国際経済・外交に関する調査会 第5号
- 発言数
- 110 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2018/04/18
会議録
○会長(鴻池祥肇君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、古賀之士君が委員を辞任され、その補欠として浜口誠君が選任されました。 ─────────────
○会長(鴻池祥肇君) 国際経済・外交に関する調査を議題といたします。 本日は、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、「国境を越える諸問題の現状と解決に向けた課題」に関し、「国際平和実現への取組」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。 本日は、北海道大学大学院公共政策学連携研究部教授鈴木一人参考人、日本大学危機管理学部教授安部川元伸参考人、元国連世界食糧計画(WFP)アジア地域局長忍足謙朗参考人に御出席をいただいております。 先生方には、御多忙のところ本調査会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。 先生方から忌憚のない御意見をいただきまして、今後の我々の調査の参考にさせていただきたいと存じますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 本日は、まず、各参考人からお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時頃までを目途に質疑を行います。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず鈴木参考人からよろしくお願いを申し上げます。鈴木参考人。
○参考人(鈴木一人君) ただいま御紹介にあずかりました北海道大学の鈴木でございます。 本日は、このような機会をお与えいただきまして大変うれしく思っております。また、このアジア太平洋における平和の問題に関して宇宙の問題が取り上げられるというのは、非常に時節にかなったことでありますし、まさに宇宙というグローバルな、かつリージョナルなこのエリアにおいて、国境を越えた様々な問題というものに関わる宇宙の問題をこうして議員の皆様方に関心を持っていただくということは、この分野を研究している者として大変うれしく思っております。 本日、現状の宇宙開発がどうなっているのかという問題と、また、それに対してどういった課題があるのかということをお話しさせていただくわけですが、多くの方が、宇宙開発というと、やはりイメージとしてはアポロ計画ですとかスペースシャトルですとか宇宙ステーションといった、非常にダイナミックで、かつこの人類の未来を指し示すような、そういう活動というふうに捉えられていて、必ずしも宇宙開発全体というよりは、そうした目立つ、ちょっとやや強引に言えばかなり派手な部分にどうしても目が行ってしまうという、そういう傾向があるかと思いますが、今、実は国際社会における宇宙開発の現状というのは、非常に大きくそういった有人宇宙飛行の世界からは変わってきているということがまず第一に認識されるべきことかなというふうに考えております。 その一つが、スライドの二枚目に書いてありますけれども、宇宙ベンチャーの台頭というところにございます。 宇宙ベンチャーの台頭というのは、現在、これまで国家が進めてきた宇宙開発に対して、民間が自らこの資金を集めて、そして自ら研究開発をして、そしてロケットを開発し、衛星を開発し、そしてそのロケットや衛星を使って様々なサービスを提供することで収益を得るという、こういうビジネスが今動き始めてきていると。ざっと数えると、計画中のものも入れて今二千社ぐらい世界でこうした民間の宇宙会社、つまり国に依存していない宇宙活動をやっている会社がございまして、これが全て成功するとは限りませんけれども、日本でもおおむね三十社ぐらいがこうした宇宙ベンチャーという、そういう分野に今参入しております。 多くのものが、そうした宇宙を使ったサービス、例えば通信ですとか地球観測、衛星から写真を撮ってそのデータを販売するといったような、そういうものであったり、あとは資源探査、宇宙空間にある資源、とりわけ今注目されているのが月にあります水ですね。水はH2O、つまり分解すると水素と酸素に分かれて、水素も酸素もこれ燃料になり得るもので、この水を使ってロケットの燃料にするというような計画があったりですとか、月の水を使って月面に人間が住める環境をつくろうというような動きもあったりしています。 また、これはしばしばニュースでも取り上げられるのがロケットの分野でありまして、特にアメリカのイーロン・マスクという、テスラモーターズという電気自動車を造っている会社の社長でもありますが、このイーロン・マスクがやっているスペースXという、このロケットが、将来火星に移住するという壮大な計画を打ち立てていまして、それを可能にするロケットを自ら開発するということで、これまでNASAですとかJAXAがなし得なかったようなロケット、特に第一段目の再使用ということを進めることが今もうできている状態にあります。 こうした状態の中で、今民間がどんどんこの宇宙開発に参加している中で、国家の役割は何なのかということが非常に大きく問われているところです。これまでは宇宙開発というのは国家がやるものだというふうに考えられていたのが、民間企業がやる宇宙開発に対して国家がどういうふうに関わっていくべきなのかという、こういうことが今まさにテーマになっていて、これまでは開発を推進する側から、むしろ国家は規制ですとかルール作りですとか、そちらの方に今大きな役割があるというような認識もどんどん強まってきているということがあると思います。 もう一つ大きな変化が、軍事における宇宙利用というのが極めて大きく拡大しているということです。 アメリカそして中国は、軍の近代化、近代化というか自動化とか無人化ですね、ドローンですとか偵察、そういったものに関してこの宇宙を利用する局面が物すごく増えている。これ、こちらにはアンネーブラーと書きましたけれども、宇宙は今や、軍事能力をアンネーブルする、その能力を実現するために不可欠なインフラであるという認識が高まってきていて、中国の宇宙開発というのは、まさにこうしたアメリカが持っているような能力を獲得するために、中国も独自でそうした宇宙のインフラを獲得しなければならないというふうに今宇宙開発をどんどん進めている状況にあります。 ですので、一方で、中国は、この間地球に落ちてくるといって大騒ぎになりました有人宇宙飛行みたいな、こちらの方もやっていますし、また、様々な偵察衛星ですとか測位衛星、中国版のGPSを進めたりもしていて、これがまさに中国の軍事能力を今格段に高めているというふうな状況にあります。 ですので、こうした軍の利用というのが今著しく増えているんですが、同時に、宇宙空間にある衛星ですとか宇宙システムというのは、これ極めて脆弱なものです。なぜかというと、宇宙に打ち上げるときに、やっぱりどうしても重いと打ち上げるのが大変なので、極力軽くするように衛星とかは造られております。それは結果として、非常に防護が弱い、脆弱な防御しかできないという、そういうトレードオフの関係にありまして、その結果、攻撃するとすぐ壊れるというものになってしまいます。 ですので、宇宙システムというのは非常に脆弱で妨害しやすい、かつ無人のシステムがほとんどですので、もし有事になった場合、その宇宙システムをまずやっつけることで、宇宙空間の中で、要するに我々の目の届かない遠い場所で行われる攻撃というのがまず実現可能であり、かつ死傷者が出ないという、そういうことになり、かつ相手の軍事能力を下げることができるという意味で、今、宇宙空間にあるシステムは有事の際に極めて脆弱で、しかも攻撃の対象になりやすいという、そういう環境にあるというところもまた今大きなテーマになっております。 このように、現代の宇宙開発というのは、スペースシャトルですとか宇宙ステーションといった、そういった分野ではなくて、まさに目に見えないところで起こっている、机の下の蹴り合いというよりは宇宙空間での蹴り合いなんですけれども、そういった競争環境にあるというのが現状だろうというふうに考えております。 次のスライドですけれども、そうした中で、やはり宇宙空間には何らかのルール作りが必要だと。現在、一九六七年に発効しております宇宙条約というのがあるんですが、その他、全部で五つほど宇宙条約というのはありますし、幾つかの原則ですとかガイドラインといったソフトローと言われる行動規範というのは多少あるんですけれども、しかし、こうした新しい状況を踏まえたルール作りというのが必要だという認識は、各国今持っております。 その中でも、やはり特に民間の企業がどんどん入ってきますと宇宙空間が混み合う。宇宙というのは広いんですけれども、しかし人間が使える地球の周りの軌道というのは極めて限られておりまして、そこにたくさんの衛星が今飛んでいる状態になるわけで、これは交通整理が必要だということになる。これをスペース・トラフィック・マネジメント、STMと呼んでおりますが、このSTMが必要だと。じゃ、その道路交通法に当たるルールを作らなければいけないということで、まず最初に、ヨーロッパ、アメリカ、日本、そしてインドが進めてきました国際行動規範、インターナショナル・コード・オブ・コンダクトというものがございます。 しかし、これは元々二〇〇七年に、中国が衛星をミサイルで破壊する、自国の衛星なのでそれ自体は単なる実験なんですけれども、しかし衛星を破壊するという能力を持ち、かつ衛星を宇宙空間で破壊すると多数のごみというかその破片が散らばるので、それがほかの衛星にぶつかるとこれまた大きな事故になるということで、そういうことのないように新しいルールを作ろうということを進めてまいりました。 ただ、それに対して中国、ロシアは、主にミサイル防衛の仕組みを念頭に置いて、宇宙空間に兵器、まあ迎撃兵器ですね、これを配置するのをやめさせるべきだということで、宇宙空間での兵器配備禁止条約、PPWTといいますが、こういうものを提案しており、日本、ヨーロッパ、アメリカ、インドと中国、ロシアというこの図式のままずっと膠着状態に現在あります。なので、実質的に新しいルールを作るというのが非常に難しい状況にあって、現在、宇宙空間を統べるためのルール作りというのはほぼ頓挫している状態というふうに考えるしかないという状態です。 ですので、現在、そうした状況の中で何ができるかというと、多数の衛星が飛び交う中でぶつからないようにするために、どの衛星がどこにいるかということをきちんと把握するための宇宙状況監視、SSA、スペース・シチュエーショナル・アウェアネスといいますが、この宇宙状況監視を進めるべきだということで、我が国もJAXAそして防衛省がそうした任務を負って、宇宙空間を監視するためのレーダーですとか望遠鏡というものを今運用しております。防衛省は今それを建設中であります。 アジア太平洋というこの調査会のテーマですので、宇宙空間におけるアジア太平洋での協力というのがどういうふうに進んでいるかという点で、宇宙の話、非常に面白い状況にあります。 一方で、日本が主導してこれまで進めてきました、これ一九九二年から進めてきましたAPRSAFという、アジア太平洋地域宇宙機関会議というものがございます。 これは、文科省、JAXAが主導しまして、アジア各国の、東南アジアとかインド、そして広くアメリカなんかも招待しているんですけれども、これらの宇宙機関ですね、JAXAとかNASAとか、そういった機関の人たちを集めて宇宙空間における利用の拡大ということを進めておりまして、参考資料の方に、スライドでいうと六枚目、七枚目の方にこのAPRSAFのことを付けておきましたが、主にはこのセンチネルアジアという、災害が起こったときの監視を各国が持っている衛星で協力してその情報を集めようというような仕組みですとか、そのための日本もセンチネルアジア用の衛星をつくるといったようなことで貢献をしていて、これは日本がアジア太平洋において誇るべき一つのイニシアチブであります。 ただ、これに対抗して、実は同じ時期に中国もアジア太平洋宇宙協力機関、APSCOと言われるものを設立しております。 これは、下にも書いておりますように、加盟国はバングラデシュ、中国、イラン、モンゴル、パキスタン、ペルー、タイ、トルコという、どちらかというと中国を除くと宇宙開発の経験がほとんどない国が主でありまして、ある意味、中国がそれらの国々に対して技術移転ですとかいろんなプロジェクトに参加をさせるといった、ある種、中国が主導する宇宙開発機関ということで、こちらは条約ベースなので、APRSAFの方は、日本のイニシアチブの方はフォーラムといういわゆる緩い対話の場を設定するだけなんですが、こちらのAPSCOの方は条約ベースの国際機関という、こういう位置付けになっておりまして、中国のある種この地域におけるリーダーシップというか覇権というか、そういうものをこの宇宙分野でも進めていこうということが一つ見て取れるような、そういうイニシアチブを進めております。 ルール作りという点では、これらの機関はあくまでも宇宙開発、APRSAFに関しては宇宙機関に限定されておりますので、ルール作りというところまではなかなか話が進まないんですけれども、主にこれが進んでいるのはARF、ASEANリージョナルフォーラムですね、ASEAN地域フォーラムと、あとは東アジア・サミットの分科会のような形でこの宇宙ガバナンスを強化するという、こういう提案というか会議が何度か催されておりまして、私も何度か出席しておりますが、ここでもやはり地域、広い意味でアジア太平洋といいますと、やはり日本、アメリカというグループと、また中国、ロシアというグループに分かれて、なかなかこの地域の中でもルール作りが進まないという状況にあって、これはなかなかちょっと突破口がないというか、ブレークスルーがないという状態にあろうかと思います。 五枚目のスライドなんですけれども、じゃ、こんな中で我が国がどういう課題を抱え、どうしていくべきなのかということで、少し日本の話をさせていただきますと、日本は、長らく宇宙開発というのは追い付け追い越せ、キャッチアップを進めていくべきものであるということで、技術開発を中心に、JAXA、かつての科技庁、それから現在の文科省を中心にこの宇宙開発を進めてきた。その結果、日本の宇宙開発の技術的な部分でいえばもう世界のトップレベルに到達し、そして、日本の宇宙開発の能力というのは通信から測位まで幅広くいろんなことが可能になるという、こういうところまでは到達してきたと。 ただ、これは追い付け追い越せで進めてきたものなので、どうしてもその先、追い付いてしまった後どうするかという、このプランニングがなかなかできないということで、二〇〇八年に、これは議員立法という形で当時の自民党、それから公明党、民主党の三党による共同提案で成立した宇宙基本法がございますが、この宇宙基本法でこれまでの技術開発を中心とした宇宙開発から利用を中心とした宇宙開発へというふうに大きく転換したというふうに認識をしております。 ただ、やはり何というか、制度の惰性と言うんでしょうか、いきなり法律を作れば全てが変わるわけではないので、まだまだ日本の場合、技術開発を中心とする宇宙開発という、この流れというのはまだ何らかの形で残ってはいるんですけれども、しかし、宇宙基本法ができてからもうこれで十年になりますけれども、やはりかなりその間に利用を中心とした宇宙開発を進めていくという変化は起きてきたと思います。 ただ、その中でも、例えば防衛省が宇宙利用をするといった場合、先ほど言ったSSA、宇宙状況監視でも、防衛省は参画はしているんですけれども、それ以上のところになりますと、まだまだやはりアメリカ、中国などと比べると関与は限られているという、こういう環境にあるかなというふうに思います。 また、もう一つ、日本は、先ほども言いましたように、三十社ほどのベンチャー企業が今出てきておりますけれども、しかし、今アメリカではもう本当に千社を超えるベンチャー企業があって、しかもそれは物すごい勢いで進んでいると。アメリカの状況がそのまま日本に当てはまるわけではないので、同じ土俵で勝負するのも難しいんですが、しかし、やはりこれからの宇宙開発は、こうした利用、サービス市場においてベンチャー企業というものがかなり中心的な役割を果たすであろうということで、これに対する対応というものも進めていかなければならないと。 近年、今年に入ってからですけれども、官邸を中心に一千億円の官民ファンドをつくって宇宙ベンチャーを支援するといったようなことを進めていますので、全体の日本の宇宙政策の方向性というのは非常に正しい方向に向いているというふうに思うんですが、一回限りのものではやっぱり駄目で、これはやっぱり継続して、これからの宇宙開発というのはこうしたベンチャー企業を中心にするものであるということ、それから、そうした民間の活動を支援するような規制ですとかルール作りというものが必要になってくるだろうと思います。 また、最後に、日米同盟を視野に入れた宇宙利用というものを考えていく必要があるということです。 先ほども言いましたように、アメリカは今、宇宙がなければ何もできないような状況にある。また、宇宙システムというのは敵の攻撃に非常に脆弱であるということになりますと、もしアメリカの宇宙システムが攻撃されて、日米同盟の活動、オペレーションを行うときの能力が下がった場合、我々にとっても非常に大きな問題になるであろうと。そうなった場合、日本はどういった形で貢献できるのか。例えば、日本が使っている衛星を相互運用という形でアメリカも使えるようにするですとか、そういったような柔軟な協力関係、連携関係というのが必要になってくるだろうと。それがレジリエンス、つまり攻撃されても立ち直る力というものを高めていくのではないかというふうに考えております。 時間になりましたので、こちらで話を終わりにしたいと思います。 御清聴ありがとうございました。
○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。 次に、安部川参考人、お願いをいたします。
○参考人(安部川元伸君) 日本大学の安部川でございます。 参議院の先生方、本当に日頃から努力、大奮闘されておりまして、我が国のために努力されていることを心より敬意を表したいと思います。そのために、私もできることがありましたら何でもしますので、今日はそういう意味でここに参加させていただきました。ありがとうございます。 私の話は、国際テロが今どういう状況であるか、あるいはこのアジア太平洋地域においてどういう影響力を持ち得るかということについてお話し申し上げたいと思います。 私は日本大学で国際テロの教鞭を執っております。まず、スライドを見ますと、東南アジアにおけるイスラム国の影響。特に、日本に関わりのある国で考えますと、やはりインドネシア、マレーシア、フィリピン、この三国が一番日本に近いんじゃないかと。そうしますと、ここにテロリストが入り込んで、それが日本に輸出されるというようなことが一番警戒すべきことでありまして、私ども、こういうところにいるテロリストの動向をウオッチしているわけでございます。 三枚目に参りますと、イスラム国に忠誠を誓っているアジアのテロ組織。これだけの数の現地のテロ組織がIS、イスラム国に忠誠を誓っていると。これは見逃せない事実だと思います。特に、フィリピン、パキスタン、インドネシア、インド、アフガニスタン、中央アジア。まあ、アフガンとかパキスタンは、もう御案内のように、アルカイダの時代からさんざんテロも起きましたけれども、注目されるのはこのフィリピンなんですけれども、これは後で述べたいと思います。 それから次は、イスラム国に忠誠を誓っているアジアのテロ組織が起こした主な事件。最近です。この表にあるとおりでございますけれども、これは現地のテロ組織が自発的にテロを起こしているという形になります。 次のページに参りますけれども、五ページでございますが、イスラム国絡みのテロ事件。これだけ起きておりますが、これはイスラム国が指示をして現地が服従して起こしたテロと言われております。これは公安調査庁の国際テロリズム要覧に載っている絵でございますが、ここに緑で囲んであるとおり、マレーシア、ジャカルタ、それから、インドネシアですね、こういうテロが起きております。これもイスラム国が指示したテロでございます。 それから、特に、東南アジアあるいは南西アジア、危険な国と申しますと、先ほどのパキスタン、アフガニスタンを除きまして、これはまあ当然のものとして皆さんも、先生方も御了承願っていると思うんですが、まずバングラデシュ、これは東南アジアと言えるかどうか分かりませんけれども、このバングラデシュで一昨年事件があったことを御記憶だと思います。ダッカというところで、日本人も七人、あるいはイタリア人十人ぐらい、アメリカ人もおりました。ここのレストランをイスラム国というか現地のテロリストが襲って、日本人七名全部殺されましたですね、一人だけ助かった人がおりましたけど。そういう事件が一昨年の七月、日本時間でいうと二日ですけれども、発生いたしました。そういう凄惨なテロが起きているということで、東南アジアにもイスラム国、テロリストの手が忍び寄っているということは間違いなく言えると思います。 それから、フィリピンにつきましては、アブ・サヤフというグループがあります。これは非常に危険なグループで、特にキッドナッピングというか、誘拐とか身の代金誘拐、あるいは海賊、山賊、そういったことをしまして、人質を取って多額の身の代金を請求すると。それで、身の代金を払わなければ遠慮なく首を切る、容赦なく首を切って殺してしまうと、そういうような危険なグループです。このグループとイスラム国が結託して、この間、昨年ですね、フィリピンのミンダナオ島で事件を起こしました。後で詳しく申し上げます。 インドネシアにつきましては、ジェマー・イスラミア、御存じだと思うんですが、これは二〇〇二年にバリ島で事件を起こしました。バリ島の爆弾事件、二回ございましたけれども、そのときの首謀者、犯人がジェマー・イスラミアというグループから出ております。このジェマー・イスラミア、現在も活動しております。テロ事件そのものは余り起きておりませんけれども、これは地元の警察が、かなり優秀な警察がありまして、抑えることにある程度成功していると言えると思いますが、インドネシアは非常に危険だと思います。インドネシアのテログループ、多くのテログループがイスラム国に対して忠誠を誓っていると、いつ大きなテロを起こすか分からないというような状況だと思います。 それから、シンガポールもございます。シンガポールは非常に経済的に発展した国でございます。安全だということなんですが、周囲の影響が避けられません。特に、マレーシア、バングラデシュ、そういったところからテロリストあるいは支援者が入り込んでいるということがございます。シンガポールからシリアやイラクに行った人間はそう多くありませんけれども、その周辺国、インドネシア、マレーシア、バングラデシュ、パキスタン、そうした国から、フィリピンも含めて、帰還した人たち、帰還した外国人戦士と申しますけれども、そういう人たちがいろんな危険な状態にあるということは、我々も心に留めておくべきことだと思います。 次のページに行きますと、これはフィリピンの話でございます。 フィリピン南部にミンダナオ島がございます。その中にマラウィという小さい市があるんですが、そこの人口はほとんどイスラム教徒です。ミンダナオと申しましても、大半はカトリック教徒でありまして、ムスリムが多いとは申しますけれども、このマラウィという市はムスリムが多いところです。ムスリムが悪いとは決して申し上げませんが、テロリストがムスリムを利用してテロを起こす、あるいは拠点をつくると、そういうような事例がかなり散見されます。 昨年の五月頃から、フィリピンのマラウィ市、ここにイスラム国のメンバーが乗り込みまして、現地のアブ・サヤフ・グループ、それからマウテ・グループというのがあるんですが、その現地のグループたちと結託しまして、そのマラウィ市を占拠いたしました。それで、イスラム国と同じような体制を敷きまして、そこで一般市民千百人ぐらい殺されております。 そのちょうど時期に、フィリピンの大統領、ドゥテルテ大統領ですね、その方はロシアにいたんですけれども、急遽帰国しまして、この反乱を何とか抑えなきゃいけないということで、空軍も利用しまして、国軍を投入しまして何とかこの鎮圧に努めました。そして五か月ぐらい掛かりました。相手も、イスラム国は戦闘にたけています。シリア、イラクで相当、外国軍、シリア軍に対して戦闘しておりますので、戦闘慣れしておりますのでなかなか鎮圧が難しいということでして、五か月掛かって十月頃にようやく鎮圧できました。もう大統領は必死でした。十一月の十六日からASEANの会議が始まるということでして、それで何とか安全な体制にしなければいけないということでございました。 ここには三人ありますけれども、このマウティ兄弟二人、左の二人ですけれども、この二人がマウティ・グループのリーダーです。右にいますのが、アブ・サヤフといいます危険なグループの分派の幹部でございますが、いずれも三人とも国軍に殺されて、今は存在しません。 問題は、これでこのグループが消滅したということではないんです。残党がいます。あちこちに逃れています。ましてや、フィリピン南部の情勢、地形に詳しい、海岸地帯の状況に詳しい、そういった海賊をやっていたような人間もおりますから、そういった者たちが潜伏しております。いつ再燃するか分からない状態だというのが今の危険な状態で、私どもはウオッチを続けているわけでございます。 それから、バングラデシュです。その次のページですけれども、バングラデシュにつきましては、先ほども申し上げました一昨年七月のテロ事件ございました。これは、イスラム国がバングラデシュに入り込んでテロをしたと自分で宣言をしておりますが、バングラデシュ政府の方はまだイスラム国の影響はないんだと、そういうふうに言い張っておりますけれども、私どもの分析あるいは情報によりますとイスラム国が入り込んでいるのは間違いありません。 現地でテロ組織長くやっておりますJMBというグループがあるんですが、そこと関係のあるグループが日本人ほかを殺害したと言われております。彼らは、マレーシアの大学を出たり、地域のほかの国とも関わりがありまして、地域にバングラデシュ人によるテロ細胞もできておりますので非常に危険な状況だと思っております。ですから、この辺りから日本に影響がないとは絶対に言えないと思って、そのチェックをしているところでございます。 バングラデシュにつきましては非常にイスラムが多い国ですので、先ほども申し上げましたように、イスラムが悪いということでは決してありません。マレーシア、シンガポール、シンガポールもムスリムがおります、それからフィリピン、それからインドネシア、そういった国々、やはりテロリストが狙う、利用しようと。テロのインフラを彼らを利用してつくろうというのが今までのパターンで、アルカイダもやってきたことです。 次のページですが、東南アジアにアルカイダが、オサマ・ビン・ラディンのアルカイダですが、アルカイダがどうやって東南アジアに浸透してきたか。オサマ・ビン・ラディンは、アフガニスタンのソ連との戦争で大活躍して、それを追っ払った張本人というか実力者であったわけですけれども、そのオサマ・ビン・ラディンが死にましたけれども、その死ぬ前ですけど、バリ島などの事件とか、そういうのと関わっていることがありました。 ここの写真にありますハンバリという男ですけど、これはジェマー・イスラミアのメンバーですけれども、アルカイダにも関係しております。アルカイダはこの男を使ってバリ島事件を起こし、インドネシアでマリオットホテルの事件、オーストラリア大使館の爆弾事件、それから第二回のバリ島の事件、こうした事件を起こしております。この男は既に捕まっております。生きて捕まっております。 次なんですが、このオサマ・ビン・ラディンの義弟というのがおります。これも死んでおりますけれども、これは歴史の話になりますけれども、九〇年代、八〇年代、この頃にオサマ・ビン・ラディンはフィリピンに送り込んでおりました。この男は、オサマ・ビン・ラディンの妹と結婚して、義理の弟というわけですけれども、非常に仲が良くて、テロリストとしての素養を十分備えていて、ラディンが信頼していた男です。 ところが、ラディンはフィリピンではテロ事件は起こしませんでした。なぜかといいますと、フィリピンは重要な資金稼ぎの場あるいはインフラを形成する場所と、そういうふうに捉えておりまして、事件を起こさないと。その代わり、さっき言いましたアブ・サヤフ、そういった地元のグループに資金提供をして、地元のグループにテロを起こさせると、そういった感じでやっておりました。 ですから、アルカイダの支部がここにあったとしても、テロをしていないものですから彼らを捕まえるわけにいかなかったということで、誰かに殺されました。アフリカのマダガスカルというところでこの男は殺されております。非常にビジネスにたけておりまして、アルカイダの資金活動では相当活躍した男だと言われております。名前は、ここにありますモハメド・ジャマル・カリファと申します。 次に参ります。もうアルカイダは過去のグループと思われる方もいると思いますけれども、どっこいアルカイダはまだ生きております。そして、アルカイダのラディンは死にました、アメリカ軍に殺されました。それは二〇一一年五月二日のことでございましたけれども、そのときに一緒にいた息子も殺されております。奥さんたちや娘たちもおりましたけれども、パキスタン政府に逮捕されております。 ここに、左にある男、これはオサマ・ビン・ラディンの子供で、最愛の子供です。特に、ハムザ・ビン・ラディンと申しまして、この男はまだ生きております。これは、オサマ・ビン・ラディンが難に遭っている頃、イランにかくまわれておりまして、イランにおった男でございます。それが、ラディンが死ぬ前にパキスタンに行って合流しようとしたんですが、その前にアメリカ軍に急襲されまして、危うく命を助かったという男です。 この男が去年、今年と声明を出しておりまして、父親を殺したアメリカ、西洋、見ていろと、必ず報復するという宣言を出しております。それから、もう一つ大事な動きは、この男が主張していること、アルカイダとイスラム国、仲たがいしておりましたけれども、手を打とうじゃないかというような案を出しております。もうイスラム国も大分消耗しまして昔のような力はないと思いますけれども、アルカイダがこうやって手を差し伸べれば乗ってくると。また恐ろしいテロ組織になってくるんじゃないかと、そういう警戒があります。 実際、アルカイダは日本の攻撃をたくらんでおりました。日本では韓国と共催するサッカーのワールドカップがございましたけれども、それを狙ったという情報がアメリカのCIAから来ておりました。これはどうか分かりませんけど、ここの写真にありますハリド・シェイク・モハメド、これは九・一一テロを企画した、立案した男でございますが、この男が日本を攻撃しようと計画を立てておりました。 ところが、尋問によりますと、日本はテロのインフラがない、つまりテロを支援してくれるグループがない。例えば、イスラム教徒も少ない、ほかの国と比べると。まあ十万人ぐらいいると言われておりますけれども、それでも十分に機能がないと。それから、日本の警察、日本の入管、日本の政府、非常に優れている、なかなか入り込めない。そういった中でテロをやることは非常に難しいということでオジャンになってしまったといういきさつがあります。 これはただし、CIAがグアンタナモというところで水責めによる拷問をして吐かせた内容ですから、これは法律的に合法かどうかは分かりませんので、この供述自体が法的に正しいかどうかは分かりませんけれども、供述したことは確かでございまして、そういった証拠も数々残っております。 ハリド・シェイク・モハメドは日本に来ていたことがございます。昔ですが、アフガン戦争の頃、アジトを造るために、アフガニスタンの山の中で、穴を掘るための削岩機ありますけれども、それを日本で大量に仕入れて、その研修もしておりました。静岡県の企業で実際、数週間の研修をしておりました。そういったいきさつもありますので、日本にテロリストが入らないということは決して言えないと思います。 最後に、東京五輪・パラリンピック、これに対する脅威について申し上げたいと思います。 これの脅威を測るにはどうしたらいいか。私どもは、まず、二〇一六年のリオ・オリンピックを見ておりました。イスラム国は一年前に、今度の標的はリオ五輪だと、必ず攻撃するからと宣言をいたしました。そして、もう世界中が協力して治安体制を守るようにブラジル政府に協力いたしました。そして、イスラム国はリクルートしたんです。十人ほどブラジルの国内から徴募して、テロリストを募集しました。そうしたら、十人ぐらい集まりました。そして、それがテロをしようとして武器を調達するまで行きました。ところが、オリンピック開幕の二週間前に、彼らはブラジルの警察に全員逮捕されました。これは、ブラジルにはテロ法というのがございまして、通信傍受も可能なんですけれども、現地の警察あるいは情報機関の活躍によりまして未然に防ぐことができました。 ですから、この日本もどうなるか。私はテロリストの声明を必ずチェックしております。声明で次は日本だ、東京だというような話がありましたら、まず何か必ずやってくると思います。リクルートすると思います。日本人をリクルートする、日本語を使ってリクルートするようにしてくると思います。そういう危険性がありますので、先生方も、なるべく御協力、警察や公安調査庁、情報機関、内調、そういったところに御支援を賜りたいと是非思っております。 以上で私のお話は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。 次に、忍足参考人、お願いをいたします。
○参考人(忍足謙朗君) こんにちは。今日はお招きありがとうございます。 自分は国連で三十年以上勤めて、ほとんどがアフリカやアジアの現場だったんですね。そういう意味から、今日は、現場から見た日本の国際協力という切り口でお話しさせていただきたいと思います。机の上に資料は何もございませんので、どうぞ気楽に話だけ聞いていただければと思います。 日本の国際協力というのが全体的にどういう戦略を持って、どういう政策を持って国際社会において存在感を出したいのか、見せたいのかというのがずっと気になっているわけなんですけれど、現場から見た結論から言うとよく分からないというのが私の印象です。 国際協力を幾つかに分けますと、二か国間援助、JICAですね、それと国際機関を通してのマルチの支援、それから民間のNGO、国際NGOを通して、そしてまたPKOというのがあると思います。これらは、国際協力を行う上の手段と言ってもいいですしツールという言い方もしてもいいと思うんですね。ただ、ここに一つの多分問題があるのは、私の勝手な意見ですけれど、政府の枠組みに沿って縦割りに、それぞれの手段というかツールがばらばらに考えられているような印象を受けます。 この四つについてもうちょっと自分の意見を述べさせていただきますと、まず、二か国間援助のJICA、ODAの七割ぐらいは二か国間援助だと思います。JICAというのは開発支援のプロの組織でもあり、それなりのビジョンを持って、方針を持って良い仕事をやっていらっしゃると思います。 ただ、ほかの国とかに比べますと、例えばUSAID、アメリカ、EU、イギリスのDFID、オーストラリアなども、JICAみたいな二か国間援助の組織がマルチの方も見ているんですね。国連に対する予算、NGOに対する予算も見ています、プロが。現場にもUSAIDですとかEUの専門家たちが張り付いていまして、我々の組織、ユニセフだろうとWFPだろうと、どういうふうにお金を使っているか、どういう活動をやっているか、どんなインパクトがあるのかというのはもう非常に厳しい目で見ています。 ただ、JICAの場合はそれはなくて、あくまでもJICAの仕事をするという形で現場にいますから、ほかのNGOですとか国連とかというところまで目は向けていないということなんです。それが一つの違いです。 さて、国際機関、つまりマルチの方に移りますが、このJICAのODA、実績の。二〇一六年のレポートを見ますと、マルチが三千六百億円、ODAのうちですね、国連とか国際機関を通して、分担金と拠出金の両方だと思いますが、行っております。三千六百億円、非常に大きな額です。 私、一回、河野外務大臣が外務大臣になる前にちょっと朝食を一緒にすることがありまして、どこの組織に、ユニセフ、WFP、UNDP、どこの組織にどうやってお金を出すのを決めているんですかと聞いたときに、まあいろいろありますけれど、今外務省に日本人職員がどのぐらいどこの組織にいるかというのを調べて、それも考慮して考えるつもりだというお話をされたんですね。はっきり言って僕は、それは是非やめてくださいと、それは国際社会に説明できる日本のマルチのODAとしてはとてもやっぱり残念であり、もうちょっと日本は国際組織、マルチの支援をどういうふうにやりたいのか、どういうふうに国連などを使っていくのかという何か政策がもうちょっとあってもいいんじゃないかと。 例えば、全くの例えばですけれど、JICAは非常に大きな開発支援を行っています。でも、その代わり、今イエメンですとかシリアとか、そういうところでは仕事をされていない。ですから、人道支援の方は、じゃ、例えば国際機関の方にもっと任せるとか、またその中でも人道支援を大きくやっているUNHCR、WFP、ユニセフなどの組織に入れるとか、それも一つの手だと思いますし、若しくは例えば紛争後の復興にもっと投資するとか、教育にもっと投資するとか、そういういろんな考え方はあると思うんですけれど、何か僕が四十年近く前に国連に入ったときから、もうずっと日本人を増やせという、これが一番の何か関心事で、各国連組織のトップが日本に来て話しても、どうも余り政策のことは日本とは話しづらいと、いつも日本人をもっと雇ってくれという話が多いというふうにいつも聞いていますし、我々、中で仕事をしている日本人職員としてもちょっと残念に思います。 ですから、そこももう一回、本当に、じゃ、日本人を国連の中に送り込むのがそんなに大事なことなのかというところからもう一回考え直してもいいんじゃないかなと思います。 まず一つは、我々、国際公務員として仕事をし始めるときに、自国の利益のために活動してはいけないという一筆書かされて、そしてこの国連の国籍の書いていないパスポートをもらって仕事を始めるわけです。そういう意味で、もちろん緒方貞子さんのようなどこから見てももうすばらしいリーダーが国連組織のトップに立てばそのインパクトは大きいと思いますが、ただ人数を増やす、日本人の人数を増やすという意味ではどのぐらいインパクトがあるのかというのは、実は疑問に思っております。 もし日本の顔をもっと見せたいというのでしたら、次の、日本のNGOのことをもっと考えてもいいんではないかと思います。 日本のNGOは、本当にきめの細かい、日本人らしい思いやりのある支援を間違いなく届けています。ただ、残念ながら規模が小さいんです。規模が小さいというのは、まず一つに、一般の方々から寄附をもらうなんというのは物すごい限られたもので、やはり日本政府に頼った、N連の資金とか助成金とかあるわけですね、そこに頼っているわけですけれど、この額が大体年間平均、開発支援と人道支援と合わせて日本政府からNGOがいただける額というのが大体百億なんですね。百億円というのは、年にもよりますけれど、まあ一%、ODAの、ぐらいということになります。是非、日本のNGOの事業、そして人材を育てるサポートをもっと日本政府からしていただきたいと思います。 それと、NGOに関してもう少しちょっと問題点を申しますと、三年ぐらい前に、多分イスラム国が後藤さんを殺害した辺りからだと思いますが、外務省から日本のNGO職員は撤退しろと、南スーダンから、アフガニスタンから、いろいろなそういう危険地域から、今まで事業をやっていたんですけれども、日本人は撤退させました。でも、まだ日本人の国連職員とかはそういうところで仕事をしていますが、NGOに関しては撤退させました。 これは、邦人保護という意味では分かるんですが、いわゆるジャーナリスト、旅行者、NGO職員のプロたちも全部一緒くたにして考えるというのもちょっと問題があるかと思いますし、また、現場から考えるという、現場から見てという意味では、日本のNGOもそれまで国連とかほかのいろいろな国のNGOと一緒に仕事していますから、突如、日本政府が駄目と言ったから抜けますというようなのはやっぱりちょっと恥ずかしいところがあると思いますし、一番必要な現場にいない日本人エイドワーカーというようなレッテルになるのも悲しいと思います。 もう一つは、NGOに対していろんな、例えば今回、バングラデシュでロヒンギャの問題がありますね。こういったところにNGOは入っていくわけですけれど、その際に、外務省からの指令でロヒンギャという言葉を一切使うなと、これはミャンマー政府が怒るからという、ミャンマー政府に気遣いしての上なんでしょうけれど、これも世界的な、国際的なレベルで見ると、そういう指令は非常におかしいと思います。 さて、四つ目のPKOなんですが、PKOはODAの一部ではないかもしれませんが、国際協力という意味ではその一端かと思います。 PKOに関しては特に、またこれも現場からの見方ですけど、何を基本方針としてPKO協力を決断しているのかが全く分かりません。当然そこに日本の縛りがあり、本来のPKOのマンデートはできないというのは理解できます。例えば、今PKOで多分一番大事にされているのがシビリアンプロテクション、民間人の保護ですね。これは自衛隊の場合できないというのも分かりますが、同じ国連の指令下にいながら他の軍とは違う役目を日本だけ追求しているというのも、その現場から見るとよく分からないというところがあります。ですから、他国の軍やPKO内部、現場の国際機関、現場の世界中のNGOからもどう見られているでしょうかと、やっぱりこの辺も考える必要があると思います。 自衛隊は今までもインフラ整備というのをやってきたわけで、南スーダンでは首都のジュバのみでしたけれど、道路の修復とかやっていました。ただ、自衛隊にインフラをやらせるというのは、もう日本からわざわざブルドーザーとかいろいろ持ってきまして、また現地雇用の貢献もほとんどないです、自衛隊員がやっている限り。 ほかの、例えばWFPも随分と、南スーダンで二千キロ以上の幹線道路、アスファルトではないですけどやったんですね、これ造っていたんです。これはほとんどケニアの建設会社を雇っての上でのやり方ですけれど、そういうこともできないことはないです。 ただ、本当に本格的にそういうインフラをやるんでしたら、これは当然JICAの仕事であって、PKOの仕事ではないと思っています。任務完了という形で撤退というのも、現場の人たちの話からも、一体どうなっているんだという話が来ます。 ですから、もう一回結論に戻りますと、一つは、NGOしかりPKOしかり、あと国連とかの国際機関のマルチ援助もそうですけれど、日本から見たいろいろな事情でいろいろなことを決断されるのはある意味しようがないんですけれど、でも、国際社会においてどういう印象を与えているか、特に現場でどういった印象を与えているかという視点で考える必要もあると思います。 そして、じゃ、二か国間援助、マルチ援助、NGO、PKOといったものを、政府の枠組みを超えて、ばらばらにプランニングをするのではなく、もっと大きな、日本の国際協力というのはどういう戦略にしたいのか、どういう政策でやっていきたいのか、どういう存在感を見せたいのかという、その大きな器を持ってそれぞれのツールを使われて、これから日本の支援対象国に対しても、そこで仕事するまた国際社会全体にも日本の国際協力の存在感を見せてほしいなと思います。 ちょっと時間早いですけど、以上です。ありがとうございます。
○会長(鴻池祥肇君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。 ─────────────
○会長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告をいたします。 本日、小野田紀美君が委員を辞任され、その補欠として佐藤啓君が選任されました。 ─────────────
○会長(鴻池祥肇君) これより質疑を行います。 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言くださいますようお願いをいたします。 まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言をいただきたいと存じます。 委員の一回の御発言時間は答弁を含めて十分以内となるよう、また、その都度答弁者を明示していただきますよう御協力をお願いを申し上げます。 それでは、質疑のある方は挙手を願います。 猪口君。
○猪口邦子君 ありがとうございます。自由民主党の猪口邦子でございます。 本日は、アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方のうち、国境を越える諸問題の現状と解決に向けた課題、国際平和実現への取組についてという課題の下で、三人の参考人の皆様に、大変有意義で、また参考になる御意見と分析をいただいたところでございます。 それぞれに御質問申し上げますけれども、まず、鈴木参考人に質問申し上げます。 国家の役割は、このように民間が宇宙ベンチャーなどを立ち上げている時代に何なのかという御質問も提示されているわけですが、平和の本質は、予測可能性、予見可能性、そのような枠組みを国家として民間の活動に先んじて、あるいはそこから知恵を得てつくっていくということではないかと思います。 例えば、宇宙空間におけます兵器の設置、これを禁止する宇宙条約がありますけれども、現在展開されています宇宙資源の開発活動、これはこの宇宙条約に違反するのかどうか、これも各国で相当意見が分かれているところでございます。 こういうことを含めて、ルールメーキングといいますか、宇宙条約等関連条約の先について、どういう枠組みが今後検討できるのかということをお伺いしたいと思います。 また、平和の課題として、宇宙は第四あるいは第五のバトルフィールドとも呼ばれる、宇宙とサイバー空間での戦いということが指摘されることもあって、先生も御指摘になりましたけれども、宇宙空間におけます例えば衛星破壊が起こったときに、それがデブリに当たってそうなったのか、誰かの攻撃なのか、攻撃者を特定できるのか、こういうことが今までの陸海空の分野で考えると全く違う不確定性を持っていて、それの特定がしにくいと。したがって、抑止が機能しないと。 抑止の基本は、攻撃を掛ければ必ず報復も行くので先制攻撃は思いとどまることが戦略的合理性であるということを明らかにしていくというところにありますけれども、そもそも攻撃を掛ける人が誰なのか分かりにくいということがあると思いますが、その辺の先生の分析、宇宙空間におけます平和の維持、あるいは何らかの形での抑止の展開、こういうことは可能なのかということをお伺いしたいと思います。 あともう一つ、ちょっとこの機会に是非お伺いしたいと思ってまいりましたのは、PAROSというのがありまして、これは軍縮関連なんですけれども、プリベンション・オブ・アームズ・レース・イン・アウター・スペースという、ジュネーブでずっと交渉をしようとしてうまくいかないのであろうと思いますけれども、宇宙空間におけます軍拡の禁止、これについての先生のお考えをお伺いしたいと思います。 それから、安部川先生、本当に重要な数々のテーマにつきまして、テロ防止の観点からありがとうございます。 テロはどういう理由であれ許されるものではなく、この発生構造を分析してその確率を低めていくということが重要だと思いますが、一つ二つちょっとお話ししたいと思うんですね。 一つには、アフガンのお話されましたけれども、大国及び大きな勢力が世界展開をするとき、必ず地域の協力者、これを必要とする場合があります。ローカルズを必要とする場合があります。アフガンの場合、冷戦末期、ソ連がわっと国境侵犯してきて、これと戦うときにイスラム系の若い神学徒たちを活用したという経緯があります。問題は、そのように重要な世界戦略を展開して地域の協力を得たとき、その後その人たちをどういうふうにしたのかという課題、これは、かつてのいろいろな事例及びこれからの世界、例えば企業戦略の中でも、ローカルの協力者を末永くきちっと対応していくということは一つ課題ではないかと感じております。 それからもう一つは、やはりテロは小型武器の非合法流通、製造からなされますので、実行手段としての小型武器の取締り、軍縮、これが根本ではないかと。 それから、もう一ついつも思いますのは、テロ組織は、ですから日本だとかくまってくれるところがないというお話、先生されたじゃないですか。じゃ、途上国ではかくまうところは一体どういうところなのかというと、基本的に医薬品が不足しているところがまず第一だという指摘を受けたことがあります。つまり、国家が基本的なベーシック・ヒューマン・ニーズである医薬品を提供できないところに、大変な状態にある例えば赤ちゃんを、いや、それはこの薬で救えるんだよと言われると。そういう形で集落に入り込み、そして、じゃ、上のお兄ちゃんは必ず大丈夫にしてやるからと言って子供兵のような形で調達しと。 ですから、テロを防ぐ根本は、国家として国民皆保険、まさに我が国が持つような、そのようなシステムを今後も堅持し維持することかなというふうにも思いますが、ちょっと先生の、テロ発生の構造、もちろん場面場面で防ぐことが重要なんですけれども、構造的な対応をどう考えていらっしゃるかということをお願いしたいと思います。 そして、忍足先生は、国連の食糧計画という緊急支援、人道支援をする最先端のところの本部幹部でいらっしゃいまして、また現場にあっては、スーダンなど非常に厳しい状況の中の所長、事務所代表など務めてこられたわけです。 私は、例えば魚をやるより釣り方を教える方が重要なんだという意見もあるけど、その日魚をやらなくて、それで途絶える命はもう永久にその後はないわけですから、やはり緊急人道支援ってすごい重要じゃないですか。私はWFPの超党派の議連の幹事長もやっているので、河野大臣はその前の会長だったんですけれども、ディストリビューションがWFPの場合すごくちゃんとしているんです。こういうことの特質、これをどう今後、例えば医薬品を届けるとかそういうことに活用できるんですかということを伺いたいと思います。
○参考人(鈴木一人君) 時間が限られていますので、ピンポイントで。 資源開発のルールというのは、現在、宇宙条約では国家による天体の領有というのは認められていないんですが、商業的に活用することについてはルールがないという状態なので、今ルクセンブルクとかアメリカは国内法によってそうした活動を支援するということを法的な枠組みとして提起をしているという状態にあります。これが将来どうなるかというのは、多分事例が重なっていかないとまだなかなか言えないという現状で、実際にいろんな活動が進んでいくと、そういうことが起こり得るという多分議論の枠組みができてくるであろうというふうに見通しております。 衛星が壊れたときにデブリか攻撃か分からないというのはそのとおりで、これアトリビューション問題という、サイバーも同じなんですけれども、このアトリビューション問題というのは、どうやってその確実性を高めていくかというと、やっぱり先ほど紹介した宇宙状況監視、SSAを進めることと、もう一つは、地球からの攻撃にある場合はやっぱりミサイルの発射を探知する早期警戒衛星のような、そうしたデータ収集が極めて重要になるというふうに考えております。それがあって初めて抑止というものが可能になるだろうと、つまりアトリビューションが確立しないとそれを抑止することは難しいので、今やらなければいけないことはそうした情報収集のためのインフラを整えることだというふうに考えております。 最後に、PAROSですけれども、この宇宙空間の軍拡競争を禁止するというのは、今まで三十年間ぐらいずっと動かなかったんですけれども、今年になってようやっと一括協議という形でパッケージにして、その中に宇宙を含めて軍縮会議が進むようになってきまして、ちょっと議論が進む予感は今ありますけれども、まだまだこの点については、先ほど紹介したアメリカ、日本その他と中国、ロシアということの対立がまだまだやっぱり非常に根深いので、議論の突破口がなかなか見出せないというのが現状です。
○参考人(安部川元伸君) 猪口先生の質問にお答えしますけれども、アフガン戦争を考えてみますと、アフガン戦争、ソ連を追い出すためにアメリカが協力したということは有名な話でございます。地元のテログループも参加してはおりますし、ムジャヒディンというイスラムの義勇兵たちが集まってソ連を攻撃したんです。アメリカが武器を提供しました。 でも、そういう状況が長くは続かないわけですね。戦争が終わったらどうなるかというと、サダム・フセインがクウェートに侵攻した、そのときにアメリカ軍がサウジアラビアに兵を駐留させたんですね。オサマ・ビン・ラディンとアメリカが仲が悪くなったというのはそこなんです。聖地のある、メッカ、メディナがあるところに、よりによって十字軍の、キリスト教徒の軍隊が入るとは何事だと、それをサウジ政府も許したわけでして、けしからぬと、そういうことからこのいさかいが始まったわけで、それが九・一一とつながるわけで、ですから、一時いいといっても、いつそういった要素が出てひっくり返るかも分からないということが歴史の常だと思います。 それから、テロリストというのは、まずあおることは憎悪です。テロリストの基本というのは憎悪をあおる。その憎悪をあおって若者をリクルートして、徴募して、こんなにひどいことが行われていると、赤ん坊が殺されたりしているということを宣伝するわけです。それで純粋な若者がどんどんテロリストになってしまうという事実もございます。 ですから、この憎悪をなくすと。それから、薬品とかそういう物資を提供するというのはもちろんだと思います。貧困もそうだと思います。ただ、そういった意味で社会福祉的なテロリストもありまして、ヒズボラとかハマスというのはそういった面もあります。だから、テロか何かよく分からないようなところもありますけれども、いかんせん暴力を使って攻撃したり人をあやめたりするのは良くないと思います。いろんな要素を研究して取り組むべきだと思います。 よろしいでしょうか。
○参考人(忍足謙朗君) 猪口先生、済みません、何をディストリビューションに使うとおっしゃいました、使えるかと。
○猪口邦子君 医薬品なども含めて。
○参考人(忍足謙朗君) WFPは食糧が専門ですけれど、いろんな組織と一緒になって薬品とかを届けることも、ロジスティクスの方は任されてやったりもいたします。 さっきの、釣りを教えるか食糧を出すかという話ですけれども、我々の対象の人たちというのは、その釣りを覚える余裕もないという人たちが多いので、どうしてもそれを、まず食糧だけは確保して、それから職業訓練でも何でもやってもらえればという考え方です。
○会長(鴻池祥肇君) 大島九州男君。
○大島九州男君 今日は参考人の皆さん、ありがとうございます。 まずは、鈴木参考人、日米同盟を基軸にして宇宙のというお話がありましたけれども、今だからこそ、このアジア太平洋地域宇宙機関会議やアジア太平洋宇宙協力機関、アジアと中心になって宇宙開発を進めていくというような、そういう新しい視点が必要だと思うんですが、それに対する御意見をいただきたいと思います。 それから、安部川参考人、今、日本は人材不足ということで、東南アジアの皆さんを招聘して仕事をしていただくという企業もいろいろ多いんですが、航空産業、特にいろんな空港で働く人たち、そういう人たちを、アジアの人を入れるということはいろんな懸念があると思うんですけど、そこのところに御意見があれば一つお伺いしたいというふうに思います。 それから、忍足参考人、先日、私は安倍総理に、圧力、圧力と言って北朝鮮がミサイル撃つとすぐ防衛費を拡大するというようなことをやっているけど、結果、日本だけ置き去りにされたでしょうと、日朝会談もできないでしょうと、だから、いろんなNGOの皆さんとか国際関係の日本の人がそういう協力をすることによって日本は守られるバリアがあるんじゃないかという質問をさせていただいたんですが、NGOの予算等を増やすことによって日本の防衛力を強化するという、そういう発想についての御意見、よろしくお願いいたします。
○参考人(忍足謙朗君) ありがとうございます。 基本的に、NGOが一番大事にしているのは中立性とか公平性とかそういった原則、人道原則というやつなんですが、ですから、そのNGOの活動を日本の防衛とかにつなげるのはかなり難しいと思います。
○大島九州男君 じゃ、引き続き、要は、日本がそういう国際協力をするという、我々の言葉で言うと陰徳を積むことによって人間関係や国際関係が良くなると、そういう効果はありますよね。
○参考人(忍足謙朗君) もちろんそうです。 確かに、WFPは北朝鮮で今でも、九五、六年ぐらいから仕事していますし、私も十回ぐらい北朝鮮に実際に入っていますし、そこで関係をつくっていくというのは大事なことだと思います。ただ、今それを日本に期待するのは当然難し過ぎることなんじゃないかなと思いますが。
○参考人(安部川元伸君) 航空産業に対する雇用の問題、これは重要なことだと思います。労働力の補完には重要だと思うんですが、過去には、ちょっと私、専門的になるんですけれども、航空テロというのがいろいろありました。 それは例えば、一昨年ですか、シャルム・エル・シェイクというエジプトの三角のシナイ半島にある空港ですけど、そこでテロが起きました。ロシアの航空機が落とされましたけれども、そのときに、爆弾を機内に持ち込んだのは、その空港の入口でチェックをするところの人間が敵のスパイだったわけですね。そして、それをすうっと入れてしまったと。爆弾はもうチェックできないです、入ってしまえば。飛行機に入ってしまえばチェックできないと。そういうようなテロがもう一つありました。ソマリアでもありました。 ですから、それを警戒するのはもちろん大事なことです。ですから、いろんな労働者、大いに結構だと思うんですけれども、クリアランスはしっかりやらなきゃいけないと思うんですね。やっぱり、どういう悪意を持ってそういったところにアプローチする人もいないとは限らない。これは性善説、性悪説あると思いますけれども、やはり国民の命を守るためにはいろんな手段を考えてアプローチした方がよろしいんじゃないかと私は思っております。
○参考人(鈴木一人君) 大島議員、どうもありがとうございます。 アジアを中心に協力すべきというのはまさしくそのとおりで、宇宙の場合、ある種の特性がありまして、静止軌道、地球から見て地球の自転と同じスピードで動く静止軌道というのが赤道上にあります。 これは、日本だと気象衛星の「ひまわり」なんかがそういうところ、その静止軌道を使っているんですが、ここにあると、日本だけではなくて、この東経百三十度とか東経百二十度ぐらいのところに置いておきますと、大体アジアのかなりの部分が見えます。そうなると、今、「ひまわり」もそうなんですけれども、先日、平昌オリンピックのときに、韓国の気象衛星が不具合を起こして衛星画像が撮れなくなったので「ひまわり」の画像を提供するというようなことが可能になっています。 この静止軌道でカバーする領域というのは、まさに一つの衛星で全てカバーできる。つまり、今、日本が持っているアセット、日本が持っている宇宙衛星で提供できるものというのはかなりあるということで、今まで日本はAPRSAF、アジア太平洋地域宇宙機関会議というのをやってきたわけですが、これはあくまでも宇宙機関の話なので、これをもっと広げて、例えば農業に関しては各国の農水省が集まって宇宙を利用するですとか、あと、今、「みちびき」、この準天頂衛星というのは、これも同じ、静止軌道ではないんですけれども、アジアの地域をカバーするという意味では、例えば日本とオーストラリアのこの両国では非常によく使える、こういう環境にありますので、こうしたアジア地域における測位衛星「みちびき」の利用といったことも協力は可能だと思います。 残念ながら、まだやっぱりこういうところは、いろんな、ぽちぽちとはあるんですけれども、きちんとした制度になってやっている部分が非常に限られている。それは中国の方もそうなんですけれども、ただ、中国は今、一方的に自分たちのものを使えということで、各地に例えば中国版GPSである北斗の利用センターというものを造っていて、先日、チュニジアでもできたんですけれども、そういうようなある種押売的にやっている部分があります。 日本の場合はやっぱりちょっとそこまでは押しが強くなくて、日本の衛星を使ってこういうことができますということを提供することまではするんですが、具体的な制度化ができていないというのがこれからの課題だと思います。
○大島九州男君 鈴木参考人、そういう意味では、日米同盟を基軸にと、みんなすぐ日米と言いますが、やはり今後は、そういう中国、アジア、特にまだ宇宙開発に行っていない諸外国の皆さんに、日本の技術、そしてまたその運用の部分も連携していくということがすごく大変必要なことだと思うので、是非いろんなところでそういう発信をしていただきたいと。だから、日米に限らず、そういうアジアとの協力、そして日本が持っているノウハウをしっかり運用やそういうところまで生かしていって日本が国際貢献をするという、そういう発信をしていただければということをお願いしたいと思います。 それから、安部川参考人、結論から言うと、飛行場で働く人に、可能性としては非常に、外国の人を雇っていくときにテロリストに影響されている人が紛れ込んでくる可能性が非常に高いと。だから、それは空港で働くような人にそういうことを、人を雇うべきではないかどうかというのをちょっと簡潔に。
○参考人(安部川元伸君) やっぱりそういう人は悪意を持ってアルカイダなりイスラム国なりの指令を受けて来るという場合がありますので、それは是が非でも避けなければならないと思います。 国際協力の下、外国の情報機関からもそういった情報を得て、あるいは顔認証、指紋、そういったバイオメトリックも含めまして国際協力が必要だと思います。必ずテロリストはそういったところに潜り込んでそういうアテンプトをする、試みるということは数々世界でございます。 以上です。
○大島九州男君 ありがとうございます。 非常に難しいというか、人はみんな平等に扱いたいんですけど、アジア出身だと、それからイスラム教徒だということをもとに仕事が制限されるということがあってはならないなという気はするんですが、どうしてもやっぱりそういう懸念があるということがありますので、だから今後、日本の航空業界だとかの部分が、そういう人手不足ということで安易に、そういう身元が幾らはっきりしているといっても人は変わりますからね、だから、そういう部分の警鐘を今後大学の危機管理の授業だとかそういう業界のところで先生方に発信をしていただけるとまた大きく違うかなと思うので、それを是非お願いしたいと思います。
○参考人(安部川元伸君) 分かりました。ありがとうございます。
○大島九州男君 それから、忍足参考人、NGOだとかいろんな活動の中で当然中立性を持っていくというのはすごく大事なことだし、やはり日本の独特の文化は和をもって貴しとするという、そういう日本の本当の私は国際貢献は、やはりそういう陰になりながら支えていくと、その美徳を世界の人が認めて、やっぱりこの日本という人たち、国民はすばらしい、だから日本国というのは平和憲法九条もある中で守られているという、私はそういう認識がございまして、今日お話を聞かせていただく中で、やはり防衛力にお金をどんどん突っ込んでいくというよりは、そういうところにしっかりと予算を付けて国際貢献することが大事だなと改めて考えさせていただきましたので、今日はありがとうございました。 以上です。
○会長(鴻池祥肇君) 熊野正士君。
○熊野正士君 本日は、三人の参考人の方に貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。 まず、鈴木参考人の方にお伺いをしたいと思います。 商業ベンチャーの台頭だというふうな、宇宙開発をめぐる環境ということでお話がございました。確かにアメリカの方は、国を挙げてというか、テスラモーターズのイーロン・マスクが火星に行くみたいなことで、いわゆるそういう、アメリカの方では今まで政府が担っていたことをベンチャー企業がやっているということですし、片や中国では国を挙げて月に行く、有人探査だというふうな状況があるようです。 アメリカと中国とそれぞれ宇宙開発ということで力を入れているんですけれども、その中にあって日本の立ち位置といいますか、どのような形で今後、宇宙開発を見据えていくべきなのかなというのを教えていただいたらと思います。
○参考人(鈴木一人君) アメリカのベンチャーはもちろん非常にスケールが大きいんですが、やっぱりそこには日本ではちょっと考えられないぐらいの億万長者クラスの人たちが自分の思いを持ってそれをやっているというところがあって、これは政府の役割を肩代わりするというよりは、どちらかというと、もう本当に個人のやっぱりそういう思いと、かつ、それが可能な資金力というのがやっぱりすごく大きな影響があると思います。 先ほど紹介したイーロン・マスク以外にも、アマゾンの創始者であるジェフ・ベゾスという人はブルー・オリジンというまた別のロケットを造っておりまして、やっぱりそういう大金持ちの人たちがやっているということも一つ特徴的な部分かなというふうに思います。 日本の立ち位置なんですけれども、日本はやっぱりアメリカと同じスケールでのベンチャービジネスというのはなかなかちょっと考えにくいですし、また、中国のように国威を挙げて、特に中国はかつての日本のようなキャッチアップモードに今あって、全てアメリカができることは全部やりたいという、こういう状況にあって、日本はやっぱりそれと同じペースでやっていくというのも、これ、資金の問題ももちろんありますし予算の問題もありますので、私の個人的な意見としては、日本はこれからかなりニッチを狙っていくべきであろうというふうに思います。というのも、宇宙分野ってまだまだこれからの世界なので、今まで考え付かなかったことというのがすごくたくさんあるんですね。 それは、例えば、衛星画像を撮って、港なんかによくある石油の備蓄タンクの影を撮るんですね。それが何かというと、石油の備蓄タンクというのはいわゆる落とし蓋なので、それが減っていくと影が長くなる。つまり、衛星画像で見ると、世界中の備蓄タンクにどれだけの石油が残っているかというのが見れて、それは結果的に石油の将来の価格、需要というものを算出することができるというような、こういう使い方もあるんですね。これは今までの考え方だとなかなか出てこなかった発想で、そういう知恵を使った新しいビジネスというのをつくっていくというのがこれから日本のやるべきことであろうというふうに思っています。 その中でも、今、例えばほかの国がやっていないものの一つとしてやっているのが、例えば宇宙デブリを除去する、そういうビジネスをやるというようなベンチャーも出てきておりますし、これなんかは本当に日本独自のアイデアで進んでいる。そういうベンチャーもありますので、これから日本は、規模ではやっぱりアメリカとか中国に勝てない分、やっぱり知恵と技術の部分でいろんな新しいことを進めていくというのが日本の進むべき道なのかなというふうに考えております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 スライドの五枚目に、今のお話にも多分通ずることだろうと思いますけれども、我が国の課題ということで、宇宙利用の遅れというふうに、日本がちょっと宇宙利用で遅れているということだと思いますけれども、その中で、技術中心の発想から脱却し切れていないというふうなことがありました。いわゆる利用を主導していくんだというふうなことで、ちょっと何か、技術は技術で大事じゃないかなと思ったんですが、この利用主導というところをもう少し教えていただいたらと思います。
○参考人(鈴木一人君) ありがとうございます。 技術開発が悪いと言っているわけではなくて、目的なくこういうことも新しい技術だからやってみたい、ああいうこともやってみたいというふうに、技術開発をすることを目的とすることというのが多分一番問題だと思っていて、この技術を使えばこういうことができるとか、こういうことをやるために技術開発をするという、この出口ですね。技術開発とどうやって利用するかというところをつなげていくことが大事で、ここがやっぱり技術中心の発想とは違うところ。利用主導というのは、利用するために技術開発をするという順番で物事を考えるというのがこの技術開発の将来あるべき姿だというふうに考えて、こういうふうに書かせていただきました。
○熊野正士君 ありがとうございます。 安部川参考人にお尋ねしたいと思います。 いわゆるイスラム国が去年の六月にはもうイラクのモスルで陥落し、また、十月ですか、シリアのラッカで陥落をして、これで何か一安心と思っていたんだけれども、実は東南アジアの国々にISの人が入り込んでいるということでお話がございました。 日本としては関係の深いASEANの国々ですけれども、日本はテロ対策支援ということで重点的にASEANに対して支援を行っているわけですけれども、今後どういうふうな形でこのASEANの国々に日本として関わっていくというか、支援をしていくべきなのかというのを御教示いただければと思います。
○参考人(安部川元伸君) 日本は非常に責任ある立場だと思います。東南アジア、日本と関わりがなければとても両国ともやっていけないですね。ですから、技術面でも協力する必要があると思いますけれども、いわゆるアウトリーチといいますか、外務省がいろいろ技術を提供しておりますけれども、それと、それだけじゃなくて人員面でも大いに協力すべきだと思っております。例えば、バリ島の事件のときも日本の警察が行って、鑑識を相当力を入れて現地と協力してやっておりました。 そういうことも含めまして、やっぱりアジアは一つだと、日本は独立していますけれども、日本が別ではないという感覚でやっていったらよろしいんじゃないかと思います。とても親しい友人だと思います、いずれの国も。 以上です。
○熊野正士君 ありがとうございます。 忍足参考人に伺いたいと思います。 先ほど、いわゆる国際的に日本がどういうふうに見えているかというふうなところで、一つは二国間、JICAとかの二国間の協力、それから国際機関、マルチの取組、そしてNGO、そして四番目にPKOと、この四つのツールをどう使っていくかと。今の現状では、その縦割りの中で十分に機能が発揮されていないというふうなお話だったかなというふうに思います。 その中で、資料としていただいているのを読ませていただきますと、国連の人道開発支援のコストパフォーマンスなどを見極めて、数ある組織への拠出金を客観的にアドバイスできるような援助の専門家グループも必要であると思いますというふうに書かれているんですけれども、この辺の、具体的にどういうふうな形でこういうふうな全体に目を配ってやっていくのか、そういうふうなちょっと御示唆をいただければなと思うんですけれども。
○参考人(忍足謙朗君) 一つのオプションとしては、アメリカやEUがやっているように、JICAのような専門組織を、それをもっと全体的に見る組織にするということが一つのポッシビリティーでもありますけれど、それ以上に、議員さんの皆さん、いろんな方を含め、大学の先生とかも含め、何かこう、もうちょっと大きいポリシーレベルを考えられるグループをつくって、そこで何か決断されたものを、じゃ、国連に振るとかJICAとかに振り分けていくという形も可能かなと思います。
○熊野正士君 ありがとうございます。 ということは、JICAを、一つの既存のものをベースにそういったところをうまく利用していくというのが一つと、全く新しく何かつくるということでしょうか。
○参考人(忍足謙朗君) そうです。何かシンクタンクみたいなものをその上につくるという、ポリシーレベルのものを。
○熊野正士君 ありがとうございます。 時間ですので終わります。ありがとうございました。
○会長(鴻池祥肇君) 武田良介君。
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。 今日は三人の参考人の先生、本当にありがとうございました。 まず、鈴木参考人にお伺いをしたいと思いますが、今も少しやり取りがありましたけれども、その利用という点ですね、利用主導の宇宙開発云々という話がありました。今何を目的にやっていくかということもありましたが、具体的にその目的というのは何になるのか。お話の冒頭のところで無人機の問題だとかミサイル防衛ということもありましたけれども、それ以外も含めて、一般的なイメージでいうと気象だとか、それが転じて災害対策に使えるだとか、いろんなものもあるかと思うんですが、どういったものがあるのか御紹介いただければと思います。
○参考人(鈴木一人君) 宇宙利用に関しては、既にもういろんな形で使われているのが現状ではあると思います。 日本の場合、主に気象とか通信、それから測位衛星もこの間「みちびき」が打ち上がりまして、この宇宙利用というのは進んでいっているんですが、これから多分開けてくるのは、例えば先ほど無人機って言いましたけれども、軍事用の無人機だけじゃなくて、今ドローンというのは例えば農業ですとか建設業ですとか様々なところに使われるようになっておりますし、例えば自動車の無人運転、こういったものも今アメリカのGPSですとか「みちびき」のデータを使ってやっていくと。とりわけ「みちびき」は非常に精度が高いので、車のGPSというのは差分があってかなりアバウトに位置を把握してしまうので、例えば車の自動運転をするときに車線をきちんと分けることというのはなかなか難しいんですが、これは「みちびき」使うとできるようになるですとか、様々なそういうことって既存の衛星でもできることは多々あると思います。 ただ、これから例えば新しい技術開発、利用を目指した新しい技術開発ですと、例えば通信衛星は、日本がまだ獲得していない技術としてハイスループットというものですとか、あと、これは要するに大容量の通信ですね。これは通信ですので、様々な用途に使えます。これは携帯電話もそうですし、様々な、例えばCS放送、テレビの放送なんかでも使えますし、インターネットでも使えます。それ以外にも、例えば衛星の電化ですね。イオンエンジンというのを使って衛星の寿命を長くする、つまり軽い燃料で衛星を長く使うといった。 細かいことを言うと全く切りがないんですけれども、利用というのは、宇宙でできることというのは基本的に電波を飛ばすですとか信号によって地球上で何かをやるという、こういうことですので、それは様々な産業アプリケーションがあるだろうと。地図を作るでもいいですし、農業でもいいですし、これは私というよりは、もうまさにいろんな人たちがそれを考えてやっていくことだと思っています。 今、特にアメリカのベンチャーで目指しているのはやっぱり、先ほど言った石油タンクじゃないんですけれども、非常に高頻度に写真を撮る。今までは一日に一回とか二日に一回しか撮れなかったものを、例えば数時間ごとに撮ることができるというようなサービスを提供することによって、例えば移動するもの、大きな例えば家畜の群れですとかそういうものを追っていくとか、船の動きを追っていくですとか、そういったものまでできるようなサービスをするという。こういうような考え方で利用の展開というのはいろいろあると思います。
○武田良介君 ありがとうございます。 具体的な専門的なところは全て分からなかったところもありますけれども、非常に多目的にといいますか、様々な用途で利用できるのかなというふうに思っております。 それで、引き続きもう一つ鈴木参考人にお伺いしたいと思いますけれども、JAXAのお話もありました。国会で、二〇一二年だと思いますけれども、JAXA法が改定されるということがありました。これは、改定されたときに、目的のところに平和の目的に限りということでJAXAがこれまでやっていたものが、そこの文言が削除されるという点だとか、必要な措置を主務大臣が求めることができる、この主務大臣に総理大臣も含めて入っているということ等々が国会で審議されたというふうに理解をしております。 こういった問題がとりわけ軍事利用に傾斜する、平和の目的に限りというところが削除されてですね、ということは非常に懸念をしているところでありますけれども、この必要な措置を求めることができるというのが先ほどの利用の話ともちょっと重なってくるところありますが、このJAXA法が改定された以降、どのような、必要な措置というのは求められたことがあるのかないのかとか、JAXAが今どのように変わってきているかだとか、そういったところがあればお教えいただければと思います。
○参考人(鈴木一人君) JAXA法の改正以降、JAXAと防衛省の関係というのはそれなりに進んできているとは思います。 このそれなりにというのもなかなか難しいんですが、一つは先ほど紹介したSSAですね。宇宙空間を監視する能力というのは元々JAXAにしかなかったもので、防衛省にはそういうものがなかったので、これはもうある意味JAXAと防衛省が協力をして、宇宙状況監視をするということに今両者が協力してやっているという、こういうこともありますし、また、今防衛省が進めている二波長赤外センサーといってミサイルの発射を探知するためのセンサーなんですけれども、この開発なんかも、基本的には防衛省がやっているんですけれども、その宇宙に関する部分でJAXAとの協力というのは進んでいるというふうに理解をしております。
○武田良介君 ありがとうございます。 安部川参考人にお伺いしたいと思うんですが、テロが許されないことは当然でありまして、どう対応するのかということは非常に大事かなというふうに思いますが、改めて、基本的なことですけれども、今本当にいわゆる紛争国だけではなくて先進国でもテロが起こるという状況になってきているかなというふうに思います。 これは、端的にいつ頃から、いつ頃からといいますか、何をきっかけに、いつからそういったことが起こってきているのか、またそういう背景は何があるのかということを、お考えをお聞かせいただければと思います。
○参考人(安部川元伸君) 国際テロリズムは、アルカイダ、イスラム国、今その辺が主流になっておりますけれども、テロの類型はいろいろございます。民族系のテロとかイデオロギー、冷戦時代のテロ、いろいろございますけれども、やはり一番問題は、テロには必ず憎悪が絡むということですね、憎しみです。憎しみを晴らすための暴力を使うわけでして、それをどういうふうに癒やすか、あるいは問題を解決するか。 憎しみをどういうふうに癒やしてあげるかというのは、国のそれぞれの姿勢で一番大事だと思うんです。だから、そういう不満とか、不遇だとか貧乏だとか、学校も行かせてもらえない、大学出てもちゃんとした職業に就けないと、そういった不平を何とか解消してやるということが一番大事なことだと私は思っております。 先進国で起きているテロというのは、大体、移民がやっていることが多いです。移民は迫害されております。そういう国が多いです。フランス、イギリス、アメリカもそうかもしれません。そういった国で、やっぱり余りいい思いをさせてもらっていないと、そういった若い人たちがその恨みを抱いて、それをまたうまく刈り取っていくのがテロリストです。テロリストはそういったところを狙って仲間に引き込んでテロをやっていく。先進国型のテロは、まさにそういったところだと思います。 以上です。
○武田良介君 ありがとうございます。 ちょっと時間もあれなんですが、端的にもう一つ。 そういったことを考えると、やはり軍事攻撃によって報復的なテロが起こる、まあ当然あることだと思うんですが、今ほどのお話でも、貧困の問題だとかがある、やっぱり社会的な要因なんかもある、そういったことが一定見えると、テロを特別警戒しなければいけないような都市というのは世界にやはりあると思うんですね。そういったものは幾つぐらいあるものなのか。それが駅だとかイベント会場だとか、そういうところが狙われるということでいえばもっと増えてしまうのかもしれませんが、どのぐらいあるものなんでしょうか。
○参考人(安部川元伸君) 数はよく分かりませんけれども、テロリストが今言っていますことは、ソフトターゲットといいますけれども、警備が余りしっかりしていないところ、例えば鉄道の駅とかバスの中とかそういったところ、野球のスタジアムなんかもそうだと思いますけれども、そういったところでテロをやれと言っています。それは、武器は何でもいいと。要するに、爆弾でなくても、ナイフでもいいんだ、かみそりでもいいんだ、おのでもいいんだ、そこにあるもの、こん棒でもいいんだと、そういうものでやりなさいというのが彼らの指令です。 なぜかといいますと、大規模なテロを計画しますと必ず警察に探知されてしまうんですね。実行前に潰されてしまうと。それはテロリストにとっては一番嫌なことですね。やっぱり成功したいんです。自爆にしろ自爆でないにしろ成功したいものですから、そういうふうに警察に探知されないような形でテロをやるというのが主流です。 そうすると、人口がいっぱいあるところ、人通りが多いところ、そういったところでレンタカーを使ってひき殺すというようなテロもありますし、いろんな手口があると思いますけれども、やはり人が多いところ、外国人が多いところ、自分たちにとって敵意があるというようなところですね、警察署とか軍隊のある基地、そういったところを攻撃するというのは常套手段だと思います。 よろしいでしょうか。
○武田良介君 時間ですので。ありがとうございました。
○会長(鴻池祥肇君) 石井苗子君。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。 今日は、三人の参考人の皆様、本当にありがとうございました。大変勉強になりました。 時間が限られておりますので、たくさん聞きたいことがあるんですが、一つ一つやっていきたいと思います。 鈴木参考人の方に、お話をまとめますと、世界各国の経済の発展や技術のレベルが高まってきている、そこで人工衛星の活用などに対するニーズが今後高まってくることが予想されるとおっしゃっているようにお聞きいたしました。 そうした中で、宇宙空間の利用ルール作りというお話があったと思うんですが、私も、宇宙条約、一九六七年、お話にありましたのでちらっと見たんですけど、非常に大まかの原則だと思うんでございます、私の感想ですけれども。これが時代の変化がありますと、これは非常に利害関係が込み入ってまいりまして、より実効性のあるものにしていく必要があると思うんですけれども、そういった課題が山積されている中、日本の宇宙政策において堅持すべき原則は何で、柔軟に対応すべき点は何かというのを手短に教えていただきたいのが一つと。 やはりもう一つ、第二回国際宇宙検査フォーラムというのが三月に、鈴木参考人の方はお出になって。そうですか。 それで、同フォーラムなんですが、やはり宇宙のルールを決める宇宙条約というのがございまして、ガバナンスの確立ということにおいてこのフォーラムは結構一定の役割を果たしている可能性が感じられたんですが、この点について、今東南アジアで、北朝鮮のミサイル実験などが強行されておりまして、宇宙のガバナンスのルールというのは全然守られていないような感じがするんですが、この点について改善策があれば教えていただきたいと思います。
○参考人(鈴木一人君) ありがとうございます。 宇宙条約、おっしゃるとおり非常に大まかなんですが、これは、やっぱり一九六七年というのはまだ宇宙開発ができる国というのは米ソに限られていた時代で、まだ日本も最初の衛星の打ち上げが成功していない時期なんですね。なので、ある意味、アメリカとソ連が決めてしまえばもうそれが世界のルールになっていた時代であったという意味では、今やもうかなり多くの国と民間企業が宇宙開発に参入している状態で、ステークホルダーが非常に数が多い。その合意を取るというのは今著しく難しくなっているので、大まかな、これは多分憲法とかアメリカ合衆国憲法なんかもそうですけれども、大体大まかな原則だけが決まっていて、あとはもうその日々のプラクティスというか実践によって大体ルール、こういうことはやっちゃ駄目だとか、こういうことはルールにして決まっていないのでやってもいいという形で出てきています。 その一つが先ほど猪口議員からも御質問のあった宇宙資源探査の問題で、これもやっぱりルールがないところに今進んでいるので、これは何かルール作りをしなきゃいけないんですが、先ほど言ったように、様々なステークホルダーが多過ぎて、ルールを作るにしても利害関係がなかなか調整しにくいというのが現状で、ここから実効性のあるものというのは作れないというのが現状になっています。 その中で日本が何をすべきかという、堅持すべき原則なんですけれども、日本は、やはり宇宙空間における対立、特にやっぱり宇宙デブリを発生させるですとか、宇宙における活動を妨げるようなこういう活動を認めないということが多分大原則にあるだろうというふうに思います。 アメリカ、ロシア、中国なんかは、やっぱり宇宙空間で相手の能力をやっつけるというか低下させるということを目的とした行動を取るので、基本的に、やっぱりそこは日本としては、そういった技術、そういったルール、そういったことを認めるというのはなかなかやっぱり難しいというかよろしくないと。日本自身はそういう衛星攻撃能力というのはありませんので、今のところは。そういったところが日本の原則になるのかなというふうに考えております。 それと、宇宙探査フォーラムなんですけど、これはあくまでも探査、月とか火星とかそういったところに行くときにどうするかという国際協力の枠組みですので、ガバナンスというのは、月とか火星よりももっと近い地球の周りで何が起こっているかというルール作りをするということが今一番難しくて、月とか火星はまだまだほとんどプロジェクトがない状態なので、今ある意味白紙のところに絵を描くという状態では、ある程度のこの今の時点でガバナンスルールを作るということは可能なんですけれども、今既に使っているところでルールを作るというのがなかなか難しいというのが現状だと思います。
○石井苗子君 ありがとうございました。 それでは、安部川参考人にお聞きいたします。 テロの憎悪をどう癒やすかというお話がございましたところですけれども、やはりどうしても二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック、これが気になって仕方がないんですが、ISが東南アジアに浸透を図ろうとしている中で、私たち日本と経済的に結び付きが深くなっていって人の移動も活発化している中で、この同じ地域の中で安全を図るということが日本の安全にも直結してくることではないかと思うんです。 しっかりテロ対策というのをやっていかなければならない必要性があると思うんですが、日本にもイスラム教の信者の方が定住をし始めておりますけれども、先ほどから先生のお話を聞いていると、日本のその強みを生かした形でテロの予防につながらないかと思うんですが、日本の強みを生かした協力とか、強みを生かしたテロ予防に必要な政策というのが、もし何かお分かりになるようでしたらヒントをいただきたいんですけれども。
○参考人(安部川元伸君) 私はイスラムの人は決して悪いとは言っていません。日本にいらっしゃるイスラムの方、先ほど十万人ぐらいいるのかなというお話を申し上げましたけれども、非常に幸せに暮らしております。 それはなぜかといいますと、日本の人たち、国民ですね、皆さん仲よく結構やっているんですね。ちょっと薄気味悪いなんて言う人もいますけれども、基本的には学校も日本のローカルの学校に行って、同じ給食でも豚肉は食べませんので、その辺は学校も配慮してきちっと対策を練っている。あるいは入管でも、収容されている人たちに対する食事、前はハンガーストライキとかありましたけれども、そういったものも配慮して、彼らが食べられるハラルフードとか、ハラルフードというのはイスラムの儀式にのっとって彼らが食べられる御飯ですね、そういったものを提供するように努力しております。 非常にこんな日本みたいなすばらしい国はないと思うんですけれども、さらに、そういった彼らの心情をおもんぱかって、どういうことをしたら彼らは怒るか、どういうことをしたら彼らが幸せになれるか、我々は彼らの幸せも願っていかなきゃいけないと思うんですね。 ですから、前に、二〇〇〇年頃ですけど、コーラン廃棄事件というのが富山でありました。これは、大事なコーランですね、コーランを誰かが踏みにじって破ってしまって道路に捨てたということでした。これに対して日本にいるムスリムの人たち非常に怒りまして、大騒動になりましたんですけれども、これも日本政府はきちっと謝って、そういうことをした人がいたけれども申し訳ないと。非常にすばらしいですね、そういう姿勢が。それから、企業でもいろいろありました。ですから、そういう彼らの気持ちもよく分かって、コーランとかも、ハディースとかいう、そういうイスラムの勉強もして、一緒に共存できるように考えたらよろしいんじゃないかと私は思います。
○石井苗子君 ありがとうございます。 二〇二〇年にはオリンピックが、短い期間ではございますが、いろんな国の人が集まるんですけれども、そこでの何かの変化は予想できるものでしょうか。
○参考人(安部川元伸君) ないとは言えないと思います。私どもはプロファイリングといって、過去のどういう事件があってどういう手口で行われたかというのを研究します。例えば、大分古い話ですけど、一九九八年八月七日に、ケニア、タンザニアというところで事件が起きました。アメリカの大使館が同時に爆破された事件ですけれども、そのときの四年も前に現地にテロリストが潜り込んで、いろいろNGOとか漁師を装ったりして、商売をしながらテロの機会をうかがっていたと、それで実行したのは四年後だったと、そういうことがあるんです。九・一一のテロのときも一年半以上前にアメリカにテロリストが入国しております。 だから、そういった事実もありますので、やはり政府一丸となってテロリストの入国、あるいはそういったアテンプト、そういう試みがあるとしたらそれをキャッチする、それから外国の政府との協力をする、そういったことでそういう可能性を、ゼロにするのは難しいかもしれませんけれども、極力少なくしていくという努力は必要だと思いますし、先生方にもどうしても御協力願いたいと思うところでございます。
○石井苗子君 ありがとうございました。 時間が来ましたので、もう一つの質問は後で質問させていただきます。
○会長(鴻池祥肇君) 江崎孝君。
○江崎孝君 ありがとうございました。 まず、鈴木さんにお伺いしたいんですけれども、先にいただいた資料に、トランプ政権が二〇二五年で打切りをすると決めたISSのところで、探査そのもののプランというよりは宇宙条約の遵守や宇宙環境の保護といった規制的な側面が含まれるというのは、つまりトランプ政権が乱開発ではなくて、まあ自国の企業の乱開発も含めていると思うんですけれども、そうではなくて、もう少し宇宙は、人類というか、共通の資源と言ったらいけませんけれども、宇宙環境というところをそういう意味でもうちょっとグローバルな世界で捉えて、何というのか、僕としたらもっともっと自国の企業にがんがんやらせようというふうなイメージかと思ったらそうではないという状況に見えるんですけれども、そう読み取ってよろしいんでしょうか。そして、このトランプ政権、これからそれをした上でどうしようとしているんでしょうか。
○参考人(鈴木一人君) トランプ政権のこれから何をするかというのは非常に予測が難しくて、様々な政策分野でそうなんだと思うんですが、宇宙に関しても非常にジェネラルな設定があって、それは、これまでオバマ政権のときにやってきた宇宙政策のうち有人探査、特に月ですね、この探査の部分だけ非常にフォーカスをして、ここの変更だけをしていると。つまり、今までのアメリカの宇宙政策プラス月探査という、こういうのが一応の今トランプ政権の宇宙政策のフレームワークになっています。 ここが何を求めている、何を目指しているのかというのは、一つは、この規制的側面と言ったのは、これからほっておくと、中国が今非常に野心的に月の探査をやろうとしていて、そこにはやっぱり有人、中国人の宇宙飛行士がそこに行って資源を探査するということがある。その可能性を考えると、やっぱり何らかのルールを作って、自分たちの管理、自分たちのコントロールにない中国の宇宙飛行士が開発するということを野放しにするわけにはいかないということで、ルール作りをしていかなければいけないんではないかという、そういう意識はあるとは思います。
○江崎孝君 そういう日中関係あるいは米中関係の中で、先生、そのページの中で、日本の有人宇宙事業をどうしていくべきか、それを全面的に止めることも含めて検討すべきときに来ているというふうに書かれているんですけど、これのちょっともう少しおっしゃっている意味を教えてください。
○参考人(鈴木一人君) 日本の場合、宇宙開発というものが、これまで、一方では有人宇宙飛行、非常にお金が掛かる、そしてそれのリターンがどのくらいあるのかということは極めて曖昧な状態である。今の宇宙ステーションもそうなんですけれども、よく指摘されるのは、宇宙ステーションにかれこれ累計で一兆円近く使っているわけですけれども、それに対してどれだけのやっぱりリターンがあったのかと。 この中には、単なる経済的なリターンだけではなくて、政治的なプライドですとか、やっぱり自分たちがやったんだという、こういうすかっとする気持ちみたいなのも含まれていると思うんですけれども、そのリターンが本当に日本に求められているものなのかということが一つと、私は、これから月探査になると宇宙ステーションよりもはるかにお金が掛かるので、それを今財政状況が厳しいこの日本において果たしてどこまでやるべきなのかということの検討はもう一度するべきではないかなというふうに考えております。
○江崎孝君 私もそのとおりだと思うんです。 あと、それぞれお伺いするんですけれども、テスラでしたっけ、そんな大金持ちがいるんだったら、そういう資本をもうちょっと違うところに使ったら地球環境はもっと良くなるんじゃないかなと思うんです。全部、貧困とか格差は、資本の無駄な投資というか、そういう世界で全てを、何か悪を蔓延しているように思えてならないんですけれども、極端な話で申し訳ないんですが。 安部川先生にお願いしたいんですけど、先生はこうおっしゃっていますよね。最後、僕がいただいた資料の中で、テロは力で押さえ付けようとしても決して成功はしないということである、かえって泥沼化しているのが実情である、ここら辺でそろそろ武器を置いて、より平和的な手段で様々にテロ対策の道筋を模索してみるべきではなかろうかとおっしゃっていますけれども、非常に難しいことだともちろん思います。 先生が考えていらっしゃる中で、まずこれをやらなきゃいけないというのが、そのためにはまずこれをやらなきゃいけないというのがありましたら、まず最初、何をしなきゃいけないんでしょうか。
○参考人(安部川元伸君) 私は、先ほどから申し上げているとおり、憎しみですね、憎悪、憎悪を和らげる必要があると思います。それは何がいいかといえば、愛で、愛情だと思います。愛情というのはいろいろ、男女の愛情だけじゃなくて、やっぱり人をおもんぱかる、人の心を、心情を理解する、そういった中で優しく手を差し伸べると、そういうことが基本だと思います。 ですから、武力でさんざんアメリカが攻撃したり、イギリスもやったりしていますけれども、結果は被害者が増えるだけで、それに対する憎悪がまた新たに生まれている状況です。これはアメリカも日本も協力してテロとの闘いでやっているわけですけれども、それが案外功を奏していないという面もあるということです。 実際、功を奏している面もあります。最近、テロが少なくなってきている、あるいはイスラム国が縮小してきている、アルカイダが地方に押し込められてなかなか出てこれないというような状況はテロとの闘いに成功していると思うんですけれども、その反面、やっぱりドローンで爆撃して幹部をどんどん殺していると。その殺すついでに、何の罪もない一般人も死んでいるんです。一人テロリストを殺すために、一般人は三十人も四十人も死んじゃうんですね。 だから、そういうことがいいのかどうかちょっと考えた方がいいんじゃないかと。私はアメリカやヨーロッパを批判するわけではありませんけれども、憎しみは憎しみを呼ぶ、暴力が暴力を呼ぶと、そういう単純な考え方から、もう少し愛を基本にした考え方がよろしいんじゃないかと私は思いますが、勝手な言い分ですけれども、そう思っております。
○江崎孝君 愛を基本にした、私もそう思いたいんですけれども、それがなかなかできないというところが。 その愛を基本にした国際開発援助をやられているんだろうと思うんですけど、先生。先生、こう書かれていますよね、援助の専門家グループも必要であろうと。 先ほどのお話の中でちょっと言われたと思うんですけれども、日本としての国際援助の在り方に対して、私は少々、ちょっと不満を持っていらっしゃるようにちょっと私は聞いたんですけれども、どうしたらいいんでしょうか。 今、日本は、じゃ、例えば今までの話の流れの中で、日本はどうやったら国際開発援助、例えば食糧も含めて、JICAの問題もそうです、マルチも含めて、あるいはPKOまで入れてもらっても結構だと思うんですけれども、日本はまず何を今やらなきゃいけないんでしょうか。
○参考人(忍足謙朗君) 今の安部川先生の話から続いていくと、今、日本政府が草の根のNGOを撤退させる、特にそういったイエメンですとかイラク、南スーダン、そういったところから撤退させるということ自体、まず真逆ですよね。日本という国がきめの細かいNGOのような思いやりを見せられる援助をしていたところに、いや、あなたたち、もう邦人保護という名前で引いてしまった。この辺、本当に残念に思いますし、もうちょっと大きな、先ほど言ったバイの援助、マルチの援助、NGOの援助、PKO、これを何かもう全体的にもっと見て、そのツールとして使い分ける。何をすれば一番インパクトがあるかと、どのツールを使えばいいかということだと思うんですね。 ですから、例えば国際機関も、やれ日本人をもっと雇えという話じゃなくて、国際機関に対してももう何千億円というお金を出しているわけですから、いろんな要求もできると思うんですよ、日本側は。政策レベルで、じゃ、もっと紛争後の復興に力を入れろとか、そこにお金を出すとか、いろんなことができると思うんですね。 ただ、今その話の中心が何か日本人職員みたいな話になっているんで、そこをもう少しやっぱり考えていただきたいなと思います。
○江崎孝君 終わりますけれども、そうすると、いわゆるその指示命令系統というか、そういう縦割りになっているような今の行政の在り方とか、そういうのじゃなくて、やっぱり国際援助という一つの大きな何かもうちょっと司令塔になるやつをつくるべきだという理解でよろしいでしょうか。
○参考人(忍足謙朗君) そうですね、司令塔って、別にシンクタンクみたいな、何かそこでそういうのを考えてくれるグループが、チームができれば、別にそれが、何というんですか、組織じゃなくて、そういったものがあるといろいろもっと大きく見れるんじゃないかなと思います。
○江崎孝君 終わります。ありがとうございました。
○会長(鴻池祥肇君) 木戸口英司君。
○木戸口英司君 ありがとうございます。 希望の会、自由党の木戸口英司です。よろしくお願いいたします。 まずは、忍足参考人に、今の質問の続きのような形ですけれども、そのいろいろツールという中で、私、PKOのことを少しお聞きしたいと思います。 PKOも、特にこの一九九四年のアフリカのルワンダの大虐殺を受けて大きく性格を異にしたと言えると思います。PKO部隊、武力紛争の当事者になり得るという中で、実はやはり日本のPKOの議論がそこを大きく欠いて、安保法の議論の中でもそういった本質的な議論はどこか置き去りにされながら、結果、南スーダンでのああいう日報の問題から結局途中で撤退してくるという、そのことも大きな問題だったと私も思います。 そういう中で、やはりそういういろんな矛盾の中でPKOの役割ということもますます大きくなってくると思うんですが、率直に、政治の問題でありますけれども、日本のPKOの今後の参加の在り方、現場を踏んできた忍足参考人の率直な御意見をいただければと思います。
○参考人(忍足謙朗君) ありがとうございます。 PKOも、必ずしも軍隊という形でなくての参加も、もちろんシビリアンという形でのPKOの参加、文民警察、これはカンボジアでちょっと大変残念なことがあったんで、もう余り日本はやりたくないという考えみたいなんですけれど、軍隊じゃない参加の仕方もございます。現に、今軍隊として出しているのは、ほとんど先進国からは出ていないと思います。 ですから、その辺も踏まえた上で、でもやっぱり、やるからには本来のPKOのマンデートというものをやるために出すべきだと僕は思っています。そうじゃなくて、ほかの部隊とは全然関係ないインフラ整備とかというのだけをやるという参加の仕方は、結局、現場で見ていても何で日本だけ違うんだろうなということになりますし、そういう現場から見たような印象もかなり大事に考えないと、日本側サイドだけのいろんな事情で送り込むというのは、むしろ送り込まない方がいいのかなとも思います。
○木戸口英司君 そのとおりだと思います。ですから、それぞれの国の能力あるいは世論ということもあるかもしれません、その中の役割と、あとはやっぱり国連のミッションの中にしっかりと入って、そのミッションの中でその役割を果たしていくという。日本の都合で行ったり行かなかったり、あるいは途中で帰ったりと、そのことが非常に国際的に信頼を得られないという大きな問題だと思いますので、そのことは非常に同意をさせていただきます。 それでは、安部川参考人にお伺いをいたします。 直接テロということではないんですが、最近シリアの爆撃の問題がありました。ISの本拠があったシリアの問題というのは、大きな影響がある問題だと思います。その中で、アメリカそしてロシアと、大国のいろいろな事情の中で揺れ動いているところが大きいんだろうと思います。 もちろん、化学兵器の使用ということは絶対に許されない人道的な問題でありますけれども、今のこのシリア情勢とISあるいはテロ、そしてその中で大国の動向、また国連の役割、また日本の役割など、概括的で結構ですので、御意見があればお伺いしたいと思います。
○参考人(安部川元伸君) 今中東で起きているテロをよく見てみますと、やはりいろんな国の権益とか実情、いろんなことが絡んでいると思います。 日本もあるんでしょうけど、日本は、結構中立的にどこの国ともきちっとした外交関係でやっていけているんじゃないかと思いますけれども。これは、やっぱり暴力に対して日本が参加するというのはあり得ない話ですし、それを、難民を受け入れるというようなオプションもあるとは思いますけれども、難民もいろいろな問題あります。ですけど、難民の中にテロリストが含まれている可能性もありますけれども、それよりも、本当の難民を苦しみから救ってあげる、あるいは、救えて、生活できるようになったら帰してあげるというようなやっぱり政策が必要かなと思います。 国と国の、武器の、売ったらお金になるとか、あるいはこのシリアに軍事基地ができているからアサドを応援するとか、いろんな権益があると思いますけれども、そういうものは人民の暮らし、一般人の暮らし、命、そういったものを結局無視する形になっていることが多いと思うんですね。 そういうのが憎悪につながっているということはありますので、そういうことも含めて、やっぱり日本はその間に入って、そういうことはやめましょうというようなことを声高に言っていける、先生方はそれだけの力がある方々ばかりですので、是非ともそういうふうな方向でやっていただきたいなと私は個人的には思っております。
○木戸口英司君 ありがとうございます。貴重な御意見をいただきました。 それでは、鈴木参考人にお伺いをいたします。 宇宙利用ということですけれども、まず、その利用の根本はやはり研究開発がそもそもであろうと思います。そういう中で、非常に科学技術研究あるいは大学の予算、相当、今、日本は厳しいといいますか縮小している中で、今その宇宙研究開発という現場をどう見ておられるか。 そして、その人材という意味では、それこそ先生のようなお立場、この宇宙利用、またその活動法ということ、ルールづくりということであれば、これは決して科学技術系だけではない文系的な宇宙との関わりという人材育成ということも、ここは先生、一生懸命努力されているところではないかと思いますが、その現状など、御意見をいただければと思います。 そしてもう一つ、日本のやっぱり強みは、宇宙開発、もちろんそこにコミットしていかなければいけないと思うんですが、もう一つ、素粒子物理とかそういう基礎研究ですね、宇宙の根源を調べて探求していくということ、ノーベル賞受賞者もたくさん出ております。こういったところでの日本への期待というのも実は大きいのではないかと思いますけれども、こういったところで何か所見があればお伺いをしたいと思います。
○参考人(鈴木一人君) 私も、大学に勤める身として、今の研究費の状況というか、いろんな形で苦労はしております。 宇宙開発そのものが、今やっぱりベンチャーが台頭してきているのは、一方で研究開発だけでこの研究開発が成立しなくなってきているというのが現状にありまして、やっぱり使っていく、技術を開発して使っていくというところまでが一つのパッケージにならないとなかなか研究費が付かないという、こういう現状があるというふうに認識しております。 ただ、逆に言うと、今そうやってベンチャーに投資をする、また研究開発にお金が入るというのは、国の予算以外からもそういったソース、資金のソースがあって、そういうところから入ってくるという可能性もあるという意味では、この研究開発の方向性がより利用主導型になっていく。 これは、二番目の御質問にあられた、日本のやっぱり基礎研究の部分にはなかなかそれが入ってきにくいという状態で、本来ならばやっぱり、大学を中心として進めてきているこうした基礎研究に係る部分というのは、これはやっぱり国が支えていかなければいけないところであろうなというふうに思っています。 最後に、やっぱり文系も必要ということなんですが、やっぱりこれまで日本は文系、理系と分け過ぎてきた部分があって、文系、私もそうですけれども、この理系の話、宇宙とか原子力とか素粒子でもそうなんですけれども、なかなかぴんとこないという状況ができてしまって、ここはやっぱり日本の教育の在り方というんでしょうか、人材育成の在り方として果たしてこれまでのやり方がいいのかどうか、文理融合なんということをよく言われますけれども、そういったこともより積極的に進めていく必要はあると思っています。
○木戸口英司君 終わります。 ─────────────
○会長(鴻池祥肇君) この際、委員の異動について御報告をいたします。 本日、浜口誠君が委員を辞任され、その補欠として伊藤孝恵君が選任されました。 ─────────────
○会長(鴻池祥肇君) 続いて、伊波洋一君。
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。 本日は、宇宙、国際テロ、人道支援についての御専門の三参考人の貴重な御意見をありがとうございます。 最初に、鈴木参考人にお伺いしますが、私たちは衛星中継だとかインターネットとか、衛星等については日常的に使っているわけですけれども、その恩恵に受けているわけですけれども、お話で、宇宙ベンチャーや軍事における宇宙利用を規制する宇宙空間などのガバナンスが重要になっているということの指摘がありました。 アジア太平洋においては、日本の主導のもの、それから中国のイニシアチブ、御指摘の日米同盟の面というのがあって、それをどのようにやはりこれから調整したらいいんでしょうか、もし御意見があればお聞かせください。
○参考人(鈴木一人君) 今、宇宙空間のガバナンスというのはグローバルな問題で、これはやっぱりルールを作るプロセスにおいてそのステークホルダーに何か同意できるような仕組みをつくっていかなければいけないんですが、先ほど来言っていますように、日米欧と中ロというこの溝はやっぱり非常に深くて、そこで大きく考え方が違う、宇宙空間の考え方が違う。 そこはやっぱり、日米欧に関しては宇宙を利用するですとか宇宙空間を安全な場所にすることによって人類が便益を得るというところに対して、中ロの場合はどちらかというとやっぱり自国の防衛ということを念頭に置いているので、そこに特化したルール作りをしようとしているという。この安全保障の問題に特化しているのは中ロの方で、むしろ日米欧はより広く民間利用、商業利用も含めたところまでカバーしようとしているので、そこのずれがなかなか収まらないというかはまらないというところにあるのと、もう一つは、やっぱりすごく猜疑心が両者にあるというところに今すごい難しい問題があるだろうと思います。 日米関係の調整なんですけれども、今ようやっと日本が防衛部分で、宇宙基本法以降、防衛省が宇宙の問題について関与することができるようになったということで、ようやっと初めて日本の防衛省とアメリカの国防総省が対話ができるというチャンネルができ始めてきているという、今その段階なんですけれども、こうした対話というのがこれから進んでいくことによって、先ほど紹介しました宇宙状況監視ですとか、これは軍事的な行動というよりは、むしろその安全のためにそうした情報を得るための、言うなれば航空管制のためのレーダーですね、こういうことで協力するといったところから始まっているということで、今ようやっとその調整のメカニズムができた段階にあるのかなというふうに理解しております。
○伊波洋一君 アメリカは、ミサイル防衛などを含めて、ある意味で衛星の配置や様々中ロに対してはかなり優位な状況でいる。何かまた、今、日本もそういうふうに補完的な衛星を打ち上げるということが行われていて、そういう意味では、やはり中ロが防衛の面でそこに向かいつつあるといいますか、対抗する意味で、まさにそこが喫緊の課題なんでしょうけれども、将来的な話を考えると、今のガバナンスの問題やベンチャーの問題との関係でいうと、いずれにしろここは調整されるものでなければならないというふうに思うんですが、大変厳しい話を、それはかなり厳しいのではないかというお話でしたけれども、そこをまあ突破していくといいますか、これ、アジア太平洋の話ですけれども、例えばヨーロッパはどうなっているのか含めて、もし御所見があれば。
○参考人(鈴木一人君) 確かにグローバルなルールを作るというのは難しい。アジアの場合は、どうしてもやっぱり中国、ロシアというのはアジア太平洋の枠組みに入ってくるので、グローバルな議論が縮小する形で、アジア太平洋地域というのはややグローバルなものがより煮詰まった状態になっているんですけれども、ヨーロッパはかなり、そういう意味ではEUを中心にこのグローバルなルールを作っていくということを進めておりますし、また、EUと例えばアフリカ諸国とのコミュニケーションのメカニズムなんかもございます。 ただ、これからやっぱり将来何か突破口があるとすれば、これから商業利用がどんどん進んでいくことによっていろんな事例が積み上がっていくと思うんですね。特に、衛星同士がぶつかるですとか、例えばある国にとって不都合なことがほかの国によってなされるといったようなことがあって初めてルール作りというか、この問題を解決しなきゃいけないという危機感というか切迫感というのが高まっていくと思いますので。今は、あるかもしれないから未然に防ぐためにルールを作ろうという、こういう話をしているんですが、いやそんなことはないとか、こんなことあり得るとか、ややちょっと議論が拡散してしまう可能性があって、そういう意味では事例の積み重ねということが大事なので、そのためにもアメリカは今積極的にいろんなことをやって、先に一歩、この事例をつくっていこうという、こういう活動をしているんだろうというふうに理解をしています。
○伊波洋一君 ありがとうございます。 もう時間がありませんから、また次は忍足参考人にお伺いしますが、国連世界食糧計画、WFPで三十五年も現場での取組をされてこられたことに本当に感謝いたしたいと思います。 お話の中で、JICA、国際機関、ODA、あるいは日本のNGOのお話がよく分かりました。日本のNGOが百億円という少ない政府の財政であるということの御指摘でしたが、ヨーロッパなどの先進国における民間NGOとそれぞれの国との関係といいますか、その支援規模等、もし特徴的なことがあれば教えていただけませんか。
○参考人(忍足謙朗君) ありがとうございます。 国にもよるんですけれど、例えばアメリカに関して言えば、アメリカがアメリカのNGOに対して出している金額というのは、それこそ日本の十倍とかという額になります。あと、イギリスなんかが三倍、ドイツが二倍というようなデータがあります。ただ、これは人道支援だけのデータなので、開発支援の方が入っていませんのでちょっと中途半端なんですけれど。でも、それにしても、先進国、欧米に比べて日本政府のNGOサポートは低いと言えると思います。
○伊波洋一君 ヨーロッパでオックスファムとかいろんな様々なNGO団体がそもそも民間の金も集めて活動されているというふうに聞いているんですけれども、先ほど来のお話で日本のNGOの民間からの拠出が少ないという御指摘がありましたね。その違いについてはどんな感じで認識していますか。
○参考人(忍足謙朗君) 私、数字でその答えは持っていないんですが、まず、日本においてはその百億円ですね、外務省の方から出る助成金というか、それに大きく頼っているNGOがあります。ただ、それに全く頼っていないNGOもあるんですけれど、でも、外国でもやっぱりアメリカとかイギリスというのはかなりの率のNGOが政府からのサポートに頼っていると思います。
○伊波洋一君 ありがとうございます。 最後に、安部川参考人にお伺いします。 九〇年代、アメリカでは連邦ビル爆破事件などが起こり、それはアメリカ内のミリシアと言われている武装組織の反連邦運動の一つですけれども、それ以来、エックス線、レントゲン検査が入口で行われますね、連邦ビル等で。今は学校での銃連射事件があって、学校で常に入るときにエックス線検査を行っていると、こういう状況がありますが、我が国では、やはりそういう環境は全くない中、いわゆるテロというものに対する感覚が必ずしも醸成されていないと思うんですが、東京オリンピックに向けて、専門家の中で、我が国におけるテロの可能性、先ほど来ちょっとお話ありますけれども、それを未然に防止するのにはやっぱりここがポイントだということをもう一度教えていただきたいと思います。
○参考人(安部川元伸君) 最近の科学技術の進歩というのは目覚ましいものがございます。例えば、顔認証というのがございます。各企業で、会社は申し上げませんけど、いろんな企業で、写真を見てすぐここで人物特定ができると。例えば、ドローンから撮った写真を見て、紛争地帯にいる人たちの写真を撮って、日本に、東京に入ってくる人がもしいたとしたらぱっと分かるような、そういうシステムができています。 それから、もう一つ大事なことは行動認証というのがあります。行動からこの人は何か悪さをしそうだなというようなことを探知する、まあオーラが出るといいますか、そういうのを探知する機械があるんですね、これ。まだ開発途中というところはありますけれども、多分二〇二〇年のオリンピックまではかなり進歩すると思います。今のところエラーが多いんですけれども、これは政府も力入れて、行動認証パターンのそれは力入れてやっているはずです。 これは、例えば大きな競技場でテロがあるかもしれないといったところで、荷物を一つ一つ調べるよりも、その人間が、例えば温度、体温とか発汗、汗とか、そういったことを測って、それでちょっと、まあ一〇〇%とは言えませんけれども、尋問はできますね、こっちでちょっとお話聞かせてくださいというようなことでやっているような、それは方法論はいろいろあると思いますけれども、このIT技術の進歩でかなりの部分がテロ対策で貢献するのではないかと思っております。 以上です。
○伊波洋一君 ありがとうございました。 終わります。
○会長(鴻池祥肇君) 以上で各会派一巡いたしましたので、これより自由質疑を行いたいと思います。 質疑のある方は挙手を願います。 今井絵理子君。
○今井絵理子君 自由民主党の今井絵理子です。本日はありがとうございました。 今日は忍足参考人にちょっと御質問をさせていただきたいと思います。 なぜかといいますと、私も政治家になる以前にボランティアを通して諸外国で支援をしていたり、また国際母子栄養改善議連に所属している関係もありまして、世界の子供たちの食育又はそうした栄養問題に関してとても関心がありまして、今日はちょっといろいろと質問させていただきたいと思います。 大変厳しい御意見をたくさんいただきましたが、現場から見る先生の話をお伺いすると、日本が拠出している費用、また送り出している人材の割に国際社会から評価は必ずしも高くはないという印象を受けました。特に納得できたのは、日本は多額の金額を拠出することや国際機関への人材派遣こそが国際協力の評価に直結すると考えがちですが、それでは国際的には存在感を示すことにはならないということは非常に納得できました。実際に現地で活動しているNGO又はPKOにおける自衛隊などの位置付けがとても中途半端であるということが、結果、評価につながらないというように理解いたしました。 これらを変える方法として、NGOに対する支援が必要だというふうに感じましたが、ODAでの拠出金と比べると一%にすぎないと。先ほど伊波先生もおっしゃいましたが、百億円程度のNPOの支援しかないということで、これをどのくらいの規模ですることが最低必要だと思われますか。
○参考人(忍足謙朗君) 御質問ありがとうございます。 何かNGOに対してまだボランティア団体という感覚が大分あるようで、私は外務省の助成資金の人道支援の方の審査委員もやっているんですけれど、何か余り日本のNGOを信頼していないみたいな物すごい細かい審査がありまして、やれPCこんな三つも要るのかとか出張費はこんなに要るのかとか、国連には絶対に聞かないような質問がたくさんあります。 もう一つは、大事なのは、幾らその事業の資金を出しても、NGO自体の人材の方のサポートもしないとなかなか本当のプロレベルに育っていかないというのもあるんですね。その辺がやっぱり、今、日本のNGOは外国のNGOに比べて給料も安い。私結婚するから仕事を辞めますというのが男だというのがNGOの、何かほとんど冗談みたいな話なんですけど、そのぐらい人材も育てていかないとならない。 そういったところで、額は言えませんけれど、ODAの一%というのは余りにも低いので五%とか狙っていっても、もし日本の顔を現場で見せたいというのであれば。ただ、そこには安全管理とかそういうところにもサポートを出さないとならないと思います。
○今井絵理子君 ありがとうございます。 私も、認識的にNGOというのはボランティア団体という印象が非常に強くて、先生がおっしゃっていたように細かい審査であるとか、また人材育成ですね、そういったことがやっぱり日本は弱いのかなと。 もう一つ、やはりこのNGOの活動の評価といいますか、なかなか日本でNGOの評価も問われてくると思うんですよね。質の問題であったり、そういった諸問題について、先生が、例えばこういったNGOのアドバイスといいますか、こういったサポートの機関といいますか、こういったのがあるよとかというのがあれば教えていただきたいなと。
○参考人(忍足謙朗君) 実際、例えば人道支援の方で言えばジャパン・プラットフォームというNGOの何か総合団体みたいなのがありまして、そこが評価という形で実際に現場に行ってプロジェクトを見てきたりします。というのは、ジャパン・プラットフォームが、そのNGOからのプロジェクト申請も私なんかが入って見ているわけですから。だから、そういう評価の仕方もありますし、例えば現地にJICAがいればJICAの方に評価してもらうということも可能だし、コンサルタントでもいいわけです。評価は、それだけのお金を付ければ全く問題なくできると思います。 ですから、とにかく日本のNGOは、せっかくもう既にいい仕事をしているんですけれど、規模が小さいのでそれを成長させていくというのが非常に大きな重要なことだと思います。
○今井絵理子君 ありがとうございます。 ちょっと話は変わりますが、最後の質問となりますが、国際協力を行うことに対して一番大切なことは、先生が先ほどおっしゃったような中立性、そして公平性だということで、これ自国の利益を、見返りを得ようとしないという考えも、そういった考えは私はもううなずきました、納得しました。 でも、しかし本当に、他国も本当にそうでしょうか。必ずしもそうでないと感じることもあります。ODAにしても、自国の利益をしっかり追求している諸外国があるように見えることもしばしばありますが、その中でどうしても日本というのはお人よしな国に見えてしまうというか、そう感じている国民も少なからずいらっしゃると思いますが、現地で国際平和のみを追求している先生に伺うのも大変失礼ですが、その辺りはいかがでしょうか。
○参考人(忍足謙朗君) おっしゃるとおりです。 一つ訂正としては、中立性、公平性というのは人道支援に関しての原則で、必ずしも開発支援の原則ではありません。ですから、アメリカにしても、例えばスーダンでいえば昔から南スーダンに力入れているとか、そういう政治的な部分、石油が出るとか、そういうところも含めていろんな政治的な配慮はあると思います。それを決して日本がやるべきじゃないとも言いません、私は。人道支援に関してはもうかなり原則に従わないといけないですが。 国際支援に関しては、それなりの日本の興味、地域の、何ですか、関係、そういったものも全然含めて構わないと思います。ただ、逆に言えば、例えばカンボジアという国で、今非常に独裁政権でかなり世界的にも批判されている政権に対して、日本は昔から仲いいからというのでそれに対して黙っているというようなことも良くないと思っております。
○今井絵理子君 ありがとうございました。 これで質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○会長(鴻池祥肇君) 武田君。
○武田良介君 先ほど時間の関係で忍足参考人だけ聞けませんでしたので、端的に一つだけお聞きしたいと思います。 お聞きしたいのは、要は、現地の他国のNGOの方が、日本の、先生、なかなか一貫性がないというお話もありましたけれども、そういった日本の政策どう見ているのかということをお聞きしたいんですが、幾つかありますけど、とりわけお話の中にあったインフラ整備、道路の建設なんかを自衛隊がやっていると、いや、あれはJICAでいいんじゃないかという話がありましたけれども、ああいった問題。あの問題については、現地の他国NGOの皆さんはどういうふうに御覧になっているのでしょうか。
○参考人(忍足謙朗君) 私、スーダンにいたんですけれど、それは南スーダン独立前なので自衛隊が入る前だったんです。直接的な印象はないんですけれど、周りの知っている連中とかに聞くと、自衛隊がやってくれているそのインフラ整備みたいな道路の修復とか、もう本当に有り難いとは思っているんですが、ただ、それがほかの国連のPKOとはちょっと違う形でいる。 いつか、国内避難民ですか、戦闘みたいなのが行われてわあっと国連のPKOの陣地に入ってきたときも、ほかのところはそれを受け入れたけど日本は受け入れないとか、いろんな独自の活動になってしまうので、それに対して、じゃ、みんな理解しているのか。そこは、PKOの内部の人間、ほかのWFP、ユニセフ、UNDP、UNHCR、いろんな組織がそこで、同じところで仕事して、外国のNGOも仕事をしている。みんなどういうふうに見ているのかなというのをやっぱり我々気にしなくちゃいけないんじゃないかということです。
○武田良介君 ありがとうございました。 そういう連携が取られた形で日本も仕事ができるということが大事だということでよろしいですかね。はい、分かりました。 また今後ともいろいろ勉強させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○会長(鴻池祥肇君) 石井君。
○石井苗子君 ありがとうございます。 先ほど取りこぼしました質問なんですけれども、私はODAに二回参加させていただきまして、日本にとって国際機関を通じた開発援助の意義とは何かという意味において、平たく言いますと、ここで私何やっているんだろうかというようなちょっとしたジレンマを感じた経験があります。十分達成されていないのではないかと思っておりましたら、今日先生が、全体の国際機関を通じた開発援助については戦略が日本はよく分からないですという最初の一言がございました。 つまり、先ほどから、PKOというのも全部含めまして、私は、PKOというのも全部含めて頭の中で整理していなかった自分もいたわけなんですが、非常に中途半端だったり一貫性がなかったり、あちこちで矛盾が生じていて現地の人が戸惑ったりというような現実をおっしゃっていただけたと思うんですが、それに比べますと非常に官僚的だなと思った話題が、職員の人数が中心となっているような発言があると。 こうなりますと、私はやはり、日本でしばしば言われています顔が見える援助というのが強調されて、ODAの約三割を占める国家機関に対する拠出ということに対しての批判の見方というのもあるわけですよね。先ほど一%という話もありましたけれども、そうした議論の中で、今度は顔が見える援助じゃなくて顔が見えないという援助がありまして、顔がなるべく見えないような援助の仕方もあって、ことに加えて、国際機関の官僚主義だったり非効率なものが指摘されていると思うんです。 こうした大きな問題二つを整理しますと、やっぱりアメリカやEUのようにモニタリングをしっかりきめ細かにやってこなかったんではないかと私は思うんですけれども、先生がおっしゃった日本の存在感を見せる資金、活動、インパクトという点において、具体的にモニタリングをどう改善していけばいいかというようなアイデアがございましたら教えていただきたいんですが。
○参考人(忍足謙朗君) ありがとうございます。 まず、モニタリングの前に、国際機関を通すと必ずしも日本の顔が見えないというわけではないと思うんですね。例えばWFPという食糧援助の場合は、もう各米袋、魚の缶詰、オイル缶、全てに日本の国旗が付いているわけです。ですから、これが各家庭や各学校とかに入っていくわけですから、これほど派手な日本の旗が見える援助というのはないと思います、これ何百万トンという話で行くわけですから。 ただ、そのモニタリングというのが足りなかったというのはそのとおりだと思います。ですから、一番最初に出たJICAというのは、それ自体はすごくすばらしいお仕事されていると思いますけど、ほかのことはモニターしていません、NGOにしろ国連にしろPKOにしろ。それはほかのアメリカなんかはやっているということで。 もう一つのオプションとしては、これはイギリスとオーストラリアがやっていることなんですけれど、非常に大きなコンサル会社を使って、長期にわたっていろんな国の現場で国連組織の評価を行ったんです、国連組織の支援の評価を行ったんですね。それによって予算の使い方から活動全て表にしまして、どこが一番コストパフォーマンスがいいかというようなの出てきまして、ネットでも見られますけれど、イギリスとオーストラリアの。イギリスとオーストラリアのやり方は、拠出金の出し方は、もうコストパフォーマンスでトップファイブに出そうとか、そういうやり方もあると思うんです。そういうやり方でもいいと思います。
○石井苗子君 ありがとうございました。 参考にさせていただきます。ありがとうございます。
○会長(鴻池祥肇君) いいですか。
○石井苗子君 ありがとうございます。終わります。ありがとうございます。
○会長(鴻池祥肇君) 他に御発言ないようでございますので、本日の質疑はこの程度とさせていただきます。 御礼の御挨拶申し上げます。 お三方の先生方には、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。私どもの大変有意義な調査の参考にさせていただきたいと思います。先生方のますますの御活躍を心から祈念申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十九分散会