国土交通委員会 第5号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 11
- 開催日
- 2018/12/06
会議録
○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、河野義博君、魚住裕一郎君、吉田博美君及び末松信介君が委員を辞任され、その補欠として矢倉克夫君、若松謙維君、佐藤啓君及び中西祐介君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律案の審査、建築士法の一部を改正する法律案の審査及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官高橋一郎君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律案を議題といたします。 提出者衆議院国土交通委員長谷公一君から趣旨説明を聴取いたします。谷衆議院国土交通委員長。
○衆議院議員(谷公一君) 衆議院の国土交通委員長の谷公一でございます。 ただいま議題となりましたユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 我が国において、障害の有無、年齢等にかかわらず全ての国民が共生する社会の実現に向けた取組を進めることが必要となっており、バリアフリー化の推進のみならず、あらゆる人が活力ある日常生活を送り、社会活動に参加することができるユニバーサル社会の実現が求められております。 一方、我が国においては、障害者、高齢者等に関する個別の施策は大きな進展を見せているものの、これらの施策を統一的かつ有機的な連携をもって進める仕組みが不十分であることが指摘されております。 本案は、このような現状に鑑み、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の推進に関し、国等の責務を明らかにするとともに、その実施状況の公表及び策定等に当たっての留意事項等を定めることにより、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策を総合的かつ一体的に推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の推進に関する国及び地方公共団体の責務並びに事業者及び国民の努力を定めることとしております。 第二に、国は、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策を実施するために必要な法制上又は財政上の措置等を講じなければならず、地方公共団体は、必要な財政上の措置等を講ずるよう努めなければならないこととしております。 第三に、政府は、毎年一回、政府が講じたユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の実施状況を取りまとめ、公表しなければならないこととしております。 第四に、国及び地方公共団体がユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の策定及び実施に当たって、特に留意しなければならない事項を定めることとしております。 第五に、国及び地方公共団体は、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策を策定し、及び実施するに当たって、障害者、高齢者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。 第六に、政府は、関係行政機関相互の調整を行うことにより、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進を図るため、ユニバーサル社会推進会議を設けることとしております。 以上が、本案の提案の趣旨及びその内容であります。 何とぞ、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(羽田雄一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○舟山康江君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。 ただいま委員長から趣旨説明がありましたこの法律案につきましては、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策を総合的かつ一体的に推進するため、国等の責務を明らかにするとともに、諸施策の策定に当たっての留意事項等を定めることとしていると理解しております。 来る東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、世界に誇れるユニバーサル社会を実現することが求められる中で、本法律案は重要な意義を持つと考えておりますけれども、ユニバーサル社会の実現に向けた具体的な課題について、現状として障害者、高齢者等からどのような声が上がっていますでしょうか。提案者、お願いします。
○衆議院議員(小宮山泰子君) 御質問ありがとうございます。 本法案の検討の過程において、様々な障害者団体からユニバーサル社会の実現に向けた課題について御意見をいただいております。いただいた御意見のうち主なものといえば、例えば、当事者の意見を施策に反映させるようにしてほしい、社会的障壁について日常生活を営む上で問題になる障壁や情報や文化面での障壁も含まれることを明記してほしい、心のバリアフリーという観点から施策を講じてほしいというものがございました。 以上のような御意見を踏まえて、本法案九条では、障害者、高齢者等の意見を反映させるために必要な措置を講ずるように努めるものとし、二条三号イの社会的障壁の定義では、日常生活を営む上での障壁であることを明示した上で、あらゆるものが社会的障壁となり得るよう広く定義し、十条で、心のバリアフリーの推進に資するよう、ユニバーサル社会の実現に関する教育の振興や広報活動の充実のために必要な措置を講ずる旨の規定を置いております。 様々な御意見いただきました。その中でも、しっかりとこれを反映させる文面になっております。
○舟山康江君 ありがとうございました。 是非、そういった当事者の声を踏まえて、しっかりと前に進めていただきたいと思っています。 そして、様々な施策が必要だと思いますけれども、やはり情報収集、情報の取得とか利用、これも大変大事だと思っておりますけれども、その中に、例えば、最近では随分見られるようになりましたが、手話言語、こういったものも含まれるんでしょうか。
○衆議院議員(小宮山泰子君) 委員御指摘のとおり、本法案では、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の一つとして、障害者、高齢者等が円滑に必要な情報を取得し、及び利用することができることを目指して行われる施策が位置付けられており、そのための手段には手話が含まれていると考えております。その前提に立って、本法案の第八条第四号において、障害者、高齢者の言語に手話を含むと明記しているところであります。 聴覚障害者にとって手話は意思疎通のための手段として重要なものであり、手話が言語に含まれることを明確化することにより、聴覚障害者の意思疎通のための手段の確保に適切な配慮がされることと期待しております。
○舟山康江君 ありがとうございます。 ユニバーサル社会を目指して、現在でも各省庁がそれぞれの法案等施策の中でいろんな取組をされていると、これは事実だと思います。 ただ、今回、そこに、個別ばらばらな施策に横串を入れる、そういう意味において、この関係行政機関相互の調整を図るためにユニバーサル社会推進会議を設けると、こういったことになっております。 各省にまたがる施策の調整の場を設けるということは大変いいことだと思いますけれども、この会議においては、私は、単なる情報共有とかそういったものだけではなくて、そこから見えてくる問題点をしっかり検討して、それぞれの個別の法律や施策の更なる充実に結び付けていくと、こういったことが必要であると考えておりますけれども、ユニバーサル社会推進会議に期待される役割や機能についてお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(小宮山泰子君) 御指摘ありがとうございます。 ユニバーサル社会推進会議は、関係行政機関をもって構成し、関係行政機関相互の調整を行うこととされております。具体的には、関係行政機関が個別に実施しているユニバーサル社会の実現に向けた施策の取組状況についての情報が省庁の壁を越えて共有され、相互の調整が図られた上で個別の施策に反映させることを想定しております。 これまで各省庁縦割りだったのが、この法案により横につながり、情報が共有されるということになりますので、どうぞ御理解いただければと思います。
○舟山康江君 続いて、政府に一点お伺いしたいと思いますけれども、現在、東京オリパラに向けてユニバーサルデザイン二〇二〇関係閣僚会議というものが設置されておりますけれども、こちらの方はどのように機能されているんでしょうか。
○政府参考人(高橋一郎君) お答えを申し上げます。 委員御指摘のユニバーサルデザイン二〇二〇閣僚会議につきましては、総理を本部長といたします東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部の下に置かれてございます。オリンピック・パラリンピック大会の成功のみならず、大会のレガシーとしての共生社会の実現に向けまして、各施策の策定、推進に取り組んでおります。 昨年二月にはこの閣僚会議におきましてユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画を決定いたしまして、具体的には、心のバリアフリーとユニバーサルデザインの街づくりを主要分野として位置付けまして、共生社会の実現に向けて取り組んでおるところでございます。
○舟山康江君 オリンピックに向けてという、ある意味期間限定かもしれませんが、一応、横串を刺して、全体としてそのユニバーサル、誰もが住みやすい社会、一つのきっかけがオリンピックだとしてもですね、今後の大きな課題として関係閣僚会議を設置して取り組むその姿勢というのは評価をさせていただきたいと思っております。 そういう中で、是非、これから設置されますユニバーサル社会推進会議、これは恐らくこれから恒久的な組織として機能していくんだと思いますけれども、その今の関係閣僚会議と推進会議をうまくすみ分けしながらしっかりと、この全体的な方向については誰も異論がないと思うんですね、そういう中でしっかりと前に進めていきたいと思っております。 そして、今御答弁の中にもあったと思いますけれども、やはり一元化するとか、それを取りまとめて公表するだけではなくて、そこからいろいろ横串を刺す中でいろんな課題が見えてくるんではないのかなと思っています。そういったことのやはり課題解決に向けての積極的な組織にしていただきたい、そして、その目標を各省が、そして各人が共有できるような、そういった機能できる組織にしていただきたいと思うんですね。 一歩間違うと、このような全体を取りまとめる組織というのは屋上屋のような形で逆に機能しないという懸念もありますので、是非その辺の懸念が払拭できるように、提案者の趣旨を酌みながら、是非今後、政府全体として取り組んでいただきますことを心からお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 障害者や高齢者などが、社会の対等な構成員として、一人一人が個人として尊重される共生社会を築くために、諸施策の総合的で一体的な推進が図られることは重要だと考えます。ただし、その法制化としてはいささか遅過ぎるのではないかという感じも一方であります。 二〇〇四年の六月、私もこれ調べてみましたが、参議院の本会議でユニバーサル社会の形成促進に関する決議が全会一致で上げられ、既にその中でユニバーサル社会の形成を目指す必要性が強調され、「このような社会の形成を目指し、そのための総合的な社会環境の整備を進めることは、国会及び政府の重大な責務である。」、こう述べておりました。その後も、厚労委員会や国交委員会で障害者施策の充実やバリアフリー化の促進を求める議論の中で、ユニバーサル社会についての発言も繰り返されております。 そこで、発議者に端的に伺いたいのですが、今この法案を作ることの意義はどこにあるのか。ユニバーサル社会の概念を初めて国会が国会として意思表示をしてから十数年がたつわけですが、その実現に向けた諸施策の一体的な、あるいは総合的な推進が図られてこなかったのだとすれば、その要因は何だとお考えかを伺いたいと思います。
○衆議院議員(盛山正仁君) 今、山添委員が御指摘されたとおり、ユニバーサル社会の実現に向けた施策というものは、障害者基本法に基づく障害者基本計画、高齢社会対策基本法に基づきます高齢社会対策大綱など、法律ごとに施策の展開がなされております。これらの施策は、例えば、高齢者・障害者雇用については厚生労働省が、交通バリアフリーについては国土交通省が、特別支援教育については文部科学省といったように、関連法令のその法律の目的に沿って省庁単位あるいは事業単位で実施されてきた部分が多いのではないかと認識しております。 しかしながら、先ほど来委員が御指摘されたとおり、障害者や高齢者の方々から、各施策がばらばらに実施されている、これらを連携して実施してくれないかという声が上がっているところでございます。そこで、関連する諸施策について、ユニバーサル社会の実現という観点から、今回、横串を刺すことによって一層充実したものとなるようにするため、この法案を提出したところでございます。 これまで、国連の障害者権利条約でユニバーサルデザインという概念が示され、国会の場でもそういう認識が示されたにもかかわらず、なかなかそれぞれの法律の連携が図ってこられなかった、それを今回のこの法律で一歩でも二歩でも解消したいというのが我々の提案の理由でございます。
○山添拓君 是非そのように進むことを望みたいと思いますし、今御指摘もあったように、やはり障害者、高齢者など対策に求められるのは、既にある個別の法律に基づく施策を充実させるということであろうと思います。 しかし、例えばバリアフリー法改正法の審議の中では、障害者団体などから強い希望のあります移動の権利の明記について、政府は、国民的なコンセンサスが得られていない、時期尚早だ、こういうことを繰り返して、消極的な態度に終始していたように思います。 本法案は、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の推進を新たな国民的なコンセンサスとするものだと思います。第六条では、そのために必要な法制上あるいは財政上の措置等を国にも命じているところです。この法案を契機として各分野の法制度が着実に前進するように、政府にも求めておきたいと思っております。 次に、本法案の二条三号は、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の定義として、ユニバーサル社会の実現に関する国際的動向を踏まえ、同条各号に定める事項を達成することを目指して行われる諸施策をいうんだと、こう書いております。 二〇〇六年に採択された障害者権利条約は、その二条で合理的配慮を掲げております。これは、障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいうとされています。この合理的配慮の概念は、障害者基本法や障害者差別解消法にも位置付けられておりますし、真に社会的障壁を除去するためには不当な差別的取扱いを禁止するだけでは足りずに合理的配慮も求められるんだ、こういう考えに基づくものだろうと思います。 本法案では、二条三号イで社会的障壁の除去を掲げておりますが、合理的配慮という文言そのものはないかと思います。 そこで伺いますが、本法案は、一人一人の特徴や状況に応じて生じる障害、困難さ、すなわち社会的障壁、これを取り除くための個別の調整や変更、すなわち合理的配慮をユニバーサル社会の実現に向けた諸施策において求めるものだと考えてよいものでしょうか、御答弁をお願いします。
○衆議院議員(小宮山泰子君) ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の一つとして、本法案では社会的障壁の除去を目指して行われる施策が位置付けられております。委員指摘の合理的配慮という言葉ではございませんけれども、このことを踏まえた上で、ユニバーサル社会の実現に向けた具体的な施策において必要に応じて社会的障壁の除去を目指して配慮を行う措置が講じられることとなるのではないかと考えておりますので、ほかの条約など様々なところと連動して、しっかりとその理念というものは取り込まれております。
○山添拓君 是非そのように推進されることを求めたいと思いますし、やっぱり一人一人の人格と個性を相互に尊重する社会、共生社会のためには合理的配慮というのが不可欠な視点であることも強調したいと思います。 ユニバーサルというのは、普遍的なとか誰もがというように訳される言葉かと思います。障害者や高齢者が社会の構成員として尊重されるべきことはもちろんですが、女性やLGBT、子育て世代なども含まれるべきだろうと思います。衆議院では、我が党の宮本岳志議員の質疑的発言に対して小宮山泰子議員が、LGBTの方々もユニバーサル社会の構成員だと明言をしていただいております。 ユニバーサル社会の推進については、地方自治体で条例制定なども進んでおりまして、例えば兵庫県のユニバーサル社会づくりの推進に関する条例は、我が国とは異なった言語及び文化を守りながら生活する外国人県民並びに観光その他の目的で来訪する外国人が増加する中、異文化との共生又は交流も円滑に図っていく必要がある、このように規定して、言語や文化の違いを問わず、全ての人が包摂され自信と尊厳を持って暮らすことのできるユニバーサル社会こそが豊かな社会である、こう定義をしております。 そこで伺いますが、本法案二条二号で、日常生活や社会生活上配慮を要する者の中には外国人は明記をされておりませんけれども、ユニバーサル社会の構成員には日本に住むあるいは日本を訪れる外国人も含まれるんではないかと考えますが、これはいかがでしょうか。
○衆議院議員(盛山正仁君) 今委員が御指摘されましたところでございますけれども、本法案では、第一に、既存の諸施策の総合的かつ一体的な推進を図るという観点から、その横串を刺すのに適当な施策を対象としております。第二に、本法案の目的に沿った形で施策の対象を明確にすることで施策の効果的な推進を図る必要があること。これらを踏まえて、国籍という属性に着目して施策の対象を限定するようなことはしておりません。 また、一般的に、ユニバーサル社会というのは、障害の有無、年齢、性別、国籍、文化などの多様な違いにかかわらず、一人一人が社会の対等な構成員として尊重され、共生する社会を意味するとされております。 本法案が最終的に目指すのも、誰にとっても区別のない、差別のない、そのような社会の実現であると我々は考えているところであります。
○山添拓君 ありがとうございます。 国交省はインバウンド対応として外国人向けの施策もたくさん行っておりますし、この間、災害時の外国人への情報提供の在り方なども課題であることが明らかになりました。まして、既に百二十八万人に上る外国人労働者が日本社会の構成員として存在をしております。 ところが、例えば法務省の二〇一六年度外国人住民調査報告書によれば、過去五年間に日本で住む家を探した経験のある方のうち、外国人であることを理由に入居を拒まれた、断られた、この方は三九・三%、あるいは、過去五年間に日本で仕事を探したり働いたりしたことがある人のうち、同じ仕事をしているのに賃金が日本人より低かった、これが一九・六%などとされております。 外国人の技能実習生が恋愛禁止だとか、妊娠すれば中絶や帰国を迫られる、あるいは最近報道されましたシャープの亀山工場での二千九百人の外国人労働者の雇い止め、あるいはヘイトスピーチなど、外国人に対する差別と偏見が根底にあると思います。 外国人も構成員として、人として尊重する社会のためにも、本法案が実効性を持って機能することを期待しまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○青木愛君 希望の会、自由党の青木です。 ユニバーサル社会の実現に向けました取組の推進は大変重要なことでありまして、本法律案には賛成であります。 障害の有無や年齢等にかかわらず、国民一人一人が社会の対等な構成員として、その尊厳が重んぜられるとともに、社会のあらゆる分野で活動に参画する機会が確保される、いわゆるユニバーサル社会の実現に向けた取組の推進は重要なことと認識をいたします。 それゆえに、一点だけ気になるところがありまして、確認をさせていただきたいと思います。それは、第五条の事業者及び国民の努力について記述した条文であります。そこには、事業者及び国民は、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、ユニバーサル社会の実現に寄与するように努めなければならないとあります。 ユニバーサル社会の実現を目指して国民の関心を喚起をして努力していただくことは重要なことだとは思いますが、しかし、そのことを努力義務とはいえ法律に明記をすることがなじむのかどうかという点なんです。障害者基本法にもこの点明記されているわけなんですが、目的のいかんにかかわらず、法律で国民の内心に対して義務を押し付けるべきではないのではないかということを考えるわけです。この第五条を根拠にして国民に義務を押し付けることがないかを心配をしております。 本法律案の第五条にあります国民の努力義務、この趣旨と、そして懸念の解消について、是非御説明をお願いをさせていただきたいと思います。
○衆議院議員(盛山正仁君) 青木先生が御懸念される内容というんですか、御懸念の趣旨はよく分かるんですけれども、その他の法令で、国民の努力という規定につきましては様々な法律において既に定められているところでございまして、この今回の法案が特別に、特異的な、特別な法規定を作っているというものでは決してありません。 その上で、このような規定というのは、それぞれの法律に定めます目的を実現する上での国民の言わば心構えを定めるようなものでございます。この規定を根拠にして国民の皆様に義務を押し付けようというものではございません。 本法案では、例えば障害者につきましては平成二十六年に障害者権利条約を我が国は批准したところでございますけれども、この障害者権利条約では、国、地方公共団体だけではなく、事業者や国民も含む全ての者が障害者に対して一定の配慮をすべきという国内外の動向があります。 また、このような配慮は、この国連の障害者権利条約は障害者ということでございますが、障害者だけではなく、高齢者に対しても同様に私たち全ての国民が配慮すべきであるというふうに考えるものですからこのような規定を設けたところでございまして、国民の皆様にこういう法の趣旨というのを是非御理解をしていただき、そして、心のバリアフリーというんでしょうか、手助けを必要とされている方、そういった立場の方に対して御配慮をお願いしたいと期待するものでございます。
○青木愛君 ありがとうございます。 以上です。
○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) 次に、建築士法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院国土交通委員長谷公一君から趣旨説明を聴取いたします。谷衆議院国土交通委員長。
○衆議院議員(谷公一君) ただいま議題となりました建築士法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 建築士法は、建築物の設計、工事監理等を行う技術者の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって建築物の質の向上に寄与させることを目的として、議員立法により、昭和二十五年に制定されたものであり、これまでも時代の要請に応じて改正が行われてきたところであります。 しかしながら、近年、建築士試験の受験者数が減少するとともに受験者の高齢化が顕著であり、また、業務を行っている建築士の高齢化が進んでおり、このままの傾向が続く場合、建築物の安全性の確保等において重要な役割を担う建築士人材の確保が困難となります。このため、建築士試験の受験資格を改めること等により、建築士を目指す若者が、より早期に、より見通しを持って建築士の資格を取得することができるよう、建築士資格制度の改善が望まれているところであります。 本案は、このような状況に鑑み、建築物の設計、工事監理等を担う優れた人材を継続的かつ安定的に確保するため所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、一級建築士、二級建築士又は木造建築士の免許は、それぞれの試験に合格した者であって、大学等において国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業し、建築に関する実務の経験を一定期間以上有する者等でなければ受けることができないこととしております。 第二に、大学等において国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業した者は、建築に関する実務の経験がなくても一級建築士試験を受けることができるものとする等、受験資格について所要の見直しを行うこととしております。 以上が、本案の提案の趣旨及びその内容であります。 何とぞ、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(羽田雄一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○増子輝彦君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の増子輝彦でございます。 ただいま提案されました建築士法改正については、谷衆議院国土交通委員長を始め各党会派の皆さんの御努力に心から敬意を表したいと思います。 それに基づいて、少しだけ確認を含めて質問させていただきたいと思います。 ただいまも御説明がありましたとおり、昭和二十五年にこの建築士法が制定されました。議員立法でありました。それ以来、時代の変化に合わせて様々な法改正がなされてきたことはもう御案内のとおりであります。特に、平成十七年、十八年でしたかね、姉歯事件によっての大きな問題が社会問題となりました。あのときも平成十八年に改正されたということ、あわせて、平成二十六年には契約書面の義務化というような形の中での改正もなされたという経緯がございます。 こういう状況の中で、建築士の皆さんを取り巻く環境が大変大きな変化を来しているということは私たちもよく承知をしているわけであります。特に高齢化が進んでいるということが大変大きな懸念事項でありまして、私が今承知していることは、一級建築士は六十歳以上の割合が約四〇%、あわせて三十代以下の割合が一二%というような状況であるということになれば、なかなか、今後の日本のこの建築士の皆さんの在り方ということについては、それでなくても人口減少、高齢化という中で極めて大きな社会問題になってくるんだろうと。今後ますます、私は、建築士の皆さんの責任や役割は極めて重要なものがあるというこの視点から見ても、今回のこの改正というのは私は大変重要だと、そんな思いを持っているわけであります。 しかしながら、残念ながら、実務経験の問題等も含めながら、いろんな視点から考えても、建築士のこの試験を受ける方々が年々大きく減少しているという現状を少しでも変えていかなければいけないという状況の中で、今回のこの法案の改正ということが、委員長提案、まさに各党会派の皆さんの合意によって、この超党派の議員立法という形で作られたということで、私たちはしっかりとこれを支えていかなければいけない、そんな強い思いを持っているわけでございます。 そういう視点からも、今回の法改正をすることによって、この現状をどのように変えることができて、また、どのような形の改善の効果が今後予測され、あるいは見込まれるのか、ここについて津村委員に質問させていただきたいと思います。
○衆議院議員(津村啓介君) これまで建築業界の発展に大変意を尽くされてこられました増子先生からの大局的な御質問でございます。 前回の制度改正から十年余りがたちまして、建築業界をめぐる環境は大きく変化しているというふうに考えております。平成二十二年の六月、当時、増子先生は経済産業副大臣でいらっしゃいましたけれども、当時の民主党政権下におきまして新成長戦略を閣議決定いたしました。二〇二〇年までに中古住宅流通市場やリフォーム市場の規模を倍増させるという目標を掲げたわけでございますけれども、これまで新築中心でした住宅市場を、既存ストックを活用するという観点から、よりリフォームあるいは中古市場の流通に政府として国策として支援をしていこう、こうした流れの中で、建築士の役割も、これまでの建築物の設計、工事監理のみならず、既存建築物の調査、有効活用といった形で非常に幅が広がってきた、建築の専門家としての役割が大きくなってきたということが一つございます。 また、近年は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを控えまして、ホテルの建設ラッシュ等、建築業界は大変活況を呈しているという環境もございます。そうした需要面での建築業界の活況の一方で、建築士さんの働かれている環境を見ますと、医師、弁護士、公認会計士といった他の国家資格と比べまして、平均年齢が高いにもかかわらず、労働時間は長く賃金は低いという傾向もございます。 先ほど増子先生から平成十七年の姉歯事件以降の経緯につきましてはるるお話がありましたので、私からの御説明は割愛いたしますけれども、こうした状況の中で、今回の改正では、建築士試験の受験要件となっています建築に関する実務経験につきまして、免許を受ける際の要件に改めるという形を取りまして、大学卒業直後でも試験が受けられるという形で受験機会を拡大するということでございます。 こうした取組によって、建築士を目指す皆さんにとって建築士免許の取得に向けた見通しが立てやすくなって人生設計を立てやすくなるということに加えまして、採用する事務所側も建築士免許を取得する可能性の高い若手職員を確保しやすくなる、こうした両面から建築士人材の安定的な確保につながるものと考えております。建築業界及び日本経済の健全な発展に資するための法改正ということでございます。
○増子輝彦君 ありがとうございました。 もう一つ確認させていただきたいことは、従来であれば試験のいわゆる前に実務経験が、大学、短大、高校、専門学校という形で、時間軸はちょっと違いますけれども、実務経験が必要だったということが一つの、働きながら、いわゆる実務経験をしながら試験のための勉強をしていくということになると、なかなかその時間的な、勉強をする時間も足りないということもあり、この実務経験のやっぱり変更が必要ではないかというようなことが今回の大きな私は法改正の一つのポイントだと思っていますが、この実務経験、当然一級建築士あるいは二級建築士としての社会的責任を果たすためには必要でありますから、これをなくすということはできませんけれども、この順番を変えていくということになれば、受験をして合格した後にいわゆる実務経験をするというケースも当然今回の法案の中に織り込まれておりますが、それと別にまた、試験を受ける前に若干の実務経験をしつつ、そして合格をして、残りのこの決められた実務経験をするという、合計した時間の中での実務経験というものが必要だということが織り込まれると思っていますが、そのような認識でよろしいでしょうか。
○衆議院議員(津村啓介君) 基本的にそのとおりでございます。 一言で申しますと、姉歯事件の後に、少し建築士の受験資格を厳格化しようということで平成十八年に法改正をしたわけですけれども、ちょっとそこで蛇口を絞り過ぎてしまったために、結果としてこの需給バランスが悪化してしまったと。ここで建築士になられる方が、大学の建築学科の卒業生の数は変わっていないにもかかわらず、その中で建築士になられる方の数が激減してしまっている。二十代で一%というお話も、先ほど増子先生からございました。 この需給バランスを改善して、建築業界の健全な発展と、また建築学科の学生さん側にも立って人生の選択肢を広げていこう、こうした考え方から、今回、免許取得までに、つまりは大学卒業の後、そこの試験の受験と実務経験と、その順番はどちらでもいいよという形で選択肢を広げることによって、しかしながら、必ず試験は受けるわけですから、別に基準を下げているわけではございませんけれども、この選択の幅を広げることによって、建築業界にとっても建築士にとってもより良い選択ができる、そういう環境を整えるものでございます。先生のおっしゃったとおりでございます。
○増子輝彦君 ありがとうございます。 最後にもう一点、学科試験合格の有効期限についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 今までは学科試験と製図試験の二種類の試験がございました。御案内のとおりであります。学科試験が受かれば、その年を含めて三度チャンスが、製図試験があると。それが駄目ならもう一度受け直してということになっていくわけですよね。 今回、この問題についても大変重要なポイントですので、ここの形をどういうふうに変えていくということ、すなわち、学科試験合格の有効期限の見直しという問題が、私は今後、今大きな課題となっている建築士の高齢化あるいは減少、そして受験者が少ないということについても大きな視点だと思っていますが、国土交通省としては、これらについての、いわゆる学科試験合格の有効期限の見直しということについては、今後どのような形でこの問題について対応していく考えなのかをお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。 今御指摘ございました、学科試験の免除期間という言い方をしておりますけれども、これにつきましては、建築設計関係の団体から、有効期限の見直しなど、その柔軟化を図ってほしいという要望が出ているところでございます。 これを踏まえまして、学科試験の合格者が現在よりもより柔軟に設計製図試験の受験ができることが可能になりますように、建築士試験の受験者をめぐる状況や、ほかの国家資格におきます制度がどうなっているか、そういう状況を踏まえながら、我々の方で検討させていただきたいと思っております。
○増子輝彦君 終わります。ありがとうございます。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 建築士試験の受験機会の拡大により、建築士人材の安定的な確保を図ろうとするものだと伺っております。 私も、関係する団体の皆さんからもお話を伺い、受験者数の急減、高齢化の実態をお聞きしました。受験者数そのものがこの十年で四割減少し、合格者も三割以上減少しているとのことでありました。試験も大変難しく、実務に就いてからではまとまった勉強時間を確保するのが難しい、そこで年間百万円など予備校にお金を払って対策をするんだと聞きました。 本法案で、受験の際には実務要件を必要とせず、大学などを卒業してすぐ、あるいは大学院在学中の受験を可能にするなど受験機会を増やし、若手に間口を広げようとするものだと認識しております。 そこで、改めて伺いますが、一級建築士は建築物の安全性を確保する上でどのような役割を担う存在なのか、一級建築士が不足するとどのような不都合が生じるのか、基本的な点ですが、御答弁いただけますでしょうか。
○衆議院議員(盛山正仁君) 委員がよく御案内のとおり、一級建築士は、複雑で高度な技術を要する全ての建築物について、その設計、工事が設計図書どおりに実施されているかを確認する工事監理などを行うことができる国家資格でございます。安全、安心で良質な建築物の設計、工事監理等を通じまして、我が国の建築物の質の向上、安全性の確保全般について大変重要な役割を担う存在であると認識しております。 ところが、先ほど増子委員の御質問の中にもありましたとおり、今、建築士事務所に所属をする一級建築士は、今年の四月の時点では、二十歳代はたったの一%、三十歳代は一一%となっております。それに対しまして六十歳以上は約四〇%となるなど高齢化が進んでおりますので、このままでありますと、将来の一級建築士の不足が明らかであると予見されているところでございます。 先ほど御説明したとおりでございますが、一級建築士が不足をした場合、一級建築士にのみ設計、工事監理が認められている大規模で複雑、高度な技術を要する建築物の供給が今後困難になるとともに、我が国の建築物の安全性の確保等が困難になることが危惧されているところでございます。
○山添拓君 大変重要な役割を担う職業だということで、能力と適性を備えた担い手を確保していくことが国民的な課題であろうと思います。本法案により若手の受験者が増えることを願いますし、同時に、発注者からの無理な注文による長時間労働や、あるいは仕事内容に見合った待遇の確保など、働く環境の改善が同時に不可欠だということも指摘をしたいと思います。 ところで、その建築士が職務を行う上で見過ごすことのできない重大な問題がこの間生じていると思います。KYBや川金ホールディングスによる免震・制振オイルダンパーの検査データの改ざん事案であります。大臣認定に適合していない、あるいは顧客との契約で約束した基準に適合していない免震・制振ダンパー、免震では八百八十五件、制振では七十九件、合計九百六十四件が確認されていると伺っております。 ただ、これは今回初めてではなくて、免震材料という意味では二〇一五年の東洋ゴムの免震ゴム不正がありました。この際は、不正な申請書を提出し、建築基準法に基づく性能評価、大臣認定を受けた大臣認定の不正取得、あるいは、大臣認定の内容に適合しない製品であるにもかかわらず、性能値を改ざんして製造、出荷したという事案でありました。 建築基準法三十七条で、建築物の基礎、主要構造部その他安全上、防火上又は衛生上重要な部分に使用する建築材料は、JIS等の規格又は国交大臣の認定を受けたものでなければならないとされております。免震材料にはJISの規格がありませんので、全て大臣認定を受けることになっています。その大臣認定での不正です。 国交省は、東洋ゴムの不正事案の後、免震材料に関する第三者委員会を設置し、この委員会は二〇一五年七月二十九日付けで報告書を発表しました。その二十一ページには、不正事案の発生原因の一つとして、大臣認定後のフォローが不十分であったと、あるいは二十三ページでは、再発防止策として大臣認定制度の見直しの方向性を論じています。この検討対象の中には、特に免震材料は、安全性に直結し、かつ、検証を行うためには特別な試験装置を要するなど市場では検証がなされない典型的な製品であるため、重点的に再発防止策を講ずべきであると、こうされていたわけです。 今回の免震ダンパーも、大臣認定を受ける必要のある免震材料でありました。ところが、今年九月までデータが改ざんされた製品が出荷され続けたわけです。 大臣に伺いたいのですが、これ、なぜ見抜けなかったのか、御答弁をお願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省におきましては、平成二十七年三月の免震ゴムに係る不適切事案を踏まえまして、平成二十八年より、免震材料の大臣認定の取得段階におきまして製造部門から独立をした品質管理推進責任者が選任されていることなど、品質管理に関する基準の適合を求めるとともに、事業者が大臣認定取得後に市場に出荷する製品については、平成二十七年以降、免震ダンパーについてもサンプル調査を実施をしてまいりました。 しかしながら、今回の事案に係る大臣認定は全て平成二十七年以前に取得をされており、また、サンプル調査も東洋ゴム事案を踏まえまして免震ゴム等を中心に行ってきたため、今回の事案が発覚したKYB等につきましては未実施でありました。 今回の事案を防止できなかったことは極めて遺憾でありまして、二度とこうした事態が生じないよう再発防止を図ってまいりたいと考えております。
○山添拓君 ゴムだけでなく免震材料全般について重点的な再発防止策を求められていたにもかかわらず、今回の事態を引き起こしたというのは、やっぱり第三者委員会の報告書をどう受け止めていたのかということが問われる事態ではないかと思います。 そもそも、大臣認定制度というのは、特殊な建築材料や製造方法について評価員による性能評価とその認定から成るものです。提出された試験データやマニュアルが基準をクリアしていれば、その後に製造される個体も全て基準をクリアしている、こうみなす仕組みであります。今御指摘のあった品質管理推進責任者が社内規格に照らして監督しますけれども、あくまでも企業任せだと。製品の出荷後に不正が発覚をすれば、東洋ゴムであれ今回の免震ダンパーであれ立入検査を行うわけですが、不正を事前に防ぐ手段がないと言って差し支えないと思います。 大臣認定というお墨付きを与える以上は、ユーザーとしては国交省の太鼓判が押されたものと考えるのが普通であります。しかし、実際には、公的な、あるいは第三者の目は全く入っていない個体、製品が出荷される。完成検査を製造会社に任せるという仕組みそのものの抱える問題であり、これは改めるべきではないかと考えます。 少なくとも第三者が事前にチェックするような仕組みをつくる、その検討を進めるべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省におきましては、事業者に対しまして、事案発覚後直ちに所有者と関係者への丁寧な説明、徹底した原因究明及び再発防止策の報告等を指示するとともに、交換用の製品など出荷するダンパーの全てについて第三者による立会いの下で出荷時検査を実施をさせております。この措置を永続的に実施することは困難が伴うことから、実施の継続性なども考慮した再発防止策を検討する必要があると考えております。 国土交通省におきましては、専門的見地から国土交通省に対して再発防止策等について提言を行っていただくことを目的といたしまして、外部有識者委員会を設置したところであります。事業者が設置をした外部調査委員会等による原因究明の取りまとめ状況、大臣認定を取得した免震材料製造事業者の品質管理体制に関する実態調査の状況なども踏まえつつ検討を進め、年度内をめどに報告を取りまとめていただく予定であります。 国土交通省といたしましては、引き続き所有者等の安心の確保に向けて各社を指導するとともに、外部有識者委員会よりいただいた提言を踏まえまして、再発防止に向け必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
○山添拓君 もう時間ですのでまとめますけれども、大地震が頻発をしております。建築物の安全性を確保する検査体制の抜本的な改善が必要であり、それが建築士がその職務を全うできる前提でもあるということを指摘して、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 建築士法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) 次に、貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 提出者衆議院国土交通委員長谷公一君から趣旨説明を聴取いたします。谷衆議院国土交通委員長。
○衆議院議員(谷公一君) ただいま議題となりました、三つ目の議題でもございますが、貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 我が国の国民生活及び経済活動を支えるトラック運送事業においては、一部に長時間労働を前提に事業を行う等法令を遵守しない事業者が存在し、事業の健全な発達を図るための規制の適正化が求められています。 一方、トラック運転の業務について、平成三十六年度から時間外労働の限度時間の設定がされること等を踏まえ、運転者の不足により重要な社会インフラである物流が滞ってしまうことのないように、緊急に運転者の労働条件を改善する必要があります。 本案は、このような現状に鑑み、貨物自動車運送事業の健全な発達及び事業用自動車の運転者の労働条件の改善を図るほか、運転者の不足により国民生活及び経済活動の重要な基盤である円滑な貨物流通に支障が生ずることのないよう必要な措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、一般貨物自動車運送事業等の許可の欠格事由を拡充するとともに、事業の許可基準においては事業計画が事業用自動車の安全性を確保するため適切なものであること、約款の認可基準においては原則として運送の役務の対価としての運賃と、それ以外のサービス等に係る料金とを区別して収受することを明記するなど、規制の適正化を図ることとしております。 第二に、貨物自動車運送事業者等の輸送の安全に係る遵守義務を明記するとともに、事業の適確な遂行に関する遵守義務規定を新設することにより、事業者が遵守すべき事項を明確化することとしております。 第三に、貨物自動車運送事業者が法令を遵守して事業を遂行できるよう荷主の配慮義務を新設するほか、既存の荷主勧告制度について対象を拡大する等の制度の強化を図ることとしております。 第四に、時間外労働の限度時間が平成三十六年度から設定されるため、平成三十六年三月三十一日までの間、貨物自動車運送事業者の法令違反の原因となるおそれのある行為をしている疑いのある荷主に対し、国土交通大臣は、関係行政機関と連携して、荷主の理解を得るための働きかけを行うことができ、さらに、荷主への疑いに相当の理由がある場合は、違反原因行為を行わないよう要請し、要請をしてもなお改善されない場合は、公表を前提とした勧告を行うことができる制度を新設することとしております。 また、同日までの間、国土交通大臣は運輸審議会に諮り、一般貨物自動車運送事業の能率的な経営の下における適正な原価及び適正な利潤を基準とした標準的な運賃を定めることができることとしております。 以上が、本案の提案の趣旨及び主な内容であります。 何とぞ、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(羽田雄一郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○増子輝彦君 国民民主党・新緑風会の増子輝彦でございます。 三本目の委員長提案、大変異例のことでございまして、また、この法案をまとめていただいたことに改めて委員長を始め各党各会派の皆さんに御礼を申し上げると同時に、この委員会で三本目の審議をしていただく羽田委員長を始め関係委員の皆さんに私からも御礼を申し上げたいと思います。 ただいま委員長の方からの提案する理由がございました。改めてトラック業界の現状、今私なりに考えてみますと、労働時間については全職業平均より約二割長い、あわせて年間賃金の、全産業平均より約一割から二割安い、人手不足も全職業平均より約一・八七倍、この人手不足が率が高いということ、年齢構成も全産業平均より若年層の割合が低くて高齢者の割合が高いというような、この業界の現状があるわけであります。 いろいろな改正によって、特に平成二年以降の貨物自動車運送事業の規制緩和により新規加入者が大量に入ってまいりまして、ピーク時は、平成十九年には約六万三千社を数えたという現状の中で、大変厳しい競争原理の中で、また物流を担う、国民生活を担う業界としてその役割、責任を果たさなければならないという、この大きな役割も持ってきたわけであります。 今回、この改正を何としてでもという思いは、私ども、そういう中で、今委員長からの趣旨説明がございましたとおり、経済活動や国民生活を支えるトラック運送業のやはり健全な発展を図るために、私たちは、規制の適正化を図るほか、その業務について、平成三十六年度からの時間外労働のまさに限度時間が設定される働き方改革法施行等を考えたときに、その担い手である運転者の私は不足により重要な社会インフラである物流が滞ってしまってはならないと、そんな視点から今回のこの目的を持って法の改正ということが実は出てまいったことはもう御案内のとおりであります。 こういう視点の中から、私たちはしっかりと、この日本の国民生活、物流を支える業界、そしてそこに働く方々の立場をしっかりと考えていくということを国会という立場からもしっかりと支えながら、変えるべきものは変えていく、守るべきものは守っていく、そういう観点からこの法案の今提案を、委員長提案という形でさせていただいているわけであります。そういう点から考えても、またこの点についても幾つかの点について確認をさせていただきたいと思っています。 津村議員にお伺いをいたしたいと思いますが、今回のこの改正により、まさに大事な、規制の適正化によって悪質な事業者を排除するというこの大きな目的もあるわけですが、このことによって、どのようなこの効果といいますか、適正化が図られるのか、そこについてのお考え方をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(津村啓介君) お答えいたします。 委員各位御案内のとおり、二〇〇〇年代初頭、今から約十五年ほど前ですけれども、我が国では、運輸関連業界に関連しまして、いわゆる新自由主義的な規制緩和が様々な形で行われたと思います。タクシー業界、あるいは乗合バス、貸切りバス、このトラックも例外ではございません。 タクシーにおきましては、皆さんも御経験があると思いますが、カーナビ頼りの運転手さん、私びっくりしたんですけれども、国会議事堂の前でタクシーを拾って、東京駅が分からないと言われたことがあって大変愕然としたんですけれども、大変過当競争が見られていると思います。軽井沢のバス事故、あれも貸切りバスの業界の問題と思いますし、また、中国地方では昨年、いわゆる新規参入の業者によるクリームスキミング、地域公共交通の問題ですが、赤字バス路線の廃止問題というのが大変クローズアップをされました。こうした過当競争がトラック業界においても見られている、そのことによって安全、そして良質な業者の方々の経営環境が脅かされている、そのことに対する私たち超党派の議員としての取組がこの法律案でございます。 今日も大勢の関係者の方々がお見えでございますけれども、大変現場では御苦労がある中で、先ほどお話がありましたように、近年、六万数千の事業者があるという中で、社会保険料を負担せず、不当に安い原価を基に運賃を値下げする、あるいは、法令違反を理由に取消処分が行われそうになった途端、処分逃れのために自主廃業して、新たに別の形で会社を立ち上げて処分逃れをする、こうした悪質な事業者によって競争がゆがめられている状況があるという認識をしております。 今回、私たちは、健全な、真面目なトラック事業者の方々を守る必要があるという立場から、一年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられた者、一般貨物自動車運送事業又は特定貨物事業者運送事業の許可の取消しを受けた者について、一般貨物自動車運送事業及び特定貨物運送事業の許可を受けることができない期間、これを二年から五年に延長することとしております。 さらに、許可の欠格事由を拡充いたしまして、例えば、許可を受けようとする者の親会社や子会社等の密接な関係を有する者が許可の取消しを受けた場合や、聴聞の通知を受けた後、処分逃れのために処分を受ける前に廃業した者やその役員であった者等につきましても五年間許可を受けることができないという形にいたしまして、欠格事由を拡充するということであります。 こうした取組によりまして、悪質な事業者について、自主廃業した会社の役員が別の会社を立ち上げた場合も含めて排除することができるようにするというのがこの法律の趣旨でございます。 これで取組は終わらないと思っています。これからも悪質な事業者から健全なトラック事業者の方々を守るために、国土交通省さんにも不断の取組をしていただきたいと思いますし、私たち超党派議員も努力を続けていきたいと思います。 以上です。
○増子輝彦君 ありがとうございます。 今、津村委員からの答弁をしっかりと私たちも遵守をしていくような環境を更につくり上げていきたいと思っています。 次に、先ほど申し上げましたとおり、トラック事業者の皆さんの努力というものは当然必要でありますが、それだけではなかなか働き方改革、法令遵守を進めるということは極めて困難だということも御案内のとおりであります。よって、荷主の理解や協力も極めて重要な視点であるわけでありますから、これもまた大事な、私たちは荷主にもいろんな形で要請もしていかなければならないと思っています。 働き方改革の中で、運転者の皆さんの働き方はどのような形でこの法改正によって改善されていくのか、津村議員に答弁をお願いしたいと思います。
○衆議院議員(津村啓介君) まず、本改正におきましては、事業の許可の欠格期間の延長、欠格事由の追加を行って悪質な事業者を排除する、先ほど申し上げたとおりでございます。 さらに、トラック運送事業者の皆さんに、社会保険料の納付など事業の適正な運営に関する事項について、省令で定める基準を遵守しなければならないことといたしまして、社会保険の未納問題にも対処をするということであります。 また、働き方改革関連法の施行によって、平成三十六年度から自動車運転者の時間外労働に罰則付きの上限規制が掛かるところでございますが、それまでに運転者の労働条件を改善するため、平成三十五年度までの時限措置として、事業の能率的な経営の下における適正な原価及び適正な利潤を基準とする標準的な運賃の告示制度を設ける、ここが一つのポイントかと思います。 さらに、委員おっしゃいましたように、荷主の皆様の理解、協力が大変重要、ここも大きなポイントであります。荷主に関しましても、貨物自動車運送事業者が法令を遵守して事業を遂行することができるよう必要な配慮をしなければならないとする責務規定の新設、国交大臣が荷主への勧告をしたときはその旨を公表することの明記、違反原因行為をしている疑いがある荷主への対処に関する規定の新設等の改正を行うこととしております。 こうした措置によりまして、事業者が安全面、労務面等も含めて法令を遵守して事業を実施していくこととなること、そして、取引環境の適正化等が進むことによりまして、法令を遵守しつつ持続的に事業を実施するために必要となるコストを賄い得る環境が整っていくこと、こうしたことを通じまして、トラックドライバーの長時間労働、低賃金の状況につきましても改善が図られていくことになるものと期待しております。 以上です。
○増子輝彦君 ありがとうございます。 最後に、トラック業者の皆さんは荷主に対して大変取引上弱い立場であるということは、もう御案内のとおりであります。荷主への交渉力、これ、今申し上げたような状況の中であれば、必要に見合ったコストをしっかりと受け取るということを我々は支援をしていくということは極めて重要だと思っています。結果として、法令遵守をしながらの持続的な運営もしていくということも大事な実は要素になってくるわけであります。 そこで、今回の法改正の中の重要な視点であります、ポイントであります、標準的な運賃の告示制度の導入ということは極めて大きなものになってくると思います。奥田自動車局長、この件について、国土交通省として、どのような形でしっかりとこのことについて対応して、今後とも導入を図っていくのかということも含めて、御答弁をいただきたいと思います。
○委員長(羽田雄一郎君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(奥田哲也君) はい、分かりました。 それでは、今回の改正におきましては、さきの国会で成立をいたしました働き方改革関連法案に基づいて、平成三十六年度から時間外労働の限度時間が設定されることを踏まえまして、トラック運送業がその機能を持続的に維持していくに当たっては、法令を遵守して運営を行っていく際の参考となる運賃を示すことが効果的であるという趣旨によりまして、今回のこの規定が設けられるというふうに理解をいたしておりますので、その標準的な運賃の具体的な設定の方法等につきましては今後検討をさせていただきたいと思いますが、条文の趣旨、すなわち、労働者の労働条件の改善、健全な事業の健全な運営の確保、貨物流通の機能の向上を図るというところで、それに向けた能率的な経営の下における適正な原価及び適正な利潤を基準として標準運賃を定めるということになってございますので、その趣旨を踏まえて適切に対応させていただきたいというふうに思っております。
○増子輝彦君 ありがとうございます。終わります。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 本法案には、荷主対策の強化や標準的な運賃の告示制度が盛り込まれております。トラック運転者の深刻な長時間労働、深夜勤務、あるいは低過ぎる単価設定の契約が荷主の関与の下で行われていることは、私も当委員会で指摘してきたことであります。規制の強化には賛同するものです。 資料をお配りしております。委員の皆さんは御承知のとおりのことかと思いますが、道路貨物運送業における二〇一七年度の脳・心臓疾患の労災認定件数は八十五件、うち死亡が三十七件で、業種別の中で認定件数としては飛び抜けて多くなっています。 総務省の就業構造基本調査によれば、週の労働時間が六十時間以上の雇用者割合は、全体の平均が一一・八%であるのに対し、自動車運転従事者は三七・三%、過労死が多い背景にはトラック運転者の長時間労働があります。 ところが、通常国会で安倍政権が成立させたいわゆる働き方改革関連法では、自動車運送業については残業時間の上限規制の適用を五年先送りとしました。しかも、年九百六十時間まで時間外労働を認めるものとなっています。 厚生労働省に確認しますが、これは年九百六十時間の規制だけで、一か月当たりの上限規制というものはないと、したがって、三六協定の中で例えば月百五十時間、こう定めることも可能なものとなっていると、こういうことでよろしいでしょうか。
○政府参考人(松本貴久君) お答えいたします。 働き方改革関連法において、自動車運転の業務については、平成三十六年四月一日以降、年九百六十時間という時間外労働の上限規制が適用されることとなります。 時間外労働の上限規制の一般則においては、委員今御指摘のように、特別条項を締結する際に、時間外・休日労働を一か月について百時間未満とすることや、時間外労働が月四十五時間以上となる月数は六か月以内に限ることといった規定がございますけれども、自動車の運転の業務についてはこれらの規定について適用されないこととなっております。
○山添拓君 罰則もないんですね。 年間九百六十時間というのは、一年を通じて月八十時間の時間外労働が合法だということであります。ですから、五年たっても、私から見れば青天井そのもの、これが適用されれば過労死がなくなるという保証はどこにもないわけです。もちろん物流の確保ということが非常に大事ですけれども、過労死を強いるような事態が許されないこともまた同じく強調しなければならないことだと思います。 本法案の国土交通大臣による荷主への働きかけの規定や標準運賃の告示制度については、この上限規制の施行時期に合わせる形で、二〇二三年度、平成三十五年度までの時限措置とされています。 荷主への働きかけの規定は、トラック事業者が法律や命令に違反する原因となるおそれのある行為を荷主がしている疑いがある場合、荷主に改善を要求したり、勧告、公表したりするというものでありますが、附則第一条の二第一項で定める違反原因行為、御説明の資料の中ではトラック事業者の違反原因となるおそれのある行為、これは具体的にはどのような行為が考えられるでしょうか、発議者の方にお願いします。
○衆議院議員(盛山正仁君) 今、山添委員が御指摘されました点でございますけれども、今般の改正によって新設される附則第一条の二の第一項におきましては、貨物自動車運送事業者がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反する原因となるおそれのある行為を違反原因行為と定義しているところであります。 同条におきまして、この違反原因行為を荷主がしている疑いがある場合には、国土交通大臣がまず関係行政機関の長に当該荷主の情報を共有するとともに、そして、関係行政機関の長と協力して、当該荷主の理解を得るための働きかけや、さらに、疑いが強まった場合における要請、勧告、公表することができるとした上で、独占禁止法違反の疑いがある場合には公正取引委員会に通知するものとするということとしております。 この違反原因行為に該当し得る荷主の行為としては、例えば、過労運転防止義務違反を招くおそれがある行為として、荷主の荷さばき場において荷主都合による長時間の荷待ち時間を恒常的に発生させているような行為、過積載運行を招くおそれがある行為として、積込み直前に貨物量を増やすように指示するような行為、最高速度違反を招くおそれがある行為として、適切な運行では間に合わない到着時刻が指定されるような行為といったものがあると我々考えているところでございます。
○山添拓君 ありがとうございます。具体的に御紹介いただきました。 そうした事例は、これ、上限規制が適用された後でも十分発生し得るだろうと私は思います。 もう一方の附則第一条の三に定める標準的な運賃の告示制度、これを導入する趣旨は何でしょうか。
○衆議院議員(津村啓介君) 先ほどからるる御議論ございますけれども、背景にはこの業界の構造的な問題がこれはあるんだというふうに思います。 トラック運送業界は、先ほど六万数千社というお話がありましたが、中小事業者が大半でありますが、他方で、荷主さんも様々な荷主さんいらっしゃるとは思うんですが、比較的この企業規模が大きいケースも多く見られるわけで、どうしても価格交渉においてトラック業界の皆さんが要求をのまなきゃいけないといいますか、値下げ圧力にさらされているという業界の構造があるかと思います。 そうした意味におきまして、適正な原価、そして適正な利潤、こうしたものを基準とする標準的な運賃の告示制度を導入すれば、これが標準なんだということがその価格交渉の中で示せるわけですから、荷主さんからの不当な値下げ圧力を回避するための一つの助けになるかと思っております。
○山添拓君 荷主や元請による優越的地位の濫用など不公正取引が発生すると。そして、こうした事例もまた上限規制が導入されれば皆無になるというわけでもないだろうと私は思っております。 もちろん、上限規制のない五年後までの間にも対策が必要であり、今御紹介いただいた規制がトラック運転者の労働条件の改善のために有効に機能し得ることもまた確かだろうと思います。しかし、上限規制が施行されれば、それ以後は、荷主による買いたたき、不当に廉価な賃金単価の設定、無理な納期設定、これらを原因とする過積載や長時間運転あるいはスピード違反、こうした事実上の強要がなくなる、その保証もないだろうと思います。 本法案では、二つの規制を二〇二三年度、平成三十五年度までの時限措置としておりますが、その効果を検証しつつ、二〇二四年度以降もその必要性を検討することが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○衆議院議員(盛山正仁君) 先ほど来委員からもお話が出ておりますとおり、働き方改革関連法、これの期限、そして、それに向けて今回のこの法案を我々提案しているところでございます。 そこのところを是非御理解賜りたいと思うわけでございますけれども、この荷主による違反原因行為への対処及び標準的な運賃の制度は、この貨物自動車運送事業についての、働き方改革関連法の施行までに緊急にトラックドライバーの労働条件を改善する必要があるということで、同法の施行日前日であります平成三十六年三月三十一日までの時限措置として私たち提案をしているわけでございます。まずは、この期日までの間に、今般の法改正の趣旨を踏まえた運用がしっかりなされ、トラックドライバーの労働条件の改善が図られるものと期待をしているところでございます。 しかしながら、委員御指摘のとおり、本法案の効果を、どの時点でというのは今後いろいろ検討しなければならないと思いますけれども、貨物自動車運送事業者と荷主との取引関係の実態、あるいはトラックドライバーの労働条件の改善の状況など、こういった諸事情を踏まえまして、働き方改革法が施行された平成三十六年度以降、更なる措置の必要性があれば、そこについてまた検討することもあり得るものというふうに考えておりますが、まずは、現時点では平成三十五年度中に達成を目指したいというものでございます。
○山添拓君 状況を踏まえ検討していくということも御指摘いただきました。 本法案の成立、トラック協会を始め事業者と労働組合の双方が求めております。労働組合などからは、改善基準告示の法制化、罰則による実効性の確保、基準の強化についても繰り返し要求をされているところです。国会での審議も含めてこれらを直ちに行っていくべきことを指摘をし、また、この法案の実効性が担保されていくことを期待もして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。自由党とそして社民党を代表して質問に立たせていただきました。 トラック運送は、ドア・ツー・ドアの利便性と、時間を問わないフレキシブルなサービスを得意といたしております。経済活動また国民生活には欠かせない国内物流の基幹的な輸送機関として重要な役割を担っていただいております。 いわゆる物流二法が施行されました一九九〇年を境にいたしまして新規参入が容易になり、事業者数が激増したことにより企業間競争が激化をいたしました。適度な競争は必要だと考えますが、過度になりますと、そのしわ寄せは必ず安全性の軽視とそして運転手の方々の労働環境の悪化に向かいます。そのため、残念ながら、若者にとっても魅力の少ない業種と今なっております。 そこで、以下、まとめて質問させていただきます。 今回の改正におきまして、過度な企業間競争が抑制され、適度な競争が確保されるのかどうか。そして、しわ寄せを受けやすいトラック運転手の方々の健康の維持と、そして給与等の処遇の改善に向かうのかどうか。この点が一番大事だと思うんですが、働き方改革の実施によりましてそれまでの行き過ぎの長時間労働が改善されることは結構なことなんですけれども、そのため、それまで稼いでいた賃金が減少してしまうという可能性もございます。それでは改善にはならないというふうに思うんですが、そうした事態にはどのように対応されるのか。また、強い立場にあります荷主の無理強いが抑制されるのかどうか。そして、最終的には消費者であります国民の理解が必要だと思います。国民の理解を得る努力、どのように行われるのか。 以上の点をまとめてお聞かせいただきたいと思います。
○衆議院議員(盛山正仁君) 委員から御指摘がございましたとおり、平成二年の貨物自動車運送事業法の制定、あるいは、その後、平成十四年に法改正をしているわけでございますけれども、一定の規制緩和が行われ、トラック運送事業への新規参入が容易になるとともに営業の自由度も高まり、市場の活性化という観点から一定のメリットがあったというふうに考えております。 しかしながら、先ほど来お話がありました当時、規制緩和の前、四万社程度であった事業者が六万社程度に増加をする、明らかにトラック事業者間における競争が激しくなったということも事実でございます。その結果、例えば社会保険に加入せずに事業を運営する事業者もいるなど、一部においては不健全な競争が生じている状況にあると承知しております。 今回のこの御提案でございますけれども、これによりまして、規制の適正化、事業者が遵守すべき事項の明確化等の措置により、法令を遵守できる環境を整えていくことで事業の健全な運営が図られ、ドライバーの労働条件の改善が図られるとともに、こうした不健全な競争が生じている状況の改善につながるものと私たち期待しているところでございます。 それから、トラックのドライバーの、運転手の健康の維持、給与でございますけれども、先ほど来御指摘がありましたとおり、トラックドライバーにつきましては他の産業に比べて長時間労働、低賃金の状況にあります。トラック運送業の担い手でありますドライバーを確保、育成していくためにはこうした状況を改善していく必要がある、だからこそ今回の法案を提出しているわけでございますが、そのために、トラック運送業の健全な発達、トラックドライバーの労働条件の改善を図るために、規制の適正化、事業者が遵守すべき事項の明確化、そして荷主対策の深度化、さらには標準的な運賃の告示制度の導入という措置を御提案しているところでございます。 特に、この今回の法案のポイントでございます荷主対策の深度化につきましては、先ほど来お話が出ておりますけれども、平成三十五年度末までの時限措置としまして、国土交通大臣による荷主への働きかけなどの規定を新設するということを盛り込んでおります。 この働きかけ等につきましては、国交大臣のみで対応するものではありません。国土交通大臣が労働政策や荷主を所管する関係行政機関の長の協力を得ながら行うこととしているところが今回の法案のポイントでございまして、関係省庁が連携協力して取り組んでいくことになると考えております。 これらの措置を実行することによりまして、事業者が安全面、労務面も含めて法令を遵守して事業を実施していくことになること、さらには、取引環境の適正化が進むことによりまして、法令を遵守しつつ持続的に事業を実施するために必要となるコストを賄い得る環境が整っていくこと、こういったことを通しまして、結果的にトラックドライバーの長時間労働、低賃金の状況について改善が図られるものと考えております。 また、トラックドライバーの賃金でございますけれども、今申しましたとおりでございまして、この状況の改善、トラック事業者の状況の改善、こういうことも含めまして、事業者が安全面、労務面も含めて法令を遵守して事業を実施していくこと、そして、取引環境の適正化が進むことによりまして、法令を遵守しつつ持続的に事業を実施するために必要となるコストを賄い得る環境が整うこと、これらを通じることによりまして、ドライバーの長時間労働、低賃金の状況について改善が図られると考えております。 荷主の無理強いでございますけれども、先ほど来申し上げました荷主対策の深度化というところで、荷主の配慮義務を設けました。そして、荷主勧告を行った場合には当該荷主の公表、これも明記しております。さらには、平成三十五年度末までの時限措置、先ほど述べたような措置、こういった措置を講じておりますので、これらによりまして荷主の理解、協力が得られる環境が整っていくと考えております。 最後に、国民の理解ということでございます。 消費者である国民の方々に対しましては、小売店などでの商品の購入など一般消費財の最終ユーザーとしてのお立場、あるいは宅配便などにおける配送サービスの利用者としてのお立場、いろんな様々なお立場があり、物流やトラックに対する重要な関係者となっておられます。 このため、トラック運送業の働き方改革を進める上では、トラック運送業が我が国の経済活動、国民生活を支える重要な社会インフラであるということ、物流がなければ我々の生活は成り立たないということ、そして、法令を遵守しつつ必要な人材をきちんと確保して持続的にその機能を発揮していく上で一定のコストが必要となること、さらには、物流の特性でございます運ぶ前のリードタイムでありますとか平準化、ピークをならすといったようなこと、こういったことがその運送の効率性の向上に大変大事であること、こういったことについて国民の皆様に理解と協力を得ていく必要がある、これが大事なことだと思っておりますので、現在、ホワイト物流推進運動ということを国土交通省が進めております。ブラックに対してのホワイト物流ということでございますが、このホワイト物流推進運動におきまして、関係省庁、物流事業者、経済団体等の幅広い関係者が連携して、消費者でございます国民の皆さんも対象とした周知広報活動に積極的に取り組んでいただくことによって御理解が得られるものと期待しているところでございます。 以上です。
○青木愛君 御答弁、本当にありがとうございます。 国民生活にとってトラック運送というのは大変重要な役割を果たしていただいているということを国民に理解をしていただくことが重要だというふうな御答弁をいただいたと思っております。 とにもかくにも、現場で働くトラック運送、トラック運転手の方々の健康の維持と安全の確保、そして賃金等処遇の改善、また労働環境の改善に向けて大きく前進をしますことを期待をしておりますし、また、私たちもしっかりと協力をし、今後とも支援をさせていただきますことを申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官高田陽介君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽田雄一郎君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野田国義君 立憲・民友会の野田国義でございます。 今、すばらしい議員立法が三本可決をされたということでございまして、今後とも、しっかりこの委員会でこの国土交通所管の問題について論議をしていかなくてはいけないと改めて思ったところでございます。 それで、私の方は、入管法、これまでもいろいろと質問もしてまいりましたけれども、皆さんも御承知かと思いますけれども、今度、国土交通省が建設業の監視機関創設をする、施行と合わせるような形でですね、これが昨日からニュースとして流れているようでございます。私、これまでも質問してきましたように、今回の入管法、本当にすかすかの法案であり生煮えの法案であるということが、恐らく議員の皆さんあるいは多くの国民の皆さんにも分かってきたんではなかろうかなと、そのように思っているところでございます。 それで、この監視機関ですね、やっぱりこれまで指摘いたしましたように、この建設業でいろいろな時間外や休日手当の未払とかあるいは家賃や食料費の過徴収といった事例が頻発をし、また、低賃金、長時間労働とか、そういう問題が顕著になったので、この監視機関ですか、を創設をされるというようなことになったのかなと私自身は思っているところでございますけれども、このことについてお聞きをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(野村正史君) お答えいたします。 建設業におきましては、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催などに伴う一時的な建設需要の増大に対応するための時限的措置として、平成二十七年より技能実習修了者を即戦力として受け入れる外国人建設就労者受入事業を実施しているところでございます。 当該事業におきまして、国土交通省では、受入れ企業が作成する外国人の報酬予定額などを明記した計画の審査、認定を行うとともに、委託された事業者による当該計画が適正に履行されていることを継続的に確認するための巡回指導などを実施しております。 平成二十九年度、昨年度は、この委員会でも御議論がございましたけれども、巡回指導を行った企業の約四割に当たるものに対して賃金の支払に関して改善指導を行ったところでございます。 こうした指導状況や、建設業者の多くがそもそも中小規模の事業者であり、必ずしも労働関係法令等への理解が十分ではないという実態などを踏まえまして、建設業において新たな在留資格、今回の特定技能でございますけれども、これを適用する場合も、現行制度の枠組みを踏まえながら、外国人の適正な就労環境を確保する方策について現在鋭意検討を進めているところでございます。 以上です。
○野田国義君 この法律、入管法ですね、皆さんも御承知のとおり、後で何か政令とか省令とかで決めていくというようなことになっておりまして、本当にこういうことでいいのかということを私は思っているところでございます。 それで、この監視機関創設についても、後追いみたいな形で制度創設をされるというようなことでございますけれども、本当にこれ、つくるからには中身のある、そういった外国人労働者を人として、単なる労働力としてではなくて人として日本が受け入れると、そういうような形のものにしていかなくちゃいけないと思いますので、充実したものに是非ともしていただきたいということを要望をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それから、二点目でございますけれども、びっくりいたしましたが、JR北海道千歳線ですか、信号機の倒壊がございました。当時の、私、ここに写真を持っているところでございますけれども、本当に無残と申しますか、それで、その後の事故調査の進捗状況を聞きたいと思います。今回のような事象はほかに例があるのか、また、この事故を受けてJR各社に対して再発防止などの対策は取ったのかということでお聞きをさせていただきたいと思います。 それから、ちょっと三番目も関連するようでございますので、一緒に質問させていただきたいと思います。 いわゆる老朽化した鉄道施設の大規模改修等に対する支援ということでございますけれども、御案内のとおり、多くの鉄道構造物は老朽化が著しく、トンネルや橋梁など建設からの年数が平均で耐用年数を超えるといった状況がございます。とりわけJRにおきましては、国鉄時代に整備された施設が多いことから、大規模改修等の必要性は極めて高いと考えられます。 これらの投資は安全確保の根幹を成すものである一方、相当に経営の負担を伴うことから、国からの支援が必要と考えられますが、現状の支援策の状況と併せて更なる支援策への御所見を聞きたいと思います。 これは二〇一三年の四月の資料でございますが、橋梁が五十六年ですか、平均で、そしてトンネルが平均築年数が六十二年というようなことでございます。 それで、私の地元の方の、一昨年ですか、北部九州豪雨でも久大線が鉄橋が流されるというような大きなことが起こったということでございますけれども、この二点、一緒に答えていただければ有り難いと思います。
○政府参考人(篠部武嗣君) まず、運輸安全委員会による事故等調査の状況についてお答え申し上げます。 本年十一月九日十二時四十分頃、JR北海道千歳線の新札幌駅構内におきまして、下り線の出発信号機が線路内に倒壊しまして、上り線の列車が約十五メートル手前に停止したというインシデントが発生いたしました。 運輸安全委員会では、本事案を重大インシデントと認定いたしまして、発生の翌日、十一月の十日、鉄道事故調査官二名を現地に派遣して調査を開始したところでございます。 また、倒壊した信号機の台座を固定しておりましたボルト等の調査によりまして、ボルトが八本ともコンクリート躯体の穴に固定されているアンカーごと抜け、アンカーを穴の中で広げて固定する際に使用するコーンという部品が穴の中に残存してしまっており、アンカーが広がっていない状況が確認されましたことから、十一月十四日に国土交通省鉄道局に情報提供を行っております。 運輸安全委員会では、倒壊した信号機の土台の状況調査、列車の運転士、保守担当者等からの聞き取り調査等を実施したところでありまして、現在、入手した情報の分析、解析等必要な調査を進めております。引き続き、同種の事案の再発防止のため、原因究明を早急に行うよう、最大限の努力をしてまいります。 次に、今回のような事案はほかに例があるのかというお尋ねについてでございますが、今回のような信号機が倒壊して線路を塞いだ事案については、これまで運輸安全委員会において調査を行った事例はございません。 以上です。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。 今回の事案を受けまして、国土交通省といたしましては、全国の鉄道事業者に対し、十一月十四日に運輸安全委員会から提供のありました情報を周知するとともに、翌十一月十五日に、倒壊した信号機と同様の施工方法により固定されている設備の実態調査と点検を年内に実施し、その結果を報告するよう指示したところでございます。引き続き、運輸安全委員会での調査結果等を踏まえまして、同様の事象が発生しないよう、再発防止の徹底に努めてまいりたいと考えております。 次に、老朽化の関係でございます。 トンネルや橋梁等の土木構造物につきましては、経年とともに劣化が進むことから、予防保全の観点から、鉄道事業者において適切に維持管理、更新を行う必要があると考えており、鉄道事業者は鉄道施設の老朽化対策に計画的に取り組んでいるところでございます。 国土交通省としては、鉄道事業者に対しまして、構造物の定期検査の実施や記録の保存を義務付けるとともに、経営の厳しい地方の鉄道事業者に対して、将来的な維持管理費を低減し、長寿命化に資する鉄道施設の補強、改良に対する補助制度を設けて支援を行っているところでございます。 また、地域に深刻な影響を与える大きな災害が続いていることから、重要インフラの緊急点検を実施し、その結果及び対応方策が先月二十七日に取りまとめられたところでございます。その中で、鉄道につきましては、河川橋梁の流失・傾斜対策、斜面からの土砂流入防止対策、地下駅電源設備等の浸水対策、地震による落橋、桁ずれ、高架橋等の倒壊・損傷対策を対応方策として取りまとめたところでございます。これを踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を年内に取りまとめ、三年間集中して実施していくこととしております。 いずれにいたしましても、鉄道施設の老朽化や防災・減災対策は、自然災害が頻発化、激甚化する中で今後とも重要な課題であると認識しております。国土交通省としては、鉄道事業者による施設の維持管理、防災・減災対策が適切に行われるよう、必要な予算の確保などに努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○野田国義君 鉄道施設の本当に老朽化、今も答弁いただきました、私も申し上げましたように、非常に進んでおるということでございますので、しっかりとした支援をよろしくお願いをしたいと思います。 それから、木材利用の推進についてということでお伺いいたしますが、森林・林業を推進していくためには地域材の利用拡大対策が必要であります。加えて、近年の大規模な自然災害が多発している中で、災害防止が重要であります。 そこで、政府は、防災・減災、国土強靱化のための対策を年内に取りまとめ、三年間で集中して実施するとしておられるところでございます。資源の循環利用の観点からすれば、もっと間伐材を利用し、林道施設や治山施設の森林土木工事において木材による資材を積極的に活用するべきではないかと。木製のガードレールとか木製ダムとか、いろいろあるわけでございます。 それから次に、木材利用の拡大で、中高層やそういった高いビルがなかなか建設ができなかったというような、日本が、これまで歴史があったわけでございますけれども、新たな分野における建築物の木造化、内装木質化が必要であると考えますけれども、今後どのような取組を進めていかれるのか。CLTとか新しい工法も出てきておりますので、その辺りのところを質問させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 我が国の森林資源が本格的な利用期を迎える中、木材需要の拡大は林業の成長産業化や地域の活性化といった観点から重要な課題と認識をしております。 木造建築物の内訳を見ますと、低層住宅では約八割が木造である一方、非住宅分野や中高層分野では木造の割合は低く、木造建築の拡大を図っていく上では、これらの分野における普及を図っていくことが特に重要と考えております。 このため、建築基準法に基づきます構造、防火関係の基準につきまして、個別の実験や検証等、安全性を確認した上で合理化を進めてまいりました。本年六月に改正をいたしました建築基準法におきましても、防火関係の規制を合理化いたしまして、木材がそのまま見える現しで使いやすくするなどによりまして、木の良さが実感できる形での木材利用の推進に向けた取組を進めているところであります。 さらに、公共建築物につきましても、自ら整備をいたします公共建築物におきまして木造化、木質化を推進するとともに、国の木造建築物に関する技術基準類を整備をいたしまして、各省庁や地方公共団体への普及に努めるほか、地方公共団体や民間事業者が行う建築物の先導的な木造化を図るプロジェクトに対する支援等を行っております。 今後とも、農林水産省を始めとする関係省庁と連携いたしまして、これらの施策を積極的に推進することによりまして、木材利用の拡大に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○政府参考人(本郷浩二君) 森林土木工事についてのお尋ねでございます。 戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎える中、豊富な森林資源を林業の成長産業化に向けて循環利用するため、土木分野を含め木材の利用を促進していくことは重要な課題だと考えております。 このため農林水産省では、新農林水産省木材利用推進計画を策定し、公共建築物の木造化、木質化のみならず、農林水産関係公共土木工事における木材利用も促進しているところでございます。 具体的には、森林土木工事においては、柵工や治山ダムの型枠工等に木材を利用することとしており、平成二十八年度実績では約十五万立方メートルの木材を使用するとともに、柵工、残存型枠などについては木製の割合を一〇〇%としたところでございます。 今後とも、農林水産関係公共事業における木材利用に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○野田国義君 最近のここ数年間の資料を見てみますと、なかなか木材使用が増えていないような状況のようでございますので、是非とも、これは本当に唯一の私は資源と言っても過言ではないと思いますので、しっかり利用できるように、そういう環境を整えていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。 今日は、いわゆる入管法、隣の法務委員会でもやっておりますけれども、この国土交通分野でも随分多くの業種で新たな外国人材を受け入れると、こういった方向になっているということも含めまして、入管法改正に関してお聞きしたいと思います。 まず、新たに創設する在留資格の対象として国土交通関係には五業種含まれております。十四業種のうち五業種ということでは大分大きな、そして全体の人数からいっても相当大きな割合を占めると思っておりますけれども、まず、この五業種はどのように選んだのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省所管の一部の分野におきましては、近い将来の高齢者の大量退職や生産年齢人口の減少等により、現場における担い手を確保していくことが重要な課題となっております。 そのため、国土交通省では、業種ごとに異なる雇用情勢、業界の声を含めた業種の特性、事情等を踏まえまして、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業の五業種における新たな在留資格による外国人材の受入れを検討しているところでございます。
○舟山康江君 済みません、その五業種は、いわゆる現場、業界側から、うちの業種には是非外国人を新たに入れてくれと、こういった要望、いわゆる業界からの要望を受けて、それを国交省で、よし、じゃ、それを国交省としても要求していこうと、こうなったということでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の新たな在留資格による外国人材の受入れは、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお労働力が不足する分野を対象とするものとされております。 対象業種の選定につきましては、法務省等の制度所管省庁との協議によって決定をし、業種ごとに異なる雇用情勢、業界の声を含めた業種の特性、事情等を踏まえ法務省令で定めることとされておりまして、対象業種が丁寧に判断されることになっているところでございます。
○舟山康江君 法務省にもお伺いしたいと思いますけれども、私、今までのいろんな議論とかこの状況を見ておりまして、どうも法務省は、各省から上がってきたその要望ですね、この分野に外国人材を入れてほしいという要望をそのまま受け入れて、その積み上げが結局全体として十四業種になったと、そういった印象を持っているんですけれども、法務省の方で検討する中で、いや、この業種はやはり外国人材の受入れは厳しいんじゃないかとか、何かそういった押し戻しというか、セレクトというか、そういった作業はされているんでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今お話ありましたように、制度所管庁、業を持たない制度所管庁として、法務省、それから厚生労働省、警察庁、それから外務省等ございますけれども、二月に経済財政諮問会議でこの検討がキックオフされてから、政府内にタスクフォースを立ち上げまして、そこで様々な検討をしてまいったわけでございます。 法務省といたしましては、各業所管庁からこういう分野に人手不足が発生をしているというお話をいただきました後、それから、じゃ、それに対応して、先ほど大臣からもありましたように、今回の受入れは生産性向上や国内人材の確保を行ってもなお足りないところに外国人を入れるというのが大前提でございますので、その努力はどのようにしているのか、国内人材はどのように確保するのかというようなことを言わば出してください、説明をしてくださいということを求めてまいりまして、そこの検証は他の制度所管庁と共にやってきたつもりでございます。
○舟山康江君 今後、更に、やっぱりうちの業種も、うちの業界も足りないから、何とか外国人材を入れる、その対象に入れてくれというような要望があったときには、それは検討の末、広がる可能性があるという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほど申しましたような、その必要性等につきまして十分な説明がなされるという前提で、それはあり得ると思います。
○舟山康江君 今は十四業種だけれども、ここから広がる可能性があるということを今確認をさせていただきました。 この外国人材の受入れに関しては、やはりいろんな議論があると思っております。もちろん、人手不足に対応する必要性というのは私も認めないわけではないですけれども、果たして今いる国内人材の有効活用がしっかりとできているのか。 特に、私のちょうど十年後ぐらいが就職氷河期と言われる世代でありまして、やはりこの方々が、なかなか最初、入口の段階で正社員になれずに、結局、派遣、非正規雇用というようなことを繰り返して低賃金労働に甘んじていると、こういった事例もまだまだ聞いております。そして、この委員会でも何度か指摘がありましたけれども、実際にはやはり、まだまだ仕事をされていない、いろんな事情があるにしても、失業状態にあるという方々もいらっしゃる。そういう中で、何か一歩間違うと、この穴埋めをするために安易に外国人を入れることによって、ますます国内の労働力、国内の潜在労働力ですね、こういったものを追い出してしまうようなことにもつながってしまう、その懸念があると思っております。 極めてこの選定については本当に慎重にしていかなければいけないと思いますし、やはり、政策としてよくあるのが、小さく産んで大きく育てる。派遣のときもそうでしたよね。派遣労働を認めるその業種というのは、当初は非常に限定的だったわけでありますけれども、年を経るにつれてどんどんその枠を大きくしていって、結局あれもこれも全部派遣労働が認められるようになったと、こういった状況にありますので、この外国人労働者についても、私はこの懸念、なかなか拭えないんですよね。 以前もこの委員会で質問させていただきました。特に建設業については、やはり職人の不足、今日午前中に議論がありました建築士もそうですけれども、これは高度人材とはいえ、やはり現場の建築業そのもののいろんな問題の中で、やはり全体的に国内の労働力が不足していると。やはりこういったことにきちんとメスを入れて対応を考えていかないと、とにかく目先の現象に対してばんそうこうを貼る、穴を埋めるということでは絶対にあってはいけない。本当にこれ慎重に御検討いただきたいなと思っています。 そして、今、法務省からお話ありましたけれども、一応は、それぞれの分野において必要労働者数と、それから国内の人材をどう確保していくのか、それでも足りない分をいわゆる外国人材で埋めていくということで、いろんな数字は一応出されております。 そういう中で、想定されている五年間の国内人材確保数ですね、努力をして日本人の、国内で、まあそれこそ高齢者だったり女性だったりいろんな方々、その国内人材を新たに確保するということの見込み数字が出ていますけれども、この数値というのは、いわゆるこれだけ人が足りないということを言うための仮定条件として出されたものなのか、それとも政府の目標として、何が何でもこれだけ確保していくんだという、そういった目標数値なのか、どちらなんでしょうか。
○大臣政務官(阿達雅志君) 先ほどの大臣の答弁にもありましたとおり、今回の新たな受入れ制度は、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなおその業種の存続、発展のために外国人材の受入れが必要と認められる業種において外国人材を受け入れることとされております。 このため、新たな制度による外国人材の受入れについては、前提として、対象となる業種における国内人材確保の取組が欠かせず、御指摘の五年間の国内人材確保数は、外国人材の受入れ見込み数の算出に当たり、当該取組による効果をお示ししたものです。 例えば建設業においては、適切な賃金水準の確保、社会保険への加入徹底等の処遇の改善の取組のほか、長時間労働の是正や、女性も働きやすい労働環境整備等の働き方改革に取り組んでいるところであり、こうした取組を通じ、五年間で一万人から二万人程度の更なる人材確保を行っていく見込みです。
○舟山康江君 その取組自体を否定するわけではありませんけれども、その取組がきちんとなされているかどうかということをフォローアップしていくことは非常に大事だと思います。 フォローアップをされるのかどうか、そしてその手法はどうするのか、お答えください。
○大臣政務官(阿達雅志君) フォローアップにつきましては、受入れ開始後は、生産性向上や国内人材確保の取組等の状況も踏まえ、客観的な指標等を活用して人手不足の状況の変化を的確に把握、検証していくこととなります。 国土交通省としては、新たな制度による外国人材の受入れに当たって、対象業種における国内人材確保のための取組をしっかり進めてまいります。
○舟山康江君 改めてそのフォローアップの体制は本当にきちんとしていただきたいと思います。 私はやっぱり、一義的には国内の人材をきちっと有効に確保していくということ、そして、今とりわけ人手不足の業界の何が問題なのか、やはり、待遇、賃金、こういったものが問題という場合が非常に多いと思います。やはりここは、業界、現場の努力ももちろんですけれども、やはり所管官庁としてしっかりとチェックをするようお願いしたいと思います。 続きまして、受入れ見込み数の考え方の中では、これ国会答弁等でも何度かありますけれども、技能実習などの一定割合が特定技能一号に移行するということ、そういう書き方がされておりますけれども、一定割合とはどういうこと、何を想定されているのか、教えてください。
○政府参考人(水嶋智君) 造船・舶用工業を例にお答えを申し上げたいと思います。 造船・舶用工業でございますけれども、今先生御指摘の新たな在留資格による受入れ見込み数を、制度導入初年度に一千三百人から一千七百人、五年後に累計で一万人から一万三千人と見込んでおります。 これらの数字の算出方法でございますけれども、外国人技能実習の修了者及び外国人造船就労者受入事業、いわゆる特定活動の終了者の一定割合が特定技能一号へ移行するとして見込んだ人数と新たに実施する試験の合格者の想定数との合計で推計しているということでございます。 先生御質問の一定数でございますけれども、これ、具体的には、技能実習の修了者及び特定活動の終了者が二〇一九年から二〇二二年にかけてはそれぞれ三五%ないし四五%ずつ、特定活動が終了する二〇二三年においては技能実習の修了者が七〇%から九〇%特定技能一号へ移行することとしておりまして、これらの合計により、初年度一千二百人から一千六百人、五年後の累計で八千五百人から一万一千五百人がこちらの方に行くということを見込んでおります。それに試験による合格者を加えて受入れ見込み数を出しておるということでございます。
○舟山康江君 まあその一定割合の根拠、三五から四五とかありましたけれども、なかなかその根拠がよく分からないんですよね。 加えまして、そもそも、技能実習生というのは、日本でずっと働くことを前提にしているわけではなくて、一定の技術とか技能、知識を日本で学んで、まさに研修ですよね、日本で学んで、それを本国に持ち帰って、それこそ日本側からすれば、その本国、途上国側の支援の一環として技能実習制度があるわけであって、基本はきちんと技能を身に付けてお帰りいただくというのがこの制度の趣旨だと思います。 それを、一定割合は日本に残る、残ってもらう、しかもそれがどんどん数値が上がっていくというのは、そもそも、まさにこの技能実習生という名の下の、まあ都合のいい労働力として今までも使ってきた、これからもそういった方向で使っていこうという思いの表れではないかと思いますけど、ここの矛盾はどのようにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習制度、そして今回の特定技能による外国人材の受入れというのは、今先生からお話もありましたように、基本的には別制度でございます。 技能実習制度の趣旨は今お話しいただいたとおりでございまして、今回、特定技能一号で滞在をされる方につきましては在留期間の上限を五年と定めているものでございます。 おっしゃいますように、技能実習二号の修了された方が国内において特定技能の一号に移行するということを許容する制度にしておりますけれども、先ほど申しましたように、五年終わられた後には、技能実習、加えまして特定技能で滞在中に積み上げた経験などをお持ち帰りいただいて、本国で活躍をしていただきたいということを考えております。
○舟山康江君 なかなか制度が継ぎはぎで、何か分かりにくいところが非常にあると思うんですよね。またそれ、後で触れたいと思いますけれども。 ちょっともう一個、造船・舶用工業についてちょっと具体的にお伺いしたいんですけれども、必要労働者数を十五万四千人程度と推計した根拠は何なんでしょうか。
○政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。 国土交通省では、二〇一六年の交通政策審議会の答申を踏まえまして、二〇二五年に新造船建造量の世界シェアを現在の約二〇%から三〇%に拡大するという産業界と共通の目標を立てておりまして、その実現のために必要となる人材数を現在の造船・舶用工業の従事者一人当たりの建造量をベースに算定したものでございます。 この二〇二五年に必要となる人材の確保に向けて、今後、毎年均等に人材数を増加させていくという仮定の下で推計を行ったところ、五年後の二〇二三年に必要な人材は十五万四千人程度というふうになったところでございます。
○舟山康江君 私も、二年前、平成二十八年六月の交通政策審議会海事イノベーション部会の答申を拝見をいたしました。 造船・舶用工業の必要就労者は二〇二五年に十三万五千人程度と想定しているという記述がありましたけれども、これは違うんですか。
○政府参考人(水嶋智君) お答え申し上げます。 二〇二五年に世界のシェアを三〇%取りに行くという新しい目標を立てたということでございまして、その建造量を賄うために必要な労働者数を積算した結果、今申し上げたような数字になったということでございます。
○舟山康江君 そうすると、同じ報告書の答申の中に数字が二つあるということなんでしょうか。
○政府参考人(水嶋智君) 世界で三〇%のシェアを確保するために必要な人材の数、二〇二三年における人材の数は十五万四千人ということでございます。
○舟山康江君 ちょっとそれ、本当よく分からないんですよ。数字として、造船・舶用工業の必要就労者は二〇二五年に十三万五千人程度と書いているんですね。そうすると、それ報告書に書いていますけど、私の見間違いでしょうか。 後で教えていただきたいと思いますけれども、その数値を基にすると、本当にそんなに外国人材が必要なのかどうか、ここも非常に疑問があると思うんですね。ですから、何か外国人材を入れるために数字が独り歩きしていると、こういった懸念もあると思っておりますけれども、それは違いますか。十三万五千人という数字はどこにもないですか。
○政府参考人(水嶋智君) 私どもといたしましては、世界で三〇%のシェアを二〇二五年に獲得していくために必要となる労働力の数は、二〇二三年時点で十五万四千人という計算をしておるということでございます。
○舟山康江君 ちょっと後でまた御説明いただきたいと思いますけれども、少なくとも、その辺りの人数の推計というのが非常に根拠がよく分からない。さっきのは、三五%とかそういった数字もそうですけれども、外国人材を入れるための何か仮定の数字というか、そういった数値にしか見えないというところがあります。 そもそも、ちょっと後でまた言いますけれども、もうちょっと視点を変えまして、特定技能二号というカテゴリーも今回新たに設けられるということですけれども、どのような業種を想定していたんでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の受入れ制度は、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなおその分野の存続、発展のために外国人材の受入れが必要となる分野に限って受入れを行うものでありまして、この考え方は特定技能一号であっても二号であっても同様です。 今、どのような業種を想定していたのかという御下問ですが、二号を使われるかどうかということにつきましては、各業種あるいは分野の特殊性によるものだと思っておりまして、各業所管庁ごとに二号を使うかどうかのお考えは違うだろうなということは当初から思っておりました。
○舟山康江君 幾つかの過去の国会答弁で、建設と造船・舶用の二業種だということが想定されるという答えをされていないですか、違いますか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 検討を進めていく中で、各業所管庁におかれての検討で二号を想定している、あるいは想定していないということが変容してきた、変わってきたということはあると思います。
○舟山康江君 今そうおっしゃいますけど、特定技能二号で志願するという声が今あるんでしょうか。特定技能二号を活用して入っていきたいという声はあるんでしょうか、業界の方から。お答えください。
○政府参考人(佐々木聖子君) 確実に二号を使うかどうかということの決定は、法律ができ上がって、それぞれの分野別、政府基本方針ができて、それに基づく各分野別の運用方針が定まったそのときでございまして、恐らく今でもまだ各分野において検討されていると思います。
○舟山康江君 これ、特定技能二号に関しては志願の見込みがないんじゃないかという報道が出ているんですね。多分、想定されているのが建設とかまさに造船・舶用、こういった二業種については検討がされていたようでありますけれども、どんどんこの解釈を狭くしていっているのか、ちょっとその辺、背景は分かりませんけれども、何か特定技能二号の対象となる見込みが余りないんじゃないかというのが今の印象なんですね。 そうであれば、元々このカテゴリーを設ける必要があったのか、そこが根本的な疑問として湧いてくるわけです。元々なぜこの特定技能二号というものを設けたのか、理由を教えてください。
○政府参考人(佐々木聖子君) 特定技能一号で五年間滞在をされている中で技能が高まって、更に高いレベルで活躍をされる方がいらっしゃるということが見込まれましたので、現在あります他の専門的、技術的なレベルの在留資格と同様のカテゴリーにこの特定技能二号が入る、その道筋を付けたということでございます。
○舟山康江君 大変この分野分けも分かりにくいと私は思うんですね。 そして、この国土交通省関係でいえば、国交省独自で二〇一五年から始まった外国人建設就労者受入事業とか、外国人造船就労者受入事業とか、こういったものが存在しております。これは、そもそもオリンピックなど一時的な需要増に向けた臨時措置ということだったはずなんですね。 そういう中で、改めて確認ですけれども、二〇一五年から特別な、いわゆる一時的な需要に対応するために始まったこれらの事業と新たな在留資格というのは、来年四月以降も併存するということになるんでしょうか。
○政府参考人(野村正史君) 委員御指摘のとおり、外国人建設就労者受入事業、それから外国人造船就労者受入事業、これは二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に伴い一時的に増大する建設需要等への対応のため技能実習二号あるいは三号修了者を時限的に受け入れる制度でありまして、元々二〇二〇年度末に新規受入れを終了することになっております。 したがって、今回の法案が仮に成立し、その施行後、当面の間は外国人建設就労者受入事業ないしは外国人造船就労者受入事業と新たな在留資格が併存することとなる見込みでございます。
○舟山康江君 でも、これ、理屈として、元々ある受入事業が存続する限り、この分野においては新たなこの在留資格により受入れというものは必要ないということにならないんでしょうか。だって、今現在の人手不足に対しては今まで既存のそれぞれの二つの業種の受入事業で対応できるわけですから、そういう中で、少なくとも建設業と造船業に関しては新たな仕組みを使わなくても十分足りるということに理屈上なるんじゃないかと思いますけれども、それでも併存するんですか。
○政府参考人(野村正史君) 建設業を例に御答弁申し上げますけれども、現在の外国人建設就労者受入事業自体は、委員御指摘のとおり、特に二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに伴う一時的な建設需要への対応という趣旨で設けられたと思いますけれども、一方で、これも何度かこの委員会で御答弁申し上げておりますけれども、建設業でいえばその就労者の高齢化が非常に進んでおるということでございまして、近い将来、その高齢者層が大量に離職をするという現実がございます。 したがいまして、そういうその特に技能労働者の年齢構成等構造的要因から、近い将来には相当な人手不足が生ずると。もちろんそれは、まずは日本人入職者を増やすための努力を最大限講じるということがそもそもこの制度、新しい就労制度自体の趣旨でもありましょうし、また、今、私ども建設業行政としても非常に大きな課題になっておりますので、その点に力を尽くしていくということはもちろんではございますけれども、それでもなお不足するという場合に、やはりその手当てをどうするかということを検討していかなければならない状況にあるかと思っております。
○舟山康江君 そうしますと、当面、外国人材の受入れに関しては、この建設業等に関して、技能実習生としての受入れ、それから今の独自の受入事業での受入れ、特定技能一号での受入れ、三つが併存するということになりますけれども、混乱は起きないんでしょうか。
○副大臣(塚田一郎君) 舟山委員御指摘のとおり、新たな在留資格制度の施行後は、建設業及び造船業に関して技能者として外国人を受け入れる制度として、技能実習制度、外国人就労者受入れ制度、特定技能一号の三制度が併存することが見込まれております。 これら三制度につきましては、受入れの際に外国人に求める技能水準や監理団体の関与などの点において異なるものとして検討されておりますけれども、国土交通省として、関係省庁と連携をしながら、実際に外国人受入れをする企業に対しまして各制度の違いについて丁寧に説明を行ってまいりたいと考えております。
○舟山康江君 これ、極めて分かりにくいと思うんですよね。何か日本人の私が聞いていてもよく分からない中で、外国人が日本に来て働く意欲がある、希望があるというときにどれを選ぶのか非常に分かりにくいと思いますので、ここの整理は是非ともしっかりやっていただきたいと思います。 さて、外国人建設就労者受入事業で、都市と地方の就労者の偏在等について、ある意味、これからこれは建設業だけではなくて全体的に、今法務委員会等でも相当大きな議論になっていると思いますけれども、その地方偏在、やはりどうしても賃金の高い都市部に労働者が集中してしまうんではないか、この懸念が叫ばれるようになってまいりました。この懸念が果たして杞憂なのか実際にそうなのかということを検証する一つの材料として、先ほど来言及しております外国人建設就労者受入事業に関しての報告等、これは非常に参考になるのかなと思っています。 お手元にお配りした一枚目を御覧いただきたいと思いますけれども、実際に今、これ最新の報告書の中から数字を拾わせていただきました、外国人建設就労者というのがこの事業によって入ってきている方なんですね。これを見ますと、圧倒的に関東に偏っております。全体のもう半分以上がやはり関東圏、その次に多いのがやはり中部圏、こういった形になっておりますけれども、元々のニーズが多ければ、それはそれに比例して多いのは当然かもしれませんけれども、その右以降の欄見ていただきますと、確かに実数としても関東圏は多いですけれども、しかし、割合とすれば、例えばこの建設工事額を見ると、関東と北海道・東北を比べると、大体北海道・東北の倍程度の、逆に言えば北海道・東北は半分ぐらいの建設工事額を持っていますし、有効求人数も三分の一強という形になっております。まあ絶対数は少ないですけれども、でも、やはりそれだけ、何というんでしょう、それなりにやはり必要とされている人材は多いわけなんですね。 しかし、この事業で実際に北海道・東北に入ってきている外国人の数は十五分の一という感じなんですね。中部地方もそうです。中部地方に至っては、例えば有効求人数はほとんど北海道・東北と同じなんですけれども、この外国人建設就労者数は五倍もいらっしゃるということですから、やはりどうしても、東京、中部圏、大きなところに人材が集中するというこの懸念というのは、実際に今こういった既存の事業を使って日本に来ている外国人の動向を見ても明らかではないのかなと思いますけれども、この辺どう評価をするのか、そしてこの集中を回避するためにどのような対策を講じようとしているのか、お答えください。
○国務大臣(石井啓一君) 建設業は、地域におけるインフラの整備や維持管理、災害時における復旧復興工事の対応など、特定の地域のみに建設需要が集中するというものではなく、全国各地において必要な産業と認識をしております。 一方で、足下の建設投資の状況を見ますと、東京オリンピック・パラリンピック関連工事等が増加している影響もございまして、関東地方の建築工事において特に建設需要が高まっており、人手不足感が強くなっているところであります。 そのため、現時点におきましては、関東地方で従事している外国人建設就労者が多い状況にございますが、今後、大規模災害からの復旧復興工事が本格化することを始めといたしまして、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策が集中的に実施されること等を踏まえれば、全国的に人材需要が高まり、その中で外国人材に対しましても需要が高まってくるものと考えております。 国土交通省におきましては、都市部、地方部にかかわらず、必要な人材が必要な地域に配置をされ、建設工事の円滑な実施が図られるよう、関係省庁とも連携しながら必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
○舟山康江君 今私が指摘をさせていただきましたのは、外国人材の需要が地方からあったところで、やはり東京に集中してしまうんではないかという懸念、そこを指摘をさせていただきました。 そして、実際にこの既存の事業を使って、じゃ、どういうところに外国人材が働いているのかというところを見ると、圧倒的に、それこそ有効求人数とか、それこそ人手不足感の状況とか、工事の規模とか、それに比してやはり圧倒的に都市部に外国人が集中しているというこの現状があるわけですね。ですから、これからもっと業種を広げて外国人材を受け入れていくに当たっては、こういった傾向というのはやはり懸念されるんではないかと思うんです。 ですから、これはしっかりと、この偏在についてやはりどうしても、だって、今なお特に東北では震災復興需要があるんですけれども、人がいない、足りない、工事ができない、こういった声がいっぱい聞こえてくるんですね。だけど、御覧のとおり、外国人材は本当に少ないわけですよ。こういうことが、何かこの制度ができると地方にもちゃんと人が来るんだというような思いを抱いてこの制度を期待されている方もいらっしゃると思いますけれども、現実は残念ながらそう甘くないということもここから読み取れるんですね。 そういう中で、是非この偏在をなくすためにもう少し対策を取っていただきたいと思いますけれども、今の現段階で法務省はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 今検討してございますけれども、業種、分野ごとの特性に応じた対策もありましょうし、あとは、地方における外国人の滞在、活動の受入れ環境を整備をするという、地方の魅力を高めるという観点もあるかと思っています。 今、この新しい外国人材の受入れに限らず、全ての外国人の方の受入れ環境の整備をどうするかということで総合的な対応策を取りまとめているところでございますけれども、その中でも、地方における滞在を魅力的なものにするための対策などについて検討をしていこうと考えています。
○舟山康江君 新たなこの在留資格に関しては、移動の自由が認められているわけですよね。そうなると、場合によっては、今見てきた傾向よりももっと激しくその地域偏在が起きる可能性があると思っています。 本来、法律を作るときというのは、こういった懸念とかその可能性に対してどうやって対策をしていくのか、ここをセットで議論しなければ私はやはりおかしいんではないかと思うんですね。これから、法案が成立してから対策を考えますではなくて、法案とセットで本来は、このような問題が起こるかもしれない、論点になるかもしれないものに対してしっかりと対策を取って、万全な形で出すのが当然の姿だと思いますので、私はやはりこれはしっかり更なる議論をしていただきたいということをお願いしたいと思っております。 さて、続いて、次、二枚目の資料を見ていただきたいと思います。 同じく外国人建設就労者受入事業の中で、これ、賃金水準等が国交省の取りまとめたペーパーにありますけれども、この数値ですね、これだけを見ると、ああ、なかなかいい金額をちゃんと払っているんだなと思います。外国人建設就労者の平均賃金が二十一万八千三百九十四円というのは、まあそこそこ、技能実習生に比べれば比較的高い賃金を支払っているんだなと思いますけれども、これ、実は原票に当たってみましたら、受入れ建設企業七百五十五社を対象にアンケート調査をして、回収数が四百四十、回収率五八・三%ということなんですね。しかも、この数値というのは企業側が答えた数値ですから、果たして本当にこの実態を踏まえているのかということがまず一つよく分からないという点が一つと、普通に考えると、やはり企業の中には残念ながら、さほど高い賃金を支払っていない、安く使っている企業がないとも言えないと思うんですね。 まさに、残りの四割強の会社がどのような賃金水準かはよく分からない。いいところの数値を平均すると二十一万を超えていると、二十二万近くということでありますけれども、これが果たして本当に実態を反映している数値かというのは私は極めて疑わしいと思いますけれども、そこはどのように御評価されているでしょうか。
○政府参考人(野村正史君) 委員が資料としてお示しされたこの賃金の調査でございますけれども、これは、今お話があったとおり、企業に対するアンケート調査ということで、企業から回答を得られたその数字に基づくものであることは御指摘のとおりでございます。 一方で、私ども、これも御議論度々ありましたけれども、この外国人建設就労者受入事業に際しましては、まず、受入れ企業がどういう処遇で外国人就労者を迎え入れるのかというその報酬、これも基本的には同程度の技能を有する日本人と同程度の報酬ということを原則として掲げ、そして実際それを具体の受入れ計画の中でしっかりと確認をして、そしてその計画の審査、認定を行うとともに、その後、これは委託した事業者が行っておりますけれども、その計画が適正に履行されていることを確認するための巡回指導等も行っております。 そういう中で担保しておりますので、この数字そのものは御指摘のとおりアンケート調査に基づく数字ではございますけれども、そのような仕組みをもって、現在、しっかりと報酬が払われる、そういう仕組みを担保しようとしているところでございます。
○舟山康江君 これ、資料を修正すべきじゃないですか。 これを見て、アンケート調査の結果で、回答していない企業があるとは思えませんよ。悉皆調査をしたとしか思えませんよ。本来、実際、この下の方にありますけれども、四割、二百四社に対しては賃金支払の状況に関して改善指導を行っているという、こういう状況なわけですよね。多分、こういう会社はこの数字に入っていないんですよ。 ですから、本当のところ、実際にどのぐらいの賃金なのかということを把握するためには、私は、アンケート調査で答えないところを除外した平均を出すのではなくてきちっとやるべきだと思いますし、こういった誤解を生むような資料の作り方というのは絶対におかしいと思いますけれども、いかがですか。
○政府参考人(野村正史君) まず、この四割に当たる二百四社でございますけど、その指摘の内容は、確かに賃金関係ということでございますけれども、実は様々なものが含まれておりますので、この四割全てが例えば計画に定められた報酬を払っていないということではないということを一言申し添えさせていただきますけれども、先ほど言いましたように、具体の、本当にどういう報酬が払われているかということについては、少なくとも現在の建設就労者制度では、そこに書いてございます制度推進事業実施機関というところが、まず国土交通省が認めた計画がしっかり履行されているかどうかということを、国の委託に基づいてこの機関が巡回指導しているということでございますので、その中で至らないという点があれば確かに指導をするということになっておりますけれども、その結果としてはおおむね適正に履行されているものと考えております。
○舟山康江君 今、そんなことを聞いていませんよ。 まず、私はこの資料を作り直すべきだと、ちゃんと注意書きを書くべきだということを申し上げていますし、こういう、あたかもきちんと高い給料を払っていますというような、何かいいところだけを数字に出すのはやめていただきたい。そこだけ直していただきたいと思いますけど、いかがですか。
○政府参考人(野村正史君) 大変恐縮でございますけれども、一応、この調査につきましては、どういう手法で調査をしたということ、それから、ここにまさに書いてありますとおり、七百五十五社を対象にアンケートをし、回収数は四百四十、その中で、このデータの根拠となっている回答数については、そこに掲げてあるとおり、さらにその内数であるということも明記をしておりますので、その点は明らかではないかと思っております。
○舟山康江君 明記してないんですよ。七百五十五社のうち四百四十なんて書いてないじゃないですか。この紙しか出回っていないんですよ。最近ようやくこの報告書が出てきましたけれども、これ見なきゃ分からないんですよ。そういういいかげんなことやめてください。ちゃんと書いてください。 お願いして、以上で終わります。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 入管法改定案に関わって伺います。 野党は一致をして法務委員会との連合審査を求めてまいりました。国交省管轄の分野が深く関わっています。与党がこれに応じないのは不当であり、改めて強く求めたいと思います。 失踪した技能実習生二千八百七十人からの入管の聴取票、これも政府が写しを提供しないために野党議員が時間を割いて写しを取りました。私も百枚以上書き写しました。閲覧はさせるのに写しを認めない、これ、嫌がらせとしか思えないです。これは断固抗議したいと思います。 失踪者の中にも建設関係者が大勢見られておりますので、国土交通委員会としても、改めてこの個票、きちんと提示をされるべきだと思いますし、今回示されたのは二〇一七年の分だけなんですね。それ以前もあれば、今年に入ってからの分もあります。これ提出するように求めたいと思います。 資料の一枚目、御覧ください。これは私が書き写した個票です。ベトナム人の男性で、技能実習一号です。銀行からの借入れで送り出し機関に百三十万円を支払って来日し、入国して約三か月で失踪したとされています。その理由は、送り出し機関で説明された作業内容と異なったためだと。従事していたのは建設作業です。月額給与は、来日前には十四万五千円と言われていましたが、実際には十万円。そこから二万円が控除されますが、これは事前の説明もありませんでした。労働時間は、週五十時間と聞いていましたが、六十時間でした。ここから割り出しますと、残業時間は月八十時間を超えて、時給は四百十七円。当然、最賃を下回ります。しかし、失踪理由の段を御覧いただくと、低賃金にも最賃以下にもチェックはありません。 この間、報道がされております、六七%が最賃未満だったと言われているその個票というのはこういうものであります。過労死ラインの労働時間も最賃以下の賃金も、問題だという認識をする機会も是正を求める機会もないような、そういう技能実習生が失踪している、大勢いる。そしてまた、失踪に至らないけれども、そのような状況にいる方が大勢いるということが容易に想像をされます。 大臣、これは通告しておりませんけれども、この個票を御覧になって、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) これは私どもの資料ではございませんので、コメントは控えます。
○山添拓君 その態度は極めて問題だと思いますよ。建設作業に従事しているんですよ、この方々が。こういう方が大勢います。大臣も一度、この個票の写し、私たち写経だって呼んでいましたけど、写経やってみてくださいよ。どんな思いになるか。そういう実態を見ないで、新たに技能実習生からほとんど特定技能一に移すと言っていますでしょう。建設業は一〇〇%、ほとんど一〇〇%が技能実習生からの移行ですよ。 こういう最賃割れというのがこれだけ起こっているのは、何も不思議なことではありません。資料の二ページの東京新聞の記事にも触れられておりますが、労働組合の全建総連によれば、技能実習生の場合、送り込む監理団体が、最低賃金で統一してほしいと、こう建設会社に指示するケースがあるというんですね。埼玉県などでは複数あったと私も伺っています。受入れ企業としては、同じ職場で働いている日本人とのバランス上、賃上げしたいと思っている。しかし、そう思っても、監理団体から言われるので最賃しか払えないと、こういう状況があるそうです。つまり、最低賃金が事実上最高水準となっている。それが法令遵守だという顔をしているわけです。 法務省に伺います。技能実習法第九条九号は、技能実習計画の認定の要件として、技能実習生に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることと掲げています。最低賃金を上回りさえすれば、この要件は満たすんですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習生に対する報酬につきましては、技能実習法上、日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることを定めておりますが、その趣旨は、単に最低賃金が支払われていればよいというものではありません。であるからこそ、技能実習生に対する報酬が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることを外国人技能実習機構において技能実習計画の認定申請の際に審査をしております。
○山添拓君 しかし、それが実際にはそうなっていないんですよ。日本人と同等以上というのは最賃水準だということになっているわけです。したがって、より悪質な事業者が最賃以下で雇うということは十分あり得るわけです。そして、最賃水準の外国人が多数いれば、日本人の水準も下がっていくということになります。こういう技能実習生をめぐる実態を徹底して検証することが新たな受入れを検討する上では当然求められるということを改めて指摘したいと思います。 十一月二十七日の質疑で伺った建設業における緊急雇用、外国人建設就労者受入事業、先ほど来お話も出ておりますが、これについても伺います。 国交省が委託して行わせている巡回指導の報告書について、二〇一五年度分、一六年度分、これも開示するように求めておりましたところ、十二月三日の深夜にようやく開示をされました。ところが、新たに開示された報告書、ここにありますけれども、肝腎の指導や注意喚起、助言についての内容が真っ黒なんですよね。ここにありますが、一六年度でいえば、二十七ページから八十ページにわたって真っ黒です。さらには、これ違法や不当な事例について真っ黒なんですよ。好事例、推奨事例についてはちゃっかり載せているんですね。二〇一七年度には、暴力を受けている、日本語が通じないという理由で解雇された、再入国時にベトナムの送り出し機関に何ドル支払いなど、赤裸々な描写があったホットラインへの相談内容も、そのほとんどが真っ黒です。二百九十八ページから、ここからですね、真っ黒ですよ。この二十五、六ページにわたって真っ黒であります。 相談内容も対応内容も隠してしまったわけです。これ、どういうつもりですか。肝腎な部分がないじゃないですか。これでは検証のしようがありません。直ちに明らかにすべきです。
○政府参考人(野村正史君) 今委員御指摘のありましたとおり、平成二十七年度、そして二十八年度の報告書について、前回の審議でも、今精査をしておりますということで、精査をさせていただいてそのような形で提出をさせていただいたことは事実であります。 それで、実は、二十七年度、二十八年度、二十九年度、報告書のまとめ方に若干相違がございまして、例えば、さきに提出しました二十九年度についてはあらましで載っているものが、今委員お示しされたところは実は個票そのものでありますので、例えばその失踪の、失踪というか、ホットライン関係については逐一全部相談の内容が載っておることもあり、個人情報保護等の観点からそこを開示しないということにしております。
○山添拓君 いろいろおっしゃいますけど、開示した資料、二十九年度、一七年度については開示したわけですよ。開示した資料で追及されると分かれば、今度は黒塗り、墨塗りでしか出さない。都合が悪くなると隠してごまかす。これ、本当に安倍政権の一貫した悪癖だと私は言いたいと思うんですよね。 二〇一七年度分では、賃金支払の状況として、先ほどもありましたが、五百十八社への巡回指導で二百四社に改善指導、四割で違法が確認されておりました。一五年度、一六年度ではどうでしたか。
○政府参考人(野村正史君) 平成二十七年度、二十八年度につきましては、今ほどちょっと申し上げましたけれども、まだ巡回指導先等が比較的少なかったこともあって、その様々な巡回指導の際の確認項目と、それから指導の類型、改善指導とか注意喚起とかそういうものをクロスした一覧表の形で、報告書に記載がない形で報告がされました。 そして、今の話のように、報告書にはまた個票が登載はされておりますけれども、その中では、今度は逆にそれぞれの事案に対して改善指導、注意喚起、助言の別がどうなっているのかということが必ずしも明らかでないために、恐縮でございますが、いま少し細かな精査が必要となってございますが、今御質問を受けましたので、取りあえず平成二十七年度、大変恐縮ですが、先生の配付されている資料にもございますけれども、実は改善指導を含んで、注意喚起、助言、それらをトータルして五十一件のそういう形での指導をしておるんですけれども、その中で賃金関係二十五件ございました。 ただ、この二十五件の中には、例えば口座振替の同意書のような多少手続的なものも含まれておりまして、ちょっとその、何ですか、項目が必ずしも二十九年度の項目と一致しているかどうかについても精査が必要ですけれども、一応、五十一件中二十五件でございました。
○山添拓君 つまり、全体について、二十七年、八年、九年と比較可能な形ではお示しいただけないということでありました。 資料の三ページを御覧ください。国交省が出せないというので、私どもの方で比較可能な形で集計を行いました。指導、注意喚起、助言の合計数、これしか出せないものですからこれで比較をしております。一五年度から一七年度にかけて、特定監理団体で二十件、五十五件、八十二件と増加しています。受入れ企業についても、今お話ありました五十一件、そして三百四十六件、千六百十四件と激増しています。もちろん巡回件数も年を追って増えていますけれども、それを上回るペースで指導などの増加が見られるわけです。受入れが増えれば増えるほど指導改善が必要なケースが増えていると、このことを物語っていると思います。 大臣は、前回、現行の巡回指導等の制度の仕組みも参考としつつ、新たな特定技能一号などの受入れの仕組みを検討すると答弁をされました。改めて伺いますが、参考にしてとは、これはどういう意味ですか。
○国務大臣(石井啓一君) 外国人を雇用する建設事業者の多くが中小零細企業であり、労働関係法令等の理解が十分でないことを踏まえれば、新たな特定技能制度におきましても、現行の外国人建設就労者受入事業において行っております国土交通大臣による報酬予定額等を明記した計画の審査、認定及び制度推進事業実施機関による巡回指導の措置と同様の効果が得られる仕組みが必要であると考えているところでございます。
○山添拓君 巡回指導というのは、今指摘しましたとおり、やればやるほど指導件数が増えているんですよね。ですから、違法や不正を抑止することにはなっていないわけです。しかも、巡回が必要だと今から言うというのは、これ受入れ企業と特定監理団体に任せていては適正さは保てない、これが建設業の特例制度における教訓だと言っているに等しいわけですね。何しろ、本来不正をつかむべき特定監理団体は不正を一件も自ら見抜いていなかったわけですから。 そこで、法務省に伺いますが、既に建設業の特例制度で受入れ企業任せでは駄目だと分かっております。ましてや、新たにつくる登録支援機関は、届出制のみで許可制ではありません。営利企業も入ります。人材ビジネスであって、監理団体ではありません。独立した監視の仕組みすらないような業種では、違法や不正がこれ野放しにされるんじゃありませんか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 各業所管省庁におきまして、各業種、分野の特性や実態を踏まえた受入れの適正化を検討されていると思います。効果的な取組があれば、その情報を他の分野とも共有し、場合によっては他の分野が参考にすることが望ましいと思います。 いずれにしても、本制度における外国人労働者の受入れが適正なものとなるよう、関係省庁連携して制度の運用に努めてまいりたいと考えています。
○山添拓君 今の点がまさに白紙委任だと言われているところなんですよね。検討中だ、他の分野で行っていることが参考になるなら参考にしてくれ、これでは議論の土台がありません。それによって適正さが担保されるという保証もどこにもないじゃありませんか。だから私たちは、こんな状況で法案審議を進めるべきじゃない、採決などもってのほかだということを言ってきたわけです。 この受入事業の受入れ状況実態把握調査の中には、驚くべき事実もありました。特例制度の下でも失踪者がいるということです。 資料の五ページ、調査対象の特定監理団体の四割近くで退職、帰国した者がいたと報告がありますが、その中で、退職、帰国の理由のうち二八・二%が行方不明となっています。大臣が全体として適正だと言う中での行方不明です。これらはいかなる事情によるものなのか、調査されていますか。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘の外国人建設就労者受入事業に係ります実態把握調査は、各受入れ企業等に対しまして外国人建設就労者の就労状況についてアンケート調査をしているものであります。 本調査におきましては、失踪者の有無については回答を求めておりますが、失踪者の発生理由については調査をしておりません。 なお、国土交通省におきましては、失踪者が発生した際には報告を受けることになっておりまして、この報告がなされた企業については巡回指導時における企業や就労者の状況を再確認をし、複数の特定監理団体に行方不明者発生の背景等についても聞き取りを行っているところであります。 一方、失踪者の発生状況を踏まえまして、昨年末には外国人建設就労者の受入れを行っている特定監理団体に対しまして、監理の更なる適正化を求める通知を発出をいたしました。また、外国人建設就労者受入事業の適正な実施について関係者間で協議を行う適正監理推進協議会におきましても現状を共有をいたしまして、必要な対策を検討することとしております。
○山添拓君 いろいろお答えになりましたけど、要するに調査を行っていないんですね。 時間がなくなってしまいましたのでもう終わるんですけれども、これ見ていただくと、健康管理、健康上の問題を理由にする人が一二・八%、それから賃金、手当に関することも二・六%、これらも不本意な帰国であることが十分想定されるわけです。技能実習を働き抜いた外国人が今特例制度の下で就労しています。それでもなお行方不明、人権侵害があり得る、これは重大だということを指摘して、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。 十一月の二十七日の委員会におきまして、通告しておきながら、航空局と観光庁の長官、質問ができませんでした。今日、こういう機会をいただきましたので、その積み残した分を質問をさせていただきたいと思います。 まず、首都空港の機能強化に関係することでありますけれども、各先生方からもよく御質問をされておりますが、多少重複すると思いますけれども、御辛抱を願いたいと思います。 二〇二〇年に四千万人ということ、よく耳にする言葉でありますけれども、二〇三〇年、これ六千万人というようなことでありますが、うれしいことにその間に、二〇二五年に万国博覧会が大阪・関西に誘致されると決定をいたしました。また後ほどお聞きしますけれども、その中に、この六千万人という数字の中にこの万国博覧会が入り込んだということで、今後状況が変わるのか、どういうふうな方向性を進められていくのか、その点も少し、通告はしておりませんけれども、お考えを聞かせてほしいなと、このように思っております。 もちろん、こういう状況で、オリンピックもあり万国博覧会もあり、ますます日本の国の航空事情というのはしっかりと国際競争力の強化をしておかなくちゃいけないし、これはもう必要不可欠であります。その間、いろんなパイロットの問題やら、まあいろんな、これは業者の問題でもありますけれども、体質改善の問題とか、多岐にわたる問題が重なってまいります。 そういう環境の中で、まず、この首都圏空港の容量を世界最高水準に拡大していくんだと、このようにおっしゃっておられ、考えておられます。どの水準まで発着容量を拡大することで世界の最高水準に匹敵するのか、さらに機能強化をどのように強化していくのか、この点をまずお聞きをさせていただきます。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。 国土交通省といたしましては、訪日外国人旅行者数、二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年に六千万人とする観光ビジョン目標の達成や、我が国の国際競争力を強化するなどの観点から、首都圏空港の機能強化に取り組んでおります。 まず、二〇二〇年までに講じる措置といたしまして、羽田空港の飛行経路の見直しや成田空港の高速離脱誘導路の整備などによりまして、発着容量を約八万回増加させる取組を進めているところでございます。さらに、その先を見据えまして、二〇三〇年の六千万人の目標達成に向けて、成田空港の第三滑走路の増設等の更なる機能強化を図ることによりまして、発着容量を更に十六万回増加させる取組を進めてまいります。 これらの機能強化を実現することによりまして、両空港を合わせた首都圏空港の発着容量をニューヨーク、ロンドンに匹敵する世界最高水準の約百万回とすることを目指しておりまして、こうした機能強化の実現に向けて、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 ところで、関連の質問でありますけれども、今ちょっと局長おっしゃいましたけれども、そうなってきますと、この機能強化のための羽田空港のまず問題なんですが、羽田空港も飛行経路の見直し、そしてまた、それに伴う騒音の影響、そして更に落下物などに関わる安全の確保、それとまた航空保安施設、そしてまた誘導路等の整備、この辺が羽田空港、喫緊の大きな、我々が考えているところでも、こういう問題を抱えておるわけであります。 それとともに、成田空港では、第三滑走路の整備、夜間飛行の制限の緩和やCIQの施設、こういう多岐にわたる整備が、様々な課題があるわけでありますけれども、その点、一つ一つの進捗状況が分かっておれば、この機会にお示ししていただければ有り難く思う次第であります。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。 羽田空港につきましては、飛行経路の見直しに向けまして、今御指摘のような航空保安施設や誘導路の整備に加えまして、関係自治体や住民の皆様の声を踏まえた騒音対策や落下物防止対策に取り組んでいるところでございます。また、飛行経路の見直しの実現のためには、関係自治体や住民の方などに丁寧な情報提供を行い、できる限り多くの方々に御理解いただくことが重要であると考えておりまして、本年の十二月、今月から第五巡目となります住民説明会を開催することを予定をいたしております。引き続き、丁寧な情報提供を行ってまいりたいと考えております。 また、成田空港につきましては、二〇二〇年に向けまして、CIQエリアの機能向上のための施設整備などを実施しますとともに、空港会社において高速離脱誘導路の整備を進めております。また、本年三月の成田空港に関します四者協議会において合意されました第三滑走路の増設、B滑走路の延伸、夜間飛行制限の緩和などの着実な実施に向けましては、現在、空港会社におきまして、環境影響評価の手続、それから航空法に基づきます変更許可申請に向けた準備作業、さらに騒音区域の住宅への追加防音工事などが進められているところでございます。 国土交通省といたしましては、こうした取組を着実に実施することによりまして、首都圏空港の機能強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 ここで、私も、伊丹空港、ちょうど尼崎、豊中、池田というのは非常に騒音公害ということで、最近こそ落ち着いてきましたけれども、この追加の防音工事、これも非常に経費が掛かったり、地元地域との話合い、二重の窓にするとか、いろいろと住民との時間の掛かる作業なんですけれども、この辺はスムーズに、もう一度確認のためにお聞きしておきたいんですけれども、進めていってもらわなくちゃ困るんですけれども、もう一度この確認と、そして、これ五巡目、住民説明会、進捗状況、何回しても同じような段階なのか、少しずつ問題解決の方向に進んでいるのか、この点、もう一度ちょっと詳しくお聞かせいただければ。
○政府参考人(蝦名邦晴君) 今御説明を申し上げました追加的な防音工事についてでございますが、これは成田空港におきまして、内窓の設置事業あるいは寝室の壁や天井の補強工事といったことを進めているところでございます。これは、先ほど申し上げました成田空港の機能強化に向けましては、やはり環境対策の充実が必要だということで、現在鋭意取り組んでいるというところでございます。 それから、羽田空港の住民説明会につきましては、これまで四巡にわたりまして、延べ一万六千人を超える方々に御説明をしてまいりました。その際に御意見を賜っておりまして、広報、周知の一層の強化あるいは環境対策、落下物の安全対策といったことを求める声が多い一方で、空港の利便性向上に期待する声もあったということでございます。 今般、五巡目の説明会をやってまいりますけれども、これまで出てまいりました様々な声にお応えすべく、落下物の安全対策についても更に情報提供を充実させる、あるいは、実際にどういうふうな見え方がするのかといったような、そういった情報提供を行う、あるいは実際に飛行する経路についても更に細かく図面などでお示ししながら御説明をする、あるいは音についても、実際に伊丹空港などで録音いたしました音でそれを実際に聞いていただけるような、そういったようなことをいたしまして、丁寧な御説明に努めてまいりたいというふうに考えております。
○室井邦彦君 ひとつ、くれぐれもよろしく、丁寧な説明を根気よく続けていただくようにお願いを申し上げます。 続いて、観光庁長官にお聞きをいたしますが、民泊についてなんですね。 今、非常に要望も多いと聞いておりますが、旅行者の方々も非常にそういうことで住宅における民泊を利用したいという声もあるようでありますし、また、今、日本の国、少子高齢化によって空き家また空き室が非常に増加傾向の一途をたどっていると。その辺をうまくかみ合わせてこの民泊の経営を行っていきながら、また、その所有者も非常に宿泊施設としての有効活用を、空き家、空き室を無駄にしたくない、こういうふうな声も高まって、うまく問題点が合致していっておるというふうに思われるわけでありますが、そこでいろいろと問題がまた、なかなか簡単にいくようじゃないようでありまして、観光先進国をもちろん実現していくためにも、こういう民泊活用ということで、これは民泊新法、民泊法を新たに設置をいたしました。 六月の十五日から施行されたということでありますけれども、この住宅宿泊事業の届出、今どのような状況になっているのか、お聞かせいただけないですか。
○政府参考人(田端浩君) ただいま御指摘ございましたように、住宅宿泊事業法、急速に拡大いたします民泊サービスにつきまして一定のルールを定めまして、健全な民泊の普及を図るものとして制定されました。 法律の施行から半年近く経過したところでありますが、十一月三十日現在で住宅宿泊事業の届出の提出件数は一万二千二百六十八件、うち受理済件数が一万一千十八件となっておりまして、届出件数は法施行後も順調に増加を続けているものと受け止めております。
○室井邦彦君 観光庁としては、この数字はまあ予想どおりだな、いや、ちょっと少ないな、いやいや、これほど好評か、まあいろいろと考え方があろうかと思いますけれども、どのように感じておられるのか聞かせていただくことと、時間がありませんので続けて次の質問にも入らせていただきますけれども、こういう中で、期待はしているけれども、近隣のトラブル、社会問題が、やはり騒音とかごみ出しが相変わらず聞くわけでありますけれども、地域の住民の印象は思うとおり良くなっていないんじゃないのかな、こんな思いがしておるわけでありまして、さらに、追い打ちを掛けるように、一つの例を申し上げると、兵庫県は、六甲連山って、六甲国立公園がありまして、その下に芦屋とかいう住宅街があって、またその規制の網も掛かっていると。そういうところで、民泊、住民問題、またブレーキを掛けるような制度が出てきておると。 こういう状況の中で、今現在、どのような自治体との、そういう網の掛かっているところ、ブレーキになっているのかどうか、併せて説明をしてください。
○政府参考人(田端浩君) まず、届出の関係でございますが、届出のための手続が複雑、煩雑であるという御指摘があるものということは承知をしております。届出の一層の促進を図る観点から、七月、十一月の二回にわたりまして、関係省庁と連盟で関係自治体に対してシステムの利用促進や手続の簡素化などを求める通知を出しております。 観光庁としましては、引き続き、関係省庁、自治体と連携をいたしまして、この届出が円滑に行われることなどにより、健全な民泊の普及に努めてまいりたいと考えているところであります。 また、自治体の条例などによる民泊のいわゆる規制の関連でございますが、住宅宿泊事業法におきましては、地域の実情に応じて、生活環境の悪化を防止することが必要な際には、合理的に必要と認められる限度で、条例を定めることにより区域を定めて、あるいは期間を制限をするということができるとされています。これに基づきまして、一部の自治体におきまして民泊の実施を制限する条例が制定されていると承知をしておりますが、一定のルールの下、健全な民泊の普及を図ることとした法の趣旨に照らした場合には、事実上の営業ができなくなるような過度な規制は適切でないと考えております。 いずれにいたしましても、地方自治体において条例を制定される際には、法の趣旨等を十分に踏まえた上で、きめ細やかに検討を行っていただきたいと考えています。 民泊を含めまして様々な宿泊のニーズに対応をいたしました多様な選択肢を用意をしていくということで、二〇二〇年四千万人というような、こういう目標に向けて、各地域で多くの外国人が宿泊をしていただけるように取り組んでいくことが重要だと考えております。
○室井邦彦君 終わります。
○青木愛君 希望の会・自由党の青木愛です。 本日は、辺野古の新基地建設問題についてお伺いをいたします。 沖縄防衛局は、県の承認撤回に対しまして、公有水面埋立法を所管をする国土交通大臣に審査請求と執行停止の申立てを行いました。しかし、行政不服審査法は、第一条にありますように、国民の権利利益の救済を図ることを目的とするものであり、また、第七条第二項において、国が固有の資格に基づきなされた処分については適用外と規定をしています。 米軍基地の提供に係る事業はまさに国の事業でありまして、埋立ては国の立場で承認という形を得ております。決して私人ではあり得ません。今回の審査請求と執行停止は同法の趣旨に反するものと考えますが、執行停止を行った法的根拠、そして、これに関連する、同法所管をする総務省に確認をされたのかどうか、まずその点を国土交通大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 行政不服審査法第二条におきまして、審査請求することができる者につきましては、行政庁の処分に不服がある者と規定されております。沖縄防衛局のような国の機関でありましても、ここで言う処分を受けたものと言える場合には、一般私人と同様の立場で処分を受けたものでありまして、固有の資格、すなわち一般私人が立ち得ないような立場で撤回を受けたものではないと認められることから、審査請求をすることができると解釈されます。 この点、前回の承認取消しの違法性が判断をされました平成二十八年の最高裁判決におきましては、承認の取消しが行政不服審査法第二条の処分であることを踏まえた判断を行っております。 今回の承認の撤回も、埋立てをなし得る法的地位を失わせる点で承認の取消しと何ら変わらないことなどから、沖縄防衛局は行政不服審査法第二条の処分を受けたものと言えます。したがいまして、沖縄防衛局は一般私人と同様に、今回の承認の撤回について審査請求ができると判断をしたところでございます。 なお、執行停止の決定に当たりまして、総務省への問合せは行っておりません。
○青木愛君 固有の資格ということをどういうふうに解釈をすればよいのか、その点のみをお聞かせいただければと思いますが、私は、この事業は国でなければできない、それを固有の資格というふうに理解をしております。まさに、米軍基地の埋立てでありますので、これは私人がなし得るものではなく、国でなければできないものであります。それを固有の資格と指すのではないでしょうか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。 行政不服審査法第二条におきまして、審査請求をすることができる者につきましては、行政庁の処分に不服がある者と規定をしております。すなわち、審査請求をすることができるかは、事業の性質ではなく、一般私人が立ち得ない固有の資格で受けた処分か否かで判断されます。 この点、今回は、沖縄防衛局は、行政不服審査法第二条の処分を受けたものと言える点で一般私人と同様の立場とみなし得ることから、一般私人が立ち得ない固有の資格で処分を受けたものではないというふうに判断をしているところでございます。
○青木愛君 そうしますと、この第七条の第二項で言う、これ、わざわざ平成二十六年に固有の資格は適用外だと明記をしているんですけれども、この場合、固有の資格に、ではこれ、適用外に適用する固有の資格というのはどういうものを想定してこの法律は作られたんでしょうか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。 審査庁といたしましては、埋立承認の撤回について執行停止の申立てを行うことができるかを判断したものでございますので、その他の処分につきましてお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○青木愛君 済みません、この行政不服審査法の目的は、あくまでも国民が行政庁の違反又は不当な処分を受けた場合に、国民の権利と利益を救済するということを目的としております。国が法律の趣旨を都合よく拡大解釈して適用しますと、国民の権利義務が救済されるどころか、逆に国民の権利利益が害されると、今そういった状況にもなっているというふうに認識をしております。 この審査請求のこの審理において、まず、国土交通大臣は、普天間飛行場代替施設建設、これを推進をしている立場だと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 内閣の一員といたしましては、内閣の方針に従うという立場でございます。
○青木愛君 そして、その国交大臣の下において審査請求の審理をする委員、これは国交省の職員で間違いないのでしょうか。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。 行政不服審査法に基づきまして、水管理・国土保全局の職員を審理員として指名いたしております。
○青木愛君 国土交通大臣が内閣の方針に沿って普天間飛行場代替施設建設を推進をしている立場、そして、この審査請求が適法であるかも含めて今この審理をしている、そのまさに委員が国交省の職員であるということで、これ、中立公正、第三者的な立場でしっかりと審理をできるのかというところを大変懸念をいたします。双方の立場に立って、沖縄県とそして沖縄防衛局、双方の間に立って中立公正な判断ができるのかというところです。 国土交通大臣は、普天間飛行場代替施設建設を推進をしている立場であります。そして、国土交通大臣の下で働いていらっしゃる国交省の職員がその審理をしている。とても公平な判断ができるとは思えないのでありますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど私、内閣の一員として、内閣の方針に従う立場というふうに申し上げました。 一方で、行政不服審査法におきます審査請求等につきましては、あくまでも行政不服審査法上の審査庁として、沖縄防衛局及び沖縄県の双方から提出された書面の内容を検討いたしまして、行政不服審査法の規定に基づき適切に対応するものでございます。
○青木愛君 話によりますと、国土交通大臣は、県によるその意見書の提出の僅か五日後に執行停止の決定を行っているんですけれども、大臣は、その意見書とその別紙、全文は読んでいないという答弁をなされたと聞いております。これは本当でしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 執行停止の決定につきましては、行政不服審査法におきまして、執行停止の申立てがあったとき、審査庁は速やかに執行停止するかどうかを決定しなければならないとされております。 今回の執行停止の決定は、審査庁といたしまして、沖縄防衛局及び沖縄県の双方から提出された書面の内容を慎重に検討し、行政不服審査法の規定に基づき適切に対応したものであります。 なお、沖縄防衛局から提出された審査請求書及び執行停止申立書並びに沖縄県から提出されました意見書につきましては、本件における検討におきまして、職員からポイントなどの説明を受けているところでございます。
○青木愛君 それでこのような執行停止という大変重大な判断をなされていたということが大変遺憾に思えてなりません。 先ほども申し上げましたけれども、その第三者的な審査庁としてあり得るのかどうか、この国交大臣の立場がですね。その審理の今内容がどのような段階になっているのかということもお伺いしたいんですけれども、最終的に裁決というものが出ると思いますが、それがいつ頃になるのか。そして、その間の審理の中で、第三者機関への諮問も行われないかもしれないという話まで聞いているんですけれども、この点についてお聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 今お尋ねの点につきましては、審査請求の手続中でございますので、コメントは控えさせていただきたいと思います。 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、行政不服審査法の規定に基づき、適切に対応してまいりたいと考えています。
○青木愛君 この間の情報公開はどうなりますでしょうか。
○政府参考人(塚原浩一君) この点につきましても、現在審査請求の手続中でございますので、コメントは控えさせていただきます。 引き続きまして、行政不服審査法の規定に基づきまして、適切に対応してまいります。
○青木愛君 透明性を持って対応していただきたいと思いますし、先ほども申し上げましたが、第三者的な立場でしっかりと審理ができるのかどうか、その第三者機関へのその諮問が行われるのかどうか、その点についてはいかがですか。第三者機関への諮問です。
○政府参考人(塚原浩一君) お答え申し上げます。 繰り返しでございますけれども、審査請求の手続中でございます。コメントは控えさせていただきます。
○青木愛君 それではさっぱり分からないんですけれども。 情報公開は、沖縄防衛局と沖縄県にはしっかりとされるんですよね。
○政府参考人(塚原浩一君) 行政不服審査法の規定に基づきまして、適切に対応してまいります。
○青木愛君 この今の国交大臣のお立場、第三者的な審査庁と言えるのかどうかという点で、だからこそその第七条第二項で固有の資格は適用外というふうになされているのではないかなというふうにも解釈をいたしますけれども、もう十二月の十四日にも土砂の投入が行われようとする段階まで来ております。今のこの流れ、状況は、石井国土交通大臣のまさに執行停止の執行がスタートになって今こういう状況になっています。一旦埋立てが進みますと原状回復はもう困難であり、海がなくなるという状況になります。軟弱地盤も指摘をされております。何でこのように急ぐ必要があるんでしょうか。 大臣、よろしくお願いいたします。大臣、大臣にしかこの流れを止めることができないので、石井大臣の、一旦は執行停止を決定いたしましたけれども、その取り消すことをお考えになってもいいと思いますし、まだ決裁までも時間がありますし、十分に玉城知事と話合いを行う中で、県民が納得する解決に向かうべきだというふうに思いますけれども、石井大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 十月十七日に、沖縄防衛局から、沖縄県による埋立承認の撤回処分について、行政不服審査法に基づく審査請求及び執行停止の申立てがございました。 執行停止の決定につきましては、先ほど申し上げたとおり、行政不服審査法において、審査庁は速やかに執行を停止するかどうかを決定しなければならないとされております。そのため、行政不服審査法上の審査庁といたしまして、行政不服審査法に基づき、執行停止について沖縄防衛局及び沖縄県の双方から提出された書面の内容を検討いたしました。 事業者である沖縄防衛局が埋立工事を行うことができないという状態が継続することによりまして、埋立地の利用価値も含めた、工事を停止せざるを得ないことにより生じる経済的損失ばかりでなく、普天間飛行場周辺に居住する住民等が被る航空機による事故等の危険性の除去や騒音等の被害の防止を早期に実現することが困難となるほか、日米間の信頼関係や同盟関係等にも悪影響を及ぼしかねないという外交防衛上の不利益が生じることから、処分の執行又は手続の執行により生じる重大な損害を避けるために緊急の必要があると認めるときに該当すると判断をいたしまして、執行停止の決定を行ったところであります。 このように、今回の執行停止の決定は、沖縄防衛局より審査請求と執行停止の申立てを受けたことから、行政不服審査法上の審査庁といたしまして、沖縄防衛局及び沖縄県の双方から提出された書面の内容を検討いたしまして、法令の規定に基づき適切に対応したものでございます。
○青木愛君 この度の県知事選挙におきまして、辺野古新基地建設反対の民意が示されております。安倍内閣は民意に寄り添うと言いますけれども、実態は全くの逆で、民意の無視、地方自治の無視、上からの権力の押し付けであります。 結論ありきで権力を強引に行使するのではなく、民意を代表した玉城知事と十分に話し合う時間を取っていただき、県民が納得する解決に向かうことを期待をいたしまして、質問を終わります。 石井大臣、よろしくお願いいたします。終わります。
○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。 私は、今日は老朽化したマンションについてまず伺いたいと思います。 分譲マンションの総戸数は今六百四十四万一千戸、これは平成二十九年末時点でということです。そのうち、築四十年を超えるものは約七十二万九千戸と全体の一割を超えているという状況で、また、この築年数の長いマンションというのが今後更に増えていく、この割合は増えていくというふうに見込まれています。 マンションを長もちをさせたりとか、また、しかるべき時期にしっかりと建て替えを円滑に行ったり、また、マンションというコミュニティーの中でのトラブルを防止したりという、そのためには管理組合などがしっかりとマンションを管理することが重要であるというふうに考えておりますけれども、その管理組合なんですけれども、管理組合の規定が明確でなかった一九八三年の区分所有法改正の以前に建設されたマンションにおきましては、そもそも管理組合がないものもあるというふうに聞いております。それからまた、それ以後の、一九八三年の区分所有法改正の以後のマンションにおきましても、管理組合はあるけれども十分に機能していないといったケースも生じているというふうに聞き及んでおります。 そこで、まず大臣に伺いたいと思いますけれども、分譲マンションの適正な管理の重要性についての御認識と、そして国交省としての取組を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 現在のマンションストック総数は六百四十四万一千戸で、国民の約一割が居住する主要な住宅形態となっております。今後、築三十年や四十年を超えるマンションの増加が見込まれる中、マンション管理の適正化は大変重要であります。 一方で、そうしたマンションにおきましては、区分所有者の高齢化、空き家化、賃貸化の進行等に伴いまして管理組合を運営する担い手の不足や修繕積立金の不足等によりまして、今後の適切な維持管理が懸念されるマンションもあると認識をしております。 このため、国土交通省では、長期修繕計画や修繕積立金に関するガイドラインの整備と周知、標準管理規約を改正をし、外部専門家が管理組合を運営する仕組みの導入、管理組合がなかったり機能していないマンションへ専門家を派遣するモデル事業の実施など様々な取組によりまして、管理の適正化を支援しているところであります。 近年、マンションの管理適正化に取り組む自治体も増えていることから、国土交通省といたしましては、これらの自治体とも連携を図りながら、引き続きマンションの管理適正化に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 国交省としては、ガイドラインを発していますし、また好事例を集めるといったようなことも既に取り組んでいるということでありますけれども、更に踏み込んで御提案したいと思っておりますのは、分譲マンションの適正管理について、行政による状況把握や、またそれから支援とか、また助言を強化するために管理組合等の届出制などを検討してはいかがでしょうか。
○政府参考人(石田優君) お答えを申し上げます。 マンションの管理の適正化の推進に関する法律におきまして基本的な指針を定めることになっておりますが、その中には、国及び地方公共団体は、必要に応じ、マンションの実態調査及び把握に努め、マンションに関する情報、資料の提供について、その充実を図るということになっているところでございます。 我々で把握しているところによりますと、マンションの全数調査に十八の自治体が今現在既に取り組まれているとともに、マンションの管理状況に関する届出報告制度に九自治体が導入をされております。そのうちの四自治体では、条例においてそれを定めておられるという状況にございます。 マンションの管理状況についての実態の調査、把握や管理組合への支援が行われるために、マンションの管理の適正化を図る上で非常に重要なことでございますので、国土交通省といたしましても、そういった先進的な自治体の取組事例を全国の自治体と共有するとともに、そうしました取組が今後ともより推進されるような方策について検討していきたいと思っているところでございます。
○行田邦子君 九自治体で取組が行われていて、そしてまた、そのうちの四自治体は条例によるものということですけれども、こうした自治体での先行事例を国交省としても見ていただいて、必要があれば国としても検討していただきたいというふうに思っております。 マンションの老朽化ということですけれども、マンションそのものの老朽化ということと、それから住民の高齢化という、二つの老朽ということがあるかと思いますけれども、厚労省さんにお越しいただいているので伺いたいと思うんですけれども、認知症と思われる人は全国で四百六十二万人ぐらいいるだろうという統計データを見ました。これはちょっと古いんですが、平成二十四年の時点のものです。恐らく今は更に増えていると思います。 じゃ、そのうちどのぐらいの方がマンション住民なのかというのは、これははっきりとした統計データはないんですけれども、マンション住民が国民の約一割強とすると大体五十五万人ぐらい、あるいはそれプラスアルファですね、がマンションに住んでいる認知症の方ということになるのかなと。まあ結構な数であります。 そこで伺いたいんですけれども、マンションにおける認知症のトラブルの防止とか、あるいは孤独死などを防ぐために管理組合が一体何をできるのか、またどこまでやってよいのかということを私もマンション住民なので常日頃考えているんですけれども、このマンションに住んでいる認知症と思われる方に対する対策についてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(山本麻里君) 厚生労働省では、認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り支援する応援者である認知症サポーターの養成に取り組んでおります。現在、平成三十年九月末現在でございますが、全国で約一千六十六万人の方が受講されております。 民間企業による認知症サポーター養成も進んでおりまして、マンション管理会社においても社員向けの養成研修を実施し、これまでに約七・五万人がサポーターとなっていらっしゃいます。昨年度には、マンション管理も含め、特に認知症の人に接することが多い業を対象とした養成研修用DVDを作成し、地域で暮らす認知症の人を見守る一員として望ましい接し方などの理解をより深めていただいているところでございます。 今後とも、マンション管理などにおける認知症サポーターの養成を推進し、認知症の人に優しい地域づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 是非、マンションに住んでいる認知症の方への対策ということも、特化したことも厚労省さんとしても進めていただきたいと思いますし、特に、私もマンションに住んでいて、よく同じマンションの方と言うんですけど、一つ屋根の下というふうに言いますけど、同じ建物に住んでいて共有スペースを一緒に共有したりというと、認知症の方がいると、ほっておくわけにいかないけれども、じゃ一体何ができるのかという、こういう問題増えてくると思いますので、是非よろしくお願いいたします。 それでは次に、住宅セーフティーネットについて伺いたいと思います。 昨年の通常国会で審議いたしまして成立いたしました住宅セーフティーネット法の改正ですけれども、昨年の十月二十五日に改正が施行されています。一年ちょっとたったということですけれども、昨年の通常国会で私も質問に立たせていただいて、一生懸命考えて練られた制度だなと思いながらも、ああ、じゃ、これ実際どうなのかなと、機能するのかなというのを心配しながら質問したのを覚えております。 そこで、その実績を見てみました。ちょっと残念ながらなんですけれども、登録実績戸数が十一月三十日現在で六千二百三十七戸ということです。これがどんなものかといいますと、法案の審議の際に示された、国交省が出したKPIですね、目標数値は年間五万戸ということでしたから、はるかに及んでいないという状況です。 この登録実績戸数についての大臣の御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年十月に施行されました改正住宅セーフティーネット法に基づく住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅につきましては、二〇二〇年度末までに十七万五千戸の登録を目標としておりますが、本年十一月三十日現在で六千二百三十七戸の登録と、受付審査中のものと合わせても八千四百七十一戸にとどまっているといった状況であります。 セーフティーネット住宅が少ない原因といたしましては、賃貸住宅の所有者に制度がまだ十分知られていないことが考えられるほか、事業者団体からは事務の手間や手数料等についての御指摘もいただいているところでありまして、こうした点を改善して、登録実績を大幅に伸ばしていくことが必要と考えております。 このため、国土交通省といたしましては、地方公共団体や事業者団体等と協力いたしまして、説明会やセミナー等による制度の周知や居住支援活動の充実を図るとともに、七月に省令を改正いたしまして、登録に係る申請書の記載事項や添付書類等を大幅に削減をし、あわせて、登録手数料を徴収している地方公共団体に対し手数料の無料化や減額を求めるとともに、登録申請に係るシステムの改修を順次実施をしているところであります。 今後も登録を促進するための取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 高齢者の方や、またお子さんがいる世帯、そしてまた低所得者の世帯、それから外国人など、住宅を確保するのが困難な方に対してしっかりと制度として住宅を確保しやすくするということ、これ必要な制度だと思いますので、是非これ実績が上がるように取り組んでいただきたいと思っております。 この登録戸数なんですけれども、これを見てみますと、都道府県でかなりのばらつきがあるなというのが分かります。六千二百三十七戸の登録のうち、これ大阪府は四千九百十三戸ということです。一方でなんですけれども、登録ゼロの県が十二県あるという状況であります。 かなりのばらつきがありますけれども、国交省として、これに対してどのような取組をなされていますでしょうか。
○政府参考人(石田優君) 改正住宅セーフティーネット法の施行から一年が経過いたしまして、各地方公共団体においては、セーフティーネットの住宅の登録の促進に係る取組のほか、手数料の見直し、補助事業の実施、また、登録に当たりまして面積基準の緩和、居住支援活動の推進などの取組が進んでおりますけれども、その取組につきましては地域差が生じているのは事実でございます。 今御指摘ございました大阪府におきましては、居住支援協議会の活動の一環として、国からの補助金も活用いただきながら、登録申請者の申請支援を行っていただいておりまして、先ほどありましたとおり、本年十一月三十日段階で、大阪府内に登録の戸数は四千九百十三戸まで来ているところでございます。 国土交通省では、こうした状況を踏まえまして、個別の公共団体に対しまして大阪府などの先進的な取組を進めている公共団体の取組を紹介しますとともに、取組が遅れている公共団体などに当局の職員が直接訪問をするなどして取組の促進を促しております。 今後とも、セーフティーネットの住宅の登録の促進に向けて努力してまいりたいと思っております。
○行田邦子君 非常に手間の掛かる仕事だと思いますけれども、だからこそやはり行政がしっかりと踏み込んでやっていかなければいけないのではないかと思っておりますので、これからもよろしくお願いいたします。 ちょっと、あともう一問用意しておりましたけれども、時間となりましたので終わらせていただきます。
○平山佐知子君 平山佐知子です。よろしくお願いいたします。 まず初めに、最近頻発していますパイロットの飲酒問題について伺ってまいります。 今配られています資料一を御覧いただきたいんですけれども、これは、先月二十日に開催されました第一回航空従事者の飲酒基準に関する検討会の配付資料です。それを見てみますと、国内航空会社における操縦士の飲酒対策の実施状況としまして、左手上段に、枠内にありますけれども、アルコール検知器の使用の有無について、国内定期運送事業者二十五社中、検知器を使用していない会社が四社、そして飲酒の影響が疑われた場合に検知器を使用する会社が四社となっています。また、アルコール検知器による検査の立会いなしが四社、さらに、右下の枠内を御覧いただきたいんですけれども、操縦士に対するアルコール教育に関して、多くの航空会社において定期的に専用の教育を行っている社は少数という驚くべき結果となっていました。 今後、検討会では、諸外国の運航乗務員の飲酒関連基準ですとかほかの運送事業の飲酒関連基準を参考にしつつ、年内には運航乗務員に対する国内における飲酒に関する基準を検討するということでありますけれども、まずはこのように各社対応が違っているというこの現実を早急に改める必要があるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。 国土交通省では、運航乗務員の飲酒に関わります不適切な事案が発生したことを踏まえまして、先月一日に、全ての国内航空会社に対しまして、飲酒に関する航空法等の遵守の徹底や講じた措置の報告を求める文書を発出いたしました。そうした中で同様の事案が更に発生いたしましたことから、先月二十九日、全ての国内航空会社に対して、飲酒に関する管理の強化や教育の徹底などの措置を至急講じるように指示をいたしたところでございます。 また、昨日、本邦航空運送事業者二十五社の社長等が出席の下で運航乗務員の飲酒問題に対する対策会議を開催をいたしまして、飲酒に関する管理強化の指示を直接行いますとともに、これまでの不適切事案の経緯や報告をされました各社の対策の共有等を行いまして、ただいま先生からも御指摘がございましたような、まだ講じられていない措置に対して、他社が実施している対策を参考に、自社で不足している対策を追加で講じるように重ねて指示をいたしました。 航空の安全に対する信頼をできる限り早く回復するためには、こうしたできることから即時に対応していくとともに、これらの指示を踏まえまして、各社が実施する措置を安全監査等を通じて徹底させるとともに、また、飲酒に関する数値基準の設定などを含めました必要な措置を早急に講じてまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 本当に多くの命を乗せて飛んでいるものですから、引き続き徹底した指導と厳しい指導をお願いをしたいと思います。 続いて、陸上に目を移しまして、自動車などによる交通事故の現状を伺ってまいりますが、続いて資料二を御覧ください。 これは平成二十八年における交通死亡事故について警察庁がまとめたものですが、御覧のとおり、平成十三年に危険運転致死傷罪が新設されて、その後、平成十八年には、福岡県の海の中道大橋において飲酒運転者による追突事故が起きて、幼い子供さん三人が命を落とすという痛ましい事故をきっかけに、更に飲酒運転の厳罰化が図られています。しかし、飲酒ありの事故件数ですが、調べてみたところ、去年、平成二十九年は三千五百八十二件、そのうち二百四件もの死亡事故が発生しているということです。 現在、自動車運送業では、平成二十三年五月から、事業用自動車の飲酒運転ゼロの目標を達成するために、点呼時にアルコール検知器の使用を義務付けるとともに、様々な行政処分を科していることというふうに思いますけれども、飲酒運転防止対策についていま一度整理をさせていただく意味もあって伺わせていただきます。 国としての事業用自動車における飲酒運転の主な防止対策と指導監督体制、また飲酒運転の違反をした場合にどのような行政処分が行われるのか、さらには、こうした国の取組による効果として、事業用自動車の飲酒運転による事故や飲酒に関する違反の状況などについてどのように推移してきているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。 自動車運送事業におけます飲酒に対する規制につきましては、関係法令の規定によりまして、酒気を帯びた状態にある運転者を事業用自動車に乗務させてはならないこととされております。 具体的な確認の方法につきましては、事業者は、運転者の乗務前と乗務後の点呼の際に、運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子などを直接確認いたしますとともに、アルコール検知器によりアルコール検知の有無を確認することといたしております。 なお、酒気帯びの有無の判断基準につきましては、例えば一般のドライバーにつきましては、道路交通法上、呼気一リットルにつき〇・一五ミリグラムとされておりますところ、自動車運送事業におけるドライバーにつきましては、アルコール検知器により検知がなされないこと、検知された数値がゼロであることにより判断をいたしております。また、点呼の際に確認した内容については、点呼記録簿に記録し、保存しなければならないことといたしております。 さらに、国土交通省では、酒気帯び等の運転を行った運転者の所属する事業者に対しましては、全国の地方運輸局と運輸支局の職員により監査を実施いたしておりまして、法令に違反する行為があった場合は、行政処分などの基準に基づきまして厳正に処分を行っております。具体的には、例えば監査の結果、事業者が酒気帯びの運転者を乗務させたことを認めた場合には、事業者に対して車両の使用停止処分を始めとする処分を科しております。 こうした取組の結果、事業用自動車による飲酒運転に関わる事故件数につきましては、十年前の平成二十年に、バスで一件、ハイヤー・タクシー十八件、トラック八十件、合計九十九件ございましたけれども、平成二十九年には、バス〇件、ハイヤー・タクシー四件、トラック四十一件、合計四十五件となるなど、全体として年々減少の傾向にございます。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 厳しく取締りというか取組を行った結果減っているということは、これは一定の評価ができるというふうに考えます。 そんな中、自動車運送業などがこの飲酒運転防止に関する様々な取組がある一方で、自家用自動車の運転に関しては、全てがそれぞれ運転者に責任があるというふうなことになりますので、事業用自動車のようなアルコール検査が事前にあるようなものではありません。 確かに、飲酒運転は免許取消しとなるだけでなく非常に重い刑罰が科せられるので、それを承知で行うこと自体悪質な行為ではありますけれども、例えば飲酒検問などの警察の取締りには限界がありますし、また、自分だけは大丈夫だろう、見付からないだろうという、この安易な思い込みなどもあって、まだまだ飲酒運転を行う者を根絶するというところまでは至っていないというのが現状だと思います。だからこそ、運転者が自ら進んでアルコールチェックをするような啓発、指導は必要であるのではないかというふうに考えます。 改めて、飲酒運転撲滅に向けた主な取組についてお伺いするとともに、特にアルコール依存症患者、アルコール依存症が疑われる人々については飲酒運転をしないような注意が必要となってきます。アルコール依存症の人が飲酒運転を行わないようにするために、警察行政としてはどのように取り組んでいるのか、教えてください。
○政府参考人(高田陽介君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、過去五年間、飲酒運転による死亡事故が年に二百件以上発生するなど、飲酒運転による交通事故は依然として後を絶たない状況にあり、警察では飲酒運転の根絶に向けて重点的に取組を推進しているところでございます。 具体的には、取締り、飲酒運転の厳罰化、行政処分の強化といった対策のほか、ハンドルキーパー運動への参加を呼びかけることなど、地方公共団体や関係機関、団体等と連携した広報啓発などの対策を推進し、飲酒運転をしない、させないという国民の規範意識を確立するべく努めているところでございます。 また、アルコールの中毒者については、運転免許の拒否処分の対象として運転免許を取得することができず、運転免許保有者がアルコールの中毒者と判明すれば運転免許は取り消されることとなっております。 なお、飲酒運転により運転免許の取消しや停止処分を受けた場合には、再び飲酒運転を行うことがないよう特別のカリキュラムを内容とする講習を受けさせる仕組みとなっております。 警察としては、引き続き、飲酒運転の根絶に向けた諸対策を強力に推進してまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 それに関連して、以前、地元の静岡県内の企業さんで運送業などの業務用アルコールチェッカーなどを開発している会社を取材したことがありまして、先日もその件についてちょっとお話を伺う機会がありました。そのときに知ったんですけれども、既製の自家用乗用車に取り付けるタイプのアルコールチェッカーも作られているということを知って驚いたわけですけれども、皆さん御存じかもしれませんが、簡単に説明しますと、運転者がエンジンを掛ける前に機器に呼気を、息を吹きかけて、アルコールが検知されなければエンジンが掛かりますけれども、検知されるとエンジンが掛からないという製品です。もちろん、この機械では本人確認も行うことができるということです。 こうした機械があれば、例えば二日酔いが微妙に残っている状態で、自分自身ではアルコールが抜けているというふうに思っていても結局は残っていて、飲酒運転として事故を起こすなどのケースもなくなるんじゃないかというふうに思います。とりわけ、飲酒運転によるひき逃げ事故のような悪質な案件では、ひき逃げから逮捕までのこのタイムラグがあるわけですから、例えば、運転者が事故の後にお酒を飲んだというふうに言ってしまったり、逮捕時には完全に酔いがさめてしまって、結局そのときには事故原因を正確に突き止めることができずに飲酒運転として立件できなかった事例もあるというふうに伺っています。そうしたことも考えますと、法規制として厳罰化だけでは不十分じゃないかなというふうに日頃から思っていたところでもあります。 飲酒運転が完全になくならないという今、事業用自動車と同じように自家用自動車でも、例えばアルコールを検知した場合は初めから強制的に運転できないようにしてしまうような、いわゆる入口での規制も必要になってくるのではないかというふうに思います。ちょっと厳しいかもしれませんが、先ほど申し上げたような機器を自家用自動車全般に搭載することが義務化になれば、思い込みによる飲酒運転を含め、飲酒運転そのものを大幅に減少させることができるのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。国土交通大臣、警察庁、それぞれ御答弁願います。
○国務大臣(石井啓一君) 委員の御指摘の装置、アルコールインターロック装置ということかと存じますが、飲酒運転防止につきましては、内閣を始め政府全体で取組が行われているところでありまして、自家用自動車へのアルコールインターロック装置の装着義務化はこの政府全体の取組の中で検討すべき課題と認識をしております。 国際的にも自動車へのアルコールインターロック装置の装着を義務化している国はなく、例えば欧州では自動車への装着に必要な技術情報の自動車メーカーからの提供の在り方について検討がなされていると聞いております。一方、国内におきましては、政府全体の取組の一環といたしまして、国土交通省におきまして平成二十四年にアルコールインターロック装置の技術指針を策定をいたしまして、関係者に周知をしているところであります。 今後とも、飲酒運転防止を始めとした交通事故防止に向けまして、自動車の安全対策を進めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(高田陽介君) お答えいたします。 委員御指摘のアルコールインターロックの装着義務化につきましては、装置の装着、維持管理に要する費用の負担に関する問題等の課題が存在するものと承知しております。このため、アルコールインターロックの装着義務化については、関係省庁や自動車メーカーなどの団体を中心とした慎重な検討が必要であると考えております。 しかしながら、飲酒運転対策の重要性は委員御指摘のとおりでございます。警察としましては、先ほど申し上げた対策を含め、飲酒運転の根絶に向けた諸対策を強力に推進してまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 今すぐに全て搭載を義務化するというのは難しいと思いますけれども、交通弱者の保護ですとか飲酒運転によるひき逃げなどの悪質な事件の被害者をなくすためにはこれも一つの有効な手段であるというふうに思いますので、難しいと切り捨てるのではなくて、是非前向きな検討も併せてお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(羽田雄一郎君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時五十五分散会