法務委員会 第3号
- 発言数
- 202 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2018/03/22
会議録
○委員長(石川博崇君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十日、高野光二郎君が委員を辞任され、その補欠として元榮太一郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 法務及び司法行政等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房政府広報室長原宏彰君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石川博崇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石川博崇君) 法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中西健治君 おはようございます。自由民主党の中西健治です。 本日は、上川大臣の所信に関しまして質疑をさせていただきます。 大臣の所信の中には、外国人に関する記述が多数ありました。外国人の人権や難民認定、入国審査、日本人と外国人夫婦の離婚、外国人材受入れなど、多数の箇所で言及をされていましたので、まずは、日本にいる又はこれから日本に来る外国人に関する政府の対応方針について伺っていきたいと考えております。 最初に、難民問題についてお伺いしたいと思います。 昨年の難民認定申請数は一万九千人を超えて過去最高となりました。そんな中で、難民認定された人数は二十人にとどまっているということであります。そのため、我が国は難民の受入れ数が少ないと、こういう指摘が時々行われております。また、テレビの映像などでは、難民申請をしたのになかなか審査すらしてもらえず、苦しい思いをしているなどと訴える人の姿などが報じられており、我が国は難民に冷たいと思っている人も少なくないのではないかというふうに思っています。 ただ、そのようなエピソードではなくて、エビデンスに基づいて問題点を認識する姿勢が重要なのではないかと考えております。 現状の認識について、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 所信についての初めての御質問ということでございます。 難民についての考え方ということでございます。 我が国におきましては、難民、避難民の流入が国際問題化している欧州等の状況とは異なりまして、シリア、アフガニスタン、イラクのような大量の難民、避難民を生じさせる国の出身者からの難民認定申請が少ないという状況にございます。 他方、難民認定申請によって庇護を求めることが主眼ではなく、我が国での専ら就労等を目的とすると思われるような濫用あるいは誤用的な申請が相当数見受けられるという状況でございます。そもそも難民認定というのは、難民条約等に規定する難民の定義に申請者が該当するか否かにつきまして判断をするということでありまして、欧州等とのこのような状況の違い、このことが難民認定数の違いの背景にあるというふうに考えております。 このような状況の中で、法務省におきまして、申請者が難民条約上の難民に該当するか否かにつきまして、個別に審査を尽くした上で難民と認定すべき者を適正に認定しておりまして、結果として難民認定数が、平成二十九年、速報値におきまして二十名ということでございます。個別に判断した結果ということでございます。
○中西健治君 今、大臣が、濫用、誤用的な申請が相当数見受けられると、こういうお話でした。 こうした濫用、誤用的な難民認定申請に対処をしなければいけないということで、法務省では平成二十七年九月に難民認定制度の運用の見直しを行ったというふうに承知しておりますけれども、その効果についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のとおり、法務省におきましては、濫用、誤用的な難民認定申請に対処するため、平成二十七年九月に難民認定制度の運用を見直し、我が国での就労等を目的とした難民認定申請を繰り返すような外国人には就労や在留を認めない措置をとってきたところでございます。これらの措置は原則として再申請者を対象とするものでありまして、難民認定申請数が急増する中でも再申請数が横ばいとなっているという状況であることから、再申請の抑制には一定程度の効果を発揮したものというふうに認識をしております。 しかしながら、依然として初めての難民認定申請する者による申請が急増しているということでございます。その結果、未処理数が急増し、処理期間、これも長期化をしている状況でございまして、真の難民の迅速な保護に支障が生じる事態となっていると認識しております。
○中西健治君 二十七年九月に行った見直しによって、再認定、これの申請は横ばいになった、一定の効果を上げているということでありましたが、大臣おっしゃられたとおり、新規の申請数というのは依然として急増しているというこの問題は解決されていないということのようであります。 ちょっと例を見てみたんですが、シリア人の難民認定申請、これに対する平均処理期間、これを見てみましたら、平成二十九年では、難民認定案件で平均二百二十日間掛かっている、人道配慮による在留特別許可案件では二百三十六・八日掛かっていると。 これは、真に救済が必要な方ということでいうと時間が随分掛かっているなと、こういう印象を持たざるを得ないということだと思いますけれども、このシリア人のような真の難民の迅速な保護に向けてどのような措置を考えておられるか、お願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 今委員から御指摘ありました、平均処理期間についての御指摘がございました。シリア人の案件を含めまして、真の難民の迅速な保護に支障が生じる事態になっているというふうに思っております。 そこで、法務省におきましては、真の難民の迅速な保護を図るため、難民認定制度の運用の更なる見直しを行いまして、本年一月十五日から実施をしているところでございます。 具体的に申し上げますと、我が国に正規に在留する者が難民認定申請をした場合に、難民である可能性が高い申請者など真に庇護が必要な者に対しましては、そのことが判明次第就労を認めるということによりまして、これまでより早期に生活の安定が図れるようにしたところでございます。 他方、借金問題のような難民条約上の迫害事由に明らかに該当しない事情を申し立てるなど、濫用、誤用的な申請を行っている申請者に対しましては在留を認めないという措置をとりまして、また、失踪した技能実習生等、本来の在留資格に該当する活動を行わなくなった後に難民認定申請をした者などに対しましては就労を認めない措置をとり、これまでよりも厳格な対応を行うこととしたところでございます。 今回の見直しによりまして、濫用、誤用的な申請を抑制し、そして難民認定の迅速適正化を推進し、まさに真に庇護を必要とする者への迅速な保護を図ってまいりたいというふうに考えております。
○中西健治君 不要な人に対して時間を割くがゆえに、本当に必要な人に対して時間を割けないということになってしまっては本末転倒のようなことにもなってしまいますので、今回の見直しによって、一月に行われた見直しですので、効果は今の時点ではまだはっきり分からないということかもしれませんけれども、しっかりと救済すべき人を迅速に救済するということをしていただきたいと思います。 続きまして、やはり外国人関係で、外国人材の受入れについてお伺いしたいと思います。 これは少し整理していきたいと、こういうふうに思っているんですが、我が国における外国人労働者全体の現状についてはどのようなカテゴリーの者がそれぞれ何人ぐらいいるのか、これちょっと大きな数字についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 外国人労働者全体の現状についてのお尋ねでございますが、外国人の雇用に関しましては、雇用対策法におきまして、事業主が新たに外国人を雇い入れた場合などにつきまして、厚生労働相に届け出なければならないことといたしております。厚生労働省ではこの届出を集計し、外国人労働者数として公表しているものと承知しております。 平成二十九年十月末の外国人労働者数でございますが、総数で約百二十八万人となっております。前年に比べまして約一八%の増加となっております。その主な内訳でございますが、定住者、永住者など身分に基づく在留資格で在留している者が約四十六万人で三六%、留学生のアルバイトなどの資格外活動が約三十万人で二三%、技能実習生が約二十六万人で二〇%、就労目的の在留資格で在留している者が約二十四万人で一九%となっております。
○中西健治君 そうしますと、今のお話ですと、外国人の労働者数の総数は百二十八万人であると、そのうち技能実習生が二十六万人、留学生のアルバイトが三十万人、この二つのカテゴリーで五十六万人ということですから半分弱というところだということだと思いますが、この技能実習生及び留学生のアルバイトというのがやはり問題が相当発生しているのではないかということが言われているところであります。 技能実習については失踪ですとか人権侵害の問題、留学生についてはその資格外活動許可で認められた時間を超えて働いているというような不適正事案が生じているという、そうした懸念が指摘されているところであります。 こうした懸念について、どれだけ、どういう認識を持っているのかということと、あわせて、この対策、もう随分前からこれ指摘されていることでありますので、どのような対策を打っていこうとしているのか、これについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 ただいま御指摘ございましたように、技能実習生の失踪事案でございますとか人権侵害等の不正行為が依然として発生しているという状況が認められるところでございまして、この点につきましては入国管理局としても重く受け止めているところでございます。 まず技能実習生の関係でございますが、技能実習法におきましては、監理団体の許可制や技能実習計画の認定制を導入いたしまして、団体や事業者を直接規制することができる枠組みを構築しておりますほか、技能実習生に対する人権侵害の禁止規定や罰則、技能実習生からの相談受付体制の整備等を規定しておるところでございまして、制度の適正化を図っているところでございます。 次に、留学生に関してでございますが、留学生に対しましては、事前に許可を得た上で、学業に支障のない範囲、すなわち週に二十八時間以内、夏休みなどの長期休業期間におきましては一日八時間以内の資格外活動を認めているところでございます。多くの留学生がこの資格外活動許可を取得して就労しているものと認識いたしております。 他方、留学生が就労時間の制限を超えて稼働しているとの報道等がございまして、実際にそのような学生も一部存在するということも事実であると認識しております。 法務省といたしましては、個々の外国人の入国、在留申請について厳格に対応するとともに、必要に応じまして留学生を受け入れている教育機関や留学生の就労先に対する調査などを行うなどによりまして、教育機関が就労目的の外国人の偽装滞在に利用されないよう努めてまいりたいと考えております。
○中西健治君 就労を目的とする在留資格の在り方、このままでいいのかどうかということについて、経済財政諮問会議でも総理から御発言があって、そして、今後ちょっと見直しをしていく、一定の前提の下に見直しをしていくというようなこと、これが政府の方針となっているというふうに伺っておりますけれども、そこら辺の状況をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 先月の二月の二十日に経済財政諮問会議が開催をされました。安倍総理大臣から、現在深刻な人手不足が生じており、専門的、技術的分野における外国人受入れの制度の在り方についても検討する必要があるとし、官房長官及び法務大臣であります私に対しまして、在留期間の上限を設定し、家族の帯同は認めないといった前提条件の下、真に必要な分野に着目しつつ、制度改正の具体的な検討を早急に開始するよう指示があったところでございます。 この御指示を踏まえまして、二月二十三日、内閣官房とともに、内閣官房副長官補を議長とする関係省庁による専門的・技術的分野における外国人材の受入れに関するタスクフォースを設置いたしました。今後、タスクフォースにおきまして、主要業種ごとに人手不足等に係る実態把握を行った上で、受入れに係る具体的な制度設計について関係省庁とともに検討を進め、今年の夏に政府として基本的な方向性について結論を示すことになっております。
○中西健治君 人手不足の世の中になっていて、しかも業種によっては大変深刻だということでありますので、その中で一定の条件を付した上で外国人材を活用させていただく、これは必要なことではないかというふうに思いますので、このタスクフォースの提言というのをしっかり見ていきたいと、こういうふうに思っております。 外国人に関しては取りあえずちょっとここまでにさせていただいて、続きまして、所有者不明土地問題についてお伺いをしたいと思います。 これ、大きな問題となっているということであります。少子高齢化、これは、取りも直さず、大量相続社会になってきているということでありますので、今後ますます深刻化していく問題であるという認識を多くの人が持っているだろうというふうに思います。 この所有者の把握が困難な所有者不明土地への対応というのは、公共事業用地の取得ですとか農地の集約化、森林の適正な管理などでやはり大きな課題となってきております。こうした大きな課題に対処するためには、今実態はどうなっているのか、これについてまずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 所有者不明土地の問題の要因の一つといたしまして、相続登記が未了のまま放置されているとの指摘があることも踏まえまして、法務省では、不動産登記簿において相続登記がされていない土地の調査を実施しまして、その結果を昨年六月に公表しております。具体的には、約十万筆の土地につきまして、所有権の登記が受け付けられた年月日を確認して、そこからの経過年数を調査したものでございます。 調査の結果、最後に所有権の登記がされてから五十年以上経過しているものが、大都市においては六・六%、中小都市、中山間地域におきましては二六・六%となっておりまして、これらの土地に関しては所有者が死亡して相続登記が未了となっているおそれがあるものと思われます。
○中西健治君 ただいまの答弁にもありましたけれども、相続登記がされないまま放置されているということが所有者不明土地問題の大きな要因の一つとなっていることは間違いないだろうと思います。五十年間登記がされていないということであれば、当然それは所有者が不明と、亡くなっている可能性が非常に高いということになるんだろうというふうに思います。 その中で、こうした相続登記をまずはしてもらうということ、これをやっていかなきゃいけないということになるかと思いますけれども、この相続登記の促進に関しては、これまでどのような取組をされているんでしょうか。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 ただいま委員御指摘のとおり、所有者不明土地の発生を抑制するためには相続登記を促進することが重要であると考えております。 法務省では、相続登記を促進するために各種の取組を行っているところでございますが、主なものといたしましては、登記の専門家団体と連携の上、相続登記促進のための広報用リーフレットを作成いたしまして、死亡届の受理時にこれを配付するよう各法務局、地方法務局から全国の市町村に対して協力依頼を行っております。現在までに全国の約七割を超える市町村に協力をいただいている状況でございます。 また、昨年五月には、法定相続情報証明制度を新たに創設いたしました。この制度は、相続人の相続手続における手続的な負担を軽減し、またこの制度を利用する相続人に対して相続登記を直接的に促すきっかけになるものでございます。 これらの取組によりまして、引き続き相続登記の促進に努めてまいりたいと考えております。
○中西健治君 所有者不明土地問題といいますと、森林や原野などで生じているイメージがありますけれども、先ほどの法務省の調査でいえば、大都市においても六・六%の土地が五十年以上登記が変更されていないということでありますので、大都市でも大きな問題となっているということではないかと思います。 私もテレビのニュースなどで見ましたけれども、まっすぐ新しい道路が造れない、土地所有者が分からないのでもう曲がって造るしかないと、何か蛇道路というようなものも都内の住宅街の中でもあったりというようなこともありますので、ここら辺、大きな課題となっているということではないかと思います。 複数の者が共有する私道に関しても、この私道の補修工事を行う際に、民法の共有物の保存管理等の解釈が不明確であることから、事実上共有者全員の同意を得る運用がされているため、共有者の一部が所在不明である事案について工事を実施することができず支障が生じていると、こういう指摘もなされているところであります。 こうした課題についての法務省の取組状況、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) ただいまの委員の御指摘のとおり、複数の者が共有する私道につきまして必要な補修工事等を行う場合に、今事実上共有者全員の同意を得る運用がされており、共有者の所在を把握することが困難な事案において工事等の実施に支障が生じているとの指摘がされております。 こうした指摘を踏まえまして、法務省では、民法等において同意を得ることが求められる者の範囲を明確化するために、関係省庁の協力を得まして、昨年八月に共有私道の保存・管理等に関する事例研究会を設置いたしました。この研究会でございますが、検討の結果、本年一月に報告書を取りまとめまして、共有私道の工事における適用法令の関係を明らかにするとともに、例えば公共下水管を共有私道に新設する事例については共有者の持分に応じた過半数の同意で足りるとするなど、工事に当たっての対処方法を明らかにしております。 この報告書が所有者不明の私道につき生じている問題を解決する際に参考とされ、私道整備の円滑化に資するものとなるように期待しているところでございます。
○中西健治君 こちらも本年一月にまとめられたということでありますので、効果はこれからということだと思いますけれども、是非とも、この私道に、まずは私道に関して円滑化に資すればいいというふうに思っております。 相続登記が未了となっている土地の発生要因の一つとして、相続登記に係る税の負担ということも指摘されているところであります。相続登記の促進のためには、この相続登記の手続に係る税の負担を軽減することも一つの方策として重要なのではないかというふうに考えていますけれども、この点についても新たな取組がされているというふうに考えておりますけれども、こちらの方を御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員の御指摘のとおり、相続登記の促進のためには、相続登記の手続に係る税の負担を軽減して相続登記をしやすくすることが重要であると考えております。 そこで、法務省におきましては、平成三十年度税制改正要望におきまして、相続登記の促進のための登録免許税の特例を新設することを要望いたしましたところ、平成三十年度税制改正の大綱におきまして二つの観点からの土地の相続登記に対する登録免許税の免税措置が盛り込まれております。 一つは、既に相続登記が放置されているおそれのある土地への対応の観点から、例えば二次相続が発生している土地について、その一次相続についての相続登記の登録免許税を免除、免税するというものでございます。もう一つは、今後相続登記が放置されるおそれのある土地への対応という観点から、一定の要件を満たします資産価値が低い土地についての相続登記の登録免許税を免税するというものでございます。いずれも平成三十三年三月三十一日までの期間適用されるというものでございます。 これらの登録免許税を免除する特例を設けるための法案につきましては、現在国会に提出されているものと承知しております。
○中西健治君 まさに、この登録免許税の軽減措置については今税制改正で国会で議論されているというものでありますけれども、この特例を設ける法案が成立した場合、集中的に登記を促していこう、期間限定でやっていこうという趣旨だというふうに伺っておりますので、しっかりこの周知をしなきゃいけないということになるかと思いますが、これはどのように行っていくのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員の御指摘のとおり、国会での審議を経ましてこの登録免許税を免税する特例を設ける法案が成立した暁には、その周知広報に最大限努めるとともに、この特例を積極的に活用していただき、法定相続情報証明制度を始めとしますほかの取組とも相まって、相続登記の促進についてより一層拍車を掛けてまいりたいと考えております。
○中西健治君 制度はつくったけれども使われないということでは大変もったいないということになりますから、これは期間限定、積極的な周知をお願いしたいと思います。 この所有者不明土地問題、これに対応するために、これまで法務省も幾つかの施策を講じてきているということを今御説明いただいたとおりでありますけれども、この問題、複雑な原因が絡み合う大変難しい問題であるということだと思います。現行法の枠内で収まり切らないものが随分あるということなんじゃないかと思います。 今回、国土交通省とともに法務省が新たな法案を提出したということでありますけれども、この法案、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案ということですけれども、これはどういう内容なのか、法務省関連のところ、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 委員の御指摘のとおり、法務省といたしましては、国土交通省と一体となりまして、この通常国会に所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案を提出したところでございます。 この法案では、法務省関連の制度として、まず一つは、登記官が、長期間相続登記等がされていない土地につきまして、その旨を登記簿に記録するとともに、相続人等の所有権の登記名義人となり得る者に対して登記手続を直接的に促すための不動産登記法の特例を設けているところでございます。 また、もう一点でございますが、所有者不明土地の適切な管理のために、地方公共団体の長等に財産管理人の選任の申立て権を付与すると、こういった民法の特例も設けているところでございます。
○中西健治君 今回は国交省と共同で法案を提出しているということでありますけれども、この国交省の所管部分、公共事業を行いやすくするというようなことも含まれておりまして、全体としては大きな前進になるということなのではないかというふうに思いますけれども、今後に向けてのこの抜本的な解決ということに関しては、まだまだ考えていかなきゃいけないことがあるということではないかと思います。 国や自治体が持つ土地情報の一元化ですとか、土地所有者の情報を円滑に把握する仕組みの構築ですとか、あと相続登記の義務化ですとか、さらに、土地所有権を放棄できるのかどうかですとか、こうした点につきまして、登記制度、土地所有権の在り方の根本に立ち返った議論、これをしていかなければいけないということではないかと思います。 政府としてやっていこうとしていること、この問題について抜本的な対策、解決、これについて考えていることを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のとおりでございますが、所有者不明土地問題への抜本的解決に向けての対応ということで、この重要性につきましては、いろんな視点からこれからも取り組んでいかなければならないと思っております。 御指摘の土地所有者の情報、これを円滑に把握する仕組み、この構築は大変重要であるというふうに考えております。本年一月十九日に開催されました所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議におきましても、中期的な課題といたしまして、例えば個人、法人の番号システム等を利用して土地所有者情報を円滑に把握し、行政機関相互で共有する仕組みを関係各省において検討するとされたところでございます。 法務省といたしましては、不動産登記制度及び戸籍制度を所管をしているものでございまして、例えば登記簿と相続人を把握することのできる戸籍簿との連携など、土地所有者の情報を円滑に把握する仕組みの構築につきまして、総務省、農林水産省等の関係省庁と連携をしながら検討してまいりたいというふうに考えております。 また、相続登記の義務化の是非や土地所有権の放棄の可否等の登記制度、土地所有権の在り方等についての検討ということでございますが、現在、平成三十年度中の法制審議会への諮問を目指しまして、研究会におきまして鋭意検討を進めているところでございます。 所有者不明土地問題への対応における法務省の役割は極めて重要なものであるというふうに認識しておりまして、その解消に向けまして、関係省庁とも連携をして、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○中西健治君 抜本的解決というのは大変重たいテーマも含まれていますけれども、この所有者不明土地問題は拡大していくということは避けていかなければいけませんし、当然解消の方向に向かわせなければいけないものですから、この抜本的な解決、是非進めていっていただきたいと思います。 続きまして、司法外交についてお伺いしたいと思います。大臣の所信の中にも司法外交に関するくだり、随分ございました。そちらについてお伺いしたいと思います。 まず、海外の法制度整備支援についてお伺いしたいと思います。 法制度支援の目的についてまず確認させていただきたいと思います。日本企業の海外進出に役立つビジネス環境の整備という観点も含まれているのかどうか、そうした点も含めて、目的についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) これまで日本が海外諸国に対しまして実施してきた法制度整備支援、この目的でございますが、自由、そして民主主義、基本的人権等の普遍的価値の共有による法の支配、これを確立することでございます。相手国の法制度の基盤が整備されることによりまして、中長期的には相手国において法の支配が浸透した社会、すなわち明確な法令が定められ、これが適切に運用され、司法が適正に機能する社会が実現することになるわけであります。 その結果、法令にのっとった経済活動が行われるとともに、経済的な紛争につきましても公正で予見可能性のある司法判断がなされることになり、相手国のみならず、その国に進出する日本企業にとりましても有益であるということであります。近時はビジネス環境整備の観点からの法制度整備支援にも取り組んでおりまして、インドネシアやミャンマーにおきまして知的財産権保護に資する支援等を行っているところでございます。 今後も、引き続き関係機関と連携をしながら、相手国のニーズにしっかりと合わせて積極的な法制度整備支援を推進してまいりたいというふうに考えております。
○中西健治君 ありがとうございます。 今の御答弁の中にありました、国の名前としてインドネシア、ミャンマーというのが挙がっていましたが、ちょっとこのミャンマーで気になったことがありますので、それについてお伺いできればと思いますが、ミャンマーにおける法制度整備支援に関して、昨年の八月二十四日付けの日本経済新聞では、ビジネス環境整備の観点から重要である会社法と倒産法の起草支援について、我が国が法支援合戦で負けて支援できなかったと、こういう趣旨の報道がされていました。これに関する事実関係をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山内由光君) ただいま委員御指摘の新聞報道でございますが、これは、ミャンマーにおいて各国が法支援合戦を繰り広げて、ビジネスに影響の大きい会社法とか倒産法、これが、今般、オーストラリア法を基礎として起草されて日本は支援できなかったという趣旨の記事であると承知しております。しかしながら、この記事は若干事実と異なっているところがございます。 まず、倒産法に関してでございますが、確かにアジア開発銀行、ADB、これはミャンマーに対して倒産法の起草支援をしておりますが、他方、日本も平成二十五年十一月にJICAプロジェクトを通じて倒産法の起草支援を開始しておりまして、これは両者が競合しているという状態にございます。しかしながら、ミャンマーがいまだどちらか一方の案を採用するか、その点についてはまだ決まったわけではなく、現在、むしろ日本とADBの支援内容を踏まえて独自に法案を作成、検討している段階でございます。 また、会社法に関してでございますが、これは、ADBがオーストラリア法を参考にしてミャンマー会社法を起草支援しているということは承知しております。他方、日本は元々会社法について直接的には起草支援はしておりませんが、しかしながら、法案審査を所管する連邦法務長官府などの研修を通じて同じ会社法の法案審査は支援しているという状況にございます。 以上のとおり、御指摘の日本経済新聞の記事は正確でないところがございますが、いずれにいたしましても、日本の行う法制度整備支援、日本の法律を直接輸出するものではありませんで、相手国のオーナーシップを尊重し、実情に合った法整備を行うことが特徴でございます。こうした支援を通じて法の支配を定着させることによって経済的な紛争についても公正で予見可能な司法判断がなされる、そういうことになりまして、ビジネス環境の整備にも有益であると思っております。 今後も、相手国のニーズの調査を行い、我が国の援助リソースを効果的かつ効率的に活用して積極的に法制度整備支援を実施してまいります。
○中西健治君 日本経済新聞の報道は正確ではなかったということでありますが、今の答弁を聞いていて、ADBと日本が競い合っている、JICAが競い合っている、こういう実態となっているということでありますけど、ADBのドナー国で一番大きいところはどこなのかというようなことを考えると、こういう実態というのは少し違和感を感じるという方や委員の方も多いのではないかというふうに思います。 いずれにせよ、我が国のビジネス、これも中長期的にこうした国々でビジネスがうまくいくということのためにも、やはり協調すべきところは協調して法整備支援というのをやっていっていただきたいと思います。そして、我々が得意とするところは特に積極的に法制度支援をやっていっていただきたいと、こういうふうに思います。 司法外交、もう一つ、ちょっと国際仲裁についても一件お伺いしたいと思います。 国際的な紛争解決手段として国際仲裁ということ、大変主流となりつつあるということだと思いますけれども、現状を見てみると、シンガポール、そして韓国などの案件数と比べると、我が国がこの仲裁裁判で取れている案件数というのが十分の一とか、こういう数字にとどまってしまっているということであります。 そうした現状も踏まえて、今後どうしていくのかということについて、これもう最後の質問にいたしたいと思いますけど、法務大臣に今後の取組についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 国際仲裁の利用についての御質問でございます。 昨年三月、省内で関係部局で構成される検討チームを立ち上げました。我が国の国際仲裁の活性化のためにどのような基盤整備が必要なのか、その取組の検討ということでございます。また、昨年九月以降、内閣官房副長官補を議長とする国際仲裁の活性化に向けた関係府省連絡会議が開催されまして、我が国における国際仲裁の活性化に向けた必要な基盤整備を図るべく、総合的かつ効果的な取組について検討が進められているところでございます。 この会議の下で行ったヒアリングにおきましては、我が国における国際仲裁の活性化に向けた課題、現状の問題ということでありますが、課題といたしまして、英語で仲裁手続が実施できる人材の育成が必要であるということ、また、仲裁手続を実施するための施設整備、こちらも大変大事であるということ、また、国際仲裁の意義また利点等につきまして、企業等の側に意識を持っていただく、問題意識を持っていただく必要があるということでございますので、その意識啓発や広報などの点が非常に重要であるという御指摘がございました。 私自身、昨年九月以降にシンガポール、タイ及びマレーシアなどに出張いたしまして、仲裁機関等を視察をさせていただきました。各国におきまして、国際仲裁、この位置付けは大変大きなものがあるということ、そしてそれに対して極めて積極的に取り組んでいるということを目の当たりにいたしたところでございます。とりわけ人材育成、そして施設の整備、この点についても極めて力を入れていたということでございます。 今後、法務省といたしましては、我が国がアジアにおける国際紛争解決の中核として位置付けられるよう、また我が国の人材が国際仲裁の分野でより広く活躍できるように、諸外国の仲裁機関等との人的交流も深めるとともに、関係省庁や官民の関係機関とも連携をしながら、専門的な人材育成、企業に対する意識啓発、広報等を含めまして、国際仲裁の活性化に向けた基盤整備の在り方につきまして、必要な調査検討を更に進めてまいりたいというふうに思っております。
○中西健治君 終わります。ありがとうございました。
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。大臣所信に対する質問をさせていただきたいというふうに思います。 上川大臣は、人権派というふうに呼ばれるほど高い評価を受けていらっしゃるというふうに、私、理解しております。所信の中でも、法務行政の取組に対して、様々な人権問題等への対応ということを挙げて、意欲を示されております。 私、ちょっと大臣のオフィシャルサイト、ネットで検索をさせていただきました。拝見させていただいたら、主な政策の一つとして、「差別・偏見のない「人権大国」の実現」という項目を挙げていらっしゃいます。それから、大臣は、犯罪被害者を支援する犯罪被害者等基本法の成立に中心的な役割を果たされたこと、あるいは日本司法支援センター、法テラスの立ち上げに尽力されたことなどを挙げることができると思います。こうしてみますと、法務大臣として誰が見ても適材適所の方ではないかというふうに思います。 そこでまず、人権を守るために活動を精力的になさっているということで、大臣御自身が描いていらっしゃる人権大国、この人権大国というのはどういうものか、伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 真山委員から、私のホームページも含めまして、これまで関わってきた幾つかの法案につきましても言及をいただくことができました。ありがとうございます。 一口に人権大国といっても、いろんな切り口があろうかと思います。私は、誰もが生き生きと活躍できる社会、誰もが生き生きと活躍できる社会、このことの構築のために、差別や偏見のない、また人権に配慮した社会を実現するということは大変重要であるというふうに思っております。特に、二〇二〇年は東京オリンピック・パラリンピックの競技大会が開催されまして、東京、次回の大会はパラリンピックを大きく打ち出す大会にしようではないかと、こんな動きがございますが、大変重要な、二年後に控えた大きな、国内のみならず国際的な大きな大会になろうかというふうに思っておりまして、それに向けまして、誰もが互いの人権を大切にし、また支え合う、誰一人取り残さない社会、これを実現すること、このことが重要であるというふうに考えております。 二つ大きな柱があろうかと思います。 一つは、まず人権の教育という面でございます。人権教育につきましては、子供の頃からの、自分の命を大切にし、そして人の命も大切にする、そしてそれぞれの持っているそれぞれの役割やあるいは価値というものについても認め合う、支え合う社会をつくるための前提条件が子供の頃からのそうした教育によって育まれていくものというふうに思っております。 現在、各地の法務局におきまして、対象世代は小さなお子様から小学校、中学校、高校まで、その世代に応じて方法は異なるわけでありますが、様々な分野で、また地域や学校のニーズに応じて人権教室という形で対応しているということ、このことの大きな役割が大変大きなものであるというふうに思っておりますし、また、地域とかあるいは民間と連携したスポーツイベントとか、あるいは映画とかトークショーなどにおきまして体験型の人権啓発イベントを開発するなどの取組もしているところであります。また、人権啓発のためのシンポジウムも開催をしてまいりました。 こうしたいろんな取組を通じて様々な人権問題についても関心を持ち、また、どう対応していくのかという意識と行動の変容というものも促す必要があるのではないかというふうに思っております。 また、二点目としては、何よりも、今既に起きている様々な人権問題、これの課題解決を図るということでございます。 今、インターネットを悪用した名誉毀損やプライバシーの侵害、あるいは障害を理由とする差別や虐待、あるいはヘイトスピーチを含む外国人に対する人権侵害等、様々な人権問題が指摘されておりますし、また現実にこうした課題について対応していくことが課題でございます。 個々の人権課題ごとにきめ細かな取組を推進をし、そして人権啓発や調査救済活動等に丁寧かつ粘り強く取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○真山勇一君 人権大国ってやはりかなり大づかみな話なので、今大変だと思いますけれども、お話伺って、様々な面を持っている人権というものに対して上川大臣がそれぞれ多面的に取り組んでいるということがよく分かったんですが、やっぱり様々な人権問題に対する課題解決という面で見ますと、今、日本は国際的な立場から見て、日本のその取組、人権の取組、大まかに見て、その取組の現状というのは先進国としてどんなふうに国際社会から見られているのかな、どんなふうに先進国として見られているのか、その辺りはどんなふうに思っていらっしゃいますか。
○国務大臣(上川陽子君) 他国と比べて日本がどういう状況かという、そうした視点というのも確かに大事でございます。 これから二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックがございますし、多くの海外からのお客様も見えます。スポーツという場面を通して、プレーヤーが、選手たちが生き生きとプレーをしていくという姿、いろんな社会の場面場面で日本のそうした人権に対する、大切にしていこうという文化や社会の在り方、こういうものが問われるというふうに思います。また、最近はインバウンドの方々も大変多いということで、海外からの視点というものも大変大事になってきているというふうに思います。 私は、先ほど教育という面を第一の課題として、柱として位置付けさせていただきましたけれども、一人一人が人権を持っている大変大切な存在であるということ、この尊厳のある存在であるということを基本的に認め合うということの基本というものをやはり丁寧に粘り強く培っていく、そうした社会であってほしいなと思いますし、その中で法務省の役割は極めて大きなものがあるというふうに考えております。
○真山勇一君 人権派という大臣の熱い思いを伺ったというふうに思います。 そこで、やっぱり私は、海外から問われている人権侵害的な問題もまだ我が国にはたくさんあると思うんですね。ですから、その部分が先進国としてどうなんだろうかというような意見もあります。 この問題をちょっと具体的に伺っていきたいんですけれども、今大きく取り上げられている森友学園をめぐる国有地の売却問題に絡んで伺いたいんですが、籠池夫妻、籠池夫妻は、去年の七月三十一日から、国有地を詐取した容疑ということで逮捕されて、大阪拘置所に勾留され続けているというふうに伺っています。ですから、もう今月末で八か月、八か月になりますね。長いですね。だから、病気などどうなんだろうかという気掛かりな声も出ていますけれども、本当に、どんな状況で勾留されているのかとか、それから運動時間どうなのかとか、それからもっと大事な家族との接見、こうしたことができているのだろうかとか。弁護人には当然会えるんだろう。で、毎日毎日死刑囚が入るのと同じような独房にいるという報道もあります。テレビとか新聞は見れるんだろうか。この辺り、どんな状況なんでしょうか。お聞かせいただけますか。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 個々の被収容者の処遇状況に関するお尋ねにつきましては、勾留の有無も含めまして個人のプライバシーに関わる事柄でありますのでお答えは差し控えたいと存じますが、その上で一般論としてお答えを申し上げたいと思います。 被告人を含みます未決拘禁者の面会につきましては、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律において、相手方に制限はなく、原則としてこれを許すというふうにされております。ただし、刑事訴訟法の規定によりまして接見等禁止決定がなされている場合や、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の規定により面会が禁止される場合などには認められないことがございます。 また、運動時間につきましては、刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則におきまして、土日祝日等を除き一日に三十分以上、かつ、できる限り長時間、運動の機会を与えることとされているところでございます。 また、未決拘禁者の居室につきましては、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律におきまして、罪証の隠滅の防止上支障を生ずるおそれがある場合には単独室とする、それ以外の場合にあっても、処遇上共同室に収容することが適当と認める場合を除き、できる限り単独室とするというようにされているところでございます。 刑事施設におきましては、こうした規定に基づきまして、未決拘禁者に対しても適切な処遇を行っているものというふうに認識をしているところでございます。
○真山勇一君 今の中で、例えば、こうした割と限定された空間に八か月ということなので、やっぱり新聞とかテレビ、あるいは書物、本、あるいは家族から来る手紙とか、そういうものというのはどういうふうな状況になっているんでしょうか。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 先ほど御質問いただきながら答弁が漏れておりまして、大変失礼いたしました。 書籍あるいは新聞、それから信書、こういったものにつきましては、基本的には本人の下に届いて本人が閲覧できる、あるいは購読をできるというようなことにはなっております。 しかしながら、先ほどお答え申し上げましたとおり、例えば刑事訴訟法に基づきます接見等禁止決定の中には、信書の発受も禁止をすることができるというようになっておりますし、物の授受と申しまして、例えば新聞紙の購入ですとか雑誌の購入なども禁止をすることができるというようなことがありますので、裁判所の決定次第では、その接見等禁止決定の内容によってそういったものにアクセスできない場合があるということでございます。
○真山勇一君 確認なんですが、そうすると、籠池氏が今入っているところにはテレビ受像機は常設してあるんですか。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 一般に刑事施設におきましては、未決拘禁者を収容している居室につきましてはテレビ等は置いておりません。一方、各部屋にはラジオの設備がございまして、これは、好きな放送がいつでも聞けるというものではございませんけれども、施設の方で一定の時間に施設の方で決めた番組を流して、それを聞くか聞かないかを選べるというような状況になっております。
○真山勇一君 そうすると、接見禁止決定がなされていると今おっしゃいましたけれども、短期間ならばいろんなこともあるというふうに思うんですけれども、例えば長期にわたるこういう勾留の場合、接見禁止決定が出されるのはどういう場合に出されるんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) 被告人との接見禁止決定につきましては、刑事訴訟法の規定に基づきまして、罪証隠滅のおそれ、あるいは逃亡のおそれがある場合になされるということになってございます。
○真山勇一君 証拠を隠滅か、あるいは逃亡のおそれということでありますけれども、そうすると、籠池さんってそういうおそれがあるということなんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) 現在公判係属中の個別の事件につきましては、法務省として所見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思います。 特に勾留、保釈あるいは接見禁止の判断は、その要件と事実に照らしまして裁判所において判断がなされる事柄でございますので、この点について法務省として所見を述べることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○真山勇一君 あと、籠池氏と同時に籠池夫人も同じ状態になっていますね。同じ状況と考えてよろしいんですか。
○政府参考人(辻裕教君) 繰り返しになって恐縮でございますが、公判係属中の個別事件についてのお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○真山勇一君 公判係属中だからお答え差し控えるというのは、魔法の呪文のようにいつも言われてしまって、それ以上なかなか伺うことできないんですけれども。 先ほど一般論としてお話をしていただいたんですが、そうすると、今言ったように、証拠隠滅のおそれとか、それから、あと容疑を否認しているという場合もですか、やっぱりこれも理由の一つになるんですか。
○政府参考人(辻裕教君) 個別の事件につきましてはお答えを差し控えさせていただきますが、あくまで一般論として申し上げさせていただきますと、容疑を否認、公訴事実を否認していること自体が勾留あるいは接見禁止の直ちに理由になるとは承知してございませんけれども、先ほど申し上げました接見禁止の要件を判断する中で一つの事情として考慮されることはあり得るのではないかと承知しております。
○真山勇一君 ということは、逆に考えれば、例えば、逃亡あるいは証拠隠滅のおそれ、容疑を認めたとかということになると、逃亡のおそれがない、証拠隠滅のおそれもない、容疑も認めたということになると、それは逆に言うと、当然釈放されることになるんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) ただいまも申し上げましたとおり、公訴事実を認めている、否認していること自体が直ちに逃亡のおそれ、証拠隠滅のおそれの判断に直結するものではないと承知してございますので、容疑を認めたということから直ちに保釈される、あるいは接見禁止決定が解除されるということでは必ずしもないのではないかとは考えてございます。
○真山勇一君 いろいろ長期にわたる勾留というのは理由があるということを伺ったわけですけれども、大臣、今伺っているそういう状況、一般論ということで伺ったわけですけれども、やっぱり頭の中には、それと籠池夫妻の今の状況がどんなになっているか、私たちはメディアを通じてしか今知るすべがないわけですよ。 やっぱりこの辺りは捜査と関係が私はあるのかな、どこまで関係、関係があると言ってしまえば何かそれがもう通用するような気もするんですけど、先ほどプライバシーということもありましたけれども、言ったっていいこともあるんじゃないかなという気がしています。直接どこまで捜査に影響するのかなという感じもしているんですけれども。 大臣、今のような状況、つまり接見禁止になってもう八か月余りにもなります、八か月にもなります。これ、人権の観点から見たら、これで守られているというふうに大臣はお思いになりますか。
○国務大臣(上川陽子君) 現在まさに公判係属中の個別の事件ということでございます。法務大臣として所感を述べるということについては差し控えさせていただきたいと存じます。
○真山勇一君 せっかくの人権派の大臣なので、やっぱりこういうことをどういうふうに感じられるかということを伺いたいというふうに思ったんですけれども。 ちょっと別な観点から、マンデラ・ルール、これは何回か取り上げられているので、もう大臣も御承知だとは思います。国連の被拘禁者処遇最低規則です、処遇最低規則。受刑者の処遇改善のための最低基準を示した国連決議ですね。国連決議ですから、私たちも、日本も当然この決議の中に入っております。 そのお配りの資料を見ていただきたいんですが、一番上に書いてありますこの国連の被拘禁者処遇最低基準規則、通称マンデラ・ルール、規則の五十八にこうあります。「被拘禁者は、必要な監督のもと、定期的に家族および友人と、以下の方法により連絡を取ることを許されなければならない。」。(a)、(b)あります。(a)はいろいろ、いわゆる通信手段ですね、こうしたことが許されなくてはいけない。そして、(b)のところに「訪問を受けること」というふうに書いてあります。確かにいろんな理由で接見禁止決定が出ているというふうにはありますけれども、やっぱりこのマンデラ・ルールから見たら、これを守られているというふうに大臣はお思いになりますか。
○政府参考人(富山聡君) 前提としまして、マンデラ・ルールズのことにつきまして御答弁をさせていただきたいと思います。 マンデラ・ルールズにつきましては、一九五七年、国連経済社会理事会で承認されました被拘禁者処遇最低基準規則について、近年における矯正学の進歩、ベストプラクティスを反映するという趣旨から、二〇一五年の国連総会の決議によってこれを改正し、その際、マンデラ・ルールズと呼称することとしたものと承知をしております。 この規則の冒頭には、プレリミナリーオブザベーションと書かれた幾つかの項目の規定がございまして、この規則の趣旨を説明している部分かと思いますが、その中には、このオブザベーションの二の一といたしまして、この規則の全てが全ての場所でいつでも適用できるわけではないことが明らかである、しかしながら、こういったものについては、その適用が現実的に困難であるということを克服するために絶え間なく努力をしていく、そういったことが求められているというような趣旨のことが書かれております。 私どもとしましては、これはいわゆる条約とは違いまして我が国に対して法的な拘束力を有するものではないと考えておりますが、ただ、その充足のために努力をすべき国際的な基準として意味を持つものでありまして、私ども刑事施設を所管する当局といたしましても、その趣旨はできる限り尊重し、運用に当たってまいりたいと考えているところでございます。 ただ、お尋ねのありましたその家族との面会という部分につきましては、先ほども一般論として申し上げましたとおり、被勾留者を含む未決拘禁者の面会は原則としては相手方に制限なくこれを許すというように法律上定めておりまして、ただ、刑事訴訟法の規定により接見等禁止決定がなされている場合、あるいは刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の規定によって面会が禁止される場合などには面会ができないことがあるということでございまして、このような我が国の法制がマンデラ・ルールズとの関係で問題があるものではないと私どもとしては考えているところでございます。
○真山勇一君 いや、関係がないことはないというふうに思いますよ。やっぱりこれは法的な拘束力はない、もちろんそれは存じ上げていますけれども、でも、やはり国際的に法的拘束力がないからこそこうしたことをやらなければならない、努力せよということを言われているわけじゃないかと思うんですね。 やっぱり、普通の常識から見れば、八か月も先ほど述べられたような状況で狭い部屋に閉じ込められているということは、これやっぱり人権上問題じゃないかというふうに思うんですね。 本当に、じゃ、その理由として挙げている証拠隠滅のおそれがあるのか、逃亡のおそれがあるのかとか、それから罪状を認めていないからとかということでやっているとしたら、それはやっぱり一つずつのしっかりした本当にそうなのかということを、やはりある程度誰もが納得できる形で言うことは捜査上差し支えがあるのかどうか、それからプライバシーで問題になるのかどうかと考えると、そういうことではなくても明らかにすることはできるんじゃないかというふうに思うんですけれども、やっぱりこれはどうなんですかね、やっぱりこれだけ長い勾留というのはなるべくやってはいけない、避けるべきだということがあるわけですよ。その辺りというのはどういうふうに考えておられますか、もう一回お答えください。
○政府参考人(辻裕教君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、勾留、保釈、接見禁止の判断は、個別具体的な公判係属中の事件におきまして裁判所が法律上の要件と事実関係に照らして判断されるものでございますので、所見を述べることは差し控えたいと存じますが、ただいまの委員の御質問に即して申し上げますと、やはり法務省として所見を述べるということは、今後の具体的な事件における検察官の活動あるいは裁判所の判断に何らか影響を与えるというおそれもあるのではないかと考えてございますので、そういうことでお答えを差し控えさせていただきたいと考えていることを御理解いただければと存じます。
○真山勇一君 本当に誰が見ても、それから誰に聞いても、やっぱりこんな長い状態で閉じ込めておくのはおかしいじゃないかという、そういう声はたくさん聞こえてくるんじゃないかと思うんですよ。やっぱりその辺りはどうなのかな。 ちょっと質問通告はさせていただいてないんですけれども、籠池夫妻の場合は八か月になろうとしている。例えばこれまでの例として、こういう長い拘束状態が続く、拘禁状態が続くということはこれまでにあったんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) あくまで統計上のことでございますけれども、通常第一審事件の起訴後の処遇状況を司法統計年報によりまして申し上げさせていただきますと、例えば平成二十八年におきましては、勾留総人員数が四万四千七百六十一人となってございますけれども、そのうち勾留期間が六か月を超える者は三千四百三十三人ということでございます。
○真山勇一君 六か月以上、長い方というのはどういう記録があるんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) ちょっと、突然のお尋ねですので、ちょっと手元に十分な資料がございませんけれども、統計上は一年を超える者という分類までしかございませんで、ちょっと今一年を超える者は手元にございませんが、六月を超える者がただいま申し上げた三千四百人余りということでございます。
○真山勇一君 多分一年超えるような者も二、三、これまでにあったんじゃないかなというふうに私は理解をしているんですけれども、例えば有名なよく知られた、事件にもなった鈴木宗男さんとかあるいは佐藤優さんですね、そうした方のケースがそれに当たるのかなというふうに思うんですけれども。やっぱり、どういう理由があるにせよ、こんなに長く拘禁、勾留しておくということは、当然その検察当局の方で捜査をしているわけですけれども、やはりこんなに長い時間を掛けて、捜査のためとは言いながら、こんなに長い時間一つの場所にこうやって閉じ込めておくということは、やはり人権から見たらどうかなというふうに感じるわけです。 確認になりますけれども、もう本当にこれは大臣に伺いたいんですけれども、やはり日本が国際社会で本当に先進国としてちゃんと認められる、人権も非常に適切に対応しているということになれば、やっぱりマンデラ・ルールというのは守るべきだと思うんですが、大臣はこの辺というのはどういうふうにお考えでいらっしゃいますか。
○国務大臣(上川陽子君) 真山委員から先ほどマンデラ・ルールズということで、国際的な、法的拘束力はないけれどもということでありますけれども、努力すべき国際的な基準としてということで御紹介をいただきました。その趣旨につきましてもできる限り尊重して、そして実務の運用に当たっているという状況でございます。 個別の事件に係ることにつきましては、法務大臣として所感を述べることについては差し控えさせていただきます。そして、勾留やまた保釈等の運用につきましては、我が国の刑事手続において、刑事訴訟法の規定に基づいて適切に行うということでございます。そうしたルールに基づいて適切に行われているものと考えております。
○真山勇一君 また上川大臣のこれホームページかな、これの話なんですけど、これは人権問題に絡んで人身売買の問題について、上川大臣はこういうふうなことを陽子日誌というところで書かれているんです。ちょっと読ませてください。 日本が人身売買について世界有数の輸入国であるという事実は、世界中で知れ渡っています。私も国際会議で大変肩身の狭い思いをしながら、例えばカンボジアやベトナムでの貧困撲滅など、緒方貞子さんの人間の安全保障基金からの御支援云々ということを書かれています。 国際会議とか国際舞台の場に出ると大変肩身の狭い思いしているという、本当にこれ、そう感じられるんじゃないかと思うんですよ。やっぱり国連から、今回人権機関から、この問題だけでなくても様々な、例えば共謀罪のときにでもいろんなことを受けているわけですね、人権機関の方から。そういうことに対しての、やはり日本は少しどうしても遅れ、遅いんじゃないかということがあるんです。是非その肩身の狭い思いをしなくてもいいようなやはり日本にしていかなくちゃいけない、そのためにはやっぱりこうした一つ一つのケースをきちっと対応していけるということも大変大事なことじゃないかと思っております。 国連での日本の活動ということも、これ是非重視していただきたいというふうに思うんです。ですから、このマンデラ・ルール、ルールと私おっしゃっていると、そちらから必ずルールズと、ズというのが付くんですけれども、これは英語なんで、もちろん項目がたくさんあるのでルールズですけれども、マンデラ・ルールズを、是非これをやはり法的な拘束力はなくても守るべきじゃないかというふうに私は思います。 ところで、先日の新聞にこういう記事が出ていました。籠池被告との接見を申請、野党の六党が森友学園の前理事長籠池泰典被告への接見を大阪地裁に申請した、この事実は御存じでしょうか。そして、こういうケースの接見は認められるでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) 度々で恐縮でございますが、現在公判係属中の個別の事件についてのお尋ねでございますので、特に裁判所の判断も含めたところにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
○真山勇一君 この新聞記事を見ると、この時点では地裁の許可が得られるかどうかは不透明だということに書いてありますけれども、このケースはどうなんでしょう、客観的に見たらやはりこういう公的な目的も強いものですし、やはり被告の人権とかプライバシーとか、それから裁判を公平公正に行っていく上のその一つの過程として、やはりこうしたことは認める方向でやっていかなければ何かおかしいのではないかなというふうに思います。 是非これは、認められるんじゃないかなという話もあるようですけれども、是非、こういうもので前向きにやはりひとつ処理をしていっていただきたいというふうに思います。これによって事件が、今回の問題の、事件じゃないです、問題の課題とか問題点というのが少しずつ明らかにされてくるんではないかというふうに思っておりますので、是非、やはり認めていく方向でのことを期待したいというふうに思っております。 いろいろ微妙なことをお伺いして大変答弁も申し訳なかったと思いますけど、私は籠池氏とは別に何の損得、利害関係もありませんので、ただ、やっぱり人権ということから見たらおかしいですよ。それは、法律でそういうふうにおっしゃることは分かりますけれども、やっぱりこんなに長い期間留めておく。例えば、釈放したって本当に、じゃ逃亡の危険があるのかとか、証拠隠滅するんだろうかと、もう家もなくなった人が証拠隠滅できるんだろうかとか、いろいろあると思うんですね。 それから、やはり否認していたら駄目だというのもおかしいですよね。これはやっぱり、結構懲罰的な意味があるんじゃないかというふうに思います。言わなければ、おまえ、いつまでもこの状態から解放されないぞと脅かしているみたいなものですから、じゃ、私やりましたとか、認めますとかって思わず言ってしまうというケースが本当に、これまでの裁判の例を見てもそういうことがあるんじゃないか、冤罪を生む要素になるんじゃないか、そう思っております。 だから、今回、一般的に世間で今、これは口封じじゃないかというふうに言われているわけですね。やっぱり、こういうことをそのまま見逃すということは、全ての人にとって、上川大臣がおっしゃったその人権、これについてやはり考えたら、これはあるべき姿ではないと私は考えます。ですから、上川大臣はこれについてはどう考えているのかということをちょっと知りたかった。やはり、先進国の中で見れば、人権に関してはどうも先進国と言えないような状況じゃないかというふうなことも私は感じます。是非、この辺り、人権というのを上川大臣も大事にされているんですから、これは前へ進めるということを考えていろいろやっていただきたいというふうに思っております。 時間がちょっと、もう少しありますので、もう一つ、次の問題に移りたいと思うんですけれども、財務省の決裁文書の件です。 この件では、まだいろいろ捜査の過程で、それこそ途中でいろんなことを言うということが大変難しいということは分かりますけれども、書換えというふうに言われているわけですね。メディアの見出し的には改ざんというふうになっておりますけど、書換えだと、改ざんではないんだというふうなことをおっしゃっているようですけれども、一般論として省庁のその決裁文書、判こも押してある有印のその決裁文書を権限のない者が書き換えるという行為は刑法の有印公文書変造罪というものに当たるのかどうか、一般論としてお答えください。
○政府参考人(辻裕教君) 犯罪の成否につきましては、捜査機関により収集された証拠に基づきまして個別に判断されるべき事柄でございますので、個別の事案につきましてはお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、あくまで一般論として申し上げれば、有印公文書変造罪は、公務所又は公務員が押印し又は署名した文書又は図画を変造した場合に成立するものと承知しております。
○真山勇一君 それからもう一つ、一般論としてでも結構ですけれども、そうした文書を国会などへ提出する、その提出する行為というものは行使に当たるんでしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) これもあくまで一般論として申し上げますと、行使、偽造公文書行使罪等の行使でございますが、文書を真正に成立したものとして他人に交付、提示等して、その閲覧に供し、その内容を認識させ又はこれを認識し得る状態に置くことをいうと一般にされているものと承知してございます。
○真山勇一君 この決裁文書の書換えについては、また改めて機会があれば質問させていただきたいというふうに思います。 一つ人権の方でちょっと言い忘れてしまったんですけれども、やっぱり長い間こうやって拘禁するということについて人質司法だという、そういう批判もありますね。私は、今司法改革がいろいろ進められています、やっぱり人質司法なんて呼ばれるのは、これは本当に残念なことだと思います。こういう言葉がなくなるようなやはり法体系にするべきじゃないかということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。 人権問題についてお伺いする前に一言申し上げます。 昨年十二月十九日、東京拘置所で二人が死刑を執行されました。いずれも再審請求されており、そのうち一人は、犯行当時、未成年でした。上川大臣による初の死刑執行に驚きと失望を禁じ得ません。上川大臣による初の死刑執行に驚きましたが、二〇一六年十二月末現在で、法律上死刑を廃止している国は百四か国、事実上死刑を廃止している国と合わせると百四十一か国、実に三分の二の国々が死刑を廃止しております。今や、死刑廃止は世界の潮流となっています。そのような中、死刑が執行されたことに強く抗議をするとともに、死刑制度を含めた刑罰制度の全体の見直しを行いますように強く要望し、質問に入りたいと思います。 先ほどもございましたが、上川大臣は所信表明で、様々な人権問題等への対応として、ヘイトスピーチを含む外国人に対する人権侵害など様々な人権問題を解消するため、人権啓発、調査救済活動等に丁寧かつ粘り強く取り組んでいく、また、二〇二〇年に向けて、心のバリアフリーを推進し、誰もがお互いの人権を大切にし、支え合う共生社会を実現するための人権啓発活動を推進していくと述べられました。大変期待しております。 しかし、残念ながら、ヘイトスピーチやヘイトクライムの深刻な事例が後を絶ちません。そして、ヘイトの矛先が最も向けられているのは在日朝鮮人と言えるのではないでしょうか。いわゆるヘイトスピーチ規制法ができてしばらくはヘイトスピーチが一時的に少なくなったようですが、強制力や罰則規定もなく、最近ではひどいヘイトスピーチが横行しているようです。 今年二月二十三日には、右翼活動家と元暴力団員の二人が朝鮮総連中央本部に銃を向け撃ち込むという事件が発生しました。在日朝鮮人に対する差別感情によって引き起こされた暴挙、そういう指摘もあります。在日朝鮮人への差別的な扱いや制度がヘイトを助長している要因ではないかというふうに憂慮しております。 実は私も経験があります。実は、東京で、オスプレイの配備に反対をする沖縄県民、これは、沖縄の全市町村長、そして全市町村議会、そして超党派の県議会議員の方々と一緒に銀座通りを静かにデモ行進をしておりました。ところが、そのときに、売国奴、あるいは琉球人は日本から出ていけ、そのようなことを浴びせかけられました。二〇一三年の一月二十七日のことであります。これは、オスプレイの配備撤回を求める県民の東京行動の銀座デモに対して向けられた、そういう言葉でありました。 その記憶を本当につい昨日のように思い起こしてしまうわけでありますが、やはり、現在、日本の中でまだまだそういう差別が解消されていないということを感じますのが、二年前のことです、沖縄の新聞記者がマンションを仕事の転勤のために借りる、その入居を阻まれた、そういう報道があります。かつて沖縄から出稼ぎ者が多かったその本土の一部地域では、例えば、琉球人、朝鮮人お断りの張り紙を掲げるアパートが珍しくなかったと言われております。また、沖縄県民への土人発言は記憶に新しいかと思います。 攻撃や差別を受けた者は、常にヘイトに遭うかもしれないという、そのような恐怖にさらされています。是非、このことを御理解をいただきたいと思います。心のバリアフリーと言葉では簡単に言えても、この実現が一番難しいのではないでしょうか。実現するためには、やはり思い切った政策の推進が不可欠です。 上川大臣の差別撤廃や心のバリアフリーに向けたその意気込み、その取組についてお伺いをいたします。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員から在日朝鮮人に対するものも含めましてのヘイトスピーチ、これにつきまして、今なおその問題が大きな問題であるという御指摘がございました。大変重く受け止めております。この在日朝鮮人に対するものも含めまして、特定の民族や、また国籍の人々を排斥する不当な差別的言動はあってはならないということで、これはあってはならないというふうに思っております。 この点に関しまして、平成二十八年に本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律、いわゆるヘイトスピーチ解消法が成立し、また施行されたことにつきましては大きな前進であったというふうに思っております。先ほど委員からは、強制力の点で、また罰則規定の点での御発言もございましたけれども、この法律の成立とそして施行、このことはヘイトスピーチに焦点を当てた人権擁護活動におきましての核となるものというふうに思っているところでございます。また、ヘイトスピーチ解消法が施行されまして、その事実や法律の趣旨が報道等でも大きく取り上げられたことなどが一つの契機となりまして、このような言動が許されないものであるということが社会の中で認識されつつあるものというふうに考えております。 法務省では、このヘイトスピーチの解消に向けた法律の施行を踏まえまして、このいわゆるヘイトスピーチが許されない旨の啓発活動、また被害相談への対応、体制の整備等、これにつきましては、先ほど申し上げた、丁寧かつ更に粘り強く推進してまいりたいというふうに思っております。 いずれにしても、この法律の趣旨をしっかりと踏まえまして、在日朝鮮人も含め外国人の人権に関する啓発活動、また外国語人権相談体制の周知広報の継続強化等、これにつきましては更に推進のための政策的努力ということについて重ねてまいりたいというふうに思っております。 また、人権全体ということで、心のバリアフリーということのメッセージを掲げることは簡単だけれども、その実現については大変難しいのではないかと、こうした御指摘もいただきました。私は、二〇二〇年、東京オリンピック・パラリンピック競技大会、こうした大会の大きな開催に向けまして、民族、国籍の違いや障害の有無等、それぞれが持つ違いを超えて、誰もがお互いの人権を大切にして支え合う共生社会の実現のために、外国人及び障害のある方々に対しての偏見、差別を解消するための人権啓発活動は、こうした時機をしっかりと捉えて更に強力に進めてまいりたいというふうに思っております。
○糸数慶子君 ありがとうございました。引き続きよろしくお願いしたいと思います。 次に、選択的夫婦別姓についてお伺いいたします。 政府は、家族や家族に関する法制度についての国民の意識を把握し、今後の施策の参考にする、そのためとして、数年おきに世論調査を行い、夫婦の氏について九六年から同じ質問をされています。今年二月十日に六年ぶりに公表されたようですが、世論調査の結果についてお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(原宏彰君) お答えいたします。 内閣府では、家族の法制に関する世論調査を平成二十九年十二月に実施をいたしまして、本年二月に公表したところでございます。 選択的夫婦別氏制度に関する国民の意識につきまして、婚姻をする以上夫婦は必ず同じ名字を名のるべきであり、現在の法律を改める必要はないとする回答が二九・三%、夫婦が婚姻前の名字を名のることを希望している場合には夫婦がそれぞれ婚姻前の名字を名のることができるように法律を改めても構わないとする回答が四二・五%、夫婦が婚姻前の名字を名のることを希望していても夫婦は必ず同じ名字を名のるべきだが、婚姻によって名字を改めた人が婚姻前の名字を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては構わないとする回答は二四・四%でございます。 先ほどの、夫婦が婚姻前の名字を名のることを希望している場合には夫婦がそれぞれ婚姻前の名字を名のることができるように法律を改めても構わないとする回答につきましては、前回三五・五%に比べまして七・〇ポイントの上昇でございまして、これまでで最も高い数値となってございます。 なお、内閣府の世論調査につきましては、平成二十八年度以降、対象者を二十歳から十八歳以上に変えてございますので、厳密には前回調査と今回調査では調査対象者は異なるということについては注意をお願いいたします。 以上でございます。
○糸数慶子君 ありがとうございます。 これまでで最も選択的夫婦別姓を容認する意見が多かったということですが、私、皆さん今お手元に資料をお配りしてございます。このお配りした資料を御覧いただきますと分かりますが、反対が多数を占めたのは男女とも七十歳以上のみで、七十歳未満では男女とも全ての年代で賛成が反対を大幅に上回りました。特に女性では、六十歳未満の全ての年代では反対が僅か一〇%台であります。また、反対の理由として掲げられた家族の一体感やきずなですが、今回の調査では、家族の名字が違う、それから家族の一体感やきずなが弱まるというふうに答えたのは三一・五%で、家族の名字が違っても家族の一体感やきずなに影響がないと答えたのは六四・三%だったことが分かりました。 今年一月には、国際結婚では夫婦別姓を選択できるのに、日本人同士の結婚では同姓しか認めていない戸籍法の規定が法の下の平等を定めた憲法に反するとして、国賠訴訟が提起されました。来月には第二次の夫婦別姓訴訟が提起されると伺っております。別姓婚か同姓婚かで、一方は法律婚ができるのに一方は法律婚ができない。事実婚では親権や相続でも差別されることになります。 これまで政府は賛否が拮抗しているとして慎重な姿勢を示してきましたが、今回、賛否に大きな開きが出たことから、これは停滞させる理由はもはや成り立ちません。国民の理解は深まっています。それぞれが名前を名のりたいだけなのに裁判までしなければならない。これはもはや、法改正をしないことに合理性はありません。 これらの状況を踏まえた法改正への取組について、上川大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) この選択的夫婦別氏制度の導入につきましては、我が国の家族の在り方に深く関わる重要な問題であるというふうに考えております。 平成二十九年十二月に実施された世論調査、先ほど内閣府が答弁をしたところでございますし、また委員からも世代間で違いがあるという御指摘がございました。この世論調査の結果におきましては、選択的夫婦別氏制度の導入につきまして、国民各層の意見が分かれているということにつきましては改めて示されたものというふうに理解をしております。ただ、平成二十四年の世論調査の結果と比べまして、この選択的夫婦別氏制度の導入につきまして賛成する意見の割合が増えているというのも事実でございます。 今回の世論調査の結果を受けまして、直ちに選択的夫婦別氏制度を導入すべき状況にあるとは言えないと受け止めているところでございますが、今回の世論調査の結果には、例えば十八歳から二十九歳まで、三十歳代で選択的夫婦別氏制度の導入について賛成する意見、これが半数を超えているということで、先ほど申し上げたとおり、世代間の意見に大きな違いが見られたことなど、貴重なデータが含まれているものと考えられるわけでございます。 そこで、今後でありますが、今回の世論調査の結果について、例えば配偶者、子供、兄弟、こうした有無などの違いによってどのような意識の違いがあるのか、あるいは選択的夫婦別氏制度に賛成の人、反対の人などが他の質問でどのような回答をしたのかといったクロス集計をして、しっかりときめ細かな分析をいたしまして、過去の世論調査の結果とも比較検討を行うなどした上で、引き続き対応の検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○糸数慶子君 前向きな答弁をいただいたと思います。しっかり今後とも取り組んでいただきたいと思います。 次に、難民の問題についてお伺いしたいと思います。先ほどもこの件についてはありましたけれども、改めて伺います。 今激しい内戦が続くシリアから日本に逃れてきた男性四人が難民と認めるよう求めた裁判で、三月二十日、東京地裁は、迫害のおそれがあるような事情は認められないとして全員の訴えを退ける残念な判決を行いました。 近年、世界中で迫害、紛争、人権侵害を理由にした難民、避難民の数が増加しています。我が国は、二〇一七年にはUNHCR、国連難民高等弁務官事務所に世界で四番目に多額の拠出をするなど、人道危機に対する取組で多大な貢献をしています。 我が国の国内に庇護を求めてきた難民については、難民条約の締約国として難民条約の定義に当てはまる条約難民を保護するだけでなく、難民条約上の定義に当てはまらないけれども人道的な見地から保護を要する者を裁量的に保護する運用をしており、近年では、難民やその他の保護を必要とする者を迅速かつ確実に庇護するために、難民認定制度や難民認定申請者の地位に係る運用の改正を随時実施しているというふうに承知しております。 そこで、不服申立て手続での難民認定者が一人であることについてお伺いをいたします。 二〇一七年の難民認定者数が僅か二十人ということですが、この二十人についてそれぞれ一次手続と不服申立て手続で何件ずつなのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 一次審査手続の結果、難民と認定された者が十九名、不服申立て手続の結果、難民と認定された者が一名となっております。
○糸数慶子君 我が国におきましては、トルコ出身者は全く難民認定されておりません。中国出身者もほぼ難民認定されていません。シリアの反政府活動家やミャンマーのロヒンギャ難民でさえも大多数が難民認定されていません。保護されるべき者をちゃんと保護していないのではないかとの批判があります。この批判に加え、ここまで難民認定数が他の先進諸国と懸け離れて少ないと、幾ら海外支援で多大な貢献をしていても、我が国が難民の人権を守らない国とのレッテルを貼られ、我が国の国際的なイメージ、日本というこのブランド力を損ない、また、観光立国を掲げて外国人を日本に呼ぶにも、その負の影響を与えてしまうのではないかというふうに危惧されますが、上川大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 我が国におきまして、難民の認定状況ということに係る御指摘をいただきました。 難民、避難民の流入が国際問題化している欧州等の状況とは異なりまして、シリア、アフガニスタン、イラクのような大量の難民、避難民を生じさせる国の出身者からの難民認定申請数が少ないということでございます。 また一方、難民認定申請によって庇護を求めることが主眼ではなく、我が国での就労等を目的とすると思われる濫用、誤用的な申請が相当数見受けられるということでもございます。難民認定は、難民条約等に規定する難民の定義に申請者が該当するか否かを判断するものでございまして、欧州等とのこのような状況の違いが難民認定数の違いの背景にあるという認識をしているところでございます。 このような状況の中で、法務省におきましては、申請者が難民条約上の難民に該当するか否か、この個別の審査の上で難民と認定すべき者を適正に認定をする、こうしたことを続けているところでございますが、結果として難民認定数が二十人、そして、その他の庇護ということで、条約上の難民とは認められなかったものの人道的観点から本邦での在留が認められた者、平成二十九年の速報値におきまして四十五名ということでございまして、こうしたことを適切にしっかりと実施してまいりたいというふうに思っております。あくまで個別に判断をした結果ということで御理解をいただきたいというふうに思っております。
○糸数慶子君 次に、難民認定二十人のうち、不服申立て手続での認定は一人ということですが、不服申立て手続では、法務大臣の諮問機関である難民審査参与員の意見を聞いて法務大臣が判断をするということですが、三人で一班を構成する難民審査参与員の全員又は多数が難民に該当するとした意見と、そして難民に該当しないとしたその意見がそれぞれ何件あったのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 平成十七年五月十六日の難民審査参与員制度の発足から平成二十九年末までに難民不服申立てに対する決定を行った事案のうち、難民審査参与員の多数意見が、理由あり、つまり難民に該当するとした者が百十六人、理由なし、すなわち難民に該当しないとした者が一万一千六百五十九人でございました。
○糸数慶子君 難民審査参与員の認定意見が一件のみということですが、先ほども申し上げましたが、難民以外のその審査請求手続などの不服申立て制度を見渡して、この原審の判断がそのまま維持される比率が九九・九%を超えるというものはあるのでしょうか。これは、難民審査の一次手続がほぼ完璧に機能している結果なのか、難民審査参与員制度に改善の余地があるのか。二〇一三年から二〇一五年の間に、難民審査参与員の全員又は多数意見で難民と言っても法務大臣に不認定とされる事例が四割を超え、難民審査参与員が萎縮してしまっているのではないかとの意見もあります。上川大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 難民認定の一次審査手続の結論が不服申立て手続においても多くの場合維持されているということでございます。結果的に御指摘のとおりということでございます。難民審査参与員からは、それぞれの御専門のお立場から様々な御意見をいただいているものというふうに認識をしているところでございます。 平成二十五年から平成二十七年の間に難民不服申立てに対する決定を行った事案におきまして、難民審査参与員の多数意見が、理由あり、難民に該当するであった事案は二十九人、このうち法務大臣が理由なし、つまり難民に該当しないと決定した事案は十三人ということで、御指摘をいただきましたが、その割合につきましては御指摘のとおりでございます。 一方で、難民審査参与員制度が発足した平成十七年五月十六日から平成二十九年末までに難民不服申立てに対する決定を行った事案全体について見ますと、難民審査参与員の多数意見が理由ありであったのが百十六人、うち法務大臣が理由なしと決定したのは先ほど申し上げた十三人ということでございまして、一割ということでございます。その他の百三人、約九割につきましては、法務大臣は参与員の多数意見と同様の判断を行っているという状況でございます。 難民審査参与員からはそれぞれの知見に基づきまして適切な御意見をいただきながら、今後ともこの難民審査参与員制度を適切に運用できるよう更に努力を重ねてまいりたいと思います。
○糸数慶子君 ありがとうございました。 時間が参りましたので終わりますが、通告をした質問に関しましてはまた改めてお伺いしたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(石川博崇君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(石川博崇君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、法務及び司法行政等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 まず、再犯防止につきまして、上川大臣が所信の冒頭でこの再犯防止を触れられましたので、まずこの点についてお伺いをさせていただきます。 また、我が党といたしましても、昨年の十二月、自民党の皆様と一緒に上川大臣に申入れをさせていただきました。再犯防止を是非強力に推進していただきたいという要請でありますけれども、この刑法犯の認知件数ですか、平成十四年度をピークに翌十五年から減少しているということと、平成二十八年には戦後最少だった前年より更に減少して、現在、九十九万六千百二十件と、こういう状況でございます。しかし、再犯者率は平成九年以降上昇しておりまして、平成二十八年には四八・七%と、こういう状況になっております。そこで、犯罪や非行の繰り返しをいかに防止するか、これが重要でありまして、我が国の刑事政策に課せられた喫緊の課題という認識をしております。 そこで、まず質問でありますけれども、昨年の刑務所に入所された受刑者は二万四百六十七人で、前年比千七十人減と戦後最少なんですけれども、六十五歳以上の高齢者二千四百九十八人で、全体の一二・二%を占めておりますけれども、その人数は平成九年の四・二倍と、こういう状況になっておりまして、この高齢受刑者のうち入所度数ですね、二回目以上の者が七〇・二%で、入所六回目以上が三六・九%、九百二十二人でありますけれども、こういう非常に高齢者のいわゆる再入所というのが大きな問題になっております。 そこで、この対策ということでありますけれども、現在、この再犯防止についてどのように取り組んでいるか、まず大臣のお考え、また決意をお伺いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員御指摘がございました現状でございますが、高齢受刑者の人員及びその割合共に上昇をしている状況でございます。また、高齢受刑者に占める再入者の割合は、入所受刑者全体と比べて高くなっているということで、高齢受刑者の再犯を防止することは重要な課題であるという認識をいたしているところでございます。 昨年十二月に再犯防止推進計画が閣議決定をされました。この中で、高齢犯罪者の再犯防止を重点課題の一つに位置付けております。そして、具体的な対策といたしまして、矯正施設、保護観察所などの刑事司法関係機関におけるアセスメント機能、これを強化すること、また、高齢受刑者の円滑な社会復帰に向けた指導を充実させること、また、矯正施設、保護観察所、地域生活定着支援センター等の多機関連携を強化をすること、また、一層効果的な入口支援の在り方を検討すること、さらに、地方公共団体との連携によりまして、保健医療・福祉サービスの利用に向けた手続を円滑化させることなどの施策を盛り込んでいるところでございます。 今年はこの再犯防止推進計画元年と位置付け、大変重要な年であるという認識の下で、関係省庁、また地方公共団体、民間団体等と連携をしながら、高齢犯罪者の再犯防止を始めとする計画に盛り込んだ一つ一つの施策、これを着実にかつスピード感を持って取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○若松謙維君 まず、こういう受刑者でありますけど、結局、生活が困窮しているということから、刑務所に寝食を求めて軽微な窃盗等を繰り返すと、こういう高齢者の事案を担当した弁護士の方にお話を聞きました。そうしましたら、このやはり再犯防止におきましては貧困対策、これが最も大事であると、そういうお話でございまして、先ほども大臣おっしゃられましたけど、他省庁との連携ということでありますけれども、特にこの貧困対策、これにつきましては法務省としてどのように今取り組んでいますでしょうか。
○政府参考人(金子修君) 委員御指摘のとおり、貧困等の犯罪を繰り返す者の中には、生活を送る上で必要な仕事や住居がないなどのために経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することが難しい者や福祉的な支援を必要とする者が少なくないと思われます。こうした者の再犯を防止するためには、厚生労働省を始めとする関係省庁と緊密に連携をしつつ、必要な支援につなぐことが重要と認識しております。 昨年十二月に閣議決定されました再犯防止推進計画では、高齢や障害のために福祉的な支援を必要とする者については、保健医療・福祉関係機関や地方公共団体等と連携し、刑事司法手続のあらゆる段階において必要な福祉サービスに結び付ける調整の一層着実な実施を図ること、就業を希望する者の雇用による就業が難しい者については、生活困窮者支援自立法に基づく生活困窮者就労準備支援事業や生活困窮者就労訓練事業の積極的な活用を図ること、親族等の引受けもなく適当な帰住先がない者については公営住宅への入居に当たって特別な配慮を行うことなどといった施策が盛り込まれており、今後も関係省庁との連携を強化し、取組を一層推進したいと考えておるところでございます。
○若松謙維君 今、六十五歳以上二千四百九十八人ということで、是非お一人お一人に寄り添った対応というのをお願いしたいと思います。 それと、次に、この再犯で刑務所に収容される者の方々で約七割が無職者と、こういう状況ですが、就労の確保が再犯防止に資すると考えているわけでありますけれども、今法務省では、平成二十五年から、刑務所出所者の雇用に協力する協力雇用主に対しまして、職場定着のために実施した生活指導等につきまして謝金を支給すると、こういう取組が始まっております。平成二十七年から就労奨励金制度を実施しておりまして、協力雇用主は、平成二十九年四月現在、前年比一三・六%増の一万八千五百五十五社ということですが、実際に出所者を雇用している事業主は、前年比十四社減の七百七十四社ということで、いわゆる手を挙げることと、また実際に受け入れるというこの実態の乖離が大きな課題となっております。 ですから、この協力雇用主ですか、実際に四・二%が受け入れていただく、これも大変な御努力だと思うんですけれども、この原因は、結局、出所者とのトラブルですか、実際に雇用を受け入れる側もやはり不安もあるでしょうし、ほかの従業員への様々な配慮等もまあ考えますよ。やっぱり、ためらう経営者も当然だと思います。しかし、今後、この出所者の雇用先の確保、これにつきまして、協力雇用主の不安を除去したり、様々な取組をしなければいけないと思いますが、法務省は今どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(畝本直美君) 委員御指摘のとおり、協力雇用主として登録してくださる方々は増加しておりますが、実際に雇用していただくこと、これが極めて重要でございます。そのためには、協力雇用主が出所者等を雇用する際の経済的負担や不安感の軽減、また出所者等の希望や適性に応じた雇用主とのマッチングなどの方策を講じる必要がございます。 そこで、法務省は、ただいま御指摘いただいたように、平成二十七年度から刑務所出所者等就労奨励金制度を導入し、協力雇用主に対する経済的負担の軽減を図っているところでございます。また、保護観察官や保護司が実際に出所者等を雇っていただいている雇用主のところを訪れて、相談や助言を行ったり、保護観察所が民間の事業者に就労支援を委託する更生保護就労支援事業を通じて協力雇用主を対象とした研修などを行って、雇用主の不安の解消を図っているところでございます。さらには、この事業を通じて幅広い業種からの雇用主の開拓を行い、また、寄り添い型の就職活動支援を行って、出所者等の希望や適性に応じた雇用主とのマッチングに取り組んでおります。 このほか、今年からですが、毎年一月から三月を就労支援強化月間として位置付け、この期間に雇用実績のない協力雇用主に対しまして重点的に求人提出の働きかけを行うなど、就労支援を強化したり、あるいは国民の皆様に対する広報啓発活動を集中的に実施する取組を始めたところであります。 今後とも、これらの施策を着実に実施して、実際の雇用の拡大を図ってまいりたいと考えております。
○若松謙維君 例えば、協力雇用主ですか、の方々に実際に雇用していただくというための例えばプロモーションビデオとか、その中には当然、受刑者の方はこうやってされているという話と、やはり雇用主が、不安、これをこうやって取り除いたという何かそういうプロモーションビデオというんですか、そういうのを使っていらっしゃるんですか。
○政府参考人(畝本直美君) 実際に取り組んでおられる方のビデオなどもございますので、これらを実際にもっともっと見ていただく機会を拡大して理解を進めていただけるようにしていきたいと思っております。
○若松謙維君 是非、ハローワークとも、いろんなネットワークを、既存のいわゆる制度も活用して是非雇用向上につなげていただきたいと思います。 次の質問ですが、さきの刑法改正の附帯決議ですけれども、性犯罪につきまして効果的な再犯防止策を講ずるよう努めることとしております。性犯罪者の更生という観点、これも大事でありまして、かつ性犯罪等の被害者の生活の平穏、その他の権利利益に十分配慮しながら再犯防止策を講じる必要があると考えます。 この性犯罪者の再犯防止にどのように取り組んでいるか、大臣の決意及び具体的な取組についてお伺いをいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 今、若松委員から御指摘をいただきました性犯罪者の再犯を防止するに当たりましては、被害に遭われた方々の心情に十分に配慮した再犯防止対策が必要であるというふうに考えております。 性犯罪、性暴力被害者は多大な精神的、身体的な苦痛を受けておりますし、例えば幼少期に被害に遭った方は、その精神的な安定を保つ観点から長期間にわたる支援が必要であると、こうしたこともございまして、再犯防止のためにはそうした配慮が何よりも必要だということでございます。また、その再犯を効果的に防止するための施策として、性犯罪者等に対しましては、その性犯罪に特有の問題性に着目した働きかけを行うことが重要であるというふうに考えております。 新たな被害者を生まないという決意の下、再犯防止推進計画に基づきまして、医療・福祉関係機関等との連携を強化し、性犯罪者等に対する矯正施設収容中から出所後まで一貫性のある効果的な指導の実施を図ってまいりたいと考えております。 また、海外におきまして様々取組を実施しているということでございますので、そうしたものを参考にしつつ、矯正施設や保護観察所における専門的な指導や処遇プログラム等の性犯罪者等に対する指導については、効果検証の結果を踏まえた指導内容、方法の見直しや、また指導者育成を進めるなどして、一層の充実を図ってまいりたいと思っております。 先ほど、冒頭触れていただきました性犯罪者の再犯防止におきましては、被害に遭われた方々の心情に思いをいたす必要があるということについて重ねて申し上げたいと思いますが、性犯罪被害者の心身の健康の回復やその支援を行う重要な機関でありますワンストップ支援センター等の関連機関、そうしたところとも連携を引き続き積極的に進めてまいりたいと思っております。
○若松謙維君 私も、この性犯罪の被害を受けられた方と直接お会いしまして、でも実際になかなか検察で取り上げてくれないと、不起訴というんですか、こういうお話を聞きました。 それにつきましては、当然、法のルールもあるでしょうし、またこういう問題というのは非常に当事者しか分からないという問題もあるでしょうけれども、やはり被害に遭われた方は非常に弱いという立場でありますので、その上で、法務行政としてやはりしっかり前向きに、また積極的に、特に、大変失礼な言い方ですけど女性の大臣でもありますし、取り組んでいただきたいと思うんですけど、改めていかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) まさに二度とというか、性犯罪被害者を生まないという、そうした大きな目標を設定をして、施策が十分に体系的、総合的に取り組み、その目標が達成できるように最善の努力をしてまいりたいと改めて決意をしているところでございます。
○若松謙維君 じゃ、次の質問に移らせていただきます。 所有者不明家屋について取り上げさせていただきます。 私も臨時国会でこの委員会で所有者不明土地問題、質問させていただきました。私も実は公明党の東北方面幹事長をしておりますので、当然豪雪地帯にちょくちょく参ります。特に、先月ですか、秋田県横手市、現場に行きまして、ちょうど見させていただきました。現地の市長からも要望があったわけでありますが、人口約九万人弱で空き家が千六百戸ぐらいあるんですね。御存じのように、空き家ですから、二、三メートルの雪がそのまま残って、それで雪の重みで潰れるという可能性が大なわけであります。雪も、いろいろ調べると、例えば北海道みたいにさらさらというかパウダースノー、余り崩れないそうですね。しかし、東北の場合には非常に湿ったというか、また雪質にもよるんですけど、それで一挙に重みが増すと、こういう状況もありまして、私は、そのお邪魔した横手、また湯沢にも行きましたが、その翌日、菅官房長官に緊急要望をいたしました。 特に、この豪雪地帯におきましては多くの雪が降ったんですけれども、結局、じゃ倒壊するかというのはまだ、雪が降っていると冬の間は分からない、ある意味で雪解けで初めて分かると、こういう状況でありますし、かつ豪雪地帯こそが空き家が多いと、これも事実ではないかと思っております。 そういう意味で、この豪雪地帯に対する空き家対策、この必要性というのは、いわゆる一般の空き家対策、五分の二補助とかというのがあります、それよりも必要性が高いと思うんですけど、国土交通省の取組はいかがでしょうか。
○政府参考人(山口敏彦君) お答えいたします。 ただいま御質問いただきましたように、雪国におきましては、老朽化した空き家の倒壊等の危険がございますことから、空き家対策は地域にとっての重要な課題であると承知してございます。 こうした中、空家等対策の推進に関する特別措置法という法律が平成二十七年五月に全面施行されておりまして、市区町村における空き家対策につきましても、利用できるものは利用し、除却すべきものは除却するとの考え方の下、空家等対策計画に基づき総合的な対策が進められているところでございます。 また、同法の施行によりまして、倒壊等により周辺に悪影響を及ぼす空き家につきましては市区町村による助言、指導、勧告、命令、代執行が、また、所有者不明の空き家につきましては略式代執行での対応が可能となってございます。 さらに、国といたしましては、市区町村の空き家対策につきまして、従来から社会資本整備総合交付金で支援してまいりましたけれども、平成二十八年度に空き家対策総合支援事業を創設いたしまして、空き家の解体撤去や利活用を支援しているところでございます。 特に、豪雪地帯におきましては、土地を冬の期間の雪の堆積場として利用している事例や、融雪地を設けて地域の雪処理に役立てている事例など、豪雪地帯ならではの跡地活用が行われているところでございます。 引き続き、空き家の解体撤去や利活用等の具体的取組を推進することが重要でございますので、今後とも、国土交通省といたしましては、豪雪地帯を始め全国の空き家対策につきまして全力で取り組んでまいりたいと考えてございます。
○若松謙維君 いろいろと平成二十八年から新しい制度等もできたということも評価いたします。 その上で、やはりこの豪雪地帯の空き家対策、これにつきましては、例えば通常のいわゆる五分の二ではなくて、さらに補助率のかさ上げとか地方財政措置の、いわゆる地方負担の軽減、そういう手厚い対応を是非検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山口敏彦君) お答えいたします。 今御質問いただきました危険な空き家の除却につきましては、所有者がその負担において行うことが原則でございますが、これを後押しするために、今、空き家法における特定空き家等を始め、一定の要件に該当する空き家の除却につきまして、地方公共団体が所有者を支援する場合に国庫補助の対象としているところでございます。 国庫補助につきましては、地域の施策として地方公共団体が主に取り組む事業につきましては、通常、国の負担の割合は地方支出の二分の一以内としているところでございます。一方、空き家につきましては、本来的には所有者に管理責任がございますので、除却について一定の所有者の負担を求めた上で、国と地方が同じ負担で割合することとしているところでございます。また、地方公共団体の負担分につきましては、特別交付税の対象ともなっておりまして、最大五〇%が措置されているところでございます。 補助率等につきましてはこのような状況になってございますが、国費につきましては、平成三十年度予算におきまして、対前年度比一・一七倍の二十七億円の予算を措置しているところでございまして、今後とも必要な予算の確保に努め、豪雪地帯における地方公共団体の空き家対策の取組を積極的に支援していきたいと考えてございます。
○若松謙維君 是非、豪雪地帯、豪雪対策は冬行ってください。夏行っても余りありません。さっきの平時の、夏、どっちかというと、雪がないときは当然対策するんですけど、やっぱり豪雪地帯というのは全然違いますので、是非それもお勧めさせていただいて、次の質問に移ります。 次に、成年年齢引下げについて、今回のまさに当委員会の重要法案でもあります民法改正ですか、成人年齢の引下げということでありますけれども、公明党といたしましても、成年年齢引下げに伴ういわゆる若年者への影響、特に消費契約被害の防止、こういった取組のための様々な制度整備について、今活発に議論をしているところでございます。 政府も併せて若年者の消費教育等、消費者保護のための制度整備ということで、四月の中旬頃には法務大臣を議長として環境整備に関する検討会を立ち上げると、このように認識しております。その上で、この成人年齢引下げに、若者をしっかり保護するという法改正、これはやっぱり必要であると思いますし、そのための消費者庁、私も午前中、消費者委員会で質問させていただきましたが、「社会への扉」、こういうPR、私もやりましたけど、最初の基礎的な知識で五問中一問しか当たらなかったと。結構難しいんですね、契約法というのは。そういうこともありまして、簡単ではないと思います。 ただ、この「社会への扉」をつくったことによって、じゃ、それでよしとするのではなくて、本当にこれが生かされて、特に二十歳未満の若年層に対するやっぱり周知度というのをしっかりと、達成度というのを見極めないと、本当にこの成年引下げというのをやっていいかどうかという議論ではないかと思います。 そういう意味で、改めてこの法務委員会で消費者庁の、この特に若者に対する理解度というんでしょうか、それについての取組をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(小野稔君) お答え申し上げます。 成年年齢の引下げに向けた環境整備といたしまして、若年者の消費者被害を防止するための実践的な消費者教育の推進が特に重要だというふうに考えております。 このため、先般、関係省庁の局長で構成する会議を発足させまして、二〇一八年度から二〇二〇年度の三か年を集中強化期間とするアクションプログラムを決定したところでございます。このプログラムにおきましては、実践的な消費者教育を推進するため、先ほど先生御説明ありましたように、「社会への扉」を活用した授業、これが全ての都道府県の全ての高校で行われるということを目標として掲げてございます。 現在、消費者庁では、消費者行政新未来創造オフィスというのを徳島県に置いていますけれども、徳島県におきましては、今年度、全ての高校におきましてこの「社会への扉」を活用した授業を行ったところでございます。今年度の授業の例の収集ですとか、それから生徒に対するアンケートによって効果を検証しながら、来年度以降、全国の高校への展開に向けて取り組んでいくということとしたいと思っております。 社会において消費者として主体的に判断し、責任を持って行動できるような能力を育むように、関係省庁と緊密に連携して実践的な消費者教育の推進に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○若松謙維君 是非、四月中旬頃、大臣、議長ということでしょう、他省庁の大臣も併せて横の連携をしてしっかりとリード役として頑張っていただくことを要望して、次の質問に移らせていただきます。 今、裁判手続のIT化について、今、去る八日ですか、裁判手続等のIT化検討会というものが開催されました。そこで、訴状の提出又は口頭弁論の期日の調整などのオンライン化、そしてテレビ会議のシステムを活用しての、いわゆる当事者が出廷しなくても裁判が進行できると、こういう取組も骨子案に盛り込まれたと承知しております。 裁判手続の迅速化、これは非常に国民にとって利用しやすい裁判を実現する大変重要な事項でありまして、まず一つ目として、その検討会ですね、この検討会ではちょうど今月中に最終的な骨子が取りまとめられるということでありますけれども、そして政府に提出されるということですけれども、法務省では現在裁判手続のIT化についてどのように考えて、あわせて、どのように検討、具体的な取組を行っているのか、御紹介してください。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 裁判手続等のIT化につきましては、政府の未来投資会議が昨年六月に取りまとめた未来投資戦略二〇一七におきまして、迅速かつ効率的な裁判の実現を図るため、裁判に係る手続等のIT化を推進する方策について速やかに検討し、本年度中に結論を得るとされたところでございます。これを受けまして、未来投資会議の事務局を担っております内閣官房に裁判手続等のIT化検討会が設置され、検討が進められており、法務省も関係省庁として同会議に出席しております。 委員御指摘のとおり、前回の検討会議、今月八日で示されたのは同検討会の事務局が作成した取りまとめの骨子案でございまして、いまだ確定したものではございません。この検討会におきましては、この骨子案を基に更に議論を進め、今月中に最終的な検討結果を取りまとめることを目指して検討が続けられるものと承知しております。 司法制度を所管する法務省といたしましても、迅速かつ効率的な裁判の実現を図り、民事裁判を国民にとって一層利用しやすいものとすることは重要と考えております。 今後も引き続き、この検討会での検討に関係省庁として加わり、検討結果の最終的な取りまとめに向けて必要な協力を行ってまいりたいというふうに考えております。
○若松謙維君 この裁判手続のIT化、いわゆる成長戦略等、様々な観点があると思うんですけど、簡単にメリット、デメリット、さらにこのIT化をするに当たって、今骨子案の作成中でありますのでまだ確定的な話ではないんでしょうけど、どのような法改正が必要なのか、もし分かる範囲で結構ですので、ちょっと方向性みたいのを教えていただければと思います。
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。 この検討会におきましては、利用者目線で望まれる民事裁判手続のIT化の基本的な方向性といたしまして、主に民事訴訟事件を念頭に置いて三つの観点から検討が進められております。三つのeというふうに言われておりますが、e提出、eファイリング、それからe法廷、eコート、それからe事件管理、eケースマネジメントでございます。 まず一つ目のe提出でございますが、これは訴状や準備書面等につき電子情報によるオンラインでの提出を可能とすることなどを指しておりまして、そのメリットといたしましては、二十四時間三百六十五日、オンラインで訴え提起等をすることが可能となれば、裁判手続の利用者にとって提出の負担が軽減し利便性が向上するということが指摘されております。 また、二つ目のe法廷、これは、訴訟関係者が裁判所に現実に赴くことなくウエブ会議等を通じて裁判手続に参加することを可能とすることなどを指しております。そのメリットといたしまして、ウエブ会議等が積極的に活用されれば、遠方の裁判所に出頭する時間的、経済的負担が軽減され、審理の迅速化、効率化が期待されるということなどが指摘されております。 また、最後のe事件管理につきましては、訴訟関係者が電子情報である訴訟記録にオンラインでアクセスできるようにすることなどを指すものでございます。メリットといたしまして、訴訟記録への随時のアクセスにより、期日の進行計画などの確認が容易になり、紙媒体の記録保管のためのコストも削減できることなどが指摘されております。 他方、克服すべき課題でございますが、民事裁判手続をIT化することに伴いまして、例えば弁護士等が代理人として選任されていない本人訴訟における本人へのIT面のサポート策をどうするか、また、IT化された裁判手続においてどのような情報セキュリティー対策を講じるかといった問題点が指摘されておるところでございます。 このような課題、検討事項についてどのように対応していくかということでございますけれども、今月八日に配付された事務局作成の検討資料におきまして、例えばeコート、e法廷ですね、の先行実施として、例えば争点整理手続でのウエブ活動等の活用は導入に当たってのハードルが低く、条件が整えば導入することが相当と考えられるのではないかといった指摘もされているところでございます。この検討会におきましては、このように利用者目線で望まれるIT化のアプローチやプロセスも含めまして検討が進められているものと承知しております。 まだ最終的な取りまとめには至っておりませんが、取りまとめられれば、その取りまとめ結果を踏まえまして、法務省といたしましても、関係機関等の協力を得て、迅速かつ効率的な裁判の実現を図るため、司法権の独立にも十分配慮しながら必要な取組を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○若松謙維君 もう本当に今IT化進んでおりますし、もう弁護士の世界でも、弁護士ドットコムですか、午前中も消費者特でも、まさに今、相談については一八八という電話のやり取りですけど、今はどっちかというとメール問合せが多い時代ですので、そういう時代も踏まえて、是非、裁判手続のIT化、迅速化をお願いしたいと思っております。 それと、司法関連情報のオープンデータ化でありますけれども、今、この情報の公開されている裁判例、非常に一部のようなんですね。この時代にはちょっともう遅れているんじゃないかと思いまして、是非、今後インターネット等で裁判例を、全ての裁判例ですが、これ検索、閲覧できるようにという声があるんですけど、最高裁、どのようにお考えでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 裁判例のウエブサイトへの掲載につきましては、全ての裁判例を掲載してほしいという要望があることは委員御指摘のとおりでございまして、裁判所としても承知しているところでございます。ただ、裁判所で言い渡される判決等は極めて多数であるとともに、その内容も多岐にわたるところでございます。また、当事者や被害者のプライバシーが判決の中にはたくさん掲載されている、載っているということでございますので、それらを公開されたくないという心情にも配慮する必要があるというところでございます。 そういうことで、裁判所といたしましては、判決を裁判所のウエブサイトに掲載するに当たりましては、先例としての価値あるいは重要性、あるいは社会的に関心の高い事件であるかないかといった点を考慮いたしまして、個人情報の特定に至るような情報をマスキングを裁判所の方でした上で、プライバシーに十分配慮というようなことを踏まえて一定の範囲の裁判例について掲載するということにしているところでございます。 どのような範囲の判決を裁判所のウエブサイトに掲載することが相当であるかという点につきましては、委員から御指摘があった点や、国民の意見やニーズ等を踏まえつつ、その他、社会的な諸情勢も考慮した上で、今後とも引き続き検討してまいりたいと考えているところでございます。
○若松謙維君 今の話聞いてみて、それこそAIにさせればいいんじゃないかと思いました。大量の恐らく作業になると思いますけど、是非検討してください。よろしくお願いいたします。 それと、最後の質問ですけど、技能実習制度の対象職種への介護職種の追加という観点から質問いたしますけれども、昨年十一月から技能実習制度に介護が追加されまして、いろいろと現場の話を伺っているんですけど、当然、この実習生の受入れは監理団体を通じているんですけど、この監理団体に対する経費負担が非常に重いと。ちょうど六名実習生を受け入れる事業者に対して、監理団体から見積り出されたのが年間三百二十九万円、一人当たり五万円、月ですよ、月五万円、六十万掛かるわけです。そういった方々に結局来ていただくわけですから、日本に介護として、ちょっとこれは制度としておかしいんじゃないかと、そういう声があります。私もそう思うんですけど、それについてもっとしっかりと、ある意味でこういうビジネスチャンスにならない私は制度ではないかと思って、失礼ですけど、そんなにコストアップをしてはいけないという制度だと思いますので、そういった観点からいかがでしょうか。
○委員長(石川博崇君) 時間ですので、お答えは簡潔にお願いします。
○政府参考人(和田雅樹君) 一般論として申し上げますならば、監理費の金額につきましては、技能実習生の受入れ人数、実習実施者の数や場所などに応じて異なるものでございまして、技能実習法令に基づき徴収している限りにおいて、その金額の多寡は当事者である監理団体と当事者間の合意に基づき決まることとなっております。 この点に関しまして、技能実習法では、監理事業に通常必要となる経費等を勘案して主務省令で定める適正な種類及び額として、監理費を団体監理型実習実施者等へあらかじめ用途及び金額を明示した上で実費の範囲内で徴収する場合を除いて関係者から手数料を受けてはならない旨、法令で規制しております。 いずれにいたしましても、法務省といたしましては、共管である厚生労働省とともに、監理費の徴収に関しまして不適正な事案が生じないように、外国人技能実習機構が行う監理団体に対する実地検査など通じまして、監理団体が監理費をあらかじめ明示していること、徴収されている費用が実費の範囲内であることなど、適正な運用が確保されるようしっかりと対応してまいりまして、先生の御指摘にも応えてまいりたいというふうに思っております。
○若松謙維君 終わります。ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 森友学園との国有地の取引に関する財務省の決裁文書が改ざんされた上で国会に提出されたという前代未聞の重大疑惑が、とうとう事実であったということが明らかになりました。 この問題について、まず大臣の認識をお尋ねをしていきたいと思うんですけれども、そもそも公文書は民主主義の根幹を支える国民の共有財産です。そして、改ざんされた公文書は、一年前の国会で野党が強く提出を求め、与党もその必要を認めて、参議院予算委員会として政府に要求したものです。ところが、政府は国会に改ざん文書を提出し、国会と国民を一年以上にわたって欺き続けてきました。国民主権と議会制民主主義を踏みにじる歴史的犯罪と言うべきであり、弁明の余地はありません。私は内閣総辞職に値すると思いますが、上川法務大臣の御認識はいかがですか。
○国務大臣(上川陽子君) ただいま委員から御指摘の決裁文書に係る問題につきまして、現在、財務省において調査中であると承知をしております。 その上で申し上げるわけでございますが、法務大臣は内閣を代表してお答えすべき立場にはないということでございまして、私からの答えにつきましては差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○仁比聡平君 一昨日、衆議院の法務委員会でそのような御答弁をされたのを聞いて、私はこれは情けない限りだと。だからあえて今日お尋ねをしているんです。 上川大臣、憲法六十六条に国会に対する内閣の連帯責任が重く定められているのは御存じのとおりですね。それは、総理ではないんだから内閣を代表する立場ではないというのはそうかもしれないが、財務省が調査中だからなどといって、所管が違うという問題ではないでしょう。政府が国会に改ざん資料を出したという前代未聞の事態であり、そこには検察庁法によって大臣御自身が指揮監督権限を持っている、その検察による捜査というのが大きく関わっているわけでしょう。 上川大臣自身が、この国会と政府の関係に関する民主政治の根幹を揺るがしているこの問題、国権の最高機関である国会の国政調査権をじゅうりんしているという極めて重大な問題についてどう認識しているのか、そのことは法務大臣としてのその所信が問われる問題ではありませんか。所管違いだから差し控えるという話は私は通用しないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘のただいま決裁文書の問題につきましては、現在、財務省におきまして調査中であるというふうに承知をしているところでございます。 その上で、私自身、法務大臣として申し上げるわけでございますが、内閣を代表してお答えをすべき立場にはないということでございまして、この答弁につきましては、先ほどの御質問でございますが、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。 その上で、様々な国政調査権の行使に関わることにつきましては、法令の許す範囲でできる限り協力すべきものというふうに考えているところでございます。
○仁比聡平君 そもそも、公文書の在り方について、これ、一昨日の衆議院での御答弁では、大臣御自身が私は初代公文書管理担当大臣でございますというお話もありました。 民主主義の根幹を支える公文書、将来の世代に歴史の事実を記録する公文書、これが改ざんされていたということについての認識をお答えになろうとしないと。これは極めて情けない限りだと重ねて申し上げておきたいと思います。 今大臣が法令の範囲内でというふうにおっしゃった国政調査権との関わりについて続けて伺いたいと思うんですけれども、この間、経過を見ますと、改ざん疑惑が発覚してなお、政府は検察による捜査を盾のようにして事を隠蔽しようとしてきたと言わざるを得ないと思うんですね。 そこで、今枝財務大臣政務官においでいただきました。財務省は具体的に、本件、つまり森友学園への国有地処分決裁文書の改ざん事件について、大阪地検特捜部から、改ざん前の文書の国会提出は捜査に支障があるといった、そういう趣旨の要請を受けたり、あるいは財務省の方から問い合わせてそういう回答を受けたり、そういうことがあるんですか。
○大臣政務官(今枝宗一郎君) 仁比委員にお答えをいたします。 まず、国民の代表である国会の場に書き換えた決裁文書を提出したことは大変ゆゆしき事態であり、財務省として大変申し訳なく考えております。深くおわびを申し上げます。 その上で、当問題につきましては、国会の議論の中で大変な問題になったことを重く受け止め、財務大臣から指示の上で、全省を挙げ、職員への聞き取り、文書の確認を行い、捜査当局の協力も得て、書換えの事実について調査を実施したところであります。 捜査に全面的に協力をしている立場といたしましては、捜査当局との具体的なやり取りについてお答えをすることは基本的には差し控えておりますけれども、少なくとも、検察当局から国会に対して提出をしないように求められた事実はないと報告を受けております。
○仁比聡平君 大阪地検から差し障りがあるというふうに求められたことはないんだというお答えなわけですね。 この件について、三月八日の予算委員会で、矢野官房長が、どなたの要請ということではございませんで、捜査にかかずらわっている事柄の性質としてというふうに答弁をされています。 この誰の要請ということではないんだと。財務省が検察の捜査に差し障りがある可能性があるなどと言ってきたのは、財務省の判断なんだという意味ですね。
○大臣政務官(今枝宗一郎君) 国会からの御要請に丁寧に対応していくことは非常に重要だと考えておりますし、国会に提出した決裁文書について、お尋ねの限りできるだけ丁寧な説明等も行ってまいりたいと思っております。 ただし、捜査当局と財務省との具体的なやり取り等については、捜査に全面的に協力をしている立場といたしましては、捜査にどのような影響を与えるか予期し難いので差し控えさせていただく点につきまして、委員にも御理解を賜りたいと思っております。
○仁比聡平君 いや、だから、大阪地検特捜部から具体的にこの事件について差し障りがあるということは言われていない、自らも確認していないということは先ほどはっきりしたわけです。 財務省が、あるいは政府がこの問題の真相解明に当たって国会に必要な求められる文書を提出するか、正直に答弁をするか、これは国会が判断することというのが国政調査権を定める憲法六十二条の意味ですよね。つまり、国会が要求すれば政府は提出をしなければならない。もはや信頼が地に落ちた財務省や政府が出す出さないを判断するのではない。これは国会が決めること。これは、財務省は違うんですか、そういう考えじゃないんですか。
○大臣政務官(今枝宗一郎君) いわゆる国政調査権は、憲法第六十二条に規定されている国会の重要な権能でありまして、政府といたしましては、それが適正に行使をされ、国会の国政調査活動が十分その目的を達成できるよう、政府の立場から許される最大限の協力をするべきものと考えております。 三月二日の財務大臣からの調査指示以降、職員への聞き取り、文書の確認などに全力を挙げ、また、得られた一次情報同士を突き合わせて全体像の確認を行ってまいりました。そうした中で、財務省で管理されている文書の確認のみでは書換え前の文書の全てを正確に把握するには限界があると判断をしたため、最終的に捜査当局にも協力を依頼し、書換え前の文書の写しを入手し、十二日に国会に調査の内容を御報告したところでございます。 このように、財務省といたしましても、国政調査権ということを重く受け止め、可能な限りの対応を行ってきたところでありますけれども、今後とも、国会に提出した決裁文書についてのお尋ねについて、できる限り丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 何を言っているんですか。これまでも丁寧な説明を行ってきたというようなことを言うけれども、経過は全く逆だということは、国会もそして国民の皆さんもみんな承知の上なんですよ。 三月八日の予算委員会、朝の理事会に改ざんされた後の文書のコピーを大量にあの段ボール箱で持ち込んで、いわゆるゼロ回答をした。改ざん前の文書がある可能性が出てきたから、これを調べていますなんというようなことは全く言わなかった。これは、つまり、ここに及んでも事を隠蔽しようとしてきたと厳しく指摘されて当然の姿ですよね。 その上で、今御答弁にもあった、捜査当局に対して協力を願ったという部分について法務省に確認をしたいと思うんですが、皆さんのお手元に三月十四日付けの産経新聞の記事をお配りをしています。この記事が示しているのは、つまり、大阪地検特捜部が近畿財務局のパソコンをデジタルフォレンジックと呼ばれる技術で解析して改ざん前の文書を入手したと、特捜部はそれを政府に提供し、これが十日土曜日の未明に財務省に届いたと、そういう経過を示しているわけですが、これ、法務省、事実でしょうか。
○政府参考人(辻裕教君) ただいま御指摘の報道については承知しておりますけれども、お尋ねは個別事件における捜査の具体的内容に関わる事柄に及ぶものでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。 なお、検察当局におきましては、財務省の行う調査に対しては、その要請等に応じまして、捜査に支障のない範囲内で適切に対処しているものと承知しております。
○仁比聡平君 個別事件だから答え差し控えると言うだろうと思ったんですが、いや、だって、財務省が検察庁からもらったと先ほども政務官答弁されたじゃないですか。政務官、そういう趣旨ですよね。
○大臣政務官(今枝宗一郎君) 先ほど私の答弁の中で申し上げましたことというのは、財務省が管理をしている文書のみの確認では書換え前の文書の全てを把握するのには限界があると判断をしたため、最終的に捜査当局にも依頼をし、書換え前の文書の写しを入手し、十二日に国会に調査の内容を御報告いたしましたというふうに答弁をさせていただいております。
○仁比聡平君 刑事局は個別の事件に関わると言って御答弁はされないんだけれども、実際こういう報道があることを否定はされないし、この記事のほかにも、検察が改ざん前の文書を、当時改ざんの事実を確認できないというふうに繰り返していた財務省に提供したという報道は、これ多数あるわけです。 佐川氏が国税庁長官を辞めた日の夜中のことになるわけですが、これ提供したんだろうと、その前提でちょっと話を進めたいと思いますが、問いたいのは、先ほど刑事局長の御答弁にもありましたが、捜査に支障のない限りでとおっしゃるわけですね。事本件について、捜査当局が、政府が持っている文書を国会に提出したり、政府が、特に財務省を中心に、この問題についての認識を答弁をしたりすることが検察の捜査の支障になると判断しているとは到底思えないわけです。そういう判断をしていたら、この改ざん前の文書も、デジタルフォレンジックで分析して入手した、これを財務省に出すわけないじゃないですか。 法務省にお尋ねをしますが、検察、検察というのはつまり大阪地検特捜部は、財務省に対して、捜査に支障になるというようなことを伝えたことは、これ、ないですよね、これは確認ですけれども。先ほど財務省はそういうことを聞いたことないということでしたけど、これ、法務省、ありませんよね。
○政府参考人(辻裕教君) お尋ねは、申し訳ございませんが、捜査機関の活動内容に関わる事柄でございまして、お答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、なお、先ほど申し上げましたとおり、検察当局におきまして、財務省の行う調査に対しましては、その要請等に応じて、捜査に支障のない範囲内で適切に対処しているものと承知しております。
○仁比聡平君 検察権の行使の内容について、私、尋ねているんじゃないんですよ。そういう認識を伝えたことがあるかないかと。財務省はないと言っているわけだから、これ法務省が、地検が伝えているわけはないわけであります。いずれにしても、国政調査権に基づく行政責任、さらには政治責任の究明と捜査による刑事責任の究明は矛盾しないんですね。 大臣にお尋ねをしたいと思うんですが、佐川前理財局長の証人喚問が議決をされ、来週実施をされます。官僚が重大な犯罪行為による公文書の改ざんを進んで自らやるわけがない、もっと大きな圧力が働かなければこんなことは起こらない。国政調査権を徹底して行使をして真相を徹底究明することは我々国会の使命だと思います。仮に、大臣、この件が、つまり国会による真相解明が捜査を理由に不十分になるということになれば、国民の議会制民主主義への信頼を取り戻すことは到底できないと思いますが、大臣の御認識はいかがですか。
○国務大臣(上川陽子君) 重ねての御質問になるわけでございますが、現在、財務省において調査中である案件ということでございますので、法務大臣としての所感を申し述べることにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにせよ、国会におきましては、国民の皆様から信頼が得られることができるように丁寧な説明を行う必要があるというふうに考えております。
○仁比聡平君 いや、繰り返し情けない御答弁なんですけれども。 大臣、この真相解明、森友学園に関わる公文書改ざん事件の真相究明の対象は、これ、主権者国民の共有財産である公文書でしょう。これが改ざんされていたということは明らかになっているのであって、その経緯や目的、誰の指示で行われたのか、その政治責任を明らかにする、これこそが公益だと。刑事責任の解明という捜査がこれに差し障るという理由は、これ、どこにもないんじゃないですか。公文書をめぐるこうした事態、この解明が捜査を理由に拒否されるとか差し障るといって不十分になるとか、そんなこと、それこそ初代公文書管理担当大臣だった上川さん、許されないんじゃないですか。はっきり述べるべきではありませんか。
○国務大臣(上川陽子君) 公文書の重要性につきましては、公文書管理法の規定にのっとり、民主主義の大変大事な基盤として重要な役割を果たしていると考えております。国会審議におきましてどのような説明をするかということにつきましては、それぞれの行政機関が判断される事柄であるということでございます。 先ほど来の繰り返しの答弁ということで大変恐縮ではございますが、現在財務省において調査中であるということでございまして、法務大臣として答えるということにつきましては、所感ということで述べることは差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにしろ、国会におきましては、国民の皆様から信頼が得られるように丁寧な説明を行う必要があるというふうに考えております。
○仁比聡平君 極めて残念な姿勢ですけれども、国民はみんなこの国会を見ているわけです。既に、検察の捜査に支障を与える可能性があるなどと言って隠蔽を続けようとしてきた、それは国政調査権に反して絶対に許されないということははっきりいたしました。この期に及んで何をちゅうちょするのかと、真相を明らかにすることは政治の責任であって、捜査を理由にこれを阻むことは絶対にできないと厳しく重ねて指摘をしておきたいと思います。 残された時間がほんの僅かになりましたけれども、ちょっと緊急の問題で大臣に冤罪再審についての基本認識を問いたいと思います。 十九日、お手元に資料を配りましたけれども、鹿児島の大崎事件について検察が三度目の再審開始決定に対する特別抗告を強行いたしました。この請求人の原口アヤ子さんは九十歳になられます。逮捕されたときから三十九年間、一度たりとも自白したことはありません。あたいはやっちょらぬと、その声をずっと上げ続けて、今度の高裁の再審開始決定では、これ事件そのものがなかったという認定に至っているわけですね。どの角度から見てもこの無罪は明らかと。 こうした決定に対して特別抗告を行って、最高裁でのまだ再審開始決定を争うのかと。検察が何か言い分があるのであれば、再審を開始して再審公判で主張すればいいじゃありませんか。こんなやり方は人道に反すると思われませんか。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘の事件につきまして、福岡高等裁判所宮崎支部が検察官の即時抗告を棄却したのに対しまして、本年三月十九日に検察官が特別抗告を行ったということにつきましては承知をしているところでございます。 お尋ねの点は個別具体的な事件における検察官の活動内容に関わる事柄でございまして、法務大臣として所感を述べることにつきましては差し控えさせていただきたいというふうに存じます。
○仁比聡平君 そうやって個別の事件について所感差し控えると大臣が言い続けてこういう事態に至っているから、あえてこの質問をしているわけです。 この再審請求人の娘さん、西京子さんは、最高検に対して、面白がってやっているのかと、本当にそんなことができるんですかと、検察がいつまでも争い続ける制度そのものが不条理ではないかと厳しく追及を、声を上げておられますけれども、大臣、御地元でもある再審袴田事件について、近く即時抗告が私は絶対に棄却されると思いますが、そうした決定が間近になっています。その場合、速やかに再審無罪を確定すべきなのであって、特別抗告をして、あの死刑執行が停止をされて、国民みんなが目の当たりにした袴田さんのむごい姿、お姉さんも高齢になっています。これ以上争い続けるなんていうことは、これはあり得ないと。 そうした中で、弁護団はもちろんのことですが、支援団体の皆さんからも、検察庁法十四条に基づく大臣の指揮監督権限を問う強い声が出ているわけですね。特別抗告などあり得ないと、袴田事件について。大臣、どう思われますか。
○国務大臣(上川陽子君) まさに、お尋ねの件でございますが、現在、即時抗告審に係属中の個別の再審請求事案に関わる事柄であるということでございます。お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
○仁比聡平君 検察、そして法務大臣が、人権はもちろんのこと、人道と正義の立場に立つことができないとなれば、この国の民主主義というのは崩壊しますから。この支援の皆さんの声、国民の声に必ず応えていただきたいと強く申し上げて、今日は質問を終わります。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。法務委員会は初めてなので、よろしくお願いいたします。 日本維新の会は、地方から生まれた唯一の国政政党として、地域の自立が多様な価値観を認め合う社会を実現化していくことを目指しております。 法務行政は、各地域で暮らすお一人お一人の草の根の意見を大切にすることによって力強い日本をつくっていく、そのための施策に取り組むことが不可欠ではないかと私は思っております。今回、上川大臣の所信表明を受けまして、法務行政が力強い政策を実現できるか、これまで何を達成できたか、何が足りなかったか、何かこれから必要なものがあるかということについて御質問をさせていただきたく存じます。 まず、所信の十ページの外国人人材の受入れについて質問させていただきます。 お配りしました資料ですけれども、両面の裏表になっておりますが、日本維新の会は日系四世の入国の簡易化法案というものを提出しております。現在、日系三世までは定住者の在留資格をもって入国が許可されていますが、四世については同様の取扱いとなっておりません。この法案は、日系四世を含めて、日本人の子孫に対して特別な配慮をしてほしいと、法務大臣に対し具体的な提案を法律として提出をしております。 昨年六月の決算委員会で私がこの法案に基づき安倍総理大臣に御所見をお伺いしましたところ、法務大臣に対応を指示したという答弁をいただき、法務省では今回、具体策として、ワーキングホリデーの制度を参考にした日系四世の受入れ制度をスタートさせるということになり、取りあえず決算委員会で申し上げたことが前進できたと認識しております。ありがとうございます。 そこで質問なんですが、先月、日系四世受入れに関するパブリックコメントが終了しております。かなりの注目を浴びていたと思いますが、ホームページですけれども、その結果をもしお持ちでしたら、今後の動きについても併せて御報告をお願いいたします。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 先生御指摘の日系四世の更なる受入れ制度の整備のため、法務省告示の改正案等につきまして、一月二十三日から二月二十一日までの間、パブリックコメントを行いましたところ、約百三十件の御意見をいただいているところでございます。 いただいた御意見も踏まえまして、年度内の制度の公表に向けて所要の準備を進めたいと考えているところでございますが、制度の公表の際に、パブリックコメントの主な意見とそれに対する回答を併せて公表させていただくという御予定にさせていただいておるところでございます。
○石井苗子君 公表する日にちはいつですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 年度内ということで御理解いただければと思います。
○石井苗子君 では、質問を先に進ませていただきます。 日本維新の会は、短期的な労働力不足を解消するためにこの法改正が必要だと申し上げております。お配りしました資料の裏面に、今お話がありました、ワーキングホリデーの制度をたたき台とした日系四世更なる受入れについてという案がございます。これについて質問させていただきます。 まず、受入れ対象者が十八歳以上三十歳以下で、年間四千人と出ています。この四千人に決めた経緯についてお答えいただきたい。 あわせて、今回の支援策の特徴でありますのが、受入れサポーターというのがあります。この制度ですけれども、既存のワーキングホリデーとは全く異なるのがこの受入れサポーター制度です。今回の案件の売りとされているところだと思いますが、日系四世のホストファミリー的なサポーターがあらかじめいなければ受け入れられないと、そう書いてあるようにも読めるのですが、このサポーターはどうやって確保するのか、役割は何なのか、受入れ制度を潤滑に進めていくためにはどのような人材を確保していくおつもりなのかということで、この四千人の経緯と根拠、そしてサポーターについてお答えをお願いします。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 まず、四千人の関係でございますが、現時点におきましては、本制度により受け入れる日系四世の方につきまして、年間四千人程度の枠を設けたいというふうに考えております。この経緯でございますが、本制度は、先生も御指摘のとおり、ワーキングホリデーの制度をたたき台にしておるものでございまして、ワーキングホリデーの中で、現在最も利用者の多い国籍、地域は台湾でございます。二〇一六年の台湾の受入れ人数が年間四千人程度でありますため、これに倣ったものでございます。ただ、受入れ枠につきましては、実施状況を見ながら随時見直しを行いたいというふうに考えているところでございます。 続きまして、サポーターの関係でございますが、日系四世の受入れサポーターは、日系四世が本制度の目的を達成できるように、日本文化、日本語教育情報を始め、生活情報、医療情報、雇用情報等の提供や入管手続の援助を行うほか、日系四世の就労状況を含む活動状況を随時御確認いただき、当該日系四世の在留期間更新許可申請時に当該確認内容を地方入国管理局に報告していただくということを想定しているものでございます。 そして、この日系四世受入れサポーターをどのようにして確保するかということでございますが、法務省といたしましては、本制度につきましてホームページに掲載するほか、日系四世受入れサポーターになっていただくことが適切だと思われる方々や団体に説明することなどを行いまして制度の周知徹底を行い、日系四世受入れサポーターの確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○石井苗子君 資料に書いてあることのお答えなんですけど、まず、この四千人というのは、恐らくはブローカーのような人たちがワーキングホリデー制度があるということで大量に日本にそのような人を入れてきてしまわないように、人数を四千人に切ったというのはそういったブローカーの人たちから安全性を確保するために設けたのではないかと思っているんですが、これに関しては大変いいことなので、これから増やしていっていただけるんでしたら構わないと思います。 なので、そこのところをしっかりと法制度で守っていただきたいと思うんですが、このサポーターについてはちょっと制度が甘いと思うんです。このままだと、四千人と決めても恐らく入ってこれないんじゃないかと思うんです。 例えば、一世、二世、三世と日本に誰か知り合いがいるとか、誰かが手を挙げて、うちに来てもいい、ホストファミリーになってもいいとかと言うというのは、これまで、日系の人が日本に入ってきて、日本語も難しい、この中ですごく日本語のレベルを高く設けなければいけないと書いてありますけれども、なかなかそういう地域との折り合いが合わなくて進まないものがあるわけですね。ですから、サポーターを、手を挙げてくださる人を見付けるコーディネーターみたいな方がいないと、このサポーターがいないので、結局、整備はできたけれども、制度の整備はできたけど入ってくる人がいなかったという結末になるんじゃないかと思っておりますが、もう一度お聞きしますけれども、どのようにして積極的にそのサポーターを手に入れて、こういう人がいるからどうぞおいでくださいという、こういうシステムはどこにあるんでしょうか。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。 先生の御懸念のとおり、サポーターの確保が十分にできなければこの制度で来ていただける方が確保できないということになりますので、サポーターの確保には我々も留意をしたいということで種々検討しておるところでございまして、また、国内に親類等、親族等がいらっしゃる方についてはその方がサポーターになっていただくこともありましょうし、先生が言われるようにマッチングをしなければいけない場合というものも出てくるかと思いますが、そのような場合には、そのようなことについての経験等のある各種の団体でございますとか、非営利のそのような団体等にもお願いをするなどして、サポーターの確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○石井苗子君 せっかく制度ができましたので、これを成果があるというものの形にしていっていただきたいと思っております。 私たちは、お配りした資料のように、短期的な労働力の不足を解消するために法改正が必要だと。今回の受入れ案というのは、安倍総理の熱意を受けて法務省が告示をして、何とかワーキングホリデー制度を参考にしてとにかくやってみようとスタートされたんだということでしょうけれども、日本維新の会の主張している日系四世の受入れの法の改正とはまたちょっと解釈が違います。日系四世が定住者として入国することが容易になるように、今後は日系四世の受入れを法改正によって行い、日本の労働力不足の即戦力になるようしていくべきではないかと考えているという法案の提出なんですが、法務大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 今回の日系四世の受入れでございますが、あくまで我が国と海外の日系人社会との結び付きを深める懸け橋になる人材育成ということを目的としたものでございまして、労働力不足の解決ということを目的としたものではないという、このところは前提としてそのような認識をしていただきたいというふうに思うところでございます。 労働力不足の根本的な問題解決が専門的、技術的でない外国人の受入れでなされるべきであるとの御趣旨であるならば、専門的、技術的分野とは評価されない外国人の受入れにつきましては、ニーズの把握や受入れが与える経済的効果の検証のほか、日本人の雇用への影響、産業構造への影響、教育、社会保障等の社会的コスト、治安など、幅広い観点から国民的コンセンサスを踏まえつつ政府全体として検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。
○石井苗子君 ありがとうございます。 あちらの日系四世の方々にこの間お会いしたんですけれども、現地で、働きたい、是非祖国日本でも働きたいんだという大変前向きな姿勢がありまして、何かいろいろなこちらの事情によってそれが拒まれてしまうような状態にならないように将来はなっていきたいと私自身思っております。法改正ができたらいいと思っております。 次に、所信の二ページの法教育のところから質問させていただきます。差別や虐待のない人権に配慮した社会の実現と書かれてあります。子供の虐待の救済について質問させていただきます。 報道でもお聞き及びのように、日本での子供の虐待は増加しておりまして、いちはやく一八九番という、一八九という電話通告ができるようになってから、だから結果的に虐待の数が増えたんだとおっしゃる方もいますけれども、いずれにしても、虐待の報告が増えてよいということではございませんので、現在、四万人から十五万人というような数の差がありますけれども、子供の虐待という数が報告されております。 日本は、何らかの事情のある子供たちの八五%が施設で暮らしておりますが、一方、国連のガイドラインによりますと、里親制度や養子縁組制度を強化して家庭的な養育で子供の救済を目指す、八〇%にそこに目標を当てていると掲げられておりまして、日本との差といいますか、違いを感じているところです。 しかし、日本政府も昨年の七月に、新しい社会的養育ビジョンの中で、里親率の向上、特別養子縁組の倍増などを課題として、日本は二十四年前、一九九四年でございますが、児童の権利に関する条約、子どもの権利条約に批准しておりますので、今二十四年たったこういう状態にあるとき、この現状を踏まえて、是非早急に、子供の虐待対策を具体的でかつ現実的な救済につながっていくように法改正を対応していただきたいと思います。 そこで質問なんですけれども、私は養子縁組の年齢引上げの必要性を主張してまいりました。民法八百十七条二項の特別養子縁組年齢制限、六歳未満要件のところを改正して、六歳から引上げを行ってほしいと思います。例えばですが、ここを十六歳に引き上げたらどう変わるかと。子供は自分自身の意思で親をどうしたいかということを決められる権利と選択肢が増えると思うのですが、こうした幅広い年齢制限の議論は今されておりますでしょうか。政府参考人の方から御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(小野瀬厚君) お答えいたします。 法務省におきましては、昨年の七月以降、研究者、実務家等を中心に立ち上げられました研究会におきまして、特別養子縁組制度の見直しに向けた検討を行っております。 この研究会では、御指摘の養子となる者の年齢要件の見直しについても議論がされております。現行法では、御指摘のとおり、養子となる者は原則として六歳未満でなければならないとされておりますが、養子となる子の年齢のみによって特別養子縁組の利用の可能性が閉ざされるのは適当ではないとの指摘もありまして、年齢の上限の引上げが検討されております。 また、特別養子縁組の成立の審判の申立て権者につきましても、現行法では養親となろうとする者に限られておりますが、実方父母による監護状況等に関する資料を豊富に有します児童相談所長を申立て権者に加えることも検討されております。このほか、特別養子縁組の成立に対します実方父母の同意について、現行法では審判の確定までいつでも撤回することができますが、養親となろうとする者と養子となる者の信頼関係が形成された後に実方父母が同意を撤回し縁組が成立しないこととなりますと、養子となる者が大きな不利益を被るとの御指摘も踏まえまして、その撤回を制限すること、こういったことなどが検討されているというものでございます。
○石井苗子君 是非お願いいたします。 イギリスでは、子供の虐待の対策としまして、養育能力を持たない親の親権を外します。様々な事情で子供を授からなかったという、本当に子供が授からないけれども養子縁組をしたいんだという方々に財産権の継承、これを含む実施に十八歳を上限に養子縁組制度を変えました、十八歳に変えました。そういったような法改正というのは、民法というのは非常に歴史の古い、私、不勉強ですけれども、百年ぐらいあると思うんですが、こういった法改正はしていくべきではないかと思います。 次に、里親制度について厚生労働省にお伺いいたします。 私は、少子高齢化が社会問題となりました日本において、今ある命を守ることに国民の皆様の草の根の協力をいただきたいと思っております。それを支える法整備の改善が必要だと思っております。日本が行いました世論調査ですけれども、これは里親意向に関する意識・実態調査という調査でございますが、この中で里親になろうと考えている方の後押しが足りないという結論が付けられております。情報を周知するために厚生労働省は何に取り組んでいらっしゃるか、御報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(山本麻里君) お答え申し上げます。 里親は、平成二十八年の児童福祉法改正で定められた家庭養育優先の原則を推進していくために重要な役割を担っており、その制度の周知は重要であると認識しております。 このため、厚生労働省では、毎年十月を里親月間と位置付けまして、里親委託を推進するための集中的な広報啓発を実施しております。具体的には、ポスターやリーフレットを自治体や鉄道事業者等に配付し、掲示を依頼しているほか、新聞やインターネット、テレビ、雑誌を活用した広報啓発活動を実施するとともに、地方自治体が取り組む広報啓発活動を当省のホームページで紹介しております。 また、御指摘の調査結果にもあるように、里親の意向はあるが、不安や負担感を理由に里親になっていない方々もあると承知しておりまして、広報啓発活動に加え、これらを軽減するための取組も必要と考えております。 そこで、現在、策定に向け検討を進めておる里親支援に関するガイドラインにおいて、養育に掛かる費用に関する経済的な支援や養育のサポート体制、それから短期間のみ里親養育を引き受ける仕組みがあることを周知する旨を盛り込む予定としております。 これらを通じまして、里親制度の社会的認知度や里親登録数の向上を図ってまいります。
○石井苗子君 ありがとうございます。 数々、リーフレット、ポスターというのを自治体にとおっしゃっているんですけれども、日本財団がこれ全く情報が一般の人たちに行き渡っていないので調査を行ったところ、里親になろうと考えているんだけれども、情報をどこから手に入れていいか分からないという人が多い、だからできないんだという結論を付けているので、これは本当に真剣に取り組んでいただきたいと思います。 私が考えるのは、子供の虐待は何かもう一歩踏み込んでもよい時代になったのではないかと思っておりまして、今ある命を守るということは大変国としては役割として大切なことだと思っております。 最後に、法務大臣から、子供の虐待ですが、根絶することができるか、できることとは何か、御決意をお伺いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 冒頭、委員から御質問の中で問題に触れていただいたところでございますが、家庭に恵まれない子に温かい家庭を与え、その健全な育成を図ること、これを目的とした特別養子縁組ということの制度につきましては、この適切な活用を図ることによって、また虐待を受けた子の福祉にも資するものというふうに考えているところでございます。その観点からも、法務省では、引き続きこの特別養子縁組の見直しを積極的に進めてまいりたいというふうに思っております。 このほか、虐待の根絶ということでございますが、今法務省の人権擁護機関におきましては、子供の人権を守ろうということを強調事項の一つとして掲げまして、各種の啓発活動を実施しているところでございます。子供をめぐる様々な人権問題、子供が相談しやすい体制をつくるために、全国の小中学校の児童生徒に相談用の便箋兼封筒を配付いたしまして、人権侵害の被害や悩み等を書いて送ってもらうという子どもの人権SOSミニレター、また、フリーダイヤルの電話相談の窓口、子どもの人権一一〇番、メール相談窓口、SOS—eメール等の取組を行っております。 こうしたところから出てきている児童虐待等の人権侵害の疑いのある事案、これを認知した場合には人権侵犯事案として調査を行っているところでございます。その際には、警察や、また児童相談所等の関係機関と連携をして、被害児童の保護を図るなど、事案に応じた適切な措置を講じることとしているところでございます。 今後も、救済を必要としている子供、この子供の声を見逃すことのないように、ふだんからこの関係機関と緊密な関係を構築し、そして、その上で、具体的な事案について積極的な情報交換をするなどして、より子供の立場に立った、寄り添ったしっかりとした取組をしてまいりたいというふうに思っております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 私は、もう一歩踏み込んだ対策や法改正が必要だ、民法は百年以上あるけれども、今は時代に合わせて、今回の国会でも、相続についたり遺言についたりどんどん法改正が行われております。是非、このいちはやくという一八九番と同じように、何か、私は個人的に里親制度についてもっと学びたいんだという人が自分からアクセスできるような番号をつくるとか。よくお話聞いていると、やっぱり何かちゅうちょしたり、日本の文化というのがイギリスやフランスと全然違う、それは当たり前なんですけれども、施設で育つのが八〇%、八五%だと。国連のガイドラインは八〇%が家庭に、里親に持っていこうというこの違いというのを少しでも縮めていかないと、虐待された子供がまた同じ家庭に帰っていくという症例が多いということも厚生労働の委員会で私は聞き及んでおります。それはもう、これに関する人材も不足していて、本当に疲弊していて、もう人手が足りなくて困っているんだと。だからこそ、AIもそうでしょうけれども、多くの相談が簡単に向こうからアクセスできるような制度を、番号をつくるとか、つくっていっていただきたいと思います。 時間になりました。ありがとうございます。質問を終わります。
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。 大臣所信、特に人権問題についてお話を伺う前に、森友問題について幾つかお聞きをしたいというふうに思います。 森友問題というのは、御承知のように、昨年の二月九日に朝日新聞が報道を始めてから、各メディアがそれを追い、さらには国会でも議論になって、一年が経過をいたしました。既に報道されておりますけれども、去年の二月の下旬からは、近畿財務局においては安倍案件というふうに呼ばれているということも明らかになってまいりました。 なぜ安倍案件なのかということで、通告する時間がありませんでしたけれども、午前中の真山委員のお話を伺っておりまして、籠池前森友学園理事長になぜ接見ができないのかという問題が話になりました。逃走のおそれがある、あるいは証拠隠滅だと一般論として話されましたけれども、この委員会が始まった中で、十九日に野党六党が申し入れた籠池前理事長に対する接見について、それが認められたと報道されておりますけれども、それは大臣、確認されましたでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘の報道につきましては承知をいたしております。 お尋ねにつきまして、現在公判係属中の個別の事件に関する事柄ということでございますので、法務大臣としてお答えすることにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
○有田芳生君 裁判所がそういう決定をしたということを報道で聞いたというだけの認識なんですか。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘の点につきましては、報道について承知をしているところでございますが、お尋ねの点につきましては、現在公判係属中の個別の事件に関する事柄ということで、法務大臣としてお答えすることにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
○有田芳生君 まあ堂々巡りをしてもしようがないんだけれども、逃走のおそれがある、証拠隠滅のおそれがある、だから接見は家族も許さないということでずっと拘束をしてきたのに、野党六党が申し入れたらなぜ認められたのか。それは、明らかに、削除された文書の中に籠池さんの発言として、安倍昭恵夫人がここはいい土地だから進めてくださいと言われたと、そういうところが削除されているんですよね。一方で、国会でも安倍首相は明らかにされましたけれども、昭恵さんにお聞きをしたら、そんなことは言っていないと。ここをやはりはっきりさせなければいけないという判断がなされて、野党六党が接見できることになったんだというふうに思います。 これも報道だけだということで、あるいは報道もされておりませんけれども、答えられないということになるでしょうから一方的にお話をしますけれども、二十三日、あした、三党が籠池さんに接見をいたします。そして、三十日までに二回目の接見をいたします。そこで安倍昭恵さんについても新しいことも含めていろんなことが出てくる可能性がある。 そういう局面にあるということで、更にお聞きをしたいんですけれども、この問題というのは、明治維新以降、日本の百五十年の歴史の中で、日本の政治史においても、あるいは官僚制の歴史においても、前代未聞の出来事なんですよ。刑事問題になる可能性も高まってきております。そういうことに対して、先ほどの仁比委員への答弁に対して、内閣を代表して答弁できないという大臣の発言でしたけれども、そういうことじゃなくて、日本の官僚制度が問われている問題です。大臣一人一人、法務大臣だけではなくて全ての大臣が歴史認識、政治認識、それを語らなければ、何のための政治なんですか。それでも大臣は同じような答弁をされますか。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほどの御指摘の報道につきましての承知ということで、私、結論として、現在公判係属中の個別事件に関する事柄ということでございますので、法務大臣としてこの件に関してお答えするということにつきましては差し控えをさせていただくと、こうした姿勢で臨んでいるところでございます。 お尋ねの件につきましては、現在、財務省におきまして調査中ということでございまして、この点についても法務大臣という形での所感を述べることは差し控えさせていただきたいと存じます。 いずれにいたしましても、国会においては、国民の皆様から信頼が得られるように丁寧な説明を行う必要があるというふうに考えているところでございます。
○有田芳生君 様々な問題が起きて、記者たちに問われたときに、大臣がそれぞれの歴史認識などで発言することあるじゃないですか。それをしないというのが今度の問題の一つの特徴だと思います。いずれにしても、近畿財務局で、去年の二月末以降、安倍案件と言われてきた以上、更に真相は解明されていくでしょう。 そこで、法務省としてお聞きをしたいんですけれども、法務省では起きないという保証はどのようにあるんでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) まず、こうした行政文書に係る考え方ということでございますが、行政文書は健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源ということで、主権者である国民が主体的に利用し得るものであるということでございます。各行政機関それぞれの活動におきまして、行政文書の適正な管理を通じて、そして行政が適正かつ効率的に運営されるとともに、国の諸課題、諸活動を現在及び将来の国民に説明していく責務があるというふうに考えております。 各省庁ごとの仕事の特性というものをしっかりと踏まえて、法務省におきましても、絶えず点検を重ねながら、公文書管理の在り方について不断の見直しをしながら、行政文書の管理を適切に行うことというのは非常に大事なことだと私は考えているところでございます。 先ほども御質問がありましたが、公文書管理法そのものの策定に関わった一人でございまして、この適切な公文書管理の実践に努めてきたつもりでございますし、また、これからもそうした姿勢で法務大臣としての職務に当たってまいりたいと、八月三日就任以来、そのような姿勢を明確にしながら、この間、取組を進めてきたところでございます。 今、法務省における取組として、実は、内閣府によりましての行政文書の管理に関するガイドライン、これに基づく文書管理、これはもちろんのことでございます。それに加えまして、法務省独自の取組として、自発的なあるいは積極的な対応もしてきたところでございます。 一例を挙げますと、地方支分部局に対しまして研修等の各種支援を行っております。現場でしっかりと公文書が作成、行政文書を作成するという、ここの作成ということについてしっかりと取り組んでいくべく、ルールをしっかりと御理解をいただいて、現場の一人一人がこの問題に向き合うことができ、そして行動としてつなげることができるようにしていくということでございます。 また、二点目として、行政文書管理の点検・監査結果、これにつきましては、絶えず見直しを図りながら、今五万三千人の職員がおりますが、共有をし、活用することができるようにしているところでございます。 また、各種、こうした点につきましての実務マニュアルという点につきましても作成をしてきているところでございまして、この点につきましては、総務省における公文書管理に関する行政評価・監視結果報告書におきまして、公文書管理に有益な取組であると、そうした評価もいただいているものと思います。同ガイドラインが改正されたということでございますので改正作業を行っているところでありますが、法務省におきましても、非常に現場、多く抱えているところでございますので、一人一人が所管業務につきましてしっかりと仕事をすることができるように、今、高い評価をいただいたということでありますが、そうした評価に甘んじることなく、改正ガイドラインで言及されていない内容につきましてもより実効性の高いものになるようにしっかりと配慮してまいりたいというふうに思っております。これからもそうした姿勢で臨ませていただきたいと思っております。 いずれにしても、国民の皆様の信頼ということが何よりも大事でありますので、こうしたことについての法務省内での行政文書の適切な管理の徹底につきましては一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○有田芳生君 時間がありませんので急ぎます。 ヘイトスピーチ解消法が施行されてから、六月で二年になります。午前中の審議の中で、大臣は解消法について、大きな前進だという表現、評価をされました。 私もあの法律ができたとき、与野党で頑張って、この法務委員会でも多くの皆さんと協力し合ってヘイトスピーチ解消法を実現することができたときに、大きな前進とは思いませんでしたが、一歩前進だというふうに思いました。しかし、私の認識が大きく間違っていたというのは、やはりこの問題というのは被害者の立場、思いに寄り添わなければ理解できないだろうとずっと思っております。 例えば、ヘイトスピーチ解消法実現のために尽力をした一人のある在日コリアンの弁護士はこう最近言っております。私たちは、その法律が制定、成立したとき、その空虚さ、本文において適法居住要件を満たす本邦外出身者のみを対象していることなどにあきれながら、解消法はゴールではなくスタートにすぎない、半歩といえども前進であり、ないよりはましであるなどなどと、いかにも空虚な理屈でもって、じくじたる思いでこれに賛成しました。これが当事者たちの思いなんです。法が成立されてから二年近くたった今、結局、やっぱりヘイトスピーチ解消法ではその実効性は限定される、新たな法整備が必要であるということが明らかになっていますと。もっともっと、るるその思いを実態に沿って語っているんですけれども。 まず、警察庁にお聞きをしますけれども、ヘイトスピーチ解消法が成立する前と後、二年前の六月ですから、一月から五月、五月以降その年、そして翌年、そして今年の二月まで、いわゆる右派系市民グループによるデモの数というのはどういう変化があるんでしょうか。
○政府参考人(坂井孝行君) お答え申し上げます。 いわゆるヘイトスピーチ解消法施行前の平成二十八年一月から五月までの右派系市民グループによるデモの件数は約二十件と把握をしております。そして、法が施行された二十八年六月から十二月までの件数は約二十件、そして二十九年中のデモの件数については約五十件と把握をしております。そして、本年、三十年一月から二月までのデモ件数は約十件と把握をしております。
○有田芳生君 その主張の特徴はどんなものを認識されていますか。
○政府参考人(坂井孝行君) お答え申し上げます。 警察におきましては、どのような言動がヘイトスピーチに当たるかという判断をする立場にはございませんものですから、その主張の内容の変化についてここで申し上げることはなかなか困難でございます。 ただ、右派系市民グループのデモ等におきましては、依然としていわゆるヘイトスピーチと言われる過激な言動が行われることは承知をしているところでございます。
○有田芳生君 だから困るんですよ。ヘイトスピーチ解消法ができたじゃないですか。そして、法務省は三つの典型例作っているじゃないですか、具体例まで、指針を出していますよ。法務省がそういうものを出していて何で警察庁分からないんですか。これ言っても意味ないから、だから困るんですよ。 いい法律ができつつあって、できた、問題点ある、だけど警察庁だって当時通達出してくださっているのに、警察官の皆さんに対して、法務省はこういうことが三類型として、侮辱であるとか排除することを扇動するとか危害を与える旨の言動であるとか、はっきりしているじゃないですか。そういうことを警察官に示してくれないから現場では、私たちが抗議に行ったって、おまえらがいるから騒ぎになるなんて、どっちを守っているかという話なんですよ。 今日はそのテーマじゃないからもうやめますけれども、海外からみんな来たところに、銀座でも浅草でも大阪でも京都でも、いまだ続いている。警察官がデモをやる人たちよりも二倍、三倍も多い。それを見た外国人は、警察官が制服を着て差別のデモをどうしてやっているんですかと。これ、国連の人種差別撤廃委員会、二〇一四年、今から四年前もきつく注意されたことなんですよ。変わっていないんですよ。だから、そんな認識じゃヘイトスピーチなくなっていきませんよ。 しかも、右派系市民団体によるデモだけじゃなくて、街宣活動、通告していない街宣活動というのが増えている。しかも、内容というのは、ヘイトスピーチが減っているかといえば、全く同じですよ。じゃ、一体何の法律なの、そう思わざるを得ない現実があるんです。 だけど、今日の一番問題にしなければいけないのは、デモは少し減っているかも分からない、参加者も減ってきているかも分からない、だけど、街宣活動勝手にやるのはほとんど変わっていない、言っていることも一緒。だけど、それよりもそれよりも何よりも問題なのは、ネット上のヘイトスピーチ、すさまじいものがあるんですよ。 今日、私はそれをここで言葉にしてはいけないと思ったから、委員の皆さんには見ていただきたいと思いましたから資料としてネット上のヘイトスピーチという、これ、ごくごくごくごく、何百分の一、何千分の一、引用しただけですよ。これ見てください。こういう書き込みが、十五歳の少年、特定個人にずっと続いているんですよ。十五歳ですよ。それを見るんですよ、本人は、家族は。その人たちの思い、私も十分には分かっておりません、いかほどのものか。別のこういう個人攻撃を受けた、つまりネット上では、マイノリティーであるという、それのみでもっていまだ特定個人への攻撃というのはずっと何年も何年も続いているんです。電車に乗るのも怖い、家出てから後ろ誰かいるんじゃないかと怖い、いろんなことがあるんです、細かくは言いませんけれども。だから、これをどうするか。取りあえず新しい道を開きましょうよ。 擁護局長、ネット上のヘイトスピーチ、障害者の方々、被差別部落の方々へのネット上の書き込みというのはひどいものが今でも、この委員会でもう三年、四年前から言っていても削除されない、そういう現実がある。これ、どうするんですか。解消法があったってひどくなるばかりですよ、特定個人について。現状と課題、擁護局長、いかがですか。
○政府参考人(名執雅子君) 今委員に御指摘いただきましたとおり、インターネット上の人権侵害につきましては、平成二十九年に救済手続を開始しましたインターネット上の人権侵害情報に関する事案、二千二百十七件であり、前年の千九百九件を三百八件上回っております。また、これは五年連続で過去最高の件数を更新するなど、インターネット上の人権侵害事案は増加傾向を示していると認識しております。 また、インターネット上に掲載されましたこのような名誉毀損、プライバシー侵害等の情報は、一般的に伝播性も高く、そのような情報が拡散し、重大な被害を生じさせるおそれがありますため、特に迅速な対応が必要になるなどの問題点があると認識しております。
○有田芳生君 人権擁護局のプロジェクトチームの皆さんを含めて、この数年間、本当に努力されているということを私は知っております。そして、ネット上の書き込みについても削除要請をされるという大変な努力をされている。アメリカに連絡を取ったり、何とかしようという努力は分かるんだけど、現実が変わらないどころか、ひどくなっている。そこで、やはり、解消法はあるんだけれども、新たな一歩を踏み出す必要があると思うんですよね。 そこで、もう時間が迫ってきますので、簡単に、じゃ、EUで、あるいはドイツでどんな取組がなされているのか、簡単に、簡潔にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(名執雅子君) EUでは、プロバイダー等と話合いを行い、ヘイトスピーチである旨の通報を受けた場合、原則として二十四時間以内にその通報について検討するよう求める行動規範を合意したと承知しております。 また、ドイツでは、対象となる事業者に対し、一定の違法コンテンツについての申告があった場合、事業者は速やかに対応する義務を負い、対応しないときは科料を科すなどの内容の法律が施行されたと承知しております。 このような海外の取組につきましては、委員の御指摘や報道等により必要に応じて適切に情報収集を行っております。
○有田芳生君 ドイツでは、二〇一七年、昨年の六月に法律ができて、今年の一月に施行されましたけれども、オンライン上のヘイトスピーチを法律で明確に禁止する、これは初めてのことなんです。具体的に言えば、ひどい書き込みがあれば二十四時間以内に削除、そのことについて組織的に繰り返す場合、運営企業に最高五千万ユーロ、六十五億円の賠償をする、これはちょっとやり過ぎじゃないかと欧州委員会でも批判は出ているんですよ。 だけど、EUで私たちが参考にすべきなのは、今答弁ありましたように、四社、マイクロソフト、ユーチューブ、ツイッター、グーグル、そこに欧州委員会がやはり話し合って申入れをして、そして行動規範、基準みたいなのができているんですよね。これから、それでもうまくいかなければ新しい法律作ろうという動きがある。だから、欧州委員会が申し入れた四社というのはヨーロッパじゃない、アメリカの四社、本社に申し入れているんですよね。 法務省の人権擁護局も、削除のためにアメリカのあるプロバイダーに申入れをしてくださっていることは知っている、よくやってくださっている。でも、それでもうまくいかないときに、やはり新しい方向というのは考えていかなきゃ仕方がないと思うんですよね。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、多くの人たちがいらっしゃいますよ。今でも外国人増えている。だけど、ヘイトスピーチのデモは、なかなか目立たないかも分からないけど、街宣なんというのは今でも東京で、繰り返しますけれども、銀座で、浅草で、そして今月の二十九日には新宿のアルタ前で夜の六時から八時まで。外国人いっぱいいますよ、そこでヘイトスピーチやるわけ。そうすると、日本というのは何ですかということになるんですよね。だから、それを何とかみんなで変えていきましょうよ。 だから、大臣に一つお願いをしたいことがある、擁護局長にお願いしたいことがある。ヘイトスピーチの、ネット上数が増えているという、法務省も確認されたわけですから、一体どんなことが起きているのかということを、去年法務省がやってくださった外国人住民アンケート調査、そこでも外国人に対する差別の事例というのは詳しく統計出されていますから、そのようなことをネット上のヘイトスピーチに特化して検討していただけませんか。まず、そのことをお願いしたいというふうに思います。いかがですか。
○政府参考人(名執雅子君) ヘイトスピーチに関する調査につきましては、法律を通すときに一度しておりますので、その推移を見たいと思いますが、今委員御指摘のありました事業者との協議につきましては、インターネット上の人権侵害の対処として非常に有効な取組の一つとして認識しております。 現在協議中でありますので、相手方との関係上、その具体的な内容を明らかにすることは差し控えたいと思いますけれども、例えば、事業者が参加してインターネット上の人権侵害情報の対処について意見交換を行うような場に出席しまして、この問題に対する法務省や事業者の取組について情報を共有するなど協議を重ねることにより、複数の事業者との間で緊密な連絡、協力を図ることができつつあると認識しております。 引き続き、あらゆるものについて制限を置かず検討も続け、この問題に対応してまいりたいと思っております。
○有田芳生君 ヘイトスピーチって、匿名で何でも書き込むことができるネット上のそういう人権侵犯事案というのは、本当にナイフで心を突き刺すようなことで、それは、当事者の方々から話を聞けば聞くほど、私たちはもう理解が届かないな、だけど、少しでもそれに接近して、日本の政治として、政治家として、政府として、やはり東京オリンピック・パラリンピックの問題じゃなく、人間の尊厳として取り組まなければいけないというふうに思うんですよ。 ですから、新たな、繰り返しますけど、ネット上のそういった事態が進行していることを調査していただきたいのと、やはりポイントは、EUがやったように、アメリカであっても四社に対してちゃんと話し合って改善の方向を探るという、そこがポイントだというふうに思うんですよね。ですから、法務省も、総務省になるんですかね、法務省、総務省と協力し合って、もっと強力にアメリカの四社と話し合う、改善策を練ると、そういう方向を練っていただきたいんですが、最後に大臣、いかがでしょうか。異常な事態が続いているんです。
○国務大臣(上川陽子君) この問題につきましては、有田委員が継続してフォローをしていただきながら、また、ヘイトスピーチ解消法につきまして議員立法で一歩前進という、スタートを切ったというそういう認識の下で、さらに、今の事態ということを重く見て更にその先の改善に向けて努力してほしいと、こういう御指摘をいただき、また御提案もいただきました。 二〇二〇年、まさに東京オリンピック・パラリンピックの競技大会が開催されまして、多くの外国人の方々も日本に来られるわけでございます。このインターネット上の新しい人権侵害の形態ということで、今具体的に紙ということでお出しをいただいたところでございますが、その解消に向けまして、人権、まさに人としての尊厳を大切にする社会ということでございますので、地道に、また粘り強い取組を一歩一歩前進させていきたいというふうに思っております。 誰一人取り残さないということで私申し上げた共生社会、ここの部分につきましては、まさにこうした問題も視野に入れた形でしっかり取り組んでいただきたいと、こういう思いを込めて発言をさせていただいているところでございます。今、海外の事例、そして今国内においての取組、様々なプロバイダーとの連携も今協議という形で進めているところでございますので、そういった連携をしっかりと踏まえながら、また関係省庁ともしっかりと連携をしてまいりたいというふうに思います。
○有田芳生君 終わります。
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。 今日は、初めに、再犯防止策についてお伺いしたいと思います。 上川大臣には、所信表明において、「犯罪や非行をした者の立ち直りに必要な指導、支援を個々の特性に着目して適切に実施する」と、再犯防止策への決意を語っていただきましたが、再犯防止を考える上で重要なものの一つに刑事施設における改善指導があると思います。 全ての受刑者を対象とした一般改善指導と受刑者の特性に着目した特別改善指導があるということですが、まず現在どのようになされているのか、お教え願います。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 改善指導は、受刑者に犯罪の責任を自覚させ、社会生活に適応するために必要な知識及び生活態度を習得させるために実施するものであり、被害者及びその御遺族等の感情の理解や規則正しい生活習慣、健全な考え方の付与、生活設計や社会復帰への心構えを持たせることなどを目的といたしました一般改善指導、それから、例えば薬物依存があるなどの事情を有することにより、改善更生及び円滑な社会復帰に支障があると認められる受刑者に対して、その事情の改善に資するよう特に配慮をして行う特別改善指導がございます。特別改善指導としては、現在、薬物依存離脱指導、暴力団離脱指導、性犯罪再犯防止指導、被害者の視点を取り入れた教育、交通安全指導、就労支援指導の六種類の指導を実施しておるところ、いずれも受刑者の個々の特性を十分に踏まえた上で実施するように努めているところでございます。 また、平成二十九年度からは高齢受刑者等を対象とした社会復帰支援指導プログラムというものも、一般改善指導としてでございますが、新たに全国展開もしているところでございます。
○山口和之君 改善指導は、監獄法の改正という形で制定された刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律により、平成十八年から受刑者の義務となりました。十年以上たちましたが、改善指導の再犯防止策としての効果について法務省としてはどのように認識しているのでしょうか。また、今後の改善指導の在り方についてはどう考えているのか、お教え願います。
○政府参考人(富山聡君) お答えいたします。 刑事施設における再犯防止対策は、改善指導に加え、刑務作業やその一環としての職業訓練、教科指導、社会復帰支援等の様々な処遇が一体となってその効果をもたらしているものと考えられ、改善指導のみの効果を申し述べることはなかなか困難な面もございますが、委員御指摘のとおり、この改善指導を始めとした様々な処遇の枠組みが導入されました新しい法律の施行後につきましては、受刑者の出所後二年以内の再入率が漸減傾向にあるといったこともございまして、この改善指導につきましても受刑者の再犯防止に一定程度寄与しているものと考えているところでございます。 また、この改善指導が行われるようになってから、刑事施設全体において受刑者の個々の特性に応じた処遇が次第に充実をしてきているというふうに感じておるところでございますが、現実に、現場の刑事施設で勤務している職員からも、この改善指導を行った受刑者が社会復帰に向けて前向きな意欲を持つようになった、あるいは指導をした職員の側が手応えを感じるといったような声を聞くようになってきております。 昨年閣議決定をされました再犯防止推進計画では、受刑者等の特性に応じた効果的な指導等の実施が求められております。犯罪の実態や効果検証、調査研究の成果なども踏まえつつ、今後とも高齢受刑者、女子受刑者といった様々な受刑者の特性に着目し、指導の充実に努めてまいりたいと考えております。
○山口和之君 改善指導がこれまでよりも再犯防止に役立つように、絶えず改善を図っていただきたいと思います。 配付しました資料一、二ですけれども、これは新聞の記事です。これを見ていただきたいと思いますが、所信挨拶で上川大臣がおっしゃっていたとおり、再犯防止策は個々の特性に着目して行うことが重要です。近年、犯罪や非行をした者の特性として問題となっているものに、窃盗症、クレプトマニアがあります。これは窃盗や万引きをやめられずに常習的に繰り返してしまう精神疾患であり、窃盗の再犯者の中には該当するケースが少なくないと聞いております。 資料一ですが、五年前の朝日新聞の記事です。万引きで、検挙がクレプトマニアの治療のきっかけになっているものの、収監等のために治療に三か月以上とどまれる患者は二割程度しかおらず、司法手続によって治療が打ち切られてしまっている状況が紹介されております。 検挙された後に専門施設に入院することができ、少しずつ医師や他の患者に心を開くようになるなどはっきり変化が出てきたところで、係属中だった裁判で実刑判決が確定し、治療の継続ができなくなったため、収監される日に自ら命を絶った方もいるということです。 判決言渡し時に裁判官が、買えるお金を持っており同情するだけの事情はないと指摘したという事例が紹介されておりますが、クレプトマニアに対するほとんどの裁判官の認識はこのようなものであるようだと聞いております。 資料二も見ていただきたいんですが、こちらには、去年の毎日新聞の記事ですが、クレプトマニアに対しては治療的司法が必要であると考える裁判官が出ていることが紹介されています。 万引き犯に対しては、前科前歴がない場合は起訴猶予になり、前科前歴がある場合には最初の裁判では罰金刑、二回目は執行猶予、三回目以降は実刑となるというのがおおよその実務の傾向ということです。 しかし、記事にある松戸簡易裁判所の事件では、過去に万引きで四回も有罪判決になった方が、保護観察中に約四千円相当の食品二十五点を万引きして逮捕、起訴されたが、釈放後に入院しクレプトマニアに対する専門的な治療を受けていたことから、保護観察を継続して更生に努めさせるのが相当と、懲役の実刑ではなく罰金刑五十万円が言い渡されております。裁判官が、実務傾向や量刑相場にとらわれず、真に犯罪のない社会を実現するにはどうすべきかを考えた結果ではないでしょうか。 クレプトマニアに対する治療的司法の流れは、社会から犯罪をなくすという刑事司法の究極の目的に合致するものであり、積極的かつ多角的に進めていくべきと思います。 昨年十二月に閣議決定された再犯防止推進計画には、再犯者による罪は窃盗、傷害及び覚醒剤取締法違反が多いとの記述があって、覚醒剤取締法違反に焦点を当てた指導、支援については詳細な言及がある一方で、窃盗に焦点を当てた指導、支援についての言及は一切ありませんでした。 資料二にあるように、アメリカでは万引き逮捕された人の四から二四%が窃盗症と言われております。日本でも、常習累犯窃盗犯を始め窃盗犯のうち少なくない割合が窃盗症である可能性が高く、この特性は決して無視できないはずです。 再犯防止については、窃盗症、クレプトマニアに着目した指導、支援が必要と考えますが、上川大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 刑法犯の認知件数に占めるその窃盗の割合、これは最も高いわけでございます。また、窃盗をした者の刑務所出所後二年以内の再入率、これにつきましても他の罪名と比較して最も高くなっているということでございます。その意味で、窃盗についての再犯防止対策を進めることにつきましては極めて重要であるというふうに認識をしております。 先ほど来、委員から御指摘がございました窃盗につきましては、手口、動機、背景事情等が多種多様であるといったところでございまして、必ずしも経済的利益を得ることを目的とすることなく、衝動的に窃盗を繰り返す者も一部に存在するとの指摘があるものというふうに承知をしております。 再犯防止対策を効果的に進めるためには、個々の特性に応じた効果的な指導、支援を実施することが何よりも必要であると考えておりまして、再犯防止推進計画におきましても、先ほど御指摘のとおり、問題性に応じた各種指導プログラムの充実を盛り込んでいるところでございます。 委員の御指摘も踏まえまして、この窃盗を繰り返す者の問題性に着目した再犯防止対策につきましても検討をしてまいりたいと思います。
○山口和之君 窃盗症、クレプトマニアについては、これまで立法府においても行政府においてもきちんとした議論がなされていなかったように思います。しかしながら、窃盗症、クレプトマニアは、WHOによる国際疾病分類においても、アメリカ精神医学会による精神疾患の分類と診断の手引においても疾患として分類されており、そのことを踏まえた指導、支援の在り方を検討していくことが必要だと思います。刑法犯の七割以上を占める窃盗をなくしていくために、刑務所での特別改善指導に窃盗に関するものを追加することを含め、窃盗症、クレプトマニアといった特性に着目した施策の充実を求めていきたいと思います。 次に、人権問題についてお伺いします。 配付しております資料三を御覧いただきたいと思います。先ほど来、東京オリンピック・パラリンピックを契機にいろんな話が出ておりましたけれども、この新聞の内容ですが、二〇一二年のロンドン大会後に政府機関が一般市民に対して実施した調査では、大会は障害者へのイメージ改善に有効だったと回答した方が八一%だった一方、民間団体が障害のある方に対して実施した調査では、大会後の障害のある方への態度について、変化を感じないと回答した人が五九%、悪化したと回答した方が二二%となり、両者は大きく懸け離れた結果となっているとの報道がなされております。日本での心のバリアフリーに向けた取組においても、同じような結果をもたらすものとなっていないか検証し、絶えず改善していく必要があるのではないでしょうか。 上川大臣は、「二〇二〇年に向けて、心のバリアフリーを推進し、誰もがお互いの人権を大切にし、支え合う共生社会を実現するための人権啓発活動を推進してまいります。」とおっしゃっておりますが、二〇二〇年の東京大会でロンドン大会と同じような結果が出ないようにするためには、心のバリアフリーをどう推進していくべきとお考えでしょうか。上川大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) オリンピック・パラリンピックの開催は、障害者の自立や社会参加を促す大きな力となっていくものというふうに思います。東京オリンピック・パラリンピック競技大会におきましても、そうした視点を明確に打ち出しながら捉えていく必要があるというふうに思っております。また、子供たちを始めとして多くの人々が障害について考え、また心のバリアフリーを実現する絶好の機会というふうにすべきであるとも思うところでございます。 先ほどロンドン大会の事例について、意識に差があるというお話がございました。こうした事例の教訓として、東京オリンピック・パラリンピック大会におきましては、そうしたことにならないような努力ということについては、しっかり政府一体となって様々な施策を取り組み、そしてその目的を達成していくべく努力をしていく必要があるというふうに思っております。 法務省の人権擁護機関におきましては、二〇二〇年に向けまして、心のバリアフリーを強力に推進すべく、車椅子体験、またブラインドサッカー体験教室など、子供の頃から障害について身近に考えることのできる体験型の啓発活動等に積極的に取り組ませていただいております。 委員の御指摘も踏まえつつ、障害の有無等にかかわらず、誰もがお互いに人格と個性を尊重し、支え合うということができる社会実現に向けて、その重要性につきまして広く国民の皆様に御理解をいただくべく、地方公共団体、また民間企業、団体とも連携をしながら、体験型の啓発活動や調査救済活動に更に積極的に取り組むことによりまして、心のバリアフリーを更に強力に推進してまいりたいというふうに考えております。
○山口和之君 是非、今まで行われてきましたオリンピック・パラリンピックの経緯を参考にされて、より良い体制をつくっていただきたいと思いますが、記事でも述べられているように、個人の機能が困難を生んでいるのではなくて、多数派に都合よく作られた社会のルールや仕組みが人に困難をもたらしているという発想の転換が重要だと思います。 人権問題は多数派のイマジネーション不足に起因することが多くあります。上川大臣には、そのことに留意しつつ、心のバリアフリー推進のためのリーダーシップを発揮していただければと思います。 最後に、日本人と外国人の共生社会の実現に関係するものとして、調停委員について伺いたいと思います。 まず、調停委員には民事調停委員と家事調停委員がありますが、それぞれどのようなことをしているのか、権限や義務、待遇についてお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。 調停は、当事者間の合意に基づいて紛争を解決する手続でございまして、民事調停委員、家事調停委員は、裁判官とともに調停委員会を構成して調停を行うことを基本的な職務としております。 調停委員会は、調停期日におきまして、関係者から事情を聞いて解決案を提示するなどして合意に向けた助言やあっせんを行うことを基本としつつ、事件の関係者を呼び出すこと、事実の調査及び必要と認める証拠調べを行うこと等の権限を有しているところでございます。 民事調停委員、家事調停委員は、非常勤の裁判所職員でございまして、勤務に対して所定の手当等が支給されるというところとなっております。
○山口和之君 裁判所は、現在、調停委員を任命する際に国籍を調査し、外国国籍の者の任命を拒否していると聞いています。そのような運用をしている理由は何でしょうか、お伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 先ほどお答えいたしましたとおり、調停委員も非常勤の公務員、裁判所職員に当たりますところ、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには、日本国籍を必要とするのが公務員全般に関する当然の法理であると解されているものと承知しております。 そして、民事調停委員、家事調停委員の法令上の権限、職務内容等といたしましては、裁判官とともに調停委員会を構成いたしまして、調停の成立に向けて活動を行い、調停委員会の決議はその過半数の意見によるとされておりますこと、調停が成立した場合の調停調書の記載は確定判決と同一の効力を有すること、調停委員会の呼出し、命令措置に関しましては過料の制裁がありますこと、調停委員会は事実の調査及び必要と認める証拠調べを行う権限を有していること等がございまして、これらを考慮いたしますと、調停委員は公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員に該当し、その就任には日本国籍を必要とすると考えているところでございます。
○山口和之君 調停委員の任命については、民事調停法八条二項及び家事調停法二百四十九条一項がその任免に関して必要な事項は最高裁判所が定めると規定し、それに基づいて最高裁判所が民事調停委員及び家事調停委員規則を定めています。 しかし、この規則には国籍条項がありません。にもかかわらず、調停委員を日本人に限定する運用をしているということは、法令の根拠に基づかず、権利、自由を制約するものであり、法の支配の理念に反しております。また、恣意的な運用とのそしりを免れず、裁判所への信用を損なうおそれが大きいと考えます。運用を変えて外国人も採用するものでなければ規則に国籍条項を追加する必要があるのではないかと考えますが、最高裁判所の認識はいかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員となるためには、日本国籍を必要とするのが公務員全般に関する当然の法理であると解されておりますところ、公務員の国籍要件の規定の在り方につきましては、公務員に関する法体系全体のバランス等を踏まえました公務員全般の問題として検討される必要があるものと理解しているところでございます。 調停委員の国籍要件につきましても、そういった公務員全般の国籍要件の問題との関係において検討をされる必要がございまして、調停委員についてのみ最高裁判所規則で定めるのが相当かという問題があるというふうに考えているところでございます。 いずれにいたしましても、調停委員は、先ほど申し上げたとおりの職務権限等を考えますと、公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員に該当するものとして、その就任には日本国籍が必要というふうに考えているところでございます。
○山口和之君 法務省の所管する法律においては、公証人法でも検察審査会法や裁判員法でも国籍条項が設けられております。そのことも踏まえ、法の番人である最高裁判所が国籍条項を定めもしないのに調停委員を日本人のみに限定するという運用をしてしまってよいのか、しっかりと検証していただきたいと思います。 外国国籍者を調停委員に任命することは、外国国籍当事者が司法手続において孤立しているという日本人の壁とも言われる問題の解決につながり、外国人の権利の救済に寄与する側面があると聞いております。そのため、上川大臣が所信挨拶で述べている日本人と外国人の共生社会の実現とも深く関係しているとも思われます。 このことを踏まえ、これからの調停委員の任命はどのようにあるべきとお考えか、民事調停法及び家事調停法を所管する上川大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 御質問の外国人を非常勤の裁判所職員である調停委員に任命できるようにすべきか否かということでございますが、先ほど最高裁判所からも説明があったとおり、公務員に関する法体系全体のバランス等を踏まえた公務員全般の問題として検討される必要があるというふうに考えております。 調停委員の任命の在り方につきましては、裁判所職員の任用の問題として、最高裁判所の担う司法行政上の問題であるということでございます。したがいまして、外国人を調停委員に任命できるようにするための様々な制度の改正等も含めまして、行うかどうか、こうした点につきまして、しっかりと念頭に置いた上で慎重に検討されるべき問題であるというふうに考えております。
○山口和之君 日本人と外国人の共生社会の実現のためには、日本において圧倒的少数派である外国人の権利救済の体制を整備することは不可欠だとも考えます。調停はあくまでも当事者の合意によって紛争を解決するものです。そのような手続に関与する調停委員は、裁判官と違い、公権力を行使するものではないと言えるはずですので、積極的に外国国籍者を任命するという選択も可能だと思います。 調停委員に国籍要件を課している運用はもちろん、不合理な差別ではないかという観点からも検討が必要ですが、多様な人々を我が国の社会に包摂していく上で改善すべきではないかという観点からも検討を進めるべきだと思います。 以上です。終わります。
○委員長(石川博崇君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時二十分散会