法務委員会 第10号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2018/05/15
会議録
○委員長(石川博崇君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る九日までに、小野田紀美君、徳茂雅之君及び真山勇一君が委員を辞任され、その補欠として福岡資麿君、松山政司君及び櫻井充君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川博崇君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に有田芳生君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官大島一博君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川博崇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田宏君 おはようございます。それでは、何点か御質問させていただきたいと思います。 まず、先日起きました松山刑務所における脱走事件について何点かお聞きをしておきたいと思います。 この事件は、先月、四月八日、夕方七時頃に今治市の松山刑務所大井造船作業所から服役中の平尾龍磨容疑者二十七歳が脱走した、逃走したという事案でございます。その後、報道によりますと、広島県尾道市の向島、そして逮捕されたのは四月三十日、約三週間たって広島市内で逮捕されたというふうに報道されております。 まず、この件につきまして、あってはならないことなんでございますけれども、法務大臣の所感と総括をお聞きしておきたいと考えております。
○国務大臣(上川陽子君) おはようございます。 四月八日に松山刑務所大井造船作業所から逃走いたしました受刑者につきましては、四月の三十日に身柄を拘束したところでございます。二十三日間にわたりまして逃走を続けました。そして、今委員からの御指摘のとおり、今治市から尾道市の向島、さらに広島市という形で、多くの皆様の御心配、そして御不安、御迷惑をお掛けし続けた二十三日間でございました。 とりわけ、長い間潜伏をしていた地域の皆様、向島の皆様におかれましても大変な、子供たちを安全、安心にということで、不安を抱えながら大きな緊張の中で二十三日間過ごしたということでございまして、そのまさに平穏な生活、日常生活が様変わりをしてしまったことによる打撃は極めて大きかったというふうに思っております。国民の皆様に対しましても、地域の皆様に対しましても、改めて心からおわびを申し上げます。申し訳ございませんでした。 私、五月の一日と二日に現地を訪問させていただきました。その前日に逮捕ということになったわけでございますが、長い期間そのような緊張状態にある中で、日常生活においても様々な、渋滞等の発生によりまして御不便をお掛けし、経済的な状況も含めまして大変厳しい状況にさらされたということでございます。 また、先ほど申し上げたとおり、子供たちの学校を取り巻く環境、とりわけ新学期に当たってすぐ、直後でありまして、入学式が四月の九日ということもありまして、その後、スタートがなかなか平常な状態で切れなかったということが様々な形で影響を与えているというようなお話も切実にお聞かせをいただきました。 また、大井造船作業所自身の企業の皆様にもお会いをし、そして受刑者たちが生活をしている友愛寮、さらには仕事をしている現場につきましても、大きな造船作業の中で四人一チームで、そのうちの一人という役割の中で仕事をしていたということについても、つぶさにその状況について把握をし、またしっかりと説明を伺わせていただいたところでございます。 大井造船作業所は、昭和三十六年開設されまして、まさに今年五十七年目を迎える、長い間、造船作業場の企業の皆様の御協力と、そして地域の皆様の御支援、こういったことがなければこの開放的施設であります大井造船作業場は今まで続かなかったということでありまして、改めて、この施設の意義も含めて、このことの、事が起こったことの重大さも含めて痛感をし、そして改めてこの大切な開放的施設の今後の在り方についても大きな御示唆をいただいたものでございます。 日常生活が、特に向島は平穏な島でございまして、大変地域の中でも結束が強い地域でありまして、二十三日間にわたりましても、不安を抱えながらも、消防団の皆様を始めとして、また学校関係者の皆さんも、地域のパトロールに当たっている住民のボランティアの皆さんも、しっかりと連携を組んで事に当たっていただいたおかげである意味で二十三日目に身柄を拘束できたものというふうに、皆様のそうした御協力に対しても感謝を申し上げているところでございます。 今、逃走事故につきまして、開放的施設でありますが、そもそも逃げやすい環境にあるというところが特色でもあるわけでございますが、住民の皆様からも、一旦逃走したということが万が一起きた場合にも身柄がすぐに発見できるようなタイプの予防措置というものについてはしっかりととっていただきたいという声もいただいたところでございます。 こうした再発防止ということにつきまして、今検討会におきまして調査をしているところでございますが、こうした住民の皆様のお声にしっかりとお応えができるような形で対策が講じることができるように最善の努力をしてまいりたいと、改めてそうした決意でいるところでございます。
○山田宏君 ありがとうございました。 今法務大臣の所感、御決意で大体足りているんでございますけれども、何点か御質問をさせていただきたいと思います。 まず、今回、逮捕まで至る期間が相当長く掛かったと。もちろん、その期間には警察を始め消防、また関係者、かなりの御努力をされて、本当に住民の不安を一日も早く取り除くべく一生懸命御努力をされてこられたということがまず前提でございますが、そういった中でもかなりの時間が掛かったなという感じがいたしました。島ですから、隔絶しているところでこれほど長く掛かるものだろうかと、一般国民の皆さんはそう思ってきたわけですけれども、結局広島市まで逃走したということでございました。 これぐらい時間が掛かったのは一体どういう理由だったのか、その点も簡単に御説明いただければと思います。
○政府参考人(大賀眞一君) お尋ねの事案につきましては、四月八日に愛媛県の松山刑務所大井造船作業場から逃走した被疑者を、四月三十日、広島県警察が広島市内において発見、逃走罪で逮捕したものでございます。 この間、関係警察におきましては、被疑者を逃走罪により全国に指名手配をし、その写真を公開して情報提供を呼びかけたほか、窃盗被害が発生していたことなども踏まえまして、広島県尾道市の向島において重点的な捜索活動等を行ってきたものでございます。 しかしながら、この間、地域住民の皆様などには御負担をお掛けしたところでございます。捜索活動等に対する御理解と御協力もいただきまして、深く感謝をしているところでございます。 御質問の点につきましては、現在、関係警察において被疑者の逃走後の足取り等について捜査をしているところでございまして、まずはその解明を進めることが重要であると考えております。
○山田宏君 新聞報道によれば、島の中も千軒以上空き家があって、その空き家を調べるのも、一々その所有者を探して了解を得るというようなもう大変煩雑な手続があって、なかなか踏み込めた捜査ができなかったと。一日も早く住民の不安を解消しなきゃいけないと同時に、そういう一つの所有権のハードルが存在すると。 これから日本、少子化の時代を迎えておりまして、ますます全国中にこういった空き家が点在をしていくんだろうと。そういった中で、この事案だけでなく、言わば工作員が何かをするとかいうようなことも含めて、こういった空き家に対しての捜査活動というものに対して今後どういう姿勢で臨んでいかれるのか、もし御所見があればお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(大賀眞一君) 空き家の問題につきましては、委員御指摘のような問題のほかに、防災性の低下だとか、あるいは防犯性の低下、あるいはごみの不法投棄などといった様々な問題が指摘されているところでございまして、財産権の保障などとの調整をいかに図るかという観点も踏まえながら総合的に検討がなされていくべき課題であると考えております。
○山田宏君 これ、やっぱり所有権等の問題があると思うんですけれども、深刻な問題なので、少し、やはりどういう捜査が可能なのか、今後の課題として是非研究をしておいていただきたいと要望いたします。 それから、先ほども法務大臣からお話ありましたように、この施設は、この施設というのは松山のこの施設は、開放型施設ということでございますけれども、開放型施設というのは一体どういう施設なのか、全国にどういうものがあるのか。大体でいいですから、どんな服役囚がここに入るのかというようなことについて概要をお聞かせください。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 開放的施設と申しますのは、「収容を確保するため通常必要とされる設備又は措置の一部を設けず、又は講じない刑事施設の全部又は一部で法務大臣が指定するもの」と法律で定義をされております。 この開放的施設というのは、一般社会の生活にできる限り近い環境を実現することで、受刑者の自発性、自律性を涵養し、ひいては受刑者の社会適応性を向上させるという点で大きな意義があると考えているところでございます。 現在、開放的施設としては全国で四か所、網走刑務所二見ケ岡農場、市原刑務所、これは一部閉鎖区画がございますが、そちらは除きます、広島刑務所尾道刑務支所有井作業場及び松山刑務所大井造船作業場が指定されております。四つの施設、それぞれ収容される受刑者の特性が異なりまして、そういったことを踏まえまして、施設ごとに設けられている設備も異なりますし、また開放の度合いも若干異なっております。 各施設の収容人員につきましては、二見ケ岡農場が近年約二十名程度、市原刑務所、これは閉鎖区画も含んだ人数ですが、約百七十名、有井作業場が約五名、今回逃走を起こしてしまいました大井造船作業場については、逃走当時、逃走した受刑者を含んで二十名が収容されておりました。 こういった開放的施設に収容される者といいますのは、大井造船作業場及び有井作業場につきましては、A指標と呼んでおりますが、刑務所に入るのが初めてで犯罪傾向も進んでいない、そういった受刑者で、なおかつ原則として凶悪犯、性犯、放火犯、覚醒剤常習者といった者ではない、さらに構外での作業への出業の意欲があるなどといった様々な条件を満たす者を選んでおります。 市原刑務所は、同じく、初めて刑務所に入る犯罪傾向が進んでいないA指標受刑者でありますが、いわゆる交通事犯と呼んでおりまして、自動車の運転等による犯罪で服役している者、そして、そういった自動車等の運転による犯罪以外の犯罪による懲役刑や禁錮刑を併有していない者のうち心身に著しい故障がないなどの条件を満たす者を選んでおります。 最後に、網走刑務所の二見ケ岡農場は、こちらはB指標と呼びまして、刑務所に入るのが二度目以上あるいは犯罪傾向が進んでいる、そういった受刑者の中で、農場での作業を行う上での身体的な問題がないこと、暴力団に所属をしていないことといった所定の条件を満たす者を選んで就業させていると、そういった状況にございます。
○山田宏君 私、こういう施設知らなかったんですけど、非常に特異というか、ある面では意欲的な施策だと評価をしております。 長い期間設置をしていても、その割には、塀もない、鉄格子もない、鍵もないということはないけれども外から掛けるわけでもない、こういった施設が地域の中に溶け込んで、しかも比較的脱走者がそれでも少ないという状況の中で地域で受け入れられてきたんではないかと、こういうふうに考えておりますけれども、この愛媛の松山の事案はこれまで十七件二十人の脱走者があったと、こう聞いておりますけれども、ほかの施設、これまでどうだったんでしょうか。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 他の施設の逃走でございますが、まず、広島刑務所尾道刑務支所の有井作業場についてはいまだかつて逃走は発生しておりません。それから、市原刑務所につきましては昭和六十一年に逃走が一件発生しております。それから、網走刑務所二見ケ岡農場、これは明治の頃からある施設でございまして、私ども必ずしも全ての件数を把握できておらないんですが、私どもが把握している限りでは、大正十一年が一件目、その後、昭和五十六年までで合計十一件の逃走が発生しております。
○山田宏君 まあ少ないですよね。 仮に逃走して、今回もそうなんですけれども、捕まったらどうなるんですか。
○政府参考人(富山聡君) 一般的に、刑務所から逃走した受刑者は、特に施設の設備等を壊すことなく逃走した場合には単純逃走という罪に当たりますので、済みません、これは私の所管から外れるかもしれませんが、一年以下の懲役といったたしか刑罰が定められていたと思いますので、そういった刑法の規定に基づいて捜査、裁判が行われて適正な刑罰が言い渡されるというようなことになろうかと思います。
○山田宏君 ここには戻れないんですよね。
○政府参考人(富山聡君) 開放的な施設につきましては、その選別の要件の一つとして過去に逃走を企てたことがないということがございますので、当然のことながら、今回逃走した受刑者が再び受刑者として刑事施設に戻ってきたときには開放的施設に配属されることはあり得ません。
○山田宏君 そうですよね。 その辺はきちっと厳罰に処すということも一方で大事だと思いますけれども、先ほども法務大臣からお話がありましたように、再犯率が非常に低いという、そういった効果もあるように聞いておりますけれども、この開放的施設が果たしてきたそういった成果ということについて簡単に御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 先ほども申し上げましたとおり、この開放的施設といいますのは、一般社会となるべく近い環境をつくることで、その中で受刑者の自発性、自律性を涵養し、社会適応性を向上させる、そういった目的で運用しております。 受刑者はやがて社会に帰っていく存在ですので、できるだけ社会との敷居がない、シームレスに社会に戻っていける環境で刑事施設の処遇が行えるならば実は一番望ましいわけでございます。しかしながら、様々な犯罪性を有するものでございまして、職員の指導なども素直に聞かないといった者も多数おります。なかなか、一般社会と同じ環境でという処遇ができる者は数多くはございません。そういった中で、こういった処遇に適した者についてはできるだけその環境を実現しようということをやっておりまして、実際にそういった場所で働いている受刑者を視察させていただきますと、大変目も輝いていますし、本当に一生懸命取り組んでいる、そういうことがはた目で見ていてもうかがわれるといった状況がございます。 また、若干の数字を紹介させていただきますと、刑事施設から釈放された者、残念ながらまた刑事施設に戻ってきてしまう、再び受刑者として帰ってきてしまう者、かなりおります。私ども六年再入率と呼んでおりまして、ある年に釈放された受刑者が、その年を一年目としまして六年目の年末までに刑事施設に受刑者として戻ってしまう、そういったものを六年再入率と呼んでおります。もちろん年ごとに若干のばらつきはあるんですが、その六年再入率を直近十年間の分を平均いたしますと、刑事施設の全体では四二・八%という数字になっております。 一方、今回逃走がありました大井造船作業場で同じ数値を取りますと、約一〇%となっております。もちろん、初犯で行状の良い受刑者を選んでおります。しかしながら、そういった点を加味しても相当程度低い再入率になっているのではないかと考えているところでございます。
○山田宏君 今回こういった不幸な事案がありましたけれども、やはりこれまでのそういった積み重ねというものを踏まえながら、この施設の良さが生きるようにしていただきたいと願っております。 ちょうど松山と聞きますと、日露戦争の後、ロシアの捕虜を松山にかなり収容したんですね。だが、その捕虜も、塀の中に入れているんじゃなくて、みんな普通に町歩いているんですね。それで、もうとにかく捕まったら非常に松山の道後温泉で歓待をしてくれるというものですから、ロシア兵もそういう話が広まって、戦争中ももうすぐ降参で、松山と言って手を挙げて降参をしてくるというぐらい、そういった伝統もあるような地域だと私は認識をしております。 今後、こういったやっぱり意欲的な取組というものがブレーキが掛からないようにしながらも、きちっと国民にやはり受け入れられるように、今後の決意について最後に法務大臣にお聞きをして、今日はちょっと、刑事局長来ていただいておりますけれども、この問題については触れられませんでした。もう本当に申し訳ございませんでした。最後に法務大臣の御所見をお伺いして、終わりたいと思います。
○委員長(石川博崇君) 時間ですので、お答え、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) はい。 四月の八日の事故発生以来、次の日、四月九日でありますけれども、この松山刑務所大井造船作業場からの逃走事故、この案件のみならず、開放的施設ということで今御紹介しただけでも四件あるわけでございますので、これを契機といたしまして、開放的施設における保安警備や処遇の在り方につきまして検証、検討をする委員会を立ち上げたところでございます。 今回の逃走事故を含めまして検証、検討をしっかりと進め、また先ほど申し上げたとおり、地域の皆様からは、万が一逃走したとしてもすぐ捕らえることができるようにしてほしいということにつきましては強い要請を受けておりますので、そういった御意見もしっかりと踏まえまして、速やかに対策の策定及びその実施に当たりたいというふうに思っております。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 まず、裁判手続のIT化についてお尋ねをいたしますが、この質問は、三月二十二日の大臣所信の質疑の際と四月十日の裁判所職員定員法改正案の質疑に取り上げさせていただきました。 市民にとって利用しやすい裁判の実現のためという観点から、本人訴訟をサポートするシステム構築の必要性についてお尋ねをいたします。 三月三十日、裁判手続等のIT化検討会におきまして、「裁判手続等のIT化に向けた取りまとめ 「三つのe」の実現に向けて」が取りまとめられました。 この取りまとめでは、IT化に向けた課題として本人訴訟についてが挙げられておりまして、当事者間で利害の対立することが多い裁判事件の一方当事者に対する支援であることからすると、ちょっと長いんですけど、まずは、裁判上の代理人として関与する弁護士、司法書士等の法律専門士業者が代理権等の範囲内で、所属団体の対応枠組みを使うなどして、法的側面とともにIT面の支援を行っていくことが考えられると、こういうふうに記述されております。 しかしながら、平成二十八年の司法統計年報では、簡易裁判所におきましては、いわゆる簡易裁判所の民事訴訟ですね、七割が原告側と被告側の双方に弁護士が付かないいわゆる本人訴訟と、こういう状況になっておりまして、さらに、地方裁判所におきましては、約二割が原告側、被告側の双方に弁護士が付かない本人訴訟となっていると、こういうことでありまして、また、地方裁判所におきましては、地方裁判所の民事訴訟ですけれども、一方に代理人が選任されていない訴訟は四割を超えていると。この傾向を正面から受け止めた上で、IT化を含めたあるべき支援体制を検討する必要があると思われます。ほとんど聞いていたって分からないと思うんですけれども、済みません、ちょっと質問通告どおり読んでいますので。法律の素人にとりましては、この訴状の作成、大変な負担なんですね。 言いたいのは、要は、その弁護士が付かない本人訴訟、非常に多いということで、そうすると、このIT化によりまして、例えば、裁判所のサイトにアクセスすると、フォームを書くことによって、いわゆる、何ですか、当事者同士のいろんな訴訟手続が、これ何というか、かみ合ってくるというんですかね、そういったことをやれば負担軽減が大きく進むんじゃないかと、利用者側にとってですね。そういうことで、いわゆる弁護士とかの代理人を選任しないで追行される本人訴訟のサポート体制の実現、これがいわゆるこれからのe時代の、市民にとっての利用しやすい裁判を実現するための裁判手続のいわゆるIT化の中心的な課題ではないかと。 そういうふうに考えまして、国民の裁判を受ける権利の保障という観点から、是非、このIT化検討会ですか、このいわゆるIT化というのを更に進めていただきたいと思うんですけど、法務大臣のお考えをお尋ねいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 委員の御指摘がございました三月に取りまとめられました裁判手続等のIT化検討会、この報告書におきましても、特に本人訴訟につきましてのIT支援、サポートということについて、明確にその取組について指示をされているところでございます。実施主体、また内容等につきましては、様々な方策やアプローチが考えられるわけでございまして、それに付随しての課題もあるわけでございます。今後、必要な対策を総合的に検討していく必要があるというふうに考えております。 ウエブ上の利用システムや環境の在り方について委員御指摘がございましたけれども、今後、裁判所におきまして適切に検討されていくものと理解しておりますが、法務省といたしましても、IT面のサポートが全面IT化実現に不可欠であるということを踏まえまして、民事訴訟制度を始めとする司法制度を所管をしている立場でございますので、最高裁判所と適切に連携をしながら必要な協力を行ってまいりたいというふうに考えております。
○若松謙維君 そこで、今、全面IT化に向けてという大変力強い目標観は確認できました。 それで、四月十日の、先ほどの裁判所職員定員法改正案の質問の際の答弁として、今後の取りまとめの方向性として、いわゆる法務省から、フェーズ1からフェーズ3の順序でなかなか実現可能性が難しくなるといいますが、いろいろな検討が必要になるということでございまして、いずれにいたしましても、できるだけ早く法制審議会に諮問して、できることから試行していくというような位置付けという答弁がありました。 そのうち、フェーズ1なんですけれども、これは、法改正を要することなく現行法の下で、IT機器の整備や試行等の環境整備により実現可能となるものについて、速やかに実現を図っていくことが考えられると、さらに、実現のハードルが比較的低く、機器整備等が実現されれば、二〇一九年からも特定庁での試行による目に見える成果が期待されると、こういう答弁がありました。 法務省はできるだけこのことを早く法制審議会に諮問していただきまして、そういう姿勢ということでありますけれども、この特に取りまとめにおいて示されましたフェーズ1、これは早急に法務省、最高裁判所、日本弁護士連合会等の関係機関と協議を重ねて実現を図っていくべきではないかと考えますが、法務大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) まさに、内閣官房、この裁判手続等のIT化検討会、この報告書におきましては、民事裁判手続の全面IT化、これを目標とするということを目指しまして、実現段階に応じて三つのフェーズに分けまして、順次新たな運用を開始していくアプローチ、こうしたことを進めるべく指摘がなされたところでございます。 先ほど委員から御指摘がございましたフェーズ1から2のそれぞれのカテゴリーはどういうハードルがあるのかということでございまして、このフェーズ1で実現すべき内容、これは法改正を必要とするものではなく、現行法の下での実現可能なものであるということでございますので、この面につきましてもしっかりと取組を図っていく必要があろうかというふうに思います。ウエブ会議等のITツール、積極的に利用いたしましたより効果的な、また効率的な争点整理の試行、運用を開始し、その拡大、定着を図っていくということのプログラムも内容としているものでございます。 このフェーズ1につきましては、実現プロセスでありますが、機器整備等が実現されれば、二〇一九年度からにも特定庁での試行等によりまして目に見える成果が期待されるとしているところでございますので、現在、最高裁判所におきまして、この報告書の内容も含めまして必要な検討、準備を行っているものと承知をしているところでございます。 法務省といたしましても、最高裁判所と十分に連携をしながら、このフェーズ1の適切な実現に向けまして、必要な協力をしっかり図ってまいりたいというふうに思っております。
○若松謙維君 いずれにしても、法制審議会での議論が非常に重要になりますので、是非早く諮問していただきたいということを要求をして、次の質問に移りたいと思います。 まず、外国人労働者に対する法情報のインターネット公開についてお尋ねをいたします。 ちょうど昨年十月末現在でこの外国人労働者数は過去最高の約百二十八万人ということで、これを在留資格別に見ますと、留学生のアルバイトのいわゆる資格外活動ですね、いわゆるアルバイトです。あと技能実習生、それぞれ、昨年から二〇%を超える高い増加率ということで、全国の外国人労働者数を押し上げております。 今後も外国人労働者を含む在日外国人の数、これは増加の一途をたどると思いますので、今後、この外国人労働者の利便を図るためにも労働法関係の法律情報の提供は必須でありますが、外国の方でありますので、なかなか日本語で民事、刑事等の日本法を理解するのは難しいということでありますので、まず一点目は、法務省は、日本の法令ということを外国語に翻訳してホームページに公開する取組を行っていることでありますけれども、その概要ですか、経緯や、ちょっと、掲載している法令の概要、これについて、この前も聞きましたが、簡潔に答弁していただきたいということと、二つ目は、内閣府定住外国人施策推進室、ここで定住外国人施策ポータルサイトを開設しておりまして、様々な、何ですか、多言語の生活情報を掲載しているということなんですけれども、このサイトでは、例えば六法であります民法、刑法、こういう基本的な法律については記載されていないというふうに認識しております。かつ、その法律情報の発信でもやはり英語が中心ということでありまして、少なくとも日本にとって、中国とか韓国とか、またアジアの方々が大変多くなっておりますので、そういった外国語への翻訳ですか、IT活用も含めて是非インターネットで提供することが必要であると思いますけれども、是非その取組について法務省に見解を伺います。 それで、最後の質問ですけれども、特に現在、内閣府でいわゆる専門的・技術的分野における外国人材の受入れに関するタスクフォース、これが開催されておりまして、今、外国人技能実習を修了した外国人、更に最長で五年間の就労ができるということが検討されているところでありますけれども、これ非常に重要なポイントであると思います。 そういったことも含めて、是非このような、この日本の法律を多くの言語に翻訳してインターネット上に公開、周知させる必要があるのではないかと思いますけど、これは法務大臣にちょっと答弁のまとめとして、その前の質問は是非政府参考人からお願いいたします。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 委員御指摘の日本法令の外国語訳整備につきましては、平成十六年の司法制度改革推進本部決定におきまして、「グローバル化する世界で、我が国の法令が容易かつ正確に理解されることは極めて重要であり、我が国の法令の外国語訳を推進するための基盤整備を早急に進める必要がある。」とされたところでございまして、これを受けまして、平成十七年、法令外国語訳推進のための基盤整備に関する関係省庁連絡会議が設置され、同会議の下に設置された法令外国語訳・実施推進検討会議において、平成十八年三月に、翻訳において準拠すべき翻訳ルールとなる標準対訳辞書の充実や翻訳を利用しやすい環境整備としてホームページの設置等を必要とする取りまとめを行いました。同じ年に、関係省庁連絡会議としても、引き続き法令外国語訳推進のための基盤整備に取り組む旨の意思決定を行うとともに、そのために必要な継続的な体制を平成二十一年度以降は法務省に置く旨の決定を行ったところから、平成二十一年度以降、法務省において法令外国語訳整備に関する業務を取り扱うこととなったわけでございます。 具体的には、法務省では、平成二十一年度以降、法務省の管理いたします法令外国語訳データベースシステム専用ホームページにおける英訳法令の一元的な無料公開、また、各省庁が行う法令翻訳の指針となる法令用語日英標準対訳辞書の策定と、学者、弁護士等の専門会議体による充実、改訂、また、各省庁から提出される法令翻訳の原案につきまして、翻訳の品質を確保するための専門会議体や英語を母国語とする者による精査、検討、また、各省庁において法令翻訳を計画的に進めるために翻訳整備計画を策定するなど、法令外国語訳推進のための基盤整備に関する関係省庁連絡会議の開催等の取組を行っているところでございます。 その結果、法令外国語訳整備の現状といたしましては、本日時点で、民法、刑法、会社法を始めとする六百四十三の法令英訳を法務省の専用ホームページで公開しておりまして、世界八十六以上の国や地域から、本年三月中の利用実績といたしまして、一日当たり平均約七万九千件のアクセスがある状況でございます。 また、先ほど英語以外の外国語訳への翻訳を検討すべきではないかという御指摘がございました。先ほど来申し上げておりましたとおり、この法令の外国語訳は専ら英訳整備を進めております。この法令外国語訳整備の在り方につきましては、連絡会議の下に設置されました法令外国語訳・実施推進検討会議が平成十八年三月に取りまとめた内容といたしまして、「今日の国際社会において共通語としての地位を占めている英語への翻訳の整備は、急務というべきである。」と取りまとめられておりまして、以後、政府といたしましては、この関係省庁連絡会議において翻訳整備計画を策定するなどして必要な英訳法令の整備を進めてきたところでございます。 また、直近でも、平成二十八年五月の対日直接投資推進会議決定におきまして、「二〇二〇年度までに新たに五百以上の法令の外国語訳を公開することを目指す。」とされたことを受けまして、英訳法令の拡充に向けて、英訳法令を念頭に置いた翻訳整備計画の改定など、政府として必要な取組を進めているところでございます。 御指摘の英語以外の外国語への法令翻訳につきましては、そのニーズの程度や翻訳に要する費用対効果等の問題もございまして、まずはこの政府方針に従いまして、この英訳法令の整備充実を図ることが重要であると考えております。
○委員長(石川博崇君) お答え、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) はい。 まさに経済社会の国際化が進んでおります中におきまして、我が国の法制度が、社会における紛争の予防、また解決のための規範として有効に機能しておりまして、重要な日本法令の翻訳、さらにその国際的な発信は国際取引の円滑化に資するものであるとともに、日本で生活をする外国人の皆様への安心、安全を確保する支えともなる基盤というふうに言えまして、大変重要なことであるというふうに理解をしております。 国際化の進展、これ今後ますます進むわけでありますので、法令外国語訳整備の重要性につきましてはますます高まるものと見込まれるわけでございます。 法務省といたしましては、今法制部長が申したとおりでございますが、今後におきましても、まず重要性の高い日本法令の英訳整備にしっかりと当たりつつ、この発信についても十分に発信し、また関係府省とともに絶えず連携を取りながらこの基盤整備のための取組に全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○若松謙維君 終わります。ありがとうございました。
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井でございます。法務委員会の所属初めてなので、正直言って今日何を質問したらいいかよく分からなくて、一般的な質問を少しさせていただきたいと、そう思います。 法曹養成に関してお伺いしたいと思っているんですが、私の知り合いの弁護士さんから、もう今や弁護士さんはワーキングプアなんだと、そういう話をされているんですが、実際若い人たちの就職率やそれから平均年収等、大体概算で結構でございますので、分かれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 若い弁護士の就職率、それから平均年収についてのお尋ねがございました。 まず、若手弁護士の弁護士としての活動形態、これは、弁護士事務所に籍を置く者、あるいは企業に就職する者、また少人数で共同事務所を構える者、また単独で事務所を構える者など多様でありますほか、そのような形態で活動を始める時期も人により異なりまして、また弁護士自身の希望する弁護士としての活動の在り方も様々でございます。 その上で、就職率につきましては、これが就職率という委員の御指摘の関心事項に直接答えている数字かどうかは分かりませんけれども、日本弁護士連合会の調べによりますと、平成二十八年十二月に司法修習を終えながら、修習終了後六か月を経過した時点で裁判官、検察官に任官せず、かつ弁護士登録をしていない弁護士未登録者数は三十九名でございまして、修習終了者全体の二・二%に当たります。ただ、この数字はここ数年で減少傾向にあるということでございます。 あと、平均的な収入でございますが、これ、法務省が平成二十八年に弁護士を対象に実施したアンケート調査の結果によりますと、登録一年目から五年目までの弁護士の平均収入で申し上げますが、一年目の弁護士が五百六十八万円、二年目の弁護士が七百六十二万円、三年目の弁護士が九百四万円、四年目の弁護士が千百三十九万円、五年目の弁護士が千三百六十万円となっております。
○櫻井充君 何か今の答弁で、私ちょっとだまされていたことがよく分かりました。いや、というのは、ワーキングプアと言われていたので、もっともっと給料が安いのかと思っていました。我々、研修終わってもそんな、医者も研修が終わってから決してそれほど給料がいいわけではないので、別にワーキングプアではないんじゃないのかなと、今、今の数字がそうであれば、そう思いました。 もう一つ、財務副大臣務めさせていただいたときに、法曹養成のことについて関わった際に、これから訴訟だけをやる弁護士さんを育成するのではなくて、海外進出する際に、中小企業の社長さんたちと話をすると、一つ困っているのが語学だと、もう一つ何かというと、相手国の法律がよく分からないと、そういうことをアドバイスするような弁護士さんたちをもっともっと増やしていかなきゃいけないんじゃないかということで、あの当時、経済産業省にも入っていただいて、フォーラムをずっと継続してまいりました。 現状、先ほど企業にというお話がありましたが、海外に進出する際に弁護士さんが関与している、そういう弁護士さんというのは一体どのぐらいの割合がいるのか、分かれば御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 社会経済のグローバル化の進展とともに日本企業の海外展開も増え、これを支援するための国際分野に精通した弁護士によるリーガルサービスのニーズは量的にも増加し、質的にも高度化しているものと認識しております。 このような中、既に国際分野に精通した弁護士や弁護士法人、この具体的な海外進出に際しての関与の程度あるいは頻度といったものをお答えすることはなかなか難しいわけでございますけれども、この分野に精通した弁護士が国内、国外においてもう既にその専門性を発揮したリーガルサービスの提供に鋭意取り組んでいるものと承知しております。 なお、参考となる数字といたしましては、企業内弁護士の数は、平成十八年には百四十六人でありましたところ、平成二十九年には千九百三十一人まで増加しており、こうした企業内弁護士は、その属する企業が海外進出を検討あるいは実施するに際しまして法的助言等の必要な関与を行っているものと考えられます。 また、日本弁護士連合会は、平成二十四年から、海外への事業展開を検討、実施する中小企業に対しまして渉外業務実績のある弁護士を紹介する取組を行っておりますところ、平成三十年五月一日時点におきまして約二百四十名の弁護士が支援弁護士として登録しているほか、これまでの相談実施件数は累計で約三百件であるというふうに承知しております。
○櫻井充君 ここの分野すごく大事だと思っていて、今説明のあったとおりなんです。グローバル化というか、国内の人口が減っていく中でいうと、企業が海外進出していかないと企業として生き残っていくことができないので、積極的に海外進出を支援するような政策というのが大事なことだと思っているんです。 もう一点申し上げると、弁護士さんの数が急激に増えてまいりました、法科大学院ができてからですね。そうすると、需要と供給の関係上どうなっているのかというのは、これすごく大事なことなんだと思うんです。その法曹の養成課程の中で国費を使って、また制度が変わって国費を使うことになりましたが、そうなってくると、例えば医者の場合には需要と供給の関係をきちんと担保されていて、厚生労働省がその任を負ってきています。 法務省は、そのような需要や供給の関係というのはきちんと把握されているのでしょうか。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 委員御指摘の需要と供給ということでございますが、適正な法曹人口の在り方につきましては、これ様々な意見があると承知しておりますが、政府の法曹養成制度改革推進会議決定、これ平成二十七年六月に取りまとめられたものでございますが、法曹人口の在り方について、新たな法曹を年間一千五百人程度は輩出できるよう必要な取組を進め、さらには、これにとどまることなく、社会の法的需要に応えるため、より多くの質の高い法曹が輩出される状況を目指すべきとされております。 法務省といたしましては、この推進会議決定を踏まえまして、関係機関、団体の協力を得ながら、裁判事件数の推移、また国の機関や地方公共団体に在籍する弁護士数の推移、また企業内弁護士数の推移など、法曹人口の在り方に関する必要なデータ集積を継続して行っているところでございます。 また、現在、文部科学省において法科大学院改革が進められていると承知しておりまして、法務省といたしましては、今後、必要なデータの一定の集積、あるいは法科大学院改革の成果等を踏まえた上で、高い質を有し、かつ国民の法的需要に十分応えることのできる法曹の輩出規模について必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○櫻井充君 是非そこの需要と供給のところをきちんとチェックしていただきたいと思っているんです。 それはなぜかというと、アメリカのように弁護士さんの数が増えて訴訟社会になっていくと何が起こるかというと、企業対企業の争いの次にターゲットになっているのは実は医療の現場です。アメリカの医療費が高いのは、民間の保険会社が主導してやっていること、これがまず一つ目ですが、次に大きい理由は何かというと、訴訟の件数がめちゃくちゃ多いからです。日本の医療というのは、実は相当低額でやれてきているのは、公的皆保険制度があることと、それから訴訟がこれまでそれほど行われてきていなかったということがあるので、アメリカのような訴訟社会になること自体が僕は余りプラスではないんじゃないかなと、そう思っているので、そこら辺の需要と供給のところをきちんと見ていただきたいと、これは要望しておきます。 その上で、今法科大学院の話がありました。法科大学院をやめてきているようなところがもう出てきていることと、それからもう一つ、法科大学院に通っている方々の中では奨学金を借り入れている方も随分いらっしゃいます。そうだとすると、この法科大学院そのものの在り方が本当に適切なのかどうか、私はむしろ、法曹養成に関して昔のようなシステムの人たちを増やしていってもいいんじゃないのかなと、そう思っているんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 司法試験の受験資格ということを取ってみますと、法科大学院の課程を修了した者及び予備試験に合格した者に与えられることとしていることでございます。 法科大学院を中核とする現行の法曹養成制度、これにつきましては、法科大学院等における経済的、時間的負担、また法曹有資格者の活動の場の広がり、これが制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなっているといった要因等によりまして法曹志望者の大幅な減少を招来するなど、多くの課題が指摘されております。 そこで、平成二十七年六月、政府の法曹養成制度改革推進会議決定におきまして、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度の理念は堅持しつつ、質、量共に豊かな法曹を多数輩出していくために、平成三十年度までを法科大学院集中改革期間といたしまして、文部科学省を中心に法科大学院の抜本的な組織見直し、また教育の質の向上などの必要な取組を進めるとされたほか、法務省におきましても、法曹有資格者の活動領域の拡大等の必要な取組を進めるとされたところでございます。 法務省といたしましては、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度の現在の直面している課題、これを克服するために、まずはこれらの推進会議決定に掲げられました取組につきまして、文科省とも連携をし、しっかりと進めることが重要であると考えておりまして、引き続きその取組に邁進してまいりたいと思っております。
○櫻井充君 素朴な疑問ですが、法科大学院ができる前の弁護士さんたちのレベルって低いんですか。つまり、先ほど質の向上という話がありましたが、私はそれまでの弁護士さんたちのレベルが決して低いとは思っていないので、そうだとすると、わざわざ法科大学院をつくって、相当多額のお金を出して卒業しなければ弁護士になれないという、そこの資格要件が私はおかしいんじゃないかと、そう感じているんですが、大臣はどうでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 法曹養成制度につきましては、様々な分野で活躍をする非常に大事な人材でございます。その意味で、この改革の目標に掲げるということにつきましても、このプロセスとしての法曹養成制度の基本的な考え方、これは堅持しながらも、質、量共にしっかりと豊かな、そして時代に合った形で、さらにその先をしっかりと見据えた人材養成をしていく、そういう意味で質に伴う様々な試験科目の改革でありますとか、そういうことも含めまして申し上げたところでございます。 いずれにしても、高いレベルで倫理観を持った法曹養成をしっかりとしていくということはこれからの国際的な課題に対応していくためにも非常に重要というふうに考えておりますので、その点についてはしっかりと対応してまいりたいと思っております。
○櫻井充君 そこでそういうことを学ばれるということは大事なことだということは認識しています。 ただ一方で、その法科大学院を卒業しても弁護士さんになれる人というのは相当割合低いわけですよ。そうすると、繰り返しになりますが、大学院にまで通って、お金相当額支払って、それで弁護士さんになりたいと思ってもなれなかったということになってくると、これ、考え方によっては、学生さんたち、それからその負担している親にとっては僕は大変重いんじゃないだろうかと。むしろ、なかなかその大学改革が進んでいかないのは、学校法人が利益を出したいからこういう経営をやってきているだけの話のような気がしてならないので、改めて検討していただきたいということだけお願い申し上げたいと思います。 それからもう一つ、今日は成年後見人制度についてお尋ねしたいと思いますが、その成年後見人制度ってネットで引いてみると何が出てくるかというと、ほとんど横領の話が出てくるんです。そうすると、これから超高齢社会を迎えるに当たって成年後見人制度ってすごく大事な制度になるんだと思っていますが、今利用している方々の件数と、それから、これを利用、成年後見人制度にお願いしたんだけれど結局横領されてしまっていると、その件数とそれから平均的な額を教えていただけますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。 まず、利用者数でございますが、平成二十九年十二月末日時点での利用者数は、後見、保佐、補助、任意後見の類型の利用者数の合計でございますが、二十一万二百九十人となっております。それから、この一年間に成年後見人等の不正について対応を終えたとして全国の家庭裁判所から最高裁判所が報告を受けた不正の件数は二百九十四件、被害総額は約十四億四千万円となっておりまして、不正事案一件当たりの平均被害額は約四百九十万円でございます。
○櫻井充君 ありがとうございます。 いろんな方々が成年後見人という立場になられているんですが、まず、こういう調査をされているのかどうかお伺いしておきたいのは、どういうタイプの方が横領している割合が多いのか、そこら辺の分析というのはなされているんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。 最高裁判所が報告を受けた不正件数、被害総額のいずれにつきましても、親族などの専門的知識を有しない後見人による不正が全体の九割以上を占めておりまして、その原因としましては、後見人としての責任あるいは義務、こういったものに関する理解不足、知識不足といった点があるんではないかというふうに考えております。
○櫻井充君 ちょっと時間が来たので指摘だけしておきたいと思いますが、今のようなことを、僕はちょっと分析が違うと思っています。それはなぜかというと、分母が違うからです。どういう分母かというと、親族の方々がどれだけ成年後見人として登録されているのか、そしてそこの分母に対して何件あるのかということにしていかないと、その専門家であるという方々の件数がどのぐらいで、そしてその人たちの割合がどのぐらいなのかという分析をしないと、元々その親族の方々の方がはるかに多ければ、それは多くなるのは当たり前の話です。 だから、今のところの僕はちょっと分析が違うと思っていて、もう今日は時間で終わりますが、後で是非数字を出していただきたいのは、その一般の方々の割合がどのぐらいで、数がどのぐらいで、その中でその不正事案がどのぐらいあったのか、その数字を出していただきたいと、そのことをちょっと理事会に提出していただきたいということをお願いして、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(石川博崇君) ただいまの件は、後刻理事会において協議いたします。
○有田芳生君 立憲民主党・民友会の有田芳生です。 今日は、入国管理行政についてお聞きをします。 茨城県牛久に東日本入国管理センターがありますが、昨日、四十代のブラジル人が自殺を図りました。この事実経過についてまずお聞きします。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 個別事案の詳細につきましてはプライバシーの保護の観点から差し控えさせていただきますが、御指摘のとおり、昨日、東日本入国管理センターにおきまして自傷事案がございまして、その認知後、直ちに救急車の出動を要請して病院に搬送しておりまして、適切に対処したと承知しております。
○有田芳生君 そういう事実を、周りの収容者たちは、もう限界だ、助けてほしいと、そういう肉声が届いております。 皆さん方は、そういう自殺未遂の事案について、なぜそういうことが起きたのかという分析されているんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 これまでに自殺未遂あるいは自殺の案件が何件か東日本センター等で起こっているところでございます。 こうした案件につきましては、そのたびごとに我々の方で調査を行い、その具体的な原因が何であるのかというようなことについて調べているところでございます。
○有田芳生君 昨日のブラジル人はどのぐらい収容されていたんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) 個別の方の特定に関わることに関しましては、お答えを差し控えさせていただきます。
○有田芳生君 そんなこと、何で明らかにしないんですか。何でそういうことを秘密にするんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 死亡事案等、死亡の結果等が発生した事案につきましては後ほどに公表等をするということでございますけれども、本件に関しましては、死亡等の結果が発生しておりませんし、今後公表するかどうか、どこまでどういうような形で発表するかどうかについて検討させていただきたいというふうに思っております。
○有田芳生君 八か月じゃないですか。何でそんなことが、基本的な事実を明らかにしないんですか。 昨日、自殺未遂があった。その一月前、三十二歳のインド人が自殺しましたね。
○政府参考人(和田雅樹君) 御指摘のとおりでございまして、四月十三日に東日本入国管理センターでインド人の被収容者の方の自殺事件が起こっております。
○有田芳生君 収容期間はどのぐらいでしたか。
○政府参考人(和田雅樹君) 九か月でございます。
○有田芳生君 亡くなったら収容期間を明らかにして、自殺未遂だったら明らかにしない、おかしいじゃないですか。 平成十九年以降、自殺者は何人いますか。
○政府参考人(和田雅樹君) 五名でございます。
○有田芳生君 どういう理由で自殺したと分析されていますか。
○政府参考人(和田雅樹君) それぞれの事案ごとにその都度調査を行っておりますけれども、自殺といいますのは様々な要因が複合的に影響し合って発生するものでございまして、なかなかその当時の状況から具体的な原因を特定するのは困難であろうかというふうに考えております。
○有田芳生君 困難であったって検討、分析するのがお仕事じゃないんですか。 自殺が出ました、自殺が出ました、五人です。数の問題じゃないじゃないですか。一人一人の人生が懸かっているんだから、その分析するのは当たり前でしょう。 長期収容と自殺の因果関係というのは分析されたことがありますか。
○政府参考人(和田雅樹君) 収容期間と自殺の関係につきましても調査の中で検討しておるところでございまして、なかなか自殺に至った経緯につきましては一概に言えませんが、平成十九年以降に自殺された五人の方の個々の収容期間、様々でございまして、短い方もいらっしゃれば長い方もいらっしゃるということで、必ずしも長期収容と自殺との因果関係は認められないのではないかと考えているところでございます。
○有田芳生君 収容されるときに、その期間については当然説明できないわけですよね。実際、どれだけ収容されるか分からない。一か月、二か月、三か月、四か月、多い人は二年、三年収容されていると聞いていますけれども、長い人はどのぐらい収容されているんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 東日本入国管理センターの昨年末の統計で申し上げますと、三年以上収容されている方が三名、二年半以上三年未満の方が八名、二年以上二年半未満の方が十八名、一年半以上二年未満の方が五十九名、一年以上一年半未満の方が八十三名ということになっております。
○有田芳生君 収容者の立場に立てば、どれだけ収容されるか分からない、全く分からない、それが精神的に最も追い込まれる理由だと収容されている方々多くおっしゃっている。そういう声は聞いていらっしゃいますか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 収容者の方からの様々な御意見はお伺いしているところでございます。
○有田芳生君 聞いている内容を聞いているんです。
○政府参考人(和田雅樹君) 長期収容に対する不満でありますとか仮放免してほしいというような要望でありますとか、そういうようなことを聞いております。
○有田芳生君 昨日自殺を図った方は八か月、先月自殺された方は九か月。その人たちの思いというのは日常的に聞いていらしたんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 収容に当たりまして様々苦情等がございましたら、それを聞いているところでございます。
○有田芳生君 先月自殺された方の事案をきっかけにハンガーストライキが起きましたよね。その方々は何でハンガーストライキをやったのか、その声は聞かれましたか。
○政府参考人(和田雅樹君) ハンガーストライキを起こした理由等については伺っております。例えば、自殺された方の冥福を祈るといいますか、喪に服するためにハンガーストライキを行ったなどの声も聞いておるところでございます。
○有田芳生君 昨日は自殺未遂、シャワー室。そして、先月自殺、シャワー室。防止対策を取っていなかったんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) シャワー室等につきましては、プライバシーの観点から、その構造上、なかなか見にくいところはあろうかと思いますけれども、この点につきましては今後どのようにするか検討してまいりたいというふうに思っております。
○有田芳生君 長期収容が大きな問題だと思いますけれども、仮放免制度の柔軟な運用というのはこれから検討されることはありませんか。例えば、ある収容者は、奥様が手術をしたい、で、子供さんがいらっしゃる、だから、その間だけでも出してもらえないかということだったんだけれども駄目だった、したがって手術を奥様は延期せざるを得ないという、そういった事案一つ一つ検討されていくことが必要だと思うんですけれども、そういう柔軟な対応というのは検討していただけないでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 収容されている方は退去強制令書が発付されている方でございまして、そのほとんどが本来自らの意思で帰国するということを選択されておるわけでございますが、近年、我が国での稼働でありますとか定住を意図して送還されることを拒否される被収容者の方が相当数存在し、収容期間が長期化しているという現状がございます。 退去強制手続を経て退去強制令書が発付されているわけでございますから、あくまでも我が国から送還することによって収容状態を終息させるべきであると考えておりますが、その上で、健康上の問題で治療が必要な場合、あるいは難民認定申請、行政訴訟の提起、旅券の取得が困難であるなどの事情を有するために速やかな送還見込みが立たないような場合には、人道上の観点から、仮放免制度を弾力的に運用することにより、収容の長期化をできるだけ避けるように柔軟に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○有田芳生君 その言葉を実際に実施していただきたいんですよね。特に入管行政というのは、前例を踏襲するというよりも、皆さん方、一生懸命お仕事されているんだけれども、前例を踏襲どころか墨守している傾向があるというふうにどうしても見えてしまう。 そういう観点から、次に医療問題についてお聞きをしたいと思います。 この五年間で収容者の中から死亡者というのは何人出ていますでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 平成十九年以降でよろしゅうございますでしょうか。
○有田芳生君 平成二十五年。この五年間。
○政府参考人(和田雅樹君) この五年間でございますか。十九年以降で十三名の方という統計で……(発言する者あり)六名でございます。
○有田芳生君 五名ですね、病気で亡くなった方。まあいいです、五名だと私は認識しております。病気で亡くなった方、五名ですよね。 それで、具体的に、昨年の三月二十五日に四十七歳のベトナム人がくも膜下出血で亡くなっておりますけれども、八日前から苦痛を訴えていた。それに対してどのような対応を取られましたか。法務省、昨年の十一月に報告書を出していらっしゃいますから明らかだと思いますけれども、その経過を簡単に御説明いただきます。
○政府参考人(和田雅樹君) 数日前から痛み等を訴えられるようなことはございましたが、その間、経過観察等をいたしましたり、亡くなられる何日前からのことでございましょう。
○委員長(石川博崇君) 直接やり取りはお控えください。
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ありません。 経過でございますが、三月の二十五日に死亡が確認された事案でございますが、三月の十八日頃から痛みを訴えられて、職員がこの人に様々、話を聞いたり休養室に移したり、あるいはアイスノンを貸与するなどのことを行っております。また、三月二十一日にも、診療室で電話通訳を介しまして非常勤医師の診療を受けまして、薬等を処方しているところでございます。また、三月二十三日の夜に痛みを訴えまして、休養室に移動しております。その後、経過、容体観察をして、一旦容体が落ち着きましたので単独室に戻したところ、再び容体が変化したということでございまして、その後、反応がなくなり、死亡が確認されたという経緯でございます。
○有田芳生君 要するに、八日前から苦痛を訴えているんだけれども、ちゃんとした治療をできていないんですよ。 もう一つ、具体的に伺います。 平成二十六年三月三十日、四十三歳のカメルーンの男性が東日本入国管理センターで亡くなっております。法務省は病死と言っていますけれども、どういう病気なんですか。ほかは、くも膜下出血だとか肺炎だとか、ずうっと原因が書かれているんだけれども、このカメルーンの男性は病死。どういう病気だったんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 死因でございますが、いろいろなものが複合して合併しておりまして、申し上げますと、高カリウム血症による急性不整脈死、急性腎不全、急性肺水腫、糖尿病性高浸透圧性昏睡、冠攣縮性狭心症による虚血性心疾患、急性不整脈死のいずれか又は合併による急死事案というふうに判断されたものと承知しております。
○有田芳生君 四十代、今、糖尿病をおっしゃいましたけれども、厚労省に伺いますけれども、四十代で糖尿病で亡くなる人というのは日本全体で今どのぐらいあるんですか。
○政府参考人(酒光一章君) お答えいたします。 厚生労働省で、人口動態統計というので死因別の死亡者数を取っております。これの二〇一六年の数字を見ますと、糖尿病が原因でお亡くなりになられた方になりますけれども、全国で一万三千四百八十人、四十歳から四十四歳で見ると九十六人、四十五歳から四十九歳で見ると百五十一人でございます。割合で見ますと、人口十万人当たりで見ますと、全国では一〇・八人、四十歳から四十四歳ですと一・〇人、四十五から四十九歳で見ますと一・七人と、こういうことになっております。
○有田芳生君 だから、極めてまれな状況。だから大臣に伺いたいんですけれども、入国管理局の各施設でやっぱり医療体制が余りにも貧弱過ぎると思うんですよね。 局長、伺いたいんですけれども、入国管理体制の中で、今、医療というのはどういう実態があるんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) 医療体制でございますが、東日本入国管理センターでは常勤医師が一名配置されております。そのほか、近隣の医療機関等との契約による非常勤医師とともに平日日中の庁内診療を実施しているところでございます。 また、大村入国管理センター及び東京、名古屋、大阪、横浜の各地方入国管理官署では、近隣の医療機関との契約により、非常勤の医師が定期的に平日日中の庁内診療を行っております。 さらに、両センター及び東京、名古屋及び大阪の各地方入国管理局では、看護師が常勤で勤務しているほか、横浜支局では、平日日中、非常勤の看護師二名が交代で勤務しているという状況でございます。
○有田芳生君 要するに、医療体制が貧困なんですよ。だから、訴えがあったら外に、外の病院に行かなければいけない。だけれども、申し入れたってすぐに連れていってくれないという苦情が収容者たちには多いんですよね。あるいは、外の病院に行くときに手錠をして腰縄を付ける。これはちょっとやり過ぎじゃないか、動物扱いしているんじゃないか、犯罪人扱いしているんじゃないか、重犯罪人扱いしているんじゃないかという声がある。 病院に行くのに手錠、腰縄というのは必要なんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 保安上の理由から、外部医療機関への連行時には原則戒具を使用しているところでございますが、被収容者の症状でありますとか状況等によっては戒具を使用しないということもございます。 また、連行時に戒具を使用する場合には、手錠には手錠カバーを施し、手錠が人目に触れさせないようにするほか、病院施設内の動線をできる限り一般の方との接触を避けるなどの配慮をしているところでございます。
○有田芳生君 妊婦さんとか女性の場合は手錠、腰縄はしないわけですよね。だから、男性についても、やはりその人を見て具体的に人権的な配慮をしていただきたいというふうに思うんですよ。やはり、入管行政というのは国際人権基準に基づいてこれまでも批判をされてきたんだけれども、そういうことのないような改善を是非行っていただきたいということ。 そして、大臣に、やはり医療の体制をもっと充実させることが必要だと思う。その予算化というのを今後検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 収容していらっしゃる方々の心身の状態につきまして、適切に医療的な対応策を施すことは大変重要なことでありまして、そのための体制についても十分なる体制ができるように日々努めているところでございますけれども、まだまだということでございまして、委員御指摘のように必要な人的、物的体制の整備、これにつきましては努力をしてまいりたいというふうに思っております。 とりわけ、常勤の医師の確保、これにつきましては大変苦慮している状況でございます。その分、その常勤の医師の代わりとして近隣の医療機関から派遣をしていただきまして、交代で日々来診をしていただいているという状況でございます。また、先ほど来、常勤の看護師、そして入国警備官におきましても准看の資格を取る等、いろんな形でトータルの体制整備についても努力しているところでございますが、いずれにしても、心身の健康な状態を保っていくというのは、これは大変重要なことであるということでございますので、委員御指摘のように、十分なる体制ができるように最善の努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○有田芳生君 北朝鮮の漂着船が日本海側に昨年秋、特にいっぱいやってきましたけれども、北海道の松前に上陸した事案について警察に、結論だけ、どういうことだったのか教えてください。
○委員長(石川博崇君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(小島裕史君) お尋ねの件でございますけれども、昨年、平成二十九年十一月二十八日、北海道警察のヘリが上空をパトロール中に松前小島にて木造船が漂着していることを発見し、その際、発見された当該木造船の船長ら乗組員につきまして、十二月九日、船長ら三名を窃盗罪で逮捕するなど、入国管理局等の関係機関と連携して処分、対応を実施したというものでございます。
○有田芳生君 そのときの一人が結核であるということが明らかになって、入国警備官が、延べ百人を超えたんでしょうか、その病院の病室の前で逃亡することがないように二十四時間きちんと見ていたと。そういう地道なお仕事も入国警備官やっていらっしゃるということをもっともっと知られていいんだと。 改善しなければいけないことは多いんだけれども、そういう地道な努力をなさっているということも是非多くの方に知っていただきたいということをお伝えしまして、質問を終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 今日は、政府が検討している更なる外国人労働力、労働者受入れについてお尋ねをしたいと思います。 報道では、皆さんには朝日新聞の四月十八日付けをお配りしましたが、「技能実習後も五年就労」、あるいは「技能実習を経験していなくても、実習修了者と同水準の技能を身につけている人らにも道を開く。」と、こういう報道がされているわけです。これは二月二十日の経済財政諮問会議における総理指示に基づくものだとお伺いをいたしました。 二枚目に法務省提出の資料をお配りをしていますが、まずお尋ねをしたいのは、この総理指示というのがどのようなものか、そして、現在の技能実習制度に指摘をされている低賃金や劣悪な労働環境について、政府としてどういう検証を行った上でこの総理指示に至ったのか、ここをまず御説明いただけますか。
○政府参考人(大島一博君) お答えいたします。 我が国の有効求人倍率は四十三年ぶりの高い水準になりまして、分野によっては深刻な人手不足が生じています。こうした中、この五年間で我が国の雇用者数は三百万人程度増加しておりまして、うち二割の六十万人が外国人です。しかし、その内訳を見ますと、就労目的の在留資格でない留学生のアルバイトなどの資格外活動、そして技能実習生が半分以上を占めている状況にあります。こうしたことを踏まえ、内閣府として外国人労働力を経済財政諮問会議の議題として取り上げることと至っております。 その議題を取り上げました二月二十日の経済財政諮問会議におきましては、我が国の外国人人材の受入れにつきまして、民間議員から、真に必要な分野に限った新しい制度について政府として真剣に考える時期に来ているですとか、技能労働者に対する現在の入国管理の制度が適切かどうか再検討する時期に来ているといった議論がありました。 こうした議論を踏まえて、会議の最後に総理から、専門的、技術的な外国人受入れの制度の在り方について早急に検討を進める必要があると御発言があったものでございます。
○仁比聡平君 深刻な人手不足状況というのは、それはそうなんだろうと思うわけですけれども、その下で、今年の夏に方向性を示すためと、この時期の目途が法務省の資料にも出ていますが、これは骨太方針に反映させるというような、こういう目標で行っているわけですか。
○政府参考人(大島一博君) 総理の御発言の中では、制度改正の具体的な検討を進め、今年の夏に方向性を示したいと考えているとございます。骨太方針は例年六月頃に策定をしていまして、状況次第ということで考えております。
○仁比聡平君 という極めて性急な指示がされ、この資料に以降開かれているタスクフォースの開催状況がありますけれども、矢継ぎ早に九回という回数を重ねているわけなんですが。 先ほど御答弁の中に、民間議員から現在の制度が適切かどうかという発言があったということですが、改めて確認をしますけれども、これまでの技能実習制度が抱えている人権侵害あるいは劣悪な労働環境、その下で極めて深刻な失踪というような状況がこの委員会でも度々繰り返し問題になってきましたが、この検証というのは、この総理指示の前に、総理指示が行われるまでにこれ検討されたんですか。
○政府参考人(大島一博君) 諮問会議におきましてはないと承知しております。
○仁比聡平君 重大な問題だと思うんですよ。重大な人権侵害があり、失踪状況は、皆さん、平成二十九年で七千人を超えるんですよ。そこにまともな検証もなく、とにかく人手不足だから入れろ入れろと、それは乱暴でしょう。 この設置目的のところにあるように、一定の専門性、技能を有する外国人材の受入れを進めるという観点が示されていますが、これ法務省にお尋ねしますけれども、これ、一定の専門性、技能というのは、この報道などでも指摘をされていますけれども、技能実習の修了だとか、あるいはそれと同水準の技能ということとこれ無関係なんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 外国人材の受入れにつきまして御指摘のような報道がなされているということは承知しておりますが、現在議論を行っておりますタスクフォースにおきまして、受入れ対象者に求める専門性や技能の程度など様々な検討が行われているところでございます。具体的な受入れ対象者については検討中でございますが、技能実習を修了した者を対象とすることの適否も含めて検討を行っているところでございます。
○仁比聡平君 適否も含めて検討を行っていると。つまり、技能実習修了生ということが、あるいはそれと同水準ということがテーブルに上っているわけでしょう。ワン・オブ・ゼムというお言葉も担当者から昨夜伺いましたけれども、局長、そういうことですね。
○政府参考人(和田雅樹君) 検討の対象には上っております。
○仁比聡平君 大臣、おかしいと思いませんか。 大臣、二月十五日の御答弁で、外国人労働者の受入れは技能実習制度とは別に議論をされるべきものであるというふうに、これまでも繰り返してこられた建前を御答弁されているんですが、けれども、実際、人手不足で苦しんでいる中小企業関係とか、あるいは後ほど議論したいと思いますが建設や農業、介護、こうしたところでは、とにかく人手不足状態に対する、これを解消するための労働力確保策としてこれを求められている、それが実際と。実際、これまで建設分野で技能実習の修了者、これを二〇二〇年のオリンピック、パラリンピックなどの建設需要に対応するための特定活動ということで受け入れてきたという現実もあるわけなんですね。 技能実習で技能を獲得しているとか、せっかく育てた戦力だというような言葉も飛び交っているわけですけれども、これ、技能実習を含めてこういうタスクフォースで具体化をしようと、夏までには結論を出そうと言いながら、これ検証しないと、これまでの技能実習制度が抱えている重大問題について。これ、おかしいと思いませんか。
○国務大臣(上川陽子君) 技能実習生の問題につきましては、失踪者数、これが増加傾向にあるということでございまして、法務省としてもこうした事態を重く受け止めているところでございます。 昨年、新しい新制度が施行されまして、送り出し国との政府間の取決めによりまして、手数料等を不当に徴収する送り出し機関を排除することとしております。また、いわゆる技能実習法におきましては、監理団体の許可制や技能実習計画の認定制によりまして団体や事業者を直接規制することができる枠組みを構築しているほか、人権侵害の禁止規定や罰則、相談受付体制の整備等を規定しておりまして、これらにより制度の適正化を図り、失踪の防止に努めていかなければならないというふうに考えております。 今回のタスクフォースにおきましては、現在生じている深刻な人手不足に対応するため、専門的、技術的分野における外国人受入れ制度の在り方につきまして制度改正の具体的な検討を早急に進めるということでございまして、先ほど来の答弁がございましたとおり、本年の夏に基本的な方向性につきまして結論を得るべく、現在、関係省庁とともに議論を行っているところでございます。 今回のタスクフォースでの新たな外国人材の受入れの検討に当たりましては、当然のことながら、技能実習制度において課題とされている失踪の発生等に係る防止策を講ずる必要があるというふうにも考えているところでございます。タスクフォースにおきましては、受け入れる外国人材の保護のため、外国人材から保証金を徴収する等の悪質な仲介業者等の介在を防止するための方策につきまして議論されているほか、外国人材の円滑な受入れと活動を可能とするための適切な在留管理、また支援体制を構築することなどが議論されていると承知をしております。 今回の新しい受入れ制度におきましては、技能実習制度において課題とされた失踪あるいは人権侵害、こうしたことが生じないよう、しっかりとした対応策につきまして講じてまいる所存でございます。
○仁比聡平君 ちょっとびっくりする御答弁なんですね。 今大臣がお話になったような適正化の取組、この御指摘になったような要素は、これまでずうっと議論されてきましたよ。実際、技能実習機構をつくるという法改正も行われて、実際に動き始めているでしょう。ところが、その下で現実に異様な急増をしているというのが技能実習生の失踪者じゃありませんか。 先ほど重く認識しているというような御趣旨ありましたけれども、ちょっとそれなら数字確認しますけど、失踪者は平成二十四年、ここでも大変でしたけど二千五人ですよ。ところが、昨年、平成二十九年は七千八十九人ですよ。これ、増え方が異常でしょう。しかも、七千人を超えるという失踪者って、これ、数が膨大でしょう。この中で、失踪した技能実習生がなぜ失踪したのかと、これ網羅的とは私思いませんけれども、法務省が退去強制手続において聞き取りをしたという調査がありますけれども、これ、契約賃金以下、あるいは最低賃金以下、指導が厳しい、帰国を強制されたとか暴行を受けた、こういうような実態が現実に起こっているわけですよね。 これを正そうと、それはもちろんしてきましたよ。ところが、現実には失踪者が急増しているという下で、今年の夏までにですよ、これを生じないような防止策を図るって、それ本当にそんなことできるんですか。ちょっと私は信じられないんだけれども。 ちょっと個別伺いますが、三枚目の資料に、お分かりのように、この失踪者がぬきんでて多いのが農業の関係千二百七人、それから建設関係二千五百八十二人です。これらの分野では、人手不足だからということで、先ほど御紹介をしたように、受入れを拡大しようという政策が次々と行われてきました。その下で、こういう失踪ということに象徴される事態が起こっている。これをどう認識して、これ取り組んでいくというのか。 これは国土交通省にまず伺いたいと思いますけれども、ここまで来たら、建設業法を始めとした業法に基づく実施機関あるいは監理団体の監督指導をこれ行うべきじゃないんですか。
○政府参考人(鈴木英二郎君) 建設分野におきまして技能実習の失踪者が多数出ておるというような問題が生じておることについては、これは誠に遺憾なことだと考えてございます。 これに対しましては、昨年十一月に施行されました技能実習法におきまして、国土交通大臣は事業所管大臣として関与できるということに制度が変わりました。具体的には、建設分野などの特定の業種に係る事業協議会を組織しまして、技能実習生の保護に関する取組についての協議を行うことができるということになったわけでございます。 これに基づきまして、さきの三月二十六日に国土交通省におきまして第一回の建設分野技能実習に関する事業協議会を開催いたしまして、関係します元請団体、専門工事業団体、それから外国人技能実習機構などに参加いただきまして、母国語相談の実施状況を始めとします技能実習生に対します支援や保護に関する取組の紹介、それから失踪の発生状況を踏まえた注意喚起を行うなど、制度の現状や課題を共有したところでございます。 国土交通省といたしましては、引き続き、法務省などの関係省庁と連携いたしまして、建設業法を所管する立場から適正な技能実習の実施に協力してまいりたいと考えてございます。
○仁比聡平君 会議をやっとやりましたというだけの話なんですよ。 農水省、どうなんですか。
○政府参考人(山北幸泰君) お答えをいたします。 農業分野の技能実習におきまして、実習生の失踪あるいは技能実習生に対する賃金未払等の不正行為といった問題が生じていることは極めて遺憾だというふうに考えております。 このため、農林水産省といたしましては、農業分野でこうした問題が発生することのないよう、パンフレットを作成、配付して、農業経営者に対し、不法就労や人権侵害行為等を行った事業主は処罰の対象であることについて周知をする、あるいは、農林水産省が所管する団体が監理団体として受け入れた技能実習生に関して不正行為等が発生した場合には、監理団体に対する指導を行うなどの対応を行ってきたところでございます。 また、実習生を受け入れるですとかあるいは日本人を雇用するということにかかわらず、農業における労働環境の改善といったことが極めて重要な課題だというふうに認識しておりまして、昨年十二月から今年の三月まで農業の「働き方改革」検討会を開催いたしまして、農業経営者が、今後多様な人材にとって働きやすい環境整備を進めていくよう推進しているところでございます。 このような措置と併せまして、技能実習制度の適正な運用について、引き続き、法務省等関係省庁と連携しながら、現場への周知徹底、図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○仁比聡平君 結局、パンフを作りました、周知しますというだけなんですよ。それが現状なんですよ、大臣。 その下で、今年の夏までにと、骨太に反映させるなんて言って、先ほどおっしゃった防止策、これをこの短期間の間に本当に達成するということは私は無理だと思いますけれども、少なくとも、そうした先ほどおっしゃったような防止策が達成されない限り、新たな受入れ策の拡大ということは、これはあり得ないと。 今後、また機会を見て議論をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。 お配りしました三枚の資料を参考にしていただきながら、この四月以降問題となっております漫画村などネット上での海賊版サイトの遮断、通称ブロッキングと申しますが、について質問させていただきます。 昨日のNHKのニュースでも報道されましたし、また経団連がデジタル省の創立を提言もしており、お配りしました新聞の見出しは、「法整備なし 民間にリスク転嫁」だとか「「漫画村」捜査に着手」などと各分野が入り組んでおりまして分かりづらい問題ですので、整理しながら質問をさせていただきます。 まず、漫画などを無断でインターネットに掲載する、これは著作権法違反です。中には発売日前の作品もあったりしますから取り締まらなくてはならないのですが、技術的に極めて困難という現実があります。もう一つ、それらを無料で読むことが違反行為だという認識がユーザー側に徹底しておりませんので、捕まらないなら罪の意識も持たなくていいだろうという、こういったユーザー側の問題もあります。漫画は無料でネットで読む時代だと思われているユーザーもいらっしゃいます。 こうした背景ではございますが、日本の産業の稼ぎ頭の一つとなっておりますコンテンツ産業、著作権や財産権といったものを、保護は大変必要不可欠でありまして、無料であることを望むユーザー側の要求とどのようにバランスを取りながら満たしていくか、これ早急に法整備も含めて問題解決が必要だと考えております。 まず、法務省、政府参考人の方に、本件の発端となりました、刑法三十七条を基に行いました二〇一一年の児童ポルノ配信ブロッキング緊急対策について質問いたします。 刑法の緊急避難は、生命の危機、危険など切迫した状況からやむを得ず避難するときに適用されると示されています。これを児童ポルノの人権擁護に応用できると解釈し、緊急避難としてブロッキング、遮断ですね、が執行されたと聞いておりますが、問題なのは、インターネット接続事業者、ISP、通称プロバイダーですが、この方々が児童ポルノ購入にアクセスしてくる人たちが誰なのかというのを突き止め、その通信を遮断する、ブロッキング、これは電気通信事業法第四条及び憲法二十一条二項にあります通信の秘密に違反していることになります。つまり、接続業者が捕まる可能性があるということで、刑事罰に値する。 こうした相反する状況をどのように例外として、刑法をどうやって児童ポルノブロッキングに応用されたのか、そして、現在はこのやり方はまだ生きているのかということを御説明お願いいたします。
○政府参考人(古市裕久君) お答えいたします。 児童ポルノのブロッキングは、インターネット上で児童ポルノが流通し、児童の権利が著しく侵害されている状況に対応するための対策として整理を行ったものであり、平成二十三年に開始し、現在も引き続き実施されているものでございます。 具体的には、犯罪対策閣僚会議において、インターネット利用者の通信の秘密や表現の自由に不当な影響を及ぼさない運用に配慮しつつ、ISP等の関連事業者が自主的に実施することが可能となるよう対策を講じることとされたことを受けて、民間事業者が自主的な取組として実施しているものでございます。 ブロッキングは通信の秘密を形式的には侵害する行為ですが、児童の権利に対する著しい侵害が現に発生しており、他の方法では十分な保護ができない状況においては、刑法第三十七条の緊急避難の要件を満たし、その違法性が阻却されるものと考えられると整理されているところでございます。
○石井苗子君 よく分かりました。 児童ポルノのような人権擁護の緊急性と、今回の漫画村のようなコンテンツ産業の財産権の保護というものを同列にして考えると市場が混乱いたします。資料の五月十四日の新聞報道は、福岡県警が著作権侵害容疑で漫画村捜査に着手したとあります。資料の二は、NTTグループがブロッキングに踏み切ると発表すればそれを差し止めるという訴訟が提起されたと書いてあります。 確かに、これまでの出版社などからの報告によりますと、被害総額、六か月で三千百九十二億円、不法にアクセスしてくるアクセス数は六億一千九百万件と数字が大変大きいので緊急救済の声が高まったということは理解できますが、しかし被害が大きければブロッキング、遮断すればいいというのは、先ほどのISPなどの民間会社に対して配慮がなさ過ぎる、大変乱暴なやり方だと思われます。プロバイダーと呼ばれている方々です。先ほどの犯罪を犯してしまう危険性にあるということの配慮がなされていたのか、今回の漫画村に関してです。 四月の十三日の官邸大会議室で八時二十五分から開催されました知的財産戦略本部会合、犯罪対策閣僚会議、全閣僚が集まったそうですが、どなたがこの著作権保護について今回もブロッキングでいこうと判断されたのか、そのときのISPなどの民間企業の法律違反への保護への配慮はどう審議されましたか、お答えください。
○政府参考人(住田孝之君) 御指摘の点でございますけれども、御指摘のとおり、昨今、我が国の漫画、アニメなどを違法に掲載したインターネット上の海賊版サイトの被害が急速に拡大したということを踏まえまして、先般、四月十三日、御指摘のとおり、知財本部・犯罪対策閣僚会議におきまして、インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策を決定をしたところでございます。 今回の緊急対策におきましては、まず、こうした悪質な海賊版サイトのブロッキングに関する考え方の整理をいたしまして、その上で、法制度整備が行われるまでの間の臨時的かつ緊急的な措置として、民間事業者による自主的な取組として三つのサイト及びこれと同一とみなされるサイトに限定してブロッキングを行うことが適当と考えられるというふうに考え方を整理をしたものでございます。 御指摘をいただきました緊急避難につきましては、今回の緊急対策におきましては、ブロッキングは通信の秘密を形式的に侵害する可能性があるけれども、仮にそうだとしても、刑法第三十七条の緊急避難の要件、現在の危難、補充性、法益権衡、この三つの要件を満たす場合には違法性が阻却されるものと考えられるというふうにしておるところでございます。この決定自体は知財本部・犯罪対策閣僚会議の決定ということでございます。 また、実際に個々のサイトが緊急避難の構成要件に該当するかどうかということにつきましては、ブロッキングの実施も含めて、その段階で判断は一義的には各事業者等の関係者によって行われるというものと考えてございます。 個々の事例につきまして、それが構成要件に該当するかどうかということにつきましては、最終的には司法判断に委ねられるというふうに考えているところでございます。
○石井苗子君 前回も今回も、事業者側は自主的判断に任せると。もうこの三つのサイトはNTTがブロッキングすると言った途端に消えてしまったわけです。また新しいサイトがぽこぽこ生まれてくるということなんですが、事業者側からしますと、憲法で保障されている通信の内容はのぞかない、通信の秘密は死守するんだということと、財産権への権利侵害を守るためにブロッキングをするという、双方をよしとするというのは、これダブルスタンダードだと思います。事業者に向けて政府は、はっきり要請はしていないのだと、しかし何となくそんたくをしなさいといったニュアンスで、少しやり方がずるいと思われます。 何か問題が起きたら司法で裁けばいいと先ほどおっしゃいましたが、政府としてこれは少し無責任ではないかと思うのですが、司法が判断するものでいいから、個々のことは、問題はそのときになってからというところまでほっておいていいとお考えかどうか、総務省か法務省か内閣府か、お答えいただけると有り難いと思います。
○政府参考人(住田孝之君) 先ほどお答えをさせていただきましたとおり、今回の緊急対策では、特に悪質な海賊版サイトのブロッキングに関する考え方の整理をまずいたしまして、その上で、民間事業者による自主的な取組として、三つのサイト及びこれと同一とみなされるサイトに限定してブロッキングを行うことが適当と考えられるという政府としての考え方を示したものでございます。これを踏まえまして、実際にブロッキングを実施するかどうかにつきましては各事業者等の関係者の判断に委ねたものでございます。 一般的に、個別事案についての違法性の判断、これは最終的には司法において行われると、これが基本的な原則だというふうに考えてございます。
○石井苗子君 そうなんですよ。民間事業者に対しては非常に曖昧な態度でして、この度NTTというグループが、大手がブロッキングに踏み切ると発表したことが波紋を呼んだのでありまして、これは漫画村に関しての問題意識だけではなくて、もう一つこのブロッキングに関しては問題があります。 こうした判断が、ブロッキングですね、よしとすることが横行していくと検閲国家になっていくんではないかという懸念が背景にありまして、先ほど申しましたように、漫画村というのは、ほかに二つもありますけれども、それはもう既にアクセスができなくなっています。すぐ別のサイトが出現して巧みにそちらがアクセスできるようになるとか、先ほど技術的に取締りがしにくいと言いましたが、海外の経営者も多いということがここにまたかんでございます。 ブロッキングはコンテンツ産業保護の解決になっておりません。こうした現状を承知していらっしゃって、また、法整備をするまでの緊急避難の対策としてブロッキングが適切だと思っていらっしゃるようですが、これはいつまでその判断でおやりになるおつもりでしょうか、お答えください。
○政府参考人(住田孝之君) このいつまでというお話でございますけれども、今回は緊急対策ということで、法制度整備までの臨時的かつ緊急的な対応ということでございます。 したがって、引き続き、状況の変化を踏まえながら、民間事業者の御判断におきまして適切な対応がされることを期待をしておるところでございますが、政府といたしましても、やはり必要な法制度整備の議論、これを進めていくと、迅速に進めていきたいというふうに考えてございますし、さらには広告対策、その他の資金源対策、あるいは正規版流通の促進といったようなことも含めまして、より実効性のある海賊版対策につきまして、関係省庁と協力しながら検討をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○石井苗子君 電気通信事業者たちはデータの秘密保持を必死で守ってきました。政府に対する、こういったブロッキングというものがもし横行するようになれば、検閲国家になっていかないかという不安をあおってはいけないと思うんですね。 問題解決には、市場の変化における過去の経験を復習して法整備をしていけば、まだ間に合うと思います。例えば、音楽業界の無料ダウンロードの解決方法というのがありました。これを生かしたり、ニコ動というのがありましたけれども、今ユーチューブに全部持っていかれてしまいましたけれども、こういう苦い経験というのも、今から法整備をしていけばまだ余地があると私は考えます。 日本のゲーム市場というのは、昔、一個三千円のゲームというのがあったんですが、無料になりましたが、モデルの切替えというのをやりました。もうちょっといいものだったらモデルを切替えして売れませんかというやり方なんですが、こうした商法で顧客を増やしてまいりまして、一兆円を超えた利益を打ち出してきたという成功例があります。 漫画コンテンツというのもこれはもう例外ではないわけでして、今こうしたこの変革のタイミングにあると思うんですね、コンテンツ産業を守るということにおいて。ゲームとも同じように、売れる形式に変えていくプランニングというのはたくさんまだ残っているわけで、閉鎖的な密室の政府のブラックボックスの中でブロッキングということを先例にしていくというのは大変危険だと思います。ブロッキング以外に議論もあるのですから、議論を進めていくべきでもありますし、私は今こそ王道で筋の通った立法で政策を考えるのが必要だと思います。 ブロッキングをしてもいいという法整備もつくれますし、正当であればですね、そのほか、ブロッキングをしていい管轄法とか民事法の改正とかあると思うんですが、ちょっと調べましたら、一般社団法人でそういった情報の法制度を研究している機関というのもありまして、こうしたところを招集して、これから会議を開いて、是非このコンテンツ産業を守る、著作権とか財産権ですね、この法整備を知恵を絞り出して、会議を設けて、法整備に踏み出していただきたいと思うんですが、総括して法務大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 平成三十年の四月十三日に、知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議が行われて、この席におきまして、海賊版サイトに対するブロッキングにつきまして、今後、法的根拠を明確にするため、通信の秘密、知る権利との関係を含む法的論点について検討を行い、関係者の御理解を得つつ、次期通常国会を目指し、速やかに法制度の整備に向けて検討を行うこととされたものというふうに承知をしております。 法務省におきましても、所管省庁におきましての法制度整備の検討につきまして、必要に応じて協力をしてまいりたいというふうに考えております。
○石井苗子君 国がやる大事な仕事だと思います。是非よろしくお願いいたします。 終わります。ありがとうございました。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 選択的夫婦別姓と入管の収容者の扱いについて伺います。 まず、選択的夫婦別姓についてお伺いいたします。 五月十日、第二次となる別姓訴訟が提起されました。名前を名のり続けたいだけなのに裁判までしなければならない状況を、立法府にいる一人としてふがいなく、また、法制審答申から二十二年を経ても立法化できない、このような状況を何とか変えていきたいという思いで、繰り返しになりますが質問させていただきます。 上川大臣は、四月十二日の本委員会で、「選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、我が国の家族の在り方に関わる重要な問題であるということから社会的なコンセンサスを得た上で行う必要がある」と答弁をされました。正直申し上げ、何を意味するのか理解できませんでした。 まず、家族の在り方に関わる重要な問題が憲法で保障された個人の尊厳より重要ということなのでしょうか。上川大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のとおり、私は、四月十二日の法務委員会におきまして、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして、我が国の家族の在り方に関わる重要な問題であることから社会的なコンセンサスを得た上で行う必要があるという答弁をしたところでございます。 この答弁につきましては、御質問にございました、家族の在り方に関する問題、これは憲法上の個人の尊厳よりも重要であると、こうした趣旨を含むものでは全くございません。 また、平成二十七年十二月の最高裁判決におきまして、現行の夫婦同氏を定める民法第七百五十条の規定は憲法に違反しないという判断が示されておりまして、法務省といたしましても同様の理解をしているところでございます。 私も、個人を尊重するということは極めて重要であるというふうに考えております。その上で、選択的夫婦別氏制度を導入すべきか否かにつきましては、我が国の家族の在り方に関わる重要な問題でございます。個人が尊重されるということから直ちに結論を導くということができるものではないというふうにも考えているところでございます。
○糸数慶子君 先ほども申し上げましたけれども、やはり今、この法制審の答申から二十二年経ても立法化できないということ、それから、これは個人の自由で選ぶ権利ということを与える、それがなぜできないのか。 これまでの答弁の中でも、社会的なコンセンサスを得た上でということを答弁をされました。世論の動向ということもおっしゃったんですけれども、これまでの答弁の中から、やはりこの社会的なコンセンサスを得た上でというのはその世論の動向とどう違うのか、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 私が、四月十二日におきましてのこの法務委員会で、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして、社会的なコンセンサスを得た上で行う必要があると答弁をしたところでございます。このことにつきましては、国民の皆様が、大方の御理解を得て行うことというのが必要ではないかと、こういう意味で申し上げたところでございます。 その意味では、社会的なコンセンサスが得られているかどうかを判断する上で、世論調査の結果としての世論の動向につきましては重要な要素であるというふうに思っているところでございますが、選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、賛成する側、また反対する側のそれぞれが論拠とするところなども総合的に考慮しながら、なお慎重に検討することが重要であるというふうに考えているところでございます。
○糸数慶子君 夫婦同姓しか認めない現行制度は、法律婚を諦めさせ事実婚に向かわせるわけですから、法律婚の推奨という婚姻制度の目的に逆行するのではないかという私の質問に対して、重く受け止めているというふうに答弁をされながら、様々な考え方を踏まえて総合的に検討すべきものと、これまた抽象的で分かりにくい答弁をされました。 具体的な不都合や不利益を示した上で法改正を求めている当事者に対して、様々な意見があるなどと答えていらっしゃるのは極めて不誠実であり、法律を所管する法務大臣の答弁としては不適切であるというふうに申し上げまして、次の質問に入りたいと思います。 次に、入管について伺います。東京入国管理局でのトルコ人男性への処遇についてお伺いいたします。 二〇一八年四月二十二日の共同通信配信で、「入管が症状放置隠しで虚偽記載か トルコ男性を一カ月受診させず」という見出しの記事がありました。この記事では、東京入国管理局で、昨年、トルコ人男性被収容者が虫垂炎の手術の後、患部の痛みを訴えたのに対して、職員が約一か月間診療を受けさせず放置したこと、その上で、診療に関する手続文書に虚偽の発症日を記載した疑いがあるということが書かれています。 これに対しまして、上川大臣は四月二十四日の閣議後の記者会見で、入国管理局に事実関係について確認させたとのことで、手術後の経過の過程の中で医師の診療及び投薬の確認を都合二回受けさせており、男性からの診療申出に係る書面について、虚偽記載はなかった旨の説明をされております。 これに関しましてまずお伺いいたしますが、入国管理局の収容施設では、被収容者が体調を崩して医師の診察を希望する際、診療申出書に申出を書かせることになっているとのことですが、この申出書の用紙は収容スペースのどこにあるのでしょうか。被収容者が手を伸ばせばすぐに取れるところにあるのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 被収容者申出書は事務所で保管しておりまして、被収容者の申出内容を前もって確認した上で、当該申出書を本人に手渡すということになっております。
○糸数慶子君 この被収容者は、六月三日の朝、腹部の痛みを職員に訴え、翌四日午後に緊急手術のために入院し、一週間後の十一日に退院し、その後、少なくとも六月後半から七月初めに本人が腹部の痛みを訴えていることが代理人や支援者に確認されています。しかし、診療前日の七月二十三日付けの診療申出書まで、この申出書には一昨日から腹部に痛みがある等と記載されているのですが、術後、退院から七月二十三日付けの診療申出書まで、手術痕の痛み、うみ、吐き気に関する訴えが記載された診療申出書は存在しないとして開示されていないとのことであります。 手術後の痛みを訴える被収容者に申出書を手渡されるまで一月ほど掛かっているようですが、なぜ診療申出書を被収容者の手の届くところに置いておかないのでしょうか。被収容者は医師の診療を望むときに申出書に記載する自由すらないということなのでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 まず、お尋ねのあった事案についてでございますが、手術後一か月を経過するまで何ら医師の診察を受けさせず、また申出書を手交するまでに一か月も掛かったという事実はないということをまず申し上げさせていただきます。 その上で、全国の入国管理局の収容施設では、被収容者から何らかの申出があります場合には、前もってその内容を聴取した上で被収容者申出書を手渡し、被収容者が必要な事項を記入した後に提出を受け、その申出内容への対応を個別に判断しているところでございます。 診療の申出につきましても同様の流れになりますが、一部の地方入管では、あらかじめ本人から訴えのあった体調不良の状況でありますとか疾病に係る症状を看守勤務者が具体的に聞き取り、その内容を記録化いたしまして、医療従事者と共有いたしまして、診療日時の調整を図った上で被収容者申出書を交付するという取扱いになっているという例もあります。その申出内容によりましては、被収容者の最初の申出から被収容者申出書を交付するまでにしたがいまして一定の期間を要するということもございますが、そのような場合でございましても、被収容者の個々の状況に踏まえて適切に対応しているものでございます。 もっとも、御指摘のございましたように、被収容者の申出時期等をより明確にすべきであるという観点から、被収容者が最初に診療希望を申し出た時点で速やかに申出書を手交すべきであるという御意見も頂戴しているところでございますので、被収容者の医療アクセスを改善するという見地から今後検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○糸数慶子君 今、私の質問に対してそういう事案はないということでありますが、大臣はこの入国管理局に事実関係について確認させたとのことで、診療申出に係る書面について虚偽記載はなかったとおっしゃっていらっしゃいますが、この件について入国者収容所等視察委員会による調査は予定しているのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 今お尋ねのございましたトルコ人の方の案件につきましては、五月の八日、本月八日に開催されました東日本地区入国者収容所等視察委員会におきまして、当局側から事案の概要を報告しております。今後の対応につきましては、同委員会において適切に判断されるものと考えているところでございます。
○糸数慶子君 先ほども質問がございました、有田委員からもございましたけれども、二〇一八年四月の十三日に、茨城県牛久市の東日本入国管理センターでインド国籍の方が自殺したと見られるというその報道についてお伺いをしたいと思います。 この事件の調査はどのようになっているのでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 これまでに、警察からは検視結果についての説明を受けまして、本人が居室などに残していた所持品を調査するとともに、当時において看守業務に当たっていた入国警備官から聴取しております。その後も、同じ居室に収容されていた被収容者でありますとか本人の関係者などから順次事情を聞くなどして、自殺の理由、動機について鋭意調査を進めているところでございます。
○糸数慶子君 この件に関しまして、視察委員会による独自調査はされないのでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 ただいまお尋ねのございましたインドの方の事案につきましても、本月の八日に開催されました東日本地区入国者収容所等視察委員会におきまして当局の方から事案の概要を報告しておりますので、今後の対応につきましては同委員会におきまして適切に判断されるものと考えているところでございます。
○糸数慶子君 私は、二〇一四年の六月の五日に当委員会でこのような質問をいたしました。 次に、入管の視察委員会の事務局は入国管理局が担当しているということでありますが、二〇一三年の六月二十八日、国連の拷問等禁止委員会は、日本政府に対して、入国者収容所等視察委員会に対して、収容施設を効果的に監視するための十分な資源と権限を与え、収容されている移民又は庇護申請者からの不服申立てを受理し、審査できるようにするため、その独立性、そして権限及び有効性を強化することとの勧告を出しております。この勧告を受けて法務省ではどのような検討がなされているのか、お伺いしますというふうに質問いたしました。 これに対しまして法務省は、拷問禁止委員会の指摘も十分尊重しつつ、視察委員会の委員の方々の御意見も伺いながら、同委員会がその役割を適切に果たすことができるよう運用の確保に努めてまいりたいと考えておりますというふうに答えていますが、今の回答を聞いておりますと、視察委員会がその役割を適切に果たしているようには思えません。視察する側の事務局を担っているのが視察される側と同じ入国管理局というのでは、公正かつ効果的な視察ができないのではないでしょうか。 そして、視察委員会の制度を改め、独立した組織で行うべきだと思いますが、法務大臣の御見解を最後にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど入管局長から答弁をいたしましたとおり、様々な案件につきまして、今回の案件につきましても視察委員会において報告をし、また適切に判断していただくと、こうした流れになっているところでございます。 委員御指摘のとおり、平成二十五年六月に国連の拷問禁止委員会、こちらの方から入国者収容所等視察委員会の独立性、また権限及び有効性、この強化については指摘をいただいたところでございます。 この委員の任命につきまして法務大臣が行うということになっておりますが、その人選に当たりましては、委員が特定の者に偏らないようにするとともに、選任方法が恣意的なものにならないようにするため、公私の団体から推薦を得て行っております。また、視察委員会の運営も独立した形で行われているということでございまして、同委員会の第三者性は十分に担保されているものというふうに考えております。 また、収容施設の視察、また被収容者との面接に当たりましては、入国者収容所長等は必要な協力を行わなければならないというふうにされておりまして、被収容者が処遇に関して、また意見、また御提案、こうしたものを書面で投函できるための措置として、提案箱におきましては原則として委員が開封するということとされているなど、委員が直接、被収容者の意見等を把握できるように運用されているところでございます。 さらに、視察委員会からの御意見につきましては、入国者収容所長等におきまして、できる限り施設運営に反映させるようにしっかりと配慮をし、対応可能なものから順次措置をしているところでございます。 法務省といたしましては、現行制度の下でも視察委員会が独立した立場で効果的な活動をできるようにしっかりと考えておりまして、こうしたことを更に適切な運用ができるように努めてまいりたいと思います。 引き続き、拷問禁止委員会の御指摘も十分に尊重しながら、視察委員会の委員の方々の御意見もしっかりと伺ってまいりたいというふうに思っております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。終わります。
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。 本日は、裁判以外の紛争解決手続について質問したいと思います。 まず、法務省が実施しているかいけつサポートについて、どのようなものであるか、お教え願いたいと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 まず、ADRとは、訴訟手続によらずに民事上の紛争の解決をしようとする紛争の当事者のため、公正な第三者が関与してその解決を図る手続をいうものでございますが、法務省の所管する裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律、いわゆるADR法では、民間事業者が行うADR業務について、一定の要件を満たす者に対して法務大臣による認証を付与する制度を設けADRの業務の質を確保するとともに、あわせて、時効の中断等に係る特例を定めてその利便性の向上を図ることとしております。 法務省では、この法律により認証を受けた民間事業者による紛争解決手続をかいけつサポートと呼んで、その利用促進に向けて周知、広報などの取組を進めているところでございます。
○山口和之君 改めて、ADRとは何か、そしてメリット、デメリットについて共にお教え願えればと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 かいけつサポートを始めとするADRのメリットとしては、厳格な裁判手続と比較いたしまして、利用者の自主性を生かした解決が可能であること、手続が非公開であり、プライバシーや営業秘密の保持が可能であること、迅速で廉価な解決が期待できること、また多様な分野の専門家の知見を生かしたきめ細かな解決が期待できることなどが指摘されているところでございます。 他方、ADRの一般的なデメリットといたしましては、一部の例外を除いて相手方には手続応諾義務がないことから、相手方に話合いに応じる意思がない場合には手続を開始できないこと、また、ADRにおいて成立した紛争解決についての合意に執行力が付与されていないことから、強制執行を行う場合は別途裁判手続等が必要になることなどが指摘されております。
○山口和之君 ありがとうございます。 私は福島県の出身、在住ですので、最もよく耳にするADRといえば、いわゆる原発ADR、つまり原子力損害賠償紛争解決センターでの裁判外紛争解決手続です。 今日は、原発ADRについてお聞きするために文部科学省にも来ていただいておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、そもそもなぜ原子力損害賠償紛争解決センターを設置したのか、その趣旨、目的についてお教え願います。
○政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。 原子力損害賠償紛争解決センターにつきましては、原子力事故により被害を受けた方の原子力事業者に対する損害賠償請求につきまして、円滑、迅速かつ公正に紛争を解決することを目的として設置された公的な紛争解決機関でございます。 具体的には、中立かつ公正な立場の仲介委員が申立人と相手方の双方から意見を丁寧に伺いまして、和解案を提示するなどして当事者の合意による紛争解決を図っているところでございます。 平成二十九年末時点におきまして、ADRセンターによる手続が終了した約二万一千件のうち、八割程度に当たる約一万八千件が被害者と東京電力との間で和解が成立しておりまして、被害者の公正かつ適切な賠償に役割を果たしているものと考えております。 今後とも、被災者の方々に寄り添いつつ、当事者の意見を丁寧に伺い、公正かつ適正な和解が成立するよう、ADRセンターによる和解仲介手続を適切に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山口和之君 毎年、文科省のホームページに発表されています原子力損害賠償紛争解決センターの活動状況報告書には、平成二十五年から二十九年まで、和解打切りは紛争解決の見込みがないときに行われている、打切りのうち、東京電力が和解案の受諾を拒否したために打切りとなったものは、中略しますが、いずれも東京電力社員又はその家族から申立てがあった事案であるといった記載がございます。 文部科学省としては、東電が、東電社員又はその家族からの申立てにおいて和解を受諾しなかった原因をどのように分析しているのでしょうか。そもそも、東電社員又はその家族からの申立てを特別扱いすることは適切なのでしょうか、お答え願います。
○政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。 個別の事案における打切りの判断は、センターの仲介委員が当事者双方の意見等を踏まえまして中立かつ公正な立場で行っているところでございます。 ADRセンターにおいては、示した和解案について東電が受諾できないと回答があった場合も仲介に努めておりまして、一部和解をさせるなど和解案の受諾に向けて丁寧な取組に努めておりまして、東電社員又はその家族からの申立てに関しましても他の事案と同様に対応しているものと承知しております。 なお、電力事業を所管する経済産業省によりますと、東京電力においては、社員又はその家族からの申立てに関しては、避難を余儀なくされた状態であるか否かの実態をより詳細に把握できますために、それを踏まえた対応を行っているというふうに聞いているところでございます。
○山口和之君 原子力損害賠償紛争解決センターは、四月六日、原子力事故によって一時全町避難を余儀なくされた福島県浪江町の住民約一万五千人が申し立てたADRについて、東電が六度にわたって和解案の受諾を拒否したために和解を打ち切ったと発表しております。 東電社員又はその家族以外からの申立てについて、東電側が和解案の受諾を拒否したために和解が打ち切られたケースはこれが初めてなのでしょうか。
○政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、東電社員又はその家族以外からの申立てについて、東電側が和解案の受諾を拒否したために和解が打ち切られたケースは今回の浪江町のケースが初めてであるというふうに承知しているところでございます。
○山口和之君 一般的に、ADRには応諾義務がなくて、手続に応じるか和解案を受け入れるかは相手方が自由に決めることができます。 しかし、原発ADRは、原発事故後すぐに、円滑、迅速に原発事故に関する紛争を解決することを目的として、中立公正な国の機関が仲介する手続として整備されたものです。また、東京電力は、原賠機構から資金援助を受ける前提となる特別事業計画において和解仲介案を尊重すると明記しており、原発ADRの目的である円滑、迅速な紛争解決に協力することを自ら宣言しております。 このようなことから、原発ADRにおいては、東電側が和解案を拒否することも、センターがそれを理由に和解を打切りを決定することも原子力損害賠償紛争解決センターを設置した趣旨、目的に反するものと思われますが、いかがでしょうか。また、三つの誓いに反するような対応を取る東電に対してセンターからの苦言、要請等があればお聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。 ADRセンターでは、当事者の意見を丁寧に伺いながら和解の成立に向けた調整を進めているところでございますが、紛争が解決される見込みがないと認められる場合には和解の仲介を打ち切ることができることとしているところでございます。 ADRセンターにおいては、活動状況報告書において、東京電力に対して、三つの誓いに従い、センターの実施する和解仲介手続に対して真摯な対応を累次求めております。また、和解案の受諾を拒否することに対して再考を促す文書の公表も行っているところでございます。 さらに、文部科学省におきましても、東京電力に対して、三つの誓いを遵守し、被害者の方々に寄り添った賠償を一層進めていただくよう要請を行っているところでございますし、具体的には、今年の三月にも、文部科学省から公文書で東京電力の社長に対して今申したような要請を行っているところでございます。
○山口和之君 福島県浪江町の住人によるADRは二〇一三年の五月に申し立てられたものですが、打切りまでの五年間で、少なくとも申し立てた住民のうち八百四十六人が亡くなっているそうです。今回の和解打切りは、簡易迅速な手続を標榜する原子力損害賠償紛争解決センターが結局東電の賠償引き延ばしを手助けしたというような結果になってしまっているとも言えます。 原子力損害賠償紛争解決センターとしては、今後、このようなことをなくすためにどうしていくおつもりなのでしょうか。
○政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。 今回の浪江町の事案につきましては、平成二十五年五月に申立てがございまして、平成二十六年三月に仲介委員による和解案の提示が行われたところでございます。その後、平成二十七年一月と十二月の二度にわたり、仲介委員による和解案受諾勧告書が提示されているところでございます。これらを踏まえまして、平成二十九年二月に、高齢者一名につきましては和解が成立しているところでございます。 このように、和解の成立に向けて双方に対して累次にわたり要請を行いまして、両者の主張の隔たりがある中で丁寧な調整を進めてきたものと承知しているところでございます。 なお、標準的な案件については仲介委員の指名から和解案の提示まで平均八か月程度で行われているところでございまして、迅速な和解仲介手続に取り組んでいるところでございます。 今後とも、文部科学省あるいはADRといたしましても、被害者の方々に寄り添いつつ、当事者の意見を丁寧に伺い、和解が成立するよう、ADRセンターによる和解仲介手続を中立かつ公正な立場で適切に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山口和之君 ADRに応じず、和解案も尊重しますと言いながら、出てきた和解案に何年間も応じず結局は和解打切りに持っていき、ADRよりも費用等の負担が大きい裁判をせざるを得ない状況をつくる、これでは、東京電力が、亡くなったり費用の負担ができなかったりといった理由で被害者が手続から脱落していくことを狙っているのではないか、そんなことも考えてしまうことになります。 難しいことではありますが、原子力損害賠償紛争解決センターには、裁判に移行したとしても、トータルで掛かる期間と費用ができるだけ短く安くなるように配慮して手続を行っていただきたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(石川博崇君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。上川法務大臣。
○国務大臣(上川陽子君) 商法及び国際海上物品運送法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、商法制定以来の社会経済情勢の変化や、海商法制に関する世界的な動向への対応を図るとともに、利用者に分かりやすい法制とする観点から、商法及び国際海上物品運送法の一部を改正しようとするものであります。 この法律案は、まず、商法の一部を改正して、運送、海商に関する規定を全面的に見直すこととしており、その要点は、次のとおりであります。 第一に、陸上運送に関する商法第二編第八章の規定を海上運送、航空運送及び複合運送にも妥当する総則的規律として位置付けることとし、これまで規定を欠いていた航空運送及び複合運送についても、商法の規律を及ぼすこととしております。 第二に、危険物の運送を委託する荷送り人は、運送人に対し、その安全な運送に必要な情報を通知する義務を負うとの規定や、運送品の滅失等についての運送人の責任は、その引渡しの日から一年以内に裁判上の請求がされないときは消滅するとの規定を設けるなど、運送全般に関する規定の整備を行うこととしております。 第三に、船舶の衝突に基づく不法行為による損害賠償請求権のうち、財産権の侵害を理由とするものは、不法行為のときから二年間で時効により消滅するとの規定や、船舶の運航に直接関連して生じた人の生命、身体の侵害による損害賠償請求権を有する者は、船舶について第一順位の先取特権を有するとの規定を設けるなど、海商全般に関する規定の整備を行うこととしております。 このほか、現行の商法典は、明治三十二年に制定された法律であり、第二編第五章から第九章まで及び第三編については片仮名文語体で表記されているため、これらの規定を全て現代用語化することとしております。 また、この法律案は、国際海上物品運送法の一部を改正して、同法第十九条の船舶先取特権に関する規定を削るなど、国際的な海上物品運送に関する規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の趣旨でございます。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(石川博崇君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会