法務委員会 第6号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2018/04/05
会議録
○委員長(石川博崇君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、宮本周司君、小川敏夫君及び柳本卓治君が委員を辞任され、その補欠として松山政司君、宮沢由佳君及び進藤金日子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官渡邉清君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川博崇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中西健治君 自由民主党、中西健治です。本日も質問の機会をいただきました。どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、出入国管理についてお伺いしたいと思います。 先日、羽田空港の入国管理局を訪問してまいりました。そして、国際線ターミナルの指紋認証ゲートや顔認証ゲートといった最新設備ですとか、あと、変造されたパスポートを見抜くシステムなどを拝見させていただきました。大分整備されてきたなという思いとともに、まだまだこれから急いでやっていかなきゃいけないなという思いも強く持ったということであります。 今週月曜日に、来年のG20サミットの大阪での開催というのが発表されましたけれども、あわせて、我が国がG20の議長国として開催する関係閣僚会合というのが、これはもう大阪ではなくて、ほかにも、財務大臣・中央銀行総裁会議は福岡市でと、観光大臣会合は北海道の倶知安町、外務大臣会合は愛知県、農業大臣会合は新潟市などと、もう全国津々浦々で開催されると言ってもいいのかと思います。そして、もちろん二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックというものがありますので、テロ対策ということもしっかりやっていかなきゃいけないということになるかと思います。 その中で、現在のこの出入国管理について、法務省の取組についてまず聞きたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) おはようございます。 ただいま御質問いただいた出入国管理の重要性ということでございますが、まさに二〇一九年の大阪を始めとして全国各都市でG20が行われ、また二〇二〇年に東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されるわけでありまして、テロの未然防止等の水際対策、また増加する観光客等に対しまして適切な入国審査の実施につきましては喫緊の課題であるというふうに思っております。 法務省といたしましては、厳格な入国管理と円滑な入国審査、これを高度な次元で両立させる必要があると認識しておりまして、必要な人的体制の充実、物的設備の強化等に計画的に取り組んでおるところでございます。 まず、厳格な入国管理のための具体的な取組ということでございますが、平成十九年から、顔画像や指紋の個人識別情報、これを活用いたしました入国審査を実施しているわけであります。また、平成二十七年一月からは、航空会社に対しまして、乗客の予約記録でありますPNR、この報告を求めまして、これを出入国管理インテリジェンス・センター、これにおきましてその情報につきまして分析をいたします。そして、不審者を発見する手法の活用等を行っているところでございます。また、平成二十八年十月十七日からでありますが、テロリスト等の入国の水際阻止ということのために、上陸審査時におきましての顔画像照合を実施しております。 また、円滑な入国審査のための取組といたしまして、入国審査官の機動的な配置、さらに上陸審査場案内の充実、また自動化ゲートの運用を行っているほか、平成二十八年十月一日からは関西、高松及び那覇空港におきまして、また平成二十九年は四月十五日でありますが、成田、中部、新千歳、福岡、静岡空港等十二空港におきましてバイオカートの運用を行っております。本年五月からは北九州及び大分空港に拡充することを予定しているところでございます。 さらに、今後でありますが、二十九年十月十八日からスタートいたしました顔認証ゲート、これを、これは先行導入を、羽田空港の上陸審査場から日本人の帰国手続ということで先行導入したところでありますが、平成三十年度中に、羽田空港の出国審査場に加えまして、成田、中部、関西及び福岡空港の上陸・出国審査場への本格導入、これを予定しており、そのための準備を今鋭意進めているところでございます。 今後でありますが、さらに、入国審査体制の強化や諸施策の運用の推進に加えまして、外国人出国確認手続の自動化に係る検討等を進め、厳格な入国管理と円滑な入国審査、これを高度な次元で両立させることができるよう鋭意努力をしてまいりたいと考えております。
○中西健治君 ありがとうございます。 今、御答弁の中にバイオカートという言葉が出てきましたけれども、顔認証ゲートですとか指紋認証ゲートというのはすぐ何かというのが分かるということだと思いますけど、このバイオカートというのは何なのかということをお伺いしたいと思いますし、あと、この顔認証ゲート、指紋認証ゲートですけれども、利用できる人というのはどういう人たちなのか、これについてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 バイオカートと申しますのは、入国手続の合理化を図り、入国手続の円滑化を図る目的で、外国人の方の上陸審査に際しまして、外国人の方から提供いただいております指紋及び顔写真という個人識別情報を審査待ち時間の間に取得を行うことを可能とする可動式の機器でございます。 指紋認証ゲートでございますが、これは日本人及び一部の外国人の出入国手続におきまして、あらかじめ入国管理局に指紋及び旅券情報を提供して利用希望者登録を行いました方につきまして、登録時に提供いただきました指紋の画像と指紋認証ゲートの指紋読み取り装置で取得しました指紋画像を照合することによりまして同一性の確認を機械的に行っておるものでございます。 顔認証ゲートでございますが、これは日本人の出帰国手続におきまして、旅券のICチップ内の顔画像と顔認証ゲートのカメラで撮影いたしました顔画像を照合することによりまして同一性の確認を機械的に行うという自動化ゲートでございます。
○中西健治君 ということは、バイオカートというのは、外国人の方が列をつくっている中で、この待ち時間を有効に利用して入国の時間を短縮するということだということだと思います。今、首都圏では成田ということですけれども、是非これは多くの空港で導入していってもらいたいなというふうに思います。 先ほどお話のありました、今もありました羽田にある顔認証ゲートですけれども、私も見てきたと申し上げましたけど、三台設置がされております。この三台について、どれぐらい一日当たり利用しているのか、日本人だけということでありますけれども、どれぐらいの数の人が利用していて、これは日本人の帰国者に占める割合はどれぐらいになっているのか、お伺いしたいと思います。またあわせて、今後の導入予定についてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 平成二十九年十月十八日から羽田空港の上陸審査場におきまして、日本人の帰国手続を行う顔認証ゲート三台を先行導入したということは先生から御指摘のあったとおりでございます。 この平均利用者数でございますが、一日当たり羽田空港を利用して帰国した日本人の約二割に当たりますおよそ二千六百人の方が利用しておられます。 今後でございますが、平成三十年度中に、羽田空港の出国審査場に加えまして、成田空港、中部空港、関西空港及び福岡空港の上陸及び出国審査場への本格導入を予定しておりまして、全体で百三十七台を整備する予定でございます。
○中西健治君 この顔認証ゲートですけれども、今は日本人のみですけれども、外国人についてもいつか利用できるようにするという計画はありますでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 顔認証ゲートの外国人の方への利用の拡大につきましては、日本人の出帰国手続において導入する顔認証ゲートを観光等の目的で入国した外国人の出国手続にも活用するという方向で検討いたしておりまして、平成三十一年度中に運用開始を目指して所要の準備を行っているところでございます。 これらの取組による合理化を進めまして、より多くの入国審査官を外国人の方の入国審査に充てることとしておるところでございます。
○中西健治君 ということは、出国のときには使うけれども、入国についてはいかがなんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 外国人の入国審査時に顔認証ゲートを利用することにつきましては、検討すべき課題も多うございまして、現時点においては導入する予定はございません。
○中西健治君 分かりました。 この羽田に設置されていた顔認証ゲートですけど、もう本当に審査が速くて、パスポートを置いたらすぐさま審査が終わるということですので、実際に帰って入国しようとする人がもうゲートが開いたのが分からないぐらいということで、透明のゲートに蛍光色のテープが貼られていてすぐさま気付くように、そんなようなことも施されているというものでありました。 ということは、大変高度な技術が内蔵されているものなんだろうというふうに思いますけれども、こうしたセキュリティー関係の技術というのはアメリカですとかロシアですとかイスラエルが先行しているというふうに私自身は理解しております。この羽田にある三台、そして今後導入されるもの、これについては外国製なのかそれとも日本製なのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 現在導入されているものはいずれも日本製でございます。また、今後導入する予定のものも全て日本製でございます。
○中西健治君 日本の技術が他国と勝るとも劣らないという状況、ずっとあってほしいなというふうに思っております。 今後、百数十台、今年度も導入するということだと思いますけれども、これらの財源は、昨日から参議院で審議が始まりました国際観光旅客税、これが充てられるということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) 今後導入されます予定の顔認証ゲートに係ります経費のうちの一部につきましては、ただいま御指摘のございました国際観光旅客税を財源としておるものでございます。
○中西健治君 そういう意味でも、この国際観光旅客税、大変重要なものだというふうに私自身は認識を持っているところであります。 続きまして、無戸籍者問題についてお伺いしたいと思います。 先週の委員会でも石井先生もお取り上げになられていましたけれども、私も先日、三十過ぎまで戸籍がないという方、その方が学校にも通えず、そして保険証もなかったので病院にも行かずと、こういう方の悲痛なお話というのを聞く機会がありましたので、再度取り上げさせていただきたいと、こういうふうに思っているところであります。 親によって出生の届出が出されなかったために無戸籍の状態になっている方々について、法務省は徹底した実態把握に努めると、これも大臣の所信でも述べられていたかと思います。 現在のこの無戸籍者問題の状況はどのようになっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 無戸籍の状態となっている方々につきましては、法務局におきまして、市区町村等と連携して把握した無戸籍の方々の情報を集約しているところでございますが、平成二十六年九月十日から平成三十年三月十日現在までに把握した無戸籍の方の累計は千六百三十名でございます。このうち、九百二十四名の方が無戸籍状態を解消して、現在、無戸籍の方は七百六名となっておりまして、解消率は約五六・七%でございます。
○中西健治君 今御答弁にありました市区町村長と連携してということでしたけれども、先日お話を伺った方は、やはり行政の方での理解というのも少なくとも何年か前まではなかなか進んでいなかったなと、こういうようなことも一つ大きな論点として述べられたかなというふうに思いますけれども、この市区町村と連携してというのは今はもうどのような形になっているのか、これを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 現在のその情報の収集でございますけれども、具体的には、無戸籍の方あるいはその母親の方が市区町村の戸籍や住民票の窓口、児童相談所や市区町村の児童福祉の窓口、教育委員会を含む学校教育部門等に相談に来られたときなどに無戸籍であることを把握できることが多いという状況でございます。 そのほか、法務局への相談につきましても、ポスターやリーフレット等で広報しておりますが、直接法務局に相談に来られた、そういう機会に無戸籍であることを把握できる場合もございます。
○中西健治君 無戸籍の方については国民としての社会的基盤が与えられていませんから、人間の尊厳にも関わる重大な問題が生じているというふうに認識しています。こうした無戸籍の方々が発生する原因についてどのようなものが考えられるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 無戸籍の状態が生じます原因には様々なものが考えられますが、法務省が把握しております現在の無戸籍の方のうち、民法第七百七十二条に規定いたします嫡出推定によって、戸籍上、夫ないし前の夫の子とされるのを避けるために出生届を提出しなかったことが原因であるとしている方が全体の七五%を占めているものと承知しております。
○中西健治君 そういうことだと思います。 通常の生活をしている限りにおいては、その人が無戸籍状態であるかどうかは第三者からは分かりません。一方、今の答弁にあったような問題を始め、何らかの事情で届出ができないということが主な原因になっているということだと思います。つまり、カミングアウトしてもらわないと分からないのに、何らかの事情があってそれを人に言うことができないと、こういうことが問題の根本にあるわけですので、現状の把握というのも大変難しいということだと思います。DVですとか個人情報保護などの問題も関わってきているということではないかと思います。 無戸籍状態の方々を把握して戸籍を作っていただくためには、具体的にどのような取組を今しているのか、そしてこれからするのか、こうしたことについて、無戸籍の方と実際に接する行政の現場での対応と、そして法制度、制度の運用、こうしたことについてお伺いしたいと思います。これは大臣から御答弁いただき、これを私の最後の質問にしたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど委員御指摘のとおり、この無戸籍の問題というのは個人の尊厳に関わる大変重要な問題であるというふうに思っております。 無戸籍の状態になっている方々に対しまして、行政の現場での対応、これは非常に重要な位置付けにございます。先ほどのように、なかなか御自分から言いにくい方がほとんどということでありますので、いかにその情報を得ることができるのか、このことが大変重要であるということでありまして、法務局におきまして、市区町村等と連携をいたしまして情報の集約をしっかりしていこうと、この確認をするとともに、その情報に基づきまして、お一人お一人の実情、これに寄り添いまして、戸籍に記載されるための丁寧な手続案内、これの取組に力を注いでいるところでございます。 また、さらに、法務省におきましては、関係府省を構成員といたします無戸籍者ゼロタスクフォース、これを設置いたしまして、また日本弁護士連合会とも連携をしてきたところでもございます。 しかし、無戸籍であると新たに把握された方の中にも、まだ無戸籍状態が依然として続いているという方もいらっしゃいまして、市区町村によりましては、依然として、福祉担当部署などが把握をしていたとしても戸籍担当部署に情報提供がされていない可能性があるのではないかと思っているところでございまして、そのために、市区町村の戸籍担当部署以外の部署も含めた情報の集約に更に十全を期すべきと考えたところでございます。 そこで、最近の取組でありますが、法務省におきまして、市区町村に対しまして、例えば市区町村の福祉関係の部署などが無戸籍者の情報を把握した場合に、その戸籍の担当のところに提供するということについての少しハードルがあるという現場もございまして、これは法的な根拠に基づくものであるということ、あるいは個人情報保護の観点からも問題とならない旨などもしっかりと周知徹底をしていく、こういうところに総務省を始めとして関係省庁と連携をしているところでございます。 また、依然として無戸籍状態が解消されていない方がまだ相当数おられるという現状もございまして、その背景には、無戸籍状態解消のために裁判所における手続、これが必要となる事案が多いという実情がございます。 そこで、法務局におきまして、裁判所における手続に関与する弁護士会、また法テラス及び家庭裁判所に働きかけを行いまして、無戸籍者問題の解消を目指した地方協議会、これを設置し、順次開催するなどしているところでございます。 今後の取組といたしまして、こうした手続案内開始して三年余りが経過した現在でございますので、さらに、無戸籍者問題の解消に向けまして、人間の、人の尊厳に関わることということで、人権擁護委員の皆様などの協力も得ながら、より一層積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っております。 二点目の御質問でございました、制度の見直しに係るという取組についての御質問でございましたので、これにつきまして申し上げたいと存じますが、これまで述べたような取組によっても無戸籍の方のうち約四割につきましては問題の解決に至っていないということにつきまして、大きな課題であるというふうに認識をしているところでございます。 現行法制度につきましては、嫡出否認の訴えを提起することができるのは夫に限られております。この点も出生の届出を阻害する要因になっている可能性があるわけであります。この点を含めまして、嫡出推定に関する法制度の見直しにつきましては様々な御意見があり得るところでございますので、法務省といたしましても、どのような点が出生の届出の障害要因となっているかなどにつきまして無戸籍問題の原因分析をいたしまして、制度の見直しの要否につきまして検討してまいりたいと思っております。
○中西健治君 ありがとうございました。終わります。
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。おはようございます。よろしくお願いします。 私は、子供をめぐる問題を今日ちょっと取り上げたいと思います。 特に、やはり今社会の多様化ということもありまして、なかなか結婚した夫婦というのも難しい、不幸にして離婚をしたり、あるいは訳あって別離しなくてはいけないような状況があるわけですね。そうなると、やっぱり巻き込まれるのは子供ということで、その子供についての御質問をさせていただきたいと思います。 ハーグ条約、国境を越えた子供の連れ去り、破綻してしまった夫婦のお子さんが、どちらかの一方の親が国境を越えて、つまり外国から日本へ、あるいは日本から海外へというふうに片親と行ってしまうという、そのことについての国際ルールを決めたハーグ条約というのが二〇一四年の四月一日に日本は加盟して発効したということなので、ちょうど丸四年になるわけですよね。やっぱり、そういうことでいろいろ動きも出てきているのかなというふうに感じるんですけれども、実は、やっぱりなかなか、ハーグ条約では、子供をまずその住んでいた元の国へ戻すというその大原則、これをやっぱり守らせようという国際条約なわけですね。 ところが、なかなかそれが難しいということがありまして、実は、お手元の資料をまず見ていただきたいんですが、新聞のコピーを配らせていただいております。先日の新聞に出ておりました。子の返還、そのハーグ条約に基づいて、アメリカにいる、これは日本人の御夫婦なんですが、アメリカに住んでいて、それで奥さんが日本の方へお子さん、十三歳の息子さんということなんですが、連れて帰ってきてしまったということに対して、元のアメリカに戻してくれというハーグ条約に基づいての訴えをしたわけですけれども、そのハーグ条約の窓口であります、これ、これは法務省じゃなくて外務省なんですが、外務省が中央当局ということで窓口になっている、そこがいろいろと国内実施法に基づいてやったけれども、やっぱりどうしても返すことができないと。 これ残念ながら、ハーグ条約は無理やりに戻すということができないというところがあって、アメリカにいる夫の方は、さらに、これ、それができなかったための最終的な手段ということなんでしょうが、人身保護法に基づく人身保護請求ということを最高裁に訴えて、それで最高裁が今回それを違法というふうに判断したと、初めてなわけですね。つまり、ハーグ条約に基づいて子供は一旦住んでいた国へ戻すべきだということをしないと、それは違法であるという判決を最高裁が出したと。私は、これは一つのやっぱりハーグ条約をめぐる動きなんじゃないか、画期的な判決ではないかというふうに思っております。 ただ、これで決まるかどうかということがありますけれども、なかなか難しい子供を元の国へ返すということについて、こういう最高裁の初めての判断が示されたことについて、上川大臣、どんなふうに感じておられるか、伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) お尋ねの人身保護請求がなされている個別の事案ということでございまして、現在も係属中のものであるということでございます。その事案につきまして、法務大臣として所見を述べることにつきましては差し控えさせていただきます。 一般論ということで、ハーグ条約の実施法、この適用される事案ということにつきましての問題、これを一般論として申し上げるところでございますが、子の返還が適切に実現されることは子の利益に資するものでありまして、このような観点からハーグ条約実施法が適切に運用されるということは重要であるというふうに考えております。
○真山勇一君 まさに適切に実施されることが大事だけれども、現実を見てみるとなかなか難しい。子供を連れていった片っ方の親にとっては、そこから引き離されるのはやっぱりとてもつらいことだし、そんなことは許されないという、そういう思いもあるでしょうし、それから、突然お子さん、配偶者とお子さんがいなくなっちゃった当人にとっても、それはやっぱりいろんなショックがあるんじゃないかというふうに思うんですね。ただ、どうしても無理やりにできない。今おっしゃったように、やっぱり子供の立場を考えながらどういうふうに解決していくかということがあると思うんです。 実は、質問通告はさせていただいていないんですが、今朝、ちょっとネットを見ていたらこういうものを見付けたんでちょっと伺いたいんですが、これ、イタリア大使館がネットに発表しています。先月の三十日に発表しているんですね。上川大臣宛てのEU各国からの手紙なんです。 要するに、子供の略取、未成年者の略取について、在京EU加盟各国大使から日本国法務大臣への書簡を提出しましたということをイタリア大使館が、ホームページだと思うんです、これを発表しているんですね。英文の手紙と、その英文の手紙の最後を見ますと、ヨウコ・カミカワ宛てということになっております。 この未成年者の略取、ハーグ条約の関連でこうした書簡が大臣宛てに届いたことは、大臣は確認しておりますか。
○国務大臣(上川陽子君) この手紙については承知をしているところでございます。今回、初めて受けたものでございます。
○真山勇一君 発表は先月の三十日なんですが、手紙の日付は今年の三月の六日付けで出されているということなんですね。 この中で、やっぱりこのハーグ条約をめぐって、なかなか子供が片っ方の親の強い反対で面会ができなかったり、あるいはその元の国へ戻されないというような、そういう状況があると。これは国連が定めている児童の権利に関する条約、これにあるように、こうしたことの上で両方の親と子供は関係を保ち続けることができるようにいろいろな日本の関係当局も注意を払ってほしいという要望の手紙だというふうに思うんですね。やっぱりなかなか難しいということ、特に返還命令が出てもなかなか子供が元の国へ帰れないということが起きていることをやっぱり懸念してのこの手紙だというふうに思うんです。 ですから、先ほど大臣がお答えになったように、適切に法を適用していくということがやっぱり求められているということになるんじゃないかと思うんですね。 先ほどの新聞記事の中にもありますけれども、なかなか、ハーグ条約での決定が出ても、実施法で出ても、それが実現できないと。このハーグ条約の目的というのは、不法な子供の連れ去りを防いで国際的な紛争を避ける目的と言っているんですけれども、現実はなかなかこのように引渡しができないという状況が行われている。そういう中で今回のこの違法であるという最高裁の判決が出たわけですけれども、なかなか、戻せということが出て、執行官がその子供の親のところへ行って子供を戻すようにと言っても拒否されるということが多い、なかなか実現しない。 この記事によると六件断念しているということが言われておりますけれども、こうしてやっぱり決まって、ハーグ条約を守るようにというふうに言ってもなかなかそれが実現しないというその辺の辺りというのは、中央当局として、どんな辺りが課題というか問題点でこういうことがなかなか難しいことになっているんでしょうか。
○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。 代替執行についての御質問かと思いますが、ハーグ条約が我が国について発効した平成二十六年四月から本年二月末までの間に、我が国から外国に子を返還すべきものとされた事案について、代替執行の手続が六件実施されております。また、その結果として子の返還が実現した例はないという現状でございます。 代替執行の手続が実施されて執行不能となった事案の件数は限られておりますので、執行不能の原因が制度上の問題であるのか個別事案の事情によるものであるのかについて、なお精査を要するものというふうに考えているところでございます。 いずれにしましても、引き続き、ハーグ条約実施法の運用状況等を見ながら、法務省などの関係機関等とも適切に連携しながら必要な措置の在り方について検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
○真山勇一君 やっぱり離婚というか別離の問題なので、多分非常に個人的ないろんな理由があって、一概にこうだと決め付けることはなかなか難しいと思いますし、もう一人一人、一組一組で全部事情が多分違っているんじゃないかというふうに思っています。この、ですから、EUから上川大臣宛てに宛てられた書簡の中でも、大変デリケートな問題であるということをまず冒頭に言って、でも、何とかこういうことを積極的に解決してほしいという、そういう呼びかけになっているわけですね。 先日、外務省の方からいただいた資料でも、やっぱり日本のシステムと海外の国のシステムでちょっと、制度ですね、制度で大変やっぱり大きな違いがあるということだと思うんですね。先日、外務省の方からいただいた資料、これフランスのリベラシオンという伝統的な日刊紙の中の、今年の一月三十日に記事が出たそうですけれども、その中にも、日本の子供を、養育のシステムというのがやっぱりEUとか欧米とは多少違うということを向こうも認識してきているということがあります。 ちょっと引用させていただくと、日本では子供の養育をシェアすることは認められていない、伝統的に家庭は両親と子供から成るが、離婚により家庭が崩壊すると子供はどちらかの親にしか属さなくなるというふうになっていますね。どちらかの親にしか属さなくなるということが、結構この問題、やはり海外の国から見ると日本のネックになっているのかなという指摘ではないかというふうに考えられるわけですね。 端的に言えば、単独親権ということと、それから海外ではやはり共同親権なり共同養育という形がごく自然であるということですね。やっぱり子供のことをまず考えてのことであるということなんですが、やっぱり日本では、どうしても離婚というと当人同士の話の方が主になってしまって、なかなか子供のところまでこれまでケアができていなかったということがあるんじゃないかというふうに思うんです。 こういうふうに海外から、このハーグ条約が発効してから四年たって、いろいろと海外からもこういう反応が出てくるということは、これ、例えば求められたときになかなか子供を戻せないとなると、海外との多少トラブルとか外交問題になる可能性、そんなことはないんでしょうか。そんな懸念というのは持っていらっしゃいませんか。
○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。 平成二十六年四月一日にハーグ条約を我が国が発効して以来、全体として見ますと、我が国は着実に条約を実施してきております。実際、日本から外国への子の返還援助申請につきましては、条約発効から本年二月末までの四年弱の間に三十一件について返還が確定しております。そのうち二十四件について既に返還が実現しているということもございます。 また、我が国における返還命令の執行状況を含む我が国の取組ですとか実績につきましては、これまでも対外的にしっかり説明を行ってきておりますし、今後ともそうした働きかけを続けて理解を広げていく必要があると思っておりますし、そのようにしてまいりたいというふうに思っております。
○真山勇一君 やはり、そのハーグ条約できてから、そういうケースというのはさすがにいろいろと前よりも比較的意識するようになったということだと思うんですけれども。 このハーグ条約の中央当局、つまり日本側の窓口をどこにするかということはこの法務委員会でも当時かなり取り上げられましたけれども、法務省がいいのか、あるいはやっぱり海外との窓口だから外務省がいいのかということになって、現在は結局外務省に落ち着いて、ハーグ条約の中央当局、つまり窓口になるのは外務省ということで。 結局、実施法というのはそういう裁判関係の法律になってくるので、その辺、外務省の中央当局として、私はちょっと畑違い、子供のこういうこととか離婚のことを外務省は、それはそれなりに非常に実績をきちっとつくってきてやっていらっしゃるというふうに評価はしています。ただ、大変デリケートなというふうにありましたけれども、そういう難しい問題なので、やはり中にはうまくいかないこともあるというふうに思います。 今後も、ですから、このハーグ条約に基づいた法の執行、これを着実に是非中央当局にはお願いしたいというふうに思っております。これは日本だけの利益でなくて、やっぱりお互いの、海外の国々の利益にもなるし、それが取りも直さずやっぱり日本の立場を主張するという大事なことになると思いますので、是非今後も引き続き、子供をどうするかという問題、子供の権利というのを大事にしながら是非やっていっていただきたいというふうに思います。 ちょっと今日時間が少ないので、その後の質問を少し順番を入れ替えさせていただきたいんですけれども。 結局、そういうことで、子供の連れ去りというのは、別に国境を越えた問題だけじゃなくて、国内でももちろんあるわけですね。結婚している夫婦が離婚する、あるいは何らかの形で破綻をして別れるということになると、未成年のお子さんいらっしゃる場合、どっちが養育をするかということで、今どちらかというと母親の方へ連れていかれてしまうということも多いし、もちろん父親の方に残るということもそれはもちろんあると思うんですが。 いわゆる片親の方に子供、つまりこれは、先ほど申し上げたように、今、日本の場合は単独親権ということが民法で決められているということなので、七百六十六条に明記されていますけれども、ただ、子供の利益を最大限に考えていかなければいけないということが改正で加えられています。ただ、やはりそうはいってもなかなかこういう離婚の問題、夫婦別離の問題というのは難しいところがあると思って、こうだというふうに一概に言えないというふうに思うんですけれども。 上川大臣は、この辺の子供の、一方の親に引き取られていってしまってなかなかもう一方の親と会うことができないというような、そういうことが起きているという現実、これかなり離婚も増えているわけですから、それによってそういうお子さんもそれに応じて増えているというふうに思うんですね。こういう現実についてはどういうふうに捉えられていらっしゃいますか。
○国務大臣(上川陽子君) この親の離婚を契機に子供の面会交流権あるいは養育に係る離婚時の双方の取決めというのは非常に大事なことだというふうに思います。 今、強制的に面会交流をというような形ではできませんけれども、離婚時にそのことを積極的に面会交流や養育について双方でしっかりと話し合っていただいて、そして子の利益を優先する形でこれが実態として担保することができるようにしていくということは非常に大事なことだというふうに認識しております。
○真山勇一君 その延長線上でちょっとお伺いしたいんですが、上川大臣は比較的家族の関係については進歩的な考え方をお持ちだというふうに私は理解しておりますけれども、世界の情勢を見ると、やっぱり共同親権とか共同養育とか共同監護という、それが大きな一つの流れになってきていますけれども、日本の場合はまだやはり民法で決められているように単独親権ということなんですけれども、最後に、上川大臣の共同親権あるいは共同養育、それに対するお考え、もう一回改めて伺わせていただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君) まず、子供ということで、大変子供の問題というのは、かけがえのない私たちの国にとっての宝でございますので、この重要な存在である子供の問題について真っ正面から取り組んでいく必要があるというふうに思っております。 父母が離婚した後であっても子供にとっては親であることは変わりはないわけでございます。一般論として、父母の離婚後も父母の双方が適切な形で子の養育に関わるということは、子の利益の観点から非常に重要であるというふうに考えております。この点につきまして、二十八年の三月に委員からのお尋ねがございまして、当時の岩城大臣も答弁したところでございまして、私もそのような考え方でございます。
○真山勇一君 ありがとうございました。 時間がなくなりましたので、この辺で終わりにしたいと思います。残った質問、また後日改めて伺いたいと思います。今日は政府委員の皆さん、ありがとうございました。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 今日は一般質疑ということで、特に私、公認会計士でもありますので、会社法と絡んだ質問をさせていただきたいと思います。 まず、会社の決算の日でありますけれども、委員の先生方には資料がございます。 資料一を見ていただきますと、三月決算というのが非常に日本の会社は多いと、集中していることでありますが、特に、いわゆる株主総会は決算から三か月以内に開かなければいけないということになっておりまして、その結果、六月末の三日間で上場会社のいわゆる七二%の企業が株主総会を開いているということで、非常に短期間の間に集中していると、こういう現状にございます。 一方、そうすると株主に、いわゆる投資家にとりましては、企業分析の時間が不十分という不満が非常に多いということになっておりまして、特に三割を占める海外機関投資家及び国内機関投資家、多いところでは千五百社投資しておりますので、それ一挙にこの三日間に集中されると十分な企業分析ができないと、さらには海外投資家の日本参入の障壁になっていると、こういう指摘もございます。 そういうことで、一方、政府といたしましては、企業そして機関投資家の対話最重視と、こういう方針という掛け声はあるんですけれども、実際には掛け声倒れになっていると考えますけれども、これは内閣府でしょうか。村井政務官、答弁お願いいたします。
○大臣政務官(村井英樹君) お答え申し上げます。 株主総会の集中緩和につきましては、証券取引所において、二〇〇七年以降、上場規程により企業に株主総会開催の分散化に努めることを求めるなどの取組をしてきているところでございます。また、二〇一五年策定のコーポレートガバナンス・コードにおきましては、株主との建設的な対話の充実等の観点から、株主総会関連の日程の適切な設定を行うべき旨が定められております。 こうした取組もあって、株主総会の開催状況につきましては、議員御指摘のとおり、二〇一五年三月期決算では七二%の企業が六月下旬の三日間に株主総会を開催をしておりましたが、二〇一七年三月期決算ではこの七二%が六二%となっておりまして、株主総会開催日の分散化に向けて引き続き努めていく必要はあるものの、集中状態は一定程度緩和に向かってきているものと承知をしているところでございます。
○若松謙維君 この一年間で一割減ったと、三割を除いてですね。あとは、そうすると、何日ぐらい減ったかと本当は議論したいんですけれども、ちょっと、それよりも、資料二を見ていただきますと、三日間の、先ほど、何ですか、集中が改善されたとあるんですけど、私は大きくは改善されていないと思っております。 特に、この資料二を見ていただきますと、まず、この決算から株主総会の開催日までの比較ですが、日本の東証一部は約八十五日、アメリカでも約百二十四日ということで非常に日本は短いという。さらには、監査報告書ですね、決算日から監査報告書提出までの期間比較が、日本は四十二・五日、ドイツといういわゆる働き方改革の先進国ではその倍の八十一日ということで、私も監査した経験から、三月末、桜見したことはございません。ゴールデンウイーク、休んだこともございません。こういう状況で、決算を作る財務担当者も大変な実は過労状態に置かれていると思っております。 そういうことでありますけど、先ほど言いましたように、このコーポレートガバナンス・コード、またスチュワードシップ・コードということで対話重視ということなんですけれども、私は、この株主総会まで八十五日とか監査が四十二・五日、これを大きく改善しないと私は対話重視の、いわゆる機関投資家が納得できるような形にはならないと思っております。 ですから、そういう意味で、是非ともこの基準日という、まあ日本の場合は基準日は決算日になるんですけど、これ一か月ずらすことによって実は欧米並みにかなり近づくと、それで対話重視も大きく改善されるということを考えるんですけど、いかがでしょうか。これは法務大臣と、併せて村井政務官にお願いします。まず、法務大臣にお考えをお尋ねいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 多くの上場企業の定時株主総会の開催日が六月末に集中していることについては、これによりまして、会計監査人が質の高い会計監査を行うのに十分な期間を確保することが難しくなっているという指摘や、機関投資家が議案等を検討するための期間が十分に確保されていないという御指摘につきましては、委員御指摘のとおりだというふうに思っております。 そして、今委員御指摘がございました定時株主総会における議決権の行使の基準日を決算日から一か月ほど後の日とし、定時株主総会の開催日を後ろ倒しにすることにつきましては、会計監査人による監査期間や機関投資家による議案等の検討期間、これを十分に確保するということに資するものというふうに認識しております。
○大臣政務官(村井英樹君) 今委員から議決権行使の基準日を一か月ずらしたらどうかといった御指摘をいただいたところでございますけれども、法務大臣からもお話がございましたが、企業が株主総会の基準日を一か月ずらし、例えば三月決算法人の株主総会を七月に開催することにつきましては、メリットとして、有価証券報告書が株主総会前に提出をされ、また株主総会議案の検討期間が十分確保されることにより企業と投資家の対話の充実につながり得るということ、また、仮に株主総会の後ろ倒しが会社法上の事業報告等の提供時期の後ろ倒しにつながれば、会計監査に掛ける時間の確保にも資するとの指摘がございます。 他方、デメリットといたしましては、株主総会では前事業年度までの業績を踏まえて役員の選解任や経営計画の賛否等が決定されることから、業績に応じた企業の意思決定が遅れかねない等の指摘もあるところでございますけれども、委員の御指摘を踏まえながら取組を進めてまいりたいと考えております。
○若松謙維君 資料三ページをお開きいただきますと、やはり、今、村井政務官も検討には値するというような趣旨の御答弁だと思います。 特に、ここの資料三で、いわゆる株主総会、六月末に集中しているわけでありますけれども、実は日本の監査というのは二回出すと。まず、株主総会の二週間前にいわゆる株主総会招集通知、ここに最初のいわゆる会社法による監査報告書を付けた事業報告計算書類を出すと、これが二週間、実質、言ったように二、三週間なんですけれども、これもまた非常に短いということが先ほどのいわゆる対話重視とは離れているという、こういうことでありますので、先ほど言いましたように、この一年間で三日間ですか、最後の三日間の集中日が一割減ったんですけど、でも恐らく僅かなずれだと思うので、是非、更なる我が国の資本市場育成のためにこの株主総会の集中回避を企業に促していただきたいと思うんですけれども、法務大臣、村井政務官、答弁をお願いします。
○国務大臣(上川陽子君) 定時株主総会の開催日、これをいつとするかは、会社法上は、決算日から当然に定まるものではなく、各企業における株主の状況や監査の実情を踏まえた自主的な判断に委ねられるものでございます。 また、法務省におきましては、本年三月に、三月決算の上場会社が定時株主総会を六月ではなく例えば七月に開催する場合に想定される支障を取り除くための措置を講ずるための会社法施行規則の改正を行ったところでございます。 このような措置も踏まえまして、各企業におきまして、会計監査人による監査期間や、また機関投資家による議案等の検討期間を十分に確保するために、定時株主総会の開催日を後ろ倒しにすることなどの自主的な取組がなされていくことを期待しているところでございます。その取組状況につきまして注視をしてまいりたいと思っております。
○大臣政務官(村井英樹君) 株主総会の集中緩和につきましては、既に委員から御指摘をいただいている問題意識等もしっかり踏まえながら、これまでも、証券取引所において取組が行われてきたほか、金融庁においても、各企業において適切な株主総会日程の設定を容易とするよう開示書類の見直しといった環境整備を行ってきたところでございます。 本件については、最終的には各社の自主的な判断といったようなところもございますので、各企業において自社の実情も踏まえながら適切な株主総会日程の設定が行われることをいずれにしても期待をしていきたいというところでございます。
○若松謙維君 自主的取組前提という御答弁だと思うんですけれども、結局、三日間でみんなで集中すると、はっきり言って投資家というか株主は分散せざるを得ないと、こういう現実をやはり改善する姿勢がないと、長期的には日本の資本市場は衰退していきます。ですから、是非これを真剣に捉えて会社等に私は促していただくのがやはり政府としての先を見据えた責任ある対応だと思いますので、よろしくお願い申し上げて、次の質問に移ります。 最初に、刑法改正のフォローアップということでの質問通告をしているんですが、ちょっと時間的にもありませんので、インターネット上の人権侵害について質問をさせていただきます。 特に、資料の四にインターネットの書き込みによる人権侵害ということで、これは法務省が作りました現在の手続を述べております。特に、いわゆる人権侵害の被害に遭われた場合には、まず法務局の人権相談へと、そして人権擁護委員がお話を聞いてやり取りをして、そこで法務局が違法性を判断した場合にはプロバイダーへの削除要請をいたしますと、こういうことでありますが、結局、インターネットを悪用した、利用率が高まると同時に、悪用した誹謗中傷、侮蔑とか特定の個人のプライバシー情報を流出するとか、こういうネット上の人権、プライバシーの侵害が後を絶たないと、こういう状況が続いております。 さらには、犯罪被害者やその親族、まるで悪いことをしたかのように無責任なうわさが更に流されて人権を侵害される、そしてプライバシーを侵されると、こういう非常に二重の被害も受けることになりますので、そして一般の個人情報もネットに流出するという、非常にある意味、ネット社会のマイナス面というのが非常に拡大しているわけであります。そういう多くの悩む方がおられる中で、ネット上で人権、プライバシーが侵害された場合には瞬時に拡散してしまうということで、結局全ての情報削除が非常に、いわゆる名誉回復が難しい、これも現実ではないかと思います。 ですから、法務省としてこうやって啓発活動をやっているんですが、結局、それに応じて、例えばそれを削除したとしても、その後いわゆる拡散した場合には対応しようがないんですね。そこに対して真剣に対応しないと、恐らくこの問題というのは解決されないと思います。 そういう意味で、私は、そういう削除技術を、例えばこれ全部一件一件人間の手でやるのは難しいでしょうから、AIを活用してちゃんとこういう項目は出さないということをしっかりやって、まさにサーフィンじゃないんですけれども、全ての情報を整理してそういうのを削除すると。そういうような取組までやっぱり踏み込むべきではないかと思いますけれども、大臣、法務省としてはいかがでしょうか。
○政府参考人(名執雅子君) 委員御指摘のとおり、インターネット上に掲載された名誉毀損、プライバシー侵害等の情報は、それが拡散され、被害が重大となるおそれがあるなど、重要な人権問題と認識しております。また、平成二十九年に新たに救済手続を開始したインターネット上の人権侵害情報に係る事案は二千二百十七件であり、五年連続で過去最高を更新するなど、事件数の増加も憂慮すべき状況にあると認識しております。 法務省の人権擁護機関では、人権啓発活動の実施において、「インターネットを悪用した人権侵害をなくそう」を特に強調すべき事項として掲げ、啓発冊子の配布や啓発ビデオの作成等、各種人権啓発活動を実施してまいりました。また、インターネット上の人権侵害について被害の申告を受けた場合、情報の削除を依頼する方法を被害者に助言するほか、人権侵犯事件として行った調査の結果、名誉毀損やプライバシー侵害等の人権侵害に当たると認められたときは、法務局がその情報の削除をプロバイダー等に申請するなど、適切な対応に努めているところでございます。 法務省としましては、インターネット上で拡散いたしました情報については、被害者から被害申告を受ける都度、プロバイダーに繰り返し削除を要請するなどの対応を行っております。このような情報がインターネット上に拡散することによる被害者の負担は非常に大きいことから、可能な限り迅速に要請するよう努めているところでございます。
○若松謙維君 引き続き、大変難しいので、またこの場で取り上げさせていただきます。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。今日は、政府が提出をした民法の一部改正案の基本的考え方について大臣と議論をしてみたいと思います。 今回、男女の婚姻年齢を統一をされようという法案を提出されたわけです。この部分は、私、大賛成なんですね。このことによって、九六年法制審答申のうち政府が法案をいまだ提出しないのは選択的別姓だけになりました。 その下で、先日、二つのカップルにお話を伺ったんですが、自分が自立した個ではなくなる気がした、お互いに相手に強要するのはおかしいよねと、事実婚を選んだカップルですけれども、出産で万が一の事態があったときに、親族でないと手術の意思決定ができない可能性があるということで、一旦妻が夫の籍に入り、出産後、離婚届をすると。けれども、次の世代までも私の違う名前が残されていくというもやもや感が拭えないという趣旨の声だったんです。私、この声聞いてはっとさせられたんですね。 大臣、まず、そういう思いで別姓を選択するという生き方、信条、これを法律婚として認めるべきではない、あるいは排除すべきであると、そういうお考えでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のように、婚姻を考えている当事者の双方が同じ氏を変えたくないという理由で、法律婚をすること、これを断念し事実婚にとどまっている方がいらっしゃるということについては、こうした御指摘、重く受け止めております。 もっとも、選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、単に婚姻時の氏の選択にとどまらず、夫婦の間に生まれてくる子の氏の問題など、我が国の家族の在り方に深く関わる大変重要な問題であるというふうに考えているところでございます。 また、直近、平成二十九年十二月に内閣府が実施いたしました世論調査、五年に一回調査しているものでございますが、直近の調査によりましても、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして国民各層の意見が分かれているということが改めて示されたということにつきましても、そうした事の重さというものも理解をしているところでございます。 ただ、平成二十四年の世論調査の結果と比べて、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして賛成する意見、これが、この割合が増えているということも事実でございます。例えば、十八歳から二十九歳までの、三十歳代で選択的夫婦別氏制度の導入につきまして賛成する意見、これも半数を超えておりますので、世代間の意見に大きな違いが見られたということも今回の調査の特徴ではないかというふうに思っております。大変貴重なデータがこの中に含まれているものというふうに考えているところでございます。 その意味で、今後、今回の世論調査の結果につきましては、例えば、配偶者、子供、兄弟の有無などの違いによってどのような意識の違いがあるのか、また、選択的夫婦別氏制度に賛成の方、反対の方などが他の質問につきましてどのような回答をしてきたのか、このことにつきましてもきめ細やかな分析を行いまして、過去の世論調査の結果とも比較検討を行うなどした上で、引き続き対応につきましても検討してまいりたいというふうに思っております。
○仁比聡平君 冒頭私が紹介したような、言わば多様性あるいはアイデンティティーの尊重を求める声、この声に対して重く受け止めていると、そう御答弁をされたことは大事なことだと思います。 ところが、その後、長々と、この国会でずっと繰り返しておられるその世論調査、その世論調査自体が、もう高齢者の層に限られてしまっている、反対という声が。とりわけ若いところでは賛成という声が大きくなっている。けれども、家族の在り方などを理由として、あるいは盾として、その選択的別氏に私は極めて後ろ向きな姿勢だというふうに言わざるを得ないと思うんですね。 別のカップルの声として、ふだんは困っていないけれど、やっぱり私たちは法律婚を望んでいるんだという、そういう思いを語られた方もあります。 大臣、もはやですよ、同姓、同氏を強制するという現行法が多様な生き方を排除することになっていると、現行民法がそういう生き方を排除していると、そういう認識に私は立つべきだと思います。上川大臣が、政治家として多様性、アイデンティティーの尊重と、その立場から選択的別氏制度について積極的だったと私も理解をしておりましたけれども、ところが、安倍内閣で法務大臣になったら途端に極めて後ろ向きと。この姿勢は、最初に大臣がこの法務委員会に来られたときに私厳しく指摘をしましたけれども、大臣がやるべきは憲法二十四条が定める個人の尊厳の実現だと、そのことを肝に銘じていただきたいと重ねて申し上げておきたいと思います。 今日、時間が限られていますから、この成年年齢の引下げに関わって、未成年者取消し権という、民法第五条ですね、お手元に条文をお配りをしていますけれども、未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。けれども、未成年者が独自に自分の判断でできる、処分できる、そういう法律行為もこの条文の中に定められているわけですが、成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げようというこの提案によって、十八歳、十九歳がこの未成年者取消し権によって保護されていたもの、この保護を外そうというのが大臣の提案、政府の提案ということになるわけです。 この未成年者取消し権の保護を十八歳になった人からは外すという理由は、これ何ですか。
○国務大臣(上川陽子君) 未成年者に対しまして契約等の取消し権が付与されているということにつきましては、民法上、成年者と未成年者との最も重要な差異の一つでございます。したがいまして、お尋ねの未成年者取消し権による保護から外す理由でございますが、それは成年年齢を引き下げる理由にほかならないものであるというふうに考えられるわけであります。 少子高齢化が急速に進行している我が国におきましては、若年者の社会参加の時期を早めるという観点から、十八歳、十九歳の者に参政権が与えられることとなりました。このように、国政上、十八歳以上の者を一人前の大人と見て将来の国づくりの中心とするという政策的な判断がなされたことを踏まえますと、法制度としての一貫性、また簡明性といった観点からは、市民生活の基本法であります民法におきましても、十八歳、十九歳の者を成年者として取り扱うのが適当であると考えられます。 また、G7構成国やOECD加盟国のほとんどは成年年齢と選挙権年齢を共に十八歳と定めておりまして、様々な面で国際的な交流が進む今日の状況の下で、我が国が成年年齢を二十歳のまま維持する合理性は見出し難いものであるというふうにも考えるところでございます。 こうしたこともございまして、この間、さらに義務教育、この義務教育も国民の間に浸透して、高校進学率が九八%を超えていること、また、平成二十年度及び二十一年度、学習指導要領等の改訂によりまして様々な教育が行われているということでございますので、総合的な考慮でございますが、今国会に提出した民法の一部を改正する法律案につきまして、成年年齢を二十歳から十八歳に引き下げることとしたところでございます。
○仁比聡平君 いや、結局そうやってるる述べられるけれども、国法上の統一という自民党の方針もありましたが、それ以上のことは語られない。特に、十八歳、十九歳のこの未成年者取消し権を外す必要性については全くお答えがないわけですね。 もう皆さん御存じのとおり、十八歳、十九歳の成熟さ、あるいは未熟さについては、これは様々な議論があるわけです。十八歳になった人に完全な取引行為の主体としての独立性を本当に認めていいのか、未成年者取消し権を一律に外してしまうという、こういうことを本当にやっていいのかということについては強い懸念があるわけですね。 これ、大臣、どこでどのような検証を行ったんですか。
○国務大臣(上川陽子君) これまで、政府におきましては、平成二十一年の法制審議会の答申で指摘されました若年者の自立を促すための施策や、また消費者被害の拡大のおそれ等の問題点の解決に資する施策といたしまして、消費者教育の充実を始めとする様々な施策に取り組んできたところでございます。 成年年齢を引き下げる民法改正案の準備の過程におきましては、政府・与党におきまして検討を行った結果、これまでに取り組んできた環境整備の施策の状況、あるいは公職選挙法が改正され、実際に十八歳、十九歳の者が参加する選挙が実施されるなどの社会経済情勢の重要な変化等を踏まえまして、この段階で国会の御判断を仰ぐこととしたものでございます。 成年年齢の引下げにつきましては、広く国民的な議論を喚起する必要がある問題でございまして、今国会におきまして、この法務委員会におきましても大いなる議論をしていただけたらというふうに考えているところでございます。
○仁比聡平君 つまり、この法案提出に当たって、今申し上げた私のテーマについてのしっかりとした検証というのをどこでも行っていないんですよ。 大臣が答弁の中で触れた法制審というのは二〇〇九年のものですよ。もう十年近く前。その法制審の答申は、今大臣が少し紹介されたような、施策の効果などの若年者を中心とする国民への浸透の程度、それについての国民の意識を踏まえた国会の判断に委ねるのが相当であるというふうに言っている。 大臣も、今、国会の判断を求めるために法案を提出したという趣旨のことをおっしゃいましたが、だったらば、私たちのこの国会、とりわけ法務委員会の責任は重いですよ。本当に十八歳、十九歳の未成年者取消し権、これ、法律家的に言うと鉄壁の防波堤ですよ。どんな大変なことがあっても、あるいは失敗をしても、私は二十歳になっていませんという事実を証明さえすれば全て取り消すことができるわけですから。その保護を本当に外していいのかと。これ、まともに検証がされていないということが私、明らかになったと思うんですけれども。 この二〇〇九年の法制審のときには、日弁連だとかあるいは消費者関係の団体だとかの意見を聞いたりしている場があります。けれども、その後、こうした関係団体を、参画していただいた議論の場というのをこれつくっていないでしょう、大臣。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のように、成年年齢の引下げのための条件が満たされたかどうかということの判断をするための会議という意味におきましては、日弁連や消費者関係団体が参加した会議を開催したことはございません。 政府といたしましては、成年年齢引き下げる上での環境整備については相応の効果が上がっているというふうに考えておりまして、今回、民法改正法案を今国会に提出したわけでございますが、この環境整備につきましては今後も取り組むべき重要な課題と認識しているところでございます。 この法案が成立した後も、引き続き、この施行までの間にも更に関係省庁と連携をしながら環境整備のための施策の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○仁比聡平君 政府が判断した、政府・与党が国法上の統一が必要だと考えたといって、十八歳、十九歳の現実、実態をしっかり受け止めた検証さえせず、その皆さんへの保護を外すことによって重大な被害が起こるのではないかと懸念する専門家団体の声も聞かずにこの法案の審議をごり押しをしていくなんというようなことは絶対に許されないし、徹底した慎重審議が必要だということを強く申し上げて、今日は時間来ましたから質問を終わります。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。 今日は、就労支援制度、コレワークについて質問をさせていただきます。所信表明五ページのところの再犯防止対策にあったところです。 まず、政府参考人の方にお聞きいたします。コレワークは開始から一年が過ぎました。この一年で企業とのマッチングが成功したのは百二十八名、いま一つという感じがいたします。対して、出所予定の方々は二千五百名という報告があります。出所されて再犯に至る方は無職の方が圧倒的に多いと報告があります。ですから、出所後に仕事を持てた方の三倍ということになります。再犯者の半分が元受刑者ということになります。これは、もう少し再犯防止や訓練に関しての議論を深めていく必要があると思います。私がアメリカのCBS局にいたときに、回転ドアという言葉が使われておりました。出所してまた帰ってくると、まるで回転ドアのように帰ってくると、何とかしなければいけないということでした。 その中で、企業とのマッチング、就労支援ですけれども、日本の場合は肉体労働です。土木、建築、運輸が多いという報告があります。 職業訓練ですけれども、府中刑務所を調べてみました。自動車の整備、フォークリフト、建築機械の運用、それから千葉刑務所ではぽつんと介護福祉の訓練というのがありました。ビジネススキルと書いてあるので何ですかと聞いたら、建設機械とフォークリフトということでした。あとは溶接工、溶接でございます。 私は、ちょっとこの訓練コースに偏りがあるんではないかと思っておりますが、全国で訓練施設というのが何か所あって、そして特に、埼玉県の川越少年刑務所で十五種類の職業訓練をしていると書いてあります。この二つを教えてください。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 刑事施設における職業訓練というのは、受刑者が就労をする上で大変重要なものであるというふうに認識をしております。 お尋ねの川越少年刑務所、これは本来ですと二十六歳未満の受刑者を収容するということで運用している刑務所でございますが、全国的に受刑者を集めて行う総合職業訓練施設という位置付けも与えておりまして、この総合職業訓練を行うという観点からは、二十六歳未満に限定せず、全国から適性のある受刑者を集めて職業訓練を行うというようなことを行っているところでございます。 また、職業訓練の実施につきましては、総合職業訓練施設というような認定をして、川越少年刑務所のように各種の訓練を多数行っている施設もございますが、それ以外の施設につきましても、どこの刑事施設でも基本的にはその施設で実施可能な職業訓練をやっているところでございまして、平成二十九年度においては、全国の刑事施設で四十八種目にわたり、合計いたしますと三百五十二の職業訓練を実施しているというところでございます。
○石井苗子君 私の質問は、全国で何か所のこういう訓練施設があって、この十五種類というのは、コースの内容は何ですかとお伺いしたんです。全国で七か所あります。コースの十五種類というのは、全て仕事が、職業がそこにありきという、先ほど言いましたような肉体労働的な職業訓練がほとんどであります。 私は、アメリカにおりましたときに、州立刑務所の教誨師の家で再犯防止の訓練コースのプログラムを作るお手伝いをしたことがございまして、そのときに、就労支援とは職業が先にありきなのではないというコースが人気がございました。例えば、犯罪心理学のコースなどは犯罪を犯す心理についての授業だったんですけれども、再犯防止には大いに役に立っておりまして、受刑者と職員の方々と、ハローワークですね、日本でいえば、そういう方々も受けることができました。例えば、犯罪心理学というのを勉強して、そこからカウンセラーの資格を取って出所される方がいらっしゃいました。もちろんほかの技能訓練も並行して行っているんですが、それを終えて就職していくという方がございました。 特に若い方の再犯防止に役立つという訓練方法なんですけれども、肉体的な、まずそこに、フォークリフトというのは機械の名前でございまして、職場の名前ではないわけです。自分がなぜ犯罪に至るのかということを知りたいということも職業訓練の中の一つに入れていく。例えば、私がしていたのは、経済学の入門だったりマーケティングだったり、あと大事なのは、まず、集団の中に入らないで一人でできる仕事を持っていく、アニメーターだとか翻訳者、速記、音楽関係という、ITの基礎教育というようなのが入っておりました。 さあ、このコレワークを一年間やってみて、刑務所の中で職業訓練をやられている担当者のこれに対する御意見をいただきたいんですが、これまで運用などの現状を鑑みまして、どのように思われるでしょうか。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 先ほどの職業訓練につきましては、日本の矯正施設では、いわゆる職業上の免許、資格あるいは技術、知識を身に付けるものを職業訓練と呼んでおりますが、先ほど委員の御説明になりました犯罪をしない心理を学ぶといったようなことにつきましては、改善指導という別の枠組みでのプログラムを作っておりまして、そういった形で実施もしておるところでございます。 また、コレワークにつきましては、約一年余りの実績の中ではどうしても、御指摘のとおり、建築業であったり土木であったり運輸であったり、そういった業界からの相談あるいは内定が多数を占めております。 私どもといたしましても、より広い職種の就職あっせんをするべく努力をしたいと思っておりまして、業界団体への周知なども含め、様々な業種からの就職の相談、内定を得られるように努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○石井苗子君 職業訓練というのは職業に就くということなんでしょうが、これは再犯防止に対する対策であり、計画でなければいけないと私は思っております。 この職業訓練につきまして、これ政務官にお尋ねしますが、欠格条項というのがございます。 先ほどの二千五百名の方々はまず登録者となりまして、持っている資格や帰っていく場所というところで民間企業からの希望で職種を集めて、吸い上げて、これをコレワークに情報を集めて相談窓口を置くということになっているんですが、資格を前もって持っている受刑者の方、大変いいことだと思うんですが、刑務所内で受験はできるんです、受験はできるんですが、合格もできるんですけれども、出所してからその免許を使って実際に仕事をするのに、欠格条項と呼ばれている各法律の規則がありまして、例えば、警備業法なら五年、栄養士法なら五年、その資格を持っていても五年間仕事に就けなくて、ほかの仕事を探しながら待っていなければならないという、こういう規則があります。この間にどうしてもほかの仕事が探せなくて、いろいろな社会的な目もあって再犯を繰り返してしまうということがあります。これ正確には二年から五年というふうになっていますが、そこはちょっと二年ということで。 資格を持っていても使えないということがあるわけで、この各法律の欠格条項を緩和したら、その待っている間に再犯に至るということも防犯につながるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(葉梨康弘君) 石井委員の御指摘の御意見、実は、再犯防止推進計画の策定の前に、省内で関係省庁と有識者を集めまして再犯防止推進計画等検討会というのが開催をされました。そこでも有識者の方からそういう御意見をいただいたわけです。 ただ、一方、それぞれの法律、法務省所管外の法律が非常に多いわけですけれども、その欠格条項というのは、その欠格条項が設けられた趣旨、背景事情等がそれぞれの法律において異なっています。また、欠格事由の定め方もまた様々でございます。 そこで、再犯防止推進計画においては、犯罪をした者などの就労の促進の観点から、前科があることによる就業や資格取得の制限の在り方について検討を行うということを定めております。 私どもといたしましても、この計画に基づいて、関係省庁と綿密に連携して欠格条項の見直しについて着実な検討を進めていきたいと考えています。
○石井苗子君 着実な検討を推し進めていっていただきたいと思います。 再犯を防止するためですから、昨年の十二月十五日に閣議決定されました再犯防止推進計画というものの成果を上げていくためにも、この欠格条項という緩和政策について深く議論をしていき、なぜこの五年なのかということも含めて、なぜ待たされるのかということも含めて、いろいろな背景があったと思いますが、これは真摯に議論していただけるということで、ありがとうございます。 では、最後の質問にさせていただきます。これは大臣にお伺いいたします。 今年、平成三十年でございますが、二年前の平成二十八年十二月に再犯防止推進法が公布、施行されまして、去年の十二月に再犯防止推進計画というのがスタートしたわけでございます。 私は、受刑者の方々の社会復帰の在り方ということでその国の民度が分かると、ようにアメリカでは教わっておりました。いかにその刑を終えて帰ってきた人たちがまた仕事に就くことができ、そういうことができる社会になっているかどうかということです。 確かに、労働力が不足している社会的な課題というのが日本にはございますが、この労働力というのが肉体労働ではなくて、自分が一番大切なことは犯罪を犯さないということで、なぜ犯罪を起こしやすいのかということを自分が知って出所することが大事だと思うんですね。 ですから、その職業訓練というか、その人の存在の証明を社会でできるように、そして仕事に就けるように、再犯しないようにと導くための職種がそこにありきでは、職業訓練がそこにありきではないかと思います。フォークリフトというものがあってそこで働くのがその職業だ、そこに就けというのではなくて、出所予定者の方々に、肉体的な労働をするだけの、人手不足の要員としてそこに流れていくんだという形であなた方は当てにされているんだというような心理的な方向をつくってはいけないと思うんです。 刑務所での更生を図って、元受刑者が仕事を持って、社会の一員として御自身の存在を自覚しながら活躍してくださるようにお願いを込めまして、大臣から御所見をいただきたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) この再犯防止推進法並びに再犯防止推進計画につきましては、この間、様々な現場の声、またその中で、特に再犯のリスクとして刑務所出所者等の不安定な就労、これがあるということで、この問題につきましては、再犯防止推進計画におきましても、これは五つの基本方針、さらに七つの重点課題、百十五の施策を盛り込んだものでございますが、その就労の確保を重点課題の一つに掲げてきたものでございます。また、その施策につきましても、職業訓練等の充実を始めとして様々な角度から施策を推進し、総合的にこの応援をしていこうということで、二十三の施策も盛り込んできたところでございます。 まさに、社会の中でしっかりと受け入れていただきまして、孤立化しないで生き生きと活躍、再度社会の中で活躍することができるようにしていく、その意味も込めてこの推進計画を、まさに推進元年でございます今年、力を込めて重要な一年にしてまいりたいと思っております。国、地方、民間、これが一体となりまして、一人一人の特性に応じて就労支援を始めとする取組をしっかりと、またスピード感を持って取り組んでまいる覚悟でございます。
○石井苗子君 是非、一人一人に合ったということで、犯罪という、罪を犯したことが共通点でございますので、犯罪心理とか心理学というのも職業訓練の中に入れて、計画の中に入れて議論していっていただきたいと思います。 時間が来ました。ありがとうございます。終わります。
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。 もう今から二十三年前になりますけれども、一九九五年三月三十日、地下鉄サリン事件が起きて十日目に、国松孝次当時の警察庁長官銃撃事件が発生しました。当時から公安部の幹部の方々は一二〇%オウム真理教の犯罪であると、九五年だけではなく、その後何年もそういう捜査を続けていらっしゃいました。 しかし、私、最近、数年前にはあるジャーナリストが本を一冊書きましたけれども、二十三年間その国松警察庁長官銃撃事件を捜査を続けてきた捜査第一課元刑事の原雄一さんが、最近「宿命」という本を出されました。その「宿命」という本を読んで、もう愕然としました。 つまり、結論から言うと、国松長官銃撃事件についてはオウム真理教の犯行ではなくて、東大卒のテロリストで、四月で八十八歳になり、別の事件で無期懲役の判決を受けて、今、岐阜刑務所におりますけれども、その人物が、私が国松長官銃撃事件を起こしたんだと、で、供述調書までできている。まあ本の中には詳細が書かれておりますけれども、銃器、弾薬の物証も追い付いた、そしてまた秘密の暴露もあって、オウム真理教ではなくこの人物が実行犯なんだということがよく分かる優れた記録なんですけれども。 この本を読んでびっくりしたことは、これだけ執念を持って捜査をされる刑事さんがいらっしゃることへの驚きでした。本は原雄一さんの著作になっているんですけれども、多くの刑事さんたちが、もうアメリカまで行って取材や調査を、捜査を重ねてこられた。こういう優れた警察官がいらっしゃる。これ、警視庁、警察庁の公安部の方々も優れた捜査をなさっていることは私よく知っております。 一方で、例えば足利事件に象徴されるような冤罪事件というのはなぜ起きるのか。あるいは、私自身の経験でいえば、いわゆるヘイトスピーチのデモの現場などに行って驚くようなことがある。そしてまた、今日の、今からお聞きをしたいテーマなんですけれども、一般の警察官の中で本当に刑事としての資質というものを十分理解されている人がどのぐらいいるんだろうかという、そういうことを疑わざるを得ないような経験もしてまいりました。 そこで、今日お聞きをしたいのは、そういう優れた刑事さんたちがもういっぱいいらっしゃると同時に、冤罪事件が起きるのはなぜなのか。システムなのか、個人の資質なのか、まあそんな単純なものではなくて恐らく複合的なものであるだろうというふうに理解しておりまして、いずれまとまって質問をしなければいけないというふうに思っておりますが、今日まずお聞きをしたいのは、森友問題をきっかけとして、政府を批判する多くの市民の方々が特に金曜日に官邸前で抗議行動を始めていらっしゃいます。三月十二日、三月十六日、今に至るも、あしたもあるでしょう、夜六時半、夜七時半からいろんな団体が抗議行動をやっていらっしゃる。でも、そこにおいて過剰な警備がどうして起きるんだろうかということを現場で見ておりましても疑問に思わざるを得ません。 そこで、最初に警察庁の方にお聞きをしたいんですけれども、私はこの官邸前の抗議行動というのは、当然、憲法十九条、思想、信条の自由、集会の問題など憲法二十一条の一項、そして憲法十三条、さらには警察法二条一項に、二条二項に基づいても、やはり今官邸前に行われている抗議行動に対する過剰警備ではないかというふうに思っておりますので、その観点からお話を伺いたいというふうに思います。 まず、警察庁に伺いたいのは、警察法二条二項というのはどういう内容なんでしょうか。条文と併せて、具体的に思想というのか、趣旨をお話しいただきたいというふうに思います。
○政府参考人(小島裕史君) 警察法第二条二項につきましては、警察の活動は、厳格に前項一項の責務の範囲に限られるべきものであって、責務の遂行に当たっては、不偏不党かつ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等その権限を濫用することがあってはならないというふうに規定をしております。 この第二項につきましては、警察の活動が同条第一項に定める公共の安全と秩序の維持等の責務の範囲に厳格に限られること、その責務の遂行に当たって権利を濫用してはならないこと及び不偏不党かつ公平中正であるべきことを規定しているものと承知をしております。
○有田芳生君 つまり、今お話しになった条項に基づいて、規制をするときには、まずその目的が正当であること、そしてまた、その目的を達成するために規制手段が必要な範囲のものでなければいけない、さらに、憲法十三条の比例の原則に基づくんですけれども、規制によって得られる利益とこれによって侵害される権利利益が均衡している場合にのみ認められる、こういう理解でよろしいわけですね。
○政府参考人(小島裕史君) 警察の警備活動につきましては、憲法及び警察法にのっとりまして適切に行うべく指導をしているところでございます。
○有田芳生君 ところが、現場に行けば誰でもが分かるように、その規制が必要最小限度を超えているというふうに思うんですよね。 具体的にお聞きをします。 丸ノ内線の国会議事堂前を降りて出口を出ますと、右の方に行けば議員会館の方に進んでいきますけれども、左の方に行くと三番、四番出口があります。三番、四番出口があって、三の方をずっと上がっていくと、もうすぐ目の前が官邸になっております。官邸が道路の先に見えるようになっていますよね。一方、四番の方を上がっていくと、上がったところでちょうどこの国会議事堂が見える、そして左に行くと、三番を下りたときの官邸により近い方に行く。 だけど、例えば三月十六日の集会があったときは、抗議が開始される前、夜の六時から七時半頃、つまり集会が始まる前なんですけれども、三番出口上がれないんですよ、警察官の規制によって。四番出口は上がることができる。下りることは三番も四番も可能と。抗議が七時半から始まりまして、大体九時ぐらい、一つのピークになるんですけれども、その時間帯も三番出口というのは上っていくことは警察官によって止められている。四番もこの時間になると止められてしまっている。また、抗議の後半になると、大体時間からいうと二十一時から二十二時ぐらいなんですけれども、三番出口は上りも下りも警察官によって封じられている。四番出口も上り下り封じられている。これはちょっと行き過ぎじゃないかと判断するんですが、その根拠、教えてください。
○政府参考人(小島裕史君) 地下鉄の出口の規制についての御質問でございますけれども、先ほど申し上げましたように、警察におきましては、憲法や警察法にのっとりまして、デモの参加者の安全を確保するための様々な警備措置というものを実施をしているところでございます。 御指摘のような行動に参加される方々につきましては、特定の場所に滞留をされて混雑の程度が高過ぎるということになりますと転倒等の事態が発生をするというおそれがございますことから、警察におきましては、鉄道事業者等と連携をいたしまして、駅出入口周辺等において誘導や案内を行い、そのような事態の発生の防止を図っているというところでございます。
○有田芳生君 言葉ではそうなんだけど、現実は全然違うんですよ。 例えば三月十六日の場合、三番が上がれないから四番から上がった人たちが官邸方向に歩いていくと、警察官が歩道上に鉄柵によるバリケードをつくっている。写真も添えてありますけれども、見ていただければ、一般市民、抗議に向かう人たちは移動できないようになっている。そしてまた、歩道の進行方向と垂直となるように警察官たちが隊列を組んで、歩道上を移動できないんですよ。これは、思想、信条、表現の自由を損なうことになりませんか。何でそういう警備が行われたんですか。
○政府参考人(小島裕史君) ただいま申し上げたとおりでございますけれども、多数のこの御指摘のような活動に参加された方々が特定の場所に滞留をされますと転倒等の事態の発生を招くというおそれがございますことから、特定の場所での滞留や混雑の程度が高過ぎることのないようにするために誘導や案内をさせていただいているというところでございます。
○有田芳生君 そんなの全然現実見ていない話なんですよ。現場行かれましたか。三から上がれない、四から上がって三の方に向かっていく。でも、そこに警察官が全部立ち塞がっていて歩いていけないんだから。その警察官の先には空間ができているんですよ。空間に入れりゃいいじゃないですか。なぜそういうことをやらなかったんですか。過剰警備じゃないですか、これは。
○政府参考人(小島裕史君) 先ほど来申し上げておりますように、この特定の場所に滞留をされますと大変転倒等の事態が発生をするということで、そこはそのときの状況で区々ではございますけれども、御指摘のありましたように、憲法や警察法の規定にのっとって、その趣旨をよく体して適切な警備を行っていく必要があるというふうに考えております。
○有田芳生君 違うんですよ。三番は上がれない、だから四番から皆さんが上がって三番の方向に歩いていったら、警察官が立ち塞がっているから、そこで止まらざるを得ないじゃないですか。その先は空間があるんですよ。そこを開放すれば問題なくその人たちは移動することができる。滞留せざるを得ないのは、警察官が立ちはだかっているじゃないですか。これは過剰警備でしょう。
○政府参考人(小島裕史君) 警察の警備実施につきましては、デモに参加をされる方々の安全を確保するということが大変重要なことだというふうに考えております。 したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、特定の場所に多数の方が滞留をされて、その混雑の程度というものがやはり余りに高まり過ぎますと転倒等の事態が発生するおそれがあるということから、そうならないように事前に案内等々を行っているというものでございます。
○有田芳生君 もう一回繰り返します。 警察官が歩道上に鉄柵によるバリケードを設置して警察官が隊列組んでいるから、前に行こうとする人たちが行けないわけなんです。その先は空間があるんだから、開放すればもっとそんな危ない状況はないじゃないですか。もう繰り返しになりますから、次に行きますけれども。 しかも、そういう状況になると、やはりいろんなトラブルが起きてくるんですよ。警察官の方がある女性のかばんを後ろから引っ張って、倒れる人も出てきた。あるいは、ある警察官の方々は、市民に対して、一般の人はデモには来ません。デモに来る人は何なんだという話です。そういう教育が行われている。行われているかどうか、そういうことはおかしいということを教育しなきゃいけないじゃないですか。 しかも、もっと深刻なのは、お年寄りたちもいます、子供連れのお母さんもいます。そうすると、もう子供がいるから帰ろうとしたって帰れないんですよ、警察官が立ちはだかって。もっと言えば、体の調子が悪くなった人たちが医療班というところに行こうとしたって、写真で示しましたけど、バリケードを張られているから行けないんですよ。ちゃんとどこかに抜けられる道というのはつくっていかないと、逆に警察の方がトラブルが起きる原因つくっているんですよ。こういうことがずっと続いている。 官邸前の抗議行動というのは、原発問題とか様々な問題ありました。安保法制のときにも、官邸前、多くの人集まりました。でも、そのとき以上の異常さが今私たちの目の前で起きている。皆さん、行かなければこれ分かりませんよ。おかしなことが起きているんですよ。 警察官の方々、さっきも警察庁長官銃撃事件の立派な刑事さんたちのことをお伝えしましたけれども、真面目に警備をされているんでしょう。だけど、結果的にそういう過剰警備が続いているということは、これは憲法の観点からいっても大きな問題があると思いますが、今後改善していただけませんか。
○委員長(石川博崇君) 時間が過ぎておりますので、お答えは簡潔に願います。
○政府参考人(小島裕史君) 警備実施に当たりましては、関係者の安全の確保に対する配慮、人権の尊重、中立性及び公平性の確保が重要だと考えておりまして、関係する警察官に対して適切な指導教養をしてまいりたいと、これまで同様、今後とも適切な指導教養をしてまいりたいと考えております。
○有田芳生君 終わります。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 旧姓の通称使用と選択的夫婦別姓についてお伺いいたします。 本日は、内閣府と外務省に来ていただいておりますので、まず内閣府にお伺いをいたします。 選択的夫婦別姓が認められない中、通称使用が認められることは不都合や不利益を解消する上で重要であり、不可欠なものだと思います。 政府の旧姓使用の拡大については大変評価をしております。昨年九月から裁判関係文書にも裁判官の旧姓の使用が認められ、今年一月には旧姓を使用される最高裁判事が就任されました。内閣府は、昨年七月五日に全国銀行協会に対して、銀行口座等の旧姓使用の協力要請をされています。ところが、金融機関によっては戸籍名しか認めないというところもあるようで、旧姓の口座を作れなかったという声が届いています。職場でも、認めるところとそうでないところがあり、不利益を被る人とそうでない人がおり、そういう差はできるだけ解消すべきだと思います。 理解が深まるよう内閣府の更なる取組が必要だと思いますが、今後の取組についてお伺いいたします。
○政府参考人(渡邉清君) 旧姓使用についてお問いかけをいただきました。 昨年六月に、総理を本部長とするすべての女性が輝く社会づくり本部で決定をいたしました女性活躍加速のための重点方針二〇一七、こちらにおきまして、前年の重点方針に引き続きまして、旧姓の通称としての使用拡大に向けた検討を行うということにされております。その具体的な取組といたしまして、昨年七月に内閣府から全国銀行協会等の七団体に対しまして、各金融機関の実情に応じて可能な限り円滑に旧姓による口座の開設等が行われるよう、協力の依頼をさせていただきました。 社会における活動や個人の生き方が多様化する中で、働きたい女性が不便を感じ、また働く意欲が阻害されることがないよう、女性活躍の視点に立った制度等の整備として旧姓の通称としての使用の拡大は非常に重要でありまして、旧姓による銀行口座の開設等につきましても理解が深まるように、引き続き様々な機会を捉えて周知に努めてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 ありがとうございます。今後の取組についても期待をしております。 次に、外務省にお伺いいたします。 二〇〇六年から、一定の要件を満たした場合、旅券に旧姓が使用できるようになりました。ただし、ICチップには反映されないため、ビザの申請でも括弧書きの旧姓は必要ないと言われたり、海外への出張で飛行機の便が変更になったところ、迎えの方が、搭乗者の名簿に戸籍名のみで旧姓が書かれていなかったため会うのに苦労したというお話も伺いました。旧姓が併記されても、実際には不便や不利益が解消されないケースも少なくありません。 政府は昨年五月二十五日、旧姓の通称としての使用の拡大を重点取組事項としており、外務省も、既に一部認められている旅券への旧姓併記の拡大に向けた検討を挙げ、六月六日には、女性活躍加速のための重点方針二〇一七に、諸外国の運用も考慮に入れつつ、引き続き検討を行うと挙げています。 そこで、外務省の検討状況についてお伺いいたします。
○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。 旅券への旧姓併記につきましては、御案内のとおり、その必要性を個別に判断して認めてきているところでございます。平成三十一年度をめどに、旅券申請者本人が旧姓の併記を希望し、戸籍謄抄本で旧姓が確認できる場合には旅券への旧姓併記が可能となるよう準備を進めているところでございます。 また、旅券の身分事項のページに、戸籍上の姓の表記の後に旧姓を括弧書きで記載する現行の併記方法は国際的に広く認知されているものでは必ずしもないという状況でございますので、旅券所持者が不利益を被る可能性があるということで、旧姓の記載方法の改善に向けて、諸外国の運用を考慮に入れながら検討しているところでございます。 また、さらに、旅券のICチップへの反映につきましては、国際民間航空機関、ICAOが定めます現行の国際標準及び諸外国の運用を考慮に入れながら、どのような対応が可能か検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○糸数慶子君 是非、諸外国のその運用状況も考慮に入れていただいて、前向きに検討していただきたいというふうに思います。 続きまして、外国プレスの記者証について外務省にお伺いいたします。 昨年より外務省の規則が変わって、旧姓のみでの記者証の発行が認められなくなったというふうに伺っております。これは、取材先でのセキュリティーが厳しくなることが考えられ、記者証と公的な身分証の提示をする必要がある際、名前が違うことで取材会場に入れない等の事態が起きることを避けるためという理由であるようです。しかし、旧姓だけで活動してきた記者からすれば、これまで使ったこともない名前を併記することに抵抗を感じる方もいますし、また、必要なときに提示するパスポートや運転免許証と違い、記者証は常に人目に付くわけですから、例えば法律婚をしていることや離婚すれば単独の名前に変わるわけですから、プライバシーがさらされることにもなります。 セキュリティー上、あるいはトラブル回避のためであれば、記者証での旧姓併記ではなく他の方法を検討できるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。外務省に伺います。
○政府参考人(安藤俊英君) お答え申し上げます。 外国記者登録証は、外国メディアの日本駐在記者に対し、国際会議、外国要人との会談、外務大臣による記者会見といった外務省関連行事における取材の便宜を図るために外務省が発行しているものでございます。こうした取材の機会のうち、大規模な国際会議、外国要人の訪問等、厳重な警備が必要となる行事におきましては、委員御指摘のとおり、警備上の観点から、取材現場において、外国記者登録証に加えて公的機関が発行する身分証、この提示を求められることもあります。こういったことから、外国記者登録証上の氏名につきましては、公的機関が発行する身分証の氏名を記載する必要があるということでございます。 ただしでございますが、旧姓併記を希望する申請者の方に対しては、公的文書にて旧姓の確認が取れる場合に限り旧姓での併記を認めるという措置をとっているということでございます。
○糸数慶子君 ありがとうございます。 やはり、こういう日本のように法律で同姓を強制しているというのは国際的にはありませんので、是非しっかり検討していただいて、先ほど申し上げましたように、希望する方には、旧姓併記ではなくやはり記者証をしっかりと発行していただくようにお願いしたいと思います。 次に、選択的夫婦別姓についてお伺いいたします。 まず、内閣府についてお伺いいたします。今般の家族の法制に関する世論調査で、内縁、いわゆる事実婚の夫婦についての見方についてどのような結果になっているのか、お示しいただきたいと思います。
○政府参考人(原宏彰君) お答え申し上げます。 平成二十九年十二月に実施をいたしました家族の法制に関する世論調査におきまして、内縁の夫婦の中に、双方が共に名字を変えたくないという理由で正式な夫婦となる届出をしない人がいると思うかということをまず聞いてございまして、そういう届出をしない内縁の夫婦もいると思うと答えた方々がまず六七・四%ございました。 この方々に、内縁の夫婦は法律上は正式な夫婦として認められないが、そのような男女についてどのように思うかということをお聞きをしたところ、同じ名字を名のっていなくても、正式な夫婦と同じような生活をしていれば正式な夫婦と変わらないと思うという回答が七四・六%。同じ名字を名のらない以上、正式な夫婦とは違うと思うとする回答が二二・九%でございました。 年代別に見てみますと、正式な夫婦と変わらないと思うとする回答は十八から二十九歳では八〇・一%に達しており、七十歳以上の高齢者でも六四・一%でございました。 以上でございます。
○糸数慶子君 政府の答弁にもありましたように、国民は事実婚であっても正式な夫婦と変わらないと思う人が四分の三にも上がっています。 国民の多くが変わらないと思っているのに、実際は事実婚では多くの不利益があるわけです。例えば、配偶者控除が受けられずに、法定相続人にもなれません。夫婦の一方が病気や手術のとき配偶者として扱ってもらえない、あるいは配偶者として認めてもらえないのではないかという不安があるわけです。また、嫡出推定されないことや、夫婦で子供を育てているのに共同親権が認められず単独親権となり、子供にとっても大きな不利益があります。 別姓が認められないために事実婚を余儀なくされ、そのことで大きな不利益を受けている方々のことを上川大臣はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 婚姻を考えている当事者の双方が、共に氏を変えたくないという理由で法律婚をすることを断念し事実婚にとどまっている方がいらっしゃるということにつきましては、今、世論調査も含めまして様々な御意見があるというふうに受け止めているところでございます。また、いろんな形で社会的な不利益を被ることにつきましても、そのようなこともあり得るということにつきましても、その現状を重く受け止めているところでございます。
○糸数慶子君 上川大臣は、先日の法務委員会で、世論調査の結果を受けて直ちに選択的夫婦別氏制度を導入すべき状況にあるとは言えないと答弁されました。そのことについて再度伺います。 二〇一一年四月二十六日の衆議院法務委員会で、当時の法務大臣は、法務省に責任を持っている私としては、やはり民事であれ刑事であれ、基本法を変えるというときには、これは内閣が責任を持って行う、その前提として法制審はきっちり通すということが必要だと答弁されました。基本法であるこの民法についても、法制審が議論した五年間の審議とその答申は非常に重たいものと受け止める必要があります。 上川大臣はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 法務大臣の諮問機関であります法制審議会の民法部会身分法小委員会は、平成三年一月に民法の婚姻に関する規定の見直しに着手をいたしまして、法制審議会は、平成八年二月に選択的夫婦別氏制度を導入すること等を内容とする民法の一部を改正する法律案要綱を答申したというところでございます。 選択的夫婦別氏制度の導入につきまして国民の間に様々な意見があることから、法制審議会の答申に沿った法案を提出することができない状況でございます。 法制審議会に諮問する立場にある法務大臣といたしましては、法制審議会における審議及びその結果である答申につきましては重く受け止めるべきものであるというふうに考えております。
○糸数慶子君 二〇一一年当時に、法務大臣は、「これはもう既に法制審を通っているわけでございまして、そういう意味では、立法の玄関までもうたどり着いているものでございます。」と答弁されています。七年前に法の玄関まで来ていたのに、上川大臣は、直ちに導入すべき状況にあるとは言えないと、後ろ向きに答弁をされました。 そこで大臣に伺いますが、これまでの答弁では世論以外の理由は伺っていないように思いますが、世論以外に法改正しない合理的な理由があるのでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほども申し上げたところでございます選択的夫婦別氏制度、この導入につきましては法制審議会でもそのような答申をなされたところでございますが、この問題につきましては我が国の家族の在り方に関する大変重要な課題であるということでございまして、国民の大方の御理解を得て行うことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。 国民意識の動向を把握する上で、国民各層の意見を幅広く聞く必要があるというふうに考えておりまして、世論調査の結果は大変重要な指標の一つであるというふうに考えております。そして、この世論調査につきましてはおおむね五年ごとに実施をされているものでございまして、その間の社会情勢の変化等を示すものであるというふうに認識しているところでございます。 直近の世論調査の結果につきまして、先ほど事実婚ということにつきましての内閣府からの答弁がございましたけれども、二十九年十二月に内閣府が実施した世論調査の結果につきまして、この五年間の社会情勢の変化に伴いまして、大宗としては意見がまだ分かれているということでございます。これが改めて示されたというふうに理解しているわけでありますが、賛成の意見も増えているということでございまして、私といたしましては、この世論調査の結果を再度詳細に分析をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。とりわけ、若い世代の方々のこの問題についての回答につきましては、世代間で相当の開きがあるということも明確に出てきておりますし、また同時に、十八歳、十九歳を対象として今回初めて実施した調査結果であるということも踏まえて考えますと、これにつきましてはより細かな分析をしていく必要があると、このような判断をいたしまして、そのように指示をして今検討をしているところでございます。
○糸数慶子君 本当に残念でございます。 今後、事実婚を選択するカップルはますます増えると思いますし、夫婦同姓しか認めないという現行制度は、法律婚を諦めさせ、事実婚に向かわせるわけですから、法律婚の推奨というこの婚姻制度の目的に逆行するものだと言わざるを得ません。 時間がありませんので答弁を求めませんけれども、引き続きこの件に関してはまたお伺いしたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○山口和之君 無所属の山口和之です。 本日は、まず福島差別についてお伺いします。 震災から七年たちましたが、放射線、放射能災害による福島差別はいまだになくなっておりません。このことは、最近出たばかりの書籍、「しあわせになるための「福島差別」論」でも詳しく紹介されているところでもあります。とても残念に思うとともに、成熟した社会の実現のためにも何としても乗り越えなければならないと決意を新たにしております。 そこで、まずお伺いしますが、現在、法務省としては福島差別についてどのように認識し、どのような対策を行っているのでしょうか。
○政府参考人(名執雅子君) 被災地から避難している子供に対するいじめの問題や、原子力発電所事故に伴う風評に基づく差別的取扱いなど、東日本大震災や原発事故に関連して今なお取り組むべき人権上の課題は残されていると認識しております。 法務省の人権擁護機関では、東日本大震災に伴って生起する様々な人権問題について対処してまいりました。具体的には、「東日本大震災に起因する偏見や差別をなくそう」を人権啓発活動の強調事項の一つとして掲げ、人権教室の実施、シンポジウムの開催、人権啓発デジタルコンテンツの掲載等の啓発活動を実施するとともに、地方公共団体等と連携して東日本大震災に起因する人権問題に関する啓発活動への取組を実施してまいりました。 震災と人権をテーマとしたシンポジウムは平成二十三年以来毎年実施しており、最近でも昨年十月に東京で震災と子どもの人権をテーマとしたシンポジウムを開催し、被災した子供たちの現状や必要な支援の在り方についてパネルディスカッションを行うなどしてまいりました。 また、人権擁護委員が仮設住宅等を訪問するなどして被災者の心のケアを含めた人権相談に応じているほか、法務省の人権擁護機関において人権侵害の疑いのある事案を認知した場合、人権侵犯事件として救済手続を開始し被害者の救済に適切に対処するなど、調査救済活動にも取り組んでいるところでございます。
○山口和之君 国内外からの風評被害、それから東北フェアからの福島商品の除外、避難者へのいじめ、国道六号線の清掃活動への誹謗中傷などなど、福島差別には様々な態様のものがあります。これらは必ずしも悪意に基づくものばかりではなくて、悪意のない振る舞いによるものもあり、対応が非常に難しいことはそのとおりだと思います。だからこそ、一人一人がきちんと向き合うことが必要だと思います。 私も全力で取り組む決意ですが、福島差別を乗り越えることについて、人権を所管する法務大臣としての御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 東日本大震災によりまして多くの人々が今なお避難を余儀なくされているところでございます。その避難していらっしゃる子供に対して深刻ないじめが発生したり、また、原子力発電所事故に伴う、委員御指摘のような風評に基づく差別的取扱い等の東日本大震災に起因する人権上の課題につきましては、重点的に取り組むべき課題であるというふうに認識をしております。 先ほど人権擁護局長が答弁したとおりでございますが、法務省におきましては、「東日本大震災に起因する偏見や差別をなくそう」、これを強調事項として掲げております。そして、最近時でも、震災と子どもの人権、これをテーマとするシンポジウムを開催するなどの各種の人権啓発活動も取り組んでまいりました。また、人権擁護委員によりまして、仮設住宅の戸別訪問など、寄り添い型の人権擁護活動につきましても継続して実施してきたところでございます。 そうした中で、避難当初からのいじめが数年続き不登校となった事例が取り上げられるなど、このシンポジウムでもまた深刻な問題が提起されているということでございます。改めて、この問題につきましては大変深刻な問題として、しっかりと強調課題としての取組につきまして力を入れていかなければならない問題であるというふうに考えております。
○山口和之君 差別による分断は、相手の判断を尊重しないことにより生じます。差別と分断を乗り越えるためにはそれぞれの判断と選択をお互いに尊重することが不可欠ですが、それが当たり前の社会になることを心から望んでおります。 〔委員長退席、理事若松謙維君着席〕 次に、民法における法律用語の変更についてお伺いいたします。 今国会では民法の家族法分野を改正する法律案が二本提出されておりますが、家族法分野においては差別的と感じられる法律用語がありますので、この法改正を機にそれらも変更することを検討すべきではないかと考えております。 まずは、昨日も衆議院側で質問があったようですが、尊属、卑属という用語についてお伺いします。 法律家の方や法務省の方々には全く違和感がないのかもしれませんが、そうでない私のような者や一般の国民は、尊属、卑属という用語に対して、年長者は年少者より身分が高い存在、年少者は年長者よりも身分や地位が低く蔑まれる存在というようなイメージを抱いております。親子の間などに尊卑の区別があるはずもなく、そもそも人を表す用語に卑しいという漢字は不適切ですので、単に年長者の血族、年少者の血族などの用語に変更することを検討すべきではないでしょうか。上川大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘の、卑属のまさに卑という文字が持つ一般的な意義、あるいはその文字が一般の国民に与える印象などを踏まえると、卑属は用語として適切ではないという議員の問題意識につきましては十分に理解をするところでございます。民法は民事の基本法でございます。そこで用いられている言葉が一般国民に誤解を与えることがないようにするということは大変必要なことであると考えております。 卑属という用語はあたかも身分の低い者であるかのような誤解を与えるのではないかという議員の問題意識を受け止めまして、必要な検討を進めてまいりたいと思っております。 〔理事若松謙維君退席、委員長着席〕
○山口和之君 ありがとうございます。 次に、嫡出でない子という表現についてお伺いします。 国際連合児童権利委員会は、締約国に対して、嫡出でない子に対し非嫡出なる差別的用語を法律及び規制から撤廃するために法律を改正するように勧告しております。民法はいまだに嫡出でない子という用語が用いられておりますが、締約国である日本としては、今、国会で家族法の改正を機に児童権利委員会の勧告に応じた用語変更を検討してはいかがでしょうか。上川大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(上川陽子君) 嫡出でない子という用語につきましては、御指摘の勧告があったことにつきましては承知をしておりますが、嫡出でない子という用語は、これはあくまで法律上の婚姻関係にない男女の間に出生した子を意味するものとして用いられるものでありまして、差別的な意味合いを含むものではないわけであります。 もっとも、法令用語につきましては、社会情勢の変化等を踏まえまして必要な見直しをしていく必要があるものというふうに考えてもおりまして、その点につきましては引き続き検討してまいりたいというふうに思っております。
○山口和之君 思考や意識にとって言葉ほど重要なものはありません。昔から使われてきた法律用語であったとしても、国民の多くに差別的なイメージを想起させる用語であれば適宜変更していく必要があると思います。そうでなければ、差別的な考え、差別意識をなくしていくことはできないと思っております。たかが用語の問題として後回しにすることなく、真剣に検討していただきたいと思います。 用意してきました質問は以上ですので、終わらさせていただきます。
○委員長(石川博崇君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。上川法務大臣。
○国務大臣(上川陽子君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を増加する等の措置を講ずるとともに、裁判所の事務を合理化し及び効率化することに伴い、裁判官以外の裁判所の職員の員数を減少しようとするものでありまして、以下その要点を申し上げます。 第一点は、民事訴訟事件及び家庭事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を五十人増加し、判事補の員数を二十五人減少しようとするものであります。これは、判事の定員を二十五人増員するとともに判事補の定員から判事の定員へ二十五人の振替を行うことにより、執務態勢の強化を図ろうとするものであります。 第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数を三十五人減少しようとするものであります。これは、家庭事件の適正かつ迅速な処理、事件処理の支援のための体制強化及び国家公務員の女性活躍とワーク・ライフ・バランス推進を図るため、裁判所書記官を十九人、裁判所事務官を十八人それぞれ増員するとともに、他方において、裁判所の事務を合理化し及び効率化することに伴い、技能労務職員等を七十二人減員し、以上の増減を通じて、裁判官以外の裁判所の職員の員数を三十五人減少しようとするものであります。 以上が、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(石川博崇君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会