文教科学委員会 第2号
- 発言数
- 202 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2018/11/15
会議録
○委員長(上野通子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、大島九州男さん、水落敏栄さん及び衛藤晟一さんが委員を辞任され、その補欠として柳田稔さん、こやり隆史さん及び森屋宏さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(上野通子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官渡邉清さん外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(上野通子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○江島潔君 おはようございます。自由民主党の江島潔です。 私は、文科委員会はこの度初めて正式に所属をさせていただきまして、こうして大臣の所信的挨拶に対する質問をさせていただくことになりました。 私は、前職は下関の市長をしておりましたのですが、その前は大学で教鞭に立っておりましたので、人づくりを随分長い間なりわいとしてきたところでありますけれども、この市長という職は、これ町づくりというのは、やっぱり大本は、これは市民が構成をするいわゆる人づくりなんだなということを実感しながら四期務めさせていただきました。私の、ですから市長時代のキャッチフレーズは町づくりは人づくりというものを掲げて取り組まさせていただいたところであります。 また、今こうして国政に立たせていただいているわけでありますけれども、様々な課題がある中で今私が思っておりますのは、この国づくりは人づくりなんだなということを痛感をしております。その中で、ですから、文部科学省というのはまさしくこの日本の人づくりを担う責任省庁であるわけですから、国民の期待もそして信頼も大変大きなものがあるわけであります。 そういう中にありまして、まず、私、冒頭でこの文部科学省に対して大変厳しい言葉を、質問を投げかけなければいけないと思います。御案内のように、この文部科学省の職員が続けて逮捕されたり起訴されたりということが続きました。これは本当に私も一国民としてショックでありましたし、また、多くのこの文部科学省というものに信頼を置ける国民に対しても大きなこれは失望を与えたんではないかと思います。 現在は柴山大臣がその最高責任者として任を務めていらっしゃるわけでありますけれども、まず、この文部科学省の一連の不祥事をどのような形で大臣として信頼回復をされていくか、その取組についてまず大臣のお言葉を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) これまでの江島理事の御経歴に敬意を表するとともに、是非いろいろと御指導いただきたいと思います。 今般の幹部職員の逮捕、起訴事案によって、文部科学省に対する国民の信頼が根底から損なわれる事態に立ち至ったこと、私も本当に遺憾であります。 先日公表された文部科学省幹部職員の事案等に関する調査・検証チームの中間まとめにおきましては、文部科学省について、例えば、服務規律など法令遵守の組織文化、国民の視点を重視する組織文化、風通しの良いコミュニケーションができる組織文化が必ずしも根付いていなかったのではないかという指摘がございます。 このため、先般、私を本部長として有識者を含むメンバーで構成される文部科学省創生実行本部を設置をいたしました。また、既に省内公募により若手を中心に構成される文部科学省未来検討タスクフォースにおいて議論が現に行われております。 今後、本創生実行本部におきまして、中間まとめで指摘された事項も踏まえつつ、若手職員の意見もしっかりと聞きながら、私自身が先頭に立って文部科学省一丸となって再発防止策の検討を行い、新生文部科学省の創生に向けて取り組んでいく強い決意で臨んでまいります。
○江島潔君 是非、柴山大臣の強力なリーダーシップの下、一日も早い文部科学省の信頼回復に向けて全力を挙げてお取組をいただきたいと改めてお願いを申し上げます。 それでは、文部科学省の科学の部門について、まず少し質問させていただければと思います。 元々私は化学を専攻していた技術屋だったもので、やはり科学立国こそ日本のこれからの生きる道だという信念を持って様々な施策にも取り組んできたところでありますけれども、科学技術の分野でいうと、何といってもその栄誉の頂点にあるのはノーベル賞ではないかと思います。日本は近年このノーベル賞を受賞する科学者が続出をしていると、これは本当に私は日本を元気付けるうれしいニュースであります。今年度も、本庶佑京大特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞されたわけであります。 ちなみに、本庶先生は山口県の宇部高校というところまでずっと小中高と山口県民でありまして、山口県としては大変にうれしい、誇りを持っているところであります。京大の先生なので、どうしても京都大学の最終学歴しかクローズアップされていないんですが、本庶先生は山口県民にとっても大変な誇りでございます。 ところが、本庶先生のこの受賞の様々な御挨拶、その後の御講演等を拝聴しておりますと、むしろ私、本庶先生からのメッセージで一番国民に響いているのは、我が国の研究力が落ちているんだと。それは、様々な開発費とかあるいは国のバックアップ体制というものが欧米に比べてあるいは中国に比べても相当低下しているという、そういう日本の将来に対する危険信号を発していらっしゃるんじゃないかなという気がしてなりません。それは、私も本当にそのような指摘を受けて考えてみますと、今までもノーベル賞を受賞された各先生方がそのような同様なメッセージをやはり発していらっしゃったような気がしております。 そこで、大臣にまずお尋ねを申し上げたいのは、例えば科研費等の基礎研究支援策を今よりもっと充実していく、その充実というのは、前年対比一%伸びましたとか二%伸びましたとか、そんなそういうせせこましい話じゃなくて、本当に、今ぐいぐいとそういうものを伸ばしている中国とかあるいは欧米諸国と比較した上で、それに負けないぐらいの増額、支援体制というものをしっかり取っていけるかどうかと、この辺に私は懸かっているのではないかと思いますので、まず、我が国の研究力向上に向けた取組、この辺に関する大臣のお考え、そしてお気持ち、御決意を聞かせていただければと思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) 私は埼玉県民でありますけれども、今般、本庶佑先生がノーベル生理学・医学賞を受賞されたことは、一国民として我が国の高い研究水準と基礎科学力を改めて世界に示すものとして大変誇らしく、また喜ばしく思っております。 他方で、今理事御指摘のとおり、近年我が国は論文の質、量双方の観点での国際的な地位の低下ですとか、国際共著論文数の伸び悩み、こういったところに見られるように、諸外国に比べて研究力が相対的に低下傾向にあるということは否めないと思います。その原因としては、若手研究者の雇用の不安定化、またキャリアパスの不透明さによる若手研究者を取り巻く環境の悪化、また国際的な研究ネットワークの構築の遅れ、新たな研究分野への挑戦の不足、こういったことが挙げられると認識をしております。 文部科学省といたしましては、将来の優秀な研究者を確保するために、若手研究者の研究環境の改善が重要であるというふうな観点から、まずは今お話のあった科研費における若手研究者を中心としたリソースの重点投下、制度改革、もちろんトータルとしての上積みということが極めて重要ですけれども、そういった改革。そして、若手研究者が海外で研さんを積み、挑戦する機会の抜本的な拡充、新興・融合領域の開拓に資する取組の強化及びこれらを支える共同利用、共同研究体制の強化などに関して総合的に取り組む研究力向上加速プランを実施をして、研究力の向上に向けた取組をしっかりと後押しをしていきたいと考えております。
○江島潔君 それでは、次の質問に移らさせていただきます。 十一月の八日の日に、今年度の南極観測船「しらせ」の出港の壮行会というものが開催をされまして、私も出席をさせていただきました。今回は第六十次ということで、随分と日本もこの南極観測に関しましては様々な知見、実績、業績を上げてきたんだなということを振り返って、感慨深いものがございます。 私は昭和三十二年生まれなんですけれども、その前年の昭和三十一年から日本は既にこの南極観測を始めていたということで、池田勇人総理がもはや戦後ではないと言ったこの頃から、もう日本は既に南極という未踏の地にこの研究開発を進めていたんだなということは、本当に、日本はやはりこの技術立国、科学技術立国ということを意識をしながらこの戦後の歩みを来たんだなということも実感をしております。 その中で、たくさん成果を上げているわけでありますけれども、特に私にとってもやはり印象深いのは、この南極のオゾンホールの発見を日本チームが南極の観測を通じて世界で最初に報告をしたという事象でありまして、これはこのオゾンホールの発見ということが、紫外線の量で大変なことになると、それがいろいろなフロン対策とかそういうものを世界を挙げて対策を取り組んでいくきっかけになったわけでありますから、決して大げさな表現でなく、日本の発見がある意味この地球の危機の一つの種類を救ったとも言えるのではないかと思います。 このオゾンホールに関しましては、世界的な取組の結果、一時期は本当にどんどん広がっていったものが今また再び縮まる傾向にあって、大体二十一世紀の中頃には一九八〇年代の広がる前のレベルにまで収まっていくだろうというような予測も立っているわけでありまして、この昭和基地における文科省チームの研究というのは、もっともっと世界に本当評価されてもいいんじゃないかなと思います。 恐らくまだまだほかにもこの南極に関する様々な知見を文科省チームが上げてこられたと思いますんですけれども、我が国のこの長い長い六十二年間にわたる南極地域の観測の意義、それからこれまでの成果、そして、併せましてこの今後の展開等も大臣からお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先日の壮行会への御出席、本当にありがとうございました。 今御指摘のあったとおり、南極地域観測は大変長い歴史を持っておりまして、我が国の戦後復興のさなか、一九五七年から一九五八年に計画された国際地球観測年への参加を機に開始をされたところであります。今日、科学の振興や科学活動による国際協調のみならず、地球規模での環境変動の解明に向けて、その意義はますます高まっていると認識をいたしております。 御質問の南極地域観測の主な研究成果といたしましては、まずは、太陽系形成期の過程の解明につながる一万七千個を超える南極隕石の大量収集、解析ですとか、今御指摘のございました生物への影響などを及ぼすオゾンホールの発見、また、約七十二万年前の地球規模の気候環境変動の解明につながる三千三十五メートルを超える氷床、氷の床ですね、氷床コアの採取など、様々なものがございます。 これらの成果は、地球環境変動の解明や地球惑星科学の発展に大きく貢献しており、国際的にも大変高く評価をされております。また、これに加えて、昭和基地と国内の学校をつないで実施される南極授業の活動により、将来を担う若者の科学への興味、関心の向上に貢献しているというふうに認識をしております。
○江島潔君 ありがとうございました。 現在は、日本も含めて二十九か国がこの南極に観測基地を整備しているというふうに聞いております。また、南極というのは、日本が調査捕鯨でミンククジラを調査、捕獲をしている場所でもあるんですが、同時に、南極条約というもので非常に資源等に関しては固く守られている地域であります。資源の点も、それから地球物理学的な研究を進める上にも、この南極というものは大変重要な研究拠点になるだろうというふうに思いますんですが、今後我が国が主導的な立場で様々な研究を進めていくためには、やはり我が国の持っている強みというものを生かしていくことがキーワードになるのではないかと思いますが、果たして我が国が他国に比べて特に優れている点というものは、大臣の視点から見るとどういうものがあるでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) まず、立地の面で、昭和基地は観測拠点が少ない東南極に位置しておりまして、その地理的優位性とともに、我が国の精度の高い観測技術により、多くの成果を上げているところであります。 我が国が他国に比べて特に優れている点といたしましては、南極の中でも、先ほど申し上げたように、観測基地が少なく広大な空白域が広がる東南極において二酸化炭素などの温室効果気体の長期連続観測を行っているということ、また南極唯一の大型大気レーダーPANSY、壮行会でもちょっと紹介をさせていただきましたが、こうしたレーダーを使用した大気の精密観測、通常の観測船では到達できない海水域における「しらせ」を使用した海洋観測などが挙げられます。 引き続き、我が国の観測拠点である昭和基地を中心として、我が国の優位性を生かすとともに、国際連携による観測も強化をしてまいります。
○江島潔君 最近は日本はロケットも打ち上げますし、様々な分野での科学技術の探求を進めていますので、長い歴史を持つ南極観測というのがいささか少しほかの研究事業に比べると国民の関心が若干薄れているかなというような気がしないでもないんですが、依然として非常に南極観測というのは重要な要素、要因を持っているなということを痛感をしております。 今大臣がちょっと言及された氷床、氷の床でもありますけれども、これも地球全体の、北極側も含めてということになりますけれども、この地球全体の氷床の九〇%が南極大陸にあるということで、今一番私たちのこの日本での生活にも密接な関係があると思わざるを得ない地球温暖化の問題がこの南極でも進んでいるやに伺っております。 この地球温暖化の問題というのは本当に人ごとではないなということを、今年のシーズンも、豪雨とかそれから度重なる台風の襲来とか、まさに私たちの人命に関わるような事象として起きているわけでありまして、魚に関して言いましても、今まで捕れなかった魚がどんどんと北上していって捕れるようになっているというような事象も起きていて、本当に災害だけではなくて多くの産業にまでこの温暖化というものは影響を及ぼしているようであります。 この南極観測における地球温暖化の気候変動の解明に向けた研究というのは、私はこれは、非常に貴重な場所を確保しているとさっき大臣がおっしゃられたこの昭和基地における大きなテーマの一つではないかと思いますんですが、この辺の温暖化に関する南極観測研究に関しては、大臣はどのように今後推し進めていかれる御予定でしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今御指摘になられたように、南極はまさしく氷の集中地域、地球の冷却装置であるというように考えております。 先ほど、通常の観測船では到達できないところに「しらせ」が行くんだよというお話をさせていただきましたけれども、それも、この地域が通常の海水域ではなくて海氷域、つまり「しらせ」は砕氷機能がありますので、それでその強みを発揮できるということであります。 こういった氷の場である南極域において、じゃ、実際どういうことが起きているかということなんですけれども、これはちょっと昨年のニュースから引用させていただくんですけれども、英国の研究チームが昨年の一月に、アメリカ・ニューヨークのマンハッタン島の百倍近い面積を持つ巨大な氷の塊が南極地域から分離をするというような、そんなニュースも流れておりました。 こういった極域における地球温暖化などの環境変動あるいはその影響、これをしっかりと定量的に把握することが重要であるというように認識をしております。引き続き、大型大気レーダー、先ほど紹介をさせていただいたPANSYによる全球の大気変動に関する総合的な観測、また氷床の深層掘削、ずっと深いところまで掘っていって南極大陸の内陸域で観測を行う、こういったことを国際連携の下、着実に推進してまいりたいと思います。また、得られた研究成果を、国内はもとより、世界気象機関、WMOや各国の関係機関に提供することを通して、全球的な課題である気候変動に対する国際的な取組に貢献をしていきたいと考えております。
○江島潔君 引き続き、この南極観測に関しましては文科省には精力的に取り組んでいただきたいと思いますけれども、この「しらせ」が十日に出港したんですけれども、その二日後の十一月の十二日には日本の調査捕鯨船団が日本を出港して、やはり同じく南極に向かっております。ですから、もちろん一緒になることはないんですけれども、海洋資源、鯨類の研究というのも、これは水産庁チームが中心になって進めているということを是非大臣、また心の片隅に留め置いておいていただければと思います。 それでは、続いて、文科省の所掌範囲でありますスポーツに関しまして一つ質問させていただきます。 もう我が国は、今は二〇二〇年の東京オリパラに向けまして、様々な競技、ジャンルにおいてレベルの向上やあるいはメダルという大きな目標に向けての取組がなされているわけであります。もう日々、ニュースにおいてもスポーツの取り上げられる時間帯が気のせいか大きくなっているんじゃないかなというような思いもあるわけでありますけれども、同時に、大変これは残念な話なんでありますが、スポーツ団体における様々な問題も大きなニュースとして取り上げられていることも事実であります。これは、スポーツ団体のこのガバナンス強化というのはやはり文科省のしっかりと努めなければいけない責務の一つだろうというふうに考えております。 今、非常に大きく一くくりにスポーツ団体の様々な問題というふうに申し上げておりますけれども、文科省としてこれら起きている大小様々な問題に関しましては、大臣はどのように考えて捉えられて、そして今後どのように対応されていくのか、その辺の御所見をお伺いできればと思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) スポーツ界において様々な不祥事事案が相次ぎ社会問題化しているという現状は、大変憂慮すべき事態であると受け止めております。 文部科学省としては、これまでスポーツ団体のガバナンス強化の観点から、スポーツ団体などが注意すべき事項などを示したガイドラインに係る委託調査や各スポーツ団体における相談窓口の設置を促進する取組などに取り組んでまいりました。 こうした取組に加えて、スポーツ庁に設置したプロジェクトチームにおいて、スポーツ団体のガバナンス強化を含むスポーツインテグリティーの確保のための具体的な方策について年内を目途に取りまとめを行う予定であります。超党派のスポーツ議連の方からも様々な形で御提言をいただくというようにも伺っております。 今後とも、関係団体と連携を図りつつ、対策の充実を図ってまいりたいと考えております。
○江島潔君 これから更にスポーツを健全な形で盛り上げていって、そして東京オリンピック、そしてそれ以降の日本のスポーツの活性化につながるためにも、引き続き、各団体のガバナンスというものは大臣の重要な責務の一つとして精力的にお取り組みいただきますことを重ねてお願いを申し上げます。 それでは、先ほどちょっと温暖化に関しても触れさせていただいたんですが、非常に今年は自然災害が多発をしております。これはもう我が国の宿命と言ってもいいのかもしれませんが、一方で、科学技術の発達によりまして、例えば台風の予測あるいは豪雨水害の事前予測というものが相当精緻にできるようになってきたということも事実であります。これは、予測をできるということは防災や減災に直結をすること、つまり失わなくてもいい人命を救うことができる、あるいは失わなくてもいい物的被害も軽減することができることにつながるわけであります。 今、台風とか豪雨とか、これも大きな被害を生じているわけでありますが、何といいましても圧倒的な破壊力を持つのがやはり地震でありまして、その意味では非常に大きな被害が予想をされているのが南海トラフ地震であります。地震予測というのは台風の進路予想等に比べてはるかに難しいであろうということは、これは容易に想像が付くわけでありますけれども、難しいからといって手をこまねいているわけにはこれはまいりません。この分野に関しまして、文科省としてのこの自然災害に対する科学的見地からのアプローチ、どのように取り組んでいらっしゃるのか、政府見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐伯浩治君) お答え申し上げます。 南海トラフ地震につきましては、政府の地震調査研究推進本部におきまして、今後三十年以内にマグニチュード八から九クラスの地震が七〇%から八〇%の確率で発生すると評価されておりまして、防災・減災の取組が極めて重要でございます。文部科学省では、南海トラフ沿いで発生する地震、津波のシミュレーションや地球深部調査船「ちきゅう」によります海底深部の地質試料の掘削、採取などの調査研究を進めているところでございます。 また、南海トラフで想定されますような海溝型地震によります被害の軽減のためには、海底地震津波観測網の整備、運用を行ってきておりまして、南海トラフ地震の想定震源域におきましても同様に必要な対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。 今後とも、関係機関と連携しつつ、海域の観測網によるデータの津波警報などへの活用など、防災・減災のための取組に貢献してまいりたいと考えておるところでございます。
○江島潔君 防災・減災対策は、これは国土交通省を始め他の省庁が全力で例えばハードの整備等ももちろんしなければいけないわけでありますけれども、その予測の根幹となる科学的な知見、これは是非精力的に更に推し進めていただきますことを重ねてお願い申し上げます。 三十年以内に大地震が起こる確率が七から八〇%というのは非常に大きいなと思うんですけれども、よく考えてみると、三十年以内ということはあしたかもしれないし、三十年後というのは次の世代ですね、かもしれないというのは、まだまだ本当の意味で危機感を持ってこの対策を講じるというところまでまだ行っていないんではないかなと思います。是非、その辺の精度を上げるということに担当の皆様は全力を挙げていただきたいと重ねてお願いを申し上げます。 それでは、続きまして、今度は人づくりに関しての質問をさせていただこうと思います。 まず、現代は日本政府が提唱するソサエティー五・〇の時代であるというふうに、これは日本政府が世界に発信をしているわけでございます。そして、あわせて、日本は世界で最も長寿国家であるということもこれまたもう承知のとおりでありまして、これだけ長寿でかつ豊かな国というのがまさに多くの国々が羨む日本であり、そして、これからもこの豊かさとそして平和をどうやって将来に維持していくかということが私たちの最大の使命ではないかなというふうに考えております。 一方で、豊かさに満ちあふれているというものは、ハングリー精神というものはだんだん欠如してくるのは、これはある意味、致し方ないのかもしれません。いろんな言われ方がしておりますけれども、確かに今の若者は、別に車が欲しいわけでもない、積極的に留学したいという人も相当昔に比べると少なくなっている等々、がつがつと何か目標を目指していこうという人が一昔前に比べると少なくなったなという気がしております。 これは平和であるということの一つの例であるというと、なかなかそれがいけないという、一概には言えないのかもしれませんが、このようなソサエティー五・〇という、日本が新しく抱えているいわゆる長寿社会とかあるいは少子化社会を技術力でもって克服していこうというこの日本の提唱をどういうふうに、こういう社会を実現をするためのその人づくりというのは文科省としてはどうしたらいいかということを、まず大臣の所見をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) ソサエティー五・〇や人生百年時代が訪れる中で、こうした変化の激しい予測困難な社会においては、他者と協働し、人間ならではの感性や創造性を発揮しつつ、自ら問いを立ててその解決を目指し、新しい価値を創造する力、こうしたものを育成することが一層重要になってくると考えます。 このため、文部科学省におきましては、主体的で対話的で深い学びの視点からの授業改善の推進などを通して新しい時代に求められる資質、能力の育成を目指す新学習指導要領の円滑な実施、高等学校教育改革、大学教育改革、大学入学者選抜改革の三者を一体的に行う高大接続改革など様々な教育改革に取り組んでいるところであります。 また、家庭の経済事情に左右されることなく、誰もが希望する質の高い教育を受けられるよう、本年六月に閣議決定された骨太方針二〇一八などに基づいて、教育の無償化、負担軽減に向けた取組も進めさせていただきます。 こうした施策の具体化を通じて、無限の可能性を持つ子供たちの可能性とチャンスを最大化できるような社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○江島潔君 ありがとうございました。 日本が提唱するこのソサエティー五・〇という社会は、いわゆるサイバー空間とフィジカル空間を融合させる、日本の技術力でもって人間が中心の社会をつくっていこう、それによって少子高齢化社会を克服した豊かな日本を引き続き構築していこうというものでありますから、これは日本だけの問題ではなくて、いずれ高齢化社会を迎える世界中の国々に適用できるものだと思います。 そういう日本をまず確実に本当に日本がつくっていくための人材育成づくり、改めて柴山大臣にお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○新妻秀規君 それでは、冒頭、先ほど江島先生からも指摘がありましたが、重ねて要望させていただきたいと思います。 文部科学省の幹部職員の相次ぐ逮捕、また障害者雇用の水増し、こうした国民の信頼を損なうような事態が相次いでおります。是非とも柴山大臣の指導の下、改めて国民の信頼を取り戻していただけますよう、取組を強化していただけますようお願いを申し上げます。 それでは、質問に入ります。 まず、体育館や理科室などの特別教室へのエアコンの設置について、これは大臣に伺います。 この学校のエアコンにつきましては、十一月の五日、参議院の予算委員会におきまして、我が党の西田実仁委員より文科大臣に要望いたしました。その内容は、先行して小中学校の普通教室にエアコンを設置をした自治体が体育館又は調理室などの特別教室にエアコン設置を要望している場合、仮に今回の特例交付金では手当てをされなかった場合に通常の交付金の採択に当たって何らかの配慮を、こういう要望でした。柴山大臣からは、是非とも検討させていただきたいという御答弁がありました。その後の検討状況はいかがでしょうか。また、この際、西田委員から、特別教室のみならず体育館もという要望が追加で出されましたが、これについてはどうでしょうか。併せて答弁をお願いいたします。
○国務大臣(柴山昌彦君) まず、公立小中学校等は児童生徒の学習の場でありまして、その学習環境の安全性を確保することは極めて重要であります。 今般の補正予算においては、児童生徒の日々の学習に際して、熱中症を予防し、安全を確保する観点からエアコン設置に取り組むとしているために、まずは児童生徒が最も長時間を過ごす普通教室への設置が最優先と考えております。 そして、検討状況なんですけれども、普通教室へのエアコン設置については緊急的に対応する必要がございますので、文部科学省から各自治体に対して早期の事業実施に向けた準備を依頼をさせていただいたところでございます。 そして、後段の普通教室以外への空調設置なんですけれども、こういった補正予算の執行状況も勘案しつつ、各自治体からの要望も踏まえながら、今後状況を見極めて対応していきたいと考えております。
○新妻秀規君 是非前向きに対応をお願いをしたいと思います。 次に、ブロック塀対策について、これは国交省に伺います。 十一月一日、衆議院予算委員会におきまして我が党の石田祝稔委員と石井国交大臣の質疑の中で、石井大臣からこのような答弁がありました。通学路を含みまして避難路の沿道のブロック塀等について、建築物と同様に耐震診断を義務付けることができるよう、耐震改修促進法の改正に向けてパブリックコメントを行う、こういう答弁でした。 ここで、耐震診断や撤去の自治体の裏負担につきまして、財政力の厳しい自治体について是非配慮をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。また、塀の安全点検や耐震診断を行うに当たって、小規模の自治体では十分な取組ができないことも考えられますが、国交省ではどのような支援を考えていますでしょうか。答弁をお願いします。
○政府参考人(小林靖君) お答えをします。 国土交通省におきましては、ブロック塀などの耐震診断や撤去などを行う場合の費用に対する支援について、平成三十一年度予算概算要求に盛り込むとともに、地方公共団体の財政力指数に応じた地方財政措置を要望をしております。 また、安全点検につきましては、塀の所有者に向けたチェックポイントについて、地方公共団体に対し、所有者などに向けた注意喚起の依頼、支援措置の周知を行うとともに、国土交通省から建築士関係団体などに対して、所有者などによる点検への協力依頼を行っております。 さらに、通学路を含む避難路沿道のブロック塀などに対し建築物と同様に耐震診断を義務付けることができるよう、耐震改修促進法の政令などの改正に向けてパブリックコメントを行ったところです。この耐震診断は建築士などの一定の知識を有する方が行うこととなっており、講習会などにより技術的な情報提供を行ってまいる予定でございます。 今後とも、小規模な地方公共団体におきましてもブロック塀などの安全点検や耐震診断が進むよう、関係省庁、関係業界や地方公共団体と連携して対応してまいります。 以上でございます。
○新妻秀規君 今の御答弁にありますように、本当にきめ細やかな対応をお願いをしたいと思います。 なお、ここで、文科省に対して、答弁を求めるものではありませんが、要望したいと思います。 ブロック塀の補修、改修に係る費用の下限額について、一校単位ではなくて、まず市町村ごとに下限額四百万円をクリアすればよいというふうに条件を緩和していただいたことにこれは感謝をしたいと思います。しかし、小規模な特に町とか村でありますと、町、村で小中学校が一校しかないとかそういうことがあります。市町村単位で四百万円という下限ですら高過ぎるという声も出てきている、そういうふうに伺っております。こうした場合の対応、例えば郡単位への緩和などを是非とも御検討いただきたいと思います。 次に行きたいと思います。高等教育費の負担軽減策、特に多子世帯、お子さんが多い世帯、また中間所得層への配慮について、これは大臣に伺いたいと思います。 十月三十日、衆議院本会議での代表質問におきまして我が党の斉藤幹事長は、国民が求める教育負担の軽減を確実に実現するとともに、少子化克服のためにも多子世帯への支援を拡充すべきと考えます、特に、高等教育への支援についても、負担が大きい多子世帯などに配慮した制度設計にすることや、中間所得世帯にも必要な支援を講ずるよう検討すべきですと訴えました。総理の答弁は、中間所得層にはこれまで無利子奨学金の拡充を図ってきたが、更に大学へのアクセスの機会均等について検討を継続するという答弁でした。 文部科学省の調査によりますと、大学の進学率は全体では五〇%を超えていますけれども、今回の政府案では支援対象に含まれていない年収四百五十万から六百万の世帯の進学率は四二%、八%も低いわけなんです。また、国の奨学金事業を担う日本学生支援機構の二〇一六年度の調査によりますと、大学生のほぼ二人に一人は奨学金を利用していますけれども、その七割余りは年収四百万以上の家庭の出身であります。で、今回の支援対象には含まれていないと。子供の人数など個々の家庭の事情を度外視した仕組みが公平かといった意見もあるという状況です。こうした状況から、総理が答弁されました大学アクセスの機会均等の検討というのは急務と考えられます。 高等教育における多子世帯、中間所得層への支援充実への検討をどのように具体的に進めていくのか、これ大臣、御答弁お願いします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 新たな高等教育費の負担軽減策については、低所得世帯層の進学を支援し、所得の増加を図り格差の固定化を解消することが少子化対策になるという観点から、支援対象を低所得世帯に限定することといたしておりますけれども、まず、その決定に関しては、子供の数を踏まえて算定される課税所得で行うということとさせていただきます。 また、中間所得層に対しては、これまで無利子奨学金の充実を図ってきたところでありますけれども、先ほど総理の御答弁を紹介していただきましたように、新たな支援措置、大学改革、教育の質の向上と併せてこの中間所得層における大学等へのアクセスの機会均等について検討を継続をすることとさせていただいておりまして、具体的には、文部科学省内に設置した浮島副大臣をトップとする文部科学省高等教育負担軽減検討チームを中心として、現在の中間所得層の状況について丁寧に分析し検討を深めてまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 今の大臣の御答弁にありましたこの浮島副大臣をトップとする検討チームの作業の推進に是非とも期待をさせていただきたいと思います。 次に、学校図書館について伺いたいと思います。まず、学校図書館の位置付けについて伺います。 文部科学省は、先月の十六日付けで組織の改編、組織編成の変更を施行しまして、新たに総合教育政策局を設置いたしました。これに伴って、学校図書館に関する業務は初等中等教育局の児童生徒課から総合教育政策局の地域学習推進課の所管となりまして、一方、司書教諭と学校司書等の育成に関する業務は総合教育政策局教育人材政策課の所管に移りました。学校図書館法の第二条には、学校図書館とは、学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な教養を育成することを目的として設けられる学校の設備をいうとあります。 ここで、所管が初等中等教育局から総合教育政策局に移管されても、学校図書館はあくまで初等中等教育の教育課程の展開に寄与する役割を持つ設備であり続け、また学校図書館の位置付けは変わらないと考えますが、その理解でよろしいでしょうか。また、事務が初中局から切り離されてしまうことにより、施策や予算も形上切り離されてしまうことになりますが、具体的にどのようにして教育課程の展開への寄与を確保していくか、これは中村政務官、よろしくお願いします。
○大臣政務官(中村裕之君) お答え申し上げます。 新妻委員御指摘のとおり、この度の組織再編によりまして、学校図書館については総合教育政策局において所管することとなりました。学校図書館は学校図書館法に基づく学校教育において欠くことのできない基礎的な設備でありまして、その位置付けはいささかも変わることはございません。 御指摘の教育課程の展開への寄与については、新学習指導要領においても、学校図書館を計画的に利用しその機能の活用を図り、児童生徒の主体的、対話的で深い学びの実現に向けた授業改善に生かすとされているところでありまして、初等中等教育局とも連携しながら、学校図書館の一層の効果的な活用促進に努めてまいります。 さらに、新学習指導要領において、地域の図書館や博物館等の活用を積極的に図り、学習活動を充実する旨示されていることも踏まえまして、学校図書館と地域の図書館、これ双方、総合教育政策局の所管というふうになりますので、これらの連携の強化に努めてまいる所存でございます。
○新妻秀規君 今、中村政務官の答弁にありましたとおり、新しい所管になってのメリットも生かしつつ、やはり初中局との連携をしっかり強化をして、この第二条の精神が生かされるような取組の推進をお願いをしたいと思います。 次に、これは大臣に伺います。学校図書館の現状に関する調査の充実を求めたいと思います。 この学校図書館につきましては、行政の参考にするために、学校図書館の現状に関する調査が平成二十年度以降、二年に一回、隔年、学校図書館の司書教諭等の配置状況や図書の整備状況、また読書活動の状況等について報告がされているところです。 文科省は、教育委員会の負担軽減を目的にこの調査を五年に一度に減らすとの方針と聞いていますが、是非とも隔年調査の継続を検討してほしいと考えますが、いかがでしょうか。 また、この調査では、複数校の兼務や巡回勤務、またあるいは一校に週一日四、五時間しか勤務していない場合も配置にカウントされていたり、又は、いろいろ指摘がされております外部委託による学校司書配置の実態調査が行われていなかったり、そんな課題も指摘をされているところです。正しい実態が分からなければ行政の参考にはならないと思います。 ここで資料一を御覧ください。 これは、学校図書館を考える全国連絡会による独自の調査の結果です。この調査に示すとおり、例えばこの調査では、自治体ごとに職名であったり身分であったり、配置の形態、一校専任なのか兼任なのか、また配置校の学校数、配置人数、配置開始の年、また勤務時間、措置時間ですね、一校当たりどんなふうになっているのか、こうした詳細なデータが示されています。 このような調査を参考に、是非とも学校図書館の現状に関する調査を充実させるべきと考えますが、いかがでしょう。これは大臣、お願いします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 文部科学省では、学校図書館に関する行政上の参考とするため、今御紹介をいただいた学校図書館の現状に関する調査を実施しておりまして、平成二十八年度の調査までは隔年ごとに調査を行ってまいりました。ただ、今後の調査につきましては、学校現場の負担軽減を図るため、おおむね五年に一度程度とすることで検討を行っております。 ただ、これ悉皆調査でもありますし、また、調査内容につきましても、学校図書館における司書教諭や学校司書の配置といった人的整備の状況、蔵書や新聞の配備といった物的整備の状況、読書活動の状況など、学校図書館全体の状況を網羅的に把握するために様々な項目について調査を行っているところでもございます。 ということで、議員の御指摘については、学校現場の負担、またこれまでの調査内容との継続性等も考慮しながら、引き続き必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 大臣、今御答弁にありましたとおり、是非とも前向きな検討をお願いをしたいと思います。 続いて、幼児教育の無償化について、これは内閣府に伺いたいと思います。 十月三十一日、参議院の本会議の質疑におきまして我が党の山口代表より、来年十月の幼児教育の無償化実施に向けて地方自治体と連携し準備を加速化していただきたいと要望したのに対し、総理からは、地方自治体との協議の場を設け、意見を丁寧に伺いながら準備を加速化するとの答弁がありました。一方で、自治体からは、準備期間が短いんじゃないかとか詳細な制度設計を早く示してほしいなどの声が上がっているところです。 ここで、文科省、また厚労省、内閣府子育て担当、三者連携して、地方自治体の声をしっかり聞きながらも迅速に詳細な制度設計を示すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(川又竹男君) お答えいたします。 幼児教育の無償化に関する事務につきましては、内閣府、文部科学省、厚生労働省の三府省が連携し、国と地方自治体とで実務の検討に関する議論を行う機会を設けるなど、地方自治体の方々からの様々な意見をしっかり伺いながら、一緒に共同して事務フローを作成するなど準備を進めてきております。この場での議論などを踏まえまして、幼児教育の無償化に関する概要を住民や事業者の方に分かりやすく説明するための資料を作成し、既に全市町村に送付をしたところでございまして、また三府省のホームページにおいても公開し、広く活用していただくこととしております。 来年十月の無償化の実施が円滑に進むよう、引き続き検討を急ぐとともに、順次地方自治体の皆様方へ必要な情報をお伝えしてまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 今の御答弁に順次必要な情報を公開していきますというふうにあったとおり、本当は情報を求めていると思うんですね。なので、本当、もう小まめでもいいので、しっかりとした情報提供を引き続きお願いをしたいと思います。 次に、麻薬取締官の危険業務の従事者の叙勲について、これは内閣府に伺いたいと思います。 私、かつて公明党の青年委員会の一員であったときに、危険ドラッグを含む薬物対策に取り組みました。これは内閣府、また厚労省、文科省、警察などの関係府省の連携が必要な取組であり、最前線の麻薬取締官の役割は大変大きいと感じてきました。 ここで、麻薬取締官は危険業務従事者の叙勲の対象になるのでしょうか。対象となっていない場合、今後の見通しはいかがでしょうか。これは内閣府、よろしくお願いします。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。 委員御指摘の危険業務従事者叙勲、これは危険性が著しく高い業務に従事し、功績のあった方々を対象としてございまして、例えば自衛官あるいは警察官といった官職に就かれていた方々につきまして、関係省庁から推薦をいただき、その都度、受章者を決定しているものでございます。 そして、お尋ねの麻薬取締官でございますが、こちらはこれまで実は推薦がなされてきておらず、現在のところは対象とはなってございません。 したがいまして、まず麻薬取締官を抱えておられます厚生労働省におきまして御検討いただき、その上で私どもの方に御相談をいただければ、これは内閣府といたしまして、しっかりとお話をお聞きいたしまして必要な対応を検討してまいりたい、このように考えております。
○新妻秀規君 分かりました。ありがとうございます。 次に、グローバル教育の推進について伺いたいと思います。 我が党から、この夏、提言をさせていただきました。その内容は、在外教育施設への支援。例えば、派遣国数の増加であったり派遣教員の増員、また教職員の研修機会の拡充、特別支援教育やメンタルヘルス等に対応する体制整備、こうしたことを抜本的に拡充してください、こういう要望でした。 ここで、海外で学ぶ子女は増加の一途でありますけれども、最近の海外子女教育の現状について、予算や派遣国数、派遣教員数はどのようになっているのでしょうか。また、特別支援教育についての取組はいかがでしょうか。答弁をお願いします。
○大臣政務官(中村裕之君) お答え申し上げます。 社会経済のグローバル化の進展に伴いまして、多くの企業等が海外に進出をして、海外の日本人学校等で学ぶ子供も増加をしております。 文部科学省では、海外に居住する義務教育段階の児童生徒について国内と同等の教育を享受できるよう諸般の施策を進めておりまして、平成三十年度においては、海外五十五か国一地域にある日本人学校及び補助授業校へ千二百七十四名の教師の派遣を行っているほか、義務教育教科書の無償給与や教材整備事業補助等で百八十三億円の支援を行っているところであります。 また、日本人学校において、委員の御懸念にありますように、特別な支援が必要な児童生徒数が増加傾向にあることを踏まえまして、特別支援学級を設置する学校に特別支援学校教諭免許状を保有する教師の派遣を行う、また特別支援教育の専門家による巡回指導を行うなど、引き続き特別支援教育の取組について推進してまいります。 今後とも、海外に居住する日本人の子供たちのための教育環境の充実に努めてまいる所存でございます。
○新妻秀規君 前向きな答弁、ありがとうございます。是非とも更なる推進をお願いをしたいと思います。 ここで、グローバル教育の推進について、答弁求めるものではありませんが、要望したいと思います。幼児教育についてです。 海外の幼児教育は高額、お金が高いとの指摘があります。国内では幼児教育の無償化が明年から三歳から五歳児について実施予定というところでありますが、高校の就学支援金の議論の際に、文部科学大臣の認定を受けている在外教育施設の高等部の生徒に対しては実質国内と同じ扱いで、就学支援金とは別の授業料の支援が行われるようになりました。幼児教育につきましても、是非とも同様の検討をお願いをできればというふうに思います。 それでは次に、南海トラフ巨大地震観測網の整備について伺いたいと思います。 これは先ほど江島先生からも御指摘がありましたが、大変重要な点ですので私からも質問をしたいと思います。 東日本大震災の教訓の一つが、地震とか津波速報の予測の精度です。この教訓を生かし、南海トラフ巨大地震がいつ起こるか分からない今日、より震源域に近い海の底、海底に地震計と水圧計を設置する観測網の整備が順次進んできました。 これまで東北の太平洋沖から紀伊半島の西部までの海底観測網が整備されてきましたが、四国の南部から九州東部沖までが観測網の空白域となっています。来年度の予算概算要求で事業費の予算計上がされておりますけれども、国民の命を守る大切な観測網なので、予算確保を強く求めたいと思います。これはいかがでしょうか。 観測網の整備に当たっては、住民の命が実際に守られるように、情報伝達の在り方などについて沿岸自治体、気象庁、内閣府防災担当始め関係機関との調整を丁寧にお願いをしたいと思いますが、この点についても御答弁をお願いします。
○副大臣(永岡桂子君) 新妻委員おっしゃいますように、南海トラフ地震を始めといたします海溝型地震による被害の軽減のためには、海域におけます地震、それから津波の観測網、これは大変重要であると考えております。このため、文部科学省では、これまで海底地震津波観測網の整備、運用を実施しておりまして、南海トラフ地震の想定震源域にも同様に必要な対策を講じてまいります。 また、海域の観測網によりますデータにつきましては、これまでもリアルタイムで気象庁の津波警報等や地方自治体における津波の即時予測に活用をいただいております。 また、南海トラフ地震への対応につきましても、これまでと同様に気象庁それから地方自治体等と協力するとともに、内閣府とも連携をしまして、より一層防災・減災対策に貢献できるよう、先生おっしゃいますように、今後とも努力をしてまいります。
○新妻秀規君 副大臣から今答弁がありましたように、その実現のためには是非ともこの予算の確保をお願いをしたいと思います。 次に、若手研究者の育成、この点、江島先生からも指摘がありましたけれども、私は博士課程進学者の減少対策について、これは大臣に伺いたいと思います。 資料二を御覧ください。 これ、大学の教員さんの年齢構成なんです。上のグラフでは、この四十歳未満が水色のところなんですけれども、ちょっと漸減傾向かなと。下のグラフ、ただ、この割合でいうと、トータルが上がっているので割合は減っちゃっているんですね、それが下のグラフなんです。青い折れ線が四十歳未満の折れ線なんですけれども、昭和六十一年三九・三パーだったのが、平成二十八年二三・五パーまで激減をしているというところです。 これ、今や日本全体として若手減っているじゃないかという御指摘があると思うんですけれども、我が国の人口の年齢階層別の比率では、該当する二十五から三十九までの年齢構成は三九・六パーから二九・二パーなんで、やっぱりこの日本全体よりも更に激しく落ち込んでいるわけなんです。 何でこの大学教員がこんなに若手が少なくなっちゃったのかという原因の一つが、博士課程に進む人が少なくなったからなんです。 ここで資料三を御覧ください。 この資料三が年ごとに博士課程に進む人がどんなふうに推移しているのかというグラフなんですけれども、一番下の水色のところが修士課程が終わった後に博士課程に進む人のところなんです。もう平成十五年度からこの平成二十九年度までほぼ半減、まあ四〇パー減なんですけれども、こういう状況です。 これ、何でこうなっているかという、博士へ進学することを検討する際に重要な条件として、これ科学技術白書の二〇一八年度版に調査が載っかっているんですけれども、まず第一が博士課程在籍者に対する経済的支援が拡充すること、これが第一なんですね。二番目が民間企業などにおける博士課程修了者の雇用が増加する、これが二番手なんで、それより多いわけなんですね。なので、キャリアパスへの不安とともに在学中の経済的な不安が博士課程離れの大きな要因となっているということがこれで分かると思います。 ここで資料四を御覧ください。 この円グラフなんですけれども、これ、博士課程の学生一人当たりの支給額なんですけれども、支給なしという人が圧倒的に多くて半分以上、その次、六十万円未満と続いていきまして、生活費相当額受給者というところ、赤枠で囲ってありますけれども、百八十万円以上、これが僅か一〇・四%なんですよ。科学技術基本計画では、博士課程在籍者の二割程度が生活費相当額程度を受給できることを目指すという目標が掲げられているので、目標値二割の半分なんです。 ここで、これ以上の博士課程離れを防ぐために経済的支援の拡充を急ぐべきと考えますが、どのように大臣、取り組まれていきますでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今、新妻議員からお示しをいただいたとおり、第五期科学技術基本計画において、博士課程在籍者の二割程度、生活費相当額程度を受給できることを目指すという第三期及び第四期基本計画が掲げた目標についての早期達成に努めるというふうにされているにもかかわらず、平成二十七年度時点では博士後期課程在学者全体の約一割しか生活費相当程度の経済的支援を受けられていないという調査結果が出ていることは私どもも承知をしております。 文部科学省といたしましては、科学技術基本計画も踏まえつつ、日本学術振興会の特別研究員事業や、また日本学生支援機構の奨学金の返還免除、授業料減免など、優秀な人材が経済的支援を受けられるよう、所要の予算要求を引き続き行っているところであります。 また、現在、中央教育審議会において、志願者等が経済的な見通しを持って進学の可否を判断できるよう、学費や経済的支援について入学前から大学が必要な情報提供を行うことを努力義務とすること、また、経済的支援の対象者の決定について早期化することについて議論がなされているところであります。様々な、授業料の返還免除などが決定する前に就職先が決まってしまうという実態があるものですから、なるべく早期化してこういったプランをしっかりとお示しをするということが重要かというように考えております。 さらに、企業などからの寄附金、また大学独自の財源等を活用した奨学金の充実など、国費だけに頼らない経済的支援の充実も進めていく必要があるということが議論をされております。 文部科学省としましては、中央教育審議会の議論の結果も踏まえつつ、情報提供の努力義務化など必要な省令改正を行うとともに、学生の進路を確保し、社会のニーズに一層対応していくための大学院教育の体質改善を早急に進めていくことによって優秀な人材の博士課程への進学を促していきたいと考えております。
○新妻秀規君 今の大臣がおっしゃった、まずは国費の予算の拡充、また情報提供のできるだけの早期化、そして国費以外の予算の確保、こうした取組を是非とも強力に推進をしていただきたいと思います。これは科学技術立国の礎となっていくので、是非とも取組をよろしくお願いしたいと思います。 次に、国立大学の老朽化対策について、これも大臣に伺いたいと思います。 資料の五を御覧ください。 これが国立大学協会からいただいた資料なんですけれども、この資料五の右側にあるように、国立大学の施設がもうこんなふうになっちゃっているわけですね。屋根がおっこちたり外壁が落下しちゃう、配管が腐食しちゃう、もうとんでもないことになっているんですよ。というのも、この左側の棒グラフ、御覧ください。この独法化以降で予算がどんどん減少して、約半分割り込んでいますよね。こんな状況です。 この国立大学、我が国の科学技術、学術研究の中心です、拠点です。昭和四十年代から五十年代にかけて整備された施設の更新期が到来しています。安全面、機能面、経営面で大きな課題が今見たようにあるにもかかわらず予算が減少していると。しかも、先ほど江島先生から指摘があったとおり、南海トラフ巨大地震、いつ起こるか分からない。豪雨もありますし、そうした首都直下も起こるかもしれない。こうした今日、こんな状況をほったらかしにしていいわけがないわけですよね。 施設整備の予算の拡充を強く求めますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 国立大学法人の施設は、将来を担う人材の育成の場であるとともに、地方創生やイノベーション創出の重要な基盤であります。今お話があったとおり、これらの施設は昭和四十年代から五十年代に整備が行われてきたものが多くて、これまで耐震対策を最優先で整備をしてきたところでありまして、老朽化が進行する中で、それに限らず一般的な改善整備が重要になってきていると思います。 このため、文部科学省では、国立大学法人の老朽施設の改善整備を中心とした安全、安心な教育研究環境の整備や、付加価値の高い投資としての機能強化ですね、これも併せて、やっぱり更新する以上、リニューアルしていく必要があると思うんですけれども、そういったことを、計画的かつ重点的な施設整備を推進をしていきたいと考えております。 今後とも、安全で質の高い教育研究環境の確保に向けて、国立大学法人の施設整備の促進に取り組んでまいります。
○新妻秀規君 大臣、前向きな答弁ありがとうございます。是非とも強力な推進をお願いします。 以上で終わります。
○神本美恵子君 おはようございます。立憲民主党の神本美恵子でございます。 柴山大臣の所信的挨拶に対する質問ということで、大臣とは初めて、皆さんもそうだと思いますが、質問をさせていただきます。 所信的挨拶の最初に、先ほどからおっしゃっていますように、この間の文科省の職員の不祥事に対する信頼回復ということを繰り返しおっしゃっておりますが、この所信の挨拶の中にはなかったんですけれども、東京医科大学の不祥事から発覚した女性に対する減点、年齢、多浪生に対する減点というような、許し難いこれは差別だと思うんですけれども、そのことについては今まだ調査中ということで恐らく触れられていないのかなと思いますが、質問の最後の方で時間があればそれについてもお尋ねしたいと思っていますけれども。 私は、この所信的挨拶の「終わりに」というところで「本年は、明治元年から満百五十年に当たる節目の年です。」というふうに唐突に出てきたと私は聞こえたんですね。柴山大臣はどういう教育に対する姿勢を持っていらっしゃるのかということでお伺いしたいんですけれども、これは単なる今年は節目、ちょうど百五十年ですよというぐらいの意味なのか、それとも、何か明治百五十年ということに思い入れあるいは意味があるのか、まずお伺いしたいと思います。いかがですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 就任の挨拶をさせていただいた際、今年は明治元年から百五十年となり、明治以降の我が国の歩みを振り返り、これからの未来を切り開く契機の年となる節目の年だということから、このような年に就任した文部科学大臣として、その節目を、さらに、節目をまたがる来るべき新しい時代をつくっていくため、文部科学行政全般の諸課題の解決に着実に取り組むという決意を表明をさせていただきました。 なお、明治時代ということで申しますと、日本よりも技術に先んじる列強がアジアに押し寄せてきた中で、国力に後れを取っていた我が国が西洋よりも極めて短い期間で近代化を成し遂げた時代ということも念頭に置かせていただいております。 今日、我が国は急速な少子高齢化が進行し、急激に変化を遂げる国際社会の荒波の中にあるまさに国難とも言える時代にありまして、明治の人々の奮闘に思いをはせながら、この難局に真正面から立ち向かって乗り越えていかなければならないという決意を持って、人づくり革命、生産性革命において中核を担う教育再生、科学技術イノベーション、スポーツ、文化の振興に取り組んでまいりたいと考えております。
○神本美恵子君 よく分かりました。 これからを切り開くために、明治から近代化を進めてきたその日本の歴史を受けて考えていくという考え方ですよね。 私はそれを全否定はしませんけれども、もう一方で、その近代化を成し遂げると同時に、日清、日露、第一次大戦、第二次大戦、その間に韓国、朝鮮半島の併合、それから中国への侵略、アジアへの侵略というような、その歴史も明らかに明治以降あるわけですよね。だから、この明治から百五十年というのは、そのことも合わせた歴史として持った上で教育が果たしてきた役割を見なければいけないというふうに私は思いますので、柴山大臣、ちょっとここで聞く時間ありませんので。 大臣の就任会見と、それからその後の大臣記者会見、繰り返し行われている中で、教育勅語についても記者からお尋ねがあって、それに答えていらっしゃいます。 その中でおっしゃっていることなんですけれども、教育勅語を復活させようとしているわけではないと、しかし現在に通用する内容もある、例えば同胞を大切にするとか規律正しさとかお互い尊重する気持ちなど、尊敬を世界中から集めている部分も見て取れるというふうにおっしゃっております。もちろん、戦争に駆り立てたという部分もあるかもしれないというふうにおっしゃっておりますけれども、これ、戦争に駆り立てたのは教育勅語の果たして部分なのかという捉え方についてなんですけれども、その辺はどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 教育勅語につきましては、もう申し上げるまでもなく、日本国憲法及び教育基本法の制定をもって法制上の効力は喪失をしております。国会でも排除する決議を行っております。 私の発言の趣旨につきましては、あくまで、教育勅語そのものとは離れて、今御紹介をいただいた友人を大切にするなどの教えは現在の教育においても通用する内容もあるという認識を示したものでありまして、政府として道徳等も含めて教育現場で活用するための何らかの検討を行うということを念頭に置いたものでは全くございません。 ということで、その滅私奉公を通じて戦争に駆り立てた部分があるということも記者会見等の場で私は申し上げているところでございまして、議員が最初、明治百五十年について、光の部分もあれば影の部分もあったということは全くおっしゃるとおりでありまして、こういった戦前からの教育についても、今紹介をさせていただいた負の面とともに、世界に類例をほとんど見ないような形で、例えば様々な災害の場においても規律正しくみんなが公共を尊重してしっかりと行動すると、これは諸外国からも感嘆を持って見られているわけですし、先日訪日されたマハティール首相からもそういった日本の教育を是非外国にしっかりと導入していきたいということも言われているところでもございますので、そういうことも踏まえて私はそのような発言をさせていただいたということを付言させていただきたいと思います。 なお、一部個人や団体が先ほど申し上げたような現在に通用する理念を生かしたいという動きについては、当然のことながら、教育基本法の趣旨を踏まえながら、学習指導要領に沿って学校現場の判断で行っていただかなくてはいけないというように考えております。
○神本美恵子君 何か十分理解していただいていないようなんですけれども、教育勅語をここでなぜ持ち出すのかと。それは記者から聞かれたからだと思うんですよね。で、記者から聞かれたときに、いや、教育勅語は戦前にこういう役割を果たしてきたので、戦後新しい憲法ができてから、この教育勅語は失効決議を国会両院でやったんですよね。その失効決議の趣旨説明、提案理由を是非読んでいただきたいと思います。 このことの中の部分的に親孝行しましょうとか夫婦仲よくしましょう、兄弟仲よくしましょうと、そのことは取り出して、今でもマハティール首相にも褒められたというような流れでおっしゃいましたけれども、そうではなくて、教育勅語そのものが言っていることは、国家主権、天皇という、天皇を頂点とする一つの家族として考えたときに、親孝行しましょう、そのことが天皇に対する忠誠につながるんだというような流れの中で、教育勅語が教育の根幹として、明治以降、この教育勅語が発布されてから使われてきたんですよ。 それはいけないと、国民主権になった戦後は新しい憲法の下で新しい教育をするんだといって教育基本法も作られて、個人の尊厳、両性の平等はもちろんです、そういうことを含めた教育が出てきたわけですから、戦前、そこで使われた、そこの部分的にアレンジして使っていいとか、そういう姿勢は是非改めていただきたい、撤回していただきたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今御指摘になられたように、戦前の教育については、明治以降、日本を近代化するという役割を果たしつつも、戦争を遂行するために国家というものを余りに重視し過ぎて個人の権利その他が抑圧されたとの反省に立って改正前の教育基本法も制定されたというふうに理解をしております。 教育基本法においては、それまでの教育への反省に立って、憲法の精神にのっとり、文化的で平和的な国家の建設に向け、人格の完成を教育の目的として位置付け、個人の尊厳あるいは価値というものを重んじるということなどが定められたところでもあります。 他方、戦後の教育については、例えば昭和六十二年の臨時教育審議会の答申において、権利と責任の均衡が見失われたりした面も現れたなどの指摘がなされており、道徳心や自立心、公共の精神などを教育においてより一層重視すべきだというような今日的課題があるというように承知をしております。私もそのことは就任直後の記者会見で紹介をさせていただいております。 このため、第一次安倍内閣においては約六十年ぶりに教育基本法を改正し、教育の目標として、個人の価値を尊重してその能力を伸ばすことを規定するとともに、これと並ぶ形で、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を育成することなどを規定しており、文部科学省としては、こうした教育の目標に基づいてこれまで各般の教育再生に取り組んできたという実態がございます。 そこで、そういった規律等の側面に注目をした形で、個人や団体の中では、先ほど申し上げたような形で、戦前の教育勅語とは離れた形でこれをアレンジして教える動きがあるということを聞いておりましたので、それについては理解を示させていただいたということでございます。
○神本美恵子君 大臣、おっしゃっていることにとても矛盾があります。 先ほどマハティール首相とかに褒められたという、規律正しいとかお互いを尊重するとかおっしゃっておりましたよね。これ教育勅語の中でその教えを受けて日本人の気質としてそうなっているとおっしゃっている一方で、臨教審で指摘されたように、権利ばかり主張するとか、そういう批判をされておりますけれども、私は、もうこればかり時間取れないのでまた日を改めることにして、是非失効決議の提案理由読んでいただきたいということと、それから、明治百五十年と言う前に、敗戦七十三年、新憲法が制定されてその下に教育が行われてきたというふうに認識を改めていただきたいと、これは要望で申し上げておきたいと思います。 具体的な質問に入りたいと思います。 今国会において外国人労働者の受入れ拡大の入管法改正案が昨日から審議が始まっております。これは労働者の不足を外国人労働者の受入れによって賄うということで提案されているわけですけれども、既に現在日本に住んでいる多くの外国人、またその子供、外国ルーツの子供たちもたくさんこの国で生活をしているということであります。その子供たちの多くは日本語を自由に話し、日本文化になじんで、その中で学び、生活をしているということでありますけれども、労働者の不足でこれから国外から外国人労働者を招くのであれば、まず、既にこの日本に住み教育を受けている子供たちが本当に学んで、そしてその後社会人として働いていける、そういうふうにするべきだと思いますけれども、現在、小学校の初期言語学習の不足から学力が十分伸びないというような事例がたくさんあります。 昨日もたまたまテレビを見ておりましたら、新潟県の燕市だったと思いますけれども、そこの小学校に通うブラジルから来た子供のことが出ておりました。 その燕市では、今、小中学校に通う外国人が三百五十五人中七十九人、つまり五人に一人が外国人だというような市であります。非常にこれについては自治体負担が高いということで苦労していると。しかし、自治体負担でスタッフを雇って一対一で日本語学習をさせて、日本語指導してそれから教室に臨む。しかし、教室で行われる教科書も、そんなものはすぐには理解できない。もちろん、自分が例えばタガログ語のところに行ってそういう教科書と先生の言葉で学習できるわけがないということで、授業が全然分からない。その子は、通訳が欲しい、あるいは機械でもいいから何か通訳してほしいというようなことを言っておりました。泣きながらブラジルが恋しい、友達がいない、独りぼっちだという紹介があっていたんですけれども、こういう子供たちを放置しているということは、あるいは十分な条件整備がされていないということは、重大な人権侵害だと思うんですね。 全ての子供、誰もが学べるように教育の機会、条件を整えるとおっしゃいました、大臣は所信の中でですね。こういう、新しく拡大するのであれば、既にこの国にいる子供たちへの教育の充実ということが非常に重要だと思います。 こういう初等教育については多くの課題がありますけれども、今日は、社会とのつなぎ目である高校の問題について、具体的に幾つか質問したいと思います。 日本語指導が必要な生徒の高校の進学率及び高校の中退率を都道府県別にお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(清水明君) お答え申し上げます。 まず、日本語指導が必要な生徒の高校進学率については、そういう形で把握していないところでございます。ただ、平成二十八年度における日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数が、中学校においては八千七百二十九人、高等学校では二千九百十五人といった数字では把握しているところでございます。 そして一方、日本語指導が必要な生徒の高校中退率につきましては、平成二十九年度の実態を今年初めて調査をいたしましたところ、速報値でございますけれども、九・六%ということでございます。なお、この調査は都道府県別の公表を前提とせずに調査を行ったということでございますので、都道府県別のデータの公表は行っていないところでございます。
○神本美恵子君 なぜ進学率は把握しないんですか。
○政府参考人(清水明君) お答え申し上げます。 日本語指導が必要な児童生徒の指導の充実のためにということで、文部科学省では平成三年度から日本語指導が必要な児童生徒の受入れ状況等に関する調査を実施してまいりました。この中では、日本語指導が必要な児童生徒の在籍状況、また日本語指導の内容、そして自治体における指導体制、研修実施状況の施策の実施状況などの項目を設けまして実態の把握を行ってきたところでございます。 その後、義務教育を終えた生徒についても日本語指導、進路指導、生活相談や居場所づくりといった包括的な支援の必要性が指摘されたことを踏まえまして、直近の調査において、それまでの調査項目に加えまして、初めて日本語指導が必要な生徒の高校中退率というのを今年調査を行ったという実情でございます。 こういった状況でございまして、これまで高校進学率といった形では調査を行ってこなかったところでございますけれども、この学校における実態把握の在り方につきましては、御指摘の観点も踏まえまして、調査対象となる現場の負担等のバランスもございますけれども、御指摘を踏まえて検討してまいりたいと思っております。
○神本美恵子君 なぜ調べなかったのか、調べてこなかったのかということのお答えはなかったんですが、是非これはやっていただきたいと思います。 そこで、これ、移住者と連帯する全国ネットワークというところが作成された表なんです。資料一としてお手元にお配りしておりますけれども、文科省が調査している日本語指導の必要な生徒の小中高の在籍数がそこに、幾つかの特に多いところで集計されております。 これは文科省が調査しているんですが、そこから考えて中学校在籍、高校在籍で計算したもので、例えば東京でいけば六割ですね、神奈川というふうに、どれぐらい進学しているかということがそこに、これは主に集住地域があるところで調査をされているんですけれども、愛知県なんかは一割しか進学できていないというような現状になっております。これによると、全国平均すると三割程度の進学率しかないというふうに言えると思います。 なぜ日本語指導が必要な生徒はこんなに進学率が低いのか、その原因をどのように考えていらっしゃるのか、また、中退率がなぜこんなに高いのか、その原因もどのように捉えていらっしゃるか、お答えください。
○政府参考人(清水明君) お答え申し上げます。 日本語指導が必要な生徒の高等学校への進学、また高等学校における中退等に係る課題につきまして、平成二十七年から二十八年にかけて、文部科学省内で開催をいたしました学校における外国人児童生徒等に対する教育支援に関する有識者会議において様々な指摘をいただいたところでございます。これを踏まえますと、日本語指導が必要な生徒の高等学校への進学につきましては、日本語能力そのものに関する課題のほか、進学に関する情報、理解の不足、また入試における配慮の必要性等の課題があると認識しているところでございます。 また、高等学校における中退につきましては、学校生活への不適応、そしてそれに伴う学習意欲の低下、また生徒が問題を相談できる体制が不十分ではないか、また生徒自身が将来のビジョンを持てないといった、そういった課題があるという指摘があり、そういう課題があるという形で認識しているところでございます。
○神本美恵子君 今おっしゃったような課題についてしっかりと取り組むと同時に、私は、やっぱり経済的な事情があるというふうに思っております。 幾つか個別案件の相談を受けて、法務省ともやり取りをしてきた例があるんですけれども、現在、外国籍児童生徒の中には、在留資格が家族滞在で在留している者が多くいます。この在留資格は就労制限があるために、子供たちは日本の教育を受けて日本語も流暢に話ができる、日本文化の中で育って十分に働けるにもかかわらず、家族滞在ということで正規の就職ができない、アルバイトしかできないというような状況に置かれています。 このような実情を踏まえて、法務省は個別案件、いろいろやり取りをしながら、今年の二月に家族滞在で在留していて義務教育の大半を日本で修了している生徒を定住者に変更できるというふうな救済措置をとられました。私は、これは迅速で当を得たものだというふうに思っております。定住者であれば奨学金が受けられるというふうになりますので、小さな道ではありますが開かれたというふうに思っております。 しかしながら、運用の要件に日本の高校の卒業、卒業見込みが求められているわけです。そうすると、高校進学率がさっき申し上げたように約三割、平均して三割しかいない、中退率も高いとなると、せっかく法務省が救済措置をとることにしたのに、その奨学金が受けられる定住者になれない、奨学金が受けられない子が六割以上いるということに推察されるわけですね。こうした子供たちが安定した在留資格を得て進路を切り開いて働いていけるというような支援が是非必要だと思います。 先日もこの移住連の皆さんと文科省の担当の方たちとやり取りをしたんですけれども、所管している学生支援機構の奨学金についてお伺いしたんですが、ここで改めてお伺いしたいと思います。 外国籍の生徒、学生のうち、在留資格が今申し上げた定住者については貸与の道が開かれているけれども、家族滞在の場合は申請ができない、そのため進学を諦めている者が多いと聞いています。これでは、将来日本で活躍するための、せっかく夢を持って日本で学び、日本語も話せるようになって日本で働きたいと思っても、高校に行けないというようなことでは、これから高度人材、特定技能一号、二号で、二号は家族帯同ですから子供さん連れてきたり日本で生まれたりということもあるかもしれませんし、そういうことをするのであれば、しっかりと日本で学び、生活し、そして働けるようになるというようなことを見通していかなきゃいけないのではないかと思います。 それで、今居住している外国人の子供たちに対して在留資格が家族滞在の子供にはなぜ奨学金が申請できないのか、どう考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) まず、その前提として、神本議員が先ほど御指摘になられたとおり、日本語指導が必要な生徒については、お示しいただいた資料にもありますとおり、高校進学率も低いですし、また中退率も高いと、高校の中退率も高いということは本当に重要な問題だと思っております。 まずそこをしっかりと手当てをするということが必要でありまして、今年七月に外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議が設置をされて、省庁の垣根を越えて日本語教育を含む関連の施策に取り組むこととなっておりまして、日本語指導に必要な教員定数の義務標準法に基づく着実な改善、教員等の資質、能力の向上、日本語指導補助者や母語支援員の活用などの指導体制の整備、外国人の高校生等に対してキャリア教育を始めとした包括的な支援、こういったことも盛り込ませていただいております。 これらを踏まえた外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の取りまとめの検討を法務省を中心に関係府省庁間において行っておりまして、先ほど、今質問の前提ということで御紹介をいただきましたその定住の要件たる日本の高校への進学、あるいはしっかりとした卒業の支援ということも強力にバックアップをさせていただきたいということをまず申し上げたいというように思います。 その上で、御質問の家族滞在などの在留資格の外国人がなぜ日本学生支援機構の奨学金の支援資格がないのかということなんですけれども、日本学生支援機構の奨学金においては返還金を次の学資貸与の財源としていることから、貸与を受けていた方から長期にわたる返還を確実にしていただくために、その対象者については、大学等を卒業後、原則国内に滞在することが想定できる方に限定をしております。このため、対象者は、日本国籍を有する方はもちろんですけれども、出入国管理及び難民認定法に基づく法定特別永住者、永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等の在留資格を持つ方及び御指摘のあった定住者の在留資格を持つ方のうち永住する意思を確認できた方に限定しているというところでございます。 家族滞在などの在留資格の外国人の方につきましては、奨学生御本人の意思とは別に扶養者である滞在者が日本国内に長く滞在することが必ずしも見通せないということから、奨学金返還の確実が担保しづらいということで制度の対象とはしていないというように伺っております。
○神本美恵子君 理由は分かりました。 しかし一方で、じゃ、日本人の学生で外国に行って外国で働くようになったとか、必ずしも返還が全ての人たちに確保できているわけではないですよね。そういう場合は、この前お聞きしましたら、連帯保証人や機関保証というところで返還を確保しているとおっしゃいました。日本人が外国に定住して、あるいは国際結婚して奨学金自分で返せないまま外国で暮らすようになったという場合は連帯保証や機関保証で可能なのであれば、日本にいる外国籍の子供たちについても同じような扱いがなぜできないのか。それできるんじゃないですか、いかがですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今、海外に行った日本人との比較についての御指摘をいただきました。 ただ、先ほども少し紹介をさせていただきましたけれども、まず人的保証の場合は、家族滞在の扶養者である滞在者が日本国内に長く滞在することが必ずしも見通せない、ここが大きく違うところでありまして、奨学金返還の確実性が担保されにくい。それからまた、機関保証の場合についても、奨学生本人に代わって保証機関が代位弁済した場合であっても、その保証機関が機構に代わって奨学生本人に対して求償することが制度の立て付けでありまして、外国籍を持つ奨学生本人が一度国外に出国してしまうと本邦に戻る可能性が少なくて、やはり回収としては極めて困難になるということが考えられます。 以上のことから、いずれの場合も奨学金返還の履行の確実性を担保することが難しく、奨学金の貸与対象とすることが難しいというふうに伺いました。
○神本美恵子君 いずれにしても、これから外国人受入れ拡大していく法案が提案されているわけですし、そこには、生活者として日本で学び、あるいは日本でもうそのまま定住者になるという可能性のある子供たちもいるわけですから、その子たちにしっかりとした奨学金の手当ても含めて学びと、ここで生活し働いて社会の一員となっていくというような道を確保するということは、これは文科省の責任だと思いますので、是非やっていただきたい。これからも、その件については具体事例を併せて文科省にお願いをしていきたいというふうに思っております。 ちょっともう少し聞きたいことあったんですが、これはこのくらいにしまして、次に働き方改革についてお伺いをしたいと思います。 まず、今日は総務省にもおいでいただいておりますけれども、学校の働き方改革が非常にもう社会問題化していることは御承知のとおりだし、所信的挨拶の中でも触れていただきました。昨年十二月に文科省は緊急対策を取りまとめて、今年二月にはその徹底を求める事務次官通知も出されております。しかし、この緊急対策で様々な業務削減とか提案されて対策取っておられるようですけれども、学校現場で聞く話は、もう相変わらず忙しい、何も変わらない、ちっとも楽にならないというような声ばかりなんですね。 それで、私は自分も学校で働いた経験があります。もう随分昔になりますので今とは変わってしまっておりますけれども、何とか、何とか子供たちが、そして先生たちも病気になったり命を脅かされることなく、子供たちが楽しく学べる学校、先生たちも楽しく授業をできる、そういう学校改革をしたいと、そのための働き方を文科省と一緒に進めたいという、そんな気持ちで今日は質問させていただきたいと思います。 そこで、まず総務省に伺いたいんですが、今年八月に公務員人事管理に関する報告の中で、国家公務員においては超過勤務命令の上限を人事院規則において原則一月四十五時間、一年三百六十時間を設定する、大規模な災害への対応等、真にやむを得ない場合には上限を超えることができることとし、上限の時間を超えた場合には事後的な検証を行うことというふうにされております。 また、十月三十日に総務省は、地方公務員における長時間労働の是正についてという事務連絡を出して、その中で、地方公務員の長時間労働の是正については、国家公務員の措置等を踏まえた条例の改正等を行っていただく必要がある、国家公務員の措置を踏まえた条例改正をというふうにされております。 この地方公務員の中には全ての公務員が対象になるのかということを総務省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。 地方公務員のうち、まず、労働基準法別表第一の事業に従事する職員、いわゆる現業職員につきましては、民間労働者と同様に罰則付き時間外勤務の上限規制が適用されることとなります。 一方、それ以外の職員、いわゆる非現業職員や教育職員に関しましては、国家公務員に来年四月より超過勤務命令の上限設定がなされることを踏まえ、同様に来年四月より超過勤務命令の上限設定を行うよう、各地方公共団体に対し助言することとしております。
○神本美恵子君 今、総務省の方からの御答弁で、全ての地方公務員が条例の改正等に定められる時間外の上限規制の対象となる、教員も含まれるというふうに御答弁をいただきました。 ところで、この教員については、限定四項目、給特法の限定四項目があります。それ以外の業務はいわゆる自発的行為、私、これ何なのと思うんですけれども、自発的行為として教員が自主的に、進んである意味好き勝手にやっているというような整理がされておりますけれども、この自発的行為の時間も条例等における上限規制の対象になり得るんでしょうか。文科省にお伺いします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 済みません、今、総務省の方から地方公共団体に対する条例参考例を検討しているという御答弁いただいたんですが、文部科学省といたしましては、現段階ではこの条例参考例の内容を必ずしも十分把握をしているわけではございませんので確たることは申し上げられないんですけれども、仮に条例参考例が時間外勤務を命じることができる時間として上限を定める場合に、公立学校の教師については給特法により時間外勤務を命じることができる今御指摘のあった超勤四項目、まあコアな項目ですね、に従事する場合に限られているということが給特法自体に定められておりますので、これに該当する時間のみが条例等の対象となる可能性があるのではないかというように考えております。 他方、使用者による勤務時間管理義務の明確化を定めた労働安全衛生法の改正を受けて、教師の勤務時間管理を確実に行う観点から、中央教育審議会においては総務省の条例参考例とは別に教師の勤務時間の上限の目安を含むガイドラインの策定について御議論をいただいております。その中では、ガイドラインにおいて、いわゆる超勤四項目以外の業務もしっかりと把握の対象とする、国が策定するガイドラインを参考に教育委員会や学校単位でもそれぞれのガイドラインを策定した上でガイドラインの実効性を担保するための制度上の工夫が必要であるなどの意見をいただいていると承知をしております。 文部科学省といたしましては、これを踏まえ、実効性の確保も含め、教師の勤務時間の上限に関するガイドラインの策定に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
○神本美恵子君 ガイドラインで本当に実効性のある規制ができるのかと。法や条例であればしっかりと、やっぱり法律ですから、あるいは条例ですから規制が掛かると思うんですけれども、ガイドラインが大体余り実効性がないのはほかのいろんなガイドラインでも例が見られると思います。どのようにそれを、実効性を担保するのか。先ほど言いましたように、自発的行為として限定四項目の時間外勤務以外のものは献身的に自発的にやっているというふうに切り離されていくと、それはガイドラインで規制しますといっても本当に実効性があるのか、担保できるのかということで、中教審でそういう議論されているの承知しておりますけれども、これでは駄目だというふうに私は思うんですよね。 二〇一六年六月、文科省で議論されたタスクフォース報告では、学校や教員の熱心な取組や負担の上で子供に関する諸課題に対応してきたが、学校の抱える課題が膨れ上がる中で、従来の固定化された献身的教員像を前提とした学校の組織体制では質の高い学校教育を持続発展させることは困難というふうに書かれております。つまり、献身的に自発的行為で限定四項目以外に時間外でやっている教材研究や子供への対応あるいは部活動、そういったものを献身的な教員像を前提としたものでは駄目だということを文科省自身がおっしゃっているわけですよね。これはもう教員の働き方を改革する上で重要なポイントだと思います。そこをガイドラインでということは、どのようにそれを担保するおつもりですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) ガイドラインの規範としての通用力、強制力については、当然のことながら、今御指摘のような問題点があると考えます。しかし、神本議員と問題意識は実は全く同じでありまして、働き方改革を進めるために例えば教職員定数の改善などが必要であるというように考えておりますし、また教師の負担軽減のためには、教師でなければできない業務以外の多くの仕事を教師が担っているという現状を抜本的に変えるということが極めて重要であるというように考えております。 昨年十二月に学校や教師の業務の役割分担や適正化を着実に実行するための方策などを盛り込んだ緊急対策を取りまとめて、本年二月に各教育委員会に通知を発出をさせていただきました。同時に、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実も必要でありますので、昨年三月に義務標準法を改正をいたしまして、発達障害などの障害を持つ児童生徒への通級指導、外国人児童生徒に対する日本語指導教育、これ先ほど御指摘があったように今後極めて重要だと思っておりますが、等のための加配定数について、対象となる児童生徒数等に応じて算定される基礎定数とさせていただきました。この基礎定数化を二〇一七年度から十年間で計画的に進めることによりまして、二〇二六年度には、例えば通級指導員については対象児童生徒十六・五人に対して一名だった配置が十三人に対して一名に改善されるなど措置を講じております。 また、小中学校のそれぞれの状況を踏まえて、本年度におきましては、小学校の英語教育のための専科教員千人を始めとする合計千五百九十五人の定数改善や、教師の業務負担の軽減のために中学校における部活動指導員やスクールサポートスタッフの配置など対応させていただいているところでありまして、引き続き、これらの取組を着実かつ力強く推進をしていきたいと思います。 あわせて、中央教育審議会におきましては、昨年六月から学校における働き方改革をテーマに集中的に審議をしていただいておりまして、その審議を踏まえて、さらに勤務時間管理の徹底、業務の役割分担適正化、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実、勤務時間制度の改善など、教職の専門職としての教師が子供たちとしっかり向き合える環境の確保に取り組んでまいりたいというように考えております。
○神本美恵子君 定数を改善、義務標準法を変えて、今おっしゃったような取組は十分承知しております。 しかし、それでも追い付かないという今の現状があるということで、お手元の資料に連合が教員の勤務時間に関するアンケート調査をしたものを付けております。これはどういうものかというのは読んでいただければ分かりますが、その裏側に、勤務時間外に行った授業準備などの業務を勤務扱いにする制度の見直しについて、現場の先生方は賛成というのが八割です。さっき、これは自発的行為ではなくてちゃんと勤務したと、業務、勤務をしたんだというふうに見てほしいという意見が八割です。また、教員にも残業代を支払うようにする、つまり給特法を見直すということですね、そして残業代を払ってほしいということに賛成という、賛成が八割、これも八割なんですよね。 私は一九七〇年から教員になりまして、ちょうど給特法は七二年からですから、給特法が導入されたと同じぐらいのときに教員になりまして、教職調整額四%付く、だから残業は限定四項目以外は自主的労働ですよというような説明があって、何と思ったんですけれども、それは通ってしまいましたので、じゃ、それ以外に、限定四項目以外に、しかし片付かない仕事はやらないとあしたの授業ができないということで、それをやったときはどうしますかということで学校の中でも校長さんも一緒に話をして、じゃ、それではみ出した分は割増し賃金払うようにはなっていないので、じゃ、それはほかの日で取れる時間で、振替と当時は言っていましたけれども、振替で一時間早く帰ってくださいと。例えば、三時間残業しても一時間しか帰れないと、そういう状況がありましたけれども、そういうことがあったんですね。 もう今やそうではなくて、残業代を払ってくれという人が八割になっている。随分時間がたって、七〇年からですから、何年、四十年、五十年近くたっていますので意識も変わっているし、現場の多忙、忙しさも非常に激しくなっているのではないかと思います。 それで、大臣、ガイドラインで実効性を高めて時間外勤務を減らすとか業務改善、定数改善も結構です、それもやってください。しかし、しかしやっぱり給特法を根本的に見直すという覚悟がないといけないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 御指摘の給特法については、議員御案内のとおり、現在、中央教育審議会において、時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方の観点から熱心に御議論をいただいております。 委員の中からはどういう意見が出ているかということなんですけれども、給特法の改正について、給特法は、語彙や知識がまだ十分ではない子供たちの発達の段階や個性等に応じた授業を行うという教師の専門性を踏まえた適切な仕組み、そして給特法を廃止して時間外勤務手当を支給することは教師の今申し上げたような働き方になじまず、かつ必ずしも業務の効率化につながらないのではないかという御意見もいただいているところであります。 文部科学省といたしましては、中教審の審議を踏まえ、時間外勤務の抑制に向けた制度的措置の在り方も含めて、業務の役割分担や適正化、勤務時間管理の徹底、先ほど申し上げました、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実などを総合的に進めていくことが重要であると考えておりまして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○神本美恵子君 ちょっと時間が残り少なくなりましたので、最後に、今、中教審では一年間の変形労働時間ということが議論されているように聞いております。私は、これはちょっといかがなものかと思うので、時間がないのでもう簡単に言いますが、資料の二として挙げております中教審の中で出された変形労働時間制を導入した場合の勤務時間のイメージということで、勤務時間変更前ということで四月から三月の各月の勤務時間の現状書かれておりますが、これ聞きましたら、現状ではなくて、七時間四十五分掛け五日間掛け四週間というようなことで出された数字なんですね。 私は、えっ、違うんじゃないのと。今実際に勤務しているのは、この前の過労死白書の中で出ていました、十一時間十七分という一日の勤務時間が出ておりました、平均ですね。多い人はもっと多い勤務時間、残業しているんですけれども、その平均の十一時間十七分で計算をしますと、各月の勤務時間は、その裏に書いております色付きの表にしておりますけれども、こういう時間になります。オレンジ分が過労死白書に示された実態であります。これが実態です。 文部科学省がしたのは机上の七時間四十五分という決められた勤務時間で算定したものでありますから、これで算定すると、例えば一年間の変形労働時間を入れて、八月が夏季休業、繁忙期、閑散期の閑散期に当たると捉えられている八月の分を減らしてほかのところに割り振ればいいという変形労働時間制なんですけれども、全然これはミスリードだというふうに私は思います。 それで、一年間の変形労働時間、確かに一つの方法ではあるでしょうけれども、これを入れるには、まず、夏休みというのが本当に今取れていないというその現状を踏まえた上で考えないと、前提条件として整っていないということを、私は本当はここをもっとやりたかったんですけれども、時間がないのでまた次に続けてやりたいと思いますが、是非中教審の議論の中で、文科省はこういうミスリードするような資料ではなくて実態に即した資料を出して議論を進めていただきたいというふうに、もうすぐ素案が出されて中教審答申が出るようですけれども、私はこの一年間の変形労働時間を導入するのは前提条件が整っていないということを申し上げまして、大臣、そのことをしっかり受け止めていただきたいということを申し上げて終わりますが、一言お願いします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 正確かつ実態に即した検討をしていきたいと思います。
○神本美恵子君 終わります。
○委員長(上野通子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(上野通子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、こやり隆史さん、森屋宏さん及び柳田稔さんが委員を辞任され、その補欠として水落敏栄さん、衛藤晟一さん及び大島九州男さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(上野通子君) 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵でございます。本日は、新大臣への質問の機会をいただき、ありがとうございます。 早速ですが、柴山大臣、大臣は文部科学大臣であるとともに教育再生担当大臣でいらっしゃいます。再生の意味というのは、衰え、死にかけていたものが生き返ることということでございますけれども、大臣の就任時点の認識で、我が国の教育のどういった、どの辺りが再生、蘇生する必要があるとお考えなのか、お聞かせ願います。特に、今日は子供の学びの場について新大臣のお考え、未来予想図をお伺いしたいと思っているものですから、議論の前にまずこの点だけ確認をさせてください。
○国務大臣(柴山昌彦君) 教育再生について、今死にかけているというようなお話もいただきましたけれども、どちらかというと、技術の進展に応じた教育の革新、そして新時代に向けた様々な要するに個性の発揮というような、死にかけたものを再生するというよりは前向きに向かってより大きく飛躍していくという形のイメージを是非持っていただけたらなというように思います。 ただ、ちょっと付言させていただくと、例えば世界的に通用する論文数が例えば大学あるいは研究者の中で減っているのではないかとか、ランキングが下がっているのではないか、大学のですね、国際的な比較の上での、そういうようなことも見て取れますので、やはり国際的にしっかりと活躍できる人材を育てるという意味においては、非常に今その緊急性が高いというように理解をしております。 いずれにいたしましても、ちょうど今教育再生実行会議が累次にわたって議論、そして提言もしてくださっていますので、そちらの方も参考にさせていただきながら、高等学校改革あるいは高等教育改革始め様々な課題についてしっかりと進めていきたいと考えております。
○伊藤孝恵君 今御答弁の中にもありましたが、教育再生実行会議、第二次安倍内閣における教育提言を行う私的諮問機関、二〇一三年一月から、大臣もメンバーでいらっしゃいますし、安倍総理以下、菅官房長官、また有識者から成る会議、組織でありまして、立ち上がり初年度は年十五回の開催と大変精力的に開いていらっしゃいましたけれども、ここ一、二年は年二回と明らかにペースダウンをしておる印象なんですが、大臣、このスピード感で前向きな個性の発揮や、論文数、国際的に競争していける、そういうような日本になっていけるんでしょうか。このスピード感、大丈夫でしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今御指摘になられたとおり、教育再生実行会議は平成二十五年の一月以来十次にわたる提言を取りまとめて、特にキックオフの段階で集中的に議論をし、安倍内閣の最重要課題の一つである教育再生を牽引する役割を果たしてまいりました。 八月三日に開催した第四十三回目の教育再生実行会議においては、先ほど少し申し上げたこととも関係するんですけれども、技術の進展に応じた教育の革新と新時代に対応した高等学校改革、この二つのテーマについて検討を開始したところでありまして、現在二つのワーキンググループにおいてこれらのテーマについて議論を進めているところであります。 確かに、御指摘のとおり、回数自体は減ったかもしれませんけれども、そういう形でより成熟した議論を個別の分野において議論をさせていただいているところでありまして、今後の予定としては、本年中に論点整理を行い、その後速やかにまた提言を取りまとめたいと考えております。
○伊藤孝恵君 政府は、とかく革命とか改革とか再生とか、そういう大仰な熟語を使う割には、割と小さな、これ改善じゃないかなというものとか、それからやっぱり物差しというのを示していない、そういったような印象があるので、今論点取りまとめ中ということでしたが、何をもって何を再生するのか、何がなされたら再生をしたと言えるのか、そういったところの物差し等も含めて御提示いただければというふうに思います。 続きまして、私も、二〇一八年十月二日の就任記者会見における教育勅語をアレンジした形で道徳等に使える云々といった御発言に関して伺います。 大臣は、記者の質問にきっと素直にお答えになったんだろうなというふうに思います。私も元記者ですけれども、それは聞きます。道徳というのが正式に教科化されたこの二〇一八年において、文科省のおさという方が教育勅語というのを先祖返りを望んでいるのかどうかというところ、非常に興味がある、そういったところなので、それは聞くと思います。なぜなら、昨年三月三十一日閣議決定された教育勅語の教材使用と国会決議には明らかに矛盾があります。閣議決定にあたかも議会の決定よりも上位に来るかのような御発言もあまた続きましたので、ならば大臣はというふうに確認したい、そういったような思いがあったんだというふうに思います。 大臣は、昭和二十三年、教育勅語に関しては衆議院で排除に関する、参議院では失効確認に関する決議を行っている、それ以上でもそれ以下でもないと毅然とお答えになるべきだったと私は思います。アレンジが必要なものをわざわざ学校教育で使う正当な理由など見付からないのですから、毅然とお答えになるべきだったかなというふうに思います。 七十一年前、この場所で先人たちが教育の誤りを徹底的に払拭した結果、教育勅語はその効力を失っており、しかし、従来のごとく効力を今日なお保有するかの疑いがあるので、効力を失っている事実を明確にして謄本を漏れなく回収しなさいと、右傾にも警戒し、何度ももうあれはなしなんだというような念押ししている文章です。それは、先人たちの過去を悔いるそういった気持ちであるとか、二度と過ちは繰り返さない、そのための教育、そのための新しい教育への責任感によるものだと私は理解しています。 先ほどの議論のみならず、私は一連の反応を見ていて感じるのは、例えば同胞を大事にするとか国際的協調を重んじるという言葉、これのどこに問題があるんだ、この気持ちは普遍で尊いものじゃないかと、そういったような主張と、教育勅語というものが持つ歴史的な背景、それから結果責任というのを理解していれば、到底それをアレンジして現代によみがえらせるなどと言えるはずがないだろうという主張、このお互いの主張というのが、どうも視座というか論点がかみ合っていないというような、そういった空虚な気持ちになるんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 非常にこちら側の言いたいことについても配慮をしていただいた御発言なのかなというふうに思いますが、御指摘のとおり、これまでの経緯ですとかあるいはそれが持つやはり性格、こういうことを考えると、到底現在の主権在民という理念を取っている日本国憲法下でそれをそのまま受け入れられないということはもっともだと思います。 ただ、これを、今おっしゃったように、国会で廃止の決議まで行って徹底的にそれに対して効力を否定するということの背景には、やはりその時代に置かれた政治的な背景というものもあったと思います。私は、先ほどの質疑の中でも申し上げたように、歴史に一〇〇%のプラスあるいは一〇〇%のマイナスというのはないというように思っておりまして、たとえ影の時代であっても、その時代に何か光明というか、いいことというものがなかったかどうか、そして、いい時代だと言われていた時代にも、その後、恐らくまた非常に不遇の時代を迎えるに当たってその原因となるような様々な原因があるのではないか、そういうことを的確に分析をするということが大事だと思っております。 先ほど申し上げたとおり、私は、私の考え方でありますけれども、その教育勅語の中にうたわれている理念は、特に世界のほかの国々に比べても、やはり誇るべき規律あるいはしっかりとした公共を重んじる心というものがうたわれているなど、友人を大切にするなどの考えが現在の教育においても通用する内容もあるということで申し上げた次第でありまして、ただ、これは衆議院の方の質疑にもあったんですけれども、だったら教育勅語じゃなくてもほかに教えようがあるじゃないかという御質問もいただいて、それは全くそのとおりだというふうにお答えはさせていただいたところであります。 私が申し上げたのは、あくまでも記者の方から今の、先ほど御紹介いただいた政府見解について尋ねられたので、私は、今ちょっと御質問にあったように、その線に沿った形でのお答えをさせていただくということでありまして、是非意を、意のあるところをお酌みをいただけたらと、このように考えております。
○伊藤孝恵君 しかし、大臣、議会は国権の最高機関であると、言わずもがなですけれども、憲法四十一条が規定しておりますので、内閣は議会に従属いたします。当然、一九四八年の国会決議であっても、現内閣に対しても政治的拘束力は今なおあるというふうに考える、そういった中で、閣議決定で上書きをして既成事実化しているような、あたかもそういうような振る舞いが明らかに国会軽視だとか憲法の違反しているという、そういった御指摘も腹にちゃんと落としていただかなければいけないというふうに思います。言葉の良しあしとか内容の良しあしを私は言っているんじゃなくて、こういった事実を、本質を腹に落としていただいて、次の質問に移りたいというふうに思います。 大臣、戦前の教育又は戦後の教育において変化したところ又は変化していないところ、不変なところについて大臣の御認識をお聞かせください。
○国務大臣(柴山昌彦君) ちょっと先ほどの御質問の中でも少し申し上げたところではあるんですけれども、戦前の教育においては、明治以降、日本を近代化するという役割を果たす一方で、戦争を遂行するために国家というものを余りに重視し過ぎて、もちろん主権概念の意味も違っておりましたし、個人の権利その他が抑圧されてしまったという反省に立って、改正前の教育基本法も制定をされたというふうに理解をしております。 教育基本法においては、それまでの教育への真摯な反省に立って、憲法の、これ、もちろん現行憲法ですけれども、現行憲法の精神にのっとり、文化的で平和的な国家の建設に向け人格の完成を教育の目的として位置付け、個人の尊厳や価値を重んじるといったことが定められました。 一方で、戦後の教育については、例えば昭和六十二年の臨時教育審議会の答申において権利と責任の均衡が見失われたりした面も現れたなどの指摘がなされ、道徳心や自律心、公共の精神などを教育においてより一層重視すべきなどの今日的課題があるというように承知をしております。 ということで、そういった変更点あるいは問題意識の変化ということがあったというように承知をしております。
○伊藤孝恵君 そうですね、現象レベルでは多々、軍事教練とかがなくなったとか、そういうような変化はありますけれども、イデオロギーというのは全く違うというふうに、大臣の御答弁のとおりですけれども、一方、心の教育重視というところは相変わらずなんじゃないかな、ここは変わってないんじゃないかなというようなふうに思います。戦前の精神を鍛えれば大丈夫みたいなところの非合理的な精神論が、今は心を豊かにすれば大丈夫みたいなところに名を変えて、現代の教育現場にも受け継がれているんじゃないかなというふうに思います。 なぜこんな質問をしたかといえば、戦後教育の見直しとか清算とか教育の再生とか皆さんおっしゃるんですけれども、戦後教育、それを表すに足るロジカルな分析もエビデンスも、そういったものが定義すらない。極めてイメージの部分が多いのかなと。教育論議でかみ合わないのは、現状を誰も把握していないから、原因の特定とか除去をせずに新しい取組を追加するという過ちを常に犯すのが問題ではないのかなというふうに思ったからであります。 例えば、教育基本法に国を愛すという教育の目標を追加したのは平成十八年ですけれども、子供が国を愛しているというのは具体的にどういう状態なのか、何をもって経年で定性で定量で調査をするのか、それをまず決めていただかないと目標達成も評価もできないのではないか。 また、昨今、子供たちの心の問題が取り沙汰されていて道徳教育というところに結び付くわけですけれども、学校における心の教育というのが不足しているのか。そういったところに、私も今三歳と五歳を育てていますけれども、心の豊かさを学校教育で、そういったところに心って教育できるのか、疑問を感じております。そこを大臣に伺いたいというふうに思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) 道徳教育に関して特に御質問だったと思うんですけれども、子供たちに、先ほど少し申し上げたように、規範意識とか公共の精神、豊かな人間性を育む上で極めて重要でありまして、教育基本法においても教育の目標として道徳心を培うことを規定しております。 一方、これまでの道徳教育は、ともすると、例えば読み物の登場人物の心情理解ということに偏った授業ですとか、あるいは分かり切ったことを言わせたり書かせたりする授業になりがちであるなど、中身が余り濃くないのではないか、多くの課題が指摘されていた部分もあります。また、いじめの問題に起因して尊い命が絶たれるといった痛ましい事案も散見をされてきたところでもあります。 こうした状況の下で、先ほど紹介をさせていただきましたけれども、教育再生実行会議などにおける検討を踏まえて、道徳を、学習指導要領の一部追加という形ではありますけれども、特別の教科として位置付け、そして今年度から小学校で始まり、来年度から中学校で全面実施するということとしております。 この特別の教科道徳では、教科書を用いながら、児童生徒が答えが一つではない道徳的な課題を自分自身の問題として捉え、本音で語り、向き合って、考え、議論する道徳へと質的な転換を図ることとしております。各学校においては、道徳の特別の教科化を機に道徳教育を抜本的に充実させて、子供たちの豊かな道徳性をしっかりと育んでいただきたいというように思います。 また、教科書だけでというような今お話もありましたけれども、この特別の教科道徳の指導においては、教科書と併せてそれぞれの地域に根差した地域教材など多様な教材も活用していただいて、創意工夫ある指導を行っていただくということも大変重要だというように考えております。
○伊藤孝恵君 答えは一つではないというのを机の上で学ぶとか、本音で語ることを授業でやるとか、そういった心って教育できるのか、心って誰かの教えによって変わるのかという、そういう違和感を私は質問をしたつもりだったんですけれども、今のでいうと、やはり内心の自由というのは憲法で保障されていまして、誰を嫌いと思うとか誰かをいじめたいと思うとか、そういうものってもうその人のものであります。 もし教えるのであれば、憲法の下での悪いことというのはルールを守らないことだと思います。どういうふうに思ったとしても、それを行動に移す、その行動が悪いことだと、そういうことを教える。心なんて教育できないなという中で、それでも心を教育するとか、例えば本音で語り合うことを実践してみるとか、そういったところにすごい無理があるなというふうに思いますし、意見の対立とか、今大臣首かしげていらっしゃいましたけれども、理解の相違というのは生きていく中で多々あります。毎日毎日あります。いらいらもすると思います。でも、そのいらいらは、例えば首をこうやって振るということでは表現はしないんだよとか、例えばコントロールできるんだよ、そのコントロールの方法はねという、そういったことを教える、それであったらば教えられるのかなというふうに思います。 多様性とか個性とか、大臣も冒頭おっしゃいましたけれども、心の教育とその多様性を認め合えるというような、それを同時にやっていくというのは非常に難しいことだというふうに思います。何でも心の教育で対応しようと思う、そういったことが問題の解決を遠のかせているというようなふうに思います。課題感を述べさせていただきました。 ところで、大臣、学習指導要領というのは何のためにあるとお考えでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 学習指導要領の意義なんですけれども、当然、学習あるいは指導の指針となっております。今回の学習指導要領につきましても、グローバル化、また技術革新などが急速に進むなど、予測困難な時代においても、子供たちが自信を持って自分の人生を切り開き、より良い社会をつくり出していくことができるよう、必要な力を確実に育むことを目指して改訂を行わせていただきました。
○伊藤孝恵君 済みません、学習指導要領は何のためにあるかというのの答えは、より良い社会をつくるため子供たちに必要な力を授けるためという御答弁でしたか。もう一度お願いします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 失礼いたしました。 学習指導要領は、冒頭申し上げたとおり、学習あるいは指導に当たって従うべき方針ということであります。ですので、あっ、失礼いたしました。学習指導要領とは、全国的に一定の教育水準を確保するとともに、実質的な教育の機会均等を保障するため、国が学校教育法に基づき定めている、済みません、私、方針と申しましたけれども、大綱的な基準でございます。学習指導要領では、小学校、中学校等ごとにそれぞれの教科等の目標や教えるべき教育内容を定めております。
○伊藤孝恵君 漢字をそのまま読んでいただいてよかったんです。その名のとおり、教師が教えようとする内容の基準でありますけれども、元々、学校の目的というふうにいうと、人が社会の中で生きていけるようにする、その社会の中では言語活動というのと経済活動というのをしていきます。そのために必要なカリキュラムがあり、それをコントロールするのが学習指導要領という手段、手段です。 ところが、明治維新以降、そのベースは変わっておらず、増える一方なんです。結果、先生は本来手段であるはずのカリキュラムをこなすことが目的になってしまって、大変疲弊するというような現場の先生の意見を伺いました。 資料、お手元の一と二、御覧ください。 こちらは、教員勤務実態調査の最新数字と、英語が平成三十二年度に教科化された際の時間割のイメージであります。もう懐かしいこの時間割ですけれども、六限目までいっぱいいっぱいであります。私も小学生の頃、五限目まででもう限界だった、六限目がある日というのはもうへとへとになった記憶がありますけれども、今の小学生は六限目までぱっつぱつなんですね。 資料二見ていただくと、部活も先生が八割方兼務しているというのが日本の実態であります。そして、下の黄色のボックス見ていただくと、不登校児童や外国人児童も急増しております。通級指導児童に至っては、二十年前に比べて、小学校では七・三倍、中学校では三五・一倍です。 大臣、この状況を御覧になって、教員の働き方改革、神本理事の御質問にもありましたけれども、これで本当に進めていけるのか、この数字を御覧になっての御意見賜れればと思います。
○政府参考人(永山賀久君) 御指摘いただきましたとおり、私どもの教員勤務実態調査におきましても、小学校、中学校を調査いたしましたけれども、いずれの職種においても、十年前に実施した調査の結果と比較をいたしまして、勤務時間は増加をいたしてございます。 例えば、教諭の一週間当たりの学内総勤務時間で見てみますと、小学校は平成二十八年度五十七時間二十九分、これは十年前と比べて四時間十三分の増加でございます。中学校で申しますと六十三時間二十分ということで、これも五時間十四分の増加となってございます。 その背景、原因につきましてもいろいろ分析を今回行いましたけれども、いろいろ要因ありますけれども、一つには若年教員が増えているということですとか、総授業時数、おっしゃいました総授業時数の増加ということも要因として挙げられてございます。そのほか、部活動、そういったものの活動時間の増加ということも挙げられているところでございます。
○伊藤孝恵君 それ、私が今共有させていただいたお話であります。こういう状況をもって働き方改革というのってどうやって進めていくんでしょうかという問いです。
○政府参考人(永山賀久君) 現在あるいは昨年以来、中央教育審議会でも様々議論なされておりますけれども、まず、負担軽減のためには、教師でなければできない業務以外の多くの仕事を教師が担っているという現状、これ抜本的に変えるということがまず必要だと考えております。 昨年十二月に、学校や教師の業務の役割分担あるいは適正化を着実に実行する、そういった方策を盛り込みました緊急対策を取りまとめて、本年二月に教育委員会へ通知を行ったところでございます。 それから、通知をするだけではなくて、実際の勤務条件の改善ということで、やはり教員の確保、定数の確保ということも非常に重要でございます。小学校でいいますと、小学校の英語教育のための専科教員千人の定数改善、あるいは教師の業務負担の軽減ということで、これ教員ではありませんけれども、中学校における部活動指導員あるいはスクールサポートスタッフ等々の配置、こういったことにより対応しているところでございまして、引き続きこれらの取組を推進してまいりたいと思っております。
○伊藤孝恵君 今、抜本的に変えるとおっしゃったその内容をもうちょっと伺いたかったんですが、質問を大臣に変えさせていただきます。 恐らく、今、少子高齢化の日本において、三・六人に一人が六十五歳以上という日本だからこその教育というのが非常に難しい応用問題だというふうに思います。この未知の問題を解決するための根拠とか施策というのがすぐに思い浮かぶことの方がそれはもう難しいというふうに思いますし、だからこそ、大臣の頭の中にあるこの大海原の中の海図ですとかリーダーシップというのが本当に非常に大切になってくるというふうに思います。 他国では常識である全ての子供に共通する最低達成目標、それ以外というのがしっかりとこれは区別されていたりとか、教育の目標というふうに問われると、先生方はもう異口同音に卒業時に○○ができるようになっていること、この○○というのを明確に言えます。それが我が国の学習指導要領には書かれていないですし、こういう目標を、同じ目標を持たなければ建設的な議論ができないんじゃないかなというふうに思います。 ある先生が、義務教育というのはその国の今の課題、そして未来の課題を解決するためにあるものだと、だからこそ先進国と後進国というのはもちろん違いますし、陸続きであっても、人種が違ったり、それから宗教、産業、経済が違ったり、そうすると教育の内容も違ってくるんだというようなことをおっしゃっていました。 その方がすごく面白いアイデアを言っていました。学校の施設を学校だけが使わないことにする、それだけで教員の働き方改革や子供の居場所、地域の高齢者の居場所問題を解決するという、それこそ革命と言っていいほどの面白いアイデアなんで、ちょっと大臣に聞いていただきたいんですけど。 まず、カリキュラムを変えて、授業を昼頃までに終えるそうです。その後、二時間くらいでクエストエデュケーション、いわゆる民間企業などと連動してチームや個人で課題解決に取り組むワークをして、さらに、十四時から二十二時ぐらいまでの八時間は全部民間に施設を貸し出して、家賃を取ってカルチャースクールを運営すると。そうすると、子供たちの放課後の学びもそのスクールのプロから学べるようになる。当然、先生は部活の拘束から解放されますし、カルチャースクールには雇用が生まれます。地域の高齢者の居場所になるかもしれない。ちなみに、部活動の指導をそれでもやりたいという先生は、公務員の副業制度を使ってきちんとお金をもらうことにする。二十二時までだったら、区民、市民、みんな使えるし、土日も含めて日本中にある立派な校舎というのを賃貸によってマネタイズすれば、施設改修とか体育館の冷暖房など、そういった費用にも充てられる。社会と学校をシームレス化するんだとおっしゃっていました。 私、これ目からうろこでしたし、こういうこと、こういうアイデアこそが教育現場における改革、革命というふうに呼べるんだというふうに思いますけれども、大臣、今聞いていただいて、どのような印象を持たれましたか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 例えば、学校施設を様々な地域の活動に開放していくですとか、あるいは総合的な学習の中で外部の様々な有識者なり講師をお招きするとか、あるいは生徒さんに例えば介護の現場において体験をしていただくだとか、御指摘になった幾つかについては既に現場で様々な取組がなされているというように思います。 また、部活動での例えば有償化ですとか、いろいろな先進的な取組はあるのでしょうが、我が国における国情とか、恐らく諸外国における国情などと条件の違う部分もあるでしょうから、その辺りについても、やはり諸外国の事例なども踏まえながらしっかりと勉強させていただきたいと考えております。
○伊藤孝恵君 これ、どうやったらできるんですかとその方に聞いたら、首長と教育長が協力すればできるらしいんです。であれば、何かどこかで試してみたり、本当にそんなことができるのか、可能なのか、何かそういったようなトライアルというのも是非積極的にやっていただきたいというふうに思います。 さて、資料三を御覧ください。 私、先日、N高という学校法人角川ドワンゴ学園が運営する通信制の高校の現場を見てまいりました。学校で学ぶべきこととか評価軸がテクノロジーによってこんなに急速に変化しているんだというふうに驚きました。 N高では、授業やリポート提出はネットで行います。社内コミュニケーションは全部スラック、空き時間にはプログラミング、語学、音楽、ファッションなど多様な課外授業をライブで双方向で受けられる上に、学校教育法第一条に定められたれっきとした高等学校ですので、高校卒業資格も得られます。 そして、部活も、元サッカー日本代表が顧問、練習はゲームのウイニングイレブン上で行うサッカー部というのがあったり、プロジェクト型授業もあって、今は霞が関の現役官僚とともに政策の効果と課題という二面性を題材にして、テレビ局のツールを使ってドラマ制作をする形の課題解決型授業に取り組んでいるそうです。 大臣にお伺いしたいんですが、デジタルテクノロジーの進化によって教育現場はどのようにイノベーションされていくんでしょうか。先日のデジタル教科書の事例のように、日本は検討が始まってから実施までの期間が長過ぎて、どんどんどんどん後れを取っている印象です。大臣の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 全くおっしゃるとおりだと思います。特に、人工知能、ビッグデータ、IoTなど、技術が高度化するソサエティー五・〇の社会を迎えるに当たっては、先ほども質問出ておりましたけれども、大変変化がスピードを持って進んでいるというふうに承知をしております。そのような中で、御指摘のように、ICTなど活用できる創造性に富んだ人材の育成は極めて重要かつ緊急の課題と認識をしております。 また、各教科などの指導でICTを活用することは、子供たち一人一人の学習への興味、関心を高めるとともに、その理解を深めることにもつながり、また、主体的、対話的で、深い学びの視点からの授業の改善にも資するものだと考えております。 このため、新しい学習指導要領においては、小学校においてプログラミング教育を必修化するなど、情報活用能力を学習の基盤となる資質、能力と位置付けるとともに、学校においてICT環境を整え、それを適切に活用した学習活動の充実を図るということとしております。 これからの予測困難な変化の激しい社会で求められる資質、能力を育成していくためには、日常的にICTを活用できるよう、ハードそしてソフトの両面から学校のICT環境を整備するとともに、ICTを活用した教育の充実は不可欠であるというように考えておりまして、また、教員研修とか、あるいはこういった様々な御指摘いただいたような取組の好事例の紹介など、多岐にわたって取り組んでいきたいと考えております。
○伊藤孝恵君 大臣、今、ICT活用をする環境整備というふうにおっしゃいましたけれども、とはいえ、学校での無線LANの普及率というのは、これは二〇一七年時点ですけれども、アメリカは八八%です。イギリスは七八%です。日本は二六%です。プログラミングの必修化は、アメリカは二〇一五年です。イギリスが二〇一四年です。そして我が国は二〇二〇年です。中国の一人当たりのエドテック関連予算はおよそ一・七万円で、この四か国の中で最も多いと。 一年の遅れが百年の損失になり得る、そういうような危機感、焦燥感を抱いているんですけれども、せめてLANの普及だけでももう急ピッチで進めていただきたい。LANの整備さえすれば、いろいろな人たちが力を貸してくれると思います。そこ、どうでしょうか。
○政府参考人(永山賀久君) 教育のICT化と、非常に重要な課題でございます。当然、それのためには、その設備ですね、LAN等を含めた設備の充実、これは当然必要でございます。 文科省の方でも、ICT化に向けた環境整備の五か年計画というのを作っておりまして、これは二〇一八年度から二〇二二年度の五か年間でございますけれども、これは地方財政措置ではございますけれども、単年度でいいますと千八百五億円という金額でございます。地財措置ということですので自治体の御判断ということになりますけれども、その中で、コンピューターの整備目標ですとか、あるいは超高速インターネット、無線LANの一〇〇%整備ですとか、あるいはソフトという意味ではICTの支援員というのも四校に一人配置等々、様々な施策を盛り込んでいる。 こういった計画を是非自治体の方でも積極的に御活用いただいて、こういう環境整備が進むことを文科省としても強く進めていきたいというふうに思ってございます。
○伊藤孝恵君 済みません、一〇〇%整備のめどって何年なんですか。
○政府参考人(永山賀久君) これは、この整備五か年計画の中でということですので、二〇二二年度が目標年度でございます。
○伊藤孝恵君 大臣、五か年計画だそうです。五年もこれ掛けていい案件なのかどうか、印象をお伺いします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 今の議員の御指摘も踏まえて、なるべく前倒しで進められるように財務当局ともしっかりと折衝していきたいと思います。
○伊藤孝恵君 ここがもう本当初めの一歩ですから、是非前向きに御検討、急いでお願いをできれば幸いでございます。 大臣は、所信の中で、大学入学者選抜を一体的に改革する高大接続改革に取り組みますと述べられていましたのでお伺いします。 現状の入試というのは選抜式であります。インフルエンザがすごく流行している時期に人生を懸けた一発勝負みたいなのが現状の入試の形でありますけれども、これ、これだけ学校のアドミッションポリシーというのもすごく多様化している中で、この入試というのは、選抜のための関所なのではなくてマッチングのための機会というふうに捉え直せないか、その方がお互いのためなんじゃないかというふうに思ったりいたします。 例えば、ブロックチェーンで学習ログを日常的に記録して、その履歴情報等も含めて改ざんできない、もちろん改ざんできないように安全な状態で流通できるようにしておけば、この人は何を学び何を習得してきた人なのか、さらには、こういった学力を補強すればもっともっとグローする人材なのか、そういったものが分かるというふうに思います。一発勝負の入学試験の意味というのは薄れるというふうに思いますし、成績評価としても非常にフェアだと。 時代を学歴社会というものから学習歴社会にする、そういったような施策も必要かというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) よく言われることですけれども、日本は、大学に入るのは難しいけれども、その大学で何をやってきたかということは余り問われないというような指摘もあります。 文部科学省では、現在、知識や技能、思考力や判断力、表現力、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度という学力の三要素を重視して、これらを多面的、総合的に評価をする大学入学者選抜改革を進めております。各大学においても、入学志願者の能力、適性等や学びに向かう意欲、学習や活動歴、そういったものを総合的に判定することが重要になってきており、現にアドミッションオフィス、専門部署でAO入試等を行っていたりするところもあります。 現在、文部科学省においては、高等学校時代に習得した多様な学習や活動歴の評価を推進する観点から、個別選抜において主体性等をより適切に評価できるよう、生徒の学習成果を電子データで大学に提供することを可能とする仕組みを構築するための調査研究を今委託をさせていただいているところです。また、個別選抜において、高等学校が作成する調査書、今この調査書というのがなかなか使われていないという実態がございます。この調査書の活用がより効率的、効果的に行われるよう、高等学校や大学等の関係団体と連携して調査書の電子化に関する検討を進めているところであります。 文部科学省といたしましては、議員が御指摘になったブロックチェーンを始めとする技術の進展を視野に入れつつ、引き続き、多面的、総合的評価が進むように環境の整備に努めてまいりたいと思います。
○伊藤孝恵君 調査書ってどうして活用されていないのか。また、調査書の電子化というふうにおっしゃいましたけれども、まさかですけれども、紙ベースの調査書がそのままPDF化されるみたいな、それを電子化と言っているんじゃないですよね。
○政府参考人(義本博司君) 調査票については今紙ベースで使っておりまして、やはり大量の受験生が志願する中において調査票の提出というのを求めますけれども、実際上はそれがなかなか十分活用できないというふうな状況がございます。 先生が御指摘いただきましたように、それぞれの項目自身をしっかり活用できるような形での電子化ということでございますので、単なるPDF化ということではないような形での議論を今進めているところでございます。
○伊藤孝恵君 活用されていないのはどうしてですかという質問です。
○政府参考人(義本博司君) 先ほど申しましたように、入試につきましては、限られた時間の中において、しかも大量の受験生、場合によっては大学においては数万人単位の志願者があるということでございますので、そういうことを考えますと、物理的にそれを丁寧に読み込んで選抜に使っていくことがなかなか難しいという実態がございます。 ただ、先ほど申しましたように、電子化することによって、それぞれの項目ごとにおいて志願者について比較するとか、いろんな形で評価するということをより使いやすくするような形での電子化ということを考える、それは高校側での手間暇、それから大学でのいろいろな処理ということについて、より効率的にできるというふうな形での電子化を目指しているところでございます。
○伊藤孝恵君 恐らく、受験生とか先生も、調査票を句読点、句点に至るまでもう命懸けて書いているはずなんですけど、それは、今の御答弁からすると、余りにも大量なのでそこにきらっと光ることが書いてあっても、余りにも膨大で見逃していますというような状況という理解なんですか。
○政府参考人(義本博司君) 当然、入試につきましては、学力試験だけではなくて生徒を多面的に評価する観点から調査票を使うということで入試についてはそれぞれの大学がやっておられますけど、ただ、実際上の運用、オペレーションにおいては今申し上げたような制約がございまして、いろんな現場のお話を伺っているところにおいてはなかなかそういう点においては課題があると。 ですから、今電子化を目指しておりますのは、より実質的に効率的に調査票の内容、中身自身が活用できるように、あるいはその評価に活用できるようにという観点から議論を進めているところでございます。
○伊藤孝恵君 膨大なデータでいうと、もちろんAI、この資料四枚目ですけれども、これ京都大学が開発したカンニング検出技術なんだそうです。AIの機械学習技術を使って、この方が今までどういう成績だったとか何を学んできたというのがデータ分析できているので、君がこの問題をできるわけないだろうみたいなところでカンニングがばれてしまう、皆さん苦笑していらっしゃいますけれども、そういったこともできてしまいます。 やはりみんな命懸けて一生懸命調査書書いていると思いますので、こういったものをしっかりと分析をして、きらりと光るものをちゃんとピックアップしていただければというふうに思います。 最後に、リカレント教育についてお伺いします。 私、常々、リカレント教育に最も親和性があるのはシングルマザーだというふうに思っているんです。国立社会保障・人口問題研究所によれば六二%の女性が第一子出産後に離職していたり、高学歴の女性の力が生かし切れていないといったOECDのデータもあり、もちろんその方々に対するアプローチもあると思うんですけれども、それよりも、若くして出産をした、あるいは非正規雇用で職を転々とせざるを得ない、掛け持ちもして踏ん張って子育てをしている、そういったシンママにこの施策を届けたいというふうに思っています。 御承知のとおり、この国は今七人に一人の子供が貧困と言われていますし、一人親家庭に限っては、特に女性の一人親家庭に限っては二人に一人の子供が貧困と言われています。おなかがすいて眠れないと言っている子供のママにこういった施策、届くといいなというふうに思っておりますが、内閣府が行った平成三十年度生涯学習に関する世論調査の中には、年代とか職業別の統計は取られているんですけれども、ライフステージというか、状況別の調査項目がありません。なので、例えば私がこのターゲット、シングルマザーにこの施策を届けたい場合、その人たちはどのくらいのボリュームがあって、何が原因で受けられなくて、何をすればこの人たちに届くようになるのかというののヒントが欲しくてこの調査票を読み込むんですけれども、ここにそういった視点の、ターゲットをこの人に向けてというような視点がないので、そういうデータの取り方をしていません。誰に一番届けたいかというのが明確でない証左かというふうに思います。 みんな、全員にリカレント教育を届けられたらいいんですけれども、限りある予算の中で、大臣は、このリカレント教育のコアなターゲット、どこだというふうに思われておりますでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 御指摘になられたとおり、このシングルマザーがリカレント教育の必要性あるいはその効果的な展開を検討するのに大変大きな柱になる分野であるというように考えております。 文部科学省においては、そういう観点から、女性が子育て等をしながら大学などにおけるリカレント教育を活用して復職、再就職しやすい環境の整備をするように取組を進めております。特に、女性が学び直しを通じて復職、再就職しやすい環境を整えるために大事なのは、大学、自治体、男女共同参画センター、ハローワークなどの関係機関がしっかりと連携をして、地域の中で女性の学びとキャリア形成、再就職支援を一体としてパッケージとして行う仕組みづくりを図る、これが非常に大事だと思っておりまして、そのための男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業という形で今展開をさせていただいております。 その中で、本年度事業の委託先の一つであるせんだい男女共同参画財団では、シングルマザーなどの困難な状況にある女性をターゲットとして、資格取得やキャリアアップを目指して基礎学力を身に付けるための伴走型学習支援、キャリア相談や就職活動支援、また子供がいる母親が安心して学習できる託児サービスなどを、学習なんですけれども、そういったサービスも一体的に実施する取組を行っているということで、大変参考になると思います。
○伊藤孝恵君 先ほどの課題感でいうと、そのデータの取り方というのを、この優先順位、ターゲットの優先順位を決めて、その方たちの実態があぶり出されるような、そういったデータの取り方というのも総務省と相談して再考いただけないかというのを御答弁いただければというふうに思います。
○政府参考人(清水明君) お答えいたします。 文部科学省、また政府においてシングルマザーという形でなかなか取った統計というのは見付からなかったところでございますけれども、関係の機関、見付けましたのは、例えば日本女子大学の研究所では女性とキャリアの調査というのを行っておりまして、こちらもシングルマザーというわけではございませんけれども、一旦職に就いた後、それを出産、育児等の事情で中断をして一年以上期間がある、そういった女性が再就職をしてまた活躍するために何が必要なのかといったようなことを聞いた調査がございました。 そうしますと、上位四項目でいうと、再就職に関する求人情報、両立を可能にするための各種サービスといったものも入っておりますけれども、キャリアの中断を補うための教育訓練、また再就職に役立つ知識、情報といったところが大変こういった方にニーズが高いといった事情もございましたので、この女性のリカレント教育、女性の再就職のための学習の面から、リカレント教育の推進という施策については非常に必要性が高いと考えまして、先ほど大臣から御答弁いたしました男女共同参画のための学び・キャリア形成の支援事業といったものを進めまして、これをまたより広く展開していくように努めていきたいと考えているところでございます。
○伊藤孝恵君 女性が働くというのは、やはり学校を出て、ちゃんとキャリアが積める働く場所を得ること、それから妊娠や出産で辞めなくていいこと、それから両立ができること、そして最後に、もし一回辞めたとしても働く場所に戻っていけること、この四つ目のところに非常に有益な施策だと思いますので、細やかなそういった視点を持って施策を遂行いただければというふうに思います。 終わります。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 では、今日は、私も教員の長時間勤務、働き方の問題について質問をいたします。 学校がブラックな職場になっている、こういう実態を是正するということは、労働条件の改善として緊急であると同時に、子供の教育条件として極めて大切な、国民的な課題です。 九月に十年ぶりになる二〇一六年度の教員勤務実態調査の確定値、これが明らかになりましたので、改めてこの数字の確認からしたいと思うんですけれども、これによりますと、学内の勤務時間というのは、小学校で十一時間十五分、中学校で十一時間三十二分、前回、十年前の調査よりもそれぞれ四十分から三十分増加しているということです。現在、一日当たりの正規の所定の勤務時間というのは七時間四十五分となっているので、そうすると、教員は毎日二時間四十五分程度、三時間近くの超過勤務、残業をしているということになります。 ここで確認しますが、一日十一時間以上毎日働いている、一週間当たり学内勤務時間が週五十五時間以上となっている教員の割合というのは小学校、中学校でそれぞれ何%になるか、お答えください。
○政府参考人(永山賀久君) 御指摘いただきましたとおり、私どもの方の教員勤務実態調査、九月に確定値を公表いたしましたけれども、これは小学校、中学校の公立、それぞれ四百校につきまして、フルタイムの教員全員を対象として行いました。(発言する者あり)はい、失礼いたしました。 その結果ですけれども、一週間当たり五十五時間以上勤務している教員の割合、小学校教諭では五七・八%、中学校教諭で七四・二%という結果になってございます。
○吉良よし子君 小学校で五七・八、中学校で七四・二という数字でした。 今回の調査によりますと、学内だけじゃなく、持ち帰り業務も行われているということも明らかになっています。その持ち帰りの業務の時間というのが大体一日二十分から一時間あるということなので、それも合わせると、週五十五時間以上の勤務というのは月八十時間以上の時間外労働、厚労省が定めている過労死ラインを超える長さに相当するということです。つまり、小学校で六割近く、中学校で七割が過労死ラインを超える状態で働いているという実態があるということです。 だから、文科省も既に看過できない深刻な状況ということで認識を示しているわけですが、おとといの委員会で、大臣所信でこの働き方改革についても述べられたわけですが、教職の専門職にふさわしい勤務環境を確保と述べるにとどまっていて、この長時間労働についての言及がなかった、これは本当に残念なことだと思うんですけれども、多数の教員が過労死ラインを超えるような超長時間労働になっている、その実態が明らかになっている下で、こうした長時間勤務を減らす、是正すると大臣自らはっきりと明言するべきと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) ただいまの吉良議員との質疑の中で、教員勤務実態調査において、教師の長時間勤務、これがしっかりと如実に表れているということが明らかになっております。質の高い学校教育を維持発展させるためには、教師の業務負担の軽減を図ることは、御指摘のとおり、極めて重要かつ喫緊の課題であるというように明言をさせていただきます。 負担軽減のためには、教師でなければできない業務以外の多くの仕事を教師が担っているという現状を抜本的に変えることが先決でありまして、昨年十二月に学校や教師の業務の役割分担や適正化を着実に実行するための方策などを盛り込んだ緊急対策を取りまとめて、今年の二月に各教育委員会へ既に通知を発出いたしました。 また、小中学校のそれぞれの状況を踏まえて、本年度においては、小学校の英語教育のための専科教員千人の定数改善や教師の業務負担の軽減のために中学校における部活動指導員やスクールサポートスタッフの配置により対応しているところであり、引き続きこれらの取組をしっかりと推進してまいります。 あわせて、中央教育審議会において、昨年六月から学校における働き方改革をテーマに集中的に審議をいただいておりまして、その審議を踏まえて、さらに勤務時間管理の徹底、業務の役割分担、適正化、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実、勤務時間制度の改善など、教職の専門職としての教師にふさわしい勤務環境の確保に取り組んでまいります。
○吉良よし子君 いや、聞いていないところまでお答えいただいているんですけど、私が聞いているのは、長時間労働を是正するという立場かどうかと、そこを聞いているわけです。つまりは、今ある所定の勤務時間、七時間四十五分ですけれども、それを目指して今の十一時間十五分なりを縮減していく、減らしていく、七時間四十五分を目指していくと、そういうことでよろしいですか。
○委員長(上野通子君) この際、申し上げます。 答弁は、大臣、質疑者の趣旨を体し的確に行うよう申し上げます。
○国務大臣(柴山昌彦君) 御指摘のとおりです。
○吉良よし子君 じゃ、七時間四十五分目指していくということですね。御指摘のとおりということなので、そうだということだと思うわけです。 では、そこで伺いますけれども……(発言する者あり)いやいや、いいです。それで、先ほど大臣、緊急対策とおっしゃいました。おっしゃったとおり、その緊急対策の中身で業務の役割負担、適正化を進めることなどを挙げているわけですね。じゃ、この緊急対策で現状の一日十一時間を超えるような勤務時間、具体的に何時間、あるいは何分縮小できるのか、減らせるのか、お答えください。局長で結構です。
○政府参考人(永山賀久君) 昨年十二月にお示しした緊急対策に掲げるそれぞれの施策につきまして、各学校の状況も様々でございまして、教師の勤務時間の具体的な削減時間についての試算は行っておりません。おりませんけれども、一方で、文科省といたしましては、これまで様々な実践研究というのを行ってございまして、少し例を申し上げますと、具体的な勤務時間の削減ということで、都道府県単位で統合型校務支援システムというのがございます。教務ですとか学籍ですとかいろんなシステムを統合したシステムを複数で回すと、そういったシステムを導入した場合に、年間で百二十時間、約ですね、縮減された例ですとか、あるいはその校務の整理とかサポートスタッフの整備、それから退勤時刻設定のルール化ですとか留守番電話とか、様々な施策を合わせまして、これ、年間六十時間程度の縮減された例というのも承知をいたしてございまして、私どもとしては、これらの取組の共有あるいは横展開を図ってまいりたいと思っております。
○吉良よし子君 年間六十時間、若しくは百二十時間ですから、月に直すと大体二時間程度ということかと思いますが、これは確実に減らせるということでしょうか。もう一度確認をいたします。
○政府参考人(永山賀久君) これ、一つの実践例でございますので、この例に従って取り組んだ場合にこういったことも期待できるということではないかと思います。
○吉良よし子君 まあ期待ができるということで、それはもちろん各学校現場で話し合って不要な業務を減らしていく取組を進めるというのは当然ですし、最大で、最大なのか分かりませんけれども、そういった事例もあるということは大事だとは思います。 では、ここで私、確認をしたいんですけど、ただ、この緊急対策見ていくと、各学校現場や地方自治体が進めるべき取組という内容しか挙げられていないと思うんです。それがほとんどだと思うんですけれども、じゃ、文科省として、今学校現場に実施するように求めてきた様々な施策のうち、何か一つでもやめる決断をしたというものがあるのかどうか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど、何か一つでも様々な文科省として学校を対象として行う調査の廃止や頻度、時期、項目の見直しを行ってきたのかということなんですけれども、例えば、今年の四月には、各団体などが主催する児童生徒を対象としたコンクールやイベントなどについて、文部科学省への後援名義等の使用許可、これが出てくるわけなんですけれども、その条件として、例えば作品の提出方法や広報などに係る負担軽減をしてくれということを条件とすることといたしました。また、同じく四月に、学校に対して、これまでそれぞれ作成することを指導してきた個々の子供たちに対する支援計画を一つにまとめて作成することができるよう、そのモデル例を各教育委員会に対してお示しをいたしました。 さらに、文部科学省の組織再編によって、これまで三課に分かれていた学校における働き方改革に関する業務について、初等中等教育局財務課において一元的に推進することとして、その上で、学校に新たな業務を付加するような制度改正等を行う際には、必ず事前調整を行うことといたしました。 こうした取組を通じて、スクラップ・アンド・ビルドの考え方によって学校の負担を軽減をさせるように取組を進めてまいりたいと思います。
○吉良よし子君 スクラップ・アンド・ビルドとか様々言われましたけど、私、抜本的に削減できる業務、まだたくさんあると思うんですよ。この間、教育改革、教育再生と称しながら、文科省、様々な業務を学校現場に押し付けているわけです。 例えば、テスト対策のために放課後に補習授業などを押し付けるような全国学力テストとか、若しくは子供たちの評価に困るような道徳の教科化であるとか、授業時数を増加させる小学校英語とか、教員不足の原因にもなっている教員免許更新制、行政研修の増加、削減すべき文科省主導の業務、大きなものが山ほどあると思うんですけれども、これら見直すべきだと思いませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) それぞれの施策については、背景をしっかりと検討してキックオフをさせていただいたものばかりでありますが、現在の状況の検証等も含めてしっかりとまた確認をさせていただきたいと思います。
○吉良よし子君 確認すると言うけど、減らす、やめる、そういうことはおっしゃれないと、それじゃ私、駄目だと思うんですね。 都教組の青年部のアンケートで若い教員の皆さんが答えていますけれども、過労死ラインを大幅に超えても、それでも仕事が終わらない、そういう実態を把握してほしいと言っているんです。長時間過密労働の打開策は決して現場の意識改革といったものじゃない、我々の意識などに責任転嫁をしないでいただきたい、こうおっしゃっているわけです。 やはりそういう意味では、文科省の方が現場に押し付けている業務、過大な業務を抜本的に見直す、削減していくと、そういう立場に立たなければならないということを強く指摘したいと思います。 ところで、中教審特別部会では、この長時間勤務の解消策として一年単位の変形労働時間制、これが検討されていると。先ほども神本委員がおっしゃっていましたけれども、これ重大だと思うんですね。 まず基本的な仕組みから確認をしたいんですけれども、この一年単位の変形労働時間制、これは具体的にはどのような制度なのか、お答えください。
○政府参考人(永山賀久君) 一年単位の変形労働時間制でございますけれども、法律上は労働基準法第三十二条の四に定められておりまして、休日の増加による労働者のゆとりの創造ですとか時間外・休日労働の減少による総労働時間の短縮等を実現するために、一か月を超える一年以内の期間を平均して一週間当たりの労働時間が四十時間を超えない、これを条件といたしまして、業務の繁閑に応じ労働時間を配分することを認める制度であると承知いたしてございます。
○吉良よし子君 今御説明いただいたわけですけれども、私もこの中教審に示された配付資料というものをお示しをしております。 つまり、休日の増加、ゆとりの創造などとおっしゃっていますけど、要するに、これ見ると、夏休みなどのいわゆる閑散期と呼ばれる日の勤務日を減らして閉庁日などとして休みの日をつくったり、若しくは一日の勤務時間をその月は短縮するなどして、その短縮した分を学期中の平日に回して、正規の勤務時間、七時間四十五分を長くしていくということなわけです。 じゃ、その正規の勤務時間、つまり残業以外の勤務時間をグラフにされているわけですけど、この資料の数字足し上げると、年間で変更前で千九百時間となっているわけですけど、それは制度を導入した以降でも足し上げると千九百時間と変わらない、減ることはないという理解でよろしいですか。
○政府参考人(永山賀久君) この御指摘のグラフでございますけれども、これは変形労働時間制を導入した場合の勤務時間のイメージということでございます。 御指摘のとおり、これいずれの図につきましても、二番目、三番目の図につきましても所定の勤務時間の合計は同じ年間約千九百時間になるようになってございますが、制度上、一年単位の変形労働時間制を適用して変更前と変更後で異なる総労働時間を規定する、設定するということは可能かということにつきましては、制度上は総勤務時間を同一とするということは要件とはなってございません。
○吉良よし子君 いずれにしても、いろいろおっしゃいましたけれども、基本的な考え方としては、繁閑に合わせて一年間をずらすというだけなので、所定の勤務時間は変わらないということなんですよ、年間の、残業時間以外の勤務時間というのは変わらない。 そこで、もう一つ確認をしたいと思うんですけれども、変形労働時間制を導入したときに、この正規の勤務時間以外のいわゆる残業、超過勤務ということを行うことは禁止されるのかどうか、お答えください。
○政府参考人(永山賀久君) 現行の労働基準法等の制度におきましては、一年単位の変形労働時間制を導入した場合でも、所定の労働時間を超えて時間外労働させることは禁止されてはおりません。
○吉良よし子君 所定の勤務時間以上残業することを禁止するものではないということです。つまり、変形労働時間制を取っていたとしても、年間の法定されている勤務時間は全く変わらないし、残業だって今までどおりできるということ。つまり、仕事量が抜本的に減らない限り、これまでのような十一時間十五分等の長時間労働は変形労働時間制を取ったとしても全く変わらないということなんです。 じゃ、何が変わるのかということで、私、イメージ図を作ってみました。資料二を御覧ください。 これ、一日の労働時間のイメージです。現時点で十一時間十五分が平均値ということで、それを前提として作ってみました。 導入前は正規の勤務時間が七時間四十五分ですから、はみ出ている残業時間というのは二時間四十五分となりますが、それが変形労働時間制を導入して正規の勤務時間が八時間四十五分となった場合、同じように十一時間十五分学校で仕事をしていても、一時間半しか残業していなかったということになってしまうわけです。 つまり、全体の勤務時間、学校に居続ける時間は変わらなくても、減らなくても、残業時間を見かけ上減らすことができると。同時に、逆に学校に居続けなくてはならない拘束時間というのは、勤務時間が八時間四十五分に延びますから増えることになってしまうと。これでどうして長時間労働の是正ができるというのかと。学内で勤務している時間は変わらないけれども、見た目の残業時間が減ればいいのか、拘束時間をそして増やしていくのかと。これがあなた方の言う学校の働き方改革なのですか。 こういう変形労働時間制、今の現状追認でしかない合法化、現状の長時間労働の合法化、固定化でしかないと思いますが、それ大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 多様な働き方を可能にするという意味で、現在、中央教育審議会においては議論がなされております。 現行法では公立学校の教師に導入することができない、今御指摘になった一年単位の変形労働時間制を各教育委員会などの判断で導入できるような制度改正について検討がされているということでありまして、中教審の議論においては、学期と学期の間に長期休業が存在するという教師に固有の勤務の態様に沿うものである、また、長期休業中に確実に長期間の休日を確保でき、リフレッシュにつながるといった肯定的な意見もあります。 ただ、導入に当たっては、今おっしゃったとおり、学期中の勤務時間、そして長期休業中の業務の縮減、こういうことが前提となりますよ、あるいは育児や介護を伴う教師について配慮が必要ですよと、こういった意見もあったというように承知をしております。 このような意見も踏まえて、引き続き中教審で検討が深められるというように承知をしております。
○吉良よし子君 いろいろおっしゃられましたけれども、結局、この長時間労働が変形労働時間制で減るわけではないんですよ。だから、ネット上でも教員の皆さんから批判的な声が続出しているわけです。 例えば、これ、八時間四十五分になったら居続けなければならないから保育園の送り迎えができなくなるとか、そういう声が出ています。また、変形労働時間制が導入されて例えば十時間勤務とかになったら、勤務時間内に収まるから全員六時までは部活動を指導しなさいなんて言われるかもしれぬと、そんな可能性があるから、まじでしゃれにならぬ、こういう声が上がっているわけです。 部活動だけじゃなくて、例えば勤務時間が十八時まで延長されたとしたならば、七時間目の授業を一律に入れていくとか、これまでは五時前までには職員会議は終わらせるように現場では努力しているわけですよ、それをもう延長されたからということで職員会議を五時から始めるとか、そういう事態も起きかねない。そして、会議の後に行っていた授業準備を始める時間が更に遅くなってしまって、むしろこれまで以上に長時間労働が助長される、そういう可能性だって否定できない事態だと思うんですけれども、そういった変形労働時間制、この導入検討はもうそもそもやめるべきじゃないかと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 繰り返しになりますけれども、中教審でも指摘があったとおり、仮に導入するに当たっては、まず業務の役割分担、適正化、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実などを図ることによって、年間の勤務時間の縮減を徹底するということが必要です。また、長期休業中の研修や部活動の大会などの在り方、実施時期の大幅な見直し、これも不可欠です。そのために文部科学省が果たすべき役割も大きいと認識をしております。 今後は、こうした中教審の審議をしっかりと踏まえつつ、教職の専門職としての教師にふさわしく、教師としての職業の魅力を高める勤務時間制度の改善に取り組んでいきたいと思います。 なお、育児や介護について御言及をいただいたんですけれども、労働基準法施行規則第十二条の六において、使用者は、一年単位の変形労働時間制を導入する場合には、育児、介護を行う者等に配慮をしなければならないという旨が定められておりまして、一年単位のこの変形労働時間制、対象者の範囲を定めて導入されるものでして、全ての職員に一律に導入されるものではないわけです。したがって、仮に公立学校の教師に導入する場合であっても、育児、介護等のために定時に帰宅するような教員への配慮がなされることは当然必要だと考えております。
○吉良よし子君 いや、だから、個別に導入されると言いますけれども、そんなの、教員一人一人当たりで違う変形労働時間制を入れるなんていったら現場がますます混乱して、それこそ長時間多忙化になりますよね。しかも、それだって現実的じゃないし、やっぱり一人だけ先に帰るなんというのは相当大変。もう既にそういう変形労働時間制が導入されているような国立大附属の学校などでは送り迎えのために一時間の年休を取って帰らなきゃいけない、それがもう本当に申し訳ないと、しんどいという、そういう声だって上がっているわけですよ。そういう事態を生み出しかねないということを言っています。 そして、夏休みなどの休日を増やしてリフレッシュとかおっしゃいましたけれども、現状、夏休みがじゃ本当に閑散期なのかという問題もあるんです。実際には、夏休みに様々な行政研修をこなしているという実態があるわけです。教員免許更新制のための講義受講だって夏休み。そして、部活動やプール指導もあって、さらには、授業時数を確保するためなどと言いながら夏休みそのものを縮小して、八月から二学期の授業を開始しているような地方自治体もあると。そういう中でどうやって確実な休日を確保するというのか。 夏休みだからといって、決して業務量は減っていないんですよ。行政研修をやめるというならまだしも、そういう不可能な、絵に描いた餅じゃないかと、もうこんなんじゃ、私、働き方改革とは言えないし、変形労働時間制の検討なんてとんでもないと言いたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 先ほど私が申し上げたように、長期休業期間中の今御指摘をいただいた行政研修あるいは部活動の大会等の在り方、実施時期、こういったものを大幅に見直す必要があり、そのために果たすべき文部科学省の役割は大きいというように今指摘をされておりますので、引き続きその方向で検討させていただきたいと考えております。
○吉良よし子君 行政研修を本当に見直すのであれば本当に是非見直していただきたいし、減らしていただきたいと。 いずれにしても、今の変形労働時間制では意味がないと。そうじゃなくて、やはり私は、教員の一番の業務である授業の持ちコマ数、これを減らしていくということが一番の業務量の縮小だと思う。今、教員が週二十六コマ、一日で今五コマ、六コマも受け持っている。どう考えても所定の勤務時間内に仕事が終わらないわけですよ。だから、それを上限付けて一人当たりの持ちコマ数を抜本的に減らして、それに見合うだけ人員を増やしていく、教員を増やしていく、それこそが本当の教員の働き方改革であるということを申し上げて、質問を終わります。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。 本日は、大臣所信に対する質疑のお時間をいただきまして、ありがとうございます。 早速質疑の方に入らせていただきたいと思います。 大臣所信の中に、リカレント教育を抜本的に拡充し、生涯にわたって学び続け、チャレンジし続ける機会の確保を目指しますとありました。リカレント教育は全ての社会人が対象でありますけれども、特に女性の職業能力の向上、キャリアアップ、キャリアチェンジにつながるのではないかと私自身も大変注目をしております。先ほども伊藤議員の方から、シングルマザーに対するリカレント教育、しっかりと進めていってほしいというような質疑がございましたけれども、この点を踏まえまして、現在行われているリカレント教育というのは、政府が新たに掲げたような上場企業の女性役員を増やす、そういったような女性活躍の目標とは若干関連が薄いように思われます。 リカレント教育と政府目標の達成を結び付けるような施策、こういったものを広げていく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか、お答えください。
○委員長(上野通子君) 高木さん、どなたですか。
○高木かおり君 中根副大臣でお願いします。
○副大臣(中根一幸君) 上場企業の女性役員数は、安倍内閣がこの女性活躍の旗を高く掲げ、強力に取組を推進してきたことによりまして、平成二十四年と比べて二・七倍となっております。女性の役員数を更に増やしていくためには、将来役員や管理職に就くことが期待される女性社員の育成を促していくこと、これが非常に重要だと認識しております。 内閣府では、平成二十八年度に女性役員の効果的な育成のため、女性リーダー育成モデルプログラムを策定し、これに基づいた研修を実施しているところでございます。具体的には、平成二十九年度、神奈川県と京都府で実施し、本年度は神奈川県、愛知県、関西で実施しているところであり、また十二月から昭和女子大学と連携して実施することとしております。こうした研修が様々な地域や大学で提供され、役員や管理職を目指す女性の学びの機会が広がっていくことを期待しております。 今後も役員や管理職に就くことができる女性人材の育成に向けて、関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと思います。
○高木かおり君 やはり女性のリーダーをしっかりと人材育成していくということは非常に重要であるとともに、一方で、やはり一人一人は個性があって、全員が先ほどおっしゃっていただいたような女性のリーダー、役員、幹部になっていくというわけではなくて、この上場企業での昇進を目指すということ、そういったことだけではなく、女性が自らの意思でしっかりと個性と能力を十分に発揮できるような、そういった職場で活躍するということがやはり重要だと思っています。 そのためには、まず自分がどういったキャリア形成を希望するのか、どういった分野についてどこの教育機関でどのようなリカレント教育を受講していくのか、そういったことをしっかり知る必要があると思います。 こういったリカレント教育を行っている大学、特にもう関東では日本女子大が大変先陣を切ってやっている。そのほかにも、お茶の水女子大、関西の方では関西学院大学、そういった、そのほかにも様々ありますけれども、今、特に女性に特化して申し上げましたが、そういった大学等で職業実践力育成プログラム等、こういったものも活用しながら、大学が今積極的に取り組みつつあるといった状態だと思います。 そういった中で、政府は、このリカレント教育の体系をこれからもしっかりと構築をして、それを幅広く周知をさせていく、そして仕組みをきちんとつくっていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) リカレント教育の更なる推進のためには、様々な教育機関において実施されている取組の周知を広く行うことが重要でありまして、現在、各大学などによって個別に広報が実施をされているところですけれども、文部科学省では、リカレント教育の講座情報ですとかあるいは支援制度情報、これは様々な機関で行われているんですけれども、これを一元的に学習者に提供するための総合的なポータルサイトの構築に取り組んでいるところです。 今後とも、関係省庁とも連携をしながら、リカレント教育等、社会人の学び直しに関する取組について一層の周知に努めてまいります。
○高木かおり君 ありがとうございます。 その男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業、こういったことで様々やっていただいているということはお聞きをいたしましたけれども、まだまだ全国で四か所ということで、様々なジャンルで、先ほどありましたように、シングルマザーの方々、DVやモラルハラスメントの影響等でそういった自立困難な女性に対して、そういったこともあるとともに、地域で多様な女性活躍を支えるターゲット、こういったターゲット別のプログラム、そのほかにも様々、大学等や地域でのキャリア教育、様々あるのは分かるんですけれども、やはりまだまだ少ないというふうに感じております。 私が先ほど日本女子大、また関西では関西学院大学、そういったところで女性のリーダー、そういった育成に取り組んでいる大学のリカレント教育ということをお話しさせていただきましたけれども、先日、関西で今年初めてリカレント教育を事業化したという京都女子大学の方にお話を伺いに行ってまいりました。 実際に大学の方で初めて行ったということでございましたけれども、そこの、京都女子大学の卒業生にもちろん限らず、やはりこの意識の高い方々が学び直しをしたいということで通える範囲でいらっしゃっていた。 多種多様な人材が受講をされていたということなんですけれども、このリカレント教育、私たちはリカレント教育というと当たり前のような感覚になってしまっているんですけれども、その受講した方々の八割が、実は来るまでリカレントという言葉すらなじみがなかったということでございます。 そのとき、副学長がおっしゃるには、リカレント教育のこの講座も思った以上にニーズが高かったということで、大学を出て、結婚、出産をして、そして育児をして、そしていざ再就職をしようと思ったけれども、様々なことが以前自分が働いていた時代とは変わっていて、ばりばりもう働けないんじゃないかという、そういった自信を失ってしまったという方々、そういったことがもう一度再チャレンジできるということで、まさに学び直しを希望されている方がたくさんいらっしゃったということでございます。そういった意味で、たくさんの人材、さまよっている女性の人材がいらっしゃるということが浮き彫りになったかと思います。 先ほど伊藤議員の方からもそのデータの取り方というような話もございましたけれども、まだまだ学び直しをする今社会に出ていない女性、そういった方々はリカレント教育という周知徹底がまだまだできていない。今現在社会に出て学んでいる方々は少しずつこういったリカレント、学び直しということを、産業界の方でもやっておりますけれども、こういった女性に特化すると、まだまだ掘り起こしができていないというような印象を受けます。 続きまして、民間会社の推計でありますけれども、二〇二五年には約六百万人の労働力不足が生じると言われています。それを女性が三百五十万人、高齢者百五十万人で補おうとしております。一方で、AIの発達によってなくなる仕事も出てくるのではないかと。 そういったことを考えますと、本当にこの女性の活躍が期待されている分野、それは一体どこなのか、それはいつの時点なのかをしっかりと試算をしていく、需給バランスを取りながらリカレント教育を提供していく。このリカレント教育もやはり税金を使ってやっていくわけですから、限られた税金を使う中でしっかりとそういった試算は行っていくことも必要だと考えますけれども、文科省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(清水明君) お答え申し上げます。 リカレント教育の中でも特に女性、一旦退職した方の復職、再就職が重要であり、またそのためのリカレント教育が重要だということで、文部科学省としても男女共同参画推進のための学び・キャリア形成支援事業を行っているというお話をしたところでございます。 これらの事業の実施に当たりましては、当然、労働関係そのほか、また男女共同参画であれば内閣府等と連携を図っていくことが必要でございますので、リカレント教育のその学習の内容でありますとか、あるいはそれぞれの方のニーズ等に応じた施策を取っていく上で、関係省庁との連携を深めて進めていきたいと考えているところでございます。
○高木かおり君 是非、今日、資料、お配りをした三枚目なんですけれども、「大卒女性生かせぬ日本」というような記事がございます。OECD東京センターの村上所長も、やはり日本は今海外に比べてこういった取組が、スピードが遅いということも指摘をしておりますけれども、先ほど、リカレント教育の体系を構築し、それを幅広く周知徹底していくことが重要だと、で、事例を挙げましたけれども、このリカレント教育自体がまだまだ女性の中では、学び直しをするためにこういったリカレント教育というものが、大学やそういった地域にも学び直しをする場所があるということがなかなかまだ周知されていない中で、もう少し、例えばそういった中でプログラムを増やすですとか、また地域間格差をなくす、またリカレント教育に参加するための時間それから費用の捻出、そういったことが困難だという声に対しての支援、こういったこともやっていくべきではないか、そのためにはやはりしっかりと仕組みをつくるべきじゃないかと思うんですけれども、最後に大臣、これについて何か御所見ありましたらお願いいたします。
○国務大臣(柴山昌彦君) ありがとうございます。 抜本的な取組の強化が必要だと思っております。リカレント教育によって新たなステージで求められる能力、スキルを身に付ける機会の提供の確保、取組の更なる推進のためには、関係省庁との一層の連携が重要です。 今年の六月に取りまとめられた人づくり革命基本構想に基づきまして、文部科学省といたしましても、関係省庁と連携をして、産学連携プログラムの開発の検討や文部科学大臣認定プログラムの対象の拡大、こういったことも行っています。職業実践力の育成、これを認定する制度なども設けさせていただきます。 文部科学省といたしましては、今後とも、関係省庁と連携しながら、リカレント教育の総合的な推進に努めてまいります。
○高木かおり君 是非お願いいたします。学び直しということで、文科省も先頭切って各省庁と連携をしてやっていただきたいと思います。 それでは次に、教育の無償化についてお聞きをしていきたいと思います。 先日、独自に幼児教育無償化を先行させた兵庫県の明石市長にお聞きをいたしました。無償化によって保育所ニーズをにらんで無償化前の約三倍に当たる約十五億円を掛けて保育所を整備したと。二〇一七年四月には定員を約八百人増やし、一八年四月には更に九百人分の定員を確保したけれども、入所希望者は一七年を六百六十四人上回る七千百四十九人になったと。 これは無償化を進めるに当たって掘り起こしが行われ、待機児童が増えてしまったという現象なんですけれども、この教育費の無償化、来年の十月からということでまずスタートをするわけですけれども、周知の期間も考えると、そろそろ細かなところまで煮詰まってきていると思います。今日も午前中に新妻議員の方から御指摘もありました。その点も含めまして、少し伺っていきたいと思います。 まず、その地方自治体の無償化に当たっての経費、これはもう地方自治体の方から大変大きな声が上がっております。 現在、全国の市町村で準備が進められているところでありますけれども、先月九日に開かれた政府の子ども・子育て会議では、給食費を無償とするかどうかで意見が分かれたという報道がありました。 無償化というと、各家庭が支払う保育料や給食費だけに、そういったところに注目が集まる、けれども、実は自治体の方も大変負担を強いられることになるわけです。例えば、無償化の告知をすること、それに伴う就園促進、あるいは前述のように就園が進むことを見越しての保育所の整備や定員増に伴う保育士の募集など、またシステム改修経費、それから事業処理経費、こういった様々なお金が掛かってくるわけです。 先ほど御答弁の方にありました、文科省の方の御答弁だったかと思うんですが、その資料は、既にそういった保育所整備をする、保育士の募集、またそういった就園促進、そういったものの配付資料は市町村の方へ既に配付するためにお渡しをしているというようなことがあったかと思いますが、もう一度それを確認をしたいということと、あと、それ以外のシステム改修費やそれに伴う事務費、人件費、そういったものを補助する、そういったお考えがあるのかどうか。この二点、お聞かせください。
○副大臣(左藤章君) 教育の無償化に当たっては、実務等、先生おっしゃったように、市町村に必要な経費が掛かります。この円滑な事務処理を行っていく必要があると思っております。 このため、新たな制度の導入時、来年の十月になりますが、必要な経費については、地方自治体に対する補助金を概算要求し、保育の必要性の認定や給付など、新たに生じる恒常的な事務については地方交付税措置を要望しております。 地方自治体の事務負担への支援措置については、引き続き、地方自治体の皆様の御意見を丁寧に伺いながら、具体的な制度の検討と併せてしっかり調整をしてまいりたいと思っております。 先ほどシステムのお話ありました。システムもこれ大変でございまして、この無償化に伴って必要となるシステム改修経費を補助するためには、本年度予算において百九十二億円を計上して対応させていただいているところでございます。
○高木かおり君 ありがとうございます。 本当にこれは地方自治体の方から悲痛な声も上がっていると。もう時間もない中、予算確保も大変厳しいと思いますけれども、是非とも併せてやっていただきたいと思いますので、強く要望を申し上げておきます。 続きまして、今日配付させていただきました一枚目と二枚目の資料でございますけれども、高等教育の無償化について一点お伺いをしたいと思います。 私の地元大阪府では、自治体独自の取組として、平成二十三年度から私立高校の実質無償化を全国に先駆けて進めておりますけれども、他地域でも無償化を進めている自治体も幾つかあるようです。 東京都もそうでございます。一枚目の資料にはその記事が載っておりますけれども、東京都の場合、私立高校の実質無償化を進めた結果、公立高校の志願者が減少してしまい、定員割れが相次ぐケースが見られたと。大阪府でも、公立高校に対して、三年連続定員割れをした場合、統廃合などの措置をすることとしていると。 二枚目の資料は、平成二十三年度に私学の無償化拡大をしたということで大幅な定員割れが起こっております。けれども、その後、少しずつ回復はしている状態ですけれども、やはり連続で定員割れをしたような場合は統廃合などの措置をするようにし、実際に統廃合された高校もあります。 公立高校がやはりこれ切磋琢磨をして魅力を打ち出していって、そして少子化、それから地域の事情、こういったものに合わせて定員を見直していく、こういったことも必要な時代になってきているのではないかというふうに思います。 新聞記事にも、一番下の段の左端の方には、専門学科など、社会のニーズに合わせた商業高校ですとか工科高校、そういった高校を例えば福祉系の人材を育成する専門の高校に変えていくとか、そういった社会のニーズに合わせて変えていくという学校もございます。 今後、こういった事態に対して、やはり文科省としてもしっかりと指導監督もしていかなければならないという面もあるかと思います。もちろんこれ、都立や府立、都道府県の管轄の高校にはなってまいりますけれども、私学も公立も併せ切磋琢磨をしていく、そしてより良い高校をつくっていく、そういった方向へ行くべきであると考えますけれども、こういった事態について、文科省として、大臣、見解をお聞かせください。
○国務大臣(柴山昌彦君) お示しをいただいた公立高校の定員割れについては、少子化などの様々な要因も寄与していると考えます。 今後、ますます複雑化、高度化する経済社会の中で、九九%の生徒が進学する高校におきましては、一人一人の能力を最大限伸ばしていくことが我が国社会全体にとっても不可欠になってきます。 そこで、公立高校も含めて各高校が、今お話があったように、それぞれの特色を生かして魅力ある教育が展開できるようにしていくということが重要でありまして、教育再生実行会議においても、普通科の在り方、地域との協働の在り方など、新時代に対応した高等学校改革の検討が進められております。 文部科学省としては、こうした議論も踏まえつつ、引き続き、各高校でどのような募集状況になっているのか、あるいはどのような高校が授業を展開しているのかということについても注視をしてまいりたいと考えております。
○高木かおり君 今、注視をしていかれるということでございましたけれども、この高校の無償化も、全国的に進んでいく際には、やはりこういった同じような、少子化だからということもございましたけれども、同じような問題に直面していくことになると思います。是非とも、そういった公立高校の今までの事例等もすくい上げていただいて、文科省からもそういった全国展開をして、こういったときにはこういった課題があるというようなことも示していただきながら、より良い高校をつくっていくことに支援をしていただきたいというふうに思います。 最後の質問になるかと思いますが、来年の十月からもうこの幼児教育の無償化、三歳から五歳という件は実質始まっていくわけですけれども、この待機児童が最初に増えてしまっている、これに対応するために、本来でしたら認可保育所に入るのが当然なんですが、どうしても入れなくてあぶれた場合、認可外保育所に入らざるを得ない方々がおります。そういった場合、この認可外保育所等の質の確保について最後に一点お伺いをしたいと思いますけれども、骨太方針二〇一八では、指導監督基準を満たさない認可外保育施設についても、経過措置として五年間は無償化の対象にするということになりました。 施設の面積、保育士の配置が不十分な施設の利用に税金が投入される、また安全が担保されていない施設に五年間も子供を通わすことになる、そういった懸念の声も上がっているわけですけれども、認可外保育施設は原則自治体の監査を年一回以上受けることとされておりますけれども、平成二十八年度東京都が行った立入検査、これは約一八%しかできていなかったと。監査が不十分な体制のまま、このまま経過措置期間後も指導監督基準、満たさない状態が続きかねない、こういった指摘もあります。 認可外保育施設の質の確保、どのように担保していくおつもりでしょうか。明確にお答えいただけますでしょうか。
○大臣政務官(新谷正義君) 厚労政務官でございます。 今回の幼児教育の無償化、一つ目は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育、保育の役割の重要性、これと、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという少子化対策、こういった観点から実施するものでございます。 認可外保育施設については、待機児童問題によりまして認可保育所に入りたくても入れず、やむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない方がいることから、代替的な措置として幼児教育無償化の対象としたものでございます。原則、認可外保育施設の指導監督基準を満たす施設が対象となるところでございますけれども、指導監督基準を満たさない認可外保育施設が基準を満たすために、委員御指摘のように、五年間の猶予期間を設けることとなっているところでございます。 認可外保育施設が指導監督基準に適合するようにしっかりとこれは支援をし、そしてさらに、認可保育所等に移行できるように支援をしていくこと、これは質を確保し向上していく観点からも重要であると、そのように考えております。 また、このため、平成三十一年概算要求におきまして、認可外保育施設が守るべき基準の内容についての助言などを行う巡回支援相談員の配置の支援や……
○委員長(上野通子君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○大臣政務官(新谷正義君) 分かりました。 認可保育所等に移行を希望する施設の運営費の補助、これらを計上しているところでございます。 さらに、来年十月からの幼児教育無償化の施行に向けて、都道府県等による指導監督に加えまして、市町村がどのように関わっていくかなどについて自治体の意見を……(発言する者あり)検討してまいりたいと考えております。 ありがとうございます。
○高木かおり君 終わります。
○山本太郎君 ありがとうございます。内閣委員会からこちらに移ってまいりました。自由党共同代表、山本太郎と申します。社民との会派、希望の会を代表し、大臣を中心にお聞きいたします。 現内閣発足時の記者会見において、安倍総理の御発言、印象的な言葉ありましたよね。資料の一でございます。明日の時代を切り開くための全員野球内閣であります。最も重要なことは、結果を出していくことであろうと思います。まさに全員野球内閣で、国民のために結果を出していきたいと考えています。この全員野球という言葉、これ、デジタル大辞泉引いてみたら、正選手だけでなく、そのほかの野球部員全員が心を一つにして試合に臨むこと、関係者全員が一致団結して対処することとあります。 大臣、ここは短くお答えいただきたいんですが、内閣全体で諸問題に対して一丸となって取り組む、それが全員野球内閣と理解してよろしいでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) おっしゃるとおり、全員で結束をして取り組んでいくということだと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。 今回は、文科省の所管だけではなく他省庁にもまたがる課題、障害者についてお聞きしますけれども、大臣には、是非全員野球の精神で誠実に御答弁いただければと思います。ありがとうございます。 障害者といっても皆同じでないことは言うまでもございません。現在、障害を大きく三つに分類していますけれども、厚労省、それぞれの障害、教えてください。
○政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。 障害者の定義でございますが、これは、それぞれの法律等によりその目的等を踏まえて定められておるわけでございますが、障害者基本法では、第二条の第一号というのがございまして、この中で、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの」、このように規定されております。
○山本太郎君 ありがとうございます。 本日のテーマ、障害者への性暴力、過去に政府の政策として行われた障害者への強制不妊手術、これも許し難い国家による障害者への性暴力ではありますが、今回政府の姿勢を伺うのは、過去ではなく現在です。 障害者への性暴力問題に詳しい東洋大学社会学部の岩田千亜紀先生から御提供いただいたものが資料の二です、二。 二〇一四年、カナダの研究者ブラウン・ラボイエが発達障害者九十五人に対して調査した結果、成人の発達障害者、ASDでは健常者に比べて二から三倍性暴力被害が多く発生していたという結果が出ています。 発達障害者に特化した性暴力の調査、文科省は行っていますか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 被害者に発達障害があるかどうかにかかわらず、児童生徒の性暴力被害の実態に関しては、個人のプライバシーの問題もありますことから、文部科学省としてこうした全国的な調査は行っておりません。
○山本太郎君 調査は行っていないと。 文科省が行っていない調査を民間のNPOが調査をしてくださいました。NPOしあわせなみだでは、今年、調査票形式で障害児、障害者、子供と大人ですよね、への性暴力調査を実施。 資料の三、冊子になります。 五ページ目、本年三月に実施、発達障害者が集まる新宿のフリースペースNeccoで調査票を設置、希望者が回答したもの。回答者は三十二名。質問内容は、望まない人に性的な部分を触られたことがあるか、望まない人にキスされたことがあるか、望まない人にセックスされたことがあるか、望まない人に裸や性器を撮影されたことがあるか。これらに対して、調査に応じた三十二人中二十三人が何らかの性暴力を経験し、十一人は複数の性暴力を経験していたとの結果が。 性暴力を経験した二十三人のうち、その経験を誰かに話しましたかという問いに対して、十三人、約五六%の人が話したことがあると回答。六人、二六%の方は誰にも話せていない。話した人のうち、一番多いのは友人や知人が九人、家族は二番目で四人、警察に相談できたのは二十三人中僅か三人でした。 障害者の方が性暴力の被害者の場合、性暴力に対して障害のない人よりも抵抗しにくいと言われています。それが性犯罪であるという知識や情報、判断という部分において圧倒的な差が生まれる、それが性犯罪であると理解できても、性犯罪から逃れるための知識や手段、時間においても圧倒的に不利な状況に置かれると調査を行ったNPOしあわせなみだの方はおっしゃっています。 体の自由が利かない状態の障害だけではなく、一見、障害を持っているか分かりづらい発達障害の場合も同様に被害に遭いやすいといいます。 例えば、発達障害を持っている女性について、支援団体の方がこう教えてくださいました。真面目で融通が利かないっていうのかな、そういう人がほとんどなんですよ、それで言われたことを指示どおりに受け取ってしまうというところがあって、いついつどこにいらっしゃいって言われたら、それがホテルであったとしても行ってしまうとかねと。 この問題に詳しく、この調査の解説も行った東洋大学社会学部助教の岩田千亜紀先生によると、信じやすさからくるだまされやすさ、自己肯定感の低さ、相手の気持ちに気付くことが難しい、性暴力被害に遭う要因の多くが発達障害の特性と関係が考えられるといいます。ほかの障害を持つ方々の性暴力被害が表立たない理由としても、性暴力被害に遭ってもそれが性暴力であることに気付けない場合や、自分の思いを伝えにくいなどの問題があり、深刻化しやすいといいます。気付いていても訴えることもできない、あるいは、被害を訴えても妄想や勘違いに決まっていると相手にされなかったりする。 資料の四、平成二十九年度、内閣府、若年層における性的な暴力に係る相談・支援の在り方に関する調査結果が行われました。調査対象は、相談機関、保護施設・シェルター、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター、教育関係者などです。これは障害者を対象に行った調査ではなくて、主に三十歳未満の若年層に対する性暴力について事例を収集したもの。調査票で事例を収集、ヒアリングも実施。 全体で二百六十八件を対象として、このうち障害の有無が分かっているのは百二十七件、その五五・一%に当たる七十件が障害の可能性があると分かりました。障害の種類でいえば、発達障害十六件、精神障害十九件、軽度の知的障害九件、解離性障害六件、知的障害五件、パーソナリティー障害五件、双極性障害四件。 ほかにも内閣府では、配偶者暴力相談支援センターなどでの外国人被害者及び障害のある被害者の支援状況及び支援における課題を探るための調査を実施中。しかし、この調査についてもDV被害者支援機関向けの報告書であり、性暴力に関する実態を明らかにする包括的な調査とは言い難いと障害者支援団体の方々はおっしゃいます。 ほかにも資料の五、厚労省は、二〇一二年に施行された障害者虐待防止法の四十二条で、障害者虐待の予防及び早期発見、障害者虐待への適切な対応方法などのために必要な事項についての調査及び研究を行うことが定められており、毎年、地方自治体から障害者虐待事例について調査。 この調査の最新データは平成二十八年度、家族などいわゆる養護者とヘルパーなどの福祉施設従業者、それぞれの虐待に都道府県が対応した数です。結果は、家族などいわゆる養護者による虐待は全体で二千百三十件報告され、そのうち性虐待が全体の四・二%、六十五件。施設職員やヘルパーなど施設従事者などによる虐待は全体で五百十件、うち性虐待は全体の一二%、四十八件とのこと。 長々と御説明をしましたが、内閣府では、先ほど来紹介した調査、幾つかなどが行われており、厚労省は虐待防止法に基づいた毎年の調査がある。 文科大臣、学校現場において、障害者の性暴力に絞った詳細な調査というのは行われておりますか。先ほどお答えいただいたと思いますけど、もう一度お願いします。
○国務大臣(柴山昌彦君) 他省庁においてそれぞれの調査が行われているということは承知をしておりますけれども、文部科学省といたしましては、児童生徒について性暴力をどのように行ったかという実態に関して、やはり児童生徒のプライバシーの問題もあるために全国的な調査を行っておりません。
○山本太郎君 これ、文科省、調査を行っていない理由が理由になっていないんですよ。生徒たちのプライバシーを守るためと言いますけど、じゃ、ほかの省庁でやっている調査は全部プライバシー影響あるんですかって話なんですよ。調査票形式、アンケート風に特定の個人情報は漏れないような形、出さない形でやれるはずじゃないですか。ただやっていないことをプライバシーのせいにしないでいただきたいという話なんですね。 これはこれまでの文科省でやられていたこと。けれども、これからは大臣が旗を振って新しい文科省の調査というものもできる可能性というのは、私、大いにあると思うんですね。ほかの省庁の調査から漏れてしまっているのが文科省所管の学校での調査であると。 資料の六になります。 少し古いですけれども、二〇一二年、朝日新聞、「障害児の虐待 学校でも」という記事、アンダーラインが引いてある部分ですね。障害者を支援するNPO、PandA—Jの二〇〇九年から一〇年の親・支援者から見た障害者虐待あるいは不適切な対応に関する実態調査では、障害者が虐待や不適切な対応をされた場所について、保護者は、小中高など学校が最も多かったという結果が出ています。 厚生労働省では毎年先ほど示したような調査を行っていますが、学校現場含まれません。しかし、今紹介した記事でのNPOの調査では、性暴力の現場で最も多かったのが学校であったと。文科省、その部分を網羅的に調査する必要、私はあると思うんですよね、障害者に対する学校現場での性暴力。 先ほどのNPOしあわせなみだの方がおっしゃるには、障害のある方への調査は、キスされたことがありますか、どこか触られたことがありますか、望まない性交をしたことがありますか、写真を撮られたことがありますかなどをシンプルにイエスかノーかで答えられる、障害特性に合わせた質問を工夫する必要があるとおっしゃいます。どういう障害を持っているのか、障害者手帳の有無といったことはもちろん、大切なのはどういう場所で起こったか、これが大事だそうなんですね。この場所を知るというのは、被害を防止する上でも非常に重要なことだとおっしゃっています。 年齢的に余りに若い子供について難しいというのであれば、中高生だけでもこれは大きな意味があるとおっしゃいます。それに加えて、性犯罪を目撃した可能性がある先生、直接話を聞いた可能性のある親御さんにまで調査を広げていただきたいんですね。そして、この調査を特別支援学校などに限定せず、普通学級と呼ばれる教室でも調査を行っていただきたいんです。 先ほどのNPOしあわせなみだの調査に回答した三十二人中、発達障害と診断されたことがある方は二十六人と大多数なんですけれども、このうち十代のときに発達障害と診断された例はたったの四人だけだったんですよ。障害を持っているということを知らないまま学齢期を終えていると。この障害ありと診断された二十六人のうち何らかの障害者手帳を持っていた人は十八人、三割は手帳を持っていなかったという状態。このような調査結果を鑑みれば、特別支援学校などに限定した調査ではなく、普通学級も含んだ調査が必要だということになると思います。 学校現場における障害者への性暴力は実際に存在していると。で、他省庁の調査では漏れている部分であると。普通学級、特別支援学級、特別支援学校の現場での調査、親御さん、生徒だけではなくて学校の先生も含めた調査、大臣、これらの調査、是非やっていただけませんか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 現状においては先ほど紹介をさせていただいたとおりなんですけれども、年少期における性暴力はなかなか、今御指摘になられたとおり、表に出てこないということ、それから、その後の発達段階、発達過程においてPTSDなど非常に深刻な心の傷をもたらすということに鑑み、極めて重要な問題であるというように思っております。調査に関しましては、必要性を私の下で省内で慎重に検討を開始をしたいというように考えております。 ちなみに、学校における性暴力について文科省が手をこまねいているということでは決してございません。日常の生徒指導や健康観察などを通じて児童生徒の問題をできるだけ早期に発見するとともに、教職員が被害を把握した場合には、児童相談所を始めとする関係機関と連携をして対応しております。 また、ちょっと先ほども内閣府の若年層における性的な暴力に係る相談・支援の在り方に関する調査研究事業報告書、御言及があったかと思いますけれども、被害者本人が被害を明確に意識し支援者などに適切に伝えることが難しい等から被害が潜在化し、再被害の防止に向けた適切な支援につながりにくい状況にあるというようにされていることも踏まえまして、障害のある児童生徒も含めて各学校において丁寧な対応がなされることが重要であると認識し、そのような形での指導をしっかりと行ってまいりたいというふうに思います。
○山本太郎君 当然、指導はしていただくというのは当然のことだとは思うんですけれども、この調査というのは文科省自身では行われていなかったということはもう明らかなんですよ。他省庁の調査によって、なるほどと、障害者がこの性暴力というものに巻き込まれていて被害者になっているケースが散見されるということが明らかになったという状態なんですね。 この障害児という部分に関して、やっぱり文科省しかないじゃないですかって話なんですよ。要は、その現場が学校で多く見られているというならば、これは文科省において調査をしていただく以外はないと私は思うんですね。 これ慎重に検討をしてくださるということなんですけれども、この慎重にということで余りにも時間が掛かり過ぎてしまった場合に、これ新たな被害者を生み出してしまう可能性もあるし、今大臣が言われたような二次的被害であったりとかというものにつながっていきかねないんですよね。慎重に検討していただくのは結構なんですけれども、これは調査していただける方向だということでいいんですかね。で、その慎重に検討とはどれぐらいの期間を要することになるんですかね、教えてください。
○国務大臣(柴山昌彦君) 事の重要性に鑑み、しっかりと迅速に検討させていただきたいと思います。
○山本太郎君 迅速に検討をしていただけるというかなり前向きな御答弁をいただいたと思います。ありがとうございます。また次回質問があったときに、少しだけでも進捗状況というのを毎回確かめさせていただくということを重ねてまいりたいと思います。ありがとうございます。 そして、ここまでお話ししたことは学校での調査ですから、これはやる気を出していただければ文科省だけでもちろん前に進められることだと思うんですけど、ここからは、先ほど冒頭にお話しした全員野球、この全員野球内閣の真価が問われるという提案をさせていただきます。 障害者の性暴力被害をなくすためには、これ法改正、まず必要になってくるんですね。これは厚労省なんですけれども、障害者虐待防止法の第二条において、障害者虐待について加害者側の対象はどのように定義されていますか。
○政府参考人(橋本泰宏君) お答えいたします。 障害者虐待防止法における障害者虐待といいますのは、同法の第二条第二項におきまして、養護者による障害者虐待、それから障害福祉施設従事者等による障害者虐待、それから使用者による障害者虐待、このように定義されております。
○山本太郎君 ありがとうございます。 障害者虐待防止法の障害者虐待には、家庭、施設、企業が該当するというお話だったと思うんですけど、つまりは、学校や病院、保育所などで発生するということに関しては入っていないんですよね。教師、医師、保育士などによる虐待は含まれていないということになると。 資料の七でございます。 障害者虐待防止法の第七条、アンダーライン部分ですね。十八歳未満の障害者について行われるものを除くと書いてある。十八歳未満の障害児はこの法律の中では含まれない、だから、学校や保育所は含まれないというわけなんですよね。 じゃ、この十八歳未満の障害児に対する虐待についてどの法律で守りましょうかという話なんですけれども、これ、同じ資料七を御覧ください。 児童虐待防止法です。読みます。この法律において、児童虐待とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいいますと。 児童虐待防止法で児童虐待を行うと想定されているのは保護者のみ。つまり、児童への虐待であっても、保護者以外からの虐待はこの法律で言う児童虐待にはならない。小中高学校に通うのは専ら十八歳未満ですよ。しかし、教師や学校職員などの学校関係者は障害者虐待防止法の対象とする虐待の範囲に含まれず、また、児童虐待防止法における虐待は学校関係者からの虐待には含まれていないと。 ただし、厚労省の調査でも、現場レベルで学校からの相談は実際にあると。それがまとめられているのが資料の八。八付いていましたか。(発言する者あり)付いていなかった。済みません、これ大事な部分やったのにね。済みません、今日、朝、ちょっと誤植があって、それでちょっと新たに作らなきゃいけなくて、漏れちゃいましたね。済みません。 何が言いたかったかということなんですけれども、含まれてはいないけれども厚労省は直接相談を受けていますよということで、そういう数字をまとめていらっしゃるんですね。そこにタイトルがあって、衝撃的なタイトルで、法に定める障害者虐待以外の障害者に対する障害者虐待についての対応状況等。はっきり法の外と書かれているのが障害児だというお話だったんですけど、ごめんなさい、ちょっと付け加える紙が足りなかったようです。申し訳ありません。 学校現場で教師、学校関係者から障害児が虐待を受けても、障害者虐待防止法、児童虐待防止法では守られない。では、実際に学校などで性暴力に遭った場合、どの法律で守られるんですかといったら、刑法、刑事訴訟法になるんですよね。被害者側が直接裁判しなければならない刑訴法の仕組みと、通報などにより自治体が動かなければならない障害者虐待防止法と児童虐待防止法といった法律とでは余りにも大きな差があり過ぎると。結果、障害を持った方々、これ泣き寝入りするしかないような状態になっちゃうんじゃないですかって。 障害者虐待防止法と児童虐待防止法、このどちらかを改正して、学校における虐待をカバーできるようにするというのが一番の近道なんじゃないかなって思うんですけれども、これ、そういうような取組がなされなければ、ただでさえ声が上げづらい性暴力を受けやすい障害を持つ子供たち、救われないと思うんですね。 守っていただけませんか、障害児を。今こそ、これ全員野球内閣の出番じゃないでしょうかと私期待しております。お願いしたいのが、文科大臣に是非厚労大臣と直接お話をしていただきたいんですね。法改正の必要性というものを共有していただけませんか。法改正に向けて動いていただけませんか。いかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 学校においては、障害の有無にかかわらず、児童生徒に対する虐待を防止するべきであると、そのように考えます。 障害のない児童生徒に対する通報義務がない中で、障害のある児童生徒を保護対象とするべきかどうか、また、では、障害のない児童生徒についてはどのように保護するのがふさわしいのか。今問題提起をいただきましたので、厚労大臣としっかりと協議を進めてまいりたいと思います。
○委員長(上野通子君) お時間ですので、まとめてください。
○山本太郎君 はい。終了一分前の紙が今入りました。ありがとうございます。 大臣は非常に本日前向きにこの障害児の性暴力問題に対して誠実に答弁をいただいたと思っています。厚労大臣ともお話をしていただけるというお話もしたと思います。 これ、こういう形では正しいのかどうか分からないんですけれども、是非委員会としても、何ですかね、バックアップといいますか、応援するような形で決議みたいなものを是非していけないかということを委員会の中で御議論いただけませんかというお願いなんですね。例えばですけれども、先ほど言った学校に対する調査、それだけじゃなく、今お願いしました省庁を飛び越えた形での調整というものを政府に対してお願いしますということを是非……(発言する者あり)今委員長にお願いをしております。
○委員長(上野通子君) 後刻理事会で協議します。
○山本太郎君 ありがとうございます。では、よろしくお願いします。ありがとうございます。
○松沢成文君 希望の党の松沢成文と申します。 柴山大臣、この度は大臣御就任おめでとうございます。プロフィールを見させていただくと、大臣は、自民党の衆議院の補欠選挙に公募で自ら手を挙げて、そして当選されて大臣まで上り詰めたと。日本の政治も開かれたものになってきたなというふうに感じております。是非ともそういうフレッシュな感覚で、今までの大臣にはできないような文科省改革を実現していただきたいと、まず最初にお願いをさせていただきます。 さて、大臣のこの所信というか挨拶を先日聞かせていただきました。文科省として、大臣としてやりたいことはしっかり書かれていたと思います。ただ、その九ページに及ぶその文章の中で、私はおやっと思ったんですよ。実は、専門職大学、一昨年、これ鳴り物入りで、日本の高等教育も複線化しようということで制度を決めたんですね。しかし、この専門職大学について僅か一行にも満たないですよ、三分の一行ぐらい、「専門職大学等の充実に向けた取組を推進します。」と、極めてシンプルに短く一言触れられていただけなんですね。私は、ここには違和感を覚えましたね。 実は、専門職大学、昨年というか、来年に向けてのその申請が始まって、これ先月の五日に約十七校の申請があったと。そのうち、認可されたのが一校のみで、二校が保留、そしてほかの十四校は取下げという結果だったと。私、これも見て、ええっ、こんなものなのかとびっくりしたんですね。 ただ、今日入ったニュースでこの二校が、保留したこの二校は認可されたということですから合計三校……(発言する者あり)ごめんなさい、いや、私に入った今情報ではその方針になったということみたいですけど、十七校のうちの三校ですよね。そうなると、まあこんなものかなとも思うんですが、ただ、私は最初の発表が一校だけだったというのは非常にこれ少ないなというふうに感じました。 まずお伺いしますが、大臣、そもそも新しく専門職大学を設立する目的は何だったんでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 専門職大学は、昨年の通常国会で成立させていただきました学校教育法の一部を改正する法律に基づいて制度化されたものでございまして、近年、産業構造の急速な転換が進んで、高度で実践的かつ創造的な職業教育の充実が喫緊の課題となっていることから、これまでの大学、短大の強みと専門学校の強みの両方を併せ持つような新しい職業教育の枠組みが求められていることを踏まえまして、大学制度の中に位置付けられ、実践的な職業教育に重点を置いた高等教育機関として創設をされたところでございます。
○松沢成文君 そこで、認可が少なかったと私は指摘しましたが、皆さんにお配りしたこの資料を見ていただきたいのですが、これ専門職大学に認可を与えるかどうかですね、これ大学も含めてですけど、審議会があるわけですね。そこの下にまた分科会というのもあるんです。このメンバーがここに載っております。そのバックグラウンドも載っているんですね。 まず、この薄緑で書かれているのが民間人の方です、民間を代表して入ってきた方。それから、濃い黄色で書かれているのがいわゆる専門学校も経験している方、関与している方なんですね。ただ、この人たちは学校法人として大学も運営していますから、大学の方でもあるんです。残りの青色、大体これ五分の四ぐらいかな、もっとかな、これ全部大学関係者なんですよ。このアンバランスに驚いているんですね。 大臣、大学と専門職大学、このダブルルートができたのはいいことなんですが、これはある意味でライバルにもなっちゃうんですね。 まず、私学助成、今の財政厳しい中ではそう簡単に増えていきません。ですから、大学や、特に専門職大学はどんどんどんどん認可されていくと、えっ、自分たちの私学助成減っちゃうな、いや、余り増やしたくないなと思うのは当然ですよね。それで、圧倒的に大学の人が多いわけです。ですから、専門職大学もっと厳しくしておかないと、こんなの何校も認めちゃったら、私学助成、どんどんどんどんうちの方が減っちゃうなと、こういう関係にあるんですね。 これは紛れもない事実で、実はこの濃い黄色い人たちはまさしく、私もちょっと調査しましたけれども、私は専門職大学の代表者というよりも大学の方も代表しているのでこういう立場なんだということで、だから、逆に言えば、専門職大学の意見を反映するというか、よく実態が分かっている人がある意味で一人もいないんです。この審議会では、ほとんど厳しい意見ばかり出て、認可されないと私は思ってしまうんですね。 さあ、そこで、このように利害が対立してきた大学関係者と少数の民間の代表者による審査の結果、専門職大学の排除の論理が働いてしまって、ハードルが高くされてきたのではないのかと。これ、議事録が公表されていないから、ちょっと中分からないんですけどね。 それから、専門職大学は既存の大学と設置基準も学位も異なるのでありますから、私は、大学設置分科会ではなくて、専門学校の代表者も委員として一定割合を含む専門職大学設置分科会というのをつくって、そこでやっぱり専門職大学を認可するかはそちらの審議会で、分科会でやらないと、今の大学審議会とその下の分科会ではほとんどが大学関係者ですから、公平な審査されないと思うんですけれども、いかがでしょうか、どう考えますでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) まず、実態として申し上げますと、実は今御紹介をいただいた名簿なんですけれども、専門職大学の審査を行うこの大学設置分科会には今読み上げられた肩書ですと大学の関係者しかいらっしゃらないということなんですけれども、専門学校の設置も行っている学校法人の理事長もいらっしゃいます。そのことについては指摘をまずさせていただきたいと思います。 その上で、この専門職大学とそれから大学とが今おっしゃったような利益相反関係になるというのは、今の時点においては確かにそうかもしれませんけれども、我々が考えているのは、今、やはり社会の期待に応えられていない大学がよりスキルアップ、専門性を高めてもらって、その専門職大学に移行してもらう。そして、もちろん、今、専門学校からステップアップをして専門職大学に行く、そういうような多様なルートを想定をさせていただいております。 そういう中で、まず大学制度の中で創設された制度であるということ、それと、あと大学設置分科会の中では、大学関係者のみならず、産業界出身の委員も任命されているということ、そういうことも御考慮をいただきたいというように思いまして、専門職大学の特性を踏まえた適切な審査が行われたと。現に今お話があったように、保留になっている学校についてもこれは認可される方向で話が進んでおりますので、今年は非常に急にこういう形で手続が進んでしまったところではあるんですけれども、また来年以降チャレンジの機会があるということについてもまた御理解をいただきたいと思います。
○松沢成文君 新しい専門職大学の認可専門の分科会をつくるということには、今大臣、否定的だったですけれども、そうであるのであれば、このアンバランスは少し正していただいて、専門学校のことをよく分かっている委員もやっぱりこの中に増やしていただかないと公平な議論にならないと思いますので、そこは要望しておきます。 次に、専門職大学の設置基準についてでありますけれども、既存の大学とほぼ同じ設置基準をクリアした上で、多少緩和されているところはあるんですが、ほぼ同じ設置基準をクリアした上で、専門職大学については独自の設置基準、かなり厳しいものが求められているんですね。 例えば、教育課程連携協議会を設置しなさい、教育課程を民間の産業界なんかともきちっとやっていくように話合いの場を設けなさい、あるいは実務家教員の設置の割合もかなり高いんですね。それから、臨地実務実習の実施、インターンみたいなことを徹底してやらせて現場で学んできなさいと、こういうものを満たさなきゃいけないわけなんです。 ちょっとこれ今月の七日に、実は来年じゃなくて再来年度の、平成三十二年度の開設に向けた申請というのが審議会にもう諮問されたんですね。私立大学は四校、専門職大学が十五校、専門職短期大学が五校申請されたんです。これには平成三十一年度の申請を取り下げた十四校のうち九校が再チャレンジしているんです。 ただ、気になったのは、このうちの一校は専門職大学で申請しているんじゃなくて一般大学で申請に切り替えているんですね。つまり、もう専門職大学、今年の様子見ても、これ厳し過ぎてほとんど駄目じゃないかと、それだったら、一般大学の方が緩いからこっちで申請した方が早く認可取れるなと、こういう考えがもうあるんですよ。 だから、私は、専門職大学の設置基準というのは実質的に一般の大学と同等以上の水準を求めるものになっていて、ちょっと厳し過ぎるんではないかというふうに考えておりますが、この点については大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) 専門職大学の設置基準については、一般の大学の設置基準の水準を基本としつつ、先ほど申し上げたように、加えて高度な実践力や豊かな創造力を持つ専門職業人を育成するという特性を踏まえて独自の基準も設けたという特質がございます。したがって、先ほど松沢議員が御指摘になったように、教育課程連携協議会を設置するですとか、あるいは実習等による授業科目をおおむね三分の一以上とするですとか、専門的な教員の数を確保するですとか、そういった従来の大学にはない基準も設けております。 ただ、その一方で、大都市など周辺の土地が既に高度に利用されている場合などを考慮して校地面積の減算を認めたり、あるいは企業等での臨地実務実習が必修である等の特性を考慮して一定の要件の下に校舎面積の減算を認めたり、あるいは生きた知識や技能などを教授する役割を期待して、現に企業などに勤務している方を一定の要件の下に専任教員としてカウントできることとするなど、一部の基準の弾力化も図っている部分でもあります。 したがって、こういった両面がございますので、専門職大学の設置を検討している学校法人等に対しまして、こういった内容を十分に理解した上で申請していただけるよう、御相談に丁寧に対応していきたいと考えております。
○松沢成文君 確かに専門職大学の設置基準、少し緩和されている部分もあるんですね。ただ、それよりも追加されている部分の方が大きいんで、私は、どう見ても専門職大学の方が厳しい設置基準になっているというふうに思います。 一つ例を出します。ちょっと質問の順番、五番目を先にやりますけれども、専門学校の中には、例えば都市部の駅前に立地をしている学校も多いわけです。そういう学校では、どうしても図書館とか体育館などの設備が近隣にはなかなか確保できないという悩みを抱えているんですね。 例えば、大学のサテライトキャンパスのように、少し離れていても、ここは体育館だ、あるいは運動場として貸してもらえるから認めてあげようじゃないかとか、あるいは公的な施設をきちっと定期的に借りるという契約をすれば自前で持っていなくてもいいじゃないかとか、これぐらいの配慮がないと、そう簡単に、体育館も造れ、運動場も造れ、これは財政計画作れませんよ。銀行からの融資も得れませんよね。 私は、もう大胆に、専門職大学にどうしても体育館が必要か、どうしても運動場が必要かと、それは臨機応変、教室を使って体育の授業をやったっていいじゃないかと、それぐらいに、何というかな、緩和をしてあげないと、これ特に都市部の専門職大学がこの設置基準クリアできるかってなかなか難しいと思うんですけれども、この辺りはいかがでしょうか。
○国務大臣(柴山昌彦君) まず、おっしゃるとおり、サテライトキャンパスという取組がございます。ただ、二校地で教育研究を行う場合においては、それぞれの校地ごとに教育研究に支障のないような必要な施設及び設備を備えるものとすることを設置基準で規定をしております。 それから、体育館と図書館についてですけれども、確かにおっしゃるとおり、体育館などのスポーツ施設については原則としては備えるものとしておりますけれども、周辺の土地利用などやむを得ない特別の事情があるときには公共や民間の運動施設を学生の利用に供するなど、一定の代替措置を講じることによってスポーツ施設を設けないことができる旨、この度設置基準で規定をさせていただきました。 ただ、図書館の方なんですけれども、教育研究を行う専門職大学としてはやはり不可欠の施設ではないかと考えておりまして、もちろん設置する学部等の種類や規模などを踏まえてふさわしい規模のものとして検討することは必要だと思いますけれども、やはり図書館としての機能を備えていただく必要があるというように考えております。 いずれにいたしましても、弾力的な取扱いも含めて、文部科学省として専門職大学などの設置を検討している方々に向けて、その制度趣旨、設置基準等について丁寧な説明、分かりやすい周知に努めてまいりたいと思います。
○松沢成文君 是非とも、専門職大学の設置基準は、私は緩和の方向で見直していただきたいということを要望しておきます。 それから、これ、来年の四月から開校予定の学校の申請が、設置基準ができたのが昨年の九月で、十一月の申請締切りですよ。僅か三か月でこれだけの資料を用意できますか。この辺りも、文科省、私は不親切だと思いますよ。これで書類が不備だとか、こんなのも用意していないのかと、もう厳しい言葉で審議会から忠告受けちゃっているわけですよ。私は、もう少し文科省が、初めての大学育てていこうという観点から、少なくとも半年ぐらいはここに申請のスケジュール、スタートから申請の締切りまで用意してあげて、様々な相談に乗ってあげて、それでできるだけ育てていこうという方向でやらないと、私は専門職大学育っていかないというふうに思うんです。 この無理なスケジュールを組んだことについて文科省はどうお考えか。私は、その理由の一つにやっぱり文科省のスキャンダルの続発があったと思うんです。もうスキャンダルの対応でこういう実務がきちっとできていないんですよ。その辺りについても大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(柴山昌彦君) 非常にタイトなスケジュールであったことについては申し訳なく思っております。ただ、これについては、平成二十九年五月に成立した学校教育法の一部を改正する法律の条文で、平成三十一年四月一日からこの専門職大学制度を施行するということで明記がされております。こうした中で、文部科学省令である専門職大学設置基準の制定に当たっては、その法律の公布後に中教審の審議あるいはパブリックコメントなど所要の手続を経る必要があったから、その公布が昨年の九月八日となってしまいました。 こうした特殊な事情を踏まえ、大学の新設の場合には、原則として文部科学大臣への設置申請は開設前の前年度の十月に行っていただくものとしていたんですけれども、平成三十一年度開設の専門職大学の新設に限っては、この申請時期を一か月後ろ倒しして十一月とさせていただいたところでありまして、初年度の設置申請者においてはこのようなスケジュールになるということを御理解をいただいた上で申請をされたものであるというようには考えております。 ただ、非常にタイトなスケジュールになったということ、重ねて御迷惑をお掛けしたと思っておりまして、今後、来年度に向けた取組等も含め、制度趣旨、また設置基準の内容等について丁寧な説明をさせていただきたいと思います。
○松沢成文君 しっかりやっていただきたいと思います。 ちょっと次のテーマに行きます。 日本語教師の公的資格について伺います。 新聞報道と、あと大臣も会見でもおっしゃられていましたけれども、政府として、外国人労働者の受入れを拡大するこの入管難民法改正案の提出と合わせて外国人向けの日本語教師の公的資格を創設する方針を固めたと。これまで統一的な資格がなくて、日本語教師の質や教育内容のばらつきが問題視されてきた中でこういう方針を打ち出したことには私も評価をしております。 ちょっと最初の質問は飛ばしますけれども、さて、この日本語教師の資格というのは、国が法律に基づいて認定する国家資格にするのか、それとも公的資格ですね、例えば民間の団体や公益法人が実施して、文科省、経産省のような官庁や大臣が認定するという公的資格。例えばですけれども、日本商工会議所の日商簿記とか、あるいは漢字検定とか、あるいは手話通訳とか、こういうのは公的資格というんですけれども、これ、どちらの資格でやっていく方針でしょうか。
○政府参考人(中岡司君) 先生お尋ねのどのような位置付けにするかということでございますけれども、これから文化審議会の国語分科会において資格の位置付けも含めまして検討させていただきたいと考えております。
○松沢成文君 これは、外国人労働者の受入れを拡大する法案の提出に合わせてきちっと方針を出す政策じゃないんですか。これから文化審議会にかけて、これ、どれぐらい掛かるんですか。結局、来年から政府は法案をスタートさせて外国人労働者を入れたいと。そうであれば、外国人労働者も入ってくるし、ひょっとしたら御家族も一部入ってくる。そういう皆さんに日本語の教育をきちっとやっていかなきゃいけない。それでまだ、資格をつくってそれをきちっとやりたいんだけれども、その資格についてはこれから文化審議会で十分に検討させていただきます。 これ、いつまでにやるんですか。逆に言ったら、法案提出に合わせてやらないと、やっぱり制度をしっかりと推進できないんじゃないですか。
○国務大臣(柴山昌彦君) これはダブルトラックでやらせていただきたいと思っております。日本語教育の資格に関する文化審議会国語分科会において、平成三十一年度中をめどに結論をいただきたいと思っております。
○松沢成文君 来年から制度をスタートさせたいと、外国人の労働者、日本に入ってきていただいて頑張っていただく。それなのに、この日本語教育については三十一年まで時間掛けてやりたい。こんなちぐはぐなことやっているから、逆に法案についての疑問がどんどんどんどん噴出するんじゃないですか。 さあ、あわせて、現状でも日本語が話せない外国人の子供の学習支援というのが問題になっています。労働者本人だけでなく、特定技能二号で、まあ分野は少なくなるようですけれども、帯同した家族への日本語教育についてはどのように考えているんでしょうか。 学校の教師にも、これ小中高いると思いますけど、日本語を教える可能性がある教員にはこの資格をすぐに取得をさせるという方針ですか。
○政府参考人(清水明君) お答え申し上げます。 学校において、外国人児童生徒の指導、日本語教育も含めた指導を行う教師の資質は重要なことだと思っております。 ただ、学校における児童の指導に当たる教師につきましては、教員としての資質、能力を基礎にして、児童生徒一人一人の日本語の習得状況と各教科の学習理解度の把握に基づいてきめ細かな指導をしていくこと、生活面の適応の支援もしていくといったことが求められておりますので、一般的な日本語学校の日本語教師に求められる能力と同一に捉えることはできないところでございますので、この日本語教師の資格の取得を義務付けるということは、現時点では想定していないところでございます。 ただ、いずれにしても、外国人児童生徒の教育を担う教師の資質、能力の向上は重要な課題でございますので、文部科学省におきましては、平成二十九年度から、こういった教師の能力向上のための学校、教育委員会、大学等における養成、研修に資する体系的なモデルプログラムの開発、普及に取り組んでおりまして、来年度にはモデルプログラムが完成しまして、ガイドブックの配付、シンポジウム等で普及を図っていく予定にしているところでございます。
○委員長(上野通子君) 時間ですので、おまとめください。
○政府参考人(清水明君) はい。教師の配置の充実と併せて、こういった取組など、教員の質の向上を図って、外国人児童生徒の日本語教育を含む教育の充実に努めていきたいと考えております。
○松沢成文君 時間ですので終わりますが、これボランティアにも相当頼っているんですね、日本語教育というのは。これやっぱり教えるボランティアの皆さんにも研修制度ぐらいはきちっとつくらないと、私は日本語教育の資質向上できないと思いますので、その検討もお願いします。 ありがとうございました。
○委員長(上野通子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時三十一分散会