国土交通委員会 第17号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2018/06/05
会議録
○委員長(長浜博行君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、吉田博美君が委員を辞任され、その補欠として羽生田俊君が選任されました。 ─────────────
○委員長(長浜博行君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省土地・建設産業局長田村計君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長浜博行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(長浜博行君) 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井正弘君 おはようございます。自由民主党の石井正弘です。 今日は、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案の質疑に立たさせていただきました。関係の皆様方に御礼を申し上げる次第でございます。 実は、私は沖縄及び北方問題に関する特別委員会の与党側の筆頭理事を務めておりまして、その関係もありまして、本日は、かりゆしウエアで質問させていただきます。非常に快適で涼しいこのウエアでございまして、是非とも御答弁も簡潔にして明瞭なお答えをいただけますればと願っているところでございます。 それでは、早速質問に入らさせていただきたいと思います。最初の質問ということでございますので、まず最初に、大臣にこの法案の全体の必要性についてお伺いいたしたいと思っております。 いただきました資料によりますと、国土交通省におかれましての二十八年度の地籍調査における所有者不明土地、この実態、数字が挙がっているところであります。皆様も御承知かと思いますが、不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地の割合、これが大体二〇%程度であると。そして、それを検索をして調査して、それでもなお最終的に所有者不明土地となってしまう割合が〇・四一%であると。このようなデータが出ているようでございます。 最初の二〇%ということになりますと、九州の面積を超えるような、しかもこれを放置しておきますと北海道の面積を超えるだろうと、このような報告書も目にしたところでございまして、こういった実情からしますと、この問題というものは、非常に今現在、社会経済上におきましても大きな課題となっているということが理解できるわけでございます。 そこで、まず最初に、大臣の方からお答えいただきたいんですけれども、所有者不明土地がこれだけ増加してきた背景とか要因というものをどのようにお考えなのか、そして、公共事業とか民間の開発事業、こういったところでどういったことが障害になっているのかといった点も触れていただきまして、本法制定のその背景とか必要性、こういったことにつきましてお答えをいただきたいと存じます。
○国務大臣(石井啓一君) 人口減少に伴う土地利用ニーズの低下や地方から都市等への人口移動を背景といたしました土地の所有意識の希薄化等によりまして、不動産登記では所有者の氏名や所在が分からない土地、いわゆる所有者不明土地が全国的に増加傾向にありまして、将来的にはこれが更に増加すると指摘をされております。 このような所有者不明土地につきましては、公共事業や民間事業者による市街地再開発事業など、官民を問わず様々な場面で所有者の探索に膨大な時間、費用、労力を要し、事業計画の変更を余儀なくされたり、事業の実施そのものが困難になるといった問題に直面をしております。 このため、国土交通省といたしましては、所有者不明土地の利用の円滑化を図るため、公共事業のために土地を収用する場合の手続の合理化、公園や広場など地域住民のための公共的事業に一定期間の使用権の設定を可能とする制度の創設、所有者の探索を効果的に行うための仕組みの構築等を内容といたします本法案を提出をさせていただいたところでございます。
○石井正弘君 御答弁ありがとうございました。 そこで、具体的に法案の中身に入ってまいりたいと思いますけれども、所有者不明土地を円滑に利用する仕組みといたしまして、大きく分けて二つの今回提案があるわけでございます。一つは、先ほど大臣がお触れになりました利用権を設定する、いわゆる地域福利増進事業の創設ということであります。このこと自体は、今のこの法律、必要性の理由、背景等について大臣がお答えいただきましたとおり評価できるところでありますけれども、ただ、この設定範囲とか運用方針、これは明確でなければならないと思います。 そこで、まず、具体的に、対象事業はどのようなものを具体的に考えているのか。法案の第二条三項第八号、九号、政令ということに委任しているようでありますが、どのようなものを想定しておられるのか、局長の方から説明を願いたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 地域福利増進事業の対象となる事業につきましては、生活環境の向上など、地域住民の共同の福祉又は利便の増進を図る事業で一定期間の利用後に原状回復が可能なものとして、具体的には公園、広場、駐車場、仮設道路、仮設園舎などを想定しております。 その上で、御指摘の二条三項八号の政令につきましては、活用ニーズを踏まえつつ、購買施設や教養文化施設などを定めることを想定しております。また、第二条三項九号の政令で定めるものは、活用ニーズを踏まえつつ、一般乗合旅客自動車運送事業の用に供する施設、いわゆる路線バスの停留所や折り返し場所、車庫などを定めることを想定しております。
○石井正弘君 具体的な現在の案ということでお話を頂戴したわけであります。 少しこれで、さきの具体的な質問にもう少し、続きということで進めさせていただきたいと思いますが、NPOとか民間の企業も当然この事業の対象、主体になり得るわけだと思いますが、こういったNPO、民間企業におかれましては、途中で倒産をしたり、あるいは途中で採算等の問題等々があって撤退といったこと等もあり得ると思うわけでございます。 二十四条で原状回復等の義務、履行ということも規定をされているようでありますけれども、いろいろ将来を考えますと懸念も想定されるわけでありますけれども、こういった場合はどのように対応する予定なのか、説明を願いたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 御指摘のとおり、地域福利増進事業の実施主体には公的主体のみならずNPOや民間企業も含まれるため、事業実施主体が倒産や撤退するということも考えられます。 この点につきましては、都道府県知事は、裁定申請があった際に、まず、資金計画が事業を確実に遂行するために適切か、それから事業者が事業を遂行する十分な意思と能力を有しているか、さらには土地を原状に回復するための措置が適正かつ確実に行われると見込まれるか等を確認をすることとしております。このように、まず事前に十分な確認を行うことによりまして、使用権の設定後、御指摘のような事業者の撤退、倒産による事業の継続や原状回復義務の履行がなされない事態に陥ることがならないよう制度の運用に努めてまいります。 その上で、もし仮に事業者の倒産等により地域福利増進事業が実施されなくなった場合には、都道府県知事により裁定が取り消され、事業者に原状回復義務が発生することとなります。この場合、事業者が原状回復義務を履行しないときは都道府県知事が事業者に原状回復を命ずることになり、事業者が当該命令に違反した場合は一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金の対象としております。 さらに、事業者が原状回復命令に従わない場合や原状回復を命ずべき事業者を過失なく確知することができない場合には、都道府県知事が事業者に代わって自ら原状回復を行うことも可能です。なお、この場合には、地方公共団体が当該事業者に対しまして原状回復に係る費用に相当する債権を有することとなります。
○石井正弘君 分かりやすい手続を説明いただきましたが、なるべくそういう事態にならないように、最初に決めるときに慎重な対応というものが重要かと思います。ただ、一方で、地域にとっては非常にニーズが高い様々な地域福利増進事業でありますので、柔軟な対応ということも必要かと思うんですけれども。 以上、そのような議論を踏まえながらも、できるだけ運用する地方公共団体に対しまして具体例を示した運用指針、いわゆるガイドライン的なものですね、これを示すべきではないかと考えておりますが、それにつきましてはどのように考えておられますでしょうか。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 御指摘のとおり、地域のニーズに応じて新制度を柔軟に活用していくためには、新制度において大きな役割を担う地方公共団体等に対しまして新制度を十分に周知し、着実に普及促進を図ることが重要と考えております。 このため、国土交通省としては、地方公共団体による新制度の柔軟な活用にも資するよう、新制度の基本的な考え方を示した基本方針や、より具体的な内容を盛り込んだガイドラインの整備、地方公共団体等に向けた説明会の開催に取り組んでまいります。また、各地方整備局に地方公共団体や法務局、関連する士業団体等から構成される協議会を設置し、新制度を含めた関連制度の周知等を行ってまいります。加えて、個別の地方公共団体からの要請に応じて所有者探索のノウハウを有する国の職員を派遣するよう努めること等により、きめ細やかな支援を行ってまいります。 以上のような取組を通じまして、地域のニーズに応じて新制度が柔軟に活用されるよう、その周知や公共団体の支援に積極的に努めてまいります。
○石井正弘君 是非そういう方向で具体的に地方公共団体と連携、あるいは助言あるいは支援といったことを考えていただきたいと思います。 次に、所有者不明土地を円滑に利用する仕組みのうち、もう一本の柱が公共事業における収用手続の合理化、円滑化というところであります。 これにつきましては、実は、先般、五月三十一日、参考人質疑がありましたけれども、その際、嶋津参考人から意見が表明されておりまして、私自身は今回のこの改正案、よく理解できるところでございますが、一方で、嶋津参考人の意見によれば、収用委員会の裁決というものを不要にして、都道府県知事がこの裁定をして権利取得裁決等を行うといったこと、これにつきまして、第三者である、公正中立な立場である収用委員会ではなくて、言わば事業を推進する立場でもある知事が事業認定をする、裁定をする、こういうことに対しまして問題があるのではないか、言わば恣意的な収用につながりかねないのではないか、こういったような懸念の声もあったところでございます。 これにつきまして、私有財産保護との関係で問題はないのかどうか、改めて局長からの説明を求めたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 土地収用法に基づく収用裁決の申請に当たりまして、過失なく権利者を確知できない場合には、裁決申請書に当該権利者を記載せず裁決申請をし、補償を受けるべき権利者を不明としたまま収用委員会の裁決を受けることが可能です。これをいわゆる不明裁決と呼んでおります。 この不明裁決によりましてこれまでも所有者不明土地の取得は行われてまいりましたが、所有者不明土地は建築物が存在せず利用されていないものも多く、このような土地はその補償額の算定が容易であるにもかかわらず収用委員会の裁決を求めなければならないこと、それから、所有者不明土地は共有地が多く、判明している権利者が一切反対していないにもかかわらず、一人でも不明所有者がいる場合には審理手続を行わなければならないことといった実質的に意義のない手続を行わなければならないという課題があります。 このため、今般、簡易なものを除き建築物が存在せず利用されていない所有者不明に限りまして、反対する権利者がいない場合には、収用委員会ではなく都道府県知事の判断により、審理手続を経ずに土地を取得することができることとする措置を講じたものでございます。 また、このような特例措置は、都道府県知事による裁定を行う前に、現行の土地収用法と同様の事業認定により、その事業のために土地を収用等することが認められるだけの公益上の必要があること等につきまして国土交通大臣又は都道府県知事による確認を受けていることを必須としております。 また、本特例の対象となる土地を、簡易なものを除き建築物が存在せず利用されていない所有者不明土地に限定しているため、個別性の強い建築物の補償や移転料、営業補償の算定が不要であることから、収用委員会並みの補償算定に関する専門的知識は不要であること。さらに、明示的に反対する権利者がいないことを手続的に担保するため、公告縦覧を行った上で、権利者が異議を申し出た場合には申請を却下することとしていることから、審理手続による権利者からの意見聴取は不要であること。都道府県知事が行う裁定は適切な補償内容を決定するための手続でありますが、都道府県知事は、この裁定を行うに当たり、あらかじめ補償金額について収用委員会の意見を聴くこととしていること。さらに、都道府県知事が事業を実施する場合についても、例えば道路を整備する部署などの事業を直接担当する部署とは異なる部署が裁定の事務を担当することを基本方針等において定めること。以上のような理由から、恣意的に土地の収用等がなされるおそれはないものと考えております。 以上でございます。
○石井正弘君 丁寧な説明をいただきました。是非とも慎重にしてそして適正な手続を進めていくことによって、この法律、法改正の狙いであります収用手続に要する期間がこれによって約三分の一短縮できるということでありまして、関係者は大いに期待していると思いますので、その点よろしくお願いをいたしたいと思います。 また、これに併せて地籍調査の促進等も是非進めていくべきだと、こう考えておりますが、時間の関係がございますので、この次の質問に入りたいと思います。 今回の様々な法案における対策、法務省の方でも具体的に措置を今回法案に入れておられるわけでありますけれども、全体としては、現下の状況に対応した、言わば対症療法的な措置を現下の状況に合わせてやっていこうと。これはこれとして評価ができるわけでありますが、この所有者不明土地、この発生を根本的に抑制をしていく、問題を抜本的に解決をしていこうと、こういう観点からの議論というものも大変重要かと思います。 私ども自由民主党の方では、所有者不明土地問題に関する特命委員会を設けまして、何回も何回も関係者のヒアリングを重ね、我々関係議員が集まって議論を重ねてまいりました。そして、その結果、その提言を先日まとめたところでございまして、この提言、これを参考にされながら、先般、閣僚会議が、先週金曜日でございますか、六月一日、開かれまして、基本方針あるいは今後のこれに関する工程表、これが示されたと、このように我々としては承知しているわけでございます。非常に大きな課題、特に法務省関係では民事基本法制の見直しなどが入っている、大きな課題がここに掲げられているわけでございまして、是非これを議論を進めていただきたいと思います。 その立場に立って、まず、その中の一点、不動産登記の義務化等について法務省の見解をいただきたいと思います。 この問題は非常に大きな問題であります。ただ、議論は避けて通ることができないと、こう考えておりまして、現在、御案内のとおり、表示登記、これは義務化に既になっております。ただ、十万円以下の過料、これを適用した事例というものはないと、このように承知をしているわけでございまして、こういったことから考えて、法律で義務化するのであれば、実効性のあるそういう法改正でなきゃいけないのではないかと、こう考えておりまして、保存登記を義務化といったことを考える場合、様々な課題があろうかと思うんです。 様々な各界の有識者の方々が新聞報道とかあるいは論文等でこれにつきまして意見を述べておられます。なかなか学者の皆さんの中では、登記されたかどうかということをどうやって監視するのか、あるいは、不作為の行為ということに対して処罰をするということであればその調査等コストが非常に掛かるのではないだろうか、あるいは、費用対効果と言ってはなんですけれども、いわゆるこの処罰をされることによって掛かる過料、それと登記に関係する費用、これとのバランスによって登記というものがなかなか進まないといったような様々な議論が出ているわけでございます。 そういったことから考えると、なかなかこの義務化へのハードル、決して低くはないのではないかと、こう考えているわけでございますが、この登記の義務化、法務省における現時点での検討状況をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。 所有者不明土地が生ずる要因の一つとして相続登記がされないことがあり、その対応策として、相続登記を義務化すべきであるとの指摘がされているところでございます。 そこで、法務省におきましては、相続登記の義務化の是非を含む登記制度、土地所有権の在り方等につきまして研究会において検討を進めているところでございます。研究会におけるこれまでの議論におきましては、ただいま委員から御指摘がありましたとおり、相続登記がされない様々な要因についての分析を進めておりまして、また、仮に相続登記を義務化するとした場合には、その実効性をどのように確保するのかといった点が重要な課題の一つとされているところでございます。 この相続登記の義務化につきましては、これも紹介がありましたように、今月一日に開催されました関係閣僚会議で決定された基本方針におきまして、相続等が生じた場合に、相続登記の義務化等を含め、これを登記に反映させるための仕組み等を検討し、来年二月を目途に具体的方向性や検討課題を幅広く提示するとされたところでございます。 法務省におきましては、この基本方針に基づいて引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
○石井正弘君 非常に、従来の法制審の慎重な議論と比べますと、かなり迅速に議論を進めていこうと、このような御方針を承りました。是非この問題につきまして、大いに国民的な議論を進めていただきたいと願っております。 もう一つは、義務化ではなくて、要は登記を促進していくための誘導策といいましょうか、こういったものも検討していくべきではないかと、こう考えておりまして、また、これは、登録免許税の減免ということで登記を促す、そういう政策もあるのではないかと思います。 相続の際に、遺産分割協議、これは時間が掛かるという実態に鑑みまして、まずは法定相続分によって登記を行う、そしてその後、協議が一定期間掛かると思いますけれども、その協議が調い次第、遺産分割に基づく登記を行うという二段階の登記を進めていくという方法もあるのではないかと、こう考えるわけでありますが、そうすると二回分の登録免許税が掛かってしまいまして、相続による登記が不動産価格の千分の四、移転の登記は千分の二十、この二回分の登記というものを、税の減免を行うと登記の促進にもなるのではないかと、こういうことで具体的に提案をさせていただきますが、いかがでございましょうか。
○政府参考人(筒井健夫君) 法務省におきましては、ただいま委員から御指摘がありましたように、法定相続分による相続登記がされた後に遺産分割が行われた場合に関しては、例えば登記手続を簡略化することができないかといった課題につきまして研究会において検討を進めております。この検討におきましては、簡略化によってコストを低減すべきであるとの意見もあるところでございます。 法務省といたしましては、このような登記手続の簡略化について、それに要するコストの点も考慮しながら、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
○石井正弘君 まさにコストの低減ということが非常に登記の促進には効果的ではないかと思いますので、是非前向きな検討を期待をするものであります。 もっと大胆にいけば、例えば相続時において、一年以内に相続登記をした場合はもう登録免許税の免除を行うといったような大胆な提言も不動産関係学会等からの提言ということであるようでございますので、こういった点も是非参考にしながら、これは税の問題でございますから、我々党税調でも議論してまいりますので、先の課題ということで検討を是非お願いをいたしたいと思います。 そこで、時間の関係がございますので、もう一つ大きなこの基本方針の中に載っております課題、それは土地所有権の放棄についての問題だと思います。是非これも検討すべきだと私は考えているわけであります。 特命委員会のヒアリングを行ったことを申し上げましたけれども、増田寛也さんからはこの所有権の放棄制度の提言というものがございました。日本司法書士連合会さんからも、その受皿機関の設置等が課題である、このような意見表明もありました。土地の準公有化論、これを増田さんからも、報道等で承知をしたわけでございますが、提言をされておられます。 ドイツの事例として、ドイツの民法には土地所有権の放棄の手続が明記されていると、こういう報道にも最近接したところでございます。 法務省におかれましては、今回の基本方針を受けられまして検討を進められると思いますが、ただ、最近の新聞記事を見ておりましてもいろいろ意見が分かれているようでございますが、いずれにいたしましても、放棄できる土地の要件とか、放棄の際の所有者の負担が必要かなどの詳細を詰めていくという大きな課題があろうかと思います。 これらの課題を踏まえながらも、土地所有権のこの放棄の問題につきまして、現在、法務省としてお考えのその今の状況をお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(筒井健夫君) 所有者不明土地の発生を防止する方策の一つといたしまして、ただいま委員から御指摘がありましたように、土地を手放すことができる制度を導入すべきであるとの提言でありますとか、ドイツにおける土地所有権の放棄制度を紹介する報道等がされていることにつきましては承知しているところでございます。 法務省におきましては、土地所有権の放棄を認める制度の創設の是非につき研究会において鋭意検討を進めておりまして、六月一日に公表されましたこの研究会の中間取りまとめにおきましても、放棄の要件や放棄された土地の帰属先の在り方など、今後更に検討を進めるべき課題が整理されたところでございます。また、関係閣僚会議の基本方針におきましても、土地所有権の放棄を含め、土地を手放すことができる仕組みについて検討を進めることとされたところでございます。 法務省といたしましては、この基本方針や研究会における議論を踏まえ、土地所有権の放棄を認める制度の創設につきまして、平成三十年度中の法制審議会の諮問を目指して、引き続き関係省庁と連携してしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
○石井正弘君 この問題は、確かに法制審において大きな課題として議論をするということ、それも理解できますけれども、現下の状況に鑑みましてなるべく審議を円滑に、また迅速に進めていただきまして、是非一定の結論を早急に得ていただきますように期待をさせていただきたいと思います。 それでは、最後に大臣に、今、法務省さんからも幾つかこれから将来の課題ということで御説明を頂戴したわけでございますが、この関係閣僚会議で決められました基本方針、この中に国土交通省関係分につきましても幾つか具体的に項目が取り上げられているわけでありまして、土地所有に関する基本制度の見直しとか地籍調査等の着実な実施、所有者不明土地の円滑な利活用、こういった点が項目として挙がっているようでございます。 この国土交通省関係分につきましてのこれからの取組方針を大臣から御説明を願いまして、私からの質問を終わらさせていただきたいと思います。 大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 六月一日に開催されました関係閣僚会議で決定をされました基本方針に基づきまして、国土交通省といたしましては、まず、本法案が成立をいたしましたら、新制度の施行に向けまして、ガイドライン等の整備や地方公共団体への支援体制の構築等を行ってまいります。 加えて、土地所有に関する制度の基本となる土地基本法等を見直しまして、土地が適切に管理をされ利用されるために所有者が負うべき責務について、それを担保するための方策と併せて検討をしてまいります。 また、土地利用の基礎データとなります地籍調査の迅速化のため、平成三十二年度から始まります第七次国土調査事業十箇年計画の策定と併せまして、国土調査法等を見直しをしてまいります。 国土交通省といたしましても、引き続き関係省庁と連携をいたしまして、所有者不明土地対策を推進してまいりたいと考えております。
○石井正弘君 大臣、ありがとうございました。 これから検討を進められるということでございます。私は、以前、土地基本法の法案審査を担当した法制局参事官でございまして、基本法をこれから改正を検討されるということでございます。その際には私もしっかりと協議をさせていただきたいと、このように考えるものでございます。 御答弁いただきまして誠にありがとうございました。 終わります。
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。 本日は、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案について質問をさせていただきます。 質問に入る前に、海上保安庁について一言、冒頭述べさせていただきます。 昨日、海上保安制度創設七十周年の記念式典が、天皇皇后両陛下の御臨席の下、安倍首相、それから衆参両院議長を始め石井国交大臣が出席して盛大に開催をされました。先月十九、二十の両日には観閲式、総合訓練も行われ、私も観閲式、記念式典の両方に出席をさせていただいたところであります。 昭和二十三年に海上保安庁が船出をして、初代の大久保長官から現在の第四十四代の中島長官に至る歴代長官の下で、やはりこの海上保安庁の職員の皆様が我が国の領土、領海を七十年にわたり守り抜いてきたこと、改めて深い敬意と感謝の念を感じた次第であります。 昨年十二月の本委員会での初質問の際、海上保安庁の体制強化を訴えさせていただきましたけれども、現在、政府もこれに一貫して取り組んでいただいておりますけれども、我が国の周辺海域を取り巻く厳しい環境を考えればまだまだ十分とは言えませんので、引き続き、この海上保安庁の体制整備、体制の強化を着実に進めていただきたいことをお願い申し上げまして、本題の質問に入らせていただきます。 現在、我が国が直面しているこの所有者不明土地の問題というのは、人口減少、超高齢社会という日本社会の大きな変化の中で、不動産登記など我が国の土地制度の在り方そのものが問われる大変大きな喫緊の課題となっております。 例えば、東日本大震災の高台移転事業におきましても、用地買収の際に相続未登記の土地が存在することで復興の遅延を招く事態もありました。通常なら数か月で処理できる案件というものが一年近く掛かったというケースがあったとも聞いております。また、熊本地震におきましても、相続手続が長期間放棄された所有者不明土地というものが支障となって、道路やのり面の復旧工事が震災からもう二年以上が過ぎてもいまだに着工ができていない、そういう事業もあると聞いております。 このように、所有者が分からず、その土地を利用したくてもできないという事態に対処するために、今回の法案には所有者不明土地の利用を促進していく新たな対策が盛り込まれております。 この本法案の意義については、五月三十一日の本委員会での参考人質疑でも、吉原参考人が本法案について、極めて重要な一歩と強調されていたとおりであります。もちろん、これは様々な所有者不明問題に対する初めの一歩という位置付けのものではあります。 ただ、二〇二五年には団塊の世代が全員七十五歳以上となり、近い将来、相続多発時代がやってくると言われる中で、今後この所有者不明の土地を増加させないための抜本的な取組、対策等が必要不可欠となってまいります。政府も、一日の関係閣僚会議で、所有者の責務の明確化など、土地制度の抜本的な見直しを掲げて二〇二〇年までに必要な制度改正をするなどとの方針を打ち出しております。 今後、政府として、所有者不明土地に係る様々な課題に対して可能な限りの手を打っていく、そういう必要があると考えますけれども、本日は、今回のこの利用円滑化特措法案に関して、自治体等の皆様からも是非分かりやすく周知徹底してほしいという声も聞いておりますので、この基本的なことを国土交通省と法務省に質問、確認をさせていただきたいと思います。 そこで、まず、この所有者不明の土地について、国としてこれまでどのような対応をしてきたのか、そして、なぜこのタイミングで今回の法案の提出になったのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 所有者不明土地につきましては、東日本大震災からの復興に際し、所有者の探索に多大な時間、労力等を要したことが契機となりまして、公共事業の円滑な執行の妨げになるといった問題が認識されてきたものと考えております。 また、全国的にも、国土交通省の直轄事業におきまして、平成二十年頃から用地取得を困難とする要因として所有者不明土地が第一の要因となるなど、所有者不明土地の利用の円滑化が課題として認識されてきております。 今後、高齢化や人口減少が進み、相続の機会が増加すれば更に所有者不明土地が拡大していくと見込まれ、その対策が喫緊の課題となっております。 このため、東日本大震災からの復興に当たり、用地取得対策として、事業認定手続期間の短縮など、被災地に特化した用地取得の加速化のための措置を行いました。 また、平成二十八年三月には、所有者探索の方法や所有者が不明である場合の解決方法について、実務に携わる担当者向けに所有者探索の円滑化等に資するガイドラインを取りまとめました。 さらに、昨年六月に、いわゆる骨太方針において、必要となる法案の次期通常国会への提出を目指すと位置付け、昨年九月から国土審議会に特別部会を設置し十二月に中間取りまとめを行うなどの取組を重ね、今般、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案を国会に提出したところです。
○竹内真二君 ありがとうございます。 次に、本法案の目玉とも言えます利用を円滑化するための仕組みについてお聞きしたいと思っております。 所有者不明土地を利用するための制度としては、現在も土地収用法の不明裁決制度が利用されているところですが、その手続には大変時間を要する、使い勝手が悪いと、こういう声も上がっております。 この地方自治体などが行う公共事業に関して、現行の土地収用法の不明裁決を利用した場合と今回新設される土地収用法の特例を利用した場合、活用した場合とでは、事業の迅速性、それから自治体の負担軽減などの面でどのように改善をされるのか、分かりやすく説明をお願いいたします。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 地方公共団体が行う公共事業につきましては、土地収用法の不明裁決制度により、これまでも所有者不明土地の取得が行われてきました。 所有者不明土地は、建築物が存在せず、利用されていないものも多く、このような土地は、その補償額の算定が容易であるにもかかわらず収用委員会の裁決を求めなければならないこと、所有者不明土地は共有地が多く、判明している権利者は一切反対していないのにもかかわらず、一人でも不明所有者が存在する場合には審理手続を行わなければならないことといった実質的に意義のない手続を行わなければならないという課題があります。 このため、今般、建築物が存在せず利用されていない所有者不明土地に限り、反対する権利者がいない場合には、収用委員会ではなく都道府県知事の判断により、審理手続を経ずに土地を取得できることとする特例措置を講じ、手続の合理化を図ることとしております。また、本特例措置では、審理手続を不要としたことに伴い、不明裁決制度では審理手続の円滑化のため作成される土地調書及び物件調書についても作成を不要としております。 本特例措置の効果については、現行では、収用手続に移行してから収用委員会の裁決までの期間は、国土交通省の直轄事業における事例を基にした試算によれば三十一月となっておりますが、所有者探索の合理化等を併せて図ることによりまして期間を約十か月程度短縮し、約三分の二の二十一月にすることを見込んでおります。また、これらの手続の合理化によりまして、地方公共団体の事務負担にも大きく寄与するものと考えております。
○竹内真二君 かなり期間が短縮されるということなので、是非よろしくお願いいたします。 今回、この土地収用法の、ただ、特例が措置されたとしても、地方の小規模自治体などでは、ノウハウを有する職員が少ない、また制度が利用されないのではないかという懸念もあります。そこで、この土地収用法の特例が活用されるよう、国として地方自治体に対して具体的にどのような支援を行っていくのか。 そこで、提案なんですけれども、地方自治体の職員等に向けて国土交通大学校の研修科目等にも新たに追加するといった措置を講ずることもできないのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 新制度を円滑に運用するためには、新制度において大きな役割を担う地方公共団体に対して的確に周知し、着実に普及促進を図ることが重要です。 このため、国土交通省としては、本法の円滑な施行に向け、ガイドライン等の整備や地方公共団体等に向けた説明会の開催等に取り組んでまいります。また、各地方整備局に地方公共団体や関連する士業団体、法務局などから構成される協議会を設置し、新制度を含めた関連制度の周知や所有者探索に関するノウハウの共有、構成員による講習会の開催等を行ってまいります。 さらに、本法に基づき、地方公共団体から国土交通省に対して、所有者探索に関する専門的な知識を習得させる必要があるとして派遣職員の要請があった場合には、所有地探索のノウハウを有する職員を派遣するよう努め、各地方公共団体ごとにきめ細やかな支援を図ってまいります。 加えて、御指摘をいただきました土地収用法の特例を含め本法案の内容につきましては、国土交通大学校における地方公共団体等向けの研修のカリキュラムに追加してまいります。 以上のような取組を通じて、新制度が活用されるようその周知や公共団体への支援に積極的に努めてまいります。
○竹内真二君 研修科目に追加していただけるということで、是非よろしくお願いいたします。 次に、土地収用法より幅広い目的のために所有者不明土地を利用することができるよう、この本法案で創設をすることとしております地域福利増進事業についてお聞きします。 この事業は公益性の高い事業に対して利用権を与えるものですが、どのような事業を対象にどのようなことができるようになるのか、これも分かりやすく御説明いただけないでしょうか。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 地域福利増進事業は、本法案において地域住民その他の者の共同の福祉又は利便の増進を図るために行われる事業と定義をしており、その対象となる事業は法令で限定列挙しております。具体的には、生活環境の向上など地域住民の共同の福祉又は利便の増進を図る事業で、一定期間の利用後に原状回復が可能なものを対象としております。 今般の新制度により、所有者不明土地に十年を上限とする使用権を設定し、公園や広場などを整備することができるようになります。 なお、事業主体は限定せず、民間事業者やNPOなど幅広い主体が新制度を活用できることとしております。
○竹内真二君 この点に関してもう一点、この公益性の担保ということについては、手続上はどのように行われていくのでしょうか。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 事業が地域住民の福祉又は利便の増進に資するかどうかという点につきましては、都道府県知事が確認をすることとしております。 具体的には、事業者は、裁定申請書に裁定申請をする理由として、地域における課題、事業実施による効果など事業の必要性や公益性を示す内容を記載するとともに、事業計画書に事業により整備する施設の種類、利用条件等を記載することとし、都道府県知事は、これらの書類に基づいて、地域の実情を把握している関係市町村長の意見を聴いた上で、事業が地域住民の共同の福祉又は利便の増進に資するかどうかを確認することとしております。 また、事業者は、裁定の申請前に事業の内容について住民の意見を反映させるための措置を講ずるよう努めることとしておりまして、これにより地域住民の福祉又は利便の増進に資する事業となるようにしております。 これらの手続によりまして、申請のあった事業が地域住民の福祉又は利便の増進に資することを担保することとしております。
○竹内真二君 次に、やはりこの所有者不明土地を利用しようというときに、自治体等にとっても必ず高いハードルとなっているのが所有者の探索の問題であります。 まず、この所有者の探索については具体的にどのような点が課題となっているか、その認識をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 所有者不明土地については、公共事業用地の取得など様々な場面で所有者の探索に膨大な時間、費用、労力を要し、事業計画の変更を余儀なくされたり、事業の実施そのものが困難になるといった問題に直面をしています。 所有者の探索については、固定資産課税台帳など有益な所有者情報にアクセスできず探索が非効率になっている、それから、地元精通者や海外の県人会等への聞き取りが多大な労力を要するにかかわらず、地縁の希薄化等を背景に情報を得られにくくなっているといった点が課題となっております。 このため、公簿に基づく調査については固定資産課税台帳等を利用できるようにするとともに、聞き取り調査につきましては親族等の合理的な範囲に対して行うこととしました。 このように、所有者探索に関する従来の基本的な考え方を変更することなく、社会経済情勢の変化を踏まえ、より効果的な探索を行うこととしております。
○竹内真二君 この所有者の探索に関しては、公簿による調査について所有者の情報を利用できるような制度を創設されるということなんですけれども、具体的には、誰が、どのような場合に、どのような情報を利用することができるのか、御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 今般創設する所有者情報の利用及び提供に関する措置により、行政機関が公共事業及び地域福利増進事業の実施の準備のために、一つ目には、所有者情報を行政機関内部で利用できる、それから、所有者情報の提供を地方公共団体に請求できる、さらに、当該土地に物件を設置している者等に所有者情報の提供を請求できるということになります。これによりまして、事業を実施する地方公共団体が固定資産課税台帳や地籍調査票に記載された所有者の氏名や住所を利用することができるようになります。 また、地域福利増進事業等を実施しようとする民間事業者やNPOなどが事業の実施の準備のため、所有者情報の提供を地方公共団体に請求することも可能としております。これにより、事業を実施する民間事業者等が固定資産課税台帳や地籍調査票のほか、住民票や戸籍に記載された所有者の氏名や住所を利用することができるようになります。 なお、地方公共団体が所有者情報を民間事業者等に提供しようとする場合には、個人情報保護の観点から、台帳等に記載されている本人に情報提供の可否について確認し、その同意を得なければならないこととしております。
○竹内真二君 次に、法務省の方に伺いますけれども、探索というのは利用主体が行うべきものですけれども、小規模自治体など探索のマンパワーが足りないというケースもあるものと考えられております。 そこで、この本法案において設けられております、登記官が長期間相続登記等がされていない土地について探索を行う特例に関連して聞きたいと思うんですけれども、この長期相続登記等の未了土地に関する不動産登記法の特例というのはどのように探索の合理化につながるものなのか、さらに、本制度の導入によって事業実施の円滑化にどのような効果をもたらすのでしょうか、お聞きします。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。 本法案における不動産登記法の特例は、登記官が、登記名義人が死亡した後長期間にわたり相続登記等がされていない土地について、亡くなった方の法定相続人など所有権の登記名義人となり得る者を探索した上で、職権で、長期間にわたり相続登記がされていない旨などを登記に付記することができるなどとするものでございます。そして、その探索の結果として得られました登記名義人となり得る者の情報は、登記所に備え置くことを予定しております。 公共の事業を実施しようとする地方公共団体等におかれましては、この登記官の探索結果を閲覧するなどしてこれを活用することにより所有者探索の合理化を図ることができ、事業実施の円滑化に寄与することになるものと考えております。
○竹内真二君 この特例では対象というものが長期相続登記等未了土地に限定されているわけですけれども、それ以外の土地については今後どのように相続登記を促進していくのでしょうか。
○政府参考人(筒井健夫君) 御指摘がありましたように、本法案における不動産登記法の特例の対象は、長期間相続登記等が未了となっている土地に限定されております。 法務省では、これまで、相続登記の促進のため、市町村窓口における広報用リーフレットの配布の依頼、法定相続情報証明制度の創設、一定の相続登記について登録免許税を免除する特例措置の新設等の取組を行ってきたところでございます。 また、相続登記の義務化の是非を始めとする登記制度、土地所有権の在り方等につきましては、研究会において検討を進めているところでございます。 相続登記の促進のための取組につきましては、今月一日に開催された関係閣僚会議で決定されました基本方針におきまして、登記制度、土地所有権の在り方について検討し、来年二月を目途に具体的方向性や検討課題を幅広く提示するとされたところでございます。 法務省におきましては、この基本方針に基づいて、引き続き、相続登記の義務化を含め、相続登記の促進のための具体的な施策について検討を進めてまいりたいと考えております。
○竹内真二君 じゃ、もう一問だけ法務省にお伺いしますけれども、この所有者不明土地は、利用したくてもできないというケースのみならず、所有者が不明であるがゆえに適切な管理がなされず、周辺に悪影響を及ぼしているケースも多々あると思うんですね。 そこで、この所有者不明土地については、利用の円滑化を図るだけではなくて適切な管理を図るべきと考えますけれども、本法案における民法の特例制度ではどのような対応が取られているのか、効果も含めて御説明を願います。
○政府参考人(筒井健夫君) 民法には、不在者の財産又は相続財産の管理人を家庭裁判所が選任する制度がございますが、その選任の請求をすることができるのは、現行法上、利害関係人又は検察官とされております。しかし、例えば、ごみの不法投棄や雑草の繁茂などにより所有者不明土地が周辺に悪影響を与えている場合など所有者不明土地を適切に管理する必要性が高い場合に、地方公共団体が利害関係人として財産管理人の選任請求をすることができるかどうかは必ずしも明らかではなく、この点につきましては、地方公共団体からも選任請求権の明確な付与を求める要望がございました。 このような要望も踏まえまして、本法案におきましては、所有者不明土地の適切な管理のために特に必要があると認める場合に、地方公共団体の長等が財産管理人の選任の請求を行うことができることとする民法の特例を設けております。これによりまして、公益的な理由から管理の必要性が認められる所有者不明土地につきましても、より円滑に民法の財産管理制度を利用することが可能となるものと考えられます。
○竹内真二君 冒頭も申し上げましたけれども、この所有者不明土地問題という喫緊の課題で、所有者不明土地の利用の円滑化や適正な管理を図る本法案の重要性は大変大きいと考えますが、より抜本的な対策、大変重要な課題であると思います。この問題解決に当たっては、土地所有権や登記制度の在り方など財産権の基本的な問題等に立ち返って、土地に関する基本制度についての根本的な検討を政府一体となって行う必要があると思いますけれども、特に今後、所有者不明土地の発生を抑制する方策等、解決を図る方策についての検討というのは、国土交通省のみならず、法務省など関係省庁との緊密な連携が不可欠となっております。 そこで、最後に、石井大臣の今後に懸ける意気込みをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 所有者不明土地の発生抑制や解消に向けた抜本的な対策につきましては、登記制度や土地所有権の在り方等と深く関連をするため、関係省庁が連携して検討することが必要であります。六月一日の関係閣僚会議におきましても、所有者不明土地問題につきまして、抜本的な解決策が必要であり、土地の所有に関する基本制度に踏み込んで、期限を区切って検討を行っていくことが確認をされたところであります。 国土交通省といたしましても、六月一日に決定をした基本方針に基づきまして、法務省など関係省庁と連携をしつつ、土地所有者の責務の在り方など土地所有に関する基本制度の見直し等につきまして検討し、本年度中に具体的な方向性を提示してまいりたいと考えております。
○竹内真二君 ありがとうございます。 やはりこの所有者不明の土地の問題というのは、私の住んでいる横浜市においても、例えば公共事業を行うときなどに既に問題として発生しておりまして、例えば、これからはマンション建設、大規模な集合住宅等の建設の際にも、なかなか、そういう建て替えとか売却等の際にもこれから大きな課題になっていくと思いますので、対応を今後よろしくお願いいたします。 以上で終わります。
○羽田雄一郎君 国民民主党・新緑風会の羽田雄一郎でございます。本日も質問に立たせていただきました。 超高齢社会や人口減少を迎えた我が国において、土地に関する国民の意識も変化をしてきております。その中で特に注目を集めているのが所有者不明土地の問題であります。 この問題については、当該土地を取得、利用しようとする際に所有者の探索等に多大なコストや時間を費やすことが強いられているという現状があり、更なる高齢人口の増加ということを考えると、今後多くの相続が発生することにより、所有者不明土地が一層増加することが懸念をされております。 このような中、本法律案による施策は、所有者不明土地問題に係るその利用の円滑化ということで、あくまでも当面の対策ではあるものの、早急に取り組むべき政策課題であると認識しておりますが、この際、確認すべき点について質問をしていきたいというふうに思います。 まず、所有者不明土地の実態把握の状況について確認させていただきたいと思います。 平成二十八年度の地籍調査に基づいて国土交通省で調査をしたところ、不動産登記簿上で所有の所在が確認できない土地の割合は二〇%程度になっております。その一方、行政の場合では、不動産登記簿上で判明しなくても戸籍や住民票などを手掛かりに探索をすることが可能であることから、最終的に所在不明土地は〇・四一%となっています。 この二〇%と〇・四一%の差はかなりのものになりますけれども、そもそもこの二〇%と〇・四一%というそれぞれの数値について現状どのような認識を持っているか、お伺いをいたします。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 御指摘のとおり、平成二十八年度の地籍調査を行った約六十二万筆において、不動産登記簿により所有者の所在が判明しなかった土地、すなわち広い意味での所有者不明土地の割合は筆数ベースで約二〇%となっており、また、市町村による所有者探索の結果、最終的に所有者の所在が判明しなかった土地の割合は筆数ベースで約〇・四一%となっております。 約二〇%の広い意味での所有者不明土地については、探索をすれば所有者が判明するケースも多数含まれているものであり、全てが直ちに問題というわけではないものの、公示機能を有する登記簿の記載と実際の土地所有権にずれが生じていること自体は、言わば所有者不明土地の予備軍という観点から大きな問題を持つ数字であると認識をしております。 また、最終的に所有者の所在が判明しなかった土地の割合は約〇・四一%と減少しておりますが、所有者の探索に当たって膨大な時間、費用、労力等を要していることに加え、現在はこの程度の数値にとどまっているものの、今後何らの措置が講じられない場合、相続等の機会が増加する中でこの割合が増加するおそれが高いと考えられることといった点が大きな課題であると認識をしております。
○羽田雄一郎君 次に、所有者不明土地の全国的な増加は、具体的にどのような現場でどのような支障が生じているのか。公共事業の用地取得、円滑な土地利用、私道や空き地の管理など、様々な分野で多岐にわたるのではないかと想像しますけれども、御説明を願います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 所有者不明土地については、公共事業用地の取得など様々な場面で所有者の探索に膨大な時間、費用、労力を要し、事業計画の変更を余儀なくされたり、事業の実施そのものが困難になるといった問題に直面しています。 例えば、明治時代の登記のまま相続登記がされておらず、相続人多数となり、かつ一部相続人が特定できなかったため、公共事業のための用地取得に多大な時間と労力を要した事例もあります。 また、地方公共団体において、広場等としての利用の意向がある土地について、一部の土地が相続登記されておらず、所有者の所在が不明となっているため、樹木の伐採や利用の方針を立てることができないといった事例もあります。 さらに、土地に家電製品等が大量に投棄されているが、所有者の所在が把握できないため、不法投棄なのか保管をしているのかを確認ができず、自治体で処分ができないといったような周囲に迷惑を掛けるような事例もございます。
○羽田雄一郎君 初めに伺った所有者不明土地の実態把握における二〇%と〇・四一%の開きを少しでも埋め、所有者を特定することが難しい土地について地域の実情に応じた適切な利用や管理を図ることができるように本法律案が提出されたと認識しておりますけれども、具体的にどのような仕組みが構築されることにより、どれだけの期待される効果が得られるのか、御説明を願います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 本法案においては、まず、委員御指摘の約二〇%と〇・四一%の開きを埋めるということで、この解消に資する仕組みといたしまして、長期間相続登記等が未了となっている土地について、登記官が所有権の登記名義人となり得る相続人等を探索し、登記の申請をすることを勧告する制度を設けております。 また、約二〇%から約〇・四%に至る過程で実施される所有者の探索について、現状膨大な時間、費用、労力を要しているため、これを効果的に行うための仕組みとして、所有者の探索における聞き取り調査の対象について、親族等の合理的な範囲への限定、固定資産課税台帳などの有益な所有者情報の利用等の規定を設けております。 さらに、探索を行っても所有者が判明しない約〇・四%の土地については、これを円滑に利用するための仕組みとして、公共事業のための収用手続の特例、地域福利増進事業に係る一定期間の使用権の設定等の規定を設けております。 これらの仕組みによりまして、不動産登記簿だけでは所有者が判明しない土地、これが二〇%ということですが、この土地を減少させるとともに、最終的な所有者不明土地、約〇・四%までの探索をスピードアップさせた上で、最終的な所有者不明土地、約〇・四%に該当するところですが、それの利用の円滑化が期待されるものと考えております。
○羽田雄一郎君 次に、地域福利増進事業について、その主体は国、地方公共団体のほかにNPO等の民間事業者も対象とされておりますけれども、また、その対象事業は法令で明確に規定することとされているところでありますけれども、どのような基準で対象事業が選定されてくるかということを伺わせていただきます。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 地域福利増進事業は、本法案において、地域住民その他の者の共同の福祉又は利便の増進を図るために行われる事業と定義をしており、その対象となる事業は法律に明記をしております。 具体的には、収用適格事業のうち、生活環境の向上など地域住民の共同の福祉又は利便の増進を図る事業で、一定期間の利用後に原状回復が可能なものを対象としております。事業主体は限定しておりません。具体的には、公園、広場、駐車場、仮設道路、仮設園舎などを想定をしております。 また、収用適格事業には当たりませんが、地域住民の共同の福祉又は利便の増進に資する施設であって、かつ周辺地域で不足しているものや被災地で整備されるものにつきましても、そういった点に公共性を認めて対象としております。具体的には購買施設や教養文化施設などを想定しております。
○羽田雄一郎君 地域福利増進事業の利用権の設定期間について、中間取りまとめでは、「一定の探索を行った上で公告を行っても所有者から申出がないなどにより、不明者が現れる可能性が低い土地について、最低五年間程度の一定期間の利用権を設定する。」との記述がされております。 しかし、この期間について、法案ではその上限を十年にするということになっていますけれども、その結論へと至った背景、理由について説明をお願いしたいと思いますし、また、設定期間に関してほかに類似の事例があれば紹介していただきたいというふうに思います。
○政府参考人(田村計君) 御指摘のとおり、国土審議会特別部会の中間取りまとめにおきましては、使用権の存続期間につきまして、最低五年間程度の一定期間とされていたところです。 この点、処分の権限がない者が設定する民法の短期賃貸借の期間の上限が五年間となっておりますが、地域福利増進事業の使用権につきましては、一つには、地域福利増進事業は一定の公益性を認められた事業であること、所有者を探索するための措置を尽くすことから、不明所有者が事後的に現れる蓋然性が低いこと、現に利用されていない土地であり、不明者が積極的な利用意向を持っている可能性が低いこと、不明者は賃料相当の補償金を受け取り、原状回復された状態で土地の返還を受けることができることから、不明所有者の財産的な損失は生じないことなどから、より長期の存続期間とすることが許容され得るものと考えております。 また、一方で、事業者の使い勝手にも配慮し、借地借家法における事業用定期借地権の下限の期間が十年とされていること等も踏まえ、存続期間の上限を十年としたものであります。
○羽田雄一郎君 特定所有者不明土地の収用又は使用に関する土地収用法の特例に関して、法案第三十二条において、都道府県知事は、裁定申請をした起業者が事業を実施するため必要な限度において、特定所有者不明土地の収用又は使用についての裁定をしなければならないものと規定しておりますが、このような特例を設けることによって具体的にどのようなメリットが誰に対して生じるのか、御説明を願います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 今回の土地収用法の特例においては、簡易なものを除き建築物が存在せず利用されていない所有者不明土地に限り、反対する権利者がいない場合には、収用委員会でなく、都道府県知事の判断により審理手続を経ずに土地を取得できることとしております。 このように、所有者不明土地の収用手続の円滑化、合理化が図られることから、本特例により、公共事業を実施する起業者にとりまして事業の迅速かつ円滑な実施に寄与するということが見込まれるものと考えているところであります。
○羽田雄一郎君 土地の所有者の効果的な探索のための特別の措置として、法案第三十九条では、都道府県知事及び市町村長は、地域福利増進事業等の実施の準備のための土地所有者等を知る必要があるときは、その探索に必要な限度で、その保有する土地所有者等関連情報を内部で利用することができるものとすると規定されております。 この場合の情報として具体的にどのようなものの活用が想定されているのか、また、情報が増えることによって所有者探索の労力がどの程度軽減されると見込んでいるのか、確認をさせていただきます。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 今般創設する所有者情報の利用等に関する措置により、都道府県知事及び市町村長は、公共事業及び地域福利増進事業の実施の準備のために所有者情報を行政機関内部で利用できることとなります。 具体的には、市町村が地域福利増進事業等を実施しようとする場合に、事業を実施しようとする区域内の土地について、固定資産課税台帳や地籍調査票に記載された所有者等の氏名、名称、住所又は連絡先といった情報を活用することを想定しております。 このように、これまで利用できなかった公簿情報について今回新たに利用することができるようになるため、その効果を定量的にお示しすることは困難ではございますが、固定資産税情報等の活用につきましては、指定都市市長会から御提言をいただいた事項でもあることから、所有者の探索に関する負担の軽減に相当程度つながるものと考えております。
○羽田雄一郎君 ありがとうございます。 次に、所有者不明土地の発生の要因の一つとして相続登記されていないことが挙げられていることを踏まえると、長期間にわたり相続登記等がされていない土地の解消に取り組むことは大変重要であるというふうに考えます。そして、そのようなおそれのある土地について相続が発生しているかどうかを確認し、相続が発生している場合には、相続人となり得る者を調査し、その者に相続登記を促すことは所有者不明土地の利用の円滑化のために有効であると考えますが、具体的に公共事業における用地取得等においてどのような効果が期待されるのか、見解を伺わせてください。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。 本法案における不動産登記法の特例でございますけれども、これは、登記官が、登記名義人が死亡した後長期間相続登記等がされていない土地につきまして、亡くなった方の法定相続人など所有権の登記名義人となり得る者を探索した上で、職権で長期間相続登記がされていない旨などを登記に付記するとともに、相続登記の申請を促すことができるとするものでございます。そして、その探索の結果として得られた所有権の登記名義人となり得る者に関する情報は、登記所に備え置くことを予定しております。 公共事業を実施しようとする地方公共団体等におかれましては、この登記官の探索結果を閲覧するなどしてこれを活用することにより所有者探索の合理化を図ることが可能となり、公共事業の用地の取得等が円滑化することが期待されるところでございます。
○羽田雄一郎君 本法に基づいて所有者不明土地の円滑な利活用や管理をするための措置、また、所有者探索円滑化のための措置が実施されたとしても、それが効果的に利用されないのでは仕方がありません。特に、規模の小さな市町村においては、制度等の利用のノウハウや人的資源のいずれもが不足している状況にあるのではないでしょうか。このため、制度の見直しや創設などを行った場合には、新たな制度の理解や利用に資するマニュアル等を作成し、広く周知する必要があります。 そこで、地方自治体のノウハウや人的資源が不足していることに鑑み、国土交通省には所有者不明土地への対応を経験した者によるサポート体制を構築するなど必要な支援体制の整備が求められると認識しておりますけれども、具体的にどのような施策を講じようとしているのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 御指摘のとおり、新制度を円滑に運用するためには、新制度において大きな役割を担う地方公共団体や関係する専門家等に対して新制度を周知し、着実に普及促進を図ることが重要です。 このため、国土交通省としては、本法の円滑な施行に向け、運用に当たっての具体的な考え方や手続の詳細等を基本方針、ガイドライン等において明らかにした上で、地方公共団体に向けた説明会の開催等に努めてまいります。また、各地方整備局に地方公共団体や関連する士業団体、法務局などから構成される協議会を設置し、新制度を含めた関連制度の周知等を図ってまいります。 さらに、本法に基づき地方公共団体から国土交通省に対して、所有者探索に関する専門的な知識を習得させる必要があるとして職員派遣の要請があった場合には、所有者探索のノウハウを有する職員を派遣するように努め、各地方公共団体ごとにきめ細やかな支援を行ってまいります。 これらの取組を通じまして、新制度の円滑な運用を図るとともに、地方公共団体の支援に積極的に努めてまいります。
○羽田雄一郎君 次に、土地が放棄された場合の受皿づくりについてお伺いをしてまいりたいと思います。 中間取りまとめにおける更なる検討課題の一つに、「土地所有者の責務、土地の放棄やその受け皿について」とあり、そこでは、土地を持つことが負担となる場合も存在しており、責務を検討する一方で、その責務を果たすことが負担となる場合に放棄したり寄附したりすることが可能となるような受皿についても、受皿となる主体に当該負担が転嫁されることによる影響に配慮しながら併せて検討することが必要であると記されております。 この傾向は人口減少に悩む地方圏で特に顕著な課題ではないかと認識しておりますけれども、一方で、この課題を克服することが容易でないと想像されることから、国土交通省としてもその検討には相当の時間を要するのではないかと思われます。 そこで、土地が放棄された場合の受皿づくりについての具体化に向けた場合の克服すべき課題について、見解を伺わせていただきたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 人口減少、高齢化の進展や、地方から都市等への人口移動を背景とした土地の所有意識の希薄化などにより、所有者不明土地のみならず、使う目的のない土地が増加することが懸念されており、そのような土地の受皿を地域でつくるべきであるという声があることは承知をしております。 しかしながら、土地を手放すということについては、民法上明文の規定がなく、また確立した最高裁判所の判例も存在しないため、その可否については議論が分かれるところであり、現在、法務省の研究会におきまして検討が進められているものと承知をしております。 土地を手放すことができる仕組みにつきましては、手放すことができる土地の要件、手続の在り方、手放された土地の帰属先など、検討すべき点は多岐にわたるものと考えております。その中でも、特に当該土地の管理コストを誰がどのように負担していくべきなのかということが大きな課題の一つとなるものと考えております。 国土交通省といたしましても、六月一日に関係閣僚会議で決定した基本方針に基づきまして、法務省など関係省庁と連携しつつ、引き続き検討を深めてまいります。
○羽田雄一郎君 所有者不明土地の発生予防の在り方について、お伺いをさせていただきたいと思います。 本法律案による諸施策は、あくまでも当面の対応というレベルにとどまっているというふうに理解をしております。平成二十九年十二月に国土審議会土地政策分科会特別部会が公表した中間取りまとめでは、所有者不明土地の発生予防について、所有者不明土地は相続時に登記がされない等の理由により生じるものであるとして、所有者不明土地を増加させないためには、人口減少など土地利用の前提となる社会状況の変化を踏まえた上で、その発生を予防する仕組み、放棄された土地の管理責任の所在など、土地所有の在り方等について抜本的な検討を行う必要があると指摘をされております。 そこで、国土交通省として、当面、まず取り組むべき課題についてどのように認識をしているか伺わせてください。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 委員御指摘の所有者不明土地の発生抑制や解消に向けて、国土交通省としては、土地の管理や利用に関して所有者が負うべき責務や、その責務の担保方策、地籍調査に関し、一部の所有者が不明な場合を含めて、調査を円滑かつ迅速に進めるための措置や、地籍調査等の過程で得られた情報の利活用の促進策といった課題について検討を深める必要があるものと認識をしております。 六月一日に開催された関係閣僚会議におきましても、これらの課題について期限を区切って検討を行っていくということが確認をされたところであります。
○羽田雄一郎君 最後に、大臣にお聞きをさせていただきたいと思いますが、所有者不明土地問題への今後の取組については、実効性のある登記制度の確立や土地利用者の視点に立った土地所有者の在り方などの見直しなど、これらの課題は恐らく法務省を中心として検討がされるというふうに認識しておりますけれども、国土交通省においても、本法律案の提出にとどまらず、これまで手付かずであった課題についても取組を強化する必要があると考えます。 そこで、今後の取り組み方について、関係省庁とどのように連携して検討を進め、具体的な施策の方向性を示すことを目指そうとしているのか、国土交通大臣に決意を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 所有者不明土地問題への今後の取組につきましては、土地所有者の責務の在り方など所有者不明土地の発生抑制や解消に向けた抜本的な対策に関するものでありまして、関係省庁が連携して検討することが必要であります。 六月一日に開催されました所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議におきましても、所有者不明土地問題について抜本的な解決策が必要であり、土地の所有に関する基本制度に踏み込んで、期限を区切って検討を行っていくことが確認をされたところであります。 国土交通省といたしましては、土地所有に関する制度の基本となる土地基本法等を見直しまして、土地が適切に管理され、利用されるために所有者が負うべき責務について、それを担保するための方策等を併せて検討してまいります。 また、土地利用の基礎データとなる地籍調査の迅速化のため、平成三十二年度から始まる第七次国土調査事業十箇年計画の策定と併せ、国土調査法等を見直しをしてまいります。 国土交通省といたしましても、引き続き、関係省庁と連携をいたしまして、所有者不明土地対策を推進をしてまいりたいと考えております。
○羽田雄一郎君 終わります。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 法案について伺います。 いわゆる所有者不明土地が発生し、増加をしていくことは、土地の管理や利用において様々な課題を生じさせ得るものです。対策が必要だと考えます。 しかし、本法案には、そもそも所有者不明土地の発生を抑制したり解消したりという仕組みは入っておりません。公共事業における収用や利用権設定など、専ら利用を促進する手段を導入するもので、今日既に他の委員の皆さんや政府からもありましたが、抜本的なこの所有者不明土地問題の解決については、今まさに検討が進められ、これからその方向が示されるという段階です。私は、本来は、この抜本的な解決の方向性示された上で利用促進についても検討されるべきではないかと考えます。 その上で、この法案では、収用手続で使用権を設定したり、また、地域福利増進事業のために利用権設定を行ったりすることが計画されていますが、この場合にも、所有者不明土地自体はそのまま残り続けるわけです。先日の参考人質疑では、吉原参考人から、利用権設定というものは問題の根本解決にはなりません、こういう指摘もありました。 使用権や利用権を設定した所有者不明土地が半永久的に所有者不明土地となり続けることについて、本法案では何らかの手続があるでしょうか。御答弁お願いします。
○政府参考人(田村計君) 本法案におきます地域福利増進事業による使用権の設定につきましては、所有者不明土地について所有権を取得まではせずに使用することができることとするものであります。 本法案において、地域福利増進事業の使用権が設定された場合に所有権を取得する仕組みは設けてございません。
○山添拓君 ですから、そのまま、所有者不明土地のまま残り続けるということです。 今度の法案による利用権設定において、これ、長期間使用し続ける場合、補償金を供託する仕組みとなっておりますので、所有の意思が認められません。民法上の自主占有とはならず、したがって時効取得は認められないかと思います。そうなりますと、事業者としては、実質的に占有を続けて時効取得を狙う方がむしろ得策だと、こう考えて、あえて利用権設定という手続を取らないということも想定されるかと思います。 この点は吉原参考人も指摘をされていた点ですが、大臣、この点はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 御通告ではもう少し踏み込んだ御質問をいただいておりましたので、ちょっと答弁が。 地域福利増進事業の使用権につきましては、不明者が現れた際の権利行使に配慮をいたしまして、利用方法も暫定的なものとなることを想定をしているところでございます。
○山添拓君 踏み込んだ通告をという話がありましたけど、これ、そのまま将来的にも残り続けるということでよいのでしょうか。将来的には所有権そのものについて何らかの手当てが必要になってくるんではないでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 使用期間の延長により長期間の平穏な利用がなされることが考えられ、そのような不明者が現れる可能性が極めて低い場合におけます使用権の在り方につきましては、不明者の持分である所有権を取得できる方策を含めて、引き続き検討が必要と認識をしております。 民法による時効取得と類似する制度となる可能性もあるため、実際の制度運用の状況や、法務省における土地所有権の在り方の議論と整合を取りながら検討することが必要と考えております。
○山添拓君 御答弁ありましたように、やはりその所有権の仕組みそのものをどう考えるかということが本来は根本的な問題として残されているということかと思います。 本法案で特に問題だと考えますのが、公共事業における収用手続の特例を認めて、所有者不明土地について事業認定後の収用委員会による裁決手続を省略するという点です。憲法二十九条が保障する財産権は、正当な補償の下で初めて公共のために用いることができるものです。公共事業のために土地を収用するというような最も直接的な財産権の剥奪の場合には、事業認定における公共目的の設定も、また収用裁決における補償の妥当性の担保も、いずれも重要な手続です。 そこで伺いますが、そもそも土地収用法上の権利取得裁決や明渡し裁決の手続において、収用委員会による公開審理が必要とされている趣旨は何でしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 土地収用法第六十二条におきまして、収用委員会の審理は原則として公開しなければならないものと定められております。 原則公開としております趣旨は、公開の場で起業者や土地所有者等の双方の主張を尽くさせることにより、補償の対象の確定及びそれに対する補償金の確定等に当たりまして公正な審理を期することにあると考えております。
○山添拓君 権利者の保護を行うという観点から、補償の内容について意見があるような権利者が現れた場合には、その意見を聞く機会をきちんと与えて、そして補償額の算定などについて専門性を持っている収用委員会が慎重に判断を行うためかと思います。 現行の土地収用法にも、先ほど来お話ありますように、不明裁決という制度があります。登記の調査、登記名義人への照会、戸籍や住民票の調査などによって起業者が努力をしても所有者を知ることができない場合には、所有者等を空欄にして裁決申請を行うことができます。 資料をお配りしておりますが、二〇一六年度の実績によれば、所有者不明土地について不明裁決の対象とした件数は三十六件、不明裁決全体の約六二%で収用裁決全体の二三%と、一定の利用があるようです。 不明裁決の申請を受けた収用委員会は、その土地が本当に所有者不明かどうかについて、どのような調査を行うんでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 不明裁決の裁決申請に当たりまして、起業者が土地所有者等の氏名や住所を過失なくして知り得なかった場合、その場合には、起業者がどのような調査を行ったのか、委員から御紹介ございましたように、戸籍簿や住民票の確認や関係者への照会等、どのような調査を行ったのかということを疎明をする書類を添付する必要がございます。収用委員会は、この提出をされた書類等に基づきまして、その起業者の調査が十分であるか否かの確認を行います。この調査が十分であるというふうに判断をいたしました場合には、収用委員会が不明裁決を行うということになります。 また、裁決申請書は、この添付書類も含めまして二週間公衆の縦覧に供されて、その間に土地所有者等は意見書を提出することができることとされております。そうした意見書が提出された場合や、あるいは土地所有者等が審理における主張等があった場合には、更なる調査によりまして真の権利者を確知できる可能性があるというふうに収用委員会が判断した場合などについては、収用委員会は自ら調査を行うということとなっているところでございます。 なお、こうした取扱いにつきましては、平成二十六年五月にガイドラインを発出をいたしまして周知を図っているところでございます。
○山添拓君 最終的には、第三者的な立場で収用委員会が自らの責任で確認を行うということでした。 所有者不明土地について本法案による土地収用法の特例を用いる場合、起業者が都道府県知事に提出する裁定申請書に、特定所有者不明土地の所有者の全部又は一部を確知することができない事情を記載することとされております。 都道府県知事はその土地が所有者不明土地に該当しないと認めるときは申請を却下しなければならないわけですが、では、都道府県知事は所有者不明土地に当たるかどうかについてどのような探索、調査を行うのでしょうか。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 土地収用法の特例による裁定の申請があった場合、都道府県知事は、申請の対象となる所有者不明土地の所有者の全部又は一部を確知することができない事情、すなわち所有者不明土地と認められるために行うべき探索が適切に行われたかどうかにつきまして確認をすることとしております。 具体的な事業者が行うべき所有者の探索方法につきましては、登記事項証明書の交付を請求すること、住民票、戸籍、固定資産課税台帳等の書類に記載された情報の提供を求めること、一定範囲の親族等に照会をすること等を定めることを想定をしております。 これらの探索が行われたかどうかにつきまして、都道府県知事が裁定申請書により確認をすることになります。
○山添拓君 つまり、先ほどの収用委員会による手続と違いまして、所有者不明土地に当たるかどうかは基本的には起業者が判断をして、都道府県知事は自らの責任で確認をするわけではありません。そもそも、都道府県知事は、収用委員会と違って第三者的な立場でもありません。自ら起業者として申請することもある立場です。このことは嶋津参考人からも指摘があったとおりです。ですから、探索すれば判明するのに、所有者不明だとして収用裁決を省略してしまうということもこれはあり得るということです。 不動産登記法の特例について伺います。 本法案によれば、登記官は、三十年以上相続登記等がされていない土地について職権でその旨を所有権の登記に付記することができるとされ、これは、その土地を使いたいと考える起業者の側からの求めによって行うこととされております。 この付記がされた土地というのは、本法案の二条一項に言う所有者不明土地に該当するのでしょうか。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。 ただいま御指摘がありました本法案の二条一項に規定する所有者不明土地とは、相当な努力が払われたと認められる方法により探索を行ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができないものでございます。そして、相当な努力が払われたと認められる方法とは、登記事項証明書の交付の請求をすること、そして住民票、戸籍、固定資産課税台帳等の書類に記載された情報の提供を求めること、さらに、一定範囲の親族等に照会すること等が想定されております。 そして、本法案の第四十条第一項の規定に基づき登記官が職権で所有権の登記に付記することができますのは、第二条第四項に規定されている特定登記未了土地に該当し、かつ、その土地の所有権の登記名義人の死亡後十年以上三十年以内において政令で定める期間を超えて相続登記等がされていないと認められる場合でございます。 また、登記官が行う所有権の登記名義人となり得る者の探索につきましては、相当な努力が払われたと認められる方法によるという要件は付されておりません。 このように、本法案四十条第一項に基づき特定登記未了土地について登記官が付記をする要件と第二条第一項の所有者不明土地の要件が異なっておりますため、登記官が付記をしたことをもってその土地が第二条第一項の所有者不明土地に該当するか否かを直ちに決することはできないと考えております。
○山添拓君 すなわち、所有者不明土地に当たるだろうということで起業者が申請をしても、そして登記官が職権によって四十条に基づく付記をしても、直ちに所有者不明土地だと扱うわけにはいかないと。やはり所有者不明土地に当たるかどうかの第一義的な判断、調査をし判断する責任は起業者の側に引き続きあるということでありました。 嶋津参考人からもお話がありましたように、事業認定の制度が形骸化をする下で、反対意見を無視して不要不急の開発を進め、自然や住民生活に多大な影響を与える公共事業が強行されているという現実があります。 例えば、東京外環道を御紹介したいと思いますが、地下を工事するために区分地上権を取得する必要のある部分について、最新の用地進捗率と残件数を示されたいと思います。また、買収や区分地上権の取得がまだの土地の中にいわゆる所有者不明土地はあるんでしょうか。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 委員お尋ねの外環、関越から東名間の事業におけます区分地上権取得部につきまして、平成三十年二月末時点における用地取得率は面積ベースで七五%、用地残件は三百六十六件でございます。 また、当事業の用地買収及び区分地上権における所有者不明土地につきましては、現在、事業用地に関する用地測量、用地交渉を行っている段階でありますため、現時点において全体の件数は明らかではございません。 なお、用地買収及び区分地上権につきまして、これまでの土地収用法による裁決申請の際に、その時点で所有者の住所や所有者が不明として裁決申請を行った事案が二件ございます。
○山添拓君 資料の二ページ目、三ページ目にございますが、関東地方整備局、東京都、NEXCO東日本、中日本、四者の連絡調整会議では、これ厳しい状況だと表現をしまして、談合疑惑が払拭されなかった地中拡幅部の工事の発注が遅れていることもあり、少なくとも二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックまでの開通は困難だとしています。進んでいないのは反対する住民がいるからなんですね。 青梅街道インターでは、面積ベースで買収できたのが二四%、区分地上権では三%にすぎません。ここは元々地下トンネルでインターなしとする計画だったにもかかわらず、途中で手のひらを返されまして、しかも、杉並側は造らずに練馬側だけは造る、ハーフインターにするという、住民の反対も押し切って造ろうとされている場所です。 この中で、仮に所有者不明土地がある場合、先ほども既に二件これまでにあったということですが、本法案に基づいてその土地だけを先行して都道府県知事の裁定によって収用していくということは可能でしょうか。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 既に土地収用法による裁決の申請がなされている土地につきましては、本法案による土地収用法の特例による裁定申請を行うことはできないこととされています。このため、外環事業の未取得の土地のうち、既に土地収用法上の不明裁決の申請がなされたものについては、本法案における土地収用法の特例の対象とはなりません。 なお、外環事業の未取得の土地のうち、特定所有者不明土地に該当し、当該土地の取得について反対する権利者がいない等の要件を満たす土地がある場合には、当該土地は本法案の土地収用法の特例の対象になり得ます。
○山添拓君 嶋津参考人も指摘をされたように、外堀を埋めると、所有者不明土地があればその部分だけまず先行して収用していくということが可能だということであります。 公共事業に反対する人たちにとっては周辺の用地買収がどのように進むかというのが重大な関心事でありますが、所有者不明土地が一筆でもあれば、収用をスピードアップさせて、そこを突破口にして反対する地権者を追い込むという手段にもなりかねないものだと思います。 関連をして、残りの時間で、公共事業のための財産権制限について、住民の意思を無視し、むしろ、初めから住民の意思を考慮しないという手法が増えている問題を質問したいと思います。 外環道でも用いられているのが大深度地下であります。地下四十メートル以下の大深度であっても土地の所有権は及びますが、大深度地下使用法によって認可されますと、地権者等の同意なしに使用権を設定できます。財産権を制約するにもかかわらず同意も補償も不要とする仕組みが憲法二十九条に違反するとして、裁判も提起をされています。 大深度地下というのは通常使用されない空間であるために通常は補償すべき損失がないと言われるのですが、大深度地下法では、一方で、例外的に補償の必要性がある場合には認可の告示から一年以内に限り補償を請求できるとしています。こういう仕組みである以上は、少なくとも大深度地下の使用権を設定されることになる地上の地権者には認可申請がされているという事実を伝えるべきだと考えます。この点をまず伺いたいと思います。 そして、あわせて、今リニア中央新幹線の工事を進めるJR東海が、三月二十日に大深度地下の使用の認可申請を行っております。五月九日に申請書を公告し、十日から二十三日まで縦覧をして、ホームページに大量の申請書類をアップして、首都圏では沿線で一回ずつ説明会が行われています。 私も五月十一日に大田区で開かれた説明会に行ってきたんですが、あの大きい会場で、参加者はせいぜいその会場の収容人数の三割ぐらいで、百数十人の参加でありました。参加者の中からも地権者に周知をすべきだという意見がありました。自宅の下をリニアが通るかもしれないのに、知らされていないという方が余りにも多かったわけです。そもそも、JR東海は、大深度地下の認可申請を行った現時点で、ルート上に何人の地権者がいるかも把握していないとされていました。 全ての地権者に個別に知らせて説明を行うよう指導するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(栗田卓也君) 大深度地下は、土地所有者等による通常の利用が行われない空間であり、公共的事業のために使用しても通常補償すべき損失が発生するとは想定されないという特性があります。大深度地下使用制度は、このような大深度地下の特性を踏まえまして、土地収用法のように土地所有権等の取得に当たって事前補償の原則を取らず、簡素な手続で使用権の設定を認めるものです。 しかしながら、大深度法では、国民の権利の観点から、認可権者は、必要があると認めるときは事業者に対して、事業区域に係る土地及び付近地の住民に説明会の開催など認可申請書の内容を周知させるために必要な措置を講ずることを求めることができるというふうにされております。 国土交通省といたしましては、大深度地下を使用する事業につきまして、大深度法の趣旨にのっとって、地権者などの関係者に対し事業者による申請内容の周知が図られることが重要と考えております。 リニア新幹線についてのお尋ねもございました。 このような法律上の考え方を踏まえまして、リニア中央新幹線の使用認可申請の受理に際しまして、認可申請書の内容を地権者などに周知させるため、事業者であるJR東海に対しまして説明会開催など必要な措置を講ずるよう、本年四月二十四日付けで文書で要請したところでございます。事業者においては、説明会の開催に当たって、開催日時や場所について事業区域を含む地域の市区の広報紙への掲載、自治会回覧による周知などを行ったとの報告を受けております。 他方、委員今御指摘がございましたが、事業者が開催した説明会において、リニア中央新幹線の事業区域を知らない地権者等がおられるといった意見もあったと聞いております。このことを踏まえまして、事業者に対し、事業区域の地権者等へ改めて事業区域を周知するよう要請をいたしました。事業者からは、事業区域に係る地権者等に対しまして、事業区域を示す図面を添付した上で、説明会資料等を事業者のホームページや事務所で公開、閲覧していること等について個別配付、郵送などにより周知を図ったと報告を受けているところでございます。
○山添拓君 少なくとも財産権の影響が及ぶ地権者などには個別に説明、家屋調査など徹底されたいということを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(長浜博行君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時四十四分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(長浜博行君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、羽生田俊君及び室井邦彦君が委員を辞任され、その補欠として松下新平君及び高木かおり君が選任されました。 ─────────────
○委員長(長浜博行君) 休憩前に引き続き、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木愛君 希望の会、自由党の青木です。 早速質問に入らせていただきます。まず、この法律が提案された時代背景について御認識をお伺いさせていただきたいと思っております。 一九八九年に制定されました土地基本法は、一九八〇年代後半に発生した異常な土地バブルに対処するため、今後の土地政策の基本理念を定めた法律です。高度成長と土地バブル抑制を前提にした法律であります。しかし、バブル崩壊後は日本経済は長期低迷期を迎え、二〇〇〇年代以降は高齢化と地方の疲弊が著しくなりました。さらに、二〇一〇年頃をピークに日本の人口は減少に向かい、今後は大きく減少いたします。 このような構造変化に伴い、利用ニーズの低い土地は資産から負債となり、地方から都市部への人口移動は地方に残した土地への所有意識の希薄化を生み、土地相続の面倒も重なって、今後所有者不明土地が増加する傾向にあります。 この法律が提案された時代背景については、このような認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 御指摘のとおり、人口減少に伴って、土地利用ニーズの低下や地方から都市等への人口移動を背景とした土地の所有意識の希薄化が進んでおります。このような背景により、不動産登記では所有者の氏名や所在が分からない土地、いわゆる所有者不明土地が全国的に増加傾向にあり、将来的にはこれが更に増加すると指摘されています。 このような所有者不明土地については、公共事業等の様々な場面で、所有者の探索に膨大な時間、費用、労力を要し、事業計画の変更を余儀なくされたり、事業の実施そのものが困難になるといった問題に直面をしております。 このため、国土交通省といたしましては、所有者不明土地の利用の円滑化を図るため、公共事業のために土地を収用する場合の手続の合理化、公園、広場など地域住民のための公共的事業に一定期間の使用権の設定を可能とする制度の創設、所有者の探索を効果的に行うための仕組みの構築等を内容とする本法案を提出したところでございます。
○青木愛君 この所有者不明土地は相続時に増える傾向にあります。土地を放棄すれば景観を損ね、また自然災害にも結び付いたり、犯罪の温床にもなります。その解消策として、土地管理の義務を強化をするという方向も考えられますけれども、やはりその相続の手続を簡素化するとか、所有者の負担軽減が必要だと考えております。 午前中にも、所有権の放棄、また帰属先の在り方が検討されているということでありましたので、私も是非そうした検討が必要だと思っておりますけれども、特に、売却しようと思っても売れない、自治体に引取りを願い出ても引き取ってもらえない、そのような土地については、所有者に責任を一方的に押し付けるのではなくて、何らかの支援あるいは適切な受皿を検討すべきだと考えます。 また、例えば土地を預かるランドバンク制度の創設ですとか、それを運営するNPO等への支援でありますとか、また、これは地方からの話でありますけれども、公共が土地を所有をして生活インフラを整備をし、そこに利用者が借地をして住居を建てて生活をする、いわゆる所有権と利用権の分離ということにもなるんだろうと思いますけれども、こうした声が地方からもお聞きをしているところであります。 さらには、空き家、空き地を公共利用に提供するといった条件で除去費の補助をするとか、様々なことが考えられますけれども、こうしたアイデアに関して御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 人口減少、高齢化の進展により、利用される見込みのない土地が増加するのみならず、そのような土地を所有者自身では適切に管理できなくなることも懸念されており、このような場合の土地の受皿をつくるべきという声があることは承知をしております。 放棄の話でございますが、しかしながら、土地を手放すということにつきましては、民法上明文の規定がなく、確立した最高裁判所の判例も存在しないため、その可否につきましては議論が分かれるところであり、現在、法務省の研究会におきまして検討が進められているものと承知をしております。 また、土地を手放すことができる仕組みにつきましては、手放すことのできる土地の要件、手続の在り方、手放された土地の帰属先、その管理コストなど、検討すべき点は多岐にわたるものと考えております。 国土交通省といたしましても、六月の一日に関係閣僚会議で決定した基本方針に基づき、法務省など関係省庁と連携しつつ、引き続き検討を深めてまいります。また、今御提案いただきましたランドバンクや空き家、空き地の公共利用といったいろんな施策につきましても、そういった中で引き続き検討を深めてまいりたいと思います。
○青木愛君 是非よろしくお願いします。その検討の際には、所有者の負担感を軽減するという視点も是非盛り込んでいただきましての御検討をお願いしたいと思います。 そして、今回の法案では、所有者不明土地の利用を円滑化するための特例が講じられております。所有者不明土地を利用するに当たっては、まずは所有者の探索をしっかり行うことが必要だと参考人からも指摘をされたところでございます。 従来は活用することができなかった固定資産税課税台帳や地籍調査票の所有者の情報を利用できるようになるということでありますけれども、その際の所有者の個人情報保護という点につきまして、適切に図られるのかどうなのか、懸念をしております。その点について確認をさせてください。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 本法案において講じる土地収用法の特例等の特例措置を活用するためには、まず、事業者が土地所有者の探索を確実に行うようにする必要があります。このため、この法案においては、相当な努力が払われたと認められる所有者探索の方法を政令等で規定することとし、この政令等におきましては、登記事項証明書の交付を請求すること、住民票、戸籍、固定資産課税台帳等の公的書類に記載された情報の提供を求めること、一定範囲の親族等に照会することなどを定めることにより、事業者が行うべき所有者探索の内容を明確化してまいります。 また、御指摘のように、本法に基づき固定資産課税台帳等の所有者情報を外部に提供するに当たっては、個人情報保護の観点からの配慮が必要となります。このため、まず、情報を請求する事業者は、事業の実施を予定していることを疎明する資料、事業を営むために事業者として許可等が必要な場合には、それを受けていることを示す資料などを請求に当たり提出しなければならないこととし、情報請求の目的が事業の準備のためかどうか、請求する事業者の適格性を確認することとしてまいります。 また、地方公共団体が本法の規定に基づき所有者情報を民間事業者などに提供しようとする場合には、台帳等に記載されている本人に情報提供の可否について確認し、その同意を得なければならないこととしております。 加えて、個人情報を入手した事業者は、個人情報保護法の個人情報取扱事業者として、同法に基づき、事業の準備以外での目的の利用や第三者への提供が制限されることとなるなど、入手した個人情報の適正な取扱いが担保されることになります。 このような措置を講ずることによりまして、個人情報の保護が適切に図られるものと考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。 所有者の同意、許可を得てその情報を、特に民間事業者の場合は大変大切だと思いますが、所有者の同意を得て民間事業者にその情報を渡すということですよね。そうしましたときには民間事業者もまた、その入手した情報を更に第三者にそれを漏らすようなことがないように、しっかりとした対策をお願いしたいと思います。 続きましての質問になりますけれども、所有者不明土地を円滑に利用するこの仕組みに二つの柱がございます。一つは、地域福利増進事業で、所有者が後から現れて明渡しを求めた場合は期間終了後に原状回復して返すことになっておりますけれども、一方、この公共事業における収用手続の際には、どれだけ探索を尽くしたとしても、その土地を収用した後になって所有者が現れることもないとは言えないと思うんです。 そのような場合にどのような所有者保護が図られるのか、確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 都道府県知事におきます裁定においては、所有者不明土地を収用し又は使用することにより不明所有者が受ける損失について、補償金額を定めることとしております。この補償金については、裁定により定められた時期までに収用等をしようとする土地の所在地の供託所に供託をしなければならないこととしております。 このため、仮に土地を収用等した後に不明となっていた者が現れた場合には、その所有者は供託所から供託された補償金を受け取ることにより、財産的な保護が図られるものと考えております。
○青木愛君 現物では返せないけれども、供託された適正な補償金が支払われるということを確認をさせていただきました。 次に、大臣にお伺いをいたします。 これまでの都市計画や土地利用計画は、経済が成長し人口が増加することを前提に策定されてきました。二〇一〇年を越えて日本は人口減少と高齢化が進み、地方の過疎化、さらには地方の消滅という事態に向かっております。空き家、空き地の増加や所有者不明土地の増大などは、そうした時代の変化を背景にして出てきた問題ですが、国は問題が顕在化した後に対症療法的な対策を講じているように思えてなりません。 また、その一方で、大都市部においては、人口増加こそが活力であると、従来の認識に立って、今タワーマンションの建設が進められております。タワーマンションの寿命は百年と言われていますが、そのときの日本の総人口は五千万人を下回ることが予測されております。 人口減少社会の到来を踏まえ、今こそ五十年、百年先の将来を見据えた国土計画のビジョンを示していただくことが何より大事だと思っております。そして、そのビジョンが実現されていくようにしっかりとした周知をしていくべきではないかと考えますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 急速な人口減少の進展を始め、我が国を取り巻く社会経済の変化に的確に対応していくためには、中長期の視点に立ち、今後の国土づくりの方向性を考えていくことが重要であります。 このため、本格的な人口減少社会に初めて取り組む国土計画といたしまして、平成二十七年八月、第二次国土形成計画を策定いたしました。この計画は、二〇五〇年の長期を見通しつつ、今後おおむね十年間における国土形成に関する基本的な方針、目標等を明らかにしております。 計画におきましては、人口減少下における国土、地域構造といたしまして、コンパクト・プラス・ネットワークの形成を掲げております。具体的には、集落地域において生活を維持するため、生活サービス機能等を徒歩圏内に集約する小さな拠点の形成や、都市の中心拠点等において公共施設の再編、空き建築物等既存ストックの有効活用等を進め、各種都市機能を誘導し、集約をするコンパクトシティーの形成等の施策を現在精力的に進めているところであります。 国土交通省といたしましては、引き続き、関係省庁等とも連携をしながら、計画の周知、さらには計画に盛り込まれた施策の効果的な推進に努めてまいりたいと考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。 コンパクト・プラス・ネットワークということを柱に掲げているかと思いますが、より具体的な明確な国土計画の将来ビジョン、石井大臣のビジョンを是非示していただきたいと思っております。 あと残された時間、一、二点お伺いをさせていただきます。 昨日、理事懇が開かれまして、国交省から森友問題に関する報告書が提示をされました。このごみ処理費用が六・七億円から八・二億円に跳ね上がった経緯について、特に四月十二日から十四日の間の国土交通省と財務省との記録を要求をしておりましたが、その提出はありませんでした。また、森友とのやり取りも、三月二十九日以降の記録の提示がございません。 今回開示されなかった理由をお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。 今般御提示を申し上げましたのは、財務省におきまして書換え前の決裁文書や協議メモが職員個人が保有する手控えといったところからも発見されたということも踏まえまして、国土交通省におきましても、改めまして確認を行った結果として、職員の手控えとして残っていた森友学園側との協議メモについて御提出をさせていただくことにしたものでございます。 その上で、委員御指摘の三月三十日の森友学園側との協議メモなど、協議メモにつきましては、課長と課長補佐のみが会合に参加していたわけでございますけれども、これは職員に確認をいたしましたけれども、そもそもその協議メモ自体を作成していなかったということでございます。 また、平成二十八年の四月十二日から十四日までの増量依頼のところの調査の中のやり取りということでございますけれども、これも繰り返し職員に聞き取りをした結果といたしまして、先般、近畿財務局の方から地下埋設物の撤去費用の、処分費用の見積りに関する検討状況の説明を求められて、大阪航空局から、見積りの対象面積、深さ、混入率等を示しながら、その時点の検討段階の要はたたき台として見積りの算定方法と約六・七億という数値を説明したこと、その際、近畿財務局から、対象範囲について、既に工事業者が試掘してごみが見付かったとしていたグラウンド部分周辺も含めるなど、将来にわたって瑕疵があると言われないようもう少し広げた方がいいのではないかといった趣旨の話があったといったようなことを確認の上、御説明を申し上げております。 また、昨日は、そのたたき台になります約六・七億の見積資料も提出させていただいておるところでございまして、具体的なお尋ねをいただければ、職員などに確認した上で、丁寧に御説明をさせていただきたいというふうに思っております。
○青木愛君 昨日のお話ですと、その森友学園との交渉記録は提出できるんだけれども、役所間同士の協議メモについては差し控えたい旨の御発言ありましたけれども、やはり省庁間とのやり取りというものを是非提出をしていただきたいと、また重ねて提出を求めていきたいと思っております。 そして、もう一点、この六・七億円から八・二億円に増額した理由として、口頭ででありましたけれども、面積と処分単価が変わったという御説明が昨日ございました。面積と処分単価が変わり、深さや混入率は変わっていないという具体的な報告をいただきました。 この面積はどの部分が増えたのか、またこの処分単価が幾らから幾らに変わったのか、またその理由は何なのか、数字の根拠は何なのか。また今後も伺ってまいりますけれども、今日の時点で分かる範囲でお答えをお願いいたします。
○政府参考人(蝦名邦晴君) 大阪航空局が平成二十八年四月十二日に近畿財務局に提示いたしましたその時点でのたたき台の試算は、大阪航空局という組織で決裁を経た正式なものではございませんので、あくまでもたたき台にすぎない当該試算について詳細に御説明できない部分があることは御理解いただければと思いますが、その上で、大阪航空局の当時の担当職員から聞き取りをした結果を御説明申し上げます。 対象範囲につきましては、大阪航空局が平成二十八年四月十二日に近畿財務局に提示をいたしましたその時点でのたたき台の試算では、平成二十二年の地下構造物状況調査でごみが確認された箇所と、それから、くい掘削工事の過程において新しいごみが出たというふうに森友側から主張されたとされます校舎建築部分、これを範囲としておりまして、四千三百五十二平方メートルでございました。 しかしながら、同日、先ほど申し上げましたように、近畿財務局から、既に工事事業者が試掘をしてごみが見付かっていたグラウンド部分周辺を含めるなど、将来にわたって瑕疵があると言われないようにもう少し広げた方がいいのではないかといった趣旨のお話もございました。 こうしたことも踏まえまして、引き続き見積りの検討を行いまして、その結果、工事関係者から提出されました、提出された試掘結果報告書においてごみが出たというふうにされておりましたグラウンド部分のうち、本件土地が過去に池や沼といった地歴からもごみの見積範囲として妥当だと考えられた部分があるグラウンドの西側の一部を面積に追加をして見積りを行うこととしたということでございます。 また、処分費の単価につきましては、四月十二日時点のたたき台では、当時大阪航空局職員が把握していた他の工事事業者の同種の工事単価として三万三千円パー平米というもので仮置きをいたしましたけれども、四月十四日付けの決裁文書にて提出をいたしました見積りにおける処分費の単価につきましては、これまでも御説明しておりますとおり、民間の工事事業者から提供を依頼していた資料の一つとして徴取して、他の二者の、他の事業者の価格情報と比較検証した上、最も安価であることを確認した上で二万二千五百円パー・トンということで設定をされたということでございます。
○青木愛君 是非これからまたレクもお願いしますが、御説明に来ていただく方も、やっぱり初めて聞くことで十分な資料を持ち合わせていないという場合もあり、是非この六・七億、八・二億、それぞれのその積算根拠の比較ができるような資料をお願いしたいと思います。六・七億と八・二億の積算根拠の比較ができるような具体的な数値を示した資料をいただきたいと思います。何といっても、二日で、たった二日で六・七億が八・二億円に跳ね上がっておりますので、その積算根拠を示していただく必要はあろうかと思っております。 また一般質疑で質問させていただきますが、それまでの間、是非十分な情報をお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。 所有者不明の土地の問題がクローズアップされている背景には、土地は財産であるという前提に立っている現在の土地制度が社会の変化に対応できていないということが指摘をされているわけであります。 そして、今回の法案は、その社会の変化に合わせた土地制度の大改正の第一歩という位置付けというふうに認識をしております。人口減少、また人間関係の希薄化、それから都市への人口集中と農村の過疎化と、それから農業や林業の抱える課題などなど、今日の日本社会の現状を踏まえれば、全ての国土をひとしく管理して、また保全をし、そして利活用するということは、これは現実的ではないというふうに考えております。そして、むしろこれまで以上にめり張りを付けることが求められているのではないかというふうに思っております。 例えば、安全保障上重要な土地につきましては、利用権の規制だけではなくて所有権の規制を講じるとか、また、国土の保全という視点で重要な土地につきましては、今もやっていますけれども、利用規制をしっかりと効かせるといったこと。それから、経済資源として利活用しなければいけない土地については、今回の法案もその一つだと思いますけれども、その利活用を促す仕組みとか制度を設けていくと。それから、最低限、やはり管理だけは何とかしていかなければいけない土地というのは、いかに効率的に管理をしていくのかと。それから、優先順位の低い土地などなどといったような具合に、国土の管理、保全、そして利活用について、これまで以上にめり張りを付けていかなければならないと考えておりますけれども、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 本格的な人口減少社会に初めて取り組む国土計画といたしまして、平成二十七年八月に閣議決定をされました第二次国土形成計画におきましては、人口減少や産業構造の変化により開発圧力が低下をし、国土利用の選択肢が広がることを契機として捉え、より安全で快適かつ持続可能な国土を形成することを目指しております。 この計画を推進するため、現在、国土審議会におきまして、人口減少下における新たな国土管理、利用への対応といたしまして、適切な管理を続けることが困難な土地への対応も含めた検討を進めております。 具体的には、地域の事情や土地の条件も踏まえながら、粗放的な管理などの管理コストを低減させる工夫とともに、新たな用途を見出すことで国土を適切に管理していくための方策について、来年度、一定の取りまとめを行う予定であります。 今後、国土交通省といたしましても、こうした検討の成果も十分に踏まえながら、適切な国土管理の実現に向けた施策を推進してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 人口減少社会における土地制度の在り方、これ大変重要な議論だと思いますので、よろしくお願いいたします。 そして、私が先ほど申し上げました安全保障上重要な土地の中に国境離島があると思っております。安全保障上重要であり、また、我が国の海洋権益をしっかりと守るために重要な国境離島でありますが、四百八十四の島があります。この国境離島というのは、我が国の領海、また排他的経済水域の外縁を根拠付ける島ということで使わせていただいている言葉です。そのうち、四百八十四の国境離島のうち私有地があるのは九十八島ということです。人が住んでいる有人離島は五十九島、そして無人離島が三十九島という現状になっております。 今日は内閣府総合海洋政策推進事務局にもお越しいただいていますけれども、伺いたいと思います。 これらの九十八の私有地がある国境離島の所有者の状況を把握することというふうになっておりますけれども、これは海洋基本計画、先月出された、ここにもきちんと記されていますけれども、これら国境離島の所有者の探索を具体的にどのように行っていく予定でしょうか。
○政府参考人(北村知久君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、先月閣議決定されました第三期の海洋基本計画におきまして、国境離島の保全上重要と考えられる土地について、その所有状況の把握を行うというふうにされているところでございます。 私有地が存する九十八の離島でございますけれども、このうちの、無人の国境離島が三十九島ございまして、こちらにつきましては不動産登記簿等の情報を既に収集しているところでございます。一方、有人の国境離島五十九島につきましては、これは島全体ということになるとかなり膨大になりますので、そのうちの領海等の基点となる重要な海岸の土地、これが全部で三百七十か所ございますけれども、こちらを対象に不動産登記簿を現在収集中というところでございます。 全ての不動産登記簿をまだ収集できておりませんので、これにつきまして、その登記簿を収集するに当たり必要となる情報を関係市町村に現在確認をしておりまして、この情報を確認でき次第、不動産登記簿を全て取り寄せた上で、有人、無人を問わず収集した不動産登記簿の内容を確認し、当該所有者の把握を行ってまいりたいということで進めているところでございます。
○行田邦子君 無人離島については不動産登記簿をまずは収集したということで、有人離島は領海、EEZの外縁を根拠付ける領海基点のあるところだけこれから不動産登記簿を収集するという、まだその段階ということでありますけれども、この後、これらの有人の私有地のある国境離島の所有者を探索する作業というのは、これもう次長はよく御存じだと思いますけれども、とても大変なんじゃないかなというふうに思います。 先般も決算委員会でこの点取り上げさせていただきましたけれども、無人離島の場合は、これは住民票もないでしょうし、それから恐らく固定資産課税台帳もないでしょうということで、どうやって探索するのかと。不動産登記簿に載っている人が本当に所有者であればいいですけれども、お亡くなりになっている場合も可能性としてあると思うんですけれども、どうするのかと。とても大変だと思います。 先ほどから、午前中からもずっと言及されていました、不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地が二割で、それをしっかり探索すると〇・四一%に下がるということでありますけれども、国境離島の場合、この〇・四一%ぐらいまで下げるまでのその探索というのは物すごく大変だと思いますし、これ私の推測ですけれども、〇・四一%くらいまで行かないんじゃないかと。探しても探しても真の所有者が分からないままの国境離島というものが出てくると思います。 どこかでやはりその所有者の探索を諦めなければいけないと思うんですけれども、そのときのことについて伺いたいんですけれども、所有者不明の国境離島を円滑に国有財産化といいますか、土地収用というんでしょうか、どちらでもいいと思うんですけれども、するような仕組み、それから国が管理できる仕組みなどを今のうちからやはり検討しておくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(北村知久君) 先ほどお話し申し上げました第三期の海洋基本計画にもありますとおり、国境離島は領海等の保全や海洋権益確保の観点から極めて重要であるというふうに認識してございます。 先生御指摘のそういった土地についてのいろいろな制度の導入ということでございますけれども、そういった制度を考えるに当たりまして、まずは国境離島の保全上重要と考えられる土地につきまして、そういった土地がどのような土地利用が行われると具体的にどのような問題が生ずるのかといったことを、そういった場合にいかなる措置が必要となるかということを具体的に検討する必要があるということで、関係省庁の協力の下、有識者の意見を聞きながら今後検討を進めてまいりたいと思っております。 なお、検討の対象は私有地でございますので、個人の財産権にも関わるものでございますので慎重な対応が求められると、こういったことにも留意しつつ、国境離島保全のための施策をしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
○行田邦子君 今日こうして審議されているこの法案の国境離島版のような制度や仕組みの検討が必要であるというふうに考えておりますので、様々な問題点を踏まえながら検討していただきたいと思っております。 それでは、この法案には所有者の探索を合理化する仕組みも盛り込まれておりますけれども、局長に伺いたいと思います。 市町村が行う地籍調査において、不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地が約二割、二〇%というところですけれども、それを探索すると最終的には〇・四一%に減少すると、先ほど申し上げたとおりであります。 では、この探索で具体的にどういう作業を行っているのか、教えていただきたいと思います。それからまた、こうした探索作業は非常に労力を要するということはよく言われていますけれども、具体的にどのぐらいの労力を要するのか、分かりやすくお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 地籍調査におきましては、土地の境界を明確にするため、土地所有者等の立会いを求め、境界の確認を行っております。この際、まずは不動産登記簿上の土地所有者について調査をいたしますが、平成二十八年度に地籍調査を行った千百三十地区の六十二万筆のうち、不動産登記簿の調査により所有者等の所在が判明しなかった土地の割合は、議員の御指摘のように、筆数ベースで約二〇%となっております。 このような場合には、住民票、除かれた住民票、又は戸籍、付票等の謄本等の公簿に基づく調査、親族等や近隣住民からの聞き取り調査などによる追跡調査を実施して所有者等の把握に努めることとしております。 このような調査の負担でございますけれども、各地区の対象の筆数や地籍調査を行う市町村の実施体制、それから相続の状況やその登記への反映状況など、様々な条件によって変わり得るため一概には申し上げられませんが、その上で、平成二十八年度の地籍調査におきまして、先ほど千百三十地区と申しましたが、そのうち追跡調査を実施した千四十四地区におけるその追跡調査の期間は一地区当たりの平均で四・六月でございます。これは、一般的な地籍調査に要する全期間のおおむね一割から二割程度となっております。
○行田邦子君 大変な手間の掛かる仕事だと思います。必要ではありますけれども、手間の掛かる仕事だと思います。 この労力をいかに少なくするにはどのようなことが考えられるのか、また探索作業の簡素化というのは可能なのか、続けてお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 地籍調査におきましては、土地の境界を明確にするため、土地所有者等の立会いを求め、境界の確認を行っております。そのために必要となる所有者探索を目的とした追跡調査は、先ほど申しましたように、住民票、戸籍謄本等の公簿に基づく調査、親族等や近隣住民からの聞き取り調査等により行うこととしておりますが、現行制度におきまして、その探索範囲は必ずしも明確になっておりません。 また、近隣住民への聞き取り調査は、多大な労力を要するにもかかわらず、地縁の希薄化等を背景に情報を得られにくくなっております。これらが地籍調査に時間や経費を要する一因となっており、特に近年、所有者不明土地の増加がこのような傾向に拍車を掛けているものと考えております。 これらの課題に対応するため、平成三十二年度から始まる次期第七次国土調査事業十箇年計画の策定に向けまして、一つは、本法案において想定している探索方法を参考に、聞き取りの調査範囲を一定範囲の親族等とするなど地籍調査における所有者探索範囲を明確化すること、それから、探索作業の結果、全部又は一部の所有者等が不明な場合に、立会い等の手続を合理化するために必要な客観的資料の範囲とその活用方法を明確化することなどにつきまして検討することにより、法務省と連携しながら、市町村等の負担を軽減し、地籍調査の推進を図ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 地籍調査、なかなか進んでいないというか、半分でしょうか、ということだと思いますけれども、この地籍調査は大変大切な事業だと思いますので、これをしっかりと進めていくためにも、今の御答弁にあったようなことを是非とも進めていっていただきたいと思っております。 それで、地籍調査が行われていないと民間の再開発事業など土地の利活用を行う際に非常に事業に支障を来すということは、これはよく指摘をされていることであります。こうした事態を避けるために、現状における解決策は何でしょうか。そしてまた、今回の法改正も含めて、今後の検討について伺いたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 民間の再開発事業が都市再開発法に基づく法定の再開発事業である場合には、過失なく探索をした上で所有者の所在が不明である場合におきましては、権利変換計画の通知を公示送達により行うことなどによりまして、所有者不明の土地等の権利につきまして施行地区内に確保することが可能となっております。境界が不明な場合にも、土地収用法の手続を準用して土地調書等を作成することにより、対応が可能となっております。 また、今般の法案により、所有者の探索において、原則として登記簿、住民票、戸籍など客観性の高い公的書類を調査することで足りることとすることを踏まえ、法定の再開発事業につきましても同様の措置を講じ、所有者の探索の合理化を図ることといたします。 他方、法定の再開発事業に該当しない場合につきましては、従来どおり、所有者の探索や財産管理人制度の活用等によりまして、境界を確定し、所有権を取得する必要があります。 今後、所有者不明土地の発生抑制や解消に向けて、土地所有者情報を円滑に把握する仕組み等につきまして政府全体で検討を進めてまいります。これによりまして、法定の再開発事業に該当しないものも含めて、事業が円滑化するように努めてまいります。
○行田邦子君 民間の再開発事業にも支障を来さないように、今後も更に土地所有者の所在の把握の円滑化ということ、検討していただきたいと思います。 それでは、法務省にお越しいただいていますので伺いたいと思いますけれども、無主の土地というのはどんなものがあるのか、そしてまた、どの程度あるのか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。 お尋ねがありました無主の土地、すなわち所有者のない土地は、例えば海底隆起によって新たに土地が発生することなどにより生ずるものでございます。このような無主の土地がどの程度存在するかにつきましては法務省としては把握しておりませんけれども、民法上、所有者のない土地は国庫に帰属することとされております。 また、土地の所有者が死亡し、その者について相続人のあることが明らかでない場合にも、先ほどの無主の土地と類似の状況が生じます。この場合につきましては、相続財産管理制度による手続を経た上で、最終的に残余財産が国庫に帰属することとされております。 この相続財産管理制度と申しますのは、相続人のあることが明らかでない土地等の相続財産につきまして、家庭裁判所が管理人を選任し、相続人を捜索しつつ、相続財産を管理、清算し、最終的には残余財産を国庫に帰属させる制度でございますが、その残余財産中に土地があれば、その土地は国庫に帰属することになります。 相続人のあることが明らかでない土地、これがどの程度あるかにつきましても、申し訳ございませんが、法務省としては把握しておりません。
○行田邦子君 相続人不存在による無主の土地についてですけれども、最後、大臣に伺いたいと思います。 私は、この相続人不存在の土地というのは今後増えてくるのではないかなと思っておりまして、特に経済価値が低い土地は放置される傾向にあるのではないかと思っております。今後このような無主の土地が増えることについての大臣の御認識と、また取り得る対策についてお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 将来的には二〇四〇年まで死亡数は増加するとの推計がありまして、相続機会も増加するものと考えられることから、何の対策も行わなければ放置される土地が増加してしまうおそれがあるものと考えております。 政府としては、そのような土地を増加させないため、土地を手放すことができる仕組みを導入すべきであるとの御意見があることは承知をしております。土地を手放すことができる仕組みにつきましては、その要件や手放された土地の帰属先等、検討すべき点は多岐にわたります。現在、法務省の研究会において、土地を手放すことができる仕組みの在り方について検討が進められているものと承知をしております。 国土交通省といたしましても、六月一日に関係閣僚会議で決定をいたしました基本方針に基づきまして、法務省など関係省庁と連携をしつつ、引き続き検討を深めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 終わります。ありがとうございます。
○平山佐知子君 国民の声の平山佐知子です。 午前中から様々議論がありましたけれども、本法律案では、大まかに言いますと、所有者不明土地、これをもっと円滑に利用しようと、利用できるようにしようということですとか、また所有者を探索しやすくするということ、それから所有者不明土地の管理についてなどに対応したものだと理解をしております。 一方で、やはり午前中にもありましたけれども、やはり根本的な解決は、新たなこの所有者不明土地をつくらないというふうなことだと思います。登記をしないことが所有者不明土地問題の大きな原因となるということを、先日の参考人質疑の中でも参考人の方から様々御意見もいただきました。 ここで、一つの考え方を御紹介したいと思います。立命館大学の高村教授のアンチコモンズの悲劇という考え方があります。これは、所有権を細分化し過ぎると資源の過少利用を生むという考え方で、例えば地方の商店街などで、個々の所有権が強いために、自分のところだけなら大丈夫だろうということで閉店をする、そうすると、それが積み重なって、結果この商店街全体のにぎわいが喪失するということで、もう気付いたときには再生が困難になっているという状態です。 例えば、住宅地でいいますと、空き地になったときに、空き家になったときに、早く手放せばいいんですけれども、先送りしたことで家屋は老朽化して買手がなくなって、そんな家が増えれば地区全体の雰囲気も悪くなるわけですから、資産価値は更に低下をして、行き着く最悪の姿が所有者すら分からない土地や家屋が増えてしまうという状態です。 土地はもちろん私有財産ではありますけれども、周囲の土地と連担しているということを考えますと、公共的な空間の一部でもあるんだという認識、これを改めてそれぞれが共有する必要があるのかなというふうに考えます。土地の所有者には、例えば周囲に迷惑を掛けないような又は周囲に同調するような適切な利活用、管理を行う責務がありますから、私有財産ではあってもそのような責務を負っているんだということを認識してもらう必要があるかと思います。 これについてどういうお考えなのか、聞かせていただけますでしょうか。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 人口減少の進展に伴い、土地の価値が下落し、利用意向が低下する中、適切な管理がされない土地が増加し、地域の環境悪化を招くことも懸念されます。 現在、土地所有に関する制度の基本となり、国民の責務等について定めておりますのは土地基本法でございますけれども、この土地基本法は、いわゆるバブル期の地価高騰等を背景に制定されたものであることから、このような時代変化の中、見直しを検討することが必要であろうかと認識をしております。 具体的には、土地が適切に管理され、利用されるために所有者が負うべき責務につきまして、その責務を担保するための具体的方策と併せて検討を行い、平成三十一年二月をめどに方向性をまとめることとしております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 私有財産ですから、先日も参考人質疑の中でもありましたように、やはりどうしても財産権ということで難しい部分もあるとは思いますけれども、ただ、一方で、じゃ登記をしないのはなぜなのかと、その理由を考えますと、その土地を必要としていないという状況も十分考えられますので、今後、少子高齢化が一層進んでいく中、全ての土地が財産であるという考え方自体も少しずつ変えていかなくてはいけないのかなという気もいたします。 現在、使う目的のない土地を地方公共団体に引き取ってもらうということはできないということなんですが、一方で、相続人が必要としていない土地を相続する場合に、登記に掛かる費用や手続を理由に登記をしないといったケースも出てきます。 去年九月、第一回国土審議会土地政策分科会特別部会で、先日、参考人でお話ししてくださいました東京財団の吉原祥子委員は、所有権を放棄した後の土地の受皿づくりについて、土地の流動化を促進していくためには、一時的なプールとしてでも、権利を明確化した上で自治体が土地を受け取ることはこれから必要な方策だと述べています。 同部会では、増田寛也委員も同様の発言をしていらっしゃいますけれども、午前中の質疑の中にも同じようなものありましたが、国として、所有者不明になる前の段階でしかるべき土地の受皿を地域でつくるという、こうした意見に対して国交省はどのような見解を持っていらっしゃるのか、また、導入に当たる際のネックとはどのようなことが考えられるのか、お願いいたします。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 人口減少、高齢化の進展や、地方から都市への人口移動を背景としました土地の所有意識の希薄化などによりまして、所有者不明土地のみならず、使う目的のない土地が増加することが懸念をされており、そのような土地の受皿を地域でつくるべきという声があることは承知をしております。 しかしながら、土地を手放すということにつきましては、民法上明文の規定がなく、確立した最高裁判所の判例も存在しないため、その可否については議論が分かれるところであり、現在、法務省の研究会において検討が進められているものと承知をしております。 土地を手放すことができる仕組みにつきましては、手放すことができる土地の要件、手続の在り方、手放された土地の帰属先など、検討すべき点は多岐にわたるものと考えております。その中でも、特に、当該土地の管理コストを誰がどのように負担していくべきなのかというものが大きな課題、ネックの一つとなるものと考えられます。 国土交通省といたしましても、六月の一日に関係閣僚会議で決定した基本方針に基づきまして、法務省など関係省庁と連携しつつ、引き続き検討を深めてまいります。
○平山佐知子君 土地の所有や利用についての情報ですけれども、不動産登記簿のほか、固定資産課税台帳ですとか外為法に基づく取引報告、さらには森林簿や農地基本台帳など、それぞれが目的別に作成、管理されているので、その管理責任者が国交省であったり法務省であったり総務省であったり農林水産省など、多岐にわたっているということで、先日のお話の中にもありましたが、土地の所有がこうした複雑化する中で、土地の所有や利用に関するこの情報はやはり一元的に管理をしていくという、そういうシステムもこれから必要になってくるのではないかなというふうに考えています。 次に、土地や家屋の相続を拒否したいという人がいる一方で、やはり、住むところがないという、本当に困っている方もいらっしゃるというこの実情があります。 先日は、新たな住宅セーフティーネット制度が本格的に始まり、また、先日成立した改正都市再生特別措置法では、換地の促進、これが一つの大きなテーマでもありました。これ、場所や広さなど様々な要素がうまくいかないとなかなか難しいということは承知の上なんですけれども、相続人が必要としない土地を行政が例えば引き取った上で、必要に応じて換地などを行って住宅確保要配慮者のために活用していくといった流れになれば、ここ最近整備が進められてきた様々な法律とも連動して、これは実に良いという評価にもつながるのではないかというふうに考えています。 各省、また国交省内でも各局が連携を図りながら進めていただきたいというふうな考えも持っていますが、これについて大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 土地は、その所在する地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じて適正に利用されるべきものであります。このような考え方は、手放された土地であるか否かにかかわらず、あらゆる土地に当てはまるものと考えております。そして、適正な土地利用を確保していく上では、御指摘のように、他の施策との連携を念頭に置くことも重要と考えております。 いずれにいたしましても、土地を手放すことができる仕組みにつきましては、土地所有権の在り方等と深く関連をするため、国土交通省といたしましても、六月一日の関係閣僚会議で決定をしました基本方針に基づきまして、法務省など関係省庁と連携をしつつ、引き続き検討を深めてまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 いろんな施策がありますけれども、連携をしてまた一つの課題にぶつかっていければいいんじゃないかなというふうに考えております。 また、本法律案が三月九日に閣議決定されたときの国土交通省の報道発表資料では、サブタイトルとして「「所有者が分からない土地」を、「地域に役立つ土地」に」というふうにありました。そのために地域福利増進事業を創設されると理解をしているんですが、一方で、この所有者が分からない土地の多くが地域に役立つ土地にそのまま該当するかどうかということは、なかなかどうなのかな、難しいのかなというふうな考えも持ちます。必然的に相当の絞り込みがなされるのではないかなということも考えます。 そこで、国交省として、この地域に役立つ土地として活用が期待される土地というのはどのような土地があると考えていらっしゃるのか、見解を教えてください。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 この法案では、公園、広場など地域住民のための公共的事業を実施するため、所有者不明土地に一定期間の使用期限を設定することを可能とする地域福利増進事業を創設することとしております。 この地域福利増進事業につきましては、例えば、ごみなどが不法投棄されている所有者不明土地を公園、広場に整備するでありますとか、いわゆる空き家法に基づく特定空き家を代執行により除却した後の空き地を公園、広場に整備するといった活用がされることを想定をしております。 なお、特定空き家を代執行により除却した事例は、空き家法の施行後二年半たちました平成二十九年十月一日の時点の統計ですけれども、事例の数として六十件あります。これらのうち、除却後の土地が所有者不明であるなどの一定の要件を満たす場合には、地域福利増進事業に活用されることが期待されると考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 土地というのは、本来そこに暮らす人々にとっては土台であり生活基盤でもありますし、もちろん大切な国土でもありますので、有効に活用できるように様々なまた方法を引き続き考えていかなくてはいけないなというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 この地域福利増進事業について、当該事業に一定の公共性が求められるということでありますが、公共的なものかそうでないかの判断はなかなかこれも難しく、恐らく曖昧なものになってしまうのではないかというふうに考えています。 しかし、特に中心市街地に所有者不明土地のままで放置されるよりは、この本制度をできるだけ活用した方が地域社会にとって有意義なことだというふうに思いますし、地域福利増進事業の活用に当たっての公共性といった部分の判断については、なるべくそれぞれの地域地域のその事情に合った形、使い勝手の良い運用であったり、柔軟な対応を心掛けるべきではないかというふうに思います。 その点、国交省としてはどういうふうにお考えになるのか、また、本事業の利用権は市区町村長の意見を基に都道府県知事が設定するということですが、国交省としてこの地方公共団体をどのように支援していくおつもりなのか、お聞かせください。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 申請のあった事業が地域福利増進事業に該当するかどうかは、都道府県知事が確認をすることとしております。円滑な運用に向けましては、まずその判断基準を曖昧でなく明確化することが必要であることから、地域福利増進事業の対象となる事業を法令で限定列挙しております。また、裁定等の手続につきましても、法令で明確に定めているところであります。 このような都道府県知事が確認する要件の具体的な考え方や裁定の手続の詳細につきましては、基本方針、ガイドライン等において明らかにした上で、地方公共団体等に向けた説明会等の開催に努めてまいります。さらに、各地方整備局に地方公共団体や関連する士業団体、法務局などから構成される協議会を設置し、新制度を含めた関連制度の周知等を行ってまいります。 このような取組を通じまして、新制度の円滑な運用を図るとともに、地方公共団体の支援に積極的に努めてまいります。
○平山佐知子君 ガイドラインを策定をして分かりやすく周知するというお話もありましたけれども、やはり地域のことを一番よく知っているのは地域、市町村の皆様だと思いますので、国と都道府県、それから市区町村としっかりとこの連携をしていただきまして、協力して、土地の問題などまずはこの実態把握からですけれども、しっかりと把握をして、どういうふうに利活用していくかというのを連携をして、また協力しながら進めていただきたいなというふうに、そのように思います。 では次に、地域福利増進事業については、その利用権の設定数が、目標値、施行後十年間で累計百件ということでしたが、これを大幅に超えるような活用があればそれでよいことだというふうに思いますけれども、その一方で、地域に役立つ土地から外れた土地、この外れてしまった土地についてはどうやって管理をしていくのか、これはやはり適切に考えていかなくてはならないというふうに思います。 所有者不明土地の問題については、関係省庁はもとより、今年一月に設置されました所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議では、関係大臣が協力して総合的な対応策を作成して実行するということになっています。 そこで、この会議の構成員である国土交通大臣に伺います。土地所有者の責務の在り方など、今後の土地所有に関する基本制度の見直しに当たっての決意をお願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 土地所有者の責務の在り方など、今後、土地所有に関する基本制度の見直しは、所有者不明土地の発生抑制や解消に向けた抜本的な対策に関するものであり、関係省庁が連携して検討することが必要であります。 六月一日の関係閣僚会議におきましても、所有者不明土地問題につきまして、抜本的な解決策が必要であり、土地の所有に関する基本制度に踏み込んで、期限を区切って検討を行っていくことが確認をされたところであります。 国土交通省といたしましても、六月一日に決定をいたしました基本方針に基づき、法務省など関係省庁と連携をしつつ、土地所有者の責務の在り方など、土地所有に関する基本制度の見直し等について検討し、本年度中に具体的な方向性を提示してまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 冒頭でも申し上げましたけれども、この土地の問題ですけれども、個人の問題だからといって、うちだけならいいだろうということで例えば登記をしない、それぞれの判断で登記をしないなどの判断をした土地が小さいながらも積み重なって、結局は大きな問題になってしまうということになります。 こうした現実ですけれども、実は、それぞれの皆さんが認識をしていないとか理解をしていないということも多いかと思います。自分の土地が実はそういう大きな問題につながっているんだということを、やはり先日の参考人のお話にもありましたけれども、学ぶ機会とか、教育の機会というのもこれから日常的に必要になってくるのかなというふうに思いますし、こちら側としても積極的に周知をしていかなくてはいけない。議員の皆様方も、それぞれ地域に帰って、是非こういったことがあるということを周知を徹底をしていただければというふうに考えています。 国土保全の観点で、国全体で考えていかなくてはいけない大きな課題もたくさんあるんだなというふうに今回認識をいたしました。 今後とも省庁横断の取組をお願いを申し上げまして、質問を、少し早いですけれども、終わらせていただきます。
○野田国義君 野田国義でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 それで、私は最初に、昨日ですか、財務省の調査結果と関係職員の処分が発表をされたわけであります。前のこの委員会でも幾つか指摘をさせていただきましたけれども、最初にこのことについて少し述べさせていただきたいと思います。 まず、この財務省の調査結果、恐らく国民もちょっと驚いていると思いますけれども、まさしく幕引きを狙うということが何か透けて見えるようなことじゃないかなと思っておりますし、また、この調査が内部的に調査をされたということでございまして、私は、非常にこれ疑義が逆に深まったと言えることではなかろうかと思っております。 それから、この一年以上も国、国会を揺さぶり続けてきたわけでありますけれども、財務官僚がなぜここまでしなくてはいけなかったのか、その正体はいまだ不明であるということでございますので、根幹のところが全く見えていないということが言えるのではなかろうかと思っているところであります。 そして、先日も私、リーダー論、それからトップ論、そういうことを述べさせていただきましたけれども、政治家というのは、やっぱり何度も言いますように、責任を取るために、長が付く者はそのためにいるんだということを私自身も言い聞かされてきました。 それで、今回の麻生大臣の責任の取り方、閣僚給与ですか、何か私も分かりませんでしたけれども、それを一年間分ということだそうでございますけれども、これで本当に責任を取ったということが言えるのかということを言いたいと思いますし、また、総理の発言として、その先頭に立って責任を果たしてもらいたいと。いわゆるこの対策ということになろうかと思いますけれども、こんな責任の取り方はないんじゃないのかなと、今までのことをちゃんと責任を取った上で、更なる対策をしていくというのが筋であろうということを思っております。 それで最後に、もう一つ、私は最も大切なことだと思うんですけれども、近畿財務局職員が告発のメモを残して自殺したこと、このことは我々は忘れてはならないと思うところでございますので、是非ともこのことも含めて、しっかりと今後の対応をしていただきたい。恐らく、この平成の政治あるいは行政の歴史に禍根をこのままだとまた残すということになるのではなかろうかということを御指摘をさせていただきまして、質問に移りたいと思います。 私、この間から実家の方に仏様参りに帰りました。三週間ぐらい前だったでしょうか。そうしましたら、私の実の父と弟が会話しているんですね。どういう会話かと申しますと、父が裏山を買っているんですね、家族に言わずに。それは今竹林になっております。私が小さい頃は樹木というか、木も生い茂っておりましたけれども、やっぱり竹林は強いものですからね、全部が。恐らく全国そういう地域がたくさんあろうかと思いますけれども、結局、管理の問題ですね。 それと、相続の問題まで話しているんです。もうそんなの要らぬと、誰が今後管理をしていくのだと。そこはちゃんとおいっ子もいますので跡継ぎもいるんですけれども、しかしながら、もう子供たちにもこんなところを管理させるのも大変だというようなことをお互いに言っておりました。まさしく、この所有者不明土地と申しますか、それになる可能性がそういうところでもあるんだなということを改めて感じたところでございますけれども。 そういう中にあって、私も本当これ、これからの日本にとって大きな問題になってくると思います。もう既に九州の面積よりも広い地域が所有者不明になっているということでございますので、タイムリーな法案だと思いますし、また更なる充実に向けて努力をしていただきたいということをまず申し上げたいと思います。 それでは、質問の方にいたしますと、裁定の主体である知事が地域の福利増進事業や土地収用法に定める起業者となる場合には、裁定の透明性及び公平性を担保しなければならないと考えるわけでありますが、どのような措置が必要と考えられるのかということをまず最初にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 新制度では、事業が地域住民等の共同の福祉又は利便の増進に資するものであるかどうかといった要件に該当することの確認や補償金額の算定等を行う裁定につきましては、都道府県知事に事務を担っていただくこととしております。 御指摘のような都道府県知事が事業を実施する場合につきましても、直接事業を担当する部署とは別の部署が確認や裁定を担当することを基本方針等において定めること、それから、地域住民等の共同の福祉又は利便の増進の観点については、地域の実情を把握する関係市町村長の意見を聴くこと、それから、補償金額につきましては収用委員会の意見を聴くこと、さらに、各都道府県の情報公開条例に基づき確認や裁定に係る情報を適切に公開することを基本方針等で促すこと、これらの措置によりまして、一定の透明性、公平性が確保されるものと考えております。
○野田国義君 今申し上げましたように、本当にこれ、透明性それから公平性というものが非常に重要になってくるかと思いますので、この対策を更によろしくお願いをしたいと思います。 それから、今も申し上げましたように、もう既に九州より面積が広い地域になっていると。前の質問のときですが、行田さん、八年前からこのテーマに取り組んでいるということをおっしゃっておりましたけれども、これまでの対策でありますけれども、この所有者不明土地の増加について、いつ頃から認識され、また、これまで、もう恐らく何らかの対策をされてきたと思いますけれども、その辺りのところをどういう対策をされてきたのかということをお聞きしたいと思います。
○政府参考人(田村計君) お答えいたします。 所有者不明土地につきましては、東日本大震災からの復興に際し、所有者の探索に多大な時間、労力などを要したことが契機となりまして、公共事業の円滑な執行の妨げになるといった問題が認識されてきたものと考えております。 全国的にも、国土交通省の直轄事業におきまして、平成二十年頃から用地取得を困難とする要因として所有者不明土地が第一の要因となるなど、所有者不明土地の利用の円滑化が課題として認識されてきております。 今後、高齢化、人口減少が進み、相続の機会が増加すれば更に所有者不明土地が拡大していくと見込まれ、この対策は喫緊の課題と認識をしております。 まず、東日本大震災につきましては、東日本大震災からの復興に当たりまして、用地取得対策として、事業認定手続期間の短縮など、被災地に特化した用地取得の加速化のための措置を行いました。また、二十八年三月には、所有者探索の方法や所有者が不明である場合の解決方法につきまして、実務に携わる担当者向けに所有者探索の円滑化等に資するガイドラインを取りまとめたところであります。 さらに、昨年六月にいわゆる骨太方針におきまして必要となる法案を次期通常国会への提出を目指すとされ、昨年九月から国土審議会に特別部会を設置し、十二月に中間取りまとめを行うなどの取組を重ね、今般、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案を国会に提出をしたというところでございます。
○野田国義君 次に、所有者不明の土地が発生する原因の一つには、当然、相続登記がされていないことが挙げられるわけでありますけれども、この問題、参考人招致のときにも私ちょっと質問させていただきましたけれども、これやっぱり義務化なり罰則化というようなことを、ちょっと強制的なことをしないことには、皆さん、しようという気持ちがあってもなかなかできていないというのが現状だと思いますけれども、この辺りのところをどうお考えになっておるのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(筒井健夫君) お答えいたします。 所有者不明土地が生ずる要因の一つとして相続登記がされないことがあり、その対応策として、今お尋ねがありましたように、相続登記を義務化すべきであるとの指摘がされております。 そこで、法務省におきましては、相続登記の義務化の是非を含む登記制度、土地所有権の在り方等につきまして研究会において検討を進めているところでございます。研究会におけるこれまでの議論におきましては、仮に相続登記を義務化するとした場合に、その実効性をどのように確保するのかという点が重要な課題の一つとされているところでございます。 この相続登記の義務化につきましては、今月一日に開催された関係閣僚会議で決定されました基本方針におきましても、相続等が生じた場合に、相続登記の義務化等を含め、これを登記に反映させるための仕組み等を検討し、来年二月を目途に具体的方向性や検討課題を幅広く提示するとされたところでございます。 法務省におきましては、この基本方針に基づいて、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
○野田国義君 引き続いて、情報の一元管理、それから土地情報基盤についてということでお聞きしたいと思いますけれども。 現在、不動産登記は法務局、固定資産課税の台帳は市町村、一部は都、地籍調査票は市町村と都道府県が所有をしているわけでありますが、このような所有者の探索時に有益な情報を保管している主体が様々であり、土地に関する情報を一元的に管理できれば、探索の労力やコストなどを大幅に減らすことが期待できるのではないかと。土地に関する情報の一元化を図ることが最も重要ではないかと思います。 このことは、最近いろいろ法律が出てくるのを見ますと、いわゆる農地なんかも台帳を作ってやっていくとか、森林の方も林地台帳を作ってやっていくとか、そういうような法律が出てきておるということでございますので、このことも早くいろいろ対策をやっていかなくちゃいけないと思いますし、それと同時に、先ほど申し上げました相続登記の問題もそうなるかと思いますけれども、いわゆる情報の管理ということになりますと、職員の事務的なもの、非常に私、事務量が増えるんじゃないのかなとも思います。 ですから、こういったところもちゃんと対策を講じていかないと、今、御承知のとおり市町村合併をいたしまして職員も非常に手薄になっているというようなことでございますので、こういうことも含めて御答弁いただければと思います。
○政府参考人(筒井健夫君) お尋ねがありました登記情報と戸籍や固定資産課税台帳などとの連携に関しましては、先ほど申しました関係閣僚会議で決定された基本方針におきましても、不動産登記を中心とした登記簿と戸籍等との連携により、関係行政機関が土地所有者の情報を円滑に把握できる仕組みを構築することを目指すとされているところでございます。 法務省といたしましては、これに基づき、不動産登記簿と戸籍等を連携させることにより、不動産登記における所有者情報について最新の情報を適切に把握することができる仕組みの検討を進めております。また、固定資産課税台帳を保有する地方公共団体等にオンラインで所有者情報を提供することなどの検討を進めております。 法務省といたしましては、このような仕組みの構築に向けて、関係省庁と連携しながらしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○野田国義君 それから、空き地利用促進ですか、このことについてお聞きをしたいと思います。 昨年の平成二十九年一月から国交省では空き地等の新たな活用に関する検討会が開催をされ、六月は取りまとめが行われ、この取りまとめを踏まえ、空き地の利用促進に向け、現在どのような取組が行われているのかということについてお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(田村計君) お答えします。 現時点で使われていない空き地につきましてその利活用を進めることは、地域活性化に資するのみならず、その土地が将来的に所有者不明土地になることを防ぐために重要であると認識をしております。 このため、国土交通省としては、御指摘のあった空き地等の新たな活用に関する検討会の取りまとめも踏まえまして、平成三十年度予算におきまして、空き地の活用を図るため、地域の先進的な取組を支援するモデル事業を実施してまいります。 例えば、空き地にコンテナなどの簡易建築物を設置して暫定利用する、空き家を除却した後の空き地を防災空地として利用するといった空き地を地域の資源として活用する取組につきまして、専門家のサポートや事業計画の策定、さらに、空き地所有者や地域住民の合意形成などに要する費用を支援することを予定しております。 このモデル事業により創出されました優良事例につきまして、そのノウハウの収集分析を行った上で地方公共団体等に広く周知していくことによりまして、各地域への横展開を図り、空き地の活用を促進してまいります。
○野田国義君 利用されない所有者不明土地についてお伺いをさせていただきたいと思います。 今回の法案は、利用の意向がある所有者不明土地を対象としての利用円滑化を図っているが、そもそも利用されない所有者不明の土地の管理方法はどういう方向であるのかという質問でありますが、このことについても再三出ておりますけれども、ランドバンクを設けるとか、そして自治体、NPOがどのように土地を集めて利用していくのかというようなことが非常に必要だと思いますので、いわゆる受皿も含めて、私は非常に重要な課題だと思いますけれども、どういう方向で今後いかれるのか、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘のありました利用されない所有者不明土地への対策を含めまして、所有者不明土地の発生の抑制や解消に向けた抜本的な対策につきましては、登記制度や土地所有権の在り方等と深く関連するため、関係省庁が連携して検討することが必要であります。 六月一日の関係閣僚会議におきましても、所有者不明土地問題について、抜本的な解決策が必要であり、土地の所有に関する基本制度に踏み込んで、期限を区切って検討を行っていくことが確認をされたところであります。 国土交通省といたしましても、六月一日に決定をいたしました基本方針に基づきまして、法務省など関係省庁と連携をしつつ、土地所有権の在り方など土地所有に関する基本制度について、民事基本法制の見直しと併せて検討し、本年度中に具体的な方向性を提示してまいりたいと考えております。
○野田国義君 じゃ、最後にお聞きいたしますけれども、放棄される土地の受皿の検討でございますが、提言になろうかと思います。また再三この話も出ておりますけれども、国への土地を収用する受皿作りの、今後、検討に本格的に入ったらどうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(筒井健夫君) 法務省におきましては、土地所有権の放棄を認める制度の創設につきまして研究会において鋭意検討を進めており、六月一日に公表されましたこの研究会の中間取りまとめにおきまして、放棄の要件や放棄された土地の帰属先の在り方など、今後更に検討を進めるべき課題が整理されたところでございます。 お尋ねがありました放棄された土地の帰属先につきましては、いまだ議論の方向が定まっている段階ではございませんけれども、研究会においては、国や地方公共団体のほか、例えばいわゆるランドバンクのような一定の公的な組織を創設し、これを帰属先とすることなどが議論されております。 法務省といたしましては、土地所有権の放棄を認める制度の創設につきまして、引き続き、国土交通省を始めとする関係省庁と連携してしっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
○野田国義君 終わります。
○委員長(長浜博行君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山添拓君 日本共産党を代表して、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案に反対の討論を行います。 長期間相続登記がなされないなどの事情により発生する所有者不明土地について対策が必要であることに異論はなく、本法案による地域福利増進事業の創設や所有者探索の合理化そのものに反対するものではありません。しかし、本法案は、所有者不明土地の発生や増加に根本的な対策を施すものではなく、専ら利用の促進を図るものであり、かつ、次に述べるように、看過できない問題を含んでいます。 第一に、所有者不明土地が大型開発推進の支障になっているとして、土地収用法の特例を認め、手続を簡素化、迅速化しようとするものであることです。 憲法二十九条が保障する財産権は、正当な補償の下で初めて公共のために用いることができるとされます。土地収用は最も直接的な財産権の剥奪であり、事業認定及び収用裁決の各段階で権利者に対する十分な手続保障が求められます。ところが、本法案は、所有者不明土地について、収用委員会の公開審理と裁決を省略し、都道府県知事の裁定に代えるものであり、所有者不明と言えるかどうかの判断をも起業者に委ねるもので、財産権の剥奪を正当化するだけの十分な手続保障とは言えません。 現行法にも不明裁決制度があり、収用委員会の手続を経て所有者不明土地を収用することは可能です。しかも、国土交通省の地籍調査によれば、探索によっても所有者が判明しない狭義の所有者不明土地は〇・四一%にすぎません。事業認定の形骸化が指摘される中、求められるのは住民参加を充実させることであり、そのために一定の時間や労力を掛けることは必要です。手続を簡素化する新たな仕組みを安易に認めるべきではありません。 第二に、本法案の土地収用法の特例では、知事の裁定による収用手続が認められていることです。事業者と裁定者が同一人になる場合が生じ得ることとなり、客観的な確認や裁定は担保されません。事業者が自らの判断で、利害関係人や住民に何らの説明もすることなく公共事業を進めるという事態が起こりかねません。 以上、反対討論とします。
○委員長(長浜博行君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(長浜博行君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、羽田君から発言を求められておりますので、これを許します。羽田雄一郎君。
○羽田雄一郎君 私は、ただいま可決されました所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、日本維新の会、希望の会(自由・社民)、希望の党及び国民の声の各派並びに各派に属しない議員野田国義君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 裁定主体である都道府県知事が地域福利増進事業者又は土地収用法に定める起業者となる場合には、裁定の透明性及び公平性が確保されるよう、必要な措置を講ずること。 二 現に所有者が不明となっている土地についての相続登記を促進するため、相続により土地の所有権を取得した者が当該土地の相続登記を行おうとする場合において、所有者不明土地の相続人の負担軽減を図ること。 三 所有者不明土地の発生を抑制するためには相続登記の促進が必要であることから、市町村から登記官に登記名義人の死亡の情報が伝達されるなど、登記官がその死亡事実を把握することができるようにして、共同相続人に遺産分割の協議や相続登記を促す仕組みを検討すること。 四 財産管理制度の円滑な利用を図るため、複数の土地共有者が不在者であるときは、不在者財産管理人は、複数の土地共有者を代理することができる仕組みを検討すること。 五 本法に基づく制度が効果的かつ適切・円滑に運用されるよう、丁寧で分かりやすいガイドライン等の整備、説明会の開催などを通じて、地方公共団体や関係する専門家等に対し制度を周知するとともに、所有者探索に有効な方策の情報共有に努めること。 六 所有者不明土地の発生の抑制・解消に向けて、関係府省が一体となって土地に関する基本的な制度の在り方等について可能な限り早期に検討を行い、所要の措置を講ずるよう努めること。その際、土地の管理の放置を防ぐため、土地の所有権の放棄の在り方や使われないまま放置されている土地の管理等に係る新たな「受け皿」づくりについても検討すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(長浜博行君) ただいま羽田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(長浜博行君) 多数と認めます。よって、羽田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。
○委員長(長浜博行君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長浜博行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十八分散会