予算委員会 第4号
- 発言数
- 431 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2018/03/01
会議録
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成三十年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成三十年度総予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成三十年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日及び明日は基本的質疑を三百三十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党・こころ百十分、民進党・新緑風会八十分、公明党四十五分、日本共産党三十六分、日本維新の会二十四分、希望の会(自由・社民)十二分、立憲民主党十二分、無所属クラブ十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成三十年度一般会計予算、平成三十年度特別会計予算、平成三十年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより基本的質疑に入ります。大塚耕平君。
○大塚耕平君 おはようございます。民進党・新緑風会の大塚耕平でございます。 本日は、予算を中心に総理に質問をさせていただきたいと思います。 まず、昨日までの衆議院での審議で、この国会で提出が予定されていた労働法制に関しまして、昨晩随分大きな決断を総理がされたということで報道を拝見いたしました。どのような御決断をされたのか、改めて御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 働き方改革関連法案の中における裁量労働制の議論につきまして、厚生労働省のデータに疑義があるとの指摘を受け、精査せざるを得ない事態となったことは重く受け止めております。 裁量労働制については今回の改正から全面削除し、そして実態について厚生労働省においてしっかりと把握し直すこととし、その上で議論し直すといった判断を行ったところであります。 一方で、今回の働き方改革には、罰則付き時間外労働の上限規制の導入、そして同一労働同一賃金の実現、高度プロフェッショナル制度の創設など、七十年ぶりの大改革が含まれております。そういった観点から、我々、この三つの柱については提出をさせていただくと同時に、裁量労働制に係る部分については削除をするということを決定させていただきました。
○大塚耕平君 今日は極力生産的な議論をさせていただいて、総理にお考えを更に変えていただける部分があれば、そのような御決断をいただきたいというふうに思っております。 今三本柱というふうにおっしゃいましたけれども、今回の労働法制の見直しは何を目的にされようとしておられるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の目的、今申し上げました時間外労働の上限規制の導入については、長時間労働は、健康の確保だけではなく、仕事と家庭生活との両立を困難にし、そして少子化の原因や女性のキャリア形成を阻む要因となってもおります。そしてまた、男性の家庭参加を阻む要因、原因にもなっております。これに対して、長時間労働を是正すれば、ワーク・ライフ・バランスが改善し、女性や高齢者も仕事に就きやすくなり、労働参加率の向上に結び付くわけでありまして、また、経営者はどのように働いてもらうかに関心を高め、労働生産性の向上にもつながっていくと考えております。 また、同一労働同一賃金の実現につきましては、世の中から非正規という言葉を一掃していく、その目的のために、正規、非正規という二つの働き方の不合理な処遇の差は、正当な処遇がなされていないという気持ちを非正規の労働者に起こさせ、意欲をなくさせてしまうことにもつながっていきます。これに対して、正規と非正規の理由なき格差を埋めていけば、自分の能力を評価されていると納得感が生じていくわけであります。 私どもが目指しているこの働き方改革は、働く方一人一人がより良い将来の展望を持ち得るようにすることでありまして、働く人の視点に立った改革を進めていきたいということでございます。
○大塚耕平君 時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金、これは我々も賛成でございますので、高度プロフェッショナル制度、これもおやめになりませんか。そうしていただければ、我々も非常に前向きにこの法案の審議に応じられると思います。 高度プロフェッショナル制度も取り下げるというお考えがあるかないかをお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、今回の働き方改革においては、柔軟な働き方を可能にしていく、そのことによって、介護あるいは育児といった様々な事情を抱えている方々もしっかりと自分の能力を生かす、また生きがいを持って、目的を持って働くことができるという状況にもつながっていくということでございまして、この高度プロフェッショナル制度については、まさにそういう意味におきまして柔軟な働き方を可能とするものであり、また生産性の向上にもつながっていくということであります。 そして、この制度につきましては、連合の意見も取り入れまして、年間百四日の休日確保の義務付けなど健康確保措置を強化するとともに、平均給与の三倍の額を相当程度上回る水準であります、現状では年収千七十五万円以上の方と制限をしておりまして、予定どおり今国会に提出する法案に盛り込んでいく考えであります。
○大塚耕平君 厚労大臣にお伺いします。 この高度プロフェッショナル制度は、導入すると国民にとってどういういいことがあるんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず冒頭、この委員会、一月三十一日の当委員会で、裁量労働制と一般労働者の労働時間に関する私の答弁について一言おわびを申し上げたいと思います。 平均的な者の労働時間について異なる仕方で選んだ数字を比較をしたということでございまして、これは誠に不適切でありました。そのようなデータをお示しし答弁をしたことを撤回し、深くおわびを申し上げたいというふうに思います。 その上で、今のお話でありますけれども、高度プロフェッショナルについてでありますけれども、プロフェッショナルとして自分のペースで仕事をしたいと、こういう声はいただいているわけであります。 例えば研究職の方からは、一日四、五時間の研究を十日間繰り返すよりも二日間集中した方がトータルの労働時間は短くて済むとか、あるいはコンサルタントの方からは、長時間労働をする者の方が残業代、より報酬が多くなるため理不尽な思いを抱いており、パフォーマンスが高いスタッフに多くの報酬が与えられるようになればモチベーションアップにつながると、こういった声もいただいているところでございまして、まさに先ほど総理からお話がありましたように、年収要件等々をしっかり決めていく、対象業務も確定していく、また導入に当たっては労使委員会において五分の四の議決をもって行っていく、またさらには健康確保時間をしっかり把握していく、そういうような健康確保等を含めた措置を一方でしっかりと組み込みながら、その中で、今申し上げたようなまさに高度プロフェッショナルとして自分の思うようにやっていきたい、そうした人の力を十二分に発揮していただける、こういう制度だというふうに考えております。
○大塚耕平君 厚労大臣、その年収の上限は今幾らというふうに、基準は幾らと想定して案を作っておられるのか、テレビを御覧になっている国民の皆さんに御説明してください。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、法案そのものは作成作業中でございますけれども、労働政策審議会におかけをした法案要綱では、高度プロフェッショナル制度の対象となる方の賃金額の要件を、労働契約による使用者から支払われると見込まれる年間の賃金の額が平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準として法定することとしており、具体的な年収額については、法案成立後、改めて労働政策審議会の検討の上、省令で規定するということになっております。 平成二十七年二月十三日付けの労働政策審議会の建議では、想定される具体的な年収額は千七十五万円とされており、法案成立後にはこれを参考に検討を進めていきたいと、こういうふうに考えております。
○大塚耕平君 千七十五万円というのは、確かに国民の皆さんの平均的な水準から考えたら少し高い水準だというのは私も理解します。しかし、その水準近辺の皆さんというのは、日本の産業や経済にとって、あるいは企業にとっても、大変創造性やあるいはこれからの新たな戦略を考える上で重要な役割を果たしている方々が多い層だと思います。この方々は結構サービス残業をしている実感があるんですよ。サービス残業はそういう水準の人たちの間には存在しないという前提で今の数字をお作りになっておられますか。
○国務大臣(加藤勝信君) サービス残業、まさにそうした所得の世帯以外も含めてこれはいろいろ指摘をされているわけでありますから、それをしっかり適正な、働いた労働時間に対してしっかりと賃金が支給されていく、そういうことは我々も監督指導を通してしっかりと対応していかなければならないというふうに思っております。 その上で、今回のそうした対象者については、今委員からもありましたように、例えば対象者の割合について申し上げれば、今、年収一千万円超ということで国税庁の調査をベースに推計をしますと、役員を除くと給与所得者全体の約三%ということでありますし、ここから更に管理監督者が除かれるということであります。また、当然、この年収要件には残業は当然含まれないわけでありますけれども、そういった意味でかなり限定されて、しかも自分の力で創造的な力を発揮していける、さらには会社との交渉力もある程度あると、さらに導入するに当たっては書面にて本人の同意を求めるということにもなっておりますので、そういった仕組みを入れる中で、先ほど申し上げたその力を十二分にそういう制度の下で発揮したいと、そうした発揮したいと思っている方がその力を発揮できる、こういう制度になっていくというふうに考えております。
○大塚耕平君 答弁していただいているようで全然答弁になっていないんですが、総理、この高度プロフェッショナル制度、これ断念していただいたら、この労働法制はかなり歩み寄って、言わば平和的にこの審議が進むわけですよ。 これ、高度プロフェッショナル制度を総理が国民の皆さんに導入したいとおっしゃる前提として、その周辺の働く皆さんがサービス残業の実態がどうなっているかという数字は厚労省から報告受けておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が受けているかどうかということでございますが……(発言する者あり)お答えをいたしますが、言わばこのサービス残業の実態等ということについては、私は報告は受けておりませんが、労政審において様々な指摘のある中で、この健康確保措置についてもしっかりとこれは盛り込んでいく。そしてまた、あるいは、本人の同意等について書面でということについては今答弁をさせていただいたところでございますが、言わば本人が希望するという中において健康確保措置もしっかりと行っていくという中において実施をさせていただきたいと、こう考えているところでございます。
○大塚耕平君 総理、ここをよく聞いていただければ幸いですが、年収一千七十五万円の人が、まあ私もそういう層に、元の、今日は古巣の上司というかボスもいますが、日銀の総裁もいますけど、そういうゾーンで仕事をしている人間はかなり残業長いんですよ。 例えば百時間、サービス残業的、つまり、それは高度プロフェッショナルだから自分の自由に仕事をして成果を上げなさいという人たちが百時間サービス残業が仮にあったとすると、例えばですよ、時給二千四百円で計算して一千七十五万から差っ引くと年収五百万ぐらいなんですよ。 こういう実情をどのように把握した上でこの制度の導入を御主張されるか、あるいはその基準の水準を決めるかということが大事なポイントですので、厚労大臣にもう一回お伺いしますが、サービス残業については何か調査なりデータがあった上でこの制度の導入を総理に進言しておられるのですか。
○国務大臣(加藤勝信君) まさしくサービス残業ということでありますから、統計的にすぐ出てくるものではないわけであります。それは、個々の事業に入って、そこが実際どうなっていたかという中で、一つ一つそこにおいてサービス残業が行われていたかどうかというのを我々は把握をし、そして、しっかり賃金が支払われるべき時間があったにもかかわらず、例えば残業が行われたにもかかわらず払われていなければ、それに対して一つ一つ監督指導等を実施をしているということでございますので、そういった意味で、総体的にどのぐらいあるかということについて具体的な数字を持っている状況にはございません。 ただ、先ほど申し上げましたように、今件の導入に当たっては、まずは導入について労使委員会で五分の四の決議をいただくということ、またその決議において対象労働者から書面で同意を得るということ、そしてさらに書面等により職務が、これ大事なことなんですが、職務が明確になっているということが非常に大事なんですね。 ですから、そこを定めるということが必要とされているわけでありまして、そういった様々な仕組みを取り込むことによって、先ほどから申し上げておりますように、高度な能力を持って、そしてまさに時間でなかなか測れないもの、そういった成果、時間では測れない形で成果が出てくる、こういった仕事をする方に対してこういった制度を導入することによって、まさに効率的に、そしてその方の力を十二分に発揮をしていただきたいと、こういうふうに思っております。
○大塚耕平君 今日は働き方改革とアベノミクスについて議論をさせていただきたいと思っていますので、この後もう一度この問題に戻りますけれども、その前に、ほかにも重要な問題がありますので幾つか確認をさせていただきます。 福島第一原発事故への対応の状況と今後の見通しについても、概要を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 福島第一原発の廃炉・汚染水対策、そして福島の復興は非常に重要な政策課題だと思っております。 まず、廃炉対策については、これまで二号機、三号機の調査で燃料デブリの可能性のあるものを確認するなど、画像や線量などの多くのデータが収集できてきております。燃料デブリの取り出しに向けた炉内状況の把握が進展をしてきております。 今後、二〇二一年内の燃料デブリ取り出し開始に向けて、更なる内部調査や取り出したときの放射性物質の閉じ込め方法の確立など、研究開発を行うこととしております。 汚染水対策については、まず、サブドレーンによるくみ上げ能力の強化ですとか、あるいは凍土壁の凍結の進展など、予防的、重層的な対策が着実に進展をしてきております。これによって汚染水の発生量も対策前の日量五百トンから足下では二百トンまで減少してきておりまして、対策の効果が現れてきているというふうに考えております。 今後、汚染水の発生量をできる限り低減をするため、サブドレーンくみ上げ能力の強化など、必要な対策を安全かつ着実に実施をしてまいりたいというふうに思います。
○大塚耕平君 原発そのものに対する対応の概要はお伺いしました。 避難されている皆さん、仮設住宅にいらっしゃる方々が今後どうなるかということについて、今何か問題は起きていませんでしょうか。
○国務大臣(吉野正芳君) お答え申し上げます。 帰還困難区域を除いて、ほとんどの地域で避難指示が解除をされました。そういう意味で、まだ仮設、福島県内だけですけど、約一万六千人が仮設に暮らしております、大熊町、双葉町を始めとして。 ただ、ここに来て、双葉町ですけど、復興公営住宅、これができ上がりました。この間、鍵の引渡式が行われまして、新たな生活に取り組んでいく第一歩を記したわけですけど、そういう意味の生活再建、心のケア等々、十分に今やっているところでございます。 また、帰られた地域、戻られた地域では、例えば浪江町ですけど、生鮮食料品を売っているお店がないんですね。ですから、南相馬市まで行って買物をしているという状況でございますので、そういう帰ってきた、買物環境の整備とか、まだまだ課題は、やることはたくさんございます。 以上、かいつまんで御報告申し上げました。
○大塚耕平君 大臣は現地にお詳しいことと思いますが、総理、今月末で例えば楢葉町の仮設住宅にまだ住んでいらっしゃる住民の皆さん二百世帯がもう強制的に退去させられるということは報告を受けておられますか。
○国務大臣(吉野正芳君) 楢葉町は三月末で、今月末ですね、で仮設住宅が終わります。 やはり、もう二年、解除されて二年ちょっとたっておりますので、そういう意味では、仮設住宅の提供を打ち切って、住宅確保に今支援をしているところでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の御質問については、まだ私にはこれは報告は受けてはおりませんが、いずれにせよ、一日も早い生活再建、なりわいの復興、ふるさとの再生に向けて国として責任を持って取り組んでいく考えでございます。
○大塚耕平君 総理が今この件は報告を受けていないと正直におっしゃられたのは大事なことだと思うんです。 今回の労働のデータもそうですが、実態をちゃんと把握されるかどうかということが総理にとって非常に重要な課題でありますので、楢葉町の二百世帯四百五十人の方々の中には、三月末以降の住むところが決まっていない方々も出ろと言われているんです。これは速やかに実態調査をして、本当にその措置でいいかどうかということを総理として改めて御判断されるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(吉野正芳君) 国として、住宅の確保、これは絶対被災者にとっては必要なわけでございますので、その辺も含めてこれから対応していきたい、このように考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の御質問でございますが、復興庁にしっかりと今の御指摘も踏まえて実態を把握をさせまして対応してまいります。
○大塚耕平君 被災者の方も聞いておられますので、今の御答弁、私も重く受け止めますので、適切に御対応いただきたいと思います。 労働の問題に移る前に、もう一つ確認させていただきます。 去る二月二十日に、青森県の米軍三沢基地所属のF16戦闘機が小川原湖に燃料タンクを投棄したという事案がありましたが、事実関係についてお伺いします。
○国務大臣(小野寺五典君) 二月二十日午前でありますが、米空軍三沢飛行場所属のF16戦闘機一機が、同飛行場を離陸した直後、エンジンから出火し、燃料タンク二本を同飛行場北側に所在します小川原湖に投棄し、同飛行場に着陸しました。 防衛省としては、本事件発生後、直ちに東北防衛局三沢事務所や航空自衛隊が現地に職員を派遣し、被害の状況の確認をするとともに、東北防衛局長から米軍三沢基地司令に対して安全の管理徹底、原因究明、再発防止について申入れを行いました。 また、青森県知事の御要請をいただきまして、二月二十一日から現地に部隊を、これは自衛隊でありますが、派遣をいたしまして、燃料等の回収のための災害派遣を継続しております。これまでの捜索の結果、複数の燃料タンクの残骸約九割程度を回収し、米側に引き渡しております。 引き続き米側と協力をして回収作業を続けてまいりたいと思います。
○大塚耕平君 今の青森を始め、御承知のとおり、沖縄ではいろんなことが起きております。 昨年一月以降の約一年間で、米軍関係の例えば部品落下、不時着、墜落等の事故あるいは不祥事等々、どのくらいの件数が起きていて、そのうち沖縄がどのくらいかということを御説明いただけませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) 平成二十九年一月以降の在日米軍施設・区域外で発生した米軍航空機事故で防衛省が把握している件数でありますが、平成二十九年は二十五件、平成三十年は五件であり、そのうち沖縄県で発生した件数は、二十九年は十件、平成三十年は四件となっております。
○大塚耕平君 大臣、そのうち、普天間第二小学校の校庭に大型ヘリの窓枠が落ちた事案、これも恐縮ですが、概要を説明していただいて、その後どういう対応をされて、今はもうヘリが校庭の上空は飛ばないという徹底をされたのかどうか、お伺いします。
○国務大臣(小野寺五典君) 昨年十二月十三日、普天間第二小学校のグラウンドに普天間飛行場所属のCH53Eヘリコプターの窓枠が落下をいたしました。 本事件の発生を受け、防衛省としては、速やかに現地に沖縄防衛局の職員を派遣し、事実関係の把握を行うとともに、在日米軍に対し飛行の自粛を申し入れました。また、日米間で合意されているとおり、学校等の上空を避けて飛行するよう強く申入れを行っております。 米側は今回の事故を重く受け止め、直ちに飛行中の全てのCH53Eヘリを普天間飛行場に帰投させ飛行を自粛するとともに、同型ヘリ全機について徹底的な点検を実施したものと承知をしております。さらに、米側は、普天間第二小学校を、離発着する全ての航空機の搭乗員に対して、普天間第二小学校を含む全ての学校の上空の飛行を最大限避けるよう指示をしたということであります。 防衛省としても、自衛隊の専門的知見を活用しましてこの安全性の判断等の確認を行い、そして同種の飛行調査を行うための自衛隊の知見に照らしても、CH53Eの飛行を再開するための必要な措置がとられたと判断をいたしました。 ただ、やはり今後ともこのようなことがないように、事故のありました普天間第二小学校にカメラを設置するとともに、監視員を配置をして、米軍機による上空飛行を直ちに監視できる体制を取りました。ただ、その後、米軍機の飛行を確認しましたので、私どもとしては、米側に対して、飛行を確認したということ、その場合には映像をもって米側に抗議をし、そして米側の対応をお願いをいたしました。 ただ、残念なことに、先日も、今度は普天間所属ではなくて、外来機というんですが、米海軍のヘリコプターが上空を通過したということがありました。私どもとしては直ちに米側に抗議をし、米側もすぐにこれを認め、そして謝罪を行いました。 私どもとしては、普天間所属の航空機だけではなく、外来機、普天間飛行場に飛んでくる外来機についてもしっかりとした対応をするようにということ、これは、私も実際小学校を現地で見ておりますし、先般も防衛省に来られました海兵隊の、あっ、済みません、米軍の副司令官にこの防止については強く求めております。
○大塚耕平君 総理、これも総理御自身が実態を把握されるかどうかということが非常に大きなポイントなんですが、防衛省は米軍に学校上空は飛ばないようにしてくれというふうに正式に申し入れて徹底したというふうに報告を受けているのかどうか、総理はどう認識しておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米軍機の事故等に関わることは日米安保そのものの信頼性に関わることでございますから、随時報告を受けているところでございます。
○大塚耕平君 それでは、普天間基地すぐ近くの緑ケ丘保育園への部品落下事案については何か聞いておられますか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今御指摘の緑ケ丘保育園に関しての事案でありますが、これは昨年十二月七日であります。宜野湾市から市内の保育園の屋根に航空機の部品と見られるものが落下したとの通報があり、防衛省としては、現地に沖縄防衛局の職員を派遣するとともに、米側に対して事実関係を照会をいたしました。 この部品というのはCH53Eの回転翼の損傷を検知するための保護のカバーであるということ、本通報があった午前中、普天間飛行場からCH53Eが一機離陸しているが、この機体に使用している、これ七個カバーが付いておりますが、これは離陸前に全て取り外され適切に保管されている、また、他の同型ヘリのカバーについても全てが適切に保管されているということが米側から説明がありました。 ただ、この保育園には実際にカバーが落ちておりますので、これは米側に対して現在もその内容について照会を掛けているということであります。
○大塚耕平君 総理、この保育園のお母様方と園の関係者、たしか全党に、この事実関係の報告と、上空を飛ばないようにしてほしい、そして事実関係を更に確認してほしいということで先日回られました。私もお会いしました。ところが、今大臣おっしゃるように、一回防衛省の関係者が立ち寄って簡単なヒアリングをしただけで、以後もう三か月近く放置されているんです。 この保育園の皆様方にも適切に政府として対処するという理解でいいかどうかを総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大臣から答弁をさせていただいたところでございますが、本件に関しては、現在も米側の協力を得つつ関係機関において調査中であると、こう承知をしております。 そしてまた、こうした出来事が連続して起こっているわけでございますが、地域の住民の方々の安全確保は大前提でありまして、事件、事故はあってはならないと考えておりまして、安全の確保については最優先の課題として日米で協力して取り組んでいるところでございまして、私自身もトランプ大統領に対しまして我が国の考えをしっかりと伝えております。先般も改めて米軍機の厳格な安全確保を強く要請したところでございます。
○大塚耕平君 労働法制にせよ、原発事故に絡む被災者の皆さんの状況にせよ、米軍の事故、不祥事にせよ、総理としては実態把握に是非努めていただいて、被害に遭われた方や関係者が不安に思われることのないように適切に対処をしていただきたいということをお願いをして、また労働法制の話に戻らせていただきます。 労働法制の見直し、改めて総理にお伺いしますが、もう簡単で結構なんですが、これ何のためにおやりになるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この労働法制については、七十年間、労働基準法の改正等大きな改正というのは行われていないわけであります。 その中で、今まさに多様な働き方を求める時代になってまいりました。先ほども申し上げましたが、女性の皆さんが社会に参加しようと、自分が仕事を持ってしっかりと仕事をしていこうと思えば、しかし、その中で子育て、介護、様々な事情を抱えておられる方々がいる中において、言わば九時五時型の今のこの働き方、あるいはまた長時間労働という慣習、これを変えていく必要があるということの中において、そしてまた、例えば、人生百年時代を迎えておりますから、六十、六十五を超えても十分に仕事ができるという方々もおられます。 そういう方々が新たな働き方を求めていると、そういう時代の中にあって、そういう皆さんにも能力を発揮をしていただかなければならない。障害を抱えている方々、あるいは難病を抱えている方々についても、自分たちの能力を生かす、希望に向かって進んでいける社会をつくっていく上においては、ワーク・ライフ・バランスを取りつつ、同時に多様な働き方を可能にしていくという中において、長時間労働の慣習を断ち切るために時間外労働の上限規制、罰則付きの規制を初めて設けるわけでございます。と同時に、同一労働同一賃金の制度をつくっていくことによって、言わば働き方、多様な働き方がより可能になっていくんだろうと、こう思うわけでありますが。 同時に、生産性、今申し上げました二つ、生産性の向上にもつながっていく、そして高プロもそうでありますが、高度プロフェッショナル制度も、これは生産性の向上にもつながっていくと思いますし、これは非常に一部の、高プロの場合は、先ほど厚労大臣から答弁をさせていただいたように、千七十五万円以上の方ということで限定をさせていただいているわけでありまして、交渉力の高い方々であり、そういう方々でありますから基本的には交渉能力も高い方であります。本人の同意も必要とされているわけでございますから、そこで、そういう方々が自分の働き方に応じた、自分が望む働き方に応じた働き方を可能にしていく。成果主義で働きたいという方は、その働き方を選べるようにしていくことによって生産性の向上にもつながっていく。つまり、それぞれの方々が、労働者、勤労者一人一人が自分たちの選ぶ働き方ができることを可能にしていく、ワーク・ライフ・バランスを確保していく、そして同時に生産性も高めていくということでございます。
○大塚耕平君 丁寧に説明していただいたんですが、途中でやっとキーワードが出てきたんですが、生産性の向上とおっしゃったんですよ。これまで、加藤大臣もそうですし総理も、労働生産性の向上のためにということを一生懸命主張しておられたのが、今の説明ですと、働き方の多様性を増すためにというところが強調されていて、労働生産性の向上というのが一言出てきただけなんですが。 総理、日本の勤労者の皆さんの賃金は高いと思いますか、低いと思いますか。総理の認識で結構です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 他国との比較ということで言われているのかもしれませんが、そういうことであれば、今すぐに、手持ちに資料がございませんから直ちには答えられないところでございますが、言わば企業が高い収益を上げている中において、我々としては更なる賃上げを期待しているところでございます。 いずれにせよ、一人一人の労働生産性が上がっていくことによって、我々、更に賃金が上昇していくことを期待したいと、こう思っております。
○大塚耕平君 お手元にグラフをお配りしていますので、二ページ目のグラフ御覧いただけますか。(資料提示)これ、総理、代表質問のときにも申し上げたんですが、これ、一月二十二日の日経新聞の一面トップのグラフなんですよ。日経新聞の一面のタイトルも代表質問でお伝えしましたよね。何て書いてあったか。日本の賃金、世界に見劣り、生産性の伸びに追い付かず、国際競争力を左右、G7のうち日本だけが賃下げ、人材流出のおそれと、こう書いてあるんですよ。 このグラフを御覧になって、総理は、日本の勤労者の皆さんの賃金水準が先進諸国と比較して低いというふうにお感じにならないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) これちょっと、どういう形でOECDで処理をされているのか、ちょっとこの統計からはにわかに分かりかねるところでございますけれども、これ、しかも、平均、このグラフそのものは、その国において一〇〇からどう動いたかという数字を出しておられるので、例えばカナダの一二四・三というのは、日本の九八・七と比べるんじゃなくて、二〇〇〇年が一〇〇だったものが伸びていると、一方で日本は伸びていない、多分こういう数字なんだろうと思います。 日本について、これ実質という、この実質賃金という議論であればですね、これまでも議論されてきましたように、消費税の引上げ等々があって実質賃金がいっとき下がってきているという、このタームにおいてはそういった事態はあるんだろうと思いますが、ただ、最近においては実質賃金、名目賃金もやや上昇に転じてきていると、こういうふうに認識をしております。
○大塚耕平君 総理、今日は、冒頭申し上げましたように、できるだけ生産的に議論させていただきたいと思いますので、実態の御認識と我々との認識の共有が進めば、やっぱり高度プロフェッショナル制度も今回は時期尚早だ、あるいは断念すべきだというふうになっていただけるものと思いますので、もう一個お伺いします。 一月二十五日の代表質問の御答弁、あの代表質問の御答弁は、お手元に、私の質問との一問一答で全部こちらに別のつづりで用意してありますので、必要なところを私が申し上げますが、一月二十五日に答弁の中で、生産性革命を実現することで働く皆さんの賃金を持続的に上昇させていくということをはっきり申し上げ、そして、加藤大臣も、もう一々答弁の履歴は申し上げませんが、衆議院の答弁の中で、労働生産性が上がれば賃金が上がるという趣旨のことをおっしゃっているんですが、この考え方にお二人とも現時点でも変わりはないという理解でよろしいですか。
○国務大臣(加藤勝信君) ちょっとその答弁を今手元にありませんけれども、私自身の考え方は、賃金を継続的に上げていくためには労働生産性を上げていかなければまずならないということ、そしてもう一つは、労働生産性が上がったことを賃金の引上げにつなげていかなければなりません。そのために、最低賃金の引上げを図る、あるいは、これは政府がそこまでやるのかという御批判も一部にはありますけれども、総理自ら経済界に対して、特に春闘に向けて実質賃金あるいは賃金の引上げを要請する、そういったことを通じ、あるいは今、後で御議論があるかもしれませんけれども、労働分配率がやっぱり低下しているというのは我々も認識を持っているわけでありますから、そういった意味で、生産性の向上が上がった分についてはしっかりと賃金の引上げ等に反映をしてほしい、こういう要請もさせていただいているわけであります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一人当たり一時間当たりどれだけ生産したかを表すのがこの労働生産性でありますが、多くの先進国とともに我が国も伸び悩んでいるわけであります。理由としては、日本の全要素生産性や資本装備率が伸び悩んでいるためという指摘もあるところでございます。 いずれにせよ、我々、賃金を上昇させるということに着目をしておりますので、この労働生産性を上げていく必要があるということは申し上げてきたところでございます。
○大塚耕平君 総理、今度はグラフの一枚目を御覧いただけますか。これも同じ日の日経新聞のグラフなんですよ。これは安倍政権になってから労働生産性は向上しているんだけど、それに実質賃金が追い付いていないということが問題になっているんです。その中で、一千七十五万円以上の人は残業代は払わないという制度を導入するということは、実質賃金が労働生産性をずっと上回っていたんだったらまた話は別ですよ。この状況で高度プロフェッショナル制度のような考え方を労働法制や企業と勤労者の間の賃金の枠組みに持ち込むことの不合理性というのをお感じになりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、我々、高度プロフェッショナル人材制度を入れるのは、まさに該当する方、千七十五万円以上の方、管理職以外で年収が千七十五万円以上の方を対象とするわけでありますが、それらの方々が全てではなくて、その中から自分はこういう働き方をしたいということを希望される方がこの制度を活用できるということにするわけでございまして、つまり、千七十五万円以上の方々全てを対象とするのではなくて、希望する方がこういう働き方を選ぶことができるというのがこの制度を導入する大きな目的であるということでございます。
○大塚耕平君 勤労者の合意が必要で、そして希望する人だけだと。そこは分かります。しかし、総理、このグラフ御覧になって、要するに今、日本は実質賃金が低過ぎる、この間、国民の皆さんは労働生産性上げる実績を上げておられるにもかかわらず、それに賃金が付いていっていないというこの現状について問題だと思われませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) それは先ほどの答弁の繰り返しになると思いますけれども、端的に言えば、労働分配率が下がってきている、他方で労働生産性が最近においては上がる傾向にありますから、そういった意味での労働生産性が上がった部分、これは企業によってもいろいろありますけれども、特にそうした労働生産性等が上がっている企業においてはしっかりそれを働く人に還元をしていただきたいと。そういった意味において、春闘等における賃上げ等についても経済界に対して総理からも要請をさせていただく、あるいは最低賃金の引上げも順次、適宜行わせていただいていると、こういうことでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに委員御指摘のように企業は過去最高の水準の収益を上げているのでありますが、内部留保にそれが回っているという御指摘もあるのは事実でございまして、そのために、我々、賃上げ、今年については三%お願いをしているところでございますが、そのために、そういうインセンティブを与えるための税制等の施策も行っているところでございます。
○大塚耕平君 そうすると、加藤大臣、日本人の、あるいは日本の労働生産性が低いという、相対的に低いということを繰り返し述べておられるんですが、それはもうこれまでの認識を撤回するという理解でよろしいですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 日本の労働生産性の水準、伸びが低いと思っております。その理由としては、多くの専門家、さらにシンクタンクによる分析がありますが、一つはTFP、そしてまた、資本装備率が伸び悩んでいるためと、こういう指摘が恐らく多いんだと思っておりまして、日本のTFPの上昇率が伸び悩んでいる原因としては、日本企業はオープンイノベーションなどではなく自社内の技術開発にこだわることが多いことなどから、研究開発によって蓄積した技術であったりとかアイデアと、これを幅広く効率的に活用できていないこと、さらにはICT等の技術が中小企業などで十分に進んでいないこと、こういったことが指摘をされております。 一方、日本の資本装備率が伸び悩んでいる原因としては、日本の設備投資、力強さを欠いている、国内ではなくて海外の方に設備投資が向かっていると、これが大きな原因だと思っておりまして、こういった状況を改善して、過去最高の企業収益を更なる賃上げであったりとか設備投資につなげるために、三%の賃上げや投資に積極的な企業には法人税の実質的負担を二五%まで引き下げる、さらに、革新的な技術により生産性向上に挑戦する企業には思い切って二〇%まで引き下げると、こういったことをやっておりまして、御案内のとおり、労働生産性の問題、それからTFPの問題、そして資本装備率の問題、それによって全体の生産性決まってきますので、そこの中で捉えるべきだと考えております。
○大塚耕平君 茂木さんが答弁していただいたんで、まさしくそういうところを今から総理と少し認識を共有させていただきたいんですが。 資料の四ページを御覧いただきたいんですが、労働生産性は、これはもう経済学部の大学生であればみんな知っている計算式で、GDPを労働投入量で割っているわけであります。しかし、裁量労働制のデータが不十分であった、不適正であったことと同様に、労働生産性をどう捉えるかということも実はこの労働法制の議論の大前提として大きな問題があるということをちょっとこれから議論させていただきたいと思います。 GDP統計も、最近は粉飾されているとかいろんなやゆをされておりますけれども、今日は分子の方は取りあえず話題にしません。 まず、就業者数についてお伺いをしたいんですけれども、就業者数はこれ労働力調査においてどのように把握しているかを総務大臣にお伺いします。
○国務大臣(野田聖子君) 労働力調査は、我が国における就業、不就業の実態を明らかにするため、全国から選定された約四万世帯、十五歳以上の世帯員約十万人を対象に毎月調査を実施しています。 調査は、統計調査員が調査票を世帯に配付、回収する方法により実施し、就業状態や事業の種類などについて把握しています。 就業者数は、月末一週間に仕事をしたなどの就業状態を把握することにより算出しています。
○大塚耕平君 総務大臣、五ページにその就業者比率の先進七か国の比較がしてあります。さっきの労働生産性など、全部G7で今日は比較していますので。 日本の就業者比率が人口に比べてちょっと高いというのは、従来から先進国の間の七不思議の一つなんですよ。これ、なぜ日本だけ高いと思われますか。
○国務大臣(野田聖子君) なぜかということは分かりませんが、就業者、日本において就業者とは、調査週間中に収入を伴う仕事を一時間以上した者、又は仕事を持っていながら一時的に休んでいた者を指します。また、外国人かどうかは区分しておりません。そういうことです。
○大塚耕平君 資料の一番後ろに、その総務省が使われる調査票が付けてあります。その調査票の、十七ページになりますが、この⑤番のところがこの就業者数を把握するためのアンケート項目なんですが、御存じでなくてもしようがないですが、御存じであれば、総務大臣、このうちのどの部分に丸を付けた人が就業者になるかというのは、何か実務的な報告を受けておられますか。
○国務大臣(野田聖子君) ⑤の月末一週間に仕事をしたかどうかの別とありますが、そこの四角の一の、主に仕事、通学の傍らに仕事、家事などの傍らに仕事、仕事を休んでいたというところです。
○大塚耕平君 おっしゃるとおりなんです。 ちょっと委員の皆さんも見にくくて恐縮なんですが、この五番の最初のところ、四つの丸ですね、主に仕事、通学の傍らに仕事、家事などの傍らに仕事、仕事を休んでいた、この四つが就業者数にカウントされるんですよ。これ、他国も同様ですか。
○国務大臣(野田聖子君) ちょっと御通告がなかったので確認しておりません。後ほど確認します。
○大塚耕平君 それ、高度プロフェッショナル制度の議論に入る前にそれ確認して、他国比較を必ずやってください。 もう一つお伺いしますが、その就業者数には外国人労働者は含めていますか。
○国務大臣(野田聖子君) 先ほど申し上げたように、区分しておりません。外国人かどうかは分けておりません。(発言する者あり)済みません、含まれております。
○大塚耕平君 フランスなどでは含まれていないという情報もあるんですけれども、これも他国、少なくともG7の間では統一されているかどうかはどのように御報告を受けておられますか。
○国務大臣(茂木敏充君) いずれにしても、議論は労働生産性と、こういった議論に行って、ここでの国際比較が必要になってくると。そうなりますと、OECDのデータベースを使って各国の比較をするということになってくると思っておりまして、その場合は就業者数掛ける一人当たりということで、OECDの事務局が統一の基準をもって各国のデータを使って推計すると、こういう形になると思います。
○大塚耕平君 茂木さんは経産大臣のときも原発の処理のときに巧みにいろんな答弁をされるんですが、その場を取りあえず切り抜けてくださるのは有り難いことですが、不確かな答弁をあえてしていただく必要はありませんので。 総理、これ実態把握しましょうよ。日本の労働生産性は何だか知らないけど低いというような根拠のない前提が蔓延しているんですよ。まあ普通に考えて、日本人の労働生産性が低いというのは、普通の方々の働き方を他国の方々と比較して必ずしも低いとは私には思えません。 厚労大臣にお伺いしますが、そうすると、厚労省の外国人雇用状況において外国人労働者は何人というふうに把握されていますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 日本国内で就労する外国人労働者数は外国人雇用状況の届出状況によりますが、平成二十九年十月末時点において約百二十八万人であります。(発言する者あり)
○大塚耕平君 今そんな少ないんだってお声が後ろからあったんですが、この外国人雇用状況の調査では今大臣が言った数字なんですが、さっきの労働力調査では、訪問していった家にその雇用状況に登録していない、百二十四万人以外の人の外国人もいらっしゃれば就業者数にカウントされているんですよ。 それでいいですね、総務大臣。
○国務大臣(野田聖子君) そのとおりでございます。
○大塚耕平君 そうすると、総理、就業者数が実態やこの外国人雇用状況の把握している数字よりも多い場合には、日本人の労働生産性は、あるいは日本の労働生産性は上がりますか、下がりますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今おっしゃるように、分子がGDPですから、分母は労働者数掛けるその一人当たりのたしか労働時間数で出している、一時間当たりの労働生産性ということであれば、分子が変わらずに分母が大きくなれば当然その数字は小さくなる、そういう関係になると思います。
○大塚耕平君 そうなんですよ。まず、この日本人の労働生産性が低いかのごとく都市伝説のように蔓延しているこのデータについて、やっぱり我々はいま一度認識を共有する必要があるんです。 今、就業者数について申し上げましたが、じゃ、今度、労働時間についてお伺いします。 厚労大臣、毎月勤労統計調査において労働時間はどのように把握しておられますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 毎月勤労統計調査においては、調査対象となった事業所に対して、調査期間月ですね、の常用労働者の人数と実際に働いた実労働時間、これ全部足し合わせた数字ですね、延べ数を常用労働者全員分合計した数を回答していただき、それから一人平均の月間実労働時間を集計しているということで、トータルその企業で働いている人の総労働時間と、そしてそこで働く人の時間を把握して出していると、こういうことであります。
○大塚耕平君 そうすると、直近の日本人の年間総労働時間の水準はどのぐらいですか、厚労大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) 平成二十九年分の結果ということでよろしいでしょうか。 月間について申し上げますと、全体では総実労働時間百四十三・四時間ということになっております。(発言する者あり)年間、済みません、ちょっとすぐ出てきませんが……(発言する者あり)はい。
○大塚耕平君 年間だと今千七百ぐらいなんですよ。 ところが、総務大臣にお伺いしますが、総務省も労働力調査で労働時間算出しておられるのは御存じですか。
○国務大臣(野田聖子君) 大変お待たせいたしました。 月間時間、取っております。平均月間就業時間、取っております。
○大塚耕平君 いや、野田大臣とは岐阜と愛知で親しくさせていただいているので余り困らせるつもりはありませんが、総務省も取っているんですよ。 総務省は、非農林業雇用者の週間就業時間、これに年間換算率五二・一四三を掛けると年間時間が出て、厚労省の労働時間ですと千七百時間で、総務省のやつから換算すると二千三十四時間なんです。 この差は何だと思われますか、厚労大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっとその対象者の違いなのか、それからどういうことをもって就業しているということの違いなのか、そうした対象者の違いがあるのではないかというふうに思います。
○大塚耕平君 今申し上げましたように、非農林業雇用ですからね、その部分の差かもしれませんが、そうすると、総務省の持っている統計で二千時間を超えていて厚労省の持っている統計で千七百時間ということは、それを額面どおり受け止めれば、農林関係の方の勤労時間はすごく短いということになるんですが、本当にそうかなということも不思議ですし。 それから、厚労大臣にお伺いしますが、さっきの毎勤統計は常用雇用者、常時五人以上雇用ということですが、五人以下の事業所に雇用されている方の割合はどのくらいかということとか、他国はそのゾーンは統計に入っているのかどうかとかということは、どのように報告を受けておられますか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、後者でありますけど、他国については報告を受けておりません。承知をしておりません。 それから、前者については、たしかそういう規模別のデータが、これ私どもではなく、たしか中小企業庁か何かのデータがあって、それを私は見た記憶がありますけど、ちょっと今手元にないので、済みません。それは、全雇用者に占めるそれぞれの、五人規模、五十人まで、何百人以上ごとの企業規模別のたしかそういう統計があったように記憶をしておりますが、今手元にはございません。
○大塚耕平君 総理、今大事なところをちょっと話していたんですけどね。 つまり、就業者数もさっきお聞きいただいたとおりですし、分母のもう一個大きな要素である労働時間も、実は他国と同じように比較をしていいものかどうかというのが、実態がきちっと整理されていないんですよ。ここを整理、可及的速やかにする、実態を把握するという理解でよろしいですか。
○国務大臣(茂木敏充君) おっしゃっている毎月の勤労統計調査、それから総務省の労働力調査、基本的に、委員も御案内のとおり、一番の目的というのは違うわけでありまして、毎月の勤労統計調査でいいますと、一人当たりの賃金水準であったりとか労働時間を見ると。そのために五人以上の事業所を対象にしてやるわけでありますし、一方、労働力調査につきましては、国勢調査の大体百分の一の調査区から二千九百の調査区を選定して四万世帯、これを対象に、基本的に見るのは失業率であります。これを中心に見るための調査を行う。そして、世界的な平均をやりますときは、こういった二つの調査を中心にしながらOECDとしてデータベースを選ぶ、ほかの国につきましても適切なデータについて選ぶ、それを国際的に比較するという形になるんだと思います。
○大塚耕平君 総理、ここは率直にお答えいただきたいんですが、財界も含めて、この働き方改革の議論の大前提に、何やら日本の勤労者の労働生産性は他国に比べてちょっと低いんじゃないか的な大前提があって、裁量労働制とか高度プロフェッショナルの話が入ってきているんですよ。 改めてお伺いしますが、日本人の労働生産性は総理は低いと思って今国政を運営しておられるのか、それとも、他の先進国と遜色ない、それよりも高いと思って国政を運営しておられるのか、どちらなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初、先ほどの答弁で申し上げましたように、そもそもこの働き方改革につきましては、働き方改革につきましては、言わば一人一人の勤労者の柔軟な働き方を可能とすることによってそれぞれの方々がワーク・ライフ・バランスをしっかりと取ることを可能として、柔軟な働き方が可能となることで多くの方々が生き生きと働くことができる、そういう社会をつくっていくということであります。 その中で、その中で我々は、そういう働き方をすることによって生産性が上がっていくということを申し上げたのであって、生産性が低いからこの制度を導入するということではなくて、こういう働き方改革を行っていけば同時に生産性も上がっていくということでございまして、その観点から、例えば長時間労働、あるいは……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 同一労働同一賃金につきましても、経済界を、我々にお話をする上において、こうしたものを導入することによって、言わば経済界がこうしたことを導入することはマイナスと取られないように、むしろ生産性が上がっていくということでお話をさせていただいた、建設的な議論ができたのではないかと、こう考えているわけでございまして、要は先ほど茂木大臣が答弁をさせていただいたように、言わば労働生産性の伸びが悪いということについては、それはそのとおりであろうと、こう考えているところでございます。そして、その中でやはり労働生産性がどうなっているかということを不断にこれは分析をしていくことも重要でありますし、同時に、労働生産性を不断にこれ高めていこうということも当然大切であろうと。そのためにも企業に設備投資を促し、賃上げを促していくことが大切だと、こう考えているところでございます。
○大塚耕平君 労働生産性が、その水準はともかくですよ、伸びるのは悪いことじゃないです。だけど、元々発射台が他の先進国より高い状態にもし日本国民があるとしたら、それを更に伸ばせというのは国民の皆さんに対してはかなり過酷な要求ですよね。 おまけに、これどなたでも結構ですが、十二月にまとめられた新しい経済政策パッケージに労働生産性の伸びを倍増以上にさせるという目標を掲げておられますが、これはどういう根拠でその倍増、つまり二%目標を掲げたんですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 二〇一〇年代に入りまして、各国の労働生産性、これは低くなっておるわけであります。同時に、この五年間で見ますと、これアベノミクスの成果でもあるんですけれども、御案内のとおり、需給ギャップ、これが非常に縮まり、最近ではプラスに転じているということでありますと、労働生産性を上げる、これと同時に潜在成長率をどう上げていくかと、こういったことが極めて大きな課題でありまして、二〇一五年までの五年間の平均値、労働生産性でいいますと〇・九%と、これがOECDで公表しております日本の数字でありますから、この労働生産性につきまして二%という目標を設けまして、多くの先進国で労働生産性が伸び悩んでいる現状を踏まえて、我が国が先駆けて生産性革命を実現する観点から倍増させる目標としたものであります。 過去最高の企業収益、これを設備投資につなげること、先ほど説明したような効果が出てくるわけでありますが。また、中小企業、特に労働生産性が低くなりますので、このIT利用促進を進める。さらには、IoT、AI、こういった第四次産業革命のイノベーションを社会実装すると。さらには、様々な才能を持っていらっしゃる方がいます。それが今労働として活用されていない。多様な働き方、こういったことを可能にする社会、こういったものをつくることによりましてしっかりと目標を達成していきたいと思っております。
○大塚耕平君 総理、よろしいですか。今、茂木さんが新しい経済政策パッケージのところの説明していただいたんですが、OECDの統計によれば過去五年間の平均が〇・九と言っておられる。そのOECDの統計を作っているのが、さっき、我が国はデータとして出しているあの就業者数とか労働時間がベースになっているんですよ。だから、そこから、本当に実態がどうなのかということを把握されないと、そのOECDのデータの〇・九にどういう根拠でそれを倍増させられるとお考えになったのかどうか分かりませんが、二つお伺いします。 だから、やはり実態を把握しないとこの新しい経済政策パッケージの大前提自体が崩れるとお考えにならないのかということと、なぜ二%かというその根拠について、倍増という、つまり〇・九を二にする倍増の根拠についてどうお考えになるか、この二点をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 根拠等については茂木大臣からお答えをさせていただきますが、言わば我が国がこの労働生産性の伸び、他国との比較ではなくて、我が国自体が傾向として下降傾向にあるということ、伸び悩んでいるということは、それは共通認識であろうと思います。また、これG7においても、全体においてもこれ伸び悩んでいるのは事実でありますが、日本は過去と比べて、過去と比べて同じデータの取り方においてこれは伸び悩んでいるのは、これは厳然たる事実でございます。むしろこれ下降傾向にあるわけでありますから、当然、そうであるならば、それをしっかりと伸ばしていくことは、政策を取るということは当然のことだろうと思います。 その中で我々着目をしたものは、例えば、物づくりに比べて、これはもう国際社会においても日本の物づくりの生産性は高いと、こう言われております。他方、サービス産業においてはこれは高くないのではないかという指摘が多くある中において、また、実際、サービス産業で働く方々において給与が伸び悩んでいるのも事実でございますので、これサービス業の方々における今生産性を上げていくことを国民運動的に展開をしているわけでありまして、物づくりにおいて持っているノウハウをサービス部門で生かしていくことによって、実際にそれを適用した企業においてかなり飛躍的に生産性が上がっているのは事実であります。 今まさにGDPの中におけるこのサービス業の比率が上がっている中において、そこで画期的に物づくりにおいて成功しているこの事例をこちらにもこれは適用していくことによって我々は生産性を上げていくことができるのではないかと、こう考えているわけでありますが、今言った根拠等につきましては茂木大臣から答弁させたいと思います。
○国務大臣(茂木敏充君) 労働生産性の上昇率の目標を設定する、その検討に当たる統計データと、根拠として何を使うかということでありますけど、やはり日本……(発言する者あり)二の根拠につきましては、先ほど申し上げましたが、これまで五年間の伸び率が〇・九である、そこの中で、これから取っていく施策、これを考えたときに、先ほど申し上げたような設備投資を進める、さらには中小企業のIT化を進める、さらに、今潜在的に労働力として投入されていない部分、こういったものを働き方の改革等によって進めることによってこの〇・九%を二%に上げる。これ、大体ほかの我々が今掲げております様々な二〇二〇年に向けての目標等々と整合性の取れる目標だと、このように考えているところであります。 ちなみに、先ほどデータの話があったんですけれど、OECDのデータベースにおいて、労働生産性を算出するに当たっては、分母となる労働投入量を就業者数掛ける一人当たりの労働時間としておりまして、この一人当たり労働時間は、厚生労働省の毎月勤労統計、そして総務省の労働力調査を基にOECDの事務局が推計しているわけでありますが、厚労省の毎月勤労統計調査、そして総務省の労働力調査、これは統計法の第二条に基づきます基幹統計でありまして、毎月調査されているものでありまして、アンケート調査を五年に一遍やったと、こういうものではありません。毎月やられているものでありまして、いずれも政府の月例経済報告であったりとか、委員も御案内のとおり、民間のシンクタンクの分析レポートなどに頻繁に引用されているものだと、このように考えております。
○大塚耕平君 総理、よろしいですか。その新しい経済政策パッケージ、三の一ページ、これ一月二十五日の代表質問でもお伺いしたんですがお答えくださらなかった部分なんですが、その三の一ページで、文中の生産性をわざわざ脚注でこれは労働生産性であるというふうに言っているんですよ。労働生産性をここから伸び率を倍にしろということを掲げたわけですよ。これはなぜ労働生産性に限定したんですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 新しい経済政策パッケージで採用している労働生産性という概念は、労働者が時間当たり、つまり労働投入量一単位当たりで生み出す付加価値を示すものと、これが一般的でありまして、今回の生産性革命の趣旨は、一人一人が生み出す付加価値を拡大させる、誰もが活躍できるような社会をつくっていく、これを賃金の上昇につなげることでデフレ脱却を図る大きな流れを実現することにあるわけでありまして、こうした観点から目標は労働生産性とすることが適切であると考えております。
○大塚耕平君 あのね、茂木さん、これ、ここで考え方変えてもらわないと困るなというふうに今思いましたので、お持ちしたグラフの七ページ、労働分配率のグラフを御覧ください。労働分配率、安倍政権になって下がっているんですよ。これはもうグラフ見たら明々白々です。テレビを御覧の皆さんも御覧のとおりです。 小泉政権のときと安倍政権のときに労働分配率が下がっている。その上で、資料の四を見ていただくと、四ページですね、四ページ。労働分配率が下がると、定義上、資本投入量が多ければGDPは増えるんですよ。このGDPが増えなきゃいけない、あるいはGDPが増えることが最大のポイントだということを御理解いただくために総理に質問します。 例えば、スーパーでレジ打ちをされている労働者の方がレジを打つスピードが今までの倍になりました、同じ時間でこなせる枚数が倍になりました、労働生産性はどうなりますか。この方の労働生産性です。
○国務大臣(加藤勝信君) そうなってくると定義が変わってくるんだと思いますね。この労働生産性はGDPベースでありますから、そうすると、このベースでやると、その方のいわゆるGDPベースで見た付加価値が幾らかということをまず算出しないと答えが出てこないのだというふうに思います。もし、そこが、今のお話でそれを例えば売上げで物を見るようになれば、当然分子が増えるわけですからそれは上がったということになるんだろうと思いますけれども、ただ、そこは少し飛躍があることは御理解いただきたいと思います。
○大塚耕平君 まさしく、ここの生産性も上げたいので、今大臣がおっしゃったことは分かっていますので、総理にお考えいただきたいんですよ。 レジ打ちの方のレジを打つスピードが倍になったら、やっぱり生産性、その方の生産性やその企業としての生産性は上がりますか、スーパーとしての。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 恐らく、その生産性の定義によるわけでございますが、言わば一人のパートの方が一時間のうちにこなす仕事量が、一時間のうちにこなす仕事量が増えていくということになり、そしてその人の言わば一時間当たりの労働の価値が上がっていくということで考えれば、それは生産性が上がっているというふうに考えてもいいのではないかというふうに私は考えるわけであります。
○大塚耕平君 総理、ここは本当に一緒になってお考えいただきたいんですが、そのレジ打ちの方のスピードが倍になっても、そのスーパーの売上げは増えないんですよ。だから、その分子をどうやって増やすかというのが問題で、今日は日銀総裁においでいただいているんで、実は日経新聞のあのグラフは、どこから日経は作ったのかなと思ったら、日銀の展望レポートなんですよ。 日銀の展望レポートの三十九について、日銀総裁にどういう御認識でこれを公表されたのかを御説明いただきたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 図表三十九と申しますのは、いわゆる実質賃金ギャップというものを示したものでございます。すなわち、労働生産性の上昇率と実質賃金の上昇率を比較して、労働生産性の上昇率の方が実質賃金上昇率より高いときは言わば負のギャップができている、逆に、労働生産性の上昇率を上回って実質賃金が上がっているときはむしろギャップは縮んでいるということを示しているものでございます。 すなわち、労働生産性の伸びと実質賃金の伸びを比較したものでありまして、非常に長い期間を取りますと、労働生産性の伸びが高いときに基本的には実質賃金が上がる。逆に言うと、実質賃金が上がるためには労働生産性が上がっていかなければならないということは事実なんですけれども、この表の示しているとおり、労働分配率が上がったり下がったりしますので、その過程でこの実質賃金ギャップというものが出てくると。 現在は、実質賃金ギャップがここに示されているとおりでありますので、労働生産性の上昇率に実質賃金の上昇が追い付いていないということでございます。
○大塚耕平君 総理、今、日銀総裁がもう明確に最後おっしゃってくださいましたが、これ一月の日銀の展望レポート、資料でいうと六ページになりますけれども、先ほどの日経のグラフと一緒ですよ、基本は。労働生産性の伸びに実質賃金が追い付いていない。そのことが国民の皆さんの購買力を伸ばしていない。購買力が伸びなければスーパーの売上げも増えないんですよ。こういう構図になっているというところを認識を共有していただかないと、この労働法制の議論かみ合わないんですよ、かみ合わない。 日銀総裁にお伺いしますが、分子であるGDPを増やすためにはどうしたらいいんですか。
○参考人(黒田東彦君) これは二つの観点から議論ができると思います。 長期的には、いわゆる長期あるいは中期の潜在成長率を上げていくということが必要であります。 なお、景気循環的には、GDPギャップが大きくあるときは、中長期的な潜在成長率が上昇しなくても、そのギャップを埋めることによって実際の成長率は上がるわけであります。 現に、このところ日本経済は一・五%から二%の間ぐらいで成長していますけれども、私どもの推計では、中長期的な潜在成長率はまだ一%程度、あるいは一%を若干下回るぐらいではないかと。今、ですから、その過程でどんどんGDPギャップが減って、むしろ、先ほど茂木大臣が指摘されましたように、GDPギャップはむしろ今プラスになっているという状況だと思います。
○大塚耕平君 いや、総裁、今度続投で今同意人事が出ていますけれども、だって総裁は、異次元の金融緩和やったらデフレ脱却してGDPも増える、経済が好循環になるということで五年間おやりになったんですよね。この後どうやったらGDPが増えるかと、ここをちゃんと実現しないと、労働生産性だけに着目していても国民困っちゃうんですよ。 もう一回、日銀総裁にお伺いします。どうやったらGDPが増えますか。
○参考人(黒田東彦君) 金融政策という観点から申し上げますと、一九九八年から二〇一三年までデフレが続いていたわけであります。それを脱却するということによって、過去五年間、大変大幅な金融緩和を続けてきた一つの結果でもあろうと思いますけれども、成長率はプラスを継続しておりますし、物価上昇率も実は生鮮食品とエネルギーを除いたところで見ますとプラス基調がこの四年ほど続いておりまして、デフレでない状況になっていることは事実であります。ただ、二%の物価安定目標に達していないということもまた事実でございます。 そうした中で、実体経済自体は、御承知のように、経済が成長し、失業率も低下し、その中で企業収益も過去最高水準で推移しているということで、実体経済が好調に推移している中で依然として賃金、物価は弱めの動きが続いていると。これはなぜかということになれば、金融政策の観点からは、やはりデフレマインドというものがなかなか払拭できないという中で企業の賃金や価格設定スタンスがまだ慎重であるということだと思いますが、現在のような強力な金融緩和を粘り強く続けることによってGDPギャップをどんどんプラスを広げていく、さらには予想物価上昇率を引き上げていくということによって二%の物価安定目標も達成できるし、また持続的な成長経路に乗せるということも可能になろうと思います。 ただ、何度も申し上げますが、景気循環的な意味の成長率引上げということは金融政策で需要拡大で可能になるとしても、中長期的な潜在成長率というのはこれはやはり供給側で決まるわけですので、構造改革であるとか、政府が言っておられる働き方改革あるいは生産性革命といったものでやはりこの生産性を上げていく、それによって中長期的な潜在成長率を上げていくということが極めて重要であるというふうに思っております。
○大塚耕平君 日銀の議論に本格的に移らせていただく前に、厚労大臣にお伺いします。 平成二十八年度の労働経済白書は、結論的には何を主張しておられましたか。
○国務大臣(加藤勝信君) 平成二十八年版ですね、の労働経済の分析、これが労働経済白書と呼ばれておりますが、は、少子高齢化による労働供給制約の克服に向けて、労働生産性の向上や、誰もが就労し、活躍できる環境整備が必要不可欠であるとの認識の下、労働経済をめぐる諸課題について分析をさせていただいたところでございまして、具体的には、労働生産性の向上に向けてIT資産や人的資本等への投資を増加させること、誰もが就労し、活躍できる環境整備に向けて、今後一層の増加が見込まれる高齢者に着目し、現役時代から積極的な社会参加や能力開発に取り組むことなどが重要であることを指摘をしているところでございます。
○大塚耕平君 二十八年版は労働生産性にスポットを当てていて、労働生産性の説明のところ、コラム二の一でこう書いてあるんですね。現実の労働生産性は、潜在的な生産能力ではなく、あくまで実現された生産性ということになり、言い換えれば、生産性を考える際には需要面を考慮する必要がある。これ的確な文章なんですよ。 つまり、総理、労働生産性というのは政府にとって目標変数ですか、操作変数ですか、それとも結果ですか、これは。
○国務大臣(茂木敏充君) 御案内のとおり、労働生産性、どちらにもなり得るということであります。それは、当然、GDPを上げるということになりますと、この労働生産性を上げるというのは一つの要素になってきますし、労働生産性を上げるという目標を我々も掲げておりますから、これは目標にもなりますし、その要因ともなってくるというものであります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど大塚委員が言わばスーパーのレジ打ちの話をされました。大変いい例を挙げていただいたと思うんですが、確かに売上げが上がらなければ委員おっしゃるとおりでございますが、しかし、レジ打ちの人のスピードが例えば倍になった、そして倍の方、倍の消費者をさばくことが可能になったとすると、言わばそこに大きな需要があった、例えばその店で並んでいる人がいた場合は、この能力が上がらなければ全部を、物を売ることができないのでありますが、倍になったことであって言わば倍の消費者に対応することが可能となれば、当然これは売上げが上がっていくわけでございますし、それは給与の上昇にもつながっていくということになるでしょうし、そして給与の上昇につながっていけば、これはまた消費が喚起されるという、好循環を回していくということにもなっていくんだろうと、こう思うわけでございまして、我々、大塚委員が分析をしておられました、今の果たして労働生産性が高いかどうかという分析というのも大変貴重なものだと思っておりますが、同時に、常に労働生産性を上げていくという努力を重ねていくことによって、それはやはり様々な需要に対応していくこと、あるいは付加価値を上げていくことにもつながっていく、IoTあるいはAI、ロボットやビッグデータを活用することによって一人一人の労働に対する付加価値を上げていくことによって給与を上げていくことにつなげていきたいということで、におきましては、先ほど茂木大臣が御説明していただきました結果であり、またそれは目的でもあるんだろうと、このように考えております。
○大塚耕平君 ありがとうございます。 一点はかみ合ったと思うんですが、レジ打ちの方のスピードが上がっても売上げは増えない、もしそこに需要がいっぱいあれば、スピードが上がれば確かにそのスーパーにとってはいいことですが、今その需要がないのが問題なわけですよ、需要がないのが問題。そして、今は労働生産性に実質賃金が追い付いていないわけですから、今労働生産性を、茂木さんが言うように、目標変数にもなるけど操作変数にもなる、どっちにもなる、あるいは結果にもなるといっても、今こういう状況で労働生産性を新しい経済政策パッケージにこれを上げることが目標だみたいにされても国民困っちゃうんですよ。 ということを申し上げた上で、日銀にお伺いしますが、日銀は展望レポートで実質賃金のグラフを去年の七月から載せなくなったんですが、何か理由があるんですか。
○参考人(黒田東彦君) いわゆる展望レポートの雇用・所得環境の説明箇所では、名目賃金の図表のみを掲載しております。 一方、実質賃金の水準につきましては、先ほども申し上げたような形で、労働生産性の推移と比較する形でお示ししております。これは、これも先ほど申し上げたように、実質賃金は長い目で見れば労働生産性に応じて決まってくるというふうに考えられるためであります。 このように、日本銀行といたしましては、賃金の動向につきましては、名目と実質の両面から丁寧に点検して、これを評価してまいりたいと思います。
○大塚耕平君 総裁、次回の展望レポートから、名目賃金だけじゃなくて実質賃金も必ずグラフで掲載するということにしていただきたいんですけど、これは要望しておきますが、いかがですか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおり、実質賃金のグラフも示しております。どのような形で展望レポートを作るかということに関しましては、委員の御指摘のことも踏まえまして、十分考慮してまいりたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○参考人(黒田東彦君) 展望レポートを持っておりますけれども、この中に実質賃金ギャップとして、労働生産性の伸び率と実質賃金の伸び率を比較したグラフを掲載しております。
○大塚耕平君 総裁、総裁、じゃ、お手元の十ページのグラフは載っているんですが、十一ページのグラフを次回から載せてください。これをお願いしておきます。載っていないんですよ、十一ページは。
○委員長(金子原二郎君) それは要望。
○大塚耕平君 いや、回答を求めています。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、実質賃金につきましては労働生産性の推移と比較する形でお示ししておりまして、賃金の動向については名目、実質の両面から丁寧に点検してまいりたいと思います。
○大塚耕平君 もう一回お願いします。十一ページのグラフを次回以降はちゃんと載せてください。
○委員長(金子原二郎君) 黒田東彦参考人、載せるかどうか答えてください。
○参考人(黒田東彦君) 載せるかどうかは、これは政策委員会で決めることでございます。
○大塚耕平君 日銀総裁にお伺いします。在任五年間の間にマネタリーベースと日銀の総資産がどのように変化したかをお答えください。
○参考人(黒田東彦君) お尋ねの、日本銀行がこれまで過去五年間でマネタリーベース、それから日本銀行の資産がどのように動いてきたかということについて簡単に御説明申し上げます。 五年前の二〇一三年三月末時点と直近の二〇一八年一月末時点の計数を申し上げますと、マネタリーベースは百四十六兆円だったものが四百七十七兆円に増加しております。日本銀行の総資産は百六十五兆円であったものが五百二十七兆円に増加しております。
○大塚耕平君 総裁、お手元の八ページに展望レポートの図表三十八、CPIのグラフ載せてありますので、在任中にどのような成果を上げられたかを御説明ください。
○参考人(黒田東彦君) この展望レポートの図表三十八の数字は過去五年間の消費者物価の動きを示したものでありまして、生鮮食品とエネルギーを除いた消費者物価の前年比は、二〇一三年秋以降、四年間以上にわたってプラス基調を続けており、既に我が国は物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなっていると。ただ、現状、景気の拡大に比べて物価はなお弱めの動きが続いておりまして、エネルギー価格の寄与を加味しても、二%の物価安定の目標はまだ実現できていないということであります。 その背景として、このグラフ及びいろいろな記述において御説明しておりますとおり、また二〇一六年秋のいわゆる総括的検証でもお示ししたとおり、その背景としては、やはり二〇一四年夏以降の原油価格の下落、あるいは二〇一五年夏以降の国際金融市場の不安定化などの下で実際の物価上昇率が下落して、元々実際の物価上昇率に引きずられやすい予想物価上昇率が横ばいから弱含みに転じたということが主な原因ではないかと。それに加えて、やはり人々の間に根付いたデフレマインドの転換に時間が掛かって企業の賃金、価格設定スタンスがなお慎重なものにとどまっているということも、労働需給の引き締まりなどに比べて賃金、物価の上昇ペースが鈍い大きな理由ではないかというふうに考えております。
○大塚耕平君 我々、これから人事に同意するかどうか決めなきゃいけないので、総裁にもう一個御説明いただきますが、展望レポートの四十六、異次元の金融緩和をやった結果、物価に対する国民の予想はどんな今感じになっていますか、御説明ください。
○参考人(黒田東彦君) この展望レポートの予想物価上昇率のトレンドにつきましては、物価連動国債を用いて算出した指標を始めとして、市場参加者の予想物価上昇率について記述しているわけですが、二〇一三年四月の量的・質的金融緩和の導入後、はっきりとした上昇を示したわけですけれども、先ほど来申し上げたとおり、二〇一四年夏から二〇一五年夏にかけては、原油価格の下落などを背景に横ばいになったわけであります。さらに、二〇一五年夏以降は、世界経済の成長率が鈍化して国際金融市場の不安定な動きが続いたほか、原油価格も一段と下落して、御承知のように一時は三十ドルを割るというところまで行ったわけでありまして、実際の物価上昇率が弱めで推移したことから適合的な期待形成の要素が強く作用して、予想物価上昇率自体も低下して、その後もずっと弱含みの状況が続いておりました。もっとも、このグラフが示しているとおり、最近では、景気の緩やかな拡大を背景にマクロ的な需給ギャップが着実に改善する中で、市場参加者の予想物価上昇率もこれまでの弱含みの局面を脱して幾分上昇しているという状況でございます。 ただ、今後とも、引き続き予想物価上昇率の動向については十分注視してまいりたいと思っております。
○大塚耕平君 総理、今の総裁の御説明とこの二つのグラフを見て、総裁をどうして再任されようと思ったんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 総裁には引き続き物価安定目標の二%に向けてしっかりと金融政策を遂行していただきたいと、こう思っているところでございますが、同時に、我々、この金融緩和によって期待しているところは、言わば雇用に対して働きかけを行ってもらいたいということでもあったわけでございますが、雇用においては、有効求人倍率についてもこれは四十三年ぶりの高い水準になっておりますし、正規の有効求人倍率も一倍を超えているという状況をつくり出していただいております。そういう観点からも、また賃金も上昇しているという観点からも、この今までの黒田総裁が取ってきた金融政策は間違っていなかったのではないかと、こう考えております。 他方、まだ物価安定目標に到達をしていない。これは、その理由等についてはもう既に黒田総裁から答弁をしているとおりでありまして、我々は、その黒田総裁のそうした分析に我々は同意をしているところでございます。
○大塚耕平君 総理、今の御答弁で一か所だけ、できれば訂正して認識を共有させていただきたいんですが、賃金も上昇しているとおっしゃいましたが、実質賃金は上昇しておらず、しかも労働生産性の伸びに、安倍政権の間、追い付いていないという理解は、ここは共有していただけますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう一度、今一番アップ・ツー・デートした数字を確認したところでございますが、実質賃金の動向を国際的に比較するに、済みません、実質賃金の動向でありますが、我が国の二〇一六年の実質賃金は二〇〇〇年を下回る水準となっていることは事実でありますが、この背景には長引くデフレの中で賃金が伸びてこなかったことが背景にあると考えられます。 一方、安倍政権発足以降の動きについて、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得で見れば、名目で見ても実質で見ても、二〇一五年七月以降、前年比プラスとなっているところでありまして、特に実質総雇用者所得については、安倍政権下、二〇一三年から二〇一七年までの平均値は前政権の平均値を上回っておりまして、これは雇用が大幅に増加している、これはもう大塚委員もよく御承知のとおりだと思いますが、増加しているためでありまして、またさらに、我々の数字は消費税率の引上げで物価が上昇する中でのものでありまして、その分所得が上がっているということを意味するのは明らかではないかと、こう考えております。
○大塚耕平君 総理、株価が上がったり過度の円高が是正されたこと、これは評価申し上げたいと思います。しかし、経済のデータは正直ですから、共有すべきところは共有させていただかないと、これ、いい方向に行かないです。国会の論戦も生産的じゃないです。 安倍政権の間、今申し上げた二つはいいけれども、実質賃金は上がっていない、労働生産性の伸びにそれが追い付いていない、労働生産性に対する認識が必ずしも適切ではない、そして労働生産性の定義をもう一回確認する必要がある。そして、日銀総裁は、二年間でマネタリーベースを二倍にしたらデフレも脱却して経済が好循環になり需要も増える、GDPも増えると言っていたのが、五年間でマネタリーベースや総資産を四倍にしたけれども、CPIは上がらずに、予想物価上昇率も下がっている。 この中で、過度な金融緩和と労働者の賃金をコストと考えるような労働法制、これを車の両輪にした経済政策をまだお続けになるつもりですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、実質賃金の議論については、我々、消費税を三%上げておりますが、当然この三%分が下がっていくということになるわけでございますが、同時にまた申し上げますと、先ほど申し上げましたように、実質の総雇用者所得、みんなの稼ぎである実質の総雇用者所得はプラスになっているということは御理解をいただきたいと、こう思っているところでございます。 また、言わば労働者の賃金をコストと考える、我々、改革を行っているつもりは全くないわけでありまして、むしろ、この勤労者の所得が増えていくことによって消費が増えていく、その中で経済の好循環を回していくことができるということでありまして、そのことは申し上げておきたいと。 いずれにせよ、大塚委員がおっしゃったように、様々な基礎的なデータ等について認識を共有していくということの重要性については再認識をさせていただいたところでございます。
○大塚耕平君 ありがとうございます。 労働法制というのは、どこまではひどいことをやっていいということを決めるものではなくて、何はやってはいけないかということを決めるものです。長く働いてもそれに見合った賃金を払わない仕組みではなくて、短く働いても成果を上げたら十分な賃金をあげると、こういう仕組みにしていったら需要も増えます。 新しい経済政策パッケージで根拠なく労働生産性に限定して二%を目標に掲げましたが、どうも私は、日銀総裁が五年前に二パー、二パー、二パーと言っていたこの二%の呪縛をまた思い出してなりません。また、労働生産性についても二%の目標を掲げると、何か二%の悪夢のような気がしてなりませんが、是非総理には、五年間、虚心坦懐に、成功したところと論理的に間違っていたところ、認識が不正確であったところは、ここは改めていただいて、これからの施政に当たっていただくことを強くお願いをして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で大塚耕平君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、川合孝典君の質疑を行います。川合孝典君。
○川合孝典君 民進党・新緑風会の川合孝典です。本日はよろしくお願い申し上げます。 本日の審議に入るための質問通告をさせていただいておりましたが、急遽段取りが変わりましたので、通告していた内容から多少イレギュラーな質問の仕方をさせていただくことについては、まず御容赦をいただきたいと思います。 いよいよ予算の審議が始まって、幅広に私どもといたしましても今回の予算案の問題について質疑を交わさせていただきたいと思っておりますが、まずその前に、予算委員会の冒頭、これまでずっと議論を繰り返してまいりました森友学園に関する問題について、今後の審議のこともございますので、幾つか確認をさせていただきたいと思います。 御承知のとおり、会計検査院の検査報告が出ましてから新たに財務省の資料が出されたということについては御承知のとおりであります。この間、この法律相談の文書の記載内容についていろいろと調べさせていただきましたところ、これまでの答弁と整合性の取れなくなっている幾つかの点を見付けましたので、この点について御質問させていただきたいと思います。 国土交通大臣にお伺いします。これまで、昨年の答弁で国土交通大臣は、国土交通省大阪航空局が土地の査定を行った上で値引きの額を決定したことについては、時間が限られている中でぎりぎりの対応だったという趣旨の御答弁をされましたが、その内容で間違いないですね。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年、そういう趣旨の答弁をしたと思っております。
○川合孝典君 一枚目のパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示) これは、実はたくさん出てきた法律相談の資料の中のごく一部の資料から見付けたものでありますが、ここを御覧いただきますと、工期が遅れたことについて、この法務部門の担当者はリーガルチェックで、原則として国側に過失はないと、損害賠償する必要がないということをこの場で言っているわけであります。にもかかわらず急がなければいけなかった理由というのを改めて聞きたいと思います。 〔委員長退席、理事丸川珠代君着席〕
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。 今ほど委員がお示しいただいたパネルは、平成二十七年の三月三十一日照会、平成二十七年四月二日の回答ということです。これは、先ほど石井国土交通大臣がお答えになられたところは売買契約に絡まるところですが、これは平成二十八年の三月から六月にかけてということで、今お示しいただいたのはそのおよそ一年ぐらい前の話ということであります。 それと、この時点は、まだその前の貸付けの契約も実は結ばれていないという状況でございます。貸付けの契約に至るまでの間のところでの法律相談であります。 それから、もうちょっと付け加えさせていただきますと、このときの法律相談は、貸付けの契約を結ぶに当たって、第一統括国有財産管理官という実際に担当していた部署が一回不動産鑑定士に鑑定評価をお願いをして、それで鑑定評価額が出たので、それで貸付料をセットしようとした、でも、それがセットできないうちに、先方、森友学園側から、地盤の状況を調べた結果、違うという話があって、それを受けてということでした。 現場のやっていた統括国有財産管理官の方は、元々、一回不動産鑑定士に評価をしてもらったものなので、そのものである意味で乗り切りたい、突っ走りたいということをやっているのに対して、相談を受けた統括法務監査官という法律相談部門の方は、これは、いろんな意味で、地盤の状況を向こうが調べていて、その状況を踏まえれば、このまま突っ走っていると、過去の判例に照らしても、損害賠償をやられて、その判例でやると負けちゃうんじゃないかと、だから、おいおい、気を付けてやれよということをやっていた状況の下でのそのやり取りということがまず基本的な認識だというふうに思ってございます。
○川合孝典君 一年前の貸付けの時点でのこれ話だから、実際売却するに当たってはまた話が変わっているんだということの趣旨の御説明なわけでありますが、貸すときよりも売るときの方がより一層この問題は厳密にそもそも管理されていなければいけないという意味でいくと、一体、じゃ、この一年間の間にどういう事情の変化が起こって、本来だったら国が過失を問われなくていい状況のものが一年後過失を問われる状況になってしまったのか、ここが謎なんですよ。ここが謎なんですよ。 ついでに見ていただきたいんですけれども、その下のところ、可能な限り証拠を収集しておく必要があると考えられるよと、ここにも書かれています。なぜそれなのに捨てたんですか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。 過失という面についてのまずお答えでございますが、先ほども申し上げましたように、これはまだ契約も取り交わしていないという状況です。そういう状況においては、契約を取り交わさないといけないという義務がある、法的な義務があるわけでもありませんので、そういう意味で、仮に、この今大きい字で書いていらっしゃるところの前のところを見れば、「相手方と契約を締結できないことにつき、原則として国側に過失はない」ということになるわけでございます。 それで、売買契約のときには、それからあと貸付けの契約を結びました。そうすると、貸付けをする以上、国は貸主でございますので、貸主としての責任が生じ、その上に立ってということでございましたので、そういう意味で最終的な売買のときのいろんなやり取りが出てきて、ある意味での損害賠償の責任も含めて国は考えないといけないという状況になったということが一つでございます。 もう一点、可能な限り証拠を収集しておく必要があると考えられるという部分の御指摘がございました。 これは、引いていただいている法律相談の文書を見てみますと、可能な限り証拠を残しておかないといけないというふうに法律相談の方が、法曹部門が言っておりましたのは、最初にちょっと申し上げましたように、現場の統括国有財産管理官の方はこれで、最初の第一回の不動産鑑定評価で突っ走りたいという感覚の下で話をしておりましたので、そうだとすると、それでやるとすれば、相手方が、森友学園から損害賠償されてくるおそれがあると、だから可能な限りちゃんと証拠を残しておかなければいけないということを言っておったという状況でございます。 結果とすれば、ある意味で、統括法務監査官の方のこの御指摘を踏まえて、結果的には不動産鑑定士にもう一回不動産鑑定評価をやり直してもらって貸付料を変えるということを、統括国有財産官の方はそういう意味では方針を変えて臨みましたので、そういう意味では、そのときに法曹部門が気にしていた損害賠償ということのリスクが消えるような形で契約を結んだということだと思っております。 ただ、この時点はそういう状況でございますが、恐らく委員の御指摘は、いろんな意味できちんと証拠を残しておかなければいけない、文書を残しておかなければいけないという御指摘なんだろうと思います。それは、委員のおっしゃっていることは重々分かりますし、そうだと思っております。 いろんなことで、文書についての取扱いは、当時の文書の、財務省の持っていた文書管理規則にのっとってやっておった、現場はそれでやっておったということですが、その根本は、最終的にはいろんなものを決裁文書に集約するということでございました。ただ、国会でも御議論いただき、あるいは会計検査院からも指摘をされておりますように、決裁文書の集約が十分でなかったために、いろんな意味で十分、会計検査院にも御理解が十分には得られなかったということはありました。それは本当に我々が、事務方が至らない、申し訳ないというふうに思ってございます。 今後、こういうことのないようにということで、十二月から一月にかけて新たな次の方針を立てて、そのようなことがないようにということで臨んでおるということでございます。
○川合孝典君 今の御答弁の中で何回か言葉をお使いになりましたが、何で突っ走って契約したかったんですか。それが分からないんです。
○政府参考人(太田充君) 一回不動産鑑定士から鑑定評価を取っているので、それがある以上、それを前提にしてやりたいという、そういう気分でやっておったということだと思います。気分と言うとあれですが、もう一回不動産鑑定士から評価を取るのはまた大変なので、まず一回取っているので、それを前提にしてまずは現場は作業をしていたということだと思っております。
○川合孝典君 何をおっしゃっているのか全然分からないんですけれども。 この資料、もうこれでぼつぼつやめますが、「貴課職員において、」と以下の記述がありますけれども、これは明らかに、この契約をする以前の段階から様々なやり取りをし、そのやり取りの中で法的に不適切だと法務部門が感じるようなことを担当が既にやり取りをしているということを強く疑わせる記述になっていますよね。このことについてはどう御認識されていますか。
○政府参考人(太田充君) 今委員が御指摘になられた太線で書いてあるその部分は、これもここの法律相談の文書に出てまいりますが、何を法律相談、法曹部門が言っておったかというと、今申し上げたような状況で、現場の統括国有財産管理官の方が進めようとしていた、だけど、そのときに、相手方、森友学園に対して、ボーリング調査が二か所しかないので更に追加的に相手方に負荷を与えようとしていた、そういう相手方に追加的に負荷を与えれば与えるだけ相手方としては契約をしてもらえるというふうに思うので、そういう負荷を与えるようなことをやれば、契約を、最初に書いてあるように、義務がないのにだんだんやらざるを得なくなるから、そういうことは気を付けるようにということを言っているということだと思います。 その基本的な考え方は、これから先売買に至るまで、ある意味で、そのときの統括法務監査官が言っていたことは、現場の国有財産管理官の方は踏まえて行動しておったというふうには思っております。 〔理事丸川珠代君退席、委員長着席〕
○川合孝典君 皆さんもお感じになられたと思いますが、たった一部のこの資料をひもといただけでも様々な疑問が浮き上がってくるわけであります。これ、二十数部あります。更にあるかもしれないと言われている状況であります。 改めてですけれども、昨年の会計検査院の会計検査に関しては、交渉の経過が分からないから資料を追加要求したけれども何もなかったということが会計検査院報告には書かれております。 これ、去年の会計検査院の報告書の前提条件が変わったと私は理解しておりますし、是非とも、前提が変わった以上、会計検査自体を改めてやり直すべきだということを申し上げさせていただきたいと思います。 この点について、委員長、是非よろしくお取り計らいをお願いします。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議いたします。
○川合孝典君 ここまでのやり取りを聞いていただいて、麻生財務大臣、お伺いをしたいと思いますけれども、今回、この一連の議論をしていく中で、様々な疑惑を解明するために一番大切なことは、この土地に本当にごみがあったのかなかったのかというこの一点なんです。これが分かれば、今後、様々な対応を、疑惑を解明することができると私は理解をいたしております。 改めて、昨年も、前回も申し上げましたが、この森友学園に関わる学校用地の地下の地質調査をやっていただきたいと思うんですが、この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、先生に限らず他の方にも同様の御質問をいただきましたので同様のお答えを申し上げるんだと思いますが、少なくとも、今この土地は国のものに、返還をされておりますが、その返還をされた土地の上には森友学園から頼まれた工事業者で建てた建物があって、既に、その建物の代金は支払われていない。 したがって、その建物の所有権等々につきましては、これは法律的には、私どもとしては、確かに土地は国のものですけど、その建物はというのは我々のものではありませんので、そういった意味では、そこの了解を得てその建物の下を掘るとかなんとかいろんな話になりますとこれはなかなか難しい話になりますのはもう御存じのとおりなので、そういった意味では、私どもとしては、直ちに調査をさせていただきますと言っても、相手側との、何とか工業という会社との話になりますので、そこのところは簡単にはもういかないということを申し上げております。
○川合孝典君 前回の質問のときにもそのような御答弁を頂戴をいたしました。建物が建っているから難しいんだと、こういう話であります。 幾つか指摘したいことがありますが、まず提案させていただきたいんですけど、このパネルの赤の囲みの内側の部分、これが今回値引きの対象となったエリアであります。学校の校舎が建っている部分がありますが、御注目いただきたいのは下に出っ張っている部分です。なぜ出っ張っているのか私もよく理解できないんですけれども、この部分、校舎建っておりません。ただのグラウンドになっておりますので、ここを掘るということについては可能なんですが、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。 当時と状況がグラウンドとはいえ変わっておるということがありますが、それよりも何よりも、基本的には、調査をする、で、調査をして何が一番あれかというと、廃棄物混合土の混入率四七・一%というのが適切かどうかという部分が大きいことになると思いますが、それは全てのこの五千百九十平米均等にあるというふうにしているわけではございませんので、残念ながらグラウンドの部分は、仮に、仮にですけれども、そういう調査ができたとしても、それをもって四七・一が正しいあるいは正しくないという判断をすることはどうやってもできないということが基本だと思っております。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど財務大臣が答弁されましたが、本件土地の上には今校舎が建っております。その校舎は、校舎を請け負った建設企業が、代金を支払われていないということから校舎については所有権を主張されております、校舎について。で、なおかつ、土地につきましても、その工事関係者が留置権、とどめ置く権利を主張して占有をしている状況でございます。 したがって、土地は国の所有となっていますが、工事関係者が土地の占有も行っているという状況でございますので、直ちに本件土地の地下の詳細な調査を行うことは困難な状況でございます。
○川合孝典君 それを求める意思があるのかどうかが今問われているということですが、改めてお答えください。
○国務大臣(石井啓一君) 現在、森友学園、民事再生の手続に移行しておりまして、現在も森友学園の管財人との間で土地や存置されている建物の取扱いを含め様々な交渉を行っていると、こういう状況でございます。
○川合孝典君 国有地である以上は、国が調査をする気があればすぐにできる問題であります。 ちなみに、今日はお示ししていない資料の中にこんなようなことが書かれていました。仮に債務不履行に陥って今回のようなケースになった場合にどうなるのかという、ちゃんと聞いているんですよ、実は担当者は、法務部門に。で、それに対して法務部門の回答。その場合には国において強制執行を行って建物を取り壊すことになり、それに要した費用を相手方に請求することになる。これが正しい法律の理解なんですけど、これいかがですか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。 現在、国は、土地の所有権に基づきまして建物の収去、土地明渡し請求権を有しているということで、今、石井大臣から御答弁申し上げましたように、管財人等と交渉を行っているというところでございますけれども、仮にそういった強制執行をしたりというようなことになりまして訴訟とか裁判とかという手続になりますと相当な期間を要することになりますし、仮にそれが認められたとしても、明渡し請求権等が認められたとしても、実際に森友学園が建物撤去をして費用を捻出するといったようなことも困難でございますし、また、工事事業者も、支払が困難となりますとなかなか結果的にはそういったこと、更地返還といったようなことにも至らないというようなこともございますので、現在、その土地建物併せてどのような取扱いをするかということにつきまして、場合によっては一括返還をした上で取扱いを決めていくというようなことも視野に入れて管財人や工事事業者と交渉を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○川合孝典君 国有地ということなわけでありますし、そもそも、今まで説明した中でこういう問題になるリスクを含んでいるということを分かった上でこれやっているわけです。 当然のことながら、賠償の請求を国としては行わなければいけないですし、現在、国有地である以上は、国の責任でもって調査をするということは、これは国の権限として可能ですよ。やる気があるかないかだけじゃないですか。いかがなんですか。
○政府参考人(蝦名邦晴君) 引き続き、交渉人、管財人と、あるいは工事事業者と、よくどのような取扱いをしていくかということを今交渉しているという過程でございますので、交渉した上で考えていきたいと思っております。
○川合孝典君 総理、ここまでのやり取りをお聞きいただいて、是非とも総理の御意見を賜りたいんですが、今回の事例、これ判例に照らしますと、土地の調査を怠って国に損害を与えたということがこれ明らかになれば、調査義務違反で背任罪を立件する要件に当てはまります。当てはまる要件だと、これは刑法学者の方が御指摘をされているわけであります。 改めて、この土地をきちんと調査をし直す、そのことで疑惑を払拭して、この実にくだらない問題に終止符を打っていただきたいんですけれども、総理の御所見をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 調査については、まさに理財局が責任を持っておりますので、財務大臣から答弁してもらいたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう今答弁を申し上げたとおりなんで、先ほど運輸省の方も答弁しておりましたけれども、これ今、目下係争中になっていますから、その係争の中をいきなりすっ飛ばして、国の権限だからといって、じゃあというんで強制執行やって、ばあっとやれるということによってどんなことが起きるか、ちょっと一回検討してみにゃいかぬところなんだと思いますが。
○川合孝典君 ありがとうございます。 強制執行を行うかどうかは別として、土地の調査、ボーリング調査を行うということについての確認ぐらいはすぐ取れると思いますので、それはやっていただけますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは正式には運輸省の土地ですからね、今のところ、たしか。国じゃない、航空局の土地で、国交省です、あっ、運輸省じゃない、済みません、何だっけ、国土交通省航空局ね。航空局の土地になっておりますので、ちょっと財務大臣としてちょっとそれを言う立場にありませんけれども。 少なくとも今局長の答弁したとおりなんであって、どういったことができるかというのは目下その三者というか、何とか工業とかいろいろ話し合っているみたいですから、そこの段階で、今の我々としては、ボーリング調査をしたいという意欲はあることは言った上でどうなのかというような話をちょっと担当者の方に聞いていただかぬと、私のところからお答えいたしかねるというところだと存じます。
○政府参考人(蝦名邦晴君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、現在、管財人と土地建物の取扱いを含めまして様々な交渉を行っているところでございますので、その過程の中でどのようにしていくかということについて慎重に対応する必要があるというふうに考えております。
○川合孝典君 この当該土地のボーリング調査を行って、正確な地下埋設物量をきちんと資料を提出していただいた上で検証しなければいけないということでありますので、国会法第百四条、国政調査権に基づく証拠提出要求を改めて委員長にお願いをしたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) ただいまの要求に関しましては、後刻理事会で協議することといたします。
○川合孝典君 最後になんですけれども、この資料は廃棄したと答弁をし続けてこられた佐川前理財局長の答弁については……(発言する者あり)うるさいですよ。虚偽であったことがほぼ明らかになってきておるわけであります。 改めて、今予算委員会中、開会中に、佐川氏を予算委員会に証人喚問することを要求したいと思います。 委員長、よろしくお願いします。
○委員長(金子原二郎君) ただいまの件も、後刻理事会で協議することといたします。
○川合孝典君 それでは、森友の問題はこれまでにしまして、ここからは政策の部分について御質問させていただきたいと思います。後ほど働き方改革の問題についても御質問させていただきたいと思いますが、まずは生活保護基準について御質問させていただきたいと思います。 今回の予算措置で生活保護の基準の切下げが行われるということでございますが、今回の生活保護基準引下げに当たっての政府としての考え方をまず厚生労働大臣にお伺いします。
○国務大臣(加藤勝信君) 生活保護において、まず保障すべき最低生活の水準は、生活保護法第三条で、「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。」とされております。また、保護の基準については、同法第八条で、最低限の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これを超えないものでなければならないとされており、今回もこの観点に沿って社会保障審議会生活保護基準部会において専門的かつ科学的見地から検証を行ったものであります。 生活保護において保障すべき最低生活の水準は、一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定をしており、一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているか、これを定期的に検証しているところでございまして、今回の検証においては、一般低所得者世帯、すなわち年収階級の下位一〇%、これは夫婦子一人世帯でありますが、に当たる世帯の消費水準と生活扶助基準とがおおむね均衡しており、今回の見直しでは生活扶助自体を全体として切り下げるものではございません。 その上で、今回の見直しでは、現行の生活扶助基準において、これは年齢別、世帯構成別、地域別それぞれに設定されておりますが、そのそれぞれに応じたバランスとこの一般低所得世帯の消費実態におけるそれぞれのバランスとの比較を行い、例えば級地で見ると、現行基準では都市部が高く、地方が低くなっている、こういった消費実態ではそれほどの差が見られないなどの乖離が確認をされたところでございまして、こうした現行基準の年齢、世帯構成、地域におけるバランスと消費実態の同じ三つの要素のバランスとの乖離を是正するため、結果として基準額が上がる世帯と下がる世帯が生じたと、こういうところでございます。
○川合孝典君 今御説明いただいた内容はそういうことなんですが、これ中身をよく検証してみますと、パネルに書かせていただいておりますが、特徴的に見えてまいりますのは、都市部の高齢単身世帯、それから多子世帯ですね、お子さんの多くいらっしゃる世帯、ここが切下げ幅が非常に大きいという結果が出てきております。 これ、安倍政権が強力に進めていらっしゃる少子化対策に逆行、多子世帯ほど減らされるということになると逆行するんじゃないのかと私、感じたんですが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の見直しは、先ほど申し上げましたように、全体としての水準というのは均衡させて、そのまま変えない。しかし、その中で、年齢、世帯別、地域別を見て、実態と生活保護基準と乖離があるんで、それを是正をしていこうということで、結果的に上がる世帯、下がる世帯があるということでございます。 今御指摘があった都市部においては、都市部と地方部を比べると、かつては都市部の方が消費が多い、地方は少ないということで生活保護基準を設定をしたわけですが、実際、消費実態等を見ると、それほど地域間格差はないんではないという実態で、そこを是正をした。そうした結果、あるいは世帯数の人数がどれだけいるかいないかで見ると、思ったほど多子世帯ほど世帯全体の消費が高くなっていない、そういったところを踏まえて対応した結果であります。 しかし、一方で、子供のいる世帯については、母子加算の見直しは行いますけれども、児童養育加算の給付対象を高校生に拡大することなどによってその約六割が基準額が増額となる見込みでございます。
○川合孝典君 質問の仕方変えましょう。厚生労働省で結構です。生活保護の捕捉率は今どうなっていますか。
○政府参考人(定塚由美子君) 生活保護制度の捕捉率というお尋ねでございました。 いわゆる捕捉率というものにつきましては、生活保護の申請が実際になされないと、保有している資産や親族からの扶養の可否などの調査、あるいは働いて収入を得る稼得能力の把握などが困難であるため、正確に把握することは困難であると考えております。 いわゆる捕捉率と言われるものとは異なるものでございますが、平成二十二年に厚生労働省において生活保護基準未満の低所得者世帯数の推計を行って、これに占める被保護世帯の割合を算出したことはございます。しかしながら、ベースとする統計によって、その割合が高いものは八七・四%、低いものは三二・一%と大きな差がありまして、正確さに疑問がある、こういう状況になっているところでございます。
○川合孝典君 今おっしゃった、御提示のあった資料、厚生労働省の方からも確かに出ているんです。それで、これ、捕捉率というのは、つまりは生活保護基準未満の低所得者の方が生活保護を受けずに自立していらっしゃるという、そういう数がどれだけあるのかという数字です。全体の所得の下位一〇%、ここのところでデータを取っているということになっておるわけなんですが、本来生活保護を受ける権利を、資格を有していながらそれ以下のいわゆる賃金水準で生活をしていらっしゃる方々、これを実はベースにしながら所得の中央値との比較でもって生活保護基準というのが出ているわけなんですよ。したがって、この下位の一〇%の母集団、計算の根拠になる母集団がどういうものなのかということがきちんと把握できないと正しい意味での生活保護基準というのが出ないと思うんですけど、この点、局長、いかがですか。
○政府参考人(定塚由美子君) ただいま委員から御指摘いただきましたような懸念につきましては、平成二十七年の審議会の報告書について、現在のような水準均衡方式ということで比較することについて検証する必要があるとされているところでございます。 そのため、今回の生活扶助基準の検証におきましては、下位一〇%ということをあらかじめ決めるのではなくて、従来の分析方法を踏襲して、収入が減少してくると消費支出が急激に減少するいわゆる変曲点というものがどこにあるかという検証、あるいは今回新しい分析として、家計支出に占める固定的経費、食費などの割合が急激に変わる点があると、この水準がどの程度であるかという検証も併せて行いまして、その結果として年収階級の下位一〇%というところと比較することが適当であるという判断を審議会においていただいているところでございます。
○川合孝典君 では、もう一回確認させていただきたいんですけれども、この近年、二十年ほどで結構でありますが、この最近二十年の所得の中央値、貧困ラインというのはどういう形で推移しているでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 国民生活基礎調査ということでお話をさせていただきたいと思いますが、等価可処分所得の中央値とその半分の額、これが貧困線ということになりますが、一九九七年から二〇一〇年、一二年にかけては低下を続けてきておりましたが、直近の二〇一五年においては若干改善をしているところでございます。 この中央値の名目値の長期的な低下の要因としては、高齢者の増加や単身や夫婦のみの高齢者世帯の増加等により平均世帯人員数の低下、デフレによる影響が考えられるとされております。他方、最近上昇に転じたこの背景には、経済の好転、こういったものが反映されているものと承知をしております。
○川合孝典君 大臣、改めて、済みません、質問なんですが、具体的に金額は一九九七年と現時点とで幾ら変わっていますでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 中央値で申し上げさせていただきますと、一九九七年においては二百九十七万、そして二〇一五年においては二百四十五万と、こうなっています。
○川合孝典君 皆様も御承知のとおりなんですが、今お聞きになられましたとおり、この二十年ほどだけでこの所得の中央値が四十数万円下がっているんですよ、実は。貧困ラインというのは、この所得中央値の更に二分の一ラインというのが貧困ラインになるということですので、すなわちこれどうなっているかというと、一九九七年に貧困ライン百四十九万円だったものが今百二十二万円まで落ちているんです。 これをベースにして計算を、水準均衡方式で計算を行うということになると、どんどん改定を行うたびにこの生活保護基準が切り下げられるということにつながることが懸念されているということなんですが、この点について、大臣、今どう御認識されているか、御所見をお願いします。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御指摘の点については、生活保護基準部会においてもそうした懸念は指摘をされているところでございます。 そのために、どういうほかのやり方があるかどうか、こういったことも議論していかなきゃならないということで宿題は負っているところでありますけれども、今回の改定においても幾つか分析をさせていただきましたけれども、なかなかこれといったものがなく、そして結果的には、これは一つの方法であるという御認識はいただきながらも、ただ、これだけがこの判定する方法ではない、こういうことでございました。
○川合孝典君 今後、近い将来、十五年後、二十年後、日本の貧困世帯が五百六十万を超えるといったような衝撃的なデータも実は出てきているわけであります。こうした状況の中で、低い部分にターゲットを当てて、それとの均衡の中で生活保護基準を考えるということになってきますと、更なる貧困層を生み出すことにつながりかねないということです。 さっきおっしゃいましたけれども、貧困が少しここへ来て改善したというお話をおっしゃいましたけれども、今回の生活保護の見直しによってまた貧困層が増えることにもつながりかねない、私どもはそう考えておりますので、是非とも、今おっしゃったとおり、この生活保護基準の算定の在り方、それから文化的最低限度の生活を営める水準というのは一体どういうものなのかということも含めて、きちんと議論をしていただきたいですし、そのことが確認できるまでの間、この本当につらい思い、厳しい思いで生活していらっしゃる生活保護世帯の、お子さんを抱えて、特に子育てしながら生活していらっしゃる方々の生活保護基準の切下げについては凍結していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたように、生活保護基準部会において今委員御指摘のような言わば課題が提示され、我々もそれは宿題として受け止めているところでございます。 しかし、他方で、最初に申し上げました、生活保護というのはどういうものか、保護の基準というものはどういうものなのか、そういった中で、これまでの議論、五年ごとに見直しもしていくべきである、そしてそれについては、先ほど局長からも申し上げた、これまでにない観点も入れて調整をさせていただいたということでございますので、これはこれとして一つの妥当なものということもこの基準部会からも御指摘をいただいておりますので、今回はこうしたと。 ただ、先ほど申し上げております、全体を下げているのではなくて、世帯、級地、これは地域ですね、等々においてそのバランスを見ているということでございますので、そういった中においては、もちろん下がるところもありますけれども上がるところもあるということでございます。 そしてまた、急激に機械的に適用してはならないという御指摘もありましたので、本来の計算からよりも含めて五%という水準にその変動の幅、これは減少する場合でありますけれども、これを設定し、しかもその実際の運用に当たっても三か年掛けて適用する、こういった措置も併せて組み入れているところでございます。
○川合孝典君 上げるところは上げる、下げるところは下げているけれども上げるところは上げていると今おっしゃいました。私もそれを最初に聞いたときには、ああ、そういうものなのかと思ってすっと聞いたんですが、結果的に、これ上げ下げすることでこの生活保護費、給付費は増えるんですか、減るんですか。
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。 今回の生活扶助基準の見直しにとりまして、三年間の段階施行をさせていただきますが、最終的には合計で約百六十億円の減額となっております。
○川合孝典君 結局、全体の財政の枠組みの中で削られたということなんです、これは。 本来、この最低基準の問題については、今大臣も先ほど来おっしゃっているとおりのきちんとした検証に基づいたものでなければいけないんです。ただ、今の一番の問題は、どんどん低所得者層が増えてきている、生活が逼迫して二極化が進んでいるこの状況の中にあって、生活保護を受けている方と一生懸命働いているのに低賃金の方との間でのバランスをどう取るのかというところに余りに着目し過ぎている結果として、底抜けの状態になってしまっているんです。本来あるべき下支えのラインがどこにあるべきなのかということの議論をもう一度きちんとしなければいけないと思います。 是非、この点については、今後、厚生労働省では検討をきっちり進めていただいて、これ以上苦しい思いをされる方を増やさないように御対応いただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。 次の課題に参ります。 子ども・子育て支援予算について、もうこれは時間の関係もございますのでシンプルに質問させていただきたいと思います。 保育、介護の人材確保の方針につきまして、厚生労働省でよろしいでしょうか、今後の政策における方針をお伺いをいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 希望出生率一・八、また介護離職ゼロということも掲げさせていただいております。そういった意味では、必要な保育サービスが提供される、介護サービスが提供されるということが必要であります。 そのためには、もちろん施設等を整備すると同時に、そこで働く方々を確保しなければなりません。そういった中で、それぞれ今介護人材や保育人材、不足をしているという状況、これは我々も認識をし、そういった中でこれまで、具体的なことは申し上げませんが、それぞれの処遇改善、これまでも努めてきたところでございますし、また今後とも、例えば経済政策パッケージ等においても、介護職、保育職についてもそれぞれの処遇改善をする、あるいは処遇改善だけではなくて、今離職している方々が戻りやすい支援、あるいはこれからそうした保育士等になりたいという希望を持っている方々が勉強する、そういった支援、そういったことも含めて、それぞれの人材確保を図りながら、しっかりとした必要な保育サービス、介護サービスの提供ができるように取り組ませていただいております。
○川合孝典君 ということなんですが、この直近の保育士と介護士の有効求人倍率、全産業平均と比較したときにどういう状況になっているのかということ、これは役所で結構ですので、御答弁ください。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっと担当があれしているようでございますので。 それぞれでありますけれども、有効求人倍率、これ全体は、平成二十九年十二月が一・五九、これは全体ですね。そして、保育士については、平成二十九年十二月には三・〇四倍、介護関係職種については、平成二十九年十二月には四・二二倍となっております。ただ、かなり地域、都道府県で見ると、東京都を主体にかなり高いところと、まあそれほどでもないという、そうした地域差もあるということでございます。
○川合孝典君 今おっしゃいましたとおりで、景気が回復するに従って有効求人倍率が上昇しているんですが、それ以上のペースで介護、保育の人材については有効求人倍率が高くなっているということであります。 これ、様々これまで取組をしていただいていることについては私も理解しておりますけれども、取組のスピードが現状、実態に間に合っていないということなんじゃないかと理解するんですが、この点の御認識はいかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、その前に、先ほどの保育士、平成二十九年十二月、三・〇四と申し上げましたが、三・四〇でございますので、訂正させていただきたいと思います。 それから、今の保育人材の確保でありますけれども、私ども今、待機児童解消加速化プラン等々、保育また介護、それぞれにおいてどれだけ整備が必要なのか、そして整備をする場合にどれだけの人材が確保が必要なのかという数字を持ちながら、実際それがどう推移しているかというのを見させていただいております。 そういう中で、保育人材については、最近、例えば平成二十六年については一万三千人増えたところが、二十七年では二万五千人、二十八年には三万人と増加幅もだんだん拡大をしておりますので、こうした加速をしっかり維持することによってこの人材の確保に努めていきたいと思っておりますし、また、介護人材についても同じような考え方にのっとって進めさせていただいておりますが、ここ五年間、平成二十七年度までの過去五年間の実績を見ると、一年間平均で約八万円増加をしております。 このトレンドを更に進めていくべく、先ほど申し上げたような様々な処遇改善等々の施策にしっかりと取り組んで、また、こうした介護等で働きたい、働こうと思う人たちがその現場で働いていただけるように努力をしたいと思います。
○川合孝典君 こうしたやり取りを踏まえて、総理にお伺いをしたいと思います。 今年度の予算案を見ておりますと、子ども・子育て支援の予算六千九百四十二億円と、こういう数字が記載をされておりました。二〇一五年三月の閣議決定の折には一兆円超え程度の財源確保を行うということが閣議決定をされているわけでありますが、この方針には変わりはないという理解でよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その方針には変わりはございません。
○川合孝典君 と二〇一五年に決められて、去年も同水準、今年も同じような水準ということで、一兆円超には遠く届いていない状況ということでございます。 今後もこういう形で引っ張られるのか、本予算割の中にきちんと一兆円超の予算を組み込まれるのか、この点について、改めてもう一度丁寧に御答弁をいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 幼児教育、そして保育、子育て支援の質、量の充実を図るための一兆円超え程度の財源が必要とされておりますが、そのうち消費税率引上げの財源により実施することとしていた〇・七兆円のメニューについては、子ども・子育て支援新制度が実施された平成二十七年度から全ての事項を実施をいたしました。 更なる質の向上を実施するための〇・三兆円超えのメニューについては、社会保障と税の一体改革において消費税財源以外の財源により実施すると整理をされたところでありまして、こうした考え方に基づいて、平成三十年度予算においても二十九年度に引き続き保育園等の職員給与の改善などメニューの一部を実施するとしているところでありまして、さらに、安倍政権では、一体改革では記載されていない保育士の追加的な処遇改善、月額最大四万円を財源を確保して実施をしました。 この〇・三兆円超えメニューについては、骨太の方針二〇一七においても、子ども・子育て支援の更なる質の向上を図るため、消費税分以外も含め適切に財源を確保していくこととされており、こうした方針に基づいて、各年度の予算編成過程において引き続き安定的な財源確保に努めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 様々なお取組をいただいていることに関しては、私自身も評価している部分がもちろんあるわけでございます。 その上で、先ほどやり取りしましたとおり、有効求人倍率が、保育、介護については人材不足が非常に深刻な状態に置かれておるわけでありまして、景気が良くなればなるほど人が来ないというのは、処遇、労働条件がほかの産業と比較して追い付いていないということの証左であります。したがって、今のスピード感で果たしていいのかどうかということが今問われているということでありまして、そういう状況の中にあって、既に三年前、二年以上前に閣議決定された水準の一兆円超というものがクリアできていないということについてどうなのかということを私は問いかけさせていただいているわけであります。 近年の子ども・子育てに係る様々な政府からの発信を見ておりますと、この一兆円超の財源確保というそのトーンがどんどん後ろに下がってきていると。はっきり聞かせていただきますけど、今回、使用者側に子ども・子育て拠出金を三千億円ほど出していただくという話になっておりますが、はっきりお答えください。これと一兆円超の予算の枠というのは別物だと考えてよろしいですね。
○国務大臣(松山政司君) 失礼します。 御指摘の事業主拠出金はあくまで運営費に当たるものでございまして、新しい経済政策パッケージに基づいて、この三千億については保育の運営費の増加分に充てるということにいたしております。 〇・三兆円のメニューにつきましては、骨太の方針二〇一七にも明記されておりますように、適切に財源をこれからも確保していくということにいたしておりまして、引き続き安定的な財源確保に我々も努めてまいりたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。
○国務大臣(松山政司君) 失礼しました。言葉足らずで大変失礼しました。 一兆円とは別のメニューで、この三千億はあくまでも運営費に充てる事業主拠出金でございます。 以上です。
○川合孝典君 ありがとうございました。 別枠だと、一兆円超をきっちり確保するんだということを今確認いただきましたので、多くの方が安心していらっしゃると思います。 この問題についてはここまでとさせていただきまして、残りの時間で働き方改革について少し御議論をさせていただきたいと思います。 今回、法案から切り離した企画業務型裁量労働制についてでありますが、今回、衆議院段階では、データが不備であったということを理由にして今回提出を切り離すということの御決断をされたというやに伺っております。もちろん、そのこと自体も非常に問題でありますが、私どもは、そもそも裁量労働が今の日本の社会になぜなじまないのかということについて、これまで繰り返し御指摘をさせていただいてまいりました。したがいまして、そもそも現状の日本の労働市場において裁量労働がどういう結果をもたらすのかということについて、少しやり取りをさせていただきたいと思っておるわけであります。 改めてなんですが、先ほど大塚代表の質問にもお答えになられていましたが、高度プロフェッショナル制度や企画業務型裁量労働制を導入することの趣旨、これについて、加藤厚生労働大臣で結構ですので、お願いします。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、高度プロフェッショナル制度でありますけれども、これは働き過ぎを防止するための措置を講じつつ、その意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能にするものでありまして、この制度は、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択することができる高い交渉力を有する高度専門職を対象とするものであります。労働時間に画一的な枠をはめる従来の発想を乗り越え、高度なプロフェッショナルの方々が自らの創造性を思う存分発揮できるようにするための制度でございます。 それから、裁量労働制でありますが、これはもう既に裁量労働制そのものが存在するわけでありますけれども、こうした中で、裁量労働制について、今回、総理の御指示でここは全て撤回すること、削除することにはしておりますけれども、その前の考え方から申し上げますと、だんだんこうしたホワイトカラーの方が複合的な仕事をするようになってくる、様々な仕事のありようが変わっていく中で、裁量を持ちながらその方々の創造性、自律性を発揮できる、そういった仕事について適用を拡大していく。一方で、裁量労働制については様々な問題点の指摘もございましたので、それに対しては必要な規制を強化していく。 そういったことで、今回、当初考えていたところでございますが、冒頭、今申し上げましたように、裁量労働制については今回の法案の改正からは全面的に削除するという総理の方針の下で今法案の作業を進めているところでございます。
○川合孝典君 四枚目のパネルを、お手元に資料を配付させていただいておりますので御覧いただきたいと思うんですが。 多様な働き方、自由な働き方、生活、ライフスタイルに合わせた働き方というのはもちろんとても大切なことだと思うんですが、現実に裁量労働制を導入されている方々の不満を感じる点について、これは労働政策研究・研修機構の資料でありますが、適用されている方々に聞いたところ、多くの方が業務量が過大である、労働時間、在社時間が長い、そして給料が低いと、これが三つの大きな不満ということになっておるわけでありますが、先ほどの大臣の御答弁は内容としては理解したんですけれども、では、なぜこういうふうになっているのかということについてどう御認識されているかをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) これは委員も御存じの中でお話をされていると思うんですけれども、まず、これについて満足しているかどうかということを聞いているわけであります。そして、その中で、満足している、やや満足、これが約七五%でございまして、そして、やや不満、不満が二つ合わせて約二〇%であります。その二〇%の人に対して何が不満ですかといって出てきたのがこの数字ということでございます。 そういった意味において、やはり実態で、私も聞かせていただきましたけれども、裁量労働制を非常にうまくやっている会社で、そしてそれをまたうまく活用している方々がいるという一方で、やっぱり実態として本来適用すべきものでない、あるいは適用の対象者になり得ない人たちにあえてこういうことが行われ、結果的に、自分で裁量できませんから、結果的にそれが長時間労働に今つながっていく。多分、業務量が過大というのと長時間労働、これは裏表の関係でありますし、結果として、みなし労働時間に比べて実際の労働時間が長いということになれば、時間当たりで見れば単価も減ると、こういうことにつながっているということで、先ほど申し上げた、そういった問題点を我々認識した上で、それに対する規制の強化ということも今回考えていたところではございます。
○川合孝典君 次のパネルをちょっと出してみてください。 適正に運用されていないケースがあると先ほどおっしゃいましたですよね。まさにそのとおりでありまして、適正に運用されていない方がこの法律を適用した場合に一体どうなるのかということが私は非常に問題だと思っているんですが。 このパネルに基づいて、今回の法案の中に書き込まれている企画業務型裁量労働制の対象業務に追加する業務の中で、具体的にこれ企画、立案、調査及び分析というのはどういう業務のことを指すのか、頭の悪い私にも理解できるように教えていただきたいんですけど、よろしくお願いします。
○国務大臣(加藤勝信君) これ、まず現行の企画業務型の裁量労働制においても、これ、まず自分の会社のですね、これ、しかも事業の運営に関するということですから、個々ではなくて全体の事業の運営に関して企画をする、どうやって変えていったらいいかということを企画をする、立案する。これ、多分順番からいえばまず先に調査、分析が先かもしれませんが、調査、分析をする、そういったことが今の企画業務型の対象になっているわけであります。 今回それが二つありまして、そこまでやったんだけど、実際、現場でそれが、自分の会社のですね、現場でどうなっているかとやっぱり把握をしないとこれまた次のステップに進めないということで、その成果を活用し、当該事業の運営に関する事項の実施状況の把握と評価を行うということを一つ加えたというのが一つであります。 それから二つ目は、これは明らかに、先ほどは自分の会社でありましたけど、これは他社ですね、他社の、しかも、ただ、法人である顧客ということでございますから他社ですね、他社の事業の運営に係るそうした事項について今申し上げた企画、立案、調査、分析をすると。そして、その結果を活用して、当該顧客に対し販売又は提供、読んでもしようがありませんが、そうしたことについて開発をし、そしてそれを当該顧客に提案をするということでございますので、ここは、例えば個別に商品とかサービスを、しかも既存のものを組み合わせたりということを含めて、それを提供するということはこの中には含まれていないということでございます。
○川合孝典君 今の大臣の御答弁を聞いて、では、具体的な業務のイメージが湧いた方は多分誰もいらっしゃらないと思うんです。 重要なことはここからです。この対象業務に追加する、この業務はこれだということを判断するのはどなたなんでしょうか。この人が適用対象者であるという判断をするのは誰ですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 二つありまして、どういう業務かということですね、それからその業務を誰がやるのかと、これ二つあると思います。 前段について、どういう業務かというのを最終的に確認するのは、これは監督指導官が入って、それがこれに該当するものなのかどうかという、この考え方に該当するかどうかと。ただ、今申し上げたところは非常に抽象的でございますが、現行の企業裁量型においてはもっと具体的にこういったもの、こういったものが入ります、入りませんということを出させていただいております、ガイドラインということで。ですから、今回もそういうこと、これが、今全面削除しましたが、仮にもし実行された場合には、また細かくガイドラインが示されて、そしてそれにのっとって監督指導が実施されるということになります。 それから、対象者についても、これはどういう対象者かということについて、今は指針しかないんでありますけれども、今回、今度は法律に基づいてきちんと省令で書くということで、それによって、例えばそうした経験が三年とか五年とか、あるいは、例えば最低賃金というような形で働いている人はこれは対象にしないとか、これはまあこれからの議論でありますけれども、そういった形で対象者を絞り込んでいく、そういうことで裁量労働の対象者というものを具体的に示し、そしてそれが実際どう運用されているかは実際の監督官がそこへ行ってチェックをして、そして是正すべきであれば監督指導を実施すると、こういう流れになるわけであります。
○川合孝典君 何か問題が起こったときには監督官が入ってチェックをして是正するという話なんですが、まず社員の中の誰をこの裁量労働の適用対象にするのかということの判断をどなたがされるのかということについてです。
○国務大臣(加藤勝信君) 最終的には、企画型であれば本人同意が必要でありますから本人が同意するということが必要になっております。ただ、これについても過労死の家族会の方からお話が伺えましたけれども、いつの間にか自分かあるいはその家族の方がなっていたと、こういうこともありますので、今回の我々が考えた中においては、しっかり書面等でその辺を確認するということも考えていかなければならないんだということを想定したところでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 誰が決めるのかと聞いているわけです。
○国務大臣(加藤勝信君) 前段を抜きまして。 最終的には本人が同意しなければならないということでありますが、誰が対象になるかと、あなたがそうですねというのは当然企業側からそうした申出があるというふうに思いますし、場合によっては、そういう制度があって、まず制度を導入するときには労使委員会というのをつくって決めなきゃいけませんが、中には、そういう制度があって、自分は外されているんだけど自分がやりたいといった場合にどうなるかということはあろうかと思いますが、一般的に考えれば、まず企業側がどうですかと、この職、こうした仕事について裁量労働制を今回の労使委員会の決議によって導入することがなったのでどうですかという、そうした話があり、そして本人が同意をすることによってこの裁量労働制というものが動き出すと、こういうことであります。
○川合孝典君 恐らく、次に用意したパネルがあったからあえて口を濁そうとされたのかもしれませんが、先ほど大事な単語が、キーワードが出ました。労使委員会、つまり労使で話し合った上で方針について決めましょうということで、実はこれ、高度プロフェッショナル制度も導入に当たっては労使委員会の五分の四以上の合意が必要だということで、実は物事を、ワークルールを決めていく上で非常に重要な位置付けにあるのが労使委員会です。 では、この労使委員会、労働組合に代わる過半数代表制の、労働組合に代わり得るとされている組織がどうなっているのかということなんですが、これ御覧いただきますと大変驚く結果が出ておりまして、過半数代表者の選出方法がどうなっているのかというのを見ましたところ、上の方のグラフでありますが、一一・二%が社員会や親睦会などの代表者が自動的に過半数代表になったと、二八・二%が会社が指名をしたと、そして一〇%強については回答がなかったということでありまして、実は分かっているだけでも四割が不適切な過半数代表、労働側の代表を選んでいないという実はデータが出てきております。 こうした方が代表になっている労使委員会の議論で果たして適正な議論が進められるのかということが、ここが非常に大きな問題だと思うんですけど、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員お出しになったのは、これ過半数代表者ということで、労使委員会とはちょっと違うわけですね。例えば、三六協定を結ぶときには労働組合か過半数代表、今回の裁量労働制ないし高プロを入れる場合には労使委員会ということになります。 ただ、委員御指摘のように、労使委員会であろうと過半数代表者であろうと、組合側、働き手の側をどう入れ込むのかというときに、使用者側が指定をするとか介入するというそういうおそれがないかという、そういう御指摘なんだろうというふうに思います。それについては、まさにこういったことも我々認識をしておりますし、また、特にこうした過半数代表者であり労使委員会というのは非常に大事な役割を担っているわけでございます。 労政審議会でも昨年六月五日の取りまとめの建議でも、使用者の意向による選出は手続違反に当たるなどの通達の内容を省令に規定すること、省令でしっかりしなさいと言うことが適当であると。また、使用者は、これは今過半数代表で申し上げれば、その業務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければならない旨を省令に規定すると、こういったことでございますので、いずれにしても今の話は裁量労働制だけではなくて広く全般に係る話なので、今回裁量労働制については全面削除いたしましたが、それ以外にも係る話でありますから、これについては必要な省令改正についてしっかり議論、検討していきたいというふうに思っております。
○川合孝典君 これまでも繰り返しこの問題については厚生労働省も指導をしていらっしゃると思いますが、しかしながら、にもかかわらず、不適切な選出方法が温存されてしまっているのが今の状況なんです。 それともう一つは、その下のグラフ御覧いただきますとお分かりいただけますように、いわゆる一般的な従業員さんが、いわゆる労働者側の代表ではなく管理職、明らかに上級管理職と思われる方々が要は労使の労の立場で会社と協議をされているという方がこの中に含まれているわけであります。こうした方々がいらっしゃる状態を温存したままで裁量労働を導入したがゆえに過労死の問題が起こっているんだと私は理解しているんですけれども。 きちんと労働者の立場をわきまえて労働者の権利や主張が反映される形で導入されなかったら、裁量労働制は働き方改革ではなくて、会社にとって都合のいい働かせ方の改革にしかならないということを我々はずっと主張しているんです。 この点についてどうですか。今後の議論の中で是非反映させてほしいんですけど。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げた、これは過半数代表者でありますけれども、まあ、ある意味では代替指標と言えるのかもしれません。そういった意味で、しっかりとした選出がなされる、労使委員会もその制度における位置付け、役割、非常に大きいものがあります。それによって働く人の権利あるいは生活を守るという立場があるわけでありますから、適正に選出される必要があるわけでありまして、それについて先ほど申し上げた省令でしっかりしていくと。 それからもう一つは、やはりこれ届出が必要なんですね、裁量労働制を入れる場合、届出が必要であります。ですから、届出がなされたときに、今で、裁量労働制で申し上げれば、労使委員会がどういう形で選ばれているのかとか、そういったこともしっかり確認をしていくことも必要なんだろうというふうに考えております。
○川合孝典君 届出をという話がございましたが、じゃ、質問変えて御質問しますが、三六協定の締結状況というのは今どうなっていますか。役所で結構です。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。 御質問は、三六協定の締結されている事業場と未締結の事業場ということだと思いますけれども、私どもの調査によりますと、三六協定の未締結の事業場の割合は全事業場の約四五%となっております。
○川合孝典君 労使で議論を行う上での最低限の基準を定める三六協定を締結していない事業所が全体の半分近くあるんです、実は。そういう状況の中でこの議論を実はしているということでありまして、このこと自体がそもそも裁量労働や高度プロフェッショナル制度といった特殊な働き方をさせる上での前提条件すら満たしていない状況なんだということを認識した上で、今後どう政策を組み立てていくのかということが問われているということを私は御指摘させていただきたいと思います。 それで、今回のこの三六協定を締結していない事業場というものをまずはどうきちんと締結を結ばせるのかという話なんですが、私、これ調べてみましたら、何で締結していないのかと思ったら、元々時間外労働をさせていないという理由ですとか、労使協定の存在を知らないとか、ひどいものでは適用除外だと思っていたという話もあるんですよ、使用者側がですよ。こんな状況の中でまともな議論ができるわけないんですよ。 だから、そのことを省令、基準できちんと見直すから裁量労働や高度プロフェッショナル制度を導入しますではなくて、今ある問題をどう解決するのかということを解決を図った上で初めて多様な働き方をどうしますかということの議論を行わないと、今の状況の中で裁量労働や高度プロフェッショナル制度を入れたら間違いなく過労死増えます。 最後に一点だけ確認させてください。過労死の認定基準というのは具体的にどうなっていますか。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。 脳・心臓疾患の労災認定基準におきまして、これはその脳・心臓疾患の発症前に業務における異常な出来事でございますとか、短期間あるいは長期間の過重業務、このいずれかが認められる場合に業務上の疾病と認められるものでございます。 このうち、長期間の過重業務につきましては、発症前一か月におおむね百時間、又は発症前二か月ないし六か月にわたりまして一か月当たりおおむね八十時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症の関連性が強いと評価いたしまして労災認定するということになります。
○川合孝典君 御答弁ありましたとおり、労働時間で過労死の認定が行われる。大切なファクターなんです、これ。 ちなみに、この企画業務型裁量労働制や高度プロフェッショナル制度でどうやって労働時間の管理をするのか、それができなければきちんとした実態は把握できないわけですから。そこのところだけ確認して、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 労働時間の把握については、これもしっかり、これ裁量労働制だけではなくて、全般的において、例えばタイムレコーダーとかですね、そういったものでしっかりやるべきということで今もやっておりますけれども、これを更にそうした形での対応が取れるよう対応を考えていきたいと、こう考えております。
○委員長(金子原二郎君) 以上で川合孝典君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成三十年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。吉川沙織君。
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 行政が信頼を獲得するためには、政策立案の基となる統計等データが正しいものであること、また、国民共有の知的資源である行政文書が適正に作成、管理されているということはもう論をまたず重要なことだと思いますが、総理の御認識を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、一般に統計データや行政文書といった様々なエビデンスを踏まえて政策を立案することは重要なことであると考えています。 このため、政府においては、昨年六月の骨太の方針に基づき、現在、証拠に基づく政策立案を推進する体制の構築や実践を進めているところでございます。
○吉川沙織君 統計改革については、昨年の施政方針演説で総理が触れ、今おっしゃっていただきましたとおり、EBPM、証拠に基づく政策立案を政府自身、声高に叫んでおられますが、一方で、統計等データの信頼性について疑義を残念ながら抱きかねないような事例もございます。よって、統計等データと国民共有の知的資源である行政文書の作成、管理の適正性について、これからお伺いしていきたいと思います。 総理は、平成二十七年九月、アベノミクス新三本の矢の一本目として、二〇二〇年頃に名目GDP六百兆円の目標を掲げられました。GDPのこの計算方法については平成二十八年十二月に改定されていますが、このGDPの目標六百兆円を掲げられたとき、総理はこの改定があるということを御存じだったかどうかお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成二十八年度中に、GDP統計についてはRアンドD支出を投資に計上するなど最近の国際基準に対応するとともに、より実態に合わせるべく基準の見直しが行われることは承知をしておりました。
○吉川沙織君 なぜ今総理にお伺いをしたかと申しますと、総理の名前で統計委員会に対して諮問が出されているからでございました。 そこで、この諮問が出された先は総務省の統計委員会、当時は内閣府の所管でしたけれども、今は総務省の所管ですので、総務大臣にその諮問の内容と趣旨についてお伺いします。
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。 統計委員会は、内閣府から平成二十六年九月十日、国民経済計算の作成基準の変更についての諮問を受けました。その諮問の内容は、平成二十八年度中に実施する国民経済計算の基準改定において、国連が勧告した新しい基準に対応するため作成基準を変更するもので、これに基づき具体的に、研究開発費を新たに投資としてGDPに計上すること、特許使用料の海外への支払と海外からの受取の差額を新たにGDPに計上することなどの審議が行われました。 統計委員会では、半年にわたる審議を行い、国連が勧告した基準に対応するためのものであること、国際比較可能性の向上等に資するものであり、統計利用者の利便性を高めるものであると考えられることから、平成二十七年三月二十三日に諮問のとおり変更して差し支えないとの答申を内閣府に行いました。 以上です。
○吉川沙織君 今、総理からも、そして総務大臣からも国際基準に対応するため答申を出したというお話がございましたが、平成二十七年九月に総理は、アベノミクス新三本の矢で名目GDP、二〇二〇年頃に六百兆円を目標に掲げられています。 この名目GDP六百兆円目標を掲げた時点の改定スケジュールはどうなっていたか、経済財政大臣に伺います。
○国務大臣(茂木敏充君) 御趣旨が完全に理解できていないのかもしれないんですけれど、このGDP統計の基準改定は二〇一六年の十二月に今のような経緯で行ったものであります。 一方、総理は二〇一五年の九月に六百兆円経済を目指すと表明をされたわけでありますが、その時点におきましては、こういった基準改定は行われると、こういったことを御存じの上で六百兆円は表明されたと、このように理解をいたしております。
○吉川沙織君 今おっしゃったのは、基準が変わった平成二十八年十二月に新しい計算方法になって、そこから二十年分をずっと計算し直して新基準と旧基準で並行して発表したわけですけれども、変更と同時に、これ二十年、平成二十七年から平成六年分までを遡及して計算し直して新基準と旧基準で出しています。もう改定は総理が発表した時点で、総理自身が諮問を出して答申を受けてというスケジュールの中ですからお分かりだったという、これ経済財政大臣の答弁でもあったと思います。 このGDPの基準改定することによってどれぐらいの改定幅があるかということは、経済財政大臣、御存じだったんでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) この基準改定は大きく二つの改定要因がありまして、一つは、先ほど総務大臣からも総理の方からもありましたように、RアンドDの設備投資への計上などの最新の国際基準、二〇〇八年のSNA、これを反映したこと。これは十五年ぶりに行われた国際基準への改定を反映したものでありまして、もう一つは、これまでも五年ごとに行ってきた改定でありますが、五年ごとに行われる国勢調査や産業連関表等の大規模で詳細な基礎統計や最新の知見に基づく推計手法を反映したものでありまして、基準改定は国際ルールにのっとってより正確に経済状況を把握するための改定でありまして、これによりまして日本経済の実力をより正確に計算できるようになったと、そのように考えております。 その上で、GDP統計の基準改定の影響額につきましては、二〇一六年十二月の公表を前に二回、試算結果も公表いたしております。
○吉川沙織君 その試算結果について教えてください。
○国務大臣(茂木敏充君) 一つは、二〇一三年から一四年に内閣府で行いました民間有識者によります研究会、基準改定研究会でありますが、ここにおいてでありまして、その中で、RアンドD設備投資への計上によりまして二〇〇五年から一一年の名目GDPを三・一%から三・四%程度押し上げる効果があるとの試算をお示しし、内閣府のホームページでもこのことは公開をいたしております。 もう一つは、二〇一六年の九月に、今回の基準改定全体によりまして新しい基準年となります二〇一一年の名目GDPを十九・八兆円程度押し上げる見込みであると、このことを公表いたしております。
○吉川沙織君 二回試算を行っていて、今その試算の結果について教えていただきました。 最終的に計算をし直したら、最新の年度、これが最終の比較年度ですけど、三十一・六兆円改定幅が出たということでございます。そうなりますと、名目GDP六百兆円目標を掲げたときは既にある程度目標に近づくんじゃないかという予想も成り立っていたと思うんですが、そういう目標にすべきだったんではないでしょうか。大臣、お伺いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほども申し上げましたが、この基準改定、これは国際的なルールにのっとりましてより正確に経済状況を把握するための改定でありまして、これ、何か数字を上積みするというより、日本経済の実力をより正確に計算できるようにしたと、このように考えておりまして、ちなみに、この方針の決定、これは二〇一一年、当時は民主党政権であったかと思いますが、この対応方針に沿って行われたものだと承知をいたしております。
○吉川沙織君 今おっしゃっていただきましたとおり、実際、平成二十四年一月から検討開始ですが、そもそも国際基準が採択されたのは平成二十一年の二月でございます。また、本格的に検討を始めたのは平成二十五年三月以降、十五回の検討をしておりますので、今のはあくまでも取っかかりということを申し上げておきたいと思います。 なぜこの質問をさせていただこうかと思ったのは、先々月、召集日の経済演説において経済財政大臣は、「日本経済は、五年にわたるアベノミクスの推進により、名目GDPは過去最大の五百四十九兆円に拡大し、」とお述べになったからです。 名目GDPが拡大したのは、今るる御答弁いただきましたけど、アベノミクスの推進もあります。ただ、それよりも国際的な基準に対応したということの方が幅としては大きいんじゃないでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 委員がお示しをいただいております名目GDPの基準改定前後の比較、これを御覧いただければお分かりのように、しっかりと、これがブルーの旧基準でありましても赤の改定後の基準でありましてもしっかり日本のGDP伸びているのはお分かりいただけるんじゃないかなと。 そして、その新基準を採用しておりますから、当然そこで、現在の段階で申し上げる数字は五百四十九兆円と、古い基準ではなくて当然新しい基準に沿った数字を申し上げるということになります。
○吉川沙織君 もちろん、私自身、アベノミクスの効果はあると思っています。 ただ、ただ、これ基準改定によって、この内訳は、一月二十四日の衆議院本会議で総理御自身が答弁なさっていますけど、国際基準への対応とその他の要因でこれだけ改定幅が出ていますという御答弁をなさっています。名目GDP六百兆円の目標を掲げられる前から、基準改定によってGDPの押し上げ効果は少なからずあるということは分かっていたことになります。旧基準のときにこの六百兆円目標を達成すると発表して、その後、計算方法が改定された後、三十一・六兆円の改定幅になっています。 名目GDPについて、今の数字は五百四十九とおっしゃいましたけれども、旧基準も併せて出した方がアベノミクスの効果というものはより分かるかと思うんですが、経済財政大臣、どうでしょう。
○国務大臣(茂木敏充君) これは考え方だと思いますが、先ほど申し上げたように、この基準というものは、国際基準につきましては十五年に一度そういった形でルール変更、今回の場合はRアンドD等を組み込む、そして国内につきましても最新のデータ等を入れ込む。今回の場合、例えば建設投資につきまして、今まではインプットで見ていたんですね、これを今回はアウトプットで見ると。こういうことによりまして、年によってそれが上になったりとか下になったりしますけれど、統計であったりとかこういったものは新しい基準になりましたら新しい基準で、御覧のように、その新しい基準にした年からではなくて、その前まで遡って新しい基準で見てトレンドを追うと、これが正しいやり方ではないかなと思います。
○吉川沙織君 内閣府の公的な資料を拝見いたしますと、普通、基準改定したとき、遡及は十年と書いてあります。何で二十年以上したんですか。
○国務大臣(茂木敏充君) より長いスパンで経済のトレンドを追いたいと。特に、日本は一九九〇年以降、バブルがありまして、バブル後の経済の落ち込み等々もあったわけであります。さらには、二〇〇八年にリーマン・ショックを経験するということもございまして、このバブル、バブル後、そして失われた二十年、さらにはリーマン・ショックと、こういった若干長いトレンドで見た中で日本経済の姿がどうなっていくかと、こういったこともお示しをしたい、こういう意味で二十年のスパンということにさせていただいております。
○吉川沙織君 昨年三月九日の総務委員会で実はこの問題を取り上げまして、何で十年じゃなくて二十年なのかなと思ったら、二十年遡ると、旧基準のピークが平成九年なんですけど、十年だとそれを超えないとかいろいろ要因があったようでございますが、いずれにしても、二〇二〇年頃GDP六百兆円目標を立てて、二十六日の衆議院予算委員会で総理の御答弁の中で、二〇二〇年に五百九十八兆円、二〇二一年には六百十七・四兆円でありましてと御答弁なさっています。もう達成できる目標でしたら、この改定幅分ぐらい目標を上積みしてもう一回発表されてはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そういう考え方もあると思います。確かにそれは私も認めるところでございますが、茂木委員からお話をさせていただいたように、国際的な基準に合わせて……(発言する者あり)あっ、茂木大臣からですね、失礼いたしました、茂木大臣から答弁をさせていただいたように、まさに国際スタンダードに合わせて、このGDPについて、我々この計算基準を変えたわけでございますので、それで発表させていく。特段の意図はないということは申し上げておきたいと、このように思います。
○吉川沙織君 では、もう特段、その三十兆円ぐらい目標を上積みして、更に政策目標を発表されるということは今のところはないということでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、我が国として認めているGDPの算出方針によって六百兆円を目指すと。平成二十七年の段階ではそのときの目標でありましたが、その後変わったわけでありますが、変わった結果、確かに押し上げる形で変わったのでございますが、基本的にはこれはそのまま維持をさせていただきたいと、二〇二〇年頃六百兆円という目標でいきたいと、こう思っております。
○吉川沙織君 改定幅の中が国際基準の対応と改定のその他要因で上がっているということは、大臣もさっき、改定のスケジュールの中で大体上がるということ、押し上げ効果があるということは内閣府の各種会議でも議事録として残っておりますので、ある程度分かった上で発表をなさって、政策目標をそこに合わせたのが本当によかったのかどうかというのはこれからもちゃんと見ていきたいと思っています。 昨年の施政方針演説では総理、統計改革に触れられましたけど、一昨年十二月に統計改革の基本方針を発表した直後、経済産業省本省において統計不正が外部からの指摘で発覚をしました。さらに、経産省が主務省である商工中金においては、危機対応業務を始め、残念ながら多くの不正が見付かってしまいました。 その中に、商工中金が毎月実施している中小企業月次景況観測の統計不正も含まれていましたが、主務省のトップである経産大臣に概要と現況について伺います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘の中小企業月次景況観測というのは、これはいわゆる統計法に基づく公的な政府の統計ではないんですけれども、これは商工中金が自らの取引社千社を選びまして、それを対象に電話での聞き取りを中心にしてアンケート調査を行って、その中身としては、販売価格の動向ですとか、仕入価格の動向ですとか、採算の状況ですとか、そういったものをDI値の形でまとめて、レポートとして毎月末に公表してきたものであります。 今御指摘のように、去年、危機対応業務での不正が明らかになりまして、商工中金で全て徹底的に社内の調査を行った中で、残念ながら、この景況観測において、アンケート調査の過程で職員が実際には取引先に電話を掛けるなどして調査をしていないのに調査票を自作をしてしまっていると、これとんでもない話でありますが、こういったのが明らかになりました。 昨年の十月時点の調査先千社についての調査を行ったところ、少なくとも不適切な行為が千社中百四十二社に見られたということであります。直ちに、もうこの調査、信頼性がそういうことではありませんので、この調査の実施、公表を中止をいたしました。そして、資料が現存する範囲で更なる広がりがないか、今調査を実施中であります。残念ながら、恐らくこの百四十二社よりはもう少し数字は大きくなるのかなというふうに思っております。 今後、この景況観測の取扱いについては、少なくともこれまでどおりの継続実施ということではないというふうに考えております。いずれにしても、商工中金においてまず広がりの調査をできるだけ早く完了して、その結果を踏まえて対応方針を決定してまいりたいというふうに思っております。
○吉川沙織君 プレスリリースは、昨年の十月二十七日で千社中百四十二先、不正が行われた。 昨年十二月七日に、実は委員会でこの件どうなっていますかと経産省にお伺いしましたところ、いま少しやはりあるということで調査中でございます、これ去年の十二月七日の答弁でございます。今日は三月一日でございますが、まだ調査中ということで認識合いますか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今、毎月千社に調査を行っていた中で不正が行われていますので、この千社の毎月の調査をその時々担当した担当者に全部ヒアリングを掛けてということをやっておりますのでちょっと時間が掛かっていますけれども、もう間もなく、そんなに時間を置かず調査結果は公表できるというふうに思っております。
○吉川沙織君 千社でこれだけ時間が掛かるということは、一万件のデータにいろいろあったら物すごい時間が掛かるのかなと思いつつ、統計等データに疑義があるといえば、働き方改革関連法案についても非常に残念な事態になっています。 絶対に比較してはならないデータを国会答弁に総理が用いられたり労政審の議論に用いたりされてきました。行政の統計等データの信頼性はもとより、法案の根幹を揺るがしかねない事態でありますので、今回は、一体でという答弁を、総理、この国会でも二回以上繰り返されていますので、今回はこの国会に提出すべきではないと考えますが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、データにおいて様々な御指摘があったことについては改めておわびを申し上げたいと思う次第でございますが、その中で、国民の皆様から疑念を持たれた。そこで、我々は、この働き方改革法案の中において、裁量労働制については全面削除するということとしたところでございます。 その上において、厚生労働省において実態をしっかりと把握をして検討を進めてもらいたいと、このように思います。その上で、法案をどうするかということについては、厚生労働省においてしっかりと検討してもらいたいと思っております。
○吉川沙織君 今も、実態を把握し直す、それから朝一番でも、把握し直す、議論し直すと総理からの御答弁でございました。また、昨日の衆議院の予算委員会においても、実態を把握するには相応の時間を要すると総理自身答弁されていますが、相応の時間とは、厚生労働大臣、どのくらいでしょうか。実態の把握とは何をどうされるのでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 昨日、総理から、実態については厚生労働省においてしっかりと把握をし直すと、その上で議論をやり直していきたいと、こういうお話がございました。具体的な方法についてはこれから厚生労働省で検討していくということでございますけれども、今の段階で私が考えておりますことを少し申し上げれば、やはり新たな形式、新たなやり方によって調査などをしていく必要が当然あるだろうと、こういうふうに考えておりますし、したがって、まずどういう形でやるかというところから議論いたします。 そして、それには当然、実施すればそれなりの時間も掛かり、分析も掛かり、そして議論し直すということでありますから、当然、労政審等での議論もしていただくということでありますから、それなりの時間が必要になってくるんだろうというふうに思いますが、今の段階で具体的なことを申し上げるほどまだ詰めてはいないということは御理解いただきたいと思います。
○吉川沙織君 時間が掛かるということは今の御答弁で承知いたしましたけれども、どれぐらいの時間掛かるだろうかというようなめども、これから一から、まあゼロかマイナスからかのスタートかも分かりませんけれども、そこから検討をされるから物すごく時間が掛かるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(加藤勝信君) いたずらに時間を掛けようという思いはありませんけれども、今回、私どものデータにおいて選び方が異なるものを比べてしまったと、あるいはデータでお示しをした中にこれは明らかにおかしいではないかという御指摘もいただいているわけですから、やはりそうしたものを真摯に反省して、まず制度設計をしっかりやると、そして調査もしっかりやっていくということで取り組みたいというふうに思っております。
○吉川沙織君 今の御答弁でも、それから昨日の衆議院予算委員会の答弁でも、例えば今あるデータで何か使えるかということにはなり得ない、今もそういう趣旨の御答弁ありましたけれども、新たな調査をするということでいいですね。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げましたその調査も新たに、要するに調査の仕方も含めて設計をし直してやっていく必要があると思っておりますが、いずれにしても、具体な話は検討させていただきたいというふうに思います。
○吉川沙織君 本年一月十九日の閣議で予算非関連法案の閣議決定の期限は三月十三日とすることで了解がなされています。働き方改革関連法案がこの国会の目玉法案であるというならば、閣議決定期限を超えてわざわざ目玉法案を提出、国会にする必要はないかと思うんですが、厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) いずれにしても、私どもの場合には、与党の法案審査というプロセスを得て、そしてその上で法案を提出させていただくということでございます。現在、法案をそれぞれで議論をいただいている、そして今、今回総理の指示で、含めて、裁量労働制に関しては今回の改正から全面削除するということでありますから、そういったこともお示しして、そして与党の審査を得て、その上でこの国会に提出をしていきたいと、こういうふうに考えております。
○吉川沙織君 三月十三日までに裁量労働制分を削除して国会に提出するということは、もう閣議決定は三月十三が非関連予算の法案の提出期限と一応閣議で決めていますけれども、そこはもう間に合わずに与党の審査プロセスを経てから提出をされる、それも、裁量労働制の削除だけで提出をされるという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 全面削除するということはそういうことで、あとは与党に御相談をさせていただくわけでありますけれども、それ以上の、具体的にいつまでという切りを、これを私どもの方から付けるわけにはまいりません。先ほど委員がおっしゃったような形でのもちろん法案の提出の目途というのは持っておりますけれども、しかし、しっかりと議論をしていただくことは当然必要でございますので、そういった意味で今与党の法案審査、これをお願いをしていると、こういう状況であります。
○吉川沙織君 今の御答弁の中で法案の目途というものは持っておるわけでございますけれどもとありましたが、目途はいつでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) この法案に限らず、予算非関連法案については三月十三日ということを一つの目途にしているわけであります。
○吉川沙織君 では、三月十三日目途で裁量労働制の全面削除をやるということなんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん、そういったことも踏まえながら、与党において法案の審査をしていただいていると、こういうことでございます。
○吉川沙織君 裁量労働制の削除は、昨晩遅く私もニュースを見てびっくりしましたけれども、削除を決められたと。それと政策の方向性が一緒なのは、高度プロフェッショナル制度の導入に当たります。裁量労働制の拡大と高度プロフェッショナル制度の導入は同じ方向を向いています。これは、長時間の上限規制の対象から外すという意味で同じ方向を向いています。 他方で、長時間労働の上限規制を罰則付きで入れるというのは、政策の方向性からしたら全くもって真逆です。真逆の方の一方を削除して、一つを残して同じ法案で提出するというのは、立法府にいる私たちの側からすれば、政策の異なる法案を束ねて一緒に出してくるということにつながりますので、この際、裁量労働制の削除と併せて高度プロフェッショナル制度の導入も外して立法府たる国会に提出すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 働き方改革そのものは、ワーク・ライフ・バランスを改善していく、あるいは正規、非正規間の不合理な待遇差の解消等を通じて、一人一人がその事情に応じて多様な働き方を選択できるようにしていくということでありますので、そういった意味においては、上限規制も、それから今あります高度プロフェッショナル制度も、当然働く方の健康は確保しつつ、意欲や能力を発揮しながら働いていただく、多様な働き方の環境整備の一環、そういった意味において労働政策審議会でも一体的に議論されたところでございます。
○吉川沙織君 今年の常会に入ってからの本会議においても、それから予算委員会の審議においても、総理は、これらは全て一体のものとしてお願いをしたい、その一体の中に高度プロフェッショナルの導入も裁量労働制の拡大も入って、一体のものとしてどうにか国会で審議をしてほしいというような、提出をされればですけれども、そういう答弁が二回以上ありました。その根幹を成す一個が削除になるということは、もう一回ちゃんと審議し直して、立法府たる国会に、一つの法案の中に議員の賛否が分かれるようなものを紛れ込ませて束ねて出してくるのではなくて、別々に出してくるべきではないかと思うんですが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の働き方改革において、罰則付きの時間外労働の上限規制の導入、そして同一労働同一賃金の実現と、今御指摘のあった高度プロフェッショナル制度の創設が含まれておりますが、これ、いずれも健康を確保しつつ、誰もがその事情に応じた多様な働き方を自由に選択することを可能とすることでその能力を発揮できる労働制度への改革という一つの趣旨、目的を持つものであり、一つの法案でお示しをすることが適当と考えているところでございます。
○吉川沙織君 今の答弁の中身は、平成十七年の四月一日の衆議院本会議でも政府が答弁をしている中身とも重なります。一般的に、法案に盛られた政策が統一的なものであり、その結果として法案の趣旨、目的が一つであると認められるとき、あるいは内容的に法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認めるときは同じ法案で出していますと。これは、平成十七年四月一日の衆議院本会議の政府答弁です。 ただ、今回の労働基準法、今回の働き方改革関連法案、本当に国会に出されるのであれば、八本の法案を見かけ上一本で国会に出してきます。その労働基準法の中に、長時間労働の罰則付きの上限規制と高度プロフェッショナル制度。これ議員の表決権も侵害するし、議論も制約されるし、政策の方向性は真逆です。だからこそ今回は裁量労働制を削除すると、総理は昨日そうやって発表されました。 高度プロフェッショナル制度の導入もこの際削除して、すっきりとした形で立法府たる国会に提出をしてくださいというお願いをしております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 裁量労働制については、企画業務型の裁量労働制の拡大につきましては、言わばデータについて国民の皆様に疑念を抱かせるという結果になったところからそれを全面削除するところとしたところでございますが、残りの三つについて、これは相反するではないかという御指摘でございましたが、我々はこの改革の方向性として、まずこの長時間労働という慣行を打破をしていく、そのために時間外労働の上限規制を導入するということとともに、そして様々な働き方を自由に選択できるようにするということにおいて、同一労働同一賃金もその中に、カテゴリーの中にも入るのではないかと。 そして、裁量労働制度と高プロを入れているところでございますが、裁量労働制度はそういうことで今回は削除をいたしましたが、しかし、先ほど申し上げましたように、そういう観点から、その能力を発揮できる、自由に選択することを可能とし、能力を発揮できる労働制度の改革ということにおいては一つの趣旨、目的を持つものであるというふうに考えているわけでありますが、また、この高度プロフェッショナル制度については、連合の意見も取り入れまして、年間百四日の休日確保の義務付けなど健康確保措置を強化をするとともに、平均給与の三倍の額を相当程度上回る水準、現状では年収千七十五万円以上の方と制限をしておりまして、予定どおり国会に提出をする、そして、先ほど厚労大臣から答弁もさせていただいたように、一つの法案でお示しをすることが適当と考えているところでございます。
○吉川沙織君 長時間労働の上限規制は本当にこれはすばらしいことだと思うんですが、ただ、高プロも裁量労働制も長時間労働の概念を外す仕組みですから、その恩恵を受けない、ある意味せっかくの長時間労働の上限規制が矮小化されてしまうという、こういう懸念があります。 それから、今、総理、御答弁の中で、現状は平均給与額の三倍を相当程度上回るという、こういう御答弁がありました。二〇〇五年の六月二十一日に経団連がホワイトカラーエグゼンプションに関する提言の中で、この適用、これも今回の高プロと趣旨は一緒ですけど、この年収要件四百万と書いてあります。今は平均給与額の三倍を相当程度と書いていますけど、これ、二倍になったり、平均給与額程度とかに変えることはないということでよろしいでしょうか。厚労大臣で結構です。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回、高度プロフェッショナル制度ということで議論をさせていただいたところでございますけれども、これは、高度な知識、技術を持つ専門職の自律的に働きたいというニーズに応え、意欲と能力を十分に発揮できるよう、めり張りのある働き方を可能とする制度ということであります。 そして、労働政策審議会の答申を得た法案要綱においては、要件として、対象業務については、高度の専門的知識、技術又は経験が必要、従事した時間と成果との関連性が通常高くないこと、そして、今御指摘の年収要件については、支払われると見込まれる賃金の額が平均給与額の三倍を相当程度上回ることとしており、これをしっかりとした法案を今策定するべく、与党プロセス含めて進めているところでございます。 当然、そういうことで法案の中に盛り込むわけでありますから、法律を改正しない限り年収要件の引下げはできないということになるわけであります。
○吉川沙織君 将来的に、今は三倍を相当程度となっていますけど、二倍に減ったり、程度になったりということは今のところは絶対ないということでよろしいですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 高度プロフェッショナル制度の趣旨を今のように申し上げました。その趣旨に反してそうした要件を緩和していくという考えはございません。
○吉川沙織君 この答弁、大事にしておきたいと思います。 それから、一つだけ確認をさせてください。 二十六日の衆議院の予算委員会においても、それから今日も私の方からも申し上げましたけれども、内閣提出法律案の責任者はどなたでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 済みません。ちょっと失礼しました。 日本国憲法七十二条において、内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部門を指揮監督すると、こうなっております。ということにおきまして、総理大臣が内閣を代表して提出をするということであります。
○吉川沙織君 まさかのストップでしたけれども。 内閣法第五条に、内閣総理大臣は内閣提出法律案に対して責任を持つということですので、行政府の長であられ、内閣のトップであられる内閣総理大臣がそれぞれの閣法の責任者ということになります。 それで、二十六日の衆議院の予算委員会で、法案を提出するかどうかは、まさにこれは党として決めることという答弁を総理がされています。これは内閣法第五条に、ちょっと趣旨には反するのではないかと思うんですが、これ、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは実態の話を申し上げたところでございまして、議院内閣制でございまして、もちろん憲法上私が責任を持って提出をいたしますが、その前の段階において与党との提出をするに当たってのプロセスを踏むわけでございまして、その段階において、党において、そのプロセスにおいて政審を通らない、あるいは総務会を通らないということになればこれ提出ができないということでやっておりますので、実態としてそういうお話をさせていただいたわけでございまして、ですから、それが調っていない段階でいつかということは申し上げられないという実態についてお話をさせていただいたところでございます。
○吉川沙織君 内閣から法案を国会に提出するに際しては、慣例上、与党審査が必要だということは私も承知しておりますが、例えば法案の提出をしないというときは与党に諮られるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) しないということについては、これは内閣において、言わば形式的にはまさに内閣において決めることができるわけでございます、まだ出していない、党にお諮りをしていないわけでありますから。 しかし、昨晩においては、党との関係もあり、よく、これは実態とは違うんですが、私が全部何か一人で決めているかのごとくの批判もございますが、もちろんそうではないわけでございまして、昨日も、与党、自民党と公明党それぞれの政策責任者、幹事長に諮った、考え方を諮ったところでございます。
○吉川沙織君 閣法を提出しないということは、内閣総理大臣、内閣のトップ、行政府の長である総理がお決めになればいいことだと思いますので、今回の働き方改革関連法案も、高度プロフェッショナルと裁量労働制、両方削除した形で、働く人のために、命守るために、それから、もう一回精査をしっかりしていただいて、新しい調査をしていただいた上で立法府たる国会に御提出いただきたいと思うんですが、総理、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、私としても働く人の命を守りたいという思いでは同じだと思っております。だからこそ健康確保措置等はちゃんとやらなければいけない。 ただ、裁量労働制の業務拡大とこの高度プロフェッショナル人材、高度プロフェッショナルについては、これは、高プロは、もう御承知のように、新たに創設するわけでありまして、裁量労働制の企画業務型、今まで専門業務型がございましたが、これは今まであるものの中において企画業務型をこれ拡大をするわけでありまして、ですから、今まであるこの裁量労働制の中で調査を行い、様々な問題点が指摘をされたところだと、このように思うわけであります。 この高プロの場合は、年収、平均の三倍、千七十五万円以上ということになっておりますので、もちろんこれは書面で本人の同意を確認するということにもなっておりますし、それは会社側に対しての交渉力も相当違うんだろう、この企画業務型の方々とは相当違うんだろうという認識でございまして、あと詳しいところはまた必要であれば厚労大臣から答弁をさせていただきますが、そういう観点から、この三本柱については一体として提出をさせていただきたいと、このように考えております。
○吉川沙織君 立法府への法案の提出の在り方、それから今回の法案の内容についてはこれからもしっかり見ていきたいと思います。何より、法案の根幹を揺るがしかねない不適切なデータの取扱いの事案があったということは法案の提出そのものにも疑義が付きますので、野党として、数は少のうございますけれども、しっかりチェック機能を果たしていきたいと思います。 統計等データの信頼性はもちろんですが、行政文書を通じて諸活動の説明責任を果たす役割は、政府には求められていると思います。 昨年の予算委員会から、国有財産である国有地売却をめぐる事案について多くの議論がなされています。国の財政を処理する権限は行政権たる内閣に属しますが、これを国民の代表機関である国会の統制の下に置かなければならないという原則は財政民主主義を反映したものであります。 財政民主主義の一つとして会計検査院の存在がありますが、その地位について会計検査院に伺います。
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、憲法第九十条及び会計検査院法第一条によりまして、国会及び裁判所に属さず、内閣からも独立した機関として、国や法律で定められた機関の会計を検査し、会計経理が正しく行われるように監督する職責を果たしております。
○吉川沙織君 平成九年に国会法と会計検査院法が改正されました。国会から会計検査院に検査要請制度がつくられましたが、この制度の経緯と趣旨について参議院に伺います。
○事務総長(郷原悟君) お答えいたします。 会計検査院に対する会計検査要請制度は、平成九年の第百四十一回国会で、衆議院提出に係る国会法一部改正によりまして創設されたものでございます。 この国会法改正は、国会の行政監視機能の充実強化を図ることを目的として、衆議院の決算委員会を改組して新たに決算行政監視委員会を設置するとともに、会計検査院の機能を国会が機動的に利用することができるようにする必要があるとの考え方から、会計検査要請制度を創設するなど、所要の規定の整備を図ったものであり、平成十年の百四十二回常会の召集日に施行されました。 なお、会計検査院は憲法上の機関でありますので、会計検査院への会計検査要請制度の創設については、会計検査院の独立性に鑑みて国会法及び会計検査院法の改正が行われたものとされております。
○吉川沙織君 同じことを会計検査院にも伺います。
○会計検査院長(河戸光彦君) お尋ねのありました国会からの会計検査院に対する検査要請の制度につきましては、平成九年の国会法等の一部を改正する法律により創設されたものでございます。この法律は、国会の行政監視機能をより強化する趣旨のものと承知しております。 具体的には、国会法の改正により、各議院や各議院の委員会などが会計検査院に対して特定の事項について検査を実施してその結果の報告を求めることができることとなり、同時に、会計検査院法の改正により、会計検査院は国会からの要請事項について検査を実施してその結果を報告することができるとの規定が創設されたものでございます。
○吉川沙織君 昨年三月六日、当参議院予算委員会は国会法第百五条の規定に基づいて会計検査院に検査要請を行いました。内容について参議院事務総長に伺います。
○事務総長(郷原悟君) お答えいたします。 平成二十九年三月六日の参議院予算委員会で議決いたしました国会法第百五条に基づく会計検査院への検査要請の内容でございますが、学校法人森友学園に対する国有地の売却等について、検査の対象は財務省及び国土交通省、検査の内容は学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する次の各事項、一、大阪府豊中市の国有地の貸付及び売却の経緯、二、貸付価格及び売却価格並びに価格算定手続の適正性、三、当該国有地の貸付及び売却に関する行政文書の管理状況。 以上でございます。
○吉川沙織君 国会からの会計検査院への検査要請を受けて、会計検査院はその検査を受けて、昨年十一月終わり頃に国会と参議院予算委員会に対して、つまり立法府たる国会に対してその結果を報告いただきました。 先ほど、国会法第百五条の創設、それから会計検査院法第三十条の三の制度の趣旨と経緯について教えていただきました。お互い要請をすることができる、お互い受けて報告することができる規定になっています。そのできる規定は、会計検査院の独立性を重んじたものに係るものですが、それを受けたということは、検査院、重いことではないんでしょうか。
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院といたしましては、国会から検査要請が行われた場合には、要請を真摯に受け止め、要請を受諾するかの検討を速やかに行うこととしております。 平成二十九年三月六日に参議院予算委員会より検査の要請がございました学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関しましても、会計検査院はこの要請を真摯に受け止め、翌三月七日に、要請を受諾して検査を実施して、その検査の結果を報告することを決定し、この旨を参議院に対して通知しております。
○吉川沙織君 それだけ重い検査要請、そして、受けていただいて、報告もいただきました。 ただ、その報告が出る前の日以降、財務省からたくさんいろんな文書が見付かりました。開示請求によって見付かったということですが、本来、この検査要請に対して出すべき文書ではなかったんでしょうか、財務省。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。 御指摘の法律相談文書は、開示請求があって、それを受けて十月下旬から十一月にかけて近畿財務局の局内全体で文書の探索を行ったところ、法律相談の文書に気が付いたということでございまして、開示請求の対象となる売買のタイミングのときということですが、五つの相談文書、その後、それ以外にも法律相談の文書があるということを把握をいたしました。 委員からお話がございましたように、最初の五つの文書については、検査報告書が十一月の二十二日でございましたが、その前日の十一月の二十一日に提出をするということになりました。そのときに、残りの文書があるということは気が付いておりましたので、同じ十一月の二十一日には、残りの文書は後ほど提出をさせていただきますというふうに検査院には御報告を申し上げた上で、大宗、残り二十あるんですが、大宗は、十九は十二月二十一日に、残りの一つが二月五日に提出をするという格好になりました。 委員御指摘のように、検査の過程において、その時点で遅れた、気が付かなかった、気が付けなかったということは事務方としては大変申し訳ないことだと思っております。おわびを申し上げます。
○吉川沙織君 会計検査院に伺います。 この今財務省が答弁で触れた文書は、求めていたものは含まれていますか。
○会計検査院長(河戸光彦君) 会計検査院は、参議院からの要請を受けて実施いたしました学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査における近畿財務局に対する実地検査におきまして、具体的に文書名を特定して行ったものではございませんが、資料を提示した上での説明を求めております。 昨年十一月二十一日以降に財務省から会計検査院に提出されました二十五件の法律相談書等の資料のうちには、これに該当するものが含まれていると認識しております。
○吉川沙織君 会計検査院法第二十五条及び第二十六条では受ける側の義務を定めていると思いますが、その趣旨について、会計検査院、教えてください。
○会計検査院長(河戸光彦君) お尋ねのありました平成十七年に行われました会計検査院法の改正は、参議院におきまして会計検査機能の充実等について御検討いただき、決算委員会の御提案で行っていただいた経緯がございます。 この改正におきまして、第二十五条の実地検査に関する規定につきまして、実地の検査を受けるものは、これに応じなければならないとの規定が追加されております。また、第二十六条の帳簿、書類その他の資料等の提出の求めに関する規定につきましては、これらの求めを受けたものは、これに応じなければならないとの規定が追加されております。 その趣旨でございますが、会計検査の受検義務に関しましては、この改正前から、会計検査院の検査を受けるものは、その活動の原資が国民の負担による税金等であることに鑑みまして、その会計経理について説明責任を負っており、実地検査や資料の提出の要求には当然応ずべきものと考えられてきたところではございますが、検査のより一層円滑な実施のためには、実地の検査を受けるもの及び資料等の提出の求めを受けたものの受検義務を法文上明記する必要があると判断されたものと承知しております。
○吉川沙織君 実地検査に応じる義務の第二十五条及び第二十六条に、財務省、反していませんか。
○政府参考人(太田充君) 先ほど申し上げましたとおり、大変申し訳ないことだと思っております。 その上で、二十五条、二十六条に該当するかどうかは、私どもは検査を受ける立場でございますので、私どもがそれに該当する、該当しないということを判断して申し上げられる立場ではないというふうに存じております。
○吉川沙織君 先ほど理財局長、開示請求があって、探索したら見付かった。どれぐらい探索したんですか。
○政府参考人(太田充君) 十月末から十一月にかけての日数を掛けて探索をしたということでございます。
○吉川沙織君 情報公開請求は罰則の対象になり得ます。ただ、会計検査院法二十五条及び二十六条、そして国会からの検査要請については罰則がありません。だから見付けなかったんじゃないんですか。
○政府参考人(太田充君) 情報公開請求は、一定の文書の特定をいただいて、それに基づいてやるということでございますが、その意味で、ある意味での文書の特定をされたものが近畿財務局全体にわたるものでございましたので、そういう意味で気が付いたということでございます。 会計検査院の報告におきましては、午前中の委員会でも御質疑がございましたけれども、この法律相談文書は基本的には損害賠償請求に当たる、当たらないといった議論をしておるものでございます。会計検査院報告においては、こういうものがあれば、要すれば、損害賠償に関して決裁文書に特段の記述がないなど具体的な検討内容が明らかでなかったという指摘をいただいておりまして、これが事前に気が付いておれば、何らかの意味で、口頭で説明しておりましたけれども、説明の一助にはなったのではないかという意味では私どもとして大変残念ですし、大変至らなかったというふうに思っておるという次第でございます。
○吉川沙織君 国会法第百五条の規定に基づいて国会から検査要請を会計検査院にいたしました。会計検査院から財務省に対して要請があった、それを、立法府の意思も、独立した会計検査院からの要請も軽んじているのではないでしょうか。どうですか。
○政府参考人(太田充君) 国会からの御要請、検査院からのお話というのはもう重々承知をしております。その上で気が付かなかった、気付けなかったということは残念ながら事実でございます。誠に申し訳ございません。
○吉川沙織君 二月二日の衆議院予算委員会で理財局長は、検査に協力する、二月七日の衆議院予算委員会で財務大臣は、財務省としても可能な限り協力する。これは、検査院法は受検義務を定めています。これを軽んじている答弁ではないでしょうか。財務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど理財局長太田の方から御説明申し上げたとおりなんであって、私どもとしては全面的に協力すると。本人が申し上げておりましたとおり、気が付かなかったということだと存じます。
○吉川沙織君 行政の信頼性を獲得するための文書がどこを探しても見付からない、見付けられなかった、平時でもあってはならないことではないでしょうか。 今回は国民注視、かつ国会法に基づく立法府からの検査要請であっても、七か月もの間文書探索しても分からなかった。厚生労働省の場合は、倉庫に三十二箱段ボールがあったということを一生懸命探していただいて見付かったということでございますが、これでは行政文書を始めとする公文書管理の在り方そのものに疑問符が付きかねませんが、総理の御見解をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会において御指摘されたことなどを踏まえて、政府としては、昨年末に行政文書の管理に関するガイドラインを改正をし、そして公文書管理の質を高めるための取組を行ったところでありまして、今後、同ラインに沿ってより適切な公文書の管理に努めてまいりたいと思います。
○吉川沙織君 ガイドラインは、あくまでも公文書管理法に基づき各行政機関が規則を定めるに当たって踏まえるべき指針にすぎません。今国会で財務大臣も理財局長も、規則にのっとって保存しておりました、法律違反ではございません、繰り返し答弁をされています。 しかしながら、この公文書等の管理に関する法律第一条の目的を踏まえるならば、政府としての説明責任を十分に果たし、行政に対する国民の信頼を獲得することができる、高めることができると政府は考えているのか、改正趣旨の担保について官房長官に伺います。
○国務大臣(梶山弘志君) 行政文書の管理の在り方につきましては、公文書管理法施行五年後の見直しとして、有識者から成る公文書管理委員会で御議論をいただいており、さらに、昨今の様々な御指摘も踏まえて昨年末に行政文書の管理に関するガイドラインの改正を行ったところであります。 改正ガイドラインにおきましては、意思決定過程等の合理的な跡付けや検証に必要となる行政文書については一年以上の保存期間を設定をすること、一年未満の保存期間を設定可能な行政文書の類型を示して従来より大幅に限定することなどを定めたところであります。 改正ガイドラインを踏まえて、本年度中に各府省が行政文書管理規則の改正を行うことになっておりますが、その改正に当たっては、内閣府が協議を受け、公文書管理委員会による第三者的見地からのチェックを受けた上で、すり合わせをした上で、同意するか否かについて判断することになっております。また、公文書を扱う職員一人一人の意識をより一層高めていくことも重要であることから、各府省職員向けの研修の充実や行政文書の適切な作成、保存に係る点検、監査の実施など、公文書管理の質を高めるための不断の取組を進めながら、行政に対する国民の信頼を高めてまいりたいと考えております。
○吉川沙織君 改正ガイドラインによれば、行政文書とみなすかどうかは、文書管理者である課長級の判断によるとされています。課長級が確認する仕組みに変えると、課長が確認していなかったらそれは私有文書でしょうとなったら、永遠に闇に葬られることになります。今回の財務省の事例よろしく、各行政機関に行政文書か否かの判断を求めてしまった場合、省内ですら探索しまくらないと気付かなかったぐらいですから、実効が上がるかどうか、甚だ疑問です。 ガイドラインを踏まえて、定められた規則にのっとって管理されていたとしても、信頼するに足りるかどうか。実効性をどう担保するんですか。
○国務大臣(梶山弘志君) 先ほども申しましたように、ガイドラインに従って、今、行政文書管理規則を各省庁で作っております。これに関しては、外部の公文書管理委員会もチェックも入ってくる、すり合わせもしていくということになって、この一月から三月の間までにかなりの作業量で今進めているところでもあります。 それらも踏まえて、今度は総理が協議を受けて同意をするということになっております。そして、その後の運用ということになることであります。
○吉川沙織君 実効性をどう担保するんですか、今回の財務省の事例を引き合いに、公文書管理、どうやってやるんですかということをお伺いしております。
○国務大臣(梶山弘志君) 二十三年四月に公文書管理法が施行されまして、五年の見直しも含めて、ずっと御指摘も受けてまいりました。それと併せて、昨年の様々な出来事、御指摘を受けてまいりまして、それを今、ガイドラインにまとめたということでありますが、それらを公文書管理委員会とすり合わせしながらということになりますし、それらについては各省庁の責任者においてやっていくということになりますけれども、研修も、意識を高めることも含めてこれからしっかりとやってまいりたいと思っております。
○吉川沙織君 研修のリフレインでしたけれども。 財務相は二月十五日の衆議院予算委員会で、「この検査報告は、公文書管理法に照らして財務省の文書管理の適正性を判断しているものではない」と答弁されています。この答弁を踏まえるならば、政府として、公文書管理法に照らした場合、財務省の文書管理は適正と言えるのか。総理に伺います。
○国務大臣(梶山弘志君) 公文書管理法に基づいて行政文書管理規則が定められておりますので、それに基づいての認識であると思っております。
○吉川沙織君 財務大臣は、今回の一連の問題についての検査報告は公文書管理法に照らして財務省の文書管理の適正性を判断しているものではない。確かにそれ以外のことは法的には違反がなかったという結論ですけれども、公文書管理法に照らした場合、結構いろいろあるんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(梶山弘志君) 公文書管理法に照らしてその行政文書管理規則もできているわけでありますし、また、目的もしっかり照らし合わせた上で意識をしていただいていると思っております。これらについてしっかりと守っていただくための徹底を図ってまいりたいということであります。
○吉川沙織君 公文書管理法、いろいろあるんですけど、第三十一条は、内閣総理大臣による報告、資料提出要請や実地検査ができ、改善が必要な場合は勧告が内閣のトップとしてできるという規定があります。 今回の件、公文書管理法に照らすなら財務省の文書管理の適正性は問われてしかるべきですから、これは政府としてやるべきじゃないでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(梶山弘志君) 真摯に受け止めて対応してまいりたいと思っております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(梶山弘志君) 繰り返しになりますけれども、研修等で意識を高めていくこと等、適切に行われているかどうかの点検、監査を実施をすることも含めてしっかりと徹底をしてまいりたいと思っております。
○吉川沙織君 今の答弁を受けて、官房長官、いかがですか。
○国務大臣(菅義偉君) 梶山担当大臣が答えたとおりでありますし、政府としては、公文書管理法の趣旨にのっとり、そこは対応していく必要があると思います。
○吉川沙織君 この一連の問題については、行政の信頼性、獲得するための文書が見付からなかった、見付けられなかったというような事例が去年の予算委員会の事例からも明らかになりましたし、データもいろいろ疑義があるものがたくさんありますので、これからもしっかり見ていきたいと思っています。 統計等データは政策立案にも必ず必要になるものです。 私自身は、ちょうど一九九八年に就職活動をして、九九年に社会人としてスタートを切ることができました。同世代の多くは非正規が多くいて、それから今、引きこもりの高年齢化、長期化も進んでいます。働き手の中で人口が最も多い三十五歳から四十四歳がしっかり働いて組織や社会の中心で活動しなければ、社会的なコストの負担も大きくこれからなってきます。 平成二十四年の質疑において、その就職氷河期世代が正社員になれないことによるマイナスの影響額をお伺いしたところ、国税において五百億、地方税において一千億。去年の十二月、改めてお伺いしましたところ、国税においてマイナス七百億程度、地方税についてはマイナス千二百億程度と、減収額が拡大してしまいました。 最初に一点確認いたします。 平成二十四年と二十九年の試算における対象者の範囲は同じということで間違いないでしょうか。総務、財務に伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) 吉川先生から、いわゆる、何だ、就職氷河期でしたっけね、就職氷河期世代と所得税収の関係についての御質問があって、これは一定の仮定を置いて試算をして、平成二十四年七月のときには五百億円程度、昨年十二月には七百億円程度の所得税収の影響がある旨答弁しているところであります。 当時のそれぞれの試算においては、いただいた質問の内容を踏まえて、異なる年齢層を対象といたしております。具体的には、就職氷河期世代に関わる影響を試算するに当たって、平成二十四年に関しましては、若年層についてのお尋ねがあっておりますので、十五歳から三十四歳の年齢層に係るデータを基に試算を行ったところであります。一方、昨年のものは、三十五歳から四十歳前半を迎えている層についてのお尋ねがあっておりますので、三十五歳から四十四歳の年齢層に係るデータを基に試算したというのがその差だと存じます。
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。 財務大臣と重なるところが多いんですけれども、委員からこれまでいわゆる就職氷河期世代と税収の関係について御質問をいただきました。一定の年齢層の非正規雇用者が正規雇用者と同じ年収を得ていないことによる個人住民税収への影響について一定の仮定を置いて試算し、平成二十四年七月には一千億円程度の減、そして昨年十二月には一千二百億円程度の減の影響がある旨総務省から答弁をいたしました。 ただし、それぞれの御質問においては対象の年齢層が異なっていたと理解しており、具体的には、平成二十四年の御質問においては、お尋ねの年齢層が就職氷河期世代を中心とする若年層とされていたことから、財務省と同様、十五歳から三十四歳の年齢層に係るデータを基に試算を行い、一方、昨年の御質問におきましては、お尋ねの年齢層が三十五歳から四十歳前半を迎えている就職氷河期世代とされていたことから、これも財務省同様、三十五歳から四十四歳の年齢層に係るデータを基に試算を行ったところです。
○吉川沙織君 今、それぞれ平成二十四年の答弁と二十九年で違うという御答弁いただきました。 では、昨年十二月の基準に合わせた五年前の就職氷河期世代の国税、地方税に係る減収額、財務、総務、それぞれの大臣に伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) 繰り返しになりますけれども、昨年十二月の答弁に当たってのその御質問に沿っていわゆる就職氷河期世代の三十五歳から四十歳の年齢についての試算を行って、今回の御指摘のようにその年齢層の世代について平成二十四年当時に遡って一定の仮定を置いて試算をすれば、幅を持って捉える必要はあろうと存じますが、所得税収の影響は約四百億円マイナスという程度になろうかと存じます。
○国務大臣(野田聖子君) 今回御指摘のように、平成二十四年当時に遡り、三十歳から三十九歳の年齢層について国税と同様に一定の仮定を置いて試算をしたところ、幅を持って捉える必要はありますが、個人住民税収への影響は七百億円程度の減となります。それでよろしいですか。
○吉川沙織君 この五年で、就職氷河期世代が正規の職員、社員として働けないことによる国税、地方税への影響を合わせると八百億円マイナス、国と地方を合わせて合計で四千億円もの税収を失っているということになりますし、また、この世代は働き手として最も多いです。 この四十代の賃金が伸びていないということも統計上実は明らかです。ほかの年齢層は上がりつつありますが、三十五歳から四十四歳はとどめ置かれてマイナスのままです。個人消費の勢いが付かない理由の一つではないかと考えますが、総理、何かこれ見て、御覧いただいて、御見解あればお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本においては、新卒者を採用するという慣行が長らく続いております。近年は必ずしも新卒だけに人材を頼っているということではないわけでありますが、それだけに、言わば就職氷河期をつくってはならないという決意で今、経済政策に臨んでいるところでございますが、いわゆる就職氷河期世代の方々の中には、現在、不本意ながら不安定な仕事に就いている、無業の状態にあるなど、様々な課題に直面する方々がいらっしゃいます。こうした方々にも今後の我が国の社会経済を支える人材として活躍していただけるよう、就労支援を進めることは極めて重要と考えています。 このため、就職氷河期世代を含めたフリーターの方等への正社員就職支援の拠点である、わかものハローワークを全国二十八か所、わかもの支援コーナー等を全国二百二十か所に設定をしまして、それらにおいて、不安定な仕事に就いている方々により安定した仕事に就いていただけるよう、マンツーマンによるきめ細やかな相談支援や就職プランの作成なども行うとともに、就職後においても相談などのフォローアップを行い、職場への定着を支援をするなどの取組を行うほか、来年度新たに、無業の若者の就労支援の拠点である地域若者サポートステーション、これ全国で百七十五か所ありますが、において、就職氷河期世代の無業の方々が働くことに向けて踏み出せるよう、生活面の改善や職場体験などを含めた幅広い支援を行うモデル事業を十か所において行うなどしているわけでありまして、雇用失業情勢の改善が進んでいる、有効求人倍率が高くなっている今こそしっかりと取り組んでいきたいと、このように考えております。
○吉川沙織君 今の総理の御答弁の中で無業者に対する支援等々お話ありましたけれども、このパネルは無業者について書いていますが、この無業者は引きこもりではありません。でも、今、引きこもっている三十五歳―四十歳以上も自治体によっては過半数ぐらいあるのではないかという、こういう自治体独自の調査結果もございます。 来年度予算で、三十五歳から四十四歳はもちろん、四十歳から五十九歳、上の実態を正しく把握することこそがそこの世代への政策に資するということで概算要求盛り込まれていたようでございますが、全額確保できたか、担当大臣にお伺いします。
○国務大臣(松山政司君) 吉川委員にお答えいたします。 内閣府としましては、平成二十一年度と平成二十七年度に、十五歳から三十九歳までの方々を対象にした引きこもりに関する調査を実施いたしました。この調査を比較しましたところ、依然として五十万人を超える高位水準、そしてまた高齢化、そして長期化が傾向が見られたこともありまして、平成三十年度の概算要求において、四十歳以上の方々を対象とした引きこもりに関する調査を実施するということで二千五百万円を計上いたしているところでございます。 内容につきましては、四十歳から五十九歳までの方々四千名程度を調査対象といたしまして、日常生活の状況、あるいは引きこもりとなった原因、そしてまた引きこもりが長期化した原因、相談機関の利用状況等々について調査をすることと想定をいたしております。
○吉川沙織君 続いて、厚労大臣に伺います。 今、国税、地方税に与える影響額、それから高年齢化、長期化している引きこもりについて伺いましたけれど、この世代が年金受給世代になったときの生活保護費の将来推計、今からして将来に備えることが、この世代のためにも、それから社会全体のコストのためにも大事なことだと思うんですが、そういう試算はしませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) 就職氷河期世代に限らず、生活保護費の将来推計ということで、たしか平成二十四年に吉川委員から御指摘があってお出しをさせていただきました。ちょうどそのときは社会保障の将来推計をやった時期でありまして、特に生活保護の医療扶助、これ非常に大きなシェアで、これをどう置くかというのは非常に大きな課題であります。現在、社会保障費の将来推計はそこで止まっておりますので、やはりその辺のデータをしっかりした上でなければ、なかなか推計そのものも難しいという事情がございます。 ただ、いずれにしても、その就職氷河期世代の方も含めて、将来生活に困窮するおそれのある方については、その生活保護に至る前の段階から早期に支援を行っていく、先ほど総理から就労支援等々も話もございました。また、生活困窮者自立支援制度においては、そうした就労支援のみならず、家計相談支援、住まいの確保、これに取り組むことで、できる限りそうした生活保護受給に至らずに生活を立て直しをしていく、それをしっかり支援をしていきたいと思っております。 今国会に生活困窮者自立支援法改正法案を提出しているところでございまして、その中においてもそうした支援の制度の充実強化が盛り込まれておりますので、そうした法案も含めてしっかり対応していきたいと思います。
○吉川沙織君 平成二十四年、この場所で厚労省にお伺いしたときは、将来推計、しっかり出していただいたんですが、今回はお出しいただけないということでした。 一点伺います。 この世代が就職氷河期があったという事実が将来の生活保護費にプラスマイナス、どちらかに影響があるとは思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) この世代は、団塊ジュニアということもありまして、世代のボリューム感も大変大きい。そして、その辺の動向が、委員も御指摘あり、私も見ていて、経済の成長と同じように、世代が上がるだけじゃなくて、やはりそこに一種のゆがみというか特性があると思います。残念ながらその特性はまだ取れていないという状況にあります。 我々、その辺をしっかり認識して、先ほど申し上げたような施策をしっかり進める中で、そういった方々が就労に結び付いていける、しっかりと暮らしが立てていける、そして生活保護に行く前に手当てをしていける、そういう取組を進めていきたいと思います。
○吉川沙織君 私も就職氷河期世代真っただ中で、就職活動をする前年に山一証券とか大きな企業がどんどん倒れていく姿を目の当たりにしました。私は運と縁と巡り合わせが良くて、最初から社会に出て働くことができました。同世代の多くは、どれだけ靴の底すり減らしても正規の職がなくて、今も賃金が低い世代にとどめ置かれています。 正しい統計を取って政策立案をする今日は必要性と行政文書の適正な管理についてお伺いいたしました。立法府の一員として、これからもしっかり見てまいります。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で吉川沙織君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、丸川珠代君の質疑を行います。丸川珠代君。
○丸川珠代君 自由民主党の丸川珠代でございます。 まず冒頭、国会の与野党の諸先輩方、また同輩、後輩の皆様方、大臣在任中は厳しくも温かい様々な御指導をいただきまして、誠にありがとうございました。また、安倍総理大臣、菅官房長官、麻生財務大臣始め内閣の先輩方、また役所の皆さん、スタッフの皆さんには大変お世話になりまして、ありがとうございました。今日はよろしくお願い申し上げます。 さて、昨日、総理は働き方改革関連法案の中から裁量労働制に関する部分を削除するという大変大きな決断をされました。法案提出前の政府・与党の議論の中で粛々とこのような判断をされたことは、私は正しい判断だと思います。 裁量労働制は、例えば、会社によって決められた一律の定時に縛られることなく、働く人が自らの裁量で仕事の進め方や時間配分などを決めることができるようにする制度です。企画業務型と専門業務型の二種類があって、どちらも柔軟な働き方、効率的、創造的な働き方を実現するという点においては大きな意義のある制度だと私は認識をしております。 JILPT、労働政策研究・研修機構の調査によりますと、裁量労働制で現に働いておられる方のうち、専門業務型では七割弱が、そして企画業務型では八割弱が満足、やや満足と答えておられます。しかし一方で、同じ報告書において、企画業務型でいえばおよそ二割の方が業務量や労働時間などの観点から不満に感じているとも答えておられます。 このような調査も踏まえて、今般の改革案では、使用者に労働時間の把握や健康確保をしっかり義務付けるなどの改善を加えながら、企画業務型裁量労働制の対象業務を拡大することとしておりました。 今回の改革は、現行制度の課題に対応をしながらそのメリットを拡大するものであって、大変重要な改革だと思います。しかしながら、今回、およそ一万の事業場についての調査ではありますが、数百万件以上のデータについて疑義があるという指摘を受けまして、厚生労働……(発言する者あり)失礼いたしました、数百件、万が余計でございました。数百件以上のデータについて疑義があると指摘を受けまして、厚生労働省として精査をせざるを得ない事態となっております。 データは政策立案の基礎、土台です。数字を扱う姿勢に甘さがあったのではないでしょうか。厚生労働省には猛省を促したいと思います。残念ではありますが、今回行おうとしていた裁量労働制の対象業務の拡大については、今現在の時点では国民の皆さんに御理解いただけるような状況にはないと私も思わざるを得ません。 ただ、もう一度申し上げますが、裁量労働制は、働く人が自らの裁量で仕事の進め方や時間配分などを決めることができるもので、柔軟な働き方をして効率的に成果を上げることを可能とする制度であります。ワーク・ライフ・バランスの改善にも資するもので、拡大の実現については引き続き目指していくべきものと考えます。 ただ、急がば回れという言葉がございます。重要な政策だからこそ、一度立ち止まり、そして裁量労働制の実態について厚生労働省においてしっかりと改めて把握をしていただいた上で議論をし直す、そうすることがこの裁量労働制を国民そして働く皆さんに前向きに受け入れていただくための結局は近道になるのではないかと考えます。つらい決断だと思いますが、これは総理の大英断だと思います。 そこで、まず加藤大臣にお伺いをしたいと存じます。 今後、どのように裁量労働制の実態を把握し、議論を進められますか。平成二十五年の調査はやり直されるのでしょうか。また、この難局を乗り切っていくためには、労働行政に大変お詳しい加藤大臣にはしっかりと力を発揮していただかなければなりませんが、今後の進め方について加藤大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員からも御指摘をいただきましたけれども、比較をすべきでないデータを比較をしてお示しをする、また、データにおいて、これ実態調査でありますけれども、不自然なデータが入っている、また精査しなければならないと、こういった状況を我々は真摯に反省をしていかなければならないというふうに思っております。 そういう中で、昨日、総理から、裁量労働制に関しては、今委員御指摘のように、これを改正していくことについて国民が疑念を抱くという、こういう状況になっているということで、裁量労働制に関してはこの今回の改正から全面削除するということと、そして同時に、裁量労働制の実態について厚生労働省でしっかりと把握をし直し、その上で議論をし直していくと、こういう方向がお示しになられ、そして今、具体的に実態把握の方法について厚生労働省でこれから議論をしていきたいというふうに思っております。 〔委員長退席、理事石井準一君着席〕 その中で、委員から再調査というお話がありました。それは平成二十五年度の労働時間等総合実態調査、それをという御趣旨だと思いますが、私は、もうそれにこだわることなく、新たな調査について設計をして、そしてそれを進めていく、そういったことを考えていく必要があると思いますし、それ以外も含めてどうやったら実態を把握していけるのか、厚労省においてしっかりと議論をまずはさせていただきたいと思います。
○丸川珠代君 加藤大臣、しっかりお取り組みください。よろしくお願いいたします。 総理にお伺いをいたします。 総理は、この国会を働き方改革国会として改革を断行するとおっしゃっていました。今回総理はこのような決断に至ったわけですが、改めて働き方改革の意義について総理御自身の口から国民に語っていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が目指す働き方改革は、働く方一人一人がより良い将来の展望を持ち得るようにすることであります。働く人々の視点に立った改革を着実に進めていきたいと考えています。 働き方は日本の企業文化そのものでありまして、日本人のライフスタイル、日本の働くということに対する考え方に根付いたものであろうと思います。例えば、長時間労働についても、その上に様々な商慣行ができ上がって、労働慣行ができ上がっています。それゆえに、多くの人が働き方改革を進めていくということは、人々のワーク・ライフ・バランスにとっても、あるいは生産性にとっても良いと思いながら実現できなかった、今までできなかったのでありますが、もはや先送りは許されないという考え方であります。 その中で、時間外労働の上限規制の導入については、長時間労働は、健康の確保だけではなくて、仕事と家庭生活との両立を困難にし、少子化の原因や女性のキャリア形成を阻む原因、男性の家庭参加を阻む原因になっています。これに対し、長時間労働を是正すればワーク・ライフ・バランスが改善し、女性や高齢者も仕事に就きやすくなり、労働参加率の向上に結び付きます。そして、経営者はどのように働いてもらうかに関心を高め、労働生産性の向上にもつながっていくと考えます。 私が三十代の頃はまだ委員は本当子供だったと思いますが、二十四時間戦えますかというCMがはやっていましたが、長時間労働を自慢するかのような風潮が蔓延、常識化している現状を変えていく必要があるんだろうと思います。 また、同一労働同一賃金の実現については、世の中から非正規という言葉を一掃していく。正規、非正規という二つの働き方の不合理な処遇の差は、正当な処遇がなされていないという気持ちを非正規の労働者に起こさせ、意欲をなくさせてしまうわけでありまして、これに対し、正規と非正規の理由なき格差を埋めていけば自分の能力を評価されていると納得感が生じるわけでありまして、こうした働き方改革が実現すれば、新卒で会社に入り、定年で現役引退して老後の暮らしを送る、こういった単線型の人生を全員が一斉に送るのではなく、もちろん、こういう自分は人生を送りたいという方はそういう人生を選択できるのは当然のことでありますが、それを一斉にみんなで送るということではなくて、一人一人のライフスタイルに応じたキャリア選択を行うことができるようになると考えているわけであります。 また、高度プロフェッショナルとそして裁量型の制度につきましては、これは柔軟な働き方を可能とするものでありますが、裁量型制度の場合は、裁量の型につきましても、企画業務型の拡充を図るものにつきましてはデータに対して国民の疑念を生じさせたことをもって我々は全面削除をすることとしたのでございますが、高度プロフェッショナル制度につきましては、これはもう労働界側ともしっかりとお話をさせていただきまして、要望された措置を入れ込んでいるところでもございます。 この選択できるということに大きなポイントがあるわけでございまして、最初に丸川委員の方から御紹介をいただいたところでございますが、働き方を九時五時という定型ではなくて自分の選んだ形で、結果重視型で働き方を選ぶという人がそういう働き方ができるようにしていくということでありまして、事実、既に裁量労働制度につきましては、企画業務、専門業務型、既に存在をしているわけでありますが、そこでJILPT、これは野党の方々も使っているデータでございますが、そのJILPTによっても、企画業務においては八割弱の方がやや満足も含めれば満足をしている。それは当然、自らが選べるわけでございますから、それは当然そうなんだろうと。 ただ、問題は二割弱の方々が、満足していないという方々がおられる。それは、例えば自分でちゃんと選べているかどうかという問題、あるいはみなし労働時間と実労働時間の間に乖離がある、結果、今までもらえていた残業代がもらえないという結果になっている場合もありますから、そこに対する対応もしっかりと今回入れ込んでいることは入れ込んでいるわけでございますが、今回データに不備があった点を踏まえまして削除させていただく、そういう決定をさせていただいたところでございます。
○丸川珠代君 ありがとうございます。 働き方改革は、政府が掲げております生産性革命、また人づくり革命と合わさって、人口減少という我が国最大の課題に正面から立ち向かうすばらしい政策の柱であると思います。是非とも力強く前進を、推進をお願いをしたいと思います。 さて、平昌オリンピックの話に移ります。 先日、二十五日に閉幕をいたしました平昌オリンピック、大変すばらしい結果でありました。金メダル四つ、銀メダル五つ、そして銅メダル四つと、この十三個のメダルの獲得は冬季五輪としては過去最高でございました。総理も羽生選手や小平選手に直接電話でお祝いを伝えられている様子を私もSNSで拝見いたしましたが、選手たちのすばらしい活躍に日本中が感動と喜びを分かち合った十七日間であったと思います。 〔理事石井準一君退席、委員長着席〕 そして、オリンピックを迎えるまでに選手たちが積み重ねてきた努力は大変なものであったろうと思います。それぞれの御努力、また関係各位の皆様の御尽力、お支えには、心からの賛辞と、そして今回のお祝いを申し上げたいと思います。 そして、今回のオリンピックで選手たちのパフォーマンスがすばらしかった。競技上のパフォーマンスがすばらしかったのはもちろんでありますが、インタビューでの対応など、大変すがすがしい振る舞いが散見をされました。特に、小平選手が金メダルを、念願の金メダルを手にした後、ライバルの選手に対して大変温かい振る舞いを見せたというのは、敗れた相手国の人々の心をも動かす大変印象的な場面でもございました。 こうした選手たちのすがすがしい姿勢というのは、実は一朝一夕に培われてきたわけではございません。そこにすばらしい先輩の存在がございました。私たち自由民主党参議院の議員会長であります橋本聖子会長は、皆様御存じのとおり、冬季五輪で日本女性初のメダリストであります。冬夏通じて七回のオリンピックに出場されていらっしゃいます。 この橋本会長は、後輩アスリートたちの育成に当たって、人間力なくして競技力の向上なしという方針を提唱されまして、JOC、日本オリンピック委員会においてアスリートの人間教育についての具体的な取組を進めてこられました。実は、選手たちのインタビューの対応についても、八年前からインタビュートレーニングを行ってきたということなんです。このようなすばらしい取組のおかげで、私たちは誇りを持って我が国の選手たちを世界に送り出すことができます。そして、その言葉や行動というのが、今回もそうでしたが、国境を越えて人々の心を動かし、また日本人のすばらしさを世界に伝えてくれているのだと思います。 競技力の向上だけではなくて、人間教育にも取り組んできたアスリートの皆さん、また関係者の皆さんたちの御努力も踏まえて、今回の平昌五輪で頑張った選手たちに是非総理からメッセージを改めてお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、平昌オリンピックが始まる前に、自民党の役員会において橋本会長が、今回、過去最高のメダルを保証しますという発言がありまして、本当にそうなるか不安があったものでありますから、その発言はみんなでちゃんと黙っていようということにしたわけでございますが、まさにそのとおりになった。その理由は、まさに自分たちは人間力を向上させる、十分その成果が出ていると思いますというふうにおっしゃっておられました。 私も選手村を訪問いたしまして激励をさせていただいたんですが、もう皆さん、つらく厳しいトレーニングやけがを克服して、様々な苦難があったと思いますが、それを乗り越えて日本代表の座をつかんだ方々ばかりであって、限界に挑戦し続けた人にしかない輝きがあるなと、こう思ったような次第でございます。 やはり、このオリンピックに出る、麻生副総理もオリンピックに実は出られておるわけでありますが、次はパラリンピック平昌大会でありまして、是非選手をみんなで応援していきたいと思いますが、その次はオリンピック・パラリンピック東京大会であります。この勢いを今後につなげていくことが大変重要だろうと思います。 政府としても、丸川大臣も取り組んでいただきましたが、東京大会の準備はもとより、競技力向上を始めスポーツの振興にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○丸川珠代君 ありがとうございます。 次はパラリンピックの幕が開きます。選手たちが日頃の練習の成果を存分に発揮されるよう期待をしたいと思います。 そしてもう一点、外交の問題についてお伺いをしたいと思います。 今回の平昌オリンピックが北朝鮮が自らを利する格好の道具としてしまったことは非常に残念なことでございました。国民の皆様は、北朝鮮がオリンピックの参加をてこに韓国の政権や世論を切り崩して、北朝鮮包囲網を崩してしまうのではないかと大変心配をされていたと思います。そんな中、様々な議論があった中で総理が訪韓をされまして、アメリカとの緊密な連携の下で韓国に対して様々な意見を伝え、日米韓の結束を固め直すことができたというのは大きな意義があったと思います。 来週の九日から十八日までのパラリンピックが終わった後は、やはり北朝鮮に対して改めて、核保有は許されないということをはっきり示していく必要があると思います。平昌オリンピック・パラリンピック後、日本はどのように北朝鮮をめぐる外交に臨むべきだとお考えでしょうか。総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の訪韓に際しましては、北朝鮮問題についてペンス副大統領と事前に東京で、そしてさらには現地においても綿密なすり合わせを行いました。また、文大統領とも現地で会談を行いまして、北朝鮮に対して圧力を最大限まで高めていく必要があるということで一致をいたしました。 さらに、レセプションの機会を捉えまして、北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長に対しまして私から、拉致問題、核問題、ミサイル問題を取り上げまして、日本側の考えを伝えたところでありました。特に、全ての拉致被害者の帰国を含め、拉致問題の解決を強く求めたところであります。 また、北朝鮮問題につきましては、今委員がおっしゃったように、平昌オリンピック・パラリンピックの終了後が正念場であると思います。 現在、北朝鮮はほほ笑み外交を展開をしておりますが、しかしこの間も北朝鮮は核やミサイルの開発を続けているわけでありまして、その現状には全く変わりがないということを私たちは認識しなければならないんだろうと思います。 北朝鮮が一九九四年の枠組み合意や、あるいは二〇〇五年の六者会合共同声明を時間稼ぎの口実に使い、核・ミサイル開発を進めてきたとの反省を踏まえれば、北朝鮮とは対話のための対話では意味がないわけであります。 事実、二〇〇五年の六者会合の共同声明において核を放棄するという趣旨のこの共同声明を行ったにもかかわらず、翌年にはもう核実験を行ったわけでありまして、我々はその教訓から学ばなければならない。北朝鮮に完全、検証可能かつ不可逆的な方法で核・ミサイル計画の放棄にコミットさせ、それに向けた具体的な行動を示させる必要があると思います。 そのため、我が国としては、引き続き日米韓で緊密に協力をし、中国、ロシアを含む関係国と連携しながら、北朝鮮に政策を変えさせ、北朝鮮の側から対話を求めてくるように、安保理決議の完全な履行を含め、あらゆる手段を通じて圧力を最大限まで高めていく必要があると思います。 安保理の決議を完全に履行するために、今、瀬取り等が行われております、自衛隊、海保はそれに対するミッションを行っているわけでありますが、ある程度の効果を持っていると、こう認識をしている次第でございますが、あらゆる手段を使って圧力を最大限まで高めていく決意でございます。
○丸川珠代君 是非ともしっかりお取組をいただきたいと思います。 次に、女性の活躍の推進についてお伺いをしたいと存じます。 第二次安倍内閣が誕生して以来、一貫して総理は女性の活躍の推進に先頭に立ってお取組をいただいております。総理が、人口減少が進む、また労働力人口の減少が進んでいく中で女性の活躍の推進ということをまずもっておっしゃっていただいたことには、大変私は大きな英断であったと思っております。 と申しますのも、私自身が過去の党内の議論を振り返っても、いろいろな意見がございました。中には、女性の社会進出が進むと出生率が下がるのではないかという声もありましたし、また一方では外国人労働者の拡大をもっと早く進めるべきだと、こういう声もありました。そういう様々な議論がある中で総理が堂々と女性の社会進出の後押しをするという姿勢を明確に示されたことは、大きな成果を生んでいると思います。 まずもって、この五年間、働きながら子供を育てる環境の整備を政権交代前の二・五倍のペースで進めていただいて、保育の受皿を増やしました。その結果、子育て世代の女性の就業率は五%上昇をして、過去最高となっております。 加えて、企業のトップ層への女性の登用も推進をしていただきました。総理御自身が経済界に対して、まずは役員に一人は女性を登用してほしいということを依頼していただくとともに、内閣府令を改正して有価証券報告書に女性役員数の記載を義務付けていただきました。そうしましたらば、政権交代前には停滞をしておりました上場企業における女性役員の数がこの五年間で一五〇%増えまして千五百人になりました。これを超えております。 企業の役員の構造というのは、なかなか、日本社会の一番、最たる岩盤と言っていいんでしょうか、なかなか変わらない、もっと普通は時間が掛かるものでございます。この短期間でこれだけの成果が出せたのはまさに総理のリーダーシップのおかげだと思いますので、是非ここで一段ギアを上げていただいて、企業内の女性活躍の推進を更に進めるための仕組みを構築をしていくことが重要ではないかと御提案をさせていただきます。 企業にとっても持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するためには、株主を始めとする様々なステークホルダーとの間でもやはり更なる女性役員の登用を促していくことが重要ですから、是非、仕組み化するということをお願いしたいと思います。 こうした点を中心に女性の活躍全体についてどのように進めていくのか、総理の見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先日、ハーバード・ビジネススクールの教授陣を交えた女性役員候補の研修プログラムに参加をし、皆さんと話をする機会がありました。会場は本当にすごい熱気にあふれておりまして、真剣なまなざしに接することができました。このような女性こそが会社を変え、そして社会全体を変えていく大きなパワーになっていくと実感したところであります。 人口が減少している我が国においては、女性の活躍なくして我が国の輝かしい未来を切り開くことはできないと確信をしております。その中で、どのような変化があったかということについてはもう既に議員から御紹介をいただいたところでございますが、上場企業における女性役員は五年間で二・五倍に増えて、千五百人を超えております。 そして、現在、更に中長期的な企業価値の向上に向けてコーポレートガバナンス改革を更に進めるため、投資家と企業の対話のためのガイドラインの策定とコーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた議論を進めています。この中においても、取締役会における多様性の確保が重要であり、女性の取締役の登用を更に加速すべきとの議論が行われていると承知をしております。 こうした議論を踏まえ、上場企業に対し、女性の取締役を一人以上登用することを促すとともに、登用していない企業にはその理由の説明を求めることが適切と考えています。同時に、女性役員候補の数自体を増やすことも重要でありまして、そのため、政府として、女性役員候補育成のための研修を実施するとともに、企業とのマッチングに向けた女性人材リスト化も進めてまいります。 安倍内閣としては、引き続き、女性が輝く社会の実現に向けて具体的な政策を提案し、実行して、そして結果を出していきたいと思います。もちろん、家庭において子育て、家事に専念する、これも立派な道であろうと思います。様々な道を選択できる社会をつくることが重要ではないかと思います。 また、ちなみに、海上自衛隊においては、護衛艦「いずも」を擁する第一護衛艦隊、第一護衛艦隊司令は女性の一佐の方が就任をしているということも申し添えておきたいと思います。
○丸川珠代君 次々と女性たちの活躍の場が広がっているのは大変うれしいことであります。 そうした活躍の候補者生というのを育てていく上で、あるいは女性が責任ある立場へと経験を積んでいく上で、実は大きな壁の一つになっているのが家事、育児の負担の偏りでございます。パネルをお願いします。(資料提示) 中には余り見たくない男性もいらっしゃるかもしれませんが、これは夫婦共働きの世帯だけのデータですが、夫婦共働きの世帯でも残念ながら男性の七割程度は家事、育児を行っておりません。大分頑張ってきていただいているようではありますが、まだまだ女性陣にとっては十分ではないという思いがいたします。これ、このまま女性がフルタイムでばりばり働くということになりますと、女性は外でも仕事、うちでも仕事という状況になりまして、全く休む暇がありません。このままでは、相変わらず超人的な体力の持ち主しか働き続けることができないということになってしまいます。 女性が息の長いキャリアを積んでいくためには、家事、育児の負担を男性と分かち合っていくことが必要だと思います。しかし、家庭の中のことでございますので、第三者によるルール形成というのはなかなか容易ではございません。いろいろ個人的にもっと申し上げたいことはございますが、ここで、このくらいにしておきまして、野田大臣にお伺いいたします。 男性の育児参加、家事参加を進めるためにどのような取組を政府として進められますでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。 総理がいなくなったのであえて申し上げますけど、本当にこの五年で、安倍総理が先頭に立って女性の活躍という言葉を発していただいたおかげで、多くの男性の皆さんがてらいなく女性の活躍という言葉を発してくれるようになったことは、本当に大きな見える化だと思います。 もう一段ギアを上げるということが、やはり本当にこの国の豊かさを、新たな豊かさを生み出す大切な政策だと思っているので、引き続き安倍総理に叱咤激励をして働いていただかなければならないと思っていますが、女性の力、女性の活躍担当大臣しているんですけど、まだ面映ゆいところがあって、もう既に一部女性活躍を実行されている女性が増えてきたことは確かです。ただ、その女性活躍以前、輝く以前の女性が多いことも確かです。 その一つの原因として、今委員が御指摘になった、やはり家事と仕事のそのバランスというか、ほとんど取れていません。オーバーワークになっているということで、もっともっとそのキャリアの中で究めていきたいけれども、家に帰れば子供がいる、そして家事をしてくれない夫がいる、全部やらなくっちゃということで疲弊をしていくわけですね。そして、多くの、本当に、その仕事をやればそれだけ生産性が上がったり社会に貢献できる女性が、そのことだけでやっぱり力を失ってしまうことは非常に、その人自身だけじゃなくて、社会にとっても、これからの将来にとっても、日本にとっても憂えるべきことかなと思っています。今、丸川委員がお示ししたとおり、一番の問題は、男性が家庭を共に築いても、男性の方で分かち合いがないということではないかと。 昨年、与党の女性議員で中国に行ってまいりました。中国の偉い男性の人たちと食事をする機会があって、ジェンダーについてお尋ねしたところ、僕たちは生まれたときから天の半分は女性だと教わってきていると、だから当然、役があろうとなかろうと、中国の男性は家庭を持てば半分は自分の仕事だというふうにもう教わっているんだと、空気がそうなっているんだということで、専ら男性は料理を担当する人が多いというのをお聞きしたところです。 ということで、まず初めに、やっぱりやらなければならないことは、経済だけがグローバルではなくて、やっぱり様々な先進国見ていて、生産性が上がっている国というのは、働き方改革、そして併せてジェンダーについても非常に公平性、フラットであるということ。活躍の前にフェアであるということをやっぱり意識していただくことが大事じゃないかと。そして、特に、仕事も分かち合う、そして家の育児も分かち合うという自然な気持ちで男性と女性が意識できる、意識というか当たり前化することが大事だと思います。 そして、二つ目にはやはり、若い人たちは相当その意識が強くなっているんだけれども、その上の、その人たちを使う人たちがその意識が分からないということで、やっぱりその意識が分からない人たちへのインセンティブ、御褒美みたいなものをあげなくちゃいけない。そういうことをやると出世するとか、若い人たちをしっかりそういうふうに持っていった上司が企業の中で特進するとか、そういうインセンティブをしっかりつくってあげなきゃいけないかなと思っています。 私たち今、国で取り組んでいるのは、やっぱり見える化、お父さんたちが御飯を作ることが全然おかしなことではないんだと、すてきなことなんだということで、おとう飯と書いてオトウハンと言うんだそうですけれども、そういうことでどんどん多くの、是非政治のリーダーたるここにいる諸先生方にも関わってほしいんですけれども、一品でいいから自分で作って妻や子供たちに食べてもらうという、その快感をやっぱり知っていただくことが大事だと思いますし、あと、さんきゅうパパプロジェクトというのは、例えば妻が出産して、例えば出生届を出す日はきちっと休めるとかそういうことで、常に子供がいる家庭の中で五分五分というか、いいバランスが取れるように、私たちもその応援団になっていかなきゃいけないと思っています。 とにかく、自然に男性の皆さんが、二十四時間三百六十五日、心の中と頭の中に女性という言葉があれば世の中は大きく変わってくると私は信じています。
○丸川珠代君 ありがとうございます。 私も、うちに帰ったら、是非主人におとう飯食べたいなと言ってみたいと思います。 是非総理、また野田大臣先頭に、男性諸氏の心を打つ画期的な政策を打ち出していただきたいと思います。 次に、環境問題についてお伺いをいたします。 私が環境大臣を務めていたのは、はや三年前になりました、二〇一五年でございますが。二〇一五年、総理が出席されました気候変動枠組条約のCOP21、私も出席をさせていただきましたが、そのCOP21で採択をされましたパリ協定は、途上国も含む全ての国が参加をして地球温暖化対策に取り組むことを約束したまさに歴史的な合意でございました。大変に熱気に包まれたあの会場の記憶が今でも忘れられません。 そのパリ協定は、今世紀の後半に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする、脱炭素社会を実現することを求めています。そのためには、化石燃料に依存をしている現在の我々の社会経済活動の在り方を根本的に変えていく必要があります。 総理は施政方針演説で、原発事故で大きな被害を受けた福島において未来のエネルギーの社会の姿をいち早く示し、世界の脱炭素化を牽引すると力強くお述べになりました。 パリ協定の下で、世界は脱炭素化に向けて既に走り出しております。多くの先進国では、温室効果ガスの大幅削減と経済成長とを同時に達成するデカップリングを実現をしています。我が国でもここ数年程度、CO2排出量の減少とGDPの増加とを同時に達成する傾向が見られますが、足下では石炭火力発電所の新増設が続くなど、二〇三〇年度二六%削減目標、この達成も危ぶまれるような状況です。こうした中で、我が国が更なる経済成長を図りながら二〇五〇年八〇%削減という目標を達成するためには、政府として脱炭素化に向けた明確な方向性を示すべきだと考えます。 そこで、我が国全体の脱炭素化をどのように実現し、世界の脱炭素化をどのように牽引をしていくおつもりか、総理の決意をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 気候変動の影響が現実のものとなる中において、経済成長を図りつつ温室効果ガスの大幅な排出削減を成し遂げるため、今こそ全ての国による大胆な行動が求められています。 我が国は、地球温暖化対策計画に基づき、二〇三〇年度の温室効果ガスの排出量を二六%削減するという目標の達成に向けて着実に取組を進めています。この五年間で、もう丸川大臣にも大変な御貢献をいただきまして、エコカーは二倍以上、そして太陽光発電は五倍以上に増えるなど、我が国の経済社会は加速度的に変化を遂げています。 また、我が国には水素エネルギーや蓄電関連の技術など国際的に高い競争力を持つ環境技術がたくさんあるわけでありまして、こうした強みを存分に生かし、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すのみならず、世界全体の排出削減に最大限貢献をし、世界の経済成長と、そして気候変動対策の両立をリードしていきたいと考えています。 このため、長期戦略について二〇二〇年の期限に十分先立って策定する、政府一体となってその検討作業を加速化していきたいと考えています。来年は我が国がG20の議長国を務めますが、世界の脱炭素化を牽引するとの決意の下、骨太な戦略をしっかりと作り上げてまいりたいと思います。
○丸川珠代君 ありがとうございます。 是非、G20の場では、さすが日本だと言えるような目標をお示しをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、介護に関する課題について伺います。 大臣を務めました後、党に戻るに当たっては、自分自身がライフワークとしております社会保障分野に先輩方の御配慮により戻していただきました。そこで、まず医療、介護、障害福祉の三報酬同時改定というものが年末ございまして、今回は、特に二〇二五年、団塊の世代が七十五歳以上になる時代に備えて医療と介護の連携の充実を図ることが狙いとなる、大変重要な報酬改定でございました。私は、党の社会保障特命委員会の医療PT、また介護PTで務めておりましたので、特に介護報酬についても官邸が大変な熱意をお持ちであるということはひしひしと感じていたところであります。 診療報酬の改定率が〇・五五%に対して介護報酬の改定率は〇・五四%でございました。なかなか大変な決断が、今財務大臣がおられませんが、財務大臣おられる前でなくてよかったなと思いますけれども、大変な決断が必要であったと思います。 この改定率に込められた思いを是非官房長官にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(菅義偉君) まず、私の介護に対しての認識でありますけれども、まさに都市部、地方部を問わず、特別養護老人ホーム始めとして待機児童者が数多くいるという……(発言する者あり)待機者が数多くいらっしゃる、そして御家族の方が大変な思いをして介護しているというのがこれ現実であろうというふうに思います。また一方、この経営の関係の皆さんにとっては、介護人材の不足、そして人件費の上昇、そういう中で、全体の、特に都市部において、介護施設、せっかくオープンしたにもかかわらず、約二割の部屋が入所予定者の方を入所できない状況である、ここは極めて深刻な状況だというふうに思っています。 そういう中にあって、今回〇・五四%引上げで決着した、このことについて丸川委員を始め党が大変な、社会保障の皆さんが努力をされて、結果として〇・五四%引上げで決着をした。こうしたことについて現場の皆さんからは非常に前向きな話をいただいており、そこは良かったというふうに思います。 ただ、これ根本的に解決をしていくためには、まさに介護離職ゼロ、これは安倍政権の極めて重要な課題であります。外国人材の活用を含めてしっかりこの介護人材を確保していく、ここが極めて大事だというふうに思います。是非、丸川委員を中心に、また党からも大きなバックアップをお願いをしたいと思います。
○丸川珠代君 ありがとうございます。この介護人材がいかに今確保が難しいかということについて、官房長官も御認識をいただいておりました。 今、介護人材の有効求人倍率、全国で三・五〇倍でございますが、東京では五・四〇倍でございます。国において介護離職ゼロ実現のために大変熱心に政策に取り組んでいただいておりまして、再就職準備金や養成施設の修学資金の貸付けなども行っていただいているところでございます。ただ、今回報酬改定に取り組んでおりまして一点大変気になったことがあったので、指摘をさせていただきます。 ちょっとパネルをお願いします。これだけいきなり見るとちょっと分かりにくいんですが、これは、介護報酬においてサービスの提供に係る人件費を反映している地域区分のサービスごとの人件費割合を抜き出した表です。 この表の人件費割合の区分と書いてあるところありますけれども、これが介護報酬を支払うときに単価に反映されている人件費の割合です。それで、いっぱい字が書いてありますが、平成二十九年度介護事業経営実態調査の特別集計による人件費割合と書いておりますけれども、これが実態調査で把握をされております収入のうち、実際に人件費に充てられている割合です。 御覧のように、報酬が想定している人件費の割合とそれから実態というのは、これ乖離がございまして、表の一番下の特別養護老人ホーム見ていただきますと、実際に掛かった人件費の割合よりも介護報酬の人件費の割合の方が下回っていると。つまり、実際に要している人件費が十分に反映されていないという実態があることが分かります。逆に、この真ん中の通所リハビリテーション、これ実態が報酬を下回っているということになっております。 このねじれておるのをこれ赤枠で囲ってあるんですが、何でこういうことが起きるかといいますと、この人件費割合の区分、七〇、五五、四五というのがございますけど、これ区分割合がこの三つしかないんですね。しかも、実際の調査の数字がその次の枠の数字を上回るか下回るかどっちかしかしないと区分を動けないんです。ですから、実態調査の数字が次の区分の数字を上回るまでは低い区分にしかとどまれない。ですので、特別養護老人ホームは、実態調査の結果が五五%を上回るまでは四五%分の人件費の区分でしか報酬が得られないということになるわけなんです。 これ、介護報酬というのは、この地域区分ごとに賃金や物価の違いを反映した上乗せ割合というのを定めて、そこにこのサービスの提供に要する人件費の割合を乗じたものを基本単価十円に上乗せして地域ごとの報酬単価を決めているので、診療報酬と違って、単価そのものに地域の違いというものが反映されているんですね。ただ、残念ですけれども、その実態と乖離した人件費が反映されていて、例えば特別養護老人ホームというのは、今そもそも払っている人件費に足りるだけの費用が報酬に織り込まれていない状況です。措置の時代からの流れがあってこの報酬が決まっているので、単純にいろいろ積み上げではない分言えないのですが、これでは職員のために十分な人件費を振り向けることができないのはむべなるかなという思いもいたします。 やはり、介護報酬に人件費を反映するに当たっては、より実態に近い数字を用いることが必要ではないかと思います。是非、厚生労働大臣におかれては、この人件費割合の区分を用いた報酬単価の決め方について御検討いただけませんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、丸川委員から地域区分、ただ、その表を見るとどこにも地域が出てこないので聞かれている方が分からないかもしれないんですけれども、要するに業種を三つに区分をします。そして、その三つごとに八地区に分かれて、結果的には八掛ける三。三、八、二十四の十円から十一円四十銭、これについてどれを使うか。要するに、介護サービスでまず単位を算定して、それに今言った例えば十円とか十一円を掛けて最終的にサービスを支払うべき金額が決まる、こういう仕組みになっているわけであります。 そして、今委員御指摘のように、この事業を三つに区分けをし、そしてそれぞれの人件費率が七〇、五五、四五と、こういうふうに今つくっているんですね。そして、今お話があったように、五五を超えると上に行く、そして四五を下回ると下に行くと、こういうような仕組みでやらせていただいて、結果的において、人件費割合が高いにもかかわらず一つ下のクラスである、あるいはその逆、こういったことが発生していることは私たちも十分認識をしております。 その点については、今委員からの御指摘がありますように、この三つの区分、しかも七〇、五五、四五とこうなっている、こういったこともあるんだろうというふうに思っておりますので、そうした人件費割合を含めた地域区分の在り方については、今回はちょっと対応できませんでしたけれども、三年後にまた次期の介護報酬改定がございますので、それに向けてどういったことができるのかしっかりと検討していきたいと、こう思っております。
○丸川珠代君 大変ありがとうございます。もう一点だけ申し添えさせていただきます。 地域区分に反映されるのは人件費だけでございまして、土地の取得に係る費用は地域差を考慮する必要がないということが平成二十年の社会保障審議会介護給付費分科会で決められております。ただ、今後、都心部の需要が増えてまいりますと、土地を取得するばかりではなくて、土地を借りて地代を払うケースというのも増えていくことが見込まれます。しかし、残念ながら、それは全く介護報酬に反映をされておりません。是非これも今後の検討課題としていただきたいと思います。御答弁は結構でございます。 さて、ちょっとこの表というかグラフを見ていただきたいんですが、済みません、資料の順番が入れ替わりまして、資料の四というのを先に御覧いただけませんか。 これは、平成二十二年を一〇〇としたときに、全国、首都圏、東京圏、周辺四県というのは群馬、茨城、栃木、山梨なんですけれども、それぞれの地域あるいは全国で六十五歳以上の人口がどのように推移するかというのを示した推計です。今、私たちは、平成三十年ですので大体この辺りにおりますね。そして、二〇二五年のこの赤い線に向かってこれから大変だということで、医療や介護における様々な改革に取り組んでいるわけです。例えば、介護については二〇二〇年代初頭までに追加的におよそ十二万人分の住まい、施設、サービスの基盤整備を進めて、必要となる二十五万人分の介護人材の確保のために政府がお取組をいただいているところです。 ただ、この増え方のカーブをちょっと見ていただきたいんですが、実は我々、全国的に見て大変厳しかったというか、増え方が急激であった時代、この平成二十二年から今の時点、平成三十年の時代、このカーブというのはもうある意味一番カーブが厳しいところは過ぎてきていて、二〇二五年以降のカーブ、むしろこれ、東京、首都圏がぐっとまた伸びていくということが分かります。 ちなみに、都市部の高齢化のピークというのは二〇四〇年頃と言われているんですが、これ、一番右の枠ですね、平成五十二年ぐらいの枠なんですけれども、これを見ますと、二〇二五年問題と言いますが、これ、実は今後高齢化に伴う課題がより深刻になっていくのはむしろ都市部であり都心部であるということが言えるかと思います。ですので、ここからちょっと、二〇二五年から二〇四〇年頃までの都市部について考えてみたいと思います。 まず、今後家庭がどんな姿になるかといいますと、恐らく共働きが増える、子供の数は減ってきております上に高齢の夫婦あるいは単身の世帯が増えていくということで、家庭の介護力や看護力というのは恐らく下がっていくだろうということが予想されます。ちなみに、今、老老介護の割合は五四・七%まで来ております、これは家庭で介護される方ですけど。 一方で、介護の人材の獲得がどうなるのかということですが、先ほども東京の有効求人倍率五・四〇倍ということを申し上げました。全国の高齢者の四分の一が実は東京圏に住んでおります。その割合は、実は二〇二五年以降も増え続けます。しかも、二〇二五年から二〇四〇年、またこの首都圏を中心に急激なカーブがある辺りというのは、実はお隣の国、中国でも急速に高齢化が進んでまいります。これは日本のカーブを上回る勢いです。二〇四五年頃には中国の高齢化率二四・六%というふうに言われているんですが、そもそも人口の桁が違いますので、中国は恐らく相当な数の介護人材を確保しにかかってくるだろうなということが予想されます。 今の話をパネルにしてみたんですが、こういうことを考え合わせますと、一方で家庭の介護力が下がって介護人材の確保が大変難しくなっていくということを考えると、特に東京、またその周辺県で賃金の格差などから東京に介護人材が吸収されてしまうというような地域においては、限られた人材でいかに介護を実現するかということで、介護の現場の集約化を図ることが避けて通れないと思います。地方においては集まって住む集住ということも考えられると思いますが、都心部において集約を図るとなると、やはり施設での介護ということが選択肢になると思います。 ただ、施設介護を推進するには、先ほども申し上げました地代や土地の取得価格というコストの問題が立ちはだかります。それが居住費の負担ということになるわけですが、そうした施設を都心部に造れば、当然、介護有料老人ホームやサ高住であれば個々人が負担する居住費に跳ね返りますし、また逆に居住費を抑えた特養などであれば、これは保険財政に跳ね返るわけであります。言い換えますと、居住コストの掛かる都心では、保険財政に負担を掛けない限りは、高齢になっても居住コストが負担可能な人しか住み慣れた地域に残れないということになってしまうわけで、今後更に高齢化が進む都心部においては、居住に掛かるコストが老後の居場所を左右するということになろうかと思います。 だからこそ、地域包括ケアシステム、地域ぐるみで医療や介護を提供するシステムの構築が推進されてきたのだと理解をしておりますが、御承知のように、地域包括ケアシステムというのは、住まいと医療と介護と予防と生活支援、これが一体的に提供される地域をつくることで、その目的というのは、重度の要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられること、この住み慣れた地域にずっといるということが元気の秘訣だよということにずっとこだわって提唱している仕組みなわけでございます。しかも、この住まいというのは持家に限らずです。住まい系の介護サービスのことも含んでいるということで私は理解をしております。一方では財政の制約がある中で、我々は住み慣れた地域に住み続ける、生き続けるという地域包括ケアを推進していると。でも、どこかで限界は存在するわけですね。 是非、厚生労働大臣に少しこの先の姿を見通した中でお答えいただきたいんですが、在宅介護と施設介護、それぞれの効率、そして人材の確保との関係、また介護保険財政への負担、様々なパラメーターを考え合わせたときに、国はどこまで国民が高齢になっても住み慣れた地域で人生を全うする環境を整えていくべきだと考えますか。地域包括ケアの根底にある理念をどこまで追求していこうとお考えになりますか。
○国務大臣(加藤勝信君) まさに、地域包括ケアシステムという言葉でありますけれども、高齢者が介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるように、医療、介護、予防、住まい、生活支援、これを包括的に確保する、そうしたケアシステム、それを構築しようということであります。したがって、委員今お話がございましたけれども、別にこれ在宅だけを念頭に置いているわけではなくて、例えば特別養護老人ホームとか、そういった施設系も当然その中には含まれているわけであります。 その上で、その前に高齢化のグラフがありましたけれども、都市部と例えば私が活動している地域は、人口減少する中でもう高齢者人口も減少し始めているという地域もございます。それから一方で、これから更に高齢者人口が急激に増えていくという地域もございます。 したがって、それぞれがその地域の実情というものを踏まえて対応していくということが強く求められておりまして、各自治体においては地域の状況や課題を把握して地域の実情に応じた介護保険事業計画を策定していただくことになっておりまして、これ、また来年度から新たな計画がスタートいたします。その計画においてやはり地域の課題をしっかり分析をしていただく、あるいは住民ニーズを把握をしていただく、あるいは中長期的な需給推計をする手法、こういったことを厚生労働省においても示し、その具体的な自治体、そうした自治体を支援をしているところであります。 また、昨年五月に成立した地域包括ケア強化法において、市町村が保険者機能を発揮してデータに基づく課題分析と対応を行う仕組み、簡単に言えば、率先してよく実態を踏まえて対応していく、それを応援していく新たな交付金も創設をし、必要な予算計上も行っているところでございます。 それから、もちろん介護サービスが提供するためには人材確保が何よりも必要であります。処遇改善やあるいは再就職準備金の貸付け等、一旦離職した人が復職をされる、あるいは新たに目指す人を応援をしていく、さらにはICTの活用等によって職場環境を改善していく、業務負担の軽減、こういったことをしっかり取り組むことによって、それぞれの地域に応じてその地域包括ケアシステム、したがって、地域包括ケアシステムというと何か一つのシステムに聞こえますけれども、そうではなくて、本当に地域それぞれにおいてその状況に応じたシステムが構築していただけるように、我々もしっかりと支援をしていきたいと思っております。
○丸川珠代君 まさに、本当に様々な現実的な制約がある中で、人生の最後をどこで過ごすのかというのはなかなか簡単に出せる答えではありません。 ただ、一点だけ頭に置いておいていただきたいことがございます。それは、今回の消費税の配分の見直しによって東京は一千億円を国に差し出します。これ、配分見直しで出てくる財源の大宗は東京の減収につながるわけでございます。実は、東京は平成二十六年にも法人住民税の一部国税化で二千億円を国に差し出しておりまして、合わせて三千億円なんですね。しかしながら、東京は先々、もう一回人口のグラフをいいですか、先々こういう急カーブを迎えて様々なニーズが発生するということを是非頭に置いていただきたいんです。 是非とも、東京は豊かだから税金はいただくけれども、好きで土地の高いところに住んでいるんだから負担ができない人はどうぞほかの県に出ていってくださいと、こういうことは言わないでいただきたい。今まで東京も地方のことを一緒になって考えてきましたので、東京が大変になったときは東京のことを是非皆さんにも一緒に考えていただきたいと思います。 地域包括ケアに関連して、フレイル予防についてちょっとだけ触れさせていただきます。 地域が取り組む予防事業の一つ、フレイル対策については、これ要望だけ申し上げます、是非総合的な取組を促していただきたいと存じます。といいますのも、フレイルは、低栄養などにより筋肉量が減るという身体的な要因のみならず、精神心理的にも社会的にも引きこもってしまうといった複合的な要因でもたらされるものです。ですので、この分野というのは、医科、歯科、リハ職、栄養士、民間事業者あるいは住民自身がいろんな連携をして様々な工夫をすれば高い効果が上げることが期待できる分野だと思います。是非、連携や協働によって生まれてくるいい知恵が実現できるようなインセンティブを検討していただきたいと思います。 また、高齢者の皆さんを地域に元気な状態で帰すためには、病院内での口腔ケアのみならず、NST、ニュートリションサポートについても是非もっと重視をしていただきたいと思います。これは要望にとどめさせていただきます。 今の話に関連して、住宅の政策も少し伺いたいと思います。 現状で、介護施設に入所するに当たっては、自分の持家を売却をして入所の資金に充てるか、あるいは持家を賃貸に出してその家賃収入を月々の利用料に充てるなどして老後の生活に自分たちの住宅を活用するというモデルが存在をしていると思います。 こういうモデルというのは住宅に価値があってこそ成り立つわけですが、これから先、人口減少がどんどん進んできて空き家が増えます。住宅への需要が減ってくると、住宅の価値が今のままなのだろうかと不安に思われる国民は少なくないと思います。国民の老後を支える上で住宅の価値を維持しておくことは大変重要だと考えますが、国としてどのように取り組まれるでしょうか、国交大臣、お願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 高齢者の生活を支える観点からも、住宅が価値のある資産となることは重要であります。そのためには、住宅の維持管理等が適切に行われ、その価値が市場で適正に評価されることが重要と考えております。 このため、維持保全計画の策定等が要件となっております長期優良住宅、これ、新築、それから増改築、両方ありますけど、これを供給を支援したり、あるいは基本性能を向上するリフォームに対する支援を行っております。 また、現状では、戸建て住宅の場合、築二十年から二十五年で建物に関する資産価値がゼロとなるような慣行がございますけれども、良質な中古戸建て住宅が適正に評価されるような建物評価に関する指針の策定に加えまして、耐震性があり、インスペクション、建物の調査ですね、が行われ、リフォーム等の情報提供が行われる中古住宅に対し標章付与を行う安心R住宅制度をこの四月より開始をいたします。 こうした取組を通じまして、良い住宅を造り、きちんと手入れをして、個人としても社会としても長く大切に使うとともに、それが評価される環境の整備を図ってまいりたいと考えております。
○丸川珠代君 よろしくお願い申し上げます。 また地域包括ケアの話に戻りますが、今度は情報連携のお話です。 質の高い地域包括ケアを実現するためには、多職種の連携あるいは医療機関同士の連携を可能にする情報共有というものが欠かせません。かかりつけ医、訪問医、訪問看護師、また介護士、リハ職、薬剤師、ケアマネジャー、病院など、患者さんに関わる多くの人が情報を効率的に共有するため、地域によってICTを利用したり、また、連携シートといって必要な情報を書き込む統一された書式の紙を活用したりということが現在行われております。 国は、ICTを活用した効率的な情報連携基盤の構築を実現するために、各都道府県に設けた医療介護総合確保基金というのを通じて支援をしております。しかしながら、この構築された情報基盤、システムの運営費を誰がどう担うのか。このシステムの継続に対しては今のところ支援がありません。さらに、基金の使い道というのは自治体の判断によりますので、ほかに優先順位の高い政策が出てきますと、場合によっては十分な支援が情報連携基盤の構築に振り向けられないということもございます。実際に、お金が足りなかったのか、SNSのアプリのLINEを使ったり、あるいは無料のチャットソフトを使って医介の情報連携をやっている地域もあるというふうにお伺いをいたします。果たしてこれで情報セキュリティーの確保が十分なのかということは大変疑問であります。 今回の診療報酬改定では、退院支援の連携強化を支援をし、ケアマネジャーだけではなくてリハ職や薬剤師、また管理栄養士、社会福祉士も評価の対象になりました。今後、多職種の連携が更に進んでいくことは私たち患者の側からも大変望ましいことであって、多職種連携への支援は強化をするべきだと考えております。ただ、連携に支援があるのが、今申し上げた退院時だとか、あとはみとりのときなどだけでありまして、日々の日常の医療、介護、多職種の連携には現状では全くインセンティブがない状況です。 今後、更に高齢者が増え、個人情報をより多くの関係者で安全に共有するということを考えると、やはりICTの活用が必須だと考えますが、国は今後、地域包括ケアに必要な情報連携基盤の重要性を明確にまず打ち出すべきだと思います。そして、イニシャルコストはもちろん、ランニングコストについても継続的な支援というものについて考えをはっきりさせるべきだと思うんですが、大臣、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 地域包括ケアシステムを構築していくためにも在宅医療と介護において多職種が連携を推進していくことが必要でありますし、そして連携を推進していくためにはやはり情報が共有されていくということが何よりも大事でありますし、また、現在の技術を使えばICTをどう使うかということが大きな課題になるわけであります。 現在、委員からもお話がありましたけれども、医療関係者の間で情報共有については、地域医療介護総合確保基金を活用して各地域において整備そのものはできる、まあ運営費の話の御指摘はございましたけれども。実際、この基金を活用して構築された地域医療情報連携ネットワークの中においては、医療関係者のみならず、介護の事業所等も含めたネットワークの構築を行っているといういい事例といいますか、ああいう模範的な事例もあると承知をしております。 また、来年度からは、介護事業所においてICT化を全国的に普及促進するため、介護事業所間の情報連携を進める上で必要な情報の内容やセキュリティー等の在り方を検討するなどの取組も進めていきたい。そういう意味では、私どもはこうした方向をしっかり前へ進めていく、こういう姿勢をよりはっきりさせていきたいと思います。 そういう中で、インセンティブというのか、あるいは運用経費をどうするのか、これ大きな課題だというふうに思っております。具体的に直接支援するというやり方もあるかもしれません。あるいは、結果的にそれによって効率化が生まれるとするならば、そういったもので対応していくということも考えられるんだろうと思っております。 そういったことも頭に置きながら、それぞれの地域で具体的なことが進んでおりますから、そういった事例もよく見ながらしっかりと対応させていただきたいと、こう思います。
○丸川珠代君 効率化で生まれる利幅というか利益というか、還元されるものがどういうものになっていくのかというのは、是非、グッドプラクティスも示しながら地域に分かるようにお示しをいただきたいと思います。国が責任を取って主導していくことで、いい地域の情報連携が続いていくことをお願いをしたいと思います。 さて、今まで地域包括ケアについてずっと触れてまいりました。もう一つ、実は地域において、二〇二五年、団塊の世代が七十五歳以上となるそのときを迎えるに当たって大きな変革が進められております。それが地域医療構想でございます。このパネルだけ見ても何だかよく分からないと思うんですが、これは、その二〇二五年に団塊の世代が全員七十五歳になったときに、そのニーズに合った医療の提供体制をそれぞれの地域においてつくるということなんですね。 東京の場合は、この地域医療構想って、国が、全都道府県にこれを出しなさい、自分の県はどういうふうに、どんな機能がどのぐらい必要ですかということを二〇二五年の姿で示しなさいと言って、三月にそれがようやく出そろうわけでございますが、東京の場合は、この東京の中の圏域を越えて患者さんが移動して医療機関を選ぶものですから、大変けんけんがくがくの議論をしてこの地域医療構想を作りました。 これを今どんな状況で議論しているのかなと思って、私は東京都の地域医療構想調整会議や在宅療養のワーキングの会議に行ってきたんですが、もう大変この地域医療構想については現場の皆さん熱心で、とにかくこれの目的の一つは、やはり地域に患者さんをまた帰していく、病気になって病院入ってもまた地域に帰していくというこの循環をつくっていくことにあるんだということで、大変熱心に皆さんが議論をされていました。 これはうれしいことでしたが、一方で、そもそも、こうやって病院や病床で機能を分けて、それを連携させるというのは一体どういう意義があるのかということはいま一つぴんときていないという方もいらっしゃる様子でありました。やはり、東京は医療資源が豊富でございますので、ばらばらに分かれなくても完結できるじゃないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、なぜこれが二〇二五年、団塊の世代が七十五歳以上になるに当たって必要なのかということについて、是非機能分化という観点からお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。 我が国は諸外国にも例のない急速な高齢化が進行しておりまして、疾病構造の変化に伴い求められる医療の姿も変化をしているため、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けまして、医療提供体制の再構築が求められているところでございます。 現在進められているこの医療提供体制の改革の基本的な考え方につきましては、平成二十五年八月の社会保障制度改革国民会議の報告書にも示されているとおりでございますけれども、急性期医療を中心に資源を集中投入して入院期間を短くするとともに、在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを機能強化し、早期の家庭復帰、社会復帰を実現すること、病院、診療所のネットワークにより、受皿となる地域の病床や在宅医療の充実を図ること、こういうことが基本的な考え方でございまして、この考え方に沿って全都道府県においてただいま御指摘のありました地域医療構想が策定されているところでございます。 具体的に、機能で、パネルの中にもございますこの急性期医療、急性期の機能でございますが、医療機能ごとの特徴の中で、急性期につきましては、手術などの治療や救命措置を実施する急性期の機能でございますので、医療機器などの設備や医療従事者などの医療資源を集中的に投入して診療密度の高い医療を提供することが求められるわけでございますし、一方、早期から在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを実施いたしまして患者の生活の質の向上を図るこの回復期機能、これは、日常生活に必要な個人の身体能力の向上ですとか回復に必要な中長期的なケア、介護と福祉との連携が求められるということで、高齢化の進展に伴い特に今後高まる医療ニーズに対応するための機能でございます。 こうした機能分化、そしてこの分化された機能が連携をする、こういったことによりまして、患者の方々が急性期から回復期などまで、その状態に見合った病床でその状態にふさわしい医療を受けることができ、それによって患者の生活の質が向上し、質の高い効率的な医療提供が実現する、こういう考えで取り組んでいるところでございまして、引き続き都道府県とともに取り組んでまいりたいと思っております。
○丸川珠代君 ありがとうございます。 同じ会議の中で、実際に医療を受ける側の行動が変わらないと、我々も二〇二五年になったらこういうサービスを提供しなきゃいけないなと思っていてもなかなか動けないんだというふうに医療機関の皆様はお話しになっていました。病院の機能や病床の機能が分かれるということは、自分の病状が変わったら違う病院なり病床なりに移動するということが必要になるわけですね。あるいは、今自分がどういう病状かというのを自分なりに判断をして行くべき病院なり場所なりを選ばなければいけないと、こういうことにもつながっていくわけで、この地域医療構想を達成するためには医療を受ける私たちの側も行動を変化させることが必要であるようです。 厚生労働大臣にお伺いします。この地域医療構想を達成するために、国民にはどのような行動変容が求められるものなんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 一言で言えば、賢く受診をしていただくということになるんだろうと思いますけれども、医療法では、「国民は、良質かつ適切な医療の効率的な提供に資するよう、医療提供施設相互間の機能の分担及び業務の連携の重要性についての理解を深め、医療提供施設の機能に応じ、医療に関する選択を適切に行い、医療を適切に受けるよう努めなければならない。」、こういう規定が置かれているわけであります。 各都道府県においては、今委員お示しの地域医療構想を作っていただき、その実現に向けてそれぞれ具体的な議論が進められているわけでありますけれども、それがうまく活用していただくためには、医療を受ける立場である国民お一人お一人が、地域の医療機関が、地域で必要とされている、まさにどういう医療機能を分担をしているのかということ、また、それぞれ連携している医療機能の分化と連携、こういったことについてよく理解をしていただいた上で、自分の状況と、そして医療機能に応じた医療を受けるように医療機関を選択していただく。そうしていかないと、せっかくこうして機能分化を進めても、使う方が、高度医療が必要でない方が高度医療病院行くとか、そういうことになると、せっかくのこうした取組が効果が十分に現れないというふうに思っております。 厚労省においても、まず医療機関がどういう医療を提供しているか、その内容、これをまず国民に分かりやすく公表していくという必要がございますので、病床機能報告制度から得られるこうした情報を公表していく、あるいは住民に対する説明会等を開催をしていく、こういったことを都道府県にも促し、そして、国民の皆さんそれぞれが、この地域医療構想というものはどういうことなのか、あるいはこれからどういう形で機能が分化され連携されていくのか、もちろん地域によって違うと思いますから、それぞれの地域のことについてよく理解をいただいて、最初に申し上げましたが、うまく賢く受診をしていただく、こういう状況をつくっていかなければいけないと思います。
○丸川珠代君 やはりどの病院は何が得意かというようなことであったり、あるいは自分がどういう医療が自分にとって必要なのかということを日頃からよく知る機会を持ち、またその情報を関係者に提供していただくということが、この地域医療構想を達成して、ひいては二〇二五年に必要な医療の提供体制を整える上で重要かと思いますので、是非政府におかれてもそういうことに熱意を傾けていただきたいと思います。 次に、国立公園満喫プロジェクトについてお伺いをいたします。 私が環境大臣を務めておりましたときに、政府の観光ビジョンに基づいて国立公園満喫プロジェクトというものを開始をいたしました。我が国の国立公園、実は始まったときもインバウンドのお客様を呼ぶために先人たちが考え付いた知恵でございます。再びそれをインバウンドのみならず日本の観光客の皆様にもより価値を感じていただける形で、改めて利用とそれから活用と、それから自然の保全ということの共存を図っていくということを念頭にこのプロジェクトを立ち上げたわけでございます。 現在、先行的、集中的に取組を進める八公園というのが選定されて、それぞれの地域で大変熱心な取組をしていただいております。私もその一つである阿寒摩周国立公園を視察したんですが、本当に地元の人たちがこれに懸けているという思いがひしひしと感じられまして、深い感銘を受けました。やはり二〇二〇年、目標がございます、訪日外国人の目標の中で国立公園の利用者数についても目標がございます。一千万人を達成するというものでございますが、是非、目標を達成するのみならず、民間投資を呼び込んでいただいて観光資源としての魅力を磨き上げるという、今既に環境省が取り組んでいる新しい試みを更に進めていただくことが必要だと思いますが、環境大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(中川雅治君) 御指摘のとおり、国立公園の最大の魅力であります美しい自然環境を持続的に保全していくためには、観光資源を磨き上げ、利用者の増加を図るとともに、これにより生ずる利益を環境保全に還元していく仕組みが必要だと考えます。このためには、民間事業者の資金力やノウハウを最大限活用していくことが必要でありまして、環境省では各地で地域と協力しながら様々な取組を進めているところでございます。 例えば、民間事業者と連携した観光資源の磨き上げとしては、多様な宿泊空間の提供を目的としたキャンプ場の改革や国立公園へのアクセスの利便性を高める直通バスの運行などを進めております。また、利益を環境保全に還元する仕組みとしては、国立公園のビジターセンターを民間に開放してカフェを導入し、サービスの向上を図るとともに収益の一部を環境保全活動に充てる取組や、民間と連携して体験プログラムやガイドツアーの内容を充実させ、料金に協力金として上乗せして徴収をする、そしてそれを環境保全に充てる取組などを推進いたしております。 国立公園の美しい環境を守りつつ、多くの人に接していただき、その大切さを理解してもらうことで後世に引き継いでいけるよう、今後とも民間の方々の協力をいただきながら国立公園満喫プロジェクトを推進してまいりたいと考えております。
○丸川珠代君 是非引き続き力を入れていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 最後に、昨日、二〇二〇年のオリンピックのマスコットが小学生の投票で決まりました。これ私、大臣時代、いかに国民がこのオリンピック・パラリンピックに参加する機会を持つかということで懸命に取り組んできたので、大変うれしい限りでございます。 是非、鈴木大臣におかれましては、済みません、時間がなくなってしまいましたけれども、この「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」というのをやっておりますが、まだ進捗がはかばかしくなくて、特に銀が集まっていないそうですので、是非引き続きのお取組をよろしくお願い申し上げます。 以上でございます。
○委員長(金子原二郎君) 以上で丸川珠代君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、二之湯武史君の質疑を行います。二之湯武史君。
○二之湯武史君 自民党の二之湯武史でございます。 まずは、本日のこの質問のチャンスをいただきました参議院自民党の皆様に感謝を申し上げつつ、与党議員らしく、しっかりと実りのある質疑にしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。 まずは、私も平昌オリンピックから少し御質問させていただきたいと思います。 金メダル四個を含む過去最高のメダル十三個ということでございまして、連日、大フィーバーでございました。選手の皆さん、また関係者の皆さんに本当に感動をありがとうというふうにお伝え申し上げたいと思います。 特に、日本人のすごさといいますか、フィジカルでは劣るんですけれども、そのチーム力でありましたり、またその科学的なトレーニングでありましたり、そういうようなところで結果を残したという在り方は、これはスポーツのみならず、ほかの分野でも十分に参考になるようなアプローチだったなというふうに私も見ておりました。この後のパラリンピック、そして今年六月にはサッカーのワールドカップもございますし、そして二〇二〇年の東京オリパラというふうにいい流れを日本のスポーツ界、続けていけたらと思っております。 一つだけ質問があります。その平昌のオリンピック、最近は夏季のオリンピックを招致するような町が撤退をするということが相次いでいます。というのは、オリンピックを開催するのに余りにもコストが掛かるということで、例えばボストンとかハンブルグという町は住民投票で招致をやめるという決断までしております。 今回の平昌でも六つの会場が新設、それを含めて全体でやはり約一千億の整備費が使われたということなんですが、さき二十五日のIOCの総会で、例のスピードスケートのメーン会場になりました江陵オリンピックパークを中心に三会場がまだ後利用は決まっていないと、こういうことでございます。維持費だけで年間十数億円が掛かるという試算もありまして、やはりこうした期間中の成功だけじゃなくて、レガシーも含めたこのオリンピックの成功というものが非常に大事だということを思いました。 もう二年を切っております東京オリンピック・パラリンピック、特に国の責任の範囲内で整備を進めておられる新国立競技場がどのような後利用も含めたレガシーを現時点でしっかりとつくっていただいているのかと、まずその辺からお話をいただければと思います。
○国務大臣(林芳正君) 新国立競技場は東京大会のメーンスタジアムでありまして、着実に整備を進めるということは当然でありますが、まさに今、二之湯委員からお話がありましたように、大会が終わった後のレガシーとしてもスポーツ振興の中核拠点としてやはり有効に活用されると、これが大変大事なことだと思っております。 大会後の運営管理については、昨年十一月に関係閣僚会議を行いまして、大会後に球技専用のスタジアムに改修すること、それから専門家の助言を得つつ民間の創意工夫を最大限活用すること、それから、今、平昌のお話がありましたが、終わった後でまだということにならないように、なるべく、平成三十一年の年央、これをめどに民間事業化のスキームを構築すると、こういうことを決めました基本的な考え方が先ほど申し上げました関係閣僚会議で了承をされたところでございます。 これを踏まえまして、現在、JSC、日本スポーツ振興センターを中心に民間事業化の検討が既に始まっておりまして、国民に長く愛されるスタジアムとなるようしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○二之湯武史君 是非ともそのような計画で進めていただきたいと思います。 ちなみに、直近のオリンピックでいいますと、九六年のアトランタ、そして二〇〇〇年のシドニー、そして二〇一二のロンドンがいわゆるプロスポーツの本拠地にダウンサイジングして、観客動員を大分抑えて、プロスポーツの本拠地として開展をしています。一方で、アテネのようにもう廃墟になっているところもございます。こうしたレガシー、諸外国のレガシーをしっかりと踏まえていただいて、今お話しいただいたような方向で御努力をお願い申し上げたいと思います。 それでは、質疑、本格的に入りたいと思いますけれども、今の、午前中の質疑でもございましたが、革命という言葉が人づくりや生産性というところで使われている。私、そこは非常に共感するところがありますね。改革じゃないと、革命だというところですね。 少子高齢化というのは、私はもうこれ革命的な変化だと思っていまして、地元でもよくお話しするときに、数字で言うと分かりやすいんですね。いわゆる団塊の世代と言われる昭和二十二年から二十四年まで、これ一年間に生まれた赤ちゃんの数、皆さん、大体数字で二百七十万人なんですね。それが昨年、推計ですけれども、九十四万人ということですから、これ三分の一です。これは、まさに革命的な今人口構造の変化が起こっていますし、当然それに伴って様々な在り方が変わっていくというのは当たり前でございます。 そういう意味で、そういう革命的な変化に対して革命的なアプローチで政策をしていこうということが、さきの人づくり、また生産性ということだと思います。 私もこの世界に来て今五年弱でありますけれども、ともすると、こういう予算委員会、せっかくテレビが入って国民の皆さんに聞いていただいているんですが、非常に専門的で、ある意味でいうと、なかなか聞いていてもよう分からぬと言われることが地元でもよくあります。政治家は実務家であると同時に私は哲学家でないと駄目だというふうに思っていまして、今申し上げたような非常に革命的な変化の中で我々がまずどのような国を目指すのかと、その国を目指す上でこうした政策を実行するんですよというコミュニケーションを私は地元でも心掛けているつもりであります。 仮に戦後日本という国があったとすれば、この国の国家目標というのは、私はやはり経済的にまずしっかりと豊かになるということだったと思います。もう荒廃から立ち直る、それは、やはり時の政権も経済優先とか所得倍増という言葉によって、これは広く国民に共有されていたと思います。 しかし、高度成長によってその経済的、物質的な豊かさを実現して以降、我が国はこれという国家目標が実は余り全国民がシェアをするようなレベルでは存在してこなかったんじゃないかなという私は仮説を持っておりまして、今こそ、こうした革命的変化を我々経験しているときこそ政治がそういう哲学をどんどん語っていくべきだというような気がいたしますが、総理は是非とも、そういう哲学をしっかり持っていらっしゃる政治家で、本当に心から尊敬を申し上げておりますが、今総理はそのような国家的なビジョンといいますか、そういう部分について是非ともお話をいただければ有り難いなというふうに思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私がいつも国家ビジョンとか国の哲学めいたことを話しますとすぐ大きな批判に遭うわけでございますが、なるべく控えようとしてきたところでございますが、第一次政権が誕生したときに美しい国を目指したいということを申し上げたわけでございまして、その際、活力とチャンスと優しさに満ちあふれた、そして自律の精神を大事にする世界に開かれた美しい国をつくっていきたい。つまり、この世界に開かれたというのは、自分も日本に行きたいな、子供を連れて日本に行って、子供も日本で教育を受けさせたいと思われるような国にしていきたいと、こう考えたところであります。 誰もが夢に向かって頑張ることができる、何度でもチャンスがあふれる社会、そして、額に汗して頑張った人が報われる真っ当な社会、今日よりも明日はきっと良くなると、そう信じることができる社会をつくっていきたい、その上で、世界に開かれて、世界の真ん中で輝く国をつくっていきたいと、こう考えております。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 ちょっとパネルを是非。(資料提示)今日は同僚のこやり参議院議員にパネルを持っていただいておりますが、小渕総理が「二十一世紀日本の構想」懇談会という中で富国有徳という国家像をおっしゃっておられました。二十一世紀における日本のあるべき姿として、経済的な富に加えて、品格あるいは徳のある国、物と心のバランスの取れた国、すなわち富国有徳の国家として世界のモデルとなるよう目指したいというようなことをおっしゃっておられました。 私、経営者も、昭和の、戦後の経営者というのは、大変大きな、視野の大きな経営者たくさんおられました。私も松下政経塾の出身でございまして、小野寺大臣の後輩ではございますけれども、松下幸之助の言葉にも、今後の日本は、単に物の面を豊かにするということだけでなくて、もっとお互い心の面の向上を図っていくことに大きな力を注がなくてはならないのではないだろうかと。中略で、それがすなわち、ここでいう精神大国ともいうべき国の姿だと考えられるのであると。また、幸之助翁は物心一如の繁栄というような言葉もよく使っておられました。 お二人は共に、戦後日本が経済的に復興していく中で、どこかこの物と心のバランスが乱れているんじゃないかなというような問題意識を持って、それぞれ政治や経営という立場でこういう目標を掲げておられたんだというふうに思います。 やはり今、私、率直に、この日本社会を見て、経済というこの価値がほかのあらゆる価値をちょっと超越し過ぎなんじゃないかなというふうに率直に思っております。もうテレビをつけても本当にお金の話、たくさん、多いですよね。誰の年収が幾らだとか今日のファッションは全身で幾らですとか、そうした本当にお金の話は多いですし、食べ物を粗末にするといいますかね、そういうようなあれも、風潮もありますし、人をけなして笑いを取るとかですね。 そういう意味では、やはり私、我が国の良識ある国民の多くの皆さんは、ややこの今の国の姿に少し不安を覚えておられるというところもあると思うんです。地元に帰りましても、何で政治でそういうような話をしないんだというふうによく私、言われるんですね。やはり政治はもっと哲学や道徳語らなきゃいけないんじゃないかと、経済ばっかりじゃないかという話もよくお聞きをするところであります。 ですので、先ほど、繰り返しになりますけれども、私は、政治家というのは実務家で政策マンであると同時に、やはりしっかりとしたビジョン、国家哲学、人間哲学を持って当たるべきだというふうに思っておりますが、このお考えについて、もう一度総理のお考えをお聞かせいただければというふうに思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二之湯委員がおっしゃったように、戦後、荒廃から日本が立ち上がる中において、何とか衣食住に足る社会をつくっていこうと、毎日食べるものを心配しなくてもいい社会をつくっていこうとみんな頑張って汗を流したわけでありまして、そして経済大国をつくったわけであります。 しかし同時に、大切なものは何かということでありますが、今、二之湯議員がおっしゃったように、言わばお金、まあ損得ですね、損得を超える価値があるということを忘れたのではないかという反省の下に、小渕当時の総理もああしたビジョンを打ち出したのではないかと思います。 三・一一の際に、まさに私たちはそれを強烈に思い出したのではないかと思いますね。あの大災害の中においても、人々は整然と助け合った、そして、あるいは譲り合ったり人のために汗を流した。これはもうまさに損得を超える価値があることを日本だけではなくて世界に向かって示したんだろうと、こう思うわけであります。 日本にはたくさんのすばらしい方々が市井におられまして、私も、総理に就任をいたしましてから、まさに命懸けで人々を救った人たちを表彰することを始めました。踏切の中に取り残された老人を救った方、あるいは溺れそうな方々を救った方、中にはそれによって命を落とされた方もいます。でも、こういう人たちの貢献があって実は社会が成り立っているんだということを私たちも認識する必要があるのではないのかなと思います。 日本は古来から、額に汗して草を引き、田を耕し、水を分かち合いながら、秋になればみんなで五穀豊穣を祈り、そして病気に倒れて満足に田畑を耕せない人がいればみんなでお米を持ち寄って助け合ったという文化を培ってきたのが日本の元々の社会の成り立ちではないのかなと思います。 そういう中におきまして、私はよく瑞穂の国の資本主義ということを申し上げているところでございますが、日本資本主義の父と言われている明治の実業家の渋沢栄一も「論語と算盤」という著書があるわけでありまして、今委員がおっしゃったように、経済的な豊かさと精神的な豊かさと規律のバランスが大切だということを述べておられるんだろうと思います。マックス・ウェーバーも、言わば資本主義とプロテスタンティズムの規律、このバランスの重要性についても言及をしているところでございますが、そこを忘れてはならないという。日本の場合は、何かほかの、海外からそういう考え方を持ってくる必要がないわけでありまして、古来からそういう考え方を持っているということを大切にしていきたいと。何のために生きているんだということにもつながってくるんだろうなと思います。 本当の豊かさというのは、物質的な豊かさももちろんこれは否定はしませんが、大切ではありますが、本当の人生の豊かさというのはそれを超える価値を持っているということではないのかなと、このように思います。
○二之湯武史君 総理、本当にありがとうございます。 大変共感のできる、また本当に安心をいたしました。これからも折に触れてそういうことをたくさん語っていただきたいと思います。 やっぱり世代間によって価値観というのは随分私、違うと思うんです。私、今四十一なんですけれども、この世代からは、非常にそういう意味ではビジョンとか主に共感する世代だというふうに思っておりまして、経済的な豊かさも大事ですけれども、やはりもう少しそうした精神的な部分を求めるような世代なんじゃないかなというふうに思いますので、これからもそういうことを語っていただけばいただくほど若い世代の支持率は上がるんじゃないかなというふうに思っております。よろしくお願いいたします。 それでは次に、人づくり革命についての質問をさせていただきます。 先ほど申し上げましたように、人口減少というのは数字で見れば非常に明らかでございまして、生産年齢人口が減少すると日本の潜在成長率というものが落ちてくるのは当たり前ですが、そんな中で、今の豊かな社会、また医療、介護、年金といった社会保障制度をしっかり維持していこうとすれば、やはり一人一人が今以上に生産性を上げて頑張って、さらにこうした社会課題を克服していこうということであると思います。これは諸外国との相対比較ではなくて、我が国一国の絶対数を見ても、トレンドを見ても必要な政策だというふうに思いますが、まず大臣の方から、この人づくり革命についての理念と具体策について簡単に教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 二之湯委員が先ほどから哲学と強調されておりますけど、ギリシャ時代、ソクラテス、プラトン、アリストテレスの時代は、哲学というのは一学問ではなくて、物事全体の考え方、政治も経済も、さらには歴史も包含する概念であったと思います。 これからの物の考え方と。先ほどパネルにもお示しいただきましたが、キーワードとして二之湯先生お作りになった、多様性であったり、人材のイメージでいいますとパーソナライズ型、そして高校のところに学問と職業の複線化と、こういうのも出てまいりますけど、まさにこれからの人生百年時代、超超長寿社会を世界に先駆けて迎える日本においては、これまで、若いうちに教育を受けて、そして仕事をして、老後を迎えると、こういうスリーステージを大半の人が同じペースで過ごすという単線型ではなくて、多様な人生の再設計が可能にしていく、そのためには、教育であったりとか雇用であったりとか社会保障制度、国の制度をどうしていくかと、こうした問いに答えていくのが人づくり革命の根底にある大きなテーマであると思っております。 これまで、人生百年時代構想会議、総理を中心にしながら民間の有識者の皆さんにも加わっていただいて様々な議論をしながら、少子化の中でもやはりそういった一人一人の人材、これが重要になってくると。三歳から五歳児の幼児教育の無償化、さらには真に支援が必要な所得が低い家庭の子供たちに対する高等教育の無償化と、こういったことを内容とします経済政策のパッケージも取りまとめをさせていただきました。さらには、今年の夏に向けては、何歳になっても学び直しが可能となるリカレント教育、専門教育の充実であったりとか、大学自身、これも変わっていかなければいけないんだと思っております。こういった議論を進めていくと。 こういった取組を通じて、高齢者給付、これが中心になっていた現行の制度を全世代型の社会保障に改革をしていく、そして少子高齢化という日本が直面する壁、これをしっかりと乗り越えていくと、これが人づくり革命の根底にある基本的な考え方だと思っております。
○二之湯武史君 茂木大臣、ありがとうございます。 では、パネル二をお願いいたします。 これは、私案ではございますけれども、今の日本の教育各段階、またそれを包含するようなキーワードとかイメージをちょっと整理をさせていただいたんですけれども、私は思うんですが、やはり人づくり革命という言葉から国民の皆さんが連想していただくのは、もちろん教育費負担の軽減というのは非常に大事な視点だと思いますが、一方で、やっぱり教育の中身自体、それ自体がこれは革命していくんだろうなと、教育の質が上がるんだろうなという期待をされている方が多いんじゃないかなと私は思うんです。 それで、最もその中で根本的なことを申し上げますと、要は、日本はこれから価値創造型の国家にならないといけないというふうに思っていまして、そのためには人材のコンセプトもやっぱり大きく変わらなきゃいけないと思っています。 この左と右で、私、ちょっといろいろな段階で整理させてもらったんですけれども、要は、今の教育が育んでいるのは、抽象的に言えば、答えのある問題に正解を出す力、また情報を処理する力だと思います。これは、かつて一億総中流と言われたような、価値観やライフスタイルが非常に似通った社会に必要とされた、高度成長期に必要とされた能力ではないかなと。 一方で、これからはもう完全に日本は成熟国家として、ライフスタイルや価値観も非常に多様化しておりますし、そういうような時代には、この無から有を生む力、また課題を見付けて自分で解決するような力、こういうものが必要な資質だと私は思っているんです。 それが今、じゃ、教育の現場で、幼児から義務教育、高校、高等教育、企業、また学び直し、今、茂木大臣も言及していただきましたが、人生百年ですからいつ学んでもいいわけです。でも、例えば、学んだ内容が次のキャリアにつながらなければなかなかそういうところに人が流れていかない。要は、日本で会社を辞めて例えば大学院で学び直しても、それがキャリアにつながらない。まだまだ新卒一括採用というのが主流でして、そうした労働市場はまだまだ硬直化している。つまり、人材が非常に偏在が固定化していまして、そうした人材の力をうまく活用するという仕組みがまだまだできていないんじゃないかなと。 私、党の百年本部でも何度もこういう話を申し上げました。政府の方の話は私ちょっと不勉強で、こうした議論があったのかどうかは承知をしておりませんが、今大臣おっしゃっていただいたようなそうした負担の部分、そういう部分と、もう一つはやはりこの教育の質そのもの、ここについて、このような体系的な政策を是非私は取りまとめていただきたいなというふうに思っておるんですけれども、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(茂木敏充君) 二之湯委員から大変いい御示唆をいただきまして、これから参考にしたいと思っておりますが、教育、まあエデュケーションと。元々、何というか、教え育むというよりは、ラテン語のエデュコですから、能力を引き出すと、こういうことから来ているわけでありまして、幼児期から始まりまして、それぞれの人材が持っている能力というのをいい形で、いつの時期でも引き出せるようにしていくと。こういったことは極めて重要だと思っておりますし、リカレントですから、カレントに戻る、常に新しくなっていく、回帰をして循環をしていく、こういった教育をしっかりつくっていきたいと思っております。 特に、これから第四次産業革命、AIであったりとかIoT、様々な技術革新というのが進むわけでありまして、それに対応できるようなスキルを身に付けられる場、こういうのを学び直しの場でもたくさんつくっていかなきゃならない。同時に、それに向けて大学にも変わってもらわなきゃならない。さらには、企業の採用の在り方であったりとか労働移動の在り方と、こういったものも含めた改革をしっかり進めてまいりたいと考えております。
○二之湯武史君 非常に前向きな答弁だったと思います。それぞれの段階で網羅的に、また横串を刺して体系として人づくりを進めていくという御発言であったというふうに理解をいたしますので、茂木大臣、是非ともそういう線で進めていただきたいと思いますし、実はその中核で改革を進めていただかなければいけないのが、改革じゃないですね、革命ですね、文科省だと思うんですね。林大臣の御見解も是非、まずは総論でお願いしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 大変すばらしい御質問をいただいて、そのパネルも、ちょっと後ろ側から見ると別の紙なので迷いながら今見ておりましたが、このパネル二で委員が示されたこのキーワードというのはまさにそのとおりだなと思って、今の現状をどうやってこの右側の方に変えていくかというのに日夜取り組んでおるところでございます。 今年小学校に入った人が大学までストレートで行きますと十六年です、四年制の大学だと。そうすると、今教えていることが社会に出て使うということになりますと、十六年先を少なくとも見据えていかなければならない。それでは、今から十六年前に例えばスマホはあったか、メールでこれだけの皆さんがやり取りをしていたかということを考えれば、多分今までの十六年よりももっと変化が加速をする、先の十六年を見据えてこれをつくっていかなければならないわけでございまして、まさに委員がお示しになっておられる新しい価値を創造する力というのが大変大事になってくると思っております。 それは、ただ覚えて、九九、漢字、大事だと思いますが、これは大体、人工知能やロボットというものが出てきますとこれに代替をされ得る仕事ということで、既に、オックスフォードだったと思いますが、野村総研との共同の試算でそういうものが出てきておりますので、そういう将来に対応したことを考えていかなければならないと思っております。 既に小学校からプログラミングが教育必修化に、オリンピックの年から小学校なりますが、そして、新しい指導要領でも、アクティブラーニングということで、先生が答えを教えるということではなくて、これについてどう考えますかということを、委員のキーワードの中にもファシリテーターというのがありましたが、それぞれ議論をしてもらった上で自分たちが気付きながら答えを見付けていくという学び方ということをアクティブラーニングと、こういう視点で授業改善をやっていくと、こういうことを取り組んでいるところでございます。 さらに、今後、そういうことでしっかりとやっていきたいと思っております。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 特にこの教育、各段階の中でも私は義務教育と高等教育をちょっと更に取り上げて議論をしていきたいなというふうに思っております。 先ほど茂木大臣の方からありましたように、企業の人事とか労働市場というのもまだまだ改革しなきゃいけませんし、高校は私、非常に問題意識を持っていまして、いわゆる進学校なんかは、言葉は悪いですが、大学受験のための予備校化しているような部分もございます。ただ一方で、かつては半分が職業高校だったんですね。それが今はもう九割が普通科高校ですから、この十五歳から十八歳という時期に本当に学ぶべき適切なカリキュラムとか意識というのは何なんだろうかということを考えたときに、非常に改革すべき機関だなというふうにも思っているんですが、やはり義務教育と高等教育、少しお話を進めたいと思います。 資料三をお願いします。 まず、これは義務教育、これもちょっと私がまとめたので若干言葉がきついかもしれませんけれども、授業なんというのは、まだ一人で黒板にチョークで字を書くというあれでございます。前回も申し上げましたけど、黒板でチョークに字を書いて、それを黒板消しで消すわけですけれども、なかなか消えないんですね、あれ、もう昔から。それで、消えないですし、吸い込む機械も全然吸い込まないんですね。本当にイノベーションがなかなか働いていないわけです。 例えば、学校というものの運営に当たっても基本的には教員が運営をされておられます。いわゆる外部の方というのは、学校運営には実は関わる仕組みはあるんですけれども、まだまだ少数派でございますし、個への対応、先ほど申し上げましたように、今の子供たちも非常に能力も家庭環境も、価値観、多様化しておりますから、民間の塾なんかですともうほとんど授業はオンデマンドですね。映像授業なんかでそれぞれの学習段階に応じた、習熟度に応じたサービスできるわけですけれども、学校はまだまだそういう意味ではマスでございます、ペーパーテストで一点単位で人を評価するとかですね。 そういう意味で、一番下にありますように、かつては教師という方々が社会のある意味で知恵を独占していたという時代があったと思います。宗教改革の前の教会の神父さんと同じだと思うんですね。それが活版印刷が発明をされて、みんなが聖書を手に取ることができたと。みんなが字を読めるようになると、そうした物を教えるという立場から、皆さんに説法を説く、説くという立場に変わっていかれたと。 ですので、今も学校の先生も、そういう意味では、教科書のみならず、検索をすればあらゆる知識が瞬時に手に入るという時代においては、学ぶを、知識をそのまま教授するような存在から、学びをサポートしていく、学びのモチベーションを引き出していく、このティーチャーからファシリテーターへという在り方が非常に重要なんじゃないかなというふうに思っております。 〔委員長退席、理事丸川珠代君着席〕 これもやっぱりコンセプトのもう革命的な転換が必要なんじゃないかなというふうに思っていたところ、先日、ある中学、しかも公立の中学校です、視察に行ってまいりました。これは千代田区立麹町中学という中学なんですが、まさに私の、ここ、示しているような、この右側の現場に非常に近い学校でありました。授業のスタイルでありますとか、民間企業なんかとタイアップして授業をやっております。また、学校運営そのものにも生徒が参加している。例えば、生徒に年間行事を棚卸しさせて、この中で本当にやるべき行事と廃止すべき行事を生徒が考えろと、こういうような形で、棚卸しした上でそれぞれの運営についても生徒たちが計画を作って運営すると。 私、一番感銘を受けたのが修学旅行の在り方。修学旅行というのは、私、個人的には、テーマパークに行ったり遊園地に行ったり観光地に行く、これも大事な旅行だとは思いますが、やはり修学ですから何か学びがないといけない。この麹町中学では、修学旅行の前から、ある旅行会社と提携をして、生徒に、最終ミッションはその旅行会社に旅行商品をプレゼンテーションするという、これが年間のカリキュラムになっているわけです。 四月、五月辺りから、学生が、例えば京都、奈良、二泊三日のツアーということでいろいろ予備勉強を始めます。そして、いろんなほかの資料を取り寄せたりしながら大体の形をつくって、そしてその視察旅行として修学旅行に行くんですね。そこで現地のいろんなものを調べて、映像を撮ったり、またいろんなインタビューしたりして、そしてその視察旅行という形の修学旅行を終えた後にそれを旅行商品に仕上げて、そして民間企業にプレゼンテーションをする、そしてその中で優秀な作品を選ぶと。こういうふうな、非常に次世代型の学校だなというふうに思っておりました。 こんなことをされている校長先生ですから、きっと、これは失礼ではなくて、民間の経営者の方なんじゃないかな、御出身がと思って聞いたら、いや、私は教員しか経験ないんですと、こうおっしゃるんですね。いや、でも先生、これだけのことをされるんだから、例えばいろんな制度とかルールとかに抵触したでしょう、大変だったでしょう、教育委員会とのやり取り、とか聞きますと、いや、制度上も全然問題ないんです、できるんですよとおっしゃるんですね。 ですので、我々政治家というのはともすればすぐ制度とかルールの話ばっかりするんですが、現場でこういうビジョンのあるリーダーが現れればこんな大転換も現行制度で十分可能だということを、先日の視察で大変私は勇気付けられました。 実は、こうしたあるべき学校の姿を未来の教室として取り組んでいただいているのが実は経済産業省なんですね。エデュケーションテクノロジー、ICTなんかを使って、こうした未来の学校の姿をという観点で経産省がこういう学校の在り方のプロジェクトをされておられるんですけれども、世耕大臣、この略してエドテックですけれども、この取組について是非教えていただければと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 先ほど厳しく批判いただいた経済のことばっかり考えている役所なんですけれども、しっかりと教育のことも考えさせていただいています。エデュケーションとテクノロジーが合わさったエドテック、これは本当に教育の在り方を変えるというふうに思っています。 例えば、もう今このエドテックの分野にいろんな産業の人が入ってきていまして、例えば子供に勉強を、タブレット上で勉強をさせながら、人工知能を使って、例えば今高校の数学ができない子が一体どこでつまずいているのかというのをずうっと考えていって、実は小学校のときの分数がよく理解できていなかったから今引っかかっているから、また分数から鍛え直してきちっとキャッチアップをさせるとか、あるいは英単語なんかは、英単語を覚えるアプリなんかにはゲーム産業の人が入っていて、五割しか答えられないと嫌になっちゃう、常に全部答えられるとつまらないということで、大体八割ぐらいしか答えられないようにして、もう一度もう一度といってチャレンジさせて英会話を覚えさせていくとか、非常にそういうテクノロジーがどんどんどんどん入ってきています。 じゃ、これで本当に無味乾燥な学校になってしまうのかというと、そうではなくて、逆に、これ反転学習といって、実は私が理事長を務めていたときに近大の附属高校が日本で初めて全学年に反転学習を入れたんですが、基本的なことは全部自宅でタブレットで予習をしてくる、逆に学校の時間はまさに議論とか課題解決につなげていくということが十分可能になってきているということだと思っていますし、私も麹町中学のケースはよく聞かせていただいています。 今経産省で、やはり今学校の在り方というのは、もう教職課程を通った学校関係者だけのものではなくて、やはり産業界にとっても非常に関心のあることでありますし、あるいは社会に、コミュニティーにとっても非常に関心のあることということで、学校関係者だけではなくて、塾とか教育産業とかあるいはIT産業とか文化人とか、そういう方に入ってもらった「未来の教室」とEdTech研究会というのを立ち上げまして、経産省としても、この生産性革命、人づくり革命のために教育現場がどういう形になるべきかという議論をさせていただいています。このメンバーには、麹町中学の今おっしゃっていた校長先生にも入っていただいております。
○二之湯武史君 さすが世耕大臣という答弁をいただきました。 民間人時代の御自身の改革案にも今言及いただきましたけれども、実はそこも私、今申し上げようと思ったんですが、学校の授業というのが、先ほどおっしゃったように、例えば新しい単元をやりましょう、何か、じゃ、計算のやり方、今これを学校の授業でやっちゃっているわけですね。しかし、もうこれはICTで予習をしてきてくださいと。例えば分数の掛け算、足し算、これはもうまず家で授業をICTで見てねと。その上で授業は、それをどういうふうに活用していくのか、社会でどんなことに役に立つんだろうかという知的好奇心を引き出していく、こういうような授業の在り方というのも私、目の当たりにしてきましたが、それが最初が近大とは知りませんでして、さすがに世耕大臣だなと思いました。 一方で、今、教員の多忙化というのが言われています。学校教員の数割がもういわゆるブラック企業、過労死レベルを超えているというような統計調査もございました。そういう意味でいいますと、私は、学校現場の負担も軽減できると思いますし、教育の質、これも向上すると思いますし、また、いろんな意味での教育費の効率的な、ワイズスペンディングと最近言いますが、その投資効果も非常に高い、三方よし、四方よしという、まさにこれ革命的な政策になると思うんです。 先ほど申し上げましたように、現場でも、またルール上もほとんどある意味でいうと障壁がない、こういうものが何で進んでこなかったのかなというのがもう一番の疑問でございます、率直に言って。やはり文科省、もうちょっとしっかりとこれまで改革進めておくべきだったんじゃないかというふうに思っておるんですが、是非ここは、林大臣、非常にすばらしい大臣でいらっしゃいますので、こういう人づくり革命というこの追い風を背景に、是非ともこの横展開を、全国展開をしていただくようなリーダーシップを是非取っていただきたいというふうに思うんですけれども、是非御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 今委員から御紹介がありまして、また経産大臣からもお話のありましたこのエドテック、これは大変に大事なことでありまして、今お話があったような理解度に応じた課題の提供に加えて、例えば不登校やいじめの問題行動の早期発見、今SNSを入れてもう既に始まっておりますが、こういうことも含めて教育の質の向上につながるとともに、教師の負担を軽減するということで働き方改革にも資すると。今先生がおっしゃったとおりでございます。 今まで余り進んでいなかったという御指摘があったわけでございますが、このICT環境の整備、それから個人情報の保護、データ取扱いに関する法的課題、それから使いやすい機器、ソフトウエアの開発、セキュリティーの確保と、こういうものを検討してきたというふうに認識をしておりますので、技術がどんどん進歩しますので、この検討をしっかりとやってこの実践につなげていくという意味では、今の麹町中学の例は、元々ずっと先生やっておられた方が推進していらっしゃるということと、現行制度でもできるということでございますので、こういった先進事例とでもいうべきものを共有をしていくということを後押しすることによって、よくピアプレッシャーと言いますが、あそこ、公立の中学校がこういうことをやっているのに何でうちはできないんですかというような機運の醸成も含めて、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○二之湯武史君 林大臣、是非ともお願いを申し上げます。 続いて、高等教育改革についてもちょっと言及をしたいなというふうに思っております。 やっぱり、社会で活躍する人材、即戦力を生み出す、またイノベーションの拠点ともなるべき我が国の大学というのがなかなか世界的な評価を落としているというのが現実だと思います。これはいろんなランキングの仕方がありますから一概に言えませんけれども、しかし、順位が落ちているのは事実でございます。 国民の皆さんの肌感覚からしても、例えば、最近よく経営者の人なんかとしゃべっているとやっぱり、大学出ているのにいまいちそういう社会慣れしていないというような学生が多いというふうに聞きますし、また、大学の先生というのは研究には熱心なんだけど余り授業には熱心じゃないよなというようなこともよくお聞きします。大学については厳しい声もよくお聞きするわけです。 これは、いわゆる一言で言うと、社会の変化に対応できるガバナンスになっていないところがあるんじゃないかなと思っております。第三者の教育に関する質の評価が質の向上そして学生の募集につながっていくというような、このPDCAがうまく回っていくような仕組みがまだまだ不十分なんじゃないかなというふうに思っております。 外部人材をしっかりと活用していくガバナンス改革は、二年前に一部の部分で改革が進んでおりますけれども、更なるそうしたガバナンスの部分の改革、そして私は、何よりも大事なのは質に関する評価、これは第三者の評価をしっかり入れていく、ステークホルダー、大学の教育に関係する皆さんの声をしっかりその改革の中に取り込んでいく、そして情報公開と、これが私は三本柱になるんじゃないかなと。 高等教育の無償化の議論が進めば進むほど、やはりそうしたものに対する説明責任、公費を大学に突っ込むということについての社会的な説明責任を果たせるようなガバナンス、また、改革、情報公開、一体的に進めていかないといけないというふうに思っているんですが、これも林大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 大変大事な御指摘をいただいたというふうに思っております。 先ほどちょっと言いかけましたが、第四次産業革命を経てソサエティー五・〇も入っていっているという意味で、新しい人材をつくる、そういう意味で大事であるということと、いわゆる二〇一八年問題と、こういうふうに言われておる向きもあるようですが、大学に入る数が今年から減り始めるという推測が出ております。実は、十八歳人口、今までも減少してまいりましたが、大学への進学率というのが上がっておりましたので、この減少を上回る数の進学率の上昇ということで来ておりましたが、ここから多分進学率がもう飽和に近づいて下がっていく、こういうことであると。 〔理事丸川珠代君退席、委員長着席〕 まさに、茂木大臣進めていただいております人生百年時代、経済パッケージの中で、公金をですね、まあ税金を投入していくということで、まさに委員がおっしゃるように説明責任が高まっていると、こういうことですから、高等教育の改革というのは大変ある意味ではチャンスであると、こういうふうに私は捉えておりまして、昨年三月に既に中教審に対して我が国の高等教育に関する将来構想についてということを諮問をしておりますが、ここで、大学を超えて多様な人的資源を活用するという観点から、学外からの教員、理事の登用、それから、今御指摘があったように、学生にどれだけ付加価値を付けたか、学習成果を可視化して社会に積極的に情報公開していくこと、こういうことについて議論してくださいという諮問を既にしております。 昨年末に論点整理がまとめられたところでございますので、更に専門的な議論を中教審に進めていただいて、やはり社会からの信頼を大学が得て、その上で発展していくと、こういう改革を進めてまいりたいと思っております。
○二之湯武史君 ありがとうございます。 もちろん多くの大学が大変な努力をされているということは前提ではありますけれども、今申し上げたような社会の流れ、革命的な変化に対して、やはり既存のこういう教育機関も対応していかなきゃいけないということについて申し上げたところでございます。こうした今申し上げたことが人づくり革命全体として横串を通して一体的に進んでいくような在り方を是非とも、繰り返しになりますが、望みたいというふうに思いますので、茂木大臣におかれましてはよろしくお願い申し上げたいと思います。 では、次の生産性革命について、これもちょっと変わった視点から申し上げたいなと思います。 その生産性革命についての事業のパッケージ等々はいろいろと私も存じているところではございますけれども、少し変わった観点から政策提言をしたいなと思っておりまして、資料の四というのを御覧いただきたいと思います。 昨年だったと思うんですが、これ、元コンサルタントの、大手コンサルティングファームのコンサルタントのフレデリック・ラルーさんという方がリインベンティングオーガナイゼーションという本で紹介されている組織の有機体としての発展段階なんですね。 この赤い部分、これは恐怖とか命令で動くような組織、個人的なカリスマが動かすような組織ですね。次の黄色の部分、これは肩書とかヒエラルキーというようなところで厳格に管理されている組織、役所なんかもそうかもしれませんし、大企業の多くなんかもそういう世界かもしれません。オレンジが、利益、競争、まあ能力主義、成果主義、こうした報酬等々でモチベーションをその組織の人たちに与えながら管理している組織。こういうふうな、大方の日本の組織というのはこの三つぐらいの段階なんじゃないかなというふうに思うんです。 これは経営論の話でありますけれども、これからはグリーンとかティールだと、こういう話であります。このグリーンの部分というのは、まずもうその価値観というものがちゃんとシェアをされている、そして非常に多様なメンバーで構成される、国籍、年齢、性別、それぞれ非常に多様なメンバーで組織された組織、一人一人の満足度が非常に高い、そういうものですね。ティールというのは、もはや組織を持たずに自律的な個人が自己実現のために集っているような、そういうふうなコミュニティーだと思います。参議院の自民党がそうかもしれません、このティールの部分かもしれません。非常に次元の高い組織だと私は思っております。 そういう部分で、衆議院の予算の議論も聞いておりました。参議院の予算も今日始まりましたけれども、やはり政策論としてはどうしてもこうした議論になるのはよく分かるんです、今日の働き方改革の議論もそうだし。ただ、もう少し実態、現場でどうした原理でその組織や企業体が動いているかという感覚で物を見ないと、欧米の企業はもうそういう部分をはるかに超えた組織の在り方とか働き方とか、プロジェクトベースで物が動いているとかですね。 例えばアップルとかグーグルがグリーンだ、ティールだとは言いませんが、ああした企業の利益率を見れば、もう三〇パーとか四〇パーなんですね。もうベンチャーというレベルではございません、売上げ規模が二十五兆円とか、そういう企業ですから。二十五兆円で四割の営業利益率ということは十兆ですね。それ、税引きしたって七兆、八兆のお金を次のビジネスモデルだとか自動運転だとかに投資されれば、これはもうそこで勝負ありだと思うんですね。 ですので、まさにこれも生産性革命なので、革命的なアプローチという意味では、こういう考え方を是非御紹介しつつ、政策の視点にどこか入れ込んでいただくことができればというふうに思うんですが、これも茂木大臣が担当だと思いますので、御答弁お願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 生産性革命を進めていくためには、AIであったりIoT、ロボットなどイノベーションの社会実装、これを進めることによってソサエティー五・〇を実現していくことが重要だと考えておりまして、何でソサエティー五・〇かと。最初が狩猟社会でありました。そして、次に農耕社会と。先生のお示しいただいた図でいいますと、狩猟社会やそしてまた農耕社会はレッドからアンバーにかけての社会ではないかなと。そして、三段目が工業化社会、そして四段目で高度情報化社会。そこになってきますと、オレンジから若干グリーンに上がってくると。 恐らくシリコンバレーであったりとかいろんなアメリカの今GAFAと言われている企業が日本の組織をある意味凌駕しているという部分は、かえって、日本的なピラミッド構造が弱かったために、もっとフラットな台形型の組織がつくれた、こういう部分はあると思うんですけれど、当然、これから人づくり革命そして生産性革命を進めていく上では、グリーンからティールにいろんな在り方を持っていくということが、同時に私は、例えば様々な政策で税制上のインセンティブを付けたり、またいろんな予算措置をするのと同時に重要なことではないかなと考えているわけでありまして、こういったソサエティー五・〇の時代、先生御指摘のように、組織内の人材で完結をして技術開発に取り組むと、こういうことではなくて、組織の垣根というのを越えて多様な人材をつなぐことでこれまでにない新しい価値観を生んでいくということが必要です。 そのためのキャリアアップのシステムであったりとかキャリアチェンジのシステムというのも必要でありますし、学び直し、リカレント、こういったものもそういった流れの中でできていくのではないかな。さらには、企業に属していても副業ができたり兼業ができる、働き方改革も進めなきゃならない。産業界とそしてまた教育界が連携をしながら、新しい、本当に現場に合った、そして実践的な教育のプログラムを作る、こういったことも含めてしっかり革命を進めてまいりたいと思っております。
○二之湯武史君 非常に前向きな答弁をありがとうございました。 イノベーション政策という点について私、一つ申し上げたいなというか、気にしていることがあります。それは、イノベーションを技術革新と捉える嫌いがやや強いんじゃないかなというふうに思っています。 例えば全要素生産性についてもです。技術革新などと、必ず技術革新ということが出てくるんですね。当然、技術革新が生産性を高める、これはもちろんございます。しかし、私も小さな企業の経営者ではあるんですけれども、やはり人の能力、人のセンス、感性、若しくはその組織、今申し上げた組織の在り方、これは非常に全要素生産性に貢献する要素です。 こういうものをしっかり可視化して、そして政策論に取り入れていくということが非常に私、重要なんじゃないかなとずっと思っていまして、なかなか、科学技術畑からイノベーションということを議論される政策文化がございますので、そういう点については今大臣、非常にすばらしいまた観点でお話しいただいたと思います。 組織の在り方とか人の働き方とか、そうしたものについて政策的に何かこれまでのブレークスルーを起こせるような、そういう議論を是非政府内でもお願いしたいと思いますし、私もできる限り努力をしてそうした政策論に貢献したいというふうに思っております。そうじゃないと、本当に優秀な日本人がもう日本の組織で働かないとか、今いろいろと議論されている中で優秀な外国人に日本に来てもらおうというような話もございますが、じゃ、本当にそうした外国の方が日本の企業で働く、それを受皿になるような組織が本当にあるんだろうかと、こういうことも考えていかないような時代じゃないかなというふうに思うので、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは、次のテーマに移りたいと思います。 こうした組織論の話を進めていきますと、やはり最終的には資本主義の在り方というところに私の興味が行くわけでございます。 ここ数年の世界各国における資本主義の流れを見てみますと、いわゆるそれまで中間層と言われていた方々が、自分たちは実は資本主義の恩恵に受けられていないんじゃないかというような疑義を、疑念を持つような、それによって民主主義の足下が揺らぎかねない、総理がおっしゃるような保護主義とかポピュリズムが台頭するようなやや兆し、萌芽が見られなくもないんじゃないかなと。そこには実は私は資本主義の在り方というものが非常に大きく関係しているのではないかというふうに考えております。 実は、総理とはTPP特別委員会のときに公益資本主義というような考え方も出させてもらいながら一度議論をさせていただいたことがあるんですけれども、今のこの過去数年の資本主義の世界的なトレンド、そしてこれからどう動いていくかということを踏まえて、今お考えがあれば是非お聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 伊勢志摩サミットのときに、G7ですから割とフランクにお互いが話し合うんですが、そこでグローバル化についての議論になったんです。言わば、TPPもそうなんですが、日EUのEPA等々も含めて、言わばグローバル化が進んでいく中において、自由貿易を進めていくことについては皆共通認識なんですが、その中で反グローバリズム的なポピュリズムが台頭する理由というのは何かと。それは、これは私の方から提言したんですが、それはやはり、これが進んでいくことによって、私には利益が来ないんじゃないか、この中で取り残されていくのではないか、ただ格差がどんどん広がっていくだけだと、この批判に我々が堪え得ないと。彼らも、みんなもこれ、なるべく利益が、富が均てんする社会をつくっていくことを多くの人たちに理解していただかなければ民主主義国家においてはこのグローバル経済を進めていくことはできないのではないかというお話をさせていただき、多くの方々もその認識を共にしてくれたんだろうと、こう思うわけでありまして、G7やAPECといった国際的な場において、持続的な成長の観点から包摂性の重要性が大きな議論となってきたわけであります。 その意味においては、先ほど申し上げましたように、古来から日本は包摂性を大切にしているということも御紹介をしたところでございますが、私からはその点と日本が進めている成長と分配の好循環についても説明し、これ各国からも高い関心が寄せられたところでありまして、成長して富を生み出し、それが国民に広く均てんされ、多くの人たちがその果実を享受することでそれが次の成長につながっていくということではないかと、こう思うわけでありまして、言わば私はいわゆる新自由主義という立場は取っていないわけでありまして、強欲を原動力とせず、言わば道義を重んじ、そして真の豊かさを知る資本主義を目指していきたいと、こう思っているところでありますから、日本においては成長と分配の好循環によって持続的な成長軌道をつくり上げていくと、これが我々が進めている経済政策の基本的な考え方であります。 この基本的な考え方を余り御紹介する機会がなくて、何か前者のように誤解をされる、そうではないということを述べるとまた別の誤解が発生するという中にあって、今日は大変いい議論をさせていただいたと、このように思っております。
○二之湯武史君 私も誤解していたときもあったんですけれども、今日でしっかりと誤解が解けた、やっぱりすばらしいお考えをお持ちだなというふうに思いました。 何言うか忘れてしまいましたけれども、やはり今みたいなことを進めていくためには、やはりマーケットをしっかり、そうしたトレンドにしっかりと向けていくと。マーケットはやっぱり非常に合理的ですからね。こうした感情とか情緒で動くようなものじゃない。そのとおりだと思います。 やはり、そうした環境に配慮しましょうとか社会問題に配慮しましょうというのは、どちらかというと倫理とか道徳という部分で語られてきた文化がずっとあったと思うんですけど、実はこれ中長期で見ると、いわゆるリターンという意味でも随分そちらの方が合理的なんじゃないかと。こういうことで、例えば国連のSDGsなんかの一つにも位置付けられていますし、ESG投資という分野もできていますし、日本では公益資本主義ということをおっしゃっている方々もおられると。 ESG投資については、正直、欧米の意識の高いところとは随分、最初日本とはギャップがあったと思いますけれども、GPIFがそのPRIに署名して、我が国でも非常に関心が高まってきたというところだと思います。 ここから大事なのは、やはりそうしたものをどのように指標化して投資家の皆さんに理解をいただくか。今、もう全ファンドにおけるESG投資の割合というのは、もう欧米では三割とか四割という段階に来ているそうです。ただ、我が国はまだそれは一桁だというふうに思います、まあいろいろな統計の取り方がありますけれども。そういう意味では、やはりそうした指標づくり、これはなかなか一つのようにびしっと決まるものではないとは思いますけれども、いわゆるダッシュボード型と言われる、自動車の前のようにですね、速度もあれば、回転数もあれば、例えばガソリンのメーターもあればと、この総合的な指標によってそれを見ていくというようなものになるのかなというふうに思いますが。 資料五で、これは私、民間の方と勉強会を重ねておりまして、このレゾナントというのは共感するという英語ですけれども、企業の共感価値というような、直訳すればそうですかね。もちろん、株主に対してしっかり配当すると、これ大事なことでありますが、研究開発費、これは国の成長の基でありますし、企業のもちろん成長のネタであります。人件費というものも、コストとして捉えるのか、それとも将来の成長のための投資として捉えるのか、これは哲学の部分で随分違うと思います。 また、企業である以上、税金を払って国に貢献すると、こういう指標も非常に大事でありますし、外部調達、つまり取引先、下請、こういう方々にどれだけ持続可能な形で、単価でですね、仕事をしてもらうか、長い付き合いをするか、こういうふうな総合的な指標によって、企業のあらゆる関係者、ステークホルダーに対してその貢献度を指標化していこうというものができてくるとマーケットもしっかりとそれに向けた対応ができてくるんじゃないかなと。 そして、コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コードで言われているような中長期の経営、そして中長期のリターン、持続可能な社会、こういうものを私は、総理もおっしゃるように、日本が是非ともイニシアチブを取って世界に発信していくぐらいの、やはりそういう立場、リーダーシップを取るべきではないのかなというふうに思っておりますが、麻生大臣、通告していないんですけれども、もしよろしければ一言いただいて、そして最後、総理に一言いただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) いきなり振られたのであれですけれども、世界で二百年以上続いた会社というのが七千八百幾つあるんだとこの間出ていましたけれども、そのうち三千九百八十が日本です。アメリカはもちろんゼロ。まあ二百年前は、いや、二百年前はあったか、二百五十年ぐらいしかありませんから、ないんだろうけど、まあそんなもんですわ。ドイツが一千幾つなんですよ。 日本で、じゃ、一番古い会社は、世界で一番古い会社は何かって。神戸にあるんですよ。土建屋、建設会社、金剛組といったな。俺、見に行ったよ、確かに、ちゃんと資料があるんだよ、資料が。千五百年前からちゃんと文書が残った会社、これが世界で一番古い会社。そういう会社が日本に実は三千九百もあるというわけですよ。そこ担っている、綿々と続いているのは、社是というのがちゃんとあって、それがきちんとしているところが僕にはすごく興味を持ちまして、いろいろ古い会社、例えば我々で誰でも知っているなんといったら、お菓子屋で虎屋なんというのがそうですわな。ほかにも幾つもあるんですけれども、そういった菓子屋やら何やら含めて、ある会社というものの価値観というのがきちっとして、ちゃんと時代に合わせてちゃんと順応していて、ちょっと人様の会社の企業秘密まで言っちゃいかぬね、まあ内容は随分変わっているんですけれども、きちんと価値観を有し、その価値観が世界に通用しているんだね、今でも。多分そうなんだと思うよ。 だから、そういった意味で、今言われたように、こういうふうに可視化するとか、そういった意識はその人たちは全くありませんから、ただ、きちっと持っているものは、人の会社聞いていくとみんな似ているの。そこのところが僕は面白いなと思っていますので、是非、俺の会社も百何十年たつものだから、それで、そのときに、どうしてうちみたいな会社がこれだけつながっているのかなと思ってすごい興味があったので、まあ百年のときちょうど社長になったこともあったものですから、それで、何でこんな会社がこれだけ続くのかいなと思って私は興味を持って、それからちょっと関心があったので調べたのと、今あなたの言っているのと、ちょっと似たことを言っておられるので、へえと思って感心して聞いていたんですけれども。 是非、こういったようなものが、日本発の価値観というものは意外と日本人が一番よく分かっていないので、やっぱり、「YOUは何しに日本へ?」とか、ああいう訳の分からぬ番組があってえらい受けているでしょうが。何とか、東京テレビですよ、全くお金掛けていないあんな番組に、ようもこんな、すごい見ている人が多いんですよ。今度は日本万歳応援団とかいろいろまた出てきましたね、ああいうのが。 それ見ていると、あの人たちは、何で日本に来るんですかという価値観がちょっと何か全然俺たちと違うところを見ているから面白いなと思って、私にはすごく、今の若い人たちのプロデュースが、あれが出てくるんですから、僕はああいったものがうまく、組織的にうまくやるかって、ちょっと我々の七十七ではなかなかそんな頭の統制、そんなクリエーティブにはできていませんから、是非そういったようなものというのを、是非、今、二之湯先生みたいな若い人たちがそういったもので見出そうとしているというのは、ちょっと面白い方向が出てきているんだなと思って感心して聞いていました。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど、義務教育あるいは高等教育について、大きく変化していく社会においてどういう教育が必要かということについてお話をしていただいた。その中で、また、言わば世界で成功している企業の組織がどうなっているかと、これは大きく変化していると、それに付いていかなければいけないという議論と、同時にこの日本が大切にしてきた価値、果たしてこれ古いのかということであります。これ、しかし、むしろ古くはなくて、それを残していきながら新しい時代に付いていくことが、新しい時代をつくっていくことが大切ではないかという、そういう議論だったのではないかと、こう思う次第でございますが。 言わば、短期的な利益を最大化するという意味においては、私はよく新自由主義者批判を浴びるんですが、そうではないわけでありまして、中長期的には、むしろ先ほど申し上げたようなそういう理念で資本主義を進めていくことは中長期的にはまさに大きな利益を生んでいく、それは企業経営においてもそうなんだろうと。こういうことでありまして、公益性を重視していくことによってむしろ結果として高い利益率を上げていくかもしれませんし、しっかりと普遍的な価値観を共有することによってグローバルな企業として発展していく余地もあるのではないかと。その中で、我々がかつて大切にしてきたことを頭の中に置きつつ、そういう社会においてもトップランナーを目指していきたいと、このように思っております。
○二之湯武史君 総理、財務大臣、本当にありがとうございました。 共通しておっしゃったのは、日本人はそれを可視化したり見える化してプレゼンテーションするのがいまいち今まで得手ではなかった。それを是非とも総理には、また閣僚の皆様にお願いして、質疑を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で二之湯武史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、宮本周司君の質疑を行います。宮本周司君。
○宮本周司君 自由民主党、宮本周司でございます。 この参議院予算委員会の貴重な質問の機会をいただきましたことに、参議院自民党の先輩議員、また同僚議員の皆様方に心から感謝を申し上げます。 質問に入ります前に、この今年に入ってからの冬、大変記録的な寒波が到来をしております。それによって豪雪等の被害を受けた、また、その影響によりまして尊い命も失われております。まずは心より哀悼の誠をささげ、そしてその被害を受けられた皆様方にも心からのお見舞いを申し上げたいと思います。 まず、総理にお伺いをいたします。 本日も、昨日から天気予報の方で春の嵐が吹き荒れる、また今爆弾低気圧が北上し、また北海道の方にも影響を及ぼすんじゃないかと心配されているところでございますが、まさに記録的な寒波が到来をいたしまして国民生活に非常に重大な支障を来していると思っております。 先月の初めには、五六豪雪以来三十七年ぶりの積雪を記録した福井県、また私の地元でもございます石川県、ここを結ぶ国道八号線で、雪の影響によりまして最大千五百台を超える車両の立ち往生が発生いたしました。この際には、陸上自衛隊が人命救助等に係る災害派遣を行うなど、まさに日常生活を取り戻すまでも非常に多くの時間を要しているというのが現状でございます。 鉄道また航空など公共交通も数日間にわたって運休、欠航をいたしましたし、高速道路はもちろん通行止め、また国道、一般道、これも要は除雪、排雪が間に合わないので道路の脇に壁ができる、二車線あったものが一・五車線、一車線になる、当然、通勤通学の時間帯には渋滞が起こる、いろいろな形で深刻な交通麻痺状態が続きました。また、その影響を受けまして、当然、物流が止まる、また観光の宿泊キャンセルであったり受注のキャンセル、いろいろな部分で経済にも甚大な損害が発生をしております。予算を大幅に超える莫大な除雪費、排雪費、このことが自治体の財政にも大きなダメージをもたらしました。 そんな中、先週末に総務省の方では、これらの事象を受けまして、特別交付税のいわゆる繰上げ交付、これを御決定いただきまして、今週月曜日、早速、一道十六府県百六十三の市町村に対しまして現金交付をしていただくなど、まさに政府を挙げて柔軟かつ迅速に特段の御対応をいただいている、このことには心より感謝を申し上げます。 ただ、そんな混乱の中でも、私、改めて感じたことが一つございました。地元石川県と申しましたが、この石川県を含む多くの北陸人が今回共有したのが、北陸新幹線、この強さでございます。公共交通がもう全般的に麻痺をする、ストップする、もうさもすれば陸の孤島となる、そんな状況の中で北陸新幹線だけはまさにそんな大雪の影響も全く受けることなく運転をし続けた、この北陸新幹線の強さこそ、まさに雪害等に悩むそういった雪国にとっても強い国土軸を設けなければいけない、この必要性を強く感じたところでございます。 当然、今後も豪雪等の被害、いろいろな気象の影響に襲われる、この不安はやむことはないと思っております。被害に苦しんでいる地方への引き続きの手厚い支援を政府を挙げてお願いいたしますとともに、北陸新幹線、これも今、敦賀の開業までは決まっておりますが、一日も早い関西までの延伸、ただ、それだけじゃなく、先ほども申しましたように、雪の影響を受ける地域への国土軸強化、この観点からも抜本的な対策の速やかな展開、これもお願いしたいと思っております。 まず、この件に関しまして安倍総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この度の大雪でお亡くなりになられた方々に対しまして哀悼の誠をささげたいと思います。そして、全ての被害に遭われた方々に対しましてお見舞いを申し上げたいと思います。 福井県を始め日本海側を中心とした歴史的なこの大雪に対して、政府は、自衛隊の災害派遣を始め関係省庁が連携して対応に当たってきているところであります。二月二十四日には小此木防災担当大臣を団長とする政府調査団を福井県に派遣をしまして、福井県知事を始め地元自治体の皆様と意見交換を行うなど、被害の実態や課題の把握に努めてきております。 政府としては、これまで特別交付税の繰上げ交付や市町村道の除雪費支援の検討に必要な調査の開始等の対応を取ってきているところでありますが、被災された皆さんが一日も早く元の生活に戻れるよう、引き続き地方自治体と緊密に連携をし、そして政府一体となって対応に万全を期してまいりたいと思います。 また、御指摘のように、先般の大雪の際にも北陸新幹線はほぼ平常どおり運行されており、新幹線が雪に強いインフラであることを改めて実感をいたしました。 こうした観点も踏まえ、整備新幹線については、北陸新幹線金沢―敦賀間を含め現在整備中の三区間の工事を着実に進めるとともに、昨年ルートが決定した敦賀―大阪間についても、駅、ルートに係る詳細調査等を着実に実施をし、そして財源の確保を行うことで整備計画路線の確実な整備にめどを立ててまいります。
○宮本周司君 ありがとうございます。まさに国土強靱化、強い日本、またその郷土をつくっていく上でも、今の総理の御発言、大変心強く感じたところでございます。 また、その関連で齋藤農林水産大臣にもお伺いをいたします。 この度の平年を上回る降雪また積雪の影響で、農業分野、これにおいても大変広範囲において甚大な被害が発生をしています。短期間で集中的に降雪があった。ですから、除雪する間もなく雪が積もった。このことから、私の地元石川県も元々、元々というと変ですが、雪国であります。ただ、近年は積雪がそんなに多くなかったということもありますが、一千棟を超えるビニールハウスが破損、倒壊をしております。当然、いまだその被害状況の把握が困難な地域もございますので、今後更に被害は拡大してくると想定をされます。 これから春を迎えます。当然、水稲の種まきであったり、施設園芸の本格的な作業が目前に迫ってきておりますので、当然そのビニールハウス、農業関連施設を早期に復旧するということも大切です。でも、場合によっては苗そのものにもダメージが及んでいる、その場合には確保するということにも非常に柔軟に措置をしなければいけないと思っています。 また、壊れたビニールハウス、これを撤去し再建する、ここにもやはり多大な費用負担も要するところでございますし、昨今、中小企業の世界でもそうですが、農業界においても高齢化、このことがやはり課題となっていると思いますが、高齢化した農業従事者の方々が自らその壊れたハウスを撤去する、組み立て、対処する、こういったことは非常に困難な状況にもあると思います。逆に、今回のこの豪雪による被害がきっかけとなりまして営農意欲が減退してしまう、ひいてはいわゆる耕作放棄地が拡大してしまう、こんなことも懸念されるんじゃないかなと私は思っています。 ですから、被災したその状況をしっかりと早期に把握してもらうことも含めまして、ビニールハウス等農業施設を速やかに復旧させる、このことが当然重要ではございますが、やはりこの影響を受けた、大雪の被害に遭った農業者の今後の経営再建も鑑みた早期の対応、特段の御支援、これも措置していただく必要があると思います。 是非大臣の御見解を含めてお聞かせをいただきます。
○国務大臣(齋藤健君) 二月四日からの大雪によりまして、北海道や北陸地方などを中心に、現時点におきまして二千八百棟を超える農業用ハウスに損壊等の被害が発生していると報告を受けております。ただ、調査中の自治体もありまして、いまだ全容を把握するには至っておりません。私も国会の質問ですとか記者会見で毎回お話しさせていただくんですが、その都度被害が増えているというのがまだ続いておりまして、全容を把握するには至っておりません。被災された農業者の皆様には心からお見舞いを申し上げたいと思います。 農業用ハウスなどの被害につきましては、まずは農業共済の迅速な損害評価と早期の共済金の支払ということと、それから日本政策金融公庫等の農林漁業セーフティネット資金の長期低利の融資によりまして資金繰りを御支援させていただくということ、それから農業融資については、二月の八日に、被災農業者に対する資金の円滑な融通について関係機関等に要請する通知を発出をいたしたところであります。 水稲の育苗の話もございました。育苗施設の被害によりまして地域の育苗施設のみでは苗の確保に支障を来すことが予想される場合には、近隣の共同育苗施設等からの供給を求めることができるように、この点につきましても協力体制を確保するよう通知を発出をさせていただいたところでございます。 今後も引き続き関係自治体とも連携をいたしまして、早急に今回の大雪による被害状況の把握に努めまして、その状況に応じまして、被災された農業者の皆さんが営農を諦めるようなことがないように必要な支援策を総合的に講じてまいりたいと思います。
○宮本周司君 是非大臣、よろしくお願いを申し上げます。 こういった豪雪の増加、地球温暖化を含む気候変動が影響しているという専門家の指摘もございます。近年、この地球温暖化が進行することによりまして、台風であったり集中豪雨、また極端な気象現象が頻繁に発生をしております。こういった気候変動の影響、これは全国各地で高温による例えばお米とか農作物のいわゆる品質の低下にもつながったりもしておりますし、昨今、熱中症患者の増加もあったりします。また、洪水、土砂災害、本当に様々な分野でその影響というものが現れてきているんじゃないかなと思っておりますし、まさにその意味におきましては、国民生活や地域経済、また社会経済に直結する大きな問題でもあり、迅速に対応を講ずるべきであると感じております。 そこで、中川環境大臣にお伺いをしたいと思います。こういった気候変動の影響による被害をやはり事前に回避をしていく、軽減をするためには、例えば高温に強い農作物を開発する、堤防など着実なインフラ整備を進める、いわゆる適応策、この適応策を充実強化していくということが喫緊の課題だと思っております。しかし、将来どこでどのような影響が出てくるか、これが分からないと、やはり各地域でも措置をしていく、適切な対策を講じるということは難しい。例えば、先ほどの雪に関してでも、どの地域でどの程度降雪が増加するのか少なくとも将来の傾向が明らかにならないと、例えば除雪の体制をどのレベルまで強化をするか、また雪に強い交通ネットワークをどう整備をすべきなのか、こういった判断も難しいと思います。 やはり、こういったものを解決するためには、科学的な知見も極めて重要になると思います。そして、今進歩しておりますが、気象データ、またリスクの予測や評価、ICT技術の活用、こういった関連する情報全般に及ぶいわゆる基盤であったりとか、その情報を収集また発信をするそういった拠点整備、こういった機能も設けていく必要もあると思っています。 その意味におきましては、今回、政府におきまして、その適応策を深化するための気候変動適応法案を提出をしていただいております。国民の安全や地域社会を守るため、減災や国土強靱化といった観点からも、気候変動に関するこの科学的知見を積み重ねる、そして適応策を充実強化させていくべきだと考えます。環境大臣のお考えと、そして今国会に提出したこの法案に対する意気込み、是非お聞かせください。
○国務大臣(中川雅治君) この冬の冷え込み、それから豪雪の背景には地球温暖化の影響があるとの研究者の指摘も出ております。また、本州や北海道の内陸部では極端な降雪の頻度が増大するという研究成果もございます。 環境省におきましては、将来の豪雪も含む気候変動の影響に関する科学的知見を一層充実させ、気候変動による被害の回避、軽減を図る適応策を推進するため、先般、二月二十日でございますが、気候変動適応法案を国会に提出させていただいたところでございます。 地球温暖化が進行することで極端な気象現象が生じる可能性が高まります。このため、環境省が国立環境研究所などの科学的知見を活用しながら、自然災害や農業など各分野における気候変動影響の評価を行いまして、その情報を広く提供することといたします。その上で、地域の実情に応じた自治体の計画策定を支援するなど、気候変動適応策の充実強化に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○宮本周司君 ありがとうございます。是非、様々な不具合を事前に回避をする、軽減をする、このために、この法案を一日も早く成立をさせ、その環境を整えていただきたいと思います。 では、続いて、この温暖化という部分に関しまして安倍総理の方にお伺いをしたいと思います。先ほど丸川議員の方からも脱炭素化の実現に対する御質問がありましたので、一部重複するかもしれませんが、この気候変動のやはり要因でありますCO2など温室効果ガス、これの排出削減への長期戦略に関してお伺いをいたします。 先週報道されましたが、来年、二〇一九年、大阪におきまして、我が国が初めて議長国となるG20の首脳会談が開催をされます。大変このことそのものも意義のあることだと思いますが、このG20の場におきましても、気候変動問題、これはやはり主要な議論の一つになるんじゃないか、このように私は推察をしております。 総理は、過日の施政方針演説におきましてこの気候変動問題に触れ、パリ協定における二〇五〇年の目標に向けた戦略策定に取り組み、日本の強みである環境技術で世界の経済成長と気候変動対策の両立に貢献する、こう述べていらっしゃいます。二〇五〇年、我が国の方では、温室効果ガス八〇%削減、これを目指して今取組を始めたところでございますし、我が国といたしましては、二〇二〇年までに具体の長期戦略を示す、策定する、こういうことになっております。 パリ協定の下、今、脱炭素化社会の実現に向けた世界的な潮流というものは加速化していると思います。そして、先ほど総理も丸川議員の質問に対する御答弁の中で、やはり我が国は優れた環境またエネルギー技術を有しておりますので、まさにこの分野に関しましては世界をリードできる、そういう存在であると私も考えております。 長期戦略の策定に向けまして、政府全体で、今恐らく環境省であったりエネ庁であったり、トラックを分けて議論は進んでいると思いますが、やはり政府全体での検討の場というものを速やかに立ち上げる、そしてこの検討作業を加速化させていく、そして我が国がやはり議長国となる、議長国を務めるこのG20サミットの開催に先立って世界を先導できるような内容でこれを取りまとめていただきたい、そして我が国としての姿勢また決意を国内外に強く示していく、このことが重要ではないかと考えております。 改めまして、総理の方に、この初めて議長国を務めるG20大阪開催、日本開催に向けた意気込み、そしてこの長期戦略を策定した上で日本がこの世界の中でどのようにリーダーシップを発揮していくべきか、また発揮されようとしているのか、このことに関しまして総理のお考えをお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 来年大阪で開催するG20サミットには、G7諸国を含む二十か国の首脳、さらに多くの国際機関や招待国の首脳も参加をしまして、日本が主催するサミットとしては史上最大のサミットとなります。G20のGDPの合計は世界の八割以上を占めるわけでありまして、世界の経済成長と繁栄のために大きな役割を果たします。このサミットで日本は議長国として力強いリーダーシップを発揮していきたいと思っています。 気候変動問題については、一昨年、我が国が議長を務めた伊勢志摩サミットにおいても、世界経済の脱炭素化に向けて取組を加速していく決意をG7の首脳宣言に明記をいたしました。我が国には水素エネルギーや蓄電関連の技術など、国際的に高い競争力を持つ環境技術がたくさんあります。こうした強みを存分に生かし、温室効果ガスの国内での大幅な排出削減を目指すのみならず、世界全体の排出削減に最大限貢献をし、そして世界の経済成長と気候変動対策の両立をリードしていく考えであります。 このため、長期戦略について、二〇二〇年の期限に十分先立って策定をします。政府一体となってその検討作業を加速化していく考えです。来年のG20議長国として、世界の脱炭素化を牽引していくとの決意の下に、骨太な戦略をしっかりとつくり上げてまいりたいと思います。
○宮本周司君 では、時間も迫りましたので、残余の質問は明日させていただければと思います。(拍手)
○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。 次回は明二日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時散会