総務委員会 第5号
- 発言数
- 318 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2018/03/29
会議録
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省情報流通行政局長山田真貴子君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本放送協会経営委員会委員長石原進君外八名を参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。野田総務大臣。
○国務大臣(野田聖子君) 日本放送協会の平成三十年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。 一般勘定事業収支につきましては、事業収入が七千百六十八億円、事業支出が七千百二十八億円となっております。 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出が共に千二十三億円となっております。 次に、事業計画につきましては、国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供、国際放送の充実、経済成長の牽引力として期待される4K、8Kの推進等に取り組むこととなっております。 総務大臣といたしましては、この収支予算等について、おおむね妥当なものと認められるとした上で、繰越金の現状や平成三十一年度以降も引き続き見込まれる事業収入の増加等を踏まえ、既存業務全体の見直しや受信料額の引下げの可能性を含めた受信料の在り方について検討を行うこと、中期的な観点も視野に入れた協会の在り方について、ガバナンスも含めた一体的な改革について引き続き検討すること、二度と働き過ぎによって尊い命が失われることのないよう、徹底した働き方改革の取組を行うことを求めるとともに、国民・視聴者の受信料によって支えられていることを十分に自覚し、業務の合理化、効率化に向けた努力を行うこと、国民・視聴者に対する説明責任を果たしていくことが必要であるとする意見を付しております。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(竹谷とし子君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。上田日本放送協会会長。
○参考人(上田良一君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成三十年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、御説明を申し上げます。 新しい三か年経営計画の初年度となる平成三十年度の事業運営に当たりましては、自主自律を堅持し、放送を太い幹としつつ、インターネットも活用して、正確な情報を公平公正に伝え、命と暮らしを守る報道に全力を挙げるとともに、多彩で質の高いコンテンツの充実を図ります。また、積極的な国際発信により日本と国際社会の相互理解を促進するとともに、放送サービスを通じて地域社会に貢献してまいります。 さらに、三十年十二月に4K、8Kスーパーハイビジョンの本放送を開始し、普及に努めるとともに、人に優しい放送サービスの充実に取り組みます。 受信料については、公平負担の徹底に向け、受信料制度の理解促進と営業改革を一層推進し、支払率の向上に努めてまいります。なお、三十年度より受信料の免除対象の拡大による負担軽減策を実施します。 関連団体を含めたNHKグループが一体となり、創造的で効率的な経営を推進するとともに、時代にふさわしい働き方ができる組織へと改革を進めます。 次に、建設計画においては、緊急報道設備や4K、8Kスーパーハイビジョン設備を整備するとともに、いかなる災害時等にも安定的に放送サービスを継続するための設備整備等を実施いたします。また、東京渋谷の放送センターの建て替えを着実に進めてまいります。 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入七千百六十八億円、国内放送費などの支出七千百二十八億円を計上しております。事業収支差金は四十億円となり、全額を4K、8K設備などの建設費に使用します。 また、資本収支は、収入として減価償却資金など総額千二十三億円を計上し、支出には建設費千二十三億円を計上しております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。 以上、平成三十年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を申し述べました。事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。 委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(竹谷とし子君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 今、行政に対する信頼が大きく揺らいでいます。NHKに対しては、これまで不祥事が多発し、国民の信頼が揺らぐことはあっても、NHKに対する国民の信頼は続いてきたと思います。ただ、前会長の三年間でその信頼は著しく毀損してしまったのではないでしょうか。上田会長が就任されて一年、公共放送に対する信頼回復に向けてまだ道半ばだと考えますが、私たちは国民・視聴者の代表として、NHKが法令を遵守し、国民・視聴者の負託に応えているかという観点に立って質問をさせていただきたいと思います。 NHKは、今度の経営計画の五つの重点方針の最初に、公共放送から公共メディアへの進化を掲げています。公共放送と公共メディアの違いについて、まず会長に伺います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 視聴者のコンテンツの視聴や情報の取得の在り方が急速に多様化している中、放送法の精神を堅持して情報の社会的基盤の役割を果たしていくために、放送だけでなく、多様な伝送路を通じて情報や番組を届ける公共メディアへ進化する必要があると考えております。 4K、8Kを始めとする最新技術と第一級のコンテンツで魅力あふれる放送を追求するとともに、放送と通信の融合時代に視聴者の皆様の期待に応えるため、放送法やインターネット業務の実施基準にのっとり、日々の暮らしに役立つ新しいサービスを具体化し、提供していく所存です。
○吉川沙織君 今回の予算案並びに経営計画が経営委員会で全会一致で承認されたときに、会長は経営委員長と一緒に記者会見を行っておられます。そのときに、公共メディアの意味を問われたときに何とお答えになっているかといいますと、「公共メディアは通信の手段も使って、放送にプラスしてインターネットも使い、視聴者に情報を受け取る手段の多様性を持たせていくということです。」。 ですから、今ちょっと答弁長かったですけど、端的に言えばそういうことでよろしいでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 それで結構です。
○吉川沙織君 それでは、今回、公共放送から、次の経営計画で公共メディアへの進化とうたっておられます。その公共の意味について端的にお伺いします。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKは、公共放送として、憲法で保障された表現の自由の下、正確で公平公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発達と文化の向上に寄与する役割を担っています。NHKが目指します公共メディアも、この役割が変わることはないと考えております。 次期経営計画では、こうした役割を果たすために、NHKが追求する公共的価値を、正確、公平公正な情報で貢献、安全で安心な暮らしに貢献、質の高い文化の創造、地域社会への貢献、日本と国際社会の理解促進、教育と福祉への貢献の六つに整理してお示ししました。この六つの公共的価値を実現することを目標に、通信と放送の融合時代にふさわしい公共メディアへと進化してまいりたいと考えております。
○吉川沙織君 公共放送から公共メディアへと進化をさせていく、その中で公共の意味は変わらないという、こういう趣旨の御答弁だったかと思います。 ただ、先ほどの答弁の中でも今の答弁の中でも、放送と通信の融合というような御趣旨もありましたし、インターネットの常時同時配信も目指すという方針を掲げておられますので、それも含めたことだったと思うんですが、公共放送から公共メディアへというときに、例えば不特定の大衆に向けた情報の提供という意味でいえば、メディアじゃなくてマスメディアという、そういう表現もあろうかと思います。一軒一軒、お一人お一人、受信料制度に基づいて成り立つ現在の公共放送であることに鑑みれば、例えば、公共放送から公共メディアへの進化はいいですけれども、公共放送から公共マスメディア、その言葉は使わなかったけど、そのような意味も含めて検討されたんでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 一般的に、海外におきましても、放送からインターネット、いわゆるデジタルと呼んでいる分野に入っていくときに、公共メディアという、そういう表現を使っています。したがって、私ども検討する際に、海外も含めて、今使われている通信と放送を融合した形での情報提供の在り方を表すには公共メディアがふさわしいということで、この言葉を選びました。
○吉川沙織君 なぜ今、わざわざ不特定の大衆に向けた情報の提供という意味でマスメディアのマスを使ったかと申し上げますと、NHK自身は三部門で成り立っています。放送部門、営業部門、技術部門、それぞれが持つマスメディアのマスの意味をいま一度考え、それを次期経営計画に明記していただきたかったという思いがあったから伺いました。 恐らく、今会長もおっしゃったとおり、インターネット、放送と通信の融合ということを中心に議論されて、公共メディア、まあ海外で使われている例もあると伺いましたから、それはそれとして理解しますけれども、それぞれ現場が抱えている思いというものもこれから酌み取っていただきながら、次の経営計画にのっとって経営をやっていただきたいと思います。 去年一月、会長は就任されました。就任直後の二月二日、NHK定款第五十九条に基づき、NHK受信料制度等検討委員会が設置され、その最初の答申がインターネット常時同時配信の負担に関するもの、いわゆるネット受信料をどうするというような、こういう答申で多くの議論を呼びました。その後、前総務大臣からの指摘事項等も踏まえ、次期経営計画に常時同時配信については実施を前提とせず、今後その必要性を訴えていくとされています。 そこで、会長に伺います。受信料を財源とする公共放送が提供すべきインターネットとは何か、どのような公共メディアの姿を求めているんでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 私の会長会見で常時同時配信を本来業務として始めたいという発言は正確にはいたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、常時同時配信はインターネット活用業務の一環であり、放送を補完するものだと考えております。 放送で流れている番組を受信契約世帯向けのサービスとしてそのままインターネットでも見ることができるようにする、言わば視聴機会の拡大だと位置付けております。
○吉川沙織君 今申し上げたのは、公共放送が提供すべきインターネットサービスの趣旨でした。 今の答弁からすれば、これ随分前に、「常時同時配信開始にあたっての基本的な考え方について」を拝見しますと、視聴機会の拡大ということ、それから放送の補完ということは明記されていますけれども、例えば昨年七月六日、会長の定例記者会見において、放送番組のインターネット常時同時配信に関し、NHKの位置付けが公共放送から公共メディアに変わったと仮定した場合、本来業務となり得ると発言、会長がされています。また、専務理事の一人も、昨年七月四日、総務省放送を巡る諸課題に関する検討会にて同趣旨の発言をしたと伺っています。 現在も本来業務となり得るとお考えでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 先ほど、吉川委員の質問の趣旨、必ずしも正確な形で答弁しないで、むしろ今御質問されたことに対するお答えをしたかもしれませんが、会長会見で常時同時配信を本来業務として始めたいということは先ほど申し上げましたように発言いたしておりませんけれども、いずれにいたしましても、常時同時配信はインターネット活用業務の一環であり、放送を補完するものだと今のところ考えております。 放送で流れている番組を受信契約世帯向けのサービスとしてそのままインターネットでも見ることができるようにする、言わば視聴機会の拡大だという位置付けに現段階では変わりありません。
○吉川沙織君 なぜ、今の問いをさせていただいたかと申しますと、前総務大臣が去年七月二十八日の閣議後記者会見において、「七月七日のこの閣議後会見におきまして、NHKの常時同時配信を「本来業務」として行う可能性というものについて、御質問をいただいたことに対して、私からは「多岐にわたる課題がある」という旨を申し上げました。」「NHKの常時同時配信につきましては、基本的な部分で、私が特に重要と考えておりますことを三つお示しさせていただきます。一つ目は、国民・視聴者に十分な支持を得る常時同時配信サービスを、放送の「補完的な位置づけ」として実現すること。」。あと、ほかに二点、その当時、前総務大臣がおっしゃって、その文書、メモを上田会長に渡して、それを踏まえて次の計画を作ってくださいということをおっしゃっておられましたので、それを踏まえて、今の答弁にも、放送の補完と位置付けるということになったんだと思います。 ただ、NHK自身は、前からの方針ですし、一昨年六月二十四日の総務省の放送を巡る諸課題に関する検討会においても、二〇一九年度の常時同時配信を目指しているということは明言をされていますので、その観点から伺います。 NHKの業務と受信料と経営の在り方は相互に密接不可分であり、一体的に改革を推進していく必要があると思います。受信料は、この後伺っていきますけれども、いろいろ議論がされて減免措置を講じられます。一方で、インターネット常時同時配信については、目指すとしながら、今回は理解を得ていくことを推進するとなっています。でも、これは一体的に議論をしていくことこそが前に進めることにほかならないと思いますし、公共放送から公共メディアへの進化とするに当たって受信料制度との整合性取らなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 御指摘のとおり、NHKの業務、受信料、経営の在り方につきましては一体的な改革の推進が必要だと考えております。公共メディアへ進化するに当たって、放送と通信の融合時代にふさわしい受信料制度の在り方の研究も進めていく必要があると考えております。 受信料制度等検討委員会の答申でも、放送と通信の融合時代に向けて検討すべき事項について幅広く指摘されておりまして、その答申内容に沿って具体的な検討を進めていくことになりますが、いずれにいたしましても、視聴者・国民の理解を得られるものでなくてはならないと、こういうふうに考えております。
○吉川沙織君 視聴者と国民の理解を得ながら前に進めていくということ、一体的にちゃんと見て改革をやっていただきたいと思います。 ここから密接不可分の受信料と経営と業務の在り方を論じる中で、NHKがいろんな放送を出していただくに当たって、事業を前に進めるに当たって、その最も根幹を成すのは受信料であります。 その受信料につきましては、上田会長が就任される直前の予算案編成のときにいろんな議論がありました。もちろん、上田会長も当時は監査委員かつ経営委員としてその議論を目の当たりにされていたと思いますが、平成二十八年十一月二十一日、受信料引下げについて、NHK執行部は理事会の全会一致でそれを決めました。しかしながら、その翌日の十一月二十二日、第千二百七十二回経営委員会にて認められませんでした。 そもそもこの受信料の引下げの提案は、前会長が次、任期が切れるのは分かっていました、その再任に向けたパフォーマンスとの指摘もありましたし、もっと言うと、前会長は、国が右と言ったらNHKが左と言うことはできないという個人的見解をお持ちで、会長が右と言ったらその下にいる理事は恐らく左と言うことはできない雰囲気が醸成されていたのではないかと思います。理事会は放送法第五十条に規定される審議機関であることを踏まえると、会長が値下げの旗を一生懸命振っているのに理事が受信料引下げに反対と言うことはできなかったのではないかと私は思っています。 例えばですけど、その前年に、NHK関連子会社の土地取得に関して、平成二十七年十二月八日の理事会で、精査すべきである、先に延ばすべきであると発言した理事は二人いましたが、その理事はその次の役員人事で再任されませんでした。ですから、反対意見を述べれば理事に再任されないということも予測し得ることであったと思います。 ただ、さっき申し上げましたとおり、平成二十八年十一月二十一日のNHKの理事会の会議録を見ますと、受信料引下げを理事会の総意で全会一致で決めており、全く意見が示されていないということは当時の執行部としての総意であることにほかならないと思います。出席者の一人として当時の上田監査委員もその議事録に名前が載っておりますので、御覧だったと思います。当時の執行部は、前会長と三名の理事以外、今の執行部を形成されていることは、当該理事会に出席されていた今の会長はよく御存じであると思います。 今回の経営計画の策定に当たっては、昨年度の経営委員会での指摘を踏まえ、その後の環境変化への対応、次期計画の中期的視点を織り込んで収支全般を精査、検討したと。昨年十月二十四日の第千二百九十三回経営委員会の議事録に、昨年度の提案は見誤っていました、今回はこうやって精査したから一律の引下げは難しいですよということが明確に残っています。いかに前回の提案がちょっと検討が足りなかったかということですが、昨年度の予算案編成の際に、経営委員会で見通しの甘さを多数の経営委員から指摘をされています。上田経営委員も指摘をされていました。撤回せざるを得ないような案を示したことは、当時の理事会が機能不全に陥ったことを露呈しているのではないでしょうか。 放送法第五十条に基づくNHKの理事会がその役割を果たすために、理事会における意思決定を今、上田会長になってからどのように行っていらっしゃるのか、当時の監査委員かつ経営委員であって混乱の現場を目の当たりにされてきた今の上田会長に御見解を伺います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 私の下での理事会というのは、基本的には、コンセンサス経営という言葉を使っていますが、コンセンサスを取る形でいろんな議論を闘わせて結論を出しているわけですが、今委員の方から引用されました理事会に関しましては、これは内容が既に議事録の形で公表されておりますので、監査委員の立場で陪席いたしておりましたけれども、それ以上のお答えは、議事録以上の答えは私にはできないということを御理解いただきたいと思います。
○吉川沙織君 今トップとしてどうおやりになられているかというのを伺っただけですので、当時どのような議論が行われたんですかとか、前の会長は就任当日に理事全員から日付のない辞表を取ったというのを聞いているわけではありませんので、そういう意味では全く今違うお答えだったので、ちょっと残念でしたけれども。 ただ、いずれにしても、議事録から読み取れることは、昨年度の理事会で受信料引下げの提案が会長からなされ、当時の副会長以下理事からは特に意見が示されなかったこと、ただ、それをもって経営委員会に諮ったところ、見通しの甘さを多くの経営委員から指摘され、その案は認められなかったということが事実でございますから、それ以上のことは今別に伺っておりません。 放送法に基づく理事会を機能させるため、例えば前会長の下では、残念ながら、見方によるのかも分かりませんが、会長の意向をいわゆるそんたくせざるを得なかったような側面がなかったとは言えません。トップの意向を今はそんたくせず、国民・視聴者のために活発な意見交換のできる場にするため、具体的に今、会長になってからどう取り組んでいらっしゃいますか。簡単で結構です。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 執行部運営の大きな方針の一つといたしまして、先ほどでも冒頭若干触れましたけれども、私はコンセンサス経営ということを掲げております。役員間でなるべく経営情報を共有し、役員のこれまでの経験も生かした自由な意見交換をベースに経営に当たってまいりました。 その中で、理事会は放送法に定められました法定機関であり、協会の重要業務の執行について審議を行うほか、各部局から業務遂行状況等の報告を受け、必要な検討を行っております。会長である私は、理事会の審議を経た事項について必要な決定を行っております。 今後とも、コンセンサス経営というのを大切にして、十分な議論を尽くしていく所存です。
○吉川沙織君 今、会長からコンセンサス経営という言葉、今の答弁の中でも二回以上お使いになられました。監査委員のときの感想とか、そこで見聞きしたことについてのコメントは要りませんけれども、御自身が監査委員、経営委員の立場を経験されて、今は会長のお立場で理事会に臨んでおられます。前執行部と現執行部の理事会で、風通しは良くなったと、御自身が今トップにいらっしゃるからおっしゃりにくいかも分かりませんけど、比較されてみて、いかがですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 比較についてはコメントを差し控えたいと思いますが、少なくとも私の下での理事会におきましては活発な意見交換がなされているというふうに理解いたしております。
○吉川沙織君 では、ここで一つ御提案です。 経営委員会の方はかなり細かに議事録が公開されます。ただ一方で、NHKの理事会というのはほとんど議事概要以下の文言しか残りません。ですから、一昨年の引下げの提案のときも、特に意見はないとか、ただ、関連子会社の土地取得のときは、それでも二人の理事が、精査すべき、先に延ばすべきと言ったことぐらいしか残っていないんです。それだけ活発な意見交換を行われているんでしたら、もう少し詳細な議事録、理事会の方もお出しいただけませんでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 役員間の意見交換の場というのは幾つかのレベルを設定してやっていまして、役員討議、それから役員会、それから理事会ということで、最終的な審議の機関が理事会なので、そこでいろいろ議論を闘わせますと実際に時間的制約の中で決定しなくちゃいけない事項がありますので、私が申し上げています理事会、協議の意味での理事会とそれから役員間での中での議論という、こういうことでいいますと、コンセンサス経営というのをやっていると、こういうふうに御理解いただければと思います。
○吉川沙織君 では、NHK会長に御就任されてから初めての三か年経営計画示されていますが、これを拝見いたしますと、二〇二〇年までの方針となっています。三か年計画はいわゆる中長期か中期か長期かで分けると中期的な計画に当たると思われますが、受信料引下げの提案が前会長から行われた一昨年十一月八日の第千二百七十一回経営委員会議事録によれば、当時の上田経営委員は、「中長期的な収支見通しをしっかり立てた上で、」とか、「中長期的な戦略をはっきりさせて、」と説明を執行部に求めておられました。 それでは、この経営計画、二〇二〇年以降の長期的なビジョン、NHKのあるべき姿について、どのような想定をされた上で今回の三か年計画を立てたのか、御見解を伺います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 次期経営計画は、三年前に策定いたしました経営計画で掲げた六年間のNHKビジョンの第二ステップとして位置付けておりまして、放送を太い幹としつつ、インターネットも活用して二〇二〇年に最高水準の放送サービスを実現することを目標に掲げております。 策定の過程では、人口や地域など社会状況の見通しや、テレビやインターネットなどメディア環境の変化を予測するデータ、視聴者の皆様のNHKに対する期待などを基に、二〇二〇年以降のNHKの置かれた状況なども考慮に入れて、現在の経営計画の検証から浮き彫りになった課題などを踏まえて、公共メディアとしての重要な取組を固めました。 新たなサービスの具体化に取り組みながら、いつでもどこでも視聴者の皆様の期待にしっかりと応えられる情報の社会的基盤としての役割を果たすため、全力で邁進してまいりたいと考えております。
○吉川沙織君 平成二十七年一月十五日の経営委員会において、NHKビジョン二〇一五から二〇二〇で示されているのは、前回の経営計画が第一ステップ、今回が第二ステップですけれども、これ二〇二〇までしかないものですから、それ以降も是非指し示しながら、経営のかじ取り、理事会のトップとしてやっていただきたいと思っています。実際、経営委員会の議事録に、中長期的な視点を大事にと何度も発言を経営委員時代になさっておられますので、是非よろしくお願いします。 NHKは、平成三十年度事業運営計画において、視聴者理解、公平負担を推進するとして、受信料について、公平負担の徹底に向け、受信料制度の理解促進と営業改革を更に推進し、支払率の向上を図るとされています。ただ、NHKが支払率向上の取組を行う一方で、全国の消費生活センターには受信契約等をめぐる相談が急増していると伺っています。今年度の相談件数は、今月三月十四日までの登録分で九千百七十件にも上っていて、ここ十年で比較しても四倍を超える件数となっています。 受信料契約収納業務については法人委託も行われていますが、NHKは契約収納業務の本当の実態について、現場の声はちゃんと上層部まで上がっていますでしょうか、お伺いいたします。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 受信料に関します苦情、要望等につきましては、NHKのコールセンターにも寄せられておりまして、訪問員の訪問態度や説明不足に関するものが多いと把握いたしております。 お客様から苦情等が寄せられた場合、事実関係を確認した上で迅速に対応することといたしております。訪問員の対応に問題がある場合には、内容を把握した上で、法人委託先の指導に任せるのではなく、必要に応じてNHK職員が訪問員に直接指導を行い、再発の防止に努めております。
○吉川沙織君 この受信の収納業務、契約業務に関しては、今私申し上げました消費生活センターへの相談事例のみならず、残念ながら警察への通報事例もあると伺っています。 NHKは、この受信料に関する一一〇番の件数、把握されていますか。把握されているか、されていないかだけで結構でございます。
○参考人(上田良一君) 警察への通報事例があることは把握いたしております。
○吉川沙織君 消費生活センターへの相談事例のみならずそういうことまであるということは、例えば昨年十二月六日、受信料裁判最高裁判決について、NHKコメントはこう言っています。「判決は公共放送の意義を認め、受信契約の締結を義務づける受信料制度が合憲であるとの判断を最高裁が示した」「引き続き、受信料制度の意義を丁寧に説明し、公平負担の徹底に努めていきます。」とされています。 しかしながら、こういったトラブルには、受信料制度の意義を丁寧に説明するどころか、詐欺や脅迫まがいの事例まであると聞いています。このようなトラブルが仮に、仮にです、頻発すれば、契約収納活動の信頼性は揺らぎ、受信料制度そのものへの国民・視聴者への不信を招きかねません。 NHKは、この実態について調査を確実に行い、公表し、対策を講じる必要があるのではないかと思いますが、必要があるかないか、会長の御見解をお伺いいたします。
○参考人(上田良一君) 先ほどもお答えさせていただきましたように、警察への通報事例等、私どもの方で承知いたしております。例えば、受信料制度への理解が得られないため、繰り返し説明したところ通報されたとか、日中不在で夜間に訪問したところ通報されたとか、忙しい、次の機会に手続するといった申出があったにもかかわらず、お手続をお願いしたところ通報されたとか、このような事例があるというふうに承知いたしております。 したがいまして、委員がおっしゃられましたように、今後とも引き続き丁寧な説明で、国民・視聴者の我々に対する信頼が最も根幹になりますので、しっかりした説明をやっていきたいと、それを徹底させたいというふうに考えております。
○吉川沙織君 今回の経営計画では、毎年一%ずつ、三年で三%支払率を向上させ、三年後には八三%の支払率を目指すとされています。現行の計画でも三%の目標が掲げられていて、現場は相当な苦労があったと伺っています。職員もそうですし、法人委託の実態をしっかり把握しないと、国民・視聴者からの公共放送に対する信頼は揺らいでいかないとも限りません。ですので、前体制からの脱却はもちろんですけれども、国民・視聴者に支えられている公共放送、NHKが国民・視聴者の納得感が得られる取組を進めていく。特に、新たに業務を拡大するのであれば、なお一層それが求められると思います。 私たちも立法府の立場から、国民・視聴者の立場から、これからも厳しく視線を注いでいくということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○森本真治君 おはようございます。民進党・新緑風会の森本真治でございます。 NHK予算は初めて質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 初めてですから、少し会長に、基本的な話からまずは聞かせていただきたいというふうに思います。 NHKの存在意義について。どのような業種や企業においても、それぞれ存在意義というのがあります。社会的使命というのも当然あります。放送事業者にも当然、社会的使命があります。 その放送事業者の中で、NHKは他の民間放送と違い、特殊法人ですね。同じ放送事業者でも民間とは何が違うのか、特に社会的使命といった観点からお伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKは、広く視聴者に負担していただいています受信料を財源とする公共放送として、特定の利益や視聴率に左右されず、確かな情報や多様な番組を視聴者にお届けいたしております。これに対しまして、民間放送は広告料を主な財源としている点で異なっております。NHKと民間放送の二元体制の中で、お互いが様々なジャンルの番組で切磋琢磨することで視聴者の多様な要望や期待に応える放送を行ってきたと認識いたしております。 NHKは、今後も、信頼される確かな情報や多様で質の高い番組、コンテンツを視聴者に届け、安全と安心の確保に寄与するという公共的な役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
○森本真治君 財源の話であったり、経営形態の違いという話もありました。公共性というようなお話もありました。 放送内容などは、民間とNHKということで何か特徴的に違いというようなことというのは何かありますか。
○参考人(上田良一君) NHKの場合、民間の場合も同じだと思いますけれども、キー局として放送法の下での放送事業を営んでいますので、その点では同じだというふうに考えております。放送法の下での経営という点では同じではないかと思います。それ以外の、先ほど申しましたように、財源とかそういったところは幾つか違いがあると思いますけれども。
○森本真治君 今日は、国民であったり視聴者目線でその違いというものを確認したかったので、もちろん受信料負担を視聴者の皆さんはされるわけだから、当然財源の部分の違いというのは大事なんだけれども、見る側が民間とNHKとの違いはどういう観点かなというようなところをもうちょっと聞きたかったんですね。 もう一つ、公共放送ということでございますけれども、今日もこうして国会で予算の審議であったり、事業予算ですね、審議をさせていただきます。経営委員の承認、会長さんもそうですけれども、国会の承認を受けることになりますね。先ほどもあった受信料制度、受信料制度ですけれども、私は、多くの皆さんはこの受信料も税金と同じではないかというふうに思っている方も多いんではないかと思います。そういう面では、NHKは国営放送であるのではないかというふうに思っている方も多くいらっしゃるのではないかなということですね。 国営放送ではないという意味では、放送内容や業務内容においてはより自主性、自律性というものも求められると思うんですけれども、会長として、多くの国民が国営放送と思っているのではないかというようなところに対して、国営放送との違いですね、今度は、より公共放送としての存在意義、これを示す必要もあろうかと思いますけれども、会長の御認識をお伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 公共放送は、国の強い管理下で放送を行う国営放送とは異なって、政府から独立して事業を行うものであり、NHKの事業運営は視聴者・国民の皆様に受信料を広く負担していただくことで成り立っております。昨年十二月の最高裁大法廷の判決におきましても、NHKの財政的基盤を確保するため、NHKの目的や業務内容を説明するなどして、受信契約の締結に理解が得られるよう努めることが望ましいとされております。 私といたしましても、視聴者・国民の皆様にNHKの公共放送としての性格を御理解いただくことは大変重要なことだと認識しておりまして、引き続き、公共放送の役割や受信料制度の意義について丁寧に説明してまいりたいというふうに考えております。
○森本真治君 国の強い影響を受けることなくという部分においたときには、繰り返しになりますけれども、NHKの自主自律が問われる。これは、NHKの皆さんのやはり意識ですね、国であったり権力としっかりと向き合っていくというような姿勢も非常に重要になってくるのではないかというふうに思いますね。そのときの後ろ盾になるのがやはり世論ですね。国民の後押しということが非常に重要になってくるわけであって、そのときに国民の信頼というものが、視聴者の信頼ということが非常に重要になるわけでございます。 その中でいえば、これまで以上に会長には経営の透明性というようなことも非常に努めていかなければなりません。先ほども吉川委員からも幾つかあった中で、残念ながら、前体制下では国民の不信を生じさせた様々な問題も生じました。前会長の言動等は経営委員会から再三注意を受けることもありました。社内でも幾つかの不祥事があったというふうに承知しております。国会でも予算が全会一致にならなかったということが続きました。 上田会長、前体制下の様々な問題に対してどのように教訓として生かされているかということですね、お伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 放送法は、第一条で、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保すること、また第四条で、国内放送番組の編集に当たって、政治的に公平であること、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることなどを準則として挙げております。 受信料で成り立っている公共放送NHKにとって、視聴者の信頼は不可欠だと認識いたしております。次期三か年経営計画にも、「放送法を順守しながら自主自律を貫いて、健全な民主主義の発達と文化の向上に寄与していきたい」と基本姿勢を記載いたしました。 常に自らの姿勢を問い直し、厳しく律し、絶えず公平公正であると努めることによって視聴者の信頼に応えてまいりたいと考えております。
○森本真治君 NHKは報道機関でもあります。報道機関の使命、ジャーナリズムの使命についてどのように認識をされているでしょうか。
○参考人(木田幸紀君) お答えをいたします。 NHKは、公共放送として、憲法で保障された表現の自由の下、正確で公平公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発達と文化の向上に寄与するという役割があるというふうに認識しております。 この役割を果たすために、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されない立場を堅持する、そういう必要があると考えております。ニュースや番組が外からの圧力や働きかけによって左右されてはならず、放送の自主自律を堅持してまいります。政治上の諸問題についても、あくまでも公平公正、自主自律を貫き、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えてまいりたいと思っております。
○森本真治君 御答弁いただきましたけれども、私が、報道機関としての役割の一つとしては、権力のチェック機関だという、これも非常に大きな役割だと思います。そのことについてどのようにお考えになるか、もう少し答弁補足していただきたいんですけれども。チェック機関としての役割についてどう考えるか、権力のですね、お伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) じゃ、私の方からお答えいたします。 NHKは、公共放送として、憲法で保障された表現の自由の下で正確で公平公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発達と文化の向上に寄与するということであります。 この役割を果たすために、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されないし、ニュースや番組が外からの圧力や働きかけによって左右されてはならないと、こういうふうに考えておりまして、NHKの放送の自主自律をこれまで同様しっかりと堅持するという形で対応することによって、委員の御質問がありましたようなことに対してはそういう形で対応してまいりたいというふうに考えております。
○森本真治君 ちょっともう少し深く聞きたいところもありますけれども、時間の関係もあるので、このことについてもう少しだけ、私が日頃から思っていること、是非御所見をお伺いしたいと思います。 この権力のチェックという中で、メディアと権力の緊張関係というものは非常に重要であります。その一方で、やはりそれぞれ報道機関、ジャーナリズム、例えば記者の皆さんなどは、様々な、例えば特だねというか、いろんな情報を得るためにはそういう取材先に対してもどんどんと入り込んでいかなければならないということですね。その中で、権力のチェック機関であります報道機関が、例えば権力との様々な、癒着と言ったらおかしいですけれども、いろんなそういうことも問われてくるということが、昨今これは、NHKというわけではなくて、一般的にジャーナリズムの世界で言われることもよくあります。 そのようなことがよく世論の中でも言われる中において、NHKとして、やはり報道姿勢ですね、取材の場合においてもですけれども、どのように考えているかということも、これは理事さんでも結構ですが、お伺いしたいと思います。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。 NHKの報道における取材の姿勢、それはまず言うまでもなく放送法、それから放送法に基づいて国内番組基準、それから放送ガイドラインというものも我々は持っておりまして、それにのっとって日々取材あるいは制作を進めております。 その際に、ともかくまず政治的には公平であることであるとか、事実を曲げないで報道することであるとか、そういった基本の取材姿勢、常にこの原点を堅持して日々制作あるいは取材に当たっているというふうに考えております。
○森本真治君 いろいろとこのメディアと権力の在り方などについても、非常に私も昨今問題意識も持っているところも多いので、またいろいろこの総務委員会の中でも機会があれば引き続き追わせていただきたいと思いますが、ちょっと時間の関係で次の質問に移らさせていただいております。 先ほど来、自主自律の観点、政治的公平性というようなこともいろいろと言われております。 それと、今後の経営計画の中で、NHKとして、放送と通信の融合時代への対応というようなことも今後の対応としてあろうかと思います。この放送と通信の融合時代への対応という中で、その垣根を、放送と通信の垣根をなくしていくということも今後重要になってくるという議論もあります。 その中で、様々な今、既存の法制度、法規制の見直しが必要ではないかというような議論もあります。NHKとして、今後この放送と通信の融合ということを進めていくときの現状の今の法制度について、課題として見直しが必要だと思われるような部分があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) 改正が必要かどうかということに関しては私の方からはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、NHKといたしましては、通信、放送の融合時代に、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、やはり常時同時配信、これも法律の改正を必要としているわけなんですが、そういう形で視聴者にとって多角的にそういう情報にアクセスしていただけるような、そういうことに関してしっかりとお願いしてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○森本真治君 今後、公共放送から公共メディアへの進化というようなことも、これは上田会長のまさに一番強調したい部分だというふうに思うんですね。まさに、この公共メディアへの進化の中での、私自身の理解では、一番重要なのがまさにこの放送と通信の融合という部分をNHKとしても特に必要としているんではないかなというふうに思うんですね。 そうすると、それを進めていく上で様々な今の既存の制度の中で課題があれば、しっかりとその部分についても、NHKとしての今の経営方針を実現していくためにはしっかりとそこの部分については問題意識を持たなければならないというふうに思うんですね。今、制度のことについてコメントを控えるということであれば、私、本気度が問われると思いますよ。しっかりと本当にこれ実現しようと思えば、今現状として何が課題であるのかということを聞かせていただかないと。 総務大臣の今回の予算、事業計画、資金計画に対する意見の中でも、例えば、インターネットの同時配信などについても、まずはNHKとしてしっかりとその意義の明確化であったり、そういうことをまずNHKの方に課せられているわけなんですよね。 そういう観点で、もう一度会長の強い思いというものを聞かせていただかなければちょっと私は不十分だなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKといたしましては、次期経営計画におきまして、放送を太い幹としつつ、インターネットも活用して、正確で迅速なニュースや質の高い多彩な番組などをできるだけ多くの人にお届けすることで、公共的価値の実現を追求し、公共的メディアへの進化を目指すことを掲げております。 常時同時配信は、NHKが公共メディアへの進化に向けて実現すべきサービスであると認識いたしておりまして、二〇一九年度に開始したいという考えに変わりはありません。常時同時配信の実現には国による法制度の整備が必要であり、NHKだけで検討できることではないことも承知いたしております。関係者や視聴者・国民の理解を得る努力を真摯に丁寧に行いつつ、できる準備を進めてまいりたいと考えております。
○森本真治君 実現に向けて努力をしたいという、今またちょっと踏み込んだ答弁いただきましたけれども、法制度などについてはNHKだけでできる話ではないということだったんで、ちょっと総務大臣の方にお伺いしたいんですけれども、この情報通信の融合時代に向けての、これの必要性は総務大臣としてもこれは大変重要だという認識でいらっしゃるのか、そのためには、様々な今の既存の制度、どこに課題があってそこを対応していかなければならないというふうに考えていらっしゃるのか、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 放送と通信、約二十年ぐらいまでは全く別個のものでございました。放送は専ら動画というか映像を見る、通信というのは専ら音声で通信のやり取りをするという。 ところが、技術革新、イノベーションが予見される中で、恐らく技術的には、受取側、私たちからするとテレビジョンの受像機もインターネットを見ているPC上の画面も一体化して、技術的に一体化して、かつては速い、大容量の動画が見れなかった通信であっても、今現状では様々な動画配信が行われていると。ですから、受け取る側、国民からすると、ぱっと見たときに、これがテレビの番組なのかインターネット上の番組なのかというのはなかなか分かりづらくなってきている。要するに、技術が先に先行する中、ただ、法律としては別個のものであるということです。 これについて、まだ実は基本的な議論はこれまでなされてこなかったと思います。今時、技術が進んだことによって、今NHKの会長がおっしゃっているのは、公共放送として受像機を通じて様々なコンテンツが配信されています、災害情報であったり、又は大河ドラマであったり、又はお料理の番組であったり、子供番組であったり、そういうものを、今、イノベーションの結果生まれた通信の世界にあるインターネット上でも同様の大容量が可能になってきた中、そこを補完としてより広く受信料を払っている人たちにサービスをしたいという流れなんだと思っています。 ただ、やはり放送は放送法の下で自主自律の中で番組準則というのがございまして、通信の方はそういうものが実はないと、そういうその整合性をどう取っていくか。様々な問題がある中で、総務省としては、今、放送を巡る諸課題検、諸課題に関する検討会というところで、今おっしゃってきた常時同時配信についても様々な関係者の意見を聞いて検討を続けているところです。
○森本真治君 分かりました。 様々な、今後、前に進めていく上での現状、課題などについて整理をして、しっかりとそれに向けて対応もしていくということも必要だと思うんですけれども、様々な規制の中で今回のこの情報通信の融合の足かせになっている部分が何があるのかなということを考えたときに、これちょっと大臣の方にお伺いしたいんですけれども、今、放送法の四条がそこについてちょっと足かせになっているのではないかというような議論とかがありますけれども、大臣は、放送法四条は今後の放送、通信の融合を進めて行く上で、これはやはり足かせというか、ここは見直していかなければならないというふうに考えますか。
○国務大臣(野田聖子君) 先ほども会長からお話がございましたけれども、憲法の表現の自由というのがございまして、それをしっかり担保する意味で放送法では四条が定めているわけですけれども、様々な報道でのお話は聞いていますが、具体的に私、直接何も方針、いろんな方針聞かされていないので直接的なコメントは控えたいと思いますけれども、放送法第四条というのは番組準則を定めているわけですけれども、そういうものがあることによって、その枠組みの中でNHKを含めた放送事業者の方々が自主自律によって放送番組を編集します。そして、それによって重要な社会的役割を果たしてきたというふうに私は認識しているところです。 仮に放送法の四条を撤廃するような話があれば、そこにある、番組準則の中で定められているもので、例えば公序良俗を害するような番組とか、又は事実に基づかないそういう報道が増えるという可能性は当然考えられるわけであります。
○森本真治君 ちょっと持ち時間の方が迫ってきましたので、引き続き、また今後の総務委員会でも議論もさせていただきたいというふうに思います。 一点だけ、もう答弁は結構なんですけれども、私はやはり、今回の上田会長の思いの中で、地域社会への貢献ということですね、私は非常にそこについては自分も関心を持っております。各地域でローカル番組はそれぞれ放送されますけれども、やはり地域の魅力であるとか、例えばいわゆる地方創生なんかといったときには、やはりそれぞれの地域の番組が、例えば東京であったり全国のキー局の方、こっちでも見れるような、そういうことももっと強化していただきたいなということをお願いをさせていただいて、時間となりましたので、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○杉尾秀哉君 民進党・新緑風会の杉尾秀哉でございます。森本委員に続いて質問させていただきます。 早速ですけれども、上田会長、就任されてちょうど一年ちょっとになりました。前の会長は、先ほど来話が出ておりますけれども、いろいろ物議を醸すことが多かったんですが、この一年を見ていますと無難なかじ取りをされているのかなというふうにも見えますが、会長御自身はこの一年間についてどういう感想を持たれていますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKの業務を総理いたします会長の責任の重さというのを実感していますけれども、放送と通信の融合時代への対応を始め、働き方改革、地域改革、グループ経営計画など、今後のNHKの在り方を左右する課題にスピード感を持って取り組み、三年間の会長任期の第一段階をある程度力強く踏み出せたんじゃないかというふうに感じております。 役職員との間で情報や課題を共有するコンセンサス経営を実践し、経営委員の方々にも丁寧な議論を積み重ねた結果、私が最大の経営課題だと考えております公共メディア実現を目指す次期経営計画を策定することができました。 東京オリンピック・パラリンピックが開催される二〇二〇年に最高水準の放送サービスを提供し、公共メディアへの進化を実現するため、次期経営計画に盛り込んだ取組を着実に実行してまいる所存です。
○杉尾秀哉君 一年目、順調にスタートしたと自己評価されていましたけど、率直に伺いますが、会長はNHKの番組どれぐらい見ていらっしゃいますか。それから、民放と比べることとかありますか。
○参考人(上田良一君) 私は、前職のときと違いまして、NHKの番組は録画して実は早送りで見ているんですが、基本的に、報道番組はほとんど全て見ていますし、「NHKスペシャル」とか重立った番組は見ていますので、毎日数時間は見ていると思いますから、番組内容とすると相当長時間にわたって見ていると思います。 ただ、民放をどれだけ見ているかと言われますと、非常にお恥ずかしい話なんですが、やはりどうしてもNHKに偏った見方をしているというのが事実です。
○杉尾秀哉君 できれば、民放とも時々は見比べていただけるとNHKとの違いがよく分かると思うんですが、私は、放送局の経営者というのはやっぱり放送を愛するということが一番大切なことじゃないかと思うんですね。 そこで、放送法では豊かで良い番組を放送するというのが規定されているんですけれども、会長はよく御覧になっているようですけれども、会長が見るNHKの番組というのは、すべからくこの放送法の要請に応えた、豊かで良い番組、放送しているというふうに自負されていますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKは、公共放送といたしまして、正確で公平公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発達と文化の向上に寄与する役割を担っております。放送に当たっては、放送法にのっとり、事実に基づいて公平公正、不偏不党、何人からも規律されず、自らを厳しく律していく、今後もこの姿勢を堅持してまいりたいと思っています。 なお、年二回、視聴者を対象に十四項目の経営指標について世論調査を行っておりますけれども、昨年七月の調査でも、公平・公正、正確・迅速な情報提供、多角的論点の提示の項目において、およそ八割の方から高い評価を得ています。 次期経営計画で掲げています公共的価値の実現に向けて今後も豊かで良い番組を放送してまいりたいと思っていますけれども、私が、限られた時間ではありますが、空いた時間はほぼ全てテレビの視聴に充てていますけれども、それは、こういったことがちゃんと守れているかどうかという視点で毎日視聴させていただいています。
○杉尾秀哉君 公平公正について、私はちょっと違う意見を持っているんですが、実は私も民放出身で、NHKには友人、知人も多いですし、NHKが放送している番組を本当にリスペクトしています。とりわけ歴史物ですね。去年の夏ですと、七三一部隊を扱ったもの、それから例のインパール作戦ですね、戦慄の記憶だったですかね、サブタイトル、これ本当に深く感動いたしました。あの戦争がいかにひどい戦争だったかというのがよく分かって、前線の兵士たちの思いというのもよく分かりました。 そういう一方で、やっぱりがっかりさせられることも多いんですよね。例えば、これ森本委員も先ほどちょっと幾つか聞かれていましたけれども、いっぱいあるんですが、例えば、例の加計問題のときの前川前次官のインタビュー、これNHKさんが一番最初にインタビューしたんですけど、これ放送していないんですよ。それから、例の一連の文書で、官邸の最高レベルが言っていることというくだりがあって、これも一番最初にNHKが放送したんですけど、官邸の最高レベルという部分が黒塗りになっているんですよ。墨塗りになっているんですよ、一番肝腎の部分が墨塗り。これ何でこんな配慮したのか分からない。それから、総理の動向、例えば外遊に行ってもそうなんですけど、物すごく逐一放送するんですよね。全くそこに何の批判もなければ、まあ批判するのがいいと言っているわけじゃないんですけれども、要するに垂れ流しなんですよ、言葉悪いんですけれども。 私の周りでも、さっき八割の方が公平公正だと言いましたけれども、そうじゃないんじゃないかと思っている人もやっぱり一定程度いらっしゃって、私の周りでもNHK受信料払いたくないという人も正直いらっしゃるんですよね。 こうした批判に対しては、会長はどういうふうに思われますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、視聴者のアンケートというのを取っていまして、そういった結果を真摯に受け止めて番組の制作に当たるよう、現場には指導していきたいというふうに考えております。
○杉尾秀哉君 もう一つ、実例挙げますね。 去年の十月の衆議院選挙、投開票日の前日の夜に「党首奮戦」という特集番組を組まれたんですよ。各党の党首に密着した番組で、七十分の放送のうちの自民党が三分の一の二十二分間、安倍総理の自宅での私生活の一部を紹介した映像も流れました。で、残りの七党首が残りの四十分ちょっとを分け合っている。これ、普通に見ますと、質、量共に安倍総理に好意的な編集なんです。これ、マスコミ研究者の間でも異論が出ているんですね。 ここで、どうしてこういう放送になったのか、先ほどから政治的な公平公正ということを何度もおっしゃっていますけれども、政治的公正というのはどういうふうに考えているのか、これちょっと聞かせてください。
○参考人(木田幸紀君) 選挙報道に当たりましては、NHKとしては、放送法と公職選挙法の趣旨に基づいて、公平公正で視聴者の判断に役立つ選挙報道に取り組むということを方針としております。昨年の衆議院選挙、それからその関連番組でも、これまでどおり、この方針に従って、政治的公平性を十分に担保しながら、視聴者の判断に役に立つ選挙報道を行ったというふうに認識しております。 なお、NHKの放送ガイドラインでは、選挙関係のニュースや番組の放送、選挙結果の速報などは、正確な取材と公正な判断によって自主的に行い、公職選挙法の趣旨に従って選挙の公正を損なわないようにするというふうにしております。
○杉尾秀哉君 与党と野党で時間を分けるとかいうのもあるかもしれません。それは量的公平性ということなのかもしれません。例えば討論番組なんかでも、その時間を割るのにある程度その議席差みたいなものを考慮するということはあるかもしれません。これは、だけど、あくまで量的公平性にすぎません。 去年の二月、BPOが、重視すべきは量的公平性よりも質的公平性、例えば、少数者であったり、まあ野党もそうですけれども、そうした立場。それから、もう一つ、BPOの意見の中で出ているんですけど、取材で知り得た情報を偏りなく報道する、有権者に必要な情報を提供する役割というのがやっぱり大事だという。 こういう、量的公平性の話ばっかりしているような気がするんですけど、質的公平性というのはどういうふうに考えていらっしゃるんですか。ちょっとそれ教えてください。
○参考人(木田幸紀君) 御指摘のBPOの意見については承知しております。 NHKとしては、先ほども申しましたように、放送法と公職選挙法の趣旨に基づいて、公平公正で視聴者の判断に役立つ選挙報道に取り組むという方針に変わりはありません。 個別の編集判断や取材の過程などの詳細に関してはちょっとお答えを差し控えさせていただきますが、昨年の衆議院選挙でも、これまでどおり、この方針に従って政治的公平性を十分に担保しながら、視聴者の判断に役立つ選挙報道ができたものというふうに認識しております。
○杉尾秀哉君 お題目みたいに公平公正というのを繰り返さないでくださいね。内実なんですね、問題は。 実は、先ほどもちょっと話に出ていましたけれども、NHKに関しては不祥事とか放送トラブルなんかも絶えないわけですが、今年の一月に、北朝鮮ミサイル発射の模様という速報がインターネット上に流れました。これは政府がJアラートを作動させたということだったんですけれども、実はこれは全くの誤報だと。報道局長以下、関係者の方が処分されています。 この件について、NHKは、職員が機器の操作を誤った人為的ミスというふうに説明されています。しかし、私のところにちょっと情報が参っておりまして、プッシュ速報実施手順という、こういう色刷りの、これNHKの多分端末だと思うんですけれども。ここで書かれているのが、NHKは経営委員会や理事会に対して原因をきちんと説明せず、本当の原因を隠蔽していると、こういうふうに書いてある。本当にこんなことってあるんですか。
○参考人(木田幸紀君) 今回のミスは、テレビのニュース速報を送出する機器と同じ機器を使って芥川賞の速報をネットに配信しようとした際に、緊急対応用にあらかじめ準備していたJアラートの速報を誤って選択してしまい、それに気付かないまま配信してしまったというものであります。 御指摘のように、手順を示す文書はあるんですけれども、担当者がその手順どおりに行わず、ミスが起きました。人為的なミスだったというふうに認識しております。このような説明を経営委員会にもしております。
○杉尾秀哉君 この私のところに来た文書には、これマニュアル自体が間違っていたと書いてあるんですけれども、もう一つ書かれていることがあって、この話には続きがございまして、この誤報を契機に、かねてから官邸や自民党などの一部にあったNHKへの偏向報道批判というのが強くなった。これにナーバスになった報道局長さん、まあKさんというふうにイニシャルで呼びます、例えば森友問題で映像やニュースの扱い方などを細かく指示をするようになった。これ、NHKのニュースセンターの中で、JアラートならぬKアラートというふうに呼ばれているそうでございます。こんなことってあるんですか。
○参考人(木田幸紀君) NHKは、報道機関として自主的な編集判断に基づいて放送しております。 放送に当たっては、国内番組基準に基づき、報道の担当責任者が総合的に判断してニュース、番組を制作しております。実際の業務運営では、各担当責任者が時間帯ごとにその日に起きた様々な分野のニュース全般を見渡しつつ、重要度や緊急度、さらには視聴者の関心の度合いや広がりといった要素を勘案して総合的に判断しているものであります。 御指摘になったような事実はございません。
○杉尾秀哉君 いずれにしても、やっぱりNHKは、こうやって予算も握られているわけですし、やっぱり政治に弱いというのは、これはもう一般視聴者の人も思っているわけですよ。それがしばしば放送内容への介入とか、逆にそんたくを生みやすい原因になっている。NHKの人事にも影響しているということも聞いています。 やはりここは、言論報道機関としての矜持、それから、先ほども森本委員が言われたジャーナリズム精神というのは、これだけは絶対に失わないでいただきたいということを申し上げまして、ちょっと次の質問に参りますけれども、経営計画とNHKの予算なんですが、今回の予算、それから経営計画の中でも、受信料の値下げを見送る一方で、4K、8K放送、それからインターネット関連など、新規事業の推進姿勢を明確にしております。 結構これに対する新聞の論調が厳しくて、例えば、業務の拡大傾向が目に余るとか、公共性の議論をもっとすべきだといったような辛口の社説も見られました。公共放送としてのあるべき姿勢が、姿というのがこんなに問われていることはないと思うんですね。それは、去年の十二月の最高裁判決で初めて受信料制度が合憲であると、こういう判断が出た、そこにも起因しているかもしれません。 そこで、会長に伺いたいんですけれども、こうしたNHKの肥大化に対する懸念の声に対してどういうふうに答えられるのか。また、公共放送としてのあるべき姿について、私もこれ読ませていただきましたけれども、本当にこれ、NHKの職員の方の中にどこまで議論をされて、それが血となり肉となっているのか、ちょっと伺わせてください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 経営計画では二〇二〇年度に最高水準の放送サービスを実現することを掲げており、事業支出は増えることとなっておりますけれども、一九六四年以来の自国開催となるオリンピック、パラリンピックに伴うものであることや、4K、8Kの普及推進に欠かせない支出である、こういった特殊な事情を含んだ支出計画であることをまず御理解いただきたいと思います。一方、業務全般の不断の見直しを進め、経費の削減などを行い、効率的な経営を推進していくほか、視聴者の皆様への負担軽減策も織り込ませていただきました。 さらに、この三年間のうちに二〇二〇年度以降の放送サービスにつきましても検討を進めることにしておりまして、ポスト二〇二〇を見据えた経営資源の再配置や支出の見直しも引き続き検討してまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 十二月から4K、8Kの本放送が始まります。これで、NHKが持っているテレビとラジオのチャンネル、九つということになります。 これ、世界の放送局、公共放送を見渡しても、こんなに多角化している例がない。しかも、ネット戦略をこれから本格化させるということなので、そのチャンネル減も含めて、スリム化させるという、こういった考え方はないんでしょうか。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。 当面は、4K、8K共に視聴できる方が限られているためにこの体制を維持していくことになりますが、次期三か年経営計画では、4K、8Kの普及段階を見据えた衛星放送の在り方など、二〇二〇年度以降の放送サービスについても検討を進め、経営資源の再配置に着手するとしております。国の基幹放送普及計画でも、BS左旋の超高精細度テレビ放送が普及してきた段階でNHKのBS放送全体のチャンネル数について見直すことが示されております。 NHKとしても、4K、8Kの普及段階を見据えまして、衛星放送の在り方など、二〇二〇年度以降の放送サービスについて検討を進め、経営資源の再配置に着手してまいりたいというふうに考えております。
○杉尾秀哉君 今の御発言は、チャンネル減、十分検討の中に入っているということだと思います。 その事業規模を見ても、やっぱりNHKって突出しているんですよね。改めて調べてみますと、来年度の受信料収入は六千九百九十五億円ですけれども、民放のテレビ局収入、全国百二十七社、ラテ兼営局もありますけれども、二兆二千二百億円程度なんですよね。これ、NHKというのは、全民放テレビの三割ほどの収入があるんです。今、民放キー局で視聴率一番いいのは日本テレビですけれども、日テレの放送収入の実に倍以上なんですよね。 先ほど大臣の意見もございましたけれども、この中にも、繰越金、これ九百二十四億円ですか、それから、事業収入の増加などを踏まえて既存の業務全体の見直し、受信料引下げの可能性を含めた受信料の在り方について検討を求めるというくだりがございます。受信料引下げ、それから受信料の在り方、こうした総務大臣の指摘に対してどういうふうにお答えするつもりでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 総務大臣の御意見の中で御指摘いただいた既存業務の見直しにつきましては、次期三か年経営計画で、4K、8Kの普及段階を見据えた衛星放送の在り方など、二〇二〇年度以降の放送サービスについての検討を進めることにしておりまして、経営資源の再配置や支出の見直しも検討してまいります。 受信料額につきましては、中長期的な事業計画や収支見通しを踏まえた上で検討すべき重要な課題だと認識しております。次期三か年の受信料収入の状況も踏まえながら、中長期的な視点に立って対応してまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 ちょっと予算の関連で具体的に一つ伺います。 このNHK経営計画の中にも、柱の一つになっておりますNHKワールド、国際放送なんですけれども、国際放送の発信力強化というのが重点方針の一つに挙げられていて、年々予算が増えていて、来年度も二百六十億円の予算が計上されていますけれども、この二百六十億円の予算というのは、受信料ですね、世帯数にして何世帯ぐらいに当たりますか。
○参考人(大橋一三君) お答えいたします。 NHKの国際放送費二百六十億円という御指摘でございますけれども、これは地上契約の受信料額で換算をいたしますと約百九十万件に相当いたします。
○杉尾秀哉君 今、百九十万件という話がありました。それだけの負担に基づいて国際放送が行われているんですけれども、民放の番組を制作する費用というのは一千億円も全体でないんですね、キー局でも。だから、二百六十億円というのはいかに予算として大きいかというのが実はよく分かるんですが、全体から見ると一部かもしれませんけど。 この国際放送について、私のところに情報が寄せられておりまして、政府におもねった内容や無駄遣いが目に余ると、こういうふうなくだりがありました。実名がいろいろ書かれておりまして、私も確認されておりましたら、実在の人物がたくさん出ておりました。中身について相当厳しい官邸サイドからの注文がある、総理の会見を長々垂れ流したり、そのための同時通訳を常時待機させている、また、あり余る予算を消化しなければならないので、国内外にキャラバンと称して大人数で出かけている、こういう指摘があります。国際放送をめぐって、こうした実態が本当にあるんでしょうか。
○参考人(木田幸紀君) 総理の会見についてですが、NHKは、公共放送として、国際放送においても、災害報道や緊急報道など、内外の注目を集めるニュースをいち早く伝えることに力を入れております。同時通訳を常時スタンバイさせる体制を整えたのは、こうした速報体制のためです。重要な情報を速やかに伝えることにより、海外はもとより、国内にいる外国人の方にも安全、安心のための情報を提供できるというふうに考えております。 それから、キャラバンについて御指摘がございました。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、日本に対する世界の関心は高まっております。NHKワールドでも、日本発の公共メディアとして、地域と世界をつなぎ、地域に貢献する番組の拡充を重点方針に掲げ、発信強化に取り組んでおります。 キャラバンというのはその地域発信強化の一環として実施しているものであり、地域放送局と協力して実施しております。熊本地震から半年後のおととし十月に九州で実施したのを始め、今年度は東日本大震災の被災地である東北、あるいは北陸新幹線の開業効果でにぎわう北陸、飛騨で実施いたしました。ふだんは、東京から伝えているニュース番組のキャスターが、それぞれの地域から、地域放送局の記者などとともに旬のニュースや話題を掘り下げて伝えております。地元自治体からも、地域の魅力や課題が世界に発信されてよかったなどの反応をいただいており、今後も適切な機会を捉えて継続することにしております。
○杉尾秀哉君 必要な情報発信というのは当然あると思います。しかし、会長も今日何度も効率的なということをおっしゃいましたので、是非、やるんだったらきっちりやっていただきたいし、効率的な運営を心掛けていただきたいと思うんですね。 ちなみに、このワールドニュースに関して言えば、こういう別の情報がありまして、安倍政権になってから、特に領土問題、慰安婦問題、靖国問題などをめぐる表現について厳しい規制が行われている。NHKの国際放送局に部外秘のオレンジブックというのがあって、これらの問題や、それから原発などセンシティブなテーマでは一字一句オレンジブックに書かれた表現そのままに原稿を書き込まなければならない。こういうことが実態として私のところに来ております。 実際にこの中にも書かれていましたけど、二〇一四年に、イギリスの新聞、タイムズ、このオレンジブックの存在が暴露されまして、そのときも、NHK内部で、やり過ぎだという、そういう声があったそうでございますので、更に何か強化すべきだという声も局内にあると聞いておりますので、ここについてもくぎを刺しておきたいと思います。 残りの時間は、放送制度改革について伺いたいと思います。 今、森本委員も質問しました。二十日に野田総務大臣に私も聞かしていただきました。大臣のお考えはよく分かりました。 その後、いろんな新聞も含めてメディアでも取り上げられてクローズアップされている問題、今度の四月十一日の規制改革推進会議でどういう話が出るのかというのがメディア関係者の間で今注目されているそうですけれども、前回のときも質問させていただきました。基になっているペーパーがあって、放送事業の大胆な見直しに向けた改革方針という、こういうペーパーで、柱が三つあって、通信と放送制度の一本化、これに放送法四条などの撤廃というのが入っている、それから放送のソフト、ハード分離の徹底、それで三番目がNHKの扱い、同時配信などネット活用の本格化と、こういうことになっているんですね。 会長、このペーパーは御覧になりましたか。
○参考人(上田良一君) 御指摘のようなことが報道されていることは承知いたしておりますけれども、そのペーパーそのものは見ておりません。
○杉尾秀哉君 昨日お渡ししましたので、見ていただければというふうに思いますけど。 放送法四条、番組作りのやっぱり大原則だと思うんですね。やっぱり、四条が撤廃されると、これは本当にもろ刃というか、どちらにもなるんですけれども、私は前回、政治介入から守る盾にもなるんだということを申し上げたんですけれども、現状のネットとそれから放送の状況で四条が撤廃されれば、これやっぱりフェイクニュースとか偏向報道、特に政治的に偏った放送、まあネットの中にはそういうものが見られます。具体名挙げませんけれども、BPOになったような番組もございます、沖縄問題を扱った。こういう放送が、これ助長しかねない。 そこで、会長御自身に伺いたいんですが、放送法四条が今の放送界全体、日本の、果たしている役割というのはどういうふうに認識されていますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 検討中の内容についてはコメントを差し控えたいと思いますが、一般論で申し上げますと、放送法四条は、政治的に公平であることや報道は事実を曲げないですることなどを掲げており、ニュースや番組においては遵守すべきものと考えております。 NHKの放送ガイドラインでも、放送の自主自律を堅持することや、正確、公平公正などを掲げております。NHKとしては、これまでどおりニュースや番組の内容に責任を持って放送を実施していく考えであります。
○杉尾秀哉君 今、その放送法四条の精神は非常に大事であると、こういうふうな御答弁でした。 これ、放送法を撤廃すると、将来的に民放の解体につながりかねない。通信と放送の融合ということなんですけれども、これは事実上、民放は今の放送から通信の方に行って、今の放送波で使っている波をこれオークションで高く売ろうと、こういう考え方もあるようですけれども、これで民放の解体、上下分離というのがありますね、ソフトとハードの分離、それにつながりかねないという指摘もあるんですが、現行の民放とNHKが共存している今の日本の放送制度、それから、そこの中でその四条、放送法が持つ意味、これについて会長御自身の考えを聞かせてください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 日本では、昭和二十五年に制定された放送法の下で、受信料を基本財源とする公共放送NHKと広告料を主な財源とする民間放送との二元体制が着実に根付いて、放送文化の発展を支えてきたと承知いたしております。昨年十二月の未契約訴訟に係る最高裁大法廷判決におきましても、放送の二元体制の意義が評価されたものと受け止めております。 NHKと民間放送との二元体制の下で、NHKは、広く受信料によって支えられる放送機関としての基本姿勢を堅持し、国民の知る権利を充足するとともに、健全な民主主義の発達と文化の向上に寄与してまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 今の御意見を要約しますと、現行の二元体制は維持すべきである、放送法はこの精神も含めて堅持すべきである、こういう考え方ということでよろしいですね。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 現行法の下での説明をさせていただきましたけれども、検討中の内容に絡めてのコメントは差し控えさせていただきたいというふうに考えます。
○杉尾秀哉君 この改革方針の中に、さっきもちょっと御紹介しましたけど、NHKの取扱い、公共放送から公共メディアへというふうに書いてございまして、これは今NHKが掲げている経営計画でも先ほど来話になっている公共メディアへの進化ということで、何かここについては一致しているのかなというふうに思います。それから、同時配信などネット活用の本格化というのも書かれていまして、これも今のNHKの方針に沿っているかなと思って、この改革というのは実はNHKにとってはいいんじゃないですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 何度も同じ回答になって恐縮ですが、御指摘のような報道については承知いたしておりますけれども、検討中の内容でありますし、これ以上私の方からコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○杉尾秀哉君 時間が参りましたのでこの辺でやめておきますけれども、是非、これは本当に議論になっております。これ、民放とNHKがやっぱり切磋琢磨するというのが、冒頭の番組論の話もそうなんですけれども、これが今やっぱり非常に大切なことで、その意味では、やっぱり放送法を遵守するというその考え方自身が今の地上波を含めた放送の信頼性の基盤にもなっていると思いますので、この問題については、今回はNHKの予算に絡めてということですけれども、引き続き関心を持って取り上げてまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 昨年十二月、受信料をめぐる最高裁判決がありました。 そこで、NHKの上田会長に伺いますが、NHKにとって受信料とは何でしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 受信料は、公共放送NHKを維持運営するための財源であると理解いたしております。放送法を根拠とし、NHKが公共放送としての業務を行うために必要な経費を受信機の設置者に公平に負担していただくという考え方に基づくものであり、これにより高度な自主性を財源面から保障する制度であると考えております。 引き続き、公共放送の役割や受信料制度の意義について視聴者の方々に丁寧に説明し、いかに納得感を持って受信料をお支払いいただくかが重要であり、国民の信頼を得るための取組と公平負担の徹底に努めてまいりたいと考えております。
○山下芳生君 私も、受信料を財源とする公共放送NHK、片や広告料収入を基盤とする民間放送、異なった放送事業体がお互いに長所を生かしながら、そして欠点を補いながら切磋琢磨して競い合う日本の放送制度というのは、うまくできた制度だというふうに思っております。 こうした二元的併存放送体制の中で、では、受信料制度によって経営的安定と権力や資本からの自立を財政面で保障されたNHKの果たすべき公共的役割というのは、私は民放以上に大きいものがあると思います。 会長は、昨年の質疑で、公権力の監視もジャーナリズムの機能の一つだと認識していると御答弁されました。放送法第一条、「放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。」、これは公権力の監視なしにはあり得ないと思います。 そこで、上田会長に伺いますが、この公権力の監視と受信料制度の関係について会長はどのように認識されていますか。
○参考人(上田良一君) 先ほども言及いたしましたが、この受信料制度の意義というものは、これは公共放送としてのNHKの自主自律を財源面から保障する制度だと、こういうふうな理解をいたしております。
○山下芳生君 そのとおりだと思います。先ほどもおっしゃいました、高度な自主性を財源面から保障するものだと。これ、非常に大事な認識だと思います。権力からも資本からも独立したメディア、税金で成り立つ国営放送ではなくて視聴者の受信料によって成り立つ公共放送には、視聴者・国民の立場から、より高いレベルで権力を監視する役割が期待されているし、それこそが公共放送の使命だと思います。 イギリスの公共放送BBC元会長グレッグ・ダイク氏は、民主主義社会において公共放送の役割は権力への協力ではなく監視、そのために公共放送は政府から独立しなければならないと。それを保障しているのが私は受信料制度だと言ってもいいと思うし、会長もその認識を示されました。 ところが、残念ながら、NHKの権力の監視機能は著しく低下していると言わざるを得ません。政府からの独立が極めて弱いと言わざるを得ません。これまでも、もう例に挙げれば数限りないほど残念ながらそういう事態がありました。従軍慰安婦をめぐる番組改変問題しかり、あるいは、安倍政権下で顕著になった、権力に配慮した放送などであります。具体的には、秘密保護法、あるいは安保法制、共謀罪など、安倍政権による強権的な政治、政策に反対する市民の皆さんの運動がNHKではほとんど放送されない。他の民放と比べても著しく少ない。これはメディアの研究者などからも指摘をされておりますし、視聴者からもその点での批判は強いです。 そこで、上田会長、受信料制度によって支えられ、本来最も権力を監視する役割を果たし得るはずのNHKに対する、こうした権力の監視が弱い、政府からの独立が弱いという批判、どう受け止めますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼であります。これが何よりも重要であると考えておりまして、この信頼を得るためには、報道機関として自主自律、不偏不党の立場を守り、公平公正を貫くことが公共放送の生命線であるということを認識いたしておりまして、会長としての職責をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
○山下芳生君 いや、その権力を監視する役割、権力から自立する姿勢、これは民放と比べても本来高いはずの、高くあらねばならないはずのNHKが残念ながら弱くなっているという指摘についてどう認識していますかと聞いたんです。会長の決意は分かっています。しかし、これまでそう思われていないということなんです。どう認識されますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKは、公共放送として、公平公正、自主自律を貫き、何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えていくことが役割だと考えております。NHKの放送ガイドラインでも、放送の自主自律の堅持が信頼される公共放送の生命線であることや、放送の基本的な姿勢として、正確、公平公正などを掲げております。 NHKといたしましては、こうした考え方を堅持し、ニュースや番組の内容に責任を持って放送を実施いたしております。
○山下芳生君 そうなっていないという批判についての認識を聞いているんですが、まあいいでしょう。 私のところにも、NHK関係者からの内部告発と思われる文書が届きました。 「ニュース7」、「ニュースウオッチ9」、「おはよう日本」などのニュース番組の編集責任者に対し、NHKの幹部が森友問題の伝え方を細かく指示している、トップニュースで伝えるな、トップでも仕方がないが放送尺は三分半以内、昭恵さんの映像は使うな、前川前文科次官の講演問題と連続して伝えるななどというものですと。非常にリアルな、これはNHKが、先ほど会長は圧力に左右されずと言っていましたけど、もう自ら圧力に擦り寄っていくと、そんたくしているようなこれは内部からの情報だと思われますが、こういう実態あるんじゃないですか、会長。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 繰り返しになりますが、放送法の規定に基づいて、NHKで編集権を行使する権限は会長にあると考えておりまして、実際の業務運営においては放送部門の最高責任者である放送総局長に分掌し、その下でそれぞれ番組制作責任者の策定に当たっております。 個々の番組の内容については現場に任せて、現場がその都度、自主的に判断いたしておりますが、NHKとしては、先ほどから繰り返し繰り返し申し上げていますように、公平公正、自主自律を貫いて、何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えていくことが役割だと考えておりまして、これをしっかりと守っていきたいというふうに考えております。
○山下芳生君 まあ残念な御答弁でした。前会長がのりを越えた権力との癒着をやられた直後に現れた上田新会長が、やはりこの問題ではもっと敏感な感覚をお持ちいただきたいと思っております。今そのことが、視聴者からだけではなくて、私のところにこういう内容の文書が届くのは初めてです。これほど政権からの圧力をそんたくするようなことがNHKで常態化しているというリアルな告発ですから、私はこれはゆゆしき問題だと思うんですね。 権力の監視という公共放送の使命、視聴者の期待を裏切るような権力への協力、こういう姿勢を改めることなく、最高裁判決をお墨付きに受信料契約と支払義務化の強制を進めるなら、私はむしろ市民の不信感が増すだけだろうと思います。受信料の不払も市民からの注文の一つの形であって、NHKはその声に耳を傾けて改善を図ることで市民とのあるいは視聴者との相互関係、信頼の構築が成り立つものだと思っておりますし、それから、私は何もNHKを、何というんですか、批判するだけが私たちの立場ではないということを常々申し上げてきました。 私は、市民にとっても放送という知る権利や文化のありように深い関わりを持つ社会の基幹メディアを、自分たちがお金を出して財政的に支え、権力からも資本からも、そして商業主義からも自由な放送の在り方を保障していこうという公共放送制度というのは、現代社会において貴重な文化なのだと思っております。そういう認識、自覚が市民にも必要だというふうに理解をしております。皆様のNHKではなくて、私たちのNHKに育てていくことが必要ではないかなと思っております。その点の感想をひとつ会長に伺いたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 繰り返しの部分もありますけれども、NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼であるということは私も確信いたしております。これが何よりも重要だということで、この信頼を得るためには、報道機関として自主自律、不偏不党の立場を守り、公平公正を貫くことが公共放送の生命線であるということを認識いたしておりまして、会長の職責をしっかりと果たしてまいりたいと考えております。
○山下芳生君 次に、国際放送の在り方について伺いたいと思います。 今年度のNHK予算に対する総務大臣意見、野田大臣の意見の中にこうあります、国際放送の分野ですが。我が国の重要な政策及び国際問題に対する公的見解を正しく伝えることがこれまで以上に重要となっていることを踏まえ、国際放送のより一層の充実強化を図ることと。 私、これ読んで、ちょっと踏み込み過ぎではないかという感想を率直に持ちました。国際問題に対する公的見解というのは何なのか。なぜそれをNHKに国際放送させるのか。野田大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。 御指摘の国際問題に対する公的見解に言及している箇所ですが、NHKの国際放送によって我が国に対する正しい認識を培い及び普及させる上で国際問題に対する公的見解を伝えることが重要になっているという、あくまでも一般的な現状認識を示しています。 いずれにしても、NHKにおいて、放送法の規定に基づいて外国人向け国際放送の編集に当たり、我が国の文化とか産業とかその他の事情を紹介して、我が国に対する正しい認識を培い及び普及することが求められているところです。その際、個別の放送番組についてはNHKが自らの責任において編集されるものと考えています。
○山下芳生君 総務省から資料いただきましたが、総務大臣意見で、国際放送について、こういう踏み込んだ、国際問題に対する公的見解を放送しなさいという要請が入ったのは安倍政権になってからなんです。平成二十六年度の新藤大臣からそういう文言が入って、ずっと野田大臣まで踏襲されています。 しかし、こういうことをやり、総務大臣が意見出し続けますと、私は、NHKが国際放送を編集する際にかなりこれは圧力となって影響するんじゃないかということを思ったんですが、NHK上田会長、政府から国際放送の内容について指示されるようなことはありますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKは、あくまでも放送法に基づいて公平公正、不偏不党、放送番組の編集の自由などの原則を守って放送を行っておりまして、国際放送においても変わりはありません。 NHKは、放送法に基づいて、自ら国際放送基準を定めてテレビとラジオの国際放送を実施いたしております。国際番組基準では、内外のニュースを迅速かつ客観的に報道するとともに、我が国の重要な政策並びに国際問題に対する公的見解並びに我が国の世論の動向を正しく伝えるといたしております。
○山下芳生君 一般論でお答えになったんですが、この点でも私に内部からの告発がありました。 国際放送が拡大する一方で、ある背景には政府がしきりにハッパを掛けているところがあります。それは量だけではなく、質に対してもそうです。例を挙げます。国際放送テレビのニュースはニュースラインと呼ばれ、毎正時三十分のニュースを流していますが、海外向けとあって中身については相当厳しく官邸サイドから注文が入るのです。その結果、例えば、安倍首相があらゆる機会で会見するたびに長々と何十分も会見を垂れ流しするのが慣例ですということですが、安倍首相が会見すれば、そのたびに長々と国際放送で放送をするというようなことを、しきりにハッパを掛けているという表現でこれは告発されているんですけれども、これはもうNHKに聞いても多分お答えにならないと思いますから、野田大臣に伺います。 総務省として、そんなことはないという見解かもしれませんが、これは官邸サイドからという告発なんですね。かつての、先ほど紹介した従軍慰安婦の番組の内容をめぐる改ざん事件も、これ総務省からとかではなかったです、政治家からでありました。 官邸からのこういう圧力が常態化している、国際放送についてという告発ですが、これ、事実だとしたらゆゆしき問題ですから、ちゃんと総務大臣として、政治の舞台からそんな圧力があるのかないのか、あったらゆゆしき問題だ、止めるべきだ、やめなさいと。これ、調査して是正すべきじゃありませんか。
○国務大臣(野田聖子君) 今のお話、唐突に伺ったわけで、私自身もそのことについて承知しておりません。ですから、今ここで私が何かコメントするということは差し控えたいと思います。
○山下芳生君 こういうことがあってはならないと、あってもいい、いや、あってはならない、どちらでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 放送事業者の方たちは、放送法に基づいて自主自律、とりわけNHKに関しては視聴者・国民からの受信料で先ほど来お話があるようにしっかりと高い独立性を有しているということで、その下で取り組んでおられるというふうに認識しております。
○山下芳生君 実際は、この間のNHKの放送の内容の変遷見ていますと、本来は受信料制度で最も独立性が担保されているはずの公共放送の放送内容が政権寄りにずっとなってきているということは、もう長く指摘されていたことなんですね。それはNHKにも問題があります。それをきっぱりと断らなければならない。しかし、断らないからといって、どんどんどんどん政権あるいは与党の方からいろんな注文が常態化しているという実態があるということを現職のNHKの職員の方がもう複数で告発されているわけですから、これを建前だけで、ちゃんとやっていますと、それが公共放送の役割ですなんて言っているだけでは、私は信頼は回復できないということを指摘しておきたいと思います。 最後に、この場所でも取り上げてきましたNHKの記者、佐戸未和さん、享年三十一歳が、二〇一三年七月、首都圏放送センターで当時の都議選と参議院選挙の取材の過酷な勤務状況の中で過労死された問題について質問したいと思います。 佐戸未和さんの亡くなる前の時間外労働は百八十八時間、そして二百九時間、これが二か月前の時間外労働でした。NHKは、未和さんの過労死の労災認定後、渋谷労基署から、二〇一四年五月ですけれども、指導文書を出されています。私はその文書をいただきました。それによると、記者に係る事業場外みなし労働時間制の適用について見直しを図ることという中身であります。これはNHKにも確認いたしました。 要するに、NHKの記者さんに事業場外みなし労働時間制を適用していたことは適切なのかという問題提起がされたと私は理解しています。それは当然だと思うんですね。もう今の時代、幾ら事業場外で働いているからといって、それによって労働時間を把握することができない、だからみなし労働時間制なんだということはあり得ないんです。もう一人一人がみんな端末を持っているし、携帯だとかスマホ持っているわけですよね。ですから、外で働いているから労働時間の把握ができない、したがってみなし労働時間制にするというのは、これはもう現代社会ではあり得ない話だと思っております。 厚労省に伺いますが、この事業場外みなし労働時間制の要件が逸脱されている疑いがある場合、どのような調査、指導をすることになるでしょうか。
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。 労働基準法第三十八条の二におきましては、労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間又は当該業務の遂行に通常必要とされる時間、労働したものとみなすとしておるところでございます。 一方で、何人かのグループで事業場外労働に従事する場合などで、そのメンバーの中に労働時間管理をする者がいる場合であるとか、事業場外で業務に従事をするけれども無線などによって随時使用者の指示を受けながら労働している場合などにつきましては、使用者の具体的な指揮監督が及んでいる場合ということで労働時間の算定が可能であるので、みなし労働時間制の適用はなく、通常の労働時間規制が適用されるということでございます。 この場合、三六協定で協定した延長時間を超えて時間外労働をさせていた場合や、時間外労働に対する割増し賃金を支払っていなかった場合には、これは法違反ということになりますので、労働基準監督署においてその是正について指導をしているということでございます。
○山下芳生君 みなし労働制の適用がふさわしくない場合は、通常の労働時間規制が適用されるということです。 そこで伺いますが、NHKは、佐戸未和さんが亡くなった時点で時間外労働についてどのような労使協定を結んでおられましたか。
○参考人(根本佳則君) 当時は、記者には事業場外みなし労働時間制というものを適用しておりましたけれども、労基署の方から、専門業務型裁量労働制など記者の働き方にふさわしい労働時間制度を労使で十分に協議して、必要に応じ見直しを図ることという指導を受けました。 したがいまして、NHKでは、佐戸記者の労災認定を重く受け止めまして、速やかに適切な健康確保を講じる必要があると考え、労基署からの指摘も踏まえ、記者の労働時間制度を抜本的に見直すことにいたしました。およそ二年の労使議論を経まして、昨年の四月から専門業務型裁量労働制を導入しております。 以上です。
○山下芳生君 通告した質問に答えてくださいよ。佐戸未和さんが亡くなった当時、通常の労働者の労働協約、時間外労働、どうなっていますか。
○参考人(根本佳則君) 御質問は記者以外の一般の労働者という意味だと思いますけれども、それにつきましては、三六協定で、時間外労働、また休日労働についての労使での協議を経て、合意の上で規定を設けまして協定を結びまして、そして労基署に届けたということでございますけれども。
○山下芳生君 時間外労働の上限、特別条項も含めて、どうなっていますか。
○参考人(根本佳則君) 当時は、時間外労働時間の上限は二か月で百時間以内、そして特別条項でもそれを超えて更に二か月に百時間以内という協定でございました。
○山下芳生君 二か月で百時間、更に特別条項で百時間、つまり、二か月で二百時間までということだったという御答弁でした。 そうなりますと、佐戸未和さんは、さっき言ったように、百八十八時間と二百九時間、それぞれ亡くなる前一か月、時間外労働していたんですよ。しかも、それは、事業場外みなし労働時間を適用するのはふさわしいのかという指導を労基署から受けているんですよね。そうすると、通常の労働時間規制の下で働いておられたとすると、これは明確に労働基準法違反になるんですよ。そういうことをやっておいて亡くなっているんですよ。極めて責任は重大だと言わなければなりません。 最後に、私は、もうこれはどうしても問題提起しておかなければならない。(資料提示) 佐戸さんが亡くなった後、私、去年の十二月にいただいた、昨年四月からNHKが裁量労働制、専門業務型の記者に適用していた健康確保措置です。これ四段階ありますけど、この四段階の中で、亡くなった佐戸未和さんが、仮にここに当てはめていくとしますと、第一段階にとどまるんですよ。第一段階というのは、出退勤画面での注意喚起メッセージの表示、労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリストによる自己診断でありまして、産業医への面談は奨励、勧奨だけなんですよ、勧めますだけなんです。四段階にならないと産業医の面談が原則実施されないんですよ。 何で、佐戸さんが亡くなった後、佐戸さんの命を救えないような、こんなものを作ったのかと。これは私の指摘で今検討中だと聞きましたけれども、私がさっき申し上げた、本来だったら労働基準法違反だった、佐戸さんを残念ながら亡くしたと、にもかかわらず、こんなものを出してきた。 私は、NHKが佐戸さんの過労死ということを本当に教訓にしていないということがここにも現れていると思いますので、引き続きこれは注視していきたいと思います。 終わります。
○委員長(竹谷とし子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(竹谷とし子君) ただいまから総務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○片山さつき君 よろしくお願いいたします。自由民主党の片山さつきでございます。 午前中は、総務委員会にお長い、知見のある先生方から、国民の皆さんのある意味、巨人、大鵬、卵焼き、NHKではないですけど、お相撲を見るならNHKの、そのNHKに対する鋭くも厳しいけれども愛のむちが多方面から寄せられまして、午後からは我々与党の番ですが、私も現在、党の政調会長代理を務めておりまして、我が党に寄せられる国民の声の中にはNHKに関するものも実は多々ございます。いろんな議論がございます。そういったところを今日は会長にお伺いさせていただいて、より良きNHKになっていただくために、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 まず、そのテーマですと、やはり最初に来るのは受信料なんです。 午前中、どなたか触れられるかなと思っていたんですが、受信料方式の国は余り多くないんですね。お隣の韓国で受信料が年間で幾らだか御存じだと思いますが、大体三千円なんですよ。今一台二万五千三百二十円というか、この後、割引のこともお聞きするんですが、これはKBSの方はほかの民間収入も得ておられたりいろいろあるんですが、実は毎年のように私、他委員会の常任委員長をしておりました二年を除いてほとんどこの質問をしておりまして、ほとんど毎年、受信料と給与について伺っております。いわゆる定点観測でございますが、今回、NHK予算で非常に話題になったのは、二〇一六年度末において九百億円を超える余剰金があり、三か年計画を終える二〇二〇年度においても六百億円、これはかなり余裕のある留保でございますね、建設計画はまた別途ですから。ということを考えますと、なぜ下げないのかということは、これは誰でも言われることです。 それにきちっとお答えをしなければならないわけですが、お隣の韓国ではどうしてこの受信料を徴収しているかというと、あるときから電力料金に上乗せして取っておりますので、今、一連のいろいろな受信料徴収にまつわる御不満が出る要素がほとんどなくなっているんですね。サービサーに委託されたり、別途会社をつくったり、初めのうちには地方で古い徴収吏員の方の中には御徴収された金額よりも御自身の年収の方が多いというようなこともこの委員会で指摘させていただいたことがあって、それはかなり是正されているんですけれども、いろいろな方向が今あり得る中で、必ず戸別訪問ができ得るであろう、例えば同じ総務の縁の深い日本郵便のグループであったり、あるいは電気、電力、ガスといったところであったり、固定電話の方のNTTさんであったり、いろんなことができるはずなんですが、このシステムを貫いた上で受信料をこの水準にしていて剰余金があるという状況を国民の皆様にどのように会長の声で分かりやすくお訴えいただけるのか。まず、この点からお願いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 午前中の御質問でもお答えしましたが、NHKが公共放送として自主自律を貫くための財政的基盤ということで受信料をお願いしているわけです。ただ、受信料の水準等に関しましても、国民・視聴者の皆様の御納得をいただくということが大前提になりますので、その点も含めて丁寧に御説明しながら、受信料の御負担をお願いできるようにということで引き続きやっていきたいというふうに考えています。
○片山さつき君 これも毎年のように中小零細の事業者の団体ということで私お伺いしているんですけれども、ホテル、旅館ですね、これ今、一台一部屋二万五千三百二十円ということで契約なんです。BBCの場合は十五台まで一括ですから、ひところは八倍の差が十五台で付くということを言っております。 私どもが例年お訴えをして、余りにもこれでは零細ホテル、旅館の負担が国際比較から見ても高過ぎるということで、平成三十一年四月からは多数一括割引の適用が多少変わるということと、業界団体に委託する場合については委託料を差し引くことによって、BBCとの差が最大十五台のときの三・五八倍まで縮小できるというような体系をお考えと伺っているんですが、これがまず確かなものなのかということと。 今、この中小零細のホテル、旅館業界は、四千万人を迎えようとなんなんとする日本のいわゆる外国人観光客政策の中で、合法民泊、六月から、そのイコールフッティングを非常に気にしている業界です。特に、簡易型宿泊所ということになると、ほとんど価格帯が一致するんですね。簡易型宿泊所の場合は恐らく部屋にテレビがある確率が極めて高いのですが、民泊ということになると、そもそも業界団体をお部屋のオーナーとして組織することは事実上余り考えにくいこと。それから、テレビのあるなしはあるんでしょうが、せめてこの点だけでも、団体があるという意味で簡易宿泊所の方を選択することが多少でも有利になるような可能性があるのか。 そういったことも含めて、三十一年四月からの新しい方式には旅館業協会も生活衛生の関連業界も非常に期待をしておりますので、会長から御方針を御確認させていただきたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 一般的に、平成三十一年四月からの割引に関して私の方から御説明させていただいて、詳細が必要であれば営業担当の理事の松原から回答させていただきます。 まず、旅館、ホテル等の事業所の受信料につきましては、二契約目以降を半額とする事業所割引を平成二十一年二月から開始し、負担軽減を行ってきております。さらに、次期三か年経営計画においては、先ほど委員の方から御指摘ありましたように、受信料の負担軽減策として、平成三十一年四月、来年の四月からですけれども、多数支払における割引を実施することといたしております。これにより、事業所割引と衛星契約数に応じて割引される多数一括割引の併用が可能となり、旅館、ホテル等の事業所への更なる負担軽減につながるものと考えております。
○参考人(松原洋一君) お答えします。 補足で言いますと、衛星契約が十台以上のホテル、旅館に対して、十台から五十台までは一件当たり二百円、五十台から百台未満が二百三十円、百台以上が三百円ということで、この割引を併用して、事業所割引に併用して適用するということで、このことによって、九%から一三%ほど現在よりも負担が少なくなるというふうに考えています。
○片山さつき君 御努力をいただき、私どもが累年こちらの委員会で訴えさせていただいたことを声として聞いていただいたことは本当に有り難いと思いますが、まだBBCとは差がありますので、引き続き、今私が申し上げたように、もう国民の皆様から見て本当に、公共放送ですから、特に摩擦なく督促とかのことも含めてできるようなやり方も、少し視点を変えて、パラダイムを変えてお考えいただきたいと思います。 実は、何人かの方から、オートロックのマンションのようなところに一括して、契約がなされていないんじゃないですかという投げ込みをしているような形を取っている方が多いんですが、ワンセグでも料金の徴収義務が生じるという判決も出ておりますが、そのワンセグも持ち込んでおらず、パソコンの中にもNHKを聴取できる機能がなく、テレビがないという、仕事だけに使っているマンションにも機械的に入れて、しばらくお返事がないと白い紙がピンクになるんだそうで、私もそれを初めて聞きましたが。 ほんの少しのきめ細かいところでこのNHKに対するイメージって変わると思うんですよ。それをしたからって払ってもらえるかというと、昨年の判決においても、これは読み方にもよるんでしょうが、NHKさんがおっしゃっているように、契約申込みがあった時点で発生するわけではなくて、読み方によっては訴訟で一々やらなきゃいけないかのようなことも読めるような発生の仕方ですから、そういう攻め方を考えるんじゃなくて、もっとスムーズなやり方は私はあると思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 それでは、引き続き、給与でございます。 給与についても、これも本当に御努力を続けていただいていることは分かっております。平成二十五年に給与制度改革を行って一〇%の引下げということを累年いただいておりまして、この平成三十年以降も方針を作っておられるということでございますが、それがどういった方向であるのか。 また、直近の民放のBS、それからラジオを併用している大手の平均賃金につきましては、役付きの方が約七十四万円で一般の方が約五十三万円という、確かにこの業界の大手は高いです。ただ、競争ですから、最高水準の番組を作り、皆様に御満足いただくためには、競争で人が採れれば仕方がありませんから、そういったこともあるんですが、なぜNHK受信料問題だけを掲げた政党で地方議員さんが当選することがあり得てしまうのかということも含めると、やはり給与の問題、そしてそこから出てくる剰余金との関係、その使途の問題も含めて、やはりこれは国民の関心が大きいと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 管理職の基本年俸は、この五年間で一〇%引き下げてまいりました。また、一般職につきましても、年功序列的な要素を抑え、努力や成果をより反映させるよう見直すことで賃金カーブを抑制し、賃金を圧縮してまいっております。 今後は、人材確保面で競合する同業他社等のほか、公務員、民間企業の給与水準も注視しつつ、職員のモチベーションの維持向上やNHK全体のパフォーマンス向上という観点も踏まえて、適正な水準を維持するよう努めてまいる所存です。 民放との比較において、必要があれば人事を担当しています理事の根本の方からお答えさせていただきます。 いずれにしましても、国民・視聴者の皆様からお預かりしている受信料というのは、できるだけ効率的に、私どもとしても国民・視聴者に御納得いただけるような形での支出を引き続き心掛けていきたいと考えております。
○参考人(根本佳則君) それでは、補足をさせていただきます。 同業他社との比較でございますけれども、初任給におきましては、在京民放や大手新聞社と比較しますと、大卒で三、四万円程度低くなっております。また、平均の年間給与を比較しますと、在京民放や大手新聞社よりはやはり一、二割程度低くなっております。 以上です。
○片山さつき君 継続的に御検討を続けていただきたいと思います。 それでは、NHKの放送センター改修問題でございますが、千七百七億円という基金というか予算を立てておられるんですが、これは当然東京五輪の後になる話だと思うんですけれども、今年から設計を一部予算化するということで、それにつきましては一応公募というお話を伺ったんですが、NHKはもちろん公共事業予算ではございません。 しかし、JR東海につきましてもあれだけ耳目を集めた問題が起きまして、あれも財投が一部入るだけのことでございますが、それはそれとして、今後累次、歴年行われるだろう入札、それについて、しっかりと誰の目から見ても公平公正でオープンで、かつ、目的が何であって、それに最良の効率性で投げかけられた公募入札のやり方であるのかということが問われると思うんですね。 その全体ビジョンと、どういうやり方で、単純ないわゆる価格比較なのか、総合プロポーザルなのか、それらの組合せなのか、その辺についてお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 放送センターの建て替え工事につきましては、昨年六月に第一期工事の設計・施工業者の募集を開始いたしました。 業者の選定に当たりましては、高い公平性や透明性、客観性を確保するために、NHK内での審査以外にも、外部の専門家のみで構成いたします技術審査委員会で業者の技術力を審査していただいております。その上で、来月には、技術力と価格面の両方を総合的に審査し、できるだけ優れた技術を持ち、価格も安い業者を選定する予定です。その審査結果につきましても速やかに公表する予定にいたしております。 建て替えに当たっては、財源が受信料であることを肝に銘じ、工期を分けて発注することでその時々の最も効率的、効果的な技術の活用や設備の導入を図るなど、今後も様々な施策を検討し、コストの抑制に努めてまいる所存です。
○片山さつき君 是非、一抹の不安というんですか、あるいは何か御指摘を受けるようなことがないように、これは長期にわたることですので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 それでは、昨年私が御指摘をさせていただいた問題のフォローアップをさせていただきたいんですが、これはNHKワールドTVについてでございます。 やはりこの二十年間で、日本のGDPにおけるシェアは残念ながら半減しております。金融危機の真っただ中でも、日本のGDPシェアは一四%、当時中国は三%でございました。今は全くの逆転状況にあり、しかも、CCTVは、全体予算が公表されておりませんが、本当に大規模な、多くの、人員も予算もですが、ネットワークの獲得についてはすさまじいものがありますし、昨年末、私も二階幹事長に同行させていただき、日中与党協議会、公明党さんとともに行ってまいりましたが、大体五種類ぐらいのチャンネルを国内向けにも駆使して、ユーザーがどういう方かということを見極めながら、完全に北京という国際都市の中で見せるものという感覚なんですよね。 昨年は、まず、日本というとやはり経済を想起する方が多いから、経済番組が余りにも少なくて薄いんじゃないのということを申し上げましたところ、こういった資料をいただきまして、確かに「Biz Stream」とか、日本の世界に愛用されるような物づくりをつくった会社はこんな会社のような形を入れていただいて、これも多大な御配慮、進捗は感謝するんですが、やはりビジネスはオンタイムで動いておりますので、アメリカでいえばCNBC的な、常にラインですね、日本の株に投資していただいている方、あるいは日本の債券を持っている方が瞬時判断できるのはやっぱりNHKワールドだということに残念ながらなっていなくて、中国においてはCCTVで日本に起きたニュースを見た方が瞬間の取引にはいいというようなことを言われてしまう状況がまだあって、本当にもったいないです。 英語の字幕のことについても申し上げたんですけど、大変英語のうまいキャスターさんいらっしゃいますが、でも、ネーティブのアメリカ人、イギリス人じゃないですから。向こうのテレビはちゃんと字幕付けているんですよ、英語で、読めば分かるように。 こういったところも含めて更なる充実をお願いいたしたいし、午前中、野党の方からはいろいろチェック的な視点もありましたが、やはり公共放送として国民の御負担で成り立っているところしか、日本の世界経済の中での地位が低くなり、パブリシティーが不足しているときにそういう制作をやってもらおうとしたら、それは広告収入の民間にお願いできるかというとそういうふうにはならないわけですから、ここはNHKに頑張っていただくしかないと思うのですが、今後の御方針はいかがでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを前に、日本に対する世界の関心が高まっており、鋭意、国際放送の改善に取り組んでおります。 今、片山委員の方からもお話がありました字幕付与の件ですけれども、字幕付与が義務付けられているアメリカとオーストラリアでは、英語によるテレビ国際放送、NHKワールドTVに二十四時間英語字幕を付与して放送を実施いたしております。また、その字幕をインターネットのライブストリーミングにも付与し、海外の国や地域に対して提供しているほか、英語だけではなく、アジア言語を中心とした字幕をビデオ・オン・デマンドで提供しており、英語が母国語でない方々へのサービス強化も図っております。 番組面では、四月から、日本やアジア経済の最新の動きや企業の戦略、開発の最前線などを伝える経済情報番組をスタートしますほか、先ほど御紹介いただいた件ですが、ニュース番組の中でアジア経済のコーナーを新設し、視聴者のニーズが高いビジネス情報の発信を強化いたします。 今後も、皆様から寄せられる貴重な御意見に耳を傾け、国際放送の更なる充実を図ってまいりたいと考えております。
○片山さつき君 毎年毎年御努力を積み上げていただいていること、本当に感謝申し上げますが、世界のスピードは非常に速いです。特に中国。これは、我々が相当今までともう本当にディメンションを変えないと、とてもじゃないけれども追い付けません。追い付き追い抜くことが今からできるのかどうか、しかし、やらなければ日本の尻すぼみは避けられませんので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。 次に、午前中、各委員の方からもう御指摘がございましたが、政府の方の規制改革会議におきまして、放送とネットの垣根をなくすということの関連で、放送法四条、政治的公平性とか事実とか書いてある放送法四条につきまして撤廃という御議論がございます。 それで、民放連の方につきましては、私は民放連はむしろこれは喜ばれるのかなと思っておりましたが、反対の御意見を出しておられるような、そういう報道を私は拝見しているわけでございますが、先ほどから、NHKがNHKとしていかなる放送を心掛けているか、NHKのチェックポイントは何かということを会長から伺って、公平公正、不偏不党、健全な民主主義への貢献、知る権利の充足、正確迅速といった部分を、ずっと経営委員会、それからユーザーの方からの御意見を伺って挙げておられて、それについてのチェック、それについての満足度を測っておられるということは、放送法四条あるなしに関わらずということであるのかと思います。 また、放送法全体の立て付けからいたしましても、恐らく、仮に四条を撤廃するしないの議論が出ても、NHKの場合について、公共放送で財源の問題があるので何らかのものが残る可能性があるという議論が出てくる可能性もあると思います。そうすると、その部分はイコールフッティングではなくなる可能性もありますが、そういったことも含めまして、放送法四条の撤廃があった場合の影響、メリット、デメリットにつきまして会長のお考えを伺いたいと思います。
○参考人(上田良一君) 最近報道されています内容に関しましては私も承知いたしておりますが、午前中にも御回答させていただきましたように、その御議論されている内容に関するコメントは、現在では詳細を把握していませんので差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として言えば、放送法四条は政治的に公平であることや報道は事実を曲げないですることなどを掲げており、ニュースや番組においては遵守すべきものと考えております。 NHKの放送ガイドラインでも、放送の自主自律を堅持することや正確、公平公正などを掲げております。また、次期経営計画では、放送と通信の融合時代にしっかりと視聴者・国民の期待に応えられるよう、正確で公平公正な情報の提供など、NHKが追求する公共的価値ということを整理いたしてお示しいたしました。 NHKとしては、これまでどおり、ニュースや番組の内容に責任を持って放送を実施していく考えであります。
○片山さつき君 この後、同僚議員からももっと深掘りした御質問があると思いますが、インターネットで国際的なことも含めて同時配信ということができるようになれば、かなりパワーアップはされる部分があり、規制改革会議の中で様々な要素の論点が出ているようでございますが、これは政府なので、我々党の方にはまだ検討が来ていませんが、NHKの発展にとっては生かせるようなものもあると思いますし、私は同時配信はもう少し勇気を持って進めた方がいいのではないかなと思っておりますので、その辺も含めてしっかりした取組をお願いしたいと思っております。 最後になりますが、労働時間の問題で、大変不幸なことに、裁量労働制の事業所制の部分の適用のときに亡くなられた若い女性の社員がいらっしゃいました。昨年、いろんなことを受けて見直しをされて、新たなタイプの裁量労働制を記者さん約九百人について結ばれたということでございます。 NHKの記者さんとは大変いつも会話をさせていただいておりますが、まあ個々人が一応全部同意するということにはなっているんですけど、現実にはなかなか職場全体で組合全体でお話があるとそれにさお差すような流れになることはないと、一括移行かなということをおっしゃる方が多いんですが、実際に、経験を踏まえて二度目の裁量労働になった場合に、休日の部分も含めて支払われる給与というのは増えたのか、減ったのか、変わらないのか、そして働く場所の満足度ってどうなったんだろうということを最後にお伺いをさせていただきます。
○参考人(根本佳則君) お答えします。 裁量労働制が導入されまして、休日の取得は明らかに増えております。なお、給与につきましては裁量労働制導入後もほぼ変わらないように設計しておりますけれども、この制度の導入を機に働き方改革を加速させておりまして、結果として、休日労働や深夜労働時間が減少した記者につきましては勤務実態に応じた基準外賃金が減少しているという現状でございます。 この制度導入につきましては、全国の記者に五十回を超える説明会も行って制度理解に努めた結果、円滑に導入ができたというふうに考えております。 以上です。
○片山さつき君 ありがとうございました。
○太田房江君 自由民主党・こころの太田房江でございます。 私、実は総務委員会、今回初めての所属でございまして、その最初がこのNHK予算ということになりました。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 片山委員が最後の方でお触れになりましたけれども、私は、今自民党で女性局長を務めさせていただいております。そしてまた、厚生労働大臣政務官もやらせていただきましたので、今日は、NHKの働き方改革とダイバーシティー、女性活躍推進、野田大臣は女性活躍担当でもいらっしゃいます、についてお伺いをいたしたいと存じます。 山下委員の御指摘もございましたけれども、この問題に入りますと、やはり何と申しましても佐戸未和さんの過労死に触れざるを得ません。三十一歳という若さ、これからというときに、本当に女性活躍推進の恐らくNHK先頭に立っておられた方の若い命が亡くなってしまったということは、私、同じ女性としても大変残念でなりません。 二度とこういうことがあってはならないという思いで、改めて上田会長に、どうしてこのようなことが起こったのか、どのように受け止めておられるのか、お聞かせいただきたいと存じます。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 若く、未来のある記者が亡くなられたことは痛恨の極みでありまして、佐戸さんが過労死の労災認定を受けたことは大変重く受け止めております。 公共放送を共に支える大切な仲間を失うようなことは二度とあってはならないと考えております。命と健康を守ることを最優先として、昨年十二月に公表いたしましたNHKグループ働き方改革宣言の実現に取り組んでまいりたいと思っております。
○太田房江君 どうぞよろしくお願いを申し上げます。 私は、旧通産省、今の経済産業省でございますけれども、若い頃、広報担当の補佐をさせていただいておりました。そのときに、記者クラブにおられますNHKの記者さんを含めて、本当に多くの報道記者の皆さんが激務に耐えて働いておられるという姿を目の当たりにしてまいりました。夜討ち朝駆けという言葉がございますけれども、当時はこれが当たり前、私どもも通常残業省なんと言われまして、暗いうちに帰りたいというのが合い言葉だったんですけれども、しかし、記者の方々の働きぶりはもう本当にそれ以上、本当に激務であったと思います。 そういう中で、この佐戸未和さんの過労死という事件が起こってしまいました。先ほども片山委員の方から御指摘がございましたけれども、今、国でも大きな議論になっております、政府でも大きな議論になっておりますこの働き方改革の中で、昨年の四月には、事業場外みなし労働時間制というのをそれまで記者さんについては採用しておられたものを、専門業務型裁量労働制ということに変えられたと、こういうふうに伺っておりますけれども、先ほども少し賃金については御指摘がございました。働き方として何がどのように変わったのか、効果は出ているのか、お伺いをさせていただきます。
○参考人(根本佳則君) お答えいたします。 事業場外みなし労働時間制は、事業場の外にいるので労働時間の算定が困難という前提の下、労働時間をみなす制度であります。裁量労働制の導入要件であります健康確保措置がこの制度では求められないということもありまして、健康確保の仕組みが十分ではなかったというふうに考えております。 専門業務型裁量労働制の導入によりまして、記者に求められる自律的な働き方を担保しながら、勤務時間を把握し、法的裏付けのある健康確保措置を実施しているところです。事業場外みなし労働時間制のときと比べますと、勤務管理や健康確保の強化が図られ、記者の意識改革も進んだものと思っております。 制度導入を機に働き方改革も加速させておりまして、制度導入前後で比較しますと記者の休日確保は着実に進んでおり、昨年四月から九月の上半期の半年間では、前年度の同じ時期と比較すると、休日の取得が一人当たり月に平均一日、半年では六日間増えております。 以上です。
○太田房江君 先ほど、今国会でも働き方改革が議論されているということを触れました。御承知のように、裁量労働制につきましては厚生労働省のデータの不備あるいはその他の理由でそこの部分が削除をされてしまいましたけれども、裁量労働制自体は制度としてしっかり今御指摘のあったように残っているわけです。そして、大事なことは、この裁量労働制という新しく採用された労働管理制度の中で、労働時間の短縮を含め、成果を上げていくことがこれからの大きな課題になってくると思われます。どうか、NHKにおかれましても、この新しい制度の効果が上がりますように、PDCAサイクルを回すなどして工夫をしていただいて、成果を出していただきたいと、そのようにお願いをいたしておきます。 さて、ここに今日は初めてですので張り切ってパネル、フリップを作ってまいりました。(資料提示)これは、NHKが昨年発表されましたNHKグループの働き方改革宣言でございます。カメラさん、映してあげてください。新しい、労働時間に頼らない組織風土をつくるためにこのような宣言を出されたわけでございますけれども、一番大事なことは実効性を上げると、こういうことではないかと思います。 さきの自民党の勉強会、部会で、こういう発言がございました。テレビ局全体についての話なんですけれども、テレビ局本体で本社で働き方改革を進めると子会社や外部の関連の会社にしわ寄せが行ってしまっているのではないか、現にもうそういうことが現れ始めているのではないかという意見であります。これは製造業でも、例えば自動車ですと自動車と部品メーカーの間に出てくる問題なんですけれども、こういうことに配慮をしながらこの働き方改革というものは進めていただかないとグループ全体の働き方改革にならないというふうに思います。 どのような工夫をして外部にしわ寄せが行かないような働き方改革にしていかれるおつもりか、具体策をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(根本佳則君) 昨年十二月に公表しましたNHKグループ働き方改革宣言では、NHK本体だけでなく、関連団体やNHKの業務に携わる全ての人の健康を最優先に考えることを宣言しております。長時間労働を前提としがちだった組織風土を改め、あらゆる業務を点検し、スクラップや集約、業務フローの改善などを進めるとともに、意識改革を徹底し、公共放送にふさわしいめり張りのある新しい働き方をつくり上げていきたいと考えております。 具体的には、本体制作の番組のスタジオ収録は来年度から原則二十二時終了を目指すことにしております。また、関連団体や外部の制作会社に委託している番組につきましては、既に協議の場を設け、制作期間に余裕を持たせたり、試写をより効率的に行ったりするなど、具体的な取組を進めております。 今後も、研修や協議の場を通じまして、業務委託先の人たちのワーク・ライフ・バランスにも配慮した適正な契約を行えるよう、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○太田房江君 私も、さつき先生ほどじゃないですけど、少しテレビに出させていただくことがありますが、二十二時で収録を終わるというのは、これは画期的なことだろうと思います。是非、関連会社等を含めて、こういう画期的な働き方改革を推し進めていただけますようによろしくお願いを申し上げます。 一方、NHKは、これはもうもちろんほかの報道番組もそうですけれども、公平公正な報道を行う責務がございます。その意味で、一つのネタに対して裏を取る、詰めていく、こういう業務を重ねなくてはなりません。そういうことを考えますと、取材が長時間に及ぶというのはある意味やむを得ない部分も、公平公正な報道ということを旨とした場合にはやむを得ない部分も出てくる面も私はあると思うんですね。 そういう場合に、一人一人の生産性の向上を図りながら、こういうふうに言うんですけれども、これは、サービス産業、特にこういう報道関係の業務におかれましては極めて極めて難しい作業になってくるだろうと、しかしこれは越えていかなくてはならない働き方改革だろうと思うわけで、その先頭にNHKさんに立っていただければいいなと、こういうふうに思うわけです。 上田会長のリーダーシップの下で、報道機関本来の役割を全うしながら働き方改革をしっかり進めていただきたい。上田会長の御決意をお伺い申し上げます。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKグループ働き方宣言で掲げておりますのは、単なる労働時間の削減だけではありません。業務の改革やスクラップを進め、効率的な働き方を追求することで職員一人一人の生産性や創造性が一層高まり、結果として視聴者サービスの維持向上にもつながるものと考えております。 世の中の課題や最新事情、信頼できる情報をいち早く伝えるニュース、命と暮らしを守る防災・減災、緊急報道など、公平公正な報道機関としての役割を果たすことは公共放送としての使命であります。ただし、その使命を達成するためには業務に携わる全ての人が健康であることが大前提になります。公共放送の使命達成と全ての人の健康は切っても切り離せるものではなく、NHKの働き方改革を進めていく上で車の両輪であると考えております。 NHKの業務に携わる全ての人の命と健康を守ることを最大の目標として、働き方改革を加速させつつ、貴重な経営資源を効率的、効果的に使いながら、質の高いサービスを視聴者の皆様にお届けしてまいる所存であります。
○太田房江君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 次に、女性活躍推進、ダイバーシティーということについてお伺いをしたいと思います。 私は、NHKが視聴者の多様な期待に応えて多彩で見応えのある番組を放送するためには、もちろん多様な人材ということが不可欠になってくると思います。画一的な人材ではなく、真面目な人もいればエンタメ系の人もいる、体育系の人もいる、そういう個性豊かで多様な人材が存在して初めて多種多様で創造的な番組を作ることができるというふうに思います。こうした意味で、ダイバーシティー、特に女性の活躍というのはNHKにとっても大変大事なことであり、経営計画にもそのことが明記されております。 これは、資料二、御覧いただきたいと思いますけれども、男性が定年退職になったときに、前と後とでどのように時間の過ごし方が変わるかということを図示したもので、大変面白いんですけれども、その前は、当然仕事一色、黄色、退職をしてしまいますと、テレビ等という、この緑がめちゃくちゃ多くなるんですね。つまり、日本の場合は、家にいると必ずテレビがついていると、こういう状況が見受けられます。当然、自宅にいる時間の多さということからしますと女性の方が上ですから、テレビの番組についても女性の視点が極めて重要だということは言をまちません。 ここでちょっと数字を見ていただきたいと思います。数字を見ていただきたいと思うんですけれども、資料三でございます。 NHKでどのぐらいの女性が働いているかということを、今回、ちょっとNHKにお願いをして作っていただきました。いい資料だと思いますので見ていただきたいと思いますけれども、全体、職員がだんだん少なくなっている中で、上のカラーで塗った部分が女性の比率でございます。平成十年度と二十九年度とを比べますと、職員数全体では比率が明らかに増えておりまして、八・五%から一六・八%、一万三百三名のうち千七百三十一名が女性というのが現在の状況でございます。 上の方に色で分けてございますのは、放送関係、技術関係、事務関係という職種ごとに女性の割合を見たものですけれども、特にこの放送関係、ダイダイ色のところが四・九%から一一・三%ということで、これはディレクターさんとかそういう方なんでしょうかね、女性の感性が生かせる部分というところが非常に比率が増えているということは大変私もいいことだなと、こういうふうに思っております。 ただ、一方、管理職に占める女性の割合というのは現在八%とお聞きしました。全ての業種を全部入れた平均が九・六%ということでございますから、ちょっと平均よりは低い。これはなかなか一概には比べられませんけれども、そういう数字でございます。 こういう中で、NHKは、二〇二〇年には女性管理職の割合を一〇%以上にするという計画を掲げられました。女性の就業や管理職への登用を更に進めるためには、当然のことながら、女性の就業支援、あるいは一〇%目標というような目標達成に向けての対応ということが必要になってくるわけですけれども、これについてどのような見通しを持っておられるか、お伺いを申し上げます。
○参考人(根本佳則君) お答えします。 NHKでは、今御紹介ありましたように、二〇二〇年の女性管理職の割合を一〇%以上にするという目標に向けて様々な取組を進めております。例えば、管理職登用前の女性職員を対象に、ウーマンキャリアデザイン研修あるいは異業種女性交流研修など、女性のキャリア形成の意識を高めるための研修を充実させております。 また、昇給昇格の決定に当たっては、育児、介護のための休職や短時間勤務を行っている職員であっても、仕事を続けている職員と同様に公平な評価を徹底しているところです。また、育児や介護との両立を支援するサポートデスクの設置や事業所内保育施設の確保、在宅勤務制度の拡充など、女性が働きやすい職場づくりを進めております。 NHKでは、今後も引き続き、女性活躍推進、そしてダイバーシティー推進に積極的に取り組んでいく所存でございます。 以上です。
○太田房江君 今日、最後に私、女性活躍担当大臣でいらっしゃいます野田大臣にも感想をお伺いしようと思っておりますが、野田総務大臣は女性活躍担当大臣でもいらっしゃいますので、NHKにおかれましても目標達成に向けてよろしくお願いを申し上げます。 さて、もう一つ、NHKの役員に今女性がおられません。一部上場会社で見ますと、社外取締役は女性がずっと増えてまいりましたので、このところ三・七%という平均になっているんですね。五年間で二・四倍に増加ということでございます。人事は適材適所、これはもう言うまでもないことでございますけれども、今申し上げたように、ダイバーシティーを打ち出し、そしてまた女性の視点が極めて番組制作に重要であるというNHKにおいては、視聴者の一人としても、女性の役員が一人もおられないというのはちょっと不思議かなというふうに思います。 新しい上田体制の下で、上田会長がこの役員人事で女性の登用についてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 繰り返しの部分がありますけれども、NHKは、男女共同参画社会を推進するために女性の積極的な採用、登用に努めておりまして、女性の採用割合は約三割を確保し、女性管理職の割合は、先ほどから話題になっています、二〇二〇年に一〇%以上にする目標を掲げております。 女性の役員登用につきましては、こうした取組を進める中で適材適所の観点で判断してまいりたいと考えております。御指摘の点の重要性は十分に認識して対応する所存であります。
○太田房江君 他社のことで恐縮でございますけれども、日産のカルロス・ゴーンさん、このゴーン会長は日本にダイバーシティーという考え方を広めた第一人者だと私は思っております。日産自動車には女性が必要ということを来た途端におっしゃって、トレンドや流行に乗って女性を登用するということではなくて、機能する仕組みをつくり、そしてそれが持続できるようにするという明確な目標を掲げられました。 二つのことを実行されたというふうに聞いております。一つは、新卒採用総数に占める女性採用比率を理系の学生の場合には一五%にするというふうに明確に打ち出されました。それからもう一つ、後継者候補、例えば誰かが異動するときに、自分の後、誰を希望するかという後継者候補の一人には必ず女性を挙げると、こういうルールを設けられたわけです。 日産の方にお伺いをしましたら、当然のことながら男性社会でありますから、まだまだなかなか全部が全部はうまくいっていないと、こういうふうに正直におっしゃっておられましたけれども、しかし、この一五%の理系における女性の比率ということについてはしっかり守っていると、こういうふうにおっしゃっておられました。そして、ゴーン会長は、著書の中でもあるいはいろんな講演の中でも、日産は女性の採用や、そして女性を生かすことで大きく変わったんだということを明言しておられます。 私は、NHKにもというか、NHKこそ女性活躍推進、ダイバーシティーの先頭に立っていただきたい、こういう希望を持っておりますし、それがNHKの新たな発展あるいは企業価値にもつながっていくというふうに考えております。どうか、上田会長の下でこれを更に進めていただくと同時に、最後に、女性活躍担当大臣でもいらっしゃいます野田総務大臣に、この質疑の感想でも結構ですし、NHKに対する希望でも結構ですし、一言いただければ幸いでございます。
○国務大臣(野田聖子君) お答えします。 太田委員は二〇〇〇年に知事になられたんですけれども、日本にとって女性で初めての知事ということだったと記憶しています。まさに、ダイバーシティーというか、女性活躍の先駆けの委員でありますので、これからも厳しく、NHKのみならず、全てのジャンルでこのことについて注視していただいて、いろいろ御指導いただければ有り難いと思います。 ただ、私は、NHKは一生懸命取り組むということなんですけれども、目標設定がちょっと低いかなと。二〇二〇年に一〇%とおっしゃっているんだけど、日本の国では二〇二〇年に三〇%という目標を掲げておりますので、できる限りそこに沿っていただいて、最大の潜在力は女性の活躍、活力なんだという、これはただ単に精神論ではなくて、実際にやっぱり国を動かしていく多様性、補助要員ではなくて、やっぱり付加価値を、これから日本がちょっと低迷している中で新たなる付加価値をやっぱり生み出していくすさまじい力があるんだという、そういう認識の下で取り組んでいただければ有り難いかなと思います。 あともう一つは、女性にありがちなのは働き過ぎることだと思います。佐戸未和さんの話が出ました。やはり夜討ち朝駆け、今でもあります。でも、それをなくしていく働き方改革というのもやっぱりトップから取り組んでいただかなければならないのではないかと思っています。 いずれにしても、これはもうやらなければならないことということで、心からお願い申し上げたいと思っています。 以上です。
○太田房江君 どうもありがとうございました。以上で終わります。
○古賀友一郎君 自由民主党、長崎県選出の古賀友一郎でございます。 私は、NHKのインターネット常時同時配信の問題について質問したいと思います。 常時同時配信というのは、全ての番組を放送と同時にインターネットでも配信するということでありまして、NHKにおかれましては東京オリンピック・パラリンピックを見据えて二〇一九年度にはサービスを開始したいと、こういう御意向ですけれども、民放やマスコミ業界は反対ないし慎重姿勢であると。総務省も、現時点で特段のスケジュールを決めているわけではないと、先週国会で野田大臣が御答弁されましたように、距離を置いていらっしゃるという状況でございます。 要するに、この問題、難航しているわけでございますが、その基本的な原因というのは、やはり高市前総務大臣が指摘されたように、肝腎な論点が明らかになっていないというところだろうというふうに思います。まず、そもそもなぜNHKが常時同時配信に乗り出す必要があるのかというところから議論をしなければいけないというふうに思います。 午前中、上田会長からは視聴機会の拡大のためという趣旨の御答弁がありましたけれども、よりこの本質的な根拠といいますか理由というものを求める必要があるのではないかと、こういうふうに思っているわけであります。 昨年十二月、最高裁判所はNHK受信料は合憲であるという判断を下しましたけれども、その判決中、放送の意義というのは国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与することだと述べられております。 そうした放送の使命を考えれば、インターネットが発達し、若い人を中心にテレビ離れが進む今の時代、真偽不明の情報が氾濫するネット社会に放送事業者が確かな情報を提供していくということはこれは大変有意義なことでありますし、とりわけ信頼性の高い情報を提供し得るNHKがネットへ進出するということは、これは健全な民主主義の発達に資するものだと、こういうふうに思うわけでありますけれども、まずは上田会長の御所見をいただきたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 委員から御指摘がありましたとおり、インターネットの浸透により、不確かな情報の拡散やお互いのつながりの希薄化が深刻に受け止められ、意見の分極化や社会の分断を懸念する声があることも承知いたしております。 こうした社会のありようが急速に変化する中でも、NHKは、引き続き、国民の知る権利を充足し、放送法を遵守しながら、自主自律を貫いて、健全な民主主義の発達と文化の向上に寄与してまいりたいと考えております。 そのために、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用いたしまして、情報や番組を届け、情報の社会的基盤としての役割を果たしてまいりたいと考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 この混沌としたネット世界に確かな情報を提供する、このことこそがNHKのネット進出を正当化する根拠じゃないかと、こういうふうに私は思っております。そのためにはNHKもその信頼に足る確かな情報、確かな番組作りに御尽力をいただきたいと、こういうふうに思うわけでございますが、それとともに、このネット進出後もそのことを可能にする財政基盤を確保する必要があるんだと、こういうふうに思います。 現在、NHKの放送は、NHKを見るかどうかにかかわらずテレビを設置した世帯に広く負担していただく受信料によって支えられておりますけれども、昨年の最高裁判決では、受信料の趣旨について、特定の個人、団体又は国家機関等から財政面での支配や影響がNHKに及ばないようにするためと説明をされております。午前中、上田会長も、NHKの自主自律を財源面から保障するものという御答弁がありました。 スポンサーや国家機関から財政的影響を受けないことでバイアスの掛からない信頼性の高い番組を提供できるというわけでありますけれども、私がここで注目しているのは、特定の個人、団体や国家機関等の、この等、などという文言であります。国家機関あるいはスポンサーのような特定の個人、団体以外に等が何を意味するんだろうかということを考えるわけでございますけれども、私は、この点、不特定個人の集団、すなわち視聴者というものがこの中に含まれているのではないかと、こういうふうに思っているわけであります。 NHKが視聴率にとらわれずに番組を放送することの重要性については、総務省もこれまで主張してこられたわけでございますが、そのことは視聴者からも財政的に左右されないことによって可能になるというわけでございます。 直接、視聴者という文言はここには表現されておりませんけれども、今回の判決は受信料というこの制度には、視聴率にとらわれない番組作りを可能にするという、こういう趣旨も含まれているということを示唆しているんじゃないかと、こういうふうに思うわけでございますが、御見解をいただければと思います。
○政府参考人(山田真貴子君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、NHKは、NHKの放送を受信できる受信設備を設置した者に対しまして、実際の視聴の有無にかかわらず広く負担を求める特殊な負担金としての受信料によりまして、公共放送として維持されているところでございます。先生からもお話ございましたとおり、これによりまして、NHKは、広告主の意向や視聴率にとらわれない、豊かで良い放送番組の提供が可能となっているものと考えております。 今回の最高裁の判決でございますが、このような受信制度の枠組みの合憲性を認めたものと認識をしているところでございます。
○古賀友一郎君 非常に司法的にもそれを後押しするような判決ではないのかなと、そういうふうに思うわけでございます。 本来はこれは裁判所にお尋ねしたいところなんですけれども、裁判官は釈明せずという建前があるということでやむを得ず総務省に伺ったわけでございますが、NHKがスポンサーや国家機関のみならず視聴者からも財政的に左右されない、視聴率にもとらわれない番組作りを行えるというのはNHKと民放の決定的な違いであるということで、これは午前中も上田会長、そうした趣旨の御答弁もございましたけれども、やはり視聴者が見たがる番組ということよりも、見てもらいたい番組を作るというのがやはりNHKの本質だろうというふうに私は思っております。 その観点から、昨年七月にNHK受信料制度等検討会が常時同時配信の負担の在り方について会長に答申した内容について、ただしていきたいと思います。 その答申では、常時同時配信のみの利用者に求める費用負担について、現行の放送受信料と同様の負担を求めることに一定の合理性があるとしながらも、そうした受信料型の負担金はすぐには導入できないだろうから、当面の暫定措置として、利用サービスの対価としての料金負担を求める有料対価型も検討すべきと、このように記されているわけであります。 しかし、いかに暫定措置であるとしても、いつまで続くかも分からないわけでありますし、それによって、ネットの世界ではNHKを見たい人だけが料金を払うということになりますと、番組制作上、どうしても視聴率を重視する体質になっていくのではないかと、こういうふうに思いますし、また放送受信料の方も有料対価型にすべきではないかと、こういった議論も引き起こしかねないと、こういうふうに思いますので、これはよほど慎重に考えていく必要があると思うわけでありますけれども、これは上田会長の御所見をいただければと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 受信料制度等検討委員会の答申では、今委員の方から御指摘ありましたように、受信契約世帯には追加負担なく提供することが適当とされる一方で、テレビを持たない世帯の負担の在り方について、受信料型に一定の合理性があるが、視聴者・国民の理解に時間が掛かることなどを挙げ、有料対価型や暫定措置の検討も必要ということを示されたものというふうに理解いたしております。 NHKといたしましては、この答申を踏まえ、公平負担の観点も考慮し、常時同時配信の開始に当たりましては、受信契約世帯向けに追加負担なく利用できるサービスをまずは開始したいというふうに考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 かなりこれは本質的な部分の議論だと思いますので、よくよくNHKにおかれても慎重に御検討をいただければというふうに思います。 確かに、ネット受信料なる新たな負担金を創設するというのは、これは大変なことだと思います。国民的な議論と理解が必要だというふうに思いますし、現行のこの放送受信料の水準といいますか、先ほど来出ている引下げの問題もやっぱり併せて出てくるんだと思います。いろいろこの実現までには様々な困難を伴う、大変高いハードルではないかと、こういうふうには思うわけでございますが、しかし、だからといってそうした本質的な議論を避けていては、NHKの公共メディア、これからのNHKの将来を切り開いていく、ひいては日本の放送と通信の融合の問題、こういった問題について将来を開けないと、こういうふうに思うわけであります。 NHKは、これまで、いろんな御意見とか批判をこれについては受けてこられたというふうに思います。そういったことも踏まえて、昨年九月、サービス開始時の基本的な考え方としてその方針を示されたわけであります。その内容は、先ほど会長も御答弁の中に触れられましたけれども、既にテレビのある世帯の方に対してのみ追加負担なく常時同時配信サービスを提供するというものでございました。 しかし、そもそもNHKがネットに進出していく意義というのは、テレビを持たずにネットしか利用していない、そういう方々にも確かな正確な番組や情報を提供していくということこそにあるんだと、こういうふうに思うわけでありますので、そういった、先ほど御答弁のあったような方針では、やはりこれは東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせる、そういうことを優先させたんじゃないかと、こういうふうに思われてもこれは仕方ないんだというふうに思うわけであります。 これからのNHKが本当に真の公共メディアとしての進化を遂げていくというためには、やはりそういったグランドビジョンといいますか将来像というものをしっかりと示して、もちろんこれは受信料の在り方とも非常に深く関わる話でありますから、そういったものをしっかりと示していく必要があると、こういうふうに思うわけでありますけれども、会長のお考えをいただければと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKは、メディア環境が大きく変わる中でも、放送を太い幹としながら、インターネットも活用し、できるだけ多くの人に正確で迅速なニュースや質の高い多彩な番組を届けることで公共的価値の実現を追求していきたいと考えております。 次期三か年経営計画でNHKが追求いたします六つの公共的価値を初めて整理し、今後、インターネットを含めてサービスを展開していくに当たって、何のために実施するのか、その目的を明確に打ち出しました。これまでの基本姿勢を堅持しながら、公共メディアへの進化を目指すことに全力を尽くしてまいりたいと考えております。 また、放送、通信の融合時代に向けました受信料制度の在り方につきましては、視聴端末や技術動向等のメディア環境、放送法や関連する法制度等の要素を多角的に勘案し、丁寧に検討していくことになりますが、いずれにいたしましても、視聴者・国民の理解が得られるものでなくてはならないと考えております。
○古賀友一郎君 ありがとうございました。 国民の理解、視聴者の理解、こういったものを広く得ていく中で、公共メディアとしての本当に真のありようというものをしっかりと見据えていただきたいと、こういうふうに思います。 しかし、先ほど少しちょっと申し上げましたように、本来の姿というものを、これを曖昧にしながらこの問題を進めていくと、要するに問題を先送りにしていきますと、時間がたてばたつほど、要するにネットしか見ない方々が増えていくわけでしょうから、ますます難しい議論になってくるんじゃないかと、こういうふうに思うわけであります。 将来のこの負担の在り方というものをしっかり考えるんであれば、後でこんなはずじゃなかったと国民からお叱りの批判を受けないようにするためにも、あらかじめそういった将来ビジョンというものをしっかり示した上でやっていくことがとても重要なのではないかなと、こういうふうに思うわけであります。 それでは、その次に移りますけれども、今度は総務省の方にお伺いをしたいと思います。 このNHKの常時同時配信につきましては、昨年七月、高市前総務大臣が特に重要と考えるポイントを三点掲げられまして、その中で常時同時配信に対する利用者のニーズを高める目標を設定して取り組むべきと、こういうふうに述べられております。 確かに、より多くの方々に信頼性のある情報に接してもらうということはこれは重要だと思いますが、それが直接の目標ということになりますと、視聴者に見てもらいたい番組作りよりも見たがる番組作りの方に傾くのではないかと、そういうことを心配いたしております。やはりNHKには健全な民主主義の発達に資するような番組内容の向上を一義的には目指してほしいと、こういうふうに思っているところでございます。 そこで、この点につきまして、本来この時間帯、今日は野田大臣が衆議院の本会議でいらっしゃらないんじゃないかというふうに伺っておりましたけれども、これは通告どおり、坂井副大臣に御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(坂井学君) 野田大臣がおられますが、私の方からお答えをさせていただきます。 古賀委員の今日の質疑は、やはり基本的にNHKには良い番組を作っていただく、そのことがとても大事だということが根底にあるんだと、こう感じております。 NHKには、公共の福祉のため、豊かでかつ良い番組を放送する等の公共放送としての社会的使命を果たしていくことが求められているものと承知をいたしておりまして、NHKにおいては、今後とも、そのような公共放送の使命を自覚をしていただきながら、視聴率を上げることのみを目標とするのではなく、本質的に人々に必要とされている豊かでそして質の高い放送番組を放送することを通じて、そのことが結果として国民の知る権利を実質的に充足し、また健全な民主主義の発達に寄与する、こういうことにつながると、このように考えております。
○古賀友一郎君 学生時代から大変御指導いただいております坂井副大臣の御答弁でございます。大変有り難く、重く受け止めたいと、このように思います。 視聴率のみに、それを上げることに専念するのではなくと、こういうことでありました。もちろん、たくさんの方々に見ていただくというのは大変重要なことだと思うんですね。しかし、あくまでもNHKの本質というのは、見てもらいたい、見てもらうべき番組を作っていく、見たがる番組よりも見てもらうべき番組ということだろうと思いますので、とかく、恐らく民放の論理によりますと、数字を取るといいますか、見たがる番組作りということになっていくんだろうと思いますけれども、そこはやっぱり公共放送と民放の二本立てのその分水嶺だというふうに思っております。 そういった意味で、民放の論理に引っ張られてNHKがその存在意義を損なうということがあってはいけないと、こういうふうに思っておりますので、しっかりその辺はNHKにおかれても認識をしていただきたいし、総務省におかれても、そういった二本立て体制の意味というものをしっかり踏まえながらこの問題については対処をしていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。 この点については、先ほど申し上げたように、野田大臣が衆議院本会議でいらっしゃらない前提で伺う予定でございました。今、目の前におられるので、少しお時間もございますので、何か感想でも結構でございますので、通告はございませんが、一言いただければ幸いでございますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 恐れ入ります、ちょっと御通告いただいていなかったので、感想といっても。 今、NHK予算の質疑の中で、やはり幾つかのポイントが抽出されてきたんだと思います。NHKが公共放送から公共メディアということでインターネットに関わってくる、そういう諸課題検なんかで今検討している課題なんですけれども、やはり、冒頭申し上げたように、放送と通信の融合というのは、言葉は発出されてきたんだけど、何十年も前から、実際どうするんだということは、抜本的なやっぱり議論というのはなされずに、技術だけが融合してきてしまったのかなという思いがあります。 そんな中にあって、今御指摘の、視聴者に受けるというのは、必ずしも率のことではなくて、やはり民放と二元体制の中で、民放はやはりスポンサー、広告主を抱えてそれなりの制限があろうかと思いますが、そういった意味では、広く国民から受信料という形で取れている中、チャレンジングなこともできるんだと思うんですね。そういう意味で、民放にもやってもらいたいけど、先駆けでやっぱりチャレンジしなきゃいけないということもNHKがやれるだいご味ではなかろうかと思っています。 とりわけ、私がこだわりを持っているのは障害児者のことなんです。ちょっと前まで、やはり障害児者をテレビに出すということに相当の抵抗を持っている方たちがおられました。広告代理店の人に要請するんですけれども、やはり視聴者の中で、かわいそうだから出すなとか、ちょっと見られないとか、そういう批判が来るので、ついついそれはリスクを取りたくないがゆえにそういう番組はなかなか作れない。傍ら、そういう障壁を持たない公共放送においては、やっぱりこれから日本が高齢社会になるときにユニバーサルデザインとか又はバリアフリーというのはもう必須の取組課題ですから、そういうところは多少の批判があってもやっぱり国民の利益に通じていくという判断の下でやっていただければ、私としては二元体制がいい形で相まっていくんではないかなというふうに理解しています。
○古賀友一郎君 突然振ってしまったのに丁寧にお答えいただいて、ありがとうございました。 これで終わります。ありがとうございました。
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。 本当に久しぶりにNHKの予算について質問をさせていただきたいと思っております。 上田会長は、就任時の記者会見におきまして、公共メディアとして提供するサービスはどうあるべきなのか、どんなコンテンツをどんな形で提供していくのか、これを役職員一体となってきちんと議論し、急ぎ定めていく必要があると、そうやっておっしゃっておって、それ以来、公共メディアへの進化に向けて熱心に取り組んでおいでになるということを承知しているところでございます。 この経営計画でも公共メディアの実現に向けてNHKが追求する公共的価値の考え方が整理されたというふうに承知をするところでございますけれども、公共メディアという言い方が、もちろんインターネットが浸透して放送をめぐる環境が大きく変化していくということでございますけれども、この公共メディアという言い方の意図するところ、あるいは定義がいま一歩まだ明確にクリアにならない。午前中から質問あるわけでございますが、是非クリアに御答弁いただければ幸いでございます。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 視聴者のコンテンツの視聴や情報の取得の在り方が急速に多様化している中にありまして、放送法の精神を堅持して情報の社会的基盤の役割を果たしていくためには、放送だけでなく多様な伝送路を通じて情報や番組を届ける、いわゆる公共メディアへ進化する必要があるというふうに私は考えております。 次期経営計画では、放送を太い幹としつつ、インターネットも活用することを掲げましたが、その目的を明確にするために、NHKが追求いたします公共的価値を、一つ、正確、公平公正な情報で貢献、二つ、安全で安心な暮らしに貢献、三つ、質の高い文化の創造、四つ、地域社会への貢献、五つ、日本と国際社会の理解促進、六つ、教育と福祉への貢献と、こういうふうに六つに整理してお示ししました。 この六つの公共的価値を実現することを目標に、放送と通信の融合時代にふさわしい公共メディアへと進化してまいりたいと考えております。
○魚住裕一郎君 新体制になって公共メディアということで一生懸命お取り組みになってきた、敬意を表するものでございますが、今回のこの事業計画、収支予算、また資金計画に対する総務大臣の意見の中で、ずっとこれ見ていても公共メディアという言葉が出てこないんですね、これ。何ページかありますけれども。 総務省としては、これ、公共メディアという言葉というか、言葉遣いも含めてどう評価しているのか、あえて無視をするのか。そこのところはどういうような取組になっているんでしょうか。
○政府参考人(山田真貴子君) お答え申し上げます。 今先生御指摘の点でございます、NHKさんの方で、次期経営計画の中で重点方針の一つとして、インターネットも活用して公共メディアへの進化を掲げているということはよく承知をしております。 総務省といたしましては、放送法に基づく公共放送としてのNHKの在り方について意見をまとめているところでございまして、現時点では、NHKさんの方で公共メディアとして新たにどんなサービスを具体的に実施するのか、その詳細をまだ承知していないところでございますが、今後そういった形が明らかになってくる中で、NHKが要望される常時同時配信も含めて、業務の在り方につきましては受信料、経営とともに三位一体改革を進めていただきたいということを意見について求めているところでございます。 NHKにおかれては、こういった私ども総務大臣意見も踏まえまして真摯に検討を進めていただきたいというふうに考えておりまして、そういう中で、公共メディアの形がだんだん明らかになってくる中でまた我々の意見もまとめていくのかなというふうに思っております。
○魚住裕一郎君 そうは言うけど、この新しい時代の中でNHKとして模索しながら、その中で公共メディアという言葉を使って新しい時代に対応していこうという中で、もうちょっと温かい感覚で意見を出してもいいんじゃないかというふうに思ったものですから、あえて聞かせていただきました。逆に言えば、総務省が一体となってどうやっていくのかということを打ち出していくべきじゃないのかなというふうに思っているところでございます。 もちろん、放送と通信の融合みたいな大きな流れもあるわけでございますけれども、しかし、その中で、そちらの方だけの形ではなくして、本来の在り方、放送の在り方でNHKをフォローアップしていくというか、そういう観点で是非お願いをしたいと思っております。 次に、先ほど、常時同時配信の方向性についての質問もございました。東京オリンピック・パラリンピックに間に合う、間に合わせる形で実施したいという意欲のようでございます。放送のみならず、インターネット上においてもNHKが正確で信頼できる情報を提供するということによって人々の知る権利に広く応えていくということは非常に大事な取組であると思っておりますが、一方で、この常時同時配信につきましては、資金力に乏しいローカル局への影響が懸念されている。また、テレビを持たない人に対して対象を広げて行うといった場合、どうやって費用負担を求めていくかということも十分に考慮していかなきゃいけないという問題もあるわけでございますが、このローカル局への影響、また費用負担などについてのNHKの見解をお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 まず、常時同時配信に関しまして、私の方から決意のほどといいますか考えていることを申し上げて、ローカルに関しましては専務理事の坂本の方から答弁させていただきます。 視聴者のコンテンツの視聴や情報の取得の在り方が急速に多様化している中で、公共放送の原点であります放送法の精神を堅持しながら情報の社会的基盤としての役割を果たしていくためには、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用して、情報や番組を届ける必要があると考えております。 常時同時配信はそのために実現すべきサービスであると認識いたしておりまして、委員の方からも御指摘ありましたように、東京オリンピック・パラリンピックを前に、二〇一九年度に常時同時配信を開始いたしたいと考えております。実現には国による法制度の整備が必要であり、NHKだけで検討できることではないということは重々承知いたしておりますが、関係者や視聴者・国民の理解を得る努力を真摯に丁寧に行ってまいりたいと考えております。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。 受信料制度等検討委員会の答申では、常時同時配信について、地域における民放との二元体制を維持していく観点から、民放への配慮も十分考慮しつつ進めていくことが望ましいという指摘を受けております。 そうした指摘も踏まえまして、常時同時配信の開始後、段階的に地域放送の配信を拡充する際は、視聴できる地域を限定して配信しますいわゆる地域制限を行いたいというふうに考えております。また、今年度行いました試験的提供では、地域の放送局を含めた民放の要望も取り入れまして実験を行ったところであります。いずれにしても、民放の皆様との意見を交わしながら、更に理解を得て常時同時配信を実現してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 それから、もう一つの、テレビを持たない人の費用負担でありますけれども、常時同時配信の開始に当たりまして、公平負担の観点も考慮し、受信契約世帯を基本として設計しておりますけれども、広く情報を届けるという観点は重要でありまして、テレビを持っていない方への対応につきましては、今後サービスを進める中で様々な意見もいただきながら検討を進めてまいりたいというふうに考えているところです。
○魚住裕一郎君 それで、総務省にお聞きしたいんですけれども、放送法において、このNHKの志向するインターネットサービス、どういうふうに放送法の中で位置付けていくのか、現時点での見解をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(山田真貴子君) お答え申し上げます。 現在のNHKによる同時配信でございますけれども、放送法に基づいて、インターネットの活用に関しまして、例えば直近でございますと、平昌オリンピックの番組なども配信しておられました。そういった試験的な提供などを行っていただいております。累次御指摘いただいているとおり、常時同時配信については、現行法上は認められておりませんので、総務省の中の懇談会を設けまして、今検討をしております。 今、NHKさんの方からもるる御指摘ございましたけれども、公共放送の担い手としての実施時期の明確化、今日の御議論もございました。また、関係者間での様々な情報の共有や相互連携などに努めることによりまして、先ほどNHKに温かい気持ちをという御指摘もございましたけれども、もちろん、冷たいわけではなくて、温かい気持ちを持ちつつ、放送全体として新たな技術に対応した発展を目指していくということを期待しながら、私どもも真摯に検討を進めていきたいと考えております。
○魚住裕一郎君 次に、受信料の値下げの話なんでございますが、前執行部は値下げみたいな話がありました。一月十六日ですか、石原経営委員長が、一回値下げすればそれを再度上げるのはなかなか難しい話という、そういう記者会見をやったようでございますが、これが理由だとかなり乱雑な説明だなというふうに思うわけでございますけれども、総括原価方式というような中で、4K、8K、またオリパラ等の準備等々、重要課題が山積していることは承知してございますけれども、もうちょっと丁寧な説明ぶりといいますか、どうして値下げを検討しないのか。 それから、総務大臣のこの意見の中で、「受信料額の引下げの可能性を含めた受信料の在り方について、検討を行うことを求める。」というふうに意見書いておりますけれども、総務省はこの見解はまだ変わらないということですね。 御両者に聞きたいと思います。まずNHKから。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 受信料の料額につきましては、事業支出と資本支出充当分を合わせた事業運営に必要な総経費に対しまして総収入が見合う、いわゆる総括原価方式の考え方を基本に算定いたしております。 今回の三か年経営計画では、収入と支出両面において厳格な見積りを立てた上で収支計画を策定したものであります。放送サービスの充実強化を図った上で、受信料収入の増加と業務全般にわたる経費削減により、三か年で百七十億円規模の原資を生み出しました。その上で、受信料制度等検討委員会の答申や、これまでに視聴者の皆様から寄せられております御意見を踏まえまして、受信料免除対象の拡大など、負担軽減策を優先して実施するということにいたしました。
○大臣政務官(小林史明君) 大臣がいる中で私からで恐縮でございますが、御指摘をいただきましたとおり、受信料については、国民・視聴者の皆さんの御負担にお支えいただいているものですから、やっぱり納得いくものでなければいけないと思っております。 そういう意味では、魚住委員の問題意識と同様でありまして、やはり受信料額の算定に当たっては、算定根拠の透明化、明確化を図ることが必要でありまして、国民・視聴者の皆さんに説明責任をしっかり果たしていただくことが大切だというふうに考えております。 総務省としては、繰越金の現状、そして平成三十一年度以降も引き続き見込まれる事業収入の増加等を踏まえて、受信料額について国民・視聴者への説明責任を果たしていただく観点からも、既存業務全体の見直しや受信料額の引下げの可能性を含めた受信料の在り方について検討を行うべきと考えておりまして、その旨、総務大臣意見において指摘したところであります。 NHKにおいては、総務大臣意見も踏まえて真摯に検討を進めていただきたいと考えております。
○魚住裕一郎君 ただ、この総務大臣の意見には二回出てくるんですよね、検討すべきだというのは。何か言い訳的に、総務省としての言い訳みたいに聞こえるというふうに指摘しておきたいと思っております。 次に、コンプライアンスの重要性と、放送人基礎研修の取組についてお聞きしたいと思います。 視聴者・国民からの受信料によって成り立つNHKが信頼されるということは一番大事でございまして、コンプライアンスを徹底していくというのは、執行部のみならず、職員一人一人が放送人としての自覚を持つことが求められることはもとよりでございます。不祥事が何回かございます。受信料着服ということもあったわけでございますけれども、NHKは民放連と共催で、放送倫理の更なる向上と信頼される放送を推進するということで、平成十五年から放送人基礎研修というのを開いているようでございますが、概要をまずお示しください。
○参考人(根本佳則君) お答えします。 放送人基礎研修は、NHKグループと民放各社の若手社員を対象に、放送の自主自律、情報の管理など、放送倫理に関する基本的事項を学ぶ目的で、平成十五年からNHKと民放連の共催により実施しているものです。 研修は三日間のカリキュラムにより構成されています。今年度は三回の開催で、NHKグループと民放各社から二百人余りの参加者を迎えて実施しました。NHKや民放連、民放各社、BPOなどの講師による講義と、それから複数回のグループ討議に加え、実際の事件報道の関係者に登壇していただくなど、より深く放送倫理について考える内容としております。 今後も、放送人としての基本を学ぶ研修として意義あるものにしていきたいと考えております。 以上です。
○魚住裕一郎君 先ほど、受信料の着服みたいな不祥事と言いましたけれども、これ、別に放送人としての倫理じゃないと思うんですよね、社会人としての倫理だと思うんですよ。 ここで言う放送人というのはどの範囲を言っているのか。先ほど太田先生の質問で一万何千人という職員数がありましたけれども、全員が放送人ですか。その辺はどうなんですか。プロデューサーとか記者とか、そういう人が放送人なんですかね。ちょっとそこをもう少し丁寧に。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 私は、今、関連団体、子会社を含めまして約一万六千から一万七千名の職員がいるわけですが、このNHKグループの職員全てがそういった放送人としてのやはり職業倫理をしっかりと持って日頃の業務に当たっていただきたいということで、今後、研修制度等を通じて不祥事の発生を最大限ゼロにすべく、ゼロに近づけるべく努力してまいりたいと考えております。
○魚住裕一郎君 おとといですか、NHKはデーモン閣下に謝罪するということがありましたね。あったんです。要するに、デーモン閣下の肖像権を無断で使用して、アニメというか、放送いたしました。要するに、映像を中心に商売をしている、商売というか事業をしているNHKにとって、肖像権のことを勉強をしない放送人っているんですか。研修は一体何のためにやっているんですか。 これ、先ほど新人の方の研修とあったけど、そんなものは職業人として、これは専門家として当然定期的にきちっとやっていくべきじゃないですか、五年に一回とか。新人の若いときだけ必死にやったって、こんな肖像権侵害の話までやるようじゃ、これはもうどうなんですか、コンプライアンスというか、その辺はどういう御見解ですか。
○参考人(根本佳則君) お答えいたします。 今御指摘いただきました番組は、デーモン閣下氏の扮装をしたキャラクターが登場した、二月二十八日放送の「ねこねこ日本史」第六十四話というふうに認識しております。 この番組は、外部の事業者でつくるアニメの製作委員会が制作し、NHKが購入して放送いたしました。本来であればキャラクターの登場や演出方法などについて丁寧に相談しながら進めるべきところを、これを欠いたことによりまして、関係者の方に大変御迷惑をお掛けしたと思っております。放送した責任はNHKにありまして、番組のホームページでもおわび申し上げました。 今後、このようなことがないように、しっかりと研修等で身を正していきたいというふうに思っております。
○魚住裕一郎君 映像の専門家集団がNHKだと思っていますので、その辺もしっかり研修をしていただきたいと思っております。 終わります。
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるよう質疑をしたいと思います。 沖縄県名護市の二見以北地域を、二見以北考える会の皆様方と集中的に調査を行いまして、先般の沖縄北方特別委員会でもその一端につきまして他省庁も含めて対応をお願いした、その成果も御確認をさせていただいたところでありますが、この二見以北地域の一部ではテレビの難視聴が発生をしておりまして、私が訪ねました天仁屋地域におきましては、NHKが映らない、民放は映るけどNHKが映らないと、こういうお宅もありました。 今どきそんなことがあるのかということで、NHKにすぐ対応を求めたところでありましたが、その技術的要因につきましてまずはお伺いをしたいと思います。
○参考人(児野昭彦君) お答えします。 天仁屋地区の共聴は、平成十二年に名護市が設置し、現在十八年が経過しています。 今年二月に共聴組合の依頼を受けまして、NHKで外観の目視調査や工事店へのヒアリング調査を実施した結果、施設全体の老朽化による受信信号の品質劣化等が主要因で映りが悪くなっていることが分かりました。共聴の受信アンテナは良好に受信できているのですが、同軸ケーブルの劣化ですとか信号増幅器への雨水の浸水などにより受信信号のレベルが著しく劣化しており、取替えが必要なものがあるということが分かりました。 降雨時や強風時など天候の状態によって加入者宅の受信レベルは変わるため、施設の管理をしている名護市でも判断が難しかったようです。NHKの調査結果につきましては、依頼があった共聴組合とともに名護市へもお伝えしています。 NHKでは、今後も共聴の組合等から技術的な相談があった場合には適切なアドバイスを行っていきます。
○秋野公造君 すぐに動いていただいて、技術的な原因が分かったということは非常によかったと思いますが、この点につきましてはなかなか進展が見られなかったということで、総務省に対しても原因の究明と取組をお願いをしておりましたが、その状況をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(山田真貴子君) お答え申し上げます。 今の御指摘いただいた点でございますが、共同受信施設の設置等の経緯は今NHKの方から御答弁があったところでございます。十二年に整備し、二十二年度に地デジに対応できるように改修を行ったということでございます。 総務省から共同受信施設の設置者でございます名護市の方に接触をいたしまして、確認をさせていただきました。天仁屋区の受信施設は、施設設備の老朽化や劣化等もあり、台風や雷等の影響で受信障害が発生し、一部のチャンネルが視聴できない世帯があるため、応急的な修繕で対応してきていると。主としては、平成二十九年度に設備の調査業務を発注し、不具合箇所を特定する予定であったそうでございますが、現時点で原因特定に至っていないので平成三十年度も継続して調査していく予定であるということでございまして、それを踏まえて、どのような補助メニューで修繕が可能か、また、より安定的な新しい仕組みの導入についても検討していくということを伺っております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 これはNHKが現場に入ってくださって迅速に調査をしてくださったからこそ原因が分かって、そして、なかなか進んでいなかったことに対しても、名護市に対して総務省が支援を行ってくれたことによって、進んでいなかったものが進むようになったということであります。 一日も早く天仁屋地域の皆さんを始め二見以北の皆さんがNHKちゃんと受信ができるような、そういう状況になってほしいと思いますが、こういう環境をつくるということは非常に重要なはずであります。今後、安定的にテレビを視聴することができるようにするためにはどのようにしたらいいのかということを総務省に確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(山田真貴子君) お答え申し上げます。 共同受信施設でございますけれども、安定的にテレビが見られるということにするためには、適切な保守管理、また一定期間ごとの設備更新というものが必要でございます。 今お話のございました天仁屋地区でございますけれども、今後、名護市において地域住民の方々としっかりと話し合っていただき、御検討いただく必要があると考えておりますけれども、先ほど申し上げました調査に基づきまして共同受信施設の修繕などについて検討をされるということでございますので、総務省としても、名護市に対して適切に情報提供、またアドバイスを行ってまいりたいと思いますし、また、NHKからも適切なアドバイスを行っていくというふうに伺っておりますので、全力でサポートさせていただきます。
○秋野公造君 やるべきことが明確になりましたので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。 次に、受信料負担軽減についてお伺いをしたいと思います。 これまで公明党は、受信料を軽減するのであれば、一律に軽減をするのではなく、まずは必要なところにめり張りを付けた対応をしっかりするようにということを求めてきたところでありまして、その上で、四つの負担軽減策が図られたということを高く評価をしたいと思います。 その中で、社会福祉施設に対する免除の拡大ということでありますが、この内容は、平成十三年以前に社会福祉法に規定されていたものとされていなかったもので大きな差が出ていたというものであります。今回の改正で法律内の全面的な不公平が全て解消されるということでよろしいでしょうか、確認をしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 社会福祉施設への免除拡大は、次期三か年経営計画におきまして受信料の負担軽減策の一つとして盛り込み、来月、平成三十年四月より実施することといたしました。 この免除拡大は、同一法律内における取扱いの差をなくし、社会福祉法に規定されている社会福祉事業を行う全ての施設を免除の対象とするものであります。
○秋野公造君 このことによって、具体的に何件、どれぐらいの免除の規模になるのか、お伺いをしたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答えします。 今回の免除拡大により、新たに全額免除の対象となる契約件数は約二万件、金額は約二億円と見込んでいます。
○秋野公造君 社会福祉法に規定されたならば、これからは自動的に免除になるのかということ、申請が必要なのかということをまずお伺いをするとともに、事業者、社会福祉法人等の例えば事業者の職員の事務室の受信機、こういったものも契約対象になるのかということ、そして、改めてこの事業者側へどのように周知をしていくのか、取組についてお伺いをしたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 免除基準を変更する来月以降、新たに社会福祉法に規定される施設についても全て免除の対象となります。免除の適用については、従来どおり、免除の申請をいただく必要があります。今回の免除基準の変更により免除の対象となる施設に対しては、免除拡大についての周知をしっかりとやることが重要だというふうに考えております。 NHKでは、全国の社会福祉法人へダイレクトメールを複数回送付するとともに、社会福祉関係の団体や厚生労働省、自治省の御協力もいただきながら十分に周知を図っていきたいというふうに思っています。 なお、免除の対象となるのはこれまでどおり入所者、利用者の専用に供するために設置された受信機であるということですから、このため、職員の事務室の受信機は免除の対象となり、受信料のお支払いが必要ということは変わりません。
○秋野公造君 次に、奨学金受給の学生の免除についてお伺いをしたいと思いますが、どのような仕組みになるかということであります。 奨学金といっても数多くありまして、こういったことをNHKが全て把握をしているのかと。把握をするためにどういった調査、調整を行っているのかということ。なお、留年等で奨学金が打ち切られるような状況になった場合、経済的に厳しいという状況は変わらないと思いますが、こういったときにはどうするおつもりなのか、お伺いをしておきたいと思います。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 学生への受信料免除については、親元などから離れて暮らす学生のうち、経済的に厳しい状況にある学生の負担軽減のため、親元などが市町村民税非課税の世帯の学生又は受給条件として経済要件を課している奨学金を受給している学生を全額免除の対象にしたいというふうに考えております。 日本学生支援機構の調査によると、奨学金事業については約三千九百団体、八千七百の制度があるというふうに認識をしています。こうした調査等を基に、奨学金事業の実施団体に対するヒアリング等を今行っているところでございます。 また、奨学金の受給を免除の要件としているため、先ほど委員が御指摘の留年等の理由で奨学金が打ち切られた場合は免除の対象外となりますが、親元が市町村民税非課税であれば引き続き免除になります。 なお、免除が解消された場合でも、学生の場合は受信料額が半額となる家族割引を利用することができるということも申し添えておきます。
○秋野公造君 今御説明をいただきました奨学金受給などの学生の免除については経済的弱者に対する支援ということだろうかと思いますが、一点ちょっと議論をしておきたいのは、高齢者に対する支援ということであります。 英国では、BBCの受信許可料は七十五歳以上の世帯は免除ということでありまして、生活保護者はNHK受信料が免除されておりますけれども、生活保護受給者よりも経済的に困窮をしている高齢者は現実問題としていらっしゃいます。具体的には、資力がなく国民年金だけで暮らさなくてはならない方、こういった方に対する対応、生活保護受給者よりもしかしたら経済的に厳しいような状況の方々に対する支援というものについて、NHKは検討をしないのですか、してはどうですかということを申し上げたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 NHKでは、社会福祉的な見地から、最低限度の生活を保障すること等を目的として定められております生活保護法に基づき、受信料の免除を実施いたしております。 受信料の免除につきましては、他の負担者の負担の上に成り立つ制度であり、外部の有識者から成る受信料制度等検討委員会の答申、実際には平成二十九年九月に受け取っておりますけれども、においても、限定的に運用するという基本的な方向性を継続することが適切であると指摘されております。その上で、次期三か年経営計画におきましては、社会福祉的見地からの受信料の負担軽減策として、社会福祉施設への免除拡大と経済要件を課した奨学金受給対象などの学生への免除を実施することといたしました。 いずれにいたしましても、更なる受信料免除の拡大につきましては、中長期的な事業計画や収支の見通しをしっかりと踏まえた上で慎重に検討することが必要であると考えております。
○参考人(松原洋一君) 先ほど、免除の周知のところで、私、社会福祉団体や厚生労働省、それから自治省と言いましたが、誤りで、自治体の御協力ということで訂正させていただきます。
○秋野公造君 今の会長の御答弁は、ちょっと見直しをお願いをしたいと思います。 それは、例えば国土交通省などにおきましても、資力がなく国民年金だけで暮らさなくてはならない方のための例えばサービス付き高齢者住宅といった仕組みなどが既に始まっておりまして、例えば鹿児島県などの事例を挙げますと、生活保護受給者からは例えば二万四千二百円の家賃を取っているけれども、それよりも資力がなく国民年金だけで暮らさなくてはならない方は例えばゼロ円、二万四千二百円の差を付けて対応しているような仕組みというのが他省庁では始まっているわけであります。そういった意味では、今日答弁は求めませんけれども、次の検討のときには、こういった問題があるということをどうか御認識をいただきたいと思います。 次に、財政安定の繰越金、七百六十七億円と、三年間右肩上がりということでありますけれども、こういった意味では、現状では三年間の経営計画の収支の見通しが示されておりますけれども、世帯減少も見込まれる中で、私は、十年間の収支見通し、これぐらいの長期的なものも示して、国民にとって納得できる受信料負担、こういったものを行っていただくことも大事かと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 更なる負担軽減策や受信料体系の在り方につきましては、中長期的な事業計画や収支見通しを踏まえた上で検討すべき重要な課題だと認識いたしております。 ただ、4K、8K本放送の開始や放送と通信の融合の進展など、メディア環境が大きく変化する中で十年先までの収支を見通すことは難しく、まずは、次期三か年の受信料収入の状況などを踏まえながら対応してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 分かりました。 今お話にありました4K、8K。8Kでどういったコンテンツを提供する予定なのか、お伺いをしておきたいと思います。
○参考人(木田幸紀君) お答えいたします。 8Kの魅力は、現在のハイビジョンの十六倍という超高精細映像と、それから二十二・二チャンネルという最新の立体音響であります。 十二月から始まる4K、8Kの本放送では、4Kの方はスーパーハイビジョンの魅力に触れていただく言わば入口となるチャンネルとして幅広いジャンルの番組を編成していくつもりですが、8Kの方は、その超高精細映像と立体音響の魅力を最大限に生かして、まるでコンサートホールにいるかのような臨場感でありますとか、美術館で本物を見ているかのような没入感に満ちた番組を提供するつもりでおります。
○秋野公造君 物すごく期待をするわけでありますけれども、少しもったいないような気もいたしておりまして、例えば医療分野、特に遠隔医療に関する応用につきまして、私も期待をしております。 例えば、私、当選をしてからずっと取り組んで推進をしてまいりました胃がん予防のためのピロリ菌の除菌、保険適用まで行ったわけでありますけど、こういったもの。胃の粘膜をかじって、それを顕微鏡で見て、それを今までデジタルで送りますと例えばピロリ菌などは見えなかったわけでありますけれども、8Kの技術を使いますと、例えばピロリ菌もかっちり見ることができます。 そういった意味では、この遠隔の専門的な知識を持った医師と医師が遠隔でのツールとして用いるようなことも、活用することも重要と考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(児野昭彦君) NHKの研究開発成果は、関連団体と連携して社会還元を行っています。 8Kの遠隔医療の分野につきましては、一般財団法人NHKエンジニアリングシステムが他の関連団体と連携して、平成二十八年度に総務省の8K技術を活用した遠隔医療モデルに関する実証に参画しています。 この実証の遠隔診療支援モデルでは、長崎県の離島にあります上五島病院と実際に患者を診断する長崎大学病院との間で8Kカメラの映像を利用した遠隔での診療支援を行いました。その結果、微細な病変が観察できるとの評価をいただきました。 そのほか、医療応用としまして、国立がん研究センターなどと連携しまして、8Kの腹腔鏡システムを用いた、大腸がん患者を対象とした臨床試験を平成三十年三月に開始しております。 今後は、カメラの高感度化、小型軽量化、あるいは映像伝送の安定化についてNHKグループとして取り組みながら、8Kの医療応用の拡大に努めてまいりたいと考えております。
○秋野公造君 私の母校であります長崎大学の取組も紹介をしていただきまして、ありがとうございます。 最後の質問です。 全国の災害報道拠点であります全国の放送会館の老朽化対策についてということであります。 これは災害報道拠点ともなりますので、大規模災害時にはきちっと機能しなくてはならないということであります。建て替えが進んでいない地域、今後どのように進めていくおつもりか、状況も含めてお知らせください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 地域の放送会館の多くは昭和三十年から四十年代に建設されており、建ててから五十年を超える会館もありまして、老朽化、狭隘化が進んでいるため、順次建て替えを行っております。 全国五十三の放送会館のうち、今年度末時点で二十五会館が建て替え済みであります。残る二十八会館のうち五会館の建て替えが決定済みでありまして、そのほかの二十三会館についても計画的に整備を取り進めていきたいと考えております。建て替えに当たっては、災害に強い放送会館を建設し、災害時の迅速、的確な緊急報道や新しい放送サービスへの対応など、公共放送の使命、役割を果たしていくことにしております。 なお、委員から御質問がありました新会館の建て替え建設まではもちろんですが、現放送会館の老朽化対策や災害対策、これはしっかりと実施してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 どうかよろしくお願いします。 終わります。 ─────────────
○委員長(竹谷とし子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、森本真治君が委員を辞任され、その補欠として浜野喜史君が選任されました。 ─────────────
○片山虎之助君 片山虎之助でございます。 それじゃ、今日はNHKの予算案につきまして順次質問をさせていただきます。 ちょうど一年前ですから、去年の三月三十日に去年のNHK予算を審議しているんです。上田会長になられて恐らく二か月ぐらいで、そのとき私がいろいろ新会長としての抱負をお聞きしたときに、自分は経営委員及び監査委員として三年間、全国の支局を回ったと、支社もあったんでしょうけどね、海外も回ったと。それでいろんな人に、幹部から現場の人まで全部会って話を聞いたと、それが自分の蓄積になっているので、それを生かしたいと言われたんですよ。 生かせましたか、一年間。会長、どうですか。
○参考人(上田良一君) 全国五十三の放送局、それから海外の総支局、四か所ありますけれども、これも今、片山委員から御指摘ありましたように回りましたし、三年半ぐらい経営委員と監査委員を兼務いたしておりまして、こうした経験が会長をお引き受けいたしましてすぐに、どういうNHKが経営の課題を持っているかということに関してやはり助走期間をセーブできたということは、非常に私はこの一年間やってきて有意義だったんじゃないかというふうに考えております。
○片山虎之助君 まあ余りこの問題はしつこくやってもあれですが、生かせているかどうかということを私はお聞きしたので、結構です。 それで、経営委員長さんも今日お見えですけど、そのとき、経営委員長さんに、前の会長さん、ユニークな方だったですからね、経営委員長さんに新会長に何を期待しますかと言ったら、大いに期待していると、縦割りなんだからと言われたと思いますよ、NHKが。横につないでいってもらうようなことを期待しているということを言われたと思いますが、経営委員長として一年間見られて、新会長、いかがですか。
○参考人(石原進君) この一年間、上田会長の仕事の仕方を見ていて、昨年、一年前に申し上げたことと全く同じでございますが、本当にコンセンサス、役職員とよく取りながらしっかりと仕事をされている。 具体的に、例えば4K、8Kの問題とか、あるいは放送センターとか、平成三十二年のオリンピックについての準備とか、いろんな懸案事項がありますんですけれども、本当にしっかりと着実に先を見て進めていらっしゃると私は思っています。 ただ、コンプライアンスの問題ですね、やっぱり不祥事がございますので、例えば受信料の横領の問題とか、そういったことについて、やはりこれ非常にNHKにダメージが大きい話でございまして、これは本当に起こらないようにその都度しっかりと対策を取っているということなんでございますけれども、相変わらずやはり起こるということについては非常に残念だなと思っているところでございまして、引き続き、そういった不祥事の発生しないように努力をしっかりとしていただきたいと、注文でございます。
○片山虎之助君 大変御丁寧な御意見、ありがとうございました。 前の会長のときには、経営委員会と執行部というか、会長や理事さんとやや緊張関係があったりなかったりしたものですから、是非ひとつ二人三脚でしっかりやっていただきたいと思います。 経営委員長さん、お忙しければいいですよ、もう私、質問ありませんから、これで。どうぞ委員長の許可取ってください。
○委員長(竹谷とし子君) 石原委員長は御退席いただいて結構です。
○片山虎之助君 それで、例の受信料の合憲判決が去年出ましたね。私も合憲判決が出るだろうと思ったんですが、全面勝訴じゃないですよね。受信料は合憲だけれども、個々に金を取るときはちゃんと契約を結べと、向こうが嫌と言ったら確定判決をもらって取れと、こういうことなので、全面勝訴ではないけれども、やっぱり大分気分が変わったと思うんです、受信料に対する。 会長、それで、結果はいいですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 昨年末の最高裁判決の後、契約の申出件数は増加傾向にありますが、支払率への影響につきましては、短期間の結果だけで判断することは難しく、今後の推移を見守る必要があるというふうに考えております。
○片山虎之助君 この支払率は、悪いときは六〇ですよ。今、やっと八〇になったんですよ。だから、これから三か年計画で一パーずつ上げて八三でしょう。ところが、もちろんNHKの皆さん御存じでしょうけど、世界のほかの主要国の支払率を見ると、イギリス九四%、フランス九九%、ドイツ九七%、イタリア九六%、韓国一〇〇%ですよ。どうしてだと思いますか。いかがですか。
○参考人(松原洋一君) お答えします。 海外の公共放送については、今のNHKの受信料制度とは別に、やっぱり罰則がいろいろ付いているということもありますし、様々な居住情報の活用とかそういう制度が整備されているというところに違いがあるというふうに思っています。
○片山虎之助君 いや、それも確かにあるの。しかし、実際は、例えば韓国は電力会社が電力料金と取るんですよ。あるいは、徴税当局が取るところもある。あるいは、独立のそういう徴収機関をつくるところもあるんですよ。そういう工夫をしているんですよ。それで、なるほど六〇が八〇になったというのは、私は評価せにゃいかぬと思うけれども、この二〇%は岩盤的ですよ、絶対払わぬという主義なんだから。そういう人が訴訟も起こしたんですから。 これは、私は税金に準ずるもので大変不公平だと昔から言っている。だから、行政処分をしろと、罰則を作れということも何度もNHKの皆さんにお願いしたんだけど、もうちょっと待ってください、訴訟でやってみます、別の努力をしますと、こういうことで今日来ているので。これはこれからなかなか一%上げるのは私は大変だと思いますよ。よその国はほぼ一〇〇%ですよ。ドイツに至ってはもう見ても見なくても、持っているだけで全員でしょう。そこのところの今後の対応をいかがお考えですか、会長。
○参考人(松原洋一君) お答えいたします。 次期の三か年計画では、今委員御指摘のとおり、毎年一ポイントずつ支払率を向上させて、二〇二〇年度には八三%の計画をしています。まずはこの計画を確実に達成することに最大限努めていきたいというふうに思っています。 その上で、二〇二一年度以降における目指すべき支払率、改めてその時点の社会経済状況あるいは営業を取り巻く環境を見極めた上で適正な計画を策定していきたいというふうに思います。
○片山虎之助君 それで、この委員会でも私以外にも何人も言っているんですよ。この二〇%というのは岩盤なんですよ、これは主義ですから、払わないという。いかにも不公平じゃないかと。その根っこの、テレビを付ければ受信料を取るというのはけしからぬという意見なんですよ。だから、それは最高裁が駄目だと言ったんだから、工夫をしてくださいよ。やっぱりこれからが私、大変だということを再度申し上げておきます。 そこで、これだけ受信料が増えて財政が豊かになって、センターの建て替えの資金の積立てもできて、別に一千億近いお金があるでしょう、それで受信料の値下げをなぜしないかという、これもまた次の議論なんですよ。まあなるほどねという、五十円や何十円ちょろちょろやるのは余り意味がないかもしれない。しかし、何かの方針がないと。ためるだけじゃ駄目ですよ。会長、どうですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 次期経営計画では、4K、8Kなど放送サービスの充実強化を図った上で、受信料収入の増加と業務全般にわたる経費の削減によって、三か年で百七十億円規模の原資を生み出しました。その上で、受信料制度等検討委員会の答申や視聴者の皆様などから寄せられた御意見を踏まえ、今回は受信料の負担軽減策を優先して実施することといたしました。割引につきましては基本的にコストの還元等を中心として設計し、免除については教育的見地及び社会福祉的見地から対象を限定し、実施いたしておるものであります。 今回の負担軽減策については、受信料制度等検討委員会に諮問し、答申を得た上で実施することとしたものであり、割引、免除の実施については放送法により総務大臣の認可を得ることが必要となっております。 値下げに関しましては、何回か申し上げていますが、中長期的な視点に立ちまして、この受信料制度等検討委員会の御意見も踏まえて、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○片山虎之助君 確かに、支払率が上がっているんで、今度は割引や免除を相当拡充しましたわね。それは私はいいことだと、こう思うんだけど、料金を下げないから、受信料を下げないから割引やあれでこの代わりにということは、これはまた違うと思うんですよ。本筋はあくまでも一定の余裕ができたらきちっとした理屈の下に受信料を下げるということなんで、免除や割引をどんどんどんどん拡大していくという、まあ不公平なところも確かに今あるんで、それを整えていただくのは非常にいいと思うけれども、本筋は、会長、違うと思うんですよ。やっぱり国民はそういうことを見ているの。免除や割引は結構です。 今後どういう方針で臨むか、もう一度言ってください。
○参考人(上田良一君) 受信料制度そのものに関しましては、種々の観点から検討する必要があると思っています。受信料制度等検討委員会を、私、会長になってすぐ私の諮問機関として立ち上げましたんで、第三者的諮問機関の意見も踏まえながら、引き続きこれは検討してまいりたいというふうに考えております。
○片山虎之助君 今日も公共放送から公共メディアへと、皆さん、公共メディアという言葉を使っているんで、簡単に言うと、公共放送じゃもう不十分なんで通信に乗り込むということでしょう、通信の領域にも入っていくと。そういう手段をもっともっと多様な、簡単に言うと、インターネットに入っていきたいというのか、即時同時配信をやりたいと、こういうことが公共メディアじゃないですか、非常に端的に言えば。いかがですか、会長。
○参考人(上田良一君) 御指摘のとおりだと思いますが。
○片山虎之助君 今、放送と通信の融合で、通信がどんどん放送的なものができてきていますよね、それをどうするかというのが確かに議論になっているんで。しかし、それは、通信の方が増えたから放送の方を変えるなんというのは私は逆だと思っているんですよ。 今の放送法四条は、話が飛びますけれども、放送法四条というのは、ある意味では常識的な普遍の原則ですよ。その通信の方が放送的になったから一部が、それを直すというのは、これ逆なんですよ。むしろ、それは放送的になった通信をその原則や何かに組み入れるべきなんですよ。そこの調整はありますよ、法的には。 これについては、会長と大臣、いかが考えますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 先ほどちょっと御質問の趣旨を必ずしも正しく理解していなかったかもしれませんが、あくまでもNHKとしては、公共放送として、放送を幹として補完的にインターネットの世界に入っていって視聴者の皆様にそういう視聴機会の拡大を広げると、こういう趣旨で放送と通信の融合には取り組んでまいりたいと考えております。
○片山虎之助君 いやいや、補完的ですか。補完的ではないんでしょう。今は補完的ですよ、今は法的にできないんだから、放送以外は。だから、放送法直してどういう入り方をするかはこれからの議論でしょう。 しかし、その多様なそういう手段の中に入っていって、場合によっては通信でも一定の役割を果たすということが公共メディアという考え方じゃないんですか。私、分からないから、そこは逆に教えてもらいたいんですよ。公共メディア、公共メディアと言われる。今の公共放送じゃ物足りないと、もっと大きくなる、もっと多様なものに対応する、広げていくと、こういうことなんで、それはまさにインターネットの即時同時配信じゃないですか。違いますか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 補完的といいましても、通信手段を使って更に公共的価値を高められる部分に関しては、片山委員御指摘のように有効に活用して、いわゆる公共的価値を視聴者・国民の皆様に提供できる、限られた経営資源の中で最大限そういう提供をできる、そういうことを今後検討してまいりたいと、そういうふうに考えております。
○片山虎之助君 それから、私言っているのは、放送法四条はあれは原則を言っているんですよ。中立公平だとか、反社会的なこと、事実に即するべきだとか、こういう原則を取っ払うなんという議論になったらおかしいんだ、逆に。それは、インターネットの方にテレビ的なものがどんどん出てきますよね。出てきたときに、むしろそれらが四条の方に倣うべきなんで。ただ、四条そのものが無欠だと思いませんよ。これは検討して直す必要があるんだけれども。それはインターネットの方が放送的になるんだから、いい悪いの表現はよくないんだけれども。それは同じ効果や同じ影響があるんなら、同じ原則、理念で行うべきだと私は思う。そこのところをどうやってきちっと整理するかは難しいけれども。 だから、逆に、そういうものが増えてきたから放送法の原則は要らないというのはおかしいんじゃないかと言っているの。話が逆じゃないかというのが私の意見。大臣、いかがですか。
○国務大臣(野田聖子君) 片山先生御指摘のように、放送法第四条というのは、放送事業者が自主自律して、そして放送番組を枠組みの中でしっかり編集することでその放送事業者が重要な社会的役割を果たしてきたと、そういうものであるわけで、それで、仮に放送法第四条を撤廃した場合には何が起きるかというと、今御指摘のように、しなくてよくなるわけですから、間違ったことを流しても構わないし、公序良俗に反することもオーケーだし、政治的に全然中立じゃなくていいというようなことが、そういう報道が増加するという可能性は十分考えられるわけです。 それが果たして私たち国民にとって望んでいることなのかどうかというのは、しっかり議論していただかなければならないと思います。
○片山虎之助君 今の放送法四条は、私は一定の効果があると思うんです。もしそれをやめるんなら、それに代わるこれだけのメリットというか公益があると、国民が納得するという証明が要ると思うんですよ。そうでない限り、あの原則が正しいんなら、むしろこれから入ってくる方が、代わってくる方が、近づいてくる方がそれに服するべきだというのが、まあ言葉が良くありませんけど、そういう考えなんですよ。 大臣、どうですか、そこのところ。
○国務大臣(野田聖子君) まさにそのことについてそれぞれいろいろなお考えがあることは承知しているので、御議論を賜ればと、今までそういう議論はございませんでしたので。 私は、今、日本の放送というものが、報道の自由の下で、しっかりと放送法で自主自律の中で四条の番組準則を守り、そして私たちに様々な、何というんですか、情報を安心して提供してくれたことには大きな意義があると思っていますから、そこはそれとしてどう判断するか。ちょっとそのメリット、デメリットについては、まだ私自身もこれから様々な御意見をお聞きしなきゃいけないなとは思います。
○片山虎之助君 それで、NHKさんはオリンピックまでにインターネットの即時同時配信ということをお考えでしょう。それやるかやらないかで、やるんならオリンピックに間に合わせた方がいいですよ。それ急がないと。だから、それは、いや、むしろ法律の問題を含めて、総務省の方の私は対応だと思う。問題点があるなら今徹底的に洗って、それは駄目だということを明らかにしないと。ぐずぐずやっていると時間がたつだけですよ。 私は、即時同時配信をやるんならオリンピックに間に合った方がいいと思います、国民のためにも。駄目なら、ちゃんと議論をして、それはもっとこうなりますよということをはっきりすべきじゃないですか。NHKの方はやりたがっているんですよ。総務省の方は慎重なんですよ、やりたがっていないとは言わないけれども。そこのところ、大臣、どうですか。
○国務大臣(野田聖子君) 今、有識者検討会で検討を進めているところです。特段、スケジュール決めているわけではありませんけれども、様々な御意見を承ってまいりまして、引き続き丁寧に議論してまいります。ちょっと消極的に聞こえるかもしれませんけれども、決して反対をしているわけとかそういう立場ではなく、中立的な立場で今NHKが取り組もうとしていることについて真摯な議論を積み重ねているところだと御理解いただければと思います。
○片山虎之助君 平成三十年度NHKの予算で、ネット絡みでこういうことをやるという、どういう予算の内容になっているか、教えてください。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 現在、インターネット関連では二・五%までというシーリングが付いています。それから、常時同時配信に関しましては、もちろん法改正が必要なので、そういうことを踏まえた上で、今法律の中で許されていることを、許されている予算の範囲の中で今対応をいたしております。
○片山虎之助君 それは三十年度ですよね。来年度、再来年度ですよね、オリンピックは。そういうような状況で対応できるんですか、今の同時即時配信が。
○参考人(坂本忠宣君) お答え申し上げます。 平成三十年度の予算には、インターネットを通じた放送番組の提供ということで百五十六億円の予算を計上しております。これは、先ほど申しました受信料収入の二・五%以内ということで、二・二%というところで対応していることであります。次の年度以降も、現段階ではまだ法改正もできておりませんので、二・五%の枠内でインターネットサービスを展開していくということになろうかというふうに思います。
○片山虎之助君 大臣、そういうことなんですよ。だから、対応を、総務省としての、国としての対応を私は急ぐ必要があると思いますので、もうこれ以上は今日は言いませんから、よろしくお願いします。 それで、ちょっと通告していないんですけど、今、大河ドラマや朝ドラの視聴率は大変いいとも聞きますけれども、悪いこともあるんでしょうが、どのくらいですか。
○参考人(木田幸紀君) 今、視聴率といいましても、録画で御覧になる方もたくさんいらっしゃいますので、昨年の秋から、今、総合視聴率、実際のリアルタイムで見た方の視聴率と録画の視聴率を足して計算しておりますが、それによりますと、朝ドラは総合視聴率で二五%前後、それから、大河ドラマも二〇%を超えているという状態です。
○片山虎之助君 どうもこれは私のひが目かもしれませんが、大変民放にそういう意味では対抗意識があって、NHKの番組は一番視聴率が高くなきゃいかぬ、一番いいキャストじゃなきゃいかぬ、一番いいスタッフが付かなきゃいかぬと。そういう視聴率の競争をすることは私はないと思うんでね。まあ少しはしてくださいよ。 それから、本格的時代劇なんというのは民放ではなかなか難しくなっている、もういろんな意味で。そういうことは、できないことは私はNHKが補完するというのかね、代わらなきゃいかぬと思うけれども、しかし、対抗意識で自分が一番じゃなきゃいかぬ、二番は嫌だと、一番派手に一番あれでということがいいんだろうかという疑問があるんですが、これは会長と大臣、どうですか。まず事務方の方が答えても結構ですが。
○参考人(木田幸紀君) NHKでは、全ての番組をいろいろな角度から評価する仕組みを今取っております。視聴率に代表されるような言わば量的な指標もありますが、質的な指標を調査したり、いろいろな角度からやっておりまして、そういう意味では、視聴率も指標の一つとしては役割を果たしているんですが、我々としましては、視聴率競争とは全く無縁だというふうに考えております。
○片山虎之助君 そうですかね。それは私の見る目が間違いかもしれないし、あるいは関係の人の見る目が間違いかもしれませんが、民放というのは、本来そういうあれじゃないんですよ、公共放送、公共メディアなんですから、そういうところはしっかり守っていただくのが必要だと、こういうふうに思いますよ。それが国民の期待ですからね。会長、頑張ってください。皆さんも頑張ってください。 総務省、よく相談をしてあげてください。それは大きいですよ。いろんな意味で、今日も、私も野党だけど、野党の皆さんも、報道しぶりにいろいろな御意見があった。私もあるんですよ。恐らく自民党もあると思いますよ。公明党ももちろんある。だから、みんなが文句を言うのがいいのかもしれませんわね。しかし、文句の程度もありますよね。政治的に中立、不偏不党というのがNHKのあれですから。まあそのくらいしようがないかと関係の人が言うような、そういう報道を、妙なことになりましたけれども、是非それを心掛けていただきますようにお願いして、終わります。 ありがとうございました。
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。 この一八年度のNHKの予算、事業計画の審議に当たっては、先ほどから何人かからも出ていますけれども、昨年十二月の受信料徴収に係る最高裁判決、どう受け止めるかということも大事ではないかと、こう思います。 NHKは、「判決は公共放送の意義を認め、受信契約の締結を義務づける受信料制度が合憲であるとの判断を最高裁が示した」と、こういうコメントを出されました。受信料制度そのものの指摘はそのとおりだろうと思いますが、この判決は、NHKが公共放送としての役割を果たしているとか、あるいはまた、この放送内容が国民の信頼を得ているとかというお墨付きを与えたものではこれはないわけですよね。言うまでもありません。 よくNHKはイギリスのBBCと対比をされるわけですけれども、本当に一層、公共放送としての国民の信頼を獲得する、そういう努力が必要だと思いますが、改めて会長のこれに当たる姿勢についてお伺いしたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 今回の最高裁判決は、受信料制度の仕組みは憲法の保障する表現の自由の下で国民の知る権利を満たすために採用された制度で、その目的にかなう合理的なものと解釈されるとの考えを示し、公共放送の意義を認め、受信料制度は合憲であるとの判断を示したものと受け止めております。 引き続き、公共放送の役割や受信料制度の意義について視聴者の方々に丁寧に説明し、国民の信頼を得るための取組と公平負担の徹底に努めてまいりたいと考えております。
○又市征治君 視聴者は放映される番組や報道の内容でNHKを評価するわけですから、そういう意味では、国民の期待に応える報道や番組作り、一層努力を願いたいと思いますが。 最高裁は、民放との二元体制についても言及をしていまして、民放にもNHK同様に当然放送法第四条が適用されるということだと思います。民放とNHKが異なるのは、これも言うまでもありませんが、民放がコマーシャルなどによって運営費用を賄っているのに対して、NHKは受信料を徴収して安定した財源を確保して自律性を持っている、こういうことですよね。この違いが民放とNHKの放送内容にどのように反映をされているのか、また国民がそれを実感できるのかどうかという点がこの公共放送NHKが信頼を得られるかどうかの核心ではないか、私はそのように思います。 NHKは、今回の経営計画の重点方針一、公共メディアへの進化ということで公共放送らしさを主張されるのかもしれませんけれども、民放が公共メディアという言葉を使わないにしても、同じ内容を放送の目的として提示されても何の不思議もないわけです。 美辞麗句ではなくて、もっと踏み込んだ形で、政治権力に対するやっぱり批判であるとか、政治に対する、今日も出ました、量的公平性ばかりではなくて質的な公平性を貫くなど、やっぱりNHKのあるべき姿というものを発信をすべきではないのか、こう思いますが、この点についてはどうですか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 昭和二十五年に制定されました放送法の下で、公共放送NHKと民間放送との二元体制が着実に根付き、日本の放送文化の根幹を成してきたというふうに認識いたしております。 放送法では、NHKの目的や業務などが定められ、民間放送より高い責務として、視聴者の要望を満たし、文化水準の向上に寄与すること、地域向け放送や国際放送の実施などが明記されております。 NHKの次期経営計画では、放送を太い幹としつつ、インターネットも活用して情報の社会的基盤の役割を果たしていくこととしていますが、その目的を明確にするために、NHKが追求する公共的価値を、正確、公平公正な情報で貢献、安全で安心な暮らしに貢献、質の高い文化の創造、地域社会への貢献、日本と国際社会の理解促進、教育と福祉への貢献の六つに整理してお示ししました。この六つの公共的価値を実現することを目標に、放送と通信の融合時代にふさわしい公共メディア、NHKへと進化してまいりたいと考えております。
○又市征治君 申し上げているのは、番組、報道の質の問題。やはり、いろんな報道評論家なんかに言わせても、政権へのそんたくが目に余るのではないかとか、娯楽番組にしても民放と同じような感覚、内容のものをNHKがやる必要はないのではないのかなどなど、様々なやっぱり批判がありますよね。だから、そういうものも謙虚に耳を傾けて、NHKらしさを絶えず追求を願いたいということを申し上げておきたいと思うんです。 次に、放送と通信の融合問題に関して伺いたいと思いますが、このNHKの経営計画は現行の放送法の制限に従ってやると、これは当然のことです。しかし一方で、今日もずっと議論になっていますように、放送と通信の融合、あるいはその時代の到来などということが語られる中で、このNHKの立ち位置をどのように考えるかというのは重要な検討課題の一つになってきたんだろうと思うんです。 そこで、まずお聞きをしますけれども、この放送と通信の融合、あるいはその時代の到来と言われる下で、NHKはこれまでどのようなものとしてこれを捉えて、そして、その中でNHKの役割をどのように考えてきておいでになるのか、公共メディアという、こういう概念がNHKに役割を規定しているということなのかどうか、その点についてお答えいただきたい。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 インターネットの利用拡大や携帯端末の急速な普及などにより、視聴者のコンテンツ視聴や情報取得の在り方が多様化してまいっております。一方、インターネットの浸透により、不確かな情報の拡散やお互いのつながりの希薄化が深刻に受け止められ、意見の分極化や社会の分断を懸念する声もあると承知いたしております。 こうした社会のありようが急速に変化する中でも、NHKは引き続き、国民の知る権利を充足し、放送法を遵守しながら、自主自律を貫いて、健全な民主主義の発達と文化の向上に寄与してまいりたいと考えております。そのためにも、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用して情報や番組を届け、情報の社会的基盤としての役割を果たしてまいりたいと考えております。
○又市征治君 放送と通信の融合といっても、それは放送とネットをつなげばいいという問題ではないんだろうと思うので、融合の中でメディアの役割も異なってくるのかもしれません。NHKは、やはりこの融合時代における自らの役割をむしろ積極的に打ち出すぐらいの構えが今必要になっているんじゃないかな、こんな感じがいたします。そのことだけ申し上げておきたいと思うんです。 これの文脈で、最近、放送法の改正問題が頻繁に報じられてきたわけですけれども、報道によれば、安倍総理自身が、一月末にIT関連企業が集まる新経済連盟の新年会に出席をして、ネットテレビは放送法の規制が掛からないが、見ている人にとっては地上波と同じだ、日本の法体系が追い付いていない、大きな改革をしなければならないと発言をし、また、未来投資会議でも放送事業の大胆な見直しが必要だというふうに述べ、電波制度改革に意欲を示されたと、こういうふうに伝えられています。 このような流れの中で、日本民間放送連盟の井上会長が、インターネットは自由に発信できるが、フェイク、いわゆる偽ニュースなども起きて混乱期だ、一度に早急に決めない方がよいのではないか、ネットとテレビは似ているけれども媒体として違う、画面で見れば同じだが、放送はいろいろな設備と組織を持ち、お金を掛けて番組の信頼性を高めていると発言をされています。 これとの関連で、この放送法の改正について、NHKとしてはどういうふうにこれを受け止めているのか、あるいはまた、現行放送法で放送制度の発展に果たしてきたこの四条などの役割というものをどう受け止めているのか、この点についての認識を伺います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 日本の放送は、放送事業者の自律を基本とし、放送番組編集の自由などの重要な原則を定めた放送法の下で発展してきたものと認識いたしております。放送、通信の融合などメディア環境の変化が進む中でNHKが引き続き情報の社会的基盤としての役割を果たしていくため、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用してまいりたいと考えております。 現行の放送法で認められていないインターネットによる放送の常時同時配信につきましては、二〇一九年度に開始したいと考えておりまして、関係者や視聴者・国民の理解を得る努力をしているところであります。
○又市征治君 今日も何人かの委員から出ていますけれども、放送法、いろいろと時代の変遷に沿って変わることがあるということもあり得るかもしれませんけれども、先ほども出ましたように、やっぱりこの四条そのものは本当に放送における規範、原則的なものだと思うので、それを変えて撤廃をするなどということはあってはならぬのではないのか、こんなことを思います。そういう立場をNHKとしても是非堅持をしてもらって、むしろインターネットの側を規制をしなきゃならぬというぐらいのことが大事なんだろうと、こんなふうに考えていることを申し上げておきたいと思います。 次に、NHKの働き方改革について幾つか伺いたいと思います。 先ほども出ましたが、職員の佐戸未和さんの過労死を機に、昨年十二月にNHKグループ働き方改革宣言が出されました。その冒頭には、「NHKグループは、業務に携わるすべての人の健康を最優先に考えます」と、こんなふうに宣言されていますけれども、こういう言葉を聞くと、私、ちょっと違和感を持つんです。じゃ、NHKは今まで何を最優先にして、何を犠牲にして業務をやっていたのかと首をかしげたくなるくらいなので、こういう美辞麗句であってはいかぬ、こんなふうに思うんです。 そこで、まずここでは、ちょっと聞いておきたいのは、ここ数年のNHK本体で働く職員の平均的な超過勤務時間、どの程度になっているのかというのをまずこれ一つお聞きをします。 もう一つ、この予算を見ますと、今年の給与費を見ると現状維持、昨年度の予算と全く同額、こういう格好になっています。どうもここ十数年、まあ不祥事問題もあったかもしれません、給与は全然改善されていない、こういう格好で来ていると思うんだが、一体全体キー局などの同業他社と比較をした場合にどういう水準になっているのか、この点。この二点、まずお聞きをします。
○参考人(根本佳則君) お答えいたします。 NHKの所定外労働時間、いわゆる残業時間ですけれども、過去十年間、月間平均三十時間台で推移しております。最近は働き方改革の取組によりまして漸減傾向にあるということです。 それから、NHKの平均年間給与は、在京の民放や大手新聞社に比べまして一、二割程度低くなっております。賃金の改善につきましては、平成十四年度以降、ベアは行っておりません。定期……(発言する者あり)ベアは行っておりません。ベースアップですね。定期昇給は制度どおり毎年実施をしてきております。 平成三十年度は、人材確保面で競合する同業他社などのほか、公務員、民間企業の給与水準、社会経済情勢も注視しつつ、職員のモチベーションの維持向上やNHK全体のパフォーマンス向上という観点も踏まえ、賃上げについても予算内で適切に対応していく考えでございます。
○又市征治君 世間は今春闘でも昨年を上回る賃上げ状況にあることはNHKが一番よく知っていると思う、みんな調査をしてね。賃金はもちろん労使の間で当然議論をして決められるわけでありますけれども、政府が挙げて、何とかこのデフレからの脱却のためには、あるいは経済の好循環を図るためには三%程度賃上げをしてほしい、こういって企業にみんなに要請をしている。こういう状況の中で十何年も賃上げ全然なしで、定期昇給というのはあんなものは賃上げじゃないんだから当たり前なんですよ。そんなことを胸張って言うような話じゃない。 そういうわけで、やはりこれも積極的に、今もあなたが最後におっしゃったけれども、NHK職員として誇りある仕事を担う、そういう意味で、同業他社から一割、二割低いなんという話じゃなくて、引けを取らないような処遇をこれは労使でしっかりと議論をして決めるべきだろうということだけ意見としては申し上げておきたいと思います。 そこで、働き方改革の二は、業務の改革やスクラップ化を進め、効率的な働き方を追求しますと、こういうふうになっているわけですが、他方で、今回発表された経営計画には実に多くの事柄が盛り込まれています。どのようにしてこの目標を実現するのか、少し具体的に教えていただきたいと思います。 また、NHKでは裁量労働制が導入されていると思いますけれども、実際の労働時間の把握はどのようにされているのか、これ二点目に。 三点目には、改革では、スタジオ収録の時間の制限であるとか地方放送局の泊まり業務の廃止など、労働時間を縮減するために具体的な施策が盛り込まれていますけれども、これ自体は大変結構だとは思うんですが、この超過勤務の縮減が逆に労働密度を強化をすることになって、そして結果的に職員の賃下げになっていくような話じゃ、これは意味なさぬわけで、この点はどういうふうにお考えになっているのか。この三点、お聞きをいたします。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 私の方から一点目を御回答させていただきまして、二点目以降は人事を担当しています理事の根本の方から回答させていただきます。 次期経営計画では、グループ一体となり、効率的で透明性の高い組織運営を推進することを掲げておりまして、公共的価値の実現の観点から業務全般を不断に見直し、効率化を進めるとともに、新たな取組、重点業務に経営資源を集中させていきたいと考えております。経営計画の着実な遂行、目標の実現に向けて、NHKグループが一丸となって全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○参考人(根本佳則君) 勤務時間の把握のことでございますけれども、勤務時間はタイムレコーダーの記録や、記者自身がシステムに入力した出勤と退勤の時刻を上司が承認する形で今把握しております。出勤から退勤までの時間を暦月積算した時間数を健康管理時間と呼んでおりますが、この健康管理時間を把握し、その時間数に応じて段階的な健康確保措置を実施しているということでございます。 それから、深夜・休日労働につきましては、事前申告、上司把握を徹底し、その時間数を把握することにしています。それから、適切な勤務管理の推進の観点から、外勤の多い記者の勤務を迅速、正確に把握するため、業務用スマートフォンで勤務打刻できるシステムをこの三月から一部試験的に導入しております。 それから、先ほど労働強化で賃下げになるのではないかというような御指摘でございましたけれども、働き方改革を進めるに当たりましては、これまでの業務の在り方や業務フローの見直しなど、より効率的で生産性の高い働き方の推進が欠かせないというふうに考えております。健康を最優先にして、新しい仕事のやり方を構築していきたいというふうに考えております。 割増し賃金は深夜労働や休日労働の時間数に応じて増減いたしますけれども、働き方改革によって深夜・休日労働が減ったとしても、働き方改革に対する職員の努力や成果を適正に評価して処遇に反映し、結果としてNHK全体のパフォーマンス向上につなげていくように今取り組んでおります。
○又市征治君 裁量労働制は何人いるのか。裁量労働制。
○参考人(根本佳則君) 裁量労働制を適用している記者は全国で約九百名です。
○又市征治君 いずれにいたしましても、働き方改革、しっかりといい方向に、先ほども申し上げたように、その結果として労働密度が強化になりましたなどということに陥らないように是非やっていただきたいと思います。 その関連で、総務大臣に一つこれは御注文申し上げたいと思うんですが、大臣意見、見ました。 今日の配られている放送法第七十条第二項の規定に基づき承認を求めるの件のこの資料の五十九ページ、あちこち、いつも大臣の、えらい細々とあれもしろこれもしろといろいろと書いてある。これももう一遍見直したらいいと思うけれども、その中で、この五十九ページの上の丸一つ目ですよ、ここのところに、この大臣意見に数多く注文が盛り込まれているけれども、「要員数の削減も視野に」、こういうのが載っています。 経営の効率化とか適正な人員配置とかと言えば済む話を、あえて大臣名の意見にこれを盛り込むのか。私に言わせると、こういうのは箸の上げ下ろしまで一々注文を付けるという話じゃないのかということだと思う。大臣が全部目を通されておったら、これはこんなことまでというふうに多分切られたんだろうと思うけれども、事務方の文章をそのまま見落としでこのまま来たんだと思うけれども。やっぱりちょっとこれは何ぼ何でも言い過ぎですよ、大臣の意見としてこんな要員削減なんということを言うというのは。少なくとも、こういうところは適正な人員配置あるいは効率的な運営に努めろということでたくさんな話を、ついつい総務省の職員までがこんな格好でNHKまで業務監査やっているみたいなね、こんな話ではないわけであって。 是非、ここのところは、私、大臣、今日ここでいいとか悪いとかと言うつもりはない。こういうことについて少し見直してもらって、大臣意見で私は前からもう何遍も申し上げている。二十何項目も一々一々こんなにたくさん書くことあるのかということも申し上げてきているわけで、このことも含めて大臣意見についてはやっぱり是非見直していただきたいなということを率直に思うんですが、そのことについての検討されるかどうかだけ、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 今御指摘の要員数の削減もという言葉なんですけれども、必ずしも全組織一律の削減ということではありません。もうどんどんイノベーションが進む中で、必要なところはしっかり配置して、不要になったいろんな仕事についてはしっかり削減して、全体として効率的な人員配置に努めていただきたいという趣旨なんです。 なぜそういうことを申し上げるかというと、やはり先ほどから申し上げているように、NHKは国民・視聴者に納得して受信料を御負担いただいている、そういう中で、様々な御意見を踏まえて、しっかりとNHKは御負担をいただくけれども効率的な経営を努めている、そして適時適切にその働く人たちもきちっと取り組んでいるということ、そういう観点から指摘をさせていただいたものです。決して働き方改革と逆行しているわけではなくて、既存業務については全体しっかり見直していただくとともに、そして、もう不要な業務というのも当然あるはずですから、そういうのは業務の活性化ということでしっかり取り組んでいただきたいと、そういうことを申し上げている次第です。
○又市征治君 やっぱり私、それでも大臣意見としては行き過ぎだと思いますよ。 さっき太田先生が配ってくれた資料から見れば、一万三千人が一万人に減っているわけですよ。そういう傾向にあるのにまだ人を減らせみたいなことを言うことじゃ、人が伸びているなら私はそういう指摘があってもいいと思う、だけれども、ちょっとやっぱり行き過ぎだと思って、これは検討をしてくださいと私申し上げているので、削れと言っているんじゃありませんから、是非そこのところは御検討願いたいと思います。 そんなことを言ったら、時間がなくなってしまった。 4K、8K問題、ちょっと急いでお聞きをしますが、平成三十年度の収支予算と事業計画の説明資料を見ると、いろんな支出項目の中にこの4K、8K関連項目出てまいります。例えば、事業支出では調査研究費、チャンネル別予算ではスーパーハイビジョン試験放送等々ありますが、この予算の中で4K、8Kスーパーハイビジョン関連の予算は総額どのぐらいになるんですか。
○参考人(大橋一三君) お答えいたします。 三十年度予算における4K、8Kのまず本放送の実施に要する経費、これは物件費と人件費と減価償却費を含めた総額でございますけれども、これは二百五十七億円となります。事業支出に占める割合でいいますと三・六%。そのほかに、本放送が始まる前まで試験放送がございますので、その試験放送はそのほかに六十二億、これが4K、8Kの総額ということでございます。
○又市征治君 今年の十二月から開始される新4K、8K衛星放送の受信機の値段がどのくらいで、どの程度の普及率になると見込まれているのか。これはどこにお聞きした方がいいのか、NHKなのか総務省なのか。 視聴者の一部しか見られない放送のために視聴者全員から徴収する受信料を使うとなると、視聴者の理解、全体の予算とのバランスが問題になるんだろうと思うんですが、この点についてのNHKの認識はどうですか。
○参考人(大橋一三君) 最初の受信機の価格については、ちょっと私ども、お答えする立場でないのでお答えできませんけれども、我々NHKが4K、8Kの取組にどのような対応をしているかということでございますけれども、4K、8K、まず認知度を高めて、そのためにも高精細の魅力的なコンテンツの制作、放送や、例えばFIFAワールドカップサッカーなどのパブリックビューイングなどを通しまして、そういう魅力をまず知っていただくと、そういうことを積極的にまずは進める。これも公共放送として先導的な役割を果たしていく上で必要だというふうに考えています。 ただ、一方で、放送の実施に当たりましては、現行の地上衛星放送の番組と一体制作をいたしまして、4Kで作った番組を同時に2Kで放送するというような効率的な実施も考えてございまして、今後、コストの増加を極力抑制をして効率的に実施をしていきたいというふうに考えております。
○政府参考人(山田真貴子君) 外付けチューナーなしに視聴できる受信機でございますけれども、放送開始に間に合うように今年の秋以降発売されると聞いておりまして、現時点ではちょっと価格というものは把握はしておりません。 4K、8Kの普及につきましては、政府として二〇二〇年に全国の世帯の約五〇%で視聴できるということを目標としているところでございます。
○又市征治君 五〇%。実際上は4K、8Kは相当大きな画面で見ないとその良さは実感できないんだろうと思うので、その点からいうと、視聴者は従来よりも高価な受信機を買わなきゃならぬということなわけで、格差や貧困が拡大をしていると言われるこの中にあって本当に視聴者がそこまで魅力を4K、8Kに感じるのかどうか。この技術そのものの開発は私は大変大事ないいことだと思うんですけれども、単に家電業界の新商品開発の片棒を担ぐような格好であってはならぬのじゃないのかということだけ申し上げて、時間が来てしまいましたので、今日は終わりたいと思います。
○江崎孝君 最後になると大分疲れてまいりまして、会長も大変だろうと思いますが、もうしばらくお付き合いいただきたいと思います。視聴者の皆さんももう付き合っていただいていないかもしれませんが。 昨年、私が会長に御質問したのは、BBCの話をさせていただきました。そして、あのときは、私はフォークランド紛争のときのサッチャー政権と当時のBBCの関係をお話をさせていただいて、公共放送の在り方を問わせていただきました。そのとき、会長は、「あくまでも公平公正、自主自律を貫き、何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えていくということが役割だと認識いたしておりまして、その認識を基に今後の執行の任に当たっていきたい」という、こういうふうにお答えいただいておりますが、この一年間、その思いはどこまで遂げられたでしょうか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 今、江崎委員から御指摘がありましたとおり、私は昨年の参議院総務委員会で、ニュースや番組が外からの圧力や働きかけによって左右されてはならず、報道機関として公平公正、不偏不党、自主自律を堅持すると答弁させていただきました。この認識は現在も変わっておりません。 NHKは、放送法にのっとり、事実に基づいて公平公正、不偏不党、何人からも規律されることなく自らを律して放送に当たっており、今後も変わりはないというふうに考えております。
○江崎孝君 そのお気持ちを持ち続けていただきたいと思いますけれども、その上で、先ほど午前中、森本委員の方から質問があったときに、政府からの独立という言葉をお使いになりました。私は、少々これに対しては疑義があります。政府からの独立は、元々政府から独立しているわけでありますから、あえて政府からの独立というのを考え方の一つに言うことはあり得ないし、もっと言えば、前会長も、御存じのとおり、政府が右と言うものを左と言うわけにはいかないという、こういう物議を醸されました。これも私はあの前会長の認識が間違っていたのかなと思うんですが、政府が右と言うものを左と言ってしまったら、これは間違った報道になります。政府が右と言うものは右とちゃんと伝えるということが、これ公平公正な報道です。しかし、それに対して対立する意見があることもちゃんと伝えていく、そういうことが不偏不党、公平公正だというふうに私は認識をしているわけでありまして。 そこで、今回も、決してBBCだけが僕はいいとは思いません。日本のNHKが優れている面も相当あります。ただ、この報道という、ジャーナリズムということに関して、やはり見習うべき点は相当あるんじゃないかな。 そこで、イラク戦争時のグレッグ・ダイクという当時の会長、私が質問したときに、会長はBBCのその流れも含めて勉強しますとおっしゃったので、ひょっとしたらもう知見があるかもしれませんけれども、このグレッグ・ダイクという、これ結局辞めさせられるんですね、自分で辞任されます。それ、何で辞任されたかというと、イラク紛争時、戦争時ですね、御存じのように、ブレア政権は四十五分以内に大量破壊兵器を使用可能なんだということを言ってイラク戦争に加担をしていきます。そのときにBBCの記者が、それはうそだと、四十五分というのはうそだと、こういう報道をするんですね。これに対してブレア政権は相当な批判、キャンペーンを広げるわけですよ。 そして、結果的に、BBCは、これは記者を守り通します。しかし、このBBCの記者に提供したデビッド・ケリーという博士が自殺をするんですね。政治に絡まって、こんな状況がやっぱりイギリスでも起きているわけですね。そして、それの自殺の原因を突き止めるという検査委員会を政府は立ち上げて、その委員会はBBCを非難する結論を出すわけです。 当時のBBCの経営委員会は、これはNHKの経営委員会と同じようですけれども、経営委員会は、そのことを察して辞任をさせる方向で動きをします。それを知って、そのグレッグ・ダイクというのは自ら辞任をするわけです。ここからなんです。ここからがこの話の大きなところなんですけれども、それを知ったBBCの職員が立ち上がるんです。グレッグ・ダイク、間違っていない。で、あっという間に募金を募って、職員から、デーリー・テレグラフという新聞に一面報道するんですね。それぐらいにダイクというのを擁護するわけです。これはBBCと、BBC会長であるグレッグ・ダイクとブレア政権の、その権力との闘いを見ているわけですね。 そのデーリー・テレグラフに出た報道の、職員が書いたコメントの一部なんですけれども、グレッグ・ダイクは、恐れることなく真実を追い求めるBBCのジャーナリズムに勇気と権力からの独立と強靱さを与え、それを守った、BBCが決意を後退させることなく、これからも引き続いて真実を追求していくことを固く我々は誓うと。その後、このグレッグ・ダイクもコメントを出しています。これは、民主主義社会ではメディアと政府は決定的に違う役割を担っており、放送メディアが中心に持つ役割の一つが、時の政府に対して疑問を投げかけ、彼らが掛けてくるいかなる圧力に対しても抵抗して立ち上がるというものであるということなんです。 ですから、先ほど会長が言われた、政府からの独立では物足りない。政府の権力からの独立なんです。このことを是非僕はお考えいただきたいと思いますけれども、今の僕がるる、長くなって済みません、説明したことに対して、何かお考えがあったらお聞きします。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 貴重な逸話、ありがとうございました。 NHKは、公共放送として、公平公正、自主自律を貫き、何人からの圧力や働きかけにも左右されることなく、視聴者の判断のよりどころとなる情報を多角的に伝えていくことが役割だという認識は変わっておりません。NHKの放送ガイドラインでも、放送の自主自律の堅持が信頼される公共放送の生命線であることや、放送の基本的な姿勢として、正確、公平公正などを掲げております。 NHKといたしましては、こうした考え方を堅持し、これまでどおりニュースや番組の内容に責任を持って放送を実施してまいりたいと考えております。
○江崎孝君 権力からの独立というのを貫いていただく、これ大変難しいと思います。 それで、ちょっと通告していないんですけれども御質問させていただきますが、前会長時代、上田会長は、例のタクシー問題をベースとした調査委員会というか監査委員長だったので、調査委員会の委員長をされて、ここにこの場で報告されました。 どうですか、あのようなタクシーの使用の仕方、内部からいろいろな情報が出るような使用の仕方されていませんか、会長、今現在。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 私といたしましては、タクシーの車の利用もそうですし、夜の宴会等の費用もそうですし、しっかりと私の方で規律を持って対応しているというふうに自負しております。
○江崎孝君 ありがとうございます。 実は、今言ったとおりですが、あの情報も週刊誌を中心として動き出しました。これもちょっと通告していないので、午前中の委員会からの続きなんですけれども、午前中、杉尾委員と山下委員の方から、国際報道の問題点について、質問というか、情報がお二人の議員に寄せられた、そのことを質問されたことは御記憶にあると思いますね、午前中ですから。 その際に、オレンジブックというものがあるということを言われたと思います。これは、二〇一四年にイギリスのザ・タイムズという、記事に載っているわけですね。これは決していいものではありません。NHKの内部文書、オレンジブックにより、NHKが国際放送の担当者に、南京大虐殺や慰安婦問題について、この表現では駄目、この表現をするようにといった細かい通達をしていることを明らかにしたものだと外国の新聞に報道されちゃったんですね。写しはここにあるんですけれども。 会長、こういうものが内側から出された、そして外国のメディアに報道された。国内では余り報道されていません。こういうことがあるわけで、このオレンジブックというものを会長御存じでしたか。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 オレンジブックというのの存在は、私は知っておりました。その内容に関しましては、専務理事の、どういうふうに対応すべきかということに関しましては坂本の方から回答させていただきます。
○参考人(坂本忠宣君) 御指摘の件でありますけれども、ほかの報道機関でもあるものと同じように、用語の統一を図ると、そのための、従来から作成してきていると、そういうものでございます。現場の取材、制作のところでこういうものを作成しているということであります。
○江崎孝君 実は、昼休みに直接電話しました。そうしたら、存在するということです。 それで、私は、今、一般的なそういう報道の統一的な用語であればこういう問題になっていないわけでありますから、委員長、総務委員会にこのオレンジブックという資料を提出をしていただくことを求めます。
○委員長(竹谷とし子君) 後刻理事会で協議いたします。
○江崎孝君 是非よろしく御協力をお願いをしたい。 先ほど会長が冒頭おっしゃったこと、公平公正ということ、そして、先ほど僕がBBCの話をして権力からの独立という話をしたことに対して、自らそういう方向性で頑張るという決意を言っていただきました。 であるならば、やはりこういう誤解は解かなければなりません。そして、何よりもまずは、上田会長、率先をして、不偏不党、公平公正、そして権力からの独立という考え方を、NHKの組織の中にこれを広げていっていただかねばなりません。改めて決意をお願いをします。
○参考人(上田良一君) 度々申し上げていますように、NHK、公共放送、公共メディアとしてのしっかりした役割を、それを総理する会長としてしっかり果たしてまいりたいというふうに考えております。
○江崎孝君 それでは、後日オレンジブックが出てきた段階でまた議論をさせていただきたいというふうに思います。 ちょっと順番を変えまして、公共メディアへの進化を目指すという今回のこのNHKの経営計画二〇一八—二〇二〇ですけれども、その中で、公共メディアというのはいろいろ、どういう方向性かというのはまた時間があったら後でお聞きしますけれども、新たな分野への取組ということになると、当然これは業務の量だけではなくて、業務の質の向上も要求されると思うんですよ。 そんな中で、働き方改革というのをどうやって実現をしていこうと思われるのか、具体的な考え方をお教えいただきたいと思います。
○参考人(上田良一君) お答えいたします。 経営計画の実現、公共メディアへの進化のためには、NHKグループの業務に携わる全ての人の健康を最優先に考え、その上で創造性を発揮できる環境を確保しなければならないと考えております。そのために、働き方改革に加えて、地域改革、グループ経営改革の三つの改革に取り組んでいくことを掲げております。 それぞれの改革を着実に遂行するための体制の整備を進め、これまでの慣行を打破し、公共的価値実現の観点から業務全般の不断の見直しに取り組んでまいりたいと考えております。 NHKグループ働き方改革宣言で掲げておりますのは、単なる労働時間の削減ではなく、業務の改革やスクラップを進め、効率的な働き方を追求することで職員一人一人の生産性や創造性が一層高まり、結果として視聴者サービスの維持向上にもつながるものというふうに考えております。
○江崎孝君 それは分かります。それは、ある面では、言葉がちょっと適切かどうか分かりませんが、極めてスローガン的な話でございます。 もっと言えば、よく働き方改革の中に、長時間労働に頼らない組織風土をつくるというふうに言われています。そうすると、これまで長時間労働に頼っていた組織風土だったということになります。その大きな犠牲といったら本当に申し訳ないんですけれども、佐戸さんのことが起きたわけでございますから、その長時間労働に頼る組織風土というのは一体どういう風土だったんですか。これ、通告していますよね。
○参考人(根本佳則君) お答えいたします。 ニュースを取材する報道現場や番組の制作現場では、公共放送の使命の達成という目的の下で、長時間労働を前提とした働き方になりがちであったというふうに考えております。このNHKグループ働き方改革宣言で掲げたのは、そうした組織風土を改め、健康を最優先に働き方を変えていくことだというふうに思っております。
○江崎孝君 やっぱり、これ非常に表面的な話だと思うんですね。僕は、やっぱり最大の原因は、現場の勤務時間の実態を上司が把握をしていなかった、これに尽きる。 やはり、事業外みなし労働でしたか、そういうのを使っていたことによって、管理監督する立場である上司が、部下がどんな働き方をしていたかということを把握をしていなかった。把握をしていたらば、いろんなアドバイスもできたはずです。往々にして、大体過労死の場合というのはそういうことが原因となっているのが僕は多いと考えています。 その意味で、この働き方改革というのは、やっぱり現場の実態をその上司、その上司の実態をそのまた上の上司の皆さんがきちっと把握をして、そのときそのときに適時対応を取るということに尽きると思いますが、どうでしょうか。
○参考人(上田良一君) 私も、現場、現物、現実というのをよく申し上げますけれども、NHKの場合は非常に多様性のある業務を担当いたしておりまして、働き方改革に関しましても、一般的ないろんなルール、これも当然必要な部分は全局的に導入いたしますが、個々の、例えば報道部門、記者を中心とする、それから制作部門、ドラマなんかの制作、営業部門、技術部門とありまして、それぞれの現場を踏まえて、現場の意向も徴しながら、しっかりとした現実、具体的な施策をつくって、それにしっかりと対応し、実行に移していくということで、役員間、役員も含めて、それぞれの担務のところでしっかり自分の領域をそういう観点から見て、働き方改革の具体的な施策を立てた上で実行に移すように、これを徹底するべく、今も度々会議を行いながらそれに取り組んでもらっております。
○江崎孝君 是非、そこが抜けると、もうスローガンだけが現場に下りてくれば、これはこれでまた大変なというか、そのスローガンを実行するためにまた変なところにしわ寄せが行ったりするわけでありますから、特に、三つの進化と、三つの主体的改革とおっしゃっていますね、この二つがしっかりかみ合わなきゃいけないわけです。 三つの主体的改革、働き方改革、これがトップになければ僕はならないと思います。是非お願いをしたいと思いますし、そして、最後の最後はやっぱり人員増なんです、最後の最後は。もしそれでできなかったら。やっぱりスクラップしたり、業務改革したり、今の働き方改革でどうしてもやっぱり解決できないということは、これはどうやったってもう人を増やすしかない。先ほどの太田先生の方からあったように、あれだけ減らしているもの、まあ総務省から要員の云々とかという要らない指示も出ているというふうに又市先生が言われましたけれども、そこはやっぱり自信を持って、会長としては人が必要だったら増やしていくという決意も必要だと思いますが、どうでしょうか。
○参考人(上田良一君) 要員に関しましては、今委員の方から御指摘ありましたように、スクラップ等も勘案した上で、まずは現有要員の中でできるところから対応していきたいと思いますが、いずれにいたしましても、受信料で運営されていますNHKとしては効率的な業務体制が求められておりますので、まずは既存業務の見直しにより効率的な業務運営を進めていくことで、安定的に、かつ持続可能な業務要員体制を構築してまいることが基本であるというふうに考えております。 三十年度においても、既存業務を見直すことで重点業務への対応に必要な要員を確保しております。その上で、各職場でも適切な業務管理をしっかりと行い、長時間労働に頼らない業務体制を構築してまいります。今後も、経営資源の最適配分を行い、その時々の状況を踏まえ、各年度の収支予算、事業計画において要員規模を検討してまいりたいと考えております。
○江崎孝君 あと、ちょっと時間が来ましたので、どの質問をしようかなと思ったんですけれども、公共メディアについて、じゃ、質問することにします。 放送法の改正がこれは当然必要になってまいります。そうすると、これ東京新聞の三月の十五日に出された問題ですけれども、安倍政権の放送制度の改革方針案のポイントが、イの一番が放送法四条の改正になっています。 私が危惧するのは、公共メディアへの進化のために放送法の改正が必要となる、それは二〇二〇年の東京オリンピックを目指すのであればその前に当然やらなきゃいけないとなると、総務省も本来は批判を、反対をされている放送法の四条、これは官邸サイドが放送法の四条を中心にして放送法改正という流れをつくってくるとすれば、そこに公共メディアへの進化というNHKの方針のある放送法の改正、これは四条とは関係ありませんので、非常に政治的に混乱をする。あるいは、こっちはやらなきゃいけないんだけどこっちは反対だという状況が目に見えてくるわけですね、放送法の四条を本当に改正しようとする状況であれば。 これは会長なのでしょうか、僕、通告していませんけれども、どちらでも結構です、大臣でも結構ですけれども、その微妙な政治的なこの流れをどのように、公共メディアへの進化というのを広げていこうとすれば、そこの微妙な問題点を整理しなければなりません。そういう覚悟がおありになって公共メディアへの進化というのをやっぱりおっしゃっているのでしょうか。必ずその問題が僕は出てくるんじゃないかな。 放送法の四条が仮に一緒に改正されたとすれば、NHKの公共放送の意義である放送法の四条の部分をNHKの十五条以下のところにもう一回書き込まなきゃいけないという、多分こういう作業が出てくる可能性があります。そういう全体像を考えた上での公共メディアへの進化ということをおっしゃっていらっしゃると思うんですが、その思いを少しお聞かせいただければと思います。
○委員長(竹谷とし子君) 答弁はどなたに求めますか。
○江崎孝君 会長か大臣か。
○参考人(上田良一君) それでは、まず私の方から先に回答させていただきますが、私どもの方では、あくまでも二〇一九年、それは二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックを目指して、その時点ではいわゆる常時同時配信、これをやりたいという、こういう意向を持っていまして、それをいろんな形で御説明するとともにお願いしているわけです。 放送法の改正で、どういう形で放送法を改正するかということに関しては私どもがコメントする立場にはありません。ただ、四条に関しては、一般論として言えばという形で何度も私の方で申し上げていますが、NHKの放送ガイドラインでも、放送の自主自律を堅持すること、正確、公平公正などを掲げておりまして、当然NHKとしてはこういったことも踏まえてやっていかなくちゃいけないという認識を持っております。
○江崎孝君 終わります。
○委員長(竹谷とし子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹谷とし子君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 この際、吉川君から発言を求められておりますので、これを許します。吉川沙織君。
○吉川沙織君 私は、ただいま承認されました放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対し、自由民主党・こころ、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)及び立憲民主党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案) 政府及び日本放送協会は、公共放送の使命を全うし、国民・視聴者の信頼に応えることができるよう、次の事項についてその実現に努めるべきである。 一、政府は、日本国憲法で保障された表現の自由、放送法に定める放送の自律性を尊重し、協会を含めた放送事業者の番組編集における自主・自律性が保障されるように放送法を運用すること。 また、経営委員の任命に当たっては、その職務の公共性を認識し、公正な判断をすることができる経験と見識を有する者を、全国、各分野を考慮して幅広く選任するよう努めること。 二、協会は、公共放送としての社会的使命を認識し、国民・視聴者の多様な要望に応えるとともに、放送の不偏不党、真実及び自律を確保すること。 また、放送番組の編集に当たっては、公正を保持し、事実を客観的かつ正確、公平に伝え、真実に迫るための最善の努力を不断に行うとともに、意見が分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにするなど、放送法の原則を遵守すること。 三、経営委員会は、協会の経営に関する最高意思決定機関として重い職責を担っていることを再確認し、役員の職務執行に対して一層実効ある監督を行うことなどにより、国民・視聴者の負託に応えること。 また、監査委員会は、放送法に基づく調査権限を適切に行使し、役員に不適切な行為がある場合、又は、公共放送の倫理観にもとる行為がある場合には、経営委員会と十分に連携しながら、時宜を失することなく厳格に対処すること。 四、協会は、平成二十五年に首都圏放送センターの記者が過労で亡くなられた事実を重く受け止め、協会の業務に携わる者の命と健康を最優先とし、適正な労務管理、業務・組織の見直し等を徹底的に行うことにより、長時間労働による被害を二度と起こさぬよう全力で取り組むとともに、その取組状況等を協会内外に広く丁寧に周知すること。 五、協会は、関連団体を含め不祥事が頻発していることに対し、国民・視聴者から厳しい批判が寄せられていることを踏まえ、公共放送を担う者としての役職員の倫理観を高め、綱紀の粛正、コンプライアンスの徹底、再発防止策の確実な実施等を組織一体となって行うことにより、信頼回復に全力を尽くすとともに、その取組状況等を国民・視聴者に丁寧に説明すること。 六、協会は、平成二十九年十二月の最高裁判決も踏まえ、公共放送の存在意義や受信料制度に対する国民の理解を促進し、協会に対する信頼感の醸成に組織一体となって取り組むとともに、受信契約の締結は視聴者の理解を得た適正なものでなければならないことを認識した上で、公平負担の観点から、受信料支払率の向上に努めること。 七、協会は、その運営が受信料によって支えられており、国民・視聴者に適切に利益を還元していくことの重要性に鑑み、繰越金の現状や今後の事業収支の見通し等を踏まえ、協会の収支構造及び受信料体系の在り方について、不断の見直しを行うこと。 また、国民・視聴者に対するサービスの低下や職員の負担の増大を招かないよう配慮しつつ、より効率的な体制の確立に向けた取組を推進するとともに、放送センターの建替については、建設費の大幅な増大が生じないよう万全を期すこと。 八、協会は、経営委員会や理事会等における意思決定に至る過程はもとより、財政運営上の規律、不祥事に伴う処分、子会社等の運営状況、調達に係る取引、放送センターの建替基本計画の遂行状況等について、議事録を適切に作成・管理するとともに、情報の開示・説明を十分に行うことにより、国民・視聴者に対する説明責任を果たすこと。 また、国民・視聴者から寄せられる様々な意見に対し、必要に応じ自律的に調査し、その結果を速やかに公表することにより、国民・視聴者からの信頼の維持に努めること。 九、政府及び協会は、インターネット常時同時配信を含む協会の業務の在り方について、国民・視聴者や民間放送事業者等の見解を幅広く聞きながら、受信料制度及びガバナンスの在り方とともに丁寧に検討を進めること。 また、協会は、当該検討に当たっては、協会の業務に対する国民・視聴者のニーズや動向を的確に把握し、関係者間での情報共有及び連携を図り、広く情報提供を行うとともに、インターネット常時同時配信等の通信分野における協会の在り方について、できるだけ明確かつ具体的にその将来像を示すよう努めること。 十、協会は、我が国の経済・社会・文化等の動向を正しく伝えることの重要性を踏まえ、我が国に対する理解が促進されるよう、国際放送の一層の充実を図ること。特に、外国人向けテレビ国際放送については、番組内容の充実、国内外における国際放送の認知度の向上等に努めること。 十一、協会は、本院からの要請に基づく平成二十九年三月の会計検査院の報告等を踏まえ、グループとしてのガバナンスを強化し、子会社等からの適切な還元を図るとともに、重複業務の整理等を推進し、透明性の高い効率的なグループ経営の構築に向けて、迅速かつ確実に取り組むこと。 十二、協会は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を見据えた4K・8K放送の整備及び普及促進に当たっては、過剰投資、多重投資とならないよう十分な計画性を持って行うこと。 また、4K・8K放送の普及段階を見据えた衛星放送の在り方について、国民・視聴者や関係事業者の意見を幅広く聞きながら、検討を進めること。 十三、協会は、障がい者、高齢者に対し、十分な情報アクセス機会を確保し、デジタル・ディバイドを解消するため、字幕放送、解説放送、手話放送の一層の充実等を図ること。 十四、協会は、首都直下地震や南海トラフ地震等に備え、本部等の機能や運用・実施体制の強化を図るとともに、自然災害からの復興に資する報道を充実し、併せて、災害の記録の保存・活用に努めること。 十五、協会は、サイバーセキュリティ基本法に定める重要社会基盤事業者であること及び東京オリンピック・パラリンピックに向けてサイバー攻撃の脅威が高まっていることに鑑み、関係機関と緊密な連携を図り、サイバーセキュリティの確保に取り組むこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(竹谷とし子君) ただいま吉川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹谷とし子君) 全会一致と認めます。よって、吉川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、野田総務大臣及び上田日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。野田総務大臣。
○国務大臣(野田聖子君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(竹谷とし子君) 上田日本放送協会会長。
○参考人(上田良一君) 日本放送協会の平成三十年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御承認を賜り、厚くお礼申し上げます。 本予算を執行するに当たりまして、御審議の過程でいただきました御意見並びに総務大臣意見の御趣旨を十分生かしてまいります。 また、ただいまの附帯決議は、協会運営の根幹を成すものでございますので、十分踏まえて業務執行に万全を期したいと考えております。 本日はありがとうございました。
○委員長(竹谷とし子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹谷とし子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十一分散会