厚生労働委員会 第21号
- 発言数
- 531 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2018/06/14
会議録
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、二之湯武史君、羽生田俊君及び難波奨二君が委員を辞任され、その補欠として自見はなこ君、宮本周司君及び川田龍平君が選任されました。 ─────────────
○委員長(島村大君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長山越敬一君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(島村大君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(島村大君) 働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 昨十三日、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。石田昌宏君。
○石田昌宏君 委員派遣について御報告申し上げます。 昨十三日、島村委員長、そのだ理事、馬場理事、山本理事、小林理事、小川委員、宮島委員、三浦委員、浜口委員、石橋委員、倉林委員、東委員、福島委員、薬師寺委員及び私、石田の十五名により、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案の審査に資するため、埼玉県川越市において地方公聴会を開催し、四名の公述人から意見を聴取した後、委員からの質疑が行われました。 まず、公述の要旨について報告いたします。 最初に、三州製菓株式会社代表取締役社長の斉之平伸一君からは、女性活躍推進を中心に働き方改革に取り組んでいる立場から、働き方改革関連法案について、法律に時間外労働の上限を設けることは非常に重要であり、地方企業、中小企業における長時間労働の是正のためには業界全体の取引慣行を見直す必要があること、休暇を取得しやすい環境の整備がワーク・ライフ・バランスの推進に大きく寄与すること、同一労働同一賃金の規定により不合理な待遇差の見直しを図ることは非常に意義があること、改正内容に係る企業の対応を後押しする支援が必要であることなどの意見が述べられました。 次に、日本労働組合総連合会埼玉県連合会事務局長の佐藤道明君からは、埼玉県公労使会議における取組を通じ、働き方改革を進める上で、中小企業に対する同一労働同一賃金に係る改正内容の周知徹底及び就業規則等の改定に関する支援が必要であること、労働関係のトラブルを未然に防止するためワークルール教育の推進が必要であること、過労死等の防止の観点から勤務間インターバル制度の導入に向けた支援が必要であること、長時間労働を助長する懸念のある高度プロフェッショナル制度について働き方改革関連法案からの削除を求めることなどの意見が述べられました。 次に、埼玉総合法律事務所弁護士の高木太郎君からは、働き方改革関連法案について、高度プロフェッショナル制度が目指す働き方は現行の労働時間法制の活用により十分実施できることから、立法事実がなく反対の立場であること、高度プロフェッショナル制度は企業による濫用の危険があり、年間百四日以上の休日の確保を確実に担保する措置等が必要であること、また、パワーハラスメント対策は喫緊の課題であり、パワハラ規制の早期実現を求めることなどの意見が述べられました。 最後に、労働衛生コンサルタント事務所オークス所長の竹田透君からは、産業医としての経験から、働き方改革関連法案における産業医、産業保健機能の強化は、業務による健康障害の発生の防止や就業に関する医学的判断である健康診断の事後措置等産業保健活動の実践に資するものであること、特に事業者に対する産業医の勧告権の強化は、事業場で活動する時間に制約のある嘱託産業医にとって大きな意味を有すること、今後、産業医の実務能力を高める研修プログラムが提供される必要があることなどの意見が述べられました。 公述人の意見に対し、委員より、働き方改革が今必要な理由、時間外労働のない労働環境をつくるための方策、高度プロフェッショナル制度の問題点及び見直すべき優先課題、現行の裁量労働制の構造的問題及び改善すべき課題、実労働時間の把握等健康確保措置の実効性確保策、産業保健機能強化のための課題及び産業医の在り方、同一労働同一賃金に係る労働者に対する待遇に関する説明方法及び労働者の過半数代表制の在り方、同一労働同一賃金への取組方策及び中小企業への周知方法、ワークルール教育の重要性等について質疑が行われました。 会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。 以上で報告を終わります。
○委員長(島村大君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、地方公聴会の速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。 ─────────────
○委員長(島村大君) これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮本周司君 おはようございます。自由民主党の宮本周司でございます。本日は、差し替えで、こちらの厚生労働委員会で働き方改革関連法案に関して質問に立たせていただきます。 私、一年以上前から自民党の中でこの働き方改革に関するワーキンググループを立ち上げさせていただき、事務局長として、一年間にわたり、加藤大臣を始めとする厚生労働省の方々と建設的な意見交換を重ねてまいりました。 この法案に基づきまして健全な職場環境を実現する、この本質は十分に理解をしております。ただ、その一方で、地方におきましては、人手不足、また来年の秋には消費税の増税やまた軽減税率を導入するなど、中小企業・小規模事業者の現地、現場というものは今大変なコストとリスクを抱えた状態でございます。その観点におきまして、本日はいろいろと質問をさせていただければと思っております。 まず、確認なんですけれども、法定労働時間を超える時間外労働が発生しなければそもそも三六協定の締結は必要ない、また、従業員数が十名に満たない事業所におきましては、就業規則等の届出義務も、今は、現状は用意されていないと、こういった状況でございます。ただ、現地、現場の経営者というのは、やはり今この働き方改革に関する報道がいろいろとなされておりますので、大変不安を抱えている状況でございます。 それに加えまして、長時間労働を是正する、また同一労働同一賃金もそうですし、また有給休暇の取得に関する新たなルールも課されるわけでございますが、この制度を運用していくという観点に立ちましたら、恐らく、その所定労働時間を確認するとか、三六協定、就業規則以外にも賃金規定などを確認する様々な書類が求められてくるんじゃないかなと思っております。 ですから、その観点におきましては、今義務化されていない書類の届出義務に関しましても、やはり企業、事業所の中では何らかしっかりとした準備を施行開始までに行わなければいけないんじゃないか。このことに関しまして、どのレベルでどのタイミングまでにどのようなことを企業、事業所に求めていくのか、そのことに関してまずはお伺いをしたいと思います。 そして加えて、同一労働同一賃金に関しましては、いまだもって詳細がまだ明らかにされておりません。このことに関しましては、やはり中小企業・小規模事業者の現場に速やかにまた円滑に導入されるようにするためには、分かりやすいガイドラインを一日も早く策定をする、そしてその上で、業種ごと、地域であったり規模であったりというのもありますが、少なくとも業種ごとにはその対応マニュアルを早急に作成して、そしてその内容をつまびらかにしていくことが求められると思います。こちらに関しましても、今どのような状況にあるのか、併せてお聞かせをいただけたらと思います。
○政府参考人(山越敬一君) 労働基準法についてでございますけれども、常時使用する労働者が十人未満の事業場の場合には就業規則の作成や届出の義務はございませんけれども、この就業規則を作成することが好ましく、また、労働条件通知書でございますとか賃金台帳などの作成義務はこうした十人未満の事業場にもございますので、こうした中で労働時間などにつきまして適切に管理をしていただくことが必要でございます。 中小企業・小規模事業者につきましては、法令に関する知識や労務管理体制が必ずしも十分ではございませんので、平成三十年度より全ての労働基準監督署に特別チームを新たに編成をいたしまして、専門の労働時間相談・支援班がきめ細やかな相談への対応や支援を行っているところでございまして、事業者がどのような書類の作成や記載が必要かにつきましても丁寧に周知を図ってまいります。 それから、同一労働同一賃金でございますけれども、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間でいわゆる待遇差が不合理なものであるか否かを示したものである、平成二十八年十二月に公表いたしました同一労働同一賃金ガイドライン案につきましては、国会での審議を踏まえまして、法案成立後の労働政策審議会で議論をいただいた上で最終的に確定することといたしております。 さらに、今年度には、非正規雇用労働者の数や割合が高い業種を中心に、各企業が賃金制度も含めて待遇全般の点検等を円滑に行えますよう、業界ごとの非正規雇用労働者が担っている業務や責任の程度などの特性を踏まえました同一労働同一賃金導入マニュアルを作成いたしまして、業界を通じて周知啓発を図ることといたしております。
○宮本周司君 ありがとうございます。 労働基準監督署の方でも既に丁寧な対応をしていただいているというお話でございます。 ただ、現状、今我が国には三百八十一万社の中小企業・小規模事業者が存在をしております。このうち、今いわゆる雇用がない、従業員が存在しないという会社は約百四十四万社でございますので、残り二百三十七万社が今回の働き方改革の制度の対象になってくる。これだけの数に対してしっかりと措置をしていかなければいけない。 監督署の方での対応というものも理解はできるんですが、やはり就業規則であったり賃金規定であったり、様々な例えば書類面を用意していくというだけでも、社労士に頼ってそういったものを措置していくということにおきましては、やはり中小企業、小規模企業にもリスク、コストがこのことに関して発生をします。まず、その辺りをどのように支援をしていくお考えか。 そしてもう一つは、やはりその二百三十七万社に及ぶ企業に対して、今現状、中小企業に対する配慮がなされましたので、再来年の四月一日施行開始、長時間労働に関しましてはですね。ただ、それまでには各企業、事業所において環境を整備しなければいけません。 今、働き方改革の推進支援センターを各都道府県県庁所在地に置くということでございますが、当然数名のスタッフの配置になるでしょうから、各県の中小企業全部をしっかりと網羅して漏れなく情報を周知する、またその対応をサポートしていく、これは現実的には無理だと思います。 その上におきましては、例えば商工会、商工会議所といった、そういった商工関連団体のサポートが必要になってくると思いますが、そういった支援団体、中小企業関係団体も今現状行っている業務でいっぱいいっぱいでございますし、既にその団体が人手不足、若しくは残業等も含めて過度な労務環境に置かれているかもしれません。ここに新たにこういったサポート業務も付加をしていく。 今現状、商工団体等に関する支援策として、時間外労働等助成金の団体推進コースというものを設けていただきました。ここには約四億円を措置していただいていると聞いております。ただ、単純に、今約二千二百の商工会と商工会議所が我が国にあります。これで全ての面積は網羅すると思います。仮に、そこに週に一回、相談窓口として社会保険労務士さんを派遣をする。一日八時間、年間で五十二週。大体一般的な専門家謝金の報酬、時間当たり六千円ぐらいをベースにして試算すると、これだけでももう五十五億を超えるような予算が必要になってくるんですね。 ですから、実際に、周知をしていくんだ、ちゃんと施行開始までに各企業の現場で措置できるように支援していくんだということは既にお示しはいただいていますが、予算的な根拠すらちょっと不安な状態であると、このように感じております。 実際にこの支援を、予算の確保も含めてどうやって担保を持ちながら実践、実行していくのか、この件に関しましてもお答えをいただけたらと思います。
○政府参考人(山越敬一君) 中小企業・小規模事業者の方々が様々な課題を抱えておられる中で、働き方改革にしっかりと対応し、これを機に持続的発展の基盤を整えていくためには、あらゆるルートを使いまして改正法案あるいはその改善事例の周知を図りまして、支援策を活用いただきながら三六協定あるいは就業規則等の整備に取り組んでいただくことが必要でございます。 そのため、厚生労働省におきましては、この四月より各都道府県に設置をいたしました働き方改革推進支援センターにおきましての支援でございますとか、あるいは先ほど申しました労働基準監督署に編成をいたしました特別チームにおきまして、中小企業・小規模事業者の実情に合わせました三六協定の締結の仕方、あるいは就業規則の作成に向けた助言を行っているところでございます。 また、生産性を高めながら働く方の労働時間などの縮減をする場合におきまして、専門家に就業規則の作成などを依頼する際の費用を助成いたしますとともに、新規起業事業場向けのポータルサイトでございますスタートアップ労働条件におきまして、所定労働時間でございますとか労働者数などの必要項目を画面入力し印字をすれば、署名押印するだけで労働基準監督署へ届出が可能となります三六協定の作成支援ツールの提供も開始いたしました。こういった支援策を設けているところでございます。 そして、法制度の周知に当たりましては、働き方改革推進支援センターを始めまして、商工団体などの関係団体と連携をいたしまして出張相談会あるいはセミナーを通じまして現行法の内容を含め幅広く周知を行っているところでございます。また、これに先んじまして、この一月には、現行三六協定につきまして、商工会、商工会議所、金融機関などを通じまして周知を行ったところでございます。 さらに、今年度の労働保険の年度更新の手続に係る書類の送付時に、労働保険加入全事業場に対しまして三六協定の内容や先ほどの支援策を周知したところでございまして、引き続き関係の機関と連携を密にさせていただきながら取り組んでまいりたいと思います。 また、先生御指摘のとおり、全国津々浦々まで働き方改革の趣旨、内容を御理解いただくためには、商工会などの中小企業・小規模事業者を支援する団体の果たす役割が重要かつ不可欠であるというふうに考えております。 中小企業事業者団体が傘下企業に対する時間外労働等削減の取組に要した経費を助成する団体推進コースでございますけれども、この平成三十年度の予算額は約四億円となっておりますけれども、これにつきましては、申請状況などに応じまして、時間外労働等改善助成金全体の予算額が約三十五億円でございますので、この中で柔軟に対応することも検討してまいります。 それから、先生が御指摘をなさいました相談支援体制や助成金の確保につきましては、平成三十年度の予算執行状況を踏まえた上で、切れ目のない支援につなげるため、平成三十一年度予算概算要求等の中でどのようにすべきか、検討してまいります。
○宮本周司君 私、地元石川県で、この議員になる前まで小さな造り酒屋を経営しておりましたので、その観点から、毎年の労働保険の年度更新、これはもう対象となる企業全部に郵送物があるんだから、そういったところでしっかりと周知をした方がいいという提案をさせていただいたところ、そういったことはもう実践していただいていると、そのことに関しては大変有り難く感じております。 ただ、実際にこの六月が終わって、仮に七月からいろんな周知を具体的に始めるとしても、一年九か月後には施行開始の時期を迎えるわけでございます。本当にこれが間に合うのかというのは、甚だ疑問な部分もございます。 中小企業の現場におきましては、いわゆる労働時間を短縮するとか長時間労働に対応するとかのみならず、やはり小さいところというのは、一人一人の社員さん、従業員さんが仕事をワークさせる上で肝腎要な存在です。一人が欠ければ効率も落ちるし若しくは仕事が止まってしまう、そんな業種や規模もあると思います。 そんな中におきまして、本当に省力化を図る、効率化を図る、生産性を向上する、ありとあらゆるものを現地、現場の挑戦、努力の上に実現した上で、結果的にこの働き方改革が求めるところに対応できる、これが現状だと思います。 ただ、残念ながら、例えば今日お越しいただいていますが、中小企業庁の方でそういった中小企業の挑戦に対する補助金等が用意をされておりますが、ものづくり補助金、代表的なものですが、もう四月に募集締め切っています。小規模企業に向けて初めて用意した補助金、小規模事業者持続化補助金、これも五月にもう締め切っております。そして、先般、IT導入補助金、効率化、IT化を図るための補助金でございますが、これも第一次募集が締め切っております。 実際、この中小企業・小規模事業者の挑戦を後押しするような、こういった補助金事業は実質的にもう弾切れなんですよね。これは補正予算に根拠を置いていますので、次の補正予算が出るまでこういった、じゃ、弾は、支援は用意されないのかということにもなります。 現状、どうやって本当にこのPDCAサイクルを回しながら、有益な支援事業又はツールを用意しながら、この中小企業・小規模事業者におけるこの働き方改革に対する対応を誘導していくのか、この件に関してもお聞かせください。
○政府参考人(山越敬一君) 中小企業・小規模事業者の働き方改革に対応するため、まずは働き方改革の内容の周知、それから必要な対応の把握、検討、具体的な対応の実施、その各段階できめ細やかな支援をする仕組みを整備することが必要であるというふうに考えております。 このため、厚生労働省におきましては、先ほど申し上げました働き方改革推進支援センターが商工会、商工会議所等の支援機関と連携をいたしまして、法令の周知、個別相談、そういった対応体制を整備いたしますとともに、法施行前までに必要な準備が図られるよう各種の助成金により支援をしているところでございます。 これらの支援につきましては、適宜、センターの利用状況や助成金の活用状況を把握いたしました上で、仮に十分に活用されていないものがあればその原因を分析いたしまして、周知、広報など改善すべき点は改善いたしますなど、中小企業・小規模事業者にとって真に適切な支援策となりますようPDCAサイクルを回していくことといたします。 こうした取組も通じまして、二〇二〇年の四月一日の施行に向けまして、引き続き中小企業庁とも連携いたしまして、充実した支援が行えるよう検討してまいります。
○政府参考人(吉野恭司君) お答えいたします。 委員の御指摘のとおり、働き方改革を進めていく上で、人手不足に悩む中小企業・小規模事業者に対しましては、IT化、効率化等による生産性向上の支援が非常に重要であると考えております。 中小企業庁としましては、中小企業・小規模事業者の生産性向上支援のため、先ほど御紹介ございましたものづくり補助金、持続化補助金、それからIT導入補助金等の施策を措置するとともに、それらの支援の効果を検証するために、事業者に、この補助金の目的に即してでありますが、事業化の達成状況など報告を求める、またアンケート調査を行うといったところでその状況把握に努めているところでございます。 また、下請取引改善のために主要産業界が策定した自主行動計画の浸透状況を調査するために行いました取引条件の改善状況調査というものがございますが、この中におきましても、人手不足や働き方改革による中小企業への影響を調査するなど、実態把握に努めてきております。このうち、支援策の実施状況、検証結果に加えまして、今申し上げましたような調査を通じて把握できる中小企業・小規模事業者の実態も踏まえつつ、厚労省と連携を密にして、必要となる中小企業対策を推進していく所存でございます。 さらに、三六協定や就業規則等の整備を促進するための支援制度の周知につきましても、同じく厚労省と連携をしながら、中小企業団体、それから金融機関、士業団体等の多様なチャネルや中小企業支援ポータルサイトでございますミラサポを活用して、きめ細かな周知、広報にも努めてまいります。 このような取組を通じまして、今後とも、中小企業・小規模事業者が働き方改革に対応できるよう、生産性向上のための支援策をしっかりと整備し、万全の対策を講じてまいりたいと思います。
○宮本周司君 是非ともしっかりとPDCAをワークさせて、現地、現場の対応に大きな負担が課せられることがないように是非お取組をいただけたらと思います。 ここで、大臣に御質問したいと思います。 今回のこの働き方関連法案の議論におきましては、いわゆる労働者の権利であったり企業の義務に焦点が当たっていると思います。本来、勤労の義務というものもございますが、労働者の義務という部分に関しては、今回の法案、詳しい表記がないと思っています。 冒頭に申しましたけれども、健全な職場環境を実現するという意味におきましては、企業側、事業所側といわゆる労働者側の相互の理解と歩み寄りによって僕は実現するものと思っております。ただ、今回のこの議論は、等しく勤労であって、等しく自助努力をし研さんを積み、若しくは会社の貢献度も、若しくは生産能力も全て等しいというような、まさに性善説の上にこの議論が乗っかっている。結局、その先にあるのは、今回のこの法案では企業、事業所に大きなリスクとコストが課されているというのがこの現状だと思っております。 企業として生産性を高めていく、効率化を図る、省力化も図る、こういったことをやりながらも、やはり労働者の方々も自ら研さんを積む、意欲と能力を発揮して主体的に努力をされる、こういった共通認識、相互理解の中で、要は労使が共に歩み寄ることによって本質的な健全な職場環境を実現することにつながると思っております。 こういった本質的な部分の働き方改革を進める、その上で真に健全な職場環境の実現を図っていく、この部分に関して大臣のお考えを是非お聞かせください。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、宮本委員がおっしゃったように、労使が共通認識、相互理解の下で協調して取り組んでいく、これが基本ということでありまして、その上に必要最低限の規制等を、例えば労基法等で、あるいは配慮義務等を設けさせていただいている、これが今回の全体の仕組みになっているわけであります。 実際、今の労働法を見ても、まさに最低基準を決める労働基準法の第一条第二項でも、この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るよう努めなければならない、ここも労働関係の当事者ということでありますから、別に使用者だけを言っているわけではありません。 それからまた、それぞれの職業能力を高めていくという意味における職業能力開発促進法第三条の三でも、労働者は、職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発、向上に努めるということ、こういう規定もされておりまして、それに必要な、例えば労働者の自発的なキャリアアップを支援するような助成制度等々、これも設けさせていただいているところでございます。 したがって、労使それぞれが努力をいただきながら、もちろん過労死をなくしていくとか、あるいは正規と非正規の不合理な格差を解消していくということはもとよりでありますけれども、今回の一連のこの働き方改革法案を通じて、やはり多様な働き方ができ、そうすることによって労働者が確保されていく、あるいは、もう細かくは申し上げませんが、そういったことを通じて、それぞれが生産性の向上というものにも取り組んでいただく、そういったことを通じて、日本経済、あるいは、それぞれの企業はもとよりでありますけれども、経済そのものが発展をしていく、そういった流れの中においてこれを位置付けているということでありますので、もう一回申し上げますが、あくまでも、労使が協調して、それぞれがその力を十二分に発揮をしていただく、これがベースにあるということで考えておるところであります。
○宮本周司君 当然、労基法等の根拠は理解をした上での質問でございます。制度の方は発進はされていくものの、労働者の方お一人お一人にそういった自助努力であったり自己研さんというところ、改めて啓発をするというものが今回のこの運用上見受けることができませんでしたものであえて発言いたしましたので、今の大臣の御発言も含めて、是非これは労使双方で協調関係をしっかりと現場現場で醸成できるように誘導していっていただけたらと思います。 ただ、その一方で、一つ懸念することがまたございます。この働き方改革に取り組む企業、それを実践した企業に関しましてはハローワークにおいて求職者に周知をしていく、重点的に人材を紹介していく、こういったことも予定していると私は認識をしております。 現状、地方におきましては、ハローワークを通じていろんな求人を出してもなかなか人が来ない。これは、もう東京一極集中で例えば若者がいない、少子高齢化であったり人口減少というものも当然大きな要素として存在をします。でも、現状、地方のハローワークでも、より小さな企業になればなるほど、どれだけ求人を出してもなかなかそこに申出がない、これが現実でございます。 そのような状況で、この中小企業の人材確保を、特にこの働き方改革に対応したところを応援をする、支援をするということは、この一面だけ見ればいいことだと思うんですが、いわゆる働き方改革に対応できるレベルの規模の企業であったり、そういった機動力、マンパワーも有している企業、余力のある企業に関しては充足をされていく、こういったマンパワーが充足をされていくという環境が整う一方で、人手が足りない、若しくはマンパワーが足りない、余力がないという小さな企業においては、引き続きこのハローワークでの人のマッチングの部分ですね、ここが充足されなくなる、余計格差を広げていくことを助長するんじゃないかなと思っております。 そのような不具合が発生しないように、この予定されている計画も含めてどのように現場を運用していくのか、是非お聞かせをいただけたらと思います。
○政府参考人(小川誠君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、人手不足等により余力がなく、現状において働き方改革への取組が十分でない企業に対しても、ハローワークにおいて求職支援を行っていくことが重要だと考えております。このため、厚生労働省におきましては、雇用管理改善に関する助言を行うほか、人手不足分野を対象に重点的な取組を進める総合専門窓口のハローワークへの設置、受理した求人に対する積極的なマッチング支援を行っております。 具体的には、助成金制度等の情報提供を含む雇用管理改善や、求職者にとって分かりやすい求人票の記載方法に関する助言、求人者と求職者とのミスマッチを解消するため、求人条件のほか、職場の雰囲気や経営理念、事業所の写真等、求職者に事業所の特徴や強み、魅力を伝えることができる情報の充実を図るとともに、事業所説明会、見学会、面接会の実施によるより多くのマッチング機会の提供等を通じ、企業の人材確保を支援しております。 今後とも、ハローワークにおきまして、個々の企業の状況を丁寧に把握、確認の上、必要な人材を確保するために必要な支援を推進してまいりたいと考えております。
○宮本周司君 ありがとうございます。 もう一点お聞かせください。 先ほどの大臣の御答弁の中にもありましたが、やはり従業員さん、労働者の方々のスキルアップのためにいろいろな支援の補助金等も用意をされていると認識をします。代表的なのは雇用保険二事業だと思います。これは、小さい大きいにかかわらず、事業主負担というのは同じ率で負担をしております。 ただ、この雇用保険二事業は、そもそも安定した求人の環境を準備するということと、社員さん、従業員さん、労働者の資質向上のためにいろいろな支援のツール、また機会を用意するということが二つの柱だと認識をしておりますが、実際、いろいろな社員さんの能力を高めていくような研修とかを設けられましても、小さな企業は現場を離れることができないのがやっぱり現実なんですよね。やはりある程度人材を確保しているところが交代でそういった研修の機会にも送り込むことはできると思うんですが、小さなところになればなるほどそういったことができない。かといって、就業時間後の夜の時間帯とか、また休日を使ってとなると、この働き方改革にまた逆行するような話にもなります。 同じ率を負担しているのに実際この雇用保険二事業を利用できる規模と利用できない規模、これも現存しております。このことに関しては過去から私もいろいろな場面で指摘をしておりますが、是非こういった、現場をフルで回しているような小規模企業でも利活用できる、生産性向上のためにいろんな挑戦ができる、その支援の政策を具現化していただきたいと思いますし、それがなかなかかなわないのであれば、例えばその事業主負担率のところで多少の差を付けて合意形成を図る等、必要だと思います。 最後に、これに対して御答弁をお聞かせいただけたらと思います。
○政府参考人(小川誠君) お答え申し上げます。 中小企業・小規模事業者の方々に助成金を活用していただくということは非常に大事なことでございまして、例えば、企業が行う人材育成に関する取組は人材開発支援助成金により支援しております。特に、小規模事業者の方々にも活用しやすくするために、平成二十九年度から、より短い訓練時間でも助成対象とするように、一部の訓練コースについて要件を緩和したところでございます。 また、このほか、小規模事業者の方々も雇用関係助成金を活用しやすくするように、昨年作成いたしました行政手続コスト削減のための基本計画に基づきまして、助成金の整理統合、支給要件等の見直し、郵送やオンラインによる申請の受付、申請様式の簡素化、記載マニュアルの充実等にも取り組んでまいります。 雇用関係助成金全体につきまして、委員の御指摘も踏まえ、今後とも小規模事業者を始め事業主の皆様にとって使いやすい制度となるように努めてまいりたいと思います。
○宮本周司君 ありがとうございました。 本日、いろいろと質問させていただきましたが、是非、地方の中小企業・小規模事業者の現地、現場、ここに配慮した形でこの制度が運用されますことを心から願い、お願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○自見はなこ君 参議院自民党の自見はなこです。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、本日の質問の機会いただきましたことに大変感謝をしております。 本日は、我々が今審議をしております働き方改革関連法案の中でも、新たに提出をされております労働安全衛生法の一部を改正する法律案について中心的に質問させていただきたいと思っておりますが、その前に一問、子供に関することの質問をさせていただきたいというふうに思っています。 我々がこのそもそも働き方改革というものを推進している意義というものは、ワーク・ライフ・バランスを整え、個人や家庭での生活における文化的で幸せな暮らしの充実に社会全体でどのように寄与していくかということだと私は理解をしています。そのはるか以前の悲しい話ですけれども、本日は、先に児童虐待について一問質問させていただこうというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 厚労省でも、児童福祉法の改正や新しい社会的養育ビジョンというものが示され、児童虐待についても厚労省内外でも活発に取組を強化してくださっているというのは十分に承知をしているところではございますが、目黒でもこの度、大変悲しい、虐待の末の死亡という事件も起こりました。心が潰されそうな事例や事件は本当に後を絶たない状態でございまして、このような事件が起こらないようにするには何をすればいいんだろう、何とかできないのかなという声も私たちのそれぞれの事務所に多く届いていることだと思っておりますし、その問題意識はほとんどの我々で共有しているところだと思います。 その中で、現行の法制度の下で、運用上、今回のこのようなケースが起きないように、今すぐにでもできるのではないかなという観点から御質問をさせていただきますので、端的にお答えいただければと思っております。 厚労省にお伺いをしたいと思います。 痛ましい児童虐待の事件が後を絶たない中で、市区町村を越えて住居が転居、移転した場合に、また、たとえその転居が遠隔地であっても、転居元の自治体と転居先の自治体の児童相談所間で個別ケースに関わるリスク評価や危険度の高さというものを確実に伝達する必要があるというふうに思っておりますが、どのように体制、仕組みづくりを担保していくのか、お答えください。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 まず、今回目黒で発生いたしました事案につきましては、東京都及び香川県において検証が行われるものと承知をしております。自治体間にまたがる課題等もございますので、私ども厚生労働省としても、東京都、香川県と連携を取りながら、それぞれの自治体における検証状況も踏まえ、並行して検証を行い、必要な対応をまず考えてまいりたいというふうに思っております。 その上で、御指摘いただきました保護者の転居に伴い児童相談所の管轄が変わる場合、これ一般論ではございますが、虐待発生リスクが高まるという視点を我々持っておりまして、関係者で情報を共有する必要があるということから、児童相談所運営指針や子ども虐待対応の手引きにおきまして転居を伴うケースの情報共有の手順を今示しているところでございます。 具体的には、児童相談所はアセスメントシートというものを作っていただいて、それに基づき緊急性の判断を行っておりますが、その結果、緊急性が高いと判断される場合には、移管元の児童相談所職員が移管先に直接出向いて事前説明、協議を行うほか、双方の児童相談所の職員が同行訪問を実施するなどの方法により、きちっと引継ぎをしていただきたいということを示しているところでございます。 転居前後の自治体間及びその転居先での関係機関内の情報共有を適切に行っていただくよう、引き続き、自治体に対しても周知徹底をしてまいりたいと思っております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 個別リスクの危険度の共有というのも、何で今までもっと徹底的にしていただけなかったのかなという、多くの人が当たり前だったんじゃないのかなという思いすら持っていると思います。 是非、行政という枠組みがあるのも十分に承知しておりますし、自治体の取組に任せている部分があるのも承知をしていますけれども、今の仕組みを総点検していただき、現場で働いている小児科医そして職員の声を聞いていただきたいと思っておりますので、引き続き、この分野に関しましては、我々一同しっかり頑張っていきたいと思いますので、何とぞよろしくお願いいたします。 では、法案審査に移ります。 職場におけるいじめ、嫌がらせについての労働相談件数というものは増加傾向であります。前年度から六・五%も増加をして、そして五年連続トップという背景から、今回、議員立法としてこの労働安全衛生法の一部を改正する法律案が提出をされました。 そして、この今回の法案では、禁止事項としてではなく、事業者に対して業務上の優位性を利用して行われる労働者に苦痛を与えるおそれのある言動に対しての措置を定めるということで、いわゆるハラスメントの定義としては、精神的な又は身体的な苦痛を与えるおそれのある言動で業務上の適切な範囲を超えているものとされております。 今回のこの法案が提出された背景には、国内事情だけではなく、ミー・トゥーに事を発し、世界的にもセクシュアルハラスメントを含む職場でのハラスメントに対しての議論が巻き起こることとなったという、世界の動きというものも背景にあるというふうに認識しております。 そんな中、つい先週まで開催されておりました二〇一八年度、第百七回のILOの総会の議題といたしましても、職場における暴力とハラスメントを議題として議論が行われたことと承知をしています。 提案者にお尋ねをいたします。 今回のこのILOの総会での議論はどのようなものであったんでしょうか。また、今後のこのILOのスケジュール感も念頭に置き、我が国はどう対応するべきと考えているのか、お考えをお聞かせください。
○石橋通宏君 自見委員におかれましては、この問題について共通の認識、問題意識を持っていただきまして、御質問、本当にありがとうございます。 今大変重要なポイントを言っていただいたと思います。国際的な様々な取組、とりわけILOにおける今回の総会での審議。 元々、ILOでもこの問題は決して新しい課題ではありません。職場、労働の世界における暴力やハラスメントの問題というのがこの間もかなり国際的な議論となり、ILOの場でも議論が行われ、その結果として、やはり今こういう世界的な取組をみんなでやっていく必要がある、新たな国際労働基準を設定する必要があると、そういう認識の下で今回総会の議題となり、御存じかと思いますが、新しい国際労働基準、今回の総会において、勧告で補完される新たな条約を作るんだという方向性が確認、決定をされましたので、通常、条約、勧告は二回討議になっておりますので、今回、一回目の討議ということです。 ですので、今回の総会の結論を受けて、これからまた一年間、世界のILO加盟国、政労使で議論を重ねた結果としての来年の総会で、順調にいけば、ILO、来年は百周年でございますので、この百周年の節目に、新たな暴力、ハラスメントを規制するための国際労働基準、条約、勧告が策定されると、そういう運びになっております。 もうこれも皆さん、委員の各位も御存じのとおり、我が国政府はILOの常任理事国です。労働側、使用者側も現在理事会務めております。政労使がそれぞれ理事という立場で今関わっているわけですので、それだけ重たい役割、責任を果たさなければいけないと、そのことも改めてこの場をお借りして認識を共有しておければというふうに思います。 その上で、今回の総会、私もかなり中身の議論もウオッチをさせていただきましたけれども、幾つか重要な点も確認をされております。 暴力及びハラスメントに関する定義、これやっぱり難しいわけですが、身体的、精神的、性的又は経済的な危害を引き起こす許容し難い行為というふうにまず定義をしていこうという議論だったというふうに聞いておりますし、全ての労働者を対象にする、そして同時に、取引先の従業者や顧客、ユーザーなどの第三者も対象にしていくべきなんだという方向性も示されております。これまさに私たちが提案している今回の法案と軌を一にするものでございまして、思いが共有されているなということを改めて実感をいたしました。 その上で、ILO条約ができれば、当然、批准国、加盟国に国内法の整備が求められてまいります。基本的には、この暴力とハラスメント、これを禁止する法律を各国で整備をしていくことが恐らく求められていくんだろうなというふうには思います。これは来年の結論を待たなければなりません。 ただ、今回の総会に提案された提案文書、総会文書、報告書がございます。これ、世界のILO加盟国の実態を、日本からも報告が出されているわけですが、調査をして報告が出されておりますが、大変重要なことが書かれておりまして、ここには、各国で既に禁止措置が講じられていると。これは、各国の労働法制、禁止規定、こういったことが各国で整備をされているのに合わせて、同時に、予防措置、様々な防止措置、それは労働安全衛生法の世界で対処をされているということも各国の実態が報告をされています。 ということは、まさに今提案、御審議をいただいている今回の我々の労働安全衛生法の提案というのは、この防止措置、これにまさに合致する、そういう内容の提案だということでございますので、今回のILOの議論、これも踏まえた提案をまさにさせていただいている。この御審議をいただいてこの方向性ができてくれば、このILOが定めようとしている国際労働基準の方向性にも我が国としての対応の大きな一歩になり得るというふうに理解をさせていただいております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 国際的にも多くの国々と連携をし、何らかの実効的な取組が必要だという認識は、まさに恐らくここにいる我々全てが共有できることではないかなというふうに思っております。 さて、政府参考人にお伺いをいたします。 今の提出者の発言を受けてでございますけれども、政府としてはこのILO総会での議論を踏まえてどのように対応すべきだと考えているのか、教えてください。
○政府参考人(宮川晃君) 職場におけるパワーハラスメントにつきましての政府の取組について御説明させていただきたいと思います。 職場のパワーハラスメントにつきましては、実効性ある防止対策を検討するため、働き方改革実行計画を踏まえて、昨年五月より有識者による検討会を開催し、本年三月三十日に報告書を取りまとめました。 同報告書においては、現状の取組よりも職場におけるパワーハラスメント防止対策を前に進めるべきということで意見が一致するとともに、現場で労使が対応すべき職場のパワーハラスメントの内容や取り組む事項を明確化するためのものが必要であるということにつきましては異論はなかったことが示されております。 また、具体的な対応策につきましては、事業主に対する雇用管理上の措置義務を法制化する対応案を中心に検討を進めることが望ましいという意見が多く見られる一方で、業種、業態、職務など異なる中で、どのような場合が職場のパワーハラスメントの要素を満たすのかの判断が難しいことや、中小企業でも可能な職場のパワーハラスメントの予防、解決に向けた対応や更なる支援の在り方はどのようになるかなどの論点があることから、まずは事業主による対応をガイドラインで明示することが望ましいという意見も示されたところでございます。 厚生労働省といたしましては、こうした検討会の報告書で示された論点につきまして、今後労働政策審議会での御議論をお願いしたいと考えておりますが、その御議論に資するよう、現在、具体例の収集、分析を行っているところでございます。
○自見はなこ君 現在の取組について教えていただきまして、ありがとうございました。(発言する者あり) 遅いという御意見も聞かれておるところでありますけれども、現行の立法の中では、職場でのセクシュアルハラスメントと、そして妊娠、出産等に関するハラスメントというこの二つの領域では、法律では、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の中で、事業主が講ずべき措置について適切かつ有効な実施を図るための必要な指針というのが作成されているところでございまして、この中では、事業主に関する報告の徴収、助言、指導、勧告、そして勧告に従わなかった場合の事業主の公表というものがうたわれているのは皆さん御存じのとおりでありますが、この枠組みだけでよいのかという議論はまさにこれから労政審を含めてしっかりとやっていくということだったと思いますが、その中でも触れられておられましたが、去年から政府で行われておりましたこの円卓会議のワーキング・グループで、職場のいじめ、嫌がらせ問題というものについても議論を深め、ようやくその取組がスタートされたということであります。 そこで提出者にお伺いをしたいと思います。 皆様のお手元の配付資料にも同じものを配付をさせていただいておりますが、平成二十四年の厚生労働省円卓会議ワーキング・グループで、この職場のハラスメントについて行動類型ということで六類型が示されたということでございます。 これらのことについてこの法案ではどのようにカバーしているのか、また、この法案ではそれがどのように具体化されて防止されていくことになるのか、また、社外の従業員等から受けたパワハラに対して例えば制裁などを与えるということは可能なことなのか、この点についてお考えをお聞かせいただければと思います。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 直接御質問をお答えする前に、先ほど宮川局長の御答弁がありましたけれども、場内から遅いという話もありました。全く私たちも同じ思いでありまして、この間、今御指摘をいただいた二〇一二年のこの円卓会議で既にこういった類型も含めて示されているわけです。何をしていたのかと、この間、政治の不作為だと思います。 ですので、我々は議員立法として今回この案を出させていただいているということは重ねて申し上げておきたいと思いますし、罰則付きの禁止規定を明確に設けるのはそう簡単なことではないかもしれませんが、今回のように労働安全衛生法による事業主に課す措置義務ということは、我々がこうやって提案させていただいているわけですから、十分に提案可能なはずなんです。それをやらなかったこと、できなかったこと、そのことについては問題意識は述べておきたいと思います。 その上で、御質問を今いただいた点ですけれども、元々、私たちの今回の議論、法案自体のパワハラの定義も、この平成二十四年、二〇一二年の円卓会議の結論、提案、報告文書を参照させていただいております。それを援用した形で定義を置いておりますので、当然、先生に、今日、今配付資料でお示しをいただいたこの六つの類型、これ冒頭にもありますが、あくまでこれは完全網羅するものではないと、これ以外にもあり得るんだと。ただし、パワハラを規定していく上で重要な指針としてこの六類型というのが示されておりますので、我々の法案も当然この六類型が含意されているというふうに考えております。 ただ、具体的にこれを全部それぞれで法案に書くわけにはまいりません。ですので、前回、おとといの東委員からの御質問にもお答えさせていただいたとおり、我々は、この定義に基づいた指針、国がまず指針を作りますので、国の指針の中で、ではこの六類型というものが、どういったものがこの六類型に当たるのか、何が業務上適切な範囲でどういったものが適切な範囲の外にあるのか、それを超えるものなのか、それを国として示せる範囲での統一的な基準としてまずは示していただいて、ただ、最終的には、重ねて申し上げますが、様々な業種、業態、いろんな職種がある、それについては現場が一番御存じなわけですから、国としてのその統一的に示す指針を参照しながら、現場で、労使でしっかりと御議論、御審議をいただいて、現場でそれぞれの企業における、業務、業態における指針を定めていただく、それにこの六類型というものが具体的に規定をされていくというふうに考えておりますので、そういう整理で今回の法案、提案させていただいております。 もう一点、これも大事な御指摘だと思います。社外の従業者等から受けたパワハラに対して制裁を与えることが可能なのかという点です。 これもおとといの質疑で東委員からも同様の質問をいただいておりましたけれども、今回、社外、いわゆる企業横断的な加害者に対する対応というのも当然措置義務の中に含めていく、そういう提案になっています。 ただ、重ねて、直接の雇用関係がありませんので、じゃ、事業主に直接何らかの制裁を科すとか、何らかの直接的な対応を求めるということまではさすがに労働安全衛生法の対応の中では難しいということで、今回は相手方企業に対する通知、情報の共有、相手方企業の事業主にその当該加害者に対する対応を促す、こういうところまでを求めようというふうに含めさせていただいております。これも国の指針等、各企業の対応の中で明確に規定をしていただくということになりますが、当然これ、国からの指導、勧告の対象とはなります。つまり、通知を受けた事業主が自らの企業内に加害者がいるかもしれない、いるという通知、報告をいただいているのに全くその対応をしないということについては、今回の法案にあるこの国からの指導、勧告の対象となります。だから、対応しない場合には企業名公表まで行くことができます。それを科すことによってそれぞれの企業で適切に加害者に対する対応もしていただく、そういう形の法案の提案とさせていただいております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 ハラスメントの行為の範囲というものによって、極端な場合ですとか、あるいはもう犯罪であろうという場合には恐らく刑法なども適用される場合もあると思うんですが、今回は職場の中での環境整備という、労働基準法を基盤として成り立っている労働安全衛生法というものがあるという、そういった視点からは、なかなか他社の従業員に対しての調査ですとかあるいは実効性の担保ということに関して悩み多きところだと思うんですが、今の法案のままだと現実的な課題もあるようにも感じております。 そこで、一方で、前段で石橋委員がお話をされていたように、世界のILOの議論の中では労働安全衛生法の中に組み込んでいくことが適切だというような議論の流れもあるということですので、やはりここはまだ検討、国の中で労政審での議論も残念ながらまだスタートしていない、あるいはもう少しでスタートするんだという、こういう時期でございますので、今の御指摘も十分に踏まえた上で労政審の議論に持っていけたらいいのかなというふうにも感じたところでもございます。 続きまして、また提出者に御質問させていただきます。 本法案には消費者対応の業務における過剰クレーマー対策というものも含まれているというふうに理解していますが、消費者対応の業務とは何か、先ほどちょっと触れられたかもしれませんが、特定の業種や業務を想定しているものなのか、また、それらは国の指針で限定列挙をされていくように想定をされているのか、また、列挙されなかった業務というものは対象外となってしまうのか、こういった点についてお考えをお聞かせいただければと思います。
○浜口誠君 お答えします。 自見委員におかれましては、本当に共通の問題意識持っていただいて、御質問いただきましてありがとうございます。 また、昨日の地方公聴会においても、やっぱりパワハラに対する規制、これしっかりやってほしいという、公述人の方からもたくさん御意見をいただきましたので、是非、この法案、しっかり議論させていただいて、成立をさせていただきたいなと、こんなふうに改めて昨日の公聴会で感じました。 今御質問ありました消費者対応業務、これにつきましては、個人に対する物又は役務の提供、さらには、これに準ずるその他の事業活動のうち、その業務の中で相手の方に接してなおかつ応対するようなもの、これを厚労省令で定めるということにしております。したがって、どこか特定の業種ということではなくて、そういう定義からすると、非常に幅の広い業種、あるいは様々な業務にこの消費者対応業務というのはあるんだろうなというふうに思っております。 具体的に政省令で定めるということですけれども、例えば、小売の販売の業務ですとかあるいはコールセンターの業務、さらには受付だとか窓口業務、もっと言うとホテルとかあるいは飲食店での接客、こういったものも対象になると思いますし、さらには病院とか看護施設でいうと患者さんに直接対応されているような方、さらには研修とか教育とか、そういう業務を提供する先生だとか講師だとか、そんな方も対象になりますし、皆さんの身近でいうとタクシーとかバスの運転手さん、そういった旅客運行で直接お客様と接するような、様々な対象になる業務があるというふうに思っておりますが、それらを政省令の中で限定列挙させていただきたいなと、省令で定めていきたいというふうに思っています。 漏れのないように、今回の法案に対応した措置をとらなきゃいけない業務については省令で適切に定めていくというのが望ましいと、漏れのないようにしっかりと検討して省令で定めていきたいと、こんなふうに考えております。
○自見はなこ君 ありがとうございます。 法律で何かを規定するということにはかなり厳格でなければならないと思う中で、この業務に関して政省令で定めるということは、現実的な作業としては大変な困難を来すのではないかなということで、ここに関してももう一歩、二歩踏み込んだ議論というものも更に深めていく必要があるというふうに今感じたところであります。 もう一点、提出者にお尋ねをいたします。 この度、省庁幹部へのセクハラの研修の義務化につきまして、野田聖子男女共同参画担当大臣の下にまとめた対策も出たところでございますが、ここ最近は特にこのセクハラの問題というものが顕在化していることも多い中で、まず提出者より、今回の政府の対応についての御意見と、加えて、今回の法令ではセクハラは特に国家公務員へのセクハラというものも対象になるのか、なるとすればどのような効果が期待できるのかについてお答えをいただけたらと思います。
○石橋通宏君 私も今回のこの提案文書を読ませていただきました。これはあくまで、これ我々も意見が違うかもしれませんが、私自身の、今回の提出者としての受け止めということになりますが、大きな一歩であることは間違いない、そうしていかなければいけないんだろうなというふうには思います。 ただ、残念ながら、これは野田担当大臣自身も言っておられますが、本来は、やはりこれちゃんとした規制、禁止規定含めて、そういった法制度、法令上の対応に持っていくべきだった、そういうタイミングに来ていたはずです。そこに踏み込めなかった、踏み込まなかった、これは、残念ですが、不十分と言わざるを得ないのではないかなというふうには個人的には思っております。 その上で、評価できる点も幾つかございまして、今回、例えばこれまで問題になった事案でいけば、部外の方に対するセクシュアルハラスメント、これまでの対応ではそこがきちんとした措置義務の対応になっていなかった。それを今回は、部外の方に対するセクハラも対象にするんだ、また事業場外で仕事をしている場合に受けるセクハラについても対応にするんだと、そこまで踏み込んだことについては、これまでが甚だ不十分だったことを考えれば、一歩踏み出していただいたのではないかなというふうに思いますし、そういった部外からのハラスメント、部外へのハラスメント、そういったことも含めて相談窓口、相談体制も整備をするんだということも書いていただいておりますので、それは今回我々が提案しているまさに法案とも一致するものでありますので、そこは評価をしておきたいというふうに思います。 その上で、前回もこれも少し答弁させていただきましたが、私たちのこの今回のパワハラという対象ですが、当然この定義に当てはまるセクハラ、様々なハラスメントも対象になってまいりますし、していきます。業務上の優越的な立場、優位性を利用して行う様々なハラスメント、これは当然対象になりますので、そして、部外の人間に対する若しくは部外の人間からのハラスメントも定義に当てはまれば対象になってまいります。そういったことも含めて考えれば、かなり幅広い対応をこの法案ではさせていただけるのではないかなというふうに思っております。
○自見はなこ君 ありがとうございました。 資料に、ちょっと字が小さくて恐縮ですけれども、外国のセクハラに対する法整備の実態が分かる表が載っておりましたので、お手元の資料を御参考にいただければと思います。 最後に、加藤厚労大臣にお伺いをいたします。 今までの議論を通しましても、いろいろな世界の流れ、そして今回の提出者の思い等々の整理がある程度できたのかなと思います。ただ、その一方で、個々の法案への落とし込みというものについては様々な整理が私は必要であろうというふうに認識をしたところであります。 国連の人権規約委員会などでは、既にハラスメントに関しましては禁止規定の創設というものも求められている、また、ILOの条約が仮にできれば、当然でございますけれども、国内法の整備も求められることになるかと思います。こういった国内外の意見の積み重ねも踏まえた上で、今後早期に労政審で具体的な議論が行われることと理解をしておりますが、最後に加藤大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、今、自見委員、また政府側、また提出者との間でもいろいろ議論をしていただきましたが、我々の共通の認識は、職場におけるセクハラ、パワハラ、これ働く方の尊厳、人格を傷つけ、職場環境を悪化させていくということで、これはあってはならないと、いかに、これを防止していく必要がある、これはもう共有の認識だというふうに思います。 セクハラについては、男女雇用機会均等法に基づいた対応ということでありまして、企業に対して義務付けている対処方針の明確化等々、その履行の確保、これをしっかり進めていくほか、今御議論いただきましたように、パワハラについては本年三月、報告書を取りまとめていただきましたので、それを踏まえて労政審で、検討会で議論された対応案、また現場で労使が対応すべき職場のパワーハラスメントの内容や取り組む事項を明確化するための具体的な内容について議論を進めていきたいと思っておりますが、その際にも、実態についての収集あるいは分析、こういうことも求められておりますので、中小企業団体、業界団体、産業別労働組合、個別企業労働組合などにも御協力をお願いし、ヒアリングを行って、まず具体的な例を収集をさせていただいているところであります。また、その上で労政審においてしっかりと御議論いただきたいと思います。 また、ILOの関係でありますけれども、来年のILO総会において二回目の議論が行った上で勧告付条約が採択されるということが想定をされているわけでありますから、それらを踏まえて、我が国を含む世界各国が効果的にハラスメント防止のための取組を進めていくことを可能とするような基準の内容になるように、我が国としてもILO総会での議論等にも積極的に参加をさせていただきたいと思っておりますし、また、ILO総会での議論も踏まえて、こうした一連の取組について、ハラスメントのない職場づくり、これに向けて邁進をさせていただきたい、こう思っております。
○自見はなこ君 終わります。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。 本法改正では、正規雇用者と非正規雇用者との待遇差の合理性について、雇用主に労働者に対して説明義務を課しております。 近年、正社員として勤務し退職した後、定年後の再任用で採用され働く方が増加をしております。再任用の方は、それまでの能力、経験を生かして勤務をしている中、正社員時よりも給料が低くなるのが一般的です。これについてどのような合理的説明を企業が行っていくことになるのでしょうか。先般、最高裁にてこの課題について判決が出ております。判例との関係性を含めて、考え方をどのように整理されていくのでしょうか。 また、正規雇用と非正規雇用との差をなくす過程で、通勤手当等の諸手当の取扱いについて、同日、最高裁判決がありました。この事実と本法改正に基づき、経営者、使用者が踏まえるべき点について、また今後の対応について、加藤大臣に伺います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の二つの最高裁判決、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の待遇差について個々の手当ごとに判断するということで、現行の労働契約法第二十条の解釈適用について判断をされたものでありますが、今回の法案による改正後の規定の解釈にも示唆を与えていただける、こういうものだというふうに認識をしております。 判決を踏まえて法案の文言の修正をする必要は特にないと考えておりますが、今後策定する同一労働同一賃金のガイドライン、また通達においては、この判決におけるもの、必要なものはしっかり取り入れていく必要があると考えております。 例えば、今お話がありました定年後再雇用の有期雇用労働者に関する均等・均衡待遇の考え方でありますが、既にお示しをしたガイドライン案においては、退職一時金及び企業年金、公的年金の支給、定年後の継続雇用における給与の減額に対応した公的給付がなされていることを勘案することが許容されるか否かについては、今後の法改正の検討過程を含め、検討を行うとされていたところでございまして、そういった意味では、今回の判決というのはそれ一つの示唆を与えていただいているわけでありますから、それを踏まえてこの点についても何らかの認識を示していく、ガイドラインで示していくということで検討していく必要があるというふうに考えております。 いずれにしても、このガイドライン案あるいは通達については、関係者の意見、またこの国会における様々な御議論も頂戴をしておりますから、それを踏まえて法案成立後に労働政策審議会においてしっかりと議論させていただいた上で作り上げていきたいと、こう考えております。
○三浦信祐君 大臣から、そのガイドラインの重要性ということを逆に言っていただいたと思います。しっかり審議をして決めていただきたいと思います。 本委員会で法案審議を行っていく中、今後、労政審での議論を行っていただきとの答弁が多岐にわたって多数あります。厚労省側から一方的にこれを審議してくださいと範囲を狭めて議論していただくことではないと承知している上で、確認ですけれども、労政審で議論していただく項目は幾つになるのでしょうか。また、国会審議での各種論点はどう反映をされていくことになるのでしょうか。基本的な質問ですけれども、加藤大臣に伺います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御質問の中で、基本的に省令について労働政策審議会で御議論いただくということでありますから、この今の法改正案におきます新設、改正された条項において省令で定めることとされているものについて、それを一つ一つ数え上げさせていただきますと、六十程度になるということでございます。これについては法案の成立後に労働政策審議会において議論をいただくということであります。 また、このほか、法案において新たに設けるとされた指針、これについても併せて労政審で議論の対象になるものというふうに考えております。
○三浦信祐君 漏れなくやらなければいけない、数も多いということが分かりました。 その上で、二つ伺います。 本法改正は、基本方針を定めるとする雇用対策法は公布日から、また、大変重要である長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方改革の実現に関する法令の基本部分については平成三十一年四月一日に施行されるとしております。種々挙げられている課題項目について、労政審での議論のまとめ、整理はいつまでに行われるのでしょうか。これが一つであります。 また、本法案では、厚生労働省令により定めるとしている部分が多数あります。この厚生労働省令を決めるスケジュールはどのように想定をされているのでしょうか。これが二つ目であります。 企業がしっかり準備をしなければなりません。また、様々対策も必要であります。加藤大臣、是非明確にしていただけませんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の法律施行、昭和三十一年四月一日から逐次施行されていくわけでありますので、そのことを踏まえながら、失礼、平成三十一年ですね、四月一日から施行されることを踏まえて、また、今回の法案で、罰則付きの時間外労働の上限規制、年次有給休暇の使用者による時季指定など、企業の労務管理の実務に大きな影響があるものもございます。十分な施行準備をしていただくためにも前広にお示しをしていくということは大変大事でございますので、早期に省令等を制定させていただきたいというふうに思っておりますが、現時点ではまだ、既に法律が上がっているわけでもございませんから、この段階でいついつということを申し上げるわけにはいきませんけれども、法案が成立すれば、速やかに労政審のスケジュールを確定し、そして御審議をいただき、そして御審議結果が出れば速やかな省令を決めていく、そういったスピード感を持って取り組ませていただきたいと思います。
○三浦信祐君 これ、大変重要な法案ですから、過労死をなくすということではもう一分一秒でも本当にきちっと制度をつくっていかなければいけないことでありますので、法案をしっかり議論させていただく上で、でき上がったその課題についてしっかり議論していただいて、明確化していただきたいと思います。 今、日本ではあらゆる職種において人手不足であると言われております。現場の中小企業は深刻な状態です。働き方改革の実現には人手不足解消への取組が欠かせません。少子高齢化が進み、今後、若年層の労働力不足が顕著にもなってまいります。労働需給のバランスが大きく崩れる時代が来ております。 お手元に資料をお配りさせていただきましたので御覧をいただければと思います。この一枚目は、六十歳以降の就労希望とその希望形態のデータであります。収入を伴う仕事をしたい、続けたいと思っておられる方は、六十から六十四歳で約六九%、六十五から六十九歳では約六五%、すなわち、六十歳以上で約七割であります。七十歳以上でも約二七%もおられます。 また、二枚目ですけれども、いつまで働きたいかについては、七十歳で約二四%、そして、いつまでもが約三〇%です。定年とされている六十五歳以上で整理をすれば六六%にも上ります。その希望就業形態は、パートタイマーが約五四%と半数、フルタイムは約二四%です。 この意向、決して逃してはいけないなというふうに私は思いました。人生の先輩とも言える世代の方々が労働力として社会に実装されていくことは、人手不足解消や、これまでの経験や技術、能力を生かしていくことにもなります。また、生きがいを生むことにもなります。他方で、退職時期に高等教育を受けている御家族がいる場合、教育費を確保するために、あるいは住宅ローンを抱えている等、ライフプランの中に退職後も働き続けるスタイルが増えていることに応えることにもなると思います。 しかし、この就労環境整備というのが日本ではまだまだ足りないというのが実情ではないかなと私は考えております。この高齢者の方々がしっかりと仕事ができるような施策をしっかり具体的に取り組める社会づくりをすべきだと考えますけれども、加藤大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) この少子高齢化、今お話がありましたけれども、我が国の社会、高齢化が進む中で、働く意欲がある高齢者が年齢にかかわらず活躍することができる社会、これが大変大事だというふうに思いますし、先般、人生百年時代構想会議においても、総理の方から、六十五歳以上に引き上げるための必要な環境整備を図るようにと、それを厚労省で検討するようにと、こういう指示もいただいているところでございます。 既に、現状においても、全国の主要なハローワークに生涯現役支援窓口を設置して再就職の支援を強化する、あるいはシルバー人材センターにおける会員拡大や、会員と企業とのマッチング機能の強化による高齢者の多様な就業機会の確保、そしてもちろん六十五歳を超える継続雇用延長等に取り組む企業などへの具体的な財政的支援、こういったこともやらせていただいているところでございますので、それらを踏まえながら、そして、先ほど申し上げた六十五歳以上に向けての環境整備に向けて更にどういうことがやっていけるのか、しっかり検討させていただき、また、具体的な取組を進めていきたいと思います。
○三浦信祐君 是非よろしくお願いしたいと思います。 雇用環境、子育てサポートの環境整備が進んでいる企業、また女性活躍、若者の採用、育成に取り組んでいる企業に対して厚生労働省が認定する、くるみん、プラチナくるみん、えるぼし、ユースエールがあり、認定企業に対して種々のインセンティブを付与しております。これらの認定制度は、今般の法案とは異なる法律を根拠としております。これらの制度について、まず、どのような内容か、確認をさせていただきたいと思います。 その上でですが、中小企業庁の二〇一四年のデータでは、日本の大企業は一万一千百十社であるのに対し、くるみん取得企業は平成三十年三月時点で二千八百七十八社、データの時期は異なりますけれども、約二六%です。一方、中小企業は三百八十万九千二百二十八社であるのに対し、ユースエール認定企業は平成三十年四月末で三百七十三社です。僅か約〇・〇一%であります。くるみん、えるぼし、ユースエールなどの認定制度は、そもそも働き方改革が進んだ目指すべき企業スタイルであると言えます。にもかかわらず、現時点で認定を受けている企業数が少ないのはなぜなのでしょうか。手続が煩雑、メリットを知らない、不要である等、理由が挙げられると思いますけれども、この働き方改革を推進する上での課題がここに集まっていると思いますので、是非、まず最初に厚生労働省の見解も伺いたいと思います。
○政府参考人(宮川晃君) 私の方から、まず、くるみんとえるぼしの関係を御説明させていただきます。 くるみん認定は、次世代育成支援対策推進法に基づきまして、育児休業取得率や時間外労働の状況など、仕事と子育ての両立支援に関し一定の基準を満たした企業を子育てサポート企業として厚生労働大臣が認定をする制度でございます。くるみん認定企業のうち、より高い水準を満たした企業はプラチナくるみん認定が受けられるところとなっております。 えるぼし認定は、女性活躍推進法に基づきまして、採用、継続就業、管理職比率など、女性活躍推進に関する状況が優良な企業に対しまして、満たした基準に応じまして三段階で厚生労働大臣が認定をする制度でございます。認定状況は先ほど先生から御指摘のとおりでありまして、取得企業を一層増やしていくことが重要な課題だと認識しております。 今後とも、企業に対して分かりやすく認定基準や手続等の説明を行うとともに、この認定マークを商品や広告等に付することによりまして、学生、社会一般へのイメージ向上、優秀な従業員の採用、定着につながる効果などのメリットについて一層PRを行いまして、認定取得を促進してまいりたいと考えております。
○政府参考人(安藤よし子君) ユースエール認定制度についてお答え申し上げます。 ユースエール認定制度は、若者雇用促進法に基づきまして、新卒就職者の離職率や所定外労働時間、有給休暇の取得日数など、若者にとって良好な雇用管理が行われていることを示す一定の基準を満たす中小企業を厚生労働大臣が認定する仕組みでございます。 これら認定企業に対しましては、ハローワークの就職面接会における認定企業のアピールを始めとする重点的なPRなどによりまして当該企業の認知度の向上を通じた若年人材確保の支援を行う、また、若者の採用、育成を支援するための特定求職者雇用開発助成金や人材開発支援助成金などにおいて加算措置を行うといったようなインセンティブを付与する仕組みを設けまして、認定企業の拡大に取り組んでいるところでございます。 御指摘のとおり、認定数につきましては三百七十三社とまだ少ない状況ではございますが、この認定制度につきましては、平成二十七年度に創設されたということもございまして、いまだ企業あるいは社会全体における認知度が十分とは言えない状況にあるというふうに認識しております。そのため、厚生労働省が運営いたします若者雇用促進総合サイトなどにおける認定企業の紹介や、各労働局による地域の経済団体等への働きかけ、ハローワークにおける企業訪問など様々な機会を捉えて認定制度の内容とそのメリットにつきまして周知、活用促進に取り組んでいるところでございます。 引き続き、認定数の拡大、努めてまいります。
○三浦信祐君 中小企業の皆さん、この情報に触れるということ自体が物すごく大変なことだと思いますので、しっかり周知のこと、その中身、具体的にどう取り組むかということもしっかりやっていただきたいというふうに思います。これ見る限りではかなりメリットもあるというふうに私は解釈ができると思いますので、是非取り組んでいただきたいと思います。 くるみん、えるぼし認定というのは、まさに働き方改革を推進している企業への取組であります。本法改正によって認定企業数は当然増加をしていくということが想定され、期待もされます。一方で、本法改正により、高度プロフェッショナル制度の導入や時間外労働上限規制強化等、労働環境が大きく変わることが想定をされ、整理が必要な部分も出てくると思います。 これら認定制度と本法改正との関係、今後の取扱いが極めて重要でないかなと思います。昨日の地方公聴会でも、中小企業の代表として斉之平社長からお話がありましたけれども、中小企業にとっての採用面でのメリットというのは、まさに中小企業の働き方改革が進んでいるところに表彰制度をつくってもらいたいと、そういう声も具体的に上がりました。 是非、この認定制度、そして表彰制度というのも極めて重要だと思いますので、この今後の取扱いについて加藤大臣に伺います。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、くるみん等の認定制度でありますけれども、この認定に当たっては労働時間の実績に係る基準が設けられているわけでありますから、当然この認定を取ろうということでそれぞれの企業が努力をしていただく、そういった意味において企業における働き方改革の改善に資するものだというふうに思っておりますので、今委員御指摘のように、まだまだ取っていただいている企業が少ないわけでありますから、取ろうという、こういう機運を醸成させていくためにも周知を図り、また内容等もより使いやすい、利用しやすいものにしていくまず努力をしていきたいと思います。 その上で、今回の法案では、時間外労働の上限規制、あるいは高度プロフェッショナル制度の導入といった労働時間に関する大きな制度改革を盛り込んでいるわけでありますので、当然、くるみん等の認定基準について、これは法案成立後でありますけれども、今回の法案のそれぞれの内容等その趣旨を十分に踏まえながらも、それぞれの認定制度にふさわしい基準になるように、また、それらを介して、先ほど申し上げたような様々な形で働き方改革あるいは労働時間の削減等が進んでいくような、そういった制度にすべく、関係者等の意見も聞きながら検討させていただきたいというふうに思います。
○三浦信祐君 次に移らせていただきます。 本法案では、基本的には民間と民間との労使関係についての規定をしていることと承知をしております。したがいまして、公務員は対象となっておりません。しかし、公務員は労働者であり、生活者でもあります。御家族があり、健康確保も必須です。この環境なくして国民に奉仕をする仕事はできません。公務員の働き方改革も不断の努力が必要だと私は思います。 その上で、公務員主体の官公庁での非正規職員の処遇は本法改正でどのように扱われていくのでしょうか。また、労働法制を所管している厚生労働省が模範となっていくべきであり、非正規職員の方々に対する具体的対応、取組はどうなっていますでしょうか。加藤大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(加藤勝信君) この法案における同一労働同一賃金、これは基本的には民間の労働者の方を対象とするもので、いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を目指すということでありますが、そのまさに目指すという点においては、この国における非正規で働いている方々についても同様に取り組んでいく必要があるというふうに思います。 国の非常勤職員については、昨年五月に、内閣人事局主導の下、平成三十年度以降、期末手当及び勤勉手当に相当する給与の支給をするなど、段階的な処遇の改善に取り組んでいくことについて各府省間で申し合わせたというふうに承知をしておりまして、実際、それぞれの取組は各府省間で必ずしも均一ではなくて、ばらばらでありました。そこを均一を取って、また同時に、これ予算が必要でありますから、予算の手当てをしつつこういった対応をしていく必要があると思います。 厚生労働省本省でありますけれども、本省においては非常勤職員に対する期末・勤勉手当に相当する給与は、これは支給をしておりますが、都道府県労働局の非常勤職員に対しては、期末手当に相当する給与、これはこれまで支払っているわけであります、支給しているわけでありますが、本申合せを受けて、本年度から新たに勤勉手当に相当する給与の支給も開始することとさせていただいたところでございまして、引き続き、国家公務員における正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差がないようにしっかりと取り組ませていただきたいと思います。
○三浦信祐君 国民生活に欠かせない仕事を取り扱っていただいている独立行政法人もあります。法律の谷間に落ちる労働者があってはならないと私は思います。是非、しっかりこれらについても厚生労働省が率先してよく見ていっていただき、また具体的な取組も進めていただきたいと思います。 次に、大学の非常勤講師、職員について伺います。 国立大学法人、公立大学法人等で非常勤職員は何名所属をしているのでしょうか。そのうち、講義を担当している非常勤待遇の教員の方は何名なのでしょうか。また、本法改正で非常勤職員の皆さんの処遇等の改善はどのように図られていくのでしょうか。本法改正における整備についても併せて文科省に伺います。
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。 大学におきます非常勤講師の数等についてでございますけれども、平成二十九年度の学校基本調査によれば、国公私立大学の全教員のうち、当該大学の専任である本務者は実数で十八万五千余人となっておりますが、この本務者以外の者でございます兼務者が延べ十九万七千余人となっております。非常勤講師はこの兼務者の中に含まれておりますけれども、このうち何名が具体に講義を担当しているかというデータについてはございません。 また、その処遇の改善についての御質問ですが、大学法人におきます非常勤講師など教職員の待遇につきましては、各法人の自主性、自律性に基づく労使自治により決定されるものでありますが、今般の法改正の対応についても、その趣旨を踏まえ、正規と非正規との間に不合理な待遇差があれば必要な見直しを行うなど、各法人が適切に判断し、対応すべきものと考えております。 文部科学省としましては、これまで法改正の動向等について数次にわたり国立大学法人等に対して随時情報提供等を行ってまいりましたが、今後も各法人においてこの法改正の趣旨を踏まえた非正規職員の待遇に関する検討が適切に行われるよう、厚生労働省とも連携をしながら、情報提供や制度の説明等を行ってまいりたいと考えております。 以上であります。
○三浦信祐君 その中で、数字がないということですけれども、大学等で有期雇用の教員、研究者というのは、日本の将来を担って、人材育成もしていただき、イノベーションを興すために働いています。この法改正によって今後このような方々の待遇はどうなっていくのでしょうか。 プロジェクトの切れ目が雇用の切れ目である場合が多く見られます。若手研究者の将来設計に影を及ぼしてきた年限が区切られている雇用制度から改善をされて、希望へと変わっていくのでしょうか。無期転換ルールとの観点で整理できているのでしょうか。是非明確にしていただきたいと思います。
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。 大学におきまして有期雇用となっている研究者等につきましては、本法案にかかわらず労働契約法等が適用されまして、有期労働契約が更新されて通算十年を超えたときに労働者の申込みにより無期労働契約に転換できる、いわゆる無期転換ルールが適用されることとなっております。 いずれにしましても、大学を設置する各法人におきまして、それぞれの法人の自主性、自律性の下に業務運営が行われることが基本でございまして、それぞれの職員の雇用形態についても、労働関係法令に基づき、各法人が適切に判断し、定めるべきものであると考えております。 文科省としましては、無期転換ルールについて、これまでも大学を設置する法人の学長等を集めた会議などを通じまして情報提供や周知徹底を行うなど、労働契約法の趣旨を踏まえた各法人の適切な対応をお願いをしてきたところでございまして、引き続き厚生労働省さんと連携をしながら、制度の説明、周知徹底等を図ってまいりたいと思います。 また、とりわけ、御指摘のございました若手の方々の雇用環境につきまして、文科省として、例えば卓越研究員事業その他予算的な措置を講じますとともに、とりわけ、現在中教審でも様々議論されておりますが、国立大学を始めとした人事給与マネジメント改革の推進等により若手に対するしっかりとしたポストの確保がなされるよう、また、今後の我が国におきます大学の教育研究を支える若手教員が安定的かつ自立的に教育研究を進めていくことができるよう、環境の整備に努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○三浦信祐君 その上で伺います。 大学での非常勤教員は複数大学で講義を持っている場合があります。これらの教員の主たる勤務先はどこであるか、どこに当たるか明確にしなければ、同一労働同一賃金、健康確保措置がままなりません。また、国立大学法人等と私立大学、専門学校等にまたがっての労働では、労働時間管理の基準はどこに置くべきなのでしょうか。また、雇用保険、社会保険の規定を満たしていないことも予想されます。規定がないのであれば整理すべきです。 学生さんがその大学で、自分の将来を懸けて入学をしてくる学生さんに対して、教える側のモチベーションが低い、環境や待遇が悪いようでは、日本の将来は暗くなってしまいます。文科省、どうでしょうか。
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。 大学あるいは今御指摘の専門学校などで非常勤講師等を行われておられる方、特に複数の事業所で働いておられる方を含めまして、一般的に労働者が複数の事業所で雇用されている場合の同一労働同一賃金あるいは労働時間管理等の取扱いの詳細につきましては労働法制を所管する厚生労働省にお尋ねいただきたいと考えておりますが、複数事業所に雇用されている場合の労働時間管理等につきまして、厚生労働省の副業・兼業の促進に関するガイドライン等を踏まえて、各大学法人あるいは専門学校等において適切に判断し、対応すべきものと私どもとしては考えております。 文部科学省としましては、今後とも、各法人においてこれまでの法制あるいは今回の法改正の趣旨を踏まえた非正規職員の待遇に関する検討や使用者としての責務に基づく対応が適切に行われますよう、厚生労働省と連携をしながら、情報提供や制度の説明等をしっかりと行ってまいりたいと考えております。 以上です。
○三浦信祐君 厚生労働省に聞いてくださいということでありますから厚労省に聞きたいと思いますけど、大学の未来を考えていったときに、どこに相談すればいいか分からない、だけど講義をしっかり持っている。タイムカードなんか押せませんよ。大学の教官が、その単位を取ろうと思っている学生さんに対して講義するときに、事務局に行ってタイムカードを押して、次の大学へ行ってタイムカードを押してなんという現実はありません。どうやって未来を育ててくれる教員大事にするかということは、文科省、しっかり考えてもらわなきゃいけないと思います。 厚労省にこの件について意見を求めたいと思います。
○政府参考人(山越敬一君) 労働時間の規定が適用される労働者として複数の事業主の下で副業、兼業を行う場合でございますけれども、これは、労働基準法第三十八条によりまして、労働基準法の労働時間に関する規定は通算して適用されることになります。したがいまして、労働時間を通算した結果、法定労働時間を超える時間外労働を行わせる場合でございますけれども、当該時間外労働を行わせる事業場におきまして、労働基準法第三十六条あるいは第三十七条に基づきまして、三六協定の締結でございますとか割増し賃金の支払が必要となります。 そうした上で、副業、兼業の際の労働時間管理につきましては、主たる勤務先かどうかということにかかわらず、今申しました法令などの考え方に基づきまして、各事業場において適切に三六協定の締結あるいは割増し賃金の支払を行っていただく必要があるものでございます。
○三浦信祐君 時間が参りましたけれども、適切にという、その適切性がどうあるのかということもしっかり今後議論させていただきたいと思います。 以上です。
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。 法案の審査に入る前に、先ほどもございましたが、目黒の児童虐待の事件について質問させていただきたいと思います。 児童相談所が関与していながら、なぜ救えなかったのか、何で防げなかったのかと、もう何度考えても悔やまれて悔やまれて仕方がありません。改めて心から御冥福をお祈り申し上げたいと思いますが、この事件を受けまして、加藤大臣は、東京都、香川県と連携を取りながら、検証結果を踏まえて必要な対応を考えたいと、と同時に、厚生労働省の児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会で検証すると御答弁をされておられましたけれども、児童虐待は厚生労働省だけでは解決できません。政府を挙げた取組が何よりも必要なんじゃないでしょうか。 現時点におきましては、まだ本件についての関係閣僚会議は開かれておりません。二度とこうした痛ましい事件を起こさないようにするためには、関係省庁と連携をして、政府を挙げて更なる対策強化に取り組むべきだと考えますが、加藤大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) こうした児童虐待、目黒で発生した事案、特にこのケースの場合には、亡くなった子供さんが、手記というんでしょうか、を残していった、それを読んで大変胸の詰まる思い、これをしたのは私だけではないというふうに思いますけれども、これだけの事案ではなくて、いろんな事案があるということをしっかり認識をしておく必要があると思います。 目黒の事案については、先ほど局長から申し上げましたし、今委員おっしゃったような形で、香川県、東京都にまずその実態の把握、検証をしていただいていますけれども、ただ、自治体間にまたがっているという事案でもありますから、それはやはり厚労省が出ていって、その間の事情も含めてしっかりと把握をし、検証していく必要があるというふうに思います。 ただ、今申し上げたように、本件のような事案が残念ながら毎年毎年繰り返されていく、また報道でも取り上げられているわけであります。こうした子供さんが、命が失われる、こういったことがないように、市町村、児童相談所の職員体制及び専門性を強化していく、あるいは適切な情報共有など、関係機関との連携強化、体制の強化、この中には警察と児相との関係もございます。あるいは、適切な一時保護の実施などを行うことによって、政府全体として児童虐待防止対策を強化していくことが非常に重要だというふうに認識をしております。 実は、この児童虐待防止対策に関する総合調整権限については、平成二十八年の四月以降、内閣官房から厚生労働省に移管をされているわけでありますので、そういった意味で、厚生労働省というだけではなくて、政府全体として対応すべきということで、今委員からも御指摘をいただいておる件については、明日の朝、そうした関係閣僚会議を開催する方向で調整していきたいというふうに考えているところでございます。
○山本香苗君 是非速やかに、検証結果を待つことなく、関係省庁と連携をして、政府を挙げて取組をしていただきたいと思います。 大臣が今おっしゃっていただきましたとおり、児童虐待を防止するためには関係機関の連携強化というのがもう何よりも重要でございます。情報共有が極めて重要であります。 現在、全国の児童相談所の間には、CA情報連絡システムという情報共有システムがございます。これは、支援継続が必要なハイリスクの家庭が例えば住民票を動かさないで転居して行方不明になった、そういう場合に他府県の児童相談所に子供の名前や転出時期を書いた連絡票をファクスして取扱状況を照会するというものでございますが、必ずしも子供を探し出せるわけではありません。探し出せたとしても、中には一週間から十日掛かった、そのようなケースもあったと伺いました。深刻な虐待で、また極端な生活困窮といった緊急性が高い事案であるにもかかわらず、ファクスでやり取りをしていると。私も初め聞いたときに耳を疑いました。 児童相談所と市町村との間はどうかといいますと、要保護児童台帳に載っている子供の情報を紙ベースで共有しております。そして、台帳の進行管理のための実務者会議が開かれるまでは情報共有はなされていません。要するに、台帳で管理しているわけで、そこがアップデートされない限りは情報共有もなされないということです。 児童相談所と警察との間の情報共有ですが、都道府県によっては協定を結んで情報共有をしておりますが、共有の仕方、またルールはばらばらでありまして、一件一件、電話、書面、これで情報共有していると現場で伺ってきました。虐待に関わる手掛かりを把握していたにもかかわらず、関係機関が適切に情報共有ができなくて、今までたくさんの子供たちの命が奪われました。今回の事案においても、児相が警察と情報共有していれば助けられたのではないかという指摘もあります。 端末をたたいたらすぐに、リアルタイムで瞬時に過去の相談歴だとか支援の状況だとか、そういうものがたどり着けるようなシステムを関係機関の間で構築できれば、確実に初動体制は変わってきます。リスクの態様も認識も共有できます。支援現場の負担も軽減できます。児童相談所等関係機関が関与していたのに救えなかったということはもう二度と起こさないようにしなくちゃいけません。そのためにも、是非とも全国の児童相談所の間、それと同時に児童相談所と市町村、そして児童相談所と警察の間、情報共有できる仕組みを是非ともつくっていただきたいと思うんですが、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の御指摘のように、基本的には紙ベースで残念ながら今行っているのが大半なケースだというふうに私も認識をさせていただいております。そういった意味において、この情報共有というものを進めていく、迅速に進めていく、また、こうしたICT技術を使えば今委員御指摘のように事務的な負担も軽減されるということでありますから、より一層、本来の子供さんに向き合う時間というものも確保していくということだと思います。 今お話があった転居先が不明となった家庭に関する情報については、現在はファクスでやらせていただいておりますけれども、これを効率的、迅速にするために、全ての地方自治体に整備されている行政ネットワーク、LGWANというのがございますので、これを活用して、全国の児童相談所のメーリングリストにより情報が共有できるよう、現在、全国児童相談所長会と調整を進めさせていただいております。 これは、今は転居が不明となった家庭に係る情報ということでありますが、全国の児童相談所が保有する個別ケース、これ全体について一か所で蓄積をする、そのためには全て電子化するということが前提になりますけれども、そして、それぞれが必要に応じ利用するシステム、これについても、個人情報をどう保護するかという観点があるので、これはアクセスを、全ての情報に全ての人からアクセスさせる必要はないわけでありますから、そこを制限をしていかなきゃいけない。それから、これは地方自治事務でやっていますから、全体のシステムにすると、一体じゃ誰がやるのかと、こういった課題はありますけれども、やっぱり検討していくべき課題の一つだというふうに認識をしております。 それから、今のは児相間でありますけれども、地域内の児童相談所と市町村、警察との間の相談記録等の情報共有、これは現在、要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協において行われているわけでありますけれども、これ会議をするか、今お話しのようにファクスで送るか、個々にですね、電話で送るか、こういうことになるわけでありますけれども、これを効率的にするために、この要対協の構成員などが情報システムを活用して共有している、これは既にモデル事業で実施をさせていただいておりますから、この状況をしっかり踏まえた上で、より効果的、効率的な情報共有を更にどう図っていくのか、このモデル事業を踏まえながら、これをどう全国展開していくのか、取組をさせていただきたいというふうに思います。
○山本香苗君 こうしたシステムを導入するに当たりましては、今おっしゃったような様々な課題があるということは重々認識をしております。認識をしておりますが、やらなきゃいけないと思います。 また、導入に当たりましては、適正運用に係る法整備、個人情報保護法の関係もございますし、システム運用に係る各種基準の設定というものも必要です。かなり大変なことでありまして、でも、今この相次ぐ児童虐待をどう止めていくかということの中で、できないという理由を見付けるのではなくて、どうやったらできるのかという観点から是非とも加藤大臣にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、ちょっと順番を変えさせていただきまして、先ほども出ておりましたが、セクハラの関係についてちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。 牧原副大臣、ILO総会御出張、お疲れさまでございました。聞かれるかなと思っていたんですけど、牧原副大臣に聞かれていなかったのでちょっとお伺いしようと思いますけれども。 今回の総会では、性暴力やセクハラ等の問題を国際社会としてどう防ぐべきかと、そういうことが議論になって、そして職場でのセクハラや暴力を国際的に禁止する、そういった条約を来年どうにか策定できないかというようなことが決められたと伺っておりますが、最初からこういう議論になるという話になっていたと思うんです。 今回、どういうスタンスで臨まれたのか、そして今後、その来年の条約策定に向けてどういうふうに取り組んでいかれるのか、お伺いします。
○副大臣(牧原秀樹君) 先生方の大変な温かい御配慮をいただきまして、出張させていただきました。 この交渉は、先ほど石橋議員もおっしゃっておりましたけれども、来年がILO百年ということで、それに向けて、職場における暴力とそれからハラスメントを防止する、世界的にそういう動きをやっていこうという中で、来年度には取決めをしていきたい。 日本政府としては、当初は、各国政府がやれる努力をやるという形で、必ずしも条約という形によらなくてもいいんじゃないかというスタンスであって、それぞれの国がそういういろんな、条約にすべきだとかもっとこうすべきだとかいう議論を、政労使、政と労と使ですね、三者がそれぞれ席が分かれて、そして一条一条事務方がこういう提案でというのを、もういろんな政府が積極的に意見を出しながら、最後は取りまとめ役がじゃこれでいきましょうということを判断する、もう大変熱い議論と、そして深い議論としていたということを感銘を受けました。日本政府もそこに加わってしっかりとした議論をしておりましたし、さっき石橋先生おっしゃっていたように理事でもございますので、関与をしていたということでございます。 その中で、最終的には、条約にできる部分は条約、勧告にするところは勧告、勧告は全部まとめるというわけに時間切れでいかなかったようでございますけれども、条約にしていく骨子については、この部分はそういうふうにしていこうということで決める、それから、これを勧告付条約とするということは決める、こういうことが決まったわけでございます。 日本としては、こう決まったからには、新たな国際基準がもう決まるという方向性でございますので、しっかりとした来年に向けての議論を、むしろリードするようなつもりで、積極的に議論を参加していくべきだ、こういうふうに思っているところでございます。
○山本香苗君 是非行動に移していただきたいと思います。 その上で、六月十二日に、すべての女性が輝く社会づくり本部でセクハラ対策の強化について緊急対策取りまとめられました。概要を御説明いただけますか。
○政府参考人(渡邉清君) 内閣府の男女共同参画局でございます。 先生御指摘の今回の緊急対策、セクシュアルハラスメント対策の強化については、メディアと行政の間で起きたセクシュアルハラスメント事案を踏まえまして、安倍内閣総理大臣の指示に基づき、野田男女共同参画担当・女性活躍担当大臣の下で取りまとめ、先生おっしゃったとおり、六月十二日に本部決定をされたものでございます。 対策のポイントとしては、幹部公務員等へのセクシュアルハラスメント研修の義務化と、それから内閣人事局による幹部候補者に対する研修受講の徹底、確認、さらに外部の方からの通報窓口を整備する、また社員が社外で業務を行う際の民間事業主の義務履行の実効性向上のための取組、検討を行う、そして被害者の二次被害防止のための取組を進める、こういったことが挙げられております。 今後とも、この対策に基づき、政府を挙げてセクハラ被害の予防、救済、再発防止に向けた取組を推進してまいりたいと考えておるところでございます。
○山本香苗君 今回の一連のセクハラ騒動の中で、本来できていなければならないことが全くできていないという実態が浮き彫りになったと思っております。 そこで、まずは現行法の下で当然やるべきことを可及的速やかに実施することがもう最低限必要だと思いまして、今月の八日に、公明党女性活躍推進本部、ストーカー・DV・性暴力等対策プロジェクトチームといたしまして、野田大臣のところに実効性のあるセクハラ対策について緊急提言をさせていただきました。野田大臣からは、公明党の提言も踏まえて、まずはできるところからしっかりやっていくと力強く応じていただきましたけれども、そしてまた、今の提言の中にも入れていただいていると思っておりますが、改めて確認を政務官にさせていただきたいと思います。 まず、セクハラを根絶するためには、セクハラは明確な人権侵害であって、時に犯罪になるものだと、あってはならないことなんだと、こういう認識を大前提に、社外からのセクハラへの対応も含めて、均等法、また指針に定められた内容、それに加え、このセクハラ行為者、加害者を雇用している事業者の社会的責任について理解を広めるためにしっかりと周知、広報していただきたいということを要望させていただきました。具体的にどう対応していただけますか。
○大臣政務官(山下雄平君) ありがとうございます。 山本先生がおっしゃったように、公明党の皆さんの方から、このセクシュアルハラスメント対策の緊急の提言を取りまとめていただいたこと、本当に感謝申し上げたいと思っております。 そもそも、セクシュアルハラスメントは、男女共同参画社会の形成を大きく阻害する、本当にあってはならないものだというふうに考えております。私もメディア出身ですけれども、今般のメディアと行政の間に起きましたこのセクハラ事案を受けて、現状の制度で本来できているはずのことが実際には全くできていないということを確認いたしました。 男女雇用機会均等法などにおいて、事業主が講ずべき義務の範囲に社外で業務を遂行する際の被害防止も含まれることなどを、所管する厚生労働省において周知徹底することと、そしてさらに、事業主の義務履行の実効性向上のための検討を行っていくことについて、今般、先ほど先生もお触れになられた緊急対策に盛り込んだところであります。 内閣府においても、メディアや経済団体、その他各界各層の民間団体などの様々なネットワークを活用するほか、女性に対する暴力をなくす運動などの各種広報啓発の機会を通じて、セクシュアルハラスメントの根絶を含めて、女性に対する暴力を容認しない社会環境の整備に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○副大臣(牧原秀樹君) やはり先生方から本当に大変重要な指摘をいただきまして、この周知ということが重要であるという点を重く受け止めさせていただいております。 厚労省としては、御指摘の趣旨も踏まえて、取引先等からのセクシュアルハラスメントもこの男女雇用機会均等法に基づく事業主の防止措置の義務対象になり得るということについては、改めて分かりやすく周知をしなければいけないと考えております。 具体的には、働く方の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるセクシュアルハラスメントなどの職場におけるハラスメントを防止するため、事業主向けの説明会の開催や、主に労働者向けのハラスメント対応特別相談の実施の場におけるハラスメント防止キャンペーンに取り組むことにより、そうした職場づくりを、セクハラのない職場づくりを進めてまいりたいと思います。 また、関係省庁の協力も得ながら、労使団体を始めとした様々な団体等を通じて各界各層への周知を図っていきたい、このように考えております。
○山本香苗君 セクハラをした人を雇っている会社も、法的な責任がないといえども社会的な責任はあるはずです。 今日、配付させていただいております資料を見ていただくと、セクシュアルハラスメントは許しませんというものなんですが、これ、社長さんが宣言していただくものですけれども、その中の四番目には、社員が、社内と限定せずに、セクハラをした場合には懲戒に当たるということを宣言しているわけです。漫然と広報するんじゃなくて、こういう形で事業主の方に具体的に取り組んでくださいという形でやっていただけますでしょうか。
○副大臣(牧原秀樹君) 私もやはり、漫然というのではなくて、先生御指摘のように、こういう具体的なものが重要であるというふうに考えておりますので、そうしたことも重く受け止めて検討していきたいと思います。
○山本香苗君 労働局に寄せられている相談の約半数はセクハラです。圧倒的に一位です。にもかかわらず、均等法による企業名公表に至った件数というのは一件もありません。企業名公表制度の積極的な活用と指導強化をしていただきたいと思います。 と同時に、被害者が配置転換等不利益な取扱いを受けることはあってはならない。法律で禁じられています。そのことも再度周知徹底しっかりしていただくとともに、被害者を医療やカウンセリング、労働災害等必要な支援につなげる体制も整えていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(牧原秀樹君) 今御指摘いただきましたように、男女雇用機会均等法においては、労働者がセクシュアルハラスメントに関する相談をしたこと等を理由として不利益な取扱いを行ってはならない旨を法律ではしっかり定めて、そして労働者に周知啓発することを趣旨において求めているところでございます。当然ながら、被害者の方が不利益な取扱いを受けることがないよう、この履行の確保、そして周知啓発に一層取り組んでまいりたいと思います。 そしてまた、御指摘がございましたような、被害者を医療、カウンセリング、労災補償等必要な支援をつなげる総合的な体制につきましては、今まで、職場におけるハラスメントに関する労働者及び事業者等からの相談に対し必要に応じて労災補償の担当部署につなぐというようなことを適切に対応するという形でございましたけれども、今後、引き続きこうした対応をより強めていくとともに、被害者を適切に医療、カウンセリングにつなぐためどのようなことができるのかどうか、ここはしっかりと検討してまいりたいと思います。
○山本香苗君 今まで、医療、カウンセリングというところは全くなかったんですね。是非検討していただきたいと思います。 今回の対策はあくまで緊急対策ということで、抜本的な対策についてはこれからだと野田大臣からも伺っております。そこで、抜本的な対策として、被害者の救済の在り方、これについて是非御検討いただきたいと思っております。 セクハラを受けて裁判できる人なんかほとんどいません。コストも時間も掛かります。何よりも精神的に耐えられません。また、行政による救済も強制力はありません。ですので、労働局に相談しても無駄だと、しなければよかった、こういう声が多数上がっております。つまり、事実上、救済の道がないんです。是非、これを機会に、セクハラの被害者の救済の在り方についても御検討いただきたいと思います。 またあわせて、セクハラを訴えたことによる不利益を受けないことを確実にすることや、雇用されていないフリーランスの方、また就職活動におけるセクハラ等につきましても実態を把握していただきまして、対策を御検討いただきたいと思いますが、牧原副大臣、いかがですか。
○副大臣(牧原秀樹君) これ本当、御示唆いただいた内容につきましては、労働者がセクシュアルハラスメントに関して相談したこと等を理由とした不利益取扱いの防止については事業主にアプローチをしてきたということである一方、被害者の救済については人権擁護の観点から本人に寄り添った対応が重要であるというふうに考えております。また、ハラスメントの対象についても、労働者のみならずフリーランスや就職活動中の学生など多岐にわたり御提案をいただいたというふうに我々も重く受け止めているところでございます。 このような御指摘につきましては、労働行政に限らない幅広い課題であるというふうに受け止めさせていただいておりまして、関係省庁とも連携し、把握と検討をしっかりと進めてまいりたいと思っております。
○山本香苗君 国際的な機運は高まっているという中でございますので、しっかりと検討していただきたい、今後の状況もしっかりフォローさせていただきたいと思います。 同一労働同一賃金につきましてお伺いさせていただこうと思うんですが、山下政務官、ここまでですので、御退席いただいても大丈夫です。
○委員長(島村大君) どうぞ御退席ください。
○山本香苗君 ありがとうございました。 非正規の賃金が正社員の八割程度、欧州各国ではと。日本においては六割と、格差が大きいと。この格差是正が喫緊の課題であると。 そこで改めて伺いますが、今回、この同一労働同一賃金、導入することによりまして、どの程度このいわゆる一〇対六、改善することになるんでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) 今回の改正法案におきましては、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の待遇差がある場合、個々の待遇ごとに、職務内容等、当該待遇の性質、目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理なものであってはならないとされているところでございまして、どの程度の待遇改善が見込まれるかにつきましては、実際に各企業における正規雇用労働者と非正規雇用労働者が担っている職務内容等によって待遇差が不合理であるか否かとの判断が異なることとなりますので、一概にお答えすることは困難であると考えております。 今後、今回の改正を踏まえた事業主の取組等やそれを受けた各種統計調査の動きにつきましては、厚生労働省としても注視してまいりたいと思います。
○山本香苗君 同一労働同一賃金につきましては、この委員会で何度も各委員が御質問されていらっしゃいましたが、待遇内容、理由等の説明義務につきまして、この間の質疑の中でも、待遇内容等について労働者が的確に理解できるよう容易に理解できるような方法で説明すると繰り返し答弁されておりましたけれども、聞いていても、全く具体的にどういう形で説明義務が果たされるのかイメージが湧かないんです。 是非、労使双方がイメージが湧くようなひな形作ってもらえませんか。それで、できる限り書面で説明できるようにしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) 待遇差に関する説明の内容につきましては、労働政策審議会の建議において対応の例示なども示されておるところでございますが、具体的に分かりやすいものという観点で先生御指摘のひな形を作るということでございますが、実効ある労働者保護の観点と、あるいは実務上現実に対応できる観点、双方から、先生御指摘のひな形を作ることも含めて検討していきたいと考えております。 また、どのような説明方法がよいかにつきましては、非正規雇用労働者が理解できるようなものとなるよう、これまた様々な、両方の観点から改正法成立後に労働政策審議会において御議論いただきたいと考えております。
○山本香苗君 分かりやすくという中で、是非、障害のある労働者への説明責任、説明義務というのはどのように果たされるんでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) 非正規雇用労働者が求めた場合の正規との待遇差の内容、理由等の説明方法につきまして、非正規雇用労働者が理解できるようなものにするということが重要であると考えております。 また、障害者雇用促進法第三十六条の三におきまして、事業主は、合理的配慮を提供するため、過重な負担とならない範囲で、労働者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならないこととされております。こうした趣旨も踏まえ、例えば、視覚障害のある労働者の方に対する説明に当たっては、拡大文字、音声ソフトなどを活用して説明することも考えられるところでございます。 このように、障害のある労働者に対しても、それぞれの障害特性に応じた方法で説明を行っていただきたいと考えております。
○山本香苗君 最後にお伺いしますが、昨日の公聴会でも公述人の方から、労働者が知らないことによって恩恵が受けられないようなことがあってはならないというような話もありました。セミナー、広報等しっかりしていただくということも大事なんですが、と同時に、やっぱり個々の労働者によって状況は異なります。是非、この同一労働同一賃金に関して労働者が安心して相談できる窓口というものを各労働局に、しっかり旗立てて、やっていますという形でつくっていただけないでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) 御指摘のとおり、労働者が安心して相談できるような体制を整備していくことは重要であると認識しております。 非正規雇用労働者が正規雇用労働者との待遇差などについて安心して相談いただけるよう、この同一労働同一賃金の趣旨や法改正の内容とともに各都道府県労働局の相談窓口についてしっかりと周知し、労働者からの相談に対して丁寧に対応してまいりたいと思います。
○山本香苗君 いや、周知するという話じゃなくて、そういう窓口つくってねという話なんです。
○政府参考人(宮川晃君) 窓口をつくった上で周知していくということでございます。
○山本香苗君 終わります。
○委員長(島村大君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時五分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(島村大君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、宮本周司君、鶴保庸介君及び倉林明子君が委員を辞任され、その補欠として木村義雄君、こやり隆史君及び山添拓君が選任されました。 ─────────────
○委員長(島村大君) 休憩前に引き続き、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小林正夫君 国民民主党・新緑風会の小林正夫です。 法案審議の前に一点、加藤大臣に質問したいと思います。 加藤大臣は、内閣府特命担当大臣で、今回の拉致問題の担当をされております。ここは厚生労働委員会ですので、大臣の個人的な見解ということで結構ですけれども、一問質問をさせていただきたいと思います。 六月十二日の米朝首脳会談でこの拉致問題が進展すると、このように私は期待しておりましたけれども、共同声明ではこの拉致問題については言及がなかった。拉致は、私は人権問題の中で最もひどい行為だと、このように思っております。 そこで、今回の米朝会談の受け止めと、日朝の直接対話、これをどう考えているのか、お聞きをいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘いただいた大臣の個人的な見解というのは、この委員会の仕切りということを前提にお話をされているんだと思いますので、それも逆に前提に答弁もさせていただきたいと思いますけれども。 まず、米朝首脳会談、これ初めてのアメリカの大統領と北朝鮮の金正恩委員長、言わば首脳の会談でありますので、そこに至るまで、アメリカが、特にトランプ大統領がリーダーシップを発揮されてそうした会談が実現したこと、これは心から敬意を表させていただきたいというふうに思いますし、また、その会談において、これは安倍総理から、この拉致問題について提起をしてほしいということを、直接お会いをしたところ、また最後の電話首脳会談でも重ねて依頼をさせていただいた。それを具体的に、具体的というか、それに対して、トランプ大統領の記者会見においても、自分からこの拉致問題について提起をしたということをお話がありました。そのことについては大変心強い限りでありますし、担当大臣としても大変感謝を申し上げたいというふうに思います。 ただ、その上において、この拉致問題が最終的に我が国政府が主体的に取り組む課題であるということを常に申し上げておりますので、そういった意味において、この日朝の首脳会談ということにおいても、朝鮮の核、ミサイルはもとより、何よりも重要な拉致問題の解決につながる、そうしたことで極めて重要だというふうに思いますが、対話のための対話では意味がないわけでありますので、問題解決につながる形でそうした首脳会談が実現していくことを、それをしっかり目指していきたいというふうに思っているところであります。 いずれにしても、拉致問題、我が国が主体的に取り組むべき課題ではありますけれども、引き続き、トランプ大統領の強力な支援、あるいは韓国、あるいは中国、ロシア、そういった国々とも連携を取りながら、北朝鮮から全ての拉致被害者の一日も早い帰国に向けて具体的な行動を引き出すべく、あらゆる施策を総動員して取り組ませていただきたいと、こういうふうに思っています。
○小林正夫君 それでは、法案の審議に移ります。 六月七日の委員会同様に、法案の基本的な考え方と実行計画で示されている内容について、大臣の方、あるいは政府参考人にお聞きをしたいと思います。 まず一つ目は、自動車運転手の話です。 これは、法改正施行五年後に時間外労働の上限時間を年九百六十時間とすると、このようにしておりますけれども、なぜ一般則を適用しないで九百六十時間にするのか。 六月四日の本会議で、平成二十九年の道路貨物運送業の労働災害死亡件数を速報値で私は述べましたけれども、その後、厚生労働省から確定値の報告がありました。何と、死亡災害は速報値より九人も多く、百三十七人になっている、こういう実態でした。したがって、運転をされている方は常に危険と隣り合わせの業務である、このことから、とりわけ長時間労働の是正が喫緊の課題と、このように私は指摘しましたけれども、安全と健康の確保を優先して五年後に一般則を適用しなければならないのではないか、昨日の地方公聴会でもこういう指摘もありました。 私は、政治の不作為になるんじゃないか、これだけ死亡事故が多く起きている喫緊の課題について五年後に一般則を適用しないということに対して政治の不作為になるんじゃないか、このように思いますけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員お話しのように、労災の状態というのもしっかり我々も把握して対応していく必要があると思います。 その上で、自動車の運転業務、そうした労災が多いということに加えて、他の産業に比べて労働時間が長いというこれ実態がございます。そして、それは単に、事業主の問題ということも一部にあるかもしれません。しかし同時に、取引慣行など、その事業主だけの努力でどうにもならない、こういった部分もあるわけであります。そういったことを踏まえて、やはり規制を作る以上は実態に即した対応可能な規制でなければ機能していかないわけでありますので、そうした取引慣行上の課題を含めて解決をしながら適宜規制を言わば強めていくというんでしょうか、そういったことが必要だろうというふうに思っています。 そういった観点から、これまでは大臣告示の対象外でありましたけれども、今回の法律案では、自動車の運転業務についても、施行期日の五年後に年九百六十時間ではありますけれども上限規制を適用していく、そして将来的には一般則の適用を目指すという、言わば段階的なアプローチを取らせていただきました。このアプローチについては働き方改革会議で取りまとめたものでありますけれども、その後、関係労組も含む労働政策審議会の分科会でも御議論いただいて答申を得たという水準であるということであります。
○小林正夫君 私は喫緊の課題だと思っております。自動車の運転手さんといってもいろんな運転の種類があると私は思うんですけれども、五年後に九百六十時間ということは私はふさわしくないと思っているんですが、早くもっと短時間にできるものがあればそれは努力していくということが必要じゃないかと思いますけど、これはいかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 当然、この五年後の見直しに当たっては、別に、何といいますか、すぐ対応できるものは適宜対応していく必要があると思いますし、また、今告示で対応している部分もあります。そういったことも含めて、一つ一つこうした長時間労働の是正が進むように当然対応していきたいと思いますし、また、今お話がありましたように、九百六十時間の後についても、じゃ、全てのその規制が適用が可能にならなければ適用しないのか、いやいや、一部でも可能なものがあれば適用していくのか、それはむしろ後者の考え方にのっとりながら、現状をよく見極めながら、やはり基本的においては一般則に近づけていくという、そういった思いの中で、しかし実態も踏まえながらと、こういうアプローチでやらせていただきたいと思います。
○小林正夫君 長距離の運転手さんだとか、あるいは長距離じゃない運転手さんだとか、いろいろ現場で聞いていますと、今大臣後段におっしゃったように、早く一般則に近づける、そういう環境も整うような仕事もあるんじゃないか、こういう指摘も受けておりますので、是非、大臣の答弁、後段に言ったような取組をしてもらいたいと、このお願いをしておきます。 そしてもう一つ、バスの運転手さんについてお聞きをいたします。 今日は国交省にも来ていただきました。非常に今私たちは便利にバスを利用したりしておりますけれども、観光であったりあるいは長距離バスで遠くに行ったり、こういうことなんですが、夜間の運転も非常に多いし、やっぱり運転手さんとなると人を乗せているというプレッシャーも掛かっているだろうし、そういう中で非常に過重労働がされているんじゃないか、このように思います。特に、健康に働ける労働環境、そういう条件をつくっていかなきゃいけないと思うんですけれども、国交省、厚労省の認識と改善の取組についてお聞きいたします。
○政府参考人(島雅之君) お答えいたします。 国土交通省としましては、過労運転等によるバスの交通事故を防止する観点から、運転者の長時間労働の是正、労働環境の整備が重要な課題であると認識してございます。 このような観点から、本年四月でございますが、道路運送事業に関係します省令等を改正しまして、事業者が睡眠不足の乗務員を乗車させてはならないことなどを明確化しましたほか、七月からは過労運転防止関連違反に対します行政処分の処分量定を引き上げることとするなどの対策を講じているところでございます。 また、本年五月三十日に取りまとめられました自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画でございますが、バス運転者の長時間労働是正のために、バス事業における労働生産性の向上をさせるとともに、多様な人材の確保、育成や取引環境の適正化を図ることが重要でございますことから、具体的には、高速バスにおける中継輸送の普及促進でございますとか、地域間の繁忙期、閑散期の違いなどに着目しました事業者間での大型バスドライバー融通のための検討でございますとか、貸切りバスの運賃、料金の下限割れ防止対策等の実施、加えまして、女性が働きやすい職場環境の整備でございますとか二種免許の取得支援などにつきまして、関係省庁とも連携しながら取り組んでまいりたいと思ってございます。 加えまして、日本バス協会におきましては、バス事業における働き方改革の実現に向けまして本年三月にアクションプランを策定しまして、業界として取り組む事項や時間外労働の削減に関する数値目標などを定めて積極的に取り組んでいくこととしてございます。 国土交通省といたしましても、関係省庁や事業者団体とも連携しながら、バスの運転手の労働環境の整備に引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思っております。 以上でございます。
○副大臣(牧原秀樹君) 小林議員が御指摘になられましたように、バスについては悲惨な事故につながりかねないということでございますので、労働環境の整備は極めて重要な課題であるというふうに考えております。 厚生労働省におきましては、バス事業者に改善基準告示等を遵守させ、バス運転者の長時間労働の是正を図るため的確な監督指導を実施するとともに、地方運輸機関との合同監督あるいは監査や相互通報等、国土交通省と緊密に連携し、バス運転者の労働条件確保に努めているところでございます。 特に、先生御指摘がありました軽井沢の平成二十八年一月の事故を受けましては、その後、ツアーバスを運行する貸切りバス事業者等に対して緊急の集中監督指導を実施し、違反が認められた事業者に対し是正に向けた指導を行いました。 今回の法改正でも、先ほど大臣から答弁がありましたように、九百六十時間の上限規制を五年後適用するまでの、その適用に向けても、猶予期間中に労働時間の短縮等が図られるよう、必要な支援策の実施や環境整備にも努めてまいりたいと思っております。 そして、具体的には、先ほど国土交通省からも触れられました自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画に従って、ICTを活用した運行管理の効率化や人手不足の解消に向けた企業と求職者のマッチング支援、産業保健面における支援などに取り組んでいくこととしているところでございます。 今後とも、しっかり国土交通省や関係省庁とも連携しながら取り組んでまいります。
○小林正夫君 是非そういう施策については進めていただきたいし、ただ、私の経験でいうと、何かトラブルがあって、今後注意しようね、あるいはこういうことを注意しなさいと言っても、なかなか改善できないということも私経験しております。 例えば、バスの運転手さんなんですが、飛行機のパイロットのように副操縦士みたい、副運転手さん的な方をあそこの運転席に置いて安全を確保するという、こういう発想はないんでしょうか。
○政府参考人(島雅之君) お答えします。 確かに、一定の時間を超えた運転をする場合には交代乗務員という形で置かさせていただいておりますし、それ以外に、一定の休憩を取るという形で長時間労働の是正に対応する対策を取らさせていただいてございます。
○小林正夫君 私は素人ですから分かりませんが、今のおっしゃったのは、複数の運転手さんがいるということは承知しています。運転席に正運転手さんと副運転手さんが二人座って同じような操作ができるとか、そういうような改善をして、一定の、何というんだろう、バスの運行するところに、そういうようなバスを配置をすると、こういう発想はないんでしょうか。
○政府参考人(島雅之君) 今御指摘の点も踏まえまして、どういった形で長時間労働是正ができるかというのを総合的にやはり考えていかなきゃいけないと思っておりますので、今後、勉強してまいりたいと思っております。
○小林正夫君 では、国交省に対する質問は終わりました。委員長の御判断をお願いします。
○委員長(島村大君) 島次長、どうぞ御退席ください。
○小林正夫君 次に、同一労働同一賃金についてお伺いいたします。 六月四日の本会議で、労働者に対する待遇に関する説明について、きちんと書面で説明することが大事だと、このように私、本会議で質問をいたしました。厚労大臣から、書面では理解しにくい内容を口頭で補足し、一律に説明方法を定めずと、こういう旨の答弁がありました。 私は、書面でないと曖昧になると、このように思っております。今日の午前中の山本委員からも同じような指摘もございました。私は、この書面にすることを義務化にする、これが大事じゃないかと思います。そして、昨日の地方公聴会でもやはり書面にすべきだと、こういう意見が出ておりました。 この指摘は、六月五日の委員会と六月十二日の委員会で同僚の浜口委員からも指摘がありました。大臣からは、書面を否定するものではない、委員会で書面にすべきと意見があったことを労政審に伝えたいと、こういう旨の答弁がありましたけど、私は、書面化を義務化にして、そしてそのフォローをいろんな方法でやっていくと、このような方法で行えばいいんじゃないかと思いますけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 前も申し上げたように、書面による説明自体を否定をするつもりもありませんし、基本的には、書面で説明をした上で、書面だけ渡すというだけでもこれは不十分だと思いますから、口頭で補足をしていく、そういった考え方があるんだろうと思います。 前回、今委員お話しのようなことを答弁させていただきましたけれども、基本的には、非正規雇用労働者が理解できるような説明とすることが重要だという観点から、資料を活用しながら口頭で説明することを基本に望ましい説明の方法の仕方について検討したい。したがって、議論していただくときに、資料を活用しながら口頭で説明していくということを基本にひとつこの説明方法を考えていただきたいということで労政審で御議論いただきたいと、こういうふうに考えております。
○小林正夫君 是非義務化にすべきだと、このことを改めて強く言っておきます。 そして、そういう状況にありますから、厚労省としても、この書面を用いることは否定しないし、書面も一つの活用方法だと、このように考えているということですので、現段階では書面を作る場合にはどういう内容の書面を作るべきだと考えているか、お聞きをいたします。
○政府参考人(宮川晃君) 今回の法案におきましてその説明義務を課したわけでございますけれども、労働政策審議会の建議におきましてこの説明義務の対応の例示として挙げられていますのが、事業主に説明を求めた非正規雇用労働者と職務内容、職務内容・配置変更範囲等が最も近いと事業主が判断する無期雇用フルタイム労働者ないしその集団との待遇差、それから当該待遇差の理由、それから当該無期雇用フルタイム労働者ないしその集団が当該非正規雇用労働者に最も近いと判断した理由を説明することとされておりまして、例えば、ある待遇に差がある場合について、その理由が職務の内容の違いである場合にはその職務の内容の違いについて具体的に説明することなどが考えられるわけですが、いずれにいたしましても、この建議において、待遇差に関する説明義務の具体的内容につきましては、実効ある労働者保護の観点、それから実務上現実的に対応できるようにする観点の双方から施行段階において検討を深めることが適当であるとされているところでございまして、改正法成立後に詰めていきたいと考えておりますが、今朝ほどの議論も含めて、午前中の議論も含めて考えていきたいと思っております。
○小林正夫君 今答弁があった内容をやはりきちんと書けばより分かるんじゃないかと、私は今答弁を聞いて思いました。ですから、それが、やはり義務化して基本的にやっていくべきだと、このように思いましたので、是非、今答弁をされた内容を、書面で用意をしているということならば、それを義務化にしていく必要があるということを改めて強く申し述べておきたいと思います。 午前中の三浦委員からの質問もありましたけれども、六月一日に最高裁で非正規社員と正規社員の賃金格差を是正するように求めた判決が出て、報道では、主な内容として、正社員と非正規社員の賃金格差が不合理かどうかは賃金項目ごとに個別に判断すべき、そして、賃金格差が不合理だとしても正社員と同じ賃金がそのまま非正規社員に適用されるわけではないと、このように言われております。 同一労働同一賃金の実効性を確保するガイドラインを整備するということになっておりますけれども、今回の判決を受けて、基本給や各種手当の均等・均衡待遇の確保ではどういうことが示されると考えているのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(宮川晃君) 今回の判決は、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の待遇差に関しまして、個別のそれぞれの手当ごとに判断するなど、現行の労働契約法第二十条の解釈、適用について判断されたものであり、今回の法案による改正後の規定の解釈にも示唆を与えていただけるものと考えているところでございます。 この判決を踏まえまして、先ほど、午前中に大臣からも答弁させていただいたとおり、法案の文言を修正する必要はないと考えておりますが、今後策定しますこのガイドライン、案を取るガイドラインですね、それや通達におきまして必要なものは取り入れていこうと考えております。 いずれにいたしましても、ガイドライン等につきましては、関係者の意見や改正法案についての国会審議を踏まえ、法案成立後に労働政策審議会において議論をしていきたいと思います。 また、各社の労使間で十分な話合いが行われ、労使双方の納得の下、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消が実現されるよう、改正法の内容やガイドラインの考え方について、労使団体の協力も得ながらしっかりと周知してまいりたいと考えております。
○小林正夫君 ガイドラインの作成は大変必要だと思います。ただ、その内容がみんなに分かりやすくないとなかなか理解が進まないと思いますけれども、分かりやすいガイドラインを作る、こういうように受け止めていいですか。
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申しましたように、ガイドライン案は既に示されているところでございまして、先ほどの内容を踏まえた形でのガイドラインを作るわけでございますが、このガイドラインを踏まえた形での例えば業界団体ごとのマニュアルですとか、さらに、中小の商工団体の中からは、このガイドラインを踏まえた形での一種の手順書みたいなものを作成したらどうかという御提案もございますので、それらも含めましてこのガイドラインが使えるようなものにしていきたいと考えております。
○小林正夫君 次に、勤務間インターバルについてお聞きをいたします。 この勤務間インターバルは努力義務と、このように提案をされておりますけれども、労働政策審議会の樋口会長から厚労大臣に提出された建議には、勤務間インターバルは労働者の健康確保に資するものである、労働者が十分な生活時間や睡眠時間を確保し、ワーク・ライフ・バランスを保ちながら働き続けることを可能にする制度であり、その普及促進を図る必要があると、このように建議には書かれております。 これ、やっぱり義務化しないとなかなか進まないんじゃないでしょうか。義務化しないと建議には応えられない、このように私は思いますけど、いかがですか。
○政府参考人(山越敬一君) 勤務間インターバルでございますけれども、これは、働く方の生活時間や睡眠時間を確保し、健康な生活を送るために重要なものでございますけれども、制度の普及状況を見ますと、厚生労働省の平成二十九年の就労条件総合調査におきまして、この勤務間インターバル制度を導入している企業は一・四%にとどまっております。 この制度の導入が進んでいない理由でございますけれども、今申しました調査においては、この勤務間インターバル制度の導入の予定はなく、検討もしていない企業についてその理由を見てみますと、当該制度を知らなかったためという企業の割合が最も多くて四〇・二%となっておりまして、制度の認知度が低いということがございます。 それから、制度の導入に当たりまして、働く方一人一人の出退勤、退勤から出勤までの時間管理が必要となり、また、突発的な事情で残業が生じた場合に、その翌日の出勤時刻を遅らせた場合にその分の代替要員の確保がなかなか難しいといった労務管理上の課題がございまして、こういった状況を踏まえますと、まずは制度の周知とか導入の促進を図ることが重要であるということで、今回の法案では、労働時間等設定改善法を改正することによりまして、この勤務間インターバル導入を事業主の努力義務として課すこととしたものでございます。 なお、この五月三十一日に開かれました過労死等防止対策推進協議会におきまして、このインターバル制度につきまして、労働者数三十人以上の企業のうち、先ほど申しましたような勤務間インターバル制度を知らなかった企業の割合を二〇二〇年までに二〇%未満とすること、それから、勤務間インターバル制度、これは終業時刻から次の始業時刻までに一定時間以上の休息時間を設けることについて就業規則あるいは労使協定などで定めているものに限るわけでございますけれども、こういった勤務間インターバル制度を導入している企業の割合を二〇二〇年までに一〇%以上とすると、そういった数値目標を盛り込んだこの過労死等の防止のための対策大綱、この案をお諮りして、おおむねの了解を得たところでございます。 勤務間インターバル制度を導入するためには、昨年度、この制度を導入するような中小企業に対する助成金を創設しておりまして、例えば、就業規則の作成あるいは変更、さらに、労務管理機器、そういったものを導入する中小企業に対しましてその費用の助成を行うとか、好事例の周知などにも努めているところでございます。 こういった取組によって、まだまだ周知が進んでいない勤務間インターバルでございますけれども、周知を進めまして、まずは労使の取組を促進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○小林正夫君 今答弁ありましたけれども、勤務間インターバルを実施しているところは一・四%しかないんだと、なかなか周知されていない。だからこそ義務化にしてこういう制度を進めていこうと、このように私はしていくべきだと思うんですね。やはり長時間労働をなくして疲労を早く取ると、こういうことに対しては、やはり次の勤務までの間に一定の休息期間を与えなきゃ、これは努力しようといってもなかなか難しいと私は思います。改めてこれの義務化を求めておきたいと思います。 そして、当然、時間外の労働と要員は関係してきます。時間外だけじゃなくて、労働時間と要員は非常に関係するものですから、要員確保もある意味では進めていかなきゃいけない、このように思います。 そこで、具体的にお聞きをしたいんですけれども、業務の通年での均平化をどう図っていくのか、それと高齢者雇用をどう進めるのか、そして女性技術者の拡大をどう進めていくか、育児、介護で退職した人のカムバック制度の普及について、これらについて現段階で国はどういう取組を行っていくのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(坂根工博君) 私の方からは、まず、高齢者による労働力確保についてお答えを申し上げます。 大変大事な視点であると考えておりまして、例えば、六十五歳を超える継続雇用延長や定年引上げに取り組む企業などへの支援を行うとともに、高齢者の方を重点的に支援いたします生涯現役支援窓口を全国の主要なハローワークに設置しまして、再就職支援の強化を進めているところでございます。 また、シルバー人材センターにおける会員拡大や、会員と企業等とのマッチング機能の強化による高齢者の多様な就業機会の確保などに努めているところでございます。
○政府参考人(宮川晃君) 労働力人口が減少する中で、意欲、能力のある女性ですとか、子育て中又は介護に直面する方が働き続け、活躍できる環境を整備することは極めて重要な課題と認識しております。 このため、育児や介護などを理由とする退職者を再雇用する事業主を支援する助成金を平成二十九年度より新たに導入するとともに、女性の管理職割合増加などの目標を達成するなど、女性活躍に取り組む事業主を支援する助成金を支給しているところでございます。 こうした施策について経営者団体等へ各労働局などを通じて周知し、その活用を促してまいりたいと考えております。
○国務大臣(加藤勝信君) あと、平準化についてのお話がありました。 平準化について、一つは、今最初に委員がおっしゃったように、必要な労働者をどう確保していくのかということが一つあると思います。それからやはりもう一つは、いかに生産性を上げていくのかということもあると思います。 そういった観点からは、ICT等の導入等に対する支援措置、こういったことを通じることによってより作業を効率化することによって、平準化でありあるいは労働時間の短縮、こういったことを図っていくことが必要だろうと思います。
○小林正夫君 育児、介護で退職した人のカムバック制度、先ほどちょっと一部答弁ありましたけれども、民間企業の方がこういう努力をしなきゃいけないということは分かっているんですが、国としても、こういう制度、この辺も普及させていかないといけないんだと思うんです。この辺についてもう一度答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど御説明申し上げましたとおり、育児、介護等を理由とする退職者を再雇用する事業主を支援する助成金制度、これは具体的には両立支援等助成金再雇用者評価処遇コースというのでございまして、妊娠、出産、育児あるいは介護によりやむを得ず退職した方が就業が可能になったときに復職でき、その経験や能力が適切に評価され、再雇用制度を導入し、希望者を再雇用した事業主に対する助成金ということでございます。 ただ、まだそれほど普及しているものではございませんので、この普及により両立支援という形での再雇用ということが進むよう努力してまいりたいと思います。
○小林正夫君 次に、労働者の過半数代表者の選出についてお聞きをいたします。 労働組合の組織率、直近で一七%程度になっております。中小企業を中心に多くの企業に労働組合がないというのが私は実情だと思います。厚生労働省所管の独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によれば、過半数代表者の選出に当たって、使用者が過半数代表者を指名したり、社員会あるいは親睦会の代表が横滑りで過半数代表者になったりするという不適切な選出が行われているという、こういう調査結果が出ております。 このような状況を厚労省としてはどう受け止めているのか、これを改善しなきゃいけないと思うんですが、この改善の取組はどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありましたように、労働基準法においては、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合の過半数代表者は、三六協定の締結や労使委員会の委員の指名など、労働条件の決定について大変重要な役割を担っているわけでありますが、ただ、今御指摘のあったJILPT等の調査等によっても表れておりますけれども、その選出については会社側が指名する等の不適切な方法で行われているという、これは調査結果でありますけれども、そうした事例があることは承知をしておりまして、そうした不適切な方法を是正をしていく必要があると考えております。 こうした状況も踏まえて、労政審においても昨年六月五日に建議で取りまとめていただきましたけれども、使用者の意向による選出は手続違反に当たるなど、現在通達で決めておりますけれども、その内容を省令に規定していくということ、また、使用者は過半数代表者がその業務を円滑に遂行できるよう必要な配慮を行わなければならない旨、これを省令で規定するという方向で検討することが適当だとされたところでありますので、法律が成立をした場合も踏まえながら、建議に基づき、改めて労働政策審議会の審議を経た上で必要な省令改正を行うこととしたいと思っておりますが、あわせて、現行の制度の下でも適正な手続で過半数代表の選出が行われるよう、そうした不適切な例があればしっかり指導し、是正を図っていきたいと考えております。
○小林正夫君 現在審議しているのは、労働基準法、大きな改正で、七十年ぶりの改正だと、このようなことで私たち今審議しているんですが、職場の労働条件も相当変わってくる、したがって、労使で話し合うことが非常に多くなる、ただ、労働組合がないところが多いと。だから、この代表される選出の仕方がやはり公平じゃないといけない。厚生労働省所管の機関が調べたらいろいろ不適切がある、こういう報告ですから、今大臣いろいろおっしゃってくれましたけれども、こういうことがなくなるようにしていかないと健全な職場運営ができないんじゃないか、このように思いますので、是非その辺は指導をしていくこと、このことを求めておきたいと思います。 改めて聞きますけれども、要は、適切でない手続で選出された過半数代表者が労働者代表委員を指名した労使委員会で行った決議は無効になると、こういうことでよろしいでしょうか。
○副大臣(牧原秀樹君) 議員が今御指摘になりましたように、適切な手続を経ない過半数代表者が委員を指名した場合に、その労使委員会で行った企画業務型裁量労働制の決議は無効となります。
○小林正夫君 次に移ります。 多様な就業形態の普及についてお聞きをいたします。 雇用対策基本法の改正案で、国の施策、第四条に、多様な就業形態の普及に関する施策を充実することが盛り込まれております。多様な就業形態の普及を安易に進めると、雇用型労働から非雇用型労働への置き換えを助長する心配はないのか、労働関係法令の使用者責任や社会・労働保険料の逃れなど就労者保護の観点から問題となる行為が助長されることがないようにすべきだと、このように思いますけど、この問題について厚生労働省の取組と大臣の見解をお聞きいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 雇用型テレワーク、また副業、兼業については、その多様な就業形態の普及の対象になるわけでありますけれども、長時間労働を招かないようにすること、また健康確保に留意しつつその普及を図っていくことが必要であります。 雇用型テレワークや労働者性のある副業、兼業は労働基準関係法令が適用されることになりますので、使用者は労働者の労働時間について適切に把握する責務等がございまして、午前中でも議論があったところでございます。 このように、雇用型テレワークや一定の副業、兼業は使用者の雇用責任の下で柔軟に働く働き方でありますので、これを推進するということが雇用関係にない働き方への置き換えの助長に必ずしもつながるものではないというふうに考えてはおります。 また、仮に請負契約等の名目の契約であっても、契約形態にかかわらず、働いている方が労働者あるいは雇用関係という実態があれば労働関係法令等が適用されるものであります。そういうことに対しては引き続き適切に対応していきたいと思っております。 一方で、非雇用型テレワークを始めとする雇用類似の働き方、フリーランスとも言われておりますけれども、こういったことが拡大をしている現状に鑑みまして、働き方改革実行計画に基づき、雇用類似の働き方について法的保護の必要性を含めて中長期的に検討していくこととしております。 厚労省では、昨年十月に雇用類似の働き方に関する検討会を立ち上げ、その実態等を把握、分析し、課題整理に着手し、本年三月に報告書を取りまとめ、また、それを踏まえて引き続き労働政策審議会基本部会において保護の在り方等について検討していただいている、こういう状況であります。
○小林正夫君 実行計画の中で、柔軟な働き方の推進と、このようにうたわれて、兼業だとか副業、あるいはテレワークなどの推進がうたわれております。 六月十二日の参考人質疑で、小室参考人からテレワークについて、いつ働いているのか分からない、働いた時間を把握するのが課題だと、このように参考人は述べられました。また、棗参考人からは、時間外労働を少なくすることで管理職に業務が集中する心配がある、管理職の労働時間の把握も必要になると。また、寺西参考人からは、労災認定の裁判では働いた時間を立証するのに大変苦労したと、こういうことが参考人質疑で述べられました。昨日の地方公聴会でも同様な意見が多々ありました。 大臣と確認したいんですが、どんな働き方でも、どんな立場の人でも安全に健康で働くことができる、これが働き方改革の肝だと、私はこのように思うんですけれども、この考え方は共有化できますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話がありましたように、それぞれいろんな事情があるわけでありますけれども、その事情の中で多様な働き方ができるということで法案を提出させていただいておりますし、当然、働く上においては、健康が確保されて、そして様々な労働関係法令が適切に対応されていく、このことは大変大事なことだというふうに思います。
○小林正夫君 兼業、副業について更に質問しますけれども、六月七日の委員会に引き続いてこれは質問なんです。要は、複数の企業で働いた場合のトータルの労働時間を誰がどうやって管理していくのか。ここなんです、問題は。先日の質問では、トータルの労働時間を企業側で把握するのはなかなかできないということがあり、実効性ある労働時間の管理の在り方について有識者検討会で検討することとしていると、このように大臣は答弁されました。 まず、兼業、副業推進と言うならば、その方が働いた労働時間をしっかり把握できると、このことを確保した上で今言った副業とか兼業を進めていくべきだと、私このように思いますけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、現行の法令がどう適用されるかについては前回も説明をさせていただきましたけれども、基本的には、A社で働いている方がいて、B社で副業を始める、そしてB社でどう働いたかについてはその働いた方がA社に対して申告をしていただくと、そういう形で、A社ならA社がその働いている方の時間を管理すると、これが基本ということになるわけでありますし、それにのっとって時間外等々もあるいは健康確保措置等々も実施をされていくと、こういうことになるんだろうと思いますけれども、そこは今そういうことになっていると。 ただ、今委員御指摘のように、じゃ、それがどのぐらいフィージビリティーがあるのかと、こういった様々な御意見をいただいておりますので、それを踏まえて更にその点を詰めるべく、有識者に集まっていただいた議論をさせていただこうと、こういうことであります。
○小林正夫君 もう少しイメージがあればお聞きをしたいんですけれども、先ほど言ったように、一日の間でA企業働いてまたB企業でも働くと、こういう状態考えられますね。ここで働いた時間を誰がどう管理するのかということなんです。このことに対してどういうイメージを持っているんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 基本的には、A企業でありB企業が、それぞれが把握をしないと、現行の法定の中では通算して対応するということになっておりますから、それぞれの企業が、あるいはそれぞれの使用者が、当該労働者の、自分の企業、また、兼業、副業を許可をしているわけでありますから、それについての情報を労働者から聞いて、それを把握すると、そういったことが必要になるわけであります。
○小林正夫君 そこなんです。そのA企業はA企業で働いた時間が確認できます。B企業もできます。このトータルで働いた時間を誰がどう管理するんですかという質問なんです。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、A企業はA企業で働いた時間、これは自分で確認します。それから、B企業でその当該労働者が働いた時間については当該労働者から自己申告をしていただいて、それをもってその労働者のトータルの時間を把握すると。そして、B企業も同じ、今度逆になりますけれども、同じ対応をしていただくと、こういうことになるわけであります。
○小林正夫君 自己申告ということが入ってくるんですよね。それで本当に適正な管理が客観的にできるのかどうか、ここを心配しているんです。いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) したがいまして、その点もございますので、そういった件についてもしっかり詰めていく必要があるということで、先ほど申し上げた有識者にお集まりをいただきながら、その点だけじゃないんですけれども、労災の問題とかあるいは雇用保険の問題とか、これはいろんな点がありますので、それぞれについてしっかり議論をしていただこうと、こう考えております。
○小林正夫君 今回の働き方改革で、そこは私大変大事だと思うんです。要は、働き過ぎないように、それは、みんな人間ですから、与えられた仕事一生懸命やろうと、それで働き過ぎちゃう傾向があって、長時間労働になる、こういう危険性もある。したがって、客観的に、今言ったような環境でも、私がどれだけ一日働いたのかということをしっかり管理できなきゃいけない、また管理しておいてもらわなきゃいけない。この辺の把握ができるように、これは大きな問題ですので、是非取り組んでいただき、早急にどういう方法でやるのかという回答もいただければ有り難いと思います。 次に移ります。 男性の子育て、介護への参加促進、この問題についてお聞きをいたします。 男性の子育て、介護への参加促進、これが働き方計画の中でも示されております。長い期間、要は、男性が育児あるいは介護で休暇が取れるようにしていくことが必要じゃないかと思います。今の段階ですと、女性の方が長くて男性は短い、私はこのように受け止めておりますけれども、国が制度や環境整備を進めていかないとこの問題は進展しないんじゃないかと思いますけど、男性の子育てあるいは介護等への参加促進について国としてはどういうふうに取り組んでいくのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(宮川晃君) 委員御指摘のとおり、働き方改革実行計画におきまして、男性の育児、介護等への参加促進が示されておりまして、男性の育児休業取得率を二〇二〇年までに一三%とする目標も掲げているところでございます。 このため、厚生労働省におきましては、育児休業の取得を希望する男性がニーズに応じて取得できるよう、パパ・ママ育休プラスなどの男性の育児休業取得を促進する制度の整備、イクメンプロジェクトの実施、男性の育児休業取得促進に取り組む企業への助成金の支給などの取組を進めております。 また、介護を行う労働者のニーズ等を踏まえ、介護休業の分割取得や介護休暇の半日単位での取得、介護のための残業免除制度などを整備するとともに、介護休業の取得から復職までを支援する企業への助成金の支給等の取組を進めております。 加えまして、男性が育児休業等を取得しやすい職場環境整備の観点から、事業主が育児や介護を行う対象労働者に休業等が取得できることを個別に周知、勧奨する努力義務や、育児休業あるいは介護休業等を申し出た場合のハラスメント防止措置義務を設け、その周知徹底、履行確保を行っているところでございます。 これらの取組によりまして、各労働者の希望に応じて育児休業あるいは介護休業などが取得できるよう、今後とも取り組んでまいりたいと思います。
○小林正夫君 是非、男性も子育てあるいは介護に当たっていくのが当たり前だ、こういう社会にしていかなきゃいけないと思いますので、今の取組をしっかり進めていただきたいと思います。 次に、職場に伺うと、組合員の健康管理について随分話が出ます。そのときに出るのが、組合健保の財政の関係なんです。今、高齢者医療への拠出が非常に大きくなって、もう限界を超えたと、自分たちの健保としてやりたい事業もできなくなっていると、こういう指摘がこれ相当多くあります。したがって、国、これは高齢者医療への財政対策をある意味ではしないといけないかと思うんですけれども、健保がこういう状況に置かれているということ、このことは大臣も認識していると思いますけれども、これを改善していってあげないと職場での組合健保の活動が本当に不十分になってしまうと、このように思います。 是非、この高齢者医療への財政対策、これをどうやっていくのか。また、組合健保に今掛けている負担をどうしたら軽減できるのか、この辺についてお聞きをいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) 日本は世界に誇る国民皆保険制度ということでやらせていただいているわけであります。それは、国民に必要な医療を保障するため必要な医療費を保険料や税といった国民全体の負担で支え合う中で運営がされている、こういう仕組みであります。 高齢者については、支え手である現役世代と高齢者の負担のルールの明確化を図る観点から後期高齢者医療制度が創設をされて、そして、国民全体で高齢者の医療費を負担する仕組みとしたところであります。高齢化が進展する中で、高齢者の医療費が大きくなる中で、現役世代に応分の拠出金負担を求めていく。これは公的医療保険制度という趣旨からしても、そういった仕組みになっているということであります。 ただ他方で、健保組合は公的医療保険制度の重要な担い手でありまして、健保組合の財政健全化は重要な課題であります。特に、最近見ていると、健保組合が解散をして、そしていわゆる協会けんぽの方に移っていくということになります。協会けんぽの方に移ると、これ国庫負担が発生をするということでもございますので、これはいろんなところで取り上げられているわけであります。 ただ、最近の動向を見ると、そうした傾向が、例えば健康保険料はほぼ横並び、そんな急激な上昇になっていかない。あるいは決算ベースで見ると、その収支の赤字というのもそれほど多くない。予算のときにかなり確保できるようにつくっているということもありますけれども、そうしたこと、それから、今お話があった後期高齢者支援金、これも急激な増加ではなくて微増という程度になっていると、こういう状況にはありますけれども、しかし、この健康保険組合というものをしっかりと維持していくということが必要だということでございますので、総報酬に占める前期高齢者納付金負担の重さや伸び等を要件とした助成などなど、負担の軽減も図っているところであります。 さらに、財政が悪化した保険組合に対しては指定組合に指定して財政支援を行う、さらに、今後は、なってからではなくて、なる前、そうした兆候がある、そういったものも分析をして、それに対する支援、こういったことにも取り組んでいきたいというふうに思っております。 高齢者医療の負担における保険料と公費負担のこの割合をどうむしろ考えていくのかという観点であります。これはいろいろな考え方があるというふうに思います。結果的に、保険料であっても税金であっても国民が負担をしていただくということに変わりはないわけでありますから、あるいはその取る税金もどういう税によるのか、それによっても随分様子は変わってくるんだろうと思います。そこは常に総合的に議論をしながら考えていくべき課題ではあると思います。
○小林正夫君 いずれにしても、日本の人口構成が、戦後の団塊世代が七十を超えてきて頭でっかちの人口構成になってきていますから、そのことは承知をしているんですが、組合健保が健全な運営ができるように、これもしていかなきゃいけない大きな課題ですから、是非この問題も、大臣、しっかり取り組んでいただきたいことをお願いをしておきます。 ハラスメントの質問ですけれども、これは午前中、自見委員がこの質問をしていただきました。私の方から、今私たちが議員立法で出しているこのパワハラ防止法案、これを是非今国会で成立をさせて、このパワハラあるいはハラスメントを規制をしていく、こういうことができることを私は望んでおりますので、是非今回のこの委員会でも審議をしていただいて成立が図れるように、皆さんの協力も、私の立場からもお願いを申し上げたいと思います。 最後の質問です。 昨日、地方公聴会に行きましたら、労働者五十人以上の事業所にはストレスチェックが義務付けられているけれども、五十人以下の職場は義務付けられていないと。ストレスチェックです。要は、精神的な負担が非常に大きくなって、数年前からこれをやっていくという義務が課せられているわけなんですが、五十名以下の事業所について、これも必要じゃないかと、こういう意見が昨日出されておりました。この問題についてどう取り組んでいくのか、お聞きをいたします。
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。 ストレスチェック制度、労働安全衛生法の平成二十六年の改正により創設されまして、平成二十七年十二月一日から施行されておりますが、このストレスチェック制度の義務付けにつきましては労働者数五十人以上の事業場ということになっておりまして、御指摘のとおり、五十人未満の事業場については当分の間努力義務ということとされております。この理由は、産業医の選任義務がないなど、体制が必ずしも整備されていない事業場に実施を義務付けた場合にしっかりとした対応ができるのかといった懸念があることから、当分の間の努力義務とされたところでございます。 しかしながら、事業場の規模にかかわらず労働者のメンタル不調の予防に取り組むことは重要であるということでございますので、この努力義務となっています五十人未満の事業場については、厚生労働省としては、様々な形でストレスチェックに取り組むことを支援をさせていただいております。労働局、労働基準監督署などでの周知啓発、また産業保健総合支援センター、あるいはその地域窓口を通じた専門的な支援、さらにはストレスチェックの実施やそれを担う医師等の選任に対する助成といったものを整備をして支援をしているところでございます。 引き続き、労働者数五十人未満の事業場に対するストレスチェックの取組をしっかり支援していきたいと思います。 二十六年の労働安全衛生法の改正については、附則において五年後の見直し規定が書かれておりますので、ストレスチェックの実施状況も踏まえながら、こうした見直しの検討の課題となっていくものと考えております。
○小林正夫君 複雑な社会になっておりますので、ストレスチェックというのは私非常に必要だと思います。是非、五十人以下の事業所でもこういうことができるように今の取組を進めていただきたい、このことをお願いして、今日の質問を終わります。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。よろしくお願いします。 まず、法案に入る前に、六月四日に出された森友学園の報告書並びにその処分に関連して、一点大臣にお伺いしたいと思います。 いろいろマスコミからもこの報告書や処分に対しては評価がなされています。身内の評価でやはり甘い調査しかできていない、やっぱり第三者的な厳しい目で見ることができていないんじゃないかという評価もありますし、また、処分に関しては、前理財局長は三か月の停職処分ということになっていますけれども、外務省のロシア課長は九か月の停職と、何が要因かはよく分かりませんけれども、そういう処分がなされているにもかかわらず、これだけの公文書の改ざん、隠蔽、さらには虚偽答弁と、もう前代未聞の不祥事が起きているにもかかわらず、そういう処分で本当にいいのかと。もっと言えば、もっと言えば、ここが一番重要ですけれども、官僚だけに責任を押し付けて、政治家が責任を取っていないと。麻生大臣、閣僚報酬一年間自主返納、約百七十万と言われていますけれども、本当にこれで責任を取ったと言えるんでしょうかと。世間から見たときには、何だ、それが政治家の責任の取り方かと、こういう厳しい意見があるのも、これ事実だと思います。 そこで、加藤大臣に、今回の一連の森友学園問題、とりわけ政治家が責任を私は取っていないと、世の中の多くの皆さんも、国民の皆さんもそう感じておられるというふうに思いますけれども、政治家の責任の取り方、今回の対応についてどう思われているのか、御意見いただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 森友学園をめぐる公文書管理の問題、それ以外もありますけれども、国民の皆さんの不信を招いて行政全体の信頼を揺るがしている、こういう事案が発生していること、これ極めて遺憾でありますし、これについては私ども厚労省のデータに係る問題もございますので、これは真摯に反省をして、こういうことがないように対応していかなければならないと考えております。 その上で、財務省の調査、処分、あるいは財務大臣の対応ということのお話がありました。それぞれ財務省において、あるいは財務大臣において、御自身の責任、あるいは財務省の責任において調査をし、処分をされたというふうに思っておりますので、それについて私が申し上げる立場にはないところでありますけれども、いずれにしても、責任の取り方というのはいろいろあると思います。一番大事なことは、こうしたことを二度と起こさないということが一番大事なわけであります。それに向けてどう対応していくのがいいのかということなんだと思います。そういったことを御判断されて、大臣が御自身の責任というものをそういった形でお取りになられたと、こういうふうに承知をしております。
○浜口誠君 政治は最高の道徳だと、こういう言われ方が、大先輩からそういう御発言があったというふうに聞いております。最高の道徳なんですよ。その政治に携わる政治家が責任を取らない、これはやっぱり国民の皆さんから見たときには不誠実極まりないというふうに思います。やはり政治家は、しっかりとその問題に対して自ら自分の去就も含めてしっかりと判断していく、そのことが求められる仕事だということを申し上げておきたいと思います。 それでは、法案の審議の方に入らせていただきます。 今日は、まず先週の持ち越し課題、少し最後時間がなくて中途半端で終わっている部分がありますので、そこをまず確認をさせていただきたいと思います。 それは、派遣労働者の労使協定、これを行政がどう適正に把握していくかと、この議論が先回最後になっちゃって余り詰め切れていないので、そこを確認をさせていただきたいと思います。 宮川局長の方からは、事業報告の中で適正に把握するようにしていきますと、これ派遣法の二十三条の中に、派遣の事業主が厚労省の方に年一回、事業報告というのを出すんですけれども、その中で労使協定が結ばれているかどうかを報告をしてもらうと。私からは、その中には、単に労使協定結んでいますというような事実関係では不十分であるから、実際にこの五つの項目を労使協定の中に入れていかないといけないんで、結んでいかないといけないんで、その五つについて詳しく事業報告の中に書いていただいて報告を受けるべきではないですかと、そのことを強く申し上げました。 やはりそこが少なくとも担保されていないと、行政として正しく労使協定の内容を把握したということにはならないというふうに思いますので、そこの考え方についてもう一度確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。 労使協定が適正に運用されているかを把握することは重要だと認識しておりまして、可能な限り適正に労使協定の状況を把握することが必要であろうと考えております。 先日も申し上げましたとおり、事業報告により行政に報告させるか否かにつきましては労働政策審議会における議論により定めてまいりますが、仮に事業報告によるものとする場合には、単に派遣労働者に関する労使協定を締結しているという事実だけではなく、法三十条の四第一号から第五号までの各号に係る内容についての報告を求めることについて、これは具体的内容については、実効ある労働者保護の観点あるいは実務上現実に対応できるようにする観点の双方から労働政策審議会で御議論いただきたいと考えております。
○浜口誠君 労政委員会で議論するというのは分かりますけれども、その一番から五番まで、これをしっかりと書いていただく、その方向でしっかり議論するということでいいですね。厚労省としてはそこはしっかり担保していくんだと、そのことでいいですね。
○政府参考人(宮川晃君) 今申し上げましたとおり、それぞれ各号、一号から五号と、各号に係る内容についての報告というふうに考えております。その場合には、やるとした場合にはということだと思います。
○浜口誠君 その条件付けなくていいですよ。しっかりそこを担保していくということを言ってください。
○政府参考人(宮川晃君) そのとおりで結構です。
○浜口誠君 時間が余りないので、是非、そう思っているんなら最初からそう言ってください。 では、続きまして、小林理事の方から自動車運転手の件について御質問ありましたが、それに関連して一つお伺いしたいと思います。 自動車運転者の運転業務に関する労働時間等の改善基準というのがあります。これ、大臣告示になっています。通称改善基準告示と言われるものですけれども、この中に、対象者としては、四輪以上の自動車を運転する、そういった業務に主に従事する人が対象者ですというふうになっているんですけれども、この中に、主に従事する人、者。者というところがちょっと曖昧なんですね。 現実問題、単に運転だけをしている方もいれば、そうでない方もいらっしゃるんですね。要は、営業の仕事をやったりとかあるいは運行管理をやったりした上でハンドルも握ると、こういった兼務をやっているような方も結構実際には多くお見えになって、じゃ、こういう方は、先ほど言った四輪以上の自動車を運転する業務に主に従事する者ということでいうと含まれるのか含まれないのか、結構曖昧な運用になっているというのが今の実態だというふうに感じております。 この改善基準告示の中で言われている主に従事する者、者というものの定義、解釈、これを明確に教えてください。
○政府参考人(山越敬一君) 今御指摘をいただきました自動車運転者のための労働時間等の改善のための基準、いわゆるおっしゃられました改善基準告示でございますけれども、この中では、自動車運転者は、労働基準法第九条に規定する労働者であって、四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事する者をいうとされております。 この自動車運転の業務に主として従事する者でございますけれども、運転及び運転に付随する業務が当該労働者の業務の大半を占める労働者をいうものであり、これに該当するかはその実態を踏まえて個別具体的に判断をしているところでございます。
○浜口誠君 今、山越局長の方から大半を占めるという表現がありましたけれども、これもちょっと解釈によってはどこまでが大半なのかと。例えば時間で管理するということなのか、あるいは一日だとか一か月の中でそういう仕事が、じゃ、どれぐらいの割合だったら主に従事する者に該当するのかどうか。時間でいえば、例えば一日八時間そういう業務に就いていて、その時間が何割だったら、じゃ大半というふうにみなすのか。 その辺の具体的な基準というのをやっぱり示していく必要があるというふうに思うんですけれども、その辺りはどう考えればよろしいでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) その運転及び運転に付随する業務が業務の大半を占める労働者でございますけれども、例えばの例として、自動車を使用する営業の業務でございますけれども、これは、自動車を使用する営業の業務ということであれば主たる業務は接客販売ということでございますので、自動車の運転はそれに付随するものでございますので、自動車運転の業務には該当しないと解されているところでございます。また、例えば、自動車の運転が主たる業務ではない、例えばクレーン車のオペレーター、クレーン車のオペレーターが移動のために路上を走行するような場合についてもこれに当たらないと解されております。 いずれにいたしましても、自動車の運転の業務に主として従事する者であるか否かにつきましては、その実態を踏まえまして個別具体的に判断をしているところでございます。
○浜口誠君 ちょっと、じゃ、聞き方変えますけれども、自動車を運転する業務を主にやっているんだけれども、それが主なんです、それが主なんだけれども、その合間に営業の仕事をやったり、あるいは運行管理の仕事をやっているという方も大勢いらっしゃるんですね。その場合は、じゃどう考えればいいんですか。もう時間とか割合とか関係なくて、要は主な業務が自動車運転だったら、ここで言う、改善基準告示の主に従事する者、自動車運転の業務に主に従事する者に該当すると、そういう理解でいいんですか。
○政府参考人(山越敬一君) この自動車運転の業務に主として従事する者は、その業務が運転及び運転に付随する業務か、そういった業務が大半かどうかということでございますけれども、それは、その業務の内容でございますとか従事している時間、様々な事情を勘案して決めていくものだと思います。 この自動車運転業務に主として従事する者であるか否かにつきましては、今申しましたように、その実態を踏まえて個別具体的に判断をしておりますけれども、どのような事例がこの自動車運転の業務に主として従事するかどうかにつきましては、少し整理して明らかにすることについて検討をすることといたしたいと思います。
○浜口誠君 今日の御答弁聞いていると、余りそこら辺の区分が明確になっていないなというのがはっきりしたかなというふうに思いますので、例えば時間なんかで明確に区切るんであれば、そういう基準を示していただきたいと思いますし、今日のお話聞いていると、何か曖昧でいろんな解釈ができるなというのが正直感じましたので、そこは今日の段階でこうだということは言い切れないということであれば、今後の議論でそこをちゃんと基準を明確に、どういう方がその対象になるのかということをはっきりと、多くの方が同じ、共通の理解に立てるような基準を明確にしていただきたいなというふうに思います。 続きまして、労基法の附則百四十条にありますその他自動車の運転業務として厚生労働省令で定める業務に関して確認したいと思います。 ここも今後の議論の中で省令で明確にしていくということですけれども、先ほど小林理事の方から話ありましたけれども、自動車運転の仕事って本当に多種多様で、いろんな運転に従事されている方がいらっしゃいます。長距離の方だと、もう向こうに行って一泊泊まって、また翌日帰ってくるというような、こんな長距離のドライバーの方もいれば、近距離の物流に携わっている方、例えば宅配のドライバーの皆さんなんかは日勤で働いておられますし、深夜早朝の勤務の方もあれば、あるいはもう始業時間が、始まる時間がもう非常に不規則だと、こんな業務に、勤務に従事されている方もいらっしゃいます。 こういうことを考えると、自動車の運転の皆さん、いち早く大勢の皆さんが一般則の適用になっていくのが望ましい姿だというふうに思いますけれども、ここでいうその他の自動車運転の業務に従事する方で厚生労働省令で定める者と、ここについて今後どのような検討をなされていくのか。今言ったように、トラックドライバー、自動車運転手の方というのは非常に多様な仕事、多様な勤務実態がありますので、きめ細かくそういった区分をしていく必要もあるんではないかなというふうに思っているんですけれども、その点に関して現時点での考え方をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の自動車運転業務の範囲ということでありますけれども、現行の限度基準告示では、自動車の運転の業務、これは三六協定における延長時間に関する限度時間を適用しないと、こうなっておりまして、この自動車の運転の業務というのは、先ほど委員お話があった、主としてということを含む、四輪以上の自動車の運転を主として行う業務等をいい、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準の対象となる自動車運転者の業務と同義であること、こうなっているわけでありますので、今回、上限規制の適用猶予となる自動車の運転の業務を省令で定めるに当たっては、こうした現行の取扱いの範囲をこれは超えないようにしていく必要があると思いますし、それから、今委員お話があった、じゃ主としてというのはどこまで入るんだという御指摘もございましたので、その辺を含めてしっかりと書き込めるように検討させていただきたいというふうに思っております。
○浜口誠君 今申し上げたいろんな勤務形態もありますし、業務特性もあるんで、きめ細かく区分していくということに対しては、大臣、どういったスタンスなのか、最後に確認したいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) きめ細かくという趣旨は、一つは、これはこの適用をするかどうかということですから、そこ何種類か書いても、そこにどういうものがあるかということを具体的に書くという意味においては、分かりやすく書くというのはあるんだと思いますが、区分をする必要性はこの法律の場合はないのではないかというふうに思うんですけれども。
○浜口誠君 ちょっともう時間が来ましたので、まだこの点についても確認したいことありますので、次回以降も議論させていただきたいと思います。 ありがとうございます。
○川田龍平君 立憲民主党・民友会の川田龍平です。 一年ぶりに厚生労働委員会に戻ってまいりました。あと、大臣とは初めて厚生労働委員会で質疑をさせていただきます。歴代の大臣には薬害の問題についていつも聞くのが恒例だったんですけれども、八月に就任されて、大臣は八月二十四日の薬害根絶デーの、薬害根絶誓いの碑の前で誓いをいつも毎年述べていると思いますので、また今年も八月二十四日に薬害のことについては聞きたいと思いますが。 今回の歴史的なこの米朝会談、これについて、先ほど小林委員からも質問がありましたが、私は、今総理は特に拉致問題をこれ取り上げていますけれども、日本人の遺骨収集の問題、これはどうなってしまっているのかなと思っております。 これは、今回アメリカは国交がなくても米兵の遺骨収集の再開というのを、合意をこれ文書に署名までしているんですけれども、なぜ日本人の遺骨収集というのは全く進まないのでしょうか。これ、アメリカは今回びた一文もお金は出さないと言っているようですが、今後、日本は北朝鮮の非核化費用の負担も求められるかもしれないというような中で、是非その前に日本も北朝鮮で遺骨収集を開始すべきではないかと考えます。 ストックホルム合意の一環としてこの遺骨収集の要求を北朝鮮にするよう総理に強く意見すべきではないかと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 遺骨収集全般についても、これもう戦後随分長く時間が掛かっていった、残念ながらこの日本の本土にお迎えすることができない、これ本当に遺憾でありまして、全ての地域においてより積極的にこの遺骨収集に当たらせていただきたいというふうに思います。 その上で、今、北朝鮮における遺骨収集のお話がありました。ストックホルム合意の中にはこの遺骨収集も含まれているわけでありまして、日本人に関する全ての問題の解決に向けて全力を尽くさせていただきたいと思っておりますし、また、ストックホルム合意については、日本政府としては、北朝鮮側からはいろんな発言がありますけれども、日本政府側からはそうした、このストックホルム合意を廃棄するといいますか、そういった向こう側の主張に対して、それは全く受け入れるわけにはいかないんだということで、引き続きこのストックホルム合意を保持し、そしてその履行をしっかり図っていきたいというふうに思っておりまして、また、そうした中において北朝鮮における日本人戦没の遺骨収集も位置付けられている、また大変重要な課題であると思っておりますので、今後とも外務省等関係省庁と連携しながら、これは適切に対応させていただきたいと思います。
○川田龍平君 私、厚労大臣と拉致担当大臣が同一であるというのは初めてだと思います。これ、今まで拉致の問題があるから遺骨はなかなか進まないというようなことがあったのか分かりませんけれども、これは、加藤大臣、拉致担当大臣兼務することで私は進むと思うんですが、今まで拉致担当大臣と厚生労働大臣の、遺骨の問題などを含めて、別だったことで進まなかったのか、一緒になったことでより進みやすくなるかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) この課題も含めて、北朝鮮に対しては政府全体で安倍総理先頭に対応させていただいておりますので、所掌、例えば今たまたま遺骨の担当の大臣と拉致の問題の担当大臣が兼務をさせていただいておりますけれども、全ては安倍総理の下にいて担当するということでありますから、それはどちらであっても精力的に取り組ませていただくと、この姿勢には変わりはないと思います。
○川田龍平君 是非、この歴史的な前進をしている中で、やっぱり日本がしっかりとこの問題について取り組んでいただきたいと。拉致の被害者のその家族、遺族の方も含めて、やっぱり本当にこの人たちも高齢化していますし、さらに、この遺骨の遺族の方、戦没者の遺族の方のやっぱり高齢化というのがありまして、遺骨の問題はこれ一日も早く取り組まなければ、遺骨がたとえ帰ってきたとしても遺族の方がいなかったら、迎える方がいないという状況にならないように、一日も早く取り組んでいただきたいと。そして、集中期間は十年ということで、これ平成三十六年、平成三十六年ありませんので、二〇二四年ということですので、是非その期間に取り組むということを忘れずにやっぱり前進していただきたい思いますので、よろしくお願いします。 法案の質問に入ります。 高度プロフェッショナル制度、この適用対象者、これは成果を上げれば賃金が上がるのでしょうか、あるいは成果が上がらなかったらこれ賃金は下がるということでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度におけます年収要件でございますけれども、これは労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年当たりの額に換算した額が基準年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上であることを規定をしております。 具体的な額は、労働基準法第十四条に基づく告示の内容を参考にいたしまして、法案成立後、改めて審議会で検討の上、省令で規定することが適当とされているところでございまして、これを受けまして、一千七十五万円を念頭に検討をしていくものでございます。この額は制度導入に当たりましての最低条件でございますので、これを上回ることを前提に、その成果と賃金をどのように関係付けるかということは労使の取決めによるものでございます。 現行制度の下では、労働時間の長さあるいは時間帯が割増し賃金とひも付けられておりますので、当然企業の労務管理はその働く時間の長短や時間帯の在り方を意識した管理とならざるを得ないものでございます。残業があれば割増し賃金の支払が必要でございますし、同じ成果でも働く時間の長さにより賃金が違ってくるということにもなりますので、純粋に成果に見合った賃金を支払うということにはならないわけでございます。 こうした中で、高度プロフェッショナル制度でございますけれども、対象となる方の健康確保を前提に、労働時間や割増し賃金に関する規定を適用せず、時間と賃金の関係を切り離すことによりまして仕事の成果に見合った処遇をすることを可能にし、自律的で創造的な自由な働き方の選択肢を可能にする制度でございます。
○川田龍平君 長々答弁いただきましたが、つまりは、成果に応じて賃金が上がることをこの制度は約束しているわけではないということです。そういうことですね。 高プロというのは、これ自由な働き方が実現できる、多様で柔軟な働き方、成果に応じた賃金というのは、これ単なるイメージ操作であって、条文上これ明記されていないのは問題だと思います。これはいかがでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、従事した時間と従事して得た成果の関連性が通常高くないと認められる業務、これを省令で指定するということになっております。これに基づきまして、こういった労働時間、時間帯でございますとか、そういったことについて省令でその裁量が認められる旨の規定を定めることとしておりまして、今申しましたように、法律に基づいて省令でそういったことを定めていくということでございます。
○川田龍平君 ちょっと答えになっていないんですけれども。 労働基準法第四章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増し賃金に関する規定のこれ適用除外とすると、なぜ、どうしてその労働者が意欲や能力を発揮できるようになるのでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、先ほどの話は、局長からの答弁の中にもありましたけれども、基本的には、今、同じ成果を出してもそれに掛かった時間によって、例えば所定時間で終わればそれで終わるし、残業がもしして同じ成果があれば、逆に残業分だけ余計、余計というか、プラスアルファの賃金がもらえる、そういう関係にもなっている、そこを遮断することによって、一定の成果に対しては幾らの賃金という形をする、時間と切り離す、そういう形の中で、先ほど申し上げた賃金と時間の関係を切り離す、そして成果に見合った処遇にしていく、そういうことになっていくわけであります。 それから、済みません、もう一つは何でしたっけ。ごめんなさい。
○川田龍平君 この適用除外にするとなぜ労働者が意欲や能力を発揮できるようになるのかということなんですが。
○国務大臣(加藤勝信君) したがって、それぞれ付加価値をより出していく、創造性を発揮していくという中において様々な時間管理がなされていくということであれば、本人にとって自分の調子のいいときにうんと仕事をする、そうでないときは休むという、そうしためり張りの利いた働き方がなかなかしにくい。もちろん、裁量労働制等、今既存の制度もありますけれども、それについてはみなし時間と実労働時間の乖離がないようにしていくとか、あるいは休日等については様々な規制があるわけでありますから、そういう規制を外す中において、一方で健康確保措置をしっかりと入れ込みながら、その人が自分のペースにおいて、より創造的、自律的に仕事をしていただく、それによってより良いパフォーマンスを発揮をしていただく、そういった働き方として提案をさせていただいていると、こういうことであります。
○川田龍平君 理解できないんですが、年収が高ければ労働基準法第四章適用除外で、どうしてこれ能力や意欲を発揮できるようになるのかと、その点についていかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 年収要件は、基本的に交渉力があるかないかということ、そういった観点から、やはり一定の交渉力がある人でなければこうした対象にはなり得ないだろうということで設けさせていただいた。そしてまさに、もちろん年収というのも一つのその方の評価ということにつながりますけれども、そうした形で創造性のある仕事をしていただく、これは、そうした方についてその力を発揮していただくためにはそうした時間的な規制を外す必要があるということ。じゃ、どういう人が対象になるかという中において、使用者側としっかり交渉する力があるということで、交渉力があり、あるいはその前提として職務について文書において合意をするとか一定の要件を課させていただいていると、こういうことであります。
○川田龍平君 私はこう思いませんけれども、これ労働基準法のこの第四章適用除外で労働者がその意欲や能力を発揮できるようになるということであれば、この国全体の労働生産性を上げるためには全ての労働者の、同規定の適用除外にすればよいということになってしまいます。 健康確保措置のうち、この臨時の健康診断について、これ衆議院の審議では使用者側から労働者側への周知方法についてはっきりとした答弁がありませんでした。使用者側は口頭で一言声を掛ければよしということになり、労働者らが実際にこの健康診断に行くかどうかは強制力もないと。これでは担保になり得ないのではないでしょうか。そもそも、労働時間把握義務が使用者側から外れた状態で、そのタイミングをどう見極めるんでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 労使委員会におきまして臨時の健康診断を実施することを決議した場合でございますけれども、その措置を実施することが高度プロフェッショナル制度の要件となっております。 臨時の健康診断の対象となる労働者の要件は、健康管理時間の週当たり四十時間を超える時間が一か月八十時間を超えること又は本人の申出があることを省令で定める予定でございますけれども、この要件を満たした労働者に対して受診を勧めるだけでは実施したとは言えないものでありまして、確実に受診していただくことが必要でございます。 重ねて、高度プロフェッショナル制度におけます健康確保措置の実施状況につきましては労働基準監督署に報告を求めることとしておりまして、さらに、健康管理時間についても対象者本人に通知されるよう指針や通達を整備していくこととしておりまして、これらの措置によりまして、臨時の健康診断、必要な方に的確に実施されるように取り組んでまいります。
○川田龍平君 過労死、過労被害による労災は、既にこの現行の労働法制においても認定されるのは氷山の一角です。働き過ぎかどうかは労働時間が大きな要素となっていますが、高プロ制度では使用者側における労働時間の把握義務が外れてしまいます。これでは何をもって認定基準とするのでしょうか。従来の周囲への聞き取り調査では情報の精度が低く、場合によっては事実と異なる場合もあり得ます。労働実時間は誰が管理して、万が一の際は誰がどのように証明をするのか。高プロにおける労災申請の具体的なルーチンを示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 脳・心臓疾患等の認定基準、それから精神障害の認定基準でございますけれども、これは、有識者による検討会、そこにおけます医学的な、専門的な検討に基づいて策定をしたものでございまして、高度プロフェッショナル制度を含めてどのような労働時間制度が適用されていたかにかかわらず、労働者が脳・心臓疾患又は精神障害を発症された場合はこの認定基準に基づいて労災認定を判断するものでございます。 過労死等の労災請求がなされた場合につきましては、適用される労働時間制度にかかわらず、パソコンのログイン、ログアウトの記録、会社への入退館記録、業務日誌、そうしたことに加えまして、同僚や取引先への聞き取りなど、様々な方法によりまして労働基準監督署が独自に調査を行って、実際に働いた時間を把握して適正に労災認定を行うこととしておりまして、高度プロフェッショナル制度におきまして仮にこういうことが起こった場合は、同じようにこういった労災認定事務を行っていくこととするものでございます。
○川田龍平君 先日も、石橋委員の中でこのパソコンのオン、オフについては議論がありましたが、これ、仮に高プロの適用が解除となった場合、この残業手当が通常の労働者同様に支払われるべきと考えますが、どのように残業時間を把握するのでしょうか。健康管理時間やパソコンのログアウト時間等を通じた残業時間の推計では、残業手当が適切に支払われない可能性があるのではないでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度における健康管理時間でございますけれども、これは、タイムカードやパソコンの起動時間等の客観的な方法による把握を義務付けることとしております。仮にこの高度プロフェッショナル制度の適用が無効となった場合でございますけれども、これらのタイムカードあるいはパソコンの起動時間等の記録を確認するとともに、必要に応じまして労働者などからの聴取を行うことによりまして、対象期間における実労働時間を特定いたします。 こうした記録等ございますので、これらを活用してしっかりと実態を確認いたしまして、正確に時間外手当を算定することといたしたいと思います。
○川田龍平君 これは難しいと思いますが。 高プロ制度の対象年収として千七十五万円という数字が独り歩きしていますが、この省令で定める予定の千七十五万円は手取り額でしょうか、総支給額でしょうか。総支給額であるなら、手取り額はモデル事例として幾らぐらいになるんでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度の年収要件でございますけれども、これは、労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上のものと規定をしてございます。したがって、年収要件の算定対象は、労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額でございますので、いわゆる手取り額ではございませんで、賃金として支払われた額でございますが、年収が千七十五万円だった場合の手取り額につきましては、家族構成や地域ごとに様々でございますので一概にはお示しできません。
○川田龍平君 つまり、手取りだと九百万円台の労働者も対象になるということになるということですね。 省令で定める総支給額が法定の平均給与の三倍を超えているのかどうか、いつの時点でこれ計算し直し、見直しはいつ行うんでしょうか。三倍以上になっているかどうかは、誰がどのように管理、監視していくのでしょうか。短時間でお願いします。
○政府参考人(山越敬一君) その額でございますけれども、労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額でございますので、この労働契約の定めによって判断をするものでございます。
○川田龍平君 これ、たったの十二名への聞き取りでしかも、法案要綱が固まってからの聞き取りで、ニーズがあると強弁し、年収要件の引下げやこの対象業務の拡大も省令改正でいかようにもできると、これはまさに派遣法の二の舞ではないでしょうか。改めて、高度プロフェッショナル制度の導入に強く反対をいたします。労働官僚の皆さんには、もう一度初心に返って、これ是非官邸に抵抗をしていただきたいと思います。 この高プロは労働生産性を上げるためだといいますが、労働生産性の向上は、むしろ労働時間を短縮することで実現すべきです。今回、努力義務として導入された勤務間インターバル規制ですが、私は、インターバルを十分に取ることで頭の回転がこれ良くなり業務能率が上がると思うんですが、医師やドライバーなど、今回この時間外労働の上限規制が先送りされた業種から勤務間インターバルの義務化を法定すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 勤務間インターバルでございますけれども、これにつきましては、働く方の生活時間あるいは睡眠時間を確保し、健康な生活を送るために重要であるものでございます。このため、今回の法案におきましては、労働時間等設定改善法を改正いたしまして、医師や自動車運転者も含めまして、事業主に対してこの勤務間インターバル制度の導入を努力義務として課すことといたしたものでございます。 お尋ねのありました医師でございますけれども、現在、医師の働き方改革に関する検討会におきまして、時間外労働規制の在り方でございますとか具体的な勤務環境改善策の検討を行っております。本年二月には、中間的な論点整理と医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組が取りまとめられております。この中間的な論点整理の中で、例えば、健康確保に当たって睡眠時間の確保が重要なのではないかといった意見が挙げられておりまして、こういった意見も踏まえながら、引き続き実態を考慮した検討が必要とされているところでございます。 それから、自動車運転者でございますけれども、労働基準法に加えまして、改善基準に基づく監督指導を行っております。この告示におきましては、勤務終了後に継続八時間以上の休息を与えることを定めております。この規定に違反する事業者に対しましては、労働基準監督署におきまして是正するよう指導を行っております。 勤務間インターバルを法律によって義務化することでございますけれども、これは、実質的にその一日の労働時間に法律の条件を設けることになるものでございます。働き方改革実現会議や労働政策審議会におきまして、医師や自動車運転者が抱える特有の問題、課題を解決するため、上限規制の適用を猶予するとされた経緯も踏まえまして、このインターバル水準の義務化、その可否については慎重な対応が必要であると考えているところでございます。
○川田龍平君 飛行機のパイロットの場合、これ運航安全の見地から、航空法によって、二十四時間のうち、国内線で八時間、国際線十二時間の運航勤務しか許されていません。これは被用者であるパイロットの健康保全であると同時に、乗客の生命の安全などを第一に考えての措置だと聞いていますが、同様に、患者の命に関わる医師も、労働法制での取組が五年遅れるのであれば、これ医療法で勤務間インターバルを義務付けるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) ただいま御指摘のございましたように、患者の安全を守るという観点から、医師の長時間労働を是正していくということは大変重要な課題だというふうに認識をしております。 ただいま労働基準局長からも御紹介がありました医師の働き方改革に関する検討会におきまして議論を進めてきておりますけれども、二月に取りまとめた中間的な論点整理におきましても、医師の時間外労働規制の在り方と医療安全との関係につきまして、患者に安全かつ質の高い医療を提供するために医師が疲弊しないことが必要なのではないか、また、米国の研修医に対する労働時間規制は医療安全の観点から導入されたことも参考にしてはどうかといった御意見が挙げられているところでございますけれども、例えば、この米国の研修医に対する労働時間規制といいますのは、これは研修医に限って米国卒後医学教育認定評議会が基準を策定しておりまして、シフト間の最低休息時間八時間といった独自のインターバル規制が設けられたところでもございます。 そして、それを受けて二月に取りまとめられた緊急的な取組におきましても、各医療機関の置かれた状況に応じて、当直明けの勤務負担の緩和、勤務間インターバルや完全休日の設定などの取組を積極的に検討、導入するように促しているところでございまして、私どもといたしましても、今後、この働き方と医療安全との関係も踏まえながら、勤務間インターバルも含め、具体的な労働時間規制の在り方について引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 是非、これ労働の方でできないのであれば医療法の方でしっかりやっていただきたいと思います。 この医師の時間外労働の上限規制を今後検討するわけですが、そのために、厚生労働省はまずこの実態把握をすることになると思います。そうであれば、若者雇用促進法上努力義務となっている前年度の月平均所定外労働時間の実績、また前年度の有給休暇の平均取得日数の明示を一般企業に先駆けて医療機関に義務付けても大きな負担にならないのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(武田俊彦君) お答えいたします。 医療機関におきましても、やはり勤務医の労働時間などの実態をしっかり把握するというのは非常に大事なことでございますし、その実態を見える化することによって医師の長時間労働の是正を促していくという観点も大変重要な課題ではないかと考えております。 まず、労働時間の実態把握ということにつきましては、二月に医師の働き方改革に関する検討会において取りまとめられた医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組におきまして、医療機関に対して医師の在院時間の客観的な把握を促しているところでございます。 この把握を踏まえてどのような情報開示を行っていくかということの御指摘でございますけれども、今御指摘ございましたように、一般的に若者雇用促進法での情報開示という努力義務もございますけれども、私どもといたしましても、この医師の働き方改革を進めるという観点に立ちまして、どのようなことが必要になるかということについて検討会におきまして十分議論を進めてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 やっぱり当直明けで疲労した医師に外科手術してもらうというのは非常に不安ですので、どうせこれ調べることになる実態ですから、医師に限った調査結果を、是非、求職者、職を求める人だけでなく、患者や国民にも広くこれ公表していただきたいと考えます。 次に、産業医について。 この産業医の選任が義務付けられていない労働者数五十人未満の中小企業における労働者の健康管理はどのように支援していくのか。五十人未満が多いと言われている公立の小中学校について、教育委員会で一名採用している自治体の好事例などを文科省と連携して情報収集して普及啓発してはいかがかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(田中誠二君) お答えいたします。 労働者の健康確保が図られるためには、事業場の状況に応じて必要な産業保健サービスが提供されることが重要でございまして、産業医の選任が義務付けられていない労働者数五十人未満の事業場につきましても、平成八年の労働安全衛生法の改正によりまして医師等に健康管理を行わせることを努力義務としております。 厚生労働省といたしましては、この努力義務をしっかり果たしていただくための助成金、あるいは産業保健総合支援センターにおける専門的な支援といったものを行っております。 先生御指摘のように、小さい事業場におきましては医師を選任することが経済的な負担になるということで、以前、私どもも小さい事業場が共同して医師を選任するということを促進していた時期もありますけれども、なかなかうまくいかないということもございました。御指摘の、文科省、公立小中学校の事例というものも勉強させていただきたいと思いますし、実際、五十人未満の規模ですけれども実は大企業の事業場であるというようなところは、幾つかの五十人未満の小さい事業場の産業医を大企業の本社で雇って巡回させているというような例もございます。 いろんな工夫を現場でしていただいているのではないかというふうに思いますので、改めてこうした、もう少し大きな枠組みでの産業医の選任、活動の促進といったものを考えていきたいと思っております。
○川田龍平君 是非よろしくお願いいたします。 次に、昨年の九月に国民生活・経済に関する調査会で視察に行ったアイスランドで、今アイスランドでは女性の格差の問題というのは、このジェンダーギャップ指数が世界一位ということで、いろんな取組されていますけれども、今、賃金格差の法律が新たにできるということで、この男女間の賃金格差について、これ今年度中の見直しが予定されている女性活躍推進法の情報公表項目の一つとして男女間の賃金格差を追加すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 また、状況把握項目や課題ごとの情報公表項目数も増やすべきではないかと考えますが、これ、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 女性活躍推進法でこの情報公表する、大変意義があると思います。一つは、リクルートのときの参考にしていただくということと、もう一つは、今、資本市場における投資をするときの一つの判断基準の指標に活用していただいている事例もございます。 例えば、リクルートの関係で申し上げれば、就職活動中の学生など、求職者の職業選択に資する情報を公表することで、求職者の企業選択を通じて女性が活躍しやすい企業であるほど優秀な人材等が集まり、競争力を高めることができる、こういう社会環境をつくっていくということで、またそのことが、女性が活躍しやすい条件をそれぞれの企業が積極的に取り入れる、こういったことにもつながっていくというふうに思います。 男女間の賃金格差については様々な要因がありますが、大きく二つの要因と言われておりますのが、勤続年数の男女差あるいは管理職の比率、こういったことについては、情報公表項目に今も含めております。また、事業主が女性活躍推進法に基づく行動計画を策定するに当たっては、状況を把握することが望ましい項目として男女間の賃金格差も含めているところであります。 御指摘の情報公表制度の強化策については、昨年三月に決定した働き方改革実行計画についても、情報公表制度の強化策などについて必要な制度改正を検討するということでございますので、今お話もいただいた点も含めて、どういった形で強化を図っていくということが、まさに女性のこうした活躍しやすい企業が増えていく、あるいは企業においてそうした取組がより一層行われていく、そういった観点から議論させていただきたいと思います。
○川田龍平君 ありがとうございます。 男女賃金格差について、私は、今まで民法で結婚年齢の差が男女にあったということが、今回、昨日、民法も改正案が通りまして男女の結婚年齢が十八歳になったということですので、そういった意味からも、賃金の格差をできるだけ是正して、本当に男女が平等に生活できるような環境をしっかり整えていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。同僚の川田委員に続いて質問させていただきます。 今日、二十分しかありませんので早速質問に入りますが、最初に、これ川田委員のちょっと更問いさせていただきたいんですが、議論が深まらないんですよ。何で議論が深まらないのかというと、ここでこれだけ真摯な議論、質疑、問題提起させていただいているのに、政府が答弁変えないんです、全然。先週と同じことを言っている。 だから、ちょっと局長、あえて聞きます。先ほど川田委員が、三十二条、三十七条、高プロの適用から外れて三十二条、三十七条に行く、適正な労働時間どう把握し、どう賃金払うのか。これ、僕らが何度もここでやっているんです。おととい言いましたね。川田委員も引用しました。もう判例である。パソコンつけているだけじゃ証明にならないんだ、労働時間は。それを踏まえて指摘しているんだから、それを踏まえてどうするのか、そういう答弁ここでしてもらわなきゃいけない。 局長、もう一回。
○政府参考人(山越敬一君) 御指摘は、高度プロフェッショナル制度が無効となった場合の労働時間を把握するということでございますけれども、これは、高度プロフェッショナル制度におきましては、健康管理時間について、タイムカードとかパソコンの起動時間、その客観的な記録、客観的な方法による把握を義務付けているわけでございますし、そうした記録をそのときは確認するということが一つでございます。そして、その上で、必要に応じて労働者などから聴取を行うなどによりまして対象期間における実労働時間を特定していく、そういう考え方でございます。
○石橋通宏君 いや、大臣、いいです。これ、もう一回確認します。用意しておいてください。 我々はそういう質疑をさせていただいているんだ、局長。現実にそういう判例がある。それじゃ駄目だ、パソコンのオン、オフだけで調べたって分からない、それは証明にならない。これ昨日、もう弁護士の皆さんがそれを言っているんだ、それじゃ駄目だって。だから我々は確認しているのに、同じ答弁繰り返されたら、幾ら審議したって深まらないじゃないですか。そのことを言っているんです。真剣にやってください。 時間がないので、今日、大事な質疑何問かやらせていただくので、次行きます。 今日、小林理事も浜口委員も、自動車運転手の方々のダブルスタンダードの深刻な問題について、私もこれ本会議で、先週月曜日、やらせていただきました。いまだに分かりません。 大臣、まず聞きます。この九百六十時間、休日を含まないというこのダブルスタンダード水準ですね、五年間の猶予の後、これ誰が決めたんですか。どこで誰が、この九百六十時間、休日含まないというダブルスタンダードを合意したんですか。教えてください。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、その前に、昨日、私に対してもその参考人質疑のお話があって、御質問がありました。 ただ、我々確認する中で、そもそもログイン記録は全く意味がないと、こういう判例はなくて、様々、そうした個別の事例の中で、それは全てそのまま使えるかどうか、それについてはいろんな判例がある、これはそのとおりであります。 したがって、基本的にはログオン・オフ、そういったものも活用しながら、実際そこは、例えばパソコンを上げて、例えば家でパソコンを上げてしばらく違う話して、またパソコンを閉める、こういう事例ももちろんある。そういう認定は当然ありますけれども、基本的にログオフそのものが全く意味がない、こういう判例はないというふうに承知をしているわけでありますから、それを踏まえて、これ、今言ったログオフのこと、そして、必要ならば、様々な、働いている方、家庭にいろんな話を聞きながら実際の労働時間を把握していくと、これは一貫して変わらない姿勢であります。 それから、今の御質問でありますけれども、どういう形で決めたのかということであります。 自動車の運転に関しては他の産業に比べて労働時間が長い、そうした実態、そして、そのためには、取引慣行など、個々の事業主の努力だけでは解決できない、こういった課題があるということを踏まえて、現行、これまでは元々大臣告示の対象にもしていなかったわけでありますけれども、今回の法律案では、施行日の五年後に年九百六十時間の上限規制を適用する、将来的には一般則の適用を目指すと、そうしたわけであります。 こうした議論については、労使のトップが参加した働き方改革実現会議でこれは取りまとめられ、その後、関係労組も構成員に含む労働政策の審議会、これ労働条件分科会で議論し答申を得た、こういった水準であります。
○石橋通宏君 大臣、最後のところだけ端的に答えていただければいいんです。 これは、自動車運転手の労使のトップ含めてそこでしっかり当事者の皆さんと話し合ったんですか。自動車運転手、大臣、ヒアリングしたんですか。多くの現場の皆さんから声聞いたんですか。そういうことせずに、このダブルスタンダード、僕らも、あれ、いつの間にこんなものが出てきたんだと、分からないうちに出てきた。だから、当事者の皆さんだって困惑するわけで、誰が決めたんだ、こんなことを、それで怒っておられるわけです。 大臣、先ほど来、現行の限度時間告示の対象になっていない、だから今回上限の対象にするんだと言いました。大臣、じゃ、聞きます。五年の適用猶予後、休日を含まない九百六十時間、現状と比べて実労働時間は改善するんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) それは実労働時間ということでありますけれども、改善基準告示における休日労働、拘束時間等の基準、これを遵守をしていく、そういうことを前提に申し上げますと、一年五十二週で計算をした場合、法定労働時間及び法定の休息時間及び年間九百六十時間の時間外労働を行った場合、拘束時間、今、拘束時間ベースになっていますから、三千三百時間ということでございます。 一方で、現行の改善基準における一年間の拘束時間の上限を求めているトラックでありますけれども、三千五百十六時間と、こういう関係になるわけであります。
○石橋通宏君 お手元の資料の一、見てください。僕も改めて聞いて、本会議のときにも言いました、現行と変わらないでしょうと指摘をした。大臣、これ御存じですか。現行の改善基準告示、これなくならないんですよ、残るんですから。現行の改善基準告示が残るということは、拘束時間三千五百十六時間は変わらないんです。この拘束時間が変わらず、じゃ、法定労働時間も変わらない。時間外労働が変わる。でも、休日を含まない数字が九百六十時間です。 じゃ、休日を含んだら何時間になるか。下が改正後です。これ、今回、厚生労働省に出してくれと言ったら、この数字を出すのを嫌がるわけです。これ、最初出さなかったんです、大臣。局長、何で出さなかったんですか。この二百十六を明記してくれと言ったら、嫌だと言うんです。何で嫌か分かりますね。変わらないのが分かっちゃうんです。 大臣、今の最大の三千二百五十六時間、新しい基準でも三千二百五十六時間。残業可能時間、変わらないんですよ、大臣、御存じですか。一切改善はありません。大臣、これが何が改善なんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員御指摘のように、休日をどうするかということにおいて数字が変わってくる、これはそれを入れて、多分、その改善基準告示の中で、その前提で、休日労働をした場合ということで数字を作られたというふうに思います。 ただ、この改善基準告示の見直しについては衆議院で附帯決議もなされておりまして、五年後を待たずに議論を開始したいというふうに考えておりますし、また、可能な限り労働時間の延長を短くするため、今回、労働基準法の根拠規定を設けて、必要な助言、指導を行って長時間労働の削減に向けた労使の取組も促させていただいているということでございます。 こうした努力等含めて、この自動車運転における長時間労働の是正を図らせていただきたいと、こう考えております。
○石橋通宏君 大臣、逃げずに答弁してください。 これ見れば一目瞭然です。五年後の適用上限九百六十、休日は含まない、これでいけば変わらないんです。変わらないんです。大臣、そのことについて、大臣、今日も後ろに自動車運転手を代表される働く仲間の方々が傍聴に来ています。大臣、この変わらないということについてどう思われるのか。これがおかしいと、大臣、今まで知っていて答弁されたのか知りませんが、変わらないと、今のままでいったら。これ、やっぱり九百六十時間、これせめて休日を含む数字に変えないといけない。一般則すぐさま適用しないといけない。ダブルスタンダードだと全く改善がないんです。 大臣、それを今すぐやるんだ、やらないと駄目なんだ、その決断が、今、後ろに聞いておられる方々、全国で今必死で頑張っておられる自動車運転手の方々が大臣の答弁を待っています。答弁してください。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、この委員のお示ししていただいた部分についても、この現行、これは時間外と書いてありますけれども、これは時間外のみならず休日も含む数字でありますよね、千百七十六時間、この現行ですね。 少なくとも、その時間外というのは九百六十時間という規制が掛かるわけでありまして、問題はそれ以上の拘束時間をどうするかということに掛かるわけでありますので、そこは、先ほど申し上げましたように、この改善基準告示の見直しについては五年後を待たずに議論を開始するということ、これは衆議院でも附帯決議がなされているわけでありますから、今委員御指摘の点も含めて、この改善基準告示の見直しをしっかり議論をさせていただきたいと、こう考えております。
○石橋通宏君 これで改善基準告示直して、じゃ、大臣、この休日労働時間が劇的に減る、時間外労働、休日を含む、そういう見直しをするんですか。単に改善基準告示を修正して部分的に拘束時間だけ減らしても、結局、実労働時間が減らなかったら意味ないんですよ。そのことを我々は問題視しているわけです。拘束時間だけ減らすというのか、実労働時間も含めてちゃんと減らしていく、そういうことなのか。それはどうなんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 拘束時間というのは、基本的に、もう委員御承知のように、実際の労働時間と休憩時間を含む概念でございますから、当然、拘束時間を減らしていけば、実労働時間と休憩時間の関係もありますから、必然的に労働時間そのものも縮減すると、こういうことにつながるというふうに考えます。
○石橋通宏君 結局、大臣、今回の法案の中でダブルスタンダードを設ける、先ほど小林理事も指摘をされました。今現状においても深刻な過労死の問題がある、精神疾患、健康被害の問題がある、一番産業で多いんです。そして、現場で人手不足が深刻化している。 大臣、物流が止まったらどうなりますか。経済止まるんですよ。何のためにこれは働き方改革やるんですか。生産性なんでしょう。経済成長させるんでしょう。物流止まったら全部止まりますよ。そのことを言っているんです。若者が、魅力ある産業で、みんなが、ああ、僕らも頑張ろうと入ってきてくれなかったら困るんです。止まっちゃうんですよ。これで一層格差が広がったら、ますます人手不足深刻化するんですよ。それは与党の皆さんだってお分かりのはずだ。だから問題だと言っているんです。 〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕 大臣、確認しますが、これ、大臣余り言わないんだけれども、今回、これまで何回も先週から議論してきた、残業時間の上限の原則水準は月四十五時間以内です。三百六十時間以内です。この原則水準の適用は、当然ですが、自動車運転手も適用されますね。
○国務大臣(加藤勝信君) その前に、まさに物流は止めてはならない、そして、この運輸事業について、先ほど申し上げていましたけど、事業主だけの努力ではなかなか対応できない、したがって、そういった環境をつくっていく、そういったためにも一定の時間が必要だ。こういうことで五年間の猶予を持ちながら、そして一遍に行くのは難しいので、途中の九百六十時間、もちろん併せて改善基準告示というものの見直しということも当然進めていく必要がある。 まさに、もちろんそういった中で健康確保も図っていきたいということでこういった取組をさせていただいているわけでありますから、物流を止めてはいけないというのは、まさにそういう前提の中でどうこの問題を進めていったらいいのか、そういった中で私どもとしてはこういった案を提案をさせていただいているということでございます。 それから、今、原則の話がありました。今回の九百六十時間も、上限値ぎりぎりまで時間外労働、そこまで上げていいですよとか、そこまでやってくださいということを言っているわけでは全くありません。月四十五時間、年三百六十時間の原則的上限に近づけること、これは重要でありまして、当然、この自動車運転の業務にあってもそのことは当然のことであります。 改正後の労働基準法に基づき新たに定める予定の指針、その指針に基づいて助言、指導、これをしっかり行っていきたいと思います。
○石橋通宏君 大臣、一点目でいけば、大臣、もちろん御存じですよね、改善基準告示っていつできたんですか。昨日今日できたんじゃないんですよ。むしろ、改善基準告示はずっと長い間、現場、自動車運転手の皆さんの基準として用いられてきた。むしろ、この厚労省の限度告示ができた前からこの改善基準告示というのはあるわけです。にもかかわらず、ずっとそれが現状まで使われ続けてきた。放置してきたんですよ、改善、見直しが必要なのに。一体、長い間何してきたんですか。だから現場の皆さんは怒っているわけです。今回また五年猶予なのかと、またそれでダブルスタンダードなのかと。大臣、そのことを無視して言っちゃいけませんよ。政治の不作為を恥じるべきです。 〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕 今、原則水準の話、大臣、すぐ近づけると言う。私が聞いているのは、原則水準は自動車運転手の皆さんにも当然適用されますよね、例外じゃありませんよね、先週話しましたよね。つまりは、原則水準をまずは全ての事業主、労使に守っていただくんだ、そこを目指していただくんだ、その適用は除外されませんねと。当然、自動車産業だって、まずは原則水準以内で労使協定を結んでいただく、それを目指す、それはほかと変わりない、そうですねと聞いているんです。それは間違いないですね。
○国務大臣(加藤勝信君) 一般は施行からですから、これは五年猶予でありますから、当然五年猶予後ということになりますけれども、五年猶予後においては一般原則というのは、先ほど申し上げたように、月四十五時間、年間三百六十時間、これが原則だということであります。
○石橋通宏君 原則水準は適用例外じゃないんです。適用されるんです。だから、大臣、ここで明確にそれを言ってもらわなきゃ困るんです。 まずは、全てほかの産業のほかの皆さんと同じように、まず原則水準、さっき大臣言っていないですよ、原則水準に近づける努力をすると言っている。それは特例水準を前提とした話だ。違います。まずは原則水準以内で労使がしっかりと協定を結ぶ、そうでしょう、そう答弁してきたはずだ。 だからそれを、先ほど小林理事の答弁でも言われた、五年間を待つんじゃない、五年間の中でも努力をしていくんだ、労使それから関係者話し合って、そこには当然、原則水準以内で様々できるところをやっていただく。そのとおりですよ。そういう話合い、指導をしていくんだ、それをまず最低限やってもらわないと困る、そのことは改めて申し上げておきたいと思いますが、今日皆さん御理解いただいたとおり、これじゃ本当に全く現行と変わりないんです。改善ないんです。これで本当に大丈夫なのか、これは是非皆さん問題意識を共有していただきたいと思います。 時間なくなりましたので、もう一点だけ。これもおとといやりました、先ほど川田委員もやった、高プロの年収要件のことだけちょっと押さえておきたいと思います。 大臣、資料の二、これも先週説明しましたけれども、これ、大臣の説明だと、毎勤のこれ二十六万使うと、三倍で約九百四十万円にしかならないんです。パート労働者を含んじゃうからこうなっちゃうんです。パート労働者を含まない普通の一般労働者、ここにはフルタイムの有期の方も入るわけですが、その数字を使ったら三十三万三千円ちょっと、それだと三倍は一千二百万円なんです。 大臣、これ見ていただければ一目瞭然ですね。高度な高度な高度な、どちらが基準として使うべき年収として正しいのか、大臣、これパート労働者を含まない一般労働者の給与、これを最低限使うべきなんじゃないですか、大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) これは前回もお話し申し上げましたけれども、労災とか、たしか雇用保険でも同じ基準を使わせていただいているということで、それをベースにこういう書き方をさせていただいているということでありまして、元々の議論は、要するに一千万円であり、あるいは交渉力があるということで、有期の三年から五年の適用がたしか一千七十五万、そういった議論、それを踏まえながら労政審において議論がなされて、そして今回のような形での法案になっていると、こういう流れであります。
○石橋通宏君 結局、大臣、全くお答えいただかないので、議論が深まらないんです。 時間が来ました。最後、一つだけ聞いておきますが、先ほど川田委員が、じゃ、そこで決まる、省令で決められる水準というのは、これ手取り額なのか全体額なのかという話がありました。じゃ、大臣、確認しますが、そこにはボーナスは入りますか。通勤手当入りますか。各種家族手当、その他の手当全部入りますか。全部入ってその水準なんですか。というのは、この基準にはそれが、通勤手当が入った数字なんですね。恐ろしいことに、新幹線通勤をされているような方々、すごいことですね。手当入っちゃったら、手取り額が相当下がります。 これ、大臣、若しくは局長でも結構ですが、その額には各種手当、ボーナス全て入って、それで決めた額を満たせばいいんですか、そうではないんですか、教えてください。
○政府参考人(酒光一章君) 今後どう決めるかは別にいたしまして、この毎月勤労統計調査における定義ということで申し上げますと、この決まって支給する給与に……(発言する者あり)失礼しました。
○政府参考人(山越敬一君) おっしゃっていますのは、その一千七十五万円に使用者が払う賃金のうちどのものが入れられるかということだというふうに理解いたしますけれども、これは使用者から労働契約により確実に支払われると見込まれる賃金でございますので、そういった手当について、確実に支払われるものについては入るものでございますけれども、例えば成果とかで変動してしまうようなものは確実に支払われると見込まれるものではございませんので、そういった確実に支払われると見込まれないものについては入らないと、こういう整理でございます。
○石橋通宏君 これで終わりますが、恐ろしい答弁ですね。確実に支払われるというので、通勤手当なども全部含まれた数字だと。それが本当に適切なのか、これ是非次回でも追及していきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 厚労委員会では初めて質問をさせていただきます。よろしくお願いをいたします。 高度プロフェッショナル制度について伺います。 資料をお配りしました。厚労省が十二人の高度専門職に対して行ったというヒアリングです。労働条件政策課の職員が企業に出向いて直接話を聞いたとここには記されております。どのような設問でヒアリングを行ったんですか。
○政府参考人(山越敬一君) お答えを申し上げます。 高度専門職に対するヒアリングでございますけれども、これは高度な専門的知識を必要とする業務に従事する方について、現在どのような働き方をしているか、働き方に対しての要望があるかなどについてお伺いをしたものでございます。 今回お示しをいたしましたヒアリング結果でございますけれども、現場で働く方のお話を自由かつ率直にお伺いしたものでございまして、ヒアリングに当たりまして質問項目を計画的に定めて行ったものではございません。
○山添拓君 なぜこの時期に行ったんですか。
○政府参考人(山越敬一君) これは、私ども通常の業務の一環として行ったものでございます。
○山添拓君 それじゃ答えにならないと思うんですけど。そもそも、働き方のニーズを集約するという位置付けの質問ではなかったわけです。 一月三十一日の参議院予算委員会で大臣は、私もいろいろお話を聞く中で、その方は、自分はプロフェッショナルとして自分のペースで仕事をしていきたいんだ、そういった是非働き方をつくってほしいと、こういう御要望をいただきましたと述べております。ところが、その声は十二人のヒアリング結果の概要にはありません。大臣のこの答弁は、いつ誰からお聞きになったことですか。
○国務大臣(加藤勝信君) これも前回の委員会でも御説明をさせていただいたところでございますので、これは私がやっぱり個人的にもいろんな方から聞かせていただいているその中身を紹介をさせていただいたと、その前半の部分はですね。
○山添拓君 大臣、個人的に聞いたことで法案作っちゃうんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) これも委員会で説明させていただきました。法案のプロセスにおいては、別にこれを労政審に出したわけでもございません。産業競争力会議等々での議論があり、それを労政審で議論していただき、ここには当然労使の方も入っていただいている。そして、おおむね妥当ということで最終的には法案を作らせていただいた。これはもうこれまで何回も説明をさせていただいております。
○山添拓君 開き直りだと思うんですけれども。つまり、労政審に出したものでもないんだと。労働者のニーズを聞き取った、これに基づいて高プロをつくったんだと言いながら、そもそも、立法事実として使ってきたわけでもないんだというお話でありました。 このヒアリングの結果に、高プロのように労働時間規制を完全に外して、二十四時間、休憩、休日、深夜を問わず働く、残業代ゼロの働き方を望んでいるという声、一つでもありますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 基本的に高プロはそういう制度ではありません、二十四時間残業なしで働くということを前提にしているわけではありませんから。したがって、これは、それぞれの労働者が、そうした労働時間の管理、管制の中に、そうした規制というか、労務管理のない中で自由にその力を発揮をする。そういう中において、しかも、このヒアリングにおいては、そうした現状に対してどんな思いがありますかと、多分抽象的な形でいろいろな御意見をいただいたと、こういうことだというふうに聞いております。
○山添拓君 大臣、抽象的に話を聞いただけだということをお認めになりました。 アリバイ的なヒアリングによるニーズの捏造というのは余りにも稚拙なやり方ですが、その結果と高プロのような働き方、その結び付きすらないということです。立法事実と言えるような労働者側の要望などないということがはっきりしたと思います。 そもそも、厚労省は、金融アナリストやコンサルタント業務、研究開発職の労働時間などの労働条件についてこれまで何らかの実態調査を行ったことがありますか。
○政府参考人(山越敬一君) お答え申し上げます。 高度プロフェッショナル制度の具体的な対象業務でございますけれども、これは、法律の要件は、高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果の関連性が通常高くないと認められる業務、この要件を前提といたしまして、省令で、審議会で検討の上、法律成立後、規定していくものでございます。 このようなことから、対象業務の範囲が具体的に定まっていないものでございますので、御指摘のような実態調査は行っておりません。
○山添拓君 実態をつかむためのまともな調査をやらずに、何が労働者のニーズですか。 高プロと同じく労働時間規制の適用除外が定められているのが管理監督者です。これは、経営者と一体的な立場で労務管理の裁量を持つことから適用除外だとされています。 厚生労働省の二〇〇四年度委託研究の管理監督者の実態に関する調査研究報告書によれば、中長期的な経営計画に関する決定権があるかという問いに、余りない、全くないと答えた合計は何%だったでしょうか。人事労務管理の方針に関する決定権については、同様に合計何%でしたか。
○政府参考人(山越敬一君) 御質問のございました平成十六年度の厚生労働省の委託研究として実施をされました管理監督者の実態に関する調査研究の報告書におきましては、事業場における職務や人事管理に関する決定権の程度を五段階の指標でアンケート調査をしております。 このうち、労働基準法第四十一条第二号の適用対象者でございますライン職とスタッフ職の方を対象に実施をいたしました管理監督者調査の単純集計表によりますと、今御指摘をいただきました、事業所の中長期経営計画に関する決定について決定権を余り持っていない又は全く持っていないと回答した割合は、五六・八%でございます。それからまた、人事労務管理の方針に関する決定について決定権を余り持っていない又は全く持っていないと回答した割合は、四七・九%となっております。 ちなみに、労働基準法上の管理監督者でございますけれども、これは、経営方針の決定に参加したり労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者でございまして、これにつきましては、職務内容、責任と権限、勤務態様及び賃金等の待遇を踏まえまして総合的に判断されるものでございます。
○山添拓君 十四年も前の調査なんですが、決定権がないと答えた人が極めて多い結果です。別の項目では、五三・六%の管理監督者が、遅刻や早退が制裁、不利益の対象となるとも答えています。半数以上は名ばかり管理職なんですね。 厚労省は、その後、管理監督者についての実態調査を何か行いましたか。
○政府参考人(山越敬一君) 平成十六年度以降現在までの間におきましてこの管理監督者についての調査は行っておりませんけれども、衆議院段階での附帯決議がございますので、今後、この管理監督者について調査を行うことを検討してまいります。
○山添拓君 要するに、やっていないんだと。管理監督者のように時間規制の適用除外がもたらす影響やその検証、対策もなく、また専門職の働き方の実態もつかんでいない。その中で新たに適用除外を拡大するなどもってのほかだと指摘しなければなりません。 六月五日にこの委員会で、我が党の吉良よし子議員が金融アナリストの働き方の実態を紹介いたしました。毎朝七時半にレポート報告のための朝会があり拘束をされると、自律的な働き方とは言えないということを御紹介しました。大臣は、基本的に、一定、例えばこの時間のミーティングに出なさいとか、この時間にあれをしなさいということになれば、これはもう時間配分等の制約を受けていることになる、我々省令を作った段階をベースにすれば当然該当しない、高プロに該当しないと答弁をされました。 一定の時間にミーティングが指定されるような仕事は、高プロは要件を満たさない。これ遡って違法、無効になるということでよろしいんでしょうか、大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) 吉良議員の質問に対しても、前提として、今の条文に加えて省令を作ったということを前提にお話をさせていただいたわけでありますけれども、その場合には、使用者から特定の日時を指定して会議への出席を義務付けることにより労働者の時間配分等の裁量を奪うような指示がなされた場合、高度プロフェッショナル制度についていえば法令の要件を満たさず、制度の運用は認められないということになります。その場合には一般の労働時間制度が適用され、法定労働時間に違反する場合には割増し賃金の支払義務が発生し、罰則の対象にもなり得るということであります。 会議等への出席の要否を含めた時間配分等について、労働者の裁量を奪うような業務指示、こういうことを行わないことは制度上の要件になるというふうに考えておりますが、ただ、その具体的な中身によってはそれは個々に判断をしていくということになるんだと思います。
○山添拓君 裁量を奪うような指示と裁量を奪わないような指示があると、こうおっしゃるんですか。会議に絶対出てくださいと言えばこれ裁量がない、なるべく出てくださいだったらオッケーだと、こういうことでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、私が申し上げたのは、労働の時間配分に対する指示ということであればそうだと。ただ、そうした具体的なその発言がそれに当たるのか当たらないのかは個々で判断するということを申し上げたわけです。
○山添拓君 個々で判断するということは、法律上も政令上も明確にはならないと、業務指示があったのかどうかということはこれは分からないということなんですね。朝会に出ろと、こういう指示がなされたときでも、これが高プロの要件を満たしているのか満たしていないのか明確にはならないということになりませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、労働時間の時間配分等の裁量を奪うような指示かどうかということを申し上げているんであって、それに該当するかどうかは個々の、例えば、出ろと言うんじゃなくて、たまたまこういう会議ありますよということを通知したことがそれに当たるかどうかと、その判断について申し上げているんで、具体的にあなたがこの日のこうしたミーティングに出なさいよということがあれば、それは労働者の時間配分等の裁量を奪うような指示ということになると、そういうことを申し上げているわけであります。
○山添拓君 高度で専門的な業務が、たまたまこういう会議ありますよと伝えたぐらいで回ると思っておられるんでしょうか。ミーティングへの出席や報告を上司から指示される、指定される、そういう働き方は高プロとは言えないんだと、それならそうはっきり書かれるべきじゃありませんか。
○国務大臣(加藤勝信君) 書くということはあれですけれども、今申し上げたこの労働者の時間配分等の裁量を奪うような指示は対象にしない、これを省令等で書くことを検討したいということを申し上げているわけであります。
○山添拓君 公聴会でも指摘をされていますけれども、そうであればまずその案文を示して、本当にそれで労働者の裁量確保されるのかどうかということが確認できるような状況で審議をしていただく必要があるだろうと思います。 高プロは、もう今お聞きいただいたように、要件そのもの取っても審議を通じてぼろぼろになっている法案だと思います。過労死を促進することが明らかなこの制度をこのまま通すなど断じて認められないということを指摘をいたします。 次に、いわゆる同一労働同一賃金について伺います。 安倍首相は、二〇一六年六月一日に発表した談話の中で、同一労働同一賃金を実現し、非正規という言葉をこの国から一掃しますと述べました。非正規雇用は今や全体の四割に達し、賃金、労働条件の不公正な格差のために、平均給与で三百十五万もの格差が生じています。 この格差は、非正規雇用が有期契約や間接雇用で不安定なために、使用者と対等に交渉したり権利行使をしたりするのが困難であることから生じたものにほかなりません。非正規労働者は、非正規であるがゆえに弱い立場にあるわけです。本来、雇用は、直接、無期の雇用が原則です。本気で格差是正を言うのであれば、非正規雇用そのものをなくす、減らすための法改正が必要だと考えますけれども、大臣の認識はいかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今のその年収について、多分年収をおっしゃったというふうに思いますけれども、これはやっぱり、例えばパートで、パートというか時間によっても変わってくるわけなんで、それは直ちにということにはならないと思いますが、ただ、我々が申し上げているように、フルタイムで働く場合とパートで働く場合の時間当たりの賃金、これで見ると、海外、これは一律には機械的には比較できませんけれども、海外と日本を比べると日本の方が格差が広がっている、このことは一つの問題意識として今回の法案も提出をさせていただいているわけであります。 ただ、今委員おっしゃるように、もちろん正規で働きたいという方が正規で働けるようにそうした形での雇用を促進をしていく、あるいはその必要な能力開発について助成をしていく、これは当然やっていくべき課題だというふうに思います。しかし同時に、様々な制約条件があるわけでありますから、その制約条件の中で働ける働き方を用意していくということもまた必要なことではないかと。ただ、それにおいて、先ほどお話があったように、処遇が余りにも違い過ぎる、不合理な格差がある、これは是非是正をしていきたいということで今回の法案を出させていただいているということであります。 したがって、総理も言っておりますけれども、どのような雇用形態を選択しても納得が得られる処遇を受けられ、多様な働き方の選択肢を待遇差を気にすることなく選べる社会を実現していくということで今回の法案を出させていただいているということでございます。
○山添拓君 安倍首相は、非正規という言葉をなくすと言うだけで、非正規の働き方、不当な待遇そのものをなくすとは言いません。企業にとって安上がりで簡単に切り捨てられる使い勝手の良い非正規雇用の増大を野放しにすることは、これは政治の姿勢が問われることを指摘したいと思います。 雇用形態による格差の是正について初めて正面から認めた裁判例が、丸子警報器事件です。長野地裁の一九九六年の判決です。 二か月契約を四年ないし二十五年にわたって反復継続してきた女性の臨時社員が、女性正社員と同じ組立てラインで同じ仕事に従事をしてきた。所定労働時間が正社員より十五分短く設定されておりましたが、実際には、その分残業扱いで同じ時間働き、QCサークル活動にも正社員と同様に参加をしていました。一九九七年当時、勤続二十五年の女性正社員の年収は三百二十三万八千八百円、臨時社員は二百十四万五千八百七十円。正規の六六%でした。 判決は、この格差が公序良俗に違反して違法だとしたんですが、どのような理由でそう判断したものですか。
○政府参考人(宮川晃君) 御指摘の事件は、平成八年三月の長野地裁上田支部においての判決ということでございますので、現行の労働契約法第二十条やパートタイム労働法八条、九条は規定されていない時代の判決でございます。この判決については、お読みした方がよろしゅうございますか、判決を。 同一(価値)労働同一賃金の原則は、労働関係を一般的に規律する法規範として存在すると考えることはできないけれども、賃金格差が現に存在しその違法性が争われているときは、その違法性の判断に当たり、この原則の理念が考慮されないでよいというわけでは決してない。けだし、労働基準法第三条、四条のような差別禁止規定は、直接的には社会的身分や性による差別を禁止しているものではあるが、その根底には、およそ人はその労働に対し等しく報われなければならないという均等待遇の理念が存在していると解される。それは言わば、人格の価値を平等と見る市民法の普遍的な原則と考えるべきものである。(中略)したがって、同一(価値)労働同一賃金の原則の基礎にある均等待遇の理念は、賃金格差の違法性判断において、一つの重要な判断要素として考慮されるべきものであって、その理念に反する賃金格差は、使用者に許された裁量の範囲を逸脱したものとして、公序良俗違反の違法を招来する場合があると言うべきであるとの判断がなされております。
○山添拓君 二十年前の判決で示された、およそ人はその労働に対し等しく報われなければならないという均等待遇の理念、この位置付けは均等・均衡待遇を保障しようという本法案を審議する上でも重く受け止めるべきだと考えます。 資料の四ページに、パート法八条の改定案をお示しいたします。 パート・有期労働者の基本給、賞与その他の待遇について、通常の労働者との関係で不合理な相違があってはならないとしています。政府は、この通常の労働者とは、いわゆる正社員を含む無期雇用フルタイムの労働者であるとし、非正規労働者は不合理な待遇差の是正を求める際、通常の労働者の中でどの労働者との待遇差について争うかを選ぶことができると説明をしてきました。その根拠は何ですか。
○政府参考人(宮川晃君) 議員御指摘のとおり、改正後のパート・有期労働法第八条の規定における通常の労働者とは、いわゆる正社員を含む無期雇用フルタイム労働者全体をいいます。したがいまして、裁判において非正規雇用労働者は、パート・有期労働法八条に基づいて不合理な待遇差の是正を求める際、いわゆる正社員を含む無期雇用フルタイム労働者の中でどの労働者との待遇差について争うか選ぶことができるものであると考えております。 なお、働き方改革実現会議においてお示しした同一労働同一賃金ガイドライン案におきましても、待遇の比較対象となる無期雇用フルタイム労働者について、いわゆる正社員を含む無期雇用フルタイム労働者全体を念頭に置いているとするなど、先ほど申し上げた考え方についてはこれまでもお示ししてきたところでございます。
○山添拓君 いや、全体ということになると、これは不都合が起きるんですね。 衆議院で我が党の高橋千鶴子議員も指摘をいたしましたが、現行の労働契約法二十条、無期と有期の不合理な格差是正を求めたメトロコマース事件の判決の中では、裁判所が勝手に比較対象を設定しています。東京地裁の二〇一七年三月二十三日の判決です。東京メトロの売店業務に従事してきた契約社員が、正社員との本給、賞与、各種手当などの差額を請求した事件です。原告は、原告らと同じく専ら売店業務に従事する正社員十八名との格差を問題にしたわけですが、裁判所は、様々な業務に従事する正社員六百名全体と比較をいたしました。これでは、労働者が比較対象を選ぶということになっていないわけです。この比較の在り方は今度の法案では許されないということですね。
○政府参考人(宮川晃君) 現行法規における一つの裁判の判断でございますので、今回私どもが考えておりますのは、どの労働者との待遇差について争うこともできるという考え方を示したものとして、今回立法しているものでございます。
○山添拓君 今後は違うということでありました。 法案は、不合理かどうかを判断する考慮要素として、業務の内容及び責任の程度、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を挙げ、どの要素を考慮するかは、問題となる待遇の性質や目的に照らして適切なものを選ぶとしています。 メトロコマース事件の地裁判決では、基本給、賞与、各種手当、いずれの格差についても、会社側の主張、長期雇用関係を前提とする正社員に対する福利厚生を手厚くすることにより、有為な人材の確保、定着を図る目的だと、この会社側の主張に一定の合理性があるといたしました。 しかし、こうした使用者の主観的な意図や目的で格差がよしとされるのであれば、均等・均衡待遇など使用者の説明次第で幾らでも認められることになりかねないと思います。 不合理かどうかについての判断は客観的、具体的な実態に即して行われるべきで、使用者の主観によって判断されるべきではないと考えますが、大臣、いかがですか。
○政府参考人(宮川晃君) 今回の法案によりますパート・有期労働法第八条の規定、職務の内容、職務の内容、配置の変更範囲、職務の成果、能力、経験などのその他の事情のうち、その目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないとされております。 これらの事情につきましては、当然のことながら、客観的、具体的な実態ということでございますが、委員御主張の事業主の主観というものがどのようなものであるかというのは必ずしも判然といたしませんが、いわゆる具体的、客観的に認められるようなものということを私どもとしても考えております。
○山添拓君 メトロコマース事件の原告は、専ら売店業務にしか従事していない正社員、同じ業務に従事している正社員との格差を問題としたわけです。ところが、判決は、大半の正社員が売店以外の様々な業務にも従事している、配置転換や出向を命じられることもあるんだと言い、専ら売店業務にしか従事していない正社員についても就業規則上は配置転換があり得ると、こう言って、配置転換のない原告ら契約社員とは職務内容と配置の変更範囲に大きな相違がある、だから格差は合理性があると、こういう認定をしていったわけです。実際には、正社員であっても勤務先はみんな都内なんです。一か所だけ千葉の西船橋がありますが、転居を伴う配転などないにもかかわらず、そこに大きな相違があると裁判は認定しています。 こういう形式的な判断は、先ほどの御答弁に照らせば、客観的、具体的な実態に即して行われていないと言うべきだと思います。就業規則上、配置転換や出向を命じ得るような規定があったとしても、現実に配転の実績があるか、され得るか、こういう実態に即して判断されるべきだと考えますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 基本的には、先ほど局長から答弁させていただいたところでありますけれども、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で待遇差が不合理であるか否かを判断する際、職務内容、配置の変更範囲などを考慮するに当たっては、客観的、具体的な実態に照らし判断すべきものと考えておりますし、その判断に当たっては、就労規則等に明文化された定めがあれば、それも一つの参考資料になるとは考えられますけれども、それだけではなくて、過去の転勤の実態など、当該事業主における職務内容や配置の変更の実態、これを基に判断することになると考えております。
○山添拓君 これは、私、形式だけでもし判断されるということになれば、使用者は幾らでも格差を合理化できると思うんですね。正社員についてのみ就業規則で配置転換の可能性を入れておけばよいということになってしまいます。実際には配転など命じなくても、規定上の抽象的な可能性だけで職務内容と配置の変更範囲に相違がある、人材活用の仕組みが違うんだと、格差は不合理でないと言い得ることになってしまいます。こういう詭弁を許さないような法律にするべきだと指摘しなければなりません。 実際、メトロコマースは裁判を起こされてどういう対応を取ったと皆さんお思いですか。直営の売店を廃止したんですね。ローソンメトロスという委託型の店舗に変えました。正社員は売店業務から外して、原告ら契約社員は新たにつくった直営の土産物屋店勤務といたしました。 正規と非正規の格差が問われると、比較対象の正社員をなくしてしまうのが企業のやっていることですよ。やってきたことなんです。大臣たちは、先ほどから、労使間の話合いによって各企業間で正されていく、そういう悠長なことを言っている場合じゃないと。格差をきちんと正していくという実効ある仕組みが求められています。 労働契約法二十条について、日本郵便を相手に争われた二つの事件の判決があります。資料の五ページに比較を付けておきました。いずれも時給制や月給制の有期雇用の契約社員が複数の手当について正社員との待遇差を争ったものです。東京地裁の二〇一七年九月十四日の判決と、大阪地裁二〇一八年二月二十一日の判決です。いずれも年末年始勤務手当、住居手当について契約社員に全く支給しないのは不合理だとし、大阪の事件では扶養手当についても不合理といたしました。 ところが、原告の損害をどこまで認めるかについては判断が分かれました。大阪地裁は正社員と同じだけ払うべきだといたしましたが、東京地裁は、年末年始勤務手当は正社員の八割、住居手当は正社員の六割だとしました。同じ企業の同じ業務に従事する労働者の同じ賃金項目について、格差が不合理だとされながら損害が異なる。これでは均等・均衡待遇どころか、裁判によって同じ非正規の間で新たな格差を生むことになってしまいます。 大臣、この結果を容認されるんですか。
○政府参考人(宮川晃君) 個別の事案につきましては政府としてはコメントを差し控えたいと思いますが、一般論として申し上げますと、最終的には司法判断ではございますが、現行の労働契約法第二十条に基づきまして、どのような待遇差が不合理と認められるか、不合理性が認められた場合にどの程度の請求が認められるかといった点につきましては、どの事情をどの程度考慮するか、当該事情に関する実態をどのように認定するかなど、個々の事案に応じた判断によるものと考えております。
○山添拓君 要するに、そうして判決によって違いが出てもしようがないと言うんですよ。これのどこが同一労働同一賃金なんですか。 なぜこうしたことが起きるかといえば、例えば、パート法の改定案八条でも不合理と認められる相違を設けてはならないと定めて、九条では差別的取扱いをしてはならないと定めていますが、これ以上にはないわけです。 格差是正を実効性あるものとするには、不合理な労働条件の定めが無効とされるだけではなくて、不利益な取扱いがなければこうなるという労働条件が認められるべきです。あるべき労働条件を補充する、いわゆる補充的効力を認めて、労働者が使用者に対して合理的な労働条件の確認とその履行を求められるようにするべきだと考えます。 これ、大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 多分、委員の御指摘はいわゆる補充効の議論なんだというふうに思います。 不合理と認められる相違等がある場合にどのような内容の労働条件を認めるか、これは個々においてまた判断、個々の状況においていろいろあると思いますし、なかなか判断が容易ではないというふうに考えますので、法律で一律的に無効の場合には直ちにこうだというのを決めることはなかなか難しいと考えますし、したがって、そうした規定をすることには慎重な検討が必要だと考えております。
○山添拓君 それでは実効性がないということを指摘してきているわけです。 私は、単にこれは格差がなくなればよいというものではない、非正規に強いられる不公正な賃金や労働条件を是正することが重要だと考えます。 メトロコマース事件の原告の皆さんからお話を伺いました。判決では、全ての正社員と比較されて、職務内容やその変更範囲に相違があるとされましたが、実際には売店業務が一番つらくて、正社員がやりたがらない仕事だとおっしゃいます。皆さんも東京メトロを御利用になることあるかと思います。朝六時までに出勤をされます。地下鉄ホームが職場です。走行する電車から鉄粉が飛びます。商品や店内に付着をするために、手は真っ黒です。マスクをしていても、鼻の中も真っ黒だと言います。商品は売る直前まで二重包装しておかなければならない。一人勤務ですと、トイレに行こうにもシャッターを下ろして行くことがなかなかできない。正社員はお昼を外に食べに行くことができますが、契約社員の皆さんは節約のためもあってホームのベンチで食べるそうです。車内から乗客が視線を送ってくる、それがつらいとおっしゃいます。 原告のお一人は、手取りは月十三万から十六万です。時間外、賞与、期末手当を合わせて一年間の手取りは百九十八万円余りと言います。同じ年齢で東京二十三区の生活保護支給額は、生活扶助と住宅扶助の合計で月十三万円、年間百六十万円程度です。社会保険料の負担がない分、全額が可処分所得です。この原告の場合には百九十八万円の手取り額から公共料金や医療費や二年ごとの借家の更新料も支払う、まさに生活保護水準です。だから、非正規の尊厳を取り戻そうと立ち上がっているというお話でした。 単に格差を是正すればよいということではありません。ましてや、正社員の住居手当をなくそうという日本郵便のように、正規の労働条件を引き下げて同一労働同一賃金を実現するなどもってのほかです。格差是正と同時に、最低賃金の引上げなど非正規の労働条件を底上げする必要があると考えますが、最後に大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 非正規の雇用労働者の方の待遇改善という観点では、正規雇用労働者との待遇差の是正、これはもとよりでありますけれども、全体的な賃金の底上げも大変重要でありまして、最低賃金の引上げについては、昨年三月に取りまとめた働き方改革実行計画に沿って取組を進めているところでありますけれども、この安倍政権発足以降の五年間では時給で約百円の引上げがなされたところでございます。 引き続き、年率三%を目途として引き上げ、全国の加重平均で時給千円、これを目指していきたいというふうに思っているところでございます。 こうした取組とともに、先ほど申し上げたこの非正規と正規の不合理な待遇差の解消に向けたこの法案の着実な施行、こういったことによって非正規雇用労働者の待遇改善を更に進めていきたいと考えております。
○山添拓君 時間が来ましたので終わりますが、今回の雇用対策法の改定案では、労働生産性の向上を促進することを目的規定に盛り込むとされています。とんでもないと思います。生活できない賃金水準で働くことを余儀なくされる非正規労働者の実態に全く寄り添っていないと思います。 およそ人は、その労働に対し等しく報われなければならず、かつ人たるに値する生活を営むことができる労働条件、それを保障する政治に転換すべきだということを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 昨日は地方公聴会がありましたけれども、なかなか、今回の働き方改革法案、同一労働同一賃金もそうですし、時間外労働の上限規制もどこまで本当に浸透していくのかな、そしてまた、中小企業の人たちが、何からやっていいのか分からないと、そういうような御意見もいただいておりました。 そんな中で、よく答弁の中で出てくるのが働き方改革推進支援センターなわけですけれども、これ、厚生労働省は、この働き方改革推進支援センター、この四月から全国に設置をいたしておりますというふうな御答弁をよくお聞きするんですが、これ、まず、四十七都道府県に全部設置しているということでありますけれども、都道府県のどこに設置しているのか、まずちょっとお聞きしてもよろしいでしょうか。
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。 この働き方改革推進支援センターというのは、民間の機関に委託するという形でございまして、民間の機関のいわゆる持っている事務所、そこに設置されるという形になります。現在、各地の例えば社会保険労務士会ですとか商工会議所ですとか、それぞれの地域ごとに受託者が決まっておりますので、そこの事務所の中にできるというイメージでございます。
○東徹君 民間の機関の事務所に働き方改革支援センターというのも、何かちょっと違うなというイメージがあるんですね。 ちょっと通告しておりませんでしたが、先ほど、社会保険労務士会のところにも設置しているというふうな話もありました。見ますと、四十七都道府県のうち十六か所が社会保険労務士会の事務所に設置されているんですよね、これ。 中には、厚生労働省ではよく出てくる、前にもJEEDの関係でありました東京リーガルマインドとか、それからランゲート、こういったところに結構厚生労働省で委託したりとかしていますけれども、今回も、ランゲートというところは埼玉、千葉、それから兵庫、それから山口県、それから熊本県、東京リーガルマインドというのは北海道、それから大阪、それから広島、それから愛媛、福岡、長崎、そういったところに支援センターを設置している。何かちょっとイメージおかしくないかなと思うんですけれども。
○政府参考人(宮川晃君) この働き方改革推進支援センターは民間への委託という形でございますので、ルールにのっとりまして一般競争入札、総合評価方式で行っている結果、このような形になってございます。
○東徹君 何かセンターというと、そこへ行ったらちゃんとした建物があって、何かセンターというイメージとちょっと違うなというふうに思うんですよね。 例えばですけれども、ランゲート、僕もよくは知りませんが、ランゲートという会社の中に支援センターがある、相談に行くときはそこに相談しに行くことになるんですか。
○政府参考人(宮川晃君) 元々、この働き方改革推進支援センターは、労働基準法等、様々な働き方改革のために、法律の例えば内容ですとか就業規則の改正ですとか、いろいろ相談したいと、ただ、労働局ですとか労働基準監督署というのはある意味敷居が高いというか、なかなか行きづらいという点を踏まえまして、民間にお願いするというコンセプトの中で、直接行くという場合も当然ございますけれども、例えば、電話なりメールなりでの相談ですとか、逆に、訪問相談、指導してくれないかと、訪問相談で相談に乗ってくれないかというような話ですとか、あるいは出張相談、相談会を開いてそこに行って、出張先で何社かに集まってもらってその中で個別に相談もやっていくなど、様々な手法でいろいろな中小企業のニーズに応えようということでございます。
○東徹君 これ、例えば、商工会議所とか商工会等と連携を図ってとかとよく言うんですけれども、そんなだったら、商工会議所とかに設置をしてそこに人を送り込んだらいいんじゃないのとかと思うんですけれども、そういう発想というのはなかったんですか。
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申しましたように、このコンセプトをつくる際に、民間への委託という形でセットする場合、この委託の場合は一般競争入札で行うのが原則でございますので、こういう形で選ばせていただきました。
○東徹君 じゃ、これ、各都道府県に何人ぐらいこういった人たちを設置するのか、お聞きしても大丈夫ですかね。通告しなかったので、済みません。
○政府参考人(宮川晃君) まさに、これ予算上のセットということでお聞きいただきたいと思います。 常駐型の専門家と派遣型の専門家を置いておいていただきたいと。北海道、東京、神奈川、愛知、大阪につきましては、常駐型の専門家を三人、それから派遣型の専門家を今言った五区分につきましては五人、その他につきましては、常駐型専門家を一人、派遣型専門家を三人置くという形で予算上セットし、そういう形で言わば募集を掛けて、いわゆる総合評価落札方式ですので、値段とそれから内容を点数を付けて、それの組合せで最も優れているところを選んだという形になってございます。
○東徹君 この常駐型専門家と派遣型専門家なんですけれども、常駐型専門家というのはもうその人はずっとそこにおりますよと、派遣型というのはその人は外へ出ていきますという、こういうイメージですか。
○政府参考人(宮川晃君) おっしゃるとおりでございます。
○東徹君 そうしたら、例えば、大臣の地元だと広島県だったら、常に常駐……(発言する者あり)失礼しました、済みません、岡山でした。岡山県だと、常駐型は一人で、派遣の方はたった三人しかいないと。相談に行こうと思ったら、一人しかいないということになりますよね。そんなので本当にこれ、センターを設置してとかいって、いつもおっしゃるし、このセンターを設置して、長時間労働の是正や同一労働同一賃金に対応するための賃金制度や就業規則等の作り方、見直し方、それから、一つは労務管理などの専門家が事業所への個別訪問などによってコンサルティングを実施するとともにとかいって、いつも答弁ではあるんですけれども、これが本当にこれだけの人数でできるのかなというふうに思うんですね。 また、こういった働き方改革支援センターというのがどれだけこれ認知されているのかなというところもあると思うんですが、四月、五月の実績ももう出ていると思うんですけれども、この四月、五月の実績はどうなのか、まずちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(宮川晃君) 五月の実績はまだ集計できておりませんので四月の実績を申し上げますと、個別企業からの相談件数は派遣型のもの八十四件を含めまして三百三十六件、セミナー回数は五回となっております。
○東徹君 この実績の相談件数の取り方とか、これ分かりませんが、セミナーも五回、これ全国でということですよね。これ何か少ないなというイメージをいたします。 これ、四月から始まっているんですけれども、神奈川県は何かこれ選定中となっているんですが、ということは、神奈川県はまだやっていないということですかね。
○政府参考人(宮川晃君) 先ほど申しましたように、一般競争入札でございますので、ルールにのっとって、どうしても不落ですとか不調ですとか、そういうことが続く場合があります。神奈川がまさにその例でございまして、現在さらに、今、一般競争入札をまさにやっているというところでございます。間もなく選定ができるかもしれないと思います。
○東徹君 全国で神奈川県だけがまだこれ設置されていないというのも、本当大丈夫なのかなというふうに思うわけですけれども。 この働き方推進支援センターですけれども、これ労務管理のほかにも、生産性の向上とかIT投資など、経営面についてもよろず支援拠点と連携して支援するというふうなことも今までの答弁の中でもありました。他の組織との意思疎通、情報共有、スムーズな連携というのは、これ本当にできるのかなとつくづく思うわけですよね。派遣型の人はもう外へ出ていってしまっているわけですし、常駐の人は一人しかいないしというところが全国大体ほとんどのところだと思うんですね。 このセンターの設置そのものに平成三十年度の予算で十五億円も掛かっているんですね、十五億円も。十五億円も金掛けて、これの効果が一体どれだけ出てくるのかなというふうに思うわけですし、ただ、ほかの予算では、最低賃金や賃金引上げに向けた生産向上のための支援等とかで二百五十三億円とか、こういったものを含めると五百七十七億円のこれ全部で予算が、これ重複もあると思いますけれども、付いていると思うんですね。 この働き方改革によって、中小企業にとっては、こういったところに相談しないとなかなか分からないという点があると思うんです。一方では同一労働同一賃金どうやっていいのか分からない、それから長時間労働の是正どうしていっていいのか分からないと、その中で、これ法律施行されるのは中小企業だと三十二年ですけれども、本当にこういったことに対応できるのかなと思うんですが、この点についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(宮川晃君) 働き方改革の今回の法改正が成立いたしますればということになると思いますけれども、段階を追った形で様々な周知を行っていく必要があろうかと考えております。 まずは、どういう形のものをやらなければならないかと。広く薄くでございますが、周知を様々な形で行います。この周知の方法につきましては、センターだけではなくて、当然行政あるいは関係機関にも御協力をいただいて、広く薄く様々なものを周知し、その中で個々の中小企業に、まずは自分のところがどういう問題があるのかどうかというのを把握していただきます。 例えば極端な話、労働者がいないところの中小企業にはこの話は全く関係ない話でございますが、就業規則等の整備が必要なのかどうか、その辺りをチェックしていただき、まずは個々の中小・小規模事業者において自社の状況を把握していただき、具体的な対応を検討していただく。その中で、例えばそれはもう簡単な就業規則を変更すればいいんだというレベルから、同一労働同一賃金の中で詳しい状況の内容を、説明を専門家に聞いてもらった上で具体的な対応を考えなければならないものまで、様々なレベルのものがございます。 その働き方改革推進支援センターは、商工会、商工会議所等の支援機関が連携した形の中で、まずは全体の周知と、そこから、その中で個別の対応が必要なものという形のものを呼び集めまして、それを集合的にやる場合もあれば個別的にやる場合もあるという形で今後周知を図っていきたいと考えているところでございます。
○東徹君 いずれにしても、この働き方改革推進支援センター、人数も常駐だと大体の都道府県では一人ということですし、派遣して出ていく人たちが三人ということですし、これ、全国に中小企業って約三百八十万社あるわけですから、三六協定だって知らないという企業もたくさんある中で、本当にこれがどこまで進展するのかなというふうに思います。是非、在り方についてやっぱりしっかりと検証していって、そして見直すときはやっぱり見直していくということを是非検討していただきたいと思います。 次に、高プロにおける本人同意についてお伺いをしたいと思います。 本人同意の取り方についてですけれども、厚生労働省は職務記述書等の書面かその他の方法で同意を取ることを省令で定めるというふうにしておりますけれども、昨日も弁護士さんが言っておりましたけれども、地方公聴会で、本人の同意が真意に基づくものであるのかどうかというところが問題だというふうなことをおっしゃっていました。 本人の同意が真意に基づくものであることを担保できるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度でございますけれども、この制度は対象労働者について高い年収要件を求めておりまして、自らの労働条件について交渉能力が高い方を対象になるようにしております。 そのことに加えまして、同意をしなかったことについて不利益の取扱いをしてはならないことを法律に規定しておりますし、それから、労働者からの同意の撤回につきましても衆議院の修正で明記をいただいたところでございます。この撤回した場合についても、不利益取扱いについて指針で明確化をしてまいりたいというふうに考えております。 このように、労働者の意に沿わない形で制度が適用されることのないように制度設計がされているものでございます。 さらに、本人同意につきましては記録を保存していただく、これを労使の決議事項として省令で定めますので、労働基準監督署で監督指導した際には、この本人同意が書面でなされているかどうかも確実に確認してまいりたいと思います。 それから、仮に労働基準監督署に労働者の方から相談があれば、その相談者の御意向をお聞きし、撤回ができることなどを説明することによって、懇切に説明し、その意に沿うような同意がなされるように労働基準監督署でも必要な相談等に対応していきたいと思います。
○東徹君 しっかりと同意というものが担保できるような形を是非目指していただきたいと思います。 本会議でもこれは質問いたしましたが、先ほども局長の答弁の中にもありましたけれども、一旦された同意を撤回できること、これは高プロを出入り可能な制度とするようにしたということで、私はこれ大事だと思っておるわけですけれども、ただ、同意の撤回によって本人が不利益に取り扱われないことを担保しないと、現実には撤回できないということになってしまいます。 指針で明確にするだけでこれ担保できるのかなというふうに思うんですが、ここはちょっと大臣にお答えいただければと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) そもそも、高度プロフェッショナル制度は、対象労働者の要件について高い年収要件等を定め、自らの労働条件について交渉力が高い方が対象と。そして、衆議院の修正で、高度プロフェッショナル制度の決議事項に、対象労働者の同意の撤回に関する手続ということになっているわけであります。 今般の法案において、対象労働者の適正な労働条件を確保するため、労使委員会の決議事項に関する指針を策定することにしておりまして、御指摘の同意を撤回した場合における不利益取扱いの禁止は、この指針に位置付けて明確化する予定であります。これにより、同意を撤回した場合の不利益取扱いの禁止が、これは決議に盛り込まれることになります。そうなるよう指導していきたいと考えております。 また、不利益取扱いの禁止が決議されているにもかかわらずこれに違反するような行為があった場合には、その是正を厳正に指導していきたいと思います。
○東徹君 しっかりとその辺の指針に明確化をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、高プロにおける医師の面接指導についてなんですけれども、前回もちょっとほかの委員の方からも質問が出ておりましたけれども、高プロの対象になっている労働者が月百時間を超えて働いた場合、医師の面接指導が義務というふうにこれはされております。 この面接指導で医師が改善が必要と判断した場合に、例えば高プロからこの人は外すべきだというふうに判断した場合、医師から事業者に対して高プロから外すべきというふうなことが言えるのかどうか、言った場合に、じゃ、事業者はどのような対応が求められるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(田中誠二君) お答え申し上げます。 労働安全衛生法の改正案におきまして、事業者は、健康管理時間が一定時間を超えることにより医師の面接指導の対象となった労働者の健康を保持するために必要な措置について医師の意見を聞かなければならないこととされているところでございますが、その意見の内容につきましては特段の制限を設けておりません。そのため、医師が医学専門的判断に基づいて高度プロフェッショナル制度対象の労働者を当該制度から外すべき旨の意見を述べることは可能であると考えております。 また、労働安全衛生法において、事業者は、当該医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、職務内容の変更など適切な措置を講じなければならないとされております。 したがいまして、医師が高度プロフェッショナル制度対象の労働者を当該制度から外すべき旨の意見を述べ、事業者がその必要があると認める場合、事業者は当該労働者の健康を保持するため、当該労働者を高度プロフェッショナル制度の業務から外す措置を講じなければならないと考えております。
○東徹君 医者が医学的な知見から、もうこの人は高プロから外すべきだと、こう言っても、事業者側としては、いや、まだいけるだろうというふうに判断すれば高プロから外すことはないということでよろしいんですか。
○政府参考人(田中誠二君) 法律の規定上、当該医師の意見を勘案して、その必要があると事業者が認めるときは、先ほど申し上げましたような必要な措置を講じないといけないという規定になっております。もちろん、実際上、当該医師の意見というのは医学専門的な意見で、かつ労働者の生命、身体に関わるものでございますから、事業主はその意見の内容を十分尊重して対応するべきものと考えております。
○東徹君 ドクターストップが掛かっているにもかかわらず、それを外すことができないというのもいかがなものなのかなというふうに思ったりもいたします。 高プロによって過労死が増えると、そういう指摘がこれずっとありますが、過労死が増えることがないようにすることはもう当然のことだと思うわけですけれども、事業主が適切な対策を取らない場合、医師から事業主への勧告や衛生委員会への報告へと、こうつながっていくことになっているわけですけれども、このような流れはどう考えても結構時間が掛かると思うんですね。 政府としてこれが実効性を確保するための仕組みと考えているようですけれども、緊急にやっぱり対応しなければならないときも出てくると思うんですね。もっとこれ迅速な対策というのを考える必要性があるのではないかと思いますが、これ、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 高プロにおいて健康管理時間が長時間に及ぶ場合には、労働安全衛生法を改正して、医師による面接を一律に罰則付きで義務付けるということにしております。これは一般の労働者の場合は申出要件でありますから、不履行に罰則もないことに比べて厳しい措置ということであります。 そして、事業者に対しては、面接指導の結果に基づいて、医師の意見を聞いた上で、職務内容の変更、有給休暇の付与、健康管理時間が短縮されるための配慮等の事後措置を講ずることがこれは法律上義務付けられ、まずは事業者に対してこうした法律上の義務が遵守されるよう周知するとともに、対象となる方の健康がしっかり確保されるよう必要な指導を徹底していくと。 さらに、今回の改正法案においては、長時間労働の面接指導後の措置の内容を産業医に報告することや、事業者に対し、勧告の内容を事業場の労使や産業医で構成する衛生委員会に報告することのみならず、労働者が安心して産業医や医師等に健康相談等がしやすくなるように、事業者に対し、健康相談の窓口の設置等、健康相談をしやすい体制の整備に努めること等を求めることとしておりまして、こうした相談の機会を通じて、過重な労働となる以前でも体調不良を感じた時点で当該労働者が産業医や医師等に相談することが可能となり、事業者に対する助言、指導等の対応が取られることが期待できるわけであります。 また、全国の労働局や労働基準監督署のほか、夜間、休日でも労働条件相談ほっとラインで無料の電話相談も受け付けると、こういう措置もとらせていただいております。
○東徹君 緊急的な対応が要るときってやっぱりあると思うんですね。お医者さんが面接して、この人ちょっとやばい、もうこれ以上仕事させたら自殺するんじゃないかと、そう思ったときにやっぱり緊急な対策が取れるように、事業主にもっと迅速に対応してもらうべき仕組みが必要ではないのかなというふうに思うんですけれども、この点のことについても是非検討していただきたいと思います。 続いて、管理監督者についてお伺いをしたいと思います。 これ、長時間労働の是正ということになっていったり同一労働同一賃金とかいうことで管理監督者にも影響してくるのかなというふうに思っていまして、まず、管理監督者なんですけれども、これはどのような人で全国にどの程度いるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(山越敬一君) 労働基準法第四十一条第二号の管理監督者でございますけれども、これは、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者を指すものでございます。 その数でございますけれども、平成二十九年の労働力調査で管理的職業従事者を見ますと、全体のうち約二・二%となっておりますけれども、これはあくまで本人の記載に基づいた調査結果でありますし、法人、団体役員でございますとか公務員も含むものでございまして、必ずしも労働基準法のその管理監督者に該当するものとは限らないものでございます。 こうしたその管理監督者の人数等の実態につきましては、衆議院の厚生労働委員会における附帯決議もございます。これに基づきまして、今後、把握を行ってまいります。
○東徹君 部長とか工場長とか、こういった方とかが管理監督者で、ただ、全国にどの程度いるのか実際は分からないということなんですけれども、今回、法案にある高プロの対象者は、深夜労働の割増し賃金などもこれは対象外となっていくわけですが、管理監督者は割増し賃金の対象になる一方、年間百四日の休日確保については管理監督者にはそのような規定がないということになっておるわけですよね。これは間違いないですよね。
○政府参考人(山越敬一君) 管理監督者につきましては、労働時間等については適用が除外されておりますけれども、深夜の割増し賃金については適用されるものでございます。 他方で、高度プロフェッショナル制度につきましては、今御指摘ございましたような年間百四日の休日の確保が義務付けられるものでございます。
○東徹君 高プロの対象者は年間百四日休日を確保しなさいということになっていて、管理監督者には年間何日以上休みなさいよという、そのような規定はないという。これ何でこんな違いがあるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(山越敬一君) 管理監督者でございますけれども、労働時間等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない重要な職務、責任を有するものでございまして、また、現実の勤務態様もその労働時間の規制になじまない立場でございますので労働時間等の規制の適用を除外しているところでございますけれども、ただ、その中で、深夜に対する割増し賃金につきましては、通常の労働時間と異なる労働に対する保障を行うということと、使用者に経済的な負担を負わせることによってこれを抑制するということで、これについては管理監督者にも適用があるものでございます。 他方で、高度プロフェッショナル制度でございますけれども、これは、時間や場所にとらわれない自律的で創造的な自由な働き方を希望する選択肢として創設をするものでございまして、こうした趣旨を実現するために、労働時間、休日、休憩、そういった規定の適用を除外するものでございまして、深夜の割増し賃金も適用されないものでございます。 こうした創造性の高い仕事に従事される方には、夜の時間帯の方が能率が良いという方もおられまして、時間により働く制約を設けてもらいたくないという方もおられるわけでございます。また、深夜の割増し賃金規制が適用されるといたしますと、企業の労務管理、どうしても働く時間帯を意識した管理とならざるを得ないものでございますので、こうしたことから、こういった深夜の割増し賃金を含めましてこの高度プロフェッショナル制度については適用を除外するものでございますけれども、他方で、こういった方の健康確保もこの制度にふさわしいものとして整備をする必要があるわけでございます。そういう観点から、年百四日かつ四週当たり四日の休日取得、こういった措置を講ずるものでございます。 この休日確保の規定でございますけれども、昨年七月に連合から総理宛てに要請をいただいた内容を踏まえて法律の要件として規定をいたしましたものでございます。
○東徹君 管理監督者にもそれは割増し賃金があるといえども、休日はやっぱりきちっと確保していく必要性があると思うんですね。 これ長時間労働の是正ということで罰則も入ってくるとなると、名ばかり管理職という人たちが増えないかなというふうにちょっと懸念をしておりまして、これは以前から指摘されておりますけれども、管理監督者の長時間労働については深夜労働の割増し賃金を除けば特に規制がないということで、名ばかり管理職といった、部下もおらず、実質的には担当者と何ら変わらない管理職ポストがつくられて、残業規制を免れるようなことが行われてきたわけですけれども、こういったことが増えるんではないのかなというふうに心配しておりますが、管理監督者の長時間労働に関する対策はどのように考えているのか、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 管理監督者に該当する場合であっても、労働安全衛生法に基づいて、事業主は原則として年一回は定期健康診断を受けさせ、また、法定労働時間を超える労働時間が長時間となった場合には、労働者本人から申出があった場合には医師の面接指導を受けさせ、医師の意見を聞いて労働者の健康を保持するために必要な措置を講ずることなどが義務付けられているところであります。 この法案では、この基準を月百時間を超えた場合から月八十時間を超えた場合に改正するとともに、長時間労働への的確な面接指導につなげるためには、この管理監督者を含む全ての労働時間について、労働時間の状況を客観的な方法により把握していくことが必要であるということで、その義務の規定も設けさせていただいたところでございます。 また、事業場における監督指導においては、事業場において管理監督者として取り扱われている者が実際にそれに該当するのかどうか、その実態も照らして確認をし、その結果、該当しない場合にはこれは通常の労働者という形での適用がなされ、違法な長時間労働が認められた場合にはその是正を勧告する、また管理監督者の範囲の見直しを行うよう指導を行っているところでございますので、引き続き、そうした適正化の指導を徹底しながら、この法案成立をさせていただければ、この法案の中身も含めてしっかり周知し、徹底させていただきたいと思います。
○東徹君 時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 大臣は、二〇一八年一月三十一日、二月一日にヒアリングをやることを知っていましたか。
○国務大臣(加藤勝信君) それぞれどういう形で、二月の、三十一日と一日ですかね、やったのは。済みません、そのときには具体的には承知しておりませんでした。
○福島みずほ君 局長は知っていましたか。
○政府参考人(山越敬一君) はっきりとは承知をしておりませんでした。
○福島みずほ君 じゃ、誰の指示で、職員は、九人、三十一日と一日、ヒアリングをやったんですか。
○政府参考人(山越敬一君) これは、日々の業務の一環として随時お話を伺うという観点から行ったものでございます。
○福島みずほ君 日々の業務じゃなくて、高プロのまさに十二分の九ですよ。このヒアリング、局長も知らなかった。 大臣、この九人、ヒアリングをやったのを知ったのはいつですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 具体的にいつだったかという記憶はございません。 こうしたヒアリングの結果について、こういうふうになりましたというのを、たしか、想定問答、こうした質問等がありますから、そのときに付いていた、そういうところから知ったというふうな認識でございますので、済みません、いつかということは申し上げられません。
○福島みずほ君 衆議院の岡本議員から質問されているときぐらいの想定問答に付いていたということでよろしいですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっと今の段階で確認するすべがないので、ちょっと答えられません。
○福島みずほ君 それではまた教えてください。 これ、高プロのヒアリング、唯一のヒアリングで十二人、ニーズを把握しました、ニーズはこの十二人ですと言ってきたのが、その程度なんですか。 局長、このヒアリング、一月三十一日と二月一日にやったのを知ったのはいつですか。
○政府参考人(山越敬一君) 申し訳ございません。今直ちに、いつ、何月何日とお答えできません。
○福島みずほ君 その程度でニーズと大威張りしてこの十二人のを出してきたんですよね。非常におかしいと思います。 大臣は、五月の岡本議員の衆議院での質問の中でこう言っております。ニーズを聞かれているんですね、高プロの。五月九日です。大臣の答弁。ニーズということであればですね、私どもの方、これ、あの、実際、幾つかの企業と、あるいはそこで働く方からですね、いろんなお話を聞かせていただいているということであります。 幾つかの企業とそこで働く方って何ですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 幾つかの企業で、そこで働いている方、何って、そのちょっと質問の趣旨がよく分からないんですが、まさに幾つかの企業で働いている方からということであります。
○福島みずほ君 大臣はここで、幾つかの企業と、あるいはそこで働く方からですねと言っているので、同時にその企業とその企業で働く人のヒアリングをしたんじゃないかと思って質問をしました。いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) いや、それはそういう趣旨ではなくて、その企業でという意味は、その企業の誰に聞くかということでありますから、その幾つかの企業で働いているということであります。
○福島みずほ君 幾つかの企業って具体的にどういうものですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、ちょっとそのときのもの手元に持っておりませんけれども、結果的に、厚労省がヒアリングしたそうした資料がありましたので、それぞれが企業に行ってそこで働いている方々から話を聞かせていただいた、それをベースに答弁をさせていただいたというふうに記憶をしております。
○福島みずほ君 幾つかの企業とそこで働く人々と言っているので、私は、この十二人のヒアリング、企業と労働者とまとめて聞いたんじゃないかと実は思っているんですね。 実は、このヒアリングなんですが、「企業の人事担当者が同席したケースや、実際に専門職としての業務に従事している方のみのケースなどがあった。」とあります。 九人、十二人のうち九人が何と人事担当者が同席していますが、「など」とは何ですか。
○政府参考人(山越敬一君) このヒアリングでございますけれども、人事部の同席というのは、まず、こちらから特段指定していないものでございます。そういう中で、企業の人事担当が同席したケース、そうした方が同席しない形で実際に専門職としての業務に就いている方のみのケースがあったので、このヒアリング概要では、「企業の人事担当者が同席したケースや、実際に専門職としての業務に従事している方のみのケースなどがあった。」と記載したものでございます。 この「など」ということでございますけれども、人事担当者のほかにグループ会社の方が同席したケースがございまして、必ずしも人事担当者のみとは限らないため、そのように表記をしたものでございます。
○福島みずほ君 この「など」は、六、七、八に関してはグループ会社の人事担当者が同席したということでよろしいですね。
○政府参考人(山越敬一君) 六、七、八がそうしたケースに該当するということでございます。
○福島みずほ君 なぜこのときヒアリングやったんですか。
○政府参考人(山越敬一君) このヒアリングでございますけれども、私ども、日常業務の一環として実施をしたものでございます。
○福島みずほ君 立法のためでしょう。立法のための唯一のニーズなんですよ。 そして、大臣が答弁で、その企業の方、岡本委員のところに、幾つかの企業と、あるいはそこで働く方からと言っているので、私、同時に、企業とそこで働く労働者と同時に聞いたんじゃないかというふうに思ったんですね。 この十二のヒアリングがまさにそうじゃないか。なぜなら、十二人のうち、まさに九人、一月三十一日以降九人入っているわけですが、九人が同席しているんですよ、人事部が。そして、そのうち三人が、何と関係ないグループ会社の人事担当が同席しているんですよ。おかしいじゃないですか。労働者のニーズのヒアリングをするのであれば、何で人事担当者が同席しているんですか。そこの会社の人事担当者だけじゃなくて、なぜわざわざグループ会社の会社の人間がいるんですか。実は両方から話を聞いたんじゃないですか。人事担当者、いかがですか、こういう高プロや高度な働き方についてどうですか、そう聞いたんじゃないですか。それが自然だと思いますよ。その人たち、無口で帰ったんですか。どうですか。
○政府参考人(山越敬一君) このヒアリングでございますけれども、高度専門職に対するヒアリングでございます。その人事部の同席につきまして、こちらから特段、先ほど申し上げましたように、指定をしていないわけで、人事の方が同席したケース、そうした方が同席しなかったケース、双方があったわけでございます。 これは、企業へ高度専門職に対するヒアリングをお願いするに当たりまして、まず企業に対してそのヒアリングの趣旨とか内容等の説明を行いまして、その上で適切な対象者をお選びいただいておるものでございます。そういうことでございますので、ヒアリングをスムーズに進行するために窓口となった方に同席していただくということがケースによってあったわけでございます。
○福島みずほ君 答えになっていないですよ。 働く人から本当の声を聞こうと思ってヒアリングだったら、そこに窓口だった人事担当者、しかも、それだけじゃなくてグループ会社の人事担当者、大物ですよね。会社の人間がそこにいるんですよ。黙っているんですか、その人たちは。実はそうじゃなくて、雇用者にも聞いたけれど、人事担当者へのヒアリングもやったんじゃないんですか。
○政府参考人(山越敬一君) これは、いずれにいたしましても高度専門職の方に対するヒアリングを行ったものでございます。
○福島みずほ君 それは分かっています。そうじゃなくて、わざわざ、わざわざですよ、もし人事担当者が同席したいと言うなら、悪いけれど雇用者の声を本当に生に聞きたいから席外してくださいというのが労働省の役割じゃないですか。(発言する者あり)当たり前ですよ。当たり前じゃないかという声が出ているが、当たり前じゃないですか。 何でグループ会社の人事担当までいるんですか。その人たちは一言も発しなかったんですか。ヒアリングやったんじゃないですか。
○政府参考人(山越敬一君) これ、ヒアリングを行いましたのは、この高度専門職の方に対して行ったものでございます。
○福島みずほ君 だったら邪魔じゃないですか。邪魔じゃないですか。人事担当者と、しかも、「など」というのは何かというと、グループ会社の人事担当者、更に関係ないじゃないですか。何でグループ会社の人事担当者がそんなところにいるんですか。話しにくいじゃないですか。おかしいですよ。 私は、これ、両方聞いたんじゃないか、あるいは、というか、黙って、無口で帰ったとは思えないですよね。それから、その人たちがいるということで本当にちゃんとまともなヒアリングが行われたとは思わないですよ。この十二人の根拠はもう破れ去った。立法事実はないんですよ。 それから、このことについて、高度専門職に対するヒアリング概要、どれが高度プロフェッショナルですかというのが分からないんですね。大臣は、このことを、これは、ずっとニーズを把握するのはと聞いて、この十二人というのが出てきたんです。ところが、思いを聞いただけであって、高度プロフェッショナルについて具体的に聞いておりません。それ、何ですか。思いを聞いただけ、それで高度プロフェッショナルが必要だというニーズになるんですか。
○政府参考人(山越敬一君) この高度専門職に対するヒアリングでございますけれども、こういった仕事に就かれている方につきまして、どのような働き方をされているか、あるいは働き方に対する要望があるかということをお伺いしたものでございます。 こうした中で、例えば、そのヒアリングで把握した労働者の声といたしましては、一日四、五時間の研究を十日間繰り返すよりも二日間集中した方がトータルの労働時間は短くて済む、あるいは、長時間の労働をする者の方が残業代により報酬が多くなるため理不尽な思いを抱いており、パフォーマンスが高いスタッフに多くの報酬が充てられるようになればモチベーションにつながる、あるいは、労働時間に比例してお金をもらうような仕事ではなくプロジェクトを成功させて報酬をもらう仕事であると十分理解している、労働時間の制約があると成功できる仕事も成功できるチャンスを失ってしまうというような声をいただいているところでございまして、現行の労働時間制度では自身の働き方に制約が出てしまうことでございますとか、時間ではなく成果で評価されることを望む声、そうしたものが含まれている、そういった制度についてのニーズがあるということが示されているものと理解しております。
○福島みずほ君 いいかげんなこと言わないでください。大臣は、ニーズだと言いながら、最近は思いを聞いただけだというふうに答えています。それから、成果によって働いてほしい、成果、高度プロフェッショナル法案と成果は関係ないじゃないですか。関係ないんですよ、これ。 きちっと、大臣も先ほど答弁したように、きちっと条文を示して、こういうことについて働き方どうですかって聞いていないんですよ。ニーズですら、十二人、少ない、そしてそのうち九人同席、そのうち三人、グループ会社も同席、そして会社が見張っている。その中で、思いを聞いた。その中身、高度プロフェッショナルと関係ない。立法事実はないですよ。しかも、今年の一月三十一日以降九人なんてちゃんちゃらおかしいですよ。 そして、おまけに、大臣これ虚偽答弁しているじゃないですか。自分が会ったかのように言っているのは、これ明確に虚偽答弁ですよ。 大臣、一月三十一日予算委員会、浜野委員の質問に対して、その方は、自分はプロフェッショナルとして自分のペースで仕事をしていきたいんだと、そういった是非働き方をつくってほしいと、こういう御要望をいただきました。例えば、研究職の中には、一日四時間云々かんぬん。その方って誰ですか。
○国務大臣(加藤勝信君) これは多分、前回も御答弁させていただいたように記憶しているんですけれども、これは厚労省のヒアリングではなくて、私自身がいろんな機会で聞かせていただいている、そして、そのときに会ったその方からこういうお話を聞いたから、その方はと申し上げて、御要望を聞きました。 これ、しかも、見ていただくと、次、改行になっているんですよね、この文章。(発言する者あり)いやいや、したがって、いや、そういう意味において、例えばというのは研究職という意味で、例えば研究職の中でと、こういうふうに言うと、それはよく言うじゃないですか、例えばコンサルタントの中でとかですね。そういう意味での例えばですよ。だから、こうやって多分聞かれた方もここで区切っている。私もそういった意味で言わせていただいた。これは前回も申し上げさせていただいたと。
○福島みずほ君 こういっていろいろ意見をお聞かせいただきました、例えばだったら、それ大臣が聞いたと思うわけじゃないですか。 ちなみに、その方というのはコンサルということでよろしいですか。
○国務大臣(加藤勝信君) その方というのは私が聞かせていただいた方ですか。
○福島みずほ君 はい。
○国務大臣(加藤勝信君) その方は、ITの関係でコンサル、まあコンサルというか、システムエンジニアリングと、それから実際に、ユーザーというんでしょうかね、その間でいろいろプロジェクトをつくっていると、そういう立場の方でありました。
○福島みずほ君 高プロの立法事実はないのだということ、こんなずさんな、十二人で法律を制定、絶対にしてはいけないと。これ大改革を、まあ大改悪と思いますが、してはならないということを強く申し上げます。廃案しかありません。 昨日の地方公聴会であったことで、ちょっとこれ高木弁護士から出たことなんですが、百四日休日を与えるということだったが実際は百四日休日を取っていなかった場合に、それは、実際の休日は少なかったと、この場合には高度プロフェッショナルになるんでしょうか、ならないんでしょうか。適用はあるんでしょうか、ないんでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度におきまして、対象業務に従事する労働者につきまして、一年間を通じまして百四日、かつ、四週間を通じ四日以上の休日を使用者が与えること、すなわち、就業規則等で定めるだけでは足りないものでありまして、実際に休日を取得させることが必要でございます。これらの休日を与えていない場合は法令の要件を満たしません。高度プロフェッショナル制度の適用は認められないことになりまして、法定の労働時間に違反する場合は、割増し賃金の支払義務が発生し、罰則の対象となるものでございます。
○福島みずほ君 健康管理時間について更にお聞きをいたします。 タイムカード、パソコンのログイン、ログオフで実証できるんでしょうか。ここでも、参考人の棗弁護士から、パソコンをつけているからといって仕事をしているわけではないと裁判で負けたケースや、それからパソコンをつけていなくても仕事をしている場合もあるので、それは違うんじゃないか。あるいは、タイムカードがない場合、パソコンを使用しない日の労働についてはどうするんでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 今般創設をすることといたしております高度プロフェッショナル制度でございますけれども、事業場内にいた時間と事業場外において労働した時間の合計の時間を健康管理時間として、これを客観的に把握することを制度導入の前提条件といたします。これを基に使用者が健康確保措置を実施する必要がございます。 他方で、この制度の適用が無効になりまして通常労働時間規制が適用される場合や過労死等の労災請求がなされた場合でございますけれども、これにつきましては、パソコンのログイン、ログアウトの記録、入退館記録、業務日誌や、同僚、取引先への聞き取りなど、様々な方法によりまして労働基準監督署が独自に調査を行いまして、実際に働いた時間を把握し、適正に算定をすることといたしております。 この点でございますけれども、高度プロフェッショナル制度を含め、どのような労働時間制度が適用されていたかにかかわらず同じでございます。
○福島みずほ君 いや、答弁が違うんですよ。労働基準監督署が遡ってどう調べるかなんということを聞いているんじゃないんです。 局長は、前回、業務場内は客観的な手段で把握すると言った、それはタイムカードとパソコンのログイン、ログオフだと言うから聞いているんです。これは毎日記録し保存するとも言いました。 だから、私の質問は、タイムカードがない、パソコンを使用しない日の労働は、客観的に毎日毎日記録するものはどうするんですかという質問です。(発言する者あり)
○委員長(島村大君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(島村大君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(山越敬一君) この健康管理時間でございますけれども、これは事業場内にいた場合はタイムカードなどで記録をされるものでございますので、これはそうしたことで記録されるものでございます。 ただ、そうした中で、事業場外でその自己申告をする場合については、それは通常の場合と同じように自己申告をしていただかなければいけないということに……(発言する者あり)
○国務大臣(加藤勝信君) いや、ですから、ちょっと今の、要するに、事業場内にいる場合は自己申告は認めないということは前から答弁をさせていただいているわけでありますが、今委員の御指摘は、どうやって確認するんですかと。そして、例えばパソコンも使いません、タイムカードもありません、これは別に通常の働いている方にも同様でございますから、そういった場合には管理者が現認をしていただいて、何時に帰った、何時に見たと、そういったことにならざるを得ないと思います。これは、具体的に、たしか把握の中においても、たしかガイドラインでしたか、中にも現認という手法は盛り込まれていたというふうに記憶をしております。
○福島みずほ君 毎日毎日その現認して、毎日毎日この人が仕事しているというんだったら、健康管理時間なんて生ぬるいこと言わないで労働時間管理すればいいじゃないですか。実労働時間を毎回計ればいいじゃないですか。労働時間規制がないことと労働時間の管理しないことは別問題ですよ。健康管理時間なんていいかげんなことを言うので、本当に心配になり、改めて聞いているわけです。 それで、改めて確認しますが、健康管理時間は、一定の書式で記録し、三年間保存を義務付けると、六月七日の質疑で答弁がありました。記録は、毎日の健康管理時間の始期、終期が分かるもので、事業場外の自己申告でも全て毎日記録し、三年間保存するということでよろしいですね。確認答弁です。
○政府参考人(山越敬一君) 健康管理時間でございますけれども、対象労働者が事業場内にいた時間と事業場外において労働した時間の合計の時間という定義でございます。これは、先ほど申しましたように、健康確保措置の基礎になるものでございます。 この健康管理時間の把握方法でございますけれども、先ほど、こうした把握方法、もう一度申しますと、健康管理時間の把握方法でございますけれども、タイムカードやパソコンの……(発言する者あり) 健康管理時間の記録の様式でございますけれども、これは任意でございますけれども、少なくとも……(発言する者あり) もう一度ちょっと御答弁させていただきたいんですけれども、健康管理時間の把握方法は、タイムカードやパソコンの起算時間等客観的な方法によることを原則とし、事業場外で労働する場合であってパソコン等による客観的な把握も困難などやむを得ない場合に限って自己申告を認める旨を省令に規定することとしております。そして、こうした把握方法を義務付けることから、健康管理時間は日々の始期と終期が把握をされまして、それを基にした時間数が記録されることとなるものでございます。ただし、事業場外の労働については、やむを得ず自己申告とする場合には、日々の時間数を記録し、それを何日分かまとめて提出されることは考えられるものでございます。 そして、健康管理時間の記録の様式は任意でございますけれども、少なくとも日々の健康管理時間が記載されているとともに、医師による面接指導の要否等を確認するため一か月の合計時間が集計されている必要があるものと考えておりまして、複数月をまとめた時間とすることは認められないものでございます。 こうした記録方法とすべきことにつきまして指針に規定をいたしまして、労使委員会の決議において当該記録によることを定めさせることを想定しております。
○福島みずほ君 是非、事業場外の自己申告も毎日、まあ土日が入ればまた別かもしれませんが、毎日毎日毎日記録し、毎日毎日保存されるということでよろしくお願いいたします。それに近い答弁だったと思います。 ところで、健康管理時間を把握する措置を講じていない企業の場合、高プロの適用は無効になります。三十二条違反ということになるということなんですが、では、健康管理時間を把握する措置を講じていなくて、どうやって三十二条違反で割増し賃金のことの立件ができるんでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 高度プロフェッショナル制度の導入につきましては、先ほど来御答弁を申し上げておりますように、健康管理時間の客観的な把握が必要でございます。 こうした要するにその措置が実施されていない場合でございますけれども、この場合は当該労働者に制度の適用は認められないことになるわけでございますけれども、その場合につきましては、その労働時間につきましては、様々な客観的な記録、あるいはいろいろな、労働者、同僚などのいろいろなお話によって、その労働時間どうかということを労働基準監督署で確認していくこととするものでございます。
○福島みずほ君 局長、聞いてくださいよ。健康管理時間を把握していない、この措置を、健康管理時間を把握する措置を講じていないから高プロの適用がなくて、遡って無効になる。三十二条違反になって、法定労働時間を超えて時間外労働があった場合は割増し賃金払わなくちゃいけない。ところが、この会社は健康管理時間を把握していなかったんですよ。じゃ、どうやって立証するんですか。割増し賃金の立証できないでしょう。
○政府参考人(山越敬一君) 御指摘の場合は、それは一般の労働時間について、実際の労働時間はどうなっていたかということをどのように例えば監督指導をするときに把握するかという御指摘だと思いますけれども、これは、私どもの実務といたしましては、様々な客観的なデータでございますとか、その事業場にいる関係の労働者などからお話を聞きまして、そういった労働時間を把握するというのが私どもの監督におきます実務でございます。 高度プロフェッショナル制度につきましては、これからになりますけれども、同じような方法で労働時間を確認していくと、監督署として調べていくということになると思います。
○福島みずほ君 いや、極めて難しくなると思いますよ。だって、健康管理措置の時間の把握をしていないからこそ高プロが無効になったにもかかわらず、割増し賃金を遡って払わなければならないので、深夜、休日、時間外全部やって、一・五か一・二五か全部それ割り振らなくちゃいけない。できないですよ。労働基準監督署が動いてくれなかったら個人で訴えられるんでしょうかね。弁護士がそれやれるんでしょうかというふうに本当に思います。 だからこそ言いたいことは、労働時間規制がないとしても、労働時間管理はやらなくちゃいけないということです。労働時間管理をしっかりやっていく、それをやらなければ本当に過労死が増えるというふうに思います。 同意についてお聞きをいたします。 高プロ制度における労働者の同意は、労働契約書の締結など明示の同意に限られるか、黙示の同意も含まれるかということと、それから、労働法令における労働者保護規定は、労働契約に内在する労使間の交渉力、情報格差を前提にしております。したがって、合意原則における信義則、権利濫用禁止規定はもちろんのこと、労働者により当該行為がされるに至った経緯及びその態様、当該行為に先立つ労働者への情報提供又は説明の内容等に照らして、当該行為が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか否かという観点からも判断されるべきものと解するのが相当である、二〇一六年最高裁判決、二月十九日、山梨県民信用組合事件ですが、このような原則は高プロにおける労働者の同意に関して具体的に担保されるんでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) まず、お尋ねの労働者の同意につきましては、書面その他厚生労働省令で定める方法によりその同意を得たものであってと規定をしておりますので、この厚生労働省令で定める方法による同意でなければ制度は導入できないものでございます。 なお、この書面その他の厚生労働省令で定める方法につきましては、この具体の方法でございますけれども、労働政策審議会の建議におきまして、職務記述書等に署名等する形で職務の内容及び制度適用についての同意を得なければならないこととし、これにより希望しない労働者に制度が適用されないようにすることが適当とされておりますので、これを踏まえまして労働政策審議会で検討することになりますけれども、今おっしゃられましたような黙示でございますけれども、こういった黙示の同意は含まれないと考えております。 それから、高度プロフェッショナル制度における本人の同意についてでございますけれども、労働基準法におけます労働時間等規制の適用除外の効果を発生させるための要件の一つでございます。 御指摘の裁判例でございますけれども、これは、労働者による退職金債権の放棄に関する同意でございますとか、退職金債権と債務との相殺に関する同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足る合理的な理由が客観的に存在するときは有効と判示されたものと承知をしております。 もっとも、その本人同意を要件としている以上、その前提として、対象業務、職務、収入、同意の撤回手続などについて説明が尽くされるべきということは当然でございまして、使用者には十分な説明を行うことが求められると解しております。
○福島みずほ君 時間ですので終わります。 高プロは廃案にすべきだということを申し上げ、質問を終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 高プロの健康確保措置ということにつきまして今日はまずは議論させていただきたいと思いますけれども、かなりもうぐちゃぐちゃしておりますので、まずはしっかり整理して、局長、健康確保措置、一体何なのか教えていただけますか。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、時間や場所にとらわれないで自律的で創造的な自由な働き方を希望する方への選択肢として創設するものでございます。こうした趣旨を実現いたしますために、対象者をその業務とか年収要件で絞りまして、労働時間、休日、休憩等の規定を適用除外するものでございます。 他方で、こうした高度専門職の方であっても長時間労働で健康を害するようなことはあってはならないことでございますので、そこで、その対象となる方の働き方にふさわしい健康確保の措置を講じていただくという観点から、年百四日かつ四週当たり四日以上の休日取得などの措置を講ずるものでございまして、こういった健康確保措置によりまして、高度専門職の方で創造的な仕事を行う方につきまして、健康を確保しつつ、働く時間の長さや時間帯を自ら決定し、効率的に成果を出す働き方が可能になるものと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 皆様方にも資料をお配りいたしておりますけれども、二枚目にその健康確保措置として四択が書いてございます。インターバル、若しくは一か月、三か月の在社時間の上限などを措置をしていく、二週間連続の休日を確保する、臨時の健康診断、いずれかの措置の実施を義務化するというふうにしております。 これ、誰が選択するんでしょう。局長、教えてください。
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度の選択的な、例えば終業時刻から始業時刻までの一定時間以上の休息をさせるインターバル規制と深夜業の回数制限などのいずれかの措置を健康確保措置として実施しなければいけないものでございますけれども、この四つの選択的措置につきましては、事業場に設置する労使委員会、この労使委員会の五分の四以上の多数による決議で選択するものでございます。この労使委員会はその半数以上を労働者で構成するものでございまして、労働者側の委員は事業場の労働者の過半数で組織する労働組合又は過半数代表者により指名される、そういったことを要件としております。
○薬師寺みちよ君 そこに本人の意思は反映されるんですか。
○政府参考人(山越敬一君) これは、当該事業場におきまして高度プロフェッショナル制度を導入する要件として定めるものでございまして、この四つのうちからどれかを労使委員会で決めていただくということでございます。 ただ、この労使委員会に意見を、当該その対象となるような方について反映することについては、今後どのようにするかということにつきまして検討していきたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 やっぱり人それぞれによって休み方って違いますよね。ということは、画一的なものではなく、その人に合った一番休める方法がどれなのかということをきっちりと私は議論していただきたいと思います。事業場でこう決めたからこうするんだではなく、やはり体力的な問題だとか仕事の特殊性からこれがいいというもの、様々その人その人によって違いますので、そこは御検討いただけますか、お願いできますか。局長、お願いします。
○政府参考人(山越敬一君) いずれにいたしましても、この選択的措置でございますけれども、事業場でどれを実施するかということを労使委員会で決めていただくという制度の立て付けになっております。 ただ、どの選択をするかということにつきまして、対象労働者の意見を反映するということも必要であるというふうに思われますので、そういったことをどのように確保していくかということにつきましては、今後どのようにしていくかについて検討してまいりたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 大臣、そこしっかり議論していただきたいところでございますので、よろしくお願いをいたします。
○国務大臣(加藤勝信君) まさに議論させていただきたいと思いますけれども、これ少し詰める必要はありますけれども、画一的ということではなく、これは決め方でありますから、例えば同じ業種の人、幾つか業種をつくって、同じ業種の人にこれもあれもというのは多分難しいかもしれませんが、この業種だったら例えばどれ、この業種だったらどれという、そういう決め方というのは多分あるんだろうなというふうに思いますので、その辺も含めて検討させていただきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 よろしくお願いいたします。 この高プロの対象者につきまして、在社時間が一定時間を超える場合には必ず医師の面談を受けるということになっています。 一定時間とは何でしょう。
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度でございますけれども、労働安全衛生法の改正におきまして、健康管理時間が当該労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める時間を超える者に対しこの面接指導を行わなければならないとしております。 この厚生労働省令で定める時間でございますけれども、一週間当たり四十時間を超えた場合のその超えた時間、その超えた時間が一か月当たり百時間を超えた場合とすることを想定をいたしております。
○薬師寺みちよ君 その百時間というのは、それ、なぜ出てくるのかというのが分からないんです。今回、一般でも残業時間が八十時間を超えた場合には面接指導がというように推奨されるはずなんです、勧奨されるはずなんです。 なぜ百時間なのか、教えていただけますか。
○政府参考人(山越敬一君) これは、この制度につきまして労働政策審議会で議論がされたわけでございますけれども、平成二十七年二月十三日のこの労働政策審議会の建議の中で、健康管理時間につきまして、今申しましたように、一週間当たり四十時間を超えた場合のその超えた時間が一月当たり百時間を超えた労働者について一律に面接指導の対象とする旨を規定することが適当とされるということとしておりますので、これを踏まえて、今後、省令、労政審で議論されるわけでございますけれども、検討する方針ということでございます。 なお、その平成二十七年二月十三日のこの労働政策審議会建議では、同時に、一か月当たり百時間以下の労働者であっても、その申出があれば面接指導を実施するよう努めなければならないものとすることが適当であるとされておりまして、これも踏まえまして省令を定めてまいる予定でございます。
○薬師寺みちよ君 是非、過労死ラインというものも考えながらその時間というものを私は議論していただきたいと思います。そうでなければ皆様方の心配が払拭できない。高プロはここまで問題になっているんですから、厚労省は慎重に検討を進めるべきだということを申し添えておきたいと思います。 この高プロの制度を導入するに当たりまして、従業員数というものは関係しますか。
○政府参考人(山越敬一君) この高度プロフェッショナル制度の導入要件といたしまして、事業場の従業員規模は特段定めておりません。したがいまして、中小企業におきましても、法定の要件を満たす限りにおきましては、この高度プロフェッショナル制度を導入することはできます。 ただし、導入に当たっては、事業場に設置する労使委員会の五分の四以上の多数で決議をすることが必須でございまして、当然この労使委員会の体制が整備されていることが前提になるものでございます。 ちなみに申し上げますれば、同様の労使委員会の決議を導入要件としております企画業務型裁量労働制の企業規模別導入状況を見ますと、三十人以上の企業で企画業務型裁量労働制を導入している企業の割合は一・〇%でございますけれども、そのうち千人以上の企業では五・九%である一方で、三十から九十九人の企業では〇・八%となっているところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 その〇・八%という数が重要なんではなく、一人でもそういう人が出ると駄目なんですよ。そこを間違わないでいただきたい。少ないからいいだろうではないんですよ。しっかりとしたその健康管理の体制というものが、じゃ、従業員数が少ないとできていないことはもう如実に今分かっているわけです。その上で、このような高プロというものをプラスアルファしていったときに、十分な手当てができない、健康確保措置というものができない可能性が高いなというものは安易に想像できますよね。 十分な健康確保措置、労務管理というものがしっかり行われている事業場のみ私はこの制度というものが導入されるべきだと考えておりますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 当然、ここで求められている健康確保措置等、こういった要件をしっかり満たしていただく、これはもう当然のことであります。 制度がスタートするということでありますから、今現在こうしたものが必ずしもあるわけではありません。したがって、制度導入に当たって、既にやっているということを問えるかというと必ずしもそうはなっていないと思いますが、ただ、これまでも申し上げておりますように、制度を導入するには、労使委員会の決議により健康確保措置の具体的な実施内容なども定め、届け出ていただく必要があります。そして、この高度プロフェッショナル制度については様々な御指摘もありますので、当面は、まずは決議の届出があった事業場についてはその全てについて監督指導を一定の期間の中で行っていくと。そういう対応をすることによって、今お話があった健康確保措置においても具体的にしっかりと実施しているかどうかチェックをしていきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 今そのチェックなさるというお話でございましたけれども、私はある程度、認定制度のようなもので、ここだったらやってもいいよという認証をしていただきたいと思います。既存の類似の認証制度というものを拡張することによって、このような労務管理そして健康管理というのが既に拡充されていますよということを確認を取ってもよろしいかと思います。 高プロの制度がここまで問題になっているということは、今の現状が労務管理であったり健康管理ができていないからこそ皆様方が御心配いただいているんですよ。ということは、しっかりそれを私どもで可視化するようなシステムというものもつくるべきだと思いますけれども、大臣の御意見いただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今ある認定制度、例えばくるみんとかですね、それをもってしてそのまま適用するかということになるとなかなか難しいのではないかというふうに思いますけれども、今回、高プロ制度の導入等を含めて、このくるみんについても、これは、今度、長時間労働の罰則付き上限規定等も入れますから、くるみん等々も今回の法案を含めて見直しをしていくつもりではありますけれども、ただ、さはさりながら、それをもってして全て対象とすることはできませんが、しかし、その企業においてどういう取組をしている企業であるかということを示していくという意味においても、こうした仕組み、あるいは様々な情報が開示されていくということは重要だというふうに思っておりますので、例えば、女活法における公表制度、こういったものもしっかり活用していく必要があると思いますし、また、求職者等が職場情報をワンストップで閲覧できる職場情報総合サイト、こうしたものを構築することによってそうした職場情報の見える化ということも図っていきたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 先日、私もお話しさせていただきました健康経営の様々な指標もございます。だから、厚労省の中のくるみんというようなことだけではなく、他省庁の様々な既に指標、若しくはそういう認定制度というものも考えて、きっちりと厚労省として責任を持ってこの制度というものを実行していただきたいと思います。 この高度プロフェッショナル制度というものを適用した従業員がそこにいるということが分かったときには、衛生委員会へも私は報告事項としていただきたいんですが、いかがでいらっしゃいますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 衛生委員会のこの仕組みは、現場の労働実態を把握している労使が、労働者の健康確保の観点から職場や作業内容の改善方策等を調査、審議する場でございます。 高度プロフェッショナル制度を含めて、労働時間制度の適用状況に応じて労働者の健康管理の方法も異なることから、その状況が衛生委員会、あるいはその中核になる産業医の方に共有されていくということは大変重要だと思っております。 適用時ということでありますけれども、むしろ適用後の対象労働者の労働の実態、これを産業医や衛生委員会が共有し、適切な健康管理につなげていくということが重要というふうに考えますので、共有のタイミング、方法、これは衛生委員会の場を活用して、また事業場の実情によってもいろいろあるかもしれません、検討いただくことが適当だというふうに考えておりまして、厚労省としては、そうした趣旨を含めて衛生委員会の活用マニュアルなどを整備して周知徹底を図っていき、また事業場における自主的な健康管理の取組を促進をしていきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 誰かの目にきっちりと触れるということが必要かと思いますので、そこはしっかりとこれから厚労省の中でもガイドライン等々で含めていただきたいと思っております。 ところで、資料一にお配りをいたしました時間外労働の上限規制、実は例外がございます。医師というものも問題になっておりましたけれども、この新技術、新商品等の研究開発業務以外、五年間の猶予というものがここでうたわれております。これ、資料三にもお配りいたしておりますけれども、この業種、実は労災申請の多い業種ですよね。ですから、ちょっとこれはないんじゃないか、五年という期間の中でまた様々なことが私は起こってしまうのではないかということを危惧いたしております。 なぜこの猶予を設けたのかということにつきまして、局長、教えていただけますか。
○政府参考人(山越敬一君) 今回の法案でございますけれども、時間外労働の上限規制の適用につきまして五年間の猶予を設けております業種、業務でございますけれども、建設事業、自動車の運転業務、医師、鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業でございます。 このうち、医師につきましては、求めがあれば診療を拒んではならないという応招義務が課されていることなど、その特殊性を踏まえた対応が必要であることから、規制の適用を五年間猶予し、具体的な規制の在り方について医療界の参加の下で検討の場を設け、御議論をいただいているところでございます。 そのほかの建設事業、自動車運転業務、砂糖製造業に関しては、現在も限度基準告示の行政指導の適用除外となっているものでございまして、五年間の猶予を設けた上で、今後は罰則付きの上限規制の対象とするものでございます。 これらでございますけれども、自動車の運転業務でございますけれども、他の業務と比べまして労働時間が長い実態にあること、そして、その背景には取引慣行の問題など、個々の事業主の努力だけでは解決できない課題があること、そうしたことから猶予期間を設けまして、その間に規制の適用に向けた環境整備を行うこととしているものでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 これ、業界団体にもしっかりと協力していただいて、五年間ではなく、できたところはもっと早くから私は取り組んでいただきたいと思っております。バスの事故は毎月のように様々報道がなされております。国交省にも今様々な検討委員会等も立ち上がっておりますけれども、そこは厚労省も一体となって進めていきたいと思います。 ところで、この中の一つ、新技術、新商品開発、時間外労働の上限規制の導入の対象とは、これは五年待ってもなりません。その対象外とした理由を教えてください。
○政府参考人(山越敬一君) 新技術、新商品等の研究開発の業務でございますけれども、これにつきましては、成果を出すためにある期間に集中的に作業を行う必要があり、一律の限度時間による行政指導にはなじみにくいことなどから、現在、時間外労働の限度基準に関しまして、大臣告示による指導の適用除外としているものでございます。 今回の法案におきましては、研究開発業務につきまして、こうした業務の特殊性を踏まえて、新たに設ける罰則付きの時間外労働の限度について適用除外としているものでございます。
○薬師寺みちよ君 これ、おかしくないですか。何でもかんでもここに放り込めば、結局は今までと、現行法と変わらないということになりかねません。 これ、どのように範囲を決めるんでしょう。どのように境界を引いていくんでしょうか、教えてください。
○政府参考人(山越敬一君) この新技術、新商品等の研究開発業務でございますけれども、現行の限度基準告示におきまして、専門的、科学的な知識、技術を有する者が従事する新技術、新商品等の研究開発の業務をいうと解釈しております。 こうした解釈の下で、例えば電機メーカーで新商品の研究開発に従事する方でございますとか、医療品メーカーで新薬の研究開発に従事する方などが該当しますけれども、具体的には事業場ごとに、労使が三六協定を締結する中で各事業場ごとに労働者の範囲を定めるものでございます。 この研究開発業務の範囲については、働き方改革実行計画におきまして、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないようにその対象を明確化した上で適用除外とすると明記されておりまして、その趣旨を通達等で改めて明らかにすることで、濫用されるようなことがないように対応してまいります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 例えば、これ、御本人がどうしてもちょっとこの時期だけはこの適用にしてくれということだったら分かるんですけれども、これだったら永遠にその職種にいる限り現行法で運用されてしまうということになってしまいませんか、局長。
○政府参考人(山越敬一君) この新技術、新商品の研究開発業務でございますけれども、成果を出すためにはある期間集中的に作業を行う必要があるということで、現在もその告示の適用除外となっているものでございます。この特殊性を踏まえて、この法案におきましても適用除外としているところでございます。 ただ他方で、この研究開発業務につきましては、新たに設けるこの罰則付きの時間外労働の限度について適用除外にはいたしますけれども、それに見合った手厚い健康確保措置を講ずるということで、一般労働者よりも厳格な面接指導の制度を設けることとしているものでございます。
○薬師寺みちよ君 一般労働者よりも厳重に健康確保をしていくための方策かもしれませんけれども、高プロと比較すると違いますよね。高プロと比較すると、高プロの方が更に充実しているかと私はこれは見えてしまいますけれども、局長、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○政府参考人(山越敬一君) この新技術、新商品等の研究開発業務でございますけれども、これは、労働時間と賃金がリンクをいたします通常の労働時間管理の下で、これ三六協定も適用されます。三六協定で定める時間外労働の上限、三六協定で時間外労働の上限を労使で決めなければいけないわけでございますけれども、その時間外労働の上限規制のみを適用除外するものでございます。これまでどおり三六協定で時間数は決めていただく必要はございますし、また、その割増し賃金の支払も必要でございます。 他方で、高度プロフェッショナル制度でございますけれども、これは自律的で創造的な働き方を可能とする選択肢を設けるという観点から、先ほど申し上げましたような健康確保措置を講ずることを前提に通常の労働時間規制の適用を除外するものでございます。 このように、両者の制度設計あるいは対象となる方の働き方が異なるために、それぞれの制度に適した健康確保措置を講ずることとしているところでございます。 新技術、新商品の研究開発業務については、休日、休憩、割増し賃金の支払、そうしたことも含めまして、通常の労働時間規制の下に置きながら、三六協定によります時間外労働の上限規制のみを適用除外しつつ、その分、一般労働者よりも医師による面接指導を厳格に行う、そういうこととしているものでございます。
○薬師寺みちよ君 だから、上限規制がないから困るんではないんですか。 今回は、過重労働を防いでいこうじゃないか、過労死というものをこれ以上一人でも生んではならないという下の中で行われていたわけです。だから、今まで除外されていたからこれからも除外していいだろうという議論では私はないと思います。しっかりと皆様方の健康確保措置していくためには一体何が必要で、どのようなことを今検討されているのか、そこが私は重要だと思いますけれども、局長、いかがでいらっしゃいますか。しっかりとした、例えばどのような範囲をこういう業務と呼ぶ、どういう方々にこれを適用していく。でも、御本人が例えばこれは嫌だということで拒否されればこれは適用にならないとか、様々な検討をするべき事項というのが私はあるかと思いますけれども、検討事項、どのようなことがあったのか、教えていただけますか。
○政府参考人(山越敬一君) 新技術、新商品等の研究開発業務でございますけれども、あくまでも三六協定で、労使で時間外労働の上限を決めていただく必要はあるわけでございます。そしてまた、通常の労働時間管理の下に置かれているものでございますので、繰り返しになりますけれども、割増し賃金は必要でございますし、休日なども取っていただく必要がございます。 他方で、この研究開発でございますけれども、集中的にある期間作業を行う必要があるものでございますので、一律に行政指導をしていくことになじみにくいということで、これは労使で時間外労働の限度を三六協定で決めていただく、そういう制度としたところでございます。 いずれにいたしましても、こうした方についても健康確保が図られることが重要でございますので、今申しましたように、罰則付きの医師の面接指導制度を新たに適用することとしたものでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私は、もうちょっと柔軟に考えていただけないかなと思います。例えば、A商品を開発する、だからこの時期だけはこれを適用してほしいけれども、それ以外の時期についてはこれを外す等々のことが必要かと。じゃないと、上限があって上限なしというのが今の現状でございます。 ですから、その上限がない中で、さらに過重労働というものが、特に研究者の皆様方は自分の仕事が好きですから、そこに熱中し始めるとなかなか手が止められない、だから手を誰かが止めてさしあげなきゃいけないんですよ。その仕組みというものがこの中には組み込まれていないから危険だというふうに私は申し上げております。大臣、よろしゅうございますでしょうか。 ですから、健康確保措置もそうなんですけれども、もう少しここの部分というものは再考が必要かと思いますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) これ、三六協定等の設定は当然求められていくわけでありますから、そういった中でいかに、今委員お話あるように、我々も状況を見ながら指導をしていくということが必要なんだろうというふうに思います。 それから、今局長からも御説明しましたけれども、今回は、まず八十時間でこの申出、それから百時間、これは時間外・休日労働、百時間超えた場合はこれは申出なしでやると、これは義務付けをさせていただいておりますけれども、これを義務付けること、そして今回、産業医と産業保健機能を強化させていただいておりますから、先ほどもお話がありました、その機能がしっかりと発揮がされるようにしていく、そうした幾つかの取組を実際に進めていくことによって、今委員御指摘の御懸念がないように対応していきたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 ですから、結局、最後はこうやって産業保健に返ってきてしまうんです、話が。どうやって皆様方を守っていくのかといったときに、じゃ、誰がどのようにどこで何をすると、しっかりそこを定めていただかないと、これを、例えば五十人未満の事業場であればそれができる人間がいない、結局、そこで、産保センターに相談に行こう、でも昨日の公聴会の中でも言われました、産保センターこそ本当に技術力が高いドクターがそこにいて、そこで、自分の現場では見えないけれども、そこを感じながら指導していかなければならない。でも、今はボランティアベースで近くの開業医の先生が来てやっているだけ。これでは話にならないんですよ。 だから、しっかりとその産業医の質をいかに上げていくべきなのか、また次にも私も議論させていただきたいと思いますけれども、健康確保措置というものが今回の働き方改革の肝だと思っておりますので、そこの拡充を更に進めていただくことを私はお願いいたしまして、議論を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(島村大君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時六分散会 ─────・───── 〔参照〕 川越地方公聴会速記録 期日 平成三十年六月十三日(水曜日) 場所 川越市 川越プリンスホテル 派遣委員 団長 委員長 島村 大君 理 事 石田 昌宏君 理 事 そのだ修光君 理 事 馬場 成志君 理 事 山本 香苗君 理 事 小林 正夫君 小川 克巳君 宮島 喜文君 三浦 信祐君 浜口 誠君 石橋 通宏君 倉林 明子君 東 徹君 福島みずほ君 薬師寺みちよ君 公述人 三州製菓株式会 社代表取締役社 長 斉之平伸一君 日本労働組合総 連合会埼玉県連 合会事務局長 佐藤 道明君 埼玉総合法律事 務所弁護士 高木 太郎君 労働衛生コンサ ルタント事務所 オークス所長 竹田 透君 ───────────── 〔午後二時開会〕
○団長(島村大君) ただいまから参議院厚生労働委員会川越地方公聴会を開会いたします。 私は、本日の会議を主宰いたします厚生労働委員長の島村大でございます。よろしくお願いいたします。 まず、本日の地方公聴会に参加しております委員を紹介させていただきます。 私の右隣から、自由民主党・こころの石田昌宏理事でございます。 同じくそのだ修光理事でございます。 同じく馬場成志理事でございます。 同じく小川克巳委員でございます。 同じく宮島喜文委員でございます。 日本共産党の倉林明子委員でございます。 希望の会(自由・社民)の福島みずほ委員でございます。 次に、私の左隣から、国民民主党・新緑風会の小林正夫理事でございます。 公明党の山本香苗理事でございます。 同じく三浦信祐委員でございます。 国民民主党・新緑風会の浜口誠委員でございます。 立憲民主党・民友会の石橋通宏委員でございます。 日本維新の会の東徹委員でございます。 以上の十四名でございます。 なお、無所属クラブの薬師寺みちよ委員でございますが、都合により到着が遅れておりますので、到着後、改めて紹介をさせていただきます。 次に、公述人の方々を御紹介申し上げます。 三州製菓株式会社代表取締役社長斉之平伸一公述人でございます。 日本労働組合総連合会埼玉県連合会事務局長佐藤道明公述人でございます。 埼玉総合法律事務所弁護士高木太郎公述人でございます。 労働衛生コンサルタント事務所オークス所長竹田透公述人でございます。 以上の四名の方々でございます。 この際、公述人の方々に一言御挨拶申し上げます。 皆様方には、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 当委員会におきましては、現在、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案の審査を行っておりますが、本日は、両案について皆様方から貴重な御意見を承るため、当地において本公聴会を開会することとなった次第でございます。 川越市は、農業、商業、工業のいずれの分野においても埼玉県において屈指の産出・取引額を誇るなど、バランスの良い産業構造を持っている点も当地で開会する理由の一つでございます。こうした特色も踏まえながら、皆様方から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の両案審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、本日の議事の進め方について申し上げます。 まず、公述人の方々からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、御発言の際は、その都度、委員長の指名を受けてからお願い申し上げます。また、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、これより公述人の方々から順次御意見をお述べ願います。 まず、斉之平公述人にお願いいたします。斉之平公述人。
○公述人(斉之平伸一君) 本日は、発言の機会を頂戴いたしまして、誠にありがとうございます。 私は、三州製菓株式会社代表取締役社長斉之平と申します。よろしくお願いいたします。 先生方には、常日頃より、日本企業が競争力を高め成長していくため、そして社員が安心して力を発揮できる環境整備として様々な労働施策を議論、導入いただきまして、誠にありがとうございます。 企業が環境の変化に対応しつつ成長を続けていくためには、一人一人の従業員のニーズを把握し、誰もが生き生きと働ける企業にしていくことが非常に重要だと考えております。そのような観点も踏まえまして、今回の働き方改革関連法案の内容のうち弊社や地方企業に影響がある点について、弊社の働き方改革に対する取組と併せて意見を述べさせていただきます。 弊社は、煎餅とパスタスナックを製造し、テーマパーク、菓子専門店へOEM販売している会社でございます。 弊社では、働き方改革は女性活躍推進からスタートしました。 私は、次代を担う人材を育成する学校教育が日本にとって大切と考え、若いときから学校の現場を訪れ、改革の議論をしてまいりました。実際に学校へ行きますと、女子生徒が一生懸命勉強して、成績が良く、生徒会長になる女子生徒もいて、リーダーシップを発揮していました。ところが、日本では、学校を卒業し、会社に入ると、男性の補助的な仕事しか与えられない、昇進するのは男性ばかりという現状でした。 私は、男性正社員中心の会社を改め、女性が活躍できる会社をつくろうと改革を進め、埼玉版ウーマノミクス推進委員会座長も務めさせていただきました。 女性が活躍するには、残業をゼロにし、有給休暇取得率を一〇〇%にするなど、ワーク・ライフ・バランスの推進が大切です。社内には、残業ゼロ、有給休暇取得率一〇〇%のポスターを掲示してあります。社長の私と従業員から選ばれた男女共同参画推進委員会とが協力し、ワーク・ライフ・バランスの実現に向かって推進しております。 私は、働きやすい、働きがいのある職場をつくるには、社長、役員の意識改革が重要であり、社長、役員のリーダーシップがあれば、スピードを持って働き方改革を進められると思っております。 時間外労働の規則について、規制について、今回の改正で、これまでは実質無制限に時間外労働が可能となっているものを、絶対に超えることができない上限を法律に設けることは非常に重要なことであると存じます。 弊社においては、先ほどお話ししましたとおり、社長の私と従業員から選ばれた男女共同参画推進委員会とが協力し、残業削減を進めております。そのために、例えばノー残業デーを設定する、残業ゼロのポスターを掲示する、残業をするには上司の許可を必要とするなどの取組を行っております。また、一人三役推進の委員会をつくり、ボトムアップで、助け合い、お互いさまの支援型職場風土の醸成を行っております。一人三役とは、メーンの仕事以外に二つの応援できるレベルのスキルを磨き、忙しく残業になりそうな人、育児などで急に自宅に帰らなければいけない人の仕事を進んで引き受ける取組です。そのようにして、支援型の温かい職場風土をつくる改革を行っております。 また、地方企業、中小企業において長時間労働の是正を進めていくためには、個々の会社での取組だけでは困難な面もあります。例えば急激な注文量の増減は事前に十分に話し合うなど、取引先にも御理解や御協力をいただき、業界全体の取引慣行を見直していく必要があり、その是正は容易なことではないということを理解いただいた上で、国としての御支援をお願いいたします。 次に、年次有給休暇の法改正について述べさせていただきます。 今回の法案では、五日間の年休を取得させることが企業に義務付けられることになりますが、この改正を端緒として休暇を取得しやすい環境を整備していくことができれば、ワーク・ライフ・バランスの推進に大きく寄与していくものとなると考えます。 弊社においては、先ほどお話ししましたとおり、社長の私と男女共同参画推進委員会とが協力し、有給休暇取得率一〇〇%を推進しております。そのために、ポスターを掲示するほか、例えば一人一人の五日間連続有給休暇取得を年二回計画し、社員全員で共有化しております。その結果、最近では有給休暇取得率は八九%まで上がってきております。時間外労働の件と同様に、この問題においても、商慣行の見直しなど業界全体での動きも重要です。 最後に、同一労働同一賃金についてです。 一人一人が抱えている事情は様々であり、正社員以外の有期やパートタイムといった働き方を選択される方も多くいらっしゃいます。地方においては、人材不足の問題はどの企業も感じているところであり、そういった方に働いていただくことで何とか業務が回せているところも多いと感じております。企業としては、そういった方にモチベーションを高く持って働いていただけるように環境整備を行っていきたいと考えております。 そのため、弊社では、従業員満足度調査を年二回行っており、意見、質問を積極的に受け付けております。要望の高い事項はいち早く改善し、従業員の満足度、モチベーションの向上を図る職場風土の改革を行っております。 さらに、弊社では、パート社員の正社員化を進めており、現在、女性正社員の二七%がパート社員より登用した方々です。その中から係長になり、課長になった人もおります。 このように、有期労働者、パート労働者のモチベーション向上の観点から、今回の同一労働同一賃金の規定が設けられ、不合理な待遇差の見直しを図っていくことは非常に意義あるものです。 働き方改革は企業にとっても重要な課題であり、進めていかなければなりません。今回の働き方改革関連法案の内容はいずれも重要な内容であると理解しており、先生方におかれましては、引き続き前に進めていただきますようお願い申し上げます。 しかしながら、本法案による改正内容は非常に広範かつ企業実務への影響が大きいものです。企業にとっては大きな負担であり、実際には相応の時間が掛かることを御理解、御配慮いただいた上で、例えば取組に積極的な企業を表彰するなど、働き方改革を行う企業を後押しするような御支援についても併せてお願い申し上げます。 以上になります。ありがとうございました。
○団長(島村大君) ありがとうございました。 次に、佐藤公述人にお願いいたします。佐藤公述人。
○公述人(佐藤道明君) 私は、日本労働組合総連合会埼玉県連合会事務局長の佐藤でございます。 本日は、意見を述べる機会をいただき、誠にありがとうございます。 初めに、埼玉県の取組について少し述べさせていただきます。 埼玉県では、行政、労働団体、経済団体の代表者が雇用、労働の課題に対する認識を共有しながら効果的な解決策を検討するため、平成二十八年二月に埼玉県公労使会議を設置をいたしました。会議の構成は、埼玉県、厚生労働省埼玉労働局、埼玉県経営者協会を始めとする経済五団体、そして連合埼玉でございます。 公労使会議設置から約一年の議論を経て、非正規雇用、非正規労働者に対する対策及び働き方改革に関する共同宣言を作成をし、平成二十九年二月に関係八者が署名をし、次の取組を連携して進めることを宣言をいたしました。 内容は大きく二つに分かれますが、一点目は公労使が共同で行う取組です。 一つとして、経営者への働きかけです。非正規雇用対策や働き方改革の取組の実効性を高めるため、経営者に対して意識改革、行動変革を進めるよう強く働きかける。 二つ目に、労働者への働きかけです。非正規雇用対策や働き方改革の取組を進めていくためには労働者自らの取組も不可欠であることから、労働者に対して意識、行動の見直しを進めるよう幅広く働きかける。 三つ目には、実態把握、機運の醸成です。不本意非正規や長時間労働等の実態、効果的な取組事例を調査、分析、公表することにより、非正規雇用対策や働き方改革に関する機運を埼玉県全県に広める。 四つ目には、取組状況の確認です。企業等の行う非正規雇用対策や働き方改革の取組が着実に進むよう、定期的に意見交換の場を設け、取組状況の確認を行う。 大きな二つ目としては、公労使がそれぞれの立場から行う取組です。 一つとして、「ストップ!不本意非正規」の取組です。新卒者などが不本意非正規にならないよう、適切な就職支援やキャリアカウンセリング、労働法制等に関する教育に取り組む。 二つとして、多様な人材の活躍支援と安定雇用の確保であります。定年年齢の六十五歳以上への引上げや定年の廃止、育児や介護等を理由とした退職者の正社員復職制度の導入など、意欲と能力のある多様な人材の活躍支援や安定雇用の確保に取り組みます。 三つ目として、処遇改善で働きがいのある職場づくりです。非正規雇用者の処遇改善を進めたり、意欲と能力の発揮を促す雇用管理制度を導入するなど、正規雇用、非正規雇用の別なく、誰もが働きがいを実感できる職場づくりに取り組む。 そして四点目が、正規雇用への登用促進です。個々の労働者の意欲や能力に応じて、正規雇用や限定正社員への登用が進むよう取り組む。 この共同宣言に基づき、非正規雇用対策や働き方改革の推進、働きがいのある職場づくりを目指して、今埼玉県の公労使の中で様々な取組を行い、働き方改革実現に向けてその準備を今進めているところであります。 このような埼玉県公労使会議の取組を通じ、行政や経済団体との連携を進める中で、働き方改革を進める上で必要と考える四点について意見を述べさせていただきます。 一つは、中小企業に関する問題、特に同一労働同一賃金についてであります。 働き方改革という言葉は、ほとんどの経営者が知っています。しかし、現実は何をどうしたらよいのか分からないというのが本音であり、中小企業には難しいという声を多く聞きます。 中小企業は雇用の七割を占めており、特に地方ではその割合は高くなります。法律が実効性を持つためには、中小企業に対する法の周知を徹底しなければなりません。 労働組合として、法に先駆けて非正規雇用労働者の処遇改善に取り組んでおりますが、特に中小企業には労働組合のない企業も多く、同一労働同一賃金の法整備がなされる際には、法の内容の周知徹底に加え、就業規則等の改定に対する支援も是非必要と考えています。 二つ目には、ワークルール教育の必要性です。 労働関係法令が頻繁に改正される中で、新たな法制度や法の内容を理解することは、労働関係のトラブルを未然に防止するためにも重要と考えます。 労働組合がある企業においては、労働関係法令が改正された場合には学習会や周知のパンフレットを配付するなどの取組を行っていますが、労働組合のない企業では、事業主及び労働者自らが知ろうとしなければなかなか最新の労働関係法令にアクセスすることができません。 労働者が自らの権利を知り、守ることができるようにするためにも、ワークルール教育の推進は必要と考えます。 三つ目に、インターバル制度導入に向けた支援であります。 労働時間等設定改善法において事業主に対する勤務間インターバルの努力義務が設けられますが、労働組合において、先行して勤務間インターバル制度導入に春季生活闘争等の機会を通じて取り組んでいます。 しかし、過労死等に関する実態把握のための社会面の調査研究事業報告書によれば、勤務間インターバル制度導入企業は約二%にすぎず、大多数の企業では導入がされていません。今後の導入意向については、導入する予定であると答えた企業が〇・四%、導入の是非を検討したいが八・二%、導入の是非を検討する予定がないと答えた企業は六〇・五%という状況です。 勤務間インターバル制度は過労死等の防止の観点から導入を推進するべきであり、そのための支援が必要と考えます。 また、労働時間について、労使の話合いの機会を整備するため、労働時間設定等改善委員会の設置が努力義務になっています。労働組合のある職場については労働組合が委員を推薦することができますが、労働組合がない職場においては、労働者の過半数を代表する者が推薦することになります。 労働者の過半数を代表する者を適正に選出をし、全ての職場において長時間労働の防止に向けて労使間の話合いを進めていくことが重要と考えます。そのためにも、設置は努力義務ではありますが、労働組合のない職場においても労働時間設定等改善委員会が設置されるよう、国としても支援を行っていくべきと考えます。 四点目が、生産性向上に対する認識についてです。 働き方改革と生産性向上は切り離せない議論です。長時間労働の是正は生産性向上が前提であると口にする経営者は決して少なくはないと思います。中には、労働生産性なのだから労働者が頑張って、あるいは自分でスキルアップしてアウトプットの量や質を上げることが生産性向上であると言わんばかりの論調もあります。 これまで労使で確認をしてきた生産性三原則、雇用の維持拡大、労使の協力と協議、成果の公正分配に基づいた生産性向上の重要性をいま一度社会的合意としていく必要があると考えます。 最後になりますが、本法案は時間外労働に初めて罰則付きの上限規制を導入するなど、重要な長時間労働の是正に向けた施策が幾つも盛り込まれた中で、長時間労働を助長する懸念のある高度プロフェッショナル制度が盛り込まれています。高度プロフェッショナル制度創設については、法案からの削除を強く求めます。 働く者のための働き方改革が実現されることを切にお願いを申し上げ、私からの意見陳述とさせていただきます。 ありがとうございました。
○団長(島村大君) ありがとうございました。 次に、高木公述人にお願いいたします。高木公述人。
○公述人(高木太郎君) 高木です。さいたま市の浦和区で、埼玉総合法律事務所というところで弁護士をしております。労働事件を比較的多く取り扱っております。 本日は、発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。私の発言は、公述要旨というのを配っていただいておりますので、そちらを見ながら聞いていただければ有り難いと思います。時間の関係もありまして、早口になりましたり飛ばし読みをしたりすることもございますが、御容赦いただきたいと思います。 では、意見を述べます。 働き方改革法案の特に高プロ制度については反対です。 高プロ制度について目指されているのは次のようなことと理解しています。しかし、これらのことであれば、現行の労働時間法制をきちんと活用すれば十分実施できることであります。したがって、高プロ制度については、それを立法すべき根拠となる、基礎となる事実、すなわち立法事実が実在しません。にもかかわらず、高度プロフェッショナル制度が導入されようとしています。 これでは、結局、高プロ制度は、残業代を払いたくない、深夜手当は払いたくない、でも、延々と成果が出るまで働いてほしいという経営者の都合の良い期待を実現するもの、自分の会社から過労死を出してもコスト程度にしか考えていないブラック企業を後押しするものに成り下がってしまうと思います。 高プロ制度の濫用の危険について述べます。 従来は、国会の審議で大臣や官僚が答弁すれば、うそやごまかしはないという信頼があったと思います。しかし、森友、加計学園問題を通じて、大臣答弁や官僚の答弁まで、いわゆる御飯論法に代表されるごまかし答弁ではないのかと疑って掛からなければならないことになってしまいました。 裁量労働制の濫用の実態について述べます。 高度プロフェッショナル制度は裁量労働制と類似しています。したがって、裁量労働制に関して、世の中に蔓延している濫用と同じようなことが起こるのではないかということを危惧しています。私の、労働相談を受けたり、事件を受けたり、他の労働事件を扱っている弁護士と情報交換したりする中での実感で言えば、残業代を意図的に未払している企業はかなりの割合で裁量労働制を就業規則に書き込んでいます。 私が今年担当した事件ですが、単なるプログラマーにすぎないのに、会社からは、君には裁量労働制が適用されているからと説明されて、残業代は請求できないものと思い込まされている事案がありました。彼はその後、私たちの法律相談にたどり着いたので、残業代が請求できることが分かり、事件として申立てもできましたが、そもそも、私たちの相談にたどり着かず、そんなものだと思って会社にだまされている人がその背後には何倍、何十倍、何百倍もいるのが現実であります。 なお、裁量労働制については、働き方改革法案の中でもその拡大が企図されていましたが、データ捏造問題の発覚とともに撤回されました。ただ、このどさくさに紛れる形で、裁量労働制の規制を強化する方向の改正、今述べたような濫用の危険を少しでも減少させる方向の改正まで一緒くたに撤回されたことは極めて問題であるので、その点は指摘しておきたいと思います。 私は、高プロ制度についてもこのような濫用の危険が付きまとっていると思います。そのような不心得者は厳しく排除されなければなりませんが、この法案にはそれが欠けています。そればかりか、濫用のやり得になる危険性すら含まれているのではないかと危惧します。 具体的に条文に則して説明します。 一項本文で要件が定められていますが、これについては太字の「決議」と「届け出た」に注目してください。そして「効果」。「この章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定は、対象労働者については適用しない。」。つまり、労働者に対する労働時間の保護を一切適用しないという重大な効果です。ただし書が付いています。「第三号から第五号までに規定する措置のいずれかを使用者が講じていない場合は、この限りではない。」と書かれています。 一項四号には「一年間を通じ百四日以上、かつ、四週間を通じ四日以上の休日を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が与えること。」と書かれています。この「定めるところにより」というのがくせ者です。一項五号本文にも「当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が講ずること。」、そして二項には「措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならない。」とされています。 さて、次のような場合にはどうなるのか。 使用者が当該労働者に対し、一年間を通じ百四日以上かつ四週間を通じ四日以上の休日を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより与えていた。しかし、現実には、百四日の休日のうち三日は出勤してもらった。実際に与えた休みは百一日。同じく、実際の年間休日七十九日。この当該労働者が、私は、年間百四日の休みを与えられていなかったから高度プロフェッショナル制度の適用はないはずだとして裁判を起こした場合、どういう結論になるか。 この条文のままだと、裁判所は、本件では、使用者は当該労働者に対し、一年間を通じ百四日以上かつ四週を通じ四日以上の休日を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより与えていたのであるから、高プロ制度適用の条文上の要件に欠けるところはない、また、同制度は二項で、措置の実施状況を行政官庁に報告しなければならないとして実施状況が一〇〇%でないことは予定しているのであるから、この点から見ても、措置の実施状況が一〇〇%でないことから、直ちにこの制度の適用が排除されるわけではないなどと裁判所に解釈されて、年間百四日の休日を実際に与えていなくても高プロ制度の適用はあるとされてしまう可能性が高いのではないかと危惧します。 年間百四日の休日が実際に与えられていなくてもいいのでしょうか。駄目ですよね。これまでの議論でも、年間百四日の休日は実際に与えられることが前提で議論されてきたと思います。年間百四日の休日を与えるのは絶対に必要だということであればこの条文のままでは駄目で、何らかの解釈を限定する措置をとらなければならないはずです。 運用において、決議や就業規則に反する実態があった場合には遡って高プロ制度の適用を排除するという条文が必要だと思います。法案の修正が必要です。そのような不心得な経営者にはきちんと責任を取らせるためにも、健康確保時間に加えて労働時間の管理も行うことを義務付ける条文を入れることが必要だと思います。これも法案の修正が必要です。 もし法案の修正ができない場合には、せめて審議でこの点を明確に答弁させて、省令にもきちんと盛り込むことが必要だと思います。このような措置がとられていない法案にはこの点だけでも重大な問題があり、反対です。 第三に、衆議院における大臣答弁とも整合しない欠陥法案であることを指摘したいと思います。 加藤厚労大臣は、衆議院の厚生労働委員会の審議において、業務を省令で定める際には、例えば始業時間がどうかとか、時間に関する制約がないようにしていくことを盛り込んでいくことも考えていく必要がある、また同じく、省令の検討に当たっては、業務遂行の手段や時間配分は労働者自らが決定するものであることを明記する方向で検討していきたいと考えており、そうした法文とそうした省令を整備することによって、例えば残業命令が出てくるといった場合には高プロ制度の適用の対象とはならない仕組みにしていきたいとも述べています。実際にできるんでしょうか。省令の限界があると思います。 釈迦に説法ですが、法律の体系は憲法、法律、命令の順番です。命令は、法の趣旨、その委任の趣旨の範囲に含まれていなければなりません。私は、大臣答弁の内容がこの委任の範囲を超えていて、省令では規定できないことを規定するという答弁になっているのではないかという強い疑念を持っています。 法案の条文から見ていきたいと思います。 一項一号で、業務を限定する要件として、高度の専門的知識を必要、それから、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと、この二点が規定されています。時間の制約の問題や労働者の時間や労働の自己管理の問題は一切出てこないのであります。 労働者を限定する要件について、一項二号についても見ておきたいと思います。ここでも、職務が明確に限定されていることと賃金の額しか書かれていません。本件は、主に業務を限定する要件の問題です。 大臣答弁の次の三つの点、これは、いずれも上記A、Bのどこから導き出せるのか。法文ではAとBでしか限定されていない職務に省令で勝手に上記の三つを盛り込むことができるのか。大臣答弁の要件は法文の中に盛り込むべきことで、法案の修正が必要なんじゃないでしょうか。 御飯論法ではないのかという疑いも感じています。実現できないことを衆議院で答弁したなどということはないのでしょうか。考えたけれども実現しなかった、その方向で検討したが実現しなかった、仕組みにしていきたかったんだけど実現しなかった。賛成、反対の立場にかかわらず、本当に実現するのか、きちんと参議院で審議をしていただきたいと思います。衆議院の審議で大臣が発言したことがきちんと守られるかどうかという民主主義の根本に関わる問題です。与党、野党、法案に対する賛成、反対に関わらない問題であると思います。 参議院の委員会審議でも気になることがあります。 石橋委員の、残業命令が出された場合には高プロ制度の適用の対象とはならない、遡って適用が排除されるということを明言せよという質問に対して、加藤大臣が、適用する対象労働者にしないとか労政審で審議してもらうとか述べ始めているということです。 加藤大臣が衆議院で発言された問題は、業務を限定する要件に係るものです。加藤大臣が言われるように、省令でそれを定めるというのなら、実際に守られなかった場合、例えば残業命令を出してしまったような場合には、そもそもこの対象業務の要件を満たさなかったものとして、この企業のこの業務に関する高度プロフェッショナル制度の適用は認められない、最初に遡って適用されていないことになるということを省令に書き込まなければ、加藤大臣が言われたことは実現しません。 そして、省令づくりを労政審などを口実に先延ばしにしてはならないと思います。このように重大な問題を省令にするのだから、どのような省令の文言にするのかせめてその案を示し、大臣答弁に沿った省令の案はこうだということが示されずに国会審議を終えることは、国会の怠慢であると思います。私は、この点でも高プロ制度に反対です。 第四、最後に一言だけ。 労働安全衛生法改正案についてですが、同時に審議されていますが、いわゆるパワハラ規制法案です。パワハラ対策が喫緊の課題であることから、早期の成立を求めたいと思います。東京、地方を問わず、労働相談を実施すると、パワハラ関連相談が相当の数に及びます。政治の無策は許されない課題です。 御清聴ありがとうございました。
○団長(島村大君) ありがとうございました。 次に、竹田公述人にお願いいたします。竹田公述人。
○公述人(竹田透君) 労働衛生コンサルタント事務所オークスの竹田です。よろしくお願いします。 私は、産業医実務をしているということで今回発言をする機会をいただいていますので、私からは、まず産業医についてその役割や活動に触れさせていただいて、その上で、今回の法案で特に産業医、産業保健機能の強化という部分が関連しますので、その点についてお話をさせていただきたいと思います。 私は、現在、労働衛生コンサルタント事務所を開設していますが、産業医としての経験は、大学卒業後十五年間、専属産業医として企業に勤務し、その後、二〇〇五年から現在の事務所を開設して、健康管理のコンサルティングとともに、複数の会社の嘱託産業医を務めています。 この産業医として仕事をしている三十年近くの間で、産業医というこの名前については非常に社会的な認知が上がってきているという印象があります。しかし、産業医がどのような役割を持ってどのような活動をしているかという点については、産業医実務を行っている医師の間でも十分に共有されているとは感じられない状況にあります。 二〇一五年の九月から二〇一六年の十二月にかけて、産業医制度の在り方に関する検討会が開催されました。私もその委員として参加させていただきましたが、これに関連する資料が事前配付の資料の三十八ページ以降にあります。 その第二回の検討会の際に、「求められる労働衛生管理について」というテーマでプレゼンする機会をいただきましたが、その資料ですね、特に四十一ページ、四十二ページのところを見ていただくと、「産業保健活動の目的」、「産業医の役割」というのがあります。それについて検討会の委員の間で確認した上で、この検討会を進めさせていただきました。 ここにあるように、事業者が産業保健活動を行う目的は、労働者に業務による健康障害が発生することを予防すること、労働者の健康状態に合わせた配置を行うことによって健康状態の悪化を予防すること、労働者の健康増進を図ることで労働者が安全で健康に業務を行えることに加え、生産性の向上に寄与することの三点に集約できると思います。 一方、産業医の役割については、就業に関する医学的な判断、健康障害リスクの評価、健康障害要因への予防的なアプローチ、そして、労働、健康へのポジティブなアプローチの四つのポイントが挙げられると思います。 この目的と役割に沿って産業医活動を実践していますが、その中心となる活動は「健康障害リスクの評価」のところに例示してある、健康診断や職場巡視を行って、働く人、働く場、あるいは働き方のリスクを評価して、健康障害要因への予防的なアプローチを行うことになります。健康診断の結果については、就業に関する医学的な判断を行うことも重要な活動になります。 これに関しては、事前配付資料の四十七ページからのところに、「健康診断の事後措置、就業区分判定と産業医の役割」という資料に具体的なその進め方を書かせていただいていますが、その中にも触れているんですけれども、働いている人の中には様々な病気の治療をしながら仕事をしている方も多く、治療と職業生活の両立支援という観点からも、健康診断の事後措置は非常に大切だと思っています。さらに、産業医の視点から見た両立支援についての解説も併せてこの資料に付けさせていただいています。 この健康診断を通した日常的な健康管理という基礎の上に、メンタルヘルス不調やがんを始めとした傷病で治療を受けている方々の復職あるいは就業のサポートをしたり、長時間労働をした方やストレスチェックで高ストレスと言われた方の面接指導などを行っています。 この産業医としての、長時間労働による健康障害の防止にどのように関わっているかというと、対策の中心となる労働時間管理と健康管理のうち、もちろん健康管理を担当しているわけですが、やはりその基礎となるのは健康診断の事後措置です。 労働安全衛生法に基づいて、少なくとも年に一回は健康診断を受診することになっていますが、その結果で治療が必要な病気があったり病気があることが疑われたり、あるいは治療中となっていてもコントロールが不良な場合は、労働時間に限らず、強い労働負荷が掛かった場合に重篤な状態になる危険性も含まれています。そのため、御本人に対して医療機関に受診することを勧奨したり、主治医と連携を取って治療状況を確認すること、そして、必要に応じて事業者に就業を制限すべきといったような意見を出すことがあります。 このような基礎的な健康管理活動に加えて、事業場ごとに決められている一定の時間外労働を行った労働者に対して面接指導を行って、その場で改めて健康状態を評価して、就業に関する医学的な判断を行って、そのまま就業可能な健康状態か、あるいは制限すべき状態かといった意見を伝えています。 さて、今回の法案で産業医、産業保健機能の強化が取り上げられていることは、前半にお話しした産業保健活動の目的を果たすことや産業医の役割を実践する上ではプラスになるのではないかと考えています。例えば、事業者は、産業医の勧告を受けたときは、その勧告の内容などを衛生委員会や安全衛生委員会に報告しなければならないという勧告権の強化は、特に嘱託産業医にとって大きな意味を持っていると思います。 通常、産業医業務を行う中で、労働者の健康障害を防ぐために改善などが必要だと考えた場合には事業者に対し指導、助言を行いますし、健康診断や面接指導の事後措置では、産業医が意見を述べて事業者に対応を求めます。多くの場合、指導や意見に基づいて事業者が対応しますけれども、産業医の指導や意見を取り入れない状態のままで健康障害リスクが高い状態が続いたり、あるいは法令違反の状態が改善されない場合は、産業医は法に基づく勧告をすることになります。 専属産業医の場合は、健康管理上必要な対応を事業場内で自ら主導して改善を図ることもできる立場ですので、勧告に至ることがなく済むことが多いと感じています。一方、嘱託産業医の場合は、事業場で活動する時間にも制約があって、自ら改善を主導することも困難なため、勧告に至ることもあります。しかし、事業者によっては勧告を受けても特に対応を行わないままで放置することもあり、衛生委員会などへの報告義務は一定の歯止めになると期待できます。 一方で、このような産業医の勧告権の強化を始めとして、産業医の役割が大きくなるとともに責任が大きくなることに不安を感じる産業医も少なくないのではないかと思っています。専属産業医を始め産業医学を専門としている医師はこのような不安は感じないと思いますが、クリニックを開業して診療している傍らで嘱託産業医をしている医師が圧倒的に多い中で、就業に関する意見や勧告を行うに当たって医学的判断が妥当かどうか不安になることはあると思います。 その背景には、産業医制度ができてからかなりの時間が経過して、長時間労働対策やメンタルヘルス対策など産業医が取り組む事項が非常に多くなっている中で、日本医師会の認定産業医制度はあるものの、実務能力を高める研修プログラムが極めて少ないことが要因の一つになると思っています。 しかし、産業医である以上、法令に定められた役割を果たす責任はありますし、今回、「産業医は、労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識に基づいて、誠実にその職務を行わなければならない。」という条文が追加される法案になっていますが、実情を考えるとやむを得ない部分があると思います。 産業医として、その役割を果たすための研さんを積む必要があるのは当然のことと思います。一方で、今後、産業医の実務能力を高めるプログラムの提供もされることが必要だと感じています。この点については、産業医の報酬の問題も併せて、事前配付資料の「今後の産業医活動はどう変化するのか」という文章に触れておきましたが、先ほど御紹介した産業医制度の在り方に関する検討会報告書の中でもこの研修プログラムの話については触れられています。 最後になりますが、職域において健康管理を行うに当たっては、問題を早期に見付けて早期に対応する、第二次予防という言い方をしますが、それや、傷病を有する労働者の職場復帰支援といった第三次予防も重要な取組です。それ以上に、健康障害の要因への暴露を減らし、健康障害を未然に防ぐという第一次予防が最も重要だと考えています。 産業医が積極的に活動できる環境が整備されることも大事ですし、全ての事業者が積極的に産業保健活動の目的を果たす取組をしていただくことが産業医実務を行っている私の希望です。 以上です。
○団長(島村大君) ありがとうございました。 以上で公述人の方々の御意見の陳述は終わりました。 これより公述人に対する質疑を行います。 時間が限られておりますので、御答弁は簡潔に行っていただくようお願い申し上げます。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○宮島喜文君 自由民主党の宮島喜文でございます。 本日は、公述人の皆様、お忙しい中おいでいただき、そして貴重な御意見を本当にありがとうございました。 私の方からは、少し基本になることからお話をさせていただきたいと思います。 一つはこの働き方改革でございますが、これを、皆様御存じのように、少子高齢化の進行、そしてまた働く方々のニーズの変化、こういう多様化が起こってきているということが現実にありまして、その中でやはり我が国は持続的な成長も実現しなきゃいけない、こういうところで今これを取り組んでいるわけでございます。 そんな中で考えますと、やっぱりイノベーションを起こさなければ生産性の向上が上がらないだろうというところが基本にございますし、働く方々が就業の機会の拡大や意欲、もちろん能力を有効に発揮していただくということも大切だというふうな考えにあるわけでございます。そこで、課題を取り組んでいく中で、現在、これが今問題になっており、これが国の大きな今回その目玉と申しますか、何とかしなきゃということで政府も取り組んでいる中でこの法案は出ているわけでございます。 この時期にこの問題が出たということに関しまして、斉之平公述人さん、また佐藤公述人さんの方からお考えをお聞きしたいと思います。
○公述人(斉之平伸一君) お答えいたします。 今、働き過ぎということで過労死が出ているような状態です。ですから、このようなときに働き過ぎを規制する法案を提出して、私は、社員が働きやすい、働きがいを持って仕事をする、何よりも社員の満足が第一に考えないといけないという考え方です。 ですから、この法案が出ましたので、是非とも、まず三州製菓においてこれを完全に実行していくと。さらに、中小企業の場合はなかなか人材が不足してぎりぎりの人数で行っているということがあります。ですから、是非、全労働者の七〇%が中小企業で働いていて人数が非常に多いわけですから、例えば商工会議所とか商工会とか様々な経済団体を通じて、法律ですから、全ての労働者にこの考え方が行き渡るよう、全ての中小企業にこの考え方が行き渡るようにしていただけたら有り難いと存じます。 以上です。
○公述人(佐藤道明君) 今お話がありましたとおり、我が国については、少子高齢化が進み、そして人口減少、労働力人口も減っていくということだと、戦後、私どもが経験をしたことのない世の中をこれから迎えるという時代だというふうに思っています。そういった中では、働き方についても斬新に見直しをしていく必要があるというふうに思っています。 そういった中で、今回の働き方改革については、私ども連合としても多くの中身については十分理解をし、また、私どもも運動の中で求めてきた中身も幾つもあるというふうに思っています。先ほど申し上げましたとおり、高度プロフェッショナル制度についてはいかがなものかということは再度申し上げておきたいというふうに思いますが、先ほど公述させていただいた中でも、働き方改革の準備、これを踏まえた中で、私ども、埼玉県の中でもしっかりとその準備を今させていただいているということであります。 斉之平さんからも今話ありましたけれども、埼玉県、九九・七%が中小・小規模事業所であります。やはり、日本が更に活性化をし進んでいくためには、中小企業が元気にならなければやはり日本の活性化はないというふうに思っておりますので、是非引き続き参議院の中でしっかりとした議論を行っていただければと思います。 以上です。
○宮島喜文君 ありがとうございました。 今お話を聞きますと、基本的に、今この時期に取り組まなきゃいけない問題だという認識は、企業の側でも働く方々にとっても同じ認識であろうと私は理解しております。 いろいろ問題はまだありますけれども、そういう中で斉之平公述人にお聞きしたいんですが、実際、先ほど少し、最初のときにお話がございましたが、女性の働き方、女性の社会での働き方を企業でつくってきたという業績がある、そしてそこで生まれてきたものが幾つかあるというようなお話だったと思います。 私は、その今の中で、やはり、中小企業が多い、確かに中小企業がきちんとできればこの働き方改革もいろいろな意味でプラスになることが多いと思うわけでございますが、今までの御経験を踏まえて、やっぱり、行政とのつながりに関してどうもお話がなかったわけでございますが、本当に企業が、単独企業で頑張ってそこまでできるのかなという思いがいたしましたし、逆に言いますと、経営という問題だと非常に厳しいということを幾つもお声をいただいている中で、こういうことが実現できるそのコツは一体何なのかというのをもう一回お聞きしたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○公述人(斉之平伸一君) 労働人口が減少している中でやはり女性それから高齢者が更に活躍していただくということは、特に中小企業の場合は募集しても人がなかなか集まらない、大企業の方に人材が行ってしまうということがありますから、結果的に女性そして高齢者に働いていただくということが不可欠になってきております。 そうなりますと、私は、ワーク・ライフ・バランスを進めていく、働きやすい、残業をできるだけ少なくして育児中、介護中の女性も無理なく仕事ができる、またキャリアを継続できる、女性が働きやすい職場、活躍できる職場をつくることが大事で、そのためには社長とか役員が先頭に立って進めないと、どうしても女性の活躍というと管理職比率を、女性を増やそうとすると男性が管理職になるチャンスが減ってしまうということで、今までの男性正社員中心の会社から女性の活躍を進めていこうとすると社内でもなかなか抵抗がありますので、そこを押し切るためには社長がリーダーシップを取ることが何より大事だと思っております。
○宮島喜文君 ありがとうございました。 時間もございませんが、やはり男性女性いる中で女性というのが半分いるんだから、この女性を基本にした考え方を一つ持つことが大切だということをお聞きしたような気がいたします。もちろん、リーダーシップを取る方に懸かっているということも事実であるということも認識させていただきました。 ありがとうございました。
○小川克巳君 自民党の小川克巳でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ちょっと時間が限られております。早速お尋ねをしたいと思いますけれども、竹田公述人にお伺いいたします。 今回の働き方改革関連法案に関しましてのキーワードといいますと、成功のキーワードですけれども、要するに労働時間の把握を中心としたいわゆる健康確保措置だろうというふうに思っております。ただ、そこら辺の縛りが法案の中に明確にされていないということが御指摘をいただいたところだろうなというふうに思っておりますけれども、そういう意味で産業医の機能が強化されたということでございますが、先ほどお話しいただきましたように、強化されたことによって、逆に嘱託医、専任医という中で不安を持っているところというのが結構あるんだというふうなお話でございましたが。 私の方からお尋ねをしたいのは、そうした機能を求められたときに十分に果たし得る、要するにマンパワーの問題と地域偏在の問題と両方あるのかなというふうに思っておりまして、そこら辺のことについて、特に埼玉県は事業場の数が全国五位だということで一つの大きなひな形になるのかなというふうに思いますので、そこら辺も含めて少し見解をお話しいただければと思います。
○公述人(竹田透君) マンパワーに関しては、私も数を十分把握しているわけではなく、私自身は産業医の実務をやっている者ですので、全体は分かりませんが、聞いている範囲では、例えば日本医師会の認定産業医の資格を持っている先生方で五十人以上の事業場をカバーするのは可能かなというふうには思っています。 ただ、この今回の前にストレスチェック制度が導入された際に、やはり産業医としてそれに対応するのが技術的に難しいから産業医を辞めたいという先生がいるという話は少なからず聞いておりますので、そこをサポートするような仕組みがないと、また今回そういった方向になっていくとマンパワー不足が起こってくるんではないかという危惧が、これは私の私見であります。
○小川克巳君 ありがとうございます。 引き続いてお尋ねをしますが、特に慢性疲労は本人も自覚しづらいということが言われていますけれども、そうした、要するに本人が自覚していない、手挙げして自分で尋ねてくるとかいうふうなことであると問題解決は比較的簡単なんだろうと思いますけれども、そうした、自分自身で気付かない、自覚がないといった方々の疲労度合いというものをきちんと産業医として把握、まあ事業主と連携が必要でしょうけれども、そこら辺の何か対策といいますか、そういったものがあるのかということ、そこを一つお尋ねします。
○公述人(竹田透君) 自分自身で気付かれていないときは御自身から申出はないということになりますので、一番期待されるのは、職場で管理をしている管理職の方がその部下の方の様子を見ていて、それを産業医につないでいただくということです。そうすると、それに対しては、管理職に対する教育が事業所の中でしっかりできていることが重要になると思います。
○小川克巳君 ありがとうございます。 先ほど、佐藤公述人、それから高木公述人も共通して皆さんおっしゃっていたんですけれども、意識啓発というか意識改革が必要だというふうなことでお話をいただきました。私もそうだと思います。これは、事業主の意識改革だけではなくて、むしろ労働者側の意識改革の方がどちらかというと大事なのかなと。要するに、労働者の権利としてもう少し強く訴えていくというふうな姿勢があってもいいのかなというふうに思うんですが、そういう意味でワークルールの教育ということも触れられたんだというふうに思っております。 そこら辺に関しまして、佐藤公述人若しくは高木公述人の方からあえて御見解をお願いしたいんですが。
○公述人(佐藤道明君) 私ども、日々労働相談を受けております。年間六百件ぐらいある中で、いろいろなやはり労働相談を受けておりますけれども、やはり経営者の皆さんがある意味、労働基準法を理解をされていないという状況もありますし、一方で、労働者も労働基準法を理解はしていないということがあると思います。 我が国において、新卒採用された方が最初から経営者で入るということは基本的にはないというふうに思います。ですので、スタートは皆さん労働者で入るわけですから、だとするならば、教育現場においてしっかりと労働法について学ぶ必要があるということの中で先ほどワークルールの話をさせていただきました。 それからもう一つ、労働者なり企業の変革が必要だという部分につきましては、やはり今、企業の中でいろんな昔からの風土が残っているかというふうに思います。例えば、仕事が、今日やらなくていいものを、みんなが残っているから残らなきゃいけないのかなという風土がまだ残っているというふうに私も思っています。やはりそういったものをしっかりと一掃した中で新たな企業風土をつくっていく、これは労使でつくっていくというふうにやるものだと思っています。 以上です。
○公述人(高木太郎君) 御指摘ありがとうございました。私も全くそのとおりだと思います。 ワークルールの問題は、やはりなかなか労働者が権利を自覚するというのも、私たち、労働者の方に伝えていきたいと思っているんですが、なかなか実現しません。そこでたどり着いたのがやはりワークルールで、小学校、まあ小学校といいますか、中学校、高校からきちんと皆さんに教えていくということを十年、二十年、三十年続けることで初めて社会が変わるのかなというふうに思っております。 そういう意味では、是非ワークルールの法案についても通していただきたいなというふうに思っております。よろしくお願いします。
○小川克巳君 ちょっと時間が来ておりますけれども、斉之平公述人の会社の方ですが、非常に立派な表彰、認定、そういったものを受けられておりまして、元始、女性は太陽であったというふうなことをよく言われますけれども、女性がにこやかにというか、いつもほほ笑んでいられる社会というのはきっといい社会なんだろうといつも思っております。この辺りで少しお伺いしたい部分もありましたが、ちょっと時間が来たということですので、残念ですが、ここで終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐でございます。 今日は、公述人の方々には本当に貴重な意見を頂戴しまして、ありがとうございました。早速様々質問させていただきたいと思います。 まず最初に、斉之平公述人と佐藤公述人の二人にお伺いしたいんですけれども、まず、斉之平社長のところの会社では、女性が活躍をして、そして残業をなくして、有休一〇〇%、まさに我々が理想とする社会をそのまま実現をしようということで取り組まれていると思います。その中で、残業をさせない、またしなくてよいという制度をまずどのようにしてつくり上げられたのかなということが一番重要になってくると思います。 なぜかといいますと、この社会においては、過労死をなくすということで上限規制を掛けるということ、一方で、残業ができないような方も就労がそのまま継続できる社会をつくっていこうという位置付けになります。社長のような会社がほかにも広がっていくということも含めた上で、是非その辺の御示唆をいただきたいと思います。 加えて、不合理な格差をなくすということもこれは重要な点であると思いますので、残業ができる人とできない人というのが共存する中で企業経営をされているというその視点も是非お願いしたいと思います。 また、佐藤公述人には、その観点から、労働者側から見てどういうイメージを持たれるかということ、ここについてお話をいただければと思います。
○公述人(斉之平伸一君) 残業ゼロについては、私とそれから男女共同参画推進委員会で進めています。 まず、社長のリーダーシップがないと中小企業というのは進まないし、社長が例えば朝礼で訓示をしてもそのとおりになるわけではなくて、やっぱりボトムアップで委員会をつくりまして、各職場から選ばれた委員が集まってルールを作っていくと。それで、就業規則の改正が必要な場合は私の方に進言しますが、すぐにそれはオーケーということで、実態に合った仕組みが、制度ができています。 それから、そのことを例えばポスターなどで残業ゼロにしていこうということを周知していますし、従業員に対して満足度調査、匿名でアンケートを年二回やって様々な問題点を吸い上げています。それと、在宅ワークも、特に育児中の女性の場合は、出社するのが難しい場合は自宅でパソコンで仕事ができるような仕組みをつくっていくということとか、ノー残業デーをつくったり、それから一人三役といって、先ほどもお話ししましたけど、残業しそうだと、今日、という場合には周りの人で手伝える人は応援してあげると。ですから、できるだけ仕事を共有化して、情報も共有化して、忙しい人、また育児中で早く帰らないといけない人、これを支援するような職場づくりが大事だと思っています。 ともすれば、セクショナリズムになってしまうと。製造は製造だけ、営業は営業だけ、自分の仕事、経理は経理だけという形でセクショナリズムになりがちですが、私は困っている人がいたら助け合うと。そのような職場だと非常に温かな職場になりますから、定着もよくなりますし、私も非常に会社へ行くのが楽しいと。 職場の雰囲気も、私も、そのような職場ですから一切怒ったことはないです。社員に聞いていただいても、社長が怒ったことは見たことがないということで言ってくれると思います。そのような職場をつくると、社長も仕事をするのが楽しいです。社員も楽しくなるということにつながりますから、残業を減らそうということも協力してもらえると。 それから、あともう一つが不合理な格差ですが、これも、例えばパート社員と正社員との格差ですよね。これはなくさないといけないと思っていますので、私は、子育てが終わって時間的に余裕がある人はフルタイムで正社員で働いてもらっています。実際は、そういう女性、能力が高いですから、正社員にするとすぐに力を発揮して、係長になり、また課長になるということで、一切、パート社員で採用したからずっとパートのままということじゃなくて、時間的に余裕ができたら、また能力があればすぐに引き上げると、格差をなくしていくということが私は大事だと思っています。
○公述人(佐藤道明君) まず、残業をどうやってゼロにしていくのかということを含めてですが、やはり一日の労働は八時間、残った十六時間は家族との時間であったり本人の時間であったりということだと思っています。つまり、ディーセントワーク、働きがいのある人間らしい仕事、そしてワーク・ライフ・バランス、こういったものをしっかりと受け止めながら経営者も労働者も考えていく必要があるんだというふうに思っています。 ただ一方で、時間外労働、これは余り私どもが言うことではないのかもしれませんが、やはり時間外労働、残業代自体が生活の一部になっていることも事実だと思います。それを、時間外労働を減らすことによって収入が減るということ、そのことについて、当然モチベーションが下がるということにもなってきます、全てではないとは思いますが。やはり働きがい、やりがいを持てる企業の中で、職場の中でということで考えるならば、先日、電子部品の大手のメーカーさんが、浮いた残業代を賞与に上乗せをしてということ、やはりこういった企業の取組が私は必要だというふうにも考えています。 そして、残業ができる人とできない人、ここをどう考えるかですが、これは、やはりいろんなハンディキャップの問題であったりだとか、又は家庭の御事情があったりだとか、どうしてもできない時期があろうかと思います。そういったときには、企業の中で同じ働く者が、そして経営者も含め、お互いにそこをカバーして乗り越えていくということが必要だというふうに思います。 以上です。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 次に、先ほど斉之平公述人からは、この取組に関しては個々の企業では難しい、要は業界として全体として取り組んでいかなければいけない、話合いが重要であるということをお話をいただきました。 具体的にどう取り組まれてきたかということと、我々が今回法律を議論していく過程にあって、どのように行政も、また法的体系としても整備をしていくことになっていくのかなということが大変重要なことではないかなというふうに思いますが、これについて御意見をいただければと思います。
○公述人(斉之平伸一君) 残業になる場合は、受注量が変動が大きい場合ですよね。そういう場合に残業になりがちになります。そしてまた、受注量が変動しても、それが前もって分かっていたらあらかじめ準備するということができるわけですが、急に増えたりしますと残業になってしまいます。 そうしますと、私は、仕入先様がそのような無理な受注で残業になって困っていないかどうかということを年に二回アンケート調査をしています。これは無記名でもいいということにしていて、常に仕入先さんの方で無理な状態になっていないかということを気を遣っていますが、やはりこのようなことは、例えば商工会議所とか経営者協会とか商工会とか、業界全体で無理な発注が行われていないかどうかということをアンケート調査したり、若しくはシンポジウムを開いたりルールを作ったりということが社会全体の残業を減らしていく上で大きな力になると思います。
○三浦信祐君 続いて、竹田公述人にお伺いしたいと思います。 今、人手不足も様々ありますけれども、人生のこの百年時代を構想する中で、ダブルケアの時代もやってまいります。また、先ほどお話もいただきましたけれども、がんであったり疾病を抱えながら生活をしていかなきゃいけないというのも現実であります。 そのような中、労働者としては、例えばがんに特化しますと、その治療をしながら、治ることを一生懸命夢見つつ労働もできるという環境をつくっていかなければいけないというふうに思います。ただ一方で、その手前の段階で、相談することなく、人に迷惑を掛けちゃいけないからということで退職をされる方も決して少なくないと思います。 その中で、まずこの対策という部分で産業医の方はどういうふうに今後アドバイスをしていかなければいけないか、そういう体系が取れるような法体系にしていかなきゃいけないんではないかなという、私、問題意識があります。 加えて、五十人以上の企業と五十人未満の企業では更にこの扱いが、産業医に対するアクセスの問題もあると思いますので、これらについて御意見をいただければと思います。
○公述人(竹田透君) まず、例えばがんの治療に関して、治療を受ける時点でもう既に退職される方が多いという話はしばしば伺います。その点についても、がんになった時点で御本人が社内のサポートのシステムのあることを知っていていただくことが非常に大事だと思っています。 学校でもがん教育が始まっているということで、私も今年度からその教材を使って衛生委員会などで従業員向けにがん教育をするというのを始めていて、従業員の方がよく知っていていただければ、自分ががんと診断されて治療を受けるときに、どこにどういうふうに相談したらいいのか、あるいは治療とそれから職業生活の両立支援の仕組みがあることを知り得ると思うので、そういった社内での啓発活動、それが非常に大きな役割を果たすんじゃないかなというふうに思っています。 それから、あとは従業員規模によって大きく違うということですが、五十人未満の事業場の産業保健サービス、直接産業医を選任している場合はいいんですけれども、選任していない場合、地域産業保健センターなどの利用が可能だということになっていますが、ちょうど私が先ほどスライドの資料を事前にお配りしていた中にもたまたま含まれていましたけれども、利用率は決して良くないというふうに思っています。 そこは、この両立支援に関しても対応するということになっているんですが、実際問題として、現場でも両立支援の相談は少ないですし、認知度もまだまだ低いのかなというところはありますが、一方で、地域産業保健センターの中で支援をしようとすると、もう外から、事業場の中あるいは会社の中のルールを知らない中でサポートしなければいけないということになると、非常に技術的にも難しいですし、十分な対応ができないという印象があります。 ですので、医療機関ではないところで医療の専門家からアドバイスを受けれるチャンスが一度あるというような位置付けでしかないので、そこについてはちょっと方法を改めて考えていく必要があるんじゃないかなというふうに私は思っています。
○三浦信祐君 続けてお伺いしたいんですけれども、今回の法改正の中では、産業医が健康確保措置が必要とされた場合には産業医等は事業者に勧告を行うと、そして勧告内容を衛生委員会に報告することを規定をしております。 そもそもなんですけれども、例えば、長時間労働をした方に対して産業医として面接指導をして、その結果、厳しい内容を事業者に言わなければいけないというケースも出てくると思います。ところが、その雇用主が誰なのかと考えたときに、事業者と産業医との関係というのは極めて重要だというふうに私は思います。 産業医の独立性について今後どう確保していくかということも重要なテーマではないかと思いますけど、御意見をいただければと思います。
○公述人(竹田透君) 産業医の独立って非常に大事なことだと思っています。 現在私が産業医業務を行っている事業場、企業などでは、独立性については保たれた状態で仕事ができている印象があります。 ただ、先ほど私の意見の中でお話しさせていただいた、産業保健活動の目的を事業者が理解せず、あるいはそこを考えずに事業を進めている事業者の方などの場合にはその点非常に不安を感じることは出てきますので、この点、法律上どうしたらいいのかというところは私は専門外ですのでよく分かりませんが、しかし、やはり独立性は保たれる必要がある。そのために私のできることは、事業者にどうして産業保健活動取り組まなきゃいけないのかを十分理解していただき、そして産業医と事業者の関係を十分理解していただくということになるかと思っています。
○三浦信祐君 大変参考になりました。ありがとうございました。
○小林正夫君 国民民主党の小林正夫です。 今日は、四人の公述人の方、本当にありがとうございました。 特に、高度プロフェッショナル制度、これは私、いろんな課題があると、このように思っている人間なんですが、佐藤公述人あるいは高木公述人から貴重なお話を聞かせていただいたこと、改めて感謝を申し上げます。ありがとうございました。 そして、佐藤公述人にお聞きをしたいんですが、同一労働同一賃金、これの今審議をしておりまして、要は、待遇についてどういうふうに周知をしていくのか、これも一つの論議になっております。書面できちんと説明をすべきだ、あるいは口頭でいいんじゃないだろうかと、こういうようなことが今審議の中でやり取りをしているんですけれども、この待遇に関する説明の手法についてどうあるべきかと考えているかということが一つと、先ほど佐藤さんの方から、中小企業も非常に多い県であると、このようなお話がありました。労働者の過半数代表者の選出について、労働組合がない事業所もたくさんあると思うんですが、この課題についてどう捉えているのか、教えてください。
○公述人(佐藤道明君) まず、同一労働同一賃金の待遇についての説明の仕方です。 先ほど労働相談の話も少しさせていただきましたが、やはり労働相談の中で一つのトラブルになる要因は、言った言わないとか、説明を受けたか受けないとか、そういったところがやはり問題になっているわけです。ですので、特に新しくこれからスタートをしようとする中身でありますし、また、数字でどうのという中身ではまた性格上違うと。マルかバツかというだけではなく、場合によってはいろんなこともあろうかと思いますので、是非ここは、やはり労働者からすれば、書面にてしっかりと説明をいただくということが私は必要だというふうに思っています。 そして、労働者の過半数を代表する者の選出、先ほど適正に選出をというふうに私も申し上げました。いろんなところで話を聞きますけれども、やはり経営者が、じゃ、あなたが代表になってくださいというふうに指名をしているケースというのもあるようでございますし、また、しっかりと逆に労働者の皆さんの中で決めているケースもあるということも事実だと思います。 私どもからすれば、逆に労働組合をしっかりとつくるという方が望ましいわけですが、やはりこの代表制、代表者を決めるときには、経営者についてはそこにかかわらずに、労働者の中でしっかりと決め、そして決まったときにはしっかりと労働者の代表として労使の対等な立場で議論をいただくということが必要だというふうに思っています。 以上です。
○小林正夫君 高木公述人にお聞きいたします。 過労死で亡くなった御家族の方からもいろいろお話を聞いております。それで、裁判になると、本当に長時間労働をやったのかどうかというのが非常に裁判でそれを立証するのが難しいと、こういうお話も私承っております。 そこで、今回、柔軟な働き方ということが政府から言われておりまして、兼業だとか副業だとか、あるいはテレワークですね。例えばA社、B社、C社、一日のうちに副業、兼業で働く、ここの労働時間を誰がどういうふうに管理をしていくのか、ここ非常に私ポイントだと思うんです。この質疑もやっているんですけれども、なかなか政府の方から私が納得するような答弁がないんですが、しっかりこの総労働時間を管理していかないといけないんだと思うんですけれども、これはどういう手法でどういうふうにやっていくべきだとお思いでしょうか。
○公述人(高木太郎君) ありがとうございます。 まさに、幾つもの職場に働いている人でなくても、今労働時間が何時間かというのがほとんど把握できないという実態がございます。恐らく昨日の参考人質疑の中でも出たと思いますけれども、例えばパソコンをつけている時間で把握できるじゃないかというふうなお話があったと思いますが、でも、それに対しては、実際の裁判の中では、パソコンがついている間中仕事しているわけじゃないぞということで、そちらの主張が認められてしまうということがあります。そうすると、タイムカードを含めた労働時間の把握義務をきちんと守らせるということがまずスタートになると思います。そこが全然徹底していない段階で複数の働き場所に働く形を広げていくというのは、全く話にならないと思うんですね。 ですから、今あるところできちんと時間管理をどうやって実現していくか、時間管理の義務を果たしていない使用者に対してどのように指導していくかということをまずきちんと定めるところから始めなければならないのかなというふうに思っております。
○小林正夫君 ありがとうございます。 竹田公述人にお聞きしたいんですけれども、ストレスチェック、数年前から始まって、五十名以上の事業所に対しては義務化されていると。先日、この質疑をやったんですが、政府としては、おおむね八割ぐらいストレスチェックができているんだと、逆に言えばあと二割できていないという、こういう状態になっているというお話がありました。 やはり、これから労働密度が高くなって、いろいろ精神的にも苦しいというふうに抱える労働者も多くなると思うんですが、このストレスチェックはこれからも大事だと思うんですが、この一〇〇%完全実施するための課題は何かということと、五十名以下の事業所に対してはどうあるべきだと、この辺について御示唆いただければ有り難いと思います。
○公述人(竹田透君) 八〇%の事業場で実施しているということですが、実施していないところがなぜ実施できていないかというところが詳細に分からないと対応がしにくいかなと思います。 私が関わっているところは幸い全部実施していますし、支店、営業所等五十人未満の事業所を抱えているところでも全社で実施する事業所、会社も少なくないので、ちょっとそこの点については私からは課題がよく分からないというところで、申し訳ありません。 一方、五十人未満の事業場に関しては、ストレスチェック制度の趣旨に沿ってストレスチェックの対応ができるのであれば実施することは望ましいかなというふうに思っています。ただし、個人情報の保護であったりとか不利益取扱いの防止とか、あるいはそこに関わる面接指導をする医師などが十分その制度であったり、人材が確保できればというところが付いてくるかなというふうに思っています。
○小林正夫君 斉之平公述人にお聞きいたします。 先ほど、長時間労働防止に対して、取引先との慣行の見直し、これは政府の方もきちんと支援してほしいと、このようなお話がありました。具体的にはどういう手法がよろしいんでしょうか、お聞きいたします。
○公述人(斉之平伸一君) 先ほど、急な注文という、受注が前もって分かっていたら準備できて残業にならないとお話ししましたが、そのような計画的な例えば発注とか説明とか、そういうことができるように、経済団体、経済団体も商工会議所、商工会、そして経営者協会とかありますし、あと、メーカーだけじゃなくて、メーカーから小売会社、流通会社、そして卸会社とか消費者団体も含めて社会全体でより急な受発注が生じないような方法を考えるための会議をやるとかアンケートを取る、特に大企業を中心にアンケートを、あと中堅会社とかですね、取って、計画的な発注がどのようにしたらできるかということをその業種別に決めていってルール化していくということが必要だと思います。
○小林正夫君 最後に一点、佐藤公述人にお聞きいたします。 長時間労働解消で見てみると、労働災害的にも見てみると、自動車運転手の方の長時間労働が非常に多くて、労働災害も非常に大きくなっている。それで、法案では、法施行後五年後に、一般則を適用せず、年間九百六十時間のものを適用すると、このような今提案になっているんですが、このことに対して御意見を聞かせてください。
○公述人(佐藤道明君) 一言で申し上げます。 私は、一般則を適用するべきだと思います。 以上です。
○小林正夫君 これで終わります。ありがとうございました。
○団長(島村大君) ただいま薬師寺委員がお見えになりましたので、改めて紹介をさせていただきます。 無所属クラブの薬師寺みちよ委員でございます。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠でございます。 今日は、公述人の皆さん、ありがとうございました。 まず最初に、高木公述人にお伺いしたいと思います。 高プロ、我々も委員会の中でいろいろ議論しております。立法事実も本当、ないんじゃないかと、もう十二人に聞いただけで。本当、こういう長時間労働、過労死につながるような働き方というのはやっぱり削除すべきという強い意識を持って議論しております。 今回も、高木公述人の方からいろいろ議論すべき観点、御説明いただきましたけれども、あえて優先順位を付けるとしたときに、どこからまずやるべきだというふうにお考えなのか、今日御説明いただいた中で一つ、二つ、これがやっぱり最初に明確にすべきだという点があればちょっと御教示いただきたいなと。
○公述人(高木太郎君) ありがとうございます。 なかなか難しいんです。弁護士として日常の仕事で必ずという点で言うと、第二で挙げました百四日の休日、これが何日かでも欠けたときに適用しないということは、これは審議の中できちんと、省令で作るということをきちんと決めていただければそうなる可能性も高いかなと思っています。 これは、多分皆さん一致して、高プロって百四日は絶対休み与えるよねという前提で審議されてきたと思うんですね。ところが、私、読ませていただくと、やっぱりちょっと心配なんです。だから、これは一日でも欠けたらばもう高プロじゃないんだと、高プロを適用しないんだということをきちんとしていただくというのがまず一つかなと。 もう一つは、でも、やっぱり物すごく大事なのは、大臣答弁で約束されたことが実現されないというのは、これはもう本当に、ここにも書きましたけれども、与党、野党を問わず共通の民主主義の問題だと思うんですね。だから、本当にその答弁に責任持って実現してくださいと。実現してもらうためには、私は法案じゃなくちゃ駄目だと思いますけれども、法案じゃなくてもできるんだということであれば、じゃ、省令の案文を示して、本当にその案文を盛り込むことができるのか、法制局なりなんなりに確認することも含めてきちんと聞いていただいて、本当にできるのか、じゃ、この方向でこの案文は入れようねということを一致して持っていっていただかないと、本当に高プロが長時間労働、ブラック企業の利用する制度に成り下がると思います。是非よろしくお願いします。
○浜口誠君 ありがとうございました。しっかり議論できるように、最大限取り組んでまいりたいと思います。 そんな中で、今回の法律の中には同一労働同一賃金というのがございます。非正規の方の待遇差を使用者の方が説明しなきゃいけないと、義務化というところまで今回踏み込んでいるんですけれども、ただ一方で、説明の方法は、先ほど来少し議論もありましたけれども、明確になっていないと。 この同一労働同一賃金の法案の課題という面で、高木公述人として、ここはやっぱりちょっと課題だからしっかりと詰めておけよという点がありましたら、お願いします。
○公述人(高木太郎君) ありがとうございます。 同一労働同一賃金は、どこまで具体的に適用ができるかというのがやっぱり肝であるというふうに思います。 ちょっと言葉でここということが今直ちには申し上げられないんですが、具体的な事例に即して具体的な課題で適用できるところをどこまで持っていくかという観点で是非議論をしていただきたいと思います。大変、具体的にと言いながら、抽象的な話で本当に申し訳ないのですが。
○浜口誠君 あと、同じ観点で斉之平公述人、経営者のお立場から、いろいろ女性の方、パートの方の登用とかを進めながら、不合理な格差を解消するために御努力されている、大変すばらしい取組をされているというふうに認識をいたしましたけれども、経営者の立場でいったときに、この同一労働同一賃金の課題、浸透させていくための難しさみたいな点があれば、是非お伺いしたいと思います。
○公述人(斉之平伸一君) 私どもの会社では、既にいろいろ、どのように一致させるかと、同一労働同一賃金にですね、するかということで話し合っていますが、様々な手当があって、例えば、子育て中の方はパートの女性が多いと。そうすると、いろんな意見を聞いてみると、保育所の手当が必要だというと、じゃ、保育所の手当をパートの女性に付けようと。正社員の方は、やはり家族手当とか住宅手当が大事だと。それぞれ立場によって手当がアンケート調査をすると違うので、全部一律にした方がいいかどうかという。例えば家族手当にとっても、あと女性社員は既に御主人が家族手当、住宅手当をいただいているということがありますし、どのような手当にしたら一番公正で従業員が納得するかと。 私は、最終的に、働いている人たちが満足することが第一に考えています。納得性があり、満足すると、そのための手当ということを常に追求していますので、また従業員によく意見を聞いて進めていきたいと思っています。
○浜口誠君 ありがとうございます。社長のような経営者が増えていただくように我々も頑張ります。 ありがとうございました。
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。 今日は、公述人の皆さん、それぞれ本当に貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございます。 初めに、斉之平公述人にお聞きをいたします。 今いろいろやり取りも聞いていただいてお分かりいただいていると思いますが、今回の政府案、高度プロフェッショナル労働制という制度が提案されております。これは、一定の要件、条件を満たせば労働基準法適用除外をすると、そういう制度です。 経営者として、様々な先駆的取組をされているお方として、御社で導入する云々ではなく、今この制度が世の中に、社会に、働く者にとって必要だと思われますでしょうか。
○公述人(斉之平伸一君) 私は、中小企業の立場からお話しするということになりますけど、中小企業で、また私どもの会社でもこれに該当するような社員はいないし、社員からそういう望むということも全くありませんし、中小企業ではこれはほとんど話題にならないと思いますし、私も余り考えたこともないと。まあ私どもの会社とか中小企業には関係がない問題だということで、考えたこともないので、これは主に大企業でグローバルに活動している会社の問題じゃないかと思います。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 佐藤公述人にお伺いをさせてください。 先ほど、小林委員からも御指摘がありました。今日の公述の中でも、やっぱり残念ながら労働組合がない、過半数組合がなくてという話もありました。経営者が一方的に指名しているような実態も見受けられるという先ほどの公述もございましたけれども、じゃ、現場にそれを完全に今後も任せていっていいのか。 今回の法案でも、三六協定が非常に重要になってくる。当然、高プロの場合、裁量労働制の企画業務型の場合も労使委員会の設置が大変重要な役割を果たす。今のままで本当に民主主義的な、民主的な従業員代表の選出、選抜ができるのか。やはり、かつて連合が提案されたような従業員代表制度、しっかりとした法令の縛りが必要なのではないか、その時期に来ているのではないだろうかと思うんですが、御意見あればお聞かせください。
○公述人(佐藤道明君) 本来であれば、労働組合がしっかりとあればいいわけですけれども、残念ながら私どもの力不足だというふうには思っています。 基本的に、例えばいろんな法案等々も、法律でも努力義務というのが数多くありますが、努力義務の効果というのはどのぐらいあるのかということを考えたときに、やはりいろんな意味で、その法律だけではなく、労使自治の中で決めることが多くあるわけですね。特に企業の中にとってはということで考えるならば、そこにしっかりと労使自治をつくるということをやはり何らかの形で国が示すということは私は必要だというふうに思います。 以上です。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 高木公述人にお聞きをします。 今日、私の質疑も採用していただいて、ありがとうございます。問題意識、すごく共有をさせていただきました。 最初にお聞きしたいのは、裁量労働制についても触れていただきました。まさに、今回、政府がデータの偽装、偽造問題で完全に撤回をしてしまいました。現行制度の適正化の部分まで撤回をしてしまいました。大変問題だと私たちも思っていますが、現場で本当に様々な問題に対処されているお立場で、現行の裁量労働制の問題ですね、構造的、制度的な問題、なぜ濫用が可能になってしまっているのか、なぜ過労死まで起こってしまっているのか、いかなる改善が現行制度で喫緊の課題として必要だと思っておられるか、もしあれば是非ここで公述をお願いします。
○公述人(高木太郎君) ありがとうございます。 裁量労働制についても、高プロの法案に抜けているものと共通した問題がやはりあると思います。すなわち、裁量労働制について私が例に挙げたもので、プログラマーであればこれ裁量労働制の適用がないというふうなことを申し上げましたけれども、これがはっきりしたのは京都である弁護士がこの判決を取ってからです。それまでは、条文で書かれているものがどんな解釈なのかということがはっきりしなくて裁量労働制蔓延していました。それが、プログラマーみたいに指示をされて打ち込むだけであればこれは違いますよということになって、初めてプログラマーが裁判で勝てるようになりました。 このように、何であったら適用されるのか、何であったら適用されないのか、そこをもっと明確にするということ、それから、適用されないということになれば、これは遡って適用されないんだということをはっきりさせること、それから、はっきりさせたときに残業代の請求がきちんとできるということになれば、これは多くの弁護士がこの裁判をやることになります。そういうふうにして、裁量労働制のやり得をやっていた人たちに対してきちんと残業代を払わせるということになってくれば、やり得は減っていきます。 そのためには何が必要かというと、裁量労働制であっても労働時間をきちんと把握する義務を使用者に負わせることだと思います。このようなことがそろっていないと、どんどんどんどんこういう濫用が広がったまま過労死もどんどん出てくるという状態が続くと思います。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 今回、高プロ制度も、基本的な仕組みが現行の裁量労働制、労使委員会もそうですし、本人同意の手続もそうですし、援用されております。ということは、まさに御指摘の裁量労働制の問題がそのまま引きずられてしまう懸念がすごく強いんだというふうに思っています。 御指摘いただいた決議違反の場合にどうなるのかという扱いです。私も問題意識を持っておりまして、条文に委任がないんですね、省令委任が。ですから、大臣答弁でも、いや、違反をすれば高プロ適用ができなくなる、だから三十二条、三十七条に戻るんだというふうに言っておられますが、本当に今のままの条文で、あの条文で、省令委任が明確になっていない、決議違反の扱いが何にも書かれていない、このままでそれが本当に可能なんでしょうか、法的に。可能でないとすれば、やはり御指摘のように、もうこれ修正しないと駄目だと思うんですが、重ねてその点、お願いします。
○公述人(高木太郎君) ありがとうございます。 私は、全く可能でないと思っています。これは、法案を修正してできるということを書き込まないと、その要件を書き込まないとこの規制はできないというふうに思います。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 竹田公述人に一点確認をさせてください。かねがねお聞きしてみたいと。 現場で本当に産業医、現場を見られてきた立場で、今回の法案、先ほど公述もいただきましたけれども、大変、産業医、現場の取組が重要になってくると思っています。 例えば、百時間超える残業をやった方、面接指導をされる、果たして面接指導で本当に一〇〇%リスクが分かるんでしょうか。この人はもうこれはこれ以上やらせてはいけない、もう駄目なんだと、それが面接指導だけで分かるものなんでしょうか。先ほどちらっと公述で、いや、これは健康診断があって、ちゃんとした健康診断の結果としてそれが併せて出てくれば何らかつかめるのではないかという意見だったかと理解をしましたが、それがないままに面接指導だけで分かるのか。その人が自分は大丈夫ですと言われたときに、それでも、いや、あなたは危ないと言うことができるのか、教えていただければと思います。
○公述人(竹田透君) まず、面接指導を実施する際には、直近の健康診断結果を併せて見るというのが原則になっていますので、面接指導だけで判断するということは私はしていません。ですので、必ず健康診断の結果を見る。その結果に基づいて、先ほど健康診断の事後措置のお話をさせていただいたときにも言いましたけれども、治療すべき病気があったりとか、治療中でもコントロール不良の状態であれば、そのときにそれに対して治療を優先して就業は制限すべきだという意見を出すことはありますが、当然、それが事前にできていることが望ましいです。 ただ、健康診断の結果があって、じゃ一〇〇%それが予防できるのかというと、決してそうではないと思います。健康診断で知り得る、分かり得る情報と、それから自覚症状として分かる情報、あるいは面接指導の場で見れる情報などで判断するんですが、それだけでは全てが見れている、健康状態全てを評価できているわけではないので、可能な限りの情報を集めて判断するというだけで、一〇〇%ではないと思っています。 また、あともう一点付け加えると、例えば百時間という時間だけではなくて、ほかの要素もたくさん絡んでくるので、時間だけで見ていると、百時間、例えば八十時間を超えていなくても脳・心疾患を起こす方いらっしゃいますし、それが何が大きな原因、要因なのかまでははっきり分からないですけれども、時間だけではない要素があるということも含めて考えております。
○石橋通宏君 重要なお話をいただいたと思います。ありがとうございます。 その点でもう一点だけ。直近の健康診断とおっしゃいました。直近というのは、大体どれぐらいが有効なんでしょうか。例えば、毎月のように百時間、八十時間を超える、面接指導をする、でも直近の健康診断が六か月前、七か月前、八か月前、どんどん古くなるわけです。それでは意味がないというふうに思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○公述人(竹田透君) 意味がないということはないと思うんですけれども、その評価をする上では、新しいデータはあった方が医学的にはもちろんいいのは間違いないと思います。 ですので、その場で取れる、取る必要があって取れることができるんであれば、例えば血圧を測るとかあるいは脈を診るとか、そういったことが、その場でできることは追加することもあります。 ただ、やはりおっしゃったように、最大十二か月ぐらい、もう少し空くことはあるかもしれません。健診を受けた直後だと健診結果が届いていないことがあるので、例えば十三か月前の結果しかないというようなこともあることは確かにあります。
○石橋通宏君 佐藤公述人にもう一点、パワハラです。 今回、我々、パワハラ規制法案を国会へ提出させていただいて、今参議院で併せて審議をいただいておりますけれども、現場でパワハラの被害、様々な分野でこれ、いわゆるパワーハラスメントの被害で本当に大変な状況になっている組合員の方もおられると思いますし、私たちの法案では、いわゆるお客様やユーザー、こういういわゆる過剰クレーマーの対策、規制も含めて、措置を労働安全衛生法で講じるということになっております。 非常に喫緊の課題だというふうに私たちは思っておりますが、現場の労働者、働く者の安心、健康を守っておられる立場で、パワハラ規制の必要性、重要性、どうお考えか、少しお話しいただければと思います。
○公述人(佐藤道明君) 労働相談の中で、ここ数年、やはりパワハラ、そして嫌がらせ、いわゆるハラスメントに関する相談というのが明らかに増えてきています。そういった中で見れば、まさに今、パワハラによって心や体を、体調を崩したり病をということが起こっている状況だというふうに思っています。やはり、労働者が健全な中で労働ができるという環境をいかにつくるかということを考えれば、今回のパワハラ禁止ということ、この法律については当然必要なことだというふうに思っています。 そして、なおかつ、お客様に対してのこのクレームの対応について、これ、実は、私ども連合埼玉が毎年九月に埼玉県に政策・制度要請をしているんですが、こういったことについても埼玉県でも何かしらの対応を取ってほしいという実は政策・制度の要請を昨年出しているんですね。ですので、これも大きな問題になっているんだというふうに思っています。 今回のこの法案については、私は賛成であります。 以上です。
○石橋通宏君 ありがとうございます。 同じ点で、もう一度、高木公述人に。 もしこのままパワハラ規制がないままに、今これは穴が空いたままになっているわけですが、いった場合に、現場の弁護士としていろいろ様々パワハラの被害の問題、対応されていると思いますが、なかなか、力がないままに、材料がないままに対応されることになると思うんですが、改めて、今法規制をすることの重要性、必要性、現場のお立場から、いま一度コメントをいただければと思います。
○公述人(高木太郎君) 弁護士にとって、事件を扱う弁護士にとって、パワハラ被害の特性というのがあります。それは、パワハラによってうつ状態になっていらっしゃる方、もう闘えないんですね。病気を治すのがまず最初になってしまいます。つまり、ほかの事件であれば、その人がやる気になれば是正していく、事件を起こす形で是正していくことができますが、パワハラ被害に遭ってそういう状態になった方はそれができません。つまり、弁護士を通じて是正する道がかなり閉ざされているという特徴があります。 だから、こういう形で法律できちっとやっていただくことが本当に喫緊の課題だと思っています。
○石橋通宏君 ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 今日は、四人の公述人の皆さん、貴重な御意見を本当にありがとうございました。 高木公述人にまずお伺いしたいんですけれど、高プロの危険性ということで、濫用のやり得という御指摘は、本当にそのとおりの危険がある法案になっているというふうに思っているわけです。高プロはもちろんだけれども、法案全体としても前提が崩れている以上撤回は必要だというふうに思っているんですが、改めて、やっぱり与野党を問わず共有すべきだという問題提起は本当にそのとおりだというふうに受け止めたんです。 そこで、具体的にこうしたらどうかという点での提案はできないけれどもということで、具体的にその懸念ということで五ページのところ、資料、御提供の五ページのところで、裁判を起こした場合、このままであれば判決こうなるんじゃないですかと。ここは時間が足りなかったというところもあると思うので、ちょっと補足的に共有できるように御紹介いただければなと思います。
○公述人(高木太郎君) ありがとうございます。 レジュメをもう一回皆さんちょっと見ていただいて、改めてお話をさせていただきたいと思いますが、裁判を起こした場合に今の条文のままだとどうなってしまうのかということを繰り返し述べさせていただきますと、結局、このままだと、規定さえすれば条文の要件に欠けることはありませんよと、ですから高プロ制度有効ですよというふうな判断を裁判所がしてしまう可能性があるというふうに、私、本当に思っています。 これは、実は日本労働弁護団の幹事会というのがつい最近ありまして、そこでほかの弁護士の意見も聞きましたが、それはそういう可能性あるよねと。特に、後ろの二項で実態を報告させるということがあります。措置の実施状況を報告させるということがあります。 この実施状況の報告、審議の過程見ますと、実施状況の報告もう一回しかやらないというふうなことで問題になっているかと思うんですが、実施状況をちゃんと報告させて、それをちゃんと行政的に監督しようというふうな意図だと思いますけれども、でも、この条文があることによって、実施状況報告ということは一〇〇%じゃないということ前提じゃないのというふうに言われてしまうと、もうそれが駄目押しになってしまって、先ほど申し上げたように、百四日与えていなくても、現実には与えていなくても高プロ制度有効だというふうになってしまう危険性があると思うんですね。 そうすると、やはりこの条項を、百四日実際に与えていなかったら駄目ですよ、もう最初に遡って高プロ制度の適用は認めませんよという条項を入れてもらうというのが、これが本当に不可欠だろうというふうに思っています。 この条項を入れられないのであれば、せめて省令にそれを間違いなく書き込むということをやっていただかないと、裁判を運用していく中で高プロ違反、高プロじゃないじゃないかというふうに我々闘っても、全部負けていくと。高プロが丸ごとざる法になってしまうということだというふうに思います。 お答えになっていましたでしょうか。
○倉林明子君 なっていると思います。ありがとうございます。 非常に大事な観点で、実労働時間の把握を抜け落ちた働かせ方ということで、そこが本当に問題だなというふうに思っているんですね。裁量労働制のところでも、そこが本当にざるになって、ただ働きが横行するということを是正してから、できるということになってから考えるべきことではないかと、百歩引いても思っているということです。 そこで、斉之平公述人がいらっしゃいませんので、先に竹田公述人に伺いたいと思うんです。 実労働時間が把握されているということは、非常に健康確保の措置をとっていく上でも重要なことではないかというふうに思っているんです。さらに、健康確保措置違反があっても罰則がないというようなことで、要は健康確保措置の実効性をどうやって確保していくのかというところに課題があるんじゃないかというふうに思っているんですけれども、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○公述人(竹田透君) 従業員の健康管理に関しては、法があるから実施するというスタンスではなくて、大事な人的な資源を経営者の方が守っていただくというスタンスで実践していただくのが私は大事だと思っていますし、そこに我々も関わっていけるのではないかなと思っていますので、規制ありきではなく、その規制の数字に沿ってというよりは、積極的に産業保健活動を展開していくという意識が大事じゃないかなというふうに思っています。
○倉林明子君 ありがとうございます。 あとは、同一労働同一賃金の問題で、先ほど来お話もありましたけれども、それを中小企業でどうやって実現していくのかということは非常に重要になるんじゃないかと思うんですね。斉之平公述人に聞いてからと思ったんですけれども、三州製菓さんのように、私、すごく頑張っておられるなと思ってお話をお聞きしていたんですけれども、パートの方を正社員に引き上げるということを実践的にやられているという、なかなかないと思うんですね。 そこで、高木公述人と佐藤公述人に伺いたいのは、圧倒的な職場、中小企業の現場でいいますと、パートあるいは有期雇用、ここには配置転換も昇任もないというのが一般的になっているんじゃないかと思うんです。その場合、非正規を固定化するということにつながるのではないかという、今回の法案でもですね、そういう懸念の指摘があるんですけれども、その点についてどうお考えかということをお聞かせいただきたいと思います。
○公述人(佐藤道明君) 実は、先ほど公述のときに、意見陳述のときに申し上げました埼玉県の取組の中で、昨年、パート、非正規の皆さんに対する実態調査をやっているんです。併せて企業にもお聞きをしています。その中で、企業に正規社員への転換制度があるかどうかというのも聞いています。ちょっと今、資料があるんですが、ちょっと載っているかどうかが見れないのであれですけれども、現実、そういう制度を持っている企業もあります。 ただ、そういった社長さんに実はお話を聞くと、パートの皆さんに正社員になりませんかとお聞きはするんだけれども、結構断られると言っていました。要は、正社員になって責任を持つのが嫌だとかというようなこともあるようです。ですので、やはり今回の働き方改革というものを、いかに企業がこういったことも含めてうまく活用していくのかということだと私は思っています。 ですので、決してパート、有期が限定化されるということでは全くないと思いますし、一方で、限定正社員制度ということも持っているところもありますから、ただ、そうはいってもまだ数は少ないということだとは思っています。それと、いろんな理由の中でそれを受けない方もいらっしゃるのも事実ということだと思います。 以上です。
○公述人(高木太郎君) 今回の同一労働同一賃金に関する法案というのが不十分であるというふうな御指摘なんだと思うんですね。それは、私もそうは思います。この間、労働契約法二十条を使った裁判というのがありまして、その中で、やっぱり、あの法律の中での最高裁なりそういうところが判断するのは手当の問題であって、賃金の完全な同一というところまでは認めてくれない、その程度のところしかいかないというところでまだとどまっているというふうなことなんだろうなというふうに思います。 私は、ただ、それをやることで固定化してしまうとまでは実は考えていなくて、一歩前進だろうなというふうには思っているんです。やっぱり日本社会ではもう格差が本当にあって、その格差を何とかしなくちゃいけないというのはだんだん共通認識になってきていると思うんですが、格差を何とかするという共通認識の下に一歩踏み出して、これで足りなければもう一歩踏み出していこうという形でやっていくという点では、まあ一歩前進だからいいかなという程度です。
○倉林明子君 ありがとうございます。 斉之平公述人にお伺いしたいと思うんです。 アルバイトとかパートとか、女性の社員の皆さんが七五%ですか、いらっしゃるということで、様々な雇用形態で働いていただいて、それを組み合わせて働いていらっしゃる様子はよく分かったんですけれども、だからこそ、この同一労働同一賃金ということで、先ほど少し御紹介もいただいたんですけれども、御社で取り組まれている具体的な中身というのをもう少し御紹介いただければと思うんですけれども。
○公述人(斉之平伸一君) 同一労働同一賃金は大事な問題ですから、実際には、この法律が施行された、それからガイドラインが作成された後は、更に徹底して取り組みたいと思っています。 私は、社員、従業員、パートさん全てが満足して納得して仕事いただくということが大事だと思っています。ですから、例えばパートさんによっても個々の事情が違いますし、それに合わせて、例えば一番関心が高いのは、勤務する時間ですよね。ですから、午前中だけとか午後だけとか三時間だけとか、子育て中、介護の人に応じて勤務時間を柔軟にしていくということが大事だと思っています。 手当についても同じように、正社員とできるだけ均衡していかないといけないというふうに思っていて、パートだから手当がないというような状態はなくしていきたいと思っています。オランダなど聞いてみると、短時間でも正社員と同じような給料を得ているということを聞いていますから、日本もだんだんそうなっていくべきじゃないかなと思います。 そのために、私、一番大事なのは、日本で、V字型カーブという、M字型カーブといいますか、せっかく女性が大学出て会社に入っても、子育て、出産と同時に辞めてしまうとキャリアが断絶して、また就職するときにパート社員、パートでないと就職できないと。今まで大学で勉強して社員として活躍していたのに、単純的な、定型的な仕事しか就けないというのは、非常に日本にとってもったいないし、女性の潜在的な能力を生かすということができないということは、社会にとっても問題がありますし、女性にとっても、せっかく能力があって力があるのにそれを発揮できないというのは残念だと思います。 ですから、そういう問題が解決できれば、短い時間でも正社員と同じだけの給与を企業も支払うことができるし、女性も、短いけれど正社員、短時間正社員ですね、として勤務できると、そういう社会を目指して是非、いろいろなこれは制度化とか、あと支援策も必要になってくると思います。子育て中の女性に対する支援策、キャリアが子育てで断絶していながらでも、その職業的な能力を維持したり勉強したりするようなサポートも必要だと思いますから、それは是非、国の方で支援していただけたら有り難いと思います。
○倉林明子君 全体的に、働き方が支援できるようなほかの策もという御意見だったと思います。ありがとうございました。 終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 まず、高木公述人にお伺いをさせていただきたいと思います。 先ほどのお話の中で、高プロについてはもう反対だというふうなことであります。 高プロについてなんですけれども、私も若干やっぱり心配な部分はあるなというふうなことで、与党と法案の修正協議をさせていただきました。その修正協議をさせていただいた一つが、高プロに同意したとしても撤回できる規定を盛り込めるというふうな修正をさせていただいたんですけれども、ただ、とはいえ、やはり撤回するとなるとなかなか、不利益を被るのではないのかなとか、やっぱりそういった意味で撤回しづらいということもあるかと思うんですね。 じゃ、撤回しやすいようにしていくためにはどうしたらいいのか、もしお考えがあればお聞きさせていただければと思います。
○公述人(高木太郎君) ありがとうございます。 私が感じるに、撤回をしたいのにできないという段階で、それはもう最初の段階で本当は同意していなかったんじゃないのかなというふうな思いがあるんですね。よく裁判例であるんですけれども、最初に同意していたか同意していなかったかというのは物すごく裁判で争いになることがあります。同意した、形だけ署名はある、でもそれは嫌々同意したんで、本当はそれ、同意しなかったら辞めなくちゃいけないから同意したんだというふうな類いの争い方ってあると思うんですよね。そうすると、もう同意の撤回の手続云々というよりも、その人が同意していないと言ったら最初から同意していなかったことだよというぐらい緩くしないと、高プロの本当の目的って達成できないんじゃないのかなというふうに思っているんです。 この間、竹中さんがNHKの番組か何かでお話をされていましたけれども、そこで言われていたのは、一千七十五万ももらっている人は交渉力が十分にあるから、十分交渉できるから大丈夫なんだというふうな言い方をされていました。そこから受ける印象というのは、要するに、会社と対等に交渉できて、自分の意思が実現できる労働者がイメージされていると思います。そうしたら、高プロの同意の撤回なんか基本的に問題にならなくて、文句を言わないぐらい自分の自由が通っている人が初めてやっていることになるんじゃないのかなと思って、同意の撤回が問題になること自体が問題だというふうに思っています。本当にです。済みません、そういう答えで。
○東徹君 本人から希望して、例えば同意した人がいたとして、やっぱりやってみたけれども大変だなと、やっぱり撤回したいなと、でも、やっぱり撤回したいけれども撤回しにくいなという状況も一方ではあるのかなと思うんですけれども、そんな場合の撤回しやすいための何か方策というのがもし頭の中にあれば、さらに。
○公述人(高木太郎君) もう現実にはないと思うんですね。例えばそういう手続を全て、会社とその労働者の間だけではなくて弁護士が入るとか第三者が十分見守っていれるような状態とか、そういうところでやるのであれば自由にできるでしょうけれども、会社対労働者だけでそのようなことをやっていると、後から何かきちんとした目で見れるということは、私、裁判やっている身ではほとんど考えられないなというふうに思います。
○東徹君 ありがとうございます。 もう一点、今日の御説明の中で、高度プロフェッショナル制度の濫用の危険というふうなことでお話がありました。このような濫用の危険が付きまとっていると。そのような不心得者は厳しく排除されなければならないが、この法案にはそれが欠けているというふうなことでありますが、厳しく排除されるというのはどのようなことを想定されているのか、御意見をお伺いしたいと思います。
○公述人(高木太郎君) 言葉は厳しく排除と書いておりますが、そんなに厳しくはありません。つまり、その後ろに書いていることぐらいしか私考えていないんですけれども、要するに、民事裁判で請求をしたときに、高プロの適用がこの人なかったよと、そのときに、高プロの適用がないということは、当然働いた分の残業代全部払いなさいよと、深夜手当も払いなさいよと、それが実現するようにするという程度のことです。そのためには、遡って無効になるという条文と時間管理をしっかりさせるという条文ができていれば、弁護士が付けば請求ができて勝てると思います。 厳しくというのはその程度のことです。
○東徹君 ありがとうございます。 与党との修正協議のあれのもう一つは、ここを厳しく排除をすべきかなと思いまして、もしこういった濫用みたいなものがあった場合、法違反を犯していた場合なんですけれども、例えばその企業が企業としてもう一年間高プロが使えないようにするとか、そういう罰則、ペナルティーはどうかなと思ったんですけれども、それについてはどのようにお考えになられますでしょうか。
○公述人(高木太郎君) 企業名の公表だとかいうことも含めてであれば多少は意味があるとは思いますが、でも、民事的、刑事的、行政的ということでいうと、まず一つは刑事で処罰すると。高プロ逃れをやっていたら刑事で処罰する刑事の条文を入れる、罰則付けるというのが一つですよね。行政的には、今委員がおっしゃったように、使えなくする。でも、それだけじゃなくて、やっぱり名前公表を絶対やった方がいいと思うんですね。それから民事的には、私が提案をした、遡って駄目だということで、時間管理もしっかりさせて、働かせた分の残業代と付加金が当然請求できることになりますから、それを倍にして払わせると。こういうことをきちんとやれば少しはましになるんじゃないかなと思っております。
○東徹君 ありがとうございます。 では、佐藤公述人にお伺いをさせていただきたいと思います。 先ほどの御説明の中で、中小企業についてなんですけれども、同一労働同一賃金について、中小企業では何をどうしたらいいのかも分からないというふうなお話がありました。そんな中で、中小企業に対してどうやって周知していけばいいのかというところが一つ課題なのかなというふうに思うわけですけれども、中小企業が非常に多い中で、中小企業に対して周知徹底、周知していくためにはどのような方法がいいというふうにお考えになられているのか、是非お聞かせいただければと思います。
○公述人(佐藤道明君) 周知の方法は、手っ取り早くこうだという方法は多分ないんだというふうには思っています。時間を掛けてでもしっかりと、先ほど書面にてという話もしましたけれども、そういったことをやっぱりやっていく必要があるんだというふうに思っています。 一方で、当然これは経営者と労働者の中でのということにはなりますが、当然これ、政府を含めてきちんと対応していかなければ、中小・小規模事業所にきちんと伝わるという、なかなか伝わるということではないと思っています。 ですので、実は今、私どもの公労使会議の中で、県や労働局や経営団体であったり、私ども連合でも、こういったことについて、それぞれの中でも今分かる中でのセミナーを開いたりだとか、それから、この七月にも、多分この法案が要は成立をしてということを前提にしながら、一応七月にはもう県と経営者協会と連合埼玉で共同で一緒にセミナーを開いてこの同一労働同一賃金なり働き方改革全体の細かい部分含めて説明をする、そういう機会を実はもう設けているんですね。ですので、こういったことを行政それから経営者、また労働者も含めて全体でやっぱり取り組んでいく必要があるというふうに思います。 その中で、政府が少しでも分かりやすいようなものの資料をやっぱりお作りをいただく、そしてある意味いろんな制限を掛けていくということも必要だというふうには思っています。 以上です。
○東徹君 ありがとうございます。 あともう一点。お話の中で、定年の延長というお話もありました。六十歳を過ぎても働ける社会というのがやっぱりこれからの生産人口が減っていく中では大変重要なのかなというふうに思うわけですけれども、この点について、実際進んでいっているのかどうか、進んでいない場合何が課題なのかとか、もしありましたら是非御教示いただければと思います。
○公述人(佐藤道明君) 実際にこの運動を始めている中で六十五歳定年から七十歳に変えたという企業も実際にはありますし、そもそも中小企業で見た場合に、中小・小規模事業所で見た場合に、実は定年制がない企業って多いんですね。要は、人手不足ということを考えたときに、それから技術、技能の継承を考えたときに、実は、高齢者の皆さんに残っていただいて仕事をしていただかないと、そして技術、技能を継承していただかないと企業が成り立たないという現状もあるわけです。ですので、実際に中小・小規模になればなるほど、ある意味定年ということが関係ないところもありますし、今回の中身には関係ないでしょうけれども、ある意味、今後の年金との関係も考えるならば、やはり定年制を延長していく、場合によっては定年というものをなくしていくということも必要なんだというふうには考えるところです。 以上です。
○東徹君 ありがとうございます。 斉之平公述人にお伺いをさせていただきたいと思います。 本当にワーク・ライフ・バランスをもう自ら実践されていて、女性活躍の本当に目覚ましい企業なのかなというふうに見させていただいております。お話の中で、こういったことに一生懸命取り組んでいる企業に対して行政もやっぱり支援をすべきだというふうなお話がありました。それは、今回、補助金の支援とかいろいろあるんですけれども、具体的にどのような支援が必要とお考えなのか、お聞かせいただければと思います。
○公述人(斉之平伸一君) 働き方改革を進めているということで、例えば表彰していただいて、それをホームページに掲載していただく。そうすると、採用の面で大変なプラスになります。今、人手不足ですから、そのことだけで中小企業にとっては非常に大きな力になりますから、是非、表彰制度を更に充実させていただけたらと思います。
○東徹君 ありがとうございます。大変参考になります。 女性の社員の方が多いというふうなことで、女性が生き生きと仕事できる、笑顔でというふうなことでお話がありましたけれども、一方で男性はどうなのかなと。男性にとっては不満に思っている方々がいるんではないのかなとか、もう一方、男女のその賃金の格差というのはどうなのかとか、そしてまた、中途採用がおられるかどうか分かりませんけれども、長年働いている方と中途で入ってきた方とその格差とか、そういったことについてはどのように取り組んでおられるのか、ちょっと参考にお聞かせいただければ有り難いなと思います。
○公述人(斉之平伸一君) 例えば、大学卒業して男性、女性が入ってくると。そうすると、初任給は同じですし、昇給もずっと同じに上がっていきます。そして、例えば中途入社の方の場合は、通常、どれだけの能力があるかというのが面接だけでは分からないし、そうすると前職での給料は幾らぐらいかというのを聞いて、それを基にして給料を決めるしかないわけですよね。そういうことで行っております。
○東徹君 ありがとうございます。 最後、竹田公述人にお伺いさせていただきたいんですが、産業医として、患者さんというか、働いている方の診察して、もう本当にこの人仕事したら駄目だといった場合に、事業主に対して駄目ですよと、この人仕事させちゃ駄目ですよと、実際そういうふうに言った後、その方がちゃんと、一体どうなっているのかとかフォローとか、そういったことは何かフォローできるのかどうか、お伺いをさせていただきたいなと思うんですけれども。
○公述人(竹田透君) 実際にそういう場面は時々あります。多くの場合はメンタルヘルス不調を抱えて働いている方で、就業継続が難しい状況というのがもう面談した段階ですぐ分かるような場合には、御本人に適切に治療を受けることと、場合によっては就業を止める必要があるということを御本人にも説明した上で、その後、事業者にもお話をして、嘱託産業医の場合、次回伺ったときにその経過を聞いたり、あるいは主治医に対して紹介状を書いてその返事を確認したりということで確実にフォローしていけますし、特に休業しなきゃいけないレベルの方は復職できるのかという不安をすごく抱えていますので、復職に当たってきっちりサポートするという説明を最初からして、復職のできる状態になる、なったというか、その復職する前の段階で御本人にお会いして復職のサポートを始めていくというやり方を私の場合はしていますので、そういったフォローというのは実際には可能だというふうに思います。
○東徹君 時間になりましたので、ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 今日はお忙しい中、四人の公述人の皆さん、貴重な御意見、本当にありがとうございます。 まず、高木公述人にお聞きをいたします。 法律に裁量という言葉がなければ、政省令に何を書こうが裁量がない、例えば、君、あしたまでにこれを仕上げてくれと言われて、それは法違反とならないし、この間、厚労省はまさに罰則の適用はないと答えたわけですが、法違反にはならないという点が極めて重要だと思いますが、いかがでしょうか。
○公述人(高木太郎君) 先生おっしゃるとおりです。私もそう思っているから、こういう解釈になってしまうというふうに思っています。
○福島みずほ君 労働時間の規制がない労働者ということと、だから労働時間を管理しなくていいというのは間違っていると思うんですね。別の問題だ。つまり、労働時間を管理すべきであって、健康管理時間というのでごまかすべきではないというふうに思っているんです。 高木公述人にお聞きをいたします。 パソコンを使っているからといって働いているかどうかというのを裁判で、先ほどもおっしゃいましたが、負ける場合もあると。厚労省は、事業所内はパソコンとそれからカードなどでやる、事業所外は自己申告だ、事業所内は毎日記録をするというふうに言っているんですね。でも、それが可能なのかどうか。自己申告を事業所外ではやるので、それを毎日できるのか。労働時間管理ができるのか、いかがでしょうか。
○公述人(高木太郎君) やろうと思ってきちんとやればできるんだと思うんですよ。でも、私どもが事件となってくる事件を見ると、やっていないんです。やっていないで裁判やると、やっていないから負けちゃうんですね、おかしな話なんですが。 ですから、そういうふうにやれるんだったら、どうやってやらせるかということをちゃんと方策考えろというふうに言わざるを得ないかなと思っております。
○福島みずほ君 高木公述人にお聞きをします。 高度プロフェッショナルには反対なんですが、一万歩譲って、労働時間の状況の把握とか健康管理時間というでたらめを言うのではなくて、きっちり労働時間管理を事業場内と事業場外をやるべきだと。それをやらなかったら、やらないという制度設計であれば高プロを言う資格はないと思いますが、いかがでしょうか。
○公述人(高木太郎君) そのとおりだと思います。労働時間の把握は、私の例では、要するに高プロが適用されない、外れたときに労働時間把握していなかったらどうするんだという例で申し上げておりますけれども、委員がおっしゃるとおり、きちんと労働時間どおり働かせることと把握することは別問題ですから、当然把握はすべきだというふうに思っています。
○福島みずほ君 高木公述人にまたお聞きをいたします。 私は、高度プロフェッショナルという高プロの制度は、まず、シカゴで、メーデーで、佐藤公述人もいらっしゃいますが、メーデーで労働時間管理八時間と言った、百四十年ほどの歴史があって、これに泥水をかぶせるというふうにも思うんですね。 それと、エシカルという、倫理的というのが、SDGsを始めいろんなところでエシカルというのが、とても倫理的というのが大事にされているときに労働時間の規制がない労働者を誕生させることは、日本で初めて、それは倫理的じゃないでしょうというふうに思っているんですね。 それから、千七十五万は、平均賃金の見積り方によっては九百万、八百万になるかもしれない、あるいは法律改正すればもっと下がるかもしれないという問題で、ある会社における、要するにその高度プロフェッショナルの給料が蓋になってしまってそれ以上の賃上げが進まなくなる、あるいは高度プロフェッショナルで働く人々、労働時間規制がない労働者がその会社に存在することがほかの人の労働条件も悪化させる。上司がああいうふうな働き方をしているんだから自分たちも我慢しなければならないというふうになるんではないかという点についてはいかがでしょうか。
○公述人(高木太郎君) まず、倫理的というふうな話についてなんですけれども、高度プロフェッショナル制度のように適用除外を認めるということになると、これは、斉之平公述人のようなちゃんとした会社とそういうずるする会社、ずるしても法律に引っかからない会社とが同じ地平で競争することになって、場合によってはずるしたがゆえに勝ち残っていって、ちゃんとした会社が潰れていってしまうというふうな、そんな社会になっていってしまうと思います。 その意味でも、社会を掘り崩すという意味でも倫理的じゃないということを許すべきではなくて、適用除外というのはその倫理的じゃない会社を増やしていくことにつながっていくんじゃないかというふうに本当に恐れています。だから、倫理的な会社がきちんと生き残っていくためには、やっぱり法律できちんと規制を作るということは最低限必要、同じちゃんとしたルールで競うということが本当に必要だというふうに思っています。 それから、一千七十五万を導入したことによって、これが上限になったり、あるいはその人が際限なく働いているからみんなに悪影響があったりと、これは当然そういう問題は出てくると思います。倫理的じゃないことが、あるいは長時間労働がその会社に当たり前になってしまっていってそういう、倫理的な、会社がはびこっていくもとをつくることになってしまうと思います。
○福島みずほ君 佐藤公述人にお聞きをいたします。 先ほども高度プロフェッショナルに反対だと話していただいたんですが、高度プロフェッショナルに反対される理由をお聞かせください。
○公述人(佐藤道明君) 私は、資源のないこの我が国において唯一の資源は労働力、日本人の勤勉な労働力だと思っています。それがまさに今の日本をつくってきたというふうに思っています。そういった中で、今回の高度プロフェッショナル制度に関しては、例えば自己管理であったり自己申請であったりだとかということを含めて考えるならば、そもそもが自己管理ができていて自己申請なりそういったことがきちんとできていたならば今のような労働環境にはなっていなかったんだというふうに思っています。 だとするならば、やはり、今日の議論の中でもしっかりとしたものが出ていない中で、あえてこの高度プロフェッショナル制度を今入れるべきなのか。本当に企業にとってこの制度はプラスなのか。労働者にとってこの制度はプラスなのか。そして、省令等々で見直しができるということの状態の中で、一回法律を作ってしまえば、例えば、極端に言えば一千七十五万円が、ホワイトカラーエグゼンプションのときには政府が出したのがたしか九百万円でしたよね、考え方が。場合によってはそうやってどんどんどんどん下がっていき、そしてその職種においても場合によっては見直しがされていく。 現実、労働者派遣法が、限定されていた職種なのにもかかわらず今や全てにオープンになってしまっているという状態を考えれば、今、その法案を見直しをしてどういうふうに変えていくかではなくて、全くこの法案に対しては高度プロフェッショナル制度は入れる必要はないということを私はこの三年間街頭でずっと訴えてきましたので、この考え方は今でも変わっていないということをお伝えをしたいと思います。 以上です。
○福島みずほ君 高木公述人にお聞きをいたします。 裁量労働ユニオンなどの話を聞くと、弁護士にも話を聞くと、先ほども高木公述人がおっしゃいましたように、違法裁量が横行していると。で、労基署が、労働局が送検した裁量労働制違反は、毎年ゼロとか一件なんですね。これは多分立証が困難なんじゃないかとも思っているんです。 ですから、二点、さっきもおっしゃったように、一つ、高プロも違法高プロみたいなものが割と出てくるんじゃないかということと、にもかかわらず立件が困難になるんじゃないか、とりわけ過労死で。この点についていかがでしょうか。
○公述人(高木太郎君) おっしゃるとおりだと思います。 裁量労働で恐らく労基署が挙げられないのは、裁量労働だからということで労働時間管理がされていないからだと思うんですね。そうすると、証拠がないということで挙げられません。高プロを導入するときに、今、労働基準監督官が少ないんだと、そうすると、労働基準監督官を増やして事後的に何とかすればいいじゃないかというふうな議論があります。でも、労働基準監督官が、働く基になる基準、何時間働いたかというのが高プロではありませんし、じゃ、高プロが適用できないというふうになったときに、じゃ、時間管理していなければ立件するだけの資料がないということになって、働きようがないんですね。これだと全然規制ができないということになってしまいます。そういった意味で、立件できない状態をつくっていく。 だから、違法行為やっていても、それがやり得になってしまうというのはそういうところだと思いますから、絶対ここは許しちゃいけないというふうに思っています。
○福島みずほ君 竹田公述人にお聞きをいたします。 この間、二十八歳でIT企業に勤めていた若い男性が過労死で過労死認定されました。最近は、中高年ではなく、結構若い人たちが過労死認定され、実際亡くなって過労死認定されていると。持病がなくても、一見健康でも、健康診断に異常がなくても、若くても起きていると。 ですから、高度プロフェッショナル法案が万が一成立したときに、産業医の負担ってすごく大きいんじゃないか。実際、その面接指導のときに労働時間とかフルに見るんでしょうか。現在どうなのか、そしてどうなると思われるか、お聞かせください。
○公述人(竹田透君) 労働時間をどのように見るかということに関しては、まず、面接指導をする時点で、大抵は前月の労働時間、時間外労働時間がどれぐらいあったか。最近多くは、過去六か月間にわたってどのような時間外労働があったかというのを確認した上で、確認したというか、そのデータを事業者からいただきながら面接指導するというやり方をしております。
○福島みずほ君 ありがとうございます。 高木公述人にお聞きをいたします。 同意についてなんですが、私は、パワハラの対策法も国会に出ておりますが、労働者で対等ってないと、対等でないから労働法が必要なんだと、こう思っているんですね。 対等はフィクションである、いかがでしょうか。
○公述人(高木太郎君) そのとおりだと思います。対等はフィクションだと思います。
○福島みずほ君 今日は、斉之平公述人にもすごく頑張っていらっしゃることをお聞きをいたしました。やっぱり感激するのは、有休をちゃんと取れと、労働時間ちゃんと守れと、残業をするなというか、しなくても済む労働環境ということだと思うんですね。 そうだとすると、高度プロフェッショナルは全ての労働時間規制を撤廃するものなので、斉之平公述人がやってこられたことと真逆にあるとも思いますが、いかがでしょうか。
○公述人(斉之平伸一君) 先ほどもお話ししましたけど、私、中小企業の立場からいうと、一千万円以上の収入というと、まずほとんどの中小企業で対象とする社員がいないと。というと、これは、それだけの高給なサラリーマンというとグローバル企業ということになりますが、それが過労死につながるようなことになると大変なことになりますから、そうならないように歯止めといいますか、是非お願いしたいと思います。
○福島みずほ君 一言、高木公述人と佐藤公述人に。 残業規制は絶対に必要なんですが、その残業の規制の残業時間をやっぱりこれから更に下げていくべきだと思いますが、お一言ずつ、いかがか、お聞かせください。
○公述人(高木太郎君) 残業規制は、当然時間は下げていくべきだというふうに思っています。いきなりその四十五時間が可能かどうかというのはなかなか難しいかもしれませんが、しかしそれは立派な指標だというふうに思いますので、きちんと、本当はそういうところにしなくちゃいけないんだということを目指して、百時間、八十時間みたいなことは絶対言わないで、きちんと短いところで下げていただかないといけないと思います。
○公述人(佐藤道明君) 基本はやはり年間三百六十時間だと思います。 例えば、年間七百二十時間であったり九百六十時間であったりとなると、これが一方で、そこまでは残業をやらせていいんだというふうな認識になっては困るというふうに思っています。あくまでやはり年間三百六十時間ということを基本に、そしてそれぞれの企業の中でどういった工夫をされていくのか。当然のことながら、どうしてもやむを得ない残業というのは当然あるわけですから、それをやむを得ないものというふうにきちんと判断をした中で、残業は日常的、恒常的に行われるものでは本来はないというふうに思っています。ということを基本にしていただければというふうに思っています。 以上です。
○福島みずほ君 本当にありがとうございました。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。 斉之平公述人にお伺いさせていただきます。 実は、私、揚げパスタの大ファンなんです。あれどうやって開発なさったのかなと思っていつも考えながら食べていたんですけど、資料を拝見しましてやっぱり納得いたしました。女性の力なんですよね。多くの女性があれを開発していくと。 やはり、先ほどおっしゃったように、私ども女性の力というものをいかに社会で生かしていくのかというのが新商品の開発であり、かつ様々な方面にこれからまた発展していくことを私も望んでおりますけれども、今回の法案改正というものは女性の働き方にどのように影響すると思われますか、教えていただけますか。お願いいたします。
○公述人(斉之平伸一君) 揚げパスタを御利用いただいて、ありがとうございます。 これは、私ども元々煎餅の会社だったんですが、女性からパスタを揚げてみたらという意見が出まして、男性はみんな驚いてしまったんです、煎餅の会社なのにパスタを揚げるということを、新商品ということで。そういうアイデアが出て、是非、この芽を潰してはいけない、せっかく出た女性からの意見を育てようということで、何回も失敗して、最終的には作る機械も自社で造って、それも何度も失敗しながらようやく最近売れるようになってきたという商品であり、女性の活躍が大切だなと今思っております。
○薬師寺みちよ君 今回法案が改正されますと、女性が更に働きやすくなるというふうにお考えになられますか。
○公述人(斉之平伸一君) やはり、女性の場合は、残業がゼロという会社に持っていかないと十分な力も発揮できないですし、キャリアを継続するという面で、残業ゼロという、また有給休暇を一〇〇%取得できるような働きやすい会社が、私は、まず女性が働きやすい会社をつくるということを目指していけば自然に男性にとっても働きやすい会社になると思って、元々女性の比率の多い会社ですから、まず、女性が働きキャリアを継続できるということを目指して努力しています。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 長時間労働が常態化しているような職場ではなかなか、短時間勤務で、育児があるのでということでも帰りにくいからというふうにおっしゃられる女性の方が本当に多いのが私も残念でございますけれども、こういう形で残業をなるべく減らしていこうという法案であれば、法改正されれば有休も取りやすくなり、かつしっかりと皆様方が、女性が能力を発揮していただきやすいようなフィールドができるのではないかなと、私もこれは、この部分については期待いたしておりますので、是非更に御活用いただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 次に、佐藤公述人、高木公述人、竹田公述人にお伺いさせていただきます。 今回は、この法案とともにパワハラの法案が出てまいりました。しかし、実は石橋先生がほかにも法案を作ってくださっておりまして、ワークルールの教育を推進する法案でございます。 私は、今回、これはどちらかというと、使用者側というよりも雇用者側に規制を掛ける、若しくは一部解禁するような形のものでございますけれども、私は、本来、もう少し労働者がエンパワーメントしてほしいなと思っております。自分がどのようなルールの中で働いているのかということをきっちりと認識した上で、じゃ、それが違法なのか適法なのか、自分がどのような権利を主張していけばいいのかということをしっかり、私はまずそこを持っていただかないと、今回法案改正したとしても、もしかしたらずるをされてしまうかもしれない、だまされてしまうかもしれない、それさえも分からないということが起こりかねないと思います。 ですから、私は、その次にあるものというものは、そういった教育も充実させというところはアイデアとしてすごくいいなと思っておりますので、これについての御意見若しくは更にエンパワーメントするために何が必要なのか、もしアイデアがございましたら教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○公述人(佐藤道明君) そうしましたら、私どもが少し取り組んでいることを御報告をさせていただきたいと思います。 先ほどは教育現場においてという話をしましたが、連合埼玉として、実はもう長年、こういった労働ハンドブックというのを作っています。最低限このぐらいは知っていてよねという中身です。例えば、労働契約、就業規則であったり、雇用保険、最低賃金、割増し賃金や、また有給休暇、時間外だとかという。実は、今、埼玉県内の大学、短大、専門学校にお邪魔をして、これを学生の皆さんに配付をしてくださいということをお願いをしています。 この二年間、昨年から実施をしました。多くの大学、短大、専門学校が受けていただいています。中にはきちんと学生に配っていただいている学校もありますし、また、学生の皆さんが取るようなところに置いているというところもあります。中には、今年もこれを受けていただいた大学から、今年七月の後半、終わりですかね、連合埼玉に対して労働講座をやってほしいという実は依頼もありました。私の方で講師をさせていただきますし、ここ八年間は埼玉大学で、連合の寄附講座において、働くことということを含めて講義をさせていただいています。 さらに、これは学生だけではなく、埼玉県内の工業団地の管理組合さんにもお邪魔をして、会員の皆さんに是非お配りをくださいということでお願いをし、今年からはさらに業界団体にもお邪魔をしています。多くの管理組合さんや業界団体の皆さんも、やはりこういったものをしっかりと受け止めていただいて、会員に配りますといって受けていただく企業、団体さんも多くなっています。 つまり、やはり労働によってトラブルを起こすということは当然企業にとっても損だということはお分かりをいただいているんだと思いますので、企業に対して、そして私どもが学生に対しても、当然労働組合ですから組合員の皆さんに対してもということにはなると思いますが、そういった取組をやっているということ、御報告させていただければと思います。 以上です。
○公述人(高木太郎君) ワークルールの問題についてですけれども、私、四年前に全会一致で通していただいた過労死等防止対策推進法という法律のことを思い浮かべます。その施行された十一月から全国各地でシンポジウムが行われるようになりました。これは、国が推進していただいて、参加者も国が組織していただくといいますか、労働組合の方もそうですし、それから経営者団体の方もそうですし、そういう方が埼玉でいうと二百人、三百人の会場を埋めるぐらい集まっていただくんです。それ以前は、私たち過労死の問題でシンポジウム開いても、やっぱり二十人、三十人の規模でした。それが、会社の経営をやっていらっしゃる方たちも一緒になって入ってきていただく、そこで過労死のどんな悲惨な状態があるのかということをじかに聞いていただくことによって、かなり大きな影響があるんじゃないかというふうに思っています。あの法律一つ取っても、やっぱり世の中変えていくのに物すごい影響があると思うんですね。 ワークルールの問題って本当に大事だと思っています。どんなに広げようと思ってもなかなか労働法の知識って広がっていきません。それから、使用者の方も、多くの方は、違反している方でも、悪いことしようと思ってやっていらっしゃる方はそう多くないんですよね。労働法を知らないためにそういうことになっちゃっている方が埼玉の中小企業で、労働審判事件なんかやっていると決して少なくないんです。労使の委員の方が入っていて指導するんですけれども、その指導している労使の委員に対して違反してしまった経営者側の方が、今後どうすればいいんでしょうねというふうな相談をすると。そういうふうな意識を持っていらっしゃる方が、知識がないためにそういうことをやっているというのがすごくあるんですね。 ということになると、この知識を本当に中学校、高校の段階からきちんと教えていく、社会人になってもずっと教えていくということを系統的にやっていくことを本当に徹底することによって、残念ながらすぐではありません、十年、二十年、三十年先の日本がきちんとワークルールが浸透した社会に変わっていく、それを目指してやらなくちゃいけないのかなというふうに思っています。
○公述人(竹田透君) 私、産業医として働いていますので、ワークルールというよりは、今のお話を伺いながら、働いている方々の健康管理の仕方についても全く同じことが言えるなと思って伺っていました。 もちろん仕事の影響で健康状態云々というのはおいておいて、個人個人の健康をどうやって維持し、また働ける健康状態を維持していくかという中には、御本人がどうやって健康管理をするかという方法を知っていなければいけないですし、先ほどエンパワーメントというお言葉を使われましたけれども、健康増進の言葉の中には、健康を維持できないパワーレスな状態になっているところに周りからエンパワーするという考え方もあります。それによって、御自身で健康管理をどうしていったらいいかということを知っていただく、そこに事業者が積極的にサポートをして健康な従業員でいていただけるようにするということが大事かと思いますし、特にこれから高年齢の労働者の方が増えてくるに当たっては、そこを事業所の中で積極的に扱っていくことが大事かなというふうに思っています。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 しっかり私どもも取り組んでいかなければならない課題だと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ところで、実は私も産業医でございまして、竹田先生にも是非これはお伺いしてみたいと思っておりました。 最後のとりでであると私は思っております。過労死の問題にしても、やっぱりワークルールを理解しながら健康管理をしていく上で、やはり従業員から何か申出があったときに、しっかり、あっ、これは何かおかしいんじゃないかと思って、そこが発端となりまして、実は働き方が間違っていたというようなこともございます。ということは、産業医の質の確保、これは喫緊の課題だと思っております。今回も様々なところで機能強化されることにもなっておりますし、中立性を更に強化することにもなっております。 そこで、どのように質の担保若しくは質の強化をしていくべきなのかとお考えなのか、教えていただけますか。
○公述人(竹田透君) 今御指摘いただいた質の確保は、私も、物すごく大事なポイントで、これから重要な、これからというのではなく、もう現状で重要なテーマになっていると思います。 私は、できる範囲、非常に小さい範囲ですけれども、産業医の実務能力どうやったら上がるのかなということで、トライアルでちょっと教育の仕組みを動かしてみたこともあります。 その中で、医師のトレーニングは元々OJTで、現場で先輩から学びながらクオリティーを上げていくという部分あると思うんですが、産業医、特に嘱託産業医が、開業の先生なんかは元々御自分の専門はそういうトレーニングを受けているんですが、いきなり、医者だから産業医できるだろうというような形で、まあ現状であればせいぜい五十単位の日医の研修を受けて、で、現場を経験せずにいきなり現場に入っていくということもしばしばあるので、その現場で仕事をして直面する問題を実務面からサポートするような関係の指導者の下にトレーニングを積んでいくような仕組みができればいいのかなと。 実際に、先ほど言ったトレーニングの仕組みちょっと動かしてみたときに、まあこれは医者の中の発言ですけど、産業医の医局みたいなのがあるといいねという話が出てきました。医局制度がいいかどうかは別として、先輩の医師に気軽に今直面している問題点を聞いて解決方法を学んでいくみたいなことができないと、それぞれ違う現場に行って、お互い実務の内容を交流せずに一人一人がやっていると、やはり難しい、あるいはどうしていいか分からない、できないといった場面に出てくるかと思うので、そういった組織をどういうふうにつくっていくかは私はちょっとまだいいアイデアはないんですけれども、何らかのそういったサポートをするような、実務をしている産業医の先生をサポートするような仕組みが必要かなというふうに思っています。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 今日の斉之平公述人のように、中小企業というところを焦点に当ててみると、いわゆる産業医の選任義務ってございませんよね。ということは、中小企業と大企業で更に私は格差が広がるというところまで議論させていただいたんですけれども、それにおきましては産保センターの機能強化というのは私は欠かせないと思っておりますけれども、その辺り、アイデアございますか。よろしくお願いいたします。
○公述人(竹田透君) 産保センター、特に地域産業保健センターの機能強化というのは、確かに必要かなというふうに思います。 ただ、現状で、非常に利用率が低いんですけれども、そこに相談がたくさん来ても対応できるような組織にもなっていないですし、多くは、その地域産業保健センター活動をすること自体がそこに担当している医師にとっては社会貢献のような形で出ています。つまり、平日の日中にクリニックを閉めて、そこに対して、そのクリニックを運営しているときよりも随分低い謝金をもらいながらすることは、やはりそれはかなり負担になるので、方法を考えていかないと、それは担当する医師の処遇も含めて方法を考えていかないと難しい問題だと思いますし、もう一つあるのは、私、専属産業医をしていたことがあるので思うんですが、嘱託産業医、さらに直接診ていない事業所の産業保健のサポートをするのは、実は技術的にはもっと高いものが求められると思うんですね、専属産業医よりも。そうすると、そこも、その技術のサポートも一緒にしていかないといけない。嘱託産業医がその部分をある程度担っていけるんであれば、嘱託産業医の資質の向上と併せて何か仕組みは必要かなというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 終わります。
○団長(島村大君) 以上をもちまして公述人に対する質疑は終了いたしました。 この際、公述人の方々に一言御礼を申し上げます。 本日は、長時間にわたり有意義な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 また、本公聴会の開催に当たりまして種々御尽力を賜りました関係者の皆様に、この場を借りまして厚く感謝申し上げます。 これにて参議院厚生労働委員会川越地方公聴会を閉会いたします。 〔午後四時四十六分閉会〕