憲法審査会 第1号
- 発言数
- 57 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2018/02/21
会議録
○会長(柳本卓治君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。 本日は、昨年十二月六日に行った調査に引き続き、憲法に対する考え方につきまして意見交換を行います。 発言を希望される方は、氏名標を立てていただき、会長の指名を受けた後、御発言を願います。 多くの委員が発言の機会を得られますよう、一回の発言時間は各五分以内といたします。発言時間の経過状況をメモで通知し、時間が超過した際にはベルを鳴らします。あらかじめ御了承をお願いいたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、発言を希望される方は氏名標を立ててください。 岡田直樹君。
○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。ありがとうございます。 自民党は、目下、憲法改正の優先的なテーマとして、自衛隊、緊急事態、合区解消・地方公共団体、教育充実の四項目を優先的なテーマとして検討を進めておりますが、二月十六日には、そのうち一つの合区解消・地方公共団体のテーマについて、憲法四十七条及び九十二条の改正のたたき台素案というものを提示して議論を行い、基本的な一致を見たところでございますので、この点について申し上げたいと思います。 言うまでもなく、現在の日本では、人口の減少と一極集中が進み、過疎と過密が極端になり、人口の偏りが国の姿をもゆがめようとしております。このような中で、投票価値の平等はもちろん大切な普遍的な価値観でありますが、人口比例を唯一の尺度とする場合には、地方の民意を代弁する議員の減少、行政区画と選挙区のずれの拡大、参議院選挙区での合区、また、衆議院小選挙区の都市部選挙区においても市や区を分割するような細分化、複雑化などの問題が生じ、かえって民意の反映や政治へのアクセスの面での地域間格差、地域住民の不平等感や不満などをもたらすことにもつながるおそれがあります。 今後の日本社会を展望しながら現代及び将来の代表民主制やその根幹である選挙の在り方を考えた場合に、果たして人口一辺倒でよいのでしょうか。地方と都市部を問わず、選挙において地域が持つ意味に改めて目を向け、地域の民意の適切な反映、あるいは多様な地域における代表の実質的な確保と投票価値の平等の要請との間で調和を図っていくことが重要と考えます。 そのような基本的な認識、考え方を基に、我が党は、両院議員の選挙に関する憲法四十七条の改正を検討しております。また、それと同時に、その基盤となる基礎的な地方公共団体、これは市町村を想定し、広域の地方公共団体、現状は都道府県でありますが、分権型社会の構築ということも念頭に置きながら憲法九十二条に明記し、地方自治の強化にもつなげたいと、このように考えております。 四十七条の改正について申し上げます。 まず、衆参両院議員の選挙について、選挙区を設ける場合の原則的な規定として、投票価値の平等の要請につき、人口を基本としという形で規定する一方で、人口だけではなくて、行政区画、地域的な一体性、地勢等の要素も総合的に勘案して選挙区等を定める旨の規定を置くことを考えております。これは、選挙区や定数を定める上で人口を基本的な基準とすることまでは変えるものではありません。あくまでも、投票価値の平等と地域の民意の適切な反映との調和という観点から、そのような定めを考えております。 ちなみに、最高裁も、投票価値の平等について、選挙制度の仕組みを決定する唯一絶対の基準ではなく、国会が正当に考慮することのできる他の政策的目的、理由との関連において調和的に実現されるものと解釈をいたしております。 また、参議院議員の選挙について、合区を解消して各都道府県から代表者を出せるように、広域の地方公共団体の区域を選挙区とする場合には改選ごとに各選挙区において少なくとも一人を選挙することが可能となるようにすることを考えております。 なお、憲法上そのように規定したことによって、参議院議員が直ちに憲法四十三条、全国民の代表者と矛盾するというわけではないと思います。最高裁も述べているように、四十三条の全国民の代表については、その選出方法にかかわらず、特定の階級、党派、地域住民など一部の国民を代表するものではなく全国民を代表するものであって、選挙人の指図に拘束されることなく独立して全国民のために行動すべき使命を有することを意味する、このように最高裁でも解釈されておりまして、そのような解釈を前提にする限り、事実上、都道府県代表的な意義ないし機能を有する要素が加わったからといって、これにより、選出された議員が全国民の代表であるという性格と矛盾、抵触することはないと考えております。 時間に限りがございまして、終わりますが、これ以外の教育の充実、自衛隊、緊急事態などについても、いずれこの憲法審査会等で議論を深めてまいりたいと、このようにお願いをいたします。 ありがとうございました。
○会長(柳本卓治君) 白眞勲君。
○白眞勲君 民進党・新緑風会の白眞勲でございます。 安倍総理、安倍自民党の憲法改正に対する考え方、姿勢について、まず意見を述べたいというふうに思います。 憲法改正について、以前は自民党内にも、国会において幅広い政党の合意を目指し、スケジュールありきではなく静かな雰囲気の中で慎重に議論をしようという意見があったと認識していましたが、それが昨年の憲法記念日における安倍総理の発言で雰囲気が変わったと感じております。今では、二階自民党幹事長が議論は一年もあればいいのではないかとテレビで発言するなど、スケジュールありきではないと言いながら、スケジュールありきになっています。 しかし、こうした安倍総理主導の憲法改正の動きは、安倍総理の安倍総理による安倍総理のための憲法改正であり、国民を愚弄するものであるという声も聞こえてきます。 そもそも、憲法改正は、国民の圧倒的多数が今の憲法ではどうにもならないという意見を持ち、憲法改正に対する国民の期待が高まって初めて憲法審査会で慎重な議論の上、憲法改正の是非を国民に問うべきものです。 現に、状況を見ますと、改憲よりも例えば日米地位協定の改定などの方がよほど国民の期待は大きいのではないんでしょうか。 ところが、自民党憲法改正草案、これは過去、安倍総理が理想の姿と述べていた草案ですけれども、今では歴史的文書だとしています。また、安倍総理が主張をしていた改正項目も、当初は、九十六条の憲法改正手続を変えようとしたところ、裏口入学だなどと非難が起きると引っ込めて、次に、お試し改憲だとも言われましたが、改憲できるところからやろうと言い出しました。今では、草案に記載がなく、若しくは草案とは異なる考え方である自衛隊明記、緊急事態における議員身分の延長のみ、教育無償化、参議院の合区の解消を主張しています。しかも、これら四項目についても党内の議論が本当に詰まっているのか、そういう、衆議院総選挙の公約に記載するなど、安倍内閣誕生から今まで、どこを改正するかという内容がころころ変わり、そのたびにマスコミを含めて国民が踊らされている状況になっています。 それでいて、安倍総理は、各党が具体的な案を国会に持ち寄り、前に進めていくことを期待するなどと言っていますが、自分たちの具体的な案がいろいろ変わっているのに、他党のことを言うのは余計なお世話だと思います。 そもそも、先ほど申し上げましたように、国民の大多数がここを変えようという声があって初めて案が出るのであって、各党が案を持ち寄りと、案から始めていたら、案から始めて国民議論というふうになるならば、結局話があべこべになるんじゃないんでしょうか。 さらに、特に九条関係でいえば、自衛隊の明記について、佐藤正久外務副大臣、この方は昨年の十二月の外交防衛委員会で、事に臨んでは危険を顧みずなどと自衛隊員の服務の宣誓を用いましたが、これって私は憲法六十六条二項の文民条項に違反するのではないかと思いますけれども、この方が今回の自民党の憲法改正について、ホップ・ステップ・ジャンプのホップだとの報道ありましたけれども、こうした考えに立てば、自民党は最終的に九条を全面的に改正してフルスペックの集団的自衛権を認める方向を考えているのではないかと疑ってしまいます。そうであるならば、まさにそれは国民を欺くやり方です。 先日の衆議院予算委員会で、国民投票の結果にかかわらず自衛隊が合憲であり続ける理由について、総理は、自衛隊を合憲とする現在の政府の憲法解釈を我々は変えるつもりがないからだと答弁しましたけれども、これは、我々は変えるつもりはないけれども、今後、その都度の政治判断で解釈を変えることはできるとの読み方もできると思います。 また、教育無償化については、総選挙の公約に記載されていた無償化を明示する規定は見送るとの話でもあります。自民党の公約って、何てこんな軽いんでしょうか。 そこで、私は提案をいたします。 憲法審査会は、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行う機関です。であるならば、憲法改正について議論する前にやるべき重要な案件があると考えます。 その一つは、憲法改正手続法制定時と法改正時における、参議院が行った二回の附帯決議についての議論です。これら附帯決議においては、国民投票法における最低投票率の問題、テレビ、ラジオの有料広告における賛成、反対意見の公平性の確保や、政府による憲法九条解釈の変更に関して立憲主義や平和主義等に基づき徹底的に審議を尽くすことなど、いずれも憲法の在り方や国民投票の課題などについて広範多岐にわたる論点について検討を求めています。 それにもかかわらず、本審査会においては、今日まで二つの附帯決議について十分な議論は行ってきておりません。これらの附帯決議は、与党である自民党、公明党も賛成し、全会一致で可決されたものであるということをもう一度ここで確認しておきたいと思います。 本憲法審査会ではこの議論をこれからもしっかりと行うべきであるということを申し上げて、私の意見表明を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○会長(柳本卓治君) 西田実仁君。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 日本国憲法において、参議院は、予算の議決等ごく一部を除いて衆議院と同様の権能を有しております。法律上の権限もまた同様に、衆議院の優越を定めているのは臨時会、特別会の会期及び国会の会期の延長の決定ぐらいのものであり、ほとんど同様とされております。 さらに、衆議院が解散して衆議院不存在の場合でも、国会の機能を代行させるために参議院の緊急集会、憲法五十四条を定めております。これは、上下両院の二院制を取る諸外国の中でも極めて珍しい制度と言われます。その誕生には、日本国憲法の制定過程において、日本政府側の発意と強い要請があったことは記憶されるべきであります。 当初、内閣の閣令で対応すべきとされましたが、やはり全国民の代表である国会の関与が不可欠ということから却下。参議院の緊急集会は、国会を召集できない場合に、本来ならば議会の議決を要する緊急の案件が生じたときに行政府限りでの措置を認める方法を取らず、立法府を尊重しながら対処しようという制度として確立しました。 参議院の緊急集会は、後に失効の可能性があるとはいえ、参議院単独で国会の権能を行使することができることを意味します。それが可能なのは、参議院も衆議院と同様に、憲法四十三条第一項で定める全国民の代表だからであります。全国民の代表という点において衆参両院が共に同質のものとして単一の国会を構成しているからこそ衆議院の不存在の場合でも国会の権能を行使できるのであります。衆議院と同様、参議院の選挙制度においても投票価値の平等が求められるゆえんであります。 もちろん、参議院には、最高裁もいうように、憲法上、三年ごとの議員の半数を改選することとされていることなど、議員定数の配分に当たり考慮を要する固有の要素があることは踏まえなければなりません。しかし、それはあくまでも民意が適切に反映されるよう投票価値の平等の要請に十分に配慮してからのことであります。 参議院が全国民の代表であることにいささかでも疑念を持たれるのであれば、衆議院との関係において大幅な権限の見直しが迫られてまいります。そして、我が党は、参議院の影響力を弱める改革には賛同し難いと、二〇〇四年、党としてまとめていることも付言させていただきたいと思います。 過去、参議院の緊急集会は二回開催されました。昭和二十七年八月三十一日と、昭和二十八年三月十八日から二十日までの二回であります。いずれも吉田茂内閣のときであり、国会が混乱する中、とりわけ衆議院の与党内の対立が激しくなる中、抜き打ち解散、ばかやろう解散などと称される衆院の解散の後に参議院の緊急集会が召集されております。 驚くべきことに、例えば予算については、憲法六十条第一項において、「予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。」と衆議院の先議権が定められているものの、昭和二十八年三月に召集された緊急集会では、昭和二十八年度一般会計暫定予算、特別会計暫定予算、政府関係機関暫定予算が予算委員会において審議され、多数をもって可決、成立しております。この参議院の議決後に、召集された衆議院が同意をして暫定予算が執行されております。 また、先例はいまだないものの、防衛出動の承認についても、自衛隊法第七十六条第一項で国会の承認を得てと定めており、この国会の承認には、衆議院が解散されているときは日本国憲法第五十四条に規定する緊急集会による参議院の承認とされております。さらに、災害対策基本法においても、新型インフルエンザ等対策特別措置法においても、参議院の緊急集会の議決のみで内閣が制定した緊急措置の政令を執行させることができるようになっております。 こうした重みを持つ参議院の緊急集会を定める憲法五十四条については、これまで余り脚光が当たることがなく、先行研究も限られていると言われます。しかし、内外の安全保障環境が厳しさを増す中、衆議院解散・総選挙のように、あってはならない大規模自然災害や軍事衝突などの万が一の緊急事態に国会がいかに対応するかについて考えるとき、参議院の緊急集会の開催の要件やその手続、権能や効果などについて更に議論を深めていく必要があるのではないかと思います。 以上でございます。
○会長(柳本卓治君) 仁比聡平君。
○仁比聡平君 十二月六日の審査会に引き続き、憲法九条について述べます。 安倍総理は、この間、憲法九条に自衛隊を明文で書き込むとする憲法改悪を強引に推し進める一方で、それによって自衛隊の任務や権限に変更が生じることはないなどと繰り返しています。しかし、総理は、今の自衛隊の任務や権限を正面から説明しているでしょうか。逆に、安倍政権は、日米軍事一体化の下、現在の自衛隊が何をしているか、これから何をしようとしているか、国民にまともな説明さえせず、国会にもかたくなに隠し続けています。 特定秘密法案の強行に対し、沖縄返還密約を明らかにした元毎日新聞記者の西山太吉参考人は、秘密は権力の集中をもたらし、それは戦争につながると指摘しました。実態は隠し、けれど変わらないと言い張って国民をごまかし、憲法九条を変え、制約を取り払おうなど、断じて許されません。 現実には何が起こっているでしょうか。昨日、今度は青森県で、米空軍三沢基地のF16戦闘機がシジミ漁最盛期の小川原湖に燃料タンク二本を投棄する重大事故が起こりました。沖縄県米海兵隊普天間基地のオスプレイや大型輸送ヘリの墜落、大破、相次ぐ部品落下、攻撃ヘリの不時着事故、山口県米軍岩国基地における夜間離発着の強行を始め、在日米軍は今や日米合意や米軍基地周辺自治体との協定、確認事項をも公然と破って、横暴勝手な訓練、運用を強化し、耐え難い被害を国民に広げるとともに、我が国の主権を踏みにじっています。 安保条約と日米地位協定の下、米軍の運用に物は言えないと言い、米軍には安全運航義務を適用除外にしている航空法特例法などにより、幾ら事故が起きても自らは立入調査も検証もできず、米軍言いなりに運用再開を認めてきた政府の対米追随の積み重ねがこの事態をもたらしていることを安倍政権は猛省すべきであります。 NPR、核態勢の見直しで、核先制攻撃を辞さない、核兵器の前進配備を進めようとする米トランプ政権と一〇〇%共にあると言ってはばからず、二〇一四年閣議決定と日米新ガイドライン、安保法制、戦争法の具体化を推し進める安倍政権の下で、今自衛隊はこうした米軍との一体化を深め、海外での武力行使を含む体制を増強しています。 政府は、今国会冒頭の安倍総理の施政方針演説で初めて米艦艇と航空機の防護の任務に当たったことを宣言しながら、その中身を全く明らかにしようとしていません。 安保法制による米艦防護、武器等防護は、元々、先制攻撃を辞さないとする米軍と平時から一体となり、現場部隊の判断で国民の知らない間に武力行使へエスカレートする危険をはらむ明白な憲法九条違反です。その発動を宣言しながら、中身を説明しようともしない安倍政権の下で、自衛隊は、専守防衛から懸け離れた、米軍と肩を並べて戦う自衛隊に変貌させられているのです。憲法九条を改悪し、安倍政権の下で大きく変貌する自衛隊を書き込むなら、憲法九条二項の戦力不保持、交戦権否認の意味は変わらないどころか百八十度覆され、際限のない海外における武力行使に道を開くことになるのです。 国民の多数は改憲を求めていないのに自民党が憲法改定の動きをいよいよ加速する下でこの憲法審査会を動かすことは、勢い、改憲項目をすり合わせ発議への地ならしとなる重大な危険をはらんでいます。審査会は動かすべきではないことを改めて強調し、意見表明といたします。
○会長(柳本卓治君) 浅田均君。
○浅田均君 教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置、この三つの改正項目につきましては、前回ここでお話をさせていただきました。今回は、その背景となる憲法に関する日本維新の会の考え方を何点か述べさせていただきたいと思います。 まず一点目、これが一番重要だと思いますが、国権の最高機関である国会が本来の憲法制定権力者である国民の権利を奪うべきではないということであります。 日本国憲法の公布文に「日本国民の総意に基いて、新日本建設の礎が、定まるに至つた」という表現があります。また、憲法本文の中にも「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」、これは前文であります。また同様に、前文の中に「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、」という表現もあります。等、日本国民を主語にした文章が四つあります。日本国民という言葉がこれだけ使われながら、肝腎の国民自身はこの憲法制定過程に関与したことが一度もないんです。 現行憲法に関しましては、その制定過程も含め様々な問題点が指摘されておりますが、日本維新の会は、主権者である国民が憲法制定過程に関与することができなかったことが最大の問題点であると考えております。国権の最高機関である国会が本来の憲法制定権力者である国民の権利を奪うべきではないと考えております。 二点目、近代立憲主義において、憲法は公権力を縛るルールであるという主張があります。ところが、憲法の規律密度という観点から現行憲法を概観すると、現行憲法の規律密度は決して高くありません。条項が少なく文言が概括的なら規律密度は高くなく、権力への統制力は弱くなります。例えば、憲法八章で地方自治のことが書かれてあります。九十二条には、先ほどもお話がありました「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」としか書かれてありません。規律密度は低く権力への統制力は弱いとすれば、憲法が公権力を縛るルールであると主張するためには、逆に憲法の規律密度を高める必要があります。そのためにはむしろ憲法改正が必要であるという結論に至るのではないでしょうか。 三点目、私たち日本維新の会は、多様な価値観を認め合う社会を実現させたいと考えております。そのために必要な制度的枠組みはどうあるべきか、その基本法が憲法であると考えております。国の形を基本法で定める、確かに公権力を縛るという部分はありますし、権力を分立させることは必要なことです。しかし、それが憲法の全てではないと考えます。多様な価値観を認め合う社会の実現、多様な人々の自己実現を図る、その前提として機会平等の社会をつくる、そのためには、教育無償化を国民の意思として示すべきだと考えております。 四点目、人間の最も根源的な権利は、自らの生存権です。それで、主権者が自らの生存権を保障するために基本法を作り、国家をつくる。現在も、国家の基本的な役割は、主権者である国民の生命、財産を守ることである、つまり生存を保障することであるという点では皆さん異論はないと思います。そこで考えてみる必要があるのは、果たして現在の日本が日本国民を守ることができるのかということです。北朝鮮のミサイル問題等、安全保障環境が変化しております。この現実を冷静に見詰める必要があると考えます。 以上です。
○会長(柳本卓治君) 福島みずほさん。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 憲法とは何かといったときに、二つあると思います。一つは権力者を縛るものです。二つ目は、憲法は一つの理想であり、そこに向かって不断の努力をしなければならないというものです。 憲法十四条は、法の下の平等を規定をしています。しかし、法の下の平等が果たして実現されているでしょうか。女性差別、障害者差別、外国人差別、子供差別、高齢者差別、たくさんの差別が残念ながら日本に存在をしています。では、法の下の平等の規定は無意味なんでしょうか。そうではありません。憲法に向かって、憲法の条文をどう保障していくのかという理想に向かって私たちは努力をしなければならない、そう思います。その点は憲法九条にとっても同じです。憲法九条が規定する平和の構築を、まさに全力でそのことに向かって努力をしなければならない。現実に合わせて憲法を変えるのではなく、憲法が掲げる理想に向かって私たち政治は努力をすべきである、そう思っています。 憲法九条にはたくさんの効用があります。最大の効用は、日本の若者が、日本の人々が諸外国で戦争で亡くならなかったということです。憲法九条はたくさんの人の命を守ってきました。もし憲法九条がなければ、日本は朝鮮戦争、ベトナム戦争などに日本の若者を送り、まさにそこで死者が出たかもしれません。まさに憲法九条は日本人の、日本の若者の命を守ってきました。九条の効用は戦後七十数年にわたり威力を発揮し、それを守らなければならない、そう思います。 次に、安倍総理の言う、憲法九条三項に自衛隊を明記することについて申し上げたいと思います。 安倍総理は、憲法九条三項に自衛隊を明記すると言います。去年十一月三十日、参議院の予算委員会で、このことについて総理に質問をしました。九条三項に自衛隊を明記するということは、集団的自衛権の行使をする自衛隊のことですねと聞きました。総理の答弁は、そのとおりですという中身です。憲法九条一項、二項の解釈を変えて部分的に集団的自衛権の行使ができるようにしました、そのままですという答えです。現行と変わらないということは、集団的自衛権の行使をする自衛隊の明記という点が変わらないということです。専守防衛の自衛隊でも災害救助のための自衛隊でもありません。まさに世界で戦争をする自衛隊、戦後の出発点と戦後の七十数年間を根本的に否定するものです。 九条三項に自衛隊を明記することは、まさに戦争改憲です。この戦争改憲を何としても止めなければならない、そう思っています。戦争改憲が行われれば、まさに戦争の発動が行われるでしょう。それは専守防衛の自衛隊ではありません。アメリカとともに、多国籍軍とともに世界で戦争する自衛隊をつくるために憲法を変えることに私たちは力を貸してはならない、そう思います。 次に申し上げたいことは、憲法規範がこれまでに踏みにじられていることを私たちは許していいのかということです。 残念ながら、二〇一五年、戦争法、安保関連法が成立をしました。歴代の自民党は、安倍政権以前の自民党は、政府見解でも各総理大臣でも、まさに集団的自衛権の行使は憲法違反だと言ってきました。中曽根さんも小泉さんもみんな集団的自衛権の行使は憲法違反だと言い、もし集団的自衛権の行使をするのであれば憲法を変えなければならないと言ってきました。それを変えたのは、解釈を変えたのは、踏みにじったのは安倍政権です。これはおかしいと思います。 法律家のほとんど全てが集団的自衛権の行使は違憲だと考えています。これは、法律家ではなく、自民党もかつて言ってきたことです。これほどまでに憲法の規範を踏みにじる中で、明文改憲などあり得ません。解釈改憲で集団的自衛権の行使を認め、そして明文改憲をする、そのことを許してはならない、そう思います。 私たちがこの憲法審査会でやるべきことは、先ほどもありましたが、憲法規範が揺らいでいる、憲法が守られているのか、そのことこそ議論すべきだと考えています。 緊急事態宣言条項も内閣限りで基本的人権を制限するもので、とんでもありません。また、合区解消のための憲法改正も、先ほど公明党の西田理事からもありましたが、参議院の地位をまさに低めるものだと思います。公職選挙法で議論すべきで、議員定数不均衡、憲法十四条を踏みにじってはなりません。 今、私たちに問われているのは、憲法規範を守ることです。憲法規範が揺らいでいる中で、憲法改正の議論をすることをこの憲法審査会でやってはなりません。憲法規範の回復こそ、まさにここの憲法審査会で、国会でやるべきことだと考えています。 以上です。
○会長(柳本卓治君) 風間直樹君。
○風間直樹君 立憲民主党の風間直樹です。 本日は、憲法九条について、党の見解を踏まえて私の意見を述べたいと思います。 立憲民主党は、安倍総理の九条改憲案には反対です。後法は前法に優越するという法解釈の基本原則により、九条一項、二項の規定が空文化しかねません。この場合、自衛隊の権限は法律に委ねられ、憲法上はいわゆるフルスペックの集団的自衛権行使が可能となりかねません。よって、自衛隊を憲法に明記することは安保法制の追認となることから、反対です。これが立憲民主党の基本的な立場であります。 その上で、今日は、総理案に対して疑問を述べたいと思います。これは私自身の疑問であります。今日は委員間の意見交換ということですので、率直に疑問を述べたいと考えております。 私は、自衛隊を憲法に明記することについて、日本の国家主権を守るという点から懸念を持っています。それはこういうことです。 昨年十二月の当審査会で私が述べましたとおり、我が国の安全保障法制は米国との多数の密約の上に構築され、それら密約は現在もなお密約であります。これは先生方御案内のとおりであります。したがって、九条、安保条約、地位協定、それぞれの条文の意味するところが、国会審議を通じて、戦後、今日に至るまで明らかになっていないおそれがあります。 私はかつて外務省の政務官を務めましたが、膨大な密約があるゆえに、恐らく外務省の当局、あるいは高官でさえその全体像を把握しているのだろうかという、そんな心配に駆られることすらあります。 例えば、かつて国会でも取り上げられた自衛隊の有事の指揮権に関する密約、吉田茂総理が米軍司令官と二回にわたって口頭密約を結んだことはかねて指摘されてきましたが、最近の米国公文書の機密解除により、米軍司令官の有事の際の自衛隊に対する指揮権は、一九五二年二月二十五日、日米行政協定第二十二条に関する密約として日米で合意されたことが明らかになっています。これは米公文書に基づくものです。 また、米統合参謀本部は、一九五一年十二月十八日に国防長官に宛てた機密文書の中で、戦時には極東米軍司令官が日本国内の全ての軍隊を指揮するという見解を示し、統合軍という概念が行政協定の根幹を成すと述べています。統合軍とは、米軍と自衛隊を一つの軍隊とみなし、その全体を米軍司令官が指揮するという統一指揮権の存在を前提とした概念とされ、日本政府の文書ではこの統一指揮権が統合司令部という表現で記されることが多い現状です。 米国公文書が語るこうした事実を踏まえた場合、総理が主張される憲法への自衛隊の明記はどのような意味を持つのでしょうか。総理の主張が実現した場合、安保法制の下、自衛隊が武力行使を目的に海外派遣され、その指揮権を内閣総理大臣ではなく外国軍の司令官が持つという事態になるおそれはないのでしょうか。これが私の懸念であります。 皆様お気付きのとおり、これは我が国の主権に関わる重大問題です。自衛隊への指揮権を名実共に内閣総理大臣が持たないのであれば、日本は主権国家ではありません。我が国は自主も独立もないことになります。 前回の当審査会でも述べたように、米国は、終戦前から九条の案文を検討していたこと、しかも日米地位協定、安保条約、九条をパッケージで構想し、戦後日本の安保体制の青写真を作成したことが最近の研究で判明しています。 多数の密約ゆえに日米間の合意事項がつまびらかにならず、パッケージとして構想された安全保障の法体系とその条文の意味するところが必ずしも公にならない中、今日まで積み重ねられた国会論戦は、主権国家の安全保障を議論をする上で必要な情報と事実を得ておらず、不十分だったのではないかと懸念をいたします。 米国が構想した戦後日本の安全保障体制の俯瞰図と意図を把握した上で、地位協定、安保条約、九条のパッケージで米軍が描いた安保法体系の全体像を捉える。国会がこれら情報を共有し、その上で九条を議論することが必要ではないでしょうか。 さきの審査会で参考人質疑を提案いたしました。改めて幹事会で検討いただきたく、お願いを申し上げます。 以上です。
○会長(柳本卓治君) 松沢成文君。
○松沢成文君 希望の党の松沢成文です。 私たち希望の党は、憲法の在り方を様々議論をして、時代の要請に合わなくなった部分あるいは新たに付け加えるべき部分があったらそれを積極的に議論をし、そして国民の皆さんに改正すべき点を提案する、これは国会の責務であると考えておりまして、そういう意味で、この憲法審査会においてようやく憲法についての議論が深まりつつあるということは大変好ましいことだというふうに考えております。 そういう中で、党としても党の憲法調査会というのを設けまして、改正すべき点についての議論を進めております。 そのまず第一は、地方自治について。日本はこれまで中央集権国家として発展してきましたが、やはり地方分権をしっかり進めて地域の活力を取り戻す必要があると考え、この改正案作りに取り組んでおります。地方自治の本旨とは何ぞや、しっかり規定すること、あるいは自治体の種類や補完性の原理、さらには、議会と執行機関の機能と役割、地方自治体の財政自主権、住民の直接請求権などをしっかりと憲法に書き込んで、地方自治が花咲く日本の国にしていきたいということです。条文改正案もようやく整いつつありますので、追ってまたこの審査会でも皆様に提起していきたいというふうに思っております。 二つ目が、教育の自由化についても議論を進めておりまして、失礼、自由化じゃない、無償化ですね、教育無償化に関する条文案としては、義務教育の無償を定めた二十六条を改めて、幼児期から初等教育、中等教育に至るまでの公の性質を有する教育を無償にするというふうに規定してはどうか。そして、私学助成の合憲性を明確化するため、公金支出に関する八十九条も改正すべきだと思います。大学などの高等教育に関しては無償化の対象に含めず、教育の機会均等を明記するという方向で今条文案を作っておりまして、これもまた提起をさせていただきたいと思っています。 こういう形で党の方でも様々憲法改正の具体的な条文案を検討しているところですが、今後、国家緊急事態、あるいは憲法九条、あるいは衆議院の解散権の制約等についても具体案を作っていきたいと思っています。 ここからは私の私見でありますけれども、まだ党の方で議論が進んでおりませんが、私は、現行憲法の最大の問題というのは、国家の防衛や緊急事態に対してどうやって憲法秩序を守っていくかという規定がないこと、これが最大の問題だと思っておりまして、その意味では、九条の改正や国家緊急事態の追加ですね、対応の追加、ここをきちっと議論をしていかなければならないというふうに考えております。 そういう中で、今、自由民主党の中で九条の改正案の条項案についても様々提案がなされ、議論がされております。 私ども希望の党としては、九条の一項、二項は、これは現行平和憲法の理念でありますのでここはしっかりと守って、九条の三項にいきなり自衛隊という組織を追加するのではなくて、その前提となる自衛権についてしっかりと規定をする。つまり、一項、二項の方向は守りながら、三項に、とはいっても日本は独立国家であり、国際法上認められている自衛権はあると、まず自衛権をきちっと明記すべきだと思います。そして、九条の二の方に、この自衛権を担保するために自衛隊を置いて、自衛隊はきちっとシビリアンコントロールの下に置くということを、自衛隊の具体像、これをきちっと入れ込むことが非常に国民にとっても分かりやすい、そして日本の平和国家としての理念も継承できる、そういう案になるのではないかと思っていまして、是非ともこの憲法審査会でも、安全保障、国防についての議論も含めて議論をさせていただければと思っております。 最後に、国家緊急事態についても、今、国会議員、特に衆議院議員の任期の延長等の議論が中心になっているようでありますが、国家の緊急事態において、私権の制限も含めて、あるいは行政権の強化、やっぱり国家が緊急事態になっているときに、国民を守るためにやむを得ざるこういう権限の強化についてもきちっと憲法に認めておく、しかしそれが濫用されないように、国会のチェックの仕組み、これも含めてきちっと提起をしないと本物の国家緊急事態条項にはならないというふうに思っていまして、ここについても議論を深めていきたいというふうに思っております。 以上、希望の党からの提案でございます。よろしくお願いいたします。
○会長(柳本卓治君) 山谷えり子さん。
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。 憲法九条についての考え方を申します。 まず、平和主義の理念はしっかり守る、憲法は国の基、国柄が反映され、社会の安定、人々の幸せに資するものであらねばならないと考えます。現憲法の平和主義、基本的人権、国民主権、基本原理を守ることは重要です。その上で自衛隊に関する論争に決着を付けるべきです。 国民の自衛隊への信頼は今九割を超えています。今月も、私のふるさと福井の大雪で、自衛隊の方々、大変なお働きをしてくださっています。感謝です。自衛隊の存在を国民の九割が信頼し、好印象を持っているのに、憲法学者の六、七割が違憲という、自衛隊の正当性が傷つけられています。教科書には違憲との指摘も書かれたり、教室で違憲論を先生が語り、自衛隊員の子がいじめに遭う現実もある。 自衛隊の存在を憲法に明記することは、安全の根幹に関わり、安保上の意義を持ちます。自衛隊は、憲法九条二項の下、政府見解として、戦力に至らない自衛のための必要最小限度の実力とされ、合憲の解釈です。平和主義の下、自衛のための実力組織を持つこと、自衛のための必要最小限度の実力行使は主権国家として当然で、国際社会では国際平和活動への寄与も求められています。 そこで、どのように書き込むかはこれから議論するところでありますが、例えば条文として、九条二項の後、前項の下、我が国の平和と独立、国民の生命と財産を守り、国際平和に寄与するための自衛隊を置くといったように、自衛隊の目的、性格を明確に示すことがよいのではないかと考えます。現実を見、国民の理解が得られるようにしていくことが重要で、九条一項、二項を残し、自衛隊を明記する加憲であります。 シビリアンコントロール明記もあり得ます。シビリアンコントロールは民主主義国家体制を守る上で不可欠で、その重要性は共通認識と言っていいと思います。憲法六十六条との関係もありますが、国民の理解が得られるようにしていく努力を続けたいと思います。 次に、緊急事態条項の重要性についてです。 前回、憲法審査会でも発言しましたが、今後予測される首都直下地震や南海トラフ巨大地震のような大規模災害などに備え、緊急時に国民の安全を守り、復興のスピードを上げ、国難を乗り越えるために憲法にどう位置付けるかが大切です。 東日本大震災の折、憲法に定める権利や自由を大きく制約するおそれがあって災害緊急事態の布告を行わなかったと政府役人は語り、また、現場でも十分な対応がし切れなかったという反省が地方議員から上がっています。瓦れき処理にも憲法の保障する財産権の壁が立ちはだかったと語る自治体責任者の声もありました。現憲法の下でも公共の福祉の考え方があるという意見もありましょうが、憲法に考え方が明記されていないと、後に次々と違憲訴訟になって自治体が堪えられないのではないかという現場の思い、現実があります。 緊急事態において政府の権限をどこまで認めるか、憲法に明記しなければ被害の最小化はできません。まず、内閣総理大臣は、大地震その他の大規模災害が発生し、当該災害が激甚なものである場合、国民の生命、財産を守るため、閣議にかけて緊急事態の宣言を発し、緊急措置をとることができるというように、政府のリーダーシップを示し、同時に、議会的統制が必要と考えますので、緊急事態の措置について法の定めるところとし、国会の承認を必要とする方向で国会の関与を明記してはいかがかと思います。 また、緊急事態に際し衆議院議員が不在となる場合があるという議論もあります。そこで、緊急事態の宣言が効力を有する期間は衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができるなどの規定が必要と考えます。これは、国会議員の身分保障の優先ということではなく、復興、国難を乗り越えるため、国家国民への役割を果たすため必要だからであります。 こうしたことを緊急事態条項として書き込む方法のほか、第五章の内閣の職権や第四章の国会の衆参両議院議員の任期の条文に加えていくことなど、考え方はいろいろあると思います。各議員が、各党が具体的議論に入っていくことが国家国民に対する責任であると考えます。 なお、立憲主義を、憲法は国民が権力を縛るためのルールと理解し、解説する方も日本には多いのですが、同時に、国民の幸福を守ろうとする政府に国民は一方で協力、理解するということもセットであってこそ立憲主義の本来であり、人間社会の現実と調和、つながりを見詰めた考え方、国際的考え方であろうかとも考えます。 以上です。
○会長(柳本卓治君) 石橋通宏君。
○石橋通宏君 発言の機会をありがとうございます。 私からは、冒頭の我が党の白眞勲理事からの意見提起に関連して二点発言をさせていただきたいと思います。 一点目は、まず合区の問題についてであります。 冒頭、自民党の岡田理事から、自民党の改憲案、合区の問題について御発言がありました。是非、自民党でこういう結論に至るに当たってどのような議論があったのか、よりまた具体的に御説明を国民に対してもお願いをしたいというふうに思うわけであります。 参議院選挙の合区の在り方を含む選挙制度改革については、これは憲法改正ではなくて、選挙制度改革で全党を挙げて議論をし、結論を得るべきだというのは、恐らく自民党以外の全ての党が一致した見解ではなかったかというふうに思います。 まさに現在、参議院の改革協で、参議院の在り方を含めて選挙制度の在り方も検討されている、そういう状況にあるわけであります。もし、岡田理事が発言されたように、国民全体の総意として、この合区の在り方ですとかそういったことについて問題意識を共有いただけるのであれば、ではなぜ、この現行憲法下で選挙制度改革によってそういう目標が実現できるように、例えば参議院の議員定数の増を国民の皆さんにお願いすることも含めて、そういった現行憲法下ででき得る改革について、なぜ真摯に議論をし、結論を得、国民の皆さんにお願いをする、そういう対応ができないのか、そのことを是非自民党には問いかけたいと思いますし、御説明をいただきたいというふうに思います。まさか、改憲ありきで結論を得られて、この憲法審査会にその強制をするのではないと理解をいたしますが、この点については是非自民党の御説明をお願いしたいと思います。 あわせて、冒頭御説明をされた自民党案について、第四十七条を大幅に修正すると。しかし、これ、参議院だけではなくて、衆議院も含めて行政区画や地域的な一体性などを勘案するというふうにされているようであります。そうすると、そのまま受け止めれば、これ、どこまで一票の不平等の拡大というものを許容されるんでしょうか。どこまで、何倍までこれを許容するという、そういう表現になるんでしょうか。今のままでは、どうもこの一票の不平等、これを問えなくなるのではないかという懸念まで含まれている問題をはらんでいるというふうに思わざるを得ません。 一票の格差、価値を後退させるわけでは、矛盾するわけではないというような発言もあるようですが、どうも整合性が取れないというふうにしか思えませんので、この点についても改めて国民の皆さんにしっかりと説明をいただきたいというふうに思います。 二点目は、日米地位協定と憲法との整合性について問題提起をしたいと思います。これは、共産党の仁比委員からも先ほどの御発言で触れておられました。 皆さんも御存じのとおり、日米地位協定、一九六〇年に締結されて以降、事実上、一度も改正をされておりません。大きく状況が変わっているにもかかわらず、そのままで現在に至っています。ほかの国々、世界でも四十か国近く米国と同様の地位協定を結んでいる、そういう国々は、ドイツやイタリアも含めて、国民的な要請に基づいて大きく地位協定の改定を行ってきています。主権の回復、国民の福利厚生の回復、そういったことを実現しているわけでありまして、しかるに我が国では、残念ながら全くそれが実現されないままに主権が制限されたままで現在に至っているというのが実情だというふうに思います。 沖縄で今なお頻発する重大事故、事件、こういったことがそのままにされていて、保育園や小学校に米軍機の部品が落下しても、日本側は事故原因の調査も究明もできない、飛行中止の要請すら無視される。こんなことをいつまで許しているんでしょうか。このことについて、もし自民党が真剣に考えるのであれば、憲法改正以前に、まずは日米地位協定の抜本的な改定について真摯に議論すべきではないかというふうに強く思います。 是非、自民党にはその点についての見解を求めたいと思いますし、この審査会において、これは会長に要請したいと思います。是非、現行の地位協定の合憲性について、本当に国民の基本的権利の尊重、憲法上のそういった権利が無視されていないのか、じゅうりんされていないのか、そのことこそこの審査会で議論されるべきだということで、お取り計らいをお願いできればと思います。 以上です。
○会長(柳本卓治君) ただいまの石橋委員の発言に対しましては、両筆頭間でまた協議をさせていただきます。 有村治子さん。
○有村治子君 自由民主党の有村治子です。 米国の副大統領が、日本の憲法は米国が作ったと公言をしています。一昨年、米国オバマ政権のときのバイデン副大統領が当時のヒラリー大統領候補の演説会において応援演説をしたときに、日本の憲法は米国が作った、こんなこともトランプ候補は知らないのかという文脈において語られています。そして、その後もこの言葉は訂正あるいは撤回をされていません。 戦後七十年以上たってもなお、他国の要人をして、日本の憲法が他国によって作られたと言わしめられることはとても残念に思います。占領下で作られた憲法を今こそ主権者たる国民自身の手によって、民主主義国家にふさわしい、民意の表明を仰ぎ、そして民意の表明によって国民による憲法を作り上げる必要性を痛感をいたします。 敗戦を喫した日本は、米軍を中心とするGHQ、占領軍によって占領政策下に置かれました。その占領下、日本の新聞やラジオなどの報道機関はプレスコード、検閲がしかれていました。ラジオ、新聞はもとより、教科書はもとより紙芝居に至るまで表現の自由が制約をされていました。同時に、その時代は、私たちの先人の国会における公式な議事録は全て数日以内に英訳をしなきゃいけないということが強いられています。 そのプレスコードの中、三十項目ありますけれども、割愛をいたしますが、四つだけ御報告をいたします。 報道規制がなされていたものは、例えば検閲がしかれていること自体を国民に報じてはいけない、報道してはいけないという項目があります。国民は報道規制がなされていることを知りませんでした、知られる機会がありませんでした。また、その項目には、GHQが憲法を起草したことを報じてはいけないという項目がございます。 また、別の項目としては、占領軍と日本人女性の交渉、交渉というのはネゴシエーションの交渉という字が当てられていますけれども、戦争に勝った国の軍人と戦争に負けた国の女性の間でどのようなヒューマンコンタクトがあったのか、両者の間で起こった犯罪や暴力沙汰も報じられないという状況下でございました。そして、戦勝軍となった連合国各国に対する批判は一切してはならぬという規制がしかれていました。 そういう意味では、先ほど、与野党を超えて主権の重要性ということを同僚委員が述べておられます。そのとおりだと思います。独立国家の根幹である主権、国民自身が国の在り方を決めるという主権そのものが日本になかった時代がどういう時代だったのか。国民は、あるいは時の政府は、あるいは私たちの先輩はどのような制約を受けながらこの憲法を作ったのか。その現実を直視して、現憲法が持つ崇高な理念を堅持した上で、私たち自身、今の国民が信じる、より崇高で現実的な価値を書き込むべきだと考えます。 以上です。
○会長(柳本卓治君) 小西洋之君。
○小西洋之君 民進党・新緑風会の小西でございます。 憲法についての考えを議論する調査の議題でございますので、憲法の根本のものについて各委員の皆様とともに共有をお願いする、そうした意見をさせていただきたいと思います。 先般の憲法審査会でも申し上げましたけれども、先ほど山谷先生がおっしゃいました、平和主義、基本的人権、国民主権、憲法の基本原理は守るということでございますけれども、衆参の憲法審査会を通じて各政党各会派が、日本国憲法の平和主義、具体的に日本国憲法のどこに平和主義がどういう言葉で書かれていて、それをどのような理念、主義として考えているのか、各党各会派の見解が明らかにされたことは一度もございません。 しかし、議院内閣制の下で七十年間一貫して政府が積み上げた確立した解釈がございますけれども、憲法前文の平和主義は、憲法の九条ではなくて、憲法の前文に書かれてある三つの理念、全世界の国民が平和的生存権を有することを確認する、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることがないことを決意して、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定するといった、なぜ日本は九条において軍事に関することを徹底的に放棄し、徹底的に禁止をするのか、なぜ平和でなければいけないのか、その根幹の主義、理念は前文に書かれているというふうに言われております。 前回も幹事会での議論をお願いいたしましたけれども、自民党は、憲法の前文、憲法の平和主義を一体どのようにお考えでいらっしゃるのでしょうか。全ての国民の平和的生存権を確認しているのに、なぜ石油目的で他国に軍隊を派遣して、他国の軍人や市民を殺傷することが許されるのでしょうか。前文の平和主義は、小学校六年生、義務教育の教科書に載っております。なぜ前文の平和主義と集団的自衛権が矛盾しないのか。我が国に対する武力攻撃が発生していないのに、こちらから同盟国を助けるために武力を発動するのが集団的自衛権です。まさに、国会や内閣、国家権力が戦争を起こすのが集団的自衛権でございます。なぜ可能になるんでしょうか。こうした根本的な我々の憲法の平和主義を各党がどう考えるのか、そうした議論をまずしなければいけないというふうに思います。 また、憲法がよって立つ立憲主義の理念についても、各党においてどのようなお考えであるのか、ずれがございます。 先般も申し上げましたけれども、自民党は衆議院の会派の代表意見で、立憲主義とは、権力の分立により、権力を制限ではなくて、権力の分立により基本的人権などを保障する考えというふうにおっしゃっております。ただ、これは近代立憲主義の定義と明確に異なります。また、先ほど山谷委員がおっしゃられました、国民の幸福を守る政府に国民が協力をする、こうしたことも立憲主義ではないかというふうにおっしゃられるわけでございますけれども、かつての沖縄の地上戦のことを考えますと、日本国を守るために日本軍とともに、つまり政府とともに住民が戦うことまで協力をされたわけでございます。 あくまでも、国民の命、自由と権利を守るために国家権力を制限し、国家権力の暴走を歯止めを掛ける、立憲主義、近代立憲主義の考えはもうそれに尽きると、私は、そういうことを皆様とともに共有させていただかなければいけないというふうに思います。 また、憲法の制定過程についてもいろんな見解があることではございますけれども、先ほどの有村先生がおっしゃられましたバイデン副大統領の発言、私も大変遺憾に、残念に思います。であるならば、外交権を持っております安倍内閣がちゃんとこの発言を撤回をさせていただかなければいけないと思います。日本国憲法は、自由選挙によって選ばれた国会の議論において正当に成立をした憲法であり、生存権の規定、そして教育を受ける権利、男女の平等権の明文規定、アメリカ合衆国憲法をはるかに凌駕する今なお世界でも有数の人権法典であるというふうに考えているところでございます。 最後に、各委員の皆様から、日米協定について議論をすべきではないかという問題提起がございました。風間委員、仁比委員、また石橋委員からもございました。私も賛成でございます。 なぜならば、日米協定は、これは、憲法九条に関し、かつて一九六〇年に日米安保条約とともに国会で制定された国際条約でございます。すなわち、国会法百二の六が定める我が憲法審査会の任務、日本国憲法に密接に関連する基本法制、基本法制が日米協定そのものでございますので、今この日米協定が、例えばイタリアですと、先ほどの小学校の例がございましたけれども、飛行機が飛ぶ場所をちゃんとイタリア政府が決めることができる、あるいは飛ぶに当たっての事前の届出を許可をすることもできる。日本の政府はそういうことは全くできませんので、まさに、日本国の主権、そして国民の人権、自由、そして恐怖や欠乏から免れるという平和主義の考え方、九条の運用そのものが損なわれている問題だと思いますので、私は、日米協定の在り方についてこの憲法審査会で議論をすること、平和主義、立憲主義、日米協定の在り方について議論することを会長にお計らいをお願いをいたします。幹事会の議論をお願いいたします。
○会長(柳本卓治君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会におきまして協議をいたします。 竹内真二君。
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。参議院憲法審査会での発言は初めてですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。 先週十六日に公明党は今年初めて憲法調査会での党内論議を行い、これまでの党内の憲法論議についても改めて確認をいたしました。 我が党の憲法に対する基本的な立場は、国民主権、基本的人権の尊重、恒久平和主義、この憲法の三原理は人類の英知というべき優れた普遍の原理であり、今後も堅持すべきとの考えであります。三原理を骨格とする現憲法は優れた憲法であるとの前提に立ち、憲法改正に関しては、時代の変遷に伴い提起されている新たな条項を付け加える加憲が現実的であると主張しております。 憲法をどこまで改正できるのかは学説的には限界がないとする論も一部にありますが、人類普遍の原理である憲法の三原理、この憲法の骨格部分は変えることはできない、つまり憲法改正には限界があると私は考えております。もちろん、憲法も法規範である以上、必要な改正はあってしかるべきです。 そこで、憲法改正に関する議論では二つの点を念頭に置くべきと考えます。 第一に、国会の憲法審査会で徹底的に議論し、できるだけ多くの政党が共通認識を持って幅広い合意を得た上で国会が改正の発議をする。第二に、国民投票で賛成が得られるように幅広い国民の理解を得る必要がある。国民を分断し、国論を二分するようなことは絶対に避けなければならないということです。 言うまでもなく、国民の合意形成に大きな役割を果たすのは衆参両院の憲法審査会であります。今後、本審査会での議論を深めると同時に、その議論の中身を分かりやすく丁寧に国民に発信していく努力も不可欠ではないでしょうか。 世論調査などを見ますと、特に若い世代の人たちは必ずしも憲法改正に高い関心を持っているとは言えません。若者に対して憲法審査会での議論を伝えていく在り方などに知恵を絞ることも国会の役割、責務と考えます。 最後に、国会の憲法改正の発議は、次代を担う若者を含めた多くの世代に支持が得られている、国民世論の機が熟している、そのような状況の下で行わなければならないことを申し上げまして、私の意見とさせていただきます。 ありがとうございました。
○会長(柳本卓治君) 吉良よし子さん。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 私は、前回の憲法審査会で、平和と言うなら憲法九条を本気で守り、生かす努力こそ必要であり、その努力を放棄して、九条を踏みにじり、壊そうとしている安倍政権に平和を語る資格はないと申し上げました。 今、安倍政権の下で、平和主義や基本的人権の尊重など、憲法の基本原則が踏みにじられている現実があります。私は、これこそが重大な問題だと思っております。 まず、沖縄です。 先ほど来お話がありますけれども、この間、米軍機の墜落事故、小学校や保育園に部品が落下する事故が相次いでいます。米軍ヘリの部品が落下した宜野湾市の緑ケ丘保育園の園長や父母会役員の皆さんが先日上京して、政府や各党に米軍機の飛行停止などを求めました。 私もその直筆の嘆願書、読みましたが、どのお母さん方も、部品落下の一報を聞いて、震えて、不安で涙を流し、お迎えに行って無事な我が子の姿を見て安心してまた泣いたという。父母会の皆さんは嘆願書に書いています、けが人が出なくてよかったで済ませてはいけませんと。さらに、国に言っても子供たちの命を守ってもらえないのかという思いです。保育園上空は飛ばないでというシンプルなお願いをしているだけ。空から物が降ってくるなんて平和でない。安心な生活をさせて。嘆願書にあふれているこれらの声にどう応えていくのかが今問われています。米軍は、緑ケ丘保育園への部品落下事故から二か月たった現在もその事実を認めていません。 ところが、日本政府は、自ら調査することもなく、その米軍の言い分をそのまま繰り返すだけです。そして今なお、保育園上空を米軍機が飛び続けているのです。なぜ、保育園上空は飛ばないで、子供たちに安全、安心な生活をさせてという当然の願いが踏みにじられているのか。 米軍基地の下では、憲法に書かれている基本的人権や平和のうちに生きる権利、平和的生存権は保障されなくていいということなのでしょうか。憲法の上に安保条約を置き、米軍の無法を容認している政府の責任は重大です。米軍基地は無条件撤去しかありません。 もう一つは、核兵器の問題です。 昨年、国連では、核兵器禁止条約が採択されました。ところが、唯一の戦争被爆国である日本政府は、この条約への署名を拒否し、世界の流れに背を向けています。 さらに、今月二日、アメリカが発表した核兵器の使用可能性の拡大を表明するNPR、核態勢の見直しの方針を安倍政権は高く評価すると歓迎し、支持を表明しています。この方針については、新たな核軍拡競争の火種となるのではなどの懸念が国際社会から出されています。また、この方針の下で、在日米軍基地を拠点とする米艦船や米軍機にも核兵器が搭載される危険性もあります。それは、憲法の下で国是とされてきた非核三原則に反する大問題です。 今、日本政府に求められているのは、日本の被爆者を始め、核兵器のない世界を求める世界各国と市民社会の長年の願いであり、その取組が結実した歴史的な条約である核兵器禁止条約に批准し、核軍拡を進める国々に毅然とした態度を取ることです。 一月に来日したICANのベアトリス・フィン事務局長も、日本の国会議員との討論集会の中で、核抑止は神話です、現実を見れば、北朝鮮の核開発は阻止できなかったし、核拡散につながったと指摘し、核兵器は誰の下にあっても平和と安定をつくれない、日本には核兵器禁止条約に向き合ってほしいと語っていました。 こうした世界の願いに耳を貸さず、核兵器禁止条約に背を向け、アメリカの核軍拡方針を支持することは、唯一の戦争被爆国、憲法九条を持つ国の在り方に反する大問題です。絶対に見過ごせません。 変えるべきは憲法ではありません。沖縄の現実、核兵器など、安倍政権の下で広がっている憲法に反する現実こそ変えるべきです。憲法の理想こそ本当に実現するための真摯な努力が今政治に求められているということを強く申し上げまして、この場での発言といたします。
○会長(柳本卓治君) 東徹君。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 昨年の通常国会ではこの憲法審査会、一度も開催されませんでしたが、今回は通常国会で早くも二月に開催されましたことを評価させていただきたいと思います。ただ、今後とも間を空けることなくこの憲法審査会が開かれて、積極的に議論をされますことを望んでおりますので、要望させていただきます。 まず、自民党の方から、憲法改正の、参議院選挙の合区解消のことが話がありました。この件につきましては、我々といたしましては、いきなり憲法改正でやるのはいかがなものかと、この件については反対せざるを得ないというふうに思っております。 そもそも、この参議院選挙の制度改革でありますけれども、平成二十六年四月に、当時自民党の幹事長でありました参議院制度協議会の座長の方から、二十二の府県を合区して十一選挙区にするという案が出されました。私はその案を見たときに、非常に斬新的なことを考えていただけるんだなというふうに思っておりましたが、我々としては道州制の導入というのを考えておりましたので、全国比例と、そしてまた全国を十一ブロックに分ける選挙制度でやるべきだという案を出させていただきました。もちろん、議員定数一割を削減してというふうな形での提案をさせていただきました。 ですから、先ほどからも話がありましたように、そもそも選挙制度の改革でもってできるわけでありまして、憲法改正ではないというふうに思っております。憲法改正をする前に、東京一極集中をどうやったら是正できるのかとか、そしてまた、人口がどんどんと減少していく都道府県、これをどうすればいいのかとか、そういったことを真剣に議論すべきでありまして、地方創生の効果というものが現れていない証拠でありますので、しっかりと施策でもってこのことを検討すべきであるというふうに思っております。 また、都道府県の在り方というものも検討しなくてはならないというふうに考えております。どんどんと人口減少に歯止めが掛からない、そういった都道府県、どうしていったらいいのかということもそもそも検討すべきではないのかというふうに考えています。我々としては、道州制を是非検討していくべきということで、憲法改正に当たっても統治機構の改革を入れさせていただいております。 そして、今の選挙制度の下で合区解消ということも当然できるわけでありまして、例えば全国比例の定数を削減して、その分を都道府県の方に回すということもできるかと思います。そういったことを是非検討すべきでありまして、いきなり憲法改正ではないというふうに思っております。 先ほども浅田幹事の方からも話がありました我々の憲法改正案、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所の設置、このことを是非議論していただきますようお願い申し上げまして、私からの意見とさせていただきます。 ありがとうございました。
○会長(柳本卓治君) 中西哲君。
○中西哲君 自民党の中西哲です。 私は、憲法九条改正について意見表明をさせていただきます。 昭和二十一年六月の衆議院本会議において、共産党の野坂参三議員の、侵略戦争は正しくないが自国を守るための戦争は正しい、憲法草案の戦争一般放棄という形ではなく侵略戦争の放棄とすべきであるとの質問に対して、吉田茂首相は、戦争放棄に関する本案の規定は、直接には自衛権を否定していないが、第九条第二項において一切の軍備と国の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、また交戦権も放棄したものであると答弁いたしました。その当時の吉田茂首相は、日本の安全は将来の国連に守ってもらうという考え方があったと思われます。 しかし、昭和二十五年六月の朝鮮戦争勃発により、国連が機能しないことが証明されたのであります。朝鮮戦争勃発後、GHQは日本に対し、昭和二十五年八月、政令で警察予備隊を創設、その後、保安隊を経て、昭和二十九年七月、自衛隊設立となるわけです。 政府は、昭和二十九年十二月の衆議院予算委員会において大村防衛庁長官が、自衛隊のような自衛のための任務を有し、かつその目的のため必要相当な範囲の実力部隊を設けることは何ら憲法に違反するものではないと答弁し、この考え方が現在の政府まで引き継がれております。 また、最高裁は、昭和三十四年十二月の砂川事件判決において、憲法第九条第二項に関し、次のように判示しております。 我が国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものではなく、我が憲法の平和主義は決して無防備、無抵抗を定めたものではないのである。我が国が自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能として当然のことと言わなければならない。 自衛隊は、盾と矛に例えられるように、長い間、米軍との間で役割分担を行ってきました。しかし、日本を取り巻く状況は大きく変わってきております。 一九九一年十二月にソ連が崩壊し、軍事大国は米国のみの時代が続きました。一九九六年、米国は、世界に展開していた米軍基地を縮小するトランスフォーメーション戦略を打ち出しました。米国は、軍事的一強が続く中で、財政難から軍事費の削減をせざるを得なくなり、二〇一二年、米国議会は軍事費約五十兆円の一割削減を決め、実施いたしました。 この軍事費削減は翌年から元に戻ったのですが、二〇一三年九月、オバマ大統領は、シリア情勢の緊張に当たり、米国は世界の警察官ではないと発言しましたが、その背景にはこの軍事費削減があったのではないでしょうか。このオバマ発言の半年後にロシアはウクライナに軍事侵攻し、クリミア半島を侵略し、また、中国はこの時期から南シナ海で七つの岩礁を埋め立て、現在では三つの岩礁で滑走路を造り軍事基地化しております。 二〇一五年四月二十七日、日米防衛協力の指針、いわゆる新日米ガイドラインが合意されました。このガイドラインには、日本に対する武力攻撃が発生した場合として次のように書かれております。 日本は、日本の国民及び領域の防衛を引き続き主体的に実施し、日本に対する武力攻撃を極力早期に排除するために直ちに行動する。自衛隊は、日本及びその周辺海空域並びに海空域の接近経路における防勢作戦を主体的に実施する。米国は、日本と緊密に調整し、適切な支援を行う。米軍は、日本を防衛するため、自衛隊を支援し及び補完する。 ここには、日本が攻撃を受けたとき自衛隊が主体的に行動すると書かれており、そのための防衛力が必要とされます。 北朝鮮は、ここ数年、核実験、ミサイル発射実験を繰り返し実施し、その能力は急速に進化しております。また、中国は、東シナ海、南シナ海において急速に軍事力を強化しております。これらの海域は日本の貿易にとって大きな影響を持っており、同海域を航行する日本の船舶による輸送量は日本の総貿易量の五四%というデータもあります。 自衛隊は、警察予備隊として誕生して以来、行政機関の一部門と位置付けられており、他国の軍隊のように行政機関外の組織と位置付けられておりません。そのために、自衛隊の行動基準、軍法会議等、我が国を守るために十分な法整備が必要であり、憲法を改正して自衛隊を国軍と位置付けた上で防衛力整備を進める必要があると考えております。 以上。
○会長(柳本卓治君) 宮沢由佳さん。
○宮沢由佳君 民進党・新緑風会の宮沢由佳です。 安倍総理は衆議院予算委員会で、命を賭して任務を遂行している者の正当性を明確化することは、我が国の安全の根幹に関わる、改憲の十分な理由になると述べ、また、同じ質疑の中で、自衛隊が合憲であることは明確な一貫した政府の立場だ、国民投票でたとえ否定されても変わらないと述べています。余りにも御都合主義な認識です。 総理が言うように、自衛隊を憲法に明記することが我が国の安全の根幹に関わることであるならば、国民投票によって否決されれば、我が国の安全の根幹に関わることが否決されることになります。それにもかかわらず、総理は、自衛隊合憲の立場は国民投票の結果に影響されないとしています。国民投票の結果を無視するということです。国民投票をやってもやらなくても結果が変わらないとするならば、約八百五十億円と見込まれる国民投票をやる意味がありません。 自民党の委員にお聞きしたいと思います。自衛隊明記の国民投票が否決された場合、自民党は自衛隊員に対して、自衛隊明記の国民投票は否決されたが命を賭して任務を遂行してくれと言うのでしょうか。 以上です。
○会長(柳本卓治君) 北村経夫君。
○北村経夫君 ありがとうございます。 私は、先ほどから数人の委員から出ておりました、平和安全法制は憲法違反であるとの議論について考えを申し述べたいと思います。 民進党や立憲民主党は、自衛隊は合憲であり、日米同盟を深化することに反対をしないというお立場のようであります。しかし一方で、平和安全法制が容認した集団的自衛権の限定行使は憲法違反であるとして、平和安全法制に反対しておられます。平和安全法制全てに反対する場合もあれば、違憲の場合は取り除くよう主張されたこともあります。 私は、憲法論に入る前に、日本が集団的自衛権の限定行使を禁じてしまったら何が起こるだろうかを考えてみたいと思います。 同盟国であるアメリカの政府と軍人と国民は、日本が平和安全法制の制定で、日本と米国、自衛隊と米軍が守り合う関係になったことを高く評価しております。これが、北朝鮮核危機が生じている今、どれほど日米関係を強固にし、日米同盟を強化して同盟の抑止力を高めたか、計り知れないものがあります。 それを今、日本が平和安全法制は違憲でしたと方針転換をしたらどうなるか。日本はアメリカ、米軍を守りません、でも日本のことは命懸けで守ってくださいと言ったら、それは米国に通用するでありましょうか。日米同盟はその瞬間に政治的実体を失うに違いありません。アメリカ国民の日本国民に対する連帯感も消えうせるでしょう。それで北朝鮮や中国の脅威に日本は対応できるのでありましょうか。一たび固いきずなで結ばれた相手を冷たく振り払えば、とても元の関係には戻りません。これが国際社会の冷徹な現実であろうと思います。 ゆえに、国の最高法規である憲法や、国と国民の生存に関わる安全保障関連の法制については、現実世界と向き合って読み解いていく必要があります。東西冷戦時代の米ソ関係の下、当時の日本が置かれていた安全保障関係の下で辛うじて成立したにすぎない過去の、今の時代には適合しない訓詁学的な憲法解釈、法解釈は百害あって一利なしだと考えます。 国民の命、国の独立と繁栄に責任を持つことが責任政党の取るべき態度だと考えます。その上で申し上げたいことは、平和安全法制について集団的自衛権の限定行使を容認したのは、自衛隊について示された唯一の最高裁判決であります砂川事件判決の考え方の下、許容できる範囲で解釈を一部改めたにすぎないということであります。また、昭和四十七年の政府見解が示した自衛のための必要最小限度の武力行使しか認めないという憲法解釈の基本的な論理を維持しており、立憲主義に反するという指摘は当たらないと考えます。 そして、日本共産党は次のように主張をされております。自衛隊は憲法違反の存在である認識に変わりはないとする一方で、一定期間存在することは避けられないとして当面は容認するとしておられます。さらに、その一定期間に必要に迫られた場合には、自衛隊を国民の安全のために活用することは当然だと言っておられます。 このことはどう解釈すればよいのでしょうか。一定期間とはいえ、違憲のまま放置してもやむを得ないという解釈になるのではないでしょうか。これこそ立憲主義、法治主義に反することになるのではないかと指摘して、私の考えといたします。
○会長(柳本卓治君) 浜口誠君。
○浜口誠君 民進党・新緑風会の浜口誠です。よろしくお願いします。 私からは二点申し上げたいと思います。 まず一点目が、最低投票率制度について申し上げたいと思います。 最低投票率制度については、憲法改正手続法が制定された後も憲法学者からもこの必要性については主張されておりますし、また世論調査においても、この最低投票率制度の導入に対して国民からは圧倒的にその必要性があると、こういった世論調査も示されております。こうした非常に重要なテーマでありますので、また附帯決議にも、この内容については当審査会において議論していくという附帯決議も付されておりますので、是非、柳本会長におかれましては、この最低投票率制度導入に関しての審議を当審査会においてやっていただくことをお願い申し上げたいというふうに思います。 二点目が、国民投票運動におけるテレビ有料CMあるいはラジオ広告、この件について申し上げたいと思います。 民間の法曹関係者あるいはジャーナリストの皆さんが構成しておられる国民投票のルール改善を考え求める会からは、いわゆる資金力の差に応じて有料のテレビCMあるいはラジオ広告等に関して、流せる量ですとかあるいは時間帯、これに不公平が生じる可能性があると、今の憲法改正手続法の下ではこういった不公平感があるということで、法改正を求める要望書が昨年の夏に柳本会長の方に提出をされているというふうに認識しております。このテーマも、しっかりとやはり国民の皆さんにも分かるように当審査会において議論していく必要がある重要なテーマであるというふうに思っております。 したがいまして、この規制を求めている民間の団体の皆さんですとかあるいは放送の当事者である民放連の皆さん等々、関係する皆さんに是非当審査会の方にお越しいただいて参考人質疑をこの審査会において行っていただくこと、この点についても是非とも柳本会長にお取り計らいをお願い申し上げたいというふうに思っております。 この二点について、是非、本当に重要なテーマであるというふうに思っておりますので、しっかりとした審議をこの審査会においてやっていただくことを求めて、私の二点の主張にさせていただきます。 よろしくお願い申し上げます。
○会長(柳本卓治君) ただいまの両件につきましては理解もしております。また後刻幹事会におきまして協議をいたします。 堂故茂君。
○堂故茂君 自民党の堂故茂です。 天然資源のない島国の日本が、明治維新や敗戦など幾多の試練を乗り越え、経済的にも豊かな国になれたのは、教育の力であると思います。 現在、日本は、七十年前の憲法制定時には考えられなかった社会情勢にあると思います。少子高齢化、人口減社会、あるいは家族や地域社会も大きく変化してきています。また、第四次産業革命と言われる激流の中にもあるわけであります。そのような中、教育の果たす役割はますます大きくなっています。まさに我が国が乗り越えなければならない壁に今ぶち当たっているとすれば、教育再生による力強い教育施策の実行こそ、遠回りのようで最も近道だと考えます。 そのような認識の下、政府・与党においては、人づくり革命の旗の下、幼児教育や高等教育の無償化及び私立高等学校の授業料の実質無償化が検討されているところであります。幼児教育の充実については、幼児に対して教育投資することが、教育効果とともに、経済的にも投資効果の高い政策であることが数々の実証研究によって明らかになってきており、幼児教育の無償化とともに、質の高い幼児教育を受けられるようにすべきと考えます。また、我が国の知の基盤である大学についても、意欲のある学生が経済的な不安を持つことなく学べる環境を整備することが重要と考えます。 私個人としては、高等教育についてはオーストラリアの制度を参考とし、大学に入るときには無償にするが、卒業後は自分の所得に見合った形で返還するいわゆる出世払いの方式を検討、実施していくことが重要ではないかと考えていますが、いずれにしても、高等教育の充実は、我が国の置かれている現状や将来を考えると、必要不可欠であると思います。 これからの日本を展望するとき、教育の大切さを憲法に表現することが、まさに国民と価値観を共有することが大事であると考えます。誰もが家庭の経済事情に左右されることなく希望する質の高い教育を受けられるよう、教育を受ける権利を定める二十六条第一項に教育の機会均等の権利を奪われないことを明記するとともに、新たに第三項を設け、教育が国民自らの幸福と国の未来を切り開く上で極めて重要な役割を担うことに鑑み、国が教育環境の整備を推進すべき旨を定めることが必要であると考えます。 我が国では、幼稚園で約八割、高等学校で約三割、大学で約七割の学生、生徒が私学に在籍しています。私立学校は公教育の重要な担い手となっています。一方、私学が多くを占める幼児教育段階や大学段階における我が国の公財政負担割合はOECD各国の中では最低水準にあり、家庭の経済的負担軽減に向けて、私学に対する助成は重要な意味を持っています。 しかし、憲法第八十九条に、公金その他の財産は、公の支配に属しない教育に対し支出してはならないとされています。この点について、私学への助成が議論となりました。過去の政府答弁によりますと、私立学校は公の支配に属しているものとの見解が示されていることは承知していますが、憲法制定時、私立大学は百校にも満たなかったわけであります。現在は六百校を超えるなど、私学の果たしている役割が拡大し、状況は大きく変化してきています。 このことを踏まえますと、私学助成について憲法上の議論がなされること自体に改善の必要性があるものと考えます。私学助成が憲法違反でないことを明確にするため、八十九条の改正が必要ではないかと考えます。 以上です。
○会長(柳本卓治君) 牧山ひろえさん。
○牧山ひろえ君 私は、安保法制の違憲について述べさせていただきたいと思います。 本憲法審査会は、国会法百二条の六において、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行うための委員会とされております。そして、平成二十六年の国民投票法改正の際には、自民党、公明党も賛成して、憲法審査会は、日本国憲法を始めとする近代憲法の基本となる考え方である立憲主義に基づいて徹底的に審議を尽くすこと、また、日本国憲法の定める国民主権、基本的人権の尊重及び恒久平和主義の基本原理に基づいて徹底的に審議を尽くすことと明記した附帯決議が成立しているというところです。 まさに、我が憲法審査会が憲法議論を行う前提としまして、各会派が、日本国憲法が立脚する立憲主義、そして憲法の基本原理たる平和主義について共通の認識を共有しておくことが主権者国民に対し必須であります。また、これこそが憲法九十九条に定める憲法尊重擁護義務の前提であるものと存じます。 しかし、自民党のこの間の主張を見ておりますと、立憲主義について、憲法によって権力を制限して国民の人権を守るという意味を避けて、権力の分立によって人権を保障するという独自の見解を述べられております。また、自民党も公明党も憲法の平和主義の変更は憲法改正の限界を超える旨の見解を表明していますが、では、両党の考える憲法の平和主義とは一体何なのか、具体的に明らかにされたことはございません。 なお、安倍政権も踏襲する歴代政府の憲法の平和主義についての見解は、憲法前文にあります全世界の国民が平和的生存権を有することを確認するなどの三つの理念であり、憲法九条はその理念が具体化した規定であるというものです。 自民党の理解する立憲主義とは何か、自民、公明党の理解する憲法の平和主義とは何かについて、憲法の条文を指し示しながら具体的に御説明をお願いしたいと思います。
○会長(柳本卓治君) 松川るいさん。
○松川るい君 発言の機会をどうもありがとうございます。 私は、憲法九条及び、時間があれば緊急事態について考えを述べさせていただきたいと思います。 まず、憲法の個別に入る前に、憲法の性質についても少し触れたいと思っております。 憲法というのは国家と国民の契約であるとも思うんですけれども、もう一つ、国の形についてその理想を述べる、そういう部分もやはりあると思います。例えば、ドイツの基本法、憲法におきましては、前文にヨーロッパの一員として生きていくことを決意したとあります。また、中華人民共和国の憲法を見れば、マルクス・レーニン主義を乗り越え、そして毛沢東思想を基として国を発展させていく、こういうことがいろいろ書かれている。 翻って、我が国の憲法を見てみますと、これは、私、一番最初の憲法審査会でも申し上げたんですけれども、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」とあります。これは私は、非常に他力本願な規定で、その際にも、諸国じゃなくて諸国民だからいいんだという御指摘もあったのですが、これは全くイレレバントでありまして、私の言っているポイントは、北朝鮮じゃなくて北朝鮮の国民だからいいということではなくて、他力本願、自分の国を自分で守るのではなくて、他者に自己の生存を預けるその態度が良くないのではないかということを申し上げた次第であります。 そしてまた、もう一つ、これまでの御議論の中で一点申し上げておきたいと思いますのが、憲法を改正することが憲法を軽視しているというのは全く当たらない、憲法九十六条には憲法改正手続が用意されております。この改正手続にのっとって憲法論議を進めて、必要なものを改正していくことは憲法の予定しているところでありまして、これが憲法軽視の態度になるということは、私は理解しかねます。 そして、憲法九条に関してでございますけれども、まず、現行の九条は、既に現実と大きく乖離しているだけでなくて、日本を取り巻く安全保障環境がどんどん厳しさを増していく状況にあることにかんがえれば、自衛隊が違憲であるような疑義がある状況というのは最低限解消していくべきだと思いますし、我が国の防衛に万全を期す安全保障体制を可能とするような憲法としていく努力が我々政治家には求められると思います。 戦後七十三年の日本の平和を守ってきたのは自衛隊と日米同盟です。まず、日本が戦争国家になるのではないかという疑義が先ほどから呈されておりますが、私はむしろ、日本がどこかの国に出かけていって戦争をするなどということよりも、つまり日本が武力行使を他国でするなどということよりも、他国から日本が武力行使をされる可能性を心配するべき状況に来ていると思います。 今や、朝鮮半島では北朝鮮が核・ミサイル開発を続け、米国さえ脅かされかねない能力を備えつつあります。 また、中国は軍備増強を続け、特に太平洋への進出を重視して海軍を増強しており、我が国固有の領土である尖閣諸島についても日常的に公船を接近させ、先般は、日中関係が改善がこれから始まるかというときに、接続水域において原子力潜水艦を潜航させたまま接続水域を通過しました。サラミ戦術は明らかではないかと思います。また、北極海も解けてまいりますので、太平洋の出口、沖縄諸島周辺だけではなくて、これからは日本海についても大きなプレッシャーが掛かってくるということも予想しなければなりません。昨年十月の共産党大会においては、二〇三五年までに軍の近代化を完成させ、二〇四九年までには世界の覇権を握るという趣旨のことを言っておられる。既に中国の第四世代、第五世代戦闘機は八百機でありまして、我が方は三百機、制空権についての争いは既に先方に圧倒的な有利な状況にあります。 このような状況を考えますと、自衛隊の能力の強化及び日米同盟の強化ができる体制にしておくことが大事だと思います。 このような観点から九条そして憲法を見てみると、松沢先生が御指摘された指摘に全く同意なんですけれども、本当に心もとなくなります。自衛隊は既に現時点において国際法上は軍隊でありまして、これは、日本国内で自衛隊であって軍隊じゃないと言いながらこのような状況を続けている中で、自衛隊が正当行為の中で人を殺傷することがあったときに一般人と同じように刑訴法で裁かれる世界がある、こんなことでいいのかということでございます。 私は、本来二項は削除すべきだと思っておりますが、しかし、具体的な憲法論議を進め、案をまとめていくということをこの憲法審査会でもやっていくという観点から、二項を維持した上で三項に自衛権を明記する、また、自衛権とともに自衛隊を明記するということもあり得ようかと思います。 世界中、百九十三か国ございますけれども、軍隊を持っていない国はサンマリノとかバチカンとか、そういう国以外にはございません。そしてまた、集団的自衛権についても、永世中立国となっている国、スイスやオーストリア、それからさっき申し上げたような島嶼国ですね、こういった国以外には全てあるわけでございます。あるからといって、これらの国々、世界中の国が戦争国家かというと、そういうわけではないわけでありまして、我々は、もう少し現実的な議論をして、本当に国民、国家を守っていくためにどのような体制を憲法上設けておくかということに関して現実的な議論をしていくべきだということを強く申し上げて、終わりたいと思います。 最後に、日米地位協定や日米安保条約の話もございました。私は、これは憲法審査会でやるべきものではなくて、是非参外防でやっていただければいいと思うんです。そして、ただ、日米地位協定について申し上げれば、日米委員会というのが設けられていて、運用において不断の改善がなされる体制は一応ございます。もちろん、現実を見れば不満はあるわけですけれども、これについては別途の場所でしかるべき御議論をされるものと思っております。 ありがとうございます。
○会長(柳本卓治君) 民進党の伊藤孝恵さん。
○伊藤孝恵君 発言の機会をいただき、ありがとうございます。民進党・新緑風会の伊藤孝恵です。 民進党は、旧民主党時代から、憲法論議に関しては積極的に応じていく、論憲、創憲という立場ですから、改正も必要があれば前向きに捉えるという立場であることを冒頭申し上げます。 言うまでもなく、自衛隊については憲法に書いてあろうとなかろうと合憲の立場でございます。その上で、二〇一八年の一月ですけれども、我が党の大塚耕平代表が二つの質問をさせていただきました。一つ目に関しては、総理は違憲だと思っているのか、自衛隊の明記の憲法改正について余りにもこだわるので、それは違憲だと思っているんですかという質問。それから、九条に書き込んで何が変わるんですかという質問をさせていただきました。一点目についてはその日の答弁ではお答えいただけませんでしたが、二点目については何も変わらないというお答えでありました。であれば、改正の合理的理由はない、立法事実のない憲法九条の改正については反対と言わざるを得ませんというふうに述べました。 これは、本当に国民投票をやるという説得力にも欠けるんではないでしょうか。本当に分からないので教えてほしいんですけれども、何も変わらないのに自衛隊を書き込む憲法改正を行う意義って何なんでしょうか。そういったところを疑問に思います。 また、是非考えていただきたいのは、なぜこれほどまでに憲法論議が深まらないかについてです。今、浜口委員からも指摘がありましたけれども、そもそも憲法改正の前提となる国民投票法に基づく実際の手続の話など、安倍総理御自身が改憲、改憲と言いながら、質問されたことに対してきちっとお答えにならない、これが深まらない最大の理由かと思います。であるからこそ、この場でもこの議論を尽くさなきゃいけないというふうに思います。 次に、総理の九条二項堅持による制約に関する発言について意見を述べます。 安倍総理は、九条の一項、二項を残した中で自衛隊の存在だけを明記するので、一項、二項からくる制約を受けるという趣旨を再三再四述べておられます。そうした中、二月十四日の衆議院予算委員会において内閣法制局長官は、一般論として、具体的な条文、規定を見ないと、改正後に従来の解釈が維持されるのか、それとも解釈が変わるのかということは一概に言えないという趣旨の答弁をされました。長官の答弁を受けて総理は、具体的な条文を示してくださいということであれば、それはまさに憲法審査会で議論していただきたいと逃げてしまわれました。 一項、二項があるから今の自衛隊の解釈と変わらないと、国民を欺くような予断を与えることは許されない行為です。そして、この憲法審査会で議論しろという安倍総理の逃げの答弁は、無責任そのものであります。 総理は、憲法は国の理想の姿を語るものだとおっしゃいました。やはり憲法というのは、憲法九十九条にも規定されているように、総理や国会議員を含む政治を担う者全ての者たちに遵守義務を課すものでありますし、権力に対して、権力行使に対する一定の抑制を働かせるための国民の皆様から課された大きな枠組みであるという、そういうふうに受け止めるべきだと思います。 憲法はどういうものなのか。それこそ、一国の総理としては、憲法審査会で、国会で丁寧に議論していただきたいと言うべきくだりであって、スケジュールを口にしてみたり条文を出せというものではないと、そういうふうに思います。 以上です。
○会長(柳本卓治君) 西田昌司君。
○西田昌司君 ありがとうございます。 私は、前回もちょっと述べましたけれども、要するに憲法ができた経緯、これは占領中に作られたと。そして、そのときには、占領目的は日本を軍事的に解体するというGHQの方針がありましたから、当然、先ほどの中西先生の発言にもありますように、当時の吉田総理も、これは自衛権すら認めないという形の答弁であったわけです。ところが、朝鮮戦争が勃発して、まさに東西冷戦、そんな中でもう一度再軍備の指令をされたと。これも占領中であります。占領中に憲法が作られ、九条が作られ、そして九条があるにもかかわらず、再軍備がつくられたと。この事実は、やっぱりしっかり事実として押さえていくべきだと思っています。 そして、その上で、この後独立をするわけですけれども、独立するなら、本来は、当然のことながら占領軍は排除されなければ普通はならないんですけれども、当時の冷戦の状況の中で、占領軍にいてもらう形で独立をするということを選択したわけです。そして、そのときに、要するに日米安全保障条約となり米軍がいる形は、地位協定はその遺物であるわけですよね。 だから、そういう意味でいうと、本当に独立国というなら、自分たちで自分の国を守る仕組みをつくって、そして、地位協定云々以前に米軍がなくなればいいと、こういう話になるわけですが、現実にそれを言った人がいるわけですね。これは、まさに民主党の鳩山内閣のときにそういうことをおっしゃって、沖縄からできれば国外、最低限県外という発言になったと。その後どうなったかというと、御存じのとおりのことです。結局、日本の安全保障上そういうことはできないということに気が付き、自らその発言を撤回されたわけです。 しかし、同時に、その結果何が起こったかというと、要するに、そのことによって中国の海洋進出ますます大きくなって、尖閣の危機が出てきたのは何かと。まさに、あの民主党政権の鳩山総理の不用意な発言、自分で自分の国を守るということ、根本的なことを考えずに地位協定の話に固執した結果こういうことになったということを、まず私は整理をさせていただきたいと思うんです。 さて、その上で、今そういうことを含めて考えてくると、じゃ、自民党の立憲主義とか平和主義、何なんだと、こういう質問もさっきあったんですけれども、まさに立憲主義という観点からいうと、そもそも自分たちの主権がない時代に、今言ったように、相矛盾する九条の問題と自衛隊の問題というのを押し付けられているわけですね。だから、まさに主権国家として、我々はその整理を我々の意思の中でしていくというのが立憲主義そのものなんです。そして、それを国民投票にかけて国民に問うというのは当然の手続だと私は思っています。 それから、平和主義は自民党どう思っているのかというと、当然のことながら、我々自身もいわゆる侵略戦争、それを認めるものではありません。自分たちが領土拡大とか様々な外交的な意図を持って武力の威嚇をするとかいうことを憲法九条で否定していますが、当然、我々もそれに対しては否定するという立場であります。 しかし、もう一方で、今、そういう我々の意図とは裏腹に世界の情勢は変わってきております。中国の海洋進出もしかりですけれども、一番大きいのはやっぱり北朝鮮問題でしょう。 じゃ、皆さん方、北朝鮮は何で今核武装をするという選択を彼らがしたのかと。これも実は冷戦崩壊と密接な関係にありますね。つまり、冷戦の時代というのは、そういう核武装を北朝鮮は自ら選択しなくても、後ろにソビエトがいる、そしてまた中国がいる、そういう大きなたがの中で自分たちの安全保障を考えればよかったと。ところが、今、冷戦が崩壊して後ろ盾が彼らはいなくなったということに大変な脅威を感じているんだと思うんですね。 だから、その中で、彼ら、自分たち自身が核武装をするというんですけれども、ただ、彼らが核武装するのはその理由があるとしても、我々としては、まさに国際的な常識を逸脱したような、こういう専制的な国が核武装することは到底認められませんが、要するに、世界の情勢変化があるということを、我々はやっぱり政治家でありますから、国民の生命、財産、これをいかなる事態があっても守るというのが政治家の仕事なんですよ。国家の使命なんですよ。だから、そのことを抜きにしていたずらな理念や形式的な話でそれを否定したり、議論ができないような仕組みをするのは良くないと思います。 しかし、今回、この両筆頭幹事のお働き、委員長のお取り計らいも含めて、こういった議論ができるようになったのは非常に良い機会だと思いますので、是非、これからもこういう議論をしっかり進めていって、お互いのやっぱり胸襟を開いた本音の議論をさせていただきたいと思います。 以上です。
○会長(柳本卓治君) 小西洋之君。
○小西洋之君 二度目の発言をありがとうございます。 やはり、憲法審査会で議論する以上、その基本となる事項についての共通認識が必要であろうかと思います。 先ほど北村先生は、安保法制を廃止すれば日米同盟が損なわれるというようなことをおっしゃいましたけれども、私は損なわれないと思います。なぜならば、日米安保三条という条文がございます。六〇年の安保改定で入れられた条文でございますけれども、一言で要するならば、これ、外務省のホームページの解説を読み上げますけれども、我が国の場合には、相互援助といっても、集団的自衛権の行使を禁じている憲法の範囲内に限られることを明確にするために、憲法上の規定に従うことを条件としている、というふうに解説されています。 すなわち、日米安保条約第三条という条文は、アメリカが各国の軍事同盟条約で全て入れている条文なんですが、安保条約三条だけ特別の作りがしてあります。それは、共同という言葉を排除し、集団的の能力という言葉を排除する、すなわち、集団的自衛権は、日米間では日本はアメリカのためにする必要、法的義務がないということを明文で免責するために入れてある条文でございます。これは、制定時の安保国会の議事録でも明確に示され、アメリカの上院承認の議事録でも示されているところでございます。 すなわち、安保法制というのは、この日米安保条約に反する、実は法律であり、法的にもこれは無効である。かつ、日米の主権国家、日本は憲法でできない集団的自衛権をアメリカのために行使できないだけではなくて、主権国家の国際取決めにおいてそれが免責されているわけでございます。こうした基本的な事実が全く憲法審査会でこれまで議論されたことはございません。 まさに日本国憲法に密接に関連する基本法制であり、日本国憲法の問題そのものでございますので、先ほどの日米地位協定と併せて、この安保条約三条の問題、また六条で戦闘作戦行動に日本の基地を使用する前に事前の同意を求めるという政府統一見解があるんですけれども、これについて、安倍政権は、今、北朝鮮危機をあおっておりますが、全くそれについての交渉すらしておりません。こうした事実関係も含めて憲法審査会で議論をすることをお願いをしたいと思います。 最後に一言。事実に基づいてやはり議論はしなければならないと思います。先ほどの西田議員の、あと中西委員の吉田茂総理の過去の発言、自衛権の発動の戦争と交戦権を九条は放棄しているというふうな発言をおっしゃいましたけれども、僅かその発言の四日後に個別的自衛権を排除したものではないという答弁を、明確化する答弁を行い、その後何度も何度も、そうした意味で言ったのではないというふうに言っております。幹事会でそうした資料を出させていただきました。 それを出させていただいておりますので、やはり委員会でそれを皆で共有できるように、是非、会長のお取り計らいをお願いするとともに、最後、先般の民進党の見解表明で、臨時国会の召集義務の違反、解散権の濫用、あるいは集団的自衛権の解釈変更が、昭和四十七年政府見解の中の基本的な論理を捏造した、法論理ですらない不正な手口であるという、こうした違憲問題について憲法審査会でしっかりと調査をする、このことについても会長にお諮りをお願いしたいと思います。 以上でございます。
○会長(柳本卓治君) 白眞勲君。
○白眞勲君 与党の筆頭に御理解いただきまして、五分で二人ということで白眞勲もしゃべらせていただくことを御理解いただきたいと思うんですけれども、今の西田委員がおっしゃった、鳩山発言云々によって中国の海洋進出を許してしまったということについては、きちっと事実に基づいてこれは発言していただかないと、そういう思い込みというか、御本人はそう思っているかどうか知りませんが、こういう公の場で発言する際にはこの辺りは非常に気を付けていただきたい、これをまず申し上げたいというふうに思います。 それから、松川委員が、これは前にもおっしゃっているんですけれども、百万人以上の規模の国で憲法に軍隊を明記していない国は日本以外にないとおっしゃっている。これよくおっしゃっているんですけれども、じゃ、ちょっと私お聞きしたいんですけれども、松川委員にですね、日本以外、世界のどの国にこれだけの外国の駐留の軍隊を許している国があるんでしょうか、教えていただきたいということをまず申し上げたいと思いますね。 それと同時に、松川委員のように、各国のスタンダードと比べて憲法に軍隊の明記がないことを強く疑問視してそれだけの規模の軍隊を持つとなると、論理的には日米安保、日米地位協定の破棄にもつながりかねないのではないかと私は危惧しております。私も我が民進党も、日米安保は我が国の安全保障の根幹であって揺るぎないものであると考えております。 そこで、松川議員にもう一回聞きますけれども、松川委員の憲法に軍隊を明記すべきというスタンスからは、当然の論理の帰結として、日米安保、日米地位協定の改定ということになりますが、いかがでしょうか。この二点についてお答えください。 松川委員の九条に関する議論を見ていると、九条の議論において、日米安保、日米地位協定の議論は避けて通れないと思います。お答えいただきたいと思いますが、時間がないでしょうから、次で結構でございます。
○会長(柳本卓治君) 滝波宏文君。
○滝波宏文君 自由民主党、福井県選出の滝波宏文でございます。 私からは、今般、福井を始めとした北陸を中心に発生した平成三十年豪雪、いわゆる三〇豪雪に関係する話をさせていただきたいと思います。 昭和の五六豪雪以来三十七年ぶりの豪雪で、地元福井では大動脈の国道八号線で千五百台の車が三日三晩にわたって立ち往生し、物流は途絶え、燃料不足で除雪車すら動かせないかもしれないという事態に陥りました。何とか電気がほぼ持ちこたえてくれたのが不幸中の幸いでしたが、福井県内だけで死者十二名を数えました。降り続く雪との格闘で疲労も極限だったのでしょう、除雪車の中でオペレーターの方が心肺停止状況で発見されるというふうなことまでありました。 亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。 今回の災害の対応におきましては、私自身も道路局長やエネ庁長官等と何度もやり取りをし、自民党本部で開いていただいた三〇豪雪対策会議等に欠かさず出席して地元の声を伝えたところでありますけれども、この間、災害対策については県が中心にならざるを得ないということをまざまざと思い知らされました。個別の市町では皆が災害被害者で立ち行かない、一方、関西とか中部というブロック単位では現場に遠過ぎて物理的な緊急性に対応できない。県というのは、まさにその地域の一体性を持った共助関係が成立する、長年の風雪に耐えた合理的なコミュニティーの区割りなんだというふうに思いました。 しかしながら、一方、参議院の区割りは合区が、鳥取、島根、高知、徳島、広がっております。仮に災害が地元の隣の合区対象県で起きた、何を優先すればいいか皆迷っている、そのときに、これをまずやらなきゃいけないという緊急時の判断が求められたときに、その隣県の知事なり県庁と相談するときにも、その合区選挙区の参議院議員が被災を共有する同じ県の県民、有権者ではないという事実が今回のような緊急時の連携に支障を来すこと、これはやっぱりあると思いました。 また、例えば私の出身地である福井県、山の方、岐阜県境の奥越地域、大野市というところですが、ここで四十センチの雪が積もっても、これは大変なことでありますけれども、地域柄、間々ある話であります。しかし、これが福井県の南の嶺南地域、例えば小浜市で一晩で同じ四十センチの雪が積もれば、これは災害レベルになります。こういった肌感覚というものが瞬時に分かるのは、同じ県民であるからということであります。 このように、今回の三〇豪雪は、国土の把握をちゃんとしながら各県から選出されることがいかに大事なのか、すなわち、単純に人口だけではなくて、国土ということをちゃんと考えていくことが国会議員の選出においては大事であることが明らかになった事例であると思います。憲法より長い歴史がある文化、経済、歴史的な一体性を持つ地域、国土の固まりである都道府県から参議院の選挙区ごとにおいて必ず一人は選出されることをしっかりと憲法に書くことが不可欠であると考えます。 また、続けて緊急事態の話を申し上げます。 三・一一のときは、地方議会について選挙の延期をしましたが、現在、国会議員については憲法に任期が明記されているため、選挙を延期することはできません。災害が発生したときに、どんなことがあっても選挙を実施しなければならない。例えば今回の豪雪のように、一、二週間雪に埋もれて動けない状態でも選挙に来いとなれば、物理的に投票所に近いところの、特に都会の町の住民だけが投票し、一部の人間だけで物が決まってしまうということになりかねない。これは非常に民主主義の基盤として不合理であり、危険だと思います。そういった意味で、緊急事態においても選挙を通じた正当性ある民主主義を機能させるために、国会議員の選挙を延期することが可能になるよう憲法改正をせねばならないと思います。 最後に、自衛隊明記についてでございます。 先ほどの千五百台の三日三晩の立ち往生に当たって、自衛隊の皆様が助けてくれたのは本当に有り難かったです。雪との格闘は本当に骨が折れる作業です。改めて感謝申し上げます。その自衛隊が違憲の疑いを掛けられている、これは何とか払拭させていただきたい、被災地から強く思いました。 以上でございます。
○会長(柳本卓治君) 石井正弘君。
○石井正弘君 自由民主党の石井正弘です。 私は、参議院の合区解消の問題と地方公共団体の問題につきまして意見を述べさせていただきたいと思います。 ただ、この合区解消の問題につきましては、冒頭、岡田直樹代表幹事より、詳細に、また明確にお話がございましたので、重複のところは避けたいと考えているところでございますけれども、この問題が全国知事会からも強い要望がありまして、一部の県は慎重意見もあったようでありますけれども、全体としては、是非この合区解消問題、真剣に取り組んでほしいという決議があり、そしてまたもう一つは、それに関連して、広域的な自治体という規定を九十二条に設けるということになりますので、これと関連しながら、地方自治の本旨ということを明確に規定をしてほしいと、こういう強い要請があるところでございます。 これに関連いたしまして、四十三条も改正してはどうかというマスコミの報道等もあるわけでありますけれども、やはり両院の議員は全国民を代表するという立場、このことはどういう選挙区を取っても変わらないわけであります。もちろん、衆議院議員についてもその点は変わらないわけでありますから、この点は全く改正する必要はないと、この前提の中で、地方自治の本旨をどのように充実していくかという議論。実は、私ども自由民主党の方でも、以前、憲法改正の原案ということを、たたき台をお示ししているわけでありますが、その中にいろいろ検討すべき条項として掲げさせていただいております。 一つは、自治立法権という規定でありまして、この規定をどう考えるかということでありますが、この点は、現在、九十四条の中に、条例でもって、これは法律の範囲内でございますが、条例を制定することができるということがなっております。この点、法律の範囲内という規定が制約になるという議論が、私も当時、知事会の中でも議論したわけでございますが、やはり法律の一貫体制ということを考えますれば、これは現行のままでもいいのではないかと、こう考えます。ただ、一番議論になりましたのは、いわゆる自治財政権でありまして、財政の財源的な保障の規定が是非欲しいと、強い地方の要望がありまして、その点、先ほど申し上げました自民党の憲法改正原案の中にも一条設けさせていただくのが提案されているようであります。 一つは、税を、固有の税というものを条例でもって規定して徴収することができるという規定を設けるということ、それからもう一つは、財源的な保障でありますけれども、法律とか、あるいは税によって、税を徴収いたしましても、固有の財源だけでは足りません。いわゆる、最近よく言われます地方の一般財源総額を確保するということが大切なわけでありますから、そういった点を念頭に置きながら、地方の標準的な行政を運営するに足りる、そういう必要な財源は国の方から保障すると、こういったような規定を是非明記してほしいというのが地方公共団体の要望でもあり、我が自民党の原案にもあるところでございまして、こういった地方自治、地方自治体の関係する条文につきましても、この審査会においてこれから真摯に議論していただければと、こういうことを要望させていただきまして、私の意見表明とさせていただきます。 ありがとうございました。
○会長(柳本卓治君) 先ほどの風間君、小西君御提議の件につきましては、後刻幹事会におきまして協議をいたします。 他に御発言ございませんか。──他に御発言もないようですから、以上で意見交換を終了いたします。 本日の調査はこの程度にとどめまして、これにて散会いたします。 午後三時七分散会