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196回国会参議院2018/05/17

文教科学委員会 第9号

発言数
148
登壇者
15
会派数
9
開催日
2018/05/17

会議録

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、柳田稔君、石上俊雄君及び水落敏栄君が委員を辞任され、その補欠として大島九州男君、増子輝彦君及び徳茂雅之君が選任されました。     ─────────────

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  著作権法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務大臣官房審議官吉岡てつを君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 著作権法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 おはようございます。自由民主党の小野田紀美です。  早速ですけれども、時間がございませんので、あえて条文は読んだりせずに、その場所場所でお伺いしたいと思うので、是非端的によろしくお願いいたします。  今回のデジタル化、ネットワークの進展に対応した柔軟な日本型の権利制限規定の中で、これをやることによってイノベーションの促進、更に進んでいくだろうなというふうに期待をしているところなんですけれども、何点か確認をしたい点がございます。  まず、四十七条の五、新たな知見、情報を創出する電子計算機による情報処理の結果提供に付随する軽微利用等についてのところなんですけれども、この条文の中の権利者に及ぼし得る不利益が軽微なものという、この軽微利用というのは、利用する量の多い少ないの軽微なのか、権利者の不利益が軽微であれば該当なのかというところで、ここの確認をさせてください。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 委員御質問の新第四十七条の五の軽微性につきましては、公衆提供提示著作物のうち、その利用に供される部分の占める割合、その利用に供される部分の量、その利用に供される際の表示の精度などの外形的な要素に照らしまして、著作物の利用の範囲が軽微であるかを基準として判断されることを念頭に置いて規定をしております。  したがいまして、軽微性の判断に当たりましては、御質問のような権利者の不利益の程度が軽微であるかといった要素や利用の目的に公共性があるかといった要素を見るものではございません。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 この法案を見ていると、不利益が軽微であればというふうに取れるなと思ったんですけれども。  検索を掛けたときに、例えばこういう本がありますよと、表紙がありました、一ページ、二ページとかありました。そうなったときに、一行ならオーケーで、二ページだったら軽微じゃないとか、そういう外形的な要因がこの軽微利用に当たるのですか。私は、法案の中でそうは見えなかったし、その量で軽微かどうかというのであればこの法律意味ないと思うんですけれども、そこどうなっているんですか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 権利者に不利益が生ずるという、不当な不利益が生ずるということにつきましては、この条文の中で柱書きで書いてはおりますけれども、それ以外に、この四十七条の五の第二層につきましては、やはり著作者に対する不利益が軽微でございますけれども及ぶということに着目いたしまして、その軽微性を柱書きに書いてあるわけでございますけれども、先ほど御説明申し上げましたように、その量というのはまさにそうでございますけれども、それ以外にも占める割合だとか、結局、辞書の中でも一部分を表示をしたときに、その辞書の中の一番最初の部分についてはもうある意味一番重要な部分、コアの部分でございますので、そういったものであればやはり質の問題が出てまいりますので、そういったものにつきましては外形的な要素という形で制限をしているというものでございます。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 今の例えだと、それはその一部分が重要だから、それを出してしまったら権利者にとって不利益があるから出さないという理論にはなりますけど、それが一部分だと、小さいか大きいかじゃなくて、それが、大事な部分が出てしまったらそれは軽微利用に当たりませんよねという言い方だったので、むしろ、その内容に当たって量ではないと私は捉えました。ちょっとここをもう一度確認させてください。重要かどうか、それが権利侵害になるか、その権利を不当に侵害するかどうかというところをさっきの議論だと見ているということですよね。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 著作物にはいろんなものがあるということを前提に、こういった規定の整理をしておるわけでございます。  不利益が軽微と書きますと著作物ごとに不利益を計算する必要があるということになりますので、その場合には予測可能性が低下をしていくということが考えられるわけでございます。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 そういった、何というんでしょう、せっかくこのイノベーション促進に著作権法を変えたのに、結局、その量が多いか少ないかとか、そういう電子計算した検索の結果がそういったところで見られるのであれば怖くて入ってこれないと思いますよ。何か最初のお話と違ってきているんじゃないかなというふうに私は思うので、この不利益が軽微であるに該当するかどうなのかというのは、外形的な要因もあるかもしれないけれども、それを全て含めて、本当にこれを出すことが権利者にとって不利益になるのかということを踏まえた上で考えていただきたいなというふうに思います。  そして、もう一つ、柔軟性のある権利制限規定の中で、第四十七の五、一、二に、電子計算機を用いて云々、三号に、前二号で掲げるもののほか、政令で定めるものってあるんですけれども、さっき言ったように、その権利制限に掛かるか掛からないかを政令で定めるということは、これでまたこれはやっぱり駄目なんじゃないか、これはいいんじゃないかみたいに時間を掛けて話していたらイノベーションの促進にならないというところで、ここの条文に書いてあることに照らし合わせてオーケーか否かということを迅速に判断しなくてはいけないと思うんですが、この政令に当たっての手続、スケジュール感、時期的なものを教えてください。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 政令制定手続につきましては、関係者からのニーズを踏まえ、関係する事業者、権利者等の意見を伺いつつ、文化審議会で迅速に検討を行い、検討が取りまとまったものから順次制定を行いたいと考えております。  このため、法案が成立した後に速やかにIT関連産業を含む関係業界等からニーズの募集を行い、政令制定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。その際、検討の過程で権利者及び利用者の意見がバランスの取れた形で適切に反映されるよう、検討体制についても工夫してまいりたいと考えております。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 具体的な掛かる時間は。聞きました。済みません、聞き逃していたら、ごめんなさい。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 基本的には審議会での議論ということでございますけれども、審議会自体は私どもも頻繁に開いておりますので、そういうタイミングできちっと捉えていきたいというふうに思います。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 委員会の中で話すときに、一からやっぱりこれはいいのかどうなのかというふうに話し合っていたら、結局迅速な対応はできないので、せっかく条文に、この一号、二号、そして三号にこういうときにはオーケー、こういうときには駄目というのが書いてあるのだから、これに照らし合わせて迅速に決められるように、そこは徹底をお願いします。  そして、次に三十条の四、著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない利用。この享受の扱いが非常に難しいなと思っておりまして、主たる目的が享受の場合は駄目よという理解でいいのか。例えば、楽器の開発のために試験的に曲を演奏するというような、主たる目的は楽器の開発で、そのときの演奏が思想や感情を享受する目的として主たる目的でない場合は利用することは規定の対象となるのか、お答えください。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 享受についての御質問でございます。  著作物が有する経済的価値は、通常、市場におきまして著作物の視聴等をする者が、当該著作物に表現された思想又は感情を享受して、その知的、精神的欲求を満たすという効用を得るために対価の支払をすることによって現実化されているものと考えられます。このため、著作物に表現されました思想又は感情の享受を目的としない行為につきましては、著作物に表現された思想又は感情を享受をしようとする者からの対価回収機会を損なうものではなく、著作権法が保護しようとしている著作権者の利益を通常害するものではないと評価できます。  新三十条の四は、このように、実質的に通常権利者の対価回収機会を損なわないものの、形式的には権利侵害となってしまう一定の行為を広く権利制限の対象とする趣旨で新たに規定を整備するものでございます。  また、一般的に、享受とは、精神的に優れたものや物質上の利益などを受け入れ、味わい、楽しむことを意味することとされております。  これらのことから、ある行為が新三十条の四に規定する著作物に表現された思想又は感情の享受を目的とする行為に該当するか否かは、さきに申しました立法趣旨及び享受の語義を踏まえ、著作物等の視聴等を通じて視聴者等の知的又は精神的欲求を満たすという効用を得ることに向けられた行為であるか否かという観点から判断されることとなるものと考えております。  この新三十条の四では、享受の目的がないことが要件とされておりますので、例えば、主たる目的が享受のほかにあったとしても、同時に享受の目的もあるような場合には同条の適用はないものと考えています。  例えば、漫画の……(発言する者あり)はい。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 結局、主たる目的じゃなくても、同時に享受をすると思われるものに関しては入りますよというふうに聞こえまして、それって幾らでも理屈付くじゃないですか。例えば、楽器を開発していました、そのときに例えばデジタルのやつで弾いていました、メーンは開発だけれども、そのときに一瞬耳に入ってきていいなと思ったらもうそれは享受に当たるんだとか、AIの開発をしているときに、AIに弾かせていて、何となく耳に入ったらもうそれは感動を得たので享受に当たるんだというようなことを言い始めたら、全て享受になってしまいかねないので、そこら辺は、この主たる目的が享受の場合というところを徹底していただきたいというふうに思います。  これ、多分、御答弁を聞いていたら、ちょっと何でもかんでも享受に当てはめようとしているのではないかと聞こえてしまうようなところもありましたので、この法案の趣旨をしっかり徹底していただきたい、これを求めて、終わります。  そして、続きまして、教育の情報化に対応した権利制限規定の整備についてなんですけれども、この学校その他の教育機関に関する複製の、学校その他の教育機関の明確な分類、定義というのを簡潔にお答えください。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) なかなか簡潔にはやれない部分もあるんですが。  第三十五条の一項の学校その他の教育機関につきましては、法律上特段の定義は置かれていないものの、同条の趣旨を踏まえると、組織的、継続的教育機能を営む非営利教育機関を指すものと考えます。  具体的には、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学を始めとする学校教育法上の学校や公民館等の社会教育施設や教員研修センターなどの組織的、継続的教育機能を営む機関で非営利目的のものがこれに該当するものと考えます。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 その場合、認定こども園の幼保連携型と幼稚園型とかどうなってくるんだとかいろいろ気になるところではあるんですが、何でこの定義を聞いたかというと、教育現場でこの公衆送信を行っている割合、頻度はどれぐらいなのかと。それがあった上で、今使いづらいから困っているんで変えましょうというところが立法事実になってくると思うので、使われる場所の定義が分からないままだとどうやって調べたのかなというふうに思うところでございまして、その定義に当たる教育現場は、今これに対してどのような対応をされているのか、お示しください。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 基本的に、今回の教育の情報化の観点からの著作権の権利制限規定につきましては、教育関係団体の方から、これまで逐次そういう許諾を得るということではなくて、一括、ワンストップで利用ができるようにしてほしいということを受けて進めておるものでございますので、実際にこの制度が運用されるならば相当程度の需要があるんではないかというふうに考えております。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 なるほど。  今日、資料を配らせていただきまして、この学校の授業の過程で著作物の公衆送信を行う著作の扱いのところの現在というところに、学校法人とかから、権利者から許諾を断られるとか、権利者の連絡先が分からないとか、集中管理されていない権利者が多いなど不便なところが多いから変えてくださいという要望があったというふうに今お伺いしましたけれども、例えば、ある学校では子供たちから年額数百円いただいて、こういったものの著作権を申請してお金を払うときにその中から出しますよというようなシステムをやっている学校もあるんですけれども、そういったところの状況をどのように把握されているのかなというところで、今後の改正の状況になったときの仕組みについてお伺いしたいんです。  補償金は誰が払うのか、学校なのか自治体なのか生徒個人なのか。ここをお示しください。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 補償金の支払主体の御質問でございます。  法律上の取扱いといたしましては、補償金の支払主体は教育機関の設置者としております。ただし、これは実際の支払に当たり財源をどのように確保するかを法律上拘束することを意味せず、財源確保の方法は各設置者の自主的な判断に委ねることとなります。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 ということは、なおさら、やはりこの今回の法案に当たる定義、どういうところで使うのかという定義と現状がどうなのかと、細かいニーズが必要だと思うんですよ。  なぜかというと、学校や自治体とかが支払うとなったときに、いや、このシステム嫌だよ、今までのシステムでうまくいっているから、この制度が実施されても新制度を利用しないよという人もいるかもしれないじゃないですか。今ニーズは高いと思われますとおっしゃったけど、ちゃんと別に調査しているわけではないとなったときに、この制度が始まっても、補償金制度の枠に入らず、教育現場の判断で今までどおり個別でやりたいよという人が出てきたときに、それは許されるんですか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) この補償金制度を利用するか否かは教育現場の判断に委ねられるわけでございますけれども、例えば、既に個別に契約をして著作の利用をしている、それが非常に慣れているというようなケースもあると思いますので、そうしたことを行うことは改正後も引き続き排除されないと考えております。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 そうなると、なおさら、後で指摘しますけど、この集中管理システムでは権利者にきちんとお金が行かないんじゃないかと思ったときに、今の方法を取りたいなと思ったとしましょう。で、この補償金システムを指定管理に任せようとしたときに、九割の学校が導入しませんとなったら、それ、このシステム自体を崩壊させるんじゃないかというのが心配でして、九割がやらないといったときに指定管理に出すだけの予算がちゃんと回収できるのか、この辺の見込みをどのように考えていらっしゃるんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 先ほど申し上げましたように、補償金制度を利用するか否かは教育現場の判断に委ねておるわけでございますけれども、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、この制度を導入してほしいというような教育関係者団体からの要望を踏まえてこういう制度を入れようということでございますので、そういう、まあ相当程度の利用があってこの制度は回るんじゃないかというふうに考えております。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 もちろん、その教育団体からの意見も大事なんですけれども、団体が全ての、必ずしも一〇〇%の意見の代表をできるかといったら、なかなかいろんな考えの人もいると思うので、実際に、これをやりました、これに入りたくないですといったときに、指定管理制度が回らないというようなことにならないように、しっかりそこはもうちょっと展望を持っていただきたいなと、詳しく状況を調査していただきたいなと思います。  そして、もう一点問題をちょっと考えておりまして、この資料を二つ見比べていただきたいんです。この学校等の授業のさっき言った現状のところだと、問題点に、集中管理されていない権利者が多いと、だからこの今の制度がやりづらいんだというんですけれども、もう一つ資料を見てください。補償金額の決定手続のイメージ、指定管理団体が集めた補償金どうやって配るのかとすると、権利者側の集中管理団体にメーンで配るんですよね。  集中管理団体に属していない人が多いから困っているのに、集中管理団体に配って、団体に入っている人しかお金をもらえないというシステムになったら、本来得られるはずの権利のお金が得られなくなってしまう人が多いんじゃないかというのを私非常に心配していまして、この辺り、どのように考えているんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 利益代表性を有すると見込まれる団体につきましては、平成二十八年十二月に、教育分野に関係する権利者団体三十七団体によりまして、教育利用に関する著作権等管理協議会が設立されております。この協議会は、平成二十九年四月、文化審議会著作権分科会の小委員会におきまして、今般の権利制限規定の整備に伴い補償金制度の導入がなされることとなった場合には、補償金の徴収、分配の受皿となる団体を設立し、必要な準備に当たる旨の方針を正式に表明しているところでございます。  これらの団体に加入している権利者の加入率につきましては、正確なところは把握できておりませんけれども、同協議会が設立する団体が今般の補償金制度の指定管理団体の有力な候補になると考えております。  また、補償金の分配についてでございますけれども、文化庁といたしましては、補償金徴収、分配業務の透明性や適正性が確保されることは、教育関係者から御理解を得ながら補償金制度の信頼を維持していくためにも非常に重要だと考えております。もとより、補償金の分配につきましては教育現場における利用実績を踏まえて行われることになりますけれども、教育現場におけるICTを利用した著作物の利用は多種多様であることが考えられるとともに、教育機関の調査負担を考慮いたしますと、その性格上、網羅的に利用実績を把握して、利用された著作物等の権利者に一〇〇%正確に分配を行うことは事実上困難であるということも考えられます。  このために、今般の補償金制度におきましては、指定管理団体が徴収した補償金の総額のうち政令で定めるところにより算出した額を著作権及び著作隣接権の保護に関する事業並びに著作物の創作の振興及び普及に資する事業のために支出する義務も課すということとしてございます。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 一気に言っていただいてありがとうございます。  海外でもこの補償金制度をやっているところはあるんですけれども、クリエーターの登録率、その管理団体への登録率によって、九九%が入っていればそれは納得するでしょうけど、アウトサイダーの方が多いという指摘もある今回の中で、集中管理団体にお金を渡してきちんとできるのかというところをもうちょっとしっかり見ていただきたいというのと。  先ほど業界全体に資する事業のためにそれを支出することでカバーしていくんだというような御意見もありましたけれども、これは非常に難しくて、非常に難しくて、今現在それと似たような集中管理をやっていらっしゃるあるところが結局どういう事業をしているのかというのを見たら、自分の集中管理団体に所属しているアーティストのライブをやって音楽業界全体を盛り上げるんだという言い訳をしていると。でも、その集中管理に入っていないフリーのアーティストからしたら、待ってくれと、俺たちに入るはずのお金が何でその団体さんの新人の発掘に使われなきゃいけないんだというような御意見もあるというのは事実でございまして、先日参考人に来ていただいた上野先生も、文化審議会の中で、今回のようにアウトサイダーが多い場合、録音、録画のときのこの事業に関するお金は今二割だと思うんですけれども、それよりも更にアウトサイダーが多いような今回の件はもっと割合を増やすべき、そういったところの割合を増やすべきじゃないかという御指摘をされていたりですとか、また、今回のシステムでも、アウトサイダーがこれだけ多いのであれば、アウトサイダーの本来得る権利を集中管理に入っている人だけが得られるというような状況はそぐわないのではないかというような御指摘もされているというふうに私は記録をいただいておりますので、ちょっとこの辺は、支出に当たる透明性、監督というものを徹底していただきたいなというふうに思いますし、この部分の事業に使うお金の割合というものもアウトサイダーの割合に合わせてやはり調整をすべきだというふうに思います。  海外、例えばその集中管理団体に入っていない人から、音楽のときもありましたよね、俺の曲がライブで使われているのに俺に一銭も入ってきていない、どうなっているんだという裁判があったりとか、ましてや、その集中管理の外の人が、学校現場でこんなの今日聴いたよというツイッターを見た、でも私のところに一銭も入ってきていないよ、これどうしてくれるの、お金払ってよとなったときに、その集中管理団体若しくは指定管理の団体がそれを補償するクレーム基金とかの用意は考えていらっしゃいますでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 海外の権利者への補償金の分配につきましては、指定管理団体の構成団体それぞれが海外の著作権団体との管理契約に基づきまして海外の権利者に分配を行うことが想定されます。また、分配が漏れてしまった権利者につきましては、委員御指摘のとおり、例えば、そのような場合に備えて一定期間補償金を確保していくなどの運用上の工夫がなされることも考えられます。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 海外の集中管理団体にも入っていないクリエーターから文句が来たときにもきちんと対応ができるように、そのクレーム基金とか本来の権利者に行くというような仕組みをしっかりしていただきたいなと。  百四条の十二の指定の基準に、営利を目的としないことというのがございます。私、今回の法案の本当に大事なことは二つあると思っていて、一つは、学校現場ですばらしい優れた著作物をしっかりと子供たちが受け、それを得られる、そして先生がそれを簡単な仕組みで導入できるということが一つ、それが大事なことです。そしてもう一つ大事は、命懸けて作った作品、著作物の権利のお金が、対価がきちんとそれを、対価を得るべき人のところに行く、これも本当に大事なことだと思うんですね。  新しい団体をつくって、それが本来の権利者にお金が行かないようなことになってしまっては本末転倒だと思いますので、この制度を私しっかりとこれからも、必要以上に利益を指定管理団体が出していないか、きちんと権利者にお金が行っているのか、そこに不平等はないのか、そして、業界全体に資する事業をやっているときにそこに透明性はあるのか、監督はできるのか、その辺り全てをしっかりと引き続き見させていただきたいと思っておりますので、本来の大事なところというのが揺るがないように是非お願いしたいなというふうに思います。  そして、最後に、大臣、今回の導入を受けて、現場の著作権リテラシーがちょっと心配になっている部分がありまして、先生方が、今回、補償金を払えば何でも、言わなくてフリーに使っていいんだよというような、そういう認識をしてしまった場合、現在でも学校図書の図書教材とかを作っていらっしゃる方たちが、こういうのあるんですけど今年使ってくれませんかとサンプルでお渡ししたときに、買ってくれないままサンプルを全部コピーされて現場で使われちゃって利益が阻害されるというような悲しいことが起きておりまして、今、漫画村のこともありましたけれども、著作権のリテラシーというのは非常に大事なところだと思うんですね。  なので、今回の改正で何でもフリーに使えるようになったよと先生が思っては困るし、生徒にも、精魂込めて作った著作権のあるものにきちんと対価を払うことということの大切さを今以上に教えていかなくてはいけないと思うので、このリテラシー教育について、学校現場のことをどう考えていらっしゃるか、ちょっとお考えをお聞かせください。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) この学校等の教育機関、現在においても教育の公益性と、こういう観点で三十五条に基づいて権利者の許諾なく著作物の利用が認められているということですから、やはり著作権法について十分な理解を持った上でこの著作物の利用が行われるということが大事であると思っております。  文化審議会の検討の中でも、権利者団体からは、教育機関において権利制限の対象範囲が広く運用、解釈されていることなど、現行法の運用をめぐる問題の指摘がなされておりまして、やはり教育機関における著作権制度に関する普及啓発、これしてくださいという意見が出たところでございます。  こういう議論を受けて、教育関係団体からは、文化審議会に提出のあった意見書において、各団体又は教育機関においてやっぱり教員に対する著作権法に関する研修、普及啓発活動に取り組んでいく旨の方針が表明をされております。  我々としても、やっぱり先生方が著作権を正しく理解した上で学校における著作権教育を円滑かつ効果的に指導できるように、あらゆる授業で活用できる手引書として、場面対応型指導事例集「著作権教育五分間の使い方」を作ったり、学校における教育活動と著作権を解説したパンフレットを作成、提供したり、また、教職員向けの著作権講習会の開催、年二回行っているところでございます。  やはり、先生おっしゃるように、この著作権法改正を契機に、教育機関に対して著作権と今回の法改正の内容について丁寧に説明を行って、現場における著作権の研修、普及啓発が更に進むように必要な支援を行ってまいりたいと思っております。

小野田紀美自由民主党・こころ

○小野田紀美君 著作権リテラシー、本当に大切、今まさに大切なときなので、是非御指導をよろしくお願いします。  最後に、まとめになりますけれども、このイノベーションを促進すること、そして教育現場で著作物を使いやすくすること、いずれも私、趣旨としては大賛成なんです。  しかし、法案に書いているんだけれども、ちょっと法案の趣旨と違った解釈を現場がされていたりですとか、あと、その中を掘り下げていったら、実はこれ権利者にお金が行かなくなっているんじゃないのとか、そういったことがあっては、せっかくのこの改正も何のためにやったのというふうになってしまいかねないので、非常に、せっかくいいものを作るんだから、これをしっかりとイノベーションの促進を阻害しないような活用の仕方、そして著作権の権利者にしっかりとお金が行くやり方というものを徹底していただけるように、この法案通って最後ではなく、引き続きどういうふうに運用されているのか細かく厳しくチェックさせていただきたいと思いますので、どうぞ正当な活用、運用をこの法案によってよろしくお願いしますと強くお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。  今回の改正が行われます著作権法は、一条に目的規定を置いております。「著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」という条文でございますけれども、権利の適切な保護なくして文化の発展はございません。  他方で、この著作物が利活用されることで新たな価値が創造されます。IoTなどの技術革新が進む中で、例えば目が不自由で著作物をこれまで鑑賞できなかったと、こういう方が新しい形で著作物を認識をすることができるようになって、それで感動を得ると、こういったこともあるわけでございまして、利活用の促進ということが文化の発展につながっていくという面もあると思います。そういったこの権利の保護と利活用のバランスをどう取るかということが問題であろうと思っております。  今回の改正では、イノベーションですとか教育のICT化、障害者の情報アクセシビリティー、アーカイブの利活用という、主に四点のところにおいて改正がなされるわけでありますけれども、これにおいて、どのようにこの権利保護そして利活用のバランスを取るべきとお考えになっているのか、大臣に御所見を伺いたいと思います。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 本法律案では、デジタル化、ネットワーク化の進展に対応するべく、著作物等の公正な利用を図るとともに、著作権等の適切な保護に資するため必要な改正を行っております。  まず、IoT、ビッグデータ、人工知能等の情報通信技術の進展により生じる新たな著作物の利用ニーズにも柔軟に対応するために、著作物を含む大量の情報の利用等の円滑化に資する権利制限規定、それから、教育の情報化の推進を図るための授業の過程におけます著作物等のインターネット送信等に係る権利制限規定、そして、障害者の情報アクセス機会の充実を図るため、肢体不自由等のため書籍を読むこと等ができない者のためのオーディオブックの作成等に係る権利制限規定、さらには、アーカイブした著作物等の利活用を促進するため、美術館等におけるタブレット端末を用いた作品の解説、紹介のための著作物利用に係る権利制限規定、権利者不明等の場合の裁定制度の見直しに係る規定といった規定の整備を行うものでございます。  このうち、情報通信技術の進展に対応した柔軟性のある権利制限規定につきましては、通常権利者の利益を害することがない行為類型及び権利者の利益に与える影響が小さな行為類型につきまして、それぞれ適切な柔軟性を持たせた規定を整備することとし、これによって利用と権利保護のバランスを取った形で規定を整備しておるところでございます。  また、教育の情報化、障害者の情報アクセス機会の向上、アーカイブの利活用に関する改正については、権利者の利益に与える影響が小さいとは言い難いことから、やはり利用の公益性や権利者に与える不利益の程度等も踏まえた上で、例えば、教育の情報化に向けた授業の過程における著作物等のインターネット送信等に係る権利制限規定に関しては権利者に補償金請求権を付与することとするなど、それぞれについて利用と権利保護のバランスを取った形で規定を整備しておるところでございます。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 今回の改正の一つの大きな特徴といたしましては、大臣からもございましたとおり、柔軟な権利制限規定を設けたという点でございます。イノベーションの促進等の観点から、こういった一定程度抽象的な規定を設けたわけでございます。  時間が限られているので、ちょっと一問飛ばしますけれども、では具体的に、柔軟な権利制限規定が今回幾つか設けられましたけれども、まず、三十条の四について伺っていきたいと思います。  これは今日の議論も既に出ておりましたけれども、三十条の四の例えば一号では、技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合と、こういう場合には権利制限の対象になる、つまり著作物を利用できるということであります。  例えば、こういった場合のような著作物に表現された思想又は感情を享受することを目的としない場合に利用を認めるということでございますけれども、この享受することを目的としない場合というのは条文を読んだだけではなかなか分かりにくいんですが、これはどういうことを言うんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。  先ほどの答弁と重なる部分がございますが、大事な部分でございます。  著作物が有する経済的価値は、通常、市場において著作物の視聴等をする者が、当該著作物に表現された思想又は感情を享受して、その知的、精神的欲求を満たすという効用を得るために対価の支払をするということによって現実化しているということでございます。このために、著作物に表現された思想又は感情の享受を目的としない行為につきましては、著作物に表現された思想又は感情を享受しようとする者からの対価回収機会を損なうものではなくて、著作権法が保護しようとしている著作権者の利益を通常害するものではないと評価できるものでございます。  この三十条の四につきましては、このように、実質的に通常権利者の対価回収機会が損なわないものの、形式的には権利侵害となってしまう一定の行為を広く権利制限の対象とする趣旨で新たに規定するものでございます。  ある行為が新三十条の四に規定する著作物に表現された思想又は感情の享受を目的とする行為に該当するか否かは、先ほど申し上げましたように、立法趣旨と享受の語義を踏まえ、著作物等の視聴等を通じて視聴者等の知的又は精神的欲求を満たすという効用を得ることに向けられた行為であるか否かという観点から判断されるというものと考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 では、こういう場合はどうかということで少し具体例を挙げたいと思いますけれども、ある企業は、デジタル画像技術と伝統工芸の技を組み合わせまして、日本のびょうぶ絵などの文化財の大変精巧な複製品を作成をするということをやっております。この色合い、色の例えばあせ具合とか、そういったものも全てもう精巧に、今ある、この今の文化財のものと全く同じものを作る、金箔の加工ですとか、それから表装、表具といったところもその伝統工芸の技と組み合わせて全く同じものを作ると。  日本のそういった日本画とかびょうぶ絵というのは非常に繊細でありまして、表に出して長い間展示するということも文化財の保護という観点からできないと。そういったところを、全く精巧に作られたものであれば、偽物ではありますけれども、非常にその鑑賞によって本物を見たようなそういう感動を得られることができるということで、鑑賞の機会が増えるということにもつながりますし、実際に触れたりとかですね、子供たちが、そういったことで授業にも活用したりとか、そういう活動が実はございます。  そういった場合に、例えばこの印刷や撮影といった技術を用いて、美術品の複製に適したカメラ、プリンターと、こういうものを開発するために著作権のある美術品を試験的に複製をするという場合には、この三十条の四についてはどのように考えたらいいんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 個々の具体的なケースということになりますと、最終的には司法において判断されることになりますけれども、例えば美術品の複製に適したカメラやプリンターの開発のために試験的に美術品を複製するという行為があろうかと思いますが、通常、画像のひずみのなさや色合いの再現性など、開発中のカメラ等が求められる機能、性能を満たすものであるか否かを確認することを専ら目的として行われるものであって、当該著作物の視聴等を通じて視聴者等の知的、精神的欲求を満たすという効用を得ることに向けられた行為ではないと考えられますことから、通常は著作物に表現された思想又は感情の享受を目的とした行為には当たらないというふうに考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 それでは、この複製に適した和紙、これを開発をするために、その和紙に実際に印刷をして一部複製を作る、また金箔を貼ったりする、こういうことを試験的に行って複製を作るという場合にはどうでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 御質問のケースでございます。  具体的な内容でございますが、著作物を印刷するのに適した和紙を開発するために、和紙に実際に印刷をしたり金箔を貼ったりして試験的に著作物の複製を作る行為は、通常、インクや金箔の見え方や耐久度など、開発対象の和紙が求められる機能、性能を満たすものであるか否かを確認することを専ら目的として行われるものであって、当該著作物の視聴等を通じて視聴者等の知的、精神的欲求を満たすという効用を得ることに向けられた行為ではないものと考えられますことから、通常この享受を目的とした行為には当たらないものと考えられます。  もっとも、享受の目的の有無の判断に当たりましては、著作物の利用の態様等も考慮されるものと考えておりますので、その和紙の機能、性能の確認のための試験に社会通念上必要な範囲を超えて著作物の利用を行うような場合は、この享受を目的としているとの評価がなされる可能性もあるということには留意が必要だと思います。  いずれにいたしましても、この三十条の四といいますのは、著作物に関わります対価回収機会を損なわず、著作権法が保護しようとしている著作権者の利益を通常害しない一定の行為について、営利目的で著作物を利用する場合も含めて幅広に権利制限を認められるものでございますので、とりわけ人の知覚による著作物の認識を伴うケースが今のようなケースなんですけれども、同条の適用の有無につきましては、そのような立法趣旨、享受の意義等を十分に踏まえて慎重に判断をされる必要がございます。そのためにも、この法律の趣旨、目的、解釈の仕方等についてはしっかりと伝えていかなきゃいけないということでございます。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 この事例に関してもう一点確認したいんですが、その印刷をされた美術品の複製を、その仕上がりがどうかということで、美術品についての専門家ですとか開発関係者が見て本物と複製が遜色ないかということを判断する必要があるんですが、その場合は、実際に人が物を見ているわけですので享受ということが伴う場合もあり得るようにも思うんですけれども、こういう専門家が実物と複製と遜色ないか判断をするという場合には、この三十条の四の権利制限に該当するということでよろしいんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) また具体的なケースでございます。  仮に、カメラやプリンターの開発のために試験的に美術の著作物を撮影、プリントアウトしてみるといった場面を念頭に置いてお答えしようと思いますが、最終的には司法判断ということでございますけれども、どういうような複製がなされて、画像のひずみのなさや色合いの再現性など、開発中のカメラやプリンターが求める機能、性能を満たしているか否かを確認することを専ら目的として行われるものということであれば、享受を目的とした行為には当たらないものと考えられるということでございます。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 それではもう一つ、四十七条の五、これも先ほど小野田委員の議論にもありましたが、ちょっとその議論を聞いていて、私も分からないところがあったので確認したいんですけれども、軽微利用については行うことができると、一定の場合ですね。この軽微利用に当たるかどうかについては、条文上は幾つか要素が挙げられておりまして、その利用に供される部分の占める割合とか量とか表示の精度とかその他の要素ということになっておりますので、このその他の要素というのがどういうものを意味しているのか、どういうものが入るのかということをお聞きしたいと思うんですけれども。  先ほど小野田委員との議論の中で、例えば、検索の結果として表示される文章があって、それが一行大体三十文字ぐらいだとした場合に、先ほど答弁の中で、例えば辞書なんかであれば、最初の方に重要な部分が出てくることがあり得るというようなことをおっしゃいました。  じゃ、同じ、例えば百文字の文章であったとしても、辞書の場合は最初の三十文字に重要な部分が出てくる場合があり得る。同じ百文字の文章であっても、例えば短いエッセイとか書評とか、そういったものについては冒頭に重要な部分が出てくるとは限らないわけでありますけれども、こういった判断というのもその他の要素の中でされるということでよろしいんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) ここでの、四十七条の五におけますその他の要素という規定でございますけれども、外形的な要素ということでございますが、その他の要素といたしましては、例えば紙媒体での表示の大きさが想定されて、写真の紙面への掲載であれば何平方センチメートルの大きさで利用されているかということを意味しております。そういう意味でこのその他の要素ということを付け加えておるわけでございます。  先ほどの答弁にもあるわけでございますけれども、この軽微性につきましては、公衆提供提示著作物のうちその利用に供される部分の占める割合とかその利用に供される部分の量、その利用に供される際の表示の精度ということでございますけれども、そういったことが条文に書かれておるわけでございますが、先ほど、著作物様々あるわけでございますけれども、例えば辞書の場合については、この部分が出てきますとやはり軽微性に問題があるというようなこととか、あるいは俳句につきましては、一部分といって量の問題で判断をいたしましても、五七五というものは、まあ五七五でございますから十七文字でございますけれども、量は少ないとしても、これはもう全体を見ているというようなことになりますので、それぞれの取扱いにつきましては、今後、例えば必要に応じてガイドラインの検討というようなことの中で明らかになっていくというものが考えられると思います。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 今の御説明だと、私が最後に質問をした、例えば、同じ百文字の文章の中で冒頭の方の三十文字に重要な部分があるのか、それともないのかというようなこと、これはどういうふうに判断するのか、その他の要素の中で判断するんじゃないかなと私は思ったんですが、そこについては特に御説明はなかったと思います。つまり、今後のそういうガイドラインの制定等でそういった細かいところというか、今後の検討課題ということになるのかなと理解をいたしました。  次の質問に参りますけれども、同じこの四十七条の五ですね、この一項三号は柔軟な権利制限規定として抽象的な規定となっております。ここについても、先ほど小野田委員の議論の中で迅速性が重要ではないかという御指摘がございました。この規定を設ける趣旨というのがやはりこのイノベーションの促進というところにあるのであれば、権利の保護ということはもちろんですけれども、それと同時に、迅速性、的確性というものも確保していく必要があると思います。  具体的にはその審議会などで議論をしていくんだろうという御説明でしたけれども、そこで、審議会の場で、権利の保護と、そして迅速性、的確性ということをしっかり確保していかなければならないわけでありますので、例えばこの審議会のメンバーにも、対立利益となる権利者側と利用者側というものをバランスよくメンバーになっていただいてしっかりと議論がされるようにする必要があると思いますけれども、こういった点についてはどのようにお考えでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) この政令の制定の手続につきましては迅速性が求められるということにつきましては、先ほど小野田委員の方からも御指摘ございました。この制定手続につきましては、関係者からのニーズを踏まえまして、関係する事業者、権利者等の意見を伺いつつ、文化審議会で迅速に検討を行って、検討がまとまったものから順次その政令を制定していきたいというふうに考えております。  そのために、法案が成立した後に、速やかにIT関連産業を含む関係業界等のニーズの募集を行って、政令制定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。その際には、検討の過程で権利者及び利用者の意見のバランスの取れた形で適切に反映されるようにということで、検討体制について工夫しながら迅速に対応していくというのが重要ではないかと考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 もう一点、この条文について確認をしたいと思うんですけれども、この二項で準備ということについて規定をされております。情報検索サービスなどの準備を行う者はその軽微利用の準備のために必要と認められる限度において著作物の利用ができるというふうにしておりますけれども、まず、こういう規定を設けた趣旨ということを一つ確認したいのと、それから、ここに言う準備というのはどういうことをいうのかと。この条文を見ますと、この準備というのは一項に言う軽微利用に限られないというふうに読めますけれども、それでよろしいんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 準備の点についての御質問でございます。  新第四十七条の五の第二項は、この条の第一項による軽微利用の準備のための複製等を権利制限の対象としておりまして、書籍の検索サービスを例に取りますと、サービスの提供に付随して数行のスニペットを同条第一項の軽微利用として行う場合には、その準備のために書籍をスキャンして電子データ化し、検索用データベースを作成する行為などが想定されております。また、この同条第一項に基づく検索サービスを提供する事業者に対しまして別の事業者が検索用データベースを譲渡等する行為もこの同条の第二項による権利制限の対象として想定されております。  新たな四十七条の五の第二項では、このようにサービス提供の準備段階でのデータベースの作成等のための著作物利用を念頭に置いているために、同条第一項と異なりまして、特に利用の態様を軽微なものに限定しておりませんので、例えば書籍の全文をデータ化することも第二項に基づいて行うことも可能でございます。  なお、検索結果等と一緒に著作物を表示するような行為は、あくまでも、第二項ではなくて第一項に基づいて行われますので、軽微な範囲での利用に限られるものでございます。  それで、一点、ちょっと答弁の訂正をさせていただきたいと思います。  先ほどの答弁の中で、辞書の重要部分ということにつきましては、その量とか外形的な基準ということの流れの中で答弁させていただきましたけれども、実は、この柱書きの方にただし書で、不当に害する場合というようなところについては除いておりますので、そういったところが辞書の重要部分であるかないかといったところは判断されるということになるということでございます。軽微というのはあくまでも外形的な要素に着目をしているということでございます。  俳句につきましての御質問につきましても、割合の点で軽微ではないというようなことになるわけでございます。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 次に、視覚障害者等のための複製に関する改正についてお聞きしたいと思います。  三十七条の三項でありますけれども、今回、ここに規定のある受益者の範囲を拡大をいたします。これはマラケシュ条約の国内整備法という意味があるかと思いますけれども、これに関しまして、直接今回の法改正ではございませんけれども、先日、参考人質疑の中で宇野参考人からいろいろと御意見をいただきました。多くの委員の先生方も御関心を持っていらっしゃるのではないかなというふうに感じました。  その宇野参考人の意見の中で、この三十七条の三項というのは、障害者の福祉に関する事業を行う者で政令で定めるものは、音訳、拡大写本、電子データなどの複製を作ることができると。しかしながら、この政令で定めるものの中に地域で活動するボランティアグループというようなものは入っておりません。そこが政令指定を受けるということもなかなかハードルが高いので、私的利用の範囲で協力を得る程度に今はとどまっていると。  この部分については、やはり障害者の方のバリアフリーという観点からいうと大変公共性が高いものでございますので、宇野参考人の御指摘にもありましたけれども、この作成主体の規制を何らかしらの形で緩和をすべきではないかと、ここを是非検討いただきたいと思います。  その際に、ちょっと私、条文を見ておりましたら、三十七条というのが視覚障害者等のための複製等ということになっておりますけれども、その次の三十七条の二については聴覚障害者等のための複製等ということで、同じような形の作りになっている条文でございますけれども、この聴覚障害者等のための複製についても、ボランティアグループの方たちが活動されているとか、同様のニーズがあるかもしれないなと思いまして、ここについてはちょっと、今回参考人質疑等も行われておりませんので、具体的なニーズは把握はできていないんですけれども、そういったところも是非今後の検討で併せて行っていただければと、必要な検討をニーズがあれば行っていただきたいと思いますけれども、この三十七条の三項についての作成主体の規制緩和についてはどのように考えているんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) これまでも、文化庁に対しまして、団体の方から視聴覚障害者等のためのアクセシブルな書籍の作成につきましての要望等もございまして、図書館や障害者関係施設で行われるケースのほかに、組織に属さないボランティア団体等において書籍の作成も行えるようにするための環境整備が要望されておるわけでございます。  この要望につきましては、文化審議会におきまして検討を行った結果、権利者の利益を不当に害さないための配慮を行いつつ、ボランティア団体等が現行制度よりも簡易な方法で同項の主体になり得るようにするために、政令改正等の所要の措置を講ずるべき旨の提言が既になされております。  文化庁といたしましては、今後、提言を踏まえまして、関係者の御意見を聞きながら具体的な制度設計の検討を進め、速やかに制度の整備に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  委員の方から、あわせまして、聴覚障害の方々につきましてのお話がございました。  このニーズにつきましては、私ども文化庁といたしましては受けておりませんけれども、今御指摘もございました。ニーズを踏まえまして、今後検討してまいりたいというふうに考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 時間が参りましたので、総務省さんにも御質問させていただこうと思ったんですが、ちょっとそれがかなわなかったことをおわび申し上げます。電子書籍のアクセシビリティー向上に是非取り組んでいただきたいと思いますので、お願い申し上げて、質問を終わります。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 国民民主党・新緑風会の大島九州男でございます。国民民主党として初めて質問をさせていただく機会をいただきまして、心から……(発言する者あり)民主党、国民民主党、質問の機会をいただきまして、感謝を申し上げて、質問させていただきたいと思います。  著作権法、この法律制度というのは、我が国の文化創造の基盤となる仕組みで、時代とともに変化する、デジタル化、ネットワーク化する中で、いろんな変化をしていかなければならない法律だというふうに思うわけでありますけれども。  この法律の目的は、種々聞かせていただきましたが、いろんな意味で権利者側からの視点と利用者側からの視点というのが当然あるというふうに理解しているんですが、文化庁が考える権利者側からの視点で見るこの法改正の目的と、利用者側から見る、その受け取られる今回の法律のその改正の目的というものについて、ちょっと視点を変えて、権利者側から見るとこういうふうな目的ですよねと、で、利用者側から見るとこういう形で改正されることがいいのか悪いのかとか、そこら辺の、いい悪いは別としても、視点を変えた目的という形でちょっと御説明をいただけると有り難いんですが、よろしいですか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 権利者側から見たもの、あるいは利用者側から見たものということでございますけれども、権利者、利用者の方々から様々御意見を頂戴しております。例えば、文化審議会の著作権分科会の報告書の取りまとめに向けましたパブリックコメントにおきまして、多くの権利者団体から、特にフェアユース等の一般的、包括的な権利制限規定の導入につきましては、既存の権利ビジネスへの悪影響や権利者への不当な不利益が生ずるんじゃないかといった懸念も示されました。しかしながら、文化審議会としては、フェアユースなど、一般的、包括的な権利制限規定とは異なる、明確性と柔軟性のバランスの取れた制度の導入を提言した点については評価をいただいているということでございます。  利用者に当たる産業界からは、一般的、包括的規定の導入を求める意見も一部からございましたけれども、日本経済団体連合会や知的財産に関連する企業の団体でございます日本知的財産協会を始めとする各団体より報告書の内容に賛成する意見が寄せられていることから、産業界の多くは政府案に御賛同いただいているものと考えております。  このようなパブリックコメントで寄せられた意見も踏まえつつ検討を行ってきたわけでございますけれども、審議会の中には、日本経済団体連合会や各権利者団体からの代表が委員を務めておりますので、特段の、そういう中で異議なく報告書が取りまとめられたところでございます。  こういったことからすれば、今回の政府案につきましては、それぞれの立場から思いはあったわけでございますが、最終的には権利者、利用者の多くの賛同を得て成案を得たということでございます。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 著作権法、法律制定されてからいろいろ改正をされているというふうに思うんですけど、具体的に言うと何回改正したとかいうのを覚えています、分かりますか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 現行の著作権法でございますけれども、昭和四十五年の制定以来、累次の改正を行ってきたところでございます。様々関係法令の改正に伴って改正されるという例もあるんですけれども、著作権法、この本体の改正を主な内容とする著作権法の一部を改正する法律による改正は、直近、平成二十六年の改正まで計十八回ということでございます。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 いろんな法律がありますけど、何かずっと変わらない法律もあれば計十八回も変わるというこの法律、この結果から見てみると、やはりそれだけいろんな立場の中でのせめぎ合い、まあ言うなれば矛と盾のような関係で、権利者側が守る盾に対して利用者側がそれを突いていくという、まさに矛盾した関係の中でいかにバランスを取っていくかという、その微妙なバランスの中で改正されていく法律であろうからまあ十八回も改正をされているんだろうなというふうに私は受け取るわけでありますけれども。  それでいうなら、矛と盾ですから、権利者側の目線と利用者側の目線ではまるっきり違った立ち位置からの視点で見る風景は、この著作権法というものに対して非常に違った風景を与えているんだろうなと。当然、受け取る側、権利者側の皆さんが、今回の改正において、まだまだここは足りていないよねと、ここはちょっと懸念があるよねと思うところもあると思うんです。それでまた利用者側も、これはやっぱりまだまだ積み残されているよねという懸念があると思うんです。だから、それがもうちょっと時代とともに進んだときに、多分またここで改正するんですよ。だから十八回も改正されてきているわけですよ。  だから、今、その審議会の中でも、今はこのときのタイミングで、ああ、まあ成案としては今妥当だなという判断で改正した。この先必ず今懸念としているところが深化して改正につながっていくというふうに、私はそういうふうに見るので、今の段階で、まあこういう懸念がありますよねという権利者側の御意見と、利用者側で今まだこういうのがちょっと懸念だよねというのは整理されていると思うんですが、それをちょっと教えていただけると有り難い。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) まさに各時代のニーズに、内容に応じて著作物の保護の強化だとか利用の促進だとか、様々な見方でこれまで改正がされてきたということでございます。  今回、著作物等の利用の円滑化に関しましては、今回の柔軟な権利制限規定の整備によりまして、通常権利者の利益を害さない行為類型や権利者に与える不利益が軽微な行為類型について、現在又は将来想定されるニーズに関し、相当程度、広範に対応できる規定を整備したということで、ある意味、これまでにない柔軟性がある規定ではないかと思いますが、他方で、一方で、権利者に与える不利益が軽微でないというようなもの、権利者の利益と権利を制限することによって実現される公益の間の調整が必要な行為類型につきましては、今回の改正においては規定をその一部整備したものもございますけれども、今後も、例えば教育や障害者福祉など、公益的な目的のための著作物利用につきまして、既に把握されているニーズや今後新たに生じるニーズを精査した上で、ニーズの内容や課題の優先度を考慮しながら順次検討していくということが我々の課題と考えております。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 今もお話の中にありまして、佐々木先生の方からも先ほど障害を持った人たちのためのという、我々もちょうど、拡大教科書、デジタル化の中で障害者のそういったバリアフリー法みたいなやつをしっかりと関わった経緯もございますけど、やはり目的ですよね。やはり障害者の皆さんの障害を取り除くために、その著作権を侵害しない、また著作権者に理解をいただいて利用しやすくしていくというようなことの働きかけ、これをよくよく考えていくと、極端な話が、いや、私は、この著作権を、皆さんにどんどん使っていただきたいから、別に、放棄するというか、お金は要りませんからどんどん自由に使ってくださいというふうに言う人もいれば、自分のこれは権利だからちょっと見てでもお金下さいと言う人もいらっしゃるでしょうと。これはそれぞれの人の、著作権者の考え方なので。  先ほど小野田先生の方の質問でもありましたよね。権利者がその集中管理団体に所属をしていれば、一定程度のものは補償されていただけるけれども、そうでないといただけないと。じゃ、この人たちにはどういう形でその権利者の権利を保護するために著作権料が支払われるのかというのが、先ほどの質問聞いていてすごく疑問だったんですね。  そうすると、いやいや、もう自分はいいやと、もうそういうことは細かいことは考えずに、ある程度著作物に載ったりとか何かするときにはもらうけど、普通に何かどこかで使っているか使っていないか分からないようなやつはもう自分はいいやと言う人もいれば、さっきも言いましたように、いや、もうちょっとでもあれだったらいただきたいと。じゃ、そういう人はこの集中管理団体に入れというふうに促しているのか、そこら辺、文科省としては、そういった権利者で、何とか保護してもらって著作権料はちゃんといただきたいと、いただきたいけど集中管理団体に入っていないのでいただけないというような、そういう人たちがたくさんいらっしゃるという状況の中で、集中管理団体に入った方がいいですよとか、そういうふうにして権利保護した方がいいですよとかいうような動きなのか、そこら辺はどんな状況なのか、教えてください。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 著作権者が基本的には自ら著作権料を、許諾して著作権料をいただくということは、個人としてもやるということはもうこれは可能なんでございます。  そういったときに、あえてその管理団体に入るということになりますと、これは自動的にそういったものがオープンにされて、団体の方で一括してそれを徴収するということになるわけでございますけれども、例えば、その著作物の中で、この部分についてはどうしてもやはり自分としてはオープンにされたくないというような部分もあろうかと思います。そういう場合もあるのかもしれませんが、そういった場合に、やはり著作権者としてはそれぞれ判断をしたいという場合には、やっぱりその管理団体に入らないという選択肢もあるということでございますので、それはもうあくまでも権利者個人の御判断ということになろうかと思います。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 ということは、集中管理団体に入ってしまうと、何かある程度漠とした形でその権利金をいただくような感じ。で、そういうのに入らなければ、個人的にこの部分について、例えばある出版社と著作権の契約するとか、ある企業とそういう独占的に契約をして対価をもらうと。そういうふうなイメージで捉えていいんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 今御答弁申し上げましたのは、著作権料をどういうふうにいただくかということについてでございます。  恐らく、有名な作家でございましたら、いろんなコマーシャルベースで様々報酬をもらわれるというようなケースもあろうかと思いますけれども、この著作物のどういうような利用で、どういうような形で対価をいただくかということにつきましては、これはもう先ほどの繰り返しになりますけれども、著作権者の個々の判断で行われているというふうに我々としては承知をしております。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 教育現場で、学校で音楽をするのに授業で楽譜を見ながら練習をすると。教育ですから、そこに、演奏に対する対価を払いなさいよというふうに言われても、何か余りぴんとこないんですよね。特に、公教育の場合はそうですけれども、今言われている民間教育の関係で、音楽教室ですよね、音楽教室で著作権料を練習する部分について払いなさいというふうな意見とか、いろいろ何かそういう裁判もやっているようなことを聞きましたけど、これも今言うように、矛と盾の関係になっていきますからね。  だから、これ解決するのはどういう解決方法があるのかなとふとちょっと自分なりに考えたら、基本的に楽譜を見て練習するわけですから、その楽譜に対する著作権料にちょっと上乗せして練習代も入っていますと、だからそれで何回練習しようがそれはもうそこで払われていますよというような包括的なものであると非常に分かりやすいですよね。でも、これ、A君は一回、ところがB君は練習好きで百回やっていますよと言われたときに、一回と百回と違うお金取るなんていうのは、これもちょっと現実的でないと。  だから、今回、設置者がお金を払うといいますよね、教育機関にしても。そうすると、設置者というと、公教育でいうと市町村が払ったりするわけでしょう。そうすると、市町村で払う金額も多分違うと思うんですよね。学校の数も当然そうでしょうけど、財政力の関係で、東京都はこれぐらい払いますけど、私のところの福岡県直方市はこれぐらいしか払わないとかね。やっぱり、そこもいろんな権利者との交渉になるのか、いろんな状況になるのかと、非常にこれ複雑で分かりにくいと。  だから、音楽教室で実際に裁判になっているというのも、私はこれ何か悲しいかなというふうに個人的には思うわけですよ。だから、本来国がそういう主導をするわけではないでしょうけれども、こういう法律を制定していく中で、やはり教育に関わる分野、そういう部分が、営利を目的としている民間教育事業者だからこうなんだとか、公教育だから違うんだと、そういう話になると、じゃ、私学はどうなのと。私学は経営しているわけですから、そこは月謝をいただきながら経営というか運営をしていく部分の音楽教室と、じゃ、どこが違うのなんて非常に複雑なんですよね。  だから、そこら辺、大変調整も難しいし、じゃ、どうやって解決したらいいのということになったときに、ここは文部科学大臣、政治家としてというより教育に関わる部分で、学校だとか民間教育だとかで、子供たちが練習をする、まさにその感性、技術を磨いていくというのは、日本の国力を上げて、まさに子供たちの健全な発育に、教育に資する部分であるわけですから、権利者としてもこれは有り難いことだと。だからもう、それはもう喜んで使ってほしいと。まさに私の作った曲が、子供たちが学校で練習をして弾いてくれる、歌ってくれるというのは有り難いことだよねという、そういう視点で権利者が、いや、もうそういう教育に関わるやつはもう一切要りませんと、もうだからそこはどんどんやってくださいというようなこともありだと思うんですね。  じゃ、それを主導するのは何なのかと。それは経済的な概念と、今言う成長戦略でお金稼ぎましょうなんていうと、じゃ、そこもお金下さいという話になっちゃうんですけど、そうではなくて、やはり我々文教科学委員会に携わる国会議員や多くの人がそういう発信をしていくと、ああ、なるほどそうだなと、それは有り難いなと権利者が思えば、そういうのは一切解決していくような道もあるのではないかというふうに思うんですが、文部科学大臣として、今回の法改正でいろんな問題が残っておりますけれども、私は、その教育の部分に関しては、今私が言わせていただいたそういう視点も大いにあるんじゃないかと思いますが、見解を聞かしていただけると有り難いです。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) なかなか深遠な問題を提起されたと思っておりますが、音楽教室の話は既に訴訟をやっておりますので、これは当事者間で訴訟、私人間の争いですから、解決の道を探ることが望ましいと、こういうふうに申し上げておきたいと思いますが。いわゆる公私ですね、公と私、それから官民という考え方がありますが、これ必ずしも一致をしないだろうと。民であっても公を担う部分というのはあってもいいんではないかと。  例えば、NPOは官ではありませんが、みんなのためにごみを拾うとか、そういうことをしっかりやっていただくということがございますので、このどこまでがどういうふうに公益性があるかということ、教育というのは、じゃ、どこまでがその権利者の制限をしてでもやっていいのかと。  これ、なかなか一概にすぱっと線が引けないところなのかなと思っておりまして、今回のこの法案も、そういう意味では教育大変大事ですけれども、一方でかなり権利者の侵害といいますか、使用しますから、そういう意味では補償金制度ということにしているわけでございますので、私は今回の、先ほど大島先生おっしゃったように、利用者と権利者の間、最初はフェアユースなんてぼおんと出てきたら困るよというところと、それからこちらはやっぱりイノベーションのためにこれは必要じゃないかというところから、言わば突っ立っているところから始まったわけですが、これを丁寧に三層に分けて、しっかりとそれぞれについてこの議論を分けてしようじゃないかということから、先ほど次長から御説明させましたような、双方歩み寄れるところが出てきたんじゃないかと、こういうふうに思っておりますので、やはりケース・バイ・ケースで、それぞれ、先ほどまさに先生がおっしゃったように、時代が変わっていくとこの技術も変わってまいりますので、この技術の進展に伴って、十年前はこんなことは無理だなと思われていたことができるようになってくることもあるわけでございますので、そのときそのときの利用可能な技術等々も見た上で、しっかりと権利者と、そして利用者が、双方、なるべく納得できる道を探っていくと、このことが重要なことではないかというふうに思っております。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 ありがとうございます。  先ほど小野田先生の質疑の中で気付いたんですけど、集中管理団体の人たちのお金で何か新人発掘みたいなことをやっているみたいな話がありましたよね。  結局、子供たちが授業で練習をしたりとかする、そしてまたそこで歌ったりするというのは、私たちも学生時代に、小学校のときに何かコーラスで歌った歌なんというのは覚えていますよね。フォークダンスのあの歌が掛かるとみたいな。だから、そういうところで使われるやつというのは我々に非常に残るとすると、権利者側からすれば、今後いろんなところで、カラオケで歌ってくれたりとか、何か非常に宣伝効果のある、そういう効果があるなという視点で捉えたときに、じゃ、学校や音楽教室で練習するようなやつというのは、極端な話が、練習ですからメジャーなやつじゃなくたっていいわけですよね。  そうすると、権利者が、いや私のところはもう一切教育に関わるやつは要りませんと、だから、そういう権利者の歌とかそういうものを積極的に音楽学校とか教室だとかそういうもので使うようにすることによって、こういうのは発生しなくなると。そうすると、権利者側のメリットは、子供たちがメジャーでもない自分の曲を練習してくれたりして、大人になったときにカラオケで歌ってくれるとか、いろんなところで宣伝してくれて、あっ、CDあったら、じゃCDでちょっと練習してみようかとかというふうに発展をしていくという。  そういう視点で、文部科学省が所管する学校教育における音楽だとかそういったところの教材に使われる曲とかそういうものは、著作権の主張をしない、奇特な権利者というか、そういうことに理解のある、奇特と言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、そういうのに理解のある権利者のものを積極的に使っていくというのもこれは一つかなと思うんですけど、そんな考え方はどうでしょうか。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) おっしゃるように、著作権というのは私人の権利ですから、著作権が及ぶ場合にどうやって徴収するかとか幾らにするかとかというのは基本的には著作権者が定めるということでございます。  したがって、団体に任せている場合は団体が利用者の言うことを聞きながらやるということですが、少し前に読んだ本の話ですけれども、クリエイティブ・コモンズという考え方がございまして、まさに先生がおっしゃるように、僕のはもういいよ、どんどん使ってもらってと。例えば、我々が組んでいるバンドなんかはどんどん聴いてもらった方がいいので、ビートルズと違いまして、そんな著作権料をいただくなんていう大上段の考えは持っておりませんので。例えば、そういう方がアマチュアからちょっとスタートしたところぐらいにはいらっしゃるかもしれないと。  クリエイティブ・コモンズというのは、その著作権者のそれぞれの意向に合わせてどれぐらい著作権料を取るかというのを少し柔軟に考えたらどうですかと、今のITの技術ではそれができるんだろうということで、例えばCDでいいますと、百枚までは幾らで百枚を超えたところから少し上がって、千枚超えたらもう少し上がってという、こういうことも多分今やろうと思えば技術的には可能なのではないかなというふうに、たしかその本に書いてあったと記憶をしておりますが。  そういう考え方はアカデミアの中ではたしかあったというふうに承知をしておりますが、実際にそれをどうやって運用していくかとか、そういうところはまだまだ今からの課題ということかもしれませんけれども、まさに著作権法の基本は、先生おっしゃるように、著作権者が自分でその額や徴収方法を決められるということが原則であろうというふうに思っております。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 副大臣、今日は御出席でお座りですから、最後にちょっと副大臣に。  障害者の皆さんに対するいろんな著作権の関係とかは比較的協力しましょうという人もいるわけですから、そういう形からすると、業界団体も、障害者の皆さんはこうですねということであるなら、これをもうちょっと広げて、教育の部分についてもそういう幅を広げて自由に使えるような道を探るというのは僕は非常にいいことだというふうに思いますので、副大臣の見解をお聞きして、質問を終わりたいと思います。よろしくどうぞ。

丹羽秀樹自由民主党文部科学副大臣

○副大臣(丹羽秀樹君) 御質問ありがとうございます。  障害者に対しては、やはりこの著作権の活用によってより一層、例えば教科書なんかもそうなんですが、今音声が出る教科書とか非常に様々な工夫がされておりますので、またそれによって様々な個性のある子供たちが多様な教育を受けることができるということは非常にすばらしいことだなというふうに思っております。もちろん、著作者の権利もこれしっかり守る中で、そういったことがうまく活用されていけば非常にすばらしいことだなと個人的に考えております。

大島九州男国民民主党・新緑風会

○大島九州男君 終わります。

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 立憲民主党・民友会の神本美恵子でございます。間違えなくて言えました。立憲民主党・民友会として初めての対政府質疑をさせていただきます。  今までの質疑を聞いていまして、私自身はとてもアナログ人間でありまして、いまだにガラケーを使っているという絶滅危惧種に近い人間なんですけれども、本当に急速なデジタル化、ネットワーク化ということに対応する今回の著作権法の改正ということですけれども、具体的なことはそういう人間ですのでよく分からないので、基本的なところ、この今回の著作権法の改正に当たっての基本的な考え方を中心にお伺いしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。  通告では最初に一問お願いしていたんですが、それちょっと後で時間があればということで、早速、著作権法の第一条、この目的についてなんですけれども、先ほど来話題にもなっていますが、文化の発展に寄与することを掲げております。しかし、最近の政府の政策立案は過度に経済的観点を重視するものが多いように、これ著作権法だけではなくて、そういうふうに私自身感じています。  例えば、今国会に、次の議論になると思いますが、文化財保護法の改正ですね、これも文化財の活用、利活用ということがうたわれておりまして、活用しやすいように地方自治体がその文化財の保護に当たることができるというようなことになっています。活用自身を否定するものではもちろんありませんけれども、一方で、活用一辺倒になってしまって、例えば文化財の保護ということが後回しになっていってしまうのではないかというような不安も禁じ得ないんです。  例えば、文化財でいいますと、何といいますか、観光のためにその文化財を活用しようというようなことで、どんどん観光誘致のために文化財の保護が後回しになってしまうというような、これはもちろん、くぎ一本打っちゃいけないというような、文化審議会はこれまでも批判を受けてきたようなところもありますから、そういう意味ではなくて、著作物やこういう文化財を過去から受け継いで次の世代へ伝えていくということは、今を生きる私たち全ての者の責務であるというふうに考えます。  そうした観点から考えますと、今回の著作権法改正が文化の継承と発展に寄与するという法の目的にかなったものであるのかどうか。さらに、著作権法の永遠の課題、これも先ほどから話題になっております著作権者の権利の保護と利活用のバランスをどのように取っていくのか。もちろん、著作権者の保護ということは、金銭的な著作権料ということだけではなくて、次なる文化を創造していく著作権者の意欲にもつながっていくということと、それから、利活用を余りにも権利が主張されるがためにしにくくて、イノベーションの創出につながらないのではないかという事業者や産業界からの要求、ニーズに応えられないという、この非常に難しいところだと思いますけれども、その辺り、林大臣、どのように今回の改正に当たってお考えでしょうか。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) この法律案でございますが、デジタル化、ネットワーク化の進展に対応しまして、文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与することと、今委員からお話のありました著作権法の第一条、この目的を達成するべく著作物等の公正な利用を図るとともに著作権等の適切な保護に資するため必要な改正を行うというものでございますので、著作権法の目的から逸脱すると、こういったものではないわけでございます。  具体的に、情報通信技術の進展に対応した柔軟性のある権利制限規定については、通常権利者の利益を害することがない行為類型及び権利者の利益に与える影響が小さな行為類型につきまして、それぞれ適切な柔軟性を持たせた規定を整備することとしまして、これにより利用と権利保護のバランスを取った形で規定を整備しておるところでございます。  また、教育の情報化、障害者の情報アクセス機会の向上、さらにアーカイブの利活用に関する改正につきましては、権利者の利益に与える影響が小さいと言い難いことから、利用の公益性や権利者に与える不利益の程度等も踏まえた上で、例えば教育の情報化に向けた授業の過程における著作物等のインターネット送信等に係る権利制限規定に関しては、権利者に補償金の請求権を付与すると、こういうふうにするなど、それぞれについて利用と権利保護のバランスを取った形で規定を整備しておるところでございます。

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 具体的にお聞きしていきたいと思いますが、今も大臣の答弁の中に柔軟な権利制限規定ということがございました。これについては、審議会ですかね、アンケート結果から見ますと、日本企業は非常にコンプライアンス意識が高いといいますか、そういう行動傾向の中でこの柔軟な権利制限規定がどのように働くのかということで、技術革新等の社会の変化に対し、著作権制度が柔軟に対応できるようにということで条文の抽象度を高められておりますけれども、他方で、法解釈の余地が拡大して合法か違法かの判断基準が不明確になる。先ほど来具体事例を出して、これはどうなるのかというような議論もされておりましたけれども、そういう判断基準が不明確になるのではないかというような懸念も出されております。  アンケート結果によりますと、完全に合法又は合法である可能性が極めて高くないと新事業にはもう参加しない、実施しないというような回答をした企業が約八割、利用者団体が約九割に上っているという結果が出ております。このような我が国の傾向を見ますと、柔軟性のある権利制限規定を導入ということは良さそうに見えるんですけれども、多くの企業は合法であるというふうに確信できなければちゅうちょするのではないかと、新たな事業の実施を、ということが考えられますが、この法改正によるその実効性といいますか、意義について再度お願いしたいと思います。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 委員、アンケート調査の結果につきまして分析を含めて御質問いただきましたが、そういったことを踏まえまして、様々審議会の方で検討してまいりました。  まさに、抽象度を高めた場合には、法が想定していなかった新たな著作物の利用行為にも対応できるというメリットがあるわけでございますが、一方では行為の適法性が司法判断によって初めて明らかにされるということで、法規範の予測可能性が低下をして、法が規定する行動と個人が現実に取る行動との間に乖離が生じやすくなるというような負の側面もあるということが指摘されていたわけでございます。  抽象度の高い権利制限規定といたしましては、様々御議論出ております米国のフェアユース規定が挙げられますけれども、これ判例法に基づく起源を持つものでございまして、一定の要素を考慮した上で公正な利用と認められれば権利者の許諾なく著作物を利用することを認める、一般的、包括的な権利制限規定でございます。  今般の改正に当たりましては、フェアユースのような一般的、包括的な権利制限規定が我が国に適しているかも含め、どの程度抽象的な権利制限規定を置くことが我が国において最も望ましいかという観点で検討をするわけでございますけれども、まさにその過程で先ほどのアンケート調査といいますものをしてきたというものでございます。  それで、先ほどもちょっと触れられましたけれども、我が国の企業の大半は、やはり高い法令遵守意識と訴訟への抵抗感があって、規定の柔軟性よりも明確性を重視していると。著作権者に対する理解が国民に十分に浸透していないことなどから、権利制限規定の柔軟性を高めますと過失等による権利侵害を助長する可能性が高まる、あるいは、我が国では法定損害賠償制度等がございませんので、訴訟をいたしましても費用倒れになるということが多いという問題があるというようなことで、フェアユースのような一般的、包括的な権利制限規定を創設しても著作物の公正な利用の促進効果はそれほど期待はできない一方で、不公正な利用が助長されるという負の影響が予測されるというようなことになったわけでございます。また、立法府と司法府の役割分担等々の課題もあったわけでございます。  そういうことで、今、文化審議会では、現在の我が国の諸状況を前提とすれば、フェアユースのような一般的、包括的な権利制限規定ではなくて、明確性と柔軟性の適切なバランスを備えた複数の規定の組合せによる多層的な対応を行うことが最も望ましいとされたところでございます。    〔委員長退席、理事大野泰正君着席〕  今回の改正案では、権利者に及び得る不利益の度合い等に応じまして行為類型の分類を行った上で、そのうち、通常権利者の利益を害することがない行為類型及び権利者の利益に与える影響が小さな行為類型につきまして、それぞれ適切な柔軟性を持たせた規定を整備することとし、これによって利用と権利保護のバランスを取ったという形で規定を整備したところでございます。

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 答弁聞きまして、本当に、よく分かるんですけれども、恐らく著作権者の方、権利者の方と、それからもっと日本版フェアユースを進めるべしというような意見の間を取って、この前の参考人の皆さんからの意見もその両方の意見があったやに聞きますけれども、恐らくこのままではいかないのではないかというような、このままではという、改正の問題ではなくて、今後、また改正が必要になってくる時期がそう遠からず来るのではないかというような感想をちょっと持っておりますが。  次に、第三層に位置付けられているニーズ、教育や障害者関連等に関して、今後の立法措置の可能性についてお伺いしたいと思います。  柔軟な権利制限規定の検討に当たって、今回の法改正で対応できていないものも数多くあるように思います。例えば、著作権分科会で検討された優先的に検討すべきニーズとして、教員からの要求に応じて著作物をデータベースから出力するサービス、データベース内で著作物を障害者が視聴できる形式に変換して出力するサービスが挙げられております。  これらの第三層の公益的政策実現のために著作物の利用の促進が期待される行動類型に位置付けられているものの、今後の検討課題というふうにされておりますが、こういう教育目的や障害者への著作物提供における著作権法上の課題は迅速に解決されるべきではないかというふうに考えますけれども、優先的に検討すべきとされたニーズについて今後どのように立法措置をとられる予定でしょうか。それはいつ頃になるのか、お伺いしたいと思います。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 御指摘の第三層、すなわち権利者に与える不利益が軽微でなくて、権利者の利益と権利を制限することにより実現される公益の間の調整が必要な行為類型でございますけれども、こういったものの類型には、教育目的や障害者福祉、先ほど大島先生の方からお話も出ましたが、公益的性格を有する著作物の利用が当該行為に該当するものであろうと考えております。  この類型に該当するものとして、今次の改正につきましては、教育の情報化だとか視聴覚障害者等の情報アクセスする機会の確保、あるいはアーカイブの促進のための権利制限規定等の整備を行ったわけでございますけれども、それだけではまだニーズを全体実現したものになっていないわけでございます。  今後とも、様々な社会的なニーズを踏まえまして、ニーズの内容や課題の優先度を考慮しつつ順次検討を行って、権利保護と公正な利用のバランスに留意しつつ、必要な制度整備を行っていきたいと考えておりますが、先ほどるるお話がございましたように、やはりその権利者の考え方と利用者の考え方といいますものを調整をしていくというようなことでございますので、そういったことを十分バランスを配慮しながら、必要な制度整備を速やかに行っていきたいというふうに思っています。

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 速やかにということでお答えいただきましたが、こういう公益的な政策実現のための著作物の利用促進ということについては、是非優先的に検討を進めていただきたいとお願いしたいと思います。  次に、これも先ほどちょっと話題になりました指定管理団体の件なんですけれども、この教育の情報化に係る権利制限規定に関連して、授業目的公衆送信補償金の徴収及び分配は指定管理団体が行うというふうになっております。この団体は、著作物の権利者に正当な対価を還元しつつ、円滑に著作物を利用するという非常に重要な機能を担うことになります。法律の趣旨に則して公平かつ公正に機能するために、文科省としてはどのような組織となることを想定していらっしゃるのか、また、その団体にどのような支援を行っていく方針なのか、伺いたいと思います。  あわせて、この指定管理団体というのは、文化庁長官の指定を受け、また、補償金額について認可を受けるということになっておりますが、そうなると、過去の例から見まして、これ文科省に限ったことではないんですが、認可等を受けやすくすることを目的として例えば文科省関係者を積極的にそこに雇用しようというようなことがあるのではないか、分かりやすく言えば天下りというようなことも懸念されるんですけれども、この点についても答弁お願いしたいと思います。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 答弁申し上げます。  この補償金徴収、分配業務につきましては、適正性と透明性が確保するということが、権利者が得るべき利益を適切に還元をして、また教育関係者からの御理解を得ながら、補償金制度が信頼を維持しながら円滑に運営できるということにおいても大変重要な部分でございます。  このために、まず補償金の徴収分配団体につきましては、文化庁長官の指定を行う際の基準といたしまして、補償金請求権の対象となる公衆送信が行われる著作物、実演家、レコード、放送及び有線放送につきまして、それぞれの権利者を構成員とする団体であって、当該権利者の利益を代表すると認められる者が構成員となっているものであること等の要件を満たすこと等を定めております。  また、管理監督という観点から、指定管理団体に対しましては、補償金の分配に関する事項を含む補償金関係業務の執行に関する規程の文化庁長官への届出義務を課すとともに、指定管理団体への補償金関係業務の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、文化庁長官は、指定管理団体に対し、報告の徴収や改善のための勧告を行うことができる旨について規定をしております。  こういったことを通じまして、これらの措置等を通じて、業務の適正性、透明性の確保に努めてまいりたいと考えております。  また、先生の方から職員の再就職の先になるんじゃないかというような御懸念でございますけれども、そういう指摘は当たらないものと考えております。

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 指摘は当たらないというふうに、そうならないようにしたいと思いますなら分かるんですけれども、これは本当に重要なことだと思いますので、是非、文化庁が関与するわけですから、その関与によっては、公正性、透明性がゆがまないようにするために関与するんでしょうけれども、だからこそそういう知見が必要だということで、再就職につながっていかないようなことを是非考えなければいけないということを指摘しておきたいと思います。  時間が限られておりますので、次に知財教育についてお伺いしたいんですが、衆議院でも議論されて、本委員会でも議論されておりますが、やはり著作権法といいますか、そのことについてなかなか社会的な認識が低いというようなことが言われておりますので、知らないがゆえに侵してしまう著作権侵害というようなこともありますし、逆に萎縮してしまうということもありますので、発達段階に応じたやっぱり教育が必要ではないかというふうに思います。  先ほど大臣もそういうこと、いろんな工夫をしてやるという答弁されましたけれども、これは何も学校教育だけではなくて、学校はもう今本当に手いっぱいで、こういう議論をすると、著作権教育必要だということで、また学校の何かに入ってくる、カリキュラムに入ってくる、学習指導要領に入ってくると、本当に大変なんですね。ですから、学校以外の場でこういう知財教育、著作権教育をしっかりと進めていくということが必要だと思いますが、生涯学習とか、それから企業における知財教育というのも必要と思いますが、今現状どうなっているのか、課題も併せて答弁願いたいと思います。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 知財教育、生涯学習における状況ということでございます。  近年、インターネットの普及など情報化の急速な進展によりまして、著作権に関する知識は広く多くの国民にとって必要不可欠なものとなってございます。そのため、住民一人一人が著作権に関する正しい認識を持てるように、学校以外の場におきましても著作権教育を円滑に実施することが重要と考えております。こうした中、今後、著作権教育を円滑に実施するためには、著作権教育の重要性を認識をし、地域社会の中心となって様々な要望に応じた研修会を企画したり、関係者への指導や助言が行えるような人材を養成することが必要であると考えております。  文部科学省といたしましては、一般向けや図書館職員向けなど対象者別の各種講習会の実施、また対象者別のウエブ教材を文化庁のホームページで提供する、さらには、著作権に関する様々な質問にインターネットを通じて答えるシステムの開発、運用をするというようなことを行っているところでございます。  今後とも、著作権に関する教育、普及啓発について一層の充実を図りたいと考えております。    〔理事大野泰正君退席、委員長着席〕

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 時間が迫ってまいりましたので、幾つか飛ばして御質問したいと思います。  先日の参考人質疑の中で、宇野参考人の方からお話があって、私は大変胸をつかれる言葉が幾つもあったんですけれども、印刷物利用に障害のある人が利用できる形式の出版物は、我が国では、点字図書で二%弱、録音図書は一%弱にすぎないということを指摘された上で、本を買う自由、借りる権利を確立することが必要だというふうに指摘をされておりました。この視覚障害者等の読書環境の改善に関連して、障害者にとって読書というのは、単なる教養ではなくて、就業にもつながる生きる上での基礎的な環境整備であるというふうに指摘をされております。  こういった指摘を踏まえた上で、今回の著作権法の改正で幾つか御質問をしたいと思います。  特別支援学校や学校図書館等のサピエ、視覚障害者を始め目で文字を読むことが困難な方々に対して点字や音声データなどを提供するネットワークですけれども、そこへのアクセス状況についてお伺いしたいと思います。  宇野参考人は、学校図書館、大学図書館、公立図書館の多くは、年会費四万円という問題があってサピエにつながっていないと、視覚障害教育の専門機関である盲学校でさえサピエに加入できていないところもあるというふうに指摘されております。  こういった特別支援学校や学校図書館等がサピエが保有するデータを利用できるように政府は積極的な支援を行うべきと考えますけれども、施策の現状と課題、今後の対応方針について御答弁願います。

高橋道和文部科学省初等中等教育局長

○政府参考人(高橋道和君) 特別支援学校を含む学校や大学において、障害のある児童生徒、学生が豊かな読書活動を体験できるよう様々な形態の図書館資料の整備を図ることは重要であり、視覚障害者等に向けたデータ提供サービスを行っているサピエ図書館の利用はその有効な手段の一つであると認識をしております。  現在、特別支援学校の学校図書館二十三館、大学図書館四館がサピエ図書館を利用していると承知しておりますが、その利用拡大に向けては利用料の確保などの課題があると伺っております。  文部科学省では、平成二十八年に策定した学校図書館ガイドラインにおいて、障害のある児童生徒などの支援の観点から、児童生徒一人一人の教育的ニーズに応じた図書館資料の充実に努めるよう求めるとともに、平成二十九年度からの五年間を対象とする学校図書館図書整備等五か年計画を策定し、小中学校、特別支援学校の図書館資料の整備のため、単年度約二百二十億円、五か年総額約一千百億円の地方財政措置を講じているところでございます。また、大学図書館においても、各大学の設置主体が措置する運営費により図書館資料やサービスを充実させる中で障害者対応に取り組んでおります。  文部科学省といたしましては、今後、各種会議の場などを通じまして、学校図書館ガイドラインや学校図書館図書整備五か年計画と併せてサピエ図書館の情報についても周知することで必要な経費の予算化等を促し、障害のある児童生徒や学生の読書環境の充実を図ってまいりたいと考えております。

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 宇野参考人は、さらに、様々な図書館のネットワーク化ということも指摘をされております。ごく一部の大学を除いて、ほとんどの大学の障害学生支援室や大学図書館にこれまでデータ化した資料が眠っていると、全国で共有するための国会図書館のデータベースが十分に活用されていないということも指摘されております。その上で、点から線、線から面へと教材利用の幅を広げていくことの必要性が指摘されております。  国会図書館の対応については、私たち立法府の責任においてしっかりと検討する必要があると思います。同時に、政府としても積極的な支援を行うべきと考えますけれども、この大学図書館等において既にデータ化された資料を図書館同士、図書館間で共有、活用することに関して、文科省として今後対応をどのようにされていくのか、お伺いしたいと思います。

磯谷桂介文部科学省研究振興局長

○政府参考人(磯谷桂介君) お答え申し上げます。  国立国会図書館が実施されております視聴覚障害者の方々に向けたサービスのうち、現在、視聴覚障害者などの方々のためのデータの送信サービスを利用している大学図書館が十一館でございます。また、学術文献、録音テープ等の貸出しを利用している大学図書館は四十三館になります。  先生御指摘のように、文部科学省といたしましても、視聴覚障害者などの方々の読書支援の重要性に鑑みまして、大学図書館の当該サービスの利用協力を促すべく、現在、国公私立大学図書館協力委員会あるいは国立大学図書館協会総会といった会議での情報提供を行っておりますけれども、今後はさらに、国立国会図書館とも協力しまして、各種研修におけるサービスの紹介、あるいは各大学の新入生オリエンテーション、ガイダンスにおける周知等々を通じまして、大学の利用の促進というのを積極的に促してまいりたいというふうに思ってございます。  今後とも、国会図書館との連携を強化いたしまして、障害者の方々の読書環境の充実に努めてまいりたいと思っております。

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 是非、是非これは進めていただきたいと思います。せっかく点字化されたり音声データ化されたものが図書館で眠っているというようなことは本当にもったいないと思います。  先ほどちょっと申しましたけれども、宇野参考人から、読書障害者にとって、誰かが点字や音声に変換してくれなければ本は紙の束にすぎない、これは本当に私は胸をつかれました。全く考え及びも付かないような指摘だったんですけれども、そういった意味からも、今回の著作権法、マラケシュ条約の批准に向けた国内法整備として行われておりますけれども、これを契機に、是非視覚障害者等の読書環境を整えていくということをお願いをしまして、質問を終わらせていただきます。  最後に大臣、一言、あと一分ありますので、済みません、全体を通して、特に障害者の読書環境整備について一言お願いします。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 大変大事な御指摘をいただいたと思っております。  知財教育、これ国民一人一人が著作権の大事さ、これをしっかりと分かっていただくようになるために、やはり知識の普及啓発が必要だということでございます。  また、今お話のありました障害者の読書活動、これ障害のある方々がやはり豊かな読書活動を行うことができるようにするために、図書館における障害者の読書環境を整備をしっかりしていくということが大事なことでございますので、今まさに御指摘いただきましたように、各図書館がサピエ図書館や国立国会図書館において行われている視覚障害者等に向けたデータ提供サービスに参加して、やはりネットワークを形成することが有効であると、こういうふうに認識をしております。  関係機関と連携して、このネットワークへの接続につきまして、各種会議、研修におきまして情報提供を行って、各図書館の積極的な参加と活用を促してまいりたいと思っております。

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 終わります。

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時一分休憩      ─────・─────    午後一時開会

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、赤池誠章君及び徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として井原巧君及び松川るい君が選任されました。     ─────────────

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 休憩前に引き続き、著作権法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  では、まず、この著作権法、改正案ではなくその法自体そのものの原則について確認をしていきたいと思います。  著作権とは、創作した著作物を他人に無断で利用されない権利であり、他人が著作物を利用する場合は原則として権利者の許諾を得なければならない、このオプトイン原則というのは著作権法の原則だと思うのですが、これは本改正案においても変わらないということでよろしいのでしょうか。大臣、お願いします。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 委員御指摘のとおり、著作権法は著作者に対して著作物の利用に関する排他的な権利を付与しておりますので、著作物を利用するためには著作権者の許諾を得なければならないのが原則でございます。  今般の改正は、例外として権利者の許諾なく著作物の利用を行うことができる場面を定めた権利制限規定の範囲を広げるものですが、著作物を利用するためには原則として著作権者の許諾を得なければならないという著作権法の考え方を変更するものではございません。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 あくまでもオプトインが原則であり、今回の改正も含めて全部例外だということだと思います。だからこそ、この間もこの著作権法の改正というのは、その権利、著作者の権利を制限する場合は法律事項として個別の条文で改正を行ってきたのがこれまでのやり方なわけです。  今回の改正についても、第三層とされている教育や福祉、報道などに関わる改正については具体的な利用目的ごとの改正であり、従来のやり方とほぼ同じと思うわけですけれども、とりわけ障害者の情報アクセスの機会の充実などは必要な改正だと考えるわけですけれども、一方、第一層、第二層として今回提案された柔軟な権利制限規定についてはどうかという点でいくと、例えば、著作物の表現の享受を目的とせず情報通信設備のバックエンドなどでの利用とする第一層、それから、インターネット検索サービスの提供に伴い必要な限度で著作物の一部分を表示する場合など権利者に及ぶ不利益が軽微である第二層という二つの類型については、権利者の許諾を必要とせずにその利用を求めることを可能とするといいますが、かなり抽象的な表現になっていると思うんです。  つまり、個別具体に例外を定めるのではなくて、より幅広くこのオプトイン原則の例外を認めることになってしまうと。これを根拠にして想定以上の広範囲な権利侵害が起きてしまう危険性はないのかと。原則と例外の関係が逆転してしまって例外ばかりとなってしまわないのか、そういう懸念があるわけですが、その懸念は一切ないと、この法改正の中では一切ないと言えるのでしょうか。大臣、いかがでしょうか。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 今般の柔軟な権利制限規定の整備に当たりましては、権利者に及び得る不利益の度合い等に応じて行為類型の分類を行った上で、そのうち、まず第一層、通常権利者の利益を害さない行為類型、それから第二層、権利者に与える不利益が軽微な行為類型、それぞれにつきまして法の適用範囲の明確性と柔軟性のバランスに適切に配慮する形で制度設計を行うことといたしました。  文部科学省としては、今回の改正案で新たに整備しようとする規定は、著作物の公正な利用を促進することと権利者の利益を保護することのバランスが取れたものとなっているものと考えておりますが、これらの規定が立法趣旨に沿って適切に運用されるように、今般の改正法の立法趣旨及びその内容についてしっかりと周知に努めることにより、権利侵害が助長されることがないよう取り組んでまいりたいと考えております。  また、このように著作物の公正な利用を促進することと権利者の利益を保護することのバランスを取った形で規定を整備しておりますので、著作物を利用する際には、原則として著作権者の許諾を得なければならないという著作権法の考え方が空洞化することはないというふうに考えております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 権利侵害を助長されないようにと、バランス、適切に規定も定めているという話でしたけれども、そうはいっても、十五日の参考人質疑の中では、山田健太参考人は、結果として、こっそりはいいけれども堂々とは駄目なんだということになると、こっそりだと認められてしまうことになるんじゃないかということを指摘しながら、オプトイン原則が事実上空洞化してしまうのではないかという懸念を示されていたわけで、その懸念が先ほど来ある不当に害することのないようにとか軽微な利用などの規定で本当に払拭できるのかという点では、やはりまだ納得がいかない部分が大きいと思うわけです。  実際、この不当に害するとか軽微な利用というその規定の指す範囲は不明確という指摘はこの間衆参の委員会の中で相次いでされているわけで、それに対してガイドライン等を整備するなどの答弁もされているわけですけれども、一方で、答弁の中では、ガイドラインというのは、法の画一的な運用を促して、法の柔軟な運用をかえって阻害する場合もあるなどとして、そのガイドラインを策定しない場合もあり得るとの答弁もあるわけです。  つまり、ガイドラインを策定するかどうか、策定する場合もあるし、しない場合もあるということだと思うんですけれども、じゃ、そのガイドラインを策定するかどうかということは誰がどのように判断するのでしょうか。大臣、お願いします。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) この抽象度、柔軟性の高い規定を導入する場合は、法解釈の余地が大きくなるために、権利制限の対象となるか否かに関する予測可能性が低くなることが考えられるわけでございます。この問題の解決方法の一つとしてガイドラインの策定が有効な場面もあると考えられるところであり、その点、文化審議会著作権分科会でも指摘をされているところでございます。  一方で、今委員からの御指摘もあったように、ガイドラインは、法の画一的な運用を促し、法の柔軟な運用をかえって阻害する場合もあることから、あえてこれを定めずに、裁判外の紛争処理手続や司法手続における柔軟な解決を図る方がより望ましい結果を導く場合もあるわけでございます。  したがって、ガイドラインの策定につきましては、法の成立後新設される規定を利用しようとする関係者のニーズ等に応じて、その要否、策定主体、策定プロセス、策定内容等について判断されることが望ましいと考えております。  文科省としては、関係者のニーズや国に期待される役割等を踏まえて、ガイドラインの整備に向けて取り組むこととしたいと考えておるところでございます。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 関係者のニーズを把握して、そのニーズに応じて判断をするということだったわけですけれども、では、どうやってその関係者のニーズを把握するのでしょうか。権利者、利用者、それぞれの立場があると思う、その意見をよく踏まえることが必要だと思います。これはガイドラインだけではなくて、この間指摘のある、政令を定めていく、二層に関していえば、政令を定めて対応していくというこの政令を作る際にも、関係する事業者とか権利者等の意見を伺いながらと答弁もあるわけですけど、こうした関係者の声を聞く場をどのように設けていくおつもりなのか、この点もお答えいただければと思います。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) このガイドラインの策定のニーズや今委員からもお話のありましたこの新第四十七条の五第一項第三号の政令で定める行為のニーズ、これにつきましても、改正法の成立後、適切に関係者のニーズを把握することができますよう、関係者に対してヒアリングを行うなどの方法を含めて、効果的な方法を検討してまいりたいと思っております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 ヒアリングを行うということでした。  例えば、パブリックコメントで意見聞いたからそれでいいということじゃなくて、実際に直接意見を聞き、議論をする場を是非設けていただくよう強く求めたいと思います。ただ、このガイドラインやまた政令等が必要に応じて適切に作られたからといって、じゃ、オプトイン原則が空洞化されるという懸念が払拭できるかというと、そうとも言えないと私は思うんですね。  山田教授も何をおっしゃっていたかというと、全データが集積、集中化する中で、一体自分の著作物を誰が保持しているのか、どういうふうに使っているのかが分からないという状況が生まれがちだと指摘されていた。つまり、この改正案の下で、第一層、第二層の類型だということで自分の著作物が何らかの形で利用されていたとしても、とりわけ第一層だとそうだと思うんですけれども、権利者はそれが利用されている事実すら知りようがないという事態が生まれると。そうなれば、実はそれが第一層や第二層に当てはまらない利用だった、つまり権利侵害だったとしても、その利用された事実を知りようがないのだから訴えようもないという事態も起きるのではないかということが懸念されるわけです。  こうした事態を防ぐ、権利者がちゃんと権利の行使ができるような、それを担保する仕組みというのはこの法案の下にあるのでしょうか。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 今般のこの柔軟な権利制限規定につきましては、権利者の市場に大きな影響をもたらさないものを対象として、明確性にも配慮して制度設計をしておるところでございます。そして、この範囲を逸脱するものや目的外使用については、これはもう著作権侵害ということになりますので、民事上の請求やあるいは刑事罰の対象となるわけでございます。  したがって、今般の柔軟な権利制限規定によって直ちに権利侵害が助長されるとは考えておらず、今般の法改正において、御質問のように、特別に権利者の権利行使の機会を確保するような措置、これは含まれておらないところでございます。  もっとも、文科省としては、今般の改正法の内容に関する誤解に基づいて権利侵害が行われることがないように、法が成立した後は今般の改正の立法趣旨及びその内容についてしっかりと周知に努めてまいりたいと思っております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 特別な措置はないということだったんですね。幾ら目的外使用は権利侵害であって民事上の請求等ができるといったって、その利用の事実を知らなければ請求もできないと。侵害の事実も把握できない下で権利侵害が起きてしまうという、それを防ぐ手だてが今のところはないということであり、それはやはり重大な私は問題だと思うわけですね。  これは、単純に権利侵害の問題だけではなくて、例えば第一層、第二層、とりわけ第一層などで類型を使って著作物を利用した利用者が、その利用によって得られた新技術を用いて何らかの利益を得たとした場合に、その利益がその著作者に還元される、その仕組みすらもないと。自分の著作物が利用されている、どこで利用されているか分からないからそれを請求する手だてもなくなってしまうということになるわけです。  だから、本改正案というのは、イノベーション創出のためだという産業界等からの要求があったと言われていますが、これではやはり産業界のために権利者に我慢ばかり強いるような改正だと言われても仕方がない状況になってしまっているのではないかと言わざるを得ないわけです。  やはり、今回の法改正、とりわけ著作権法というのは文化政策の下で議論するべきものですから、やはり表現の自由とか文化政策という視点で議論し、時の政権の要望、産業界の要望だけで安易に進めてはならないということも強く申し上げておきたいと思います。  そして最後に、少し時間がありますので、一点、加計学園の獣医学部の問題についても伺っておきたいと思います。  今月十日、衆参の予算委員会にて、柳瀬元首相秘書官の参考人質疑が行われました。ここで柳瀬元首相秘書官は、四月二日、前後にわたって三回、官邸の中で加計学園らと面会した事実があるということを認めたわけですけれども、それを受けて、文科省でも、官邸の参事官として当時出向していた角田氏が、以前は同席したかどうか覚えていないとおっしゃっていたのが、その柳瀬氏の十日の答弁を受けて、同席していたのではないかと記憶を取り戻しつつあるという御答弁がありました。  ということを踏まえると、同じように記憶を取り戻しつつある職員が文科省の中にも増えてきているのではないかと私は思わざるを得ないわけですけれども、そういうところからいくと、この間、愛媛県の文書であるとか若しくはメールだとか、それに付随する文書ないのかと再調査を再三依頼してきたわけですが、新たな局面に入っている。  再調査をするべきと思いませんか、大臣。いかがでしょうか。

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 簡潔におまとめください。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) はい。  四月二十日に公表したとおり、愛媛県等が官邸を訪問したとされることについての事前連絡等に関する文書について聞き取りを行う中で、職員が個人的に紙ベースで残していた可能性があると言及した職員がおり、本人の了解を得た上で探した結果、紙ベースのメールについて存在をしたところでございます。  その後、今のお話で、この五月十日の参考人質疑等を踏まえて、内閣官房の指示を受けて、当時文科省から内閣官房に出向していた職員に対し、平成二十七年の四月二日とされる面会に同席したかなどについて確認を行ったところでございます。  四月二十日の公表の調査で、かなり関連する部分を調査をしております。参考人質疑後においても丁寧かつ詳細に確認したところでございまして、現時点で考え得る最大限の方法で確認作業を行ったものと考えております。

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 はい。  最後、一言言わせていただきますけれども、記憶がないとおっしゃっているわけですよ。ただ、やっぱりこういう記憶に基づく調査じゃ限界があるわけです。そもそもこの調査、最初から、記憶がないと答えた方のフォルダ等は調査をしていないって、そういうやり方自体がやはり不備があるわけですし、再調査が絶対に必要だということを強く申し上げまして、質問を終わります。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりでございます。  本日は、著作権法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。午前中から質疑が行われておりまして、重なる部分もあるやもしれませんけれども、大切な部分ということで御理解をいただきたいと思います。  今回の改正案につきましては、基本的に改正の趣旨に対しましては賛同するところでありますし、大変有意義な改正事項が含まれているかと思いますけれども、しかしながら、第三十五条等関係の教育の情報化に対応した権利制限規定、この整備につきましては幾つか懸念する点もございますので、一つずつ確認をさせていただきたいと思います。  今回の改正では、対面授業において著作物の複製を紙媒体で配付することは無償だけれども、遠隔授業における公衆送信は有償となるということでございます。そうしますと、授業の形態ですとか著作物の利用方法によって補償金の有無の差異が生じるわけです。  また、権利者の許諾なく著作物を利用するということが認められている同時中継著作物の公衆送信につきましては、それぞれに教科担任と生徒がいる二つの教室での遠隔合同授業であれば現行法のまま無償であるけれども、今回の法案では、配信側に生徒がいない状態あるいは受信側に教科担任がいない、こういった形態では遠隔授業についての公衆送信は有償ということでございます。一方に生徒がいるかいないかで権利制限が変わってくることの意味と違いは何なのか、こういった疑問も湧いてくるわけです。  衆議院では、権利者への配慮との御答弁でございましたけれども、授業形態は異なりますが、授業を受ける生徒が用いる著作物に量的、質的な違いはなく、権利者に及ぶ不利益も同様と思われますけれども、補償金の有無が生じる根拠は何なんでしょうか。  更に言えば、衆議院の文部科学委員会での御答弁におきましても、文部科学省としては、権利者の不利益に配慮する観点からは、本来的にいずれの行為も補償の対象とすることが適当だ、それぐらい時代の進展があったというふうに考えているが、教育関係団体から、現在無償で行える行為は無償を維持してほしいという強い要望が示されており、教育現場の混乱への配慮の観点から今回の案を採用することとなったということでございます。  急速にデジタルネットワーク化が進み、午前中から私も議論を聞いておりますと、知財保護の観点、こういったことからも、今後補償の対象というのが今以上に広くなっていく、そういった流れになっていくのかどうか、そういったお考えがあるのかどうか、今後の展望も含めて、大臣、お答えください。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 文科省としては、現行規定の制定時から今日に至るまでの複製機器の普及状況等を踏まえますと、現行法上無償で行える行為も含めまして、学校等の授業の過程で行われる著作物の利用は、いずれも権利者に与え得る不利益は軽微とは言い難く、補償の必要性が認められると考えておるところでございます。  一方、現在無償で行えることとなっていた行為を補償金の対象とした場合、これまで長期間にわたって社会に定着していた法規範に変更が加えられるということによりまして、いわゆる法的安定性が損なわれて教育現場の混乱を招きかねない、こういう考えがあったわけでございます。さらに、今お話がありましたように、教育関係団体からも、現在無償で行える行為は無償を維持してほしいという御要望が示されておったわけでございます。  以上のことから、文科省としては、今回の案のとおり、現行法上無償で行える複製や一部の公衆送信は引き続き無償を維持しつつ、新たに権利制限の対象とする公衆送信についてのみ補償金請求権の対象とすることといたしました。  なお、紙とICTでの著作物の利用について補償金制度上の差異があることは望ましくないとの御意見があることは承知をしておりまして、内閣府の規制改革推進会議においてもこの点について御指摘をいただいているところでございます。  文科省としては、さきに御説明申し上げたとおり、本来的に、著作権に生じる不利益の度合いの観点からは、いずれも補償金の対象とする方向でそうした制度上の差異の解消に向けて検討を行うことが適当であるというふうに考えております。  もっとも、著作権制度は私人の財産権に関わるものでもありますので、権利者と利用者双方の御理解を得ながらその見直しを行う必要があるわけでございます。したがって、この点については、今後の制度の運用状況も踏まえて、関係者の理解をしっかりと得ながら検討を行ってまいりたいと考えております。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 大臣、ありがとうございました。  今の御答弁からいきますと、やはりICT化が進んでいく中でそういった補償の対象は今後広がっていくというふうに考えるわけですけれども、それを踏まえまして次の質問に移りたいと思いますが、この公衆送信は遠隔教育においてはなくてはならないものだと私も思っております。遠隔教育の推進は、当分の間と一時的な措置として認められている免許外教科担任制度の解消にも資するものだと考えておりますし、公教育の質の向上の観点からも有益であると思っております。  免許を有する教員を十分に配置できない離島や中山間地域の学校においてこういった遠隔教育を導入するに当たりまして、本来、より手厚い教育に対する財政的支援が必要と考えるんですが、この補償金制度の導入、この考え方に逆行するものではないでしょうか。  もう一つもまとめて申し上げたいんですけれども、新学習指導要領の実施に伴いまして、プログラミングや英会話等の授業に対応するために、教員に新たな負担が生じることが予想されるわけです。対面授業での紙媒体での配付と異なりまして遠隔授業の公衆送信には補償金の支払を要することとなれば、その手続面、財政面、この負担感から教育現場が遠隔教育の導入をためらうようなことにならないかと大変懸念をしているわけですが、この遠隔教育やICT活用推進を進めるためにも、文科省として今回のこの改正法についてどのようにお考え、どのような配慮をしているのか、お答えください。

常盤豊文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(常盤豊君) 遠隔教育につきましては、離れた学校の間で児童生徒が切磋琢磨をすること、あるいは様々な専門人材を多くの学校で活用することなどを可能にするものでございまして、教育の質の向上というところで意義があるものと考えております。  現在、遠隔教育を含め、授業においてICTを活用して著作物を公衆送信する場合には、著作権者の許諾を得るとともに個別の著作権使用料を支払う必要があります。今回の法改正によりまして、一定の補償金を支払うことにより許諾なく著作物を利用することが可能となることは、著作物利用に係る手続的負担を大幅に軽減させるものであり、遠隔教育の推進にも資するものであると考えています。  また、著作物の利用に係る補償金の額については、教育関係団体からの意見聴取等の手続を経た上で、文化審議会への諮問を経て文化庁長官が認可することとなっており、学校関係者のニーズにも適切な配慮が行われた上で額の適正性が確保される仕組みとなっているものと考えております。  なお、文化審議会著作権分科会におきましては、権利者団体より、人口減などで学校の維持が困難になっている地域の学校などでの四十人以下の同時双方向型の遠隔授業における著作物の利用については特別な配慮をもって対応することが表明されているところでございます。  これらのことから、今回の法改正によって遠隔教育の推進が妨げるということにはならないものと考えております。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ちょっと時間がなくなりましたので、質問の方ちょっと省きまして、我が党は日頃から教育の無償化を以前から推進しておりまして、その観点から申しますと、今回の改正法での補償金制度、この補償金制度、一義的には教育機関の設置者が支払うことになっておりますけれども、児童生徒のいる各家庭に転嫁されることがないのか、ここに非常に懸念を持っているわけです。  衆議院の附帯決議の方にもございました。教育機関設置者が支払う補償金の負担が生徒等に転嫁されて、生徒等の負担が過度にならないよう、適切な指導等を行うことといった文言が入っております。今日も附帯決議、また付けられるわけですけれども、生徒等に転嫁されないことはないとは言い切れないんだと思うんですね。  例えば、私がレクでお聞きしましたのは、初めは、設置者がこういった補償金に関しては支払うので生徒等にはそんなに負担がないというようなお話もありましたが、よくよくお聞きしておりますと、やはり学校の様々、例えばリコーダーを買うですとか、小学校一年生のときにおはじきとかそういったいろいろな学校で要るもの、必要なものを購入する、そういったくくりで、もしかしたらこの補償金というものが各御家庭に負担をお願いすることもあり得るということをお聞きしたと認識しております。  そういったことを是非とも附帯決議の方にも、過度の負担にならないようにということですけれども、こういった、これからどんどんICT化が進んでいく、授業の中でこれが必要なものなんだということであれば、特に少なくとも国公立義務教育においては、この補償金相当分、国が予算措置とするということも考えに入れるべきではないかというふうに思いますけれども、その点についてお考えをお示しください。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 公立の小学校及び中学校につきましては、学校の運営及び管理に必要な経費は、法令に特別の定めがある場合を除き、学校の設置者が負担をするとともに、児童生徒が個人で用いる学用品等については保護者において負担をされておるところでございます。このような考え方を踏まえまして、著作物の利用に係る補償金の支払に必要な経費についても、各学校の設置者において適切に判断されるべきものと考えます。  今回の法改正案については、補償金の額について、教育関係団体からの意見聴取等の手続を経た上で、文化審議会の諮問を経て文化庁長官が認可することとしておりまして、学校関係者のニーズにも適切な配慮が行われた上で、額の適正性が確保される仕組みとなっているものと考えております。  なお、学校におけるICT推進は、教育の質の向上の観点から重要であり、今後、国としてどのような取組が必要であるかについては、各学校におけるニーズ等も踏まえて検討してまいりたいと思っております。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 是非御検討をいただきたいと思います。  先ほど、山間部での話ですとか、そういった離島で遠隔教育を進めていくというお話をさせていただきましたけれども、そういったところは特に財政的にも市町村厳しい中で、やはり結局押し合いになるのではないかというふうに私は懸念をしております。そういった意味も込めまして、是非ともそういった予算措置の方も考えていただきたいなと思います。  時間がもう本当に迫ってきておりますけれども、そういったことを踏まえて、先ほどからもずっとお話の中、議論の中に出てきておりますが、やはり権利者の不利益に配慮する観点、これももちろん必要だと思います。ずっと私はお金を、補償金を払う側の立場で先ほどまで申し上げておりましたけれども、やはり権利者の不利益に配慮する観点、これも必要だと思います。午前中からの議論の中にも、バランスが大切だというお話もございました。  そういった意味で、是非とも、教育現場自体が著作権法の意識が低いという指摘もあります。神本先生からもそういった教育現場での取組、教育の取組、そういった啓発のお話もあったかと思いますけれども、ここを改めてもう一度、教育現場における著作権に関する教育、啓発、これを簡単にで結構です、お答えいただけますでしょうか、お願いいたします。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 近年、インターネットの普及など情報化が急速に進展する中で、委員御指摘のように、子供の頃から、他人の創作行為を尊重し、著作権を保護するための知識と意識を醸成することが大変重要なものとなっております。  文部科学省におきましては、平成二十九年三月に改訂をいたしました新しい小中学校学習指導要領におきまして、例えば、小学校社会科で社会生活を営む上で大切な法や決まりについて扱うことを引き続き示すとともに、小学校音楽科で著作者の創造性を尊重する意識を持てるようにすることや、中学校技術・家庭科におきまして著作権を含めた知的財産権について扱うことを新たに明記するなど、著作権等に関する教育の充実を図ったところでございます。  また、これまで学校向けに、一つ目は児童生徒が楽しみながら著作権について学べる学習ソフトの作成、提供をいたしましたり、二つ目には、学習教材「はじめて学ぶ著作権」あるいは「マンガでわかる著作物の利用」の提供などを行っておりまして、更に効果的な教材の開発、普及を進めたいと考えております。  文部科学省といたしましては、こうした取組を通じ、著作権に関する教育、普及啓発を一層充実してまいりたいと考えております。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 終わります。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 希望の会、自由党の木戸口英司です。  冒頭、私からも、まずは加計学園に関する質問をさせていただきます。  加計学園獣医学部、開学をいたしました。その中で、加計学園に係る愛媛県文書、柳瀬元秘書官の参考人招致など、加計ありき、首相案件という問題、更に深まってきているということ、大変な問題だと思います。でも、この問題は今起きたことではなくて、ちょうど昨年の今頃、文科省から出た文書、総理の御意向等の文書、ここからずっと議論をされてきた問題であります。その意味では、やはり文科省、この問題に対して大きな解明の責任があると、私はそう思っております。  そもそも、文科省は反対というか慎重でありました。その中で、おととし、二〇一六年十一月九日、国家戦略特区で獣医学部が認められる。ここで文科省は同意をしたわけでありますけれども、ちょうどこの直前までの九月、十月、この間にこの一連の文科省の文書が示された、そういう時期と重なっているということでもあります。  そういう意味で、この大学設置の正当性、また公平中立性ということが大きく今疑念を持たれている中で、まずはこの文科省の一連の文書、当時でいえば正確性に欠ける文書管理の問題で次官ほか数名が大臣から注意を受けるという扱いでありました。その意味でいえば、今、愛媛県の知事が示しているような文書に対する姿勢とは文科省随分違うなという印象を持っております。その意味で、この文書、一連の文書の真意も含めて、文科省の決定過程、特に二〇一六年十一月九日に向けたこの二か月の間の動きということをもう一度検証するべきだと考えます。  それともう一つ、今、政府そして内閣府、官邸もそうでありますが、やはりここで証明していく責任があるわけでありますけれども、今、文科省の立場をお聞きしましたが、この政府、内閣府、そして官邸に対する考え方、文科大臣からお示しをいただければと思います。お願いいたします。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 今委員から御指摘がございました一連の文書でございますが、いずれも国家戦略特区に関わる文書でございまして、昨年六月に、国家戦略特区における獣医学部新設に係る文書に関する追加調査ということで報告書にまとめたとおりでございます。  また、国家戦略特区における獣医学部の新設については、国家戦略特区を所管する内閣府を中心に段階的にそのプロセスが進められたところでございまして、国家戦略特区の枠組みの中で関係法令に基づいて関係省庁合意の下で適切に進められたものと、こういうふうに認識をしておるところでございます。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 今日はここまでにしておきますけれども、文科省が国家戦略特区のワーキンググループに呼ばれて、その最後が二〇一六年の九月十六日ですけれども、この時点でも慎重な意見を述べていると。その二か月の間でこの十一月九日を迎えるわけですけれども、この一連の文書がその間にいろいろ挟まってきて、ただ、文科省の中でどういう決定がなされたのかというところが実は示されていないわけですね。そのところが明らかになってくれば、かなりこの問題もクリアになってくるんじゃないかと思いますので、この点はまた再度質問をしていきたいと思います。  それでは、著作権法改正案に対する質疑に入らせていただきます。  私からは、まず、障害者の情報アクセス機会の充実についてお伺いをしたいと思います。  今回の改正は主として、我が国が、いわゆる視覚障害者等による著作物の利用機会促進マラケシュ条約を締結するための国内法整備を行うものと承知しておりますけれども、視覚障害者のための著作物の複製等について定めた第三十七条第三項の改定事項、これは二点ありますけれども、この趣旨を改めて御説明をお願いいたします。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 本改正案におきましては、障害者の情報アクセス機会を向上させるために、視覚障害者等のための権利制限規定である第三十七条第三項につきまして、一つ目は、マラケシュ条約を締結するための国内法整備として同項の受益者に関する改正、もう一つは、権利制限の対象となる行為を広げる改正を行っております。  一つ目の受益者に関する改正でございますけれども、マラケシュ条約におきましては、受益者の定義を規定する第三条におきまして、一つ目としては、「盲人である者」、二つ目としては、「視覚障害又は知覚若しくは読字に関する障害のある者であって、そのような障害のない者の視覚的な機能と実質的に同等の視覚的な機能を与えるように当該障害を改善することができないため、印刷された著作物を障害のない者と実質的に同程度に読むことができないもの」、三つ目として、これらのほか、「身体的な障害により、書籍を持つこと若しくは取り扱うことができず、又は読むために通常受入れ可能な程度に目の焦点を合わせること若しくは目を動かすことができない者」のいずれかに該当する者を受益者としております。  現行の第三十七条の三項におきます受益者は、「視覚障害者その他視覚による表現の認識に障害のある者」と規定してございまして、一つ目及び二つ目についてはこれに包含されると解されますけれども、三つ目に関しましてはこれに包含されないと解され得るために、三つ目も同項の受益者に含まれることを明確にするためにこの度改正をすることといたしました。  改正後の同項の受益者は、「視覚障害その他の障害により視覚による表現の認識が困難な者」と規定しておりまして、マラケシュ条約で求められる受益者全てが新三十七条第三項の対象となることが明確になるものと考えております。  また、権利制限の対象となる行為を広げる改正についてでございますけれども、現在、権利制限の対象とされておりますコピー、これは複製でございますね、また譲渡やインターネット送信に加えまして、視覚による表現の認識が困難な者のために作成した音訳データをこれらの者の求めに応じて個別にメール送信することも権利制限の対象として加えることといたしました。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 それに関連して、改正後の第三十七条第三項の公衆送信のうち、放送及び有線放送が除外されておりますけれども、この点について御説明お願いいたします。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 委員御指摘の第三十七条第三項につきまして、視聴覚障害者のためにアクセシブルな書籍等の作成及び提供を認める趣旨の規定でございますが、このため、この規定を適用して作成されましたアクセシブルな書籍等は、専ら視覚障害者等のみがアクセスできるような形で提供する必要がございます。  この点、放送、有線放送の方法による場合、一般的に受信者を視覚障害者等に限定することはできず、実際、受信者の限定が可能な放送、有線放送サービスの存在も確認されていないことに加え、そのようなサービスに関し視覚障害者等から具体的なニーズも寄せられておりませんものですから、第三十七条の第三項におきまして認められる利用行為から放送、有線放送を除外することといたしております。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 今回の法については分かりましたけれども、やはり障害者、特に視聴覚障害というところを考えれば、こういう字幕放送等、非常に重要な支援につながることだと思います。  この点、大臣にお伺いいたしますけれども、今後、こういったこと、視聴覚障害ですね、字幕放送等、こういう放送での支援を高めていくための支援策、この著作権法との絡みの中でどのようなお考えがあるか、お聞きをしたいと思います。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 障害者の情報アクセス機会の確保、この重要性、これ言うまでもないわけでございます。しっかりと、例えば災害の関係の情報ですとか、こういうことになってまいりますと、障害者の生命、身体、財産に直結するものでございますので、特に円滑な情報アクセスの環境、これを整える必要があると、こういうふうに考えておるところでございます。  災害時における情報提供については、一義的には各種メディアにおける自発的な対応が取られることが期待されるところでありますが、そのような対応では不十分な場合において、やはり第三者が災害関係情報を障害者がアクセスできる形に変換をして、これを障害者に提供することも考えられるわけでございます。このような場合には、一般論としては、やはりその必要性、緊急性、相当性に応じて、緊急避難など、一般法令による対応や権利者の黙示の許諾による処理も考えられるのではないかと思っております。  仮にこれらの方法によっては十分な対応ができないおそれがある場合には、この著作権制度上の対応も検討していく必要があると、こういうふうに考えております。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 ありがとうございます。是非御検討をお願いしたいと思います。  そこで、公益社団法人全国学校図書館協議会等、図書館五団体があります。そこが出している図書館の障害者サービスにおける著作権法第三十七条第三項に基づく著作物の複製等に関するガイドラインでの対象者、これは結構広く対象者を示しております。視覚著作物をそのままの方式では利用することが困難な者とされ、視覚障害者や読字障害者に加え、肢体不自由者等も含める形で具体的に列挙されている。これは非常にすばらしいことだと思います。  ただ一方、指摘があるとおり、学校図書館、大学図書館、公共図書館、いずれにおいても障害者差別解消法の求める合理的配慮への取組はまだ低調であり、障害者サービスの実施率も上がってきているとはいえ、ハード面の整備にとどまっているということが指摘されております。  障害者の読書環境向上には、障害者が利用しやすい形式の図書の充実等、ソフト面の支援も重要ですし、読書バリアフリーに向けて各図書館の現状と課題をお伺いしたいと思います。また、あわせて、国立国会図書館、サピエ図書館を始めとする各図書館間の連携強化、先ほどもありましたけれども、改めてこの点について御所見をお伺いいたします。

常盤豊文部科学省生涯学習政策局長

○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。  読書に困難のある読書障害者があらゆる機会とあらゆる場所において読書活動を行うことができるように読書環境を整備することは、大変重要であると考えております。  公立図書館における障害者サービスにつきましては、委員御指摘のとおり、ハード面では約九四%の図書館がバリアフリー関係設備を有しておりますが、これに対してソフト面については、録音図書については全体の約二〇%、点字図書については約四〇%の図書館が保有しているという状況でございます。また、学校図書館につきましては、公立の特別支援学校の平成二十七年度末時点の点字図書、拡大図書、音声図書の所蔵点数は約三十二万点でございまして、一校当たりで平均すると約二百九十八点というふうな状況でございます。  このように、それぞれ図書館における障害者サービスについては一定の推進が図られている側面がございますが、一方で、ソフト面については更なる充実を図っていくことが課題になっているという状況にございますので、この点につきまして日本図書館協会の方でガイドラインを定めていることがございますので、そうしたことも含めて、教育委員会の担当者あるいは図書館関係者等に周知をするというようなことを進めてまいりたいというふうに考えてございます。  また、もう一方、サピエ図書館のお話ございましたけれども、この点についても、現状ではサービスを活用している図書館は一部にとどまっているという状況にございます。その中で、文部科学省といたしまして、読書障害者の環境整備のために有効でございますので、文部科学省におきましては、国立国会図書館あるいは厚生労働省とも連携をいたしまして、この点についての各図書館に対する必要な情報提供を図ってまいりたいというふうに考えております。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 もう時間がありませんので質問はこれで終わりにいたしますけれども、先ほど大島先生からJASRACの御指摘がありました。林文科大臣はこの件に対して、営利事業の音楽教室と小中学校の音楽の授業との間で線引きが必要という、取材に対してそういうコメント、この点でいうと、JASRACの主張に沿う内容で発言をされているように伺いました。単純に営利、非営利ということだけでこの教育と著作権の問題が語れるのかということを、ちょっと違和感を持って感じたところであります。  この点、しっかりと留意しながら……

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 木戸口君、時間が過ぎておりますので、おまとめください。

木戸口英司希望の会(自由・社民)

○木戸口英司君 はい。  今後、この対応に当たっていただくことを要望し、質問を終わります。

松沢成文希望の党

○松沢成文君 希望の党の松沢成文でございます。  大臣、長時間御苦労さまでございます。  私も、この著作権法の今回の改正案、その方向性は賛成なんですが、幾つか疑問を持っておりまして、今日は、他の委員の皆さんも質問が結構集中していましたけれども、教育現場における授業目的の公衆送信、補償金の徴収及び配分について幾つか疑問がありますので、お伺いをしていきたいと思います。  そもそも、現行法上無償の行為ですね、今までの、これ、対面授業で使用する資料としての印刷とか配付するための複製などのものは無償を維持しつつ、同様に教育目的であるにもかかわらず、新たに無許諾で利用が可能となる公衆送信、これ、ICT教育とか遠隔教育については有償とすることになっております。ただ、その部分は補償金を集めて集中的に管理をしていくということなんだと思いますが。  これまでの同僚委員の皆さんからも質問ありましたけれども、ちょっと極論ですが、そもそも論として、私は、教育現場、極めて公的な教育現場でこういうものを使用する場合には、むしろ全て無償にするというところから議論をしていくべきではなかったのかなというふうに思うんです。諸外国でも著作権法の関係でこういうふうにやっていますということなんだと思いますけれども、そうしないと、教育現場に様々な格差ができたり不公平が及ぶ可能性があると思うんですが。  無償と、全て無償にするという検討はしたんでしょうか、あるいは無償とした場合にその弊害はどんなところにあるのか、大臣、御意見をお聞かせください。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) この学校等の授業のための著作物の利用に関する権利制限規定の見直しに当たりまして、本法案では、現行法上無償で行える行為は引き続き無償を維持しつつ、新たに無許可で行えるようになる公衆送信は全て補償金の対象としたところでございます。先ほど来お答えしているとおり、まずは複製機器の普及状況等を踏まえますと、現行法上無償で行える行為を含めて、学校等の授業の過程で行われる著作物の利用は、いずれも権利者に与え得る不利益は軽微とは言い難く、補償の必要性が認められるところでございます。  一方、現在無償で行えることとなっている行為を補償金の対象とした場合は、これまで長期間にわたって社会に定着していた法規範にこれ変更が加えられるということで、法的安定性が損なわれて教育現場の混乱を招きかねないと、こういう考えに立ったわけでございます。教育関係団体からも、現在無償のものは無償を維持してほしいという要望があったわけでございますので、以上のことから、今回の案のとおり、新たに権利制限の対象とする公衆送信についてのみ補償金をこの請求権の対象とすることにしたわけでございます。  先ほど来、この権利者のためのことと、それから学校現場ということについてはいろんなお尋ねがあったところでございますが、まずはやはり設置者においてしっかりと負担をしていただいて、生徒さんとか保護者に負担が行かないようにするということが原則であろうかと、こういうふうに思いますが、それはそれぞれの学校で最終的にはお決めになるということですが、やはりそういうふうなことで、しっかりと負担が過重にならないようにするべきだということだと思います。

松沢成文希望の党

○松沢成文君 この補償金の徴収、分配システムでありますけれども、この補償金の額はどんなふうに決めていくんですか。これが全くちょっと予想ができないんですけれども。また、この団体が取り扱うこの補償金の総額は、年間大体どれぐらいになると予想しているんでしょうか。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) お答えいたします。  補償金額の決定方法についてでございますけれども、この補償金制度の導入を含みます権利制限規定の整備は、権利者の正当な利益の保護に留意しつつ、学校等における著作物の公衆送信の円滑化を図るという法改正の趣旨を実現する観点から、制度の整備と運用を行っていくことが大切だと考えております。  このために、制度的措置といたしまして、まず、指定管理団体があらかじめ教育関係者の意見を聞いた上で補償金額を決定をし、文化庁長官の認可を受ける必要があると。二つ目には、文化庁長官は、認可に当たりまして、非営利教育機関における著作物の利用円滑化を図るという第三十五条第一項の趣旨、あるいは公衆送信に係ります通常の使用料の額その他の事情を考慮した適正な額であると認めるときでなければ認可をしてはならないということ。三つ目には、文化庁長官は、認可に当たって、文化審議会に諮問をしなければならないというふうに定めておるわけでございます。すなわち、補償金請求権は私人の財産的権利に関わるものでございますので、まずは両当事者間の意見が補償金額の決定に反映されるということを原則としながら、中立性、専門性を担保しつつ、一定の公的な関与を行うことによって補償金額の適正性の確保を図るということとしております。  また、補償金額の年間総額についての御質問がございました。具体的な額につきまして、学校等において利用される著作物の種類や量等の様々な要素を考慮して決定されるべきものでございまして、また、さきに申しましたように手続を経て決定されるものでございますので、またさらに、法施行後において学校等で実際の利用状況というのが、基本的には教育団体から様々要望を踏まえて今回の制度を入れるわけでございますけれども、現段階で補償金の総額についてお答えするということは困難だということでございます。

松沢成文希望の党

○松沢成文君 これ、文化審議会とかいろいろ議論を経てやっていくということですけれども、学校設置者、だから学校で議論をする、それから教育委員会で議論をする。じゃ、この補償金制度に参加しないと判断した教育委員会と、比較的裕福で参加すると判断した教育委員会、ここでは教育内容の格差が生じちゃうわけですね。だから、私は、こういう制度を導入するとしたら、もう教育は例外にして全部使ってもらえるような制度を目指すか、あるいは全国の全学校に平等に使ってもらえるように、国が財政的支援もするからきちっとやっていこうと。私は、このどっちかにしないと、これは教育委員会や市区町村の財政力によってかなり教育の不均衡が今後生じてしまう可能性があるので、是非ともそこはきちっとやっていただきたいと思います。  さあ、この制度と似たような制度が実はあるんですね。これは私的録音・録画補償制度というのが、先ほども出ていましたが、あります。この制度は、先ほどのJASRAC、日本音楽著作協会とか公益社団法人の日本芸能実演家団体協議会あるいは日本レコード協会とかが入っているんですね。この制度と似ているような形で導入するわけですけど、実はこの制度もう破綻しかかっているんですよね。これは、まあ簡単に言えば、録音とか録画はその補償金を、そのハードを作っている団体が物を売るときに一緒にいただいて、それで著作権者の団体に回していこうということなんですけれども、これ文科省と経産省がなかなか意見が合わずに、例えばこの制度では、ラジカセとかCDプレーヤーとか一時代前の録音機器に課せられていて、今ほとんどの人がダウンロードしたり使っているスマホとか、あとそういうデジタル携帯機器には対応されていないんですよね。これ、大失敗の例だと思いますよ。もうほとんどこれ、だんだん組織が形骸化し始めちゃっているんですが、この制度についてはどういう見解をお持ちですか、文科省は。

中岡司文化庁次長

○政府参考人(中岡司君) 委員御指摘のように、今回の補償金制度を入れますときには、既にございます私的録音・録画補償金制度を参考としたわけでございまして、様々な監督規定につきましてもそういったものを参考に規定を入れているところでございます。  御指摘の、実際に形骸化してしまって補償金が取れなくなるんじゃないかと、時代の変遷によってという御心配でございますけれども、この私的録音・録画補償金制度におきましては、新たに開発される機器等が対象とならないというような仕組みに法律上もかなり厳格に書かれているというようなこともございまして……(発言する者あり)いや、そうですけれども、基本的には法律にあるんですけれども、その中で委任の範囲内で政令で定めていくということでございますけれども、そういう構造になってございます。  今回、それの制度はこういうものを参考にしたわけでございますが、今回の三十五条の補償金の対象となる行為は、機器等の技術的な限定はなく、時代の変化に伴い補償の対象となるべき行為が補償金制度の対象外となってしまうという事態が生じることは基本的には想定されないと考えておりまして、御指摘のような懸念は生じないものと考えておるわけでございます。

松沢成文希望の党

○松沢成文君 この私的録音・録画補償金制度は、私も見ていてももう既に形骸化していて、これでは著作権者の権利が十分に保護されていないという状況に陥っているんですね。こうならないように教育の方の仕組みもつくっていただきたいと思います。  先ほどの質疑の中で私ちょっと気になったんですけれども、同僚委員から、こういう仕組みを外でつくると、指定管理ですよね、文科省、文化庁と連携してやっていかなきゃいけない、こういう団体を外に幾つもつくると、必ず文科省のOBが天下って、それで文科省と連携を取りながらと、こうなるわけですね。それで、それに対して中岡次長さんは、そういう心配は全くありませんと断言をされていましたけれども、文科省は実績があるんですよ、天下りの。それで、もうこれ、本当に国民を欺くような、情報開示をしないひどい状況でやってきて、元次官がその責任を取って辞職しているんですよ。こうやって外に団体をつくれば、必ず文科省のOBが行って、そこで連携しながらと言いながら、天下りの巣になってOBが天下りを繰り返すということになりますが。  大臣、この新しい指定管理の団体は天下り組織にならないように、文科省のOBは一切派遣しないというふうに約束していただけますか。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) 先ほど次長が答弁したとおりでございまして、ここは既にこの有力な候補も団体としてはあるわけでございまして、それは委員も御承知かもしれませんが、そういうところで、団体が皆さん寄ってやるということでございますので、優秀な人材であればOBでも行ってもいいと思いますけれども、なかなかそういう類いの団体にはならないんではないかなと思っておりますので、この間の天下り問題を受けてしっかりと、省内ではコンプライアンスチームもつくってルールどおりやるということになっておりますので、ルールどおりしっかりとやっていきたいと思っております。

松沢成文希望の党

○松沢成文君 その構成する団体の意見を聞きながらしっかりとしたものをつくると言いますが、JASRACのように、その団体自体に文科省のOBが天下っていますから、その人たちと連携してつくる団体にまた文科省OBが行かないように、大臣、しっかりとその辺りは監督をしながら人事を行っていただきたいというふうに思います。  以上です。

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 日本共産党を代表して、著作権法改正案に対し、反対の討論を行います。  本改正案は、イノベーション創出を促進するためなどとし、柔軟な権利制限規定を創設するものです。その内容を見ると、著作物に表現された思想又は感情の享受を目的とせず、情報通信設備のバックエンドなどで行われる利用、インターネット検索サービスの提供に伴い必要な限度で著作物の一部を表示する場合などと非常に抽象的な表現です。これは、権利の保護や適法性を判断する上で最も大事な概念を曖昧にすることであり、不当な権利侵害を助長しかねません。  政府は、これについて、権利者の利益を不当に害しないことや軽微な利用に限ることなどを書くことで権利者の利益を阻害しないようにすると言いますが、その範囲も不明確です。この下で、著作物を利用する際には許諾を必要とするという著作権法の原則が空洞化しかねない点が問題です。  さらに、柔軟な権利制限規定の下では、権利者の知らない間に著作物を利用されることになります。万が一、権利侵害が起きても知りようがありませんし、それを防ぐ特別な手だてはないとの答弁もありました。また、権利侵害が判明したとしても、最終的な判断は司法に委ねられます。これでは、権利者団体から、利用者が拡大解釈した権利侵害が横行し、いわゆる居直り侵害者の蔓延を招くなどの懸念の声が現実のものとなってしまいます。様々な事情から提訴できなければ泣き寝入りをせざるを得ない権利者を生むことになることも見過ごすことはできません。  そもそも、著作権は著作権者の権利の保護や文化の継承、表現の自由を守るために文化政策として議論されるべきものです。今、権利者がその権利行使をする仕組みを担保しないまま、産業界からの要請と一時の政権の経済政策のために権利者に我慢を強いることになる本改正案は容認することはできません。  なお、改正案には、マラケシュ条約に必要な規定の整備や美術館等の収蔵作品解説をタブレット端末でも可能とすることなどが含まれています。これらの法改正は当然の措置であり、賛成することも申し上げ、討論といたします。  以上です。

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  著作権法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、神本美恵子君から発言を求められておりますので、これを許します。神本美恵子君。

神本美恵子立憲民主党・民友会

○神本美恵子君 私は、ただいま可決されました著作権法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び希望の党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一、著作権制度は我が国の文化創造の基盤となる仕組みであり、デジタル化・ネットワーク化が進展する新しい時代においても、権利の保護を図りつつ、多様な著作物を多様な形態でより多くの国内外の利用者に届けていくことは極めて重要である。著作権制度の意義に鑑み、今後も権利の保護と文化の継承のバランスにおいて著作物の公正利用を図ることとし、本法により整備される権利制限規定等の運用に十分配慮すること。  二、柔軟な権利制限規定の導入に当たっては、現行法において権利制限の対象として想定されていた行為については引き続き権利制限の対象とする立法趣旨を積極的に広報・周知すること。また、著作物の利用行為の適法性が不透明になり、かえって利用を萎縮する効果が生じたり、法の理解が十分浸透しないために誤解による著作権侵害が助長されたりすることによって、表現の自由の侵害がおき、著作物の創造サイクルが壊されることのないよう、権利者や関係団体の意見も十分踏まえたガイドラインの策定など、必要な対策を講ずること。  三、環境変化に対応した著作物利用の円滑化を図るという立法趣旨を踏まえ、現在想定し得ない新たな技術等で、著作物の軽微利用を行う必要があるものが開発等されたときは、第四十七条の五第一項第三号に掲げる政令について、幅広い学識経験者、権利者、インターネット事業者、開発者等の意見を考慮しつつ速やかに定めるよう努めること。また、当該政令により、かえって新たな技術の開発及び提供等が制限されることがないように留意すること。  四、近年のデジタル化・ネットワーク化の進展に伴う著作物等の利用形態の多様化及び著作権制度に係る動向等に鑑み、著作物等の利用の一層の円滑化に向けて、著作権制度の適切な見直しを進めること。特に、著作権制度の在り方をめぐり意見の相違が大きい重要課題については、我が国を取り巻く制度や社会状況、国際的動向や権利者・関係団体・利用者等の意見を十分考慮するとともに、今後の急速な技術革新、著作物等の利用の実態やニーズ、社会の変化等に対応した著作物等の利用及び活用が適切に行われるように議論を進めること。  五、本法により創設される「授業目的公衆送信補償金」について、教育現場での著作物の円滑かつ適法な利活用を促進する観点から、補償金額が妥当な水準に設定されることに加え、その確実な徴収と適正な配分の確保が担保されるよう必要な措置を講ずること。また、教育機関設置者が支払う補償金の負担が生徒等に転嫁される場合に、生徒等の負担が過度にならないよう、適切な運用に努めること。  六、プログラミング教育を始めとする教育のデジタル化が積極的に進められている中で、デジタル教材の増加や授業目的公衆送信補償金の徴収事務により、教職員の負担が増加し、政府が目指す働き方改革に逆行することとならないよう、安価かつ操作しやすいデジタル教材の普及や授業目的公衆送信補償金の徴収事務の簡素化について、速やかに必要な措置を講ずること。また、同措置を講ずるに当たっては、教育の質の向上及び地域格差の解消といった点にも十分留意すること。  七、本法による改正後の著作権法第三十七条第三項に規定する視覚障害者等の読書の機会の充実を図るためには、本法と併せて、同項により拡大図書やDAISY等の作成を行うことが認められる主体の拡大を行うとともに、当該視覚障害者等のためのインターネット上も含めた図書館サービス等の提供体制の強化、アクセシブルな電子書籍の販売等の促進その他の環境整備も重要であることに鑑み、その推進の在り方について検討を加え、法制上の措置その他の必要な措置を講ずること。  八、本法により、美術品等の紹介・解説のために電子機器やインターネット上において権利者の許諾なく当該著作物の複製物を利用できることとなるが、電子機器等の特性を踏まえ、著作物の画像等が不適切に拡散されることがないよう、必要な対策を講ずること。  九、我が国の有する文化資料を適切に収集・保存し、効果的に活用していくことは、我が国の文化創造の基盤となる知的インフラの強化に貢献するものであることに鑑み、デジタルアーカイブの構築に向けて、国立国会図書館を始めとする関係機関が相互に連携・協力しつつ、必要な措置について引き続き検討を進めること。  十、デジタル化・ネットワーク化が進む現状において、全ての国民が著作物の創作者及び利用者となり得る一方で、我が国における著作権法に対する理解は十分でないとの指摘があること等を踏まえ、著作権を含む知的財産に関する学習及び教育機会の更なる充実を図ること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) ただいま神本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 全会一致と認めます。よって、神本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、林文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。林文部科学大臣。

林芳正自由民主党・こころ文部科学大臣

○国務大臣(林芳正君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。  地域における大学の振興及び若者の雇用機会の創出による若者の修学及び就業の促進に関する法律案について、内閣委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高階恵美子自由民主党・こころ

○委員長(高階恵美子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時十二分散会

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