予算委員会 第3号
- 発言数
- 232 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2018/11/26
会議録
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に辰巳孝太郎君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、内外の諸情勢に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間は百八十分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声三十分、公明党二十四分、立憲民主党・民友会三十二分、国民民主党・新緑風会三十六分、日本共産党二十三分、日本維新の会十五分、希望の会(自由・社民)十分、無所属クラブ十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、内外の諸情勢に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。二之湯武史君。
○二之湯武史君 自由民主党の二之湯武史でございます。 本日は、参議院自民党を代表して、現下の諸課題、諸情勢について質問いたします。国民の皆さんに分かりやすい質疑に努めますので、総理を始め閣僚の皆さんもよろしくお願い申し上げます。 まずは、週末にうれしいニュースが飛び込んでまいりました。二〇二五年の万博開催が大阪に決定というニュースでございます。政府や経済界挙げての誘致活動にも心から感謝を申し上げます。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの後の国家イベントとして、私の地元滋賀も含めたオール関西で是非とも盛り上げていきたいと思いますので、政府におかれましても御支援をよろしくお願い申し上げます。 さて、今年は大きな自然災害が相次いだ一年でした。特に、西日本豪雨災害、大阪府北部地震、台風二十一号、二十四号、北海道胆振東部地震などでは多くの方々が尊い命と財産を失われました。心より御冥福、お見舞いを申し上げます。 十一月七日に成立した九千三百億円余りにも上る補正予算で、こうした災害から復旧復興をスピード感を持って、そして実態に合わせた形で進めていただきますようにお願いを申し上げます。 特に実態に合わせてと申し上げるのは、実は先日、歌手の松山千春さんと我々参議院の仲間で北海道の被災地を一緒に回らせていただきましたときに、ある町長さんから、被災住宅に関する支援はあるけれども、被災学生寮には支援の枠組みがないというような話もございました。復興支援にこうした穴が空かないように、実態に合わせてということを特に申し上げておきたいというふうに思います。 さて、地球温暖化の影響でしょうか、一時間に百ミリを超えるような豪雨が頻発するようになりました。台風の上陸回数も増えておりますし、その勢力も強くなっていると思います。来年以降もこの傾向は変わらないでしょうし、また、元々我が国は地震大国であります。かつて公共事業というとイメージが良くないような時期がありましたし、そんな中でコンクリートから人へという政権も誕生いたしました。しかし、こうした気候変動を踏まえますと、私は人のためのコンクリートへという時代に入ったというふうに思います。国民の命と暮らしを守るために、国土強靱化は待ったなしの課題だと思います。 総理は十一月二十日に第二次補正予算の編成を指示されたとのことでございますが、恐らくその柱となる国土強靱化に関するビジョンを御説明いただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、景気は緩やかに回復しているとの認識に変わりはないものの、一方、今年の夏に相次いで発生した自然災害などにより七月―九月期の実質GDP成長率が二四半期ぶりのマイナス成長になるなど、今後の景気への動向にも留意する必要があります。 こうした状況を踏まえまして、先日編成を指示した第二次補正予算においては、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策のうち初年度の対策として速やかに着手すべきものや、TPP協定の早期発効に対応するための農林水産業の強化策等、中小企業・小規模事業者の支援、その他喫緊の課題に対応していくこととしております。 その中におきましても、国土強靱化というのは、今年の夏の災害を経験いたしまして、こうした、例えば砂防ダム、もっとしっかりとやっておけばよかったじゃないかという声も随分ありました。河川の改修もそうです、もっと早めに予算を付けておけばと。もうそういう後悔のないように、しっかりとやるべきことをやって国民の命と幸せな暮らしを守り抜いていきたいと、こう思っております。と同時に、景気をしっかりと下支えしていくためにも、この補正予算、確かなものとしていきたいと、こう思っているところでございます。
○二之湯武史君 今総理からありましたように、砂防ダム、河川改修、我が滋賀県も前知事さんの方針でそうしたことを、一度そういう方向からは違う方向で県民の暮らしを守るという方向に転換をいたしましたが、今の災害を見ていますと、もうとてもそういうものでは対応できないと。やはりしっかりと地元の意思を固めて、そして、そうした国土強靱化の施策に乗れるようにしっかりと頑張ってまいりたいと思います。 次に、自由貿易体制についてお聞きしたいと思います。 TPP11が来月三十日に発効いたします。また、日EU・EPAも早ければ来年の二月一日に発効の可能性があります。アメリカが保護主義的傾向を強める中で、日本がイニシアチブを取って自由貿易体制を推進するという総理のリーダーシップには本当に心から敬意を申し上げます。 政府の試算では、TPP11、日EU・EPAを合わせて、実質GDPが十三兆円押し上げられ、雇用は七十六万人増加すると効果がされています。一方で、外国の製品が安く入ってくることに対して懸念を強く持っていらっしゃる方が、農業者でありましたり、また中小・小規模事業者の方々だと思います。 今の質問にもややダブりますが、消費増税の対策も含めて、今回の二次補正予算でこうした皆さん方にどのような対策が進められるのかということももう一度重ねてお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の補正予算におきましては、先ほどもちょっと触れさせていただいたんですが、TPP協定の早期発効に対応するための農林水産業の強化策を進めていきます。それと同時に、中小企業や小規模事業者の支援も行わなければならないと思います。生産性をしっかりと上げていく、TPPによって生じるチャンスをつかんでいただくことも大切でしょうし、あと、人手不足の中で生産性を上げていくということはまさに喫緊の課題であろうと思います。 安倍内閣としては、そうしたことにしっかりと目配りをしながら、日本が、新たな経済圏が生まれる中において、中小企業・小規模事業者の皆さんにもそうしたチャンスをしっかりと捉まえて売上げを増やしていく、そして従業員の給料を上げていくことが可能なそういう日本の社会をつくっていきたいと、こう考えているところでございます。当然、農業の皆さん、いろんな不安もあるだろうと思います。そうした不安の声にも応えていきたいと、このように考えております。
○二之湯武史君 二次補正予算の御説明、国民の皆さんにも伝わったかというふうに存じますが、国土強靱化、そして農業者、中小企業・小規模事業者の皆さんに対してもしっかりと対策をしていくということでございますので、よろしくお願いします。 私も今回、党の農産物輸出の委員長代理ということで一貫してこの問題に取り組んでまいっていますので、一九年の一兆円を大きくその先も増やせるように頑張ってまいりたいと思います。 続きまして、いわゆる入管法改正についてもお聞きをいたします。 今回の改正案に対し、野党の皆さんからは拙速ではないかという批判がございます。一方で、業界や経済界を中心にこの外国人労働者に関する政策は随分前から議論もされてきましたし、我が自民党内でも調査会を立ち上げ、議論を進めてまいりました。 本改正案は、まずは法改正で資格を創設し、その後各省が業界の実態に合わせて詳細を設計するというものになっております。介護を始め農業、漁業、建設業、そして宿泊業や外食業など、いずれも我々の生活に欠かすことのできない業界ばかりでありますし、しっかりと説明すれば国民の皆さんにもしっかりと御理解をいただけると私は確信をしておりますが、何よりも、この現場の人手逼迫感、人手不足感が本当に逼迫しているということを我々も選挙区を歩いて実感をするところでございます。 改めて、国民の皆さんにこうした業界の現状というものも御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 新たな外国人材の受入れに際しまして、外国人材の受入れ、人手不足見込み数につきまして、これは各業所管省庁におきまして精査、検討して推計していただいたところでございますが、先日、各業種の数値を取りまとめた上、公表させていただいたところでございます。 各業所管省庁からの報告によりますと、現時点における人材不足数の総数は約五十九万人となっております。具体的な業種別の内訳を申しますが、代表的なところで二つだけ挙げさせていただきますと、介護業におきまして現時点で六万人、外食業におきまして現時点で二十五万人となっております。
○二之湯武史君 今おっしゃった介護、外食、まさに我々国民生活に直結する、そうした業界でこうした規模の人材の不足があるということでございます。そうしたものにしっかりと対応していくことも我々政治の責任ではないでしょうか。そういうことについて、是非とも政府では責任を持って、また丁寧に今後も審議、また法制度を進めていただくことをお願い申し上げます。 私は、個人的に、この外国人労働者問題というのを単に人手不足という側面だけで議論すべきではないと思っていまして、我が国は、基本的には単一民族国家で同質的な社会ですから、非常に安定している一方で、常に多文化が融合して新しいものが生まれるというようなダイナミズムにはやや欠けるところがあります。専門性を持った外国人たちが活躍する多文化共生社会というのは革新的で創造性に富んだ社会なんだと、そういう側面もしっかり強調していくべきではないかなというふうに思います。 そういう意味で、私が是非積極的に進めたいと思っているものが、通称クールジャパン人材と呼ばれるものであります。 党のクールジャパン特委の座長としてまとめた提言でございますが、一定の専門性を持った外国人に我が国の魅力あふれる職種で実習をしてもらい、その後それを普及する人材になってもらうと、そういうもので、現在、調理師免許を持つ外国人が日本料理店で最大五年間実習できる、日本料理海外普及人材育成事業という資格が設けられています。 こうした資格を、日本料理のみならず、例えば我が国のブランド競争力の高い分野、フレンチ、イタリアン、中華といった食文化であったり、また美容やエステといったビューティー分野で、日本の魅力を日本で実習してもらって、そして母国で日本式のサービスを普及すると、これによって我が国の国益につなげていくクールジャパン人材というものを積極的に推進するべきだと思います。 自民党のそのクールジャパン特委で事務局長も務めておられました山下法務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 日頃からクールジャパン人材の受入れ、活用について御理解を賜り、本当に感謝しております。 また、御指摘のように、まず、日本料理の調理師につきましては、これは一般的に、調理師養成学校を卒業しても就労資格として活動をする資格というのが今まで認められておりませんでしたが、委員御指摘のとおり、法務大臣が個々の外国人を指定して特定の活動について認める特定活動の在留資格というものを活用いたしまして、御指摘のとおり、日本料理の調理に係る活動を最大五年間認める、そうした日本料理海外普及人材育成事業が実施されております。 そして、先ほど御指摘のあった外国料理、美容師、エステティシャンにつきまして、外国料理につきましては、これは在留資格の技能というのがございまして、これに該当し得るかどうか、若干高いハードルではございますけれども、在留資格変更許可要件を満たせばこの技能要件で認めることができる場合があるだろうということ、そして美容師、エステティシャンについては、そういった現行の在留資格には該当しないのですが、国内各方面の声を聴取しているところでございます。 本年六月に閣議決定された骨太の方針にも、クールジャパン関連産業の海外展開等を目的とする外国人材の受入れを一層推進するための方策を検討するとされておりますので、法務省としても、各業界の声等を熟知している関係府省庁と連携して、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○二之湯武史君 大臣、ありがとうございます。 どうしても国内で人材が足りない、そこの部分に外国人材というのは目が向きがちなんですが、むしろ我々日本企業が海外に進出していく際の基幹人材、基盤人材という意味では、しっかりと日本で研修してもらって、日本式のサービスをしっかりと身に付けた人をベースに我が国の海外進出を支えていくと、こういう立て付けがクールジャパン人材でございます。こうした観点も、党からも引き続きしっかりと提言をしてまいりますので、御検討をよろしくお願い申し上げます。 続きまして、防衛省にお尋ねをいたします。 十一月十四日の十三時二十分頃、滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野演習場において訓練中に、迫撃砲弾の破片が演習場外の一般車両に直撃し、車両が破損するという事故がありました。幸い人的被害はなかったのですが、これはゆゆしき事態だと考えます。 まずは、政府参考人から事実関係を簡潔に御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(森田治男君) お答え申し上げます。 十一月十四日水曜日十三時二十分頃、委員御地元の滋賀県の饗庭野演習場におきまして陸上自衛隊射撃訓練を実施中、八十一ミリ迫撃砲弾により演習場外の一般車両の窓ガラスを割るなどの被害を及ぼす事故がありました。 本事故を受け、その原因が明らかになるまで全国の八十一ミリ迫撃砲の射撃を中止するとともに、高島市長からの申入れを受けて、当面の間、饗庭野演習場における実弾を使用した射撃を中止しております。 十五日に防衛大臣から御指示をいただき、しっかりと原因究明を行うとともに、このような事故が再び起こらないよう再発防止に努め、信頼回復に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
○二之湯武史君 実は、この饗庭野演習場では、三年前の平成二十七年七月十六日にも、実は射撃訓練中に実弾が演習場外の民家の壁に直撃するという事故も起こっているんです。問題でありましたのは、この事故に関して、この駐屯地の当事者から行政に対して連絡が直接なかったと、マスコミを通じてそれを知ったということなんですね。この三年前の事故の後に、高島市長とそして今津駐屯地の業務隊長との間で覚書が交わされまして、こうした事故が発生した際の対応、例えば直ちに訓練を中止するということでありますとか、市、県、そして地元自治会に速やかに御連絡をいただくというようなことが定められた覚書が交わされたんです。 にもかかわらず、今回の事案でもその教訓が十分に生かされませんでした。被害者、つまり車の被害に遭われた方が警察に連絡されて、その警察から駐屯地に連絡があった後もしばらく訓練が継続されていたということなんですね。また、駐屯地の関係者から市長の方に連絡はなくて、結局、市長さんの呼出しで初めて役所に出向かれたということだったんです。その際も、詳細なペーパーを持たずに、情報が分からないままだったということらしいんです。ですので、今回の、その覚書に関する教訓が、若しくは前回、三年前の事故の教訓が十分に生かされなかったと、こういうことについては大変残念だというふうに思っております。 是非、防衛大臣の、これからのこうした事故発生時の連絡体制でありますとか危機管理体制というものについてどのようにこれから取り組んでいかれるのか、お聞かせ願えますでしょうか。
○国務大臣(岩屋毅君) まず、今般の事故によって、被害者の方はもとより、関係自治体の皆様あるいは周辺住民の皆様、また御地元の二之湯委員にも大変御迷惑を掛け御心配をお掛けいたしましたことを深くおわびを申し上げたいというふうに思います。 今御指摘がありましたように、今般の事故に際しまして、委員御指摘のとおり、事故発生の可能性を認識してから訓練を中止し地元自治体に通知するなどの対応を取るのに時間を要したことは事実でございまして、私は、防衛省・自衛隊の幹部を集めまして、今後、こういう事案が発生した場合には、直ちに訓練を中止し、第一報をまず関係自治体にお知らせするようにという指示を出させていただいたところでございます。 防衛省・自衛隊に対する国民の信頼を損なわしめることのないように、私どもはもちろん、隊員一人一人が十分に認識した上で、今後、このような事故の再発を防ぐとともに、地元自治体の通報も含め速やかに見直しを行っていきたいというふうに考えております。
○二之湯武史君 ありがとうございます。できるだけ速やかにそうした体制を議論をしていただきたいというふうに思います。 というのも、この地元の高島市というのはこの自衛隊に対する理解が非常に進んでいる地域なんですね。自衛隊の協力会などがございまして、非常にこの良好な関係を地元の住民や自治体の皆さんと築かれておられます。私もこの協力会の懇親会などに何度も出席させていただいておりますけれども、非常に和やかな友好的な雰囲気で、新しくこの饗庭野に赴任されてきた自衛官の皆さんも、これだけ友好な雰囲気でこういうものがあるのは本当に珍しい地域ですとおっしゃっていただくんです。だからこそ、今回は非常に大変残念な対応でございました。 こうした地域の友好的な雰囲気という資産を是非とも損なうことなく、地元の住民や自治体との信頼関係を一刻も早く取り戻していただくことを心からお願いを申し上げます。よろしくお願いいたします。 続きまして、昨今様々な報道等々で取り上げられております日産の問題についても少しお伺いしたいと思います。 このカルロス・ゴーン前CEOが逮捕されたという事件には、正直びっくりいたしました。この二十年にわたって日産の経営に当たってこられたゴーンさんが、報酬額の虚偽記載とか豪邸の購入に経費を流用した疑いがあるということなど、非常に原始的な不正会計が日産のような日本を代表するグローバル企業で起こるんだなということを改めて衝撃を受けたからであります。もちろん、会計監査でありますとか外部取締役など、いわゆるコーポレートガバナンスの体制等も十分に整備されているはずでございますが、このような事件が残念ながら起こってしまうと。 こういうことに関して、国の上場企業に対するガバナンスの仕組みも含めまして、どういうふうにお考えかということを麻生大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは一義的には、いわゆる証券取引法という形になりますので私どもの所管ということになるんですが、これは日産という個別の企業の案件でもありますので、目下、国税庁とか警察とかいう段階になっておりますので、これについて個別に、まあ知っているところとはいえ、答弁させていただくことは控えさせていただきますが。 一般論として、いわゆる、言われましたコーポレートガバナンスとかスチュワードシップ・コードとかいろんなことをやらせていただいているんですが、やっぱり経営陣の監督などの機能を発揮させるというところが大事なところなんで、形だけできてもそれがワークして動かなけりゃ意味がありませんので。やっぱり、そういったものへの対応が形式的なものになっちゃっていて、実際的に実働的、実効的なものになっていないというと、簡単にはガバナンスというものが機能していないということで、名前はあってもガバナンスじゃないということになるんだと思いますので。 金融庁としては、これは引き続き企業がきちんとこういったガバナンスをやっていかないと企業としても成長していきませんからということで、実効的なものにするために引き続きこれは、つついていくというか、まあそういったものをきちんとやるということをやっていかにゃいかぬのだと思っておりますので、個別のことでありますので、ちょっとこれ以上のことは差し控えさせていただきます。
○二之湯武史君 おっしゃるとおりで、ここ数年といいますか、安倍政権になって麻生先生が大臣になられて、いわゆるコーポレートガバナンス、スチュワードシップ含めて、投資家側から企業を管理する、そして、企業自身も開かれたオープンガバナンスでできる限りそうした、もちろん不正というのはあってはなりませんが、むしろ企業の成長をいかに高めていくかという観点で様々な制度が整備されているということはそのとおりなんですが、仏像作って魂入れずといいますか、その中をいかに運用していくかと。これだけ大きな日産のようなグローバル企業でも、あれだけ二十年間同じ人が権力を持ち続けると難しい部分はあるんだなと、改めてこうしたコーポレートガバナンスの難しさを実感したところでございます。 私は、ゴーンさんというのはやっぱり時代を象徴するような経営者だったと思うんですね。それまで日本の経営者がなかなか踏み込めなかったような人員整理でありますとか基幹工場の閉鎖でありますとか、いわゆるリストラと当時言われましたが、こういうようなものを断行して業績を一気にV字回復させる一方で、その対価として非常に高額な、当時ではなかなか考えられなかったような高額報酬を得ると、そうした企業文化をある種でいうと日本に持ち込んだ、そんな経営者ではなかったかなというふうに思っています。 実は、もう今世界中で同じ傾向が見られます。先日も、新聞を読んでいますと、アメリカの経済政策研究所というシンクタンクが、二〇〇九年から二〇一七年まで、つまりリーマン・ショック後から二〇一七年までのCEO報酬の伸びは従業員給与の伸びを二倍近く上回っていまして、比率はもう三百十二倍に達していると、これはアメリカの上位三百五十社の平均データであります。 本委員会の質疑でも総理とは何度かこういうやり取りをやらせていただいておりますが、この三十年のいわゆるグローバル化の進展の中で株主資本主義ともいうべき経営理念が欧米発に、世界中に広まり、いわゆるアメリカのビジネススクールなんかで学んだ経営者が大量に、そうした経営の発想でそういう企業の経営がスタンダードになって、労働分配率が低下していく一方で、経営者報酬若しくは株主配当というのは増加をしてまいりました。 これまで中間層として存在していた人々の基盤が徐々に弱まって、雇用や家計が不安定化しているという現実があると私は思っています。彼らは、政治家や経営者といった既存のエリートは自分たちの苦しみを分かってくれていないんだというふうに感じているように思うんです。自分たちを苦境に追い込んだのは、安い賃金で働く移民が悪いとか安い外国製品を輸入する政府が悪いといったスケープゴートを設定して、これがポピュリズムの基盤になっていくと。 こういう構造が今世界中で、特にヨーロッパなんかで台頭し始めているというふうに考えるんですが、総理は、こうした保護主義の台頭する基盤、今私が申し上げたような構造、こういうことについてどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、二之湯議員がおっしゃった議論については、例えば、伊勢志摩サミットのG7でも話したところなんですが、言わば、当時、アメリカはまだオバマ大統領でしたが、欧米において保護主義的なポピュリズムが台頭する、グローバル経済が進んでいく中において軌を一にしてそういう雰囲気が醸成されてきたというのは、言わば、グローバル経済の中において効率化を求め、経済合理性を追求する中において、それから取り残されているんではないかと思う人々がどんどん増えてきている。 それはやはり、今委員が指摘されたように、いわゆるプロの経営者が多額の報酬を得ている、そしてコストをカットしていく、グローバル化が進んでいく中において、どんどんどんどん世界的な利益を上げていくけれども、残念ながら自分の生活は豊かにならないと、これはやっぱりおかしいじゃないかということなんだろうと。これでは、グローバル化を進めていく、経済連携協定を進めていく上において大きな障害になっているんではないかというお話をさせていただきました。 これはやっぱりその中で再分配をうまく行っていくということなんだろうと、こう思います。懸命に生きる人同士が苦楽を共にする仲間だからこそ何かあれば助け合う、古来、我が国にはそのような共助の精神があり、そうした精神の下、時には、災害においてはそういう精神が発揮をされてきたんだろうと、こう思います。 企業は今、過去最高の収益を上げておりますが、こうした収益を着実に賃上げにつなげていく、そしてさらに、未来への投資を大胆に行い、成長と分配の好循環をしっかりと回していく、そういうモデルを日本でしっかりとつくり上げ、世界にあるべき姿の市場主義、資本主義の在り方を示していきたいと、このように考えております。
○二之湯武史君 本当に私が思っていたそのものの答弁をしていただきまして、どうもありがとうございました。 そのとおりでございまして、要は、保護主義を、台頭を抑えるために自由貿易体制を推進する、これはもちろん重要なんですけれども、その保護主義を生む仕組みそのものに対して手当てしなきゃいけないという総理のお話だったと思います。 トマス・ピケティという学者の説が二年前にはやりました。私も全面的にそれに賛同しているわけではありませんが、彼が言いたいのは、資本収益率と経済成長率は、資本収益率の方が高いと。資本収益率というのはいわゆる資産を持っている人の収入に比例する、経済成長率はいわゆる給与所得者、サラリーマンの皆さんの収入に比例する、だから資本主義というのは実は資産家の資産を増やすための仕組みなんだというような、まあ極論ではあるかもしれませんが、そうしたことを、彼は膨大なデータを分析して、過去数年、世間を席巻したということでございます。 私は、このままの今のいわゆる新自由主義、行き過ぎたような株主至上主義というのは、これは人類社会の持続的発展を見通せないんじゃないかなというふうに思っております。そうした、それに代わる、あるべき資本主義の形を模索していく、今まさに総理がおっしゃられましたが、それを日本から発信していくということが重要だと。 今、そうしたことを民間でされている方がおられます。例えば、ここでも御紹介しましたが、中長期投資、一年、二年、三年と持つにつれて配当率が上がっていくような、そうした株の発行でありましたり、また、昨今、ESGと言われますが、環境や健康、女性活躍といった、そうしたものを重視している企業を評価するような指標でありましたり、また、その利益、ROEと言いますが、利益だけではなくて、その企業がどれだけ労働分配率を上げているか、どれだけ研究開発に投資しているか、どれだけ社会貢献をしているかなど総合的に、ROE以外に総合的に企業を評価する、そうした指標の導入等々をもう既に民間で取り組んでいる方がおられると、またそういう機関があるということでございます。 こうした動きを国がリーダーシップを発揮してまとめていただいて、保護主義が台頭する国際社会に発信をしていくということが、先ほど総理がおっしゃった日本の使命なのじゃないかなということでございまして、もう時間がございませんので、質問ではなく意見表明ということにとどめまして、是非ともそうした動きを日本発でしていく、私もしっかりとそういう政策立案をしていきたいと思っておりますので、是非ともよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で二之湯武史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 立憲民主党の福山でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。 先般、大阪万博の開催が決定いたしました。関係者の皆さんの御尽力に心から敬意を表したいと思います。私も京都でございますので、このことが関西全般の活気につながればいいと願っております。 さて、今年の通常国会は、財務省の文書改ざん、虚偽答弁、加計問題、防衛省の日報隠しなど、前代未聞の異常事態が続きました。衆議院の大島議長から、立法府と行政府の関係に対して異例の所感が発せられました。にもかかわらず、安倍政権と与党は、反省のかけらも見られない国会運営をこの臨時国会でもしています。 先週は、法務委員会で衆議院が強行で定例日以外に立てられました。参議院でも、対決法案でもない給与法の審議が議運や対象委員会で強行に立てられ、定時定刻でなく開会されました。野党などいてもいなくても構わない、審議させなくてもいいと言わんばかりの問答無用の姿勢だと思います。 参議院事務総長、参議院で国会序盤に全会一致法案でこんな事例が少なくともここ十年ありましたか。
○事務総長(郷原悟君) お答えいたします。 会期末でない時期におきまして、給与法案について、衆議院から送付されて議運委員会の採決により付託が決定され、さらに付託先の委員会で趣旨説明が行われたという例でございますけれども、この十年、お調べいたしましたが、ございませんでした。
○福山哲郎君 もう国会序盤からこういう事例のない乱暴な国会が続いています。非常に遺憾に思います。大島議長の所感に対して丁寧に真摯にと、いつも総理は口だけで言いますが、実際は全く別です。このことについては、日本の議会制民主主義の問題だと思いますので、国民の皆さん、よく知っておいていただきたいと思います。 総理、二十九日に日本を出発して、アルゼンチンでG20に出席されると聞いています。どうぞ行っていただきたいと思います。 その後、どこの国に何の目的で外遊されるのか決まりましたか。先週の末、極論すると今週の、今日の午前中まで外務省に問い合わせましたが、何も答えてくれません。総理、国対ベースでは七日までと外遊聞いておりますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この外遊の日程についてでございますが、G20が開かれるアルゼンチン以外の国等については、国会日程等もございまして、また当該国との調整もございまして、現在調整中だということでございます。
○福山哲郎君 総理、国会の委員会の審議ですよ。だって、もう国対には日程、十二月四日までって紙配られていますよ。ここで答えられないって、どういうことですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、政府はそんな紙配っておりません。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記止めてください。 〔午後一時三十三分速記中止〕 〔午後一時四十六分速記開始〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 ただいまの件につきまして、その取扱いを理事会で協議いたしますので、暫時休憩いたします。 午後一時四十六分休憩 ─────・───── 午後二時十四分開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 この際、河野外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河野外務大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 事実関係を確認いたしましたところ、まだ確定していないものを外務省の早とちりで会派に御説明に回ったようでございまして、大変申し訳なく思っております。 外務省といたしましては、先方政府と調整の上、十二月四日ということで官邸にお諮りをした後、議運に明日かけさせていただくことにしておりましたが、確定をする前に誤って御説明に上がってしまったこと、また、そうした情報が外に流出したことについて、大変申し訳なく、おわびをいたします。 今後このようなことがないように、しっかり対応させたいと思います。申し訳ございません。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、内外の諸情勢に関する集中審議を行います。 休憩前に引き続き質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 お疲れさまでございました。 今、外務大臣から真摯に御答弁がありましたので、こういうことがあってはならないと思いますが、官邸と外務省の間、それから国対との間での調整が不行き届きだったというふうに受け止めます。 当初、総理の外遊は七日までと国対ベースでずっと承っておりました。今、河野大臣から、四日までということで調整をして官邸にお諮りをするということでしたが、四日だと七日までとは大分状況が違います。 実は、二十九日から七日まで、ほとんどこの臨時国会の会期末まで総理がいないということで、自民党の国対は入管法を衆議院で早く上げてしまいたいと、入管法の採決を衆議院で、巷間聞き及ぶところによれば、あしたやるというような話まで出ています。これ、実質まだ七時間しかやっていません。実は、法案の中身もまだはっきりしないし、データも間違い、いまだに個票も公開されていません。 総理、決まっていない外遊で採決はないと私は元々思っていたんですけど、四日までというふうに今もうある程度方向が見えたと、総理も会期中帰ってこられるということで、入管法の審議きちっとやると、あしたこんな状況で採決するなんということはないということは、総理、それでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会の運営については、まさに国会で、委員会でお決めになることだろうと、このように考えております。
○福山哲郎君 いや、総理の外遊日程に合わせて国対が言ってくるから、我々は、国会で決めるというのは理屈、建前は分かりますが、実際は官邸に意向を確認しながらやるのがこれ常ですから、それは建前の議論としては分かるけれども、総理の外遊日程が変わったと、会期内に総理は帰ってこられるということならば、入管法の審議をきちっとやると、それは基本的には法案の審議の要請をされている政府側ですから、慎重に審議をやってくださいと、丁寧に審議をやってくださいということで、総理、いいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにせよ、当然きちっと審議をやれることになるんだろうと、このように思いますが、いずれにいたしましても日程等については私は口を出す立場ではございませんので、委員会から求められれば当然答弁、誠実に答弁をしていきたいと、こう考えております。
○福山哲郎君 まあ、そういうことだと思います。 一方、例の技能実習生の個票のデータが結局公開を、法務大臣、していただけません。総理は、衆議院の本会議で、刑事訴追のおそれがあると明確に答弁をされています。個票は二千八百七十人、平成二十九年度分でございますが、刑事訴追を、刑事事件、別の刑事事件ではなくて、これらの失踪技能実習生が刑事訴追された例はありますか、お答えください。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 それぞれの事件の、個々の事件につきましては、個別の事情によるところでございますので、答弁は差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 誰も個別の事件なんか一切聞いておりません。答弁、質問変えないでください。 二千八百七十人のいわゆる失踪者が、別の刑事事件ですよ、例えば物を盗んだとか暴力事件を起こしたとかではなく、刑事訴追された例はありますか。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 まず冒頭、御指摘の法務省におけるデータの誤り、あるいは表現ぶりに誤解を招く点があった点について、これ、心からおわびを申し上げます。これは、集計時における表現ぶりを漫然と使ったり、作業ミスを、主な原因であって、故意に改変を行ったものではないということでございます。 そして、先ほどの個票の中身につきましては、これは、この中身につきましては、様々な今後の調査あるいは捜査につながる情報が含まれております。そして、それに基づいてどのような捜査活動、調査活動が行われたかということにつきましては、これについては、これは個々の事件に関する調査活動に関する事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 刑事訴追された例はあるかと聞いているから、あるかないかだけ答えてもらえれば結構です。イエスかノーかでお答えください。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習生の稼働状況に関しまして、刑事訴追になった例はあったというふうに把握をしております。しかしながら、網羅的な把握はしておりません。そして、その訴追において、具体的にどの証拠をどういうふうに、あるいはどういう経緯でということに関しましては、個別具体的な捜査活動あるいは調査活動の詳細に関わることでございますので、法務大臣としては答弁は差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 あったとは聞いておりますが網羅的には把握をしておりませんって、意味が分かりません。誰から、じゃ、報告を受けたんですか。誰から聞いたんですか。
○国務大臣(山下貴司君) 例えば、技能実習生に関わる関係で、労働基準法違反であるとか、そういった労働法違反、これで訴追をされた例はございます。ただ、その個別の事案について、どのような調査あるいは帳票が利用されたかということについては、お答えを差し控えなければならないということでございます。
○福山哲郎君 帳票が利用されたとか利用されないなんか聞いていないじゃないですか。失踪の技能実習生が刑事訴追された例はあるかないか聞いているんです。それが答えられないんですか。 ちなみに、和田さん、あれですよね、失踪者の刑事訴追については把握していないですよね。統計取っていないですよね。事実関係で答えてくださいね。イエスかノーか。
○政府参考人(和田雅樹君) 刑事訴追に関しましては入国管理局の所管ではございませんので、私どもでは把握しておりません。
○福山哲郎君 じゃ、どこなら把握しているんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 刑事訴追に関する所掌は刑事局になろうかと思います。
○福山哲郎君 じゃ、事前通告しています失踪技能実習生が刑事訴追された例はあるかと聞いたら、法務省が、人数については統計を取っていないため把握していないと答えています。何でそのことをちゃんと正直に言わないの、法務大臣。法務大臣、人の質問を聞いていますか。
○国務大臣(山下貴司君) 網羅的に把握していないということにつきましては、統計上明らかでないということから、そういうふうに申し上げたということでございます。
○福山哲郎君 結局、把握していないんじゃないですか。刑事訴追された例はあるかないかも把握していないんですよ。 この二千八百七十人は、もう既に国外退去処分で帰国しているはずです。これ、行政処分です。刑事訴追ではありません。私、調べました。失踪者は、四十八時間以内に入国審査官に引き渡されて、その後、数日後に送還されます。つまり、二千八百七十人は国外退去処分になっているので、悪いけど刑事訴追されるおそれありません。法務大臣、どうですか。
○国務大臣(山下貴司君) ちょっと誤解があるようなので、整理してお答えします。 まず、この聴取票につきましては、これは入管法違反でありますオーバーステイなどの技能実習生から聴取したものということで、この技能実習生自体は刑事訴追を行われるおそれがございます。そして、これは任意に調査したものでございまして、公表を前提に聴取したものではないというわけでございます。 そうしたことから、一般的な公開については非常に慎重に取り扱わなければならないところ、この聴取票の中身については、技能実習生のみならず関係先、すなわち技能実習実施機関であるとか、そういったことに対する調査やあるいは刑事訴追に関わる情報が含まれているわけでございます。 そうしたことから、これが調査あるいは捜査、これは技能実習生に限られません、そうした情報を含んでいるがゆえに、これを公にするということについては極めて慎重に考えるべきだということを法務大臣として申し上げているわけでございます。
○福山哲郎君 総理、総理は本会議のときに今みたいな答弁していないんですよ。いわゆる失踪者だけが刑事訴追を受けるおそれがあるから駄目だと本会議で言っているんです。これ、どんどんどんどん後から法務大臣いろんなことを付け足しているんですけど、法務大臣、じゃ、逆に言うと、受入れ機関等に刑事訴追を行った例はあるんですか。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習生の実習先を労働関係法令違反で訴追した例はございます。ただ、それについて、いかなる証拠で、あるいはいかなる経緯で入手した情報に基づいて行ったかということをつまびらかにすることは、これは法務大臣としては差し控えたいということでございます。
○福山哲郎君 技能実習の失踪の件についてどうですか。
○国務大臣(山下貴司君) 済みません、ちょっと今質問の意味が正確に把握しているか分かりませんが、少なくともその技能実習生の実習先を労働関係法令違反で訴追した例はあるということでございますが、私のちょっと受け取り方があれであれば、もう一度いただければと思います。
○福山哲郎君 つまり、さっきの答弁と矛盾しているんですよ。当初の本会議のときに、刑事訴追が、おそれがあるというのは失踪者について言ったんです。それがあるかと言うと、答えられないと言ったんです。今、受入れ機関はあるかと言ったら、明確にあると言っているわけですよ。 何でさっきのはあると答えられなくて、今はあると答えられるんですか。
○国務大臣(山下貴司君) この聴取自体は、先ほど申し上げたように、入管法違反ということでございます。失踪した技能実習生から任意に聴取した情報であります。このときの立場であります、この技能実習生の立場は、これは刑事訴追を受けるおそれがあるわけでございます。 そして、この聴取票の中身を公にしないのは、そうした者から聴取したものであるということが一つと、もう一つは、内容において、プライバシーであるとか、あるいは今後の調査あるいは捜査に関わる情報が含まれているということでございます。 そして、本来であれば個別のことについて申し上げるのは、なかなか、差し控えるべきなんですが、今申し上げられるのは、技能実習生の実習先を労働関係法令違反で訴追した例があるということでございまして、これ以上の詳細については法務大臣として差し控えさせていただきたいということでございます。
○福山哲郎君 だから、二千八百七十人は、悪いけど、聴取票のやつは平成二十九年度です。ほとんどもう行政処分の対象になっているはずです。でしょう、いないでしょう、もうこの国内に。何で刑事訴追のおそれがあるんですか。行政処分の対象に、一旦処分受けているでしょう、この二千八百七十人は。受けていますよね。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 この二千八百七十名は、確かに入管法違反の嫌疑が掛かって退去強制の手続の中に入った者であるということは事実でございますが、その者が全て現実に出国したのかどうかということについては今手元に資料がございませんのでお答えできませんが、全てが出国するという関係に立つものでもございません。場合によって、本人が様々な手続を取ることによって国内にとどまっているということもあろうかと思います。
○福山哲郎君 いやいや、だから、行政処分して国外退去になる可能性が高くて、なおかつ本人が国に帰りたくない場合には、最大六十日間の入国者収容所とかに入るわけですよね。その期間を超えると入国管理センターに移されるわけですよね。それも一つの行政処分ですよね。 その人たちがあえて、じゃ、刑事訴追される可能性はあるんですか。二千八百七十人の何人かは分からないけど、一部は国内に残っている、それは僕は認めますよ。その方が刑事訴追される可能性はあるんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 論理的にはあろうかと思います。
○福山哲郎君 だから、二千八百七十人は出しても、もう個票を出しても問題ないんですよ。今の分かりますか。和田さん、論理的にはあり得ると言っているけど、現実には国内に残りたいという人は全部入国者収容所とかに、国が管理するわけでしょう。何言っているんですか。何で刑事訴追のおそれがあるんですか、みんな国外退去させているのに。一部じゃないですか、そんなの。 じゃ、二千八百七十人のうち何人国内に残っているんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございません、現在手元に数字を持っておりません。
○福山哲郎君 まず刑事訴追のおそれはないんです。だって、平成二十九年なんだから。ほとんど帰しているんです、行政処分で。何でこれで刑事訴追が、おそれがあると言って個票を出せないんですか、法務大臣。
○国務大臣(山下貴司君) ですから、個票を出せない理由は、二つに分けて申し上げますと、一つは、これは刑事訴追のおそれのある者からこの情報を要するに任意で、そして公表をすることを前提とせずに聴取した内容であり、これを公開するということは、今後そういった調査に応じられなくなるおそれがある、これが一つでございます。 二つ目は、この聴取した内容自体に、これは様々な関係先あるいは本人、そういったものの刑事訴追や調査の対象となり得る情報が含まれている。実際、私も、今回の平成二十九年の失踪技能実習者に関して、違法状況が認められるのであれば徹底的に調査をするようにということは入管局長に指示を改めてしております。そうしたところで、これは調査の対象にもなり得る。それが更に進んで、一般論等ではございますが、刑事訴追につながることもあり得るわけでございます。 そうした情報を含むがゆえに、これを公表するということは非常に良くないのではないかというふうに考えております。
○福山哲郎君 それでも委員会に出して、今、衆参の国会議員が全部手書きで個票を書いているんですよ。それを外へ出しているんですよ、コピーして。 個票を手書きで書いたらよくて、法務省が今駄目なのは理由は何ですか、じゃ。
○国務大臣(山下貴司君) これにつきましては、国会の委員会、理事会の御決定でございます。それに対して法務省として、これは非開示措置についてもしっかりと御検討いただけるということで、ごく例外的に応じさせていただいたものでございます。 法務省といたしまして、この個票について、これは公にすべきでないということに関しましては是非御理解を賜りたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 委員の皆さんにお配りしている、それからパネルの三枚目、御覧ください。(資料提示) これ実は、建設省が外国人建設就労者受入事業に係る制度推進事業というのをやっていまして、これはオリパラについて、より外国人労働者が必要だということで緊急に入れました。緊急に入れていただいて、これは特定活動の扱いなんですけれども、技能実習からの受入れもしています。 この状況で、実はそれぞれの受入れ状況についてちゃんと、建設省は、この国際建設技能振興機構というところが調査をしていまして、これ公開情報に出ているんです。国籍と受入れの企業は黒塗りですけど、あとは、見てください、特定活動、技能実習、技能実習、中には住宅が狭いとか休日に休日手当が付かなかったとか、これ全部出ていますよ。その横にもいろんな振興機構の対応についても出ていますよ。 これ、何で建設省が出せるものが法務省は出せないんですか。これ、出せるじゃないですか。だって、今の法務省の個票だってマスキングしてあるでしょう、最低限のプライベートは守るんだと言って。マスキングしてあるものを、今、一生懸命一生懸命、国会議員がこれ手書きで写しているんですよ。これ、だって、建設省、ちゃんとこうやって……(発言する者あり)ああ、国交省、国交省、ちゃんとこうやって、あれじゃないですか、出しているじゃないですか。何でこれが出せて、法務省は出せないんですか。
○国務大臣(山下貴司君) 法務省といたしましては、これはもう具体的に調査、要するに違法がうかがわれるものについては調査をするようにというふうな指示もございます。また、これについて、例えば法務省というのは訴追機関、これも持っているところでございます。そうした中において、こうしたものについて情報の取扱い、これについては慎重に法務省としては判断しているところでございます。 国土交通省がどのような御判断でこういうふうな公開をされるかということについては、これはやはり他省庁に関する事柄でございますので、私は答弁は差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 この国交省の緊急事業でも、状況によっては失踪者が出るんです。そうしたら、その失踪者は、法務省にひょっとしたら身柄を拘束されたら、入国警備官は聴取するんです。国交省のやつは出て、何で法務省のやつは出せないんですか。 それから、先ほど言っているように、刑事訴追される可能性ないんですよ、失踪者は。だって、いないんだから、行政処分受けるんだから、すぐに。そうでしょう。あなたの言っていること、説得力ありそうなんですけど、全然ないんですよ。いない者を刑事訴追する、いない者も刑事訴追すると言っている。 これで、国交省がこうやってマスキングして出しているのに、法務省は出せないと言う。だけど、この中にひょっとして失踪者が出たら、これ技能実習の方もいるんだから、技能実習の方が失踪したら法務省へ行くんですよ。これ、国交省出しているじゃないですか。 法務省、法務大臣、全然説得力ないんですよ、説得力ありそうに見えるけど。
○国務大臣(山下貴司君) これ、国交省がどのような御判断で出したかにつきましては、ちょっと私としても判断しかねる部分がございます。 ただ、その失踪者につきまして、そもそも聴取の手続自体がこの刑事訴追のおそれのある者から聴取している、それを非公開でということ、そういったことでこれが一般的に広がるということになれば、例えば、この失踪技能実習生については、後にいろいろ報復されるのではないかとか、様々なことを考える者もおります。そうしたことから、これを一般に公開するというのは適当ではないというふうに考えております。 そしてまた、情報について、関係実施機関も含めたこの調査あるいは刑事訴追の可能性があり得るということ、本人、本人も含めてでございますが、そういったことはこれまで御説明したとおりでございます。
○福山哲郎君 全く説得力ない。同じ答弁繰り返しているだけだもの。いないんだもの、だって、失踪者は。刑事訴追の対象者いないんだもの。 更に言えば、申し訳ないですけど、じゃ、平成二十六年の千二百四十四人から、二十七、二十八、二十九年全部合わせて約一万人います。この方々の紙は、じゃ、委員会には提出いただけるんですね、先ほど言われたように、こっちが写すなら。 つまり、なぜかというと、この技能実習が今回の入管法の新しい在留資格に少なくとも法務省の言い分でも四五%、業種によっては一〇〇%近く移行するんです。この技能実習がほとんど接続するんです。だから、この技能実習の中身をしっかり確認しなきゃいけないから、この失踪者の状況を確認したいと我々は言っているんです。ところが、出せない出せないの一点張り。その理由は、全く今の話で説得力ありません。 じゃ、その一万人分のやつは国会には出してもらえるんですね。
○国務大臣(山下貴司君) 提出できない理由につきましては、この聴取票の性質によります。そして、その前年、前年以前のものにつきましては、実はこれは技能実習法が新たにできる前の、施行前の技能実習生でございます。 そして、この技能実習法につきましては、二十八年十一月に、当時、福山委員もおられました民進党の賛成も得て、与野党の幅広い議論の中でこれは成立しておる。そして、それが昨年の十一月、これ施行されているということでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○国務大臣(山下貴司君) そして、技能実習全体につきましては、成立は二十一年でございますが、施行自体は、この技能実習のこの在留資格は二十二年七月に始まったものでございまして、これは与野党を超えてこれ取り組んできたものがある、そしてそれが二十八年の技能実習法につながったものと考えております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(山下貴司君) 結論から申し上げると、この聴取票の性質上、出すことは適当ではないのではないかというふうに法務省としては考えております。その結果につきましては、この新たな技能実習法に反映されている、それは与野党通じて、まあ野党の大半の方の御賛成をいただいて成立した法案に反映されているのではないかと考えております。
○福山哲郎君 二十九年度を出して過去にあるやつを出せない、国会に出せない理由はありません。 委員長、理事会で協議してください。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をいたします。
○福山哲郎君 じゃ、法施行後の失踪者は何人程度いるんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 失礼いたしました。 平成三十年上半期の失踪者数が、速報値でございますが、四千二百七十九人となっております。ただ、このうち、新法施行後の技能実習生がどのぐらいかということは把握しておりません。
○福山哲郎君 四千二百七十九名、非常に、上半期だけですけど、現実問題としては新法施行後でも全然減っていません。 実際に、もう失踪者が四千二百七十九いるんだから、この中でどのぐらいの人数が個票を作成されていますか。
○政府参考人(和田雅樹君) 四千二百七十九のうち、その後、入管当局において捕捉した者について個票を、このような聴取票を作成するという関係になります。したがって、その数については、現在把握をしておりませんが、精査中でございます。
○福山哲郎君 これ、私が法務省から聞いたところによると、千や二千は今あるとおっしゃっています。でも、国会ではこうやって表に出しません。もう全く不誠実。この大臣の答弁も、本当に言っているのは、まともそうに聞こえるから、全然答えていないんです。 それで、これ、個票が出たら即座に出してもらえますね、精査中の個票。だって、新制度の元は我々も賛成したんだから、我々確認する権利ありますよね。いつ精査できるんですか。
○国務大臣(山下貴司君) この新制度につきましては、これは個票のみで判断するのではなくて、今、例えば三千七百か所についてちょうど実地調査を入っておったり、あるいは、例えばその悪質ブローカーを排除するために、二国間合意、これを十か国締結する、そういった総合的なところから検証していく必要があると考えております。 そういった総合的なところの検証について、これは大臣政務官をヘッドとするプロジェクトチームを設けまして、それでしっかりと検討してもらい、運用状況について、また、等々検討していただくということにしております。
○福山哲郎君 間違っています、あなたの考え方は。行政の執行状況を監視するのは国会の役割なんです。あなたたちが政務官つくって勝手にやるのは勝手にやっていただいたら結構だ。我々は我々として、国会として必要があるからやろうとしているんだ。そのことに対して、何でもデータは出さない、出したくないと言って、あとは我々がやりますって、国会の機能を何だと思っているんですか。あなた、元検事だから分かっているでしょう、そのぐらい。
○国務大臣(山下貴司君) 誠に申し訳ございません。 ただ、なぜ個票を出すことが法務省として適当でないかと考えると、先ほど申し上げたように、個票というのは、それは聴取時点で公表を前提としていない、そしてその中に様々な調査、刑事訴追につながり得るものがあるということで、法務省としては提出すべきでないという立場であるということを是非御理解賜ればと思います。
○福山哲郎君 ここに国交省、こうやって出しているじゃないですか。技能実習の実態を把握しなければいけないからと言っているんです。 総理、これ、この技能実習の状況を把握しないでこの法案採決するなんてあり得ないですよ。データは出さない、状況が分からない。総理、いかが思いますか、今の議論。だって、刑事訴追のおそれないんだから、今のお話聞いていて。総理のこれ本会議の答弁が、実は法務省の書いた答弁はおかしいんですからね。 総理、これ、本当にこのデータ、だって建設省出しているんだから、国交省が。これ、現実の問題として、出さないと、これ採決なんてあり得ないですよ。何にも分からないまんま、ただやみくもに採決しろと言うんですか。そんなのあり得ないじゃないですか。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 審議が終結した段階で採決はされるんだろうと思いますが、その御判断はまさに委員会がお決めになることだろうと、こう思っております。 個票をなぜ出せないかということについては、先ほど来、法務大臣からるる御説明しているとおりでございます。
○委員長(金子原二郎君) 福山君、時間が来ております。
○福山哲郎君 全く法務大臣の答弁は説得力はないと、このまんまでは採決どころか全く入管法については不明確なまんま、審議も全く進んでいないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、平木大作君の質疑を行います。平木大作君。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 総理は、先週二十日、第二次補正予算案の編成につきまして指示を出されたところであります。本年は本当に一年間を通しまして大規模な災害が相次いでおりまして、この補正予算の柱となりますのも、防災・減災、そして国土強靱化ということになるというふうにお伺いをしているところでございます。 この編成に当たりまして重要なインプットとなりますのが、現在全国各地で行われております重要インフラの緊急点検であります。例を引くまでもありませんが、七月豪雨の際には関西国際空港の滑走路が高潮の被害で冠水してしまった、あるいは北海道胆振東部地震におきましては、北海道全域で停電が起こる、いわゆるブラックアウトがこれ初めての経験で起こったわけでございます。こうした一つ一つの経験を踏まえまして、いつ来るか分からない災害に万全の備えをしておく、これこそが政府の役割であるというふうに思っております。 この本年相次ぎました自然災害そしてインフラの機能障害といったことから、今、政府としてどのような教訓を得たのかということ、そして、そうした教訓を踏まえまして第二次補正予算案の指示を出されたことの意義について、御説明を総理からいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本年の一連の自然災害では、台風に伴う高潮により関西国際空港が冠水し、地震により北海道全域にブラックアウトが生じるなど、住民の生活や経済活動に大きな影響を及ぼしました。電力や交通など、私たちの生活に欠かせないインフラが災害時にしっかりとその機能を維持できるよう、平時から万全の備えを行うことが重要であると考えております。 このため、現在進めているインフラの総点検の結果などを踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を年内に取りまとめ、三年間で集中的に実施していくこととしております。また、今回の平成三十年度第二次補正予算の編成に当たっては、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策のうち、初年度の対策として速やかに着手すべきもの等の喫緊の課題に対応するよう指示をしているところでございまして、政府としては、必要な予算を確保した上で、強靱なふるさと、誰もが安心して暮らせるふるさとをつくり上げていきたいと、このように考えております。
○委員長(金子原二郎君) 平木ダイスケ君。
○平木大作君 大作であります。
○委員長(金子原二郎君) 大作君。
○平木大作君 今、御答弁の中でも、総理からも、この北海道胆振東部地震の例に少し触れていただきました。やはり、ブラックアウトというのは、電力の安定供給体制をきちっと強靱なものにしていくことの意味、重要性といったことを改めて我々も痛感をしたわけであります。 例えば、この議論になりますと、発電設備を耐震性を強化していくですとか、あるいはバックアップをつくっていく、またさらには、北海道と本州の間でいわゆる電力を融通し合う北本連系線、これを増強していく、こういうことに着目が今集まっているわけでありまして、これはこれでとても重要なわけですが、私、今日ちょっと取り上げたいのは、こういったハード面の整備も当然大事なんですけれども、運用面、ソフトの面でやはりこれ見直すところあるんじゃないかということであります。 例えばですが、先日のこのブラックアウトのときは、大規模のこの停電に至るまでに、送電線が四回線、実は故障するトラブルというのが実際に発生をしております。また、再生可能エネルギーの観点からいいますと、実は早い段階で解列、つまり接続から切り離してしまうんですね、こうしたことによって、停電の間も実は風力発電は回っていたわけでありますけれども、この電力というのは残念なことに生かすことができておりません。 こうしたソフト面の課題というのを一つ一つ精査していただきまして、例えば災害時における再生可能エネルギーの接続の在り方ですとか、日常的な送電設備の保守点検、さらには緊急時における電力会社間の協力、連携体制、こういったものを一つ一つやはり見直していかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、この点に関しまして世耕経産大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のとおり、強靱な電力ネットワークをつくるために、もちろん設備の増強というのもしっかりやっていくわけでありますけれども、ソフト面での対策もしっかりとやっていきたいと思います。今、経産省でワーキンググループを立ち上げて、検討を進めているところであります。 具体的にどういうことを考えているかといいますと、まず一つ、特にこれ関西の停電で顕在化したんですけれども、いつ復旧するかなかなか分からない、どこが故障しているかなかなか把握が難しいといったことがありましたので、システム開発などによって現場の情報をリアルタイムに吸い上げるような仕組みをつくっていくとか、あるいは、もっと基本的なことになりますけれども、ツイッター等でかなりきめ細やかに、停電の状況ですとか復旧の見通しですとか停電の原因分析とか、そういったことを発信をしていくということもやっていきたいと思います。 また、極めてアナログな世界になりますけれども、隣接する電力会社からの応援体制、これも何か要請があってからやるんではなくて、ここの電力会社が大変だと分かればもう自主的に電源車を派遣するような電力会社間の連携強化、こういうこともやりたいと思います。また、今御指摘のとおり、北海道のあのブラックアウトのときは再エネが全部系列から外れましたけれども、これを少しコントロールをしっかりやって、周波数が低下しても発電が維持できるような災害に強い再エネの促進といったこともやっていきたいというふうに思います。 御指摘のとおり、ソフト面での取組もしっかりやってまいりたいと思います。
○平木大作君 もう是非よろしくお願いいたします。 この電力の安定供給と防災・減災というテーマでもう一問お伺いしておきたいんですが、これ、決して電力のいわゆる発電所ですとか大きな送電設備、送配電設備の問題ではありませんで、我々の暮らしの中にも実は結構もっと目を向けるべきものがあるかなというふうに思っております。 それが何かというと、これ、町の至る所にある電柱であります。災害時の電柱倒壊というのは、電力の供給に支障が出るだけではありませんで、いわゆる緊急輸送道路の通行が妨げられたりするということで、市街地の防災・減災にとりましても大きな課題となっているところであります。 政府といたしましても、これ、政府としても、近年の固定資産税の特例措置ですとか、あるいは本年三月には道路法の改正、また四月には無電柱化推進計画と、今矢継ぎ早に取り組んでいただいているということを認識しておりますけれども、改めて、災害時の電柱倒壊という観点から、予算、税制の両面でこの取組、私は加速すべきだと考えておりますが、石井国土交通大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 無電柱化につきましては、本年四月に策定をいたしました無電柱化推進計画におきまして、過去のピーク時と同程度となります三年間で約千四百キロメートルの新たな無電柱化に着手を目標に掲げ、推進をしているところであります。 こうした中、本年九月の台風二十一号におきまして、電柱の倒壊による長時間の停電や道路閉塞による救急活動、復旧活動等への支障が発生するなど、国民生活に重大な影響がございました。 これを受けまして、政府全体で進めております重要インフラの緊急点検の一環といたしまして、強風による電柱倒壊を回避する観点から、緊急的に進める無電柱化の区間の点検を進めており、その結果を踏まえ、今後三年間で集中的に対策を実施をしてまいります。 無電柱化の推進に当たりましては、緊急輸送道路等におけます無電柱化に対しまして、防災・安全交付金による重点的な支援を行うとともに、地中化いたしましたケーブル等の固定資産税を減額する特例措置につきまして、来年度以降への期間の延長を要求をしているところであります。 今後とも、低コスト手法の普及や新設電柱の立地制限の拡大等を進めながら、地方公共団体及び関係事業者とも連携をいたしまして、無電柱化の推進に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
○平木大作君 私、この無電柱化の議論をするときに一つ思い出すエピソードがありまして、かつて一緒に働いていたこれ米国人の同僚から言われた一言なんでありますけれども、こう言うんですね。東京の実は住宅地を歩いておりまして、日本はとても美しい国で何でもそろっているけれども、一つだけ本当に欠けているねと、それは何かというと、歩道がないというふうに言われまして、言われるまでちょっと余り意識は上ってなかったわけでありますけれども、これ本当に大事な指摘だというふうに思っております。 ただでも狭い道路の中を白線で区切って申し訳程度の歩道というのがあるわけですが、そのど真ん中に電柱が至る所で突き出しているという状況でありまして、これ、余りにも昔から見慣れている光景なだけに、なかなかこれを疑問に思うということがないのかもしれませんけれども、やはりこれ災害のときには、電柱が倒れて、実際にただでも狭い道路に救急車が入れない、消防車が入れないという、そういう事態に実際になっているわけであります。これ、是非とも大臣に、加速化、力を入れて取り組んでいただきたいということを重ねてお願い申し上げたいと思います。 もう一つ、この暮らしを守るための防災・減災という取組として治水事業も取り上げておきたいんですけれども、皆様のお手元に配付をいたしました資料一、御覧いただきたいと思います。(資料提示) これは、国土交通省関東地方整備局の荒川下流河川事務所が制作をいたしましたフィクションドキュメンタリー「荒川氾濫」というものでありまして、私も見たんですが、これ一般にネットで公開している十四、五分の映像であるんですけれども、この首都圏で起こり得る水害というのを具体的にイメージをして対策を考える上で、私は極めて有用なこれ資料だと思っております。制作した意図と内容につきまして、国土交通省から御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。 荒川は我が国の中枢機能が集積いたします首都圏を流れておりまして、下流部ではゼロメートル地帯が広がっております。仮にこの荒川の堤防が決壊した場合、その浸水は例えば銀座や丸の内のオフィス街まで及ぶ可能性もありますし、また、氾濫の状況等によりましては、死者数が四千名以上、浸水戸数が五十万戸以上に上るということも想定されております。さらに、広い範囲で二週間以上にわたって浸水が継続するといったことも想定されておりまして、社会経済活動に大きな影響が出ることが懸念されております。 このため、住民の方々等に水害の危険性を分かりやすくお伝えするとともに、的確な避難行動や水害に対する備えを講じていただくことなどを目的といたしまして、このような被害状況をお示しした動画としてこの「荒川氾濫」を制作したところでございます。 この動画を用いまして、職員が地域や学校などの防災教育の場で説明するなど活用しておりますし、また、どなたでも自由に御使用いただけるように映像素材としてホームページ上に公開もしているところでございまして、放送や出版などでも活用いただいているところでございます。
○平木大作君 この映像素材は、三日間で総雨量五百ミリ降った場合に起こり得る実際の被害想定に基づいて作られております。 五百ミリというのは確かにすごい豪雨なんですけれども、ただ、じゃ、実際に起こり得ないレベルかというと、決してそんなことはありませんで、この荒川の下流域でも、例えば近年四百ミリレベルの雨というのは実際に何度か観測をされております。また、本年七月に起きました七月豪雨、このときには十日間の総雨量として、四国地方では千八百ミリ、東海地方で千二百ミリ、九州北部地方で九百ミリ観測した地点もあるぐらい、このときは七月の降雨量の例年の四倍、一気に降ってしまっているわけでありますけれども、こういう大雨が実際に降っているわけであります。 そういった意味でいくと、これ、五百ミリというのは決して、あながち想定の数字ではないということが分かるわけでありまして、私も先日、実際にドキュメンタリーを作った、決壊したことになっている場所に実際に行ってみました。この一点が、堤防が決壊してしまうことで首都機能が全部止まるのかと思うと、やっぱりぞっとするわけであります。 ある意味、この想定される甚大な被害ということから考えますと、一刻も早い対策が必要なわけでありますけれども、例えばこの荒川流域の治水整備目標、実は今終わっているのはまだ七割ちょうどでありまして、逆に言うと、いつ起きてもおかしくない災害への備えというのが三割でまだ実はできていないという実情にございます。 現在、これは石井大臣が、水防災意識社会再構築ビジョンという名の下で、ハード、ソフト両面で今こういった取組加速化されていると思いますけれども、この点についてのお取組について改めてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 平成三十年七月豪雨を始めといたしまして、近年、各地で大水害が発生をしております。このような災害に対しましては、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備える水防災意識社会を再構築する取組を進めることが重要と考えております。 委員御指摘の荒川では、上流で洪水を調節する荒川第二、第三調整池や高規格堤防の整備、また、関係者が災害時に行う防災行動を時系列的に整理したタイムラインの作成など、ハード、ソフト両面で氾濫被害の軽減を図る取組を進めているところであります。 こうした中、本年七月豪雨で明らかとなりました幾つかの課題がございます。例えば、広範囲に長時間継続した大雨により各地で水害や土砂災害が複合的に発生をした、またハザードマップ等のリスク情報が住民の避難につながっていない、こういった課題につきまして、現在、社会資本整備審議会等で検討を進めておりまして、年内をめどに対応方針を取りまとめ、水防災意識社会の再構築に向けた取組を更に加速をさせてまいります。 また、現在、防災関係インフラ等の重要インフラを対象に、災害時の機能確保についてソフト、ハード両面から緊急点検を実施をしておりまして、今月末をめどに対応方策を取りまとめる予定であります。 この緊急点検の結果や、これまでの災害を通じて培ってきた経験や教訓を踏まえまして、災害から国民の命と暮らしを守るため、三年間集中で講じる緊急対策を始めとしまして、総力を挙げて防災・減災対策に取り組んでまいりたいと考えております。
○平木大作君 今大臣から御言及のあった、このハザードマップのリスク情報が住民の避難につながっていないというこの七月豪雨の教訓というのは本当に重いというふうに思っております。 改めて、この防災・減災の取組というのは、当然これ、国と県と市町村がきちっと連携し合わないとなかなか実効性のあるものってできないというふうに思っているわけですけれども、特にこの実際にハザードマップを見ながら具体的な避難計画を作るというのは、これ恐らく市町村の先にあるいわゆる町会ですとか自治会の単位でこれ取り組んでいただかなければいけない取組でありますから、ある意味、本当にこれはなかなか骨の折れる仕事、でも絶対にやらなければいけないわけであります。 是非、これ、暮らしと命を守る大事な事業でありますので、政府としても取り組んでいただきたいということを重ねてお願いしますとともに、この「荒川氾濫」の中にも、右側の方に少し図で示させていただきましたけれども、具体的に、ハザードマップどう見たらいいのかとか、どう使ったらいいのか、こういったところも解説がありますので、御覧になったことのない方は是非これは一度見ていただきたいというふうにお願いを申し上げます。 それでは、少し違う観点の質問なんですけれども、お手元にお配りしました資料二を御覧いただきたいと思います。 風疹の罹患者が二千人を超えまして、首都圏以外の地域にも今広がりを見せております。いよいよ流行の今兆しというか、もう大分流行期に入ってきてしまったのかなという状況なわけでありますけれども、資料の二の左側見ていただくと分かるんですが、風疹というのは、妊娠初期の女性の方がかかりますと生まれてくるお子さんに、先天性風疹症候群と言うらしいんですけれども、いわゆる目ですとか心臓ですとか様々なところに実は障害を持って生まれてきてしまう場合があると、こういう可能性が高くなるということでありまして、これはもう早急に手を打っていかなければいけない問題だと思っております。 ちなみに、前回この風疹が流行しました平成二十四年から二十五年にかけましては、四十五人の妊婦の方が風疹にかかってしまいまして、うち十一人のお子さんがこの先天性の風疹症候群でお亡くなりになっております。 これは、やっぱり大事なのは、妊娠する可能性のある女性だけが気を付けていればいいという話じゃないということであります。風疹というのは、職場ですとか公共の場、ここでのせきとかくしゃみでうつってしまうような感染力の高い病気でありまして、資料二の右側を見ていただきたいんですけれども、今回の流行の実は真ん中にいるのが働き盛りの男性の皆さんであります。 〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕 男性の罹患者は現時点で女性の四・四倍、三十代以上の男性が実に全体の七割を占めているという状況でありまして、これ原因は様々あるんですけれども、その主なものの一つが、風疹の定期接種、予防接種というのが一九九五年の三月までは実は中学生女子のみが対象となっていたということでありまして、これは裏を返しますと、私の世代がちょうどそれに当たるんですけれども、現在三十九歳以上の男性というのは基本的にこの風疹の予防接種を一度も受けたことがない可能性を疑った方がよいということであります。 逆に言うと、これ以上の流行を防いでいくためには、この層に対する取組、対策というものがこれはもう絶対に必須になるわけであります。現在、これ、各自治体で様々これ今施策というのは広げていただいておりまして、この抗体の検査ですとか予防接種に対する助成やっているんですけれども、残念ながら取組がまだまだばらばらでありまして、決め手を欠くという状況にあります。 こういった状況を受けて、先日、米国の疾病対策センターは、この予防接種や感染歴のない妊婦は日本への渡航を自粛するように注意喚起をしたという、こんなアラートまで出てきてしまっているわけであります。 政府におかれましては、二〇二〇年までの風疹排除、これを掲げられまして、これまでも取組様々していただいているわけでありますが、もういよいよ目前に迫ってきましたラグビーのワールドカップ、また二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、こういったところを前にして、ちょっと今不安な状況なわけであります。 是非ともこれ、対策費、今回の補正予算の中にしっかり盛り込んでいただきまして、国のこの統一的なガイドラインの下で各自治体の取組をしっかりバックアップしていただきたい。同時に、これやっぱり職場での予防接種などの取組を進めていただいて、もうあらゆるチャンネルを使ってこの取組にきちっとある意味効果を出していただきたいと思うんですが、この点について根本厚生労働大臣の御見解をお願いしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 風疹について、妊娠中の女性が感染した場合の問題点、今委員から御指摘がありました。そして、今、風疹の患者の状況、三十代から五十代の男性の患者が全体の約三分の二、これも委員の御指摘のとおりであります。 現在、今我々が現在やっている対策、これは患者の増加数が多い五都県を中心にワクチンの供給量を増やす、そして妊娠を希望する女性などが抗体検査や予防接種を受けやすくする環境整備を行っております。 委員御指摘のとおり、三十代から、つまり三十九歳から五十六歳の男性、予防接種を受ける機会がなかったものですから、抗体保有率、これが八〇%で、これは他の世代に比べて予防接種を受ける機会がなかった、これによって八〇%と低いと、これが、その予防接種を受ける機会がなかったことが一つの一因だと指摘されております。大事なのは、この点については、WHOでは、風疹の感染拡大を防ぐためには八五%以上の人が抗体を十分に保有していることが必要であると、こう指摘されております。 そのため、厚生労働省では、WHOの考え方を踏まえて、今後更に、委員が御指摘のように、大事なのは、このような年齢の男性の抗体保有率を上げて風疹にかかりにくい人を増やすための全国的な対策、今は五都県中心ですけど、全国的な対策について、審議会で有識者の御意見を伺いながら早急に取りまとめたいと思います、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックもありますから。 具体的に、じゃ、どういう対応をするか。三点申し上げたいと思います。現在行っている抗体検査に対する補助事業の対象範囲の拡大、これは当然予算が伴います。予防接種法上の位置付けも含めた風疹の予防接種の推進方策。そして二点目が、今職場というお話もありました。働いている方が抗体検査や予防接種が受けやすくなるように事業者団体などとの連携を更に徹底する。そして三点目、統一的というお話もありました。自治体ばらばらにやっていますから、自治体の取組に関するガイドラインなどを国が主導して示すということを検討しておりまして、御党あるいは山口代表、様々御指摘がありました。これはスピード感を持って取り組んでいきたいと思います。 〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
○平木大作君 是非よろしくお願いいたします。 最後になるかと思いますが、自由貿易体制の推進について少し最後にお伺いしたいと思います。 この保護主義の台頭と貿易摩擦、大変今過熱をしております。私も、この八月にアルゼンチンで開催をされました貿易・投資大臣会合、G20の会合に出席をさせていただきまして、この対立の厳しさというものを肌身を感じ、実際に実感をしてきたところなんですけれども。 そうした中で、先日閉幕をいたしましたAPEC、この首脳会議において、ついに、これ残念なことなんですけれども、首脳宣言が採択することができませんでした。米中両国になかなか歩み寄りの兆しが見えない中で、今後、この日本の果たすべき役割、ますます大きくなるというふうに考えておりますが、このAPEC出席の感想と併せまして、総理の御決意を最後にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、APEC首脳会議において首脳宣言を採択できなかったことは大変残念であります。 経済のグローバル化が進む中で、各国において様々な不安や不満が生じています。こうした中で、不公正な貿易慣行を含む保護主義への懸念が高まっています。しかし、時計の針を逆戻りさせるべきではなくて、むしろそうした不安や不満に真正面から向き合い、公正なルールを打ち立てることによって自由貿易を進化させていくべきでありまして、TPP11や日EU・EPAはそのモデルとなるものでありまして、我が国は自由貿易の旗手として、今後更にRCEPやWTO改革など、自由で公正なルールに基づく貿易体制の強化を積極的に推進していく考えであります。
○平木大作君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で平木大作君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、櫻井充君の質疑を行います。櫻井充君。
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。 今日は建設的な議論をさせていただきたいと思っていますので、御答弁の方もよろしくお願いしたいと、そう思います。 まず最初に、予防医学についてお尋ねしたいと思いますが、済みません、総理、通告ないんですけど、これからインフルエンザの時期になります。インフルエンザの予防というと、総理は一体何をされているでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一応、予防注射をしておりまして、具体的にどういうものかということについてはお医者様に任せております。
○櫻井充君 まず予防接種が一つだと思いますが、あと、よく言われているのは、手洗いとうがいと言われています。実は、手洗いは医学的に効果があることが分かっていますが、うがいは医学的に効果はないんです。ですから、インフルエンザの時期にもう掛かってくるので、是非国民の皆さんに知っていただきたいと、そう思っているんです。 何で予防できるかというと、実はこういうデータが出てきまして、これは口腔ケアを行った人たちと行っていない人たちと、二年間の追跡調査です。(資料提示)ランセットというすばらしい雑誌に載ったデータでして、米山先生始め皆さんの御尽力でこういうデータが出てまいりました。 二年間の追跡調査で、口腔ケアを行った人たちは、発熱発生率が半分ぐらいになり、肺炎の罹患率も半分になり、肺炎で亡くなる人たちも半分ぐらいになっているんです。これだけ実は口腔ケアというのはすごく大事なことなんですが、なかなか国民の皆さんに理解されていないと。 それから、インフルエンザの予防も、これサンプル数はまだ少ないんです、百ぐらいしかないんです。ですが、十分の一ぐらいに抑えられるというデータが出てきています。私の知り合いの、地元の阿部仁美先生のところの特養などは、四年間、入所者のインフルエンザの罹患率がゼロになったんですが、彼女は歯医者さんで、歯科衛生士さんをちゃんと置いて口腔ケアやっているからこういうことになっているんですよ。 是非、そういう点でいうと、医療費や介護費用の削減につながっていくので、歯科医療費についての、もう少しきちんと研究や予算の増額をできないものだろうかと、その点について厚生労働大臣にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) 先生おっしゃるように、口腔ケアと全身の健康、口腔ケアをすれば全身の健康状態にいい影響があると、こういう話はたしか私も、二〇〇〇年当初ぐらいから研究がなされてきたんだと思います。 そして、今先生お話しのように、今、歯科保健サービスの効果実証事業というものを厚労省で四年ぐらい前からやっております。そして、この効果実証事業において、今委員がお話がありましたように、高齢者に対する口腔ケアが誤嚥性肺炎の発症予防になるとか、あるいは歯周症と糖尿病との関係が注目される、口腔の健康は全身の健康にもつながるものとして極めて私も重要だと認識をしております。 今、歯科保健サービスの効果実証事業、これは平成三十年度予算で七千万の予算でやっておりますが、こういう予算を活用して、口腔ケアなどの歯科的介入と全身的な疾患の重症化予防との関係について、委員おっしゃられるように、歯科医師だけではなくて医師を含めた様々な専門家で検証を行っております。
○櫻井充君 ありがとうございます。次の質問にしようと思ったところを答えていただきました。 ちょっとパネルにはしていませんが、二枚目の資料を見ていただきたいんですが、これは東北大学の、私の高校時代の同級生の佐々木教授が出したデータですが、自分の歯がきちんと残っている人と残っていない人でどのぐらい医療費が違うのかというと、ゼロから四本の人と二十本以上の人だと五千六百円も、これ医療費ですよ、医療費が違ってきているんです。これ、兵庫県の歯科医師会からもデータは以前出ていまして、二割ぐらい医療費が削減できるというデータが出てきていて、ただ大事な点は、歯科界ではこういうことが常識になりつつあるんですが、医科の方でなかなか認めていただいていないと。先ほどのランセットに載ったのは、あれは医科と歯科とで合同で研究をやったからああいうデータが出てきています。是非、歯科単体で付けることではなくて、もう少し医科と歯科と一緒になってやっていただきたいと。 それから、歯周病が動脈硬化を引き起こすと、動脈硬化のリスクファクターになるんじゃないかということもあって、今回、脳卒中それから循環器基本法の中に歯科の研究を進めることということも議員立法の中で入れさせていただいているので、是非前向きにそういう予算を付けていただきたいと、大臣、よろしくお願いしたいと思います。
○国務大臣(根本匠君) しっかり取り組みます。 それと、今回、骨太の方針にもこれは、口腔の健康は全身の健康にもつながるので、生涯を通じた歯科健診の充実、入院患者や要介護者を始めとする国民に対する口腔機能管理の推進など歯科口腔保健の充実や、地域における医科歯科連携の構築など歯科保健体制の充実に取り組むと、これは政府を挙げて取り組みますので、よろしくお願いします。
○櫻井充君 書いてあるのはよく知っているんです。それに見合った予算を付けていただきたいと、そのことだけお願いしておきたいと思います。 それから、少子化対策について二点お伺いしたいと思います。 安倍政権で、子供さんが生まれてからの対策というのは随分手厚くなってきたんだと、そう思っているんです。今日お願いしたいことは、妊婦さんに対してです。妊婦加算というのが実はあるんですが、我々が外来を受診するときと妊婦さんが外来を受診するときでは、実は妊婦さんの方が負担が重くなっているんです。おかしな話なんです。なぜそういうような制度をつくったんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 妊婦の方の外来診療については、通常よりも丁寧な診療を行っていただく必要があることから、平成三十年度診療報酬改定において妊婦加算を新設をいたしました。この加算により、妊婦の方の診療に積極的な医療機関を増やし、妊婦の方がより一層安心して医療を受けられる体制につなげていきたいと考えています。 一方ですね、一方、妊娠、出産に係る費用負担の軽減については重要な、費用がこれ増えるではないかという御指摘だろうと思いますが、重要な御指摘と考えておりまして、これまで、産前産後期間の厚生年金保険料の免除や十四回分の妊婦健診助成に加えて、昨年度から産婦健診二回分の費用の助成を行うなど負担の軽減を行ってきておりまして、引き続き、安心して子供を産み育てられる社会となるように取り組んでいきたいと考えております。
○櫻井充君 今の御答弁は本当に有り難いお話なんですが、総理、私も診療やっていた当時、妊娠された方の治療も行っていました。ぜんそくの発作を起こされるか、それとも薬を使ってコントロールするか、本当にせめぎ合いなんですよ。薬の副作用があるかもしれないし、だけど、薬をやめてぜんそくの発作を起こした方が全身の影響、胎児に対する低酸素など影響があって問題じゃないかと思って、そこでせめぎ合いで悩んでいました。 済みませんが、こういう外来加算とか、僅かな額です。この僅かな額で我々が動くというわけじゃないんですよ。私は、これ、申し訳ない、これをつくった厚生労働省に申し上げておきたいのは、非常に失礼だと思います。僅か数百円の額を上げたから、あとはあなた方ちゃんと妊婦さんを診なさいよと。そういうことじゃないんです。実はリスクが高いから、リスクというのは、訴訟リスクが高いからなんですよ。つまり、萎縮医療の中の一つなんです。我々とて、きちんとした形で診たいと思っていますが、こういう外来加算じゃないんです、訴訟に対するリスクをきちんとしていただきたいんです。 一方で、もう一つ申し上げておきたいのは、妊婦さんたちはリスクを背負ってまで我が国の少子化のためにこうやって子供さんを出産しようとしてくださっている。もちろん、自分たちの生活のためであったり楽しみであったり、それはもちろんそのとおりですよ。ですが、国全体から見れば、やはり妊婦さん大事にするべきであって、その点でいったときに、こういう個人負担を増やすようなことというのは私は大きな間違いだと、そう思っているので。それから、コンタクトレンズを入れるときなんて何にも関係ないですよ。これだって、結局、初診料や再診料が高く付く、払わなきゃいけないんです。 こういう間違った制度を是非やめていただきたいし、それから、これから述べる不妊治療についても妊産婦の方々の費用の軽減をお願いしたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(根本匠君) 妊婦加算で今コンタクトレンズの処方のみと、こういうお話がありました。妊婦加算は、様々な医療界等の要望も踏まえて加算をしたものであります。 先生がおっしゃるように、現状では、患者が妊婦であるかどうかにかかわらず通常と同じ診療を提供する場合で、例えばコンタクトレンズの処方のみの診療、ここでもやっていますから、こういうところは、不適切な事例については、これはきちんと不適切な事例がないように対応していきたいと思います。
○櫻井充君 そういうことじゃないんですよ。根本的な考え方を私は申し上げていて、やはり妊婦さんに負担をいかに掛けないかということが大事なことだと思っているんですよ。 子供がまず生まれる前に、まず妊娠するかどうかがすごく大事なことでして、その点でいうと、不妊治療にも相当お金が掛かって、産みたいと思っている方々もなかなか出産できないんです。今の労働条件で、今の賃金で数十万のお金をためるというのは本当に大変なことです、社会として見てですね。 もういいかげん、これは病気なんですから、健康保険の中に入れるとかそういう形で、もっと産みたいと思う方々が産みやすくなるような社会をつくるべきではないかと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この不妊治療については、他の疾病と同様、治療と疾病の関係が明らかで、治療の有効性、安全性が確立されているものについて保険適用の対象としております。これは、言わば、保険適用にしろという御趣旨か、あるいは、もしそれが無理でも支援すべきかということかもしれませんが。 そこで、こうした観点から、不妊治療のうち体外受精や顕微授精については保険適用外とされているところではありますが、治療費が高額なものとなるなどの指摘がなされているとこれ承知をしております。 したがって、保険適用となる治療によってもなお不妊に悩む方の経済的負担の軽減を図るため、体外受精や顕微授精について、初回の治療への助成額を三十万円まで引き上げるとともに、男性の不妊治療を対象に加えるといった助成の拡充を行ってきたところでありますが、こうした取組を通じて一人でも多くの方たちの出産の希望をかなえてまいりたいと、このように考えております。
○櫻井充君 これまでも少しずつ増額されていることは認めているんです。それでも、総理、やはり庶民からしてみると相当大変なんですよ。 今、健康保険に導入するためにはという、いろんな条件がお話しされましたが、であったとしたら、なぜ国が補助金を出すんでしょうか。国が補助金を出すということは、それなりに効果があるということをちゃんと認めてくださっているからもうそういう補助金の制度があるのであって、繰り返しになりますが、少子化は我が国の最大の問題ですよ。そうであったとすれば、そこのところにお金を使ってくるというのは私は当然のことだと思いますけれども、改めて、改めて今の妊婦加算やそれから不妊治療なども含めて、もう少し妊産婦さんに優しい政策をされた方がいいと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的な考え方としては、子供を産み育てやすいと、それに係る経済的な負担を軽減をしていきたいと、それは国民みんなでこれは分かち合っていく費用として支援をしていきたいと、そういう基本的な考え方は共有していると、こう思うところでございますが。 そこで、妊婦加算については、初診で七十五点ですか、ということになっておりますが、基本的に今プラス二百円は負担していただくことになるわけでございますが、同時に、今、先ほど申し上げましたように、出産前、出産後の健診等の軽減等の措置は行っているということでございまして、御理解をいただきたいと、こう思う次第でございますし、また、不妊治療につきましては、これは国で補助金出しているということは認めているじゃないかと。それは確かにそのとおりでありまして、それは、言わば不妊治療について国としてはしっかりと支援をしていきたいと、こう考えているところでございますが、一方、保険については、保険の仕組みということがございまして、先ほど御説明させていただいたとおりでございまして、今後ともどういうことができるかということは考えていきたいと、こう考えております。
○櫻井充君 どうもありがとうございます。考えていただけるということだったので、保険という仕組みでなくても結構です。繰り返しになりますが、妊産婦さんたちに対して優しい政策を取っていただきたいと、そのことだけお願い申し上げておきたいと思います。 それからもう一つ、今度は企業の内部留保についてお尋ねしたいと思います。 アベノミクスで最大の問題は何かというと、やはり地方の景気が回復しないということなんだと、そう思っています。なぜ地方の景気が回復しないのかというと、ここにもう全て示されていると私は思っているんです。要するに企業の内部留保が増えてきています。 この企業の内部留保が増えているのは、もちろん円安など海外での企業の成績が良くて、それから為替差益があることもありますが、一方で大幅なコストカットを行ってきている、それはどこに対してかというと、下請企業に対してなんですよ。下請企業をたたいて大企業が利益を出して、それが内部留保に回っていっているから、だから地域経済は良くならないわけですよ。 総理、総理は一生懸命、労働分配率を上げるようにと、そのことをずっと経団連にお願いしている。この方向は私は間違っていないと思いますが、総理、もう一つ、是非お願いは、この内部留保でこれだけためるんであれば中小企業に対して利益率を上げるようにするべきだということを大企業に私ははっきり言っていただきたいと思いますが、その点についていかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その点については私も大企業にかなりはっきり申し上げてきているわけでございまして、安倍内閣では、近年の下請いじめの実態を踏まえまして、二年前に下請法の運用基準を十三年ぶりに改定をいたしまして、買いたたきなど違反行為事例を二倍以上に増やしました。 また、業界ごとに取引適正化に向けた自主行動計画の策定を要請し、自動車など十二業種で既に策定済みであります。同時に、下請Gメンの体制強化に加えまして、本年も六万社を対象とした改善状況の調査を実施するなど、関係法令の厳格な運用に努めており、今後も下請取引の適正化、取引条件の改善に取り組んでいく考えでございます。 こうした取組を通じまして、景気回復の温かい風を全国三百八十万者の中小・小規模事業者の皆さんにしっかりとお届けしていきたいと考えております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 しかし、それがどれだけ効果を上げているんでしょうか。例えば、ある不動産会社の売上げは、これはもう名前言うとどこかということが分かって、誰でも知っているところですが、売上げは落ちているんです、だけど利益の額は増えているんです。それは何かというと、やはりそこで取引している中小企業をたたいているからです。自動車会社も同じです。あれだけ利益を出していても、一次下請、二次下請の方々に話を聞いてみると、更に改善を求められると。こう言うとどこかが分かってしまうかもしれませんが、ですが、それが実態なんですよ。 今のようなお話をされるんであれば、公取の体制をもっと強化して、優越的地位の濫用や、それから独禁法違反に触れるという形で指導していただかないとなかなか変わっていかないんじゃないかと思いますし、地方は中小企業と零細企業ですよ、ほとんどが。ですから、ここの内部留保を使って地域の活性化、だって、これだけ金あるんですから、是非ここら辺のところについてもきちんとした指導をしていただきたいと思いますし、そうでなければ私は内部留保課税も行っていくべきだと、そう思いますが、総理、いかがでしょう。いや、いいです。もう、ちょっと時間がないので、総理、お願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 短く答えるようにします。 まさに、下請たたきを絶対やめさせなければいけないというのは共通の問題意識でございます。私も、就任以来、業種別に全部訪ね歩いて下請取引の改善を求めてきていますし、行動計画しっかり立ててもらって、今、実行移してもらっています。十分に実行できていないところには、私、再度お伺いをして改善を求めるということもやっています。もう既に、例えば自動車産業では手形取引がもう大幅に減りました。現金で支払うようになって、私の地元でも資金繰りが楽になったというような零細企業もたくさん出てきています。 これ、もうどこまでやって終わりではなくて、これからもしつこく取り組んでいきたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私の場合、簡単に申し上げますと、例えばですね、毎年毎年、ある一定の合理化をして値下げをしていけと、この値下げをしていくのをやめるよという程度は駄目ですよということは、まあ余り言うとこれ特定の企業が浮かんでしまうんですが、ということははっきりと申し上げておりまして、しっかりと利益が上がっていく中において下請にも還元するようにということは、私も大企業の経営者等にもしっかりと申し上げているところでございます。
○櫻井充君 努力いただいているんであろうと思いますが、結局、ここまで積み上がってきているということ自体、まだまだその利益は分配されているわけではないわけですよ。 それから、労働分配率だって、二〇一七年は一九七四年以来の低さになっていて、六五・一%まで落ちてしまっています。これ、労働者の方々は、外に出れば、一歩出れば消費者なんですよ。だったとすると、労働分配率を上げて労働者の方々の賃金が上がらなかったら、買物できないじゃないですか。内需が増えないのは当たり前ですよ。今回のGDPが落ち込んだのだって、結局、震災等の影響がありましたが、外需が落ち込んだことですよね、外国人観光客が減ったことですよね。そういう不安定なことではなくて、やはり内需をきちんとした形で確立していくためには労働分配率を上げていくしかないんだと思っているんですよ。 そういう点でいうと、繰り返しになりますが、麻生大臣、内部留保課税も含めて、もう少し厳しくやるべきじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 安倍政権になってこの六、七年の間に、内部留保に関しましては平均二十五兆円ずつ毎年上がっているんじゃないですかね。二十五兆、二十六兆、二十五兆、最近は四十六兆、それが実態だと思います。累積でかなりな額になった、それまでの前の分がありますので、その前は約三百ぐらいありましたので、トータルで四百幾つになっていると思いますので。 確かに、この部分に関しましては、安倍内閣はこの点を指摘してもうかれこれ四年たとうと思いますが、労働分配率が、昔七七、八%が今六四、五までおっこっているという自体もう、これは組合もなっていないんですよ。組合なんかしっかりすべきなんだって僕は労働組合に言っている。我々が労働組合に言って、何で、何で労働組合は民主党を応援して自民党を応援せぬのですかと、おかしいでしょうがと言って、我々は何回も組合の人に申し上げております。応援のことは直接言っていますからね。 だから、そういった意味では、これは真剣にやろうとして、なかなかその企業との意識の差があるので、やっぱり長いこと、何だろうね、デフレでこうなったのが緩んでくるのに随分時間が掛かるんだと思いますが、大分変わってきたとは思いますけれども、現実問題、私はおっしゃる指摘が正しいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府としても、ただ賃上げしろと言ってきただけではなくて、所得拡大促進税制を含めた税制面での環境整備や賃上げに努力する中小企業への支援の促進などに取り組んできたところでございますが、今後ともしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 取り組んでいただいていることはよく分かっていますし、組合は組合で一生懸命やっています。 ただ、ただし、大臣です、麻生大臣、私が、私がお伺いしているのは、内部留保課税も含めて検討いただけないですかということです。
○国務大臣(麻生太郎君) 内部留保課税というのはもう、四年前にこの話が一回出したことがあるんですけど、これは明らかな二重課税ですからね。これはなかなか、ちょっと税体系としては極めて難しいとは思いますね、私どもとして率直なところ。 したがって、何となく、内部留保をためずに、その金が設備投資に、給与に回ることを考えていかにゃいかぬのだと、基本はそこだと思っております。
○櫻井充君 都合のいいときだけ二重課税持ってくるんですよ。例えば、ガソリンならガソリンで、ガソリン税があって消費税があって、二重課税なんですよ。それをそのまんまほっときながら、こういうことになってくると二重課税と言うこと自体、私はおかしいと思いますよ。もし税をすっきりしてもらうんであれば、今言ったような二重課税、全部やめてくださいよ。全部やめていただけたら、これ、今度は、例えばガソリンが下がっただけで地域は随分変わりますからね、車の所有率は田舎の方が高いんですから。そこまでおっしゃるんであれば、是非二重課税については見直していただきたいと、そこだけは要望しておきます。 さて、地域は人手不足で本当に困ってきています。今回の入管法で本当に地域の人手不足というのは解消するんでしょうか。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 全国各地で人手不足が深刻化しております。委員の御地元の宮城もそうですし、私の地元の岡山もそうでございます。とりわけ、地方における人手不足の対応は政府として取り組むべき喫緊の課題であるというふうに認識しております。 今回の制度によって、人手不足の状況において外国人材が入ってくると。これは必ずしも大都市圏に限らず、地方においても人材の受入れが進むものというふうに考えられます。 ただ、他方で、例えば就労の在留資格について、法律上、本邦において行う活動を定めるものでございますので、例えば、一般法である入管法において、特定の地方に限定した活動を法律で定めて外国人を地方に強制的にとどまらせるということはなかなか困難でございます。ですので、地方での人手不足が深刻な業種、農業や漁業ございます、にも配慮しつつ、必要な外国人材を適切に確保していく方策を検討していくということを考えております。
○櫻井充君 検討していただくのはいいんですが、まだ検討中なんですよ。しかも、この間、法務委員会でお伺いしたら、執行してから、施行されてから、これから考えるという話だったんですよ。だけど、何万人って上限決められて、その人たちが東京や大阪や大都市だけに行かれてですよ、その後から、じゃ、移ってくださいといったって移るはずがないんですよ。そうすると、施行するまでにちゃんと決めてもらわないと、法律がですね、そこまで決めてもらわないと私は変わらないと思っているんです。 今、法務委員会の方で提案させていただいているのは、例えば地方自治体から具体的にどの業種で何人ぐらい足りませんといったら、それも認めてもらえませんかと。なぜならば、全国一律になってくると、人手不足の内容が違うわけですよ。東京はコンビニはもう外国人がいなかったら成り立ちません。だけど、地方のコンビニは外国人がいなくたって、もう全員じゃないでしょうか、日本人の方が働いているんですよ。 ですから、地域ごとによって人手不足が違うので、全国一律ではなくて、答弁も、検討していただけていない、これから検討していただきたいと思いますが、そういうやり方も含めて、これがベストとは思っていませんので、是非施行前に考えていただきたいと、そう思いますが、いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。 地方における人手不足の深刻な業種等に関しまして、例えば分野別の運用方針を決めるに当たって、そうしたことも検討しながらやっていきたいと。分野別運用方針というのは施行前に決まるものでございますから、そうしたことができないか、御提言、貴重な御意見をいただいたと認識しておりますので、しっかりと受け止めたいと考えております。
○櫻井充君 前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございます。 これ、本当に地方にとって大事なことでして、特に、私は宮城の選出で、被災地は本当に人手がおりません。 それで、人手がいないからどういうことが起こっているかというと、グループ化補助金を借り入れて、受け取って、でも四分の一は借金をして工場の再建をしているんです。グループ化補助金等は、まあ手前みそになるかもしれませんが、私、つくらせていただきました。だけど、これで本当に皆さんから感謝されていたんですが、ここに来て逆のことが起こっているんです。人手不足で稼働できない、売り先が見付からない、その結果何が起こっているのかというと、仕事をやめようかと、今度は仕事をやめようかと思っているんですが、補助金を返還しないと仕事はやめられませんというルールなんです、原則を申し上げれば。そうすると、三十年間継続しないと補助金の返還義務が発生するので、仕事をやめようにもやめられない、経営していけば赤字が続いてくる、今こういう状況です。 是非お願いは、この補助金の返還義務をやめていただきたいと。このことは難しいことは分かっていますが、しかし、震災があったときに、我々の政権でした。我々は、お金がないから復興できないということにはしないということで、その方針で予算を随分付けさせていただいた。しかし、これがまた重荷になってきていることもまた事実です。この点について、何らかのその補助金の返還をしなくてもいいようなルールを作っていただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 事業をやめた際の補助金の返還義務については、もし必要であれば詳しく更に経産大臣から答弁させますが、残存簿価ではなく、事業をやめる時点での譲渡価格に補助率を掛けた額を返還することも認めるなど、被災事業者の実情を踏まえた負担軽減を行っているところでございます。 グループ補助金の運用については、引き続き、被災者の皆さんに寄り添いながら不断に見直しを行っていく考えでございます。
○櫻井充君 これ、まだ幸せなことに本当は助かっているんですけれど、だけど、これからもしかすると増えてくるんじゃないんだろうかと、そう言われています。 地元から言われているのは、もう一つは、借入れしているお金についてリスケをしてくれと、リスケが、ごめんなさい、条件変更できるようにしてほしいと、そういう要望をいただいていて、これは二年前に政府とお話をさせていただいた上で決まりました。 これは残念ながら被災地の企業の皆さんが十分理解されていないので、この間も石巻の商工会議所の皆さんが来られたときに陳情いただきましたが、これはもう安倍政権下で決めていただいているんですよ。そうであったとすると、もう少しきちんと説明していただかないと、事業の継続そのものが本当に困難になってきているんです。ですから、そういったことも全部含めた上で、今後、被災地の在り方、その経営も含めて見ていただきたいと、そう思っています。 そしてもう一つ、このグループ化補助金についてですが、例えば閖上の地域は、名取の閖上の地域は、かさ上げが遅れているものですから本体の工場が造れないでいるんです。その結果、雇用を守らなきゃいけないし、企業として経営していかなきゃいけないので、その当時のグループ化補助金で仮設の工場を造ってしまっているんです。仮設の工場をやめて、今度はかさ上げが終わって地元の閖上に戻って工場を造りたいと思っても資金がないんですよ。悲しいかな、だけど、これはもうかさ上げをやっているから仕方がなかったことなんです。 こういう人たちに対して改めてそのグループ化補助金を交付してほしいというお願いをしているんですが、なかなか経産省が厳しくて難しいんですが、大丈夫ですか、じゃ、世耕さん、お願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘の事案は我々もよく認識していまして、過去、当時、吉野復興大臣と櫻井議員の間でも質疑がありまして、そこから我々、今検討を進めております。関係自治体と、そして関係省庁、特にこれはもう財務省、補助金、運営、運用ということになりますから、財務省と今調整をしております。そんなに時間を掛けずに速やかに結論を得たいというふうに思っております。
○櫻井充君 前向きな御答弁、本当にありがとうございました。この間も、経産局と話をしたいんだけどなかなか会ってもらえないんだよなということを言われていたものですから、是非助けていただければ有り難いなと。老舗の企業なので、よろしくお願いしたいと思います。 それで、被災地の方々のもう一つ心配しているのは、復興庁がどうなるんだろうかと。この十年では終わらないので、早い段階で、復興庁がどのぐらい継続するのかとか、そこら辺のところを明示していただきたいんですが、その点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺博道君) 私は、復興大臣就任後、現場主義を徹底しようということで、岩手県、宮城県、そして福島県の知事にお会いし、さらには四十三の市町村長にお会いをしました。さらには、被災者の皆さん方と意見交換をしたところでございます。その中で、町のにぎわいが出始めているところもあります。また、復興が着実に進展していることを感じる一方、復興の進捗度合いによって地域差があることもまた認識をしております。さらに、心のケアなどが必要である、こういった課題についても改めて実感したところでございます。 それを踏まえた上で見解を述べれば、地震・津波被災地の地域については、生活に密着したインフラの復旧はおおむね完了しているし、住まいの再建も今年度中におおむね完成する見込みであるなど、復興は着実に進展しております。復興の総仕上げの時期を迎えているというふうに思っております。さらに、福島における原子力災害被災地域においては、避難指示が解除された地域において小中学校の再開や医療機関の開設が進むなど、復興再生に向けた動きが本格的に始まっています。 こういった意味においては、復興庁について、今後の課題については様々な、まずは地域の皆さん方、そして市町村長、県、こういった要望をいただきながら、そして、復興・創生期間後の対応については、必要な課題について整理した上で検討してまいります。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 答弁は簡潔にお願いします。
○国務大臣(渡辺博道君) そしてまた……(発言する者あり)一言で言いますが、時間は分かります。復興施策の進捗状況についてしっかりと把握した上で、整理をした上で、今年度内に一定の方向性を示してまいります。
○櫻井充君 最後の一言だけで結構でした。 今年度内に結論を出していただけるということだったので、これで今後の予定がきちんと立てることができるので、そこは本当に早く明示していただきたいし、それから、今いろんなことがお話しされましたが、是非、地元の要望に応えてきちんとした形で手当てをしていただきたいと、そう思います。 それから最後に、余りこういうことはやりたくなかったんですが、まあ一応、質問しろと言われたので質問させていただきますが、片山大臣にお伺いしたいことがあります。 昨日、片山大臣は、御前崎のところでしょうか、リサイクルエネルギープラザ推進協議会のところで御講演をなさるはずだったんですが、結局、御講演をキャンセルされたわけです。だけど、何がすごいかというと、この地域に対して、リサイクルエネルギープラザの誘致ができたのも片山さつき先生の助力によりと市議会議員の方がこうやって新春議会報告書を流されているんですけれど、何で昨日、そうやって皆さんのためにいろいろ尽力されたのに、行くのをやめてしまったんでしょうか。
○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。 昨日、私、昨日ではなくておとといではなかったかと思いますが、静岡県の中西部地域で、幾つかの場所で講演をさせていただいたんですけれど、御前崎の予定は当初から入っておりません。 それから、御指摘の御前崎リサイクルプラザ云々の件でございますが、私は一切この誘致に関わっておりませんで、そんな力もございませんし、そのことはきちっとお答えもしているところでございますので、どうぞその辺りは誤解なきようによろしくお願いいたします。
○櫻井充君 市議会議員の報告書にはそう書いてあったんですけど、それはそれとして。 僕、同じ静岡で、望月環境大臣の追及をしていたことがあるんですけど、そのときに環境省の役人が私のところに来て、すばらしい大臣だからもう追及しないでくれと頼まれました。それ以降、お会いしていろいろ話をさせていただいた上でですね、ですが、この問題については問題としてきちんとしていただくことを条件に、そういう追及をやめた経験があります。 片山大臣は、何でこんなに次から次にいろんな問題が出てくるとお考えでしょうか。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。 謙虚に丁寧に頑張ってまいりたいと思います。御指摘承ります。ありがとうございます。
○櫻井充君 今日は、自分なりには建設的な意見を述べさせていただいたつもりですし、総理からも御丁寧な御答弁をいただいたことに心から感謝申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で櫻井充君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 少なくない外国人が低賃金労働や人権侵害にさらされている技能実習制度の問題は明らかであります。しかし、ほかにも見過ごすことができない問題があります。それは、外国人留学生の問題であります。(資料提示) 現在、留学生の数は、技能実習生の二十八万人を上回る三十二万人にも上っております。彼らの置かれている実情は技能実習生と重なります。それは、多額の借金をして来日をするということであります。彼らの多くは、日本に行けば月二十万から三十万の就労収入があると仲介業者から説明を受け、日本語学校への学費や留学あっせんブローカーへの支払で、百五十万円前後の借金をして来日をいたします。 しかし、日本でのアルバイトは週二十八時間に制限をされております。彼らは、コンビニ弁当工場とか宅配便の仕分、ホテルの清掃、深夜の仕事も多い。時給九百円としても、これ月十万円程度にしかなりません。これでは、生活しながら百五十万の借金返済することは不可能だし、日本語学校、一年だけじゃありませんから、二年目、次年度の学費もままならないと。ですから、週二十八時間の制限を超えて外国人留学生は働くことになるわけですね。最賃に張り付いて、パワハラが横行する職場であっても、ダブルワーク、トリプルワークをすることになります。 私は留学生にも話を聞きましたけれども、過労死をした留学生もいるんだと。東京都内に日新窟というお寺があるんですが、二〇一二年から今年の七月までに亡くなった八十一人ものベトナム人留学生や実習生の位牌が並んでおります。これ、過労死や自殺だということなんですね。 確認しますけれども、これ、政府は、この留学生が劣悪な環境で働かざるを得ないという、こういう問題を把握をされているんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 外国人留学生につきましては、本来の活動である学業を阻害しない範囲内で資格外活動を認めるということは、留学中の学費及び生活費等を補うことにより、学業の遂行にも資するものであると考えているところでございます。そのため、資格外活動許可の申請があった場合、原則として週二十八時間以内、教育機関が学則で定める長期休業期間の場合には一日八時間以内などの条件を付してこれを許可することとしております。 しかしながら、この制限を超えて資格外活動を行っている留学生がいること、あるいは日本語教育機関の中に学校ぐるみで制限時間を大幅に超える就労活動を行わせている実態もある、そういったようなことについては認識しているところでございます。 今後とも、留学生の資格外活動の状況につきまして適切に把握するよう努めてまいりたいと考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 聞いているとは言うんですけれども、実態として調査をしたり、そういうことはしていないということだと思うんですね。 これ、問題の根底には、留学生を安い労働力として使いたい企業側と、日本語教育機関としての本来の趣旨から逸脱をして、留学生を労働力として供給する一部の日本語学校の実態があるんじゃないか。中には、法外な寮費を日本語学校側が徴収をしたり、パスポートや預金通帳などを取り上げて管理するなどのこれ異常な実態もあるわけなんですね。 東日本国際アカデミーという日本語学校は、昨年、ベトナム人留学生を不法就労させた罪に問われました。また、JAPAN国際教育学院という日本語学校は、人材派遣会社となりまして、学校の校門にバスを横付けして留学生たちを工場に送り込んでいたという実態も明らかになりました。 厚労省にお聞きしますが、日本語教育機関でこの職業紹介や派遣業登録を受けているところは一体どれぐらいあるんでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今お尋ねのとおり、株式会社立の日本語教育機関が職業紹介事業や労働者派遣事業の許可を受けているかどうか、これは厚労省の所管であるというふうに承知をしております。 留学生の在籍管理の徹底を求める通知については、私ども文部科学省は、学校教育法で定められる大学あるいは専修学校、各種学校に対して発出をしておりますけれども、それ以外の日本語教育機関に対しては発出をしておりません。
○辰巳孝太郎君 これ、一体幾つの日本語教育機関が派遣登録しているかというのは、これ政府としてはつかんでいないんですね。日本語教育というんですけれども、安い労働力確保のために日本語学校をつくって運営している名ばかり学校が少なくないんじゃないかと。 現在、私大大学、私立の大学よりも多い七百八の日本語教育機関が存在をいたします。そのうち株式会社は三百六十九あるわけですね。教育機関といっても、半数が株式会社だと。留学生を労働力として企業に供給するような、派遣業等をやっているような日本語学校があると、実際にあるということなんですね。しかし、政府は実態つかんでいないわけであります。 一方の留学生は、先ほど冒頭申し上げたように、借金の返済や次年度の学費の支払、そして生活費のために、週二十八時間、この制限を超える労働をしているわけであります。 法務省、聞きますが、この週二十八時間を超えて就労している留学生のこの実態というのは把握しているんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 法務省におきましては、厚生労働省から提供されます外国人雇用状況届によりまして、雇用主でありますとか雇用開始時期などを把握することが可能でございます。入国管理局といたしましては、これらの情報を求めまして、必要に応じて雇用主に稼働状況を照会するなどいたしまして、留学生の資格外活動の状況の把握に努めているところでございます。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、どれぐらいの学生が週二十八時間以上働いているんですか。実態把握してはるんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 全ての方から、留学生からそのような届出、留学生から直接我々が情報を得ているわけではございませんので、正確な数字は把握していないところでございます。
○辰巳孝太郎君 ですから、これまともな調査していないんですよ。政府はこういうことを把握せずに、事実上黙認をしているということなんですね。 同じようなことがこの日本語学校だけではなくて専門学校でも起こっています。大阪の専門学校は、大幅に定員をオーバーして留学生を受け入れて是正を求められて、何と三百人以上が退学をいたしました。生徒の九割が外国人なんですね。ベトナム人七名がこの同校に損害賠償請求を今起こしております。 これ、実習生では、技能実習生では職種に制限があるわけです。しかし、これ、留学生には職種には制限がないわけですね。つまり、使い勝手がいい。ここに現地のブローカーや一部の日本語学校あるいは専門学校なども関与して人材ビジネスを繰り広げて、借金が返せない外国人留学生たちを搾取をしているわけなんですよ。これでは、日本が本当に選んで来てもらいたい国にはならないし、美しい国には決してならないと思うんですね。 法務省に聞きますが、この日本語学校や専門学校、そして現地ブローカーの暗躍や、この借金抱えて来日する留学生たちの実態をこれ調査すべきだと思うんですけど、いかがですか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 日本語学校の中に問題のある日本語学校があるということは様々指摘を受けているところでございまして、在籍管理の在り方を含めて、日本語学校の管理の在り方につきましてただいま検討中でございますし、また、我が国に在留する外国人の方々の在留管理の在り方につきましても今検討中でございますので、先生の御指摘のような問題点も考えながら、更に検討を進めてまいりたいと考えます。
○辰巳孝太郎君 これ、検討ばっかりですね。これ、やっていただいても、調査の結果をきちんと議論しなければなりませんからね、返してもらわなければなりませんから、まだそこまで全くやっていないということなんですね。 実際、本音はどうなのかということなんですよ。これ、パネルを作りました。 二〇一七年、自民党の一億総活躍推進本部は、誰もが活躍する社会を創るPT提言というものを出しておりまして、これ抜粋しております。ここにはこうあるんですね。彼らが円滑に日本企業等で能力を発揮できるようにすると同時に、留学期間の就労も積極的に労働力として活用することで、労働力不足を補うと。資格外活動の管理を充実強化した上で、労働時間制限を緩和すべきであると。 これ、留学生の二十八時間規制を緩和をして労働力としてもっと活用しようじゃないかと、こういう提言になっているわけですよ。ここに、先ほど学業がという話もありましたけど、留学生を労働力として使いたい、これ与党の本音が露呈していると思うんですね。総理、総理、いかがですか。
○国務大臣(山下貴司君) 所管大臣としてお答えいたします。 御指摘の提言については承知しておりますけれども、この資格外活動許可というのは留学生本来の活動である学業を阻害しない範囲で許可されるものであるということで、一定の時間を定めて制限することは合理的であるというふうに考えております。ということで、資格外活動の許可の緩和についてはやはり慎重な検討が必要であろうというふうに考えております。 また、留学生については、他方で、教育機関における入学者選考及び在籍管理の徹底や法令違反が認められる留学生について積極的に資格外活動の取消し、在留期間更新不許可処分を行うなどしているところであります。 留学生の資格外活動の状況については、入国管理局として自動的に把握できる仕組みになっていない、これも現状でございますが、厚生労働省から提供される外国人雇用状況届出などによる情報、この精度をもっと上げて、そうしたこともしっかりと検討させていただいて、雇用主、雇用開始時期等を把握するということをまた積極的に考えていきたいと思っております。 入管としては、これらの情報を基に必要に応じて雇用主に稼働状況を照会するなどして、留学生の資格外活動の状況の把握にしっかりと努めてまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 いろいろ言うんですけど、結局、留学生を安い労働力として企業に供給する構図を整えたいということなんですよ。政府が創設する新制度は、三十四万人を超える外国人に新たな在留資格を与えるというものであります。新制度には、技能実習生のほか、これら留学生も移行するわけなんですね。 農水省、聞きますが、外食業はどれぐらいの留学生を受け入れる、そういうことになっているんですか。
○国務大臣(吉川貴盛君) 委員御指摘のありますように、技能実習生からの移行は今見込んで外食業はおりませんので、試験の、全てですね、試験を受けていただいて、その合格者となることを今想定をいたしております。受験生といたしましては、例えば国内の飲食店で今アルバイトとして経営を積んだ外国人留学生ですとか、今御指摘がありました留学生ですね、さらには海外の調理師学校の卒業生ですとか、あるいは海外のホテル、レストランの従業員及び海外の食品工場の従業員などを今考えられるところでございます。 このために、国内及び国外において試験を実施することといたしておりますので、そのうち何名が国内の試験を合格した留学生となるかは、今は、確たることは現時点では申し上げることはできないと思っております。
○辰巳孝太郎君 レクの段階では、初年度は四千から五千人受け入れて、その中で留学生は三千人だということは言っているんですね。要するに、留学生から新たな新制度、こういうふうに使い続けるためのものだということなんです。今の留学生の実態すらこれはまともに把握せずに、新たな制度にそれだけの留学生を送り込もうということなんて絶対にしちゃならないと、入管法改正案は廃案にすべきだということを言っておきたいというふうに思います。 続いて、森友事件についてお聞きします。 国民の八割が、この森友事件、いまだに解明されていないと答えております。この事件の核心の一つは、学園に八・二億円もの値引きで、ただ同然で国有地が売却をされたという問題であります。 政府は、三メートルより深い地中にごみがあるという根拠として、工事事業者が行った試掘、八か所の写真を示してきました。しかし、会計検査院も、ごみがあるかはっきり確認できないと指摘をしました。国会として一年以上説明を求めて、ようやく写真のデジタルデータが提出されましたので、私は専門家の手を借りましてこの写真を解明いたしました。驚くべきことが判明をいたしました。それは、別の穴を撮影したはずの写真が実は同じ穴の写真だった、つまり写真が使い回しされていたということであります。 穴ナンバー3、穴ナンバー4というのがあります。この写真は同じ写真です。同じ穴を撮った写真です。違う穴だとされているのに、今日赤印で示しましたけれども、同じ物体、同じ物が何か所にもわたって存在をしております。 次のパネル、写真七、十、十一ですね。これ、それぞれ違う写真なんですけれども、写真七というのは試掘ナンバー3、写真十、十一は試掘ナンバー4。別の試掘穴の写真のはずなんですけど、これだけ同じような物体が写り込んでいるということであります。 それだけではあり得ません。デジタルデータによって、秒単位で撮影された時間が判明をいたしました。十、七、十一の写真がありますが、十番、ナンバー4の穴を撮った七十五秒後にナンバー3の穴まで行って、そして、またB工区のナンバー4の穴にまで十四秒で駆け付けて写真を撮ったということになっているんですね。あり得ないんですよ。あり得ないんですよ。これ、全部同じ穴を撮った写真なんです。だからこれだけ秒数が詰まっておるわけなんですね。 次のパネル、決定的なものも示します。はい、どん。後ろの大きい写真が七番のものですね。そこに十一番の写真をはめ込みました。そうしますと、はっきり、全く違和感ないようにつながるわけなんですね。七番と十一番というのは違う穴の写真のはずなんですね。 国交大臣、同じ穴を撮った写真ですね。
○国務大臣(石井啓一君) 工事業者が試掘をしましたナンバー3とナンバー4の写真が同じ穴を別の角度から撮ったものではないかという点につきましては、さきの通常国会におきましても同様の御指摘をいただいておりましたので、当時の工事関係者に確認を行っておりますが、いまだ回答をいただいておりません。 このため、この十一月の十四日に改めて、同じ試掘穴の工事写真ではないかという点について重ねて説明を求める旨を業者に対して求めているところでございます。
○辰巳孝太郎君 大臣、デジタルデータを入手したんですよ。予算委員会に提出したんですよ。この報告書というのは、国が八・二億円の値引きの根拠として国会にも提出した文書なんです。そこに疑惑が掛けられていて、とうとうデジタルの写真も、皆さんも入手しておられるんです。私、これ専門家にわざわざ出したんですよ。デジタルフォレンジックをやってもらったんですよ。国交省がこれちゃんと調べるべきじゃないですか。工事業者に聞く、それもやったらいいですけれども、もう一年以上これ返答ないんだから。同じ写真でしょう、認めてくださいよ。
○国務大臣(石井啓一君) 委員の指摘のように同じ写真である可能性はあると思います。ただ、私どもが資料を作成したわけではありませんので、断言をすることはできません。したがって、資料を作成した業者に確認をしているところであります。 なお、深さ三・八メートルの根拠の一つとなったのは試掘報告書における試掘穴ナンバー1の写真でありまして、今委員が御指摘しているのはまた別の穴でありまして、直接深さ三・八メートルの設定の材料とされたものではないということも申し上げておきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 可能性を認めましたね。これ、重大だと思うんですね。 もう一つ言っておきますよ、この穴について。これ、同じ穴の写真なんですから、本来はごみのある深さは同じにならなきゃいけませんね。ところが、報告書ではどうなっているかといいますと、穴ナンバー3は、ごみの深さは八十センチから二メーター七十センチと書いてあるんです。ところが、穴ナンバー4は、ゼロメーターから一メーター二十センチのごみの層となっているんですよ。何ですか、これ。改ざんですか。捏造ですか。大体、自分が作ったわけじゃないと言うんですけど、大臣はさんざんこの国会でも航空局は専門家だと言い続けてきたんですよ。そうでしょう。こんなでたらめな資料を受け取って、八・二億円の値引きしたのかということなんですね。 もう一点、問題、先ほど、今大臣がありましたけれども、明らかになりました。 国は、くい以外のところは三・八メートルのごみが存在するとして値引きをしたわけですね。これが先ほどの穴、試掘ナンバー1のやつなんですね。しかし、これもでたらめではないか。三・八メートルを示したとする写真は、実は、これ分かったんですけど、三月二十四日にまず撮影されているんですよ、一枚目の写真が。ところが、メジャーで写っている写真というのは四月五日に撮影されているんですね。この間に何があったのか。普通は全部三枚一緒に撮るでしょう。別々の日に撮っちゃっているんですね。この間に何があったのかなんですね。 我々が入手したテープでは、国と森友学園側がこの間の三月三十日に交わしたやり取りが記録をされております。 国の職員からこうあるんです。三メートル以下からごみが噴出しているという写真などがもし残っていたら。掘ってる写真とか。工事事業者、先ほど試掘をしていたこの業者ですね、こうあるんです。ちょっと待ってください。そこは語弊があるので。三メートル下から出てきたかどうかは分からない。下から出てきたとは確定、断言できてない。そこにはちょっと大きな差がある。認識をそういうふうに統一した方がいいのであれば合わせる。 三月二十四日に、本当に三・八メートルのごみがあってその写真が撮られていたら、その六日後、三月三十日に、国の方からそういう写真はないかと聞かれて分からないという会話にはなり得ないわけですよ。なり得ないでしょう。つまり、これ、三メートルより下は出てきていないのに、出てきたことにしようとする口裏合わせをしていたわけですよ。そして、それに符合する報告書を作って、そして国に提出しているわけですよ。そして、国は八・二億円の値引きをしてしまっているわけなんですね。実際、この工事事業者は、複数のメディアで国にうその報告書を書かれたと証言していますね。 総理、この森友事件でも丁寧な説明をするということを総理、繰り返してこられました。これも捏造の可能性があるということを大臣もおっしゃったわけなんで、これ、八億円の値引きの根拠がこれもうないと、もう崩れたと、こう思いますけど、いかがですか。総理。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。 大阪航空局は試掘の報告書の提出を受けた立場でございまして、今大臣からも御答弁申し上げましたように、実際の試掘及びその記録というのは校舎の建設工事を請け負った工事事業者が行っていますことから、各試掘穴の写真までの撮影日までは把握しておりませんけれども、当時の大阪航空局の現地職員も現地を確認をして、その後提出を受けた試掘の報告書なども含めまして見積りを行ったということでございます。 また、先般……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○政府参考人(蝦名邦晴君) 参議院の予算委員会の理事懇談会にも新たに提出をされた工事事業者からの回答書の別紙の二につきましても、A工区のナンバー1の深さはグラウンドレベルでマイナス四メートルというのが正しい記載であります。恐らく試掘の最中で記載されたものと思われますが、まだ経験の浅い従業員が記載したものであり、誤って書いてしまったものかもしれません。 いずれにしても、A工区ナンバー1はマイナス四メートルまで試掘しているということであるというふうに記載されたものが提出をされておりまして、このナンバー1の穴というのは四メートルまで掘削された写真であるというふうに承知されておりますので、それらを踏まえまして見積りを行ってきたということでございます。
○委員長(金子原二郎君) 辰巳孝太郎君、時間が来ておりますから。
○辰巳孝太郎君 終わりますけどね、国交省、あなた方、プロなんですから、それを国会に提出して八億二千万円の値引きしたんですからね。 これ、国交省の大阪航空局の職員と工事事業者、これの国会招致を求めて、終わります。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、藤巻健史君の質疑を行います。藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。 二〇二五年の大阪万博開催が決まりました。実現のために御尽力されました関係各位に敬意を表し、また、感謝を表したいと思います。個人的にも、AIとかVRをテーマにするというのは大変すばらしいことだと思っております。 さて、総理にお聞きしたいんですけれども、入管法で外国人労働者受入れ数の上限について、これをお聞きしたいんですが、総理は経団連等に賃上げを要請されています。その一方、外国人の受入れ人材の数を増やそうとしているわけですけれども、これは、当然労賃というのは需要と供給の関係で決まりますから、当然値下げ要因ですね。これ、そうしますと、先ほども出ていましたけれども、労働分配率との関係も、これ押し下げ要因です。これ、やっぱり日本人心配していると思うんですよね、勤労者、どんどんどんどん賃金が下がっていっちゃうんじゃないかと。この辺について、受入れ人数というのを考えますと、受入れ人数というのはやっぱり上限を定めるべきではないかと思います。 もう一つ申し上げちゃうと、これ、外国人労働というのは極めて不確実な労働だと思うんですね。要は、為替が円安、二〇%円安にされると自国通貨建てで二〇%収入が減るわけです。三〇%なら三〇%減るということで、日本に対する、日本で働くそのインセンティブ、モチベーションが落ちていっちゃうわけですね。ひょっとすると、どおんと母国に帰ってしまうかもしれない。 ということで、そうなると、先ほどもちょっと話に出ていましたけれども、人手不足倒産というのが具現化しちゃう可能性があるわけですね。やっぱりこういうときこそ、やっぱり労働人口が足りないということ、労働者が足りないというときこそ、まさにAI化とかロボット化を考えるべきであって、十月三日か何かの日経新聞の夕刊に、アメリカでは、トランプ大統領が移民に余り積極的ではないんで、それでアグリテックというような技術化がどんどん進んでいる、お金も入っているということが書いてあったわけですね。 そういうことを考えると、やっぱりそれが正しい姿であって、生産性を上げるためにも、やはり労働人口の受入れ数というのは上限を置いて、そして、やっぱりその場限りじゃない政策、もうちょっとこれを機会に労働、ロボット化、AI化というのを進めるというのがやっぱりあるべき政策じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の受入れ制度は、生産性の向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお、今委員がおっしゃったようにAI化、ロボット化を行ってもなお、国内人材確保のための取組を行い、そして生産性向上の今申し上げたような努力を行ってもなお当該分野の存続、発展のために外国人材が必要な分野に限って受入れを行うものであり、また、受け入れる外国人材が同一業務に従事する日本人と同等以上の報酬であることを雇用契約の基準としております。 加えて、受入れ分野を所管する業所管省庁が人手不足状況を継続的に把握し、生産性の向上や国内人材確保の取組の状況や人手不足の状況を適切に判断した上で臨機に受入れの停止措置をとることとしており、人材不足が解消されたと認められるにもかかわらず外国人材が国内労働市場に流入し続け、労働力の需給バランスを大きく崩すような事態になることは制度上考えられないということでございます。 したがって、今回の外国人材の受入れは、賃金等の労働条件を含め外国人の雇用に影響を与えない制度設計となっており、外国人材の受入れが労働者の賃金引下げにつながるとの委員の御指摘は当たらないと考えております。
○藤巻健史君 今の御回答ですと、やはり受入れ人数の上限というのはきちんと決めておくべきだと私は思います。 次の質問に入りますけれども、二〇一六年の四月に経産省の方でブロックチェーンの六十七兆円の市場規模があるというレポートを出されました。やはりブロックチェーンというのは、将来の日本の飯の種だと思うんですね。そういうことを考えますと、ブロックチェーンと、そしてその表裏に関係ある仮想通貨の発展、これにちょっと税制の問題がかなりあるんですよね。 やっぱり税制含めて、これはやっぱり税制で日本の将来殺しちゃいけないと思うので、国税庁、まあ税の論理からいうと分からないでもないんですけれども、そうだけではなくて、やはり日本の将来のために総理がリーダーシップを取って、税制を含めて、仮想通貨の税制を含めて変えていただきたいと思うんですが、その辺の決意がおありかどうかをお聞きしたい。いや、総理の決意をお聞きしたい。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 仮想通貨取引による所得についての税制上の論点については財務大臣から答弁させたいと思います。 なお、ブロックチェーン技術については、御指摘の仮想通貨のほか、金融に限らず様々な分野において利活用の可能性があると指摘をされておりまして、企業の生産性向上や様々なサービスの利便性、安全性向上につながるよう、様々な主体がその活用にチャレンジしていくことが期待されるものと考えております。
○藤巻健史君 税制についてはまた財政金融委員会で十分、麻生大臣とはお話しさせていただけると思うので、次の方に入りたいと思うんですけれども。 十一月二十日の財政制度等審議会で建議書を出した、麻生大臣にお渡ししたんですけれども、その建議書、ちょっとお見せいただきたいんですが。(資料提示)ちょっと時間がないので読みませんけれども、かなり財政に対して危機的なコメントが書いてあるわけですね。特に、日本というのは戦後ハイパーインフレを経験したから財政再建は必要だということを非常に厳しく書いていると思うんですね。 そして、もう一つ。ちょっと次のパネルお願いしたいんですけれども。これ、八月十四日の日経新聞の記事、一面使って書いてあるんですが、プリンストン大学の清滝教授。これは日経新聞によりますと、日本人でノーベル経済賞に一番近い先生というふうに書いてありましたけれども、その清滝先生が、日本の財政は持続可能ですかという質問に対し、かなり危ない、財政破綻に備えたコンティンジェンシープラン、要するに緊急時の対応政策を作り、国民の合意を取り付けるべきだとまでおっしゃっているわけです。そこまで危ないのにもかかわらず、安倍首相、今回の所信表明演説でも全く財政再建に触れていないんですよね。 私ども日本維新の会は、やっぱり地方分権言っているんです。地方分権というのは、やっぱり国にとって一番、その国にしかできない財政、防衛、外交は国がやって、あとの医療、教育、福祉、介護等はもう地方に財源を渡して任せればいいんだろうと。安倍首相がやるべきことは、例えば待機児童ゼロにしようという指示を出すだけで、財源はあと任せて、渡して、地方にマッチした政策を取ればいいんではないかということなんですね。 裏返して言いますと、国がやらなくちゃいけない、本当に力を入れてやらなくちゃいけないことというのは、外交、防衛、財政なんですよ。ですから、その財政に対して危機感が全く感じられない。それは、ひょっとすると危機感を持っていないのかもしれないし、ひょっとすると、ほかのことが忙しくて、その国の三つの外交、防衛、財政のうちの財政に頭が回っていないかもしれない。それだったら、やっぱり地方分権進めていかなくちゃいけないと思うんですけれども、その辺について、総理、どうお考えか、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣においては、財政再生なくして財政健全化なしとの基本方針の下、財政健全化に大きな道筋を付けてまいりました。国、地方を合わせた税収は約二十四兆円増加し、新規国債発行額は約十一兆円減っています。引き続き、財政、経済再生を図りながら、歳出と歳入それぞれの面からの改革を続け、二〇二五年度、プライマリーバランス黒字化、同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指してまいります。
○藤巻健史君 分かりました。 ちょっと危機感がそのコメントでは足りないんではないかなという印象が非常に強いんですけれども、ちょっと次の質問に入りたいと思います。 次の質問、ちょっとカットしまして、回答、同じ内容ですので、黒田日銀総裁にお聞きしたいんですけれども、今、イタリアの財政問題というのが世界で非常な話題になっています。というのは、EU基準で、借金対GDP比が六〇%というEU基準に対して、一三〇%行っているということで大変な問題になっているんですよね。ところが、日本というのは二四〇%になっているにも、何か非常に平穏な感じがするんですが、それ、私思うに、日銀が大量に国債を買って、このために何となく皆さんが平和に感じているんじゃないかなと。ヨーロッパであれば、お金が足りないということでIMFとかワールドバンクにお金を借りなくちゃいけないのに、日本では、日銀が国債を爆買いして紙幣を刷って渡している、藤巻の給料もみんな、紙幣が足りなければ紙幣を刷って渡していると。 もし、こんなことがいつまでも続くんだったら、税金要らないんですよね。いつかどこかでおかしくなるというふうに思うんですが、まさに、日本の財政が危ないということが表面化していないというのは、日銀の国債爆買い、異次元の量的緩和のせいじゃないかと私は思うんですが、いかがでしょうか。黒田総裁、お願いします。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行が現在の金融政策の下で国債買入れを行っておりますが、これは、あくまでも二%の物価安定の目標を実現するという金融政策上の目的のために行っているものでありまして、政府による財政資金の調達を助けることを目的とするものではありません。この点は、二〇一三年四月に量的・質的金融緩和を導入した際の公表文で明確にしておりますほか、これまでも一貫して述べてきたところでございます。こうした日本銀行の考え方は、市場参加者の間でも理解されているのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、財政運営につきましては、やはり政府、国会の責任において行われるものであるというふうに認識しておりまして、この点について私の方から具体的にコメントすることは差し控えたいと思います。
○藤巻健史君 財政問題については政府が関与するということだったんですけれども、これ、やっぱり、今日銀がやっている異次元の量的緩和というのは、先ほど申しましたように、財政危機を、本来であればもう爆発しているところを、デフォルトしているところを、日銀が刷ることによって危機を先延ばしにしている、日本特有の飛ばしをやっているんじゃないかと思うんですけれども、それはいかがということと、ついでに、今財政については政府が考えることだというふうにおっしゃっていましたけれども、日銀がたくさん買っているがゆえに、長期金利は上がっていないんですよ、上がらないんですよね。普通だったらば、これだけ借金が大きければ、長期金利が上がって警戒警報が鳴るのに、日銀のせいで警戒警報が鳴らない。財政規律を壊しているのは日銀じゃないかとも思うんですが、その辺いかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) これは、先ほど申し上げたとおり、日本銀行の金融政策はあくまでも物価安定の目標を実現するという目的のために行っているものでありまして、政府による財政資金の調達を助けるということを目的とするものではございません。 その上で、御指摘の財政規律あるいは財政状況について、一般論として申し上げますと、確かに我が国の政府債務残高が極めて高い水準となっておりますので、その中で政府が中長期的な財政健全化について市場の信認をしっかりと確保するということは私も重要であるというふうに思っております。二〇一三年に政府、日本銀行が公表いたしました共同声明においても、政府は持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進することとされております。 日本銀行としては、あくまでも物価の安定という自らの使命を果たすために今現在の強力な金融緩和を粘り強く続けていくことが必要であるというふうに考えております。
○藤巻健史君 デフレ脱却という目的はよろしいんですが、結果が極めて危ないんじゃないかと思うんですよね。これが日本の日銀がやっています異次元の量的緩和なんですが、一九九八年、二十年前に比べると、このバランスシートがめちゃくちゃに大きくなっている。対GDP比ですね、バランスシート、対GDP比、これ一〇〇%をもう超えちゃったわけですよね。これはほかの主要銀行に比べ、中央銀行に比べて極めて大きい。ほかの中央銀行、大体二五から三〇%ですから、こんなに大きいバランスシートを持った、まさに飛ばしをやった結果、日銀のバランスシートがこれだけ膨れ上がっちゃったというふうに思っていますけれども。 これ、アメリカの中央銀行、FRBがバランス、規模の縮小であんなに苦労しているんですよ。ちょっと縮小すると、長期金利も急騰しちゃうし、株価もどおんとおっこっちゃう。その数倍も大きくしちゃったバランスシートを縮小できるのかということは一つお答えしていただきたいのと、もう一つ、今国債、四百六十二兆円持っていらっしゃいますけれども、この平均利回り、〇・二七九%ですよ、たったの。これ、ちょっと長期金利が上がったらば評価損ですよ。もうむちゃくちゃな評価損が出るんですけれども、それでも日銀並びに日銀券の信用が保持できるというふうにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) まず、量的・質的金融緩和からのいわゆる出口に際しまして、拡大したバランスシートの取扱いが一つの重要な課題となることは御指摘のとおりであります。 もっとも、海外の中央銀行の先行事例その他を踏まえまして、その時々の状況に応じて保有国債の償還や再投資などもうまく組み合わせることによって市場の安定を確保しながら、適切なペースでバランスシートを縮小していくことは十分可能であるというふうに認識しております。 また、日本銀行の保有国債の評価方法については、償却原価法を採用しているということで評価損失が計上されることはありませんし、現在の管理通貨制度の下で、諸外国もみんな同じでございますけれども、中央銀行の言わば通貨の信認というか、中央銀行の信認というものは、何を資産で持っているかとかいうことではなくて、あくまでも金融政策運営によって物価の安定を図ることを通じて信認が得られるというものであるというふうに考えております。
○委員長(金子原二郎君) 藤巻健史君、時間が来ております。
○藤巻健史君 はい。 いかにも苦しい回答だなと私は思っていますけれども、この後はやっぱり財政金融委員会で御質疑を続けさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 自由・社民統一会派、希望の会、社民党の福島みずほです。 水道法改正法案、水道の民営化についてお聞きをまずいたします。 麻生財務大臣は、二〇一三年四月、アメリカのシンクタンクの講演で、日本の水道は全て民営化すると発言をしました。日本の水道は全て民営化するんですか。なぜですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘の発言は、私が二〇一三年の四月に、これはCSIS、戦略国際問題研究所で講演したときの質問に答えた際の発言を、多分そこだけパクっておられるんだろうと思いますけれども、まあちょっとパクっているは品がないですね、そこだけ一部を取り上げておられるんですよね、多分、その話は。 このときの私は、アベノミクスの第三の矢の検討状況の例示の一つとして、水道の民営化を含め、公設民営、そういったものも一つの考え方、アイデアとして上がってきつつありますと発言をいたしております。 これは、当時、政府部内で水道事業等の民営化がアイデアとして議論されていくことでありまして、米国の有識者に対してあくまでも例示として紹介したものであって、私自身の見解を述べたものではありません。もうよく知っておられるでしょう、それ全部。もう何回もこの話しましたものね、これまでも。 これ、いずれにしても、水道事業につきましては、厚生労働省が所管する水道法において原則として市町村が経営することとされておりますので、この原則を改めるということを考えているというわけではないと承知をいたしております。
○福島みずほ君 水道の民営化を言った、そして、それはアベノミクスの三本の矢の中で成長戦略として言っている、そして、今、水道法の改正法案が議論になっている、そこが極めて問題だというふうに思います。 パリ市やベルリンは、もうこれは様々な問題が起きたので再公営化をしました。ベルリンは、千六百六十四億円ほど出してようやく再公営化ができました。イギリスも再公営化の議論が起きています。 日本は十周遅れのトップランナー、諸外国で再公営化のことがさんざん問題になっているのに、総理、なぜ日本でこのコンセッション、水の民営化なんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の水道法改正法案においては、PFIの一類型であるコンセッション方式について、地方自治体が引き続き水道事業の最終責任を維持する等、公の関与を強化した、強化した仕組みとするものであり、これは民営化ではないということはまずはっきりと申し上げておきたい。民営化民営化とおっしゃいますが、これは民営化ではありません。 また、あくまで官民連携の選択肢の一つであり、住民サービスの向上や業務効率化等のメリットが大きいと判断した自治体のみが導入するものであります。それによって水道事業の基盤強化を図ってまいりたいと、このように考えております。 そこで、今例として挙げられたベルリン市、あるいはまたパリもそうでありますが、これは水道料金の高騰、サービス水準の低下等の問題が、ことが生じたということだろうと思いますが、そういうことは生じないように制度設計をそもそも行っております。 具体的には、PFI法に基づき、地方自治体が事前にサービス水準や料金の枠組みを定めることに加えて、今回の水道法改正法案において、国が料金の妥当性等を確認した上で許可するとともに、必要に応じ立入検査を実施するなど、公の関与を強化した仕組みとしているわけでございまして、今委員がおっしゃったこの民営化したものと私たちが進めているものは別だと、そして御懸念は当たらないということは御理解もういただけたのではないかと思いますが、このように、海外での先行事例の教訓も踏まえて、事業の安定性、安全性、持続性の確保に十分留意した制度としたものであります。
○福島みずほ君 イギリスは、PFIがコスト高になるということで、政府がPFIはもう今後やらないという宣言をいたしました。イギリスでも再公営化の議論が起きています。 水道はまさに百年単位で考えなければならない、水道の水源の管理、メンテナンスなど、百年間ぐらい考えなければならない。しかし、今回のコンセッションは、自治体が所有権を持つが、管理運営権を民間に委ねるというものです。民間会社は、株主配当、役員報酬、そしてSPC、スペシャル・パーパス・カンパニー、まさに企業をつくって、そこに投資家や建設会社や公認会計士や弁護士、新しい仕組みをつくるわけです。だとしたら、莫大なお金が掛かる。これはお金の面でもそうですし、それから民営化の一種であり、まさに命の水たる水道を売り飛ばすものだというふうに思っております。 まさに、これは投資が、投資家はこの運営権に関して投資をします。水道が投資の対象です。抵当権を設定して、抵当権の実行ができます。まさに、グローバルファンド、投資家が抵当権の実行をして、管理運営権を持ち、管理運営権の再譲渡も可能です。これを本当に許してはなりません。 新潟県議会、福井県議会は、この反対の意見書を、自民、公明も合わせて、全会一致でやっております。水は、市民の生活や経済活動を支える重要なライフラインであり、国民の生命と生活に欠かせない水道事業は民営化になじまず、今般の水道法改正案は、全ての人が安全、低廉で安定的に水を使用し、衛生的な生活を営む権利を破壊しかねない、新潟県議会です。自民、公明もこれに賛成しています。 まさに、管理運営権を企業が持つ、それは短期で利潤を上げなければならないので、まさに全ての人が利用する水道のコンセッション、これは、外資系に売るな、水を売るな、水を民間に売るなということだと思います。この水道法の改正法案、成立しないように、国会の中でとことん論戦し、廃案にしていきたいと考えております。 次に、辺野古の新基地建設ですが、これ、なぜ行政不服審査法で防衛省が国土交通相に対して訴えることができるんですか。行政不服審査法は、行政の手続を守る、適正な手続を守るために、国民の権利救済で上級庁に申し立てるものです。これを国土交通相が使うことは法律をねじ曲げることだ。固有の権利じゃないですか。条文からいってもおかしい。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどの、コンセッション方式で議会が反対しているというふうにおっしゃったんですが、議会が反対していれば、これコンセッション方式にはならないということでございます。ですから、それを反対しているところには導入されないということは明確であろうと、こう考えております。 そこで、ただいまの御質問でございますが、沖縄防衛局が行った審査請求及び執行停止の申立てについては、公有水面埋立法の所管大臣である国土交通大臣により、関係法令にのっとり執行停止の決定が行われたものと承知をしております。これは、法治国家として、法律に基づき必要な法的手続が行われたものと認識しています。したがって、制度の濫用ではないと考えております。 政府としては、今後とも、地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するため、全力で取り組んでいく考えでございます。
○福島みずほ君 国民の権利保護のための行政不服審査法の法の趣旨を踏みにじって、まさに制度を濫用するものです。これは沖縄だけの問題じゃないんですよ。こんなに法律をねじ曲げて使ったら、安倍内閣で初めてですよ、こんなことをやるの。こんなことを、法律をねじ曲げて使ったら、法治国家壊れますよ、法治主義が壊れますよ、だから許せない。こんなことをやってはならないというふうに思います。 そして、入管法の改正法案についてお聞きをします。 技能実習生は、これ、制度を廃止すべきじゃないですか。現代のいわゆる奴隷制ですよ、これを廃止すべきだ。ヨーロッパの有名な言葉に、労働力がやってくると思ったら人間がやってきたと有名な作家の言葉があります。安易な労働力の輸入で今回入管法改悪をすれば、間違い、将来禍根残すことは明らかです。 日本人の労働条件も、これで三十四万人、五年後に、本当にその外国人、技能、特定技能一号増えれば壊れてしまう。技能実習制度を試験免除で技能、特定技能一号にするわけじゃないですか。技能実習制度は廃止をして、そしてきちっと共生できる制度をつくるべきだ。こんな拙速で入管法の改正案、成立させるべきではないと思いますが、いかがですか。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習の在留資格自体は、それまで特定活動として行われていたものを平成二十二年の七月からその在留資格を始め、そして今に至るまで七十万人を超える技能実習生がこれを受けているわけでございます。そして、確かにそうした人権的な、侵害的なということの御指摘もありました。 そうした中で、野党の皆様の幅広い御支持もいただいて、二十八年、技能実習法を作り、そして二十九年十一月から施行をしているところでございます。この実績のある、これ二十二年七月というのは当時民主党政権下でございました、そこからスタートしたこの技能実習制度、これについて、やはり、与野党、党派を超えて、こういう日本型の国際貢献としてしっかり根付かせたい、そういう思いでこの新しい技能実習法についてもしっかりと運用してまいりたいと思います。その点、御理解賜りたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 福島みずほ君、時間が来ております。
○福島みずほ君 現代の奴隷制で、問題がはっきりしています。(発言する者あり)やめるべきだということを申し上げ、質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 ただいまの福島みずほ君の発言中に不穏当と認められる言葉があったように思われますので、後刻理事会において速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 まず、総理、障害者雇用、中央省庁では大変な問題が起こってまいりました。私は、このピンチこそチャンスではないかと考えております。しっかりと、障害者雇用とは何か、障害をお持ちの皆様方と共に働いていく、共に生活していくとは何かということを私は抜本的にもう一度見直すべきだと思います。 多様な働き方を柔軟に選択できない仕組みが今の障害者雇用制度です。例えば、障害者雇用というと、手帳を持った方だけが対象ですけれども、例えば難病で手帳は取得することができないけれども仕事をするにはちょっと困難だなということを感じていらっしゃる方、それから、今二十時間未満の雇用というのは雇用率にカウントされることはありません。 〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕 しかし、これを機にしっかりと総理がこの制度を見直すということで宣言いただければ、多分多くの皆様方が、収入を得、そして生活の糧として、さらに、もちろん生活をするだけではなく、生きがいというものも私はつかんでいただけるかと思いますけれども、総理の御意見いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害のある方も含めて、誰もがその能力を思う存分発揮できる社会が一億総活躍社会であり、一億総活躍社会をつくり上げることが重要であると考えておりますが、障害者雇用を促進するための方策については、御指摘のこの障害者の範囲や、あるいは雇用率のカウントを含め、昨年九月から、障害者代表や労働者代表、使用者代表が参画する今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会において様々な意見をいただき、本年七月に報告書を取りまとめたところでございます。 現在、この研究会報告を踏まえながら、御指摘の点も含めながら、労働政策審議会において今後の障害者雇用促進制度の在り方について御議論をいただいています。審議会の議論を踏まえて、政府としての対応を検討していきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 是非、温かい御判断をお願いしたいと思います。 制度をつくる、法律を作る、それはすごく簡単なことだと私は思います。しかし、そこに心がなければ、本当の良質な雇用というものは得られないかと思うんです。法定雇用率というものを私は速やかに、今回、中央省庁の皆様方には満たしていただきたいという願いはございます。 しかし、余りにも拙速過ぎではいたしませんでしょうか。来年度までに四千人、それだけの方を受け入れるということはそれなりの準備も必要です。準備もなしに受け入れてしまうことによって、せっかく雇用されたと喜んでいらっしゃる方々が定着できない、それからキャリアを積むことができない、働きがいがある仕事ではないことを割り当てられた、そのようなことも私は起こってくる。せっかく、これから中央省庁の皆様方も新たに障害をお持ちの皆様方を受け入れよう、そういう機会を得たわけです。 ですから、この来年度までという期間にこだわらず、私はまずしっかりと準備を進めることこそ必要かと思いますけれども、総理、どのようにお考えでいらっしゃいますか、お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般、多くの府省における対象障害者の不適切な計上により法定雇用率を達成していないことが明らかとなり、国民や民間事業主の不信を招く事態となっていることから、できるだけ速やかに法定雇用率の達成に向けて取り組む必要があると考えています。 このような中で、各府省の採用計画が着実に進捗するよう、公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議で決定した基本方針に基づき、御指摘のような働きがいのある職場環境づくりのため、厚労省が、民間企業や就労支援機関での豊富な支援経験を有するアドバイザーを選任し、各府省に対して専門的な助言を行うことができる体制を整備するとともに、各府省において、障害者本人からの相談を受け付ける相談員の配置や、非常勤職員として勤務後に常勤職員となることを可能とするステップアップ制度の導入などを通じて障害者の活躍の場の拡大に向けた取組の推進体制を整備することで、障害者の方々の個々の事情にできる限り寄り添いながら、平成三十一年末までの採用の達成に向けて政府一体となって取り組んでいきたいと考えております。 〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 ですから、数ありきで進むということが一番怖いことなんです。 私も、産業保健、産業医として多くの障害者の皆様方とともに働ける職場づくりというものを今実際にお手伝いをさせていただいております。同じ病名でも全くその支援の方法は違います。私どもが障害者という言葉をすごくネガティブに捉えてしまうと、機能が衰えた方というふうになってしまうかも分かりません。しかし、その障害という部分を逆にポジティブに生かしていただければ、戦力にもなっていきます。ですから、その戦力である、その方が優れた部分というのをしっかり見付けた上で、職場で的確な仕事の内容、業務内容というものを私は配分してさしあげることが大事だと思います。 しかし、今までそういうことに慣れていらっしゃらない皆様方が、いきなりそういう方々が入ってこられることによって、かなり私はその現場というのは混乱してしまう可能性もあるかと思います。ですから、じっくりと向き合っていただきたい、そのためにも時間が必要だと申し上げているわけです。 来年度まで、もし来年度に間に合わないようであれば、そこは、総理、もう少し私は時間を掛けるべきだと思います。そこをもう少し御答弁いただけますか、お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば公的部門におきまして、今まで民間企業に対してこの雇用率、採用率を達成するよう厳しく指導してきた立場として、まさに自らの足下で問題が起こったわけでございますので、我々はなるべく早くこの現在の法定雇用率を達成すべく努力をしなければいけないと、こう考えているところでございますが、ただいま、しかし、薬師寺委員のお話を聞いておりますと、確かに、受入れ体制が十分でなければ、採用された障害者の方々等にとっても必ずしも職場環境等に適切に対応できないということが生じる可能性が出てくると、そういうことがないとは言えないと、こう考えるところでございまして、そういう観点から、まず数字ありきというよりも、しっかりと、そうしたことを達成できる環境づくりをしっかりと整えていくことが大切だろうと、こう考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 今のような答弁の内容であれば、多分多くの皆様方も御安心なさるかと思います。 そういう中で、いわゆる障害者労働市場というふうに、大変冷たい言葉でございますけれども、それを考えたときに、公務部門が短期間で四千人という数字を達成しなければならないということで、実は転職控え、そして就活控えというものが起こって、バランスが急激に今崩れているんです。 先ほど総理からも御答弁いただきましたように、一般企業は法定雇用率が満たされなければいわゆる罰金という形で納付金を納めなければならない。しかし、中央省庁の不祥事で、しっかりと本当は雇用したいけど雇用できないような状況の中で、罰金を納めなければならない。私は、公務部門の採用が全て終了するまで一回この制度を停止し、そして障害者雇用調整金の支給分については別途予算措置で賄うべきではないかと思いますけれども、総理、御決断いただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害者雇用を推進していくに当たっては、障害者一人一人について、御本人の希望に沿った職業選択がなされることが大切であると考えています。 今般の事態を受けた取組によって、公務部門における障害者雇用の需要が増えることは事実であります。ハローワークにおいて、障害者の特性や希望に応じたきめ細やかな職業紹介などを通じて、民間との競合が起きないように丁寧に対応していかなければならないと考えております。 その上で、障害者雇用納付金制度は、障害者の雇用に伴う経済的な負担を調整し、事業主間の公正な競争条件を確保することで障害者雇用を促進する制度であることから、今回の公的部門における問題とは別個にその仕組みは、仕組み自体は維持されるべきものと考えています。このような趣旨と役割を御理解いただけるよう、民間事業主を始め国民の皆様に丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 決してその民間の市場を荒らすことのないように、特に、障害が軽い方々が採用されてしまうと、それだけで多くの皆様方は、ちょっと違うんではないか、大変今回は厳しい目が、障害をお持ちの皆様方だけではなく、国民の皆様方からも注がれていることは忘れてはならないと私は思っております。 是非、今後の対応を期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて内外の諸情勢に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十一分散会