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196回国会参議院2018/03/22

財政金融委員会 第5号

発言数
291
登壇者
37
会派数
10
開催日
2018/03/22

会議録

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、辰巳孝太郎君、川合孝典君及び中西祐介君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君、礒崎哲史君及び青山繁晴君が選任されました。     ─────────────

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長星野次彦君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁若田部昌澄君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 自由民主党の徳茂雅之です。  本日は質問の機会を頂戴し、長谷川委員長を始め理事の皆様には厚く感謝申し上げます。  所得税法の改正につきましては、昨年もこの委員会におきまして質問をさせていただきました。二度目になります。本日は時間をかなり頂戴しましたので、まず、改正内容の主要部分につきまして財務省に質問させていただきます。その後、時間がありましたら、当面の金融行政につきまして、とりわけ昨年の通常国会以降いろいろな動きがありますので、金融庁にお尋ねしたい、このように思います。  まず、二十日、地球の裏側ブエノスアイレスではG20が閉幕いたしました。資源が乏しい我が国におきましては、自由貿易を維持することは極めて重要であります。保護貿易主義が台頭する中で、更なる対話と行動が必要という共同声明を採択し、自由貿易を維持する流れができたのは良かった、このように思っております。  さらに、今回、仮想通貨についても初めて協議されたということであります。我が国は、世界に先駆けて仮想通貨交換業につきまして法律で位置付けをしました。さらに、ビットコインも含めてその取引高は世界のトップクラスということであります。  また、我が国は、四年前にマウントゴックス社の破綻、それから最近におきましてはコインチェック社の仮想通貨の流出問題ということで、いろんな面で負の側面も経験してきています。今回の仮想通貨に関する国際的な対応の流れを今回リードできる、そういうポジションにあったと思います。惜しむらくは、麻生大臣、本来であればG20に御出席されて、まさにいろんな人脈を使って日本の国益をしっかりとG20の中で主張いただけたと思います。その部分については残念であります。  先日、三月十一日、東日本大震災から七年を迎えました。謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災地の更なる復興を願う限りであります。  今回の改正案におきましても、被災された酒類製造業者の酒税の特例、これを三年間延長するという措置が盛り込まれております。このような形で、税制におきましても被災地支援についてしっかりと取り組んでいただきたい、このように思う次第であります。  申すまでもなく、税制改正は国民生活あるいは経済社会に直結するものであります。今回のような改正も含めて、一日たりともその実施が遅れてはいけないものであります。是非とも、本委員会においてもしっかり議論の上、着実に実施できるように期待する限りであります。  昨年、私は、党の税調あるいは税制の勉強会、いろんな場面に出席をさせていただきました。その際、多くの先輩議員の意見、議論を聞いて、税制というのは本当に過去から長い歴史の中で過去の改正経緯を踏まえて積み上げてきたものだなという印象を受けますとともに、その時代の要請、時々の流れに応じて臨機応変に改正していかなければならない、このようなものだというふうに印象付けられました。税は入るを量りて出るを制する、まさに財政の入口を成す、そういう位置付けであるとともに、さらに税は国家なりということで、国家のあるべき姿あるいは将来を本当に指し示す、そういう役割を果たしていると私は思っております。  さらに税制は、単に公共サービスの入口、財源という役割だけではなくて、不平等、格差を是正する、まさに所得再分配機能を有しているわけであります。とりわけ、近年、格差社会、あるいは不平等社会ということが社会問題化される中で、水平的公平と垂直的公平、この機能、役割を持つ税制は今まで以上に極めて重要になってきている、このように思っております。  我が国は、少子高齢化、人口減少という構造的な課題を抱える中で長年にわたるデフレに苦しんできましたけれども、五年前のアベノミクスの成果によりましてようやくデフレと言われる状況を脱して、雇用、企業業績共に着実に前進してまいりました。  そこで伺います。  今回の所得税法等の改正につきまして、政府が目指している人づくり革命、生産性革命、さらにはデフレからの脱却、経済再生の観点からどのような位置付けをなされているのか、財務省にお伺いします。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) お答えいたします。  安倍内閣は、働き方改革、生産性革命、人づくり革命に全力で取り組み、成長と分配の好循環を強化をし、デフレ脱却、力強い経済成長を目指しているところであります。  こうした点を踏まえ、本法案では、働き方の多様化等への対応、デフレ脱却と経済再生の実現などの観点から、税制面で所要の措置を講じることとしております。  具体的には、働き方の多様化を踏まえ、働き方改革を後押しする観点からの給与所得控除、公的年金等控除からの基礎控除への振替、デフレ脱却と経済再生に向け、生産性向上のための設備や人材への投資と持続的な賃上げを強力に後押しをする観点からの所得拡大促進税制への改組、中小企業の代替わりを促進する事業承継税制の拡充などを実施をすることとしているところであります。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  それでは、個別の税制改正についてお伺いします。  まず、個人所得課税について伺います。  ある民間調査によれば、昨年、我が国の広義のフリーランス、これは一千百万人を超えたということであります。近年、子育てをしながら在宅で仕事を行う女性の方、あるいは個人で起業をされる方、随分増えてきております。高度経済成長期には、夫は終身雇用で正規社員、妻は専業主婦といったような定型的な世帯あるいは働き方から、我が国の働き方も随分変わってきているというふうに思っております。  さらに、働き方というのは個人の選択であります。個人の選択に対して、税の中立性の観点から税制がバイアスを掛けることのないように見直すことは私は重要だというふうに思います。一方、所得税というのはまさに個人に直結する税制でありますので、急激な見直しは家計に与える影響も極めて大きいというふうに思います。  そこで、今回、給与所得控除それから公的年金等控除について控除額を一律十万円引き下げる一方、基礎控除について十万円引き上げた理由について、趣旨についてお伺いします。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  今、まさに委員御指摘がありましたとおり、様々な構造変化が起きている中で、特に近年、働き方の多様化が進展しております。こうした動きを踏まえまして、働き方改革を後押しする観点から、特定の収入のみに適用される給与所得控除や公的年金等控除から、どのような所得にでも適用される基礎控除に負担調整の比重を移していくことが必要であると考えております。  こうした観点から、給与所得控除や公的年金等控除を十万円引き下げるとともに、基礎控除を同額引き上げるということを今回の改正に盛り込んでいるわけでございます。これは働き方に左右されない税制に向けた見直しであると位置付けられると考えております。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  さらに今回の改正では、給与所得控除の給与収入の上限、これを一千万円から八百五十万円まで引き下げています。八百五十万円という水準は、一般の給与水準からいけばかなり高いという印象もありますけど、その一方、一般のサラリーマンでいけば、ちょうど、例えば子育てあるいは教育費、住宅ローン、あるいは介護といった支出が増大する世代だろうと、このように思っております。  そこで、今回上限額を引き下げた際にどのような点に配慮されたのかということについてお伺いします。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  給与所得控除につきましては、給与所得者の勤務関連経費、主要国の概算控除額と比べて過大となっているということを踏まえまして、上限額を引き下げることといたしております。  具体的には、現行制度においては給与収入が一千万円を超える場合の給与所得控除額は二百二十万円とされているところでございますが、今回の見直しによりまして、給与収入が八百五十万円を超える場合の給与所得控除額は百九十五万円とすることとしております。  その際、委員から御指摘がございましたとおり、配慮する必要がございます子育て世帯等に配慮する観点から、給与収入が八百五十万円を超えていても、二十三歳未満の扶養親族がいる者ですとか特別障害者である扶養親族がいる者等につきましては負担増が生じないような措置を講ずることといたしているところでございます。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  さらに、公的年金控除につきましては、他の所得金額が一千万円を超える場合に控除額の上限を設けるということで、これまで年金受給者に対して手厚い仕組みだったものを見直すということにしました。公的年金だけで本当に切り詰めて暮らしている方もいらっしゃる一方で、ほかに高額な所得がありながら公的年金で優遇されている人もいるということは、これは公平の観点からも望ましくないと、このように思います。そういう意味では妥当な改正だというふうに思っております。  公的年金控除については、更に全世代がその負担、これを分かち合う仕組みとするために、例えば、拠出と給付の両面、二重で控除されているというのは見直し、こういったことも含めて、諸外国の制度を参考にしながら更なる検討が必要でないかというふうに思いますが、お伺いします。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  委員御指摘になられましたとおり、公的年金の制度をどのように考えるかという、課税の面で考えてまいりますと、昨年、政府税制調査会のレポートにおきまして主要国と比較をしているわけでございますけれども、主要国を見ますと、大別して、拠出・運用段階では非課税、給付段階では課税とする仕組み、いわゆるEET型と、拠出段階では課税、それから運用・給付段階では非課税とする仕組み、いわゆるTEE型が存在しております。我が国は前者、EET型に属しますけれども、手厚い公的年金等控除によりまして給付段階におきましても課税が十分になされていないという指摘がなされておりまして、こういったこともただいま委員からの御指摘とも共通する問題意識かと考えております。  今般の見直しにおきましては、こうした問題意識も踏まえまして、世代内、世代間の公平性を確保する観点から、公的年金等収入以外の所得が一千万円を超える場合には控除額を引き下げるなどの見直しを行うことといたしておりますけれども、今後の公的年金等控除の在り方につきましては、ただいま委員の御指摘も踏まえながら、各国の制度もにらみながら、今般の改正の影響も見極めながら引き続き検討してまいりたいと考えております。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  続いて、事業承継税制についてお伺いします。  中小企業の事業承継については、経営者の高齢化に伴い、黒字であっても事業の承継が困難なケース、これが増えてきております。中小企業の調査では、二〇二五年に六割以上の経営者の年齢が七十歳を超える、百二十七万社の後継者が決まっていないと言われております。さらに、累計で約六百五十万人の雇用とGDPで約二十二兆円が失われる可能性があるというような調査もございます。一方、中小企業の中には、特に非製造業においては大企業を上回る生産性を上げている企業もたくさんございます。事業承継問題というのは我が国にとりましてもまさに生産性革命、生産性向上のためにも待ったなしの課題であると思います。  しかしながら、この税制については制度創設から十分な利用がされていないということで、平成二十六年以前、これは年間二百件足らず、二十七年以降も年間五百件程度にとどまっているということでございます。なぜこれまでこれほど利用が少なかったのかということについて、さらに、今回の改正はその問題、課題についてどのような対応にすることになっているのかについて、税制改正の概要を含めてお知らせいただきたいと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  中小企業経営者の高齢化、急速に進展しております。委員御指摘のとおり、中小企業の事業承継問題、これは生産性革命の観点からもそうでございます。日本経済の屋台骨を揺るがしかねない、まさに待ったなしの課題であると認識をしております。  他方、現行の事業承継税制は、猶予の対象となる株式に制限がございまして、相続、贈与のときに税の支払が必要であること、それから雇用を平均八割維持するという要件を満たさなかった場合に納税猶予は打ち切られる、そういうリスクがあるといった要因によりまして、必ずしも制度の利用が進んでいなかった面がございます。このため、今回の改正におきまして事業承継税制を抜本的に拡充をすることといたしました。  具体的には、猶予対象の制限を撤廃することによりまして、承継時の贈与税、相続税の支払負担をゼロとし、また雇用確保要件を弾力化をいたしました。複数名からの承継や最大三名の後継者に対する承継にも対象を拡大したほか、会社の譲渡や解散時に税額を再計算する制度を創設して、将来の税負担に対する不安に対応するなどの特例措置を講ずることといたしました。  こうした事業承継税制の拡充に加えまして、後継者による新しいチャレンジを応援する補助金など切れ目のない支援を併せて実施することで、中小・小規模事業を次世代にしっかりと引き渡していくという対応をしていきたいと考えております。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 説明ありがとうございます。とりわけ、納税猶予割合を一〇〇%にするというのは、何というか、財布のひもの固い財務省にとっては本当に清水の舞台から飛び降りるような大英断だなと私も思っております。是非とも本制度がしっかりと活用されるようにお願いしたいと思います。  また、経営者の高齢化、なり手不足というのは、我が国の高齢化、人口減少が続く中で、これは一過性の問題じゃないというふうに思っています。今回、本制度は十年の時限というふうにされておりますけれども、その理由についてお伺いします。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  中小企業の経営者の高齢化が急速に進展し、若返りを抜本的に図る必要がある中で、今般、十年間の贈与、相続に適用される時限措置として事業承継税制の拡充を行っているわけでございます。  具体的には、今般の改正で導入する事業承継税制の特例を利用するためには、法律の施行後五年間、平成三十五年三月までに金融機関、税理士などの認定支援機関の所見を記載した承継計画を作成し都道府県に提出した上で、十年間、平成三十九年十二月までに贈与、相続を行っていただく必要があるという制度にしております。  こうした時限措置をとることによりまして経営者の方々が早期の事業承継に取り組むある意味後押しをしていくという、そういうきっかけになることを期待して時限措置ということにしているところでございます。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  先ほど申し上げた利用件数が少ないというのは、先ほど局長から御説明があった雇用要件が厳しかったということもありますけれども、制度の趣旨が必ずしも中小企業の経営者に十分浸透していなかったんじゃないか、このようにも思います。  先ほど早期に後押しをしていくということでありますけれども、これは中小企業の所管官庁である中小企業庁ともしっかり連携して、他の補助金制度等も併せてしっかりと周知、広報をお願いしたいと、このように思います。  続きまして、所得拡大促進税制についてお伺いします。  企業収益が本当に過去最高を記録する中で、それが設備投資あるいは賃上げにつながっていないんじゃないか、人材投資につながっていないんじゃないかというような疑問があります。その中で、企業の内部留保は過去最大だということであります。もちろん、企業努力で、経営努力によりまして収益力を高めてきたということもあろうかと思います。個々の企業は将来の景気変動に備えて内部留保を蓄える、これは必ずしも否定されるべきものではありません。しかしながら、今の企業収益の回復は、五年間のアベノミクスの成果、あるいは円安傾向によりまして特に輸出型産業については利益が積み上がってきたという外生的な要因、これも否定できないと、このように思います。  人口減少が進む我が国において、生産性革命に向けた人材投資と設備投資、これは成長と分配の好循環をつくり出す、さらには、デフレからの脱却、経済再生を図る観点からも極めて重要であります。いろんな面で税制の措置も講じられてきたわけであります。  とりわけ今回の所得拡大促進税制については、数次にわたり改正もされてきております。利用する側からも使い勝手の良い制度になってきております。租税特別措置の適用実態調査の結果に関する報告書という電話帳みたいな分厚い報告書ありますけれども、これによりますと、平成二十八年度は十万件近くの利用ということで、制度創設時よりも十倍近く上ってきているということであります。  これまで、所得拡大促進税制、具体的にどのような利用実績があり、さらに賃上げ効果についてはどのような効果があったのか、今回の制度の改組についての狙いをお伺いします。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  所得拡大促進税制でございます。適用実績につきましては、直近二十八年度、委員から御指摘ございましたとおり、適用件数九万九千百三十四件、適用金額三千百八十四億円となっているところでございます。この適用金額の三千百八十四億円、制度上、税額控除率一〇%でございますので、これで割り戻しますと適用対象賃上げ額が三兆円を超える金額であるということが出てくるわけでございます。これは、二十四年度から二十八年度の雇用者報酬増加額、約十六兆から十七兆程度でございますけれども、これの約二割に相当する金額でございまして、一定の効果があったものと考えているところでございます。  また、賃金引上げは、もちろん税制のみならず企業収益、雇用情勢に影響を受けるものでございますので、税制の効果だけを取り出して経営者の賃金引上げ判断への影響を測ることはなかなか難しいのでございますけれども、近年、四年連続で二%程度の賃上げを達成しておりまして、本税制もその一助となったものと考えているところでございます。  平成三十年度税制改正の見直しは、持続的な賃金引上げや生産性向上のための設備投資を強力に後押しする観点から、賃金の引上げにつきましては、平成二十四年度に比べて一定以上増加という要件に代えまして、前年度に比べて賃金を三%以上引き上げることと、生産性の維持向上のため減価償却費総額の九〇%以上の国内設備投資を行うことを要件に税額控除が受けられることといたしております。  このように、今般の改正は、これまでの賃金引上げ実績のいかんにかかわらず、これから賃金引上げをしっかりと行おうとする企業を広くサポートする制度としているところでございまして、企業における賃金引上げ、生産性向上のための設備投資が一層進むことを期待しているところでございます。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。これまでの所得拡大促進税制、賃上げに対していろんな面で効果が高かったと思います。今回、中身を変えるということでありますので、更なる効果を期待したいというふうに思います。  その中で、中小企業、これ我が国の企業数の九九・七%、就業者数でも七割を占める、さらに収益も大企業よりも高いというようなところもありますけれども、一方では経営がかなり弱くなっているところもございます。今回の所得拡大促進税制について、仮に中小企業が使い勝手が悪い、あるいは使いにくいような仕組みになっていますと、その効果は大企業などの一部の企業にとどまってしまうんじゃないかと、このようにも思います。  そこで、今回の改正につきまして、とりわけ中小企業についてどのような配慮がなされているのかということについてお伺いします。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  経済の好循環の確立のためには、生産性の向上による持続的な賃金アップが不可欠でございます。その実現に当たりましては、委員御指摘になられましたとおり、中小企業の占める大きさ、この重要性に鑑みますと、中小企業の賃金アップ、これも強力に後押ししていくことが必要だと考えております。  このため、今般の所得拡大促進税制の見直しにおきましては、先ほど申し上げた、これは大企業に対する要件でございますが、これにつきまして、中小企業については要件の緩和を行っております。具体的には、前年度から一・五%以上の賃金の引上げで足りることといたしまして、また設備投資の要件を設けないということで一定の配慮を行っているところでございます。さらに、前年度から二・五%以上とより十分な賃金引上げを行い、かつリカレント教育などの人材投資等にしっかり取り組む中小企業につきましては、大企業に比べて高い税額控除率を設定するなど、強力な支援をすることといたしているところでございます。  こうした改正を受けまして、中小企業における賃金引上げ、生産性向上のための設備投資が一層進むことを期待しているところでございます。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。是非とも、中小企業も含めて今回のそのメリットが及ぶようにお願いしたいと思います。  今回の改正は、中小企業について、今局長がおっしゃったようにハードルを引き下げているということがありますが、一方、大企業に対しては、一定の条件の下で租特の適用は外すということで、極めてバランスの取れた内容になっております。どうか賃上げと投資拡大につながるような運用をお願いしたいと思います。  続いて、たばこ税についてお伺いします。  私、たばこを吸いませんので、紙巻きたばこと加熱式たばこの違いが必ずしも実感できないわけでありますけれども、最近、近年、とりわけ加熱式たばこが急激に増えてきているということであります。  たばこの販売については、平成八年が三千五百億本ということで最近のピークでありました。平成二十八年度はその半分の約千七百億本ということで半減してきております。一方、税収はといえば、約二兆円強でほとんど変わってないということで、ある意味漸次ずっとたばこの税率を引き上げてきたということで税収を補ってきたんだろうと、このように思っています。  たばこ税というのは、まさに財政物資、財源ということで、とりわけ地方税、地方にとっては重要な財源でもあります。たばこ税の見直しについて、税収確保の観点からも、今回の税率格差を是正するためにどのような点に配慮されたのかということについてお伺いしたいと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  税率格差の是正という点からまず申し上げます。  今般、加熱式たばこについて、紙巻きたばことの税率格差の是正のための改正を行っております。これは、加熱式たばこにつきましては、紙巻きたばこと比べて税負担が低いこと、また、加熱式たばこの製品間で税負担が大きく異なるといった課税の公平性の課題があるほか、紙巻きたばことの代替性が高く、足下の販売量は急速に増加している状況にございまして、財政面からも早急な対応が必要であると考えているところでございます。  このため、今回の見直しでは、加熱式たばこの製品特性を踏まえまして、課税区分を新設した上で、重量の計算方法の見直し、価格に応じた換算方法を導入することで課税方式の適正化を図り、税負担の公平性を確保することといたしております。  その上で、加熱式たばこにつきましては、企業の開発努力によって新たに生まれた商品でもございますし、市場はいまだ成長途上にあることも踏まえまして、新課税方式への移行は五回に分けて段階的に実施するということにしているところでございます。  また、紙巻きたばこにつきましては、最近の財政状況も踏まえまして引上げを図っているところでございますけれども、これにつきましても、消費者等への影響、また税収確保の観点から、三回に分けて引上げを行うということを行っているわけでございまして、全体として税収確保についての配慮をしているというところでございます。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  以上で所得税法についての概要、主要な部分について、とりわけ内国税についての改正点についてお伺いしました。  それぞれの改正のポイントについて、平年度ベースでどのぐらいの増減収になるのかということについてお伺いしたいと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  三十年度税制改正による平年度の改正増減収、国、地方合わせてでございますけれども、個人所得課税の見直しによりまして八百六十二億円の増収、事業承継税制の拡充によりまして七百十億円の減収、たばこ税の見直しにより二千三百六十億円の増収、国際観光旅客税の創設により四百三十億円の増収、固定資産税の特例の創設により百十億円の減収などを見込んでおりまして、今回の税制改正全体では、最終的に、国、地方合わせて二千六百億円程度の税収増となる見込みでございます。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 今御説明いただいたとおり、今回の改正につきましては、どちらかといえば個人に係る税収について増税なのかなというふうにも思えます。そういう面では、個人納税者の理解をしっかり得る必要があるんだろうと、このように考えております。そのためには、とりわけ歳出面での不断の見直しが大切であります。歳出改革については、経済再生なくして財政健全化なしという掛け声の下で、経済・財政計画の改革工程表、これについて取り組んでおられるというふうに思っています。  来年度でその集中改革期間も終わるということでありますが、最近、財政改革というんですか、この部分について余り議論されるケースが多くないんじゃないかなというふうにも思います。来年度予算について、どのように、とりわけ歳出削減努力を行っているのかということについてお伺いしたいと思います。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) 安倍政権におきましては、二〇一五年度のプライマリーバランス赤字の半減目標を達成した後、経済・財政再生計画の下、三年間の集中改革期間を設定し、一般歳出の目安を設け、各歳出分野における改革の具体的な中身や期限を盛り込んだ改革工程表を定め、徹底した歳出改革を行ってまいりました。  この集中改革期間の最終年度に当たります来年度予算におきましても、薬価制度、これの抜本改革などを通じた歳出削減努力を積み重ねることによりまして、社会保障関係費の目安を三年連続で達成をしているところであります。  また、社会保障以外の一般歳出につきまして、観光予算や科学技術振興費を伸ばし、給付型奨学金の拡充などを図る一方で、PPP、PFIの推進等を通じた公共事業予算の重点化、効率化、防衛装備品の原価の精査等を通じた防衛関係経費の効率化などを行うことによりまして歳出規模をおおむね横ばいといたしまして、一般歳出の目安も三年連続で達成をしているところです。  引き続き、こうした歳出改革の取組を着実に進めることが重要だと考えておりまして、プライマリーバランス黒字化の達成に向け、具体的かつ実効性の高い財政健全化計画を今年の夏の骨太の方針においてお示しをしてまいりたいと考えています。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。先ほど申し上げました、入るを量りて出るを制する、まさに財政の要でありますので、しっかりした取組をお願いしたい、このように思います。  通告していた質問が時間の関係上、続いて金融行政についてお伺いしたい、このように思います。  組織は戦略に従うとよく言われます。民間企業におきましては、それぞれの環境に応じて内部組織を切り出して子会社化をする、あるいは持ち株会社化するというふうなことで組織を見直すことはよくあります。  一方で、行政組織というのはどうしても硬直的になりがちでありますが、むしろ時代を先取りして先手を打って行政組織を変えていくこと、これも重要だろうと、このように思います。とりわけ金融の分野というのは、バブル崩壊後、不良債権処理問題、長年のデフレ、低金利という中で、どちらかといえば金融機関は守りの経営に徹してきたんだろうというふうに思いますが、近年ではフィンテックの伸長ということで業界構造も本当に変わろうとしております。  金融庁におきましても、こういった動きに合わせて本年七月から組織改正を行うというふうに聞いておりますけれども、今回どのような目的で組織の改正を行い、さらにどのような体制になるのか、お伺いしたいというふうに思います。

越智隆雄自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(越智隆雄君) 御指摘をいただきましたとおり、足下、不良債権問題は収束をいたしまして、金融行政が抱える課題も、金融仲介機能の一層の発揮や国民の安定的な資産形成などに変化をしてきております。  このため、金融庁としてこうした課題の変化に的確に対応していくために、本年の夏をめどに、一つには、金融行政の戦略立案や業態横断的な課題への対応を強化するため、総合政策局を設置をいたします。二つ目には、フィンテックなど技術進展に応じた施策の企画機能強化のため、企画市場局を設置をいたします。そしてさらには、金融機関との継続的な対話を効果的、効率的に行うため、検査、オンサイトモニタリングと、監督、オフサイトモニタリングの機能を一体化すること、これに伴いまして検査局の廃止をいたします。こういったことを内容とします組織の再編を行おうとしているということでございます。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございました。  検査局の廃止という話がありましたが、併せて金融検査マニュアルも廃止するというふうに聞いております。麻生大臣は、よく金融処分庁から金融育成庁への転換を図るというふうにおっしゃいます。ともすればしゃくし定規な運用になりがちな金融検査マニュアルを廃止するというのは、この御時世、理解は十分できるというわけであります。  私も民営化された郵政の中でかんぽ生命という金融機関におりまして、当時、金融庁検査を受検したことがあります。どういう取組をしたかといえば、金融検査マニュアルの項目ごとに対応ができているかどうかということをチェックリストを作ってやったなというのが今更ながら思い出されるわけであります。  一方で、一部の金融機関では、金融検査マニュアルがないと自らの内部管理体制のチェックとか、こういったものがうまく行えないんだなというような、ちょっと情けないような話を聞いたこともございます。  今回の改正に合わせて検査監督の在り方を見直すということでありますけれども、今後どのような金融行政を目指そうとしているのか、お伺いしたいと思います。

越智隆雄自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(越智隆雄君) 金融庁発足から数年は、金融機関の不良債権問題や法令遵守への対応が最優先課題でございました。そのため、検査マニュアルを用いたチェックリスト方式による厳格な資産査定や法令遵守違反の検査を実施をしてまいりました。検査マニュアルは、金融危機の時代に最低限の基準の遵守体制を確立する上で一定の役割を果たしてきたというふうに考えております。  他方で、検査マニュアルを用いた従来の検査監督の手法では、チェックリスト方式であるために幾つかの副作用が生じてきたとも考えております。すなわち、重箱の隅をつつきがちで重点課題に注力できない、バブルの後始末はできたが新しい課題にあらかじめ対処できない、金融機関による多様で主体的な創意工夫を妨げているといった副作用を発生させているというふうに考えております。  金融庁では、これまでも、担保、保証に過度に依存しない、事業を見た融資への転換、オン、オフ一体の継続的なモニタリングといった様々な取組を進めてきたところでございます。  こうした中で、これまでの取組の基本にある考え方を整理するとともに、検査マニュアルの廃止を含めた今後の方針を整理いたしまして、昨年の十二月に、金融検査・監督の考え方と進め方、検査・監督基本方針案を公表しております。今後、主要なテーマ、分野ごとに、より具体的な考え方と進め方についても、チェックリスト方式でなく、考え方と進め方の形で示すことで金融機関が自ら創意工夫を進めやすくしていくというふうに考えております。  当局においても、チェックリスト方式による機械的、網羅的な確認ではなく、金融行政の目標に遡り、真に重要な問題について金融機関と深度ある対話を行ってまいりたいというふうに考えております。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  続いて、金融法制についてお伺いしたいと思います。  金融庁では、先ほどのフィンテックの進展に合わせて、一昨年、資金決済法を改正して仮想通貨登録業者の制度を入れ、昨年は銀行法改正によりましてオープンAPI、これを導入してきたということで、まさに時代の流れに合わせた臨機応変な対応をされてきた、このように思っています。私も、従来の金融庁のイメージからすれば本当に様変わりだなというふうに思います。  現行の金融法制というのは、例えば銀行法、保険業法、また金融商品取引法といった業態別の法律、法体系になっており、一部の業態、これをまたがるとか、あるいは一部の業態を切り出してアンバンドルする、あるいは逆につなげる、リバンドルするというようなことについては、なかなか法の垣根があって難しくなってきているというふうに思います。これから生まれるであろう多様なサービスに対応するためにも、いろんな面での見直しが必要だというふうに思います。  そこで、現行の業態別の金融法制の見直しについて、どのような問題意識を持ってどのような方向で見直そうとされているのかお伺いしたい、このように思います。

越智隆雄自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(越智隆雄君) 御指摘のとおり、現在、銀行は銀行法、保険会社は保険業法、証券会社は金融商品取引法というように、基本的に業態ごとの規制体系となっております。情報技術の進展等の環境変化を踏まえると、既存の業態ごとの規制体系では、例えば、業態をまたいだビジネス選択の障害となるほか、規制が緩い業態への移動等を通じて規制を回避する動きが生じるおそれがあるとの指摘がございます。  今後、同一の機能、リスクには同一のルールを適用するとの考えの下、イノベーションの促進と利用者保護のバランスを取りつつ、現在の業態ごとの規制体系を機能別、横断的なものにすることについて、金融審議会において幅広く検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 続いて、マネロン、テロ資金供与問題についてお伺いしたいと、このように思います。  政府間の会合であります金融活動作業部会、いわゆるFATFが十年前、日本に対して第三次の対日審査を行いました。その際に、日本の対策というのが必ずしも十分じゃないんじゃないかというような評価を受けております。それを受けて、一昨年犯収法が改正されて、疑わしい取引の明確化、あるいは金融機関に対するマネロン対策の確認、あるいは内部管理体制の整備、こういったところを求めるようになっております。金融庁におきましてもいろんな政省令を改正されたというふうに聞いております。  さらに、昨年末にガイドラインを金融庁は公表されています。これは、金融機関に対して、リスクベースでマネロン等について対策を立てていく、あるいは三線管理といって、フロントである営業部門、それからミドルである管理部門、それからバックである監査部門、この三つの体制でしっかりと対応していく、こういったことを求めているというふうに承知しております。一方で、金融機関の中には、どこまでその対策を立てていっていいのか分からないというようなことの声も聞いたりします。  そこでお伺いしますけれども、来年には対日第四次審査が日本に入ってくるというふうに聞いております。そこで、前回の第三次の状況がどのようであったのか、さらに、来年の第四次審査に向けて金融庁としてどのような対策、対応を取ろうとしているのか、あるいは各金融機関に対してどのような対策を求めているのかということについてお伺いしたいと思います。

三井秀範金融庁検査局長

○政府参考人(三井秀範君) お答え申し上げます。  日本は、二〇〇八年の金融活動作業部会、いわゆるFATFの第三次相互審査におきまして、テロリスト資産凍結の仕組みや金融機関等に義務付ける顧客管理の内容が不十分であると、こういう御指摘を受けました。こうした指摘に対応するために、本邦といたしまして、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策に関する所要の法令改正、整備を進めました結果、二〇一六年の十月、改善が進捗したというふうに評価されまして、FATFによりますフォローアップから卒業をしたところでございます。  二〇一九年に予定されております第四次相互審査につきましては、関係法令の整備を前提に、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策の実際の有効性というのが主な審査対象になるものと承知してございます。そして、金融庁といたしましては、このFATFの審査も見据えまして、関係省庁と連携しながら、金融機関を含む本邦全体としての実効的なマネーロンダリング、テロ資金供与対策の実施を確保していくことが重要であるというふうに考えております。  先生から、金融機関、具体的にどういうふうな対応を必要かということについての御質問がございましたが、こうした観点から、金融庁といたしましては、専門部署の設置などの必要な体制を当庁としても図りながら、マネロン等の対策についてのガイドラインを本年二月に公表いたしまして、各種金融業界団体とも連携いたしまして、ガイドラインなどに示しておりますマネーロンダリング対策の理解を一層促進するために、金融機関に対しまして説明会ないし対話などを精力的に行っております。また、金融機関などに対しまして、立入検査を含む的確なモニタリングを行う所存でございます。また、関係省庁や業界団体と連携いたしまして、金融機関などの利用者に対しましてマネーロンダリング、テロ資金供与対策の必要性につきまして周知などを図ってまいります。こうした取組を進めまして、金融機関におけます対応などを促しているところでございます。  マネーロンダリング、テロ資金供与の未然防止というのは日本の金融システムの健全性を維持する観点から大変重要な課題であるというふうに認識してございます。金融庁といたしましては、必要に応じて立入検査を含む的確なモニタリングを行いまして、関係省庁ともしっかり連携いたしまして、本邦全体としての実効的なマネーロンダリング、テロ資金供与対策の実施を促してまいりたいと存じます。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 最後に、仮想通貨問題についてお伺いしたいと思います。  昨年十二月に本委員会でもフィンテック企業の視察あるいは日銀の視察をさせていただきました。本当に、金融の分野でIT、技術革新というのが本当にどんどんどんどん導入をされているなと、改めてフィンテックというのが利用者利便を高める、あるいは我が国の経済成長を支える本当に基盤になるなというふうに思った反面、やはり例えば成り済まし、情報漏えいといった負の部分もあるというふうな印象でございます。  昨年三月に私も本委員会で、IT、テクノロジーの世界からいえば、できるだけ規制を掛けないことが望ましいが、金融の世界からいえば、信用、顧客保護、マネロンといった影の部分についてもしっかり検討することが必要ということで申し上げさせていただいたわけであります。  この度のコインチェック問題、資金流出の問題、まさに影の部分が表面化したというふうに思っております。とりわけ今回のコインチェックについては、大々的にテレビCMを打って宣伝をし、言わば金融知識あるいは経験の乏しい不特定の顧客を対象に、しかしさらに、じゃ、仮想通貨の抱えるリスクを十分説明したのかといったようなところが大変疑問なわけであります。  これまで金融庁は顧客本位の業務運営、いわゆるフィデューシャリーデューティー、これを金融機関に対して徹底を求めてきたわけであります。今回のコインチェック問題を受けて七社に対して処分を行ったということでありますけれども、この問題について改めてどのように考えるのか、お伺いしたいと思います。

越智隆雄自由民主党内閣府副大臣

○副大臣(越智隆雄君) 御指摘のように、金融庁では先般八日に、みなし業者を含む複数の仮想通貨交換業者について、利用者保護を含む内部管理体制上の問題が認められたことから、行政処分を実施したところでございます。このことは、業務拡大を優先する中で十分な利用者保護が図られてこなかったことによるというふうに考えております。  金融庁としましては、引き続き、みなし業者を含む仮想通貨交換業者において利用者保護を優先した業務運営が図られるよう、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  先ほどFATFの対日審査の質問をさせていただきましたけれども、銀行など金融機関をしっかり対策を立てて取り組んでも、仮想通貨交換業者がその抜け穴になってしまうということになれば大変な問題であろうというふうに思います。  今回の処分業者の中には、マネロン対策が不十分という理由で処分されたというケースもあったというふうに聞いております。今後しっかりした指導が必要だというふうに思いますが、お伺いしたいと思います。

佐々木清隆金融庁総務企画局総括審議官

○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  金融庁では、昨年四月、各国において規制導入を検討している中、マネーロンダリング対策の観点から、仮想通貨交換業に関します法規制をいち早く導入いたしまして、仮想通貨交換業者においては、本人確認、疑わしい取引の届出などが義務付けられているところでございます。  こうした中、今般、コインチェック社における仮想通貨流出問題を受けまして、仮想通貨交換業者に対し、システムリスク管理体制に加えましてマネーロンダリング等に係る管理体制を検証した結果、複数の業者に不備が認められたことから、先般処分を行ったところでございます。  仮想通貨交換業者に対しましては、引き続き、立入検査を含む的確なモニタリングを行いまして、実効的なマネーロンダリング対策、テロ資金供与対策の確保を図ってまいりたいと思います。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 最後に質問したいと思います。  通貨には三つの機能があると言われています。価値の交換、価値の尺度、それから価値の保蔵ということでございます。現在流通している仮想通貨については、例えばビットコインというのは物を買ったり送金に使われているというケースもありますけれども、大多数が投資というか投機に使われているんだろうと、このように思います。  仮想通貨というのは、価値の変動、ボラティリティーが極めて高いということで、なかなかその価値の尺度としては使い勝手が悪かろうと思いますし、また、安定的な保蔵手段としてもその要件を欠いているというふうに思います。  そういった観点から、仮想通貨ではなくて、仮想資産、あるいは今回G20では暗号資産というふうにも呼んでいるようでありますけれども、本来求めている、通貨に求められる、あるいは通貨が果たすべき役割を十分果たせていないということだろうと思います。  一方で、しかし、仮想通貨というのはデジタル通貨でありますので、現金と比較しても圧倒的にその取引コストが低い、あるいは迅速にその取引が行えるということで、我が国は、現金、いわゆる通貨といっても貨幣あるいは紙幣の流通が極めて多いわけでありますけれども、むしろ仮想通貨そのものが我が国の経済構造を大きく変える、そういう起爆剤になることも十分考えられます。  先日の大臣所信で藤末先生からも質問がありましたけれども、ICOでございます。今資金調達手段としてICOが大変使われているわけでありますけれども、これについては、いわゆるIPO、新規の株式公開と比較して、簡便にしかも多くの方から資金を集めることができるということでメリットがある反面、例えば詐欺的なICOが行われているというようなケースであるとか、じゃ、その会計処理をどのように行うのかというようなところでいろんな課題を抱えているというふうに聞いております。  そこで、最後にお尋ねしますけれども、顧客保護の観点でこのICOについて問題となるようなケースはこれまであったのかどうか、さらに、今後金融庁としてどのようにこのICOについて対応していくのかということについてお伺いしたいと思います。

佐々木清隆金融庁総務企画局総括審議官

○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  ICOにより発行されますトークンにつきましては、価格の急落、あるいは約束されたサービス等が実際には提供されないなどの利用者保護上のリスクがございます。  こうした背景を踏まえまして、昨年十月二十七日に、金融庁といたしましては、まず利用者に対しまして、価格下落、詐欺の可能性など、トークン購入時の注意事項を示すとともに、事業者に対しましては、ICOの仕組みによっては資金決済法、金融商品取引法等の規制の対象となる旨、注意喚起を行っておるところでございます。  ICOを含めまして仮想通貨をめぐる規制の在り方につきましては、イノベーションと利用者保護のバランスにも留意しつつ適切に判断する必要があると考えておりまして、今般設置することにいたしました仮想通貨交換業等に関する研究会において幅広い観点から御議論いただき、その結果を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。

徳茂雅之自由民主党・こころ

○徳茂雅之君 ありがとうございます。  今まさに審議官おっしゃったイノベーション、それから顧客保護、このバランスを是非しっかり取った行政をお願いしたいというふうに思います。  以上で質問の方を終わります。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。  二年ぶりの財政金融委員会での質問のバッターということで機会をいただきました。様々配慮をいただきました筆頭理事含めて関係者の皆様に、まずは感謝を申し上げたいと思います。  今日は、国税、所得税法等の改正に関する質疑ということになりますが、これは言わずもがなでありますけれども、行政府から予算案あるいは税についての様々な改正案というものを、これは正しい情報、あるいは正しい考え方、自分たちの考え方に基づいてこれは法案を作って、そして立法府である私たちにこれの審議を持ってきて、今ここで審議をしているということになります。大前提として、立法府と行政府の関係において正しい情報のやり取りあるいは認識を持っての審議、これが大前提となって今日のこの審議も成立をするんだというふうに思います。  その意味では、ここ数週間、もっと言えば昨年から始まった森友学園問題のこの件につきましては、これも言わずもがなでありますが、その行政府と立法府の関係において、一年間、立法府に対して行政府がうその情報を出してきた、あるいは答弁をしてきたということになります。これはお互いの信頼関係を大きく傷つけることになっております。これが現実です。  そして、それが成り立たなければ今日ここでやる審議だって本来成り立たなくなる、そういう危険性すらある重大なものだということになろうかというふうに思いますので、この点については、これは与野党関係なく、やはり行政府と立法府の関係においてしっかりと真相究明をしていくということ、これが私はまず大前提として必要だというふうに、こういう認識で今日はお話を進めさせていただきたいと思いますので、冒頭にまず、その原因となりました森友学園問題、この国有地の取引に関する件、それにまつわる財務省内で行われた公文書の改ざんについて質問をさせていただきたいと思います。  まず、この件ですけれども、率直に素朴な質問からさせていただきたいと思っておりますが、私は今冒頭のお話の中で、財務省の中で行われた公文書の改ざんだというお話をさせていただきました。ただ、これまで政府、行政府の方から様々な答弁で使われている言葉は、改ざんではなく書換えという表現が使われております。一般的なといいますか、普通の感覚では、公文書を黙ってひそかに書き直しちゃったんだから、これ改ざんという表現の方が適切ではないかなということを素朴に思うんですけれども、なぜこれ改ざんではなくて書換えという表現で今回言われているのか、この点についてまず確認をさせていただきたいと思います。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  まず冒頭に、委員から厳しい御指摘をいただきました。委員のおっしゃっているとおり、こういう文書を国会に提出をして国会の審議の混乱を招いたということは、国会に対する冒涜だという批判は免れないというふうに思っております。大変申し訳ないことでございまして、深くおわびを申し上げたいと思います。  その上で、今の委員の御質問でございますが、委員のおっしゃっていることはよく分かります。我々も、改ざんという言葉でなく書換えという言葉を使うことによって、我々のやっていることを何か是認しようというか、罪を免れようというつもりなど全くございません。言葉そのものは、確かに改ざんという言葉に比べて書換えという言葉がやや中立的過ぎるという御批判だと思います。  元々、今回報告をする前に最初の報道が書換えという報道があったこと、別にその新聞社のせいにするつもりなんか全くありませんが、そういうことに引きずられた面があるかもしれません。ただ、ただ、そう書いているからといって、冒頭申し上げたようなことに対して我々が間違ったことはしていないなんとは全く思っておりませんので、そういう意味で、常に反省の言葉あるいはおわびの言葉を話しながらそういう言葉を使わせていただいているということを御理解をいただきたいと思います。  書換えという言葉を使っていますので、それをまたある時点で改ざんという言葉に変えるとすると、また何の認識が違ったかというような御論議を招いても、また審議に、何というか、また余分な、またお時間を使わせるのは本当に申し訳ないということもあって、元々、最初にちょっとそういう言葉を使ってしまったものですから、それを使っているということでございます。  ただ、大変申し訳ない、とんでもないことをしているということは、委員のおっしゃっているということ、全く同じ認識でございます。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 最初にそれで言い始めたからそのまま使っているんですということですが、最初は疑惑だったんですよね。新聞が報じたのは、書換えだと、改ざんが行われたと、それがもう紛れもない事実なんだというよりも、多分疑惑という形から始まったんではないかというふうに思います。  当然、疑惑ということですから、事実関係が確認できないんですから書換えという表現だったのかもしれませんが、その後、調査をされて、実際に物が変わっていたということが事実として、ファクトとして確認ができたんだとすれば、その時点で十分に変える余地はあったのではないかなと私は思いますよ。正直、思います。  ちょっともう一つ確認ですけれども、そのまま使い続けているということなんですが、具体的に、じゃ、改ざんと書換え、それぞれのこと、中立的というようなお話もされましたが、具体的に言葉の定義としてどのような違いがあるというふうに御認識をされているか、もう一度その点確認をさせていただきたいと思います。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  委員から御質問の通告をいただきましたので、広辞苑を調べてお答えするのが、私ごときではそれぐらいしか能力ないなと思ってお答えを申し上げます。  広辞苑を拝見しますと、書換えというのは書き改めることというふうに書いてあります。ある意味で中立な言葉という感じだと思います。改ざんというのも、字句を改め直すこと、ここまでは一緒なんですが、多く不当に改める場合に用いられるというふうに書いてあります。  委員のおっしゃっていること、ある意味でおっしゃっている御趣旨はそのとおりだというふうに思って私は質問をお聞きしておりますし、私もそういう気持ちで答弁はさせていただいております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 意味についても御理解をされていると思いますし、私がお話をしたことについてもそうだと思いますということであれば、私は変えていただくのが、財務省としての姿勢をきちんと表現をするという意味ではそちらの方が正しいのではないかなと。変えることの方が、変えた上で、これこれこういう理由で変えましたということを説明することの方がよほど誠実な対応ではないかなと思います。  それともう一つ、不当に書き換えたという部分がやはり書換えと改ざんという意味では違うということですが、まあ改ざんという言葉を使えば不当という言葉が出てきますので、恐らくもう、いろいろ言われておりますけれども、公文書法に関する部分で違反をしているのではないかという話もありますし、あるいは既に刑法などにも違反をするのではないかと、該当するのではないかということも既に言われています。  例えば、公文書偽造罪ですとか、虚偽の公文書作成罪などがこれは当てはまるのではないかということも今言われているところでありますけれども、これは官房長の方にお伺いをしたいと思いますが、今回調査もいろいろされていると思うんですけれども、違法性についてどのように今認識をされておりますでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) お答えを申し上げます。  まず、今回明らかになりました決裁文書を書き換えるというようなことは極めてゆゆしきことでありまして、誠に申し訳なく存じております。  御下問の公文書管理法と刑法の関係ですけれども、前者の公文書管理法につきましては、もうこれも議論されておりますけれども、書換えについて云々という規定はないわけでございますけれども、しかしながら、同法のそもそもの立法趣旨に即しまして本件がどのように評価されるべきか、書換えの経緯や目的に関する調査を進めてまいりまして、その上で検討しなければならないと存じております。そのために、まず、財務省におきましては、引き続き更なる調査を深めまして、なぜ書換えが行われたのかという経緯等についてしっかりと明らかにするように取り組んでいきたいと思います。  また、刑法に関する点につきましては詳しくは法務省にということになりますけれども、基本的に、犯罪の成否は捜査機関によって収集された証拠に基づきまして司法当局によって個別に判断されるべきものと承知しております。最初に申しましたように、いかなることであろうとも書換えを行うということにつきましては極めてゆゆしきものであるという認識でございます。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 今お話の中で、公文書法の件についていけば第一条ですよね。そこに書かれている第一条の精神に違反していることはこれはもうやはり明らかなわけでありますから、この点についてはしっかりと調査をしていただきたいと思うんですが、今、その調査を今しているということでありましたが、よく分からないのは、これ、誰が調査しているのかで、いや、大臣が指示するべきではないかとかいろいろな話ありますけれども、もう一度確認をしたいんですが、誰の責任においてまずこれ捜査を行っているのか、どんな調査をいつまでに行うというふうに指示が出されているのか、その点、官房長の方に確認をさせていただきたいと思います。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 今行っております調査でございますけれども、これは大臣官房を中心といたしまして、また大臣からも厳しい御指示をいただいておりますので、省全体として取り組んでおるところであります。官房でありますので、官房長である私を中心といたしまして着手しております。  また、個別に今まで既に発表をさせていただいたところでは、理財局の一部の職員によってということが分かっているわけですけれども、更に掘り下げまして、どの職員がどの程度、なぜ関与したのかということについて調査をし尽くす必要があると考えておりまして、捜査当局への捜査への影響にも留意しつつ、しっかりと進めてまいりたいと思っております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 そうすると、責任という意味では官房長にあるんでしょうか。それとも、今大臣の指示に従ってと言われたので大臣になるんでしょうか。やっぱり分からないんですけど。誰なんでしょうか、この調査をする上でのリーダーは誰なんでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 大臣の指揮の下に、私、官房長の責任においてやらせていただいております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 では、その責任において官房長がやられているということですので、先ほどの質問の中でちょっと一点答えていただけなかったんですが、いつまでにやるんでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 調査につきましては、できるだけ速やかにと考えておりますけれども、きちんと全体をし尽くす必要がございますし、また、捜査当局への影響にも留意する必要がどうしてもございますので、確たる時期、終わりの時期を申し上げることはできかねますけれども、できる限り早くまとめたいと思っております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 ただ、先ほどのお話の中で、事実として分かったということで、理財局の一部が行ったということは既に報告をさせていただきましたというお話をしました。ということは、中間報告はするという意思がある、そういうことでよろしいんでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 取り急ぎ十二日に報告をさせていただいた中身を先ほど申し上げさせていただきましたけれども、この先、中間的な報告をさせていただくというつもりは今のところはございません。  なぜかと申しますと、先ほどもちょっと申しましたけれども、調査につきましては、きちんとし尽くして、全貌を掌握して、責任を持って御報告させていただく必要があると考えておりますし、更に言えば、一部の聞き取りあるいは書類の調査をやった結果というものが、後から別の人あるいは別の部署を調査した結果と食い違うようなことが出てきた場合に、それは非常に無責任な中間報告になってしまいますし、それから、調査につきましてつまみ食い的な報告をいたしますと、その後の調査に影響が出てくるということも懸念されます。  ですので、中間的な報告ではなくて、きちんと責任を持って全貌を御報告できるようにしたいと思っております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 その意味でいけば、理財局の一部が行ったという表現はもう十分につまみ食いだと私は思いますけどね、その意味では。  ですから、これは、私冒頭申し上げました、行政府と立法府という関係だけではなくて我々立法府、大臣ももちろん、選挙で受かってここに、国会に来られて、国民の代表です。我々も国民の代表です。立法府の我々は国民の代表としてここに来ていますので、国民と行政府との関係というふうに置き換えることもできるわけですから。  つまりこれは、誰に対してうそをついたかといえば、国民に対してうそをついたということになるとすれば、これはもう、国民に対しての信頼関係をもう一度築いていくというのは大変なことですよ。大変なことですから、きちんと事実関係を、ブラックボックスにしてこうでしたといって全部出すのではなくて、やはりある程度は中間報告というもので、これこれこういう時期までにこういうことをしますということをある程度見せるということも私は必要なのではないかなというふうに思います。  本当に最終的に信頼関係を取り戻すという意味では、私はそういう報告の仕方というのは必要だと思いますけれども、その中間報告ということについては、今お考えの中では、今のところするつもりはありませんというふうなお話がありましたが、私は、それは逆効果だというふうに思っています。結果として、一年間ブラックボックス化してきたことがこういうことにつながっているという反省に私は立っているとは思えません。是非とも、中間報告はやはりしていくということをもう一度改めて考えていただきたいというふうに思います。  まだちょっとこの点確認したいことがあるんですが、税法の方についても確認したいことがありますので、ちょっと一旦ここで切らせていただいて、税についての御質問にちょっとここで変えさせていただきたいというふうに思います。  まず、大臣にお話を伺いたいと思いますけれども、自動車安全特別会計という会計がございまして、この件についてお伺いをしたいと思うんですが。  皆様も、車に乗っておりますと自賠責保険という保険を払われているというふうに思います。この自賠責保険の使い方としましては、特別会計の中にお金を繰り入れまして、その中で、事故が起きたときへの対応と併せて、実は、安全技術を開発していくための予算にしたり、あるいは実際に事故に遭われて高度の後遺症を残念ながら持ってしまった方たちへの様々な支援をする、そうした事業にもこのお金が使われているという実態がございました。  このお金の中から、実は、平成六年と七年に合計で一兆一千二百億円というお金が実は一般会計の方に繰り入れられておりまして、これは、当時なかなか一般会計の状況が苦しいということからこうした対応が取られたんですが、当然、後に返済されることが前提でした。平成十五年までは返済がされておったんですけれども、その後は、一般会計の予算が非常に厳しいということで返済がストップされまして、今日までおよそ十五年間、一円も返済されない状態が続いておりました。  二年ほど前にこの件について、麻生大臣に是非とも返済について御検討いただきたいというお話をさせていただきましたが、その当時は、まだ記述として平成三十年度までは今の状態でキープという当時の財務大臣、国交大臣の覚書があるので、これから検討になるので今の段階では何も言えないと、そういうお話をいただいたんですが、昨年の暮れです、この間の十二月に財務大臣と国交大臣の中で覚書が結ばれまして、残り返済額としてはまだ六千億円以上残っていたんですけれども、この中から一部、金額としては二十三億円という金額が特別会計の方に戻ってくるということで覚書がなされたというふうに承知をしております。  絶対額としては六千億、それに対して返済額は二十三億という意味では、非常に小さいではないかというふうに見られる方もいらっしゃるとは思いますが、十五年間一円も戻ってこなかったものが、やはり後遺症にも苦しんでおられる方への様々な支援事業というものも考えて、今回、覚書で一部戻すという御決断をいただいたということでもありますので、その意味では大変評価をさせていただきたいと思いますし、感謝を申し上げたいと、そのように思います。  そこで、大臣に一つ確認なんですけれども、まず来年度の中で二十三億円というものが返済というふうになりましたけれども、これは今後も継続的に返済というものが行われていくという理解でよろしいのかどうか、その点について確認をさせていただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは今、礒崎先生御指摘になりましたように、これは長い、もう本当にかなり長い話でして、当時、金がなかったときにちょっと特別会計の方から一般会計に借りたお金が約一兆二千億ぐらいのものだったんですが、それをいろいろな形で返済させていただいて、今回ので六千百九十億ぐらいまだ残っていると存じます。  いずれにしても、これは、いろいろなところからお話がありましたように、何となく、入っておられる方々にしてみれば、これはだんだんだんだん減っていっていますから、なくなっちゃうんじゃないかという、何というの、不安感というところも十分に考えないかぬのではないかということで、平成三十年度の予算におきまして、自動車安全特別会計という特会なんですけれども、この被害者保健に係る事業の充実等を図るために、一般会計から自動車安全特別会計に二十三億円の繰戻しというのをさせていただいております。今、平成十五年以来のことですから、平成三十年、約十五年ぶりということになろうかと思いますが。  今、御心配は今後の繰戻しの話ということなんだと思いますので、今回、国土交通大臣との間に、その点に関しての新たな合意として、原則として平成三十一年度から平成三十四年度までの間に分割して繰り戻すということにさせていただいております。  具体的な繰戻し額につきましては、これはちょっと毎年の予算額等々もあろうと思いますが、予算編成の段階において一般会計の財政事情等を考えるという必要があろうかと思いますが、基本的に、被害者のニーズに応じ、被害者保護増進事業等が安定的、継続的に将来にわたって実施されるよう十分留意しつつという文章を入れさせていただいた上で、真摯に協議してまいりたいと考えております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 今、平成三十四年度まで分割してというお話がありました。  是非、金額もできれば上乗せ上乗せという形にしていただきたいと思いますし、総額はまだ六千億円を超える金額ということでもありますので、この点については、是非、これは自動車ユーザーが保険料として払ったお金で税金とは違いますので、是非、早期の返済、改めてお願いを申し上げたいというふうに思います。  それと、今、特別会計の方についてはこれで一つ区切らせていただきたいと思いますが、もう一つ、今回の税制の中でも引き続き自動車の車体課税について様々な中身が盛り込まれております。基本的には昨年度につくられました与党の税制改正の大綱に基づいた内容で、その延長上で来年度に向けてもその中身がつくられたというふうに認識をしております。その意味では、昨年度も議論はこの場でもされておりましたけれども、その延長上ということで、是非とも、こうした継続した取組という、安定的に事業をやっていくという意味でもしていただきたいというふうに思いますが。  従来から私は自動車ユーザーの負担軽減というものも訴えておりましたので、その観点を今後も議論していく上で少し冒頭に御説明を申し上げたいというふうに思うんですが、やはり様々な税制つくっていく上で、今足下の状況がどうなっているのかということを把握しておく、正しい認識に立つということが大変重要だと思っておりますので、その点、簡単にちょっとお話をさせていただく上で、お手元に資料を何枚かお配りをさせていただきました。  一枚目に、戦後一九四六年から二〇一七年までの自動車の国内の生産や販売、それから輸出や海外生産台数というものを折れ線グラフでまとめたものをお配りをさせていただきました。これが今の自動車産業の置かれている状況でありまして、過去からの経緯をまとめたものとなります。  一番注目をいただきたいのは国内の生産台数であります。緑色の線になりますが、これは、ちょうどバブル期、一九九〇年がピークです。一千三百四十九万台という台数がピークになりまして、そこまでは、戦後の様々な復興、それから高度経済成長期を踏まえて右肩上がりで来たものが、そこをピークとして右肩で下がってきているという状況になっています。足下としては九百六十九万台ということで、およそ一千万台のレベルということになります。  この生産台数に至っている経緯としては、当然国内で生産している車というのは、国内で売っている車と輸出している車の合計値がこの生産台数になりますので、その赤い線の販売台数や紫色の線の輸出台数というものが大いに関係をしてきたということになります。  販売の推移も、生産と同じようにやはりバブル期がピークになりまして、その後、徐々に右肩下がりということで今五百万台前後のレベルというふうに落ち着いておりますし、輸出についても、輸出については実はピークはバブル期のちょっと前にありました。この理由としては、日米の貿易摩擦が一番大きかったというふうに認識をしています。日米貿易摩擦で様々な輸出製品がアメリカからバッシングをされるということになりましたが、その矢面に立たされたのが自動車ということで、このときには強固な関税の措置もアメリカでされるという方向に動いておりましたけれども、最終的には日本の業界団体が自主規制をするという対応をもって、ですから、ここのピークというものは需給の関係で決まったのではなくて、自ら輸出をしないという判断の下にこういう構図になったということになります。  それ以降は、ですから、輸出についてはある程度の、右肩下がりというよりもある程度の水準をキープしてきたということになりまして、それに代わってちょうどその頃から海外生産が右肩上がりになってきて、要は輸出を規制しましたので、企業自らが、結果的には現地で造るという方向に考え方がシフトをしたということで、目下二千万台の目前まで海外生産が上がってきたということになります。  実力としては、日本の自動車産業の実力としては一番この右側の部分というのが今の実力ということになりますが、今後も海外で様々な競争を外国の企業としていくという意味で、いま一度、やはり国内の事業基盤というもの、これを維持していくことが大変重要だというのが私の認識であります。  特にこの一千万台という国内生産台数のレベルを維持することが大変重要という認識に立っておりますが、先ほども申し上げました、この一千万台の国内生産のレベルを維持するためには、やはり国内の販売あるいは輸出台数というこの二つの項目というものをしっかりと見ていかないといけないということになろうかというふうに思っています。  当然これを進めていく上では、国内の税制であったり、あるいは外国との関税の問題であったり、様々な取引というものも見ていかなければいけないということになりますけれども、ちょっとこの後、税金についてのお話をさせていただきたいというふうに思いますが、まず、この過去からの推移と現状の今産業が置かれている状況というのを、私なりの理解も含めてお話をさせていただきましたけれども、大臣の御所見あれば少しお話を伺いたいなというふうに思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これ礒崎先生もよく御存じのとおりで、状態が激変しておるというのは幾つかの条件があるんだと思うんですね。  一つは、二百四十円だった円が百二十円に変わっていったときに、海外で生産拠点がつくりやすくなって、海外で輸出して、そこで現地で生産して現地で売った方がもうかりが、利益がでかいという状況に大きく変わった、これ一点だと思います。  それから、アジアの新興諸国、なかんずくタイ等々において、いろいろな意味で自動車の部品を作るといういわゆるサプライサイドの状況が極めて良くなってきているという、レベルが向上した等々もあろうかと思いますが、そういった状況が二つあります。  それから、生産台数が減ったというのは、これは、いろいろ国内の若い人の車に対する需要というものが減ってきているのは確かなんで、我々の世代のときのように何より先にまずは車なんて時代じゃなくて、今は、車よりはファッションとか、車よりは携帯とか、そういう話になっていますんで、需要の度合いが違ってきたのは、人口が減ったのと、もう一個はやっぱり、東京を含め周辺では公共機関のレベルがえらく発達してきましたんで、その分だけ車に対する需要が減って地方とは違うという状況もあろうかと思いますが、いずれにしても、そういったものが変わってきていますんで、それに合わせてこういった生産台数も変わってきましたし。  また、海外においての生産台数が増えて、アメリカなんかでも、これは我々としていつも海外との、特にアメリカとの交渉という、今週はよく使わせていただく資料ですけれども、いずれにしても、アメリカの中において、アメリカ生産でアメリカから中南米に輸出している車の比率が何パー、どれくらいあるのかというのはもうアメリカが一番分かっていないところなんで、そういったところは、これは俺たちの車であって、これは日本が造っているものなのであって、アメリカが造ったということになると、元はといえば俺たちがアメリカで造ってあげているからこれだけのことができているんじゃないかという点は、ちょっとほかの中国とかほかの国とは全然違うよという話はきちんと言わにゃいかぬところで、これは交渉をよくするときに使わせていただいている資料でもあります。  そういったものがありますが、もう一つは、やっぱり自動車産業をやられる場合には今後考えにゃいかぬところは、やっぱり電気自動車というものの発達というものは、今部品が、自動車ですと部品どれぐらいでしょう、三万点ぐらい部品が要りますかね。そういった意味では、国内企業が、そういったものを、何というの、下請で作っておられる部分というものの約三万点が、電気自動車になると部品が一万点ぐらい減ると思われますので、そうすると二万点。そうすると、その分だけ、一万点だけ産業に出す部品が減りますので、その分だけ日本の国内産業というものはその点からまた別の意味でのリアクションが出てくるということ等々も考えにゃいかぬので、自動車が電気製品になるわけですから。そういった意味では非常に大きな流れの変化が出てくる等々、これ将来的なことを考えて、この種の産業育成とかそういったものを真剣に考えにゃいかぬということになってきつつあるのかなと思っております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 ありがとうございます。為替の話あるいは公共交通機関の話も含めて、今大臣の御所見をいただきました。やはり何か一つがこの要因になっているというわけではなくて、全てが複合的にやはり関係して今のこの状況になっているという、もう大臣そこはおっしゃるとおりだというふうに思いますし、あるいは当然そこは認識をしているところでございます。  その中の、数ある要因の中の一つとして、税金の設計の仕方というものも大きくやはり関係しているんだというふうに思っています。  お配りした二ページには、先ほどと同じように一九四六年から二〇一七年までの、これは国内の販売台数と自動車関係諸税の税収の総額、消費税も含んでいます、そうしたものを、総額を並べたものをお付けをいたしました。一九七〇年代のところで少し凸凹しているのは、これはもうオイルショックの影響ということで、このときに、日本においても実は様々な税金が上げられたり新たなものがつくられたりということになっています。燃料に関する揮発油税はもとより、自動車の重量税や自動車の取得税というものもこの時点で新設あるいは増税というものがされていたということになり、結果として国内販売の台数というものには大きな影響があったということになります。それ以降、また経済成長を伴って、バブル景気も伴って販売も右肩上がり、税収も増収ということになってきたわけでありますが、先ほども申し上げました九〇年代から国内販売は低迷をしていきますけれども、税の総額については、これはある程度のやっぱり水準がキープされることになっています。  これは、一つにはやはりその七〇年代につくられた様々な税体系によって相当種類も増えましたし税負担も増えていったということで、安定的にある意味税を、税収という意味では安定的に推移をすることができた。逆に、自動車ユーザーからすれば高止まりの状態が続いてきているという見方も私はできるのではないかなというふうに思っています。  やはり税の設計において様々な購買行動にも影響は都度都度出ると思いますし、大きな目線で見たときにも、やはり過去のその税の設計の仕方が現状のところにも大きく影響してくるという認識でおります。その意味で、税を設計するというものは、その後への影響も含めて大変慎重にやはり、これは増税もです、減税も含めてですが、設計しなければいけないということが表現できるグラフかなというふうな思いで今お話をさせていただきましたが、改めて大臣に、この税の設計と市場への影響という観点で御意見をいただきたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) この自動車の、今、礒崎先生が言われた販売台数の年度ごとの増減というものにつきましては、これは御指摘のように税制改正による影響も考えられますけど、それ以上に、今申し上げましたように経済情勢の変化とか、自動車メーカーが造られます新しいモデルの販売状況など様々な影響が出てくるんだとは思いますが。  なお、中長期的に考えると、今申し上げましたように、自動車がある程度、昔と違ってかなり普及したということは、地方に隅々までかなり軽自動車を含めて自動車が普及したという点もありましょうし、運転する現役世代というものの絶対量が少しずつ減ってきているのは御存じのとおりなんで、地方に比べて大都市に人が、人口が集中していますが、大都市ほど公共交通機関が発達しておりますのでというものもありましょうし、いろんなものの構造的な関心が寄ってきているんだとは思いますので、税だけとは言いませんけれども、税制としてはいろんなことを十分に考えておかなきゃいかぬのであって、一つの要素であるということは私どもも思いますので、平成二十九年度の与党税制改正大綱等々も踏まえて、今後、経産省、総務省等々と、これ地方税もありますので、いろんなことを考えていかなければ、検討していかねばならぬところだと思っております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 ありがとうございます。  以前、経産大臣にも同じようなやり取りをさせていただいて、そのときにも経済産業大臣の方からも、税と国内のそうした販売やあるいは消費者の行動というものには、全てではないけれども、やはり一つの因果関係ということは認めていただいておりましたので、今大臣からもそうした認識をいただけたというふうに受け止めました。  今地方のということも大臣言われましたので、地方の観点ということでいけば、言われたとおり、やはり地方では車は必需品ということでもありますので、やはりユーザー負担軽減を行っていくということが結果的には国内の販売というところにも当然影響はあるというふうには思いますけれども、それと併せて、地方で生活をされている皆さんの生活コストの負担軽減にも結果的にはつながっていく。そこのコスト軽減につながっていくということは、これはやはり地方の様々な活性化にもつながっていく、経済的な効果もあるのかなというふうには思います。  以前、高速道路の千円定額とか割引という制度をやったときには多くの方が高速道路を使って移動されたという、これは実際にそういうことがありました。その点からすれば、やはりこれは経済効果を含めて大きな影響があるのかなと思いますが、例えば、今申し上げましたユーザー負担軽減が地方活性化にもつながっていくというふうに私は考えるんですけれども、この点について御所見をいただければというふうに思います。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) お答えいたします。  そもそも、自動車に対する車体課税につきましては、もう委員十分御案内のとおりでございますが、自動車を所有しているという事実に基づく担税力、あるいは自動車が道路損壊等の社会的費用を発生させている、そのような点を考慮して各々創設されたという経緯あるいは課税根拠があります。国、地方の貴重な財源となっているというような面も当然あるわけであります。他方で、車体課税に関しましては、リーマン・ショック以降、エコカー減税や税率の引下げ等を行い、ユーザー負担の軽減を逐次図ってまいったところであります。  地方の負担というような御指摘もそれぞれ頂戴をしているわけでありますが、今後の車体課税の在り方につきましては、国、地方の財政状況が厳しい中にあって、道路の老朽化対策のための多額の財源を確保していく必要があることなども踏まえ、十分に検討していく必要があると考えております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 今、副大臣からその観点でお話をいただきました。  その観点も含めてなんですけれども、今後、様々な産業に起こる変化というものも予見されます。先ほど大臣の答弁の中には電動化というお話がありましたけれども、当然それも一つだと思いますし、あるいは今、自動運転というものもあります。あるいはシェアリングという、そういう業態、考え方というものもあります。海外では、ウーバーといった会社あるいはほかの会社も含めて、今そうしたシェアリングなどもどんどんどんどん事業として市場としては拡大をしておりますし、様々なモビリティー社会の変化というものが今後予見をされているというふうに思います。とりわけシェアリングなどは、国内の販売あるいはタクシー業界も含めて大きな影響を受ける、そうした社会変化だというふうに思われますけれども、今、現時点では何が起こるかまで明確には分からないわけですが、やはりこれ、こうした社会変化に対して遅れることなくしっかりと税制の見直しを図っていくべきだというふうに思いますが、今後起きることをある程度予見をしながら税制の見直しを図っていくこと、その重要性について御意見をいただきたいと思います。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) お答えいたします。  今委員から御指摘のありましたシェアリングへの移行あるいは自動走行が劇的に進展をするなど、自動車産業を取り巻く環境はこれから大きく変化をしていくということ、十分考えられるところでありますので、この変化に的確に対応していく、これは大変重要な政策課題でもありますので、今委員からも大変建設的な問題提起を頂戴したというふうに思います。  一般論としてでありますが、税制の在り方につきましては経済社会の状況に応じたものとなるよう不断の見直しを進めていくことが大切であります。その中で、自動車関係諸税の在り方につきましては、国、地方の貴重な財源となっていることも踏まえつつ、委員から御指摘のありました電動化あるいは自動化などをめぐる技術革新の動向等にも十分注視をしながら、経産省や総務省とも十分に検討してまいりたいと考えております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 以前、やはりこうしたやり取りをさせていただいたときに、大臣からこんなお話をいただきまして、今グローバルで自動車産業がやっている、自動車だけではなくて様々な企業がグローバルでやっている観点においてはGDPだけではなかなか測るのは難しい時代になってきていて、GNI、そうした考え方もやっぱり持って様々なものを見ていかなければならないということでお話もいただきました。  まさにおっしゃるとおりで、私もその後いろいろと勉強もさせていただいたわけでありますけれども、その他、自動車だけではなくてグローバルで様々な事業をしていく上で税をしっかりと適切に集めていくという観点では、BEPSの話も、大臣、先頭に立ってまとめてこられて今形がつくられているというところでもあります。  非常に、大臣、その点については御見識も持ってこれまで取組をされてきたというふうに思いますので、その意味で、今後様々起こるモビリティー社会への変化に追随を、遅れることなく税をやはり設計していく意味でも、今度の、来年度といいますか、今年の末に行われる税制改正の考え、まとめていく段階がその後に大きく影響をされていく中身になっていくんだという意味では、この後の半年間の税制に関する議論というのが後々に大変大きな影響を与える、それぐらい重要性を私は感じているんですけれども、この平成三十一年度に向けた税制改正の重要性について、大臣の御認識を伺いたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今話題になっております例えば自動運転にしても、これは、この車が事故を起こしたときは誰が金払うんですかね。これは、運転しているのは本人じゃありませんから。車会社ですか、誰がこれ保険払うんですかという話についてはこれは真剣に話をしてもらわぬと、これ自動車会社の責任となったら自動車会社はうかつにこの研究は進めませんよ、危なくてやっていられないから。自分はこれ以上保険料まで払わせられちゃかなわぬと、自動車会社だったらそうお考えになられても不思議じゃありませんから。  そういった意味で、この話は税も含めまして非常に考えないかぬところなんだと思っておりますので、車体課税等々の在り方につきましても重要な要素なんだと思っておりますけれども、少なくとも平成三十一年度におけます税制改正における車体課税の見直しに関しましては、これは昨年度でしたか、平成二十九年度の与党税制改正大綱というのを踏まえまして、先ほど、うえの副大臣の方から答弁があっておりましたけれども、これは経産省また総務省等々ともこの話を真剣に話をさせていただかないかぬところなんで、いろいろな問題が出てきておりますことは事実でありますので、十分にこの話は、従来この話は幾らとかいう話じゃなくて、全体像を考えないとなかなか話が前に進んでいかない、将来のことも考えてやらねばならぬところだと考えております。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 是非ともこの点については、重要性、認識をされているというふうに受け止めましたので、そのとおり進めていただきたいというふうに思いますし、この件については我々も様々また意見はさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。  あと、時間がまだ五分、六分ありますので、もう一度、ちょっと最初に戻りまして、森友学園の問題についてあと少しだけ御質問をさせていただきたいというふうに思います。  先ほどはその調査の中身という部分について確認をさせていただきましたが、その理財局の一部が行ったという事実部分については既に報告がなされておりますけれども、もう一つ明確にお話をいただいているコメントがあります。それは、佐川さん、前局長の関与の度合いが大きかったということ、これについては明確に発言をされていると思います。  よくよくこの言葉を理解をしようと思ったら、逆に訳分からなくなりまして、関与の度合いが大きいというのは、これ、責任があるというふうに受け止めていいのか、指示をしたというふうに受け止めていいのか、何を意味しているのかが考えると逆に分からなくなったんですが、関与の度合いが大きいというこの言葉の意味をまず教えていただきたいのと、あわせて、そういうふうに明確に言われた具体的な根拠についてお話をいただきたいと思います。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  国会でのやり取りの中でということでございましたので、答弁を最初に多分したのは私だったと思いますので、その責任を持って答えないといけないと思いますが。国会のいろんなやり取りの中で、確かに今委員おっしゃるとおり、関与あるいは度合い、最初たしか関与といいますか度合いといいますかというふうに私は申し上げてしまった覚えがあるんですが、そういうことなので、その一つ一つの言葉を厳密に定義をせよと言われると大変苦しいところがあるんですが、何が調べて、何をお答えができていて何ができていないかということを整理して申し上げますと、要すれば、理財局の一部の職員がやっていたと。それは、いろんな基本的に聴取をし、あるいは書類を特定し、それを最終的には今回お出しをしたものは地検まで行ってそれを確認してということでございますので、その上でそういうお答えをしているわけですが、そこで、じゃ、誰が指示をしてどういう役割を果たしてというところまではまだ行き着いておらず、それは調査をいたしますというふうに申し上げています。  それはなぜかというのは失礼な言い方かもしれませんが、要すれば、例えば何人かでやっていて、そのうち誰がどういう役割を果たしているかというのは大変難しい話だろうと思っております。  私は捜査をしたことがないので分からないんですが、恐らく、捜査をして、仮にですよ、仮に犯罪があって捜査をするときに、何人かやっていると、それは俺は余りやっていない、俺も余りやっていないというようなことが多いと思いますので、それで誰がどこまで、どういう役割というのは捜査のうちで非常に一番難しいところなんではないかと。それをいろいろ裏を取ったりしてやられるのが捜査機関の一番大事なところではないかというふうに、これは勝手な拝察で大変恐縮ですが、そういうふうに思っております。  そういう中で、一部の職員、そういう意味で、誰が指示をしてどうというところまでは行き着いていないということと、それから佐川局長のお話を申し上げました。これは答弁をするときに常に申し上げておるんですが、一つには当時の理財局のトップが、申し訳ありません、佐川局長であったこと、それからもう一つはなぜと、理由について御答弁を申し上げていますが、書き換えられた文言を見る限り、それまでの、それまでというのは二月から三月にかけての国会答弁が誤解を受けることのないようにするためにということでという整理をしておりまして、その国会答弁を行っていたのは主として佐川局長であったということから、関与といいますか度合いといいますかと最初は申し上げましたが、それが大きいというふうに申し上げているということでございます。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 いや、何か結局よく分からないんですよ、よく分からないんです。  だから、佐川さんに誰かが作ったその答弁書が行って、それを佐川さんがその範囲の中でお話をされて、じゃ、その作られた事務局員さんの関与ってどうなんですか。逆に、もしそれ作られた方の答弁書の範囲の中で佐川さんが話をされているんだったら、関与が一番大きいのは違う方になりますよね。そうなりませんか。  もし、ただ、その作られたものから更に飛び出たところで佐川さんがお話をされたのであれば、それは佐川さんの関与が大きかったということになると思うんですが、そこが分からないんです。そこがこの関与の度合いが大きいというので、今、作られたという、事務の方で作られたという話もされていますけれども、そこの部分はもうしっかりと聞き取り調査をされた上で今のような言葉に結び付いているんでしょうか。その調査というのは一体やられているんでしょうか、どうなんでしょうか。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  今委員、冒頭で答弁との関係でお話がございました。基本的には、答弁書は課長補佐なりなんなりで書いております。平時であれば、その答弁書を一つ一つ上げていって、恐らく理財局長の答弁は最終決裁権者は理財局長なんだろうと思いますが、ということですが、昨年二月、三月、今もある意味で同じ状況ですが、森友学園をめぐる問題については大変厳しい激しいやり取りが行われているというふうに承知をしています。私も、一年後でちょっと違う立場ですけれども同じことをやらせていただいていて、正直に申し上げれば、一生懸命答弁書は作っていただいているんですが、そのときのやり取りで、答弁書どおりの要するに質問が来て、それにお答えするというような状況ではございません。  要すれば、答弁書があって、それを局長は頭に入れて、その上でその場の委員の御質問に応じてお答えをしないといけないので、基本的には答弁書でラインの範囲内だと思いますが、一言一句答弁書のとおりなんというそういうことでできるのであればこんなことにはなっていないんで、そういう意味で、最終責任者は、答弁を作った人間、その範囲を超えていると思っていませんが、最後に答弁するのは局長なので、局長の責任だというふうに私は申し上げているつもりでございます。

礒崎哲史民進党・新緑風会

○礒崎哲史君 もう時間が来たので終わりますが、ただ、その範囲内でお話をされているとかということになるのに、いや、ただ、この関与の度合いが大きいとか最終責任が佐川さんと言えば、逆にその先入観を社会に与えることになりますよ。そういうことになります。書換えと改ざんの一番最初の質問で、書換えが中立的な表現でというふうにおっしゃられましたけど、なぜそこはいつまでたっても中立的な表現使っておいて、ほかのところは先入観与えるような中間の事実の報告だけをしてしまうのか。進め方に大変私は違和感を覚えるということは改めて言わせていただきたいと思います。  この件、まだまだ疑惑は全くもって解明されていないと、もっと時間を掛けてしっかりと、早急にこれは解明しなければいけないということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 民進党・新緑風会の古賀之士でございます。  私からも、先ほど礒崎委員から御質問がありました、森友学園に関する問題から質問をさせていただきます。  補足説明の形で、まず、最初に礒崎委員がその調査のトップは誰なんですかと、その体制はどうなっているんですかと、そういう質問を官房長にさせていただきました。  麻生財務大臣に伺います。その調査のトップはどなたで、現在何人体制でその調査を進められていらっしゃるのでしょうか。そして、その調査体制を決定する省議というのはあったのでしょうか。そういった点についてお答えをお願いいたします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今回の甚だ遺憾な話になっております。誠に申し訳ない仕儀になっておるんですけれども、この調査の体制ということにつきましては、私どもとしては当時の理財局の一部の職員、一部というのは、よく聞かれますけれども、一部というのは理財局もいろいろありますので、国際局もあれば、いわゆる財政投融資を行う部門があったりいたしますので、その意味で国有財産制度、国有財産行政を扱う部署ということになりますので、理財局の一部という言葉を使わせていただいておるんですけれども、そういったことから、どの職員がどの程度関与したかという調査になりますので、これは理財局の中ではなかなか、同じ理財局の中におりますので、きちんとした形でということで私どもの大臣のところの官房、いわゆる官房長と、これをもって、大臣官房の下で人事担当っておりますので、監察官等々もその大臣官房の中におりますので、そういった者を充てているというのでやりますので、人事担当部局というのは秘書課及び同課の首席監察官ということになろうかと存じます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 ですから、財務大臣、調査体制なら調査チームというのが、例えば独自に省内に設置をされて、もう掛かりっきりでこの問題に対して何人体制でやっていらっしゃるのか、そしてそういったことはもう省議で決定をされているのか、そういった点についてはいかがでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 調査の細かい体制でございますけれども、大臣官房、官房長の私の下に、大臣官房の中にございます秘書課、それから首席監察官室、これを中心にやらせていただいております。調査は全省を挙げてやるということですので、特定の者だけに限らず全員で、総出でやっているということでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 総出というお話が今ございましたけれども、いわゆる中核を成す調査チームの具体的な体制というのは明らかにしていただけないんでしょうか。総出でというのは、当然調査する側と調査される側があると思いますので、現在、官房長を中心に全部で何人体制で、大体どれぐらいの調査を行ってきているのか、教えていただけないでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 調査の体制は、具体的には、先ほども申しましたけれども、大臣官房の秘書課とそれから首席監察官室、これの合同チームということになります。チームという名前は付けておりませんけれども、その二つの部署が中心となってやっております。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 それは具体的には何人ぐらいいらっしゃるんでしょうか。そして、それは、二つの部門でやっていくというのは省議の上決定されたものなんでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 省議といった形ではございませんけれども、大臣の指揮をいただきましてやっておりまして、人数、ちょっと数えておりませんけれども、ざっと十名ないし十数名というところでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 ありがとうございます。  なぜ省議では決定されなかったんでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 省議というもの自体が特段頻繁に行われておるものではございませんで、財務省の場合は年に一回かそこらでございますけれど、いずれにいたしましても、大臣の厳しい指揮をいただいて、また次官以下そろったところで訓示をいただいて、しっかりと調べ上げろという指示をいただいておりますので、それをもって私どもは指示をいただいたと思っております。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 済みません、私もなかなか実際の中にいる者ではございませんので、分からない部分を是非教えていただきたいと思っております。  では、一般的に例えば企業などで不祥事が起こった場合、不幸にして、調査チームをつくったというのは、当然その会社の幹部クラスでの承認を求めて、そしてスタートするわけでございますが、私があえて省議という言葉を使わせていただいたのは、それぐらい重大な事項で、臨時の省議を開いていただいて決定してもいいような状況だというふうに私なりに理解をしているからでございます。その点についてはどういうその調査チームは決定をされたのか、そういう意味で答弁いただけないでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 首席監察官室という部屋がございます。この監察官室、文字どおりでございますけれども、部内監察を専らにする部署でございます。この部署がございますので、機構といたしましては首席監察官室の者が常時チームを組んでいて、そのチームが、物があれば、物事が起これば監察をするという体制になってございます。  それから、おっしゃるように、事の重大性に鑑みれば幹部がある意味集って云々ということがあってしかるべきという御指摘はよく分かりますけれども、まさに大臣からもこれまで何度か答弁させていただいておりますように、去る十五日に大臣が大臣室に事務次官以下全局長を集めて訓示、指揮をなさいまして、その中で幾つかおっしゃった中に、徹底した調査をするべしということを御訓示いただいたところでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 分かりました。  では、少なくとも局長の皆さん方のいらっしゃる前で財務大臣がしっかりとその辺の調査をされるようにということをおっしゃられたというふうに確認してよろしいですか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) そのとおりでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 それでは、先ほどからお話が出ております理財局の一部のという文書の改ざんの問題ですが、その理財局以外での文書の改ざんはないともう言える段階なんでしょうか。財務大臣にお聞きいたします。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 今、調査をやっております途中ですので、一部切り出しての御答弁はお許しいただきたいと思いますけれども、少なくとも、本件に関して今理財局のほかで何がしかが発見されたということはございません。  ちょっとこれ以上は控えたいと思います。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 二点、財務大臣にお伺いします。  それでは、確認ですのでもう一度伺います。  それは、関税局や国際局を含めた局長クラスの前でも、徹底した調査を行うように、全省への調査を行うようにというのを命じられたのかどうか、それからもう一点は、理財局の一部以外での文書の改ざんはないと言えるんでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 去る三月の十五日に、この種の話で大臣が局長に訓示をするなんというのは異例の話なので過去に余り聞いたことがありませんが、少なくとも、幹部というか局長以上を集めて、私どもの方として、いい年こいた大人がこんなことを俺たちに言わせるのがおかしいだろうがと、大体、これは理財局の話だけにしているんじゃない、これは役所全体がいわゆる信任を問われる事態になっているんだから、局だけに押し付けるのではなくて省全体で対応すると。当然のこととして大臣官房が主たる調査のなにになりますので官房長というんで、その場で命令をさせていただいて調査を開始させていただいたというのが実態であります、今のところ。  今、理財局の一部ということで申し上げましたけど、これまでの調べの範疇で理財局の一部ということになっておりますので、先ほど、どなたか中間報告ということを聞いておられましたけれども、私どもとしては、理財局の一部というところまでは確信が持てましたので、その点を言わせていただいたというのが今の現状であります。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 ありがとうございます。  それでは、財務大臣、今のお話を受けまして、済みません、私もちょっと頭の中整理しながらですので少しお待ちいただきたいんですが、例えば、中間報告というキーワードも出てまいりました。  一般的には、そういった調査が広範の場合は、ある程度少しずつでもその調査の経緯をしっかりと皆さんの前に公開していくということも大切なものだと思います。いきなり最終報告という形で膨大な資料が出てくる可能性というのもあるからですし、また、調査の途中でもしかすると軌道修正が可能な部分はそれの様々な声が出てくる、それをまた受け入れやすいという部分もあるからです。その辺についてはどうお考えでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) 先ほども御答弁をさせていただきましたけれども、中間報告という御指摘があることは重々承知しておりますし、それは、基本的にもう早くしろと、早くできない膨大なものであるならば途中にまずやれという御趣旨はよく分かりますけれども、調査をしっかりと、全体をつかんで責任のある御説明、御報告をさせていただかなければいけないと存じておりますし、途中で、また調査が進んでいって食い違いが発見されて、御報告が異なる、御報告を修正をしなければいけないといった事態も想定されますし、また、調査の途上におきまして状況をお答えするとその後の調査に影響するということも考えられますので、きちんと責任を持って、できるだけ早く、一括して責任のある御報告をしたいと思っております。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 やはり最終報告まで待ってしまうということは、いつまでかという問題、当然出てくるわけでして、せめていつまでに、中途半端と言ったら語弊があるかもしれませんが、ここまで調査ができていますよという形での何らかの発表というのはあっていいものかと思います。  それから、第三者委員会、一般的には、民間企業あるいは政府系の商工中金の不正融資問題でも第三者委員会がありました。今伺っていますと、十人ぐらいの方々がやっていらっしゃると、調査を。  更に増員をされたりですとか第三者委員会を発足させるというお考えは財務大臣にはないでしょうか。

矢野康治財務大臣官房長

○政府参考人(矢野康治君) これまでも、第三者調査ということは多々御指摘をいただいておりますけれども、既に御答弁させていただいておりますが、本件につきましては、御案内のとおり、捜査当局による捜査を受けております、既に。この捜査当局による捜査というものが、まあ口幅ったいですけれども、究極の第三者による調査だと観念いたしております。  調査の客観性をしっかりと担保しなければ意味がないという御趣旨は重く受け止めますし、我々が云々できる立場にないという御叱責もよく分かりますけれども、まずは、捜査当局の捜査に並行するものといたしましては、我々まず財務省が自らの責任において可能な限りの調査をし尽くすということだと思っております。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今、矢野官房長の方から御説明申し上げましたし、先ほど礒崎先生からの御質問にも同様な御答弁をさせていただいたと思いますが、今、私どもとしては、今調査をされている側の立場にありますので、調査をされている側の中でまた調査をするといったときには、これは本人の身分に関わる話になりますので、これはなかなか難しい話、本人のいわゆる責任というのが発生いたしますので、なかなか本人としても、いわゆる調査の対象と、いわゆる査察の対象、地検の対象ということになりますので、なかなか発言は、当然のこととして自分の、自己保身の都合がありますので、しゃべることがなかなか難しいんだと思っております。  その上で、私どもは、まずは捜査が終わらないと、こちらが聞いてもなかなか答弁はしない、いや、ちょっと私には都合がありますのでということになると、そこはなかなか、今調べを受けております立場なのでということになりますのでなかなか。  したがいまして、私どもとしては、これは捜査が終結するということが出ませんと、なかなかある程度のことは調べられないという事情にあるのはよく御理解いただいているところだと思うんですが、その上で、私どもとしては、今やっております状況というのは、限られた範疇ではありますけれども、少なくとも、今調べられた範疇まででということで、過日、まあ中間報告と取っていただくかどうかは別にいたしまして、理財局の一部というところまで言わせていただくということができたということに御理解いただければと存じます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 捜査というのは、当然、今やっていらっしゃる現段階の捜査もございますし、また、国会からもそういったしっかりとした調査ができる機会もあるわけでございますし、また、省内の中でも、省内の中でもと言うとおかしいですね、省内でも捜査に協力するという形での車の両輪という形で、更にその捜査を加速する意味でも、しっかりとした事実を調査していくということも重要だと思いますので、是非御検討いただければと思っております。  では、済みません、さらに、時間がありませんが、次の質問をさせていただきます。  財務省の文書の管理システムについて幾つかお伺いしたい点がございますが、財務省の文書管理システム上の決裁文書のアクセス権というのはどうなっているんでしょうか。当然、これは重要な文書だと思いますので一部の人間しかアクセスできないと思いますが、パスワードなどで管理をされているのでしょうか。実態だけ、分かっている範囲でお知らせいただけますか。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) 今の御質問は、特例承認というのがあって、その一元的な文書管理システムというところで一番お尋ねをいただいていますので、そこのところでということだろうと思ってお答えを申し上げます。  基本的には、決裁が終わった後それを閲覧できる者あるいは更新できる者という、これは必ずしも一致をしているわけじゃないんですが、基本的には、文書管理者というのが課長級でいます。先般、答弁で文書管理責任者と私申し上げてしまって、それは訂正をしないといけない、文書管理者という名前で課長級がいます。  その上で、あとは、その文書管理者から、その仕事の都合上、文書管理者が全部はできないので、権限の委任を受けたその部下の者に何人か、それは何人か、その課によって仕事の業務上違いがあるんですが、権限の委任を受けた者がそれができるという、そういうスタイルになってございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 では、更にちょっと今伺いますが、今日資料もお手元にお配りしておりますその決裁文書なんですが、その記載されたものと、それと、公認の方以外で文書管理システム上にある文書、こういったものにアクセスができるという方はいらっしゃるんでしょうか。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  この文書については、理財局の国有財産業務課というのが担当課になります。そうすると、基本的には、その担当課の課長とその課長から権限の委任を受けた者という格好になります。  ただ、実際上、じゃ、仕事上どういう形でそれを見るかといいますと、それがいいということを申し上げるつもりではないんですが、現実の我が社の今の運用の状態は、コンピューターシステムの方で確かに電子決裁をします。電子決裁をして、それがある意味でのまとまりということになるんですが、一方で紙も打ち出していて、実際上あのときの決裁はどうだったかというのを見るのは紙で、一定の場所に保管をしているものですから、実際は紙を見てやっているというのが正直に申し上げれば実態と、あの決裁どこなのといったときに、それは紙を見てやっている、紙のとじてあるものを見てやっているというのが実態ではあります。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 では、確認の意味でお伺いしますが、じゃ、かつて担当した方が異動した後でも、その文書管理課が許可をすれば、異動先からでもその文書にアクセスするということは可能なんですね。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) 先ほど申し上げたルールの下でやっていますので、異動しちゃえばその人物はその課の人間ではありませんから、見ることはできないということになります。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 いや、ただ、異動してもその文書課の管理下にあるので、そこの文書課が許可をすればアクセスは再びできるということで問題ないですよね。いや、あそこをもう一回、自分がかつて担当していた決裁文書にもう一回アクセスしたいんだけれどもということで許可申請などを出せばできることになりますよね。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) 済みません、今、後ろの人間に確認をしましたけど、基本的に、その課であり、その権限を委任を受けた者でなければそれはできないというふうに今教わりました。  先ほど申し上げたように、基本は、それがいい悪いは別として基本はどうだったかというときに、紙で、ファイルでやっていますので、紙の方を見て過去のものを見ているというのが現実だというふうに私は思っております。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 あくまで基本ということで伺いました、賜りました。ありがとうございました。  それでは、本当に済みません、時間がだんだんなくなってきました。所得税法等の一部を改正する法律案について伺ってまいります。  まず、給与所得控除それから公的年金控除の縮小、そしてその一方で基礎控除の拡充についてですが、まず、プラスマイナス十万円の根拠、なぜ素朴に十万円なのという部分と、それから、今後の方向性などありましたら是非教えてください。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  働き方の多様化を踏まえまして働き方改革を後押しする観点から、特定の収入にのみ適用される給与所得控除、公的年金等控除から、どのような所得にでも適用される基礎控除に負担調整の比重を移していくことが重要と考えております。  今般の給与所得控除等から基礎控除への振替は、こうした考え方等に基づき行うこととしたものではございますけれども、その振替額につきましては、負担の変動が急激なものとならないようにする観点から十万円としたところでございます。  今後の個人所得課税の在り方につきましては、平成三十年度与党税制改正大綱におきまして、個人の負担に直結するものであることから、累次の改正の影響も見極めつつ、国民の理解を得ながら、引き続き丁寧に議論を進めていくとされているところでございまして、丁寧に検討する必要があると考えているところでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 急激な負担増にならないようにということですね。  次は、フリーランスを含む個人事業主という言葉、文言が出てまいりますが、このフリーランスを含む個人事業主の人数というのは、これ把握をしていらっしゃいますか。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  フリーランスにつきまして、正確な定義というものはございません。ただ、今御指摘のございました人数につきましては、例えば、自営業主のうちいわゆる伝統的な自営業者以外の人数につきまして、総務省の国勢調査を基に一定の仮定の下、試算をいたしますと、二〇一〇年で百六十万人程度と見込んでいるところでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 ありがとうございました。フリーランスという新しい用語、言葉が出てきましたので、それについて定義があればという思いもあってお尋ねをさせていただきました。  続いて、賃上げ、生産性向上のための税制について、お話を移らせていただきます。  所得拡大促進税制のこれまでの状況、そして今後の見通し、これはどうなっていますでしょうか。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  所得拡大促進税制、直近、平成二十八年度の適用実績について申し上げますと、適用件数が九万九千百三十四件、適用金額三千百八十四億円ということになっております。この制度は一〇%の税額控除でございまして、今申し上げました三千百八十四億円を割り戻しますと、適用対象賃上げ額はおよそ三兆円を超える程度と見込まれるものでございます。これは、二十八年度雇用者報酬増加額、十六兆から十七兆円程度の約二割に相当する金額でございまして、一定の効果があったものと考えられます。  また、近年、四年連続で二%程度の賃上げが達成されてきておりまして、もちろん賃上げ自体はいろんなものの影響を受けますので、税制の効果だけ取り出すのはなかなか難しゅうございますけれども、本税制も最近の賃上げの一助になったものと考えているところでございます。  三十年度の改正におきましては、持続的な賃金引上げや生産性向上のための設備投資を強力に後押しする観点から、賃上げにつきましては、平成二十四年度に比べて一定以上増加という要件に代えまして、前年度に比べて賃金を三%以上引き上げることと、生産性の維持向上のため減価償却費総額の九〇%以上の国内設備投資を行うことを要件に、賃金引上げ額の一五%の税額控除が受けられることとしております。また、中小企業につきましては、こうした要件に対しまして一定の配慮を行っているところでございます。  こうした措置によりまして、今後、より一層国内の賃上げまた設備投資に対しましてインセンティブが働く制度になりますので、より多くの企業が賃上げや設備投資に積極的に取り組むことになることが期待できると考えているところでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 先ほど徳茂委員からもその点の御質問もあり、またお答えもいただいたところでございますが、マクロでの今総額の効果というのは教えていただきました。具体的に、働く方々の皆さんたちにとって、具体的に人数等などがもし予測としてお持ちでしたら教えていただけないでしょうか。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたとおり、賃金引上げのその効果、いろんな要素の組合せによってそれが引き起こされますし、また、それによって具体的にどれだけの効果があるかということを定量的になかなか申し上げるのは難しいということを御理解いただければと思います。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 そうですね。確かに、景気の動向ですとか、それこそ外的な要因なども様々ありますので、それについては重々承知をしておりますが、その予測の、マクロがあれば、概算でも結構ですので、具体的な人数等の予測ももし今後出すことができるのであれば、是非お願いいたします。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) あえて一定の試算を申し上げますと、賃上げ税制の適用対象企業や賃上げに係る減収額の内訳として当方で試算をしているものを御紹介いたしますと、まず大企業につきましては、黒字大企業、これが一万八千社ほどございますけれども、約四割が三%以上の賃上げを、約五割が当期の減価償却費の九〇%以上の設備投資を行うことを想定しておりまして、その結果、約二割の企業、三千七百社が今回の措置の対象になると考えております。これによりまして、千六百億円程度の減収を見込んでおります。  中小企業でございますが、黒字中小企業、九十二万社ほどございます。このうち約三割から四割、三十四万社が一・五%以上の賃上げを行うことを想定しておりまして、これによりまして二千億程度の減収を見込んでおります。  合わせまして、全体として三十四万社強程度の企業に適用され、三千七百億円程度の減収を見込んでおります。  こういった一定の適用件数、減収額を見込んでいるところでございまして、より多くの企業が賃上げまた設備投資に取り組むように期待しているというところでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 ありがとうございました。  それでは、ほかにも、情報連携投資それから租税特別措置の見直しの理由なども伺いたかったんですが、次の質問に参ります。  やはり、世の中の関心がこちらも高い事業承継税制の特例についてですが、これまでの状況、それから拡大で対象となる企業数、お分かりでしたら教えてください。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  事業承継税制の適用件数ですけれども、直近、平成二十七年度の実績で申し上げますと約五百件、平成二十一年の制度創設以来、平成二十七年までの累計ですと千五百件ということでございました。  平成二十七年の相続税の申告件数のうち、相続財産に同族会社株式を含んでいるものが約一万二千件ということでございまして、このうちアンケート等に基づいて拡充後の本制度の利用が見込まれるものとして約二千二百件を見込んでおります。そういう意味では、四倍強利用が拡大するのではないかと考えておりますが、今回、これは十年間の時限措置として拡充を行っておりますので、生前贈与の前倒しが促されるというようなことも併せて考えますと、一年当たりの適用件数は更に増加する可能性もあると考えているところでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 先般、委員や委員長を始め伺いました委員派遣の際も、この事業承継税制に関して、その当事者の方々からも、一部なかなかその辺が、システムが分かりづらいというお声もいただいた経緯もございます。  ちょっと確認で幾つか、分かりやすくお答えいただければと思います。  例えば文言の中に事業を続けている限りという言葉がありますが、これの意味、納税の猶予というのはどれぐらいの範囲を考えていらっしゃるんでしょうか。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) 事業承継を利用した後継者の要件ということになろうかと思いますけれども、今回、この利用に関しましては、株式の承継後五年間は代表者として承継した会社を経営する必要がございます。また、承継から五年後以降は承継した会社の株式を継続して保有する必要があるという要件が課されております。これが事業を続けているということになるわけでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 実際に引き継ぎたいという方はもちろんなんでしょうけれども、また、元々の今事業をやっていらっしゃる方々からは、いや、もう是非これ詳しく分かりやすくホームページ載っているので見てくださいと言わせていただいても、いやいや、ホームページがよう分からぬというような御意見も、それぐらいやっぱり高齢の方も多いというのも現実でございますので。  その後継者の範囲を是非具体的に、例えばなぜ三人なのかとか、そういう要件のもし決め方がありましたら是非教えてください。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) 現行制度におきましては、事業承継における株式の分散を防止する観点から、事業承継税制の適用対象となる後継者、これは一人に限定してまいりました。一方で、兄弟姉妹で協力して事業を引き継ぐようなケースにおきまして、事業承継税制の適用対象が一人に限定されていることが制度の利用をためらわせる要因になっているのではないかという指摘もあったことから、今般、十年間の特例に限りまして、事業者の実態も踏まえて、同一親族内の最大三人の後継者まで事業承継税制の適用ができることといたしまして、多様な承継パターンに対応することといたしたところでございます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 ありがとうございます。それで一人から三人になったという訳も分かりました。  最後の質問にさせていただきます。  まだまだ積み残しているものもあるんですが、雇用要件、八割の人数要件ですね。例えばこれ、小さい会社だったら十人の方の八割、大きい会社だったら、例えば百人のうちの八割というと八十人になりますが、この辺はどんなふうに考えたらよろしいんでしょうか。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) 雇用確保要件における維持すべき従業員数の水準につきましては、承継前の従業員数の大小にかかわらず、承継前従業員数の八割ということにしております。  ただ、平成二十九年度改正におきまして、雇用確保要件の計算方法の見直しを行いまして、維持すべき従業員数の計算において端数を切り捨てることといたしまして、従業員の少ない小規模事業者に対する配慮を行ったところでございます。  今般の改正におきましては、中小企業の人手不足が問題になる中で、雇用確保要件が事業承継が使いづらい要因の一つになっているという指摘があったことを受けまして、雇用確保要件の弾力化を行っております。具体的には、承継後五年間、平均の雇用が八割を下回った場合であっても納税猶予は打ち切られず、その理由を都道府県に報告し、その理由が経営悪化等である場合は、認定支援機関の指導、助言を受けることによって納税猶予が継続するということにいたしているわけでございます。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 元経営者として、具体例で言わないと分からないなと思いますので、今の話は、分かりやすい例でいけば、設備投資をするんですよ。その設備投資をすることによって人が減ることになりますが、生産性は上がりますから、そういった意味では、国全体としてはそちらの方がよろしいので、そういったことも考えて、八割を決められると今やりたい設備投資はできないということになるのを避けるというのが一番大きな背景だと存じます。

古賀之士民進党・新緑風会

○古賀之士君 ありがとうございました。  時間が来ましたので、質問を終わります。

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十六分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、青山繁晴君及び小池晃君が委員を辞任され、その補欠として中西祐介君及び辰巳孝太郎君が選任されました。     ─────────────

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に中西祐介君を指名いたします。     ─────────────

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 休憩前に引き続き、所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

宮崎勝公明党

○宮崎勝君 公明党の宮崎勝です。  私は、今回の所得税法等の一部改正案につきまして質問をさせていただきたいと思います。  これまでの国会論議などにおきましても、様々なこの法案についての御指摘や御懸念が示されているということもございますので、それに対する確認の意味も含めまして質問をさせていただきたいと思います。なお、午前中の徳茂委員、あと古賀委員の質問とも重なる部分があるかと思いますが、よろしくお願い申し上げます。  最初に、本法案の趣旨に関してでございますけれども、本法案は働き方改革ということで、その働き方の多様化などへの対応であるとか、あるいはデフレ脱却、経済の再生を実現する、そういった観点から税制を一体として見直す改正となっております。  しかしながら、本法案によりまして、国税全体といたしましては、新たに創設される予定の国際観光旅客税も含めまして千五百九十億円の増税になるということでございます。このため、デフレ脱却という観点からいたしますと、むしろ増税は逆行しているのではないかと、そういった指摘をする向きもございますけれども、本法案の趣旨を改めて分かりやすく御説明をいただきたいと思います。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) お答えいたします。  本法案におきましては、働き方の多様化等への対応、デフレ脱却と経済再生の実現などの観点から、税制面で所要の措置を講じることとしております。今委員御指摘のとおりでございます。  具体的には、働き方の多様化を踏まえ、働き方改革を後押しする観点からの給与所得控除、公的年金等控除からの基礎控除への振替。デフレ脱却と経済再生に向け、生産性向上のための設備投資と持続的な賃上げを強力に後押しする観点からの所得拡大促進税制の改組、中小企業の代替わりを促進する事業承継税制の拡充。このほか、国際課税制度の見直しや税務手続の電子化の推進、たばこ税の見直しなどを実施することとしております。  なお、今回の改正によりまして、国税では平年度ベースで一千五百九十億円程度の増収となる見込みでありますが、たばこ税の見直しにつきましては、厳しい財政事情を踏まえ税率を引き上げることとしたものであり、引上げに当たっては、消費者の負担が急激に増えることとならないよう、三回に分けて段階的に実施することとしております。また、所得税の見直しの結果、税収増となるわけでありますが、子育て世帯等に配慮することによりまして、九六%の給与所得者は負担増とならない見込みとなっているなど、家計への配慮も行っているところであります。  今回の改正は、全体といたしまして、経済社会の構造変化に対応し、デフレ脱却と経済再生につながるものであると考えているところであります。

宮崎勝公明党

○宮崎勝君 社会の構造変化に対応するということで、税制を今回見直していくということでございますが。  さらに、今回の消費税の軽減税率の財源との関係について御質問をさせていただきたいと思います。  平成三十一年十月に消費税率が一〇%に引き上げられる予定でございます。それと同時に、逆進性対策として軽減税率が導入をされるという予定になってございます。その財源については、政府・与党が責任を持って平成三十年度末までに手当てをするということで合意をしているところでございます。しかし、これまでの国会論議等におきましては、たばこ税など本法案による増収分を軽減税率の財源の一部に充てるのではないかといった誤解も生じているところでございます。  本法案と軽減税率の財源確保との関係について、明確な御答弁をお願いをしたいと思います。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) 例えば、今御指摘のたばこ税につきましては、高齢化の進展により社会保障関係費が増加をする中、引き続き厳しい財政事情にあることを踏まえ、たばこ税の税率を国と地方合わせて一本当たり三円引き上げることとしたものであります。  軽減税率制度の財源につきましては、平成三十年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずることによりまして、安定的な恒久財源を確保することとされております。今後、歳入及び歳出両面にわたってしっかりと検討を行ってまいりたいと考えています。

宮崎勝公明党

○宮崎勝君 ありがとうございます。  続きまして、今回の税制の改革の影響と意義について改めて確認をさせてもらいたいと思いますが、本法案は、働き方の違いによる課税の公平性を確保するために、所得税の給与所得控除を十万円引き下げて、誰もが受けられる基礎控除を十万円引き上げると、そういう内容でございます。これによって、自営業者であるとかフリーランスの方々は減税となるということでございます。さらに、給与所得控除の上限額が適用される収入金額を八百五十万円、その上限額を百九十五万円にそれぞれ引き下げるとともに、基礎控除に所得制限を設定して、合計所得金額が二千四百万円から逓減をして、二千五百万円で消失をするという、そういう仕組みになってございます。  この一連の改正をサラリーマン増税というふうに指摘する声もありますけれども、今回の改正が働く人々にとってどのような影響をもたらすものなのか、また、所得再配分機能の回復に向けた個人所得税改革にとってどのような意義があるのか、御説明をいただきたいと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  ただいま委員から御指摘がございましたとおり、今般の個人所得課税の見直しにおきましては、大きく言うと三つの見直しがございます。給与所得控除等から基礎控除への振替を行う、それから給与所得控除の上限の引下げを行う、基礎控除の逓減、消失化という三つでございます。  まず、給与所得控除、公的年金等控除から基礎控除への振替につきましては、最近の働き方の多様化を踏まえまして、働き方改革を後押しする観点から、特定の収入のみに適用される給与所得控除等から、どのような所得にでも適用される基礎控除に負担調整の比重を移すという狙いの改正でございます。これは働き方に左右されない税制に向けた見直しであると考えているところでございます。  次に、給与所得控除につきましては、給与所得者の勤務関連支出や主要国の概算控除額と比べて過大となっていることを踏まえまして、控除が頭打ちとなる給与収入を八百五十万円超に引き下げることとしているものでございますけれども、子育て世帯、介護世帯等に配慮することとしておりまして、九六%の給与所得者には負担増にならない見込みとなっているところでございます。  また、基礎控除につきましては、高所得者にまで税負担の軽減効果を及ぼす必要は乏しいのではないかという指摘があることを踏まえまして、所得が一定額を超えると控除額が逓減、消失する仕組みに見直すということにしているわけでございます。この見直しは、委員御指摘のとおり、所得再分配機能に着目した改正でございまして、所得再分配機能の回復に資するものと考えているところでございます。

宮崎勝公明党

○宮崎勝君 分かりました。  その所得再配分機能の回復ということでございますけれども、主要国においては、一定の課税所得までは税率をゼロにするゼロ税率方式と、それから課税所得に累進税率を適用した後に一定の控除額を差し引く税額控除方式、それから所得控除方式を維持しつつ、高所得者については控除額を逓減、消失させるという逓減・消失型の所得控除方式という三つがあるそうでございますけれども、いずれもこれまで我が国が取ってきた所得控除方式と比べると所得再配分機能は高いというふうに言われているところでございます。  今回の改正におきましては、この所得再配分機能の回復に向けた改革といたしまして、このゼロ税率方式とか所得控除方式は取らないで逓減・消失型の税額控除方式を採用したということでございますけれども、いろいろここは議論があるところだったとは思うんですが、この逓減・消失型の所得控除方式を採用した理由について御説明をいただきたいと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) 基礎控除につきましては、現在の制度、これは所得の多寡によらず一定金額を所得から控除する所得控除方式を採用しているところでございます。この点につきましては、先ほど申し上げましたとおり、高所得者にまで税負担の軽減効果を及ぼす必要性は乏しいのではないかなどの指摘がなされてきたところでございます。こうした指摘を踏まえつつ、現行の所得控除方式から所得再分配機能の強化のためにどのような制度に移行するかということを検討したわけでございます。  委員御指摘のとおり、諸外国を見ますと、確かにゼロ税率方式また税額控除方式等々もございますけれども、現行の所得控除方式からゼロ税率方式や税額控除方式に変更した場合、制度が大幅に変わります。負担の変動が急激なものとなりかねないということ等も考慮いたしまして、今回は、例えばイギリスやアメリカなどで採用されております逓減・消失型の所得控除方式を採用することとしたわけでございます。

宮崎勝公明党

○宮崎勝君 激変緩和ということかと思います。  それから、もう一つ、所得把握の不均衡という問題も指摘されてございます。  給与所得控除には、従来、必要経費の概算控除と、また他の所得との負担調整という二つの性質があるというふうに言われております。このうち、他の所得との調整が必要とされる理由は、給与所得控除は源泉徴収をされるために事業所得等と比べると捕捉されやすいということから、この所得把握の不均衡、いわゆるクロヨン問題があるためということでございますが、この所得把握の不均衡がまだ解消されていないのではないかという指摘される中で、給与所得控除から基礎控除への振替など今回の一連の改正を行うことによって、かえって不公平が助長されるのではないかという懸念も指摘されるところでございます。  適正な所得把握など、公正な税負担を確保するための対応についてどう取り組むのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) 今般の税制改正では、個人所得課税の見直し、先ほど申し上げましたとおり、特定の収入のみに適用される給与所得控除等から、どのような所得にでも適用される基礎控除に控除額の一部を振り替えることといたしているわけでございます。  給与所得控除につきましては、先ほど委員御指摘のとおり、給与所得者の特性ですとか概算控除等々の働きがあって認めているものでございますけれども、今般、働き方が多様化していることを踏まえて今回の改正を行っているわけでございまして、改正の中身自体は適切なものと考えているところでございます。  御指摘の事業所得者の所得捕捉の問題、クロヨン等の問題に関しましては、これまでも、記帳義務制度の拡充、法定資料の整備充実、罰則の強化、青色申告の普及促進など、事業所得等の適正な申告や所得把握に向けた取組を進めてきているところでございます。  引き続き、マイナンバー制度も活用しつつ、更に正確で効率的な所得把握に努めるとともに、経済社会のICT化等の動向や諸外国の制度も踏まえて、適正な申告に向けた取組を今後とも進めていく必要があると考えております。

宮崎勝公明党

○宮崎勝君 ありがとうございます。  続きまして、子供の貧困に対応した寡婦控除の見直しということについてお尋ねをしたいと思います。  寡婦控除は、配偶者と死別又は離婚した場合に、所得や扶養親族に係る要件を満たせば一定の控除を受けられる制度ということでございます。これは法律婚が前提とされておりまして、結婚をせずに一人で子供を育てている場合などは控除を受けられない仕組みとなっておりますけれども、法律婚かどうかで寡婦とそれから結婚をしていない非婚の一人親等を税制上で区別する、そういう必然性はそれほど高くないのではないかというふうに考えております。  実際、地方自治体においては、非婚の一人親に対して、公営住宅への入居や保育料の算定において寡婦と同様に扱う寡婦控除のみなし適用を行うなど対応は進んでおりますけれども、国の税制面での対応は行われていないのが現状でございます。  これについて我が党は、寡婦控除の適用拡大ということについて国会質問や毎年の税制改正などを通じて一貫して訴えてまいりました。その結果、今回の与党税制改正大綱においては、自由民主党との間で、婚姻によらないで生まれた子を持つ一人親に対する税制上の対応を平成三十一年度税制改正大綱において検討して結論を得ると、そういうことで合意をさせていただきました。  今後、年末に向けて与党内で内容を検討していくことになるわけでございますが、政府におかれましても、事実婚の実態把握や事実婚状態の有無の確認方法について検討を進めていただきたいと思っておりますし、今後、この戦後に創設された寡婦控除を実態に即した制度とするよう前向きに検討していただきたいと思っているところでございますが、これからの話ではありますけれども、これについての御所見を伺いたいと思います。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) 今御指摘のありました未婚の一人親に対する税制上の対応につきましては、昨年末の公明党税調におきましても大変熱心な御議論を頂戴をしたものと承知をしております。  そのようなことを踏まえ、平成三十年度の与党税制改正大綱におきましては、児童扶養手当の支給に当たって事実婚状態でないことを確認する制度なども参考にしつつ、平成三十一年度税制改正において検討し、結論を得るとされているところであります。  今後、与党における検討も十分に注視をしつつ、必要な検討を行ってまいりたいと考えています。

宮崎勝公明党

○宮崎勝君 これから議論がされるということでございますので、なかなか対応については言いづらい点もあるかと思いますが、何とぞよろしくお願い申し上げたいと思います。  最後に、先ほどの古賀委員の質問とも重なりますが、賃上げ促進に向けた税制措置の効果等についてお伺いしたいと思います。  平成二十五年度税制改正で創設された現在の所得拡大促進税制は、当初の適用件数と比べて現在は十倍以上に大幅に増加しているということで、先ほどの古賀委員の質問に対しては九万九千件余りということで御回答がございました。こうした中で、今回の改正では、大法人には、前年度と比べて三パー以上の賃上げを行うとともに国内投資を積極的に実施した場合に減税を認めるという制度に改組されるということでございます。  本改正によりまして、賃上げと投資を両立した企業でなければ減税は受けられなくなるということでございますが、このように適用要件を強化することで更なる賃上げにつながるのかどうか、この政策の狙いと期待される効果についてちょっとお伺いしたいと思います。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) 平成三十年度税制改正におきましては、持続的な賃金引上げや生産性の向上のための設備投資を強力に後押しをする観点から、所得拡大促進税制を見直し、総理が昨年来経済界に要請をしておりますように、政府として企業の三%の賃上げの実現に向けた取組を税制でも後押しをすることとしております。  今般の税制上の措置の要件について申し上げれば、三%の賃金引上げにつきましては、これは定期昇給分が含まれており、大企業の定期昇給率が平均一・七%程度、これは二〇一七年の春闘、連合の集計でございますが、一・七%程度であることを踏まえますと、実質的にはベースアップや賞与により一%強の賃上げを求めているところであります。黒字大企業一万八千社のうち約四割が三%以上の賃上げを実施するものと想定をしているところであります。  また、設備投資要件につきましては、生産性を維持し、持続的な賃上げが行える環境の観点から、登記に陳腐化をする資産を更新をするために必要な金額、これと同程度の投資を求めているものであり、黒字大企業の約五割が当該要件を満たすものと想定をしております。  いずれにいたしましても、今回の改正は、企業の持続的な賃上げや国内設備投資に対しより一層インセンティブが働く制度としているところであり、この措置によりまして、より多くの企業が賃上げや設備投資に積極的に取り組むようになることが期待できるものと考えております。

宮崎勝公明党

○宮崎勝君 以上で私からの質問を終わります。同僚に替わりたいと思います。  ありがとうございました。

里見隆治公明党

○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。  質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  一昨日、二十日の本委員会で、古賀先生から御報告がありました二月十九、二十日の青森、函館への委員派遣、私も御一緒させていただきました。そのときに御報告をいただいたとおり、地元中小企業との懇談で、事業承継税制の見直しや消費税の軽減税率に伴う事務負担増などの話題がございました。まずはこの二点についてお伺いをしたいと思います。  委員派遣当日、長谷川委員長のお計らいで、事業承継税制の特例について、あらかじめ分かりやすい資料も皆様に配付をいただきました。ありがとうございました。財務省の皆様からもその場で御説明もいただきました。このような機会が全国津々浦々、あらゆるレベルで進められる必要があるというふうに考えております。  そもそも事業承継税制については、昨年十二月の本委員会において私も質問をさせていただきました。そしてその実現を強くお願いしておりましたので、今回の法案は大賛成でございます。  本日午前中の徳茂先生、古賀先生の質疑においても、その意義、概要等については質疑があり、御答弁もいただいておりますので、内容については割愛をするといたしまして、今後、制度改正ができた暁には、より多くの事業者にお使いをいただくため、まさに先ほど申し上げました周知、広報、そして相談が重要になってまいります。  その際、課題となってまいりますのが、関係する省庁が多岐にわたっているという点でございます。相続税の納税猶予を受けるためには、会社が承継計画を策定し、まず認定支援機関に所見を記載してもらう、そして都道府県庁に認定申請、そしてその認定を受けて税務署に申告書を提出するといった手続が続きます。一方、様々な支援措置を行っているのは経済産業省、中小企業庁となっておりまして、どこに何を聞きに行けばいいかというような状況にございます。  そこで、中小企業庁にお伺いをいたします。  今回、抜本的に改正する事業承継税制をより多くの事業者にお使いいただくため、制度の積極的な周知、広報、また相談が重要であると考えます。財務省とも連携して進めていただく必要があると思いますけれども、中小企業庁としてのお取組についてお伺いをいたします。

吾郷進平中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(吾郷進平君) お答えいたします。  事業承継税制につきましては、御指摘のとおり、全国の事業者の皆様に制度の内容をお伝えして普及させていくというのが非常に大きな課題であると承知しております。  足下、私どもの取組を御紹介しますと、ここ三か月間でも、地方経済産業局におきまして百二十七回の説明会を開催しておりますし、各地で開催されております事業者や専門家の方々向けの説明会におきましても、合計百二回、中小企業庁あるいは中小企業基盤整備機構の職員を派遣しているところでございます。その際に、地方財務局の方から金融機関の方にもこうした取組への参加を呼びかけるなど、財務省とも連携しながら普及活動を行っているところでございます。  今後につきましても、しっかりと連携しながら取り組んでまいりたいと思います。

里見隆治公明党

○里見隆治君 これまでの認定件数、この税制の面で、相続税、贈与税合わせて平成二十七年分では五百件、また今日の午前中の御答弁でもこれを四倍以上に見込んでおられるとのことでございました。この件数、更に伸ばしていく必要があると思います。  そこで、財務省にお伺いいたしますけれども、税収効果としては短期的には減税措置でございますけれども、中長期的には納税主体を維持、更に増進していくという意味で非常に意義があることだと思います。財務省としても、主体的にお取組をいただき、事業承継税制を円滑に施行するためどのようなお取組をされる御予定か、副大臣、いかがでしょうか。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) 事業承継税制につきましては、今委員御指摘のような非常に大きな効果があるものと考えておりますが、その円滑な施行に当たりましては、中小企業者や税理士等に対する制度周知というものが大変重要になってくると考えております。  財務省といたしましても、新しい事業承継税制の理解や普及が進むよう、税理士会等が主催をされます税制改正の説明会等におきまして制度の周知、広報を行っているところであります。また、今し方中企庁の方から御紹介をいただきましたが、各財務局を通じまして、地域の金融機関に対しまして経済産業局等が主催する説明会への参加の呼びかけも行っているところであります。  加えて、法施行後は、制度周知用リーフレット等の税務署窓口等への配置、あるいは国税庁ホームページへの制度周知用リーフレットや法令解釈通達などの各種情報の掲載、できるだけ分かりやすい形で掲載をしていきたいと思っておりますが、それなども予定をしているところであります。  今後とも、経済産業省等の関係機関と緊密な連携、協調を図りながら、積極的な周知、広報を図ってまいりたいと考えています。

里見隆治公明党

○里見隆治君 是非、分かりやすい周知、そしてきめ細かな相談をよろしくお願いいたします。  次に、消費税の軽減税率についてお伺いをいたします。  既に法律では実施も予定されておりますが、改めてその意義を考えますと、消費税引上げに当たって、国民の理解を得るとともに景気への影響を最小限にするという観点でも、消費税の持つ逆進性や痛税感、これを緩和し、世界標準でもある軽減税率の導入をする意義は大変大きいものがあると考えております。  しかし一方、私、先日、地元愛知、名古屋のおそば屋さんでちょっとした御意見をいただきました。例えば、出前と店内で扱いが異なるとか、仕入れの商品で消費税が掛かるもの掛からないもの、様々手続が面倒だと、そんな御意見でございました。おっしゃる現場の声としては、納得、なるほどというものもございます。そうした中、先ほど申し上げました委員派遣でも、青森で中小企業の皆様から手続面について御意見を賜りました。  そこで、この軽減税率の導入に際しての手続、その事務負担の緩和という観点でお伺いをしたいと思います。  中小企業庁にまずお伺いいたしますけれども、明年十月の消費税率の引上げと同時に実施される軽減税率制度について、中小企業・小規模事業者の経理処理等の負担を減らすための軽減税率対策補助金の積極的な活用が期待されております。現在の執行状況についてお伺いをいたします。

吾郷進平中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(吾郷進平君) お答え申し上げます。  軽減税率対策補助金の執行状況につきましては、申請受付を開始した平成二十八年四月から今年二月末までの二十三か月間の合計で、申請件数約六万四千件、申請金額約百八十億円となっております。  この補助金の活用促進を含む軽減税率制度実施に向けた周知、広報に関しましては、中小企業団体等と連携をいたしまして百十八万部のパンフレットを配布するなどしているところでございます。  今後とも、商工会、商工会議所等の中小企業団体、レジメーカーやベンダー等も通じまして、軽減税率制度の周知、広報と併せて、補助金の活用促進に取り組んでまいりたいと考えております。また、この際に関係省庁ともしっかり連携してまいりたいと存じます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 活用促進、是非よろしくお願いいたします。  その際に、今もおっしゃっていただいたとおり、他省庁との連携、この点、今日は国税庁についてお伺いしますけれども、この消費税の引上げ、また軽減税率、まだまだ一般に理解が深まっていないのではないかと考えております。国税庁の周知に際して、今御説明のあった中小企業庁の支援措置、この連携など、他の機関との連携を密に周知、広報、相談に応じるべきと考えますけれども、現在の取組状況について教えてください。

藤井健志国税庁次長

○政府参考人(藤井健志君) お答え申し上げます。  軽減税率制度につきましては、非常に幅広い消費者それから事業者に関係するものでございます。特に事業者の方には、制度の実施に向けて税率ごとの商品管理などの準備を行っていただく必要がございますので、制度の周知、広報、相談対応、これらが非常に重要になってくると認識しております。  このような観点から、これまで、軽減税率制度の適用対象品目ですとか請求書の書き方について国税庁としてQアンドAを公表し、お問合せに応じて随時改定してきております。  それから、説明会は、関係民間団体、これは税に関する関係民間団体、それから各省庁の所管しておられる様々な団体がございますけれども、そこと連携しながら説明会を開催してきております。ちなみに、政府全体で集計しておりますが、平成二十八年四月から二十九年十二月までに約一万九千回の説明会を実施いたしておりまして、延べ五十五万社程度の事業者が現在のところ参加なさっているということでございます。  また、細かな点につきましては、私ども、電話相談をいただいて、それでいろいろと回答を差し上げるという仕組みをつくっておりまして、軽減税率電話相談センターを設置するということにしております。  委員御指摘の補助金についてでございますが、国税庁が作成しておりますパンフレットの中にも補助金の説明に関するページを入れまして、まず事業者の方が認識できるようにしているということ、それから、私どものやります説明会におきましても、可能な限り中小企業基盤整備機構さんですとか商工会、商工会議所などの中小企業団体から講師派遣の協力をいただくようにして、補助金の方も併せてよく御説明するというような対応を取っているところでございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 ありがとうございます。そうした、たらい回しにならないような支援、相談体制、是非今後とも更に積極的に進めていただきたいと思います。  じゃ、次に移ります。  私、三月五日、確定申告のちょうど時期でございましたけれども、愛知県一宮市で税務署あるいは地元税理士会、自治体が行っている税務相談の会場を訪れました。国のみならず自治体の職員、税理士の皆様の共同作業で申告が行われている様子を現場でうかがうことができました。  今回の税制改正もそうですが、時々刻々と時代に応じて制度を変化させる一方で、適正に納税いただけるような環境整備を進めること、これが大変重要だという認識を新たにいたしました。一方で、税務署などの窓口に来られる方への利便性確保という点でも配慮が必要だと考えます。特に、目が見えない方、弱視の方など、障害をお持ちの皆様には、金融あるいは税制という観点でアクセスを確保していくということは大変重要な視点であるというふうに考えております。  そこで、少し角度を変えて質問させていただきたいと思います。  社会福祉法人日本盲人会連合の平成二十八年の調査によりますと、弱視の方が書くことで困っている内容で最も多いのが、契約、解約等の金融機関の手続ということで、複数回答で八八・八%。ちなみに、二番目が役所や公共機関での行政手続で八五・〇%ということでございました。まさに本委員会、税制、金融の関係でございます。  そこで求められますのが、読み書きに困難を抱える高齢者や障害者の読み書き困難者に対して代読、代筆の情報支援サービスを、例えば金融であれば金融機関の職員を対象とする研修会の開催を促すとか、あるいは、こうした情報支援サービスの実施を来店者にお知らせするための表示を金融機関の窓口に設置するといった対応を促すことだと考えます。  実は、こうした措置については、既に金融機関では相当程度規定は整備されているようでございますが、一方で、現実には実行に移されていないという状況も伺っております。こうした点、金融庁としてどのように認識をし、また業界に対してどのような働きかけをされているか、金融庁にお伺いしたいと思います。

遠藤俊英金融庁監督局長

○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。  金融庁といたしましては、平成二十二年から、障害者の方々からの御意見等を踏まえまして、毎年、障害者等に配慮した取組に関するアンケート調査、これを実施し、公表しております。これによって、金融機関における取組状況を把握するとともに、障害者の方々にとって利便性が高まるように、金融機関の自主的な対応を促しているところでございます。  アンケート調査におきましては、障害者の方々から代読、代筆依頼があった場合の対応でありますとか、また、職員の障害者の方々への対応力向上のための研修等を行っているかという点についても確認しております。その結果、委員御指摘のように、この代読、代筆に関する内部規定はほぼ全ての金融機関で整備され、研修等の取組についても銀行を中心に着実に取組が進められていると承知しております。  この規定でございますけれども、規定自体は金融機関において整備されているものということでございますが、障害者の方々からは、依然として代筆規定の内容が窓口担当者に周知されておらず、その都度上司に確認して対応しているとか、あるいは代筆を依頼したけれども断られたり、親族を連れてくるように言われたという声も聞こえているところでございます。  このため、私どもといたしましては、金融機関の業界団体との意見交換会の場におきましても、幾つかの金融機関の進んだ取組事例なんかも参考にしつつ、障害者の利便性の向上に向けた現場レベルへの浸透、徹底を促しているところでございます。  当庁といたしましては、障害者の方々の御意見を踏まえまして毎年アンケートの内容を見直すとともに、アンケートの結果を受けて金融機関に取組の改善を要請するなど、金融機関に対して、より利用者の意見を踏まえた対応の向上を促していく所存でございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 実のある対応について、今後とも積極的な対応をお願いいたします。  国税、税務署においても同様の配慮、必要かと思います。この点、今日は質問はいたしませんけれども、是非、財務省また金融庁挙げてお願いをしたいと思います。  それでは次に、国税庁にお伺いをしたいと思います。  まず、マイナンバー制度との関連で、様々これは、個人情報保護の観点あるいは一方で利便性をどう活用していくかと、その両面からのアクセスであろうかと思います。  マイナンバー制度の導入、これから二年が経過をいたします。国税の分野において、マイナンバーの活用状況、現状、また今後の方針についてお伺いいたします。

藤井健志国税庁次長

○政府参考人(藤井健志君) お答え申し上げます。  マイナンバー制度の導入によりまして、国税関係手続におきましては、平成二十八年一月以降、申告書や法定調書などの一定の税務関係書類にマイナンバー、あるいは法人につきましては法人番号でございますが、これの記載を、記載して提出いただいているところでございます。例えば、所得税の確定申告書について、昨年からマイナンバーの記載が必要となっております。導入初年度の二十八年分につきましては、約八三%の申告書にマイナンバーを記載いただいているというのが実績でございます。  このマイナンバーの活用状況、効果といたしましては二つあると思っております。一つは行政の効率化、もう一つは納税者の利便性の向上ということでございます。  まず行政の効率化といたしましては、マイナンバーを用いることによりまして、法定調書の名寄せですとか申告書との突合がより効率的かつ正確に行えるようになりますので、所得把握の効率化、適正化が期待できるところでございます。まだ導入当初でございますので、今後これらの効果が得られていくものと考えております。  納税者利便の向上という点では、マイナンバー制度の導入を契機といたしまして、住宅ローン控除などの申告手続におきます住民票の添付省略などを実施してきております。また、マイナポータルというのが併せて、税の制度ではございませんけれども、ございます。これにログインすればe—Taxを一言で言えばより簡便に行えるようになるというようなこともやっております。  今後もそのマイナポータルとe—Taxの認証連携ということを進めていきまして、対象手続の更なる拡大に向けて関係省庁とも検討を進めていくというのが私どもの考え方でございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 ありがとうございます。このマイナンバーの活用、まだ始めて間もないということで検証しながらということでございますが、様々な利点また欠点、その辺を確認をしながら、更に活用の方向で進めていただければと思います。  次に、税務署含めての体制についてお伺いをしたいと思います。  どうも、お伺いしたところでは、実地調査の割合というのが長期的には低下をしてきているということでお伺いしております。この長期的な推移、またその低下しているという背景、こうしたしっかりと税制改正をしながら制度を整えていく一方で、適正課税に向けてお取組をしていただく必要があると考えておりますが、その取組状況についてお伺いをいたします。

藤井健志国税庁次長

○政府参考人(藤井健志君) お答え申し上げます。  私どもの事務年度、各年の七月から翌年の六月なんですけれども、そこにおきます実地調査割合というのを見てみますと、個人の納税者につきましては、平成元年度が二・三%であったのに対しまして、直近の二十八年度は一・一%でございます。法人につきましては、平成元年度が八・五%であったのに対しまして、平成二十八年度は三・二%ということで、低下してきているということでございます。  この原因のようなことですけれども、税務行政を取り巻く環境を見ますと、様々な事務量の増加がございます。例えば、経済活動の国際化、ICT化に伴う調査事務の複雑化、一件に掛かる時間が長くなるとか、そういうようなことがございます。また、平成二十五年一月の改正国税通則法の施行に伴いまして、税務調査手続の法定化がなされております。これに伴いまして幾つかの手続が増えますので、その分なかなか件数が増えていかないというようなこともございます。それから、申告件数自体も増加しております。  一方で、国税庁全体の定員につきましては、二十四年度から二十八年度までの五年連続で累計五百九十七名の純減、この二か年は増えておりますけれども、八人の純増ということで、横ばいないしマイナスということになっております。こういう、事務量の増加と定員が増えないということが相まって実調率の低下を来しているという現状にございます。  このままでは具合が悪いのですけれども、私どもとしては、与えられた条件の中で、実地調査については多額の申告漏れ、悪質な所得隠しが見込まれる事案を優先して実施する、それから、簡易な誤りであれば直接赴かずに電話や書面によって納税者の自主的な見直しを要請して課税の適正化を働きかけていくということで、効率的かつ効果的な調査の実施に取り組んでいるというところでございます。

里見隆治公明党

○里見隆治君 ありがとうございます。  最後に、今の体制について、こうした状況を踏まえて、大臣に最後お伺いをしたいと思いますけれども、定員確保、体制整備を図るというこの点は、毎年の所得税法改正に対して附帯決議がされております。言葉は毎年同様でございますけれども、毎年毎年これは前進をしていくものでなければなりません。麻生大臣に御見解と、また御決意をお伺いしたいと思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のあった点プラスこれは税の国際化という問題が非常に大きな要素になってきております。加えて、いわゆるITとかいろんなものが入ってきておりますので、そういった意味では、税務行政を取り巻く環境というのはいろんな意味で変わってきておるというのは事実なんだと思っております。  したがいまして、こういった状況に合わせて税務体制の強化というか変化も、それに対応して我々もやっていかないとと思っておりますので、平成三十年度の予算におきましては、国税庁の定員では七名のいわゆる増というか純増になっております。  また、機構といたしましては、国際税務の専門官として十四人の増設などを行うこととしておりますので、引き続きの厳しい財政事情であろうとは存じますけれども、少なくともこの税務署の職員のことに関しましては、業務の効率化を図ると同時に、絶対的な量が不足していると私はそう思っておりますので、いろんな意味、役人の数を減らしておる中にあってここの部分はきちんとした対応をせねばならぬと思って、今申し上げたような数字をこの二年間やらせていただいているということであります。

里見隆治公明党

○里見隆治君 ありがとうございました。  以上で終わります。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  まず大臣にお聞きしたいんですが、二十日の予算委員会で、私は、籠池氏が二〇一五年当時、貸付料の見積り合わせをする前の段階ですね、二〇一五年の一月十三日に近畿財務局の職員が三人、籠池氏と折衝をしまして、そのときに、事前に指で三千四百万円という貸付料、これを暗黙の提示をしたと、こういうメモを示したわけでありますけれども、大臣は、通常ではそれは考えられないとおっしゃったわけでありますが、この三人の職員、恐らく特定できると思いますので、この職員に直接調査、聞き取りをしていただけませんでしょうか。まず大臣にお聞きします。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  委員は、多分こういう人間だろうとおっしゃられましたが、そういう人間だろうと思われるのに我々過去聞いて答えを申し上げているつもりでございますが、その上でという御下問でございましょうか。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 別に名前を言ってもいいんですけれども、当時の第一国有財産の統括官で、籠池氏とやっていたメンバーというのはほぼ限られますから、それは御承知だと思うんですね。一月九日にも事前通知という話が出ておりますから、同じような方々だと思いますので、聞き取り調査、お願いします。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  それでは、確認はさせていただきます。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 これ、価格を事前に言っていた、通知していたということになれば、これは過去の答弁からいっても、これ虚偽答弁ということにもなろうかと思いますので、これまた後日聞きたいと思います。  さて、先日の当金融委員会でやりましたけれども、ごみが二〇一六年の三月十一日に噴出をして、籠池氏がそれを発見してからこの値引きの交渉というのが始まっていくわけですが、リーガル文書、法務監査官とのやり取りでも明らかなように、今回のごみの補償あるいはごみの値引きというのは、出てきたごみが三メートルまでのごみなのか。つまり、貸付合意書で定められている、具体的には第五条で定められている、これは試掘を六十八か所も航空局がやって、大体三メートルのところにこれぐらいのごみがあるんだと、そのごみが出てきたまでの話なのか、それとも、それではない、つまりそれよりも深いところからのごみ、つまりこれが新たなごみということになるわけですが、そのごみなのかということで全く補償の仕方は違ってくる。  つまり、契約書五条のごみ、元々あったごみ、そして前年の有益費で森友が森友の責任であえて残したごみ、それがくい打ちの過程で出てきたということであれば、これは有益費として国は森友が撤去をしたその費用を償還払いで有益費で支払うと、そういう手続でやりなさいということをリーガルの法務監査官は言ってきたわけであります。  局長、改めて聞きますけれども、この出てきたごみが新たなごみ、つまり契約書に明示をされていないごみだと判断をしたのはいつなんでしょうか。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  三月の十一日に連絡があって、三月の十四日に初めて現地確認をしている。それから、委員からの御指摘もあって、これまで御案内がありますように、翌日には籠池夫妻が本省を訪れられている。それから、それ以降、更に現地の確認を何度かさせていただいて、三月の下旬、三月三十日あるいは四月の五日といったこともあります。それから、三月の二十四日の頃にはいろんな打合せもしているというようなことも含めて、いろんな現地確認、あるいは現地確認のときに試掘をやっていただいて、その結果を見ているというのもあります。  それから、いろんな話合いをしている、打合せをしている、いろんな先方の御意見も聞いているという中でそういう判断をしているということだと思っております。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 従来どおりの答弁だと思うんですね。ですから、三月の終わり、試掘などをして、資料なども集めて新たなごみだと初めて判断をできる、だから値引きができるという話だと思います。  ところが、私たちがこの間示してきた交渉のテープというのが何本かありますが、三月の十五日に本省で籠池氏は直談判を田村審理室長とやるわけですよね。先日も紹介しましたけれども、このテープの中では田村さんどう言っているかといいますと、今日の資料の二ページ目にも付けておりますけれども、今回、下の方から、あの、瓦れきが出てきたっていうのは、我々もそういうのを知りませんでした。え、何で知らんかったの、籠池、奥さんがおっしゃるわけですね。で、田村さんが、だから、そういうのがあるっていうの、近財も航空局も知らなかった。出てきたっていう事実を踏まえて、どうしたらいいのか、これはちゃんと検討しますので。これ、つまり、元々あったごみではなくて、それより下にあったごみだから我々知らんかったんですということは、この段階で既に新たなごみということでもう示唆してしまっているんですよ。  翌日、近畿財務局が大阪に戻ってきた籠池さんと三月の十六日にこれまた折衝をします。国側の職員がこう言っております。有益費で土壌汚染改良と埋設物の撤去を既にやっていただいておりますので、それでは対応できないということは御存じのとおりだと思いますけれども、それとは別にですね、今回出てきた産業廃棄物は国の方に瑕疵があることが、多分、多分というか判断されますので、その撤去については、国の方からやりたいと思っておりまして。国の方が、土壌改良やった部分とは違うものだと。今回、土壌汚染改良と埋設物の撤去やっていますよね。それとは違うもの。籠池さんが、え、違うの、どういうこと、違うの。国は、そうですと。今出てきている部分がありますよね。それについては恐らく、瑕疵、国が知り得なかったもの。要するに我々は土壌汚染改良をやった残りだと認識していない。これ、三月十六日のやり取りなんですよ。  つまり、この段階では新たなごみかどうかは分からないにもかかわらず、もう国は新たなごみとしてこれはもう認定してしまっている、こういう話になるわけなんですね。この会話、聞いていただいたと思いますが、局長、どういうふうに捉えられますか。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  最初に連絡を受けて十四日に現地確認をしています。その時点で、委員のおっしゃっているのはよく分かります。要すれば、三メートルより下のごみかどうかということについてどういう認識を持っていたかというのを委員はお尋ねだと思いますが、三月十四日の時点で九・九メートルまで掘って、そこから出てきて、これだけ出てきているというのを拝見をしているということだと思います。  そういう中でということで、今御指摘がありました三月十五日のテープは、恐らく田村という当時の室長は、三月十四日の現地確認の状況を近畿財務局から恐らく電話で連絡を受けていたということだと思いますが、そういう中で、要するに九・九メートルまで掘ったら出てきたという話を聞いて、その上で話をしていると、そういうレベルだと思います。逆に言えば、そんなに詳しい状況を、彼が現地のことを精通しているわけではないので、そういう状況でこの話をしているということだと思います。  それから、翌日の三月十六日のところの部分は、委員取り出されている部分は、確かに割と、国が新たに、新たなごみだというのを非常に言っている感覚のところですが、国で、これが財務局だと、これが航空局だといって分けて、それは財務局がこう言っている、航空局がこう言っているといって、財務省の責任、やれ国交省の責任なんて言うつもりはありませんが、一方で、必ずしも、こういうふうな言い方ではない、要すれば、新たなごみかどうかを必ずしも確認できていないような発言が結構出ているというふうに私どもはいただいたテープで聞いておりまして、要すれば、委員のおっしゃっているように、この時点で明確に三メートルより下だというほど確定して話ができていると、そういう状況ではないと。逆に言えば、三メートルより下にある可能性があると、あるいはあるんだろうという気分はあるでしょうが、逆に言うと、絶対三メートルより下だと確認をして、自信を持ってという言い方は言葉遣いがどうかと思いますが、そういう状況でもなかったというふうに私は承知をしております。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 この文脈全部聞いていただければ、私はそういうふうには捉えないんですよ。  森友側も、実は籠池さんはごみが残されていることを知らなかったわけですよね。ですから、設計業者や建設業者が籠池さんに言っていなかったわけですよ、残していたということを。だから、籠池さんは、新たなごみなのか何なのか非常に混乱した議論がされているわけなんですよね。そういうやり取りがやられていて、実は籠池さん側の設計業者も、このごみを取り除く責任がどちらにあるのかというのをこのやり取りの中でかなり模索をしながら、国の状況、国がどう言ってくるかというのを探りながらやっているというのが非常に分かるテープなんです。  この三月十六日のテープ、近畿財務局あるいは航空局を帰らせた後の約一時間の部分も実は出ているんですね。ここにこれが実は象徴されているんですよ。国側の職員が去った後に設計業者はこう言っているんです、驚きの口調で。実際問題、今日の解釈すごいと思う、予算の取り方の体裁の話だけで、結局全部やりますという話で答え持ってきたと。国は結局、あえて国の撤去は責任であるという答えを持ってきて交渉をやってくれたなと、こういう取り方を実際設計業者の方はされているわけなんですね。ですから、やり取り、おっしゃいますけれども、実際この話の流れで、全部値引きの話で進んだということであります。  会計検査院にお聞きしたいと思うんですが、会計検査院は、九・九メートルのごみがあったかどうかは分からない、これが四メーターかもしれない、三メーターかもしれない、それぞれの試算をそれぞれの補償額の違いで表した報告書を出していただきましたが、私の認識はそうじゃなくて、新たなごみが全ての値引きの出発点になるわけですから、ここが大事なんです。この新たなごみという認定をどういうふうに国側がしたのか、きちっとしたのか、ここが全ての始まりなんですね。  会計検査院、新たなごみという資料は、これ、あったんでしょうか。

宮川尚博会計検査院事務総局事務総長官房審議官

○説明員(宮川尚博君) お答え申し上げます。  委員の言われる新たなごみは、私どもが昨年十一月に国会に提出した報告書で新たな廃棄物混合土と、こういうふうにしているものではないかと考えられます。この新たな廃棄物混合土は、近畿財務局及び大阪航空局が確認したとしているものでございますが、報告書におきまして、「本件土地に埋設されている廃棄物混合土は森友学園が行った対策工事において撤去されていないため、近畿財務局及び大阪航空局が確認した廃棄物混合土が既知の地下三メートル程度までの深度のものなのか、杭先端部の地下九・九メートルの深度のものなのかについては確認することができなかった。」、このように記述しているところでございます。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 いや、ですから、局長おっしゃるように、三月三十日、試掘を見に行った、資料をもらった、だけど、それ、全く資料ないって言っているんです、新たなごみという。  会計検査院、これ、リーガル文書で、詳しく新たなごみか既知のごみか、これちゃんと見なさいよ、詳細な調査しなさいよ、こう書かれているんですね。私が申し上げてきたことそのものがリーガル文書で出てきたわけです。ところが、このリーガル文書を皆さんが入手されたのは報告書を出す昨年の十一月二十二日の前日なんです。つまり、皆さん見ていないんですよ。ですから、この観点で検査をしていないんですね。  会計検査院、改めてこの新たなごみかどうか、これちゃんと検査するべきじゃないですか。

宮川尚博会計検査院事務総局事務総長官房審議官

○説明員(宮川尚博君) 今、新たなごみのお話は、財務省から会計検査院に追加で提出されました法律相談文書を基にされているのだろうと思います。  財務省から追加で提出されました資料につきましては、報告書の結論に影響を及ぼすようなものではないと現在のところ認識しておりますが、文書の内容を精査の上、慎重に検討したいと考えております。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 是非していただきたいと思うんですね。  さて、国交省に聞きたいと思いますけれども、三月三十日、我々、口裏合わせのテープだということで示しましたけれども、この場に国交省の航空局の職員もおられましたよね。

和田浩一国土交通省航空局次長

○政府参考人(和田浩一君) 三月三十日とされる打合せの場ですけれども、職員に確認したところ、出席した記憶はあるが詳細には覚えていないと、こういうことでございました。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 詳細には覚えていない。あのテープ聞いていただいたと思うんですね。そこで三メートルより下からはごみが出てきていない、そんなに出てきていないと思うと。いやいやいや、九メートルまでの混在ということで、いわゆる口裏合わせのストーリーというのがやられているわけですよ。そこに航空局の、たしか補償課長だったと思いますけれども、おられますから、おられますから。これ、本人に記憶がないじゃなくて、テープをしっかり聞いていただいて記憶を呼び起こしていただきたいというふうに思うんですね。  さて、改ざん前の文書として、実はまだあったというような決裁文書の一部が財務省から先日提出をされました。森友学園事案に係る今後の対応方針について、平成二十八年四月四日というメモの文書であります。  私、これ見てびっくりしたんですね。航空局が、実はこの値引きをしようじゃないかということを航空局の方から提案しているという内容でありますが、航空局の方から提案をされたんでしょうか。

和田浩一国土交通省航空局次長

○政府参考人(和田浩一君) お答えいたします。  本件土地につきましては、平成二十八年三月十四日に森友学園側から新たなごみが発見されたとの連絡があったことなどを踏まえ、三月二十四日に森友学園側から購入の意向が示されたと承知をしてございます。その上で、本件への対応につきましては、近畿財務局と大阪航空局の両者で対応をしてきたところでありまして、大阪航空局が主導して対応するということはちょっと考えにくいなと思っております。  財務省さんが作成された文書につきましては、私どもで作ったものではございませんので、その内容を解釈できる立場にはございませんけれども、まず五番のところで、対応方針において、本件地下埋設物への対応として、売却価格からの控除を検討というふうにした上で、六番目で、大阪航空局との調整内容との項目の中で、大阪航空局が売却価格からの控除を提案することで事案の収束を図りたいとの意向を示しているというふうに記載がされてございます。  本件土地につきましては、貸付けから売払い手続へ移行するに当たっては、手続上、本件土地の所有者である大阪航空局から近畿財務局に対して改めて処分依頼を発出する必要がありました。このため、大阪航空局においても、売却価格からの控除との対応方針について異論がなく、その後の手続には支障がない旨が説明されているのにすぎないというふうに考えております。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 つまり、値引きは提案した、財務局、航空局、どちらかというのはあるかもしれませんが、つまりこの時点で新たなごみだというもう認識、確定をされているわけなんです、四月の四日の段階で。  航空局、確認しますが、皆さんがあの試掘、見に行ったのは何日でしたっけ。

和田浩一国土交通省航空局次長

○政府参考人(和田浩一君) お答えをいたします。  三・八メートルの深度のごみについてというお尋ねだと思いますけれども、平成二十八年四月五日の現地確認の際に見ているということでございます。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 現場で見た、しかしそこはメジャーは見ていないという話だったと思うんですね。で、後に報告書をもらったわけですよ。そこで本来は初めて新たなごみ、深くに、三・八メートルあるなと、こうならなきゃおかしいのに、四月の四日の時点で皆さんはもう新たなごみだと言っている。これおかしいと思いませんか。

和田浩一国土交通省航空局次長

○政府参考人(和田浩一君) 私どもとしては、八・二億円の見積りは四月十四日に提出をさせていただいております。それまでの間に様々な確認等を行いまして、どのぐらいのごみが埋まっているかという認定をしていますので、四月の四日時点で新たなごみという認定はしていないというふうに承知をしております。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 いや、そうじゃないですよ。そうじゃないですよ。早急な予算措置は困難であるため、売却から控除を提案することで事態の収束を図りたい。これ、新たなごみとしなければ値引きの前提にならないと言っているじゃないですか。もうこの段階で皆さんは、資料をもらう段階前から新たなごみと認定しているんですよ。これおかしいですよ、これ答弁できていないですよ。これ改めてまた聞きますから、ちゃんと答弁できるようにしておいてくださいよ。  三月三十日に口裏合わせストーリーの現場にいた職員が、新たなごみだという確認も全くできないまま、資料もないまま、まさに新たなごみ、つまり値引きありきで交渉を進めた。これ財務省だけじゃないんですよ、国交省も二人三脚でやってきたと、こういう話なんですね。  もう一点聞きたいと思います。軟弱地盤の話です。  国会でもいろいろありますけれども、書き換えられる前と書き換えられた後で軟弱地盤の話ががらっと変わってきております。財務省、聞きますが、この軟弱地盤というボーリング調査を森友学園が持ってきた。しかし、財務省自身が地質調査会社にボーリングを見てもらったところ、これは特別に軟弱であるとは思えないと、こういう回答が来たわけですが、地質会社は軟弱ではないと言ったのに、結果としてはこれを価格の減価要因として賃料が安くなるわけですが、なぜ考慮したんですか。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  今委員が指摘をされたところは、外部の専門業者にも意見を聴取した結果、特別軟弱であるとは思えないと、今委員が引かれたところですが、その上で、通常と比較して軟弱かどうかという問題は、通常地盤というこの定義が困難であるため回答は難しいというのが見解でございました。それは、一つの見解。  その上で、法律相談を行ったところ、その土地の種類、要するに小学校の建設用地だということに応じて、それがそういう意味で、取引通念上の通常有する程度の地耐力が不足して建築に不向きな場合には地盤の調査等をした上で借主の方に説明する義務があるというのが、御案内のとおり、法律相談の回答です。  それで、元々不動産鑑定士に評価をしていただいたのは、十年の定期借地契約に基づいて鑑定評価、それは、最有効使用は低層の店舗用地。私は国会の他の委員会ではコンビニみたいなものを造るという前提でというふうに御説明を申し上げていますが。ところが、この案件は、確かに十年の定期借地ですが、その後売買の予約が付いていて小学校を建設するということですから、低層の店舗を建てるということではないので、そういうことが分かっている状況なのに十年の店舗ということでやっては法曹部門はこれは危ないという、その法曹部門の意見を踏まえて、最終的に不動産鑑定士にもう一回やっていただいて賃料を変えたということでございます。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 時間ですから終わりますけれども、今おっしゃったのは一つ、一部なんですよ、最有効利用の話。しかし、皆さんがいわゆる鑑定士にお願いをするときの仕様書みたいなものには、このボーリング調査の結果に基づき鑑定評価することと、これお願いしているわけですよ。一方で、皆さんが聞き取りをしたときにはこれ、こんなの軟弱地盤じゃないと言いながら、なぜここでお願いをしたのかということを私は聞いている。  最後にですけれども、これ本省とも相談したということを改ざん前の文書に出ております。法律相談です。これ、ありますから、ありますよね。これ出していただきたいんです。最後、出していただくかどうかだけ。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) 今の委員の御質問の、法律相談にある、要するに本省との相談の、法律相談、どこだかに出た法律相談メモというものを探せという御指示でよろしいでしょうか。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 済みません、最後にします。  改ざん前の文書には、対応方針定めるに当たり当局及び本省で相談、法律相談を行えとありますから、本省でも法律相談しているんじゃないかと思うんです。是非お願いします。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) 本省にそういう部門は基本的にないのでと思いますが、委員の御下問ですから、調べるのは調べてお答えを申し上げます。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 終わります。ありがとうございました。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 大門でございます。  私は、今日、税法について質問と思っていたんですけれども、ちょっと少しだけ、今の議論を聞いていて森友問題触れさせてもらいたいと思います。  太田局長、だんだん当初に比べて対応が丁寧になってきたといいますか、いろいろ調べましょうというふうになってきていいなと思っているんですけれども、辰巳議員というのはもううちのホープでございまして、超優秀な議員でございます。その辰巳議員がこの一年ごみのことばっかり調べているんですね。ごみの質問ばっかりしているんですね。なぜかというと、この問題の疑惑の一番の中心がこの土地の値引きだからなんですね。  自民党議員の皆さんの話をこの前しましたけど、大体自民党議員の皆さんのロジックというのは、この土地取引、値引きは何のやましいところもないんだ、正当なんだ、だからいろんなことがあったって影響はないんだ、そんたくもないんだと。つまり、この土地の値引きが正当だから、あとはもう何だっていいんだ、どうだって関係ないやという論理なんですね。  ところが、この間、大阪地検に業者が証言する、あるいは音声テープ、そして改ざん前の文書を見ると非常に微妙なことが書いてあるということで、今も辰巳議員からあったとおり、この土地取引の値引きそのものに、本当に今おかしいんじゃないかという、非常に客観的なものも含めて突き付けられているということでありますので、逆に言うと、本当に何のやましいところもないと、本当にきちっとした取引だったというならば、辰巳議員が要求した資料を速やかに、早く出していただきたいなというふうに思います。  あと、亡くなられた近財の、近畿財務局のAさん、名前を知っておりますが、Aさんは、私、あした取り上げをさせてもらおうと思っているんですけど、例の損保代理店の、地域の頑張っている中小の損保代理店の皆さんが大手の損保にいろんなことがあっていろいろ困った目に遭ったときに、近畿財務局でそのときAさんは金融課におられたことがあったんですけれど、一生懸命、親切にその地域の損保代理店の方々の相談に乗っていただいた方で、関係者の方が大変悲しんでおられると、そういう真面目な方だったわけであります。  そういう点でいきますと、そのAさんが常識では考えられないことがあったというようなメモを残されているということは、相当この森友問題に関わられて心労があったんではないかと、精神的なことが、追い詰められたんではないかと思います。  そういう点でも、これから将来の財務省、財務局、もちろん今働いておられる財務局、財務省全職員のためにもそうですし、将来、これから働く職員の方のためにも、もういろんなそんたくとかいろんな配慮とかじゃなくて、きっちりきっちり物事を明らかにしてもらいたいなと、そのためにも本当に更に太田理財局長の誠実な対応を求めたいと思いますけれど、一つだけ、これは質問でお聞きしたいんですけれど、国家公務員制度改革基本法というのがございます。  国家公務員制度改革基本法というのがありまして、その第五条に、政府は、議院内閣制の下、政治主導を強化し、国家公務員が内閣、内閣総理大臣及び各大臣を補佐する役割を適切に果たすと。そのために次に掲げる措置を講ずるものとするということでございまして、その三項にこういうことが書かれております。  政府は、政官関係の透明化を含め、政策の立案、決定及び実施の各段階における国家公務員としての責任の所在をより明確なものとし、国民の的確な理解と批判の下にある公正で民主的な行政の推進に資するため、次に掲げる措置を講ずるものとしてということで、さらに具体的なことが書かれているんですが、ここがポイントなんですけど、公務員ですね、職員が国会議員と接触した場合における当該接触に関する記録の作成、保存その他の管理をし、その情報を適切に公開するために必要な措置を講ずるものとすること。  つまり、公務員が、財務省の職員なら職員が国会議員と接触した場合はその記録を作成して保存しなさいと、適切に公開するための措置も講じなさいと。この場合における当該接触が個別の事務又は事業の決定又は執行に係るものであるときは、まさに今回の森友学園の認可、国有地の売買なんですけれども、個別の事務又は事業の決定又は執行に係るものであるときは、当該接触に関する記録の適正な管理及びその情報の公開の徹底に特に留意するものとすることと、これが国家公務員制度改革基本法に書かれているわけです。  国会議員との接触については記録を残してきちっと公開できるようにしなさいと書いてございますが、これ、太田理財局長、御存じでしたか。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) 済みません、一つ一つの条文は、済みません、私が公務員として至らないということですが、きちんと覚えているわけではございませんが、いろんな意味で政と官の関係について御議論があってその法律ができたということは承知をしておりますので、そういう中で、今ほど委員がお読みいただいたその条文の一つ一つは別として、何でそういう条文ができてという考え方みたいなものは、私なりに三十何年やらせていただいてきて、その過程においてそういうことがあってそういうふうになっているというのは理解ができます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 それを踏まえてなんですけれども、この前の書換え、私たちは改ざんだと思っていますが、書換え前、書換え後の、出してもらった資料の書換え前、あの資料だと三十二ページなんですが、要するに政治家の名前と安倍昭恵夫人の名前が出てくる部分でございます、これが全部削除されていたわけですけれども。そのところに鴻池さんの名前も出てきますよね。鴻池さんは、やっぱりこの籠池みたいな人間といつまでも付き合っているとどうかと思って途中からもうはねのけられるわけですよね、その点まだ英明だと思いますけれども。関わった議員がほかにも、平沼さんとか、名前出てくるわけですね。  個々に、改ざん前のこの決裁文書に書かれる前に、その記録が、先ほど申し上げましたけど、実際に面接したときの記録はあってこれを書かれたというのが当然だと思うんですよね。ですから、この文書に書く基になった面会の記録、先ほどありましたけれども、そういうものが残っているはずだと思うんです、記録の作成、保存というふうになっていますから。  その点でいきますと、私、安倍昭恵さんについては確かに伝聞のようなところもあるんですが、唯一、唯一打合せの際に、打合せの際に籠池、私は本当に、西田さんが言われるとおり、もう籠池さんというのはろくなものじゃないと思っていますよ、私も、その上で言っているんですけれども、そうはいっても一人の人間が証言しているわけでありますので、その打合せの際に、夫人からはいい土地ですから前に進めてくださいとお言葉をいただいたと、まあ勝手に使っているかどうかは別としてね。いずれにせよ、そういうことと、写真を提示したと。これは、ここにはこう記録ありますけど、この基になった、籠池氏とこのときにこういうやり取りでこういうことを言ったとか、これも当然、基の記録はあると思うんですよね。  ここに書かれている政治家、政治家は特に保存しなきゃいけないとなっていますから、これは公開してもらうしかないんですけれども。この前の発言によりますと、大体政治家の皆さんが言ったことはほとんど実現していませんよね、ちょっと紹介したぐらいの、平沼さんのところぐらいです。そういう点。それと、総理夫人というのは重いという答弁もありましたから、当然これに書く前の記録はあると思うんですよね。それは法律に基づいても出してもらわなきゃいけないと思いますけれど、至急調べて出してほしいんですけれど、いかがでしょうか。

太田充財務省理財局長

○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。  まず、こういう、委員がおっしゃったように、私もちゃんと分かっていなくて大変恐縮でしたが、そういう法律があってということはよく分かりました。その上で、こういうことについて、面接の記録を残しているはずだと、あるいは残していなきゃいけないはずだという御下問でした。  おっしゃることは分かりますが、もう一度、突然の質問なので確認はしないといけないですが、私のこれまでの答弁させていただいた、そのときの参考にさせていただいている答弁書を頭に入れている限りでいえば、基本的にこういうものは事案終了後、基本的には一年未満のはず。それはなぜかといえば、まさにこの決裁の経緯のところに大事なことを集約をして書くということにおいてそうだということがこれまでの基本的なルールだと思います。  その上で、ただ、今委員おっしゃったことは他の委員会でも御指摘をいただいていて、それは、我々も要するにこういう書換えということが起きてしまっている以上、その書換えというものがどこからそれが探し出せたかといえば、個人的に手控えと持っていたもの、それが紙であったりあるいはパソコンの中に個人データであったりということだったことは事実でございますので、そういう中で、およそこれまで申し上げてきたようなルールに従えばないはずのものはないと言い切って、それが絶対だと、こういう状況を生じている中でそれが絶対だと断言することはできないだろうと、既にそうでないことが生じておりますので、そういう意味で、それは調べなければいけないという強い意志を持っているというふうに申し上げております。  ただ、今、この十四の文書及びそれが、今日の質疑でもありましたけど、何の目的で誰がどうやってということをまず調べよ、これはこちらが悪いので言えた義理では全くないんですが、十四の文書についても、その後、一枚、一枚とやや追加的に発見して、あるいは追加的なところを発見してというようなことが生じていますので、まずこの書換え及びそれが何の目的でというのをきちんとやらせていただいた上で、その上で、もちろんゆっくりやるなんというつもりもありませんので、そういう調べもやらないといけないというふうに思っているということは申し上げさせていただきたいというふうに思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 毎日朝方まで仕事されているのも知っておりますので無理を言うつもりではないんですけれど、非常に重要なところでありますので、ほかの課の応援も得て速やかに出してほしいなと思います。  もう一つは、手控えとかいろんなところから出てくるという意味なんですけど、そもそもなぜこの改ざん前のこういう記述が何のために書かれたのかと。  そのAさんの話ではありませんけれど、近畿財務局の方々というのは本当にそんな政治判断をするとか何かじゃなくって、地道に、特に国有財産の方々というのは地道に本当に作業されている、仕事してきた人、そういう人々、そういうポジションでありますし、そういう方ばかりだと思うんですね。そういう方々が、ここはちょっと推測も入るかも分かりませんけれど、今までにない処理をしたと、いかがなものかという気持ちとか、あるいは後々、近畿財務局としては、近畿財務局だけでこういうことをやったのではないとか、あるいは個々にはこういうふうなことが実は背景としてあったんだと、その関係は述べられないけれどもというような、何といいますかね、近畿財務局の最後のプライドといいますか、思いを込めてこういう文書を残したのではないかなというふうに、私も近畿財務局には何回か行っていますけれど、思うわけですね。  そういう点でいきますと、それを削らせた本省があって、だったらもし削られて後々何かあったら全部近畿財務局の責任にされるんじゃないかというようなこととか、いろんな思いが人間ですからありますから、人一人死んでいるわけですから、そういう点でいきますと、手控えも含めてどなたかがそういう資料を持っておられるということもあり得るわけですね、ここまで来ると。そういう点も含めて、冒頭申し上げましたけれど、本当に本気で、後々の歴史に禍根を残さないためにきちっとした結果を出すというためにも、どこにも遠慮することなく調査をきちっとやってほしいということだけ今日のところはまた申し上げておきますので、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、税制、税法の質問に入ります。  まず、今回の税制の、ちょっと背景いろいろあるんですけれど、一つの背景として、アメリカのトランプ政権による、本当に特異な政権でありまして、自国さえ良ければいいというような、ちょっと何だというような政権なんですけれども、とにかくそのトランプ政権が実効税率二一%に企業減税持っていくというようなことが一つ背景にあるんだろうというふうに思っているところでございます。  ところが、このトランプさんの法人税減税の話というのは大変各国に影響を与えておりまして、日本にも影響を与えたわけですけれども、特にアジアの国々に対して大きな困った影響を与えております。新聞報道でもされておりますけれども、シンガポールにある企業は、これからアメリカに拠点を移すと。シンガポールという国は企業誘致でもっている国ですから、こんなことやられるとどんどん外に出ちゃうわけですよね。そういうことで、新聞報道によりますと、シンガポールがこのトランプ減税の影響を受けて岐路に立たされていると。あるいはマレーシアも、二一%より高い二四%ですよね。インドネシアは二五%ですよね。こういう国々がアメリカのトランプ減税に引っ張られて、法人税を下げなきゃというふうなことで、困った方向に行っていると。  といいますのは、アジア諸国というのは日本だけでありませんで急速な高齢化が進んでおりまして、そのために社会保障等々の財源が必要になってきております。シンガポールは消費税の引上げをやったりしているわけですよね。タイとかインドネシアでも、高齢化の財源をつくるためにたばこ税を引き上げるというようなことをやってきて、財源確保するのに必死になって国民増税をお願いしてやってきているところに、このトランプ減税で法人税を下げなきゃとなるとまた国の税収が減るということで、発展途上国といいますか、アジアの国々なんかは、このトランプ減税で大変悪い影響といいますかね、困った影響を与えられているというふうに報道はされております。  このトランプ減税というのは一体何なのかと。こういうほかの国を困らせるような、私とんでもない減税だと思っておりますけれども、特にアジアの国々に対してこういう影響を与えていることについて、アジアのトップリーダーであります日本としてどう考えるかってあると思うんですが、麻生大臣のお考えをお聞きしたいというふうに思います。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは、大門先生、他国の税制政策についてこちらの方からコメントをするというのはちょっと差し控えないかぬところだと思いますけれども、少なくとも、今言われましたように、この種の話は、アメリカにとりまして、今度アメリカの立場に立てば、アメリカの貿易収支は大赤字、その半分以上がアジア。日本を入れますと、もう日本が約九%ぐらい。ドイツ、メキシコを足して、九%、九%ぐらいと、日本とメキシコ、ドイツの対米貿易黒字がほぼ九%で並んでいると思いますが、その他が大体ほとんどアメリカに対しては、中国を筆頭に、中国は四十何%ぐらい行っている、もう五〇%ぐらい行っていると思いますが、そういったものを含めまして、対米貿易黒字というのは多いというのは事実としてあるんですが、そういうものを含めまして、今この種の話の影響がどう出てくるかと言われれば、これは多分全体的な影響としては、法人税の引下げ競争というのを誘発する可能性が高いということなんだと思います。  きっかけは多分イギリスの二〇%、あれが一番私どもとしてはきっかけになられたと。三年前か、そういうのがきっかけで、オズボーンだったですかね、オズボーンという人のときにあれが始まったのが最初だったと思いますが、きっかけになりまして、いろいろ引下げ競争になって、残っていたのがドイツと日本ぐらいだったと思いますが。  それが今、今回のようになりますと、これはちょっとほかの国としても引下げ競争になり得るということになりますので、日本としては、これは他の国にとりましても、これは一国の影響が極めて大きいアメリカの話ですから、ちょっとほかの国も協調してこの種の話をどうにかするという話をしなきゃいかぬというので、前に税源浸食と移動という、BEPSというプログラムを五年前に日本が提案して、おかげさまで成功しておりますけれども、これがきちんとしてアメリカでまだ批准されておりませんから、そういった意味では、ここのところを含めまして、アメリカとの関係でいきますと、日本だけというのではなくて、少なくともヨーロッパの国々等々と組んで、この話の与える影響等々に関しましては十分な検討をさせていただかないと、これは各国にとりまして、いわゆる税源が浸食される、いわゆるBEPSなどとは違った別の意味で税源が浸食されることになりますので、その意味では、これは大きな関心を持って共同で対応せないかぬところだろうと思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  こういう中で、韓国は企業増税に踏み出しております。これ、韓国の経営者団体が反対する中ですけど、企業増税に踏み出して、サムスン電機とか現代自動車なんかは数百億円規模の増税になるというようなことになっております。ただ増税すればいい、いいと言っているわけじゃないんですけれど、どんどん際限のない引下げ競争をやっていると大変なことになるのではないかという点です。  この委員会で私も何回か評価も含めて触れさせてもらいましたけど、二〇一三年のときに財務官のOECD租税委員会委員長だった浅川さんが大変頑張られたことも承知しております。ただ、あのとき浅川さんが日経新聞インタビューでこんなことをおっしゃっているんですね。課税権は国家主権の最たるものと述べつつ、行き過ぎたやっぱり法人税率の引下げが各国の経済にとって無害ではないという意識は共通しているということで、総理も本会議でおっしゃっていましたけれども、課税権というのはそれぞれの国の課税の判断だと。  しかし、この競争は本当に止めなければいけないという問題意識は浅川さんも持っておられましたし、この前ですとIMFのラガルド専務理事もアメリカ自身がトランプ減税によって国家財政が大変なことになるということをおっしゃっていますし、IMFの財務局次長のマイケル・キーンさんもこの前、去年、論文を発表されたんですけれども、もう具体的に法人税の引下げ競争をやめさせるために国際協調が必要だと。日本に来られたこともありますけれども、そのときにこのマイケル・キーンさんは、日本のような重要な経済国で税率が変わった場合、これは日本が下げた場合という意味でおっしゃったんですけれども、ほかの国にどう影響を与えるかを十分考えてもらう必要があるということも述べておられた方でございます。今年のIMF・世界銀行の年次総会でも減税競争の問題について議題にしていくというようなこともおっしゃっているわけであります。  そういう点で、日本も、日本だけが言い出して孤立するという話ではありませんので、世界の国々がみんな引下げ競争いかがなものかと考えているときでありますので、堂々と、特にトランプ政権というのはちょっとまともじゃありませんから、もうやっぱりきちっとおかしいと言うことが、かえってそれが世界的な本当にコンセンサスになっていくと思いますので、そういう役割を果たしていただきたいということを引き続き求めておきます。  もう一つは、今回、法人税改正の中身なんですけれども、目玉は二つかなと思うんですけど、賃上げ、投資を促進するための税制と、情報連携投資を促進するための税制、この二つの税制だと思うんですけど、この概要と減税額ですね、大企業分と中小企業分の内訳を分かりやすく簡潔に述べていただけますか。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  御指摘の賃上げ税制と情報連携投資促進税制でございます。  まず、賃上げ税制でございますけれども、中身といたしましては、賃金の引上げにつきまして、平成二十四年度に比べて一定以上の増加をという要件に代えまして、前年度に比べて賃金を三%以上引き上げるという要件に変える、それから、生産性の維持向上のために一定以上の国内設備投資を行うことを要件に税額控除が受けられるという制度にしたわけでございます。中小企業につきましては、所得拡大促進税制の見直しにおきましては、前年度から一・五%以上の賃金引上げで足りることとし、設備投資要件は設けないということで、大企業と比べて一定の配慮を行っているところでございます。  大企業向けの賃金引上げ及び投資の促進に係る税制の減収額につきましては、千六百十億円程度を見込んでおります。所得拡大促進税制の廃止、見直しに伴います増収額が一方で立っておりまして、これが千七百四十億円程度でございまして、ネットで百三十億円程度の増収ということでございます。  中小企業向けの所得拡大促進税制の減収額につきましては、約二千億円程度の減収を見込んでおりますけれども、これも一部要件の見直しによる増収とネットアウトをいたしますと、ほぼ三十年度改正による改正増減収はゼロに近いというふうに見込んでおります。  なお、所得拡大促進税制につきましては、二十七年度、二十九年度改正におきまして中小企業向けの適用要件等の緩和を進めてきた結果、その減収額や適用額、これが大企業分に比べまして中小企業分がかなり拡大してきているところでございまして、三十年度改正におきましては、それをベースに税収中立の方針の下で中小企業向けの要件等を見直しているところでございます。  次に、情報連携投資等の促進に係る税制でございますけれども、これは、企業の内外におけるデータを連携すること等によりまして生産性の向上を図るなど、経産省が所管する法律が定める要件を満たすものとして認定された計画に基づく投資につきまして、特別償却又は税額控除を認めるものでございます。減収額につきましては百三十億円程度と見込んでおりまして、内訳としては、大企業について、ほとんどでございます百三十億円程度、中小企業につきましては数億円の減税でございますけれども、四捨五入するとほぼゼロということで見込んでおります。大企業につきましては、先ほど申し上げたとおり、所得拡大促進税制の増収百三十億円と合わせれば、おおむね税収中立となる見込みでございます。  なお、本税制の減収額につきましては、大企業が大半を占める形になっておりますけれども、当該税制はある意味、協業分担関係にございます企業群が企業間で情報連携を行うことによりまして、大企業、中小企業の枠組みを超えて、全体として生産性、効率性の向上をさせることを狙いとするものでございますので、この制度を呼び水として、中小企業にとっても、中小企業向けその他の投資減税を活用すること等によって、かなりメリットが得られるものと考えているところでございます。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 ありがとうございます。  まず、ちょっとそもそも論なんですけど、この賃上げ投資促進税制、もう全て大企業向けですね、この千六百十億円に関して言えば。もうこの五年間ずっと、麻生大臣の問題意識も私たちも共有して、内部留保がどんどんたまっていくのに全然賃金とか投資に回らないということで、これ何とかしなきゃとあったんですけど、何もこういう税制支援をしなくとも、しかもこの税制で賃上げを支援するというのはなかなか効果が難しくて、後追いで御褒美的に、インセンティブになるのかどうかですね、後追い的なものじゃないかというような議論とかあって、そもそも効果はちょっとはっきりしないんですけれど、それにしても、四百兆を超える内部留保があるのにもかかわらずわざわざこうやって税制の支援する必要があるのかというふうな素朴な疑問があるんですけれど、麻生大臣、いかがお考えですか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) これは度々大門先生といろんな場面で話をさせていただいたことがあるんですが、まず最初に、今回の法人税率の引下げに関しましては、これは単なる減税というわけではなくて、今局長というか星野の方から御説明申し上げましたけれども、課税ベースの拡大によって財源というものをしっかり確保しながら法人実効税率を二〇%というラインまで引き下げるという点が一点。それから、法人課税というのをより広く負担を分かち合うという構造へと改革するということもありますので、企業の収益力拡大に向けた前向きな投資方向にこれを促していくものになるのではないかと、基本的にそう思っております。  他方で、今おっしゃいましたように、四百兆と。これは、現預金は二百二十八兆ぐらい行っているかな、だから五五%ぐらいにこれ現預金は行っておるわけですから、そういった意味では、手元資金が増えているという状況なんですが、経済界のマインドというものを、これなかなか、変えてもらわにゃいかぬというところなんだと思うんですが。  少しずつ見えてきているのは、そこに自動車総連の方いらっしゃいますけれども、自動車総連は、これは今年たしかトヨタは改正率、賃上げ二・八だったかな、金曜に出されたんだけど、回答は三・二書いていますわね、たしか。だから、組合が要求したより返答の方が大きかったという額になっているというのは、明らかに企業側の意識が少しは変わってきている、少しはですよ、少しは変わってきているんじゃないかなという感じがしないでもありません。これ、だけど、企業の経営者によって対応が違いますので、全体としてそういった流れになってきているかどうかというのはいま一つよく分かりませんが。  いずれにしても、賃金引上げなどというものは、これ積極的に取り組んでもらわぬとどうにもなりませんので、今申し上げたようなことを、トヨタを例に引きましたけれども、そういった形で少しずつ変わりつつあるのが目に見えてきているかなとは思っております。  いずれにしても、今回税制改正において、設備投資とかいろんな形で積極的なものが出てこないと、先ほどの話じゃありませんけど、国内の設備投資というのが出てこないとなかなか、いわゆる賃金、加えて雇用の維持等々、GDP、GNIじゃなくてGDPの方が増えてこないということになりますので、そういった意味では取組というのは引き続きやっていかないかぬのですけど、やっぱり企業収益というのは過去最高ですから、そういったときにこそこういったことはやりやすい状況にあるんじゃないかなと思っておりますので。  いずれにしても、生産性を向上させるということには、やっぱり企業は長いこと設備投資を抑えてきていますから、そういった意味では、今、生産性を上げるための、いろんな意味では、AIとかITとかロボットとかいろんなものが一挙に出てきていますので、そういったものに対する設備投資によって生産性が上がり、もってそれによって賃金ととなるでしょうし、労働分配率の向上にもつながっていくだろうというように考えていますので、いろんなことを考えて、これ一発やれば必ずこうなるというようなものではないというのは一つ御理解をいただければと思っております。

大門実紀史日本共産党

○大門実紀史君 一言、あとは次回にいたしますが。  増収、減収、つまりあれですね、千六百十と百三十足して千七百四十が減税だけど、下の千七百四十分は制度が終わるんで増税になるんで、増税と減税が中立になるというような、これちょっとトリックだと思うんですよね。つまり、今まで所得拡大促進税制で減税をしてきて、違う形で更に減税をするということなんですよね。だから、それは一遍入ったかどうかとか勝手に計算すればそういうふうなこともあるかも分かりませんが、これは大企業向けの減税の継続というふうに見るのが普通じゃないかと思いますので、その点も含めて次回、税法の議論を続けたいと思います。  今日は終わります。ありがとうございました。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。  一月の末にコインチェック社から仮想通貨NEMの不正流出事件がありましたですね。そのときに被害を受けた方が二十六万人、二十六万口座と言われているんですけれども、それがコインチェック社でいうと一〇%にしかならないと。これ換算すると、ダブっている方いらっしゃるかもしれませんけれども、二百六十万人、口座ぐらいが、もしダブっていなかったらですけれども、この一社だけで利用者がいるというわけですね。これはもうかなり多くの仮想通貨の投資家がいるという、取引している方がいらっしゃるということだと思うんですね。特に、仮想通貨の場合、我々高齢者ではなくて、多くの投資家が若者であると、若者文化のような感じになっているという認識が私はあります。  その中で、十一月に国税当局が、この実現益を総合課税である雑所得であると、こういう通達を出したわけです。これでかなりの若者たちが驚きまして、いろいろ反応があったんですけれども、これ実は、配付資料にありますけれども、ある方が署名を募集したんですね。それもツイッターだけで募集して、そうしたら即座に一万三百人の方の署名、それも電子署名という形で集まったわけです。  この電子署名というのは、これは確かに世界で二億三千万人ぐらい使っていますけれども、日本ではそれほど浸透してはいないですよ。それでも一万三百人がすっと集まった。特にまた、ツイッターだけでしか募集というかお願いしていないのにもかかわらずこれだけのものが集まったということは、若者の間では物すごいこの不満というかフラストレーションがたまっている証拠だと私は思うんですよね。  だからといって、これ、私は、駄々をこねて、税金高いから安くしろよと、こういうように駄々をこねるつもりはなくて、これはやっぱり建設的にこの税制というものを考えていかなくちゃいけないと思うんですよ。こういう問題で若者がこれだけの声を上げたということは、これは余り税制の変更でないことであって、非常に今まで声を上げていなかった若者たちがこの税制に対して物すごい興味を持っているということの現れだと思うんですね。それがゆえに、このニッチな産業ではなくなった仮想通貨の税制というのは、極めて重要な問題になるかと思います。  特にブロックチェーン、これ、今まで私、本会議と、それから予算委員会、それから財政金融委員会でいろんな方にお聞きしました。総理も、それから麻生大臣も。そして経産省も、ブロックチェーンは将来の技術として極めて有望で、非常に期待していると、こうおっしゃっていましたよね。特に、経産省、一昨年にレポートを出しまして、影響ある業界というか分野は七十兆円ぐらいになるんじゃないかというようなことを、レポートを出しているわけです。極めて重要な、ひょっとすると日本経済が再上昇する起爆剤になるかもしれない技術というのが私はブロックチェーンだと思うんですね。その裏側にある、表と裏にあるのが仮想通貨なわけです。  御存じのように、ブロックチェーンというのは仮想通貨をつくるために、発展させるためにできた技術ですし、特に、今後ともオープン型のブロックチェーンだとすると、仮想通貨なしにはブロックチェーンの発展というのはないかと思うんですね。そういう意味で、税制がブロックチェーン、日本の将来の飯の種になるかもしれないそのブロックチェーンを殺しちゃいけないと思うんですよ。ということで、非常に建設的に議論をして、あるべき仮想通貨の税制というのをつくっていかなくちゃいけないかなと私は思っています。  ですから、そういう意味では、駄目だ駄目だじゃなくて、駄々をこねるわけでもなくて、建設的な議論をさせていただきたいと思っているんですけれども。特に、非常にいい税制ができれば、これ、全てがウイン・ウインになると思うんですよ。若者たちも喜んで納税すると思いますし、それからブロックチェーンが日本経済を押し上げていくであろうし、それがゆえに税収も引き上がるということで、全てがウイン・ウインになると思うので、非常に健全な税制をつくるということは非常に重要なことかと思います。  で、質問に入りますけれども、まず金融庁にお聞きしたいんですが、二〇一七年に仮想通貨の時価総額がどのくらい増えたかということをお教えいただけますでしょうか。

佐々木清隆金融庁総務企画局総括審議官

○政府参考人(佐々木清隆君) お答え申し上げます。  民間の調査情報によりますと、仮想通貨の時価総額は、二〇一七年一月一日時点で約一兆九千億円、二〇一七年十二月末時点で約六十兆五千億円と、約三十倍増加したものと承知しております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 このうちの、ちょっとこれ質問通告していなかったんですけれども、かなりの部分が仮想通貨、日本が今最先端走っていると思うんで多いと思うんですけれども、そうすると、一兆九千億円から六十兆円、これ物すごい評価が上がった、時価総額が上がったということは、実現益と、そして未実現益を含めた部分というのは物すごく大きいと思うんですね。  特に日本の場合、今度は仮想通貨同士の交換によって、これでもう課税ということになっていますから、本来きっと、ちょっと割合を聞くのを忘れましたけれども、例えば、もうかなり行っているといいますよね、物すごい利益が上がっている。そうすると、当然のことながら、今年度の三月十五日に締切りになった確定申告ですけれども、物すごい金額の税収、雑収入が計上できると思うんですけれども、それはどのくらいを予想されているのか。そして、国税庁そして財務省ですけれども、それをきちんと捕捉できるのかどうか、その辺についてお聞きしたいと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) 税収の見込みについて、私から御説明させていただきます。  仮想通貨の実現益、所得分類上は原則として雑所得に含まれることとなるわけでございますけれども、雑所得は各種所得の金額を合算した上で申告所得税として課税所得金額に応じて限界税率が課せられることになりますので、雑所得のみに係る税収を切り分けて算出することはできないということでございます。  一応、統計としてこちらとして把握しておりますのは、雑所得以外の各所得に比べまして雑所得の金額の一番大きい者、例えば公的年金の大きい者は雑所得者と呼ばれますけれども、税収見積りに際しましては、雑所得者に係る税収について見積りを行っておりまして、例えば直近、平成二十九年度の申告所得税における雑所得者に係る税収は五百八十億円になるものと見込んでいるところでございます。  ただ、御説明しましたとおり、雑所得を切り分けて算出することはできません。申告所得税の税収見通しについては、まだ申告が終わったところでございまして、今後その収納状況を見ないと現時点で確たることを申し上げることはできないという状況でございます。

藤井健志国税庁次長

○政府参考人(藤井健志君) 実現益の捕捉についてでございます。  仮想通貨により得た所得の捕捉はどの程度なのかということについてなかなか確たることは申し上げられませんけれども、私どもの基本的なスタンスといたしまして、適正に納税を行っている方々が不公平感を抱くことのないよう、税務調査を含めまして様々な取組を行い、しっかりと対応していくことが重要と考えております。  ちなみに、他の金融商品等に係る取引情報として法定調書となっているものといたしまして、金融商品の特定口座年間取引報告書ですとか先物取引に関する支払調書など、こういうものがございますが、仮想通貨取引については支払調書制度など直接的、悉皆的に所得を捕捉する仕組み、制度は今のところ整備されていない状況にございます。  そうした状況の中で、国税当局においては様々な機会を捉えて課税上有効な資料情報の収集に努めております。これによりまして、申告のなかった方も含め必要性の高いものについては重点的に税務調査を実施するとともに、仮想通貨に係る取引実態の研究を行っているところでございます。  今後とも、適正、公平な課税の実現に向けまして、仮想通貨に係る取引情報をどのように収集していくかについて、仮想通貨の取引実態や課税上の必要性を検討しながら、制度当局、主税局ともよく相談しながら検討していきたいと考えております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 雑所得がどのくらいかというのは切り分けられないという星野局長のお話だったんですけれども、少なくとも申告所得税がどのくらい増えるかというのは非常に注目できますですね。これからの数字を見て、この仮想通貨から考えられる税収と申告所得税の伸びが一致していなかったらば、それは課税当局が税をきちんと捕捉できていないということになるかと思うんです。  別にこれは国税庁を非難しているわけじゃなくて、そういうような税制の仕組みはおかしいんじゃないかということなんですよね。要するに、脱税されている方もいるかもしれないし、きちんと正直者がいる。それが、きちんと皆が、正直者が損をするような税制はまずいということで、確かに予想どおりの税収が上がるなら、それは皆さん同じように公平な税制だろうと。だけれども、脱税を許すような、正直者がばかを見るような税制は、簡素、公平、中立という基本原則に反しちゃうわけですよ。要するに、公平でなくちゃいけない。ということであるならば、やはりもし、今年の結果を見なくちゃいけませんけれども、きちんとしたものが出て税収が上がっていないのであるならば、やはり税制自身を変えるべきだろうと私は思っております。  次に、ちょっと確認をしたいんですけれども、国税庁若しくは主税局にお聞きしたいんですけれども、仮想通貨を物と考えれば、これ譲渡所得という考えも考えられたわけですけれども、結局、原則雑所得となったのは、改正資金決済法でこれは仮想通貨を支払手段と位置付けたせいだというふうに理解しておりますが、それでよろしいんでしょうか。

藤井健志国税庁次長

○政府参考人(藤井健志君) お答え申し上げます。  結論は委員御指摘のとおりでございます。所得税法上、譲渡所得につきましては、最高裁判決などにおきまして、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会にこれを清算して課税する趣旨と解されておりまして、法令上は資産の譲渡による所得と、こういうことでございます。  ビットコインなどの仮想通貨につきましては、御指摘の資金決済法上、代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値と規定されており、消費税法上も支払手段に類するものとして位置付けられておりますので、外国通貨と同様に、その売却又は使用により生ずる利益は、資産の値上がりによる譲渡所得とは性質を異にするものであるというふうに考えられるところでございます。  そういうふうに考えられるところでございますので、資金決済法の改正によって位置付けがなされたことも考慮の上、仮想通貨の売却又は使用により生じた利益は譲渡所得には該当せず、どの所得にも属さないということで雑所得に該当するというふうに解しているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 今のお話を聞いていると、黒田日銀総裁とか麻生大臣がよく仮想通貨じゃなくて仮想資産だとおっしゃっていますけど、そうすると、将来的には譲渡所得になってもおかしくないのかなという気がしないでもないんですが、それは別としまして。  国内FX取引というのはこれ同じく雑所得ですけれども、雑所得でありながら特措法によって、租税特別措置法によって申告分離二〇%が採用されているわけですけれども、同じ雑所得であっても今のところは雑所得である総合課税なんですけれども、FXと同じように将来的に申告分離になる可能性もあるのかどうか、お聞きしたいと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) 仮想通貨を売却又は使用することによる損益、原則として雑所得に区分され総合課税の対象となるわけでございますけれども、この取扱いは日本円と外貨を交換した場合の為替差益が雑所得として総合課税の対象となることとのバランスを考えれば適当なものと考えております。  一定のFXを含む先物取引による所得につきましては、御指摘のとおり、先物取引が価格変動リスクの回避、公正かつ透明な価格指標の提供等、重要な役割を担っていることを踏まえて、幅広い投資家の市場参加を促すことが重要であるとの観点から分離課税が適用されているところでございます。仮想通貨は、これと同列に論ずることはなかなか難しいのではないかと考えているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 今の星野局長のお話によりますと、要は市場を育てたいかどうかという話だったと思うんですが、その観点からすると、私が先ほども言いましたように、ブロックチェーンを育てるためには仮想通貨育てなくちゃいけないという意味で、市場を育てるというのは極めて重要な話かなというふうに私は思います。  もう一つ、違う観点からすると、国内FX取引は分離課税ですけれども、海外FX取引というのは総合課税ですよね。ただし、海外FX取引であっても金融庁の認可を受ければ、許可を受ければ申告分離課税になると、こういう話になっているかと思うんです。ということは、商品先物取引法とか、それから金融商品取引法などの国の規制を受けていれば、言い換えれば、国の監督下に入れば特措法によって申告分離の適用の可能性があると、これが私は税の公平性だと思うんですよね。要するに、FX取引は二〇%だったならば、当然のことながら仮想通貨の取引も二〇%にしても、これは税の公平からするとそうであるべきではないかというふうに思うんですね。  特に、前回の財政金融委員会で私がお呼びした経産省の木村参考人。マネーロンダリングや消費者保護に関する議論もあるものと承知してございます。我が国におきましては、資金決済法の改正によりまして、取扱業者が登録制とされますなど、国の監督下で仮想通貨を活用できる環境が整えられているものと認識してございますと、こうお答えになっているわけです。  既に経産省では国の監督下の下で仮想通貨の取引が行われているというふうにおっしゃっているわけですから、先ほどのFX取引の国内取引、そして国外取引、海外取引での差を考えますと、国の監督下に入るもっときちんとしたルールができれば、当然のことながら申告分離というふうにするのが妥当かと思うんですが、いかがでしょうか。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  海外のFX取引の関連でございますけれども、一定のFXを含む先物取引による所得につきましては二〇%の分離課税が適用されているところでございますけれども、近年、金融商品取引業の登録をすることなく投資家を勧誘するケースが多発し、投資家とのトラブルが生じていたことを踏まえまして、平成二十八年度改正において、投資家保護規制が講じられていない無登録業者を相手方として行う取引については分離課税の特例から除外したところでございます。  このように、分離課税の特例を設けるに当たって、投資家保護規制が十分に講じられていることが重要であるということはそのとおりであると考えておりますけれども、必ずしもそれだけで十分というわけでもなく、そもそもその取引をやはり国として強く支援、保護する政策的要請が存在することが前提であると考えております。  先ほど申し上げましたとおり、一定のFXを含む先物取引による所得につきましては分離課税が設けられておりまして、こういった国による保護の必要性のその判断に鑑みますと、仮想通貨をこれと同列に現時点で論ずることはなかなか難しいのではないかと考えているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 今お聞きしていますと、申告分離課税にするための必要条件としては強く政策的支援が必要かどうかということが重要だということは今分かりましたけれども、これはまた今後とも議論いたしますけれども、ブロックチェーンというのは極めて重要な技術、日本の将来を背負うような技術だと思うんですね。そうしたらば、やっぱり表裏の関係にある仮想通貨を、これを政策支援するというのは国のあるべき姿であって、まさに、そうしないとせっかく世界のトップに走っている日本のブロックチェーン技術を殺してしまうことになると思うんですね。最初に申し上げましたけど、税制で日本の将来を殺しては絶対いけないと思うんですね。その点において、仮想通貨というものをやはり政策的に支援する、要するに、ブロックチェーンを政策的に支援するということを是非考えることを強く政府に申し上げたいと思います。  もう一つお聞きしておきますけれども、コインチェック社は、もう金融庁がなかなか入っておりますのでデータかなりあると思うんですけれども、十二月の月間取引量が幾らで、事件の起きる前の口座数が幾らあったのかということをお聞きしたいと思います。また、それと対比する意味で、SBIグループ、これFX取引でも、またネット株式の取引でも業界一位かかなり上の方にいると思うんですけれども、彼らの口座数と取引額をお教えいただければと思います。

遠藤俊英金融庁監督局長

○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。  コインチェック社は、この取引額を定期的に公表しているわけではございません。ただ、三月八日の記者会見の中で、二〇一七年十二月の月間取引高について説明しておりまして、それは約三兆八千五百三十七億円であるということでございました。  いわゆる事件の起きる前の口座数については、今申しましたように公表等しておりません。ただ、この記者会見の質問の中で、事件後、三月八日の事件後の口座数は約百七十万口座であるというふうに説明しております。  それから、SBIグループでございますけれども、このSBIグループに関しても、一か月間の取扱高等については公表しておりません。SBIグループは、決算説明書等において、クオーターベース、三か月ベースで数字等は説明しております。その数字によりますと、SBI証券に関して、二〇一七年十月から十二月の三か月間における国内株式委託売買代金は約三十一兆六千九百二十四億円、二〇一七年十二月末における口座数約四百十万口座、それから、二〇一七年十月から十二月の三か月間におけるFX売買代金が約四十八兆九千八百七十四億円、グループ他社を含めた二〇一七年十二月末におけるFX口座数は約百一万口座ということでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 これをお聞きしていますと、かなり、二分の一、三分の一ぐらいに今、これ仮想通貨の取引額といい、口座数といい、なっていると思うんですよね。かなりの大きい存在に仮想通貨の取引がなっているという認識もしておいていただきたい。もうニッチではないんだということは十分御理解いただければと思います。  それから、もう一つお聞きしますが、FX取引のレバレッジというのは今何倍まで許されているんでしょうか。

池田唯一金融庁総務企画局長

○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。  個人向けの外国為替証拠金取引、いわゆるFX取引のレバレッジは現在二十五倍が上限となっているところでございます。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 二十五倍ですね。  そうすると、要するに、仮想通貨の取引で確かにボラティリティーが大きいという話よく出ますけれど、これは、二十五倍までFX取引でレバレッジが許されているということは、一%の動きで二五%動くということですよね。十分レバレッジを利かせればFX取引もボラティリティーが大きいわけで、仮想通貨がボラティリティーが高いからどうのこうのという議論にはならないんではないかということは念を押しておきたいと思います。  次に、仮想通貨同士の課税についてお聞きしたいんですけれども、今、仮想通貨同士の取引をすると、これ実現益として課税対象になってしまうわけですけど、これは人間が、何というかな、手動で取引しているというような前提での税制じゃないかと思うんですね。  ところが、仮想通貨、ブロックチェーンが発達していくと、もうあらゆる幾つもの仮想通貨をどんどんどんどんスワップしたり仲介したりして、付加的な機能を使ったり、そしてその送金スピードを速めるためにいろんな仮想通貨をどんどんどんどん連鎖して使っていくような状況に近々なると思うんですね。それは、別に人ではなくて、もう機械同士で、機械の中でどんどんやってしまうと。ですから、まず、やっている当人でさえそういう認識がなくなっちゃう。それで、税務当局だって当然把握なんかできっこない。  そういうような状況のときに、仮想通貨を換えるたびに実現益を課税するというのも、これ極めて非現実的な課税になってしまうかと思うんですが、いかがでしょうか。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  仮想通貨同士を交換する場合につきましては、元々保有していた仮想通貨の取得価額を新たに保有することとなる仮想通貨の時価が上回れば、経済的利益が実現していると考えられることから、これを所得として課税するということが原則かと考えております。例えば、為替取引におきまして例えばドルをユーロに交換する場合においても同様に所得が発生することとなることを踏まえれば、適当な取扱いであると考えているところでございます。  例えば、先生の御指摘を受けて、課税の繰延べみたいなことを考えるというようなことがあり得るかということでございますけれども、例えば、課税上の繰延べを認めるに当たりましては、単に同種の資産に買い換えるということにとどまらず、一定の政策的配慮を要すること等が必要でございます。例えば、土地の収用等に対して代替資産を取得した場合に課税を繰り延べるといったような特例を認めておりますけれども、こういった政策的な配慮に基づいて繰延べ等を認めているところでございます。  御指摘のとおり、仮想通貨同士の交換も含めまして、仮想通貨の取引による所得の捕捉について難しい面があることは委員御指摘のとおりと考えております。今後、関係省庁とも連携しながら、仮想通貨に係る取引実態の研究を行いつつ、必要な対応についても検討を進めてまいりたいと考えております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 おっしゃるとおり、原則はよく分かるんですけれども、先ほど来何度も申し上げていますように、把握できないものを徴税するというのはこれ現実的に無理なわけで、これは、やっぱり仮想通貨とかインターネットの社会ってどんどんどんどん先に進んでいますから、税制は遅れているわけですよ、キャッチアップできていないわけですから。それに合った税制を考えていくというのが極めて重要なことかと思います。  今日、時間がないので、あしたまた続きやりますけれども、最後だけ、もう一つ、今、短期的なものは、やっぱり私が考えるに、申告分離にして、そして仮想通貨同士の交換には非課税にするというようなこと、そして交換手段として使った仮想通貨に関してはある程度までは非課税にするというようなことを、当面の間は考えていかなくちゃいけないんじゃないかと思います。  あした、また明日以降またお聞きしますけれども、もうちょっと長い間で考えるならば、やはり所得税というのはなかなか、インターネット社会とか、こういう技術分野において、かなり徴収するのが難しいんです。担当税務当局も捕捉するのが難しくなっていくと思うんですね。最終的には私はやはり、例えば土地の売買、何だ、登記税、登記料とか、取引税みたいに、買ったときに、法定通貨から仮想通貨に換えたときに何%とか、不動産だったら三%、四%ですけど、一%か二%か知りませんけれども、そういう課税しか無理でないかなと私は思います。  何か、大臣がおっしゃりたいようで……

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) もう時間が来ておりますので、じゃ、簡潔にお願いします。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) この話は、もう御存じのように、バーチャルカレンシーという言葉を直訳しているから話が何となくなっていますでしょう、御存じのように。これはクリプトカレンシーとも言うんですからね、通称は。クリプトって、御存じのように、秘密という意味ですから。そういったようなものの話なんであって、内容なんか分かっておらぬわけですよ、みんな、何が何だか。ほとんどの人が分かっていないと思いますね、私、この話をしておられる方々も。  私どもは、そういった意味では、これはもうちょっと、ハッシュ関数なんて言葉が使われているということを知っている人はほとんどいませんよ。ハッシュ関数って言われて、ほとんど、えっ、何のことと言うんですけれども、それがいわゆるブロックチェーンの元の元ですから。そのハッシュ関数の話してこの話をしなくちゃならないんですけれども。  そういった意味では、我々としては、このブロックチェーンというものは将来の日本のいわゆる一つのノウハウとして育て得る可能性があるものだとは思っております。したがって、中国やら韓国みたいに、ぱしゃっと閉めちゃって、なしなんてことを、そういったことをしているつもりもありませんから、多分日本が今一番この部分じゃ進んでおりますよ。  しかし、それによって私どもの、同時に、金融庁やら消費者庁やら抱えています我々としてみれば、これは、これによって被害者が出てくるというのは断固避けにゃいかぬところですから、そういった意味では、今おっしゃるように、分離課税にした方が間違いなく税金は捕捉しやすいですよ、総合課税よりは。しかし、それをするためには、何かもうちょっとオープンにしてもらって、実態を全部明らかにしてもらわなきゃできませんでしょうが、そんな話、幾ら言ったって。  だから、そういったような話をきちんとしないと、今言ったお話は、単なる議論をわあっとしているだけであって、前に全然進まぬというのが現実なんだと思っていますので、ただ、はっきりしておりますのは、私どもはこのブロックチェーンというものは育て得る大きな技術になり得るものだとは思っております。

藤巻健史日本維新の会

○藤巻健史君 終わります。

風間直樹立憲民主党

○風間直樹君 今日もよろしくお願いします。  最初に、公文書の改ざん問題について質疑をしまして、その後、議題の法案についてお尋ねをいたします。  まず、今日は人事院からお尋ねをします。  この改ざん問題ですが、ニュース等を見ていますと、こういう問題が起きるたびに、第三者による委員会みたいなものをつくって、そこに徹底調査をさせろという声が必ず紹介されるんですけれども、それは非常に的を外した議論だと思っています。  一昨日も申し上げましたように、我が国の法制度上、行政府を行政監視の立場からきちっとチェックをする、そのための法律が整備をされています。その法律に基づいて関係組織が設置をされています。その一つが人事院であり、会計検査院であり、また総務省の行政評価局であり、そして最たるものが国会と、こういうことです。  人事院ですが、内部統制機関ということですけれども、今言いましたように、行政に対して人事院の場合は人事の観点からチェックを行うべきです。国家公務員法に言うところの民主的視点から、人事院が今回の問題を起こした政府、財務省をどうチェックすべきだったのかという問題意識から今日は質問します。  一昨日も議論しましたけれども、人事院によると、この国公法十七条の物すごくパワフルな調査権、これが改ざん問題では使えませんということです。この調査権は歴史上一度も使われたことがないので、私は、そもそもこれは人事院が使い方を知らないから、そして使う意思もないから、この調査権が放置されたままなんじゃないかなと考えています。  今回の改ざん問題については、私、国公法の条文をそれぞれもう一回読み直してみましたけれども、恐らく今から述べる国公法の条文が該当するんだろうと。これからそれらを読み上げますので、その後、人事院の認識を伺いたいと思います。該当されると思われる条文は、国公法の九十八条、九十九条、百一条、百二条、それから九十六条、そして最後に十七条。  まず、国公法の九十八条、「法令及び上司の命令に従う義務並びに争議行為等の禁止」という条文、「職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。」。これは今回、改ざん問題が起きたわけですから、公文書改ざんは完全に法令に従っていないということになります。  それから、九十九条、「信用失墜行為の禁止」、「職員は、その官職の信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」。大臣おっしゃるには、佐川局長が改ざんを指示したと、現時点ではこういう判断だということですから、佐川局長のそうした行為が官職の信用を傷つけ、官職、財務省全体の不名誉となる、そういう行為、そういう事態を招いているということです。  それから、百一条、「職務に専念する義務」、「職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。」。これは、私が昨年のこの委員会で指摘をしました総理夫人付きの谷査恵子さんによる昭恵夫人の私的な勉強会、UZUの学校の事務局業務を主催し、同時にフェイスブックに、平日、このUZUの学校に関する投稿を行っていたという問題、この百一条にまさに抵触すると私は考えます。  次に、百二条、「政治的行為の制限」、「職員は、政党又は政治的目的のために、」、抜粋して読みますが、「これらの行為に関与し、」「人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」。昨年随分議論されました、おととしの参議院選挙の際に、昭恵夫人が自民党の候補者の皆さんの応援に行かれた、それに夫人付きが随行された、これがこの国公法の観点から厳しく批判されたのは皆様も御記憶のとおりであります。  そして、これら今述べた条文というのが九十六条の「服務の根本基準」という部分に抵触してきます。つまり、「すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。」と。  ちょっと御紹介をしておきますけど、私、この質疑をするに先立って、そもそも人事院という組織はどういう経緯でできたのかなと、その根拠法である国家公務員法というのはどういう歴史的な経緯があるんだろうということで資料を探してみたんですけれども、興味深い資料を見付けました。  それが、この国公法を事実上作ったと言われる法律家がいまして、外国人ですが、ブレイン・フーバーという方です。この方が昭和二十四年の四月四日、参議院の委員会、当時人事委員会という委員会がこの参議院に設置されていたらしいんですが、そこで国公法の意義と近代公務員制度についてという題で講演をされているんですね。その中でこう言っています。民主主義国家にとって第一の大きな問題は、官吏が国王や皇帝に対して責任を負うのではなく、一般国民に対して責任を有する官吏制度を打ち立てるという問題ですと。この国王や皇帝にという部分を総理大臣にとか政府にとか置き換えてみると分かりやすいんですけれども、今日日本の政治状況は安倍一強と言われるぐらい総理官邸が強いと言われていますけれども、日本にとって第一の大きな問題が、官僚の皆さんがこの総理に責任を負うことじゃないんだと、国民に責任を負う、そういう制度を打ち立てることだと、こういう趣旨のことをおっしゃっている。この思いが九十六条なんだろうと思います。  これら今読み上げた条文を総合すると、十七条の「人事院の調査」、「人事院又はその指名する者は、人事院の所掌する人事行政に関する事項に関し調査することができる。」というこの十七条の調査権にどうしてもこれつながってこざるを得ないなというのが国民の常識から見て明らかではないかと私は考えます。  そこで人事院にお尋ねをするんですが、昨日少し議論しました国家行政組織法の十条、この十条と今お話しした国公法の十七条、この関連についていま一度伺いたいんです。国家行政組織法十条はこう書いています。「各省大臣、各委員会の委員長及び各庁の長官は、その機関の事務を統括し、職員の服務について、これを統督する。」と。これが国公法十七条及び国公法全般に優先すると、昨日人事院がそういう趣旨の答弁をされましたが、その法的論理性について教えてください。

中山隆志人事院事務総局職員福祉局次長

○政府参考人(中山隆志君) お答え申し上げます。  国家公務員法第十七条第一項、先生御指摘のとおり、人事院の所掌する人事行政に関する事項について人事院が調査できる旨を定めた規定でございます。これと、国家行政組織法第十条、職員の服務の統督権は各省に属するということを明らかにした規定がございますが、この二つの優先関係を定めた明文の規定は私が調べた限りございませんでした。これはすなわち、一方が他方あるいは他方が一方を排除するという、そのような関係にはなっていないということになるものでございます。  したがいまして、人事行政に関する人事院の調査権を定めた国家公務員法第十七条第一項の運用に当たりましても、国家行政組織法第十条、すなわち服務の統督権は各府省にあることを明らかにした条文、こういった、それも含めた関係法令を念頭に置いて、適切に運用をしていくということが求められているんだと思っております。  ここで、職員の服務につきましては、先ほど来話題に出ておりますとおり、国家行政組織法でも各府省に属することが確認をされていると、それから事実関係を承知する立場にまさに各府省があると、それから、例えば一昨日話題になりました財務省における文書の書換え問題につきましては、財務大臣の指揮の下で真相解明に向けて財務省において調査が行われているということでございますので、人事院として別途独自に調査を行うような状況にはない。すなわち、服務の統督権をまさに財務省は行使されているわけでございますので、現在。少なくとも現時点では、国家公務員法第十七条第一項が、財務省の文書の書換え問題について人事院が独自に人事院の所掌する人事行政に関する事項としての調査を行うことを求めている状況にはないのだというふうに理解をしております。

風間直樹立憲民主党

○風間直樹君 よく分かりました。ありがとうございます。  それでは、もう一つ伺いますが、そうすると、例えば大臣の事務統括、それから服務の統督、これ、今人事院がおっしゃったように、今財務省がやっていると、麻生大臣が一生懸命やっているんだという状況だと、だから人事院がこの国公法の権限を行使する段階ではないと。じゃ、仮にですよ、一般論として、省庁のトップが、大臣がこれに失敗した場合、あるいは人事院から見て、国民世論から見て、明らかにこの事務統括と職員服務の統督に問題点や疑問点が感じられる場合についてお尋ねします。  その場合は、これ私、昨日の晩ふと思った疑問なんですけれども、まず一つ目のお尋ね、人事官会議でこの状態、つまり、問題があるねと、疑問符が付くねということが議論されることがあるのかどうかということ。そして二つ目のお尋ね、十七条の調査が行われることもあるのかということ。そして三つ目のお尋ね、それとも、この十条の事務統括、大臣の職員服務の統督権は神聖にして侵すべからずなのか、人事院から見て。この三点、いかがでしょうか。

中山隆志人事院事務総局職員福祉局次長

○政府参考人(中山隆志君) 私どもとしては、現在、財務省において適切に職員の服務の統督権が行使されているというふうに認識をしておりますので、今の三点についての仮定を置いた御質問にはお答えしかねる状況でございます。

風間直樹立憲民主党

○風間直樹君 まあ現在の人事院のその組織の性質というより、皆さん、人事院職員の皆さんの考え、認識、魂というかな、その現状では恐らく無理なんでしょうね、今の答弁以上のことを期待するのは。  私はこう思うんです。人事院という組織って、院という文字が付いていますよね、人事院。この院が付く組織というのは余り多くありません。人事院、会計検査院、衆議院、参議院。現行の組織でほかにありますでしょうかね。(発言する者あり)国土地理院。それから、歴史的な組織では例えば枢密院などがありますが、この院と付く組織はどういう性格の組織なのかなということをつらつらと考えてみると、いろんな共通した性格があるんでしょう。ただ、一つは、間違いなく、他の組織、機関に対して非常に強い独立性を有するということではないかなと私は考えています。  今、人事院答弁された内容は、恐らく今回の改ざん問題だけじゃなくて、今日までいろんな行政の問題が起きてきた、そのたびに多分同じ答弁をされたんだろうと思います、国会で尋ねられた場合は。すると、現在の人事院の組織と皆さんのその認識のままでは、今後同様の行政の問題が起きても、皆さんは同じ答弁されると思います。つまり、国公法に基づく、今私が読み上げた各種の条文で、皆さんが持っていらっしゃる権限をきちっと行使して、この内閣、省庁、行政機関を人事院がチェックをするということは多分起きないんでしょう。私はそう感じます。独立性がないから、今の皆さんには。  なぜ、じゃ、独立性がないかというと、私は人事院の人事の問題に原因があると思いますね。人事院の人事の問題、二つあります。  歴史的に、戦後人事院発足以来、数多くの幹部職員を他の省庁から受け入れてきました。人事院の枢要なポストは、そのほとんどが他の省庁からの人事交流で埋められてきました。事実ですよね。人事院からいただいた資料にそう明記されている。歴代の各局長のお名前、出身母体の省庁、全部出していただきました。ほぼ全ての省庁から、枢要な局長ポストに人事交流で来ています。これが一つ。  そして、もう一つは、歴史上、人事院が事実上、他の省庁による天下りのあっせんを受けてきたことが背景にあると私は見ています。これは人事院の複数のOBからも、そういう話を何人からも伺いました。これは人事院の独立性を大きくゆがめる話ですので、私は院の名にふさわしい独立性を将来にわたってこの状況だと人事院が持つことはないだろうと予測しています。  じゃ、それでいいんだろうかというのが私の問題意識であり、国会で議論して法制度等の改正につなげるべきことだと感じています。  先日ちょっと触れましたが、我々国会も、こうした問題に際して、行政を批判し、チェックをする役割を担っていますので、今日は一つ人事院の組織について提案をしたいと思います。  やはり、今後このような文書改ざん問題あるいは森友事件のような問題が起きたときに、人事院がきちっと機能する組織になる、あるいは会計検査院がきちっと機能する組織になる、そのための努力を今日、我々国会はしなければならないと私は考えています。  そこで、これは個人的な私案なんですけれども、人事院の組織を改めて、きちっとこの国公法の各条文、特に十七条の権限を行使できる組織にするために、名前を変えることを提案したい。今のままでは、私、大変失礼ですが、人事院という看板外して、例えばですけど、霞が関人事給与センターとか、そういう看板に替えた方がふさわしいと思っているんです。でも、人事院にはとても優秀な職員の方大勢いらっしゃるんですよ。その皆さんの能力を生かしていただくために、私は人事院をまず国会に移すことを検討すべきではないかと思っています。国会に移す目的は、国権の最高機関である国会が行政を恒常的に監視する活動に資するためであります。  参議院、例えばですけれども、人事行政監視院という名前で置く。そして、この人事行政監視院は、各行政機関等の長に対し資料の提出及び説明を求め、又は実地に調査することができる、これが二つ目のポイント。三つ目は、人事行政監視院長は、人格が高潔で、行政の民主的かつ能率的な運営に関し優れた識見を有する者の中から参議院議長が参議院の承認を得て任命する。そして最後、人事行政監視院は、職員を独自に採用し、専門の知識を有する職員を育成するとともに、定年制の実施を徹底し、関係法人等への職員の再就職を認めない人事制度を確立する、これが非常に大事だと思っています。  今、私どもの党、立憲民主党では、この人事院を含む統治機構、我が国の統治機構、要するに、官僚機構を政府がきちっと統制、コントロールできていない、その原因として法律制度の問題があるという認識に立ちまして、統治機構調査のワーキングチームを設置しました。そこで議論を行っていますけれども、将来的に、今御紹介した構想を含む改革案を公表し、そして政権交代に備えたいと思います。その前に、現在の与党の皆さんがこうした法制度の改善、改革に着手していただくことを期待しているところです。  これは人事院に感想を求めても恐らく答弁に苦慮されるかと思いますので、今日は野上さん、官房副長官、今聞いていましたか。今私が申し上げたこの新しい提案、参議院人事行政監視院、国会に持ってこようと、人事院とか、まあ会計検査院についてはまた後日お話ししますが、その上で、与党、野党両方の、しっかりとしたこの国会の下で行政に対する監視機関として再生させようじゃないかと、こういう趣旨なんですけれども、もし感想ありましたら伺えればと思います。

野上浩太郎自由民主党・こころ内閣官房副長官

○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 今、様々な御指摘がございました。行政内部で監査等を担う機関が国会における行政監視機能と相まって適切に機能を発揮していくということは極めて重要であると認識をしております。  一方で、今、国会における行政監視機能の在り方についての御議論でございましたが、国会において御議論いただく事項でありまして、政府としての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

風間直樹立憲民主党

○風間直樹君 野上さんもまた一緒に議論に加わっていただければと思います。  次に、検査院に、まだ時間がありますので、検査院にお尋ねをしたいと思います。  一昨日お尋ねしました実地の検査について伺いますが、検査院の方いらしていますよね。  この会計検査院が行うべき実地の検査、これ二十五条でしたっけ、これは書類の審査じゃなくて、地面を掘り返して、つまり今回問題になった小学校、森友学園の、この森友学園の小学校の現地に行って地面を掘り返してごみを調べること、これは当然二十五条の実地の検査で検査院できるわけですよね。今回、国会から調査を命じられたときにそれをすべきだという議論もこの場でいたしました。ところが、これされなかった。これ、検査院、されるべきじゃなかったんでしょうか。認識いかがですか。

宮川尚博会計検査院事務総局事務総長官房審議官

○説明員(宮川尚博君) お答え申し上げます。  今回、参議院からの御要請を受けて行った検査の中で、地下埋設物撤去・処分費用に係る検査を行っておりますが、それは実際の地下埋設物の量を確認することを目的とするものではなく、本件国有地の売却予定価格算定のために大阪航空局が行った当該費用の算定が適正であったかについて、大阪航空局が当時利用することが可能であった既存の資料を用いるなどして行ったものでございます。  以上でございます。

風間直樹立憲民主党

○風間直樹君 いや、それは分かるんですよ。そういう調査を行ったというのは、それは分かる。  ただ、私が聞いているのは、それにとどまらず、二十五条というのは実地の調査まで皆さんに権限を与えているんだから、そこまで今回の問題ではすべきだったんじゃないですかということです。そうしないと、本当のところ、値引き金額の妥当性とか真相に近づけないんじゃないでしょうか。

宮川尚博会計検査院事務総局事務総長官房審議官

○説明員(宮川尚博君) お答え申し上げます。  重ねてのお答えになりますが、会計検査院は、国会からの御要請に従い、会計検査院法上与えられている権限を行使し、検査を実施しているところでございます。  今回の当該費用に係る検査は、実際の地下埋設物の量を確認することを目的とするのではなく、本件国有地の売却予定価格の算定のために大阪航空局が行った当該費用の算定が適正であったかについて、大阪航空局が当時利用することが可能であった既存の資料を用いるなどして行ったものである、そういうことでございます。

風間直樹立憲民主党

○風間直樹君 まあいいです。また追ってやります、これ。  それで、検査院が今回、検査院法上の責務をきちっと履行されたのかどうかを確認をしたいと思います。  まず、検査院法の二十条の三、「会計検査院は、正確性、合規性、経済性、効率性及び有効性の観点その他会計検査上必要な観点から検査を行う」と。これ一昨日も聞きまして、それで、それぞれのこの正確性、合規性云々の定義聞いたんですが、この正確性と有効性の定義をもう一回説明していただけますか。

岡村肇会計検査院事務総局次長

○説明員(岡村肇君) お答え申し上げます。  まず、正確性の観点でございますが、決算の表示が予算執行等の財務の状況を正確に表現しているかを意味するものでございます。また、有効性の観点でございますが、事務事業の遂行及び予算の執行の結果が所期の目的を達成しているか、また効果を上げているかといった観点でございます。

風間直樹立憲民主党

○風間直樹君 そうすると、この正確性の観点から、今回財務省が、改ざん後の文書ですか、それから前の文書も、国交省からかな、両方出されたわけですけれども、この正確性の観点から検査院は検査を行ったと認識をされているんでしょうか。

岡村肇会計検査院事務総局次長

○説明員(岡村肇君) お答え申し上げます。  先ほども申し上げましたが、正確性の観点とは、決算の表示が予算執行等の財務の状況を正確に表現しているかという観点を意味するものでございます。決裁文書の書換えという事態につきましては、ここで申し上げました正確性の観点とは異なるものでございますけれども、会計検査は真正な公文書に基づいて行うのが前提でございます。誠に遺憾な事態であると考えております。

風間直樹立憲民主党

○風間直樹君 ちょっとよく分からないので、また後日やります。  次、二十六条ですが、「検査院は、検査上の必要により検査を受けるものに帳簿、書類その他の資料若しくは報告の提出を求め、又は関係者に質問し若しくは出頭を求めることができる。」。この観点からいうと、今回財務省が行った行為は明らかにこの条文に違反するという認識でよろしいですか。

宮川尚博会計検査院事務総局事務総長官房審議官

○説明員(宮川尚博君) お答え申し上げます。  会計検査院からの求めに対して提出された決議書が書き換えられているということでございまして、二十六条の規定に違反するものになり得るのかなと考えているところでございます。

風間直樹立憲民主党

○風間直樹君 まあ遠慮があるんですよね、財務省に対して。やっぱり、日頃、いろいろ人事交流もされているし、人間関係もおありになるから。すごく答弁からそれがうかがえます。それはさておき、明日また検査院やります。  それで、先ほど人事院に関して提案をしましたように、検査院についても、やはり現状ではその職責を、検査院法上の職責を全うしていただくのに不十分だろうと考えております。したがいまして、明日、その点について提案含めてまたやらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

中山恭子希望の党

○中山恭子君 希望の党、中山恭子でございます。    〔委員長退席、理事三木亨君着席〕  まず、質問の前に、今日の質疑を伺いながら、国有地の売買について一言申し上げたくなりました。  提出された文書を読んでの個人的な思いでございますけれども、決裁文書に、確かに通常の決裁文書としては不要なものが書かれていたり、手持ち資料と言えるものまで添付してありまして、どうしたものかという思いもあります。ただ、案件の処理につきましては、政治家からの陳情に対して、法律に基づき適正な時価を算出することが必要であるため価格についてはどうにもなりませんというような説明をしているなど、皆、財務局の者は適正な処理をしようと懸命に努力していた様子が見て取れます。特例的な内容となる状況の中で、財務局としては精いっぱいだったのであろう、この処理がやっとだったのかと考えています。そのように考える者がいることを一言付け加えておきたいと思いました。  さて、質問でございますが、まず、国税職員の定員の確保と機構の充実、処遇の改善についてお伺いいたします。  これまでにも話題になっておりますが、国税の申告件数や滞納発生額、相変わらず高水準で推移しております。また、経済取引の国際化が進み、情報通信技術も大いに進化してまいりました。近年の変化に的確に対応した税務行政を推進していくためには、職員の研修や訓練が必要なのはもちろんでございますが、その前提として、職員の増加、定員確保がなくてはなりません。マンパワーの増加なしでは税務のコンプライアンスの向上を図ることすらできないと考えます。さらに、法人税の実調率、今回も話題になっておりますが、平成二十四年以降三%台まで低下しています。企業は、単純計算でいきますと、三十三年に一回だけ実地調査を受ければよいというようなことになります。定員の増えないことが要因であると先ほど国税庁次長からもお話がありました。このような状況が続きますと、適正、公平な課税と徴収の実現というのを国税グループはスローガンに掲げておりますが、その実現は困難となります。納税者の側から見ましても、不公平感が醸成されることになると思われます。    〔理事三木亨君退席、委員長着席〕  国税職員が国庫収入のために働いているとの自負を持って適正、公正な税務行政を行うために、国税職員の増加、マンパワーの増加が必須であると考えますが、大臣、御所見いかがでしょうか。

うえの賢一郎自由民主党財務副大臣

○副大臣(うえの賢一郎君) お答えします。  経済活動の国際化やICT化に伴う調査、徴収事務の複雑化などによりまして、税務行政を取り巻く環境は厳しさを増しております。このような状況の下で、適正、公平な課税徴収を引き続き実現していくためには、税務執行体制の強化を図っていくことがとても重要だと考えています。  こうした中、平成三十年度予算におきましては、国税庁の定員はプラス七名の純増、機構では国際税務専門官プラス十四の増設などを行うこととしているところでありますが、引き続き厳しい財政事情ではありますけれども、業務の効率化を図りながら必要な定員、機構を確保し、税務執行体制の強化を図ってまいりたいと考えています。  また、税務の複雑性、困難性を踏まえますと、今後とも国税職員の給与水準の確保に努め、研修の充実、これをしっかりと図っていくとともに、必要な宿舎の確保など、処遇の改善にも取り組んでいきたいと考えています。

中山恭子希望の党

○中山恭子君 是非、国庫収入を増加させるということにつながるわけでございますので、くれぐれも御配慮いただきたいと思っております。  さて、政策の問題ではなくて言葉の問題で大変恐縮でございますが、麻生大臣は所信表明の中で、人づくり革命と生産性革命を車の両輪として、少子高齢化という最大の長期的課題に立ち向かってまいりますと述べられております。昨年十二月に取りまとめられた新しい経済政策パッケージに基づいたものであるということは承知しております。ただ、人づくりと生産性について、革命という単語が使われていることに違和感を感じております。奇異に感じました。  革命とは、ブリタニカ国際大百科事典では、一般的な意味においては、政治体制が急激かつ根底的に変革されること、通常は超法規的に進行し、しばしば武装した大衆あるいは軍隊の一部による実力の行使を伴うと解説されております。したがって、君主あるいは政府首脳を非合法的な実力手段によって交代させるにすぎない政治変動は、統治形態及び社会構造の根底的な変革を伴わない限り、通常は革命の概念には含まれないと解説されております。  産業革命や技術革命といった、ある状態が急激に発展、変動するとの意味で使われているのであろうと推察しておりますが、これらは現に社会を大きく変える変動があったことを受けて使われた言葉でございます。いずれにしましても、革命は、現状を否定し、世の中をひっくり返す意味があり、暴力、武力による権力奪取であり、日本の文化、伝統を否定、破壊することを意味するものであります。  そういった意味で、人づくりですとか生産性といった単語に革命が付くということ、何とも言えず、ちょっと変な思いがするんですが、麻生大臣、どのようにお考えでいらっしゃいますか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に賛成です、おっしゃることに賛成。  一七八六年、フランス革命、ダントン、ロベスピエール、極めて悲惨な結果になったんじゃないですかね。ロシア革命も似たようなものでしょう。そして、最近では、そうですね、十九世紀、二十世紀に入ってからペルシャの、ペルシャという今のイランですか、イランのあの白色革命しかり。いずれも革命という名の付いたものは多大な血が流れた割には大きな生産が上がらなかったというのは歴史の示すとおりだと。私は、革命という言葉に関してはそういう違和感を覚えるのは私も同じです。  このときに、つくるときには、今でも、何というか、閣内でいろいろ意見が分かれて、この言葉には反対というようなことを言ったものですから、まあいろいろちょっと物議を醸したんですけれども、担当の茂木大臣が就任記者会見において、大胆な改革を進めるという意味だというように理解してくれというように言っておられたので、それも私どもも聞いたところでもありましたので、それで私どもとしては、私どもじゃない、私としては納得をしたところなんですけれども。  いわゆる具体的な改革というのを進めるためには、ある程度掛け声というのだけじゃなくて、きちんとしたものがないといかぬのだと思っておりますので、具体的な中身でそれをきちんと実施するためにはリーダーシップ等々の指導力が極めて必要なんだと思っていますので、こういった意味では、今回の中の人づくりとか生産性というものに関しましては、きちんとした実績を上げて初めてということに関しましては私も全く同感であります。

中山恭子希望の党

○中山恭子君 革命に相当する実績を上げるということは大変なことであろうと思っております。  現在、パッケージは法令ではありませんけれども、現在の法令で革命との文字がどのように使われているのか少し調べてみました。法律では、貿易保険法の中で六つ条文が、六つの条文で使われております。政令では二つの政令。規則では、これも二つの施行規則で使われております。ただ、この使われ方ですけれども、全て外国における戦争、革命又は内乱による為替取引の途絶といったような使われ方でして、戦争、革命、内乱と必ずセットで使われているものでございます。  法令ではないということで、そんなにこだわらなくてもよいということもあろうかと思いますが、私自身はやはり、これがマスコミ受けを狙ったものなのか、自分たちを奮起させるために使ったものなのか、いずれにしてもちょっと表現が漫画チック、少し幼稚かなと見えますので、やはり所信表明は言葉を丁寧に使っていただきたいと考えております。是非、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今申し上げましたけれども、言葉は確かに丁寧に使わないと、ただでさえ、その言葉が分かっていても分からないようなふりして話をディストート、ディストートって、ねじ曲げる方々も世の中には大勢いらっしゃるというのはこの仕事長くしていますとよくよく理解できるところなんで、今言われましたように、まともに考えている方にいただければと思いますけど、なかなかそうばっかりはいかないのが、一億二千七百万の人口いますといろんな御意見が出るのは当然なんで、そういった意味もよくよく拝聴しながら、いろんなことを言われる可能性を考えていろいろやっていくと言葉がすごいぼけてきますので、どの程度のバランス取るか常に頭に入れておかないかぬところだと思います。

中山恭子希望の党

○中山恭子君 今後、くれぐれもよろしくお願い申し上げます。  次に、内部留保課税についてお伺いいたします。  昨年十二月の本委員会におきまして、内部留保課税を取り上げました。企業の内部留保は今も増加を続けており、財務省の法人企業統計調査によれば、平成二十八年度には全産業、金融業、保険業を除く全産業で四百六・二兆円に達しているとのことでございます。GDPが二十八年度で五百四十兆円くらいだったと思いますので、そうすると、GDPと比較しても七割、七五%くらいのものが別途ため込まれているというこの状況を考えますと、何とか経済成長のためにこれを使っていく方法がないものかと考えております。麻生大臣が、賃上げをせよ、設備投資を行えと何度もおっしゃられているということはよく承知しておりますが、それにもかかわらず内部留保が増加し続けている、企業は利益を給与、配当、設備投資に回さず内部留保としてため込んでいるのがまだ今の現状でございます。  木原副大臣が、そのときの委員会で、ペナルティーという形ではなくて、インセンティブのような形で持っていければなと御答弁がありました。また、麻生大臣は所信表明の中で、デフレ脱却と経済再生に向け、賃上げ、生産性向上のための税制上の措置を講ずることとしておりますとおっしゃられております。平成三十年度税制改正において、そうした考え方がどのように反映されているのか、また、どのようにその効果を期待されているのか、具体的にお話しいただければと思います。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) 現在、企業収益が好調に推移している中で、企業の内部留保、委員御指摘のとおり四百兆円を超えて手元の資金、現預金が増えている状況でございます。経済界がマインドを変えて、投資拡大や賃金引上げなどに積極的に取り組むことが何よりも重要な局面になっていると考えております。そういう意味では、企業のインセンティブをいかに引き出すかということが極めて重要だと考えております。  こうした状況を見極めつつ、今般、企業の意識や行動を変革していく観点から、三十年度税制改正におきましては、賃金の引上げにつきましては、平成二十四年度に比べて一定以上増加という要件に代えまして、前年度に比べて賃金を三%以上引き上げることと、生産性の維持向上のため減価償却費総額の九〇%以上の国内設備投資を行うことを要件に、賃金引上げ額の一五%の税額控除が受けられるという制度を盛り込んだところでございます。また、中小企業につきましては、前年度から一・五%以上の賃金引上げで足りることとし、設備投資の要件を設けないといった、大企業と比べて一定の配慮を行っているところでございます。  今般の改正は、これまでの賃金引上げ実績のいかんにかかわらず、これから賃金引上げをしっかりと行おうとする企業を広くサポートする制度とするなど効果は小さくないものと考えておりまして、企業における賃金引上げ、生産性向上のための設備投資が一層進むことを期待しているところでございます。

中山恭子希望の党

○中山恭子君 是非、これは経済成長の政策にもつながってくるかと思いますけれども、賃金の引上げというのが非常に大きなポイントであると考えております。三%ではまだまだ足りない、企業によってはもう少し賃上げを、大きな賃上げをしていけるのではないかと要求してよろしいのではないかという思いすらあります。  成長戦略についてお伺いしたいと思います。  日本の経済、まだまだ力強さが不足していると見ています。日常の話題の中でワーキングプアですとか子供の貧困などという言葉が使われること自体、非常に悲しいことだと思っております。僅かな地域を除いて地方経済も疲弊しています。政府としての経済認識が少し甘いのではないかななどと考えております。  ある意味では、政府の説明では数字の良いとこ取りをしているのではないかと思われることもあります。例えば、失業率が低いといって、その失業率の取り方ということもいろいろ考える必要があるでしょうし、これだけ失業率が低くなっているにもかかわらず思ったほど賃金が上昇しないというのはどうしてなのか、非常に客観的な判断が必要です。また、社会保険料の引上げや増税によって実質賃金が目減りしているという指摘もあります。さらに、超過勤務手当の減少などから実質的に賃金がダウンしているという指摘もございます。  強い経済を回復させて、さらに維持していくためには、所得を増加させる、所得を倍増させるくらいの大胆な異次元の経済政策が必要だと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) やっぱりこの七十数年間の中で、少なくとも我々は、今までにかつてないことに幾つか直面しているんだと思いますが、まず一つが、デフレというのをやったことがありませんので、デフレ対策をやった人は日本にはいません。もちろん世界にもいないんですが、おりません。  それから、金があって、金利を幾ら下げても企業が、個人が金を借りに来ないという前提で書かれた経済学の本も一冊も知りませんので、そういった事態もいまだかつて起きたことがないことになっておるというようなこと。  また、企業を見ますと、少なくとも債務超過まで、資産がデフレーションを起こしましたものですから、資産のデフレによって各企業が債務超過になっております。したがいまして、債務超過のところに、金は借りられませんから、企業は基本的に借入金の返済を優先順位の一番に上げた。  結果として、銀行は大量な返済金がたまって、結果として銀行は成り立たなくなって、多くの銀行が九五年ぐらいから倒産ということになって、今日では大銀行、都市銀行で昔の名前で出ている銀行は二つか三つか、そんなものしかなくなってしまいましたので、今までで起きたことがない。  いずれも、中山先生、初めてのことが我々起きておりますので、それに対応するためにどうするかというのを考えたのがこの五年間だったんですが。  結果として、今起きておりますことは、消費が伸びないということで、GDPが伸びない。なぜなら、GDPの約六割が個人消費。次に、設備投資が伸びない。企業が設備を投資しないから。そして、もう一つ大きいのが政府支出。これはもうコンクリートから人へとかいうことを言っておられた方もおられた、あっ、おられる、まだ亡くなっておられませんけど、おられましたので、そういったことで、間違いなく政府支出もない。  そうすると、その三つが一挙に減りゃ、GDPは全然伸びなくなるのは当たり前の話でございますので、最初の二つはまずは民間の話ですが、政府としてできる範囲の部分とすれば、まず三番目の政府支出ということになろうかと存じますので、少なくともこの五年間の間、一時期、小渕内閣のときに十四兆ぐらい行っていましたかね、それぐらいからざあっと減って六兆ぐらいまでおっこったんだと思いますけれども、そういったような状況のものを少しずつ少しずつ今増やしつつあるところですけれども、そういった段階で、私どもがもう一個直面しておりますのは、急激に公共工事等々をやっても、今それを対応する、入札に応じるだけの人手が足りないという問題が一個出ました。  そういったような問題を含めながら、バランス良くある程度やらせてきていただいたおかげで、少なくともこの五年間で約四十、約五十兆のGDPが増えるというところまで来ておりますけれども、この種のバランスの取り方はなかなか難しいので、私どもとしては、公共工事等々、いろんな意味で財政投融資を使わせていただいて、新しいものにというので、生産性が上がるというようなものに関してはある程度積極的に公共工事等々を使ってもよろしいのではないかという考え方から事を進めさせていただいておりますけれども。  いずれにしても、少しずつではありますけど、そちらの方向に動き始め、企業も何となく設備投資ということで動き始め、先ほどちょっと例引きましたけれども、トヨタでも労組の要求額より会社の示した額の方が大きかったなんという事態になるほど、経営者の意識も少しは変わってきているんだとは思いますけれども、いずれにしても、そういったようなことが少しずつ動き始めつつあるかなとは思っておりますけれども、少々時間が掛かると。二十年間やっぱりデフレだったというのはなかなか大きな要素で、企業の意識、経営者の意識、また消費者の意識が変わるのには更にもう少々時間が要るかなという感じが率直な実感です。

中山恭子希望の党

○中山恭子君 確かに、大臣おっしゃるとおり、長い、二十年を超えますかね、デフレというのがマインドにも大きな影響を与えているということはよく分かっております。  ただ、それをどうやって変えていくかとなったら、民間に頼るというのは非常に難しいということは確かでございまして、アベノミクスの中でも、日銀が取った大胆な金融緩和というの、これは一つ大きな評価できるものだったと考えておりますが、やはりこれに対応する財政出動についてはまだまだ不足しているのではないかと考えております。  財政政策の中で最も重要なもの、社会資本整備、今もう老朽化していますし、新しい技術がたくさんあるわけですから、社会資本整備のための公共事業を思い切って大胆に拡大していくということをお考えいただけたらと思っております。  国交省の試算では、維持管理費用がもう三・六兆円になってくるというようなことでございますし、その公共事業の予算というのは、ほぼずっと六兆円前後で推移しているということでございます。三・五兆円、六兆円が維持管理費に使われるということであれば、新たなしっかりした社会資本整備をしていくことというのは喫緊の課題であろうと考えております。  しかも、麻生大臣いつもおっしゃられているように、質の高いインフラ投資が重要だと考えております。六兆円台の公共事業というよりは、もうある意味ではこれも倍増していくことが必要になっているのではないかと考えております。  シムズ博士がおっしゃっているという、これ昨年二月の丸山穂高委員の質問にあったことでございますが、シムズ理論というのももう一度考えていただけたらと思っております。大臣のお考えがありましたら。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 公共工事イコール悪というイメージが長いこと続いておりましたですからね、そういうのを意図的につくられた方々がいっぱいいらっしゃいますし、そういったような状況の中が続いておったというのは、この国にとっては不幸だったと思いますけれども。  少なくともこの五年間の間、公共工事というものの中で減らしていった結果、これは一番高かったのは小渕内閣のときだったと思いますが、それから一貫して公共工事は減っております。麻生内閣のときに前年で増えたのは、麻生内閣以外は全部減っておりますので、そういった意味ではずっと減り続けてきたんだと思いますが、民主党の政権で更に下がっておりますので、そういったときから今、少しずつ少しずつということでありますけれども、六兆を切っておりましたので、それを六兆円まで戻して、更に今少しずつということになっておるんだと思いますが。  一番大きなところで、やっぱりメンテナンスというところに関する意識というのが非常に問題で、大月のトンネルの崩落事故というのが、あれは民主党政権のときに起きましたけれども、あれ不幸な事故なんですが、ああいったメンテナンスというようなものに関しても、いろんな意味でもっときちんとしたものをやらないとなかなか、一番最初に切られる部分がそこですから、そういったことを含めまして安全、安心ということを考えると極めて大きい。  同時に、そういうのに金だけ掛ければいいというんじゃなくて、今ドローンという技術ができましたので、そういった意味では、公共工事の中の、打音というか、トントンやっていくことですけれども、そういったものはドローンでできるというようなことも今新しく開発されつつあったりするので、そういうものになりますと一挙に生産性も上がりますし、効率も上がりますので、いろんなことを考えながらやっていかにゃいかぬと思っておりますけれども。  いずれにしても、人手の不足とかいろんな含めるのと、生産性が必ず上がるということと、そういったようなことを総合的に考え合わせて、この国の生産性向上のためにはインフラ整備というのは極めて重要な問題だと自覚しております。

中山恭子希望の党

○中山恭子君 ありがとうございました。

藤末健三国民の声

○藤末健三君 国民の声の藤末健三でございます。  私は、所得税法につきまして様々な細かい指摘をさせていただきたいと思っております。  まず、一つにございますのが、前回の財政金融委員会で御指摘申し上げましたけれど、仮想通貨、そしてトークンに対する課税につきまして聞かせていただきたいと思います。  仮想通貨につきましては、基本的に、投機的なものであれば雑所得ベースで課税する、また、これから企業がICO、イニシャル・コイン・オファリングなどで、事業がまだ確立、走っていないのにトークンでお金を集めた場合には売上計上されるという形で議論が進んでいるわけでございますが、特にこのICOに関しましては、事業の資金を集め、それから事業を始めるという中で、トークンを出してお金を集めた時点で課税をされますと、そのお金の支払だけでも非常に大きな負担になり、事業を展開する上で大きなマイナスになると思いますが、その点につきまして、現状の解釈を財務省に、そしてまた金融庁、経産省共にこの問題をどう考えるかについて御回答ください。お願いします。

藤井健志国税庁次長

○政府参考人(藤井健志君) 御説明いたします。  いわゆるイニシャル・コイン・オファリング、ICOとは、トークンと呼ばれる電子的な証票を発行して仮想通貨等の資金調達を行う行為の総称であると承知しております。  それで、ICOによって仮想通貨を得た場合の課税関係については、発行されるトークン、証票の性質が様々であるため一概にお答えすることは困難でございますけれども、例えば、資金調達者がイベント参加権を表象したトークンを販売して、そのトークンの対価としてビットコインなどの仮想通貨を受領した場合には、その受領した財産的価値はトークンを販売した収益として法人税や所得税の課税対象となります。  あるいは、資金調達者が発行するトークンが何の権利も表象しない場合、資金提供者が行うビットコインなどの仮想通貨の拠出は反対給付を伴わない寄附と認識される場合がございます。そうした場合には、その寄附が例えば個人間で行われるときは、その寄附を受けた財産的価値は贈与税の課税対象となります。その寄附が今度は法人間で行われるときは、その寄附を受けた資金調達者は収益として法人税の課税対象となり、寄附をした側の資金提供者、この場合は法人ですけれども、それは寄附金として損金算入限度額の範囲内において損金となると、こういう取扱いと現行法ではなります。

藤末健三国民の声

○藤末健三君 じゃ、金融庁と経済産業省にお聞きしたいんですけれど、先ほどの財務省は相当踏み込んで回答いただいたんで、今までの見解よりも、これは。連携してやっていただけるかどうかをちょっとお聞かせいただけますか。恐らく、財務省の今の見解をこのまま進めますとICOは機能しなくなると思うんですよ。  それで、本当に金融庁の方が頑張っていただき、クリプトカレンシーの、仮想通貨のこの法的な枠組みというのは世界の中でも進んでいると言われている中で、恐らくICOも日本でやろうという動きが出ているわけでございますけれど、その点につきまして、金融庁、経産省の見解をお聞かせください。お願いします。

池田唯一金融庁総務企画局長

○政府参考人(池田唯一君) お答え申し上げます。  ICOのトークンを始めといたしまして、税務上の取扱いについては、最終的には税務当局の所管に関するものであると考えております。また、会計上の処理基準については、民間の基準設定主体として企業会計基準委員会がございます、そちらの方で策定されるものであると考えております。  同時に、金融庁におきましては、今般、仮想通貨交換業等に関する研究会というものを設置させていただいて、仮想通貨交換業等をめぐる諸問題について制度的な対応を検討することとしておりまして、その中で今御指摘のICOをめぐる問題についても議論いただくことを考えているところでございます。こうした研究会における議論を踏まえまして、ICOの会計処理や税務処理の問題についても金融庁としても適切に対応していきたいと考えております。  また、ただいま申し上げました研究会には関係省庁にもオブザーバーとして参加いただくことを予定しておりまして、御指摘の経産省を含め関係省庁とは適切に連携してまいりたいというふうに考えてございます。

木村聡経済産業大臣官房審議官

○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。  ICOにつきましては、国境を越えたグローバルな資金調達が可能といった利点が指摘されておりまして、民間の調査によりますれば各国において新たな資金調達が行われているものと承知してございます。その一方で、ICOに便乗した詐欺の事例が報道され、また、マネーロンダリングに使われる懸念も指摘されているものと承知しているところでございます。こうしたことを踏まえますれば、ICOにつきましては、新たな資金調達手法の普及とICOで発行されるトークンの利用者保護の観点から、その動向を注視することが必要であると考えられます。  経済産業省といたしましては、我が国におけるICOの活用実態及びその可能性につきまして民間事業者のニーズを踏まえることが必要であると考え、情報収集に努めてまいります。その上で、金融庁など関係省庁とも連携し適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。

藤末健三国民の声

○藤末健三君 是非、財務省の税の部隊とも連携をしていただきたいとお願いしたいと思います。  私は、このICOの議論は何かと申しますと、まさしく規制を緩めればいいという話ではございませんで、適正な規制をいち早く世界の中で確立していただきたいと思っています。このICO、今の状況ですと、例えばお金を集めてその事業が実施されなくても、倒産したとしても、その出資者と申しますか、お金を出した人間には何も返ってきませんし、また、情報開示の義務も法的には今はない状況だと私は思っています。実質的にIPOとかあとはクラウドファンディングのような形で資金を集めている中において、是非とも金融庁におかれましては、金商法との関係も、金融商品取引法との関係等も含めて議論していただきたいとお願いします。  例えば、昨年でございますけれど、アメリカのSECにおいては、そのトークンの性質によっては、例えば利益の配分にトークンを使った場合には証券関係の法律の対象にするというような見解も出ておりますので、そういうことも含めて、国際的な位置付けはどうかということを見ていただき、検討をできるだけ急いで進めていただきたいと思います。急いでいただきたいんですね、是非。恐らく、どんどんどんどんICOが外国も含めて進めばまた被害が出て、何だという話でまた規制がするというイタチごっこになると思いますので、是非お願いしたいと思います。  続きまして、ちょっと税制でございますけれど、教育ローンの金利や奨学金の金利に関する減免措置について文科省にお聞きしたいと思います。  今、政府の努力によりまして、私自身もずっと奨学金の充実というのをさせていただいておりまして、三つ奨学金もらって卒業しましたんで、大学を。その中で、返さなくていいような給付型の奨学金が今年度の四月からできたような状況の中で、今お金を返している人たち、聞いていますと、例えば大学卒業時点で四百万円の奨学金を、負債がありますよという人もいっぱいいます、今。  そういう中で、これから返す人たちに対する税制的な支援を検討すべきだと思うんですが、いかがでしょうか。住宅ローンみたいに金利に対する優遇措置を教育ローンにも提供する、奨学金にも提供することを是非検討していただきたいんですが、文科省の見解をお聞かせください。

信濃正範文部科学大臣官房審議官

○政府参考人(信濃正範君) 文部科学省では、教育に係る学生や親の負担、経済的負担を軽減するために、委員今御案内いただきましたとおり、今年度から給付型奨学金を新たに創設するということを始めました。それから、無利子奨学金についても、貸与人員の増員による残存適格者の解消、それから低所得世帯の子供たちに係る成績基準の実質的な撤廃、所得連動返還型制度の創設などを進めております。今、委員からは、これらに加えて、住宅ローン控除のような税額控除制度を教育ローンに設けてはと御提案をいただきました。  まず、教育ローンなんですが、これを借りた場合、返済が困難になるというのはどういう人かというと、低所得者層が多いだろうと思います。こういう人たちは非課税あるいは税額が少ないという状況にございますので、仮に税額控除のような税制上の措置を設けたとしてもその効果は限定的であろうと、こう考えております。  一方で、給付型の奨学金制度、それから貸与型の奨学金制度、これらを更に充実するということは、学生にとってもとても分かりやすいし効果が大きいと考えておりますので、まずはこの奨学金制度の充実、それから返還困難者に対する救済措置、これをしっかりやっていきたいと、こう考えておるところでございます。

藤末健三国民の声

○藤末健三君 是非、文科省におかれましては、もう信濃さんも昔一緒に仕事をしていましたのでよく存じ上げていますので、前向きに検討は幅広くやっていただいた方がいいと思いますので、お願いしたいと思います。  続きまして、中小企業の事業承継に関する税制につきまして、今回大きく充実していただいたことを非常にうれしく思います。この事業承継のお話につきましては、是非ともMアンドAをもっと議論をしていただきたいなと思っています、MアンドAによる事業の承継につきまして。  なぜかと申しますと、これは中小企業庁のデータを見ますと、二十年以上前、この中小企業の事業の承継のデータを見ますと、親族に対する承継が八五%、親族外が一五%ということでございますが、最新のデータを見ますと、今親族に承継するのが三五%、そのほか六五%が親族外というデータがございます。恐らく推定するに、この中でもほかの企業などに企業の権利を売り渡すというMアンドAが非常に大きいんではないかと思っておりまして、是非検討を深めていただきたいと思います。  それは何かと申しますと、資金的な事業の継承も大事だと思うんですが、恐らくこれからの企業に大事なことは経営者だと思うんですね。経営をするその主体がきちんと能力を持った方が来ていただくことと、もう一つございますのは、やはりもう既に事例がございますけれど、例えば食品の関係の企業がMアンドAによってグループ化される、それによって新たなシナジーが生まれている事例がもう既にございますので、そういうMアンドAによる事業の承継を中小企業庁としてどう考えるか、教えていただきたいと思います。お願いします。

吾郷進平中小企業庁事業環境部長

○政府参考人(吾郷進平君) お答え申し上げます。  委員御指摘の他者へのMアンドAにつきましては、中小企業が抱える後継者の問題のこの厳しい現状を踏まえますと、非常に重要な選択肢というふうに私ども考えております。  こうした認識の下、御審議をいただいております税制関連法案におきましても、事業承継税制の抜本改正に加えまして、MアンドAによる親族外への承継につきましても、登録免許税あるいは不動産取得税の軽減といった税制上の優遇措置を初めて盛り込まさせていただいております。  また、税制だけではなくて予算の支援といたしまして、後継者難の事業者と、それからビジネスを拡大しようとする事業者のマッチングを支援する事業引継ぎ支援センターを全国に今展開しております。年々相談件数、マッチング成約件数も増加しておりまして、平成三十年度当初予算案におきましては、この事業引継ぎ支援センターの体制や窓口を強化するための経費を計上させていただいております。  この事業引継ぎ支援センターでございますけれども、全国各地で案件が入りますと、これを各地のセンターの間で共有をいたしまして広域的にMアンドAのマッチング支援を行っているところでございます。この先は、これを民間の保有するデータベースとも連携をさせて、より精度の高いマッチングを行うことができるように拡充を図ってまいりたいと考えているところでございます。

藤末健三国民の声

○藤末健三君 是非、引継ぎセンター、支援センターの有効活用をやっていただきたいと思います。  実際にデータを見ますと、もうこの数年でどんどんどんどんMアンドAを望む方々の件数が増えておりますので、恐らく地方自治体においてマッチングしてサポートするって難しいと思うんですよ。そこに是非民間の方々の活力を入れていただきたいということがまず一つありますし、可能であれば、そういう民間の企業も今ちょっと寡占状態でございますので、競争環境を整えるべく政府に資金的な支援も含めて議論をしていただければと思います。これ、大きなトレンドがもう来ていると思いますので、是非中小企業庁の方もウオッチいただきたいと思います。  続きまして、郵政のユニバーサルサービスに対する税制上の問題について御質問させていただきたいと思います。  午前中に徳茂委員からも多分質問があったというふうに思いますが、この郵政民営化法ができたときに附帯決議がございまして、そこの十五番に何があるかと申しますと、消費税の減免措置などの税制の検討を行って実現するということを附帯決議に書いてございます、十五番目に。  これは何かと申しますと、元々一つのグループ内の企業であった、一つの企業体でグループ組織内にあった郵便貯金とかんぽ生命が外部化されることによりまして、郵便会社、局ネットワークとの関係において約二兆円近い委託費が払われているという中で、それに消費税が掛かるようになったと。本来、内部化されていれば消費税が掛からなかったものに消費税が掛かるようになり、それに対する対策をきちんとつくるべしということを附帯決議にしております。  そしてまた、改正されました郵政民営化法、改正時におきましては七条の二というのがございまして、全国にあまねく公平に利用できるような郵便局ネットワークを維持するということ、そしてこの郵便局ネットワークには公益性、地域性が十分発揮するようにすること。そして、大事なことは、七条の三とございまして、政府は前条に規定する責務の履行の確保が図られるよう必要な措置を講ずるものとするというふうに書いてございますが、この必要な措置というものについての、消費税に対する必要な措置につきまして総務省の見解をお聞かせください。お願いします。

巻口英司総務省情報流通行政局郵政行政部長

○政府参考人(巻口英司君) お答え申し上げます。  御指摘のございました消費税についてでございますが、民営・分社化に伴い発生した追加負担の解消やユニバーサルサービスを確保する観点から、平成十七年度より毎年度特例措置の創設を要望してまいりました。その結果としまして、平成三十年度与党税制改正大綱におきまして、郵政事業のユニバーサルサービスを確保するための負担金制度を創設する方向であることを踏まえ、平成三十年に同制度が法制化されることを前提に税制改正の検討は行わないこととするとされ、議員立法による負担金制度の法制化の動きについて盛り込まれたところでございます。  このように、郵政事業のユニバーサルサービスを安定的、継続的に確保するための制度創設に向けた議員立法の検討が行われていることについては大変有意義なものだと考えております。  本件につきましては、引き続き与党の中で議論がなされるものと考えておりまして、総務省としてはその動向を見守ってまいりたいと思っております。

藤末健三国民の声

○藤末健三君 是非、こちらの方は国会の方で、立法府の方で主導して行うわけでございますが、様々なサポートを総務省の方にもお願いしたいということを申し上げておきます。我々も頑張りますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、建設現場の安全に対する支援の税制上の措置ということについて御質問させていただきたいと思います。  昨年三月から建設職人基本法、建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律というものが施行されておりまして、これは議員立法でございます。全党派が一致して作った法律でございまして、この法律におきまして、十三条に省力化及び生産性の向上にも配慮した材料、資機材及び施工方法の開発及び普及を促進するものとすると書いてあります。安全を確立するとともに、省力化や生産性向上に資するものを普及させていこうということです。  そしてまた、七条においては、政府はこのための財政上、税制上の措置をやらなきゃいけないというふうに書いてございまして、是非とも税制上におきまして、この建設現場で働く方々が安全に働けるような環境整備、この基本法の精神を実現していただきたいと思うんですが、関係省庁の見解をお聞かせください、お願いします。

青木由行国土交通大臣官房建設流通政策審議官

○政府参考人(青木由行君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法律、いわゆる建設職人基本法でございますが、こちらにおきまして、建設工事従事者の安全及び健康の確保を図るため、建設工事の安全な実施や生産性の向上に配意した材料、資機材等の普及を促進するものとされているところでございます。  国土交通省といたしましては、例えば工事の仕様書におきまして、施工に当たり適用する基準といたしまして安全な工法のガイドラインを位置付けるといった取組のほか、また、この安全衛生経費が下請まで適切に支払われる、こういったことが大変重要になってまいりますので、実態調査の上、実効ある施策を検討することといたしているところでございます。  本日いただきました委員の御指摘につきまして、法の趣旨にのっとりまして関係省庁と連携いたしまして、現場の実態、業界全体のニーズ等を踏まえつつ検討させていただきたいと思います。  以上でございます。

及川洋経済産業大臣官房審議官

○政府参考人(及川洋君) お答えいたします。  経済産業省といたしましても、建設現場における労働災害をなくすためには、建設工事従事者の安全及び健康の確保が大変重要であると認識してございます。こうした観点から、経済産業省では、建設現場での足場からの転落事故を防ぐため、先行型手すりや爪先板など仮設資機材の日本工業規格、いわゆるJIS規格を制定してきたところでございます。これら資機材の標準化を進めることは、安全な仮設資機材の普及を促すとともに、建設工事従事者の方々の安全性の確保に資すると考えております。  議員から税制の御指摘をいただいたところでございますが、建設現場の安全性、生産性の向上は非常に重要であると認識しておりまして、主務省庁においてその必要性や効果について検討がなされるものと考えてございます。経済産業省といたしましても、仮設資機材に係る必要な情報提供を行う等により、これに協力していきたいと考えております。

田中誠二厚生労働省労働基準局安全衛生部長

○政府参考人(田中誠二君) 厚生労働省といたしましても、建設職人基本法の趣旨あるいは同法に基づく基本計画の内容を踏まえまして、関係省庁と連携しつつ、現場の実態、業界全体のニーズ等をよくお聞かせいただきながら検討してまいりたいと考えております。

藤末健三国民の声

○藤末健三君 是非進めていただきたいと思います。  麻生大臣、これはちょっと提案でございますけれど、是非、この建設現場で働く方々なんですが、昭和四十七年に亡くなっている方々が大体二千四百人おられたと。そして、平成二十八年には二百九十四人まで減っております。これは閣議決定された中の文書から読まさせていただいていますが、ただ、問題は何かと申しますと、建設労働者に分類されない方々がおられまして、それは一人親方といって、一人で事業をしていると。ただ、この方々は労働者じゃないですよということで除外されているんですね。ですから、実際にその一人親方の方々も入れると、年間約四百人近い方々が命を失われていると。  その命を失っている方々の内訳を見ますと、平成二十八年のデータでございますけれど、屋根や足場、あと建設物から落ちて、転落されて亡くなる方が百三十四人、これは建設労働者だけでございます。また、四十四人の一人親方が命を失っているという状況でございまして、是非そういう、新しい足場とか機材というのが開発されています。今、先ほどJISのお話ございましたが、JIS、ちょっと正直言って、まだ古いと思うんですね、私。ですから、JISも見直ししていただくことも大事だと思いますけれど、JISの改変を待つと二年か三年掛かりますので、是非新しい機材がこの建設現場に届けられるような、やっぱり購入に対する支援措置などを是非財務省も協力していただきたいということをお願いさせていただきます。  そしてまた、今日御回答いただきました三省庁におかれましては、特に厚労省におかれては、労働安全衛生規則が春から見直されるということがございますので、是非、先ほど申し上げた機材の問題のみならず、広く、やはりきちんと規則の見直しをやっていただきたいというふうに思っております。  また、厚労省におかれましては、経費の問題、積算の問題がございまして、やはり明確に、安全のための経費は除外して、入札の対象から外していただきたいんですね。ですから、何が起きるかというと、入札を全体に対して掛けますと、とにかく安全経費から削っていこうという動きがございますので、厚労省の直轄事業はもう変わっていますけれど、民間の事業はまだ変わっておりませんので、是非厚労省が主導的にやっていただきたいと思います。  あと最後、三つ目でございますが、三省庁に申し上げたいのは、是非この基本計画、昨年六月に作成してもらった基本計画にも、諸外国の知見や施策の動向を把握して、そして政策を決めていこうということがございますので、私自身もドイツとかデンマークは見てきましたけれど、イギリスなどを見てきましたけれど、是非、外国の知見を、状況を把握するということをお願いさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  そして次に、また税制の関係でございますが、国外の転出時に関する税制について御質問申し上げたいと思います。  平成二十七年に国外転出時課税制度というのができまして、何かと申しますと、一億円以上の有価証券を有して海外に行くときには、課税逃れが出ないように、その対外移出時の資産を国に預けなきゃいけないという、同等なやつ。例えば一億円を海外に持って、例えばほかの会社をMアンドAしたいと思ったときに一億円を預けていかなきゃいけないという制度がございまして、これが何かと申しますと、大きな会社においては資金調達力がありますので調達できるということでそれほど問題じゃないんですけれど、上場していない会社が例えばアメリカの会社を買いたいですよというときに、じゃ、十億円です、十億円を預けれるかというと、なかなかできない。  一方で、株式を預けて、未上場の場合は株式を預けれるんですよという制度もありますけれど、ただ、未上場会社が自分の会社を担保に例えば国に預けるとすると、何が起きるかと申しますと、取締役会を通さなきゃいけなかったり、極端な場合、定款によっては全株主の同意を得なきゃいけないようなことになりかねないということもございます。  そしてまた、同時に、一回、その社員に法人が貸し出して、その法人が保証を政府に対して行うということをした場合には、またこれ上場審査のときに引っかかるという話でございまして、何かと申しますと、このような制度、私自身も、例えば含み益を持った株式を海外に行って、例えばシンガポールや香港などに行って、タックスヘイブンに行って課税を逃れるというのは絶対止めなきゃいけないとは思うんですけれど、その制度によって実際に国際的に展開していこうというようなベンチャー企業は困っているという話を聞いております。  実際に、これは聞くところで、まだ調べ切ってはいないんですけど、フランスとかドイツにおいては、外国の企業を買収するときにはこのような海外に転出するときの課税制度は免除措置があると聞いたんですけど、その点いかがですか。経済産業省ですかね、これは。状況を教えてください。

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) これはどなたに質問ですか。

藤末健三国民の声

○藤末健三君 経産省、分かっていたら教えていただけませんでしょうか、海外の事例とか。もし分からなかったら、考え方を財務省に聞かせていただきたいと思うんですが。お願いします。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) 今先生から御指摘ありましたこの制度自体は、株式のキャピタルゲインにつきましては、売却等により実現した時点で納税者が居住する国において課税することが原則でございまして、これを利用して、巨額の含み益を有する株式を保有したまま国外転出をし、キャピタルゲイン非課税国において売却をするということにより課税逃れを行うことが可能となっておりまして、こういった課税逃れを防止する観点から、主要国の多くが国外転出時の含み益を国外転出前の居住地国で課税をしているということでございまして、日本におきましても、主要国と足並みをそろえて、巨額の含み益を有する株式等を保有して国外転出する方に対して、その未実現のキャピタルゲインに課税する特例を設けたところでございます。  御指摘のような海外に例えば駐在員として赴任されるなど国外転出が一時的なものであり、資産売却を行うことなく帰国を予定している方等に配慮して、適切な担保提供等を要件とした納税猶予の仕組みを設けているところでございます。  こういった納税猶予の制度、また担保の提供、これによって企業の海外進出の障害になっているかどうかという話でございますけれども、納税猶予制度におきましては、納税猶予が終了した場合には納税していただく必要がある一方で、対象者は国外に転出している状況にあることを踏まえれば、課税の実効性を確保するための措置を転出前に講じておく必要があることは御理解をいただきたいと思います。  その上で、委員御指摘のとおり、企業のグローバル活動は重要な課題と認識しておりますので、まずは具体的にどのような課題が存在しているのか等について、関係省庁、経産省等々も含めて勉強を進めていくことが重要と考えております。

木村聡経済産業大臣官房審議官

○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。  国外転出時課税制度では、先ほど財務省さんからも御答弁がございましたように、国外転出が一時的な場合、適切な担保提供等を要件といたしまして納税猶予する仕組みが設けられておりまして、海外展開する企業の駐在員の赴任に対する一定の配慮がなされております。  その一方で、その猶予手続に関する負担を軽減してほしいといった声があることも承知しているところでございます。経済産業省といたしましては、具体的な課題等について情報収集を行った上で、課税逃れの防止とグローバルな企業活動の円滑化といった二つの観点に留意しつつ、どのような対応策が考えられるか検討してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 時間が来ております。

藤末健三国民の声

○藤末健三君 最後に、是非この議論は調査していただきたいんですよ。なぜかと申しますと、上場前の小さい会社が今海外でも買い始めているんですよ。恐らく経済産業省にまだ駆け込んでいない人たちがいるはずですので、是非経済産業省と財務省連携して議論進めていただくことをお願いしまして、私の質問を終わらさせていただきます。  ありがとうございました。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 渡辺喜美でございます。  まず冒頭、委員長を始め両筆頭並びに理事各位におかれましては、私がパネルを使うことを御承諾をいただきまして、誠にありがとうございます。  今回の税制改正が日本経済のデフレ脱却に資することを願うのみでございますが、給与所得控除の圧縮が基礎控除の若干の拡大とセットになっておりますが、全体としてはせこい増税プランになっておるということであります。  法人企業統計などを見ましても、二十年前と給与総額がどれくらい増えているのか。ほとんど増えておりませんね。一九九八年、中小企業などは八十二・七兆円、二〇一六年、八十三・九兆円、こんな感じですよ。より正確を期するために賃金と物価の指数で推移をグラフにしておりますが、お手元にこのグラフ行っておるかと思います。(資料提示)  これは一九九七年の十二月を一〇〇とした場合でありますが、御案内のように、この年、消費税増税が行われ、三%から五%に上がった年ですね。そして、同じ年の十一月に金融パニックが起きております。その辺りから日本が慢性デフレに突入をしていくわけでありますが、この青い線が賃金指数であります。小泉内閣の頃、一時的にこの青い線が上昇をしておりますのは、第一次量的緩和が行われた頃であります。  当時、私の記憶では円が百二十円台だったでしょうかね。今日は黒田日銀総裁にはお越しいただいていませんが、黒田財務官が為替介入をやった頃の平均為替介入レートは百二十四円ぐらいだったんじゃないでしょうかね。その次の財務官の溝口さんのときに、アメリカのテイラー財務次官補と話を付けて三十兆円の介入をやり、日銀が半分を非不胎化した、事実上ですね、それでもって景気が若干良くなった。そういうことから、この賃金指数が上昇しているのも分かるわけであります。  不幸にして麻生内閣のときにリーマン・ショックが起こりまして、このように賃金指数並びに物価指数もどかんと下がり、アベノミクスがスタートして物価指数は上がったものの、賃金指数はちょこっとしか上がっていないと。大体これ三・五%ぐらいの差がございますよ。  そこで、安倍内閣として、賃上げを三%以上やってちょうだいと、こういうことでありましょうが、この慢性デフレ下で家計が相当萎縮をして、例えは悪いんですが頑固な便秘みたいなものでありますから、これはなかなか元のように開通するには相当の努力が必要だなということが分かるわけであります。  結局、このような慢性デフレから脱却できない、アベノミクスといういまだかつてやったことのない金融政策を導入してもまだこんな調子だということはどこに原因があるのかというと、やっぱり二〇一四年の消費増税なんですね。これは残念ながらも、その増税が物価安定目標の二%も達成できない、その元凶であるわけでございます。  今日は若田部副総裁にお越しをいただきました。日銀色に染まらないうちに是非若田部副総裁の持論を開陳していただきたいなという思いを込めて今日お越しをいただいておりますが、いかがでしょうか。  私は、財政金融一体政策が是非とも必要だと思うんですね。金融政策だけではなかなか難しい。しかし、財政政策と一体となって、金融緩和、積極財政、昭和恐慌のとき高橋是清さんがやったような、ああいう財政金融一体政策こそがデフレ脱却にとって必要だと思いますが、若田部副総裁、いかがでございましょうか。

若田部昌澄日本銀行副総裁

○参考人(若田部昌澄君) 若田部でございます。  まず初めに、渡辺喜美先生は九〇年代からのデフレについて御高見を表明しておりましたし、私もかねがね尊敬している先生でございます。  そのように申し上げた後に、御質問の趣旨はマクロ経済政策をどのように取るべきかということだと思いますが、まず財政政策につきましては、これは、私、経済学者としていろいろなことを申し上げたのは事実でございますが、日本銀行副総裁としましては、政府、国会が決めるべき財政政策について申し上げることは基本的には差し控えさせていただきます。  その上で、一般的に申し上げれば、二〇一三年一月の政府と日本銀行の間の共同声明において、デフレからの脱却を政府と日本銀行において推進していくという精神の下で現在の経済政策は進められておりますので、私としてもそういった精神において、日本銀行において全力を尽くして物価安定の目標二%を到達させたいというふうに考えております。  ただ、財政政策につきましては政府と国会がお決めになることであるということだけは申し上げさせていただきます。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 今、副総裁言及されました共同声明も、ちょっと古いですよね。これは民主党政権の時代、なおかつ白川総裁の時代ですよ。したがって、私は新たなアコードを作ってもいいのではないかと思いますね。  たしか若田部教授の時代にはそういう御主張をしておられたような気がいたしますが、いかがでございましょうか。

若田部昌澄日本銀行副総裁

○参考人(若田部昌澄君) 確かに、若田部教授の時代にそのような主張をしていたのは事実でございまして、これにつきましては実際に書いたものがあります。若田部教授、まあ経済学者としての意見はそのとおりでございます。  ただ、一点、共同声明自体は民主党政権ではなくて安倍政権が登場してからのものでございまして、その下で行われたものだということでございます。  ですので、私としては、その中において、これは黒田総裁が常々指摘しておりますけれども、金融政策と財政政策のシナジーというのは非常に重要であると。それは、その二〇一三年一月の政府と日銀の共同声明の精神をそのまま引き継いでいるというふうには考えております。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 前回もお話ししたことでありますが、アメリカの保護主義的攻勢が相当むちゃくちゃですよね。中間選挙を控えているということもあるんでしょう。  また、貿易赤字や財政赤字、これから軍事力を増強する、大減税をやる、当然これは財政赤字が増えていきますね。そうすると、この赤字のファイナンスという問題が出てくる。  昔は、伝統的には強いドルはアメリカの利益という呪文を唱えるのが普通であった。しかし、この政権は、トランプ大統領とムニューシン財務長官が、まあぼけと突っ込みよろしく、強いドルだ弱いドルだって、こう交互に立場を変えて、ダボス会議辺りでは、強いドルと言っていたムニューシン長官が弱いドルがアメリカの利益みたいなことを言い始めちゃったものですから、これ債券相場から崩れてきちゃったわけですね。  日米共通の利益というのは何か。日本はデフレから脱却をするということですね。アメリカは長期金利の上昇を適度に抑制をしていくということでありましょう。また、安全保障上の問題を考えますと、米国債を一番たくさん持っているのが中国でありますが、まあ中国も自分で自分の首を絞めるような米国債売却はやらないでしょうけれども、どうでしょうかね。これだけ貿易戦争だ何だかんだ言われるようになると、なかなか中国が新規の米国債購入については慎重になってくるんではないかと。  そういうことを考えますと、やっぱり日米共通の利益で、日本銀行が米国債を購入するという金融政策を取ってもいいと思いますが、若田部副総裁、いかがでございましょうか。

若田部昌澄日本銀行副総裁

○参考人(若田部昌澄君) お答え申し上げます。  まず、特定の国の特定の政策についてはコメントを差し控えさせていただきます。  一般的に言って、世界経済において自由貿易が極めて重要な位置を持つということは明らかではございますが、しかし、特定の国の特定の政策についてコメントをすることは差し控えさせていただきます。  その上で、日本銀行が金融政策の手段として米国債を購入すべきではないかというのが質問の御趣旨だと思いますが、もしもこの米国債の購入というものが為替相場に影響を与えることを目的とするものであるならば、これは日本銀行法上、外国為替相場の安定を目的とする外国為替の売買は国の事務の取扱いをする者として行うという文言がございますので、そうした外国為替の売買につきましては、これは法律上、財務大臣が一元的に管理するということになろうかと思います。  そのほか、米国債の購入が可能かどうかということにつきましては様々法的な論点はございますが、それについては差し控えさせていただきたいと思います。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 随分事務方のレクチャーが進んでおるようでございまして、私が昔、中原審議委員から御下問を受けまして、内閣法制局で、日銀法上、日銀は外債の小売ができるかという質問をしたことがありまして、これはできるというのが内閣法制局の見解であります。  前回、麻生大臣もおっしゃられたように、為替介入を意図するということであればそれはできないということでありましょうが、日銀は国債八十兆円買取りということすらできていないわけじゃないですか。今、四十兆円ぐらいしかできていないわけですね。で、物価安定目標二%はまだ先の話だと。ということになれば、これはやっぱり手段の追加緩和ということは大いに検討すべきだと思いますが、もう一度、いかがでしょうか。

若田部昌澄日本銀行副総裁

○参考人(若田部昌澄君) お答え申し上げます。  実際に中原先生がそのような御見解を表明されているということは私も承知はしておりますけれども、まず、追加緩和の是非につきましては、私としては、追加緩和は必要であればちゅうちょなく行うべきであると。そして、その手段については、予断をなくその全ての選択肢を検討すべきであるという考え方を持っております。  ただ、その上で申し上げるならば、やはり金融政策というのは原則として中央銀行が通貨発行益を得るというものでございまして、その通貨発行益はどこに還元されるのかということを考えたときに、それが外国債を購入するということでよいのかというのはどうなのかという疑問は私はずっと持っております。  もう一つは、もう一つのことは、やはり金融政策に限界はないと私は信じておりますが、しかし、制度的条件などなどはございます。そうしますと、その制度的条件の下で可能なものは何かというのは、これは当然、金融政策の実務を行う上では制約条件となってまいりますので、その観点におきまして米国債の購入が望ましいのかということになりますと、いろいろと問題点があるのではないかというふうに考えております。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 これは引き続き、また国会にお越しいただくことが度々あろうかと思いますので、次の回に譲りたいと思います。  もし国会の御議論をお聞きになられたければ残っていただいても結構ですし、仕事がお忙しければ御退室いただいても結構でございます。  今回の給与所得控除とコインの裏と表なのが源泉徴収制度ってやつですね。源泉徴収制度や法人税法というのはいつ頃できた制度でしょうか。

星野次彦財務省主税局長

○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。  まず、源泉徴収制度でございますけれども、給与所得に対する源泉徴収制度とは、月々の給与の支払時に給与の支払者が一定の税額を徴収して納付するものでありますけれども、この制度は昭和十五年に導入されたと承知をしております。また、この関連で、年の最後の給与を支払う際に給与の総額に対する最終的な税額と年間を通じて納付された源泉徴収税額の合計額との過不足を調整するいわゆる年末調整制度、これは昭和二十二年に導入されたと承知をしております。  また、法人税でございますけれども、我が国において明治二十年、一八八七年に所得税が創設されまして、この所得税が明治三十二年、一八九九年に分類所得税として全面的に改組され、個人の納税者の範囲が明確化されるとともに、法人に対しても所得税が課税されるようになったところでございます。その後、昭和十五年、一九四〇年になりまして所得税の大幅な改正が行われて、これまで第一種所得として所得税において課税されてきた法人税が所得税から切り離され、一八%の比例税率の独立の租税として創設されたものと承知をしております。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 要は、源泉徴収制度も法人税法も昭和十五年にできたという制度なんですね。その頃、近衛内閣だったかと思います、二年前の昭和十三年に国家総動員令というのが出されます。企業は競争するな、国家社会主義ですよ、早い話がね。それで、企業に戦費調達を代行させる。これがオール月給制化の下で行われた国家社会主義政策。そうやって集めたお金を今度は内務省が地方に配賦する。地方交付税の原形、地方配付税というのも同じ昭和十五年に作られております。  三百ぐらいあった電力会社は九つにまとめられて、国営化、国有化されたのも昭和十五年。経済団体が国家統制に服する統制会という団体が作られたのも昭和十五年。これは今、経団連という名前になっております。お米の世界が、昭和十六年か十七年に完全に国家管理に置かれた。その供出団体として作られたのが、戦後、農協と呼ばれる団体になっているわけであります。  そのような国家社会主義の時代、暗躍していたのがコミンテルンのスパイですね。例えば、朝日新聞記者であった尾崎秀実、こういう人は近衛内閣の中枢に食い込んで、北進論、要するにソ連と対峙する北進論を抑えようというので、日支事変以降の戦争を長期化、拡大させようという世論の刷り込み工作と同時に、内閣の刷り込み工作、せん孔工作をやっておったという時代ですよ。  アメリカでは、ルーズベルト政権下でハル・ノートの原案を書いたハリー・デクスター・ホワイトというモーゲンソー財務長官の補佐官がいますが、これはもうれっきとしたコミンテルンのスパイであったということが九五年に公開されたヴェノナ文書で明らかになっている。ルーズベルト大統領に同行してヤルタ会談の舞台回しをやったアルジャー・ヒスという大統領補佐官は、これまたコミンテルンのスパイであったと。  まあ早い話が、あの時代、アメリカとソ連というのは同盟国でありますから、ニューディール政策、ルーズベルト政権の社会主義政策と非常に共通項があったんでしょうね。結局、そういう時代の所産なんですよ、戦後レジームを形成してるのがね。結局、戦後レジーム、私に言わせれば、一九四〇年体制がそっくりそのまま占領時代に引き継がれていった。マッカーサーの部隊というのは、ニューディール左派と言われるかなり社会主義的な人たち。だから、一九四〇年体制がそっくりそのまま残っていったわけであります。  マッカーサーがアメリカ流の公務員制度を持ち込もうとやりましたよ。フーバーという人が職階制という制度を作ろうとした。これを見事に阻止したのが、当時の革新官僚の生き残り、大蔵官僚であります。給与法という法律を作って、給与法の別表を作って、完璧な年功序列システム、責任と能力で昇進するという制度を完璧に抑えた。いやあ、実に見事なものですね。  戦後、戦争中に優位になった役所、陸軍省、海軍省、内務省、こういうものは全部解体をされます。そして、財務省は、公職追放された人はただの二人。軍需省という役所は、椎名悦三郎という事務次官が、マッカーサーが厚木に来る前に看板掛け替えて、商工省という名前にしましたね。この二つは立派に生き残って、今日に至っております。  結局、戦後日本は最も成功した社会主義国家だったと言われたのは、まさにこういう歴史的な背景があったわけであります。  いかがでしょうか、大臣、ちょっと御感想があったらお聞かせいただきたいと。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 歴史の授業ですか。歴史の授業として面白いかという話です。  それは、今言ったようなこと、一部は合っておりますよ、間違いなく。一九四〇年に生まれておりますので、よく知っておりますし、その中の流れもよく分かりますし、はい。それで、日本はそれでうまいこと成功させた部分もかなりあったと思いますね。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 その成功体験が今残念ながら災いをもたらしておるということなんですね。  今回の騒ぎを見ておりますと、やはり最強の官庁であると、この大蔵省が、前回申し上げたように、接待汚職事件で解体をされた。しかし、その後も財務省は最強官庁として予算を配分をし、そしてこの最近の支配、財務省支配と言われるものは、非常にステルス的であります。ソフトなんですね。それだけではない。非常に政治的である。  政治学の教科書を読みますと、政治の世界で人を動かす要素は三つだと書いてある。まず、利益の供与だ、象徴の操作だ、そして脅迫だというわけであります。まあ箇所付け予算なんというのは、私も何度も大蔵省陳情に行って、秘書の時代からやっていましたので、これぞまさしく利益の供与で人を動かす、予算配分権ですね。それから、象徴の操作。日本は一千兆円以上も借金があって大変だ、増税できる人がいい政治家だ、完璧な象徴の操作であります。そして、脅迫。あるマスコミ陣から聞いた話ですが、増税反対の論陣を張っていた、そうしたら財務省の皆さんが来られたと。その中に国税庁の課長が交じっていたというんですよ。何だ、これは。非常に怖い思いをしたと。その人は増税反対キャンペーンをやめなかったんですけどね。そうしたら、取材費はどうなっていますかって税務調査を受けたと、こういう後日談もある。  結局、査察権を背景としたこういうステルス巨大官庁、これが今回の騒動の背景にある話なんですよ。悪いけれども、財務省は解体をしないと今回の騒ぎは収まりませんよ。これは、もう私の拙い経験からしてもよく分かる話でございます。  麻生大臣、官僚の抵抗を受けたことはございませんか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 官僚の抵抗、そうですね、財務大臣の前に外務大臣、総理大臣、何やっていましたかね、総務大臣もやっておりましたし、経済企画庁長官やりましたし、いろいろやりましたけれども、少なくとも意見が違うなんというのは当たり前の話なんであって、それを抵抗と思うかどうかというのはその人のセンスの話だと思いますが。  例えば、私どもとして、今、そうですね、今ここに星野がおりますけど、例えば、どうでしょう、今回の税制でいえば、そうですね、事業承継税制なんという話について、私どもとして、少なくとも星野局長と話をして徹底攻勢を受けたかなんということはないですな。まず、間違いなく反対だったと思いますよ。清水の舞台から飛び降りるつもりな感じの今回の税制改正だったと思って、少なくとも宮沢先生だってこれほど一〇〇%行くなんて思っていなかったでしょう、あなただって。党税調が思っているよりこっちが先行ったんだから。  だから、そういった意味では指導力の問題なんじゃないでしょうか。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 今回の騒ぎの中で私が非常にこれは危ういなと思うのは、要するに、官邸が人事を仕切るようになったからけしからぬのだと、こういう論調があることですよ。内閣人事局がというわけですね。でも、ちょっと待った。本来、政治主導というのは内閣主導ですよ。各役所の予定調和と言われる人事が延々と続いていた時代から別れを告げたんじゃありませんか。だから、内閣人事局をつくった。ただ、この内閣人事局の設計が、私が原案作ったときはもっとすごかったですよ。まあ今の内閣人事局をつくった方は誰とは言いませんけれども……

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 時間を過ぎておりますので、まとめてください。

渡辺喜美各派に属しない議員

○渡辺喜美君 では、この話の続きは次回にしたいと思います。  御清聴ありがとうございました。

長谷川岳自由民主党・こころ

○委員長(長谷川岳君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時四十分散会

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