文教科学委員会 第5号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2018/12/04
会議録
○委員長(上野通子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省研究開発局長佐伯浩治さん外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(上野通子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として東京電力ホールディングス株式会社代表執行役副社長守谷誠二さんの出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(上野通子君) 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野田紀美君 おはようございます。自民党の小野田紀美でございます。早速質問させていただきます。 前回、参考人の先生方からもいろいろなお話がありましたところで、重複する部分もあるかと思うんですけれども、まず、東日本大震災を踏まえて、仮払い法、あと原子力損害賠償支援機構法、原賠ADR時効中断特例法、原賠時効特例法など、様々そのときに起きた実態に合わせて特例法など法律を定めて対応してきたところではありますけれども、改めて、今回改正をする必要性をお示しいただければと思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) 原子力損害賠償制度については、平成二十三年の原子力損害賠償支援機構法の成立時に、国会において、原賠法の改正等必要な措置を講ずるものとして附則及び附帯決議において検討が求められたところです。これを受けて、原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会において長期にわたる検討の結果、速やかに原賠法に盛り込むべきとされた事項等について、今般、所要の改正を行うことといたしました。 具体的には、東電福島事故における対応のうち一般的に実施することが妥当なものとして、損害賠償実施方針の作成、公表の義務付け、仮払い資金の貸付制度の創設、和解仲介手続の利用に係る時効中断の特例について所要の措置を講ずることとしております。また、政府補償契約の新規締結や原子力事業者に対する政府の援助につきましては、平成三十一年十二月三十一日が適用期限と規定されておりまして、期限到来前の延長が必要ですから、今般、これを十年間延長することとしております。 これらの改正によって、将来、原子力事故が発生した場合における被害者の適切な賠償がより迅速かつ円滑に行われるとともに、原子力損害の被害者の保護を着実に図ることができると考えております。
○小野田紀美君 今後、被害者が出るようなことがあってはいけないんですけれども、被害者の方が万が一、億が一があったときにしっかりと救済できる体制を整えていくこと、非常に重要だと思っております。 今回の改正で、損害賠償実施方針の作成、公表の義務付けというのがあるわけですけれども、今対象となる事業者のうち、現在はどういう賠償マニュアルを作っているのかとか、作っていないところがあるのか作っているところがあるのか、またその作ったものはどういうふうに公開しているのか、この現在の状況を教えていただけたらと思います。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 損害賠償実施方針につきましては、全ての原子力事業者に対しまして損害賠償の実施に係る方針を作成し公表することを義務付け、損害賠償の迅速かつ適切な実施を図るために平時から備えさせようとするものであり、今般初めて制度化し、事業者に義務付けるものでございます。 他方、いわゆる賠償マニュアルと言われるものにつきましては、各原子力事業者が任意で策定している社内向けの文書であると承知しておりますが、公表されておらず、その内容の詳細については文部科学省としてはお答えは差し控えさせていただきます。 なお、文部科学省におきましては、ジェー・シー・オー事故を踏まえまして設置されました原子力損害賠償制度の在り方に関する検討会運用ガイド検討ワーキング・グループにおきまして、原子力損害が生じた際に一般的に想定される原子力損害の対応の標準例などを整理しましたガイドラインを策定し、関係者における業務マニュアル等の参考として事業者にお示ししているところでございます。 このガイドラインにおきましては、賠償手続の標準的なプロセス、賠償手続などに係る各種書類の様式、このイメージなどが記載されているところでございます。
○小野田紀美君 でも、実際ガイドラインに沿って社内向けでは作られているということで、公開はされていないということだったんですけれども、じゃ、結構ガイドラインをしっかり立てる中で、現在のもの、現在、社内向けに作っているマニュアルを今後の改正に合わせて継続的に、じゃ、今まで使っていたものをそのまま流用しますよということができるのか、改めて必ず作成し直さなきゃいけないのか、作成に当たって、これから実施方針に記載すべき項目だとか内容の公開の範囲どのぐらいにするのかとか、その辺はどのように検討されているのか。今のガイドラインに沿って作っていくのか、あとスケジュール感というのも併せてお示しいただけたらと思います。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 損害賠償実施方針、今回の法案に基づいて作られます実施方針と損害賠償に関する社内向けの文書は、その位置付けが同一でない以上、両者の内容が必ずしも同一となるわけではないと考えております。他方、損害賠償実施方針が作成された後は、当然これが基となりますので、両者の内容は整合したものとなると考えてございます。 特に、今般の損害賠償実施方針につきましては、各原子力事業者が定めていますガイドラインを一歩進めまして、各原子力事業者において損害賠償の実施に関する方針を検討し公表することを法的義務として定め、各事業者における自主的な検討を促し、公表に伴う事業者間の方針の共有や関係者との対話を通じて内容の適切性を確保するものとして今般新たに制度化するものでございます。 その内容でございますが、原子力等の立地する地域や各原子力事業者の事業の内容は多様でございます。例えば、原子力事業者が保有する施設には原子力発電所もございますれば、核燃料物質などを取り扱う研究室あるいは貯蔵室などもございます。したがって、事故が発生した際の規模や様態も様々であると考えております。このため、損害賠償実施方針として原子力事業者が事前に定めるべき具体的な内容につきましては、全ての原子力事業者に一律の対応を求めるのではなく、各原子力事業者が自主性を持って対応することが妥当であると考えているところでございます。 この損害賠償実施方針に定める具体的事項につきましては文部科学省令で定めることとしておりますが、省令の検討に当たりましては、今般の改正後、平成三十二年一月の法律の施行までに作成される方針が各原子力事業者の事前の備えとして実効性のあるものになるよう、東電福島原発事故の賠償実務の経験から得られる知見や教訓にも留意しつつ検討を行ってまいりたいと考えております。
○小野田紀美君 おっしゃるとおり、確かに全て一律に、施設が一律でない以上、一律のガイドラインというか、基本方針とか項目とか作れないというのはなるほどなと思うんですけれども、そうすると、個々に作っていくというこの作成された損害賠償実施方針の内容の妥当性ですとか公開に関するルール作りとか、そういうのは個々に、何か自主的にというふうに聞こえたんですけど、誰がチェックして誰が指導してどのようにこれでいいよみたいに決めていくのか、ここを教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 この損害賠償実施方針につきましては、原子力事業者にその作成及び公表を義務付けておりますが、この各事業者の自主性を培いまして、公表に伴いまして事業者間の方針の共有や関係者との対話を通じまして内容の適切性を確保することができるのではないかと考えてございます。 文部科学省といたしましては、今般の改正後、法律が施行されるまでの間に原子力事業者に対してこの制度の趣旨を周知徹底しますとともに、当該方針が公表された後も原子力事業者による対応状況を注視し、本制度の適切な運営を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○小野田紀美君 ちょっと、それだと、自主性に基づいて公開して、公開した後にそれぞれの事業者で情報交換したり、関係者の中で話し合っていい方向に進めていけたらいいねというような感じで聞こえまして、責任持ってチェックするところというのが、じゃ、具体的に決まっているわけではないという認識でよろしいでしょうか。済みません、もう一度。
○政府参考人(佐伯浩治君) お話にございましたとおり、制度上、これについてどこかの機関がチェックをしていくという形にはなってございません。ただ、もちろん、私ども制度を定めている官庁でございますので、私どもとしてはそこをしっかり、その状況を注視してよく対応を取ってまいりたいとは考えております。
○小野田紀美君 私も、それぞれの事業者さんがしっかりと自主性、自主的に完璧な作成をして、そしてしっかりその全てを情報公開していくというふうに、できる範囲でやっていくということを信じておりますし、信じたいですけれども、それを、じゃ、公開が足りないんじゃないかとか、ここがちょっと黒くて見えないんじゃないかというところに関して注視していって、国民がこれじゃいけないんじゃないかというのを待つだけというのは、ちょっと私としては引っかかるかなというふうに思っておりまして、より安心していただくためにやはり何らかの、注視をしつつ関わっていき、ちゃんとその取りまとめですとか、いや、これもうちょっとした方がいいんじゃないのという指導に関しては是非検討していただきたいなというふうに個人的には思います。 せっかく、しっかりした実施方針を作成しましょう、そしてそれを公表しましょうという皆さんに安心、安全を思っていただくようなものを作るのですから、さらにそれを、ああ、これだけちゃんとしてこれだけ公表してくれているんだったら大丈夫だねというふうに思ってもらえるような体制をつくらないと、なかなかこの御理解が得られない部分もあるんではないかなと思いますので、是非よろしくお願いいたします。 次に、損害賠償制度の中で機構法関係とかなんですけれども、事故を起こした加害者がその責任を果たす主軸であるべきということは当然であって、支援機構のそれぞれの負担状況を見たときに、利益を得ていたところが責任を果たすという流れがきちんと出ているのかと。今現在利益を上げているのであれば、その利益を賠償に全部回してしかるべきなのではないかというような御意見もこの前参考人の方からいただきまして、そういった御懸念も理解できるなというふうに思うところです。 事故を起こしていない事業者も一般負担金というものを納付しているわけで、その事故を起こしていないところの一般負担金を払っている事業者の方々の電気代にも負担が跳ね上がってくるということを考えると、支援機構の情報の透明性があって初めて納得できるんだろうなというふうに思うんですが、現状に対して国はどのように考えていらっしゃるのか。 また、原子力事業者の相互扶助スキームというのは、先ほど来申し上げましたとおり、事故を起こしていない業者も含んでのものなんですけれども、中には、事故を起こした当事者である東電の負担が少ないんじゃないかなという批判も耳には届いております。これについてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 御指摘いただきました福島第一原発事故に対応することに伴いまして必要となる資金、二十一・五兆円、総額になります。これにつきましては、二〇一六年に閣議決定をいたしました福島復興指針に基づきまして、まず被災者賠償費用、これは七・九兆円でございますけれども、これについては、御指摘のとおり、東京電力を含む原子力事業者が毎年度納付する負担金で賄われることとなってございます。 そのほかに除染費用四・〇兆円がございますけれども、これは原賠機構が保有する東電株式の売却益を実現するべく東電が改革を行って捻出すると、こういうことになってございます。 また、廃炉に要する資金八・〇兆円につきましては、東電自身による経営改革を通じ捻出し東電自身が負担すると、このようになってございまして、御指摘のとおり、事故を起こした東京電力がその負担の中心となると、こういう枠組みになっているところでございます。 そのうち、被災者賠償費用七・九兆円につきまして申し上げますと、全ての原子力事業者が万が一の原子力損害に備えた相互扶助の考え方の下に一般負担金を負担しております一方で、事故を起こした東京電力自身が特別資金援助を受ける原子力事業者として特別負担金を負担しているところでございます。 この特別負担金の額につきましては、原賠機構法に基づきまして、安定供給等に支障を生じない範囲でできるだけ高額の負担を求めるということにされております。この考え方の下、第三者有識者で構成されます原賠機構運営委員会におきまして、毎年度、廃炉に要する資金ですとか除染費用等を捻出するために必要となる企業価値向上に向けて必要な資金なども総合的に勘案した上で毎年度決定しているところでございます。 また、御指摘のとおり、この資金の流れにつきまして透明性が極めて重要だと考えてございますので、これまでもこの資金の負担の額などにつきましては公表してきているところでございますけれども、引き続き透明性の向上に意を払ってまいりたいと、このように考えてございます。
○小野田紀美君 ありがとうございます。 結構この資金援助のスキームというか、流れがすごく、結構複雑なので、一見何か何もしていないんじゃないのというふうに思われがちなんだろうなというのも私もいろいろ資料を見ていて思いました。透明性をより確保していって、納得していただけるようにというふうに思うんですけれども、ともすれば、特別負担金出していますよと言いながらも、ここだけ、原子力事業者の相互扶助スキームのところだけ見ていると、ええっ、足りないんじゃないのと思われるかもしれないんですけれども、おっしゃるとおり、被災者賠償に関してはこのやつを使いながらも、株の売却益で除染をしなきゃいけない、あと、これからの廃炉のものもお金をためていかなきゃいけないということは、丸々全てが補償の方に行ってしまっては、本来やらなきゃいけない除染とか、あと廃炉ができなくなってしまうというのはすごくよく分かります。 なので、ここももうちょっと皆さんに、利益があるじゃないか、全部ぶっ込めというんじゃなくて、それをどのように、除染であるとか廃炉であるとか、必要なところに使っているのかということも、広報じゃないですけれども、お伝えをいただいて、事故を起こしたところが賠償するのは、もう全部責任を負うのは当たり前だという世論ももちろん分かるんです。ただ、一番大事なのは、誰に責任があるんだとか誰が悪いんだということよりも、きちんと補償がされて、きちんと廃炉がされて、きちんと除染がされて、ふるさとに帰れる環境をつくっていくことだと思いますので、ここは御納得いただけるように、是非引き続き透明性の確保と、あとしっかりした資金の回し方というのをお願いしたいなと思います。 そして、最後になるかもしれませんが、ちょっとこの補償料率に関して、政府の補償料率等に関してなんですけれども、今、例えば保険だと、安全性が確保されたり健康状態が良かったりすると、若干健康保険料とか、民間の保険だと健康ボーナスみたいなのがあったりするようなところもあると思うんですが、安全基準、事故の後、日本は世界一厳しいと言われるまで施設の安全基準を上げていって、耐震化であるとか様々な対策に投資をしてお金を掛けて安全性を上げているわけでございますけれども、そんな中で、事故リスクが低減をされていくのであれば、これ、国民負担を抑制するという観点から、補償料率もう少し見直した方がいいんじゃないのかというような御意見もあるというふうに聞いているんですけれども、これに関して国はどのように考えていらっしゃいますか。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 原子力損害賠償補償契約の補償料率は、補償損失の発生の見込み、補償契約に関する国の事務取扱費等を勘案して政令で定めるとされているところでございます。 原子力損害賠償補償契約の補償料率の算定に当たりましては、事故発生リスクの低減も一つの検討要素として議論し得るものとは承知しておりまして、今後も必要に応じて補償料率について検討を行ってまいりたいと考えております。
○小野田紀美君 結局、それを負担しているのは国民一人一人になっていくので、あと、より安全性を高めていこうというような気持ちを前に進めるためにも、ちゃんとしているところはそれなりに、何というんでしょう、補償料率下げていって、よりその補償だとかそういったところにしっかりお金が割いていけるように、仕組みをもうちょっと精査して考えていっていただけたらなと思います。 もう時間がないので、これは意見にとどめさせていただきたいなと思うんですけれども、今回、損害賠償実施方針の作成をするに当たって、個々のその事情が違うのでそれぞれにというところはあるんですけれども、本当にこれ難しいところではあるんですが、どこまでを補償するのかというところは、いろんな御意見があると思いますが、私はある程度決めていかなくてはいけないんじゃないかなと思っておりまして、例えば自主避難であるとか、それぞれ、ここまでは対象だけど、これ以上はちょっともう元から違うよねというところをあらかじめ枠組みを決めておければ、これから本当に賠償が必要な人に時間とお金をより効率的に割いていけるのではないかなというふうに個人的には思っておりまして、これも大変な議論になるかとは思いますけれども、是非、本当に必要なところに迅速に的確に、よりお金をしっかり出して賠償をしっかりしていけるように、ある程度、ここまでよというところも方針としては私は決めていっていただけたらなというふうに個人的には思っております。 時間ですので、これで終わります。
○新妻秀規君 おはようございます。 まず、損害賠償の措置額の引上げを見送った理由について、これは大臣に伺いたいと思います。 東電の福島原発の事故では、東電の賠償支払額が平成三十年、今年の九月までに八・六兆円に及びまして、賠償措置による千二百億円では重大事故のための備えとしては過少ではないかという指摘がございます。 賠償措置の見直しについては、二〇一一年の原賠・廃炉機構法の附則及び衆参の附帯決議で指摘されて以来の検討課題でありながら、今回見送られたのはなぜでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 賠償のための資金の確保に関しては、原賠法に規定する千二百億円の損害賠償措置、今触れていただきましたけれども、それと併せて、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法に基づく相互扶助スキームから成る現行制度によって必要な資金が確保できるように既に措置を講じているところであります。 一方で、原子力事業者にとって相互扶助スキームは、他の事業者の動向によって負担の規模が影響を受けるため予見可能性が低いことですとか、あるいは、電力システム改革の進展による事業環境の変化等を踏まえて、賠償措置額についても検討を行わせていただいたところであります。しかしながら、検討の結果、現段階においては具体的な見直し案を得られる状況にはないという判断に至っております。 今般の法改正に関しては、現時点における賠償措置額の国際水準及び保険市場の動向を踏まえれば、責任保険の引受限度額を引き上げ得る状況にはないと判断をしたところではあります。ただし、責任保険については、国内外の保険市場の中長期的な見通しを更に検討する必要もありますし、また、さっき触れさせていただいた電力システム改革の進展による原子力事業者間の競争関係といった事業環境の変化を見極める必要もあります。 また、東電福島原発事故後に導入された新しい安全規制への対応や事業者による自主的な取組によって安全性が向上して事故発生リスクの低減が見込まれて、その評価を取り入れなければいけないのではないかというような要素もありますので、今後の賠償措置額については、迅速かつ公正な被害者への賠償の実施、国民負担の最小化、原子力事業者の予見可能性の確保といった観点も踏まえつつ、文部科学省を中心に検討を継続していきたいと考えております。
○新妻秀規君 今大臣がお答えいただいたことを受けての二問目なんですけれども、今後の検討の見通しについて伺いたいと思います。 今回、賠償措置の変更を見送るということは、これを見直さないという結論を出したわけではなく、法の適用期限である十年を待たずに状況の変化に応じて検討を継続していくという認識でよいでしょうか。また、検討の時期の見通しについてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど私が申し上げたとおり、今、新妻議員からも御指摘があったとおり、様々な状況の変化が想定をされますので、適用期限の十年を待つのではなくて、必要に応じて状況の変化を踏まえた検討を迅速に行っていきたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、損害賠償方針の妥当性評価と運用の適正性の判断について、これ佐伯局長に伺いたいと思います。 この件については先ほど小野田先生からも、一部かぶるところもありますが、改めて確認をさせていただきたいと思います。 この法案では、原子力事業者は、損害賠償への対応に係る方針をあらかじめ作成、公表することとしています。原子力事業者が作成する方針が迅速かつ公正な賠償に資するものとなるよう、その内容については適正性が確保される必要があると考えますが、詳細は省令に規定されると伺っています。これについては参考人質疑でも様々な指摘があったところです。 方針の内容についてはどのようなものが盛り込まれることを想定するのか、また、その内容が適正かどうかをどのような基準、またプロセスで判断をするのか。また、万が一原子力事故が発生したときに、事業者が賠償を方針どおりに適正に実施しているかどうかを誰がどのように判断し、どのように対応するのか、また、こうした内容については省令で規定するのでしょうか。佐伯局長、お願いします。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 損害賠償の実施方針につきましては、原子力事業者の各事業が講じている民間責任保険契約及び政府補償契約などといった事業所ごとの損害賠償措置に関すること、原子力損害の賠償に関する事務の実施方法に関する内容として、原子力事業者における内部規則等の整備、賠償請求の受付窓口の整備、賠償請求の手続、情報の管理方法に関すること、紛争の解決を図るための方策に関する内容といたしまして、原子力損害賠償紛争審査会により行われる和解の仲介への対応に関することなどの事項を記載することを義務付けることとしており、これらについては原賠法第十七条の二第二項において文部科学省令で定めることとしているところでございます。
○新妻秀規君 次に、仮払い資金の支払基準と範囲について、これも佐伯局長に伺いたいと思います。 この法律案において創設される仮払い資金の貸付制度では、特定原子力損害を受けた被害者に対し政令で定める仮払いの支払基準によって特定原子力損害賠償仮払金を支払う原子力事業者に対して、政府は必要な資金の貸付けを行うとしています。 この基準を定めるに当たっては、被害者の迅速な救済に支障が生じることがないように定める必要があると考えますが、具体的にどのような内容を考えているのでしょうか。また、仮払いの範囲については、過去の事故における指針の内容などを参考に準備をしておくことが重要であると考えますが、どのように設定するのでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) 先ほどの答弁でちょっと抜けていたところがございますので、追加をしてよろしゅうございますでしょうか。 その実施方針の適正性の確保の部分でございますが、実施方針として事前に定めるべき具体的内容につきましては、事故の態様、規模、原子力事業者が保有する原子炉等の立地する地域や個別の事業の内容なども様々であることから、原子力事業者が自主性を持って対応することが適当であると考えています。 このため、行政が一律の基準や要件を定めるのではなく、原子力事業者に方針の作成、公表義務を課すことにより、各原子力事業者の自主性が培われ、公表に伴う事業者間の方針の共有や関係者との対話が図れることを通じて内容の適正性が確保されるものと考えております。 文部科学省といたしましては、今般の改正後、法律が施行されるまでの間に、本制度の趣旨を周知徹底することにより本制度の適切な運用を図ってまいります。 また、事故が発生した場合のお話がございましたが、これにおきましても、原子力事業者による対応状況を注視しつつ、必要に応じて当該事業者に方針を踏まえた適切な賠償実施を要請するなど、本制度の目的である損害賠償の迅速かつ適切な実施の確保に努めてまいりたいと考えてございます。 また、仮払い基準でございますが、原子力事業者が政令で定める仮払い基準に従い資金の貸付けを政府に申し込むことができることとされております。この仮払い基準は、原子力事故の規模や被害の範囲が様々であることから事故後の状況に応じて柔軟な対応ができるよう政令で定めることとしておりますが、仮払いの対象者の種別に応じ、定額又は算定方式等を基準で定めることを想定しているところでございます。 これらの仮払い基準の具体的な内容につきましては、法案成立から仮払いに関する規定の施行までの間に、東電福島原発事故の際に策定された中間指針の例、東電が行った仮払いの検証や有識者等の意見を踏まえつつ、被害者の迅速な救済に支障が出ないよう留意し、慎重かつ丁寧に検討を行ってまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、条文の具体的な内容について技術的な質問をしようと思います。 十七条の三の3に仮払金の迅速な支払について規定があります。 条文には、文部科学大臣は、特定原子力損害賠償仮払金の迅速な支払のために必要があると認めるときは貸付けを決定し、事業者に通知をするとありますが、必要性を判断する基準としてどのようなものを考えていらっしゃるんでしょうか。局長、お願いします。
○政府参考人(佐伯浩治君) 今般の改正により新設する第十七条の三第三項では、仮払いの貸付けの決定に関し、文部科学大臣は、第一項の規定により申込みがあった場合において、先生からお話があったように、迅速な支払のために必要があると認めるときに遅滞なく貸付けを決定し、その旨を当該申込みのあった原子力事業者に通知するものと規定してございます。 仮払い資金の貸付けの申込みに当たりましては、原子力事業者は、第十七条の三第二項に基づき、文部科学大臣に対しまして政府が行う貸付けを必要とする理由や貸付け希望金額などを記載した書類を提出することになります。 文部科学大臣は、この当該書類を参照し、仮払いが必要となる被害者の範囲及び規模の見通し、仮払金の支払額の見積り、事業者の資金計画等を検討し、迅速な仮払いを実施するために政府が仮払い資金の貸付けを行う必要性の有無を判断することとなります。
○新妻秀規君 次に、和解仲裁手続の利用に関する時効中断の特例について、制度の周知徹底について、まずこれ佐伯局長に伺いたいと思います。 今後、万が一原子力災害が発生した際に、被害者がADRセンターへの申込みをちゅうちょすることがないよう、この時効の中断の制度を十分に周知して和解仲介手続の活用を促す必要があると思いますが、どのように取り組んでいかれるのでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) 今般の改正によりましてADR手続に時効中断効が付与されますが、実際に原子力事故が発生した場合に、被害者が時効により損害賠償請求権が消滅するおそれを気にせずに和解仲介手続を利用できるようになるためには、制度について十分な周知を行うことが必要であると認識しております。 文部科学省といたしましては、東電福島原発事故の際に措置された時効中断特例法の際の広報の例を参考に、実際に原子力事故が発生した場合の被害者に対し、ホームページ、テレビ、ラジオ、新聞、チラシなどを用いまして必要な周知を行ってまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 次に、提訴までの猶予期間の妥当性について、これも局長に伺います。 この法律案では、他の一般的な裁判外の紛争解決制度と同様に時効中断特例の適用を受けるためには、和解の仲介の打切りの通知を受け取ってから一か月以内に裁判所に提訴しなければならないと定めています。 東電福島原発事故における原賠ADR時効特例法におきましても一か月とされておりましたが、この事故のような大規模な原子力災害が発生した際には、避難中であったり、帰還後においても生活の再建に取り組んでいたりする中で、一か月という期間をどのように評価しているのでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) ADRセンターにおきましては、和解仲介の打切りを行う際は、和解仲介案を受け入れない理由を当事者双方に確認を求めるなどの手続を行っておりまして、その中で打切りの手続を事前に関係者に十分に説明しているところでございます。 また、ADRセンターによる和解仲介の過程で、訴えの提起に係る基本的な争点などが整理されている場合が多くございます。 これらのことから、打切りから一か月以内に訴えを提起することについて、私どもとしては支障がないものと考えているところでございます。
○新妻秀規君 次に、ADRの設置が法文に明記されなかった理由について、これも局長に伺いたいと思います。 東電のこの福島の原発事故では、短期間に多数の和解の仲介の申立てに対応するため、原子力損害賠償紛争審査会、原賠審の下に置かれました原賠ADRセンターが和解の仲介を実施しておりまして、高い割合での和解の合意の実績を上げるなど重要な役割を果たしてきたと認識をしております。 迅速な被害者の救済のためには、原子力事故の態様及び被害の状況に応じ原賠審の下に原賠ADRセンターを速やかに設置できるよう、その組織と設置手続を規定する必要があると考えられますが、これが法文上ないのはなぜでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) いわゆるADRセンターは、原子力損害の賠償に関する法律に基づきまして、原子力損害が発生した場合に、速やかに政令により設置される原子力損害賠償紛争審査会の業務として、当該審査会の決定により設置された紛争解決機関でございます。 ADRセンターを法律に規定することにつきましては、原子力損害賠償制度専門部会の議論の中でも検討が行われましたが、現行の紛争解決手続は十分に機能している等の意見があり、その結果、ADRセンターは、東電福島原発事故において、短期間に多数の和解の仲介の申立てに対応するため和解の仲介を実施しており、高い割合での和解合意の実績を上げるなど重要な役割を果たしていると評価した上で、ADRセンターにつきましては現行どおりとすることが妥当とする旨が報告書に記載されたところでございまして、文部科学省においても同様に考えているところでございます。
○新妻秀規君 次に、仲裁法による和解の仲介について伺いたいと思います。これも局長に伺います。 この原子力委員会の損害賠償制度の専門部会の報告書によれば、拘束力がある紛争解決の手続として仲裁法に基づく仲裁手続がありますが、その導入につきましては長期的な課題として検討となっているところです。 その理由は、ほかのADRにおける仲裁手続の実施等を考慮しまして、原子力損害賠償に係る特殊性、並びに被害者及び原子力事故を起こした原子力事業者からの紛争解決ニーズを踏まえた検討が必要であるからというふうにしているところです。 今後、この仲裁法による和解の仲介、どのようにして検討を進めていかれるのでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) 仲裁手続につきましては、原子力損害賠償制度専門部会の報告書におきまして、和解仲介手続のみでは紛争解決を十分に図ることが難しいと考えられる場合には導入を検討し得るが、現時点では、仲裁手続の前提となる仲裁合意をどのように確保するか、どのような手続で実施するかなど、実効性を確保するために制度設計上解決すべき課題が多いとして、長期的な課題として引き続き検討することが妥当であるとされたところでございます。 今後、文部科学省におきましては、専門部会で示された課題の解決方策について、仲裁手続が導入されている他の制度の例なども参照しつつ、必要に応じて有識者の意見も伺いながら引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。
○新妻秀規君 次に、原賠審が被災地の声を細かく聞き取る必要について、これ副大臣、答弁お願いしたいと思います。 先ほどの原子力委員会の損害賠償制度の専門部会の報告書によれば、審査会の組織、運営等について、事故直後から被災地の声を細かく聞き取る対応を求める意見があることに留意が必要というふうに明記をしています。 この件につきましては、参考人質疑で佐々木参考人の方からも、被災者の声をしっかり聞いてほしいという指摘があったところです。これは本当に重要だと思うんです。こうした声も踏まえまして、被災地の声を細かく聞き取る対応について具体的にどのように取り組んでいかれるのでしょうか。
○副大臣(永岡桂子君) お答えいたします。 原子力損害賠償紛争審査会におきましては、審査会の場に被災をいたしました地方公共団体ですとか、例えばJAとか商工会等関係団体などの関係者の方々にも御出席をいただきまして、被災地の実情ですとか御意見を伺いながら中間指針等を策定してきたところでございます。 また、福島県や被災しました市町村を始め福島県内外の多くの地方公共団体ですとか幅広い関係団体から紛争審査会に係る陳情また要望が寄せられておりまして、要望内容とともにそれに対します紛争審査会の考え方や対応方針を会議の場におきまして検討し、その方向性について確認をいただいております。 さらに、被災地の実情を適切に把握した上で賠償や復興の状況を確認するとともに、被災地の関係者の御意見を直接伺うために、福島県の被災した市町村への現地視察をおおむね年一回行っていただいております。 引き続きまして、紛争審査会におけます審議や被災地の現地視察などによりまして、地元の不安ですとか、またやはり不信ですね、本当に不安や不満といった声にも十分に耳を傾けまして、賠償状況や被災地におけます実態の把握を通じまして、東京電力におけます賠償の状況をしっかりとフォローしていくことが重要であると考えております。 また、今後、原子力損害が発生した場合にも速やかに紛争審査会を設置をいたしまして、東電の福島原発事故時の対応と同様に、被災地の御意見を十分に伺いながら対応を行う必要があると、そう考えているところでございます。
○新妻秀規君 今副大臣から答弁がありましたように、やはり本当に現地に寄り添って、事故の直後から一貫して被害者の方が寄り添われているなと実感していただけるような、そうした丁寧な対応を重ねて求めたいと思います。 次に、関係する行政機関との協力について、まず大臣に、どのように情報共有と連携をしていくのかについて伺いたいと思います。 東電の福島原発事故では、被害者の救済に関しまして、損害賠償請求の取りまとめなどにつきましては農林漁業の協同組合、そして商工会議所、商工会などの関係団体が大きな役割を果たし、また、避難者等への支援につきましては都道府県及び市町村が大きな役割を果たしたというふうに承知をしております。 この法律案におきましては関係行政機関の協力について法律上明記されまして、これによって文部科学大臣は、法律の規定によって関係行政機関に資料の要求などを行うことができるようになります。 先ほどありました原子力委員会の損害賠償制度専門部会の報告書におきましては、原子力事故の被害者の負担軽減等を図るため、関係省庁は平常時から原子力損害賠償に係る情報共有等を通じて連携を図ることが重要だとされているところです。 それでは、具体的に平常時と万が一の事故のとき、それぞれどのようにして連携を図っていくのでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今般の法改正におきましては、文部科学大臣が関係行政機関の長に対して必要な協力を求めることができるという旨の規定を新たに設けることとしております。 今御指摘にあった平時における具体的な協力の例といたしましては、仮払い資金の貸付制度に関係いたしまして、金融機関の行政機関、まあ金融庁等ですね、に対して市中の金融機関に関する情報提供を求めることなどを想定しています。 また、今後事故が起こった場合における具体的な協力の例といたしましては、紛争審査会が指針を定めるに当たって、被害の状況や関係する事情について、関係の行政機関に対して今お話があったように情報提供を求めることですとか、専門部会の報告書において、東電福島原発事故の際に農林漁業の協同組合や商工会議所、商工会など関係団体が果たしてきた役割が大きいとされていることも踏まえて、関係府省の協力をいただいて、それを通じてこれらの関係団体から情報提供をいただいたり意見を伺うなどの事柄を想定をしております。 引き続き、関係機関と連携をしてしっかりと対応していきたいと考えております。
○新妻秀規君 やはり東電の福島原発事故での貴重な経験がありますので、このときの経験を十分精査して、いざというときにこうした情報がしっかり迅速に集まってくるようなそうした準備を、万全の準備をしていただきたいと思います。 次に、相談、情報提供について、これもまた大臣に伺いたいと思います。 この専門部会の報告書におきましては、原子力損害が発生した場合には、被害者に対して賠償に関する相談、情報提供を速やかに行うことができるようにするための体制整備が必要だというふうにしております。これ非常に重要だと思うんですけれども、じゃ、それは具体的にどのようにしてこの相談、情報提供の体制整備をしていかれるのでしょうか。これも大臣、お願いします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 相談、情報提供につきましては、まさしく専門部会の報告書において言及がございます。 被害者にとっては、賠償に関する予見可能性を高めるのみならず安心感の醸成にもつながる、また、現行の原賠・廃炉機構による相談、情報提供の実施は同機構が資金援助を行った場合に限られており、資金援助が行われない賠償措置額を超える原子力損害が生じていない場合にもやはり同様の対応が必要であるということを指摘されております。 ということで、原子力損害が発生した場合には、被害者に対して賠償に関する相談、情報提供を速やかに行うことができるようにするための体制整備等がトータルとして必要だということも触れられております。 報告書に記載のとおり、原賠・廃炉機構による資金援助が実施される場合には同機構により相談、情報提供が行われることとなっておりますけれども、資金援助が行われない場合においても、被害者に対して賠償に関する相談の受付あるいは情報提供が行われるようにするために、文部科学省といたしましては、このような場合において、原子力事故の対応や被害の状況に応じて原子力分野や法律分野の専門家、弁護士などの協力を得つつ、国が相談、情報提供等を実施すべく必要な対応、体制づくり等を行っていきたいと考えております。
○新妻秀規君 そうですね、本当に万が一ということが起こったときに、被災者の方が、あっ、ここに行けば分かるんだなということが本当に分かるような、そうした周知も是非とも併せてお願いをしたいと思います。 次に、政府補償契約とか、また政府の措置に係る十年という適用期限の妥当性について、これは局長に伺いたいと思います。 今回の法改正におきまして、原子力に関する科学技術や原子力の利用に関する基本的な国際秩序が今後急激に変化をするとは想定されていないとする認識の下、政府の補償契約や政府の措置に係る適用期限を平成四十一年、二〇二九年の十二月三十一日まで十年間延長することとされています。これまではおおよそ十年ごとに改正されてきたわけですけれども、前回は十年を待たずに原子力損害の補完的な補償に関する条約の国内実施に向けた改正を行っているところです。 科学技術が急激に進歩し、原子力発電に関する状況も変化する中、適用期限をなぜ十年としたのでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 昭和三十六年に原賠法が制定されて以来、これまでの改正におきまして原子力損害賠償補償契約の新規締結及び原子力事業者の援助に係る期限につきましては、都度十年間延長を行ってまいりました。原子力損害賠償補償契約の新規締結の延長の判断に当たりましては、政府補償契約が民間責任保険を補完する役割を持つものであることから、検討におきましては民間責任保険でカバーできる損害項目の範囲や金額の水準を見極める必要があると考えております。 これらを見極めるに当たりましては、原子力損害賠償に関する主要な国際条約には採択から発効まで十年以上の期間を要している例が多いため、制度の枠組みに影響を及ぼす国際的動向を見定めるためにはおおむね十年程度の期間を要することなどを勘案しますと、制度上、定期的に政府補償契約や政府の援助に関する規定の必要性を見直す期限としては、制度の安定的な運用の観点から、これまでの例に倣い、十年を維持することが妥当と考えたところでございます。 ただし、これらの適用期限の到来前であったとしても、仮に法改正を必要とする事態が生じた場合には、その都度法改正を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○新妻秀規君 以上で終わります。ありがとうございました。
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会の杉尾秀哉でございます。本日は質問の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。 今回提出されました原賠法の見直し案、あの福島事故で露呈した多くの問題点、重要な問題点が置き去りにされたままで余りに不十分なものと言わざるを得ないというふうに私は思っております。これについて、先週の参考人質疑の中でも、三人の参考人の方が抜本的な改正とは到底言えないと、こういうふうにはっきりおっしゃっていました。 そこで、早速ですが、柴山大臣に伺いたいと思います。 原発事故後の二〇一一年八月に支援機構法が成立した際に、附則第六条第一項において、できるだけ早期に原賠法の改正等の抜本的な見直しを始めとする必要な措置を講ずると、こういうふうに明記されています。また、同法の審議での衆参の委員会の決議においても、抜本的な見直しということが言及されております。 しかし、あれからもう七年以上、八年近くたちました。しかも、賠償措置が、これからお話ししますけれども、目的規定等々、根幹の部分について全く手が着けられておりません。その今回の見直し案のどこが迅速で、どこが抜本的な見直しなのか、大臣、お答えください。
○国務大臣(柴山昌彦君) まず、ちょっと細かいことを申し上げるようで恐縮なんですけれども、抜本的な見直しを始めとする必要な措置を講ずるというように書かれております。それで、その法律の制定を受けて、平成二十七年一月に原子力損害賠償制度の見直しに関する副大臣等会議が内閣府原子力委員会に検討を要請し、同委員会原子力損害賠償制度専門部会において、平成二十七年五月から約三年半、二十一回の議論を行いました。 この専門部会の検討においては、東電福島原発事故の経験を踏まえて、被害者への迅速、適切な賠償の在り方ですとか官民の適切な役割分担といった観点を中心に、専門的な立場から慎重かつ丁寧に議論が重ねられたものと承知をしております。その結果を受けて、原賠法に新たに盛り込むことが妥当であるとされた事項について、今般改正法案を国会に提出をさせていただいたところです。 これらの改正によって、将来、原子力事故が発生した場合における被害者の適切な賠償がより迅速かつ円滑に行われるとともに、原子力損害の被害者の保護を着実に図ることができると考えておりまして、文部科学省といたしましては、現時点において、この法改正によって必要な見直し事項は盛り込まれていると考えております。
○杉尾秀哉君 慎重にというふうにおっしゃいましたけど、ちょっと慎重過ぎるんじゃないですかね。しかも、ほとんど私は小手先にしかすぎないというふうに思っているんですけれども、今回の見直し案については、先週の参考人質疑でもそうでした。とりわけ、原告でもあります現在も避難されている佐々木さんなどが、非常に強い不満というか憤りというか、表明されていたと思います。 私たちは、そういう意味では、本当に被害者の皆さんに寄り添った法改正なのだろうかということについて疑問を持っております。私たち立憲民主党では、抜本的な法改正を行うための修正案をこれから提出させていただきます。その骨子ですけれども、原賠法の目的規定の適正化、そして二番目は原子力事業者の和解案の受諾に関する規定の追加、三点目が賠償措置額に関する検討事項の追加、この三点に絞って私は質問させていただきます。 まず、目的規定でございますけれども、これも皆さんよく御存じだと思います。原賠法の目的、第一条において、被害者の保護を図るとともに原子力事業の健全な発達に資すること、こういうふうに規定されております。 この法律ができたのは一九六一年ですから、その当時はそういう考え方は当然あったかもしれませんけれども、しかし、あの事故を経た今となっては事態が百八十度変わった、いわゆるコペルニクス的転回というんですかね、今となってはこの規定に意味はないと思うんですね。そもそも、原子力事業の健全な発達を目的にしたこと自体が誤りだったのではないかと、こういうふうな指摘もあります。原子力産業を特別扱いする理由はないというふうにおっしゃる専門家の方もたくさんいらっしゃる。先日の参考人質疑でも、原発は既に発展から消滅の段階に入っているんじゃないかと、こういう指摘がありました。 そこで、大臣に伺います。 本法律の目的を被害者保護に特化するためにも、原子力事業の健全な発達という文言をどうして削除できないのか、また、削除すると何か不都合でも生じるのか、いかがでしょう。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど紹介をさせていただいた原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会において、御指摘の目的についても検討が行われました。その結果、原子力事業の健全な発達の文言に関しましては、同専門部会の報告書において、原子力事業者が適切な賠償を行い、被害者の保護を確実に行うためには、原子力事業者の予見可能性の確保と事業の円滑な運営にも留意する必要があり、これらをもって国民生活の安定と国民経済の健全な発達に寄与するとして、目的規定を変更すべきとの結論には至らなかったものと承知をしております。このため、文部科学省といたしましても、原賠法第一条の目的規定については現状を維持することが妥当であると考えております。 また、原子力事業の健全な発達の視点については、発電事業者やメーカー等のみならず、東電福島原発事故の事故収束や廃炉等を進めていく中で、事故炉からの放射性物質の除去ですとか事故炉の解体に従事する事業者、様々な事業者の協力を得る上でも重要でありまして、当該文言は削除すべきではないと考えております。
○杉尾秀哉君 今、被害者の保護を確実にするためにもというふうにおっしゃいましたけれども、この文言がなければ被害者の保護ができないんですか。おかしくないですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 関連事業者の原子力損害賠償のリスクを原子力事業者に集中させて当該事業者の意に反する求償を、つまり関連事業者に対する逆求償ですね、これを制限するという原賠法第四条及び第五条の規定は、これはまさしく原子力事業の健全な発達という目的から導き出されるものでもあるというように考えておりまして、そういう面からも、当該文言は削除すべきではないと考えております。
○杉尾秀哉君 その発達という文言が、やっぱりどうしてもあの事故の後にあっては私たちは納得できない。多くの原発事故の被害者、被災者の皆さんも同じことを考えているというふうに思うんですけれども、私は、こういう規定があって、そして原発政策がやっぱり推進されてきたんだというふうに思うんですね。 本当にあの事故を反省し、あれを教訓とするならば、削除するというのは私は当然の考えだと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(柴山昌彦君) 繰り返しになりますけれども、今、杉尾議員が御指摘になられたことも含めて専門家でずっと長期にわたって検討して、このような目的規定については現時点で変更すべきでないという結論が出たものと承知をしております。
○杉尾秀哉君 いや、ちょっと納得できませんけれども、これ水掛け論になってしまいますので。 ちょっと二つ目の和解案の受諾に関する規定について伺いたいんですが、資料をお配りいたしました。被害者救済手続について、特に原子力紛争解決センター、いわゆる原発ADRセンターによる和解仲介の問題点について伺いたいと思います。 資料を見ていただきたいと思います。既済件数が年々低下しております。これは、どんどんどんどん解決していけば件数自体は低下していくわけですけれども、目立っているのが、和解成立の割合が年々低下している一方で、取下げ、それから和解の打切り、こういう割合が増えているんですね。この原因について、文科省としてはどういうふうに分析されているんでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) お配りしていただきました資料によれば、経年変化で見ますと、ADRセンターの和解仲介手続が終了した案件のうち、打切りの件数の割合が増加していることが見て取れます。 打切り件数の割合が増加傾向にあることにつきましては、平成三十年三月に示されましたADRセンター活動状況報告書によれば、個々の事案により事情は多様であるため一概に述べることは難しいが、本件事故からの時の経過等に伴い、申し立てられる損害項目と本件事故との因果関係を認定することが難しい案件が増加していることもその一因になっているのではないかと考えられるとされております。 いずれにいたしましても、ADRセンターにおきましては、手続が進行中の案件であって当事者の間で主張の隔たりがある場合には、仲介委員による和解案受諾勧告書の提示や口頭審理等を通じた説得など、和解の成立に向けて双方に対して累次にわたり要請を行い、できる限り丁寧な調整を進めることが重要と考えているところでございます。
○杉尾秀哉君 今おっしゃいましたけれども、やっぱり因果関係を認定するのが時間の経過とともにだんだん難しくなっていく、これはそうだと思うんですけれども、逆に言うと、この後に答弁いただきたいんですが、じゃ、その原発ADRの最初の目的は何だったのかということになると思うんですけれども、このうち、東京電力が和解案の受諾を拒否したために和解が打切りになった件数、これ、どれぐらいあるんでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) お尋ねの東京電力が和解案の受諾を拒否したために和解打切りとなった件数につきましては、平成三十年六月末までの累計で九十二件であると承知しております。
○杉尾秀哉君 できれば、ちょっと年ごとの件数とか出ますか。
○政府参考人(佐伯浩治君) 打切り件数、東京電力和解案受諾拒否により打切りになった件数につきましては、平成二十五年が十件、平成二十六年が四十二件、二十七年が九件、二十八年が七件、二十九年が四件、三十年の上半期で二十件と承知しております。
○杉尾秀哉君 上半期で二十件というのはやはり多い。一時期減ってはいますけれども、また増えているということなんですね。 これ、つい最近大きく報道されましたので皆さんも新聞報道等々で御覧になったと思います。浪江町のケースなんですけれども、町民の七割を占める一万五千人が和解仲介を原発ADRに申し立てましたけれども、東電が和解案を拒否したため、今年四月に手続が打ち切られました。そして、つい先日です、十一月二十七日だったと思いますけれども、住民の方百九人が提訴をされました。これは一次提訴ということで、これから提訴される数がどんどん増えていくんだろうというふうに思うんですけれども、実はこの浪江町のケースだけではなくて、今回の質問に当たって現地でこのADRに携わっていらっしゃる弁護士さんからもいろいろ情報が参りまして、例えば相馬市玉野地区のケース、それから川俣町小綱木地区のケース、そして福島市渡利地区、各地でここのところ、こうした打切りが相次いでいるんですよね。 そこで、今日は参考人として東京電力に来てもらったので伺いたいと思います。 和解案というのは、かなりの時間を掛けて慎重に作られたものだというふうに認識をしております。それに当たっていらっしゃる弁護士さんもそういうふうにおっしゃっていらっしゃる。にもかかわらず拒否する理由、これは何なんでしょうか。
○参考人(守谷誠二君) お答えいたします。 当社といたしましては、和解仲介案の尊重というお約束に従って誠実に対応してきております。その考えに変わりはございません。 また、ADR手続が、個々の申立ての御事情に基づき簡易な手続により早期解決を目指す場であるということは十分認識しております。 他方で、一部には、浪江町集団ADRの申立てのように、申立人に共通する御事情として主張されている内容が既に中間指針で考慮をされているものもございます。そのような共通な御事情を理由に申立人全員に対し一律に追加での賠償を認められているものなどもあることから、和解案に基づく賠償を行うことは難しいという結論に至るものもございます。 いずれにいたしましても、ADR手続においては、引き続き、被災者の方々の個別の御事情を丁寧にお伺いしながら、また、訴訟での御請求があった場合につきましては訴訟の手続に従って誠実に対応してまいりたいと考えております。 以上です。
○杉尾秀哉君 誠実誠実とおっしゃいますけど、本当に誠実なんですか。 東電、三つの誓いって出していますよね。それはどういうものですか。
○参考人(守谷誠二君) 三つの誓いについては、一つ、最後の一人まで賠償を貫徹する、一つ、迅速かつきめ細やかな賠償の徹底、一つ、和解仲介案の尊重。以上の三つでございます。
○杉尾秀哉君 和解仲介案が尊重されていないから皆さんこうやって提訴をしたり、しかも、浪江町のケースはこの間に九百人ぐらいの方がもう亡くなられているわけですよ。高齢者ですよ、皆さん、本当にふるさとを奪われた方々なんですよ。そういう思い、弁護士さんの一人が私にこういうファクスを送ってきましたけれども、東京電力の拒否回答は被害の切捨てそのものであり、その被害の救済を東京電力に拒否されるという耐え難い苦痛を与えられていると、こういうふうに言っているんですけど、どういうふうに思われますか。
○参考人(守谷誠二君) ADRに関しましては、この三つの和解仲介案の尊重、これを重視いたしまして、これまでも和解仲介案の尊重というお約束に従って和解の早期成立に誠実に対応してきたところでございます。 このADRの手続が、簡易な手続により早期解決を目指すという場であることは十分承知しております。こうした考えから、私ども、被災者の皆様に歩み寄り、寄り添い、より個別の事情をお伺いしながら和解案を検討して受諾してまいりたいと考えております。 以上です。
○杉尾秀哉君 私も東京電力に知り合いがたくさんいます。皆さん、社員の方も本当に苦しまれているというのはよく分かります。あの事故を起こそうと思って起こしたわけじゃないというのは、それはよく分かります。ただ、結果的に見て、八年たってこういう状況になっているわけですよね。今、その誠実にとか言葉はいいんですけれども、どうもその言葉とやっていることが違うんじゃないか。 そこで、ちょっと大臣に伺いますけれども、そもそも原発ADRというのはどういう趣旨でつくられたのか、そういう趣旨に照らして今の東電の説明に納得できるか。これ、法曹出身でございますのでよくお分かりだと思いますけど、いかがでしょう。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今お話があった原子力損害賠償紛争解決センターは、原子力事故により被害を受けた方の原子力事業者に対する損害賠償請求について、円滑、迅速かつ公正に紛争を解決することを目的として設置された公的な紛争解決機関であると承知をしております。 具体的には、中立かつ公正な立場の仲介委員が申立人と相手方の双方から意見を丁寧に伺い、和解案を提示するなどして当事者の合意による紛争解決を図っております。 先ほど佐伯局長の方から御紹介をさせていただいたとおり、これまで手続が終了した約二万三千件のうち八割程度に当たる約一万八千件の和解がこのプロセスによって成立をしておりまして、他のADRと比較しても高い合意実績を上げております。これらを踏まえて、原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会においても重要な役割を果たしていると評価をされております。 また、手続が進行中の案件であって、当事者の間に主張の隔たりがある場合もございます。こういった場合、仲介委員による和解案受諾勧告書の提示ですとか口頭審理などを通じた説得、こういった働きかけを通じて、和解の成立に向けて双方に対して累次にわたり要請を行い、できる限りしっかりと調整を進めているというふうに伺っておりまして、私としても、本ADRセンターが引き続き和解成立に向けて取り組むことが重要であると考えておりますし、このやはり和解案については、各当事者間になるべく尊重してほしいというように考えております。 なお、杉尾議員から御紹介をいただいた浪江町の事例についてなんですけれども、確かに打切りとなった集団申立てではありますけれども、ADRセンターにおいて本年の八月から九月にかけて浪江町が主催した個人による申立てに係る説明会に協力をさせていただくなど、個人及び少人数の規模による個別具体的な事情に基づく申立てに対して丁寧に対応していると伺っています。そして、浪江町による集団申立ての打切りの後、集団申立てに参加した浪江町住民二名による個別申立てが行われ、日常生活の阻害に係る慰謝料について和解が成立をしているということも承知をしております。
○杉尾秀哉君 これ経産省にも伺いたいんですけれども、実質的に東電は国有化されています。経産省出身の役員も東電にはいらっしゃいますけれども、これ国として、経産省ということになりますけれども、何か東電に対して指導なり何なり、適切な措置はとっているんでしょうか。
○政府参考人(松永明君) お答えを申し上げます。 東京電力は、事故に係る賠償につきまして、徹底した経営改革を通じて、事業を継続しながら最後の最後まで責任を果たすということが大前提でございます。また、ADRで示された和解案につきましても、これを尊重するのが東京電力の基本方針であります。 一方におきまして、ADRでは個々の申立人の事情に基づきまして審理が行われるということでございますので、個別事情を考慮しても事故との相当因果関係のある損害を認めることが困難な場合のように、和解案を受け入れていない場合もあると聞いております。 いずれにしましても、経済産業省といたしましては、被災者の方々の個別の事情を丁寧にお伺いしながら、適切な対応を取るように東京電力をしっかりと指導してまいりたいと思っております。
○杉尾秀哉君 これは大株主なわけですから、しっかりと指導、対応していただきたいと思います。 これについて最後の質問になりますけれども、私どもとして、これ、ADRに裁定機能、法的な強制力を持たせる、こういうことが必要なんじゃないかと思って、これから提出いたします修正案の中にも含ませていただきました。この裁定機能を付与することに何か不都合があるのか、これについて納得のいく説明いただきたいんですけど、いかがでしょう。
○国務大臣(柴山昌彦君) 拘束力のある手続を利用することを望まない紛争当事者もいらっしゃるわけです。そういった方々が和解仲介手続の利用をちゅうちょして、かえって紛争解決の迅速性及び簡易性が損なわれて被害者の早期救済の妨げとなるのではないかという懸念があります。また、原子力事業者サイドとしましては、申し上げるまでもなく、半強制的に応諾をせざるを得ない状況となり、それにより原子力事業者の裁判を受ける権利が制限されることになるのでないかといった問題点も指摘をされております。 その結果、ADRセンターは現行の規定を維持することが妥当であるというふうに専門部会の報告書においても指摘をされておりますけれども、先ほど紹介があったとおり、和解仲裁案を尊重する旨を東京電力が特別事業計画において表明をしていることが和解仲介手続の実効性の確保に資しているという部分もございますので、是非、和解仲介手続を被害者が積極的に活用できるよう、賠償実施方針の整備の中で適切に対応していただくことが大事かなというように思っております。 文部科学省といたしましても、引き続き当事者双方の意見を丁寧に伺いながら、公正かつ適正な和解が成立するよう和解仲裁手続を適正に進めるとともに、今回の改正案において、原子力事業者に作成、公表を義務付ける損害賠償実施方針の中でADRセンターによる和解仲介への対応の方針についても記載をさせるということで、和解仲介手続の実効性の確保を図ってまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 今、実施方針の中で記載させるというふうにおっしゃいましたけれども、この間の参考人質疑の中でも、今日もいらっしゃっていますけれども、ただ書くだけじゃ駄目で、それを要するに担保する、実効性を担保するような、例えば第三者機関のチェックなり必要じゃないかというのがあります。東電が言っているからいいだろうとか書けばいいだろうというようなことではないと思いますので、私たちはこの点についてもしっかりとその法的な裏付けが必要だというふうに思っております。 時間があれですので、ちょっと三点目の賠償措置額について伺います。 先ほど新妻委員の方からも質問ありました、千二百億円の据置きですよね。実際の賠償額の僅か百分の一ぐらいにしかすぎない、余りにもその乖離が甚だしいということなんですが、これも先日の参考人質疑の中で佐々木さんがおっしゃっていました。そもそも千二百億円という額の根拠、これ何なんだろうと、算定根拠を教えてくれというふうにおっしゃっていました。いかがですか。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 原賠法第七条に規定する賠償措置額につきましては、賠償措置額の国際水準を勘案しつつ、原子力損害賠償責任保険に係る国内外の保険市場の引受能力で安定的に確保できる範囲内においてできる限り高額を定めるとの考え方に基づき、これまで数次の引上げを実施したところでございます。 現在の賠償措置額につきましても、同様の考え方に基づきまして、平成二十一年の原賠法改正に際し、平成十六年に採択された改正パリ条約におきまして賠償措置額が七億ユーロに引き上げられたこと、この七億ユーロは当時の為替レートで約千百十八億円でございます、このことと、民間責任保険について国内及び海外再保険市場での引受能力の拡大により最大千二百億円までの安定的な引受けが可能であると判断されたことから、それまで六百億円であったものを千二百億円に引き上げたものでございます。 なお、今般の改正に当たりましては、この改正パリ条約はいまだ発効しておらず、当時の状況から国際的な水準に大きな変化はなく、千二百億円の賠償措置額は既に国際水準に照らして十分高い水準にあること、国際的な保険市場の動向に照らして引上げが困難な状況にあることなどを勘案しまして、賠償措置額を引き上げる状況にはないと判断しております。
○杉尾秀哉君 いろいろおっしゃいましたけど、その前の六百億円を二倍にしたということでしょう、それがそのまま据え置かれているということでしょう。 資料三に付けましたけれども、諸外国の賠償制度の概要を書きました。確かに国際水準から見れば、この金額だけを見れば高い水準にあるのかもしれませんけれども、日本みたいにこれだけ地震があって、先日のようなああいう巨大津波が来る国というのがほかにあるんですか。これ、そういう金額の単純な比較じゃ私はできないと思うんですけど、どうですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) おっしゃるように、他国との単純な比較ということはできないのかもしれません。 これまでは、今、佐伯局長からお話があったとおり、国際水準を勘案しつつ、民間の責任保険に係る国内外の保険市場の引受能力の範囲内でできる限り高額を定めてきたところであります。 現時点においては、もう申し上げるまでもありませんけれども、原賠法第十六条に基づく国の援助の具体化として、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法に基づく事業者間の相互扶助スキームが整備されていることから、被害者保護の観点から十分な対応が可能であるというように理解しておりますけれども、今後、やはり時の流れとか事情の変化に応じて様々な検討の余地が生じてくるかもしれません。 そういったことも踏まえて、この額の妥当性についても文部科学省の方でしっかりと引き続き検討させていただきたいと考えております。
○杉尾秀哉君 十年の見直しを経ずに、適宜適切に迅速に考えていただきたいんですけれども、資料二をお配りしました。先ほど、小野田委員との質疑の中で数字がいろいろ出ておりましたけれども、ちょうどこの資料二がその数字なんですが、そもそも、全体的に掛かる資金が当初の十一兆円から二十一・五兆円に、倍になっているんですね。そのうち、東電が負担する額が十六兆円弱ということなんですね。これ民間の試算ですけれども、七十兆円というのも具体的に出ております。本当にこの金額で済むのかということも含めて、これ、東電は電力会社の中で大きいジャイアント企業ですから、まだ東電だからこういうスキームが成り立っているのかもしれませんけれども、より小さい電力会社で起きたときに本当にこのスキームが成り立つのかどうか。そして、これから、ちょっと考えたくはないですけれども、また同じような過酷事故が起きないという保証はこれはないわけですね、ゼロリスクじゃないわけですから。本当に今回の見直しでこうした事態に対応できるのでしょうか、どうでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 賠償のための資金の確保につきましては、原賠法に規定する千二百億円の損害賠償措置と原子力損害賠償・廃炉等支援機構法に基づく相互扶助スキームから成る現行制度によって必要な資金が確保できるように、既に措置を講じているところでございます。 このため、この制度自体につきましては、今後原子力事故が、万が一原子力事故が発生した場合におきましても、電力会社の規模にかかわらず、千二百億円の損害賠償措置とこの原賠・廃炉機構法に基づく相互扶助スキームにより、賠償に必要な資金の確保は可能となっているというふうに考えるところでございます。
○杉尾秀哉君 最後の質問にしますけれども、こうした矛盾を抱えたままというか、矛盾を放置したまま、抜本的な見直しもできずに、原発の再稼働とかその運転を進めるというのは、これは余りにも無責任で、これ参考人の質疑の中でも出ていたと思うんですけれども、本当に事実上の無免許で車を運転するようなものだと。もっとひどいと言う人もいるんです。万全の備えができないんだったら原発をやめるべきだと言う人も結構いらっしゃいますけれども、最後に経産省、これ答えてください。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 まず、原発事故でございますけれども、これは決して起こしてはいけないということで、安全性の向上に徹底を図ってまいりたいと思っております。他方で、原子力事故が起きないと思ってはいけないということで、万が一の事故が起きた場合にも万全の備えをすることが必要だと考えてございます。 こういった観点で、先ほど来議論がありますとおり、原子力損害賠償措置を超える部分につきましては、原賠機構法に基づく資金支援制度によって被害者の救済には万全を期す仕組みができているものと考えてございます。 原子力につきましては、安定的、安価な電気の供給、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度などを考慮しますれば、責任あるエネルギー政策を実行するためには必要な選択肢と考えてございますけれども、安全が大前提ということでしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○杉尾秀哉君 納得できませんけれども、終わります。 ありがとうございました。
○大島九州男君 国民民主党・新緑風会の大島九州男でございます。政府の同じような答弁になる質問は避けまして質問させていただきたいというふうに思いますので、しっかり質問を聞いておいていただきたいと思います。 福島第一原子力発電所の事故は、国家、国民、特に東北地方に暮らす人々に多大な被害を及ぼしました。国民生活を大きな不安に陥れて、本当にあってはならない事故でありました。この事故の責任は、原子力事業者のみならず、国策で進めてきた政府の責任も多大なものがあるというふうに考えております。 今回の改正は抜本的改正を目指すという方針、政府はそういうふうに言っておりますけれども、その割には抜本的には程遠い内容であるというふうな評価が多いんではないかと。そこで、この福島第一原子力発電所の事故から政府は何を学び、何を今後教訓としていこうとするのかというのを文部科学大臣にお尋ねします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会において、約三年半、二十一回にわたって被害者への迅速、適切な賠償の在り方、官民の適切な役割分担といった観点を中心に、専門的な立場から慎重かつ丁寧な議論が行われてきました。 〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕 この専門部会の検討に当たっては、東電福島原発事故における原子力損害賠償の状況などについて、福島県ですとか関係団体からヒアリングを丁寧に実施をいたしまして、まさしく今御指摘のあった教訓を学び、見直しに向けた課題も抽出をされたところであります。 こういって、こういった形で安全神話に対する反省を含め、福島原発事故の経験を踏まえた検討が行われた結果として原賠法に新たに盛り込むことが妥当であるとされた事項について、今般お示しをしたような改正を行うものであります。 内容は避けますけれども、いずれも、今回お示しをしている内容につきましては、まさしく東電福島原発事故における対応のうち、一般的に実施することが妥当なものとして、東電福島原発事故の教訓を生かし、必要な改正事項であると考えております。
○大島九州男君 今の話であれば、原子力発電所の安全神話は崩れたと。もう事故があっても当然だという教訓を学んだというふうに私は聞き取りました。当然、事故があることを前提にこの賠償法を発展させていったんですよと。 だから、整理すると、原子力発電の安全神話は崩れたと、だから、事故があることは大いに想定するんだと、だから、それによって今後、起こってはならないけれども、起こった事故に対して被害者がちゃんと賠償されるように更に進化するということで法律を出しましたと、そういうふうに私は聞き取りましたね。 そうすると、今回、被害者と東電の紛争がいろいろありましたと。そこで、いろんな紛争があった部分をADRによって和解調整をして進めていますと。しかし、この和解を受け入れなくて非常に苦しんでいる被害者の方が多くいらっしゃいますと。だから、そういう声が出てくるのは当然だと。 だから、このような事態を受けて、じゃ、この和解案の受諾義務を課す必要性があるんじゃないかとか、いろんな声が出てくるわけですよね。だから、それが今回どういうふうに学んだのかと、それを教訓にして、じゃ、どういうふうな制度にするのかというふうに本当になっているのでしょうかというところが疑問なんですよね。 先日も馬奈木参考人がおっしゃった、いろんな具体例でいきますと、仮にいろんな是正されない、されるもの、そういうものがあるとしたら、請求する側が原子力事業者の都合に合わせないといけないということになりかねない。要は、請求する人が払う側の論理に合わせなきゃいけないと。例えば、ADRでの和解案の対応について、集団的申立てには一切応じないというような方針を原子力事業者が策定をし、そして、それがそのまま適用されるようになるのであると、被害救済の観点でも大問題ですよと、そういうような指摘もされているんですね。 さらに、いろんな賠償も、事故が起こった時点と、それから時間が経過するによって変化していくと。そうすると、そういう場合を経験したわけですから、当然、今回、原子力事業者も損害を認めている場合にはその範囲での合意を先行させる、つまり一部和解に応じさせる。そして、中小零細の事業者は体力がないために早期の支払は必須だから、だから賠償額の総額に争いがあるとしても、原子力事業者も認める部分で早期に支払がなされなければならないと。しかし、東京電力はそうした一部合意という対応を取っていませんでしたと。 〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕 こういうことから何を学んで、じゃ、今度、賠償する一つの指針には今のようなことを織り込んだ、そういう対応をしていくんですよというような話があれば、ああ、改正する意味があるなというふうに我々も受け取るんですけれども、具体的にそういう今私が指摘したようなことは議論されて、そういう方向に進むような動きはあるんでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) 今回の法改正の中で、あらかじめ各事業者に損害賠償実施方針、これを作成及び公表を義務付けることとしておりまして、この方針を策定する中で各事業者の自主性を培い、また、公表に伴う事業者間の方針の共有や関係者の対話を通じてその内容の適切性を確保することと考えてございます。 先ほど、先生のお話があった集団的な申立てについては対応しないとか、そういったことがあるんじゃないかというお話がございました。 まず、これ一般論として申し上げますと、個別の、今般の改正により新設する十七条の二第一項に規定する原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を図るためという制度趣旨に反するような方針、これが作成された場合には、制度を所管する文部科学省としては、必要に応じて当該事業者に対して改善が必要なことを伝えるなど、作成される方針が本制度の趣旨にかなったものとなるように適切な運用を図ってまいりたいと思っておりますし、まず、今般の改正後、法律が施行されるまでの間に、原子力事業者に対してこの制度の趣旨をしっかりと周知徹底するということを進めていきたいと考えております。
○大島九州男君 私が言いたいのは、今回、被害者の方たちがいろんな賠償請求することの過程の中で、非常に困ったり苦しんだりした部分を改善をしていくというような形で、事業者が謙虚な心でそういう指針を決めていくという、そういう姿勢が疑わしいから私たちはそういうことを言うわけですよ。 だから、今回、東電がいろんな事案で、いろいろ賠償請求の中で和解案を示される中でいろんなことを学んだはずなんです。そうしたら、あくまでも被害者の側に立って、そしてその指針を決めていくというような例を示してもらえれば我々は安心するわけですけれども、決して今回のいろんな改正では安心ではないと。だから、そこのところはしっかりと政府として指導もしてもらわなくてはならないということをしっかりと指摘をしておきます。 次に、紛争審査会、まさにその紛争審査会というところで示された指針を東京電力はそれを基本に賠償していますといつもおっしゃっていますよね。 そうすると、今後、事業者が自主的に決める損害賠償の実施方針を決めるようなその過程に、当然第三者の弁護士が入ったりとか、それとか被害者当事者が入ったりとか、そういう声を聞いて決めていくような指針であるべきだというふうに思うんですけれども、大臣、私の今言っている部分に対する見解はどうでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) まさしく損害賠償実施方針について、その実効性、例えば第三者を入れた委員会を国が設置して方針の内容をチェックするなどの工夫が必要だという御意見は、ある程度理解はできます。 損害賠償実施方針については、原子力事業者にその作成及び公表を義務付けることによって、各事業者の自主性を培い、公表に伴う事業者間の方針の共有ですとか関係者との対話を通じて内容の適切性を確保するということを我々としては期待しておりまして、要はしっかりとこの方針策定に当たって関係者の意見を、あるいは事業者間の協議によって内容の適切性というものを磨いていってほしいと、そういう我々としてはスタンスでありまして、文部科学省といたしましては、今般の改正後、法律が施行されるまでの間に原子力事業者に対して本制度の趣旨を周知徹底するとともに、当該方針が公表された後も原子力事業者による対応状況を逐次注視して、本制度の適切な運用を図っていきたいというように考えております。
○大島九州男君 その第三者の中に原子力発電所の事故で被害を受けた人たちも入るという、そういう感覚の、それを妨げないという、そういう理解でいいですか。
○政府参考人(佐伯浩治君) 今のお話、まず、事業者が作ります方針、賠償方針についての議論を進めていくということについては、基本的には、これについては私ども策定を義務付け、公表を義務付けるということにしておりまして、その後、まさに社会としてその方針がどういうものかということについて御議論をいただくということでございますので、その点については特に文部科学省として特段の定めを置くようなものではないというふうに考えてございます。
○大島九州男君 では、その事業者が定める損害賠償実施方針を策定するときには被害者の声は聞かなくてもいいという理解だということでございましょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) 私どもといたしましては、事前の制度の周知の期間もございますので、その中で、そもそもこの損害賠償方針の策定の義務付けというものがどういう観点から行われてきたかということについてもよく紹介していきたいと思っておりますし、その過程の中では、当然、東電福島原発事故後の対応についての状況についてもよくフォローした上で進めていってほしいということは伝えたいと思っております。
○大島九州男君 副大臣、ちょうどいらっしゃるので、そういう賠償実施方針を作るに当たっては被害者の声を十分に聞いて反映させると、そういう意味でよろしいでしょうか。
○副大臣(永岡桂子君) 事業者の判断ということになりますか。 以上です。
○大島九州男君 その事業者の判断で、そういう被害者の声をしっかりと聞いていくことが望ましいとお考えですか。
○副大臣(永岡桂子君) おっしゃるとおりでございます。
○大島九州男君 それでは、事業者が実施方針を、被害者の声を聞いて、しっかりとそれを反映したものを作りました。それを世に出しました。世論はそれを見て、ああ、それはいいねとか、それはおかしいねという議論がありました。そして、紛争審査会、先ほども言いましたように、紛争審査会が大きな影響力を発揮するわけですよね。 この紛争審査会のメンバーというのは大臣が指名するらしいですから、大臣はそういう紛争審査会のメンバーに有識者として過去にそういう原発被害に遭った人たちの声を聞くというのは当然だなと私は思うんですけど、大臣、どうでしょう、見解は。
○国務大臣(柴山昌彦君) 紛争審査会の委員の顔ぶれについては、原子力損害賠償紛争審査会の組織等に関する政令の規定に基づいて、人格が高潔であって、法律、医療又は原子力工学その他の原子力関連技術に関する学識経験を有する者のうちから文部科学大臣が任命することとなっておりまして、政令の規定に基づいて適切な専門家の方々が選任されていると考えております。 紛争審査会において被害者の立場の方々の意見を丁寧に伺うことはおっしゃるとおり重要であると考えておりまして、おおむね年二回開催される審査会の場において、福島県や被災した市町村を始め、福島県内外の多くの地方公共団体ですとか幅広い関係団体から寄せられた陳情や要望の内容を示して、それに対する紛争審査会の考え方や対応方針を審議していただくとともに、その方向性について確認をさせていただいているというように伺っております。 また、被災地の実情を適切に把握した上で、賠償や復興の状況を確認するとともに、被災地の関係者の御意見を直接伺うため、福島県内の被災した市町村への現地視察をおおむね年一回行っていただいていると伺っております。 現在の紛争審査会の委員に東電福島原発事故の被害者を加えることにつきましては、現在の紛争審査会が事業者、被害者、双方から中立した立場で審議をいただいている状況から、慎重な検討が必要なのではないかなというように考えております。 今後、原子力損害が発生した場合においても、その時点における任命権者である文部科学大臣が政令の規定に基づき適切に判断をすると考えております。
○大島九州男君 今のお話、両方の話を聞いて、被害者、事業者、そして中立にやるというそのメンバーの紛争審査会に、被害者の人が入るんじゃないですよ。それは何を言っているかというと、今回は東日本大震災の福島第一原発、まさかまたそこで同じ事故が起こることはないでしょうから、そういうことを想定しているわけじゃなくて、例えばそれが違う地域で起こるわけですから、違う地域の原発で仮に起こったとしたら、当然それは被害者じゃないですからね、その被害を受けた経験があり、なおかつその被害者の苦しみが分かり、その人格高潔な人たちが出てきて入る、まさにぴったりじゃないですか。 だから、そういう意味で、技術者だとか経営者だとか弁護士だとか理屈だけを述べるんではなく、佐々木参考人が言った、人には思いというのがあります。そういう思いの声を代弁できるような人がその審査会に入るかどうかで、そこに魂が入るかどうかの問題なんです。 だから、そういうことはしっかりと、事故があってはなりませんけど、そのときの大臣にはしっかりそれを要望しておきたいというふうに思います。 次に、賠償額をはるかに超える八・六兆円の支払が生じる中に、機構法によって一部負担金を利用者と。これ、国民から十分な説明もなく徴収をしていて、いかにも安心ですよと、賠償額は措置されますよなんということはいかがなものかというのがもうこの法律制定時からの私の意見なんですが、これ、原発被害者の皆さんも払っているという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 今御指摘いただいたものが原賠機構法に基づく一般負担金ということでございますと、一般負担金はその事業者の電力使用者が御負担いただいているということでございますので、入っているということだと思います。
○大島九州男君 それも国民が理解しているんでしょうかね。原発で被害を受けた人たちの補償を自分たちが払っている電気代から払われていると、現実は。私はいつも、この法律ができるときにも言いましたが、生活保護者からも取っているんですよ。だから、そういうことをちゃんと理解されているのかと。それでもって原発の補償を維持する、これから事故が起こって、その賠償は安心ですよと国民に言っているわけだから、そういうことが本当に国民に理解されるのか。 ちゃんとこういうのが、本当、テレビ放送でもしてもらって、国民の皆さんに全員アンケートでも取って、それで本当にそういうことでいいのかということをやるのがそれこそ政府広報でしょう。政府広報でそういう広く意見を聞くべきなんですよ。もうこの国会のこの委員会でちょこちょこっと議論して、法律ができました、はいはいはいというようなことで進んでいるのはいかがなものかと。我々の発信力がないと言われりゃそうかもしれませんけれども、私どもは、会った人会った人に聞きます。あなたの電気代は、あなたが払っている電気代はこういう一部負担金として原子力損害の賠償に使われているんですよと言って、知っている人はほとんどいない。そういう現実を政府はしっかり認識しなければならない、私はそういうふうに思っているわけです。 だから、この原賠法の賠償に対するその資金の徴収の仕方というか、これは非常に問題があるというのはこの法律制定時から私はずっと指摘をしてきたことでありますが、この負担の在り方として、国策で進めてきた政府の責任、事業者の責任、株主や金融機関も応分の負担をすべきと私は言っているんですけど、そこの見解はどうでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) まず、責任につきましては、原賠法におきまして、原子力事業者が責任集中という考え方の下で、事故事業者が一義的賠償責任を負っているということでございます。事故後に閣議決定をいたしました政府の支援の枠組みというものがございますけれども、この中でも明記されておりますが、政府は、原子力事業者と共同して原子力政策を推進してきた社会的責務を認識するということが書いてございます。 そういった認識の上に立って原賠機構法を制定し、被害者賠償のために、適切な賠償のために万全を期すという観点から、原賠法第十六条に基づいて、政府として原子力事業者に対して、原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行うということで措置を行ったものでございます。 先ほど御指摘いただいた国民の皆さんに御負担をいただいているという点については、しっかり広報を行うべしということにつきましては誠にそのように思います。現時点でも、ホームページ等で公表を政府としても行っておりますし、事業者自身も毎年度負担している一般負担金の額を有価証券報告書に記載するなど広報を行っておりますけれども、これまで以上に広報についてはしっかり取り組んで、どのような形で御負担が発生しているかということについては適切に公表をしてまいりたいと考えてございます。
○大島九州男君 広報、政府広報でテレビで流れてくることを期待しておきますよ。 それで、事故の関係ですが、これはいろんな見解があるんですけど、私、この文部科学委員会で昔、もうそれこそ十年ぐらい前、指摘したことがあります。それは何かというと、古い原発を使っていれば、その金属疲労等によって地震とかで配管が崩れたりとかすることも十分にあり得ますよと、だから、古い、もう耐用年数を過ぎた原発は使わないようにした方がいいんじゃないでしょうかということを委員会で指摘をさせていただきました。 今回の東日本大震災で実はそういうことがあったかどうか分かりません。しかし、その可能性も否定はできません。ということは、メーカーが、製造者、製造した責任者が、いやいや、まだ大丈夫ですよといってこれからまた古い原発を稼働しようとしている可能性が多分にあるんです。 だから、私が言いたいのは、その原発事故が起こった、そうしたら、そのメーカーにもちゃんとその責任を求償する権利を行使して、古い原発がもし地震等の中で崩れたらメーカーにも求償しますよというようなことをメーカーにすれば、メーカー側は、いやいや、ちょっとこの古い原発はもうやめた方がいいんじゃないでしょうかというふうに私は言うと思うんです。 だから、そういう意味においても、今後の原発事故に対しては求償権をしっかり行使するということをメーカーにした方がいいと思うんですが、いかがでしょうか、政府は。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 原賠法におきましては、民法上の不法行為責任の特則として原子力事業者に対する責任集中の原則を取っており、第四条第一項において、賠償する責めに任ずべき原子力事業者以外の者は、その損害を賠償する責めに任じないと規定しております。 その上で、原賠法と同じ不法行為責任の特則である製造物責任法との適用関係を整理するため、同条第三項において製造物責任法の規定は適用しないとして、原賠法の責任集中の原則が適用されることを明記したものでございます。 また、今先生御指摘の求償権の制限につきましては、原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会報告書においても議論はされた上で、現行規定を維持することは妥当であるとされたところでございます。 特に、我が国が平成二十七年に締結した原子力損害の補完的な補償に関する条約におきましては、求償権が認められますのは、書面による契約によりその旨が明示的に定められる場合、原子力事故が損害を生じさせることを意図した自然人の作為又は不作為により生じた場合において、当該自然人に対して求償するときに限定されております。 したがって、同条約上の義務によりまして、事業者間で特約を結ばない限りは事業者に対する求償権を認めることはできないというふうに考えているところでございます。
○大島九州男君 それはちょうどいいことを言いましたよ。 だから、それだったら、古い原発を再稼働させるときには、メーカーに求償権の別添契約を入れて、それでやると。それプラス、行政です、そこの行政。その行政にも、もし事故が起こった場合には、国に頼らず、自治体が製造者責任のメーカーとともに、事業者に求償権を持たせるような、そういう契約して、それで再稼働させたらいいでしょう。 まさに大臣が最初に言ったように、原発の安全神話はもう崩れた前提なんですよ。だって、私が十年前に質問したときに、いや、そういう事故は起こりませんと言ったんだから、想定ないわけです。だから、想定がないことが起こったんだから、そして多くの国民がそれだけ苦労して苦しんでいるんですよ。 そうしたら、それに何を学んだのか、何を教訓にしてこれから何をやっていくのかといえば、まさにそのメーカーも古い原発には自信は持てないはずですよ、間違いなく。そうしたら、その求償権をちゃんと結ばせて再稼働をさせると。そして、行政も、じゃ、国、そして東電、いろんな電力会社が原発をどんどん造っていただいて、固定資産税も入ります、地元の雇用が生まれます、そうしたら、おかげさまで地元が潤いますというなら、それ相応のリスクを行政も負うべきなんです。 だから、原子力を稼働させて、しっかりとそれでやっていこうという腹が決まった自治体は、その周辺住民にそれだけの責任を持って、事故が起こったときには賠償するんだと、国に頼らず自分たちの行政の責任も持ってやると、そういう契約をして原発再稼働させる、そういう仕組みをつくった方が私はいいと思いますよ。 あと三分しかないので、大臣、答弁の用意されていますが、一、二分で終わりますか。 一、二分でやっていただける。じゃ、お願いします。
○国務大臣(柴山昌彦君) まず、大前提として、古い型式の原発についてお触れになっていますけれども、そもそも、再稼働に当たっては、原子力規制委員会の定める日本が最先端となる規制基準を満たさなければいけないということをまず御理解をいただきたいのと、あと、書面による契約による求償権につきましては契約当事者間の私的自治に係る事項ですから、政府が介入できるものではないというように考えております。
○大島九州男君 いやいや、それなら介入しなくていいですから、そういう方針を示していただければいいんです。だから、ちゃんと安全神話は崩れたと、そして、いつ事故が起こってもおかしくないからこういう賠償法を、しっかりと法律を作ったんですから、そしてなおかつ、それを進化させて改正していくんですから、それであるならば、その事故が起こることを想定して、想定してメーカーにも、そしてそれを受け入れている行政にも、しっかりと地域住民に責任を持たせるという意味において、再稼働させるときにはそういう協定をしっかり結んで、根性入れて契約すると、それぐらいの意気込みがあってやらないと、金だとかそういうことでやるべきではないというふうに思っております。 最後になりますけれども、やはり世の中というのは理屈だけで動いているんじゃないんですよ。人は感情があるんです、生き物ですから。だから、今回の参考人にも、やっぱり佐々木参考人においでいただいたように、そして馬奈木参考人のように弁護士の皆さん、そういう意見聞いて、そして、みんなが、我々政治家としては国民の声をしっかり反映するために、その幸せと国民の発展を願うために我々は審議し、そして方向を決めていく。このことをしっかりと考えていくならば、原発に頼らない、そういうエネルギー政策が必要だということを言って、終わります。 以上です。 ─────────────
○委員長(上野通子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、橋本聖子さんが委員を辞任され、その補欠として太田房江さんが選任されました。 ─────────────
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 私もこの法案の質疑の前に、先日、福島を訪れまして、農家の皆さんのお話を伺いました。皆さん共通しておっしゃっていたのが、お金が欲しくて賠償を求めているんじゃないというお話なんです。 例えば、リヤカーで自ら作った野菜を引き売りをしていたという八十歳代の方は、毎日の売上げをカレンダーに記入をしていた、それが事故以降は毎日、売れない、売れない、売れないと書いている、そのカレンダーを見せても東電は賠償を認めなかったと。彼女は、今まで細々とだけれども毎日売上げがあって、おいしいと言われるのが誇りだったんだ、お金じゃないんだ、その誇り、生きがいを奪われたのが悔しいんだと東電職員の方に訴えたとおっしゃっていた。 こういう一人一人の生きがいや誇りを奪ったのが原発事故ですよ。その加害責任を国や東電が認めて、せめて、せめて最低限の補償はしてほしいというのが福島の皆さんの共通する願いなわけです。本改正案がこうした願いに応えるものになっているのか、あの東京電力福島第一原発事故により今行われている賠償の実態を踏まえた改正になっているのかが問われているわけです。 そこで、この法案についての質問に移りたいと思うんですけれども、本法案には、新たに原子力事業者に対して賠償実施方針の作成、公表を義務付けていると。先ほど来この点についても質疑がされているわけですけれども、この法案の中では、実施方針というのは、損害賠償措置の概要、原子力損害の賠償に係る事務の実施方法などが例示として示されているだけで、それ以上の詳しい中身は書かれていない。あとは省令だということなんです。もちろん、方針作ること自体を否定するものではありませんが、しかし、重要なのは、書かれる中身、それが適正なのかどうか、事業者任せで白紙状態でよいのかということです。 先日の参考人質疑では、東電が一方的に賠償の範囲や申請の書類の書式、賠償の時期を決めて被害者に押し付けているという実態が指摘されました。 その一つが、二〇一五年に入ってから進められた営業損害に関しての一括賠償方式です。これは事実上の賠償打切りであるとして多くの批判があるわけですが、特に問題なのは、この一括賠償方式を採用して以降、東電は、この方式の請求でない限り賠償請求を受け付けない、合意しないという態度を取っているということです。 このように、賠償方式をあらかじめ一つに定めて、それ以外の請求を認めないような方針を策定する、これは明確に禁じるべきと、せめてそれを省令に書くべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 損害賠償実施方針は、全ての原子力事業者に対し、損害賠償の実施に係る方針を作成し公表することを義務付け、損害賠償の迅速かつ適切な実施を図るために、平時から備えさせようとするものでございます。 一般論として申し上げますと、例えば、仮に原子力事業者が合理的な理由もなく一方的に賠償の範囲を狭めたり、特定の損害にしか賠償を実施しないといった方針を定めたような場合には、今般の改正により新設する第十七条の二第一項に規定する原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を図るためという制度趣旨に反する場合も考えられます。このような場合には、制度を所管する文部科学省としては、必要に応じて当該原子力事業者に対し、本制度の趣旨に反しており改善が必要なことを伝えるなど、作成される損害賠償実施方針が賠償の迅速かつ適切な実施という本制度の趣旨にかなったものとなるよう、制度の適切な運用を図ってもらいたいと考えておりますし、まさにそのために事前によく制度の趣旨の徹底等に努めてまいりたいと思っております。
○吉良よし子君 迅速かつ適切な賠償の実施にかなわないかもしれないので、それがあった場合には指導するというお話だったと思うんですけれども、やはりあらかじめ省令に書くということが必要だと思うんですね。それ、書くとはおっしゃらなかったというのは私問題だと思うんですけど、時間ないのでもう一点伺いたいんですけれども。 賠償の交渉の過程では、当然ですが、直ちに全て双方が合意することもあれば全部が決裂する場合もあれば一部は合意できる場合もあるわけですけれども、東電の場合、この一部が合意できる段階であっても、全ての合意ができなければ一円たりとも払わないと、そういう姿勢を取っていることが問題だと参考人からも指摘がありましたけれども、こうした迅速かつ適切な賠償の実施というのであれば、一部合意、一部和解であっても柔軟に認めるべきである、そういう柔軟な対応をする方針というのも盛り込むように、これも省令で示すべきと思いますが、いかがですか。省令に書き込むかどうか、お答えください。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 事業者が被害者に寄り添った賠償を行うことは、迅速かつ適切な賠償という制度趣旨にかなうものと考えられます。 損害賠償実施方針に関する省令につきましては、法案の成立後に文部科学省において有識者の意見なども聴取しつつ検討することとしておりますが、一般論として申し上げれば、和解後の迅速な賠償の履行の在り方といったことについても、新設する第十七条の二第二項に定める原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施に関し必要な事項として省令の記載事項とするか否かの検討の対象となり得ると考えられます。 ただし、いずれにせよ、原子力事業者が事前に定める具体的内容につきましては、万が一事故が発生した場合の規模や態様だけでなく、各原子力事業者が保有する原子炉等の立地する地域や個別の原子力事業の内容なども様々であることから、文部科学省が全ての事業者に一律又は具体の対応を求めることは適切ではなく、各原子力事業者が自主性を持って対応することが妥当であるというふうに、このように考えております。
○吉良よし子君 検討の対象になり得るということですが、書くかどうか、この現時点ではっきり言わないという、もうそれがやっぱり問題だと思うんですけど、大臣、ここで大臣に確認したいんですけれども、加害者である事業者が一方的に方針を決めて押し付けるんじゃないかという懸念が、この法案では抱かざるを得ない状況なわけです。 こういう加害者である原子力事業者が賠償の方法を被害者に対して一方的に押し付けたり、そういうことで被害者の側が賠償請求に制約を受けたり排除されたりするようなことはあってはならないと思いますが、その立場でよろしいですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 明らかに不適切な内容の方針を事業者が作成、公表した場合には、制度趣旨に反する、法律の求める内容となっていないということを当該事業者に伝えるなど、作成される方針が本制度の趣旨にかなったものとなるよう、文部科学省としてしっかりと対応していきたいというように思っております。 なお、加えて言えば、吉良議員から、一部和解等について被害者に寄り添った賠償を行うこと、これについていかがかという御質問もいただきました。 確かに、寄り添った賠償をすること、制度の趣旨に合致すると考えておりますが、今、佐伯局長の方からお話があったとおり、じゃ、何が被害者に寄り添った迅速な賠償なのかということについては、様々な事例によって検討するファクターがあるというように考えております。 現時点においては、各原子力事業者が自主性を持って対応する部分が多いのかなというように思いますけれども、和解後、迅速な賠償の履行の在り方の扱い等につきましては、制度趣旨の事業者への周知の過程等を通じてしっかりと対応を検討したいと考えております。
○吉良よし子君 対応を検討すると言いますけど、やはり被害者の側が制約を受けたり排除されてはならないと、これは明確に、少なくともこれぐらいは明確に省令に明記するべきではないですか、事後の対応ではなくて。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 いずれにしましても、省令に何を書くかにつきましては、これから法案成立後に、施行までの間、様々な方、有識者の方も含めて意見を伺いながら検討を深めていきたいと思っております。
○吉良よし子君 何もお答えにならないというのは本当に情けないと思いますよ。いろいろ事態があるとおっしゃっていますけど、個別の事情だとおっしゃっていますけれども、現時点で東電の事故が起きていて、被害者がいて、賠償が実施されている中で様々な問題が起きている、その事例を私は言っているわけで、これが万が一ほかの原発でも起きたときに、起きないという保証はどこにもないわけですよ。 大体、公表する方針が適正な方針になるかどうかというのはやっぱりどこにも保証されていないわけですよ。仕組みがない。それはこの間、与野党問わず皆さん指摘されていたことですけれども、参考人質疑では、この方針の妥当性について評価する第三者チェックが必要なんじゃないかという意見がありました。こういう第三者チェック、少なくとも方針できた後に地元住民、自治体などと意見を協議する場を設けるよう、これを省令に、少なくとも省令に書くべきだと思いますが、いかがですか、大臣。
○国務大臣(柴山昌彦君) 原子力損害賠償実施方針の作成に当たって、原子力事業者があらかじめ様々な方々の意見を聞くということは、迅速かつ適切な賠償の実施という制度趣旨にかなうと、おっしゃるとおり、考えられます。 ただ、方針の作成が義務付けられている原子力事業者が保有する施設は原子力発電所から核燃料物質等を取り扱う研究室まで多様でありまして、一概に、ステークホルダーとの関係も一様ではありません。このため、文部科学省が省令等で一律に、誰と誰を、協議の場をこういうところで行いなさいというような形での定めをする、あるいは事業者に設けさせたりするということは必ずしも妥当ではないのではないかと考えております。 したがって、文部科学省といたしましては、公表に伴う事業者間の方針の共有ですとか、考えられる関係者との対話が図られることを通じて内容の適切性を確保することが適当であるというように考えておりまして、そのように促していきたいと考えております。
○吉良よし子君 結局書くとはおっしゃらないですし、妥当だと言いながらそのための方策を国が示さないというのはやっぱり無責任ですよ。 第三者チェック、少なくとも協議の場を設けるということは、誰を呼ぶかというのはそれは事業者とか当事者が決めることでもいいかもしれないですけど、協議を求める、協議の場をつくることぐらいを省令にも書けないというのはどうなのかと。本来、そもそもこれらは法律に明記するべき問題であり、それも書けていないというところでは、やはり、先ほど来申しているとおり、被害者が一方的に不利益を被る、排除されたり制限を受けたりするような可能性は否定できないと言わざるを得ない状況だと申し上げたいと思います。 時間がないので次に行きますけれども、実際、じゃ、東京電力は三つの誓い、先ほどもありましたけど、掲げているけど、それが、じゃ、守られているかというとそうではないという事例もあるというお話もありました。実際の賠償の実態を見れば、ADRのような和解仲介案でも、若しくは各地で行われている集団訴訟による判決でも、今国が示している中間指針を超える賠償が認められている、にもかかわらず、東電はこの指針を超える賠償に一切応じていないと、これが大きな私問題だと思うんですけれども、確認をいたしますけれども、この中間指針というのは賠償の上限ではなく目安だということでよろしいですね。簡潔にお答えください、局長。
○政府参考人(佐伯浩治君) 中間指針等は類型化が可能で一律に賠償すべき損害の範囲や項目の目安を示すものであり、さらに、個別具体的な事情に応じて中間指針等で示された以外の損害や賠償額が認められることがあり得ることを基本的な考え方とするものでございます。 したがって、紛争審査会において中間指針等は賠償の上限額ではないとの共通認識の下で策定されるものであり、東京電力においては、このような中間指針等で示された考え方を踏まえ、被害者に寄り添った誠意ある対応を行うことが重要であると考えております。
○吉良よし子君 つまり、上限ではないということなんです。あくまでも目安なんです。ところが、東電は現場の対応としては指針で示された以上の賠償は認めていない、かたくなに拒否をしていると。この東電の対応は、私、許し難いと思うんですね。 文科省はこの東電に対して、先ほどもおっしゃっていましたけれども、この中間指針の考えを十分に踏まえるよう累次にわたって要請しているとおっしゃっていますけれども、でも、東電はあくまでもそういう要請を聞かないという、上限としか見ていないというのが現状なわけです。だとするならば、もう一つ国が取れる対応があると思うんです。この賠償実施の指針、中間指針そのものを抜本的に見直すという方法があると思うんです。 大臣、この際、今この中間指針、見直すべきときにあると思いませんか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 紛争審査会では直ちに中間指針の見直しを検討する状況にはないということが確認をされておりますけれども、引き続き、同紛争審査会における審議ですとか、あるいは被災地の現地視察などによって賠償状況や被災地における実態の把握を通じて、東京電力における賠償の状況をしっかりとフォローアップをすることが重要であるというように考えております。 その上で、紛争審査会で御審議、御判断されることでありますけれども、当然のことながら、審査会が必要と認める場合には、適時適切な中間指針の見直しについて検討されるものと考えております。
○吉良よし子君 必要と認めればと言いますけれども、今見直すべきときだと思うんですよ。だって、もうこの間、地裁段階ではありますけど、集団訴訟で七件、判決が出されています。いずれも中間指針を上回る賠償を認めているものです。 この訴訟というのは、福島県内全ての市町村から約四千五百人が参加していて、そのうちの約四千人について判決が出されているという状況で、四千人となれば個別の判断という状況ではない、もう一律に変わってしかるべき段階だと、今こそ国が責任持って中間指針の抜本的な見直しするべきときだと、そう思いませんか、大臣。いかがですか。
○委員長(上野通子君) 簡潔にお答えいただけますか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 繰り返しになりますけれども、専門性を有する有識者の集まった紛争審査会でしっかりと議論していただきたいと思います。
○委員長(上野通子君) お時間です。
○吉良よし子君 はい。 やっぱり今見直さなきゃいけないんですね。あと何回判決が出れば、何年待てば被害者が救われるのか、国が動くのか、それじゃ駄目なんですよ。 そうやって国や東電の加害責任を曖昧にしたまま被害者を切り捨てていくような、今の実態を追認するような状況で、それを一般化してほかの原発にも適用しようというような今回の法改正には到底賛成できないということを申し上げて、質問を終わります。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。 本日は、原子力損害賠償に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御質問をさせていただきたいと思います。 小野田委員の最初の質問のときに大臣から改正の理由はということでお聞きをいたしました。やはりこれは、今回の法案、一般的に実施することが妥当なものについての所要の措置を講ずるということで、この四項目について反対するものではありません。ありませんが、しかし、先日の参考人質疑をお聞きしていても分かるように、東電の原子力損害賠償についてはまだまだ解決をしていない。今賠償に関わる方々の間では、東電の和解案拒否によってADRの実効性が揺らいでいると、大変不安に思っているわけです。そして、今日かなり朝から議論が続きまして重なる部分もございますけれども、質問をさせていただきたいと思います。 改めて、ADRセンターの機能についてですけれども、東電の従業員や家族の申立て、また集団であったり個別の申立てにおいても多くの拒否事案が発生している。 そもそも、多くの被害者が時間や費用、多く掛かる訴訟を起こさなくてもいい、早く適正に損害賠償を受けられるようにと、そういうことで設置されたはずのADRセンターだったはず。それなのに、東電の和解案を尊重するという誓約が守られていないと言われ、解決が進まない事例、今日の朝から様々、事例も併せて議論が進められてきました。このままではこのセンターの存在意義がなくなってしまいますし、被害者は原子力損害の苦しい状況を強いられたままということになってしまいます。 今日、杉尾委員の方からも和解打切り理由の内訳、その数字も出てまいりましたけれども、政府の方からお示しをいただきましたけれども、原子力損害賠償紛争解決センターの和解成立率、これは八割を超えていると。この前の参考人質疑の折に鎌田参考人もおっしゃっていました、二万三千件のうち一万八千件ということで、全体的に、総体的にうまくいっているというような御発言もございましたけれども、当然まだまだそうではありません。 原子力損害賠償紛争解決センターでの和解案では、和解したらそれ以上請求できないという清算条項が付いていない、そのために、申立人にとっては仮に満足できない、そういった和解案であっても、今回様々な理由から受諾をしておこうという思いがあり、受諾をしてしまう。そういった、受諾しても賠償を受けた上で再度の請求が可能となっていることが影響しているようなことがないのか、そのことが和解成立率の上昇に貢献している、そんな指摘もある中、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今、高木議員からお話があったとおり、約八割に当たる一万八千件の和解が成立をしているわけですね。この和解が成立した案件については、様々な法律関係についてしっかりとした説明をした上で、両当事者納得をしていただき、合意に至っていると考えております。 また、手続中の案件につきましても、当事者の間で主張の隔たりがある場合には、中立公正な立場の仲介委員が申立人と相手方の双方からの意見を伺いながら和解仲介手続を進めており、できる限り丁寧な調整を進めていると伺っておりますので、引き続き、ADRセンターにおいてしっかりとこういった丁寧なプロセスによって和解成立に向けて真摯に取り組んでいっていただけたらと考えております。
○高木かおり君 丁寧な対応を本当にお願いをしたいと思いますけれども、先ほど吉良委員からもこの中間指針についての御質問がありました。上限ではなく、あくまで目安だというお話がございました。前回の佐々木参考人の方からも、紛争審査会の方では、最低限これ以上は補償しなさいよと聞かされている、しかし、東電はこれが最大、それ以下と考えていると、そういった悲痛なお声をいただきました。 中間指針のこの点について、ADRセンターを管轄する文科省の見解、もう一度お答え願います。
○国務大臣(柴山昌彦君) 紛争審査会の示す中間指針等は、類型化が可能で一律に賠償すべき損害の範囲や項目の目安を示すものでありまして、御指摘のあったように、更に個別的、具体的な事情に応じて中間指針などで示された以外の損害や賠償額が認められることがあり得るということを基本的な考えとするものでありますので、紛争審査会において、中間指針等は賠償基準の最低ラインでも最高ラインでもないという共通認識の下で策定をされているものでございます。 東京電力においては、このような中間指針等で示された基本的な考え方を踏まえて、被害者に寄り添った具体的で誠意ある対応を求めることが重要だというふうに考えております。
○高木かおり君 今現在寄り添った対応ができていれば、こういった様々な被害者の方からのお声が出てくるはずがありません。 中間指針については、原発事故被害者の救済に寄り添った形での追補若しくは改定が望まれるという声もございました。先ほどは抜本的な改革も必要だということもありましたけれども、これについて端的にもう一度お答え願えますか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 中間指針等については、様々な事情を基に、しっかりと紛争審査会でその見直し等も検討しているところでございます。 おおむね年二回開催されている同審査会の場において賠償状況の把握を行っておりますし、おおむね年一回今実施している福島県内の被災市町村への現地視察において被災市町村の実態の把握や地元関係者との意見交換も行っているところなんです。ただ、その上で、紛争審査会は直ちに中間指針等の見直しを検討する状況にはないということを確認をしていると伺っております。 引き続き、東電における賠償の状況をしっかりとフォローアップし、その上で紛争審査会で御審議、御判断をして、審査会が今後必要と認める場合には適時適切な中間指針の見直しについて検討していただけるというように理解をいたします。
○高木かおり君 是非ともその対応、寄り添った形でやっていただきたいと思います。 時間がございませんので、次の質問に入らせていただきますけれども、東電に対する監督についてということで、原賠法第十六条に基づく措置として、経済産業大臣は東京電力の事業運営を監督することとなっています。東京電力に対して原発事故の被害者を救済するように指導監督することは事業運営を監督するに含まれるのかどうか、簡潔にお答えください。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 原子力損害の賠償に関する法律第十六条の規定に基づきまして原賠・廃炉等支援機構法が制定されまして、同法に基づく措置が実施されているところでございます。 同法の枠組みの中で、東京電力が迅速かつ適切な賠償に向けた取組の方針や内容を定めた特別事業計画を国として認定を行っているところでございまして、国は当該計画に基づいて東電が適切に対応するよう指導を行う立場にあるわけでございます。 政府といたしましては、東京電力が被災者の方々の個別の御事情をお伺いし、適切な対応を行っていくことが重要と考えてございまして、今後ともこのような考えの下、しっかりと指導をしてまいりたいと考えてございます。
○高木かおり君 事業運営を監督するに含まれるというふうに認識してよろしいかと思います。 政府としても、東電としても、賠償問題早く収束させたい、これはやまやまだとは思いますけれども、やはり政府として、東京電力に対して和解案の尊重の誓約を遵守するようにやはりここは指導すべきだと思うんですけれども、どのようにやっていかれますか、お答えください。
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。 ADRで示される和解案を尊重するのが東京電力の基本方針であり、東京電力はこの方針に基づき、これまで八割以上の件数で和解案を受け入れていると承知をしております。 一方で、ADRでは個々の申立人の事情に基づき審理が行われているところ、個別事情を考慮しても事故との相当因果関係のある損害を認めることが困難な場合のように、和解案を受け入れられない場合もあると聞いております。 いずれにせよ、経済産業省としては、被災者の方々の個々の事情を丁寧にお伺いしながら適切な対応をするように東京電力をしっかりと指導してまいりたいと考えております。
○高木かおり君 先日の参考人質疑でも、参考人の方から、原発事故は国策民営であるという発言が何度も出てきました。国の責任、これをしっかりと明確にすることは重要だと思っています。 今回の事故で、原発をめぐる状況や原発の存在自体に国民の意識は大きく変わりつつあると思います。そういった意味で、やはり国、それから地方、事業者の役割、すなわち誰がどのような場合にどこまでの責任を負うのかが依然としてやはり不明確な不透明なままであって、原発を稼働させるための体制、条件が整備されているとは言い難いのではないかと思います。 そこで、残りの時間、今後の原子力政策についてお伺いをしたいと思います。 民間の保険会社に一千二百億円以上の要求をするのは難しいというのは、ある一定、一定理解できますけれども、しかし、東電の補償額は無限責任であって、これまでのところ八兆円を超えているわけです。これは、税金を投入したり電気料に上乗せされたりというお話が今日もありました。結局は国民負担となっているわけです。一度事故が起こると、これほどまでの損害を起こす原子力発電ということでございます。これを推し進めたのは経産省、エネルギー庁である。 本年七月に、政府は第五次エネルギー基本計画を閣議決定しました。原発については、二〇三〇年に向けた対応で重要なベースロード電源との表現を踏襲し、原発依存度は二〇から二二%と、従来目標を据え置いているわけですね。 現在、原発による電源構成比率は二%以下。今回の原発事故の賠償問題がこのようにいまだ片付いていない状態で、原子力政策について大きな変更もなく、事故が起こったら賠償額が八兆円とも二十一兆円とも言われているこの原発。おまけに、原子力発電はその利用に伴って処理が大変困難な放射性廃棄物を排出するという大きな問題も抱えているわけです。 高レベル放射性廃棄物として直接処分すると、もう皆さんは御存じのことかと思いますけれども、やはり自然のままにこの毒性を低減するには百万年も掛かると言われているわけです。この高レベル放射性廃棄物以外にも低レベル放射性廃棄物が原子力発電所の運転とか解体をするときには大量に出てくる。でも、この解体廃棄処分場はまだ確保ができていない。 こういった大きな課題を抱えた中でそのまま原発政策を推し進める根拠、これについて是非とも大臣、お願いをしたいと思います。
○大臣政務官(石川昭政君) お答えいたします。 エネルギー基本計画における原子力の今後ということでお尋ねいただいたと思っております。 まず、その前提といたしまして、東京電力福島原発事故について、いわゆる安全神話に陥りましてあのような悲惨な事態を招いたことを真摯に反省し、その教訓を踏まえまして、何よりも安全最優先で二度と事故を起こさないように政策を進めていくことが必要だと考えているところでございます。 その上で、福島の復興と福島第一原発の廃炉、汚染水対策に総力を挙げて取り組むことが極めて重要であり、先ほど委員から御指摘ありました高レベル、低レベルの放射性廃棄物の問題につきましても、国が前面に立ち責任を果たしてまいりたいと考えておるところでございます。また、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組みまして、原発依存度を可能な限り低減してまいります。 他方で、原子力につきましては安全確保が大前提でございますけれども、資源に乏しい我が国にとりまして3EプラスSの観点に立ち、安価でかつ安定的な電気の供給、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度などを考えれば、責任あるエネルギー政策を実行するためには必要な選択肢であると考えているところでございます。
○高木かおり君 今こういった大きな原発事故が起きて、なかなかその御答弁も本当に心の中から思っておっしゃっているのかなというふうに、すごく私の中ではなかなか納得し難いなというふうに、おっしゃるのはもう立場上仕方がないのかなというふうに思うんですけれども、やはり本当に国民の皆さんの声を、やはり本当の正確な情報を出して考えていくときに来ているのかなというふうに思います。 とはいえ、我が党は原発凍結というスタンスでございますけれども、やはり今ある施設とその最終処分や廃炉の技術、これがどこまで進んでいるのか、ちょっと時間がないので、この質問もしたかったんですけど、それをやはり原子力政策を進めていく以上、その廃炉や最終処分のその最後の部分までしっかりと研究を進めてもらわなければいけないわけです。 今はまだその工程が不透明なままということで、やはりこの解決策を導き出すためにこの人材の育成、大変重要だと思っております。質問ができませんでしたけれども、是非この点をお願いをいたしまして、質問終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(上野通子君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(上野通子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山本太郎君 自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、原子力損害賠償法改正案、原子力発電所などで事故が起きた場合の損害賠償について、誰がどれだけの責任を負うのか、その資金をどう確保するかを決める、いわゆる原賠法についてお聞きいたします。 法律上定められた本法の見直しの期限はいつまででしょうか。
○政府参考人(佐伯浩治君) 現行の原子力損害の賠償に関する法律第二十条において、原子力損害賠償補償契約及び政府の援助につきまして、平成三十一年十二月三十一日までに開始した原子炉の運転等に係る原子力損害について適用することとされております。
○山本太郎君 済みません、要は、期限までにはまだ一年あるということですよね、一年以上あるということですよね。それにもかかわらず、先日の参考人質疑と本日の審議三時間コース、少数会派への質問時間は十五分、たったこれだけの審議で終わらそうとしている。これほどの短時間、スピード審議で終わらせるなんてあり得ませんよ。 現在、東電原発事故が起こり、この法律にのっとって損害の賠償などが行われていますが、現実に見合った法律ではないため、加害者は肥え太り、被害者への救済は十分に行われない現実を生み出してしまっています。後ほど修正案提出いたしますが、短い時間で議論も深めないまま実際と見合わない法の延長を行うなど、立法府の自殺であると申し上げて、本題に入ります。 原賠法第六条では、何かあったときのためにお金を積んでおかないと原発は運転させないというのを損害賠償措置と定義、その額を賠償措置額と呼んでいます。賠償措置額は発電所ごとに一千二百億円。一千二百億円をそのままお金で供託してもいいけど、東電事故前はそのような事業者はいませんでした。事業者は、民間の保険と政府補償契約という政府が胴元の保険みたいなものにそれぞれ掛金を支払い、何かあった際には民間、政府、それぞれから一千二百億円を上限としてお金を支払ってもらえる仕組みで担保します。 これまでの原子力損害において民間から保険金が支払われたのは、ジェー・シー・オー東海村の事故の際に十億円程度のみ、東電原発事故で民間の保険が支払った額はゼロとのこと。 東電事故では民間の保険からの支払がゼロ、理由を教えてください。
○政府参考人(佐伯浩治君) 損害賠償補償につきましては、原賠法及び補償契約法に基づき、一般的な損害については民間責任保険、地震や津波といった民間保険市場では引き受けられない自然災害等による損害については政府補償契約で措置することとされております。 したがいまして、東電福島原発事故につきましては、地震、津波による損害として政府補償契約から支払が行われております。
○山本太郎君 民間の保険はヒューマンエラーについてしかお金が出ないよという話だと思うんですね。 確かにそうなんですよね。おかしいなと思うんですよ、これ。だって、大きな地震ありましたよ、津波もありました。でも、その一方でヒューマンエラーもありましたよね。 例えば、資料一の二、国会事故調の報告書。東電新福島変電所から福島第一原発にかけての送配電設備が損傷、全ての送電が停止。これは、福島新変電所の液状化や盛土の崩落による夜の森線二十七番鉄塔の倒壊などが原因。耐震への備えが甘かったという話じゃないですか。 さらに、東北電力の送電網から受電する六十六キロボルト東電原子力線が予備送電線として用意されていたが、一号機金属閉鎖配電盤に接続するケーブルの不具合のため、同送電線から受電することができず、結局、外部電源喪失、ステーションブラックアウトしてしまった。 ほかにも、津波が来たときに、非常用ディーゼル発電機や冷却用海水ポンプ、配電系統設備などが水没して機能不全に。津波対策、甘かったんじゃないですか。 資料の一の三、一の四、同じく国会事故調報告書。現場の運転上の問題としても、東電が過酷な事故に対する十分な準備、知識、訓練などを実施しておらず、組織的な問題があり、監視・監督機能が崩壊していたことが根源的原因と結論付け、今回の事故は自然災害ではなく明らかに人災であると国会事故調にも言われています。 ヒューマンエラー連発、事故調いわく人災、でも、民間保険は支払ゼロ。 これ、済みません、振ってなかったんですけど、簡単にお答えいただきたいんですね。東電原発事故は本法案の中にある異常に巨大な天災地変という扱いですか、そうであるかそうでないかを教えてください。
○政府参考人(佐伯浩治君) 今回の事故につきましては、原賠法上の免責規定は適用されなかったと存じ上げています。
○山本太郎君 ということは、異常に巨大な天災地変ではないということですね。いかがでしょう、そうですよね。
○政府参考人(佐伯浩治君) はい。
○山本太郎君 原賠法の中では、異常に巨大な天災地変ではなかった、つまり想定内だったという判断ができたということですよね。東電原発事故は、想定内とされていなければならなかった天災と人災による最悪の過酷事故であったことは原賠法の扱い見れば明らかです。東電原発事故でさえもヒューマンエラーはなかったと保険会社が免責されるんだったら、それは保険と呼べるものじゃないですよ。保険会社にもおいしい思いをさせるためのインセンティブ、電気料金で回収し続けてきた既得権益のやり口の一つじゃないですか。この訳の分からない民間の保険の上限一千二百億円を賠償措置額の上限と事実上固定化していること自体おかしくないですか。 これまで引上げがなされた賠償措置額、引上げの理由は。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 賠償措置額につきましては、昭和三十六年から二十一年にかけて五度の引上げが行われてまいりました。過去の改正におきましては、賠償措置額の国際水準を勘案しつつ、損害賠償措置の中核を成す原子力損害賠償責任保険に関する国内外の保険市場の引受能力の範囲内でできる限り高額を定めるとの考え方を基本として、これまで賠償措置額の引上げが行われてきたものと承知しております。 平成二十一年の改正においては、改正パリ条約が七億ユーロへの賠償措置額の引上げを定めたこと及び我が国の民間の責任保険の引受能力を勘案し、賠償措置額を六百億円から千二百億円に引き上げたところでございます。
○山本太郎君 保険市場の引受能力、この範囲内でできる限り高額なものを定めてきたという話だと思います。 保険では一千二百億円が限界なんですよ、だから賠償措置額一千二百億円になりました、これおかしくないですかという話なんですよ。賠償措置の金額を決めるにおいて保険が保険がって、保険だけの話になること自体おかしくないですか。保険がその程度しか出せないなら、事業者に供託金を積ませる。直近の事故の経験から得た実際額に合わせた供託金を事業者に積ませる。保険がっていう方法以外で担保させる。どうしてそういうことやらないんですか。
○委員長(上野通子君) 柴山大臣。
○山本太郎君 済みません、聞いていません、聞いていません。ありがとうございます。 だって、もう聞いたって一緒だもん。保険の引受能力の上限ということ以外はないんだから。全然、手を挙げても答えはそこにはございません。 じゃ、一般論でお答えいただきたいと思います、大臣に。附帯決議というものがありますけれども、文科省においてはこの附帯決議は重要なものでしょうか、それとも非常に軽いものなんでしょうか。通告していませんよ。
○国務大臣(柴山昌彦君) 当然のことながら、附帯決議は最高機関である国会の意思の表れとして重く受け止めさせていただきます。
○山本太郎君 ありがとうございます。 じゃ、もう当たり前のことしか聞かないんですけれども、本法案を改正するに当たって、この附帯決議というものに対して配慮はなされて、その末の法案提出ということでいいですよね。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 当然のことながら、過去の法案における附帯決議をしっかりと重く受け止めた上で法案を提出させていただいております。
○山本太郎君 ありがとうございます。 資料の二、二〇一一年改正の際、衆参で決議された附帯決議では共に、おおむねの損害賠償額などを見つつ、改めて検討することとされていますね。資料の三、東京電力ホームページ内、賠償金のお支払状況、東電は被害者に対して二〇一八年十月末現在で約八・六兆円の支払をしている。資料の四、こちらも東電ホームページから、新々総合特別事業計画作成時点で、可能な範囲において合理性を持って確実に見込まれる賠償見積額として東電は今年の四月時点で十兆四千億円の賠償見積額を公表。 附帯決議には、おおむねの損害賠償額を見つつ、改めて検討することとありますが、改めて検討した結果、掛かる費用がべらぼうに高いと、電力会社の都合のいいように賠償措置額は一千二百億円のまま十年延長に着地したのがこの法案なんじゃないですか。事実上、附帯決議などは無視、電力会社の負担を減らすための現実を見ない法改正と言っていいと思います。先ほどの附帯決議を考え、現実を鑑みれば、今回の見直しで、まず東電が合理性を持って確実に見込まれる賠償見積額としている十・四兆円を最低限賠償措置額とすることが求められると思います。 本法案では、あくまで賠償の主体は事業者、でも、責任を負わせる必要があるのは事業者だけでしょうか。東電原発では原子力格納容器の設計の段階で不備があったとも言われています。 資料の五の一、福島第一原発の一から五号機で使われているマークⅠ型原子炉の原設計をしたGE、ゼネラル・エレクトリック元エンジニア、デール・ブライデンボー氏は、マークⅠは、地震や津波などの大きな災害によって冷却機能を喪失すると、格納容器に想定された以上の負荷が掛かり、破裂する可能性がある、そのことが明らかになったのだ、つまり私たちの間で語られているデザインベースの事故、つまり設計ミスから事故が起こるかもしれないということがはっきりしたのであると語っています。普通にこんな商品売ったらアウトでしょって。リコールですよ、回収ですよ、普通。 資料の六の一、一九六八年から七七年まで日立製作所の関連会社バブコック日立に勤務、福島第一原発四号機の圧力容器などの設計に関わり、国会事故調の委員を務めた田中三彦さん。マークⅠが欠陥を抱えているとの米国での指摘は当時から知られていました、格納容器全体の容積が小さいため、炉心部を冷却できなくなって、圧力容器内の蒸気が格納容器に抜けると格納容器がすぐに蒸気でぱんぱんになってしまう、最悪の場合は格納容器が破裂してしまう心配がありましたと説明。欠陥商品によって事故が過酷化した、その可能性があるならば、その賠償についてメーカーなども賠償責任を負うというのは当たり前の話ですよ。 しかし、事業者以外のステークホルダーにも責任を負わせるのは無理だと主張するものの根拠の一つが条約です。平成二十六年十一月国会承認、翌年四月発効、CSC条約は原子力損害に関する国際的な賠償制度の構築などがうたわれていますが、この条約が足かせになるのが事業者以外への求償の部分。 資料の七、上がCSC条約の附属書十条、下が原賠法の五条二項。条約の条文を要約すれば、メーカーへの求償は、必要な事業者は事前にどうぞ、御自由に特約を結んでくださいというスタンス。やりたきゃやれ、邪魔はしないと。国内法よりも上位にある条約がこのような形なので、国内法である原賠法も、求償権に関し書面による特約をすることを妨げないとあります。何より、賠償について、最終的には国がお尻を拭いてくれるんだから、事業者がわざわざメーカーを巻き込むような特約、事前に結ぶはずもありませんよ。 未曽有の原発事故を経験した、莫大な被害とその賠償が発生することが分かった今、メーカーなどステークホルダーに対する求償、法律上で担保するべきじゃないですか。自国の被害者への満足な賠償ができていない現実を鑑みれば、被害者救済の足かせになる条約からの離脱も致し方ないんじゃないですか。 少し先走った話になってしまいましたが、条約云々の前に、メーカーなどに対する責任についての議論、もっと必要と考えます。今回、二十一回開かれた専門部会の議事録見ましたけれども、この課題について話し合われたのは第六回においてほんの少しだけ。どう読んでも初めから改善しようとする気持ちが全くない議論なんですよ。 先ほどの参議院の附帯決議、平成二十三年八月のものの中にもちゃんと書かれています。東京電力株式会社の経営者の責任及び株主その他の利害関係者の負担の在り方を早期に検討することという趣旨ですよ。事実上、また附帯決議、これ無視されたまま今回も改正されようとしているんですね。これ、おかしくないですかって。 大臣、メーカーなどの責任についての検討を、これ以上議論必要ないと思われますか、それとも議論は進めるべきだ、これから深めていくべきだとお考えになりますか、どちらでしょうか。
○委員長(上野通子君) 簡潔にお答えください。
○国務大臣(柴山昌彦君) はい。 メーカー等の責任については、もう御案内のとおり、原子力事業者に対する責任集中の原則から、製造物責任法の規定は適用しないということでこれを排除することとしております。 現時点においては、原子力損害賠償制度専門部会の報告書において、こうした現行の規定を維持することが妥当であるとされておりまして、また今、山本議員から御紹介をいただいたとおり、私的な協定が結ばれるわけはないというふうに御指摘でしたけれども、少なくともそういう道筋は取られているということもございますので、文部科学省といたしましては、取りあえずは現状を維持することが妥当であると考えております。
○委員長(上野通子君) お時間ですので、まとめてください。
○山本太郎君 はい。 現状維持は結構なんですけれども、これほど大きな被害者を生み、そしてその方々が本当に切り捨てられているような状況の中で本法案を改正するということに関しては、もっと常日頃からの議論を深める必要があると。大臣には、是非このメーカーの問題に関しても、そのADRの問題に関しても、中間指針の問題に関しても議論が進むような旗振りをお約束していただけますか。最後にお願いします。いかがでしょう。
○国務大臣(柴山昌彦君) 文科省としてしっかりと検討していきたいと考えております。
○山本太郎君 終わります。
○松沢成文君 希望の党の松沢成文でございます。 私は、まず、東電の賠償責任の強化についてお伺いをしたいと思います。 これは政府参考人の方にですけれども、賠償措置額、この千二百億円の引上げが見送られました。このことと関連して、東電の方は二〇一七年度末で千三百二十八億円もの巨額の当期純利益を計上する。この東電の責任、要するに賠償措置額よりも単年度で多い利益を計上している東電の責任が余りにも小さ過ぎるんじゃないかと私は思っておりまして、その責任を強化する必要性について政府はどのように考えておられますでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。 福島第一原発事故の対応に伴い必要となる資金は二十二兆円になるわけでございます。まず、この福島第一原発事故への対応につきましては、事故を起こした東京電力自身が主体的に最後まで責任を持って行うことが大原則だというふうに認識してございます。 二〇一六年に福島事故への対応について閣議決定をいたしました福島復興指針に基づきますと、廃炉に要する資金八兆円につきましては、東電自身による経営改革を通じて捻出するという方針になってございます。また、被災者賠償費用七・九兆円につきましても、東京電力を始めとする原子力事業者が負担金によって納付を毎年度行っていくということになってございます。 この廃炉に要する八兆円につきましては、長期にわたる福島事故の廃炉に要する資金の確保ということで、昨年、原賠機構法の改正をいただきまして、東電に対して、その生み出した利潤等も含めて福島第一原発の廃炉のための資金として積み立てるという制度を創設をいたしたところでございます。初年度に当たります二〇一七年度におきましては、原賠機構において議決した将来への備えも含めた金額である約四千億円を経産省として認可をしたところでございます。今年度も実際にこの中から廃炉費用を東電は支出しているわけでございます。 こういった枠組みの中でしっかりと東京電力が主体的に責任を果たすよう、指導を引き続きしっかりしてまいりたいと考えてございます。
○松沢成文君 単年度で千三百億を超える利益を上げている東電が賠償措置額の千二百億円を超える純利益を上げている、その東電の責任の強化というのが法案に盛り込まれてないというのは、私は国民には理解は得られないというふうに思っています。 そこで、村瀬部長、ちょっとこれ今日の新聞報道にあったんで通告ができなかったんですけれども、部長の担当の原発輸出についてちょっと考え方お聞かせいただきたいと思うんですが、今朝の日経新聞で、政府が官民連合で取り組んでいるトルコの原発建設計画を断念する方向で最終調整に入ったと報じられていますが、これは事実でしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 報道については承知を申し上げておりますけれども、トルコでの原発建設計画につきましては現在協議を行っているところでございまして、何らかの決定がなされたという事実はございません。
○松沢成文君 日本のインフラ輸出戦略の目玉の一つがこの原発のインフラ輸出なんですね。 ただ、これまで、ベトナムで頓挫し、リトアニアで頓挫し、トルコももう相当厳しくなってきている。これ、最後に残ったのが今ブレグジットで混乱しているイギリスなんですよ。日立製作所がイギリスと組んで原発を造ろうということなんですね。このイギリスの事業でも、実は原子力損害賠償責任の軽減、免除というのが大きな問題として残っていると聞いています。 イギリスの制度では、原発事故が発生した場合の事業者責任は、日本と異なって有限責任となっているんですね。イギリスの事業で一定の賠償額を超えた部分の責任負担はどのように整理されているんでしょうか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 現在、御指摘いただきました英国における原発建設計画につきましては、事業者が今後様々な検討を行っていくという状況と承知してございます。 政府としてはその状況を見守りたいと考えてございますが、賠償につきまして御質問いただきましたけれども、そういった詳細については、個別の民間事業の事業に関することでございますのでお答えを控えさせていただきたいと思いますし、詳細、この時点で私は承知を申し上げてございません。
○松沢成文君 イギリスの原発の建設について、この安全対策費も含めてばあっと事業費が大きくなっちゃっているんですよ。 その負担は、実はイギリス政府と日立、それから現場の事業者、更に日本政府もそれに加わるというスキームになっているんですね。これは日本の政府系金融機関の融資であります。そうなると、原発の損害賠償について、日本は無限責任ですよ、事業者に対して。東電は一応形では無限責任になっています。イギリスは有限責任ですよね。 じゃ、イギリスの原発でもし事故が起こった場合に、日本政府はどうするんですか。この責任を負うんですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 今御指摘いただきましたプロジェクトにつきましては、現時点で日本政府といたしまして政策的支援を含めて具体的に何らかの決定を行ったという事実はございません。したがいまして、先ほど申し上げたように、民間事業として、事業者において様々な検討が今後行われているという状況でございますので、その状況を見守ってまいりたいと考えてございます。 今御指摘いただいたように、海外の制度ということで申し上げますと、イギリスも御指摘のように有限責任を採用しているということでございますけれども、そういった環境の中で適切なプロジェクトを検討していくものだというような認識でございます。
○松沢成文君 日本は原発事業者の無限責任ということになっていますが、そのつじつま合わせを政府系の機構が融資して埋めているわけですよね。ですから、責任がはっきりしていないんです。こういうことをやっているから、海外の原発でもまあ日本政府が最後面倒見てくれるんじゃないかって誤解も生むことになりますので、ここのところはきちっと整理をしていただきたいと思います。 次に、東電が計上する巨額の利益の恩恵にあずかる東電の株主や、東電への巨額の融資で大きな利益を上げている銀行の責任を明確化すべきという意見もございますけれども、これについては政府はどう考えますでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) そうした議論があることは承知をしております。 ただ、発災事業者が破産等によって法的整理を受けた場合には、既に実施をされている被害者への賠償、事故収束、廃炉の着実な実施、電力の安定供給等に支障が生じ、国民生活、国民経済に重大な支障を生じさせるおそれがありますから、原賠・廃炉機構法による資金援助によりまして事故事業者の破産等を回避し、将来の収益をもって廃炉、賠償の責任を果たすようにすることが結果として国民負担の最小化に資すると考えております。 ただ、その上で、原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会の報告書においては、法的整理により、株主、金融機関等のステークホルダーに公平な負担を求めるべきであるとの指摘があるということを明示した上で、法律上は原子力事故を契機として会社更生手続等の法的整理を原子力事業者自身が選択する可能性を否定できないとして、国は、見直し後の原賠制度において対応可能な事項、対応困難な事項等を整理し、万が一の事態に備えておくことが重要であるとしております。 これを踏まえて、文部科学省としては、法的整理や利害関係者の負担に関する考え方について、引き続き必要な対応について検討してまいりたいと考えております。
○松沢成文君 株主と金融機関の責任の明確化というのをしっかり答えていただかないと。それ前段だと思うんですね、多分。
○政府参考人(村瀬佳史君) 原賠機構法附則第三条におきましては、株主その他の利害関係者に対して必要な協力を求めなければならないと規定されてございまして、事故事業者は交付国債の発行を伴う特別資金援助を受ける者として、関係者に対して特別事業計画に基づいて必要な協力の要請を行う仕組みが措置されていると承知してございます。 東京電力につきましては、東京電力の株主及び貸し手の責任について、東電が機構と共同して作成し、二〇一二年四月に認定を受けております総合特別事業計画以降、株主に対しては当面の間、無配を継続すること、金融機関に対しては借換え等により与信を維持することなどが要請されてございまして、関係者に対する一定の責任を求めてきたものと承知してございます。 このようなことにつきましては、今後も、二〇一七年五月に認定をされております新々総合特別事業計画に基づきましてしっかりと履行されていくということだと認識しておりますが、政府としてもこれをしっかりと確認していきたいと考えてございます。
○松沢成文君 とはいえ、株主は株式を売却することで資金を回収することができるんですよね。それから、銀行は貸付金が生み出す多額の利息収入を得続けていることには変わりはないわけです。とりわけ、銀行大手三行、原発事業についての一切のリスクを負担せずに、利息収入による恩恵にあずかっているんじゃないでしょうか。 これ、局長、原発事故、二〇一一年三月の事故から現時点までに東電が銀行からの借入金に対して払った利息の総額、幾らだか御存じですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 今、手元に数字を持ってございません。
○松沢成文君 私の手元にある資料では、二〇一一年三月から二〇一六年六月までに大手銀行に払った利息、千九百九十三億円ですよね。いや、すごい額であります。銀行にしてみれば貸倒れないわけです。最後、政府が穴埋めしてくれますから、こんな楽な融資ないですよ。それで、もうこの四年間で、五年間か、二千億近い利益を上げているんですよ。何にも責任取っていない。これは私は納得得られないと思いますね。 最後に、私たちは、国策で進めた原発は国が買い取る制度を創設するなど、国が責任を持って廃炉まで進めて、最終的に原発をなくすべきだと考えています。また、それまでの、原発をフェードアウトさせる間に発生した原発事故による損害賠償は、国策として進めてきた以上、最終的に国が賠償責任を負担する仕組みも明確にすべきだと考えています。 そこで、現状では電力会社の破綻処理についての規制が、先ほど大臣言っていましたけど、なされていません。これをやっぱり整備すべきじゃないですか。そうすることによって、株主や金融機関の責任の明確化にもつながっていくんじゃないでしょうか。いかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(柴山昌彦君) 現状においては、先ほど村瀬部長からお話があるとおり、限定的にではありますけれども、ステークホルダーが責任を負うような仕組みができています。その上で、今後の大きな仕組みとして、まさしく株主、金融機関等の利害関係者、ステークホルダーに公平な負担を求めるためには、会社更生手続等の法的整理を原子力事業者自身が選択する可能性を否定できないという指摘の上で専門部会の報告書において記載がされているということだと承知をしております。 これを踏まえて、文部科学省としては、法的整理や利害関係者の負担に関する考え方について、必要な対応について検討してまいりたいと考えております。
○松沢成文君 以上です。ありがとうございました。
○委員長(上野通子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について神本さん、伊藤さん及び山本さんから発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。神本美恵子さん。
○神本美恵子君 ただいま議題となっております原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案に対し、立憲民主党・民友会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明いたします。 本修正案は、現在原子力発電が置かれている状況及び平成二十三年三月に発生した東京電力福島原子力発電所事故において、広範囲にわたり多大な原子力損害が生じたこと等を踏まえ、今後、万が一原子力事故が発生した場合においても、原子力損害の被害者への賠償が十分に図られるよう、被害者の保護に万全を期すること等に改めるための所要の修正を行うものであります。 次に、修正案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、第一条の目的規定から「原子力事業の健全な発達」という文言を削除し、被害者の保護を図ることのみを法の目的としております。 第二に、原子力事業者は、原子力損害賠償紛争審査会によって提示された和解案について、相手方当事者が和解案を受諾しない場合、一定期間内に訴訟が提起された場合等を除き、これを受諾すべきことを遵守しなければならないこと等としております。 第三に、政府は、これまでの原子力事故による損害の額が損害賠償措置として定められていた額を大幅に超えるものであったことを踏まえ、東京電力福島第一原子力発電所の事故により生じた損害の額を勘案し、速やかに、第七条第一項の賠償措置額の引上げについて検討を加え、必要な措置を講ずるものとしております。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(上野通子君) 伊藤孝恵さん。
○伊藤孝恵君 ただいま議題となっております原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案に対し、国民民主党・新緑風会を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明いたします。 平成二十三年の原子力損害賠償支援機構法の附則及び附帯決議では、原賠法の改正等の抜本的な見直しを講ずるものとしておりました。しかしながら、本法律案では、原賠法の抜本的な見直しとは程遠い内容となっております。そこで、東京電力福島原発事故による甚大な被害を踏まえ、被害者への迅速かつ公正な賠償の実施、被害者への賠償に係る国民負担の最小化、そして、国が最後まで責任を持ち被害者保護に万全を期する観点から本修正案を提出するものであります。 次に、修正案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、第一条の目的規定について、「原子力事業の健全な発達」を「原子力事業の健全性の確保」に改めることとしております。 第二に、国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、この法律の目的を達成するため、万全の措置を講ずるものとしております。 第三に、第三条第一項ただし書の原子力事業者の無過失責任の例外事由について定める規定について、「異常に巨大な天災地変」を「過去に経験したことのない異常に巨大な天災地変」に改めることとしております。 第四に、原子力事業者は、原子力損害賠償紛争審査会によって提示された和解案について、相手方当事者が和解案を受諾しない場合、一定期間内に訴訟が提起された場合等を除き、これを受諾すべきことを遵守しなければならないこと等としております。 第五に、附則において、政府は、速やかに、国内外の保険に係る市場の動向、原子力事業者の事業環境の変化、原子力発電所等における事故の発生の危険性に関する評価等を踏まえ、第七条第一項の賠償措置額の引上げについて検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること等の検討条項を追加することとしております。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(上野通子君) 山本太郎さん。
○山本太郎君 ただいま議題となっております原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案に対し、希望の会(自由・社民)を代表いたしまして、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明いたします。 平成二十三年に発生した福島第一原発事故によって、広範な地域に甚大な原子力損害が生じました。被害者への救済は滞り、原子力事業を延命させるためだけの法案となってしまっている現状を改善しなくてはなりません。国民から信頼される原子力損害賠償制度を構築するため、本修正案を提出するものであります。 修正の要旨は、次のとおりであります。 第一に、法律の目的から、「原子力事業の健全な発達」に係る文言を削ることとしております。 福島第一原発事故という未曽有の被害をもたらしてもなお、収束、廃炉以外の原子力産業を保護していこうとする合理性はもはやなく、この一文があるために、原子力を保護するために被害者保護をないがしろにしているという事例が起きています。よって削除します。 第二に、異常に巨大な天災地変により生じた原子力損害については、原子力事業者の免責を認めないものとしております。 世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ稼働させるというのであれば、異常に巨大な天災地変の際に原子力事業者の免責は認めません。津波、地震、火山の噴火にも対応できるという無敵の原発規制、奇跡を具現化できたのであれば、免責する必要など全くありません。 第三に、賠償措置額を十兆四千億円に引き上げることとしております。 残念ながら、千二百億円以上の賠償措置額では受けられないという民間保険の感覚はまともです。これは、市場原理では成り立たない事業との宣言と同じ。一方で、民間保険の上限をそのまま賠償措置額の上限として定めるのはお門違いです。そのような額では焼け石に水であり、十分な賠償を被害者にできるわけもないことは、皆様よくよく御存じのお話。 史上最悪の核惨事を経験しておきながら、上限を上げれば民間保険の引受手がないから賠償措置額は据置きという話は成り立ちません。民間保険の引受手がないなら、事業者には供託金を積ませるというのが当たり前です。最低でも、今現在、東電自身が新々総合特別事業計画作成時点で可能な範囲において合理性を持って確実に見込まれる賠償見積額として公表する十兆四千億円は準備させることとします。 第四に、原子力損害賠償紛争審査会が定める指針について、少なくとも毎年一回検討を行い、必要があると認めるときはこれを変更しなければならないこととし、指針の策定及び検討を行うに当たっては、被害者及びその関係者の意見を聴かなければならないこととしております。 現行の被害者救済手続において、東電事故における被害者に対する賠償は、原子力損害賠償紛争審査会が策定する指針に沿って東京電力が独自に賠償基準を作り、それに基づいて行われています。しかし、実際の損害賠償は、自然的、社会的基盤が失われるふるさと喪失損害や放射性物質汚染による精神的被害等が含まれていないなど被害の実態にそぐわないものになっており、極めて不十分。これらのことから、損害賠償をめぐって被害者と加害者である東京電力との間で紛争が頻繁に起きており、東京電力はADRで提示される和解案を再三にわたって拒否、そのようなケースが増加しています。 これらは、ひとえに賠償指針の策定、見直しにおいて被害者の現状が全く考慮されていないということに尽きます。少なくとも毎年一回、被害を被った当事者を交えて指針の内容について検討を行い、必要があると認めるときはこれを変更するようにするべきであります。 第五に、政府は、少なくとも三年ごとに、福島第一原発事故により生じた原子力損害の額を踏まえ、賠償措置額の更なる引上げについて検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。 今後、東電による福島第一原発事故による被害者への賠償額はまだまだ拡大する余地があります。よって、少なくとも三年に一回、若しくはそれより多い頻度でその時点での賠償額を考慮し、それ以上の賠償措置額の再設定を行うものとします。 第六に、政府は、速やかに、福島第一原発事故に係る原子力損害の賠償の実施状況等を踏まえ、第十六条の規定による国の援助を受ける原子力事業者の株主その他の利害関係者の負担の在り方、その他の原子力損害賠償制度の在り方について抜本的な見直しを含め検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。 福島第一原発事故において、多くの人々が故郷や家、財産などを失うような被害を被り、今でも苦しみの中にいます。これらの人々には、政府の借金や電力料金として国民が負担することにより、辛うじて被害者救済が進められている状態です。一事業者に責任を負えるレベルの事故ではなく、最終的には国民負担となることは避けられないとしても、まずは事業者が全てを出し切ることはもちろん、原子力事業者に金を貸し、その利息でさんざんもうけてきた銀行や株主への責任をどう設定し、どう賠償に結び付けるかを具体的に示さなければ、国民負担の理解など得られようもありません。その課題に対して本格的議論を始めることとします。 第七に、政府は、速やかに、原子力事故が生じた場合における国の責任の在り方を明確にする観点から、国の責任において行う被害者の救済に係る制度等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。 原賠法ではお金の賠償に係ることだけを取り扱っていますが、発生する責任や救済すべき事柄はお金のことだけでなく、生活再建や健康不安、健康被害、除染など多岐にわたります。こういったことから、別建てで総合的な救済立法が必要と考えます。 また、今後起こり得る事故を考えれば、原賠法は事業者と被害者の間のお金の話だけにとどまらせるべきではありません。 さらに、加害者が一方的に線引きした避難区域や賠償の基準により、そこには含まれず、流浪の民として生活を強いられる避難者も存在しますが、現在、なきものとして扱われています。このような人々についても国で積極的に救済を目指すことが必要であります。 第八に、政府は、第六及び第七の検討を行うに当たっては、福島第一原発事故の被害者及びその関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとしております。 この法律は被害者の救済のためのものです。全てにおいて被害者の声を反映させることは当然であります。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(上野通子君) これより原案及び各修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会の杉尾秀哉です。 私は、会派を代表しまして、原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、立憲民主党・民友会の修正案に賛成、原案に反対の立場から討論を行います。 平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災とそれに伴う東電福島原発事故では、広範囲にわたり未曽有かつ甚大な被害が生じました。そもそも、これまで我が国では、いわゆる安全神話の下、原発推進政策を文字どおり国策民営で進めてきました。ところが、あの福島事故によりその安全神話が根底から覆され、原子力損害賠償法、いわゆる原賠法の不備があらわにされたのであります。 その経験を踏まえれば、今後、万が一原子力事故が発生した場合にも被害者への賠償が十分に図られるよう、原賠法を抜本的に改正することが必要であり、事実、平成二十三年八月に成立した原子力損害賠償支援機構法等においても原賠法の抜本的な見直しが求められていました。 そうした中で、前回、平成二十一年以来となる今回の原賠法見直しでは、東電福島原発事故における対応を踏まえ、一般的に実施することが妥当なものとして、一、損害賠償実施方針の作成、公表の義務付け、二、仮払い資金の貸付制度の創設などが盛り込まれました。 しかし、その一方で、法律の目的として原子力事業の健全な発達が維持され、現行の一千二百億円の賠償措置額の引上げが見送られるなど、根幹部分はそのまま維持されました。さらには、ADRセンターの和解案に拘束力を持たせないままにするなど、政府の見直し案は抜本的改正とは到底言えない、極めて不十分な内容にとどまっています。これでは被害者の保護に万全を期す内容とは全くなっておらず、現状追認の単なるお茶濁しと断ぜざるを得ません。 これに対して、立憲民主党の修正案では、今後原発依存度を低減させていく観点から、被害者の保護を唯一の目的とすべく、目的規定から原子力事業の健全な発達を削除しているほか、政府が賠償措置額の引上げについて速やかに検討すること、さらに、原子力事業者は原則としてADRセンターから提示された和解案を受諾しなければならないことなど、原子力事故の被害者保護に向けて必要な取組を明記しております。こうした立憲民主党・民友会の修正案と政府案を比較すれば、どちらが真に被害者保護に資するものか、火を見るより明らかでしょう。 あの福島原発事故でふるさとを奪われ、平穏な日々の生活をめちゃくちゃにされ、今なお避難所生活を余儀なくされている人たちがたくさんいらっしゃいます。その人たちの魂の叫びを、本委員会の先日の参考人質疑でも私たちの心を大きく揺さぶりました。そうした取り返しの付かない事態を招来させた原発事故の真摯な反省の上に立ち、再び安全神話に寄りかからないためにも、そして立法府としての明確な意思を示すためにも、極めて不十分な政府の改正案ではなく、修正案が意図する抜本的な見直し、改正が必要であることを強く指摘しまして、私の討論とさせていただきます。 御清聴ありがとうございました。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。 私は、日本維新の会を代表し、政府原案に賛成の討論をいたします。 今回の法改正は、原子力委員会原子力損害賠償制度専門部会における検討結果を受けて、東京電力の福島原発事故における対応のうち、一般的に実施することが妥当なものを原賠法に組み込むという点において賛成ではありますが、法改正に盛り込まれなかった部分について一言申し上げたいと思います。 まず、原子力損害賠償紛争審査会の指針についてですが、指針は本来最低限のものであるにもかかわらず、東京電力がそのような対応を行っていない事例があることは被害者救済の観点から問題であり、政府が責任を持って東京電力に対して指導を行っていただくよう、切にお願いをしたいと思います。 また、原子力損害賠償紛争解決センターから提示された和解案を東京電力が拒否する事例が報告されていることは見過ごすことはできません。和解案に法的拘束力を付けることについて、参考人の皆様からも様々な御意見が出ていたことも勘案し、指針の見直しも視野に入れて御検討いただきたいと思います。 さらに、的確な廃炉や最終処分などのいまだ不透明な難題に対して解決策を導き出す人材を育成、養成することは、原子力事業を現実に抱えている我が国にとって、また原子力事業に関わる世界各国にとって不可欠な要請であります。そして、その人材の活躍による科学技術の進歩がなされることが、いまだ解決できない難題の解答に近づく唯一の道であることを意味するものと明言させていただきます。 以上、政府の改正案では不十分な点もあることを申し上げて、討論を終わります。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 私は、日本共産党を代表し、原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 東京電力の福島第一原発事故により、放射能汚染という巨大かつ深刻な事態が引き起こされ、多くの方々がふるさとの喪失を押し付けられました。その賠償額は、ふるさとを喪失した住民にとっては極めて不十分であるにもかかわらず、現時点で既に八兆六千億円に膨れ上がっています。 建前上は、原賠法第十六条が規定する政府の援助として具体化した原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて、賠償法の無過失責任、責任集中、無限責任の三原則が維持されているように見えますが、実際は、賠償金額がどれほどになり、いつまでに払い終わるかさえ定まっていません。今後起こり得る事故への対応以前に、賠償法の三原則は実質的に破綻しているのです。そして、東京電力を始め大手銀行や原子力メーカー、そして国の加害責任は曖昧にされたまま、その多くを税金と電力料金という形で国民に負担を押し付けるものとなっています。このような原賠法、損害賠償支援機構法スキームで賠償を可能とする本法案は、東京電力救済の特別スキームを一般化し、全国の原発の再稼働に備えようとするものにほかなりません。 また、本法案は、新たに原子力事業者に損害賠償実施方針の作成、公表を義務付けていますが、東京電力が行っている賠償の実際を見れば、加害者である事業者が被害者に対し一方的に賠償の方式を定める危険があります。質疑の中でも、方針の中身については触れられず、省令などで細かく定める予定もなく、被害者の請求権が制限される可能性も否定できません。 また、東京電力は、原子力損害賠償紛争解決センター、ADRから提示された中間指針を超える和解仲介案を拒否する事例を繰り返しています。ふるさとにおいて安心して元の生活を取り戻すことができるように原状回復を求める集団訴訟においても、中間指針を超える賠償が認められているにもかかわらず、東京電力は一切応じておりません。原賠審が定める中間指針は賠償の目安であり、上限でないのは明らかです。それなのに、これらの和解案等に応じない東京電力の姿勢は容認できません。直ちに国の責任で東京電力の姿勢を改めさせるとともに、中間指針を抜本的に見直すことが必要です。 なお、立憲民主党、希望の会(自由・社民)提案の修正案については、法の目的規定から原子力事業の健全な発達を削除するなど賛同できるものですが、国民民主党の修正案には賛同できません。 以上申し上げ、討論といたします。
○山本太郎君 自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案原案に反対の討論を行います。 東電原発事故が起こり、この法律にのっとって損害の賠償などが行われていますが、全くの不十分、現実に見合った法律ではないため、加害者は肥え太り、被害者への救済は十分に行われない現実を生み出してしまっています。 今回の改正は、これらの問題を是正し、加害者の御都合、一方的線引きにより切り捨てられる人々、不十分な救済に苦しむ人々を的確に救い、今後の不測の事態に備えるための法改正であるべきでした。しかし、今回も、これまでと同じように電力会社を守り、そのほかの利害関係者に悪影響が及ばないよう、国が肩代わり、消費者と納税者に負担させる仕組みを維持することだけが最大の目標となり果てている法案です。 本改正案の問題は、賠償措置額が一千二百億円に据え置かれている点。民間保険の一千二百億円が上限という部分を利用した措置額の決定方法は悪質です。実際に過酷事故が起これば、そのようなはした金で間に合う話ではありません。資金援助するための交付国債枠を九兆円から十三・五兆円に拡大、東電は今年の四月時点で十兆四千億円の賠償見積額を公表。にもかかわらず賠償措置額を一千二百億円に据え置くなど、いまだ神話の世界を生きているんでしょうか。一刻も早くおとぎの国から出てきて現実を見詰め直すことをお勧めいたします。 次に、今なお苦しみ続ける被害者をないがしろにしている件。賠償指針と被害者が苦しむ現状との乖離、加害者意識欠如の東電による一方的なADR拒否、東電の和解案拒否により和解手続が打切りとなった件数は千八百件を超え、和解案を拒否し続けられ、浪江町だけでも、その間、今年四月五日までに申立て住民のうち八百六十四人がお亡くなりに。今回の改正では、こういった被害者の立場に立ち、問題を改善するものにはなっていません。 被害者の保護を図るという考え方、どこに消えたんでしょうか。被害者切捨てはもはやスタンダード、その部分を是正、反映させない法改正ならば、ほぼ現状維持の法改正に対してもそれにふさわしい修正を加えてはどうでしょうか。例えば、第一条の被害者の保護を図るを削除して、原子力の健全な発達に資するのみを残されてはいかがでしょうか。事実に見合った法改正を与党や賛成会派で行わなければ筋が通らないんではないでしょうか。 原子力製造メーカーの免責、当事者であるステークホルダーの責任の在り方、また、国の責任の在り方についてもほとんど議論されていません。たかが一企業で背負えるレベルの話ではない、世界に類を見ない現在進行形の核惨事が東電原発事故。その賠償や収束費用について今後多くの国民負担を免れないのは当然のこと。しかし、そこに行き着くまで最大の加害者である事業者が全てを出し切り、これまで原子力産業における甘い汁を吸い続けてきた者たちも出し切れるものを出し切ってからというのが大前提。 この法改正に本来盛り込まれるべき事項は、検討も議論もほぼされないまま、法の期限まで残り一年もある中、早々と本日、大した議論の時間も担保されないまま、この後、採決だそうです。 原子力事業をいかに生き長らえさせるかに集中した法改正、この原案に反対と申し上げ、終わります。
○委員長(上野通子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、山本さん提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上野通子君) 少数と認めます。よって、山本さん提出の修正案は否決されました。 次に、神本さん提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上野通子君) 少数と認めます。よって、神本さん提出の修正案は否決されました。 次に、伊藤さん提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上野通子君) 少数と認めます。よって、伊藤さん提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上野通子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、神本さんから発言を求められておりますので、これを許します。神本美恵子さん。
○神本美恵子君 私は、ただいま可決されました原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、公明党、立憲民主党・民友会、国民民主党・新緑風会、日本維新の会及び希望の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、今後の損害賠償措置額引上げの在り方については、東京電力福島第一原子力発電所及び同福島第二原子力発電所において発生した事故における甚大な被害を踏まえ、被害者への迅速かつ公正な賠償の実施、被害者への賠償に係る国民負担の最小化、予見可能性の確保といった観点から、必要に応じて、慎重な検討を行うこと。 二、原子力損害賠償紛争審査会は、被害者の意見を幅広く聴取した上で、原子力損害の範囲の判定の指針その他の当該紛争の当事者による自主的な解決に資する一般的な指針を策定するとともに、策定された指針については適時適切に見直すこと。 三、政府は、原子力損害賠償紛争審査会の下に置かれた原子力損害賠償紛争解決センターが、迅速に和解を進めることに重要な役割を果たすことを踏まえ、被害者への公正かつ適切な賠償に資するため、同センターによる和解仲介手続の実効性を確保することを検討し、必要な措置を講じること。 四、原子力損害賠償に当たり、原子力事故を起こした原子力事業者の株主、金融機関等の利害関係者の負担を含め必要な検討を加えること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(上野通子君) ただいま神本さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上野通子君) 多数と認めます。よって、神本さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、柴山文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。柴山文部科学大臣。
○国務大臣(柴山昌彦君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(上野通子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十分散会