消費者問題に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2018/05/30
会議録
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、伊藤孝恵君、朝日健太郎君、川田龍平君及び谷合正明君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君、杉尾秀哉君、田名部匡代君及び三浦信祐君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に太田房江君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 消費者契約法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁次長川口康裕君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 消費者契約法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福井内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(福井照君) ただいま議題となりました消費者契約法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 消費者契約においては消費者と事業者との間に交渉力等の格差があることなどから、依然、若年者を含めた幅広い年代において消費者被害が生じております。また、平成十三年の施行以降、消費者契約についての裁判例や消費生活相談事例が蓄積しており、その傾向等も踏まえ、適切な措置を講ずる必要がございます。 こうした状況を踏まえ、消費者の利益の擁護を図るため、事業者の一定の行為により消費者が困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる類型を追加する等の措置を講ずることとするため、この法律案を提出した次第でございます。 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型として、社会生活上の経験が乏しいことから、消費者が抱いている過大な不安をあおったり、消費者が勧誘を行う者に対して恋愛感情を抱いていることなどに乗じて、一定の内容を告げることを追加することといたしております。また、消費者が意思表示をする前に、契約を締結したならば負うこととなる義務の内容を実施すること等を追加することといたしております。加えて、不利益事実の不告知による取消しについても所要の改正を行います。 第二に、無効となる不当な契約条項の類型として、事業者に対し消費者が後見開始等の審判を受けたことのみを理由とする解除権を付与する条項、事業者にその損害賠償責任及び消費者の解除権の有無等を決定する権限を付与する条項を追加することといたしております。 第三に、事業者の努力義務につきましても、個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で必要な情報を提供することを明示するなどの所要の改正を行います。 なお、一部の附則規定を除き、公布の日から起算して一年を経過した日から施行することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び概要でございます。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(三原じゅん子君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員永岡桂子君から説明を聴取いたします。永岡桂子君。
○衆議院議員(永岡桂子君) 消費者契約法の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 本修正は、事業者による消費者契約の勧誘に際し、消費者が困惑し、それによって意思表示をした場合には、その意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型として、次に掲げる行為を追加するものであります。 一、当該消費者が、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから、生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏付けとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持が困難となる旨を告げること。 二、当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(三原じゅん子君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○太田房江君 自由民主党・こころの太田房江でございます。 代表質問に続きまして、質問の機会をいただきました。誠にありがとうございます。 今日は、消費者契約法の改正と、これに関連した質問をさせていただきます。 まず、消費者契約法のこれまでの運用成果につきまして率直にお伺いをしたいと思います。 消費者契約法が平成十二年に制定をされて以降、平成十八年には適格消費者団体の制度が整備をされ、一昨年にも過量契約の取消しなどを新たに盛り込む改正が行われました。また、同じ平成十二年には、訪問販売や通信販売等を規制してきた訪問販売法が特定商取引法に名称を変え、その後も規制強化の方向で五回の大きな改正が行われたというふうに認識をしております。 このように、消費者関係法は、これまで規制強化の方向、消費者保護を強める方向で改正が重ねられてきたというふうに思いますが、その後も様々な悪徳商法、例えばデート商法、内職商法、架空請求、送り付け商法、劇場型勧誘など、悪徳商法が姿を消しません。 消費者契約法は期待したような成果が上がっているのでしょうか。消費者庁はこれまでの運用成果についてどのように評価をされているか、伺います。
○政府参考人(川口康裕君) 消費者契約法は、平成十三年の施行以来、あらゆる取引分野における消費者契約について幅広く適用される民事ルールとして、裁判規範のみならず、裁判外紛争処理、消費生活相談など幅広い場面での紛争解決規範として機能することで、紛争処理の円滑化、消費者の事後救済の容易化、迅速化等に役立つとともに、事業者に対しても、事業活動に即した予見可能性の高いルールを提供することを通じて、契約当事者としての責任に基づいた行動を促してきたものと理解しております。 また、平成十九年には、消費者契約法等に違反する不当な勧誘行為等に対しまして、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体が差止め請求を行うことができる制度が施行されまして、昨年度末までに約四百五十件の差止め請求が行われております。多くの事案では、訴訟に至る前の段階で、適格消費者団体による差止め請求を契機といたしまして、事業者の自主的な対応により改善が図られており、一定の成果が上がっているものと評価しております。 また、消費者のトラブルが多い特定の取引類型に対しましては、特定商取引法において勧誘等における行為規制を定めるとともに、これに違反する事業者の行為等に対しては、行政処分など厳正かつ適切な法執行を行っているところでございます。 ただ、消費者契約法を始めといたします民事ルールにつきましては、消費者本人がどのような場合に取消しあるいは無効を主張できるかについて理解し、自ら取消しあるいは無効を主張する必要がございます。そのため、本法等の民事ルールの具体的内容、消費生活センターの機能や活動などを中心に、消費者が主体的、合理的に行動できる実践的能力を培うため、消費者教育の充実を図ることが不可欠であると認識をしているところでございます。 以上でございます。
○太田房江君 予見可能性の高いルールとして大分成果を上げてきたというふうに受け取りました。 これからも適切な運用を図るべきこの時点で今回の改正がなされたわけでありますけれども、現在、成年年齢を十八歳に引き下げる民法改正案が国会で審議中でございます。十八歳と十九歳の方は、現行法では未成年を理由に契約を取り消すことができるということですけれども、成年年齢が引き下げられることによって、年齢を理由にした契約取消しがこの二つの年齢の方についてはできなくなると、こういうことであります。 今回の法改正では、主として若年層を念頭に二つの類型を取消しの対象となる不当な勧誘行為として追加をいたしております。取消し権の必要性について、それぞれデータの上ではどのような裏付けがございますか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。 二十歳代の若年者の相談件数を商品、役務別で見ますと、ビジネス教室、エステ、タレント・モデル養成等、不安をあおる告知に該当する可能性のあるものを合算いたしますと、過去三年で約二万件となっており、架空請求が主な被害内容であるデジタルコンテンツに次ぐ件数となっております。また、二十歳代の相談件数を商法別で見ますと、デート商法は過去三年で約七百件となっております。 今回の改正案は、消費生活相談の専門家等を構成員とする消費者委員会の専門調査会の提言を踏まえまして策定されたものであり、既存の法制度等で対応が十分でない部分を補い、若年者の消費者被害の拡大防止に資するものと考えております。
○太田房江君 丁寧な御説明、ありがとうございました。 ところで、この困惑類型のターゲットは、若年層だけではなく、生計や健康などの生活の維持に不安を抱いている高齢者や身障者が不当な勧誘行為の対象になるおそれがあるということは、私も代表質問でも指摘をさせていただきました。この点について、今回、衆議院において政府案の修正がなされたと、こういうことでございまして、先ほど御説明のあったとおりかと存じますが、修正案の提案者である永岡衆議院議員に、どのような場合に取消しができるのか、お伺いをいたします。
○衆議院議員(永岡桂子君) 困惑類型に関しましては、改正後の法四条三項三号により、社会生活上の経験が乏しいことから、所定の事項に対する願望の実現に過大な不安を抱いている消費者に対する勧誘につきまして消費者に取消し権が付与されているところでございます。しかし、先生御指摘のように、消費者の困惑を伴う不当な勧誘の対象には高齢者や心身の故障を有する者も含まれるわけでございます。 そこで、衆議院における修正では、法四条三項五号を追加をいたしまして、事業者が、加齢又は心身の故障により判断力が著しく低下した消費者を対象として、当該消費者が生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、消費者契約の締結について不当な勧誘をする場合に取消し権を付与することとしたものでございます。 例えば、消費者が加齢により判断力が著しく低下をしていることから、健康面で現在の生活の維持に過大な不安を抱いているところ、このことを事業者が知りながら、この食品を買って食べなければ今の健康は維持できないというようなことなどと正当な理由なく告げまして勧誘をするといった場合に取消し権を行使することが考えられます。
○太田房江君 ありがとうございました。 困惑類型のターゲットとして、より包括的な規制に修正をされたというふうに私は評価させていただきたいと思います。 次に、困惑類型の追加、不利益事実の不告知の要件緩和等、悪質性が高いものについて今回規定をして契約取消しの対象とするということでありますけれども、一方で、事業者の側からこの規制の強化を見ますと、これまでも一生懸命消費者対応を図ってきた、適正取引を進めてきたという事業者には、これまでどおりでいいんだろうかという、取引の安定が損なわれるようなことはないかという点も点検しておく必要があると私は思います。 例えば、取り消し得る不当な勧誘行為の追加等での消費者側の要件であります社会生活上の経験が乏しい、願望の実現に過大な不安などは漠然としていて、解釈にも幅が出てくるということではないかと。人によって、あるいは経験する事項によって事情は当然異なってくるんではないかと思うわけです。 例えば、例がいいかどうかよく分かりませんけれども、冠婚葬祭、結婚式とかお葬式などは、人は当事者としてそう人生に何回も経験するものではございませんから、この面では誰しもが社会生活上の経験は乏しいということにもなるわけです。勧誘行為の適正範囲を設定するというのは、こういう場合なかなか難しい。消費者契約法が裁判規範、紛争解決規範であることは否定いたしませんけれども、日々、日常的に行われる勧誘や契約、冠婚葬祭業界でもこうした努力が行われているわけですけれども、こういう場合の行為規範として機能することも忘れてはいけないというふうに私は思うわけです。 こういった事例も含めて幅広い消費者取引について、解釈等の指針が今回はより広範に必要になってくるというふうに思いますけれども、日常の取引が混乱しないように、円滑に行われるように、解釈等の指針お示しいただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。 消費者契約法につきましては、個別具体的な事案において紛争解決規範として機能するだけではなく、日々の具体の勧誘や契約書の作成などの実務において規範となる法律であることから、解釈の明確化と幅広い関係者への周知が極めて重要と考えております。 両要件の解釈、これまで先生がお話しされたような解釈を始めまして、国会審議を通じて明らかにされた立法趣旨や各条項の解釈等の本改正案の内容につきましては、具体的事例を多く用いながら、逐条解説で分かりやすく説明を徹底してまいりたいと考えております。 また、本法案が成立した場合には、説明会の開催等により、消費者、消費者団体、消費生活相談員、さらには事業者団体を始め周知を徹底してまいります。
○太田房江君 ありがとうございました。 いろいろな業界からの要望も受けております。分かりやすい指針の作成をお願い申し上げます。 ちょっと時間がたちましたので、一問飛ばさせていただいて、消費者教育についての質問に移らさせていただきたいと思います。 消費者行政の目的は、改めて言うまでもないんですけれども、ちょっと資料を御覧いただきたいと思います。行政、消費者、事業者という三つの主体の中で、規制、支援、私は協働と書かせていただきましたけれども、こういう消費社会の中で物事が動いていると、こういうことだと思うんですけれども、消費者と事業者との間には情報の質と量、それから交渉力の格差があって、それを前提に消費者利益の擁護と増進を図るためにこの消費者行政があると、こういうことでございますが、私はこれをこのように理解しております。消費者と事業者の間の情報や交渉力の格差を原因として発生する消費者問題、これは、起こった場合には迅速に対応して消費者を適切に救済するべきだけれども、そもそもそういう問題が起きないようにする、そういう消費社会をつくることが経済全体にとっての発展にとっても私は大事なことではないかと思っております。 そういう意味で、まずは消費者教育をしっかり施す、これについての努力がまだまだ十全ではないのではないかと、私は経産省で消費者行政も担当したんですけれども、その折から考えておりました。消費者教育の充実によって消費者の判断能力を向上させる、強化する、そして、自立支援と言ってはちょっと言葉が足りないのかもしれませんけれども、そういった消費者の自立を支援することによって健全な消費社会をつくっていくということが、消費者の問題を惹起しない健全な経済の発展も実現できるのではないかと、こういうことであります。 今回の改正に関連して申し上げれば、若年層も今度この規制に入ってくるということで、これから社会の荒波にこぎ出す若者が消費者として言わば生きる力を身に付けるために適切な消費者教育を施す必要が一方であるのではないかと思います。 消費者の自立を支援する、これが消費者行政の私は基本だというふうに考えるわけですけれども、大臣は消費者教育の重要性についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(福井照君) 平成十六年に制定されました消費者基本法によりまして、消費者の利益の擁護及び増進に関する施策の基本理念は、今先生るるおっしゃいましたように、従来の保護から自立を支援することに大きく転換をしたわけでございます。被害に遭わないだけではなくて、合理的意思決定ができる、先生御指摘のような生きる力を身に付けた消費者を育成するための適切な消費者教育は、この柱になるべきでございます。もう先生御指摘のとおりでございます。 さらに、平成二十四年には、消費者教育の推進に関する法律が制定されましたことによりまして、消費者教育の重要性が一層明確化されました。 消費者庁といたしましては、この法律や同法に基づき閣議決定されました消費者教育の推進に関する基本的な方針を踏まえ、関係省庁挙げて消費者教育の充実を図ってきたところでございます。 今後とも、消費者が社会において消費者として主体的に判断し責任を持って行動できるような能力を育むよう、文部科学省などの関係省庁と緊密に連携をいたしまして、実践的な消費者教育の推進に取り組んでまいりたいと存じております。その上で、先生御指摘の消費者問題が起こらないような社会づくりという論点、そして目標論につきまして真正面から受け止めさせていただきたいと思います。
○太田房江君 大臣、ありがとうございます。 今日は、その消費者教育の問題についてお伺いするために、文科省にも来ていただきました。 現状からお聞きしたいと思います。 消費者庁と文科省は、成人年齢の引下げを踏まえた消費者教育の充実に向けて、「社会への扉」という冊子、ここにちょっと実物を持ってまいりましたけど、こういう冊子を作られまして、高校生向けの実践的な消費者教育の教材として活用していこう、そして、これを平成三十二年度には全都道府県の全ての高校で実施をしていこうと、こういう方針というふうに伺っております。徳島県では既に県内全ての高校で実施をされたというふうに伺っておりますけれども、一方でまた、文科省の側でも、学習指導要領を充実することによって消費者教育の徹底を図っていくということがうたわれるようになりました。 先ほど大臣のお言葉の中にもございましたけれども、消費者教育は、こういった「社会への扉」というようなことを全県に広げていく、これもまた当然ではございますけれども、一方で、実践的な消費者教育、こういうことに引っかかったらどうなるかというようなことを実際に知って、その被害者にならないように注意をして生きる力にしていくと、こういうことも重要ではないかと思うわけです。 消費者庁の傘下には消費生活センターがあって、そこにはたくさんの経験を持った消費生活相談員が働いておられる。多くの経験も有しておられます。各県ともこの消費者行政に今力を入れてくださっておりますけれども、こういった消費生活相談員さんのような消費者被害の深刻さを熟知していらっしゃる方に講師になっていただくなどの工夫、これを文科省の消費者教育の中でもしていただけないだろうかと、このように思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○政府参考人(下間康行君) お答えを申し上げます。 委員御指摘のとおり、国民一人一人が消費者として主体的に判断し責任を持って行動できるようにするため、学校における消費者教育が極めて重要であると認識しております。 文部科学省においては、平成十六年に制定された消費者基本法や平成十七年に決定された消費者基本計画を踏まえ、平成二十、二十一年度の学習指導要領の改訂の際に、主に社会科や家庭科など関係する教科において消費者教育に関する内容の充実を図ったところでございます。 具体的には、例えば小学校では、物や金銭の大切さに気付き、計画的な使い方を考えることや、身近な物の選び方、買い方を考え、適切に購入できること、中学校では、契約の重要性やそれを守ることの意義及び個人の責任などに気付かせること、消費者の基本的な権利と責任について理解すること、高等学校では、契約、消費者信用及びそれらをめぐる問題などについて指導しているところでございます。 本年二月に関係省庁において決定した若年者への消費者教育に関するアクションプログラムを受けまして、文部科学省では、高等学校の授業の中で、委員御指摘ございました、消費者庁作成の教材「社会への扉」などを積極的に活用しまして、契約や消費者トラブル等が身近な暮らしの中に存在することに気付かせたり、また、消費者生活相談員や弁護士等の実務経験者を外部講師として活用することにより実社会での具体的な事例を紹介してもらうなど、実践的な消費者教育を推進することとしているところでございます。 今後とも、消費者庁を始めとする関係省庁と連携し、消費者教育の充実に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
○太田房江君 ありがとうございます。是非よろしくお願いを申し上げます。 もう一度資料を見ていただきたいんですけれども、事業者の側、これも、消費者志向経営と書かせていただきましたけれども、健全な消費社会を築く上では、事業者と消費者との言わば協働、これを進めるということも大変重要なんですけれども、皆様方も御存じのように、残念ながら、今、企業の不祥事は後を絶ちません。これは消費者に直接影響が及ぶものもあれば、そうでないものもございますけれども、究極は、例えばこの間、新幹線の台車に亀裂が入るというような製造業における問題も起きましたけれども、これもひっきょう、私たち生活者の安全に大きく関わってくるという意味では、データ改ざんなども含めて、これは消費者行政にとってもしっかりとフォローしなくてはならない問題だと思っております。ここで企業の自浄作用が働かないということになりますと、長年にわたって築いてきた企業ブランドが崩壊するというだけではなくて、消費者の安全、安心にも多大な影響を与えるということであります。 ここで、時々この委員会でも議論がございますけれども、内部通報制度の充実についてお伺いをしておきたいと思います。 企業が消費者志向経営を目指して、そして消費者との協働を実現していく、そういう消費社会の形成に努めていくということのためには、やはりこの内部告発制度の充実、十全な機能ということが不可欠だと思うわけです。これもよく言われることですけれども、何か起こっても上層部のことを気にして言えないとか、あるいは経営者側の目が行き届かないとか、こういうことが往々にして起こるものですから、今申し上げたデータの改ざんや不正な会計処理や決算の粉飾等も起こってくるわけでありますから、企業の内部通報制度の十全な機能のために更に改善を加えていくべきと考えます。 内部通報制度の整備充実については、コーポレートガバナンス・コードの中でこのように書かれております。経営陣から独立した窓口の設置、例えば、社外取締役と監査役による合議体を窓口としてつくって、そこに内部通報ができるようにして、情報提供者の秘匿と不利益取扱いの禁止、これを整備していくというものでありますけれども、経産省さんにも来ていただきました。こうした内部通報に係る体制整備として、社外取締役等の活用、第三者機関としての社外取締役の活用、これ私、大変有意義だと思うんですけれども、こうした第三者の活用等は企業の中でどの程度実践されておりますでしょうか。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 企業におけるコンプライアンス、法令遵守はコーポレートガバナンスの重要な要素でございまして、消費者を始め社会から信頼を獲得することを通じて、企業の持続的な成長や中長期的な価値の向上の基盤になるものであると、このように考えてございます。 近年問題となっております事案は、品質管理に関する意識や体制が不十分であったことに加えまして、コンプライアンス確保のための仕組みが機能していなかったことなどがその原因として考えられているところでございます。 内部通報制度は、そうした問題の早期発見や是正に資するものでございまして、東京証券取引所が定めておりますコーポレートガバナンス・コードにおきましても、先ほど先生から御指摘ございましたように、経営陣から独立した内部通報窓口の設置を行うべきとされているところでございます。 平成二十八年に実施されました消費者庁の調査では、通報窓口を設置していると回答された企業千四百七十九社のうち三・五%が社外監査役又は社外取締役を通報窓口としているという結果になったものと承知してございます。 また、同年に経済産業省が実施しました調査によりますと、回答をいただきました東証一部、二部上場企業八百七十四社でございますが、このうち八%が通報された情報のうち重要と判断された案件を社外取締役に報告しているという結果になってございました。 業務執行から独立した立場にある社外取締役が内部通報制度の構築、運用に適切に関与することは、企業がコンプライアンス確保を図る上で重要であると考えておりまして、先ほど触れましたコーポレートガバナンス・コードに掲げられた原則を実践する際の指針として、平成二十九年に経済産業省が策定をいたしましたCGSガイドライン、コーポレート・ガバナンス・システム・ガイドラインでございますが、こちらにおきましても、社外取締役に期待される役割、機能といたしまして、内部通報の窓口や報告先となることを掲げているところでございます。 経済産業省といたしましては、関係機関との連携の下で、このガイドラインの普及、周知を通じまして企業の取組を促してまいりたいと、このように考えてございます。 以上でございます。
○太田房江君 丁寧な御説明、ありがとうございました。 しかし、三・五%という数字は決して十分ではないと思います。国際的にもこういう制度の充実が図られている最中だと思いますので、そういったスタンダードに後れを取らないように、経産省を始めとする業所管の官庁においてもこういった内部通報制度の充実についてしっかりと御指導賜りたいと思います。よろしくお願いをいたします。 さて、この内部通報制度については、消費者庁の方でも大変対応をしていただいておると聞いております。整備充実につきましては、ガイドラインが検討会を通じて作られたと。そして、そのガイドラインを活用しながら内部通報制度を適切に整備、運用している事業者、これが社会的にもしっかりと認知をされて評価をされるようにいろいろと努力を続けておられるというふうに聞いております。 例えば、消費者や取引先からの信頼、これが高まる、あるいは企業ブランドが向上する、さらには金融市場からの評価、株価が高くなるというようなことが、この内部通報制度の整備充実によって消費者から認知をされ、実現できることになれば、これはもっとやっていこうということにつながっていくわけだと思いますが、このためには、こうした充実整備がもっと社会的に広がっていくような仕組みというものも必要なのではないでしょうか。ガイドラインを含めてどのような取組をされていかれるおつもりなのか、消費者庁の方にお伺いをいたします。
○政府参考人(川口康裕君) 御指摘、御質問のありました内部通報制度でございますが、多くの企業が構築をしているわけでございますし、また、コーポレートガバナンスの重要な構成要素としても位置付けられているところでございますが、近年の企業不祥事を拝見いたしますと、内部通報制度が機能不全に陥っていたというふうに指摘されている事例も見られるわけでございます。このため、企業における自浄作用、あるいは法令遵守に係る取組を強化するということが大事でございまして、そのためには、各企業が整備、運用する内部通報制度の質をより一層向上させていくことが必要と考えているところでございます。 消費者庁におきましては、安心して通報ができる環境を整備するために、通報に関する秘密保持、あるいは通報者に対する不利益な取扱いの禁止の徹底などのほか、社外取締役への通報ルート等、経営幹部からの独立性を有する仕組みの整備を含めまして、実効性の高い内部通報制度の整備、運用を促すため、民間事業者向けガイドラインを平成二十八年十二月に策定したところでございます。 消費者庁といたしましては、このガイドラインの一層の周知徹底を図るとともに、このガイドラインにのっとった質の高い内部通報制度を整備する事業者を評価するという新たな仕組みといたしまして認証制度を検討しております。この秋頃を目途に導入することに向け検討を進めているところでございます。 公益通報者保護制度につきましては、現在、消費者委員会に諮問をいたしまして、その見直しにつき検討をしているところでございますけれども、これに併せまして、消費者の安全、安心の確保に向け、この認証制度も活用し、企業の内部通報制度の質の向上に引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○太田房江君 認証制度、是非頑張って実現をしてください。 今申し上げましたように、事業者の規制、消費者の支援、そして消費者と事業者の協働、この三つのバランスを取りながら、しっかりと消費者の権利を実現する行政に取り組んでいただきますように消費者庁にお願いをして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○熊野正士君 公明党の熊野正士です。よろしくお願いをいたします。 本日は、消費者保護を図る大切な法案審議でございます。この審議を通しまして、今回の改正案の趣旨あるいは解釈を明確にしてまいりたいと思います。時間も限られておりますので、できるだけ簡潔に御答弁をいただければというふうに思います。 まず、社会生活上の経験が乏しいというこの要件について幾つか質問をさせていただきたいというふうに思います。 この要件ですけれども、これは成年年齢の引下げ、これが念頭にあるという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(川口康裕君) 民法の成年年齢引下げの議論が進む中で、若年者を中心に発生する消費者被害の救済策の充実が重要な課題となっております。消費者委員会では、若年者の消費者被害の救済を含めた、合理的な判断をすることができない事情を利用して契約を締結させる類型について検討がなされたところでございます。 ただいま御指摘のありました要件でございますが、その検討等を踏まえまして規定したものでございますが、年齢によって定まるものではなく、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視すべき者については本要件に該当し得るものでございます。
○熊野正士君 一般には、この社会生活上の経験が乏しいというふうに聞くと、やっぱり若い人を連想してしまうかなというふうに思いますけれども、衆議院でいろいろ議論を様々され、今ほど川口次長の方からも答弁ございましたけれども、本要件にはいわゆる中高年も対象になるという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(川口康裕君) この要件でございますが、年齢によって定まるものではございません。社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視すべき者については、中高年も含めまして、年齢にかかわらず、本要件に該当し得るものというふうに理解をしているところでございます。
○熊野正士君 分かりました。 ここから、ちょっと大臣の衆議院本会議での答弁を確認をさせていただけたらなというふうに思います。 まず、大臣が、五月十一日の衆議院の本会議で、この要件を設けたとしても、高齢者の被害事例を含め、消費者委員会において検討されていた具体的な被害事例は基本的に適用対象となるものと考えられますと、このように答弁をなさっておられますけれども、これはもう答弁変更ないという理解で間違いないでしょうか。
○国務大臣(福井照君) 御指摘の答弁は、本要件は年齢によって定まるものではなく、高齢者であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいて若年者と同視、同じように見る、同視すべき者は本要件に該当し得るという趣旨を述べさせていただいたものでございます。したがって、答弁に変更はございません。
○熊野正士君 ありがとうございます。 また、同じ衆議院の本会議で、我が党の濱村議員の質問に対しまして、社会生活上の経験が乏しいとは、社会生活上の経験の積み重ねが、契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないことを意味するものでございますというふうに御答弁をなさっておられますけれども、これについても変更なしということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(福井照君) 本要件は、社会生活上の経験の積み重ねが、契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないような消費者であれば、年齢にかかわらず該当し得るものでありますので、御指摘の答弁につきましても変更はございません。
○熊野正士君 ちょっと、ずっと続くんですが、済みません。 さらに、続けて大臣はこのようにおっしゃっておりまして、高齢者であっても、契約の目的となるものや勧誘の態様との関係で、本要件に該当する場合がありますというふうに答弁をなさって、高齢者であってもということですけれども、この答弁ももう変更ないという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(福井照君) 社会生活上の経験が乏しいという要件は、年齢によって定まるものではなく、御指摘の答弁につきましても変更はございません。
○熊野正士君 また、衆議院の本会議で次のように答弁をなさっておられまして、例えば、霊感商法等の悪徳事業者による消費者被害については、勧誘の態様に特殊性があり、通常の社会生活上の経験を積んでいた消費者であっても、一般的には本要件に該当するものと考えております、このように答弁をなさっておられます。この答弁内容もこの解釈どおりということで、変更なしという理解で間違いございませんでしょうか。
○国務大臣(福井照君) 本要件は、社会生活上の経験の積み重ねが、契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないような消費者であれば、年齢にかかわらず該当し得るものでございますので、御指摘の答弁につきましても変更はございません。
○熊野正士君 ありがとうございます。 ちょっと質問させていただいたのは、ちょっと衆議院の方でいろいろと答弁の修正、訂正か、というふうなものもあったり、撤回するしないみたいなお話もありましたので、ちょっと確認ということでしました。 今回、全会派一致ということで、新たに修正案もこちらの方で、衆議院の方で採決をされて、参議院の方で議論ということになりましたので、その辺のところは確認を、衆議院の本会議での答弁が、いわゆる社会生活上の経験が乏しいというふうなところ、どうしても若い人というふうに読んじゃうんだけれども、そうじゃないよと、もう高齢者も入るし中年の人も十分入ってくるんだというふうなところの答弁が一番、衆議院の本会議のときに結構広く解釈をされていたのが、ちょっと途中、委員会等で狭まっているんじゃないかというような懸念もございましたので、あえて一つずつ確認をさせていただいたということで、だから、確認ですけれども、衆議院のもう本会議の大臣の答弁のとおりだということで、再度、よろしいでしょうか、答弁をお願いします。
○国務大臣(福井照君) 今申し上げましたように、全てそのまま維持させていただいております。
○熊野正士君 じゃ、もうその本会議の答弁ということで。 で、衆議院の委員会質疑を見ると、衆議院の本会議のときには、社会生活上の経験が乏しい要件として、何回も言いますけれども、消費者契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないというふうに説明されていたんですが、委員会になりますと、委員会の質疑になると、この文言の前に一般にという語句が入っておりまして、一般にというのが、大体聞くと、説明が追加されることで、一般にと言われると、普通はそんないい年をした大人だったら判断できるだろうというふうな形で、契約の目的や勧誘態様との関係で個別具体的に要件を考えるといった観点がちょっと後退してしまって、被害救済が限定されるんじゃないかなと、そういう心配があるわけですけれども、ちょっと見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(川口康裕君) いろいろ御質問をいただきますので、その御質問に沿ってお答えをしているわけでございますけれども、内容的には今大臣が申し上げたとおりでございますけれども、付け加えさせていただきますと、勧誘の態様に特殊性がある場合がございます。そうした場合に、この二つ、言わば社会生活上の経験に乏しいということから過大な不安を持って、それをあおってというふうなことで要件になっていることでございますけれども、勧誘の態様に特殊性がある場合には、それにより過大な不安をあおられる消費者が多いというふうに考えられるということがございます。 また、この要件でございますが、年齢によって定まるものではございません。消費者が若年者でない場合であっても本要件に該当し得るということをるる従来から説明してきたところでございますし、また、大臣からもただいま御答弁申し上げたところでございます。 したがいまして、この説明によって被害救済が限定されるというようなことを意図したものでも、そういうものでもないということでございます。
○熊野正士君 救済される方々が限定されることはないという理解でよろしいでしょうか。 中高年の方が救済される具体例として例示をされているわけですけれども、いわゆる引きこもりという方々を想起させるような例示がございました。ちょっと引きこもりというのは事例としてはかなり極端ではないかなというふうに感じるわけですけれども、衆議院の、これ先ほど質問もさせていただきましたが、本会議では、悪徳事業者による消費者被害については、通常の社会生活上の経験を積んでいた消費者であっても、一般には本要件に該当するというふうに答弁をなさっておられるわけでございまして、そういう意味からすると、ここのところをやっぱり消費者庁にしっかりとお聞きをしなければならないかなと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(川口康裕君) 抽象的にお答え申し上げた後に具体例を御説明することがございますけれども、具体例、中高年、若年層以外の場合に、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視すべき者、どういうものがあるかということで具体例を申し上げたことがございますが、そのような事例につきましては、本要件に該当し得る一例を挙げたものでございまして、それ以外の事例についても該当し得るということでございます。限定、一つ挙げた例がそれが全てで、そこから外れますと当たらないという趣旨で申し上げたものではありません。例として申し上げたものでございまして、それ以外の事例についても該当し得るということでございます。 消費者契約法は民事ルールでございます。行政ルール、行政規範ではございませんので、最終的には裁判所が個別具体的な事例において該当性を判断するものでございます。裁判実務の中で本要件に関する事例が蓄積されましたら、消費者庁が作成する逐条解説等に反映をして、それをまた裁判外の様々な紛争解決に役立ててもらえるように努めてまいりたいと思っております。
○熊野正士君 引きこもりはある一事例だということの理解で、それ以外にも広く検討されるというか、個別具体的な事例で判断していくということだと思いますけれども、ちょっと答弁がなかったのであれですけれども、通常の社会生活上の経験を積んでいた消費者であってもというふうにございまして、これも経験があるとかないとか関係なく、悪徳事業者による消費者被害であればというふうになっているわけですけれども、ここはそのとおりでよろしいわけでしょうか。
○政府参考人(川口康裕君) まず、一般論でございますが、通常の社会生活上の経験を積んできた消費者であっても、当該消費者における社会生活上の経験の積み重ねが、一般に、消費者契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていない場合、これにつきましては、なお社会生活上の経験が乏しいという要件に該当し得るというふうに理解をしております。
○熊野正士君 ちょっと難しかった。 実は、ちょっと、なぜこういうことをしつこく聞いているかというと、どうしても若年者に限定されるんじゃないかという危惧があるわけです。大臣も御承知のように、高齢者の被害が大きいんですね。大きいんです。本当に、被害額でいうと四兆円、五兆円という、推計ですけれども。 そういった意味でいうと、これちょっと質問ないんですが、そういう高齢者もしっかり救済するんだ、該当しているんだというふうなところで是非広く読めるようにしていただきたいと思うんですけど、ちょっと大臣、質問項目ないんですが、答弁願えますでしょうか。
○国務大臣(福井照君) 今先生おっしゃいましたように、全ての消費者被害を撲滅をするというのが目的でございます。 今回の改正案も、年齢に関わりないということで本会議の答弁は維持させていただいておりますので、そちらから御理解いただければと思います。
○熊野正士君 よろしくお願いします。 衆議院の本会議の答弁、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、結構柔軟に幅広に解釈していただいているのかなというふうに思いました。なので、先ほど太田委員の方からも御指摘ございましたけれども、分かりやすい説明の付加であるとか、適用事例の例示というものを付加して、いわゆる説明資料であるとか逐条解説とかで広く周知していくべきではないのかなというふうに考えますけれども、この点はいかがでございましょうか。
○政府参考人(川口康裕君) 先ほどの御質問に対してもちょっと補足させていただきますけれども、本改正案、政府案だけに絞りましても、例えば消費者の後見等を理由とする解除条項を無効とする条項ですとか、あるいは契約締結前に債務の内容の実施等に関しこれを新たに取り消し得るものとするなど、年齢の制限はございませんけれども、高齢者によく被害が発生するようなものにつきまして様々な角度から手当てをしているわけでございます。 こういう今回の立法趣旨あるいは各条項の解釈等につきましては、本改正案が成立した場合には、国会での御審議を通じて明らかにさせていただいた本改正案の内容につきまして、逐条解説、これ、消費者契約法はもう何版も重ねておりまして、ちょうど今月、第三版を発行することになっておりますが、それを更に改訂するような形で分かりやすい説明を盛り込みまして、それを十分周知してまいりたいと思っております。 具体的には、さらに、説明会の開催により、消費者、消費者団体、そして消費生活センターに勤務されます消費生活相談員、それから、行為規範となります、気にされております事業者団体、そういう方々を始めとしまして、周知を徹底していきたいと思っております。
○熊野正士君 よろしくお願いいたします。 次の質問に移りたいと思います。 今回、衆議院の送られてきました、修正をしていただきました五号のところについての質問でございます。 この五号のところには、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることからとなっておりまして、この著しくという要件があるために、本来、消費者被害から保護されるべき高齢者などが救済できないんじゃないかというふうな懸念もございます。この点についてどのように考えておられるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○衆議院議員(濱村進君) まず、今委員御指摘の修正案によって新設されました法四条三項五号の規定でございますが、消費者が判断力が著しく低下していることによって過大な不安を抱いている状況に事業者が付け込んで、消費者が自由な判断ができない状況に陥らせて契約を締結させたという点に不当性を認め、消費者に取消し権を付与するというものでございます。 修正案によりまして、この規定におきまして著しくという要件を付したのは、消費者に取消し権を付与する場合を適切な形で限定をするためでございます。
○熊野正士君 ちょっと、なぜ付けたのかというのは分かったんですけど、じゃ、その懸念のところですね、著しくということで外れる人が出てくるんじゃないかというふうに思うんですけど、その点はいかがで、済みません。
○衆議院議員(濱村進君) この要件に当てはめて対象とならないという方については、当然当てはまらないものと認識しております。
○熊野正士君 ちょっと、じゃ、次。 今回の修正で、加齢又は心身の故障により判断力が著しく低下していることからとして、この加齢というのは多分高齢者、心身の故障というのは病気だと思いますけれども、対象として明記をしていると思いますけれども、この病気のうち、いわゆる判断力が低下する病気としては認知症がすぐ思い付きますけれども、うつ病等でも低下することがあろうかと思います。 そこで、ちょっと質問なんですけれども、いわゆる認知症の前段階として軽度認知障害といういわゆる疾患概念があります。正常ではない、認知症とまでは行っていない、だけれども軽度、軽度認知障害だというふうな、ある。もちろんこれは専門医がきちっと診断をするわけですけれども、こうした軽度認知障害と診断された方がもしも消費者被害に遭った場合、この著しくという文言があるがために、要件があるがために、軽度の認知障害なんだから判断力が著しく低下したとは言えないというふうに解釈をされて、そして救済されないんじゃないかというふうに懸念するわけですけれども、この点に関してはどのように考えればよろしいでしょうか。
○衆議院議員(濱村進君) 今委員御指摘の軽度認知障害でございますが、確立された診断方法がないということもございますし、また、専門医でも判断が難しいというのが現状の認識でございます。 その上で、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下しているか否かにつきましては、消費者契約の締結について、事業者が勧誘をする際の事情に基づいて判断されるものでございます。消費者が認知症を発症している場合におきましては、一般的には判断力が著しく低下している場合に該当いたします。軽度認知障害の場合もこれに該当するかについては、当該消費者に係る個別具体的な事情を踏まえて判断されるべきものと考えております。
○熊野正士君 今の答弁だと、認知症であれば当然著しくということで入るということで、軽度となった場合は個別具体だということですか。だから、そこがちょっとどうなのかなというふうに思う。 実は、いろいろ調べてみると、先ほど濱村先生が、確かに診断すごく難しいみたいです。ただ、いわゆる認知症の診断として、テストをいろいろやってスコア化をして、そこまでは至っていないけれども、一応診断基準というのがあって、概念としてあります。いわゆる軽度認知症という、そういう疾患概念というか、エンティティーというか、そういうのはきちっとあるわけです。だから、そこのところの人をやっぱり十分救済できるように広く解釈していただかないと、正常な状態ではないわけで、もっと言うと、論文とか調べると、こういう軽度認知障害の方々というのは、買物であるとかあるいは金銭感覚とか、そういうところが一番最初に出てきやすいというふうな論文もあるんです。だから、そういったことを含めると、やっぱり消費者被害に遭いやすい方々だというふうに是非捉えていただいて、認識をしていただけたらなというふうに思います。 そういうことを含めて、次のあれなんですが、著しくというこの要件は、余り何かこう厳密に、著しいからみたいな形で過度に厳格に解釈するのではなくて、緩やかというか、説明の資料であるとか、先ほども申しましたけれども、逐条解説等で広く取れるような形で周知していっていただけたらなというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○衆議院議員(濱村進君) 先生の先ほどの軽度認知障害の部分について、補足をさせていただければと思います。 熊野先生の御懸念は十分理解をいたしておるつもりでございますが、軽度認知障害であれば一律に要件に当てはまるというわけではございません。ただ、一方で、事業者が勧誘をする際の事情に基づいてしっかりと判断されるべきものと考えておりますが、軽度認知障害の方が判断力が著しく低下している場合に該当すると認められる場合には、十分救済の対象になり得ます。 その上で今の御質問にお答えしたいと思っておりますが、著しくという要件でございますけれども、これは、消費者に取消し権を付与する場合を適切に限定するためだけではなくて、事業者に不当性を基礎付けるためのものとして設けたものでございまして、過度に厳格に解釈されてはならないことは委員御指摘のとおりでございます。また、適宜の方法、先生もお示しいただいておりますけれども、こうした方法を使って周知を図る必要があることも御指摘のとおりであると考えております。 著しくの要件の解釈を始め、改正案の内容については、事例を多く用いながら、消費者庁が作成する逐条解説で分かりやすい説明を行うことが必要であると考えております。
○熊野正士君 なので、実は、この軽度認知障害の方というのは、認知症に至っていないので、見た目は、見た目というか、正常なんです。普通なんです。だからこそ狙われやすいというか、だからこそその事業者が、いや、分からんかったと言われちゃうと、だけど、やっぱり判断力は低下しているわけですね。だから、そこのところをしっかり拾い上げるように、元々はやっぱりこれ消費者保護のための法案だと思いますので、是非ちょっとよろしく、先生、お願いをしたいと思います。 最後の質問になりますけれども、五号のこの規定というのは、悪徳な事業者によって不安をあおる不当な勧誘行為がなされた結果、合理的な判断をすることができない、陥った消費者を救済する規定というふうに思いますけれども、そのような不当勧誘行為が、受けるわけですけれども、その受ける前の段階で、受ける前の段階で被害者が合理的な判断をすることができない状態まで判断力が低下していないと駄目なのかという問題意識です。 だから、逆に言うと、不安をあおられる、判断力が低下をしているからそこに付け込んで不安をあおるというふうな言い方ですけど、逆に正常な判断だから不安になることもあると思うんです。これから将来どうなっていくんだろうかと考えたときに、普通の判断力であったとしても、だからこそ、いろんな話を聞く中で、そういう悪徳事業者の口車に乗ることもあるように思います。 そういった意味からいうと、必ずしも当該被害消費者が合理的な判断をすることができない状態まで判断力が低下している必要というのはないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、この辺は御見解を教えていただけたらと思います。
○衆議院議員(濱村進君) この法四条三項五号は、消費者が加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることに事業者が乗じて、この乗じてが非常に大事かと思いますが、事業者が乗じて、その上で事業者が消費者の不安をあおって消費者契約の締結について勧誘をする場合には、事業者側に著しい不当性が認められることから、当該消費者に取消し権を付与することとしたものでございます。 なお、消費者委員会消費者契約法専門調査会の報告書におきましては、判断力の不足等を不当に利用し、不必要な契約や過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われる場合等の救済について、重要な課題として今後も検討を進めていくこととされております。 衆議院の消費者問題に関する特別委員会における改正法案に対する附帯決議におきましても、同報告書において今後の検討課題とされた事項について引き続き検討を行うことが政府に求められており、委員の問題意識も踏まえた検討がされることが期待されておるというふうに考えております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 ちょっと最後に、いわゆるちょっと今回修正を議員の先生方で、衆議院から送ってきていただいたんですけれども、この著しくの要件については、これは政府側でしっかりとこの逐条解説とかやっていただくということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。 本改正案が成立した場合には、御指摘の要件の解釈を始めまして、衆議院における修正を含めて、国会での審議を通じて明らかにされた本改正案の内容につきまして、事例を多く用いながら、逐条解説で分かりやすい説明を十分周知徹底してまいりたいと考えております。 また、説明会の開催等によりまして、消費者、消費者団体、消費生活相談員、事業者団体を始め周知を徹底するということを考えております。
○熊野正士君 ありがとうございました。 以上で質問を終わります。
○委員長(三原じゅん子君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 消費者契約法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時六分散会