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197回国会参議院2018/12/08

本会議 第10号

発言数
87
登壇者
21
会派数
7
開催日
2018/12/08

会議録

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。  日程第一 経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件  日程第二 日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件   (いずれも衆議院送付)  以上両件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長渡邉美樹君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔渡邉美樹君登壇、拍手〕

渡邉美樹自由民主党・国民の声

○渡邉美樹君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、日EU経済連携協定は、我が国とEUとの間において、物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化を進め、投資の機会を増大させるとともに、電子商取引、政府調達、競争政策、知的財産、中小企業等の幅広い分野での枠組みを構築するものであります。  次に、日EU戦略的パートナーシップ協定は、我が国とEU及びEU構成国との間で幅広い分野における協力を促進し、戦略的パートナーシップを強化するための枠組みを構築するものであります。  委員会におきましては、両件を一括して議題とし、自由貿易の推進と日EU経済連携協定の締結の意義、EUへの農林水産品の輸出促進に向けた取組、EU産チーズの種類別の関税措置の根拠、欧州委員会による乳製品等の対日輸出に関する試算の検証の必要性、英国のEU離脱による影響、日EU戦略的パートナーシップ協定に基づく具体的な協力の在り方等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終え、討論に入りましたところ、立憲民主党・民友会の小西委員より日EU経済連携協定に反対、日EU戦略的パートナーシップ協定に賛成、自由民主党・国民の声及び公明党を代表して公明党の高瀬理事より両件に賛成、国民民主党・新緑風会の大野理事より日EU経済連携協定に反対、日EU戦略的パートナーシップ協定に賛成、日本共産党の井上委員より両件に反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。  次いで、順次採決の結果、両件はいずれも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 両件に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。小西洋之君。    〔小西洋之君登壇、拍手〕

小西洋之立憲民主党・民友会

○小西洋之君 立憲民主党・民友会の小西洋之です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました日EU・EPAに反対、日EU・SPAに賛成の立場から討論をいたします。  冒頭、昨日午前中からの法務委員長解任、法務大臣、そして安倍総理の問責決議案の審議にもかかわらず、先ほど法務委員会において入国管理法案の採決を強行したことに断固抗議をいたします。  さて、両条約の議論の前提として、安倍外交の在り方、特に、現在日ロ間で進められている平和条約交渉なるものについて指摘をします。  先般の日ロ首脳会談において、安倍総理は、国民、国会に何の説明もないまま、突如、一九五六年の日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させることで合意したと表明しました。我が国は、これまで、一九九三年の東京宣言、二〇〇三年の日ロ行動計画などの両国間の公文書において、四島の名称とその帰属の問題の存在を明記した上で、我が国の固有の領土である北方四島の帰属問題を解決し平和条約を締結するとの基本方針に基づき交渉に努めてきました。  しかし、安倍政権は、交渉の加速、その交渉への影響なるものを理由に、これまでの我が国の立場を始めとして交渉に関する一切の説明について徹底した答弁拒否を始めました。その中で、あろうことか、河野大臣は、我が会派の白眞勲議員による、政府は北方四島が我が国の固有の領土であると考えているのかとの質問について、何度尋ねても、政府の法的立場は変わらないと答えるのみに終始し、この法的立場の意味を含め、それ以上の説明を徹底拒否したのであります。  北方四島について我が国の固有の領土であると国会で明言し答弁することを拒否する安倍政権とは一体何者なのでしょうか。安倍総理は、国民と国家をどこに連れていこうとしているのでしょうか。  一方、プーチン大統領は、日ソ共同宣言に基づく歯舞諸島と色丹島の引渡しについて、日ロどちらの主権が及ぶか書かれていないと述べ、さらに、ロシアの大統領補佐官は、新たな交渉の枠組みでは島の引渡しは議題にならないと述べるなど、ロシア側は自国の主張を実に奔放に様々な場で行っているのであります。  実は、安倍政権には、我が国固有の領土に関する主権問題で、国会と国民をだまして他国に不当に譲歩したあしき実例があります。それは、平成二十六年の第二次安倍政権で初めての、ようやくにしての日中首脳会談前に両国間で結ばれた四項目の確認事項であります。  安倍政権は、両国政府で意見の一致を見たと明記する四項目について、外交世界の常識、外交の鉄則に反し、共通言語たる英語による両国共通の公文書を作成せず、しかも中国政府が公表する中国語及び英語の文書の内容について事前の必要な確認を行いませんでした。  その結果、中国政府による文書には、両国の間に尖閣諸島をめぐる領有権問題が存在することを両国政府が認めたという旨の、日本政府による日本語及び英語の文書とは全く異なる、当然、我が国のこれまでの主張と全く異なる見解が明記されてしまっているのであります。この四項目をもって、中国は自国の主張を全世界に喧伝し、安倍総理との首脳会談に応じたのであります。  まさに、安倍政権の行ったことは外交の名に値しない暴挙そのものであります。安倍内閣は、これと同じことを北方領土について行おうとしているのではありませんか。  さて、河野大臣は、答弁拒否の代わりに、政府の考え方や方針について交渉の場以外で申し上げないのが交渉方針である、交渉以外の場の場外乱闘は交渉に決して得にはならないなどと答弁をしています。  安倍内閣から見る国権の最高機関、国会とは、場外乱闘の場なのでしょうか。こうした発言は、議院内閣制の下、外交関係の処理を含め、行政権の行使について監督責任を担う国会を否定するものであり、そして我々国会議員の審議をこの上なく冒涜する暴言であります。  一方で、河野大臣は、安倍内閣への入閣に際して、御自身のブログを閉鎖した上で、あっさりと変節された脱原発の御主張からか、平成二十年の衆議院外務委員長時代に、アメリカ、インドの原子力協定について外務省から明確な答弁がなかったと厳しく指摘した上で、重大な問題については外務委員会において外務省がきちんとその立場を明確にしてこの場で質疑いただけるようにお願いしたいと、政府に対し異例の厳しい叱責を行っています。しかし、これも立場が変わった途端に百八十度態度を変え、変節されてしまっているわけであります。  我々は、北方領土問題の交渉を、このような政治家に、このような大臣に、そしてこのような政府に白紙委任したわけでは断じてありません。安倍政権の姿勢は、国会を否定し、そして国益を毀損しかねない前代未聞のものであることを厳しく批判するのであります。  その上で、北方領土交渉と同様に安倍政権が秘密裏に交渉を進め成立された日EU・EPAの問題点を指摘します。  本来、EPAとは、自由で公正なルールの下、海外進出企業のみならず、我が国の生活者や消費者にも恩恵をもたらすものであるはずです。しかし、今般のEPAの内容が我が国の国益を守るものになっているか、甚だ疑問であります。  これまで安倍政権は、五年以上に及んだEUとの交渉において、TPPと同じような機密保持約束がなかったにもかかわらず、乳製品を始めとする国内農林水産業やEUへの進出企業に及ぼす影響を判断するのに必要な情報提供などの説明責任を全く果たしてきませんでした。こうした安倍外交の特徴である秘密主義、かつ国益無視の外交交渉の結果、本EPAは様々な分野で問題点を残すものとなっています。  保護主義への対抗を名目に、国益保持の検証が不十分なまま、政権の点数稼ぎのため、早期の締結ありきで拙速に国会審議を進め、挙げ句の果てには委員長による職権採決に及んだ政府や与党の姿勢は、到底容認できるものではありません。  具体的に、政府による国内農林水産業への影響試算及び経済効果試算は、極めて楽観的、非現実的、そして恣意的なものであります。  本EPAにおいて、我が国は、農林水産物について、国益を脅かすレベルで合意したTPPと同水準の約八二%の品目の関税撤廃を約束しました。さらに、個別の品目でも、EUが対日輸出拡大を目指すソフト系チーズ等の一部乳製品、パスタ、ワインなど多数の品目でTPPを上回る自由化を約束しており、農林水産業への影響は甚大となることが懸念されます。  政府は、本EPAの発効により農林水産物の生産額が最大で約一千百億円減少するとの試算を公表しましたが、体質強化や経営安定対策などにより、どの品目でも国内生産量が維持されると、楽観極まりない分析を示しています。  これら農林水産業への打撃などの懸念に対し、政府は、総合的なTPP等関連政策大綱を策定し、万全の対策を講じていると繰り返し豪語しています。しかし、この大綱は僅か十七ページ、農業など悪影響への数値評価は全くなく、各政策分野の数値目標も既存の成長戦略の引き写しであり、政策実現の工程表などPDCAサイクルも全く措置されていません。これのどこが、TPPと同じく、攻めるべきは攻め、守るべきは守り、国民の不安を払拭するものなのでしょうか。攻めることも守ることもできず、国民と国益を犠牲にした無能で無責任な失政というべきものではないでしょうか。  最後に、我が会派が賛成する日EU・SPAの第二条の一には、民主主義、法の支配、人権及び基本的自由に関する責務が規定され、これらについては本協定に基づく協力の基礎の不可欠の要素と位置付けられ、両締約者は、これらの義務の特に深刻な、かつ重大な違反が平和及び安全を脅かし、特に緊急を要する事案として扱われ得ることを認識することと規定されています。  複数の元内閣法制局長官が、自国防衛の名に借りた国際法違反の先制攻撃、違法戦争であると国会陳述などで批判する限定的な集団的自衛権行使などの違憲立法の強行など、民主主義、法の支配、人権、基本的自由を破壊する暴挙を重ねている安倍政権を一刻も早く打倒し、本SPAの規定の適正な運用を確保する決意を申し上げ、私の討論とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 徳永エリ君。    〔徳永エリ君登壇、拍手〕

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 国民民主党・新緑風会の徳永エリです。  私は、会派を代表して、日EU・EPAに反対、日EU・SPAに対して賛成の立場から討論を行います。  国民民主党は、EU、欧州連合との関係強化及び開かれた貿易には反対はしません。しかし、問題は、秘密裏に行われた交渉の内容、結果です。政府がこれまで説明責任を果たしてこなかったがゆえに、この協定はまともに審議ができません。  例えば、委員会審議の際に、我が党の大野議員が、農業分野で関税措置の対応が異なるハード系の熟成チーズとソフト系の熟成チーズについて、その措置の是非及び影響、さらには政府の対応を議論するためにそれぞれの輸入実績を提示するよう政府に求めましたが、それは最後まで示されませんでした。事実の裏付けなしに政府が欧州連合との間でどのような協議をし、それぞれの品目で異なる措置を決めたのか、全く分からないままであります。  しかも、審議時間は衆参両院でそれぞれ僅か四時間半。TPPの審議の際には特別委員会が設置され、本院では参考人質疑なども含めておよそ六十三時間の審議が行われました。日豪EPAの際には農林水産委員会との連合審査が行われ、審議時間が不十分であったとはいえ、第一次産業や地方への影響も議論されましたが、今回は議論を深める時間など全くありませんでした。  日EU・EPAでは、我が国は何を攻めて何を取ったのか、守るべきものをしっかり守ることができたのかも全く分かりません。  特に、農業分野では、日EU・EPAはTPPプラスの品目が幾つもあります。例えば、TPPでは守られたブルーチーズなどのソフト系チーズも低関税輸入枠が新設されて、十六年後には無税になります。現在の国内生産量と同じ二万トンから始まって、十六年後には無税の三・一万トンのソフト系チーズがEUから入ってくることになります。ブランド力もあり、影響が大きいことは否めないのに、TPP以上に譲ってしまったのであります。酪農家、特に乳製品の原料となる加工原料乳の九割を生産している私の地元北海道の酪農への影響と、食品、乳業メーカー等に長期的な悪影響を及ぼしかねません。  林業、木材産業においても、日EU・EPAでは、SPF製材等の林産品十品目について、八年目に関税撤廃となります。これは、TPP11におけるSPF製材の扱いについて、長期の関税撤廃期間を設定し、国別で細かく定められていたものに比べて、余りにもずさんな合意内容であります。  また、日米間におけるFTA交渉も、安倍政権は、日米物品貿易協定、すなわちTAG交渉であって、FTA交渉ではないと詭弁を繰り返しています。また、TAG交渉に関する日米共同声明には、農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であることが米国によって尊重される、だから安心だという説明をしていました。しかし、この過去の経済連携協定には、国内承認もできていない日EU・EPA交渉が含まれるということを政府は認めました。つまり、TAG交渉の入口で米国に既に譲歩したことになるのではないでしょうか。  TPPが最大限と言ってきた政府は、全体としてTPPを上回らなければいい、そう言って、個別の農産品では幾つも譲歩する。政府は、個別に譲歩しても全体としては譲歩しませんというでたらめな答弁を繰り返しており、そのうち農林水産品の関税は全て撤廃されるということになってしまうのではないかと心配をしています。  本協定による農林水産品への影響については、昨年の十二月、農林水産省が、畜産物、乳製品等を中心に、関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じるとしています。その試算は、約六百億円から一千百億円という額の減少です。その一方で、政府は、政策大綱に基づく対応によって国内生産量が維持されるとの説明を行ってきました。  率直に言って、どのような対応をすれば国内生産量が維持できるのか、理解ができません。輸入品が増えて、さらに国内生産量が維持されれば物があふれてしまいませんか。なぜ生産量が維持できるんでしょうか。  日本の農業を外交交渉で平気で売り渡す政権の交渉姿勢には、大変に問題だと思っています。我が国経済や農業への影響はEUと日本の試算に大きな差が出ていることについても、政府からは納得いく説明はなく、議論の入口にすら入れないのが現状であります。  また、農業分野において、EUから日本への農林水産物輸入額は一兆一千三十五億円、輸出額の四百二十三億円を大幅に上回り、輸入超過状態にあります。政府は、攻めの農業として輸出を促進するとしていますが、EU向けの輸出額はEUからの輸入額の二十六分の一にすぎません。この貿易不均衡をどのようにして是正していくのでしょうか、その戦略も全く見えません。  さらに、我が国は、本協定において、関税に係る約束に加え、あらゆる分野の非関税障壁の撤廃を求める欧州連合の要求にほぼ満額で応える譲歩も約束しました。かねてからEUは、我が国の環境や安全等に関する産品の非関税措置の撤廃を求め、一方的に非関税措置の撤廃要求リストを提出するなど強硬な姿勢を示していましたが、本協定における非関税措置に関する約束は、我が国がEUの意向に応えた内容となっている懸念が払拭できていません。例えば、産品全般の非関税措置の見直し規定に加え、自動車及び自動車部品の非関税措置に関する特別な約束も作成されましたが、これらにより、今後、我が国の正当な非関税措置が問題とされ、更なる撤廃、緩和を強いられるのは容易に想像ができます。  同様に、鉄道分野においては、我が国はEUが参入障壁と指摘してきた安全注釈の撤廃を約束しました。これは、我が国の鉄道の安全、安心を守るために死活的に重要なルールでありましたが、EU側の求めに応じて撤廃を余儀なくされました。しかも、協定には鉄道を含む政府調達分野に関わる合意の履行状況を検証する枠組みも盛り込まれ、約束遵守の圧力がこれまで以上に高まることになります。  政府は、鉄道分野に関する国内の安全基準を変更するものではないと説明していますが、具体的な根拠も示さずに信じろというには無理があります。あわせて、日EU間において、協定とは別に、鉄道に関する日本国政府と欧州委員会との間の書簡というえたいの知れない文書も作成されましたが、この約束により、我が国はこれ以上鉄道分野において何を譲れというのでしょうか。国民や関係者が知らないところでこのような問題だらけの合意が勝手に行われていることに怒りを禁じ得ません。  このほか、政府は、米国、カナダ、メキシコによる新NAFTA、いわゆるUSMCAに盛り込まれた毒薬条項、すなわち中国と自由貿易協定を締結すれば米国がUSMCAから脱退するという一方的な規定に対するコメントを拒否いたしました。米国はこの条項を我が国との貿易協定に盛り込みたいと述べており、そのことが我が国独自の通商戦略を否定することにもなりかねません。  自由貿易協定で次々と譲歩を重ねている我が国政府、このような交渉姿勢で、今後の米国とのTAG交渉において我が国の国益に資する交渉結果が果たして本当に得られるのでしょうか。  今国会は短い日程ではありますが、日EU・EPAについては、関係する委員会で集中的に審議を行った上で、せめて連合審査を行うべきだったのではないでしょうか。農業への影響が心配されているのに、農林水産委員会でも日EU・EPAについては全く議論する時間がありませんでした。  我が国の一次産業は、地方の暮らしは、未来は一体どうなるんでしょうか。先の分からない不安だらけの現状、承認をめぐる採決までの手続を時間を掛けて丁寧に行っていないという乱暴さ、結果ありき、日程ありきで何でも数の力で押し切ってしまえという安倍政権の、民主主義をないがしろにし、国会を軽視した対応に強く、強く抗議をし、反対討論といたします。  御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 井上哲士君。    〔井上哲士君登壇、拍手〕

井上哲士日本共産党

○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。  私は、日本共産党を代表して、日欧経済連携協定、EPAと、日欧戦略的パートナーシップ協定、SPAのいずれの承認にも反対する立場から討論を行います。  両協定は、国民生活と経済、とりわけ農林業に深刻な影響を与えるにもかかわらず、TPPや日豪EPAの審議の際には行われた連合審査も与党が拒否し、僅か四時間半の審議で野党の合意のないままに採決が行われました。入管法や水道法、漁業法とともに、余りにもひどい国会運営と言わなければなりません。国権の最高機関である国会を形骸化させ、政府の追認機関にしてしまうような与党の暴挙に対し、強く猛省を求めるものであります。  日欧EPAは、安倍総理自らが、成長戦略の切り札、アベノミクスの新たなエンジンと位置付け、EUに対して過去最大級の自由化を行う協定であり、大企業の利益を最優先して市場開放を推進するものです。  本協定によってEUに輸出する自動車部品などの工業製品に係る関税が撤廃される一方で、農産品の八二%の関税撤廃を約束し、日本の農業に極めて深刻な影響を及ぼすものです。中でも、重要五項目について、米こそ除外したものの、その他の品目で、パスタ、チーズなどEUの強い分野でTPP水準以上の譲許を行うことを含めて、関税撤廃又は大幅削減を行うことは重大です。日豪EPA、TPPに続いて、守るべきものは守るとしてきた公約をまたもないがしろにしたものにほかならず、断じて認められません。  質疑を通じて、政府の影響試算がおよそ信頼に足るものではないことが明らかになりました。  私は、EUが本年七月に公表した試算と日本政府の試算が大きく乖離していることをただしました。EUの試算では、加工食品の対日輸出が五一%、約千三百億円、そのうち乳製品の輸出について二一五%、約九百四十八億円増加するとしています。日本政府の国内生産減少試算額の最大二百三億円と比べ、実に四・五倍です。  ところが、政府は、EUの試算は前提や根拠が明らかでない、日本と考え方が違うなどとして、EU側に照会すらしていないという驚くべき答弁でありました。これでどうして日本の農業を守ることができるというのでしょうか。  TPPの際に内閣委員会の決議で求めた、他の参加国における試算例や各県の試算例も参考として、より精緻になるよう見直しに努めることにも反するものであり、相手の試算の前提や根拠の分析もなしに、的確な分析も対策もできるはずがありません。  実際、政府の試算はどうなっているのか。  乳製品について、関税削減の影響で価格は低下しても、国内対策を取ることによって国内生産量は維持されるとし、今後の需要増等で国内生産量も増える可能性があるとしています。確かに、二〇〇八年から二〇一六年の間に、チーズの国内消費量は二十二・三万トンから三十・三万トンへと一・三六倍になり、今後も増える見込みです。しかし、その内訳を見れば、輸入チーズは一・四二倍へと増えている一方、国内産はごくごく僅かな増加にとどまっています。  関税で守られていてもこの状況であり、EU側が本協定締結を機に日本への輸出攻勢を掛けようとしているときに、輸入も増えるが国内生産も増えるという政府の見通しは余りにも甘過ぎると言わなければなりません。  生産者のなりわい、生産地の将来に関わる死活問題であるにもかかわらず、都合の悪い事実には蓋をし、貿易相手側の試算と大きな乖離があっても検証すらせず、ただ自分たちのシナリオに基づき万全の対策と繰り返すばかりの政府の姿勢では日本農業は守ることはできず、到底国民からの理解を得られるものではありません。  さらに、本協定には自由化を一層行う方向での再協議規定も盛り込まれており、日本の農産物を際限のない自由化に陥れる危険があります。  加えて、本協定は市場開放の連鎖をもたらします。  日豪EPAは、日本が他国の協定に特恵的な市場アクセスを認めた際は、豪州にも同等の待遇を与えるための見直し規定があります。本協定により、豪州から更なる市場開放を迫られかねません。アメリカのパーデュー農務長官も、日本がEUに与えたものと同等かそれ以上の市場開放を期待すると述べています。本協定が譲歩の連鎖を引き起こすことは明らかであります。際限ない市場開放を進め、国民の生存基盤である農業の破壊につながる本協定は到底容認できません。  日欧SPAは、共通の関心事項に関する政治的な協力、四十に及ぶ分野別協力、共同行動を促進することによりパートナーシップを強化することを目的として枠組みを設けるものです。外交及び安全保障に関する政策も対象としており、具体的な協力の在り方は今後双方にて検討するとされていますが、実際にどのような協力が進むのか。  二〇一三年十二月の国家安全保障戦略は、国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場を掲げ、共に主導的な役割を果たすパートナーとして、NATO、OSCEと並んでEUとの関係を強化するとしています。外務大臣は、本協定の下でのEUとの協力をも通じて、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与していくと答弁しました。これを見れば、本協定が安倍内閣の同戦略に基づく施策を後押しすることは明らかであります。  さらに、EUは、共通安全保障政策、CSDPに基づく域外における軍事作戦を含め、軍及び文民による平和維持、国際的安全保障強化等に当たるCSDPミッションに要員、装備等の提供を受けるための参加枠組み協定の締結を日本に提案していますが、外務大臣は日本、EU間で提案に対する協議が行われてきたことを明らかにいたしました。  同協定が締結されていない下でも、既にソマリア沖の海賊対処活動では自衛隊と欧州各国軍との連携が図られました。SPAに基づく協力が進めば、海外における自衛隊の活動の一層の拡大につながりかねません。  さらに、政府は、憲法の平和原則を踏みにじって武器輸出三原則を撤廃し、二国間の防衛装備協力を推進してきました。既に欧州諸国との間では、英仏独伊と装備品・技術移転協定を締結し、スウェーデンと交渉中です。EUにおいて加盟国間の装備協力等のプロジェクトに域外国を加える動きが進んでいることを踏まえれば、防衛装備協力の一層の拡大に直結する危険もあります。  SPAの承認によって安倍内閣の積極的平和主義と称した安全保障分野での協力の今後における具体化に白紙委任を与えることは、断じてできません。  以上述べて、反対討論を終わります。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  まず、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。  本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十八     賛成            百六十七     反対             七十一    よって、本件は承認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 次に、日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。  本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十八     賛成           二百二十三     反対              十五    よって、本件は承認することに決しました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 日程第三 地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了による選挙等の期日等の臨時特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員長渡辺猛之君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔渡辺猛之君登壇、拍手〕

渡辺猛之自由民主党・国民の声

○渡辺猛之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、全国多数の地方公共団体の議会の議員又は長の任期が平成三十一年三月から五月までの間に満了することとなる実情等に鑑み、地方公共団体の議会の議員及び長の任期満了による選挙等に対する国民の関心を高めるとともに、これらの選挙の円滑かつ効率的な執行を図るため、選挙の期日を統一するとともに、これに伴う公職選挙法の特例を定めようとするものであります。  委員会におきましては、統一地方選挙の意義と今後の方向性、投票率及び投票環境の向上策、参議院議員の定数増に伴う対応、参議院選挙区選挙の政見放送に係る持込みビデオ方式の実施内容等について質疑が行われました。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成           二百三十七     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 日程第四 食品表示法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。消費者問題に関する特別委員長宮沢洋一君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔宮沢洋一君登壇、拍手〕

宮沢洋一自由民主党・国民の声

○宮沢洋一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、消費者問題に関する特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、食品に関する表示が食品を摂取する際の安全性の確保に関し重要な役割を果たしていることに鑑み、食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項について食品表示基準に従った表示がされていない食品を回収する食品関連事業者等に回収に着手した旨及び回収の状況の届出を義務付ける等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、自主回収情報の届出を法律上位置付ける意義、消費者に対し積極的かつ速やかに情報提供するための方策、地方公共団体の事務負担への配慮の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十八     賛成           二百三十八     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 日程第五 特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案  日程第六 研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも衆議院提出)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教科学委員長上野通子君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔上野通子君登壇、拍手〕

上野通子自由民主党・国民の声

○上野通子君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、文教科学委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  両法律案は、いずれも衆議院文部科学委員長提出によるものであります。  まず、特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案は、特定興行入場券の不正転売を禁止するとともに、その防止等に関する措置等を定めることにより、興行入場券の適正な流通を確保しようとするものであります。  委員会におきましては、趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律の一部を改正する法律案は、我が国の経済社会を更に発展させるためには、科学技術・イノベーション創出の活性化を通じて、これに関する知識、人材及び資金の好循環を実現することが極めて重要であることに鑑み、科学技術・イノベーション創出の活性化を図ろうとするものであります。  委員会におきましては、趣旨説明を聴取した後、国立大学運営費交付金の拡充の重要性、若年研究者が安定して研究できる環境整備の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の吉良理事より反対、希望の会(自由・社民)の山本委員より反対の意見がそれぞれ述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  まず、特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成           二百三十七     反対               〇    よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 次に、研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成            二百十五     反対             二十二    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 日程第七 ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律案  日程第八 建築士法の一部を改正する法律案  日程第九 貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案   (いずれも衆議院提出)  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長羽田雄一郎君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔羽田雄一郎君登壇、拍手〕

羽田雄一郎国民民主党・新緑風会

○羽田雄一郎君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律案は、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の推進に関し、国等の責務を明らかにするとともに、諸施策の実施状況の公表及び策定等に当たっての留意事項その他必要な事項を定めようとするものであります。  委員会におきましては、提出者衆議院国土交通委員長より趣旨説明を聴取した後、ユニバーサル社会の実現に向けた課題と今後の取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、建築士法の一部を改正する法律案は、建築士をめぐる状況に鑑み、建築物の設計、工事監理等を担う優れた人材を継続的かつ安定的に確保するため、一級建築士試験、二級建築士試験及び木造建築士試験の受験資格を改める等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、提出者衆議院国土交通委員長より趣旨説明を聴取した後、法改正の意義と期待される効果等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案は、貨物自動車運送事業の健全な発達及びその運転者の労働条件の改善を図るため、事業の適確な遂行に関する遵守義務の創設、荷主に勧告をした場合における公表制度の創設等の措置のほか、平成三十六年三月三十一日までの間、国土交通大臣が標準的な運賃を定めることができることとする等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、提出者衆議院国土交通委員長より趣旨説明を聴取した後、トラック事業の適確な遂行のための取組及び運転者の労働条件の改善等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより三案を一括して採決いたします。  三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成           二百三十七     反対               〇    よって、三案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 日程第一〇 天皇の即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長石井正弘君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔石井正弘君登壇、拍手〕

石井正弘自由民主党・国民の声

○石井正弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、天皇の退位等に関する皇室典範特例法を踏まえ、天皇の即位に際し、国民こぞって祝意を表するため、即位の日及び即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする等の措置を講じようとするものであります。  委員会におきましては、即位の日を含む長期の連休が国民生活に与える影響への対応、即位の日を来年五月一日とした理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の田村委員より反対の旨の意見が述べられました。  次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十三     賛成            二百十九     反対              十四    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 日程第一一 移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案  日程第一二 健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法案   (いずれも厚生労働委員長提出)  日程第一三 成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律案(衆議院提出)  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長の趣旨説明及び報告を求めます。厚生労働委員長石田昌宏君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔石田昌宏君登壇、拍手〕

石田昌宏自由民主党・国民の声

○石田昌宏君 ただいま議題となりました三法律案のうち、まずは厚生労働委員長提出の二法律案につきまして、その提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。  まず、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  造血幹細胞移植法は、白血病等の治療法である骨髄移植や臍帯血移植に用いるための骨髄や臍帯血などの適切な提供を推進する目的で、平成二十四年に参議院の厚生労働委員会提出の議員立法により成立した法律であります。  しかしながら、昨年、経営破綻した臍帯血プライベートバンクから流出した臍帯血が販売業者等により提供され、造血幹細胞移植用と称して医療機関において使用されるという事案が発覚いたしました。現行法では、移植に用いる臍帯血の提供について採取、保存、引渡し等を一貫して行う事業者のみが公的臍帯血バンクの許可制の対象であり、これらの各行為を別々に行う事業者や、造血幹細胞移植に適しない臍帯血を造血幹細胞移植用と称して取引する事業者は想定されていません。  このままでは、公的臍帯血バンクについて許可制を取り、造血幹細胞移植への臍帯血の適切な提供を確保しようとする法律の目的を阻害しかねず、これらの課題に早急に対応するための法改正が必要であります。  以下、本法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、公的臍帯血バンクでなければ、業として、移植に用いる臍帯血の採取、保存、引渡し等をしてはならないこととしております。  第二に、何人も、業として、人の臍帯血を造血幹細胞移植に用いることができるものとして、引き渡してはならないこととし、また、何人も、業として、これにより禁止される人の臍帯血の引渡しを受けてはならないこととしております。  第三に、これらの禁止規定に違反した者に対しては、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金を科すこととしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとしております。  次に、健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法案について申し上げます。  我が国において、脳卒中や心臓病等の循環器病は、国民の疾病による死亡の原因や国民が介護を要する状態となった原因の主要なものとなっているなど、国民の生命と健康にとって重大な問題となっています。  国民の健康寿命の延伸、また医療及び介護に係る負担軽減等を図っていく観点から、循環器病について、その対策を総合的かつ計画的に推進するための基本法の制定が必要不可欠です。  本法律案は、こうした状況を踏まえ、循環器病対策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにし、循環器病対策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、循環器病対策の基本となる事項を定めようとするものであります。  以下、本法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、循環器病対策について、生活習慣の改善等による循環器病の予防及び循環器病を発症した疑いがある場合における迅速かつ適切な対応の重要性に関する国民の理解と関心を深めるようにすること等の基本理念を定めるとともに、国、地方公共団体等の責務を定めております。  第二に、政府は、循環器病対策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならないこととしております。  第三に、政府は、循環器病対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、循環器病対策推進基本計画を策定しなければならないこととし、都道府県は、これを基本として、都道府県循環器病対策推進計画を策定しなければならないこととしております。  第四に、国及び地方公共団体による基本的施策として、循環器病の予防等の推進、循環器病を発症した疑いがある者の搬送及び受入れの実施に係る体制の整備、医療機関の整備、循環器病患者等の生活の質の維持向上等の事項を定めております。  第五に、厚生労働省に、循環器病対策推進協議会を置くこととし、都道府県は、都道府県循環器病対策推進協議会を置くよう努めなければならないこととしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が、両法律案の提案の趣旨及び内容の概要であります。  なお、両法律案は厚生労働委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。  何とぞ速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。  次に、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律案につきまして、厚生労働委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、次代の社会を担う成育過程にある者の個人としての尊厳が重んぜられ、その心身の健やかな成育が確保されることが重要な課題となっていること等に鑑み、成育過程にある者等に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進するため、成育医療等の提供に関する施策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務等を明らかにし、及び成育医療等基本方針の策定について定めるとともに、成育医療等の提供に関する施策の基本となる事項を定めようとするものであります。  委員会におきましては、提出者である衆議院厚生労働委員長冨岡勉君より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより三案を一括して採決いたします。  三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成           二百三十七     反対               〇    よって、三案は全会一致をもって可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 日程第一四 漁業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長堂故茂君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔堂故茂君登壇、拍手〕

堂故茂自由民主党・国民の声

○堂故茂君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、適切な資源管理と水産業の成長産業化を両立させるため、資源管理措置及び漁業生産に関する基本的制度並びに漁業協同組合制度の一体的な見直しを行おうとするものであります。  委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、水産資源の評価及び管理の在り方、漁業権免許の優先順位を廃止する理由、海区漁業調整委員会の漁業者委員の任命の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主党・民友会を代表して小川委員より反対、国民民主党・新緑風会を代表して徳永委員より反対、日本共産党を代表して紙理事より反対、希望の会(自由・社民)を代表して森委員より反対する旨の意見がそれぞれ述べられました。  討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。風間直樹君。    〔風間直樹君登壇、拍手〕

風間直樹立憲民主党・民友会

○風間直樹君 立憲民主党・民友会の風間直樹です。  私は、会派を代表し、漁業法等の一部を改正する等の法律案に反対の立場から討論いたします。  近年、我が国における漁業を取り巻く環境は大変厳しいものとなっています。水産資源の減少による生産量や漁業者数の減少、人口減少による消費への影響など、課題が顕在化しています。このため、水産資源の持続的な利用を確保し、漁業者の所得向上を図るという改革の目的には賛成するところですが、改正内容には大きな問題があります。  また、漁業制度を根本から見直すことになる七十年ぶりの大改正を行うのであれば、臨時国会で急いで成立させるのではなく、慎重に審議することが求められるところです。ところが、与党による採決日ありきの委員会運営がなされ、審議時間が十分に確保されず、議論が十分に尽くされないままでした。農林水産委員会において参考人質疑は行われましたが、審議は僅か二日です。結論ありきの乱暴な国会運営で、我が国の漁業、漁村の未来を左右する重要な法案を通してしまっては、将来に禍根を残すことになるでしょう。  また、改正案に関する漁業者への説明が十分行われたとは言えません。法律案の内容は、現場の漁業者一人一人に本当に伝え、理解してもらえているのでしょうか。そうとは思えません。水産庁は水産改革や改正案について全国で説明会を行ったとしていますが、十分な理解が進んでいるとは到底思えません。この改正案は、誰のため、何のために提出されたものなのでしょうか。  改正案の発端となったのは規制改革推進会議です。最近の農林水産委員会では、現場の実情を十分に把握していない規制改革推進会議の提言を基にした法律案が非常に多く提出されてきています。この改正案が、漁業者の意見を丹念に聞いたものとも、漁業者の目線に立ったものとも到底思えません。浜のことを十分に理解することなく、水産業の成長産業化の名の下に、効率を優先し、企業参入を容易にするために作られた法案です。  第一の反対の理由は、漁業の民主化という、これまでの漁業法が七十年間大切にしてきた理念がなくなってしまうことです。  まず、目的規定から漁業の民主化を図るとの文言が消えてしまいました。さらに、漁業の民主化に重要な役割を果たしてきた海区漁業調整委員会の公選制が廃止されてしまいます。これまで、海区漁業調整委員会の漁民委員は、そこに住む漁業者の中から選挙によって民主的に選ばれておりましたが、改正案では、知事が議会の同意を得て任命する仕組みになります。  公選制の廃止は、漁業法が守り続けてきた漁業の民主化の理念に逆行するものです。知事の任命により、知事に近い、反対意見を言わないような人物が委員として任命される懸念もあります。また、漁民委員の割合は従来は六割でしたが、これが過半数とされるなど、漁民委員の割合を少なくすることも改正案には盛り込まれています。これでは、漁業者の声はますます届きにくくなってしまいます。  第二の理由は、漁業への企業進出が進み、漁村が衰退するおそれがあることです。  漁業協同組合は、漁村に住む漁業者が加入し、漁場の細やかな調整を行ってきました。改正案では漁業権の優先順位を廃止するとしており、漁業協同組合が漁業権を得ることができなくなることも懸念されます。  改正案では、漁業を適切かつ有効に活用していれば引き続き漁業権が免許されるとしていますが、何をもって適切かつ有効とするか明らかになっていません。適切かつ有効に活用しているかどうかは知事の判断に委ねられるため、知事によって恣意的な運用がなされ、地元の漁業者よりも企業が優先される危険性があります。  地元の漁業者がその場で漁業を行うことができなくなれば、生業を失い、生活できなくなってしまいます。また、企業が地元の漁業者を雇用する場合であっても、経営不振から撤退することになれば、漁業者は仕事を失い、漁村の衰退が進んでしまいかねません。政府は、自ら漁業を営まない羽織漁師はいなくなり、民主化は達成されたとしています。しかし、この法案が実施されると、今度は企業による支配が進むのではないかと不安でなりません。  第三の理由は、TAC管理による資源管理が基本とされることです。  日本の漁業者は、これまでも持続可能な漁業を営んできました。特に沿岸漁業では、水産資源が枯渇しないよう自主的な取組を行ってきた地域もあります。改正案で基本とするとされているTAC管理は、科学的に効果が十分に立証できているものと言えるのでしょうか。  TAC管理のベースとなる最大持続生産量、MSYは、前年の産卵親魚量によって翌年の資源量が規定されるという親子関係が存在することを前提とする考えです。しかし、この親子関係が明確に存在する魚種ばかりではありません。また、水産資源は、漁獲による影響だけでなく、環境変化等の影響も受けて変化します。また、我が国の漁業は、多種多様な魚種を多様な漁法で漁獲しています。漁獲する魚種が少ない諸外国の漁業で採用されている方法を我が国の漁業にそのまま当てはめることは適切でなく、TAC管理を基本としていくことについては慎重であるべきです。  漁獲割当て、IQについては更に問題があります。  改正案では、船舶の譲渡を伴う場合等にはIQの移転を認めています。IQの移転を認めている諸外国においては、漁業の寡占化が進み、小規模漁業者の淘汰が進むなどの弊害も起きています。  政府は、IQを船ごとに付ける、移転には大臣や知事の認可が必要であるという条件を付し、一定の場合に限り移転を認めていることから、改正案におけるIQの移転は、売買や譲渡を可能とするいわゆるITQとは異なるという立場を取っています。しかし、船舶の譲渡に伴い金銭の授受は当然発生し、船舶の売却額に関する上限も特に法令上設けられていないのでは、実質的には船とともにIQが売買されたと言えるのではないでしょうか。  ノルウェーでは、IQを販売し、資金を得た漁業者が都市に移住するということも起きています。IQを手放した漁業者は、地元での漁業権を失えばそこを出ていってしまうことも十分考えられます。これにより漁村の衰退が進んでしまいかねないことから、IQの移転は到底認められません。  また、IQの実効性の担保にも課題があります。  改正案では、資源管理はTACとIQを基本原理とするとしています。漁業者全てが納得できる公平公正な割当てができるのか、疑問は解消されていません。IQの実施に当たっては、IQの割当てを受けた船舶がそれぞれ割り当てられた量を守っているか監視する必要があり、そのコストは膨大になります。  第四の理由は、企業の参入により、多面的機能の維持、発揮に支障が出てくる懸念があることです。  漁業は、食料を供給するという機能にとどまらず、国境監視機能等の多面的機能を有しています。漁業権が漁協でなく企業に免許されるようになれば、外国資本の企業が漁業権を得ることも可能となり、領海、国境が外国人によって実質的に支配されることも懸念されます。これだけではなく、漁村の人々による清掃や植林活動などによって沿岸域の環境の美化と保全が図られているなど、漁業の営みの多くが沿岸域の環境を守り、生態系の維持に大きく貢献しています。  このような漁業者の活動が今後も続き、多面的機能を維持、発揮していくことが求められています。そのためにも漁業者が漁業を続けていくことが必要なのです。  本改正案は、漁業の民主化を後退させ、企業優先の漁業を行わせるものです。漁業の多面的機能に重大な影響を及ぼし、漁業者の生活を脅かし、漁村を衰退させる漁業法の改悪です。このような法案には断固反対せざるを得ないということを申し上げ、反対討論といたします。  ありがとうございました。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 大島九州男君。    〔大島九州男君登壇、拍手〕

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 国民民主党・新緑風会の大島九州男です。  私は、会派を代表し、漁業法等の一部を改正する等の法律案に反対の立場から討論をいたします。  まず最初に、この法案につながる一つの出来事の真実をお伝えをさせていただきます。  その出来事とは、東日本大震災発災当時、松本龍復興大臣が宮城県知事に対し暴言を吐いたとされる出来事のことであります。当時、マスコミは松本龍大臣を大変激しくバッシングをしました。しかし、その場にいた自民党の小野寺五典前防衛大臣は、当時の松本大臣の御発言は何ら非難されるものではなかったとはっきり明言をされました。  そのときの松本大臣の発言のきっかけとなったのが、今回提出されました漁業法の一部を改正する法律案による漁業権見直しへとつながっていくこととなる水産業復興特区を村井知事が提案をし、強行に進めようとしたことでありました。  松本先生は、村井知事に対してこのように指摘したのであります。漁港を三分の一から五分の一に集約すると言っているが、県は事業者とコンセンサスを得る努力をしていないのではないか。漁業関係者の意見も聞かず、東京のコンサルタント会社の報告書をうのみにして、漁業関係者の意見集約もしていないのではないか。  つまりは、復興会議で漁業組合に代わる漁業権の進出を画策した村井知事の行動に、震災の混乱に乗じた市場原理主義勢力との癒着がかいま見えていたことに対して忠告を行ったというのが事実であります。  そのことをこの機会に皆さんにしっかりお伝えをさせていただき、松本龍先生の御冥福をお祈りさせていただきながら、討論に入らせていただきます。  反対の第一の理由は、審議時間が圧倒的に不足していること、また、与党による強引な委員会運営がなされたことです。  安倍総理は、今国会の所信表明演説において、七十年ぶりに漁業法を抜本的に改正いたしますと発言をいたしました。実に七十年ぶりの大改革を行う改正案について、委員会で十分に審議がなされたと言えるでしょうか。  参議院農林水産委員会では、参考人質疑は行われたものの、僅か二日の審議で採決が行われてしまいました。漁業者の生活に非常に大きな影響がある大改正であるのに、これでは十分な審議を行ったと到底言えるものではありません。本来であれば、会期の短い臨時国会で急いで成立させるようなものではなく、常会でじっくりと慎重に審議すべきだったのではないでしょうか。  第二の理由は、改正案に関する漁業者への説明が十分でなく、漁業者の理解が全く進んでいないことであります。  水産庁は、水産改革や改正案について全国で説明会を行ったとしていますが、実際に浜を回ると、漁業者一人一人にまで改正案の内容が周知されているとは到底言えません。  そもそも、この改正案は、漁業者の要望から始まって取りまとめられたものではありません。改正案は、規制改革推進会議の提言によって進められたもので、漁業者の目線に立ったものでもありません。浜の声を聞かず、委員の方針に沿って作り上げられた改正案が、漁業者のためを思って、そして日本の漁業のためを思ってこの国会に提出されたものとは到底言えるものではありません。  第三の理由は、漁業権の優先順位が廃止されることであります。  漁業権は、漁業者が漁業を行って生活をしていくために必要不可欠な権利であります。改正案では、漁場を適切かつ有効に活用していれば引き続き漁業権が免許されるとしていますが、何をもって適切かつ有効とするかは改正案のどこにも書いてありません。委員会の場で多くの議員が何度もただしましたが、明確、具体的に納得できる答弁は得られませんでした。もうかるかもうからないかという、今だけ、金だけ、自分だけの安倍内閣のお家芸の基準で担い手の選抜が行われかねない、まさにこの点を漁業者の皆さんは不安に思われているのではないでしょうか。  政府は、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点から、国が技術的助言を定めるとしていますが、技術的助言には法的な拘束力がありません。適切かつ有効に活用しているかどうかはあくまでも知事の判断に委ねられるため、恣意的な運用により、浜で生活してきた漁業者が漁業権を失うという事態も起こり得るのであります。生まれ育った浜で漁業を行うということができなくなれば、漁業者が生業を失い、生活できなくなってしまいます。漁業者の行っていた漁業を大規模な企業が行うようになるような影響は、漁業者だけではなく地域全体に及びます。  地元の漁業者が養殖を行う場合、地元の商店から餌を購入し、農閑期の地元農業者に手伝いをお願いして賃金を支払うということもあるかもしれません。しかし、企業の場合には、利潤を上げるためコスト削減が必要になりますので、人件費を削るために機械を導入し、資材は地元とは無関係の業者から低価格なものを調達することが想定されます。これでは、企業が入ってきてもその地域の経済は潤いません。また、企業が地元の漁業者を雇用する場合にあっても、経営がうまくいかず、撤退することも考えられます。そうすれば、地元の漁業者は仕事を失い、漁村の荒廃にもつながりかねません。  漁業権が漁協ではなく企業に免許されるようになれば、領海、国境が外国人によって支配される懸念もあります。現在は、漁業者が日々海に出て漁業を行うことにより、また、独自に水域のパトロールを行うことにより、資源を守るとともに、密輸、密入国、不法操業等への抑止力としての役割も果たしています。外国資本の企業が漁業権を得ることになれば、このような監視機能が弱まることも懸念されます。また、海難救助においても、漁業者、漁協は大きな役割を果たしており、多くの海難船舶、海浜事故について漁村の人々が救助を行ってきました。  漁業者や漁協は純粋に漁業だけを行っているのではありません。効率性を追求し、利潤追求のために漁業を行う企業がこうした役割を果たせるのでしょうか。地元の漁業者が行っていた漁業が企業に取って代わられることの影響は計り知れません。  第四の理由は、漁獲数量管理、いわゆるTAC管理の有効性が明らかではないことです。  水産資源は、漁獲による影響だけではなく、環境変化の影響も受けて変化します。また、親が増減したときにどの程度子供が増減するのか、再生産関係の把握が難しい魚種も存在します。TAC管理は、再生産関係に依拠する最大持続生産理論、MSY理論を前提としたもので、TAC管理が本当に有効なのかの疑問が残るところであります。  IQの実施にも懸念があります。  IQの実施に当たっては、IQの割当てを受ける船舶がそれぞれ割り当てられた量を守っているか監視する必要があり、その監視コストは膨大になります。農林水産省の人員削減が進み、予算も限られる中で、違反者を漏れなく取り締まることなどできるのでしょうか。取締りが十分に行われず違反者が多く出れば、資源管理を有効に行うことができなくなってしまいます。その結果、法の信頼性をなくしてしまいます。  更に問題なのは、TAC管理を強める一方で、それが成功するかどうかも分からないうちから漁船のトン数規制を撤廃することであります。  漁船が大型化すれば、当然、漁業の効率性が上がり、漁獲量も増加することが予想されます。TAC管理が本当に有効で、TAC管理やIQによって資源が回復することが証明された後であれば、IQを遵守する船の大型化を認めることはあり得ると思いますが、TAC管理の効果が検証できていない段階で規制を撤廃するのは、いたずらに漁獲量を増加させ、資源を減少させることになり、時期尚早ではないでしょうか。  第五の理由は、海区漁業調整委員会の公選制が廃止されることです。  これまで、海区漁業調整委員会の漁民委員は、そこに住む漁業者の中から選挙によって民主的に選ばれておりましたが、改正案では、知事が議会の同意を得て任命する仕組みになります。知事に近い人物が委員として任命されるようになれば、漁業者の声はますます届きにくくなっていきます。  政府は、選挙を行うと漁業者の多い地区や漁業種類から委員が選ばれやすく、投票実施率が低いことを廃止の理由としています。実際に選挙が行われないケースが多いのが事実です。やはり民主的な選挙の仕組みは、すべきではないと思います。  本法案は、企業の参入を促進し、事業者の生活を脅かすものにほかなりません。また、漁業者にとって非常に重要な権利である漁業権を大きく変える大改正であるにもかかわらず……

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 大島君、時間が経過しております。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君(続) 漁業者には十分な説明がなされず、国会における審議も不十分と言わざるを得ません。  このような法案には断固反対することを申し上げ、私の反対討論といたします。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 紙智子君。    〔紙智子君登壇、拍手〕

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子です。  会派を代表して、漁業法等一部改正案に対する反対の討論を行います。  冒頭、一言述べます。  堂故茂委員長は、農林水産委員長解任決議案が否決された直後に、野党にこれ以上言ってもかみ合わないなどと暴言を吐き、漁業法の採決を主導しました。森ゆうこ議員の質問権を奪いながら、何ら反省しない委員長の運営に強く抗議します。  漁業法等一部改正案は、安倍総理が七十年ぶりに改正すると公言したのに、僅か八時間四十五分で採決をした政府・与党の強引な国会運営にも強く抗議するものです。  改正案に反対する第一の理由は、現場を置き去りにしているからです。  電話帳のような厚さ、これが漁業法改正案の通称です。しかも、関連法案の改正は四十七本にも及びます。それなのに、漁業法の質疑は八時間四十五分でした。質疑が尽くされたとは言えません。  吉川貴盛農林水産大臣は、漁業者の理解が進んでいるのか問われて、これまでも漁業関係者との意見交換を行ってきた、現場の漁業者の皆さんとの信頼関係を大切にしたいと述べられました。しかし、政府が主催した説明会に参加した沿岸地区の漁協は七十七組合だけです。九百五十五ある漁協の僅か一割にも達していません。まさに現場置き去りです。これでどうして漁業者との信頼関係が築けるというのですか。  私は、夏以来、漁協を訪問して政府の説明会の様子を伺いました。説明会は一方的だった、現状と変わらないと言われたが内容は分からなかったと言われます。全国沿岸漁民連絡協議会等の諸団体が国会で漁業フォーラムを開きましたが、内容を知らない漁民、漁協も多く、自分たちの意見を述べる機会もないという要望を受け取りました。戦後の漁業制度を根本からひっくり返し、漁業、地域経済の形を変える改悪はやめるべきです。  反対する第二の理由は、浜に対立と混乱を持ち込むからです。  目的から、漁業者及び漁業従事者を主体という言葉も、漁業の民主化という文言も削除し、漁業権の優先順位も漁業調整委員会の公選制も廃止すれば、漁業による利益を地域に広く行き渡らせる漁業法の骨格が骨抜きになります。  一九五〇年、水産庁は「漁業制度の改革」を編集し、漁業法を制定した理由を述べています。そこでは、民主化に触れ、生産力の基礎はあくまで尊い人間労働である、働く漁民がその家族を含めて、憲法の言葉を借りるなら、健康にして文化的な生活を維持し、明日のために、あるいは将来にわたって必要な労働力を再生産し得るような条件を確保しない限り、真の意味での生産力の発展も社会の進歩もあり得ないと書いているんです。ここに、漁業者及び漁業従事者を主体と漁業の民主化を定めた意味があります。  参考人質疑で赤間廣志参考人は、仙台で行われた政府説明会で目的規定について聞かれました。そのとき水産庁は第一条は変えないと明確に述べた、それなのに目的を変えた、憤りを感じると述べられました。関係者をだまし討ちにするのですか。  漁業権の優先順位を廃止することも重大です。私は、水産庁に、水産政策の改革案を出す前に漁業権の優先順位の廃止を求める要望や意見書が出たのかと聞いたところ、長谷成人水産庁長官は、水産政策の改革を公表する前に優先順位の廃止を求める意見書は提出されていないと答弁しました。それなのに、なぜ廃止するのですか。  香川県議会は、十月十二日に水産政策の改革における慎重な検討を求める意見書を提出し、漁協が第一順位になっている特定区画漁業権が廃止されれば、漁協は個別に漁業権を付与された漁業権者との調整に関与できなくなるとの意見書を政府と国会に提出しています。地方議会の意見書が出ているのに真摯に耳を傾けないのですか。  漁業権の優先順位を廃止した上で、漁場を適切かつ有効に活用しているという新しい基準が作られました。政府は、適切、有効に活用するという規定を使って、漁業権は守られるかのような説明をしています。本当にそうなんでしょうか。一度企業が漁業権を手に入れればどうなるでしょう。適切、有効という基準に合えば、資本力を生かし経営発展を広げることができます。そうなれば、長期的に漁業権を独占することができるのではありませんか。  漁業権を設定する際に必要な海区漁場計画には、新たに農林水産大臣の助言と指示が明文化されました。我が国の生産力の発展を図るために国に従うように求めています。企業が良好な漁場を求めて参入すれば、沿岸漁業者が追い出される可能性があります。ましてや、財界から、漁業権は既得権益になっているとして法制度などを整理するように圧力を掛けている下で、適切、有効を基準にすれば、規制緩和論者がその基準の緩和、廃止を求めてくるのは明らかです。  漁業調整委員会の公選制を廃止することは、漁業者の被選挙権を奪う暴挙です。二〇一六年に選挙がありました。立候補者五百二十七名、当選者五百十六名です。知事の任命制に変えても透明性を図ると言いますが、その基準は明らかではありません。選挙になれば、候補者が水産政策を掲げ、議論が広がります。公選制こそ透明性が図れる制度ではありませんか。  濱本俊策参考人は、六月二十五日に全国海区漁業調整委員会連合会として水産庁に要望したと言われました。要望の第一は、委員の選出方法や委員構成を見直す必要性はなく、漁業法の目的は堅持するとしています。こうした要望を抹殺する改正案は容認できません。  第三に、強権的な仕組みが導入されているからです。  国と都道府県の責務を定めたことに加え、漁業計画に農林水産大臣の助言と指示を新たに明文化しました。我が国の生産力の発展を図るための助言、指示ですから、国の政策に従うことを求めています。政府が漁業の成長産業化を掲げ、企業による養殖産業の新規参入を掲げている下で、漁場が企業本位に変質されることになります。  第四に、大型船のトン数規制を撤廃するからです。  乱獲を防ぐために取られてきた漁船のトン数規制をなくし大型化を進めれば、沖合漁業と接する沿岸漁業の資源が減少する懸念は払拭されません。  第五に、資源管理のために導入する漁獲割当て制度、IQに沿岸漁業者の同意を得ることが明記されていないからです。  今年、沿岸漁業者の意見も聞かずに導入した太平洋クロマグロへの漁獲規制の反省がありません。  国際社会は、二〇〇七年から八年の世界的な経済危機に直面し、穀物の国際価格が高騰し、世界的な食料危機に直面しました。これが契機となって小規模家族農業が見直され、国連は家族農業の十年を呼びかけ、国連食糧農業機関、FAOの責任ある漁業のための行動規範も、漁獲規制が必要な場合には資源の持続的利用のためになりわい漁業や沿岸小規模漁業を維持するように求めました。  規制緩和の流れに歯止めを掛け、浜と漁業者が主役になれる政策転換こそが必要であることを主張し、反対討論とします。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。    〔投票開始〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。    〔投票終了〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数         二百三十七     賛成            百六十五     反対             七十二    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕      ─────・─────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、  出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長の報告を求めます。法務委員長横山信一君。     ─────────────    〔審査報告書及び議案は本号(その二)に掲載〕     ─────────────    〔横山信一君登壇、拍手〕

横山信一公明党

○横山信一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に属する技能を有する外国人の受入れを図るため、当該技能を有する外国人に係る新たな在留資格に係る制度を設け、その運用に関する基本方針及び分野別運用方針の策定、当該外国人が本邦の公私の機関と締結する雇用に関する契約並びに当該機関が当該外国人に対して行う支援等に関する規定を整備するほか、外国人の出入国及び在留の公正な管理に関する施策を総合的に推進するため、法務省の外局として出入国在留管理庁を新設しようとするものであります。  なお、衆議院において、人材が不足している地域の状況を分野別運用方針に明記すること、特定技能の在留資格に係る制度の在り方に関する検討について、施行後三年を経過した場合から施行後二年を経過した場合に改めること等の修正が行われております。  委員会におきましては、本法律案に加え、櫻井充君外一名発議の外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理に関する法律案を一括して議題とし、日本語学校を視察したほか、参考人から意見を聴取するとともに、在留資格「特定技能」創設の背景、新たな外国人材の受入れが日本社会に与える影響、技能実習制度における課題を解決する必要性、外国人材が都市部に集中する可能性等について、安倍内閣総理大臣にも出席を求め質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  本法律案の質疑終局を採決で決した後、討論に入りましたところ、国民民主党・新緑風会の櫻井委員より本法律案に反対、公明党の伊藤理事より本法律案に賛成する旨の意見が述べられました。  討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。有田芳生君。    〔有田芳生君登壇、拍手〕

有田芳生立憲民主党・民友会

○有田芳生君 立憲民主党・民友会の有田芳生です。  私は、会派を代表して、ただいま議題となりました出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案について反対の立場から、強い怒りと技能実習生たちの深い悲しみを抱いて討論をいたします。  この問題は議論したら切りがない、幾らでも問題点は出てくる。これは衆議院法務委員会の与党筆頭理事の言葉です。議論をすればするほど問題が出てくる。それどころか、その議論の前提となるデータが偽りだらけでした。  新たな在留資格となる今回の法案において、現行の技能実習生からの移行が約五割と試算されております。業種によっては一〇〇%です。技能実習生からの移行がそれだけあると想定しているのであれば、現行制度の実態調査や総括があってしかるべきです。  その調査の一つとも言えるいわゆる個票の開示について、衆議院の法務委員会で議論が始まっているにもかかわらず、なぜか政府はコピーを認めませんでした。そのため、野党五党二会派の議員は、衆議院、参議院で手分けして、二千八百七十枚全て、つまり二千八百七十人の多くの技能実習生たちの苦悩の記録を手書きで写しました。その結果、法務省が偽りの報告をしていたことが浮かび上がったのです。法務省は最低賃金以下は二十二人、〇・八%と公表していましたが、月給と労働時間から時給を計算すると、最低賃金以下は千九百二十七人、六七%もいることが分かりました。  さらに、驚くべき実態も明らかになります。月八十時間以上の過労死ラインレベルの残業をしている実習生が二百八十九人、一〇%もいたのです。法務省の資料では労働時間が長い二百三人、七・一%と、さらっと書いていますが、実際は過労死ラインレベルの残業を強いられていたのです。最低賃金以下も過労死ラインレベルの残業も、労基法違反です。  その結果何が起こったか。昨日の委員会審議で更に、おとといですね、おとといの委員会審議で更に新しい事実、悲惨な現実が明らかになりました。三年分の技能実習生たちの死亡事案一覧です。夢を持ち、日本にやってきた彼らが、判明しているだけでも六十九人、日本国内で亡くなっています。一覧には、自殺、凍死、溺死など、異常な死亡原因の数々が並んでおります。しかし、詳しい死亡の背景や責任の所在は全く明らかになっておりません。法務省は、この事実を知りながら、詳細を調べることなく、放置していたのです。これはただの六十九件の死亡事案ではありません。ここにはアジアからやってきた六十九人、一人一人の人生があるんです。  論点が多岐にわたる法案にもかかわらず、技能実習生の現場の声や自治体の声を聴く地方公聴会も開かれることもなく、衆議院でも参議院でも連合審査を行わず、不十分なまま強行に採決がされてしまいました。急ごしらえで完成度の低い法案であることは誰の目にも明らかです。  外国人労働者の受入れを拡大する入管法改正案の内容は、この日本で外国人を更に受け入れ、各種の労働に従事してもらう、少子化時代のこの国の骨格を大きく変更する重大な内容です。今、外国人労働者は約百二十八万人、二〇一二年の調査から五年半で六十万人増加しております。鳥取県の人口を超える数です。この国の形は、徐々に、しかし確実に姿を変えていこうとしております。  政府は外国人労働者をこれからの五年で三十四万人受け入れるといいますが、過去五年半で六十万人増えた外国人労働者を見れば、日本が抱える構造的人手不足の解決にこの法案は何の意味も成さない、専門家はそう分析しております。拙速な審議、一時しのぎの対策では、必ず禍根を残してしまいます。  国家百年の計は、国会だけではなく国民レベルで議論をしなければなりません。  日本テレビと読売新聞が十一月二十五日に配信した世論調査の結果では、この法案を、今の臨時国会での成立にこだわらず議論する七三%、廃案にする一四%、今の臨時国会で成立させるは僅か九%しかありませんでした。この多数派の世論を踏みにじったのが、今夜の法務委員会での蛮行です。  どの分野でどれだけ受け入れるのか、五年に限らず、中長期的な見通しもなく、また、内容のほとんどが法案が成立した後で省令に委ねる。問題を指摘されると曖昧な答弁に逃げ、相互の連携も予算の裏付けもはっきりしないがらんどうの、立法府を無視した制度設計になっている白紙委任を認めるわけにはまいりません。  私は、かつて、「地球の歩き方 ベトナム」を書くため、ベトナム全土を取材して歩きました。特に関心の強いこのベトナムについて、最近こんな話を聞きました。  ベトナムのお父さん、お母さんたちは、自分の息子、娘たちを日本に送り出すとき、その後ろ姿を見て涙を流していました。子供たちが日本で働きたいと言うものだから、頑張ってやってこいという思いがある。日本は安心、安全なんだと親御さんたちは強く思っていらっしゃる。  日本語は難しい言語です。しかも、基本的に日本でしか通用しない。英語やアラビア語、あるいは中国語のように世界では通用はしない。では、なぜ日本なのか。それは階級差別がないからだというのです。  失踪する技能実習生たち、いや、逃げざるを得ない実習生たちが問題になっております。しかし、実習生を大切にするまともな経営者がいることはもちろんです。ほかの国に働きに行った人たちの話を聞くと、例えば、食事のときに同じテーブルで食事をすることができない、いじめられる、階級差別がある。しかし、日本の経営者の中には、休みになったらちょっとディズニーランドに行こうじゃないか、あるいは休みになるとバーベキュー一緒にやろうじゃないか。そういう、日本社会は今でも根深い差別があるものの、階級社会でないことへの魅力があるというんです。そうやって今、約二十六万人の外国人技能実習生が日本で働いています。  国会でチェックできない隙間を縫って、若き外国人技能実習生や労働者が、人間としてではなく単なる安価な労働力として利用され、長時間労働などで使い捨てにされることがあってはなりません。  受入れ体制の整備、例えば職場でのコミュニケーションとしての日本語教育、生活をする地域での支援体制、学校の教師の確保や教育の質の維持についての議論や予算措置、社会保障や将来の補償など、総合的な支援の在り方について世論も巻き込んだ十分な議論が必要です。  外国人労働者や外国にルーツを持つ人々は、既にこの日本で暮らしており、共に社会を支えています。彼ら、彼女らは、人間としてそれぞれの地域で生活しています。彼ら、彼女らが人間として、日本社会の一員として暮らせるための権利と尊厳を保障しなくてはなりません。安心して生活できる場や活躍できる空間をしっかり整えることが、憧れの国、日本の目指すべき姿ではないでしょうか。こんな法案は必ず歴史の断罪を受けるでしょう。  この国の未来を破壊し、親日どころか嫌日を世界中に広げていくことになる本法案に強く反対することを申し上げ、会派を代表しての反対討論といたします。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 長谷川岳君。    〔長谷川岳君登壇、拍手〕

長谷川岳自由民主党・国民の声

○長谷川岳君 自由民主党の長谷川岳です。  私は、自民・公明を代表し、ただいま議題となりました出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論いたします。  全ての都道府県で有効求人倍率は一倍を超える中、少子高齢化が進展し、人手不足は深刻化しています。本法案による早急な対応が必要なことに間違いありません。  一方、本法案については、その提出に至る前にも、自民、公明それぞれで大いに議論されてきたところであります。自民党法務部会においては、延べ百名以上の議員が発言し、特定技能の在留資格で受け入れる外国人材の受入れの上限設定、日本人の雇用への影響や治安への不安に対する対応、外国人との共生社会の実現などについて、丁寧かつ熱心に議論してまいりました。また、群馬県の伊勢崎市、大泉町にも実際に伺い、現地の実情を直接確認してまいりました。  野党においても、国会審議中、政府基本方針や分野別運用方針、法務省令に委ねられている具体的な制度の運用の内容、技能実習生の労働環境に関する問題、悪質ブローカーの問題などについて議論が行われてきたと承知しております。  これまで参議院法務委員会では、横山信一委員長の下で、衆議院を超える時間を掛けてこれらの懸念について議論し、政府に明確な答弁を求めてきました。法務委員会として、日本語学校への現地視察に伺うとともに、三名の参考人から本法案に対する意見も聴取いたしました。このような審議等を通じて、本法案の今後の運用の骨格が明確になっています。  具体的には、政府から、本法案に基づいて策定される分野別運用方針において向こう五年間の受入れ見込み数が示され、これが上限として運用されていくなど、運用に関する重要な事項が明らかになっています。  外国人労働者の報酬の水準も、日本人と同等以上の適正な賃金の支払を受けることとし、賃金の支払状況等についての不正行為があったときには厳正に対処するという方針も明確になっています。  外国人労働者等の社会保障制度や日本語教育を含む教育制度の在り方についても、これらの制度の適切な運用を確保しながら、共生社会を実現する観点から検討を加えた上で、必要な措置を講ずることも示されています。  さらに、悪質なブローカーの介在を防止するために、新設される出入国在留管理庁が先頭に立って関係機関との連携を更に強固にし、これまでの取組をしっかりと推し進めて、不法就労等の防止に邁進していくという方向性も示されました。  このように、本法案については、これまでの審議において明らかになった事項、本法案の運用の骨格を踏まえた上、速やかに成立させ、その後の詳細な運用をしっかりと確認していく段階にあると考えます。  与党としましては、政府において今後定められる政府基本方針や分野別運用方針、法務省令、そして外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策についてしっかりと注視し、政府に丁寧な説明を求めていきます。  なお、技能実習生に対する不適切な処遇が存在することは大変深刻であり、更なる改善が必要です。審議において、政府は、技能実習生や留学生の受入れは安い労働力として利用されないように適正に進めていくと明言しています。また、昨年見直された新たな技能実習制度に基づき、適切、適正な運用が行われるよう検討を進め、関係機関が連携して対応していくことになっております。この点についても、しっかりと検証結果あるいは対応状況等を検証していくことが重要であると考えております。  以上、非常に厳しい議論を乗り越え、重要な決断に至った本法案でありますが、一つ一つ丁寧にチェックをしながら進めていくことは政府答弁により担保されております。  喫緊の課題である深刻な人手不足に対応するために本法案を速やかに成立させるべきと申し述べ、私の賛成討論といたします。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 大野元裕君。    〔大野元裕君登壇、拍手〕

大野元裕国民民主党・新緑風会

○大野元裕君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の大野元裕です。  私は、会派を代表して、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対し、断固反対の立場から討論いたします。  今国会が当初から大混乱した責任は、ひとえに安倍総理にあります。国民民主党は、本院で問責決議案を提出したと同じ理由で、衆議院でも内閣不信任案の提出を呼びかけております。冒頭、他の会派の皆様にも御理解をいただけますよう、心よりお願いを申し上げます。  さて、我が国は少子高齢化と生産年齢人口の減少に直面しており、国民民主党は、我が国が直面するこれらの喫緊の課題に応えていく責任を強く認識しています。  先ほどの山下大臣問責決議案の自民党の反対討論では、大臣が責任ある答弁を行ってきたとの不可解な発言がありました。与党の皆さん、責任ある政治とは、国の形を変えかねない外国人労働者受入れ政策の是非とその具体について国民大の理解を求め、政策の転換に伴う問題を最小限にとどめるよう取り組むのが筋です。  ところが、この大きな問題に対し、政府はビジョンすら示せておりません。政府が示したのは、移民政策について聞いたことのない定義付けを行った上で、いわゆる移民政策は取らないなどというマッチポンプで、政治的なPRに終始する無責任さでした。  特定技能労働者、技能実習生、留学生等の様々な制度の下、今後、政府はどれだけの外国人労働者を受け入れていくつもりでしょうか。真に必要とされる地域のニーズにいかに応え、悪質な派遣業者や受入れ業者をいかに排して外国人と日本人が共生できる社会をつくるのか、国民の根本的な疑問に答えていません。  自民党内では単純労働者受入れと取られないようにするとの議論があったと聞き及んでいますが、技能実習期間を特定技能という隠れみのの下に実質的に延長させるだけではありませんか。また、日本人と同等報酬の法規定がなく、同等待遇を担保する実効性を欠く本法律案は、安価な単純労働者受入れ政策にほかなりません。  さらに、共生社会と言いながら、日本社会に外国人を受け入れるための制度設計が明らかになっていません。外国人受入れが健康保険を始めとする社会保険制度に及ぼす影響等に対する国民の懸念に答えることは、ついぞありませんでした。総理はややこしい質問云々と言いましたが、余りに生煮えで国民の疑念に答えないややこしい法案を出したのは政府・与党ではありませんか。  特定技能制度導入を待たずして、安倍政権下で外国人労働者は急増し、厚生労働省の発表では二〇一二年から倍増しています。技能実習生の八割が建設業か製造業で働き、留学生の半数以上がサービス業で働いている現状に鑑みれば、安価で都合の良い労働者が増加してきたことは明白です。  このように、状況をなし崩し的に放置し、実質的な移民受入れをコントロールできなかった安倍政権に多くを委任することは到底不可能です。それにもかかわらず、外国人を受け入れる分野や必要とされる技能水準についての法規定は曖昧で、受入れ分野や人数など、余りに多くが政省令に委ねられている法案に賛成する余地はありません。  それでも、国民を代表するこの国会において十分な議論を尽くすのであればまだしも、衆議院に引き続き本院での審議時間も不十分で、多くの関係する業種や対外関係等について連合審査をしなければならなかったはずです。しかし、それも実現しませんでした。  外国人労働者受入れ政策に国民の理解が得られなかった結果、フランス、ドイツ、アメリカなどでは外国人労働者排斥デモや暴動まで発生しました。熟議の府、参議院議員の皆さん、あなた方の今日の投票行動は将来の日本を左右しかねません。外国人労働者受入れにより、賃金を押し下げ、職を奪い、デモで被害が出る、そんな状況を招かないためにも、熟慮の上、拙速な法案審議には勇気を持って反対しようではありませんか。  国民民主党は、無責任な政府案に対し、独自の法案を提出させていただきました。国民民主党案では、拙速に過ぎ、かつ政省令に委ね過ぎている政府案の法施行を六か月間遅らせ、特定技能のみならず、あらゆる外国人労働者をめぐる諸問題に検討を加え、その上で必要な措置をとることを求めています。  報道機関の調査では、外国人労働者の受入れ拡大を希望すると考えられた企業向けの調査ですら、態度を明確にした会社の約半数は議論が拙速と回答しています。拙速に採決をするニーズは希薄です。生煮えの政府案では行き詰まってしまいます。  この国民民主党案が求める検討事項は、まさに本法案に欠けている事項です。  それは、第一に、特定技能外国人の人数について、客観的、合理的な基準に基づき、特定産業分野ごと及び地域ごとに上限を設定することを求めています。共生社会の在り方、受入れ支援の体制から、日本人と外国人の適正な賃金と雇用を守ることまで、受入れ上限の議論は不可欠です。業種ごとの最大受入れ人数、地域ごとの受入れ人数を明らかにしなければなりません。  第二に、報酬の高い都市圏に外国人労働者が集中することを避ける措置とともに、地域別の上限数を設定する必要があります。都市部のみならず、地方での労働力不足を放置すれば、地方の衰退を加速し、地域格差が拡大し、日本は終わってしまいます。  第三に、特定技能外国人に対して報酬が確実に支払われていることを確認する措置を求めています。適切な対応を確保する措置の検討を政府案では担保されていません。だからこそ、このような措置を確実にすることが、共生社会を実現させ、国際社会の中で有為な人材を確保する唯一の方法です。  第四に、一号特定外国人の扶養家族の在留を可能せしめる措置の検討を求めています。  さらに、特定技能外国人等に対する社会保障制度及び教育制度の在り方に関する検討を求めています。特定技能の外国人及び家族の健康保険加入見込み、それによる国庫負担のきちんとした想定はなされておらず、海外在住の扶養家族への適用についても議論は不十分です。さらに、政府案では、海外での健康保険が悪用されるケースなどの想定がなされておらず、制度の在り方が煮詰まっていないことが明らかになっています。  ほかにも、出国を制度的に担保するとともに、業種別、地域別の適正な規模の受入れを確保するために、在留資格の変更に際して一旦出国をさせるという他国の制度を検討しようということも述べています。同一職種内での移動が自由な状況では、地域別のニーズに基づく受入れ制度の実効性は確保できません。さらには、現行の外国人技能実習制度には問題があるケースも多々明らかになり、これに対する行政の対応も不十分である中、抜本的な制度の見直しを盛り込んでいます。ビジョンと責任を欠く政府案には、これらの視点が欠けています。  国民民主党案では、これらの山積する問題、政省令に無責任にも委託された問題について議論をし、国民の理解を得た上で法施行をするという点が極めて重要です。衆議院における修正によって、施行後三年の見直し期限が二年に短縮されましたが、法案の基本的問題には何ら答えていません。問題をはらんだまま国の形を変えかねない制度を見切り発車し、それから検討するのでは影響が大き過ぎるではありませんか。問題に適切に対処した上で法施行をする、この姿勢こそ責任ある政治が持つべき姿勢です。  良識の府たる参議院に集う同僚議員の皆様、国民に対する責任感に訴えます。何とぞ、無責任で拙速、かつ煮詰まっていない本法案は否決し、是非、国民民主党の採決を求め、私の反対討論を終わります。  ありがとうございました。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 石井苗子君。    〔石井苗子君登壇、拍手〕

石井苗子日本維新の会

○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。  私は、党を代表して、ただいま議題になりました出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論をいたします。  今回の入管法改正に関しましては、来年四月に施行することが大前提となっています。そのため、どの分野でどれだけ人手不足が生じているのか、外国人労働者は何人必要なのかなど、重要な点を曖昧にしたまま、これまで拙速に議論を進めてきたと言わざるを得ません。日本の将来の国の在り方が変わるような重要法案であるにもかかわらず、審議時間は全く十分ではありません。  そこで、日本維新の会は、自民党、公明党と修正協議を行い、特定技能制度の在り方に対する検討の時期を三年後から二年後にすること、大都市圏などに外国人材が過度に集中しないようにする措置を講ずること、在留管理に個人識別番号の利用を検討することなどで、法案を修正することで合意いたしました。そして、衆議院において法案が修正されたことをもちまして、懸念される問題点が将来的に解消されるようになると考え、本法案に賛成するものであります。特に、東京オリンピック・パラリンピック終了後の景気悪化が懸念される時期に制度の在り方を検討する修正ができましたことは、重要なことであると思っています。  現在の日本は、需要があるにもかかわらず、人手が足りないために供給ができない状態です。このままでは、民間企業はビジネスチャンスを逃し、マクロ的に見ましても日本は経済成長を望むことはできません。今後、人材が不足する分野に限って外国人労働者を受け入れることも一定の合理性があるものと考えます。  これまで、事実上、外国人を労働者として受け入れている仕組みとしては、外国人技能実習制度がありました。しかし、この制度はあくまでも実習を目的としており、技能実習をし、労働者の受入れではないということです。  公益財団法人国際人材育成機構の報告によれば、インドネシアからの実習生は、三年間で三百万円の貯蓄を目標として実習し、その実習生の中には日本で身に付けた技能を基に本国で起業した人が七千人いるということです。起業した会社は多くの雇用を生み出し、それまで華僑に支配されがちであった経済界の中で、民族資本の形成を促進し、本国政府から喜ばれているということです。  このような成果がある一方で、一部の受入れ企業が実習生を低賃金で働かせているケースもあり、毎年五千人、平成二十九年度には七千人以上の失踪者を出しています。中には命を落とされた方もいます。  こうしたことを踏まえ、本法律案においては、外国人材から保証金等を徴収する悪徳なブローカーの介在を防止するために、保証金等を徴収されている場合は特定技能外国人としての受入れができないようにするということです。このことで、技能実習制度において多くの失踪者が出てしまった事態が一定程度是正されるものと考えます。これが本法案に賛成する一つ目の理由です。  新しい在留制度で、我々が期待するような外国人材が日本に来ていただくためには、日本が外国人にとって働きやすい国となる必要があります。現在の外国人技能実習制度は、アジアの諸国で評判が決して良くありません。外国労働者の受入れ制度を早くから整えてきた韓国では、分野ごとかつ国ごとに受入れ人数の制限が設けられています。四千人の枠に四万人の応募があるケースもあり、優秀な人材をそこから選ぶことができます。韓国では、入口から出口まで国が管理をしていて、悪徳なブローカーが入る隙間がないこと、全国四十八か所の支援センターに各国の言葉を話せる相談員がいることが人気の理由だということです。恵まれた受入れ環境を用意することで、韓国はアジアの若者から選ばれる国になっています。  ところが、日本はどうでしょうか。技能実習制度は遵守すべき労働法制が守られていないケースが多々あります。最低賃金すら払われていないケースもあります。このような制度を続けてきたために、日本はアジアの若者から選ばれない国になっています。  魅力的な在留制度を用意しなければ、有望な外国人材は集まりません。日本語を積極的に学び、日本語を使いこなせるようになる人材に来ていただくためには、彼ら、彼女らを十分に優遇することが必要です。  技能実習制度はあくまで技能を身に付ける制度の中で働くのであるから賃金は安いですという言い訳は、今後の外国人材には通用しません。新しい在留制度で同じようなことをやっていれば、日本は、将来、完全に信用を失うことになります。  本法律案が成立し施行されると、特定技能外国人を含む中長期在留者について、政府は年内に外国人材の受入れ・共生のための総合的対策を取りまとめると約束しています。それに基づき、日本語教育の充実や地方自治体への支援など共生のための取組を積極的に推進することになり、日本が外国人材から選ばれる国になることに期待が持てると考えます。これが本法案に賛成する二つ目の理由です。  特定技能外国人の受入れについては、外国人材と地方自治体、そして地域住民の交流を盛んにするとともに、労働条件が守られなければなりません。日本は外国人労働者を奴隷のような条件で働かされているという悪評は払拭しなければなりません。  本法案においては、関係機関の連携の下、法令違反、不正行為に対する厳格な対応を行うとともに、ワンストップ型の相談窓口を設け、外国人労働者が相談しやすい仕組みを検討することとなっています。このことにより、外国人材に安心して働いてもらうとともに、日本社会に対する信頼を持っていただけるようになることを期待します。これが本法に賛成する三つ目の理由です。  最後に、人材不足の問題は、本来であれば、適切な少子化対策を実施し、出生率を向上させて解決すべき課題です。少子化対策に関しては、安倍政権の六年間はほぼ無策でありましたが、我が党は、少子化を根本的に解消するために教育無償化を提案し、かつ憲法に盛り込むことを主張してきました。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、出生率中位推計では、三十五年後の二〇五三年に日本の人口は一億を割り込みます。  技術を持ち、かつ一億人を超えるマーケットがあればこそ、日本は国際的な発信力があります。しかし、世界の人口が増える中、日本の人口が減り続ければ、国際的な交渉力や発言力は低下していくことになります。この危機意識を持って少子化対策に取り組み、その一つとして教育無償化を憲法に盛り込むべきであると申し上げてきました。  日本維新の会は、労働人口の減少による人手不足は、長年の懸案である少子化に対し根本的な対策がなされなかった結果であると指摘いたします。  今回、人手不足に対処するために外国人労働者を受け入れることになりましたが、適切なルール自体は構築すべきであると主張いたしまして、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対する私たちの賛成の討論といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 仁比聡平君。    〔仁比聡平君登壇、拍手〕

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法改定案について、反対の討論を行います。  今国会での成立を急ぐべきではない、この世論は急速に広がり、八割に上っています。多くの皆さんが、外国人労働者が置かれている深刻な労働実態、無権利、そこに付け込むブローカーや暴力団の暗躍を知るにつけ、ルーツが違っても人間として共に暮らせる社会、同じように八時間働けば人間らしく暮らせる社会をどうやったらつくれるのか、真剣に考えておられるのではないでしょうか。  家族の帯同や教育、社会保障の在り方など、徹底した審議こそ本院に求められていました。大体、地域経済や中小企業、農業、建設、介護など、深刻な人手不足をつくり出してきたのは自民党、公明党の政治ではありませんか。大企業の利益を優先し、構造的な低い賃金や単価の改善をないがしろにして外国人労働者の受入れで補うなら、困難を固定化し、更にひどくすることになります。  外国人労働者の受入れの在り方は、我が国で働く全ての労働者と社会のありように大きな影響を及ぼす大問題です。にもかかわらず、国会をまたもや暴力で壊し、民意を踏みにじり、強行採決で押し通そうとする安倍内閣と自民、公明の与党、こんな強権政治こそ人権と共生の社会の対極にあるんだと言わなければなりません。  反対する理由の第一は、本法案は、人手不足分野の劣悪な労働条件でも従順に働く単純労働力として外国人労働者の受入れを拡大し、そのために、深刻な人権侵害の構造が明らかな外国人技能実習生を、更に最大五年、安価に働かせ続けようとするものだからです。  政府は、技能実習制度と新制度は別と言い繕いますが、それはごまかしです。実際、政府は、現時点で受入れを検討している十四業種のうち十三業種で実習生からの移行を前提とし、その多くが八〇%からほぼ一〇〇%の移行を見込んでいるではありませんか。法務大臣の、法改正が半年遅れれば万単位の方々が帰ってしまうとの答弁は、何が何でも来年三月に実習三年目を終える人たちを無試験でそのまま新在留資格、特定技能一に移行したいという本音をむき出しにしたものではありませんか。  その技能実習生の失踪が急増している原因はどこにあるのか。本法案の説明に当たって、政府が、意欲が低く、より高い賃金を求めて失踪する者が多数で八六・九%、人権侵害行為など受入れ側の不適正な取扱いによるものは少数などと、一部の身勝手な不心得者であるかのように実態をねじ曲げて説明してきたことは重大です。その政府の基本認識は全くの捏造だったではありませんか。  失踪が七千八十九人に上った平成二十九年、政府が行った二千八百七十人の聴取票を書き取り分析した野党の結束した取組によって、最低賃金違反は政府の言う二十二人どころか千九百二十七人で全体の六七%、過労死ラインを超える人は一〇%に上ることが明らかです。政府は今なお聴取票の提出を拒みますが、それは、技能実習制度全体はうまくいっている、だから修了者を特定技能一へという法案の根本が覆ってしまうからにほかなりません。  安倍総理は、一昨日も、実習生の九割はうまくいっている、失踪者は全体から見れば僅かと答弁しましたが、失踪や自殺、過労死や労災事故、暴行や性暴力などの対象にされてしまった一人一人の人権侵害を僅かなどと言って脇に置くことは、民主主義社会の政府として絶対に許されないのではありませんか。  政府が、逃げることもできず、じっと耐えざるを得ない実習生たちの存在を正面から認めようとしないことは重大です。明らかになった失踪実習生の実態は、権利侵害からの緊急避難であり、氷山の一角です。  最賃違反は千九百二十七人、しかし、その平成二十九年、法務省入管当局から労働基準監督署への通報件数は僅か四十四件でした。法務大臣は、一昨日、失踪実習生の実態を重く受け止める、徹底した反面調査を来年三月末までに行い公表すると答弁しましたが、真剣な反面調査と権利救済が本当に行えるのですか。重く受け止めるというなら、四月からの新たな受入れ拡大をやめるのが当然ではありませんか。  反対理由の第二は、新たな在留資格、特定技能一で働くこととされる外国人労働者の地位は極めて不安定であり、就職や解雇、住まいを始め生活のあらゆる場面で不正な利益を目的とするブローカーの介入の危険があることです。  政府は、特定技能一の雇用は合意と自由意思に基づくと言いますが、それは机上の空論です。技能実習を修了しても、日本語がおぼつかない人はたくさんいます。厳しい就職差別の中で、適正な受入れ企業を自力で見付けて就職や転職することは事実上困難です。ハローワークの母国語相談は、例えば九州でいえば福岡市と別府市にしかありません。大方の実習生に母国語で求職活動できる場はありません。  実習生の場合、母国の送り出し機関や監理団体、暗躍するブローカーの支配や影響下から抜け出せず、そこを通じて就労、生活せざるを得ない状況に陥る人が大多数になる危険があります。法案は、この点、受入れ企業が支援するとしていますが、支援を委託される登録支援機関には技能実習制度の監理団体が横滑りできることが明らかとなりました。さらに、登録を受けない未登録団体が営利目的で委託料を受けて行うことも認められることが明らかとなりました。これでは、支援の名の下に、狭い宿舎に労働者を押し込め、高額の家賃や水光熱費をピンはねする類いの不正行為を排除できないではありませんか。  転職は可能といっても、社長のハラスメントに耐えかねた労働者がその社長の転職支援など期待すべくもありません。倒産、廃業で失業すれば、登録支援機関の支援もなくなります。結局、外国人労働者をあちこちの会社や現場に送り込む、許されない労働者供給事業の温床にされかねないのです。  政府は、出入国在留管理庁が届出や入国審査でチェックすると言います。しかし、与党推薦の多賀谷参考人も、確かにそれがうまく機能するのはなかなか難しいと述べたほどです。  ベトナム実習生に詳しい斉藤参考人は、技能実習機構が実地検査を始めたと言うけれど、事業所ごとには十年に一度、実習生にとっては、自分たちの本当のつらい状況をきちんと分かってもらえなかった、自分たちは会社が怖くて言えなかった、言葉が分からなくて言えなかった、これでもうチャンスは終わった、もう救われないと絶望することになると語りました。  さらに、政府は、母国で保証金を払わされていないかを本人に聞いて確認する、署名をさせるから防げると答弁していますが、払っていませんとうそをつかせる非常に残酷なことです。うそをつかなかったら借金が返せなくなる、そして、うそをついた自分にもう救済はないと絶望すると述べましたが、そのとおりではありませんか。これまで権利侵害を正せずに来た当局が、今度は直接指導監督する、外国人支援と共生の司令塔になるといっても、無責任極まると言うべきであります。  反対理由の第三は、総理が安い労働力を確保しながら就労期間を都合よく延長するためのものではないと答弁するのとは正反対に、外国人労働者を雇用の調整弁にするものだからです。  特定技能一の在留資格は一年ごとに更新されます。在留の前提となる雇用契約は基本的に一年以下、そして三か月の短期契約も可能といいます。労働者派遣も認めるのか、法文には何の規定もなく、政府が分野ごとの特性に応じて真に必要不可欠な業種かどうかを判断して決めるというのです。受入れ企業には、技能実習と違って国内労働者比率の基準もないため、日本人社長一人、特定技能一が百人の派遣会社もあり得るということになります。  政府が受入れ見込みを判断する根拠だという客観的指標は、これが受入れ停止の根拠にもなるのに、法文には何の規定もなく、法務省が、有効求人倍率、各業種における公的統計、業界団体を通じた……

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 仁比君、時間が超過しております。簡単にまとめてください。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君(続) 所属機関への調査などが考えられるというだけです。結局、本法案は、外国人の非正規労働者を極めて不安定な雇用の調整弁とするものにほかならないではありませんか。  最後に、皆さん、本法案によって、この討論時間では指摘し切れない、枚挙にいとまのない重大問題の数々が政府に白紙委任されることは断じて許されません。  この二月、経済財政諮問会議の総理の指示以来、財界要求を受け……

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 仁比君、時間が超過しております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君(続) 総理と官邸の主導で来年四月受入れ拡大ありきでまさに泥縄をない、労働政策そのものにあるにもかかわらず、労政審への諮問は必要ないとして、公労使三者の審議も行ってきませんでした。  今になって総理は制度の全体像を法施行前に示すと言いますが、それは、強行しようとするこの法案が制度の全体像すら示されていないと自ら認めたものにほかならないではありませんか。

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 仁比君、時間が超過しております。まとめてください。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君(続) こんな法案をまたもこんなやり方で、国会議員でありながら採決マシンとなってこの後強行しようとするなら、あなた方の、この国民の信頼は地に落ちることになるでしょう。  市民と野党の本気の共闘を必ず実らせ、安倍政権を打倒する、その決意を述べて、反対討論といたします。(拍手)

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。  相原久美子君外六十八名より、表決は記名投票をもって行われたいとの要求が提出されております。  現在の出席議員の五分の一以上に達しているものと認めます。  よって、表決は記名投票をもって行います。本案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 速やかに投票願います。──速やかに投票願います。──このままでは投票時間を制限せざるを得ません。──速やかに投票を願います。──速やかに投票願います。ただいま行われております投票につきましては、自後一分間に制限いたします。時間が参りましたら投票箱を閉鎖いたします。速やかに投票をお願いいたします。──残り三十秒となりました。(発言する者あり)議長の許可なく発言するのはおやめください。  投票漏れはございませんか。──投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数        二百三十七票     白色票          百六十一票     青色票           七十六票    よって、本案は可決されました。(拍手)     ─────────────    〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕     ─────────────

伊達忠一各派に属しない議員議長

○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。    午前四時八分散会

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