国民生活・経済に関する調査会 第6号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2018/04/18
会議録
○会長(増子輝彦君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、小川克巳君及び豊田俊郎君が委員を辞任され、その補欠として徳茂雅之君及び高野光二郎君が選任されました。 ─────────────
○会長(増子輝彦君) 国民生活・経済に関する調査を議題といたします。 本日は、「あらゆる立場の人々が参画できる社会の構築」のうち、「豊かな国民生活の実現」に関し、「子ども・若年者をめぐる格差への取組」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。 御出席をいただいております参考人は、足立区地域のちから推進部長秋生修一郎参考人、矢吹町教育委員会子育て支援課長山野辺幸徳参考人及び首都大学東京人文社会学部人間社会学科教授阿部彩参考人でございます。 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。 御多忙のところ本調査会に御出席をいただきまして誠にありがとうございます。 本日は、皆様方から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。 本日の議事の進め方でございますが、まず秋生参考人、山野辺参考人、阿部参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、秋生参考人からお願いいたします。秋生参考人。
○参考人(秋生修一郎君) 足立区の秋生でございます。よろしくお願いします。私、下町の育ちなので、時々言葉が乱れるかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。(資料映写) 足立区、どんなところかというのは、お手元の資料にございます。未来へつなぐあだちプロジェクト、子供の貧困対策の実施計画をこのような名前で呼ばせていただいております。足立区の位置、人口、面積、財政状況の資料でございます。 何で足立区が子供の貧困対策に取り組んできたのかというところのお話ですが、お手元のこのページが、足立区が持たれているイメージ、少し前の話になるんですが、街頭インタビューをしたときのイメージです。 現首長、区長、任期今三期目なんですが、一期目から様々な課題取り組んできて、その中で、二期目になるときに、足立区にボトルネック的課題がある、これを解決しないと正しい評価が得られない、どんなにいい政策を打ってもなかなかイメージ、先ほどのこのようなイメージを抜け切れないということで、ボトルネック的課題として、治安、学力、健康、貧困の連鎖というボトルネック的課題を設定し、それぞれ取り組ませていただきました。 例えば治安ですけれども、警視庁から発表される犯罪認知件数については、市町村別に、二十三区の区別に出ます。ただ、人口、面積、規模に関係なく総件数で公表されるので、どうしても総件数が多いと危ない町ではないかというような評価を受けてしまうと。いや、人口規模にする、面積規模にするとといっても、マスコミに発表されるのは総件数だけですから、何となく言い訳に聞こえてしまうと。であれば、総件数を減らすしかないんでしょうと、こういうことでいろいろ取組を始めさせていただきました。地域と組んでいろんなことをビューティフル・ウィンドウズ運動という形でいろいろやらせていただきましたけれども、それで改善の兆しが見えてきている。体感治安も改善してきている。 学力についても、全国学力テストの結果が二十三区の中で一番低いみたいなことをちらっと言うと翌日に新聞記事になってしまうとかいうような話の中で、いろんな取組をして、基礎学力の定着なりなんなりと取組をして成果は現れてきています。 健康についても、平均寿命が二十三区の中で一番短いと。事実ですが、それについても、総花的にやるのではなくて、糖尿病に特化して取り組もうと。野菜から食べよう、ベジファースト、一口目は野菜というような取組をすることによって、ヘモグロビンA1cの値七%以上の区民の割合が確実に減ってきているというような取組のいろんなものが成果を見せてきています。その結果で、足立区を誇りに思うという区民も増えてきている。 このような結果が出てきてはいるんですが、国が子供の貧困対策大綱を発表した段階で、区の方でもいろいろボトルネック的課題に取り組んできたけれども、その成果は現れてきているけれども、もしかしたらそれは対症療法的なものによって現れてきている数字かもしれないと。元々その根っこでつながっているのが貧困の連鎖。世代を超えた貧困が連鎖をしている、親から子へ、子から孫へというその連鎖のところが実は根本的な課題だったのではないかという意識の下に、ところから、子供の貧困対策について、法的には市町村には計画の策定の努力義務も何もありません、都道府県には計画の策定努力義務がございますけれども、区としてもこれは取り組まなきゃいけない、本腰を据えて取り組まなきゃいけないという決断をしたことで子供の貧困対策の取組が始まったと。子供の貧困の連鎖を断つことが足立区の将来につながるんだと、こういうことの意識でございました。 区の状況はそうですが、もう既に皆さん御存じのとおり、これは日本財団が推計した、二〇一三年時点で十五歳の子供、その世代だけで、いろんな介入をした場合と現状の場合の経済的損失二・九兆円、税収も含めて一・一兆円、四兆円の減、社会的損失のある社会的な問題ですよということが出ております。 もう一つ、これは大阪大学の志水宏吉先生、教育社会学の先生ですが、よくマスコミ等でも取り上げられている経済資本、所得と学力が連動する云々という記事を目にしますけれども、決して所得だけではないと。学力のことでお話をさせていただいておりますけれども、経済資本が学力に影響するのと同じぐらい、親の社会関係資本、要するにコミュニティーだとかつながりだとかそういうもの、文化資本、本を読める環境にある、博物館や動物園に行かれるなりなんなり、そういう経験のものも含めて、学力に経済的なものだけではないと、こういうものです。 子供の貧困についても同じようなことが言えるということで、私どもとしては、経済資本、社会関係資本、文化資本。経済資本、所得だとか雇用については、実は市町村レベルで取り組めるものはそんなにいっぱいはないかなと。何もできないわけではないんですが、やはり国の税制なり社会保険、保障制度そのものだったりというところの部分が大きいと思っています。市町村レベルでできることということで、社会関係性資本だとか文化資本、経験、体験、つながり、この辺を通して子供の貧困対策に取り組んでいこうということになります。 計画を立てる段階で、足立区は細かい基礎調査をしたわけではございません。ただ、今持っている情報の中から子供の状況って分かるのではないかという資料がこの辺のものです。 就学援助率ですとか、児童扶養手当についても所得制限がございますので、その受給状況。あるいは、学力の足立区の中の状況。高校は都道府県立がほとんど、公立はですけれども、区内にある都立の高校の中退者数だとかそういうものです。 それから、虫歯についても、東京二十三区って競うように子供の医療費の無料化、しかも現物給付、償還払いではなく現物給付でやってきましたので、虫歯について、一年生の段階で虫歯の判定を受けた子供がこれだけあるわけですけれども、未処置の子の割合というのがこれだけまだ残っていると。医療費がただでも虫歯を未処置のままという現実があると。 これ、いろいろあったんですが、保健師に関わってもらって行った家庭については、親にいろいろ話すると、親から返ってきた言葉が、どうせ乳歯なんでしょう、抜けちゃうんでしょう、だから行かなくてもいいと思っていたと、自分もそうやって育ってきたというような親だった。あるいは、前歯五本以上ぼろぼろになっている子供のうちに行って親に会うと、親も同じような状態だったと。まさに、貧困の連鎖、健康格差の連鎖につながるのかなというところです。 何で歯医者に連れていっていないかというお話なんですが、追加の調査を次年度掛けました。そのときに返ってきた言葉が、ただなのは分かっているんです、時間がないという回答だったということです。ただ、都市部にあって、歯科医については土日も営業しているところが出てきています。うちの区内にもございます。平日、仕事が忙しくてなかなか時間がないというのも分かりますが、土日に開いているところもあるというところの情報が伝わっているのかどうなのか、あるいは親の気持ちとして大変だからということなのかというところまでは分かり切れていません。 区が取り組んだ未来へつなぐあだちプロジェクトの検討体制ですとか、学識の方にも御協力いただいております。今日一緒に出席いただいている阿部先生始め、先ほどの大阪大学の志水宏吉先生等です。 その中で、計画を作っている中で、基本理念の一番目が、生まれ育った環境に左右されることなく。よく町場に行っていろいろお話しすると、それは本人の努力が足りないんだよとか、それは親が悪いんじゃないのという言葉を聞きます。でも、先ほどの虫歯の例のように、子供がそのまま育ってしまうと、自分で虫歯のままでいいという感覚だと自分が子育てをするときに同じことをやる。だから、決して子供のやる気スイッチが付いていないわけではなくて、それを磨いてこなかった云々、それは子供の責任ではないですよね。よく自己責任論と言ってしまいますけど、自己責任論には陥らないと、こういう言わば宣言みたいなものです。 二番目、生き抜く力。そうは言っても、子供たち、長い人生の中でいろんな壁にぶつかりますので、それを乗り越える力、それは、目に見えるペーパーテストの学力の点数だけではなくて、非認知能力なりなんなり、経験、体験、つながり、そういうところも大事、そうじゃないとその壁を乗り越えていく力にならないだろうということです。 三つ目は、どうしても貧困という言葉はきついです。経済的な要因だけで捉えられやすい。経済的要因もちろん大きいんですが、それだけで捉えられる、単純な低所得者対策をすればいいというふうに捉えられがちです。以前、NHKが特集で子供の貧困対策をやったときに、その後、女子高生のブログが炎上した云々ということについても、経済的なことだけで見るとどうしてもそういう形になると。我々が取り組んでいるものについては、経済的な困窮だけで捉えないで、孤立だとか健康上の問題など、生育環境全般にわたる複合的な課題として捉えていますよということです。 取組については、どうしても、市町村レベルですので、経済資本よりは、先ほど言った予防、連鎖を断つというところに重点を置いている。そのために、早期のきめ細やかな施策、子供のうちから、親を変えていかなきゃいけないのは承知です。でも、そこにばかり資源を投入していると子供はどんどん成長してしまいます。親を変えるのに十年掛かれば、子供は十歳になっちゃう、十歳の子は二十歳になっちゃいますので、子供にも直接早期の段階からいろいろ関わりを持っていこうということです。 学校プラットフォームということについては、学校も限界がございますので、言わば教員の労働時間云々ということで課題にもなっております。学校だけに全てを任せるのではなくて、学校という場が情報のキャッチアップになる、子供たちが日中、ふだんいる時間が長い時間ですので、そこで変化や何かが把握しやすいという意味で、学校の中だけで解決するのではなくて、外からの力を入れてということになります。 当然、子供の貧困対策、連鎖が止まったかどうかというのは、本当は、ワンジェネレーション、ツージェネレーション、三十年とか三十五年とか七十年とかたたないと結果は見えてきませんけれども、それを少しでも早い段階で把握していこうと、こういうことになります。そのためには、国は国の役割、都道府県は都道府県の役割、市町村は市町村の役割があるんでしょう、その中で動いていく。ただ行政体だけでもできないと思っております。それは、いろんな価値観の変化、核家族化等、あるいは地域コミュニティーの希薄化等いろんな課題が出ておりますけれども、そういうものを踏まえての話なので、地域、NPO、企業にも協力していただかないといけないと、こういうように考えております。 あとは、個々の施策についてはどのようなことをやってきたのかの参考資料ですので、個々の事業についてはまたお問い合わせいただければ、少しいろいろお話をさせていただきたいと思います。 もう一つ、全庁体制というのは、先ほどございますけれども、どうしても子供の貧困対策というと教育と福祉の間の話だよねという話が出てまいります。そうではなくて、足立区の場合については、全庁体制というものを取り組んでおります。 窓口をつなぐということもそうですし、例えば町づくりに関わる部分でも、公園でキャッチボール大会をやったことがございます。これは公園の、キャッチボールなかなかできる公園がないだとか、あるいは子供たちの投力、投げる力が衰えているだとかいうことを基に、公園が一区画を区切って、近くの学校に呼びかけて、土日で野球連盟と組んでキャッチボール大会やりました。結構にぎわっていました。 授業終わってから、公園部隊に、せっかく学校に行くんであれば、例えば、本当に例えばですけれども、母子家庭のうちの男の子って学校側は分かっているわけで、そういう経験、体験がなるべく少なそうな子に積極的に声掛けてあげてくれませんかというぐらい頼めないかと。 別に特別な予算が必要なわけではない、気持ちというか、どういうふうに考えるかで済むことなので、そういうことの取組、経験、体験、つながりをつくるという意味では、福祉と教育の世界だけではなくて、環境、産業、町づくり、それぞれのところでできるものがあるでしょうということです。言わば、職員の意識改革というのが後ろに控えておりますけれども、それにも取り組んできていると。その結果で、例えばものづくり展を、児童養護施設、一人親家庭、学習支援を兼ねた居場所づくりの子供たち専用の日を設けてもらったりだとかいうようなことも取り組ませていただいています。 指標についても設定させていただいています。 それからもう一つ、調査ですが、基本的な調査を計画の段階ではやりませんでしたが、同時並行的にやっております。これは小学校一年生を対象とした基礎調査です。衛生部が取り組んだので、健康の面から、先ほどの糖尿病で、大人になってからでは遅いと、子供のときにどんな状態だったのかを調べるために小学校一年生の全数調査をやりました。それに、子供の貧困対策にも役立てようということで、所得だとかいろんなものを聞いています。 その調査、二〇一五年に小学校一年生、二〇一六年に小学校二年生、一年空けて小学校四年生、今年小学校四年生をやりました。小学校六年生、中学二年生、追跡調査です。この世代の追跡調査。その二というのは、それの比較対象となる一部抽出調査です。追跡調査の間に小学校一年生を一年ごとにやっていく定点調査です。今年生まれた子供に対して打った施策が、六年後にはその子供たち一年生になりますので、その結果がどうだったかということにも見れる。定点観測と追跡調査と組み合わせてやっているということです。個人情報の取扱い等については、そこに少し記載されております。 この中で、子供の貧困対策との関係ですが、所得等を調査したものの中から、貧困という言葉きついので、生活困難世帯というものを区分けしております。その基準が、年収が三百万未満の世帯、生活必需品の非所有、支払困難、この三つのどれかに当たれば生活困難世帯とみなすと。 例えば、世帯主が五百万なり六百万なり年収あったとしても、それを家庭のために使わないで自分の趣味、ばくち等に使っていると家庭の中にお金が回ってこないということになるので、生活必需品、最低限の貯金五万円以下しかないだとか、家賃だとか光熱費の滞納があるというものが生じてまいります。だから、所得だけで見ない、実際に家計が回っているか回っていないかというところで見ようという工夫をさせていただいて、生活困難世帯という分類をしています。足立区の中で、小学校一年生ですけれども、二五%程度ございました。 それの中で、その他、非生活困難世帯と生活困難世帯を比較したものがその後です。これを御覧いただきたいと思うんですが、親に相談相手がいるかいないかで子供の心の発達、思いやりや気遣いのある子供の発達の懸念される子供の割合です。親に相談相手がいると青いところ、相談相手がいないと赤いところ。いない方がリスクが高いというものが、生活困難世帯でも非生活困難世帯でも同じように出ています。 ただ、本当は、一番見てほしいのは、非生活困難世帯でも、赤いところは、相談相手がいないと二〇・六%のリスクです。でも、たとえ生活困難世帯であっても、相談相手がいるとそのリスクは一四・三%に下がる、こちらの方が低いと。相談相手がいる、要するに社会関係資本がいかに大事かと。所得だけではない、お金が回っている回っていないだけではなく、つながりがいかに大事かというのがこういうところからも見えてくるということになります。 細かい説明、そのほか省略させていただきますけれども、このような調査結果をそれぞれの計画に反映をしていくということをもって改革をブラッシュアップしていくというような形で取り組んでいる中身でございます。 ちょっと時間オーバーめになりましたが、私からは以上でございます。
○会長(増子輝彦君) ありがとうございました。 次に、山野辺参考人にお願いいたします。山野辺参考人。
○参考人(山野辺幸徳君) それでは、矢吹町の取組についてお話しさせていただきたいと思います。(資料映写) まず、矢吹町の位置でございますが、福島県の南部に位置しております。東北自動車道や東北新幹線、福島空港など、交通体系に恵まれております。首都圏、全国へのアクセスの良さは抜群というところでございます。 人口についても、一万七千三百二十四名、世帯数にして約六千世帯というところで、小さな町でございます。矢吹町の出身の著名人としましては、元巨人軍、横浜ベイスターズの初代監督であります中畑清氏の出身でもございます。 続いてが、町の予算規模でございます。平成三十年度は約八十六億円というような一般会計の予算でございます。町づくりとしましては、東日本大震災を体験し、震度六弱といった地震も体験しました。そうした中、現在、震災前、震災以前の、以上の町づくりを目指しているところでございます。 それで、こちらが矢吹町の組織でございます。子育て支援課、教育委員会に属しております。職員数は九名というような体系でございます。教育委員会というところで児童福祉の分野があるというところで、組織体制としては、教育と福祉のつなぎが実現しているといったところで、組織内の横断的な情報共有、連携は容易である、うまくいっているというような状況でございます。 それで、本町は、一昨年、国の交付金を活用した貧困の計画作りに取り組みました。貧困について本町の実態を知ること、非常に大切な視点と思い、交付金の方を手を挙げたというところが経過でございます。 それでは、矢吹町の子供の人口も、中ほどにございますが、こちら、子育て支援事業計画からの数字抜粋ですが、予定を上回るスピードで減少に入っているといったところでございます。 それで、市町村の子供の貧困率というのは、就学援助を受給する世帯の割合と近い数値であるということが言われております。実態調査では、世帯の所得について聞き取りを行いまして、本町でどのような結果になるかを調査いたしました。 それで、子供の貧困対策の検討体制ということで、新たに計画策定機関を立ち上げる時間的な余裕もない、会議の回数もそう多くはしたくない、委員の負担になる、それと有識者がいないというような厳しい現状もございます。 そうした中、資料の左下にございます矢吹町要保護児童対策地域協議会という虐待を取り扱う協議会がございます。比較的、虐待と貧困というリンクする部分もございますので、委員の方々には非常に理解されやすいのかなというふうに思いました。それに加えまして、地域のネットワークの形成というところで、行政区の区長さんだったり、社会福祉協議会、あるいは民間企業の代表者さんを委員にしてございます。 また、役場内に、計画策定のための既存事業の把握と洗い出し作業を既存の部会を活用しました。あわせて、組織内からは、保健福祉課、教育振興課、幼稚園に対して支援者のヒアリングを行ったというところでございます。 それで、子供の貧困対策のキックオフ元年ということで、福島県の計画策定の中でも、キックオフ元年と言っている程度といいますか、ちょっと遅れているというような状況もございます。さらに、本町におきましても、子供の貧困対策を目的とした施策化された事業はございません。本当に始まったばかりというようなところでございます。さらに、支援団体もないというような現状を抱えております。 検討会の会議の中では、批判的なコメントといいますか、計画を策定する必要があるのかという意見もありました。現場や地域に携わっている検討委員からも貧困に対する理解は不足しているというところで、相対的貧困と絶対的貧困の認識がずれているといったところが現状でございます。 それと、年三回の会議では、子供の貧困に対する理解を深めつつ、情報共有と地域ネットワークの形成に向け、グループワークで共通理解を深めたといったところでございます。それで、会議自体は、なかなか難しい、時間も掛かった。事務局としましても、手探り状態、試行錯誤の中で計画策定に当たったというところでございます。 それで、アンケート調査を実施しました。対象については記載のとおりでございます。それで、アンケートの設問としましては、家庭の職業の状況だったり、年収の状況、さらには健康状況だったり、子供が置かれています生活環境、学習環境などをアンケートで設問項目として設定をいたしました。 それで、アンケートの結果としましては、貧困層にある子供の割合が一三・一%といったところの数字がございます。既存事業で申しますと、就学援助を受給する世帯の割合が一一・六、幼稚園入園世帯の非課税世帯が一四・三、保育園入園世帯の非課税世帯一五・九ということで、この実態調査を通しまして、厚生労働省の国民生活基礎調査による子供の貧困率一三・九%と、各市町村が実施する既存の事業からもその市町村の子供の貧困率が、就学援助受給する割合と市町村の子供の貧困率というのが近い数値というふうに言われておりますが、ある程度、今回のアンケートからも推測できる結果が出てきたというような状況でございます。 それで、具体的な施策といったところで三つの柱を設けております。一つには、学び育つ環境づくりでございます。それと、二点目が、教育と福祉をつなぐということの視点。そして、三つ目としましては、関係機関、地域、企業、NPO、自治体などのつなぐ地域ネットワークの形成というところでございます。 それで、小さな町だからできること、支援者みんなの顔が見える関係にあるといったところで、どの支援者がどのような支援を行ってきているかというのが分かっているという状況もございます。それと、できること、できないことがはっきりしているということで、こちらの支援については今後見極めてまいりたいなというふうに思います。 それで、一つの、学び育つ環境づくりについては、主なもの、幼稚園・保育園保育料の無料化事業だったりというところで、記載してあるとおりでございます。 それで、既存の取組を見直すというところが必要であるなというふうに思いました。それで、行政としまして、全ての子供、課題のある子供、この二層へのアプローチが必要であるということで、これまで取り組んできた制度や各種施策について、貧困対策及び支援等が必要な子供と家庭の支援という視点での見直しを行い、支援策についても、すぐに効果が出るものではないことを理解しまして、長期的な視点で実施する検討を始めたところでございます。 貧困に関しては関係のない部署はないという意識を持って、既存の事業の視点を変えること、各課でもしかしたらこれも貧困対策になるかもしれないといったところの視点も持つことも大事なのかなというふうに思っております。 それと、行政は、組織の構造上、縦割りとなりがちでございます。福祉部門につきましては、生活困窮者自立支援法などの施策がありますが、そういった情報はなかなか入ってこないというような状況にございますので、情報共有と連携を図る必要があるなというふうに感じたところでございます。 あと、事業については見ていただきたいと思います。 それで、ネットワークの形成についてということで、大きくは、先ほど申しました要保護児童対策地域協議会、さらには青少年サポート事業連絡協議会というところの組織もございます。青少年サポート連絡協議会につきましては、中学校を中心とした、高校の不登校生徒、中途退学者、中学校卒業後進路が決まらない者、引きこもり、義務教育修了後の段階で問題を抱える子供の支援を目的としまして設置されている協議会でございます。それと、三つ目に、子どもの貧困対策支援部会ということで、子供の貧困対策に関する関係者相互のネットワークづくり及び支援体制の確立ということでございます。 こうした子供の貧困に視点を当てた既存の取組、事業による支援策の充実と既存のネットワークの横断的な取組により、連携を深めながら、子供の行動範囲は限られておりますので、地域の連携で乗り越えるため、本町では、コミュニティーや地域ネットワークの中で子供が生き抜く力を育て成長していくことを目指しまして、学校教育、家庭教育、生涯学習が連携した取組といったところで、今後、子供と子育て家庭を支援する体制を構築してまいりたいなというふうに思っております。 最終的な目標としましては、地域ネットワークの構築、地域全体で経済的に厳しい状況に置かれた子供の支援というところで、見えにくくなっています子供の貧困、子供たちとどこからつながっていくことができるか考えてまいりたいなというふうに思っております。 以上、発表を終わらせていただきたいと思います。
○会長(増子輝彦君) ありがとうございました。 次に、阿部参考人にお願いいたします。阿部参考人。
○参考人(阿部彩君) 首都大学東京子ども・若者貧困研究センターのセンター長を務めております阿部彩と申します。今日は、お時間ありがとうございます。 お手元に資料を配付してございますので、それに基づき御報告させていただきたいというふうに思います。(資料映写) まず、一ページ目ですけれども、これは皆さんも御承知のとおり、厚生労働省が発表しております相対的貧困率、ブルーの方が国民全体、オレンジの方が十七歳以下のお子さんの貧困率となります。最新値が二〇一五年のものなんですけれども、それはその二、三年前の二〇一二年に比べて大きく子供の貧困率については下がりました。これ自体は、私自身は非常に喜ばしいことというふうに思っております。 ですけれども、長期的に見ていただきますと、オレンジの方のラインというのはかなりジグザグがあります。これは景気の変動を表しています。ブルーの方のラインは高齢者の方々も含まれますので、高齢者の方々は年金所得が主な源泉となりますのでそれほど景気に左右されないんですけれども、オレンジの方は子供の親御さんの所得を一番反映しておりますので、そうしますと景気の変動というのがございます。 そうしますと、八五年、これが国民生活基礎調査での一番古いデータなんですけれども、から見ますと、やはり貧困率が下がった時期というのはございます。これはやはり景気の動向であるかなというふうには思いますが、そういった意味で見ますと、景気の良いときと悪いときを比べるだけではなくて、景気がいいとき、いいとき、いいときと、ですので、山、山、山、谷、谷、谷同士を比べるという視点も必要で、それを見ていただきますと、前回の谷が一三・七%、その前の谷が一二・二%、その前の谷が一〇・九%といったことで、三十年というスパンで見れば、必ずしも今、三年前からか、改善したことはすばらしいんですけれども、安心できる状況ではないなというふうに思えるのではないかなというふうに思います。 厚生労働省はこのような数値しか発表していないんですけれども、国民生活基礎調査を二次利用申請いたしまして、私の方で性別また年齢層別に計算したものがその次のページになります。 赤く囲んであるところが若者層と言われる十五歳から二十四歳の値になります。見ていただければ分かりますように、日本の人々のライフスパンを見ますと、今貧困率が高いのは、高齢期とこの二十—二十四歳をピークとする若者期と子供期という二つの山がございます。特に高齢期については女性の貧困率がまだまだ高いんですけれども、一生を通じて見ても、男性の貧困率で見ると、今、若いときの貧困のリスクと高齢期の貧困のリスクというのはほぼ同じ状況になっています。 これをちょっと三十年のスパンで見ていただきたいなと思って持ってきたものが次になります。このグリーンのラインは、一九八五年のときの男性の年齢別の貧困率です。二〇一二年、このときが一番高かったわけなんですけれども、二〇一二年のときが青いもので、赤が二〇一五年の一番最新の、最新といってももう今から比べると四年前になるんですけれども、の数値になります。 そうしますと、見ていただければ分かりますように、三十年間の間において高齢期の貧困率は大きく下がりました、男性に関して言えば。これは公的年金が成熟してきたことによる、やはり社会保障の成功例というふうに見ていただいてよろしいかなというふうに思います。 ですけれども、一方で、若年層を山とする貧困率の上昇というのが、やはり三十年というスパンで見ますとまだまだ高い状況にあるといったことで、やはりこの貧困の構造というのがかなり変わってきている。三十年間というと一九八五年で私なんかはそれほど昔という感じはしないんですけれども、かなり大きく日本の社会が変容しているといったことが言えるのではないかなというふうに思います。 次のグラフは女性の貧困率に限ったものですけれども、女性で見ますと、高齢期の貧困率がまだまだ下がっていないというのが現状になります。ですので、昨今、高齢者における所得保障が拡充されてきておりますけれども、それはその一つの根拠になるんではないかなというふうに思っております。 子供という観点からは、二十歳未満の子供の世帯タイプ別で見ますと、御承知のとおり、やはり一人親と未婚子のみという世帯タイプが一番高くなっております。ですけれども、夫婦と未婚子のみという世帯においても貧困率は徐々に上昇しているといったことは、御覧いただければ分かるかなというふうに思います。 また、三世代世帯といった世帯で見ても、徐々に高くなってきております。実は、三世代世帯というのは推奨されるべき世帯というふうに思われていることがすごく多いんですね。子供のケアをする人が増えるですとか、所得の源泉、所得を稼いでいる人が二人以上いる可能性があるですとかそういったことですけれども、実は、貧困率で見ますと、三世代世帯の方が二世代世帯よりも高いです。 これは、サザエさんちのような、おじいちゃんとお父さんが二人とも現役世代といったような三世代世帯がだんだん少なくなってきているからですね。高齢化によって、それが二世代目になってきますと、例えば三十歳で子供を産んでいるというのはもう全く当たり前ですけれども、三十歳、三十歳で二世代続きますと、初孫が生まれるのがもう六十歳ですのでおじいちゃんは現役世代じゃなくなってくるわけです。ですので、このような世帯がどんどん増えていきますので、三世代世帯というのは、今後、私は、非常に大きなダブルケアの問題を抱える世帯になってきて非常にリスキーな世帯タイプだというふうに思っております。 それをおきまして、もう一つやはり忘れてはいけないのが、夫婦と未婚子のみという核家族世帯、圧倒的に数が多いということです。数が多いので、貧困率が少なくても、じゃ、貧困の子供の世帯タイプ、先ほどの一三・九%の子供たちの世帯タイプはどうかというのを見てみますと、半数以上は夫婦と未婚子のみの御夫婦そろった世帯の核家族世帯です。 この世帯に対しては、今、現状では、子供の貧困対策としての所得保障ですとか様々なサービス、保障といったものがほとんど行っていない状況になります。もちろん、生活困窮者自立支援法ですとか生活保護ですとかいった一般的なものはございますけれども、母子世帯や父子世帯に対する様々なサービスですとか様々な給付といったようなものはこちらの世帯については手が届かないサービスになっています。 この上で、幾つか私からの私案ですけれども、政策提言と現状というのを申し上げたいと思います。 まず一つ、近年の子供の貧困率の上昇は、特に中高生以上の年齢層が高いということがあります。下がってはきてはいますけれども、二〇一五年ですけれども、それでもやはり二十—二十四歳、十五歳—十九歳といった年齢層の子供たちを持った世帯の貧困率が、三十年間で見るとやはりすごく上がってきていると。この世代に対するやはり支援というのが必要になってくるのかなというふうに思います。 また、今、先ほど二つの自治体さんからすばらしい取組の御紹介がありましたけれども、基礎自治体で取り組んでいる場合が多いんですけれども、基礎自治体はどうしても中学生までが対象となります。というのは、それ以上となると子供たちがその自治体外の学校に行ってしまったりですので現状が分からないという状況になってしまいます。ですので、国がやる対策としては、この年齢層に対しては非常に力を入れていただきたいと思います。 もう一つが、家計というものをもう少し見ていただきたいということなんですね。 これ、次のグラフをお見せしますけれども、これは、私どもが、東京都の四つの自治体です。東京都ですので、決して日本の中で一番経済的な状況が悪い地域ではございません。でも、そこでの子供たち、小学五年生、中二と、それと高校二年生の年齢の悉皆調査、四つの自治体で行ったんですけれども、の中で、過去一年間に金銭的な理由で、金銭的な理由ですよ、で、例えば電気料金が払えない、それからガス料金が払えない、それから水道料金が払えない、家賃が払えないといった子供たちが約二%から三%ございます。二%から三%って大した数字じゃないと思われるかもしれませんけれども、この年齢層の生活保護率は二%よりはるかに低いです。 そういったことを考えますと、こういった基礎的な支払さえできないような家庭というのがもうかなり存在する。五十人に一人ですので、一学年でいえば一人二人いても、一つの学校にですね、いてもおかしくない状況です。 これ、東京だけではありません。実は、先ほどの御紹介にもありましたように、今様々な自治体さんで子供の生活の実態調査を行っておりますけれども、これは私がほんの抜粋して全く同じ質問で行ったものを持ってきたんですが、愛知県はもう四%、五%、沖縄県になりますとこれもう一割を超えます。北海道でも約一割といったような状況になりますので、日本全国的に見れば、かなりの多くの子供たちの家庭においてこのような支払が滞っている状況があります。 大阪府さんと沖縄県さんの調査においては、実際にこれらのライフラインが止められたことがあるかということを聞いております。過去半年の間で、大阪府の三十市町村では、一・〇%の子供たちがライフラインを止められたことがあると言っている状況です。学力格差がどうのこうのとか言いますけれども、電気が止められている家で勉強しろと言うんですかということなんですね。このような状況というのは、沖縄県は、過去十年間でちょっと長めになるんですけれども、それでも約一割、状況になります。 ですので、戻りますが、私としては、やはりもう支援案として、家計の支援をする。例えば、光熱水道費と家賃に対する扶助というのは先進諸国の多くにはもう既に制度化されてあります。ですけれども、日本にはこれらの制度ありません。ですので全くの民間で定められた費用を払っているわけですけれども、こういったものについての何か制度というのを考える時期に来ていると思います。それから、子供がある世帯では光熱費を、止めないですとか法律で作っていただくことができないのかと是非思います。 もう一つが再分配の強化です。 先ほど、貧困率が全体的に下がったというふうに申し上げましたけれども、この下がったというのは、市場所得、つまりお給料の方が上がったということで、経済状況が良くなったことの反映です。ですので、再分配がされたかとか強化されたことによって下がったわけではないんですね。 それを見ていただくために、次のグラフは、再分配前と再分配後の貧困率の差、男性で見たものです。皆様も、二〇〇〇年代の中旬まで、子供の貧困率で見ると再分配前の子供の貧困率の方が再分配後よりも低かったというのを御承知かというふうに思いますけれども、その後、児童手当等が拡充されて大分その状況が良くなったんですけれども、今でも、ゼロ歳から四歳、それから五歳から九歳に関しては再分配前の貧困率の方が再分配後より高いといった状況があります。そのほかの年齢層でも貧困率の差分がそれほど多いとは決して言えない状況です。その次が女性になりますけれども、女性でも全く同じような状況というのがございます。 その次のグラフは母子世帯だけに限ったものなんですけれども、母子世帯も二〇一二年から二〇一五年にかけては非常に貧困率下がりました。ですけれども、それは、見ていただければ分かりますように、再分配前の貧困率が下がったからであって、再分配の機能が高まったからではございません。 もちろん、再分配前の貧困率を下げるというのも政府の機能としては重要なものです。これは市場所得ですので、景気対策といったことで貧困率に一番効いてくる政策だと思います。ですけれども、景気というのは必ず循環しますので、今度悪いときが来るわけなんですね。そのときまでに再分配機能をきちんと高めておかないと、せめてほかの先進諸国並みぐらいにしておかないとこれらの層はまたぐんと下がってきてしまうというのがもう目に見えているかなというふうに思います。 その次が、今様々なところで言われている学校のプラットフォームとする子供の貧困対策ということなんですけれども、この次のグラフは、東京都の四自治体の調査での、ここでは私どもも、生活困難層というのを困窮層、周辺層、一般層の三つに分けております。これは後ほど御紹介しますけれども、世帯の中にどういったものがあるかですとか、どういった経験することができているのか、例えば、海水浴に行けるか、お小遣いがもらえているかとかそういったことと所得等をクロスしてつくった層なんですけれども、約五%の、五、六%の子供が該当します、東京都では。 そうしますと、やはり学力差がすごく大きい、学校の授業が分からないと答えている子供がすごく多いということが分かるかなと思います。その次のグラフは中学校二年生ですけれども、中学校二年生だとその差が更に大きくなってきております。 ですので、これから言えるということは、まず、学力というのが家庭の状況にすごく左右されているということ。でも、実際問題として、これは東京に特に顕著にある問題かというふうに思いますけれども、全国的にもあるかなというふうに思います。 先ほどの困窮層といった層は、ガス料金を払えなかったりですとか、そういったことが三割以上あるような世帯なんですね。そのような世帯においても、四割は私立の学校にお子さんを行かせているということですね、高校二年生になりますと。ですので、現実問題として、裕福な子供たちだけが私立の高校に行っているわけではないということです。 さらには、今、奨学金を借りている率がすごく多くなりますけれども、かなりの家計の厳しい御家庭でもお子さんを高学歴を付けさせようとしていると。それを家計に無理をしてでもやっている。 その背景というのが、これはこの東京都の調査でですけれども、その学校を選んだ理由というのを聞いております。下の丸を付けたところを御覧ください。これを見ますと、私立に通っている高校二年生のお子さんで困窮層のお子さんの五割は、もう圧倒的な多数なんですけれども、公立高校に受からなかったから私立に行かざるを得なかったという選択をしているんですね。つまり、公立高校に受からなかったときに就労をするというオプションが残されていないわけです、今の子供には。ですので、ここが無理をしてでも私立高校に行くというようなことになり、借金漬けになってしまうといった状況になります。 ですので、学校全体として何をしていくのか。もう一つは、小中学校の間から学力格差を付けさせない何かの方法というのが必要ではないかなというふうに思います。 戻りますが、支援案としては、特に課題の多い学校への資源の投入というのをしていただきたい。これは小中学校の公立の部分です。高校以上になりますと、やはり一番厳しい層というのは定時制に行っています。ですので、定時制の子供たちの生活を支えながら学習を、学べるような制度をつくってきちんとサポートしていただきたい。 例えば、今、定時制の高校においては、給食というのが廃止の方向で各自治体では動いています。ですけれども、定時制のお子さんたちは、食事とか一回ぐらいしか食べられていない子供が非常に多いんですね。これは私どもの調査でも出てきています。一日に一回しか食べていない。そんな状況で、しかも定時制で学べといっても、非常に難しいものがあります。特に、ですので、定時制ですとか底辺校と言われるような、高校以上ですね、基礎自治体が小中学校をやってくださるということであるのであれば、高校以上のところにそこに資源が投入できるように国として働きかけていただきたいなというふうに思います。 最後に、一点だけ、指標についてお話をさせていただければというふうに思います。 先ほどのお話にもありましたように、今、各自治体さんで子供の生活の実態調査というのを非常にやってくださっています。これは内閣府からの補助金が付くといったこともありまして、私どものところでも非常にたくさんの自治体さんから様々なアドバイスをいただきたいといったような御依頼があります。ですけれども、そうといっても、日本の中の自治体数というのは莫大な数がありますので、多くの自治体においては、何ら専門家が入らずに実態調査をやるといったようなことがございます。 先ほど、一番私が懸念しているのが、貧困率の計算なんですね。貧困率というのは、厚生労働省がやっている国民生活基礎調査の所得票というのを、二十ページもあるようなのを家庭の中の全ての人に書いてもらって、おじいちゃんの年金額から、児童扶養手当の額から、養育費から、それから社会保険料も一人一人全部把握をして算出されるものであって、決して、自治体が、おたくの世帯の所得は幾らですか、どれか一つにチェックを付けてください、百万円から二百万円、二百万円から三百万円といったもので比較できる数値ではないんですね。 データについての問題点というのは、この頃、昨今も非常に話題となっておりますけれども、このように比較のできない数値を作り出して一三・九%と比べてどうのこうのというのは、これは非常に危険なんです。なので、私としては、やはりこれはきちんとしたデータを国の方で作っていくべきだと考えますし、又は、自治体さんでも計算できる方法というのをきちんと確立していく方法があるかなと思います。 その一つが、その裏のページで、これは東京都の方で使わせていただいたものなんですけれども、子供の所有物とか体験といったものを聞いていく方法。これはマル・バツ式ですので間違えることがほぼなく、欠損率もほぼないので、かなり正確な数値が出ます。こういったような物質的な剥奪、これはEUでもう既に公的な貧困指標として取り入れられておりますけれども、といったものを使うですとか、又は、自治体さんが持っていらっしゃる税務データがございます。これを使うことによって一三・九%と比較可能な数値をはじき出すことができます。そういったものの使用を認めていただく、そしてそれを推奨していただく、やり方を公開していただくということをしていただければ、各自治体さんでも自分の自治体のところで貧困率というのが計算できるようになるのではないかなというふうに思います。 これは、地方自治体においては非常に重要な課題なんです。というのは、地方の議員さんは、皆さん、それぞれの議会で、うちのところの貧困ってどうなのよと、貧困率、一体幾らなんですかというような質問をなさっているんですね。それで、自治体の方々が困って、いや、議員さんにそう言われるんですけど、うちではどうやって計算したらいいか分からないんですというのが一番私のところに来るので多い質問になります。 そこで全く経験のないようなコンサルさんですとかそういったところに依頼をしてしまうわけなんですけれども、でも、そうではなくて、きちんとしたやり方で、これが正しいやり方で、少なくとも比較可能なやり方というのを全国的に広げる必要もあると、これは私の日々の非常に思っていることですので、この場で申させていただきました。 御清聴どうもありがとうございました。
○会長(増子輝彦君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず発言いただけるよう整理をしてまいりたいと存じます。 質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って御発言くださいますようお願いいたします。 質疑及び答弁は着席のまま行い、質疑の際はその都度答弁者を明示していただきますようお願いいたします。 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるよう御協力をお願いいたします。 それでは、質疑のある方は挙手を願います。 元榮太一郎君。
○元榮太一郎君 自由民主党の元榮太一郎でございます。 今日は、三人の参考人の皆様、本日はお忙しい中、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございます。 早速伺ってまいりたいのですが、まずは阿部参考人に伺いたいと思います。 お話の中で、約三%の子供の家庭で電話、電気、そしてガス、水道などの支払に滞納があるということでして、まさに経済的な貧困の状態に置かれているということかと思うんですが、支援策としては、水道光熱費、そして家賃への補助の検討の時期に来ているとか、こういうようないろいろな御示唆をいただいたところであるんですが、これはあくまでジャストアイデアということで御感想、御意見を賜りたいんですが、例えば中高生に働く場所を確保するということはどうなのかなというところでございます。 もちろん、子供の健康と福祉に配慮することを大前提として、特定の優良企業とか、あとはそういう仕事の時間というものも限定するとか様々な配慮が必要かと思うんですが、労働基準法五十六条を見ましても、製造業など工業的業種以外の事業に係る職業で、児童の健康及び福祉に有害ではなく、かつ、その労働が軽易なものについては、行政官庁の許可を受けて、満十三歳以上の児童をその者の修学時間外に使用することができると規定しておりまして、現行法上でも、軽易な業務であれば中学生でも例外的に労基署の許可を得て仕事がすることができるということになっています。 軽易な業務というのは、例えばポスティングとか新聞配達とか、その他の配達関係もそうですし、荷さばき関係、さらにはコンビニなどの小売店というところでの仕事も含まれているということになります。私も高一の春に新聞配達をしまして、一日一時間、千五百円の時給ということで、三十日間働いて四万五千円ということで結構なお小遣いになったわけですが、サッカー部との両立でやりましたし、やろうとすればできなくはないというところなんですが。 貧困の連鎖ということが今日の参考人の皆さんのお話にもあったんですが、人生設計の連鎖というのもあるんじゃないかなというふうに思っていまして、やはりお手本になる大人が余り近くにいないという中で、例えば高校を中退してしまうとか勉強の重要性を感じられない、こういったこともあると思うんですが、こういう、例えばアルバイトというような形で職場でいろいろな大人と出会うことによって、自分も勉強頑張ろうと、こういうような学業に対する意欲も高まったり、人生設計に新しい選択肢も出てくるかと思いますので、貧困の解消にもつながると思いますし、また、そういうような学業意欲を高める、そういう社会経験を積む場所としても有効なのではないかと思ってみたのですが、御意見はどんなものでしょうか。
○参考人(阿部彩君) 御質問ありがとうございます。 中高生の働く機会をといったところで質問いただいたかなというふうに思います。 高校生に関しては、私は、それがキャリアにつながるものであれば推奨されるべきだなというふうには思います。ただ、私どもも今回、高校生以上、実はこの今日御紹介した以外にも、十六歳—二十三歳の大学生年齢までを含めたお子さんたちの働く状況というのも調査いたしました。そうしますと、何らかのトラブルに遭った、いわゆるブラックアルバイトに近いような就業形態がもう本当に、たしか、数字はしっかり覚えていないんですけれども半数近くあったというふうに思います。特に女性に多いです。 そういった状況がある中では、むしろ働くことがポジティブになるのではなくて、ネガティブで、心の傷を負ってしまったり学業に影響が出てしまう。トラブルの中でよくあったものというのが、シフトを勝手に入れられる、休ませてもらえない、それからアルバイト代から差っ引かれるといったような、本当に、休み時間も取らせてもらえないというような、労働基本法に反しているようなものがたくさん出てまいりました。ですので、これらがきちんと整備されない中では非常に難しいなと。 ですが、インターンシップのような、先ほどおっしゃったようなロールモデルとなる、人生設計となるようなキャリアパス、またそこから、例えばそこに正社員としてその後にその企業に雇ってもらえるというようなパスとして残っているといったものであれば、そういったものはむしろ、やはりデュアルシステムと言われているものもありますけれども、より多くやるべきだなというふうには思います。 今の多くの問題というのは、大学進学しなければ先がないと思っている子供たちが非常に多いということで、そうではないんだよ、そうじゃないキャリアプランがあるんだよというのをきちんと提示していくことの、それは安定した職であり、かつ学業やスポーツ活動ですとかそういったものと両立ができて、しかも守られているという、そういった条件付のところであれば是非やっていただきたいなと思います。 中学生に関しては、これは義務教育内ですので、私は、これはやはり推奨されるべきではないんではないかなというふうに思います。むしろ、ロールプレイということでしたら、地域の方々ですとか様々な職業の方々を中学校の方に持ってくるという形で子供たちを啓蒙していただければなというふうに思っております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 続いて、また再び阿部参考人に伺いたいんですが、私も、こういうような貧困のお話の中でこの相対的貧困という言葉をよく聞きますし、パーセンテージも聞くんですが、理想的な数字というのはあるのでしょうかというところで、例えばゼロ%の方がよいのかということとか、あとは、相対的な貧困というのは平均の世帯所得の二分の一を下回る世帯の割合ということになるかと思うんですけれども、むしろその絶対的貧困の基準というものを、例えばそれは生活保護なのかもしれないんですけれども、明確にして、これを下回る世帯をゼロにするというのも一案なのではないかなと思うんですが、その点についての御意見を伺いたいと思います。
○参考人(阿部彩君) ありがとうございます。 まず、私の意見で申し上げさせていただきますと、生活保護基準というのは相対的貧困基準です。というのは、あれは国民生活の中の今の下位の一〇%と同等となるようにというふうに算定基準方法をやっておりますので、あくまでもやはり相対的なものとして決められていますし、その方法が取られたのは実は一九六〇年代で、それ以来ずっと日本はそうしておりますし、一九六〇年のときの国会答弁でも、貧困というのは相対的としてあるべきものだというような答弁がきちっとなされたりもしますので、日本の中でのあらゆる制度というのは相対的貧困概念で動いているというのが正しいかなと私は思っております。 そういった中で、じゃ、絶対的貧困という線があるのかどうかといったことを決めるのは、実は先進諸国では不可能だというふうに思います。例えば、食物に関連させると分かりやすいんですけれども、成人の大人で二千二百カロリーというのは非常に絶対的なものですね。これは、絶対的というのは、誰にでも、どの国でも、どの時代にでも当てはまるということですので、これはアフリカのどこかの難民キャンプであっても、江戸時代であっても弥生時代であっても、二千二百カロリーは二千二百カロリーなんです。 ですけれども、それを何から得るかというのは決められなくて、じゃ、二千二百カロリーを得ようと思ったら、日本では残飯を食べていても得られます。なので、死ぬことはないです、栄養失調で。ですけれども、じゃ、それを日本の貧困基準としますかというと、恐らくそれは、多くの国民の方はそれに対して非常に違和感を持つかというふうに思います。ですので、そうすると、せめて御飯とたくあんだとか、せめて一週間に一遍ぐらい魚だとか、せめておみそ汁ぐらい付けてあげるべきだというようなものが出てきますので、それって何かというと、それは私たちの中で、日本の中の当たり前の食事というのはこういうものなんだということで、日本の中の当たり前の食事、普通の食事と比べて言っているんですね。それが相対的貧困概念なんです。 ですので、私は、もう食費に関しても、じゃ、一体幾らになれば絶対的貧困線なのか、一体幾らなら相対的貧困なのかというのを決めるのは難しいかなというふうには思っています。非常に日本の中でその線をつくるのは難しいんですね。 ということで、先進諸国等も今は相対的貧困概念で動いているわけなんですけれども、じゃ、何が理想なのかといいますと、もちろん低ければ低いほどいいんですけれども、これは分布の話ですのでゼロになることはないです。ですけれども、子供の貧困率でいうと、これはかなりゼロに近いものになることができます。地域によっては三%とか、国によっては三%とか四%といったところまで下がっている地域も、国もあります。というのは、これはやはり、社会の中でのいろんな方々の中で子供の生活水準がどこなのかといったことになりますので、今の相対的貧困率というのは、八十五歳の男性も三歳の子供も同じ貧困線で比べていますけれども、そうではないので、やはり、私、子供の貧困率は限りなくゼロに近いように持っていくべきだというふうには思っています。
○元榮太一郎君 ありがとうございました。 終わります。
○会長(増子輝彦君) 吉川沙織さん。
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織でございます。 本日は、三人の先生方、ありがとうございました。 今日、阿部参考人の最後のお話の中で、行政の信頼性や統計についてお話がございましたので、それぞれ、同じような観点なんですけど、違う質問をさせていただきたいと思います。 まず、秋生参考人に伺います。 今日の資料の中で、子供の貧困に関する指標として二十四あると御紹介をいただきました。実際、足立区の行政を進める中で、どの程度の指標をお使いになって行政をお進めになっているのか、お伺いします。
○参考人(秋生修一郎君) 二十四の指標については、長期的に見ていく指標として設定してございます。そのほかに、行動計画等では、生活指標と活動指標とに分けてもっと細かいものについて出しております。あとは、長期的な計画の見直し等のときに参考にするための参考のストックという意味では、更にもっといっぱいあるものをため込んでいるというような状況になっています。
○吉川沙織君 次に、山野辺参考人にお伺いします。 今日のお話の中で、実態を把握することがとても大事、そこでアンケート調査を行っている。その調査結果については今日御紹介もいただきましたし、資料もお示しいただきました。これ以外に、何か実態を把握するために行っている、行政として何かやっているというのがあれば、お教えいただきたいと思います。
○参考人(山野辺幸徳君) 今回のアンケート以外で把握しているところといったところは、先ほど説明の中でも申しましたが、要保護児童対策地域協議会といったところで虐待のケースを把握しているというところで、虐待イコール貧困というふうな、経済的な困窮者というところでの把握という、個別なケースになりますが、把握はしております。
○吉川沙織君 阿部参考人にお伺いします。 今日のお話の中で、比較をしてはいけないものが比較をされているとか、あと、最も危惧されている統計等データでいえば貧困率の計算とおっしゃって、それらが自治体でもできるような指標にすべきだという、そういう御提案も含めたお話をいただきました。 でも、例えばGDPの計算は、国民経済計算で、それは国がやっています。例えば自治体、都道府県に任されているものの一つとして同じようなので比べれば、県民経済計算があって、それは内閣府が一律的に計算方法を標準方式として示して都道府県に示しています。でも、結局比べているものが都道府県ごとによって違っていたりして、もっと言えば、自治体は今人が減っている中で十分に統計部局に人が置けていないとかいろんな問題があって、その辺も含めてどう乗り越えていければよいか、もしお知恵があればいただきたいと思います。
○参考人(阿部彩君) おっしゃるとおりかというふうに思います。一番比較が可能な方法というのは、国が全てを計算することかと思いますけれども、御存じのとおり、国民生活基礎調査ですとかそのほかの統計調査でも、都道府県別の貧困率というのは公表しておりません。それは、やはりサンプル数の問題ですとか、人口が少ない地域でのサンプル数が少な過ぎるですとかいったような問題がありましてできませんので、都道府県別でさえやろうと思ったら今の統計データの何倍ものサンプル数を取らなければいけないということで、予算がそれだけ必要になってくるかなというふうに思います。 私は、都道府県レベルまでは国がやってもいいかなというふうには思っております。でも、基礎自治体レベルだとそれは完全に無理となりますので、そうしますと、私は税務データでやる方法というのは一つやり方があるかなというふうに思っていて、それは、計算式さえ示せば、各自治体さんかなり同じようなフォーマットのものがあるはずなんですね、住民税の計算のために。ですので、それを出すことによってできてくるのではないかなというふうには思います。
○吉川沙織君 ありがとうございます。 それでは、次に秋生参考人と阿部参考人にお伺いしたいと思います。 今日、秋生参考人のお話の中で、あだちプロジェクトの基本理念のところで秋生参考人はこのようにおっしゃったかと思います。自己責任論に陥らないために基本理念で一番から三番まで掲げていると。ただ、この国、私の世代は実は就職氷河期世代でございまして、この世代においても自己責任論が取り沙汰されて、ありていに言えば、この世代、政治からは見放された世代でもあります。自己責任でそうなったんでしょうと言われた世代でもあります。 少し今その風潮は変わってきたような気もするんですが、自己責任論をどこまで問うべきか、それとも、基本理念に掲げていただいているように社会構造上の問題として随分認識されてきたとお考えか、秋生参考人と阿部参考人にお伺いしたいと思います。
○参考人(秋生修一郎君) 自己責任論、町会だとか青少年団体だとかいろんなところへ行ってお話ししますが、まだまだそこの意識が残っているというのが実感です。 そうじゃないところも出てきていますけれども、例えば極端に言うと、子供の貧困対策担当部長という肩書で行くと、子供のためになることだから協力する、でも、あなたの名前が気に入らない、名前変えてきてくれないかと。子供のスティグマのことも含めての御配慮だったかもしれませんが、そういう意識のところってまだまだ多いかなというのが実感だと思っています。
○参考人(阿部彩君) 確かに、秋生部長おっしゃるとおりに、まだまだ根強いものはあるんですけれども、私ども、この問題随分長いことやっていますので、二十年前に比べれば大分良くなったかなというふうに考えざるを得ないですし、実際に、恐らく、子供の貧困に関してはマスコミ等で盛んに取り上げられているということもありまして、つまり、国民の大多数の方々は、本当に自分のところの自治体にそういった子供がいるかどうか分からないにしても、でも、そういった子供がいるのは良くないよねといったところまでは理解いただいているんじゃないかなというふうには思います。
○吉川沙織君 今、阿部参考人にお伺いいたしましたのは、実は九年前の、当時とたまたま今回の調査会名も一緒ですが、九年前、平成二十一年の国民生活・経済に関する調査会で参考人にお越しいただいたときに、私、同じ問いをさせていただいたものですから、そのとき、今、秋生参考人からお答えいただいたお話を伺いますと、少しは変わりつつあってもやっぱりまだまだというのがこの国の現状だと思います。 特に、子供、若者は声も政治の側に届けるのが難しいですし、私たちがちゃんとやっていかなきゃいけないはずなんですが、自治体は別です。ただ、今、国の中で行政府と立法府の関係、特に行政府が示している、これは国のことを私は今指していますけれども、データが改ざんされたり、信頼性がもう地に落ちているような状況ですから。 ただ、この問題に関してはしっかりやっていかなきゃいけないという思いでこれからも取り組んでまいりたいと思いますので、これからもいろんな形で御示唆いただければと思います。 ありがとうございました。
○会長(増子輝彦君) 宮崎勝さん。
○宮崎勝君 公明党の宮崎勝でございます。 本日は、三人の参考人の方々、大変にありがとうございました。 私、まず、秋生参考人にお伺いしたいと思います。 国の例えば生活困窮者自立支援法におきましても、やはり支援が必要となる人にどうつながるかというのは大変課題であるというふうに認識しておりまして、その中で、足立区では、「つなぐ」シートですか、先ほど御説明がありましたけれども、それを活用して役所の各部署が連携を図っているということでございます。 また、そのために、これを機能させるために職員の意識改革が大変重要であるというお話も先ほどございましたけれども、実際にこの「つなぐ」シートというのは本当に有効に機能しているかどうか、現場のこの実態をお伺いしたいことと、あと、職員の意識改革ということで具体的にどんなことをやられたのかということをまずお聞きしたいと思うんですけれども。
○参考人(秋生修一郎君) まず、「つなぐ」シートですけれども、元々は自殺予防対策に使っていたシートです。自殺の要因っていろんなものがございますので、一つではない。それを各所管をつなぐために作っていたシートがございます。それを改良して、生活困窮、例えば保険料の減免の申請に来ただとかそういうときには、何かがあるから保険料の減免の申請に来たんだよねと、保険料の申請手続だけ取って、はい、御苦労さまでした、ありがとうございましたではなく、ほかにお悩み事があるのであれば、生活困窮者の相談窓口がありますのでそちらへ行ってみたらいかがですかぐらいの促しをし、というようなところから始めさせていただいています。 「つなぐ」シートについては、まだまだはっきり言って穴だらけだと思っています。毎年のように人事異動もありますので、年何回か説明会を開いてやらせていただいています。パーフェクトかと言われれば、まだまだ穴だらけという状況になります。 職員の意識改革につきましては、子どもの貧困対策担当課の方で、年度当初に新しい人が入ってきますので、職員研修を所属ごとにやったりします。そういうところへお邪魔して、時間取っていただいて、そこで少しお話をしてくるというようなことを繰り返しやらせていただいています。 そのほかにも、当然、民生委員さんの集まりですとかそういうところにも行かせていただいていますし、個人的には、去年、私、うちの区内に福祉事務所が五つあるんですが、五か所を全部回らせていただいて、そこで少し、新人等あるいは若手等とお話をさせていただいているというような取組を地道にやっていくということになっています。
○宮崎勝君 ありがとうございます。 続いて、山野辺参考人にお伺いしたいと思います。 私の認識不足かもしれませんけれども、今回の貧困対策についての計画を立てられたということでございますけれども、元々、矢吹町というところは大変自然が豊かな町だと思いますし、また都会にはない人と人のつながりであるとかそうしたものとか、農業の部分でのそういう部分もあるかと思うんですけれども、そうした中で、子供の貧困対策の計画を立てようとしたその背景というんですか、具体的な問題点みたいなものがありましたら、ちょっと御説明をいただきたいと思うんですけれども。
○参考人(山野辺幸徳君) 今回、いち早く貧困の計画に手を挙げさせてもらいました。それの一番強かったのは、担当者の思いというところが一番強かったように感じます。矢吹町の現状を把握したい、そして事業を展開したいという、一番は担当者の思いが強かったというふうに思っております。
○宮崎勝君 じゃ、次、阿部参考人にお伺いしたいと思います。 先ほども、貧困の子供の最も多い世帯タイプは夫婦と未婚子のみの世帯ということでありましたけれども、最初の質問にも関係するんですけれども、やはり、阿部参考人の事前にいただいたものなんかを読みますと、問題は生活保護を受けていない家庭の子供たちの貧困にあるということで、そういう人たちを発見をする、また支援の手を差し伸べるためのいろいろな、先ほどの「つなぐ」シートではありませんけれども、そうしたいろんな対策があるかと思うんですが、そういう支援が必要な子供たちにつながっていく対策として何か具体的なものがあれば御提案をいただきたいと思うんですけれども。
○参考人(阿部彩君) ありがとうございます。 足立区の取組は非常にすばらしいものかというふうに思います。私の認識が間違っていれば正していただきたいんですけれども、母子手帳を申請する段階から様々な支援につなげていこうという、早期発見の視点が非常に強く持っていらっしゃる自治体だなというふうに思います。同じような取組というのは、もちろん全ての自治体にも広げるかなと思います。 ただ、私は、もう一方で、その支援策がはっきり決まっていなく、分からなくてもできる対策というのが非常にあるというふうに思っておりまして、それが例えば公立中学校での給食の提供ですね。 その中では、公立中学校で給食の時間がないと、お弁当の時間に保健室に隠れていたりですとか菓子パン一個で我慢している子たちとか、そういう子たちもいっぱいいるわけですよね。ですけど、そういった子たちが何人いるかだとか誰かということは分からなくても、でも給食を始めればそういった子たちの一番の助けになるわけですし、それと同じように、学力格差であってもそうですし、また、定時制高校ですとかいわゆる底辺校と言われるような高校といったところにはもう既にそういったお子さんたちが多くいらっしゃるということは分かっているわけですから、そういったところに資源を投入することによって、必ずしもその一人一人の子供自体が見付けられなくてもいいんではないかなというふうには思います。
○宮崎勝君 では、もう一つ阿部参考人にお伺いしたいと思うんですが、先ほども中高生から二十代については国としての支援に力を入れてもらいたいという御発言があったかと思うんですけれども、例えば、これは、今、政府が検討している私立高校の授業料の無償化であるとか、あるいは、高等教育の大学等の奨学金の拡充であるとか授業料の減免拡大だとか、そうした対策を今進めようとしていますけれども、その評価とか、あるいはそれよりももっと先にやるべきことがあるということであれば、それについてお話をいただければと思うんですけれども。
○参考人(阿部彩君) 私の私論では、まずは小中学校、それから高校の段階をもう少し支援を増やしていただきたい。 ですので、小中学校の間での格差、学力格差というのがもう既に付いてしまっているといった状況にありますので、公立の小中学校への資源の投入、それから、先ほど申しましたように、高校の時点での、定時制高校や職業高校も含め、そういったところへの資源の投入といったことで、必ずしも日本国民全員が大学に行く必要は私はあるとは思っておりませんので、奨学金等も、もちろん、それは夢を残すといった意味では、進みたい子はもちろんそういったもの、制度があった方が望ましいんですけれども、それだけで問題は解決するのではなくて、それよりも、例えば高校でしっかり職業訓練を受けてちゃんとキャリアをつくるようになれるですとかいったような、その以前での段階での資源投入というのは必要かなというふうには思っております。
○宮崎勝君 結構です。これで終わります。 ─────────────
○会長(増子輝彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、徳茂雅之君が委員を辞任され、その補欠として小川克巳君が選任されました。 ─────────────
○会長(増子輝彦君) 岩渕友さん。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 今日は、参考人の皆さん、本当にありがとうございます。 二月の調査会で、今日もテーマになっている子供の貧困、そして若年者の貧困について参考人質疑を行いました。それ以降、こども食堂安心・安全向上委員会が、子供食堂が全国で二千か所を超えたというような実態調査の結果を公表しました。また、三月二十九日には野党六党が子供の生活底上げ法案を共同で提出するということがありまして、子供そして若年者の貧困をめぐる問題は、引き続き大きな焦点になっていると思います。 憲法二十五条は、全ての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するとしていて、国は社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上と増進に努めなければならないということをうたっています。国と社会の責任で、子供たち一人一人を大切にして未来に希望を持って生きていける社会の仕組みをつくるということは、世界の流れであるということを改めて確認をしたいと思います。 その上で参考人の皆さんにお伺いするんですが、まず秋生参考人にお聞きをいたします。 足立区は、先ほどお話をいただいた未来へつなぐあだちプロジェクトの基本理念の中に、生まれ育った環境に関わりなく、将来に希望が持てる地域社会の実現というのを掲げていらっしゃって、そこの実現に向けて、貧困の予防と連鎖を断つことを主眼に置いて、全国の自治体にも先駆けて子どもの貧困対策実施計画を策定されるなど、子供の貧困対策を推進してこられた自治体だと思います。 この対策に取り組む中で変化を実感していることがあれば教えていただきたいということと、あと、自治体の努力だけでは解決しない問題がおありかなと思うんですけれども、国の責任で行う必要があるとお考えのことがあればお聞かせください。
○参考人(秋生修一郎君) 変化については、先ほど自己責任論の話もしましたけれども、少しずつですけれども、地域の御理解も進んできています。子供食堂についても十数か所に増えてきています。ただ、毎日のようにやるというところのパワーまではまだ行っていないというところになりますかね。だから、継続的にこれをやっていけるかどうかがこれからの勝負になるかなと。何も子供食堂だけではなくて、居場所だとか体験だとか経験というのは特定の場所がなくてもできるものですので、そういうところについても少しずつ増えてきているかなという実感がございます。 それからもう一つが、国のということで、先ほど少しお話しした経済資本、文化資本、社会関係資本という中では、自治体とすると、経済資本のところ、所得ですとか労働のところの部分というのは、まるっきり関われなくはないですが、根本的なものにならない。ここはきちんと国にやっていただかないと難しいかなと。 文化資本、経済資本のところの部分については、都道府県あるいは市町村でもできるところがあるし、そこが住民に一番身近なところですので、そこの関わりやすい。行政府だけでもなかなかできない、当然、地域を巻き込まないとできないというところですので、地域を巻き込む。そのための予防だとか経験、体験だとかいうところの部分については、市町村のところの方が国よりもやりやすいというところは出てくると思います。国は、そこへの財政的な支援ですとか、そういったようなものも含めてのことをやっていただければと思っています。
○岩渕友君 ありがとうございます。 続いて、山野辺参考人にお聞きします。 子供の貧困対策について、福島の地元紙の福島民友社が行った市町村アンケートによると、福島県内で独自の行動計画を策定している自治体は県内で二つだと、そのうちの一つが矢吹町だというふうに報道されていました。 先ほど説明いただいた資料の中に「矢吹町の子どもの状況等」という部分がありますけれども、そこの中で、矢吹町の生活保護の保護率は県内でも高い水準にあって、こうした状況があることで様々な問題を抱えるリスクが高まるんだというふうに書いてあります。 お聞きしたいのは、具体的にどのようなリスクが高まるということを懸念されているのかということと、あと、県内でも先駆けて行動計画の策定されたということで、策定をしてよかったと感じていることがおありであれば教えてください。
○参考人(山野辺幸徳君) リスクということでは、生活保護世帯、矢吹町については県内でも高い数字を示しております。さらには、生活保護世帯ばかりではなく、一人親世帯というところも矢吹町は多い状況にあるというところで、こうした一人親世帯だったり生活保護世帯というところで貧困のリスクといったところやら虐待やらといったところの生活の事情を抱えている家庭が多いというような分析といいますか、どうしても同じような世帯の方々が虐待に出てきたり貧困に出てくるケースが多いといったところで把握しております。 よろしいでしょうか、今みたいな回答で。 それと、策定してよかった点というのは、非常に、策定して、関係者から、当初は理解度が低いというところで、相対的貧困を貧しい家庭というような捉え方を持っていた委員の方も多くおりました。生きづらさというところを非常に強く訴えたかったというのもございますし、一番策定してよかったというのは、これ、関係者にこういった計画を作ることによって事業展開しやすくなるのかなといったところでございます。一番はやっぱり、先ほどの説明の中でも申しましたが、学校教育、学校ですね、あとは家庭教育、あとは生涯学習というところが連携した取組が必要なのかなというふうに思っております。 それで、今回、事業展開するに当たって、貧困世帯だけを絞った事業展開はできないというところで、その視点については、全体、全員の子供を対象にした事業展開というところでは、学校やら、また同じ話になりますが、生涯学習というのがキーワードになってくるのかなというふうに思っております。 どちらにせよ、策定してよかったと思っております。
○岩渕友君 ありがとうございます。 阿部参考人にお伺いします。 事前に配られた資料の中で阿部参考人がインタビューに答えているものがあるんですけれども、その中で、今日における子供の貧困は教育政策のみ、福祉政策のみでは解決できない、労働政策や医療政策、住宅政策など多岐の政策の結果として現在の貧困、格差社会が生み出されて、最も弱い子供たちにその影響が積み重なっているんだというふうに参考人お話しされておられて、私もそのとおりだというふうに思いました。 この中で参考人は、この問題の本丸は親の労働問題だというふうに述べられているんですけれども、この問題について改めて教えてください。
○参考人(阿部彩君) 労働問題については、恐らく私より熟知していらっしゃる先生方もいっぱいいらっしゃるというふうに思いますけれども、ただ単に非正規労働率が増えたといったことだけではないなというふうには思っております。 今回、子供の生活の実態調査を東京都でやりましたところ、まず、その親御さん両方とも朝早くからいない、つまり、九時から五時の定型労働以外の時間帯で働いている親御さんがすごく多かったということにも驚きましたし、また土曜日、日曜日も働いていらっしゃる親御さんもすごく多くなったといったようなこともありますので、労働時間の問題の話もあるかなというふうに思います。 ですので、低賃金とかいわゆる非正規だとかいった待遇の問題ですといったような労働問題として特に扱われているような問題だけではなく、お子さんのある労働者という観点からすれば、労働時間ですとか、労働の定期性ですね。例えば、定期的に何時から何時まで働いていなきゃいけないというのが分かっていればそこに何か保育の手当てもできるんですけれども、それがいつ単発的に入ってくるか分からないというような仕事ですとそこの手当てができなくなってしまうといったようなこともありますので、そういった労働条件といいますか、の問題もあるかなというふうに思います。
○岩渕友君 以上です。ありがとうございました。
○会長(増子輝彦君) 藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。 先ほど、元榮委員のときに絶対的貧困と相対的貧困の話が出ていたわけですけれども、絶対的貧困というのは当然なくさなくちゃいけない、これは当たり前の話であって、国の最大の仕事というのは国民の財産と生命を守ることですから、それはもう第一義的に重要なことだと思います。 ただ、相対的貧困になると話はそうは簡単じゃなくて、全く相対的貧困をなくせば、それはもう働いても働かなくても同じ生活ができるわけですから、国の勢いは落ちますし、誰も働かなくなってしまうというのが一点ありますし、もう一つ、どうやってその格差是正のための財源を見出すかなと、こういう二つの問題点が相対的格差の場合にはあると思うんですね。 私、実は、三年前かな、二〇一五年の二月の十二日の日経新聞「経済教室」、初めて阿部先生の読みまして非常に感銘を受けまして、そのとき以来阿部先生の名前を覚えていて、今引っ張り出して見ていたんですけれども、そのときの阿部先生の論文には、一つは、格差というのは、多くの他の識者が論じているように、富裕層が上がったから広がったんじゃなくて、日本の今の格差というのは、貧困層が下がってしまう、生活レベルが下がってしまったから格差が生じるようになったということと、それからもう一つあったのは、一六%の貧困層を助けるためには今までのようにごく一部の富裕層からの再配分では不十分になってしまっていると、こういう話が書いてあったと思います。確かに一六%の貧困層以外の人が負担を増やさない限りなかなか再配分も難しいと、財政的にまさにそうだと思うんですね。 日本の場合、消費税は世界で一番低いですし、所得税も払っている人はごく一部なわけです。要するに、最低課税標準が非常に高いですし、かつ五%、一〇%しか払っていない方、非常に多いので、多くの所得税は非常に一部の人間が払っていると。これは、その人間、その層ですね、富裕層といっても別に大金持ちでもなければ比較的高所得という程度の人たちだと思うんですけど、それをこれ以上上げるよりは、阿部先生も、みんなで負担しなくてはいけないと、こういうふうに書いていらっしゃいましたから、格差是正をもうちょっとするためには、皆さんが、全員が、国民全員が、貧困層以外の方たちが負担を増やすこと、そういう決意があるか、国民にそういう決意があるかの問題だと思うわけですね。 このままそういう国民全員が負担をしていないでどんどんどんどんお金を使っていくと、いずれはもう財政破綻というか、ハイパーインフレ、私はなっていくと思っていますから、物すごい地獄のような、全員が消費税を上げられる以上の逆進性のある大変な状態になってしまうので、やはり財源の問題というのは避けて通れないような話になってしまうかなというふうに思うんですね。 先ほど先生が、それに反して、何ですか、再分配率を先進国並みにというふうにおっしゃっていたんですけど、ちょっと先ほど申しましたように、今、確かに国民の税負担率って低いですけど、ごく一部の人のみで払っているわけですから、これを全員が、国民全員が負担するという決断ができるかどうかに懸かってくるんじゃないかなというふうにも思うんですが、その辺についていかがでしょうか。
○参考人(阿部彩君) ありがとうございます。 私の記事を覚えていてくださってありがとうございます。 そのときにも書きましたけれども、日本の国民って多くの方は自分を中間層だと思っていらっしゃいます。また、国民の、そのときのはまだ二〇一五年のときの貧困率しか出ていなかったと思うんですけれども、六割以上の方々というのは自分の生活が苦しいと思っていらっしゃるんですね。ですので、そういった苦しい方々が大多数のこの社会においてこれ以上税負担を上げるというと非常にアンポピュラーなわけなんですけれども、私自身にとっては、それでもやはり上げるべきだというふうに思っておりまして、消費税もやはり上げる一つの手法であるというふうに思います。より多くのタックスベースがありますし、それ以外にも所得税も上げるべきだと思いますし、というような、あらゆる手、この手のやはり増税というのは必要かなというふうに思っています。 そのために、結果として再分配効果が上がればいいのであって、給付だけを増やして再分配効果を上げようと思ったらすごい大変なんですけれども、結果として再分配効果が上がるように、やはり、今日のプレゼンの中でも少し書きましたけど、社会保険料とそれと税金の見直しというのは更に進めていただきたいなというふうに思います。
○藤巻健史君 そうですね、格差是正を口で言うのは簡単なんですけれども、もし本当に相対的格差是正を図るのであるならば、六割、中間層、苦しいと感じている人たちを含めて負担を増やすと、どちら、なければならないというふうに理解しましたし、私もその辺でやっぱりある程度国民の合意が必要なのかなというふうに思います。 次にちょっとお聞きしたいんですけど、格差の固定化という話なんですけど、やっぱり私、一つには、終身雇用制が非常に大きい問題かなと思うんですね。やっぱり、たとえ貧困層出て高卒、中卒で働きに出ていても再度勉強するようになったときに、再チャレンジができる、要するに、どこかで学んでそれからまた新しい職が簡単に見付かるのであれば固定化って避けられると思うんですけれども、そういう観点からすると、終身雇用制というのが今の貧困の固定化というものに物すごく影響しているんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。阿部参考人、お願いしたいと思います。
○参考人(阿部彩君) 流動性を高めることによって、よりフレキシブルで、また固定化を防ぐという意見には私も賛成いたします。ですけれども、それが今、流動性が高まって、例えば終身雇用である方々をより終身雇用ではないことにして、ただリスクが高まるだけであったらもう問題だというふうに思っておりまして、やはりそれは再雇用ができるという確率が上がっているという見込みがきちんとある中で終身雇用の方もやっていくという、このやはり両輪でなければいけないかなというふうには思っております。
○藤巻健史君 これは終身雇用制の是非を討論する場ではないのでここでやめておきますけれども、まあ一つだけ申し上げますと、一人が辞めても、一人が辞めさせられると必ず大体は次の人が入るわけで、国民全体とすれば同じかなというふうに私は思っていますけどね。まあ、それはちょっと今日の議論ではないのであれですけれども。 先ほども元榮議員の話を聞いてちょっと思ったんですけど、昔、私の小さい頃は、絶対的貧困の基準としてエンゲル係数というのがあったんですけど、あれで大体貧困かどうかという議論をしたんですけど、今エンゲル係数というのはどうなっちゃったんでしょうか。全く学者の先生方は興味ないんでしょうか。
○参考人(阿部彩君) エンゲル係数は国民全体では徐々に下がってきております。ですが、子育て世帯に関しては、実は、これは生活保護の審議会でもそのデータを使っていろいろ分析をしたんですけれども、それほど下がらないんですね。所得に応じてエンゲル係数がそれほど下がらない。というのはなぜかというと、所得が下がってくるとその分食費も縮小されてくるんです。家計の中で縮小できるのが食費だけになってきているというのが現状の家計かなというふうに思います。 家賃ですとか、今あと大きなものとして出ていくのが電話費ですね。電話とかコミュニケーション費というのがかなりもうフィックスでこれが生活必需品として出ていきますので、じゃ、残ったものは何を少なくするのといったところでは家計を削る。そのときに、非常に安い例えば百円ショップでの乾麺を買ってきてそれにしょうゆを掛けただけで済ますですとかいうようなことで、食費の方も縮小してしまっていますので、エンゲル係数の法則というのは、子育て世帯に関しては、今でもありますけれども、それほど強くなくなってきている、弱くなってきているという状況かなと思います。
○藤巻健史君 最後に秋生参考人に、もう時間ですか、秋生参考人に、じゃ、簡単に聞きますけれども、阿部参考人の資料だと百三十五万円が低所得基準になっていますけれども、何か三百万円という基準はちょっとそれに比べるとえらく高いなという印象を持ったんですけど、いかがでしょう。
○参考人(秋生修一郎君) うちのアンケートで取るときに、等価可処分所得というふうに捉えるのがなかなか難しかったので、世帯の収入として捉えています。その上で、本当は世帯人数を加味して等価可処分所得にしなきゃいけないんですが、それができなかったので、世帯収入ということで取りあえずそこで切ったというところでございます。
○藤巻健史君 終わります。
○会長(増子輝彦君) 川田龍平君。
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。 今日は、参考人の皆さん、貴重な時間と大変すばらしい意見をありがとうございました。 それで、質問させていただきます。 阿部参考人にお聞きしたいんですけれども、子供の貧困対策の法律ができてやっぱりかなり時間がたっているんですが、今この子供に対する支援というだけではなくて、非常に、例えば親の健康についてと子供の貧困についてのこういったその関係というのが最近、近年大きな問題となりつつあるということで阿部参考人の資料にあるんですが、今日の資料ではなくて前の資料にあるんですけれども、今の親の特に精神状況によって健康状況と生活困難度に強い相関が見られたということなんですが、それについて詳しく教えてください。
○参考人(阿部彩君) 日本の今の現代社会において、一般市民の健康状況、特にうつ傾向ですね、と所得、経済状況というのは非常に相関しているというのは、それは子供のある世帯でも子供のない世帯でも高齢者でも若年者でもあるわけで、ですので、やはり、私がそこで紹介しているのは恐らく子供を持っていらっしゃる保護者の方かというふうに思いますけれども、まあ低所得層や貧困層でやはりそういったうつ傾向の親御さんが非常に多いというのは、これは事実としてございます。これは私もいろんな自治体の調査関わらせていただいていますけど、どの自治体にも見られるものです。非常に一般的な法則だというふうに思います。 ですけれども、その中で子育てをしなければいけないといったところで、親御さん自身が非常なうつな状況で起き上がるのもままならないといったような状況の中で、子供に対してお弁当を作ったりですとか宿題を見たりですとか朝起きてランドセル持たせたりとか、そういったことがだんだんできなくなってきて、それが子供の生活にも影響が出てきてしまうという形で、親の健康状況というのがそのまま子供の将来の可能性までも狭めてしまうといった状況が起こっているというふうに思います。
○川田龍平君 先ほど私も、エンゲル係数というのはどうなっているのかと聞きたかったんですけれども、いつか安倍総理が、エンゲル係数が高くなってきてもそれは豊かなんじゃないかみたいなことを一回言ったことが国会でありまして、それと、さきの予算委員会の質疑の中で、生活保護世帯の方でワカメのみそ汁というのが何かすごく印象に残っているんですけれども、何かそれが非常に貧しいということで言われていたんですね。 何か本当に、今、貧しいとか貧困とかということの何かやっぱり相対的な話を先ほどされていましたけれども、もう本当に食と栄養の問題とそれから貧困、困窮層との関係というのは、やっぱり非常に、今、単にエンゲル係数だけではなくて、食費にどれだけ割けるかということの関係というのは、そういったことの関係で見たことというのは、阿部参考人に聞きたいんですけれども、そういった調査というのはありますでしょうか。
○参考人(阿部彩君) ございます。私が栄養学の先生と一緒にやったもので、子供ですけれども、子供が実際一体何を食べているのかというのを全部栄養価を測ってみたことがあります。そうしますと、総カロリーも貧困層の子供は少ないですし、それ以外に顕著に低い、少ないのが、たんぱく質、それと亜鉛ですとかビタミンA類とかC類といったような、野菜ですとか肉とかから得るようなビタミン要素ですね、微小要素というのが非常に少なくなっているといったことがもうこれは論文にも出ておりますので、是非御参照いただければなというふうに思います。
○川田龍平君 足立区の秋生参考人に聞きたいんですけれども、今、糖尿病対策など健康について、それから虫歯などもやっぱりしっかりこれ見ているということなんですが、私も今大変健康についての、特に食品と栄養価といったところで非常に、また食べ方みたいなものがこの資料にもありまして、野菜から食べるということが非常に、同じものを食べるにしても食べ方というのがやっぱり非常に健康に影響を与えるものがあるというので、資料の健康のところにも、野菜から食べる効果を知っている区民の割合、二年で七%増加というのがありましたけれども、その辺についてちょっと詳しく教えていただけないでしょうか。
○参考人(秋生修一郎君) 子供の貧困対策というよりは、健康格差の是正、そういうところの部分から始まったものです。 野菜を食べると血糖値の上昇率を抑えられる、そういうことも含めての効果が出ておりますので、日本の文化の中では食、三角食べと我々昔よく言われましたけれども、そうではなく、野菜から食べるということが大事ということです。 ただ、学校給食や何かで三角食べについてもやっておりますので、野菜を全部食べてからではなくても、一口目は野菜というようなことでの取組も含めて、子供の段階から健康を維持する、その健康が収入に、所得に関係してくることになりますし、それがその子供の更に子供のいわゆる貧困の連鎖、健康の格差の連鎖というところにつながってくるというところでの取組をさせていただいています。
○川田龍平君 これ、貧困と肥満の関係なども、アメリカではやっぱり貧困層が非常に肥満の子供が多いということで、非常にその栄養によってかなり貧困と健康と、病気になったりするとまたそれが結局貧困にも影響してくるものですので、そういった意味で、やっぱりこの健康と貧困の問題というのは非常に相関関係があるのではないかと思っておりますので、是非そういった、大人でも野菜から食べることについての効果というのは実は知らない人も結構いますので、そういう意味では、こういったことをやっぱりちゃんと、それを連鎖の中で、ちゃんと教育の中で伝えていくことの必要性というのは大変強く感じました。 それから、地域のことについて、秋生参考人の資料の中にありました、二十八年調査の中から、子供が地域活動に積極的に参加することで生活困難な状況でも逆境を乗り越える力を培える可能性があるというこの資料、やっぱりこういった調査によって見えてきたもので、非常にこの貧困からの、かなり逆境から乗り越えるといったことをどのようなことでこれ調査の結果分かったのか、教えていただければと思います。
○参考人(秋生修一郎君) この調査は、子どもの健康・生活実態調査の、先ほど説明させていただきました定点観測と追跡調査と、これらの中から、まだまだ不十分というか、もっと長期的にやらなきゃいけない調査ではありますが、取り組み始めた段階のものとしてそういうものが出てきたと。 ただし、因果関係なのか相関関係なのかはよく注意しないといけないので、相関関係はある、でも因果関係というふうにまでは言えていませんので、可能性がある、そういうことで、先ほど言った社会関係資本をそこへ整備していくことによって自己肯定感なりそういうものが育まれる可能性があるというような表現をさせていただいています。
○川田龍平君 できるだけ、そういったいろんな調査や、これからいろいろ施策に生かせていけるようにしていきたいと思うんですが、いろんな審議会ですとかいろんな調査会ですとかそういったものにできるだけ当事者の人が入っていくことが必要ではないかと。 例えば、生活保護の今回の見直しなどについても、その当事者の人たちの声を本当に聞いているのかということは国会でも議論されているんですが、阿部参考人、そういったことについてどのように感じていますでしょうか、当事者が入ることの意義について。
○参考人(阿部彩君) 私自身、生活保護の基準部会に入っておりまして、当事者の方々の声を聞くというのは重要だというようなお話をさせていただいたことがあります。 ただ、それが当事者の、誰が当事者なのかと。当事者も人次第ではないかというふうに思いますので、そういったところで、やはりたった一人をそこに呼んでお話をいただくといったような形ではなくて、もうより広い形で声を拾うといったような、私は、例えばそれこそアンケート調査ですとかそういった形での実態調査というような形でも構わないかなというふうに思って、意識調査ですよね、というような形でより多く拾っていき、より統計的に妥当性があるような形での声の反映というのを目指すべきではないかなというふうに思います。
○川田龍平君 足立区の取組だけでは、福島県の矢吹町の取組ちょっと聞けなかったんですけれども、本当に足立区の話はいろいろ、東京ということもあって、自分は出身が東京ということもあってよく知っていて、足立区では、給食ですとかやっぱりいろいろと取組が非常にいろんな分野にわたって、先ほど自殺対策の話も出ましたけれども、そういったところから連携してこういった貧困の問題にも取り組んでいるということで、非常にそういったところでまたいろいろと参考にさせていただきたいと思います。 今日は質問ありがとうございました。ありがとうございました。
○会長(増子輝彦君) 薬師寺みちよさん。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日は本当にありがとうございました。 まず、秋生参考人にお尋ねをさせていただきたいと思います。 この基本理念のところで、経済的な困窮だけではなく、社会的な孤立、そして健康上の問題など、生育環境全般にわたる複合的な課題と捉えていらっしゃる、私は大変これすばらしいなと思って見ておりましたんですけれども、実は、この金銭的な、いわゆる経済的な困窮だけではなく、心の貧困を抱えている子供たちは特に都市部では多いのではないかと思っております。やっぱり孤食の問題でしたり、どうしても両親が共働きであるがために様々な社会的な経験というものが薄くなってしまう、そういう子供たちに対しても何か手を差し伸べてくださっているんでしょうか。教えていただけますか。
○参考人(秋生修一郎君) 先ほどロールモデルの話もございましたけれども、地域で地域の子供たちを見守り、育てる、このコンセプトで地域に出ていってお話をさせていただいております。 だから、孤食の問題、確かにそうです。朝早く両親とも出ていくと、子供はそこで食べてから一人で鍵を締めて学校に行く、そんなようなことも含めて、朝食の重要性というものも出てきます。だから、夕食でついて言えば、子供食堂広がってきましたので、そういうところに行くということもできます。 ただ、うちの区の面積からすると十数か所ってまだまだ少ないので、地域の方々になるべく長く続けていただける工夫をお願いをしています。手を広げることも大事なんですが、長く続ける、子供たちとの信頼関係をつくっていく。子供たちがそこで育って、高校になって、たまには帰ってきて、今日、休みだから手伝うよというような、プラスのスパイラルが出てくるようなところまで持っていきたいというようなお話をさせていただいていますので、そういうものを通じて、心の貧困というものが、ロールモデルというものが非常に大事かなと、そういう姿を子供たちに見せてほしいというお願いを地域にしながら進めているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 本当にこれからそれは応援をしていかなければ、我々のような共働きの者が安心してやっぱり働けなくなってしまいますので、是非お願いしたいと思います。 それからもう一点、高校の中退率が大変高いというところで、その方々、中退した後の支援というのはどのようにしていらっしゃいますでしょうか。また、これが貧困の連鎖というものにもつながっていく可能性がかなり高いと思いますけど、いかがでいらっしゃいますか。
○参考人(秋生修一郎君) 高校、先ほど少し申し上げた、中学校までは区立ですが、都立高校になってしまいます。管理者が違うというところなんですが、実は、うち、小泉内閣時代の特区構想で特区第一号を取っていまして、若者を中心とした雇用創出特区というのを取っています。その頃から高校側とは少しつながりがあったんですが、更にそれを拡充して今回この計画を作るに当たって、当時かなり厳しくて、高校の校長先生に出てきていただくのも一苦労。変な言い方しますと、休み取って行けと言われるようなこともあったように聞いています。そういう時代ではなくなってきたので随分助かっていますが、東京都の教育委員会も巻き込んで区と連絡会を拡充しています、教育委員会主体の中で。 その中で、要するに、高校一年の夏休みまでが勝負だよねと、高一クライシスという表現をしましたけど、連絡会を設けていろいろ情報交換をさせていただいています。あるいは、不本意入学という言葉が高校側から聞かれてきて、要するに、偏差値だけで選んでいるので、自分の子供に向いている高校かどうかを、同じ都立高校の中でも校風があるので、そこをしっかり見て選んだかどうかというようなことで、何か月かで私の望んだ高校ではないということでやめていくということがあります。そういうものを防ぐということで、高校の説明会を庁内でやらせていただいたり、庁舎ホールで住民も聞けるような形でパネル展示をしたりとかいう工夫をさせていただいています。 その追跡調査については、個人情報の問題があるので、たとえ区と都の間でも、渡せる、渡せないというものがございます。そこの部分については、これからの研究課題というか、まだ調整しているところがいっぱいございます。少なくとも都と区の中で問題意識を共有化してそこに向かっていこうという場だけはできて、動き始めているというようなところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。是非、前進していただきたいと思っております。 やっぱり若い御夫婦の子供に対する虐待の率というのも大変高うございますし、そういうところでもう少しいろんな社会経験も積んでいただくような機会があればなというふうに私は願っておりますので、よろしくお願いいたします。 山野辺参考人にお伺いさせていただきます。 大変対照的な自治体だということで、私、山野辺参考人の自治体は、これは、すごく小さいがために起こってくる問題ってありますですよね。こういうふうな協議会を持っても、実は知り合いばかりであって、自分の家庭の中のことを知られたくないという当事者の皆様方もこれ多いのではないかなと思うんですけれども、小さい自治体だからこそ抱えていらっしゃるそういうやりにくさというものはございますか、教えてください。
○参考人(山野辺幸徳君) 小さいがためにやりにくさというのは余りないです。ただ、同じ顔ぶれになってしまうという悩みはありますので、それぞれ委員の負担という部分では重くのしかかっているんじゃないかなというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 本当に子供たちの数も大変絞られていくので細部にわたって手当てができるのかなというところも一つ利点として私はあるのではないかと思うんですけれども、その辺りの今後の取組も含めまして、今の、先ほどの大きな自治体と比較してみていかがでいらっしゃいますか、教えていただけますか。
○参考人(山野辺幸徳君) どうしても小さいがために、顔見知りでいい部分もあるんですが、どうしても人材、物、お金という部分では十分ではございませんので、なかなか次の事業展開に進めないというところもございます。 確かに、子供食堂だったり子供の居場所づくりといったところは、やりたいのはもう非常に思いは強いんですが、受け手がいないという現状の厳しさもございますが、粘り強く長期的に検討してまいりたいなというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 先ほども伺っておりまして、なかなか民間の皆様方の協力が得られない、支援団体がないということ自体が私もちょっと驚きましたので、今後とも、周辺の自治体と共同しながらでも何とか現実的に動いていけるようにというところで、我々ももし支援ができることがございましたらまた後ほど教えてくださいませ。 ありがとうございました。 阿部参考人にも伺わせていただきたいと思います。 先ほどから、長い間関わられているということで、多分貧困というものに対して様々状況は変わってきたのではないかなと思います。コミュニケーションツールという話もございましたけれども、生活保護世帯でもみんな携帯を持ってそこから情報をやり取りをする。食べていなくても携帯は持っている。かつ、何か結構衣服も安く手に入るようになったのでいつもきれいな格好をしている。 百円ショップなんかでもお化粧品を買ってきれいに女子高生でもしているので、なかなか見た目すぐに貧困であるということはもう分からなくなってきた状況もあるかと思いますけど、時代の変遷とともにやはり貧困の在り方、支援の在り方というものをもう少しこういうふうに変えた方がいいのではないかという御意見ございましたら、お願い申し上げます。
○参考人(阿部彩君) 見えにくくなったというのは、恐らく様々な安価なものが大量に回るようになってきたということもあるかなというふうには思いますし、先ほど話に出たように、エンゲル係数というのが、もう食費が固定費としてあるわけではないというようなところで、そのほかのものが出てきたというようなところで見えにくいということは更にあるかなというふうに思います。 ただ、私が、ここ二十年ぐらい、私は主にデータを見ているんですけど、見ていて思うのは、貧困世帯が二代目になってきたのかな、三代目になってきたのかなというところなんですね。もちろん昔も貧困あったんですけれども、例えば、私は六〇年代生まれですけれども、六〇年代生まれの子供たちというのは、親世代はみんな戦中世代なんですね。なので、みんな厳しい状況に置かれていましたけれども、相対的貧困のような状況はなかなかなかったというふうに思います。 それが、今の子供たちというのは、一九九〇年とかの親を持っているんですね。なので、もう日本が右肩上がりだった時代を親世代さえも持っていない。親世代さえも自分が頑張れば何とかなるんだみたいなそういうような価値観を持たずに育ってしまったという世代が上がってきているので、これこそは階層化しているのかなと思いますので、そうすると、やはり貧困の心理的な影響というのがかなり厳しくなってくるというふうに思いますので、その質的なものがあるかなというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 終わります。
○会長(増子輝彦君) 平山佐知子さん。
○平山佐知子君 国民の声の平山佐知子です。 三人の参考人の皆様、貴重なお話をありがとうございました。 それぞれに伺っていきたいなと思うんですが、足立区のあだちプロジェクトを見させてもらいましたけれども、施策の二の学びの環境支援というところで、スクールソーシャルワーカーが様々な関係機関ですとか児童、生徒、保護者等、働きかけ、支援、そして連携、調整などを様々行っているというところがありました。 以前、この調査会でも私、問題提起をさせていただいたんですけれども、今、地域では貧困が見えにくい状況にある、また、本当に貧困のところに支援が行っているのかと心配な部分もあると。そういうときに、以前の調査会でも参考人の方に御意見いただいたんですけれども、そういうときにやはりプラットフォームになるのが学校であり、さらに、先生方は多忙を極めているので、そこで、活躍というか、活動をしていただきたいのがスクールソーシャルワーカーだという御意見をいただきました。 その後、私、いろいろ調べてみたんですけれども、全国のスクールソーシャルワーカーの配置割合を調べてみると、都道府県によっては最大三十倍を超える格差があるということで、要はまだまだ全国的な配置には至っていないということが分かりました。 そんな中、足立区では、以前いただいた資料の中に、二〇一五年度には経験者を三人、そして一六年度には六人、スクールソーシャルワーカーを採用していらっしゃるというふうに載っていましたけれども、秋生参考人に伺います。 その後、状況どうなったのかということと、スクールソーシャルワーカーが具体的にどういうお仕事をなさっていて、そのスクールソーシャルワーカーが入る前と入った後とどういう違いが見られるのかとか、もしそういうお話があれば聞かせてください。
○参考人(秋生修一郎君) スクールソーシャルワーカーは、国で一万人計画、中学校に一人で計画なさっていると思います。 うち、中学校は三十六校あるので三十六人ということになるんですが、財政的な問題も含めてそこまではなかなか難しいかな、せめて半分ぐらい欲しいかなというところで、現状は十五人雇っています。統括三人、統括以外が十二人という形で、中学校と小学校をセットにしたそこで一人というような形で配置しています。 どうしても現状では中学校の不登校対策の部分に中心が行っています。ただ、それだけではなくて、もちろん様々なそれ以外の問題にも取り組んでいただいているんですが、どうしてもその掛かるウエートの部分については中学校の不登校の部分が中心になっていると。当然、学習支援だとかそういうところへの促しだとかいうこともやっていただいています。 学校現場に実はスクールカウンセラーもおりますので、そことの役割分担だとか、学校現場がスクールソーシャルワーカーをどれだけ理解していただいてどうやって使うかというのを、成功事例を幾つか見せていかないとなかなか学校側も前向きに取り組んでいただけない部分、御理解が不十分な部分ございますので、そういう事例を見せることによって、中学校では、かなり来てというか、派遣依頼なりなんなりということが増えています。小学校でも、うちにも来てほしいんだけどなかなか人数的に厳しい、手間掛かって厳しいのねというような御意見はいただいていますので、少しずつ学校現場の理解は広がってきたかなというところです。 うちは区として非常勤ですけど雇っていますので、全国的に都道府県で雇って都道府県から派遣を受けるという形ではないので、そういう部分については動きやすいというところはございます。
○平山佐知子君 大切なポジションだと思いますけれども、やはり要望はあっても財政的にはなかなか厳しいのかなという、これがまあ全国配置にはなかなか至らないところなのかなというふうに、今伺っても思いました。 ありがとうございます。 続いて、山野辺参考人に伺いたいと思います。 矢吹町では、先ほどいただいた資料にもありますけれども、支援ネットワーク体制の構築ということで各関係機関との連携を取っていらっしゃるという、まあ足立区でもそうでしたけれども、連携をすごく取っていらっしゃるというお話がありました。 そこで、連携体制を拡充されて対応力を高めて適切な支援を図っていくということで、コーディネーターを置いていらっしゃるということを知りましたけれども、大体、そのコーディネーターというのは、どういう役割を果たして、どれぐらい配置していらっしゃるのか、またその効果など、もしあれば教えていただきたいと思います。
○参考人(山野辺幸徳君) コーディネーターについては、ちょっとまだ配置されていないです。今、人材、当たっているところでございます。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 それでは、逆に、スクールソーシャルワーカーについてはいかがでしょうか。山野辺参考人に伺います。
○参考人(山野辺幸徳君) スクールソーシャルワーカーにつきましては、矢吹町、中学校一校でございます。それに一人配置している状況でございます。 それで、不登校生徒やら、あと心のケア、さらには保護者の相談なんかを中心に請け負ってもらっているというところで、現場の声聞きますと、スクールソーシャルワーカーにつきましては、現在配置している先生は以前先生だった方でありますので、非常に、各小学校、中学校、幼稚園もですが、現場の先生も気心も知れていて情報もいろいろいただけるというところで、矢吹町のケースの場合ですと非常にいい人材が配置されているといったところでございます。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 そうすると、やはりコーディネーター的な役割もそこでスクールソーシャルワーカーの方が果たされているという、現状、そういうことになりますでしょうか。
○参考人(山野辺幸徳君) 現状から申しますと、要保護児童対策協議会のメンバーでもありますので、そういった役割を担ってもらっているというふうに思っております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 それでは、続いて阿部参考人に伺います。 こちらもやはり事前の資料で読ませていただいたんですけれども、貧困層の子供たちの多くが未成年で労働市場に送り込まれるという中、社会人のスタートをサポートする地域若者サポートステーションの重要性などをおっしゃっていました。私はその現状を余り知らないんですけれども、その現状とまた課題等がありましたら教えていただけますでしょうか。
○参考人(阿部彩君) 私も、そこは専門でないのでアンケート調査から見えてきたことだけしか申し上げられないんですけれども、多くの子供たちはそこに行き着いていないというのが現状かなというふうには思います。 また、労働市場でいろいろな問題を抱えるわけなんですけれども、それが問題だという認識がまずない。なので、ブラックな目に遭ってもそのままの状況になっているという状況になっているかなと思います。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 そして、今日は足立区そして矢吹町のお話を伺ってきましたけれども、どちらもやはり連携体制をすごくしっかり取っていらっしゃって、いろんな部署ごとにも連携を取っているというお話を聞きました。 なかなか、国でも地域でもそうだと思いますけれども、省庁間、いろんな縦割り制の中でそういう連携を取っていくという難しさというのは、私、感じているところもあるんですけれども、そういう中で、例えば縦割りの弊害とか、そんな中でのもしお考え、各地方自治体でもいいんですけれども、そういうふうに重要性とか難しさ等を含めてお考えがあれば御意見を聞かせていただきたいなというふうに思います。
○参考人(阿部彩君) 私は、やはり子供の実態を明らかにするといったような調査関係で自治体さんから御相談を受けることが非常に多いんですけれども、多くの場合が福祉分野からやってくるもので、福祉分野の方々というのは教育委員会の方とお話ができないという状況があり、ですので、子供を対象としたものなのに学校で配るわけにはいかなくて郵送にしなければいけないですとかいったような様々な問題もありますし、見えてきたことから様々な提案をさせていただいても、学校に関わるものについては書かないでくださいと言われることが正直なところすごくあります。 ですので、同じように子供関係ではあっても、同じ自治体の中であっても教育関係と子供福祉の部分が連携していなく、また、子供のアンケートの中から、例えば貧困層の子供は体力が、体を動かさないことがすごく多いんですけれども、そこで見てみると、その地域ですごく児童公園が少なかったりするわけなんですね。そうすると、その自治体さんにここの児童公園は何とかなりませんかという話をすると、それはもううちの局ではどうにもなりませんで終わってしまうということですので、足立区さんのように上のアンブレラの組織があると恐らくそれをトップダウンで様々な部署に浸透させていくことができるんではないかなというふうに思います。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 終わります。
○会長(増子輝彦君) 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。 他に質疑の希望のある方は挙手を願います。 石上俊雄君。
○石上俊雄君 民進党・新緑風会の石上俊雄でございます。 本日は、三名の参考人の先生、本当に貴重な話ありがとうございました。 先ほど岩渕委員からもお話がありましたが、二月の七日の本調査会の中で、子供をめぐる格差の取組というテーマでお話を聞く機会がありました。その中で、子供の貧困問題を解決する上で、NPOの皆さんが無料の学習塾とか子供食堂、これを全国に今展開されていて、数が増えているんだという話を聞きました。特に子供食堂につきましては、その取組の力が大きくて、全国的にその認知度も高まっているところでございまして、そこに国や自治体もこの動きを後押しする、そういうことで今取組がされているというふうにも認識しております。 しかし、そこの中で忘れてはいけないのは、国や自治体しかできない、こういう取組もあるんではないかというふうに思っていまして、それが給食問題、給食問題というか、給食格差の改善というのをしっかりやっていく、このことがあるのではないかというふうに思っています。 文部科学省が毎年行っております学校給食実施状況等調査の最新版、平成二十八年度調査によると、都道府県別の公立中学校における完全給食の実施率というのは、一〇〇%の都道府県から最低が二七・三%まで地域の偏りが出ているわけでございます。 ちなみに、中学校の完全給食というのは、主食、おかず及びミルク。このほかに三分類ぐらいされていまして、補食給食というのがおかずとミルク、さらにはミルク給食というのもあるというのを私知りまして、もう一つ、究極は給食なしということで、四つ、四分類されているというのを知ったところであります。 一方で、公立の小学校においては、これ、完全給食ほぼほぼ一〇〇%なわけでありまして、このことを考えていくと、中学においてこのばらつきというのは何であるのかなというふうに思いまして、改善されるべきものであるというふうに思うわけであります。 実際、給食のない中学校では、朝食を食べないで学校に行く、こういうお子さんに限ってやっぱりお弁当を持たないで登校する生徒さんが多いという傾向にある。それで本当に十分な栄養を取られているのかなという問題も深刻にあるというのをお聞きするわけであります。 全ての子供さんがしっかり食べてもらいたいというのは、多分皆さん同じ認識だというふうに思うんですね。ですから、こういうふうなことを改善していくべきではないかというふうに思うんですが、まずは、一〇〇%をやられている足立区の秋生参考人と矢吹町の山野辺参考人にお考えをお聞きしたいと思います。
○参考人(秋生修一郎君) 一〇〇%確かにやっておりますし、私が中学の頃ですかね、から始まっているので、もうかなり長いです。 給食については非常に大事だと思っています。特に、例えば夏休み明けるとよく痩せて子供が来るというところの部分もありますので、学校のある時期だけではなくて、長期休暇中の食をどうするかということが、今、少しずつですけど取組を始めさせていただいていますが、まだまだ試験的なものでしかないという状況です。 ただ、NPO云々といったときに、学校と違って安全性の担保をどこまでできるかと。今はマスコミ等も、注目浴びているのでプラスの表現での記事が多いですけれども、事故が起きれば百八十度変わるだろうということも含めて、どういう対策を取るかということについてもNPOやボランティア団体と少し話を始めさせていただいたばっかりというような状況になっています。
○参考人(山野辺幸徳君) 矢吹町の中学校の場合、完全給食というところで実施をしております。 給食につきましては、非常に、先ほどから言われているとおり、食育といいますか、朝食ですね、食べてこない子もいたりというところの問題もございますので、しっかりした食の提供を行政側も提供できればいいんですが、なかなかそういった朝御飯までの提供というところまでの考えには至っておりませんが、今後も給食については継続したことで進めてまいりたいというふうに思います。 専門的分野でなくて済みません。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 阿部参考人にお聞きしたいと思いますが、先ほど秋生参考人、山野辺参考人にお聞きした内容のところのばらつき、地域のばらつきをどういうふうにお考えで、やっぱりなくしていくべきだと思うんですが、それに対しての思いと、先ほど秋生参考人からもちょっとお話が出ましたが、小学校で給食があったとしても、夏休みとかどうするのか、学童保育などでそれ出すのかなというところについてもお聞きしたいなというふうに思いますし、小中学校で給食があったとしても高校生になったらこれ給食なくなってしまうわけでありまして、食生活格差というのは国、自治体レベルでどういうふうに考えたらいいのかなというところについてのお考えもちょっとお聞きしたいですし、さらには、先ほど山野辺参考人からちょこっとありましたが、朝食の提供というのをやっている自治体もあるというふうにお聞きするんです。さらに、アメリカでは、貧困の子供に対する学校朝食が政府プログラムとして存在するという話も聞くんですけれども、この辺は今後、その可能性として出てくるのか、この辺も含めてお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(阿部彩君) 給食の問題を取り上げていただき、ありがとうございます。私、今ここの部分を一番強く押している部分ですので、発言させていただいてうれしいです。 おっしゃるとおりに、給食というのはもう子供の最低限の生活を守るという意味で、それが給食があることによって学習にプラスにもなるというデータもありますし、給食があるところは高校の中退率が下がるといったようなデータもございます。ですので、学習面から見ても非常に重要だというふうに思われますし、先ほど紹介した栄養の調査で見ても、やはり小学生より中学校、中学生より高校生の方が食の格差は大きいんですね。それはまさに学校での何が提供されているかということにあるかなというふうに思います。 ただ、近年では、例えば、川崎市が給食に踏み切ったですとか、足立区さんのようにもう朝食プログラムをNPOさんの力を借りて始めていらっしゃるところ、又は給食無償化に踏み切った自治体さん、また学童保育で夏休みの間に給食を提供している自治体も今ございます。というようなところで徐々にこの問題に認識が広まっているかなというふうに思いますけれども、そもそものやはり非常に実施率が低い県ではそこがなかなか動かない、と政令自治体ですね、名前は申しませんけれども、というところがあるので、これを文科省さんに幾ら言っても、これは自治体施策ですのでこちらからは何とも言えませんといった状況になってしまうので、国会議員の先生方にそれぞれの地域で是非それを進めていただければなと思うところではございます。
○石上俊雄君 私も新潟県で生まれ育ったんですけど、当たり前のように中学の給食はあるものだということで、こちらの方に上京しまして娘っ子を横浜で育てており、ああ、これ言っちゃいけないな、ない地域もあるんだなというのを認識しまして、是非地域のばらつきというのはなくしていくべきだというふうに思いました。 ありがとうございました。以上で終わります。
○会長(増子輝彦君) 元榮太一郎君。
○元榮太一郎君 秋生参考人と山野辺参考人に伺いたいと思いますが、過去の調査会でも参考人から課題として指摘があったこととして、生活に困っている方々は必ずしも行政の窓口に来るわけではなくて、例えば生活保護などの福祉を受けたくないというような意思を持っている世帯とか、あとは、そもそもその相対的貧困に置かれているということを気付いていない、こういうような方もいるということで、困難を抱えているにもかかわらずその支援を受けていない人々がいるわけですが、こういうような方々を足立区と矢吹町はそれぞれどのようにして把握をしているのかという、具体的な施策を教えていただきたいと思います。
○参考人(秋生修一郎君) 行政の窓口、敷居が高いと言われます。それは、手続が面倒くさい、何かいろんなことを聞かれるんじゃないかということで、心の中での敷居が非常に高い、それは行政側も認識しなきゃいけないことだろうということで、先ほどの研修だとかいろんなものを通じて行政側の職員の意識改革というのが一つです。 もう一つ。地域で地域の子供を見守り、育てる。済みません、矢吹町さんみたいにある程度人の顔が見える自治体と、六十万いる自治体だと、人の顔がなかなか見えないという規模の自治体とやっぱり少しずつ違うんだろうと思います。うちでいうと、人の顔がすぐにはなかなか見えない。 そうすると、地域で地域の子供たちを見守り、育てる、そういうNPOなり子供食堂なり、子供食堂も、何も食事を食べさせるところだけではなくて、つながりを持つ意味がありますので、その中で行政への橋渡しをしてほしい、だからこそ長くやってほしいというお願いを差し上げて、地域の中で解決できる問題もあるんでしょうけれども、つながないといけないという問題のところについては是非役所につないでほしいと。 行政がそういう窓口に来ない人を一〇〇%本当に把握できるか。パーフェクトにできることは多分ないと思います。だから、その中をつないでいただけるのがやはり地域の力なんだろうということでございます。
○参考人(山野辺幸徳君) 困難な人をどんな形で把握しているかというところでは、私どもは小さな町ですので、福祉部門の方に近所からの通報だったりというところでは、民生委員という方の役割は非常に大きいなというふうに思っております。それと、幼稚園、保育園の園長先生との保護者との関係の中で、そういったことを園長先生に相談するケースということもございます。さらには、スクールソーシャルワーカーというところも、そういった手続の助言をしたりといったところで実例があります。そういった形で把握の方はしております。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 続きまして、阿部参考人にお伺いしたいと思いますが、先ほど中高生が社会実習的な意味も持たせた形でのインターンといいますか、アルバイトというものの可能性についてお話をしましたが、例えば、やはりブラック企業のようなところでいろんな意味で搾取をされてしまう、こういうようなことはあってはならないことだと思うんですが、ハローワークの生徒版というような形で、行政がそういう認定したり一定の条件を満たしたというような評価する企業とマッチングをして、それで、例えば、場合によっては農業とか漁業とか、そういう社会実習的な本当に経験につながるような、経験をしながらしっかり生活の糧も得ると。そうすると、水道光熱費も払えるし、何だったら塾の費用だったり、こういったような形に生かしていけると。 そして、理想的なお手本となるような、ロールモデルのような大人に出会い、いろいろな人生の目標を描くというようなことの意味では、そのブラック企業を除外するような体制整備というのは何かできるような気がしますので、私としては選択肢としてあってもいいのではないかなと改めて思ったわけですが、その点についての参考人の御意見を伺いたいと思います。
○参考人(阿部彩君) ありがとうございます。 そうですね、ブラック企業を排除するというのはまず第一歩かなというふうに思います。それに加えて、やはりお子さん自身の学力問題ですとか、進学をどうするのかといった進路相談を含めた、先ほどもお話の出てくるようなスクールソーシャルワーカーみたいな方々又はキャリアカウンセラーみたいな方々をしっかりと各高校に配置して、それで、本当、マンツーマンでアドバイスしながらといったものが必要ではないかなと思います。 そうでないと、とにかく働けといったふうになりがちになってしまわないかなというふうに思いますので、キャリアアドバイスと言った方がより良いのかなというふうに私は思いますので、それを上であればすばらしい取組だと思います。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 再び秋生参考人にお伺いしたいと思いますが、御説明の中で、足立区には、治安、学力、健康、貧困の連鎖という四つのボトルネック課題があると御説明がありまして、区内の二十三区内の刑法犯認知件数は二十三区ワースト一位とか、こういったような過去があったと。現状もそういう状態もあるかと思うんですが、そもそも、こういう足立区にこれらのボトルネック的な課題が生じた背景とか理由というものはどのように分析されているのかと。 つまり、この背景や理由を知っておけば、各地域でも同じ事態になることを未然に防げるのではないかなと思いましたので、御見解を伺いたいと思います。
○参考人(秋生修一郎君) 非常に難しい御質問をいただいたかなと思っております。そう簡単に分析できる問題でもないかなと。 ただ、私見を申し上げれば、長い歴史というか、足立区の町の成り立ちですとか、江戸四宿云々、今の東北の方から来てここで着替えて江戸に入ってというところに何が産業として起きるかだとか、そういうものの問題も含めての話に古くはなるだろうと。 それ以降については、前回の東京オリンピックの頃に、都営住宅、県営住宅を農地が広がっていましたのでたくさん建てる。交通がそんなに便利なところではなかったので、低所得者向けの都、県営住宅がいっぱいできるというようなことも背景としてあったのかなと。民生費の構成割合が高いというところも、東京都が一時期、国基準を上回る福祉基準を設定して一生懸命福祉に取り組んできた時代があります。足立区は言わば都県境でございますので、小さな川を渡ると足立区なんですね。すると、生活保護の級地、基準も当然違ってまいります。そういうものの中で、人の動きがどう動いたのかというようなことも含めて細かい分析をしないと一長一短に言える中身ではないかなと。 あくまで今申し上げたのは私の私見でございますので、分析したものではないということでございます。
○元榮太一郎君 ありがとうございます。 終わります。
○会長(増子輝彦君) 川田龍平君。
○川田龍平君 ありがとうございます。 私も、石上委員からの質問と同じように実は給食のことを聞こうと思っていたんですが、先ほど阿部参考人からも足立区の朝食の給食についてNPOの協力ということがありましたが、実はテーブル・フォー・ツー・メニューという、この議員会館にも、国会にもありますけれども、私たちが食堂で食べるときに、二十円を多く払ってヘルシーメニューを、その浮いた二十円をアフリカの子供たちに給食を提供すると。アフリカでは、子供が労働力として使われてしまっているので、朝食から実は給食を出すということで、学校へ行けば食べられるからということで学校に来させて教育を施すということもやっているということなんですが。実は私の出身大学で、母校の東京経済大学というところで今百円朝食というのをやっておりまして、父母の会と学生生協が協力をして、三百円の給食を学生は百円を出せば食べられるということで朝の朝食メニューをやっているんだそうです。 そういったことを多分NPOとかいろんなそういったところが協力すればできることもあるんではないかと思うんですが、実は上野委員と昨年視察をしたスウェーデンの学校では、十時とか三時とかそういったところにもこれはおやつも実は出ていて、学校でおやつを食べられる時間というのもあると。それは、やっぱりおなかをすかせたまま教育をするよりも、朝の時間にこういう給食を出したり、おやつの時間に食べるとか、アメリカでもリンゴを持っていったりとかいう、そういう間の時間に食べるということができるというのが、多分、日本だと何かそれがいかにも駄目みたいな風潮があると思うんですけれども、そこをやっぱり朝食で食べるとか、もっと、そのお昼の給食だけではなくて、先ほど定時制の高校の話もありましたが、給食をもっと食べられる時間をもう少し増やすというのはどのように考えるのかということで、自治体それぞれと阿部参考人からも御意見を聞かせていただければと思います。
○参考人(秋生修一郎君) うちの朝食の取組については、単に食事を提供するということだけではなくてというふうに考えています。 これは、たまたま篤志家の方がいらっしゃってウン百万出していただいて、学校は場所を提供して地域で調理を担当して、行政側は、我々の方でそれのサポート、メニュー作りだとかそういうところのサポートやアンケート取りのサポートをさせていただいています。給食室はやはり学校側からすると安全管理上使わせられないということで、家庭科室を借りて、一クラスずつ年何回かやらせていただいています。一学年二回ほど今のところはやらせていただいています。 これは、地域の人たちとそこで食べながら触れ合う。みんなで、孤食じゃなくてわいわいがやがや言いながら食べる。若い先生もたまに来たりとか、まあ毎回来ているかな、入れ替わり立ち替わり来ています。そういう触れ合いも含めて、何百万かいただいたもので、キッチンカーか何かで、ほいといって御飯だけ食べさせるんだったら、それもできなくはないかもしれませんが、そういう思考はうちはしなかったと。あくまで、つながりというところも含めて、食だけではないものも含めてを提供したいということで考えたところですので、これはまだ一か所しかできていません。当然ほかのところにも広げていきたいとは思っていますが、なかなかハードルは高いかなと思っています。 そのほかのおやつ等については、学童でも、いわゆるお菓子屋さんで売っているお菓子だけではなくて、学童に行くと虫歯が増えてしまう云々という声も、ほかの自治体のお母様方からですが、聞いたこともございますので、野菜をゆでて食べてみるだとか、実は公立の保育園では、ホットプレートを買ってそこで野菜を焼いて食べてみるだとかいう体験を通してのおやつなりなんなりという提供についても、単に食べるだけではなくてということでいろいろ工夫のしようはあるかなと思っています。
○参考人(山野辺幸徳君) 朝食の提供というところでは、現実的に矢吹町の場合、人だったりやっぱり財源というところでは実現が難しいのが現状かなというふうに思っておりますが、今後、どんな手法、やり方、検討する余地があるのかというところは協議してまいるというところが矢吹町の今の現状でございます。
○参考人(阿部彩君) 給食に関しては、もちろん朝食ですとかおやつですとかができればすばらしいなというふうには思うんですけれども、でも、プライオリティーとしては公立中学校でしょうというのがまずありますので、そこは何とかしていただきたいと思います。 給食出さないと就学援助費に給食費を出さなくていいんですよね。ということは、ほかの自治体に比べてそこの部分の保障も自治体はやらなくて済むんですよ。なので、ある意味では自治体からすれば物すごいお得なんですけれども、それは、でも子供の観点からすれば非常に大きな不利になってしまうということですので、是非、公立中学校、公立ですから、公立の中学校で義務教育なので、ここの完全給食一〇〇%を目指す。 それの後に、できれば私は高校のところをやっていただきたいなと思います。特に定時制は、基礎自治体ではなくて都道府県であったりするわけなんですよね。こちらは今縮小でどんどん廃止されています。ですので、給食がですね、一番必要な子供たちです、高校生で食の格差が一番大きくて、一番成長盛りで、一番食べたいときです。なので、給食目当てに学校に来るでもいいんだと思うんですね、定時制高校なんかは非常に中退率多いですから。なので、これを、教育という観点からもここを拡充するのは物すごく将来的にも便益にもなるかなというふうには思っております。
○川田龍平君 私も、そのときだけではなくて、将来的に、大人になってからも食べるものの中身がやっぱり非常にこの給食によって、こういうものを食育の中で、やっぱり食べるものを大人になっても気を付けるような、そういうことが将来的には健康とか医療とかにもつながってくると思いますので、是非給食を、できれば、神奈川県の給食でどこか、子供が食べないということがニュースになって、それは、二時間以上輸送してきて、その間冷蔵して持ってきて、それを温めないで提供していて本当にまずい給食をどこかで提供していたという町か村の事例がありましたけれども、やっぱりしっかりとした本当に子供たちが将来的にも味覚も育って、ちゃんと食育にもなって、地産地消でそれが農業を支えることにもなるような、本当に全てがウイン・ウインになるような給食の制度を、また貧困対策にもなるような給食制度をやっぱりこれは国として是非考えていく、自治体として考えていくということがすごく大事かなと思いましたので、御意見ありがとうございました。 ありがとうございました。
○会長(増子輝彦君) 他に御発言ございませんか。 薬師寺みちよさん。
○薬師寺みちよ君 先ほどちょっと時間がございませんでしたので、山野辺参考人にお伺いさせていただきたいと思います。 先ほどもございましたように、小さい自治体だからこそ人材が不足しているというところもございます。こういう助成金があったらいいんだがなとか、もうこういうふうに情報共有できるような協議体があったらいいんだがなというようなところでもし私どもに御要望等ございましたら、教えていただけますか。よろしくお願いいたします。
○参考人(山野辺幸徳君) 先ほども出ました就学援助費については、以前は国の補助金が入っていたかに思いますが、今、町としては一般財源というふうなところのルールになっていますので、そうした就学援助費の復活は是非ともお願いしたいなというふうには思っています。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 これもちょっと時間がなかったんですけど、阿部参考人、先ほど、ちょっと時代の変遷でというところ、様々のお話いただいたんですけれども、それとともに、私どもがやっぱり注意してしっかりと注視していかなければならないような視点というのがございますでしょうか。どうしても何か貧困ということになってしまうと、視点が固定化されてしまうような感じが私してなりません。 ですから、指標を定めるというのは、これはすごく必要な、一定の基準で評価するといった意味においては大事なことだと思いますけれども、そういう流れというものの中で我々というものが政治家としてしっかり持っておかなければならないような視点がもしございましたら、教えていただけますか。
○参考人(阿部彩君) 難しい質問ですけれども、貧困と似ているとは思うんですけれども、いろいろな指標が日本の中では平均値で語られるんですね。学力もそうですし、所得とかもそうですし、平均幾らであった。 今の日本は平均だと何も語られないなと私は思っておりまして、平均値ではなくて、一番下の一〇%の人たちというのが真ん中に比べてどれぐらいなのかといったような格差の指標で見ていただく。学力でも、所得格差でも、体力でも、全てです。全てについてそういう観点で見ていただければなと。そういうふうに統計も整備していっていただきたいなというふうには思っています。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 それをしっかり見える化していく、それで平均のいわゆる曲線があった場合に、しっかりと、本当だったら上と下を、除いてしまうような部分が一番本当は必要だということになりますですよね。 しっかりと統計学的にも我々が見ていかなければならないその指標というものも、もしこういった標準的な指標の中にも入れ込んでいただけるような仕組みというものがあればよろしいかと思います。例えば、これは標準的に取ってほしい、だけれどもこういうところにも注意してほしい。指標が二段階になっていると分かりやすいかなと思うんですけれども、そういう御意見ございますか。
○参考人(阿部彩君) 例えば、子供の貧困指標を国として制定していただいていて、一番最初の二十五の指標はかなり平均値の話だったんですけれども、新しく改定しようとなさっているのには、例えば学力なんかでも下の一〇%との格差ですとかいうのを入れていただいたりはしているかなというふうに思います。 ですので、全ての項目についてやはりそういった観点は必要かなというふうには思っています。というのは、フタコブラクダになっていきますと、結局のところ平均値動かないんですよね、フタコブラクダのラクダのこれがどんなに動いても。なので、実際日本の子供の状況はかなりフタコブラクダになってきているかなというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。参考にさせていただきます。 以上で終わらせていただきます。
○会長(増子輝彦君) 他に御発言はございませんか。──他に御発言もなければ、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。 一言御挨拶を申し上げます。 秋生参考人、山野辺参考人、阿部参考人におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表して心から厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十三分散会