総務委員会 第10号
- 発言数
- 208 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2018/05/24
会議録
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官白岩俊君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○礒崎哲史君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。 総務委員会では初の質疑ということになります。どうぞお手柔らかに、よろしくお願いをしたいと思います。 まず、今日、この統計法の質疑ということになりますけれども、考え方として、提案理由説明の中にも証拠に基づく政策立案という考え方が示されておりました。EBPMという略称を使うということでありますけれども、私、民間企業でも働いておりましたので、当然、様々な事業を行っていく上、戦略を考えていく上で、こうした証拠にしっかりと基づいて物事を考えていくということは至極当たり前に行ってきた立場でございます。その考え方からすると、改めてこういう文言が出てきたというのは当たり前であって、今更なのかなという感じも受けつつも、でも、しっかりとやはりこうした考え方はあるべきだというふうにも思いますので、この考え方は持ってしっかりと進めていただくことは大変重要だと思っております。 その上で、ちょっと冒頭、大臣に一点、事前通告をしていない中身にはなるんですけれども、やはり事実に基づいてしっかりと議論をしていくということが大変重要であるというこの観点に基づいて、現下の政治情勢の中で一点お伺いをしたいことがあります。 今週の火曜日になりますけれども、これまでの総理が御発言をされていた加計学園に関する一連の国会の答弁の事実関係を揺るがすような大きな文書が愛媛県の方から提出をされたということになります。 これまでも総理は様々御発言をされてきておりますけれども、この件に関して、総理は、向こうの大学の理事長とはお会いをしていないということを記者会見でもお話をされました。ただし、そのエビデンスがあるのかということに関しては、どうも記憶に基づいたものであるということで、どうもエビデンスがないということになります。 やはり、EBPMということを政府としてもしっかりと進めていこうと言っている中で、提出されたエビデンスに対してそれを否定する発言を、事実関係がない、記憶の下に御発言をされているというのは、私はどうもちぐはぐな姿勢だというふうに受け止めざるを得ないわけですが、この食い違いの状況について、率直に内閣の一員として、野田大臣、どのように思われているか、御見解をいただければと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 礒崎委員にお答えいたします。 今国会において行政の信頼が問われるような事案が次々と生じていることは、閣僚の一人として大変残念に思います。 一般論として申し上げれば、政策立案に当たっては、正確な資料に基づいて政策の必要性等を国民の皆さんに丁寧かつ誠実に説明することは、行政として当然の責務であると考えます。 EBPMを推進するためには、個々の政策の前提となる関連事実、関連情報を正確かつ適切に把握する必要がありますが、中でも公的統計は、我が国の人口、経済社会等の状態を客観的に把握し、国や社会の姿を正確に捉える上で非常に重要な役割を果たすものと考えられます。 このため、統計改革推進会議の最終取りまとめにおきましても、EBPMを推進するためには、その証拠となる統計等の整備、改善が重要であるとする一方、EBPMを推進することによって、ユーザー側のニーズを反映した統計等が一層求められ、政策の改善と統計の整備、改善が有機的に進むとし、EBPMと統計の改革は車の両輪として一体として進めていく必要があるとの認識の下で、各種の統計の精度の向上とか利活用の促進等のための方策が幅広く提言されたところです。 統計の改善がEBPMの推進を支え、EBPMの推進が更なる統計の改善を促進いたします。総務省としては、このような考えに基づいて、政府一丸となって統計改革を着実に実施してまいります。 また、冒頭お尋ねの件につきましては、事実関係を承知する立場にありません。ということで、ここでの答弁は控えさせていただきたいと思います。
○礒崎哲史君 統計法を所管をする総務大臣として、統計法としてこの考え方を持っていくという御説明は全くそのとおりだと思います。 ただ、この考え方は、統計法だけに当てはまるものでは私はないと思います。行政全般に対してこれは適用すべき考え方だと思いますので、そうした考え方をまさに政府が主導して今進めようとしていく中において、今の総理が置かれているお立場、そしてその御発言というものは全く趣旨が異なる方向を私は向いているということをあえて指摘をさせていただきたいと思いますし、この考え方を進めるのであれば、是非、野田大臣の方から総理の方に、しっかりとエビデンスに基づいた国会での答弁と発言と説明をお願いするということを是非大臣から私はお伝えをいただきたいと思いますけれども、どうでしょうか、言っていただけませんでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 繰り返しになりますけれども、今般の件につきましては私も詳細を承知しておりませんし、これから恐らく国会において様々な原因究明、そして、それぞれの当事者がうそをつくことなく、しっかりと説明責任を果たしていく中でそういう解決の道を歩まれると思います。 内閣の一員としてしっかり注視するとともに、必要であれば、私も、どのようなアドバイスをすれば、定かではありませんけれども、内閣の一人としてしっかり見守っていきたいと思っています。
○礒崎哲史君 これは、大臣、安倍政権だけではなくて、政治家そのものの不信、政治に対する国民の不信につながっていく話でありますので、是非、真相究明に向けた、そうした方向に持っていけるように大臣も御尽力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 それでは、さらに、この法案の中身について具体的に入ってまいりたいと思いますが、まず、この改正の趣旨の中身といたしましては、データベース、そうした情報を利活用していくという内容だと理解をしております。 これから第四次産業革命というものを迎えて、様々なビッグデータというものを扱って、行政含め、あるいは市場を含め様々な変革期を迎える中において、このデータをどのように活用していくというのは大変重要な観点だと思いますので、この方向を進めていくということについては賛成をしたいというふうに思いますが、ただ、その一方で、やはり様々な改革をしていく上においては当然リスクあるいは不安というものが付きまといますので、今日は、そうしたリスクと思われるものについて大丈夫なのかどうかという点を確認をさせていただきたいと思います。 今回、その調査範囲が拡大をしていく、拡大をさせていく、あるいは調査票情報の提供対象の拡大をさせていくということがうたわれておりますけれども、ここで、統計データとして今回利活用していく、調査として範囲を広げていくということになると思うんですが、この利活用を推進をしていこうとしているこの全体像、統計データというものはどういったものが今回対象となるのか、その点について、まず総務省に確認をしたいと思います。
○政府参考人(三宅俊光君) お答え申し上げます。 まず、利活用の面、行政の方が持っている統計データにつきましては、使いやすいように統計のデータを提供していく、これは、電子的にe―Stat等で使いやすく提供していくということが一つございます。もう一点は、調査票情報につきまして二次的利用ということを今回進めようといたしておりまして、一般の学術目的での利用を可能にしようという案が入ってございます。 このほか、民間との関係でございますけれども、協力要請をいたして、それについて努力の義務をお願いしようというものが入ってございます。これにつきましては、例えば、民間が保有するビッグデータ、POSデータですね、こういったものにつきまして、基幹統計を作成、補完するのに必要なときにこういったものをお願いをできないかということでございますし、また、ほかの相手としましては地方公共団体などもございます。こうしたときには、国が作ります国民経済計算などがございますけれども、そういったときに必要な、団体が保有する財務関係の資料といったものもお願いをすることがあるのではないかというように思っております。また、ほかの行政機関に対しても、ほかの行政機関が統計を作成するのに有用な行政記録情報を持っております。こうしたものの所在の情報をお願いするといったような、各般にわたるものがあるところでございます。 以上でございます。
○礒崎哲史君 今、様々なデータの具体的種類も含めて御紹介いただいたわけですが、今回の法改正によって、こういう情報も含めてこれから企業ですとか国民の皆さんに対して情報を集めていきますよという、その情報の種類といいますか、対象範囲が広がるというイメージで捉えていいんでしょうか。それとも、対象は今までと変わらないんだけれども、それの利活用を進めていくためのどちらかというと内部の活用方法ということになるんでしょうか。それとも、調査のデータそのものの種類が増えていくというふうに捉えればいいんでしょうか。どちらなんでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 これまで、調査票をお配りをして書いていただいた情報を基に統計を作ってまいりました。今般、それを補完する意味で、有用な情報を持っている方々に対しまして、統計の作成に必要なものについて提出いただくような努力の義務を課そうということで協力をお願いする、そういった規定を入れているところでございます。
○礒崎哲史君 今、ちょっと義務という言葉がありましたけれども、そうすると、集めようとする情報が何か従来と変わって、より幅広い範囲を集められるようになるという内容ではないということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 従来の統計調査票はございます。それについて書いていただくのは従来の統計調査でございますけれども、それを補完する、あるいは代替するといったようなことで、保有している情報につきまして提供をお願いするようなことがあるということでございますので、若干、調査票を埋める以外にそれを補完するあるいは推計をするといったような有用な情報がございますので、そういったものを協力をお願いすることになろうかと思います。
○礒崎哲史君 あくまでも、補完をしていく、そうした状況からそれを更に活用できるようにということだというふうに理解はいたしますが、あと、あわせて、ここ、提供対象の拡大ということですから、提出をしてくださいといって求められる方の幅が広がっていくというふうにも読めるんですけれども、そうした情報提供をお願いしていく対象者が増えると、ここの文章はそういう理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 その点につきましては、これまでも関係者の方々にいろんな意味でお願いをしてまいりました。これがそういった方々に対する提供の依頼をしたときになるべく応じていただくような努力の義務を課すというところでは、同じような関係の方々ということで理解をしております。
○礒崎哲史君 同じような関係の方々というのは、それは、だから対象として広がるのか広がらないのかというそこの部分を、要は、法的に今回の法改正によって対象者が広がるのか広がらないのかということをお伺いしているんですけど、そこはどうなんでしょうか。広がるんでしょうか、広がらないんでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) これまで、調査票をお配りして書いていただく方々はその調査対象者でございますので、そういった方々以外にその調査票を補完をするなり代替をするなりといったようなことで有用な情報を持っている方々がいれば、そういった方々にもお願いをすることになろうかと思います。そういう意味では、広がる場合もあるということでございます。
○礒崎哲史君 そうすると、最後に言われました、広がる場合もあるということですから、要は、調査項目そのものが見直しが掛かって、こういうものがやはり必要だということになれば、その調査項目を最も適切に回答をしていただける方に対してはより広げて調査をしていくことになるという御答弁だというふうに理解をいたしました。 そうすると、ちょっとまだ質問をしていないところでお話をいただいたんですけれども、努力義務が課せられると、回答をする側がですよ、回答する側、情報を提供する側が努力義務が課せられているというふうになりましたが、これはなぜわざわざ努力義務を課すようにしたんでしょうか。その理由を確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(三宅俊光君) お答え申し上げます。 公的統計の作成に際しましては、その作成に有用なビッグデータなどの情報を保有している方々に御協力いただくことが非常に重要であるというふうに思っている一方で、現在の統計法にはそうした協力を得るということの重要性を明示する規定がございません。このため、この改正案におきましては、特に基幹統計を作成する行政機関の長から協力を求められた場合には、その求めに応じる努力義務を定めようというものでございます。 これと併せまして、改正案では、公的統計を作成する国の行政機関に対しましても、統計法の基本理念にのっとって公的統計を作成する責務でありますとか、あるいは公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる、重要であることに関しまして国民の理解を深め、あるいは公的統計の作成に関しまして、関係者の協力を得るような努力義務、こういったものを明確化することといたしておりまして、これらの努力の義務あるいは責務が相まって、例えば、基幹統計を作成する行政機関が基本理念にのっとりまして民間企業が保有するビッグデータの利活用を適切かつ合理的な統計の作成方法として選択をするようになる、あるいは、そのための協力を求められた民間企業におかれましては、その重要性を十分御理解いただいた上で保有するビッグデータの提供を積極的に行っていただけるのではないかといったようなことが期待されるということでございます。 このような協力要請とその対応が実際になされることになれば、基幹統計の精度向上や効率的作成、報告者の負担軽減が進むというふうに考えておるところでございます。
○礒崎哲史君 結局、その努力義務をなぜ課さなきゃいけないのかやっぱりよく分からないんですけれども、新たに情報の提供をお願いする、又は利活用するということでは、今までその情報に触れることができなかった人たちも触れていくことになるということからすれば、情報を提供する人の立場に立てば、そこは信頼関係がないと安心して出せませんよね、データ。 その意味で、こういうことにしか使いません、こういうふうにきちんと皆さんの情報は保護されていきますということをきちんと説明をするということに対してその努力義務があるんだということであれば、それはもう物すごい納得できますし、腹落ちするんですけれども、そうではなくて、情報を出す側に、その出してくださいという部分に対して努力義務が課せられるというのは、これは大前提としてまず信頼関係が必要なわけですからね、その上で、かつ、でも、これは出すのが努力義務なんですよという位置付けになってしまうと思うんですが、なぜここまで努力義務という形にしなければいけなかったんでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答え申し上げます。 要請をする行政機関の側にも今回の改正案には努力の義務を課そうとしておりまして、これは三条の二の二項にございますけれども、公的統計の作成に関しまして協力を得るように努めなければならないというような努力義務を掛けておりまして、そういう意味では、お願いする側、それからお願いされる側両方に同じような努力の義務を掛けて環境づくりをしているところでございます。
○礒崎哲史君 違う言い方でちょっと質問したいと思いますが、どうしても出したくないと、お断りしますといった場合にはどうなるんでしょうか。その扱いはどうなるんでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えします。 今申し上げた規定は訓示的な規定でございまして、民間企業などが努力義務を果たすべき行為について具体の規律は掛けるものではございません。
○礒崎哲史君 今、訓示的な規定というようなお話がありましたけど、強制的な、そういう法的な位置付けがないというお話はあったんですけれども、現行法でも十五条に記述がありまして、「当該基幹統計調査の報告を求められた者に対し、その報告に関し資料の提出を求め、又はその統計調査員その他の職員に、必要な場所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。」というのが現行法十五条にも書いてあるわけですよね。ある意味、駄目だといったことに対して、強制的とまでは言えないのかもしれませんけれども、「できる」ですから、そういう位置付けのこの文章もあるんです。 そうすると、これ結構厳しい、この十五条というのは、強制調査権ではないですけど、そこまで厳しいものではないですが、かなり強い権限を持っているのかなというふうにも受け止められるんですけれども、この十五条との関係性という意味ではどういうふうになるんでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 委員御指摘の法律第十五条の件でございますけれども、こちらは、重要な統計であります基幹統計というのがございます、こちらにつきまして調査票をお配りをして、その調査対象の方々が仮に答えたくないといったような場合に最後の手段としてこういった規定が置かれているところでございまして、今般の民間企業の方々にビッグデータの提供をお願いしようという努力義務のところというのは別の話でございます。
○礒崎哲史君 そうすると、じゃ、対象が、そもそもの統計として取り扱う対象がこれはある意味限定されているということでよろしいわけですね。その関係については分かりました。 はっきりしたところと、ちょっとまだもやもやと残っているところ、今の努力義務のところは若干もやもやというのが残っているんですが、あえてこういう質問もさせていただいているのは、さっきも申し上げましたとおり、やはり新たにデータを出していく、利活用するということは、私はやった方がいいと思うんです。 また、先日、統計局の方も視察をさせていただきました。関係者の皆様には本当に御対応いただいたことを改めて感謝を申し上げたいと思いますし、現場に行って実際にデータを処理をしている姿を見れば、やっぱりこれは活用していかなきゃいけないなということも率直に感じています。その意味では、どんどんどんどん進められることは進めていくべきだというスタンスにも立ちます。 でも、それは先ほど申し上げましたとおり、お互いの信頼関係で、出すのであれば、きちんとその情報が守られる、外に流出しない、きちんとして扱われるという大前提の信頼関係があってきちんと気持ちよくデータというのは出せるんだろうし、その関係がなければ、やはり提出するということはできないと思います。ましてや企業情報の中にもし機微に触れるようなものがあったり、あるいは、それこそ企業が、これからビッグデータというのは財産ですよ、そんな簡単に自分たちの財産を提出できますかといったら、新たに市場開拓していくための貴重な財産ですからね、これはそういう意味では出せないものも当然出てくるんだと思います。そうしたときに、やはりこれどうするかというのは大変重要だと思います。 ですから、しっかりと、情報提供を求めるのであれば、その範囲であったり努力義務の話であったり、あるいは秘匿のものであったり、そういうものが曖昧にならないように私は明確にしておくべきだというふうに思うんですけれども、大臣、これはやはり、際限なく広がっていくとか何か強制性が出るとか、そういうことは私はないという、今日の質疑をもって、ないというふうに受け止めてはいるんですけれども、これはそういう扱いはされないんだということを大臣からも明言をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) そもそも、公的統計の基本理念、適切かつ合理的な方法により作成していく際には、統計作成に有用な情報を保有している方々の御協力が非常に重要であると考えております。改正案の第三条の二第三項において、公的統計の中でも特に重要な基幹統計を作成する行政機関から要請があった場合には、これに応じるよう努めなければならないという努力義務を定めているところです。 これが今先生の御心配のところだと思いますが、この規定が法律上設けられることによって、例えば、民間事業者がデータの提供について検討する場合にコンプライアンス的観点から組織内部において説明がしやすくなるといった、データの提供がしやすくなるといった効果が期待されるところです。ただし、この規定というのは、先ほども申し上げたように、協力していただきやすくするための訓示的なものであって、具体的に情報提供の義務を課すものではないので、今おっしゃったように、情報の全ての提供を課すものではありません。 また、改正案の第三条の二第二項においては、行政機関に対しても関係者の方々の理解をしっかり得るように努力義務を定めていまして、行政機関の方から丁寧な説明がしっかりなされ、協力要請を受ける方々が御指摘のような御心配がないよう、適切な制度運用にしっかり努めてまいります。
○礒崎哲史君 少しうがった見方のような、あっ、大臣、今しっかりとまず明言をいただいたことは感謝を申し上げたいと思います。 その上で、こうした情報をさっき言ったとおり利活用することは私は大賛成なんですが、やみくもにデータが集められることによって、企業の活動あるいは個人の活動というものが、ちょっと変な言い方なのかもしれませんが、何か統括的に監視をされるようなことになってしまうと、これはやはりいけないというふうに思いますので、そういう方向には私は行かないと思っていますけれども、行ってはいけないというふうに思っていますけれども、今大臣からはそういうお言葉をいただきました。でも、この統計のデータというのは各省庁が取り扱っていくことになりますので、これはやはり各省庁を含めて同じ考え方を持っていただかなければならないというふうに思います。 その意味では、これも冒頭と少しつながりますけれども、大臣には、やはりこの件については、今言ったお話というのは、総務省だけではなくて、ほかの省庁も全部含まれるものだということで、是非また大臣の方からもそういった発信はしていただきたいと思いますけれども、その点についていかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 今回は改正法案の審議ですけれども、これまでも統計法の中で今委員が御指摘になったような懸念はございません。企業や個人を監視するための統計ではなく、EBPMをしっかり確立していくためのより詳細な統計を必要として、もっと必要になるだろうということで、今回改正をすることによって御協力しやすくするような形を取っているものだと思います。 これまでもそうでなかったわけですから、そのまま今後とも、この法律改正があっても変わらず、総務省はもとより、全ての省庁がそうであることを念頭に置いて取り組んでまいります。
○礒崎哲史君 質問を終わります。ありがとうございました。
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会の杉尾でございます。立民入りしまして、総務委員会に出戻りました。どうかよろしくお願いいたします。 早速なんですけれども、今、礒崎委員から質問がありましたモリカケ文書、昨日は森友関係で合計四千ページという膨大な量だったんですけれども、あれだけないない、ないないと言い続けてきた文書が次々と出てきた。これ、安倍政権の閣僚として野田大臣はどういうふうに受け止めていらっしゃいますか。
○国務大臣(野田聖子君) 杉尾委員にお答えいたします。 今、お話のあった様々な事案、もう行政の信頼性が問われる問題が生じているということは、閣僚の一員として大変残念に思っているところです。それぞれ役所が分かれていますけれども、関係府省においてしっかり国民に対して十分な説明を尽くすべきだと思います。
○杉尾秀哉君 残念という言葉ではちょっと済まないと思うんですけど、今日の朝刊もいろいろ書いていますが、これ、例えば森友文書、答弁に合わせて次々と廃棄していたと。ひどいと思いませんか。
○国務大臣(野田聖子君) あってはならないことだと思います。
○杉尾秀哉君 それからもう一つ、その総理の答弁なんですけれども、愛媛県の文書の方なんですが、二〇一五年二月二十五日、安倍総理が加計理事長と面談して、総理がそういう新しい獣医大学の考えはいいねと言ったとはっきりと文書には書かれているんですけれども、あの文書は、大臣、あれ、うそだというふうに思われますか。
○国務大臣(野田聖子君) 私自身、まだ子細に今の文書について報告を受けておりませんし、分かりかねます。 これから、やはり国会において、その文書が出てきたことを受けてしっかりと真相究明をして、与野党共で真相究明をしていただくべきことと存じます。
○杉尾秀哉君 一般論としてでいいんですが、愛媛県がそういう虚偽の内容というのを書くと思いますか、行政文書として。
○国務大臣(野田聖子君) そこにつきましても、事実関係を承知しておりませんので、お答えを控えさせていただきます。
○杉尾秀哉君 私は、これは誰しも思うと思うんですけれども、愛媛県が、聞いてもいないことを、特に総理に関係するようなことを書くはずがないというふうに普通常識で思いますよね。 総理が答弁で否定されるんであれば、要するに、総理がうそをついているか、それとも愛媛県側に説明した加計学園が虚偽の説明をしたか、二つに一つしかないと思うんですけど、どうでしょう。
○国務大臣(野田聖子君) ちょっと横道にそれますけれども、かつて、国会議員の一人として、メール事件というのがございました。メールでこうやってあるから真実だということで、結局、それはそうでなかったということがございましたので、こういうことに対しては、慎重に、やはり国会の中でそれぞれが説明責任を果たしていただくことが重要だと思います。
○杉尾秀哉君 だから、虚偽をはっきりさせるためにも、加計理事長もそうですけれども、関係者全員、やっぱり来てもらえばいいと思うんですよ。 やっぱり国会としてこれは与野党関係なく真相究明は必要だと思うんですが、何となれば、これ、一年二か月もの間こういうことをずっとやっていて、例えばこういう文書がもっと早く出てきていたら、こんなに掛かっていなかったわけですよね。その意味では、やっぱりこれは議会制民主主義の破壊的な行為だし、議会への侮辱だと思うんですけれども、どうでしょう。
○国務大臣(野田聖子君) 前段の件については、やはり国会の中で与野党でお諮りいただいてお進めいただくべきことと思います。 また、文書の廃棄、書換え等は絶対にあってはならないことです。それが大前提で行政というのは国民の信頼を得て今日が、いろいろ国民が嫌がるような政策でも、そこが信頼の、信頼という根拠が、基があって初めて進めてきた様々な政策もこれまでございました。ここはもうしっかりと猛省していただいて、きちんと真相を究明して出直していただかなければならないと思います。
○杉尾秀哉君 これぐらいにしますけれども、もう一つ、大臣は女性活躍担当でもいらっしゃいますので。 先週の土曜日に、私、地元を回っていて、女性の人から何人も言われたんですよね。あの閣議決定、セクハラ罪という罪はないという質問主意書に対する答弁書の閣議決定。あれ、確かに法令上はセクハラ罪ってないんですけれども、この閣議決定、これ、閣議のメンバーの一人でもいらっしゃいますけれども、率直に言ってどう思われました。
○国務大臣(野田聖子君) 私の中には二つの思いがございました。 一つは、閣僚として、国会議員として立法府にいた一人として、やはり法律上の刑法としてのセクハラ罪というのはございません。例えば、子供のいじめも、いじめ罪という法律がないのと同じであります。 もう一つの、私、女性の国会議員としては、セクシュアルハラスメントというのは完全な人権侵害です。被害者の九割以上が女性ということで、男性の世界にはなじみにくい痛みではあるかもしれないけれども、そこをやっぱりしっかり日本の国会は、男女問わず、人権侵害というスタートラインに立って受け止めていただかなければならないと思っています。
○杉尾秀哉君 そういうふうに思われていたんだったら、やっぱり反対してほしかったなというのが率直なところなんですけれども。 確かに、これ、言葉だけでも刑法の暴行罪に当たるケース、それから強制わいせつに当たるケースもあるんですよね。そういうことを踏まえながら、総務大臣でもありますので、今、テレビ局にも女性記者が非常に増えています。私が入ったのは一九八一年で、そのときは女性の社員というのは実は記者はいなかったんですけど、それからどんどんどんどん増えまして、最初は女性が記者をするといって警視庁を例えば回ると、夜回りというのがありまして、お巡りさんの家の前でずっと待っているんですが、女性はじゃトイレどうするんだとかそういう議論、あとそれから宿直もありますので、女性、宿直室にやっぱり寝かせるわけにいかないだろうとかいろんな議論があったんですけれども、本当に増えました。そういう中でこういう事件、問題が起きたわけですけれども。 これ、先日、ある団体が、メディア関係者、ほとんど女性なんですが、アンケートを取りまして、その対象になった百七人のうち百二人がセクハラ被害を経験されている。これはほぼ全員ということですよね。そのうちの九六%が複数回経験していて、被害に十回以上遭ったという人が半分ぐらいいる。それから、その被害の内容も、言葉とか抱き付き行為は言うに及ばず、性行為を強要されたという人が八人、性行為を強要されかけたという人が四十人近く。 こうした女性のメディア関係者のセクハラ被害、大臣はどういうふうに捉えていらっしゃいますか。
○国務大臣(野田聖子君) 私自身もかつて落選中に同様ないじめというかセクハラに遭ったこともございますから、おっしゃるとおりなんだと思いますし、先日もこの件に対して人事院総裁ともお話をする機会があって、人事院総裁にもやはりセクハラの経験があるんだということをおっしゃっていましたから、分かっていただきたいことは、やはり女性特有の問題というか、男性がいて初めて起きる人権侵害ですから、そこのところもやはり男性の皆さんに、女性が一方的に何かを言っているのではなくて、そういう加害がなければ起きない人権侵害なんだということを冷静に受け止めていただきたいと思います。 私自身も、連休中に同様の記者さん、たくさん来ていただいて、直接にそれぞれの御発言をいただいて、ほぼ同様の内容でございました。深刻なことと受け止めているところです。
○杉尾秀哉君 現場の声を聞かれたということですので、どうか政策の方に反映させていただきたいというふうに思います。 それでは、統計改革について伺います。 今回の統計改革のきっかけ、二〇一五年に、たしか経済財政諮問会議だったと思うんですけど、麻生大臣が幾つかの経済統計の精度に疑念を投げかけたということがそのきっかけの一つだったというふうにも理解しております。 そこで、野田大臣に伺いますが、そもそも今回の法改正の目的というのは何だったんでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。 我が国は、世界に類を見ない少子化の進展や厳しい財政状況に直面しています。こうした現状や政策課題を迅速かつ的確に把握して有効な対応策を選択し、その効果を検証することの必要性がこれまで以上に高まっていることは御承知だと思います。 政府として、これを実践し、国民の皆さんにより信頼される行政を展開していくためには、政策部門が統計等を積極的に利用して、先ほどもお話にありましたけど、EBPMを推進する必要があると考えています。 EBPMを推進するためには、そのいい、証拠となる統計等の整備、改善が大変重要であります。こうした考えの下で、昨年の五月の統計改革推進会議で最終取りまとめがあり、今回法改正を行うこととしたことになります。具体的には、統計データの利活用ニーズの対応とか、正確で効率的な統計の作成や被調査者の負担軽減への対応、そして、統計改革の円滑な推進などのため、統計機構の一体性の確保、それらの課題に対応する内容となっています。 この改正法による制度改正を実現することによって、EBPMと統計の改革を車の両輪として一体的に推進する体制ができます。国民により信頼される行政をしっかり展開していけるようになると考えているところです。
○杉尾秀哉君 そうした中で、二〇一六年の統計改定で二〇一五年の名目のGDPがいきなり三十二兆円近くも増加したと、これは一昨日の視察の際にもそういう話が出ておりましたけれども、これ、当委員会でも吉川委員何度も聞かれていますし、予算委員会でもたしか質問されたということなんですが、そこで内閣府に改めて伺いますけれども、一体何があったのか、ごく簡潔にお答えください。簡単にしてくださいね。
○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。 二〇一六年十二月に行ったGDPの基準改定には、大きく二つの改定要因がございます。 一つは研究開発、いわゆるRアンドDの設備投資への計上など、最新の国際基準、二〇〇八SNAと申しますが、これに対応したことがございます。これは約十六年ぶりに行われた国際基準の改定を反映したものでございます。 もう一つでございますが、これまでも五年ごとに行ってきた改定でありますが、五年ごとに実施、作成されます国勢調査や産業連関表等の大規模、詳細な基礎統計、そして最新の知見に基づく推計手法などを反映したものでございます。 この結果、二〇一五年度の名目GDPについては、旧基準と比べ三十一・六兆円の上方改定となったものでございます。
○杉尾秀哉君 今説明いただいたのを、皆さんのお手元に資料として配りました。 ②と③ということだというふうに思うんですけれども、この②ですね、二〇〇八SNA、この国際基準に合わせて改定した。例えば、一番割と近くのところで、二〇一五年、平成二十七年、この②の項目でGDPが幾ら増加したんでしょうか。
○政府参考人(長谷川秀司君) 二〇一五年度の名目GDPにつきましては、旧基準と比べまして、最新の国際基準であります二〇〇八SNAの対応によりまして二十四・一兆円、最新の基礎統計や推計手法の反映によりまして七・五兆円の上方改定となったものでございます。
○杉尾秀哉君 今、二十四・一兆円という話がありました、これは②の分です。そして、③の分が七・一兆円というふうにおっしゃいましたかね、ということですね。 ちょっと二のグラフ見ていただきたいんですけど、二枚目の方です。これ、改定前の平成十七年基準というのが点線、改定後の平成二十三年基準が実線。全体的に点線が実線の二十三年基準の改定によって上に移動しているように見えますけれども、実はそうじゃない。 例えば、GDPが過去最高だったのは平成九年、一九九七年です。この年の平成十七年基準では五百二十一・三兆円というふうになっています。それが、平成二十三年基準になって五百三十三・一兆円に十二兆円かさ上げされたということですね。さっき話になりました、今度は平成二十七年、二〇一五年ですけれども、この差が、十七年基準と二十三年基準が三十二兆円まで開いているんですよね。 そこで、内閣府に伺いますけれど、このグラフはこのとおりということでよろしいですね。
○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。 こちらで結構でございます。
○杉尾秀哉君 安倍政権になってからプラス改定幅が大きくなっているんですけど、何でなのかと。 とりわけ、さっき言いました③の項目ですね。いろいろ書いてあるんですけれども、ポツが三つあって最後に等と書いてあるんですが、これ、内容もよく分かりませんし、どこにも説明されておりません。ちょっと不自然なようにも思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。 その他要因で七・五兆円増加している理由でございますが、この基準改定の公表に当たっては、基準改定によりますGDPへの影響を二つの要因と分けてお示ししております。先ほど申し上げました。一つ目は新しい国際基準への対応によるもの、それを二〇〇八SNA対応要因といたしまして、二つ目はそれ以外の新しい基礎統計や推計手法の反映によるものを委員御指摘のその他要因として公表しているものでございます。 その他要因につきましては、具体的に申し上げますと、一つ目は、建設投資として建設工事に掛かった費用、いわゆるコストではなく、実際の販売額、いわゆる出来高というふうに私ども申し上げていますが、それをベースにして推計をして改善をしているということがございます。二つ目でございますが、産業連関表や住宅・土地統計など、最新の基礎統計の反映などが挙げられます。加えまして、二〇一五年度でございますが、こちらについては、詳細な基礎統計を反映いたしまして、四半期別GDP速報、いわゆるQEを年次推計に改定した要因も入っているところでございます。 以上でございます。
○杉尾秀哉君 もう一回、二のグラフ御覧ください。 平成十七年基準ならば、GDPのピーク、さっきも言いましたように、平成九年で五百二十一・三兆円です。この十七年基準ですと、平成二十七年は五百兆円ということで、平成九年よりも二十兆円、二十一兆円ぐらい足りないということになります。ところが、平成二十三年基準、要するに改定後の基準にしますと、GDPのピークは同じく平成九年なんですけれども、五百三十三・一兆円に対して、平成二十七年はこの五百三十三・一兆円にほぼ匹敵する五百三十二・二兆円ということで、過去最高にほぼ並んでいるんですよね。そして、ここにはないですけれども、その翌年、二十八年度は五百三十七兆円と、過去最高、史上最高になったと。 確かに、平成二十八年が過去最高になったのは、二〇〇八SNA、国際基準に合わせたという影響もあると思いますけど、実は、今るる説明していただいた③のその他の要因が伸びたことが大きい。もしそれがなければ、七兆円余りという話だったんですけど、それがなければ史上最高にはならなかった可能性が高いと思うんですけど、いかがでしょう。
○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。 今回の基準改定でございますが、あくまでも国際基準にのっとりまして、また、より正確に経済状況を把握するために行われたものでございます。 以上でございます。
○杉尾秀哉君 その辺がどう説明を聞いても、私は経済の専門家じゃないからかも分かりませんけれども、分かりません。 その③のところがやっぱりブラックボックスになっていると思うんですが、実はこれ、私が発見したことではなくて、もう読まれた方もいらっしゃると思うんですけど、明石順平さんという、この方も経済の専門家じゃない、弁護士さんでありますけれども、「アベノミクスによろしく」という著書で展開している論理なんですね。この本の中で明石さんは、怪しいかさ上げと、歴史を書き換えたいから二十二年も遡って改定したと。確かに今回の改定の四項目の中に二十年遡るというのがあって、歴史を書き換えたいからなんじゃないかと、こういうふうな指摘をされています。これは明石さんの本の中に書かれていることですからね。 それで、ちょっと資料五を、五ページ目を見ていただきたいんですけれども、これ、自民党さんが去年の総選挙で掲げた政策のホームページの接写というかコピーなんですね。確かに、ここに名目GDP過去最高五十兆円増と、こういうふうに書いてある。 さっき言った③のその他の項目なんですけれども、ちょっと三ページ目、四ページ目、見ていただけますか。GDPのかさ上げ幅が、確かに安倍政権になってからぐんぐん増えているんですね。四ページなんか見てみますと、その他のかさ上げ幅に至っては、それまで、安倍政権まではほぼこれマイナスかゼロ近辺です。ところが、同じ基準で改定したはずなのに、安倍政権になってから③のかさ上げ幅がどんどん上がっちゃっているんですよ。 こういうのを見ると、確かに明石さんが言われているように、ちょっと不自然じゃないかなと思うんですが、実際にその数字がこうやって自民党さんの選挙のマニフェストというか政策集の中に書かれて、過去最高ということを書かれているんですよね。もしこの改定がなかったら過去最高に多分なっていないんですね、五十兆円増というのもありますけれども。 そこで、ちょっとうがった見方かもしれませんけれども、まさか政府・自民党に言われてこういう数字を作ったということはないと思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。 今回の基準改定は、国際的なルールにのっとりまして、より正確に経済状況を把握するために行われたものでございまして、作業は二〇一一年に決定、公表いたしました対応方針に沿って進められ、改定に当たりましては、第三者機関であります統計委員会を始め、民間有識者による審議等を経て、そしてその内容についても基準改定前から随時公表してきたところでございまして、恣意的な改定との御指摘は当たらないと存じます。
○杉尾秀哉君 何かエコノミストの人の意見を聞いてみても、恣意的だということを言う人はそんなに多くないんですけれども、実際に、だけど、結果的にかもしれませんけれども、これで安倍総理の言っているGDP六百兆円の達成目標に近づいていると。 ある市場エコノミストがこういうことを言っているんですが、意図的かどうかは別にして、GDPにはブラックボックスの側面がある、さっき言ったその③の部分ですよね、政治宣伝への統計の過剰な利用は誤解を招きかねないと思うと、こういう指摘をする人もいます。 そこで、さっきからずっと話になっているEBPMの推進体制なんですけれども、今日は内閣官房の方に来ていただいていますので、もう一度、EBPMというのはどういうことなのか、端的に御説明ください。
○政府参考人(白岩俊君) お答え申し上げます。 EBPMとは証拠に基づく政策立案の取組の意でございまして、具体的な取組は政策に応じて一律一定のものになるものではございませんが、近年の統計等のデータ収集や分析に係る技術や理論の発展を背景に、データ等の証拠に基づいて政策立案や評価を行うこと、又は適切なデータ等に基づく合理的な証拠付けを重んずる考え方を含むものであります。 以上でございます。
○杉尾秀哉君 おっしゃったとおりなんですね、証拠に基づく政策決定。ところが、その基になった証拠が恣意的に作られていたり、ましてや改ざんされたり、都合よく解釈されれば、これはEBPMとは言えないんじゃないでしょうか。どうでしょうか。
○政府参考人(白岩俊君) 分析に当たってのデータの正確性が確保されるべきことは、委員御指摘のとおりだと思います。
○杉尾秀哉君 そのEBPMの観点から、重大な問題がほかにもたくさんある。 これは例の働き方改革の法案作成の根拠になったデータの問題で、これは、裁量労働制については撤回されましたけれども、その後再調査をしたら、御承知のように、二割に当たる二千五百事業所のデータが削除されたと。このデータの集め方についても、ある調査担当者、これは毎日新聞が報じているんですけれども、調査に十分な時間が取れず、ずさんだったと証言をしている。これ、調査の取り方自体に重大な疑義がある可能性がある。 ところが、今回、その働き方改革、強行採決というか強行的に採決されようとしているみたいですけれども、二割は不適切でもほかの八割のデータがあるから十分なんだと、こういうふうな説明を繰り返しているわけですね。ところが、証拠の集め方そのものに問題があった場合、これはそのEBPMに本当に果たして言えるのかと。 改めて、これ、厚労省に来てもらっていますので、衆議院の総務委員会でも奥野委員が質問をしました、その際に政府参考人が、反省すべき点があった、適切ではない点があったと認めています。不適切な点があったということでいいんですね、この調査は。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。 御指摘の調査は、全国の労働基準監督署の労働基準監督官が臨検監督の一環として全国の一万一千五百七十五の事業場を訪問いたしまして、事業場からの聞き取りや書類の確認をしながら時間外労働の実績などにつきまして調査を行って、厚生労働省において平成二十五年度労働時間等総合実態調査として取りまとめたものでございます。 この調査は、まず各労働局において一件当たり一日程度を前提として計画をし、実施をしてきたものでございますが、監督署レベルについても実態の把握を行ったところ、平均一・一人日を掛けて実施をしていたということが確認をできているところでございます。 また、この調査結果のうち、今お話も出ましたように、裁量労働制に関するデータについては実態を反映したものと確認できなかったために撤回をいたしましたが、また、残りのデータについても、統計としてより精度を高める観点から、異常値である蓋然性が高いものは無効回答として当該事業場のデータ全体を削除するという方法で再集計を行ったところでございます。 今、二割というお話ございましたけれども、その結果として、調査対象の一万一千五百七十五の事業場に対して、裁量労働制のデータ、これは一千五百二十六ございまして、これを一律に削除した上で、明らかな誤記や理論上の上限値と考えられる数値を上回る、あるいは複数の調査項目間の回答に矛盾があるということなどで削除したものは九百六十六事業場であるということになっているわけでございます。 この調査におきましては、先ほど御指摘がありましたように、一つは、データを集計する際にエラーチェックを適切に行う人的体制が十分でなかったことや……(発言する者あり)はい。調査の全工程におきまして統計部局との連携が不十分であったということと併せまして、調査票や記入要領が分かりにくい面があったことによって、調査を行った監督官全てに対して調査方法や記入要領を徹底できなかったといったことが要因として考えられる面がございまして、私どもとしては、こういった点をしっかり反省して、今後、同様の調査を行う際にはきちんと対策を講じながら実施をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○杉尾秀哉君 長過ぎるんですよ、それ。 要するに、データ、調査自体の信頼性が揺らいでいるんですよ。そういうことを基にして法案を作っている、その法案そのものの信頼性が問われているということなんですよね。 林野庁の方にも今日来てもらっていますので、もう一つあって、これは、代表質問で私聞いてびっくりしたんですけれども、林業の現状について説明資料を配ったと、八割の森林所有者は森林の経営意欲が低いというふうに、こういうふうに書かれていた。ところが、その内訳を見てみると、実は全体の七割が現状維持をしたいというふうに答えていて、現状維持という答えがなぜか経営意欲が低いということで、全部これが一くくりにされて八割の人が経営意欲が低い、だから大規模化しなきゃ駄目なんだという、そういう政策が出されているんですよ。その後、これ資料が訂正されているんですよ。 これ、この資料を撤回していますけれども、これも不適切なデータ利用と認めますか。林野庁、どうですか。
○政府参考人(渡邊毅君) お答えをいたします。 森林経営管理法案の説明資料につきましては、農林水産省が行いました森林資源の循環利用に関する意識・意向調査におけます林業経営者等の経営規模の意向に関する調査結果を取りまとめ、作成したものでございます。 この説明資料につきましては、現に経営管理が不十分な森林を経営規模の拡大を志向する者が中心に担っていただくというこの法案の趣旨を踏まえまして、当該調査において、経営規模の拡大を志向すると回答した者を意欲の高い者、それ以外の現状維持や経営規模を縮小したいとした者を意欲が低い者と整理をしていたところでございます。 しかしながら、この整理の仕方につきまして、農林水産委員会で、現状維持の者を一律に経営意欲が低いとする整理の仕方や表現ぶりが誤解を与えるといった御指摘や、基となった調査結果をありのまま出すべきだという御指摘があったことを踏まえまして、今回、基となった調査の選択肢の表現をそのまま使用するよう修正させていただいたところでございます。 今回の修正は、資料の基となった調査結果のデータそのものを修正したわけではございませんで、その整理の仕方について正確性を期したものであり、本法案の必要性や前提が今回の修正によって変わるものではないと考えております。
○杉尾秀哉君 だから、最初に政策を決めて、それに合わせてデータを都合よく解釈したりしているわけですよ。 そこで、野田大臣に伺いたいんですけれども、こういうことをずっとこの政権繰り返してきているんですよ。その一方で、EBPMの体制の構築みたいな、推進みたいなことを言っているんですよ。矛盾していると思いませんか。
○国務大臣(野田聖子君) まず、今の行政分野における様々なデータの不適切な取扱いについては大変遺憾に思います。しっかりと今回指摘されていることについて反省していただいて、それぞれ各府省の立場で再発防止を検討していただかなければならないと思います。 あえて申し上げれば、これらの今のデータの扱いにおける初歩的なミスというか、統計以前の話でございまして、もっと言ってしまえば、しっかり統計教育が重視されていないのかなと、統計に対するリテラシーの問題もあるなということを痛感しているところです。 我々の方は、この改正法を通じて、それぞれ、今日役所の方お見えですけれども、各府省の政策部門の職員に統計を適切に作成していただき、利活用するための基礎知識を適切に身に付けさせることが必要だと思います。 総務省は、この四月に策定した政府全体を通じた統計人材の確保・育成方針に基づいて、統計知識や統計的思考力の習得のための研修の充実、特に政策部門の職員でも受講しやすいオンラインの研修などの充実に向けて、今のようなことが起きないようにリテラシー向上にしっかり努めていきたいと思います。
○杉尾秀哉君 今頃そんなことを言うのかというふうな感じで結構あきれちゃうんですけれども、大臣の認識は私は正しいというふうには思います。 これは、業務統計という、今、厚労省と林野庁、そうですけれども、やっぱりこうした総務省の目の届かないところで行われている公的統計についても信頼性を担保する仕組みというのを、これをしっかりしていただきたい。それから、あわせて、吉川委員が前の臨時国会でも質問しましたけれども、これ、一般統計、それから基幹統計、そうですけれども、事後的にもチェックするようなそういう体制を組んでいただきたいというふうに思います。 済みません、ほかの役所の方、ここまでですので結構でございます。 残りは、この統計法のもっと細かい中身について聞きたいんですけれども、我が国の統計機構、そもそもなんですけれども、これ、分散型というふうに言われています。行政機関がそれぞれ所管する分野について統計を作成する。一方、中央統計局みたいなところが一律に全て基本的にはやるという集中型を採用している国があります。この分散型のメリットとデメリット、これについて御説明ください。
○委員長(竹谷とし子君) それでは、内閣府、林野庁、厚生労働省は退席して結構でございます。
○政府参考人(三宅俊光君) お答え申し上げます。 統計機構には、各行政機関がそれぞれの所掌分野に関する統計を作成する分散型の統計機構と、特定の統計機関が各行政機関に関連する統計をまとめて作成する集中型統計機構がございます。国によっていずれの形態とするかは区々でございます。 このうち、分散統計機構には、各行政機関が所掌分野に関する知見を十分に活用いたしまして、それぞれの行政の企画立案に的確、迅速に対応した統計を作成できるというメリットがございます。一方で、安易に各行政機関任せにしますと、統計の体系的な整備の面や統計の専門性の蓄積の面、こうした面で問題が生じかねないというデメリットがあるために、政府全体として整合性を確保する必要があると考えております。
○杉尾秀哉君 今、分散型のデメリットがあるという話だったんですけれども、それが前回、平成十九年の法改正で、司令塔機能の強化が必要ということで統計委員会が設置されたと。 それから十年たっていますけれども、今回の法改正で、統計改革推進会議の取りまとめの中で統計機構の一体性確保の必要性ということが改めて指摘されているんですが、この司令塔の役割が十分果たせているのか、この前回の法改正から十年経過した現状分析ですね、問題点、どういうふうに捉えていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 統計委員会は、これまで、公的統計基本計画の案の調査審議でありますとか統計法の施行状況に関する意見具申、これを通じまして司令塔機能の中核としての役割を果たしてきたと考えてございます。 しかしながら、個々の重要な統計の調査審議を超えまして政策の企画立案に関しまして統計委員会が意見を述べるという所掌事務が定められていなかったことがございます。また、統計委員会の意見を聞いた上で作成された基本計画の事項につきましても、十分な進捗が得られていないものもあったということでございます。 こうした問題意識から、今回、統計委員会の権限といたしまして、統計及び統計制度の発達及び改善に関する基本的事項、これにつきまして大臣の諮問を待たずに意見を述べるといった規定や、基本計画に関する勧告、フォローアップの規定を整備いたしまして、これによりまして統計の整備をより着実に図ってまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 その統計委員会の委員でもあります日本大学の川崎教授が、論文を読みますと、日本の統計制度の課題と問題点が三つあると、こういうふうに指摘されておりまして、一つ目がやっぱり職員数が非常に少ないと、二番目が分散型、さっきから話出ていますけど、集中度がほかの国と比べても分散型の中でも極めて集中度が低いと、それから三番目が専門人材の確保の問題というのを指摘されています。 そこで、野田大臣に伺いますけれども、日本の統計制度、今回の法改正でポイントになるところですけれども、問題点をどういうふうに認識されていますでしょうか。あっ、副大臣。失礼しました。
○副大臣(奥野信亮君) 私は学校時代に統計学を専攻しているものですから、かなり詳しいですから、杉尾さんが今おっしゃっていることはかなり正しい部分があると思います。 しかしながら、この統計法の改正というのは、今日の議論を通じて皆さんお分かりであろうと思いますけれども、質の高い情報をしっかり集めて、そして正しく読んでというのがあるはずなんです。正しく読んで、なおかつ国民に提示した上で国民に慣れ親しんでいただくということが今回の法改正の目的なわけでありまして、これだけちゃんとやれば、今問題点と言われたやつは変わってくると思います。だから、分散型とかそういうことを含めて、やっぱりいい人材で能率よく、そしてしっかりした読みを加えた上で国民に結果を提示する、これが一番大事なことだろうと思います。 そうすると、やはりそれを支える人材というのは、今回の御指摘のとおり、質の高い、仕事の能率のいい人、そういった人たちを集めていきながら国民にデータを提示していくということが一番大事なことだろうと思います。 このため、私どもでは、統計改革の一環として、四月に政府全体を通じた統計人材の確保・育成方針を作成したところでありまして、今後、この方針にのっとって、計画的な採用、OJTや研修を通じた能力開発、外部専門家との交流を通じて、各府省における戦略的、重点的な統計人材の確保、育成を進めていくこととしております。 また、政府の統計部門ではこれまで生産性を上げて効率化を追求する中で職員数が減少してきましたけれども、やはり少数精鋭で効率的に仕事をするということも大事な要素ですから、これも我々としては考えているところであります。特に、職員数が外国と比べて少ないというのは御指摘のとおりなんですけれども、我が国は公的部門の職員数が全体として少なくて、そして統計調査の実施方法なども国によって異なるため、各国の職員数を単純に比較するということは難しいのではないかと思います。 そんな職員数については、今回の統計改革を実現して統計行政の諸課題を解決するためのリソースは適切に確保する必要がありまして、この三月に閣議決定された公的統計基本計画において統計改革の実現に必要な統計リソースを計画的に確保する旨明記したところでありまして、平成三十年度には、定員としては各府省全体で百三人の増員を確保したところでもあります。 ただ、肝は、私は、データを集めるのは誰でもできるんです。だけど、それを正しく読むというのが一番大事なことだということを強調しておきたいと思います。
○杉尾秀哉君 その考えを全省庁に是非広めていただければというふうに思いますけれども。 今、人員の話、一昨日も統計センターに行って資料を見させていただいたら、これ、十五年にできたときには九百五十六人、正規の常勤の役職員いらっしゃったんだそうですが、今、六百八十数人ということで、その分非常勤の方がカバーされているみたいですけれども、人員の問題、これ、川崎先生の論文を読んでいたら、アメリカも分散型なんですけど、商務省だけですよ、センサス局、正規が六千人、パートの人を合わせて一万三千人とかとんでもない規模で、ちょっと見てびっくりしたんですけれども。是非、これ、人員、それから専門人材の確保、そして、その奥野副大臣がおっしゃったようなデータの適切な処理の仕方、是非やっていただきたい。 それで、データの利活用について最後ちょっと伺いたいんですけれども、これ、経団連の提言を見ても、二次的な利用が低調と、こういうふうに指摘されている。調査票情報の二次利用の提供件数、今回資料を見させていただきまして、やっぱりすごく少ない印象があるんですけど、こうした二次的利用が日本で進まない低調な理由というのは何なのか、これ法的要因以外の部分も含めて説明してください。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 調査票情報の二次的利用のうち、調査票情報の提供につきましては、現行の統計法が施行された平成二十一年度の二千三百八件から、二十八年度には二千九百十件というふうになってございます。一方、いわゆるオーダーメード集計でありますとか匿名データの提供、これにつきましては、二十一年度以降、オーダーメード集計が二十件前後、匿名データの提供につきましては四十件程度となっております。 こうした提供の実績が必ずしも多くない理由といたしましては、オーダーメード集計では、あらかじめ集計方法を決める必要がございます。そうしますと、学術研究分野で行われております探索型の研究ができないという点がございます。他方、匿名データ、これにつきましては、匿名性を担保するという観点から地域情報や年齢区分などをまとめて区分するといったようなことになりますので、というように加工されておりますということでございますので、分析内容が制限されるといったようなことが指摘をされております。
○杉尾秀哉君 本法案で、調査票情報の提供対象の拡大という、そこの中で、相当の公益性を有する統計の作成等として総務省令が定める者に提供できると、こういうふうなくだりがあります。 この相当の公益性というのは、学術研究というのは分かるんですけれども、例えば企業の営利目的であったり、例えばシンクタンクの研究員でも、あるときは営利目的かもしれないし、あるときは学術目的かもしれないし、この辺の境目、区別というのはどうなんでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) 御指摘の調査票情報、これにつきましては、特定の調査客体を識別でき得る情報を含み得るということでございます。このため、今回の法案の三十三条の二の規定に基づく調査票情報の提供、これにつきましては、このことによりまして国民の統計調査に対する信頼、これが損なわれることのないように、当該情報の提供を受けて統計の作成等を行うことについて相当の公益性が認められる場合にのみ提供することができるということにしております。 具体には、御指摘ありました学術研究の発展に資する統計の作成等を行う場合、これは例えば論文でありますとか学会発表によりまして科学コミュニティーに向かって公開をいたしまして、その内容について吟味、批判を受ける、こうした統計作成を行う場合に提供できるというふうに考えてございます。このほか、省令によりまして、例えば学術研究と密接に関連する高等教育、この発展に資する統計の作成等も行う場合も提供を認めることを想定をしているところでございます。 こうした目的にシンクタンクの研究者の方々が合うか合わないか、個別の具体の申請を待って判断いたしたいと思います。
○杉尾秀哉君 時間が来ましたので、最後に一問だけ。 統計局長来ていただきましたので、一昨日最後に挨拶でおっしゃった言葉をちょっと議事録にどうしても残したくて、もう一度言っていただけませんか。僕は、あれ、すごい重い言葉だと思ったんですけど、御記憶ありますか。
○委員長(竹谷とし子君) 簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(千野雅人君) 私、統計は非常に重要だと思っておりまして、統計がゆがむと政策もゆがみますので、統計が乱れると国が乱れるということを申し上げました。
○杉尾秀哉君 ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 大分、杉尾さんと問題意識が重なっておりますので、どうしようかなと思いながら質問させていただきます。 まず、統計法第一条、「公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報である」と、非常に重要な定義ですが、意味を説明いただけますか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答え申し上げます。 御指摘の文言は、公的統計についての基本認識を規定したものでございます。公的統計は行政機関等による適時適切な施策の企画立案、実施のために作成されるとはいえ、国民は行政によるそうした統計利用の反射的効果を受ける立場にとどまるものではなく、国民自らが国民生活や企業活動といった社会の様々な行動において積極的に公的統計の利用者となる、こういうことを示したところでございます。
○山下芳生君 政策決定するときの根拠になると、非常に重要な位置付けだと思います。 続いて、統計法第三条、基本理念の二で、公的統計は、適切かつ合理的な方法により、かつ中立性及び信頼性が確保されるよう作成されなければならないとありますが、この意味をお答えください。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 公的統計の作成に当たりましては、必要となる統計の内容に照らしまして、最も適切な情報源及び合理的な作成方法により、社会経済の実態を正しく表すように、特定の者が恣意的に有利になるようなものとなることのないようにしなければならないということを意味するものでございます。
○山下芳生君 大事な御答弁だと思います。 そこで、具体の問題を聞きたいと思いますが、聞くことは杉尾さんとダブっておりますが、厚労省の働き方改革をめぐる、総理も厚労大臣も、裁量労働制の方が一般の労働者より労働時間が短いというデータがあるという、この根拠となった厚労省のデータ、これは公的統計と位置付けられますか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答え申し上げます。 御指摘の労働時間等実態総合調査は、厚生労働省が労働基準法第百一条の規定に基づきまして、労働基準監督官による臨検監督業務の一環として実施したものと承知しております。 この調査結果は、当該業務の結果、副次的に作成されたものと承知しておりまして、統計法上の統計調査に基づき作成されたものでありませんが、行政機関等が作成する統計であることから、同法の公的統計には該当します。このため、統計法に定める、公的統計は中立性、信頼性が確保されるように作成されなければならないという基本理念は、この調査結果にも及びます。
○山下芳生君 公的統計だということでありますが、そうすると、この厚労省のデータ、野党の指摘によって間違っていたということが認められて、首相の答弁は撤回をされましたし、裁量労働制の適用業務の拡大については削除されました。政策決定の根拠である公的統計がでたらめだったと、これは非常に深刻な事案だと言わなければなりません。 杉尾さんが先ほどやり取りされました。その答弁はもういいです、その答弁はいいです。別の角度から聞きたいんですが、私、二月十九日に厚労省労働基準局提出の平成二十五年度労働時間等総合実態調査に用いた付表というものをいただいております。ここに調査事項というのがありまして、これを見ますと、裁量労働制については労働時間の状況の平均を取っております。それに対して、一般労働者については調査した月の中で最長の一日の時間外労働の時間というものを取っております。裁量労働制は平均、一般の労働者は一月のうちで最長の時間、これ、比べてはいけないものを比べていたと、驚くべきことがやられていたということなんですが、間違いありませんか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。 この実態調査に関しまして、今御指摘がございましたように、調査対象事業場における平均的な者の労働時間として、一般労働者と裁量労働制の労働者では異なる仕方で数値を選んでいたところ、当該数値を比較したということは不適切であったというふうに考えておりまして、また、この調査のうちの裁量労働制に関するデータは国民の皆様に今回の裁量労働制の改正について疑念を抱かせることになったということから法案から全面削除をしたという、こういう経過でございます。 国会、また国民の皆様方に大変な御迷惑をお掛けしたことについて、深くおわびを申し上げたいと思います。
○山下芳生君 不適切じゃ済まないですよ、これ。だって、平均値と最長の値を比べちゃ駄目じゃないですか。誰が考えても、小学生でも分かる、失礼ですけど。それを比べて、結果として裁量労働制より一般の労働者の方が労働時間が長い。比べるものが間違っているんですよ、比べちゃならないものを比べたと。何でこんなことになったんですか。
○政府参考人(土屋喜久君) この比較につきましては、私どもが、平成二十七年の当時だったと思いますが、様々な御議論にお答えをするという中で、特にこういった比較を求められた中で、データとしてお出しをできるものは何かないかという作業をやっていく中で、データの前提を十分に確認しないまま比較をしたデータを申し上げた、その後、その比較について御質問をいただく機会もございまして、国会でも御答弁を申し上げる機会があったと、こういう状況の中で起こったことだというふうに考えております。
○山下芳生君 二月二十二日の野党の合同ヒアリングの中で、私も参加を時々するヒアリングですが、当時の厚労省の労働条件政策課長はこう言っておられます、大きなターニングポイントは日本再興戦略改訂二〇一四、これで一回リセットになったと。 日本再興戦略改訂二〇一四というのは、次期通常国会に高度プロフェッショナル制度も裁量労働制の対象業務の拡大も法案として提出するということを閣議決定したものであります。それまでは、裁量労働制の時間、一般労働者の時間、JILPTの調査として裁量労働制の方が長いというごく当たり前の調査結果が出ていたんですが、この労働条件政策課長は、再興戦略二〇一四で、これが大きなターニングポイントになったと、環境の影響も大きかったというのが、言い訳するつもりもないけど、そういったことがあるというふうに私たちの前で言ったんですね。 まともな調査やっていたけれども、総理が議長になる産業競争力会議やこの日本再興戦略改訂二〇一四、これが大きなターニングポイントになって環境が変わった、言い訳するつもりないけれども、これでこういう結果になっちゃったということに影響があるということを私たちの目の前で認めました。 総務大臣に伺います。なかなか難しい質問かもしれません。 私は、先ほどからずっと、統計とは何か、政策決定の根拠になるものだと、そして、中立性、信頼性はなぜ大事かというと、特定の者に恣意的に有利になるようにしてはならないということが言われました。私は、残念ながら、総理が責任者に立っているこういう産業競争力会議や日本再興戦略二〇一四が、突然、裁量労働制の適用業務の拡大、あるいは高度プロフェッショナル制度をもう次の国会で法案として出すということをトップダウンで決めた、それに、残念だけれども、現場の厚労省の方々は、大きなターニングポイントだったと、言い訳するつもりはないけれども、環境の影響を受けたと言っているんですよ。これは非常に重大だと言わなければなりません。 中立性どころか、政府の方に偏った調査を意図的に作らざるを得なくなったんじゃないかと、信頼性はもう根底から崩れた、そういう政権のトップダウンによって信頼性、中立性が崩されることが起こったと言わなければならない、そこまで底ついたこれは総括をする必要があると思いますが、総務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 山下委員御指摘のとおり、統計法では、公的統計について、中立性及び信頼性が確保されるように作成されなければならないという基本理念が規定されているところです。ですから、今般の国の作成する統計において不適切な取扱いが見られたことについては、統計制度を所管する総務省として極めて残念、これに尽きます。 今般の法案では、行政機関等の責務として、「基本理念にのっとり、公的統計を作成する責務を有する。」と明記したところです。総務省としては、今後、この責務が各府省においてしっかり果たされるよう周知徹底してまいりたいと思っています。
○山下芳生君 私の質問には答えておられません。 そういう残念な事態がなぜ起こったのか、政権のトップダウンで意向をそんたくせざるを得ない状況に追い込まれたんじゃないかと私は問題提起しているんです。担当官の方は、その影響があったと、大きなターニングポイントだったと正直に答えられていますから。私は、統計を所管する大臣として、そのことをしっかりと底ついて調べた上で今後に生かさなければ、生かしようがないと思っているんですよ。 そこで、もう一回厚労省に聞きますが、監察チームの報告、いまだに行われていないですが、いつまでにやるのか。それから、今回のこの裁量労働制をめぐるデータの間違いについて、政府の統計に対する国民の信頼が失われているわけですから、これは総務省、あるいは統計委員会から報告を聴取されたり、意見を聴取されたりしましたか。この二点、お答えください。
○政府参考人(坂口卓君) 前段についてお答えを申し上げさせていただきます。 先ほど来議論がございましたデータの作成経緯につきましては、これまでも私どもの方でも確認をしてきたところでございますけれども、今月の衆議院の厚生労働委員会で、第三者的な目で調査すべきとの御指摘もございました。こうしたことから、今後の更なる確認につきましては、委員今御指摘ございましたような厚生労働省に設置されている既存の監察チームというものを活用して、弁護士等、外部の有識者の目を入れて確認をすることとしております。 いつまでという点につきましては、改めて外部の有識者に御相談しながら進めるものでございまして、いたずらに時間を掛けるつもりは毛頭ございませんけれども、一定の時間が掛かるということについて御理解をいただきたいと思っております。
○政府参考人(土屋喜久君) 質問の後段についてお答え申し上げます。 本調査で集計をいたしましたデータは、労働基準監督官による臨検監督業務の一環として実施をした業務統計でございまして、総務大臣の御承認を受ける必要がある統計調査には該当しないということで、したがいまして、今回の問題に関しては総務省から統計法に基づくヒアリングというものは受けていないという状況にございます。
○山下芳生君 総務大臣、これ、そういう、何といいますかね、もうしゃくし定規な解釈するんじゃなくて、これだけ国政の特に統計調査に対する信頼が根本から損なわれる事態が、先ほどの農林水産省の問題もそうですよ。もうそれ、今日、済みません、聞きませんけれども、時間なくなりましたので。 こういう問題について、何でこんなことが次々と起こるんだろうかと。ちゃんと底ついて、私は統計を所管する大臣としてイニシアチブを発揮すべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(野田聖子君) 厚生労働省の調査、ヒアリングについては、今お話があったように、総務省としては厚生労働省から統計法に基づくヒアリングを行うことはしませんが、一方、この問題が明らかになった後、厚生労働省の動向を注視して関連情報の収集を行っています。そして、厚生労働省が統計法に基づく統計調査として再調査を行った場合には、総務省としても専門技術的な観点からしっかり審査するとともに、厚生労働省の求めに応じてしっかり相談に乗るよう、私の方からも職員に指示したいと考えているところです。
○山下芳生君 再調査は当然なんですが、再調査がちゃんとしたものになるかどうかの前提として、ちゃんと総括しないと駄目だということを指摘しておきたいと思います。 法案のもう一つの面、調査情報の提供先の拡大について聞きたいと思います。 調査票情報提供先について、これまでの公的機関と同等の者から、相当の公益性を有する者に拡大されることになります。 まずお答えいただきたいんですが、調査票情報の提供、そしてオーダーメード、匿名データの提供について、それぞれ相当の公益性とは具体的にどういうことでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 法案の第三十三条の二、これに規定いたします調査票情報の提供における相当の公益性が認められるものにつきましては、調査票情報が特定の調査客体を識別できる情報を含み得る、こうしたものであることを踏まえまして、調査票情報の提供を受けて統計の作成等を行うことについて、国民の統計調査に対する信頼が損なわれることのないような公益性が認められるものを意味をしているところでございます。具体には、条文で例示しております学術研究の発展に資する統計の作成等を行う場合のほか、学術研究と密接に関連する高等教育の発展に資する統計の作成等を行う場合を想定しております。 また、お尋ねのオーダーメード集計及び匿名データの提供につきましての相当の公益性でございますけれども、これらの集計、提供制度によって特定の調査客体を識別できる情報は提供されないこと、また、両制度が平成二十一年以降、約十年にわたり特段の問題もなく運用し、社会的な理解が進んでいると認識していることから、現在より提供条件を拡大しても国民の統計調査に対する信頼を損なうおそれは小さいというように考えております。 具体に例示で示しております学術研究の発展に資する統計の作成等を行う場合のほか、官民データ活用推進業務計画、これにおきまして、データの利活用により諸課題の解決が期待できる分野として指定されております農林水産、インフラ、防災、減災等の、重点分野と言っておりますけれども、こうした分野に係る統計の作成等であって、当該統計の作成等が国民生活の健全な発展や国民生活の向上につながるといったものを追加することを想定しているところでございます。
○山下芳生君 日本経団連が、二〇一六年四月十九日に公的統計の改善に向けた提言をされております。そこには、「企業における利用促進に向け、今後は、利用目的を学術研究だけでなく、企業の商品開発、市場分析、地域産業の活性化等にも活かせるように緩和することが求められる。」としておりますが、今回、その他公益性を有するというところの中に、経団連の言う企業の商品開発、入りますか。
○政府参考人(三宅俊光君) お尋ねの御指摘のオーダーメード集計でありますとか匿名データの利用関係でありますけれども、今申し上げたような適用の拡大を考えているところでございます。 こうした点が経団連から要望のありました企業の商品開発とどのように合致するか、これは具体に申請を受けて審査をしていくということになろうかと思っております。
○山下芳生君 非常に怪しい答弁だと私は思いますよ。個々の企業が商品開発するために、公的統計から必要なデータを作ってくれと依頼されたら、オーケーということもあり得るという今御答弁に聞こえますよ。しかも、その基準は今、ないんですよ。これから省令に委ねられるわけですからね。そんなことでいいんだろうかというふうに思わざるを得ない。 やはり、国の政策を決定するための法的な統計、それをどう使うのかというのは、やはりあくまでも公的な、公益に資するものでなければならないのに、それが一企業の商品開発にどんどんどんどん使われていくようになったら、これ公的統計に協力する側も考えを変えなければならないということにさえなりかねない問題だと思います。 そこで、最後に、オーダーメードや匿名データへの加工をしても、様々なデータを寄せ集めるなどすれば特定されることもあるということが専門家から指摘されておりますが、こういうオーダーメード、匿名データへの加工で絶対に個人情報、プライバシーが漏えいしないと言い切れるんでしょうか。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 匿名データは、調査票情報を特定の個人又は法人その他の団体の識別ができないように加工したものでございます。この匿名性を担保するために、調査実施機関は、ガイドラインにのっとりまして、各種の匿名化処理の技法を用いて匿名化処理を行うということにされております。さらに、基幹統計調査に係る匿名データを作成する場合には、法第三十五条の二項に基づきまして、あらかじめ統計委員会の意見を聞かなければならず、匿名性は十分に担保されているものと考えております。 また、オーダーメード集計につきましては、そもそも利用者自身が調査票情報を取り扱うことがないので、利用者から漏えいすることはありません。 以上でございます。
○山下芳生君 ただ、専門家は、匿名データにしたとしても、いろいろ数が集まって集計されると分かる場合があるというふうに言っておられるんですね。そういう心配あると思うんですが。 そこで、これ大臣に聞きたいと思うんですけど、まず政府委員でも構いません。私は、調査票データの二次利用について、本来、本人同意を取るべきだと思うんです。少なくとも、調査協力を求める段階で、第三者に提供される可能性があると、匿名データに加工するなどする、その場合もあるということをちゃんと事前に伝達、少なくともするべきではないかと思いますが、これどうですか。
○委員長(竹谷とし子君) 申合せの時間が参りましたので、答弁をおまとめください。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 調査票情報につきましては、秘密の保護及び国民の統計調査に対する信頼性の確保の観点から、第四十条におきまして、統計法に特別の定めがある場合を除きまして、その行った統計調査の目的以外の目的で利用、提供することは禁止されております。そして、この特別の定めとして三十二条から三十八条の規定を設けておりまして、このように統計調査で報告した内容が二次的利用として用いられることがあり得ることは、平成十九年の新統計法制定以来、既に制度として定着しているというふうに理解をしております。 その上で、今回の改正では、調査票情報の二次的利用の透明性の確保及び利用成果の社会還元の仕組みといたしまして、提供時点で提供を受けた者の氏名、名称、提供に係る統計調査の名称を公表し、成果を得られた時点でその成果を公表するといった制度を設けることといたしておりまして、個別の二次利用につきましても透明性を担保できるようになったと考えております。 今回の公表制度につきましての制度内容を含めまして、二次的利用につきましての更に国民の理解を得られるよう周知に努めてまいります。
○山下芳生君 もう終わりますが、これ、家計調査の集計、個人に配られるやつですけれども、ここにちゃんと、統計法に基づき政府が実施する基幹統計調査です、記入内容は厳重に保護されますので、ありのままを御記入くださいとあるんですよ。誰もこれ第三者に提供されると考えないです、これ読んだら。ところが、どんどんどんどん二次加工されていく、しかも、その利用対象が広がると。にもかかわらず、安心してくださいというままでこれからもいくということですから、これは非常に心配だということだけ指摘して、終わります。
○片山虎之助君 順次質問いたしますが、今までの質問とダブるところあるかもしれませんので、それは答弁では適当にはしょってください。構いません。 まず最初に、通告はしていないんですけれども、統計に対する風向きが変わってきましたよね。統計というのは大変地味な仕事で、私は政策や行政のインフラだと思っていますよ。思っていますけれど、今のリソースというんでしょうか、予算でも人員でもどっと減らされるようなところが少しあるんですが、このところちょっと変わってきたなと。 というのは、何年か前に統計改革推進会議というのをつくりましたよね。それで、官房長官があれは議長になったんですよ、総務大臣じゃなくて。そこでいろんな提案をしたものが今回の法律になっているんですよ。あるいは、今日も盛んに議論になっているEBPMか、言いにくいやね、こういうことも盛んにやろうというのが、これは別の会議で、政府の会議で取り上げられてきた。これは背景、どういうことなんでしょうかね、大臣。御感想があれば、大臣でも、統計の専門家の副大臣でも結構です。
○国務大臣(野田聖子君) 片山先生御指摘のとおりで、やっぱりEBPMを進めていこうというのが大きな流れではないかと思います。立法するに当たって、エピソードが結構かつては主体になっていたけれども、そういうことではなく、しっかりと統計上、数字の上でエビデンスをつくって、いい政策をつくっていこうということが一つと、やっぱり私自身が思うには、人口減少局面に入って、今まではやはり富が十二分にあってそれを分ければいい政治だったものから、やはりある程度苦しみや犠牲を伴うような、分かち合いをきちっと国民の皆さんに御理解していただくためにも、そういうやっぱり客観的な数字をお出しすることで御理解いただくことが大切なのかなと、そういう時代の政治になったんだと私は思っています。
○片山虎之助君 EBPMなんて当たり前なんですよ。根拠を持つ、きちっと立法事実がある、根拠を持つ、そういう統計があると、そういう数字がある上に立って行政をやる、政策をつくるというのは大変当たり前のことで、今EBPMなんというのが出てくるのは遅きに失したとまた思いますよ。ツーレートですよ。何で今頃なんですか、何か御意見があれば言ってください。
○国務大臣(野田聖子君) 恐らく、ツーレートかもしれませんけれども、EBPMという考え方をしっかり定着させようという動きが日本の国会の中で起きたことが始まりではなかろうかと思います。
○片山虎之助君 そこで、政府がやるというと、また機構やいろんな仕組みいじりなんですよ。今回の改革でも、一つは統計委員会の充実というのか改組、もう一つはEBPMの推進委員会をつくっているんですよ。 そこで、まず統計委員会の改組を聞きますけど、今までが受け身過ぎるのよ、とにかく諮問出したら答申するだけで。あんなもの、あってもなくてもいいですよ。まあ、私が言うのはちょっとあれですけどね。だから、今回広げて、建議ができたり、あるいは勧告ができたり、計画に基づくね。当たり前ですよ。しかし、当面、これだけ強化して何を狙いますか、統計委員会の改組で。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 今回の改正案によりまして強化される統計委員会、この機能強化が十分に発揮されるように、事務局としましては、審議、様々な調査研究を行う、あるいは所管府省から必要な資料を提供されるよう調整を行うといったことで、充実した審議を行っていくことを考えております。 そうしたことによりまして、必要な統計がしっかりと整備をされる、各府省の縦割りを超えまして、横割りの政府全体としての統計整備を進めてまいりたいというふうに考えております。
○片山虎之助君 いや、それはもう建前なのよ。具体的に何やるの。 それから、各省に幹事を置くんでしょう、統計委員会の。幹事は何をやって、どういうことをやるの。今と違うのはそこでしょう。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 今回の法改正によりまして、統計委員会に委員等を補佐する幹事を置くということで、御指摘のとおりでございます。 この幹事につきましては、各府省における統計部局がございます。各府省を代表する者をこの幹事に充てます。この幹事と統計委員会とが密接な連携を図りまして、政府一体としての統計行政を進めるということでございます。
○片山虎之助君 先ほどから盛んに問題になっている裁量労働制のあの調査など、ずさん極まると私も思いますよ。ああいうものは直るの、今度の統計委員会の改組で。
○政府参考人(三宅俊光君) 裁量労働制の問題につきましては、公的統計ではありますけれども調査統計ではないということで総務省の審査の対象ではございませんけれども、今般の機能強化された統計委員会、こちらが基本計画にいろいろ業務統計も含めましたチェックを行うということは書いてございますので、それをフォローアップをし、推進をしていくといったことで改善を図っていきたいと思います。
○片山虎之助君 なるほど、あなた方の一次の対象じゃないけど、統計ではあるんだよ。法律上どうなるか知りませんよ。 それ、建議したらいい、まさに建議できるんだから。今後は建議するんですね、統計委員会が政府に。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えします。 今申し上げた公的基本計画に種々の取組がございます。そうした取組の実施状況、これを統計委員会がフォローアップをいたしまして、必要に応じて勧告を行うということになろうかと思います。
○片山虎之助君 そのいい悪いを建議しなさいよ、それこそ。この統計はおかしいとか、場合によったら、これはこう直すべきだと、この調査方法は良くないとか、そういうことをやらないと機能しないよ、と私は思うよ。 それからもう一つの、EBPM、この推進委員会は、今度は統括官を置くんでしょう、各省に統括官を。何をやるんですか、統括官は。統括官会議が推進会議になるのよ。それで、どういうことが議題になるの。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 私どもは統計部局でございまして、ちょっとEBPMにつきましてはこの場でお答えすることは難しいんですけれども、EBPMを推進するために、各府省に、御指摘のありましたEBPM総括審議官、こうした者を各府省に置かれると聞いておりまして、この集合体が推進委員会となります。その場では、各府省におけるEBPMの推進、これについての方針、あるいは優良事例の横展開、そういったものを行うと聞いてございます。
○片山虎之助君 EBPMはどこが所管になるの。それから、それはあなたには無理よ、EBPMは。それは大臣か副大臣よ。
○政府参考人(三宅俊光君) お答え申し上げます。 内閣官房の方で行革事務局がございます。そちらの方で担当しております。
○片山虎之助君 だから、二元行政になるんですよ。総務省が所管すべきじゃないの。それは、内閣官房なんて中身があってないんだから、寄り合い世帯なんだから。 ちょっと大臣、申し入れなさい。いかがですか。
○国務大臣(野田聖子君) 鋭い御指摘、ありがとうございます。必要であれば申入れをいたします。
○片山虎之助君 それで、今回の改正に伴って、この間、統計局を見せていただきまして、大変勉強になりました。あの中で、ICTは総務省の所管ですよね。これをどんどんどんどん統計の中に入れていくということは私はいいことで、かなり進んだと思いますけれども、各府省の関係はどうなっているのかというのと、それから、総務省関係のICTの推進が今後どうなるのかということを簡潔に教えてください。
○政府参考人(千野雅人君) 統計におけるICTの活用は極めて重要だと考えております。 統計局では、統計の作成から提供までの各段階におきまして、幅広くICTを活用しています。例えば、調査の段階では、家計調査においてレシート読み取り機能を備えたオンライン家計簿を導入するといったように、所管する全ての統計調査においてオンライン調査の導入を推進しています。また、集計の段階におきましても、記入内容の審査、産業分類符号への格付事務におけるソフトウエアでの支援などを行っておりまして、ICTの活用を図っております。さらに、提供の段階ですが、e―Statにおきまして、データ更新に合わせたデータの自動取得が可能となるAPI機能、それから、統計データや各種データを地図上に表示して可視化する統計GISといったものが利用できるようになっております。 今後ですが、今、既存の統計を活用して消費動向指数というものを作っておりますが、これにつきまして、ビッグデータの活用を視野に進化させていくことを考えております。また、分類符号への格付事務におきまして、AIの活用について研究を進めております。 様々な面からICTの活用を推進し、正確かつ効率的な統計の作成、提供に努めてまいります。
○片山虎之助君 EBPMで一つ忘れたんですが、皆さんがお作りになった計画を見ると、官民の統計コストを三年間で二割削減すると書いてあるわね。それをEBPMの一つの目標にしているんですよ。 これはどういうことなんですか。よく分からない。むしろ逆じゃないかと思っているんだよ。
○政府参考人(三宅俊光君) EBPMとの関係でございますけれども、まず、EBPMの推進に伴いまして統計調査が積極的に利活用されるようになるということで、統計を作る側につきましても、そうしたニーズを踏まえて、より良い統計が作られるようになるということでございます。 また一方で、そうした統計を作るという、体系的に整備をしていくということになりますと、新たな調査負担、あるいは新たなコストが発生するということでございますので、そうしたことに対応しまして既存の統計の負担を減らしていくといったような取組が必要だということで、先ほどの御指摘の三年二割といったものを目指しているところでございます。
○片山虎之助君 いや、そうは書いていないじゃないの、計画の中に。削る方だけ書いているのよ。増やす方書いていますか。私、読んでいないのかな。
○政府参考人(三宅俊光君) 基本計画におきましては、統計リソースの計画的な確保ということも明示しておるところでございます。
○片山虎之助君 おかしいでしょう。削る方は三年間で二割コストを切ると書いているの。増やす方は、これから考えて、抽象的に書いてあるわけ、何かは今、表現忘れましたけどね。 これはバランスが取れないので、やっぱり統計は、日陰じゃないけど、余り優遇されていないんですよ。それはどういうことなの。もう一度言いなさいよ。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 三年二割と書いてございますのは官民のコストでございまして、作成する側、利用する側、お答えいただく側、こうした三者のコストにつきまして総合的に削減していこうということでございます。 他方、統計リソースの確保につきましては、作る側のリソースをしっかりと計画的に確保していこうということを決めているところでございます。
○片山虎之助君 しかし、昨日ですか、調査のときに統計局の皆さんから聞いたら、相当人員が落ちているわね。まあ非常勤に変わっているのかもしれません。それから、それはコストもIT化によって相当効率的になっているのかもしれない。しかし、これも落ちていますよね。それから、人材戦略で、作る人、使う人、まあ読む人というのかな、奥野副大臣のあれによると、そういう人材の育成や確保についての戦略も定かでない。 どうも、私個人の感じとしては、切る方ばっかり熱心なのよ。きちっと活用して伸ばしていくということがないとEBPMの精神に反しますよ。だから、掛け声だけになっちゃう、また。それを大変心配しますけれども、いかがですか。大臣が答弁すべきだな。
○国務大臣(野田聖子君) 委員御指摘のとおりで、統計というのは、極めて重要にもかかわらず、やはりこれまで政治の中で一番ど真ん中にいるような存在ではなかったと思います。不幸なことにして厚労省や様々な役所のデータの不適切な取扱いがあったことがあり、このピンチをチャンスとして生かすために今回、統計法の改正があるのかなとぐらいまで思っています。 統計委員会も十年で、やはり、委員会としてあるけれども、今おっしゃったような権限というのが弱かった。今回、やっぱり建議ができることになって、より一層そういう他の業務統計なんかについてもしっかりとプロとして物が言えるような立場をつくっていこうということで、これまでの行革並びでやってしまえば一律とかそういうことになるんでしょうが、今国会の様々な事案を経て、やはり統計をしっかり守ることが多くの与野党を超えた国会議員の皆様方にも御理解いただけたんだと思います。 そういうやっぱり応援をいただいて、しっかり、人員を増やすことが大事なのか、専門性を高めることが大事なのか、予算を取ることが大事なのか、様々なことがあると思いますけど、統計があって初めて日本の政策がつくられるという、遅きに失したと言われますけど、その当たり前のことをしっかりやるために頑張っていきたいなと思っています。よろしくお願いいたします。
○片山虎之助君 それと、地方団体への支援ですよね。私も地方で勤務したとき、国勢調査については、これは人件費の補助が、委託費だね、委託費が来るんですが、これがどんどんどんどん削られているんですよ。だから、その補助対象者は、委託費対象者か、それは恐らく三割以上減っていると思う。そうなると、足りないのは一般財源でやるよりしようがないわね。 それから、ほかのこともやっているんだから、国勢調査だけじゃないから、それは恐らく地方は黙っていますけど、その辺のことはどうなの。委託調査というのはかなり多いよ、国の委託調査は。委託調査というのは全部財源を見ているの、国調は見ているけれども。人件費はどうなっているのか、そういうところを少し教えてください。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 地方公共団体は、各府省が実施する国の統計調査の実査を担っております。こうした事務費、これは各府省から交付をされております。また、総務省は、こうした事務に従事する都道府県の統計専任職員、これの給与等を都道府県に交付しているということでございます。
○片山虎之助君 今、地方から苦情は来ていませんか。みんな黙っているかな。例えば委託費、仕事に比べて委託費が少ないとか。それから、いろんな調査が来るものにお金が付いているのと付いていないのがあるはずですよ。それはどうなっているのか。分かれば、ちょっとあれしてください。
○政府参考人(千野雅人君) 統計局が実施する基幹統計調査につきましては、基本的に都道府県、市町村に委託して実施しております。それにつきましては、我々、必要と思われる委託費を委託費として交付しております。確かに予算、だんだん少なくなっておりますが、そこはいかに効率的にやるかということで工夫して実施しているところでございます。
○片山虎之助君 それと、その専門職員の養成や何かを少し国の方が力を入れて、地方の関係の人を集めてやった方がいいと思うし、それから、地方の現場で調査員がずっと回るでしょう。ところが、今、マンションが増えたり、いたりいなかったり、家族構成も複雑だし、移動も激しいし、大変な苦労があると思うんですよ。そういうことに対するやっぱり対応をお考えですか、地方の意見も聞いて。
○政府参考人(千野雅人君) お答えいたします。 統計調査の現場で調査員が活動しやすい環境を整備するということは極めて重要であるというふうに考えております。 総務省では、国勢調査や住宅・土地統計調査を始めとする各種の統計調査におきまして、オートロックマンションなどで調査を円滑に実施するために、関係府省、それからマンション管理団体などに対して、調査員が訪問する際の協力などの協力依頼を行っております。これは、我々だけではございませんで、都道府県や市区町村の段階におきましてもそれぞれの段階で同様に統計調査の協力依頼を行っております。 これだけではございませんで、例えば、調査員が世帯と面会しなくても調査票を回収できるようにオンライン調査を推進しております。そのほか、広く国民の理解を得られるように広報の充実に努めているところでございます。
○片山虎之助君 それから、時間がなくなりましたからあれしますけれども、海外との関係ですよね。私は、開発途上国、特にアジアの、それは統計上のいろんな支援をすべきだと。ああいう国は、まだきちっと統計的な準備というか、対応ができていないんですよね。前から言って、予算委員会でもそういうことを少し言ったことがあるんだけど、今の状況はどうなっているのか。何か国ぐらいとどういうことをやっているのか。ODAとの関係もあるんでしょう。いかがですか。
○政府参考人(千野雅人君) お答えいたします。 統計局では、公的統計に関する国際協力、国際貢献の一環としまして、アジアなど諸外国との間で、専門家の派遣、それから研修生の受入れ、統計に関する技術協力などを行っております。特に、開発途上国の関心が高いオンライン調査システムにつきましては、海外展開向けのシステムを開発しまして、各国のニーズに応じた導入支援を行っております。 開発途上国の中には、正確な統計作成や統計の体系的整備に向けて支援を必要としている国がいるというふうに承知しております。統計局は、正確な統計の作成のための様々なノウハウを持っております。また、統計の作成から提供までの各段階で最先端のICTを活用しておりますので、これまでの人的支援や技術協力に加えまして、ICTシステムの海外展開などの活動を通じて、諸外国、特に我が国と密接な関係にある東南アジアなど、アジア諸国を中心に国際貢献に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○片山虎之助君 そういう予算はあるんですか。それから、今のODAはどうなっているの。使っているの、使っていないの、統計で、統計支援で。
○政府参考人(千野雅人君) ICTシステムの展開のための予算は一般会計予算として確保しております。 それから、ODAにつきましては、JICAを通じた国際協力も行っておりまして、今現在ではネパール、エジプトにつきまして統計職員の能力強化のプロジェクトを実施しております。
○片山虎之助君 統計は大変地味な仕事だけれども、私、ちゃんとやるべきだと思いますよ。恐らく総務委員会の皆さん、みんな応援団だから、自信を持ってやりなさいよ。 終わります。
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。 法案の質疑に入る前に、大臣、大臣に率直な感想をお聞きをしておきたいと思うんですが、今朝からも出ておりますけれども、もし仮に総務省の中で、今言われているようなこうした、資料が隠蔽をされる、公文書が改ざんをされる、口裏合わせがやられる、あるいはデータが捏造される、虚偽答弁が繰り返される、こういう事態がもし総務省の中で起こっておったとしたら、当然その真相究明、いろんなことをやって対策をやられると思いますが、その上で、なお政治家として自らどういう処し方をされようとすると思うか、その点の感想をお聞きします。
○国務大臣(野田聖子君) 又市委員にお答えしたいと思いますが、不意の御質問だったので。まず、仮に総務省でそういう不祥事が発生した場合は、しっかりと通知を出して事実を確認したいと思います。そして、改善できることがあれば、私の力の範囲で改善できることがあれば、速やかに改善策をつくって、そして実行したいと思っています。 恐らく、トップですから辞める辞めないみたいな話もあると思いますけれども、速やかに辞めることで事が解決しない場合もあると思います。大臣として、やはり不祥事が起きた場合は、しっかりと次に起きないような再発防止を確認してから、自分の身の置きどころは決めていかなければならないかなと思います。
○又市征治君 野田大臣のこれまでの政治活動、その姿勢からいえば、今最後におっしゃったように、当然責任を取る、こういうことだろうと思います。是非そのことを閣内でもやっぱり言ってもらいたい。誰も責任取ろうとしていない、みんな何か官僚のトカゲの尻尾切りみたいな格好で言われている。そんなばかなことをやっているから、政治や行政に対する信頼がやっぱり損なわれていくということだろうと思います。 そこで、法案の質疑に入りますが、この種の法案ですから質問いろいろとダブると思いますが、是非確認の意味でお答えいただきたいと思います。 今回の統計法等の一部改正案のキーワードは、証拠に基づく政策立案、EBPMと、こういうことなわけですけれども、統計改革推進会議の最終取りまとめでは、欧米諸国では客観的な証拠に基づくエビデンスベースでの政策立案への取組が比較的進んできたのに比べ、我が国では、これまで統計の最大のユーザーである政府の政策立案において統計や業務データなどが十分には活用されず、往々にしてエピソードベースでこの政策立案が行われているとの指摘がされてきた、こう述べられています。 これがどのようなことを指しているのか不明ですけれども、安倍総理などは、いわゆるアベノミクスの成果が上がっているとの自分の主張を合理化するような統計だけを引っ張ってきて、うまくいっている、うまくいっている、まあ雇用問題なんかは特にそのことを言っていますが。人口がどんどん失われていることなんか全く無視をしてそういうことを言うわけですけれども、これに対する反証となる事実を統計的に示しても、まあ黙殺と言えるような態度が取られてきているというのが実態である。こういう政治家の姿勢では、幾らこの統計法を改正しても、統計等の積極的に利用して証拠に基づく政策立案というのは、私は無理だろうと、こう思う。 前段長くなりましたが、そこで伺いますけれども、最終取りまとめでこのEBPMが強調されるようになった背景、改めてお聞きをします。
○政府参考人(白岩俊君) 証拠に基づく政策立案でございますけれども、委員御指摘のとおりでございまして、より良い行政を展開するために証拠付けて政策を立案しろという考え方でございます。 なぜ最終取りまとめにおいてこのように車の両輪として扱われたかという御質問でございましたが、EBPMを推進いたしますと、政策立案に必要な統計等データの整備、改善に係るニーズが顕在化いたします。そして、この顕在化したニーズに応えて統計が改善されれば、今度はその改善された統計を基にまた新たなEBPMの可能性が広がるという、こういう関係にございます。 したがいまして、このような考え方から、昨年五月の統計改革推進会議の最終取りまとめにおいては、政府が作成する公的統計等の改善のための統計の改革と言わば車の両輪を成すものとしてEBPMが掲げられております。 以上でございます。
○又市征治君 それにしてもあれですよね、この統計改革推進会議の最終取りまとめでは、統計や業務のデータなどが十分に活用されず、往々にしてエピソードベースでの政策立案が行われている指摘というのは、随分辛辣な批判を受けている、随分とそういう意味では問題だと。今現在も問題ですよ、これ、今朝からも出ているように。 そこで、証拠に基づく政策立案となれば、当然、客観的事実、そしてそれが正確に反映されている統計が大きな役割を果たすことは言うまでもないわけですが、しかし、どういう事象をどのような角度から数値化するかは極めて主観的なものになる危険性があります。また、統計の取り方によっては全く異なった評価が出てくると。先ほどの杉尾さんの話はまさにそのとおりだと思いますけれども。 よく指摘されることですけれども、二〇一四年の消費税増税の影響について、旧基準、つまり二〇〇五年の基準で調査された民間最終消費支出によれば、二〇一四年、一五年共に前年比はマイナスになっているわけですが、新基準の二〇一一年基準でいえば、二〇一五年はプラスになって出てくる。つまり、この消費税増税の影響について、統計によって異なった結果が出てくるわけですね。こういうことがあり得るわけで、だから批判をするというわけではありませんけれども、どのような統計を作成するかを時々の政権の恣意的な判断に任せてあってはならないということなんだと思いますね。 特に最近では、いわゆる、先ほども出ましたが、働き方改革関連法案における裁量労働制の適用拡大の根拠に、もう厚労省が極めてずさんな、統計とも言えないようなデータを出して、そんなことを国会に出してくる。何も信用できない、こういう格好になっているわけですよね。 そこで伺いますが、統計のこの科学性、つまり、実態を正確に把握するための資料が提供されることはどのように担保されるのか、その点をお聞きをします。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 統計法に定める基本理念には、適切かつ合理的な方法により作成されなければならないということがございます。こうした基本理念にのっとって、今回の改正によりまして、行政機関は基本理念にのっとって作成する責務を有するというふうにしたところでございます。 また、総務省におきましては、国の行政機関が行う統計調査につきまして、新たに実施する場合、あるいは変更して実施する場合につきまして、統計調査の実施者から申請を受けまして、調査の設計、調査方法など、調査計画全般につきまして統計技術的な観点から審査を行っております。また、重要な統計につきましては、統計委員会に諮問を行いまして、専門的な知見を持った委員の方々からいただいた御意見を踏まえまして審査に反映しているということでございます。 こうしたことによりまして、統計調査の合理性、正確性を担保しているところでございます。
○又市征治君 統計委員会のそういう意味では第三者性というのは非常に大事だなというふうに私は思います。時の政府に都合の良い統計だけを集めて政策の正当性を訴えようとしても、それが事実を反映していない限り、それに基づく政策は失敗するしかないわけでありますから。そういう点でのことは、第三者性を持ってしっかりと客観的なものを作っていくような努力を求めておきたいと思うんです。 次に、オーダーメード集計、匿名データの提供について伺いますが、今回の改正では、従来どおり、学術研究のためという利用要件はそのまま存続することになりました。他方で、相当の公益性を有する統計の作成等という要件が追加されたわけですね。 そこで、この要件が追加された理由はどこにあるのか。また、相当の公益性の中身、定義というのはどういうことを考えられているのか。そして、この要件の拡大によって、新たにどのような組織、団体にとって利用が可能になると想定をされているのかということですね。 加えて、統計の二次利用に関しては、二〇一六年四月に経団連が、公的統計の改善に向けた提言の中で、統計の利用者の視点からということで、利用目的を学術研究だけでなく、企業の商品開発、市場分析、地域産業の活性化等にも生かせるように緩和するべきだと、こういうふうに主張しているわけですが、必ずしもこの意見そのものを取り上げたわけではないというふうに私は見ていますが、この点についてもう少し御説明いただきたい。
○政府参考人(三宅俊光君) 今回の改正におきましては、オーダーメード集計と匿名データの提供につきまして、相当の公益性を追加をいたしました。 これにつきましては、この両制度は、平成二十一年度以降、約十年にわたり特段の問題もなく運用してきておって、社会的な理解が進んでいるというふうに考えられることから、現在より利用条件を拡大するということを考えているところでございます。 また、相当の公益性につきましては、調査票情報の提供を受けて統計の作成等を行うことにつきまして、国民の統計調査に対する信頼、これが損なわれないような公益性を意味しているというふうに考えてございます。 今回、相当の公益性を認めるものとしまして、オーダーメード集計あるいは匿名データにつきましては、法律に書いてあります学術研究の発展に資する統計の作成等のほか、想定しておりますのは、官民データ活用推進基本計画、こちらにおきまして重点分野に指定されているようなところにつきましての統計の作成等を考えているということでございます。 また、最後のお尋ねにありました経団連からの提言でございますけれども、こちらは、ただいま申し上げたいろいろな想定しております条件、これに合致するかどうかにつきまして個別具体に確認をした上で利用の可否を判断したいというふうに思っております。
○又市征治君 この相当の公益性というのが実に抽象的な概念と言わなきゃならぬのですが、公益性の名の下に、企業活動、企業の利益のために利用されるということになるのではないかという不安が一方では言われているわけですね。 統計を作成するために情報を提供された方は、自分の情報がまさに企業のもうけの種になる、そういうことになってはならぬというふうに、そういう思いが強いわけであって、したがって、公益性と企業活動の線引きというものをやっぱり厳密にやるということが大事だろうと思うので、そのことは強く求めておきたいと思います。改めて回答は求めません。 最後に、先ほどからも出ていますけれども、統計に関するコスト、人員確保の問題について伺っておきたいと思います。 統計改革の基本方針、これ二〇一六年十二月二十一日付けのようですけれども、これでは統計の整理合理化、効率化の推進が掲げられて、最終取りまとめでも統計コスト削減などの取組が強調されて、報告者、調査実施者、統計作成者、ユーザーにわたる統計に関する官民のコストを三年間で二割削減する、こういう目標が掲げられた。これは先ほども片山先生からも御指摘がありました。 一方で、総務省が昨年五月に行った政府統計の棚卸しでは、業務の合理化、効率化では、外部委託ができない事情、調査結果の質が確保できない等の民間委託に関わる問題点も指摘をされているところですね。 そういうことを考えると、三年間で二割削減というのは、単に数字の独り歩きしているんではないのか、こう言わざるを得ない。この二割削減という目標の根拠は一体何なのか、こういうことをまずは一つは内閣府に聞いておきたいと、こう思います。 また、統計に関わる人材確保ですけれども、総務省は、平成三十年度には統計改革に関する定員として国全体で百三人を確保し、引き続き新たに必要となる人員を確保していきたいということを述べられていますけれども、元々、この統計職員数は今年度一千四百五十四名で、地方支分部局や統計センターを含めても二千六百人程度。これはアメリカだとかカナダと人口比も含めて比較をしてみても極めて少ない、こういう状況にあるわけですね。 一方で大変重要な課題を掲げながら、他方でコスト削減に走るということでは、私は成果を上げることは困難だ、更にいろんな問題が起こってくる、こんなふうに思うわけですが、内閣府と野田大臣からこの点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(横田信孝君) ただいま御指摘ございましたように、昨年五月、統計改革推進会議の方から最終取りまとめされました。 その中で、各府省は、統計業務の効率化の取組と併せまして、報告者負担の軽減、統計等データの利活用の促進の取組を行うことにより、報告者、調査実施者、統計作成者、ユーザーにわたる統計に関するコストを三年間で二割削減するということにしたところでございます。 この考え方でございます。今般の改革に当たりましては、各種政府統計の見直し、これが行われるわけでございます。それに伴いまして、業務の抜本的な効率化を図る必要があるということがまずございます。ただ、一方で、コストの引下げという観点からは、単に業務の効率化にとどまらず、報告者、ユーザーの負担を軽減するということも重要であると考えております。 このような考え方から、最終取りまとめにおきましては、広く官民のコストの削減を行うということにしておりまして、御指摘の具体的な削減目標につきましては、昨年三月、規制改革推進会議の行政手続部会取りまとめがございましたけれども、この中で調査統計に対する協力に係る行政手続コストについて三年間で二割の削減が目標とされたということも踏まえて、数字を設定したということでございます。
○国務大臣(野田聖子君) 又市委員の御指摘のとおり、我が国の統計部門の職員数は諸外国と比べて少なくなっています。公的部門の職員数が全体として諸外国と比べて少なく、また統計調査の実施方法なども国によって異なりますので、各国の統計職員数を単純に比較することはできませんが、総じて申し上げれば、我が国の統計部門は、業務のICT化、そして外部委託などを有効に活用して、合理化すべきものは合理化して、少ない職員で効率よく業務を遂行しているものと考えているところです。 御質問のありました統計に関する官民のコストの削減においては、統計の作成コストの削減にも取り組むこととしていますけれども、これは個々の統計の作成プロセスを改めて精査し、引き続き合理化すべきものを合理化していくものであって、統計行政に対する国民の理解を確保するためにも必要な取組であると思います。例えば、先ほどの家計簿のオンラインというのは、まさに我々主婦にとっては非常にやりやすくなって、合理化されていると思っています。 一方、統計改革の実現や統計行政の諸課題を解決するための人員については、これを的確に確保して改革を着実に推進することが必要であり、平成三十年度においては、統計改革に関する定員として国全体で百三人の増員を確保しました。 総務省としては、今回の案は、機能強化が盛り込まれている統計委員会が中心となって、各府省の統計リソースを重点化すべき分野と定めて各府省の後押しをするなどにより、政府全体としてめり張りのある体制整備を進めることとしております。これにより、統計改革の成果を着実に上げてまいります。 以上です。
○又市征治君 今大臣からもありましたように、事業そのものを効率的にあるいは合理的に進めるということは、もうこれは当然のことなわけですよ。そのことを我々は否定するわけじゃありません。しかし、効率的にやるということと、これがずさんな調査であったり、あるいは手抜きになったりしたんでは何の意味もないということですね。 例えば、コストだけを意識をしてやった悪い例、この間からの年金機構の問題ね。結局は、委託を初めから前提にしてやって、委託をやってみたら、第二次に中国企業にまで委託をしてしまった。普通の業界的に言うならば一件当たり百円ぐらいは必要だと言っているものを、何のことはない、十円ちょっとで落札させた。コストだけ下げるというこんな格好になって、とんでもないあの打ち込み作業がやられて、それをまともに年金機構はチェックもしていないということから多くの国民に迷惑を掛けた、こういう事例が起こっておる。 あるいは、厚労省もまさかそんなことをやろうと思ってやったんじゃないんだろうけれども、極めてずさんな調査をやり、その中のチェックをしっかりしないままあんなばかなことをやって、結果的に捏造されたデータが国会に提出されてきた。そんなことを、労働政策審議会、スルーしているわけですよ。とんでもない話だと思うので。 そういう意味で言うならば、やはり事業に必要なコストはその正当な対価として予算化を求めていくということが非常に大事なわけで、人員もそういう意味で非常に大事だということを、これ是非しっかり大臣は内閣府に向かって、内閣府じゃないのか、これ内閣官房か、しっかりとやっぱり要求していただく、そのことを強く求めて、今日の質問を終わりたいと思います。
○委員長(竹谷とし子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十六分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから総務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古賀友一郎君 自由民主党の古賀友一郎でございます。 おとといの委員会視察は、短時間ではございましたけれども、大変有意義なものであったと思っております。特に、我が国近代統計の祖であり、私の地元長崎の偉人でもあります杉亨二、それと統計制度の確立に尽力をした大隈重信の思い、統計は国家の礎であるという信念に触れることができましたし、先ほどもございましたが、統計乱れれば国乱れるという千野統計局長の名言も拝聴することができたところでございます。 今回のEBPM、証拠に基づく政策立案と統計改革を車の両輪として一体的に推進していこうとする今回の改革は、まさに杉や大隈が訴えていた国家政策の原点に立ち返るものだと、こう思った次第でございます。そして、あわせまして、現場の統計職員の皆さんの地道な作業もかいま見ることができましたけれども、今回のこの改革は、そうした国家の土台を支える縁の下の力持ちの方々に光を当てる、そういう良い機会にもなるなというふうに思ったところであります。 そうした中での今回の統計法改正でございますが、まず、この統計の作成面で注目すべきは、ビッグデータを含む民間データの活用だというふうに思っております。先日の視察での意見交換の際にも、それが将来的な統計の姿であるという話も出ましたし、私も、統計リソースの確保が厳しい状況にある中で効率的に正確な統計を作成していくためには民間データを有効に活用すべきと、このように考えております。 ただ、午前中の礒崎委員の質問にもありましたように、民間が出さないと言ったらどうなるのかという問題があるわけでございます。今回の法改正は、調査統計における十三条二項のような罰則付きの報告義務ではなくて、あくまでも努力義務でございまして、午前中の答弁でも、データ提供をやりやすくするための訓示規定という御答弁がございました。 出す出さないの判断が出す側にあるというのは、これは統計の安定性に関わる問題でございますので、この点どのようにお考えなのか、御見解をいただきたいと思います。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 御指摘のとおり、基幹統計調査につきましては、法第十三条によりまして報告義務が課されております。この報告義務違反につきましては、第六十一条により罰則が定められております。この報告義務は、基幹統計調査につきまして正確な統計を法的に確保しようというものでございます。 一方、改正法の第三条の二第三項の努力義務でございますけれども、こちらの訓示規定でございまして、御指摘のとおり、第十三条の報告義務のように、協力要請に応じて提供されたビッグデータなどの情報の正確性、これを法的に担保するものではございません。 現段階では、民間が保有するデータの種類は様々でございまして、データとして利活用するための前提となる、あるべき権利義務関係につきましての整理がされておらない、あるいは具体的な利活用についてもまだ十分に確立されていないというふうに認識をしております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 これからの検討ということだろうと思いますけれども、ただ、これは基幹統計に関わる話でありますから、しっかりとこの統計の安定性については、午前中も礒崎委員から御指摘もありましたし、しっかりと今から御検討いただければというふうに思います。問題提起しておきたいと思います。 続きまして、これも今回の改正の柱であります統計改革の推進体制の整備についてお伺いをいたします。 今回の改革の主な取組の一つといたしまして、GDP統計の精度を向上させるべく、産業連関表をSUT体系に移行させようという大変大掛かりな事業がございますけれども、これらの取組を強力に推進していくためには各府省の統計機構の一体性の確保が不可欠ということで、今回の法案では統計委員会の司令塔機能を強化するための改正が柱となっているわけでございますけれども、大変私もこの点重要なテーマだと思っております。 ただ、私は、結局その最終的な課題はどこに行き着くかというと、午前中もこれございましたけれども、その担い手の確保だというふうに思っているところであります。午前中も、これは奥野副大臣からであったと思いますが、我が国の統計職員の数は諸外国に比べて少ないということでございまして、今年度、国の定員としては百三名を確保したという御答弁がございましたけれども、そうであれば、この統計改革遂行の実動部隊たる地方自治体に対しても人員の確保を含めて体制整備の協力を求めていく、こういった必要が出てくるんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございます。 もちろん、そのためにはこれは的確な財政措置というのは大前提でございますけれども、この点について当局のお考えをいただければと思います。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 国の行う統計調査に従事する都道府県の統計部門の職員につきましては、業務のICT化や民間委託等の状況を踏まえつつ、これまで国の行政機関の職員に準じて、毎年度計画的に合理化に取り組んでまいりました。 その一方で、今般の統計改革におきましては、プライバシー意識の高まり等に伴う統計調査環境の悪化や統計調査員の高齢化等の課題に対応する上で、地方公共団体の統計部門の役割が重要となっております。また、地方団体におけます国と歩調を合わせてのEBPMの推進ということのためにも、地方公共団体の統計部門が適切に機能を発揮する必要があるというふうに考えております。 このため、三十年度におきましては、調査環境の改善や統計調査員の確保のための先行的な取組を行う都道府県につきまして、新たに職員の加配、これを行うとともに、地域の統計や分析の充実のための専門人材が不足する都道府県に対しましては専門家の派遣等を行うということとしたところでございまして、今後とも統計改革を推進するために必要となる地方公共団体の体制面、人材面の支援を努めてまいる所存でございます。
○古賀友一郎君 なかなか自治体の話でありますから御答弁しにくいというのは分かりますけれども、ただ、しかし、要るものは要るということでありましょうから、この予算要求にしても、自治体への地方へのお願いにしても、これはやっぱり堂々とやっていくべきではないかと、こういうふうに思うわけでございまして、しっかり今後の動向を見ながらお考えいただければと、このように思う次第でございます。 次に、これも今回の重要テーマでございますけれども、民間におきます統計データの利活用推進についてお伺いをしたいと思います。 公的統計というのは、これは国民共有の財産でございますので、政府の政策決定だけではなくて、民間を含めて我が国の発展に資するよう有効に活用すべきということにつきましては、私もこれは同感でございます。そして、それがたとえ営利目的を含む利活用であるとしても、広く国民の雇用拡大や所得の向上、あるいは生活の利便性の向上に結び付くと考えられる場合には、国民経済の健全な発展、国民生活の向上という、これはそもそもの統計法の目的でございますから、この目的にかなうものだというふうに思うわけでございます。 しかしながら、何事にも光があれば影もあるということでございまして、データの利便性というのは、裏を返すと悪用される場合もあるというわけであります。官民データ活用推進基本法におきましても、国の安全等が害されないようにというふうにされておりまして、安全保障や治安等にも留意しなければならないと思います。 最近も、グーグルマップを空き巣に利用していた犯罪グループが逮捕されるというようなニュースがございました。また、そうした犯罪レベルでなくても、国家国民の利益に余りつながらないような場合にまで、その要求があるからといって、ただでさえ少ない統計職員の労力を割いてまで提供すべきとは思えないところであります。 今回、民間へのデータ提供を広げようとするわけでございますけれども、その範囲は、今後、相当の公益性を有する統計の作成等として総務省令で定めるということになるわけでございます。 そこで、この当該省令は、国の安全等が害されないということはこれはもうもちろんのことでございますけれども、統計法のそもそもの目的であります国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に本当に寄与するのかどうかといった観点からスクリーニングできるような、そういう省令にすべきだというふうに思うわけでございますけれども、御見解をいただきたいと思います。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 最初に御指摘ありました国の安全に関わる点でございますけれども、総務省令を定める際には、官民データ活用推進基本法、この基本理念に反しないというものであることを提供の条件として明示することを検討いたしたいと考えております。 次に、御指摘ありましたオーダーメード集計でありますとか匿名データの提供でございますけれども、統計法の目的には、公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であることに鑑み、国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に寄与することが目的とされております。こうした目的規定を踏まえまして、官民のデータ活用推進計画、これにおきましてデータ利活用における諸課題の解決が期待できる分野として想定されている重点分野、これについて提供の対象の拡大を考えておりまして、御指摘のあったような点を踏まえまして、こうした分野がしっかりと国民の生活の安定寄与に資することのチェックをして、提供してまいりたいと思います。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 基本的にその御答弁は私も了としたいわけでございますが、どうしても、印象的に言いますと、政府は、個人情報の保護という観点は大変これは気を遣われてやっておられるというふうに思いまして、それは当然なんですけれども、他方で、いわゆる国益といったような発想、こうした発想というのがどうも何か乏しいように私は印象的に受けているわけであります。 今回改定されました政府の公的統計基本計画に記されております、国の安全等に留意するという文言、これはさっきの官民データ利用推進法、あれにも載っているわけでございますが、実はこれ、私が自民党の部会で殊更にお願いして入れてもらったものでございまして、それまでは何の記述もなかったんですね。だから、そういったやっぱり政府の何か基本的なスタンスみたいなものがどうもかいま見られて、私はちょっと不安に思っているんです。 ですから、もちろん個人情報の保護、権利利益というのを守るというのは大変これは重要なテーマでありますけれども、それと併せて、我々の国家国民の利益、国益というものをしっかりとこのデータ利活用の一つの柱として考え、そしてそれに基づいてこの省令、制度をつくっていっていただきたいと、こういった思いから今回質問をさせていただいたところであります。 それでは、次の質問に移りたいと思いますが、このデータの提供を広げる以上、目的外利用規制についても伺っておきたいと思います。 この点については、調査票情報や匿名データを提供した場合のこの目的外利用、これは法案の四十三条二項で禁止をされているわけでありますけれども、それを担保する罰則は一体どうなっているのかということでございます。 この法案の五十九条二項では調査票情報について、そしてまた法案の六十一条第三号では匿名データについて、それぞれ不正な利益を図る目的で盗用した場合の、盗んだ場合の罰則というのが定められているわけでありますけれども、盗んだ場合のこの規定、これによってこの目的外利用が担保されていると、こういった理解でよいのかどうか、これを伺いたいと思います。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 調査票情報や匿名データの提供を受けた者による目的外利用に対する刑事罰でございます。 まず、調査票情報の場合におきましては、第四十三条の一項が規定する守秘義務、これに違反しておれば、五十七条一項の規定によりまして刑事罰が処されるということでございます。さらに、秘密の保護に万全を期すために、御指摘のとおり、五十九条第二項によりまして、不正な利益を図る目的で提供又は盗用したときには刑事罰に処するということでございます。 また、匿名データの場合につきましてでございますけれども、こちらの方は匿名化の措置によりまして個人を特定できないことから、守るべき個人の秘密がないということでございまして、守秘義務の対象ではございませんけれども、国民の統計調査に対する信頼を確保する観点から、御指摘のとおり、第六十一条第三号によりまして、不正な利益を図る目的で提供又は盗用したときには刑事罰に処するということにしているところでございます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 この調査票情報と匿名データ提供の場合の目的外利用というのは、この法案の五十九条二項と六十一条三号で担保されているということですね。それは確認できたというわけであります。 もちろん、守秘義務というのはベースになる義務なんですね。それはもらった情報を自分の中で守ると。問題は、守ってはいるんだけれども別の目的に使っちゃうというのはこれはこれでまた問題だということでありますから、これについてもこの調査票情報とそれから匿名データについては罰則付きで担保されているんだと、盗用しているんだというようなことですね、そういったことは、もちろんこれは不正な目的、不正な利益を図る目的でという前提は付いていますけれども、そういった場合には担保されるということが確認できたというわけであります。 ここで、もう一つお伺いしておきたいのは、そういった調査票情報と匿名データの場合は今言ったような話なんですが、オーダーメード集計、これについては、目的外利用を規制する規定自体がなくて、委託した者の氏名等が公表されるだけというわけですけれども、これはどうしてなのかということ、その理由をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 御指摘のオーダーメード集計でございますけれども、これの提供を受けた者につきましては、統計又は統計的研究として完成したものを提供を受けるということだけでございまして、統計調査情報などを自ら管理する機会がないということでございまして、提供又は盗用するという機会もないということでございますので刑事罰を負わせる状況にないということでございます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 オーダーメード集計というのはあくまで集計だということですね。だから、個々のデータ、匿名であるとしても個々のデータとは違うわけだからというような話でございましたけれども、確かに、個人情報保護の観点からそういったことなんだろうと思いますけれども、先ほどちょっと申し上げました国益という観点から一体どうなのかということは、また別途これは要望にしておきたいと思いますけれども、オーダーメード集計の目的外利用というのが本当に許されるべきなのかどうなのかということはまた御検討いただければと、このように思います。 それから、次に移りたいと思います。 EBPMを含む統計改革全体は、これは杉や大隈の言うように、国家運営そのものと言っても過言ではない、本当にこれは大事業だというふうに思います。それだけに大変時間と費用と人手の掛かる、本当に息の長い取組になるというふうに思っておりますけれども、その大事業の指揮を執られる野田総務大臣の御決意を最後に伺いたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 古賀委員にお答えいたします。 御指摘のとおりで、まず、公的統計というのは、政策立案の基礎だけではなくて、社会全体で利用される情報基盤として極めて重要なものであると考えています。昨年の五月の統計改革推進会議最終取りまとめでは、GDP統計を軸とした統計の改善を始めとして、統計の利活用環境や統計作成体制などを含めた重要な取組が多数盛り込まれたところです。 統計法は、戦後間もなく制定されました。そして、約十年前に全部改正されました。統計委員会を中心として今の制度に至っているわけですが、今回の統計改革はまさにお話のとおり歴史的な大改革と言えると思っています。この改革を確実に実行するための工程表は、去る三月に公的統計基本計画を閣議決定するとともに、必要な制度改正として今回の法案を提出させていただいたところです。 統計制度を所管して、また重要な統計を所管する総務大臣として、本計画に基づいて各府省を牽引して、GDP統計を改善するための産業連関表のSUT体系への移行とか、サービス関連統計の整備、各府省の個別統計や統計業務の改善、統計の利活用促進や報告者負担の軽減、国、地方の統計リソースの確保や人材の育成など、具体的な統計改革の実行に全力を尽くしてまいります。 なお、先ほど片山委員の方から、EBPMは遅過ぎるという話がございました。私が初当選のときに大先輩の竹下元総理からいただいた御本が「日本の統計」という本でした。アンコンシャスバイアスではありませんけれども、女性議員は感情的だと言われがちだから、しっかりこの「日本の統計」、エビデンスを使って、いい政策をつくるようにと言われたことが私の国会議員の第一歩でございました。 是非、ここにいらっしゃる皆様方のお力をいただいて、統計はややもすると地味で目立たなかったんですけれども、十年ぶりのこの大改正で多くの人々の耳目に届くようになりましたので、これからの充実に向けて、古賀委員始め皆様方の御協力を心からお願いいたします。ありがとうございます。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 まさに知的な大改革ということで、野田大臣から御自身のエピソードも含めた大変いい御答弁がございまして、大臣御自身もそうでありますし、我々、国としても、やっぱりいろんな意味で原点に返ると、杉、大隈の思いに立ち返るということだろうと思います。大変いい議論ができたというふうに思っております。 多少時間は残っておりますけれども、この後、大臣は衆議院本会議ということも伺っておりますので、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。 まず、EBPMの推進ということで午前中からも議論がありました。私は、近年重要度を増す社会保障の分野もそうだろうと思いますし、あわせて、社会保障の分野とこの経済的なものを突合させていくということも非常に重要かと思います。そのためには府省の枠を超えた統計の体系的な整備を行うことが重要と思っておりまして、その点についてまずどう考えているかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 秋野委員にお答えいたします。 御指摘のとおりで、我が国においては少子化、人口減少が加速化する中で、現状や政策課題を迅速かつ的確に把握して有効な対応策を講じていく必要がますます高まっており、客観的な証拠に基づくエビデンスベースでの政策立案を推進していくことは私も大変重要であると思っています。そのためには、社会経済の実情を正確かつ漏れなく体系的に把握することが必要であり、委員御指摘のとおり、府省の枠を超えて統計を体系的に整備することが今回の統計改革の中で最も重要な課題の一つと認識しているところです。 今回の法案では、統計委員会について、諮問を受けることなく広く意見を述べることや、公的統計の整備に関する施策の総合的、計画的な推進を図るために、必要な場合には勧告及びそのフォローアップができることとし、さらに、幹事を設置して統計委員会と各府省との連携を行わせるなど、政府一体となった統計整備のための措置を盛り込んでいるところです。 このように、強化された統計委員会の機能を活用して、少子化、人口減少に対応するための個別の統計の整備はもちろん、例えば、最近では経済活動において重要度が増しているにもかかわらず十分に把握できていなかった、もう先生御専門の医療、介護分野の活動の把握を含めたGDP統計の精度の向上など、府省横断的な統計整備のため、政府一体となった取組をしっかり推進してまいりたいと思います。
○秋野公造君 ありがとうございます。 今日は資料を四枚配らせていただきまして、まず四枚目を御覧いただきますと、私も発議者の一人であります議員立法、がん登録推進法のシェーマを載せております。 これは、これまでがんで亡くなった方の数については統計があったわけでありますけれども、がんになった方が何人いたかが分からなかった。そして、その方が五年生存したのか何年生きたのかということが分からなかったということを捉まえて、がんと初めて診断された時点で登録を行って、そして、その後、市町村からの死亡情報を登録した病院にお返しすることによって、何年生存したかということを確認をすることができるような仕組みを法的に担保をしたということであります。 もちろん、このがんへの対策ということが一つの目的ではありますが、当然のことながら、命を守り、働くことができてということになりますと経済、財政にも大きく貢献することにつながっていくのではないかと私は思っておりまして、そういったことにこの法案がどのように寄与していくのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 統計改革の一環としまして、社会経済情勢の変化等に適切に対応した公的統計の作成、提供を推進するために、この三月に取りまとめました公的統計基本計画、こちらにおきまして、総務省が各府省の政策部門が作成する統計も含めた統計ニーズを把握しまして、関係府省に対しましてその統計の改善について検討依頼を行うとともに、統計委員会を中心にこの対応状況のフォローアップを行うという仕組みを盛り込みまして、この二十九年度末から開始したところでございます。 また、御指摘のように、統計データやその各種のデータを横断的に活用して新たな統計を作成するということが大事でございまして、有用な情報を保有している民間企業の方々の御協力を得る必要もあるということで、その協力に応じていただく努力義務、こういったものも定めるということでございます。 また、こうした情報を政策立案に有効活用できる人材の育成ということも大事でございまして、人材育成方針に基づきまして、統計知識や統計的な思考力の習得のための研修充実ということにも取り組んでまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ちょっと具体的に大臣と議論をしてみたいと思いますが、資料の一枚目を御覧いただけたらと思います。 胃がん予防のためのピロリ菌の除菌、保険適用になりましてから五年ということであります。胃がんの原因を国会でピロリ菌と認めていただきまして、原因として認めていただけるならば、薬の効能書きに書いてください、保険適用にしてくださいということで実現をしたものであります。 一番上のグラフを見ていただきますと、我が国は、四十年間にわたり、胃がんで亡くなる方を五万人から減らすことができませんでした。それが、保険適用後、胃カメラを飲まないと保険適用にならないといったような効果も含めまして、僅か四年で約一割減少を見せてきているということでありまして、これは、真ん中の段でありますけれども、国立がん研究センターがまだまだ高齢化の影響で胃がんで亡くなる方は増加をすると予想していたものを大きく覆す形で成果を上げてきたということになります。下を御覧いただきますと、おなかを開ける開腹手術が減りまして内視鏡による手術が増加をしている、これは民間の研究ということになりますが、やはり早期発見、早期治療というものが進んでいる証拠だろうかと思います。 しかしながら、これによる財政効果が明らかになりません。少なくとも、手術を行うよりも内視鏡で手術をした方が安く付くというのは当たり前のことでありますが、これが分からない。そして、医療の需要が減っただけでなく、介護の需要も減ったはずであり、障害の需要も減ったはずである、さらに、就労もできたならば、そういったところにも大きく貢献をしているはずであるにもかかわらず、これが分からないと。 こういったことも経済統計の改善につなげるべきではないかと考えますが、大臣の御見解、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 委員が言及されている統計データについては、私ども詳細は承知していないんですが、御指摘のとおりで、技術進歩の効果やその経済、財政への影響などを的確に把握することは大変重要である一方、そのために必要な統計データが十分に得られない場合も少なくはありません。 そのため、今回の法案では、統計の作成に多様なデータを活用する観点から、有用な情報を有している関係者の協力を得るため、まず、行政機関が公的統計の作成に関し、これらの関係者の協力を得る努力義務を明確化するとともに、その上で、有用な情報を保有する関係者の方々には、重要な統計を作成する行政機関から協力を求められた場合、その求めに応じる努力義務を盛り込んでいるところです。 また、統計委員会においては、EBPMのニーズに応じた統計分析に資するため、技術進歩等によって生まれた新たな経済活動の把握について、今お話がありましたような研究を推進することとしているほか、本年三月に閣議決定された公的統計基本計画においては、医療の質の変化等を踏まえた経済統計の改善に係る研究に取り組むことにしているところです。 委員からは、今、ピロリ菌除菌の保険適用が介護や障害者福祉の需要を減らし、就労にも結び付くのではないかとの御指摘がありました。今回の法整備や取組は、御指摘のような医学の進歩の財政効果などを含めて、各種政策の影響の把握に資するものと考えています。その取組の進捗を統計委員会の場等でしっかりフォローしてまいります。
○秋野公造君 よろしくお願いします。 一番上のデータは、国の統計、死亡診断書、死体検案書から取ったデータでして、一番下のデータは民間の研究によるデータということでありまして、こういったことをミックスしていくということを考えますと、二次的利用の促進ということも重要になってくるかと思います。 こういった医療、介護の分野、その各種個別のデータを利用するということが非常に重要になってきていると思いますが、今回の法案はそういった情報処理技術の進展や研究者のニーズを踏まえたものと考えてよろしいか、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(山田修路君) 秋野委員から、医療、介護分野での個別データの利用のニーズの高まりについてお話がありました。 御存じのように、現在の調査票情報の提供制度では、秘密保護等の観点から、公的機関又は公的機関から委託を受けた者等が利用する場合に限ってその提供を認めております。 しかし、秋野委員からお話がありましたように、近年の情報処理通信技術の進展、あるいは学術研究のニーズというものがありますので、今回の改正によりまして三十三条の二の規定を新設いたしまして、学術研究を目的として統計の作成等を行う者に対しても調査票情報の提供を可能とするということといたしました。 この措置によりまして、今後、委員が大変造詣の深い医療、介護等の分野における学術研究の発展が図られるものと期待をしております。
○秋野公造君 その上で、ちょっと逆説的になりますが、情報の保護という観点で、先般の総務委員会における視察でも、オンサイトをしっかりやっているなということを視察された委員の先生方も共有したのではないかと確信をしますが、ちょっと一点だけ私、確認したいのは、先日もコードとか生体認証について少しお話をさせていただいたところなので、施設への入退室管理あるいは本人確認などのソフト面、これがどうなっているのかということをお伺いしておきたいと思います。
○政府参考人(三宅俊光君) お答えいたします。 調査票情報のオンサイト利用の取組におきましては、高い情報セキュリティーを確保する観点から、仮想PC環境や専用線の整備、これによりまして、調査票情報のデータそのものは、オンサイト施設ではなく、中央データ管理施設におきまして一元的に管理をするといったようなことといたしております。また、オンサイト施設におきましては、統計作成に用いる調査票情報は当該施設のパソコンの画面だけに表示されるということで、ダウンロードはできないといったような仕組みをしております。このほか、利用状況を監視するための監視カメラを設置するなどの措置を講じておりまして、閲覧した調査票情報を外部に持ち出せない仕組みになっております。 また、オンサイト施設には施設管理責任者、これを設置をいたしまして、その上で、入室に際しましては、利用者の承諾通知や身分証明書による本人確認、これを行うとともに、利用の都度、氏名、所属、日付、時刻の記録を行っております。さらに、施設利用者に対しましては利用許可証を貸与いたしまして、利用時に常に見やすいところに着用させるといったような措置も講じております。 以上でございます。
○秋野公造君 その上で、この統計改革、この政策を議論するに当たっては、各種基礎統計、先ほど大臣からも統計があったりなかったりするといったことも率直におっしゃっていただいたところでありますが、その質について検証するということも重要かと思います。 ちょっと私も具体例を少し挙げてみたいと思いますが、まず一つ目に、人口動態統計を見ますと、麻薬、違法薬物による不慮の中毒死、これが例えば平成二十五年では僅か五人ということでありまして、そんなはずはないでしょうとちょっと思うような数字が、このまま利用してもいいものかと思うようなデータもあります。 この統計がきちっと実態を反映していると思われるか、ちょっと総務大臣にお伺いをしてみたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 御指摘の統計は、統計調査において、市町村に提出された死亡届に添付された死体検案書や死亡診断書の情報を基に市町村が記載する調査票から作成されているものと承知しています。 これに関連して、警察においては、警察が取り扱った死体についての検視、死体調査や解剖を行っており、その結果明らかになった死因について、市町村を含め関係行政機関との間で適切に情報共有を図っていくこととされているものと、これまた承知しています。 また、厚生労働省においても、死亡診断書等を作成後、傷病名等の変更があった場合には医師が速やかに最寄りの市町村窓口に申し出ることを従前から指導していると承知しており、これらの取組は統計の精度向上にも資するものと考えます。 いずれにせよ、統計の精度向上に当たっては、このように統計調査に加えて行政記録を活用していくことが有効であり、また、統計の提供に当たっては、適切に利活用されるよう、その作成方法や利活用上の留意事項等の情報提供を充実していくことが重要です。 総務省としては、関係機関と十分連携して、引き続き統計の精度向上や適切な利活用の促進を図ってまいります。
○秋野公造君 もう一点、認知症についてお伺いをしますが、認知症の原因は、かつては脳血管の疾病によるものという形で私も習ったんですけど、近年はアルツハイマー病によるものが多いということになっておりまして、僅かの期間でこんなにも変わるものかということは、ちょっと何があったのかということは少し私も知りたいところでありますし、同じ例えば二〇一二年の認知症患者の数、厚生労働省においては三百五万という数字がありまして、厚生労働省研究班では四百六十二万という数がありまして、当然調査をしている対象は異なりますので、同じ調査をしているわけではないということはそうなんですけれども、数字はそのまま独り歩きをしていきます。 こういった研究とか調査というのは総務省の承認を得た統計ではないかもしれませんけど、ちょっとこれについても御感想、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 今お話がありました、認知症の原因がアルツハイマー型の方が増えているということは承知しておりますが、今の統計の内容についてはちょっと承知しておりませんので、コメントは控えます。 一般論として、統計はその精度や継続性が重要になります。これは利用者にとってとても大切なことです。このため、統計の基となるデータに今のような断層が生じた場合などにおいては、その利用者に対して発生要因や利活用に当たっての留意事項などを的確に情報提供することが適切だと考えています。 総務省においては、これまでも各府省に対して統計の品質の適切な表示などを求めてまいりましたが、今御指摘の件につきましても、その一環として、関係府省に適切な情報提供を行うよう呼びかけてまいります。
○秋野公造君 資料二を御覧いただきたいと思います。 これは透析患者さんの足でありまして、我が国は事故で足を切るよりも透析や糖尿病で足を切ることの方が圧倒的に多いという状況であります。例えば、足の血流が悪い方に傷ができて適切な管理が行われないと、御覧のように、たった四十日とかいう短い期間に一気に真っ黒くなってしまって切断をしなくてはならないというのが状況であります。 次のページ、見ていただきたいと思います。 我が国の透析患者の、二〇一三年、三・六%が足を切断しておりまして、これは透析患者三十二万人のうち十九万人の方からお返事をいただいて得られたかなり大規模なデータでありますけれども、二〇一四年三・八%、二〇一五年三・九%ということで、透析患者の四%が足を切っているというのは極めて深刻な状況であります。さらに、その下のグラフを見てください。左側の一年生存率のピンクを見ていただきますと、一たび足を切ると一年で半分の方がお亡くなりになっているといったようなことも、これだけ医学が進んだ我が国において谷間の領域というのはまだまだ存在をするということであります。 二ページのところで、そういったことで、二十八年診療報酬改定で、透析患者さんの足を診ましょうといったような制度もつくっていただいたんですけど、残念ながら、それがうまくいっているのかということを追跡することができません。どういうことかといいますと、何よりも命が大切でありますが、膝から上で切ると一回三百万ぐらい掛かります。血流がいいところまで切り続けますので、一回で終わるとは限りません。そして、ああ、膝から下です。膝から上で切ると一千万掛かります。 命が何より大事ではありますが、こういったことがもしかしたら国保の市町村による繰入れなどの大きな要因にもなっているのではないかということを考えると、こういった保険適用の成果といったことも、例えば足の切断が減っているか、膝から上の切断が減っているか、そういったことを追いかけることができる仕組みづくりも私は重要なのじゃないかと思っています。 現在、診療報酬の統計コードにおいては、どこで切ったのかということは分からないわけでありますけれども、例えば診療行為に関するコードとして、学会が開発した例えばSTEM7といったような仕組みもあります。これだと、どこでどのように切断がなされたのかということが分かりますので、より軽症に切ること、より軽症に命を守ることができたといったような評価も、掛かった医療費と併せて分かるようになるのではないかと思っています。 こういった統計コードを、より良い解析につながり得る、何でもかんでもではありませんが、より良い解析につながり得る統計コードを総務省として推進すべきではないかと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) お答えいたします。 御指摘のとおり、政策効果を測る際には、基礎統計の整備や、それに伴って必要となる政府統計の分類コード等の整備が重要であると考えます。このような統計コードを含めた統計に関する様々なニーズを把握することも行政の大切な役割と考えます。 このため、三月に取りまとめた公的統計基本計画、これにおいて、総務省が各府省の政策部門が作成する統計も含めた統計ニーズを把握し、関係府省に対してその統計の改善について検討依頼を行うとともに、統計委員会を中心に対応状況のフォローアップを定期的に行う仕組みの整備を盛り込み、平成二十九年度末から統計ニーズの把握を開始したところであります。 今回御質問にあった事案についても、この仕組みを活用して関係府省への検討依頼を行うなど、適切に対応してまいりたいと思います。
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。 その上で、GDP統計を取る上でちょっと懸念を一つ申し上げておきたいと思いますが、これ、医療技術の進歩がGDP統計にどう反映していくかという懸念であります。 例えば、先ほど胃がんのところで申し上げましたけれども、例えば長期の入院が必要だったものが入院が短縮をしたとか、大きな手術が必要だったものが手術が必要なくなったとか、こういったようなことがGDP上マイナスの要因と計算されることはないでしょうか。そういうことになりますと、こういった医療とか介護とかの進歩を見誤ることになりかねないかということを懸念をします。 こういったことをしっかり正当に評価して、GDP上にもこういった取組を正しく評価して、我が国の経済、財政への真の貢献を明らかにする必要があると思いますが、御見解、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(長谷川秀司君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、医療の質の変化の把握という問題は、GDP統計の推計手法の改善を図る観点から大変重要な課題でございます。 今年の三月に閣議決定いたしました公的統計基本計画においては、GDP統計の加工・推計手法の改善等の一環といたしまして、医療の質の変化を反映いたしました価格の把握手法について包括的な研究を推進すると定められたところでございます。 GDP統計における医療の質を反映した価格、GDPではデフレーターというふうに言っておりますが、こちらにつきましては、国際的に各国の医療制度や医療データの特性、利用可能性を踏まえた各種の推計手法、アプローチが研究されているところでございます。また、OECDなどの国際機関においてもその取扱いについて検討が行われていることを承知しております。 こうした動向を踏まえつつ、関係府省と連携し、可能な限り詳細な医療の質の反映によります価格、デフレーターの研究を行ってまいりたいと思っております。
○秋野公造君 統計法の改正に期待をします。 終わります。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山崎正昭君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君が選任されました。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、本法案に反対の討論を行います。 統計法は、公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であると位置付け、中立性及び信頼性が確保されるように作成されなければならないとされています。 しかし、各委員から指摘されたように、政権の意向に沿う立法事実づくりのための統計作成、ゆがめられた活用が行われています。安倍政権は、証拠に基づく政策立案、EBPM推進を強調しますが、求められているのは公的統計を中心とする客観的証拠の整備であり、そのための人材育成、体制強化です。 イギリスでは、試行錯誤の後に、中立性、独立性を確保する観点から、国会直属の機関として三千人以上の体制を取っています。日本は、総務省の所属人員は年々削減され、五百人を切っており、各省庁の人員を合計しても二千人にもなりません。統計職員削減が質の低下をもたらしていることは統計学会や専門家からも指摘され、体制の在り方、十分な予算措置と人員配置が求められていますが、本法案はその問題点を置き去りにしています。 以下、具体的な問題点について述べます。 反対理由の第一は、官民データ活用推進基本法の下にあるEBPM推進委員会と連携し、調査票情報等を含む官民データ活用推進ありきの改革が推し進められる中で、客観的、専門的な検討を進めるところの統計委員会に総理任命の各省庁の幹事を置くなど、政権の意向を反映した官邸主導の体制をつくることになるとの疑念が拭い切れません。 反対理由の第二は、統計作成の効率化や利用者のニーズの反映を名目に、十分な個人情報保護制度がないまま、行政記録情報、ビッグデータを含む民間保有情報等の利活用や調査票情報等の提供拡大を進めることです。調査票情報の提供や匿名データの加工と提供などについて、その対象が株式会社を含む相当の公益性を有する利用を行う者に拡大され、その具体については総務省令で規定されるとされるだけで、無限定に拡大するおそれを否定できません。 さらに、調査対象に第三者への提供の同意を取らず、その可能性があることを知らせることさえしないのでは、国民の信頼を得ることはできません。 以上、反対討論といたします。
○委員長(竹谷とし子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹谷とし子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、吉川君から発言を求められておりますので、これを許します。吉川沙織君。
○吉川沙織君 私は、ただいま可決されました統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本維新の会及び希望の会(自由・社民)の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項についてその実現に努めるべきである。 一、公的統計は、国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であることに鑑み、公的統計の作成及びその前提となる調査に当たっては、正確性・信頼性の確保に万全を期すこと。 二、事業所母集団データベースに記録されている情報を利用できる公的統計の作成主体の範囲が拡大することを踏まえ、新たに利用できることとなる地方公共団体等に、当該データベースの利活用並びに情報の適正管理及び秘密の保護等について、必要な助言及び情報提供を行うこと。 三、調査票情報の二次的利用の拡大に当たっては、個人情報が本人の意図に反して利用されることのないよう、調査票情報の適正管理及び秘密の保護等に万全を期すこと。 四、公的統計の作成のための調査に当たっては、経済社会情勢の変化に伴う統計ニーズを把握し、的確に対応するとともに、調査に対する報告者の声や各府省における先進的な取組事例等を踏まえ、報告者の負担の軽減に努めること。 五、統計の作成には専門性が不可欠であることを踏まえ、統計改革を確実に遂行するため、国・地方を通じて、必要な統計人材を育成するとともに、十分な予算と人員の確保に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(竹谷とし子君) ただいま吉川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹谷とし子君) 全会一致と認めます。よって、吉川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、野田総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野田総務大臣。
○国務大臣(野田聖子君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(竹谷とし子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十分散会