法務委員会 第17号
- 発言数
- 166 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2018/06/14
会議録
○委員長(石川博崇君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、渡辺美知太郎君、滝沢求君及び高野光二郎君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君、松山政司君及び福岡資麿君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官兼特定複合観光施設区域整備推進本部事務局審議官徳永崇君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川博崇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎です。 早速質問に入らせていただきますが、先日、五月のゴールデンウイークを利用いたしまして、中西健治理事と共に党の司法制度調査会の視察としてシンガポールを訪問し、シンガポール法務省や紛争解決のための総合的な複合施設であるマックスウェルチェンバース、そしてシンガポール国際仲裁センターを視察させていただきました。 その際、お会いしたハン・コック・ジャン法務副次官より、シンガポールは、世界のビジネス環境ランキングの司法の分野、契約の執行という分野ですが、世界第二位であると、その背景として、シンガポールは国を挙げて訴訟、仲裁、調停のワンストップリーガルを振興している、このような話を伺いました。 我が国における国際仲裁の取扱件数は残念ながら低調でありまして、お配りの資料の一のとおり、この緑の線がシンガポールであります、二〇一六年実績で二百七十六件というものに対して、日本は残念ながら、下の二つのブルーと赤ですね、十四件と六件にとどまっているというところでありまして、企業間における国際紛争解決のための必要かつ不可欠な司法のインフラの一つである国際仲裁について伺っていきたいと思いますが、上川法務大臣も司法外交ということで非常に強化されており、シンガポールの国際仲裁センター及びマックスウェルチェンバースは昨年の九月に訪問されたと承知しております。 本年三月二十二日の法務委員会における大臣所信においても、我が国がアジアにおける国際紛争解決の中核として位置付けられるよう、また我が国の人材が国際仲裁の分野でより広く活躍できるように、必要な調査検討を更に進めてまいりたいとおっしゃっておりました。 改めて、国際仲裁の拡充の意義と、法務大臣としての決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 委員、シンガポールの方に行っていただきまして、国際仲裁の一番センターの機能を、今既に位置を獲得しております国際仲裁センター、マックスウェルチェンバースも含めて御視察をいただいたということでございますが、アジア全域に日本企業活躍をされているということで、当然のことながら、国際的な取引をめぐりまして、それに伴っての紛争、これも発生しているところでございます。 国際仲裁は、この国際取引をめぐる紛争解決のグローバルスタンダードとなっているものでございまして、日本企業の海外進出を後押しをするとともに、海外からの投資を呼び込むという意味でも大変重要なインフラというふうに考えております。そして、我が国におきましては、残念ながら今現在のところ大変低い水準であるということでございまして、その活性化が急務であるというふうに考えております。 政府におきましては、内閣官房副長官補を議長といたします国際仲裁の活性化に向けた関係省庁連絡会議を設置をいたしまして、本年四月に中間取りまとめを策定をされたところでございます。国際仲裁の活性化に向けて考えられる施策、こうした中間報告でございます。法務省といたしましても、この取りまとめ結果を踏まえまして、関係省庁、また関係機関としっかりと連携をしながら、専門的な人材の育成、そして企業に対する啓蒙啓発活動を含めまして広報に積極的に努めてまいりたいというふうに考えております。 引き続き、国際仲裁の活性化に向けまして強力な推進を図るべく取り組んでまいりたいと思っております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 国際仲裁、国際調停について推進していく上では、やはり十分な予算措置が必要であると思いますが、シンガポールにおいては、法務省の予算において、先ほどのマックスウェルチェンバースの拡張事業プロジェクトに二〇一五年から二〇一九年の期間において約二十八億円、三千五百十万シンガポール・ドルというプロジェクト予算を組んでおります。シンガポールのこういった予算額も踏まえまして、我々が、我が国がアジアでナンバーワンの国際仲裁の拠点になるためにはこういう予算感も重要かと思うんですが、国際仲裁を活性化させるための予算を増額させる必要性やその規模の在り方などについて、御見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(山内由光君) 平成三十年度の予算におけます国際仲裁などの関係予算、これは二千九百三十三万五千円となってございます。 法務省といたしましては、関係府省連絡会議の中間取りまとめにおいて指摘された事項などを踏まえまして、国際仲裁の活性化に向けた取組を進めてまいりたい所存です。
○元榮太一郎君 シンガポールは五年間で二十八億に対して、単年度予算でありますけれども三千万に満たないということでございますので、予算規模感においても更に一層の御検討をいただきたいと強くお願いをしたいと思います。 ところで、本年五月に、国内初となる国際的紛争の解決手段の専用施設として、大阪の中之島合同庁舎内に日本国際紛争解決センターが開設されました。これは大きな前進であると、私も喜ばしいことだと思っておりますが、やはり、世界の中の日本の首都でありますこの都内においても、日本国際紛争解決センターと同様の専門施設を開設することが検討されているというふうに伺っていますし、必ずあるべきだなというふうに思っているわけですが、これは一つの御提案として、開設場所として法務省の赤れんが棟はいかがかなというふうな御提案をしたいと思っております。 赤れんが棟は、明治二十八年十二月に司法省として竣工されまして、その外観は平成六年の十二月に国の重要文化財に指定されておりまして、霞が関を走っていても、あの歴史的な建造物は非常に印象的であります。なぜそう思ったかといいますと、あのシンガポールのマックスウェルチェンバースも一九三〇年代に建設された旧税関庁舎を改装して開設された建物で、外観は非常に歴史のあるすばらしい建物でありまして、でも、中に入りますと最先端のオフィス設備が整っているという、この新旧融合したすばらしい、そのことも国際仲裁をシンガポールで利用したい魅力の一つになっているのではないかなと思うぐらいの建物でありました。 赤れんが棟に国際仲裁の専門施設を設けることは、私は歴史的建造物の活用方法としては有効だと思うのですが、御見解を伺えればと思います。
○政府参考人(山内由光君) 御指摘いただいた法務省の赤れんが棟でございますが、これは本格的なドイツのネオバロック様式の外観を持つ建物でございまして、都市の景観上貴重で歴史的な価値が高いと評価されております。そのため、平成六年十二月に国の重要文化財に指定されているところでございます。 この赤れんが棟でございますが、現在、法務省職員に対する研修施設や法務図書館、あるいは執務室などとして使用しております。そのほか、法務史料展示室におきまして、司法の近代化と建築の近代化に関する歴史的、高い資料、これなどを一般公開しております。また、本年、明治元年から起算して百五十年という節目の年でありますことから、今年の七月以降、明治百五十年特集展示を行うこととしてございます。 そういう意味では、まさに歴史的建造物で、最大限活用しているところでありますが、その一方、法務省が入居する中央合同庁舎第六号館、これは赤れんが棟を含めまして全体的に狭隘な状況にございます。やむなく一部の官署をほかの庁舎に分散させている状況であります。仮に赤れんが棟の一部を国際仲裁施設として使用するとしたような場合には、更に多くの法務官署を中央合同庁舎六号館の外に移すことになりまして、業務が分散してしまい、行政事務の更なる非効率化を招くことになりかねないのではないかと思うところです。 したがって、現状といたしましては、赤れんが棟内に今そういう仲裁施設を開設することは極めて難しいのではないかというふうに思っております。
○元榮太一郎君 御説明ありがとうございます。 確かに、現在、赤れんが棟には非常に重要ないろいろな機能が入っている、入居しているということで、分かるんですが、やはりあのすばらしい歴史的建造物の中に入っていなければならない必然性というものは、必然性というレベルのものではないのかなということで、例えば民間企業ですと、やはりそれだけのアセット、資産を生かそうと思うと、これは独立性が高いなという部署を分室という形で外に移したりして、何とかやりくりしてこの限られた資源を生かそうという発想というのは、まさにこの国際仲裁を通じて司法外交をしていこうというような観点においても少しは参考になるのではないか、生かすべきかなと思っておりますので、何とかやりくりする中で前向きに御検討いただきたいなと私は心より思っております。 何といっても、シンガポールを見ましたらやはり圧倒されまして、国策に近い、そのような強力なバックアップ体制の中で、ワンストップリーガルとしての訴訟、仲裁、調停を推し進めております。マックスウェルチェンバースに対しても二十八億円の予算が付くと同時に貸付けも行っておりまして、かなり至れり尽くせりの中で施設を拡充し、その施設を借り受ける形で、民間としてのSIAC、シンガポール国際仲裁センターが運営されておりまして、事実上はやはり国の全面的バックアップというふうに私は受け取りました。 我が国におきましても、今の赤れんが棟は一例にすぎません、今後も我が国における国際仲裁の活性化に向けて、施設整備、人材育成、国内外における広報活動、こういうような面で多面的に政府がバックアップしていく必要があると思いますが、法務大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど触れました関係府省庁連絡会議、この中間取りまとめにおきましても、委員御指摘のとおり、人材の育成、専門的な人材の育成、また、企業に対して、内外共に啓蒙啓発も含めましての広報活動と並びまして、施設整備につきましても触れられているところでございます。日本らしいシンボルとなるような施設ということにつきましても、そうした国際仲裁を引き寄せていくための大変大きなセールスポイントにもなろうかというふうにも思っているところでございます。 先ほど事務方から答弁をさせていただきましたが、一つの事例ということで赤れんが棟を触れていただきましたけれども、今の現状におきますと、国際仲裁のための専用組織として入居をさせるということについてはなかなか難しいところがあるということでございます。 もっとも、現在、官署が移転したために利用されなくなりました大阪中之島の合同庁舎、この一部を活用いたしまして、人材育成、広報又は啓蒙啓発活動、この拠点としてのパイロットプロジェクトが進められているという状況でございます。施設の整備に関しましても、こうした取組を踏まえまして、政府としての支援の在り方につきまして検討してまいる所存でございます。 法務省といたしましては、我が国がアジアにおきましての国際紛争解決の中核と位置付けられること、また、我が国の人材が国際仲裁というこの分野におきまして広く活躍することができるよう、関係省庁、また関係機関、連携協力をしつつ、今後もでき得る限りの支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 二〇二〇年にはコングレスが開催されます。日本が注目されるその前に、この東京でしっかりとした紛争解決施設をつくるということは重要だと思っておりますので、是非強力に推進していただきたいと思いますし、中之島合同庁舎は庁舎の一室だけを借りてスタートしたと伺っています。赤れんが棟の一室からスタートでもいいと思いますし、まさにそこを本室としながら、分室として、東京の国際仲裁のセンターの分室を外に置くという形でも、イメージとしてはやはり赤れんが棟が本拠地であるというような形もできると思いますので、いろいろな折衷案も含めて是非とも御検討いただけたらなと私は思います。 続きまして、養育費について伺っていきたいんですが、六月七日の本委員会における参考人質疑でいろいろな問題提起がありました子の養育費の支払終期に関してですけれども、離婚した夫婦の間の子供の養育費の支払終期については、その子が成年に達する月までと取り決められるケースが実務上多いということを参考人がおっしゃっていました。 そこで、今回の成年年齢引下げにより、これまでは成年といえば二十歳だったものが、改正法の施行により成年年齢が十八歳となることによって養育費の支払終期が二年早まってしまうおそれがあるとの指摘があります。 民法上は、成年に達した子についても親は扶養義務を負うこととされており、養育費の支払期間は、未成年の間ではなく未成熟の間という考えが実務家の間では広まっておりますが、国民一般の間では共通認識となっていないということだと思いますが、まずは未成年と未成熟の違いを御教示ください。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 未成年は、成年年齢に達していないことでございます。現行法の下では二十歳に達していないことを意味しますが、民法の一部を改正する法律の施行後は十八歳に達しないことを意味するものでございます。 これに対しまして未成熟は、養育費の支払義務との関係で申しますと、経済的な面で十分に自立していないという意味で用いられております。子がこのような状態にあって、自ら稼働して経済的に自立することを期待することができない場合には、子を監護していない親は養育費の支払義務を負うこととなると考えられるものでございます。
○元榮太一郎君 ただいま御答弁をいただきましたとおり、養育費の支払期間である未成熟というのは、経済的な面において十分自立していない状況ということですが、国民一般の間には残念ながら共通認識となっていないということで、未成熟とは別の未成年の概念を基準に養育費の支払終期が取り決められるのではないかというのが実務家の間での懸念ということなんですが、私としましては、当然ながら、未成熟の期間、具体的には、就職を前提とするならば高校卒業まで又は大学卒業までの期間における養育費の支払義務というのは、これはしっかりと明確化すべきではないかなと思っております。 先日の民法改正案の附帯決議で言及されておりましたので、それはそれで担保の一つになっているかと思うのですが、例えば、やはり立法府でしっかりと決めてしまえば、そこは司法の解釈の余地、実務家での懸念の余地がないということで、養育費の支払終期が成年年齢引下げにより繰り下げられないようにするために法改正で明文化してはいかがかということで、成年年齢と養育費負担終期は連動せず、未成熟である限り養育費分担義務があるということの趣旨を、実務的な解釈としては正しい、もうそうなっているのであれば、民法、この前の百二十年ぶりの債権法改正でも裁判例の確定的な解釈を明文化したのと同じように、ここも明文化してしまえば、法文に書かれていることでより周知徹底の効果も期待できるのではないかなというふうに思います。 その点も含めまして、養育費の支払期間の終期についてどのように国民へ周知徹底をしていくのか、この点について伺いたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 まず、現行法の下でも、子が未成熟である場合に子を監護していない親が養育費を支払義務があるかどうかにつきましては、これを肯定する解釈がされているものと考えております。 例えば、法務省におきましては、平成二十八年十月から、養育費等の重要性について分かりやすく解説するとともに合意書のひな形を掲載したパンフレットを作成し、全国の市町村で離婚届用紙を取りに来た当事者の方への配付を行うなどの周知活動に取り組んでおりますけれども、このパンフレットでも、養育費についての合意書の記入例として、支払期間の終期を子が二十二歳に達した後の三月までと記載しております。そういうことで、養育費が支払われるのは、必ずしも子が未成年である場合に限定されるものではないことを前提とした記載をしているところでございます。 このような解釈を踏まえますと、子が成年に達した後も子が未成熟のうちは養育費の支払義務があることについて法改正を行うことが必要であるとは必ずしも考えてはおりませんが、委員御指摘のとおり、このような解釈を国民に周知することは、養育費の取決めが適切に行われ、子の利益を図るために非常に重要なことであると考えております。 法務省としましては、成年年齢の引下げが養育費の支払期間の終期に影響を及ぼすのではないかと、こういった懸念を払拭するために、先ほど申し上げましたパンフレット、ホームページ等を通じて様々な周知活動を行うことを予定しております。その一環といたしまして、パンフレットの改訂に当たりましては、養育費の支払義務が必ずしも子が未成年である場合に限定されるものではないということをより分かりやすく明記するとともに、養育費の支払期間の終期については、紛争予防の観点から、子が成年に達する日までといった避け方は避けて、具体的な年月日や、子が二十二歳に達した後の三月までといった定め方をすべきであること等を明記したいと考えております。 また、現在、離婚届出書の様式に関し、養育費の支払に関する取決めの有無をチェックする欄に未成年の子がいる場合との表現が用いられていることにつきましても、見直しをしてまいりたいと考えております。
○元榮太一郎君 是非ともしっかり取り組んでいただきたいことをお願いいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 最初に、法務大臣にお伺いをいたします。性犯罪に関する刑法規定の見直しについてでございます。 これまで、性犯罪に関する刑法改正のフォローアップにつきましてこの委員会質疑で何度か取り上げさせていただき、そして、三年以内の見直しに向けた性犯罪と被害の実態把握に当たりまして、検討会等を設置して実態調査を行い、被害者のお声も聞いた上で調査結果をしっかり検討して見直しを行うと、こういうことを訴えさせていただきました。 法務省は、性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループにおきまして、被害者や支援者の方々からヒアリングを行い実態把握に努めていると承知しておりますが、調査等を踏まえ、検討会を設置してしっかり議論していただくのは当然であります。 また、平成二十七年に行われました性犯罪の罰則に関する検討会の委員ですが、この中身を見ますと、刑法研究者、いわゆる学者の方が六名、そして弁護士二名、さらに警察関係一名、検察一名、裁判所一名、こういうことでありまして、まさに被害者、被害に遭われた方は当然委員として入っておりません。 いずれにしても、大事なのは、実態また現場に即した議論を行うことが大変重要でありますので、是非、被災者からのいろんな実態というものを聞いていただく、またしっかり対応していただきたいということであります。特に、被害者におきましては、やはりそのいわゆる被害されたことを社会に訴えていくには大変な勇気がある、例えば二十年、三十年掛けてやっと気持ちが整理して、それであえて社会に訴えようと、そういう方々の強い思いでありますので、是非しっかり意見を聞いていただきたいところでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御質問の件でございますけれども、これは刑法一部改正法の附則第九条、国に求められている検討につきまして、性犯罪における被害の実情や改正法の規定の施行の状況等を調査、把握した上で、性犯罪に係る事案の実態に即した対処を行うための施策の在り方全般について施行後三年を目途として総合的に検討を加えるべきものということでございます。 検討におきましては、性犯罪被害者の実情、また被害者の方々の心理状態、被害者や関係者が置かれている状況等につきまして多角的に調査をして把握をしなければ、その先、実効的な施策の策定につながらないものというふうに認識をしているところでございます。 また、法務省におきましては、性犯罪の実態に関する各種調査研究の実施につきまして意見が付されました衆参の両議院法務委員会におきましての附帯決議の策定の経緯、また、先生からの御指摘ございましたように、被害者の声をまずしっかりと踏まえるべきであると御主張、こういったことをしっかりと踏まえまして、施行後一年目であります本年度において、性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ、これを設置をしたところでございます。 今後、三十一年度末頃までに各種の調査研究を実施するとともに、性犯罪に遭われた被害者の皆様やまたその支援団体、加害者更生に関係する方々を含めました関係者の皆様からヒアリングをしっかりと実施し、性犯罪被害者の実情の把握等を着実に進めてまいりたいというふうに考えております。 どの時期からどのような体制を設けて施策の検討をするのか、またどのような事項を取り上げるかにつきまして、今の段階で確たることを申し上げることはできませんけれども、被害者の方々の気持ちに寄り添う、そして御指摘のような立場の方々の御意見をしっかりと踏まえて検討していくということについては、極めて重要であるというふうに認識をしているところでございます。しっかりと対応してまいりたいと思っております。
○若松謙維君 しっかり対応していただけるということで、事務方で結構ですので、これは我が党におきましても被害者の方に直接お話を聞く場を設けさせていただきました。今、しっかりということですけど、やっぱり被害者の方々、一日でも早く実態をお伝えしたいと、こういう検討会の方々に知っていただきたいという思いなので、具体的にいつ頃なのか。これ、来年という話になると本当に被害者の方は失望しますので、そこら辺はどうでしょうか。少なくとも夏までにはやはり何らかの形で明示していただきたいと思うんですけど、いかがですか。
○政府参考人(辻裕教君) ただいま大臣からも申し上げましたとおり、実態調査ワーキンググループの方で早速にも被害者の方々、性被害に、犯罪被害に遭われた方々等々からヒアリングを行うということを考えておりまして、具体的な時期、ちょっとまだ今は申し上げられませんけれども、できるだけ速やかに開始したいというふうに考えてございます。
○若松謙維君 是非、できるだけ速やかにという定義をしっかりと確認していただいて、早急な対応をよろしくお願い申し上げます。 次に、性同一性障害特例法につきましてお尋ねをいたします。 この委員会で活発に審議されました成年年齢引下げに関する改正民法、これは昨日成立をいたしました。その附則に、性同一性障害特例法の性別変更ができる年齢も二十歳から十八歳に引き下げられることが盛り込まれたわけであります。特例法には施行後三年を目途に見直しを行うということでありますが、施行より今、九年になろうとしておりますが、具体的な中身の改正の動きは見られません。いわゆる年齢変更だけであります。この間、日本学術会議の提言又は国際社会からも、例えば法律の名称変更とか又は性別変更の要件の緩和、こういった性的マイノリティーの権利保障について指摘を受けていると承知しております。 今回、民法の成年年齢引下げに伴いまして特例法の年齢も十八歳に引き下げるわけでありますが、先ほどの日本学術会議の提言又は国際社会からの指摘についてしっかり対応していただきたいと思いますが、法務省、どのようにお考えですか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 日本学術会議等から委員御指摘のような提言や指摘を受けておりますことは承知しております。 この性同一性障害の性別の取扱いにつきましては、例えば現に婚姻をしていないことという要件がございますが、この要件についてこれを撤廃すべきであると、こういう意見がある一方で、同性婚が規定されていない民法との整合性という観点から強い反対意見があるなど、国民の間において様々な意見があるものと承知しております。 この性同一性障害者特例法は、平成十五年に議員立法として制定されまして、その後、平成二十年の改正におきましても議員立法による改正がされたところでございます。法務省といたしましては、このような国会における議論に協力してきたところでございます。 法務省といたしましては、引き続き、国民の間における様々な意見に耳を傾けながら、国会における議論を踏まえた上で、御指摘のような改正の可否も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
○若松謙維君 是非しっかり対応していただきたいと思います。 次に、土地の所有権譲渡に関する問題点につきまして質問をいたします。 土地の所有権譲渡に関しましては、例えば、共同所有権者の一人が海外在住だった場合に不都合が生じるというお話を伺いました。例えば、自分の所有している土地が崖崩れの危険があるということで自治体に譲りたいと、そう考えて登記簿を調べましたら共同所有だということが分かりまして、じゃ、その所有者が国内在住であればすぐに各人の署名と印鑑登録証明ですか、これがあれば手続完了するんですが、そのうちの一人が例えば海外在住だとしますと、領事館に赴き、領事の面前で署名及び捺印による証明をしなければいけないということで、今回、所有者土地不明を解決するための法律が成立したわけでありますけれども、今後これ大きなテーマになろうかと思いますし、また、今、日本人も多くの方々が海外に勤務また在住しているという状況にもございます。 そういうことで、所有権者が海外在住で土地を譲渡する意思があっても、先ほどの手続が意外と知られていないと。実際にどういう手続したらいいかということで、原則論言われて、必ず今言ったような書面を入手してくださいと言いながら、海外も広いわけでありますので、当然、領事館から三百キロ以内ですといわゆる年一回のそういう手続を提供する場が与えられるわけでありますが、三百キロ圏外に大勢の方いらっしゃると思いますので、そういった面で、是非、領事館が御本人に電話でという、何ですか、電話でのお願いできませんかと、そういうふうに言いますと、原則、代理申請は認められませんと、本人がいらっしゃってくださいという、こういうお困りのお声を伺っております。 そういうことで、その代替手段としての署名証明、そういったところが実際あるのかどうか、ある場合にはしっかりと周知徹底されているのかどうか、その辺について法務省にお伺いいたします。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 土地の所有権の移転の登記を申請する場合には、登記義務者であります土地を譲渡する者の印鑑証明書を添付することが必要とされておりますが、外国に居住している者につきましては、御指摘のとおり印鑑証明書を取得することができませんために、これに代わる書面として、日本の領事が作成した署名証明を添付することが認められております。 委員御指摘のように、領事が作成した署名証明を取得することが困難な場合には、外国の公証人が作成した署名証明を添付して登記の申請をすることが実務上認められておりまして、これによりまして不都合が生じないようにしているということでございます。
○若松謙維君 ということは、実務上認められているのであって、それが何か法律的に担保されているわけじゃないので、結局やっぱり現地の方には周知徹底されないから、さっき言ったようなトラブルというんですかね、が生じるんじゃないかと今理解したんですけど、その点はいかがですか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 今委員の御指摘も踏まえまして、法務省のホームページに今申し上げましたような取扱いにつきましてこれを掲載して広報するなど、必要な周知活動を行ってまいりたいというふうに考えております。
○若松謙維君 私も海外もう六年おりまして、本当になかなか日本人がやらなければいけない、日本でやらなければいけない手続を海外でやるって、もう大変な苦労をした一人でもありますので、是非、更に国際化が進む時代でありますので、その点もしっかりと対応することを要望いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○櫻井充君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の櫻井充です。 民法の成人年齢の引下げでいろんな議論をさせていただきました。その中で、競馬、馬券を買える年齢は二十歳に据え置かれることになりまして、いろいろなものを調べてみるとかなりばらつきがありました。もう一つ、実は宝くじを調べてみたら、実は年齢の規制がありませんでした。本来であれば、多分これは富くじの中に入っているものであって、そうだとすると、年齢の規制を設けていない。 今日はちょっと総務省を呼んでいないので、次回は総務省を呼んでまた議論したいと思いますが、全体的に、私はこういうのは全部禁止しろと言っているわけでもなくて、横並びにしていくべきではないのかと、そう思っています。 それから、商品先物の類にしても、要するに自分が持っているお金以上にレバレッジを利かせて相当額を投資する、まあ投機なのかもしれません、こういう場合には広い意味では賭博に入るんだと、そういうふうに定義しているものもあります。 そういう意味合いでは、この成人年齢を引き下げるということ、それから、これからカジノが日本でも始まっていくということを考えてくると、こういうもの全体を一度整理するべきではないのかなと。 それから、パチンコの台はこれから、警察の方はなかなかギャンブルとして認めていただけませんが、スロットマシンはまた別だと思うんですよ。カジノにはスロットマシンがあります、パチンコ屋さんにもスロットマシンがあります、同じ機械を使っています。同じ機械を使っていて、出てくるものは同じであって、そうだとすると、片側がギャンブルで片側はギャンブルではないと、そういう理屈は僕はもう通らないんじゃないかと思っていて、その辺のところを改めてちょっと整理をさせていただきたいと、そう思っています。 その意味で、まず賭博の定義、これはどういうふうになっているんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) 私の方からは刑法上の賭博の定義について申し上げますけれども、刑法上の賭博については、一般に、偶然の勝負に関し財物の得喪を争うことをいうと解されているものと承知しております。
○櫻井充君 刑法上はそういうふうになってきています。 仮に、じゃ、そのまま当てはめて偶然の勝負に関し財物の得喪を争うことということになれば、パチンコも同じように財物の得喪を争うものと、そう解されると思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(辻裕教君) パチンコにつきまして、個別の事案におきまして、犯罪の成否は個別の事案において収集された証拠に基づいて判断すべきものでありますし、パチンコと一口に申しましてもいろんな形態があるものと思いますので、必ずしも一概にお答えすることは難しい面もございますけれども、いわゆるパチンコ営業につきましては、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の範囲内で適法に行われているというものにつきましては、刑法第百八十五条の賭博に該当する場合であっても、同条ただし書の一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときに該当し、賭博罪には当たらないというふうに理解しております。
○櫻井充君 そうすると、この行為そのものは賭博かもしれないと、一般的な国語の辞典に書いてあるような賭博に当たるかもしれないけれど、風営法上認められてきているので賭博罪の適用にはならないと、そういう整理でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) 申し上げましたように、パチンコというのはいろんな形態がございますけれども、賭博罪に該当するということがあるとしても、いわゆる風営法、ただいま申し上げました風営法等の範囲内で適法に行われているものはただし書の阻却事由に該当して賭博罪には当たらないと、こういうふうに解しているところでございます。
○櫻井充君 あの行為そのものは、繰り返しになりますが、この行為そのものは賭博なんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) 繰り返して恐縮でございますが、パチンコと広くいうものにはいろんな形態があり得るということでありますので、刑法百八十五条の賭博という構成要件に該当し得るものはあるということではないかというふうに考えてございます。
○櫻井充君 ありがとうございます。 そうすると、この間と違って一部は、全部とは申し上げません、一部は賭博というふうに認めていただいたものだと、そう思います。 そうしてくると、風営法上、確かに賭博罪には問われないかもしれないけれど、ある種の賭博であるということであるとすると、本当に公営ギャンブルと同じ側面を持っているんじゃないのかと思うんです。 改めてですが、totoは、これは賭博に当たるんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) あくまで刑法上の概念について申し上げますけれども、いわゆるtoto、スポーツ振興投票券を販売する行為は、刑法で申しますと賭博ないし富くじに係る行為に該当し得ると考えられますけれども、スポーツ振興投票の実施等に関する法律にのっとって行われるものである限り、刑法第三十五条の法令行為として違法性が阻却され、賭博罪等は成立しないものと承知しております。
○櫻井充君 それでいいんですよ。要するに、賭博罪というか、法律違反ではないという点でそれはいいんです。富くじそのものも、寺社に幕府が一応認可を与えて勧進のために行っていたものですから、ですから、ある種の公益性があるということになれば、政府が認めてきてやってくること自体には私は問題ないと思っているんです。 ただ、今お話があったとおり、やはりこれも賭博なんだと思うんですよ。なぜならば、totoの最高額というのは二億五千万ぐらいですから。そのぐらいのお金を受け取ることになってくれば、当然のことですが、ここに示されている、偶然の勝負に関して財物の得喪を争うことというふうに定義されている賭博に当たることなんだと思っています。 そうすると、これは政府が認めてくると、それで結構なんです。だけど、なぜ、例えば、今申し上げたとおり、最高の賞金が二億五千万にもなるようなものが十九歳に定められて、競馬は、済みません、地方競馬しか調べていませんが、それでも一億五千万程度であったとすると、中央競馬会でどのぐらいの馬券が出ているか分かりませんが、恐らくはこれだけのお金を受け取ることができるということになれば、私はギャンブルとして同じことだと思っているんですよ。 そういう点でいうと、片側、競馬は二十歳、totoは十九歳、パチンコは十八歳という、こういう年齢そのものが一律でないというのは私はおかしなことだと思いますが、その点についていかがでしょうか。
○委員長(石川博崇君) どなたに答弁を求めますか。
○櫻井充君 事務方でこれは難しい問題だと思うんです。ここのところは、ちょっと大臣、所管外かもしれませんが、感想でも結構です。私はここを整理すべきだと。これは、繰り返しになりますが、成人年齢のところの引下げを行ってくる、それからIRがこれから導入されるのであるとすれば、今きちんとした形で整理をするべきではないのかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 先回の委員会から委員から御指摘がございましたこの問題につきましては、大変重要な御視点を提起していただいているものと思います。私としても、このことについてしっかりと考えていきたいというふうに思っております。
○櫻井充君 ありがとうございます。 所管外なんだろうと思いますが、一方で、これちゃんと通告しているんです。通告しているんであれば、ちゃんと答弁できる人に来てもらわないといけないんですが、各省庁にまたがっているので、各省庁が答えられないというのが多分実態なんだと思います。ですから、政府全体としてやはりここの整合性を取れるような努力をしていただきたいと、そこはお願いしておきたいと思います。 パチンコは、私が始めた当時とはもう様変わりいたしました。あの当時は手打ちでして、一発一発玉を入れて、幾ら稼いだってたかが知れているようなものでした。今は全然違います。一万円あってもあっという間になくなるような時代になってきていて、相当様変わりしてきているので、改めて考えていく必要性があるんじゃないのかと、そう思います。 その上で、もう一つ、前回問題にしましたが、商品先物についてです。 最近は、不招請勧誘が禁止されたので、大分、消費生活センターに来る苦情といいますか、相談件数は減ってきています。それであっても相当リスクが高いものだと思っていて、前回の答弁ですと、成人年齢が引き下げられたことによって、十八歳の人でも自分で買うことができるようになるということなんですが、これはやはり、例えば馬券は結局二十歳で引き下げないということになっているので、この手のリスクの高いものについては、やはり二十歳で据え置くべきではないのかと思いますが、この点についていかがでしょうか。
○副大臣(西銘恒三郎君) 先生御指摘のように、商品先物取引で年齢制限がないという事実あるいは今先生が指摘をされた点については、認識を共有できるものと考えております。 二〇二二年の四月からこの民法改正されて成年年齢が引き下げられることとなりますが、今後、こうした措置に不十分な点がないのか、当省としても検証をしながら、商品先物取引と類似する他の取引の動向を踏まえながら検討して、必要に応じて検討してまいりたいと思っています。
○櫻井充君 ありがとうございます。 前回は全く訳の分からない答弁の繰り返しでしたが、今日は前向きな御答弁をいただいたことに改めて感謝申し上げたいと思います。是非検討していただきたいと、そう思います。 それから、前回十分議論できなかったんですが、未成年者のいわゆる取消し権についてですが、これについて今後どういうふうな形で検討されていこうとされているんでしょうか。やはり、ここもしばらくの間は二十歳なら二十歳のところまで認めるような制度にするべきではないのかと。この間、仁比先生から提示があった資料の中にもあるとおり、二十歳までの方々とそれから二十歳を超えた方々のその被害というのは全然違ってきている。これは何が違うのかといえば、やはりその未成年取消し権があったからだろうと、そう思っていて、これについて、やはりもう少し維持するべきではないのかと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 未成年者取消し権は、未成年者が法定代理人の同意なく行った法律行為について、取引の種類などを限定することなく原則としてこれを取り消すことができるというものでございまして、未成年者を保護する機能を果たしてきたものでございます。 もっとも、この未成年者に対して契約等の取消し権が付与されていることは、民法上の成年者と未成年者との最も重要な差異の一つでございます。したがいまして、その成年年齢を引き下げるということは、これはその十八歳、十九歳の者が未成年者取消し権を行使することができないとすることにほかならないというふうにも考えられるわけでございまして、成年年齢を引き下げることとしながら、十八歳、十九歳の者が、年齢を要件とする、そういったその一律の取消し権を引き続き行使することができるとすることは困難ではないかというふうに考えているところでございます。 政府としましては、これまでも若者が不利な契約を回避し、合理的な意思決定ができる自立した消費者となるように様々なその消費者教育等の各種教育を行ってまいりましたし、また今般消費者契約法等の改正ということも行われたものでございます。こういった実践的な消費者教育等につきまして、施行日であります平成三十四年四月一日までの約四年の期間の中で更に充実強化を図ることとしておりまして、そういった施策が十分な効果を発揮するよう、引き続き努力してまいりたいと考えております。
○櫻井充君 これ、事務方に聞いても無駄なので、済みません、大臣、未成年取消し権という名前はなくなると思います、それは未成年ではなくなりますから。ですが、二十歳まではそういう制度を維持できるように検討をいただけないんでしょうか。つまり、何なのかというと、例えば飲酒なら、飲酒にしてみても、二十歳、これ引き下げることはなかったと。喫煙もそうです。これは体に影響があるから、こういうことで維持されるということになってくると、若い人たちが何らかの形でだまされて、借金背負って生活するようになったら、僕は大変なことだと思うんですよ。 そういう意味合いでは、未成年取消し権という名前にはならなくなるのはよく分かっています。それと同じようなものを二十歳までのところに制度として置くということは考えられないことでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 今回の、未成年者に対して今まで与えられた権利そのものがある意味で今回引下げによってなくなるということでございます。ルールそのものははっきりとしたルールに基づいて対応していくということでございますが、被害の対応についてはなかなか厳しい対応がございますので、そういったことを見定めながら、先ほど答弁を民事局長からしたものでございますが、三十四年の施行日までの間に、今委員御指摘のことも含めまして、様々な観点から、この問題につきましてもぎりぎりまでしっかりと対応してまいりたいと、考えてまいりたいと、検討してまいりたいと思います。
○櫻井充君 是非検討していただきたいと、そう思います。 今、大臣の答弁の中ですごく大事な言葉があったと思うんです。それは何かというと、選挙権を十八歳に引き下げられるということは、ある種の権利を獲得することなんです。ですが、今回の民法で十八歳に引き下げられた場合には、権利を失うものもあるんです。この権利を失うものがすごく大きいから、我々はこの法案について問題があるんじゃないかと思って反対いたしましたが、この点を、まず一つ、幾つか問題点を指摘させていただきましたが、ここはすごく大きな問題だと思っているので、是非御検討いただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○有田芳生君 立憲民主党・民友会の有田芳生です。 今日は、出入国管理法制、その思想と実態について、改めるところが多いのではないかという視点から質問をしたいというふうに思います。 法的には外国人ということで日本に暮らしている人、その人たちの運命に関わる出入国管理問題ですけれども、やはりマイノリティー、少数であるということから社会の関心というものが物すごく弱いというところがずっと続いてきたんだろうと思います。 しかし一方で、入管収容所にいる外国人の人たちに対する様々な事件、自死ということを含めて、最近では若者向けの週刊誌などでも特集が組まれるようになっております。例えば、今年の六月十九日の「週刊SPA!」という若者雑誌ですけれども、そこの特集では、例えばこういうタイトルになっております。入管収容所の外国人虐待、集団暴力、無期限の拘束エトセトラ、十年で十二人が自殺、病死の現実ということで、若者たちにも関心が持たれる、あるいは、関連団体が渋谷の駅前でアピールをすると、多くの外国人を含めた、日本の人たちも含めて、そんなことが起きているのかという関心を持たれるという現実があります。 この入管の職員の方々が日々努力をされているということは前回の質問でも述べましたし、なるべく誤解のないように、改善されるべきところは改善していただきたいという立場から質問をさせていただきます。 まず、入管局長に伺いますけれども、全件収容主義ということはどういう意味なんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 入管法におきましては、退去強制手続におきまして、違反調査から送還に至るまで容疑者の収容をすることを前提とするということで条文が構成されております。このことをもって全件収容主義と呼ぶことがございます。 その理由といたしましては、我が国において不法に滞在しているなど入管法違反者を対象として行われる退去強制手続におきまして、その最終形である送還を可及的速やか、かつ確実に行うことが求められているからであると考えているところでございます。ただ、その上で、逃亡のおそれがないとして収容することなく退去強制手続を進めることが可能と認められる場合には仮放免手続を行うこととしておりますし、全件収容主義の例外としての出国命令制度というものも設けられているところでございます。
○有田芳生君 今の御説明ですと、全件収容主義が誤りである、誤りであると指摘されるような部分もあるという理解でよろしいですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 基本的には全件収容した上で退去強制という手続に乗っていくという意味で全件収容主義でございますが、例外的に仮放免を活用する場合あるいは出国命令制度というものが設けられている部分があるということでございます。
○有田芳生君 一九七三年に入管法改正案、これは廃案になりましたけれども、そこでは全件収容主義を改めるような内容があったと思うんですが、どういうことだったでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございません、ただいま手元に資料がないものですから。申し訳ございません。
○有田芳生君 一九七三年の入管法の改正案、廃案になりましたけれども、そこでは収容令書の発付要件として、その者が逃亡し、又は逃亡すると疑うに足りる相当の理由があるときというものが入っていた。これはやはり必要なことではないかということはこれから質問していきたいというふうに思います。 付け加えておけば、元法務省の入国管理局参事官の竹内昭太郎さんが、「出入国管理行政論」という一九九五年に出た本ですけれども、そこで、収容前置主義、つまり全件収容主義ですよね、は疑問だと、重大な人権問題であるから、外国人にはいかなる自由制限をしても公共の福祉によって許されるというものではないという指摘をされているんですが、やはりそういう方向を取っていくべきだというふうに思うんです。それはなぜかということについて今から御質問させていただきたいというふうに思います。 入管局長にまずお聞きをしたいんですが、今の収容者、何人になりますでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 平成三十年六月十三日午前零時現在、地方入国管理官署に収容している被収容者の数は千四百四十四人でございます。
○有田芳生君 十年前に比べると人数は変わっていますか。
○政府参考人(和田雅樹君) ちょうど十年前ということになりますとちょっと記録がないものでございますが、記録のございます平成二十年の十二月の末でございますと、被収容者は千四百三十六名でございますので、この十年間で増減はありますが、十年前との比較で大きな差はないものと認識しております。
○有田芳生君 この一年で新たに仮放免された方というのは何人いらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) 昨年一年間におきます新規の退令仮放免者数は八百二十二名でございます。
○有田芳生君 そこで、具体的な問題をお聞きをしていきますけれども、今年の四月十三日、東日本入国管理センターでインド人が自ら命を絶ちました。どういう事案だったんでしょうか。
○委員長(石川博崇君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(石川博崇君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございませんでした。 本年の四月十三日の午前十一時四十四分に、シャワー室でビニールタオルを首に巻き付けて、呼びかけに応じず、意識がない状態のインド人の方を発見いたしまして、救急措置をとり病院に搬送いたしましたが、病院において死亡が確認されたという、こういうような事案でございます。
○有田芳生君 その件について詳しいことはこれ以上お聞きをしませんけれども、それから二か月たちました。この二か月の間に東日本入国管理センター及び東京入国管理局でそういった自傷事件、事故というものはどのぐらいあったでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) 四月十三日以降に発生しました自傷事案でございますが、東京入国管理局で五人、八件、東日本入国管理センターで四人、五件あると把握しているところでございます。
○有田芳生君 四月十三日にインド人の方が自ら命を絶って、それから二か月の間にそれだけ問題が更に発生していると、これ異常だと思うんですけれども、どういう認識でいらっしゃいますか。
○政府参考人(和田雅樹君) このような事案が多数発生していることに対しては大変遺憾に思っておるところでございます。
○有田芳生君 これだけ異様なことが続いていることに対して、再発防止の対策というのはどのように取られてきたんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 今般、様々、自殺未遂事案が発生したことなどを受けまして、地方入国管理官署に対しまして、被収容者の心情の把握、確実な見張りや動哨勤務などを通じての被収容者の自殺、自傷事故の防止に努めるとともに、施設の状況に応じて施設内の設備の一部改修を検討するなどの対策を指示したところでございます。 あわせまして、被収容者の心の健康を確保するという観点から、専門家によるカウンセリングをより適切に実施するための方策を検討しているところでございまして、今後とも、入管収容施設における適切な処遇環境の整備に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○有田芳生君 四月十三日に自ら命を絶ったインド人の男性ですけれども、収容期間というのはどのぐらいだったんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) 九か月であったかと承知しているところでございます。
○有田芳生君 それが四月十三日に亡くなった方。 そして、今年の五月十四日、東日本入国管理センターで自ら命を絶とうとされたブラジル人四十代の男性については、どういう事案だったんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 五月十四日の午前十一時過ぎに、東日本入国管理センターシャワー室におきまして、同センターに収容中のブラジル国籍の男性被収容者を意識昏睡、呼吸ありの状態で発見いたしました。そのことから、職員及び看護師が救命措置をとるとともに、直ちに救急車の出動を要請いたしまして外部病院に救急搬送いたしましたが、救急搬送先の病院で血圧、心拍の数値は正常であり、また、頭部、頸部及び腹部のCT検査の結果も異常が認められず、再収容可能という診断結果を得まして、同日午後三時過ぎ、センターに再収容をいたしました。 また、それを受けまして、当該男性を休養室に隔離収容措置をとっておりましたが、五月十七日午後六時過ぎ、同男性が再度自損のそぶりを見せたということから、モニター監視により気付いた監視勤務員がこれを制止して、この件については未遂に終わっているという、このような状況でございます。
○有田芳生君 五月十四日にナイロンタオルを首に巻いて発見された、そしてさらに、五月十七日、三日後にもそのようなことが起きた。その後、十八日、この男性はどうなりましたか。
○政府参考人(和田雅樹君) 精神病院の診察を受けていただきまして、その後、医療保護入院になったというふうに聞いておるところでございます。
○有田芳生君 今、どうなっていますでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) 現在も入院中でございますが、間もなく退院になるということも聞いておるところでございます。
○有田芳生君 この方の収容期間はどのぐらいだったんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) ただいま手元に資料がございませんのと、この方、死亡事案とは異なるものですから、プライバシーの観点から、今までのところ、この収容期間についてはお答えをこれまで差し控えさせていただいているところでございます。
○有田芳生君 二年九か月ですけれども、この方はなぜ自ら命を絶とうとされたんでしょうか。その理由はどう把握されていますか。
○委員長(石川博崇君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(石川博崇君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございません。 長期収容あるいは家族と会えないことが理由のようなことを述べていたというふうに聞いているところでございます。
○有田芳生君 更に加えて、仮放免申請が自分だけ通らない理由が分からないということから、自ら命を絶とうとしたというのが事実だというふうに思います。 更にお聞きをします。今、インド人の方が自ら命を絶った今年の四月十三日以降のこの二か月間のことを伺いましたけれども、例えば、大阪入管で昨年の七月、トルコ系クルド人の方が腕を折られたということで提訴をされていますけれども、それは確認されておりますか。
○政府参考人(和田雅樹君) 昨年の七月十七日に大阪入国管理局であった事案について、現在、訴訟を受けているところでございます。
○有田芳生君 職員に腕を折られたというのは事実ですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 昨年の七月十七、十二日、大阪入国管理局におきまして、トルコ人の被収容者の人が職員の職務執行を妨害し遵守事項違反行為に及んだということから、合理的に必要な限度で有形力を行使し制圧したものと承知しているところでございます。 制圧行為は、被収容者による違反行為を止めさせるためにやむなく行ったものであり、職員が被収容者に暴力を振るったという事実はないものと承知しておりますが、制圧後に当該被収容者が腕の痛みを訴えたことから、直ちに病院に連行し、骨折していることが判明したため、その後、医師による治療を受けさせるなど、適切な処置を施したところでございます。
○有田芳生君 合理的に対応したけれども腕が折られたという。 更に聞きましょう。今年の三月、東京入管において、クルド人男性が自殺未遂を起こしていますが、把握されていますか。
○政府参考人(和田雅樹君) 承知しております。 その御指摘の事案は、恐らく東京入国管理局に収容中のトルコ国籍の方の事案であると思われますが、この方は本年三月、鉛筆削りの刃で自身の身体を傷つける行為に及んだもので、発見後、直ちに外部病院に連行しまして、右前腕の傷につきまして七針縫合する措置、その他の傷についての消毒の措置が講じられたものと承知しております。
○有田芳生君 この方の奥さんは、その上半身を切り刻んで右腕七針縫ったということに加えて、何人もの入管職員に体の上に乗られ窒息しかけた、夫の顔に大きなあざがあって痛々しかったと。合理的に制圧する状況であったとしても、そういうことがあること自体がやはり改善されなければいけないというふうに思います。 この男性自殺未遂事件ですけれども、その理由というのはどう把握されていますか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 家族に会えないことが主な理由であるというように聞いているところでございます。
○有田芳生君 それに加えて、二回目の仮放免が却下されたことだというふうに本人は言っております。 そこで、時間の関係ありますのでお聞きをしたいんですけれども、先ほど今の収容者の数を教えていただきましたけれども、収容期間というのはどのぐらいの長さなんでしょうか。五年あるいは七年、八年というケースはあるんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 昨年の十二月末現在におきまして、地方入国管理官署に収容されていた被収容者の数は千三百五十一名でございますが、このうち、比較的長期ということで、退去強制令書発付後六か月を経過している者の数を申し上げますと、六月以上一年未満が二百八十二人、一年以上一年半未満が百四十四人、一年半以上二年未満が九十七人、二年以上二年半未満が三十二人、二年半以上三年未満が十六人、三年以上が五人でございます。 なお、長期ということでございましたが、六月十三日現在、収容している被収容者の中で最長の収容期間は五年八月でございます。
○有田芳生君 その五年八か月収容されている人にその理由というのは説明されていますか。
○政府参考人(和田雅樹君) 被収容者の方に個別に理由を告げるということはございません。 なお、一般論として申し上げるならば、様々な退去強制事由が生じている方については、御本人が帰国されるということであればその収容が解除されるわけでございますが、様々な理由から出国されないという形のために長期間に及んでいるということになっていようかというふうに思います。
○有田芳生君 自傷事件あるいは自ら命を絶たれたケース、多くの場合が長期収容、そして仮放免を求めてもそれが却下される、そのことで、彼らの表現によれば虐待的ストレス、なぜその虐待的ストレスという表現をするかというと、仮放免の却下される理由が説明されないからだというんですよね。これ、何で説明されないんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 仮放免でございますけれども、これは被収容者でありますとかその代理人から仮放免請求があった場合に、被収容者が入管法違反でありますとか刑罰法令違反の事実によって退去強制令書の発付を受けた者であることを踏まえ、それまでの情状でありますとか請求の理由などの個別的な事情を考慮するほか、行政訴訟や難民手続などの進捗、あるいは送還に向けての出身国政府や大使館との交渉状況などを基に総合的に判断してその許否を判断しているところでございます。 したがいまして、仮放免は被収容者をめぐりますもろもろの要素を考慮した上で決定しておりますので、個別具体的に不許可理由を特定するということは困難でございますし、かえってこれを告げることが当該被収容者の心情に影響を与えかねないということで、今後の処遇面での支障も考慮いたしまして不許可理由を明らかにしないという運用をこれまで行ってきたところでございますが、御指摘のとおり、不許可理由が分からないということから仮放免申請を繰り返し行うという被収容者も一部に見られることから、一般的にどのような場合に仮放免が認められ、あるいは認められないかを明らかにすることにつきまして現在検討しているところでございます。
○有田芳生君 もう時間が来たので医療問題に触れることができませんけれども、やはり長期収容、そして仮放免が却下されたときに、何ら説明がないということが虐待的ストレスとして自傷事件が起きているという現実に向き合わなければいけないと思うんです。 大臣、最後に医療体制、あるいは今言ったような仮放免の説明を少しでもやはりすべきだということなど、改善点いっぱいあると思うんですよね。オリンピック、パラリンピックに向けて大臣も人権大国日本をつくりたいという姿勢でいらっしゃるわけですから、やはりできるところから改善をしていっていただきたい。最後に御感想をお願いいたします。
○委員長(石川博崇君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 入管の収容施設における長期収容、仮放免に関しまして、様々な御意見、御指摘をいただいたところでございます。 そもそもこの入管収容施設は刑事施設ではございませんので、その意味では、まず被収容者が退去強制令書に従って出国をしていただくということが非常に大事であるというふうに思っております。ただ、今収容している方たちもいらっしゃるということでございますので、様々な改善に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○有田芳生君 終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 今日は、女性差別撤廃条約選択議定書の批准についてお尋ねをしたいと思っております。 お手元にUNウイメン、国連女性機関のホームページから今日においてのこの選択議定書の締約国のリストをお配りをいたしました。国連加盟国百九十三のうち、女性差別撤廃条約について百八十九か国が締約をし、うち百九か国が既に選択議定書を批准をしているわけです。私は、これは速やかに締約すべきものだと思うんですけれども、まず外務省にお尋ねをいたしますが、この選択議定書の意義ですね、これつまり女性差別撤廃条約の実効性を高めるためのものだと。そうですね。
○政府参考人(長岡寛介君) お答え申し上げます。 女子差別撤廃条約の選択議定書は、一九九九年の十月に採択をされ、二〇〇〇年十二月に発効したものでございます。これは、委員御指摘のとおり、いわゆる個人通報制度について定めているものです。 この制度は、人権条約上の権利を侵害されたと主張する個人等が、条約に基づき設置された委員会に権利侵害等を通報し、委員会はこれを検討の上、その見解を関係する締約国及び通報者に通知するものでございます。 女子差別撤廃条約選択議定書に規定されている個人通報制度は、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から注目すべき制度であると考えております。
○仁比聡平君 つまり、条約の実効性を高めるためのものなわけです。 今御答弁にもあったように、この選択議定書は九九年に採択をされまして、来年で二十年を迎えるわけです。女性差別撤廃条約は、採択から来年四十年目を迎えるわけですね。先ほどもお話ありましたけれども、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックだと言い、人権大国を目指すんだと大臣おっしゃる。これ、何で批准しないのかと。 まずお尋ねをしたいのは、これ、条約の実効性を高めるべきものなんじゃないんですか、大臣。
○国務大臣(上川陽子君) 個人通報制度につきまして、条約の実施の効果的な担保を図るとの趣旨から大変注目すべき制度であると認識をしております。 他方、通報事案への具体的対応の在り方を含め、所要の検討が必要であるということでございまして、検討事項につきましては、法務省だけで検討、解決するものではございません。 引き続き、関係省庁連携をいたしまして、各方面の意見を聞きつつ、同制度の導入の是非につきまして真剣に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○仁比聡平君 選択議定書あるいは個人通報制度が注目すべき制度であるというこの答弁、それから真剣に検討を進めてまいりたいというこうした答弁、これ、いつからしておられるか、大臣、御存じでしょうか。 これ、選択議定書について注目すべき制度であるという答弁は、二十六年前、国際人権B規約の選択議定書について、九二年の三月二十六日、衆議院の内閣委員会で外務省が行っていると思うんですよね。これ、二十六年ですよ。その後、九九年に選択議定書が採択をされました。 これ、大臣、何年注目していたら気が済むんですか。これ、何で批准をできないんですか、しないんですか。
○政府参考人(山内由光君) 委員御指摘の個人通報制度のこの導入につきましては、様々な検討事項が必要かと思われます。 具体的には、その個人通報を受理した場合に、委員会の見解が我が国裁判所と異なるような場合、あるいは立法にわたるような、関する意見が展開されたような場合、我が国の立法政策の関係でどのように対応しないかということを検討する必要がございますし、個人通報制度、あと受け入れる場合には実施体制というものもやっぱり問題になってこようかと思います。 こういった問題については、各種人権条約の定める個人通報制度、これ共通する問題でございまして、これについての検討を鋭意進めているところでございます。
○仁比聡平君 鋭意進めているというふうに言うけれども、昨日伺いましたら、政府においてその研究会なるものを行ったのは、これ、平成二十八年、二年前の八月が最後だと。全然鋭意進めていないじゃないですか。真剣に検討していないじゃないですか。 大臣、今答弁の中にちょっと出てきましたけれども、委員会が我が国の裁判所と異なる見解を示したときどうするかというのがその様々な問題ということの一つのようですけれども、これ、かつて司法権の独立を侵すものではないかという議論があっておりました。 これ、大臣、今も司法権の独立を侵すと、そういうおそれがあると、そんなお考えなんですか。
○政府参考人(山内由光君) お尋ねのその個人通報制度の導入に関しまして、この導入が司法権の独立を侵すかという御指摘、どういうふうに考えているかという御質問かと思いますが、そのようには必ずしも考えておりませんで、我が国の司法制度と相入れないというふうには考えておりません。 しかしながら、やはり導入した場合に、先ほど申し上げましたように、裁判所の意見と個人通報を受理した委員会の意見、これが異なるような場合にどのように対応するかということについてはやはり問題があろうかというふうに思っております。
○仁比聡平君 問題があろうかと思っていると言うけれども、どんな問題があるのかも全然お答えにならずにずうっと時間だけがたっていると。これが真剣に検討しているなんて到底言えないわけですよね。 今の御答弁で、ちょっと大臣にもう一回確認しますけれども、政府参考人は、必ずしも司法制度と反するとは考えていないという趣旨の、必ずしもという、何だか曖昧なんですけれども、これ、司法権の独立と条約の選択議定書、個人通報制度が、これ反するはずがないでしょう。百九か国の国々は、これ司法権の独立、三権分立の国、たくさんあるじゃないですか。先進資本主義国たくさんあるじゃないですか。 これ、司法権の独立とは反しない、それは大臣、はっきりさせてください。大臣。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど答弁をさせたところでございますけれども、個人通報制度の導入自体、これは必ずしも我が国の司法制度と相入れるものではないということでございます。その意味で、以下でも以上でもないということであります。
○仁比聡平君 相入れないものではないという御答弁ですね。これ、相入れないものではないと、これ、司法権の独立に反するものではないとはっきり言うべきだと思うんですけれども。 これ、裁判所の見解と異なるときが問題だというふうに言うけれども、外務省、条約の、条約といいますか選択議定書の四条、委員会は、利用し得る全ての国内救済措置を尽くしたことを確認しない限り通報を検討してはならない、そうなっているわけで、これ、司法権の独立とは反しないでしょう。
○政府参考人(長岡寛介君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、女子差別撤廃条約選択議定書第四条の一は、委員会は利用し得る全ての国内的救済措置を尽くしたことを確認しない限り通報を検討してはならないというふうに規定をしています。 いずれにしても、政府といたしましては、人権関係諸条約に基づき設置されている委員会等に対する個人からの通報事例については、今政府の中で検討を進めている中でいろいろ事例を検討をしているわけでございますけれども、具体的に、各国、その通報されたものの中に国内救済措置を尽くしていないにもかかわらず受理をされたようなものがあるかどうかについては、我々としては承知をしていないところでございます。いずれにしても、議定書自体は国内救済措置を尽くすことを確認をすると、それが大前提になっているところでございます。
○仁比聡平君 外務省は承知していないというふうにおっしゃるけれども、それは、そういう例がないから承知をしておられないわけですよ。 これ、大臣、女性差別撤廃条約の委員会の委員を務めておられる林陽子さんの講演を読みますと、これまで百十一件の個人通報があっている、二〇一七年の三月までなんですけれども、一番件数が多いのは受理可能性なしなんですよね。これ、受理可能性なしの原因は、一番多いのは、国内救済手段を尽くしていないというものなんです。だから、委員会は国内救済手段を尽くしているかどうかをしっかり確認をしているんですよ。で、そうなっていないということになれば受理していないわけです。もちろん意見なんか出てこないわけです。 実際認容された件が二十三件ですけれども、百十一件のうち二十三件しか実際には認容されていない。だから、個人通報のハードルは高いんであって、かつ、日本の国内でしっかりした司法審査をしていれば恐れるに足りないとおっしゃっていて、これ当たり前のことですよね。国際人権基準の司法審査あるいは立法政策を取らないとでも言っているのかと。人権大国どころか人権鎖国かというのがこの選択議定書を批准しようとしない今の政権に向けられるべき批判だと私は思うんですね。 二十八年の十月二十五日のこの委員会で糸数議員が議論をしたときに、これ、引き続き各方面の意見を伺いつつなどという答弁もあったんですけれども、その点に関わって伺いたいと思います。 二〇〇九年の四月二十一日の朝日新聞で、ひどい女性差別、ある、ない、自民部会で激論という記事があります。ここでは、今申し上げている問題について、国連に助けを求めるほどの女性差別は今はない、我が国には伝統文化に根差した法制度があるといった反対意見あるいは慎重論というのがこれは続出したというんですけれども、私、これちょっと理解ができないんですね。全くの誤解じゃないのかと。あるとかないとかいう問題ではなくて、条約の実効性を高めるためにこの選択議定書を各国は締約をしているわけでしょう。 これ、大臣、今申し上げた、あるとかないとかという話の議論についてどんなお考えですか。
○政府参考人(山内由光君) 委員の御質問にあった、あるとかないとかという点について、ちょっと趣旨を把握しかねているところがあるかもしれませんが、冒頭質問にありましたのは、個人通報に関するもう様々な意見というのがあるという話についての御質問だというふうに受け止めさせていただきまして、その点について申し上げますと、個人通報に関しては様々な意見が実際ございます。 例えば、この個人通報制度、人権の各種条約の選択議定書に盛り込まれておりまして、その全部について検討しないといけないのかでありますとか、それとも特定の条約について検討すべきであるのかという点についての様々な意見でありますとか、あるいは、実際その個人通報を受け入れた場合、その勧告あるいはその意見についてどのように実施するか、その体制をどうすべきかについての意見でありますし、冒頭申し上げましたように、裁判係属中であったものについての例えば意見が出されたような場合でありますとか、あるいは通報者が損害賠償を求めている、あるいは補償を要請するというようなことについて何らかの見解が示された場合に、それにどのように対応するか、それに関してはもちろん様々な意見がございます。そういった意味での意見がいろいろあるということでございます。
○仁比聡平君 私の問いに正面からお答えになれないというのは、つまり、国連に助けを求めるほどの女性差別が今はあるとかないとかという議論が、選択議定書を締約しない、批准しないという理由にはならないということをお認めになったのと同じだと思いますよ。 これ、委員会から、なぜ進捗しないのか、どのような進捗があったかについての情報をちゃんと提供し、批准を可能にする達成期限、タイムフレームを示せと、そうした勧告が繰り返されているわけで、これ、大臣、批准をするという方向で大きく踏み出すべきではありませんか。ちょっと最後、決意を伺います。
○大臣政務官(山下貴司君) これ、批准をするか否かというのは、これは外務省が検討すべき課題でございまして、もとより我々法務省としても、関係省庁の一つとして外務省その他関係省庁と検討しながら考えてはいきたいと思いますが、今ここで批准をするかどうかということに関しては、直接は外務省にお尋ねいただきたいと思います。
○委員長(石川博崇君) 仁比聡平君、時間が。
○仁比聡平君 はい。 時間が来ましたから今日はこれで終わりますけれども、これ、結局、引き続き各方面の検討を伺うとか、法務省だけで検討できる問題ではないとか、昨日伺うと、そうしたら、法務省、外務省で決められるのかと言ったら、それはどこと相談しなきゃいけないか分からないなんというようなことを言っているんですよ。そんなことで来年を迎えるなんというようなことは、これ、大臣、絶対にあっちゃならないと、そのことを厳しく申し上げて、今日は質問を終わります。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。 法務委員会も終盤に入ってまいりましたけれども、本日は振り込め詐欺について御質問させていただきます。しかも、東京地検と法務省という、国の信用そして国民の信用が第一だというところがあたかも詐欺を働いたかのような事件が起こっていることについて質問をさせていただきます。 オレオレ詐欺ですが、一旦被害が低下したと見られたんですけれども、振り込め詐欺という形で最近再び増加傾向にあります。高齢の女性、そして独り暮らし、家族や相談相手が近くにいない、こうした方を狙った被害が多いとのことですが、いつも高齢者とは限らなくなってまいりました。 新しい手口として、東京地方検察庁といううそのサイトに誘導する手口がございます。もう一つは、法務省の名前をかたる手口がございます。この両者の現状を把握していらっしゃいますかどうか、法務省の方にお伺いします。
○政府参考人(辻裕教君) 検察庁職員などを装った者が被害者に電話を掛けまして、検察庁ホームページに見せかけました偽サイトへのアクセスを指示した上で、指定した銀行口座への振り込みを指示するなどの方法で現金を振り込ませる事案が複数件発生しているものと承知しております。
○石井苗子君 東京地検の方ですが、携帯が鳴ります。出ますと、警視庁を名のられます。銀行名と口座の開設年月日を向こうから知らされます。確かめてくださいと言われ、通帳を見るとそのとおりなので、その場で東京地方検察庁と自分のパソコンを打ってくださいと言います。開きます、これうそのサイトです。そこに住所、名前、○○銀行と入力すると、自分がマネーロンダリングに加担したことになっていると。経緯を知りたいなら、あるいは身に覚えがないから無罪を証明したいなら、弁護士を雇わなきゃならない、紹介料を振り込めということなんですが。 質問いたします。銀行の口座の開設年月日などの顧客情報を入手できるというのはどの範囲の人ですか、金融庁の方、お答えください。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 銀行口座の開設年月日を含めまして、銀行が業務に関しまして取得いたしました顧客情報につきましては、銀行法令におきまして、漏えい、滅失又は毀損の防止など、適切な取扱いが求められているところでございます。 したがいまして、銀行の業務に従事する者以外の者が銀行顧客の情報を知り得るということは想定されておりません。
○石井苗子君 この被害に遭った方から実際の報告を私は受けて連絡を取り合っておりますが、該当する銀行の金融犯罪対応室というのがございまして、そこに口座情報漏えいの調査をお願いしますと電話をしたところ、銀行から情報は漏れない、あり得ない、調査の必要はない、きっぱりそう言われたそうでございまして、では、どこから漏れたんでしょうかという話になります。 そこで、これまで銀行から口座情報が漏れた事件は一件もないのか、あったとしたらどういう経緯で漏れたのか、金融庁の方、お答えください。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申します。 銀行から顧客情報が漏えいした事例といたしましては、過去に大手銀行の行員が顧客情報を不正に持ち出した事案がございまして、平成十八年四月に金融庁におきまして当該銀行に対して行政処分を行っているところでございます。
○石井苗子君 ということは、あったということなんですが、この銀行の金融犯罪の箇所の対応ですが、これは金融庁の指導でございましょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。 金融庁におきましては、各銀行に対しまして、顧客情報の取扱基準の策定、周知や適切なアクセス権限の付与、内部関係者によります持ち出し防止など、適切な措置を求めているところでございます。
○石井苗子君 もう少しはっきりしたお答えが欲しいです。金融庁は、個人情報漏えいの疑いがあれば調査を銀行に指導しますか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申します。 銀行におきましては、お客様からの苦情や相談に対して真摯に対応していただく必要があると考えておりまして、個人情報漏えいの疑いがあるような場合には、自主的に調査等の事実関係を、事実確認を行いまして個人情報漏えいを回避することが期待されているということで、金融庁としてもそういう指導をしているところでございます。
○石井苗子君 そうしますと、先ほどの、銀行から情報は漏れない、そんなことはあり得ない、調査の必要はございませんという、この問合せに対する返答というのは適切な対応でしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) 繰り返しになりますけれども、銀行におきましてはお客様からの苦情とか御相談に対しては真摯に対応していただきたいということでございまして、個人情報漏えいの疑いがあるというような申告があった場合については、自主的に調査等の事実関係を行って個人情報漏えいを回避する必要があるというふうに考えているところでございます。
○石井苗子君 真摯な対応というのは、例えばその銀行からお金を下ろした場合は、銀行はその被害者に補償金を、補償といいますか、お金返すとか、そういう対応をしますか。
○政府参考人(栗田照久君) 個々の事例におきまして銀行がどのような対応をすべきかということは異なってくるものだというふうに考えてございます。
○石井苗子君 そうしますと、個人情報が漏えいした場合、銀行が自主的に調査しないとしたら、顧客に被害が広がる可能性があります。被害の拡大を防ぐ方法というのはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(栗田照久君) お答え申します。 仮に、銀行の顧客情報が漏えいしている、あるいは漏えいしている疑いがあるという場合におきましては、二次被害等の発生防止の観点から、対象顧客等への説明、当局への報告等を適切に行い、発生原因の分析、再発防止策を講じるというようなことが必要になってくるというふうに考えてございます。
○石井苗子君 これは警察もできない、銀行もできない、金融庁も指導しても余り顧客の対応ができないということになりますと、これは東京の地検ですというようなことを言うわけで、非常に手口が、国民が地検からあなたはマネーロンダリングしていますよというようなことを言われるとパニックの状態になるんですね。 私が考えますに、名前と開設した年月日、口座のですね、個人は自分が開設いつしただろうというのは余り頭にないんです。出し入れがどこから来たとか残金がどうだとかということを気にしているわけですね。そうすると、この犯罪というのは、別に残金だとかどこからお金が出入りしているかまで知る必要がないので、かなり簡単に情報を手に入れることができる、犯罪としてもそれほど重くない犯罪になるんではないかと思っておりまして、対処の方法がないとなりますと、もう一つの方もお答えいただきたい。 今度は法務省をかたる手口でございますが、お手元の資料を御覧いただきます。お配りしましたのが実際に発送されているはがきの例文でございます。 被害は現実的に起きておりまして、お手元の資料の四角で囲んでいるところに、法務省管轄支局、国民訴訟お客様管理センター、法務省にこんなお客様なんという言葉を使うセンターはございませんが、既に大量のはがきが発送されている現状で、はがきのコピーでございます、これは、本日のものは。表題、消費料金に関する訴訟最終告知のお知らせとなっていまして、契約不履行なのでお金を払わなければ原告側の主張が全面的に支持されて預金差押えになりますと。はがきは架空請求になりますので、平成二十九年のこの架空請求振り込め詐欺の認知件数というのになります。これが五千七百五十三件。 下を見ますと、これこれの電話番号が法務省の担当でございますと電話番号まで書いてあります。弁護士紹介料としてお金を振り込んでください、身に覚えがないんだったら振り込んでくださいと。電話の先に、弁護士役、警察官役、何役という役割分担が決まった俳優の人たちが雇われているそうでございまして、入れ替わり立ち替わりこれが出てきて、だんだんだんだん本当の話かなと思わせるようになってしまう。一旦電話を切って、さあと思って掛け直すと、これが長い間話し中になっていたりする。そういう方々が気を取り直して法務省の広報に掛けますと、とんでもない、詐欺でございますというふうになると。 で、ああ、よかったと、やっぱりそうだったのかとなる人はいいんですけれども、五千何件も認知件数があるわけで、もし私なんかだったら、どうしてこれを法務省がこのままにして放っておくんですかというような、私個人ですけど、こんな怒りを覚えると思うんですね。 ここで、法務大臣に、これはお伺いじゃなくて是非お願いをしたいことなんですが、直ちに国民に対して大臣自らがアナウンスをして防止をしていただきたいと私思っておりまして、法務省の信用に関わる問題でございますので、是非大臣がテレビに出て、おととい、民法の十八歳のことで出ていらっしゃいまして、私も拝見しましたが、ああいうことで大臣は出ていらっしゃることに対して、国民は非常に大きな信用と信頼を持ちますので、こうしたうそのはがきにだまされないようにということで、某NHKみたいなテレビのニュースのところに出てきて警告をしていただくということはこれから可能でしょうか。お考え、お聞かせください。
○国務大臣(上川陽子君) 法務省の名称等を不正に使用した架空請求のはがき、今委員からお示しをしていただいたものも含めまして、まだいろいろなものがございます。これによりまして実際に被害が発生しているということにつきましては、極めて遺憾であるというふうに考えております。 当省におきましては、これまで、定例記者会見におきまして、私も数度にわたりまして本件について発言をしてまいりました。また、法務省ホームページ、法務省公式ツイッターでも注意を呼びかけているところでございます。また、消費者庁と警察庁に協力を要請し、それぞれのホームページ等におきましても注意を呼びかけていただいております。さらに、報道機関に対しましても報道していただくように協力をお願いしておりまして、一部の報道機関におきましては既に本件につきまして取り上げていただいたところでもございます。 あらゆる手段によりまして、こうした法務省の名称等の不正使用、これにしっかりと対応していかなければいけないということでございますので、発生を未然に防ぐためにも、引き続き積極的な情報発信に努めてまいりたいというふうに考えております。
○石井苗子君 私、メディアの世界にいたんですけれども、この周知徹底ということは、一回で効果を持つことと、もうずうっとやっているのに誰も知らないということもあるんですね。 例えば、スーパーで並んでいるときとかそういうときに、ひそひそ話で、これ聞いた、あれ見た、ひどいわねという話が聞こえてこないと周知徹底したことにならない。特にこういう、女性がだまされたり、こんな手口があるんだってということが聞こえてくる、これは、インパクトとリアリティーとフィロソフィーと、この三つがメディアには必要で、やっぱり大臣が出るこのインパクト、そして実際に五千以上もあるんだというこのリアリティー、そしてフィロソフィーというのは、法務省というところがそんなことをするはずがないということを国民の方に徹底周知して、だまされないようにという、はっきりとした物の考え方がすとんと腑に落ちるような周知徹底方法をしていただく。 特に、大臣が一回出るだけで全然違うと思いますので、是非それをお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 子供への虐待を防止するため、家裁の判断で親権を最長で二年間停止できるとする民法改正が二〇一一年に行われましたが、子供への虐待は後を絶ちません。先日も、五歳の女の子が親から十分な食事を与えられず、暴行を受け亡くなるという痛ましい事件がありました。二〇一六年度中、全国二百十か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は十二万二千五百七十八件で、過去最多となりました。 民法改正が虐待の防止の一助となっているのか検証する必要があるのではないかということを申し上げ、面会交流と養育費の取決め状況についてお伺いいたします。 二〇一一年の民法改正での親権の一時停止とともに、条文上、離婚後の親子の面会交流、監護費用の分担等が明示され、二〇一二年四月から、その趣旨を周知する方法として離婚届出用紙に面会交流と養育費の取決め状況のチェック欄が設けられました。 チェック状況の集計は法務省がされていますが、昨年の集計結果についてお伺いいたします。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 平成二十九年四月から平成三十年三月までの集計結果につきまして、未成年の子がいる夫婦の協議離婚届出件数は十一万二千七百四十四件でございます。 まず、面会交流につきましては、取決めをしているにチェックが付されていたものは七万二千二百二十一件でありまして、これは未成年の子がいる夫婦の協議離婚届出件数の約六四・一%に当たり、前年度の約六三・三%から〇・八ポイント上昇しております。 次に、養育費につきましては、取決めをしているにチェックが付されていたものは七万二千二百二十四件でございまして、これは未成年の子がいる夫婦の協議離婚届出件数の約六四・一%に当たりまして、前年度の約六二・九%から一・二ポイント上昇しております。
○糸数慶子君 それでは、厚生労働省に、面会交流と養育費の取決め状況と実施状況をそれぞれ伺います。
○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。 平成二十八年度全国ひとり親世帯等調査の結果についてでございます。 まず、面会交流についてでございますが、母子世帯のうち面会交流の取決めをしている世帯が約二四%でございまして、そのうち約五三%が面会交流を現在も行っていると回答しております。また、父子世帯につきまして、面会交流の取決めをしている世帯が約二七%で、そのうち約六〇%が現在も面会交流を行っていると回答しております。 続きまして、養育費についてですが、母子世帯のうち取決めをしている世帯が約四三%で、そのうち約五三%が支払を現在も受けていると回答しております。また、父子世帯のうち取決めをしている世帯が約二一%で、そのうち一六%が支払を現在も受けていると回答しております。
○糸数慶子君 養育費の支払ですが、まだまだ不十分であり、一人親世帯の貧困の要因にもなっています。 昨日成立いたしました成年年齢引下げの民法改正により、この養育費の支払終期が早まり、更に貧困と格差の拡大につながるのではないかと懸念を申し上げ、次の質問に入ります。 旧姓の通称使用についてお伺いいたします。 いわゆる夫婦別姓訴訟で、最高裁は二〇一五年十二月、女性に偏る不利益を認めながら、これらの不利益は氏の通称使用が広まることにより一定程度は緩和され得るということで合憲判断しました。しかし、通称使用が認められず困っているという声は多く寄せられています。 そこで、旧姓の通称使用についてお伺いをいたします。 まず、内閣府男女共同参画局が、昨年七月、全国銀行協会に対し、銀行口座等の旧姓使用の協力要請を行っておりますが、六月二日付けのしんぶん赤旗によりますと、今資料としてお配りをしておりますが、銀行の対応がまちまちであることが分かりました。 全銀協それから地銀協、第二地銀協、全信協などのほか、ゆうちょ、みずほ、三井住友、三菱UFJ、横浜の各銀行に調査し、その結果を公表しています。みずほ、三井住友、三菱UFJ、横浜の四行は、以前から旧姓名義の口座の利用を認めていると回答し、ゆうちょ銀行は、要請を踏まえ検討している段階で、本人確認の方法を課題として挙げています。 通称使用が認められれば不利益は一定程度緩和されますが、認められなければ緩和どころか不満となり、認められる人との不公平が生じてしまいます。以前、自治体でも認められるところとそうでないところがあることを指摘いたしました。不利益の解消に向け更なる取組が必要だと思いますが、今後の取組について内閣府にお伺いいたします。
○政府参考人(武川恵子君) お答えいたします。 平成二十九年六月六日に総理を本部長とするすべての女性が輝く社会づくり本部において決定いたしました女性活躍加速のための重点方針二〇一七におきまして、その前年の重点方針に引き続きまして、旧姓の通称としての使用の拡大に向けた検討を行うということが決められました。 その具体的な取組といたしまして、内閣府におきましては、昨年七月五日に全国銀行協会などの七団体に対しまして、各金融機関の実情に応じて可能な限り円滑に旧姓による口座の開設などが行われるよう協力依頼を行っております。 本年六月十二日におきましても、同様に女性活躍加速のための重点方針二〇一八を決定しておりますけれども、そこにおきましても、銀行口座などの社会の様々な場面で旧姓使用がしやすくなるよう、引き続き関係機関などに働きかけを行うということが決定されております。 社会における活動や個人の生き方が多様化する中で、働きたい女性が不便を感じ、働く意欲が阻害されることがないよう、女性活躍の視点に立った制度などの整備といたしまして、旧姓の通称としての使用の拡大は重要でございます。旧姓による銀行口座の開設などにつきましても理解が深まるよう、引き続き様々な機会を捉えて周知に努めてまいります。
○糸数慶子君 ありがとうございました。武川局長には前向きにお答えいただきました。更なる取組に期待をしたいと思います。 上川大臣は、旧姓使用のこの広がりで本当に解決できるというふうに思っていらっしゃいますか、御見解を伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 旧姓の通称使用につきましては、戸籍上の氏との使い分けが必要になることなど、通称使用の拡大による対応が進めば全ての不利益が解消されるというふうには思ってはございません。 しかし、内閣府が実施している家族の法制に関する世論調査を見てみましても、平成八年から選択的夫婦別氏制度の導入の是非に関する選択肢の一つといたしまして、夫婦が婚姻前の名字、姓を名のることを希望していても、夫婦は必ず同じ名字、姓を名のるべきであるけれども、婚姻によって名字を改めた人が婚姻前の名字を通称としてどこでも使えるように法律を改めることにつきましては構わないと、こうした選択肢を設けておりまして、直近の平成二十九年の調査におきまして、その選択肢の選択した方でございますが、二四・四%に上っている状況でございます。 通称使用の希望は社会の中で非常に強いものがございまして、そうした希望の方々に社会生活上の不利益を少しでも解消すべく、より多くの場面で旧姓の通称使用が認められることが望ましいというふうに考えております。法務省におきましても、職員が対外的な文書も含めまして旧姓を通称として使用することができることとしております。 先ほど、政府全体といたしましても、直近の先ほど報告がございましたけれども、すべての女性が輝く社会づくり本部、ここにおきまして、社会活躍推進のための重点方針二〇一八、これが決定されたわけでございますが、様々な社会生活の場面におきまして、この旧姓の通称使用が認められるべく、しっかりと取り組むようにということが明記されたところでございます。 法務省といたしましても、政府が、女性の社会進出また社会の多様化、これらを踏まえて行っている旧姓の通称使用の拡大に向けた取組につきましては、引き続き協力し、努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 選択的夫婦別姓について次に伺います。 今般、女性の婚姻適齢を十八歳に引き上げる民法改正案が可決、成立しましたので、一九九六年に法制審議会から答申された四つの柱のうち、婚姻適齢、再婚禁止期間、婚外子相続分規定の民法改正が行われ、いよいよ選択的夫婦別姓が残されています。 上川大臣は、法制審答申、国連からの勧告、国際的な差別撤廃の潮流などを示した上で婚姻適齢引上げのその遅れを指摘した私の質問に対して、いずれも真摯に受け止める必要があると答弁をされました。選択的夫婦別姓についても同じことが言えるのではないでしょうか。 法制審の答申であること、法律で同姓を強制している国が日本以外に見当たらないこと、国連機関から度々勧告されていること、婚姻当事者層の特に婚姻改姓を強いられる若い人たちが圧倒的に賛成し、反対は七十歳以上の高齢者に偏っていることなど、今でも十分に遅きに失しているというふうに思います。 幾ら質問いたしましても、声の大きい少数の方々の顔色をうかがっている法務省に前向きの答弁は期待はできませんので、少し視点を変えて質問したいと思います。 法制審答申のうち、婚外子相続分規定は二〇一三年九月に最高裁の違憲決定を受け、答申から十七年後にようやく法改正されました。再婚禁止期間は、二〇一五年十二月の違憲判決を受け、翌年、答申から二十年も遅れて法改正され、今回の婚姻適齢は法改正まで二十二年も掛かりました。しかも、改正の理由が法制審答申と同じであることが先日の答弁でも示されました。 法務大臣が諮問し、五年の歳月を掛け、様々な観点から審議され答申された内容が、結局司法の判断を待って法改正していることを上川大臣はどう受け止められ、諮問した法務大臣として法制審に対してどのような見解をお持ちなのか、お伺いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 法制審議会に諮問をする立場にあります法務大臣といたしまして、法制審議会において審議された内容及びその結果であります答申につきまして、重く受け止めるべきものであるというふうに考えております。 委員御指摘の期間経過後に、また最高裁判所による違憲の判断を受けた後に法制審議会の答申の内容を反映した改正法案を提出するに至ったことにつきましても、真摯に受け止めてまいりたいというふうに思っております。
○糸数慶子君 選択的夫婦別姓が実現しないため、司法に訴えるケースが今年になって相次いでいます。 十八日、来週月曜日には、ニューヨーク在住で州法に従って婚姻した日本人夫妻が婚姻確認を求める訴えを東京地裁に起こします。州法に従って婚姻したのに婚姻関係が戸籍に記載されないことの不利益について、慰謝料を求めるものであります。 個別の裁判について伺うものではありませんが、生来の名前を名のり続けたいために裁判までしなければならないことについて、大臣は様々な意見があるから認められないという見解をお持ちなのでしょうか、伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 婚姻を考えていらっしゃる当事者の方々の中に、共に氏を変えないまま婚姻をしたいとして裁判手続に訴えていらっしゃる方々がいらっしゃることにつきましては承知をしているところでございます。現に係属している裁判手続についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。 これまでも繰り返し述べているところでもございますが、選択的夫婦別氏制度の導入の問題につきましては、我が国の家族の在り方に深く関わる事柄でございまして、国民の皆様の間にも様々な御意見があるということでございます。世論調査の結果等、また国民的な議論の動向を踏まえながら、引き続き対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 ただいまのような答弁では、提訴、訴訟を提起する人は増えると思われます。上川大臣も法務省も法改正の意思がおありだと私は信じております。反対派に屈することなく、法改正が早期に実現するためにこれからも粘り強く質問していくということを申し上げ、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○山口和之君 無所属の山口和之です。 余計なことかもしれませんけれども、今の糸数委員のお話を、別の委員会なり、委員会じゃなくて検討会なり、あるいはそういうことを議論する場というのはつくってもいいんじゃないかなと思うんですけれども、是非検討していただきたいなと思います。選択するだけの話だと思うんです。よろしくお願いしたいと思います。 本日は、初めに、法務省が法令の適用に関して事前に回答してくれる制度に関してお伺いします。 まず、法務省が行っている法令適用事前確認手続、いわゆるノーアクションレター制度及び予防司法支援制度について、その対象等の概要及び実績についてお教え願います。また、ある行為が特定の刑罰法令の適用対象となるかどうかを確認する手続の有無についてもお教えください。お願いします。
○政府参考人(金子修君) お答えいたします。 法令適用事前確認手続制度でございますが、これは、民間企業等が、実現しようとする自己の事業活動に係る具体的行為に関して、その行為が特定の法令の規定の適用対象となるかどうかをあらかじめその規定を所管する行政機関に確認し、その機関が回答を行うとともに、その回答を公表する制度でございます。本手続による法務本省に対する照会に係る回答件数は、本年三月末日までの累計で計十二件でございます。 次に、予防司法支援制度でございますけれども、訟務局では、各府省庁からの行政施策に関する照会に対し、具体的な法的紛争が生じる前であっても、これまで訴訟対応等によって得た知見を提供するなどして法的問題について助言する予防司法支援を行っております。これは、我が国の行政の法適合性を高め、法の支配を貫徹するため、すなわち、訟務局において行政の施策の法適合性を事前に法的観点からチェックすることで、国の施策によって国民の生命、身体、財産等が侵害されることを阻止し、国民が法的紛争に巻き込まれることを防ぐなど、国民の権利利益に寄与することを目的としているものでございます。法務本省に対する照会件数は、本年三月末日までの累計で約八百九十件となっております。 特定の刑罰法令の適用対象となるかどうかの確認手続についてお尋ねですが、個別具体的な事案における犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき捜査機関又は裁判所において個別に判断されるべき事柄であり、これらの機関ではない法務省は犯罪の成否を論じる立場にございません。そのため、法務省においては、ある特定の行為が特定の刑罰法令の適用対象となるかどうかを確認する手続は有しておりません。
○山口和之君 ある行為が特定の刑罰法令の適用対象となるかどうかについては確認できる制度がないとのことですが、それだけではなく、国会の審議でも質問しても全く答えてもらえないということがあります。 五月十七日の私の質問に対する答弁もそうでしたが、国会審議において犯罪の成否に関する一般論を質問すると、犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき、個別の事案の様々な事情に照らして個別に判断されるべき事柄であり、一般的にお答えするのが難しいため、お答えは差し控えますとの紋切り型の答弁しかいただけません。 しかし、そのような法務省の答弁姿勢は、何を行えば犯罪になるのか判断する責任を国民に一方的に押し付け、国民の行動を萎縮させるものであり、構成要件に該当する類型以外の行為については、国民が行ったとしても、処罰されることなく自由に行動ができるという刑法の自由保障機能を害しているとも言わざるを得ません。 また、昨今の不起訴事件などに関連して、刑罰法令が恣意的に解釈、適用されているのではないかと疑われる温床にもなっています。 具体的な事件について犯罪が成立するか否かという個別の質問に答えられないということは理解できますが、国会の審議において犯罪の成否に関する一般論についてすら答弁しないという法務省の対応は早急に改める必要があると考えますが、上川大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 御質問の、犯罪の成否等に係る部分に関しての御質問でございますが、まさに犯罪の成否は、この法の趣旨等を踏まえつつ、個別具体的な事案に応じて、収集された証拠に基づき、捜査機関や裁判所により判断されるべき事柄でございます。 〔委員長退席、理事若松謙維君着席〕 法務省は捜査機関ではなく、また裁判所でもございません。個別具体的な事実関係を前提にして犯罪の成否を論じる立場にはございません。にもかかわらず、検察に関することを所管する法務省におきまして犯罪の成否を論じた場合には、検察を含む捜査機関や裁判所に不当な影響を与えるおそれがあるばかりか、社会一般に対しまして誤解を招くなどの弊害が生じ得るということでございます。 このような理由からお答えを差し控えているということにつきましては御理解をいただきたいというふうに思います。
○山口和之君 刑罰法令、特に刑法に関しては法務省が法案提出者となっており、法律の解釈についてはまず法務省が説明責任を負っております。一般的、抽象的な行為に関して犯罪の成否を答えたとしても、捜査機関や裁判所などに不当な影響を及ぼす具体的なおそれはありませんし、むしろ法律の発案者としての意思を明確にすることで三権分立のチェック・アンド・バランスに資すると言えます。現在、法務省が犯罪の成否についてかたくなに答弁を拒み、説明義務を果たしていないことは非常に大きな問題ですので、上川大臣には、是非これを改めるように、しっかり検討して改善していただきたいと思います。 〔理事若松謙維君退席、委員長着席〕 次に、法務、司法の分野でITを用いた生産性向上等に関してお伺いします。 法務省のレクチャーを依頼すると、事務所に来てくださる官僚の方々は全員手書きでメモをするんですが、パソコンでメモを取っている人は皆無です。法務省では官僚の方々がレクチャー等の際にパソコンを使用することについてどういったルールを設けているのでしょうか。また、仮にパソコン使用について制限を設けているとすれば、その理由をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今福章二君) お答えいたします。 法務省職員が通常業務で使用しておりますパソコンにつきましては、法務省情報セキュリティ対策基準等に基づきまして、情報セキュリティーの必要性から、セキュリティーワイヤー等で固定し事務室内から持ち出せない取扱いとなっております。また、出張等の際に持ち運べるパソコンも一部において整備しておりますけれども、その使用に当たりましては、同対策基準等に基づきまして、盗難や第三者による不正操作、盗み見等を防止するためのセキュリティー対策を講じることといたしております。
○山口和之君 いろいろとセキュリティー面で問題はあるかと思いますが、民間ではそういった問題を踏まえた上でパソコンを使用することに工夫しているところが多くありますので、生産性向上のために、希望すればパソコンでメモを取れるようにしていただければと思います。メモを全てパソコンで取るといったワークスタイルは一般的になっており、弁護士の中にもそういった働き方をしている人も少なくないそうです。 しかし、拘置所において弁護士がパソコンを使用したことが問題となっているケースもあると聞いております。弁護人が拘置所において接見の際にパソコンでメモを取ることについては何か制限があるのでしょうか。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 刑事施設において弁護士が弁護人接見を行うという際に、訴訟上の必要に基づく記録を取るためにパソコンを使うということについては規制はしておりません。 ただ、今パソコンは大変高機能でございまして、例えばビデオカメラの代わりにもなりますし、また携帯電話の代わりにもなるというようなことがございますので、録画機能や通信機能の使用は控えていただくようにお願いをしているところでございまして、そのため、パソコンを御使用になる場合には必ず事前に職員に申し出てくださいということはお願いをしているところでございます。
○山口和之君 ITによる生産性向上をうたうのであれば、国の姿勢として、パソコンについてはあらゆるシーンで原則使用可能にすることは最低ラインではないでしょうか。社会通念上、弁護人が接見室でパソコンを使うことによって問題が発生する具体的なおそれなどは想定できませんので、一々事前の申告しなくても使用できるようにしていただければと思います。 最後に、裁判所に関するIT化についてお伺いします。 現在、民事事件のIT化においては、主張、証拠を電子情報として活用することが検討されていますが、刑事裁判において主張、証拠を電子情報として活用することについてはどのような議論状況にあるのでしょうか。議論が行われていないとすれば、それはなぜなのか。民事裁判の主張、証拠と、刑事裁判の主張、証拠に関して、扱いに差異を設けなくてはならない理由があるのかなどについて、法務省に御説明願います。 また、上川大臣に御見解を伺いたいのですが、刑事裁判において検察官から弁護人に証拠開示が行われますが、その証拠を謄写するために、弁護士やその職員がわざわざ検察庁まで行って、半日、場合によっては一日以上使って備付けのコピー機等で謄写しなければならないそうです。これは余りにも非生産的と言わざるを得ません。特に、国選弁護事件においては経済面で弁護士に大きな負担を掛けていると言われているようですので、国の側でこういった非生産的な労力を掛けさせないようにしていくことが重要ではないでしょうか。 日本全体の生産性向上を考えれば、少なくとも、検察官から弁護人に対する証拠開示は、民事裁判のIT化で検討されているように電子情報として行えるようにして、弁護士の無駄な労力を掛けないようにすべきと考えますが、上川大臣の御見解はいかがでしょうか。 そもそも、法務、司法の分野は時間が掛かり過ぎるとも言われております。そういう文化なのでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) まず、刑事訴訟手続と民事訴訟手続の違いといいますか差異でございますけれども、民事訴訟法におきましては、書証の証拠能力を制限する旨の規定がございませんで、また、文書を提出する方法により書証の申出をする当事者は、裁判所に対し申出をする予定の文書の写しを事前に提出しなければならないと、こういうふうにされているところでございます。これに対しまして、刑事訴訟法においては、証拠能力が厳格に制限されておりまして、証拠能力が認められると判断された証拠書類だけが公判廷での証拠調べ手続を経た上で裁判所に提出されると、こういう手続になってございます。 このように、民事訴訟手続と刑事訴訟手続とでは裁判所に対する証拠の提出の仕組みが大きく異なっているところでございます。 また、刑事事件における当事者の主張が記載された書面や証拠の内容でございますけれども、刑事事件に関わるという性質上、一般的に申し上げますと、少なくとも民事事件のそれと比べますと、被告人だけではなく被害者等を含む第三者のプライバシーに深く関わる情報を多く含む内容となっていることが多いということでありまして、万一その内容が外部に流出した場合には、関係者のプライバシーが大きく侵害され、取り返しの付かない事態となりかねないところでございます。 そのような書面や証拠を電子情報化してやり取りするということになりますと、電子情報の性質上、複製が極めて容易であることが多いということでございますので、これが外部に流出した場合、インターネット等を通じて短期間に広く拡散し、その削除等も事実上不可能となる危険が大きいというふうに考えてございます。 したがいまして、御指摘のような仕組みにつきましては、民事訴訟手続についての検討状況を踏まえつつ、刑事訴訟手続との相違点、今申し上げたような取り扱う証拠の内容等に留意して検討することが必要であるというふうに考えてございます。
○国務大臣(上川陽子君) 今、刑事局長から御質問について答弁したとおりでございまして、証拠を電子情報化して弁護人に開示する仕組みにつきましては、とりわけ関係者のプライバシーの問題、また外部に流出した際の様々な危険性、こういったことを総合的に考えてみますと、極めて慎重に検討する必要があるというふうに考えております。 また、検察官の弁護人に対する証拠開示につきましては、刑事手続におきまして、証拠が収集し、作成され、保管され、利用されていくという一連の過程における一場面になるわけでございますが、そもそも刑事手続全体を通じて証拠をどのような形で保管、利用する仕組みとするのかという基本的な課題もございます。こうした検討も必要であるというふうに考えております。
○山口和之君 上川大臣には、生産性が低いと言われている日本を、特に時間が掛かり過ぎると思われる法務、司法分野から改善していくために、是非指導力を発揮していただきたいと思います。できない理由を探すのではなく、できるようにするために方法を考えることが重要だと思います。よろしくお願いします。 以上で終わります。
○委員長(石川博崇君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時十七分散会