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197回国会参議院2018/11/15

農林水産委員会 第2号

発言数
172
登壇者
24
会派数
8
開催日
2018/11/15

会議録

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、森本真治君、野村哲郎君及び今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として藤田幸久君、宇都隆史君及び猪口邦子君が選任されました。     ─────────────

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官澁谷和久君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

上月良祐自由民主党・国民の声

○上月良祐君 茨城県の上月でございます。  吉川大臣、本当に今回は御就任おめでとうございます。自民党の農林を引っ張ってこられた、まさにトップとして引っ張ってこられた吉川先生、御経験も深く、人柄も大変すばらしいものがあり、これから日本の農業を、農林水産業を是非とも支えて、また牽引していただきたいと心から念願をいたしております。御指導もいただきたいと思います。  まず冒頭に、例年になく大変頻発しました重大な災害によりお亡くなりになられました方々に心より御冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様方にお見舞いを申し上げたいと存じます。特に被災されました農林漁業者の方々の一日も早い経営再建と復興等を祈念し、私なりにも頑張らせていただきたいと思っております。  また、一年二か月、政務官として役所の中で働かせていただきました。役所の皆さんが、大変膨大な業務に加えて、災害対策等で大変必死に、真剣に、一生懸命働いてくれたかということを目の当たりにいたしまして、これは役人としては当然かもしれないけど、大変すごいなと感心をいたしております。ともすれば現場から遠くなっているのが国の今の役所だと思っておりますので、現場を大切に、是非とも更に頑張っていただきたいと思っております。  それでは、質問に入らせていただきたいと思います。  まず、大臣のお考え、御決意について、何点かお尋ねをさせていただきたいと存じます。  まず、生産から加工、流通、小売、そして消費者へと大変流れがある中で、それぞれのところがお互いに影響し合ってその全体のシステムというのができ上がっているんだということを、大変、勉強すればするほど学ばせていただいております。  その中で、昭和の時代は大変人口が伸びておりましたので、基本的にいいものを、生産サイドでいいものを作れば基本的にはよく売れたという時代だったんだというふうに思っております。生産に集中するということは、ある意味で自然なことだったのかなというふうにも思っているわけであります。しかし、これからは人口減少時代でもあります。輸出ということも考えればなおさらでありますけれども、これまで以上に消費者のことを考えて、マーケットインということを考えていかなければいけない時代だというふうに思っております。  プロダクトアウトからマーケットインへというふうにもよく言われますけれども、私は、「へ」じゃなくて、プロダクトアウト、プロダクトの方も大変重要でありますから、これまでと同じようにしっかりやった上で、更に加えてマーケットインもこれまで以上に意識しなければいけないというふうに意識を転換していくべきではないかというふうに思っております。  生産だけではなく、流通、販売、消費者へ、マーケットインへというふうに、要はバランスなんだと思うんです。いいものを作る、これもしっかりやらなきゃいけない、そしてそれをよく売るという、その二つをバランスよくやっていくその必要性につきまして、大臣がどんなふうに考えているかということ。  それから、ともすれば、法人化、大規模化、強い農業、これは大切なことです。強い担い手による強い農業、稼げるようにしていくということは、私は大変重要だと思っております。しかし一方で、多様性というのも重要でありまして、小規模であったり中山間であったりというふうな方々もたくさんおります。日本の地域を考える、そういう場所もたくさんございます。私は青森県庁にも赴任しておりましたし、鹿児島県にも長く赴任をいたしておりました。多様性というのも大変重要だと思っております。  この前、茨城というのはクリが日本一なんでございます。その中でも一番の産地は笠間というところなんですが、そこの日本を代表する加工の方がいらっしゃって、よく行って私もいろんな話をするんですけど、ちょっとどきっとする話を言われました。  クリというのは、今もう生産量がどんどん下がって、右肩下がりに全国的に下がっている、ほっておくと絶滅危惧種になりそうなぐらい危機的なんでございますが、その加工をする方が農家で非常に頼りにしていた大変大きくて立派な農家がやめちゃった、廃業しちゃったと。何であそこがやめちゃったんだろうと思って聞いたらば、余りにも大きくてしっかりやっているから、大き過ぎて息子さんがリスク取れないからとても継げませんと、後を継いでくれる人がいなかったということなんだそうです。だから、大きいのも大切だけれども、その経営を支えていくことも大切だけれども、兼業も大切なんだよね、兼業が一番のヘッジでもあるんだよねというふうにおっしゃっていました。  そのどっちも大切だと思います。強い農業をしっかりつくっていく、しかし、現実にある兼業農家を含めた、難しい地域、遠い地域であったり、あるいは小さな農家であったり、その両方をバランスするということは大変重要なんだと思うんですね。  アメリカに農業関係で赴任した僕の後輩がおりまして、それで戻ってきて、ちょっとひとしきり飲みながらお話をしたんです。そうしましたら、アメリカって大規模だからいいよねというふうに言って、どうだったというふうに聞きましたら、いや、大規模だから幸せなわけじゃないんです、余り大規模になると相場がちょっと変わるとどおんとマイナスが出るので、そういう意味では、もうそこに本当にぴりぴりしながらやっているというふうにも言っていました。大規模化イコール幸せでは必ずしもない。  もちろん、現状の日本のままでいいわけではありません。中間管理機構の見直しも含めて、五年後見直しも含めて今いろいろ議論しておりますけれども、まず、今の現状で大規模化をもっと進めていかなきゃいけないし、まして集約化ですね、分散錯圃している圃場をまとめていかなきゃいけないことは言うまでもないんですけど、小規模でも品質の高い農産物を作っている農家もいまして、そういう方々が地域のお祭りとかも含めて地域を守っていることも、これはまた事実なんであります。  これは、吉川大臣はもう本当によく分かっていらっしゃるところだとは思うんですが、先ほど申し上げました、生産から流通、販売、そして強いのと、比較的、弱いと言うといけませんけれども、弱い立場の農家の皆さんとどういうふうにバランスするか、この二つのバランスについて吉川大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 上月委員におかれましては、一年二か月にわたりまして農林水産行政、大臣政務官として御活躍されましたことに、私からの敬意を表したいと存じます。  ただいまの御質問の中で、小規模でやっている農家の方々、兼業やあるいは家族経営の方々、法人化もあるいは大規模化も大切だけれども、そういった小規模でやっている方々を大切にしていくということも必要だというその御指摘は、私全くそのとおりだと思っております。  日本の農業は様々な形で今農業が営まれておりますので、そういった農業に営まれている方々がこれからも農業をやって安心ができるような、そういった体制づくりというのをしっかりと皆さんとともにつくっていきたいなということをしみじみと考えているところでもございます。また、農業者が努力して生産したその農産物の価値が消費者に伝わりますように、流通や販売面での施策もしっかり講じていくことが重要であろうかと思っております。  このために、農業競争力強化支援法や、さきの通常国会で成立をさせていただきました食品流通構造改革法等に基づきまして、流通業界の再編ですとか直接販売の促進、さらには情報通信技術の活用等によりまして農産物流通の合理化を進めているところでもございます。また、一方では、輸出力強化戦略に基づく農林漁業者や食品事業者の取組への支援等によりまして、我が国農林水産物・食品の海外市場の開拓にも取り組んでおります。  中山間地域を含めまして、これからの地域農業の担い手となる意欲と能力のある農業者の方々に対して、経営規模の大小にかかわらず支援も行ってきております。御承知のとおりであろうかと思いますが、具体的には、創意工夫を発揮して付加価値の高い農産物の生産や六次産業化に取り組む農業者を中山間地農業ルネッサンスを始めとする多様な政策により支援をしてきております。  また、日本型直接支払制度、中山間地域の農業生産活動や、草刈りですとか水路管理などの地域の共同活動への支援も行ってきておるところでもございまして、引き続きこれらの施策を着実に推進をすることとして、さらに中山間地域や小規模な農業者も含めまして、農業者の所得向上という観点におきましてもしっかりとした取組をしながら支援をしてまいりたいと存じております。

上月良祐自由民主党・国民の声

○上月良祐君 大臣、ありがとうございました。力強い御答弁をいただきまして、安心をいたしております。  酪農とか畜産とかも考えましても、大変小規模な方々が地域の生産基盤を守っているということはたくさんあるわけでございまして、そういう意味で、強いところをつくっていって引っ張っていく、マラソンでいえば先頭集団でどんどん引っ張っていく、オリンピックのランナーをつくっていくというようなことも大変大切だと思います。  農業といえば弱いみたいなイメージで捉えられるのは大変私もどうかなというふうに思うところがありまして、そういう意味でバランスよくやっていくことが大変重要だと思っております。そして、生産だけではなくてというか、生産は生産でこれまで以上にしっかりやっていっていただいて、流通、販売、加工、そちらの方もしっかり是非ともやっていただきたいと思っております。  続いて、スマート農業のことをちょっとお聞きしたいです。  これまで以上に、特に人手不足ということもあります。コストを意識しないといけないということもあります。そういったことから、スマート農業の役割というのはこれまで以上に大変重要になってきているというふうに思っております。  自民党の本部でも、スマート農業の関係、部会やら勉強会やらいろいろありました。そういったところで紹介されたスマート農業というのは、大変本当に驚くようなものであったと思っております。  ドローンとカメラを組み合わせて、農薬の散布エリアを極小化して特定して農薬の使用の量を激減させる技術。人の目でぱっと見ても分からないものをAIで、ドローンの目で見れば分かっちゃうというすごい技術。それから、果物の摘果、果樹の収穫でありますけれども、それを判断するのは大変難しいし、人間であれば一年一作のものは一回しか経験できないものを、AIにアプリ化して、三十年のものを二週間と言っていたと思いますが、でノウハウが身に付いてしまうという革命的なというんでしょうか、技術。  それから、これは農研機構でも、つくばの、見させていただいたり、メーカーにも行って見させていただきましたが、トラクターなどの自動運転ですね、二台並列でといいますか、一台だけを運転すればもう一台が付いてくるとか、それも一台目も無人でやれるようにするとか、そういったことをやったり、ハウスの温度管理、湿度管理、水田の水位管理ですね。人手が不足して中山間でちょっと離れている例えば田んぼの水位管理なんかも、大変そういう意味では、人手が一々行かなくてもできる、あるいは、ハウスをずっと気にしているけど自分の手元のスマホで管理できる。安心して夜寝られるようになったというような声もありました。なるほどなと思った次第です。  今回、当初予算の要求でも、しっかりまずは要求していただいたり、農研機構の中でもしっかり技術を磨いていただいていることは大変有り難いと思っておりますが、実は政務官のときにオーストラリアに出張をさせていただいて、ニューサウスウェールズ州に出張をさせていただき、シドニーですね、日本産の、日本産和牛と言うのも変ですが、和牛の輸出が再度解禁になって、本格的に輸出できるようになって、そのセールスと交渉があったので行ってきたんですが、現地の州の大臣と議論をした中ではっと気付かされることがありまして、私はいろいろ党本部でも勉強していたし、いろんなところへ出て聞いていたので、実際にも見に行ったし、これは日本はこの技術でちょっと一歩先行しているんじゃないか、非常にこれは日本にとって有望だと、これはなかなか頑張ればいいのかなと思っていたところ、実際には、もう向こうも必死になってやっていますね。  IoTの技術であるとかビッグデータの解析とかというのは、当たり前ですけど、世界的に一気に進んでいるわけだから、どこの国ももう必死になってやっているんだということに、もちろんそうかなとも思ってはいましたが、ものすごい熱の入れようだったです。ちょうどオーストラリアは干ばつに今大変見舞われていましたので、そういう意味からも、しっかりその予報も解析してやっていくというようなことの必要性も特に感じていらっしゃったのかもしれませんが、ものすごくやっていたという中では、日本も普通のペースでやっていたら、もうどんどん追い抜かれるのじゃないかという危機感をすごく感じました。  そして、技術では勝っても、日本ってものすごく多様性がございますから、地域によって、そして作目も多いです。作目によって、実際の現場に社会実装していくというのは、その適用における改善というのは何か日本人の得意なところではないかなという気もしますけれども、技術をつくりましたというだけではなくて、それを実際現場にどう当てはめていって、すり合わせをしていって、使えるようにしていってというところには、そしてそれをもう一度開発のところに戻していってというのは大変難しいし、努力も要るのかなと。予算があればできるということではなくて、かなりの現場力と、あと、そのことを、十分現場のことを認識した国の力とかもしっかりやっていただかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。  そういう意味で、どんなふうに今取り組んで、進めていこうかと思っておりますのを、これは同期でもありまして、私が政務官の、私の後というのも変ですけれども、参議院から政務官になっていただいております高野政務官に是非お聞きしたいと思います。

高野光二郎自由民主党・国民の声農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高野光二郎君) 御質問ありがとうございます。  前任の農林水産大臣政務官をお務めになられました上月与党筆頭理事におかれましては、この分野におきましても、具体的な政策そして施策への反映に多大な御貢献をいただきました。ありがとうございます。  その上で、我が国農業の担い手の減少や高齢化が進行する中、人手不足の解消、生産性の飛躍的な向上など実現を図る上で、AI、ロボット、IoT等の先端技術を活用したスマート農業には大きな可能性があります。  特にAIの活用に関して、農林水産省では、野菜収穫等の多くの人手を要する作業のロボット化、画像解析を使って病害虫等を早期に発見し、適切な対処を可能とするシステム等の開発等に取り組んできたところでございます。  先ほどお話がありましたとおり、もっと必死になりまして、熱を込めて、日本の農業の多様性も含めて、世界トップレベルのスマート農業を実現するため、先端技術を生産から出荷まで一貫した体系としまして導入することや、経営分析等を行うことにより、スマート農業の社会実装を促進し、農業現場の期待に応えてまいりたいと考えております。  このため、来年度予算において概算要求を行っているところでございまして、着実な推進に向けて取り組んでまいりたいと存じます。どうぞ御指導よろしくお願いします。

上月良祐自由民主党・国民の声

○上月良祐君 御答弁ありがとうございました。  大変前向きで力強いものでありましたので、大いに期待をいたしたいと思います。  例えば、トラクターの二台同時に無人で運転する技術というのは、田植なんかの技術がありましたけれども、すごいすばらしいなと思うんですけど、現状でいえば、これは北海道でしか使えないんじゃないかなと。これ、相当大規模な、二台回しても、ちっちゃな圃場で二台使っても非常に効率がかえって悪いかもしれなくて、大きな、何というんでしょうか、圃場にしなきゃいけない。  だから、そういう意味では、技術を開発するのと併せて、圃場の大規模化とか、土地改良の関係でもあるんだと思いますが、あるいは中間管理機構に頑張っていただくということなんだと思うんですが、ちょっと不思議なことですけど、技術がどう使われるかというのは、技術の科学者のそこの力も大変重要なんですけど、その周辺というんでしょうか、それを社会実装していく、そこの方々の努力とか施策とかと合わさってこそなんだというふうに思っています。大規模化をせずに、二台同時、三台同時にもしトラクターができたとしても使う場所がないわけですよね。  そういう意味では、あわせて、周辺の施策と共同してやっていただくということも是非意識していただきたいと思いますし、働き方改革とよく言っています。担い手がなかなか、今、人が足りないというのは、これはどこの分野もそうですが、農業も大変深刻でございます。  そういう意味で、この働き方改革にまさにつながるような、AIというか、IoTの技術、もちろんAIの技術もありますけれども、そういう意味でも、是非ともしっかり社会実装の部分、そのためには政務官に督励していただいて、とにかく現場、私、それが重要だと思っております。今は本当に各役所とも現場からちょっと遠くなっている感がある中では、僕は、農林水産省というのは一番現場に近くやってくださっているということを本当に感じましたけれども、それにしても、更に現場の状況をよく見ていただいて、聞いていただいて、それを研究に返すとか施策につなげるとか、そこを丁寧にやっていくということが、忙しい中で本当に大変なんですけれども、是非とも役所の皆さんにも頑張っていただきたいというふうに思っております。  ちょっとコストの問題でAGMIRUのことを聞きたいんでありますが、ちょっと順番をひっくり返しまして、海外との国際交渉の話はこの後も、既にもう、院が違いますが、衆でも本会議でもいろいろと出ておるんでありますけれども、改めて大臣に、その決意というんでしょうか、取組の姿勢を是非とも教えていただきたい、語っていただきたいと思います。  今はどちらかというと飽食の時代になりまして、食べ物に困っては基本的にはいないような時代になっています。ただ、これも、地元に帰りまして、JAの単協を回っていて組合長さんといろいろ話をしている中で、ちょっとお年を召された方だったので昔のやっぱり戦後のことを思い出して、今は余りにも時代が変わり過ぎているから、食の重要性、食料安全保障の大切さというものに思いが十分に至っていないんじゃないかということをしきりに心配をされておられました。あって当たり前だと思っていると。  ところが、例えば、何年か前にレアアースの問題がございました。お金があるわけです、日本は。お金があるから、何かお金があったら買えばいいじゃないかと思っても、売ってくれなきゃ買えないわけですよね。それによって産業が回らなくなってしまう危機に瀕することもあるということです。  実は、エネルギー問題を勉強しているときに、経産省の人はちょっとそんなことは言っていないと否定はされて、元経産省の人は言っていらっしゃったんですけれども、九〇年代の初め、バブルで調子よかったとき、資源、そんなものはお金出して買えばいいじゃないかというような勢いが何か日本はあったと。そんなもの買えばいいじゃないか、資源なんか、自分たちが開発するようにしなくたって買えば大丈夫だと。  今、僕らも、そうはいっても、食料はお金を出して買えば何とかなるんじゃないかと今ちょっと思っているんじゃないかと。ところが、資源は現実にそんなことが起こってしまったということがあるわけです。食料も、お金を出したって、今、世界は人口爆発しているわけだから、お金を出したって欲しいものが買えない時代になる可能性がある、レアアース化するような可能性があるんじゃないかという危機感を持っておかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。  国民の生存のまさに基盤である、根幹である食料安全保障を踏まえて、安倍総理は、今回の日米共同声明において、農林水産物については過去の経済連携協定で約束した内容が最大であるということ、あるいは我が国の基である農林水産業を必ず守り抜く決意だというふうにかなり本会議でも明快に答弁を、力強く答弁されていましたので、ちょっと安心はしてはいるんですけれども、ただ、上の人がそう言っていたからといったって、支える人たち、私どもを含めて支える人たちがそうだといって支えないと、やっぱり国際交渉というのは厳しいということもあると思うので、そういう意味で、支える側というよりは、交渉の当事者でもあります農林水産大臣に、改めてその決意、お考えをお聞きしたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) るる御指摘をいただきましたように、食料の安定供給や地域の活性化という、農林水産業というのは極めてそういった面におきましても重要な役割を私は担っていると思っております。  貿易交渉につきましては、農林水産業の再生産を確実に可能とする国境措置を確保することが何よりも重要と認識もしているところでございまして、今御指摘のありました日米物品貿易協定につきましては、私どもといたしましては、この日米共同声明において、農林水産品については過去の経済連携協定で約束した内容が最大限であるとの大前提について米国と合意をしていると承知をいたしております。この共同声明は日米首脳間で文書により確認をしたものでございまして、私は、これは非常に重たいものだと認識をいたしております。  農林水産省といたしましては、この日米の共同声明を踏まえて、我が国の農林水産業を守り抜くとの決意で交渉に臨んでいく思いでございます。

上月良祐自由民主党・国民の声

○上月良祐君 ありがとうございます。  是非ともその強いお立場で、姿勢でお願いをいたしたいと思います。  JAも今、一生懸命自己改革をやっている、日本の農業を支えておるわけでありますが、一生懸命自己改革をやっていただいております。農業者も一人一人が一生懸命いろいろ改革といいますか努力をしているんだと思いますが、その大きな枠組み、国際交渉という大きな枠組みは、できるのはやっぱり国しかないんだというふうに思っております。  もちろん、党にとっても大変重要な責務でありますので、そういう意味で、我々も一生懸命後ろから支える、言うことは言わせていただくというふうにやっていきたいというふうに思ってはおりますけれども、何といってもやっぱりこれは役所に頑張っていただかないといけない、大臣に頑張っていただかないといけない、総理に頑張っていただかないといけないことであるというふうに思っておりますので、是非ともよろしくお願いをいたしたいと思います。  あわせまして、どうしても国際交渉というと何か守りの方ばかりが注目されて、ディフェンスの方ばかりが何か言われることがあるんですが、これからまさに今輸出をしっかりやっていこうというふうにしてやっているわけでありまして、そういう意味で、輸出の方、攻めの方もしっかりやっていかなければいけないということがあろうかというふうに思います。  守りだけではない、攻めの方も交渉の中では、いろんな交渉があるからそれは時と場合によるのかもしれませんけれども、しっかりやっていく必要があると思っておりますし、三・一一の後の放射能の問題で各国との関係でいろいろ難しい状況になっていて、これも役所の御努力もあって相当減ってまいりました。品目も国も、制限されている国が減ってまいっておりますけれども、やはりまだ大きな影響があることはこれは本当に事実でありまして、引き続きそこについても御尽力をいただきたいというふうに思っております。  攻めの方もしっかりやっていただけるかどうかというのは、これは大臣から一言ちょっと付け加えてお願いしたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 御指摘のとおりだと私は思っております。TPPにおきましても、あるいは日EU・EPA等々におきましても、攻めの部分というのを私どもは忘れてはならないと思っておりますので、これからまたいろいろな皆様のお知恵も拝借をしながら、しっかりと農林水産業が成長戦略化を目指しながらの中での攻めの農林水産業、輸出拡大に向けましても頑張ってまいりたいと、こう思っております。  つい最近、私も、先週でありましたけれども、中国に行ってまいりました。中国、日中間の首脳会議において一都九県の輸出関連のお話もございましたので、こういったことを科学的根拠に基づいてという相手方の御返事もいただいているところでありますので、早急にといいましょうか、時間を掛けずにしっかりとこういったことも対応していただきたいということ、さらには、中国側に対しましても、お茶とか野菜等に関しましては相当な制限を受けておりますので、そういったことに対しましても、私どもの輸出を早いうちにお認めをいただきたいという、そういったお話も実は日中韓の三農業大臣会合等々と併せてお話もしてきたところでございますので、攻めも忘れずに頑張らせていただきます。

上月良祐自由民主党・国民の声

○上月良祐君 大臣、誠にありがとうございます。是非ともその点もよろしくお願いいたしたいと思います。  続きまして、担い手対策につきまして、これは政府参考人で結構でありますが、お尋ねしたいと思います。  私は思うんですけど、担い手対策で一番重要なのは、稼げる農業にすることだと思うんですね。そこが基本ができていないのに、幾ら予算付けて入れようと思っても、入ってきてもらおうと思っても、これはなかなか難しい。この本体のところをまず頑張るというのは先ほど来お話をしていることなので、それを一応前提に置いた上で、その上で、農業次世代人材投資資金のことにつきましてちょっとお聞きしたいと思うんです。  私、就農というと何か就職みたいに聞こえるんだけど、就農って就職じゃなくて創業だと思うんですよ、僕。どこかの会社に入って就職しますというようなものじゃなくて、就農って、土地も用意しないとできませんよね。機械だって自分で用意しないといけない、売り先とか販売とか流通まで考えないといけないわけですよ。そういう意味で、ある意味、経営なんだと思います。  そういう意味で、もちろん就農にもいろんな形態があるから、法人に本当に就農するというような形態もあるけれども、そういう人たちもやっぱりその次のことを考えると、土地を借りたり、地域に溶け込んだりしてやっていかなきゃいけないということで、これは二次産業、三次産業の、特に財務省の方にはよく言ってほしいんですけど、就職と違いますからと。大変難しいことの最初を支えるというところをしっかり支えないと就農者は増えないですよ。そこをしっかりやっていただきたいと思うんですけど、今、四年連続、四十代以下の新規就農者が二万人を超えていると、これ、総理もよくおっしゃっているわけです。大変すばらしいことだと思うんですけれども、ここを支えてきたのは、この制度資金が大変重要な役割を果たしてきたと私は思っております。  そういう意味で、しっかり役割を、何というのか、ブラッシュアップしていってもらうことは必要だと思うし、必要な見直しはやっていっていただいていいんですけれども、制度の開始当初に就農義務を掛けなかったりしてうまくいかなかったときがちょっとあったやに聞いていますけれども、そのときと今をごっちゃにしてもらっちゃ困るので、特に私、現場の人に聞いてみたんですよ。百五十万、例えば二年間準備型、確かに多いように思うけど、実際にはアルバイトもできないですよ。週二日、例えばやろうといったって、だって土地貸してもらうためには地域に溶け込まないといけないから、いろいろやっぱりお祭りに出ていったり、いろいろお付き合いもしないといけない。そして保険も自分のも掛けなきゃいけない、子供さんなんかがいたら実際には貯金を取り崩して何とかやりましたということが現状だということもお聞きしました。  是非とも、これは去年、事業レビューなんかもあったというふうに、まあ自分が政務官だから、あったというふうに聞いているんじゃなくて、あったんですけれども、厳しく何か言われたということなんですけど、これはもう絶対に押し返してもらいたいというふうに思っています。  これまで果たしてきた役割とか、それに加えて、どんな姿勢でやっていかれるか、そこをお聞きしたいと思います。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) 先生御指摘のとおり、農業の場合は、就農というのはまさに業を起こすということでございまして、経営者になるための準備が相当必要だというふうに考えてございます。そういうこともありまして、特に就農当初のあるいは就農準備段階における経営について一定の下支えをさせていただくために、平成二十四年度から農業次世代人材投資事業、当初は青年就農給付金と呼んでおりましたけれども、その事業が開始されたわけでございます。  実績といいますと、まずどれだけの方がこの事業によって支援されたか、あるいは支援中であるかということでございます。まず、平成二十九年度までの支援人数、累計で、研修の後押しをする準備型で八千九百十六人、それから就農直後の経営確立を支援する経営開始型で一万八千二百三十五名でございます。その方、この趣旨からいきますと、就農が定着しているかどうかというのが非常に大事だと思いますけれども、交付終了後の定着率、これは平成二十九年十月時点におきまして、準備型で九〇%、経営開始型では九六%と非常に高いものになっているというふうに認識しております。こういうこともありまして、先生御指摘のとおり、五十歳未満の新規就農者が調査以来初めて四年連続で二万人を超えるなどの一定の成果が出ているものというふうに認識しております。  先生御指摘のとおり、昨年十一月には、秋のレビューにおきまして、新規就農者の裾野の拡大につながるように交付対象を効果的、効率的なものに見直すことと、総論的に言いますとそういうような御指摘がございました。  その他、各論もいろいろございましたけれども、これの指摘を踏まえまして、平成三十年度には、自ら生計を確保する必要がある方、親等の支援を受けない方、そういうような方など支援の必要性の高い方を優先的に採択するような改善は行っておりますけれども、いずれにしろ、この事業の効果を検証しながら、必要な改善は必要だと思いますが、新規就農の裾野の拡大ということは我々も大事なことだと思っておりますので、より効果的に事業を実施していくと。事業を実施することを前提に、まず、より効果的に進めていきたいというふうに考えてございます。

上月良祐自由民主党・国民の声

○上月良祐君 是非よろしくお願いいたしたいと思います。  時間がなくなってまいりましたので、ちょっと、聞きたいことはたくさんあるんですが、また大臣に土地改良予算のことについてお聞きしたいと思います。進藤先生もいらっしゃいますので、代弁する形かもしれませんが。  大変大きく前政権時代に切られて、五千七百七十二億を超えました。五千八百になりました。当初と補正を付けてであります。政務官のときも、私も地元にいましても、物すごく要望多いです。そして、新規着工もありますけれども、維持修繕も、たくさん災害が多い時代にもなって、本当に要望多いです。  当初予算では前年よりも大幅増ということで要求していただいておりまして、これは僕らも党の立場で応援しないといけないと本当に強く思っています。しかし、やっぱり大臣にも頑張っていただきたいと思っておりまして、補正がまだ何も出てきておりませんからということですが、補正のチャンスがありましたらば、それも併せて是非とも十分な予算、確保していただきたいと思うんですが、大臣の御決意、これをお願いしたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) この土地改良全般の予算でありまするけれども、今、上月委員からもお話がございましたように、補正、当初予算を合わせて今年は五千八百億という形になりました。  今、私どもにも大変多く御要望が寄せられておりますのは、まずは土地改良関係であります。そういう中にありましても、例えば基幹的な農業水利施設等々も、もう既にこの全体の二割が標準耐用年数を超えておりまして、十年後には約四割が耐用年数を超える見込みとなるなど、適切な施設の維持更新が緊急かつ重要な課題であると認識もいたしております。  ちなみに、上月委員御地元の茨城県におきましては、老朽化の進んだ排水機場が多いということも承知をいたしておりまして、耐用年数を超えている割合が全国平均よりも六割程度多い状況にあろうかと存じます。そういった地域から大変多くの御意見も頂戴をいたしておりまして、何とかまた多くの皆様の御支援もいただきながら、競争力強化が強く求められている農地の大区画化ですとか汎用化ですとか、そういった待ったなしの状況にあることも考えながら予算確保にしっかりと努めていきたいと、こう考えております。  また、防災・減災、国土強靱化の緊急対策ということで、ため池の災害でも、本当に大きな被害もございました。小さな命も亡くなってしまったという事例も今回ございました。そういったことも点検を更に強化もしていかなければなりませんので、この関連予算というのをしっかり確保してまいりたいと存じております。  また、委員各位の御支援も心からお願いも申し上げたいと存じます。

上月良祐自由民主党・国民の声

○上月良祐君 我々も一生懸命頑張りたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。  時間がもうほとんどありませんので、もう質問はいたしません。御要望だけさせてください。細かい話で質問したいこともあったんですが、幾つか。  御要望としては、新たな森林管理システム、来年から動き出します。これ、長官に是非ともお願いをいたしたいと思いますけれども、これ、市町村に大変大きな負荷が掛かります。正直、これ大丈夫かというぐらいの負荷だと、私は、現場に近いところにいた者として非常に危惧をいたしております。きちっとフォローして、そして、もう法律作ったんだからあとよろしくねというんじゃ絶対困るので、しっかりサポートをしていただきたいということを今日は取りあえずお願いだけしたいと思います。  そして、最後にもう一つお願いで、これは自分が担当としてやっていたことで、今は高野政務官にひょっとしたら引き継がれているんだと思いますが、オリパラのブーケの話であります。  これは花卉業界としては本当に大きな一つのエポックメーキングな事業として、自分たちで出すからとまで言ってくださっている事業でありまして、私も組織委員会とも一生懸命交渉してきたつもりでありますけれども、もうワンプッシュ、ツープッシュ、これは高野政務官にも、大臣始め皆様方にも是非ともお願いを申し上げまして、今日は久しぶりの質問でありましたので私も緊張しておりましたけれども、いろいろと前向きな答弁をいただきましたことを心から感謝申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。農水委員会では初めて質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。  私の方からは、まず台風被害のことについてお聞きをしたいと思います。  九月にありました台風二十四号、これは各地に大きな被害をもたらしました。十月二十二日時点の農水省の被害まとめでありますけれども、農作物、農業用ハウス、また農地の破損といった被害について総額で三百七億円を超える、そうした被害が各地に生じました。  私は神奈川県の選出でございます。地元の神奈川県でも県内全域で大変風が強い、そうした風の被害が多くありましたけれども、農業用ハウスを始め畜舎、それから共同荷さばき施設などへの被害が生じまして、そして相模湾側では塩害の被害も大変甚大でありました。一部地域では、ホウレンソウとかコマツナ、それからネギとか白菜といったような冬野菜が収穫ができなくなりまして、年末商戦に間に合わない、こういった悲痛なお声もいただいたところでございます。  こういった被害につきまして、公明党といたしましても、被災農業者への経営体育成支援事業の適用ですとか、それから耐候性ハウスへの建て替え支援、こういったことを是非ということで求めてきたところであります。  そして、十月の三十一日に農水省から、この台風二十四号についての支援対策が発表をしていただきましたけれども、こういった現場の被災農業者の皆様の声に対する、どういうふうにお応えをいただいたのか、そこについて大臣に御説明をいただきたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 今年は大変災害の多い年でもございました。特に、今御指摘をいただきましたハウスに関しましては、二十四号はもちろんでありまするけれども、台風二十一号、さらには西日本の豪雨災害、あるいは北海道の胆振東部地震におきましてもそういった被害が起きているところでもございます。  今委員からもお話がございましたように、この支援対策といたしまして、農業用ハウスの再建や修繕について被災農業者向け経営体育成支援事業を発動をいたしましたほかに、被災を機に作物転換ですとか規模拡大に取り組む産地に農業用ハウスの資材導入に対する支援もいたしました。さらに、従来にない処置、対策といたしまして、二十四号関連でありまするけれども、被災した農業用ハウスの補強支援も新たに処置をしたところでございます。  そして、今委員からも御指摘をいただきましたが、耐候性ハウスに関しましても、従来の施策の中にもこの耐候性ハウスに対する支援というのもございましたけれども、この度の二十四号被害に対しましても、こういった支援も支援策の中に入れさせていただいたところでございます。  我々といたしましても、そういった支援をこれからも続けながら、一日も早くこの経営再開ができるように、きめ細かに、また更に対応してまいりたいと存じます。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 大臣もおっしゃっていただきましたが、少しでも早く経営再建ができるように、また再開ができるように、丁寧な、また迅速な対応を引き続きお願いをしたいというふうに思います。  次に、都市農業についてですけれども、都市農地の貸借の円滑化法が成立をいたしまして、九月から施行をされております。この法律によって、農地を貸した場合に法定更新が適用されないので安心して貸すことができると、また相続税の納税猶予制度も受けたまま貸すことができるということで、農業従事者の減少ですとか、また高齢化の中で、都市農業の発展、そして都市農業が持つ様々な機能の維持、そうしたことにつながっていくことが期待されるわけでございます。  ところで、スタートまだしたばかりの制度ではありますけれども、この運用について御懸念の声をいただきましたので、お伝えしたいと思うんですけれども。  土地の貸借、一般的に土地を貸し借りをするというときには、やはり通常賃料が幾らかということが契約の重要な要素になってまいります。それはやはり貸し手というのはできるだけ高い地代で貸したいと思うのが自然なわけであります。ですので、このことは、今後の農地の貸し借り、貸借というのにも当てはまってくるのかなとは思うんですけれども。  例えば、ある意欲のある地域の若手の農業者の方が自分の農地の隣の土地を借りて規模を拡大したいと、こういうふうに思ったときに、仮にその同じ土地をより資力のある大きな企業が借りたいと、このように思った場合に、どちらかというと、やはり資力のある大きな企業体の方が地代というのは高く出せると思うんですね。仮にそういう競争になった場合には、やはり個人の農業者の方というのは不利な立場に置かれるのではないかと、こういう懸念の声を私はお聞きをいたしました。  誰に貸すのかということは、もちろん最終的には土地の所有者の意思というところではありますけれども、やはりこの法律というのも都市農業の発展というところがその趣旨、目的だというふうに思いますので、やはり都市農業の発展に資する貸借、貸し借りがなされていくということが重要だと思います。  これについては、今後のこの運用の中でどういうふうに促進をされていくのか、お聞きしたいと思います。

室本隆司農林水産省農村振興局長

○政府参考人(室本隆司君) 都市農地の受け手として企業が優先される可能性があるというふうな御懸念だと思いますが、都市農業の安定的な継続のためには、意欲ある都市農業者だけではなく、企業も含めた多様な主体の有効活用を図ることが重要ではないかと考えております。  このため、今年九月一日に施行されました都市農地の貸借の円滑化法におきましては、都市農地の借り手について幾つかの要件を課しております。一つは、面的にまとまった農地の利用を分断することなく、周辺の農地の効率的な利用の確保に支障を生じないこと。二つ目が、借り受けた農地の全てを借り受けた者が適正かつ効率的に利用すること。三つ目が、例えば草刈りや、あるいは水路の泥上げなどの地域共同の作業、こういったことに参加するということで、例えば企業が入ってきたとしても、こういう地域の適切な役割分担、こういったことを果たしていただく、こういった要件を設定しまして、地域との調和の下で農地が適正に利用される仕組みとしております。  こうした要件によりまして、借り手が農地を適正に利用すると認められない場合、あるいは他の農業者の農地の効率的な利用を阻害するような場合、それと、委員御懸念の、例えばその地域の一般的な賃料の著しい引上げ、そういったことをもたらす可能性があるといった場合などは、市町村長によって耕作の事業に関する計画認定が行われない、よって企業が農地を借りることができないというふうな整理になると考えております。  この法律が委員御指摘のとおり九月一日に施行されたということですから、まずは貸借の実態把握、これをしばらくしまして、現場の声にもしっかり耳を傾けながら、都市農業の健全な発展に資する農地の貸借が行われるよう必要な助言、指導に努めてまいりたい、このように考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 残り時間が少ないので次の質問に行きますけれども、最後のテーマとして、農産物の盗難被害についてお聞きをしたいと思います。  鳥獣被害も深刻でございますが、人による被害、せっかく作ったものを盗まれてしまう、こういう被害への是非対策をしてほしいという声を私はいただきました。本当に各地で発生していると思うんですけれども、例えば神奈川県内で発生した被害についてのお声としては、相談を警察にしてもなかなか十分に動いてくれないというような声もございました。  まずは、この農産物の盗難被害というのがどれぐらい発生をしていて、それに対してどういうふうな対策を農水省としては取っているのか、まずお聞きしたいと思います。

枝元真徹農林水産省生産局長

○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。  警察庁の取りまとめで、農作物の盗難に関する届出等が全国で年間三千件程度でございます。それで、直近の平成二十九年では約二千七百件というふうになってございます。  農林省におきまして個々の案件全て承知できているわけではございませんけれども、果物で申し上げますと、青森県のリンゴですとか、山形県のサクランボですとか、鳥取県のスイカなど、様々の盗難被害が発生しておりまして、各産地で、チラシですとか看板、のぼり旗の設置、パトロール活動の実施、先進的なところですとセンサー付き防犯カメラの利用、こういうことで取組が行われてございます。  生産者にとりましては、一生懸命育てた農作物、盗難被害に遭うことは、直接的な経済損失はもちろんでございますけれども、営農意欲の低下にもつながりかねないので、非常に大きな問題だというふうに認識してございます。農作物の盗難被害を防止するために、農林水産省といたしましても、各産地における防犯体制を構築することが重要だというふうに考えてございまして、警察庁等関係機関の協力を得ながら生産現場における盗難防止対策の事例を収集いたしまして、自治体、農業団体との情報共有等による普及啓発、そういうのを図ってまいりたいというふうに考えてございます。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 農水省に、その被害金額はじゃどれぐらいなんですかと、各地域でどれぐらい発生しているんですかということをお聞きしても、そういうことは把握をしていないというふうに事前にレクで聞きました。これはやっぱりきちんともう少し実態を把握しないと対策の立てようがないと思うので、是非お願いをしたいと思います。  それから、最後に警察庁に、これはもう完全に犯罪ですのでしっかり、もちろん捜査していただいているとは思いますけれども、何というんですか、農水省だけでは、なかなか防犯のプロではありませんので、やはりしっかり警察庁も連携をして、例えばそういうキャンペーンをやるとか、ここは捜査の、取締りの強化月間にするとか、そういったことは私は必要だと思いますが、いかがでしょうか。

田中勝也警察庁長官官房審議官

○政府参考人(田中勝也君) 一部繰り返しになりますが、平成二十九年中における農作物が被害品である窃盗の認知件数は二千六百九十四件でございました。一方、検挙件数は一千三百八十件でございました。  警察におきましては、地域における農作物の収穫時期等に合わせまして、住民の方々への注意喚起のほか、関係者と連携したパトロールを実施し、不審者への声掛けを行うなどの対策を取っているところであります。  農家の方々にとりまして、長い時間を掛けて育てた農作物が盗難被害に遭うことは大きなダメージであるというふうに考えておりまして、警察といたしましても、関係機関における盗難防止対策に協力するなど、引き続き、地域の実情に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 終わります。

里見隆治公明党

○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。  私も、この度、農林水産委員会に参加をさせていただき、初めての質問でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  私は地元が愛知県でございます。愛知県は物づくりの県と言われておりますが、もちろん自動車、また航空産業等、製造業もございますけれども、一方で、愛知県は、野菜や花卉、お花等を含めて大変農業分野も盛んでございます。私も委員の一人として、地元の農業、また林業、水産業を営まれている皆さんとしっかりとコミュニケーションを図りながら、この委員会で活動させていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、今ほど佐々木議員からもございましたけれども、この夏から秋にかけての台風、豪雨等の災害によって農業でも大変な被害を被ったわけでございます。こうした対策については、先般成立をした補正予算も含めて既に政府で対処していただいております。その政策立案については、与党とも連携をして進めていただいていることに感謝を申し上げたいと思います。更に被災地に寄り添って積極的な対応をお願いしたいと思います。  その際に、私、地元でいろいろとお話を伺っておりますと、確かに台風二十一号、二十四号といった大きな全国的な規模の災害では大きな対策を打っていただきましたけれども、例えば台風十二号、これは局所的な災害とはいえ、実は愛知県内では二十一号よりもその被害額が多かったといったこともございます。こうした局所的なものであっても、一軒一軒、お一人お一人の農家、農業を営まれている皆様からすれば大変な被害であるわけです。  そうした細かい、きめ細かな対応ということも是非お考えいただきたいというふうに思いますし、それから、これも佐々木議員からございましたけれども、農業用のハウス、これは大きく新たに作り直すということだけではなくて、例えばハウスに使用する被覆材、こうしたものを用いればある程度コストも抑えながらこうした被害にも対応できる、そうした細かな御要望もきめ細かく対応いただきたいというふうに考えております。  先月末、政府としてもこうした対策について発表いただき、それをもう既に進めていただいておりますけれども、きめ細かなこうしたお声にも対応しての政策を推進いただきたい、その点、農水大臣にお伺いをしたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 今回発生をいたしました猛烈な風を伴った台風二十一号、二十四号は、委員からも御指摘をいただいておりましたけれども、農作物で、全国でハウスの損壊ですとか、果樹の落下や枝折れなどの被害が発生をいたしました。  議員の御地元でございます愛知県には私どもの小里副大臣に行っていただきまして、被害の状況を調査をさせていただきました。小里副大臣からは、被災自治体や農業者の皆さんから、ハウス等の再建ですとか風に強い耐候性ハウスへの転換や植え替えに対する種子、種苗の確保等に対する支援について要請があったと報告を受けているところでございます。  そのような状況を踏まえまして、農林水産省といたしましては、まず第一に、塩害に伴う植え替え等に必要となる追加的な種子、種苗の確保、追加防除、あるいは施肥に要する経費の助成を行います。さらには、農業用ハウス、機械等の再建や修繕の支援、具体的には、台風二十一号では補助率の引上げ、二十四号ではハウスの被覆材、今御指摘いただきましたけれども、等も対象として補強支援を行っております。さらに、三つ目といたしまして、果樹の植え替えですとか未収益期間に要する経費や被害果実の利用促進に必要な経費の助成なども行ってまいりたいと考えております。  きめ細かい支援対策を迅速に決定をして、農業者の経営の再建に全力を挙げていかなければならないと重く思っております。  またさらに、御指摘をいただきました十二号についてでありまするけれども、愛知県等に局地的な農業被害をもたらしたと承知をいたしておりまして、ハウス等の再建につきましては、従来の園芸施設共済ですとか、あるいは制度資金、補助事業の活用など、支援を行っているところでございますが、引き続き、被災された農林漁業者が営農意欲を失わないように取り組んでまいりたいと存じておりますので、これからも是非、委員の御意見も頂戴いたしながら、しっかりとまた農林水産省としても十二号関連におきましても対応してまいりたいと存じております。

里見隆治公明党

○里見隆治君 大臣、是非、今も小里副大臣が現地に入っていただいたということでございましたけれども、今後とも農業を営まれる皆様のお声をしっかり受け止めながら進めていただきたいと思います。  また、ハウス、この被覆材を含めて、その補助の対象範囲を広げていただいたことについては、私からも心から感謝申し上げたいと思います。  それでは、ちょっと通告をしていたものと順番は変わりますけれども、農業分野における外国人の受入れについて御質問したいと思います。  これ、今、入国管理法、衆議院において審議をされておりますが、入国管理という観点ではしっかり法務という分野で御議論いただければと思いますけれども、農業人材の受入れ、また、どう担い手を確保していくかという点では、農業分野ということで、農林水産委員会でしっかり議論をしていければというふうに思っております。  まず、外国人の農業分野における受入れという点では、昨年、国家戦略特区法によりまして一部特区における受入れが既に実施をされているというふうに承知をしております。  私も昨年、内閣委員会でこの国家戦略特区法案、審議をし、この点も質問させていただきました。この実施状況がまずどのようになっているか、その点、確認をしたいと思います。よろしくお願いします。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  御指摘のとおり、農業分野につきましては、昨年、国家戦略特区におきまして農業支援外国人受入事業が措置されたところでございます。現在、愛知県、新潟市、京都府、沖縄県の四自治体におきまして本事業が準備等々を進められているところでございまして、この受入れ事業者の受付等が行われております。  最も進んでおりますのは愛知県でございます。十月に、過去に日本で農業分野の技能実習を経験されているベトナム人十二名の受入れが行われたところでございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 どうもありがとうございます。  多くの分野が新たに受入れを開始するという中では、十四業種等々と言われておりますけれども、農業分野は特区でその先行事例があると。またさらに、今おっしゃったとおり、十二名は以前、技能実習生として日本で就労されていたということですので、そういう意味では、この農業分野は非常に円滑に順序を踏んで受入れが進められているのではないかというふうに思います。  私も地元愛知県でそのように進めていただいていること、承知をしておりますけれども、是非、これは先行的な取組でありますので、好事例をつくっていくと。これは関係者の、関係省庁による、あるいは地元自治体も含めての協議会も設置して慎重に進めていただいているというふうに承知をしておりますので、どうか好事例をつくっていく、そのような決意で臨んでいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  その上で、まさに今回の法案が提出されております改正入管法によるところの特定技能についてお伺いをしたいと思います。  これは、既に昨日、政府から国会に対して新たな在留資格による受入れ、人材不足の見込み数ということで提出をされておりますけれども、その中では、受入れの見込み数が、初年度で三千六百から七千三百、五年目までの累計で一万八千から三万六千五百、そして、人材不足の見込み数は、農業分野で現時点では七万、五年後は十三万という数字が提出されております。  今後、単にこの不足分を外国人で補うのだということではなく、人材確保策をしっかり講じていく、日本の国内でですね。あるいは生産性向上を尽くしていく、そういうことで、そうした対応をした上で外国人を受け入れるということだというふうに承知をしておりますけれども、まず、私が先ほど引用しましたその数字について、裏にある考え方も含めて、特定技能について農業分野でどのような受入れをされていくのか、その方針について、農林水産省、お答えをいただければと思います。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  先生御指摘のとおり、昨日、政府全体として十四業種の見込みについて公表されたところでございまして、数字につきましては先生御指摘のとおりでございます。  この中でも、我々、人材、人手不足の全体を外国人で補うという考えは全く取ってございません。まず、我々としては、人手不足自体は深刻だと思っておりますが、その中でまずやるべきは、先端技術の活用などによりまして、あるいは農地の集積、集約化を進めることなどによりまして、生産性を向上させていくということにより人手不足を少しでも解消していくこと、あるいは新規就農者に対する支援を行いまして新たな就農者を増やしていく、こういうことがまず必要だと思っておりますけれども、それだけでは、他方で、農業も法人化が進むなど雇用労働の需要というのは非常に上がってきておりますので、生産性の向上、就農支援等ではなかなか現場における雇用労働の需要には対応し切れていないというふうに認識をしております。  こうした中で、農業では、近年、外国人の技能実習生等を使いまして即戦力となる外国人材のニーズが高まっているところでございます。そういう文脈の中で、国家戦略特区についても愛知県において受入れが始まったというところでございます。こういう流れを受けまして、補完的に我々としては外国人の受入れというのを考えております。  具体的な検討方針でございますけれども、やはり農業の特色に沿った形というのが大事だと思っておりますので、まず、生産現場ですぐに作業ができる程度、具体的には技能実習を三年修了した程度、こういう人材を受け入れたいというのが一点。それから、国家戦略特区でも措置されているところでございますけれども、農業の場合には、農繁期、農閑期が存在するなど自然条件あるいは季節性に左右されるという側面もございますので、そういう特性も踏まえたような雇用形態にしていくこと等々を基本といたしまして更に検討を進めているところでございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 やはり外国人材の確保、これはもちろん重要なことだと思いますが、今おっしゃっていただいたとおり、まずは国内でしっかりと若者も就けるような、就きたくなるような、そうした農業にしていく、また生産性も向上していく、そのこともしっかりやっていただいた上での外国人の受入れだということは改めてお願いをし、また申し上げておきたいと思います。  それでは、もう時間も残り少なくなってまいりましたので、様々質問は用意しておりましたけれども、最後に花卉、お花あるいは植木等の輸出振興についてお伺いをしておきたいと思います。  花卉については、愛知県も花卉の生産量は日本で随一を誇る生産地になっておりますけれども、私も花卉の生産現場に行くとともに、お花を使って、例えば生け花といった日本の花文化として海外に輸出していくという、そうした取組をされている方とともに地元で活動させていただいております。  こうした花卉の輸出振興を図るに当たって、生け花などの日本の花文化と一体的にPRしていく、そうしたことが効果的であるというふうに考えますけれども、農水省でこの点どのようなお取組をしていただいているか、お示しをいただければと思います。

高鳥修一自由民主党農林水産副大臣

○副大臣(高鳥修一君) 里見委員にお答えをいたします。  我が国の花卉は、品種のバラエティーに富み、海外からも高品質との高い評価を受けております。平成二十九年の花卉の輸出額は前年比で五四%増加の百三十五億円と、過去最高となったところでございます。  花卉の輸出振興につきましては、委員御指摘のとおり、生け花等の日本の花文化、これと一体的に推進するのが効果的であると考えておりまして、輸出先国における生け花イベント等、商談を組み合わせたプロモーション活動等も支援をしているところでございます。  例えば、米国では、生け花等のデモンストレーションを実施したことをきっかけとしまして、高級花卉を取り扱うバイヤーと日本の輸出業者との商流が築かれまして、切り花の輸出額が平成二十四年から平成二十九年までの五年間で五倍、これは五千万円から二億五千万円、このように拡大をいたしております。また、平成三十一年四月から十月まで中国で開催される北京国際園芸博覧会に日本政府として出展をすることといたしておりまして、生け花の関係者にも御協力いただいて、世界に誇る国産花卉の品質と日本の花文化の魅力を発信することで輸出の促進に弾みを付けたいと考えております。  引き続き、輸出拠点となる集出荷施設等の整備と併せまして、生け花等の日本文化や国産花卉の魅力をセットで発信することで花卉輸出の更なる拡大を図ってまいりたいと考えております。

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめください。

里見隆治公明党

○里見隆治君 今の点、大変重要な政策だと思います。更に積極的なお取組をお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也でございます。  まずは吉川大臣、御就任おめでとうございます。  四十七都道府県それぞれ第一次産業は重要でありますけれども、我々北海道はその思いを人一倍強く持っているというふうに自負をいたしております。  かつては中川昭一先生や武部勤先生が大臣を務められて、世代交代が進んで、北海道の第一次産業は吉川先生にみんなおんぶにだっこという状況になりました。かつて、参議院にも北修二先生とか中川義雄先生とか、第一次産業を専門に、中心にやっておられる大先輩がおられましたけれども、残念ながら、与党席に、自由民主党の参議院議員に農政に専門にやっていただいている先生はおられない。その分、我々野党側は、紙先生、鉢呂先生、徳永先生、しっかり北海道議員団頑張っておりますので、力強く吉川大臣を支える部分は支え、応援をするところは応援をし、そして、大変先輩に申し訳ありませんけれども、お尻をたたくところはたたき、北海道の農業が更に発展するように私たちも頑張ってまいることをお誓い申し上げたいというふうに思います。  個人的な話をするのはいかがかと思いますけれども、吉川先生と私は特別な御縁がありまして、亡くなってしまいました鳩山邦夫先生つながりであります。今、鳩山邦夫先生の薫陶を受けた議員は閣内に二名、与党に四名、そして野党側に三名おるわけでございます。吉川先生はその長男でありますし、年齢で考えますと鳩山邦夫先生の弟分としてずっと政治活動を共にしてまいりました。個人的に、私が今この場で政治家をやっておられるのも吉川先生のお導きがあったからであります。その御恩に報いるためにも立派な質問をし、厳しい質問をし、答えをさせていただきたいと思います。  北海道の農業の問題も含め、かつてこの農林水産委員会は仲よし委員会でありました。それは、その地域の農業発展のためにみんな頑張っていこうということであります。一部御指摘もいただきましたけれども、土地改良予算の確保であるとか各種補助金の問題、野党側と与党側の対立というのはほとんどありませんでした。  しかし、残念ながら、もう御承知、御案内のとおり、安倍政権がいわゆる政権交代、政権交代を経て復活してから大分雲行きが怪しくなってまいりました。野党席から目をつり上げて質問をしなければならない法案が続々と出てきたわけであります。  私たちはこういう言い方もさせていただきました。農林水産省で立案した法案であれば大体賛成であったけれども、そうじゃないところから立案の種が農林水産省に植えられて、そこから芽を出し、そして出てきた法案は、とても賛成できるものじゃないという法案をたくさん審議してまいりました。  農業には、あるいは第一次産業にはいろんな側面があります。大事な点はたくさんあります。持続可能性、地域を大切にする、そのことが今ないがしろにされているのではないでしょうか。ある先生は、そういう会議体の中から出てきた発想を、今だけ、金だけ、自分だけ、こういう表現をしている先生もおられます。まさに効率化、そして成長、所得、お金、こういう事柄だけで測れないのが私は第一次産業分野だと思います。  吉川先生は久しぶりに誕生いたしました北海道出身の大臣でもございます。北海道の水田、畑作、酪農、畜産、様々な農業あるいは林業、水産業、水産加工業を知悉しておられます大臣として、私の持っている問題、課題意識、一連の改革路線と、私たちがかつて大事にしてまいった共通の思い、その整合性にどういう腐心をされておられるのか、思いを持っておられるのか、そのお考えを披瀝いただきたいと存じます。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 同じ北海道として激励をいただきましたことに御礼を申し上げたいと存じます。  ただいま小川委員から御指摘をいただきましたことでありまするけれども、まずは、政府内において各種の会議体が設置をされておりまして、経済成長ですとかあるいは構造改革など、それぞれの役割に応じて様々な提言を行っていると私自身承知もいたしております。  いずれにいたしましても、我が国の農林水産政策につきましては農林水産省が責任を持って進めていく、その考えは私は何ら変わっておらないところでもございまして、これからも農業者の皆様の声に謙虚に耳を傾けながら、この国会の場におきましても、小川委員を始め多くの委員の皆様と議論をさせていただきながら、農業の成長産業化に向けた政策というものを推進をしていきたいと考えておりますし、また私も、農林水産業に対して様々な思いも個人的にはございます。  この農林水産行政に携わりましたのも、そんなに長い期間ではございません。小川委員の方がむしろ長い期間携わってきていただいているのではないかと、こう思っておりますが、思いは、私は、やはり農業、林業、水産業を営む皆さんがこれからも更に元気になって、そして多くの担い手の皆さんも育っていく中で、農林水産業をしっかりと日本の国の基幹産業として育てていく、そういう思いであろうかと思いますので、是非ともこれからも御指導、御支援のほどお願い申し上げたいと存じます。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 お考えをいただきました。申し上げたいことはたくさんあるわけでありますけれども、一点確認をさせていただきたいと思います。  この委員会でも審議をし、採決をされてしまった主要農作物種子法であります。生産現場の方も余り理解がないまま成立してしまったという、そんな感想もありますし、いまだにそのことが心配だという生産者や地域の方もたくさんおられます。私たちも反省すべき点は反省すべきだと思いまして、各都道府県でもいろんな条例を制定する動きも進んでおるようでございます。  吉川大臣のこの主要農作物種子法を廃止したことに対する思いはいかがなものでしょうか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) この種子法の廃止でありますけれども、まずは、稲、麦類及び大豆の種子の生産、供給に関して、全ての都道府県に対しまして一律に義務付けていた法律を廃止をして、多様なニーズに応じた種子を官民の総力を挙げて供給する体制を構築するために実施をされたものであると承知をいたしております。  このために、農林水産省といたしましては、これまで、国や都道府県による種子の品質確保及び安定供給のために、種子法に基づく制度を整備するとともに、地方交付税を確保してまいりました。さらに、都道府県及び民間事業者に対しましても、官民の総力を挙げた種子供給体制の構築を呼びかけてきたところでもございまして、実際に都道府県の種子供給はしっかりと今継続をされていると存じております。  失礼しました。今、先ほどの答弁の中で、種子法に基づく制度、こう言いましたけれども、種苗法でございました。大変どうも失礼いたしました。  さらに、今申し上げましたけれども、従来以上に官民の連携や種子供給に力を入れなければなりませんし、また、それぞれの実態を踏まえて条例を定めていただいているところも出てきていると承知をいたしております。  引き続き、各都道府県連の自主性を尊重しながらも、国としての必要な措置を講ずることで良質な種子の安定供給に努めてまいらなければならないと存じています。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 大臣から最後御確認をいただきましたけれども、今だけ、金だけ、自分だけではなくて、私たちの国では、未来永劫、この国で生産した米、麦、大豆を食してずっと繁栄をしていかなければならないということ、そして、そのためには良質で安心、安全の種子の供給が不可欠であることを、吉川大臣、肝に銘じていただければと存じます。  今、前の委員からも質問がございましたけれども、人手不足とそれにまつわる立法がこの国会での主要なテーマになっております。個人的な感想を申し上げることを許していただくとすれば、いわゆる入管法あるいはこの委員会にも関係があります漁業法、こういった大きな法案は臨時国会で出されるべきではないと私は思っております。そのことだけ申し上げさせていただきたいと思います。  また、かつて国会というところは先達がすばらしい足跡を残してくれまして、一つの法案、大事な法案であれば、あるいは議論が尽きない法案であれば、二つ、三つの国会をまたいで、あるいは年数をまたいで成立させるということも先輩たちはなしてきたわけであります。いわゆる生煮えの法案、内容が悪い法案はすぐ採決に行きたいという気持ちを抑えていただく、これも大事なことではないかというふうに思います。  さはさりながら、人手不足は深刻であります。そして、どの業界がどのぐらい深刻かということも様々な数字でも出てきているようであります。まずは、第一次産業分野でどういった悲鳴が上げられているのか、吉川大臣が今まで見聞きしておられること、御感想をお伺いをしたいと存じます。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) まず、農業、漁業におきましては、就業者の減少ですとか高齢化が進行をいたしております。さらに、有効求人倍率も全産業平均を上回っておりまして、人手不足が大変深刻化していると認識をいたしております。さらに、そういったことで業界団体からも労働力確保への支援を求める要望がかなり寄せられているところでもございます。  また、本年度の食料・農業・農村白書で行いました四十九歳以下の農業経営者のアンケート調査におきましても、現在の経営の課題として最も多かった回答が労働力の確保となっておりまして、農林水産省といたしましても、人手不足の解消は急務の課題であると、このように認識をいたしております。  具体的に、小川委員も御承知かもしれませんが、十勝地方の野菜の農家の皆さんから、これは時給千六百円でも必要な数の人材が確保できないという、そういったことも寄せられております。さらには、山形のサクランボ農家からも、品質向上に欠かせない作業が追い付かない状況であるという、そういった声も現場から寄せられているところでもございます。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 重ねてお伺いをいたします。  里見委員からも指摘がありましたとおり、つい先頃、新しい在留資格による受入れ見込み数というのが政府から発表されました。農業分野、漁業分野、それぞれ数字が記載されております。  初年度、農業分野で三千六百人から七千三百人、五年目までの累計で一万八千人から三万六千五百人。漁業分野、初年度六百人から八百人、五年目までの累計が、漁業分野、七千名から九千名という数字が出ております。  まず大臣に確認をさせていただきたいんですが、御就任からさほど月日がたっていないわけであります。この数字を、取りまとめということで多分集計しているところに農林水産省から提出をされたんだと存じますが、この積算は、吉川大臣が就任されてから出されたものなのか、あるいはその前までに積み重ねがあったものなのか、確認をさせていただきたいと存じます。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 私、就任をしましてから、この入管法と同時に、外国人労働者に対しましては極めて慎重に考えを持っておりました。といいますのも、それは、現場が一番大切でありまして、現場の声がいかに我々の方に届くかということであります。ですから、この人数に関しましても極めて私は慎重な対応をしてまいったと、自分ではそう思っております。  この数字が発表されましたのは、私が就任をしてからでございます。ただ、就任をする前からいろいろな作業は行われてきたのではないかと、そういうふうに私は承知いたしております。  必要であれば事務方の方からも答えさせます。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 つい先頃発表されたものですから、例えば閣議決定当時にはこの数字は発表されておりませんでした。ですので、今回の法案審議に対して慎重な勢力、すなわち我々からは、生煮えじゃないかとか審議の材料が乏しいと、いろんな批判があったわけであります。ですから、この積み重ねの数字がどの程度信憑性があるのかどうかというのは、今後の審議の中で大変重要なファクトになっていくんだろうというふうに思っています。  もう一点確認でございますが、特定技能一号、二号というこの分け隔てがございます。そして、特定技能第二号については、現時点で農林水産分野は想定をしていないということでありますけれども、確認の答弁をよろしくお願い申し上げます。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) そのとおりであります。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 あと、今後それぞれの分野で審議がなされるかと思いますけれども、いわゆる単純労働あるいは熟練技能、こういうキーワードが大変重要になってきているわけでありますけれども、農林水産分野における様々な仕事について、その単純労働や熟練技能の定義はどの程度進捗されているでしょうか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 今、単純労働という御指摘をいただきまして、私は、先ほども申し上げましたけれども、単純労働でこういった外国人の労働者を使ってはいけない、そういう思いを持っておりますことはまずお伝えをいたしたいと思います。  その上において、農林水産分野におきましては、特定技能一号の技能水準に至る方を即戦力として活動するためにしっかりと採用していきたいと、そのような考えの下で、具体的に農業におきましては、苗の植付けですとか収穫の適期を理解し対応できる方、さらには基本的な肥料や農薬の種類を選択ができる方、そして季節に応じた家畜の管理を理解をして対応できる方ということを考えているところでございます。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 私といたしましては、今議論が始まった法案でありますので、この短い臨時国会において参議院に来ることはよもやないだろうとは思いますけれども、私たち農業分野も非常に関心を持っておりますので、もし万が一参議院に来るようなことがあれば、我々農林水産委員会としても連合審査を求めるべきだと存じますけれども、委員長にお願いをしたいと思います。

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 後刻理事会で協議させてください。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 それで、今回のいわゆる入管法の改正が拙速だ、生煮えだという議論はたくさんあるわけでありますけれども、それは、ここにおられる委員はもう既に全ての方が御承知おきだと思いますけれども、今までの実習生制度との関係はどうなのか、実習生制度の反省点はないのか、現状はどうなのか、このことについて国民に対して何も理解をさせるようないわゆる答弁や説明がないからだと思います。  私もこの実習生制度の現状を全て知っているわけではありませんけれども、たくさんの問題点が横たわっているということはもう既に常識であります。一つは、低賃金で過酷な労働を強いている。あるいは、実習生制度ということで、技術、技能の移転といういわゆるお題目があるけれども、全く懸け離れている現場があるということ。それから、いわゆる送り出し国や受入れ国の中では、非常に悪いブローカーが存在をしているということ。あるいは、条件が余りにもひどいから、あるいは約束が違うからといって逃亡をする人がいるということ。あるいは、ビザが切れても私たちの国に滞在をする人たちがたくさん存在することなど、関連する実習生制度に対するいわゆる落とし前が付いていない、これが私は今回の法改正を危惧する大きな要因になっているのではないかというふうに思っています。  全国で農林水産分野においても実習生の皆さんが多数活躍をしております。その中には、このお題目のとおりにしっかりと日本で技術を学んで本国に持ち帰って一花咲かせるんだという方もおられるでありましょう。しかしながら、残念ながら、お金を稼ぐために仕方なく労働をしている方もおられるでありましょう。あるいは、余りにもひどいので逃げ出した方もおられます。  私の地元北海道でも、たくさんの実習生の皆さんが活躍をしています。農業分野、酪農分野あるいは水産加工の分野、多数あります。特に水産加工の分野は、全国あまねく、いわゆる外国人の実習生その他の方々の力がなければもう一日も立ち行かないという現状があるのも皆さん御承知おきのことだと思います。  吉川大臣は、この農業分野あるいは林業、水産業を含む、あるいは加工業を含む農林水産省が関係する分野で実習生がどのように活躍をしているのか、あるいはどのぐらい法と懸け離れている存在なのかということを把握しておられるのか、お伺いをしたいと存じます。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 御指摘をいただいたことは私も大変危惧をしている部分でもございます。  大臣就任前にも、例えば水産加工場で働いている技能実習生の方々にもお会いをさせていただいたこともございます。今、様々な形で活躍をしていただいて、しっかりとお給料ももらって、そして本国にも送金をされている方もいらっしゃれば、待遇が不遇な面にあってその場から逃げ出したという、そういった実態ももちろん私自身も承知をいたしております。  この件に関しまして、技能実習制度の実態を更に理解をすることは大切なことでもあろうかとも思いますので、さらに私自身も、機会があればそのような場を設けることも検討していきたいと考えています。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 是非ともお願いをしたいと思います。  多分、我々の委員会視察もそうでありますけれども、大臣が御視察される場所を選ぶときには、多分、農林水産省の事務方はそこそこいいところ、きれいなところに案内をするでありましょう。ですから、そこは大臣も機転を利かせて、待遇が悪そうなところ、厳しそうなところを見付けて御視察いただきますようにお願いをさせていただきたいと存じます。  それで、次の質問に入ります。  上月先生から大変いい質問がございました。我が同僚であります森ゆうこ議員から絶賛がありました。これは、農業はでかければでかいほどいいということじゃないということであります。これは私もこの委員会で申し上げたことがございますけれども、いわゆる武田信玄公で有名な「人は石垣、人は城」、石垣は大きな石だけでは頑丈なものはできないということであります。大中小の石がそれぞれきれいに組み合わさってすばらしい石垣になるんだと。これは農業分野も全く同じであるとずっと訴えてまいりました。  今冒頭申し上げたある審議会や農林水産省以外からの提言は、もっともっとでかく、もっともっと効率的に、もっともっと外から参入した人たちが荒稼ぎできるようにという流れで改革が進められております。  そして、新しい大臣が誕生すれば、必ず私は申し上げるせりふがあります。それは何かといいますと、北海道の農業地域の人口減少であります。私と隣におります鉢呂先輩は農村地域の出身であります。徳永さんと紙さんは札幌の出身であります。私は小さな町の、町の中でありますけれども、鉢呂先生はまさに農業地帯であります。  どういうことを申し上げてきたかといいますと、いわゆる北海道に入植をする、新しい大地を求めて本州からたくさんの方が農業分野に進出をいたしました。最初は屯田兵あるいは開拓、いろんな形でそれぞれの時期、明治、大正、昭和、戦後と入植をされました。そして、北海道の魅力は、何といっても本州よりも広い土地で営農ができるということだったはずであります。しかし、どんどんどんどんその基準が大きく変わっていくわけであります。  農業者の先輩からこういうことを教えていただきました。うちは旭川の外れで、三町歩の水田農家だと。大変裕福で、農業の所得で大学に行けたと。どんどんどんどん離農が促進をし、政策が変わり、営農面積が増えていく。その流れの中で一戸当たりの経営面積はどんどん広くなって、御案内のとおりであります。  そこで何が起きるかというと、人口がどんどんどんどん少なくなっていくわけであります。人口が少なくなると何が減っていくかというと、商店がなくなり、学校がなくなり、病院がなくなり、ATMがなくなり、どんどんどんどんそれがスパイラルで進んでいくわけであります。例えば足寄町、香川県より面積が広いというふうにも言われておりますけれども、小中学校は一校だけであります。スクールバスで小学校に行く、中学校に行く。私の町は足寄町よりもずっと小さい町でありますけれども、かつては小学校が十三校あったのが、当然一校であります。  これが北海道の地域のたどってきた歴史であるということを紹介しているわけであります。  そして、今、農地の中間管理の法律を作った後、まさに改革勢力から求められているのは、日本全体の北海道化であります。どんどんどんどん経営規模を大きくして収益率の高い農業にしなさい、このメッセージは、北海道のみならず、私のふるさとのみならず、日本全国をどんどんどんどん人口の少ない、集落をなくしていく方向性に追いやっていると存じます。  私も世界の農業国を知悉しているわけではありませんけれども、理想とする国土あるいは都市の発展は、一つはドイツだと思います。それぞれの都市が魅力ある独自政策や産業を抱え、そしてその周辺に存在する農村は、魅力を持って、そして持続可能な営農をずっと続けているわけであります。私たちの国のように農村から止めどなく人口を都市部に出していく社会は、これは途上国モデルと言わざるを得ないわけであります。  それで、私は今日、資料を提出をさせていただきました。今、最も好調と言われている酪農であります。  これはもう先生方御案内のとおり、TPP11があるから、日欧EPAがあるから、あるいはアメリカと怪しい交渉をしているから、これは農業分野にも少し何かやってやらんかったらならぬなということで、今、酪農地帯は大変いい状況でありました。そして、御案内のとおり、副産物たる子牛価格が異常に高騰をし、堅実に経営しておられるところもやっと一息ついたという状況であります。  残念ながら、北海道胆振東部地震の際のブラックアウトで酪農家あるいは母牛にも多大ないわゆる負担を掛けて、ハッピーな状況でないというのも付け加えなければいけませんけれども、これ、上月委員から、大きければ大きいほどいいわけじゃないんだよという話をいただきました。  今、乳牛を百七十頭から二百七十頭に増やすという農家が新聞記事になっているわけであります。畜産クラスター事業は否定はいたしませんけれども、自己負担も大きくて二億円、二億円の負担をする。これ、一戸の農家がであります。そうしないと効率化が保てないというふうに横並びがそうさせるので、負債を背負うのか離農をするのか、どっちかに迫られているというのが現状であり、見出しであります。  ですから、私たちは、持続可能ということを考えると、規模拡大にひた走る路線はどこかで止まらなければ、家族経営でいわゆるレベルの経営をするんだというふうにしないと、この国全体が崩壊する危険性さえ私は感じ取っているわけであります。  牛乳は高いんでしょうか。水より安いというふうに生産者は嘆いております。五百ミリリットルの水、ペットボトル百三十円から百四十円。普通の牛乳でもスーパーで買えば百六十円から二百円。私が好きな低温殺菌牛乳も一リットル二百四十円から六十円で安いやつは買えるわけであります。  私は、もっともっと効率的にではない、新たな時代を見据えた持続可能な農業、これを北海道選出の吉川大臣のときに芽を出していただきたい、これは私の強い思いであります。  酪農に端を発してこの議論をさせていただきました。持続可能な第一次産業、このことについての吉川大臣の思いを聞かせていただきたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 先ほども私申し上げましたけれども、農業を、酪農も含めまして、営んでいる方々は、もちろん大規模な経営もあります。さらには、法人をつくって規模を更に大きくしていこうという、そういった方々もおります。  一方では、酪農もそうでありますけれども、まだまだ北海道も含めて家族経営が私は多いと、こう思っております。そういった家族経営の皆さんに対しても光が当たるような農林水産政策というのをしっかりと私はやっていかなければならないと思っております。  酪農に今関してお話がございましたので、私が、今からもう五年ちょっと前になりますが、副大臣をさせていただきましたときに、十勝のとある農場に参りました。そこはまさに酪農の家族経営でありました。お母さんがいて、そして息子さんがいて、もちろんお父さんもおりました。お嫁さんはと聞きましたらば、まだ嫁さんはいないんだという話でありまして、もうあれから何年かたちましたので御結婚されたかもしれませんが、本当に上質な生乳を作るための牛の肥育をしたり、一生懸命頑張っておられます。でも家族経営、そのときはつなぎで牛を飼っておりました。なかなか、牛舎を見ても、私は大変だなと思いました。さらに、施設に対して、設備投入ということも考えるんだけれども、なかなかお金の面で大変だという話も聞きました。  そういったことで、後継者の育成ですとか、そういったことは更に大切なことでもあろうかと思いますので、ただ単に規模拡大をするということだけではなくて、生産基盤を維持していくということが最も大切なことでもあろうかとも存じますので、そういった観点から、またでき得る限りの施策を講じながら、しっかりと支援もしていく必要があるのではないかなと、こう思っております。私の率直な意見、考え方であります。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 私は、北海道選挙区の選出でありますので、この閉会中もいろんな地域を回らせていただきました。選挙も四回やらせていただいておりますので、それぞれの地域、十二年前はこうだったな、初めて足を踏み入れたときはこういう感じだったなということで、どんどんどんどん変化していく農村を肌で感じています。  吉川大臣は日本の農林水産業全体に責任を負う立場でありますので、北海道だけでも広いですけれども、全国にはそれぞれ特色のある地域もたくさんありますし、私が申し上げたように、音を立てて人を減らしている集落もあるでありましょう。大変お忙しい身であることは重々承知しておりますけれども、そういった地域にも足を踏み入れて、そこに暮らす方々、高齢者も多分たくさんおられると思いますけれども、その方々の思いにも耳を傾けていただければというふうに思います。  そしてなお、大変難しい課題ではありますけれども、農山漁村、これはもう大事なキーワードでありますし、本当に多面的機能の発揮でいいますと、ゆるがせにできないことであります。  就任してすぐの委員会でありますので、吉川大臣から、農山漁村あるいはその集落をしっかり守っていきたいという決意をお聞かせいただければと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 全くそのとおりであろうかと思います。この農山漁村というのは私たちの国にとっても最も大切な地域でもございますので、そういった農山漁村がこれから多くの人が定住をして、そこでなりわいを営んでいける、生活ができる、そういったことを念頭に置きながら私も最大限の努力を傾けてまいりたいと存じます。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 北海道はこのところ、先ほど申し上げましたように、酪農も好調でありましたし、それ以外の水田、畑作分野も好調でありました。しかし、今年は大変な不作であります。ですので、いわゆる家督を次の世代に譲った先輩たちは、息子にとってはいい薬になったろうと、ずっと右肩上がりで思っていると本当に投資意欲が満々で心配で心配でならないと、そういった言葉もありました。  そのことも心配でありますが、もう一点心配なことがあります。政府がいわゆる米価に干渉しなくなるということであり、また、かつて一万五千円、十アール当たり支給されていたお金も、七千五百円からゼロになりました。米が作りたい人が作るということで、米価が下落したらどうしようという思いをずっと持っていたわけでありますが、今年は北海道は大不作、新潟、秋田も不作ということで、ぎりぎり今年の米価下落は多分回避できるでありましょう。むしろ府県の方々は少しいい思いするかもしれません。  来年が心配です。今年いい思いした次の年は、関東圏のI県を始めとする様々な生産者がいわゆる主食用に変わっていくわけでありますので、来年が本当に心配であります。これもいろいろ大臣も心配をしていただいていると思いますけれども、来年の米価、どういう工夫をしていこうとお考えなのかお伺いをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) よくそういう御指摘を受けます。確かに今年は台風災害等々で、特に日本海側の作況指数が今のところ、全ての作況指数が出たわけではありませんけれども、おおよその今年の作況指数というのが出されました。その中において一番作況指数が悪かったのが、私ももちろん地元であります北海道、これが九〇、地域によりましては、小川委員の元々の御地元は九〇を切ったところではないかと、上川地方では、そういったことがあります。そういったこともございまして、今年は落ち着いたと言われる、そういった指摘もございます。  私どもといたしましては、この三十年以降も、行政によらず、生産目標の配分に頼らずとも、産地、生産者が中心となって需要に応じた生産、販売を行うようにしてきたところでありまするけれども、こうした中にありましても、都道府県や市町村、農業団体、担い手から構成されております各産地ごとに設置されている農業再生協議会が、これまでと同様、需要に応じた生産、販売に向けて、地域の水田においてどのような作物をどれだけ作付けするか検討する重要な役割を私は担っていると存じております。  このような再生協議会の役割等々も通じまして、三十一年度以降もしっかりと、農林水産省としましては、引き続き農業再生協議会の円滑な業務遂行に必要な支援も行ってまいりたいと存じますので、いろいろな話合いの中から来年以降もしっかりとした米の値段も確保できればと、このように思っております。  上川、九〇だそうでございまして、九〇を切ったのか、一時切ったと言われたんですけれども九〇で収まったと。それにしましても、非常に低い作況だと思います。

小川勝也立憲民主党・民友会

○小川勝也君 終わります。     ─────────────

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、猪口邦子君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君が選任されました。     ─────────────

田名部匡代国民民主党・新緑風会

○田名部匡代君 国民民主党の田名部匡代でございます。  吉川大臣、大臣御就任、大変おめでとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  何か、先ほど来、上月委員の質問を取り上げて、皆さんが大絶賛ということで、私も小規模家族経営の重要性、そして兼業農家の重要性、そこは共通の思いを持っております。是非、与野党の枠を超えて、そういう農家の皆さんも大事にされる農業政策、一緒に取り組んでいきたいと思いますし、もう一点、上月委員、いいことをおっしゃった、取り上げていただいたんですね。青年就農給付金、名前が変わっちゃいましたけど、なぜ名前を変えたのか分かりませんが、あの支援策は民主党政権のときに作った肝煎りの政策であります。本当に新規就農者の支援として重要な政策だと思いますので、そこも是非しっかりと継続されるようにしていただきたいと、そのことを申し上げたいと思います。  さて、新しい内閣が立ち上がるたびに、その大臣は適材適所なのかということが問われるわけであります。私は、大臣に、北海道の御出身でもありますし、これまでも農林水産の政策にお取り組みになってきたということもありますし、期待をさせていただきたいと思うわけですが、大臣は御自身で、まさに俺こそ適材適所、任せておけというふうにお感じになっているのか、そして、なぜ大臣が農林水産大臣として何を期待して任命されたとお思いになっているか、ちょっと教えていただけますか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 今までで一番お答えにくい御質問を頂戴をいたしたと思っておりますが、適材適所であるかどうかというのは、堂故委員長を始め委員の皆様が私に対する御批判をいただくときではないかと、こう思っております。  なぜ私が農林水産大臣に指名されたかというのは、私自身、率直に私自身もなぜだったのかなと、こういう思いのときも、一か月少々過ぎて、ときもございます。できれば田名部委員から安倍総理に聞いていただければ有り難いなと思います。

田名部匡代国民民主党・新緑風会

○田名部匡代君 是非、大臣、自信を持ってお取組をいただきたいと思いますし、先ほど大臣の御答弁の中で、やっぱり現場の声が大事なんだとおっしゃっておられました。私もそう思います。是非大臣には、現場の皆さんの立場に立って、時には内閣の一員であったとしても闘っていただかなければならないし、その思いで大臣としてしっかりとお仕事をしていただきたいということを申し上げたいと思います。  大臣、前回の委員会のときの御挨拶の中で、冒頭、災害のことに触れていただきました。本当に大きな被害をもたらした災害で、一日も早い経営再建に全力で取り組みたいと大臣もおっしゃっておられましたし、私たちもそれは最優先課題だと、そう思っております。  私たち、この委員会で閉会中に、広島そして岡山に視察に行かせていただきました。与野党一緒に現場を見せていただいたことは大変勉強になりましたし、現場でも多くの声を聞かせていただきました。その後、本来であれば委員会を開いていただいて、どういう状況になっているのか、確認を含め行っていくべきだったのかなと思いますけれど、時間はたちましたが、是非、改めてそういう機会もつくっていただいて、災害対応、どの程度前進しているのか、足りないことは何なのか、確認もさせていただきたいと思いますから、冒頭、御挨拶で触れていただいた災害に対しては大臣も最優先で取り組んでいただきたいというふうに思います。  それと、終わっていないのは東日本大震災もそのとおりであります。大臣、何度か被災地の方には足を運ばれているかと思いますけれども、東日本大震災の被災地について、何かお感じになっておられることがあれば教えてください。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 私は、今年災害は、大阪北部、さらには台風の二十一号ですとか、西日本の豪雨災害、そして北海道胆振東部地震、二十四号台風等々、たくさんの災害がございました。就任をいたしましてから、先んじて福島県に視察に入らせていただきました。  これは好事例と申しましょうか、酪農家の皆さんが頑張って酪農としての法人を立ち上げて、これからも規模拡大をしていこうという、そういった御意見も頂戴をいたしましたけれども、その折に福島県の知事からも、風評の払拭ですとか、さらに営農が再開できない方がたくさんいるんですよ、そういった営農再開に向けての要望等々も頂戴をいたしました。  これからも東日本大震災で被災をされた皆様に寄り添う形で、閣僚は全て復興大臣たれと、そういった総理の御下命もございますので、私もその思いをしっかりと持ちながら、これからも被災地の皆さんに寄り添って農林水産業の進展に対してしっかりと頑張らせていただきたいと思います。  さらに、今年いろいろな災害が起きました地域にも全て足を運ぶことができませんでして、それぞれ政務三役で台風二十四号等々につきましては手分けをして足も運ばせていただいて、現地のお話も聞かせていただきました。これが、やはり意見を聞くだけではなくて、迅速に対応することが私は最も大切だと思っております。それは取りも直さず、来年に対して営農意欲を持っていただかなければならないという、そういう思いからでもございます。  これからも政務三役等と一貫して、災害等々に関しましては迅速な対応と、更に多くの農家の生産者の皆さんがしっかりと営農ができますように頑張らせていただきたいと、このように思います。

田名部匡代国民民主党・新緑風会

○田名部匡代君 ありがとうございました。  特に北海道はどこよりも早く雪が降り始めます。本格的な冬を迎える前に少しでもその作業が前に進むように、そして被災したどの地域も諦めることなくもう一度農業を再開しようと意欲を持って立ち上がっていただけるように大臣にもお取組をお願いをしたいと、そのように思います。  このように、今後も大規模災害は起こらないとは言えない、起こり得ることが考えられるわけで、大規模災害への対応であるとか防災・減災対策、これらを含めて非常に多くの責任というのが農林水産省にはあるというふうに感じています。新たな政策の転換も含めてでありますけれども、しかし、農林水産省が十分地方の現場を含めて対応ができているのかなということを私はちょっと心配をしておりまして、というのは、合理化の中で農水省の人員がどんどん削減をされて、現場で対応ができないような状況になっているのではないかということなんです。  農水省における定員合理化の状況について教えていただきたいのですが、二〇〇六年の閣議決定、国の行政機関の定員の純減以降、農水省がどの程度定員削減や省庁間の配置転換があったのか。これ、今度は二〇一四年七月に政府決定された国の行政機関機構・定員管理に関する方針で、全省平均で五年間で一〇%以上合理化するというふうにされたんですが、このときの目標、また取組状況と減員数というのが分かれば教えてください。

水田正和農林水産大臣官房長

○政府参考人(水田正和君) お答えいたします。  今委員の御質問にございましたように、平成十七年十一月に策定されました総人件費の改革基本方針を受けまして、平成十八年六月に閣議決定をされました国の行政機関の定員の純減についてにおきまして、平成十八年度から二十二年度までの五年間でございますが、農林水産省は、農林統計の関係そして食糧管理等の関係で定員を四千六百二人削減されることとされまして、その計画どおり実施されたところでございます。  また、この定員削減を達成するために、平成十八年六月に閣議決定されました国家公務員の配置転換、採用抑制等に関する全体計画におきまして、平成十九年度から二十二年度までの四年間に、当省から他省庁に対しまして二千八百三人の配置転換を行うこととされたところでございます。実際には二千五百四十人の配置転換がなされたということでございます。  また、最新のあれでございますが、御質問の中にございました平成二十六年七月に閣議決定されました国の行政機関の機構・定員管理に関する方針におきまして、平成二十七年度から三十一年度までの当省の実質的な定員の合理化数でございますが、二千二百九十一人ということでございます。

田名部匡代国民民主党・新緑風会

○田名部匡代君 ちょっと通告していなかったので分からなければいいんですけど、これ、全省庁の数字と比較して農水省がどうなっているかということは分かりますか。

水田正和農林水産大臣官房長

○政府参考人(水田正和君) 今御指摘いただいた全省庁の数字でございますが、この最新のものでございますと、平成二十六年七月に閣議決定されました国の行政機関の機構・定員管理に関する方針におきます平成二十七年度から三十一年度までの定員合理化でございますが、全省庁で実質的に定員合理化一万七千八百三十六人ということになってございます。そのうち、農林水産省が二千二百九十一人でございます。

田名部匡代国民民主党・新緑風会

○田名部匡代君 ありがとうございました。  これ、一年ごとの数字、ちょっと今日時間がないのでまた改めてやりたいと思いますけれども、農水省が他の省庁、全省庁と比べても削減数が非常に多いんです。まさに、一つの県でもいろんな状況がある、本当に現場を大事にしていただかなければならないところでどんどん人が削減されているんですね。統計もそのとおりです。  私、ちょっといろいろ調べたいことがあって、青森県の数字どうなっているのかなと思うと、統計が随分、数年前から止まって統計が取られていないというようなものもあって、でも、私の先輩、衆議院の篠原議員がよくおっしゃるんですが、日本の統計というものは世界からも信頼される誇れるものなんだ、大事にしなければならないと言っていたけれども、ここだってもうどんどん人員削減で、そういう統計も取れないような状況になってしまっているんじゃないでしょうか。何をするにもやっぱりデータ、統計は大事であります。  大臣、今みたいな状況になっているって御存じでしたでしょうか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 定員削減につきましては今官房長が説明をしたとおりでございまして、削減に関しましては私も聞いております。  その地域の実情等々につきましては、またしっかりとお聞きをしながら対応ができるような形が、どのような形が取れるのかということも含めまして、またしっかりと検討もしなければならないと、今委員のお話を聞いて感じ入っておりました。

田名部匡代国民民主党・新緑風会

○田名部匡代君 私はいつも農林水産省の味方ですと申し上げているんですが、人良くどんどん人員削減の数字を出すことはないわけです。もうできないことはできない、これ以上減らせないと。  逆に、これだけ増やしてほしいんだということは、大臣、やっぱりそこはしっかりやっていただきたいなと思うのと、ちょっと現場からお話を伺ったら、その定員合理化の大半を地方の出先機関で行うため、組織の再編の合理化だとかアウトソーシング等で対応している、だから、どんどん地方の出先が減って現場で対応できない、対応することが困難になっているんです。さらには、新規採用者の抑制も続いて、新陳代謝が図れないであるとか技術の継承ができなくなっている。また、植物防疫所であるとか動物検疫所、こうしたこれから輸出を増やそうとか輸入が増えるだろうという状況のときに、水際対策さえ十分できないような状況になっているのではないかということを非常に懸念をしております。  そうしたら、私が落選中の、これは平成二十七年でしょうか、この委員会で徳永委員が読み上げた附帯決議が出てきまして、ちょっともうそれ読み上げませんけれども、是非、それに……(発言する者あり)読み上げますか。いや、読み上げませんが、現場と農政を結ぶバランスの良い人員配置を行うことというふうに書かれておりまして、やはりここに沿った組織体制を確立をしていただくことが大事だと思います。  大臣、ちょっとそこだけ答弁をお願いします。是非そのように取り組んでいただきたいんです。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) この定員合理化に関しましては、五年ごとに計画を策定して取り組んでいると承知をいたしております。  現計画が二十七年から三十一年度でございまして、その終了後の次期合理化の取組、三十二年度からの五年計画につきましては、現計画の取組状況や行政需要の動向等を踏まえて今後検討していくこととなろうかと思いますので、その点も踏まえながら、御指摘のされたことも十分検討していきたいと、こう思います。

田名部匡代国民民主党・新緑風会

○田名部匡代君 是非それはお願いをしたいと思います。  時間が過ぎました。ちょっと、通告していたもので全部できないかもしれません。  一つ大臣に基本的なことを伺いたいんです。先ほども小川委員からありましたけれども、やっぱり今の農業政策は、いわゆる規制改革推進会議などが提案をしてきたものがどんどん法律になっていると。今の人員削減のことも、私も、もしかしたら今までの農林水産省は何かなくなっちゃって経産省に吸収されちゃうんじゃないのかと、出される法案を見るたびにそんなことをちょっと思ったりしたこともありますけれども、そういう状態なんです。種子法の問題もそうですし、競争力強化、コンクリート農地、いろんなものが、乱暴なものがありました。  大臣、今みたいな、私は、昔の自民党はもっと現場を大事にしたのではないかと思いますよ。やっぱり、族議員と言われる人たちがその立場に立って政府と闘ったと私は思っているんですが、今みたいに、もう物を申さない、総理直結の、直轄の規制改革推進会議のようなところが、現場を本当に知っているか知らないかのようなところが提出して、提案してきたものがどんどん法律になって、もうするする通っていくような状況について、大臣はどんなふうなお考えをお持ちか、御所見をお聞かせください。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 私も大臣に就任する前は党の農林・食料戦略調査会の役員もいたしておりました。今日、自民党席に座っていらっしゃる先生方も役員として御活躍をされておりました。党は党として、しっかりとした体制の中で物を言うべきところは物を言い、政策を確かなものに進めてきたと、このように思っております。  今、私は立場はもちろん違いまするけれども、これまでも農業政策につきましては、最終的には農林水産省が責任を持って私は進めてきたと存じております。今後ともこの考え方には変わりはございませんので、農業者の皆様の声に謙虚に耳を傾けながら、この国会の場でも委員の皆様と議論をさせていただきながら、農業の成長産業化に向けた政策を推進をしっかりしていきたいと、こう思います。

田名部匡代国民民主党・新緑風会

○田名部匡代君 現場の声に耳を傾けていただくこともですし、しっかりと農家の皆さんが抱える不安にも応えていっていただきたいと思うんですが、いろいろとこれまで進められてきた中で、何でこんなに農家の皆さんがもう農業を続けていけないのではないかというような思いになっているかというのは、TPPや日EU、日米のこともあると思いますし、自分たちは小さい規模でやっているので、どうせ安倍政権は小さい農家はもう要らないと、消えていいと思っているんでしょうというようなことを感じておられるんですね。もしかしたら、事実じゃないことについても、政府としての情報発信が足りないという面もあるかもしれないけれども、でも、私は、常に発信すること、常にというのは言い過ぎかもしれません、発信するものが不十分であり不誠実だと思っているんです。  しつこいようですが、大臣は、その前のときからなんですけど、TPPの影響額の試算なんというのは、私は今も納得していない、あんな不誠実な数字はないと思っているんですね。対策やるから影響ないなんて、そんな都合のいい話ありますか。そんなわけはないと農家の人たちも思っているから不安なんじゃないですか。誠実に数字を出して、そして、でもその上でこういうことをやるんだと言うならまだしも、何か大丈夫です、大丈夫ですと言われているだけじゃ不安。だから、誠実に正直にきちんと国民の皆さんに事実を伝えて、その上で理解を求め、そして一緒になって国民の皆さんと日本の農業政策をつくっていくという、そういう思いで大臣には取り組んでいただきたいんですけれども。  ごまかしといえば、数字だけじゃありませんよ。日米のことだって、TAGとか言っていますけど、FTAじゃないんですか、大臣。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) FTAであるかどうかということは私は答弁を差し控えさせていただきたいと存じますけれども、今、田名部委員から御指摘をいただきました通商交渉等々、農林水産業全般にわたって、私は、やはり委員の皆様の御意見はもちろんでありまするけれども、現場にいる生産者の皆さんの御意見にも真摯に耳を傾けながら、これからも農林水産業の発展のために努力をしてまいりたいと存じます。

田名部匡代国民民主党・新緑風会

○田名部匡代君 私の持ち時間が過ぎたので終わりますけれども、やりたいことがたくさんあります。是非十分時間を取って審議をしていただきたいですし、大臣、何度も申し上げますが、農家の皆さんの立場に、生産者の皆さんの立場に立った農林水産行政をよろしくお願いして、終わります。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 午前中最後の質問をさせていただきます国民民主党・新緑風会の徳永エリでございます。  私からも、吉川大臣、御就任おめでとうございます。現場を回っておりますと、北海道の農林水産業関係者の方々が、久しぶりの農林水産大臣、北海道から誕生した、吉川さんには頑張ってもらいたいという声を聞きますので、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。  大臣、一つお伺いしたいと思いますけれども、私、今、農林水産業政策で欠けているものがあると、欠けているというのはちょっと極端かもしれませんけれども、足りないものがあると思っているんですが、大臣はどんなことが足りないというふうに感じていると御理解していただけるでしょうか。それともこれで十分だと思っておられるんでしょうか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) それぞれ徳永委員から御指摘をいただいた方が分かりやすいんだろうと思うんですが、全てこれでよしと私も思っているわけではございません。足りない部分というのは、予算的なこともあるかもしれませんし、あるいは制度面でこういった方がいいのになという生産者がそう思っている部分というものもあるかもしれませんけれども、具体的に御指摘があればそれに対して真摯に向き合っていきたいと思いまするけれども、全てこれが最良であるということではないのかなと。その最良に近づけて私たちが何ができるかということをこれから委員の皆様とも真剣になって考えていく必要もあるのではないかと思います。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 今国会では漁業法の改正案、七十年ぶりの大改正ということでありますけれども、農業も水産業も、そして林業も、私は足りないのは地域政策だと思っているんです。ずっと産業政策と地域政策の両輪でということを政府はおっしゃっておりますけれども、地域政策が足りない。  例えば、成長産業化という中で、どんどん大企業や外資が入ってきて地域の富が外に出ていってしまうとか、あるいは、大規模化によって人がどんどん減っていって、地域から学校だとか病院だとか商店街だとか、そういったものがどんどんなくなっていって、暮らしづらい農山漁村になっていって一極化していくと。こういうのは大変深刻な問題だと思います。  ですから、やはり地域が元気になる農林水産業政策でなければ駄目だと思いますので、水産改革に関しても決して浜が疲弊することがないように、しっかり取り組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。  さて、今日はまず、順番を変えさせていただきたいと思うんですけれども、新たな外国人労働者受入れ制度についてお伺いをしたいと思います。  昨日なんですけれども、法務省から受入れ・人材不足の見込み数を書いた紙をいただきました。まず改めてお伺いしたいんですけれども、対象となる十四業種の中で農林水産業が所管する業種はどれでしょうか。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) 事実関係ですので、私からお答えさせていただきます。  十四業種、昨日政府より、現時点で当省を含む各業の所管省から受入れが要望されている十四業種として示されたものでございますが、そのうちの当省所管業種は、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の計四業種でございます。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 四業種ということでありますが、農業受入れ見込み数、制度導入初年度は三千六百から七千三百人、漁業は六百から八百人、飲食料品製造業が五千二百から六千八百人、そして外食業が四千人から五千人ということであります。  この数字なんですけれども、どのようにして出したのか、積算根拠について御説明をいただきたいと思います。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) それぞれ業種ごとにそろっているデータなりも違いますので、業種ごとの特性に応じまして、必要なデータなりあるいは関係団体との協議等の中で積算を作ったわけでございます。  概括的に御説明を申し上げますと、まず農業につきましては、直近の外国人労働者の年間平均増加数が大体平均でいきますと三千六百人程度でございますので、初年度の数字の低い方の数字はこの三千六百人、これをベースといたしまして、さらに可能性として、既に帰国した技能実習生の方、それも一定割合はこちらのこの制度で来られるだろうと、あるいは過去技能実習生ではなかったけれども新たに実施する試験で入国される方もいらっしゃるだろうと、こういうものを追加的に見込みまして、高めの数字であります七千三百人を初年度として見たものでございます。それを五年間累積したというのが農業でございます。  それから、漁業につきましては、技能実習生二号修了者のうち大体五割から七割、これは五百名から七百名ですが、が新たな在留資格に移行するということに加えまして、また同じように新たに実施する試験で入国する者を若干名見込んで推計したということでございます。  飲食料品製造業につきましては、これも技能実習二号でございますので、この修了者のうち一定数がこの新制度に移行するということと試験の推計でございます。  それから、外食業につきましては、国内の試験合格者あるいは国外での試験合格者、これをそれぞれ見込みまして推計したものでございます。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 この人数の中には、農業の季節労働者、季節的就労の見込み数は含まれていますか。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) 試算のやり方は先ほどお話ししたとおりでございますが、今回の、国家戦略特区の仕組みもそうなんですけれども、農業についてはやはり季節労働性というのがございまして、農繁期に必要な人数を農業者のニーズとしてやりますと、農閑期においてどうするかという、その方をどう働かせるかという問題がありますので、その点の工夫については制度として検討をしているところでございます。  ですから、積算に明確に入っているというわけではありませんけれども、制度を運用する際にはそういうような農業の特性についても配慮したいというように考えてございます。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 となると、季節的就労も含めるともっと人数が多くなるということになるかもしれないということですよね、恐らく。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) 必ずしもそういうことではないかと思っております。要するに、今制度で入っている方も、季節性を何らかの形で克服しながら、一部補助的に加工業を少しやっていただくとか、あるいは最近技能実習でもできた制度というのは、一つの農協に雇用していただいて複数の農業者で働くとか、いろいろな工夫がありますので、今でもそういうような季節労働性の配慮は一定程度あるかと思っております。  ですので、そういう今の技能実習生としてはこの三千六百人なんですけれども、それに加えまして、既に帰国した方の一定数、あるいは新たに試験で入国する方も入れておりますので、季節労働性も加味して一応この試算はしたというふうに理解しております。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 その季節的就労なんですけれども、現場の要望に応える形で季節的な就労を認めるということでありますけれども、具体的に現場からはどういう要望があったんでしょうか。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) 昨年の国家戦略特区のときもそうなんですけれども、昨年以来、この関係団体、JA系統の四団体及び日本法人協会、それから全国農業会議所、これが労働力協議会という組織をつくっておりまして、累次指摘をしております。その中でも、そういう滞在期間について少し柔軟に考えるなど、そういう労働にも配慮、農業の特殊性にも配慮したものとしてほしいという要望が入ってございます。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 私は、この季節的就労というのは大変に問題だなと思っておりまして、例えば北海道の農家にしても、忙しいときだけ、夏の間働いていてもらって、冬は農業お休みなわけですからその間は労働者は必要はない、だったら違うところで働いていただくか、あるいは自分の国に帰っていただくと。それは受入れ機関にとっては大変都合のいいことかもしれませんけれども、人を物のように都合のいいところに回していくということにはちょっと抵抗を感じるんです。  この季節的就労の在り方、具体的にはどういう形で運用させようというふうに考えておられるのか、今の段階での議論を教えてください。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) これは、新制度について、具体的に業種自体はまだ正式には決まっていない段階でございますので、各省の検討中という段階での話でございますけれども、農業につきましては、国家戦略特区というある意味で農業に特化した枠組みをつくっておりますので、その仕組みになるべく準拠した形にできないかなというふうに考えております。  加えまして、先ほどお話のありました入ってこられる方のいろいろな人権問題的なものも含めまして、就労条件の問題とかそういうことにつきましては、恐らく制度横断的に一定の配慮が今回の仕組みでもされているということで、そういう横断的な枠組みにつきましても、農林水産省としても必要な意見は言っておきまして、円滑にこの事業が農業分野で導入されるようには配慮してまいりたいというふうに考えてございます。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 各省いろいろ話を聞きますと、円滑にとか問題がないようにとかおっしゃるんですが、具体的に安心できるような提案が全く示されておりません。今国会で成立させて四月から運用するなんというのは本当に拙速だと、問題だらけだと思っています。  それで、資料の二枚目を御覧いただきたいんですけれども、技能実習生は、五年間技能実習生として働いたら、例えば日本語の能力水準の試験とか技能水準の試験、これを免除して特定技能一号に移行できるということでありますけれども、確かに、五年間現場で働いていれば経験も積みますし技術も身に付くと思いますから、それはよしとします。  でも、今回の新しい制度は、特定技能一号にいきなり入ってくるわけですね。これは試験を受けるということでありますけれども、果たしてどんな試験なんだろうということなんですが、この試験に関して具体的にどういう検討がされているのか、教えてください。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) 農業につきまして例示的に申し上げますと、農業につきましては、技能実習生全体で今二万四千人ほどかと記憶しておりますけれども、その経験がございます。  技能実習制度につきましては、いわゆる二号を修了した際に一定の試験を受けることになっております。その際には、肥料、農薬の取扱いでありますとか、生産に関するいろいろな技術でありますとか、そういう試験がございます。今回入る方は即戦力として入るということでございますので、基本的にその技能実習生の三年終えた二号修了時の試験、この同程度のものをパスしていただくということが検討の基本ラインではないかというふうに我々としては考えております。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 農薬の取扱い方とか非常に難しいと思うんですよね。それを試験にすると。それぞれ外国人労働者の方の母国語で試験やるんですか、それとも日本語でやるんですか。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  それはこれからの検討事項でございます。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 みんな検討事項なんですよね。  特定技能一号の技術水準は、受入れ分野で即戦力として活動するために必要な知識又は経験を有することとされています。それだけのことをきちんと認めていかなきゃいけないということは本当に相当に難しい試験になってくるという状況の中で、初年度導入、この人数なんですけれども、本当にこれだけの人を、この試験を受けさせて、そして合格して、特定技能一号として受け入れるということが現実的に可能なのかどうかと非常に疑問に思いますけれども、この辺りどうですかと聞いても今の段階では仕方がないと思いますが、具体的に、きちんと納得できるような御説明ができるように、それがなければ、この臨時国会の間に法案を審議して成立させるということはもう到底納得できないことでありますので、しっかりと具体的な提案をしていただきたいということを申し上げたいと思います。  まだちょっとこの点について聞きたいことがあるんですが、時間がなくなってまいりましたので、自由貿易協定についてお話を伺いたいと思います。  吉川大臣に伺いますが、総理からも茂木大臣からも、これまで、日米の新たな物品貿易交渉、TAGはFTAと異なるものと繰り返し御答弁がありました。  しかし、米国のペンス副大統領が来日され、ツイッターで、ネゴシエーションズ・フォー・ア・フリー・トレード・アグリーメント、安倍総理とFTA、自由貿易協定について協議すると発信しているんですね。TAG交渉は事実上、国際ルールからしてもFTA交渉で、日本はアメリカとの二国間交渉に入ったと。総理も予算委員会で、二国間交渉に入ったということですねと言ったら、うなずいておられましたので、二国間交渉なんだと思います。  この点に関して、二国間交渉はしない、あくまでもマルチでいくという方針だったと思うんですけれども、吉川大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) ペンス副大統領のこの発言については私は発言は差し控えさせていただきたいと思っておりまするけれども、いずれにいたしましても、この日米間の交渉がいつになるか、まだはっきりはいたしておりませんけれども、この日米の首脳間の共同声明に従って行われるということになっております。  そういうふうに承知をいたしておりますけれども、その日米の首脳間の共同声明に沿った形での交渉を私どもはしっかりと見守っていく必要ももちろんございますし、さらに、私どもといたしましては、今までも何度もお答えをしてまいりましたけれども、今までの経済連携協定以上の譲許内容とはなっておりませんので、私たちは日本の農林水産業をしっかり守るための交渉というものに専念をしていきたいと思います。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 どうもNHKでもFTAという報道があったようで、それに対してNHKから我が党の議員に電話が来て、どうもその訳をした人が間違ったらしいというような話も聞いております。こういうことがあっていいのかなと思うんですけれども。  私たちは、FTAでなければいいとは言っていないんですね。二国間交渉は駄目だと言ってきているはずです。農業者の方々もみんなそうだと思うんです。日本にとって一番苦手な交渉相手は米国でありますし、これまでも随分いろんなものを譲歩してまいりました。TPPの交渉の入口でも前払をしたわけでありますし、だから、FTAであろうがTAGであろうが、二国間交渉は駄目なんです。そこをしっかりと御理解をいただきたいと思います。  しかも、TAGが事実上のFTAならば、米国はTPP11に戻らないことが確定するんではないでしょうか。いかがですか。

澁谷和久内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官

○政府参考人(澁谷和久君) 私の方からお答え申し上げますが、今の米国政権について、将来こうなるとか、あるいはこうならないだろうということを予見することはなかなか難しいと思いますが、その上で申し上げますと、アメリカ、米国がTPPに戻るという場合、間もなく発効いたしますTPP11に加入する、そういうことになりますと、新たに加入交渉を行う必要があります。  今回、日米で物品貿易について交渉を開始することに合意したわけでございますが、TPPにおいても関税についてはバイで交渉を行ってきたわけでございます。米国がTPP11に戻る場合も物品についてはバイでやるということになりますので、そういう意味で、これから日米で物品貿易交渉を行うことは、米国のTPP復帰に向けてプラスになってもマイナスになることはないというふうに考えているところでございます。

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめください。

徳永エリ国民民主党・新緑風会

○徳永エリ君 時間がないので、ちょっといろいろとまだ聞きたいんですけれども、USTRのライトハイザー通商代表は、米国は、FTAを締結していないTPP11に参加している五か国のうち日本がGDPの九五%を占めることから、日米のFTAがあればTPPは不要だと言っているんですよ。だから、米国を説得して、そしてTPP11に引き戻すということはもう事実上破綻しているということだと思います。  さらに、二国間をやっておいて、他国に対しては、我が国は保護主義は駄目だと、WTOのルールに従って多国間の貿易協定を推進するんだと、これはまさに二枚舌だと思います。しっかりと我が国の方針をはっきりと示してください。FTAでなければ、FTAがTAGかどうかということが問題ではなくて、やはり二国間だということが問題なんだということをしっかりと理解していただいて、我が国の国益を守るために必死で交渉に臨んでいただきたい、このことをお願いして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございます。

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 午後三時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時四十一分休憩      ─────・─────    午後三時三十分開会

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、宇都隆史君が委員を辞任され、その補欠として中泉松司君が選任されました。     ─────────────

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  久しぶりの農林水産委員会でありまして、今日は大臣所信ということですので、大臣に質問いたします。よろしくお願いいたします。  通常国会が延長されたわけですけれども、農林水産委員会は開かれませんでした。それで、七月には西日本で豪雨災害が発生し、九月には台風が相次いで起こる、そして北海道地震と。それからまた、日米首脳会談が行われて事実上の日米FTAの交渉入りと合意がありました。そして、障害者雇用をめぐっては農林水産省も含めて水増し問題が発覚しました。外国人労働者の問題もありました。国会で質疑すべきことが山積している状態だと思います。  そこで大臣にお聞きしますけれども、今年の夏は西日本豪雨や台風、そして北海道胆振東部地震など、自然災害が相次ぎました。相当のこれ農業被害も出たということでありまして、そのことを考えますと、やっぱり災害対策というのは本当に優先されてやらなきゃいけない課題だと思いますし、しっかり議論すべきだと思いますけれども、大臣の御見解をお聞きいたします。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 紙委員から御指摘をいただきましたように、今年は本当に、七月豪雨、さらには二十一号、北海道胆振東部地震、そして二十四号台風等々と、災害、地震の多い年でございました。私自身も大臣の就任後に速やかに被災地を訪問いたしまして、被災自治体や生産者の方々と率直な意見交換を行ってまいりました。それは、やはり災害対策というのは迅速に進めて、そして来年にしっかりと営農に向けて頑張っていただきたいという、そういう思いからでございました。  それぞれの災害に応じてきめ細かい支援対策を決定して農業者の経営者の再建に全力を挙げているところでもございますし、また、今臨時国会におきましても、皆様に御協力をいただきながら、いち早く災害対策の補正予算を成立をさせていただきましたことに心から有り難くも思います。敬意を表したいと存じます。  また、一連の災害対策国会ということに関しましては国会でお決めをいただくものと認識をいたしておりますので、政府の立場としてはお答えすることを差し控えたいと思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 是非、力を入れてやる必要があるというふうに御答弁いただきたかったなと思うんですけれども。  それで、参議院の農林水産委員会としては、閉会中に広島、岡山に委員派遣がありました。それらの災害の問題はまた別の機会にしっかり時間を取って議論したいと思いますが、吉川大臣も私も地元は北海道ですので、今日は北海道で発生した震度七の大地震についてお聞きしたいと思います。  九月六日の北海道地震から二か月がたちました。震源地の非常に中心となったところの被害も大変だったわけですけれども、やはり全域停電、いわゆるブラックアウトですね、これは北海道の酪農地帯にも深刻な被害を及ぼしました。地震後懇談した北農中央会では、全域停電による生乳の損失は約二十三億円。それから、道東あさひの農協にも行きましたけれども、組合長さんは、二日間の停電というのは予想外だった、約三億円の被害が出たと言われました。酪農家の方からは、こういうことを起こした北電に賠償を求めたいんだという怒りの声も出されました。  北海道地震の被害は三千六百七十五億円ということなんですけれども、うち停電の被害が千四百八十億円ということで四〇%に及ぶわけです。これだけ大きな被害を出したブラックアウトについて、大臣の認識を伺いたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 私も、震度七の地震、北海道が今年百五十年を迎えた中で、道民の皆さんが初めて震度七という大きな地震を経験をいたしました。私は札幌でありまするけれども、ここもまた震度六という、今まで札幌市民が経験したことのない大きな地震でございました。  その地震の震度が六、七という地域のみならず、ただいま御指摘をいただきましたように、ブラックアウトという停電、我々が経験をしたことのなかったことを経験したわけでありますが、私自身も、個人的にはこれは起こしてはならない、絶対起きてはならないことだということを痛感をいたしました。  まだもちろん大臣に就任する前でありまするけれども、党の立場で、例えば酪農家の皆さんが非常用電源がないという、そういった声も聞かせていただきましたし、そういった中で、電源、通電がなかなかなかったものでありますから、自動車による電源車を回していただいたり、そういったいろんなことも手配もさせていただきました。  そういう中にあって、オホーツクの農業協同組合の連合会の皆さんが既に非常用電源をお持ちになっていた。そこで、特に酪農向けということではなかったのでありまするけれども、そういった非常用電源を酪農家の皆さんに手配をして、それで搾乳、さらにはバルククーラーでの冷やすこともできたという、そういった話も聞いております。  様々なことが起こりました。また、さらには、乳業メーカーが僅か二つの工場しか非常用電源がなかったということも実は初めて私も知りました。そういったことも大きな教訓になっておりまして、これからもしっかりと対応、対策というものを打ち出していかなければなりませんけれども、まず、酪農対策につきましても、しっかりと緊急的に非常用電源の確保等について、今回の支援対策の中におきましても手当てをさせていただきましたし、乳房炎等々で大変御苦労をされた酪農家が多くございます。そういったことから、この度の非常用電源等々ということに対策の一環をつくらせていただいたわけでありまするけれども、これからも集中的に三年間でこういった緊急対策というものをしっかり行っていくということも政府の間で決めておりますので、また対応を怠らずにやりたいと、こう思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ブラックアウトについての認識をお伺いしたんですけれども、ちょっとそれでいろいろ語りたいと思いますけれども、時間が限られていますので、できるだけ答弁は簡潔にお願いしたいと思います。  それで、今ちょっと話もありましたけれども、酪農家の皆さんは全域停電で搾乳できなかったと。自家発電で辛うじて搾乳できても、受け入れる乳業工場が閉鎖していたので廃棄せざるを得なかったと。  別海町のある酪農家の方は、牛と目を合わせるのがつらかったというんですね。牛と目が合うと、搾乳してもらえると思って期待して牛が近寄ってくると。だから、目を合わせないようにして芋掘りをしていたと。こういう話なんですね。  隣の浜中町の獣医さんは、町では約二千頭の牛がいるんですけれども、そのうち三百六十二頭が乳房炎にかかってしまったと。真冬でなかったことと断水がなかったことがせめてもの救いだったというふうに言っているんです。  地震による直接の被害じゃなくて、ブラックアウトによる被害だったということなんですね。  これまでも毎年、北海道では約二百戸が離農してきたわけです。生産基盤の弱体化ということが問題となってきた中で、今回のこの大規模停電、これをきっかけにして、例えば根室市の酪農家が離農しているわけです。明治時代から開拓に入って、息子さんで四代目と。二十五年前に建築した牛舎や機械が更新時期に差しかかっていて、搾乳ロボットなどを更新するには億単位の投資が必要となると。それで、莫大な借金をして酪農を続けるのか、それとも離農するのかといって悩んでいたところに今回の停電で生乳廃棄を余儀なくされたということが引き金となってしまったと。このままだったら、離農に拍車が掛かってしまいかねないというふうに思うんですね。  これ以上やっぱり離農を生まない、そのための、生まないための支援策が必要ではないかと思いますけれども、ちょっと長くならないように一言お願いします。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 支援策というのはたくさんあろうかと思います。私も、先ほども申し上げましたように、このブラックアウトに関しては絶対起こしてはならない、起きてはならない、そういったことが起きてしまったわけでありまして、この乳房炎ということも深刻な状況だということもお伺いをいたしました。  さらに、せっかく搾乳した生乳を廃棄しなければならなかったということもございます。そういったことを勘案しながら、今回の対策の一つに、非常用電源をしっかりと各JAを中心として持っていただいて、こういうことが起きてはならないんですけれども、非常用電源をしっかりと酪農家の皆さんに使っていただけるような、そういう体制も進めてきているところでもあり、さらにまた、そういったことも進めていかなければならないと、こう思っております。  酪農家の離農ということは、本当に私もそういうお話を聞いて、大変心が痛んでまいります。そういったことがこれからないようにするのがいろいろな対策の一つだとも思っておりますので、様々な形、支援策を取りながら、これからも頑張っていかなければなという、今御質問を受けて、そういう思いでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 それで、いろいろな対策ということで、九月には農水省としては被害の対策を打ち出しました。しかし、現場に行きますと、酪農家の皆さんからは、支援策はあると聞いているんだけれども、いつになったら対応してもらえるのかと、具体的に教えてほしいと言われるんですね。  それで、この間、新たな牛の導入とか、それから乳房炎対策とか発電機とか、いろいろ示された施策というのがあるわけですけれども、これは一つ一つちょっと時間の関係でそれは紹介しなくていいんですけれども、見通しとして、スケジュール感でいうと、いつまでにどうなるかということについて示していただきたいんですけれども。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 非常用電源に関しては、今もいろいろな要望を聞きながら行っているところでありまするけれども、十一月二十六日を期限に要望調査を実施をいたしておりますので、その後速やかに交付申請、交付決定の手続が行われるものと考えています。

紙智子日本共産党

○紙智子君 それで、その支払がいつになるかと聞いたら、年度末だというふうに言われるんですけれども、いや、それで間に合うのかというのが、もう年を越せるかどうかという感覚なんですよ、現場は。だから、そこの支払がどうなるのかというのは非常にせっぱ詰まっているというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 私の方からちょっとお伺いしていいですか。乳房炎対策の非常用電源の支払ですか。

紙智子日本共産党

○紙智子君 それぞれなんですけれども。今まとめていると聞いたんですけれども。現場は、要するにスピードを持って早くやっていただけないかという声が出ているんですけれども。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 乳房炎対策の非常用電源に関しましては、これは個人ではなくて各JAに対して支援をするALIC事業がありますから、個人の負担というものはございません。そのほかに関しましては、この度の災害対策の予算も成立をさせていただきましたので、速やかに行っていきたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 是非速やかに、本当に年内に支払わなきゃいけない人たちもいると思うので、是非そこはスピード感を持って早急な対策をお願いしたいと思います。  次に、通商交渉についてお聞きします。  閉会中、通商交渉をめぐっても大きな変化がありました。九月の日米首脳会談もありましたけれども、TPP11がこれ十二月三十日に発効すると。発効初年度というのは十二月三十日から来年の三月末まで、四月以降は二年度に入るわけですね。例えば牛肉だったら、今三八・五%の関税が十二月三十日から二七・五%にすぐ下がるわけです。来年四月からは、今度二六・六%に下がるわけですね。  農林水産品の品目はライン数で二千五百九十四あるわけですけれども、関税が即時撤廃される品目が幾らあるかということで聞きましたら、五二・九%もあるんですよね。半分以上の千四百近くが即時関税が撤廃されると。  大臣、半分以上の関税が即時撤廃ということについてはどのように認識されているでしょうか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) ただいま御指摘をいただきましたように、十二月三十日に発効することと、TPP11でありますけれども、なりますが、今、農林水産品の即時撤廃の割合が約五割、数字で五二・九%とお示しをいただきました。これらのうちの約四割の品目が既に無税の品目であると承知をいたしております。  発効とともに無税となる品目につきましても、一つは低関税率の品目であること、さらに、輸入実績がないか僅少な品目であること、さらには、国産品とすみ分けができておりまして競合しない品目など、品目ごとに貿易、生産、流通実態等を一つ一つ勘案して、そのセンシティビティーに十分配慮しながら、影響のない品目に限って即時撤廃をしたと承知をいたしております。  新たな国際環境の下で農林漁業者の皆様が安心して生産に取り組めるように、引き続き総合的なTPP等関連対策等に基づく対策を講じることによって、その体質強化をしっかりと図っていきたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 政府がこの間出してきた影響試算というのは、関税率一〇%以上かつ国内生産額で十億円以上の十九品目の農産物と十四品目の林水産物ですから、即時撤廃される品目についてどういう影響が出るかということはそもそも明らかになっていないんですよね。  それで、農産物でいうと、トマト、ニンニク、ブロッコリー、ニンジン、大根、里芋、レタスなど、相当市場に出回っている農産物が多く今回即時の中にも含まれているわけです。関税率が比較的高い品目でいうと、ストロベリーでいうと一二%がゼロになる。かんきつ類のジャムも一二%がゼロになる。生鮮のブドウは、季節によって変わりますけれども、一七%がゼロになる。ブドウジュースも一九%がゼロですよ。  ですから、確かに三%とか低いのもあるけれども、これでどうして安心して営農ができるというふうに言えるのかというふうに思うんですけれども、この辺はどうですか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 今それぞれ御指摘をいただきましたけれども、例えば国産ブドウ、巨峰とかピオーネだとかシャインマスカット等、味や外観等が極めて優れておりまして、産地ごとにブランドが確立されているため、輸入品とすみ分けが、先ほどもすみ分けができていると申し上げましたけれども、できていると、こう承知をいたしております。関税を、ですから即時撤廃しても影響は見込み難いと考えられるのではないかと存じております。  しかしながら、先ほども申し上げましたように、農林漁業者の皆さんが安心して生産に取り組めますように、引き続き総合的なTPP等関連対策大綱に基づく対策を講じていく必要があるということを思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 安心して営農できるようにと言うんだけれども、実際上は安心できない状況もあって、TPP12のときにJA長野中央会が十九品目以外の生産減少額を出しているんですね。長野生産のブドウについては、TPP十二か国のときは約三十九億円マイナスになる、レタスも三十億円マイナスになると。政府の影響試算は信用できないという意見が各地で出されました。それにしても、まともな説明なしにこれTPP11で突き進むというのは、重大な問題だというふうに思います。  続けて言えば、非関税分野というのも、これ発効と同時に効力を生じるわけです。例えば、貿易の円滑化ということでは、輸入手続を簡素化するということで、輸入食品は到着してから四十八時間以内に国内で流通をさせるというのが原則になるわけですね。そうすると、政府は消費者のメリットになるんだというふうに言うわけだけれども、食料品が安くなるというふうに宣伝しているけれども、しかし、食の安全、安心がどうなるんだということですよね。  今現在は、輸入通関手続の所要時間が海上貨物で六十九・九時間、二・六日掛かっていますけれども、当然この後、簡素化、迅速化を求める要請が出てきて、輸入食品の検疫がどうなっているかというと、サンプル検査率は毎年下がってきています。二〇一七年の検査率でたった八・二%です。BSEが発生したときは一〇%超えていたと思うんですけれども、下がっているわけですよ。食品衛生監視員が増えているかというと、増えたのは一人だけなんですね。こういう中で、本当に安全、安心が確保できるのかという問題もあります。  ここはちょっと質問はいたしませんけれども、ちょっと次に行かせてもらいます。いずれにしても、食の安全、安心への備えが不十分だと言わざるを得ません。  それから、クロマグロの問題についても一言質問しておきたいと思うんですけれども、太平洋クロマグロ漁業規制と資源管理です。  水産庁は、国際約束を口実に、沿岸クロマグロ漁民の強い反対と改善要求があるにもかかわらず、今年七月から罰則を伴う数量管理、TAC規制に踏み切りました。現場に丁寧な説明も納得も合意もなしに強行したと言わざるを得ません。その結果どうなったかというと、私も大臣もそうですけど、地元の北海道では漁獲枠はゼロなんですね。それも、第四管理期間、来年の三月までだけではなくて、六年間続くわけです。  漁業者は魚を捕って何ぼの世界ですよね。クロマグロ漁に依存している漁業者は深刻だと。漁をしないで生活しろというのかという声が上がっているわけですけれども、これについて、大臣、どのように思われますか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 本年五月に示しました第四管理期間における太平洋クロマグロの漁獲可能量の配分について、一部漁業者から大型魚の配分等について不満の声をいただきました。大変私どもも遺憾に存じております。  そのため、パブリックコメントや各都道府県で開催をいたしました意見交換会などの意見などを踏まえまして、もう既に、九月七日になりますけれども、海洋生物資源の保存及び管理に関する基本計画を変更をいたしまして、第四管理期間における大型魚の追加配分というものを実施をしたところでございまして、さらに、第五管理期間以降の配分に向けまして、九月に水産政策審議会資源管理分科会の下にくろまぐろ部会というものを設置をいたしました。そこで専門家や漁業団体の皆さんの代表の委員として様々な漁業者の意見を聴取した上で、クロマグロの配分の考え方について審議をしたところでございまして、今回の一連の経過を踏まえて、今後の配分に当たりましては、漁業者の実情に一層配慮できるように丁寧に対応をしてまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 それで、クロマグロ漁の漁獲規制というのは資源管理のためというふうに言われているわけですけれども、問題になっているのは、混獲とか資源の無駄ということが話題になっています。イカ釣りの漁にクロマグロが食い付くという話も聞きました。イカ漁、ブリ漁が成り立たないということもあります。  漁具被害も発生していると。東北の三陸沖では、沿岸の定置網にクロマグロが入ってしまって、逃がそうということで網を下げるとほかの魚も一緒に逃げちゃうと。しかも、高速で、クロマグロって六十キロとかすごい高速で泳いでいるということがあって、定置に入ると傷ついて弱ってしまうという話なんですね。逃がしても死んでしまうと。だから、現場の漁業者は、資源を管理するといいながら、死んでしまったらこれ資源管理にならないですよねと、資源の無駄になるんじゃないかという声も出ているんです。ちょっとこの認識も後で聞きたいんですけど。  もう一つ続けて言いますと、こういうやっぱり無駄なことがあっても、北海道の漁獲枠はゼロだと。TACのための資源評価が本当に万能なのかということも出ているわけです。漁業者の中には、TAC制度についての不信があります。  一九九六年に、千葉県の沿岸小型イカ釣りの船の漁業者は、東北沖まで巻き網船のイカの乱獲に苦しんでいました。夏イカの価格暴落や房総沖の秋イカの資源の枯渇で生活に深刻な打撃を与えているということで訴えて、当時、千人もの漁民が集会を開いたんですね。自民党とか水産庁に要請行動に取り組んだと。そのとき水産庁の説明は、巻き網との因果関係は立証できない、イカは一年魚だから分からないと言いながら、イカはTAC魚種に指定するから経営は安定するという説明をしていたんですよ。  ちょっと資料を配りましたので見てほしいんですね、この漫画の入ったやつですけれども。  これは水産庁が出しているものなんですけれども、パンフレットで出していたんですね、当時。TAC制度実施の前と後と題して説明してあります。TAC制度の実施前は、魚を捕りまくり、船を大きくし、残ったのは借金だけ、経営困難に陥ると説明しています。TAC制度の後はどうかというと、魚を減らすことなくいつまでも捕れるぞ、資源回復、経営安定というふうに説明しています。このパンフレットを使って、千葉の漁民に、大丈夫だと、安心してほしいというふうに説明したんですね。TACが明日の漁業を守りますというポスターも当時あったようです。  本当にこれ資源が回復して経営が安定したのかということで、その下の資料を見てほしいんですけれども、その下に千葉の沿岸イカ釣りの漁獲量を書きました。一九九六年千百五十六トン、二〇〇〇年は千百三十七トン、二〇一〇年は五百四十六トン、二〇一五年は十八トンまで下がって、二〇一七年はゼロです。だから、二十年前に言っていたことが違うんじゃないかと、漁業者はそういうふうに言っているわけですよね。  大臣、この漁業者の声についてどのように思われるでしょうか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 今、TAC制度導入によりまして資源が回復すると水産庁は説明しているけれどもスルメイカの資源が減少しているのではないかという、そういう御指摘だったと思います。  水産資源は、漁業がなくても海洋環境の変動に伴い資源そのものが変動するとの特性を有していると承知をいたしておりまして、変動の仕方は資源により異なりますけれども、一般に、表層を回遊する魚種の方が変動の幅が大きいとされております。御指摘のスルメイカの現在の減少の主要因は産卵場の水温変化等の環境変動にあると認識をいたしておりますが、一方で、資源が減少傾向にあるときに無秩序な漁獲を行えば、減少に一層の拍車が掛かり、回復に時間が掛かることと思います。  ですから、一定以上の資源を捕り残すことが資源管理上最低限必要であると考えておりまして、漁獲量可能量、いわゆる今はTACでありまするけれども、設定することは必要なのかなということも考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今の説明を聞いただけだったら、漁業者の人はなかなか納得できないんだと思うんですよ。大丈夫だと言われてやってきたんだけど、実際上はもういなくなってきていると。いろんな環境の変化もあるということなんだけれども、今の話を聞いても、TACが明日の漁業を守りますという、そういう宣伝をしてきたんだけれども、でも、実際、資源評価というのは万能でもなければTAC制度は万全でもない、不確実性があるんだということだと思うんですよ。陸上の畑と違いますからね。海の中なので常に魚群がいろいろ動いて歩くという、環境の影響を受けるという中ですから、やっぱり確実にいるというわけじゃないということだと思うんですね。  そういう意味では、沿岸漁業というのは資源のバロメーターなんだと思うんですよ。資源管理に反対する人は誰もいないと思います。これは大事なことだとみんな思っています。しかしながら、TACだ、資源管理だということで形の上だけのことを強調しながら、漁業者のなりわいと生活を壊すということはいけないと思うんです。  北海道のクロマグロの漁獲枠がゼロということで、年間に何本か釣り上げてそれで生活している人というのは、一つも捕っちゃ駄目と言われたらどうしたらいいのかということなわけですから、やっぱりこのまま六年間禁漁するということを押し付けるのかというふうにも思うわけです。  ですから、まずは言いたいことは、国管理の大型船の漁獲枠を、やっぱり沿岸漁業や家族漁業の生活が成り立つようにして、機械的じゃなく、その実情に合わせて見直すことが必要じゃないかということを申し上げたいんですよね。それに対して、最後、一言御答弁願います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 沿岸漁業の漁獲量に関しましては、直ちに導入するということは考えておりません。導入する場合にありましても、様々なことを、やっぱり現場の皆さんの意見もしっかりと聞きながら導入していくということになろうかと思いますけれども、大型魚の枠はありますけれども、今申し上げましたようなことで、しっかりと意見を聞きながらやっていくことをお約束をさせていただきます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 小さな漁業者がやめなくてもいいように、やっぱり大きなところを削って回すということで是非考えていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 日本維新の会の儀間光男でございます。  久しぶりの質問、あるいは委員会ですが、幸いにして、幸いにしたかどうか分かりませんが、吉川新大臣が誕生され、政務三役ががらりと替わられて、いよいよ日本の農林水産業の最高峰のスタッフがそろったと、喜びとするところであり、大臣始め皆さんに御就任おめでとうと申し上げたいと思います。おめでとうございます。  質問に入る前に、本年は全国的に甚大な被害をもたらす災害が多発をいたしました。何がそうさせるかはよく分かりませんが、多くの被害者がもたらされ、あるいはお亡くなりになった方々もたくさんいらっしゃる。そういう方々の冥福を祈ると同時に、被災に遭われた生産者の皆さんの苦しみ、悲しみを共有したいと思います。そして、一日も早く普通のなりわいに戻れるように期待を込めたいと、こう思っております。  さて、もう一本、質問に入る前に、吉川大臣に期待を込めて、これは質問通告はしておりません、大臣の日本の農林水産業に対する夢、希望、ロマン、是非ともほらに乗せて聞かせていただきたいと思います。私がここで言うほらは非常にいい意味のほらで、ほらとは、夢、希望、ロマンを持って言うのがそれであって、うそとは違いますから。うそは悪意に満ちて良くない。ほらは大いに結構ですから、どうぞ、これからの日本の農業、いろんなことがありますが、所見、所感を賜りたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) せっかくの儀間委員の御指摘でありますけれども、まあ余り大きなことを言うわけにもまいりませんけれども、私は、この農林水産行政と申しましょうか、それに携わってそんなに長い期間ということではございませんけれども、まず、農も林も水も日本のこれは業の基であるというふうにも思っております。  そして、この農林水産業を発展をさせていくことが日本の国の成長産業につながると私は信じておりまして、そういった意味におきましては、農業におきましても、六十八歳という平均年齢の、従事者がそのように言われておりまするけれども、これからも若い方々が、さらには、それぞれの現場現場で担い手の皆さんが大きな気持ちを持って農業や林業や水産業をやっていただけるような、そういったことの行政の在り方というものを、私が農林水産大臣として追求をしていきたいなという思いの一つでもあります。それがまた国の基になり、国が発展をしていくということにもつながっていくのではないかと、こう思っております。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 ありがとうございました。  本委員会で、二年間にわたって、農業の競争力法案を中心に、十九本の新規あるいは改廃の法案をこの二年間作ってまいりました。市場経済へ農林水産業が入っていくという意味では、海外貿易はもとより、為替に強くなっていかなければならない、当然の話でありますが、一連の十九本の法律の改廃を見てまいりますと、過ぐる委員会で指摘しましたが、今日も午前中に田名部委員から指摘がありました。本当にこのままでいくと経産省マターで、本府経産省、農林水産庁ということになりはせぬのかなと思うぐらい急速で、しかも大型商業ベースに乗っての法の改正があるんです。  そういうことを見ているというと、海の方にもいよいよそれはつながってまいりますし、今までたくさんの議論があったように、小規模農業やあるいは浜の沿岸漁業、こういう方たちをなくしてはならない。あるいは、そういう方たちをなくすということは、地方を疲弊させるということにつながってまいります。地方が疲弊してしまうというと、国土の保全がおろそかになっていく。あるいは離島や沿岸漁業、あるいは漁業が衰退していくというと、海域や領海やEEZの資源確保がおろそかになっていって成り立たない。大臣がおっしゃる、あるいは総理がおっしゃる国の基としての位置がおかしくなっていく。  そういう意味で、基本的には、ここを守りながら近代化をしていって、国際競争に勝てる、こういうことの施策を展開していただきたいと思います。期待を持っておりますから、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  それでは、質問通告した質問に入りますが、農業を持続的に発展させるための担い手の育成、これについて少し資料を追いながら質問をさせていただきたいと思います。  ここ五年間の新規就業者の動きを見てみますというと、大体五万人から六万人台、横ばいの状態で推移をしています。しかも、四十九歳以下の新規就業者は四年連続で二万名を超えているということで、一見非常にいいようにありますが、労働人口、国民が減っていく中ではそんなに大きな数字ではないというふうに思えてなりません。二十九年度新規就業者は五万五千六百七十人。その就業形態を見ますというと、自営農業就業者がおおむね八割、四万千五百二十人、残りの一・五割が雇用就業者となっております。そして、新規就業者は〇・五に当たる三千六百四十名ということで皆さん方の数字は示しております。  この就業形態を、今の数字を押さえながら、それでは経営開始の課題としてこの方々に何が大きな課題としてのしかかっているかといいますというと、営農技術の習得、あるいは資金の確保、農地の確保、この三つの課題が大きくのしかかっておるというように見受けられるのであります。  それで、経営開始時の課題は今三つ申し上げましたが、新規の自営農業就業者の課題としては、営業技術の習得、これが必要とするのがおおむね八〇%、それから資金の確保五六%、農地の確保が二九%。一方、新規参入者の課題としては、営農習得が五五%必要としている、資金の確保は自営よりは高くなっていて六四・三%、農地の確保も更に高くなっていておおむね七〇%。  そういう状況にあって、担い手を育成していくにはかなりの厳しい条件が待ち構えているというような状況がうかがえるわけですが、農林水産省としてどのように取り組もうとしているのか、その状況をお示しいただきたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 儀間委員から御指摘のとおり、この新規就農者というのは農業にとりましても極めて私は重要だと、こう思っております。  全国の新規就農相談センターの調査結果によりますと、就農三、四年がたっても農業所得だけでは生計が成り立たない新規就農者が約四分の三いるなど、新規就農者にとって就農初期の資金の確保が極めて深刻な課題であるということも承知をいたしております。このために、平成二十四年度から、農業次世代人材投資事業によりまして、就農直後の経営確立を支援する資金の交付等も実施をいたしているところでもございます。  また、加えて、新規就農者には営農技術の習得、さらには農地の確保といった課題もありますことから、平成二十九年度からは、同事業を活躍する個人ごとに、経営や技術や農地についてサポート体制を構築することを事業の実施主体である市町村に求めることとしたところでもございます。特に沖縄県におきましては農地が不足をいたしております。新規就農者が農地を確保することが課題となっておりますことから、一定の場合、農地中間管理機構が優先的に配慮するよう指導をしているところでもございます。  こうした施策を推進をいたしまして、今後とも新規就農者の育成、確保に努めてまいりたいと考えております。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 ありがとうございました。  ここで、新規就職者ですね、雇用就農者は入れておりませんが、これは雇用主の方が考えることでありますから、排除させていただきました。  それから、今いよいよこういうことの課題を抱えて、大臣答弁でいろいろやっていくんだということではありますけれど、結果としてどういう結果が出るかはまだ予測し難い、そのような状況で、思うとおりの改善ができていったらいいと思うんですが。  そういう状況の中で、今度、就農した人たちがなりわいを立てていく、生計を立てていくという意味で見てみますというと、大体就農一年から二年においては、農業で食べていける、暮らしができると言った人たちは一四%程度、成り立たないと言っている人が八五%強。それから、三年から四年では、成り立っていけるというのが、数字が上がってまいります、倍増するんですが、三二%程度、成り立たないというのが、同時に下がっていきますが、六八%。五年以上は、数字は逆転はするんですが、拮抗して非常に厳しい。おおむね成り立っていくというのは五一%強、依然として成り立たないとするのが四八%強というような状況下にあります。  これのサポートをどうしていくか、非常に厄介な課題だと思うのでありますが、ここを見ているというと、日本の農業を新しくやっていくにも、大型も結構、午前中で上月委員の話がありましたが、やはりこういうことをそのままにしておくというと離農していく方々が出る可能性が十分あることから、兼業農家の勧め、兼業農業の勧め、こういうのがこの数字からかいま見えるんですね。兼業も一方で促進しながらこれを高めていくというようなことをやっていかないというと、大型化した、集約化したでは、中山間地の農家やその辺がなかなかやっていけないというような状況等もかいま見えることから、これをどうサポートして離農を防いでいくか、この考えどころ、問題どころのお話を聞かせていただきたい、こう思います。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  先生の御指摘の新規参入者の生計の状況につきましては、大臣のお話にありましたとおり、全国新規就農相談センターの調査結果であろうと思われます。  御指摘のとおり、やはり就農三、四年目まで特に非常に生計が厳しいという状況を私ども理解しておりまして、そういうこともありまして、初め青年就農給付金、今では農業次世代人材投資事業、これにつきましては、五年間継続して一定の資金援助を行うという形で新規就農者を何とかその間つなぎ止めまして、その間に、経営技術でありますとか、それから農地のサポートとか、そういうのをやりながら就農を定着していただきたいと、こういう趣旨でやってきておるわけでございます。  最近の数字でも、この事業を活用して就農された方の定着率は九割を超えているということがございますので、我々としては、この事業を更に効率的に、本当に必要な方にちゃんと使っていただくようにやっていくというのがまず大事なことだと思っております。  それから、最近は、やっぱり農業をやりながら、半農半Xといいますか、そういうような形で入ってくる方もいらっしゃいます。これは、農業をしっかりやっていただく限りは、やはり我々としても、この資金も含めまして必要なサポートを行っていきたいというふうに考えてございます。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 今お話にありましたように、やはり国の基である、つまり、食料の安定供給をするのが農林水産業ですから、ここが安定しないというと、基はできるはずがないんですね。ですから兼業農家も大事にしていく。一時は、大型化、集約化、あるいは六次産業、それがもてはやされてやってきたんですが、ここへきてみるというと、どっこいそれだけではやっぱり無理であるということが気付くわけですよ。  だから、里の農業だって多様性がありますし、里の農業だけで専業やれといったって無理ですから、中山間地域の農業に兼業を積極的に加えていくというようなこと等をしないというと、ここが消えていくと、里山は増えるけど、里の農業はよくならない。国の基としての農林水産業の主体が崩れる。  あるいは、総理が好んでお使いになる言葉、瑞穂の国の、美しい瑞穂の国。瑞穂の国はつくるかも分かりませんね。離農者がおると、そこを里に戻す、水をたくさん確保するというようなことになるかも分かりませんが、食料の自給率としてはうんと低下していって、輸入品に全部頼っていかなきゃならない、こういうような環境が心配されているところであります。  どうぞひとつ、今おっしゃったことも含めて、兼業とどう兼ね合わせて兼業の部分も助成していくか、促進していく、その辺にも気配りをしていただきたいと思います。  次に、近年、特に農林水産業分野がそうなんですが、各分野そうですが、農林水産分野にも人手不足が多く入ってきております。外人研修生、技能実習生、そういうことで法律が提案されている。  出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律が今回出てまいりますけれど、農林水産業として、農業、林業あるいは水産業、水産業にはいろんな業種があります、そういうもの全体としての制度設計と、農林水産全体と水産部門で、どういう業種でどれだけの人が必要でというようなシミュレートがされていなければ、この法律が出た後で問題が山積するなどとなってはいけないことでありますから、その辺、午前中、徳永先生だったかな、資料をちょっと見ましたけれども、全体とここは、今日は特に水産分野、ここにおいてどうなっているかをお示しをいただきたいと思います。

大澤誠農林水産省経営局長

○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。  新たな外国人労働者の受入れ制度全体について、まず私の方からお話しいたします。  十四業種のうち、まず昨日示されました十四業種は各業所管省庁より受入れが要望されている業種ということでございますが、そのうち、当省所管業種は、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の計四業種でございます。その中で、それぞれやはり即戦力となる人材、こういうものがこの制度の中で求められているという形で我々団体からも要望を聞いておりまして、そういう形で要望させていただいているところでございます。  水産関係につきましては水産庁長官からお話しします。

長谷成人水産庁長官

○政府参考人(長谷成人君) 漁業についてのお尋ねでございました。  そのような対象業種でございますけれども、漁業につきましては、現在、初年度が六百人から八百人程度、五年目までの累計で七千人から九千人程度ということでお出ししているところでございますけれども、このうち、その初年度の数値につきましては、技能実習二号修了者大体約千人ということなんですけれども、このうちの五割から七割が新たな在留資格に移行するほかに、新たに実施する試験で入国する者を若干名加えているということでございます。  五年後の累計の数値につきましては、引き続き技能実習二号修了者が毎年徐々に移行していくということとともに、二年目以降、試験の実施体制が整いますと入国する者が毎年千名程度ということを想定しているところでございますが、最初の技能実習二号修了者でございます。そこからその五割から七割がというふうに申し上げましたけれども、それにつきましては、現在、カツオの一本釣り漁業ですとか、巻き網漁業、定置網漁業、はえ縄漁業等々の実績がある、そういう者が移行していくということを想定したものでございます。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 ありがとうございました。  例えば、今業種を幾つか言われましたけれども、遠洋への人は幾らぐらい必要とするか、沖合はどうなのか、沿岸はどうなのか、あるいは刺し網や底引きや、いろんな方法がある。内水面養殖はどうなのか、海水面の面でどれぐらい要るのか。こういうのを、長官、やはり改めてきちっとやっておかぬと、トータルでおおむねやっていては、なかなか偏在していきますから難しいので、法律としても非常に曖昧なものになりますから、この辺はきちっと数字を出しておいて、沿岸に幾らぐらい必要だ、内水面で幾らだ、海水面で幾らだと、こういうものを少し示していただけませんか。

長谷成人水産庁長官

○政府参考人(長谷成人君) 先ほど例示的に申し上げましたけれども、現在、技能実習生の対象になっているものということでいいますと、カニ・エビ籠漁業、刺し網漁業、定置網漁業、はえ縄漁業、巻き網漁業、イカ釣り漁業、引き網漁業、カツオ一本釣り漁業と、こういったところになるわけですね。定置網漁業、刺し網漁業といった辺り、沿岸漁業の範疇になると思います。  先生言われるような、遠洋漁業につきましては、外地に寄港する形の遠洋漁業につきましては、この技能実習生の形態ではなくてマルシップの形態でやっておりますので、先ほど言いました推計のベースにはなっておりません。内水面漁業につきましても、今実績がございませんので、それもベースにはなっておりません。  それのほかに、またプラスアルファというものも先ほど申し上げた部分にはありますけれども、実習生からの移行という意味からいいますと、今申し上げたような業種を想定した推計ということになります。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 この法律では、いわゆるTAC法あるいはIQなどがあってくるんですけれど、法律はまた次で詳しくやりたいと思うんですが、少し目を通してみると、船を大型化して居住空間をしっかりさせて、若い人がこの船に乗って沖合へ出たいな、沿岸へ出たいな、遠くへ行きたいなというようになるようなことをやっていくんだと、こうありましたけれど、心配されるのは、それはそれでいいんですが、しなきゃならぬと思うんですが、例えば、最近、沿岸に回遊魚、魚が非常に寄り付きづらくなった。  これ、なぜかというと、資源の確保、保護等いろいろ配慮がありますから、そのとおりやってほしいんですが、公海上の沖合あるいは遠洋で、台湾の漁船、カツオ船やあるいはサンマ船、中国の船が一千トンクラスでもううじゃうじゃ入っているんですよ。途中で北上してオホーツク、北海道を北へ行って、Uターンして沿岸に来て産卵に帰ろうとする魚が減ってくる、沖合で北上中に捕まるから。そうすると、沿岸がいよいよ厳しくなるのは目に見えて知っているんですよ。それをどうするか。意見を聞かせてください。

長谷成人水産庁長官

○政府参考人(長谷成人君) 水産改革法案につきましては、また御審議いただける機会がありましたら詳しくお話ししたいと思いますけれども、今、儀間委員言われた話につきましては、まずは外国人労働の前に日本人の就労をしっかり確保していきたいというときに、若い人が乗ってみたいという漁船を目指すべき方向として打ち出していくというのが今回の改革の中身でございます。ただ、そのときに、同じ場所で同じ資源を捕り合っている沿岸漁業との調整というものを丁寧に丁寧に進めていくというのはこれ大前提だというふうに思っております。  もう一つは、言われたように、その横にまた外国船、中国船ですとか台湾船がおります。その部分につきましては、別途並行してしっかりとした強力な水産外交をするだとか取締りをするというようなことで対応していく、これがセットで今回の水産改革だというふうに思っております。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 ありがとうございました。  時間の都合で、またこれは別の機会にやりたいと思います。  さて、所信表明の中から、大臣、農業の基盤整備の強化、あるいは水利施設や農地整備などの長寿命化、このために、その池等の災害対策をしなければならないと、こう思うんです。  私ども、本委員会で、八月の二十九日に、七月の豪雨災害の調査を広島県と岡山県に赴いてやってきました。広島県の福山市の草戸町、堂ノ奥池というため池があるんですが、このため池を視察させていただきましたけれども、そのときの説明で、これはいつ造ったか分からない、築も分からない古いため池で、堤は皆、土なんですね。そこの途中に大きな大木が生えたりして、それが不具合を起こして、パイピング現象なる現象を起こして決壊をして、下の民家やあるいは田んぼ、果樹園、そういうところに大きな被害をもたらした。しかも、驚くなかれ、広島県内でこういうのが二万か所あるというお話でしたね。これを皆さん、調査検討して把握してやっていかないというと、いつまたどこでこの二万か所が破裂を起こすか分からないというような状況なんですが、その辺の実態と、あるいは対策をお持ちなのかをお聞かせいただきたいと思います。

室本隆司農林水産省農村振興局長

○政府参考人(室本隆司君) 今先生がおっしゃいましたように、ため池については全国で約十九万か所ございます。広島県は全国で二位の数を持っておりますが、今回、七月豪雨で、全国のため池のうち三十二か所が決壊をいたしました。そのうちの二十三か所が広島県内のため池でございまして、それを受けて、総理の指示もございまして、七月の十九日から八月の末にかけて、全国おおよそ八万八千か所のため池について緊急点検を行っております。  その中で、問題のあるといいますか、多少亀裂が入ったり、あるいはのり面といいますか、ため池ののり肩が崩れたり、そういったものが一千五百四十か所ございましたので、それらのため池については緊急的に応急措置をして次の台風に備えたということでございます。先生おっしゃいます二万か所全てが問題があるということではなくて、そのうちの一部に問題があると。  ただ、実態としては、まだ使われていない、江戸時代以前に造られたものが七割以上もあるようですので、そういったものというのは周辺の非常に弱い土でつき固められたものですから、そういったものは今後急いで改修をする必要があるだろうと、こう考えております。  いずれにしましても、今回の三年間の緊急点検、それとは外枠で、ため池についてはしっかり防災・減災対策、これを進めてまいりたいと、こう思っております。

儀間光男日本維新の会

○儀間光男君 ありがとうございました。  時間が来たので終わりますけれど、どうぞ防災・減災、総理の言う強靱な国土、それを全力を挙げておつくりいただきますようにお願いして、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 希望の会、自由党の森ゆうこでございます。  まずもって、政務三役の皆様、御就任、誠におめでとうございます。特に、地元の高鳥先生、おめでとうございます。御活躍を心から期待申し上げます。  ということで、米どころ新潟の代表ということですけれども、大臣に答えていただきたいんですが、今年は米政策の大転換の年ということになりました。減反の廃止ということで、飼料用米や政府備蓄米からの転換が進み、主食用米の生産量が大きく増えるのではないかといった見方がされるなど、減反廃止初年度の作付け動向が注目されましたけれども。  まず、三十年産における飼料用米の作付面積についてですけれども、推進政策にもかかわらず減少しております。そしてまた、備蓄米について、落札数量が買入れ予定数量に達しないなどの状況が生じています。三十一年産ではそうした動きが顕著になることを懸念しておりますけれども、農林水産大臣は今年のこの作付面積の減少の要因をどのように分析されているのでしょうか。  ちょっとまとめて聞きます。  今年の作付面積がこうなった理由の分析、それから、先ほども午前中に小川委員から質問がありました、北海道は九〇という大変な状況であり、また米どころ新潟も非常に作柄は悪かった。大臣の所信報告で災害のことが触れられておりましたけれども、高鳥副大臣の御地元の上越地域、特にですね、これに加えて、干ばつの被害があったということも私の方から申し添えさせていただきたいと思っております。  作況が公表されておりますけれども、今回は米の一大産地である地域が非常に悪かったということもありまして、予想収穫量は下回ったわけです。適正生産量七百三十五万トンを下回る七百三十二万九千トンというふうになっております。主食用米の作付面積は増えたんですね。増えたんですけれども、米の需給は締まると見通されておりますが、今年はこういういろんな要因で、結果的には米の価格の暴落ということがなかったというふうに私は理解しておりますけれども。  先日の所信表明における米の需給及び価格の安定を図っていくために、水田フル活用に向けた支援やきめ細かい情報提供を行うと述べていらっしゃるんですが、本当にこれだけで米の需給と価格の安定が図ることができるんでしょうか。この点も併せて大臣の御所見を伺いたいと思います。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 森議員の御指摘にもありましたし、先ほどからの当委員会の中でも今年の米の出来具合等々についての御指摘もいただいております。  確かに、日本海側を中心として作況指数が悪うございました。特に北海道が作況指数が、まだ完全ではありませんけれども、九〇ということが今推移をいたしておりまして、今年は雨あるいは台風の災害等々で大きな影響を受けたなという実感は私自身も持っているところでもございます。  水田フル活用でありまするけれども、例えば今北海道を例示して申し上げますと、長沼町というところがございます。この長沼町というところは米農家がほとんどでありました。それが今、米をお作りになっている、米生産量が二〇%、あと八〇%は高収益作物ということに変わってきております。もちろん、そのためには、圃場の整備ですとかそういった土地改良も行われてきたということもございます。水田フル活用に転換をしていくという、そういう政策ももちろん大切であろうかとも思いますし、これからもしっかりとそういった政策も出し続けていく必要もあろうかと、こう思います。  さらに、三十一年産の需給関係をやっていく中で、都道府県や市町村、農業団体、担い手から構成されている産地ごとに設置されている農業再生協議会が大切だと私は思っておりまして、この再生協議会に対しまして、これからもしっかりと農林水産省において引き続き円滑な業務遂行に必要な支援も行ってまいりたいと思っております。  こういった支援を続けることによって、米政策というのが定着をしていきますように頑張らせていただきたいなと思っているところでございます。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 いや、本当にそれで大丈夫でしょうか。先日、地元の農業委員会の委員の皆さんが大勢訪れられまして意見交換させていただいたんですけれども、もう国は自由にやれと。自由にやれ、減反政策廃止、戸別所得補償制度も廃止、もう自由にやって自己責任だと、そう言われても、地域の農家では非常に不安が募っているんだという切実な声を皆様からいただきました。  今こそ戸別所得補償制度を復活させる、そして、以前にもこの委員会で申し上げましたけれども、研究によれば、戸別所得補償制度によって初めて生産調整が機能したという研究結果もございますので、米の需給及び価格の安定に対して責任を持っていくためにも、戸別所得補償制度の復活などのもっと情報提供とか、さっきのような曖昧なそういう政策ではなく、もっとしっかりとした対応が必要だと思いますけれども、いま一度、大臣、お願いいたします。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 戸別補償制度につきましては、全ての販売農家を対象に交付金を支払うものであったことから、担い手への農地の集積ペースを遅らせる面があったと承知をいたしております。  さらに、十分な国境措置がある米につきましては、交付金を交付することは、他の農産物の生産者や他産業、納税者の理解を得難いとの課題もございました。そのために、旧戸別所得補償制度を廃止して、農地集積バンクの創設や、需要のある麦、大豆、飼料用米の生産振興に農地のフル活用など前向きな政策を強化をしてまいったところでもございます。さらに、日本型直接支払制度も創設をいたしました。地域の共同活動の支援ですとか、中山間地域に対する直接支払など、地域を元気にする施策も展開をしてまいりました。  引き続き、農林漁業者の皆様と真摯に向き合って、改革の成果も丁寧に説明しながら、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村の実現に向けた施策を展開をしてまいりたいと存じておりますが、先ほども私申し上げましたように、やはり農業再生協議会というのは、大変地域において、農業団体、市町村、都道府県の皆さんがしっかり、担い手の皆さんも入っていただいて協議をしていただいておりますので、そういった円滑な業務遂行等々の支援を行う中でこの米対策というものをやっていく必要があるのではないかと今思っております。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 次の質問飛ばします。  主要農作物種子法の復活について質問させていただきたいと思います。これ、役所の方でいいですけれども。  都道府県、新潟県はイの一番にこの四月一日、種子法の廃止を受けて県条例が施行されました。各都道府県における条例制定、施行の状況はどうでしょうか。  さらには、この種子法が廃止されたことによって、これまで都道府県が課されていた業務をもう他者に移転してしまったところもあるというふうに報道で承知しておりますけれども、それも併せて御報告ください。

天羽隆農林水産省政策統括官

○政府参考人(天羽隆君) 主要農作物種子法の廃止後に条例を制定した事例についてお尋ねがありました。  主要農作物種子法の廃止後に、稲、麦類及び大豆の種子の生産、供給に関しまして条例を新たに制定したのは、山形県、埼玉県、新潟県、富山県、兵庫県の五つでございます。また、現在新たな条例の制定を検討しているのは、北海道、長野県、岐阜県、宮崎県の四道県というふうに聞いてございます。これは、それぞれの地域にとって必要な措置を自ら判断して講じようとするものというふうに受け止めてございます。  また、主要農作物種子法の廃止後に事務をやめてしまった自治体はないのかというお尋ねでございました。  農林水産省が都道府県の担当部局に聞き取ったところによりますと、これまで実施してきた種子法に基づく業務について平成三十年度も前年度とおおむね同程度の予算を計上し、種子の供給業務を実施しているというふうに理解をしてございます。  種子の審査証明書の発行名義を種子協会にすることなどを検討している府県、大阪府、和歌山県、奈良県もございますけれども、その場合でも、府県が種子の品質確保に責任を持つということとともに、府県が種子供給に必要な予算措置を講ずることにより、府県が農業者に種子を安定的に供給するよう措置を講ずると聞いておるところでございます。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 資料をお配りしておりますけれども、見ていただければ分かるんですが、一が抜けております。実はここに署名がございます。種子法の復活を求める署名、約十七万筆、自民党の筆頭理事も受け取られたというふうに思いますけれども。  これに関して、自民党、竹下前総務会長が市民団体からこの署名を受け取ったときの記事を今日の参考資料にしようと思ったんですけれども、私、これ検閲だと思いますよ。  表現の自由という、報道の自由というのがあって、それを私が質問権の中で提示をさせていただく、何の問題もない記事だと思いますが、どういう内容かというと、竹下氏は要請を受けて、私自身も、種子法、中身が分からず起立した一人だと、量だけでなく安全性も含めて、食料の安全保障は政権が絶対に維持しなければならない、国会議員が種子法の必要性や重要性を認識していなかったと、こう述べられている。これは、別にここだけが報じているわけではなく、この署名集めの中心的な役割を果たしたところも発信をいたしております。生協の宅配、パルシステムの記事ですけれども、やはりその中で同様の発言を竹下氏がされたというふうに記事にございます。  各都道府県の条例は、これ、自民党の議員が、県議会議員が多数占めている都道府県で可決、制定され、施行されていると。どれだけ種子法が重要であったかということの証左であると思います。  今回認められなかった、検閲を受けて、提出させてもらえなかった竹下さんの発言を含むこの記事、この内容、発言の内容については、実は去年の種子法の廃止の質疑のときに私も複数の自民党の先生方から、いや、実はということで同じようなことを言われたんですよ。だから、本当は分かっていなかったんじゃないんですか、自民党の先生方も。そして、これだけの署名が集まっている。条例が各自治体で制定をされている。私は、復活すべきではないかというふうに思います。  今年度は、今正面に座っていらっしゃいます礒崎前副大臣が奔走していただきまして、法律はなくなったんですが、基準財政需要額に算定、絶対やってもらうということで予算は確保されました。来年度、大丈夫なんでしょうか。

天羽隆農林水産省政策統括官

○政府参考人(天羽隆君) 先生御指摘のとおり、平成三十年四月一日に種子法は廃止されたところでございますが、その廃止後も、稲、麦、大豆の種子の供給に係る事務について、圃場審査などに関する事務については種苗法に基づき、また、原種圃の設置などに関する事務については、農業競争力強化支援法に基づき都道府県が従前と同様に来年度も実施することが見込まれることから、引き続き地方交付税措置が講じられるよう総務省と連携してまいりたい。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 連携してまいりたい。しているんですよね。確約してもらっているんですね。──いい、いい、もう時間がないから。  ということで、復活法案、野党出しておりますけど、是非今度はもう一回先生方に中身も確認していただいて、これ大事な法律ですよ。大事な法律なんですよ。食料主権、食料安全保障、種がなくなったらもう後戻りできないんですよ。取り返しが付かないんですよ。種子法の復活に向けて是非御理解、御協力を賜りたいと思います。  それで、次なんですけれども、農業分野における外国人技能実習生、外国人労働者についてなんですけれども、午前中に徳永先生が私の質問をほぼ同じようなことできちっと質問をしてくださいました。  今日、厚生労働省に来ていただいているんですけれども、それぞれ各省、検討事項があるんですけれども、厚生労働省は、不当な、要するに労働基準法違反、労働法制を守っていない事柄について、労働基準監督官がいてしっかりとチェックしていくという役割を担っているわけですけれども、働き方改革ということで、残業代ゼロ、高プロ制度も導入されました。より一層仕事が増えると思うんですけれども、今、労働基準監督官一人当たりの労働者数は何人ですか。

田中誠二厚生労働大臣官房審議官

○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。  全国の労働基準監督署に配置している労働基準監督官は、平成三十年度において二千九百九十一人です。労働者数、これ常用雇用者数ですが、平成二十六年の経済センサスによりますと、五千二百九十三万人余となっております。単純に割り戻しますと、労働基準監督官一人当たりの労働者数は約一万七千六百九十八人というふうになっております。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 まずは、農業の場合は、現在の技能実習生の現状、実態、どれほどひどい状況があるのか、そういうことをまずしっかりと実態を把握した上で新しい外国人労働者の受入れについて検討されるべきだと思うんですけれども、私が大臣にお願いしたいのは、私たち野党は今合同ヒアリングをしておりまして、技能実習生の実態、時給が残業代でも三百円、四百円、月々の報酬は六万円。もう朝八時から夜中の二時まで働かせて、けがをしても病院にも行かせてもらえないという、まるで奴隷のような働き方、これが全てではないですけれども、そういう実態があるということで、実態の調査、教えてくださいと、場所を、言っていましたけれども、是非大臣、その技能実習生、もうここに外国人労働者の問題がぎゅっと詰まっていると思いますから、是非農林水産省として、農業に従事されている現在の技能実習生を始めとする外国人労働者の実態をヒアリングされることをお勧めしますが、いかがですか。

吉川貴盛自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(吉川貴盛君) 先ほど午前中の御質問にもお答えをさせていただきましたけれども、私も、漁業関係の加工場においての技能実習生の皆さんの働きぶりというものも拝見もいたしております。  こうした中で、既存の外国人材の受入れ制度である農水分野の外国人技能実習制度の実態を理解することは大切なことでもございますので、私自身も、機会があればそのような場を設けることも検討したいと思います。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 機会があればじゃなくて、農水省として機会をつくって、今、もうこれ、我々は反対していますけれども、この臨時国会で無理やり成立させようとしているわけでしょう。少なくとも実態がどうなのか、きちっと把握していただきたい。そういう、検討ではなくて、していただきたいと思います。  それで、次なんですけれども、入管法に関しての質問は徳永先生と大体内容がかぶっておりますので割愛をさせていただいて、防衛省が農水大臣に対して行った行政不服審査について質問をさせていただきます。  資料を配っておりますが、まず総務省に伺いたいんですけれども、行政不服審査法に基づいて、これ、資料の三ページですけれども、国の機関が行政不服審査法に基づき不服申立てを行った事例というのは防衛省沖縄防衛局だけということでよろしいですね。(発言する者あり)

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。

鈴木淳司自由民主党総務副大臣

○副大臣(鈴木淳司君) 平成二十四年六月に雲仙市長がした処分取消しを求める異議申立てを行った事例がございます。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 それ以外は全部、防衛省沖縄防衛局長が行った、一、二、三、四、五、そして今回の六件ということでよろしいですね。

鈴木淳司自由民主党総務副大臣

○副大臣(鈴木淳司君) それで結構です。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 それで、実は農水大臣に対しても平成二十三年の一月二十八日に沖縄防衛局長が審査請求を行っておりますが、これ、資料四ページを御覧ください。  そもそも国の機関である防衛省が、防衛局もその出先機関ですから、沖縄防衛局も、そもそも行政不服審査に基づいてこのような不服審査請求を行うその資格がないというふうに思うんですけれども、総務大臣、いかがですか。

鈴木淳司自由民主党総務副大臣

○副大臣(鈴木淳司君) 行政不服審査法は、行政庁の違法、不当な処分を受けた者の侵害された権利利益の救済を図るための制度を定めるものでございまして、第一条第一項の「国民の権利利益の救済を図る」との文言はそれを端的に表現して規定しているものでございます。  具体的に審査請求を行うことができる者につきましては、同法第二条におきまして、「処分に不服がある者」とされており、一般論として、国の機関が一般の事業者が立ち得ない立場である固有の資格で受けた処分については審査請求をすることはできませんが、一般の事業者と同様の立場で行政処分を受けた場合には審査請求をすることは可能とされております。  個々の処分が一般の事業者と同様の立場において受けた処分であるかどうかにつきましては、これは審査請求を受けた行政機関におきまして個々の処分の根拠となる法令に照らして判断されることになります。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 国の機関等が固有の資格において受けた処分、つまり、一般の私人、事業者が立ち得ないような立場、これを固有の資格といいます、において処分の相手方になる場合には不服申立てをすることができないと。これを明文化したのが平成二十六年の行政不服審査法の改正で、第七条の二項で、国の機関又は地方公共団体その他の公共団体若しくはその機関に対する処分で、これらの機関又は団体がその固有の資格において当該処分の相手方となるもの及びその不作為についてこの法律の規定は適用しないと、ここで明文化したわけです。当たり前のことなんです。当たり前のことを明文化したにすぎない。  じゃ、防衛副大臣来ていらっしゃいますけれども、沖縄防衛局というのは、一般の国民あるいは法人では立ち得ないような立場において、この辺野古の占有、それから調査、あるいは今回の埋立ての申請、承認の申請をしたんじゃないんですか、そしてその処分の取消しを申し入れたんじゃないんですか。

原田憲治自由民主党防衛副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(原田憲治君) まず、平成二十三年の農林水産大臣に対しての行政不服審査についてお答えをしたいと思いますが、平成二十二年に、漁港漁場整備法第三十九条に規定する漁港の区域内の水域の占用について、漁港の管理者である名護市長から沖縄防衛局長に対し不許可との通知がなされたことを受け、平成二十三年一月に沖縄防衛局長が、同法四十三条第一項、この法律に基づく云々ということで、漁港管理者の処分に不服がある者は農林水産大臣に対して審査請求することができるとの規定に基づいて農林水産大臣に対して審査請求をしたものでございまして、沖縄防衛局が漁港管理者である名護市に対して、水域の占用を不許可として認めないとする明確の通知があったことから、これが取り消されるべきものとして審査請求をしたものでございます。一般私人が許可、不許可を受けるのと同じ立場で処分を受けたものと解して審査請求の手続をしたところでございます。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 いや、だから、一般私人になんてなり得ないんですよ、沖縄防衛局は。だって、米軍の基地を造るための調査であり、それから今回は埋立てなわけですよね。  じゃ、今回のはどうですか。一般の私人、国民と同様に埋立ての承認を得、そして、一般の私人であるから、一般の国民と同じ立場であるから、この行政不服審査法に基づいて処分の取消しを、その執行を停止させたと。一般の個人としての立場でやったということなんですか。

原田憲治自由民主党防衛副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(原田憲治君) 行政不服審査法というのは、不服申立てができる対象を一般私人に限定しておらず、国や地方公共団体の機関が行政処分を受けた場合にも審査請求や執行停止の申立てを行うことを認められているところでありますので、沖縄防衛局が受けた埋立承認の撤回処分は、一般私人たる事業者が埋立ての免許につき撤回処分を受けるのと同様に埋立てを行うことができる法的地位を失うものであって、一般私人が権利利益を害された場合と同様であり、行政不服審査法に基づいて審査庁である国土交通大臣に審査請求及び執行停止を申し立てる資格があるものと考えております。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 いや、それは法律を曲解しているでしょう。一般の国民と同様、私人と同様、この行政不服審査法を使えるなんてどこにも書いてないですよ、どこにも書いてない。この行政不服審査法の七条二項は、これは適用除外なんですよ。できるんじゃなくて、適用除外なんです。普通は認められないわけです。本当に私人だという立場なら、それを説明しなきゃいけないんです。  私はできますか、米軍の基地を私が造りたいと、で、辺野古の基地の埋立ての承認を申請すると、そんなことできますか。できないですよね。  そもそも、公有水面埋立法によって、防衛省、沖縄の皆さんが受けたその申請というか承認は、そもそも一般の人たちが受ける免許とは違って、公有水面埋立法における四十二条、「国ニ於テ埋立ヲ為サムトスルトキ」と、これ、国しかこの承認は求めることができない。これは、国という固有の資格において申請をしたものじゃないんですか、どうですか。個人の資格でやったんですか。

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 原田防衛副大臣、時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。

原田憲治自由民主党防衛副大臣・内閣府副大臣

○副大臣(原田憲治君) 不服申立てができる対象を一般私人に限定しておらずということで先ほど申し上げました。国や地方公共団体の機関が行政処分を受けた場合にも審査請求や執行停止の申立てを行うことが認められているというところでありまして、沖縄防衛局が受けた埋立承認の撤回処分は、一般私人たる事業者が申立ての免許につき撤回処分を受けるのと同様に埋立てを行うことができる法的地位を失うものでございまして、一般私人が権利利益を害された場合と同様であり、行政不服審査法に基づいて審査庁である国土交通大臣に審査請求及び執行停止を申し立てる資格があるものと考えております。

森ゆうこ希望の会(自由・社民)

○森ゆうこ君 終わりますけれども、これを私人への成り済ましと言うんですよ、国の機関の。  ということを申し上げ、済みません、ほかの質問、時間がなく、できませんでした。次回に回したいと思います。よろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

堂故茂自由民主党・国民の声

○委員長(堂故茂君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時四分散会

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