護と、また生まれてくる子供の福祉ということであります。これを大前提として法整備を考えるべきだというふうに考えます。 また、カウンセリングの体制の整備についてもお伺いをしてまいりたいと思います。 ゲノム診断を受けた、しかし、その後、最適な治療は何なのか、また、それは一体どこで受けることができるのか。また、その後の人生においても非常に大きな影響を受けると思います。また、それが家族にも及ぶ可能性があります。 こうしたゲノム医療に限らず、出生前診断等についても、診断やカウンセリングの質の担保が重要な課題になってまいります。医師の遺伝カウンセラーが十分に説明する体制は喫緊の課題であります。今後のカウンセリングの取組について、丁寧な対応を求めたいと思います。見解を求めます。
○佐原政府参考人 お答えいたします。 がん患者等に対するゲノム医療を推進するに当たりましては、国民や医療従事者に対してゲノム医療に関する普及啓発を行うことが重要であると考えております。 そのため、例えば、がん患者やその家族に対し、がんに関する情報提供を進めるとともに、患者がゲノム医療を理解し自己決定ができるためのカウンセリング体制の充実強化を図ることが重要であると考えております。 厚生労働省では、がんのゲノム医療従事者研修事業やがんゲノム医療相談支援マニュアルの作成等に取り組むことで、がんのゲノム医療に必要な人材の育成やカウンセリング体制の支援に努めております。 今後とも、国民の理解を深めていただけますよう、引き続き必要な施策に取り組んでまいりたいと思います。
○古屋(範)委員 ゲノム医療について議論をしてまいりました。これまでの議論を聞かれて、平井大臣、何か感想があればお聞きしたいと思います。
○平井国務大臣 まずは、やはり国民の理解を得るというのが一番重要だと思います。その意味で、いろいろな形で、ゲノム医療の推進に当たって、普及啓発の活動をしていかなきゃいけない、我々議員もやらなきゃいけないな、そのように感じました。
○古屋(範)委員 時間が参りました。以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○古本委員長 次に、中谷一馬君。
○中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。本日もよろしくお願い申し上げます。 私からも、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会の視察にて学ばせていただいた件を踏まえまして、順次質問をさせていただきたいと思います。 本視察では、ノーベル医学・生理学賞を受賞された本庶佑京都大学高等研究院副院長・特別教授からお話を伺いました。その中で特に印象的だったのは、イノベーションとは創造ではなく既知の技術の組合せ、安価で高付加価値なアイフォンのような新しい商品開発のことであるが、日本に必要なのはイノベーションよりクリエーション、創造を重ねる企業や大学を伸ばすべきだという趣旨のお話をいただきまして、私的には大変共感をするお話でありました。 しかしながら、日本の現状を見てみますと、デロイトトーマツグループが実施をした調査によれば、日本の経営者層は、最新技術は競争上の主要な差別化要因と考えるかという問いに対して、強くそう思うと答えた人は五%、そう思うと答えた人は一七%、両方合わせても二二%であり、全世界の回答、強くそう思う二〇%、そう思う三七%を合わせた五七%と比べて非常に低い割合でありました。 また、最新技術に対する考え方は第四次産業革命に備えるための必要な投資に対する意欲の高さをあらわしますが、日本の経営幹部の七八%はどちらでもないと様子見の姿勢を示しており、グローバル市場での成長に大きく水をあけられるリスクが浮き彫りになったとも言える状況であります。 この調査でわかることは、日本の経営幹部たちが、第四次産業革命を見据えて抜本的な、根本的な変革や新たな競争を主導しようとする発想や姿勢が世界と比べて相対的に乏しい現状でありますが、イノベーションやクリエーションを育てる阻害因子になるのではないかと私は懸念をいたしますが、この状況についてどのように捉えていらっしゃるのか、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。
○平井国務大臣 私も同じような見方をしています。 平成が停滞した理由の一つにそこが足りなかったなという思いがあって、そこを、新しい令和という時代になって、マインドセットを変える。これは企業家も我々もそうだと思うんですが、非常にそこは重要なところだと思います。産学官連携によるオープンイノベーションというのが非常に重要で、まず関係者の認識の共有を進めたいと思います。 そのため、政府としては、イノベーション創出につながる好事例を産学官関係者への横展開を進める大学支援フォーラム、PEAKSの創設、これは先日開催しましたけれども、非常に活発な意見が出ました。また、産学官が連携して、基礎研究から実用化、事業化まで見据えた一気通貫の研究開発を行う戦略的イノベーション創造プログラム、SIPの実施、そして、内閣府において、産学官のつながりを深める観点から、組織の壁を越えて新しい取組に挑戦する模範的な取組をたたえる日本オープンイノベーション大賞の実施など、さまざまな取組をやっています。 内閣府として、引き続き、関係省庁と連携し、産学官連携によるオープンイノベーションを強力に推進したいと思っております。
○中谷(一)委員 大臣からも強力に推進をしていきたいと、問題意識も共有させていただいているのかなと思っているんですけれども、情報産業革命に必要な例えば移動通信のシステムを、日本では5Gがこれからいよいよ始まるねということで話題になっているんですけれども、アメリカでは、トランプ大統領は既に6Gをなるべく早く実現したいという発言をされておりまして、それに呼応して、アメリカのFCC、連邦通信委員会では、テラヘルツ波と呼ばれる周波数帯を研究向けに開放するなど、そういったことを決定して、6G時代の幕あけになるかもしれない、そんな歴史的な第一歩を踏み出しました。 こういった状況を見ても、日本がやはりそういった先進的な技術に対してしっかりと対応していけるような体制整備というのは私は非常に重要だと思っているんですけれども、そうした中、先日、ヤフーの安宅和人CSOから話を聞く機会がありまして、その際に、日本は情報産業革命の第一フェーズで大敗をしているから、第二、第三の波に乗る必要があるということをおっしゃっておりました。 しかし、こうした現状を見ていると、世界の潮流からも、第二、第三の波にも乗りおくれてしまうんじゃないかなという危惧を持っておりまして、この現状を打破していくためには、国家全体の税制のあり方やリソースの配分を抜本的に見直した上で、人材育成、研究機関としての大学に安定的な原資を供給することや、必要な規制緩和を進めるなど、次世代育成、科学技術開発などの未来への投資をより積極的に進めていただきたいなと思っているんですけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか、所見を伺います。
○平井国務大臣 私も、大臣に就任してからすぐ、直接現場の意見を聞かなきゃいけない局面だなということで、ピッチ・ツー・ザ・ミニスターというのを始めました。これは、いろいろな科学技術の研究家、またスタートアップ企業の皆さん、そしてお金を出す方の立場のファンドの皆さん、現場の意見を聞けば聞くほど、やはりマインドセットを変えて今こそ強力に進めていかなきゃいけないなというふうに思っています。 日本は課題先進国であることも海外の研究者の皆さんも認識をしているので、そこを一緒に何か突破できる方法はないかということで、海外にも広く広げたオープンイノベーションをやっていかなきゃいかぬというふうに思います。今回、ムーンショット、今なかなか課題設定で苦労しておりますが、これもその一つだと思います。 いずれにせよ、今までのやり方ではだめだということはよくわかっておりますので、昨年策定した統合イノベーション戦略に基づいていろいろな取組を進めていきたい、そのように思います。
○中谷(一)委員 大臣がリーダーシップを持ってピッチをいろいろなところで進めていただいていること、私は非常にすばらしいなと評価をさせていただいておりまして、期待をしているところもあります。 そして、それに加えて、大臣が、世界に伍するスタートアップエコシステムの拠点形成戦略、こういったものを提案されていらっしゃると思いますが、ベクトルとしては私もよい方向性だなということを読んでいて思いました。 ただ、取組のつくり込みとしてはまだまだ甘いのかなということを感じておりまして、例えば、韓国の創業支援プログラムなんかと比べますと、彼らはインキュベーションのオフィスの貸出しだったりとか、月五十万円プラスアルファの創業活動費を助成したりとか、あとは、最先端の講師陣から創業教育を受けられるようなことだったりとか、マーケティングとか広報戦略のフォローなど、アントレプレナーシップもより具体的に、予算規模も丸が一つも二つも違うんじゃないかなというようなレベルのことをしている。 また、こういったスタートアップ企業の創業支援を実施するに当たっても、明確な指標となります事業者の登録数、幾つ創業したのか、その中で創出雇用人員は何人生まれて、そして支援企業の累計の売上高が幾らだったのか、そして支援企業の合計の資金調達額が幾らであって、あとは、知的財産権、特許の取得数だったりとか、その後の商品化にどれだけ結びついたか、結果としてユニコーン企業の創出数は幾らになったのかとか、そういった項目に対してしっかり定量的な目標を定めて事業の実証を行って、結果がしっかりと見えるベンチャー企業の支援事業が実施されております。 結果として韓国では六社も今ユニコーン企業が誕生していて、日本とは大きく差が開いている現状があるかと思うんですけれども、こういった状況を踏まえて、私的には、公的支援といえども、ビジネスにコミットしていくのであれば、数字、数値の管理は私は徹底すべきだと思いますので、大目標、中目標のKPIをしっかりと定量的に定めていただいて、費用対効果の検証をしながらPDCAサイクルを回すことで効果的なスタートアップ支援を推し進めていただきたいと考えているんですが、いかがでしょうか、大臣の所見を伺います。
○平井国務大臣 私も韓国のスタートアップの状況等々もそれなりに勉強させていただきました。アジアで唯一グーグルキャンパスを誘致しているというのも彼らにとっては非常に戦略的だなというふうに思っておりまして、我々も負けずにこれから政策のPDCAを高速回転させて進めていきたいというふうに思います。 未来投資戦略二〇一八においては、開業率が廃業率を上回る状態にして、開業率、廃業率が米国、英国レベル、一〇%台を目指すことを一応設定しています。 このため、統合イノベーション戦略において、起業意識に係る目標として、大学等発ベンチャー設立数、研究開発法人ベンチャー設立数を二〇一六年度実績から倍増する。資金に係る目標として、ベンチャー投資額の対名目GDP比率を世界最高水準並みに向上する。成長に係る目標として、企業価値又は時価総額が十億ドル以上となるユニコーン企業又はベンチャー企業を二〇二三年までに二十社創出するといった具体的な目標を掲げて政策を推進しています。 今後、スタートアップエコシステムの拠点形成も含めて、具体的な制度設計や予算要求に際して、これまでの政府の全体の目標や諸外国でのベンチャー政策の進展を踏まえて、各省庁と連携し、本戦略に関する適切な目標を再設定していきたいというふうに思います。 ただ、日本の若い人たちのポテンシャルとかそれぞれの地域の今の状況を見ていると、まだまだ日本はチャンスがあると私は思っています。
○中谷(一)委員 私もおっしゃるとおりチャンスがあると思っておりますので、より具体的な、そして結果が見やすい定量的な成果を定めていただければと思います。 それでは、時間ももう間もなくでありますので、最後に一問伺わせていただきたいと思っているんです。 私は、科学技術の発展と企業、労働者を取り巻く環境の変化がイノベーションに与える影響について考えているんですけれども、これもデロイトトーマツグループの実施の調査によれば、日本の経営陣幹部は、最新のテクノロジーの活用について、専ら従業員の効率性の向上での関心が向けられておりまして、自分たちの組織として高い能力があると回答した者は七八%に上り、七五%以上がロボットなどの自律的なテクノロジーが人にかわる未来を予測しています。 その一方で、高齢化や働き方改革を背景に、会社と従業員との関係が契約による一時的、臨時的な雇用に変わる方向性であると見ており、調査対象国の中で最も多い八五%がそう考えていると回答しました。 そして、技術主導型の変化が組織構造と従業員に及ぼす影響について、計画し対処できると考えている経営幹部はわずか三%でありまして、テクノロジーで業務を効率化したいと思っているけれども、労働力の変化に注目した本質的な議論が尽くされていないということが浮き彫りになっております。 科学技術の進化は、本来、労働の効率化につながり、その結果、生産性を大きく向上させることで人々の生活を豊かにし、よりよい未来を切り開くためのものであると私は信じておりますが、現在のように経営者、労働者ともにビジョンが描けていない状況では、双方ともにミスリードが起こって、イギリスの産業革命時代に起こってしまった機械の打ち壊し運動のような悲しい歴史を繰り返すことになるのではないかと大変危惧をいたしております。 技術革新が進む中で、その時代に対応した成長戦略と適切な富の分配、そして労働環境の整備など、政府がしっかり思考して、経営者、株主など、民間企業の上層部への意識改革、マインドセットを促すことが私は必要であると思っておりますし、労働者サイドも、科学技術イノベーションの進化に歯どめをかけるような運動ではなくて、効率化によって生まれた利益を労働者に給与や休暇という形でどのように還元するべきなのかという本質的な議論を経営サイドに挑む必要があるんじゃないかなと私は思っているんです。 そこで、大臣に伺いますが、こうした状況が放置されれば科学技術イノベーションの進化を阻害する要因になることが危惧をされますので、適切な対応を講じていただきたいと考えているんですが、今後政府としてはどのようにこういった状況を考えているのか、御所見を伺いたいと思います。
○平井国務大臣 その問題は、まず、ソサエティー五・〇と言われている次の社会像というものを具体的に共有するところから始まるんだろうと思います。 今の、現状の積み上げの政策変更、プレゼントプッシュではもはやだめだというのは皆さんわかっているので、フューチャープルでバックキャスト的にいろいろな問題を進めていくということが非常に重要です。 そこで、私が今考えているのは、例えば、デジタル化とかAIによって社会に新たな格差を生むようなことがあってはならぬというふうに思います。ですから、そこがないようにするために、どのような社会像を目指していくのかということで、ついこの間成立させていただいたデジタル手続法案のところも、そこのところを最重要課題にしています。 そういう上で、これからどのように物事を進めていくかというのは、新しい社会像や新しい町のあり方を求めるときにはコンセンサスのつくり方がやはり重要です。それは、もはや産官学だけで引っ張ってもだめで、その後に金労言とか三つ足そうと言っているのは、金融機関、あとは労働界、あとは言論というのはマスコミですね。ですから、社会全体のコンセンサスをいかにつくっていくかというところがバックキャスト的な政策を進める上で非常に重要だと考えています。
○中谷(一)委員 具体的な答弁をいただきまして、ありがとうございました。取組に期待をしております。 それでは、時間が参りましたので終了させていただきます。ありがとうございました。
○古本委員長 次に、櫻井周君。
○櫻井委員 立憲民主党・無所属フォーラムの櫻井周です。 本日は貴重な質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。また、先日は京都大学に視察に行くという貴重な機会をいただきました。これもまことにありがとうございます。 私自身、京都大学の卒業生ということで、四年間、学部、それから大学院修士課程、二年間、合わせて六年間通っていた大学でございます。こうした形で母校に帰れるというのも非常にうれしいものでございました。 と同時に、京都大学で過ごした六年間、当時言われていたことは、学生が千人いたら一人の天才と九百九十九人のばかを生む、そんな大学だというふうにも言われておりました。私自身は九百九十九人の方に入っているんだなというふうに思いながら過ごしていたわけでございますが、大学の雰囲気としましては、大学の先生方は、結構放任といいますか、学生が好きな研究をするもよし、遊びほうけているのもよしというような形で、ただ、その中で自分たちの人生なり研究課題なりを見つけて、それで好きなものに熱中する、そういう雰囲気があったようにも感じております。そうした中で、指導教官を超える、ある種すごく突出して優秀な人材がごくごくまれに発生する、こういうことだったのかなというふうにも思っております。 本日は、この間の本庶佑先生からお話を伺った中で、先ほど古屋委員からも御質問がありました若手研究者の三重苦という点について、まずお話をさせていただきたいと思います。 三十代で独立して好きなことをやれる機会が少ない。それから、科学研究補助金は採択率を維持するために金額が少額で、独立して研究できない。運営交付金の減少と実質定年延長で若手定職の数が減少している。こうした指摘がありました。 これに対する個別具体的な話については、先ほど古屋委員の質問の中で政府委員から御答弁いただいたところでございますが、私自身、非常に問題点というのは、一つは、昔は、私が大学生だったころは、教授、助教授、それから助手という形で、助手も一応正規雇用といいますか、給料は安かったかもしれないけれども、一応普通の正規職員としてしっかり雇われている。研究の成果が上がらないと、定年まで助手のままで過ごすということもごくごくまれにいたわけでございますが、ただ、ある種身分保障があったわけです。そうした中で、本当に好きなことをやって熱心にやっているうちに、すごい研究成果を出すとか、いい課題にめぐり会っていい研究をするという方もいたというふうに感じております。 しかしながら、今はポスドクとかいうような形で任期つきのものが非常に多くなってきている。そうすると、任期終わり、三年なり五年なり、先ほどの答弁ではもう少し長いものもこれからふやしていくんだというお話はございましたけれども、やはり、期限が区切られていると、その五年後にちゃんとした成果が出せるということを逆算して研究を組み立てていかないといけない。そうすると、今の時点から見てゴールが見えるような範囲でしか研究をしないということになってしまっているのではないのか。 やはり、ゴールが見えるぐらいの距離感での研究であればそんなに深いものにはならない。ゴールも何も見えないけれども、五里霧中だけれども、本当に自分がこれはおもしろいと思っているんだというところにもうまっしぐらで突っ込んでいくような壮大な研究というのはなかなかやりにくいのかな、こういうふうにも感じております。 それから、あと、先ほど、本庶先生は必ずしもパーマネントのポストでなくてもいいんだというようなお話を確かに質疑応答でされておりました。しかしながら、これは多分医学部だから言えることで、医学部で医師免許を持っていて、研究者としてうまくいかなかったということになった場合には、もう医療の現場に戻ってお医者さんとしてしっかりやっていこう。ある種の資格による担保があるから言えることであって、そうでない理科系の学生にとっては、修士課程から博士課程に進むときに、やはり人生の大きな分岐点なわけですよね。 修士課程までだったら、普通のメーカーとかそういった形で、ある種、安定した仕事、職、身分保障のあるところで生きていける。ところが、博士課程に進んでしまうと、本当にその先、ポストが得られるかどうかわからないというところで大きく分かれてしまうわけですけれども、こうしたある種の不安定さといいますか期間の短さというのが壮大な研究に取り組めない背景にあるのではないのか、このようにも考えるわけですが、大臣の御所見をお伺いしてよろしいでしょうか。
○平井国務大臣 私もいろいろな方々からいろいろな意見を聞いて、委員のお話しになっているのも、それも間違いない一つの真実だと思います。 イノベーションを起こすということに関して言えば、これは計画的に起こせるものでもないんですね、いろいろな要素が重なり合って。ただ、起こりやすい環境をつくることはできると思います。 例えば、今、我々は、ムーンショット型、先ほどもお話ししましたが、野心的な目標、ミッションを掲げて、それに対する研究開発等々を世界から、また日本でも若手の研究者の皆さんにやってもらおうというふうに考えているんですが、そのときに、基礎研究の部分は、必ずできる保証は、結果を出す保証はないですよね。そこで、要するに、ある程度失敗を許容する文化というものを何とか醸成しておきたい。そうじゃないと、結果に追われて、かえって本当に野心的な取組ができなくなる。 今までは、結果にコミットしないとなかなか物事が前に進められなかったんだと思います。そこを変えていくということは非常に難しいことですけれども、私は変えたい、そのように考えております。
○櫻井委員 大臣と思いを共有できているということで、大変心強く思いました。 まさに、ある種、結果にコミットと大臣はおっしゃいましたけれども、成果主義といいますか、成果を出していくというところにこだわってしまうと、逆に、皮肉なことに大きな成果は得られないということになってしまうというふうにも感じております。 本当に基礎研究の分野においては、ある種宝くじ的な、誰かがすごく大きなものが当たる、多くの人たちはそうでないかもしれないけれども、でも、それでもいいんだといいますか、大きなものを誰かが当てるために裾野というのは必要なんだというようなところで考えていくような、この分野については発想の転換が必要なのではないのかなというふうに感じております。 次の話題に移らせていただきます。 本庶先生のお話の中で、これは医薬業界ということの特徴だとは思いますけれども、業界としてこれまで護送船団方式的な運営がされてきたのではないのか、こういう御指摘もありました。それがゆえに、世界では、製薬会社というのは、規模の経済を働かせるために、すごい合従連衡といいますか、合併、合併が続いて大きな規模になっているのに、日本の中では相変わらず小さな規模でやってしまっている、小さな会社がたくさんあるというふうに御指摘をされていました。それゆえに、各社の規模が小さければ研究開発費も必然的に小さくなってしまう、こういう御指摘もされておりました。 あと、もう一つ大きな御指摘としまして、技術の目ききが日本の製薬会社には少ないように感じる。したがって、大学でいろいろ将来の可能性が大きな研究をやっていても、そのことについて余り評価してくれないといいますか、日本の企業に話しても余りちゃんとした反応が出てこない。むしろ外資系の製薬会社の方が食いついてくるんだ。評価も高くしてくれる。評価が高いということは、その分たくさんお金を出してくれるということになるので、ついつい外資系の製薬会社と話をしてしまうというような、そうした傾向がある。でも、せっかく日本でやっている研究なのに、外国の会社に持っていかれるのも残念だな、そうした気持ちも持たれているというお話がございました。 先ほど中谷委員からの質問の中にも、先進技術に対する意識が経営者の側に低いのではないのか、こういう指摘もあったわけなんですけれども、これについてもぜひ大臣の御所見をお伺いしたいんです。 製薬業界というとちょっと特殊な世界があるかもしれませんけれども、こうした経営層が技術に対してしっかりやるんだということの意識の低さというのが、やはり日本の製薬業界についても非常におくれていくいろいろな原因になってしまっているのではないかというふうに考えるんですが、いかがお考えでしょうか。
○平井国務大臣 製薬の業界ほど、まず一発当てるのが大変だということで、企業もお金を使うのが非常にチャレンジングな分野だと思います。 先ほど、集約が不十分だというような話がありましたが、我が国は世界で数少ない新薬創出国であることも事実でありまして、医療用医薬品の世界売上高上位百品目のうち十二品目が日本が占めている一方、我が国の製薬企業の規模は国際的に見て小さいということが指摘されています。新薬の研究開発費が右肩上がりで上昇する中で、製薬企業がみずから研究開発力を高めていくための取組というのは、大変ですけれども重要だと思います。 我が国で革新的な新薬を創出していくに当たっては、製薬企業とアカデミア等との連携によるオープンイノベーションを進めていくことが重要で、アカデミア等の貴重なシーズを創薬につなげていくということが重要だと思います。 厚生労働省では、バイオ医薬品やゲノム創薬、AIやビッグデータといったテクノロジーを最大限に活用し、効率的、効果的に革新的な新薬を生み出すことができる環境整備に取り組んでいると聞いております。また、大手製薬企業とアカデミアやベンチャー企業との交流や連携を促進する観点から、平成二十九年度からジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミットを開催し、アカデミア等が有する有望なシーズの実用化の促進にも取り組んでいると聞いています。 いろんな取組をして革新的な医薬品が我が国から生まれたらいいなというふうに思いますが、本庶先生はいろいろ御苦労もされて、思うところはあるという話は私もお伺いしました。事実関係は私もよく知らないんですけれども、できれば、やはり日本の製薬会社にもっとチャレンジングな取組をしてもらいたいというふうに思っております。
○櫻井委員 あと、今のお話でも、結局、目ききというのも一つポイントになってくるんだと思います。日本の経営者の意識がどこまでそこに向いているのかどうか、また、自分自身で判断できる力をどこまでお持ちなのかというところも大きな課題なのかなというふうに感じるところです。 それで、その次のテーマに移らせていただきますが、科学研究費の配分方法については、これまでこの委員会でも、それから文部科学委員会等でもさんざん議論があったところかと思います。 その中で、本庶先生のお話では、目ききについて、確かに一人で差配するというのはいろいろな意味でなかなか難しい部分もあるかもしれないけれども、そうした目ききの人、数人がチームで組んでやるとそれなりにしっかりとした目ききができるのではないのかということで、それは十分できるというお話もありました。 この目ききというのも、なかなか難しいところは、特にスポーツなんかでも、名選手必ずしも名監督ならずというような言葉もありますけれども、それに近いようなところもあるのではないのか。やはり、すごくいい研究者、有名な研究の方であったとしても、若手をちゃんと十分見きわめて育てていけるかどうかというのはまたちょっと別なのかもしれないという中で、この目ききの仕方というのをどういうふうにしたらいいのかなというのは非常に悩ましいところかとは思います。 例えば京都大学でいえば、iPS細胞で有名な山中伸弥教授は、かつて、研究者をやめようかと思って、最後の研究費だと思って申し込んだときに、大阪大学の岸本忠三先生、大阪大学の総長も務められた方でございますが、この方は、こんな研究は絶対うまくいくはずがないというふうに思ったけれども、すごく目をきらきらさせていて、すごく熱心にやっていたから、ちょっとおもしろいと思ってつけてみたんだ。そうしたら、それがすごく大きな研究になったわけでございます。 こうした科学研究分野の目ききのあり方、その体制についても、本庶先生からはチームでやったらどうかという御提案も我々はいただいてきたわけですけれども、そういった目ききのあり方について、いま一度大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○平井国務大臣 目ききというのは、まず人を見るというのがあるというふうに、判断された方から聞いています。 それと、実際、例えばいろいろな大学のシーズ、そしてまたAMEDが取り上げて出口を見つけて企業につなぐとか、いろいろあるんですけれども、結局、そういうことを見て、最終的な出口までをちゃんと経験した人が目ききになっていくというところがある。 だけれども、一番大きいのは、やはりその人となり。その人が持っているパワーみたいなもの。これは、やはりいろいろな論理を超えて、この人ならできるのではないだろうか、そういう人間力みたいなところの判断も実は大きいというふうに聞いています。 具体的な目ききの方法というのを私自身がよくわかっているわけではありませんが、試行錯誤しながら、能力のある方々を何としてでも世に出していく。そして、とがった人材をこれから応援するというのが基本的な目ききの立ち位置ではないか、そのように思っています。
○櫻井委員 質問時間が終わりましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○古本委員長 次に、阿久津幸彦君。
○阿久津委員 立憲民主党の阿久津幸彦でございます。 まず初めに、五月二十八日閣議決定されました二〇一九年版の科学技術白書を受けて質問させていただきたいと思います。 白書には、がん、免疫療法につながったノーベル医学・生理学賞受賞の本庶佑先生などの事例を取り上げて、基礎研究の成果が社会を大きく変え得る、息の長い取組が重要ですということを指摘されております。それからもう一つ、一方で、日本の科学技術を取り巻く環境は厳しいと懸念を表明。その理由として、日本の世界論文引用数ランキングの低下、博士課程の入学者数の減少傾向などを挙げて、基礎研究を支える力が弱まっていると分析されています。 そこで、質問させていただきます。 我が国の科学技術、特に基礎研究を支える力を弱めないために、科学技術白書において何をすべきと分析されていますでしょうか。お答えいただければと思います。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 令和元年版科学技術白書では、基礎研究の価値や基礎研究を支える技術などの重要性を改めて認識するために、基礎研究が社会にもたらす価値や、基礎研究を支える技術などの具体的な事例、基礎研究の成果を迅速に社会展開していくための制度面、システム面の改革の状況を紹介いたしております。 その中で、今後の大きな方向性につきまして、「科学技術の分野において、人類にとっての普遍的な真理や価値を問いつつ、世界のフロントランナーとして知の地平を切り拓き、その成果を社会に還元するとともに、課題先進国としての対応を世界に先がけて示していくためにはどうすべきか、国民的な議論と共通認識の醸成が求められている。」というふうに結んでおります。
○阿久津委員 私は、今回の白書は、白書としては非常に正直で、誠実に語っているんではないか、分析されているんではないかと思っております。 しかし、大臣がさっきおっしゃっていたんですけれども、とがった人材を育成していくという観点でいうと、本庶先生のお話を伺っていると、とがり方が半端でないというふうに私は感じました。 そこで、二〇一八年ノーベル医学・生理学賞受賞の本庶佑先生の指摘を受けて少し伺いたいと思うんですが、本庶佑先生は、科学技術の発展に向けて、もっと厳しく、もっと具体的で突き抜けた提言をされています。 同僚議員がもう指摘されている部分も多いので、省きながらお話しすれば、我が国の生命科学研究を活性化するには、基礎研究から応用研究までの連続性を図ることが必要、公的支援は企業にできないことを補強すべきで、基礎研究を中心に政府は支援すべき。 AMEDについては尾身先生、古屋先生が指摘されたので省きます。 それから、例の、生命科学分野の若手研究者は三重苦。これも古屋先生が丁寧にお話をされたので省きますけれども、これはかなり深刻だというふうに私は考えております。 それから、我が国ではアカデミアが企業を信頼しておらず、日本発のシーズが外資の製品として世に出ることになる。これも大臣よくおわかりで、懸念されていることだと思いますけれども、これでは政府が基礎研究を支援しても我が国の税収につながらない事態になり得ます。 そこで質問させていただきたいんですが、これらの本庶佑先生の御指摘も受けて、政府としては研究力強化に向けて今後どのような取組を進めていくべきと考えるか、大臣にお尋ねしたいと思います。
○平井国務大臣 質問ありがとうございます。 先月のCSTIの本会議において安倍総理から指示がありまして、我が国の研究力を抜本的に強化するために、内閣府、文部科学省、経済産業省が中心となって、研究力強化・若手研究者支援総合パッケージを今年度中をめどに策定することにしました。 本パッケージについては、例えば、人材については、大学内外のポストの創出、海外大学経験をふやす仕組みの構築。資金については、民間資金受入れにふさわしい体制の確立。大学、国研の出島化。この出島という言葉がぴったりかどうかわかりませんが。環境については、研究に専念できるポストの創出、研究者の事務を原則アウトソーシングする等の検討をしていかなければならないと考えています。 これは局所的な改善措置ではなくて、総合的、抜本的なものとなるように政府全体で検討を開始をして、産業界と連携して、産業界にはマインドセットを変えてもらうことも含めてこれから要請していかなければならぬ、そのように思っております。
○阿久津委員 丁寧な御答弁、ありがとうございます。 省庁横断的に政府全体として産業界と連携する研究力強化・若手研究者支援の総合パッケージみたいなものについては、大いに期待したいというふうに考えております。 しかし、ちょっと一点だけ、注意点だけ申し上げたいと思うんですけれども、本庶佑先生は、政府は企業を助ける方向に動いてしまいがちだ、経団連と政府が近過ぎる、巨大企業が自己責任で倒産しても政府はサポートするなと。先ほどの櫻井さんの指摘にもございました長らくの護送船団方式についても非常にお怒りの様子で、厚労省が企業合併を進めてこなかった結果による競争力低下を嘆いていらしたというふうに考えております。 ぜひ、企業の側ではなくて、研究者の側に立ってこれらを進めていただければありがたいというふうに考えております。 次の質問に移ります。 ノーベル賞受賞者の知見を国としてどう生かすかということなんですけれども、私は、今のところ十分に生かされていないんではないかというふうに考えています。 実は、日本のノーベル賞受賞者は結構いるんですね。二十四名、現在で。それで、日本出身者は、南部先生とかイシグロさんなどを含めると二十七名に及びます。世界国別ランキングでいうと、大体六位から八位ぐらい。アジアでは断トツのトップです。 ちなみに、数が多ければいいというものではありませんけれども、中国ではノーベル賞受賞者は三名、韓国は一名、インドは五名です。 これだけ多くの方々がいらして、しかも、二〇〇〇年以降の受賞者が十六名もいらっしゃるんですね。これらの方々のいろんな思い、特に発信力とみずからの知見への自信というのは、やはりノーベル賞受賞者というのは卓越したものがあると思っております。 もっともっと国として生かしていけないものかということで伺いたいんですが、多くのノーベル賞受賞者が連携し、その知見等を政府や企業、アカデミア、そして国民へ発信するための、ノーベル賞受賞者だけをメンバーとする提言機関設置を科学技術政策担当大臣として音頭をとってやっていただければうれしいなと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○平井国務大臣 済みません、まず最初に、若手支援のパッケージ、今年度中にとさっき答弁しましたが、ことしじゅうにに訂正をお願いをしたいと思います。 先生の御指摘のとおり、ノーベル賞を受賞された研究者の方々の御意見は、大変説得力もありますし、私も勉強になりますし、大変重要だと思います。 これまでCSTIの本会議において、昨年のノーベル医学・生理学賞を受賞された本庶佑先生を始めとする受賞者の方々に御出席いただき、各種の御提言はいただいているところです。 CSTIにおいては研究現場のことも詳しく把握されている有識者の方々がいらっしゃることから、新たにノーベル賞受賞者だけをメンバーとする提言機関を設置するということは現在考えておりませんが、引き続きCSTIの場を活用して、ノーベル賞受賞者を始め研究者の方々の御意見を伺ってまいりたいと思います。 そして、ノーベル賞受賞者の方々には、我が国の科学技術イノベーションの一層の発展に向けて、さらなる研究活動や人材育成に大いに力を発揮していただくことを期待をしているところであります。
○阿久津委員 先ほどの研究力強化プログラムにも加えていただけたらありがたいなというふうに考えております。 最後に、ジェンダー平等と科学技術の発展についてお伺いしたいと思います。 日本のノーベル賞受賞者には残念ながら女性は一人もいません。科学技術の世界に男性も女性もないと言われてしまえばそれまでなんですけれども、政治の世界でも、昨年全会一致でパリテ法が成立して、女性の国会議員をふやすための努力が各党でスタートしているわけでございます。 アカデミアの世界でも、女性が長期にわたる研究を続けるには大変なハンディがあると聞いておりますし、一方で、科学技術の世界でも、女性の視点による、男性には考えつかないような新たな研究、発見、貢献が期待されているところであります。 女性の研究者にも光を当て、女性研究者にも活躍しやすい環境を整備する努力が必要だと考えておりますが、日本の女性の中からも、できればノーベル賞を受賞するような世界トップ水準の研究者を育成できたらなというふうに思っております。 これは、国益から考えても人材の宝の山はここにあると私は思うんですが、最後に一言だけ大臣に伺います。我が国出身者で女性のノーベル賞受賞者はいませんけれども、科学技術分野から女性研究者へ何らかの環境整備や具体的支援等に道を開くことはできないかどうか、一言だけ。
○平井国務大臣 女性研究者の割合は増加はしているんですが、主要国と比較するとまだ低い水準でありまして、理工系分野における女子学生比率やその伸びも低い状況にあります。 研究活動と出産、育児等との両立が困難な環境に置かれている場合があることなどから、必ずしも女性研究者が十分活躍できる状況には至っていない面もあると認識しています。 政府としましては、その環境を改善をして、女性活躍推進に向けて各府省と連携して応援していきたい、そのように思います。
○阿久津委員 ぜひ改善をお願いします。 終わります。ありがとうございました。
○古本委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。本日はよろしくお願いいたします。 私も先日の京都大学等の視察に参加をさせていただきまして、本庶先生の大変含蓄のあるお話、あるいは国立大学で今行われている最先端の取組等について拝見をさせていただきまして、非常に感銘を受けました。元企業研究者の一人としても、こうした取組が今後国内でもっともっと力強く広がっていけばいいなというふうに思っておりますので、きょうはその観点から質問させていただきたいと思います。 まず初めに、科研費の取扱いについて質問させていただきたいと思うんですけれども。 現在、日本の科学技術関係予算というのは、過去二十年間以上、ほぼ横ばいとなっております。二〇〇〇年時点の科学技術関係予算を一〇〇とした場合に、最新の値で日本はおよそ一一五前後ということで、一割と少し予算がふえている状況にありますけれども、例えば海外に目を向けますと、アメリカやドイツでは一・八倍、隣国の韓国では五倍、そして中国に至っては十四倍を超える予算の膨らみ方をしておりまして、こうした環境の中で、我が国が今後も科学技術分野で世界のトップランナーのグループにいるためにはそれなりの工夫が必要ではないかというのは率直な感想であります。 こうしたことも背景に、先日、本庶佑先生との意見交換の中では、先生の方から科研費について二点指摘があったというふうに記憶をしてございます。 まずは科研費の配分。かなり一つ一つの採択金額が少額なのでこれはもう少し大玉化できないか。もう一つは、いろいろな、さまざまな分野が取り扱われておりますけれども、各分野ごとに採択方針なりその方針を決めていくべきではないか。こんな二つの御指摘があったということを記憶をしてございます。 そこで、最初の質問ですけれども、科研費の配分に関する基本的な考え方、基本方針といったものがどういった考え方なのか、これについて伺いたい。またあわせて、分野別の採択方針といったものが現時点であるのかないのか。このあたりについて答弁をいただきたいと思います。
○増子政府参考人 お答え申し上げます。 科研費につきましては、人文学、そして社会科学から自然科学までの全ての分野にわたりまして、研究者の自由な発想に基づいて行われる、基礎から応用までのあらゆる学術研究を支援する競争的資金でございまして、一課題当たり五百万円以下の小規模な研究種目から、一課題当たり五億円以下の大規模な種目、まあ大玉と申してもいいと思いますが、さまざまな研究種目を設定し、研究者が行う研究内容や規模に応じて応募することが可能となっているわけでございます。 応募に当たっては、研究者みずからが審査を希望する分野を選択することとしておりまして、また、配分に当たりましては、各審査区分における応募件数と応募額を踏まえて審査区分ごとの配分額を決定するということになっておりまして、分野ごとの配分は研究者のニーズに応じたものとなっておりますので、分野ごとの配分の方針というのはあらかじめ設定はしておりません。 研究者から研究種目の上限額の範囲内で応募がなされ、審査を行っているところでございますが、学術研究の多様性を支え、その裾野を広げるため、小規模の研究種目についてはより多くの研究課題を採択する一方で、大規模の研究種目や挑戦的な研究種目についてはより厳選した採択をする、そういう考え方でやっております。 文科省といたしましては、今後とも、多様な研究を支援すべく、科研費制度全体の充実を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○浅野委員 わかりました。 かなり少額のものから大きな金額のものまで各区分があって、そこを選択していただくことで、大玉が欲しい研究者は大玉のところに応募してくれ、そういうことだと思うんですけれども。その一方で、最近の傾向としては、数百万円前後の比較的少額な科研費案件については、かなり定常的に応募をしないと、大学側の研究資金を維持するために、機械的に行われているような懸念もあるというふうに聞いております。 過去、二〇〇四年以降の国立大学の法人運営費交付金予算額の推移をちょっと確認させていただきましたら、二〇〇四年から二〇一二年までの八年間は、ほぼ毎年、五十億円から百億円規模でその予算全体が縮小、縮小、毎年五十から百億円規模で縮小され続けてきたという経緯があります。二〇一三年以降はこの水準がほぼ横ばいにはなっているものの、やはり、こうしたことが一つの要因になっているかどうかも含めて、しっかりとそのあたりの検証は行っていただきたいと思います。 二問目は、分野別の採択基準がないというふうに先ほどおっしゃったわけですけれども、例えば平成三十年度の科研費の助成事業の配分実績を見させていただきました。最近、いわゆる第四次産業革命という流れの中で、情報科学、情報工学分野、非常に産業界も力を入れておりますけれども、この分野についての科研費というのが、科研費全体の約四%という予算がこの分野に充てられているということであります。 応募総数が四千百五十七件に対して千二十件の採択ということで、採択率としては大体二五%。ほかの区分と比較しても採択率には大きな違いがないんですけれども、これだけソサエティー五・〇とか第四次産業革命、情報革命と言われている世の中にあって、アカデミアの分野でその応募が四千件という、ほかの区分では数万件、桁が一個、二個違いますので、そういった部分では、分野別の採択方針といいますか、周知のレベルなのかもしれませんが、このあたりについてもう少し改善する必要性もあるんではないかなというふうに思うんですが、このあたりはどうお考えでしょうか。
○増子政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、分野によって、採択率、採択額、かなり違ってきております。 情報の分野におきますと、先ほど先生おっしゃられたように、四%ということでございまして、これは応募の件数にかなりよるものと思いますし、また、情報の分野というのはいろいろな分野にまたがっていますので、融合分野ということで、他の領域に提案することもあろうございますので、一概に情報だけの分野が少ないということにならないと思いますし、また、科研費以外でも、JSTの戦略創造事業とか、大きな戦略目標を立てて情報分野をサポートする、そのような形もありますので、いろいろな競争的資金を組み合わせながら、しっかりと特定の分野に限らずサポートしていきたいというふうに考えております。
○浅野委員 ありがとうございます。 続いて、産学連携の高度化について、質疑をさせていただきたいと思います。 クロスアポイントメント制度というものがございます。これはどういうことかといいますと、複数の、例えば、大学間あるいは大学と民間企業の間で、一人の研究者が、職員が、常勤として二つの籍を持ちながら勤務をする、研究活動をする、そんな制度でございます。 こちらについては、近年、制度がつくられまして、運用もされているんですけれども、やはりこれまでの科研費の議論、まあ、いいアイデアが出て、そこにしっかり研究資金がついて、伸びていく、そういうことでありますので、まずいいアイデアを出しやすい環境をつくるという意味では、このクロスアポイントメント制度というのは非常にこれから伸ばしていくべきではないかなというふうに思っておるんですが、この制度の運用状況について、まずは御説明をいただきたいというふうに思います。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 クロスアポイントメントは、先生御指摘のとおり、大学と企業等が組織間で協定を締結し、すぐれた知見を有する卓越した人材が双方の組織で業務に従事することを可能にする、人材の流動性、多様性を高める取組でございます。 実績でございますが、平成二十九年度に大学等が他機関から受け入れた人数は二百四十五人、これは前年度比で申しますと五一・二%増でございます。このうち、企業や研究開発法人等から百十三人、他大学等から百三十二人となっており、クロスアポイントメントについては年々増加をしております。 一方、クロスアポイントメントをめぐる課題といたしましては、特に産業界において趣旨が十分に浸透しておらず、必ずしも十分に活用されていないとの指摘もございますことも私ども認識しておりまして、文部科学省といたしましては、クロスアポイントメントを実施するための手引を作成するとともに、経団連と連携して、マッチングに向けた協議会を全国で開催するなどして、取組の普及啓発に努めているところでございます。
○浅野委員 ありがとうございます。 本日お配りした資料の一をごらんいただきたいんですけれども、少し古い平成二十八年度の実績値になりますが、特に三つ表があります真ん中の表を見ていただきますと、他機関から大学などへの受入れ人数ということで、企業の部分を見ていただくと、平成二十八年度三十七名というふうに掲載がされてございます。 今の答弁の中では、もう少し大きな数字が出ていたように思いますけれども、そうはいっても、数十名から百数十名のオーダー、日本全国で見てこのオーダーですので、もっともっと広く普及させていくべきではないかというふうに思っております。 今、周知啓発活動等も行っていくということでありますが、大学側はかなり認知度が高まっているような話も伺っているんですが、民間企業がもっとこの制度を知って、あと、大企業の研究者のみならず、中小企業の優秀な人材の方にもこういう制度にどんどん参画していただければ、もっともっとたくさんのアイデアが出て、イノベーションが起こりやすい環境が生まれていくんじゃないかなというふうにも思いますので、これは要望にとどめますが、ぜひ、より一層、積極的な周知活動の展開、運用の普及をお願いしたいというふうに思います。 続いて、このクロスアポイントメント制度を更に発展させた形といいましょうか、もう少し先進的な事例として、今回京都大学でも見せていただきましたが、京都大学の場合は、アステラス製薬さんほか、複数の会社と共同ラボというのをそれぞれ設立をして、イノベーションの創出に向けて活動されているということであります。 ただ、この視察の中で一つ課題をいただきましたのが、共同ラボということは大学と企業で資金を出し合って運営費を賄うわけですけれども、大学側の施設の維持管理費などの間接費、これを民間企業側に求めづらいということで、今のところ大学側がそれを負担しているケースが多く、共同研究、共同ラボをつくればつくるほど赤字が膨らむ、そんな状況なんだという話も伺いました。 ぜひ、ここは企業側と大学側のコンセンサスを形成していただく必要があると思うんですけれども、こうした課題について、政府としてどういう対応を考えているのか、状況について御報告をいただきたいと思います。
○渡邊(昇)政府参考人 お答え申し上げます。 大学と企業との共同研究に際しましては、間接経費の算定方法などさまざまな課題があるということを大学、企業双方から承知しております。 このため、経済産業省では、文部科学省と共同で、平成二十八年度に、産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインを策定をしております。このガイドラインの中では、大学と企業が組織対組織の本格的な産学連携を実施する際に、間接経費を含む費用負担の適正化を図る必要性というのを明記をしております。今現在、このガイドラインにつきましては、産学双方に対して積極的にその周知を図っているところでございます。 今後に関しましては、ただいま御指摘にございましたとおり、企業側の対応ですとか企業と大学のコンセンサスというのは非常に重要だと思っておりまして、実施状況をフォローしながら、実効性のある対策というのを引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。
○浅野委員 ぜひお願いします。 今、答弁の中で触れていただいたガイドラインの中にも、企業側としても、共同研究を行う際の費用の算出の中身にこういう間接費もちゃんと明示して入れてもらいたいというような要望も出ているというふうに聞いていますので、このあたりがしっかり運用されているかどうか、監督、助言等いろいろあると思いますけれども、対応いただければというふうに思います。 続いての質問ですが、今後の日本の産業界を支えると言っても過言ではないと思いますが、AI人材。IT人材というのはよく言われますけれども、AI人材について質問させていただきます。 最近、平井大臣もプレゼンをされているようで、私もその資料を読ませていただきましたけれども、今後、小学校から大学そしてリカレント教育まで含めてAIスキルを幅広い方々に習得していただいて、日本の産業の生産性向上、競争力向上に貢献してもらおう、そういう考えを政府は示しておりますけれども、今後の日本に必要なAI人材像というのがまずどういう人材像なのか、これを改めて簡潔に御説明いただけますでしょうか。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 政府が目指す未来社会、ソサエティー五・〇、これはイノベーションにより経済成長と社会的課題の解決を両立するということでございます。 その実現のためのAI人材像としては、社会のあらゆる分野でまずAIを理解する、そしてAI、人工知能をつくることができる、そしてそれを活用することができて、新たな社会をつくり上げる、さらに、それにふさわしい製品やサービスもデザインをする、新たな価値を生み出すことができる人材ということでございまして、それに対応するためには、まずは全ての国民が、デジタル社会のいわゆる読み書きそろばんである数理、データサイエンス、AI、これに関する知識、技能を持つということが重要でございますが、それにとどまらず、新しい社会のあり方、製品、サービス、これをデザインするための基礎的な力をきちんと身につけることが重要である、そういうふうに考えてございます。 本年夏ごろ策定予定のAI戦略二〇一九において、小学校から社会人に至るまでのあらゆる層での人材育成強化、これに関する具体的な取組を盛り込んでまいりたい、そのように考えております。
○浅野委員 非常に高いレベルが求められるような感触を受けましたけれども、これから具体的な中身を策定するということなんですが、これをどういうフェーズで、どういう教育で人材を育てていくのかというのは、やはりある程度のビジョンは示していただきたいというふうに思っておりまして、AI人材の育成課題、今現状言える範囲で構いませんけれども、どういった課題を認識されていて、どういった方針で育成をしていくのか、このあたりについて答弁をいただきたいと思います。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 現在策定中のAI戦略におきましては、先生の問題意識をそのまま踏まえまして、同じように、社会のあらゆる分野でAIをつくるためにどういう人材が必要かというのを考えておるところでございます。 なかんずく、いろいろな課題があるんですが、一つの重要な課題として、文理分断が一つの大きな課題ではないか。ここから脱却するための教育改革が不可欠で、具体的に申し上げると、情報1、これから学ぶことになりますけれども、そういった高校生が入学する二〇二五年、このときまでには、文理を問わず、全ての大学・高専生が初級レベルの数理、データサイエンス、AI、これはちゃんと習得している、こういう状況まで持っていきたい。また、文理を問わず、年間約二十五万人規模の大学・高専生が、みずからの専門分野への数理、データサイエンス、AIの応用基礎能力を習得するということを目指すということでございますが、そのためには教えることをどうしたらいいかというのが一つの大きな課題になってきております。 そのため、標準カリキュラムの開発と全国展開というのを、今、文科省を中心にやっておりますが、それだけでは足らなくて、海外を含むすぐれたオンライン講座、MOOCの活用であるとか、それから、AIと専門分野のダブルメジャー、そういったものの学位取得、こういうものもきちんと活用していきたいし、さらに、大学に意識改革をやっていただかないと、とても教育ができませんので、大学のすぐれた教育プログラムを政府が認定する、こういった制度を構築する、こういったさまざまな手段を通じてAI人材をしっかりと育てていきたい、そういうふうに考えているところでございます。
○浅野委員 非常にこれは壮大な挑戦になると思います。ぜひ政府としてはしっかり検討をいただきたいというふうに思います。 最後になりますけれども、AIの技術というのは、技術自体は今学ぶことはできるんですけれども、これをどう社会実装するのか、それでどう課題を解決するのかというところが非常にこれから重要になっていくと思います。やはり、大学までの教育の中のみならず、産業界、いわゆる現場とどうやって連携をして実戦力のある人材を育てていくのかについては、今後また議論させていただきたいというふうに思います。 きょうは終わります。ありがとうございました。
○古本委員長 次に、青山大人君。
○青山(大)委員 国民民主党の青山大人でございます。 先日は、京都の方への貴重な視察の機会を、まことにありがとうございました。やはりこうやって、委員会としてみんなで先進的な事例ですとか又は研究の方の話を聞くというのは、非常に有意義だなというふうに改めて実感をいたしました。 ぜひ、委員長、これからもこういった機会を委員会の方で積極的に提案していただいて実施していただけるように、私からも要望させていただきます。お願いいたします。 大体、視察を踏まえた質問は結構多かったものでして、私の方からは、視点を変えまして、大臣始め、ちょっと別の観点の質問をしていきたいというふうに思っております。 まず、先日、アメリカのトランプ大統領の訪日の際、五月二十七日に行われました日米首脳会談において、両首脳は、月の探査に関する協力について議論を加速することで一致したというふうに聞いております。 きょうの午前中も宇宙開発戦略本部が開催され、アメリカが行う月面探査への参画について国内のあらゆる調整をするようにということで、本部長の方から指示があったというふうにも伺っております。平井大臣も、ゴールデンウイーク中に訪米されて、ペース国家宇宙会議事務局長と会談したというふうにも聞いております。 宇宙分野における日米協力に関し意見交換をされたと思いますけれども、月探査に関する協力などについてこれからどのように取り組まれる方針なのか、大臣の考えをお伺いします。
○平井国務大臣 けさ、第十九回宇宙開発戦略本部を開催をしまして、総理から御指示をいただいたところでございます。 トランプ政権になって以降、月近傍有人拠点、ゲートウエー構想が発表されて、各国に参加、協力を呼びかけています。三月には、五年以内に米国人宇宙飛行士を月面に着陸させる方針を発表するなど、月探査に重点を置いた政策を強化しています。これに対して、具体的な協力のあり方について、文部科学省、JAXA、NASAを中心に検討しなければならないということであります。 きょうの総理からの指示は、米国が進める月周辺の拠点計画、ゲートウエーについて、我が国が戦略的に参画できるよう、具体的な参画方針の年内早期決定に向けて調整をせよという指示を受けました。ですから、ゲートウエーに関しては、アメリカもいろいろなことを前倒しで進めようとしているんだろうというふうに思います。 私自身、五月の連休に米国に出張して、ペース国家宇宙会議事務局長と意見交換を行いました。これまでの国際宇宙ステーション、ISS等を通じた日本の技術の蓄積は非常に高く評価されており、この技術による貢献というものに期待もしていただいています。 その意味で、宇宙担当大臣としては、これから必要な予算の確保に向けてまた各省と調整もしなければならぬ、そのように考えているところであります。
○青山(大)委員 まさに当初は、NASAの方でも、二〇二八年までに月面の有人着陸を目指す計画だったのが、ことしの春に五年以内ということで、大分アメリカのペースが速まったということで、日本もうまく参画できるように、しっかり大臣に、御答弁いただいたように、リーダーシップをとってほしい。 今大臣の方からも、やはり予算の確保というお話がございました。まさに、宇宙関連、サイエンス。ただ、サイエンスだけじゃなくて、やはりそれを利用の分野、まさにこの両立が必要だというふうに思っております。 昨年も、秋のこの委員会において、私も準天頂衛星システム「みちびき」について質問をさせていただきました。そのとき、政府の方からも、さまざまな利活用の事例ですとか、まさに既に幾つかの活用事例のお話もいただきましたが、多くの関係する府や省庁の所管事業等に横断的に便益をもたらすものというふうに思います。 準天頂衛星システム「みちびき」と同じように、宇宙基本計画工程表のポイントにも、準天頂衛星システムと同じように、衛星リモートセンシングも幾つか事例が挙げられております。 このリモートセンシング衛星についても、防災の視点での利用ですとか、環境観測、農業利用など、その利活用の可能性はまだまだ多く眠っていると思います。こういった利活用がより一層進展するためにも、内閣府で平井大臣だけが、こういうのがあるよ、使え使えと言っても、やはりそこを利活用する関係省庁がしっかり予算を確保しなくては私はいけないというふうに思っております。 とはいえ、事務方にその調整を任せることももちろん大事ですけれども、ここはしっかり大臣が、国交省ですとか環境省、農林水産省のまさにトップ、大臣に対して、むしろ各省庁でそういった最新の衛星の技術、そういったものを利用すべきじゃないか、そしてそこをしっかり予算づけすべきじゃないかということを、平井大臣がリーダーシップを図るべきというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○平井国務大臣 ありがとうございます。 委員御指摘のとおり、宇宙の分野に関して、今はもう完全なゲームチェンジが起きているというふうに思っていて、それは、やはりデータの利活用というものがイノベーションを起こすだろうと。宇宙は今まで遠い世界というふうに考えていた方々がそうではないんだというふうに思ったところから宇宙開発のペースが上がっているというふうに思います。ですから、宇宙利用が社会、産業システムを変革する、まさにディスラプティブなイノベーションを起こそうとしていると思います。 準天頂衛星「みちびき」による高精度測位データやお話しになったリモートセンシングデータを地上のさまざまなデータやAIと組み合わせることが重要であり、こうした認識のもと、関係府省と力を合わせて、利活用の促進、予算の確保に取り組みたいと思います。 具体的には、「みちびき」の利活用については、昨年度より、関係府省の副大臣やJAXA、産業界等を構成員とするタスクフォースを立ち上げまして、これまでに四回開催しています。農業分野の自動走行とか交通分野の車両運行管理といった先進的な取組事例を共有するなど、官民一体となって取組を推進しています。 また、リモートセンシング衛星のデータについても大量のデータが得られる時代になりまして、実は、養殖業とか都市の3Dマップなど幅広い分野で多くの利活用事例が生まれています。 これに加えて、ことしの二月、誰もが政府衛星データに容易にアクセスできる、オープンでフリーな衛星データプラットフォーム、これは経産省ですが、テルースの運用を始めました。 今後とも、衛星データの利活用は国富に直結するという認識のもとに、関係府省庁との連携を強化して、まずは、データ利活用によって新しいいろいろな価値を生み、そのためにまた予算というものも確保して、官民挙げて取り組んでいきたい、そのように思います。
○青山(大)委員 本当に大臣おっしゃったように、農業なんかでも、森林調査とかの調査で、今まではある意味人海戦術でやってこられたところが、こういった衛星の技術を使うことによってスマート化を図ることができるということは言うまでもありませんし、まさに国が、ちょっとこれは横文字なんですけれども、アンカーテナンシーというんですか、民間の産業活動において政府が一定の調達を保証することにより産業基盤の安定を図ることですね。まさにそういったことを踏まえて、大臣に、各関係する所管庁のトップにぜひ働きかけて、しっかり予算づけしてほしいと改めてお願いを申し上げます。 また、次の質問ですが、大臣は積極的に、平井ピッチということで、いろいろな企業家の声を聞かれるということで若手の声もたくさん聞いているということで、非常に評価をしておりますけれども、宇宙分野もベンチャー企業が非常に活気を帯びている分野でもございます。 ぜひ、日本発の宇宙ベンチャー企業が国際競争力のある企業へと成長できるように支援をしていってほしいと思いますし、また、今も、S—NETとか宇宙ビジネスアイデアコンテスト、エスブースターですか、などもやっていますけれども、こういったものが更に効果的な成果が上がるように、ちょっとさっきの質問とも似通ってしまいますけれども、国や地方自治体がアンカーテナンシーとして利用していくためのある意味ガイドラインなんかも今後策定することも必要かなと思っておりますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○平井国務大臣 委員がお話しになったとおり、ピッチ・ツー・ザ・ミニスターという懇談会には、宇宙ベンチャーの方々、私が直接足を運んでお話を聞くということも多かったんですが、ほぼ話を聞かせていただきました。ウミトロンとか、インターステラテクノロジズ、アクセルスペース、アストロスケール、流れ星のALEとか、ispaceとか、それぞれ本当に今頑張っています。 そういうところに対してやはり我々は支援をしていかなきゃいけないというふうに思っておりまして、久々に宇宙分野でのスタートアップが活況を呈していると言っても過言ではないと思います。 政府として、こうした動きを支援するために、昨年三月に、宇宙ビジネスに向けて、今後五年間で、官民合わせて百億円のリスクマネーを供給するということを可能とするために、宇宙ベンチャー育成のための新たな支援パッケージを発表しています。 なお、具体的には、日本政策投資銀行などの政府系金融機関によるリスクマネーの強化、そして、国内のみならずアジア、オセアニアからも日本の宇宙アセットを利用したビジネスアイデアを募集するエスブースターの実施、そして先ほどお話ししましたオープンでフリーな衛星データプラットフォームのテルースというようなものの構築に現在取り組んでいます。 企業の成長段階に応じたきめ細やかな支援を通じて、やはり宇宙ベンチャー、企業の支援をしたいというふうに思っていて、アメリカなんかも民間に対する発注、あれがXなんかはそこまでちゃんと実績を踏ませるというようなこともありまして、そこまではいかなくとも我々もできることからやっていきたい、そのように思います。
○青山(大)委員 ありがとうございました。 次の質問に行きます。 三月七日付で、第二十四回未来投資会議にて、ドローンの有人地帯での目視外飛行、すなわちレベル4の目標時期は二〇二〇年を目途とし、それに向けて二〇一九年度までに制度設計の基本方針を決定するなど、具体的な工程表を作成するというふうに聞きました。 そういった話を受けて、私たち、国民民主党茨城県連も、先ほどの浅野代表のもとでドローン勉強会を発足させて、今会議をやっていますけれども、例えば、先ほどちょっと話した準天頂衛星システム「みちびき」なんかもドローンの分野で利用される可能性が高いというふうにも聞いていますし、積極的にこれら複数の先端技術の融合を図っていってほしいと思います。 と同時に、最初の質問ですけれども、災害時、自衛隊、消防、自治体の連携、郷土の事業者や、当然国交省の地方局なんかも、今後、多くのドローンが災害時に飛び交うことが想定をされます。そういったことを踏まえまして、災害時の利用のガイドライン、そういったものをそろそろ策定すべきかなと思っていますけれども、災害時のドローンの利用のガイドラインについて、いかがお考えでしょうか。質問させていただきます。
○米山政府参考人 お答えいたします。 災害時におきましては、各省庁や地方自治体等が被災状況の把握等のためにドローンを活用しておりますが、これまでのところ、衝突事故等の問題は生じていないと承知しております。 ドローンに係る一般的な衝突回避策につきましては、既に基本的なルールがガイドラインとして発出されており、さらに、当該ルールの義務づけを含む航空法の改正案が審議されているところです。また、災害現場での運用につきましては、現地調整所等におきまして、関係機関の間で調整することが可能であると承知しております。 今後、災害対応を含め、更に多くのドローンが飛び交うことが想定されますので、政府といたしましては、そのような状況におきましても安全を確保するために、衝突回避技術や運行管理システムの技術開発などを進めることとしております。
○青山(大)委員 今は、特段そういう危ない事例はないとおっしゃっていましたけれども、今後のために今のうちにやった方がいいと思うんです。 昨年の西日本の豪雨災害時も、当然、救難、救助機を優先し、そういったドローンの自粛の指示が出てしまったというふうに認識していますけれども、やはりドローンを飛ばして全体像を把握することも私は非常に有効だと思います。 平成二十七年の茨城、栃木の鬼怒川の豪雨災害のときも、多分、あのときがドローンを飛ばして全体の災害状況を把握する最初の事例だったかもしれませんけれども、非常に有効だったというふうにも伺っておりますし、ただ、今後、そういった中で、ある程度ルールづくりの方を進めてほしいというふうに思っております。 もう一点、ドローンの異常時の落下対策として、最近アメリカなんかでは当然パラシュートの装備が考えられるんですけれども、火薬取締法の制限なんかもあって、なかなか日本では使いにくい部分なんかも聞いております。火薬類取締法以外でも、今後ドローンがさまざまに活躍する中で、そういった規制緩和が必要な部分もあるというふうに思っております。その点についてはいかがお考えでしょうか。お願いいたします。
○古本委員長 申合せの時間が来ていますので、簡潔にお願いします。
○米田政府参考人 お答えいたします。 火薬類取締法では、火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、消費その他の取扱いを規制しておりまして、火薬類を利用する製品であるドローン用パラシュートについても原則として適用されることになります。 一方、少量の火薬類しか利用しない製品などについては、その使用のたびに許可を求めるものではなく、製品として事前に安全性を評価することで適用除外としているところでございます。既に自動車用エアバッグなどもこの適用除外を受けているところでございます。 ドローンにおけるパラシュート展開のための火薬類の利用につきましても、具体的に技術的に評価いたしまして、安全性が確認されたものについてはこの適用除外制度を活用していきたいと考えております。 以上でございます。
○平井国務大臣 先ほどの答弁で、五年間、官民合わせて百億円と言いましたけれども、これは一千億円の間違いで、訂正をお願いします。
○青山(大)委員 以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○古本委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。 各委員からも御発言がありましたけれども、私も、五月二十日、当委員会で京都大学高等研究院に一緒に伺いまして、本庶佑副院長・特別教授からお話を伺ってまいりました。基礎研究への政府への支援を強く求めておられました。 きょう資料に配付させていただきました二〇一九年版科学技術白書でございますけれども、この基礎研究の重要性に光を当てて、ノーベル賞を受賞した四人の研究者のコメントを紹介しております。少し御紹介させていただきます。 免疫反応にブレーキをかけるタンパク質であるPD—1を発見し、二〇一八年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京都大学特別教授の本庶佑氏は「生命科学はどういうデザインになっているかを、まだ私たちは十分理解していない。 生命科学はデザインを組むこと自体が難しい。応用だけをやると大きな問題が生じると思う」と指摘している。 登山に例えて、 多くの人がたくさんの山を踏破して、そこに何があるか理解して、どの山が重要か調べる段階だ」と基礎研究における多様性と広がりの重要性を訴えた。 「オートファジー」という細胞に備えられた分解機構の中心の一つを分子レベルで解明し、二〇一六年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典氏も、政府の助成対象として産業や医療への応用研究が重視されている現状について「とても危惧している」と指摘し 「技術のためではなく、知的好奇心で研究を進められる大事な芽を大学に残してほしい」と訴えている。 「基礎研究だけで良いわけではないが、基礎研究がないと新しい進歩はない」 国の研究開発の方向性が実用化を想定した出口戦略重視へと移りつつある中で「基礎研究は応用研究と同じ価値判断で評価されるべきではないし、先が分からないから面白い」と強調した。 世界で初めてニュートリノに質量があることを発見し、二〇一五年にノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章氏も「当初の実験目的とは違って予期せぬものが見えたことも、科学研究の醍醐味。この研究は何かすぐ役に立つものではないが、人類の知の地平線を拡大するようなもの」 「基礎研究は、今すぐ私たちの生活に役立つ性格のものではない。やがて人々の生活に役立つという側面と、物事の真理、自然界のより深い理解に近づくことを通して、人類全体の共通の知的財産を構築する側面、その二つがある」と言及している。 それまで不可能とされていた「タンパク質を壊さないでイオン化すること」に世界で初めて成功し、二〇〇二年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏は、「何かを初めて実験する場合、失敗が多いが、その中に大変新しい展開が隠れている場合がある。百人中九十九人は落胆してしまうだけの失敗も、自分が何をやったかをきちんと解釈すると、ほかの人が見過ごしてしまうような、百に一つ万に一つの発見に結びつけられるチャンスが転がっている」と、失敗を繰り返しても実験を続ける基礎研究の重要性を述べている。 少し御紹介をさせていただきました。 政府は、日本の研究力が低下している現状を踏まえ、この間、取組をいろいろ行ってこられたと思います。より根本的には、白書も指摘しているとおり、基礎研究による新たな知の創造や蓄積が長期的な社会課題の解決や新産業の創出にも結びついていくのであって、研究者の内在的動機に基づく独創的な研究を支援することが重要なのではないかと思います。 平井大臣の基礎研究の重要性に関する御見解はいかがでしょうか。
○平井国務大臣 基礎研究は多様で卓越した知を生み出すイノベーションの源であり、とても重要だと思います。したがって、その強化を図ることに全力で取り組まなければならないと思います。 我が国における注目度の高い論文における日本の順位の低下など、我が国の基礎研究力の低下が危惧されているということも承知をしています。 その上で、政府としては、昨年六月に決定した統合イノベーション戦略に基づいて、イノベーション創出につながる好事例を産学関係者への横展開を進める大学支援フォーラム、PEAKSの創設、科研費における若手研究者への支援の重点化など、さまざまな取組をやっているところであります。 さらに、人材、資金、環境の三位一体改革により、我が国の研究力を総合的、抜本的に強化するため、今年中を目途に、大学、国研等における企業との共同研究機能強化や、研究にすぐれた者が研究に専念できる仕組みづくりを始めとする研究力強化・若手研究者支援総合パッケージを策定します。 このような取組を通じて、引き続き、我が国が世界で最もイノベーションに適した国へ変革するため、統合イノベーション戦略に基づき、関係府省と連携して、基礎研究の支援、そのための環境整備の推進などに積極的に取り組んでまいります。
○畑野委員 そこで、文部科学省に伺いたいのですが、研究開発力の強化をうたい、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律がことし一月施行されました。研究開発法人の外部資金獲得の選択肢を拡大するために、研究開発法人が出資できる対象が拡大されたわけです。 これを受けた第一号として現在進められているのが、理化学研究所のイノベーション技術支援法人構想です。資料二枚目です。この法人は、一、TLO、技術移転機関機能、二、ベンチャー支援機能、三、共同研究促進機能、四、会員制共創機能という四つの機能を持つことになると言われております。 TLOには内部TLOと外部TLOがありますが、それぞれの特徴、そしてメリット、デメリットはどのようなものでしょうか。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 現在、大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律に基づきまして承認されておりますTLOは三十四機関ございまして、このうち、内部型が十四、外部型が二十となっております。 両者の特徴などにつきましてでございますが、一般的には次のとおりと認識しております。 内部型の場合は、大学の一部として設置されておりますため、大学全体として一体的な運用がなされやすい。その反面、大学内のそのほかの業務も発生いたしますので、機動力には制約が生じ得るというふうに考えております。 また、外部型の場合でございますが、企業手法による効率的な経営を通じまして、ライセンス先の開拓など、機動力に強みがあるというふうに認識しております。さらに、外部型の場合は、複数大学との連携が容易なため、活発な技術移転活動が期待されるという特徴があると認識しております。
○畑野委員 理化学研究所が進めているイノベーション事業法人構想のTLO、技術移転機関の機能について、文科省は理研からどのように説明を受けておられますか。
○増子政府参考人 お答え申し上げます。 イノベーション事業法人構想におけるTLOの機能といたしましては、理化学研究所の研究者からの発明相談への対応、企業の市場調査を含む知財発掘、権利化の戦略的な遂行、さらに、企業との間での知財のライセンス契約業務、具体的には、企業へのライセンス営業活動やライセンス契約交渉、このようなものが想定されているものと理化学研究所から聞いているところでございます。
○畑野委員 この二枚目におつけした資料によりますと、イノベーション事業法人構想によりますと、TLO機能のところですが、法人が企業に対し特許の使用権を与えて、企業からライセンス料を受領するというふうに書かれております。特許は理化学研究所が所有しておりますので、法人が企業に使用権を与えることはできないと思うのですが、この資料は不正確で誤解を与えるのではないかと思いますが、いかがですか。
○増子政府参考人 お答え申し上げます。 この資料ではちょっと不適切で、誤解を与えるものじゃないかと思います。 正確に申しますと、イノベーション事業法人は、理研の保有する特許等の知財に関する情報を企業にまず紹介いたしまして、ライセンスに関する営業活動及び契約交渉は行いますが、こうした活動を通じて企業との間で契約が成立した場合、そのライセンス収入は、まず知財の所有者でございます理研に入った上で、その一部が、イノベーション事業法人に対してライセンス報酬、そのような形で配分されるものと聞いているところでございます。 以上でございます。
○畑野委員 確認しました。 この法人をめぐっては、理研で知的財産管理やライセンス契約、共同研究契約の業務に従事している職員の一部を法人に出向させて、二年程度の出向期間終了後は、理研を退職するか、理研のほかの業務に従事することとされている。これらの職員は弁理士資格などを持つ専門家でありまして、こうした専門的方々を二年で退職させるなど、業務に支障を来しかねないと思います。 また、法人設立によってライセンス収入や共同研究収入が飛躍的に増加するような説明がされているそうなのですが、具体的な根拠が説明されているわけではない。現場職員と管理職との会合や労働組合との団体交渉で繰り返し指摘されているにもかかわらず、理研の側は聞く耳を持たない対応だとも伺っているんです。 理研は現場の職員が納得できるよう説明責任を果たすべきだと思いますし、また、多くの不安がある中で性急に事を進めるべきではないと思いますが、文科省としてはどのように対応されていくおつもりですか。
○増子政府参考人 お答え申し上げます。 イノベーション事業法人構想につきましては、五月十六日に、理研から法律の規定に基づく認可申請を受けたところでございまして、今後、外部の専門家からの意見聴取等を通じまして、その申請内容の認否に係る判断を行うということを考えております。 先生から、労働条件など不安の声が多いという話がございましたが、理研によりますと、イノベーション事業法人において業務に従事する職員の採用形態につきましては、まず理研からの出向、さらには企業からの出向、あるいは広く一般からの公募による採用、そのようなものが想定されているところでございます。 このうち理研からの出向については、職員本人の意向をしっかりと確認した上、労働条件等に関して職員との間で合意が得られない限り、こうした形での雇用はなされないということを理研の方針として文科省としても確認しているところでございます。 理研からは、これまでにも職員向けの所内説明会の開催などを含めまして職員との対話に努めてきたというふうに聞いておりますが、引き続き職員との丁寧な対話を通じて適切に対応がなされていくことが重要であるというふうに考えているところでございます。 文部科学省といたしましても、イノベーション事業法人の事業計画の整備状況とか財務状況、この辺の健全性について適正かつ慎重に審査がなされるよう、しっかりと対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○畑野委員 おっしゃったように、現場の職員や研究者の納得が得られないまま法人設立を進めてしまいますと、優秀な方々が理研を離れていかざるを得ない。ライセンス収入や共同研究収入など、民間企業からの収入を着実にふやしていると伺っている理研の実績がかえって悪化しかねないというふうに思いますので、丁寧な対応を重ねて求めておきたいと思います。 平井大臣は、第四十四回総合科学技術・イノベーション会議で、オープンイノベーションの活性化に向けた新たな方策として出島化を提起されておられます。具体的にはこれからだと思いますし、今後吟味が必要になるというふうに思っております。 それに特に触れるわけではないのですが、五月二十日の当委員会での視察で京都に伺った折に、京都大学から、先ほど委員長も報告でお話しされておりましたけれども、産学連携を行う場合においては、企業からの間接経費の負担が十分でないなどの御意見を伺ってきたところです。 おっしゃっておられたのは、産学連携について、大学と企業の関係は公平でないといけない。日本では、多くの大学で産学連携を行えば行うほど大学が痩せ細ってしまう。日本では、共同研究の場合、企業側が負担する間接経費は共同研究費総額の一〇%から三〇%だそうだが、三〇%というのは極めてまれで、通常は一〇%程度とのこと。この場合、設備投資のほとんどを大学が自前でやることになる。アメリカのハーバード大学やスタンフォード大学では五五%、イギリスでは六〇%の間接経費が認められているという。 大学と企業の契約上の問題だと突き放すのではなく、こうした現場の声を受けとめて何らかの手だてを検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○平井国務大臣 我が国がグローバル競争に打ちかって持続的な成長を実現するためには、大学や国研が知識集約型産業の中核となるイノベーションエコシステムを構築することが不可避かつ喫緊の課題であると認識しています。 そのため、政府においては、内閣府、文部科学省、経済産業省が戦略的に連携して、大学と産業界にとってウイン・ウインな関係となる産学連携が持続的に行われるようなさまざまな取組を進めているところであります。 御指摘の現場の懸念については、平成二十八年十二月に策定した産学官連携による共同研究のためのガイドラインの好事例を周知するほか、本年度設置した大学支援フォーラム、PEAKSにより、イノベーション創出につながる好事例を産学の関係者に展開し、現場の懸念を払拭していきたい。私も同じ問題意識を持っておりますので、そのようにしたいと考えております。
○畑野委員 本庶佑先生から特許の扱いについて伺いましたけれども、日本の企業に国際的に通用する常識があればアカデミア側は外資企業に話を持っていくことはしない。ところが、日本の企業との特許の話では非常に時間がかかる。そして値切ろうとする。そのため、アカデミアの不信感が強いというお話も伺ってまいりましたので、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。 また、その会議で、平井大臣が研究力強化の肝は人材、資金、環境として、それぞれ現状を分析されておられます。資料の三枚目、四枚目、つけさせていただきました。 時間が参りましたから、一言だけ御答弁いただきたいと思います。 研究力強化に向けた基本的考え方の転換というふうに平井大臣はお示しされておられます。これは、選択と集中というこれまでの考え方を転換するということなのでしょうか。
○平井国務大臣 我が国の研究力が低下傾向にある中、このままでは世界との格差が拡大する一方であるという危機感はあります。この研究力の低下傾向から抜け出すために、世界標準の目標を設定して、従来の延長線上から脱却するといった研究力強化に向けた基本的な考え方の転換が必要だと考えています。 具体的には、海外トップ大学や企業並みの経営力を備え、若手に活躍の機会を与え、国際的な環境に置くことで、競争力のある研究人材を輩出して世界標準の研究環境を実現するため、局所的な改善措置ではなく、総合的、抜本的な改革を行いたいと思います。ことしじゅうを目途に研究力強化・若手研究者支援総合パッケージを策定して積極的に取り組んでいきたいというふうに考えています。 また、基盤的経費と公募型経費の最適な配分を考慮して研究資金全体の効果的、効率的な活用を図ることを政策の基本に据えており、選択と集中を政策として行っているわけではございません。
○畑野委員 科学技術・学術政策研究所が二〇一八年版報告書を出しているんですが、やはり、基盤的経費は年々減少傾向にある、特定研究室、特定分野への予算集中が加速しているということが研究環境を悪化させているという認識を示しております。 私は、運営費交付金、とりわけ基幹運営費交付金がこの間七百七億円削減されてきたという問題をこの間の質問でも言っているんですが、同じパイの中で分配してもだめなんですよ。減らされた分を真っ先に取り戻して土台をきちっとつくった上で、その先をどうしていくかということが検討されるべきだということを重ねて申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○古本委員長 次に、森夏枝君。
○森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。 科学技術・イノベーション推進特別委員会におきまして質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。 それでは、質問に入らせていただきます。 まず、自動運転について伺います。 自動運転の実現による社会変革に対する期待は高く、平成三十年六月の官民ITS構想・ロードマップ二〇一八においても、「自動運転システムの開発・普及及びデータ基盤の整備を図ることにより、二〇三〇年までに「世界一安全で円滑な道路交通社会」を構築・維持することを目指す。」と記されています。また、平成二十八年一月の第五期科学技術基本計画が掲げるソサエティー五・〇の実現に向けて先導的な役割を果たすことは大変価値があり、自動走行が実現すれば社会にインパクトを与え、交通事故の削減、交通渋滞の緩和、ドライバー不足の解消、環境負荷の軽減など、従来の道路交通社会の抱える課題の解決や、我が国として世界に対する貢献にも資すると考えられます。 そこで伺います。自動運転システムの実現に向けた具体的なプロセスについて教えてください。
○三角政府参考人 お答え申し上げます。 自動運転の実現に向けましては、IT総合戦略本部で決定いたしました官民ITS構想・ロードマップにおきまして、二〇二〇年に自家用車による高速道路での自動運転、限定地域での自動運転移動サービスの実現などを目標に掲げまして、官民一体となって取組を進めております。 具体的には、官民が一体となって、信号などの交通インフラと協調した自動運転技術など、自動運転の安全性向上に必要な技術開発を行うとともに、各地の多様なニーズに応じるため、全国各地で実証実験を進めています。 また、自動運転の実用化に必要な法制度の見直しを行うために、関係省庁とともに着実に取組を進めているところでございます。 具体的には、車両の安全基準に関しましては、自動運転車などの設計、製造過程から使用過程にわたる安全性を一体的に確保するために、この通常国会におきまして道路運送車両法の一部を改正する法律案が成立したところでございます。 交通ルールに関しましては、自動運転中の運転者の義務に関する規定の整備などに係る道路交通法の一部を改正する法律案がこの通常国会で成立したところでございます。 万が一の事故のときの責任問題に関しましては、迅速な被害救済を実現するために、自動車損害賠償保障法におきまして、従来の運行供用者責任を維持することとしました。 今後は、これらの法改正に基づきまして制度整備を進めるとともに、引き続き、官民連携いたしまして技術開発、制度整備を一層進めることにより、自動運転の早期実用化に向けて取り組んでまいります。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 この自動運転の特に安全性については、官民連携して、関係省庁とも連携してしっかりと進めていただきたいと思います。先ほどお話もありましたけれども、事故に対する法改正なども今後進めていただけるとのことですので、しっかり進めていただきたいと思います。 自動運転技術が進めば、より快適に移動できるようになります。自動走行の実現には大いに期待するところでございますが、一方で安全対策について懸念が示されています。 六月一日には、無人の自動運転で横浜市南部を走る新交通システム、シーサイドラインの逆走事故が起きました。六名の重傷の方を含む十四名の方が負傷されたというニュースを見ました。現在、事故調査が続いているようですが、しっかり原因究明をして、今後、同様の事故が起こらないように徹底していただきたいと思っております。 来年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、海外からも多くの方々が来られます。日本は時間に正確で、安心、安全な国として認識されております。テロ対策とあわせ、この自動運転技術の安全性には特に力を入れていただきたいと思っております。 アメリカでは、二〇一六年九月のグーグルの路線バスとの衝突事故を始めとして、同年五月のテスラによる死亡事故、二〇一八年三月のウーバーによる死亡事故、テスラによる二回目の死亡事故など、多数の事故が発生をしております。 安全性について最大限の注意を払うことは当然のことですけれども、それと同時に、研究開発もおくれをとらないようにしないといけません。安全性を確保しつつ、自動走行実現にスピード感を持って、移動革命を早期に実現すべきと考えます。 この実現に向けて官民が実証実験、社会実装をスピーディーに行える環境整備についての支援策をぜひ教えてください。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 先ほど政府参考人の方からお答えしましたとおり、基本的には、官民ITS構想・ロードマップに従って、まさに政府全体として実証実験も含めて取り組んでいるところでございます。 この自動運転を安全な形で早期に実用化していくためには、先ほど答弁がありましたような制度面に加えて、御指摘のとおり、技術面の取組をどうするかという話と、それから、実際にどのように実証していくかというのが極めて重要になっております。 技術面におきましては、内閣府で、SIP、戦略的イノベーション創造プログラムで自動運転部門を極めて重要な分野として位置づけておりまして、その早期実用化を目指して、特に安全面の技術領域などにも重点を置きながら、研究開発をきっちりと進めているところです。 また、もう一つの実証面では、具体的なプロジェクトとして、特に大規模で先端的な実証試験は国みずからが取り組むということで、この秋から、インフラ協調型の自動運転の実証試験を、オリンピックとさっきおっしゃいましたが、東京臨海部で産学官が結集をして、世界にも呼びかけて実施することになっております。 この実験では、公道における実証実験であったため、先ほど政府参考人が言ったような制度に基づいて、警察庁が定めたガイドラインを遵守して、例えば、運転手が緊急時には必要な操作が行えるとか、関係機関にすぐに事前連絡できるなど、安全の確保をしっかり図っておりまして、こういった形で、安全面の対策も含めて実証試験をしっかりやっていくという検討を行ってやっているところでございます。 今後ともスピーディーに進めていきたい、そのように思っております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 政府全体で実証実験等もスピーディーに進めていただけるということで、しっかりと安全性を確保した上でお願いしたいと思います。 高齢化に伴い、高齢ドライバーによる事故が後を絶ちません。昨日も高齢ドライバーによるアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故も起きました。最近では、ペダルの踏み間違い事故防止のための先進安全技術も開発され、障害物をセンサーやカメラで検知し、警告音でドライバーに注意喚起をしたり、エンジンやブレーキを自動制御する車両がふえています。とうとい命が失われることのないように、交通事故を減らすための技術開発にも力を入れていただきたいですし、期待をしております。安全第一で、そしてスピード感を持って環境整備に努めていただきたいと思います。 それでは、次の質問に移ります。 人工知能、AI技術を活用できる人材の育成について伺います。 先週、京都府木津川市がIT企業と連携して、これまで職員が担ってきた定型的な事務作業をAIやロボットによって効率化する実証実験をことしの夏に行うことが決まりました。その後、実験結果を検証し、本格導入を目指すとのことです。 既に他の地方自治体でも、企業と連携し、AIやロボットによる業務効率化のための実証実験も進められております。職員の負担軽減、人手不足の解消の面からも、全国で早期に導入が進めばと思っております。そのためには、AI技術を活用できる人材が必要になります。 本年三月二十九日の統合イノベーション戦略推進会議において、AI技術を活用できる人材を年間二十五万人育成する大胆な戦略案を取りまとめ、公表されました。この人材育成の工程について教えてください。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 ことしの夏に策定予定のAI戦略におきまして、ただいま御指摘のありました人数の目標、みずからの専門分野でAIを応用できる大学・高専生の育成規模を年間約二十五万人、そのように目標として設定したいということを考えております。 これは、大学の理工系、それから医歯薬系学部の一年当たりの学生数十六万人、それから、人文社会系の学生の大体三〇%、これは経営とか経済とか商学部系の学生を念頭に置いておりますが、十一万人を念頭に、大体二十五万人ぐらいをきっちりと専門分野で使いこなせるような人材にしようじゃないかということでございます。 壮大な目標なのでございますが、これをしっかりと達成するために大学の意識改革を進めていくということで、大学等のすぐれた教育プログラムを政府が認定する認定制度を導入する。それから、加えて、この教育プログラムにどこまで取り組んでいるかというその状況を考慮して、大学等に対する運営費交付金、あるいは私学助成金等も重点化する、こういうことを考えております。 こういったことを通じて、大学と高専、その他もろもろの関係機関と一体となってこの問題をしっかりと取り組んでまいりたい、そのように思っております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。大変壮大な目標だなと私も思っております。 経済産業省の試算では、日本の産業界において、IT人材が二〇二〇年に約三十七万人、二〇三〇年には七十九万人不足すると言われております。今後、IT人材不足はますます深刻化すると予想され、また、サイバーセキュリティー対策に対応できる人材、そして、AIを使いこなし、第四次産業革命に対応できるような高度なIT人材の育成が急務です。今後、多くのIT技術を活用できる人材が求められる時代になると思います。 人材育成は大変重要ですが、年間二十五万人のAI人材育成をするためには、このAI技術について指導できる教員の確保が必要になってくると思います。年間二十五万人育成という目標達成のために、ぜひ計画的に、そして教員への支援もしっかり行っていただきたいと思います。 年間約五十万人が卒業する大学生や高専生全員に、文系、理系を問わず、初級レベルの数理、データサイエンス、IT教育を受けさせ、そして、その中から二十五万人について、それぞれの専門分野でAIを応用できる人材に育成するとのことですが、初学者向けのカリキュラムの作成など、具体的な実装は容易ではないとの専門家の指摘もありますが、政府の対応について教えてください。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 二十五万人も大変なんですが、五十万人になるともっと大変なことになるのは全く御指摘のとおりでございまして、基本的には、初級レベルに対応する標準カリキュラムを開発して横展開するということがあるのでございますが、最近、海外などで出てきておりますオンライン講座であるMOOCは日本でも出てきておりまして、そういった意味では、教材は、英語版ではほぼどこでも幾らでも手に入る状況になっておりますし、日本語の教材もどんどん出てきているようになっております。 こういったオンラインの教育の仕組みをどう利用していくかということが重要でして、どちらかというと、教材の準備も重要なのですが、意識を改革して、こうやって世界やあるいは日本のいろいろなところで存在している教材をどう活用していくか、それが重要じゃないかということでございます。 先ほど申し上げましたとおり、AI教育の認定の仕組みであるとか、あるいは運営交付金や私学助成金の重点化による積極支援などを通じて、全体としてこれを取り組んでいく、そういう意識改革を図っていく、それを通じて五十万人を実際に達成していくということを考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 オンライン教育は非常に重要だと思います。私も指導できる教員を確保するというのは大変難しいことだなと思っておりましたので、海外の技術等も学べるように今後進めていただきたいと思います。意識改革は大変重要かと思います。 次の質問に参ります。 アメリカでは、機械、法律、医療などを組み合わせ、複合領域で専門分野を持つ人材育成を行っているとお聞きしますが、我が国も複数の分野を専攻する人材育成が必要と考えますが、政府として複合領域での人材育成をどのように考えているのでしょうか。
○赤石政府参考人 お答えいたします。 おっしゃるとおりでございまして、複合領域は極めて重要でございます。 二十五万人と申した中に、先ほど御説明しましたとおり、経済であるとか商学部であるとか、当然、生物であるとか医学部であるとか、全ての学部が含まれておりまして、二十五万人に対して専門的なAIの知識を身につけるということは、とりもなおさず複合領域をしっかりやっていくということである、そのように考えております。 加えて、ダブルメジャー等の学位取得につきまして現在文部科学省の方でも検討をしておりまして、そうなってきますと学部横断的な教育もできていくということで、そういうものを一層推進していくということを通じて、横断的な融合的な専門領域、こういうものを進めていくことをしっかりと考えていきたい、そのように思っております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。ぜひしっかりと進めていただきたいと思っております。 世界でもAI人材不足で、AI人材の争奪戦が過熱をしております。AIの研究や開発をリードするトップ人材の約半数がアメリカに集中し、日本には四%しかいないことが明らかになりました。AIの分野ではアメリカや中国におくれをとっており、早急に日本国内におけるAI人材の確保が必要だと思います。先ほどもお話ししましたけれども、大学現場等で混乱が起きないように、国としての支援をしっかりとお願いしたいと思っております。 それでは、次の質問に移ります。 五月二十日に、科学技術・イノベーション推進特別委員会の視察に参加をさせていただきました。視察の機会をいただきましてまことにありがとうございました。 私の地元である京都での視察で、京都迎賓館、京都大学高等研究院、そして京都大学・アステラス製薬共同研究施設の視察をさせていただきました。京都大学の医学領域における産学連携の現場、メディカルイノベーションセンターも視察させていただき、創薬のための組織的産学連携や、産学連携による大学の役割等について御説明もいただきました。 どこの大学でも、教員や研究者の不足、そして研究費の不足の問題等はあるかと思いますけれども、連携し、協力し合うことで、よりよい結果、成果を上げることができているところもあると思います。京都大学以外での産学連携、産学官連携の共同研究の成功事例があれば教えてください。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 近年、社会構造が資本集約型から知識集約型へと急速に変革する中で、大学や研究開発法人は知の源泉としてその重要性がますます大きくなっております。 そのような中で、大学のすぐれた研究成果や技術シーズをスピード感を持って民間企業や市場の創出につなげていくということが非常に大事でございまして、大学と産業界の産業連携におきましても、さまざまな成果、仕組みができております。 例えば、その事例の一つでございますが、大阪大学と中外製薬による免疫学研究に関する包括連携契約によりまして、将来を見据えた大学の基礎研究領域における共同研究の事例。 それから、社会課題解決に向けた共同研究を推進する、これは日立なんでございますが、日立北大ラボ。これは全国で大学三つに設置してございます。大学内に民間企業の研究室をそのまま設置するといったような事例。 それから、山形大学の事例でございますが、有機エレクトロニクス研究等の地方大学におけますすぐれた研究成果を核とした産学連携拠点の事例などがございます。 文部科学省では、こういった組織対組織の本格産学連携の取組を活発化させることによりまして、引き続き継続的なイノベーション創出の推進に取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 産学連携の共同研究は大学側にとっても企業側にとってもメリットのあることだと思います。そして、今後は、AI人材が産学又は産学官を行き来できるような仕組みも必要かと思います。ぜひ国としてサポートをお願いしたいと思います。 次に、科学研究費助成金事業の配分について伺います。 既に他の委員からも御指摘がありましたけれども、京都大学の高等研究院副院長の本庶佑特別教授から、生命科学研究には、若手でも熟年でも関係なく年間一千万から五千万円必要で、少額の科学研究費のばらまきをやめるべきとのお話がありました。百万円を多くの人に配るのではなくて、数は少なくなっても、一千万から三千万ぐらいの研究費を配った方が研究結果が出せるとのお話がありました。 現在の科学研究費助成金の配分について教えてください。また、今後、配分について変更を考えているのかもあわせて教えてください。
○増子政府参考人 お答え申し上げます。 科研費は、全ての分野にわたりまして、研究者の自由な発想に基づいて行われる学術研究を支援する競争的資金でございまして、規模や性格が異なるさまざまな研究種目を設定いたしまして、研究者のニーズに応じて応募することが可能となっているところでございます。 また、審査に当たりましては、学術研究の多様性を支え、裾野を広げるために、小規模の研究種目ではより多くの研究課題を採択する一方で、大規模の研究種目ではより厳選して採択しているというのが現状でございます。 また、いろいろな見直しということもございますが、文科省といたしましては、二〇一八年度から、研究種目、枠組みの見直しや審査区分の大くくり化といった審査システムの見直しなどの改革を本格的に実施しておりまして、応募や審査に係る制度の抜本的な見直しをやっているところでございます。 今後も、こうした改革を踏まえつつ、制度の不断の見直しを行い、引き続き適切な配分に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○森(夏)委員 ありがとうございます。 研究者のニーズに合わせてとのお話でしたけれども、大規模な研究費となるとなかなか採択されないのではないかということで、小規模の研究費を応募される方もいらっしゃると思います。本庶先生は、科学研究費の配分のほかにも、若手研究者、特に三十代に独立させる仕組みの構築も必要だとおっしゃっておられました。 生命科学研究には時間とお金がかかりますが、オプジーボのように、がんで苦しむ多くの人の命を救うことのできる結果を生むこともできます。現場の研究者の声を聞いて、結果の出せる補助金の配分方法、そして研究環境の充実への支援をお願いしたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○古本委員長 次に、重徳和彦君。
○重徳委員 社会保障を立て直す国民会議の重徳和彦です。 先日、委員の皆さん方と、京都大学の本庶佑先生にお会いしたり、あと、京都大学と製薬企業との産学連携の様子を調査に行ってまいりました。 やはり、産業に役に立つということは、全く何の役に立つかわからない基礎研究もあるかもしれませんが、研究者にとってもモチベーションになるというふうなことを、実は、私の地元の愛知県岡崎市の自然科学研究機構という国立の機関があるんですけれども、そこの教授をやっている友人からも聞きました。 例えば、かつて蒸気機関が発明された時期に、普及させようというときに、熱力学というものに研究者が非常に熱心に取り組んだということがあるんですね。石炭の熱が水を水蒸気に変えて、どのように一番効率的に動力に変換できるのかと。こういった基礎研究は、何の役に立つかわからないというよりは、明確に、これは必ず産業の役に立つんだ、こういう思いを持って研究者が取り組まれたということもあると聞きました。その一方で、やはり、本庶先生の言われた基礎研究、この重要性、きょう各委員から御指摘のとおりでございます。 本日、私は、お金の面ももちろん大事なんですけれども、人ですね。研究というのはやはり人が行うものであります。人の重要性について取り上げたいと思います。制度的に言うと、研究者のキャリアパスですね。人生設計というものをどう描くことができるか。この環境づくりの重要性、これを指摘していきたいと思います。 ちょっと振り返りますと、大学院の量的整備ということで、大学院生をすごくふやした、そしてドクターを物すごいふやした時期が平成の前半にあったというふうに聞いておりまして、その結果、たくさん生まれたドクターは、じゃどうしていくのかというポスドクの支援、一万人支援計画というものが二〇〇〇年には立ち上がったということでございました。 ポスドクというのは、結果的には、いろんな評価があると思うんですが、就職先がなかなかうまく見つからなかったというようなこともあって、厳しい評価にさらされているとも聞いております。結局、ポスドクを支援しても、なかなか採用先の企業が、出口が少ないということで、それを見た若手は、ドクター取得を志す学生が減少してしまって、研究人材の質の低下を招いたなんという声も聞いております。 ヨーロッパでは、企業経営者にもドクターが多いというんですね。やはり社会的に、ドクターというのは物事を突き詰める思考能力があるということが認められているということだと思うんですけれども、これに対して、日本ではまだまだそういった地位が築き切れていないのではないかということで、もしかしたらちょっと想定が甘かったのではないかなという気もいたします。 このポスドク一万人支援計画、この成果、どのように検証し、どう評価されているのか、お答えください。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 平成八年に策定された科学技術基本計画、これは第一期の科学技術基本計画でございますが、こちらでは、若手研究者層の養成、拡充等を図るため、ポストドクター等一万人支援計画を掲げました。これに基づき、日本学術振興会の特別研究員事業等の各種事業を活用し、支援を強化いたしました。その結果、一万人支援計画につきましては、四年目の平成十一年度に目標が達成されたということでございます。 また、平成十二年度当時としての評価といたしましては、例えば、この支援計画の対象事業のうち、実態の把握が可能な、先ほど申しました特別研究員事業の支援を受けた研究者は、採用期間終了後五年後に、約八割が常勤の研究職についており、この支援計画によって我が国の研究開発を担う人材を着実に育成してきたことが効果として挙げられておりました。 しかしながら、ポストドクター等を含めた若手研究者につきましては、平成十六年の国立大学の法人化以降、運営費交付金の削減の一方で、競争的資金、これがふえてきましたこと、さらに、同時期の教員の定年延長が法人化の時期と重なりまして、そういったことによりまして、若手教員の安定的ポストの減少、教員の高齢化などが顕著となっており、任期つき教員の割合が増加するなど、若手研究者の安定的な雇用環境の確保に課題が出てまいったことを認識しております。 このため、文部科学省では、ポストドクターに限らず、若手研究者が安定かつ自立したポストについて研究できる環境を実現するため、多様な研究機関において活躍し得るキャリアパスを提示する卓越研究員事業の実施、これは民間企業も含めてでございます、や、国立大学における人事給与マネジメント改革の推進により、若手研究者のポスト確保を図るとともに、科研費におきまして、科研費若手支援プランの実行を通じた研究者のキャリア形成に応じた支援の強化、研究人材のキャリア支援ポータルサイト、これはJREC—INというものなんでございますが、を通じた研究者や研究支援人材のキャリア開発に対する情報の提供及び活用支援を行っているというところでございます。
○重徳委員 一定の成果と反省に立って取組を進めているということなんですけれども、ちょっと簡単に御答弁いただきたいんですが、このほど文科省で研究力向上改革二〇一九というものが策定されたということなんですけれども、今の御答弁に重なる部分は結構ですので、新しい部分があれば御紹介いただきたいと思います。
○渡辺(そ)政府参考人 お答えいたします。 先般策定した研究力向上改革二〇一九におきましては、具体的に申し上げますと、プロジェクト雇用における若手研究者の任期長期化、専従義務の緩和、それから、すぐれた若手研究者へのポストの重点化、それから、先ほど申しましたJREC—INポータルなど民間職業紹介との連携強化などによるキャリアパスの多様化、流動化といった環境整備、それから、これも済みません重なってしまいますが、科研費等の競争的資金における若手への重点支援ということを盛り込んでおりまして、これらの取組によりまして、若手研究者の研究環境の充実に取り組んでまいりたいと思っております。
○重徳委員 重要なことですので、ぜひともしっかり取り組んでいただきたいと思います。 少し話題をかえますけれども、実は、先ほど申し上げました岡崎市にある自然科学研究機構、これは、ノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典先生が、かつて、十三年間、基礎生物学研究所というところで研究活動をされていたということなんですね。 これは正確な言い方かどうかわかりませんけれども、もともと東大でオートファジーという原理を見つけたということなんですけれども、東大で何だか十分な研究環境がなかったというようなことで、岡崎に来てラボを立ち上げた、こういう経緯だというふうに聞いているんですけれども。要するに、東大じゃちょっとだめなのかなということですね。東大、ノーベル賞も最近少ないし、ちょっといかぬなと思うんですけれども。 その自然科学研究機構は、ラボの立ち上げというのが、サポート体制が非常に厚いというふうに言われています。特に、きょうはお金よりも人のことなんですけれども、助教を全国から公募するときに、ちゃんと外部選考委員というのが入って、いわば情実を排して、本当にそのプロジェクトに必要な、期間限定でも、絶対そこでやりたい、そしてやる力のある、そういうサポートしてくれる方をきちっと採用する。こういう体制が、ある意味ドライに、研究の成果を上げるための人集めをされているのではないかというふうに見受けられます。 やはり研究室、ラボというのは、何十人という大きなところもあるのかもしれませんが、基本的には数人とか十人とか、その程度でしょうから、一人一人本当に大事な人材なんだと思います。 こういう意味で、ちょっと答弁の関係で、文科省に答弁いただくのは大学に関する答弁じゃないといかぬということで。 大学でも、ラボ立ち上げのときに、東大じゃだめだなんということにならないように、きちっと成果重視の人事選考の体制をとるべきじゃないかと思うんですけれども。何で東大はだめで京大なら。京大とか、名大もそうですけれども、名古屋大学も、ノーベル賞、最近多いですよね。そういうことも関係するんじゃないかと思うんですが。 そういったことも、答えられる範囲でお答えいただければと思います。
○玉上政府参考人 お答えいたします。 研究者の採用のことについての御質問ということでございまして、お答えいたしますと、御指摘のとおり、各大学は、それぞれの理念ですとか目的に基づき、多様で個性ある教育研究を推進していくためには何といっても人ということでございまして、すぐれた人材を確保し、これらの者が能力を最大限に発揮できるよう、教員の人事のあり方について改善を図っていくことが必要だと考えております。 特に、選考方法でございますが、委員今御指摘のように、専門分野の閉鎖性を打破するということ、教育研究の活性化をするということ、各大学の学部の御判断でございますけれども、学外、学部外の専門家による評価、推薦を求める、それから教員選考の参考にするなどの工夫が有効であると考えております。現に、例えば、御指摘もございますけれども、応募の段階で既に、公募要領において、適任者がいない場合は採用はしませんよ、又は再公募しますよというようなことを指摘している例も実はございます。 また、さらに、若手教員が安定的に研究に専念できる環境を実現するためには、既に、研究費ですとかスタートアップ経費の措置ですとか、そういう支援人材の配置等の取組が有効と考えておりまして、さらに、私どもの方では、今、二月に国立大学法人等の人事給与マネジメント改革に関するガイドラインというものを策定をいたしまして、引き続き、人事給与、特に評価などをきちんと、大学がいろいろ変わるためには評価が大変大切でございますので、人給マネジメントの改革を促してまいりたいと考えております。
○重徳委員 何で東大がだめかということにいまだ言及いただけなかったんですけれども、ちょっと大臣、もし私見があれば、この点ちょっと、最後の問いですので、まとめてお答えいただければと思いますが。 これから策定される予定の第六期科学技術基本計画というのがありますね。そこにやはり、きょう申し上げました、ドクターのキャリアパスのこととか、あるいはラボ立ち上げのときの人事選考のこととか、そしてさらには、日本の研究水準を上げるには、やはり日本人だけじゃなくて外国人にももっともっと、いわゆる高度人材に来ていただけるような環境をつくらなきゃいけないと思うんですね。そのときには、外国人、その本人の処遇はもちろんですが、これはもう家族を連れて、みんな、いいね日本はと言ってもらいながらいい研究ができる、これは本当に大事なことだと思います。 そういう意味で、家族の生活とかあるいは子弟の教育環境、これはまだまだ不十分だという声が非常に多いんですけれども、こういった外国人の研究環境も含めて国家戦略に位置づけるべきだと思います。 何で京大、名大ばかりで東大はだめなんだということも大臣から私見があれば、それも含めてお答えいただければと思います。
○平井国務大臣 東大は東大で大変頑張っている分野もあるので、だめだとは私は全く思いません。 優秀な外国人の研究者や留学生の受入れ、定着に向けた取組は、第五期科学技術基本計画でも入っておりました。 これを受けて、海外から優秀な人材を我が国に呼び込むため、例えば、外国の若手研究者を招聘する外国人特別研究員事業、世界トップレベル研究拠点プログラム、WPIにおいて、生活環境の整備、これは、競争的資金の申請支援とか必要な情報の英語化とか宿舎の整備等々、外国人子女への教育環境整備などを実施しています。 また、六期の科学技術基本計画の検討に向けては、四月十八日に開催した総合科学技術・イノベーション会議において、有識者議員より、世界から優秀な人材を引きつけるアカデミックエクセレンスのハブを構築するなど、我が国の知の多様性と包摂性を増進すべきといった意見があります。 それの上に、日本に住みたいという方々、最近、日本の文化に対して大変な共感を持っている方々も多いし、これからチャンスは来ているなというふうに思います。総合的な対策で海外のいろいろな優秀な人材を日本に招き入れたい、そのように考えます。
○重徳委員 ぜひ取組を進めていただきたいと思います。 科学技術予算というのは、本当に数兆円規模で非常に大きな予算なんですけれども、どう使いこなすかというのが、本当に精通している、現場のわかる国会議員がまず少ないと思うものですから、かつて、それこそ、小渕先生の御尊父であられる小渕恵三総理のときに、小渕内閣のときに、有馬朗人東大総長を文部大臣に登用するなんということをされて、そういう研究現場がわかった方を登用するということで大分改革も進んだんじゃないかと。 これもきょう時間があればお聞きしたかったんですが、時間が来ましたので、その点、ちょっと指摘をしまして、終わらせていただきたいと思います。 本日はありがとうございました。
○古本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時九分散会