予算委員会 第2号
- 発言数
- 402 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2018/01/31
会議録
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十九年度補正予算二案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十九年度補正予算二案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成二十九年度補正予算二案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日及び明日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は二百三十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・こころ七十七分、民進党・新緑風会六十三分、公明党三十分、日本共産党二十四分、日本維新の会十六分、希望の会(自由・社民)八分、立憲民主党八分、無所属クラブ八分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 平成二十九年度一般会計補正予算(第1号)、平成二十九年度特別会計補正予算(特第1号)、以上二案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。小川敏夫君。
○小川敏夫君 民進党・新緑風会の小川敏夫でございます。 まず、安倍総理にお尋ねいたしますが、アベノミクス、五年たちました。(資料提示)実質賃金、そのアベノミクスが始まってから大体五ポイントぐらい下がっています。足下で微増していますが、下がっている状態には変わりない。あるいは、家計調査の消費支出も落ち込んでいる。生活の豊かさを示すエンゲル係数は顕著に上がっているという状況でありまして、こうした統計から明らかに言えることは、アベノミクスによって国民生活は苦しくなったというふうになっておりますが、この点について、まず総理の所感をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) アベノミクスにより、政権交代後、極めて短い期間でデフレではないという状況をつくり出す中、国民生活にとって最も大切な雇用は大きく改善しており、全国津々浦々で確実に経済の好循環が生まれています。 実質賃金については、二〇一六年に前年比プラスとなった後、二〇一七年に入ってからおおむね横ばいで推移をしております。 また、名目賃金で見れば、賃上げは中小企業を含め今世紀に入って最も高い水準の賃上げが四年連続で実現し、多くの企業で四年連続のベースアップを実施しています。パートで働く方々の時給は統計開始以来最高の水準となっており、最近では二%以上の増加となっています。正規の方、非正規の方、それぞれで所得環境に改善が見られ、二〇一四年春以降増加傾向にあるわけでありまして、名目賃金で見ますと、推移で見ますと、我々、政権交代前の民主党政権時代ではマイナスであったものが、安倍政権下ではプラスとなっております。 さらに、雇用者数の増加を加味した国民みんなの稼ぎである総雇用者所得を見ると、名目で見ても実質で見ても、二〇一五年七月以降、前年比プラスが続いています。 税や社会保障負担等を差し引いた家計の可処分所得も、名目でございますが、雇用・所得環境の改善等を背景に三年連続で増加をしています。 そして、そこでお示しの世帯当たりの消費を捉える家計消費は、世帯人員の減少などから長期的に減少傾向となっています。国全体、一国全体の消費を捉えるGDPベースでは二〇一五年度、二〇一六年度と二年連続で増加となっております。 また、このエンゲル係数についてでありますが、二人以上の世帯のエンゲル係数は二〇〇五年を底に上昇傾向にありますが、これは物価変動のほか、食生活や生活スタイルの変化が含まれているものと思います。 いずれにせよ、アベノミクスを通じて経済の好循環を加速させていきたいと思っておりますし、やはり一番大切なことは、ちゃんと働く場があってみんなが仕事に就けるという状況ではないかと思うわけでありますが、昨日発表されました有効求人倍率を見ますと一・五九でございまして、これ四十三年と十一か月ぶりの高い水準となっておりますし、正規の雇用については一・〇七となっておりまして、これは統計開始以来最高の数値となっていると承知をしております。
○小川敏夫君 安倍総理ね、いつもの決まり文句の話で、結局、良くなった良くなったと言うんだけれども、しかし、国が行った統計調査ではっきり生活は悪くなっているということが出ているんですよ。 例えば、生活実感を一番表すエンゲル係数。総務大臣、このエンゲル係数、あるいはこのエンゲル係数を調査している意義について御説明いただけませんでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。 エンゲル係数は、消費支出に占める食料費の割合、国民の消費生活の現状を示す一つの指標となっています。世帯における消費や収入など家計収支の実態を毎月明らかにするために、総務省では家計調査を毎月実施しているところです。この家計調査において、一世帯当たり食料の金額を消費支出の金額で割ることによりエンゲル係数を把握しています。 総理も今お答えになりましたけれども、エンゲル係数につきましては、御指摘のように豊かさということもありますけれども、経年変化の中には、物価変動だけではなくて、例えば共働き世帯が増えると、調理食品、いわゆる価格の高いものを購入したりとか、また高齢世帯が増えますと、おのずと食料費以外の支出が減少するということでエンゲル係数は上昇すると、様々考えられています。 平成二十八年のエンゲル係数が上昇した背景というのは、生鮮食品の価格高騰などの物価上昇がありましたし、また今申し上げたような調理食品や飲料、乳卵類などの食料への支出志向が高まっているということが考えられています。 ちなみに、二十九年のエンゲル係数は、最新の暫定値では二五・七%と、前年に比べ〇・一ポイント下がっているところです。 以上です。
○小川敏夫君 何かいろいろエンゲル係数が上がっていることの弁解ばかり聞いたような感じがしますが。 このエンゲル係数というのは特別な数値ではなくて、言わば生活の豊かさを示す、世界で使っている共通の指標だと思うんですが、食生活の変化、生活様式の変化といっても、それはもう何もここ安倍政権になってから変わったんじゃなくて、ずっと長い間の変化があるわけでありますが、エンゲル係数はアベノミクスが始まってから上がっている。やはりこれ国民が、政府が生活豊かになった、景気良くなったよと言いながら、国民が豊かになった実感を持たないという声を聞きますが、まさにその声が裏付けられているじゃないですか、国の調査によってですね。生活は、国民の生活は苦しくなっているんです。 安倍総理は、もう聞くたびに都合のいい数字をあっちから引っ張りこっちから引っ張り、あるいは実質と名目を、いろいろ都合のいい数字を常々引っ張りますけれども、でも、安倍総理、もう厳然たる事実ですよ。国が行った調査でエンゲル係数が上がっている、国民の生活は苦しくなっている。これがアベノミクスのこの実質じゃないですか。 もう一度お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 厳然たる事実は、先ほど申し上げましたように、これ小川先生とはもうずっと安倍政権が誕生して以来、いつもこの議論をさせていただいております。 小川先生が出しておられる数値もそれはもちろんファクトでございますが、しかし厳然たる事実の一つは、やはり働く場所があるということだろうと思います。それもやはり、有効求人倍率というのは一人の求職者に対して何人分の職があるかということでありまして、まさに働きたい人に一人分の仕事があるということこそ私は真っ当な社会だと思っております。 特に正規の有効求人倍率が一を超えたというのは史上初めてのことでありますし、四十七全ての都道府県において一倍を超えた、これは高度経済成長期にも、あるいはバブル期にもなかったことでありまして、それはやはりこの景気回復の波が全国津々浦々に及んでいるということであります。 しかし同時に、今、小川委員が挙げられた数値も事実でございますから、そうした分析について先ほど私の方からお話をさせていただいたところでございまして、景気回復期にはパートで働く方々が新たに仕事に、パートとしてスタートするわけでございます。その関係から、実質賃金、また消費税も上げましたし、安倍政権になってデフレが止まって物価が上昇し始めたということで、それが名目賃金に影響しているわけでございますが、大切なことは、みんなの稼ぎである総雇用者所得は確実に上がっているということではないかと、このように思います。
○小川敏夫君 幾ら総理がそういうふうにおっしゃっても……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○小川敏夫君 実質的にもう国の調査で国民生活、苦しくなっているというのが出ているわけですから、総理がいろいろ言われても、国民が生活良くなっていないという実感の方が合っているということが私は裏付けられていると思います。 総理、今パートのことをお話ししました。かつて総理はこういうことを言われたことがございました。ああ何となくアベノミクスで生活が余裕が出てきたので、それで、夫ではなくて、生活の余裕ができたから妻が、奥さんが働きに出ようかということでパートが増えたんだと、こんなふうにおっしゃったことがございました。 しかしですね、じゃ、そういうお考えは今でもお持ちですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が申し上げたのは、景気が良くなったので、言わば求人が増えたことによって仕事の場ができたということでございまして、我々、政権交代前は有効求人倍率一倍もないんですよ。〇・八六かな、その辺だったと思います。つまり、一人の求職者に対して一人分の仕事がないんですから、仕事をしようと思ったってそう簡単にできなかった。しかし、安倍政権になったから、仕事ができるようになったからパートに行くということでありまして、生活が楽になったからパートに行くというようなことを言ったことはないわけでありまして、経済が言わばそういう経済になったから仕事を求めたと、こういうことであろうと。 しかし、このパートの皆さんの時給もこれ過去最高になっているということも申し添えておきたいと思います。
○小川敏夫君 だから、部分的にちょろっと、時給が上がっておりますよというふうにおっしゃるけど、でも、ちゃんと実質賃金、この五年間で下がっているんですよ。足下でやや微増したり横になっているというだけで、客観数字は、勤労者の実質賃金は下がっているわけですから。 ただ、今日議事録持ってきていませんけど、生活が豊かになったから奥さんが働きに出るということはおっしゃられたように思うんですけどね。それで随分話題になって批判を受けたように思うんですが。 ただ、一言だけ。生活が豊かになったから奥さんが働きに出るんではなくて、生活が苦しくなったからパートに出るというのが実態だというふうに思います。これについては答弁は要りません。 ところで、昨年、消費者物価が〇・五%上がりました。ですから、年金も同じように上げないと年金生活者は生活が苦しくなるんですが、年金は据置きだそうでございます。どうしてこれ、物価が上がったのに上げないんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 年金制度、御承知のように現役世代の負担によって支えられているわけでございまして、支え手である現役世代の負担能力に応じた給付にしていくということで、世代間の公平性の確保に留意をしているわけでありまして、今の御指摘の点、まさにこれは法律に基づいてこの対応しております。 平成三十年の年金額は、年金額改定に用いる物価の指数、これは御指摘の〇・五%であります。他方、賃金の指数、これ、平成二十七年から、二十六、二十七、あっ、失礼、二十七、二十八、二十九の実質賃金、それから、あっ、失礼しました、二十六、二十七、二十八の実質賃金、これ標準報酬で算定をしておりますが、それに二十九年の物価上昇率、それから可処分所得割合の変化率、これ年金保険料が上がったりしているものが反映されておりますが、それらを総合的に勘案した賃金の指数はマイナス〇・四%となっておりますことから、法律に基づいて据置きということになったところでございます。 また、マクロ経済スライドによる給付水準の調整、これを行われずに来年度に持ち越しになっておりますけれども、この持ち越しされる分でありますが、マクロ経済スライドは、平均余命の延びに伴う分が三角〇・三、プラス保険者数が、六十歳以上で保険に入っている人が少なくなってくるということで〇・六、トータルで〇・九というのを大体見込みをしていたわけでありますが、今、六十歳以上で働く方が増えた結果として、その三角〇・六分はなくなって〇・三%分だけのキャリーオーバーになっているということでございまして、引き続きこうした現役世代の負担能力の状況も踏まえてこうした対応を取っているということでございます。
○小川敏夫君 法律に基づいて物価が上がっても年金は上げないと言うけど、そういうふうに物価が上がっても年金が上がらないような法律にしてしまったのが自民党じゃないですか、強行採決で。 それで、今、物価が上がったけど、しかし、実質賃金の改定率、これが下がっているからだということでございました。すなわち、年金の算定のこの数値から明らかなように、アベノミクスによって賃金下がっているんじゃないですか。賃金が下がっているから、物価が上がっても年金は上げないでそのまま維持だという、こういうことなんですから、結局、アベノミクスは賃金を下げている、そしてその影響で年金生活者も苦しめているという実態がよく数字に表れているとも思います。 この年金を上げないことを現役世代の負担負担と言いますけれども、しかし、ここで年金を上げておかないと、年金が下がる、現役世代が年金を受給するときにはその下がった年金しかもらえないんですよ。ですから、一方的に現役世代のためだということにはならないんで、現役世代、今下げることは将来もらう年金も下がるわけですから、現役世代の年金も下がるということを指摘させていただきます。 次に、生活保護。これ、消費者物価が〇・五%上がっている。まさにエンゲル係数で示されたように生活が苦しくなっている。こうしたときに、生活保護の支給基準を下げて生活保護費を下げるわけです。苦しんでいる人をもっと苦しめる、これがアベノミクスなんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 生活保護においては、保障すべき最低生活の水準、これは一般国民生活における消費水準との比較における相対的なものとして設定をしておりまして、一般低所得世帯の消費水準との均衡が適切に図られているか、これを見極めるため、社会保障審議会生活保護基準部会において専門的かつ科学的見地から定期的に検証を行っております。 今回の検証では、全国消費実態調査の平成二十六年度のデータを用いて、収入階級の下位一〇%の一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準を比較をしたわけであります。その結果、モデル世帯、夫婦子一人世帯については今の両者はおおむね均衡しているということで、今回の見直しでは生活扶助基準全体を引き下げるものではございません。 ただ、その上で、前回の平成二十四年検証と同様、年齢、世帯人員、地域を組み合わせた世帯特性ごとに一般低所得者世帯の消費の実態と生活保護基準額との乖離をこれ是正をするということで見直しを行い、基準額が結果的に上がる世帯と下がる世帯がございます。 ただ、この生活保護基準部会からは、世帯の状況に配慮し、検証結果を機械的に当てはめることのないようにという御指摘もございましたので、影響を緩和する観点から、見直しに伴って生じる減額幅を最大マイナス五%以内、またその実施も平成三十年度十月から三回に分けて段階的に実施をすると、こういう対応を考えているところでございます。
○小川敏夫君 いろいろ言われているけど、要するに、生活保護費総体として四年間で百六十億円減額するわけです。 何かいろいろな基準で下げたとおっしゃいますけど、五年前にもこの生活保護費、改定しました。そのときには、物価が下がったからということで生活保護費を引き下げたんじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) そのときは二つの議論があったと思います。今回と同じように、年齢、世帯、それから地域、これに伴う是正。それから、本来、均衡を図ることをせずに、その代わりに物価を用いたということですが、今回はその消費水準の均衡をきちんと見て対応しておる、そこは違いがあると思います。
○小川敏夫君 いろいろおっしゃったって、前回は物価が下がった、それを基準に生活保護を下げたわけですね。今度は物価が上がっている。そのときには物価を基準にしないで、そんな訳の分からない基準を使って生活保護費下げる。御都合主義じゃないですか。結局、物価が上がっている。だったら、これ生活保護費を下げたら、今でも苦しい人がますます苦しくなる。まさに、国民生活を苦しくしている、そういう結果を招いている、そして苦しい人にこそ更に苦しくしている、これがアベノミクスの実態だということを申し上げさせていただいて、次の質問に移ります。 日銀総裁、今日はお越しいただきまして、ありがとうございます。 毎回、私、お尋ねしているんですが、いつもお尋ねするたびに年二%の物価目標を達成されておりませんで、すぐできる、できるというお話でありました。しかし、また今回聞いても達成できておりません。どうして物価二%目標を達成できていないんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 消費者物価の前年比がこれまで二%に達していない背景としては、原油価格の下落などによって実際の物価上昇率が下落し、元々実際の物価上昇率に引きずられやすい人々の予想物価上昇率も下押しされたということが主な要因であるというふうに考えております。 また、こうした点に加えまして、人々の間に根付いてしまったデフレマインドというものの転換に時間が掛かっておりまして、企業の賃金、価格設定スタンスがなお慎重なものにとどまっているということも、現実の労働需給の引き締まりあるいは高水準の企業収益に比べまして物価の上昇ペースが鈍い理由であるというふうに考えております。 なお、先行きにつきましては、マクロ的な需給ギャップが更に改善していくと見込まれる中で企業の賃金、価格設定スタンスは次第に積極化していくと見ておりまして、実際に価格引上げの動きが広がるにつれて、先ほど申し上げたようなメカニズムで中長期的な予想物価上昇率も着実に上昇すると考えられます。 こうしたことから、日本銀行では、消費者物価の前年比は先行きプラス幅の拡大基調を続けていくと考えておりまして、物価上昇率が二%程度に達する時期は二〇一九年度頃になる可能性が高いというふうに見ております。
○小川敏夫君 前回、私が、質問では平成二十七年十一月だったんですが、その前は、原油が百ドルを超える、一バレル、それが三十ドルまで下がるという暴落というか大変な下落をしている時期でした。でも、今は逆に、今年を、今を基準にして対照するときは、原油が三十ドルから五十ドル、六十ドルと、言わば上昇基調になっているんですよ。 でも、二十七年の秋、日銀総裁は、原油価格の下落の影響が剥落すれば上がるだろうとおっしゃっていたけど、剥落した、むしろ追い風になっているのに実現できていない。一体何が原因で二%にならないんですか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおり、原油価格が大きく下落した際に実際の物価上昇率がどんどん下がっていきまして、それが中長期的な物価予想、予想物価上昇率自体も引き下げていったと。それが利いて実際の物価上昇率がなかなか上がってこなかったわけですが、現時点でいいますと、生鮮食品を除くところで見てプラス〇・六%ぐらいでございます。一年前はたしかマイナスだったと思いますので、原油価格の半値ぐらい戻っているわけですけれども、それが消費者物価の上昇率を上げることに今若干利いていることは事実ですが、やはり一番基本的なことは、需給ギャップが改善して、それが人手不足の下で賃金が上がるあるいは物価が上がるという形で今後物価が上がっていくということが一番大きな基礎でありまして、それに加えて、何度も申し上げますけれども、中長期的な予想物価上昇率というものも、日本の場合は実際の物価上昇率に引きずられて動くという傾向があるわけですね。 御承知のように、アメリカの場合は、二%のところに非常によく中長期的な予想物価上昇率がアンカーされていますので、実際の物価上昇率が下がっても予想物価上昇率は下がらないんですね。ところが、日本の場合は、デフレマインドが続いていて、実際の物価上昇率が下がると予想物価上昇率も下がってしまうと。したがって、戻るときも非常に鈍く、なかなかスムーズに戻ってこないということがあるわけです。これは経済学者等も指摘しているところではありまして、そういう意味で、現在、石油価格が百十ドルぐらいから三十ドルぐらいまで下がって、それが今六十ドルぐらいまでなっております。 そういう意味では、それが先ほど申し上げた〇・九%の消費者物価上昇率の上昇の中に一定のプラスの貢献をしていることは事実なんです。ただ、今後、先行きを考えた場合、やはり一番重要なのは、需給ギャップが更に縮小していくということ、そして実際の物価上昇率が上昇するにつれて中長期的な予想物価上昇率も上昇していくということ、この二つの要因から物価上昇率は次第に二%に向けて上昇していくというのが現在の私どもの見通しでございます。
○小川敏夫君 財務大臣にお尋ねしますけれども、これまで財務大臣、何回か、資産買入れの金融緩和をやったって、日銀に当座預金が積み上がるだけだから大して効果がないんだという答弁をしておりますが、その見解についてまた御説明いただけますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、小川先生からお話がありましたように、いわゆる日銀の当座預金、マネーサプライですけれども、済みません、マネタリーベースですけれども、この日銀の当座預金の伸びに比べて、いわゆるマネーサプライと言われるマネーストックの方が増加のベースが緩やかというのは事実だというのはもうこの前から申し上げているとおりなので、二〇一二年に比べますと、あのとき四十三兆円だった日銀当座預金が今三百六十兆円超えておりますので、七三〇%ぐらい行っているんだと思いますが、それに比べていわゆるマネーサプライ、マネーストックの方は八百二十七兆円が九百九十兆円ぐらいですから、こちらの方は二〇%以下ということになろうと思います。 したがいまして、いわゆるこういったような事実に基づいていきますと、法人向けの貸出しはどうかというと、これは、二〇一二年の夏頃までこれはずっと毎年〇・何%減少傾向だったんですけれども、安倍内閣の発足以後、これ日銀による量的・質的金融緩和というのの効果もありまして、二%から四%ぐらいのプラス基調へと明確に反転したということも事実なんだと思っております。したがって、大胆な金融緩和によって調達金利というものも間違いなく下がって、一・四ぐらいあったものが〇・九ぐらいまで下がっておると思いますので、そういった意味ではしっかりと低下をしております。 また、金融機関の貸出態度というものも緩やかになっているということなどもありますので、資金の調達環境の改善という形で影響を与えているのは事実だと思いますけれども、いずれにしても、この種の話は、日銀の二%の物価上昇というもののいわゆる目標に向けて、これは、大胆な金融緩和を着実に実施された結果としてこういったことが起きてきているように私どもには見えます。
○小川敏夫君 財務大臣、アベノミクスが始まっていわゆるこの日銀の買入れによる国債が増えた。一方で当座預金も増えた。この増え幅はほとんど五年間同じじゃないですか。五年間ほとんど同じじゃないですか。国債の保有金額が増えた分だけ、ほとんど同じ金額だけ当座預金も増えている、これが事実じゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど申し上げましたように、日銀の当座預金が増えている分だけいわゆる貸出し、企業についても個人についても貸出しの方が絶対量が増えていないと、先ほど申し上げたパーセントでいけば。したがいまして、こちらが増えている割にはこっちが増えていないではないかというのは事実だと思います。
○小川敏夫君 ですから、それは、このアベノミクスの資産買入れの金融緩和は実体経済に反映していないということだと思いますが。 それで、時間がないから。 しかし、実体経済反映していない、すなわち銀行は貸出先がないから、だから当座預金に積んでしまうと。しかし、今度はマイナス金利で、当座預金に預けると銀行に不利益になるということで無理な貸出しを始めていると私は思います。 その一例が、生産分野ではなくて不動産分野に貸出しが増えている、これが実態だと思いますが、金融大臣として麻生大臣、銀行の貸出先で不動産に対する貸出しがここ一、二年相当に増えているんじゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今おっしゃられたように、小川先生も御存じのように、これは間違いなく、企業活動というものに目を向けますと、これ、設備投資自体というものは、安倍内閣の発足の当時は三十四兆円ぐらいだったものが、少なくともこれは四十二兆円という形で間違いなく二四%増加をしておりますので、あれはリーマン・ショック前に並ぶほどの高水準になってきていることも確かだという面もあろうかと思いますが、今言われたように不動産の貸出しというものを見ますと、全体で見ますと対前年比で三%の増加で推移してきた中で、不動産向け、銀行の貸出し一般が三%ぐらいで、そして不動産の、その中でいけば六%ぐらいになってきているかなと思いますけれども、ただ、六%に上がってきておりますのは不動産の貸出しのみがではなくて、電気とかガスとかには一〇%ぐらい行っていますし、そういった意味では、医療とか福祉なんかに四%ぐらい行っていますので、そういった意味では不動産の動向というのについては我々もちょっと注意して、バブルということを一回我々は経験しておりますので、そういったことのないように注意せないかぬということは思っておりますけど、ただ、今の状況で、御指摘のように数字としては三に対して六だとかいうこともありますけれども、ほかの部分も結構ありますので、不動産だけがというわけではないと思っております。
○小川敏夫君 ただ、生産分野とかそうした実体経済、日本の活力につながるもの、分野に比較して不動産に対する貸出しが増えているというのは事実だと思います。その結果、ここ数年不動産価格が上がっております。これは結局、勤労者、生活する人間のマイホームを、夢を遠ざけているんですよ。すなわち、不動産を持っている、あるいは株を持っている資産家はアベノミクスによって大変な恩恵を受けているけれども、しかし、資産を持たない、ましてマイホームを持たない、マイホームが夢の勤労者はマイホームが遠のいてしまっている。こうして国民の生活を苦しめている結果を招いているのがアベノミクスだということを指摘させていただきます。 日銀総裁、もう五年間たって二%の目標を達成できておりません。まあ法務大臣に、答弁要りませんけど、司法試験だって五年間受験して駄目だったら受験資格なくなっちゃうんですよ。日銀総裁は、どうですか、もう五年間たって結論出せない、幾ら高邁な理由をお話しされても、これは司法試験に見習ってもう資格喪失で、もうやめてしまうと、この政策がもう無理だということをお認めになって、この政策変換した方がよろしいんじゃないでしょうか。 いつ、この出口戦略についてお話しください。
○参考人(黒田東彦君) ただいま御指摘の二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するという目標に向けて金融緩和を行ってきたわけであります。その際に、先ほど来申し上げたような原油価格の大幅な下落であるとか、様々な状況に応じて金融緩和を更に拡大してきたということであります。そうした下で経済は極めて順調に成長をしておりまして、GDPギャップもマイナスからプラスになり、失業率も三%を割るという完全雇用に近い状況になってきております。 ただ、その下で、先ほど来申し上げているように、賃金、物価が必ずしも企業収益や労働需給の引き締まりに比べて上がり方が鈍いということは事実であります。ただ、これは実はある意味で世界的な状況でありまして、リーマン・ショック後、実は米国や欧州の中央銀行も日銀と同様な量的・質的金融緩和を行ってきたわけですが、その下でも、彼らのところでも実はまだ二%の物価安定目標に達しておりません。 ただ、物価上昇率自体は欧米の場合は一%台半ばに達しておりまして、その大きな理由の一つとして、先ほど来申し上げたように、二%の物価安定目標というものに予想物価上昇率がかなりアンカーされていると、日本の場合はそれがアンカーされていない、それは十五年続いたデフレの結果でもあるわけですけれども、そういった違いがあることは事実ですが、欧米の場合もまだ二%の目標に達していないと。ということは、彼らの物価見通し自体もこの六年、七年ずっと先送りになってきています。つまり、二、三年で二%に達するという見通しをずっと出していたんですけれども、それがずっと先送りになってきているということも事実なんです。 ですから、二%の物価安定目標が達成されていないということは、即、今後とも粘り強く現在の金融緩和を続けて、二%の物価安定目標をできるだけ早く達成するということが日本銀行としての使命であるというふうに考えております。
○小川敏夫君 日銀総裁の一言が市場に影響を与えるから言葉が慎重なのは分かりますけれども、ただ、明確な戦略なり出口の方向性が説明いただけないのは大変残念でございます。 次の質問に行きますので、日銀総裁はお帰りいただいて結構でございます。 安倍総理、人が大事、科学技術が大事ということは常日頃おっしゃられておりますが、しかし、実際に安倍総理が組んでいる予算を見ますと、文教科学の振興予算、平成二十四年五兆四千億円余り、来年度は五兆三千億円余りで、微減しているんですよね。 しかし、一方で公共投資、防衛関係の予算は増えています。公共投資、防衛関係の予算は、平成二十四年に比べて平成三十年度はどのくらい増えていますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、私どもの方として、公共工事関係でいきますと、社会資本整備事業特別会計の廃止等々の影響を除けばほぼ横ばいで推移しておるんだと思いますが、その中で私どもとしては、生産性の向上とかインフラ整備とか防災・減災対策などに重点化させていただいております。 防衛費のお話がありましたけど、これは政権交代前まで削減が続いていたのは御存じのとおりですけれども、我々の今周りは御存じのとおりなので、厳しさを増します安全保障環境等々を踏まえて、中期防衛力整備計画に基づいて着実に増加を図っていると考えております。
○小川敏夫君 公共事業は平成二十四年四兆五千億円余りから来年度五兆九千億円と、相当に増えております。文教科学振興、人づくり、科学技術立国という言葉は安倍総理言っているけれども、しかし予算面では全く裏付けられていないということを指摘させていただきます。 では、質問を変えさせていただきます。 森友学園問題についてお尋ねさせていただきますけれども、まず、安倍総理と森友学園の経営者の籠池さん、そこら辺の関わりについてお尋ねさせていただきますけれども、安倍総理は森友学園が経営するツカグチ幼稚園に講演に行く約束をしていたということでございますが、約束していた日はいつですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まあ急に言われても、そもそもはっきり約束したという記憶自体もそれほどないわけでありまして、事実、私は講演に行っていないわけでございまして、いつ約束したかということについてはお答えすることができません。
○委員長(金子原二郎君) アベ敏夫君。(発言する者あり)あっ、小川敏夫君。失礼しました。
○小川敏夫君 まあ間違いはよくあるので、私も塚本幼稚園のことをツカグチ幼稚園と申し上げましたが、塚本幼稚園でございます。 約束した講演に行かなかったその欠席理由が、安倍総理がまだ野党時代、自民党の総裁選挙に出るために全国回るので行かれなくなったということで講演に行かれなくなったということではないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにせよ、そういう理由だったかもしれませんが、講演には行っておりません。また、籠池氏とは一度もお目にかかったことはございません。
○小川敏夫君 ですから、講演に行くと約束されたのは平成二十四年の九月だということになるんですが、そうではないですか。これはもう前に認めていらっしゃると思ったんですがね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 前、認めたかもしれませんが、今急に聞かれても覚えておりませんので、正確なお答えはできませんということでございます。
○小川敏夫君 それから、安倍総理は奥様を通じて、この森友学園が予定している小学校について安倍晋三小学校あるいは安倍晋三記念小学校という校名にしたいという申出をいただいたということ、これについては安倍総理、認めておられますけれども、いつ頃そういう申出を最初に聞いたんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 通告ございませんので、いつ頃と言われても覚えておりませんが、直ちにそういう校名はやめてくれと、こういうふうに私は申し上げたわけでございます。 安倍晋三小学校、私の名前を冠する小学校なんか私はつくってもらおうとは全く思っておりません。例えば、私がこの世を去った後、五十年、百年ぐらいして、いや、ああいう人物、もし立派だったといって誰かがつくるということであれば、私はもうこの世におりませんから止めようがないわけでありますが、私は自分の名前を冠した学校をつくるというつもりはございませんので、はっきりとお断りをしていました。 そこで、これ朝日新聞の報道でございますが、籠池さんは安倍晋三記念小学校という名前で申請をしたと、こう言ったわけでありまして、事実かのごとくこれ報道されてありました。この国会においても民進党の方がそれを事実と前提に私に質問をし、だからそんたくされたんだろうということであったわけでありますが、実際は開成小学校という名前でございました。御本人は当然、原本のコピーは当然持っておられるはずでありますから、それに当たるべきであった。また、当然、だから恐らく御本人はそうではないことを知っていてそうおっしゃったんだろうと。朝日新聞の方も裏を取らずに事実かのごとくに報道したということは間違いないんだろうということでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは事実でございまして、今私がこう申し上げておりますのは、安倍晋三記念小学校ということで申請をしているということでありましたから、籠池氏がそう言い、朝日新聞がそう報道しましたから、私が実はそれは了解したんだろうということになって私も批判をされたわけでありますが、それは全く事実ではなかったということがあったということは事実として申し上げておいた方がいいんだろうと。 残念ながら、この訂正報道等、見えないところにちょっとされただけでありまして、ほとんど報道されていないという事実もございますので、あえてテレビの前で申し上げさせていただきたいと、こう思ったところでございます。
○小川敏夫君 全く私が聞いていないことを長々と、これ今日は片道ですからね、たまたまいいですけれども。私が聞いていないことで話をそらされても困るので。 すなわち、私が聞いたのは、安倍晋三記念小学校にしたいという申出を奥様を通じて依頼されたというのはいつですかと聞いているんです。 質問通告ないと言っていますけど、私、丁寧に質問していますよ、安倍総理大臣夫妻と森友学園との関わりについて詳細に尋ねるということを。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、それは、質問を作る方がそんなにたくさん予測して、しかもそれ去年か何かの二月ぐらいですか、に議論にもう既になったことですから、小川委員もそのときの答弁が分かっておられたら、これをあえてまた私に聞く必要がないのではないか。 いずれにせよ、そういうある程度具体的なことを聞くのであれば、それは事実関係ですから、具体的なことを聞くということを質問通告していただければより実のある議論になるのではないかと、このように思うわけでございます。
○小川敏夫君 あらかじめ、昨日役所の人が来て、そういったことを、一連のことを詳細に聞くぞと、聞くということを説明してあるんですがね。 ただ、前の総理の答弁ですと、要するに、頼まれたのはまだ自分が二回目の総理を目指しているときだと、そのときに頼まれたと、しかし、まだ自分は総理を目指しているときだから、現役なので安倍晋三小学校という名前は遠慮したいと、そして、自分が死んだ後なら別だけどと、こういうふうに答弁しているんですけれども、結局、総理がまだ当時二回目の総理大臣を目指しているということが安倍晋三小学校という名前をお断りした理由であって、自分の没後であればいいという趣旨の答弁をされておったんですが、その後答弁の内容が変わっているんですよ、全く、全然考えていないというふうにですね。この答弁の変化はどういうふうにして変わったんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小川先生ね、没後であればということを言うというのは、事実上、私はもう、私の生きている間はそれはあり得ないということであって、私の意思の及ばないときに誰かがつくられるということはまた別の話であって、例えば松蔭学園、吉田松陰先生の名前の松蔭学園というのがありますが、これは生前了解を取ったわけではありませんからね。ですから、そういう意味で、私は全くそういうことを、つくってほしいという気持ちはないということで答えたわけでございまして、いずれにせよ、これ問題の本質とは余り関わりがないわけでありますから、これは、いついつ私がそういう答えをしたかということであれば、やはり通告をしていただかなければこれは答えようがないということであります。
○小川敏夫君 この森友学園が問題の国有地の取得等を要望したのは平成二十五年の九月二日なんです。私が特に指摘したいのは、この国有地の取得要望をする前から総理は森友学園の幼稚園に講演に行くということを約束されていた、そして安倍晋三小学校という命名することを依頼されていたということを指摘したわけでございます。 その安倍晋三小学校のことについてお尋ねさせていただきますと、この平成二十七年の九月五日に昭恵夫人が塚本幼稚園で講演している。そこでこういうふうに言っていらしたんですよ。こちらの教育方針が大変主人もすばらしいというふうに思っていてと、そういうふうにおっしゃっている。そして、もしお名前を付けていただけるのであれば総理大臣を辞めてからにしていただきたいと、これ安倍晋三小学校のことですけどね、こういうふうに昭恵夫人は講演会で発言をされている。このことについて総理はどう思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう今私が言ったのが全てであって、事実、私が断っているから、別の開成小学校になっているじゃないですか。それが、ファクトは何かということを小川さんも正直に見られた方が私はいいと思いますよ。ファクトは開成小学校だったんですよ。あのとき、黒塗り自体に、皆さんの党は、これは安倍晋三記念小学校じゃないかと、それがまるで事実かのように言っていたじゃないですか、ずっとね。これ片道ですから、私がしゃべったって小川さんに御迷惑は掛けませんから、詳細に御説明をさせていただきたいと思いますが。 ですから、これは、どう考えるかとか言われても、これは、私は全くお目にかかったこともないし、お話をしたことないんですから、ただ私は聞いているということであり、そして、安倍晋三記念小学校については今言ったことが事実であって、私は断り、そして、私の名前ではなくて開成小学校で申請がされていたというのが事実であろうと、これ以外のものはないということであります。これが質問に対する答えであります。
○小川敏夫君 質問に答えていませんよね。開成小学校云々は、私、そんな質問していませんからね、私に言わないでください。 それで、要するに、開成小学校云々というのは総理在任中の話ですよね。ここで言っているじゃないですか。総理大臣を辞めてからだから、総理大臣は、総理がしている間にほかの名前があるということは別に何にも矛盾しないんです。これ、大事なことは、総理夫人、昭恵夫人がそこまでこの新しい小学校、結果的に瑞穂の国ですか記念小学校ということについての思い入れが深かったということを指摘したいんですがね。 総理は、この発言について、何か昭恵夫人が苦し紛れにそういうことを言ったというような、前、答弁をされておったんですけれども、今日はどうしてこの見解について答弁なさらないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにせよ、国有地の売却には全く関わりのない、いずれにせよ話であります。まず、そのこと申し上げて。 まず、じゃ、関わりがあるということの根拠は、安倍晋三小学校という名前で申請がなされた、小川さんではないかもしれませんが、御党の方が私にそう決め付けて言われたわけであります。安倍晋三小学校という、言わば申請書にそう書いてあるんだから、そのように、それを考慮する可能性があったじゃないかということで私を責めたわけでありますが、これは安倍晋三小学校ではなくて開成小学校であったということでありますから、全く違ったわけでありますし、籠池さんは、その事実を知っていながら朝日新聞に、これは安倍晋三記念小学校として申請したと、朝日新聞は、裏を取らずに、まさに安倍政権を攻撃するためだったのかもしれませんが、それをそのまま事実かのごとくに報道したと、こういうことであります。 要はですね、要は、ファクトとして安倍晋三記念小学校になっていない、私がそれは断ったからでありまして、そこで、妻がどう言ったかは分かりませんが、それは私がそこに行って言ったわけではもちろんないわけでありますし、同時にですね、同時に、とにかく今は、今はやらないということは言ったわけでありまして、断る際にですね、断る際にいろんな理由を付けるわけでありますが、言わばそうやって相手の感情を考慮しながら断った、その断りの言葉がそういう言い方だったと、こういうことではないだろうかと、このように思う次第でございます。
○小川敏夫君 その開成小学校云々は黒塗りになっているから、その黒塗りの中身を想像して質問しただけですからね。何か、ほかの議員は、まあ私じゃありませんけど、総理の言うお話とは大分違うと思いますよ。 では、話は戻りますけど、総理は全く、この安倍晋三小学校という名前を付けることについて全く考えていないから断ったと、前の答弁では、しつこく言われて困っていると、はっきり断ったとおっしゃるけど、でも、奥様の昭恵夫人は、総理大臣を辞めてからならいいと、こういうふうに発言されているわけですよ、繰り返し。 そうすると、どうして違うのかなと。もしかしたら昭恵夫人の言っていることが本当なら、安倍総理はうそを言っていることになるわけですから。ですから、そこのところを確認しているわけです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、これ、こんなことを延々とここで議論されるという、この考え方がよく分からないんですが。 つまり、私が言ったことが間違いまずない事実なんですよ。私は、死んでからだったら、申し上げたんですが、これは五十年先、百年先どういうことになるか分かりませんから。しかし、私はそういう名前を付けてほしいとは思っていないとはっきりお断りをしているから、私がそこで分かりましたと言ったら安倍晋三記念小学校になったんですよ、朝日新聞が書いたみたいにね。しかし、そうはならなくて開成小学校になった、これは大きな違いじゃないですか。 あのときは、まさに鬼の首を取ったように、安倍晋三記念小学校というふうに申請しているじゃないですかと、これ小川さんじゃありませんが、御党の方はこういうふうに私を攻撃をし、それはそのままニュースになったんですよ。私は黒塗りだから直ちに答えられなかったんですが、これ安倍晋三記念小学校って、これ長いですけれども、黒塗りの場面、これぐらいしかないからこれおかしいなとは私も思いましたよ。だから、これコピーに当たっていただければすぐに分かったんじゃないかなと、こう思ったところでございますが。 いずれにせよ、妻が、とにかく、これ相手によっていろんな断り方って普通あるじゃないですか。それはもう木で鼻をくくったように相手のメンツをなくすような断り方をするのと、とにかく今は困るということを、ずっとその今が続いていくということだってあるわけでありますから、当然、それはそうやってお断りをしたと、私はお断りをしたからそうなったということでありまして、いずれにせよ、我々のこの議論は国有地の売却には全く関係ない話であるということは申し上げておきたいと思います。
○小川敏夫君 いやいや、なぜ不自然な国有地売却が行われたかということに関連するから聞いておるんです。 昭恵夫人は、平成二十六年四月二十五日にこの森友学園の幼稚園に行って講演しております。この講演した日に、昭恵夫人は、籠池夫妻とともにこの問題の国有地に行って写真を撮っておるようですが、その事実については知っておられますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その事実については、妻から聞いたことはございません。
○小川敏夫君 ないということですか。ございませんと答えたんですか、今。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 妻から聞いたかどうかということですか。妻から聞いたことはございません。
○小川敏夫君 その後も三回、分かっているだけで夫人付きの役人が同行して行っておるわけですけれども、この時期が非常にこの森友学園の国有地の払下げの時期と密接に関連しているものですからお尋ねしておるわけです。 時間がないので別の質問をしますけれども。 籠池さんがここで、国会で証言しました。その後、平成二十九年三月二十三日に安倍昭恵夫人のコメントなるものが政府から公表されました。その中にこういうものがありました。籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますと、こういう文章が入っておりました。 そこで、お尋ねします。これは政府が公表したコメントですから。この何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますというけれども、この短いメッセージの内容はどういう内容ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、事実を申し上げれば、私の妻は、籠池氏から何度か留守番電話に短いメッセージをいただいたが、土地の契約に関して、十年かどうかといった具体的な内容については全く聞いておらずと、また、私の妻に対してではなく、夫人付きに対して、十月二十六日消印の問合せの書面が送られてきたと、こういうふうに答弁したことはございます。
○小川敏夫君 ですから、そのコメントで、何度か短いメッセージをいただいた記憶はあるということですから、その短いメッセージの内容は何ですかと聞いているわけです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それについては、私は全く存じ上げません。
○小川敏夫君 籠池氏は、この国有地の売却交渉について、逐一、昭恵夫人に報告していたと、こういうふうに証言しており、あっ、発言しております。こうしたことについて、やはり、今総理がおっしゃられました、総理、この昭恵夫人付きの谷職員が財務省本省に照会文書を出したというようないきさつがございます。 これについて総理から明確な答弁が得られませんので、やはりここは御本人に出ていただいて、つまり昭恵夫人に出ていただいてしっかりと御説明いただく必要がありますので、この安倍昭恵夫人の証人若しくは参考人の出席を求めます。 併せて、この籠池氏の証人、参考人の出席も求めます。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議いたします。
○小川敏夫君 いろいろ聞きたいことは山ほどあったんですが、明確な答弁を得られないので、時間が来てしまいましたので、私の質問はこれで終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で小川敏夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、浜野喜史君の質疑を行います。浜野喜史君。
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。 まず、働き方改革についてお伺いをいたします。 総理にお伺いいたします。そもそも、労働者と使用者、どちらの方が強い立場にあるというふうにお考えでしょうか、お伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) お答えをいたします。 一般的に、労働者と使用者との間には交渉力の違いがあるものとされており、労働法制は、立場の弱い労働者が劣悪な環境で働くことのないよう保護する観点から契約自由の原則を修正しているものと認識をしております。
○浜野喜史君 総理、正しい御認識だというふうに私も思います。 今回の働き方改革についてでありますけれども、今おっしゃいました御認識、労働者は使用者に比べて立場が弱いという前提で組み立ててきたというふうに理解してよろしいでしょうか、総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この働き方改革は、働く人の立場に立って、一人一人の事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現するための労働基準法制定以来の七十年ぶりの大改革であります。これを実現するための働き方改革関連法案については、先ほどお答えをした労働法制の基本的な観点を踏まえ、具体的な内容の検討を進めているところでございます。
○浜野喜史君 そういう考え方で組み立ててきた結果、裁量労働制の拡大、高度プロフェッショナル制度が出てくるのが私は極めて疑問であります。 その上で、厚労大臣にお伺いいたします。この二つの制度、働く者の側からの要請があったというふうに理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘ございました企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大、また高度プロフェッショナル制度の創設については、共に、働く方の健康を確保しつつ、意欲や能力を発揮しながら効率的に働いていただくことができる多様な働き方の環境整備の一環として取り組むものでございます。 私自身も、この働く方の立場に立って働き方改革を推進していくということで、働く方の声をいろいろと聞かせていただきました。 まず、企画業務型裁量労働制の適用についても、これ既に適用されている事業者、事業所に行きまして、そこで働いている方からお聞きをし、その中からは、今こうした裁量労働制の下で働いているけれども、これまでの働き方は随分無駄な業務が多かったと、めり張りを付けて働くことができるようになった、あるいは、業務調整をできるので子供の送り迎えができるようになった、あるいは、診療に行く際にこれまでは半休を取ったりしなきゃならなかったが、業務量を調整してそうした時間もつくれる、こういった声を伺っているところでございます。 また、高度で専門的な職種、これはまだ制度ございませんけれども、私もいろいろお話を聞く中で、その方は、自分はプロフェッショナルとして自分のペースで仕事をしていきたいんだと、そういった是非働き方をつくってほしいと、こういう御要望をいただきました。 例えば、研究職の中には、一日四時間から五時間の研究を十日間やるよりは、例えば二日間集中した方が非常に効率的に物が取り組める、こういった声を把握していたところでありまして、そうしたまさに働く方、そうした自分の状況に応じて、あるいは自分のやり方で働きたい、こういったことに対応する意味において、これ全員にこの働き方を強制するわけではなくて、そういう希望をする方にそうした働き方ができる、まさに多様な働き方が選択できる、こういうことで今議論を進めているところであります。
○浜野喜史君 御説明いただきましたけれども、現裁量労働制対象の方々からも意見があったと、そして、新設される高度プロフェッショナル制度につきましても御意見があったということですけれども、そういう意見があったというような記録ですね、これは残っているんでしょうか、御説明願います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、私がそうしたところへ、企業等を訪問した中でお聞かせいただいたそうした意見、声でございます。
○浜野喜史君 その記録は残っているんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) そこでは、その思うことを自由に言ってほしいということでお聞かせいただいたお話でございますから、記録を残す、あるいは公表するということを前提にお話をされたものではございません。
○浜野喜史君 私は厚労大臣を疑うわけじゃありませんけれども、記録ないわけですね。もう一度確認させてください。
○国務大臣(加藤勝信君) 公表するという意味でお聞かせをいただいたわけではありませんが、ただ、やはりそうしたフランクな話を聞かせていただくということは私は大事なことではないかと思います。
○浜野喜史君 そういうふうにおっしゃいましたけれども、記録はないということでございました。 大臣は、多様な働き方の選択だということ、そして皆が能力を発揮できる柔軟な制度ということを強調されておられます。そして、こうした制度につきましては、本人の同意も必要とされており、最終的な歯止めもあるということでありますけれども、実際問題として同意しないという対応が可能なのかどうか、私は疑問なんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、両制度とも、導入するには、半数以上を労働者で構成するこれは労使委員会の五分の四以上の多数で決議を行うということになっておりますので、ほかの制度の導入の、例えば労使協定の締結よりもこれは厳しい手続を課しているわけであります。加えて、対象労働者に対して制度を適用することについて同意を得るということでございます。また、同意をしなかった労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならないことを労使委員会で決議をすることも求めております。 さらには、法案要綱において、厚生労働大臣が労使委員会の決議事項について定める指針、この指針に従って労使が、これに従うことを労使が、失礼、指針を労使が遵守するという責務規定と、また当該指針に関し行政官庁が労使委員会の委員に対して必要な助言、指導を行うための根拠規定を設けることにもしているわけでありまして、こうした制度によって、労使当事者に適正な手続、また労使委員会の決議の適正化を図ることで、労働者が自らの意思で制度の適用を選択できる、また適用を望まない労働者には適用されない、こうしたようにしっかりと対応していきたいと考えています。
○浜野喜史君 様々の仕組みで、本人の同意が強要されるようなことにならないような仕組み、整備されているという御説明でございました。 今回の制度導入でありますけれども、経済界のトップリーダーが強く要望されたとお伺いをいたしております。正直、そういう方々につきましては、いざとなれば転職もできるような、会社に対して強い交渉力を持ってこられた方々ではないかと私は推察をいたしております。 しかしながら、実際の職場はそういう方々ばかりではありません。上司から言われれば現実的に断ることは困難ではないでしょうか。弱い働く者の立場に立って労働に関わる制度は考えるべきであって、裁量労働制の対象拡大や高度プロフェッショナル制度の新設につきましては撤回されるべきであるというふうに私は考えますけれども、厚労大臣の見解を伺います。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどもお話を申し上げたように、そうした働き方をされたいという方は一定程度いらっしゃるわけであります、決して多くはないとは思いますけれども。したがって、そうした方々がその思いに沿って働ける環境をつくっていくということも大事なことだと思います。しかし、他方で、それを望まない方が、あるいは適さない働き方の方が適用される、これはあってはならないことだというふうに思っておりますから、制度はしっかり多様な選択ができるようにしていく。 したがって、まさに選択ができるようでありますから、選択させられるとか不適切な選択を強いられる、こういうことはあってはならないわけでありまして、そういった意味からも、我々、今回の仕組み、先ほど申し上げたようないろいろ仕組みもつくらせていただいております。それから同時に、それがしっかりと運用されるように監督指導等にも今後ともしっかりと取り組ませていただきたいと、こう思います。
○浜野喜史君 残念ながら撤回されるというお考えはないということでありました。 私は、やはり押さえておくべきことは、使用者側は昇進を始めとする人事権を持っているということだというふうに私は考えます。このことをしっかりと踏まえて労働に関わる制度は組み立てられるべきであります。 この二つの制度につきましては、働く者の代表である連合も明確に反対をいたしております。多様な働き方の選択、能力発揮のための柔軟な制度と美しく称しておられますけれども、結果的に労働時間の助長につながることを危惧いたします。総理が進めようとされておりますせっかくの働き方改革が働かせ方改悪となるおそれ大であります。撤回されることを強く提起をしておきます。 その立場で、裁量労働制の拡大、対象拡大についてお伺いをいたします。(資料提示) 今回、新たに課題解決型の開発提案業務というものと裁量的にPDCAを回す業務というものが追加をされました。法律案の要綱を見ましてもよく分かりません。対象となる業務、対象とならない業務を詳細に示していただくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。厚労大臣、お願いします。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の企画業務型裁量労働制についての御質問でございまして、これはやはり組織がフラット化している、あるいは事業活動の中枢にあるホワイトカラーで働く方々の業務が複合化している、こういったことに対応していく、もちろんそうした方々の健康確保を図っていくことは必要でありますけれども、そのために仕事の進め方や時間配分に対して労働者が主体性を持って働けるようにするというこの裁量労働制度の趣旨に即した活用が進むようにということで、今回、課題解決型の開発提案業務と裁量的にPDCAを回す業務を対象業務として、今フリップで出していただいているようになっているところでございます。 この議論、これを議論していくときにも、労働政策審議会の答申を得た法案要綱では、昨年七月、連合の会長から、対象が広く営業職全般に拡大される懸念があるとの要請もいただきまして、対象業務の範囲を明確化したところでございます。 具体的に、課題解決型の開発提案業務でありますけれども、これまでは自分の会社の事業全体に影響するような重要な事業計画や方針の企画、立案業務が対象でありましたが、今回は、顧客である法人の事業全体に影響するようなそうした業務を対象とするということが一つ、それからもう一つは商品又は役務を専ら顧客のために開発し提案する業務と、こういうことでございます。 しかし、あくまで企画、立案、調査、分析を主として行う業務であること、また、主として商品販売を行う営業所等で働く方は対象になり得ないこと、これは法律において明確にしております。また、商品販売契約の締結に関する業務、これは対象外であるということで、単純な営業業務が対象にならないということはより明らかになっていると思います。 また、裁量的にPDCAを回す業務でありますけれども、自社の事業全体に影響するような重要な事業計画や方針の企画、立案を行いながら、その計画案が、その企画、立案まではこれまでありますが、その計画案が実際に機能されて、しているかどうか、実施状況の評価を行うものであります。これについても、あくまでも企画、立案、調査、分析が主であるということ、また、現場の管理を行う業務ではなくて、あくまで実施状況の評価を行う業務であると、これを法律において明確化しております。 したがって、企画、立案の業務と組み合わせるものが個別の製造や備品等の購入、庶務や経理等である場合は対象業務になり得ない、このことはより明らかにしているというふうに思っております。 こうした法案要綱、またあるいは労働政策審議会の議論も重く受け止めながら、法案の条文、また指針によって対象業務が明確化できるよう更に作業を進めていきたいと考えております。
○浜野喜史君 大臣は審議会の建議をベースに御説明をされたというふうに受け止めますけれども、私にはよく理解できません。仮にこの制度を撤回することなく提出をされるということであれば、対象業務を明確化した資料を委員会に提出をいただくよう要請をいたします。 委員長、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議します。
○浜野喜史君 働き方改革に関連いたしまして、建設業の労働環境について伺います。 建設業は直近の有効求人倍率が約五倍と大幅な人手不足であります。その理由の一つとしては、長時間労働を嫌がって人が集まらないということが挙げられております。人が集まらないので現に働いている人たちはますます長時間労働を余儀なくされるという悪循環が生じていると言われております。 まずは、建設業の方々の長時間労働を解消するとともに、安全衛生が確保されるよう労働環境を整備することが重要であるというふうに考えますけれども、国交大臣の見解を伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 建設業におけます技能労働者の需給につきましては、足下では緩和傾向にございますが、中長期的に見た場合、高齢化や若年層の割合が低いなど、担い手の確保が課題になっております。また、現状、建設業におきましては、他産業では当たり前となっております週休二日の確保が十分でないなど、就業者の長時間労働が生じている実態がございますので、五年の猶予期間を待たずにその是正に向けた取組を強力に推進していく必要がございます。 このため、政府におきましては、昨年八月に、受注者、発注者の双方が守るべきルールを定めました適正な工期設定等のためのガイドラインを策定をいたしました。このガイドラインが公共工事のみならず民間工事にも浸透するよう、関係省庁と連携いたしまして、これまで様々な民間発注者に対して協力要請を行ってまいりました。 また、建設業界におきましても、日本建設業連合会が時間外労働の適正化に向けた自主規制の試行を始めとする働き方改革四点セットを策定するなど、業界を挙げた取組も進みつつございます。 これらと併せまして、公共工事設計労務単価の引上げに際しまして、設計労務単価の上昇が現場の技能者の賃金水準の上昇という好循環につながるよう、建設業関係団体に対しまして、私自身を含めまして繰り返し適切な賃金水準の確保を要請してまいっております。 国土交通省といたしましては、引き続き、建設業における長時間労働の是正と併せて適切な賃金水準の確保が図られるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○浜野喜史君 是非、取組を着実に進めていただき、建設業の方々の労働環境整備を図っていただきたいと思います。 その上で伺いますが、今回導入されます時間外労働の上限規制につきましては、建設業には猶予期間が設けられております。適用されるのは施行五年後と承知をいたしております。建設業が魅力ある産業となる環境を整えるためにも五年という猶予期間はなくすべきと考えますけれども、厚労大臣の見解を伺います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、一般的には労働基準法そして大臣告示によって労働時間の規制あるいは指導がなされているわけでありますけれども、この大臣告示については、現状、建設事業は適用除外、御承知のように、なっているわけでありまして、そこはそれ以外の一般の産業とは違っているわけであります。そういった意味で、労働政策審議会でも御議論いただき、働き方改革を推進するその法案要綱においても、建設事業については、長年の慣行を破り、罰則付き上限規制をこれは適用するという、これ踏み込んだところでありまして、これは大きな前進だと思っております。 しかし、これを進めるに当たっては、今国土交通大臣からもお話がありましたように、単に事業者だけではなくて、取引慣行とか様々な対応が必要でありますから、こうした実態に即した形で上限規制を適用していくためには、取引慣行上の課題も含めて解決していく、これは時間が必要でございます。そういった意味で、この建設業においては施行期日の五年後に一般則を原則として適用するということにしております。 しかし、猶予期間の後は何もしないということではなくて、むしろ、その猶予期間はその一般原則を適用するための言わば準備期間ということでございますから、民間発注団体等にも協力を得ながら、国土交通省とも連携をして、こうした建設業における長時間労働の是正をするための環境整備にはしっかり取り組ませていただきたいと思います。
○浜野喜史君 この五年の猶予期間を固定的に捉えるのではなく、一日でも早く時間外労働の上限規制が適用されることを求めておきたいと思います。 次に、地球環境問題について伺います。 地球温暖化につきましては、重要な課題であり、しっかりとした対策を講じるべきでありますが、効果的な対策をというのが私の立場であります。 政府は、二〇三〇年度二六%削減、二〇五〇年には八〇%削減という目標を設定しております。二〇三〇年はエネルギーミックスという裏付けがありますが、二〇五〇年は目指すべき方向性を示したものであり、二〇三〇年目標とは性格が異なるものであると理解をいたしておりますけれども、環境大臣の見解を伺います。
○国務大臣(中川雅治君) 平成二十八年五月に閣議決定いたしました地球温暖化対策計画におきまして、中期目標について、二〇三〇年度において二〇一三年度比二六・〇%減の水準にするとの中期目標の達成に向けて着実に取り組むとしているところでございます。 地球温暖化対策計画では、二〇三〇年度の目標達成に向けた道筋を明らかにしておりまして、具体的な数字の裏付けのある対策、施策が産業、家庭、エネルギー転換部門等の部門ごとに規定されているところでございます。 一方、地球温暖化対策計画におきましては、長期的目標として二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すとしておりまして、この二〇五〇年八〇%削減目標は我が国として目指すべき方向性を示したものでございます。 パリ協定を踏まえ、世界の脱炭素化を牽引していくため、来年度の早い段階から政府全体で二〇五〇年八〇%削減に向けた長期戦略の検討を開始し、我が国における長期大幅削減の実現に取り組んでまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 性格が異なるものであるという説明であると受け止めました。 この二つの目標を比べてみますと、二〇三〇年の目標は簡単なように見えるかもしれませんけれども、私は二〇五〇年と同様に非常に高いハードルであるというふうに認識をしております。この認識につきまして経産大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) おっしゃるとおり、二〇三〇年に温室効果ガスの排出を二六%削減するというのは、これはオイルショック直後並みの省エネをやった上で、そして再生可能エネルギーを最大限導入しなければならない。閣僚の中にはもっと頑張れという声もあるわけですけれども、はっきり言って私は、これはかなりぎりぎりの姿、目標だというふうに思っています。 例えば、LED照明というのは今家庭に大体三〇%ぐらいの普及率ですが、これを一〇〇%にしなければなりません。あるいは、家庭用の高効率給湯器についても、今普及は二割ぐらいですが、これを九割に引き上げなければいけません。そして、再生可能エネルギー全体で見ても、水力発電を除くいわゆる太陽光や風力といった再生可能エネルギーを現状の二倍まで引き上げなければいけないということ。当然、それに伴って電気料金に賦課される再エネの金額というのも増えていくということで、そういう意味では大変な目標だというふうに思っています。 ただ、この目標は、他国との比較をしても、削減率やGDP一人当たりの排出量などで見ると、国際的には遜色のない野心的な水準だというふうに考えております。
○浜野喜史君 高いハードルであるという御認識をお伺いいたしました。 次に、二〇五〇年八〇%削減につきましては、極めて野心的な目標であるというふうに私は考えております。従来の取組の延長では到達困難であり、目標に向けましては革新的な技術開発と呼ばれるものが必要だというふうに考えますけれども、環境大臣の見解を伺います。
○国務大臣(中川雅治君) 温室効果ガス排出量の二〇五〇年八〇%削減目標につきましては、従来の取組の延長では実現が困難であるというふうに考えます。したがいまして、革新的技術の開発普及など、イノベーションによる実現を最大限に追求してまいりたいと思います。そして、そのための国内投資を促し、国民に広く知恵を求めることなども重要であると考えております。 大幅な排出削減を成し遂げつつ経済成長を図る鍵はイノベーションであると考えておりまして、革新的な技術開発を官民で進め、創意工夫を重ね、世界全体での排出削減にも貢献してまいりたいと思います。
○浜野喜史君 革新的な技術開発が鍵であるという御認識をお伺いしたと思います。 ここからが、もしかすれば見解の分かれるところかもしれませんけれども、現在、環境省では炭素税といったカーボンプライシングと呼ばれるものの導入について検討を進めておられます。 カーボンプライシングにつきましては、地球温暖化対策計画にもありますとおり、慎重に検討を行うとされております。導入という結論が出ているものではないと理解をいたしますけれども、環境大臣の見解を伺います。
○国務大臣(中川雅治君) カーボンプライシングは世界の多くの国で取り入れられておりまして、長期大幅削減に向けた社会全体の取組を促すために有効な経済的手法の一つだと考えております。 カーボンプライシングの手法の一つである国内排出量取引制度に関しましては、地球温暖化対策計画において慎重に検討を行うとされております。こうした点も踏まえつつ、環境省では有識者から成る検討会を設置いたしまして、様々な御意見が出ておりますので、論点を整理し、方向性の検討を行っているところでございます。 政府としては導入という結論は出ているわけではございませんが、環境省におきまして、制度を導入した諸外国の様々な知見や経験等を踏まえつつ、我が国にとって実効的な施策の在り方は何か、引き続き検討してまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 政府全体では導入ありきではないけれども、環境省においては検討しているという御説明でございました。私は、環境省においては結論ありきで検討されているのではないかということを疑っているわけであります。 審議会におきましては、カーボンプライシングの活用の在り方という検討事項の下、具体的な手法や収入の活用方法においてさえ検討が進んでいるというふうに承知をいたしております。どう見ても環境省は導入ありきということで検討されているように感じるんですけれども、環境大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(中川雅治君) 検討会におきまして様々な関係業界の方からもヒアリングをいたしておりまして、いろいろな御意見や反対、慎重意見、批判などもございます。こうしたいろいろな御意見をいただいた上で、それぞれこうした課題や問題点を乗り越えるにはどうしたらよいのか、諸外国の例なども研究、検討しながら、更に議論を深めてまいりたいと考えております。 環境省として一定の方向を今決めているわけではございませんで、様々な論点を整理し、どういう方向性があるのか、こういったことを今検討をさせていただいているところでございます。
○浜野喜史君 環境省におかれても導入ありきという立場ではないという御説明と受け止めました。 このカーボンプライシングにつきましては、大臣からもありましたように、経済界、大反対をされております。私は、先ほどの働き方改革につきましては経済界と立場を異に、明確に異にいたしますけれども、カーボンプライシングのスタンスにつきましてはまあ理解できるところでございます。 経済界は、大幅削減には革新的な技術開発が不可欠であるが、カーボンプライシングは産業の活力をそぎ、技術開発を阻害するという主張をされております。私はその主張に分があるというふうに考えるんですけれども、環境大臣の見解を伺います。
○国務大臣(中川雅治君) パリ協定の下の長期大幅削減に向けましては、技術、経済社会システム、ライフスタイルなど、あらゆる面でイノベーションを創出していくことが鍵となるわけでございます。 その観点から、カーボンプライシングにつきましては、産業の活力をそぎ、技術開発を阻害することのないよう、制度的な様々な工夫を凝らして、企業による低炭素技術の研究開発を誘発するなど、イノベーションを促す方向で検討を進めていくことが重要だと考えております。 その場合、国際競争力への影響など、考慮すべき課題があることは承知しておりますが、各国の事例に学びながら、そうした課題を乗り越えるためにはどのような方策があるのかといったことも検討し、我が国におけるカーボンプライシングの在り方につきまして、引き続き様々な角度から多面的に検討を進めてまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 多面的に検討を是非いただきたいと思いますけれども、この件でもう一問だけ環境大臣にお伺いしたいんですけれども、私が理解できないのは、結局のところ、エネルギー価格の上昇が投資を生み経済成長を生むというストーリーを環境省は検討しておられるというふうに私、承知するんですけれども、それがどうも、どうしても私には腑に落ちないんです。そこを環境大臣のお立場で説明をいただけますでしょうか。
○国務大臣(中川雅治君) エネルギー価格がカーボンプライシングを導入することによって上昇する、そうしますと、そういった上昇幅の大きいエネルギーを上昇幅の少ない、あるいはより低炭素なエネルギーに変更していこうというインセンティブが働くわけでございまして、そういうインセンティブの下で技術開発が行われ、そしてイノベーションが進んでいくと。こういう道のりが描ければ、カーボンプライシングは有効な経済的手法の一つだということになると考えております。
○浜野喜史君 御説明ありがとうございました。ただ、私は納得できませんので、また引き続きいろんな場面で議論をさせていただきたいと思います。 いずれにしましても、炭素税といったカーボンプライシングにつきましては、経済活力をそぎ、革新的な技術開発を阻害する懸念があります。閣議決定どおり、慎重に検討することを求めます。 次に、再生可能エネルギーの活用について伺います。 私の立場は、活用には賛成、しかし、受入れ可能性、受入れに関しての可能性や国民負担に十分配慮しつつ漸進的に活用するというものであります。 その上でお伺いをいたします。固定価格買取り制度、いわゆるFIT制度の下、再生可能エネルギーの活用が進んでおります。一方で、いわゆる再エネ賦課金は国民にとって大きな負担ともなっております。標準的な家庭で見ますと、二〇一七年度は年間九千五百円にまで膨らんでおります。日本全体では二・一兆円、消費税に換算いたしますと一%を上回る国民負担が発生をしており、今後も増大する見通しであります。 そもそも、FIT制度、再エネ賦課金とはどういったものなのか、簡潔に御説明願います。
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。 FIT制度は、気候変動問題への配慮やエネルギー安全保障という視点を踏まえ、再生可能エネルギーの導入を支援するため、再エネによって発電された電気を一定期間、市場価格ではなく固定価格で買い取るものでございます。 再エネ賦課金は、固定価格による買取り支援を行うために必要な金額を電気を使用する全ての需要家に対して電気の使用量に応じて御負担いただくものです。具体的には、買取り費用総額から卸電力取引市場価格などを基に計算する買取り者負担分を差し引いて算出されることとなっております。
○浜野喜史君 この制度に基づきまして、国民負担で、至る所で見られる太陽光発電などが成り立っているということであります。 トレンド総研の主婦層への意識調査では、電気料金に上乗せされる形で再エネ賦課金が徴収されている事実を八三%の方が知らないというふうに回答されておられます。知られていないのであります。 政府として国民への説明をしっかりと行っていただく必要があると考えますけれども、経産大臣の見解を伺います。
○国務大臣(世耕弘成君) 経産省の調査でも、やはり再エネ賦課金について詳しく知っている、大体知っているという人が一般の方で二〇・三%、企業の方で三二・九%ということですから、非常に認知度は低いというふうに思います。 是非、御家庭の皆さんにも、電気代、銀行引き落としにされていても毎月明細は届くわけでありまして、そこに再エネ賦課金という形で明確に書かれて、私は毎月見ていて結構払っているなということを思っているわけでありますけれども、やはりエネルギー政策というのは国の根幹に関わりますし、生活にも直撃する政策でありますから、国民の皆さんにしっかりと御理解をいただくことが非常に重要だと思っています。 ただ、最近では電力業界もあるいは我々経産省も少し積極的に広報することに萎縮的だったのではないかというふうに思っておりまして、経産省では積極的にエネルギー関係についての広報を進めるように方針を変えております。去年の六月から、ウエブでスペシャルコンテンツという形でエネルギー政策について詳しく分かりやすく書いているコンテンツの配信も始めております。八月から週二回のペースで出していますけれども、例えば去年の八月には、FIT法改正で私たちの生活はどうなるとか、あるいは十一月には、変換効率三七%達成、太陽光発電はどこまで進化した、という形で再生可能エネルギー関係の情報もしっかり提供をしていきたいというふうに思っております。
○浜野喜史君 引き続きしっかりと説明をしていただければと思います。 次に、幾つか大臣に伺いますけれども、この再エネ賦課金には法的な上限というのは設けられているんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 法的には設けられておりません。
○浜野喜史君 ないということでありますけれども、それでは、二〇三〇年のエネルギーミックスを達成するために年単位でどの程度の再エネ賦課金総額、言わば国民負担を見込んでおられるのか、御説明を願います。
○国務大臣(世耕弘成君) 二〇三〇年度でいいますと、まず買取り費用の総額が三・七兆から四兆円、そして、ここから単純計算をしますと、各電力を使っている方々からいただく賦課金の総額は三・一兆程度になるというふうに見込んでおります。
○浜野喜史君 その三・一兆円は目標という理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 二〇三〇年、再生可能エネルギーを二二から二四%にするというエネルギーミックスを達成するためにはこういう形になるという計算でございます。
○浜野喜史君 実質的には目標だという御説明だったと受け止めます。 それに向けてどのような取組ですね、国民負担の削減というか低減に取り組んでいこうとされているのか、説明願います。
○国務大臣(世耕弘成君) 御存じのように、昨年四月に改正FIT法というのを施行をさせていただきました。この改正FIT法の中で、中長期的な価格目標の設定ですとか、あるいは価格を決めるに当たって入札制度を導入するといったことによってコスト的に効率的な再生可能エネルギーの導入を促す仕組みを措置をしているわけであります。それに加えて、例えば太陽光発電の低コスト化に向けた研究開発なども行っております。 こういったことを総合的に進めることによって、賦課金をできる限り抑制をしながら再生可能エネルギーの最大限の導入を進めていきたいと思います。
○浜野喜史君 次に、環境省にお伺いいたします。 環境省で取りまとめられました長期低炭素ビジョンにおきましては、二〇五〇年八〇%削減に向けてどのような絵姿が描かれているのか、説明を願います。
○政府参考人(森下哲君) お答えいたします。 昨年三月に中央環境審議会地球環境部会におきまして取りまとめられました長期低炭素ビジョンにおきましては、温室効果ガス排出量の二〇五〇年八〇%削減を実現するためには、まず徹底した省エネ、そして再エネ等の活用による電力の低炭素化の最大限の推進、さらには電化、低炭素燃料への利用転換が対策の柱であるとされてございます。とりわけ電力の低炭素化につきましては、低炭素電源が発電電力量の九割以上を占めるとされているところでございます。
○浜野喜史君 要は、省エネや電化、また電気の低炭素化を進めていく必要があるという御説明だったと理解をいたします。 これまで申し上げてまいりましたとおり、再エネ賦課金により電気代が上昇しているということは、電化の流れを阻害する懸念があり、地球温暖化対策にも逆行するとも考えられます。再エネ賦課金につきましては、電気のみならず全エネルギーを通じて回収することも選択肢であるというふうに考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) このFIT制度というのは、あくまでもやはり電気に着目した制度でありまして、再生可能エネルギーによって発電される電気をどう扱うかという議論であります。 そういう意味で、そのためのコストというのは、電気以外の熱、ガスも含めた需要家の皆さんに負担をいただくというよりは、やはり電気を使われる需要家の皆さんに使用量に応じて負担をいただくというのが、エネルギー政策上、公平ではないかというふうに考えております。
○浜野喜史君 全エネルギーからの回収、私は必ずしもおかしな話でもないというふうに思います。今後の課題であると申し上げておきたいと思います。 ここで、総理にお伺いをいたします。 再生可能エネルギーの活用につきましては賛成でありますけれども、一方で国民負担も無視はできません。再エネの増加に伴い、送電網の増強コストが生じるとともに、九州、北海道、東北、沖縄、さらに島嶼部を始め全国あらゆるエリアで受入れに際し様々な問題が生じております。国民負担の動向、さらに受入れの可能性を見極めつつ進めていくべきと考えますけれども、総理の見解をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この五年間で再生可能エネルギーの導入量は七倍に拡大をしました。他方で、最も導入が進んだ太陽光発電の買取り価格は我が国においては国際的に比較して高い水準にあることから、更なる導入拡大には国民負担の抑制との両立が極めて重要と考えています。 このため、革新的なコスト削減を図るための技術開発を推進すると同時に、昨年、固定価格買取り制度を大きく見直し、再エネの中長期の価格低減目標を定めるとともに、競争を通じて買取り価格を引き下げる、あっ、済みません、ちょっと訂正させていただきます。再生可能エネルギーの導入量は二・七倍に拡大をしたところでございます。先ほど七倍と申しましたが、二・七倍でございました。競争を通じて買取り価格を引き下げる入札制度を新たに導入をしました。また、御指摘の系統への接続についても、既存系統を最大限に活用するなど、制約の克服に向けて一層の取組を進めてまいります。 再生可能エネルギーの最大限の導入を図ることは安倍内閣の一貫した方針であり、様々な課題の解決に向けてあらゆる政策を総動員してまいりたいと考えております。 〔委員長退席、理事石井準一君着席〕
○浜野喜史君 次に、国民生活に直結をいたしますエネルギー基本計画についてお伺いいたします。 現在、経産省の審議会におきまして精力的に議論が行われております。議事録を拝見しておりますけれども、審議会の委員が重要な指摘を数多くされておられます。例えば、エネルギーの将来については不確実性が大きく、目標や対応策については柔軟性、多様性を重視すべきであるという意見、また、原子力の新増設、リプレースについても意見がありました。予断なくしっかりと議論すべきであるというふうに考えますけれども、経産大臣の見解を伺います。
○国務大臣(世耕弘成君) 我々のエネルギー基本計画というのは、3EプラスSということで、安全性、経済性、そして気候変動への対応、そしてエネルギー供給の安定性、こういった政策目標をしっかりバランスよく達成をしていくぎりぎりの姿としてお示しをしているのが今の計画だというふうに思っています。今の計画を決めてから三年しかたっていませんので、今何か根本的に見直す状況にはないと私は考えていますけれども、今有識者の皆さんに予断のない御議論をいただいているところであります。 ただ一方で、パリ協定発効ということもありまして、二〇五〇年の絵姿というのもしっかり議論をしていかなければいけない。これは審議会とは別の場で、エネルギー情勢懇談会というところで、これも忌憚のない、環境問題に詳しい方も入っていただいて御議論をいただいているところであります。ここでは逆に、炭素を埋めるCCSという技術ですとか、あるいは水素を始めとする蓄電池とか、あるいはここでは原子力といったことも入ってくると思いますけれども、あらゆる選択肢の可能性を多面的に御議論をいただいているところであります。 エネルギー政策というのは、一歩間違うとやっぱり国家が倒れてしまう、生活が成り立たなくなる非常に重要な政策だと思っています。今国会にもいろんな議論が起こると思いますけれども、是非、スローガンとかで議論をするのではなくて、やはりきちっとした数字と技術を積み上げて出し合った議論をしっかりやっていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○浜野喜史君 エネルギー基本計画につきましては、重要事項ではありますけれども、国民的な議論が分かれるところでもあります。幅広に予断なく検討いただき、広くそれを国民に公開し、判断をいただくことが大切であります。精力的な検討を求めます。 続いて、原子力の司法判断に関連してお伺いいたします。 広島高裁は、昨年十二月、四国電力の伊方原子力発電所三号機に対し、今年九月末まで運転差止めを命じる仮処分を下しました。司法決定の内容を見ますと、火山事象の影響による危険性について、基準に適合するとした原子力規制委員会の判断を否定しております。 私は仮処分の決定内容には強い違和感を覚えますけれども、司法判決とは切り離して一般論としてお伺いをいたします。規制委員会は、伊方三号機の適合性審査において、巨大噴火の可能性による影響をどのように評価をされたのでしょうか、御説明願います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 四国電力伊方発電所三号機の審査におきましては、阿蘇山の巨大噴火、カルデラ噴火の可能性について、各種の知見も参照しつつ、火山の活動間隔、巨大噴火からの経過時間、現在のマグマだまりの状況、地殻変動の観測データなどから総合的に評価を行った結果、現在は巨大噴火の直前の状態ではなく、運用期間中に設計対応不可能な火山事象が発電所に影響を及ぼす可能性が十分に小さいという判断をいたしました。
○浜野喜史君 今御説明をいただきました判断を司法が否定されたということになるわけであります。 専門性の高い知的財産分野におきましては知的財産高等裁判所という仕組みがありますように、原子力につきましても原子力高裁という専門的な司法制度を検討すべきであるとの意見もありますけれども、法務大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘いただきました知的財産高等裁判所でありますが、知的財産に関する事件を専門的に扱う裁判所として平成十七年の四月に東京高等裁判所の特別の支部として設置されたものでございます。この知的財産高等裁判所の設置でありますが、知的財産立国の実現を目指していく中で、知的財産関係訴訟の一層の充実及び迅速化によりまして知財の適正な保護を図るため、一連の司法制度改革における様々な観点からの議論、検討を経て行われたものでございます。 他方、この原子力発電所に関する民事訴訟、行政訴訟の事件等につきましては、委員の御指摘のように、その処理におきましては専門的知見は要するものでございますが、これを専門的に扱う原子力高等裁判所を新たに設置をすることにつきましては、その必要性の有無につきまして慎重に検討する必要があると考えます。 また、この問題は、裁判所の組織、機構の在り方に関わる問題であるということでございまして、訴訟の当事者の便宜でありますとか、また訴訟の審理手続に及ぼす影響でありますとか、さらに裁判所の事務処理体制などの様々な問題についての慎重に検討することが必要であるというふうに考えます。 もっとも、専門的知見を要する訴訟の対応につきましては、これまでも裁判所におきまして専門的知見の習得、また深化に向けた各種の裁判官研修等が行われてきたものと承知をしております。今後も、裁判所におきまして、裁判官が関係する諸科学等に関しまして専門的知識を習得していくために必要な支援が行われていくものと考えております。
○浜野喜史君 難しい問題でありますけれども、一つの意見提起として受け止めていただきたいというふうに思います。 次に、原子力規制行政について伺います。 原子力規制委員会は、発足直後から、複数の原子力発電所の敷地内破砕帯の評価について有識者会合というものを開催し、報告書をまとめてまいりました。有識者会合を設置した経緯と適合性審査との関係について御説明を願います。
○政府参考人(山田知穂君) 敷地内破砕帯の評価は、旧原子力安全・保安院からの指示に基づき事業者が追加調査を実施をしておりました六発電所の評価を原子力規制委員会として引き継いだものでございます。有識者会合は、原子力規制委員会で議論が行われ、この敷地内破砕帯の評価について活断層の調査等に係る専門的知識を有する外部の有識者から御意見を伺うためのものとして設けることとしたものでございます。 新規制基準への適合性審査におきましては、有識者会合の評価結果を重要な知見の一つとして参考にしつつ、原子力規制委員会が最終的な判断をすることとしているところでございます。
○浜野喜史君 有識者会合につきましては、そもそも法的根拠のないものであるということに加えて、科学的、技術的な議論が欠如している、事業者の説明を拒む、事業者の疑問に答えない、会議も開くことなくメールのやり取りで結論部分を書き換えるなど、数多くの問題が国会においても指摘をされてまいりました。私も何度も取り上げさせていただいたところでございます。 これらの対応を更田委員長は正当な対応であったというふうにお考えか、御説明を願います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 有識者会合の設置につきましては、原子力規制委員会で議論を行った結果、活断層の調査等に係る専門的知見を有する外部の有識者から御意見を伺うことが必要と判断したものであります。 〔理事石井準一君退席、委員長着席〕 有識者会合による評価は重要な知見の一つとして参考とするという位置付けでありまして、新規制基準適合性について最終的な判断をするのは、あくまで行政処分を行う原子力規制委員会であります。
○浜野喜史君 正当な対応であったというふうにお考えかどうか、お伺いしております。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えします。 正当な措置であったと考えております。
○浜野喜史君 正当な対応であったというふうに更田委員長はお考えだということでありますけれども、昨年九月に田中前委員長から更田新委員長に交代されたわけであります。 田中前委員長は、退任直前の八月末の記者会見で、パネルにも出しておりますように、有識者というのは責任持って結論を出してくれるわけではないということがだんだん分かってきたという発言をされたわけであります。 この田中前委員長の発言につきましてどのように更田委員長はお考えか、見解を伺います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 新規制基準適合性審査におきましては、破砕帯有識者会合による評価を重要な知見の一つとして参考とするほか、事業者からの追加調査などの内容を含め厳正に確認を行い、原子力規制委員会が基準適合性の判断をすることとしております。 このようなことを前提としました上で、有識者会合の先生方には科学者としての責任を果たしていただいたと考えております。
○浜野喜史君 田中前委員長のこの発言についてどうお考えになるかということをお伺いしております。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会としましては、発足して以来一貫して、このいわゆる有識者会合の果たすべき責任というのは科学者、技術者としての責任と考えておりまして、許可などの行政上の処分の責任はあくまで原子力規制委員会に帰するものと考えております。 この考え方は原子力規制委員会の発足以来一貫しているものであり、また、田中委員長の御理解も同様であるというふうに考えております。
○浜野喜史君 ということは、田中前委員長の、有識者というのは責任持って結論を出してくれるわけではないということがだんだん分かってきたという見解とは違うという理解でよろしいでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。 田中前委員長の御発言に対する推測は慎みたいと思いますけれども、いわゆる工学分野の者からすると、こういった理学的な分野の判断というのはなかなか白だ黒だとすっきりしたものではないと、こういったことが田中前委員長としては多少もどかしい思いをお持ちになったのではないかと推測をしております。 しかしながら、繰り返してお答えをいたしますけれども、こういったすぐれて地球科学的なものも含んだ科学的な議論に関しては有識者の先生方に詳細な御議論をいただいて、それぞれの先生方には科学者としての責任を果たしていただいたと考えております。 繰り返しますが、あくまで行政上の処分は原子力規制委員会が一身に負っているものと理解をしております。
○浜野喜史君 昨年十二月の経済産業委員会におきましては、更田委員長は見解が違うというふうにおっしゃいましたけれども、その答弁を変えるということでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 経済産業委員会のときに先生お示しになりました議事録に記されている発言の趣旨をなかなか取りかねるところがございます。その解釈はいろいろあろうと思いますけれども、繰り返してお答えしますけれども、私の理解では、田中前委員長も含め、原子力規制委員会の判断、見解は一貫をしておりまして、有識者会合が負うものは科学者としての責任、行政処分の責任は規制委員会が負うというのが一貫した姿勢で、この点については田中前委員長も含めて変わりのないものと考えております。
○浜野喜史君 私の理解では、今更不適切だとは言えないということではないかと私は受け止めます。そして、田中前委員長は、これは私の推測でありますけど、本音をお述べになられたというふうに私は理解をいたしております。 その上で、対象となった発電所につきましては原子力規制委員会がしっかりと審査をするということだと私は理解するんですけれども、更田委員長の見解を伺います。
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。 それぞれの、各発電所を含め原子力施設の審査については、今後とも厳正な審査を心掛け、規制委員会としての結論を出していく所存でございます。
○浜野喜史君 田中前委員長が本音を述べられたというふうに私は理解するんですけれども、報告書は重要な知見の一つとして参考にされるべきようなものではないというふうに私は考えております。ゼロベースでしっかりと審査をされることを求めておきたいと思います。 その上で、時間の関係もありますので総理に、少しタイミングが早いんですけれどもお伺いをしたいと思います。 原子力規制行政につきましては、原子力規制委員会には独立機関として科学的、技術的見地に立って適切な規制行政を行ってもらうということが私は国民共通の願いだというふうに思っておるところでございます。この観点から見まして、原子力規制委員会に対しましては、監査、評価体制の強化を始め、様々な重要な指摘がなされております。当然ながら、独立性を堅持した上でというのが私の思いでありますけれども、在り方の検討を是非行っていただくべきと考えますけれども、総理の見解をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 原子力規制委員会は、自らの活動に関して二年前にIAEAによる外部からの評価を受け、現在、検査制度の強化など必要な改善に努めていると承知をしております。 安全の追求に終わりはありません。原子力規制委員会には、高い独立性を持って業務に取り組む中で、こうした外部とのコミュニケーションを通じて常に世界最先端の知見を取り入れながら、更に安全向上のため不断の努力を続けてもらいたいと考えております。
○浜野喜史君 独立性を堅持した上で、在り方検討を前向きに是非、総理、お願いを申し上げたいと思います。 残り時間許す限り、更田委員長にお伺いいたします。 規制委員会への外部からの監査体制、チェック機能を充実する必要があるというふうに考えておりますけれども、いかがお考えでしょうか。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は、原子力規制委員会設置法にありますように、専門的知見に基づき中立公正な立場で独立してその職権を行使する組織として設置されています。 国内外の有識者等からの意見もお聞きするなど、外部からのチェックも重要と認識しております。例えば、国際原子力機関、IAEAが実施する総合規制評価サービス、IRRSを平成二十八年に受け入れ、良好事例の評価や様々な勧告、提言を受けたところです。 これらの御指摘を踏まえた対応につきましては、原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会に報告し、御助言、評価を受けており、また平成三十一年以降、再度IAEAの評価チームによるチェックを受ける予定としております。 引き続き、国内外からの有識者の方々からの御意見など外部の方々の御意見に真摯に耳を傾け、必要な改善に努めてまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 委員長も触れられましたけれども、法律に基づき設置されております原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会に自由な意見提起を求めるということも私は一案というふうに考えるんですけれども、更田委員長の見解をお伺いします。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子炉安全専門審査会及び核燃料安全専門審査会は、原子力規制委員会設置法制定時の参議院の附帯決議において、「会議や議事録の公開を含む透明性を確保した会議運営の下、原子力規制委員会の判断を代替することなく、その判断に対する客観的な助言を行うに留めるものとすること。」とされております。 この参議院附帯決議の趣旨を尊重し、同審査会には、いわゆる第三者的立場から原子力規制委員会が行う規制業務の有効性の確認や助言をいただくことを期待しているところでありまして、IAEAのIRRSにおいて指摘された事項への対応についての助言のほか、国内外で発生した事故、トラブルや海外の規制動向に対する原子力規制庁における検討結果やそれを踏まえた対応に対する助言などをいただいているところであります。 同審査会とは、意見交換を継続して行いながら、必要に応じて原子力規制委員会から新たにすべき調査審議事項を指示するなどの取組を行っておりまして、引き続き適時適切に助言等を行っていきたいと考えているところであります。
○浜野喜史君 問題提起をさせていただいたこと、是非前向きに受け止めていただきまして御検討いただきますことをお願い申し上げ、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で浜野喜史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、森本真治君の質疑を行います。森本真治君。
○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治でございます。会派三番バッターでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まずは、茂木大臣、御自身が代表を務める政党支部の政治活動として秘書が線香を有権者に配付したということを衆議院の方で御答弁されておりました。小川委員の方で質問予定でしたけれども、時間の関係で私の方から質問をさせていただきます。 茂木大臣は衆議院の答弁で、私が配付したものに私の氏名等は入っておりませんと答弁されております。大臣自ら支援者に線香を持っていったことはありますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 通告いただいておりませんが、ございません。
○森本真治君 大臣自らは持っていったことがないということでございます。 大臣は九回連続当選と大変選挙にお強い代議士で、地元秘書の教育指導もしっかりと行われていると思います。 茂木事務所において、支援者などを訪問する際にどのような挨拶をしているのか。茂木敏充事務所の誰々ですと、茂木大臣の秘書であることをきちんと述べるように御指導されておりますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 個別の政治活動についてのコメントは控えさせていただきたいと思います。
○森本真治君 個別ではなくて、一般に政治活動をされるときに、どのように秘書に、挨拶先に対して全く名前を名のらずに訪問するということはあり得ませんから、どのように挨拶をするようにということを指導されていますか。
○国務大臣(茂木敏充君) 政党の職員もおります、そして秘書もおります。丁寧にいろんな形で支援者の方、地元の方と接するようにと、このようにお話をいたしております。
○森本真治君 確認です。政党の職員はその政党の職員であるということを名のって挨拶をする、個人事務所の秘書は個人事務所の秘書ですということを名のって挨拶をするという指導でよろしいんですね。
○国務大臣(茂木敏充君) 一般的な社会常識に従って様々な接触をしていると考えております。
○森本真治君 政党支部の職員さんの名刺には政党支部誰々、後援会事務所であったり個人事務所の秘書の名刺には茂木敏充事務所秘書という名刺、二つを分けているということでよろしいですか。
○国務大臣(茂木敏充君) 先生、個別の政治活動について何らかの違法性があるということであれば御質問いただければと思いますが、政治活動について、一般の政治活動の詳細についてお答えすることは控えたいと思います。
○森本真治君 大臣の政治姿勢についてということで通告も小川委員はされておりますので、当然これについてはお答えいただかなければいけないというふうに思います。 茂木大臣の秘書が線香を配る際に、茂木事務所の誰々ですという挨拶は一切行っていないということでいいのか、一枚の名刺も持っていっていないということでよろしいのか、お伺いします。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
○国務大臣(茂木敏充君) 個別の活動について、私がその場に居合わせているわけではありませんので、その点は分かりません。
○森本真治君 小野寺大臣にちょっとお伺いしたいと思います。 大変過去のことで恐縮なんですけれども、小野寺大臣は以前に同じような案件ということで公民権停止というようなことがございました。お持ちした、お配りした線香には個人の名前は書いていらっしゃったんでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) もう衆議院の方でお話をいたしました。もう二十年以上前の話ですので、もういいんじゃないでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(小野寺五典君) 衆議院の方ではお答えいたしました。同じようにお答えをいたします。 平成、もう二十年近く前だと思います。初当選して一年か二年ぐらいのときに、初盆のときですね、お線香を持って支援者のところへ行ったということがあります。私自身がそのときは持っていきました。その後、警察の方から、それは公職選挙法違反ではないかという御指摘があって、そして、その後書類送検をされました。書類送検をされたということで、これは違反になるんだなと、そのとき恥ずかしながら初めて認識をいたしまして、議員辞職をさせていただき、その後、公民権停止を経て、地元の皆さんの御支援もあり、今こうしてまた仕事をさせていただいているということであります。
○森本真治君 大臣、大変申し訳ございません。質問させていただいたのは、配付をしたものに御自身の名前が記載されていたかどうかということをお伺いしたかったんです。
○国務大臣(小野寺五典君) もう全て終わった件ではありますが、そのとき、その線香に私は自分の衆議院議員小野寺五典と書いてあるものを私自身が持参していきましたので、それはもう明確に公職選挙法違反と私自身も後に検事さんから言われたので、あっ、自分は大変な間違いを犯してしまったなと、そう思っております。
○森本真治君 御自身でということもございましたけれども、秘書が、秘書の方がお持ちになられたということもあったんですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 私も、まあ私がまず行ったということでありますし、それから、私が回れないところで秘書が行ったこともあると思います。 ただ、いずれにしても、私の場合には明確に衆議院議員小野寺五典と書いて、そして行きましたので、私が行こうが秘書が行こうがこれは公職選挙法違反ということで、私どもとして大きく反省すべき点だと思っております。
○森本真治君 茂木大臣に公職選挙法の解釈についてのお考えをお伺いしたいと思います。 線香そのものに茂木との名称が記載されていなくても、それを持参した秘書が茂木事務所の誰々ですと茂木大臣の秘書であることを挨拶や名刺で示せば、これは公職選挙法百九十九条の三で禁止する政党支部の役員の氏名を表示し又はこれらが類推されるような方法で寄附をしたことになるのではないかと私は思うんですけれども、大臣はどのように思われるでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 政党支部の政治活動で行ったものでありますが、これは公選法の百九十九条の三にのっとっていると考えておりますが、公選法百九十九条の三についての解釈等は私が行う立場にはないと思っております。
○森本真治君 総務大臣、総務省の見解をお伺いしたいと思います。 公職選挙法の百九十九条の三で禁止する氏名を表示し又はこれらが類推されるような方法には、秘書が○○議員の、誰々議員の誰々ですとか何々議員事務所の誰々ですなどと挨拶したり名刺の提出などを寄附と一緒に行った場合にはこれは該当しないのかどうか、総務省の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 質問通告いただいておりませんが、お答えをいたします。 総務省としては、個別の事案について実質的調査権を有しておらず、具体的な事実関係を承知する立場にはないので、一般論としてではありますが、公職選挙法では、公職の候補者等、政党、政党支部、後援団体のそれぞれの寄附を行う主体別に異なる対応の禁止規定が置かれています。一般の政党支部は、公職の候補者等の場合とは異なり、公職選挙法第百九十九条の三において、候補者等の氏名を表示し又は氏名を類推させる場合に限って当該選挙区内にある者に対する寄附が禁止されています。 氏名を表示しとは、直接公職の候補者等の氏名を表示することであります。また、氏名が類推される方法とは、直接公職の候補者等の氏名の表示がなくても、法人、会社、団体名を記載することによってその氏名が類推されるような場合にその団体名等を記載することをいいます。例えば、政党支部の職員又は秘書が氏名の表示のない政党支部からの寄附を持参することは、直ちに氏名が類推される方法によるものとは言えないと考えています。 いずれにしても、具体の事例については個別の事案ごとに具体の事実に即して判断されるべきものだと考えております。
○森本真治君 ちょっとごめんなさい、私の質問と少し御答弁違ったんですけれども、名刺を一緒に、そのときに類推されるような名刺を持っていったりとか口頭での挨拶の中で類推されるような発言をした場合はこの規定に抵触するかどうかということを聞いたんですが、もう一度お願いします。
○国務大臣(野田聖子君) 総務省の立場として御答弁申し上げます。 繰り返しになりますけれども、個別の事案について実質的調査権を有しておらず、具体的な事実関係を承知する立場にはないので、いずれにしても、具体の事例については個別の事案ごとに具体の事実に即して判断されるべきものだと考えております。
○森本真治君 委員長にお願いでございます。 公職選挙法百九十九条の三で禁止する、氏名を表示し又はこれらが類推されるような方法に、例えば秘書が誰々議員の秘書であるということを名のったり名刺を一緒に持っていくということが、この類推されるということに該当するかどうかということの、氏名の表示又は類推ですね、その見解をこの委員会に提出していただくようお願いをしたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議いたします。
○森本真治君 それでは、次の質問に入らせていただきたいと思います。核兵器のない世界の実現に向けてということで通告させていただきました。 二〇一六年の五月、核保有国の現職の大統領として初めてアメリカのオバマ前大統領が広島を訪問されました。 総理、改めて、オバマ前大統領が広島訪問されたことについてどのような意義があったと思われますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) オバマ大統領の広島訪問は、原爆を投下した米国の現職大統領として初めてのものであり、歴史的な訪問となったと考えております。 オバマ大統領とともに被爆地である広島から核なき世界の実現に向け日本と米国が力を合わせて世界の人々に希望を生み出すともしびとなると世界に向けて発信したことは、核兵器のない社会を目指す国際的機運を盛り上げる上で極めて大きな意義があったと評価しています。
○森本真治君 私も広島出身の人間の一人として、大変、この二〇一六年の五月、オバマ大統領が広島を訪問されたことに大きな、核兵器のない世界を実現していく、その新たな一歩が踏み出されたというですね、大変勇気と希望を与えていただいた一人でございます。 総理、あれから一年半余りが経過したわけでございますけれども、唯一の戦争被爆国として核兵器のない世界の実現に向け、その後、国際社会でどのような主導的な役割を果たしてきたのか、またその成果についてもお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は、唯一の戦争被爆国として、核兵器国及び非核兵器国、双方の橋渡し役として主導的な役割を果たすため、九月に第十回のCTBT発効促進会議を共同調印国として主導しました。十一月には、広島で核兵器国及び非核兵器国の双方から出席を得て、これはこの点が非常に重要な点だと思うんですが、やはり非核兵器国だけではなく核兵器国に核兵器廃絶に向けて進めさせなければならないわけでありますから、核兵器国の参加が非常に重要だと、こう思うわけでありますが、その出席を得て、核軍縮の実質的な進展のための賢人会議を開催いたしました。十二月には、我が国が国連総会に提出した核兵器廃絶決議が米国を含む百五十六か国の賛成を得て採択されました。 我が国としては、引き続き核兵器国及び非核兵器国の橋渡し役を務め、核兵器のない世界の実現に向けて粘り強く努力を重ねていく考えであります。
○森本真治君 ちょっと河野大臣、賢人会議のことを少し補足で御説明していただきたいんですけれども、かねがね我が国は核兵器国と非核兵器国の橋渡しということで言われております。この賢人会議で具体的などのようなアプローチを今後国際社会に果たしていくための提案をされようとされているのか、今後のスケジュールというか今後の道筋なども含めて、ちょっともし御答弁できれば。
○国務大臣(河野太郎君) 究極的な核廃絶に向けては、核を持っている核兵器国とそれから非核兵器国の間の橋渡しをやはりしっかりやっていかなければならないというふうに思っております。 その中で、核兵器国についてもしっかりと核軍縮にコミットしてもらうということが大切だろうと思っておりますので、それに向けてどういう現実的な歩み方があるかということを賢人会議の皆様に御提案をいただきたいというふうに思っております。この春にでも第二回目の会合をやりまして、国連のNPTその他のプロセスにしっかりとその意見を反映していきたいというふうに思っております。
○森本真治君 これまで核兵器のない世界の実現に向けて様々な皆さんがその取組を進められてきました。その取組をリードされてきたのがまさに被爆者の皆さんです、方々です。もう既に平均年齢は八十歳を超えて、それでも、後世の人々が生き地獄を体験しないよう、生きている間に何としても核兵器廃絶を実現したいと、国内外で被爆の実相を伝え、懸命に今活動をされていらっしゃいます。 総理、核兵器廃絶に向けて、被爆者の方々のこれまでの取組についてどのように評価されているでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 広島、長崎の被爆者の方々は、長年にわたって核兵器のない世界の実現に向けて、被爆の悲惨な実相や核兵器の非人道性を世界に伝える活動に取り組んでこられました。御自身が被爆をし、あるいは家族を失っておられる方の言葉は大変重いわけでありまして、皆さんの発言、その重い発言を世界に伝えたことはこれは大きな影響を及ぼしてこられたのではないかと。その大変な御努力に対して改めて敬意を表したいと思います。
○森本真治君 こちらのパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)先ほど総理の方もお話しいただきましたけれども、被爆者の皆さんがこれまで地道に活動をされてきた、その取組の一つとしてヒバクシャ国際署名というのがあります。二〇一六年四月スタート、昨年九月の集計時点で約五百十五万五千人もの署名が集まっています。これには国内の知事さんや市町村長さんも続々と賛同されておりまして、現在九百七十六の自治体、全体の過半数を超える首長さんが賛同されています。今後、二〇二〇年までに、まさに二〇二〇までに世界中で数億人を目標にということで、今も街頭に立ち続けていらっしゃるということです。 総理、お願いがあります。被爆者の皆さんに寄り添うという立場からも、是非、このヒバクシャ国際署名に賛同し、署名をしていただけないかと思いますけれども、よろしくお願いします。
○国務大臣(河野太郎君) ヒバクシャ国際署名の活動は、核兵器のない世界の実現に向けて国際社会の更なる取組の土台となるものだとは思います。被爆の悲惨な現実を国際社会の理解を得るための大変尊い努力をされているということで、政府としても核廃絶への思いは共有をしているところでございます。 しかし、このヒバクシャ国際署名が核兵器禁止条約の締結を求めているわけでございますが、政府としては、北朝鮮の核、弾道ミサイルの脅威がある中で国民の命と平和な暮らしを守り抜く責任がございます。そのためには、アメリカの抑止力を維持するという必要があるということから、政府としては、この現実の安全保障上の脅威に的確に対処しながら、唯一の戦争被爆国として核軍縮を求めていかなければならない、そういう立場でございますので、政府としてこの国際署名に政府の一員が署名することはできないというふうに考えております。
○森本真治君 このヒバクシャ国際署名は、核兵器なき世界を目指すということで被爆者の皆さんは地道に活動をされているんですね。 総理、閣僚として、政府の一員としてはできないというような今大臣の答弁がありましたけれども、この核なき世界を目指すというのは我が国がまさに取り組んでいるそのものの活動です。個人としてでも署名をしていただきたいと思いますけれども、総理の御答弁をお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま河野大臣が答弁したとおりでありまして、内閣総理大臣として署名をすると、あるいはまた私個人としても、それは核禁条約との関係があるわけでありまして、もちろんゴールとしては、これは核廃絶というゴールは同じでありますが、アプローチが違うということと、そして核禁条約につきましては、この抑止力自体を、核の抑止力自体を否定するということでございまして、今現在、北朝鮮の核の脅威がある中において、実際に日本列島を日本海に沈めるという宣言をしている国でありまして、それはまさに核保有国が非核保有国を核の使用で恫喝をしたのは事実上初めてのことであり、その国に対して抑止力を維持することによって国民の命を守り抜いていく責任が私にはあるんだろうと、こう考えているところでございます。
○森本真治君 安倍総理、かねがね、やはり現実的なアプローチ、日本政府ということで常々言われていらっしゃいます。現実的なアプローチという中で、例えば一つはNPT体制ですね、CTBT。 核兵器禁止条約は、このNPT体制、CTBTについて否定はしていませんね、大臣。そういう認識でよろしいですか。現実的なアプローチも前文を見ればしっかりその中に書いてあると思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) NPT体制というのは、現に五つの核保有国の地位を認めた上で、それを増やさないように、また核兵器国に対して核軍縮をしっかりと求めていくというのがNPT体制でございますので、当初から核兵器を違法なものとするというこの核兵器禁止条約とは違う立場だというふうに認識をしております。
○森本真治君 前文ですよ、前文。前文にはしっかりと、核不拡散条約や包括的核実験禁止条約などの既存の取組、これは国際的な取組として強化するというようなことが書かれていますよ。 もう一度答弁お願いします。
○国務大臣(河野太郎君) いずれにいたしましても、核兵器禁止条約は核兵器を違法なものとするということでございますので、NPT体制にあります我が国とは立場が異なるというふうに認識をしております。
○森本真治君 少しちょっと話題変えるというか、今アメリカの方で、来月早々に、NPRですね、核態勢の見直しということで公表されるというふうにも伺っています。 今、政府としてこの核態勢の見直しについてどのように情勢、状況を把握されているのか、大臣、お答えください。
○国務大臣(河野太郎君) 核態勢の見直し、NPRが公表されるというような報道は承知しておりますが、内容については承知しておりません。
○森本真治君 今報道ということでございましたけれども、アメリカの報道、我が国の報道でも、今般のNPRにおいて核兵器の役割を拡大するのではという方向が示されるということですね、というふうに言われております。 これについて、核兵器使用のハードルが下がったり核開発競争を更に激化させるのではないかという懸念も上がっていますけれども、大臣の認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(河野太郎君) NPRの内容を承知しておりませんので、お答えをすることは差し控えます。
○森本真治君 大臣、ちょっと条文があれば御紹介していただきたいんですけど、NPT第六条、今あればちょっと御説明ください。
○国務大臣(河野太郎君) 手元にございません。
○森本真治君 第六条は、締約国に対して軍縮に向けての誠実な交渉義務というのが課せられております。 核兵器の役割を拡大をするということは、このNPTの第六条に違反するというふうにも考えられるんですけれども、大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(河野太郎君) 繰り返しで恐縮でございますが、NPRの内容を承知しておりません。
○森本真治君 ごめんなさい、これ通告しているんですけれども、核兵器の役割拡大というのがNPT第六条に違反するのではないかというふうに懸念するんですけれども、そのことについての大臣の見解をお伺いします。
○国務大臣(河野太郎君) アメリカのNPRの内容が公表されておりませんので、お答えのしようがございません。
○森本真治君 一般論としてですよ。核兵器の役割が拡大していくということは、これはNPTの第六条に違反しませんかと聞いているんです。
○国務大臣(河野太郎君) 仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思いますが、アメリカはNPTを国際的な核軍縮・不拡散の取組の礎と位置付け、NPTの下での義務を遵守し、NPT体制の強化にコミットしていると承知しております。
○森本真治君 大臣、もう一つお伺いしたいと思いますけれども、今、日本政府として、アメリカが保有する核兵器の数、大体どのぐらいだというふうに認識されているんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 二〇一七年十一月のアメリカ・エネルギー省の議会報告資料における記述は、二〇一六年末で四千十八発としております。
○森本真治君 様々な研究機関によっていろんな数字というものも出ております。例えば、ストックホルム国際研究所などでは約六千八百発というようなこともありますが、今大臣の答弁で四千発強というような話もあります。 この間、特に最近の北朝鮮情勢の中で、このアメリカの核兵器の必要性ということを明確に政府として今答弁をされておりますけれども、一つここでやはり考えていかなければならないんですけれども、この核抑止という議論においてでも、今のアメリカが保有する核兵器の数というものが妥当なのかどうかということはしっかりと考えていかなければならない話でもないかと思います。これまで、核兵器禁止ということの、即時ということについての、現実的でないと言いましたけれども、核軍縮という観点に立ったときには、当然、このことについては我々としても主導的な役割を果たしていかなければならないと思います。 アメリカに対して、過剰な核兵器は核軍縮の対象にすべきであるということですね、アメリカに強く主張していく必要が、唯一の被爆国としての我々の、日本として責務だと思いますけれども、大臣のお考えをお伺いします。
○国務大臣(河野太郎君) 米国が保有する核弾頭数が妥当かあるいは必要かということは、日々変動する国際環境の中でアメリカ自身が判断するものであり、日本政府として一概にお答えすることは困難です。
○森本真治君 いずれにしても、この安全保障の観点と、唯一の被爆国としての核兵器なき世界を目指すという、まさにこのジレンマというものがあるのは事実であります。しかし、我が国が国際社会においてもしっかりとこの核兵器なき世界に向けての様々な主体的な役割を果たしていかなければならないことは、今後もその役割が変わることはありません。 いずれにしても、この歩みを止めてはならないという中で、これまで、例えば被爆の実相、このことを直接世界の為政者にしっかりと実感をしていただくというような取組、これは広島、長崎に限らず、日本としてもその思いの中でやってきたというふうに私は理解しております。 総理、是非、トランプ大統領に広島、長崎訪問、強く働きかけていただきたいと思いますけれども、御答弁をお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界の指導者に広島、長崎を訪問し被爆の実相に直接触れてもらうことは、核兵器のない世界に向けた国際的機運を高める上で大変有意義と、こう考えております。その観点から、伊勢志摩サミットを行った際、外相、G7の外相会談を当時の岸田外務大臣が主導して広島で行い、そしてその際、ケリー長官が共に訪れたわけでございます。 オバマ大統領の広島訪問が決定されるときもそうであったわけでありますが、米国内には本件について様々な意見があると承知をしており、実際に、我々が発表するまでは、非常にこれ慎重な運びを米国と調整しながら、あるいはしっかりと議論をしながら進めてきたところでございます。 政府として米国大統領の広島、長崎訪問について公の場で今コメントすることは差し控えさせていただきたいと、このように思うところでございます。 いずれにせよ、核兵器のない世界の実現に向けて、引き続き米国とも緊密に意思疎通を行っていく考えでございます。
○森本真治君 今、国際関係、特にこの北東アジアの情勢が緊迫する中ではありますけれども、核兵器というのはやはり二度と使用されてはならない。一度これを使用してしまうということについての非常に今大きな緊張感の高まりの中で、唯一の、繰り返しになりますけれども、被爆国として、私は、大変この難しいジレンマの中ではあっても引き続き声を上げていく、これは我々の使命だという思いの中でこのことについてはこれからも取り上げさせていただきたいというふうに思います。 ちょっと時間の、進んでおりますので、今回の働き方改革の中で裁量労働制についてお伺いをしたいと思います。 大臣、今回の働き方改革、長時間労働の是正ということが大きな目標だというふうに理解をしておりますけれども、なかなか私が理解ができないんですけれども、高度プロフェッショナル制度、裁量労働制は長時間労働の是正につながるんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の働き方改革、まさに多様なそれぞれの状況、思いに応じて多様な働き方ができるようにしていこう、そういうロジックの中で長時間労働を是正をしていくこと。それから、同一労働同一賃金ということで、非正規と正規で働く方々の処遇について不合理な処遇の格差がないようにしていくこと。さらに、その方々の働き方という中において、まさに多様な働き方ができるということで、高度プロフェッショナル、また裁量労働制の範囲の拡大、これらを進めていくということで、これ、それぞれが先ほど申し上げた多様な働き方が実行できると、こういう形で捉えているところでございます。
○森本真治君 大臣、申し訳ございません。多様な働き方が実現できたら長時間労働が是正されるというロジックがちょっとよく分からないんで、もう少し詳しく説明してください。
○国務大臣(加藤勝信君) 例えば長時間労働があるということで、例えばフルタイムで働きたいんだけれども、現行を見ると、非常に残業があるということでなかなかフルタイムという形で働けないという方もいらっしゃるわけですね。ですから、そういった意味で、長時間労働を是正していくことによって、そうした働き手から見ると、例えば今そういう事情でパートタイムで働いているという方も、朝の九時から一定時間で終わるのであれば、じゃフルタイムで働きたいという方もいらっしゃる。そういった意味で、その方の、長時間労働を是正することによって選択肢が広がっていくということにつながりますし、それから先ほどの裁量労働制等々についても、自分で時間を自由にコントロールすることによって、固定された時間であればこれなかなか厳しいけれども、そこに融通性があれば、そういった働き、そういった仕事もできるという方もいらっしゃる。 そういった意味で、それぞれ、今申し上げたような施策を進めることによって多様な働き方の選択肢が提供され、そしてそれぞれの働き手の方が自分の状況や思いに応じてその働き方を選択できるようにしていこう、これが今回の働き方改革の基本的な考え方であります。
○森本真治君 今の大臣の御答弁ですと、働く方が自分の裁量で好きなときに仕事をする、好きなときに休む、労働時間も自分で好きなように決められるという考え方で長時間労働が是正できるというふうに私は受け止めたんですけど、その理解でよろしいんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 好きなときに好きなようにやっていただくということでより効率的な働き方につながるということもあると思いますし、また同時に、今回の裁量労働制あるいは高度プロフェッショナルの働き方においても、働き手の健康確保というものをしっかり図っていくことでその働き手のそうした面に対する配慮もしっかりしていくと、こういうことであります。
○森本真治君 今、労働弁護団でありますとか過労死を考える家族の会の皆さんなどが、この制度、裁量労働制というものが適用拡大になっていく中で、長時間労働がむしろ助長されるのではないかというような懸念を持たれているということを私も伺っていますが、これらの皆さんの認識って誤りなんですかね。間違っていますか。
○国務大臣(加藤勝信君) どういう認識の下でお話しになっているのかということがあるんだと思いますけれども、確かに、いろんな資料を見ていると、裁量労働制の方が実際の一般の働き方に比べて長いという資料もございますし、他方で、平均で比べれば短いという統計もございますので、それはそれぞれのファクトによって見方は異なってくるんだろうと思いますが、ただ、いずれにしても、この長時間労働是正をしていくというのは我々進むべき方向でありますから、裁量労働制において、もちろん、本来の仕事を当初想定した時間よりもはるかに超える時間を掛けなければ仕事ができないような、そういった形で行われているといったものであれば、当然指導していくことが必要になっていくと思います。
○森本真治君 今いろんな統計というようなお話があったんですけれども、資料のこちら五と六ということで配付をさせていただいております。これは、NTTでありますとかKDDIの組合が加盟する情報労連という産別組合ですけれども、実施した調査でございます。裁量労働で働く人とそうでない人の労働時間の比較ということですね。さらには、資料七、これは労働政策研究機構ですね、これは厚生労働省の外郭団体だというふうに思いますけれども、厚労省のこの団体、外郭団体の調査でも、この労働時間、裁量労働の適用者の方が通常の労働時間よりも長くなっているというようなデータがあります。 やはり、この労働時間の、長時間労働を助長するという懸念という部分については、このような実際の数字がある中で、やはり今の状況の中でこの拡大を、制度の拡大をしていくということについて、特に今一番問題となっている長時間労働問題の解決とは逆行するんではないかというような声がやはり多くの今懸念としても上がっているんだというふうに思うんですね。 しっかりと、労働時間の問題というこの現実をまず直視した中で、この裁量労働制の拡大ということを検討をしなければならないんではないかというふうに思いますけれども、改めて大臣、お考えをお伺いします。
○国務大臣(加藤勝信君) 今議員御指摘の資料があることもそのとおりであります。また、私どもの平成二十五年労働時間等総合実態調査、これ、厚生労働省が調べたものでありますけれども、平均的な一般労働者の時間が、これは一日の実労働時間ですが、九時間三十七分に対して、企画業務型裁量労働制は九時間十六分と、こういう数字もあるということを先ほど申し上げたところでございます。 その上で、裁量労働制になって長時間という、あるいは長時間働くことによって過労死等が生まれる、こういうことは絶対あってはならないわけでありますから、当然その運用においては、そうした、例えば本来裁量労働制が適用されるべきでない仕事、あるいはそうでないような対象者になるようなことには、これは絶対避けていかなければならない、そういった意味での監督指導はしっかり行っていかなければならないと、こう思っております。
○森本真治君 実際に、現行においてそこの厳格な運用がなされているのかというところをしっかりと行政として把握ができているのかということも一つの大きな問題だというふうに思うんですね。 今、不適切な運用というようなことがどのぐらいあるのかということを厚労省としては把握されているのでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 労働関係法令において、不適切な場合には監督指導を行っているところでございます。 違反した主要な条文ごとに業務統計として集計しているというものはありますが、裁量労働制に係る指導区分、それを区分して集計していることは、今手元にはございません。
○森本真治君 現行でそのような統計というか把握をされていないという中で、新たにこれ拡大していって、じゃ、今後どうやって監督していくんですかということは、なかなか皆さん、これは安心できないんじゃないんですか。まずはこの監督、裁量労働制の今の現行制度がしっかり運用されているかということをチェックする、まずそれをつくってからじゃないと次のステップには行けないと思います。 もう一度、大臣、答弁をお願いします。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど申し上げたのは、裁量労働制という区分はしていないわけでありますが、例えば今言った不適当な適用がなされていた場合には、それは裁量労働制が認められなくなるわけですから、じゃ、その認められない場合の例えばしっかりとした残業時間が払われていたのかどうか、こういったことについては、当然、統計上、それに該当する条文違反ということで指導件数は把握をしているというわけでありますけれども、ただ、今委員御指摘のように、裁量労働制ということで、じゃ、しっかりフォローしていく必要があるというのは、それは私どももそういう必要があるということで、過去の分も含めて、今そういった観点から、統計というんでしょうか、把握に努めていきたいというふうに思っておりますし、また、裁量労働制が適切に運用されるというのは、これは当然、現行でもありますけれども、それがしっかり運用されるということは必要であります。 これまでも、労働基準監督署において裁量労働制の届出の際に確認、指導を行っていく、また、いろんな情報が入ってまいりますから、それに基づいて必要な監督指導を実施し、その適正を図ってきているところでもありますし、また、今般、野村不動産等の事案もございましたので、これはやっぱり全国一斉に広く適正化に向けた取組を実施するよう指示をしたところでございまして、具体的には、裁量労働制を導入している事業場に対して、まず、事業主自ら法令に従った運用がなされているかを点検し、その結果を報告をしていただいて、その報告を踏まえてしっかり対応していく、そういったことも今取り組んでいるところでございます。
○森本真治君 資料七の下段の部分にもあります、裁量労働制では始業と終業の時間指定をしてはならないことになっておりますけれども、実際の調査、これ、まさに厚生労働省の外郭団体の調査でも、一律の出退勤時刻、これ五割近くですよ、今の現行の裁量労働制の中でですよ、このようにまさに今ルールが守られていない状況の中でこの裁量労働制が進んでいるということなんですよね。 裁量労働制の意義について否定するものではありません。しかし、しっかりとこの厳格な運用がなされていかないと様々なリスクというものが今後も続くということなんです。余りにも今の政府の進め方というのは順序が違うと思います。今の現行の中の裁量労働制をしっかりとその本来の目的にかなうような体制にした後にこの裁量労働制の拡大は検討していただきたい、しっかりとこの法案は分けていただくことをお願いをさせていただきます。 あと一分でございます。自動車運送業の長時間労働の問題についてお伺いします。 先ほど、浜野委員からも建設関係ということでありました。同じようにこの自動車運送事業の長時間労働問題、今回の働き方改革でもこの対象が抜け落ちているということで、猶予期間がありますが、その間でも、これもう切迫した問題でありますので対応を取っていただきたい、このことの御答弁を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 自動車の運送、運転業務につきましては、昨年三月の働き方改革実行計画におきまして、時間外労働の上限規制の施行に向けまして、長時間労働を是正するための環境整備を強力に推進することとされたところであります。このため、昨年六月に野上官房副長官を議長といたします自動車運送事業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議が立ち上げられ、八月には六十三の施策を盛り込んだ直ちに取り組む施策を取りまとめました。 現在、直ちに取り組む施策に基づき、関係省庁が連携して、労働生産性の向上、多様な人材の確保、育成、取引環境の適正化等の施策を推進しているところであります。 また、上限規制の施行に向けた業界における長時間労働是正の取組がスムーズに進むよう、トラック、バス、タクシーの各事業者団体に対しまして、働き方改革の実現に向けたアクションプランの策定を私から要請をしたところでありまして、本年度中に策定される見込みであります。 今後、更に施策の充実強化を検討いたしまして、本年春頃に、関係省庁連絡会議におきまして、時間外労働の上限規制の導入までの間を対象といたしました行動計画を策定することとしておりまして、長時間労働の是正に向けた環境整備にしっかりと取り組んでまいります。
○森本真治君 ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で森本真治君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成二十九年度補正予算二案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。片山さつき君。
○片山さつき君 自民党政調会長代理、参議院自民党政審会長代理の片山さつきでございます。本日は、会派を代表しての御質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。 参議院の特性とは、長期的視野に立ち、時に政府や衆議院が二の足を踏みがちな問題にも取り組めるという、これは私どもの自己評価ではありませんで、読売新聞の記事の表現をお借りしたんですが、ちょうど今日、参議院政審で国家ビジョン一、活力ある健康長寿社会の実現をスタートさせ、不肖私が座長を務めさせていただいておりますが、我々は、安倍政権発足後の一億総活躍、働き方改革、人づくり革命、人生百年時代戦略、そして全世代型社会保障への転換の根底を貫くテーマの一つは、健康長寿社会を本気で目指すことと考えております。そのためには、健診の受診促進とか予防医療の本格化とか、国民御自身の健康チェックの必修化、インセンティブなど、いろいろ論点がございます。また、資料の一ページ目を御覧いただきますとお分かりいただけますように、健康寿命、平均寿命、日本はこのターゲットをどこに置いていくべきなのかと、これも大きな課題でございます。 先日閣議決定されました高齢社会対策大綱では、ついにエージレス社会というフレーズが出てまいりました。これは非常に大きな論点で、二ページ目を御覧いただきますと、我が国では現時点で、五十五歳、六十歳、六十五歳、七十歳等々、医療、介護、雇用、年金、住まいや運転に至るまで、年齢の区別に十四本以上の法律があります。これをどう整理していくかという大論点もあるので、まさに働き方改革のステップツーはこの辺りかなと。つまり、定年制をどうするのか、これは産業界と徹底的に話し合わなければならない大課題でございますが、我々は、年齢にとらわれずに健康度の指標化というのができないものかと、ここも含めて検討し、是非政府の骨太の方針への反映、可能なものは議員立法化も考えてまいりたいと存じております。 安倍総理のエージレス社会への御所見をお聞かせ願いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権は、女性も男性も、お年寄りも若者も、一度失敗をした人も、障害や難病のある人も、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現に取り組んでいます。 その中で、我が国の健康寿命は、男性が今御紹介いただいたように七十一歳、女性が七十四歳と、世界でもトップレベルの水準にあります。人生百年時代を見据えて、高齢者を含めた全ての年代の方々に意欲と能力を生かして幅広く御活躍いただけるような社会を実現するため、健康寿命の更なる延伸を図り、活力ある健康長寿社会の実現に努めてまいりたいと思います。
○片山さつき君 ありがとうございます。 次に、三ページ目を御覧いただきますと、これは人工知能、AIが補助し得る人間の脳の機能をタスク別に分類表記したもので、この青の丸の状況理解ですとか経験に基づく学習とかはもう既にでき始めておりまして、真ん中にある知性、感性、ヒューマンな部分がまだまだということになっていくんですが、今から生まれる子供たちは、今存在しない仕事に就く、AI本格活用時代に成年を迎えます。 まず、創造を工夫する力とか問題解決能力とか上手にコミュニケートする力と、求められるものは多いんですが、林文部科学大臣、私どもが提言をいたしました義務教育開始年齢の引下げや、これに並行した幼児教育の早期化、質の向上ということも含めまして、この点についての文科省の展望をお聞かせください。
○国務大臣(林芳正君) 人工知能などの技術革新が進みまして、新しい産業や雇用が生まれ、社会においてコミュニケーション能力や問題解決能力の重要性が高まっている中で、今先生からお話がありましたように、幼児期の教育は、根気強さ、注意深さ、意欲などの非認知能力の育成において重要な役割を果たすと考えております。 例えば、新しい幼稚園教育要領においては、諦めずにやり遂げること、自分の良さや特徴に気付くことなどの内容を充実するなど、幼児教育の質の向上を図っております。 また、昨年閣議決定されました新しい経済政策パッケージを踏まえて、幼児教育の在り方については、諸外国における義務教育年齢の引下げや幼児教育無償化の例等を幅広く研究しつつ、安定財源の確保と併せて引き続き検討してまいりたいと考えております。 さらに、人生百年時代におきまして変化の激しい社会に適応していくためには、生涯の様々なステージに必要となる能力を着実に身に付け発揮することが一層重要となってまいりますので、文部科学省においては、社会に出た後も社会人が学び続けられる環境を構築するために、企業等との連携による実践的、専門的なプログラム等の開発促進や、放送大学等におけるオンライン講座の充実等に取り組んでおります。誰が幾つになっても学び直しができる環境の整備を本年夏に向けて検討いたしまして、リカレント教育の方も抜本的な拡充を図ってまいりたいと思っております。
○片山さつき君 AIの導入はあくまでも人間が民主主義の手続によって決めていくものでございます。我々は参議院の政審の方でこの分野の教育の在り方についてもPTを設けて提言をさせていただくつもりでございます。 次に、人生百年戦略本部の提言を昨年自民党が出した直後に、私は、人生百年副本部長といたしまして、三万七百人の署名を持ってこられた、希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会のお母さん、お父さんたちと率直な意見交換をさせていただきました。 実際に、保育園の申込みを諦めてしまう方とか、無償になったら働いて保育を希望しようかなという、これからのニーズは確かにあると思います。ですから、政府の三十二万人の枠ということとは別に出てくることもあり得ると思いますし、自民党は常に謙虚に丁寧に政策がニーズに合っているかをチェックし続ける責任のある政党と私どもは考えておるわけで。 まず、加藤厚生労働大臣に、今般の補正予算も含めまして、保育の受皿整備や保育士さんの処遇改善に政府は財源に責任を持てる範囲でこつこつと相当頑張ってきているということをお話しいただきたく。またあわせて、保育園の問題は、お話を伺えば伺うほど、市により区により個別のボトルネックやミスマッチが非常に大きいんですね。今般、待機児童緊急対策地域の指定ですとか、初めて、国、都道府県、市町村区、そして保育園、保育にやるお母さん、お父さんたち、関係者が一堂に会するプラットフォームをつくる構想ができているそうでございまして、これは、私、足立区や文京区の区長さんとはこの質問をするのでお話ししたんですけれども、非常に今までなかったいいことだねという御意見も出ておりますが、是非大臣から御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 待機児童の解消、待ったなしの課題でございまして、今般、子育て安心プランを前倒しをして、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿を確保する、そして今年度は企業主導型保育を含めて約六万人分の前倒しを確保する見込みでありますが、それに加えて、今般の補正予算で三万人分、そして平成三十年度予算案においても企業主導型保育を含めて八・五万人分の整備費、都合十一・五万人分の受皿整備を切れ目なく支援をしていきたいと思っております。 実際、委員御指摘のように、保育の受皿整備を行うのは保育の実施主体である市区町村ということでございますので、市区町村が待機児童の状況や潜在ニーズをしっかり踏まえて保育の受皿整備を行うことが重要でありまして、先般もそういった視点に立って、保育コンシェルジュなど活用しながら市区町村ごとにそのニーズの把握に積極的に取り組むよう求めているところでございますし、政府としてもそうした自治体の取組をしっかり支援をしていきたいと思います。 また、待機児童解消のため、また保育の受皿拡大には保育人材の確保が不可欠であります。今般の補正予算では、これまでの処遇改善約一〇%プラス四万円、最大四万円に加えて、今年度の人事院勧告に伴う国家公務員の給与改定に準じた一・一%の処遇改善を盛り込んでおります。さらに、昨年閣議決定いたしました新しい経済政策パッケージでは、保育士の確保や他産業との賃金格差を踏まえた処遇改善に更に取り組むという観点から、二〇一九年の四月から更に一%の賃金引上げを行うことを盛り込んでいるところでございます。 また、今お話がありましたプラットフォーム等の関係でありますけれども、今国会に提出予定であります子ども・子育て支援法の改正法案では、待機児童解消を促進する方策として、現行の都道府県による市区町村の取組の支援をより実効的にしていきたいと思っておりまして、都道府県が保育所等の広域利用の推進、保育人材の確保などを協議する場を設置できる旨などを盛り込むこととしておりまして、引き続き、国、そして都道府県、市区町村と連携して、しっかりとこの待機児童解消に取り組んでいきたいと思います。
○片山さつき君 ありがとうございます。プラットフォームにはできるだけ幅広くいろんな方の御意見を反映させていただきたいと思います。 さて、今回の自民党の昨年の総選挙の選挙公約の中では、実は各論のトップに来たのは中小企業・小規模事業者対策でございまして、中でも、事業承継につきましては、年末の税制改正で納税猶予の一〇〇%化、雇用要件の撤廃等、抜本的な改革でお答えを出すことができたのではないかと考えております。 ドイツでは中小企業は国の文化なので相続税特例があると言われているそうでございますが、それを申し上げるんだったら、日本では中小企業は国の宝でございまして、今、実は最終的な、実態、実務面のことにつきまして、昨日も日本税理士会の政治連盟の幹部と主税局の方に来ていただいて、実態面でこの改正が使いやすくなるような相談も続けているわけでございまして、麻生財務大臣におかれましては、細かいところまでの御指導、本当に有り難いと思っております。 そして、今回の二兆円のパッケージの教育負担軽減が総選挙で一定の説得力を私たち持てていたのは、やはり財源が確保できたこと、中でも経済三団体、なかんずく中小企業の多い商工会議所を含めて、三千億円の子ども・子育て拠出金の増額に御理解をいただけたことが大きいと思います。そのときに、党内の議論では、〇・二三ポイントを〇・四五ポイントは中小零細にはきつい負担なので何とかならないかというお話をしつつ、ただ、それが実際、徴収義務上無理なのであれば、是非、給付する上で、中小企業への追加加算、運営費の中小企業負担分の軽減等、中小企業配慮となるべきという考え方が示されておりますが、この点につきまして、少子化担当大臣に御方針を伺いたいと思います。
○国務大臣(松山政司君) 今回、子育て安心プランの実現に向けまして、社会全体で子育て世代を支援するという大きな方向性の中で、経済界に御協力をいただきまして、子ども・子育て拠出金を三千億円増額をしていただくことになりました。そのための子ども・子育て支援法の改正法案、今国会に提出をさせていただきます。 この拠出金の増額につきましては、私も企業経営の経験もございますので、中小企業また小規模事業者の皆さん方の理解をいただくために丁寧に御説明をということで、昨年末、私自身も商工会議所始め全国中小企業団体中央会、また全国商工会連合会に足を運び、御説明をさせていただいたところです。加えて、経団連、日商、そして中小企業三団体を含めて事務的な会議も二回開催をしまして、丁寧に意見交換もさせていただいたところでございます。 この企業主導型保育事業につきましては、複数の企業が共同して施設を設置をしたり利用することができます。中小企業にとっては大変活用しやすい事業にもなっております。 さらに、平成三十年度の予算政府案におきましては、中小企業が行う場合、運営費の企業負担を五%から三%に軽減するということにしております。また、保育施設における事故防止等のために必要な防犯、安全対策の経費十万円を、中小企業の場合は二十万円に増額をするということにいたしております。加えて、共同設置をしていただく場合は新たに百万円を加算するということで、支援策を講じることとしているところでございます。さらに、普及策として、今後、地域ごとに中小企業向けの説明会あるいは相談会を開催しながら、広くこのことを告知をしていきたいと思います。 平成三十年度は二万人分の受皿を確保する予定にしていますので、中小企業の事情に十分配慮しながら、引き続ききめ細かく対応してまいりたいと思います。
○片山さつき君 大変ありがとうございます。松山大臣におかれましては、中小企業団体の配慮を大変はっきりと今日ここで述べていただき、皆さん安心されたと思いますので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。 今日は、日本銀行の黒田総裁をお呼びさせていただいております。 内閣府の中長期試算が出ました。名目成長率として二〇一八年は二・五%を目指す、二〇二〇年は三・一%を目指すという目標のため、私は、この主要先進国の中央銀行では相場となっている二%のインフレ目標というのは、掲げ続けること自体に意味があると考えております。 今回のダボス会議では、ほんの僅かでも金融緩和の出口的なニュアンスが出たり、あるいはムニューシン財務長官等からドル安容認的に受け入れかねない発言が出たりすると為替が乱高下するという今の神経質な相場が分かったわけで、黒田総裁も大変御苦労をされたのではないかと拝察をしております。 是非この場をお借りになって、大胆な金融緩和の継続方針に一ミリたりとも揺るぎがないということを、これテレビ入りでマーケットも今開いておりますので、言明をしていただければと思います。ただ、この政策の唯一最大の弊害は金融機関の収益の構造的悪化でございまして、特に地域金融機関と系統金融機関、これについてはまた別途の配慮が要ると思うのですが、その二点について日銀総裁にお伺いをいたします。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、現在、日本銀行は、いわゆる長短金利操作付き量的・質的金融緩和の下で、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するため、最も適切と見られるイールドカーブの形成を促すこととしております。その際には、一昨年九月の総括的検証でお示ししたとおり、金融仲介機能への影響などを含め、経済、物価、金融情勢を踏まえて総合的に判断するということとしております。 そう申し上げた上で、現在の日本経済の状況を見ますと、景気は緩やかに拡大しておりまして、金融仲介機能にも大きな問題は生じているとは考えておりません。ただ一方で、物価は弱めの動きを続けておりまして、二%の物価安定の目標の実現までにはなお距離がございます。 そうした状況を踏まえますと、日本銀行としては、引き続き現在の強力な金融緩和を粘り強く進めていくということが日本経済にとって必要であるというふうに考えております。
○片山さつき君 総裁、大変ありがとうございます。 この次の質問は全く基軸が違うんですが、仮想通貨の取引所が再びトラブルを起こしまして、仮想通貨についても総裁、何回かコメントをされているんですが、改めて御所見をお伺いしたいのと、実は私、日中与党協議で訪中いたしまして、非常に驚愕したのは、中国一の古刹と言われております開元寺というところを訪問したら、さい銭箱がないんです。その代わり置いてあるのはバーコードでした。で、皆さん、アリペイやウイチャットペイでおさい銭されていました。これって文化的にどうなのかなと我々は思いましたが、ただ、中国のトップエリート、人民、もう本気でキャッシュレス化を考えている風情があるんですよ。 まあ、いろいろお国の事情があるんでしょうが、仮想通貨とは別に、中央銀行がデジタル通貨化政策することについて、これはどう考えられるか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) まず、前段の仮想通貨の問題につきましては、御案内のとおり、この一月二十六日、仮想通貨交換業者コインチェック社が顧客から預かっていた仮想通貨NEMが不正に外部に送信されて流出するという事案が発生いたしました。 中央銀行としての立場から申し上げますと、支払決済や金融は信頼に支えられているわけでありまして、決済や金融サービスの安全性、安定性に対する人々の信頼をいかに確保するかということが常に大事な視点となると思います。 こうした視点から、まず、仮想通貨関連サービスの提供者は、自主的かつ積極的に投資家へのリスクの説明や、それから十分なセキュリティー対策の実施など、信頼確保に努めていくことが求められると思います。他方、仮想通貨に投資する人々は、法定通貨ではなく裏付け資産も持たない仮想通貨の取引に伴うリスクというものをしっかり認識する必要があるのではないかというふうに思っております。 後段の中央銀行のデジタル通貨についての私どもの考え方を申し上げますと、中央銀行デジタル通貨としては、国際的には様々なものが議論されております。 まず第一に、一般の人々も現金代わりに使えるデジタル形態の通貨を中央銀行が自ら発行してはどうかという議論がございます。また、別な議論として、中央銀行の当座預金という既にデジタル化されているものを新しい技術を使ってより効率的、便利にできないかという取組もございます。 このうち前者につきましては、具体的に申し上げますと、スウェーデン中央銀行などはその発行の是非について具体的に検討しているようでございます。ただ、その背景を個別に見ますと、スウェーデンのように国内での現金の利用が急減しているということなど、それぞれ特別な事情もあるようでございます。 仮に現金を代替するようなデジタル通貨を中央銀行が発行するということになりますと、民間銀行の預金や資金仲介への影響などいろいろな影響があり得るわけでございますので、慎重に検討する必要があろうというふうに思っております。 したがいまして、多くの主要中央銀行はこのようなデジタル通貨の発行については極めて慎重な姿勢を維持しておりまして、日本銀行も現時点ではそうしたデジタル通貨を発行する計画は持っておりません。 他方で、既にデジタル化されている中央銀行の当座預金を分散型台帳などの新技術を使ってより便利にできないかという問題意識については、私どもも含めて幾つかの中央銀行が調査や実験などに取り組んでおります。ただ、極めて高い信頼性を求められる中央銀行のシステムに応用する観点からは、なおこうした技術は未成熟な面もございますので課題も大きいと思います。 しかしながら、中央銀行として、将来的に新技術を自らのインフラ改善に役立てる余地はないのかといった視点、あるいは支払決済システムや金融システム全般の安定に責任を持つ立場から、新技術の内容について深く理解する必要があるということでございまして、実は、こうした観点から、日本銀行は欧州中央銀行と分散型台帳技術に関する共同調査を実施しておりまして、既にいろいろな有益な知見も得られているわけでございます。 日本銀行といたしましては、決済イノベーションあるいは決済手段のデジタル化などの動きに適切に対応していくことが重要と考えておりまして、今後とも、そうした取組を進めるとともに、内外の議論にも積極的に参画してまいりたいというふうに思っております。
○片山さつき君 デジタル決済についてはかなり御検討しているということで、大変ありがとうございました。 私の日銀総裁への御質問はここまででございます。
○委員長(金子原二郎君) 御退席、結構です。
○片山さつき君 次に、四ページ目の資料を御覧いただければと思います。 世界経済に占める市場経済諸国の比率と書いてありますが、これは端的に言って、日、米、EU、そして今回調印が近づいておりますTPP11の参加国、この経済シェアが世界の中で残念ながら趨勢として落ちてきて、その上の方は、上の方の国も皆さん、市場経済諸国だと皆さん御自分ではおっしゃいますが、経済への国家関与が強いという意味で分けさせていただいたグラフで、これは私がクリエートしたというよりも、実はこういう議論をしてくれと、日本の最大手の商社のトップ、長年、中国そして新興国商売をしてこられた方から一回これ考えてくれよと言われたのでございます。 つまり、習近平国家主席への表敬、そして外交のトップの楊潔チ国務委員との会談を含めまして、私も昨年十二月に日中与党協議で訪中させていただいたんですが、五日間で見せ付けられましたのは、中国のEコマース、電子決済、顔認証等が驚くべき割合で国民をカバーしていて、二期目となって安定された習近平国家主席体制の下、共産党路線のままでの市場経済型管理社会が着々と形成されておりまして、現実に犯罪やテロは減ってきているので、その路線に非常に自信を持っておられるんですね。 という状況の中で、日中の与党協議では経済セッションがございまして、榊原経団連会長より、知的財産とかルールの透明化と、今までずっと言い続けている総論のお話があった後、私の方からは、後にお聞きします電気自動車、電池からの日本締め出されるかもしれない問題とか、Eコマースやシェアリングエコノミー、あるいは中国人の七百万人の観光客が中国の白タクや中国の違法民泊を利用してしまいがちなことがあるので合法のものとつなげないかとか、いろんなお話をさせていただいて、実際、米や食料品、木材につきましては既に進展の兆しが見えていまして、実は今日あしたと、中国側、経団連とのフォローアップを我々予定をしております。 こういった中で、はっきりと日中ハイレベルの経済協議の再開が必要だなと我々は痛感いたしましたし、そこに党ですとかあるいは民間も入れて縦横無尽にいろんな問題を話し合って、自由で開かれた、民主主義にのっとった法の支配に基づくルールの経済連携を広げていくことがみんなのウイン・ウインなシチュエーションなんだよという話をしていかないと大変なことになるなという気がしております。 また、総理はトランプ大統領と最も御信任関係の厚い世界のトップでいらっしゃるわけですが、トランプ大統領が今般ダボスでTPPへの復帰を、条件はいろいろおっしゃいましたけど、とにかく示唆されました。つまり、今から我が国が米中のはざまで日本の国益を最大化するためには、中国ともがっぷり四つで経済ハイレベル協議を進めて、できるだけ交流をレベルの高いものにしていくことと、それと同時に、やはりこの下のブルー路線頑張らなきゃということで、トランプ大統領にTPPへの復帰を本気で働きかけること、この両方がおできになるリーダーは安倍総理しかいらっしゃらないのじゃないかと思いますので、是非総理の御方針をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、日中ハイレベル経済対話についてでございますが、御指摘の知的財産の保護やルールの透明化など経済分野での問題解決や経済促進について双方のハイレベルが大所高所から議論する日中ハイレベル経済対話は、日中経済関係を更に発展させていく上でも有意義なものと考えております。 昨年十一月の首脳会談において、私から習近平国家主席や李克強首相に対し対話の早期実施を呼びかけたところでありますが、先般訪中した河野外務大臣から中国側に対し早期実施を呼びかけており、引き続き中国側と調整をしていきたいと思いますが。 それと、TPPについてでございますが、トランプ大統領に対しましては、トランプ氏が大統領に就任する前、一昨年の十一月に米国で会談をした際にも、TPPの意義、重要性、米国が入る意義等についてお話をさせていただきました。 そして、昨年の訪米時に、二月の訪米時にも相当時間を掛けて、フロリダにおいて、例えばゴルフの合間を縫って昼食をした際にもこのTPPの意義についてお話をしたところでありますが、米国と日本、この価値を、普遍的価値を共有する両国がしっかりとしたルールをつくっていくべきだという話をしたところでありますが、この意義についてですね、意義についてトランプ大統領から反論あるいは異議はなかったわけでございまして、ずっと話には耳を傾けていただいたところでございまして、先般のトランプ大統領のTPPへの復帰可能性についてですね、に関する発言がTPPの意義や重要性への認識を示すものであれば、歓迎したいと思います。 我が国としては、まずはTPP11の早期署名、発効の実現を最優先として進めていきたい、三月の八日署名を目指して進めていきたいと、このように思いますが、引き続き米国とは意思疎通をしていきたい、そして、やはり米国がしっかりとこの自由で開かれた高いルールのTPPを日本とともに牽引していくべきだということも含めてトランプ大統領にも働きかけをしていきたいと、このように考えております。
○片山さつき君 大変心強いお言葉、ありがとうございました。我が国はアメリカと中国の間にあり、引っ越しはできません。是非、二兎を追う正面作戦でよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、五ページ目の資料を御覧ください。これは自動車をめぐる現在の状況ですが、自動車業界は、日本では五百三十万人を雇用し、一・五兆円を投資する基幹産業中の基幹産業でございますが、世界のマーケットの中では中国と北米が圧倒的に大きいので、グローバル競争の上では日本のメーカーはこの二つのマーケットを取りにいかなければならない宿命にあるのですが、実は両方とも電気自動車を急激にプッシュする政策を取っております。 私は、日中与党協議でも、現在の中国のルールだとその電気自動車を一割以上にしないと全メーカーはいけないんですが、その推奨されるべきリチウムイオン電池リストに日本が入っていない。ところが、日本はパナソニックが今度大連に新工場を造ると。おかしなことになっちゃうんですよ。つまり、中国からリチウムイオン電池という、元々これ日本が発明した三種の神器の一つですから、電気自動車の三種の神器は全部日本が発明していますので、それを買って入れなきゃならないという、こういうことって普通、WTOルール的にあり得ないと思うんですよね。それは我々ももうしっかり申し入れてテークノートもされましたし、経産省も非常に取り組んでいただいているんですが、将来的に車種別販売台数とかこの戦略をどうするのかは、我が国の地域雇用にも大きな影響があります。 自動車城下町と言われる東海地方とか群馬の一部とか広島とか神奈川とか、そういうところでEVが急に増えていくと、部品どうなるのかという不安があるのも事実だし、まず第一に、安心、安全網としてずっと頑張っていただいているガソリンスタンドどうするのかという問題もあって、そういった総合的な対策につき、どのようにお考えかを世耕経産大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 去年、中国あるいはヨーロッパの国々が一斉に車をEVに将来シフトさせるんだというようないろんな政策を発表して、一種EVショックのような状況になっているわけですが、そういった中で自動車、日本の自動車産業が不利に扱われることがないように、例えば我々はもう既にハイブリッド、プラグインハイブリッド、これだってEVの一種だと思いますから、こういった日本の高い技術が不当な扱いを受けることがないように、これはきっちり目を光らせておく必要があるだろうというふうに思います。 そしてまた、EVについてあたかも日本が遅れているみたいな話がありますが、もう既に日本では、もう市場に出回っているEVもあれば、最近でも業務提携、資本提携で自動車会社を超えてEVをつくっていこうという動きも出ていますし、また、EVのコアは電池でありますけれども、今のリチウムイオン電池というのは、資源が有限であるとか、安全性に問題があるとか、航続距離が短いという問題があるんですが、それを解決する全固体電池というのは、これは日本の企業がかなり先を行く技術を持っています。こういったことをしっかり応援をしていきたいというふうに思っております。 いずれにしても、EVはEVである程度伸びると思いますが、一方で、電池の資源が有限であるということとか、あるいは充電に三十分も掛かりますから、これみんながEVになったら大変なことになるとか、そもそもクリーンに見えますが根っこの発電所が石炭火力では意味がないとか、いろんな課題もあるわけでありますから、EVに日本もしっかり取り組みますけれども、EVの前のプラグインハイブリッドとかハイブリッド、あるいはEVの先の水素を中心とする燃料電池自動車、こういったものにもしっかり目配りをして、一本足打法ではなくて、いろんな状況にきちっと将来対応できる自動車産業の構えをつくっていくことが重要だというふうに思っています。
○片山さつき君 ありがとうございます。 元々、EVの三種の神器、リチウムイオン電池、モーター、インバーターは全て日本で開発されておりまして、私も十分EVの社会でも日本はナンバーワンになれると思っておりますし、この予算委員会でも議論してきました、水素社会は日本の国策ですから、FCVとなれば日本が抜き出ておりますので、是非、しっかりした断固たる自動車戦略と、それから長年安心網としていらしていただいているガソリンスタンド業界への配慮もお忘れなくお願いしたいと思います。 次に、六ページ目をお開きいただきたいと思います。(発言する者あり)七ページ目、はい、七ページ目をお開きいただきたいと思います。 これはAIにおけるディープラーニング、深層学習の話なんですけれども、日本は既存の産業秩序にAI、IoT、ビッグデータを取り込んでソサエティー五・〇を目指す、これが飛躍的な生産性革命の、今の政策での骨になっているんですが、残念ながらAIではアマゾン、グーグル、あるいはアリババ、テンセントに後れを取っていると。AIの特許数やトップ企業ランキングでなかなか、米国にはもちろんかなわないんですが、中国にも遅れつつあるなということを私どもも清華大学を訪問して思いました。 ところが、起死回生の策があるんですね。そのAIの中でもディープラーニング、深層学習の分野は、日本の優秀な理系の数学既修の院生やドクターには非常に、半年、一年の特訓でやりやすい分野なんだそうでございます。そこで、AIの実装への設計がもしできるようになるならば、今はその人材はどのぐらいいるんですかとお聞きしたところ、この東大の第一人者の一人の松尾先生は、二百人ぐらいかなと。だから、トヨタでもパナソニックでも、AIの研究所をつくろうとするとわざわざみんなシリコンバレーにつくってしまって、非常にもったいないんですね。これをこの三年間ぐらいで急激に養成してはどうかという御提案でございます。 ダボス会議でも、これは、ヨーロッパもこれが遅れているものですから、ネスレとかノキアとかヨーロッパのトップ企業が二十六社集まって、民間主導で似たような技能訓練革命を起こそうじゃないかということを先週発表したばかりでございます。 世耕大臣、習って覚えてまねして捨てよという本を覚えていらっしゃるでしょうか。私は真藤NTT会長から直接その本をいただいて、この方すごい方で、三十年前に、電話はソフトウエアが中心になって、ソフトウエアはすぐ陳腐化するから、大量に養成してずっとブラッシュアップし続けろと三十年前に言った方なんですが、この分野についてはそれが可能だというお話なんですが、経産省としてはどのようなバックアップをしていただいているか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 確かに、AIの人材養成あるいは論文の数などの面でアメリカや中国の後塵を拝していることは事実だというふうに思います。ただ、日本人はやはり数学が得意だというこの非常に強みがあるわけです。この数学が得意であれば、少し勉強すれば、ディープラーニング、AIの技術は身に付けることができるというふうに言われていますので、そういった面での人材育成急いでやってまいりたいというふうに思います。 今、政府としては、まず経産省、第四次産業革命スキル習得講座認定制度というのをやりました。これは、実は厚生労働省が持っている予算を経産省が認定するという画期的な仕組みでありまして、省庁超えてしっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。また、産業界でも、既にディープラーニングやデータサイエンティストの育成に向けた検定試験ですとかスキル認定制度みたいなものが取組が進展をしております。民間ともよく連携をして、人材基盤の強化についてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○片山さつき君 総理、このページを見ていただくと、機械・ロボットのカンブリア爆発というところに、介護ですとか運転、運送、トラック運送とか書いてあるんですが、私は国会議員になって十二年になりますが、ずっと運送業界を応援する仕事していて、有効求人倍率が高かろうが低かろうが、この業界が若者が殺到してあふれるのを十二年間見たことはないですよ。 実は、アメリカでAIは進んでいますが、全米の協会の方から、百八十万人いる若手のドライバーの仕事が脅かされるからトラック運送にAIってどうなのという意見が出ているんですよ。欧州も似たような問題になりますが、ここに書いてあるような分野であれば、日本においては構造的に人が足りないですから、ここに実装実験ができる技能者を養成して、ここに入っていってデファクトスタンダードを取ってしまえば、一気に日本が上に出られる可能性があるんですね。 そして、この問題は、長年言われている理科系のポスドク問題もあるんですね。黒川清内閣参与ともお話ししましたけど、学際の壁は厚く、教授や助教授の定員は少なく、本当に才能があっても仕事に就けない理科系のポスドクの方がいて、実はこういう例が本当にあるんだそうです。千葉大で飛び級入学して大学院まで行った方が、助手前の給料が二十万円なので、御結婚されたら続けられなくて、トレーラーの運転手をなさって物理を教えていると。 その方がAIプログラミングがなさりたいかどうかは分かりませんよ。分かりませんけれども、少なくとも日本全国のううんと思っていらっしゃるリケダン、リケジョの皆さんに夢を与える意味でも、ここで一つ再チャレンジの機会的なものを大きくAIを突破口に設けたらいかがかと思うのですが、総理にも是非応援していただければと思いますが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人工知能の最大のメリットは、熟練したベテラン技術者の判断力やノウハウを学習させることで、あらゆる現場の生産性を一気に高めることができる点であると思います。 御指摘の運輸、建設、介護などの現場で人手不足の解消に役立つだけではなく、学習を深めることでサービスの質の向上も可能となると考えています。さらに、ロボットなどと組み合わせることで劇的な生産性の向上も可能であり、人工知能はまさに生産性革命の最大の武器であると考えています。 他方で、御指摘のとおり、人工知能を使いこなすことができる先端IT人材の育成が喫緊の課題でありまして、今後、リカレント教育を充実していくに当たりまして、産業界と連携をして人工知能などの実践的な職業訓練の一層の充実を図るとともに、理工系大学と連携してディープラーニング教育に係るカリキュラムを創設するなど、幅広い世代を対象に多様なプログラムを用意することで人工知能など先端IT人材の育成に努めてまいりたいと、このように考えております。
○片山さつき君 ありがとうございます。これでみんな元気が出たかと思います。 次のページをおめくりさせていただきますと、主要国の電気料金と法人税率の比較表なんですが、これちょっと皆さんびっくりされるんですが、これ、法人税の改革、我々自民党政権、非常に頑張ってまいりまして、今回、アメリカのトランプ減税が最初に予定したよりも減税幅が少なかったこともあって、法人税ではかなり闘えます。そして、その中でも今回更に良い投資をしてくれた企業は二五%まで深掘りするわけだからそれはいいんですけれども、実は生産性革命、ソサエティー五・〇で、IoT、ビッグデータ、AIの三種の神器を目指していくと、物づくり大国同士の競争条件は電波と電力が重要になるんですね。 電波の方は規制改革会議で既に拡充をあれしていただいているんですが、電力料金は残念ながら高いです。これは謙虚に認めざるを得なくて、よくこういうお話をすると脱原発かどうかの切り口になるのですが、先般中国に行ってまいりましたら、号令一下、中国の再生エネルギー料金は三円まで下がっておりまして、我が国の原発のコストの三分の一以下でございます。そして、主要先進国では大体、デカップリングといって、再生エネルギー、いわゆるカーボンフリーを積極的に増やしながら、かつコストも下げていると。デカップリング競争が今からのグローバル経済の競争への生きる道なんですね。イギリスの気候変動委員長のジュリア・キングさんも、訪日したときにお話しいたしましたが、イギリスも今すごい勢いで安い再生エネルギーをどおんと導入しております。下がっています。 私どもも、私は自民党の再生エネルギー普及拡大委員長の三年目に入るんですが、これはある程度いろんな調整が必要があるので、我々も政治的なリスクを取るべきであろうということで、私の委員会の下に、初めての試みですが、電力会社エリアごとにタスクフォースをつくりまして、再生エネルギーの普及拡大の何が隘路なのか、接続量は本当にどこまで増やせるのか、送電線の本当の空き状況はどうなのか、フランスではEDF、イタリアではENELが何千万キロワットも自身で再エネ発電に本格参入しているが、日本ではなぜこれが進まないのかということを至急に検討させていただき、エネルギー基本計画の見直しへの党側の意見にも反映させたいと思っておりますが、まず、環境大臣、COP23で今のデカップリングの流れを、まさに直面、直撃されてお帰りになったと思いますが、どのようなお考えでお臨みになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中川雅治君) 私自身、COP23に参加いたしまして、世界が脱炭素化に向けて大きく動いていることを実感いたしました。例えば欧州の先進国におきましては、ここ十年余りの間に、GDPの成長と再生可能エネルギーの拡大など温室効果ガスの削減を共に二桁の割合で達成するなど、排出削減と経済成長の同時達成、いわゆるデカップリングを実現していると認識しております。我が国も近年はそのような傾向にあるものの、一層デカップリングの傾向を拡大する必要があると痛感いたしました。 また、CO2排出量当たりのGDP、いわゆる炭素生産性で見ましても、我が国は国際的な順位を大幅に低下させておりまして、私は危機感を持っております。 温室効果ガスの二〇五〇年八〇%削減に向けては、再エネ、省エネといった優れた環境技術などを生かした大胆な取組を進め、大幅な排出削減を図りつつ経済成長を実現することが重要でございます。そのための長期戦略の策定に向け、来年度の早い段階から政府全体としての検討を開始できるよう、政府部内で必要な調整を進めてまいります。
○片山さつき君 ありがとうございます。 次に、米国の法人税改革についてお伺いしたいと思います。 実は、BEPSの次はBEATなんですが、本当に、私が昨年三回訪米いたしまして、トランプ大統領の法人税改革で、国境税という部品を輸入するのに全部税金を掛けられたら日本のメーカーに余りにも不利なので、それだけはやめてくださいということをずっと言ってまいりまして、これはビル・ハガティ大使も非常に御理解を、伝えてくださりしていたんですが、最終的に出てきた条文の中にBEATというのが入っておりまして、日本の親会社への利子や使用料の支払、普通は損金算入ができるものに一律一〇%課税する案が出てまいりました。 欧州の財務大臣は既に連名で抗議をしておりますが、是非、麻生財務大臣にもBEATをビートしていただきたいと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) BEAT、いわゆるBEPSと似たような話で、ベース・エロージョン・アンタイ・アビュース・タックスというのを訳してBEATというんですけれども、このいろんな改正の中で、税源浸食、濫用対策税とでも訳すんですかね、そういったようなものが出てくることになると言われておるんですが、これは明らかに租税条約の規定に抵触しているんじゃないかとか、また、租税回避を意図していない通常のいわゆる国際取引にも当然影響するんじゃないのかと、一〇%ですから、日本としても当然こうした懸念を共有しておりますので、今般の税制改正に対しまして、いろいろな論点について引き続き米国当局と話を続けるのは当然なんですが、同時に、これをOECDの租税委員会等と、これは、国際会議、今からいろいろ、三月からいろいろ始まりますけど、そういった機会を通じてこの議論は連携をしていかなならぬところだとは思っておりますが、これは既存のBEPSにも影響してくるところだと思いますので、いろいろ議論をして、きちんとした対応を取らねばならぬところだと思っております。
○片山さつき君 是非よろしくお願いします。 私どものところにも、あさって、全米税制改革協議会のグローバー・ノーキスト会長、今回の税制、アメリカの改革のシナリオを書いた方ですが、お見えになりますので、私ども党の方からも微力ながら一生懸命バックアップさせていただきたいと考えております。 次に、平昌五輪でございますが、今この時期に総理が状況が許せば平昌五輪訪問ということを御決断なさったわけでございますが、これはある意味世界の注目がこの時期平昌に集まりますので、文在寅大統領に対して、従軍慰安婦問題の日韓合意のゴールポストは一ミリも動かさないこと、そして朝鮮半島には約六万人の邦人、そして拉致被害者救出問題がございますので、安全確保への韓国の協力を更に依頼し、そして何よりも朝鮮半島の非核化を一歩も譲らずに圧力を掛け続けるという、日米韓の鉄の結束を見せ付けられるという前向きな意味も多々あると思います。 総理から、お臨みになられる御方針をお聞かせ願えればと存じます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 諸般の事情が許せば平昌五輪の開会式に出席するとともに、日本人選手を激励してきたいと思っております。その際に、現地にて文在寅大統領と首脳会談を行い、慰安婦問題に関する日韓合意について日本政府としての立場を直接明確に伝え、韓国側も約束を誠実に履行していくよう強く働きかけていく考えであります。 委員が言及されたように、日韓合意というのはまさに最終かつ不可逆的な合意でございます。つまり、ということは、これはもう完全にここで終わるということでございますから、これを動かすということは、もちろん一ミリも動かすということはこれはあり得ないというのが日本の立場でございまして、日本側が要求されている約束は全て誠実に実行しておりますので、韓国側に韓国側の約束をしっかりと果たしていくように強く求めていきたいと、このように思います。 と同時に、北朝鮮に対してしっかりと圧力を最大限まで高めていく、この方針を進めてきたところでございますが、今般、ペンス副大統領も平昌五輪に参加をされることでございますから、日米韓の結束は絶対にこれは崩されないということを明確に示していきたいと、今後とも、圧力を掛け、北朝鮮の側から話し合いたいと言ってくる状況をつくっていきたいと、そして政策を、北朝鮮の側から話し合いたいという、そういう状況をつくり、政策を変えさせていきたいと、こう思っております。 また、たくさんの邦人が韓国で生活をしているわけであります。この邦人の安全、そして何よりも拉致被害者の安全を確保するために、韓国の協力をしっかりと要請していきたいと、このように考えております。
○片山さつき君 大変力強いお言葉、ありがとうございました。 次に、憲法改正でございますが、今朝も憲法改正推進本部が開かれまして、私も参議院側の代表の副本部長の一人として参加させていただきまして、その場で細田本部長から初めて、国民に政権公約でお約束をした四項目を中心に今から内容を詰めていく時期に入ったと。ですから、段階的にそろそろ基本的な条文を委員全員が自分で考えて、批判のための批判の意見交換ではなくて条文を出していこうという話になってまいったところでございます。 この後、高野議員からもお願いがございますが、我々参議院自民党の総意として、四つのポイントの中でこの合区の問題が非常に重たくございます。人口減少地域を抱える議会からは多くの要望も出ておりますので、そのことを改めて総理にお願いをするとともに、まず、昨年五月に総理が総裁として御提案をされた憲法改正による自衛隊の合憲性ということですね、これ、現時点では合憲、違憲の有権解釈権を持っている最高裁の判断が下されていない以上、憲法を改正することによって違憲の可能性を解消しようとすることはむしろ正攻法な手段とも言えると私は考えております。 そこで、総理が繰り返しておっしゃっていらっしゃるように、現状を全く変更しないで自衛隊を合憲化するということであれば、自衛隊という固有名詞を書くかどうかということだけではなくて、長年、政府の、自衛隊が合憲であるところの法定解釈でございます、自衛のための必要最小限の実力を保持することは妨げないと……
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ています。
○片山さつき君 こういう書き方もその中に入ると思うのですが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年の総選挙において四項目挙げまして、我が党の考え方を示させていただきました。その際、自衛隊を明記するということについてもお示しをしているところでございますが、どのような条文にしていくかということは是非党においてしっかりと議論していただきたいと、このように考えております。
○片山さつき君 終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で片山さつき君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、宇都隆史君の質疑を行います。宇都隆史君。
○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。質問の機会を与えていただき、ありがとうございます。 まず、政府におかれましては、テレビ中継を御覧の国民の皆様に対してもどうぞ丁寧で分かりやすい説明をいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。 まず第一に、ベンチャー技術革新の重要性というテーマで質問させていただきます。 近年、我が国でも相次ぐ大規模災害等、こういうのに対して正確な気象予報、あるいは医療分野での画像高速処理、はたまた安全保障分野等でのシミュレーションなど、様々な分野において、現在、高速計算処理機、いわゆるスパコンの存在は欠かせず、各国が国力を挙げてその性能向上と開発にしのぎを削っている、そういう状況にございます。 そのような中、世界省エネスパコンランキングにて一位から三位を独占した我が国のベンチャー企業ペジー社がNEDOの補助金水増し不正受給疑惑により起訴されたことは誠に遺憾であり、納税者である国民の失望と不信は甚大なものがあると考えます。 さて、まず一連の不正受給疑惑について、この投資が適切な事業であったのかどうか疑問視する声がございますが、経産大臣より概要の説明を求めます。
○国務大臣(世耕弘成君) 経産省の所管の独法であるNEDOは、事実上、補助金をだまし取られた立場にあるわけでありますけれども、しかし一方で、国民からお預かりした大切な税金を元にする補助金がだまし取られたということに関しては本当に遺憾に思いますし、国民の皆さんに申し訳なく思っております。捜査には全面協力をさせていただきますし、徹底的に原因究明をして再発防止もしなければいけないし、また国会に対しても真摯に御説明をさせていただきたいというふうに思っています。 ただ一方で、技術については、今、宇都委員からお話があったように、スーパーコンピューターや、あるいはこれから自動運転に積まれるようなセンサーの世界で使うために、半導体の省エネ技術、そして計算の高速化、これで世界の企業が今しのぎを削っている中で、今回事件を起こしたペジー社というのは高い技術を持っているという評価でありました。 これまで都合五回の研究助成が行われているわけでありますが、その都度、複数の候補者から選ぶ事前審査、そして選ばれた後の中間評価、そして事業が終わった後の事後評価、それぞれの評価に合計五十六名の電子工学、電気工学、あるいは半導体の専門家の方に評価をいただいていますが、ペジー社は一定の評価をもらっておりますし、この研究成果の中からまさに実用化されたものも出てきている。 そういう意味で、今回こういった詐欺事件のようなことを起こしたのは本当にけしからぬわけでありますけれども、一方で技術には一定の水準のものがあったと考えております。
○宇都隆史君 今、経産大臣の方から経産省側のお立場で様々な御解説があったんですが、やはり一般の国民には、この技術的な細かい部分、一体本当にどういう事業だったのかというのは分かりにくいですよね。 そこで、スパコンの核心部分である半導体、CPUとかメモリーとか言われますが、これらがどのようにして作成されるのか、ちょっとパネル一、皆さんは資料の一を御覧ください。(資料提示)これを基に、半導体というのはそもそもどういうふうに製造をされるのか、そのプロセスをちょっと説明してください。
○国務大臣(世耕弘成君) まず一番最初に、この直径三十センチぐらいの円筒のシリコンインゴットというのが作られます。そして、それをスライスします。薄くスライスして、まさに円盤を作ります。これがウエハーと呼ばれる、シリコンウエハーと呼ばれるものであります。その上に回路を描いていきます。演算用の回路を描いたものがCPUウエハー、そして記憶用の回路を描いたものがメモリーウエハーとなります。 そして、今度はそれを細かく裁断をしていきます。長方形状に裁断をしていって、CPUウエハーから切り出したものがCPUチップ、そしてメモリーウエハーから切り出したものがメモリーチップ、このCPUチップとメモリーチップが合わさって、配線でつながって一つのプロセッサーができて、それをもう何万個という膨大な数、接続してできるのがスパコンということになるわけでございます。
○宇都隆史君 今ちょっと深掘りした具体的な技術を説明いただいたんですけど、次に資料二、パネル二を提示してください。そのようにして作られたものが、まさに我が国で二〇一一年から一二年に対し世界スパコンランキングで一位を獲得した「京」だったわけですよね。それを図示したのがこのパネル二のグラフです。 この従来のスパコンの「京」の形、この状態でより先に進もうと思ったら、どのような技術的課題あるいは方策というのが存在するんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今お示しいただいているのは、まさに「京」に載っている一つ一つのCPUの拡大図だと思っています。その中には、今薄緑で描いていただいているのが演算コア、これが八個載っています。そしてメモリーが縦に置かれて配線でつながれている状況になっています。これを「京」の場合は、合計このCPUを八万八千百二十八個ずらっと並べている、それがその筐体の中に八万八千百二十八個ずらっと並んでいるわけですが、そのことによって一秒間に一京回、だから一兆の一万倍の計算ができるというものでありました。 ただ、やはり課題は残っていて、これ一回一位は取っているんですけれども、ランクは下がっていきました。なぜならば、そこの黄色い、ピンクと緑を結んでいる黄色い線、これがいわゆる配線なんですね。配線を引いているということによって、スペースの限界があるので配線で何本もつなげないということ、また、配線している以上はその途中で雑音が入ったりロスが起こるということで、この辺を改善しなければいけないというのが「京」の技術的課題であったわけであります。
○宇都隆史君 そこで、その「京」が持っている技術的課題を踏まえて、国が、NEDOも支援をして、ペジー社が新たなものを作っていこうとしてこの事業を展開し、先ほど説明がありましたように、五段階にわたる開発事業で支援を得たわけですよね。これをちょっと、順を追ってその一つ一つをちょっと聞いていきます。 パネル三、皆さんは資料三を御覧ください。 これがまずペジー社の第一事業ですね、平成二十二年から二十四年。従来縦置きであったメモリーを横置きに四層重ねているような、こういう図示になっているんですけど、これによって何が得られるんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、ピンクのメモリーの前に緑の演算コア、さっき「京」は八個でしたけれども、これが五百個以上、五百十二個ほど載っているわけであります。これでまず計算能力が高まっています。そこにメモリーを縦に置いていたのを横に積み上げた。で、積み上げた上で電極を貫通させるというやり方を取っています。これで配線のロスがかなり省かれることになりまして、メモリーとCPUの間で極めて安定的な、毎秒百ギガバイトぐらいの信号の伝送ができるようになりました。また、電力のロスも、配線がなくて貫通電極でメモリーがつながっているということでありますから、消費電力も十分の一ぐらいまで低下できるということでありました。 この研究成果、これが一回目の助成金なわけですが、この研究成果は具体的に医療機器メーカーの医療用超音波検査装置に採用されています。実際、利益も上がっていますので、利益が上がった場合はNEDOに対して補助金を返してもらうということになりますので、約三千七百万円の、一部ではありますけれども収益の納付があったと報告を受けております。
○宇都隆史君 次に、このペジー社がやった第二事業を見ていきます。パネル四、皆さんは資料四を御覧ください。 平成二十四年から二十六年に行った事業。バンプレスという技術で、CPUウエハーにメモリーを直張りしているのが図示されています。これによって第二事業は何を得ようとしたんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、この第二の事業は、ウエハーの円盤、まだCPUが切り出されていない円盤状の上でメモリーを積み重ねるということで、作業効率を上げるというチャレンジをいたしました。 さらに、演算コアが、先ほど五百十二個と申し上げましたが、今度は倍の、一個のCPUに千二十四個の演算コアが載っかっております。その上で、先ほどと同じ貫通電極をやっているんですけれども、この貫通電極を、先ほどの一回目の助成事業の場合は本当に貫通させてハンダ付け、これがバンプというものだと思っていただければいいんですが、ハンダ付けをしていたわけですが、今回はバンプレスということで、化学反応やメッキの技術を使って電極をつなぐということをやりました。その結果、またここで効率が非常に良くなりまして、伝送速度が先ほどのやつは百ギガバイトだったのが百九十二ギガバイトに向上をしているわけであります。 この技術は、これも実用化をされておりまして、理化学研究所に収められている菖蒲と名付けられたスーパーコンピューターで活用をされております。
○宇都隆史君 次は、第三事業ですね。パネル五、皆さんは資料の五を御覧ください。 これが次に、平成二十五年から二十六年にかけてNEDOが補助を出したものです。今度はチップではなくてメモリーウエハー自体を重ねている絵がここに出ております。この第三事業について説明をお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 三回目の助成事業は、CPUは関係なくてメモリーの話になっています。先ほどはメモリーを一個一個CPUの上で積み重ねていくということをやっていましたが、今回は逆に積み重ねてから切るという、電極も通して切るというチャレンジをやっているわけであります。これによって生産性が向上するということ、製造コストが下がるということ、また、この一枚一枚のピンクのウエハーを薄くしていくことによって掛ける力が緩くて済みますから、電極を一段と細くできるという特性もあります。そういうことにチャレンジをいたしました。 実績報告で、これは専門家の方々からある程度評価をされているんですが、残念ながら、量産化に向けてはこのウエハーの張り合わせ、これもう本当にナノレベルですから、ちょっとでもずれていたら駄目なんですけれども、このウエハーの張り合わせにまだ課題があったということで、これはなかなか実用化には至っておりませんが、ここで出てきた技術でウエハーを薄く削る技術ですとか、あるいはウエハーの位置合わせの要素技術といったものがこの後の四番目、五番目の研究助成で活用されているということでございます。
○宇都隆史君 最後に、四番目、五番目はもう一緒に見ていきたいと思います。パネル六、七、皆さんは資料の六、七を御覧ください。 平成の二十七年以降の第四事業、第五事業をこのように図示をいたしました。メモリーを、これは今度は従来の電極ではなくコイルを使ってやろうという、そういう試みでございますが、これによって何を得ようとしたんでしょう。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、第四段階では二千四十八個、そして第五回目の助成ではついに八千百九十二個もの演算コアを載せるということにチャレンジをしております。 それに加えて、今度は、今までは電流でメモリーとCPUの間を通信をさせていたんですが、これをまさに磁界伝送という、磁力で伝えていくという方法を取るということにチャレンジをいたしました。これらが全て完成をすれば、最終的には十二テラバイトのCPU、メモリー間の通信が実現するという形になっております。 ただ、残念ながら、この四回目の助成、五回目の助成の事業はまだ研究段階の中途段階ということになります。特に磁界伝送については、電流じゃない分、少し雑音を拾いやすくてエラーが起こりやすいとか、いろんな課題があったわけであります。 ただ、一方で、この四回目と五回目の研究助成を通じて、例えばもう極めて微細な加工を行う設計技術ですとか、あるいはCPUとメモリー間の信号伝送を評価するための試験用チップの開発などが実施をされたというふうに考えております。 ただ、もうこれはまだ実行途中で今回の事件に至っているということで、今中断をしているという形でございます。
○宇都隆史君 ちょっとここで改めて大臣にお聞きしたいんですけど、この五つの事業に補助を出したわけですけれども、五つの全てがこの不正受給の対象となっているわけですか。
○国務大臣(世耕弘成君) これ捜査が継続しているようでありますからあれですけど、事実としては、今立件をされている、一つは三つ目の事業、これが起訴に至っております。さらに、二件目の事業に関して再逮捕をされているという状況であります。
○宇都隆史君 これまでの技術的な説明をいただき、技術だけこうやって聞いていると、しっかりと課題を解決しよう、前を見据えて物をつくっていこうというふうに聞けるわけです。 そこで、経産省として、今回のペジー社の技術、これはきちっと投資に見合った適切なものであったというふうに評価しているんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) ちょっと先ほどの答弁訂正、二番目ももう起訴に至っております。 その上で、やはりこれは非常にチャレンジングな研究ではあるわけですけれども、一方で、先ほど申し上げたように、もう医療用の検査機器では活用をされたり、スパコン、実際に理研とかJAMSTECに置かれているスパコンで活用されて、特にグリーン五〇〇という省エネ型のスパコンでは一位を取っているわけでありますから一定の成果はあったと思いますし、こういう、じゃ、スパコンを開発することによって、例えばビッグデータを活用した医療技術の進歩ですとか、あるいは気象予測の精度を上げるとか、あるいはこれから自動車を造っていくようなときの風力シミュレーションですとか、いろんなことに活用できるということで、国民生活や産業競争力の強化に貢献をしていける技術だというふうに思っています。 また、半導体技術の側面からいくと、こうやってメモリーを重ねていくという技術は、まさにデジカメやこれから自動運転で使われる画像センサーですとか、あるいは東芝の経営危機のときに問題になりましたフラッシュメモリー、こういったところにまさに積層する技術が使われているわけでありまして、非常に今苦しい状況にある日本の電子産業が再び飛躍するための重要な要素技術になる可能性は秘めているというふうに思います。 ただ、いずれにしても、このような詐欺事件になり、国の補助金がだまし取られたということについては本当に申し訳なく思っておりまして、ともかく徹底した調査、事実関係の究明をしっかりと行ってまいりたいというふうに思います。
○宇都隆史君 各国がしのぎを削りながら、よその国に負けないように、その頭脳となるコンピューターを作ろうとしているわけですよね。 今回懸念しますのは、この起訴によって、ペジー社自体が海外の大資本に買収されたりとか、あるいはこれを開発した技術者の皆さんがある意味そちらの方に移ったりすることで、我が国、国家が国を懸けてつくった大事なこの技術というのが海外流出し、また、そういうものがまたいろんな様々なものに転用、軍事転用も含めてされることを非常に懸念するわけですけれども、この辺りのことは経産省としてどのようにお考えですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今、ペジー社は経営トップが逮捕されているわけですから、もう事実上経営や研究はストップしているという状況の中で、やはりこれだけ高い技術を持っていますから、半導体、スパコンの世界で高い望みを持っている外国から買収の対象になるという可能性は十分あると思いますが、一方で、このNEDOで助成した事業、それから生まれた技術というのは、助成期間が終わった後、事業が終了した後であっても、助成事業の対象となった研究の成果というのは、買収をされる場合にはNEDOの承認が必要ということになります。 また、会社の買収自体が本当に日本の安全保障上影響が出てくるということになれば、これは外為法による対応というのも、これは具体的に買収の手続が始まらないと駄目ですけれども、そういった一応セーフガードも掛かっているということは申し上げておきたいと思います。
○宇都隆史君 一連の経産大臣の説明により、技術的には我が国の電子技術、これを強化して、我々の国益に合致する研究開発事業であったんではないかなと理解をいたします。 しかし、やはりこの不正事案が発生したこと、これは国民の信頼を裏切る重大な行為です。極めて遺憾であり、厳正に対応し、再発防止に万全を期していただきたいとお願いをいたします。 しかし、同時に、こういうことがあったからといって、これに萎縮することなく、国益を更に追求し、ベンチャーによる技術革新に全力で取り組まれることを希望して、この質問については終わらせていただきたいと思います。 さて、外交の質問に移ってまいりたいと思います。問い十でございます。 昨年末以降の日中関係の雪解けの雰囲気、これが醸成したこのタイミングに、本年一月十一日、中国のフリゲート艦と潜水艦が我が国の尖閣諸島の接続水域を航行しました。関係改善に意欲を示しながら、一方では軍事的緊張感を高める今回の行為は双方の関係改善に水を差すものであり、しかも、領有権は我にあるとばかりにわざわざ浮上して中国国旗を高々と掲げた潜水艦の映像には、国民の怒りも激しく、改めて与野党を超えて断固として抗議をしたいと思います。 今回のような事案からも、我が国と価値観をなかなか共有できない中国との関係は、楽観的に友好関係を築こうとせず、日米豪印といった戦略的価値を共有する友好国との緊密な連携も踏まえた上で、常に緊張感あるいは警戒心を持って慎重な関係構築をしていく必要があると思います。 総理、今後の日中関係改善に対してどのような姿勢で臨まれますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、安倍政権の下においては、日本の領土、領海、領空を断固として守り抜いていく、この方針の下、政府で一丸となって当たっているわけでございます。先般の中国の潜水艦とフリゲート艦の事案についても、この方針の下、万全の態勢を取ったところでございます。 尖閣諸島をめぐる情勢については、今後も毅然かつ冷静に対応してまいります。この安倍政権の決意を見誤るべきではないということを強く申し上げておきたいと、このように思います。 同時に、本年は日中平和友好条約締結四十周年の節目の年でありまして、日本と中国は、北朝鮮問題を始めアジアの平和と繁栄に大きな責任を共有している両国であります。日中関係は隣国ゆえに難しい課題もありますが、引き続き、戦略的互恵関係の考え方の下、大局的な観点から協力と交流を進めてまいります。 同時に、自由で開かれたアジア太平洋戦略の下、日米豪印の協力を進めていくことにもなりますし、安全保障上においてもこうした国々との関係を強化をしております。さらには、英国そしてフランスといった国々とも安全保障上の関係を強化しているところでございます。
○宇都隆史君 総理、ありがとうございました。 今総理が示された政府の姿勢をまさに体現するかのように、先週二十八日は河野外務大臣が日中関係改善のために訪中をされました。お疲れさまでございました。 その中で、李首相からは正常な関係に戻る一年にしようという挨拶があり、王毅外相からは口頭の態度表明を実際の行動に移してほしい、このような注文があったやに聞いております。 訪中してどのような外交成果を得ましたか。また、中国の言うこの正常な関係、実際の行動とは何を意味すると外務省は認識されておりますか。お願いいたします。
○国務大臣(河野太郎君) 中国側の発言について一々私が解釈を申し上げることは差し控えたいと思いますが、私の方から申し上げなければいけないことは率直に申し上げました。関係改善の中でも是々非々のやり取りを行っていくことは当然だというふうに思っております。 全体的に非常に前向きな雰囲気で長時間にわたり充実した会談ができたと思いますが、引き続き、懸案は適切に処理し、日中関係のいい面をしっかりと拡充しながら、全面的な関係改善に向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○宇都隆史君 今度は、中国ではないんですが、同じような時期に、一月十八日、オーストラリアのターンブル首相が我が国に来日をされました。日豪関係は非常に良いムードで今進展していると認識をしております。 親中派の実業家として知られていたターンブル氏が首相に就いた当初は、我々も豪州における対中戦略が転換するのではないかと危ぶみましたが、現在、例えばオーストラリア連邦政府は、中国を念頭に置きながら、外国人から影響を受けた国内組織や政治献金の監視を強化する措置を法制化するなど、豪中関係は今緊張しているような状況にあります。 私も、昨年八月にオーストラリアに訪問する機会をいただきまして、その際にターンブル首相とも親しく意見交換をすることができました。その際、先方からは、対中国戦略を共有することの重要性というようなお話もございました。 インド太平洋戦略の更なる強化のためにも日豪関係の更なる強化が重要と考えますが、今回のターンブル首相の訪日によりどのような外交成果を上げられたというふうにお考えか、総理の見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 豪州は、普遍的価値を共有する、そしてまた戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーであります。首脳の年次相互訪問を着実に実施するなど、首脳間の信頼関係を一層強化してきております。 昨年、私が豪州を一月に訪問した際にも、ターンブル首相の自宅において、相当ゆっくりと、食事を取りながら時間を掛けてアジア太平洋地域の安全保障環境等、そしてそれに対して日豪がどのように対応していくか、胸襟を開いた議論を行ったところでございます。 一月十八日のターンブル首相の訪日に際しては、国家安全保障会議の特別会合にも出席をいただき、日豪がインド太平洋地域の平和と繁栄を確保する上で重要な役割を担っているとの認識の下、自由で開かれたインド太平洋戦略の実現に向け、連携と協力を深めていくことで一致をしました。また、陸上自衛隊の習志野駐屯地を一緒に視察をしまして、日豪の共同訓練の質、量両面での強化等、安全保障、防衛協力を一層強化することを確認いたしました。北朝鮮問題を始めとする地域の諸課題への対応においても、緊密に連携することで一致をしたところであります。 豪州は、自由で開かれたインド太平洋戦略を実現していく上においても鍵となるパートナーであり、今後とも幅広い分野で連携と協力を一層強化していく考えであります。
○宇都隆史君 総理、積極的な答弁をありがとうございました。 次は、中国、インドの関係ですね。同じく一月十八日なんですけれども、ターンブル首相が訪日されているその日に、インドは射程五千キロを超えて中国全土を射程に収めるICBM、アグニ5の五回目となる発射実験に成功いたしました。 その背景には、インド北東部のアルナーチャル・プラデーシュ州をめぐる中国との国境問題の再燃があります。また、中国の推し進める一路一帯構想は、パキスタンが支配するカシミール地方を通ることから、インドは強い不快感を示すとともに、日本政府の一路一帯構想への協力表明に対し懸念を示しているとも聞いております。 私も、年明けにインドを訪問してまいりました。V・K・シン外務副大臣や多くの有識者と懇談をしてまいりましたけれども、皆一様に日本政府の対応に懸念の、心配の声を上げておりました。 また、一月二十五日、デリーにおきましてインド・ASEANサミットが開かれましたけれども、初めてASEAN十か国全ての首脳が参加して、軍事パレードを観閲し、その結束をアピールすることで中国を牽制しております。 日中関係の関係改善、これも十分必要なんですが、このようなインド、ASEAN諸国の動向を見るに、一路一帯構想への参加協力、これも極めて慎重に、また各国に対して誤解のないように進めていくべきと考えますが、改めてどのような姿勢で臨むべきと考えますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本とインドは、まさに自由、民主主義、人権、そして法の支配といった普遍的価値を共有し、そして古くからの長い長い友人であると言ってもいいんだろうと、このように思います。 私がインドを訪問した際も、またモディ首相が日本を訪問した際にも、相当時間を掛けて、この例えば一帯一路についてもお互いに意見交換をしたところでございますし、またアジア太平洋の安全保障環境等についても議論をしました。そして、日本とインドが協力することによって、いかにこの地域を自由で安定した地域にすることができるかということについても相当深い議論を行ったところであります。アジアの旺盛なインフラ需要に日本と中国が、しかし一方、協力して応えていくことは、両国の経済発展にとどまらず、アジアの人々の繁栄に大きく貢献するものであります。 一帯一路については、インフラの開放性、透明性、経済性、対象国の財政健全性等、国際社会共通の考え方を十分に取り入れることで、地域と世界の平和と繁栄に前向きに貢献していくことを期待をしています。 我が国としては、こうした観点から協力をしていきたいと、こう考えているところでございます。
○宇都隆史君 ありがとうございました。 最後に北朝鮮ですね。今度、平昌オリンピックの開会式に総理が参加されるということでございます。先ほど片山委員の方からも総理の参加における意義、目的の説明はございましたので、あえて答弁は求めませんが、今回のオリンピック、南北関係の接近のため、極度に政治的に利用されているんではないかと懸念をしております。また、今は北朝鮮に対して国際社会と連携し対話のための圧力を掛ける時期であって、昨今の韓国の北の歩み寄りの姿勢というのには、国際社会からもやはり懸念の声が上がっております。 我が国としても、相次ぐ韓国の約束の不履行や不誠実な対応に、国民の中には、特に若い世代を通じて韓国への嫌悪感が広がっていることは、やはり二国間の関係として非常に心配をしております。そのような中で総理は行かれるということですので、是非、先ほどおっしゃられた国民の皆さんに説明されたものをきちっと持って、堂々と外交を展開していっていただきたいと思います。 特に御認識いただきたいのは、やはり北の問題に対していろんな会話をするわけですから、やはりある意味危険な地域に行くわけですので、身辺警護等も含めて是非そこに万全を期しながら無事に帰ってきていただくことを望みます。 外交成果が上がるかどうかというのは分かりません。はっきり言って、言ったことをころころ変えるような国ですから。総理を見ていると、本当は行きたくないんだろうなというのを何となく感じます。時間がありますから、最後やっぱり行くのをやめようかなと思ったら、インフルエンザ等もはやっていますから、罹患するという手もありますしね、ぎりぎりのぎりぎりまでいろんな情勢を鑑みながら本当に行くべきかと。行くんだったら、徹底してその危機管理も万全にして行って成果を上げて、で、無事に帰ってきていただきたい、そのことをお願いしておきます。 さて、本日のテーマであります二十九年度の補正予算案、そして三十年度の本予算もちょっと触れたいと思います。パネルの八、皆さんは資料の八をお願いいたします。 三十年度の本予算案、全額としては五兆円超えなかったものの、対前年度比プラス三百九十二億円となった、これに関しては一定の評価をいたします。しかし、歳出化経費、つまり昨年までに契約したものの今年の払いというのが一兆七千五百九十億円、対前年比で言うと二百二十六億円もプラスになっているんですね。その上で、今年契約して今年払えるものという活動経費は九千九百四十九億円と、前年比で二十一のマイナス。その中でも、中をのぞいていくと、修理費、装備の修理をするお金ですね、それが千八百八十九億円で、昨年比でマイナスの百七十六億円。これはやっぱり看過できないなというふうに思っております。 二十九年度補正予算案でも、装備品の部品修理費が昨年は三百億円だったのに対して今年は九十七億円しか付いていない。桁が一つ違う。補正は年によって若干幅がありますから一概に比べられないんですけれども、こういうのを見ていると、今何が起こっているかというと、現場の部隊では装備品、これの稼働率が極端に低下をしていて、我が国の防衛体制の維持に死活問題というふうになっています。 例えばですけれども、今スクランブル、年間約千回ぐらい掛けています。もう十年前と比べると三倍ぐらい動いているわけですね。このスクランブルの対応に当たるF15戦闘機、我が国の最新鋭です、この前入った35を除いて言えばですね、これが現場で三十機、部品が入ってこないために寝ている。こんな状況が今発生しております。ですから、この装備品の高額化による予算の圧迫、近代化に伴う整備所要の高騰、年々増加するこの歳出化経費等の防衛予算の構造的問題、これはやっぱりどうにかしなきゃいけない。 この現状をどのように把握し、次年度以降どのような方策で対応されるおつもりですか。防衛大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(小野寺五典君) 自衛隊の様々な隅々のところまでいつも視察をしていただき、ありがとうございます。 今御指摘がありましたように、最近の安全保障環境が一層厳しさを増す中、例えば、F15を含めて対領空侵犯、あるいは船舶、様々な任務、警戒監視や領空侵犯などの任務の増加などがありますので、これに適応するためには艦艇や航空機などの装備品の質と量を十分に確保することが必要であります。そして、何より装備品の稼働率を高めていくこと、これが大変重要であります。 私も、八月に大臣に就任して以来、実はこの稼働率の問題、大変深刻な問題と考えております。実は、稼働率を含めた様々な補給品、部品というのの一括集中管理をするのは、御存じのとおり、十条にあります補給処というところであります。十条の補給処を視察を直ちにしまして、装備品の維持整備の重要性を認識をし、そして稼働率を上げるための様々な経費について至急対応するように指示をいたしました。活動経費のみで評価することは必ずしも適切ではありませんが、新規の事業費ベース、契約ベースでは、平成二十八年度予算から三十年度予算案にかけて、前年の補正予算を含め八千四百四十八億円から九千二百八十六億円に増加をさせています。 ただ、御案内のとおり今装備は新しくなっています。そして、部品も高騰していますので、それから、なかなかすぐに調達できない部品もあります。米側から取り寄せる部品もあります。そういうことを踏まえてしっかり対応できるようにしていきたいと私ども思っております。 また、今、後年度負担という示唆がありましたが、防衛装備というのは一年で予算化して次の年にすぐ買えるものではなくて、御案内のとおり数年掛かります。ですから、そういう意味では、予算化して何年か払って初めて装備が入るということになりますので、後年度負担ということがどうしても必要になります。 私どもとしては、防衛省・自衛隊として必要な額を確保すべく取り組んでまいりますが、今後、防衛大綱の見直しや中期防の策定に関して、主要装備品の質、量の確保、そして何より稼働率をしっかり上げる、そのための検討をしていきたいと思います。
○宇都隆史君 もう一つ防衛大臣に、それに絡めて、つなげてですけれども、近年、米軍からの装備品の買物、いわゆるFMS、この増加に伴って国内防衛力整備基盤が衰退の一途をたどっています。 パネル九、皆さんは資料九の方を御覧ください。 技術的優位性、そして整備の迅速性、また国内産業の雇用というのを確保する上でこれは重大な問題です。国内企業からは、もう防衛部門からの撤退を考える声も出始めています。政府が保有する整備工場、いわゆる工廠というものが有しない我が国にとっては、この国内防衛産業を維持し続けることが自衛隊の運用を機能させるための必須の条件となります。 この近年のFMSの激しい増加をどのように認識されますか。また、国内産業維持の、維持、基盤に対して今後どのように対応されるおつもりですか。防衛大臣の所見をお伺いします。
○国務大臣(小野寺五典君) 委員御案内のとおり、次期主力戦闘機あるいはイージスシステム等、米国の最新鋭の能力のある装備を導入するということは我が国の安全保障にとって不可欠であります。片や、やはり生産基盤となる国内産業の維持も大変重要なことだと思っています。 まず、FMS調達でありますが、これはいろんな指摘があります。高過ぎるんじゃないかとか、あるいは米側の値段のまま買っているんじゃないかとか、そういうことがございましたので、私の方からマティス長官に解決に対しての協力を求めました。 具体的には、例えば今回の三十年予算ですが、F35の導入に関しては、これは米側と交渉して、当初の概算要求から実際の予算要求では百億円の低減をしております。また、オスプレイに関しては、当初から現在の予算で二百五十五億円の低減をしております。このような形で、とにかくまず調達に関しては削減をしっかりしていくということ、これが大切だと思っています。 ただ、これだけですと、やはり国内産業の問題がございます。私どもとしては、高い能力を持つFMSの調達は、これは必要だということではありますが、ただ、もしこのFMSで高い能力の装備を日本で取得した場合、今後、その整備、あるいは同じような航空機等が、米側も日本国内で使用しております。例えばF35、これは御案内のとおり、つい先日、一機目が日本に入ってまいりまして、今、三沢におりますが、これのリージョナルデポ、これは維持整備の、管理の拠点ということになります。その拠点を日本に置くということで、今その整備も進みつつあります。 そうなりますと、日本が保有する、今の予算、当初の計画では最終的に四十二機のF35Aが入りますが、その整備と、そして米側が、今、日本で運用しているF35についてもこのリージョナルデポで維持拠点の整備として活用できないか、これは日本の企業が行うことになります。あるいはMV22オスプレイに関しても日本で導入することを決めていますが、既に御案内のとおり、日本国内で米側が配備をしております。この維持整備の基盤も、これは日本企業が日本において行うよう今努めております。 いずれにしても、私どもとしては、本来は日本企業にこのようなすばらしい装備を開発していただきたい、これが本音であります。 ただ、もしすぐにそれが調達できないのであれば、まずはFMSで調達をしますが、その維持整備は日本企業に日本でやっていただく。そして、何より様々な研究開発費を付けてまいりますので、是非日本企業の様々な高い技術を活用して、日本ブランドの防衛装備も私ども造れるように今後後押しをしていきたいと思います。
○宇都隆史君 防衛大臣、前向きな答弁ありがとうございました。 是非、今言われたように、在日米軍等の保有する装備品、これの整備なんかも是非日本で受け入れるような、そういう体制つくってください。現在は国際一般競争入札の中で、例えば韓国の会社がやったりもしていますからね。その辺もよく話し合っていただけたら有り難いと思います。 ミサイルの脅威の話に移ります。 北朝鮮のミサイル脅威に対して、中期防衛力整備計画には元々示されていなかった新たな防衛装備としてのイージス・アショアシステムの導入経費七億円が今回計上されております。激変する周辺環境から国の独立や国民の皆さんの命を守るために、迅速にこれを閣議決定して予算計上されたこと、これ高く評価したいと思います。 今回のこのイージス・アショアの導入によって何を期待されますか。
○国務大臣(小野寺五典君) 今、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃の防御は、一義的にはイージス艦によるSM3ミサイルで対応するということ、そして、最終的には、今東京都はこの市ケ谷にも展開しておりますが、PAC3の部隊で対応する、このような対応を取っておりますが、このイージス艦で対応する、元々その想定というのは、私が前、大臣だった三、四年前でしょうか、そのときには、どこからそろそろ撃つ、そしてどの辺に飛んでくるというのが、ある面ではいろんな想定もできました。ところが、今北朝鮮は、具体的に弾道ミサイルはあのトレーラーに積んであちらこちらに移動させ、そして急に発射してくる。 となりますと、今自衛隊の隊員が直面している緊張感は二十四時間三百六十五日ということになります。そして、海の上で対応するということになれば、当然補給も必要ですし休養も必要になります。今のような二十四時間三百六十五日ずっと待機するというのであれば、むしろ船の上に積んだイージスシステムではなくて、そのイージスシステム、ミサイル防衛のところだけを外して陸上に配備した方が二十四時間三百六十五日体制としては適当ではないか、逆に船が必要なくなりますので、そういう意味では船の予算は要らなくなるわけです。 何基で日本を守れるかというと、二つあればこれは北海道から沖縄まで全て守れると、一応そういう判断で今二つ置くことにしております。そして、それを今後予算化するわけですが、一番私どもとして有り難いのは、日本の防衛にも役立つんですが、実はイージス艦というのは、このBMD対応は今四隻あります。これから増やしていきますが、本来は、これは北朝鮮のミサイルだけではなくて、日本周辺の様々な問題に対応する非常に優れた船なんです。ですから、そういう日本周辺の様々なところにむしろこのイージス艦を活用させ、いざというとき集中的に守らなきゃいけないときには集中する、そのような運用がきれいにできるような形で是非装備していきたいと思って今回予算化を提案させていただいております。
○宇都隆史君 ありがとうございます。可及的速やかな配備と運用開始が可能なように、国民のためにしていただきたいと思います。 また、これ配備するとしたら場所を決めていかなきゃいけない。今でもまだ決めていないんですけれども、報道等で出ていることによって、地域の皆さんからこの安全性に対する疑問とかそれから不安、こういうのが広がっているという声も地元の先生たちからは聞いています。ですから、これが決まる、あるいは決まる前等に、やっぱりその配備をお願いするような自治体、住民の皆さんには、より丁寧な説明をお願いしたいと思います。 もう一つ、今回の予算の中に、護衛艦搭載用の新たなミサイルのSM6、これの取得経費が入っています、二十一億円。イージス・アショアにこれを配備する可能性というのはあるんでしょうか。あるとすれば、現行のSM3とこのSM6は何が違うのかを国民の皆さんに説明してください。
○国務大臣(小野寺五典君) まず、イージス・アショアの配備については、まだ場所が決まっているわけではありませんが、当然、場所が選定された中では、地元の御協力が何よりも大切なので、そこは丁寧にやっていきたいと思うんですが、実は今でもそのイージス艦にイージスシステムのミサイル防衛が積んであります。その船には自衛隊員がずっと乗って勤務をしています。ですから、隊員の例えば何か、健康とかその他に一切今まで影響があったことはありませんので、そういう意味では、イージスシステムが来たからといって何か影響が出るという、そういうものではないと思います。 今御指摘がありましたSM6という、ちょっとかなり具体的な話になるんですが、実は今、SM3というのは、弾道ミサイル、北朝鮮のような弾道ミサイルで飛んでくるようなものに対して防ぐ装備ということになりますが、同じように、日本が攻撃される可能性とするのは、巡航ミサイル、言ってみれば、そんなに高く飛ばないけど、直接日本に飛んでくるような、そういう巡航ミサイル、これも当然想定されます。 SM3は弾道ミサイル、SM6というのは実はこの巡航ミサイルにしっかり対応できる装備ということになります。今回、SM3とSM6を両方持てば、弾道ミサイルにも対応できる、巡航ミサイルにも対応できる、航空機にも対応できる、一つの装備から様々な防衛ができることになります。 そういう意味で、私どもとしては、SM6は今イージス艦の方に搭載しようと思って考えております。いずれイージス・アショアにSM3を搭載するかどうかということについては、これはまだ決まっておりませんが、今後、SM6の高い防衛能力を考えて、検討していきたいと思っています。 〔委員長退席、理事丸川珠代君着席〕
○宇都隆史君 ありがとうございました。 ちょっと質問を時間的にどんどん巻いていきたいと思いますので、次のスタンドオフミサイルの質問は、また別の、外交防衛委員会でやりたいと思いますので、その次に移ります。 最終的にこの防衛を守るのは人なんですよね。ところが、最近のこの景気の動向で、有効求人倍率の上昇、あるいは少子化の影響から、隊員の募集というのが非常に厳しい状態にあります。今度の、この年の四月入隊予定の自衛官候補生、これ今、一生懸命募集しているんですけれども、陸海空で全国で約千人今足りないというふうに聞いています。特に海上自衛隊要員が非常に足りないという状況で、是非テレビの皆さんも募集に御協力いただきたいと思います。 で、この募集、一生懸命隊員の皆さん頑張っているんですけど、法律的には、自衛隊法九十七条一項、それから、それに係る自衛隊法施行令第百二十条の規定によって、防衛大臣は、都道府県知事又は市町村長に対し、自衛官及び自衛官候補生の募集に関する必要な報告、資料の提出を求めることができるとされています。毎年、こういう状況ですからよろしくお願いしますということで文書通知をするわけですね。ところが、実際に資料提出を協力いただけている自治体というのは全体の半数以下にも満たない、そんな現状です。 やっぱり、国はみんなを挙げて、みんなの力を結集して守るものだと私は思います。防衛大臣としても、この隊員募集の現状、これを鑑みた上、各自治体の皆さんに積極的な協力をお願いするべきかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 日本の防衛にとって何よりも人が大切だと思います。 御案内のとおり、今でも自衛隊員、例えば佐渡、新潟等の今回の水道等の凍結で、今災害派遣で任務を対応しておりますし、数日前には、蔵王が噴火のレベルが上がったということで、ヘリコプターにおいての山頂の捜索をする。私ども防衛省・自衛隊としては、いざというとき、他国からの攻撃に対しても、あるいは災害においても、日本人の生命、財産を守るために今後とも頑張っていきたい。何よりも基盤は人であります。 ところが、少子化ということになります。この分野は外国人労働者を当てにするわけにはいきません。その意味では、私ども、募集に大変心を砕いております。そして、募集だけではなく、退職した隊員は、実は若いうちに、ある程度精強性を保つために、通常の会社よりは少し早く退職するということになります。その退職した先の再就職というのも私どもしっかり対応しなければいけない。そういう意味では、私ども、自衛隊の募集、そして再就職について様々な協力会、自治体の方に御協力をいただいております。ただ、まず初めに、若い人口の十六から二十六歳の入隊の希望者を少しでも多く私どもとして把握するためには自治体の協力が必要ということになります。 今日御覧いただいている皆様の中で是非、自分のお子さんあるいは御家族の中で自衛隊を目指していただける、そういう方々がいらっしゃいましたら、私ども、これからもしっかり隊員に対して心を尽くして成長させ、そして社会で役立つすばらしい人材をつくっていきたいと思いますので、是非応募の方をよろしく、そしてまた自治体の皆様には御協力をいただきたい、そう思っております。 ありがとうございます。
○宇都隆史君 次に、新たな防衛大綱、中期防衛力整備計画の方の質問に移ってまいります。 総理は、本会議における代表質問の答弁におきましても、新しく策定する防衛大綱は、従来の延長線上ではなく、真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていきたいと答弁されました。 従来と異なり、新たな任務拡大や防衛力の強化を図るためには、その各事業を裏付けるための財政が欠かせません。例えば、イージス・アショアの建設にはこれから約一千六百億円が掛かるというふうに試算もされています。また、これは運用する陸上自衛隊にとって、このイージス・アショアの経費がほかの予算を圧迫するようなことにもしなれば、陸上戦力の決定的な戦力低下を免れません。また、今期で十七機全てが導入されるとなっているオスプレイ、これも先ほど維持費の話をしましたけれども、今後、維持費に毎年約百七十億円が必要になってくるというふうに見積もられています。これまで陸上自衛隊は、航空機の整備費約二百十億円というのを掛けていますから、そのほとんどがオスプレイに取られちゃうということで、これはもう致命的になってくると思います。 パネル十をお願いします。皆さんは資料の十でございます。 同盟諸国では、ますます不透明となる昨今の安全保障環境に対して、平和構築のため各国が公平公正な負担を行うべきとの考えの下、防衛予算、国防費ですね、これを対GDP比で二%目標とする傾向があります。 率先して日本こそが目標に対して努力すべきであり、積極的平和主義の旗の下、自衛隊の自主的な創意工夫だけにこれを任せない、それだけではもうこの拡大し続ける中国の軍事力には限界であります。予算全体の増額は防衛体制の維持のために必須の条件と考えておりますので、是非とも次期大綱に対GDP比二%の目標値、これを盛り込むことを総理にお願いしたいと思います。総理の見解をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊の置かれた現状や将来の在り方、また諸外国における防衛力整備の状況など幅広い観点を踏まえた上で防衛費のGDP二%目標を掲げるべきとの御提言は宇都議員ならでは、ならではというのは、専門家としての知識と危機感を持っている宇都議員ならではの御提言だろうと、このように思います。そのお考えはしっかりと受け止めたいと思います。 その上で、防衛費とGDPとの関係においては、かつて防衛費を抑制する目標としてGDP一%枠というものがありました。しかし、防衛費の在り方を検討するに当たっては、安全保障環境等の対外的な要因を踏まえる必要があり、安倍内閣としてはこれまで一貫して、防衛費をGDPと機械的に結び付けることは適切ではないと、こう申し上げてきたところでございまして、ここで一転して防衛費を増額するためにその目標を作るというのは、今までの私の姿勢とはこれ相入れなくなるということでございますので……(発言する者あり)というわけにはいかない。 そこで、もちろん、大綱見直しに当たっては、厳しさを増す安全保障環境に真正面から向き合い、防衛力の質及び量を必要かつ十分に確保することが必要不可欠であると考えておりまして、具体的には、まず将来のあるべき防衛力の姿を構想した上で、これに必要な人員、装備など、人的、物的な所要を積み上げていくことが必要と考えており、その上で防衛費の規模についても十分見定めていきたいと考えておりまして、従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を追求していく考えであります。
○宇都隆史君 隊員の率直な気持ちは、申し訳ないけど命を懸けてやってくれって言われれば士気は上がるんですね。ただそこで、済まぬけど金はないと言われるとがくっときちゃうんですよ。やっぱりしっかりとした財源を付けていただく、これが重要だと思います。麻生財務大臣もうんうんと快く聞いていただいていたようですので、期待をしてこの推移を見守りたいと思います。 次の質問でもう一つ人の質問をさせていただきたいと思うんですが、これは前政権においてのことなんですけど、事業仕分の中で、防衛省の事務官、自衛官じゃない方がかなり大幅に削減の対象とされたんです。そして、現在は、平成二十六年、これは安倍政権になってからですけれども、閣議決定された国の行政機関の機構・定員管理に関する方針、これによって毎年二%を削減しますということを全省庁求められているわけですね。で、防衛省におきましては、事務官二千百五十六名がこの合理化の対象数になっており、平成二十七年から三十年において三百七十一名が純減とされました。 現在何が起こっているかというと、そういう人たちも実は、自衛官ではないポジションというので重要なポジションを担っているんです。そこを抜かれるものですから、でも放っておけないのでそこを自衛官で現場で穴埋めするという本末転倒なことが起こっているんです。 防衛省の職員である事務官も、自衛官と、制服は着ませんけれども、事においては危険を顧みず職務の完遂に務めるという服務の宣誓をしている特別職国家公務員です。彼らがいなければ自衛隊の実力発揮はできないという存在なんです。 是非、このままでは駐屯地機能を維持できないという現場の声も上がっておりますから、こういうような実態を踏まえた上での対応を今後行っていただきたい。担当大臣にお願いいたします。
○国務大臣(梶山弘志君) 国家公務員担当大臣でございます。 国の定員管理に当たりましては、現下の厳しい財政状況に鑑み、不断の業務の見直しを進める一方で、必要なところにはしっかりと定員を配置をし、政府の重要課題に機動的かつ柔軟に対処できる体制を構築することが基本であると考えております。 防衛省におかれても、国の行政機関の機構・定員管理に関する方針に基づいて、システム化等により計画的な業務の効率化に取り組んでいただいておりまして、毎年約二百六十人の減員となっていると承知をしております。 平成三十年度の防衛省の定員査定では、近年の厳しい安全保障環境の中、防衛省・自衛隊が遂行する任務の重要性が高まっていることを踏まえて、二十九年度から増員を二十七人積み増しし、現場で活動する陸海空の自衛隊に配置する事務官、技官に重点措置しつつ、全体として二百九人の増員を予算案に盛り込んだところであります。 今後も、現場の実態や特殊性を丁寧に伺いながら、システム化等により効率化できるところと、事務官がいないことによって全体の効率が落ちるところと、しっかりとそういう定員査定に臨んでまいりたいと考えております。
○宇都隆史君 大臣、是非もう少し現場の実態をよく踏まえた上で、大臣の御地元にも自衛隊があると思います、是非行っていただいて話を聞いていただいて、それをまた査定に是非反映してください。 今回の要求も、自衛隊側からは四百二十八人いなければ困ると要求しているんですよ。実際認めていただいているのは二百九、約半数ですから、そのパーセント云々が問題ではなくて、本当に現場の実態がどうなっているかというのをまたよく御確認いただいて、是非査定に力を貸していただきたいと思います。 装備品開発と調達の適正化の話を最後にしたいと思います。 防衛大綱に示された内容の確実な履行を行うには、装備品の適切な整備補給体制の維持、これを担保する必要があると思っています。先ほども言いましたけれども、我が国は工廠を持ちませんので、有事も含めた整備補給体制は脆弱です。 例えばですけど、弾薬等の消耗品の製造ラインの確保だったりとか、あるいは恒常的な整備ラインあるいは工員の維持、こういうものはいざ有事になって急にやれといってもできないですから、平時から民間の産業界との調整をしっかりと図っておく必要があると思っています。 〔理事丸川珠代君退席、委員長着席〕 また、防衛力整備・発揮基盤は、サイバー、IT、港湾・道路インフラ、先端技術、輸出管理、宇宙、先端技術、多岐にわたっておりますので、省庁横断的に、また官民連携して支える体制をしっかりとつくっていく、そのための大きな指針が必要だと思っています。 安倍政権において改定された国家安全保障会議設置法第二条三号には、防衛体系に関連する産業等の調整計画の大綱、これを作りなさいと規定されているわけですが、実はこれ一度も今まで作られたことがありません。過去の政府答弁では、必要性が現実にないという答弁、これ昭和六十一年の答弁ですけれども、安全保障環境が戦後最も厳しいと認識されている総理ですから、現政権において国民の命を守り抜くための責任として何らかの指針を早急に策定すべきと考えます。総理の御所見をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自衛隊の装備品の研究開発、生産、維持整備は民間企業に大きく依存しており、平素から国内の防衛生産・技術基盤を維持強化しておくことは極めて重要であると認識しております。また、宇宙、サイバー、港湾、道路等のインフラ、先端技術、輸出管理等については、今や防衛力を支える基盤として我が国の安全保障政策上重要性を増しています。このため、安倍政権で我が国として初めて策定した国家安全保障戦略において、我が国が取るべき国家安全保障上の戦略的アプローチとして、総合的な防衛体制の構築を明記したところであります。 具体的には、防衛省と関係省庁のみならず防衛産業を含む民間部門との連携を深め、あらゆる事態にシームレスに対応するための総合的な体制を平素から構築することで我が国の強靱性を高めることとしています。これを踏まえて、NSC四大臣会合においても具体的な施策を議論するなど、政府として取組を進めています。 他方、産業等の調整計画の大綱は、有事において自衛隊が装備品などを調達する場合に、自衛隊の需要が民間の需要に大きな影響を与えるほど大きい場合などに両者の調整の基本方針などについて定めることを想定したものでありまして、同大綱は、これまで作成されておらず、基本的には武力攻撃への対処の一環として作成されるものであると認識をしておりますが、平素からその内容について研究、検討が必要と認識しています。 今後、防衛計画の大綱の見直しを進めるに当たっても、防衛力を支える様々な国内基盤を強化していくための取組も重要な検討課題と考えており、NSCにおいても閣僚間でしっかりと検討していきたいと考えております。
○宇都隆史君 総理、ありがとうございました。 先ほどの産業等調整計画に関する大綱の解釈の考え方というのは、これはもう昭和の六十年代前から変わっていないんですね。戦略環境は大きく変わっていますから、今回をいい契機に、抜本的に何か変わるものでも構いません、真剣にまた政府となって考えていただいて、我々も一生懸命、党の中で議論をしてまいりたいと思っています。 最後の質問です。 国内の大手重工業の防衛部門の売上げ、これ企業全体の一〇%以下なんですね、大体。防衛装備品の多くは、開発に係る費用、こういうのを価格転嫁してもらえません。つまり、企業側にとってメリットがないわけです。また、近年、新たなベンダー企業、つまり二次請け、下請の会社ですけれども、事業撤退や倒産した企業もあります。 国内の防衛装備品のこういうサプライチェーンの維持が課題となっておりますが、そのような中、平成二十六年四月に策定された、安全保障戦略に基づき防衛装備移転三原則が制定されたことは高く評価しますが、その実効を担保するための実際の輸出に係る制度、仕組み、こういうものが整備されていません。また、企業のリスクヘッジを担うファンドも存在しないことから、実際の移転に顕著な実績は上がっていません。 今後、これを円滑にするための新たな制度、仕組みが検討が必要だと思われますが、防衛大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 御案内のとおり、日本の主要装備を造っていただいている日本の企業においても、防衛分野の比率というのはそんなに多くありません。むしろ企業にとってはそれがある面では重荷になる場合もあります。ただ、企業が、やはり日本の防衛のためにはということで、あえてその分野を担ってもらっている企業もあります。そして、幾つかのその二次、三次の関連企業がもしやめてしまうと、その技術がないと実は全体の装備ができなくなる、そういうこともあります。 その産業基盤をしっかり支えるためには、実は日本だけで毎年毎年例えば潜水艦を一隻ずつ造っていっても、やっぱり限られた隻数しかできません。本来であれば、スケールメリットというのは、ある程度の装備ができれば一機当たり、一つの装備当たりの金額が下がっていきます。そういう意味では、私どもとして、厳格な審査の中で、日本の装備で例えばこういう輸送機であれば必要だという、そういうのであればNSCの中で判断をして対外的にそれを買っていただく。これは企業対企業の内容です。そういうことをつくっていく必要があるんですが、実は自衛隊の装備というのは自衛隊でしか造っていないので、その整備とか運用とかは自衛隊しか教えられないわけです。そういうのをセットで実は提供しないと、なかなか装備が売れていかない。いろんな問題があります。 これは政府全体で重要な考えとして私ども受け止めて今後検討していきたいと思っております。
○宇都隆史君 質問の中で、各大臣等から真摯な御答弁を本当にありがとうございました。これからも安倍政権におかれては、国民の安心、安全を断固として守り抜くという強い決意の下、政権を堂々と前に進めていっていただきたいと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で宇都隆史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、高野光二郎君の質疑を行います。高野光二郎君。
○高野光二郎君 高知県の参議院議員の高野光二郎と申します。閣僚の皆様、大変お疲れのことだと思いますが、何とぞ御指導、御鞭撻、よろしくお願いを申し上げます。 まず、今年は明治百五十年という節目です。そして、来年、平成三十一年の幕が閉じます。平成という時代を振り返る中で、皆様、様々な思い出があると思います。 私にとって平成で最も大切な出来事は、平成二十二年七月の参議院議員選挙に出まして、負けました。当時は民主党政権で、落選した翌日から毎日毎日、三年間、徹底して地域を歩き、対話を積み重ねてきました。もちろん、当時の現政権だけが悪いのではなくて、国政全体が、どの党がやっても良くならないと、政治には期待できないと多くの方々からお伺いする中で、私自身、政治に携わる責任を積み上げてまいりました。その中で、確かにあのときの国民は継続的に安定した政治、そして強いリーダーを求めていたのは間違いありません。 平成二十四年十二月、自民党が政権を取り戻し、約五年がたちました。安倍総理を筆頭に安定した政権は、経済、外交、防衛、地方創生など、あらゆる分野で成果が確実に見え始めています。 国民の皆様、安定した政権の上に初めて社会環境が安定をし、その土台の上で国民は生活や人生の設計を描くことができ、企業経営者は経営戦略を描くことができます。政権や政府の方針がころころ変われば、たちまち混乱し、そして国力がそがれていきます。 そこで、安倍晋三内閣総理大臣にお伺いをいたします。安定政権の意義と成果、一方で課題について、総理の御所感をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 五年前に政権を奪還する前、これは第一次安倍政権の一年間も含めてほぼ六年間で六人の総理が交代をしたわけでございます。その中で、日本は一貫した経済政策を進めることができず、デフレ不況の中に沈んでいたわけでございます。GDPにつきましても、一九九七年の五百三十六兆円をピークとしてだんだんこれ減ってきまして、そしてとうとう我々政権取る前は五百兆円を切るという状況になっていました。 人口が減少していく中においては、もう経済は成長できない、あるいは成長しなくていいんだ、日本はたそがれを迎えているということが言われていたわけでありますが、しかし、私たちは、日本人はやればできると、正しい経済政策さえ進めていけば必ず日本の経済を成長させることができると、三本の矢でこれ一貫してこの五年間取り組んできたわけでございます。 その結果、GDPは、五百兆円を切っていたものが昨年は五百四十九兆円、過去最高となったわけでございます。そして、有効求人倍率も昨日出た統計によれば一・五九、これは四十三年と十一か月ぶりの高い水準。そして、正規の有効求人倍率も一・〇七、これは統計を取って初めての出来事でございます。就業者数は百八十五万人これ増加、純粋に増加したわけでありまして、生産年齢人口が減少する中で純粋にこれ職、就業者の数を増やすことができたということではないかと、こう思う次第でございます。 そして、四年連続、賃金も今世紀に入って最も高い水準で連続でアップしているわけでございまして、本年も是非三%以上アップさせたいと、こう考えているわけでございます。これはやはり安定した政治基盤の下に安定的に一貫した経済政策を進めることができた成果ではないかと思います。 また、外交においては、これはやはりある程度長い間政権を担っていないと、多くの国を、大体、行かなければいけない国というのは幾つかあるわけでありますが、それを一周すると終わってしまうということになれば、これは日本の存在を世界に広げることはできないわけでありまして、本来、日本はGDP三位の経済の実力がある存在、本来存在感のある国でありますから、それをしっかりと世界で発信をしてその存在感を示していくことによって、これは国益の増進につながっていくだろうと思います。 そうした外交を、地球儀を俯瞰する外交を行ってきた結果、例えばインフラ輸出等においても大幅にこれは増額をしているところでございまして、今後とも国民の期待に応えながらしっかりと結果を残していきたいと、このように考えております。
○高野光二郎君 ありがとうございます。 今総理がおっしゃったお話はまさに事実でございます。例えば、総理が二年間連続で施政方針演説で我が高知県のことを取り上げていただきました。今年も、安芸市や芸西村のナス、日高村のトマトのお話をしていただきました。現地の皆さんも大変喜んでおります。 先ほどお話がありましたが、実は高知県は有効求人倍率が平成二十一年は〇・四一しかなかったんですね、〇・四一倍。平成二十四年は〇・六三倍しかありませんでした。しかし、昨日の発表では、有効求人倍率一・二八倍で、五十五年目で過去最高なんですね。また、高知県は、一人当たりの県民所得が平成二十年は四十六位でした。大体四十三位から四十六位ぐらいなんですね、毎年。それが、一昨年、政府が行った最新の調査では、平成二十六年には三十六位まで上昇しております。 私は、地元高知に帰った際に、私が支部長を務めます自民党支部の党員拡大や国政報告会の御案内と経済的なお願いをする際、多々あります。そういった状況に皆様によく景況感についてお伺いを率直にします。その際に、特に中小・小規模事業者や自営業者の多くの経営者、役員の方々からは、良くなった、忙しいといううれしいお話を多々聞きます。また、私から聞かなくても必ず聞くのは、合区はいかぬ、解消してほしいでございます。しかし、一方で、従業員の皆様や中山間地域では特に景気回復は感じないという声も多く聞きます。 そこで、安倍晋三内閣総理大臣にお伺いします。直近の民間メディア等世論調査では、景気回復を実感していないと答える方がいまだ過半数を超えています。このことについて総理に御認識をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この景気回復についてでありますが、安倍政権を発足当初、これは政権前と比べて大きく空気が変わったということは多くの方々に評価をいただいたのではないかと、このように思います。 特に、雇用で改善が見られた。そして、地方にそれを波及することに我々は力を入れ、地方創生を進めたのでございますが、その結果、言わば四十七全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えた。高知県も一倍を超えたことは今まで一度もなかったのでございますが、言わば、そういう意味においては、この雇用においては間違いなく全ての都道府県に行き渡ってきたと、こう思う次第でございます。 やはり地域において、大学を出ても働く場所がないと。行きたくないけど、しようがないから大都市に行かざるを得ないと。仕事ができればこの流れは私は大きく変わっていくんだろうと、こう思うわけでございます。 それと、やはりしっかりと未来を見据えて努力している地域、県は間違いなく伸びていくということでありまして、その一つの例が高知県ではないかと、こう思う次第でございます。 例えば、なかなか景気実感、感じにくい、安倍政権が進めている政策でもなかなか難しいよと言っている地域もあるのは事実であります。例えば中山間地域もそうだろうと思います。日本型直接支払制度による地域の共同活動への支援や中山間地農業ルネッサンス事業による地域の特色を生かした取組の支援など、地域を元気にする施策を展開をしてまいりました。 我々の経済政策の成果をより広い地域、より多くの人に届けるためにも、人手不足に悩む中小・小規模事業者も含めて、企業による人材や設備への力強い投資を促すためこれからも大胆な政策を進めていきたいと、こう思うところでございますが、ナスの生産性を二割向上させる技術をつくられる、ナスのプリンも作られたと。私も食べさせていただいて、大変おいしく食べさせていただきました。 県と一緒になって開発した高知大学、日本人学生の九割は県外から来ているということでありますが、きらりと光る地方大学づくりを新たな交付金で応援をして、地方創生を更に力強く進めていきたいと、このように思います。それによって多くの人たちにもっと実感をしていただきたいと、このように考えております。
○高野光二郎君 先ほど総理が述べていただいたプリンは、安芸市の桜ケ丘高校といいまして、そこの女子高生が作って、全国に行ってナンバーワンになったやつでございます。ありがとうございます。 次に、国民から絶対多数の議席をいただいた政権だからこそ実行しなければならない責任があろうかと思います。それは、今まで議論しなければ駄目なのにもかかわらず議論を避けてきたこと、答えを出さなければならないのに答えを出さず、決めなければいけないことを決められない政治であったと思います。停滞状況を脱して、確実に答えを出し、実行していくことが私は必要だと考えております。 現政権は、今まで、必要性がありながらも議論、答え、実行を今までの政権が避けてきたのとは違い、国民の意思を二分する平和安全法制や消費税など大きな政治課題に関しても、そのたびに国政選挙で国民に問い、議席を得て、着実に実行しています。 また、国民とともに新たな国家像を共有すべく、山積する課題を真正面から受け止め、一億総活躍、地方創生、働き方改革、そして全世代型社会保障の実現などスローガンを打ち出し、様々な改革を力強く実践をしています。 しかしながら、激動する国際情勢、国内の社会環境、そして国民の生活スタイルの変化に対応するために、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義はしっかりと堅持しつつも、最高法規である日本国憲法改正が今、そして未来の日本国民のために必要不可欠だと考えております。 世界の国々を見渡しても、時代の変化に即した形で憲法改正をしています。例えば、アメリカは六回、フランスは二十七回、イタリアは十五回、ドイツに至っては五十八回も改正をしているわけでございます。しかし、日本は戦後七十二年間、一度も改正をしていません。 一方、明治維新の百五十年前は、現在より更に困難で、はるかに多難な時代だと考えられます。内政では、生まれながらにして生涯変わることのできない士農工商という身分制度、個人の自由や権利を認めない封建制度、外政では、幕府の鎖国によって列国の強い要求と圧力による植民地化の危機など、数多くの日本国民が自分ではどうすることもできない困難と不安を抱えていました。 このような社会背景があり、人々が社会の変化を強く求めた上で、薩長土肥を中心に明治維新が成し遂げられました。明治維新後、明治憲法の制定や内閣制度の導入、心血を注いで議会政治の確立、義務教育の導入、明治政府によって日本の近代化、社会環境の変化が実現しました。西郷どんの、西郷隆盛の、西郷どんの留守政府なんですが、地租改正や学制、そして太陽暦の導入、さらには使節団の海外派遣など、明治政府は内政、外政共にしっかりと前に進めてきました。 激動の明治維新を始め、戦後からの粘り強い復興、そして現代の国難に対して、憲法という日本のあるべき姿を国民が共有することで、国民全体の本来持っている良心と知恵、努力によりましてイノベーションが起きると考えております。 このイノベーションをなくしては予測可能な課題でさえ解決、改善ができないことは明らかでございます。そのため、日本の持続的な存立と自立には中長期的な対策が必要であり、そのためにも、国民が決めて、国民と共有する、国が目指すあるべき姿、つまり日本国民が作る憲法が必要です。 そこで、安倍晋三内閣総理大臣にお伺いします。 憲法改正の必要性について総理の認識をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法は、この国の形、理想の姿を示すものであり、私たちは、時代の節目に当たって、まさにどのような国づくりを進めていくのかという議論を深めるべきときに来ていると、このように思います。 言うまでもなく、憲法改正は、国会が発議をし、そして最終的には国民投票によって決するわけでありまして、国民の皆様が決めるものでございます。普通の法律につきましては、衆参両院で過半数で可決をすれば成立をするわけでありますが、国会はまさに議論をし、発議するまででありまして、決めるのは国民の皆様であります。 ですから、国民の皆様がまさに権利を実際にそれは実行するためには、国会で真摯な議論を行っていく、議論を深めていくことが必要であり、私たちにはその義務があるんだろうと、こう思うわけでございまして、今後、憲法審査会において自由民主党を始め各党による建設的な議論が行われ、国会における議論が深まる中で、与野党にかかわらず幅広い合意が形成されることを期待したいと、こう思う次第であります。 真剣に国の形を考える。例えば、党利党略ではなく、あるいは党が割れるからとかそんなことではなく、しっかりと前向きに取り組んで、いい案が出ることを期待したいと、このように思います。
○高野光二郎君 イノベーションは革新です。この激動の時代、旧態依然とした体制では問題や課題の根本には対応できません。社会も政治も生き物です。時代変化に応じて様々にチャレンジし、守るべきものは守り、イノベーションと安定のバランスを取ることが私は肝要だと考えております。 続きまして、森林環境税についてお伺いをします。 平成二十九年十二月に閣議決定された政府の平成三十年度税制改正の大綱では、市町村主体の森林整備や木材利用、普及啓発等を進めるため、平成三十一年度より森林環境譲与税が、そして、平成三十六年度より本格的に森林環境税を国税と創設することが盛り込まれました。森林づくりを国民一人一人が支える仕組みとして長年にわたり議論されてきたものがようやく実現できたことは、歴史的にすばらしいことであります。 納税対象者は約六千二百万人となり、森林整備のための新たな財源が平成三十一年度から二百億円確保でき、順次増大し、平成四十五年度には六百億円の財源になります。その分配基準は、五〇%が私有林人工林面積、二〇%が林業就業者数、そして三〇%が人口数、各々の比率ベースで各地方に配分予定となっております。 つまり、森林が少ない大都市であっても、各都道府県の人口比率に応じて三〇%の中から分配されるわけであります。大都市であれば、森林が少ないため森林環境教育等のソフトな事業に財源が使われる可能性がありますが、多くの木材が産出できる地域材で大都市の公共建築物への木材利用が期待ができます。都市部でも地方の木材を使った公共建築物が増加することで、森林整備、森林環境税への理解促進や国産材の需要拡大につながります。それが最終的に森林環境税のめどでもあります。 そこで、齋藤健農林水産大臣にお伺いします。 この重要かつ貴重な森林環境税の財源を活用しつつ、どのように森林・林業政策の改革を進めていくのか、お考えと決意をお伺いします。
○国務大臣(齋藤健君) 我が国の森林は、資源が充実をして主伐期を迎えつつありまして、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理を両立していくためには、これら貴重な資源を切って使って植えるといった循環利用を確立していくということが肝要であると。 このために、今後の森林・林業政策といたしましては、まず経済ベースに乗る森林につきましては、自ら経営管理ができない森林所有者の経営管理権限を市町村を介しまして意欲と能力のある林業経営体に集積、集約化する、経済ベースに乗らない森林につきましては市町村が公的に管理する、こういったことを実現するための新たな森林管理システムの創設について検討しておりまして、関連法案を今国会に提出すべく準備を進めているところでございます。その際に、市町村が行う森林の公的な管理やこのシステムを円滑に機能させるための必要な財源として、御指摘のいわゆる仮称森林環境税の活用も検討しているところでございます。 また、森林の利用につきましては、委員御指摘のように、都市部においても公共建築物への木材利用や住民の方への森林環境教育等を促進することも重要でありまして、都市住民も含めた国民全体による理解をいただきながら木材の需要拡大を進めていく必要があると考えております。そのためにも、市町村等が仮称森林環境税を活用されることを期待しているところでございます。 このように、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理、これを両立させていくため、森林環境税も活用しながら次世代へ豊かな森林を引き継いでいけるよう、農林水産省として全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
○高野光二郎君 ありがとうございます。 続きまして、CLTの普及促進についてお伺いします。吉川議員、一枚目をお願いします。(資料提示) 森林環境税が今後創設する中で、木材の需要の拡大は必須であります。そのために有効な切り札が私はCLTだと考えます。 CLTは日本産材の杉やヒノキの直交の集成板であります。英名はクロス・ラミネート・ティンバーです。ひき板を直交するように何枚も積み重ねて接着した建築・建設部材です。CLTパネル工法は、壁で建物を支える構造のため施工が容易かつ頑丈となり、基礎工事等の簡素化、工期の縮減も可能となります。ちなみに、ボルトとナットで結び付けるので、取り外して別のところで新しく建て替えたりとかということもできます。また、大量の木材を使用するため、CO2の吸収源が増加し、再生可能エネルギーの供給から国土保全へとつながり、地域の雇用と所得につながる大きな可能性を持っています。 私は、平成二十六年から過去四年間、CLTについて四回質問をしてきました。平成二十六年、地方創生に関する特別委員会では、東京オリンピック・パラリンピックでCLTの採用を強く希望し、平成二十八年五月にはCLTで地方創生を実現する議員連盟が発足し、石破茂会長、吉野正芳幹事長、そして齋藤健農林水産大臣を始めまして自民党の先生方百四十名の入会議員とともに、私は事務局長として頑張ってきました。 そして、この議連からの要請に対し総理がいよいよ決裁をしていただきまして、官邸にCLT活用促進に関する関係省庁連絡会議を設置していただきました。当時は世耕弘成大臣が議長として筆頭に、現在は野上浩太郎議長が頑張ってくれています。そして、ついに東京オリンピック・パラリンピックの選手ロッカー室や案内板パネル、そして選手村ビレッジに高知県産を含む国産材を用いたCLTの採用が決定をいたしました。 日本で第一号のCLT構造による建築物ができたのは平成二十六年三月、高知県のおおとよ製材社員寮でした。パネル二、お願いします。CLTはいろんなものができます、これ、パネルをちょっと見ていただきたいんですけど。 そして、平成二十八年四月にCLT関連の建築基準法が告示をされまして、平成二十八年度末で九十五件が全国で施工がもう進んでいます。平成二十九年度中には百十二件ものCLTの構造物が建てられます。 さらに、福島県いわき市では、東日本大震災による復興住宅の建築においてもCLT工法が使用されます。今年二月完成予定で、CLT工法の建築物では国内最大級、公営の集合住宅では東北初、建築における工期は一般の復興住宅より約四割も短縮ができます。これも吉野先生の多大な御尽力があったと思います。大災害で痛められた心、そしてCLTは木の温かみ、匂いを始めセラピー効果もありまして、大変すばらしいと思います。 また、CLTは単に木材の需要拡大を可能とするわけではありません。例えば、一つのCLTパネル工場を核とした林業・木材産業ユニット五万立米を中山間地域に造ると、七百七十名の雇用と百七十億円の経済効果が生まれることを高知県が算出をしております。仮にこれを全国で五十か所造れば約八千五百億円の経済効果、波及効果が地方の中山間地域に生まれます。山に仕事があるということはとてもいいことであります。 そこで、安倍晋三内閣総理大臣にお伺いします。 国産材の需要を切り開き、地方創生を更に加速していくために、国産材の利用推進の必要性について総理の御見解をお伺いします。また、その核としてCLTの需要拡大が重要であると考えますが、御所見お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国の森林は、戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎えています。林業の成長産業化を図り、地域を活性化していくためには、この豊富な資源を生かして国産材の利用を推進することが不可欠であると考えています。 CLTは、これまでは木材の利用が難しかった中高層の建築物でも利用できるものであり、国産材の新たな需要を生み出す切り札として大いに期待をしています。このため、平成二十九年度補正予算などでCLTの普及の加速化に向けた新たな支援策を盛り込んでいるところであり、引き続き、公共建築物のみならず、民間の商業施設を含めて、CLTの積極的な活用が図られるよう、政府一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
○高野光二郎君 ありがとうございます。 また、政府では、昨年、CLTの普及に向けた新たなロードマップを作成し、様々な取組を実施していただいております。しかし、国内におけるCLTの生産を見ると、現時点では年間六万立方メートルとなっている一方、需要量については、残念ながら二万立方メートルと大きな開きがあり、今後、もっと頑張りが必要でございます。 この現状に対して、政府や省庁が公共建築物のCLT普及を一層推進していくとともに、土地開発業者、これ民間ですね、あと経団連や業界団体への働きかけ、民間需要の喚起など、あらゆる視点からCLTの可能性を探らなければならないと思います。 そこで、齋藤健農林水産大臣にお伺いします。 このような観点から、今後、CLTの普及拡大、とりわけ都市部に住む国民に対して、公共の構造物、建築物に対しCLT等を含む木材需要の推進をどのように図っていくのか、お考えをお伺いします。
○国務大臣(齋藤健君) 大変情熱のこもった御質問をありがとうございます。 CLTの需要拡大ということでありますが、農林水産省といたしましては、公共建築物を始め、これまで余り木材が使われてこなかった中高層あるいは中大規模、非住宅など新たな分野における建築物の木造化、内装木質化、あるいは木質バイオマスエネルギーの利用拡大、高付加価値木材製品の輸出拡大など、各般の施策に今取り組んでいるところであります。 また、私自身、現場を視察することによりまして、木材が、あんな小さな苗木から、下刈りやって、間伐やって、何十年の歳月を経て、しかも山から長距離運び出して、削られて、そして自分の目の前にようやくあるんだなということを現場を見ることによって実感をいたしまして、それ以降、木製品見るといとおしさを感じるようになりました。国民が木材利用の意義を理解できるようにするためにも、こういった、木育と言っているんですが、こういったものの普及啓発の取組も息長く進めていくことが非常に重要だなと自分の経験から思っております。 このため、繰り返しになりますが、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の実現のために、CLTを含む木材需要の拡大に向けて、農林水産省が関係各省と一丸となって国民に対する働きかけも一層強化していきたいと考えております。
○高野光二郎君 ありがとうございました。 続きまして、水産資源の保護についてお伺いします。 総理は、今国会の施政方針演説におきまして、我が国を取り巻く広大な海には豊かな恵みがある、漁獲量による資源管理を導入し、漁業者による生産向上への創意工夫を生かすと、力強いメッセージとともに述べていただきました。大変すばらしいことだと考えております。 では、以前と比べて漁獲量がどれだけ減少しているのかを日本人が大好きな魚を例に挙げてみますと、高級魚であるクロマグロ、マグロ類は、平成元年は二十九万トンございました。平成二十八年には十六万トンでございます。もちろん、海だけではなく、内水面、川でも、同じく高級なニホンウナギの稚魚であるシラスウナギは、平成元年は二十二トン、平成二十八年は十三・六トン、そして、つい昔までは庶民の魚であったサンマは、平成元年は二十四万トン、平成二十八年は十一万トンでございます。 そのうち、カツオについて例を挙げさせていただきたいと思います。 高知県にとってカツオは、漁業のみならず、観光面でも、また食文化でも最も重要な資源の一つであります。しかし、近年は漁獲量が減少しており、県経済に与える影響は大きく、漁業者を始め関係者の危機感が大変強まっています。高知県は、一世帯当たりカツオの年間消費量が全国一位の四・六キログラムです。全国平均の五倍食べています。このようにカツオを愛してやまない県民が買うカツオがなかなかいません。 こうした状況の中、日本にカツオを取り戻し、未来にカツオの資源を取り戻すため、高知カツオ県民会議が昨年四月に立ち上がりました。皆様にお手元にも資料がございます。メンバーは、知事を会長とし、私たち国会議員、経済界を始め産官学の関係者で構成され、オール高知、高知家で活動を行っております。県民会議は、情報発信、消費・漁業、資源調査・保全、食文化の四つの分科会を通じて世論を喚起し、最終的には国際的な協議の場での国の交渉を後押しし、資源管理の強化と資源の回復が実現するように取り組んでおります。 そこで、安倍晋三内閣総理大臣にお伺いします。 漁業が厳しい局面を迎えている中、水産資源の回復は急務であります。総理が述べていただきました漁獲量による資源管理の導入とは、水産資源が安定して成長を続ける北米、北欧、オセアニアなどで導入をしているアウトプットコントロール、産出量規制を基本とするTAC制度、漁獲枠、漁獲数量規制とIQ方式、個別割合制度など、科学的根拠を基にした資源管理の目標を導入するというお考えでしょうか。国内の水産資源の持続可能性と資源管理の基本的な方向性についてお伺いをさせていただきます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 水産については、かつて日本は水産王国と言われ、私の地元、また林文科大臣の地元の下関市は水産の町と言われたものでございますが、大変近年は状況が厳しくなっております。 この資源管理の方法も含め、水産業についてはこの夏を目途に改革に向けた具体的な工程表を策定し、速やかに実行に移していきます。これにより、資源管理と水産業の成長産業化を両立させ、そして漁業者の所得向上を実現していく考えであります。 お魚というのは大変健康にいいですし、おいしいですから、このお魚の食文化をもっともっと広げていきたいと、そのためにも努力を重ねていきたいと。 詳細については農林水産大臣から答弁させます。
○国務大臣(齋藤健君) 我が国の水産業の改革はいよいよ待ったなしの局面に入ってきたなという厳しい認識を持っております。 まず何よりも、水産業の成長産業化を進めていくためには、資源を維持、回復し、適切に管理するということが必須であります。このため、水産資源の管理につきましては、国際的に見て遜色のない科学的、効果的な評価方法及び管理方法とするために、まず資源調査を抜本的に拡充をいたしまして国際水準の資源評価を実施をします。その成果を活用して、我が国周辺水域の適切な資源管理のため、関係国との協議も進めてまいります。 今委員御指摘のように、主要水産資源につきましては、アウトプットコントロール、これは例えば漁獲の可能量ですとかを設定をするということですけれども、このアウトプットコントロールを基本にしまして、インプットコントロール、これは漁船の隻数ですとかトン数を制限する方法ですけれども、このインプットコントロールや、テクニカルコントロール、これは漁具の制限ですけれども、アウトプットコントロールを基本に、このインプットコントロール、テクニカルコントロールを組み合わせた資源管理を実施していきたいと。で、アウトプットコントロールにつきましては、漁業の実態を踏まえつつ、可能な限り個別割当て、IQ方式を活用すると、こういった方向で今検討を進めているところでございます。 今後の水産政策の在り方につきましては、今総理からも御答弁ありましたけど、こうした資源管理の見直しも含めて検討を深めてまいりまして、この夏を目途に改革案の骨格を取りまとめ、速やかに実行していきたいと考えております。これによりまして、資源管理と成長産業化を両立させて漁業者の所得向上を実現してまいりたいと考えております。
○高野光二郎君 齋藤健大臣、非常に中身のある答弁、ありがとうございました。 森林環境税と同じく、もう山からずっと海にこの資源というのがずっと循環をしているというのはもちろん大臣御承知だと思いますので、なお子供たちの未来のためにも、すばらしい資源、守っていただくようによろしくお願いします。 それでは次、参議院選挙制度の合区問題についてお伺いします。 昨年十二月二十日、自民党憲法改正推進本部が憲法改正に関する論点取りまとめとして、より優先的に検討項目として、国会での建設的な議論を行いながら国民各層に御理解をいただくため、改憲四項目を掲げました。 一番目には、自衛隊の明記、若しくは自衛隊の目的、性格を明確化を図るものでございます。そして、二番目が、選挙ができない事態に備え、国会議員の任期の延長や選挙期日の特例を憲法に規定、若しくは政府への権限集中や私権制限を含めた緊急事態条項を憲法に規定するものでございます。そして、三番目は、合区解消、地方公共団体。四十七条を改正し、一、両院議員の選挙区及び定数配分は人口を基本としながら行政区画や地勢など総合的に勘案、二、都道府県をまたがる合区を解消し、参議院は改選ごとに各広域地方公共団体から少なくても一人が選出可能となるように図るものでございます。四番目は、教育充実でございます。国の更なる教育環境整備等を一層図るものであります。 そのうち、参議院選挙制度である合区解消の求める意見書や決議書は、全国知事会を始め地方六団体全てが合区を解消すべきだということで出ています。そして、四十七都道府県のうち三十三の県議会から同様の決議が出ております。この動きは、合区解消の動きは広がりを見せております。 ここで、私は、どの項目においても参議院の合区問題につながると考えています。特に第二項目めの緊急事態でございます、緊急事態についてつながっております。参議院は衆議院の解散と同時に閉会となりますが、万が一に閉会中に大規模災害、テロ、ミサイルの着弾等への対応など国会が議決を有する緊急の問題が発生した場合に、参議院が国会の機能を暫定的に代行する制度があります。つまり、衆議院がいなくても参議院が代行できて、決めれるわけでございます。内閣が参議院に対して求める緊急集会といいます。そのため、衆議院の解散中に国の緊急の必要がある際、内閣の請求に確実に対応できるよう、参議院議員は、任期六年でありながら、定数二百四十二名のうち半数である百二十一名を三年ごとに改選する制度によって議院の継続性を保つとともに、国会の機能の空白化を防ぐことを目的としております。また、参議院には衆議院のように解散がないので、半数改選も規則正しく実施をされます。 このように参議院議員は独自の重要な存在意義を持つ中で、各都道府県代表がいない場合、仮にその有事が起きた都道府県の代表がそこにいない場合も想定ができ、また、地域別でなくとも都道府県代表、広域地方公共団体の代表がいなければ対応に様々な障害が出てしまいます。これでは合理性に欠け、迅速で的確な対応や指示も難しい状況でございます。緊急集会では、法律や予算などを決める上で地域の実情が十分反映できないことも考えられます。これは、本来の参議院議員が持つ意義に反している側面でもあると思います。 そこで、安倍晋三内閣総理大臣にお伺いします。 参議院議員選挙制度の合区問題は、このような緊急事態時の対応についても障壁が発生する可能性がございます。いざというときに参議院に緊急集会を要請する内閣の長として、行政の長として、合区問題に関しての御所見をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 参議院の選挙制度については、平成二十七年通常国会において、四県二合区を含む較差是正のための議員立法が成立をし、平成二十八年の通常選挙はこれに基づいて行われました。この通常選挙に係る一票の格差をめぐる選挙無効訴訟については、昨年九月の最高裁判決において合憲とされています。 現在、改正法の附則を踏まえ、平成三十一年の通常選挙に向けて、参議院の各会派による参議院改革協議会の選挙制度に関する専門委員会等において選挙制度の見直しについて議論が行われており、合区に関しても様々な論点があると承知をしております。 いずれにいたしましても、合区を含めた参議院の選挙制度の在り方については、議会政治の根幹に関わる重要な問題であると思いますので、各党各会派において御議論をいただくべき事柄であろうと、このように考えております。
○高野光二郎君 それでは、これで質問を終わらさせていただきます。本当に拙い質問でございましたが、漁業問題も農業問題も大変重要な問題でございまして、とりわけ合区に関しては全国民のことが直結しておりますので、何とぞ御指導……(発言する者あり)いいですか。 河野大臣、よろしいですか。今、世界で最も難民が増えています。世界で最も一番難民が増えています。約八億人以上世界でいます。そういう状況の中で、WFP、UNHCR、FAO、そしてUNRWA、これが、予算が残念ながら減らされております。減らされておりますので、これをやはり何とかしっかりと予算を確保して、外交にもしっかりと寄与ができるように予算確保、是非またよろしくお願いします。 以上で終わります。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で高野光二郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(金子原二郎君) 次に、山本香苗君の質疑を行います。山本香苗君。
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず最初に、茂木経済財政政策担当大臣にお伺いいたします。今回の補正予算では、どの程度の経済効果というのが見込まれているのでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 追加的財政需要に適切に対処するため今回の平成二十九年度の補正予算編成したわけでありますが、その主な内容は、生産性革命に向けて生産性の向上が必要な業種や中小企業・小規模事業者に対して集中的な支援を図るため、ものづくり・商業・サービス補助金、そしてIT導入の支援措置、さらには、人づくり革命のうち、子育て安心プランの前倒し実施のための保育所の整備等、そして、九州北部豪雨などの大規模災害の発生を踏まえた災害復旧等の措置及び防災・減災対策、さらに、昨年十一月に改訂をされました総合的なTPP等関連政策大綱に基づきます農林水産業の強化策等の措置などであります。 補正予算の効果ということでありますが、ITの導入によります生産性の向上であったり、子育て安心プランの前倒しによります女性の社会進出の促進等、間接的な効果も期待されるもの含まれておりますが、今般盛り込まれた予算措置によります直接的な経済効果、これを機械的に試算をいたしますと、実質GDPを〇・六%程度引き上げる効果がある、このように見込まれております。
○山本香苗君 続きまして、麻生財務大臣にお伺いいたしますが、財政健全化の観点から今回の補正予算、どういう位置付けでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十九年度のこの補正予算では、いわゆる北部九州の豪雨災害等々の復旧に加えまして、保育の受皿整備というのもありまして、人づくり革命、またソサエティー五・〇に向けましたイノベーションの支援などで生産性革命、また総合的なTPP関連のいわゆる政策大綱に盛り込まれた農林水産業の体質強化対策など、これいずれも緊要性が高いものだと思っておりますので、そういったものに私どもとしては事業を限定して計上させていただいております。 他方で、プライマリーバランスというのは、問題は、これは我々としては、これは基本的に国のいわゆる、何というの、財政の最も基本中の基本ですし、これは国際社会の中におけるマーケットの信用、国際信認等々を含めまして極めて重要な問題だと思っておりますので、これはきちんと財政を健全化させていくということに関しましては、これはもう我々としては国際的にもまた国内的にもこれはやらねばならぬ大事なところだと思っておりますので、少なくともGDPの二倍に達しております、累積しておりますそういういわゆる国債等々につきましては、これは極めて厳しい状況にあることは変わりありませんので。 この内閣、最初から、この第二次安倍内閣で最初から財政健全化と経済再生というのの二正面作戦というのをやらせていただいて、おかげさまでGDPは過去最高ということになりましたし、結果として、そのGDPを背景にして税収が約十五兆円ぐらい、もうちょい、十七兆円ぐらいの増収になっておりますし、傍ら、新規国債発行というものについてはこの六回で約十一兆円減らしておるということになっておりますので。 そういった意味では、形としてはいろいろな努力を積み重ねさせていただいておるところなので、私どもとしては今度、この骨太方針の中において、この今の財政のいわゆる基礎的財政収支をバランスさせるというところまでというのを目的としておる計画がございますので、それが今回の消費税等々の使用から少々ずれてくるところはあろうと思いますけれども、そういったものがずれても財政再建という方向性はきちんと維持しているということをマーケットにも国際社会の中においてもきちっと発信して、その実行、実績あらしめたいと思っております。
○山本香苗君 財政健全化の旗は下ろさないんだと。そういう中で、この夏までにプライマリーバランス黒字化の新たな達成時期と、裏付けとなる具体的かつ実効性のある計画を示すと総理も御答弁されておられましたが、総理は今後どういう形、どういう考え方に基づいてこの計画なり目標の時期をお決めになられるおつもりでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 財政健全化でありますが、安倍政権としてはしっかりとデフレから脱却をして経済を成長させる、そのことによって税収が増えていきます。それなくして財政の健全化はできないと考えております。 同時に、歳出削減もしっかりと、無駄遣いをなくしていく、歳出改革も行っていくということでありまして、経済の再生なくして財政健全化なしという方針の下、財政の健全化を進めてきたと。 これまでのアベノミクスを進めることで、国民生活のために必要な政策を行いつつ、財政健全化に大きな道筋を付けてきました。先ほど既に財務大臣から紹介がありましたが、国、地方を合わせた税収は二十四兆円これ増えたわけでありまして、新規国債の発行額は十一兆円減少させています。確実に財政健全化は進んでいる。そして、経済を成長させていった結果、来年度の予算においては五十九兆円を超える税収が期待されているわけでありまして、これは史上三番目に大きな税収となるわけであります。 また、この補正予算については、政権交代後、その時々の経済状況等に応じて編成してきておりまして、平成二十九年度補正予算についても、緊要性が高く、真に必要な事業に絞り計上しているところでございます。 今般、人づくり革命を力強く進めていくため、消費税率引上げ分の使い道を見直しをし、子育て世代、子供たちに大胆に投資をするとともに、社会保障の安定化にもバランスよく充当することとしたところであります。 この結果、プライマリーバランスについては、黒字化の達成時期に影響が出ることから、二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化は困難となります。ただし、財政健全化の旗は決して下ろさず、補正後の決算を反映した国民経済計算ベースのプライマリーバランスの黒字化を目指すという目標自体はしっかりと堅持をしていきます。 この目標の達成に向けて、これまでの経済・財政一体改革の取組を精査した上で、プライマリーバランスの黒字化の達成時期、そしてその裏付けとなる具体的かつ実効性のある計画をお示しをしてまいります。
○山本香苗君 その計画は、内容自体によっては国民生活に多大な影響が生じます。ですので、その点を十分考慮していただきながら、我が党におきましてもじっくり慎重に検討させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、災害対策についてお伺いさせていただきます。 群馬県草津白根山の噴火から昨日で一週間がたちました。お亡くなりになられた自衛官の方に心から哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げたいと思います。 また、昨日は、宮城県と山形県にまたがる蔵王山においても気象庁が噴火への警戒を呼びかけております。政府におかれましては、より一層火山活動に対する監視体制を強化するとともに、万全を期していただきたいと思います。 さて、昨年は、先ほども麻生財務大臣から御紹介ありましたけど、九州北部豪雨やまた台風二十一号等によりまして中小河川が氾濫いたしまして重大な被害が発生しました。こうした事態を受けまして、昨年国土交通省が実施した全国の中小河川の緊急点検に基づいて、今後おおむね三年間で中小河川対策を重点的に実施していくとのことでございますが、対策の担い手というのは都道府県です。ですので、円滑に対策を進めていくために、国としても最大限バックアップをしていただきたいと思います。 また、水害を防ぐためには、川を流れている水を外に出さないようにする、堤防とかそういったこと、河床を掘るとかですね、そういった対策をするいわゆる外水対策と、下水道や側溝、排水管などが雨を処理し切れずに水はけが悪化してしまって浸水する被害を防ぐ内水対策というのがございます。 昨年の台風二十一号では、和歌山県紀の川市の貴志川の水かさが増しまして、水路内の水の行き場がなくなってしまって住宅地が百棟以上浸水いたしました。奈良県の三郷町でも、JR三郷駅付近で雨水があふれまして、五十六棟が床上・床下浸水となりました。もう内水対策の重要性というものを改めて実感したわけでございます。 今まではどちらかというと外水対策というものが主流でございましたけれども、私はこれからは内水対策もっとやらなきゃいけないと思うんですが、石井国土交通大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年の台風二十一号では、近畿地方を中心に、大河川へ合流する支川での氾濫や河川に流入できずに浸水するなどの内水被害が多発いたしました。 水害対策の実施に当たりましては、氾濫した際の被害が大きい外水対策を進めるとともに、地域の内水対策も併せて推進することが重要であります。現在、内水被害が発生した箇所につきまして、検討会を立ち上げるなどしながら要因の分析や対策の検討を行っておりまして、その検討結果に基づき、国、都道府県、市町村の役割分担の下、しっかりと再度災害の防止を図っていきたいと思います。 具体的な内水対策といたしましては、河川の本川を掘削することによりまして支川の方の水位を低下させ、それに伴う周辺水域の排水性を向上させる、支川の氾濫による浸水を防止するための支川の河川改修であったり、あるいは輪中堤の整備、流域における貯留施設の整備によりまして流出を抑制する、下水道等による排水対策、排水ポンプの設置、ハザードマップの作成による避難誘導、こういったあらゆる手段を総合的に組み合わせながら効果的な対策を講じることが重要であります。 国土交通省といたしましては、国民の安全、安心確保のため、外水対策のみならず、内水対策もしっかりと進めてまいりたいと存じます。
○山本香苗君 是非とも、外水対策、内水対策、なかなか分かりにくいところもあると思うんですが、内水対策は遅れているわけであります。是非そこにもうちょっと力を入れた形で国土交通省としても御支援いただきたいと思っております。 今年の三月十一日で東日本大震災から七年となります。改めまして、お亡くなりになられた方々、御遺族の皆様方に心から哀悼の意を表します。また、いまだに約八万人もの方々が、多くの方々が不自由な避難生活を余儀なくされております。震災復興をより一層加速化していかなくてはならないと思います。また同時に、あの震災で得た教訓というものを災害対策に生かしていかなくてはならないと考えています。 宮城県仙台市では、東日本大震災で津波による震災、宅地被害、建物の約三万棟が全壊するなど様々な被害が極めて広範囲で発生をいたしまして、多くの方が被災され、約一万二千世帯が仮設住宅に入居しました。そのほとんどは借り上げの民間賃貸住宅ですので、市内に点在しました。 仙台市は、震災発生後、被災者の実態把握のために郵送で調査票を送付しました。しかし、何回行ってもなかなか調査票が返ってこないと。そのために、平成二十四年度から、シルバー人材センターに全ての仮設住宅入居世帯の戸別訪問そして対面調査というものを委託して被災者の実態を把握しました。その上で、健康面等、日常生活等フォローが必要な世帯と、資金面等住まいの再建に課題がある世帯など四つに類型化をして、その上で、仙台市や社会福祉協議会などが支援計画を策定して、その計画に基づいて、例えば仕事がないなら就労支援団体へ、また健康面が、また福祉が必要であれば地域包括支援センターへ、そういった形で被災者支援策と平時の福祉や就労支援といったものを組み合わせて、各世帯の必要性に応じた形で支援をする体制というものをつくり上げられたそうでございます。 こうした取組によりまして、仙台市では被災地の中でいち早く仮設住宅供与が終了いたしました。現在は復興公営住宅へのフォローアップ訪問等の取組を進めているとお伺いしました。 そこで、吉野復興大臣にお伺いしたいんですが、このような仙台市におけます被災者支援の取組をどう評価されておられるでしょうか。
○国務大臣(吉野正芳君) 山本先生には、度々被災地を訪問されて本当にありがとうございます。また、特に仙台市の被災者支援の取組を、今日はテレビが入っておりますので全国民が見ていると思います、すばらしい取組を紹介をしていただきました。本当にありがとうございます。 被災を受けた被災者として一番関心事は、まず住まいの確保なんです。いわゆる住宅をどう求めていくか、これが一番大事なところ。そして二番目は、日常生活をいかに取り戻すか、いわゆる生活再建であります。 仙台市は、おっしゃったように、縦軸に住宅を求める、横軸に生活再建をやって、四つの類型に分けて、今お話しになりましたように、本当に戸別訪問をなさっていろんな膨大な御意見を賜り、この四つの類型に合わせてきめ細かい支援をしているところです。本当にすばらしいことだと思います。 復興庁も、この仙台の例を岩手県、宮城県、福島県においても実行をしているところでございまして、これからも仙台市の例を基に被災者の支援に全力を尽くしていきたい、このように思っております。 ありがとうございました。
○山本香苗君 ありがとうございます。 ただ、現行の被災者支援策のほとんどというのは罹災証明に基づいて実施されています。罹災証明というのは、災害によってお住まいの家に被害が発生した場合に、被災者からの申請によって、そして市区町村が被害状況の調査を行って、その被害状況に応じて交付されるものです。つまり、住宅の被害がどの程度かというものを示すものであって、被災者のこの抱えている課題の全容を全て示すものではございません。たとえ住まいがあったとしても、仕事がなくなったり病気が悪化したり、また多重債務を抱えたり、家族を失ったり、様々な課題を抱えたままでは、先ほど吉野大臣がおっしゃっていただいたとおり、日常は取り戻せません。 東日本大震災で仕事を失って、家を失って、県をまたいで仙台市内の仮設住宅に入った四十代の男性の方は、心臓の病気を抱えておられたそうです。何度も何度もハローワークに通ったけれども、なかなか仕事が決まらなかった。そういう中で、この取組によって支援計画が作られて、その計画に基づいて就労支援団体が支援をしたと。その結果、三か月後にようやく仕事が決まって、それからしばらくしてから仮設住宅を出ることができたそうであります。 被災者に寄り添って切れ目のない支援を実現するためには、罹災証明のみならず、被災者一人一人の実態を把握をして、それに応じて平時の福祉や就労支援等も含めた支援を実施していく取組、これが私は重要なのではないかと思うんですが、小此木大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小此木八郎君) 今、吉野大臣も言われましたように、山本委員が被災地を多く歩かれる、これはもう皆さん、多くの議員の皆さんがそうされたと思いますけれども、やはり個人個人を戸別訪問をされてしっかりと状況を把握するということは、これはもう重要なことだと思います。 仙台市の取組は、繰り返しになりますけれども、その生活者の状況をまずしっかりと、どんなことで困っておられるのか、あるいはどういう再建計画を立てているんだろうかということを把握をすることと、そしてその実態をそれぞれで整理、分析をするということ、そして支援者間で情報をきちんと共有をして、明確に分担されたものを実行に移して手を差し伸べていこうという気持ちでやられたんだと思います。非常に重要なことだと思っております。 内閣府におきましても、被災者支援に関する各種制度を取りまとめてホームページで紹介をしているところでもあり、大規模災害を経験した被災県からの報告事例を各都道府県に紹介をしてきたところでありますけれども、やはり、冒頭に言われましたように、紙を送って困ったことを書いてくださいというよりも、しっかりと人間と人間が話をして、困ったところを聞いて直していくということが大切で、思いますので、関係省庁の協力を得て、災害時の被災者支援制度以外であっても、災害時において活用できる社会保障制度の周知を更に進めて、まあ省庁間の難しいところははっきり言ってあるかもしれませんが、そういうことを乗り越えて、私たち就任時に総理から全員が復興担当大臣であれということを言われて就任しておりますので、その声を聞きながら大事に前に前に進めてまいりたいと思います。
○山本香苗君 何か次の質問をする前にお答えしていただいたような雰囲気がするんですが、平時の福祉制度を持っていらっしゃる加藤大臣はどういう御認識ですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、山本委員から仙台市のお話がありましたけれども、被災をしたときにはまさに被害者支援策というのが前面に出ていくわけでありますけれども、被災をされている方には様々な福祉サービスを既に利用されている方もいらっしゃいます。それから、新たにそうしたサービスが必要になる方もいらっしゃいます。それから、被害者支援策の対象にはならないけれども、先ほどの例のように、福祉サービスや就労支援も必要な方がいらっしゃる。まさに被災された一人一人に合った、その実態を把握して、それに対して総合的にまさに寄り添った支援をしていくことが重要だというふうに思います。 厚生労働省でも、東日本大震災あるいは熊本地震の被災地においては、関係自治体が社会福祉協議会などに相談員を配置をして仮設住宅に入居する方等に対して日常生活上の相談支援や孤立防止の見守りなどを行う取組を支援するなど、被災された方々に寄り添った取組も進めてまいりました。 今後とも、今の仙台市を始め、残念ながら災害には遭ったけれども、その中でいろいろ御苦労されてきた、工夫をされておられる、そうした先進的な取組をいろいろ参考にさせていただいて、個々の被災者に寄り添った支援、これにしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
○山本香苗君 今申し上げました仙台市の取組というのは関係者の間で災害ケースマネジメントって言い方をされているんですが、災害というのはいつどこで起こるか分かりません。いつどこで起きたとしても、しっかりこうした仕組みがあるんだということで安心感が生まれるんだと思うんです。 こうした仕組みを全国で展開していけるようにするために、是非、小此木大臣、関係省庁と協議の場を持っていただいて検討していただきたいんですが、いい答弁をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(小此木八郎君) 先走ったわけではありませんで、大事なことと考えて先ほど答弁をいたしました。 全員が復興担当大臣であれと。東日本だけではありません。火山の話もされましたように、いろんな災害がこの国にはあります。各省庁を超えて、制度所管庁が多岐にわたることの中での苦労もありますけれども、それを乗り越えて、委員のお気持ちを含めて、前向きに各省庁と話合いをして前に進めてまいりたいと思います。
○山本香苗君 加藤大臣、疑うわけではないんですが、厚労省も協議の場に出てきていただけますよね。
○国務大臣(加藤勝信君) 内閣府において、そうした、今、小此木大臣が先頭に立ってそうした枠組みをつくられていく。当然、厚生労働省等も率先してそうした協議には参加をさせていただき、特に必要な福祉サービス、就労支援、これを担っているわけでありますから、被災された方々が安心して暮らしていただけるためにも、日常生活がしっかり営んでいただくためにも、しっかりと取り組ませていただきたいと思います。
○山本香苗君 ありがとうございます。 東日本大震災や熊本地震におきましては、補正予算でこの事業の財源というのが手だてをされました。しかし、補正予算の成立を事業化するまで待たなくちゃいけなかったんです。 岩手県の岩泉町、ここは東日本大震災でも、また二十八年の台風十号でも甚大な被害がダブルで襲った地域でありますが、ここでも実は導入していまして、同じ仕組みを、去年は民間の助成金使ったんです。今年は何とか、何かないだろうかと探しに探して、加藤大臣のところの厚生労働省のモデル事業をもうこれ使わせてくださいという形で使って、今どうにかできているわけなんです。ということは、たまたまそういうのがあったから今できているわけでありまして、実態把握というのが遅れて、支援の手が遅れれば遅れるほど生活再建は遠のいていきます。 全ての自治体が財政状況に左右されることなく災害直後から速やかに実施ができるような財政的な支援、麻生大臣にお伺いしませんが、是非そのときにはよろしくお願い申し上げたいと思いますので、協議の場にも、是非財務省にも前向きにお取り組みいただければと思っております。 総理にお伺いしたいんですが、支援策がたくさんあっても被災者に届かなかったら意味がないんです。被災者一人一人の実態を把握して計画を立てて、それに応じて支援をしていくと。人を制度に合わせるのではなくて人に合わせて制度をつくって支援していくと。私は、総理がよく切れ目なく被災者に寄り添う支援をするとおっしゃる言葉は、これはまさしくこの仕組みであって、こうした支援こそ復興への一番の近道になるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに被災者のニーズは一人一人違うわけでありまして、かつ、政府もかなりのメニューをそろえているわけでありますが、被災者の方々がそういうメニューを全て御存じではないわけでございますので、一人一人の被災者の相談を受けつつ、言わばその要望に対してどういうメニューがあるということで、あるいは、それがないのであれば、まさに我々政治がリーダーシップを取ってそうした被災者の要望に応えていくということが求められているんだろうと、こう思う次第でございます。 その中で、例として挙げられた仙台市の例は、シルバー人材センターの人材を使うということは、割と人生経験を積んだ方々ですから相談しやすい雰囲気があるんだろうと。人間というのは、何か相談、この人ちょっと相談しにくいなということがあると、なかなかいろんな困った、特に困ったことですから言いにくいということもあるんでしょうけれども、そういう適材の方々を活用しながらそういうニーズを吸い上げ、そしてしっかりとそれに対応したメニューをつくっていくということが大切なのではないのかなと。 ですから、先ほど小此木大臣から、心のこもった答弁を本人もしたと思っておりますから、そこでしっかりとリーダーシップを取って各省庁を集めてそうしたニーズに応えていく。そして、そのニーズを吸い上げることもしっかりと、この仙台市の例を全国展開をしながら進めていきたいと、このように思っております。
○山本香苗君 ありがとうございます。 シルバー人材センターの方々に委託したのは、総理がおっしゃるとおり、人生経験豊かな方にやはりしっかり被災者の方に寄り添ってもらいたいということで仙台市の方は委託されたと伺いました。しっかりこうした教訓をこれからの災害対策に生かしていきたいと思いますし、私も、これからも震災復興にしっかり取り組んでまいることをお誓い申し上げておきたいと思います。 次に、中小企業支援についてお伺いします。 ものづくり・商業・サービス経営力向上支援金、いわゆるものづくり補助金は、今回の補正予算におきまして一千億円と大幅に拡充されております。 ものづくり補助金は、製造業のみならず、商業やサービス業も含め、全ての中小企業・小規模事業者が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善等を行うための設備投資の一部を補助するもので、中小企業の方々から常々強い要望をいただいておりまして、私たち公明党といたしましても一貫して拡充を求めてまいりました。 そこで、世耕経済産業大臣にお伺いしますが、今回のものづくり補助金は従来のものとどこがどう違うのかと。また、公募はいつ頃始まって、もちろん成立した後ですが、どういうスケジュールで採択となるのか、分かりやすく御説明いただくとともに、去年はたった一回しか公募がなかったんです。かつ、いつものとおりでありますが、公募期間がめちゃくちゃ短かったということもあって申請に間に合わなかったという声をたくさんいただきました。是非今回は二回以上は公募をしていただきたいと思いますので、分かりやすく御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の補正予算に盛り込んでいるものづくり補助金には、大きく三つの特徴があると思っています。 まず一つ目は、我々は第四次産業革命に対応した産業政策ということで、コネクテッドインダストリーズ、データで企業がつながっていくということを、そしてビッグデータを活用してサービスや製品の質を高めていくという政策を今打ち出しているわけですが、そういう中で、複数の中小企業・小規模事業者がデータですとか情報を共有して生産性向上を目指す取組に関して、これを新類型として追加をして新たに支援をしていくことにした、これが一つ目です。 二つ目は、機械だけ入れてもそれをうまく使いこなせなければいけませんから、それを例えばスマートものづくり応援隊ですとかITコーディネーターといった外部の専門家に依頼をする。当然その経費が掛かりますので、その経費もこの補助金の中で見て、その分、上限額を少し追加をするということをさせていただきました。これが二つ目です。 三つ目は、中小企業が結局設備投資になかなか踏み切れないのは、やっぱり新しいものを買うと固定資産税が増えるからだということで、今回、麻生財務大臣にも御理解をいただきまして、野田総務大臣にも御理解をいただいて、自治体の判断で、新たに買ったものの固定資産税はゼロにできるという制度を入れました。今回、これとものづくり補助金の相乗効果を出したいということで、固定資産税ゼロを判断していただいた自治体に立地する中小・小規模事業者に優先的にこのものづくり補助金を配分をしていくということをやっていきたいというふうに思っています。 そして、当然、公募については、補正予算が国会で成立をさせていただければ速やかに開始できるよう準備を進めているところであります。また、今委員から御指摘があった、一回ではなかなか応募できない、し損ねることがあるということですので、今回はできれば二回目の公募も行いたいというふうに考えております。
○山本香苗君 是非とも二回以上やっていただきたいと思います。二回と言わず複数回やっていただければと思うんですが。 このものづくり補助金なんですけれども、中小企業・小規模事業者に対象限られているんですね。NPO法人だとか一般社団法人、財団法人など非営利法人がなぜ対象外になっているんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のものづくり補助金の目的は、我が国経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者の設備投資の促進などを通じて収益力向上を図り、足腰の強い経済の構築を目指すものであると。そのため、中小企業・小規模事業者において、生産性向上に向けて革新的な製品やサービスの開発、生産プロセスの改善などの取組を支援するものであり、補助対象として三から五年で付加価値額年率三%、経常利益一%の向上を達成できる計画を有する事業者を対象とすることとしていると。 以上のような考えから、ものづくり補助金においてはNPO法人や一般社団法人、財団法人といった非営利活動を前提とする法人は対象としていませんという答弁を読んでくださいというふうに今日レクを受けたんですが、これだとちょっと非営利法人、誤解を与えると思うんですね。NPOとかは、これだと収益力向上を図らないのか、経常利益や付加価値額のアップを図らないのかと誤解をされるんですが、当然私は、NPOはよく誤解をされますが、利益を上げていいわけです。利益を配分してはいけないだけであって、利益を上げて、その利益で更に雇用を広げたりあるいはもっと投資をしてサービスのレベルを上げるという意味では、当然NPO法人も財団法人も利益を上げるということは取り組んでいただいて全く構わないわけですが、結局、本当の理由は、経産省の政策というのはやはり中小企業基本法というものに縛られます。この中小企業基本法の中には、やはり中小企業の対象というのは資本金が三億円以下で従業員三百人以下の会社及び個人事業主という規定がされているのでなかなか、企業が中心の対象になってしまうということだというふうに思っております。
○山本香苗君 以前、全く同じことを創業補助金のときに茂木大臣に御質問したんです。こういう、今最後におっしゃられたところをおっしゃったんですが、最終的に創業補助金、NPO法人対象に、茂木大臣、していただきました。 是非、非常に世耕大臣、よくお分かりになっていらっしゃいます。非営利法人だからボランティアみたいな感じで利益を上げちゃいけないんだみたいなことを思っている方がいらっしゃる。違うんです、利益を上げていいんですと。それを職員にちゃんと還元するんです。ただ、おっしゃるように、寄附者だとか会員だとかそういった人たちには配分しちゃ駄目よと。全部収益上がったものは全部事業に使わなきゃ駄目ですよと。物すごい社会的還元力高いわけです。 そういう中で、具体的に、これ使わせてもらえたらどういうことが、まあ言ってみたら期待できるんでしょうかという話の中で、例えば病児保育において現在コーディネーターがやっている、人がやっているような子供とベビーシッターとのマッチングシステムをAI化してより良いマッチングをしてそれで生産性向上したいとか、また子供の学習支援をしているところが全国展開するに当たって複数の拠点の間で連携してオンラインの会議だとか授業、そういうものを、革新的な教育サービス提供したいとか、そういった具体的な声もいただいていますので、是非一回よく御検討いただけないでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今恐らく経産省内では私の答弁を冷や冷やして見ているんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、私の地元でも、例えば障害児者を雇用して物づくりに取り組んでいるようなNPO法人もあるわけでありますから、そういう意味で何とかそういったところも対象にできないかと、よく検討してみたいと思います。 ただ、ここまで広げると、今度、じゃ医療法人どうするんだとか、そういう議論にもなっていく場合もあり得ますので、しっかり検討して進めたいというふうに思います。茂木前大臣に負けないようにしっかり取り組みたいと思います。
○山本香苗君 今NPOを担当していただいているのが茂木大臣なんです。NPO法ができまして今年でちょうど、この三月でちょうど二十年になるんですね。近年、中小企業の事業承継という問題が注目されていますけれども、NPO法人においても同様に、役員、メンバー等の高齢化等に伴いまして世代交代が深刻化しつつあると伺っております。昨年十月に日本政策金融公庫が東海四県において実施した調査では、NPO法人の事業承継に係る経営課題が顕在しているという調査結果が出ております。 中小企業と同じく、NPO法人も、地域課題、社会課題の解決のために、そして先ほど御紹介あったように雇用という面においても極めて重要な役割を担っておりますので、是非ともこのNPOの事業承継の実態というものをちょっと調査をしていただいて、どういう支援ができるのかというのを是非御検討いただきたいんですが、茂木大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(茂木敏充君) 先ほどは私の大臣時代のお話までいただきまして、ありがとうございます。 特定非営利活動促進法、一九九八年の十二月に施行されまして今年で二十年を迎えるということでありますが、現在、保健そして医療、福祉の分野を始め、認証の法人数、九八年当時は二十三法人でありましたのが昨年の十一月末には五万法人に増加をしておりまして、委員おっしゃったような雇用の創出であったりとか町づくりなど、地域における重要な課題解決に欠かせない存在になっていると、このように考えております。 実際そこの中で課題でありますが、内閣府が実施をいたしました特定非営利法人に関する実態調査によりますと、代表者が高齢な方、六十代、七十代以上である法人がそれぞれ全体の三七・三%、二六・五%、合計でいいますと半分以上を占めておりまして、山本委員御指摘のように、法人代表者に高齢者が多い中で、事業承継の問題そして後継者問題と、これが大きな課題になっていると考えております。 委員の御指摘を踏まえまして、法人代表者の高齢化が法人が提供しているサービスの継続性にどのような影響を及ぼしているのか、今後、その実態であったりとか直面している課題、さらには支援ニーズなどを把握するためのアンケート調査実施を検討してまいりたい、世耕大臣とも協力をして課題乗り越えてまいりたいと思っております。
○山本香苗君 ありがとうございます。 それでは、総理、人づくり革命についてお伺いしますが、本格的な少子高齢化、人口減少社会を迎える中で、子供、若者から高齢者まで誰もが安心できる全世代型の社会保障へと大きくシフトチェンジをしていかなくてはなりません。 その重要な鍵を握るのがこの人づくり革命であるわけですが、これまでも政府・与党挙げて一生懸命人への投資というものに取り組んでまいりました。しかし、制度のはざまで苦しんで支援の手が届かない、また、孤立している人々を放置したままでは格差というのはますます広がってしまいます。 今月の十七日、イギリスのメイ首相は、孤独は現代生活の悲しい現実だと指摘して、高齢者や介護者、愛する人をなくした人、話し相手がいない人、あるいは考えや経験を分かち合う相手がいない人の孤独に対応するために行動を起こすと語って、イギリスにおいて九百万人が直面する社会的孤立問題を担当する孤独担当大臣というものを任命されたと報道で伺いました。 我が国においてもこのような問題というものが懸念されております。だからこそ、人づくり革命においては、制度と制度の間に陥って支援の手が届かない、社会的に孤立している、また様々な理由でスタートラインにすら立てない、そういった方々に私は最も手厚い支援をしていくことが必要だと思うんですが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人づくり革命は、この一億総活躍社会の中においてまさに本丸であると思っています。つまり、全ての方々がチャンスをつかめる社会でありまして、今、山本委員から御指摘のあったような、様々な事情でなかなかそういうチャンスを逃してしまった人たち、あるいはなかなかチャンスをつかめない状況にある人たちにしっかりと光を当てていくことも極めてこの一億総活躍社会を実現していく上で重要だと考えております。 具体的には、昨年十二月に新しい経済政策パッケージを閣議決定したところでございますが、その中には、山本委員から御提案がありました高校中退者の、高校生世代に対する学習支援の強化、つまり、高校を中退したことによって、その後本来であればつかめるチャンスをつかめない、これは本人にとっても、本人の人生にとっても大変なこれは痛手であるわけでありますが、日本社会あるいは経済にとってもこれは損失になるんだろうと、こう思います。また、社会的養護を必要とする子供などの大学進学の後押しなども、委員から強い御要望があったものでございますが、入れさせていただいたところでございます。 そしてまた、公明党からの御提言を踏まえまして、一人親家庭の方も、義務教育を受けることができなかった方も、出産、育児等で離職した方も、またフリーター、ニート、引きこもりの方も、病気など生活上のハンディを抱える方も、誰にとってもいつでも学び直し、やり直しができる社会をつくるため、幾つになっても、誰にでも学び直しと新しいチャレンジの機会を確保すること、このためリカレント教育の抜本的拡充などについて夏に向けて検討することを盛り込んだところでございます。 まさに、女性も男性も、そしてお年寄りも若者も、障害や難病を持つ方も、失敗を経験した方も、あらゆる人がその可能性を存分に開花できる一億総活躍社会を公明党の皆様とも協力してつくっていきたいと、このように考えております。
○山本香苗君 ありがとうございます。 難病の子供と家族は制度のはざまで孤立をしています。ちょうど一年前の予算委員会で、発症率が十万人に一人という指定難病の脊髄性筋萎縮症、SMAの治療薬の一日も早い承認ということをお願いしましたところ、総理からも当時の厚生労働大臣からも大変力強い御答弁をいただきました。そのおかげで昨年の七月三日の日に承認されまして、八月三十一日には保険適用となりました。本当にありがとうございました。 SMAを発症しますと、徐々に体が動かなくなって、人工呼吸器を付けなければ生きていけなくなります。生後四か月でSMAと診断され一歳で人工呼吸器を付けたお子さんのお母様から、つい最近、うれしいメールをいただきました。現在、息子さんは小学校高学年になっているんですが、人工呼吸器を付けて、体は動かないんですけれども、この治療薬を三回投与したところ、もう何年もぴくりとも動かなかった指先がこの一か月でぴくぴく動き始めたそうなんです。また、生まれてから一度も見たことがないお尻を振るダンスも始めたと。このメールを読んで、この御一家が子供さんの変化に一喜一憂しながら難病と闘っている姿というのが目に浮かびました。 しかし、彼らが闘っているのは難病だけじゃないんです。たんが詰まると呼吸が止まってしまうので、常に医療的ケアというものが必要になります。四六時中家族はその対応に追われまして、体力的にも精神的にも大きな負担がのしかかっています。野田大臣はよく御存じだと思います。しかし、子供を預かってくれる施設がないんです。本当にないんです。 現在、医療的ケアを必要とする子供は全国に約一万七千人と、この十年間で約一・八倍、約二倍に増えています。しかし、医療的ケアを必要とする子供と家族を支援する枠組み、この体制というのはまだまだ十分ではありません。 先日の衆議院本会議で安倍総理が、平成三十年度の障害報酬改定において医療的ケアを必要とする子供のための看護師配置を評価する制度を新設するということをおっしゃっていただきました。国会の場で総理から医療的ケアという言葉を初めて聞いたわけでありますが、大きな前進なんです。前進なんですけれども、看護師配置の費用だけではなくて、報酬が医療的ケアを必要とする子供の受入れに見合ったものにならなかったら受入れが増えないんです。是非とも医療的ケアを必要とする子供の受入れが確実に進むような報酬単価設定をお願いしたいんですが、加藤大臣、よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘のように、人工呼吸器等の使用あるいはたんの吸引などの医療的ケアを必要とする子供さんが増加をしているということでありまして、また、医療的ケア児、その子供さん自体、そしてさらにその家族ですね、支える家族が地域で安心して暮らしていけるという支援の体制を構築していくということは、これ大変大事なことだと思っております。 平成三十年度に行われる障害福祉サービスの報酬改定では、今お話がありましたように、障害児の発達を支援する施設や短期間お預かりする施設、いわゆるショートステイ等において医療的ケア児を受け入れるために看護職員を配置した場合には報酬上評価することなどの検討をしておりまして、この医療的ケア児の受入れが確実に進むようにという今御指摘もございました。 今後というか、現在、報酬単価等の制度設計進めておりますので、そうした点も踏まえてしっかりと対応させていただきたいと思いますし、また、障害者総合支援法の改正によって、平成三十年度から自治体に障害児の福祉計画の策定が義務付けられております。この計画の中に医療的ケア児の支援を行う関係機関の協議の場を三十年度中に設けることも盛り込むよう今自治体にもお願いをしているところでございまして、これらの取組を通じてそれぞれの地域において医療的ケア児のニーズ等を把握をして、計画的に支援の体制の整備が進むように厚生労働省としてもその支援の推進に努めていきたいと思います。
○山本香苗君 是非よろしくお願いしたいと思います。 今、公立小中学校への看護師配置も進められておりますけど、まだまだ十分ではございません。人工呼吸器を付けている場合でも、看護師さんがいれば原則親の付添いがなくてもいいとなっているんですが、実態としては、ほとんどの場合、親が付き添わなくちゃいけない。そして、親御さんは授業中も後ろでひっそりと待機されているんです。これでは、看護師配置を進めても事態は改善しません。 こうした事態にどうしてなっているのか。是非、人工呼吸器を付けているお子さんたちも、親が付き添わなくても、普通の子供同様、安心して学べる環境を、林大臣、お願いしたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 医療的ケアを必要とする児童生徒等の教育の機会を保障するために、文部科学省では医療的ケアを行う看護師の配置に必要な経費を補助しておりまして、来年度予算においてもその充実を図っておるところでございます。 他方、今、山本先生からお話がありましたように、人工呼吸器の管理等を必要とする児童生徒等については高度な医療的ケアが必要なことから、看護師が配置されている場合でも、学校の方が慎重になって、保護者に付添いを学校からお願いするケース、これが多々あるというふうに承知をしておるところでございます。 〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕 学校における医療的ケアの実施体制の在り方については、平成二十三年なんですが、留意事項等を各教育委員会等に対して通知をしております。この通知は、たんの吸引など一部の医療的ケアを教職員でも実施できるようになったことに伴うもので、人工呼吸器の管理など看護師が行うべき高度な医療的ケアの対応の在り方については実は詳細に言及をしておらないわけでございます。 このため、文部科学省では、平成二十九年度から人工呼吸器等を念頭に置いたモデル事業を実施するとともに、有識者による検討会議を設置いたしまして、校内支援体制の在り方や人工呼吸器等を管理する際の留意事項等についても新たに検討を始めたところでございます。 引き続き、看護師配置への支援は、これはこれで充実するとともに、今申し上げましたモデル事業の成果、検討会議の議論を踏まえてこの通知の見直しを行うなど、医療的ケアを必要とする児童生徒さんたちに対する支援の充実に努めてまいりたいと思っております。
○山本香苗君 速やかに、この平成二十三年通知、本当に何も書いていないんです、そこを見直していただいて、充実させたものを早期に出していただければと思っております。 昨年の神奈川県座間市の連続殺人事件では、死にたいとSNSでつぶやいた多くの若い女性が犠牲となりました。そして、この事件をきっかけといたしまして、貧困や虐待等、様々な問題を抱えながら、支援の存在を知らなかったり、また公的窓口に行っても受け入れてもらえない、分かってもらえないだろう、なかなか公的支援につながらない若い女性の存在というものがクローズアップされました。 二〇〇九年から十代、二十代の生きづらさを抱える若い女性たちを支援しているNPO法人のBONDプロジェクトでは、事件後に、過去に相談を受けたことのある約千人の若い女性を対象にメールでアンケートを実施いたしました。そこで死にたいとつぶやいたことがある人というのは六八%です。 また、なぜSNSで死にたいとつぶやくのかと考えますかという問いに対しては、現実で寂しいから、誰かに存在を分かってほしいし認めてほしいから、現実でそんなことを言うと周りにばかにされたり相手にされなかったりすることが怖い、話をできる人がいないからといった声がありました。また、今回の座間の事件を受けてどう感じましたかという問いに対しては、私も十人目になっていたかもしれない、表面的には普通の子が学校や親には言えない、つらい、死にたいくらいの気持ちをSNSならつぶやけていたんだと思うといった回答があったそうです。私は、ここから見えてくるのは、誰かに助けを求めながらも孤立している実態じゃないかと思うんです。 また、死にたい、消えたい気持ちはどうしたらなくなるのかと思いますかという問いに対しては、居場所があって誰かが認めてくれたら、本当の気持ちを吐き出せる場所をつくること、何かあったらいつでも行ける場所があったら少し楽になれるといった回答が複数あったと伺いました。 〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕 BONDプロジェクトでは、こうした生きづらさを抱えている若い女性たちに、安心、安全に食事や寝泊まりできる場所を提供しています。ここを通じていろんな各種支援につなげて彼女たちが孤立するということを防いでいますが、実は今のこういった取組に対して一切公的な支援はないんです。しかし、私はこうした取組こそ今必要なのではないかと考えるんですが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘のように、本当に様々な困難を抱えて、そしてなかなか相談できずに孤立をされている女性、特に若い女性が多くおられる。実際、公的機関にも一応体制はあるんですけれども、敷居が高い、なかなかそこへ行きづらい。そういう中で、今委員が御指摘の特定非営利活動法人のBONDプロジェクトのように、そうした女性への支援、そうしたものに本当に力を尽くしておられる民間の支援団体がいろいろ活動されているということは承知をしております。 また、一昨年の十二月に、委員も座長代理を務めておられます与党の性犯罪・性暴力被害者の支援体制充実に関するPTからも、被害が顕在化しにくい若年の性暴力被害者支援についても御提言をいただいたところでございまして、厚労省としては、来年度予算案において婦人相談所等の公的機関と民間支援団体とが連携した支援体制を構築していくと、こういう観点に立って、地方自治体に対する補助事業として若年被害女性等支援モデル事業の創設を盛り込んでおります。 具体的には、民間支援団体による夜間の夜回り、声掛けなどのいわゆるアウトリーチ支援、居場所の確保、相談支援の実施に対してこれは助成を行う、それから民間支援団体、地方自治体、ハローワークなどの関係機関が連携して支援するための会議を設置する、こういったことを想定をし、具体的なモデルになるような体制をまず構築をし、それを全国展開を図っていきたいと、こういうように思っております。
○山本香苗君 是非よろしくお願いしたいと思うんですが、若い女性の中でも十八歳を超えますと今度は児童福祉法の対象から外れちゃうわけです。じゃ、どうなるかといったら、今度は売春防止法を根拠とする婦人保護事業でという話になるんですが、今、加藤大臣おっしゃったように、ここでも若い女性に対応はできませんと、できていませんと。婦人保護事業というのは保護、更生というところに力が置かれておりまして、支援を必要としている女性の実態と大きく乖離をしているわけです。結果、支援を必要としている女性がたくさんいるにもかかわらず、支援の手が届いていないという状況になっています。 この婦人保護事業、名前からそうなんですが、六十年間ほとんど見直しがなされていません。そのため、上川法務大臣が法務大臣になられる前の、今、加藤大臣が御紹介いただきました、平成二十八年十二月に与党プロジェクトチームで取りまとめました性暴力・性犯罪根絶のための十の提言におきまして、この婦人保護事業の見直しというものを明記させていただきました。現在、自公でそれぞれプロジェクトチームというものを立ち上げさせていただいて議論というものを各党で進めさせていただいております。 全ての女性が生き生きと活躍する社会を実現するためには、支援を必要としている女性たちの実態を踏まえてこの婦人保護事業をやっぱり抜本的に見直すべきじゃないかと考えるんですが、婦人保護事業を所管している厚生労働大臣の加藤大臣に御答弁いただいた後に、女性活躍担当の野田大臣にも御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘のように、この婦人保護事業、沿革をたどりますと、売春をした女性や売春を行うおそれのある女性の保護、更生を行うことを目的にスタートしたわけでありますけれども、現在の状況を見ると、この支援のニーズって非常に多様化しております。DV被害者、ストーカー被害者、人身取引被害者等、本当に様々な困難を複合的に抱えている方に対応していると、これが実態なんだというふうに思っております。 また、先ほどお話がありました、与党等からも御指摘もいただいております、この婦人保護事業の現行の枠組みを抜本的に見直すべきではないかということでありますので、今、厚生労働省としては、今年度調査研究事業を今実施しております。婦人保護事業における支援内容等に関する実態をまず把握を進めておりまして、本年の三月までには結果を取りまとめたいと思っております。そして、その調査結果を踏まえて、与党でも今御議論いただいております。これを踏まえて課題を整理し、また関係府省とも連携を取りながら必要な見直しを行うべく検討を進めたい、こう思っております。
○国務大臣(野田聖子君) さきに医療的ケア児について御質問をいただきまして誠にありがとうございました。親の一人として感謝申し上げたいと思います。 自公政権になって、安倍総理大臣の力強いリーダーシップの下、女性活躍というのが我が国の大きな政策の柱となっています。その結果、多くの女性たちが就業をするようになり、そして、多くの子供を持った親たちも離職せずにもう一度仕事に戻ることができるようになったということで、大きな効果が上がっています。 UNウーマンという国連の下の団体があって、そこでヒー・フォー・シーという、ジェンダー平等という、そういう運動をしているんですけど、その中で、政府と、大学と、あと企業、世界中から十個ずつチャンピオンを選ぶという、インパクトチャンピオンというのを選んでいるんですけど、余り日本の皆さん御存じないんですけど、安倍晋三総理大臣はそのチャンピオンの一人でございまして、大学は名古屋大学が選ばれています。残念ながら企業は、日本の企業はどこも選ばれていません。 そんな中で、せっかく女性の活躍というのを自公政権の下で、とりわけ山本委員が頑張って進めてきていた中で、その手前にいて、先ほどのさみしいとか、最近では、先ほどお話がありましたように、インターネット上またSNSなんかを利用して犯罪に巻き込まれる、今は座間市の話が出ましたけど、少し前はリベンジポルノというのがございました。そうやって女性が多くの新しい形の犯罪に巻き込まれていることは、非常にこの国の大きな闇だと思っています。また、配偶者等からの暴力も決して減ってはおらず、社会の問題になっていますし、また、ストーカーの問題も、やはり殺人事件につながる等、これ本当に大変な問題を今私たち女性は抱えているわけですね。 その中にあって、先ほども婦人保護という言葉が出てきたんですけど、私にはぴんときません。もう婦人という言葉はほとんど使われていません。女性という言葉を使っていますし、保護ではなく、やっぱり私たち、今、安倍総理が進めているのは、私たち女性の自立の支援だと思っているんですね。 そういう本当に根本的なところからつくり変えて、そして私自身も、大臣就任前に、先ほど加藤大臣がおっしゃった売防法の下でできた、その根拠でできている婦人のその施設というところに行ったんですけれども、もう配偶者は積むわストーカーは積むわということで、売防法のためにできた古い施設ですから、その親子で逃げてくるみたいなときの対応が全くできていないということが明らかです。とにかく、山本香苗委員のリーダーシップの下、しっかりとこれについては取り組んでいく必要があるということを私は認識しています。 女性活躍の方でも、女性活躍加速のための重点方針二〇一七におきまして、社会の変化に見合った、私は使いたくないんですけど、婦人保護事業の在り方の検討を行うということをしており、加藤大臣のところで今取り組んでいただいているので、しっかりと加藤大臣とともに頑張り抜きたいと思っています。よろしくお願いします。
○山本香苗君 加藤大臣、また野田大臣、そして閣内におかれましては上川大臣にも、是非この問題、よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、防衛問題についてお伺いしたいと思います。 その前に、総理です。沖縄で米軍のヘリコプターが不時着するなどの事故が相次いでいます。異常事態です。このままでは日米安保体制の根幹が揺らぎかねません。徹底した原因究明、抜本的な再発防止策を是非とも総理から直接アメリカ側に強く要請していただきたい、申し入れていただきたい。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米軍の運用に当たって、地域住民の方々の安全確保は大前提でありまして、事件、事故はあってはならないと思っています。 安全の確保については、最優先の課題として日米で協力し取り組んでいます。トランプ大統領にも私から直接しっかりと伝え、大統領と地元の方々の懸念を軽減する重要性を再確認をしています。ヘリの事故や予防着陸、緊急着陸が続いていることについては、マティス国防長官からも謝罪があり、再発防止について重要な課題として取り組むとの表明がありました。 政府としても、米軍機の事故や予防着陸、緊急着陸が相次いでいる中、在日米軍の全ての航空機について徹底的な整備、点検を確実に実施し、徹底した再発防止のための対策を講ずるよう米国に強く求めています。発生した事故等の対応を踏まえて、個別に判断の上、米側に飛行停止も求めてきているところでございます。
○山本香苗君 安全確保が大前提です。是非政府を挙げて取り組んでいただきたいと思います。 総理は先日の施政方針演説の中で、年末に向け、防衛大綱を見直すお考えを表明されました。我が国をめぐる安全保障環境が厳しさを増す中で、見直しは私は必要だと考えておりますけれども、今なぜ必要なのかと、ここについてもう一度総理からしっかり御答弁いただけないでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民の命と平和な暮らしを守り抜いていくことは私たちの重大な責務であります。 北朝鮮がこれまでにない重大かつ差し迫った脅威となっているなど、我が国を取り巻く安全保障環境は現在の防衛大綱を策定した際に想定したよりも格段に速いスピードでスピードを増して、今や戦後最も厳しいと言っても過言ではないと考えています。 その上で、サイバー空間や宇宙空間など、新たな領域の活用が死活的に重要になっていることを踏まえれば、もはや陸海空という従来からの区分で想定するだけでは不十分であると、こう考えているところであります。つまり、例えば、サイバー空間による攻撃によって事実上防衛機能がこれはほとんど停止するという、そういう事態にもなるわけでありまして、今までとはこれは次元が違うと考えております。このようなことを踏まえれば、これまで進めてきた南西地域の防衛態勢や弾道ミサイル防衛の強化にとどまらず、サイバーやまた宇宙など、新たな領域分野について本格的に取り組んでいく必要があると考えております。 このような認識の下、新たな中期防衛力整備計画の策定と併せ、防衛計画の大綱についても見直すこととしたものでありまして、専守防衛は当然の前提としながら、従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていく考えであります。
○山本香苗君 今総理おっしゃったように、専守防衛は当然の前提としながら、従来の延長線上ではなく、国民を守るために真に必要な防衛力のあるべき姿を見定めていくというふうにおっしゃったわけですけれども、そこで、総理、確認なんですが、政府は従来、専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その防衛力行使の態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保有する防衛力も自衛のための必要最小限度のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいうと繰り返し答弁しています。平成二十七年の平和安全法制のときもこの定義は変えないと明確に答弁いただいています。 今後もこの定義の変更はない、しないということでよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 専守防衛は憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略であり、我が国防衛の基本方針であります。これは全く変わっていないということははっきりと申し上げておきたいと思います。 その内容を具体的に申し上げれば、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、そしてその防衛力行使の態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための最小限度のものに限られるなど、受動的な防衛戦略の姿勢をいうものであります。防衛戦略としては大変厳しい防衛戦略となるわけでありまして、言わば、例えばミサイル攻撃の第一弾は私たちはそれを甘受しなければならないわけでありますが、しかし、この考え方について、まさに憲法の精神にのっとったものであろうと、こう考えているわけであります。 このような専守防衛に関する政府の考え方は、これまでも一貫したものであり、今後ともいささかの変更もないということは明確に申し上げておきたいと思います。
○山本香苗君 もう一点確認させてください。 防衛力整備につきましては、政府は従来、性能上専ら相手国の国土の壊滅的な破壊のためのみに用いられるいわゆる攻撃型兵器を保有することは、直ちに自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるために、いかなる場合も許されないという解釈を持っております。この解釈も変更しないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 総理が既におっしゃっておりますが、憲法上保有できる装備ということに関しては、政府は従来から、自衛のための必要最小限度を超えない実力を保持することは憲法第九条二項によって禁じられていないが、性能上専ら他国の国土の壊滅的な破壊のためのみに用いられる兵器については、これを保持することが許されないと解釈をしております。 このため、ちょっと具体例を挙げますが、例えば大陸間弾道ミサイル、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母については、いかなる場合においても保有することは許されない旨、政府として累次申し上げております。 このような憲法上の制約の下において保持が許される自衛力の具体的な限度については、その時々の国際情勢や科学技術等の諸条件によって左右される相対的なものであり、結局毎年の予算の審議を通じて国民の代表である国会において判断されるということでありますが、基本的に私どもとしては、憲法上保有できる装備の考え方は変わらないということであります。
○山本香苗君 平成二十九年度補正予算案には、陸上配備型ミサイル防衛システムであるイージス・アショアの整備予算が組まれております。近年、北朝鮮が弾道ミサイル技術を向上させて頻繁に発射実験を繰り返す中で、こうした我が国のミサイル迎撃能力を高める装備というのは専守防衛に沿った必要な体制整備だとは考えますが、ただ、イージス・アショアについては、当初の中期防衛整備計画の整備予定になく、昨年十二月に閣議決定した上で追加導入が決定されました。 この追加導入、なぜこの段階での追加導入になったのか、背景と理由を御説明ください。
○国務大臣(小野寺五典君) イージス・アショアの前に一点だけ。 先ほど沖縄での米航空機の事故についてございました。米航空機の事故等については、防衛省としては、米国の説明を聞くだけではなく、我が国としても、米側の事故調査や再発防止策について、自衛隊の専門的知見も活用して検証を行い、その合理性を判断してきております。 今年になって二度発生しましたAH1Zヘリの予防着陸に関しては、米側が実施した点検や整備の状況について、あした、専門的、技術的な知見を有する自衛官を普天間飛行場に派遣し、確認をすることを検討しております。米側と現在調整中であります。 今後とも、安全の確保については最優先の課題として防衛省、政府として取り組んでいくことになります。 ただいまイージス・アショアのことについてございました。現在、北朝鮮の核・ミサイル開発は、これまでにない重大かつ差し迫った脅威となっております。特に、これまでの我が国の弾道ミサイル防衛が、ミサイル発射の兆候を早期に察知し、イージス艦やPAC3を機動的に展開することを基本としてきたのに対して、北朝鮮は発射の兆候を事前に察知しにくい移動式の発射台や潜水艦発射型弾道ミサイルといった発射手段の配備、配置を進めております。 また、北朝鮮情勢が切迫する中、防衛省・自衛隊として高度の警戒態勢を維持し、イージス艦やPAC3を展開しておりますが、例えばイージス艦については、整備補給で港に帰る隙間の期間が避けられず、また洋上勤務が繰り返される乗組員の勤務環境も極めて厳しい状況にあります。 こうした状況を踏まえ、国民の生命、財産を二十四時間三百六十五日守り続ける能力を抜本的に向上させることが必要と考え、私が大臣に着任した昨年八月、イージス・アショアを中心に新規アセットの導入を行うという方針を示し、平成三十年度概算要求にいわゆる事項要求という形で行わせていただきました。その後、政府部内の検討や米国との調整等を経て、イージス・アショア二基により我が国を常時持続的に防衛し得ると判断に至ったことから、昨年十二月十九日、政府としてその導入を閣議決定いたしました。 防衛省・自衛隊として、国民の生命、財産を守り抜くことは最大の責務であり、イージス・アショアを可及的速やかに導入すべく、引き続き必要な取組を進めてまいります。
○山本香苗君 御丁寧な御答弁ありがとうございます。また、米軍のことにつきましてもまた追加の御説明ありがとうございました。 平成三十年度の予算案の方には、戦闘機に搭載する長射程のスタンドオフミサイルというものの取得予算が計上されております。この点につきましては、様々報道等々でもありますように、国民の皆様方が大変懸念をされておられますので、ここでしっかり御答弁していただきたいと思うんですが、このミサイルというものは運用次第で敵基地攻撃に転用できるものなのでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 専守防衛は我が国の防衛の基本的な方針です。その内容を具体的に申し上げれば、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また、保有する防衛力も自衛のための必要最小限度のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢というものであります。 今回導入するスタンドオフミサイルは、あくまでも、相手から武力攻撃を受けたときに、これを排除するために必要な範囲で使用するものであり、軍事力の進展に対応し、実は様々、今周辺国も長射程のミサイルを持つようになります。また、レーダーの能力も上がっています。そのような場合に、我が国を攻撃してくる相手に対して、自衛隊員の安全を確保しつつ我が国の防衛を全うするためには今回不可欠な装備だと思っております。また、これは自衛のための必要最小限度のものということになります。 そして、今御懸念でありますが、例えばよく敵基地攻撃能力のお話がありますが、このスタンドオフミサイルだけで敵基地攻撃能力が発揮できるということではありません。例えば、一般論として申し上げれば、敵基地攻撃能力のためには、移動式の発射台をリアルタイムに把握するとともに、地下に隠蔽されたミサイル基地の正確な位置を把握し、まず防空用のレーダーや対空ミサイルを攻撃し無力化し、相手国の領域における制空権を一時的に確保した上で、移動式ミサイル発射機や堅牢な地下施設となっているミサイル基地を破壊してミサイル発射能力を無力化し、攻撃の効果を把握した上で更なる攻撃を行うといった一連のオペレーションが必要になります。 今回のスタンドオフミサイルは、あくまでも、自衛隊員が自分たちの安全を確保した上で日本に攻撃してくる相手を排除する、そのための装備ということで、自衛隊員の安全のためにも是非御理解をいただきたいと思います。
○山本香苗君 ということは、実際のところ、そういった運用次第で敵基地攻撃能力に転用できるものではないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(小野寺五典君) 先ほどお話をしましたが、このスタンドオフミサイルというのは、あくまでも、自衛隊員が安全に任務を遂行する、それは我が国に攻めてくる相手に対してそれを防ぐというための役割であって、いわゆる敵基地攻撃能力のためにはそれ以外の様々な能力を持たなければいけませんし、現在自衛隊がそのような装備を持つことを想定はしておりません。
○山本香苗君 総理、最後にお伺いしますが、今後、年末に向けましてどういうプロセスで防衛大綱の見直しをしていかれるお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 防衛大綱の見直しについては、今後、長期にわたる我が国の防衛の在り方について指針を定めるものであり、安全保障政策上極めて重要な課題であります。 このため、関係省庁が連携して検討を行うとともに、NSCにおいて閣僚レベルで十分に議論を行っていきたいと思っています。もとより、与党の皆様とよく御相談しながら、御意見を伺い、丁寧に進めていくことは当然でございます。また、防衛大綱の見直しは自民党がさきの総選挙で掲げた政策でありまして、自民党内でも様々な検討がなされると思いますが、自民党と公明党との間でもしっかり連携をしていきたいと、こう思う次第でございます。 先ほど小野寺大臣からも御説明をさせていただきましたが、例えばイージス・アショアにつきましても、スタンドオフミサイルにつきましても、昨年、北朝鮮のミサイル技術あるいは核の技術、我々の予想を超えてはるかに向上したわけでありまして、そうしたものから守るということについては、先ほど、専守防衛という防衛戦略は大変厳しい戦略であって、彼らが第一撃を放つことは甘受しなければいけませんが、国民の命を守るためにはそれをミサイル防衛でしっかりと撃ち落としていくことが求められるわけでございます。 彼らがミサイル発射を連続的に行う中においては、高度な警戒態勢を我が自衛隊は取っているのでありますが、イージス艦の配備の仕方、隊員の疲労も相当ある中において、しかし、すぐに入ってくるわけではありませんが、将来を見据えて、イージス・アショアを一日でも早くこれは我々がちゃんと配備することが国民の命をしっかりと守り抜いていくことにつながっていくと、こう考えているわけであります。 また、繰り返しになりますが、防衛大綱については、与党ともしっかりと、公明党の皆様ともしっかりと連携させて、御協議、御相談もさせていただきたいと、このように思っております。
○山本香苗君 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(金子原二郎君) 以上で山本香苗君の質疑は終了いたしました。(拍手) 次回は明二月一日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十五分散会