国土交通委員会 第12号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2018/05/17
会議録
○委員長(長浜博行君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、渡辺美知太郎君及び増子輝彦君が委員を辞任され、その補欠として吉田博美君及び伊藤孝恵君が選任されました。 ─────────────
○委員長(長浜博行君) 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、中央大学研究開発機構教授秋山哲男君、高山市長國島芳明君及び一般社団法人全日本視覚障害者協議会代表理事田中章治君、以上三名の参考人に御出席いただき、御意見を聴取し、質疑を行います。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多用のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。 参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 それでは、議事の進め方について申し上げます。 まず、秋山参考人、國島参考人、田中参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、参考人、質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず秋山参考人にお願いいたします。秋山参考人。
○参考人(秋山哲男君) 中央大学の秋山と申します。 今回、この法案の一部改正につきまして、皆さん方のお手元に一枚の紙が行っていると思いますが、これを基にお話をさせていただきたいと思います。 今回、法案ができるまでの経緯を簡単に最初御説明させていただいて、今回の法案の成果と、そして今後の課題ということで三つに分けてお話をしたいと思います。 最初に、今までの成果というのは、一九八一年の運輸政策審議会、そこからスタートして、そして二〇〇〇年に交通バリアフリー法ができたというところがございます。その二〇〇〇年の前にできた理由は、アメリカがADAという障害者アメリカ国民法というのができて、そしてイギリスはDDAという障害者差別解消法というのができて、それが一九九〇年と九五年ですが、その後、二〇〇〇年に日本が初めて交通バリアフリー法を作りました。 今回の法案は、バリアフリーにおいて着実に成果が上がっているというふうに私は見ております。その一つとして、黒いボッチの最初のところですけれども、基準が一定の効果を上げている例を大都市の鉄道で見ますと、エレベーター、多機能トイレ、ブロック等は九割方できていると。ただ、地方はやや遅れぎみというところがございますけれども、例えば鉄道駅は九三・七%の駅が段差が解消されているとか、それから人口の多い関東運輸局では九六・三%の整備が進んでいると。 その結果、ベビーカーで移動する人たちが、今まで自動車で移動していたのが鉄道に相当乗り換えてきたという現実がございます。そのことによって、一方で、かなりエレベーターが混雑して障害者が使いにくくなるというようなことだとかが起きています。 また、多機能トイレという障害者専用のトイレも、そのことによって、そういったベビーカーの方々とか荷物を持った人が増えたために使えなくなって、機能分散化を図るというようなマイナス効果も一方で出ているというところがまず第一点です。 それからもう一つは、先進的な模範となる設計が出てきているというところも特筆しておきたいと思いますが、中部国際空港というのは十年ぐらい前にユニバーサルデザインで設計をしました。それを基に羽田国際ターミナル、TIATも二〇一〇年に設計完了してスタートをしました。今は見直しをしている最中ですけれども、こういったところがスカイトラックスというイギリスの民間会社の評価の中では高い位置にあります。 例えば、ここに書いてございますけれども、スカイトラックスで、最もクリーンな空港で羽田が一位で、中部国際空港が二位になっています。これについては、総合評価も恐らく五位以内に入っていると。この二つは、ユニバーサルデザインで最大限の努力を払って造り上げた空港ということで、今でも見劣りがしない段階にあります。 そういう意味で、次の段階が②のところで、新しい参加型の成果が今醸成中というのが、これは、府省連絡会議で街づくり分科会を務めていまして、私、座長をやっていたんですが、そこで成田空港がオリンピックに向けて最大限ユニバーサルデザインで頑張りたいということで、今、一日一回八時間ぐらいの議論を通して、ワークショップを十何回続けて指針を作っている。それは何かというと、実は人材教育なんですね。人材が教育ができると、設計もおのずとユニバーサルデザインの、レベルのかなり高い水準でキープができるというところが先進的な模範となる設計が出てくるゆえんというところです。 そして、今回の法案の成果ですけれども、理念という部分というところは、障害者の権利条約、二〇〇六年に批准されて、それから日本が一三年に調印したと思うんですが、これについて、やはり受け止める形で理念をつくり上げていったというのが第一点だと思います。 第二点がハードとソフトの一体的整備、ソフトを加えたところに意味があると。バリアフリーというのは、やはりハードだけではどうも成り立たないというところが今まで見てきたところです。 特に、視覚障害者の命を守る観点から努力が必要かなという例えばの例ですけれども、ガイドの支援システムももう一方で必要だろうと。本当はホームドアを全部できればいいんですが、まだできるまでには十年、二十年と時間が掛かるわけで、その間に視覚障害者を本当に部分的に誘導するシステム、例えばユージンという米国でやられているトランジットホストというのがあるんですが、これは、障害者がバスに乗り換えて、言語障害の人で車椅子の人を誘導して、運転手にどこどこまで行きますということを伝えていく、そういう仕組みはユージンでやっていました。これは十年ぐらい前に調査行ったときに分かっていたことです。 それから、ICTがこれだけ普及しているのに視覚障害者の支援システムをつくってもいいんじゃないかと思っておりまして、特に、例えばメトロで妊産婦の人が座れるようにという実験をやりましたけれども、これは非常にいいことで、視覚障害者が駅に来たときに、不特定多数ではないんですが、会員となった人が、手助けをしてくれる人をそこでボタンを押すだけでスマホで呼び出すことができるというような、今そこまで技術が進歩しています。こういう技術を使うことをやれば、ハード、ソフトの一体的な整備でもっと前に進むんではないかというのが二点目のお話です。 三点目は、まちづくりと地域の取組でございますけれども、今回、今までは、基本構想は、駅及びその周辺とか福祉施設が多いところとか限定的に一キロ四方ぐらいでやってきたんですが、それが都市全域で拡大して、もっと緩い浅いマスタープランを作って拡大していこうと、入口を強化していこうという流れは賛成でございまして、今なかなか基本構想が進んでいないという点ではいい政策かなと思います。 それから、もう一つ大事なことは、他の分野、都市計画の立地適正化だとかマスタープランだとか、あと地域公共交通網形成計画とか地域包括ケア、こういったものとの連動性が弱いんですね。ここをもう少し一体的に計画できるように、市町村等の努力がちょっと必要かなというふうに思っております。 三つ目ですけれども、移動の連続性、安心の連続性を確保するのに、鉄道駅のバリアフリーはかなりできた、道路の段差はできたと、それを連続的につないでいくという努力がこれから必要なんでしょうねというところが三点目のお話でございます。 ③の道路のガイドラインですが、二〇一二年から市町村に条例で移したことによって道路の自治体の動きが本当に見えなくなってきたということと、それから自治体同士の共有する場がなくなってしまったのかなという感じもしますので、ここは少し考えて努力する必要はあるかなというふうに思います。 それから、四点目の利用しやすさですけれども、ICTの役割ですけれども、ICTというのはICTだけ独立でやっていいものかという、部分だけではなくて、施設サインとか案内サインだとかあるいは人的支援だとか、総合的に対応してこそICTが生きてくるということを考えますと、ICTについてはそういった総合的に基本的な計画を立てておく必要があるだろうというふうに思います。 以上のことから、今後の課題として二つだけ申し上げておきたいと思いますが、やはり、ユニバーサルデザインあるいはこういったバリアフリーを進めるためには人材育成の必要性が極めて高くて、やはり形式的なワークショップ、障害者が参加してさえいればいいんだというようなことで進めていくのではなくて、もう少し実を取っていくやり方が必要だろうと。理念を具体化することとかハードやソフトの一体的な整備を推進するためには多様な人の人材教育が必要であると。多様な人というのは、管理者とか駅員だとか設計者とか利用者だとか障害者だとか。例えば空港で整備するときに、空港の職員のための整備も本来は必要なんですね。職員のためのバリアフリーも大事なので、そういった多様な人に対して対応するんだということが必要だろうと思います。 二つワークショップの事例を書いていますが、一つ目は、羽田で三年間ぐらい、当事者と専門家参加型のワークショップをしました。このことによって、羽田は車椅子の着脱式でアイルチェアになってシップまで行ける、そういうものを生み出したり、あとは視覚障害者向けのガイドドッグのトイレを設けたりとか、それからボーディングブリッジが段差なしのものを設けたりとか、そういう結果が出てきました。それから、トイレについては、左利きと右利きの多機能トイレを出してきたりというようなこと。それから、聴覚障害者は、エレベーターでボタンを押せば、聴覚障害の人がもし降りてもガードマンが飛んできてただいま火災ですと案内をする、そういうシステムもつくりました。参加をすることによってそういうことが可能になってくるというのが一つ目のワークショップです。 二つ目の、当事者参加と専門家と事業者参加とここあえて書きましたけれども、これは成田空港でやり始めているんですが、事業者参加というのは、やはりユニバーサルデザインを担保していくときに、事業者がかなり自分の中にユニバーサルデザインが体質化されないと継続性が持てないので、そういう意味で、事業者が参加すると自然にそこはユニバーサルデザインになっていくんだということで、成田では一日八時間を十三回やって指針を作って、今度は具体的な設計の段階に入りまして、今、その中で最初にできたものはカームダウン室という、カームダウン室というのは、知的障害者が心が落ち着かなくなって大騒ぎするような場面があった場合にそこのカームダウン室に入って静かに過ごせるという、そういったものでございます。そういうものがこれから次々に出てくるだろうというのが成田空港の事例です。 それから二番目に、ICTに対応した、バリアフリーに対応した仕組みづくりなんですが、ICTが見えないために、何かの乗り物では八十四種類出ているというのも聞いています。そうすると、八十四種類出たらAを使ってBを使って、Cを使って、全部アプリを入れないといけないという、そういうのは一つにしないといけないというのがあります。 それから、国土交通省の総合政策局で、坂村先生、東洋大学の先生ですけれども、情報のICTの歩行空間を誘導するシステムを開発しているんですが、こういうのがなかなか広がっていかないので、是非こういうものをしっかり広げていただきたいなというのもこれからの要望です。 そして、ICTについては変化が大きいので、私も何か所か実験をしてきましたけれども、なかなか実験場所を得るとかそういうのもお金も掛かったりいろいろしますので、できるだけ普及を急ぐためにもあらゆるところで実験をやっていただくとよろしいかなというふうに思います。 以上が私の意見陳述ということで、ありがとうございました。
○委員長(長浜博行君) ありがとうございました。 次に、國島参考人にお願いいたします。國島参考人。
○参考人(國島芳明君) 高山市の國島でございます。 私からは、高山市のユニバーサルデザインのまちづくりについてお話をさせていただきたいと思います。 資料、何部かあっておりますが、ユニバーサルデザインのまちづくりという資料を御覧いただければと存じます。 本日は、都市の概要、ユニバーサルデザインの考え方に基づくまちづくりの取組状況に続きまして、都市における主な成果と課題、それらを踏まえた一層の推進に向けた国へのお願い事項などについてお話をさせていただきます。 おめくりください。市の概要でございます。 高山市は平成十七年に合併をいたしまして、東京都と同じくらいの広さの面積を持つ市になりました。人口は、残念ながら微減をいたしておりまして、直近では八万九千人くらいの都市でございます。 高山市では、江戸時代から残る町並み、伝統文化、飛騨のたくみの技など優れた地域資源を有しておりますけれども、四十年以上も前から市民と行政が一体となってこれらの地域資源を生かしたまちづくりを進めてきたところでございます。これらの取組が功を奏しまして、ミシュランとか、あるいは文化庁の日本遺産、さらにはユネスコの無形文化遺産など、相次いで選出をしていただいたところでございます。 おめくりください。 おかげさまをもちまして、観光客の入り込み者数は増加傾向にございまして、平成二十九年は四百六十万人のお客様に来ていただきました。そのうち外国人の旅行者につきましては、折れ線グラフで示しておりますが、宿泊者ベースで五十万人を超すなど急速に増加をしておりまして、長年の取組にわたる成果が現れたものと考えております。 ユニバーサルデザインのまちづくりへの取組でございます。 平成八年頃から、資料に記載の背景などを受けまして、障害者によるモニターツアーなど数多くを行いまして、その結果に基づく道路の段差解消や多目的トイレの設置など、バリアフリーのまちづくりを積極的に進めてきたところでございます。それらの取組を進める中で、そもそもバリアを生まないまちづくり、ユニバーサルデザインの考え方に基づく誰にも優しいまちづくりへの取組へと発展したという経緯がございます。 おめくりください。 平成十七年には条例を制定いたしまして、市の基本方針として、誰にも優しいまちづくりを進めることを明確に示すとともに、市民や事業者への参画、ハード、ソフト両面からの取組の推進、事業者による取組への認証制度などを設けたところでございます。 また、バリアフリー法第十四条第三項に基づきまして、建築基準を強化しております。従来二千平方メートル以上の建築物は適合義務があるところを、私どもは建築物の種類に応じた上乗せ、横出しを行いまして、例えば、学校や保育所などであれば規模にかかわらず基準適合を求めているところでございます。また、施設内の通路の幅などですけれども、施設の構造や配置に関する基準についても独自基準を付け加えさせていただきまして、誰にも優しいまちづくりの推進が一層図れるよう官民連携による取組を進めているところでございます。 おめくりください。 平成十八年には推進指針を作成いたしまして、条例の理念に基づいた考え方などを市民の皆様に分かりやすく伝えるための冊子にまとめて様々な場面で活用いたしているところでございます。 取組の具体例でございます。道路空間の整備ということで、狭い道路では、段差解消とともにカラー舗装によりまして走行車両の減速を促す、あるいは、そういうことを効果を持つ歩車共存型の道路の整備を進めております。そのほかにも、グレーチングの網目を細かくしたり、街路整備、あるいは歩行者安全施設の整備、またお休みどころの整備なども計画的に進めているところでございます。 おめくりください。 公衆トイレについても町歩きに非常に重要なアイテムでございまして、写真で御覧いただけますような多目的トイレなどを順次整備をしております。 行政施設は数が限られておりますので、民間施設のバリアフリー化を促進いたしております。改修費の二分の一を市が助成するなどの支援制度によりまして、官民連携したハード整備を進めております。また、タクシーなどの公共交通に対しても同様でございます。 おめくりください。 ソフト面での取組、主に言語や習慣などでバリアがあると考えられる外国人への対応といたしましては、独り歩きができるまちづくりを推進するために、十一か国語の外国語ホームページの開設や無料WiFi環境の整備を行いまして、外国人の受入れ環境を整備するほか、災害対応やマーケティングにも役立たせていただいております。パンフレットは、多言語で国ごとに見ていただく、人の心を捉えるように作り分けているところでございます。 おめくりください。 その他の受入れ環境整備といたしましては、店舗の看板やパンフレット、メニューなどの外国語表記に対する助成、おもてなしの心を伝える研修会の開催、四か国語による多言語案内看板の整備、観光ガイドの育成などの取組も進めているところでございます。 十六ページのところは、高山駅周辺整備の関係でございます。 おめくりください。 将来を担う子供たちへの啓発で大変重要と考えているところでございます。子供たちにも分かりやすい資料を配りまして各学校で授業に取り上げてもらうほか、市の職員による出前講座の実施などを行いまして、高山市の大切にしているまちづくりの考え方や困ってみえる人を思いやる気持ちなどを学んでもらっております。 主な成果でございます。平成八年に高山市が取組を開始した頃、これは市の総合計画の基本理念と同じでございますが、「住みよいまちは、行きよいまち」、これを基本理念といたしまして、そのことの推進が魅力ある町につながっていくといったまちづくりの考え方が一定程度実を結んだものと考えております。 おめくりください。 具体的には、先ほども御紹介しましたが、ハード面では、町中の回遊性の向上、誰でも使いやすい施設設備、民間施設の整備促進などが図られました。ソフト面では、来訪者へのおもてなしにつながっているところでございます。これらの取組は、市民や事業者の皆様にも当たり前になってきたということが非常に大きいことだというふうに感じております。 こちらは外国人の宿泊数の推移でございますけれども、御覧のように急速に伸びているところでございます。 おめくりください。二十一ページでございます。 一方、市民にとって暮らしやすい整備によりまして、市民満足度の向上や地域への誇りや愛着につながっているものと考えております。左の写真は市内に二か所ある伝統的建造物群保存地区の一つでございますが、道路のバリアフリー改修を始め景観に配慮した側溝整備、無電柱化など歴史的町並み再生整備を広範囲に行いまして、住民の皆様からも大変好評をいただいております。周辺では民間住宅の外観改修が進むなど、町の魅力が住民の皆様方の手によって進められていくというふうに感じております。 高山市における課題を御紹介させていただきます。当市の取組の開始から十年余りが経過いたしまして、主に三つの視点で課題があるものと考えております。 一つ目は、過去からの課題といたしまして、当市では市内一律の基準としておりますが、厳格に基準を適合させるようにしますと、例えば、価値の高い町屋建築の改修が行えなかったり、あるいは登山道にある山小屋のトイレまで段差解消を求めたりすることがございまして、歴史的価値や自然の趣を重視した考え方に立った見直しが課題となってきております。 二つ目は、おめくりください、現在の課題といたしまして、肢体不自由な方の円滑な移動を確保する施設整備を中心としてこれまで取り組んでまいりましたけれども、認知症や発達障害、LGBT、外国の方など、暮らしにくさを抱える人たちへの視点はまだ不十分でございます。また、例えば道路の段差解消を進めた場合、白杖をつかれた視覚障害者には、頼りとする凸凹がなくなり逆に不自由するといった例も出てまいりました。このため、あらゆる人が快適に過ごせるためには、ソフト、ハード両面からの施策の検討が課題となっているところでございます。 三つ目は、未来志向の課題といたしまして、先ほどお話がありました、AIやIoT、ロボットなどの最新技術への対応についてでございます。人口減少や高齢化なども更に進むと予測される中、サービス水準や量の確保を図るため、これらの最新技術を積極的に活用することも課題となってきているところでございます。 おめくりください。 以上のように、当市の誰にも優しいまちづくりにつきましては、独自基準の対象や程度の妥当性、制度内容の過不足、支援制度や学習指導の有効性などを分析、検証を行いまして、市民や団体の皆さんとも議論を深めながら、国の制度改正なども踏まえた抜本的な見直しを進めているところでございます。 最後に、一層の推進に向けてということで幾つかお願いをさせていただきたいと存じます。 まずは、制度内容についてでございます。 地方自治体によっては取組の程度に差がある現状の中、国における制度見直しに際しましては、地方の意見を十分に踏まえた内容としていただきたいということでございます。 具体的には、マスタープラン制度を創設されるに当たっては、例えば重点区域の設定を義務化しないなど、自治体の裁量を働かせられるよう自由度を確保していただきたいと存じます。また、先ほども市の課題で申しましたけれども、歴史的価値のある建物や施設のスタッフが支援を得られるような場合については適合義務を緩和するなどの考え方を示していただければ、実務を担う地方にとっては大変有り難いと考えているところでございます。 次に、支援制度でございます。 地方における取組の支援についてのお願いでございますが、特に外国人へのおもてなしの向上、将来を担う子供たちの取組など、ソフト面の取組が大変重要と考えております。例えば、アドバイザーの派遣や事業費の助成等の支援制度を御検討いただきたいと存じます。 また、先ほども申しましたAIなどの最新技術の活用にあっては、地方都市に多少のハンディキャップがあることも考えられます。地方都市にあっても最新技術に触れられるような情報提供、企業と自治体のマッチングなどについても推進していただければ大変有り難いと考えております。 また、積雪寒冷地においては冬季の積雪への対応も重要課題でございます。除雪対策には最大限努力しておりますが、財源にも限りがあるところでございます。また、ユニバーサルデザインの視点からも、雪対策についてハード、ソフト両面における地方の取組を支援する制度、これらを創設についても御検討いただければ有り難いと思うところでございます。 最後に、市民の声から印象的な言葉を御紹介させて終わらせていただきます。 都会のように便利ではないが、便利になってほしいとは思わない、高山らしさを失うことなく、不便なところは人と人とのつながりでカバーすればよい。この言葉が示すとおり、一番大切なものはやはり人の心でございます。飛騨高山が長く受け継いできた他者を思いやるおもてなしの心であると考えております。これからも、この考えを基軸に据えまして、市民の皆さんと取り組んでまいりたいと思います。 以上で説明とお願いとさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(長浜博行君) ありがとうございました。 次に、田中参考人にお願いいたします。田中参考人。
○参考人(田中章治君) 私は、全日本視覚障害者協議会の代表をしております、当事者団体ですが、田中と申します。 私は、盲導犬を約四十年連れております。そういう経験を含めてお話しさせていただきます。 まず、今回の法律の一部を改正する法律案ですが、報道発表を見た範囲内で、つぶさに条文なども見ておりませんので若干的外れなところもあるかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。日頃感じていることを率直に述べさせていただきます。 今回の改正案でございますが、非常にいい面をまず申し上げます。二〇二〇年オリンピックを契機とした共生社会の実現、そして、行きたいを行ける社会にする、そういうための取組だということでそれを強化する、このキャッチフレーズは大変いいんじゃないかというふうに思っております。 次に、評価すべき点でございますが、理念に社会的障壁の除去を設けたこと、それから事業者のハード、ソフト両面の計画の策定、特にこれは取組状況とか報告を公表するなどに触れられているということはすばらしいと思います。それから、市町村のマスタープランの制度創設ということも大変いいことだと思います。 逆に問題点をちょっと指摘させていただきますが、移動が権利として位置付けられていないという点、それから障害の定義が非常に限定的になっているんじゃないかと。身体的機能上の制限を受ける者ということになっておりますので、知的障害者あるいは精神障害者、難病者等の移動の問題はどうなのか、その辺が少し不安になるところです。 それから、駅についてなんですけど、一日の乗降客が三千人以下の駅についてバリアフリー化の具体策が余り示されていないように思います。それから、コンビニあるいは飲食店など日常的に私たちがよく利用する小規模店について、約床面積二千平米以下ということになりますが、ここの段差の解消などについても触れられていないというふうに思います。 次に、国及び国民の責務ということについて申し上げたいと思います。心のバリアフリーということについて言っておりますが、この点について一言申し上げたいと思います。 駅などで声掛け等が重要であるということ、これは全く賛成ですが、しかし、駅などでは駅員などのプロによるサポート、それが基本になると思いますので、その点をまず基本に置いていただきたいということで、一般乗降客の善意に頼るということはちょっと問題があるんじゃないかと思います。優先順位の問題ですね。それから、国に関しては予算面の支援を十分行っていただきたいというふうに思います。 それで、実は、つい先日ですけれども、二〇一八年の四月二十五日、読売新聞の朝刊なんですけど、これによりますと、レストランあるいはタクシーなどの入店あるいは乗車拒否というのが、これ盲導犬使用者のことなんですけど、最近十か月ぐらいで六割に達しているということで、多くの方がそういう経験をしております。障害者差別解消法が二〇一六年に施行されておりますが、それでもこのような状況なので、心のバリアフリーという観点を言うのであれば、この辺のことを着実にやっていただきたいというふうに思います。 次に、私たちの観点で申しますと、バリアフリー法の中では人の位置付けがちょっと弱いのではないかとかねてから思っております。例えば九州新幹線における駅ホームの無人化の問題、あるいは首都圏で今進んでおります駅の改札口の無人化の問題、これは駅遠隔操作システムということで導入されているようですが、私たちの安全、安心という点では問題があります。つまり、駅の改札は私たちにとって、そこでいろんな情報を入手する、直接案内を利用するという、そういう観点が大事だと思うので、安易なこの無人化というのは反対です。 それで、今日私が一番強調したいのは、視覚障害者の駅からの転落、死亡の問題です。これは尽きるところ、落ちない駅ホームの実現ということになります。 ホームドアと可動式ホーム柵、これの設置を進めていただきたいと思うんですが、お手元に、これは私たちに加盟している東京視覚障害者協会の調査なんですけど、この資料を御覧いただきたいと思うんですが、一九九四年十二月から二〇一七年十二月までの調べによりますと、全国で転落死亡事故というのが二十八件起きております。それから、骨折以上の転落重傷事故が三十三件、ほか六件ということで、計六十七件起きています。国交省の調査によりましても、二〇一六年度の視覚障害者の駅ホームからの転落事故、報告のあったものは七十二件あったというふうに聞いております。このうちの三名が転落死亡しております。 こういう状況を解消していただきたいんですが、現状は一日の乗降客が十万人以上ということで施策を進めていただいております。これは平成三十二年度まで、まあオリンピック・パラリンピックを目標にしているかと思うんですが、この十万人という規模は大体八百駅ぐらいかと思うんですが、私たちとしてはもっとこれを増やしていただきたいということです。そして、計画の前倒し、あるいは、特に気になるのは、ホームドアあるいは可動柵があるホームが両方向走っている、並行して走っているという二つの路線がある場合ですけど、この場合、片側にのみホームドアがあるという駅がまだかなりあるんですね。こういうものは非常に私たち錯覚をしてホームから転落する危険性が大きいので、その辺を是非考慮していただきたいと。 これに関連して、今もっと安価な形でできないかという研究がなされております。それは大変いいことです。上からバーやロープが下りてくる方式、これにつきましては私たちにとってはちょっと問題があると思います。と申しますのは、途中の鉄柱にぶつかる危険、それからドアが探しにくい、乗り降りするドアが探しにくいという問題、それから、上から下りてくるということで頭に対する危険というのがちょっとあります。 ですから、私たちとしては横にスライドする形式のものがいいんじゃないか。今開発されております、スマートホームドアというふうに聞いておりますが、これは大変私たちにとっては評価は高いものです。横浜線の町田駅に部分的に設置されております。私の住んでいる近くの埼玉県の蕨駅でもこれを導入するということで、このスマートホームドアについて是非皆さんの記憶にとどめていただきたいというふうに思います。 それから、エレベーターとエスカレーターについて申し上げたいと思います。 エレベーターというのは、よく私たち駅を歩いておりますとエレベーターに案内されることが多いんですけど、私たちにとってはエレベーターは案外使いにくいものです。というのは、そこへ行く動線が分からない、それから駅のホームの端っこにあったりするということで、あとおまけに、乗り込んだ際にボタンの操作位置、ボタンがエレベーターによって異なる、それから降りる方向も降りる向きもまちまちであるというような問題があります。ですから、私たちはエスカレーターが便利で安全なものです。 このエスカレーターについて、この度、点字ブロックによる誘導が認められるような方向が打ち出されておりますので、これは画期的なことで、私たち二〇〇〇年前後からこの要求をずっと出していましたけど、これがようやく実現するということで、大変喜んでおります。 それから、点字ブロックの敷設についてなんですけど、基本的にはやはり、点字ブロックは私たちにとって道です。連続性が大切です。ところが、時々、鉄道駅とその隣接する商業施設の管理者が異なるために、その間が、特に商業施設で点字ブロックが敷けないというような状況がありますので、連続して敷くということは基本じゃないかなというふうに思います。 それから、音の出る信号機の問題について。これは、まだまだ現状は足りません。それからもう一つ、横断歩道ということで考えてみますと、点字ブロックと、それから横断歩道を安全に向こう側へ渡るエスコートゾーンというのがありますが、これは足の触覚で安全に向こう側へ真っすぐ渡れるものなんですけど、このエスコートゾーンを是非増やしていただきたいと。 一言、信号の関係で申しますと、ラウンドアバウト、環状交差点と言っておりますが、これが少しずつ増えてきているんですが、これは信号がないということで、私たちは戸惑っております。是非、ここが音声案内でラウンドアバウトだという、そういう案内が欲しいですね。それから、歩道の点字ブロックとエスコートゾーンを是非このラウンドアバウトには付けていただきたいというふうに思います。 それから、要求の吸い上げ方法については、是非、パブリックコメントというのは我々視覚障害者はなかなか対応しにくいんですね。ですから、例えば当事者団体に出向いて説明してくださるというようなこと。以前、駅ホームの安全性向上に関する検討会、これは中間報告が出ておりましたけれども、これについて私たち直接伺っております。そういう国交省の対応を期待したいと思います。 最後にまとめをしたいと思いますが、何といいましても、障害者権利条約第九条に、施設及びサービスの利用可能性における障害及び障壁を特定し、及び撤廃することというのがあります。同じく第二十条では、障害者ができる限り自立して移動できる、そういう方向での措置をとることという文言があります。是非この辺を念頭に置いて施策を進めていただきたいと。 結論から言いますと、今回の改正案は一歩前進ではあると思いますが、都市と地方の格差の問題であるとか、障害者の完全参加と平等を実現していくということでは若干課題が残っていると思います。是非、取組をよろしくお願いします。それから、障害当事者の参加を含めて、利用する人たちの意見を丁寧に聞き取る評価システムの義務化が盛り込まれるべきだと思っております。 最後に一言だけ。 利用者ニーズの高度化に対応した鉄道のバリアフリー化に係る費用負担の在り方についてという中間取りまとめが出ましたが、これは、趣旨は分かりますが、基本的にはやはり事業者と行政の負担でやっていただきたいと。運賃に上乗せするという考え方は、どうも私たちは納得できません。特に、この高度なニーズに対応するということはよろしいんですけど、特に視覚障害者の駅ホームからの転落の問題、これはやはり高度なニーズではなくて基本的な命の問題だということで、その辺を是非指摘して、これは少なくとも行政と事業者の責任でやっていただきたいというふうに思います。 どうも御清聴ありがとうございました。終わります。
○委員長(長浜博行君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志でございます。 本日、三人の参考人の方からそれぞれの視点で非常に貴重なお話を伺ったと思います。 それで、その中でちょっと質問させていただきたいんですけれども、三人の参考人の方が共通して挙げられた話の中で、やはりこのハード、ソフトの一体的整備というお話、あるいはそれに近いようなところで、高山市長さんがおっしゃられている中での人と人とのつながり、あるいはこの学習教材である人的サポートという話がありました。また、田中参考人のお話の中では、鉄道会社の声掛け運動についてのお話がございました。 このハードとソフトをどういう形で組み合わせていくのか、そしてまた、そのハードの場合に、どうしても、金銭的な問題以上に、スペースとか歴史的建造物の場合にどうするかとか、そういう物理的なハード面での制約もある中でソフトの重要性というのが非常にあるんだと思うんですけれども、そのソフトという中にも、誰が実際にそれをどういうふうに進めるかというところで議論があろうかと思います。 実は、私の高校時代の同級生が中途視覚障害者になりまして、ですが、やはり今でも、以前の職場に勤めるということで、本人一人で自宅から勤務先まで約一時間、公共交通機関を使って通勤をしております。途中二回の乗換えということで、当初、通勤を開始するときには、団体の皆さんに特訓をしてもらって、どういうふうに乗り換えるのかというのを大分本人自身も学んだようなんですけれども、実際に通勤を始めると、最寄り駅では会社の人たちがサポートしてくれる、自宅の近辺では近辺の人たちがサポートをしてくれるというのがあったようですが、やっぱり乗換えのところで当初、特に通勤時間帯なので相当、何度もつえも折られるようなこともあったようなんです。ところが、やはりずっと毎日通勤を続けている中で周りの方からだんだんサポートしてくれる方々が出てきて、それで毎日同じように案内をしてもらえるような、こういう状況が出てきたという、そういう話を実はその友人がしておりました。 そういう意味で、確かに、鉄道会社の声掛け運動というのを今後どういうふうに本当に広げていくのか。特に、先ほど田中参考人からお話がありましたけれども、もちろん、駅員が基本である、プロが基本であるというところももちろんあると思いますし、またハード面をとにかく整えるというところも極めてこれ大事な話だとは思うんですけれども、ただ、やっぱりそこへ至るまでの過程、そしてまた、そういういろんな朝の状況とかで必ずしも駅員が常にいられないような状況の中では、やっぱりその周りの人たちの人的サポートというのもこれは非常に重要なところなんだろうというふうに思います。 それで、この鉄道会社、せっかく声掛け運動を始めたけれども、これだけでは駄目なんだろうというような御指摘でもあったかと思うんですけれども、この声掛け運動を実際にもう少ししっかりしたものにしていく、実際に声を掛ける人たち自身がどういうことを学んでいけばいいのか、そういう制度設計について何か御意見があれば、ちょっと三人の参考人の方からそれぞれ御意見を伺えればと思います。
○参考人(秋山哲男君) ただいまの御意見という前に、私は、視覚障害者自身が自立して移動するかどうかというところは結構大事なポイントになってくると思うんですね。 鉄道の場合には、自立して移動することを前提として、それで足りないから声掛け運動を始めたという理解をしています。 空港では、実は、羽田国際ターミナルはめったに来れないということもございますので、安心の拠点である案内のところまでたどり着いていただく誘導ブロックは付けたり音声を付けたりしているんですが、そこから先はコンシェルジュがパーフェクトに案内をするという、そういう組替えをしました。なぜそうしたかというと、やはり迷ったり、安全、安心移動が難しいという点でそうしました。 ただ、成田空港でこれから考えるべきことは、その案内の拠点までは来ていただくと、そしてそこから先は、人的介助もするけれど、一旦待合所まで行ったら自立してトイレに行けるような、柔らかなハード整備だとかソフト整備も必要だろうと。 具体的には、柔らかなというのは、誘導ブロックを敷設しないまでも、商店に行くには、そこは木の材質で全部できているルートがあるとか、そういうこともあるだろうと。それから、弱視者にとっては、ラインのような蛍光灯があるとか様々なそういう整備もあり得るだろうと。それは柔らかなハード整備ですけれども、基本はソフト整備を到着以後はやるというのが空港のやり方です。 これが必ずしもいいとは限りませんが、鉄道駅は今なかなか迷っている最中だと思いますので、一筋縄ではいかないので、いろいろなことをやりながら、それぞれの場所によって対応が違っていても構わないので、視覚障害者の命を守るという観点で開発をしていただくということが、今実験段階のように思います。 以上でございます。
○参考人(國島芳明君) 自治体といたしますと、管理をしている全ての道路あるいは全ての施設をバリアフリー化するということは大変時間も掛かりますし、不可能なことだと思います。 そこをどうカバーしていくかといいますと、やはりそれに関連する人たちの手助けといいますか、それがもう不可欠です。その意味において、やはり小さな頃から、人々には大きな違いもあると、そういうことが、自覚をして、それを認めて、自分としては何をすべきかということを考えてくれる人づくりがやはり必要だろうというふうに思っています。 一例を言えば、通学のときにおける見回り活動が今大変盛んになってきておりますけれども、これと同じような思いがこのバリアフリーという中に、ユニバーサルデザインというものに含まれてくる必要があると思いますので、私は、このユニバーサルデザインの町をつくっていくということについては、文部科学省も一緒になってこの面について連携して考えていただければ有り難いなというふうに思うところでございます。
○参考人(田中章治君) 今の件についてですけど、確かに飛行場はすごくサポート体制が整っておりまして、カウンターまで行けば、後はもう安心して飛行機に乗り込むことができるというふうなことで、大変システム化されていると思います。 それで、駅なんですけど、駅につきましては、職員によって声掛けがある時間帯と全くない時間帯とあって、非常にそういう面ではばらつきがあるなというふうに思っています。 実は、西国分寺駅で起きた、先ほどの資料の中にあるかと思うんですが、これは夜中に近い時間帯で事故が起きておりまして、重傷でしたけど、こういう事故を見ていますと、やはり基本的には乗客の善意ということではなかなか一〇〇%それを防げないというふうに思うので、その辺はやはり職員によるサポートを是非お願いしたいということで、私は研修が大事だと思います、駅員に対する研修。それから、一般の人に対しても、いろんなマスコミを通じて、視覚障害者の誘導はこういうところを心掛けてほしいという、そういう啓発的なこと、それからマスコミ関係でもこういうことをお願いしたいと思うんですが、是非サポートの仕方を少しPRする必要があるかなというふうに思います。
○阿達雅志君 ありがとうございました。終わります。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。 今日は、三人の参考人の皆様、大変貴重な御意見いただきまして、ありがとうございました。 それでは、早速質問に入らせていただきます。 今回、このバリアフリー法の改正、共生社会の実現ということを目指して、大変大事な法案であると思います。 そういう意味で、やはり、私も四国でございますので、特に課題としても出てまいりました、地域の取組の課題といいますか、やはり地方がしっかりこうした、バリアフリー法の改正が、推進をしていくということが大変大事でございます。そういう意味で、今回、法改正の中には、市町村がバリアフリーの方針を定めるマスタープラン制度を創設をするということで、これを具体的な形で進めていこうというふうに言われております。 ただ、この基本構想という、それ以前の構想が自治体の二百九十六ですか、約二割弱しかやらなかったということも含めて、そうした地方にこれからこうした法整備を進めていく上で、課題であるとか、また、これをどう進めていったらいいかということを、それぞれ各三人の参考人の方々から御意見をいただければと思います。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 地方については、今、北海道の中頓別とかニセコとか鳥取の調査をこれからやる予定なんですが、地方創生の要はモビリティーです。そして、今回のバリアフリー法は割と都市を中心にしている部分がありますので、地方にはなかなか届きにくい部分がございます。というのは、交通そのもののインフラが非常に少ないということと、それから、場合によってはないところについてはバリアフリーは及ばないというところがございます。 したがって、市町村では、例えば鉄道駅が三つぐらいあったらその一つに対してきちっとバリアフリーにして、その一つに対して、バス等で巡回型でそこのエレベーターなり使える場所まで障害をお持ちの人を送迎するというような、そういう構想を立てることも大事だと。そういうことについて今までやってこれていないので、市町村のマスタープランの中でそういうことまでやれると期待したいなというふうに思っております。 以上です。
○参考人(國島芳明君) 私どもも、最初にこれを取り組む段階においては、市民の皆さん方のなかなか理解が得られにくかったのは事実でございます。 特定の人たちに対する特定の事業じゃないかというような認識が非常に多うございました。しかしながら、高齢化が進んでくるこの社会の中においては、いずれ自分もそういう立場になるんだということを、ある意味でちょっと時間を掛けて地域の中で議論をしていただくような機会を持っていただきました。地域の中でそれらの理解が進まない限りは、全市的な動きという中に取りまとめていくというのは大変難しいというふうに考えております。 ですから、最初からうまくいったわけではありませんので、一年、二年という時間が必要でございました。そういう意味において、各地の事例とか、あるいは国のいろんな情報の提供、これらが地方の自治体にきめ細かく出されれば、それぞれの今自治体というのは少子高齢化で非常に悩んでおりますから、その面においてはこの思いが伝わっていくのではないかなというふうに感じております。
○参考人(田中章治君) 私もこのマスタープランの制度というのは大変いいことだなというふうに思っています。 それで、私たち是非お願いしたいのは、その利用する人たちの参加ですね、それを保障していっていただきたいということで、是非多様な意見を取り入れながらこのマスタープランの作成に取り組んでいただければということで。 あと、最近、特に私たち視覚障害者の中で困っているのは、バスの利用の問題ですね。我々、車を利用することはできませんのでバスが命綱なんですけど、これがいろいろ縮小といいますか、路線廃止とか、そういうこともありますので、是非その辺を重視していただいて、地方の足を守っていただきたいというふうに思います。
○山本博司君 ありがとうございます。 それで、秋山参考人にお聞きをしたいと思いますけども、私、愛媛県の出身ですので、酒向正春さんという、健康都市福祉構想ということのプロジェクトに参加をされているということで、秋山参考人もNPOの健康まちづくりの理事長もされていらっしゃるということで、このバリアフリー法が整備をされる中で、やはりこうした健康、医療、福祉、国交省としてもそうしたガイドラインを出しておりますけれども、このやっぱり推進といいますか、まちづくりの中にこういう健康、医療、福祉という、そういうまちづくりを含めた推進をすることが大変大事だろうと思うんですけれども、その辺の御見識をいただきたいと思います。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 地方創生で一番大事なところは、健康でその地域で安心して生活できることが基本目標になると思うんですが、そのためには外出環境をどういう形でつくっていくかというところがございます。 そういう意味で、今回、バリアフリーの法律と本当は立地適正化だとかあるいは地域包括ケアだとか、それを串刺しにして地域の政策としてつくり上げていかないと難しいなと。その実践で、移動がどの程度困っているだろうかを立証するための調査を来週ぐらいから掛けようと思っているんですね。人々のモビリティーは、自動車の免許を持たない人がどの程度いて、どこまで自分の交通費の負担力があるか、そして、その負担力がない人は一体どういうモビリティーの現実があるのかというところをちゃんと議論をしないといけませんので、そこのところのデータを今取りたいというふうに思っております。 以上です。
○山本博司君 ありがとうございます。大変大事な視点だと思います。 秋山参考人に最後にもう一問お聞きしたいんですけれども、共通して皆様おっしゃられましたのは、新しい技術、AIとかICTの活用ということを通してその支援をしていくべきだということでお話ございました。私も、東京メトロの視覚障害者の方々の実証実験にも参加させていただいて見させていただいたんですけれども、非常にそうしたシステムというのは大変大事だと思っていまして、ただ、オープンデータの標準化の問題とか、あと支援の部分で更に国としてもやはりそういう部分を積極的にやらないといけないんではないかなと思っているんですけれども、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 AI、ICTについては、実験的には羽田空港でやったり幾つかやってきたんですが、なかなか、情報関係の速度が非常に変化が激しいので、それとユーザーがいますので、どうやってつくり上げていくかはまだ悩んでいるところです。ただ、情報まちづくりという研究会を年に何回か開きながら、新しい流れをちゃんとつくっていこうという努力は今している最中でございます。 そして、国とやはり市町村と総合的にやらないといけないんですが、市町村が意外にそこが弱いなという感じがしますので、市町村に対するてこ入れを何らかの形で考えていただいたらというふうに思います。 以上でございます。
○山本博司君 以上で終わります。
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。参考人の皆様、今日は本当にありがとうございました。 まず初めに、秋山参考人と田中参考人にICTを用いたバリアフリーについてお伺いできればと思います。 今、たくさんのホーム転落事故の資料を拝見して、本当に、駅にちゃんとスマートホームドアがあったらとか駅員さんがいたらとか、それから周りの声掛けがあったらというふうに悔しく思ったんですけれども、同時に、これに、ICTで守れるのではないか、今後、という部分の、そういった観点でお伺いします。 というのも、例えば、今、山本委員からメトロのお話ありましたけれども、JRにも子供見守りサービスがあるんですね、まもレールというのが。通学中の子供が改札にSuicaをぴっとかざすと、親にメールで、今何々駅ちゃんと通過したからね、大丈夫だからねと、そういったようなメールで知らせてくれるものがあります。 例えば、田中参考人が改札を通ったときに、そのメールが、駅員さんのみならず、受信をあらかじめ許諾しているたまたま居合わせているその駅の方にメールで通知が来て、その方にフォローしてもらうですとか、あと、じゃ無人駅だったらどうするんだという話ですけど、点字ブロックから何か出てしまったらアラームが来るみたいな、そういうシステム、何かそういうデバイスがもしあったら、田中参考人にお伺いしたいのは、使いますかというか、そういうものがあったらいいなというふうに思われますかどうか。そこのところを教えていただきたいのと、秋山参考人の方には、とはいえ、先ほどICTの整備ってばらばらにやっても仕方ないんだと、やっぱり総合的とか一体的、それからやっぱり移動の連続性も保たれていないと意味がないというふうにおっしゃっていました。そういったやっぱり仕組みづくりのアイデア、市町村のコミットも必要だということがあったんですけれども、じゃ、誰がやっぱり旗振りをするとか、何が、法制が必要なのか研究が必要なのかお金が必要なのか、そういった部分の御所見をお伺いできればと思います。
○参考人(田中章治君) ICT関係のことは私余り強くないんですが、スマホ自体も私は使っていないというそういう状況で、余り恩恵にもあずかっていないわけなんですが、私たちにとって必要なのはやはり音声情報ですね。音声情報は大変有効です。 それで、改札口で、皆さんお気付きかと思うんですが、高いキーンコーンというような音が聞こえるかと思いますが、これ結構うるさい音かもしれませんが、私たちにとっては方向がそれで分かるわけですね。それで、駅員が右側にいるのか左側にいるのかがつぶさに判断できるということで大変助かっております。それで、それを、音を止めたりあるいは鳴らしたりという、そういうこともできるかと思うんですね。それは私たちの持っている発信器でもってそれをやることもできるし、あるいはメーカーによってはその場所を音声で案内する、こちらはトイレですとか、そういうような案内をしてくれる、そういう機器を発売もされています。 ということで、今、ICTでいいますと、やはり音声ですね。音声情報を私たちが入手しやすいような、そういう環境をつくっていただくということで、その発信器なども含めてですけど、御検討いただければと思います。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 ただいまのICTで、実は実験を羽田空港で何年かやってきたんですが、例えばスマートフォンでかざして案内というのは、今あるサインについて写真をぱっと撮るとフランス語で出てくるとか中国語で出てくるとかという、そういう案内をやったり、あとは、光があるサインですとリンクレイ、これはかざすと同じように何語でも案内が出てくる、そういう技術は使えるなというところまで来たんですが、それが一定程度広がらないと余り使い物にならないので、どこまで広げるかとかそういうところが、本来は国や市町村と一体化して、あるいは交通事業者と一体化しないと、羽田空港だけやっても余り意味を成さないんですね。 そういうところで、どういう戦略でそういったものを広げていくかというところのアイデアがなかなか今きちっと整理されていないので、そこを国が先導した方がいいのか交通事業者が先導した方がいいのか、今迷っているところです。 そういう意味では、先ほどICTの基本計画というのは、そこをはっきりさせるために、一度計画をきちっと作ってどこまでやるべきかというのをはっきりさせた上で、国とか交通事業者との連携をどう図るかというところができて初めて前に進むんじゃないかと。ロンドン・オリンピックのときには既に案内ができていました。ところが、我が国のオリンピックはもう間に合わないという、そういう感じになっています。ICTは私は半分ぐらい諦めていて、でも、これで諦めるのはもったいないので、前に進めるにはどうしたらいいかという、もう一度振出しに戻って考えようというのが今月ぐらいからというところです。 以上でございます。
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。 では、國島参考人にお伺いしたいと思います。 お話を伺っていて、シビックプライドというようなワードが頭に浮かびました。都市に対する誇りや愛着のみならず、そういったものがちゃんと、思いにとどまらなくて、地域課題の解決とか行動とかそういったもの、活性化にも、具体的な行動に接続していると、そういったようなところをリアルにされているんだなというふうに感じました。 ただ、それがみんなやっているかというと、やはりまだ福祉的、ましてや政治的なそういった施策として捉えていらっしゃる市町村もまだまだある中で、もう一段この視点を上げていただく、そういうふうなものにそれが波及するためにどうしたらいいのか、御所見をお聞かせください。
○参考人(國島芳明君) 一番難しい課題だと思っておりますけれども、今、それぞれの市町村は人口減少に非常に悩んでいます。その人口減少の大きなものは、まあ少子化もそうでありますけれども、地方の自治体から都会へ出たらなかなか戻ってきてくれないということが非常に大きな要素になっています。そういう意味において、それぞれの市町村は、自分の市町村に誇りを持つということを盛んに今自分たちの行政の中での重要な課題として施策を進めております。 すなわち、ふるさと回帰という言葉で切り捨てられるんじゃなしに、自分のふるさとに自信を持っているからこそ、そこを何とか自分の力でしてみたいというような思いを持ってくれるような教育ということに力を入れてきているんではないかと思っています。 我々は、インナーブランディングという言葉で言っていますけれども、自分の住む町を自分で誇りを持って、矜持を持って皆さん方に伝えていけるかどうかというような、精神論になってしまいますけれども、そういう行動を取れるような教育というのをきちっとやっぱりしていく必要があるんじゃないかなということで、我々は力をそこで、多分すぐには出てこないと思いますけれども、まずそこから始めるべきかなというふうに考えて、実行しているところでございます。
○伊藤孝恵君 では、最後にもう一度、國島参考人にお伺いしたいと思うんですが、実は隣の県では、先ほど一層の推進に向けての中で、歴史的価値のある建築物については少しその適合義務を緩和するような、そういったようなことが必要なんではないかというような御指摘あったんですけれども、名古屋城の天守閣の木造化というので、今、市民の感情が半分ずつに割れているというような状況が愛知県では起こっています。 一つは、やっぱり木造化が価値がある、だからバリアフリーというのはちょっとこっちにおいておいてというような市民感情の方たちと、一方では、やはり今から造る建造物なんだからバリアフリーをしようよというようなところがあって、市長が最終的にどういうふうに判断するのかが、今月末になるんですが、國島参考人はこういった場合、どのような決断を下されますか。
○参考人(國島芳明君) コメントする立場にはございませんけれども、私どもの方の、例えば伝統的な国の文化財、これをやはり改修しようとする場合に、段差をなくすということがすごい課題なんですね。段差をなくすためにもう構造そのものを変えていかなきゃいけない。そうすると、その文化的価値がいわゆるなくなってくるというような状況にまで陥ります。 その場合に、じゃ、何を対応していくかというと、先ほど申し上げましたように、人の力というものがそこのところで加わってこないとそれはカバーできないということでありますので、僕は、物理的に解消していくということも大事かもしれませんが、それに代わる人の手助けというものをどう醸成していくかということの方が大事じゃないかと思います。 質問には答えていませんけど、お許しください。
○伊藤孝恵君 終わります。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 三人の参考人の皆さん、今日は本当にありがとうございます。 田中参考人から、今度の改正法案の問題点、課題の一つとして、冒頭に、移動の権利を明記されていないという点が紹介をされました。 バリアフリー法というのは、本来、その趣旨というのは、憲法に定められた個人の尊厳ですとか、幸福追求権や、あるいは居住移転の自由や、あるいは生存権の保障、こういったところに根拠を求めることができるものだと思います。そう考えますと、誰もが自由に安全に移動する権利というのは、これは法律に明記するかどうかにかかわらず本来は憲法上保障されているもので、これをどのように実現していくかということが法律においても課題になっているんではないかと思います。 ただし、法案の中では移動の自由、移動の権利を明記をしないと。それは、権利の内容についての国民のコンセンサスが得られていないので時期尚早だというのが政府の説明かと思います。 この点について、私は、権利が問題となる場面というのはいつでも少数者の権利が脅かされる場合であって、コンセンサス、多数者を含めた合意がなければ権利を認めないということはこれは矛盾があると考えるんですが、この点について、秋山参考人、國島参考人、また田中参考人にも改めて御意見をお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(秋山哲男君) 憲法二十五条で生存権とか、あるいは十三条で幸福権とか、こういうものが規定されていますけれども、これはプログラム法というような言い方になると思うんですけれども、そして、交通政策基本法の中に本来はそういう移動権があればそこにお任せして、具体的な個別法はそこの流れの中でやっていくという流れがつくれると思うんですが、どこでそこをやるかという。 ただ、法案全体を見ていますと、フランスの例えば交通権の法律などと比べてそれほど大きな差がないような、内容的にはかなりレベルが高いものに至っているというのが今回の法案だと思うんです。権利をやる場合には、モビリティーの部分でもう少し考える部分は、交通政策の方の基本法の辺りとかその辺りでやった方がよろしいのかなと私は思っております。 ですから、今回のこのバリアフリーの法案の中では、個別法ですから、個別法の範囲の中で努力をするということがとても大事だなという理解をしております。 以上です。
○参考人(國島芳明君) 地方自治体においては、全ての施策、方向性というのは、今おっしゃられたことが全て関連してまいります。その意味において、関連する皆様方にお集まりいただいて意見を聞きながら、そこでの集約というのを政治的な判断の基準といいますか、参考にさせていただくというのは事実でございます。 その意味において、全ての権利が全て認められない状況に陥ることも地方の自治体では間々ございます。でも、それは、やはり先ほど申し上げましたように、全体の理解の中で思いやる心というような形の中でそれが理解されていくようなふうに私どもは方向性を示していく必要があるのかなと思っております。
○参考人(田中章治君) 私は、基本的な物差しというのは、やはり障害者権利条約とそれから憲法ですね、この二つだと思うんですが、これを物差しにして、この施策はどうなのかという、そういう評価をしていただきたいというようなことで移動の権利ということを申し上げたんですが。 例えば、これはほかの法律になりますが、障害者差別解消法について、二〇一六年に施行されているんですけど、先ほどもちょっと申し上げましたように、盲導犬の拒否事例というのは大体六割の方が経験していると。これは、飲食店とかあるいはタクシー乗車ですね。こういうのは本当にバリアフリーということ以前のことなので、これはまさに不当な差別をしてはいけないという、そういういわゆる人権として捉えるということがあればこういうようなことはないかと思うんです。つまり、視覚障害者がいるということは、必ずそこで白いステッキなり盲導犬を連れているわけですね。そういうものだという、そういう前提があればそういう拒否事例はなくなると思うんです。 今回のこの交通バリアフリー法の改正案につきましても、その物差しがあればいろんな面で評価できるんじゃないか。我々も評価できるし、また実際に施策を進める事業者、それから自治体関係者もその辺で評価の物差しになるんじゃないかということで、そういう移動の権利を明確化したらどうかという、そういう意見を提起したわけです。 以上です。
○山添拓君 ありがとうございます。 田中参考人からはまた、駅の無人化について言及がありました。 JR東日本では、今、駅遠隔操作システムによって、始発から午前七時頃まで無人にして、そしてインターホンで対応する駅が増えていると伺います。ほかにも、例えばJRの埼京線の十条駅などですと、北口は有人改札なんですが南口は無人改札だと、こういうふうにされた駅もあります。 心のバリアフリーということがうたわれて、ソフト面でのバリアフリー対策を進める、この法案の中で一つの注目されるべき点だと思うんですが、このバリアフリー対策、ソフト面で充実させようというときに、私、無人化をしていくというのではどうにもならないと思います。 駅の無人化というのがバリアフリーとの関係でどのように影響があるかということについて、秋山参考人も、これ空港でいえばコンシェルジュが案内する、エスコートするという体制を取っているというお話がありました。無人化を、とりわけ都心部の大規模な利用者も多いような駅で進めていくということについての御意見を伺えればと思います。秋山参考人と田中参考人に伺いたいと思います。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 無人化についてはゆゆしきことで、多分、ICTで代替しても必ずしも十分ではないと。そこで問題を発生した場合にどういう対処ができるかということをもう少しきちっと検討すべきかなというのが一点ですね。 それから、やはり有人化がベストだという前提に立てば、もし駅員だけで難しい場合には、地域住民と相談して、自治体と相談して、その辺りをどうやったら有人化できる可能性があるだろうかという、多分、鉄道事業者のコストパフォーマンスと地域の安心、安全の流れと、両方の接点のところだろうと思うんですね。ここをきちっと議論していく必要性が高いなというふうに思っております。
○参考人(田中章治君) この問題については、私たちは一定の意見を表明しております。 つまり、無人化というのは、先ほども言いましたように、九州新幹線の場合に、ホームでホームドアがあったりして、人はいなくてもいいんじゃないかという考え方があるかと思うんですけど、しかし、車椅子で歩いていて何かの拍子にそこのドアに挟まったりすると、そういう緊急時の対応が職員がいないと難しいと思うんですね。 それと、具体的に今御指摘のあった埼京線十条駅のケースなんですけど、私も実際に駅をよくつぶさに点検してきたんですけど、その十条駅の今無人化になっているところは、そこに特別支援学校であるとか障害者施設が幾つか、三か所か四か所あるんですね。これは、先ほども言いましたように、障害者施設の最寄り駅であるということと、それから、視覚障害者が特に利用しているんですけど、その改札口の方にいろいろ情報を得る、例えば、王子にある障害者スポーツセンターはどういうふうに行くんだと、そういう道順を尋ねたり、あるいは特別支援学校の行き方を聞く、そういう重要な案内の役を駅員が果たすべきだと思うんですよね。 それから、あとは遠隔操作で、五分とかそういう感じで駆け付けてくるということは聞いておりますが、今、無人化が進んでいる中では、千葉の方なんかは、その駅自体に人がいなくて、駆け付けてくるともう数十分掛かってしまうというような場合もあります。ですから、緊急のときにはなかなかこれは対応できないというふうに思うんですね。 たまたま人がそこにいればいいんですけど、なかなかいなかったり、あるいは声を掛けても、手を挙げて声を掛けても素通りしてしまうというような乗客もいらっしゃいまして、確実な案内を、あるいは情報を欲しい場合にはこの無人化というのは対極にあるんじゃないかということで、特に首都圏の駅の無人化というのは私たち反対の立場でいろいろ申入れ等をしております。
○山添拓君 終わります。ありがとうございました。
○室井邦彦君 日本維新の会の室井でございます。 参考人の先生方には、多忙のところお時間をいただきまして、ありがとうございます。 それでは、早速質問をさせていただきますが、秋山参考人にお願いを申し上げます。 西欧のバリアフリー先進国と言われている国と比べ、我が国のバリアフリー化の課題というものが何かございましたら是非お示しいただきたいことと、もう一点は、世界最高水準のユニバーサルデザインのまちづくりのために必要な取組とは何なのか、専門家の方で気付いておられること、また希望を持っておられることございましたら、申し訳ございません、三分程度でまとめて御意見を聞かせていただければ。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 非常に難しい課題ですけれども、西欧のバリアフリーの先進国という言い方もございますけれども、そんなに欧州でも進んではいないと。アメリカはかなりあるけれど、やっぱり限られた部分であると。だから、欧米と比較しても日本は遜色ないレベルまで来ていて、トイレなんかはもう欧米に比べて断トツなぐらい世界水準になっています。もうほかへ行くとひどい状態になっていますので、トイレはそういう感じで考えられます。 それから、鉄道駅などのエレベーターの設置率はロンドンをはるかにしのいでいます。ただ、アメリカの地下鉄、サンフランシスコやワシントンに比べてエレベーター設置率はちょっと落ちるぐらい。あそこはパーフェクト、ホームドアも全部パーフェクトにやっておりますので。これは、アメリカのそういったバリアフリーができ始めた頃のモデル型でできたところはやっぱり強いですね。日本もモデル型でできた南北線だとか、そういったところはパーフェクトにできている。だから、疎密があるということだけまず申し上げておきたいと思います。 それから、ちょっと先ほどの鉄道駅の無人化について、北区辺り、十条とか、そういったところは、議論を地域公共交通会議の中でやればいいんじゃないかという議論があります。 それからもう一つ、名古屋城ですけれども、これは歴史家とそれから建築家と障害者がきっちり話し合うということが必要で、そういうことをやっていないでしょう。イギリスの歴史的建造物はそういうことをやって、どこをバリアフリーにするかをきちっとやっている。つまり、知恵を使って議論をし尽くしてやるという姿勢が日本にないことが問題なんだと私は見ています。 だから、御質問も、そういう意味で、やはり議論する場をきちっとやって、方向を決めたらそこに行くと。決めるまでは多様な議論をすべきだと思います。合理的配慮というのはある意味で議論をする場というところにございますので、そこもこれから世界最高水準の取組をやる場合には議論をきちっとやるべきだというふうに思います。 以上でございます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 じゃ、市長さんにお伺いいたします。御無沙汰をしております。 やっとの希望で駅舎が、すばらしい駅舎ができたということを高く評価いたします。もう岐阜に、高山に寄せていただくたびに工事のパネルがずっと長い間張っていましたので、そういう中でも外国人の、西欧、また東南アジアの方々が、大勢の方が観光に来ておられるということ、本当に私も喜ばしく感じておりまして、やっと工事パネルが撤去されてすばらしい駅ができたな、シンボルができたなということで、私も高山を応援している一人として本当に安心をしておりますが。 そこで、今日の御説明の中で、いろいろと国に対する要望とか、また、こういうところに制度を改めてほしいというようなこともおっしゃっておりましたけれども、また重複しても結構でありますので、この際、PRしていただければいいかなと思いますけれども。 まずは、今回のこの法改正のポイントとして、ソフト対策の充実が特に挙げられておられましたけれども、高山市の取組が参考になると考えられております。これまでのソフト対策に取り組んできた結果、最も重要なことは何だったのか。また、国に制度改正等で幾つかおっしゃっておられましたけれども、もう一度しっかりとお聞きをしておきたいと思っております。国に制度改正等で望むことは何なのか、まずお示しいただければ、お願いをいたします。
○参考人(國島芳明君) ありがとうございます。 私どもも様々なハードの整備をしてまいりました。先ほど報告させていただいたように、整備をすることによって逆にまた不都合を生み出すというような現実も分かるようになりました。そういう中において、やはり様々な人がいろんな行動をするに当たってそれぞれの立場で動かれることについて市民の人たちがどういう理解を示すかということだというふうに私は思います。 その意味におきまして、やはり人には多様な個性があるので、それをやはり尊重し合うという、そういうことが大切であるということを私どもは常に感じております。その意味において、先ほども申し上げまして恐縮でございますけれども、このバリアフリー、いわゆるユニバーサルデザインのまちづくりを進める上では、やはり文部科学省、教育の手助けというのが必要になってくると思います。これは、子供たちだけではなしに大人の教育ということも必要になってきますので、是非とも文部科学省との連携を取っていただいて、そのような事業を進めていただければ有り難いというふうに思っているのが一点でございます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 私も昨日の、昨日だったかな、先日の国土交通委員会でも少し、これは質問というか要望をしたことがあるんですが、高山に行って今の部分、おもてなしの心というのが非常に感じたのは、最近、道路法規制で、横断歩道を渡ろうとしている人がいると、当初は横断歩道で立っていたら車が静止する、停車するというようなことが徹底されていたように感じておりまして、最近、私、どこへ行っても、横断歩道を渡るときに、渡ろうとしかけても車がなかなか止まってくれないというような、これが当たり前のようなことになっていて、そして、この間、外国の方が投稿されて、日本人はそういうルールを、交通ルールを守るというところが非常に道徳的に欠けているんじゃないかというような、そんなことを、感想を投稿されておりました。 日本というのは、震災の状況でも、あの寒い中、きちっと並んで隊列を崩さずに、いろいろと配給のときにも並んでおる姿がもう世界の人々が絶賛をされていたと、そういうことを期待して日本に来られています。高山市民は、そういうことがなくても、きちっとそういう横断歩道で外国の方が歩道を渡りたいというときには、もう本当に事前に徐行されてきちっと停車してくれるというのは、本当に高山市民は市民一体になっておもてなしの気持ちを持っておられるんだなということを高く評価しておきたいと思います。ありがとうございます。 それでは、最後になりましたけれども、田中章治参考人にお聞きをしたいんですが、この評価会議に非常に期待をされておるというようなことをおっしゃっておられました。この評価をするための会議を設置するということで、今回、法改正で明記しておりますが、その評価会議に特に期待しているところ、またこういうふうに思っているんだと、御所見がございましたら是非お聞かせいただければと思います。
○参考人(田中章治君) この、地方における会議というのは非常に大事だと思います。 それで、私の立場でいうと、障害者を是非そのメンバーに入れていただきたいと。その他いろんな関係者を入れていただいて、みんなで議論する中でいろんな、何といいますか、一致する方向が出てくると思うんですね。そういうことがあると思いますし、場合によっては現地で、僕が先ほど言いましたラウンドアバウトの交差点ですね、これが地方で少しずつできてきているんですけれども、こういうものも実際に皆さんで点検していただいて、こういう点を改善すればいいんじゃないかというようなことで現地調査を含めてやっていただけると、いろんな意味での評価、そしてより良いものができてくるんじゃないかということで、是非進めていただきたいと思います。
○室井邦彦君 ありがとうございます。終わります。
○青木愛君 今日は、三名の参考人の皆様、貴重な御意見とまた資料も添えていただきまして、ありがとうございます。 まず、秋山参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。 先ほども指摘がございました地方におけるバリアフリーについて、もう一度お聞かせいただきたいと思います。 今回の法案はオリパラを契機としておりますのでどうしても大都市圏を設定したものとなっておりますが、やはりこれから高齢化を迎える地方においてこそ、この駅舎、また駅舎を含めた周辺のこのバリアフリー化というのを今から進めていかないともう間に合わないだろうという問題意識を持っております。 駅舎についていうと、今、三千人以上の乗降客数のある駅については、バリアフリー化を進めるべく国としての制度があり、着実に進んでいるというふうに聞いておりますけれども、地方にはやはり三千人に至らない駅がたくさんありまして、そうした駅についても是非バリアフリー化を国としても、また秋山先生にも御指導いただきながら進めていくべきではないかなというふうに思っておりまして、先ほど秋山先生からは、一つの駅舎にまず特化して、そのバリアフリー化を徹底して進めるべきではないかというお話もございましたが、やはりもう一点といいますか、出発地点とまた到着地点とありまして、一つの駅だけではなく、やはりつなぐことが大事だろうというふうに思いますし、取っかかりとしてはそういったことも必要なんですが、広くこの地方の駅においてバリアフリー化を進めていくにおいて、課題でありますとか先生のお考えをここで是非お聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 非常に難しい問題で、地方のそういうバリアフリーを進めるに当たって、実は駅がこれからなくなっていったらバリアフリーもできないんですよという議論が一つと、それから、駅まで行く交通手段がなければバリアフリーをやった駅も使えないですよという議論をどうやってカバーするかというところが全然議論されていないんです。だから、大事なことは、地域のモビリティーニーズをどうやってプランニングして、その地域をどうやって移動できるようにし、かつ乗り換えてバリアフリーの駅舎にたどり着くにはどうしたらいいかというのが一つと、そして乗り換えてどこかに行くという、その大きな流れが今考えられていないというふうに思います。 例えば、北海道は今廃止をあちこちされていますけれども、鉄道だけの議論をやっても無意味だろうという。これは、やはり一番大事なのは、鉄道とその地域に住む人たちが、二次交通とかそういった交通との組立てをどうするかということを一つも考えていなかったら全く前に進まないんですね。 そして、網形成計画というのがあるんですが、これは国土交通省の交通計画はやっていますけれども、網形成計画も小さな町や村には及ばないんですよね。人口が少ないと意味がないんです。たった一本しか道路がないようなところに網形成計画もないでしょうと。そうすると、人口が少ないところに対してどうするかという議論が抜け落ちていて、少なければ少ないほどバリアフリーも深刻になってくるという。そこは、モビリティーでの救済とバリアフリーでの救済と、両方をどういう形でやるかを一つも議論していないから問題で、ここは二十年前から私はずっと感じていて、バリアフリー法の範囲はあくまでも都市だよと、だから人口の少ないところはモビリティーで考えた方がよろしいでしょうというのが私の基本的なスタンスです。 そのための努力をするために地方をあちこち調査に今歩いている最中で、くまなく調査はできませんので、どういう戦略があるかというのをこれから考えるという、そういう段階に入っていますので、こうすべきだとかということはなかなか言えない。ただ、思い付きはたくさん言えますけれども、なかなか地域によって違いますので、それぞれの地域をどうするかは研究者十人ぐらいで議論をしている最中ですけれども、それぞれが持ち寄って議論をするという段階が今の状況です。
○青木愛君 今、秋山先生おっしゃった、地方はモビリティーで考えた方がいいということは具体的にはどういうことをお指しになっているのか、もう一度お願いします。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 具体的には、ある町の、バスも一日三便とか四便とかしかないようなところで、行きたいところに行くのにそのバスは相手にできないんですよね、ないんですよ。具体的には、中頓別とかあるいはニセコもそうだし、いろいろなところで、みんなバスに合わせてやると一日仕事になってしまうと。そして、免許を持たない人は全く外出が本当に不便で、タクシーに乗ると一回数千円からというようなところで、そんなにめったに乗れなくなるという、ここのところがやはり問題になっているなというふうに思っていまして、これをどういう形で政策として作り替えるかというところが今腐心しているところです。
○青木愛君 ありがとうございます。 やはり地方の駅をなくしてはなりませんし、やはり町の要でありますから、また無人化も阻止していかなければなりませんし、また、JRであったり、いろいろな事業者とも協議の場も必要になってくるのかなというふうに思いますが、是非、地方におけるバリアフリー化ということについて、また秋山先生にも引き続きよろしくお願いしたいというふうに思っております。ありがとうございます。 続きまして、國島市長にお伺いをいたしますけれども、これから各市町村におきましてマスタープランの作成が進んでいくという仕組みが導入されるわけですけれども、國島市長は先ほど自由度を確保してほしいという御意見がございまして、それはそれで踏まえさせていただく上で、各市町村においては、高山市ほど意識がまだそこまで高まっていない自治体もたくさんあろうかというふうに思っております。 これからそのマスタープランを作るに当たって、まず、どのようなところから手掛けていったらいいのか、あるいはどのようなところを目標にしていったらいいのか、あるいは障害をお持ちの方々の御意見聞くに当たってどのようなところを配慮していったらいいとか、その辺のちょっと具体的なところで御示唆をいただければというふうに思います。
○参考人(國島芳明君) まずは地域の実情を調査をするというところが一番大事だと僕は思っています。先ほど御報告をさせていただきましたように、この施策を進めていく段階でまず現実を理解するということをしなければならないということで、モニターツアーというのをさせていただいたと御報告させていただきました。このことによって、通常住んでみえる方が意識しないところがほかの方々、いわゆる違う方々によって見ていただいたことによって顕在化していくということが起きました。それによって、じゃ、それをどう直していくのかということについて議論をしていく場を設けることができました。そういう意味において、それぞれ全国の市町村は実情が違うと思いますので、そのことについてまず進めていただけるような国の方向性を示していただけると有り難いと思います。 もう一つ、先ほど室井先生からも言われたときにちょっと言い忘れてしまったんですが、全国の過疎地と言われる市町村は豪雪地帯が多うございます。雪というものは、幾らバリアフリーの道路整備をしても全てそれを隠してしまいます。この克雪といいますか除雪といいますか、雪対策ということを基本的に今のバリアフリーにも入れていただくということが必要ではないかなと思っています。これは余分な話になりましたけれども。その意味において、現状を知るような活動から進められることが一番の大事なことでないかなというふうに思っています。 以上です。
○青木愛君 分かりました。またいろいろと御示唆をいただければというふうに思います。 時間が来てしまいまして、先ほど田中参考人からも御指摘がございました。今回の法案については、身体の機能上の制限を受ける者というふうになっておりまして、今後、知的障害ですとか精神障害、また発達障害をお持ちの方、また難病を抱えていらっしゃる方々のそうした視点も必要だというふうに思っております。 貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。 今日は、お三方の参考人の皆様には貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。三人の参考人の方々のお話を伺っていまして、ハード面のみならず、ソフト面がいかに大切かということを実感をいたしているところであります。 高山市長、國島市長からは、高山市においては人と人とのつながりでカバーするというようなお話もいただきました。そしてまた、高山市におきましては、将来を担う子供たちへの啓発ということで出前講座なども行われているということでありますけれども。 そこで、三人の参考人それぞれに、それぞれのお立場から伺いたいと思います。 このバリアフリーに対して、子供たちへの教育の重要性についてどのようにお考えでしょうか。そしてまた、子供たちへの教育を行うに当たってどういった視点が重要とお考えか、お聞かせいただけたらと思います。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 バリアフリーというのは、段差とかあるいは視覚障害者のブロックだとか、そういったところもございますけれども、子供にとってもう一つ大事な点は安全の問題があって、例えば小学校二年生ぐらいですと、横断歩道で渡ろうとするときに、車が右から来るというときに適切に渡れない人が相当多いんですね。たしか六割ぐらいは渡れないんじゃないかという。それで、それが高学年になると四割ぐらいになったり減ってきますけれども、そういう安全上の問題をちゃんと考えていただくのが第一で、次に、バリアフリー教育というのはやはりワークショップ型で、どこが危ない場所だとかどこが段差がある場所だとかを一緒に回っていく中で学んでいく現場型の教育をやることがとても重要かなというふうに思っております。 特に、土木学会の中では子育て委員会というのがありまして、いかに子供たちを地域の中で安心して生活していただくかという部分については、子育ての授乳室を造るだとか、これも多分バリアフリーの重要なところで、こういう部分を、お母さん方が安心して外出できる環境を整えていくバリアフリーも相当大事なんだけれど、ここがまだ遅れていますよねというようなところですので、こういうところも含めて議論をしたらよろしいかなというふうに思います。 以上です。
○参考人(國島芳明君) やっぱり様々な障壁を乗り越えて人が生活しやすい環境を整えていくということになる、その基本はやっぱり人と人との関わりだというふうに僕は思っています。ユニバーサルデザインとは何なのか、そのユニバーサルデザインがなぜ必要なのか、そしてそのために自分は何をしなきゃいけないのかということが人々の心の中にしっくり落ちてこなければ、幾らハードの環境を整えてもこれは意味がないことではないか。 日本人が日本人として持ってきたアイデンティティーというものは、人を思いやる、人があって自分もあるんだという認識だったと僕は思っています。それをやはりもう一度つくっていかなければ、形はできても魂がないということになるというふうに思いますので、まずは教育の、大人も子供も含めてですが、教育環境の中でそれらのことを少し考えていただけるような機会をつくっていただくことをお願いしたいということでございます。
○参考人(田中章治君) 私は、盲導犬を連れているという関係でいろいろ依頼を受けまして、小学校へ出向いてお話をする機会がかなりあります。それで、やはり実際に盲導犬を連れて歩いてもみるわけですけど、やっぱりそこで子供たちの全く、何といいますか、生き生きした、そういう感じが感じ取れます。ですから、実際に視覚障害者を見たのは初めてとか、あるいは盲導犬で歩いている人を見たのは初めてというようなお子さんが多いですね。だけど、実際に体験して劇的に変わってくると思うんですね。 ですから、やはり、我々障害者の立場でいいますと、共に生きる社会というんでしょうか、共生社会ですね、それを実現するためにいろんな施策が進められるべきだと思うし、教育面でも、やはり基本的に言えることは、障害を持っていても普通の人と何ら変わらないんだということ、そこを見ていただくのがすごく大切だなと思っておりまして、例えば視覚障害者でもテレビを聞いたり、見えないからテレビは見るのかと言われるんですけど、いや、音で聞くわけですよね。そういうことであるとか、全然知らないことが、例えばお金の硬貨を数えられるのかという、そういう質問もあったりしまして、そういうところからやはりこの地域でのいろんな取組が支えられるんじゃないかということで、子供の教育といいますか、障害持っていても持たない人も一緒に生きる社会を実現していくという、そういう理念は大変大切だと思うし、全ての、このバリアフリーとか、こういう考え方のバックボーンを成しているものだというふうに私は思っております。 以上です。
○行田邦子君 ありがとうございます。 それでは、秋山参考人に伺いたいと思います。 身体障害者だけではなくて、障害者というと、精神、発達、知的障害といらっしゃるかと思いますけれども、こうした精神、発達、知的障害の方に配慮したどのようなバリアフリーが必要なのか、お聞かせいただけたらと思います。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 精神、知的、発達障害に配慮したバリアフリーということで、今そういう人たちと議論をして成田空港でやっているんですが、その中で結果としてバリアフリーで出てきたのは、カームダウン・クールダウン室というのをつくりまして、それを実際に設置をしました。そして、設置をしてこれからどういう評価が出るかを、これから評価を見たいというところが一つございます。 それから、精神障害の方々については、大分前のバリアフリーの改定のときに話を二十人ぐらいの方としまして、やはり仕事になかなか就けなくて困っていらっしゃって、経済的にも大変なので、比較的、運賃を一般の車椅子使用者と同じように割引制度があったらいいですねというような意見も結構聞いた記憶がございます。 そういう意味では、知的、精神、発達障害の方々は見えないということがありますので、そういう人たちをちゃんと知っていただくプログラムを作った方がよろしいかなというのが一つ。特に、駅員の方々だとか、あるいは交通事業者の方々。 そして、これ以外で認知症という方々もいらっしゃいます。認知症は今、人口当たり二・九%の方が出ていまして、この認知症の方々が外出をするのに、英国では既に交通事業者がその対策をやっているんですが、日本はまだやっていないですよね。何でやらないのかなというぐらい、そこは遅れています。ですから、是非そういうところも取り組んでいただきたいなというのがこれからというところになると思います。 以上でございます。
○行田邦子君 ありがとうございます。 終わります。
○平山佐知子君 国民の声の平山佐知子です。 三人の参考人の皆様、貴重な御意見ありがとうございます。 伺いたいことがたくさんありますので早速質問させていただきたいと思いますが、先ほど田中参考人のお話の中で、駅などでは駅員などプロなどによるサポートが必要であり、一般の人に頼るのは問題あるのではないかという御意見がありましたけれども、これは、理由としては何でしょうか、安全面とかそういったことでしょうか。
○参考人(田中章治君) 駅員は、やはり乗降客をつぶさに毎日見ているので、どういうサポートが必要なのか、つまりサポートのプロですね。鉄道会社によっては、最近、研修などを取り入れまして、例えば視覚障害者への誘導の仕方なんかを実際に講師を招いて勉強したりということで、まさにプロで、的確なサポートができるように思います。 ところが、一般の乗降客は、技術面でいいますと、例えば手をぐっと引っ張ったり、あるいは後ろから背中を押したりして、非常にこれは、私たちにとってはむしろ有り難くないサポートなんですね。そういうこともあって、一般の乗降客についてはやはりそういう技術面で問題があると思います。 それと、先ほども言いましたように、時間帯によっては乗降客が非常に少ないという時間帯もありますので、そのときに済みませんと手を挙げるんですけれども、どなたもサポートしてくれないという経験もあります。ですから、不確実だと思うんですよね、一般の乗降客にサポートをお願いするのは。そういうことで、その辺の違いもあるんじゃないでしょうか。 以上です。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 やっぱり我々は、いつ声を掛けていいのかなとか迷う人も多いというふうに周りには意見を聞いたりしますので、そんな場合どうしたらいいのかなと、やはりそれも教育なのかなというふうに思いました。 そういう意味では、先ほど秋山参考人が教えてくださいました、今後の課題として挙げられました人材育成の必要性が高いということで、形式的なワークショップはやめようと御紹介いただきました。ハード、ソフトの一体的な取組の推進においては多様な人の人材育成が必要であるということでしたけれども、もう少し具体的に教えていただけますでしょうか。
○参考人(秋山哲男君) 先ほど御説明したのは、物を具体的に設計する場面とかあるいは運用する場面ではかなり理解を総合的にしていないといけないというところがございます。そして、場面場面で困っていることを障害者の人たちから直接聞いて、その場面ではどうしたらいいかを具体的に分かる必要があります。そのためにしっかりしたワークショップをやると、かなり教育としては効果が高いというところがあります。 いろいろの教育方法があって、鉄道駅の人が受けている教育は実践を伴わない。エコモ財団というのがございますけれども、実際に、教育プログラムとしては、車椅子使用者の人だとか精神障害者の人だとか視覚障害者の人たちが講義をして直接伝えるという、ここがすごく大事で、これをやっているかやっていないかによって対応の仕方が全然違ってきます。そういうところが具体的な専門的な教育をするところでは必要になると思います。 設計をする人についてはもっと丁寧にやらないといけないという部分がございますので、成田空港の場合には丁寧にやるワークショップをやっております。丁寧にやるのと、それから障害者の対応についてとはややちょっと違いがあると思いますので、それについては分けて考えてもよろしいかなというふうに理解しています。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 先ほど、國島参考人の最後の、御紹介していただきましたように、不便なところは人と人とのつながりでカバーすればいいんだという市民の方の声を紹介していただきましたけれども、まさにそうなのかなというふうに思いますし、先ほども、子供たちの教育をなさっているということで、もうお話ししてくださいましたので、そこは、また今後の取組に注目をさせていただきたいというふうに思います。 それでは、少し視点を変えまして、事前にいただいた秋山参考人の資料を見させていただいたんですけれども、バリアフリーの今後の課題の一つとして挙げられていたのが、トイレの整備についてというふうに書かれているところを読ませていただきました。その資料では、多機能トイレに利用が集中するので、この機能を分散的に配置することですとか複数設置が必要という内容だったというふうに思います。 私も地元の視覚障害者の方の知り合いに当事者として声を聞いたんですけれども、視覚障害者の方がトイレに行きたいというふうになりますと、点字ブロックをたどっていくというふうになります。そうしますと、当然ながら多機能トイレに誘導されるんですけれども、この多機能トイレがやはり設計上車椅子の方も利用しやすいように広く設計されていると。そうすると、視覚障害者の方にとってはただただ広くて怖い空間になってしまうということを聞いて、ああ、なるほど、当事者の方に聞かないと分からないことだなというふうに思いました。 ここで秋山参考人と田中参考人に伺いたいんですけれども、誰もが安心して使えるようにというふうになりますとどういうものが、アイデアというか意見をいただきたいということと、田中参考人には当事者としての御意見を伺えたらなというふうに思います。 あと、点字ブロックも案内板で書かれていることがあるんですが、その中の状況がどうなっているか。結構、あっ、点字ブロックじゃない、点字案内板というのがあると思うんですけれども、その点字が読めないという方も視覚障害者の方には多いというふうに伺いました。それについても併せて何か御意見伺えたらと思います。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 トイレについて機能分散ということは、一つの多機能トイレについて大勢が集中して、本当に使いたい車椅子使用者の人が使えないので機能の分散をしましょう、これが大きな狙いです。したがって、まず機能分散をする。そして、その中の機能を、例えばオストメートは外側に出してどこか別のところにしましょうと。視覚障害者については、車椅子の視覚障害者は別として、一般的な便房で十分大丈夫だと思いますので、多機能トイレに誘導するのは基本的にトイレの機能分散から見れば余りよろしくないというふうに思います。一般便房の方がむしろ使いやすいはずだと思います。 ということで、これから先、多機能トイレとオールジェンダーとそれから一般便房と、三つぐらいに分ければかなり対応できるかなというふうに思います。オールジェンダーというのはLGBTの人たちのトイレです。それをどう配置するか。余りたくさん造り過ぎるとどこに入っていいか分からなくなりますので、まあ三つ程度かなと。今、ピクトグラムとそれから多機能とをどういう組合せでやるかを議論している最中ですので、いずれそういう形になると思います。 それから、点字の案内については、触地図と言いますけれども、これは法律の中に入ってきたんですが、点字案内が、その後、音声を付けたんですね。音声の方がよろしいかなという感じもしていまして、点字は外でやると汚くて触りたくないという人も随分いらっしゃる。音声で対応するので、点字よりは音声の方が分かりやすいというようなこともあるので、その辺りは選択の問題になるなというふうに思います。 以上です。
○参考人(田中章治君) 多機能トイレについてなんですけど、私は余り利用したくない、むしろ一般のトイレが空いていればそちらを使うようにしております。なぜかと申しますと、中に入ると非常にいろんな機能があるもので、広いんですね。広過ぎて、肝腎のその便器に到達するのが非常に時間が掛かってしまうということが一つあります。それと、結構多機能ですから使用中ということもありまして、そういう意味でなかなか、障害者優先ということではないので空いていないということがあります。 それから、点字の案内文については、やはりそれを見ているというのは結構時間が掛かりますから、音声で案内する方法がむしろいいんじゃないかということで、点字のものを、もちろん時間のあるときにゆっくり見るという、そういう類いのものだと思うんですね。ですから、瞬時に判断したいわけで、そういう意味で、音声が入っていれば大変使いやすいんじゃないかというように思います。 以上です。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 終わります。
○野田国義君 参考人の皆さん、今日はどうもありがとうございます。 まず、田中参考人の方に。経歴見せていただきましたら、石川県の御出身ということで、それから昭和四十九年に東京都が全国に先駆けて点字受験の門戸を開いた、で、東京都に三十五年間ですか、再任用まで含めて勤務なさったということ、すごいなと、敬意を表したいと思います。 その中で、ちょっと違う観点なんですが、当然毎日の出勤があったと思います。都市中央図書館ですか、の方に配属されておられたということでございまして、その出勤のとき、こういうことがあったとか、何かありましたら、それから職場でのバリアフリーという観点からどうだったのかということをお聞きできたらと思います。
○参考人(田中章治君) まず出勤の件なんですけど、やはり盲導犬を連れて、私、四十年使っておりますので、ラッシュというのはなるべく避けたいということで職場の上司に相談したところ、図書館勤務ということなので、夜も開館しております。ですから、時差出勤でいいんじゃないかということで、普通は大まかに言えば九時―五時なんですけど、私の場合は十時―六時ということで、これは非常に助かりました。ということで、私たち自身も電車に乗る場合には比較的すいているところを選んで乗っておりますが、そういう職場の配慮があったかと思います。 それからもう一つは、職場では、これ利用施設なので、一般の障害者の方も来館されるので、一通りのスロープであるとかエレベーター、点字ブロック等は利用者向けに付いておりました。そういうことで、余り困らなかったという記憶があります。 ただ、大事なのは、私が初めてその図書館に盲導犬を連れていったときに、その当時の館長が全職員を集めて、田中君が今度初めて盲導犬を連れてくるんだということで、これは彼の目であるというような紹介をしてくださって、そういう心のバリアフリーですかね、そういうものを上司がちゃんと説明してくださる、これがやはり仕事をしていく上で、全職員に田中という者の何が困っているかということを啓蒙する意味ではすごく良かったなというふうに思います。 以上です。
○野田国義君 どうもありがとうございました。いろいろ御苦労もあったろうかと思いますが。 それから、國島市長の方にお聞きしたいと思います。 本当に、二千百七十七平方キロメートル、広いですよね。その中で、本当にいろいろな施策を、特に今回のバリアフリーということで進めていただいているわけでありますけれども、どうしても、私も市長経験者でございますので、経費のことが、単費の継ぎ足しとかいろいろあったかと思われますけれども、その辺りのところをどう工夫されているのかということをお聞きしたいと思います。 そして、二千平方キロメートルから広いと、やっぱり中心市街地とあるいは周辺が、もうこれは格差ありますよね。そういう中で、どういうことを考えながらこのバリアフリー的な施策を行っておられるのかということをお聞きしたいと思います。
○参考人(國島芳明君) 道路等の整備につきましては、都市局の方からの支援もいただいたりとか、いろいろそういうことで進んでくることがあるんですけれども、ただ、私ども一番ちょっと心配をいたしておりますのは、例えば我々自治体では手の届かないところが整備されない。これは、こういうことを申し上げていいかどうか、具体的に言いますと、JRの車両の改良なんというのは我々の手の届かないところなんですね。でも、実際にお越しいただく方とか、それから使われる方というのは確実にそこでバリアを感じてみえる。そのところが少し私どもとしては悩みの一点です。 それから、予算的につきましては、確かに東京都と同じぐらいの広さなので、全部が全部、全て手が届くかどうかということについては直接的な手だてはできないかもしれません。そのために我々は地域振興予算というような形で、地域ごとにその住民の人たちが自由に使える裁量の予算を付けさせていただいておりまして、そこでの課題を住民の人たちが寄り集まって議論していただいて、使い方までも決めていただいて使っていただくというやり方をちょっと進めさせていただいています。 そのことによって、中心の、駅のようなところは集中的に市は投資しますが、それ以外のいろんなところ、地域においては、それぞれの枠の中の予算の中で、裁量の中でやっていただきたいというようなことを進めさせていただいて、そんなちょっと配慮もしながら行政を進めているところでございます。
○野田国義君 ありがとうございました。 それから、秋山参考人の方にお聞きしたいと思います。 先ほどから度々出ておりますが、もちろん地方のこれからバリアフリーが進むかということも大きな問題だと思いますが、もう一つは小規模店舗の問題があろうかと思います。 諸外国、外国等はそういう車椅子の方々なんかも小規模店舗に入る、そういうスペースがある。しかしながら、日本ではなかなかそういったスペース的にも確保されていないというのが現状じゃなかろうかと思いますけれども、その辺り、今後どのような推進をしていったらいいのかという御指導をいただければなと思います。
○参考人(秋山哲男君) 秋山です。 恐らく小規模店舗については、入口八十センチ以上取れるとか、それから段差をなくす……
○委員長(長浜博行君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(長浜博行君) 速記を起こしてください。 秋山参考人、続けてお願いします。
○参考人(秋山哲男君) 入口の問題とそれから通路の問題、ここのところが一つと、それから店舗ですと、入口と通路のほかに座席の固定椅子を固定椅子にしないというところがございます。こういうバリアフリーについてまだ浸透していないというのが一つですね。 それから、小規模の店舗の場合、実験をやったんですが、表に来たときに店の店舗の人がお客さんに声掛けをして、車椅子の人の場合には入れなければ品物をお伺いするとか、あと知的障害者の人たちについても声を掛けるというやり方もあるということで、制度的に整っていない領域ですので、何らかの苦肉の策を取らざるを得ない部分もあります。ただ、段差については簡易スロープを付けるとかそういうこともできますので、これについては、場所によってそういうことを集団的にやることをお勧めしたいというふうに思います。 多分、建築のバリアフリーの場合には大規模の店舗から徐々に来ますので、小規模に行くのにまだまだ時間が掛かってしまうと。そういう意味では、集団に対する、商店街に対する規定という部分がもしできると一番有り難い部分ですね。それについての規定がなかなか今整っていないという状況です。 以上です。
○野田国義君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(長浜博行君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十六分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(長浜博行君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省総合政策局長由木文彦君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長浜博行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(長浜博行君) 休憩前に引き続き、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○酒井庸行君 自由民主党の酒井庸行でございます。 午前中は参考人の皆さんの御意見をお伺いをいたしまして、大変具体的に多くのことを頂戴をいたし、勉強もさせていただきましたし、改めて多くのことを認識をさせていただいたというふうに思っております。 そして、この法案の本会議中での質問をされた皆さんのお話を聞いていても、非常にすばらしい御意見、質問だったというふうに思いますし、先ほどの参考人のときにも皆さん方からたくさんの御意見が出ました。これも大変に良かったというふうに思いますし、皆さん方の御意見の中で思うことは、やはりこのバリアフリーについては思いが非常に深いんだなというふうに感じさせていただきました。 その上で、私からも、この高齢者、障害者等の移動等の円滑化の推進に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。 ハートビル法と交通バリアフリー法を統合、拡充した、いわゆるバリアフリー法案が制定されて以来十一年が経過をしております。この間、多くの事故等も出ておりまして、そういう中で、このバリアフリーを取り巻く環境というのは大きく変化をしているというふうに思います。 平成二十七年のときに、二〇二〇年の東京オリンピック競技大会、東京パラリンピック競技大会というものを決定をいたしましたけれども、この大会を契機として、誰もが安全で快適に移動できるユニバーサルデザインの考えに基づいたまちづくりの推進や、そして、障害の有無等にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し合う心のバリアフリーを推進することなどが示されております。高齢者や障害者など全ての人々が活躍できる一億総活躍社会の実現が求められているところでございます。 このように、バリアフリーを取り巻く環境の変化と世論の高まりというのは、更なるバリアフリー化への国民の期待が高まっているところでございます。 こうした背景を踏まえて、私からは、今回の改正案に至ったところでございますけれども、まずは、二〇〇六年のバリアフリー法の制定から本法律改正案が提出に至るまで、先ほど参考人の秋山参考人からもお話がございましたけれども、我が国におけるバリアフリー化はどの程度進んでいるのか、また、国際標準と比較して、これも中部国際空港、羽田空港の例がございましたけれども、我が国のバリアフリー水準はどのように位置付けをされているのかをまずお伺いをしたいと存じます。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 現行のバリアフリー法の制定から十一年が経過をいたしまして、公共交通機関あるいは公共施設、建築物のバリアフリー化は一定程度進展をしたものというふうに認識をしております。 例えば、一日の利用者数三千人以上の駅等におきます段差解消につきましては、二〇二〇年度までに原則として一〇〇%とする目標に対し、二〇一六年度末時点で八七%達成しております。ノンステップバスにつきましては、二〇二〇年度までに約七〇%とする目標に対しまして、二〇一六年度末時点で五三%の達成率。建築物につきましては、二千平米以上の特別特定建築物のストックのバリアフリー化を二〇二〇年度までに約六〇%とする目標に対しまして、二〇一六年度末時点で五八%の達成ということになっているところでございます。 一方、諸外国との比較につきましては、秋山参考人も一概には難しい部分もあるというふうにおっしゃっておられましたが、データそのものも十分公表されているものが必ずしもございませんし、その取り方にも差異がございますので、単純比較はなかなか難しい面ございますけれども、例えば、地下鉄駅の段差解消について入手できます数字で比較をいたしますと、東京は約七四%でございます。これに対してロンドンは約二五%、それからニューヨークは約二〇%となっております。 これらと比較しますと我が国の取組は比較的進んでいると言えるかと思いますが、一方で、ソウルは八八%でございます。シンガポールはほぼ一〇〇%でございます。我が国よりもやはり取組が進んでいる国もございますので、我が国としてもやはり更なる取組が必要な状況であるというふうに考えております。 私ども国土交通省としては、まずは二〇二〇年度の目標の確実な達成を目指して、全国のバリアフリー化を一層推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○酒井庸行君 ありがとうございます。 今、バリアフリーの法制定から現在までの進捗状況、あるいはその国際標準との比較についてお伺いをいたしました。 国交省としては、この現在のバリアフリー化について、現在のですね、どのように実際に評価をしていらっしゃるか、そして今回の改正によってこのユニバーサル社会というものはどの程度まで実現するというふうに考えておられるのかをお伺いいたします。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 我が国におきますバリアフリー化につきましては、先ほど申し上げましたように、現在の法律に基づきまして、高齢者、障害者等の日常生活、社会生活におきます移動や施設の利用に当たっての利便性、安全性の観点からは一定程度進展してきたものというふうに評価を私どもの方ではいたしているところでございます。 一方で、十一年が経過し、委員からも御指摘ございました二〇二〇年度には東京パラリンピックが開かれることになります。これを契機としたユニバーサル社会の実現の要請が高まっていると考えておりますし、また、一億総活躍社会の実現の必要性も認識されております。 具体的な課題としては、例えばソフトについての計画的な取組がやはり必要になっているのではないかというようなこと、あるいはバリアフリーのまちづくりに向けた地域における面的な取組の強化が必要ではないかというようなこと、あるいはユニバーサルツーリズム等を背景として更に高齢者や障害者の利用しやすさを確保する必要があるのではないかというようなこと、あるいは施策に当事者の意見をより反映させる必要があるのではないかというようなこと、いろいろ課題があるというふうに認識をいたしております。 こうした認識を踏まえまして、今回御提案申し上げております改正案におきましては、基本理念の創設でございますとか、あるいは事業者によりますハード、ソフト計画の作成、市町村によるマスタープラン制度の創設、それから当事者が参加をいたしますいわゆる評価会議の設置等を改正内容として盛り込んでいるところでございます。 こうした施策を的確に実施いたしまして全国のバリアフリー化を推進することは、高齢者、障害者等を含む全ての方がその能力を発揮し、生き生きと輝くことができる社会、すなわちユニバーサル社会の実現に向けて、その一翼を担うことができるものになるものというふうに考えているところでございます。 国交省としては、今後ともユニバーサル社会の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○酒井庸行君 先日、この国土交通委員会で、委員の皆さん方と神奈川県の川崎駅を視察をしてまいりました。そして、川崎市というのは、川崎駅のみならず、ほかの多くの駅についてもバリアフリーの基本構想を策定をされております。地区ごとにバリアフリーの推進に向けた基本的な考え方を示すバリアフリーの推進構想というものを策定をしてバリアフリーの取組を推進しておられますけれども、バリアフリー、ユニバーサルデザインが浸透しているという意味ではすばらしい、いい事例であったというふうに思います。 現行法では、こうしたバリアフリーの基本構想を作成するに当たって、重点整備地区内、それから移動円滑化のための事業の実施について関係者間で調整を行って、その調整が終わった後に基本構想の申請をすることができるとしてございます。市町村ではその調整が困難な場合が多々あるということや、予算の不足、人員不足、そして作成ノウハウなどのいわゆる不足などの理由で、基本構想の作成は全市町村の約二割、また、一日当たりの平均的な利用者数が三千人以上の旅客施設のある市町村では約半数にしかすぎないというふうにお聞きをしております。 バリアフリーのまちづくりを進めていくには、まず、こうした基本構想を作成した市町村を増やすことが重要であるというふうに考えます。この法改正を機に、基本構想を作成しようとしていない市町村に対してどのような支援、指導をしていくのか、国交省としての取組をお伺いします。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 基本構想の作成状況は、今委員から御指摘をいただいたとおりの状況でございます。 こうして市町村における基本構想の作成が進まない理由の一つといたしましては、市町村からお伺いをいたしますと、具体の事業に関する計画を定めることが要件となっておりますので、事業者間の調整にどのように取り組めばよいか分からないといったような指摘が寄せられているところでございます。 このため、今回の改正案におきましては、バリアフリー化に重点的に取り組む区域につきまして、市町村がバリアフリーの方針を定めるいわゆるマスタープランの制度を盛り込むことといたしております。このマスタープランにおいては、個別事業に関する計画を必ずしも要しないというふうにしているところでございます。 また、このマスタープランの地区におきまして駅などを設置する場合には事業者から届出を受けるという制度にしておりまして、この届出を端緒として、市町村が関係者間の調整を行うことが可能となる仕組みを新たに導入しようとしているものでございます。 また、これまで基本構想の作成は市町村の裁量に委ねられておりましたけれども、今回の改正案では、新たに導入しますマスタープランを含めまして作成するよう努めるものとするという努力義務とすることといたしております。 さらに、市町村への支援策として、都道府県が広域的な見地より助言を行うという援助の仕組みでございますとか、国が策定に当たってのガイドラインを作成をする、あるいは先進的な取組について国から情報提供を行う、こうした市町村に対する支援を行ってまいりたいというふうに考えております。さらに、こうした制度面の措置に加えまして、マスタープランの作成経費につきまして新たに国から助成をすることといたしております。 こうした措置を十全に活用することによりまして、基本構想の作成について市町村に積極的に働きかけを行い、面的なバリアフリー化を一層推進してまいりたいと考えております。
○酒井庸行君 今マスタープランのお話がございましたけれども、次にお伺いしたいのは、このマスタープランを作成するについても、先ほど参考人の秋山さんからもお話がございましたけれども、地方のバリアフリー化でございます。 基本方針では、乗降客三千人に満たない駅についても、地域の実情に鑑みて、利用者数のみならず、高齢者、障害者等の利用の実態を踏まえて、移動等の円滑化を可能な限り実施するとしてあります。三千人以上の旅客施設と三千人に満たない旅客施設とでは、整備率に非常に差が生じております。結果として、地方での整備が遅れているという懸念が否めません。 地域包括ケアという言葉も、セットの整合性というのも秋山参考人からも出ておりましたけれども、高齢者、障害者、子育て世代など全ての人々が安心して生活、移動できる環境を実現することは、地方創生の面からも非常に重要であるというふうに考えます。 都市部、地方部それぞれの課題を踏まえて、三千人未満の旅客施設についても新たな整備目標を設定をして、全国的なバリアフリーの水準の底上げに向けた取組を推進すべきだというふうに思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 高齢者、障害者等を含む全ての人が住みよいまちづくりを進める上で、都市のみならず、地方におけるバリアフリー化を推進していくことは大変重要であるというふうに認識しております。 利用者数三千人以上の駅における段差の解消等を二〇二〇年度までに原則として一〇〇%、全ての駅で実現をすることを目標といたしまして現在取り組んでいるところでございます。先ほど申しましたように、二〇一六年度末時点で約九割の達成状況でございます。まずは、この二〇二〇年度の目標の実現に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 一方、利用者数三千人未満の駅につきましても、地域の実情に鑑み、高齢者、障害者等の利用の実態等を踏まえてバリアフリー化を進めることを基本方針として取り組んでおりまして、現在は約二〇%の駅がバリアフリー化されているところでございます。 御提案申し上げております改正法の施行後、できるだけ早期に二〇二一年度以降のバリアフリーの整備の目標について検討する場を設けてまいりたいというふうに考えております。その際には、都市部、地方部それぞれにおける課題に適切に対応することといたしまして、小規模な駅などのバリアフリー化についてもハード、ソフトの両面からしっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
○酒井庸行君 今お答えがございましたけれども、参考人の皆さんからもお話があったように、地方のバリアフリー化というのは非常に危惧をされて、心配をされております。是非とも、議論をされる中で、早めに、早期にやっぱり議論をしていただいて、何とかそういうところのバリアフリー化というものをしっかりと考えていっていただきたいというふうに思います。 次に、私の地元の話でございますけれども、愛知県の名古屋駅では、現在でも新幹線、JR、私鉄、地下鉄の九路線が乗り入れております。そういうターミナル駅でありますけれども、一日の乗降客数が百二十万人を超えております。これから二〇二七年にはリニア中央新幹線も開業する予定でございます。日本経済の成長を牽引するスーパーメガリージョンというのがございますけれども、それが誕生することになります。 名古屋駅は、まさにそのハブとしての我が国にとって非常に重要な機能を担っていくことになりますけれども、しかしながら、そのスーパーメガリージョンの中心である名古屋駅のバリアフリーの現在の状況は、JRの在来線、名古屋鉄道、近鉄線共に大変に複雑でして、改札口も半地下や地下に複数ございます。段差の多い複雑な構造の駅となっておりまして、リニア中央新幹線の名古屋駅の開業まで九年です。この九年の中で、スーパーメガリージョンの形成に不可欠な基礎的なインフラ、そして名古屋駅のバリアフリー化というのは喫緊の課題であるんですけれども、名古屋駅といったスーパーメガリージョンの拠点となる駅のバリアフリー化について、鉄道事業者の自主的な改善努力に委ねるのではなく、国としてもバリアフリー化を推進をしていく必要があるというふうに考えます。 今度の法案の中には、市町村及び公共交通事業者に対して主務大臣は助言をすることができると、このように法案には明記をされているところであります。国交省の御意見をお伺いしたいと存じます。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 今委員から御指摘ありましたとおり、名古屋駅でございますが、これは複数の鉄道路線が乗り入れ、現在、約一日当たり百二十万人が利用されておられる重要なターミナル駅でございます。現在、各路線のホームから改札までのバリアフリールート及び各路線間の乗換えのバリアフリールート、これはそれぞれ確保されているところでございます。 ただ、名古屋市におきましては、リニア中央新幹線の開業予定である平成三十九年度を整備目標として、市営地下鉄の名古屋駅を始めとする各鉄道駅間の乗換え等の利便性、快適性の向上を図ること、さらには、主要な乗換動線をできる限り直線化し、上下移動の負担を少なくすることなどによって分かりやすい乗換空間の形成を図るとの整備方針が策定をされているところでございます。名古屋市としましては、この整備方針を具体化するために、今後、このバリアフリー法に基づく新たな基本構想を策定する予定と聞いているところでございます。 国土交通省としましては、こういった関係者間の検討に積極的に参画を行うとともに、この基本構想が策定された際には、その実現に向けて適切に対応を行ってまいりたいと考えております。
○酒井庸行君 是非ともお願いをしたいと思いますけれども、一つは、鉄道の乗り入れというのもバリアフリーに関係することになるんだろうというふうに思います。この法案にもありますように、乗り継ぎのルートについてはバリアフリー化ができる限りの最短の義務付けをするということで書いてございますので、そのことも含めて是非とも御助言をしていただきたいというふうに思っております。 次にお話をするのは、やはり先ほど申し上げました事故等が、この十一年間の間に多くの事故がございました。これは事故と言ってもいいと思いますけれども、鹿児島県の奄美空港で、航空機に搭乗しようとした車椅子の障害者の方が、LCCの航空会社ですけれども、介助を受けられず、階段式のタラップを自力ではい上がったという大変な事案がありました。 国交省としては、こうした問題の再発防止に向けて、事業者に対してのバリアフリー化に関する支援制度も必要でしょうけれども、どのように取り組んでいくのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 まず、バリアフリー化に対する支援制度でございますけれども、事業者の取組を促すための助成の措置は大変重要であると考えております。 現在、財政上の支援策といたしましては、例えば鉄道駅のエレベーターにつきましてはその費用の三分の一、それからノンステップバスにつきましては車両価格の四分の一又は通常の車両価格との差額の二分の一、福祉タクシーにつきましては車両価格の三分の一の補助等々の様々な支援策を実施をいたしておりまして、三十年度の予算においても所要額を確保しております。 また、税の特例措置もございまして、鉄道駅のエレベーター等について固定資産税の特例、さらに、ノンステップバスや福祉タクシーについての自動車取得税の特例等々を設けているところでございます。 こうした措置を十全に活用することによりまして、バリアフリー化を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。 あと、LCCのお話もお答えをさせていただいてよろしゅうございますでしょうか。 奄美空港でのLCCの、空港の車椅子障害の方が自力で上がったという件でございますけれども、これについては大変残念な事案であったというふうに思っております。 今回提出をさせていただいております法案では、公共交通事業者に対しましてハード、ソフトの一体的な計画の策定を義務付けますとともに、その事業者が計画を作る際の判断基準を国が定めるということにいたしているところでございます。また、ソフトの対策として、公共交通事業者に対しては乗降等に対する支援を適切に行うという努力義務を新たに課しているところでございます。 こうした中で、今回のように必ずしもハード整備が伴わない、行わないような場合については、旅客の介助や職員の研修などソフト対策を行う必要性についてきちんと明記を、国が定めます判断の基準の中で明記をしてまいりたいというふうに考えております。これを受けて、事業者が作成をいたします計画には、ハードの対策に加えて、それを受けてどうするかという具体的なソフト対策が記載されることになり、公表されることになるものというふうに考えております。 この計画を着実に実施することによりまして、今後、同様の事案の発生はなくなるものというふうに考えておりますが、万が一不十分な措置である場合には、必要がある場合に国土交通大臣が勧告等を行うという、できる制度も今回用意をいたしております。また、ハード対策としては、本法に基づく施設整備の基準においても、タラップのバリアフリー化について定めることとしてまいりたいというふうに考えております。 こうしたハード、ソフト両面からの対策によりまして、同種の事案が二度と発生することのないように取り組んでまいりたいと考えております。
○酒井庸行君 次の質問に移りたいと思いますけれども、ちょっと順番を少し飛ばします、時間がなくなってまいりましたので。申し訳ありません。 次に、高齢者、障害者等が施設を利用するために必要な情報についてお伺いをしたいというふうに思います。 障害者や高齢者等全ての人が自立して移動できる環境を整備するためには、必要な情報を分かりやすく提供することが大事だというふうに考えます。現行法では、公共交通事業者等には、高齢者、障害者等が公共交通機関を利用して移動するために必要な情報、路線案内、運賃案内、運行情報などを適切に提供するという努力義務が課されていますけれども、今回の法改正においては、公共交通事業者に加えて、新たに道路管理者、路外駐車場の管理者等、それから公園管理者など、建築物等の管理者にもバリアフリー情報の提供を努力義務として課すこととなっています。高齢者や障害者の社会参画をより一層高める上で大変喜ばしいというふうに考えております。 しかし、当然のことでありますけれども、情報は単に提供すればいいというものではございません。高齢者や障害者の方々にとって、情報へのアクセスやバリアフリー状況の把握が容易に可能で快適な施設利用へとつながるものでなければなりませんけれども、障害があっても支障なく情報を利用することができるようにすることが非常に重要だというふうに思います。 そこで、具体的にどのような内容が、どのような形で高齢者や障害者等に対して提供されるかを想定しているのかをお伺いいたします。
○政府参考人(伊藤明子君) 現行のバリアフリー法に基づき建築物等におけるバリアフリー化をハード面から進めてきたところでございますが、一方で、バリアフリー化された施設がどこにあるか分からず、利用しづらいといった声があり、御指摘のとおり、その情報提供は非常に大切なことだというふうに考えております。 このため、今回の改正法案では、新築時にバリアフリー基準の適合義務が課される特別特定建築物、例えばでいいますと、具体的には、不特定多数の者が使われるものや主として高齢者、障害者等が利用する建物ということになりますが、このバリアフリーに関する情報提供を行うよう施設管理者等に対する努力義務規定を盛り込んでいるところであります。 具体的には、こうした施設について利用者が事前に確認できるよう、施設の管理者等がホームページ等により、バリアフリー基準への適合の有無や車椅子使用者用のトイレや駐車場の有無等について情報提供することを想定しております。 また、市町村がマスタープランに基づくバリアフリーマップを作成する際に、新築とか既存の別や建物の規模によらず、マスタープランの区域内の特別特定建築物の建築主等が協力する仕組みも制度化することとしております。 さらには、関係省庁や業界団体とも連携し、バリアフリーに関する情報の提供が、委員御指摘のとおり、できるだけ分かりやすくなされるように取組を進めていきたいというふうに考えております。
○酒井庸行君 ありがとうございました。 次の質問に移ります。 資料を皆さんのところに配付させていただいておりますけれども、先ほど参考人の田中さんからもお話が出ました。スマートコードというお話が出ましたけれども、現在、バリアフリーに関する情報をスマートフォンのアプリを使って収集し、投稿し、そして利用者で共有する取組があるというふうに聞いております。そこの資料にございます。 多くの情報をより簡単に素早く収集をするためには、施設の管理者だけではなくて広く一般の方々の参加を得なければならないということでありましょう。非常に有効だというふうに思いますけれども、これに対して国交省はどんなふうにお考えをお持ちでしょうか。
○政府参考人(北本政行君) お答え申し上げます。 国土交通省におきましては、障害者等の身体特性やニーズに応じた経路を歩行空間や建物等の施設のバリアフリー化の状況を踏まえてナビゲーションするアプリが民間事業者等により開発、提供される環境整備を推進してございます。そのためには、歩道の段差でありますとか勾配の有無、程度、歩道の幅、エレベーターの設置状況など、きめ細かなバリアフリーデータの整備が必要となってまいりますが、これらの情報の収集に当たりましては、委員御指摘のとおり、住民やNPO等の多様な主体の参画によるデータ収集というものが極めて有効であるというふうに考えてございます。 これに関しましては、国土交通省におきましては、効率的な情報の収集が進むよう、参画を促すインセンティブの在り方でありますとかデータの標準化、個人情報への配慮等について検討するとともに、収集されましたデータが流通する仕組みについても検討しているところでございます。 今後とも、鋭意取り組んでまいりたいと考えてございます。
○酒井庸行君 最後の質問になります。 これまでの皆さん方の御意見や質問等から、いろいろソフト、ハードで考えますと、やはり大切なのは、心のバリアフリーというふうに言われておりますけれども、そのことがやはり基本であるだろうというふうに思います。 体の不自由な人たちが電車に乗るときもそうですけれども、先ほどの参考人のお話でもありました。田中さんがまずは駅の駅員さんにお願いをするというお話もありましたし、そして一般の方々が声掛け運動でどうやって声を掛けていくというところも踏まえていくと、非常にその問題というのはこれからまだ論議を重ねるところだというふうに思いますけれども、そういう中でも、依然として広く国民の中に心のバリアフリーというのが浸透しているとは言えないという状況だというふうに私は思います。 そういう意味では、バリアフリー化を推進していく中で、人々の心のバリアフリー化が進むことを前提としていろいろと考えなければならないというふうに思いますけれども、こんなふうに言われます。大人が変われば子供も変わる、子供も変われば地方も変わるというのがあります。これは非常に大事な言葉だというふうに思います。 そういう意味で、大臣にこの心のバリアフリーについてのこともお伺いをしたいんですけれども、その前に、高橋政務官にお伺いをしたいというふうに思います。 実は、政務官は高根沢町の町長もやられております。そして、県会議員も実はやられていて、行政あるいは議会の立場からもいろんな御苦労をされてきたんだろうと思います。今この状況で政務官をやられていて、どんなふうに感じて心のバリアフリーを思っていらっしゃるか、お伺いをしたいというふうに思います。 その後、大臣からもお願い申し上げます。
○大臣政務官(高橋克法君) 先ほど國島参考人のお話を聞いていて思ったことがありますので、それを申し上げたいんですが、私が町長をやっていました役場は昭和三十年代に建てられた建物で、ちょうどバリアフリーという考え方が浸透してきて、でもしかし、昭和三十年代、バリアフリーの考え方、全く入っていない建物だった。どうしようかということで、トイレの改修ですとか点字ブロック、点字シートまではできたんですが、エレベーターやエスカレーターはこれはもう物理的に不可能。幸い、二階建てだったものですから、じゃ、人的バリアフリーをしようじゃないかと職員の皆さんと話し合って、それで人的にバリアフリーの仕組みをつくっていこうというようなことをやった経験がございます。 そのうちに、だったら今度は一階の受付でワンストップサービス全部やっちゃって、そこでもう全部済むようにしましょうみたいな議論になって、そのためには職員のスキルを上げなきゃいけないし、来庁される方々にみんな声を掛けていきましょう、ニーズを把握するためにというようなことになりましたし、その経験からいうと、この取組というのは実はまちづくりそのものであったという思いがあります。 もちろん、人に集約できない部分はあります、努力でカバーできない部分。ですから、これはハード整備はしっかりと行政の責任としてやらなきゃいけないけれども、人づくりという意味では非常に手段として重要な、良い地域をつくっていけるという切り口になるというふうに感じております。 以上でございます。
○国務大臣(石井啓一君) バリアフリー化の促進に関しまして、いわゆる心のバリアフリーは大変重要であります。このため、これまでも、心のバリアフリーを国民及び国の責務として規定するとともに、バリアフリー教室を全国各地の小中学校、旅客施設等で開催するほか、駅エレベーターへの優先マークの掲示や鉄道利用者への声掛けキャンペーン等の啓発活動を推進してまいりました。 今後とも、国民の理解を深めるとともに、一層の協力を得る必要があると考えておりまして、今回の改正におきましては、国民及び国の責務規定に、高齢者、障害者等が公共交通機関を利用して移動するために必要となる支援を協力の例示として加えることといたしました。 今後、この改正を踏まえまして、事業者に対しましては、障害者等の接遇をより的確に行うためのガイドラインを新たに作成し、それに基づいて実践的な研修が行われるよう働きかけること、また、広く国民に対し、これまで子供を中心に実施をしてまいりましたバリアフリー教室について、各公共交通機関の職員や利用者向けのものを充実すること、二〇二〇年東京大会に向けて、鉄道の利用に当たり、高齢者、障害者等に対するサポートを行っていただくよう呼びかけるキャンペーンを行うことなどの取組を進めまして、心のバリアフリーのより一層の推進を進めてまいりたいと考えております。
○酒井庸行君 終わります。ありがとうございました。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。質問の機会をいただき、ありがとうございます。 本日は、バリアフリー法の改正案に関しましてお伺いをしたいと思います。 この改正案は、これまで新バリアフリー法施行から十年以上が経過をし、各地で進められております公共施設、交通機関などのバリアフリー化を更に加速させることが目的でございまして、大変重要な改正であると思います。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控えまして、障害者、高齢者などにとりましても安全、安心なユニバーサルデザインのまちづくりや、また心のバリアフリーに取り組むことは、世界を代表する成熟都市としての東京の姿を発信する絶好の機会でもございます。この改正を機にバリアフリー化が更に進展するよう期待をしたいと思います。 そこで、まず、今回新たに規定されました内容についてお聞きをしたいと思います。 まず、今回の改正案では、第一条の二に基本理念、これを規定をしております。共生社会の実現に向けてこれは大事な改正点であると思いますけれども、この理念規定を盛り込みました理由について、大臣、伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年二月に決定されましたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画におきましては、二〇二〇年の東京パラリンピックを契機といたしまして、共生社会の実現に向けて取り組んでいくことがその基本的な考え方としてうたわれております。また、現行のバリアフリー法制定以降、障害者権利条約の締結に伴い、障害者基本法や障害者差別解消法に共生社会の実現や社会的障壁の除去に関する規定が設けられたところであります。 これらを踏まえまして、また、バリアフリーの取組は、利用者や事業者等の関係者が共通の理念の下でより良いものにつくり上げていくことが重要であることから、今回の法改正におきまして、共生社会の実現及び社会的障壁の除去を内容とする基本理念の規定を設けることといたしました。これによりまして、全ての関係者が共通の理念の下でバリアフリーに取り組むよう働きかけてまいりたいと存じます。
○山本博司君 私も、公明党の障がい者福祉委員会の委員長をしておりまして、この障害者施策で障害者基本法や差別解消法の法整備に関わった経緯もございまして、今回この理念規定が設けられたということで、障害者権利条約の理念を国内法に反映させる取組が大きく進み、また、身体機能が制限された人のための福祉的な環境づくりというこれまでの発想、これを転換をして、障害の社会モデルの考え方をしっかり取り入れる大きなきっかけになると思います。 そうした中で、一つ確認をしたい点がありますので、お聞きをしたいと思います。 国交省では、昨年の七月より、都市鉄道における利用者ニーズの高度化等に対応した施設整備促進に関する検討会、これを設置をして、このほど中間取りまとめを公表されまして、利用者に一定の負担を求めることができる仕組みの検討が必要であると、こうされたと伺っております。ホームドアの整備や、また複数のバリアフリールートの確保、こうしたより高い水準のバリアフリー化が求められておりますので、こうした施設整備の費用を誰が負担をしていくかということは大変大事な問題でもございます。 そこで、まず、この検討会の検討状況、中間取りまとめの概要について伺いたいと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 鉄道駅のバリアフリー化につきましては、エレベーターの整備などの取組が着実に進捗をしているところでございますが、近年、利用者ニーズの高度化等を受け、ホームドアの整備あるいは複数のバリアフリールートの確保など、より高い水準のバリアフリー化が求められているところでございます。 こういった施設整備は必ずしも鉄道事業者の収益につながらないことから、利用者ニーズの高度化に対応した施設整備を迅速かつ確実に行うことができるよう、昨年七月より検討会を設置をし、新たな費用負担の在り方につきまして有識者、鉄道事業者、消費者団体等の意見を聞きつつ検討を行ってきたところでございます。 同検討会が本年二月に公表した中間取りまとめにおきましては、従前の国、地方公共団体による補助制度に加え、利用者に一定の負担を求める仕組みの検討が必要とされたところでございます。その一方で、この件につきましては、利用者等に幅広く意見聴取を行うとともに、技術的な課題等についても検討することが必要とされたところでございます。 現在、中間取りまとめにおけるこれらの指摘事項を踏まえて更に検討を深めているところでございます。
○山本博司君 この検討会では、今お話がありましたとおり、バリアフリー化などの施設整備は必ずしも鉄道事業者の収益につながらない、こういう前提の下で、受益と負担の観点から利用者に一定の負担を求める、こういう考え方が打ち出されておりまして、この点につきましては批判的な意見も含めて様々な御意見が出ているところでございます。 この検討会では、まだ高齢者や障害者の関係者からは意見聴取を行っていないということでございます。本年夏以降を目途にこの最終取りまとめを行うということでございますけれども、利用者負担を求めるに当たりましては、今後、利用者の理解を得るためにも、高齢者や障害者などの関係者に幅広く意見聴取を行っていただきたいと思いますけれども、認識を伺いたいと思います。
○副大臣(牧野たかお君) 御指摘の検討会の中間取りまとめにおける指摘事項を踏まえ、現在、全国を五つのエリアに分けまして、六十五歳以上の高齢者と二十歳から六十四歳までの年代に分けて利用者に対するアンケート調査を実施しているところであります。さらに、今後、複数の障害者の団体から御意見を聴取する予定にしております。 こうしたアンケートや意見の聴取によって、より高い水準のバリアフリー化に要する費用の一部について利用者に負担を求めることの是非や、賛否や、妥当な額のレベルなどについての利用者の意向を把握し、新たな費用負担の在り方について検討を深めてまいりたいと考えております。
○山本博司君 是非とも高齢者、障害者、幅広い方々の意見を取り入れていただきたいと思います。 このバリアフリー化は、結果として、子供や妊産婦、外国人、またベビーカーやスーツケースを運ぶ人たちにも役立つものでございまして、新しいまちづくりでは、あらかじめ多様な存在を想定したユニバーサルデザイン、これを目指すものでなくてはならないと思います。特に地方におきましては、高齢化が加速する中で、移動しやすい環境の実現が求められております。バリアフリー化を点から線、線から面、そして面へと広げていく時代、これも時代の要請であるわけでございます。 今回の改正では、移動と安心の連続性を確保した面的バリアフリーの推進、これを行うことは大変大きな意義があると思います。この法改正によりまして、市町村がバリアフリー方針を定めるマスタープラン制度を創設する、こうなっておりますけれども、国として、地方のバリアフリー化の取組、どのように支援をしていくのでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 地域におきまして一体的、計画的にバリアフリー化を推進していく上では、市町村の役割は極めて重要でございます。今後、より多くの市町村において、今回新たに導入をいたしますマスタープランの作成に取り組んでいただきたいというふうに考えております。 このマスタープラン制度は、先ほども酒井委員の御質問にもお答えをいたしましたけれども、必ずしも個別の事業に関する計画を要しない、その段階からバリアフリーに取り組むことができるというものとして新たに導入をしようとするものでございまして、それを定めますと、事業者からの届出を事前に受けることによりまして、届出を端緒とした事業者間の調整を市町村が行うことも可能になるという制度として組み立てているところでございます。このマスタープランを作成することで次の段階につなげていき、市町村のバリアフリーの取組を一層促進するということを進めたいと思います。 そのためにも、多くの市町村で取り組んでいただくために、まずは国でガイドラインを、どのように作るべきかといったガイドラインを示すほか、先進的な事例などについて情報提供を行う支援を行いたいと思っております。また、予算面におきましても、マスタープランの作成経費について新たに国から助成をすることといたしまして、必要な予算を今年度予算に盛り込んでいるところでございます。また、広域の観点からの支援という観点で、都道府県が、市町村がマスタープランを作成する際に、広域的な見地より助言等の援助を行うという仕組みも法律上新たに設けたところでございます。 こうした支援策を活用して、市町村によるマスタープランの作成を支援してまいりたいというふうに考えております。
○山本博司君 このバリアフリー化、一定程度進展を見せているところでございますけれども、全国の市町村におきましては、様々な事情から基本構想等の作成が進まないで、バリアフリー化が進展しない地域が数多くございました。これまで市区町村が駅や道路、公共施設のバリアフリー化を一体的に進める場合に、その費用の一部につきましては、国からの助成を受けやすくするためには、民間事業者の協力を得た上でこうした基本構想を作成する必要がございましたけれども、実際、昨年三月末時点では二百九十四自治体、全体の二割弱にとどまっているということでございます。 先日も、中国方面のある市長と懇談したわけですけれども、その市は約三千人以下の、満たない市でございますので、駅周辺のバリアフリーの検討であるとか基本構想の検討も余り考えていないということでございました。 今回の改正で示されておりますこのマスタープランの作成、市町村の努力義務となっておりまして、公明党の会合におきましても、障害者団体からは、自治体間の格差が生まれないように国が指導、示すべきであると、こういう要望も出されたところでございまして、やはり各自治体には財源の不足、バリア施策に関する財源の不足も課題となっております。 そこで、これまでの状況を踏まえますと、市町村におけるこのマスタープランの作成が努力義務と、こういう状況では、また同じような状況として、結果としてバリアフリー化が進まないのではないかと、こういう懸念もあるわけでございまして、この点につきまして問題がないのか、推進をどのようにするのか、お聞きをしたいと思います。
○副大臣(牧野たかお君) お答えいたします。 バリアフリー化を進めていくためには、市町村において一体的、計画的にバリアフリーに取り組んでいただくことが大変重要であると考えております。これまで基本構想の作成は市町村の裁量に委ねておりましたが、今回新たにマスタープラン制度を導入することとし、市町村の自主性を尊重しながら、できる限り多くの市町村に取り組んでもらうため、基本構想も含めて努力義務といたしたところであります。 国土交通省といたしましては、そうした趣旨を基本方針に明記し、市町村に十分周知徹底するとともに、市町村への働きかけや、先ほど総合政策局長が答弁したように、経費の助成だったり助言などの支援を行うことによって、市町村におけるマスタープランの作成を推進してまいります。
○山本博司君 先ほどの午前中の参考人の方々からも、地方の課題ということでお話ございましたけれども、やはりこの基本構想、四国でも六つの市しか基本構想、いわゆるもう中心的な市しかやっていないという状況でございまして、国交省では二〇二三年度までに三百という目標値を出しておりますけれども、しっかりこれをそれ以上推進をしていくと。やはり、十万人とか五万人規模の都市であったとしてもそれが推進できるような、その強力なリーダーシップをお願いをしたいと思います。 一方で、今回の改正におきまして、民間事業者との協定制度が創設をされております。この制度を活用することによりまして、駅等の旅客施設にスペースの余裕のない場合に、近隣建設物への通路及びバリアフリールート整備を促進することが可能となりました。こうした制度の活用を通じまして、民間事業者と共同でバリアフリー化を進めることができれば、理念規定に盛り込まれました共生社会の実現に大きく資すると考えられるわけでございます。 また、マスタープランで設定されました重点的に取り組む移動等円滑化促進地区内の民間事業者がより高度な建築物のバリアフリー改修を実施する場合にも、何らかのインセンティブとなるような支援策、誘導策も必要であると思います。 こうした民間事業者の協力、どのように促進をするつもりなのでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 バリアフリー化を推進する上で、民間事業者の役割は極めて重要でございます。その協力をできる限り得ていく必要があると思っております。 まず、今回の改正案におきましては、民間事業者が新たにハード、ソフトの計画を作るという制度を導入をいたしまして、事業者自らが計画を作り、それを公表、実行するという仕組みを設けることとしたところでございます。 あわせて、今委員から御紹介をいただきましたように、旅客施設、駅等が非常に狭隘な場合に、周辺、近接いたします建築物との連携の上でバリアフリーの取組が進められるような、言わば民間の公共交通事業者と民間の建築物との連携を促進するということによりバリアフリーを促進するための協定制度、こういったものも新たに設けることといたしているところでございます。こうした措置を十全に活用いたしまして、公共交通事業者等の民間事業者の取組を推進してまいりたいと思っております。 また、今回のマスタープラン制度、これは早期の段階で市町村がマスタープランを作るということができる取組でございますが、その中では、協議会を活用して、必要に応じて施設設置管理者や、あるいはまだ事業を確実に実施するかどうか分からないけれども見込まれる者などの参加を得るということもできる仕組みになっております。 この協議会でマスタープランを作り、あるいは協議会の協議の中で次の事業につなげていくということをできる限り進めていただきたいというふうに思っておりますので、市町村の中でそうした協議会を活用して民間事業者の意向を十分踏まえること、また、それぞれの事業者間の連携や調整を図ること、こういったことの重要性につきまして、今後また新たに改正をすることといたしておりますけれども、国が定める基本方針にそういった重要性を明記をするというようなこともいたしまして、協議会の活用についても市町村に促してまいりたいというふうに考えております。
○山本博司君 次に、小規模店舗のバリアフリー化について伺いたいと思います。この点は障害者団体からの強い要望がございました。 この小規模店舗に関する基準に関しましては、バリアフリー法では床面積二千平方メートル以上の店舗しか基準適合義務がございません。この二千平方メートル以上という基準は一九九四年のハートビル法から変わっていないために、せっかく新規オープンの店舗でも、入口に段差があり、椅子が固定式であるために車椅子では入店できないものが続々と造られてしまったわけでございます。この状態は二十年前から変わっておりません。 現在、二千平方メートル未満の建築物につきましては、地方公共団体が条例を制定し、基準の付加、強化を行うことが可能な仕組みとなっております。午前中も高山市がその条例をということで言っておられましたけれども、実際二十自治体にとどまっておりまして、全国的な取組とはなっておりません。新規出店時であれば、段差解消などのユニバーサルデザイン化をしてコストはほとんど増えません。規模に応じて整備基準を策定すれば、事業者の負担も増大することなく整備を進めることができます。 このバリアフリーの整備基準につきまして、小規模店舗のバリアフリー化を進める上で更なる推進策、これが必要だと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 店舗を建築する際には、延べ床面積二千平米以上の場合にはバリアフリー基準への適合を全国一律に義務付けておりますが、二千平米未満のものにつきましては、地域の実情に応じ地方公共団体が条例で引下げを行うというふうな仕組みとしているところでございます。これは、二千平米未満の小規模店舗になりますと、敷地が狭小であったり高低差が大きい場合において、スロープの設置やゆとりある空間の確保が難しいケースがありまして、それに伴う費用負担が相対的に大きくなるということも想定されるということであります。 また、基準適合を義務付けるということになりますと、これは基準に適合しないと要はすなわち建築できないことになるということになりますので、この規制を全国一律に引き下げるということではなくて、地方公共団体が地域の実情に応じて条例により義務付け対象となる規模を引き下げるということとしているものでございます。 現在、八都府県六市区において、店舗を対象にバリアフリー法に基づく条例で義務付け対象となる規模を引き下げているところですが、こうした取組を全国的な取組へと広げていくため、地域の実情に応じて、例えば対象区域ですとかあるいは対象の用途を設定いたしまして、義務付け対象となる規模を引き下げるということも可能であるということを基本方針に明確に位置付けるとともに、既に制定された条例による具体的な取組状況を地方公共団体に対して情報提供を行うことによりまして、地域の実情を踏まえた条例が横展開できるように地方公共団体に働きかけてまいりたいというふうに考えております。 また、関係省庁や業界団体とも連携いたしまして、バリアフリーに関する情報提供ですとか、ソフト面でのバリアフリー対策を促進するなど、小規模店舗につきましても総合的にバリアフリー対策の充実を図っていきたいというふうに考えております。
○山本博司君 是非とも全国的な展開と、地方自治体に対する推進をお願いしたいと思います。 さらに、この改正案におきましては、障害者らが参加してバリアフリー施策を評価する会議の開催が明記をされております。公明党のPTの会合でも、障害者団体の方々からは、この改正案につきまして大変評価する、当事者の意見を聞く協議会が規定されたということは非常に良かったと、こういう声も上がっている次第でございます。このバリアフリー施策を進める際には、より一層高齢者、障害者などの意見を聞くような仕組みを検討することが重要であると考えます。 今日の午前中の参考人の方々の意見もございましたけれども、障害者といっても、身体障害者、視覚障害者、聴覚障害者では意見も違いますし、知的障害者、精神障害者、発達障害者などの障害の特性に応じたきめ細やかな対応が求められると思います。 今後の評価を行う会議のメンバーの構成につきましても十分な配慮が必要であると思いますけれども、どのように当事者の意見を施策に反映させていくのか、大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 本法案におきましては、評価会議の構成員を、関係行政機関及び高齢者、障害者等、地方公共団体、施設設置管理者その他の関係者と規定をしたところであります。 具体的な構成員につきましては、今後法律の成立後に決定をしてまいりますが、特に障害者につきましては、御指摘のとおり、障害の種別等が多岐にわたるとの御指摘を踏まえつつ、様々な障害特性等に応じた御意見を適切に反映することができるよう、例えば分科会を設置するなど、会議の運営の仕方を含めまして適切に対応してまいりたいと考えております。
○山本博司君 是非ともお願いを申し上げたいと思います。 次に、技術開発ということで、午前中も参考人の方々からICT、AIの活用につきましてお話が出ました。三月に、私は東京メトロの総合研修訓練センターを訪問いたしまして、視覚障害者の歩行移動支援サービスであるshikAIプロジェクトの実証実験を視察をいたしました。これは、鉄道駅の各地点に貼り付けましたQRコード、これをスマホで読み取ることで音声によるナビゲーションが可能となるシステムで、視覚障害の方々が介助がなくても一人で改札からホームまで歩くことができるという、全盲の方が実際その実証実験されていらっしゃいまして、大変有効な支援ツールであることも実感をいたしました。 また、先ほど酒井委員からも御説明ございました、ウイーログという名称で、町にあるエレベーターやスロープなどの場所を投稿するなど、利用者が見付けたバリアフリー情報を地図上に反映できるアプリを車椅子に乗る当事者が開発して、バリアフリー環境の向上に生かしている事例もあるわけでございます。 こうした歩行者移動支援サービス、これはユニバーサル社会の構築には欠かせないものでございまして、鉄道から鉄道への乗り継ぎや鉄道からバスへの乗り継ぎ、こうした移動の連続性確保という概念も加えまして、こうしたサービスが活用できるように検討していく必要があると思います。その際に、こうしたIoT、AIといったICTの新技術を活用することで状況に即した情報提供、案内サービスを提供することがますます重要になってくると思いますし、民間事業者がアイデアを発揮して様々なサービスができるよう、午前中もありましたけれども、オープンデータ化や標準化、こうした工夫が必要であると思います。 こうしたサービスにつきまして積極的に国交省あるべきと考えますけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(北本政行君) お答え申し上げます。 ICTを活用した歩行者移動支援サービスにつきましては、国土交通省におきましては、障害者等の身体特性やニーズに応じた経路を歩行空間や建築物等の施設のバリアフリー化の状況を踏まえてナビゲーションするアプリ、こういったものが民間事業者等により開発、提供される環境整備を推進しております。 具体的には、歩道の段差でありますとか勾配の有無、程度、歩道の幅、エレベーターの設置状況などのバリアフリーデータの収集ですとか整備、あるいはオープンデータ化、こういったものが自治体や施設管理者等を中心に、また、収集につきましては一般の方々の参画も得ながら進められるよう、実証実験、私どもも進めておりますし、ただいま委員御指摘のように、様々な事例も出てきております。そういったものを参考にしながら、データ仕様の策定でありますとか、ガイドライン、事例集の作成、オープンデータサイトの開設などに取り組んでいるところでございます。 障害者や高齢者等を含む誰もが円滑に移動できる社会の実現には、ICTを活用した歩行者移動支援サービスの普及、活用が重要であるというふうに認識してございまして、これについて積極的に取組を進めてまいりたいと考えてございます。
○山本博司君 是非ともこの取組、大事でございますので、国交省としても進めていただきたいと思います。 人口減少、高齢化が進む中で、高齢者や障害者が安心して暮らせるよう、地域公共交通と連携をしてコンパクトなまちづくりを進めることは重要でございまして、国交省では、コンパクトシティー・プラス・ネットワークということで政策を進めております。これからバリアフリー化が大きく進めば、障害者や高齢者が安心して生活し、自らの意思で自由に移動することができるようになり、社会参画の機会が増え、ひいては一億総活躍社会の実現に近づいてくると考えます。 また、歩いて暮らせるまちづくりを進め、人々がより多く歩くことで健康増進効果、医療費抑制効果が期待されるというデータも公表されておりまして、今より千五百歩多く歩くことで一人当たり年間約三万五千円の医療費抑制にも相当するということでもございます。 国交省では、平成二十六年八月に健康・医療・福祉のまちづくりの推進ガイドライン、これを策定をして、こうした健康、医療、福祉の視点を生かしたまちづくりを積極的に推進することが大変重要であると私も考えるわけでございます。 また、今日、高山市長からもございました観光施策の点からも、バリアフリー化の推進、大変重要でございます。今回の法改正を機にバリアフリーが前提となるユニバーサルデザインのまちづくりが進展するよう、石井大臣におかれましては積極的な推進をお願いをしたいと思います。共生社会、この実現に向けた大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年二月に決定されましたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画におきましては、二〇二〇年の東京パラリンピックを契機としまして、共生社会の実現に向けて取り組んでいくことがその基本的な考え方としてうたわれております。 このような背景を踏まえまして、今回バリアフリー法に基本理念の規定を設け、共生社会の実現や社会的障壁の除去に資することを旨として、事業者等がバリアフリーの取組を進めるべきことを明文化することとしているとともに、市町村によるマスタープラン制度の創設による地域による面的な取組の促進、ユニバーサルツーリズムを推進するため、貸切りバス等のバリアフリー化の推進等を行うこととしております。 特に、市町村によるマスタープラン制度は、地域の関係者が共同して面的なバリアフリー化を進めるためのものであります。これを活用することによりまして、観光地を含むバリアフリーのまちづくりを一層推進することができると考えております。 また、バリアフリー化の推進に当たりましては、都市計画を始めとしたまちづくり施策や、観光立国に関わる施策との連携を図ることで相乗効果を発揮することができることから、こうした施策を連携して進めることでバリアフリー社会の実現を目指していきたいと考えております。
○山本博司君 是非ともお願いをしたいと思います。 最後に、心のバリアフリーということで、共生社会を実現するにはこのバリアフリー、大変大事でございます。その点、最後に、国土交通省から、この心のバリアフリー推進に目指しましてどのように取り組むのか、その実施状況を含めてお聞きをしたいと思います。
○政府参考人(由木文彦君) 心のバリアフリー、進めることは大変重要でございます。これまでも、この心のバリアフリーを国民や国の責務として規定をいたしますとともに、バリアフリー教室を全国各地の小中学校や旅客施設で開催をする、あるいは駅エレベーターへの優先マークの掲示や鉄道利用者への声掛けのキャンペーン等の啓発活動を推進してまいっております。 また、今回の改正におきましては、国民及び国の責務規定に、高齢者、障害者等が公共交通機関を利用して移動するために必要となる支援を協力の例示として加えることとしたところでございます。 今後、こうした改正も踏まえまして、事業者に対しましては、接遇をより的確に行うためのガイドラインを新たに作成をいたしまして、それに基づいて実践的な研修が行われるよう働きかけること、また、広く国民に対しましては、バリアフリー教室につきまして、子供だけではなくて各公共交通機関の職員や利用者等向けのものを充実すること、あるいは東京大会に向けまして、鉄道の利用に当たり高齢者や障害者等に対するサポートを行っていただくよう呼びかけるキャンペーンを行うことなどの取組を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○山本博司君 是非とも推進をしていただければと思います。 その心のバリアフリー教室に関しましても、例えば障害といっても発達障害とか様々な障害がございますので、こうした方々にも、しっかり事業者を含めて理解をしていただくことが大事でございますので、その点も併せてよろしくお願いしたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。 まず、冒頭、文部科学省にお伺いしたいと思います。 インクルーシブな社会づくりというのをどう解釈して教育に反映しているのか伺います。 と申しますのも、ここに衆議院の国土交通委員会の議事録ございますけれども、この中で参考人が何度も、次期学習指導要領におきましても、障害のある児童生徒との交流と共同学習云々と述べられているんですけれども、交流という表現が、そもそもこのインクルーシブということや共生ということを理解されていないのではないかと思うので、疑問に思ったので確認させてください。 交流というのを辞書で引きますと、互いに行き来すること、特に、異なる地域、組織、系統の人が行き来することというふうになります。私は、百時間机の上で学習をするより、百日間クラスメートでいる方がよっぽど心のバリアフリー教育になるというふうに思うんです。同じところにいるのにまず意味があるんです。交流相手じゃ駄目なんです。そう思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 今御質問ございました件でございますが、文部科学省といたしましては、障害者の権利に基づく条約に基づくインクルーシブ教育システムの理念の実現に向けまして、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に教育を受けられるように条件整備をするということとともに、障害のある子供の自立と社会参加を見据えて、一人一人の教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できるように、通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といいました連続性のある多様な学びの場の整備を行っているところでございます。 こうした中、交流及び共同学習について御指摘がございましたけれども、これは、特別支援学校と小学校といった異なる学びの場に在籍する子供同士が学習活動等を共にすることを指すものでございまして、この表現がインクルーシブ教育システムの理念に反するという御指摘は当たらないものと考えているところでございます。
○伊藤孝恵君 そういうふうに読み解けないような言いぶりだったので、ちょっとお伺いを、確認をさせていただきました。 本当に、例えば、今野球場とかコンサート会場とか、こういった、障害者だけ隔離された観覧席に、みんなとは別のルートで、しかも遠回りで行ったりするんですね、長時間そこで待たされたり。やっぱり、それもこれも、今まで日本という国が障害者とそうでない人を分けて施設整備を行ってきた、そういったことだと思うんです。その原因の多くを未来において払拭できるんだとすれば、やっぱりそれって教育だと思いますし、そのまなざしの持ちようだと、そこでしか変数要素がないというふうに思っておりますので、是非文部科学省におかれましては御検討を、再検討をお願いします。 先ほど酒井筆頭理事からありました、大人が変われば子供が変わる、子供が変われば地域も変わるというようなのは本当にそのとおりだと思いましたので、今現在の私たちも変わっていかなきゃいけないんですけれども、その我々の、今地元の愛知県では、非常に、二〇二〇年の完成予定であります木造復元を進める名古屋城の新天守閣のバリアフリー化をめぐって意見が二分しております。先ほども午前中の参考人の質疑でも秋山、國島参考人から貴重な御示唆いただいたんですけれども、大臣にも御所見を伺いたく存じます。 今回意見が二分しておりますと申し上げましたけれども、その意見の一つは、今回は戦災で失った天守を復元する事業であり、史実に忠実に復元してこそ意味がある、バリアフリーは必要ないという意見があります。他方、復元とはいっても、これから建設する建物なのにバリアフリーでないなんておかしい、バリアフリーにしていろんな人に見てもらった方がいいじゃないかというような意見でございます。 結局、名古屋市は、今月の九日、新天守閣にはエレベーターを設置しない方針を正式に表明いたしました。今後、議会に提示して後、月内に最終決定をするそうです。 我々は今、この国のバリアフリーをもう一歩でも、もう少しでもいいからもっともっと進めようと審議を続けております。そんな中で、大臣はこの件、どうお感じになりますでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 一般論として申し上げれば、バリアフリー法第六条にありますとおり、高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する施設を設置し、又は管理する者は、移動等円滑化のために必要な措置を講ずるよう努めなければならないものと考えております。 御指摘の名古屋城天守閣の復元の在り方につきましては、管理者である名古屋市が、障害者等の意見を聞きながら検討を進め、今月の十五日に名古屋市議会に対してバリアフリー化の検討状況を報告し、史実に忠実に復元するためエレベーターを設置せず、新技術の開発などを通してバリアフリー化に最善の努力をする、五月末に木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針を決定するとされたものと承知をしております。 いずれにいたしましても、管理者である名古屋市におきまして、施設利用の円滑化と名古屋城が有する価値の保存、継承との両面から適切に判断されるものと考えております。
○伊藤孝恵君 今意見を聞きながら進めた結果というふうに大臣御答弁されましたけれども、国とか町とかそういった障害者団体も含めて、本当に車座で膝突き合わせてきっちり話し合っていない、議論をしていないから今そうじゃないんじゃないかというような、意見が二分している、今も二分しているという状態であります。 先ほど秋山参考人の方から、やはり合理的配慮というものは、議論する場をつくること、まずつくること、それも合理的配慮の一つである、一つの形であるというようなお話がありました。こういった議論がなかなか尽くされていない。 確かにこれ、バリアフリー法違反ではないんですね。建築基準法第三条の適用を受けることで、特別特定建築物には該当せず、建築物移動円滑化基準への適合義務に関する規定は適用されない、これは事実なんです。しかしながら、地方公共団体及び施設管理者の責務である、移動円滑化を促進するために必要な措置を講じる努力義務については適用されるんじゃないかというふうに思うんですけど、これ、参考人、御答弁できますか。
○政府参考人(由木文彦君) お答え申し上げます。 先ほど大臣からもお答えを申し上げましたように、一般論でございますけれども、バリアフリー法第六条の規定、「高齢者、障害者等が日常生活又は社会生活において利用する施設を設置し、又は管理する者は、移動等円滑化のために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」という規定は、建築主全てに適用される一般の努力義務でございます。
○伊藤孝恵君 それに対してこれも適用されるんじゃないかという質問だったんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) 適用といいますか、六条のこの努力義務の対象になるということでございます。
○伊藤孝恵君 努力義務の対象になるというふうにはっきり御答弁をいただきました。 大臣も先ほど、新技術の開発を通して最善の努力をするというふうに言っているというふうだったんですけど、じゃ、具体的に何想定しているの、どんなことなのというと、明確にこれ記者会見で言っているのが、今すぐこれでできますとは言えないという、具体像が不明のまま、議論を尽くさないまま、いろいろなものが意思決定されているというものについて、このバリアフリー法がその前において無力であるというのはすごく納得できないなというふうに思いますが。 一方で、バリアフリー化を否定する論者の中には、エレベーターを付けてしまうと文化庁の補助金が出ないからというような方もいらっしゃいます。文化庁、そうなんですか。
○政府参考人(山崎秀保君) お答え申し上げます。 名古屋城の天守閣の復元に関する補助につきましては、現時点で名古屋市から具体的な相談を受けているわけではございません。 その上で、一般論で申し上げれば、史跡の整備等を行うために必要な経費を補助する文化庁の補助金、「歴史活き活き!史跡等総合活用整備事業」というのがございますが、エレベーター設置の有無のみで判断するというようなことではなくて、文化財の適切な保存と活用の観点から、整備する内容を総合的に判断することになるというふうに考えてございます。
○伊藤孝恵君 私も今要項を拝見しているんですけれども、確かに「史跡等の往時の姿をしのばせる歴史的建造物の復元」という記載はあるんですけれども、そこにエレベーターを付けていいとかいけないとか、そういった記載は一切ないんです。 今年度の予算額、およそ六十五億五千万というふうに把握しておりますけれども、毎年、今までの実績拝見しますと、全国で約四百件の事業に補助していて、最大でも、例外はありましたけれども、一件二億円程度。本当にたくさんある中で、自治体からの要望に全てお応えできるという状態ではないという補助金なんだというふうに把握しておりますけれども。 確認ですけれども、これ例えば、今相談がないとおっしゃっていましたが、相談がありました、エレベーターが付いたことで例えば補助金が出ないとか、減額されるとか、優先順位を下げられるなんということはないですよね。
○政府参考人(山崎秀保君) 先ほどもお答え申し上げましたように、補助金の採択に当たりましては、それぞれの史跡の文化財としての価値をどのように高めていくのか、あるいはどのように活用していくのかという観点から総合的に判断をしているところでございます。
○伊藤孝恵君 総合的に判断ということでしたけれども、大臣、このバリアフリー法というのは、利用の実質というのを担保していない法案でございます。ただ、このハードの整備というのはあくまで利用の実質を担保するための手段でありまして、この利用の実質というのがどうなっているのかというのはしっかりと確認をしていく必要があると思うんですけれども、こういったもの、使われているかどうか、ちゃんと使われているかどうかの利用実態調査というのはしているんでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 例えば、タクシーに乗車拒否があるかどうかといったような点の障害者の利用の実態について定期的に調査を行っているわけではございません。 ただ、不当な乗車拒否などの差別に関する相談窓口を本省や地方支分部局等に設けるなど、日頃から情報収集に努めているところでございます。また、必要に応じて事業者に対し、対応の見直し等を求める等の措置も講じることとしているところでございます。
○伊藤孝恵君 調査というのは是非すべきというか、一番すべきだと思います。今おっしゃった、定性のデータは把握していますということでしたので、やはり定量のデータも、それも定期的にというのを確認していただきたいというのを要望していきたいと思います。 今、政府参考人の答弁の中にあったユニバーサルデザインタクシー、UDタクシーについて伺いたいというふうに思います。 国は、三十二年度までに全国で二・八万台の福祉タクシー及びUDタクシーの普及を目的として、一台につき六十万円を上限に補助を行っており、それはしっかりと研修を受けた、つまりちゃんと乗せるスキルを持った事業者、そして運転者に限ると承知しておりますけれども、その方たちがどんな研修をしているか。例えば、現場を見に行ったりして実態というのは把握されているんでしょうか。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。 バリアフリー社会の実現のためには、障害者や高齢者を始めとする様々な方が利用しやすいユニバーサルデザインタクシーの普及促進というハード面の対応だけでなく、運転者が障害者等に対する接遇や車椅子の取扱いをしっかり身に付けるというソフト面の対応も不可欠であるというふうに考えております。そのため、先生から今御指摘いただきましたように、導入に当たっての補助につきましては、補助を実施するに当たっては、一台当たり三名以上ユニバーサルドライバー研修を受講した運転者がいることを要件といたしております。 この研修はタクシー業界等が実施をしておりますが、具体的な研修内容は、障害者等の特性を理解し、ニーズに応じた適切な接遇や介護を学ぶ講義でありますとか、車椅子の取扱い等に関する実習も行っておりまして、受講者は平成二十九年度末時点で累計四万七千八百五十四名となっているという実態にございます。
○伊藤孝恵君 その講習に来ているというのは、事業者の代表者なのか、それとも本当に実際に運転をする方なのかというのは把握していらっしゃいますか。
○政府参考人(奥田哲也君) 実際に運転をする個々のドライバーでございます。
○伊藤孝恵君 ただ、やはり事業者で、その方が研修を受けましたと、ずっと会社に、事業者に帰ってその方がずっとずっとずっとその車を運転するわけではないという中で、その方が受けた研修というのを持ち帰ってそれを伝えてくれというような指導をされていらっしゃると思うんですけど、これなかなか難しいんじゃないかなというか、現場にヒアリングをしてみると、やはりそこまでは徹底できないというのが現状だと。事業者ではしっかりやっていらっしゃるところもあります。地域によってはみんなでやっていらっしゃるところもあります。ただ、事業者や地域によってむらがあるというのが現状ではあるんじゃないかというふうに思います。 あと、UDタクシーの納品時にも、やはり使い方の説明というのはしていただけるそうなんですけれども、そこにやっぱり立ち会うのも代表者だったりするそうです。 結局、代表者は把握していても、実際に乗るドライバーが全員そのスキルを把握していなければ、車椅子の乗せ方は目では分かっているけど、DVDとか見るので、目では分かっているけどやったことがないので、何となく不安で乗車拒否が起こる。やっぱり研修が肝だというふうに思います。 障害者団体の方たちとお話ししていたら、乗車拒否するドライバーというのは、例えば道幅とか、後続車が来たからとか、右側に立っていたからとか、そういう理由よりも、むしろ障害者と関わったことがない、乗せたことがないという接遇不安から乗車拒否をしてしまうんじゃないかと。だから、是非自分たちに声を掛けてほしい、呼んでくれたらいつでも行きますと、研修にだって出庫時の点呼のときだって行きますというふうに言ってくださっています。まず会うことから始めようというふうにおっしゃっています。それから、自分たちもたくさんタクシーをふだんから使うようにして、協力して習熟度を上げていけばいいんではないかと。私、すごい、なるほどなと、有り難いなというふうに思いました。 参考人に伺います。研修についてもう一歩踏み込めませんか。
○政府参考人(奥田哲也君) 先生御指摘いただきましたように、例えば車椅子の利用者の方に対する接遇を向上していくためには、最初、初回の研修だけでなく、継続的な教育訓練の実施が必要であるというふうに考えております。 今御指摘いただきましたように、例えば事業者の中で、ユニバーサルデザインタクシーの車椅子の乗降について納車時に販売店から実車の教育を受ける、使い方について実際に教習を受けるということを通じて、そのドライバーを教育担当者ということにして、その担当者がユニバーサルデザインタクシーに乗務する他の運転者に対して、実車を用いて車椅子の取扱訓練を継続的に行うといったようなことを実施している事業者もございます。 こういったスキルアップを図っていくということは大事なことであろうかと思いますので、国土交通省といたしましては、こういった事業者の取組の共有を通じた研修の充実など、関係者に対してハード、ソフト両面からの取組をしっかり行うように求めていきたいというふうに思っております。
○伊藤孝恵君 是非とも、まずはやはり実態を把握してください。 定性のデータでも、お耳に入っているかと思いますけれども、やはり乗車拒否というのは実際にあります。そういったものをしっかりと把握していただいて、必要に応じてですけれども、例えば国交省から運輸局に対して、技術習得や接遇について乗車拒否が起こらないような体制を改めて求めていただきたい。そして、業界団体も一丸となって取り組んでいただく。場合によっては指導や通知あるいは努力義務を持っていただいて、実施状況を検証の上、必要に応じて追加の措置を講ずるなど、そういった行動に移していただきたいと思うんですが、これ参考人でしょうか、御答弁願います。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。 バリアフリー法に基づきます移動等円滑化の促進に関する基本方針におきまして、事業者は、運転者に対し、高齢者、障害者等の多様なニーズや特性を理解した上で、正当な理由なくこれらの方の利用を拒むことなく、また、円滑なコミュニケーションを確保するなど適切な対応がなされるよう継続的な教育訓練を実施することを求めております。 これを受けまして、私どもの方から業界団体に対しまして、基本方針を踏まえて、乗務員、運行管理者、配車係などの職員に対し、障害に対する知識、障害の態様に応じた対応などへの理解を深めるための教育訓練の実施に努めるよう通知を行っております。 国土交通省といたしましては、障害のある方の利用を拒むなどソフト面での対応が不適切なものとならないよう、法令等に基づき、しっかりと事業者に対し指導してまいりたいというふうに考えております。
○伊藤孝恵君 今参考人がおっしゃったことを確実にするために、今私の方で、例えば通知をしていらっしゃるということだったので、努力義務を持ってもらって、ちゃんと実施の状況を把握して、その把握した状況によって必要であれば措置を講じるというようなことまで、そういったところまでケアしていただけるんでしょうかというふうに伺っていますが、もう一度御答弁お願いします。
○政府参考人(奥田哲也君) そういった継続的なフォローの在り方については、御指摘いただきましたので、また業界とも相談してみたいというふうに思います。
○伊藤孝恵君 前向きな答弁ありがとうございます。 これ補助金出していますので、何のための補助金か、何のためにこういったものを捻出しているかというのをいま一度把握していただいて、出したら終わりではなくて、出した上で、確実にそれらが講じられているかというのを是非執念を持ってチェックしていただきたいなというふうに思います。 これ、大臣に是非御答弁いただきたいんですけれども、やっぱり利用の実質というのが担保されていない、努力義務も含めてですけれども、やっぱりこの利用の実質の担保、ちゃんと使えること、ちゃんと利用できることというのがやっぱり必要なんじゃないかというふうに思いますが、再度御検討いただけないでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の法改正におきましては、評価会議を設けまして定期的に移動等円滑化の進展の状況を把握することや、マスタープランや基本構想に係る地域の協議会において実施の状況についての調査、分析及び評価を行うことを法律上明記をしたところであります。 今後は、こうした場を通じて、必要に応じて障害者の利用の実態等も含めて施策の実施状況が把握されることになるものと考えております。 また、バリアフリー法におきまして利用の実質を確保するということにつきましては、公共交通事業者等に対し、必要となる乗降についての支援を行うよう努めるべき旨を法律上義務付けるとともに、その具体的な実施を担保するため、支援や職員研修の実施などのソフト対策も含めた事業者の計画制度を新たに法律上創設することとしております。この計画制度におきましては、移動等円滑化の状況が著しく不十分である場合に国土交通大臣が勧告、公表できることとしております。 こうした措置によりまして、利用の実質の確保が図れるよう対応してまいりたいと考えております。
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。 では次に、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向けての取組について伺います。 開催まであと二年しかないのに、町はまだバリアであふれております。世界の厳しいチェックの目にさらされて、ああ日本は人権後進国だと思われたのではおもてなしも何もございませんので、まずは、先日の本会議の質疑で答弁漏れがあったホテルや空港アクセスバス、長距離バス、一般予約システムの情報バリアフリー化など、具体的な目標数字について教えてください。もし目標数字がないのであれば、ないならないで、その旨御答弁ください。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 現時点で数値目標を御答弁できるものといたしましては、先日、本会議におきまして大臣から御答弁を申し上げましたように、鉄道駅のホームドアを二〇二〇年度に約八百駅としている整備目標のできる限りの前倒しを図ることについてであります。 その他、るるお尋ねいただきました項目について、後ほど空港アクセスバスについては別途自動車局長より補足を申し上げますが、それぞれの課題に対して、少なくとも現時点では数値目標は定めておりません。本会議において大臣から御答弁申し上げましたように、いずれも具体的な改善に向けた取組を進めることとしているところでございます。 そうした方針で具体的な課題を解決するという取組を進めてまいりたいと思います。
○政府参考人(奥田哲也君) 空港アクセスバスの数値目標についてということでございますが、まず結論から申し上げますと、今ほど総合政策局長から答弁ありましたように、お尋ねの空港アクセスバス、長距離バスというくくりでの数値目標はございません。 ただ、若干補足の説明をさせていただいてもよろしいでしょうか。いわゆる乗合バスにつきましては、これは空港アクセスバスも長距離バスも乗合バスに含まれますけれども、バリアフリー法に基づきまして、車を新たに事業の用に供するときは公共交通移動等円滑化基準に適合する義務というものが課せられておりまして、ノンステップバスかワンステップバスを導入するという義務付けがなされております。また、ノンステップバスについて二〇二〇年までに約七〇%とするという数値目標がございます。 このような中、御指摘の空港アクセスバスなどを含めまして、その構造とか運行の態様によって公共交通移動等円滑化基準により難い特別の事由があると地方運輸局長が認定したバス車両につきましてはこの基準の適用が除外されておりまして、これらの基準適用除外車両につきましては、別途二〇二〇年までに約二五%をリフト付きバスなどとするという数値目標が設定されておりますが、お尋ねの空港アクセスバス等についてはこれらの適用除外車両の中には含まれますが、それらのみを切り出した数値目標というものは設定されていないと、そういうことでございます。 ちょっと長くなって済みませんでした。
○伊藤孝恵君 済みません、小規模店舗のバリアフリー化の目標数字ってあるんですか。
○政府参考人(伊藤明子君) 店舗につきましては、延べ床面積二千平米以上の店舗を建築する際にはバリアフリー基準の適合を一律に義務付けておりますが、二千平米未満のものにつきましては、地方公共団体が地域の実情に応じまして条例により義務付け対象となる規模を引き下げるという仕組みになっておりまして、具体的に小規模店舗についてのバリアフリー目標というものは定めてはおりません。
○伊藤孝恵君 数字がないということだったんですけれども、駅がやっぱりこれぐらい進んだというのは、数字を定めて進んだからではないのかなというふうに思います。 例えば、今御答弁、山本理事からの質問の中にもありましたけれども、小規模店舗のバリアフリー化の条例の制定状況は現在十四自治体ということですけれども、現状の二千平米以上だけを整備しても、入れる店ってやっぱり僅か数%なんです。 例えば、入店可能な店は五〇%にしようというような目標を定めて、そのためには床面積何%以上を義務付ける、又は努力義務を課すというような捕捉率を踏まえた施策が大事だというふうに思うんですけれども、駅ができたんだから建物だってできるんじゃないかというふうに思うんですけれども、局長、いかがですか。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、小規模店舗になりますと、どうしても敷地が狭小であったり、非常に高低差が大きいといった場合もございますので、スロープの設置やゆとりのある空間の確保が難しいというケースがございまして、それに伴う費用負担が相対的に大きくなるということも当然想定されます。 基準適合を義務付けるということは、基準適合にしていなければ要は建てさせないと、もう建物の建築自体をしちゃいけないということになりますので、この規制をなかなか全国一律に引き下げるということについてはやや慎重であるべきだというふうに考えております。 ただ、御指摘のとおり、非常に店舗のバリアフリー化も大事な話だというふうに思っておりますので、公共団体がエリアを例えば限定するとか、対象用途を設定するということも当然できますし、また、具体的な運用状況などについても、ほかでどうやっているかということもよく横展開していただけるように、十分情報提供したいというふうに思っております。 また、あわせまして、規制というだけではなくて、当然、業界団体とかあるいは関係省庁とも連携いたしましてバリアフリー化の取組というものを進めていくということも重要だというふうに思っております。 飲食店、コンビニについては、先般、業界団体が農林水産省や経済産業省と連携いたしまして、車椅子使用者や視覚障害者等に対するサポートの仕方をまとめた接遇マニュアルを策定しておりますし、また、飲食店については、飲食店情報サイト等におけるバリアフリー情報の充実に向けてもっと取組が進展できないかとか、あるいはコンビニについても、主に首都圏に多い店舗面積が極端に狭い店舗を除けば、標準的なレイアウトとしてもうちょっとできないかというような検討も進めていただいているところでございまして、業界団体とか関係省庁とも連携しながら、小規模店舗についてもバリアフリー化を進めていきたいというふうに考えております。
○伊藤孝恵君 まだまだ知恵絞れるところはいっぱいあると思います。おっしゃるように、義務化はできないかもしれないけれども、じゃ、努力義務を明示するだけでも、数字が見えるだけで全然変わってくるというふうに思いますので、是非御検討をお願いしたいと思います。 これは是非大臣にお伺いしたいんですけれども、オリパラを踏まえたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画ですけども、実施状況の点検は行われるんでしょうか。このバリアフリー法というのは、十二年間も見直しがされなかったところで、世界基準から大きく後れを取ってしまった反省がございます。 バリアフリー法も、次回は三年後、行動計画の点検と一緒に見直してはいかがかというふうに思うんですが、最後、御答弁いただければと思います。
○政府参考人(由木文彦君) ユニバーサルデザイン二〇二〇につきましては、政府におきまして、毎年度進捗状況を確認をして、その状況を公表するという運びにまずなっております。 それから、法律の見直しにつきましては、附則におきまして、五年をめどに適切に評価を行って、それを踏まえて適切な対応を行うというふうになっているところでございますが、今回、特に、評価会議を設けまして、施策の進展の状況等はそこの評価会議できちんと評価を行って適切に対応するという、新たな会議の設置の規定を法定いたしますので、そういった評価会議を適切に活用しながら必要な対応をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○伊藤孝恵君 たくさんの外国人旅行者の方もいらっしゃいます。今やっぱりエレベーターに長蛇の列があったり、大きな荷物を持って並んで、鉄道内で荷物置場を探していらっしゃる姿も本当によく見かけるようになりました。今日のホテルが取れないんだというふうに言っていらっしゃる旅行者の方もいらっしゃいました。 こういった対策、せっかくすばらしい数値目標を掲げて行動に移していらっしゃるので、それは是非ちゃんとそれがなされたのかどうかというののトレース、それと同時に、バリアフリーとの整合性、バリアフリー法が更に改善するところがないのか、そういったところをしっかりと見ていただくことをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 高齢者や障害者、病気やけがを負った人、誰であれ、個人を尊重し、その自由な人格形成と発展を支えるのが憲法の保障する基本的人権であろうと思います。 大臣は、本会議で私の質問に対して、バリアフリー法の趣旨は、憲法十三条や十四条、二十一条などに依拠すると述べました。二十二条の居住、移転の自由や、あるいは二十五条、生存権に根拠を求めることもできるだろうと思います。 いずれにしても、こうした憲法に定める権利を実現しようとするのがバリアフリー法であります。誰もが自由に安全に移動する権利はそもそも憲法上保障された権利だと、こういう認識を大臣はお持ちでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘の誰もが自由で安全に移動できる社会を築くことは憲法で保障されているということについては、必ずしもその趣旨が明確ではございませんけれども、それが人の移動をする自由を妨げないという意味であれば、本会議で御答弁いたしましたように、バリアフリー法の依拠する考え方として憲法の規定に根差しているものと考えております。 一方で、いわゆる移動権、すなわち請求の根拠となるような具体的な権利として認められるという意味であれば、本会議で御答弁いたしましたように、時期尚早であると考えております。
○山添拓君 憲法上の権利、これに依拠するものだということを認めるんであれば、法律に明記することも可能であるはずなんですね。障害者権利条約でも移動の自由は保障されておりますし、またバリアフリー法について、今日午前中の参考人質疑では秋山参考人からも、内容的には移動権を認めたフランスと比べても遜色のないものだと、こういう意見も示されました。なぜ移動権を明記しないかといえば、御答弁ありましたとおり、権利の内容について国民のコンセンサスが得られていない、だから時期尚早だと、こういうわけです。 しかし、権利が問題となる場面というのは、常に少数者の権利が脅かされる場面であります。障害者や高齢者のように移動に不自由を感じる方を念頭に置いたバリアフリー化でこそ、権利として正面から位置付けることが求められていると思うんです。 大臣、これ改めていかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 今ほど御答弁したとおりであります。
○山添拓君 なかなかそれ以上前に進まないんですけれども。 時期尚早だ、国民のコンセンサスが得られていないと、こうおっしゃるんですが、二〇一三年の交通政策基本法の前提となった審議会ではもっと露骨な議論をされているんですね。これ、権利を規定すると義務を負うのは誰かということになっていく、財源が必要になる、やらなければ行政が不作為を問われる、つまり裁判を起こされかねない、あるいは利用者と事業者との間に対立意識を生みかねないのだと、こういうことを議論されているわけです。 結局、そうなった場合に不都合を受ける行政やあるいは事業者の言い分を通しただけであります。それによって、移動の自由や権利というものが時期尚早だと。これではいつまでたっても時期尚早のままということになりかねないということを指摘しなければなりません。 今、移動の自由や権利としての保障がはっきりしないために、今度の法案でも懸念すべき点があると私は考えています。その一つが、国民の責務に追加をされた文言です。高齢者や障害者が公共交通機関を利用して移動するために必要となる支援その他、必要な協力をするよう求めると、こうされています。一人一人の国民が自発的に支援したり協力したりする、これに何の異論もありません。しかし、本来バリアフリー化に責任を負うのは運輸事業者や施設の管理者であります。 大臣に伺いますが、ハード面でもソフト面でもバリアフリー化の責任は第一義的には事業者にあり、国や自治体がこれを支援すべきだと、この考えには変わりはないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 現行法におきましては、施設設置管理者等、国、地方公共団体及び国民について、それぞれ努力義務として責務が定められているところであります。 施設設置管理者等につきましては、移動等円滑化のために必要な措置を講ずること。国につきましては、関係者と協力して、移動等円滑化の促進のための施策の内容について適時適切に検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること及び国民の理解と協力を求めること。地方公共団体につきましては、国に準じて、移動等円滑化を促進するために必要な措置を講ずること。国民につきましては、理解を深めるとともに協力を行うこととされているところでございます。 こうした責務にのっとり、それぞれが役割を果たしてバリアフリーの取組を進めることが本来あるべき姿と考えております。
○山添拓君 ですから、バリアフリー化の責任が、一義的には事業者が行うべきものだと、これ自体は特に否定されないかと思うんですが、いかがですか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 委員お尋ねの一義的にはというところが一体何を意味しておられるのか必ずしもよく明確ではございませんけれども、今申し上げましたように、バリアフリー法上は、移動等円滑化のために必要な措置を講ずることという努力義務は、施設設置管理者等、いわゆる事業者等に課せられた責務として規定をされているということでございまして、国は施策の内容について適時適切に検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずること及び国民の理解と協力を求めること、それから国民は理解と協力を行うことということでございまして、今回法律に追加をいたしましたその責務につきましては、その理解を求める対象の例示を追加をしたということでございます。
○山添拓君 ですから、移動の円滑化のために責任を負うのは、本来は事業者、管理者ということであろうと思います。 駅などで声掛けは重要ですが、やっぱりプロによるサポートを基本とするべきだ、こういう田中参考人からの意見もありました。国民に声掛けなどの責務があるからといって、事業者が利用者任せにして安全対策やバリアフリー対策、怠るようなことがあってはならないと思います。 もう一点、都市鉄道の利用者ニーズの高度化等に対応した施設整備促進に関する検討会での議論について伺います。 今年二月の中間取りまとめは、バリアフリー化の投資は必ずしも事業者の収益につながらない、国や地方公共団体の財政事情もあるとして、受益者負担の観点から新たな費用負担の在り方について検討を行うこととしたというものです。 これは、委員十一名のうち七名が鉄道事業者とその関係者、二名が国交省で、藤井局長と次長がおられます。負担する側の、利用者側の代表がいないわけですね。これでは費用負担を抑えたい事業者と国が利用者にいかに払わせるかを議論しているだけだということに形式上なってしまいます。消費者団体が提供したアンケートについても、我田引水な評価で、あたかも利用者負担を望む声が多いかのように記載をしておりました。 大臣は、衆議院で、今後、利用者等の意見を幅広く聴取すると答弁されたわけですが、本来は、中間取りまとめに当たって利用者の意見を聞くのが当然ではないでしょうか。これ、そもそもなぜ聞かれなかったんですか。大臣、いかがですか。
○政府参考人(藤井直樹君) 先ほどこの委員会についての構成員についての御指摘がございましたけれども、こういった料金設定ができるかということについて鉄道事業者の側でも様々な意見があり、それを正確に把握しようということで鉄道事業者の方々が入っておられたということであります。その上で、東京圏が一番鉄道について稠密でありますので、そういった東京都の自治体の方もおられたということ、さらには消費者団体の代表の方々もおられたということであります。 そういった消費者団体の方がある意味自主的に、せっかくこの会議にも入っているので周りにもいろいろ聞いてみましょうといって、ある意味で母数の限られたアンケートをやっていただいた、そういった結果もこの中で議論をさせていただいたところでございます。 だから、そういったことにつきましては、やはりそういった母数が少ないという問題、当然ございますし、そういうことを踏まえて、中間取りまとめで利用者等に幅広く意見聴取を行うべきであると、そういった御指摘もいただいていますので、そういったことを今後しっかりと踏まえた上で更に検討を深めていきたいと考えているところでございます。
○山添拓君 消費者団体はオブザーバーですから、やっぱり元々そうした形で利用者や、あるいは高齢者、障害者、意見聞く気がなかったということなんですよね。 最終取りまとめは夏にも発表する予定だと伺いましたが、これは、これから意見聴取をされると、それを踏まえて議論が必要ですので、期限ありきではなく慎重に検討するべきだということをお伝えしておきたいと思います。 次に、駅のホームドアについて伺います。 ホームからの転落事故は年間三千件近くに上り、東視協、東京視覚障害者協会の調査によれば、一九九四年以来、六十七人の視覚障害者が死亡ないし重傷事故に遭っているといいます。まさに欄干のない橋を歩く危険が現実化をしているわけです。現在、全国約九千五百駅のうち六百八十六駅に設置済みとされています。 鉄道局に伺いますが、この六百八十六駅というのは、その駅の全てのホームにホームドアが整備されているという意味なんでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) 今委員御指摘ありました、平成二十八年度時点でホームドア設置済みの駅数が六百八十六駅と、こう言っておりますのは、駅の少なくとも一つのホームにホームドアが設置されている駅数を述べておるものでございます。
○山添拓君 資料をお配りしておりますが、例えばJR池袋駅では、山手線は五番線から八番線まで発着するんですが、ホームドアがあるのは六番線と七番線のみで、七番線にはあるが反対側の八番線にはありません。同じく池袋駅を発着する埼京線のホームにもありません。あるいは、委員の皆さんも御利用になるかもしれませんが、秋葉原駅などは、ホームの山手線側には今ホームドアはありますが、反対側の京浜東北線側にはありません。 視覚障害者の方はちょっとしたときに方向を見失うときがあるとおっしゃいます。そのため、一方だけにホームドアがあるような駅では、これは危険は余り変わらないんだということも伺います。ですから、こういうケースを、確かに設置された駅なんですが、整備済みの駅とは言わないんではないかと。少なくとも、全てが整備済みなのかそうでないのかということを把握していくことも必要ではないかと指摘をさせていただきたいと思います。 ホームドアの設置は、一日の利用者十万人以上の駅を優先して、そうでない駅は事業者の判断に任せています。私は、昨年三月、視覚障害者の皆さんと京成電鉄の日暮里駅を訪れました。成田空港を利用する人などがJRと京成を乗り継ぐ駅で、外国人旅行者も多い駅です。当時、京成電鉄は、下りの二つのホーム、特急ホームと普通ホームがありますが、この二つのホームにはホームドアを付けるが上りのホームには付けない、固定柵を設置する計画でした。資料の二ページにそのときのプレスリリースを載せております。 国交省に伺いますが、二〇一六年十二月の駅ホームにおける安全性向上のための検討会中間取りまとめでは固定柵の設置を推奨するものとなっておりますか。
○政府参考人(藤井直樹君) 今御指摘のありました駅ホームにおける安全性向上のための検討会の中間取りまとめの中におきましては、駅のホームにおける固定柵については、列車への乗降部分が開口部として残ることに対する視覚障害のある人からの不安の声があるということについて記載をしているというところがございます。
○山添拓君 ですから、固定柵の設置をこれから進めていきましょうと推奨しているわけではありませんね。
○政府参考人(藤井直樹君) この駅の安全対策についての、今申し上げました中間取りまとめのその一つ前の段階での取りまとめ、かつてでありますけれども、そういった場合には、ホームドア等の整備が困難な場合、内方線付き点状ブロックと併設する固定柵等の対策を実施することが望ましいとかつてされていたところでございますけど、この記載が今申し上げた中間取りまとめではなくなっているということでありますので、そういったことを踏まえた対応が求められると考えているところでございます。
○山添拓君 視覚障害者団体からも、固定柵はやめてほしいと要望がなされておりました。ただ、京成電鉄はあくまで固定柵だとして、ホームが狭くてドアを設置できない、あるいは、上りホームは特急と普通列車が同じホームを使うのでドアの位置が異なると、こういう理由を挙げておりました。 資料の三ページ、今年の三月、ようやく方針を転換しまして、ホームドアを設置することにいたしました。なぜだと言っていますでしょうか。また、設置できない理由としてきた二点はどう解消したと説明しておりますか。
○政府参考人(藤井直樹君) 今委員からも御紹介ありましたけれども、この京成の日暮里駅の上りホームにつきましては、一つは、ホームが狭隘でありまして、ホームドアの設置によってホームの通路幅が確保できないといった問題、さらには、特急専用ホームと一般列車ホームが分かれている下りホームと違って全ての列車がこの上りホームに入ってきますので、車両の扉位置に違いがあると、こういった問題があるので、当初、京成電鉄においては固定柵の設置を予定していたということと聞いております。 その中で、更なる安全性向上のために、その後も京成電鉄においてホームドア設置の検討を継続して行い、その結果、先ほど申し上げた問題点のうちの第一点目のホームの狭さへの対応という点につきましては、列車の停車位置をずらして、通路幅が最も狭くなるエスカレーター前に厚みを持つホームドアの戸袋が来ないように整備をすると、そういった解決策を見出しております。 さらには、二つ目の問題点の扉位置の違いにつきましては、これは、ホーム柵について大開口、いわゆるドアの部分が広い、そういった形のホームドアを整備する、こういったことで今の課題を解消する、克服すると、そういったことを検討の結果、最終的にホームドアを整備することになったと聞いているところでございます。
○山添拓君 はっきりおっしゃらないんですけど、端的に、利用者が十万人を超えたからじゃないんですか。
○政府参考人(藤井直樹君) ホームドアの整備は、先ほど申し上げました中間取りまとめの中で十万人以上ということを念頭に置いたところでありますけれども、これについては一つの目安でありますので、そういった人数が十万を超える、超えないということがこの整備、整備をしないということの判断基準のメーンになったというふうには考えておりません。
○山添拓君 なぜはっきりおっしゃらないのか分からないんですけど、日暮里駅はその前年までは九万八千人だったんですよ。そのときは断っていて、十万人を超えたのでホームドア整備しますということになったんですね、これ、レクのとき、ちゃんとおっしゃっていたんですけれども。 京成が当事者の皆さんの要望も踏まえて対応したことは大事なんですが、結局、その基準を少しでも下回るとホームドア設置に消極的になる、クリアできるはずの課題を挙げて断るということが起こっているわけです。ですから、基準は下回っていても、要望があり、必要な駅では設置するように指導すべきだと思います。私、そのためには、ホームドアを事業者によるサービスとするのではなくて、安全対策として鉄道事業法の整備基準にするべきではないかと思います。 大臣は、本会議での私の質問に対して、一定の条件を満たす場合には、バリアフリー法によって駅の新設又は大規模改良を行う際に整備を義務付けていると答弁されました。そうすると、既存の駅ではそのままでよいということになりかねないんですが、いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) ホームドアは、列車との接触、ホームからの転落防止のための設備として非常に効果が高く、その整備を推進していくことは重要と認識をしております。一方、ホームドア整備は、新たな収益を生むものではなく、整備に多額の費用が掛かることを踏まえ、その整備を義務付けする対象は、駅の新設又は大規模な改良を行う場合に限ることとしているところであります。 なお、それ以外の既設の駅の場合には、利用者十万人以上の駅について、整備条件を満たしている場合、原則として平成三十二年度までにホームドアを整備する等の整備目標を定めた上で、公的な支援措置を講じること等によりましてホームドアの整備を促進をしているところであります。
○山添拓君 ですから、なかなかそれでは全体進んでいくということにならないかと思うんです。 ホームドアを設置するまでの間は、ホームに人員を配置して対策を取るべきです。国交省は、事業者の判断によって、警備員を増配置したり、通勤通学時間帯に新たに職員を配置するなど対応を取っているとおっしゃいますが、最近、地方だけでなく、首都圏の駅でも無人化がむしろ進んでおります。 資料の四ページに、四月十日付け東京新聞の記事を載せておきました。JR東日本では、駅の遠隔操作システムにより、始発から午前七時前頃まで無人として、インターホンで対応する駅が増えているといいます。埼玉県では、宇都宮線、高崎線、川越線、二十八駅が無人化をされ、県がJRに再配置を求めて要望しています。 今年二月から三月にかけては、千葉県の総武線、下総中山、東船橋、幕張本郷の三駅が早朝無人となりましたが、これホームページに記載はされず、県にも事前の連絡はなかったといいます。我が党の丸山慎一県議らが今年の二月、JR東日本に新たな無人化は撤回するよう求めた際に、聴覚障害者が知らずに来たらどうするのか、こう聞きますと、担当者は答えられなくて絶句をしてしまったといいます。 鉄道局、伺いますが、このシステムは何駅で導入されているんでしょうか。そして、これは、駅員の増配置や新たな職員配置どころかバリアフリーと逆行するような事態ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) 今委員御指摘の駅遠隔操作システム、これは、自動券売機、自動改札機、自動精算機等の操作、監視を遠隔で行うシステムでございます。JR東日本は二〇一四年以降導入を進めておりまして、昨年十月一日現在、導入駅は百七十七駅であると聞いております。 車椅子の使用者など駅係員の対応が必要な利用者がこういった駅を利用する場合、こういった駅が無人駅になっている場合もあるわけでありますけれども、これについては、事前に連絡を受けた上で、近隣の管理駅や駅のバックオフィス等に常駐する駅係員を派遣することによって不便が生じないように対応を行っているものと聞いております。
○山添拓君 時間が来ましたので終わりますが、心のバリアフリーといっても、人がいないのでは対応のしようがありません。秋山参考人からも、無人化というのはゆゆしき事態だという発言がありました。 JR東日本は経営合理化のためだと言っておりますが、連結決算の経常利益が四千億円を超える会社の、しかも首都圏でこれが許されるのであれば、地方では更に無人化に拍車が掛かってしまいます。ソフト対策を充実させるという法改正を踏まえて適切な対応を取るべきだということを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。 早速質問させていただきますが、先日の本会議場での登壇でいろいろと私も質問をさせていただきました。多少重複する点があると思いますけれども、是非お聞きをいただき、御返答をお願いしたいと思います。 まず、先日、公共交通事業者の二十九年の三月三十一日現在の国に提出された報告書の集計の結果、申し上げたように、バリアフリー化は、段差の解消でいえば八七・二%、視覚障害者誘導用のブロックの設置は九三・八%、また障害者用トイレの設置は八四・二%、一定の進捗を見ることができておる、このように私も申し上げましたけれども、他方、旅客船ターミナルにおける視覚障害者誘導用ブロックの設置は六六・七%、またバスターミナルにおける障害者用トイレの設置は七一・八%とやや進捗が遅れている状況でありますが、また、バリアフリー基準の車両等の導入に関して言えば、ノンステップバス五三・三%、旅客船は四〇・三%、そしてリフト付きバスは六%、福祉タクシーについては、二〇二〇年度末に約二万八千台という目標値に対し五四%となっております。 この状況を鑑みても、施設のバリアフリー化やバリアフリー車両の導入に格差が生じ、取組が遅れているということに対して、それぞれの課題等をどう捉えておられるのか、今後どのように支援を行っていくのか、まずこの点をお聞かせいただきたい。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 公共交通事業者等におきますバリアフリー化につきましては、基本方針におきまして、二〇二〇年度末までの各施設の整備目標を設定し、その達成に向けた取組を進めております。 今委員の方から、幾つかの施設ごとの達成状況について御紹介をいただきました。一つ、三千人以上の駅につきましては、これまでも御答弁申し上げておりますけれども、二〇二〇年度末までに原則として一〇〇%という目標を目指しておりまして、今、約九〇%程度の達成率でございます。 一方で、今まさに委員御指摘をいただきました、言わば成績の悪い方の数字といたしましては、リフト付きバス等につきましては、目標値の二〇二〇年度末までの約二五%に対しまして、二〇一六年度末時点で六%というふうになっているところでございまして、御指摘のとおり、進捗状況はそれぞれ異なってまいっております。 それぞれの施設ごとにそれぞれ課題はございますけれども、特にこの遅れておりますアクセスバスのリフト付きバス、空港アクセスバス等についてのリフト付きバスの導入について申し上げますと、車椅子の使用の乗降等に要する時間を確保する必要がある、あるいはリフトの上げ下げに必要な駐車スペースの確保が必要である、あるいはリフトの格納スペースにより荷物用のスペースが減少、不足することへの対応が必要である等の課題があるところでございます。 一方で、最近は、荷物室を従来より確保できる新型のリフト付きバス、これ御視察をいただいたバスでございますけれども、乗降時間がノンステップバスと同じスロープ付きのダブルデッカー等、こうした課題に対応した新しい車両の導入が開始をされているところでございます。 こうした状況も踏まえまして、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、利用者ニーズが高い空港と都心部を結ぶ直行路線においては、リフト付きバス等のバリアフリー車両の導入を進めるという基本的な考え方に基づいて導入を推進していくこととしております。 また、こうした施設ごとの課題等も踏まえつつ、公共交通事業者等によるバリアフリー化については、既存施設を含む更なるハード対策や旅客支援等のソフト対策に一体的に取り組むことが重要でございますので、今回の法改正においては、新たな計画制度というものを導入することによりまして、この計画制度に基づく推進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 前半の部分ではもう優秀な成績を取っておられますので、この今申し上げた非常に進捗が遅れている部分、せっかくこういう状況でバリアフリーの普及率は非常にいいということになっておりますが、今私が申し上げた福祉タクシーとかこういう旅客船、ノンステップバス、こういうところについては、しっかりとまた数字を上げていただき、オリンピックまでに、やはり日本の国は福祉大国だなと、そういうふうにまた評価していただけるように更に頑張っていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。 続いて御質問をいたしますが、先ほど来出ておりますこのバニラエアの、奄美の、障害者の方が階段式のタラップを一人ではい上がっている姿を見ると、何ともひどい、残酷なことだなというふうに思うわけでありますが。二十八年八月、視覚障害者のホーム転落事故が発生したと。また続いて、二十九年の、昨年の六月、今申し上げた奄美のバニラエアがこのような判断ができずに、こういう事案が起きたということ。 今後こういうことが二度とないように進めていかなくちゃいけないわけでありますが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとして、社会的障壁の除去及び共生社会の実現という理念に基づいてこのバリアフリーを進められることが求められているわけでありますが、これは大臣にお答えをしていただけるようでありますけれども、この東京オリパラ、二〇二〇年七月二十四日までの限られた中で、我が国におけるこのバリアフリー化推進の課題をどう捉えておられて、また今後どのような取組をしていこうとされているのか、お聞かせをください。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省といたしましては、昨年二月に関係閣僚会議で決定をされましたユニバーサルデザイン二〇二〇行動計画に基づきまして、東京大会の着実な成功に向け、競技会場周辺エリア等の道路、都市公園、鉄道駅等のバリアフリー化に向けた重点支援、都内主要ターミナルの再開発プロジェクトに伴う面的なバリアフリー化の推進、成田空港、羽田空港国際線ターミナルの世界トップレベルのバリアフリー化など、大会に向けた重点的なバリアフリー化を推進をしております。さらに、全国各地における高い水準のバリアフリー化を推進していく観点から、交通施設や建築物等のバリアフリー基準、ガイドラインの見直しなどの取組も進めているところであります。 また、東京大会を契機としまして、共生社会や一億総活躍社会の実現に向け、全国のバリアフリー化を一層推進する観点から、今般のバリアフリー法の改正を提案をしております。改正案に盛り込まれた施策を的確に実施をいたしまして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の着実な成功のみならず、更にその先も見据えまして、全国のバリアフリー化を一層推進するよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 是非よろしくお願い申し上げます。 六千万人の高みを目標として頑張っておられる国交省であります。是非この点も世界一を目指してひとつ頑張っていただけるように、努力していただけるようにお願いを更にしておきます。 次の質問でありますけれども、このバリアフリー化が達成された施設においてでも、またバリアフリーの一層の質の向上といいますか、いろんなバリアフリー化はできたけれども、また更なる問題が求められている部分もどうやらあるようであります。 これは、エレベーターの件につきましても、バリアフリー化は、工事はしたけれども、いろいろと不都合が起きておると。幅百四十センチ、奥行き百三十五センチ、最大十一人以上とされていたが、これじゃなかなか待ち時間、そういう高齢者、障害者等のエレベーターの前でそれぞれの方々が長い時間待たされているという、このような不都合が起きているようであります。このようなことを耳にしております。 そこで、いろいろと業者が主体的にこのバリアフリー化に取り組む環境づくり、業者というのはもちろん公共交通事業者のことでありますけれども、バリアフリー推進体制の充実や取組状況に係る情報開示の必要性が求められていると。 今回の法改正において、バリアフリー化に取り組む環境がどう整って整備されてきたのか、その点をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 今回の改正案におきましては、先ほど来申し上げておりますけれども、ハード、ソフト対策を一体的に推進をする計画制度というのを導入をいたしまして、事業者の取組を継続的に進行管理をしていこうという狙いの導入をいたしているところでございます。 この計画の作成に当たっては、どういう計画にすべきかという判断基準を国土交通大臣が公共交通事業者等に対して定めて示すということにいたしております。その中で、委員御指摘をいただきましたバリアフリーの推進体制の充実につきましては、社内において整備すべき推進体制などを計画にきちんと書くようにというようなことを明らかにしてまいりたいというふうに考えております。 したがいまして、この基準に従いましてそれぞれの公共交通事業者等が定める計画において、例えば推進本部の設置などの具体的な推進体制などが記載をされていき、それが進行管理をされていくということになるものと考えております。 また、公共交通事業者は、この計画制度におきまして、毎年度計画の取組状況の報告や公表を行うという仕組みにいたしております。また、その結果といたしまして移動等円滑化の状況が著しく不十分である場合には、国土交通大臣が勧告、公表できるという仕組みも導入をしているところでございます。 こうした制度を通じまして、公共交通事業者等において、先ほど申し上げました体制の充実や委員御指摘のもう一つの取組状況に係る情報の開示、こうしたものに取り組んでいただけるような必要な環境づくりを行ってまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 由木局長、三番の質問と四番の質問を同時に答えてくれたので、ちょっとまた同じようなこと、もうちょっと、私も格好が付かないので。 じゃ、四番はそういうことで、三番の質問も分かりました。ひとつよろしく頑張っていただくように、励んでいただくようにお願いをしたいと思います。 十五分までであと五分ありますので、御質問をさせていただきます。 ちょっと気になる数字が出ておりまして、それは、このバリアフリー法に基づく基本構想を作成し、面的バリアフリー化を促進させようと試みてきておられるわけでありますけれども、この人材面、財政面に課題が残っておるという。もう基本構想の作成は全国千七百十八市町村の約二割にとどまっておると。 この数字を聞きまして、現状どのような状況で、実際、市町村が人材面や財政面の課題を抱える中で中心になっていただかないといけない。国土交通省は、そういう中で、このバリアフリー化施策のプライオリティーをどう引き上げ、取組を強化していこうとしているのか、その点、手短にお答えください。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 御指摘いただきましたように、今バリアフリー法に基づく基本構想の策定に取り組んでいただいている市町村数は全体の約二割にとどまっております。バリアフリー化の推進のためには、今後より多くの市町村において是非このバリアフリー化のための基本構想づくりに取り組んでいただきたいと思っております。 そのために、今回必ずしも個別事業に関する計画を要しないマスタープランという制度を導入をいたしまして、このマスタープランの取組を進めることによって市町村のバリアフリー施策を進めるということができるようにしたいということを考えているところでございます。 このマスタープランの導入の促進につきましては、先ほどちょっと御答弁も申し上げましたけれども、例えば、都道府県が広域的な見地による助言等の支援を行う仕組みでございますとか、国が情報提供を行う、つまりガイドラインを示す、あるいは先進的な事例などについて国から情報提供を行う、こういうような支援を行う。さらには、費用面につきまして、マスタープランの作成経費について助成を行う。こうしたような支援策を講じることによりまして、できるだけ多くの市町村にこのマスタープランを作成することを通じてバリアフリー施策に取り組んでいただきたいというふうに考えているところでございます。
○室井邦彦君 よろしく地方にも御指導をお願いをしたいと思います。 それでは、最後の質問になります。 我が国の高齢化は急速に展開をしておるわけでありますけれども、この高齢化率、東京オリパラ大会後には三〇%を超えると言われておりますし、二〇六〇年には四〇%近くに達すると、このように見込まれておるわけであります。 他方、平成二十三年の身体障害者数は約三百八十六万四千人ということであります。平成十八年に比べて約二十九万人増加と。また、知的・精神障害者数も増加をしており、この障害者数は今後も増加するというふうに見込まれております。 そこで、高齢者、障害者の増加する社会構造の中、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり等をどう連携強化させ、ユニバーサルデザインまちづくりをどう推進していくのか、最後に大臣の御覚悟をお聞かせをください。
○国務大臣(石井啓一君) 高齢者、障害者等が今後増えていく中で、高齢者、障害者等を含む全ての人が住みよいまちづくりを進めるため、コンパクト・プラス・ネットワークのまちづくり施策と連携をしつつ、面的なバリアフリー化を推進することは大変重要と認識をしております。 例えば、市町村におきまして、コンパクト・プラス・ネットワークの取組により、町の中心部に福祉、医療等の生活サービス施設等を誘導し、それに合わせてバリアフリー法に基づく基本構想を作成をして、駅等からそれらの施設への移動経路のバリアフリー化を重点的に進めることもそれぞれの施策の効果を高めるものと考えられます。 このため、バリアフリー法におきまして、市町村が基本構想や今般の改正で盛り込みますいわゆるマスタープランを作成するに当たりましては、都市計画や市町村都市計画マスタープランとの調和を保つこととしております。 あわせて、市町村におきまして、バリアフリーとまちづくりの関係部局が相互に連携をして取組を進めることの重要性やその具体例について、今後改定をいたします基本方針等に明記をし周知徹底を図るとともに、市町村に対し、マスタープランや基本構想の作成を働きかけてまいりたいと考えております。 国土交通省といたしましては、こういった取組を通じましてバリアフリー施策とまちづくり施策の連携を図り、面的なバリアフリー化をより一層進めてまいりたいと考えております。
○室井邦彦君 終わります。よろしくお願いします。
○青木愛君 希望の会、自由党の青木愛です。 早速質問に入らせていただきたいと思います。 現在、鉄道におきまして、車椅子利用者の方々の車両の乗り降りに対する介助として、駅係員の皆様方が渡し板を設置するなどして対応いただいているということでございますが、具体的な利用方法についてお聞かせをいただきたいのですけれども、事前に電話連絡をしてお願いをするというふうに伺っておりますが、どのような形でお願いすればいいのか。また、一旦乗車をしたものの、緊急な用事が発生したり、あるいは気持ちが変わって行き先を変更したいといった場合には対応していただけるものなのか。 それから、先ほど来、地方の駅のみならず、先ほど北区の十条駅の片方の改札口の指摘もございましたし、また千葉県の都市部における無人化も進んでいるということなんですが、こういう無人駅、バリアフリー化されていない無人駅を車椅子の利用者が利用する場合、どのような対応をしていただけるものなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。 国土交通省としましては、鉄道の乗降に際して介助が必要な車椅子の使用者の方が駅を利用される場合、こういった場合には、それぞれの鉄道事業者が有人駅であるか無人駅であるかを問わず、可能な限り必要な駅員等を確保して対応に当たるようにと、こういった指導を行っているところでございます。 その際には、鉄道事業者に事前の御連絡をいただくと、これは準備のためにということで、それを基本としているわけでありますけれども、今委員が御指摘になられたように、突然ここで降りるんだといったことで、直前にそういったことがあった場合に、その連絡が非常にもう間際になることもあります。こういった場合にもできる限り対応するようにということも併せて指導を行っているところでございます。 それから、特に無人駅、地方部においては駅間も離れておりまして、要員の派遣ということに時間が掛かる場合もございます。そういった場合、御地元の事情もございますし要望もございますけれども、それを踏まえた形で、プラットホームにエレベーターとかスロープであるとか、そういった形で介助がなくてもホームまで行けるような、そういったハード面の取組をしていると、そういった例もあるところでございます。 いずれにしましても、国土交通省としましては、こういった小規模の駅、あるいは無人の駅におきましても移動の円滑化というものを最大限図られるように、鉄道事業者に対して必要な助言、指導を行ってまいることとしているところでございます。
○青木愛君 ありがとうございます。 駅職員の方の派遣をしていただいているということで、それはそれでもう大変な対応をいただいているなと有り難く思う次第ではありますけれども、今御答弁にもありましたように、やはりなかなか対応ができない場合もあるということで、時間が掛かるということもあろうかと思いますし、また駅の構造上できない場合もあるということだと思います。 そこで、やはりハード面での抜本的な対策が必要になってくるのだろうと思いますけれども、この車両とホームの間の段差あるいは隙間をなくすためにどのような対策が取られているか。 聞くところによりますと、大阪メトロは大変進んでいて、車椅子利用者の単独の乗降が可能であるというふうに聞いておりまして、大変なお取組だなというふうに敬意を表するところでありますけれども、このような取組を全国にこれから広げていかなければならないといったときにどういう課題があるのか。この段差、隙間の基準を数値で明確化できるものなのかどうなのか。ホームが直線でなかったり、あるいは隙間をなくす余りに横揺れで車両とホームとぶつかってというような、そういう難しい面もあるやには聞いてはいるんですけれども、どういった対策が考えられますでしょうか。数値目標などは有効でしょうか。お聞かせをください。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。 バリアフリー法に基づく移動等円滑化基準におきましては、鉄道のホームと車両の床面をできる限り平らにする、さらにはホームと車両の間隔をできる限り小さくする、こういった定性的な要件を求めておりますけれども、こういった段差、隙間についての数値基準、現在定められていないところでございます。 その一方で、大阪メトロ、四月から大阪メトロ株式会社という、元々市営の、大阪市営地下鉄でございますけれども、こちらについては安定したコンクリートの軌道を採用していると。そういったことも背景として、ホームをかさ上げする、あるいは車両とホームの間、これが擦れないように、くしゴムといったゴムの、もしぶつかったときにもゴムなのでそこで傷まない、それを設置するといった工夫を行うことによって、通常の鉄道に比べて小さな段差、具体的には段差が二センチ、さらには隙間が三センチと、こういったことを実現している、こういった例もございます。こういうことになりますと、介助がなくて車椅子の方々が自分で乗降ができるということで、そういったニーズも今非常に高まっておりますので、一つの非常に先進的な取組だと考えております。 国土交通省としましては、こういった先行事例を他の鉄道事業者の方に広く横展開をして、その普及を図るということを行っております。さらに、施設、車両の構造等の違いも踏まえながら、車椅子での単独乗降と鉄道の安全確保を両立するような段差、隙間の数値化、現在行われていないわけでありますけれども、こういった数値化についての検討も開始をしたところでございます。 移動等円滑化基準等への反映に向けて、速やかに検討を行ってまいりたいと考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。 次に、交通結節点のバリアフリー化についてお伺いをいたしますが、多くの場合、複数の交通手段を利用いたします。電車から、次はバスあるいはタクシーへの乗換えなどが必要になる場合が多うございます。午前中の田中参考人からは、点字ブロックは道そのものだという御意見があり、案内などが途切れないように連続性が大事であるという御指摘をいただいたところであります。 各業者間での調整が必要ということになるわけですけれども、今後、市町村がマスタープランを作っていくに当たってどのようなことに配慮すればいいかという点でありますけれども、國島高山市長さんからは、モニターツアーを行って、身体障害者あるいは高齢者の方々に外から来てもらって見てもらうと地元では分からなかった問題点が顕在化するということで、まずは調査が大事だという御意見をいただきました。 そのための今回予算措置もしていただいているということでありますが、市長さんはこれからマスタープランをそれぞれの町の特性を生かしながら作っていくだろうと思いますけれども、国といたしまして、この交通結節点における業者間の調整も含めて、どのような支援を市町村に対してなされるのか、お聞かせください。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 委員からお話しいただきましたように、今回の導入をいたしますマスタープランの制度におきまして、その地区内においては、公共交通事業者等から施設を設置する際に市町村が事前の届出を受けるという制度を導入することといたしておりまして、この届出を端緒として、市町村が交通結節点等の関係事業者間の調整を行うということが可能になって、この地区内の事業者間連携が促進されることになるものとまず考えております。 まず、その交通結節点の乗り継ぎ等について、まず乗り継ぎルートのバリアフリー化を図るべきこと、あるいは別事業者の乗降場との乗り継ぎの円滑化を推進すべきことという、まずその基準を今年の三月に交通バリアフリー法基準とガイドラインの改正によりまして明らかにいたしました。さらに、この調整を行いますためには、まず何よりも市町村がマスタープランの作成に取り組んでいただく必要がございます。そのためには、委員から御指摘いただきましたような、まず調査から始めるということが行われることになるものというふうに考えております。 今回の改正案におきましては、このマスタープランの作成について、従来の基本構想が任意の取組だったものを今回は努力義務にいたしますということや、あるいは作成経費についても国からの助成を行いますということを申し上げさせていただいております。また、このマスタープランの作成に当たってのガイドラインを国で示したいと考えておりますが、その中で交通結節点の重要性についても盛り込んだり、あるいはそうした点についての先進的な事例について国から情報提供を行うといったような取組も進めてまいりたいと思います。 こうした措置を積極的に活用することによりまして、交通結節点も含めまして、面的なバリアフリーを進めてまいりたいと思っております。
○青木愛君 ありがとうございます。 慣れない市町村もあろうかと思いますので、きめ細やかな支援をお願いしたいと思います。 次に、地方におけるバリアフリーということで、高齢化は地方ほど速いスピードで進んでおります。地方にとっての鉄道の存在は、市役所あるいは学校、病院などと同様に、町を形成する大事な必須の公共施設であり公共インフラであるということは、事あるごとに申し上げさせていただいているところでございます。 先ほども酒井先生から、地方の駅等を含めたバリアフリー化についてしっかりとした確認の御質問があり、そして由木局長からも心強い御答弁があったところでございます。三千人未満の乗降客数の駅につきましても既に二〇%バリアフリー化が進んでいる、そして、今後また検討する場を設け、都市部にかかわらず小規模の駅についてもそうした対策を進めていくという御答弁があったかと思います。私も、本当に同様に大変な課題だというふうな認識をしております。 私が学生の頃利用していた地方の駅を想像いたしますと、上りのホームと、そして下りのホームがあちら側にあり、それを跨線橋で、歩道橋のような跨線橋でつないでおります。出入口は片方しかありません。ですので、とてもとてもバリアフリー化というには程遠い状況でございます。 今後、聞くところによりますと、中には、跨線橋を古くなっているのでもう一度新しくして、そこにエレベーターを併設をする取組だとか、あるいは出入口をもう一方にも設ける、そういった形でバリアフリーを進めている地方の駅もあるやに聞いております。 先ほど、田中参考人が、意外とエレベーターは利用しにくいというお話もございました。エレベーターへの動線が分からない、あるいはボタンの位置がエレベーターによって違うといったようなこともあるという御指摘もあり、どのような形が地方の駅において適切なのかというのはその駅の造りにも違うであろうかと思いますけれども、いずれにしましても、地方の駅における、また駅周辺、また駅に至るまでの公共交通との継続といった意味で、是非、地方においてこれから高齢化が進みますので、先ほど大臣も、オリパラは契機にはしているけれども、その後が勝負なんだ、大事なんだという御答弁がありました。 その点について、是非もう一度、改めて私からも確認をさせていただきたいと思います、今後の進め方について。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。 高齢者、障害者を含む全ての人が住みよいまちづくりを進める上で、都市部のみならず地方におけるバリアフリーを推進していくことは大変重要であると認識をしております。 鉄道駅のバリアフリー化につきましては、国が整備費の三分の一を補助すると、こういったことを原則とした制度を設けまして整備の促進を図っているところでありますけれども、先ほど来質疑の中にございますとおり、今は、閣議決定されました交通政策基本計画等に基づきまして、二〇二〇年度までに一日当たりの利用者数が三千人以上の駅について原則全てバリアフリー化をするということを達成することを目標に取り組んでいるところでございます。 この達成率が二〇一六年度末で八七・〇%ということでありますけれども、一方で、この三千人未満の駅、これにつきましては、高齢者、障害者の方々の利用の実態等を踏まえてバリアフリー化を鋭意進めているところでありますけれども、その達成率というのは二〇・九%ということで、やはりその格差はあるということでございます。 委員御指摘のとおり、今後の高齢化の進展も踏まえて、地方部におけるバリアフリー化の重要性は今後ますます高まるものと考えております。 先ほど、地方部の駅の構造についても御紹介がございましたけれども、一つの特性として、地方部におきましては、やはり利用者の数も相対的に減ってくるわけですけれども、列車の頻度も減ってまいります。そういった点で、こういったバリアフリー化をするときに、いわゆるスロープと踏切を組み合わせたような形で、必ずしもエレベーターで跨線橋の上に渡るという形でなく、安全をしっかり確保した上で、そういった形での、ホームとホームを渡るようなそういった構造、これも一部地方部では例があるところでございます。 その辺りにつきまして、その地域地域の事情に合わせた形での、安全を確保した上でのバリアフリー施設の整備ということについて、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○青木愛君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 時間もそろそろなくなってきておりますので、次の質問、二点続けて質問させていただきたいと思います。 ユニバーサルデザインタクシーについてでございますが、先ほども伊藤委員からも質問がございましたが、二〇二〇年度までに二万八千台の導入を掲げております。そして、国は一台当たり最大六十万円の補助制度を設け、各自治体も独自の補助制度を設けております。 UDタクシーは現在トヨタと日産が製造しているということでありますけれども、この補助制度も、一社につき受けられる台数も限りがあるというふうに伺っておりますが、今後の目標達成に向けての見通しについてお伺いをしたいと思います。 そして、あともう一点。先日、乗車をいたしましたタクシーの運転手さんにちょっと状況を聞いてみました。そのお話をさせていただきたいと思います。 知人のドライバーの方が、羽田空港で身障者から連絡があり、駆け付け、乗車いただいた際に、そのドライバーさんが慣れていなかったせいか、乗っていただくまでに六十分以上掛かってしまったそうなんですね。そういうケースもあるということなんです。順調にいく場合でも、スロープを設置し、車椅子を移動させ、また車内に車椅子を固定し、またシートベルトも掛けていただくということで、最低でも十五分は掛かるであろうというお話でした。 そして、料金は一般のタクシーと設定は同じということで、待っていただく、あるいは時間が掛かったとしても実車ボタンはやっぱり押せないということでありました。会社も、実車ボタンを押していいとか押しちゃいけないとか、そういう方針も示せない今状況であるということでございました。ちなみにですけれど、六十分以上掛かると一時間三千円ぐらい、待機した場合はそれだけの料金が掛かる、これ、良い悪いは別にしてですね、そういうことだというお話が一つございました。 そして、もう一点。電動の車椅子は大変重量が重く、そして、そこにちょっと体格のいい方が乗ると、スロープがその重さに耐えかねて壊れてしまったというケースがあるんだそうです。ただ、連絡をいただいても、体重何キロかと伺うわけにもなかなかいかないということで、こういった事例もあるということなんですね。 研修が大事だというお話もあって、それももちろんですし、こういういろんな意見を早い段階で聞き取りをしていただいて、今、日産、トヨタが製造しているということですが、車の製造会社にも改良を行っていただくとか、何か早い段階でのそういう取組が必要なのではないかなとちょっと思ったところでございます。 そういった点について、今の現段階での御答弁をひとまずお願いできますでしょうか。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。 お尋ねいただきましたユニバーサルデザインタクシーにつきましては、国土交通省におきまして、平成二十四年にユニバーサルデザインタクシー車両の認定制度を創設をいたしました。平成二十八年度まで認定車両は日産自動車が開発をいたしました車両のみでございましたけれども、昨年度、新しくトヨタ自動車が開発した車両を認定をいたしました。 各社の車両の普及状況でございますが、平成二十八年度末のユニバーサルデザインタクシーの導入状況、つまり日産自動車製の車両の導入状況でございますが、全国で千四十八台となっております。また、トヨタ自動車が開発をいたしましたユニバーサルデザインタクシーは、昨年秋に販売が開始されたところでございますが、トヨタ自動車に確認をいたしましたところ、平成二十九年度末までの七か月間で受注台数が全国で四千八百九十三台というふうに聞いておるところでございます。 国土交通省といたしましては、ユニバーサルデザインタクシーを含む福祉タクシー車両を平成三十二年度までに約二万八千台導入するという目標の達成に向けまして、引き続き、御紹介をいただきました補助制度などの支援措置も活用しながら取組を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 あと、ジャパンタクシーについて、昨年秋から発売が開始されたわけでございますけれども、車椅子の乗降に時間が掛かるという話を伺っております。その対応といたしまして、車両の開発者でありますトヨタ自動車と事業者団体において意見交換の場を設けまして、車椅子のスロープの収納方法の改善など、より短時間でスムーズに車椅子の利用者が乗降していただけるような検討を行っているところというふうに承知をいたしております。 また、車椅子の利用者に対する接遇向上のためには、車両の改善に加えまして、乗務する運転者が車椅子の乗降の取扱いをしっかりと身に付けるための教育も必要であるというふうに考えております。 国土交通省といたしましては、事業者の様々な取組の共有を通じた研修の充実など、関係者に対してハード、ソフト両面からの取組をしっかり行うように求めてまいります。 あと、電動車椅子について、耐荷重の問題、御指摘いただきましたけれども、UDタクシーの認定に当たりましては、スロープの耐荷重は、電動椅子本体を八十から百キロ程度と想定をいたしまして、あとは使用なさる方本人、介助者の重量等を勘案して、二百キロ以上とすることを認定基準の一つといたしております。 トヨタ自動車からは、日本製の主な電動車椅子の製品を用いて実際に乗車確認を行った結果、乗車は可能だったとの報告を受けておりますが、御指摘のような問題点、どうなっているのか、また機会を捉えて確認したいと思います。
○青木愛君 是非よろしくお願いいたします。 時間が参りましたので、質問残しましたが終わります。ありがとうございます。
○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。 まず初めに、駅のホームドアの設置について伺いたいと思います。 平成二十七年二月に閣議決定された交通政策基本計画においては、平成三十二年度に約八百駅という整備目標を打ち出しております。これをできる限り前倒しを図るようにということで今国土交通省としても取り組んでいるわけでありますけれども、ホームドアの設置は、終電から始発までの深夜の限られた時間での作業となりますし、また天候にも左右されるということです。こうした制約があります。そしてまた、ホームドアの設置工事事業者からは、深夜作業を行う職人の確保や経験のある現場監督者の確保が困難であるという声も聞いております。 工期の短縮やまた工事の効率化など、どのような対応をしているでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 ホームドアは、列車との接触、ホームからの転落防止のための設備として非常に効果が高く、その整備をできる限り前倒しで推進していくということは極めて重要なことであると考えております。 ホームドアにつきましては、先ほど委員から御指摘ありましたけれども、二〇二〇年度に八百駅という数値目標を設定し、その整備を推進しているところでございます。二〇一六年度末には六百八十六駅まで整備が完了しているところでありまして、この目標年限の達成というのは十分可能であると認識をしているところでございます。 先ほど委員が御指摘でありました、そういった労働者の不足、そういった問題、こういったことにつきまして、私ども、今こういったことに非常に切迫をしている、それが問題で整備が進まないと、そういった状況にあるという認識は必ずしもございませんけれども、ただ、今の委員の御指摘もありますので、しっかりと実態把握のための調査を行いまして、必要に応じて対応策を検討したいと考えているところでございます。 なお、工期という点について申し上げますと、ホームドアのハードウエア自体、いろいろな工夫が今されつつあるわけですけれども、その一環として、ドア部をフレーム構造として軽量化、簡素化を図る、こういったことが工期短縮にも資すると、こういったことも含めて総合的に検討を行ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 私のところには、こうしたホームドアの設置の工事をする事業者さん、複数の会社から、なかなかちょっと人手の確保はできない、行田さんはホームドアの設置の前倒しとよく言うけれども、そんなに簡単なことではないよという意見をよく聞いておりますので、実態を調べていただけたらと思いますし、また、今、工期が短縮できるような新しいタイプのホームドアの技術革新というのも国交省さんとしても更に進めていただきたいと思います。 それでは、続けて質問ですけれども、私がおります埼玉県ですけれども、埼玉県においてもホームドアの設置を熱心に取り組もうとしております。五か年計画を立てまして、平成三十三年度末までにホームドアを県内三十三駅に設置するという目標設定をしておりまして、この財源に地方債を充てたいというふうに考えておりますけれども、市町村においてバリアフリー基本構想を策定してホームドア設置を位置付けていなければ、地方債を財源とすることができないわけであります。 今、基本構想を策定している市町村というのはなかなか少ない状況、様々な理由があろうかと思いますけれども、こういう中で、基本構想に位置付けられていないホームドアについても、地方債を財源としてホームドアの設置をもうどんどん促進したいというふうに、かねてから埼玉県から要望を上げられているわけであります。 こうしたホームドアの整備に積極的な地方自治体の声に対して、この法案はどのように応えているのでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 バリアフリー法上は、基本構想に即して事業計画を定めまして、その計画に基づき実施される事業については起債の特例が適用できるという仕組みになっております。地方債の発行につきましては、地方財政法五条で、起債ができる場合を極めて限定的に制限をいたしております。 このバリアフリー法上の特例は、地域における一体的、計画的なバリアフリー化を推進していくために、基本構想に即した事業に限りましてこの地方財政法五条の特例として認められるという制度になっているものというふうに承知をいたしております。したがいまして、私どもといたしましては、やはりこの基本構想の作成を促進をしていただいて、この基本構想に基づく事業をより積極的に実施をしていただくということがやはり必要であるというふうに考えております。 基本構想につきましては、いきなり、事業の計画がないと作れないということになっているものですから、今回はそれを促進する観点から、その前段階にマスタープランというのをまず作っていただいて、そのマスタープランを作っていただけた場所については、事業者が、事前に届出が出てまいりますので、その届出を契機として事業者間の調整に入っていただく、その調整を経て基本構想の作成ができるようにという一連の流れで取り組めるように、マスタープランの制度というものを今回導入をいたしました。 このマスタープランの制度については、これまでも委員の御質問にお答えをいたしておりますように、例えば予算の措置でございますとか、あるいは国からの情報提供でございますとか、様々な促進のための支援を講ずることといたしております。やはりこのマスタープランに基づいて基本構想を作っていただいて、それに基づく事業をできるだけ実施をしていただくことでこの地方債の特例を活用していただきたいというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 地財法の五条の起債の特例がありますけれども、非常に制限があるということで、地方自治体が自らの意思で起債をして、そして、それを財源に充てて事業をすることはなかなか非常に限定的であると。たくさん借金をしている国からあれこれと言われたくないと地方は思うんだろうと思いますけれども、これが現状であります。そうした中での今回の法案での対応ということですので、よろしくお願いいたします。 そして、駅ホームからの転落なんですけれども、お手元に資料をお配りしておりますけれども、どういう要因でホームから転落をするかということでありますが、平成二十八年度を見てみますと、全体の件数で二千八百九十件ということですが、そのうちの六割が酔客と、まあ酔っ払いということなんです。自分でお酒飲んで酔っ払っていい気持ちになってふらふらしているという方に対して何かケアをと言われても、ううんと思いますけれども、ただ、これでホームから転落をすると多くの人に迷惑が掛かるわけであります。 酔客の転落防止について何か策を講じているのでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。 先ほど申し上げましたように、ホームドアの整備というのは、酔客に限らず、転落防止の抜本的な対策であるわけでありますけれども、酔客への特別な対策としましては、一つは、首都圏の鉄道事業者が連携して行っておりますけれども、列車への接触をしないようにという注意喚起をするとともに、あと、危険を感じたときに、周りの方々も含めて、非常ボタン、非常停止ボタンを押していただくと。そういったことを目的としまして、飲酒の機会が多くなる年末年始に、プラットホーム事故ゼロ運動と称してこういった啓蒙活動を実施している例がございます。 また、幾つかの鉄道事業者におきましては、ホーム上のベンチの置き方を、レールに対して水平に置いてある例が多いというのを委員の皆さんは御承知だと思いますけれども、これを垂直に変えるといった取組も行っております。これは、電車が入ってくるというときに、ふらふらっと立ち上がってそのまま真っすぐ歩いていってしまう、そういったことが経験的に多いという、そういったことを反映した取組でありますけれども、こういった面の取組も併せて行われているということでございます。 先ほど委員が御指摘ありましたけれども、駅ホームにおける転落防止というのは、酔客を含めて全ての利用者の安全確保、さらには利用者の利便、遅延防止にとっても重要な課題でありますので、国交省としましては、今後ともハード、ソフト両面から対策を着実に進めてまいりたいと考えております。
○行田邦子君 更に質問ですけれども、平成二十八年十二月に取りまとめられました駅ホームにおける安全性向上のための検討会の中間取りまとめですけれども、ここではホームドアなどハード対策だけではなくて、ソフト対策も非常に重要であるといった取りまとめになっております。これを受けてということだと思いますけれども、昨年の五月から七月にかけて二か月間、駅ホームでの声かけ・見守り促進キャンペーンというのを実施をされていると承知をしています。 その成果についてどのように捉えているのかお聞かせいただきたいのと、それと、今日の午前中も参考人質疑があった中で、田中参考人からも御意見がありましたけれども、やはり駅での声掛けや手伝いというのは駅員というプロがやることが基本であるというようなこともおっしゃっていました。なぜかというと、一般の乗降客というのはなかなか慣れていないので、例えば背中を押してしまったり強く腕をつかんだりという、これは視覚障害者にとって非常に恐怖を感じるんだと思うんですけれども、こういったことをされてしまうと、大変、逆に手伝おうと思ったことがマイナスになりかねないということだと私は感じました。やはり多くの方たち、私も含めてなんですけれども、手伝いたいという意識はあるけれども、じゃ、具体的にどういうことをしたらよいのかと、また、どういうことをしたらまずいのかということは分からないのではないかなと思っております。 今キャンペーンをされていますけれども、啓発の、ふわっとしたキャンペーンといいますか、ポスターを貼るなどだけではなくて、具体的にどういうことをしたらよいのか、してはいけないのかということを、例えば電車の中の動画のCMなど、今最近ありますので、こういったものなどを使ってより具体的な啓発活動をしてはいかがでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 駅ホームの安全性確保に当たっては、ハード面の施設整備だけでなくて、ソフト面の取組も進めることが極めて重要でございます。このような観点から、平成二十八年十二月、駅ホームにおける安全性向上のための検討会の中間取りまとめにおいて、ソフト面の取組として旅客による声掛け、誘導案内の促進を図るための啓蒙活動を行うとしたところでございます。 この取組につきましては、平成二十三年から二十八年の間、鉄道利用マナーアップキャンペーンというものを国土交通省行ってきたところでありますけれども、さらに、平成二十九年五月から七月にかけて、より具体的な声掛け、誘導案内、どうしたらいいのかということを例示をした駅ホームでの声かけ・見守り促進キャンペーンというものを実施をしております。 これは、具体的には、どうすればよいかをそういった障害者の方に聞きましょう、さらには周りの状況をお伝えしましょう、さらにはお手伝いが必要がないときもありますよということを具体的に一般の利用者の方々に啓蒙を図っているというものでありますけれども、これにつきましては、先日、このバリアフリー法の改正法案の衆議院における質疑がございました。そこで参考人の御質疑があったわけでありますけれども、その中で参考人の方お一人から、駅に行くと声を掛ける人が増えたということも実感しておりますということをお話としてもいただいたところでございます。そういった具体的な成果が見えるように、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。 なお、キャンペーンの方法でございますけれども、駅のポスターというのがありますが、さらには車両の中の中づり広告、さらには最近車内に動画のディスプレーが付いておりますが、こういったところで放映をするといったことをやった事業者もございます。さらには、講習会というようなものを開いて、具体的にこういった形でお手伝いをしてくださいということを伝えたといった事例もございます。 この辺りにつきましては、そういった良い事例というのを私ども収集をして、引き続き、ほかの鉄道事業者にもお伝えをして、更に普及啓発活動を推進してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 駅のホームからの転落事故がありますと、電車の遅延につながるということであります。昨年十二月に国土交通省が発表した電車遅延の見える化によりますと、十分未満の遅延という小規模な遅延、お手元に資料をお配りしております資料二ですけれども、十分未満の遅延のうち六三・二%が利用者起因、利用者に起因するものとなっていまして、小規模な電車の遅れの多くは鉄道利用者のマナーによって改善されると考えております。 啓発など、現在どのような活動をされているのか、また今後の取組についてもお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 鉄道の定時性、これは鉄道輸送の信頼性の基盤でございます。遅延防止はそういう意味で大変重要な課題であると認識をしております。 今委員から御紹介をいただきました遅延の見える化といった私どもの取組、これは平成二十九年十二月に初めて発表したものでありますけれども、この中で遅延、十分未満の余り長くない遅延の多くというのは、乗降時間の超過、あるいはドアの再開閉など、利用者の方々の乗り降り、それに関するものが原因であるということが明らかになってきているところでございます。 そういった点で、こういった遅延の防止については利用者の行動に着目した取組が重要であるということから、各鉄道事業者では、駆け込み防止、あるいは整列乗車などの乗車マナーの呼びかけ、さらには乗車の位置のサインの変更、これは具体的には、ホームドアの前ではなくて両側に並んでいただくような形で最近ホームにサインのやり方を変えておりますけど、そういった取組を行っております。 さらには、ホーム要員の増員によって速やかに整理をすると、こういったことで、よりスムーズな乗降の実現に向けた取組というのを進めているところでございます。 私どもとしましては、更に鉄道事業者と協力をして鉄道利用者のマナーアップを働きかけ、これによって遅延防止を図ってまいりたいと考えております。
○行田邦子君 私はよく電車、国会には電車通勤しているんですけれども、一昨日もすごい勢いで男性の方がばあっと駆け込みをしまして、一昨日に限らずなんですけれども、ちょっとのことだから大丈夫だろうと思っていても、その積み重ねで電車が遅れて、結局自分にも降りかかってくるということ、利用者に対してこれからもしっかりとした啓発をしていただきたいと思っております。 ホームや列車の混雑は、電車の遅れを招く原因ともなります。また、逆もしかりで、混雑時の電車の遅れは対策も非常に打ちにくくなると思います。快適な移動環境という視点からも、電車の混雑緩和にどのように取り組んでいますでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えをいたします。 国土交通省としましては、混雑緩和対策として、これまで新規路線整備、線路の複々線化、さらにはオフピーク通勤の推進等の取組を随時行ってきたところでございます。 東京圏の主要区間のピーク時の混雑率は、これは二十年前、平成九年度には一八六%、これは、折り畳んで無理をすれば新聞が読めるというのが一八〇でありますけど、それを更に超えるような形であったわけですけれども、平成二十八年度には一六五%というところまで減少してきております。 平成二十八年四月に取りまとめられました交通政策審議会の答申におきましては、この申し上げたピーク時の混雑率を東京圏の主要区間において一五〇%、広げて楽に新聞が読めると、こういったレベルまで下げるために、引き続き混雑緩和の取組を推進するべきことが指摘をされております。 このため、国土交通省としましては、ホームの増設、拡幅、さらにはコンコース、地下鉄の場合にホームの一つ上にそういったスペースがございますけど、そういったところを更に拡幅するような駅の大規模改良といったハード面の取組、さらには、早朝の時間帯の利用を促進するために、そういった利用者の方にICカードについて付加的なポイントを付与すると、こういった取組を鉄道事業者の間でも行いつつあるところでございます。 こういったところ、さらには、東京都が今、快適通勤の実現に向けて時差ビズという、これは鉄道会社だけでなく会社の方々にも呼びかけて行っておられる取組でありますけれども、こういったハード面、ソフト面の取組というものを鉄道事業者、自治体ともしっかり連携して、引き続き混雑緩和を推進してまいりたいと考えているところでございます。
○行田邦子君 根本的な解決は働き方を変えるということかなとは思うんですけれども、ハード面でもまた努力していただきたいと思いますし、ハード面だけでも限界があるのかなと思いますので、ソフト面も併せて行っていただきたいと思います。 そして、続きまして、電車の遅延や運休によって会議が延期されてしまったり打合せに間に合わなかったりということ、それから、そもそも移動に予定以上の時間が掛かったりということになってくるわけでありますけれども、電車の遅延や運休による経済ロスというのは私はこれすごいものがあるんじゃないかというふうに常日頃から思っているんですけれども、電車の遅延や運休による経済ロスというのを国土交通省は試算をされたことはありますでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) まだそういった試算については行ったことはございません。
○行田邦子君 簡単な答弁だったんですけれども、是非、試算はできると思うので、やってみていただきたいと思うんですよ。 じゃ、どうぞ。
○政府参考人(藤井直樹君) 申し訳ありません。 その関係で申しますと、まず、国土交通省は、鉄道運転事故あるいは輸送障害などが発生した場合に、運休、遅延の本数、あるいは遅延が生じた列車の場合の最大の遅延時分に係る報告、これを鉄道事業者からデータとして受け取っているところでございます。 さらには、先ほど委員の御指摘にありました遅延の見える化というものでありますけれども、これは、鉄道事業者が遅延証明書というものを発行しておりますけれども、これをデータベースにして作業を開始をしているところでございます。 今委員の御指摘にありました経済ロス、先ほど申し上げたとおり、まだ試算をしたことはございませんけれども、今私が申し上げたような各種のデータというものがそういうものを計算するときにどのように使えるかということ、さらには、そういったロスを計算することが今後の対策にどのように有効かと、そういったことも含めて、今後総合的に検討してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 電車の遅延や運休による経済ロスというものを試算して、そして国民の皆さんにも示せば、鉄道利用者のマナーの改善といった啓発にもつながると思いますので、一度やられてみたらよいかと思います。 御提案を申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○平山佐知子君 国民の声の平山佐知子です。よろしくお願いいたします。 今回の改正案に向けては、やはり当事者の声を聞くのが一番だというふうに思いましたので、地元の静岡県内の障害者団体の方始め、当事者の方など様々な話伺ってまいりましたので、それを基に質問をさせていただきたいと思います。 まずは、富士市の成人した我が子の生活を考える会の会長さんから御意見をいただいたんですが、二〇一二年に東京都が作成したのが始まりで、今徐々に全国に広がりつつあるヘルプマークについて、皆さん、お手元の資料を御覧いただきたいんですが、見たことあるという方もいらっしゃるかもしれません。赤いマークです。これは、人工関節や内部障害など、外見では分かりにくいハンディのある方がバッグなどに取り付けることで周りから援助を受けたりしやすくするための目印です。ただ、まだ認知度が低いために、付けていても気付いてもらえなかったという当事者の声も実際あるということです。 静岡県でもようやく今年の二月五日から配布が始まったばかりだということで、県の担当者に現状について伺ってみたところ、障害のある方だけでなく、公共交通機関や金融機関など、幅広く関心を持ってもらうようヘルプマーク推進フォーラムを開催するなど、知らせる努力をしているということでした。 こうした動き、それから当事者の声に対して国交省としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、また、認知徹底に対して、地方自治体だけに任せるというのではなくて、もう少し国も動くべきではないかというふうに考えるんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) ヘルプマークは、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、外見からは容易に分からない方々が援助や配慮を必要としていることを周囲に知らせることができるよう、東京都が作成をいたしまして、昨年七月にJISに追加されたものと承知をしております。 国土交通省といたしましては、ヘルプマークにつきまして、公共交通機関の職員や利用客等がこれらの方を認知し、必要な支援等を行う上で効果的であり、その周知を図り理解を促進していくことは重要と考えております。 このため、まずはヘルプマークの存在を広く周知することが重要と考えておりまして、鉄軌道事業者にヘルプマークがJISに追加された旨の周知を図るとともに、観光業向けに作成をいたしました接遇マニュアルにおいてヘルプマークの紹介を行っております。 さらに、今後、公共交通事業者に対しましては、今後配布を予定しております移動等円滑化整備ガイドラインや現在作成中の接遇ガイドラインにおきましてヘルプマークの紹介を行うこと、各地で開催するバリアフリー教室等を活用して広く周知を行うことといった取組を進めてまいりたいと考えております。 また、一部の公共交通事業者では既に優先席にヘルプマークを表示する取組が進められていることから、こうした取組の横展開を図ってまいりたいと考えております。具体的には、さきに申し上げました移動等円滑化整備ガイドラインにおいて好事例として紹介をすることで他の事業者の取組を促してまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 是非これ、いいものだと思いますので、積極的にこの後も国も関わっていただきたいなというふうにお願いを申し上げます。 次に、静岡障害者自立生活センターの方から少々びっくりするお話を聞きましたので、ちょっとローカルな話題なんですけれども、委員の皆さんにも考えてもらいたいと思って、御紹介をさせていただきます。 資料二を御覧いただきたいと思います。点線からまず上部分を見ていただきたいんですが、黄色くマークが付いています。JRの蒲原駅から静岡駅まで行きたいというふうになりますと、通常、所要時間が二十五分で運賃が五百円というのがお分かりいただけるかと思います。これが車椅子を使う方が同じく蒲原駅から静岡駅まで行こうとすると、今度は点線から下の部分なんですが、所要時間はおよそ三倍の一時間十分、それから運賃は七百八十円掛かってしまうということなんです。 なぜそうなるかといいますと、ちょっと想像していただきたいんですけれども、JR蒲原駅というのは改札口が一つだけなんですね。その改札口を通りますと、目の前にあるホームというのは静岡駅とは逆側の上り線になります。本当はその向こう側の下り線のホームまで行きたいんですけれども、このJR蒲原駅にはエレベーターとかそういうのが整備されていないために、向かい側の反対側のホームに行けない。 というふうになると、もう一度この紙を見ていただきたいんですけれども、蒲原駅から今度は静岡駅とは逆側の新蒲原、富士川と二つ駅を通り過ぎて、富士駅でようやくエレベーターがありますので、そこで反対側のホームに行って、やっと静岡駅に向かうことができるということで、大変なこれ労力で、時間も掛かって、しかもチケット代金もプラスして支払わなくてはいけないということで、これはちょっとおかしいんじゃないかなというふうに私考えたんですが、まあなかなか民間の会社のことですので、国は何もできないとなると、これ、移動する権利を奪うことにもなってしまいかねないというふうに思うんですが、その辺り、鉄道局長、考えを聞かせてください。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 先ほども申し上げましたけれども、高齢者、障害者を含む全ての方々が住みよいまちづくりを進める上で、都市のみならず地方におけるバリアフリーを推進していくということは大変重要であるということが基本認識でございます。 現在、二〇二〇年度までに一日当たりの利用者数が三千人以上の駅について原則としてバリアフリー化を達成すると、こういった目標の下に、国が整備費用の三分の一を補助する制度を設けて整備の促進を図っております。 今委員御指摘のこの具体的ケースについて見ますと、この蒲原駅の利用者数、これは平成二十八年度に千四百八十八人ということで、これは三千人に届いておりません。一方で、富士駅は一万六千五百三十九人ということですので、そういったことを背景として、今、富士駅でのみエレベーターが設置されていたと。そのため、今委員御指摘のように、一度戻って、その上でもう一度Uターンする、そういったことを余儀なくされる、そういった車椅子の利用の方がおられたということだと思います。 こういった車椅子の使用者の方々の不便を少しでも軽減するという方策として、JR東海としましては以下の三点の措置をとろうということを聞き及んでおります。 一つは、この蒲原駅の隣に新蒲原駅というのがございます。こちらに新しく平成二十九年三月にエレベーターを設置をしたということでございます。そういうことで、この隣の駅を直接使っていただくか、あるいは戻るにしても一駅戻るということで、少しでも負担は軽減になったのかなと思っております。 さらに、先ほど運賃の御指摘がございました。この辺りはそれぞれの駅員の方々のある意味で裁量に任されていた部分があったようでございますけれども、こういった事情でUターンをされるということであれば、そういった方々からは追加運賃を収受しないということで、これはもう運用を徹底するということを社内で行ったということでございます。 さらには、車椅子を、渡ると、結局、先ほど駅の構造の御紹介、委員からございましたけれども、跨線橋が渡れないということが問題の根幹にもございますので、これはまあ御本人の意思次第でございますけれども、もしそういったことを、ヘルプの人間を出して跨線橋を渡るということであれば、そのお手伝いの要員というものは必要な駅員を無人の時間帯であっても確保する、そういったことも併せて行う、こういったことを行うということを会社から聞いております。 いずれにしましても、今委員から御指摘いただいたような具体的な問題点が多々あるものだと思っております。国交省としましては、このような今申し上げたようなハード、ソフト面からのきめ細やかな対策を実施することによって、車椅子の使用をされる方が鉄道を利用する上での不便を少しでも減らすことができるように、具体的な御要望にもしっかり耳を傾けながら、鉄道事業者に対して必要な指導等を行ってまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 運賃については対応してくださるということですので、JR東海さんにはすぐに対応してくださったことを感謝申し上げたいと思います。 ただ、全国でそういう例はまだまだたくさんあると思いますので、車椅子の方がこの駅は使えるけれどもこの駅は使えないということがあってはならないというふうに思いますし、利用者が少ないからといって後回しにするというのはやはり地方に住む者にとっては納得できないというところになりますので、是非、高齢者も多く暮らす小さな地方の駅こそ無人駅ということも多いわけですから、しっかりと目を向けていただきたいというふうにお願いを申し上げます。 続いて、これは日頃から私も疑問を持っているところなんですけれども、エスカレーター利用の際に、いわゆるマナーとして定着している片側空けというものがあります。東京だと左に立って急ぐ人は右側をばあっと駆け上がっていくということで、私も本当に何度かぶつかりそうになって危ないなというふうに思ったんですが、これまた問題なのは、左半身が麻痺している方は右手でエスカレーター、ベルトを持つために右側しか立てないという現状があるということなんです。 日本エレベーター協会では、設計上エスカレーターを歩くことは想定しておらず、歩行禁止を呼びかけているんですね。資料三を御覧いただきたいと思いますが、みんなで手すりにつかまろうキャンペーンというポスターでございます。大きく図には安全な乗り方が描かれていて、下には三つ危険な事例など、分かりやすくデザインをされていますが、これ、ちっちゃくてちょっと見づらいんですが、よく見ますと一番下に、後援国土交通省と書かれているんです。 国交省として、エスカレーター利用の現状とこれからについてどういうふうにお考えなのか、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 エスカレーターの利用の現状でございますが、一般社団法人日本エレベーター協会の平成二十九年度のエスカレーターの利用に関する調査によりますと、エスカレーターを歩行してしまうことがある人が約八割、これに対しまして、人やかばんなどがぶつかり危険と感じたことがある人が約五割、エスカレーターの歩行はやめた方がいいと思う人が約七割という結果になっておりまして、エスカレーターを安全に利用するためのマナーの啓発をしていくということが非常に重要であるというふうに考えております。 こうしたことを踏まえまして、先ほど御指摘いただきましたとおり、一般社団法人日本エレベーター協会では、ホームページにおいて歩行禁止の呼びかけを行っているほか、片側でしか手すりにつかまることができない方にとっては片側を空ける習慣は負担になるといったようなことなどのマナーの周知を図っているところであります。 また、やさしい心ありがとうキャンペーンといたしまして、障害者も健常者も全ての方が快適にエスカレーターを御利用いただけますよう、リーフレットの配布などの街頭キャンペーンによる呼びかけですとか、全国統一ポスター及びステッカーの掲示、新聞広告の掲載などを行っているところです。 これは、それぞれの方々に、個々人の人たちに訴えるマナーの問題でありますので、なかなか定着するのが大変だという面はありますけれども、国土交通省としても、先ほど御指摘いただきましたとおり、このキャンペーンを後援しておりまして、今後ともそういうエスカレーターに乗る際のマナーの啓発を支援していきたいというふうに考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 本当におっしゃるように、一旦定着したマナーを、じゃ、変えようというふうになると大変難しさもあるとは思いますけれども、これから様々な外国の方もたくさん訪れるということになりますので、そういった万が一事故があっては困りますので、しっかりと引き続きの啓発、そしてまた検討もお願いをしたいというふうに思います。 続きまして、駐車場についてでございます。 富士市のぶどうの会というグループの皆さんから意見をいただいたんですが、車椅子の使用ではないものの、例えば重い知的障害などの方は、駐車場が遠いとその移動に危険を伴うことも多いということでした。そのために、車椅子用の近場の駐車場を利用したいんですが、やっぱり車椅子利用していないために、歩けるために、なかなかちゅうちょしてしまいます、何とかこれならないですかという御意見をいただきました。 そこで、パーキングパーミット制度について伺ってまいります。 この制度は、専用の駐車スペースを利用できる対象者の範囲を設定して、その条件に該当する希望者に事前に利用証を交付して、専用スペース、この駐車スペースを利用してもらうというものです。内部障害の方や一時的にけがをした人、妊婦さんなど、対象となればこの利用証が交付されますので、その利用証があるので周りの方からも理解を得やすいというものです。 ただ、一方で、まだ制度導入が全国には広がっておらず、周知徹底もなされていないという現状があるということで、こうした中、平成二十九年には、国交省が事務局となってパーキングパーミット制度の導入促進方策検討会を設置、この検討会では平成二十九年七月を目途に導入促進方策を取りまとめることになっていたと思いますが、この取りまとめ状況について教えていただきたいと思います。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 障害者等の方々が駐車するためのスペースに障害のない方が駐車をすることによりまして、障害のある方が駐車できないという問題が各地で発生をしておりまして、やはりその適正な利用が求められているというふうに考えております。 こうした課題に対応するための一つの有効な手段が、委員から御指摘をいただきましたパーキングパーミットの制度でございます。障害者等に対して利用者証を発行いたしまして、その方のみが駐車できるという制度でございます。この取組は、現在、平成十八年に佐賀県でまず導入をされて以来、三十六の府県、それから三市において導入をされているというふうに承知をいたしております。 私ども、こうした制度のやはり導入促進を図ることが必要だというふうに考えておりまして、御指摘いただきましたように、昨年、その導入促進策について検討を行うための検討会を立ち上げて、まだ実は最終報告に至っていない状況ではございますけれども、鋭意検討を進めております。その中には障害の当事者団体等にも入っていただいて、検討を進めております。 具体的には、外国にもございますので、類似の例が、そういうものを研究するとともに、制度の未導入の自治体がなぜ導入をしないのか。実はこれは、利用券の発行に対象者が非常に多いところではコストがかなり掛かりますので、そういったものをどう考えるかという問題や、それから、導入をしているところでもやっぱり健常者が駐車してしまっている、これをどうやって防ぐのかという問題や、それから、元々車椅子の方は広いスペースが要るものですから、このパーキングパーミット用の駐車場は広いスペースになっているんですが、障害者の中でも車椅子でない方がそこを占用してしまって、本来車椅子の方がその広いスペースを使えないというような問題が生じるとか、いろいろ問題等があるようでございます。 そうしたことについて、最初、公共団体のアンケートをやったんでございますけれども、ちょっとそれだけでは十分でないということで、ヒアリングを繰り返したりしてきてまいっておりまして、ちょっと時間を要しております。 今後、早急に取りまとめを行いました上で、その取りまとめの結論に基づいて周知徹底を図るということで、制度の普及促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○平山佐知子君 しっかりとやはり検証するということも、海外の事例を調べるというのも大事だと思いますので、ただ一方で、速やかにというか、できるだけ速やかに、本当に困っている人がしっかりと安心、安全で使えるようにお願いをしたいというふうに思います。 次に、宿泊施設についてですけれども、二〇〇六年、バリアフリー法が前回施行された二〇〇六年の十二月以降に建設されて、延べ床面積が二千平方メートル以上、客室の総数が五十室以上の宿泊施設は、車椅子用の客室を一室以上設けることが義務付けられています。 こうした中、静岡県の浜松市には、二〇二〇年東京パラリンピックの事前合宿として、ブラジルの選手ですとかスタッフ、総勢およそ三百五十人が訪れることになっています。そのうち、車椅子の方が百人以上いらっしゃるということなんです。 浜松市の担当者に大丈夫かとちょっと電話で伺ってみたんですけれども、宿泊施設について、何とか既存のホテルを整備して対応していきたいと思っているんですが、今のところは非常に厳しい状況だというお返事でした。是非国としても力強く後押ししてほしいというふうに担当者の方もお話をなさっていました。 国交省は、二〇一七年十二月に基準見直しのための有識者検討会を設置し、平成三十年五月を目途に第三回の検討会を開く予定だというふうに聞いていましたが、現在の検討状況を教えていただきたいということと、今は一部屋でもバリアフリー化してあると、どんな大きなホテルでもバリアフリーとしての規定は満たしたホテルとなるとなっていますから、もっと具体的に、何%以上にするとか、細かく指導していくというのも必要ではないかと思います。 一方、改修には多額の費用が必要で、経営効率の悪化を考えますと積極的な改修はなかなか難しいというホテル側の声も聞きます。この辺りについてはどういうふうなお考えをお持ちか、伺わせていただきます。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 ホテル客室のバリアフリー基準については、二千平米以上かつ五十室以上のホテル、旅館については、新築時に車椅子使用者が利用できる客室を一以上設置することが義務付けられているところです。 基準の見直しの検討状況でございますが、昨年十二月に検討会を設置し、現在までに二度開催し、五月二十二日に第三回の検討会を行う予定としております。これまで、基準の見直しを検討するため、ホテル、旅館におけるバリアフリー化の現状に関するアンケート調査、障害当事者の方々に対するヒアリング、ホテル、旅館業界の方々に対するヒアリング等を実施したところであり、今後、これらの結果を整理、分析し、今年の夏頃をめどに方針を取りまとめ、基準の見直しを行うこととしております。 なお、基準の内容につきましては、御指摘のとおり、具体的で分かりやすいものとするように努めたいと思っております。 また、既存の客室のバリアフリー改修でございますが、障害者団体やホテル、旅館の業界団体にも御意見を伺いまして、効果的、合理的なバリアフリー改修の方法を取りまとめましたバリアフリー設計のガイドラインを平成二十九年三月に改正いたしまして、説明会等を通じ、その普及を図っているところであります。 加えて、観光庁では、宿泊施設バリアフリー化促進事業により、ホテル、旅館の客室や共用部におけるバリアフリー化改修に対して支援を行っているところであります。こうした取組を通じまして、ホテル、旅館のバリアフリー化を推進してまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 これからも当事者の声を聞いていただきたいというふうにお願い申し上げます。ありがとうございました。
○野田国義君 野田国義でございます。 最後だと思いますので、もうしばらくお願いしたいと思います。九人、午後からもう九番目と、午前中入れますと十八番目ということになりますので、いろいろダブる点もあろうかと思いますけれども、よろしくお願いをしたいと思います。 午前中ですか、参考人の高山市の市長からいろいろとお聞きをして、私も一九九三年から二〇〇八年まで市長をやりましたんで、そのときのことを少し思い出したところでございます。 例えば、二十五年前、最初の予算付けだったと思うんですけれども、公営住宅、いわゆる市営住宅を建設するときに、初めていわゆる車椅子対応の市営住宅を造ったことを思い出します。恐らく、六戸、六部屋ぐらい、そのうち二戸ぐらいを車椅子で出入りできる、そういう市営住宅を造った。 それから、公園なども造るときには、ステージなんかを造りますと当然スロープで上がれるようにしておかなくちゃいけないんですが、それを忘れていて、何か大きなイベントをしたときに怒られたことを思い出すわけであります。 それから、例えば学校とか保育園、そこには、当然、健常者だけしか考えていないものですから、車椅子の子供が学校あるいは保育園に入園をする、入学をするということになると、慌ててそういうバリアフリーにしなくちゃいけないということで予算を付けて改造をするとか、そういうようなことでした。 今、駐車場が出ましたけれども、駐車場も、私、先ほど高橋政務官、私も総合窓口ということで、一か月に一回ぐらい市民を案内するために立っておりました。そうしましたら、車椅子で来た方から、ちょっと市長に文句があると、何でしょうかということを言いましたら、いわゆる駐車場がないじゃないかということをおっしゃるんです。いや、駐車場はちゃんと確保しておるつもりですからということを言いましたら、いやいや、違うんだと、今日は小雨が降っているから、いわゆる屋根付きでぬれないようにしてもらわないと困るというような指摘がありまして、なるほどなと。予備費でさっとやったわけでありますけれども。 それからもう一つは、一番思い出深いのは議場ですね。二人の障害者の方がいらっしゃいました。一人はいわゆるつえというか、それからもう一人の方が完全に車椅子ということでございまして、後で車椅子の方が当選されてきたんですけれども、本当に議場が全くバリアフリーにはなっていないものだから、それを全部改造して、そして、いわゆる登壇席ございますよね、質問をする席。そこまでちゃんと車椅子で行けるような改造をしたことなどを思い出すところでありますが、しかし、今考えてみれば、そういう障害を持った議員さんたちが議員になって、それからまたバリアフリーのまちづくりというのは非常に早く進んでいったのかなと、そのようなことを思い出しているわけであります。 それで、今回のバリアフリー法の改正、非常にいいことだと思います。今私話しましたように、いわゆる場当たり的にしかやっていなかった部分があるので、ちゃんとマスタープランを作って、そして基本計画ですか、実行計画などを作るというような形でやっていくということ、これは非常に地方自治体にとっても大切なことではなかろうかな、そういうことをまず申し上げたいと思うところでございます。 質問の方に入らせていただきたいと思いますけれども、四月の十九日、この国交委員会の方で多くの皆さんが参加をいただきまして、羽田空港それから川崎駅の方に視察に参りました。補助犬のトイレとかいろいろ、それからリフト付きバス、大型エレベーターとか車椅子をANA、JALで体験させていただいたとか、ボディースキャナー等を視察させていただきました。また、川崎駅ではUDタクシーを視察をさせていただいたということでございますけれども。 そこで、私、先ほどからも論議があっておりますこのユニバーサルタクシー、これはいろいろな支援策、国、あるいは自治体の方も支援をしているということなので、また、歩いておりますとかなり見かけるようになってまいりました。ですから、かなりの台数が普及してくるんじゃなかろうかなと、楽しみにもしているところでございますけれども。 もう一方、私も乗せていただきましたけれども、このリフト付きバス、私乗せていただいたあのバスが国内で四台目というようなことを聞くわけでありますけれども、果たしてこういったバスが普及してくるのかなと。金額、大体幾らぐらい掛かって、そういった補助制度などはないように聞いているんですけれども、この辺りのところをお願いしたいと思います。
○政府参考人(奥田哲也君) お答えを申し上げます。 リフト付きバスとUDタクシー、委員会で御視察いただきまして、ありがとうございました。 リフト付きバスについて申し上げますと、先生から今御紹介いただきましたように、全国で、二十八年度末の数字でございますけれども、四台ということになってございます。このリフト付きバスの導入につきましては、地域公共交通確保維持改善事業、それから訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業というものにおきまして、車両購入費でありますとか改造費の一部を補助することといたしております。 また、自動車重量税、自動車取得税の税制特例措置も実施をしているということでございまして、国土交通省としては、これらの導入の促進に努めてまいりたいと思っておりますが、ちょっと御紹介させていただきますと、こういったバスの導入につきましては、例えば空港アクセスバスについて申し上げますと、車椅子使用者の乗降に要する時間の確保でありますとか、リフトの上げ下げに必要なスペース、またリフトの格納スペースで荷物用のスペースが減少、不足するといったようなことの対応が課題となっております。 一方で、最近、まさに見ていただきましたように、荷物室を従来より確保できる新型リフト付きバスでありますとか、乗降時間がノンステップバスと同じスロープ付きダブルデッカーバスでありますとか、こういった方に対応した車両の導入が開始をされております。 こういった状況を踏まえまして、障害者を含む関係者の意見も踏まえまして、公共交通の移動等円滑化整備ガイドラインにおきまして、利用ニーズが高い空港と都心部を結ぶ直行路線においては、リフト付きバス等のバリアフリー車両の導入を進めるとともに、車両の導入が困難な場合でも人的支援の実施などのソフト対策を講じることによってバリアフリー対応を推進していくという基本的な考え方が示されたところでございます。 国交省といたしましては、この考え方に基づきまして、空港アクセスバス等へのリフト付きバスの導入について、支援措置も活用しながら着実に進めてまいりたいというふうに考えております。
○野田国義君 しっかり普及するように、支援のほどもよろしくお願いをしたいと思います。 それから、これも何度も聞かれておりますが、いわゆる地方のバリアフリー整備の問題でございますけれども、先ほどから駅の問題いろいろ話が出ておりまして、じゃ、無人駅への対応はどうなっていくのかと。なかなか進まないんじゃないかとか、先ほども話ございましたけれども、ローカル線などですね、そういうことでエレベーターがないとか、いろいろなところが多いということでございますし、私、ちょうど地元に帰るときに普通のバスに、いわゆる久留米から八女行きでございましたけれども、そのバスに乗ったら、車椅子の方が乗られておるんですね。これで、降りるときが本当に、もちろん乗るときもそうでございますけれども、大変なその現場を見せていただきました。 ということは、恐らく人口が多い福岡市とか、そういうところですとノンステップとかいろいろなバスが導入されておりますので、どうにかなるんでしょうけれども、恐らく地方のそういったローカル線、特に赤字線と言われるところなんか、そういうバスはなかなか導入ができないんじゃなかろうかなと思うんですね。 ですから、そういう意味での地方のバリアフリーが本当に、交通、それからまた道路もそうですね、進んでいくのかということが非常に心配でございますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 高齢者、障害者等を含む全ての人が住みよいまちづくりを進める上で、都市のみならず地方におけるバリアフリーを推進していくことは大変重要であるというふうに認識しております。 これも一度お答えをさせていただきましたが、利用者数の三千人以上の駅における段差の解消を二〇二〇年度までに原則として全て一〇〇%の駅で実現をするということを目標にして今取り組んでおります。現在の状況は約九割でございますが、まずは、この二〇二〇年度の目標の実現に向けて全力で取り組みたいというふうに考えているところでございます。 一方、利用者数三千人未満の駅につきましても、地域の実情に鑑み、高齢者、障害者等の利用の実態等を踏まえてバリアフリー化を進めることを基本方針として取り組んでおります。ただ、現在は約二〇%程度の進捗率ということで、先ほど鉄道局長も申しておりましたように、差があるという事実も、事実でございます。 今提案しております改正法の施行後、できるだけ早期に二〇二一年度以降のバリアフリーの整備目標について検討する場を設けてまいりたいと考えております。その際には、都市部、地方部それぞれにおける課題等に適切に対応することといたしまして、小規模な駅などのバリアフリー化についても、ハード、ソフト両面からしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○野田国義君 しっかりと地方のそういったバリアフリーが進むように、駅だけじゃなくて、努力、御支援をお願いしたいと思います。 それから、小規模店舗でございますが、秋山先生の方から参考人のときにお話しになりましたけれども、今国は二千平米ですか、これを二百平米以上とか、そういった基準を自治体の条例によって変えるというようなことがあっておりました。 ですから、こういうことを、非常に大切だと思いますので、国としても、やっぱり小規模店舗というのは非常に重要だと思いますし、民間ほどそういったところがなかなかバリアフリーになっていかないということ、懸念されることでございますので、何かの手だてをよろしくお願いをしたいと思っております。 それから、私の地元の方の、北部九州の豪雨がございましたけれども、そこでも問題になった点でありますが、避難所としての学校のバリアフリー化、当然、体育館はそのつもりでいろいろな、車椅子等入れるような形になっているかと思いますけれども、バリアフリー法では一般の学校は整備義務がなく、やっぱり防災の観点から、一般の学校も、体育館のほかのところもそのように義務対象にすべきではなかろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(伊藤明子君) 避難所となる学校のバリアフリー化についてということでお答えしたいというふうに思います。 避難所は、地方公共団体が策定する地域防災計画において、施設の建築後に指定することが一般的でございまして、建築時に基準適合義務を課すという規制にはややなじみにくい側面があるかなというふうに思っております。 また、学校には、私立や公立、幼稚園から大学、専門学校まで様々なものがございますので、なかなか全ての学校施設が避難所として使用されるとは限らないということもございますので、全てを義務付けにするというのではなくて、地域の実情に応じて条例により義務付け対象に追加するということが適当だというふうに考えております。現在、十二都府県六市区で義務付け対象に追加ということをしておりまして、こうしたバリアフリー化の取組を全国的な取組に広げていくことがまず大事だというふうに思っております。 このため、条例の整備が円滑に進むよう、学校であれば学校の種類ということに相当するというふうに思いますが、例えば、その対象用途を設定して義務付け対象を追加するということも可能であるということを基本方針に明確に位置付けるとともに、既に制定された条例による具体的な取組状況を地方公共団体に対して情報提供を行うことにより、地域の実情を踏まえた条例を制定するよう地方公共団体に働きかけてまいります。 もう一つ、文部科学省では、規制というのではございませんが、避難所となる学校施設におけるバリアフリー化に関しまして、従来より、バリアフリー化の重要性や整備における留意事項等について各種提言や指針等を取りまとめ、通知するとともに、今年四月には、近年の災害からの教訓や自治体の取組に関する事例集をまとめ、周知するなどにより学校設置者の取組を促しているほか、国庫補助制度による財政支援を行うなどにより、新築、改築時はもとより、既存施設の改修時においてもスロープや多目的トイレの設置などのバリアフリー化の推進を図っているというふうに伺っております。 今後とも、文部科学省とも連携いたしまして、学校施設のバリアフリー化についても、これを推進してまいりたいと考えております。
○野田国義君 ありがとうございます。 それじゃ、最後にもう一問お願いしたいと思います。 いわゆる共同住宅のバリアフリー化でございますけれども、車椅子等で利用できる民間の賃貸住宅が非常に少ない。先ほどちょっと言いましたけれども、恐らく、市営とか県営とか、そういうものについてはある程度できると思うんですが、民間の賃貸の住宅、非常に少なくて、なかなかこれ、投資も要りますから普及しないんじゃなかろうかと思っておりますが、これも何とかいい知恵を出していただけませんでしょうか。よろしく。
○政府参考人(伊藤明子君) 一般の共同住宅は、住まい手のニーズに応じて多様なものが提供されておりますので、全国一律の義務付け対象とはせず、地域の実情に応じて条例により義務付け対象を追加するという形になっておりまして、現在、七都道府県五市区で共同住宅を対象に加えているところであります。 御指摘の民間賃貸住宅ということでございますが、規制という方法ではございませんが、民間のバリアフリー化の推進に向けて、サービス付き高齢者向け住宅においてはバリアフリー構造であることを登録基準としているほか、昨年施行された住宅セーフティーネット法の改正に基づきまして、空き家、空き室を活用して住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅を供給する場合には、事業者がバリアフリー改修を行われるという場合には国の方からも支援を用意させていただいているところでございます。 こうした取組を通じまして、規制のみならず、そういう支援も含めてバリアフリー化、共同住宅についても推進されるよう、公共団体や事業者の取組を促していきたいというふうに考えております。
○野田国義君 終わります。
○委員長(長浜博行君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(長浜博行君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、羽田君から発言を求められておりますので、これを許します。羽田雄一郎君。
○羽田雄一郎君 私は、ただいま可決されました高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、日本共産党、日本維新の会、希望の会(自由・社民)、希望の党及び国民の声の各派並びに各派に属しない議員野田国義君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 本法に基づく施策は全て、社会的障壁の除去及び共生社会の実現に向けて行われなければならず、また、全ての国民が障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの認識の下、社会的障壁の除去のために合理的な配慮を的確に行えるよう必要な環境の整備を進めること。 二 本法における障害者には、身体障害者のみならず知的障害者、精神障害者、発達障害者を含む心身の機能の障害がある全ての者が含まれることについて、改めて広く国民及び関係者に周知するよう努めること。 三 高齢者、障害者等の移動に配慮し、交通結節点における移動の連続性を確保するため、接遇を含めた関係者の連携が十分に図られるよう、必要な措置を講ずること。 四 面的・一体的なバリアフリー化の推進のため、市町村による移動等円滑化促進方針及び基本構想の作成の促進が図られるよう、支援措置の充実に努めること。あわせて、地域格差が生まれたり、移動等円滑化促進方針及び基本構想の作成のみに終わったりすることのないよう、適切な指導を行うこと。 五 関係する施設の管理者等がバリアフリー情報の提供を行うに当たっては、障害等の多様な特性に配慮した方法を検討するよう、適切な指導を行うこと。 六 高齢者、障害者等の参画の下、バリアフリーに係る施策の評価を行うに当たっては、様々な特性に応じた意見を適切に反映させるとともに、その評価結果に基づき必要な措置を講ずること。 七 公共交通機関における利用拒否を始めとする高齢者、障害者等の利用の実態調査を実施の上、その利用の実質が担保されるよう、関係事業者等に対し適切な指導を行うこと。 八 二千平米未満の小規模店舗におけるバリアフリー化の一層の促進を図るため、小規模店舗のバリアフリー化の実態把握、また、地域の実情に応じて条例によりバリアフリー化の基準適合義務を課すことが可能であることについての地方公共団体への周知等に努めるとともに、ユニバーサルデザイン化に向けて所要の措置を講ずること。 九 集中豪雨の頻発化や想定される南海トラフ地震・首都直下地震等を踏まえ、学校施設や公共施設など災害発生時において避難所等となることが見込まれる施設に対して、体育館だけではなく校舎も含めるなど広くバリアフリー化の促進に必要な措置を講ずること。 十 共同住宅のバリアフリー化を推進するため、地方公共団体が地域の実情に応じて共同住宅をバリアフリー化の基準適合義務の対象に条例により追加することが可能であることを踏まえ、その一層の促進を図るとともに、居住者のニーズに応じた選択が可能となるよう、共同住宅のバリアフリーに関する情報提供の取組を促進すること。 十一 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催等を踏まえ、バリアフリー客室基準の見直しなどによる宿泊施設のバリアフリー化の促進、バリアフリーに対応した空港アクセスバスやユニバーサルデザインタクシーの導入・普及の促進、及び競技会場における観戦に適した車椅子用座席の一定数の確保が図られるよう、必要な施策を講ずること。あわせて、地方部を含めた全国的なバリアフリー水準の底上げに向けて必要な取組を行うこと。 十二 視覚障害者の安全な移動のため、音響式信号機やホームドア等の更なる設置の促進を図ること。また、聴覚障害者の安全な移動のため、緊急自動車の走行時には、聴覚障害者の歩行の安全の確保に努めること。 十三 車椅子利用者のより円滑な移動を実現するため、鉄道車両とプラットホームの段差・隙間の基準について数値による明確化を検討するとともに、鉄道事業者に対しては、車椅子のまま乗車することができるフリースペースの整備の一層の促進が図られるよう、また、公共交通事業者等に対しては、公共交通機関の予約時における利便性の向上が図られるよう、適切に指導すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(長浜博行君) ただいま羽田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(長浜博行君) 全会一致と認めます。よって、羽田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。 誠にありがとうございました。
○委員長(長浜博行君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(長浜博行君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十四分散会