決算委員会 第7号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 40 名
- 会派数
- 10
- 開催日
- 2018/06/04
会議録
○委員長(二之湯智君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る一日までに、青木愛君、松沢成文君、今井絵理子君、熊野正士君、磯崎仁彦君、大野元裕君、高木かおり君、そのだ修光君及び松下新平君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君、片山さつき君、秋野公造君、藤井基之君、田名部匡代君、石井章君、木戸口英司君、中西哲君及び足立敏之君が選任されました。 また、本日、秋野公造君及び宮崎勝君が委員を辞任され、その補欠として矢倉克夫君及び里見隆治君が選任されました。 ─────────────
○委員長(二之湯智君) 平成二十八年度決算外二件を議題といたします。 本日は、復興庁、国土交通省及び警察庁の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(二之湯智君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(二之湯智君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜口誠君 皆さん、こんにちは。国民民主党・新緑風会の浜口誠でございます。 今日は、石井大臣、小此木国家公安委員長、さらには吉野大臣、本当、ありがとうございます。大変お忙しい中で御対応いただきまして、ありがとうございます。 まず冒頭、私の方からは、森友学園問題に関して三名の皆様に御質問させていただきたいというふうに思っております。 まず最初、森友学園問題、一年以上にわたりましてこの国会でも質疑を、議論を行ってきております。今日、財務省の方から、文書改ざんについての処分が発表されるという予定にもなっております。 この一年間の議論で、国会での虚偽答弁であったり公文書の改ざんであったり、さらには文書の破棄等々、森友学園に関するいろんな不祥事も明確になってきております。この森友学園問題、国会のこの審議にもそうですし、あと、国会と行政との信頼関係にも大きく影響を及ぼした、こういう一連の出来事であったかなというふうに思っております。 つきましては、三名の皆様に、今回の森友学園問題が国会あるいは行政への信頼等々に関してどのような影響を与えたというふうに閣僚のお一人として考えておられるのか、その点について三名の方から御意見をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(石井啓一君) 森友学園問題につきましては、国土交通省としては、大阪航空局が傘下にございますので、直接関わる問題でございますけれども、特に、委員から今御指摘がありました公文書に関して、これが改ざんあるいは意図的な破棄ということが指摘をされておりますが、先日、安倍総理から、この公文書等をめぐる問題につきまして、国民の皆様の行政に対する信頼を揺るがす状態となっており、その責任を痛感しながら、まずはしっかりとうみを出し切ることによって国民の皆様の信頼を再び勝ち取っていかなければならないと考えていると、こういう答弁がございました。 私も総理同様、引き続き、様々な点、指摘をされておりますので、丁寧な説明に努めながら、国民の皆様の信頼を再び得られるように努めてまいりたいと考えています。
○国務大臣(小此木八郎君) お尋ねの件につきまして、所管でもなく、具体的な事実関係も把握をしておりませんけれども、これまでも総理始めとして答弁はしてきましたが、なお政治に対する信用、信頼の話になってまいりますと、我々もしっかりと一閣僚といたしまして身を引き締めて、気を引き締めて、事に、それぞれの仕事に当たっていかなければならないと存じております。
○国務大臣(吉野正芳君) 一連の公文書をめぐる問題によって、公文書への信頼、そして行政全体への信頼が損なわれたことは極めて重く受け止めております。 復興庁においては、四月から、政府の新ガイドラインを踏まえた改正文書管理規則を施行し、職員に周知するとともに、職員を対象とした公文書管理研修を開催するなどしておるところでございます。 今後とも、国民の信頼を得るべく、適切な公文書管理にしっかりと努めてまいる所存です。
○浜口誠君 ありがとうございました。それぞれのお立場で今回の問題の受け止め、お話をいただきました。 一方で、今回の森友の問題を振り返ってみますと、直近で財務省が公開した改ざん前の交渉記録、文書等を見てみると、総理夫人の記載がもう三十か所以上あると。実際、籠池さん側から総理夫人の方にいろんな照会があり、その照会を受けて夫人付きの職員の方が財務省に問合せをしておったりと、こういう一連の経過も文書の中でも記載をされているというところでございます。 こんな中で、今回の森友学園問題に対して安倍総理夫人が与えた影響、この点について、三名の皆様、どう受け止めておられるか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 総理夫人が、森友学園に対する、この本件土地の売却にどのような影響を与えたかについては承知をしていないところでございますけれども、この土地の地下埋設物の見積り、大阪航空局がやったわけでありますが、これは売主の責任が一切免除されるとの特約を付けることを前提にしまして、その実効性を担保するために、既存の調査で明らかになっていた範囲に加えて、職員による現地確認などの追加の材料も含めまして、当時検証可能なあらゆる材料を用いて行われたものと考えております。
○国務大臣(小此木八郎君) 詳細を存じておりませんので、お答えすることができません。 影響があったかないかについては、国民世論というもの、毎日のように報道等で目に、耳にいたしますので、与党として、あるいは閣僚として、これは影響がいろんな形であったと存じます。
○国務大臣(吉野正芳君) 既に総理や関係大臣が国会等で説明しております。それ以上のコメントは差し控えさせてください。
○浜口誠君 今回の問題、今日、いろんな処分が財務省から発表されるという予定になっております。まだ僕、内容見ていないので、そのことについてコメントは差し控えますけれども、その一方で、財務省のトップである財務大臣の責任をこれどう考えるか、これはやっぱりいろいろ議論があると思います。世間の見方も非常に厳しいんではないかなという受け止めを私自身はしております。 今回の一連の財務省で起こった森友学園問題の不祥事に対して、省のトップである財務大臣の責任を皆様はどうお考えになられているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) これは、それぞれの大臣が各府省の抱える問題についてどのように責任を取るかというのはそれぞれの大臣の御判断だと思っております。
○国務大臣(小此木八郎君) まさに所管ではありませんので、ここについてお答えするものではないと存じます。
○国務大臣(吉野正芳君) やはりコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○浜口誠君 それぞれのお立場でなかなか言及することできないということだと思いますが、これ、本当に一連の財務省での出来事、国土交通省なんかも関係していますし、いろいろ関係していた省庁もあるかもしれませんけれども、まずは財務省として、今回の一連の調査結果も踏まえて、そのトップである大臣の責任をどう果たすのかと、ここはいろんな世論も踏まえてお考えいただく必要があるんではないかなと、私自身はそう考えておりますので、またこの点についてもいろんな場面で御議論させていただきたいなと、こんなふうに思っております。 じゃ、ここで国家公安委員長と復興大臣については、質問通告ございませんので、どうもありがとうございました。 じゃ、続きまして、自動車安全特別会計について議論をさせていただきたいというふうに思っております。 これ、自賠責保険、自動車ユーザーが払っていただいております自賠責保険を原資とする特別会計になっております自動車安全特別会計ですが、石井大臣、そして麻生大臣、年末にいろいろ調整をいただいて、ぎりぎりの調整いただいて、これまで特別会計から一般会計の方に約六千二百億円近くが繰入れされて繰戻しができていなかったと、十五年、一円も返ってきていなかったというのがこれまでの実態であります。 ただ、平成三十年度、年末に結んでいただいた新しい覚書も含めて、二十三・二億円、繰戻しが行われたと。それは本当、一定の前進があったかなというふうに思っております。ただ、その一方で、まだ六千百億円を超える金額が一般会計の方に繰り入れられたままになっております。 今度結んでいただいた新しい覚書は、今まで返済期限が七年だったものが四年に短縮もしていただいていますし、あと、被害者の方のニーズをしっかり踏まえて、被害者救済事業がこれからも安定的に継続的に実施できるような、そういう点も十分に配慮して繰戻しをやっていこうと、こんな内容にもなっております。 是非、来年度以降も、単発で終わらせるのではなくて、継続して繰戻しいただいて、なおかつ期限の四年、二〇二二年度までには全額返済していただくというのが、これはもう国土交通省としてはそこは譲れないというふうに私は思っているんですけれども、今後のこの自動車安全特別会計の一般会計から特別会計への繰戻し、新しい覚書を踏まえてどのように対応しようと考えておられるのか、この点を確認したいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 一般会計から特別会計への繰戻しにつきましては、今委員から御紹介いただいたとおり、財務省と協議を行った結果、平成三十年度予算におきまして二十三・二億円の繰戻しが行われることとなりました。この繰戻しは平成十五年度以来十五年ぶりとなるものでありまして、被害者保護増進事業等の継続性や安定性に対する交通事故被害者の皆様及びその御家族の不安の声にもお応えをする重要な一歩になるものと考えております。 また、財務大臣との間で交わしました新たな合意におきましては、平成三十一年度以降の毎年度の繰戻し額につきまして、被害者等のニーズに応じて、被害者保護増進事業等が安定的、継続的に将来にわたって実施されるよう十分留意しつつ、協議の上決定することとするなど、従来より踏み込んだ内容となってございます。 一般会計への繰入金につきましては、被害者保護増進事業等の貴重な財源でありまして、被害者及びその御家族の皆様の声にお応えをし、今後も着実に繰戻しがなされるよう、新たな合意に基づきまして、平成三十一年度以降の予算要求におきまして財務省とよく協議をしてまいりたいと考えております。
○浜口誠君 是非、石井大臣、お願いしたいと思います。これ、被害者の方、その御家族の方も毎年の繰戻しどうなるのかというところは注目されると思いますし、今回の単発で終わらせないというのが本当に大事だというふうに思っておりますので、改めてその点をお願い申し上げておきたいというふうに思っております。 では、続きまして、自動車整備士の不足の問題についてお伺いしたいと思います。 自動車整備士、国家資格であります。自動車ユーザーの方が車検を通したり、あるいは定期点検、故障したときの修理等々、非常に重要な役割を担っていただいております。 そんな中で、自動車整備士、有効求人倍率、非常にやっぱり人手不足で高くなってきております。全産業平均の二倍以上の二・九というような数字も直近では聞いておりますけれども、非常に人手不足に陥っております。そんな中で、整備士の方の高齢化、若者が整備士になろうという方が減ってきていると、こんな状況に今あります。業界でも、整備士の方をどのように確保していくのかというのが大きな課題になってきております。 まさに国家資格であって、自動車社会の安全を守る本当に重要な仕事だと私は思っておりますし、多くの自動車ユーザーの方も自動車整備士に対してそういう思いを持っていただいているのではないかなというふうに思っております。 まず、この自動車整備士の重要性、必要性について、大臣としてどのように受け止めておられるのかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 自動車整備士は、専門的な知識と技能を持って自動車の点検整備を行う国家資格に基づく職業であり、安全、安心な車社会に欠くことのできない存在であると認識をしております。また、近年、電気自動車や自動運転車など、自動車技術の高度化が急速に進展しておりまして、高い専門性を有する自動車整備士の重要性、必要性は今後一層大きくなると考えております。 一方、近年、自動車整備士を志す若者が減少するとともに、自動車整備工場で働く整備士の平均年齢が上昇するなど、自動車整備工場が整備士を確保するための環境は厳しくなっております。 将来にわたり安全、安心な車社会を維持していくためには、今後も自動車整備士を継続して育成確保していくことが必要でありまして、関係者と連携をしながらそのための取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○浜口誠君 今大臣の方からも、自動車整備士の方の育成確保をしっかり進めていきたいというお言葉もいただきました。 一方で、やはり若い人たちに、自動車整備士の仕事の魅力というか、やっぱり自動車整備士というのはこういう大事な仕事だし、非常にやりがいのある仕事なんだよということを子供たちや若い人たちにどう伝えていくのか。自動車整備士の仕事の夢を語るようなことをしっかりしていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。 今、若い人たちに自動車整備士のイメージを聞くと、三K職場じゃないのと。きつい仕事であったり、あるいは危険な仕事、こんなイメージが非常に広がってきていると。さらには、女性の整備士の方が安心して働けるような職場環境の整備、さらには働き方の改革、こういったものも非常に重要だというふうに思っております。 また、整備士の方の年間の給与なんかを見てみますと、全産業平均と比べてやっぱり四十万ぐらい年間の給与は低いと。整備士さんの平均で大体三百八十万ぐらい、年収ということですね。国家資格にもかかわらず、それぐらいの年収にとどまっていると。こういった処遇面での改善もしていく必要があるんではないかなというふうに思っております。 こんな中で、国土交通省としても、整備士不足への対応ということでいろんな取組をしてきていただいていると思いますが、それらの取組の概要と、結果として整備士の不足に歯止めが掛かっているのかどうか、その辺の政策の効果をどのように今判断されているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。 自動車の整備士は、ユーザーの委託に応じて自動車の点検整備や修理を行う、車社会に不可欠な人材でございますが、その有効求人倍率は、平成二十三年度の一・〇七から平成二十九年度には三・七三へ増加しておりまして、また、平成二十九年度に業界団体が実施した調査では、約二割の事業者が整備士が不足していると回答したところでございます。 整備士の不足の主たる要因としては、少子化の進展や、若者の車離れや職業選択の多様化により、整備士を志す若者が減少していることにあるというふうに認識をいたしております。 このため、国土交通省では、平成二十六年度より関係団体と自動車整備人材確保・育成推進協議会というものを設置いたしまして、整備士の確保、育成に向けた取組を進めております。 具体的には、若者に整備士の仕事や魅力を伝えるポスター、パンフレットの作成、配布、運輸支局長などによる高等学校の訪問、整備工場における職場体験といった取組を全国において進めているところでございます。 また、平成二十九年度には、整備士の働き方改革を推進するため、女性が働きやすい環境整備のためのガイドラインを策定したほか、整備工場の経営者を対象とした人材確保セミナーを新たに開始をいたしました。また、若者の生の声を聞くために、自動車整備士専門学校の学生に対するアンケートやインタビューも行っております。 これらの取組の結果、これまでに訪問した高等学校の多くで、進路指導の際、整備士の仕事を紹介することに前向きな反応をいただいております。 本年度は、これらも踏まえながら、若者向けの動画を作成しインターネットに公開するとともに、高等学校訪問においても活用することとし、第一弾として四月より整備士の魅力を伝えるインタビュー動画をユーチューブ等で公開し、高校生らにPRをしているところでございます。 また、ポスターにつきましても、より若者に届きやすいデザインを目指しまして、初の試みとして、現に自動車整備士を志している自動車整備養成施設に通う方々からポスターデザインを募集しているところでございます。 国土交通省では、引き続き、これらの施策を推進し、また、それぞれの施策の効果を見極めながら、自動車整備士不足の解消にしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○浜口誠君 いろいろ取組は御説明いただきましたけれども、その効果として歯止めは掛かっているのかどうかというのも聞いたんですけれども、そこの現時点での評価はどうなっているんでしょう。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。 国土交通省では、整備士不足の状況を把握いたしますために、自動車整備士の総数、人手が不足している整備工場の数、自動車整備の有効求人倍率、自動車整備専門学校の入学・卒業数、そのうち訪問した高校からの入学者数といったデータに基づいて調査分析を行っております。 これらの指標は、様々な外的要因の影響がございますので、施策の効果との関係については慎重な評価が必要かと考えておりますが、例えば一例を申し上げれば、関東運輸局管内では、高校訪問を開始した翌年度以降の三年間、平成二十七年度から二十九年度に自動車専門整備学校の入学をした者に占める訪問学校の卒業生の割合が平均三二・一%となっておりまして、それ以前の三年間と比較して例えば一・二ポイント増加したと、こういった状況を把握しております。
○浜口誠君 ありがとうございます。一例ではありましたけれども、少しずつ効果も出てきているという御報告だったというふうに思います。 その一方で、業界団体ですとか、あと企業の皆さんもいろいろ努力をされてきております、整備士の確保に向けてですね。岩手県の自動車整備振興会なんかは、整備士になろうというテレビコマーシャルなんかを独自に作って、これ全国初で放送をして取り組んでおられたりとか、あるいは整備士資格を持っていない高卒の社員を採用して、社内で教育をしたり、あるいは資格を取る支援をしているというような企業もあります。また、ある企業は、整備士になる専門学校に通っている学生さんに、入社を条件に、うちに来てくれたら奨学金出すよということで、専門学校に通っている方にそういった奨学金のサポートをしておったりとか、あるいは外国人の整備士の採用を拡大していると。いろんな民間なり業界団体なりも整備士不足への対応をやっておられます。 こうした民間の取組に是非政府としても、補助金を出すなり、いろんな活動をサポートしていくということもこれ必要ではないかなというふうに思っておるんですけれども、その辺に関して現時点での見解があればお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。 国土交通省では、自動車整備士不足への対策のために、平成二十九年度及び三十年度にそれぞれ約二百万円、予算を確保いたしております。また、国土交通省と関係団体から構成されます自動車整備人材確保・育成推進協議会におきましても、国の予算に加えまして毎年約五百万円の予算を確保いたしております。 国土交通省といたしましては、自動車整備士不足への対策のため、これまでの取組にとどまらず、自動車整備工場の生産性向上、離職者の原因分析と対策の検討など、幅広く施策を検討、実施することとしておりまして、引き続き必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○浜口誠君 予算規模二百万とかだとちょっと少ないなと正直思いますね。整備士国家資格、大事だと皆さん思われているのであれば、もっともっと予算についても厚く措置をしていただいて、これ、今年の四月なんかいろいろニュースになったことで、引っ越し業者さんが人手不足でもう引っ越しできないと、引っ越し難民の方が世の中にたくさん発生していますというような報道もありましたけれども、このまま本当、整備士の方が不足をして、若い人たちの整備士のなり手がなくなっていくと、車検制度自体がもう維持できない、整備ができない、まさに車検難民とか整備難民と言われるような人たちが出てくる。そんな社会になっていく可能性も今のままだと十分あるんではないかなというふうに思っておりますので、是非、国交省としても、これまでいろんな取組やっていただいてきておりますけれども、更に、更に業界の皆さん、民間企業の皆さんとも連携して政府としての後押しを強くお願い申し上げておきたいというふうに思います。 大臣、何か御意見ありましたら、是非最後一言お願いします。
○国務大臣(石井啓一君) これまでも取組を進めてきましたが、やはり自動車整備士不足への対応は非常に重要だと思いますので、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 では、続きまして、物流関係に関してお伺いをしたいと思います。 トラック事業者と荷主の方の間の契約のひな形であります標準貨物自動車運送約款というのが見直しになりました。従来だと、その運賃の中に、実際に物を運ぶ運賃だけじゃなくて、もういろんな、待ち時間、手待ちの時間ですとか、あるいは積込み、積卸しの時間ですとか、いろんなものがもうその運賃の中に入っておったんですけれども、新しい約款の見直しによりますと、純粋に物流で掛かった運賃と、それとは別個の附帯業務ですとか待ち時間とかあるいは積卸し時間、そういうのを明確に切り分けて契約をしていこうと。これ、非常に重要なことだと思います。運賃の適正化とか取引関係の適正化にもつながっていく動きだと思いますし、さらに、待ち時間については待機料金みたいなものを決めていこうと、こんな動きですので、もっと言うと、これ、ドライバーの方の長時間労働の是正にもつながっていくのではないかなというふうに思います。 実際どういった時間で拘束されているのか、物を運ぶ時間と待機時間どうなのか、附帯業務どうなのかと、こういったものが明確になればそれぞれについて改善策というのが対応できるということで、ドライバーの皆さんの長時間労働の是正にもつながるいい取組だなというふうに思っております。 ついては、この新しい約款の見直し、これはトラック事業主の方にも荷主の方にもしっかりと実効性を上げるような取組をしていく必要があるというふうに思っておりますが、この見直しを徹底させるために今国土交通省としてどのような取組をやっていただいているのか、その点確認したいと思います。
○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。 トラック運送業につきましては、これまでの商習慣によって、積込み、取卸し作業、荷主都合により生じた待機時間、倉庫での棚入れなどの附帯作業などに係るコスト負担の扱いが不明確になっている面がございます。 このような状況を改善し、サービスに見合った対価を収受できる環境を整えるため、運賃と料金の範囲の明確化などを内容とする標準貨物自動車運送約款等の改正を行いまして、昨年十一月に施行したところでございます。この改正によりまして、具体的には、積込み料、取卸し料、待機時間料及び付加的サービスに対する費用などが運賃とは別建てで収受できることが明示されたところでございます。 まず、この改正の実効性を確保するためには、約款改正の趣旨について荷主の理解を得ることが大変重要であるというふうに考えておりまして、これまで経産省及び農水省の協力を得まして、関係する荷主団体及び企業、計千か所に協力依頼書及び改正概要リーフレットを送付、また、運輸局等におきまして幅広く荷主団体及び企業に対し説明し協力を要請、また、下請・荷主適正取引推進ガイドラインを改訂いたしまして、各都道府県に設けた協議会の場などを通じまして関係事業者への周知、また、荷主の都合による荷待ちの発生件数の多い品目について、関係する荷主団体に直接説明するなどの取組を行っております。 この約款改正の効果でございますけれども、全日本トラック協会において昨年三月に策定をいたしましたトラック運送業の適正取引推進のための自主行動計画につきまして、その計画の取組事業者となっております路線大手二十社に対して調査を行いまして、今年三月にフォローアップ結果が取りまとめられております。 その結果では、例えば、積込み・取卸し料が発生する場合の取引代金への反映の状況につきましては、他のトラック事業者へ依頼する発注者としての立場では、半数程度が、おおむね反映できている、又は一部反映できたとなっている一方で、荷主から運送を受託する受注者としての立場では、余り反映できていないとの回答が多くなっておりまして、発注者として一層改善を図っていくとともに、荷主の理解を得ることが引き続き大変重要な課題であるというふうに考えております。 今後も、トラック事業者からの聞き取りなどを通じまして約款改正の趣旨が浸透しているか把握するとともに、農水省、経産省などの関係省庁と連携して、荷主への理解が更に広く進むよう繰り返し周知を図るなどにより、実効性を確保しながらしっかりと取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
○浜口誠君 是非、約款の改定、本当、大事な取組だと思いますので、今御説明あったように、しっかりとフォローもしていただいて、多くの皆さんが新しいルールでやっていただくことを徹底をしていただきたいなというふうに思います。 その中で、トラック運転手、自動車運転の業務者の方の長時間労働是正というのは、これ非常に重要な取組です。今日の本会議でも、働き方改革の中でいろいろ議論がございました。いろんな長時間労働是正に向けてはやっていかなきゃいけないことあると思うんですけれども、一つあるのが、物流拠点での待機時間、これをやっぱりどう減らしていくのか。もういろんなトラックが集中しちゃうと、もうそこにいるのに作業ができない、で、手待ち時間が延びていくと、こんな状況もよく見受けられます。 そんな中で、物流拠点に運転手さん自らが積卸し時間を予約できる、そういうシステムを先行的に入れているところは平均の待機時間が、従来は、そのシステムを入れる前は八十三分だったものが二十四分まで、もう七割ぐらいですね、待機時間が一時間近く減っているというような結果も出ております。こうしたドライバーの皆さんの長時間労働の是正に向けて、低減に向けて、やれることは本当、しっかりやっていくべきだというふうに思っております。 こうしたシステムをどんどんいろんな物流拠点に導入できるように国交省としても後押しをしていくべきだというふうに思いますけれども、この点について国交省の考え方をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(重田雅史君) お答えいたします。 物流拠点へのトラック予約受付システムの導入によりまして、従来、先生御指摘のように、到着順で行っていた荷役が事前予約制に変わりまして、ドライバーの荷待ち時間の削減など物流の効率化につながることが期待されます。このため、国土交通省ではこのシステムの導入促進に向けた取組を進めております。 具体的には、平成二十八年十月より、総合物流効率化法の認定計画に基づき取得した倉庫用建物などに係る税制の特例措置を適用するに当たりましては、このシステムの導入を要件に追加いたしました。本年五月末現在、物流総合効率化法に基づき三十一件認定しております。これらの計画が実施されることによりまして、荷待ち時間が平均七一・八%削減される見通しとなっております。さらに、今年度からは、新増設の倉庫に限らず、既存の倉庫についても、環境省と連携し、トラック予約受付システムの導入促進のための予算を計上させていただいております。 今後とも、こうした支援措置の周知などに努めることで、トラックドライバーの荷待ち時間削減など、物流の生産性向上に向けた取組に進んでまいりたいと思います。
○浜口誠君 是非、既存の施設に対しても今やっていくというお話がありましたので、これをしっかりと広げていってください。より多くのところが導入できるような支援をお願いをしたいというふうに思います。 続いて、同じ物流関係、輸送関係で、トラックの新車を運ぶ場合なんですけれども、普通、キャリアカーに乗せられる新車は、積載車、キャリアカーで運ぶんですけれども、トラックのような大きな車はキャリアカーに乗せられないものですから、仮ナンバーを付けて自走でそのままドライバーさんが新車を運ぶというのが一般的になっています。これ、新車で仮ナンバーですので、ETCが付いていないんですね。結果として、高速道路を使うとなると、コストが掛かる、割引も利かない。高速道路を使わないで一般道を走っていこうとすると、逆に一般道だと渋滞にはまって輸送時間が延びると。こんな状況が生じているというのが今の実態だというふうに思っております。 したがって、新車のトラック、仮ナンバーで運ぶようなとき、このときに高速道路の割引なんかの工夫をしていただくと、より高速道路が使いやすくなってドライバーさんの長時間労働の低減につながるんではないかなというふうに思っているんですけれども、こういった工夫というのは何か検討していただくことはできませんでしょうか。これは国交省さんの現時点の考え方を教えてください。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 新車のトラックを仮ナンバーで販売店等へ輸送する際には、仮ナンバーではETCをセットアップできないことから、高速道路を利用する際には現金でお支払いいただいているところでございます。 なお、高速道路料金の割引につきましては、ETCは時間や頻度等を把握可能であることから、政策目的を明確にした上で多様な割引を効率的に実施可能であること、ETCによりまして料金所のスムーズな通行が可能となることから料金所の渋滞緩和に資すること、さらに、料金徴収コストにつきましては、現金車の方が著しく高いことを踏まえた利用負担の適正化を図る必要があることなどから、ETC車に限定して実施をしているところでございます。 こうした状況を踏まえまして、ETCをセットアップしていない仮ナンバー車両に対し料金の割引を適用することにつきましては、他の現金車への対応も含めまして慎重な検討が必要であると考えております。
○浜口誠君 今日の時点では考え方をお伺いしましたけれども、またいろんな場面で御議論させていただければというふうに思っております。 では、続きまして、もう一点、高速道路に関連してお伺いしたいと思います。 高速道路を活用すれば、これ、実際ドライバーの皆さんも輸送時間の短縮につながっていくと思います。日本の場合、高速道路は、まさに安全面でもそうですし、環境面でも優しいと、そういう利点もあるというふうに思っています。さらに、日本は、この高速道路網、もう全国各地に張り巡らされておりますので、これをいかにうまく活用していくかというのは、物流の効率性を上げるという観点からも非常に重要なテーマではないかなというふうに思っております。 そんな中で、実際、日本の高速道路の利用率と欧米の利用率比べると、欧米の半分ぐらいしか高速道路の利用が行われていないと、こんなデータもあります。欧米なんかは三割近くの高速道路の分担率、日本は一六%ということで、半分ということであります。 じゃ、実際、日本の高速道路の分担率が欧米並みに三割を超えるぐらいに上がっていくとどんな利点があるのか、そこをまず教えていただきたいと思います。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 我が国におけます高速道路の交通量の分担率、これは台キロベースでございますけれども、整備の進展などに伴いまして徐々に高まっておりまして、約二割となっております。一方、欧米では約三割となってございます。 この高速道路の分担率を引き上げることによりまして、例えば、一般国道に比べまして高速道路の死傷事故率は約十分の一となっておりますことから、一般道路における死傷者数が減少する、また、自動車の走行速度の向上に伴い燃費も向上することから、自動車の消費燃料が削減される、さらには、慢性的な渋滞が発生している一般道路への通過交通の流入が低減されることから、一般道路における渋滞損失が削減されるなどの効果が見込まれるところでございます。
○浜口誠君 ありがとうございます。 いろんなメリットがやっぱり高速道路をより活用することによって生まれてくるということだと思います。 じゃ、そんな中で、なぜ日本の利用率が今二割にとどまっているのかと、その要因ですね、何が原因で日本の場合、欧米と比べて利用率が低いのか、この要因についてどう分析されていますか。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 我が国の高速道路につきましては、都市、地方問わず、いまだつながっていないミッシングリンクが存在するとともに、開通している区間におきましても約四割が暫定二車線構造であること、また、インターチェンジの設置間隔が欧米諸国に比べ二倍程度と長いこと、さらに、特定の時間帯や場所で渋滞が発生することなどの課題がございます。これらの課題に対しまして、ミッシングリンクの早期解消など必要なネットワークの整備を進めるとともに、四車線化やスマートインターチェンジの整備、ピンポイント渋滞対策等の機能強化に取り組んでいるところでございます。 また、高速道路の料金につきましては、整備の経緯の違いや、料金水準や車種区分等に相違があったことなどから、利用重視の料金へ転換を図ることといたしまして、平成二十六年四月からは、料金水準を普通区間、大都市近郊区間、海峡部等特別区間の三つに整理するとともに、料金割引について、観光振興、物流対策など実施目的を明確にし、高速道路利用の多い車に配慮するよう再編をいたしました。また、平成二十八年四月からは、同一経路同一料金とするなど首都圏の新たな高速料金を導入いたしました。さらに、平成二十九年六月より、近畿圏におきましても新たな高速道路料金を導入しております。これらは、有識者を始め、様々な意見を伺いながら、時代に即した高速道路料金となるよう努めてきたところでございます。 これらを通じまして、高速道路の分担率を適切に引き上げ、道路ネットワーク全体を最適利用することで、生産性の向上や安全、安心の確保、地域経済の活性化に貢献できるよう取り組んでまいります。
○浜口誠君 今、石川局長の方からるる御説明ありました。 今の高速道路をもっともっとやっぱり活用していく方策を、今国交省も考えていただいておりますけれども、我が国としても考えていく、そのことが物流の効率、生産性にもつながりますし、ドライバーさんの長時間労働の是正にもつながる。これはもう先ほど来から言っていることなんですけれども。 その中で、料金制、今、距離制ですよね、簡単に言いますと。距離に応じて料金が変わってくると。長い距離走ると料金は高くなるというのが今の高速道路の料金制ですけれども、一度、どこまで走ってももう一定の額の料金しか取らないと、定額料金制というのもこれ検討に値するんじゃないかなというふうに思っております。更に言うと、目的地へのアクセスをより効率的にやるための低コストな出口をたくさん造る、こういったことも是非国交省としても研究をしていただきたいと思います。 これまでの政策においても、自民党政権においては土日上限千円というような高速道路政策がありましたし、民主党政権のときには高速道路無料化といった政策も実施してきました。まずは、これら過去の政権が行ってきた高速道路政策についての評価、それと、先ほど言った料金の定額制、無料だといろいろ課題もあったというのはこれからお話あるかもしれませんけど、定額料金というのも是非研究をしていただければなというふうに思っているんですけれども、その二点についてお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 高速道路料金につきましては、平成二十一年三月から約二年間、大都市圏を除く高速道路について普通車以下を対象に土日祝日の上限料金を千円とする割引、さらに、平成二十二年六月から約一年間、主に地方部など全国の高速道路の約二割の区間で全車種を対象に無料とする社会実験を実施いたしました。これらの料金施策につきましては、平成二十三年十二月の高速道路のあり方検討有識者委員会の中で中間とりまとめにおきまして総括がなされております。 具体的には、地域活性化などの面から一定の有効性が確認されたものの、当該施策の対象となった道路における激しい渋滞発生や他の交通機関への影響などの交通政策としての課題のほか、施策の継続に必要な予算の制約などの課題があり、持続可能性などの観点から、原点に立ち返った検討が必要であるとされているところでございます。 また、料金の定額制についてでございますけれども、高速道路につきましては、料金で償還する建設、管理に要する費用は延長に応じるものでありますため、その料金については、全ての利用者が公平に負担するよう、利用距離に応じた対距離制の料金体系を基本としております。なお、諸外国におきましても、近年、対距離制の導入の動きが広がっております。 その上で、現在、長距離利用を促進するため、利用距離に応じて料金を低減する制度や、物流事業者や利用機会の多い車の負担を軽減するとともに、多頻度利用者の定着化を図るための最大五割引きとなる大口・多頻度割引などを導入しているところでございます。 均一料金についてでございますが、長距離利用者と短距離利用者の負担の公平性に課題があること、短距離利用が割高となるため、高速道路を敬遠して一般道に降り、一般道で渋滞が発生するおそれがあること、他の公共交通機関に影響を及ぼすことなどから課題があると考えております。 いずれにいたしましても、今後とも、幅広く議論を行い、時代に即した高速道路料金となるよう努めてまいります。
○浜口誠君 是非、石井大臣にも御意見伺いたいんですけれども、定額料金制、これの研究を、今いろいろ課題もあるんじゃないかという石川局長の御説明ありましたけれども、いろんな有識者の方も、意見も聞いていただきながら、時代に合わせた高速道路料金の在り方というのはこれ考えていく必要があるというふうに思っておりますので、是非一度研究テーマとして国交省としても取り上げていただきたいんですけれども、その点いかがですか。
○国務大臣(石井啓一君) 高速道路につきましては、大都市圏を中心としてかなりネットワークは整備されてきましたので、首都圏、それから近畿圏と、料金制度の在り方を見直しをしてきております。だんだん利用の時代に入ってきているという意味では、もう既に、起終点が一緒ならばどういうルートを通っても同じ料金にする。これはなるべく環状道路、環状道路の方が距離は長くなるんですけれども、なるべく都心を通過せずに環状道路を利用してもらうためには、長い距離でもやはり同じ料金になるというような工夫もさせていただいているところであります。 ただ、委員がおっしゃる定額制についてはちょっと課題が大きいかなと思っておりまして、具体的な研究段階にはまだちょっと至らないのではないかと考えています。
○浜口誠君 またいろんな場面で提案もさせていただきたいというふうに思っております。 ちょっと準備した質問全て行けなかったので大変申し訳なかったんですけれども、時間が来ましたので、ここで終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 まず、石井国土交通大臣にお伺いをいたします。 我が国の地理的な均衡ある発展、そして地方創生という観点から、石井大臣には、国土の隅々にまで、特に地理的に困難を伴う、困難を強いられている離島への配慮という点も是非ともお願いを申し上げたいと思います。 そこで、まず、奄美振興特別措置法の拡充、延長についてお伺いをいたします。 公明党は、離島振興対策本部を持ちまして、離島振興に強く取り組んでおります。こうした中で、私自身は奄美ティダ委員会の事務局次長として、本年に入って一月そして五月と既に二回、奄美大島、徳之島、与論島を訪れ、現地の市町村長、商工、観光、農業等、関係者から様々な御意見を伺ってきております。 具体的な御要望といたしまして、本土から遠く離れた離島ならではの負担として、有人国境離島対策では支援対象として認められているものの、奄美群島では認められていないような、経済活動に際して必要な資材、原材料の仕入れや加工品の輸出の際の運賃の負担、また、生活物資の輸送コストを低減させてほしいという御要望をいただいております。また、島外の方にも離島運賃の割引をして、それを拡大して交流人口を増やし、さらに経済の発展につなげてほしい、生活を、負担を軽減させてほしいといった御要望も承っております。 こうした各論を含め、何といっても、今年度末に期限を迎える奄美群島開発特別措置法の拡充の上、延長してほしいとの強い要望をいただいております。 改めて党としても政府に提言をさせていただく予定でございますが、この特措法の拡充、延長も含めた奄美振興に対する国土交通大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(石井啓一君) 奄美群島は、領域の保全、海洋資源の利用等、我が国にとりまして非常に重要な地域であり、昭和二十八年の本土への復帰以来、特別措置法の下、産業の振興、社会資本の整備等の諸施策を進めてきたところであります。 一方、奄美群島と本土との間には経済面や生活面での諸格差がいまだ残っておりまして、引き続き、生活基盤や産業基盤の整備など、奄美群島の自立的発展に向けた政策を実施していくことが必要と認識をしております。 奄美群島振興開発の在り方につきましては、特別措置法が平成三十年度末に期限を迎えることを踏まえまして、現在、奄美群島振興開発審議会における議論を進めているところであります。今後、審議会の議論を踏まえまして、特別措置法の延長について検討をしてまいります。 また、前回の特別措置法の延長の際に奄美群島振興交付金が創設をされました。島民向けの航路、航空路運賃の支援、観光、農業など産業の振興等を支援をしており、入り込み客数の大幅増などの成果が見られております。 今後、地元のニーズや公明党からの御提言も踏まえまして、奄美群島振興交付金のより効果的な活用等につきましても検討いたしまして、奄美群島の振興開発に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○里見隆治君 ありがとうございます。 この奄美群島につきましては、沖縄と併せて世界自然遺産登録、残念ながらこれは延期ということでございますけれども、着実に地域振興をしていくという中で、来るべき登録にあっては、その後にあっては、しっかりと観光客も引き入れていくことができるような、そうした基盤づくりを今から始めておく必要があると思いますので、どうか大臣もリーダーシップを取って推し進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 次に、高速道路の料金、あるいは機能強化についてお伺いをいたします。 政府が進める生産性革命を更に推し進めていく上で、高速道路網始め、物流ネットワークの整備、さらには整備されたネットワークについていかに効率的に大量の物流を実現できるか、これが大変重要なテーマでございます。 先ほども高速道路の料金体系について議論、私自身もお伺いをしておりました。この様々なトライアルがある中で、休日上限一千円といった上限定額制といったものもこれまで試みがなされております。これ非常に、定額制がよいのか、あるいは走行距離に比例した料金体系がいいのか、様々な議論がこれまでもあったところでございます。私も、地元、愛知県でございます。自動車県とも言われておりまして、これはなかなか結論が出ないテーマでございます。 先ほどの御議論を聞いておりますと、もう国交省としては距離に比例をしてということでいって落ち着かれているということではございますけれども、これは単にこの高速道路、道路網だけで捉える必要はなくて、これは経済活動の一部であると。物流コストをしっかりと抑えて、そして経済全体を底上げさせていくことで循環をしてまた日本経済に寄与するということも考えますと、道路だけで果たしてこの料金を、経済の負担を考えていいのかどうか、こういった点も含めて是非研究、検討をいただきたいと思います。 こうした料金、そして輸送コストを低減させるため、交通道路ネットワークの整備、機能強化など、物流の生産性を向上させるための取組を、そうした料金の、先ほどの上限定額制ということも含めて、是非研究、検討を進め、また取組を進めていただきたいと思いますけれども、国土交通省のお取組についてお聞かせください。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 高速道路料金の上限定額制につきましては、先ほども答弁させていただきましたけれども、過去に土日祝日の上限料金を千円とする割引を実施したところでございますけれども、地域活性化などの面から一定の有効性が確認されたものの、渋滞発生や他の交通機関への影響など、交通政策としての課題のほか、施策の継続に必要な予算の制約など、持続可能性の観点から課題があると考えております。 高速道路料金につきましては、多種多様な意見があるところでございますけれども、国土幹線道路部会での議論を踏まえ、公平性の観点から、対距離制を基本とした料金を平成二十六年四月に導入したところでございます。今後とも、引き続き幅広く議論を行い、時代に即した高速道路料金となるよう努めてまいります。 また、生産性向上の観点からでございますけど、物流はあらゆる生産活動の根幹でございまして、高速道路ネットワークを有効活用することにより経済活動の生産性の向上につながると考えております。 国土交通省におきましては、三大都市圏環状道路を始めとする高規格幹線道路網の整備を行うとともに、四車線化やスマートインターチェンジの整備、ピンポイント渋滞対策などの機能強化により、円滑かつ効率的な物流ネットワークの構築を進めてきたところでございます。 また、本年三月の道路法の改正によりまして創設いたしました重要物流道路制度も活用しながら、拠点となる空港や港湾等の物流拠点を連絡するネットワークの強化を進めるとともに、同一経路同一料金など賢い料金の実施によりまして、道路ネットワーク全体を最適利用することで生産性の向上に貢献できるよう取り組んでまいります。
○里見隆治君 是非とも、先ほどの上限定額制、こういった料金も含めて更に検討を進めていただきたいと思います。 次に、過疎地域における住民の足の確保について大臣にお伺いをしたいと思います。国土交通大臣にお伺いをします。 過疎地域での輸送や福祉輸送といった地域住民の生活維持に必要な輸送がバス、タクシー事業によっては提供されない場合に実施されております、市町村またNPOが実施するいわゆる自家用有償旅客運送、これは大変重要な取組であるというふうに考えております。 私、先日、秋田県の横手市の事例をお伺いをいたしました。運営主体は地域の集落の共助組織であって、地域の六十歳以上の有償ボランティアドライバーが担っているという好事例でございます。本年四月、国土交通省では、こうした地域交通の導入について地方公共団体向けのハンドブックを作成して周知するなど取組を進めておられると聞いています。是非、その活用促進を図っていただきたいと思います。 国交省におかれては、全国の地域交通に悩んでいる過疎地域にこうした取組を広げていくべきというふうに考えておりますけれども、大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省といたしまして、過疎地域における移動手段の確保は重要な課題と認識をしております。 そのための手段として、まずは道路運送法に基づき許可を受けたバス、タクシーによる輸送があります。しかしながら、バス、タクシーによることが困難である場合は、限定的、例外的に市町村やNPO法人等が自家用車を用いて有償で運送できることとする自家用有償旅客運送制度が設けられております。 国土交通省におきましては、高齢者の移動手段の確保に関する検討会における中間とりまとめを受けまして、これらの輸送手段の適切な役割分担の下、地域の交通ネットワークを円滑に構築するため、本年三月に自家用有償旅客運送の導入円滑化のためのガイドラインを策定をいたしまして、自治体等の関係者に周知をいたしました。あわせて、この自家用有償旅客運送制度を分かりやすく紹介をするハンドブックを作成をいたしまして、本年四月に自治体等の関係者に周知をしたところであります。 国土交通省といたしましては、これらを活用しまして地域の交通ネットワークが円滑に構築されるよう、地方運輸局を通じまして今後とも必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○里見隆治君 どうぞよろしくお願いいたします。 委員長のお許しがいただければ、国土交通大臣、御退席をいただいて結構でございます。 続きまして、吉野復興大臣にお伺いをいたします。 営農再開支援などの復興支援事業、これが平成三十三年度以降どうなるかという非常に大きなテーマが我々を待ち受けております。この三十二年度末までの復興・創生期間、そしてその後という、その年度がもういよいよ二年後、三年後ということで迫っているわけでございます。 被災地の皆様とまた関係者の御尽力により復興が進んでいる一方で、帰還困難地域ではまだ、まだこれから、そして昨年、避難指示解除された地域はまさにこれから復興に取りかかるといった状況でございます。 こうした中で、例えば、東日本大震災復興交付金により行われる農山村地域復興基盤総合事業などは圃場整備に対して支援がなされるものですが、例えば、来年度、平成三十一年度から三か年以上事業を継続しようとすると、平成三十三年度以降の分がいまだ国庫補助がどうなるか決まっていないと、見通しが立たない。そういった中で、もしかしてこの現時点で農業に就くことをちゅうちょされてしまうというケースも見受けられているというふうに懸念をしております。 政府としては、まさにこれから復興に取りかかろうという農業者のためにも、三十三年度以降の分を視野に入れて、期限を切ることなく支援を続けていくべきだと、また、その三十三年度以降どうなるかということを、考え方、基本的な考え方含めて、しっかり現地で農業を再開しようという方にお伝えいただくべきだというふうに考えておりますが、この点について大臣のお考えと御決意をお願いいたします。
○国務大臣(吉野正芳君) 里見先生には、度々被災地に入られ、そして被災地の声を聞いて、その声を国会の場でこうして御披露していただくことは本当に感謝でございます。ありがとうございます。 さて、おただしの点ですけど、福島十二市町村における農業基盤の整備については、農地の除染や農家の方々の帰還状況を見ながら、福島県等が福島再生加速化交付金を活用し、進めているところでございます。本事業のように事業着手から完成まで一定の期間を要する事業については、二〇二一年度以降の取扱いについて地元から不安の声、私もこの不安の声を聞いております、そういう声がございます。 農業の振興も含め、福島の原子力災害被災地域の復興再生は中長期的対応が必要でございます。復興・創生期間後も国が前面に立って取り組む必要がございます。この観点から、厳しい状況に置かれている福島の農家の皆さんの気持ちに寄り添いながら、福島県と連携して丁寧な説明を地元に努めてまいりたい、このように考えております。
○里見隆治君 大臣、是非その御決意で強く進めていただくようお願いをしておきます。 続けて、災害公営住宅の家賃対策についてお伺いいたします。 東日本大震災における低所得者、この地域における低所得者の災害公営住宅の家賃についてでございますが、これは管理開始後五年目から、五年目までは低減をされるけれども、六年目以降十年目にかけて段階的に一般の公営住宅の水準に近づくような、そうした家賃補助になるというふうに承知をしております。 ただし、入居者の状況等に応じて、必要があれば地方公共団体が独自に減免をすることが可能であるということで既に御通知をされていると思いますけれども、必ずしも現時点において全ての市町村が独自の減免措置の判断を行っていないという現状がございます。 私は、先ほど大臣おっしゃっていただいたとおり、被災直後から私ども公明党はそれぞれ党の全員が復興の地域を担当しておりまして、私は宮城県を担当させていただいておりますけれども、この宮城県、今年も三月、四月と通わせていただいております。その中で、特に四月は石巻また南三陸町、お伺いをいたしました。地元の、岐阜県の市町村議員、公明党の議員とも一緒に訪れ、これも定期的に行っているものでございます。 その中で、災害公営住宅の入居者の皆さんと集会所で懇談会を複数会場で開かせていただきました。様々由来はありますけれども、多くの方が御高齢で年金受給者、したがって、将来この家賃が上がっていくということについて相当の御不安を抱えられております。 確かに、この家賃の減免措置は自治体の措置だとはいえ、国としてもそうした取組を促すようなお取組を是非お願いしたいと思いますけれども、吉野大臣の御見解をお願いいたします。
○国務大臣(吉野正芳君) 東日本大震災の災害公営住宅の整備に当たっては、激甚災害の場合と比べても、整備費、そして家賃低廉化の補助を大幅に拡充し、自治体の特段の負担軽減を図っているところでございます。 自治体が今後も家賃の減免を継続することで入居者の負担を引き続き軽減することは可能であり、復興庁からも各自治体に丁寧に説明してきたところでございます。実際、今年の四月から低所得者の家賃が上がる可能性のある自治体は全て既に対応済みとなっているところです。 また、今後低所得者の家賃が上がる可能性がある自治体においても、地域の実情を踏まえ、適切な家賃の減免などが行われるようきめ細かく相談に乗ってまいりたい、このように考えております。
○里見隆治君 ありがとうございます。 今御答弁をいただいた、現時点において既に五年目、六年目を迎えようとするところにおいては全ての市町村が対応済みであるということを確認をいただきましたけれども、これは非常に大事なことで、やはり現地の市町村も、お隣の市町村どうされているかなと結構横目を見ながらということがあろうかと思います。そういう意味で、自治体任せではなくて、しっかりフォローいただいて、今現状どうなっているかと、そういうことをしっかり把握をし、そしてそのことを公表いただくということは是非ともお取り組みいただきたいと思います。 もし、これ委員長のお計らいいただければ復興大臣は御退席をいただいても結構でございますので、よろしくお願いいたします。
○委員長(二之湯智君) どうぞ、退席ください。
○里見隆治君 次に、総務省にお伺いをいたします。非常用発電機など消防設備点検の徹底についてでございます。 防災の観点で、巨大地震への備えも含め、消防設備を日常的に点検しておくことは大変重要なことであると考えます。しかしながら、消防庁の発表によりますと、不特定多数の方が出入りする百貨店、旅館、病院、地下街など特定防火対象物について、消防設備点検報告率の全国平均が二十九年度末で、千平米未満の施設で四八%、千平米以上の施設で約七六%と、本来あるべき一〇〇%には程遠い状況にございます。 消防庁としてこの現状をどう認識をされているか。これら不特定多数が出入りする施設については、入口で、例えばですが、一目で消防点検済みかどうか確認できるようにするなどして、目標値を定め、点検率を向上すべく取り組むべきではないかと考えております。 また、災害時に力を発揮すべき非常用電源、非常用発電機について、負荷運転による点検については今般その取扱いが改正をされ、点検周期が一年から六年に延ばされるなど、かえって心配な面もございます。非常用発電機の点検について確実に実施されるべきと考えますが、総務省としてどのようにお取組をされるか、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(猿渡知之君) お答え申し上げます。 総務省消防庁におきましては、消防用設備等点検報告制度のあり方に関する検討部会というのを従来から開催してまいりまして、平成二十八年十二月におきましては、点検報告率が大きく上昇した消防本部の立入検査等の積極的な事例につきまして取りまとめまして、全国の消防本部に御連絡したところであります。 一方、同検討部会におきましては、いわゆる非常用電気の実負荷運転につきましては、商用電源を停電させなければ実施できない事例があるというようなこととか、疑似負荷運転をしようと思いますと専用の装置を接続するためのケーブル敷設工事ができないので結局商用電源を停電させる必要があるというような事例があるということを全国の消防本部から問題点として指摘を受けました。 これを受けまして、二点の改正をいたしたところであります。一点目は、潤滑油の成分分析など、負荷運転と同水準の不具合の確認等ができるのであれば、それは機器内部の観察等による点検の方法でいいのではないかという点が一点でございます。二点目は、潤滑油の定期的な交換など、運転性能に関する適切な予防措置が講じられるのであれば、それにつきましては、定期的な報告と併せて負荷運転の実施頻度を一年ごとから六年ごとへ延長可能とするという内容でございまして、今般、六月一日付けでこれらを内容とする消防庁告示の改正をいたしました。 今後は、この点検基準の改正内容の周知徹底はもとより、引き続き、全国の消防本部と連携いたしまして、消防用設備の点検制度全般の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
○里見隆治君 もう時間ですので終わりますが、本来、国家公安委員長には、高齢者の安全運転、その寿命延伸ということをお伺いしようとしておりましたけれども、これはまた改めてお伺いをしたいと思います。 以上で質問を終わります。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。 質問の機会を与えていただきまして、感謝申し上げます。 まず、今日、石井大臣にお越しいただいています。ありがとうございます。 大臣に、高齢者が住み慣れた地域で安心して住み続けられる町づくり、こちらの重要性についての御認識をお伺いしたいというふうに思っております。 当然ですけど、高齢者の方は移動にも困難を伴われるわけであります。また、長く住んで、そして人間関係をつくられたその地域に、仮に移らなければいけないとしたら心理的な影響というのも非常に大きくなっている、こういった高齢者の方々の安心をしっかりと守ることこそ私は住政策の基本であるかなというふうに思っております。 大臣より、その基本的な認識のみ、個別の政策の御紹介は結構でございますので、御認識をいただければというふうに思います。
○国務大臣(石井啓一君) 急速な高齢化が進展する中で、高齢となった方々が住み慣れた地域で安心して住み続けられる環境を整備していくことは重要なことと認識をしております。 このような認識の下、住生活基本計画におきましては、高齢者が望む地域で住宅を確保し、日常生活圏において介護・医療サービスや生活支援サービスが利用できる居住環境の実現を目標として掲げており、各種施策に取り組んでいるところであります。 具体的には、公的賃貸住宅団地の建て替え等の機会を捉えまして、医療・福祉施設等の地域の拠点を形成をしたり、あるいは、地方公共団体や不動産関係団体、居住支援団体等で構成をされ、住宅相談や見守り等の生活支援を置く居住支援協議会への支援などを進めております。 また、平成二十八年十二月に厚生労働省との間で関係局長級による連絡協議会を設置をしておりまして、この連絡協議会などを活用いたしまして住宅政策と福祉政策のより一層の連携を深め、高齢者が安心して住み続けられる環境の整備に引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 冒頭で、今大臣の方からも、高齢者が望む地域でというようなお話もありました。 昨日、私、埼玉県の公団住宅自治会協議会の会合にも参加させていただいたんですが、皆さんの願いは、住み慣れた団地で安心して住み続けられるということであります。今、それが非常に危機に瀕している部分も一部あるかというようなお声でありました。 自治会協議会の方で二〇一七年の九月に第十一回の団地の生活と住まいアンケートというものを取られているんですが、御案内のとおり、UR団地の居住者の高齢化というのが進んでおります。世帯主六十五歳以上の方が六八%、これは、二〇一一年比では一二%上がっているわけであります。すなわち年金だけで暮らしている世帯が増えているということは推計立つわけですけど、実際のところ、年金だけで生活をされている御世帯は四六%、これは二〇一一年代から七%増えているということであります。 直面している危機というのは、かつて働いていた頃から比べれば収入ががくんと下がる一方で賃料は変わらないという、このアンバランス、こういうことを通じて、先ほど大臣がおっしゃった安心を確保していくというためには、法律も機構の賃貸住宅を住宅セーフティーネットと位置付けているわけであります。 収入に応じた賃料ということも考える必要があるかというふうに思いますが、このような観点から、今までずっと住み続けていた方の、これら世帯に対する、このような要望に対して、都市再生機構法第二十五条四項に基づく家賃減額措置というものはどのように機能をされているのか、御答弁をいただければというふうに思います。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 都市再生機構法第二十五条第四項では、居住者が高齢者、障害者等で通常の家賃を支払うことが困難であると認められる場合等に家賃を減免することができることとされております。 これに基づき、UR賃貸住宅においては、高齢者向け優良賃貸住宅や、これに準じてバリアフリー化された高齢者世帯向け地域優良賃貸住宅、URでは健康寿命サポート住宅と呼んでおりますが、そのような住宅に居住する低所得の高齢者世帯への家賃減額措置などを講じてきております。 なお、これらの賃貸住宅につきましては、公募により入居者を決定しております。公募に当たりましては、一定の所得要件を満たす高齢者世帯であれば、UR賃貸住宅に居住されているかどうかにかかわらず入居の申込みが可能となっておりまして、その結果、この公募で入居が決定すれば家賃減額措置を受けられると、このようなことになっております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 今、施策を御説明いただいたんですが、やはりこれだけでは不十分な部分もあるかなというふうに思います。高優賃なども御説明をいただいたわけでありますが、やはりこういう制度ができる前から住み続けられている方々の家賃の減額などをどうされるのか。 今、二十五条四項ということについて御説明があったんですけど、この居住者というのはやはり規定の家賃を支払っている現居住者というものを指して、その後生活が変化して支払が困難になった場合というのは、これひとしく対象にすべきであるかというふうに思っております。この機構法に基づいている措置ということであれば、この要件を同じくする居住者であればひとしくこれ適用されると、新しく入った方だけに適用されるのではなく、やはりずっと住み続けられている方にも、とりわけこの肝腎の継続居住者という方に対してはしっかりと措置するやり方というものもこれは考えなければいけないというふうに思っております。 先ほどのアンケートでも七八%の人が公団住宅に住み続けたいというふうにおっしゃっているわけでありますので、これは、今日はお時間がありませんので改めて別の機会に是非また討議、討論をしたいというふうに思いますが、引き続いて、この法の趣旨に沿って、全ての人が安心して住み続けられるような家賃の在り方というのも是非研究をしていただきたいというふうに思っております。 では、そのまま続きまして、大臣の方にお伺いもしたいというふうに思っておりますが、大臣に、今御説明のありましたURの高齢者向け優良賃貸住宅、こちらは高優賃とも略されているわけでありますけど、この二万二千二百世帯、約ですが、これが対象とされております。現在、この家賃の減免措置というのが行われているわけでありますが、この制度が二十年間という期限付のため、早ければ二〇二〇年にその期限が来るわけであります。 この制度がなくなると大幅な家賃増額につながりまして、ますます高齢化が進む居住者にとってはまさに問題であり、冒頭大臣もおっしゃっていた、不安に対処するようなことに対して危機が生じてしまうかというふうに思っております。是非この家賃減額を継続していくべきと考えますが、対応方針をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(石井啓一君) URの高齢者向け優良賃貸住宅につきましては、二〇二〇年二月から、管理開始から二十年を迎え家賃減額措置の適用が終わる住戸が生じ始めます。 URの高齢者向け優良賃貸住宅につきましては、お住まいの方が安心して住み続けられること、平成三十年度中にUR賃貸住宅ストック再生・再編方針の見直しを行い、経営の効率化を図りつつ住宅セーフティーネットの機能を果たしていくことといった観点を踏まえまして、今年度中にその方向性を見極めてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 今年度中に方向性を見極めるという、これまで、従来、検討とのみお答えいただいたところもありますが、また踏み込んでいただいてお話をいただいたかというふうに思っております。 予算の今後の編成などもあるかというふうに思います。しっかりとこの継続に向けた予算の確保なども踏まえて、是非御対応を改めて御要望を申し上げたいというふうに思っております。 次に、続きまして、残りのお時間を使って、今度は道路についてお伺いをしたいというふうに思います。 六月二日に外環が埼玉の三郷南から高谷ジャンクションまで広がって、埼玉から東京ディズニーランドも行きやすくなったという喜びの声もたくさんあるわけでありますが、埼玉も圏央道が県内でも開通もいたしまして、やはり道路が開通して雇用も生まれて地域経済も活性化する、改めて道路というのはつながってこそやはり真価というのが生まれるんだなということを感じているところであります。 これらの外環であったり圏央道であったり高規格道路、これを補完しているのが地域高規格道路であるかというふうに思います。 埼玉でいえば、この今二つ挙げた高規格道路の中間を、間を通る例えば新大宮上尾道路であったり熊谷バイパスであったり、また東埼玉道路でありますね、こういったものを、やはりこういうのがしっかりと広がっていくことが渋滞の緩和にもいいし地域経済の活性化にもいく、経済活性化が面にまで広がっていくという意味でも、この地域高規格道路というのが整備されるのは重要かなというふうに思っております。 このうち東埼玉道路につきましては、私もこの前視察へ行かせていただきまして、八潮から春日部まで、外環から十六号までの地域高規格道路でありまして、交通渋滞の緩和、また周辺地域の開発を支援する道路とも言えるというふうに思います。区画周辺には、東埼玉道路周辺で様々な、例えば草加柿木地区、これは仮称ですけど、産業団地や、松伏・田島地区の産業団地など開発事業が計画されていて、また、日本最大級のショッピングのイオンレイクタウンであるとか、こういうのが立地しておりますが、全線開通すれば更に地域の活性化にも非常にいい影響も与えるものであるかなというふうに、まさにストック効果が高い道路であるかというふうに思っております。松伏の町長とも懇談したんですけど、非常に周辺の自治体の御要望、非常に強いところがございます。 改めて、今後も、今、整備もこれから進めていくわけでありますが、こういった東埼玉道路のような地域高規格道路を含めた高速道路全体、これがやはり整備されることによって企業立地の促進など地域の活力も向上すると考えますし、そういう点でも大臣にお伺いしたいのが、我が国の高速道路整備の必要性と、とりわけこの地域高規格道路の東埼玉道路の事業進捗状況について、最後、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(石井啓一君) 高速道路は、その整備によりまして拠点を結ぶ広域的なネットワークが形成をされ、企業立地、観光交流が進むほか、リダンダンシーの確保により防災機能が強化されるといった多様なストック効果が発揮されるなど、我が国の国際競争力の強化や地域の活性化等に大きく寄与をいたします。 委員御指摘の東埼玉道路は、東京外郭環状道路と圏央道を連絡をする道路であり、東北道や常磐道の間にある住宅地とともに、越谷レイクタウン、東埼玉テクノポリスを始めとする商業施設や工業団地へのアクセスを強化する道路であります。東埼玉道路は、東北道などの放射状の高速道路を補完をし、現道の国道四号の渋滞緩和や交通安全の確保とともに、周辺の開発需要を高める観点から重要であると認識をしております。 東埼玉道路は自動車専用部と一般部を併設する構造となっておりまして、そのうち一般部について先行して事業を進めております。現在、八潮市八條から吉川市川藤までの区間五・七キロメートルが平成十七年三月に開通をし、その北側の吉川市川藤から春日部市水角までの区間約八・七キロメートルについて用地買収及び工事を実施しているところであります。 国土交通省としましては、今後とも、重点化や効率化を図りつつ、一日も早くネットワークがつながることを目指しまして、高速道路の整備を着実に進めてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 とりわけ、例えば松伏町などは町の中に鉄道がないところであります。これ、道路をしっかり造っていくことが地域の活性にもつながる、そういったいろんな声も含めて、是非、国交省さんには、引き続き、経済活性化、そして利便性を高める道路の更なる整備というものを進めていただきたいことを御期待申し上げまして、終わりたいというふうに思います。 ありがとうございます。
○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也でございます。 今日は、国土交通大臣、そして国土交通省の方と幾つかの議論をさせていただきたいと思います。 まず、通告はしておりませんけれども、石井大臣、御就任されてから北海道には何度ぐらい来ていただいたでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) ちょっと、御通告いただいておりませんでしたのでちょっと正確に数は覚えていませんが、昨年は総選挙もありましたので相当北海道に行った記憶はございます。
○小川勝也君 そういう答えが来るとは思いませんでした。 台風災害の復旧復興もございまして、足を運んでいただきました。そして、大変つらい思いをいたしましたJR北海道問題にも高い関心を持っていただいて、いわゆる厳しい路線の視察もいただいたと思います。 まず、JR北海道問題についてお伺いをしたいというふうに思います。 この夏くらいまでに、JR北海道と、いわゆる行政機関であります北海道庁が何らかの方針を決めて、国土交通省にもお伝えをし、あるいは何らかのお願いをさせていただくようなことを伺っております。私ども、野党の立場でありますけれども、北海道を代表する立場でございますので、与野党関係なく、北海道庁やJR北海道がまとめた案に乗っかって、石井大臣や国土交通省、政府にお願いすべき点はお願いするという思いでいるところでございます。 しかしながら、私は北海道生まれ、北海道育ちでありまして、若干の鉄道ファンでもありました。かつて、汽車通ということで、JR宗谷本線に乗って高等学校に通った三年間も経験をさせていただいております。そんな中で、世の中が大きく変わっていく中で国鉄の民営化を迎えたわけであります。 御案内のとおり、様々な民営化議論が進む中で、例えば電電公社はNTT東西に変わりました。そして、郵政は機能別に分断をされたわけであります。しかし、北海道の、この関係で見ますと、JR北海道、そしてJR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州、そして貨物という、こういう分かれ方をしたわけであります。そして、今、北海道では、国鉄時代にあった路線からたくさんの支線が廃線されています。 そして、今、新たに単独では維持できないという路線が発表され、様々、バス転換の話、地域の皆さん等の要望、JR北海道の皆さんも様々御苦労をされているわけであります。そして、逆に言えば、JR東海さんなどは新幹線の様々な収益、JR東日本は山手線の収益など、いわゆるドル箱を利用いたしまして様々な営業を更に広げているわけであります。その最たるものがリニアモーターカーの新設であります。一方、北海道は線路が引っぺがされる、こういう悲しい局面を迎えているわけでありますので、私は、やはり日本という国があるとすれば、国土全体に政府が責任を持ち、そして、あの分割・民営化は何だったのかという思いを強く持っているわけであります。国土の大変広大な部分を占める北の大地でありますけれども、人口はどんどん減り、様々な場面でつらい思いをしているところでございます。 私は、この八月に向けての北海道全体の思いが固まれば、我慢をして、その流れに沿って石井大臣にお願いをするつもりでありますけれども、私は、あの分割・民営化はおかしかったのではないか、いわゆる基金の金利が下がったからしようがないじゃないかで私は済まされない問題だと思っています。率直な石井大臣の御感想をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 国鉄の分割・民営化により効率的で責任のある経営ができる体制が整えられた結果、全体として鉄道サービスの信頼性や快適性が格段に向上し、経営面でも、JR本州三社に続いてJR九州も完全民営化されるなど、国鉄改革の所期の目的を果たしつつあるものと考えております。 一方、JR北海道及びJR四国は、地域の人口減少や他の交通手段の発達に伴い、厳しい経営環境の下に置かれております。また、JR貨物は、一昨年度より鉄道事業が黒字化いたしましたが、多少の経済変動があっても利益を持続的に確保していくことが課題であります。 国といたしましても、これらの会社に対しまして、これまで経営安定基金の運用益の下支えや実質的な積み増し、設備投資に対する助成や無利子貸付けなど、累次にわたって支援を行ってきたところであります。 国といたしましては、今後とも、JR北海道、JR四国及びJR貨物が各地域において求められる輸送サービスを的確に果たしていくことができるよう、これらの会社の徹底した自助努力を前提といたしまして、経営自立に向け必要な支援、協力を行ってまいりたいと考えております。
○小川勝也君 私は、石井大臣は二十数年前から存じ上げておりまして、最も尊敬をする議員の一人でございましたけれども、今の答弁は本当に冷たい答弁だと思います、役人が書いた答弁書をそのまま読んで。 四国や北海道がつらいことになっているんです。そして、そういうところを犠牲にするから、いいところは経営方針が自由になってもうかっている、当たり前のことじゃないですか。そういう他を犠牲にして自分のところだけ大きくなるというのは、まさに、本当につらい言葉を発しますけれども、今の安倍政権の考え方そのものだと思います。今だけ、金だけ、自分だけ、人を犠牲にして自分だけもうかっていいのかという、そういう思いをするわけであります。 国というのは、国民、国土、離島を含む全てをしっかりマネジメントするのが国の役割であります。国土交通大臣は国土の一部と交通大臣じゃありません。北海道や離島にもしっかり責任を持って、鉄道だけではなく日本全体をしっかり守っていくんだという気概が私は求められるんだと思います。 先ほど、尊敬する石井大臣の答弁に突っかかりましたけれども、この後、私はちょっとお願いもさせていただきますのでこの辺にとどめますけれども、しっかり国土を守るんだという、当たり前のことでありますけれども、決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 全国様々な地域におけます交通手段の維持及び確保を図ることは重要な課題と認識をしております。地方公共団体が地域の関係者と共に町づくりと連携をしながら持続可能な地域公共交通のネットワーク形成を図ることが重要であり、国土交通省といたしましては、そのための計画作りなど地域の取組を促進をし、また支援をしているところであります。 こうした取組を支援するため、例えば鉄道の廃止代替路線を含む地域のバスの運行費などへの支援を行っており、特に、過疎地域等交通の不便な地域におきましては補助要件の緩和等の特例も設けております。さらに、離島への航路や航空路の運航経費、地域鉄道の施設整備費等に対する支援も行っております。あわせて、地方公共団体に対する人材育成やノウハウ面での支援にも取り組んでおります。 引き続き、全国様々な地域におけます交通手段の維持及び確保に努めてまいりたいと考えております。
○小川勝也君 答弁書を読み上げるだけで、正直がっかりしました。せっかく質問をしたんですけれども、そういう答弁であれば仕方ないというふうに思います。 冒頭申し上げましたとおり、切実な声です。もう例えば北海道に来ていただいても、石井大臣、札幌だけ来たわけではありません。選挙の応援に行く空知、災害復旧で見た現場、それこそ東京とは比べるべくもない違った世界であります。しかし、そこも我々の国土であることが当然のことでありますので、今の質問をさせていただきました。 安倍総理にもこの問題、質問をしたことがございます。JR北海道問題であります。なるべく国に迷惑を掛けないように、そして、住民の理解を得るべくJR北海道は今奔走しております。北海道庁を含めて、夏に向けて、国土交通省にも報告をさせていただいたりお願いをさせていただいたりすることがあろうかと思います。安倍総理も前向きな御答弁でございました。当然、石井大臣も何度もこの場で前向きな答弁をいただいていることを承知をいたしております。 JR北海道の問題はJRの問題だけではありません。広く国民万般を、国土全体を守るんだという国土交通省と大臣の気概だと私は思います。この八月に向けて、あるいは夏に向けて、北海道から発せられるメッセージにどのように対応していただけるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) JR北海道は、平成二十八年十一月に単独では維持困難な線区を公表いたしまして、各線区の置かれた状況を踏まえた持続可能な交通体系の在り方につきまして、地域の関係者の方々への説明、協議を進めているところであります。 国土交通省といたしましては、地域における協議状況を十分に踏まえつつ、JR北海道の事業範囲の見直しや経営自立に向けた方策につきまして、関係者とともに検討を進めているところであります。引き続き、北海道庁の対策や要望事項につきましてもしっかりお伺いをしながら、夏頃までに大まかな方向性について取りまとめてまいりたいと考えております。
○小川勝也君 どうぞよろしくお願いをいたします。信じておりますので、よろしくお願いします。 次に、国の大きな責務の一つであります航空保安についてお伺いをいたします。 資料を用意させていただいておりますので、御覧をいただければと思います。 これが、いわゆる航空保安に対してどのセクターが責任を持っているかということであります。「(インド?)」というふうに航空会社が囲っているところに書いてありますけれども、かつてインドもそうだったけれども、現在変わっているかもしれないというところであります。 御案内のとおり、国が責任を負っているところ、空港管理者が責任を負っているところ、そして航空会社が責任を負っているところ、おおむね日本と、こうなっています。やはり二〇二〇年オリンピック・パラリンピック、その前のワールドカップラグビーもございます。世界に誇る日本という意味でありますと、まずは安心、安全をしっかり国が責任を持って守るぞというのが世界に発するメッセージの中で一番重要なのではないかというふうに思っています。 そして、諸外国もずっとこの体制を代々引き続いてきたわけではありません。実は、御案内のとおり、二〇〇一年でありましたか、アメリカ合衆国、九・一一がございまして、アメリカもその政策を以前から大きく変えることになりました。 同時多発テロから十六日後、ブッシュ大統領は新しい航空保安政策を発表する。まずは、航空機の客室からコックピットへつながるドアの強化、スカイマーシャル(航空保安官)の増員、そして空港への州兵の常駐、連邦政府職員による空港警備ということであります。 そして、引き続き対策を取ります。その対策は、運輸保安庁を新設する。これは、略称はTSAと書いてありますので、スーツケースなどで御案内の役所であります。そして、保安検査を民間検査員ではなく連邦政府職員により実施することにしました。二〇〇二年までに、手荷物検査の徹底及び爆発物検査強化、コックピットの客室との間のドアを防弾仕様にする構造強化、そして拳銃を所持するスカイマーシャルの航空機への警乗と、これだけやっているわけであります。 そして、私どもも苦い思いをいたしました。アメリカ合衆国に行きますと、いわゆる保安検査が余りにも厳しいので、世界中の方々が悲鳴を上げました。しかし、テロとの闘いはそういうものなのかなというふうに思った次第であります。 私たちの国は御案内のとおり平和な国でありましたけれども、いわゆる世界を相手にするテロリストは場所を選ぶわけはありません。人が集まるところこそテロリストの格好のターゲットになるわけであります。そして、御案内のとおり、私どももよく分かっております。二〇一九年のラグビーのワールドカップ日本大会までにボディースキャナーをしっかり導入するという方針を決めていただいて、そしてその補助率をかさ上げするなど、頑張っていただいていることは百も承知であります。 しかし、やはりこの航空の安全、テロリストとの闘い、その責任はやはり国にあるということは、これ、まごうことなき事実でありますので、どこまで空港管理者や航空会社に協力を求めるかというのは別なことでありますし、現在、後でお話をさせていただきますけれども、保安検査に関わる職員はおおむね民間の方々であります。そのことを一気にアメリカのように全て公務員にしろということは当然言えませんけれども、責任はやはり国が負うというのは私当然のことだと思います。そのことについて大臣の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 国際ルールでは、国が航空保安対策に関する制度を定め施行する国際的な責任を負っております。一方で、具体的な保安措置を誰が実施するかは各国の判断に委ねられております。 我が国におきましては、国が航空保安対策基準を定め、関係者はこれらの基準に従って具体的な対策を講じることとなっております。さらに、国は、関係者への監査を行い、適切に対策が講じられるよう厳しく指導監督しておりまして、これらにより米国等の諸外国と同等の安全が確保されているものと考えております。 一方、保安検査機器の整備費用や保安検査業務を行う検査員の費用につきましては、国管理空港における空港管理者として国は費用の二分の一を負担をするなど、積極的な支援を行っております。 さらに、昨今においては、国際テロの脅威が高まる中で航空保安対策を速やかに進めることが喫緊の課題となっており、委員からも御紹介いただきましたが、ボディースキャナーを始め先進的な保安検査機器につきまして、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催までに国内の主要空港に導入することとし、国は従来の空港管理者による航空会社への二分の一補助に加え、国が新たに航空会社分の二分の一補助を代替する制度を創設をしまして、平成二十八年度から航空会社の負担を大幅に軽減することにより普及を図っているところであります。 今後とも、航空会社を始め関係者と連携を深めつつ、国として責任を持って航空保安対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○小川勝也君 様々な配慮をしていただいていることは承知をいたしております。しかし、そのセキュリティーに航空事業者が責務の一端を持っているということでありますと、そこに係る費用はいわゆる経営全体の費用から捻出をされます。航空事業者は、顧客を獲得する、あるいは株主に配当するなど、様々な責務を負っているわけであります。そういった民間事業者が責任を最終的に負うというのは全く理解をできないわけであります。アメリカがそうであったように、やはり私たちの国も、未然にテロを防止するという観点から、しっかり国がその責任を負うという方向性で私は再度議論をしていくべきだと思います。 一部の政党から、いわゆる航空保安法の提出もされております。そのことも石井大臣はよく御案内のことだというふうに思います。まだ、二〇一九年、来年であります。そして、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックまで時間があります。再度、国が責任を負うべく、法整備の必要性について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 重ねての答弁でありますが、我が国においては、国が航空保安対策基準を定め、関係者はこれらの基準に従って具体的な対策を講じ、国は関係者への監査、指導監督を行っておりまして、これによりまして諸外国と同等の安全が確保されているものと考えております。
○小川勝也君 これは何かあってからでは遅いというふうに思いますし、私は諸外国に責務を国が負うという重大なメッセージを発するべきではないかというふうに考えております。また機会があれば質問させていただきたいと思います。 そして、現実の問題であります。 インバウンドが好調である、そして、ワールドカップラグビーからオリパラを迎えるということでありまして、たくさんの皆さんが日本に来ていただいたり空港の利用者が増えるということは有り難いことであります。しかし、保安検査場で長蛇の列、待ち時間が出るということは必ずしもいいことではありません。 そして、もう大臣も御案内だと思いますけれども、いわゆる複数の検査会社がございますけれども、たくさんの方々が途中で離職をいたします。言うまでもないことでありますけれども、仕事が厳しい、しかし、厳密な職務の遂行によってお客様から暴言を受けることなどもあるという大変つらい仕事であります。そして、今世界がこういう状況でありますので、いっときも気を抜けない仕事であります。にもかかわらず、待遇や処遇が完全ではないということで大量に離職をされるという話も出ているわけであります。九百人いた検査員が一年で二百九十人も辞めたという年もあったようであります。 今、御案内のとおり、保育現場を始め全ての業種、業界で人手不足、人の奪い合いであります。インバウンドを増やそう、あるいはオリパラを成功させようとする私たちの国でありますので、他分野と同じように、この航空保安に係る分野での人手不足の解消、そして、しっかり人をこの職業に就いていただくというインセンティブをつくり上げることが必要だと思います。 様々な対策を講じられておられるかと思いますので、国土交通省の対策をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 空港における保安検査は空の安全を確保するために大変重要であり、質の高い航空保安検査員を確保することは大変重要であります。 一方、保安検査員を含む保安の職業の有効求人倍率は全職種の中で突出して高く、また、保安検査員の離職率は大都市圏の空港で高い傾向にありまして、航空保安検査員の確保が課題であります。 こうした課題に対応するため、国土交通省におきましては、航空局、航空会社、空港管理者、警備会社等をメンバーとする検討体制を構築をし、解決策について検討しているところであります。 まず、保安検査員の確保に有効であると考えられる取組といたしましては、警備会社の採用活動への航空会社などの協力、クレームやトラブル対応への体制の充実、保安検査員の休憩施設等の充実、混雑時間帯における職員配置の改善などについて、すぐに実現できるところから対応が取られているところであります。 また、保安検査員の処遇の改善につきましても関係者間で認識を共有しておりまして、航空会社と警備会社との間の契約における人件費の契約単価は、以前に比べて改善の傾向にあると承知をしております。 なお、航空会社が負担をいたします保安検査員の費用の一部につきましては、空港管理者も負担をしているところであります。 加えて、設備投資につきまして、保安検査員の負担軽減や効率化を図るため、ボディースキャナー等の先進的な保安検査機器の導入や爆発物等の自動検知といった検査のオートメーション化を推進しており、国管理空港におきましては、当該機器の整備費に対する一〇〇%補助を行っております。 国土交通省といたしましては、今後とも、国として責任を持って航空保安対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○小川勝也君 まだ時間がございますので、しっかりと重ねた対応をお願いをしたいと思います。 時間もなくなってまいりましたけれども、空港を防災拠点としてしっかり整備してほしいという質問をさせていただきます。 私は、あの東日本大震災のときに防衛省で仕事をさせていただいておりまして、食料の輸送に航空機を利用したという経験を持っています。自衛隊が持つ入間基地、小牧基地から当該被災地に近いところに食料を輸送し、そしてそこからまたいろいろな形で運搬をするということであります。 私たちの国は言うまでもない災害大国でありまして、ここには、南海トラフで巨大地震が起きればどれだけの被害が起こるのかということが書いております。 そして、残念ながら使えなくなる空港もあるかと思いますけれども、やはり空港は、物資を急いで運ぶということでいうと、こんなすばらしいツールはないわけであります。そこに食料、ライフライン、あるいはガソリン、航空燃料、軽油などをしっかりと備蓄をする、これはもう政策としては当たり前のことだと思いますけれども、確認の御答弁をお願いをしたいと思います。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。 空港につきましては、過去の災害時におきまして緊急物資輸送の拠点として機能いたしましたことから、防災拠点としての重要性を十分に認識をしております。 このため、空港の地震対策について、平成十九年四月に地震に強い空港のあり方というのを取りまとめまして、これに基づきまして、発災後三日以内に緊急物資輸送の拠点として機能が確保されますよう、滑走路等の耐震化を順次進めているところでございます。また、空港の津波対策の方針というのも取りまとめまして、避難計画及び早期復旧計画というのを策定をいたしております。 そういった防災拠点あるいは備蓄拠点といったような形になりますと、地方公共団体が地域の防災計画等でいろいろ考えておられますが、例えば、宮崎空港におけます地震、津波に対する避難計画や早期復旧計画などにおきましては、周辺住民の四百五十人相当の避難を受け入れて食料等の備蓄をするといったようなことが位置付けられているような事例もございます。 こうした地域防災計画等で地方自治体から御要望があれば、国としても協力をしてまいりたいというふうに考えております。
○小川勝也君 引き続き、安心、安全の備えをお願いをしたいと思います。 次に、木造建築についてお伺いをしたいと思います。 私は、CLT建築の推進のために少し頑張ってきた自負があります。国土交通省の兵庫県にあります実験施設にも参りまして、阪神・淡路大震災と同じ震度でCLT建築がどのように耐性を持つかという実験にも立ち会わせていただきました。国土交通省もいろいろと推進をしていただいて、CLT建築もたくさん実例が出てきたようであります。 しかしながら、これは私の反省材料でもあるんですけれども、一九九八年の建築基準法の改正のときに、木造建築におけるバリューが少し後退してしまったのかなという反省を持っています。今、CLTと申し上げましたけれども、CLT以外の伝統建築に係る技術者、そして高校、大学における教える人も大分減ってきているようであります。それから構造計算等は、今、オープンソースともいうべき様々な知見や事例を共有するということなどでいろいろ進んでおられるかと思います。 私は専門家ではありませんけれども、CLTを使った建築物であるから純木造である必要はないというふうに考えております。鉄骨とのコラボレート、鉄筋とのコラボレート、あるいはコンクリートとCLT、何でもありだというふうに思いますけれども、このことを推進するために、様々な情報の共有、伝達、そして教える人の確保など、一層の木造建築、CLT建築の推進について御努力をお願いしたいという立場にございます。 どのような取組をされておられるのか、将来に向けてどういうことを考えておられるのか、局長の御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 木造建築物は、今御指摘いただきましたように、循環型社会の形成等の観点からも非常に重要だというふうに思っております。 伝統工法の木造建築物やCLTを用いた新しい木造建築物につきましては、個別の実験や検証等、安全性を確認した上で構造関係の基準の整備等に順次取り組ませていただいているところでございます。 また、先般参議院において御審議いただきました建築基準法の改正案におきましては、木の良さを実感できる木造建築物の整備に向け、防火規制の合理化、いわゆる現しでも使えるようにするといったことを図ることとしているところでございます。加えまして、今、木造建築物の普及に向けまして、シンポジウムの開催等を行うとともに、木造建築物の設計を担う建築士の意識、能力の向上を図るため、建築士の定期講習や建築設計関連団体による研修において伝統工法やCLTの基準等、木造建築物に関する内容を周知しております。 今後は、さらに林野庁やそういう関係団体とも連携して、木造建築物に係る制度の周知に加えまして、先ほど委員御指摘いただいた複合的な、ハイブリッドも含めて、先導的な事例の情報共有を図るなど、国民の多様なニーズに対応した木造建築物の普及に向けた取組をより一層進めてまいりたいと考えております。
○小川勝也君 今、私たちの国の森林の状況は、大変つらい時代をずっと過ごしてきたわけでありますけれども、伐期を迎えた森林が多いということで、新たな法改正もあり、どんどんどんどん木材が市場に出てくることとなろうかと思います。 建築に利用していただいて、その端っこや余りがバイオマスとして利用されるのが正しい使われ方でありますので、ハウスメーカーが建てる一般住宅、そして伝統工法の付加価値の高い住宅、そしてCLTなど、しっかりと木材を利用していただきたい、そのことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 質問に入る前に、まず一言申し上げたいと思います。 この間、加計学園の問題をめぐって、二〇一五年二月二十五日に首相と加計孝太郎氏が面会したかどうか、それが事実かどうかが重大な争点となっております。 これに関わって、愛媛県から新たに出てきた文書の十九ページには、総理と加計氏の面会時に加計側から総理に渡した資料の一部であるアンケートを文科省が獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議の委員に示して意見照会を行ったという記載があるわけです。 この意見照会を行ったことについては文科省は認めております、国会の中で。このアンケートの提出、私、文科大臣に求めたところ、答弁で速やかに提出するとおっしゃっていました。 また、それに関わって文科省に聞き取りを行ったところ、そのアンケートを添付した愛媛県からのメールがあるとの説明も受けました。これは、総理と加計氏の面会の有無や愛媛県新文書のその真偽を確認するために重大な資料だと思います。 そこで、国政の執行状況を確認する本決算委員会に、先ほどの愛媛県新文書に出てくる十九ページ目に出てくるアンケート、それから文科省がレクで説明していたメール、この二点の提出を求めたいと思います。委員長。
○委員長(二之湯智君) 後刻理事会で協議いたします。
○吉良よし子君 では、質問に移ります。 今日は、東京の都市計画道路、特定整備路線と羽田空港の新空路の問題について伺いたいと思います。 まずは、都市計画道路、特定整備路線についてです。 これは、東京の都市計画道路である特定整備路線というのは、都の木密地域不燃化十年プロジェクトとして都内二十八路線、合計で二十五キロメートルの道路を造る計画となっています、合わせればということですけれども。これは七十一年も前の計画で、道路を取り巻く社会状況が大きく変わっているにもかかわらず、見直しや再検討もされないまま、住民からの意見聴取や合意形成という当然のプロセスさえもないがしろにされたまま都市計画の事業認可を受け、道路建設が強引に進められており、住民から大きな批判の声が上がっています。 ここで大臣に伺いますが、この東京都の特定整備路線について、大臣じゃなく国交省にまず伺いますが、行政不服審査法に基づいた不服審査請求が地域住民から出されています。これ、全体で何件出されて、うち審査が終了したその件数は幾らか、お答えください。
○政府参考人(栗田卓也君) 東京都は、平成二十四年一月に木造住宅密集地域の防災性を向上させるため、木密地域不燃化十年プロジェクトを作成しました。これに基づきまして、東京都は平成二十四年十月に、平成三十二年度……(発言する者あり)承知しました。都の申請に基づき、国土交通省関東地方整備局が平成二十七年二月までに順次、特定整備路線としての二十八区間について都市計画事業認可をいたしました。 このうち、特定整備路線としての十区間について、都市計画事業認可処分の取消しを求める審査請求が延べ四千二百六十二件提出されており、このうち三百二十件について裁決をしたところでございます。
○吉良よし子君 四千二百六十二件、不服審査請求が出されているわけです。うち、裁決出したのは三百二十件にとどまっていて、現時点でも三千九百四十二件が残されたまま、なのにもう事業は進んでいると。 ちなみに、この四千二百六十二件という数ですけれども、国交省に聞くと、毎年、通常、不服申立てというのは百五十件から二百件程度だったと、それが、特定整備路線の事業認可された直後に出されたのがその二十倍にも当たる四千二百六十二件と、本当異常な数字なわけです。 現在、国交省への行政不服審査法に基づく不服申立て件数で裁決がされないで残っているものは全体で一万二千三百一件ですけれども、そのうちの三千九百四十二件は三二%に当たる。この数一つ取ってみても、住民との合意形成なんて全くできていない、そういう事業であるということは明らかだと思うんです。 大臣、こういう多くの住民からおかしいと、やめてほしいと声が上がっている事業、事業認可下ろすべきではなかったのではありませんか。いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 特定整備路線二十八区間のうち行政不服審査請求が提出されている十区間につきましては、施行者である東京都が事業認可を申請をし、関東地方整備局長が平成二十六年二月から平成二十七年二月までの間に認可を行っております。 都市計画事業の認可申請におきましては、提出する事業計画に関しまして、事業地、設計の概要、事業施行期間を定めることとされておりまして、それらを示す書類を添付することとされております。 認可を行うに当たりましては、都市計画法第六十一条の基準におきまして、申請手続が法令に違反せず、かつ、申請に係る事業の内容が都市計画に適合している、事業施行期間が適切である等に該当する場合は認可することができるとされております。申請の内容を法令に基づき審査をいたしましたところ、適切に申請がなされていたことから、都市計画事業認可を行っているところでございます。
○吉良よし子君 何か適正だというお話ですけれども、都市計画法では、十六条の公聴会、十七条の都市計画案の縦覧により、関係住民等への周知、納得、合意を求めているわけです。けれども、この特定整備路線は、七十一年前の帝国憲法下の旧都市計画法に基づいて策定された計画で、その策定された当時に住民の合意のプロセスなんというのは踏まれていないわけですよ。それだけじゃなくて、現行法に基づいた手続の中でも、都は国交省への事業認可の申請に当たって住民に必要な説明を行っていない事実があるわけです。 事業認可申請の中では、交通の円滑化、安全で快適な歩行空間の確保、延焼遮断帯としての整備、防災性の向上などを理由として掲げているわけですが、住民の皆さんは、この一番に掲げられている交通の円滑化については都から一つも説明を受けなかった、そういうふうにおっしゃっているわけです。パンフレットには一言あったかもしれないけど、なぜこの地域にこの円滑化が必要なのか、なぜここに道路を造ったら交通が円滑化するのかなどの具体的なことは一切説明受けていなかった、そうおっしゃっているわけですよ。 そういう説明もしていない、合意もされていない、それを大臣が認可したというのはやっぱりおかしいんじゃないのかと。やはり事業認可、適切ではなかったのではありませんか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 東京都は、特定整備路線の整備に当たり、都市計画事業認可に先立って、地域住民に対して事業概要などを周知する説明会を開催したほか、事業認可取得後におきましても、住民説明会の開催のほか、関係権利者の生活再建を支援する相談窓口を現地に設置するなど様々な対応を行っていると聞いております。
○吉良よし子君 東京都から聞いていると言うけど、住民の皆さんはまともな説明受けていないとおっしゃっているんですよ、説明会開かれたと言いますけれども。二時間あっても一方的な説明がほとんどで、たった三十分程度の意見交換で終わって、意見なんて聞いてもくれなかったと、そういう話もあるわけですよ。それで適切なプロセス踏んだとは、私、到底言えないですし、その都の言い分をうのみにしているだけでは、国交省の機能果たしているとは言いようがないじゃないですか。大体、住民の皆さん、だから不服審査請求出しているわけですし、認可取消しの訴訟だって六件行われているわけです。民主主義なんですから、この国は。住民の声に沿って対処するべきだと私は強く言いたいと思います。 ところで、国交省は、この都市計画道路について、近年の人口減少、低成長等の社会経済情勢の変化を踏まえると、都市計画決定後長期間が経過し、その必要性に変化が生じつつある道路があると、廃止を含めた見直しを行うように都市計画運用指針で自治体に示してきました。 昨年七月には都市計画道路の見直しの手引きという各地の事例集も出して見直しを進めてきたわけですけれども、これによると、平成二十八年三月末現在で、都道府県内で廃止、ルート変更を決定した路線の数は、廃止が二千三百五十六路線二千六百四十五キロ、ルート変更は二百七十三路線百七十四キロとなっており、一定見直しが進んでいるわけですけれども、じゃ、東京都の場合、廃止した路線の数、長さ、そしてルートの変更の状況はどうなのか、端的にお答えください。国交省。
○政府参考人(栗田卓也君) 国土交通省が昨年度行った都市計画道路の見直しに関する調査によりますと、平成十二年十二月から平成二十九年三月末時点までにおいて、東京都では、廃止を行った路線は二路線約一・八キロ、幅員縮小の変更を行った路線は一路線約二・八キロでございます。また、ルート変更を行った路線はありません。
○吉良よし子君 全体と比べると本当に東京の場合は少ないわけですね。全体では二千三百五十六路線も廃止されているのに、東京では廃止されたのはたったの二路線と。この間、計画の検討を四回行っているというけれども、優先的に事業化する路線を選定しただけだという。 他の大都市圏だけで見てでも、神奈川では廃止したのは四十路線四十三・三キロあるわけです。愛知でも四十四路線三十七・一キロ廃止しているし、ルート変更も九路線。大阪では廃止三百三十七路線四百五十五・八キロ、ルート変更は六路線一・四キロ。他の都市圏と比べても、東京だけがこの見直し、全く進んでいないと言わざるを得ない状況だと思うわけです。 ここで、大臣に、この廃止を含めた見直しの条件について確認をしたいと思います。 手引きを見れば、既に整備、整備中であったり若しくは事業中の路線であっても、事業認可が下ろされた路線であっても、この都市計画道路の見直し対象にされていると思いますが、つまり、事業認可された路線、既に着手された路線であっても廃止を含めた見直しを行うことはあり得るということでよろしいですね。
○国務大臣(石井啓一君) 都市計画道路の見直しは、事業化された路線を対象とするかも含めまして、社会経済状況の変化などに応じ、地方公共団体が判断するものと考えております。昨年七月に出しました都市計画道路の見直しの手引きでは、様々な取組があることをお示しをするために、見直しの検討対象路線の選定に際しまして、整備済みや事業中の路線区間も含めている都市の事例も紹介をしております。 実際の見直しに当たりましては、都市計画決定の主体である地方公共団体におきまして、都市計画道路の必要性や事業内容等を総合的に勘案をし、適切に判断するものと考えております。
○吉良よし子君 自治体の判断とおっしゃいましたけれども、先ほど大臣おっしゃったとおり、事例の中には、事業認可済み、着手している、そういう路線でも廃止の対象になっているということですから、つまり、そういう路線であっても見直しの対象になり得ると、そういうことでよろしいんですね。
○国務大臣(石井啓一君) 都市計画決定の主体である地方公共団体において御判断する事業であります。
○吉良よし子君 いや、はっきり答えてください。自治体が判断するのは当然ですけれども、その対象が事業認可済みであったとしても対象になり得るんですよね。
○政府参考人(栗田卓也君) 先ほど御紹介ございました手引きの性格でございますが、この手引きは、多くの地方公共団体に対し様々な取組があることを示せますように、多様性にも配慮しながら特徴的な取組をまとめたものでございます。そういう意味で参考となる手引きとなっていると考えております。 都市計画道路の見直しにつきましては、地域ごとに抱える課題が様々でありますので、地方公共団体においてその進め方を適切に判断する必要があるものと考えております。
○吉良よし子君 はっきりと事例として挙がっていますよね。事業認可したものであっても、着手済みのものであっても、廃止したその事例は載っているわけですよね、手引きには。イエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(栗田卓也君) 事例として御紹介をしております。実際の見直しに当たりましては、都市計画決定の主体であります地方公共団体において適切に判断するものと考えております。
○吉良よし子君 だから結局、つまりは、事業認可済みのものであっても見直しの対象になり得ると、そういうことでよろしいんでしょう。イエスかノーかでお答えください。自治体の判断なのは分かっています。そういうものが対象となるかどうか、それだけで結構です。
○政府参考人(栗田卓也君) 地方公共団体において適切に判断すべきものと考えております。
○吉良よし子君 はっきり答えないのは本当に許し難いことですよ。この手引きの見直しの中にあるんですから。事例として載っているということは、そういう事例も認められると。なぜそういう簡単なことが、そのことが言えないのかと。 もう一つ確認したいんですけど、事例集の手引きの中には、商店街に与える影響が懸念されるとか、公園緑地が分断される場合とか、保全すべき歴史、文化、観光資源等歴史資産がある場合など、こうしたものについても見直しがされている事例が挙がっていますが、これも見直しの対象になり得ると、そういうことでよろしいですか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 都市計画の見直しにつきましては、都市計画決定の主体である地方公共団体におきまして、都市計画道路の必要性や事業内容等を総合的に勘案をし、個別具体に判断をされるものであります。 昨年七月に発出しました都市計画道路の見直しの手引きにおきましては、様々な取組があることを示すため、見直しの評価項目として、交通処理機能などに加えて、緑地、風致地区などの環境への影響や町づくりへの影響なども含めて検討している都市の事例も紹介をしております。 実際の見直しに当たりましては、見直しの評価項目などにつきましても、都市計画決定の主体である地方公共団体において判断をされるものと考えております。
○吉良よし子君 これもやっぱりあり得ると答えないと、何のための事例なんですか。いや、そういう事例もあり得るわけでしょう。だから、そういう判断の材料になり得るから、見直しの手引き、作ったんじゃないんですか。そのことも言えないというのは本当おかしいと思うんですよ。 整備済み、事業中の路線も対象にした事例というのは神奈川県でありますし、名古屋市では既に着手した路線でも廃止しているわけですよ。各自治体で廃止を含めた見直しをするのは当然ですし、また、商店街に与える影響が懸念される場合には兵庫県で廃止したものもありますし、名古屋市では公園緑地が分断されるということで、やめました。そして、埼玉県などでは歴史資産がある場合として、そういう事例が載っているわけですよ。 こういう事例があるわけですから、それが判断の材料になり得ると、これ、なぜ答弁できないんですか。大臣、もう一度お願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 実際の見直しに当たりましては、都市計画決定の主体である地方公共団体において適切に判断されるものと考えております。
○吉良よし子君 いずれにしても、事例に載っているということは認められたわけですから、こうした事業認可されたものであっても対象となり得るし、また、そういう公園緑地や商店街があったり、歴史資産があるもの、そういう道路については見直しの理由になり得ると、そういうことだと思います。 ところが、東京では、やはり先ほど国交省が答えたような廃止、見直しがほとんど行われていない。これが本当に問題なんです。しかも、住民の反対を押し切って進められようとしているわけですけれども、お配りした資料を見ていただきたい。 これは板橋区大山にあるハッピーロード大山商店街での補助二十六号線の計画について地図で示したものなんですけれども、これ見ていただいたら分かるとおり、この商店街の中央部を補助二十六号線が幅二十メートルから二十三メートルの道路、百メートル以上にわたって斜めに通る。商店街を大きく分断してしまう、そういう計画になっているわけですよね。 この商店街では、店主らの皆さんが三十年にわたって守り抜いてきたアーケードがあるんですけれども、このアーケード造ったときには、大山の町を分断するような道路を造らないでほしいという願いも込めて、自らのお金を集めてこのアーケードを造ったと伺っているわけですけど、この計画というのは、その商店街の皆さんの意思を踏みにじるものなんです。このハッピーロード大山商店街というのは、全国の優れた商店街として国が紹介している、がんばる商店街七十七選にも選ばれている、本当に重要な商店街なんですよ。これを分断するような計画が行われているって、もう信じ難いわけです。 これ、大山だけではないんですね。品川区の戸越銀座商店街も対象になっているし、北区の十条商店街なども特定整備路線によって分断されて壊されようとしています。それだけじゃありません。品川区の放射二号線では、地域の避難場所になっている星薬科大学の薬草園とか並木を壊して道路を造る、緑地を壊すというものになっていて、防災の面で問題がありますし、北区の補助八十六号線では、江戸発祥の太田道灌の歴史ある古い城跡が、区民が親しんでいる、避難場所ともなっているその緑地が壊されるというもので、もうこの東京で行われている都市整備路線の計画というのは全て、まさにこうした商店街、緑地、文化財、壊していく、町壊しの計画だと言わざるを得ないわけですよ。 こういう下で、国交省が一定見直しを進めるべきという方針を示しているにもかかわらず、見直そうともしていない東京都に対して、方針徹底する、見直しをさせるべきではありませんか。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(石井啓一君) 都市計画は、社会経済状況に応じ、都市計画決定の主体である地方公共団体において適時適切に見直すことが望ましいと考えております。東京都からは、これまでも適宜見直しを行ってきており、今後とも見直すべきものは見直し、必要な都市計画道路の整備は地元の理解を得ながら着実に進めていくと聞いております。 国土交通省といたしましても、都市計画道路の適時適切な見直しは必要と考えておりまして、昨年七月に手引きを発出したほか、全国の都市計画担当者が集まる会議を始めといたしまして、機会を捉えて見直しの必要性や手引きの内容の周知を図っているところであります。 今後も引き続き地方公共団体による都市計画道路の適時適切な見直しがなされるよう、国土交通省としても、地方公共団体からの相談に応じるなど、適切に対応してまいりたいと考えております。 なお、個別具体の路線の見直しについて国が地方公共団体に迫ることは適切でないと考えております。
○吉良よし子君 迫るじゃなくて、方針徹底するわけですよ。全然、見直ししているとおっしゃっていますけど、大臣、東京都は見直ししていないわけです、二路線しか廃止していないですし。これ、方針徹底されていると、私、言い難いと思いますから、ちゃんと見直ししてほしいという住民の声があるということを伝えていただきたいと強く求めて、次に羽田の問題に移りたいと思います。 この羽田空港、国際線増便して都心上空を飛行する新ルート、設定されようとしている問題です。これに関しても、住民の不安や疑問、批判の声が強いです。 先日、私、ルート直下の地域、現地調査しまして、住んでおられる皆さんのお話を聞いてまいりました。品川区のあるマンションで二歳の男の子を育てていらっしゃるという女性は、周りには結婚して子供ができて引っ越してきたママ友も多いと。けれども、新ルートの下で、落下物や騒音、大気汚染など、どの問題を取っても鳥肌が立つ、子育てできる環境ではなくなるんじゃないかと、不安の声を上げていらっしゃいました。 飛行ルートというのは、東京二十三区、都心の住宅や学校、保育園、病院、事業所などが密集する地域の上を飛ぶわけです。品川区の上空では一分二十秒に一機、高度三百メートル以下、超低空飛行することになるわけで、ここで騒音や落下物等の問題は本当に重大だと思うわけですけれども。 ここで国交省に確認します。 昨年十一月から、国際便の就航が多い全国の七空港で内外の航空会社から部品脱落の報告というものを求めているといいますが、その報告された件数、十一月九日から今年五月三十一日まで、直近の合計件数、そのうち外国航空会社のものは幾らか、二件、数字をお答えください。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。 昨年十一月九日に航空機の運航に必要な情報を掲載する航空路誌、AIPと申しますが、この改訂を行いまして、国際線が多く就航する七つの空港を離着陸する航空機に、部品欠落、これはいわゆる落下物と違いまして発見されているものではございませんけれども、部品欠落が発生した場合に、外国航空会社を含む全ての航空会社等から報告を求めております。 先月五月三十一日までの報告件数は二百十九件となっておりまして、このうち、外国の航空会社からの報告は二十三件でございます。
○吉良よし子君 約半年間で二百十九件の部品脱落があったと、外国会社のものは二十三件ということですけれども、国交省は、従来、国内航空会社についての内外の空港で到着後に確認された部品脱落の件数として、八年間で四百五十一件という数字を明らかにしていたんですね。もちろん単純に比較はできない、その集計の数の方法が違うということで単純比較はできないわけですけれども、外国会社含めて約半年で二百十九件というのは本当に大変な数だと思うんです。 これ、本当に頻繁に部品落下というのは起きていて、先日、五月二十四日にも、お配りした資料にありますけれども、熊本で日航機の部品が落下した事故がありました。機体のエンジンを包むケースに亀裂があって落下があったということなんですけれども、空港から七キロメートル離れた医院のガラスが割れたと。少なくとも十数片、十か所に金属片が見付かったという。 また、今年一月には政府専用機からパネルが脱落していたということも明らかになっていますし、昨年九月には大阪市の中心部で、オランダ航空機から約四・三キログラムのパネルが脱落、京阪国道を走行中の自動車に衝突するという事故が起きていると。これ、テレビや新聞などでも繰り返し報道されて、毎日新聞は、その後、この飛行ルートと落下現場というのが水平距離で三キロメートル離れていたことが分かったと報じているわけですが、その資料もお付けしているんですけれども。 いずれにしても、落下物事故というのはかなりの頻度で起きている決して珍しい話ではないし、本当に落ちてくれば重大な被害を及ぼしますし、しかもその落ちる場所というのも、決して飛行ルートの真下とは限らないと。かなり広い地域の住民の方々の命、都市機能に重大な危険をもたらすことになるわけです。 本当に問題だと思うんですけど、ここで伺いますが、オランダ航空機などから落下物の事故を受けて、国交省は、昨年十一月に落下物防止等に係る総合対策推進会議を設置して、会議の報告受けて今年三月末に落下物対策の強化策等を明らかにしておりますが、この対策で落下物ゼロにできると断言できますか。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(石井啓一君) 本年三月二十六日に、有識者や実務者等から構成をされます落下物防止等に係る総合対策推進会議におきまして、落下物防止対策基準の策定、落下物防止対策集の活用及び補償等の充実策を主な内容といたします落下物対策の強化策が取りまとめられました。 国土交通省といたしましては、取りまとめられた報告書を踏まえまして落下物対策を充実強化することといたしまして、落下物対策総合パッケージとして公表いたしました。特に未然防止策の徹底の観点から、落下物防止対策基準を今年度早期に策定をいたしまして、今年度中に我が国の本邦航空会社のみならず、日本に乗り入れる外国航空会社にも適用させまして、航空法に基づき提出する事業計画に関連付けることで実効性を担保してまいりたいと考えております。 この対策基準は世界的に類を見ないものでありますことから、基準の策定と並行いたしまして、規制の対象となります外国の航空会社はもちろんのこと、外国航空会社の指導監督を行う外国航空当局等に対しましても、様々な機会やチャンネルを通じて情報提供及び協力要請を行っているところであります。 国土交通省といたしましては、航空機からの落下物に対する懸念や不安の払拭を図るべく、関係法令の改正も含めまして、落下物対策総合パッケージに盛り込まれた対策を着実かつ強力に実施することによりまして、落下物ゼロを目指して最大限取り組んでまいります。
○吉良よし子君 ゼロを目指すとおっしゃいましたけど、ゼロにできるとはおっしゃっていないんですね。けど、住民の皆さんや自治体からの要望は落下物ゼロなんですよ。オランダ航空機などの事故を受けて、豊島区や新宿区の区長は再発防止の徹底を求める要望を国に出して、新宿区議会でも意見書が採択されているんですけど、これは落下物をなくせと、ゼロにせよというものなんですね。それに応えられていないんじゃないのかと。ゼロを目指すじゃ駄目なんですよ。 先ほど事業計画を今年度中になどとおっしゃっていましたけれども、対策の計画を事業計画に盛り込んだとしても、早期実施と言っている時点で、羽田空港で新たなルートの運用が開始された時点では、対策が取られていない飛行機が飛行することもあり得るんじゃないですか。いかがでしょう、大臣。
○政府参考人(蝦名邦晴君) お答え申し上げます。 落下物防止対策基準の施行をいたしまして、その後、基準が適用される航空会社に対しまして改修等の落下物防止措置の実施を求めるということになります。改修等の措置につきましては、あらかじめ安全上のリスクを評価した上で、交換、修理部品の調達でありますとか整備作業の工程数などを踏まえまして整備計画を策定の上、実施していただくということを想定しておりまして、実施を航空会社に強く指導してまいりたいというふうに思っております。
○吉良よし子君 いや、強く指導すると言うけれども、ルート変更した後にそれがちゃんとできているかどうかということはお答えにならなかったわけです。計画さえあれば飛ばすことは可能だという御答弁だったと思うんですよ。これじゃ落下物ゼロにはならないですし、対策済みでない航空機が飛んでしまうこともあり得るということなんです。 さらには、このパッケージには落下物による被害への補償や見舞金制度までうたっているわけで、つまりこれは、落下物がある、ゼロにできないということを前提にしたものになっているということなわけですよ。結局、やはり対策するのは当然なんだけれども、ゼロにはできないんです。なのに陸路を飛ばすというのは、本当に無謀だとしか言いようがない。 やはり、住民の皆さんの不安に応えるためにはこのルート変更をやめるしかない、このことを強く申し上げて、私の質問を終わります。 ─────────────
○委員長(二之湯智君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、石井章君が委員を辞任され、その補欠として高木かおり君が選任されました。 ─────────────
○石井苗子君 ありがとうございます。 日本維新の会の石井苗子です。 まず冒頭、通告をしたためにたくさんおいでになっていただきまして、申し訳ございません。 二〇一一年震災から七年たちまして、私も福島県の医療支援から七年目に入りました。最初は救急の支援医療だったんですけれども、今は心のケアが中心だというふうにやり方も変わってきております。帰還を希望する方々は高齢の方が多くて、まず医療の設備が整っていることと、特に、短期の慢性疾患における入院設備があるところであれば帰ってきたいのだがという、こういう方が多いんですが。 そこで、ちょっと基本的な質問なんですが、復旧復興、再生と、この時期にあって、今七年目で一番大事なところで、東日本復興特別委員会が六か月も開催されなかったんですね。これ、変化していく現場の動向に合った議論というのをやっていきたかったんですが、どうして委員会が開催されなかったのか、どなたか説明していただけますでしょうか。
○政府参考人(加藤久喜君) お答えいたします。 ただいま東日本大震災復興特別委員会が長期間開催されなかったことについてお尋ねがございました。 国会に関することは国会で決定されるものであり、発言は控えさせていただきます。 国会で決定されますれば、しっかりと対応していく所存でございます。
○石井苗子君 よく分かりました。 原発事故のために全町民が避難を余儀なくされました福島県富岡町の帰還状況についてなんですが、二十九年四月から帰還が開始されまして一年たちましたけれども、人口の推移、年齢別と男女別に御報告をいただきたいと思います。飯舘村についてもお願いいたします。
○政府参考人(小糸正樹君) お答えいたします。 まず、富岡町につきましては、昨年春の避難指示解除直後の二十九年五月の居住者数は百五十一人でございましたが、一年経過した本年五月には六百十四人と増加をいたしております。内訳といたしましては、同期間において、二十歳未満が三人から二十三人に増加、二十代から三十代が二十七人から百二十六人に増加、四十代から五十代が四十七人から百七十八名に増加、六十代以上が七十四名から二百八十七人に増加、それぞれ増加をいたしております。また、男女別でございます。男性につきましては、この間、九十七名から三百八十名に、女性は五十四名から二百三十四名にそれぞれ増加をしているところでございます。 次に、飯舘村につきましては、昨年春の避難指示解除直後の二十九年五月の帰還者数は二百七十一人でございましたが、一年経過した本年五月には六百九十人に増加をいたしております。内訳といたしましては、飯舘村は六十五歳以上の人数のみ公表しておりますが、六十五歳以上ということで百六十九人から四百二十四人に増加、六十五歳未満は百二名から二百六十六名に増加をいたしております。また、男女別でございます。男性が百四十六名から三百五十五名へ、女性が百二十五名から三百三十五名へそれぞれ増加をしているという状況にございます。
○石井苗子君 詳しく御報告いただきましてありがとうございます。 しかし、まだまだ、かつていた皆さんの人口から勘案しますと、帰還する方というのはなかなか増えていかない現象がありまして、私は、今年の三月十一日に富岡町の慰霊祭があって、そこに参加してまいりましたとき、現地の保健師の方から、地域医療再生支援予算、これが無駄に使われている、本来町が必要としていること、ニーズに沿って使われていないという訴えを聞いてまいりました。 そこでお伺いします。 地域医療再生支援、平成二十九年度予算二百三十六・三億円、現在、事業者の配分は復興計画の策定に沿ってどのように配分が進められているか、復興庁のどなたかにお答えをいただきます。
○政府参考人(加藤久喜君) お答えをいたします。 福島県の被災地域における地域医療の再生支援のため、平成二十九年度に平成三十二年度までの四年分として二百三十六億三千万円を計上いたしました。この予算は復興特会を財源としておりまして、復興庁から厚生労働省に予算の移替えを行ってございます。 厚生労働省は、この予算によりまして福島県の地域医療再生基金に積み増しを行い、実際の事業は福島県が策定した避難地域等医療復興計画に基づき実施をされてございます。この計画は、市町村等の意見を聞きながら、県として復興に必要な事業に配分できるように策定されたものと伺ってございます。 二十九年度の交付額はいまだ精算中であり確定しておりませんが、先行して整備されている公的医療機関への交付額が大きいものの、民間医療機関からの希望があった事業についてはほぼ要求内容を実現したと伺ってございます。 なお、計画において、項目ごとにその予算額を見ますと、四年間の取組として、避難指示解除区域内の医療機関の再生等支援に約百一億円、避難先地域等の医療提供体制の支援に約四十九億円、医療人材の確保支援に約八十六億円が割り当てられており、地域医療の再生に必要な取組に支援が行われているものと承知をしております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 市町村の意見を聞きながら、民間の事業は満足しているというようなお話でございましたが、先ほどの現地のニーズに沿って使われていないという訴えでございますけれども、大まかに申し上げますと、福島県富岡町に帰還したいという方から、震災以前に、先ほど申しました短期入院、ちょっとした入院を短く二週間程度ですけれども、その入院ができた大きな病院が、そのまま建物が残っているならその建物のリフォームを予算でしてほしいとお願いされたんですが、リフォーム予算はありませんと、町に聞き入れてもらえなかったというものなんです。 復興特でこの質問をいたしましたが、政府の見解は、それは国が議論する問題ではなくて、県と町で検討することでありますというお答えだったんです。 しかし、その保健師さんによれば、予算の配分の条文に、これこれに使ってよいとされている項目以外は一切変更が許されず、建造物のリフォームは項目にないということで、結果的にその病院は環境省の予算六億円を使って取り崩されまして駐車場になり、別な場所に新しい町立診療所が建てられたんですが、入院の設備はなく、さらに、予算で富岡町には二次救急病院が来ることになったんですが、これは救急医療ですので高齢者に多い慢性疾患の入院はできません。 こうした背景に広範囲の地域の公設医療の新設という政治指導があったということで、以前は救急は福島県のいわき市にまで行かなければできなかったんだがと、そういった状況の医療の環境を良くしたかったんだということの説明を受けたと。これは、決定権に対して国が意見を挟むものではなく、全て市町村、先ほどの市町村と県で話し合ってやってほしいと、これが厚労省や、先ほどの予算が行く厚労省や復興庁の答弁だったわけですが、果たしてそれが復興庁の地域医療の再生支援予算の正しい使い方だろうかと私は考えました。 復興庁、まだ三年あります。いつまた大型な災害が起こるかもしれない日本国のために、復興予算の使い方の決定方法はもっと考慮を入れていくべきだと考えます。 そこで質問なんですが、復興とは、現地の状況がどうで、今ある現地のニーズは何で、どう改善できるか、これが重要だと思います。そこで、復興庁行政事業レビューのような取組に国の予算を付けるべきだと考えますが、いかがでしょうか。具体的には、公共事業がある前とあった後の住民満足度調査に国が予算を来年度からでも付けて、何億円という予算を使った事業を組織的に調査し、現地の満足度がどう変わったかを把握し、次の決算に反映すべきと考えますが、その必要性を感じていらっしゃるかどうか、どなたかに御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(加藤久喜君) お答えいたします。 復興庁におきましては、毎年度実施しております行政事業レビューにおきまして、外部有識者の先生方に事業について点検を行っていただいておるところでございます。外部有識者の先生方の特性や専門性も十分に活用させていただきまして、今後も行政事業レビューを進めまして、結果を概算要求や執行に反映してまいりたいというふうに考えております。 また、満足度の調査についてのお尋ねがございました。被災三県で、これは三県、県でございますけれども、それぞれ復興事業の進捗に関する住民の意識調査などを実施しておられます。これらの調査結果を業務の参考として活用していきたいというふうに考えております。 また、政務三役はもとより、復興庁の職員、できるだけ現地に入りまして、被災者の皆様や自治体の声を直接伺うように心掛けているところでございます。引き続き、現場主義を徹底し、被災者に寄り添いながら、被災地域の復興にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○石井苗子君 じゃ、どなたか、今のこの富岡町で、是非、建物を壊さないでリフォームしていただいて、そこに帰ってきて高齢者の方が入院できるようにしてほしいんだというようなことの、それを取りまとめた保健師の方の意見とかというのを聞いた方、いらっしゃいますか。──何かどなたもいらっしゃらないみたいなので、現地に行ってとか有識者の意見をというのがちょっとよく私には現実味を帯びて聞こえてこないんですが。 先ほどの病院のリフォームですが、県の条文に項目がないというお話です。私は、こうした県からのトップダウンの仕組みだけではなくて、被災した地元の意見が組織的にシステマチックに上に上がってくる、上に上がってきて取り入れてもらえるという、現地の声、寄り添ってとおっしゃっていますが、枠組みをつくっていかなければ何も変わらないと思うんですね。 私は、今からでもまだ遅くないと思います。先ほど申しましたように、これから再生にまだ三年あるわけですから、是非、どうやったらシステマチックに上に上がってくるという枠組みの方法があるか考えていきたいと思っております。今現在はそうした制度はありません。災害対策基本法というのがあって、各省庁ごとにそれぞれ対応していることはよく存じておりますけれども、私が申し上げているのは、もっと基礎自治体の方が市町村に主導的な立場を取れるように直接関連性を持つことができるようにならないものかと。 日本維新の会というのは、基礎自治体に権限と財源を持って地方分権というのを推進していこうとしている党ではございますが、私は、今、東日本大震災復興にもこの特別法を今から一つ作ることができないものかと思っております。東日本大震災復興計画に間に合うように一本法律を作ればいいのではないかと思っているわけで、復興庁が二一年で終了になるかどうか分からずとも、予算の使われ方が現地のニーズを反映していないという不満の声が、これが住民の方からあるのであれば、構造的な問題を改善する必要があると思います。県の差配だけで決めるのではなくて、東日本大震災の復興再生をきっかけに、復興庁主導の復興特別法を今から作って、基礎自治体の権限を強化することができないものでしょうか。 大きな質問ですけれども、大臣の御意見をお聞かせください。
○国務大臣(吉野正芳君) 石井先生には本当に度々現地にお越しいただいて、私どもお会いをしたことがございます。本当に感謝を申し上げたいと思います。 東日本大震災復興基本法に基づく復興の基本方針において、復興を担う行政主体は、住民に最も身近で、地域の特性を理解をしている市町村が基本となると、こうなっております。この理念を実現する観点から、基礎自治体のニーズの把握は極めて重要でございます。 復興庁においては、被災地に設置された復興局やその支所を窓口として、被災地の要望を丁寧に酌み取り、各種の事業を進めているところでございます。また、私自身も、現場にこそ課題と解決のヒントがあるとの考えの下、延べ八十二回にわたり被災地を中心に訪問をするなど、現場の声を数多く伺ってまいりました。 今後とも、基礎自治体を中心とした現場のニーズを的確に把握し、一日も早く復興が成し遂げられるよう、しっかりと取り組んでまいる所存でございます。
○石井苗子君 やっぱり現場の声を吸い上げて、それを制度や法律に変えていかないとなかなか進まないんだと思います。 私は、行政事業レビューに予算を付けて、満足度調査をして、それが大きな事業があったときに、あった前とあった後で住民がどれほどその満足があったかどうかという調査をして、それを決算に反映して予算の使い方というのを精査していきたいと思っておりますし、それができないんだったら特別法の一つでも作っていただきたいと。今後の大きな震災があったときにこういうことができるんだと、市町村の住民の人たちの意見を吸い上げる枠組みがあるんだということを反映していただけることを期待して、ちょっと次の質問に移ります。 配付資料を作りました。一番目なんですけれども、参考にしていただきたいと思います。 文部科学省に伺いますが、選挙権は既に十八歳からあります。民法が改正されれば、三年後ぐらいには高校三年生が成人年齢となります。親から独立して積極的に起業したいという十八歳も出てくるかもしれません。そこで、その再生という意味では、福島県内の高校生が県内の就職を希望していることについて、私、昨年の五月の決算で質問しましたところ、福島イノベーション・コースト構想に人材供給の努力をするという答弁をいただきました。 しかし、資料の一を御覧いただきますと、これは福島の労働局の資料でございますが、イノベーション・コースト構想の中心地となる福島県の浜通り八百三十三人のうち七百六十一人しか内定がなく、中通り二千三百人のうち約二千人、会津は四百三十九人中三百八十七人、いずれもまだ低いわけで、一〇〇%の希望がかなっていない状態であります。 これを文科省はどう分析されていますか。採用されない事態がなぜ起こっているのか、それと改善策というのがありましたら御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(下間康行君) お答え申し上げます。 昨年五月にもお尋ねをいただいたところでございますけれども、浜通り地域等の高等学校における人材育成についてのお尋ねがございました。この浜通り地域等の避難指示解除等が進む中で、新たな産業基盤の構築あるいは地域再生に対する地元の期待がより一層高まっているというふうに認識しておりまして、福島イノベーション・コースト構想の重要性の中で、これを担うことができる人材育成をしっかり行っていくことが重要であるというふうに認識をいたしているところでございます。 文部科学省といたしましては、昨年度におきましては、イノベーション・コースト構想に寄与する人材育成を目指す小高産業技術高校の開校に伴う支援として、実験、実習に必要な設備の整備に係る経費の支援、あるいは、先進的な卓越した取組を行う専門高校を指定し、実践研究を行うスーパー・プロフェッショナル・ハイスクールに指定した上で、地域振興を実現する力を育成する教育への支援などを実施したところでございます。 さらに、今年度につきましては、さらに地元との連携の中で、地元から本構想を牽引するリーダーや、工業、農業分野の即戦力など本構想を担う人材を育成するため、福島イノベーション・コースト構想を担う人材育成に関する事業を新規の事業として実施をいたしまして、具体的には、普通科の高校におきまして、地域の企業、大学等と連携し、本構想を牽引するトップリーダー人材を育成するための地域探求学習を実施する際に必要となる施設設備の整備、工業高校において、再生可能エネルギーやロボット等の地域に根差した産業の学習に必要な設備の整備、農業高校において、地域で革新的な農業を展開できる人材育成に向け、先進的な植物工場等の実習を見据えた施設設備の整備などを支援しているところでございます。 現に就職の状況ということでお尋ねでございましたけれども、私どもといたしましては、この福島イノベーション・コースト構想の今後の展開の中でそれをしっかりと担うことができる人材の育成に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
○石井苗子君 私、スーパー・プロフェッショナル・ハイスクールというのを見てきたんですけれども、何かすごい名前が付いている高校だなと思って、中はどうなっているんだろうと思ったんですけれども、もうちょっと熱心に福島イノベーション・コースト構想に向けて勧誘とか教育をやっていかないと、やっぱりこうした現象が起きているというのは、ほかへ行っちゃうわけですね。 やっぱりこの現地の復興には経済性の回復というのは欠かせないわけでありますし、十八歳の子供たちが就職したいと言っているわけですから、そこは賃金に関してももう少し高校に話しかけるなど等して、特別な教育ができるようにもうちょっと力を入れていただきたいと思います。 本質的な雇用の問題というのは、需要と、その雇用のミスマッチであるということはよく存じております。事務職より建設業や介護職に求人が偏っているという問題もありますが、イノベーション・コースト構想は経済の新しい発展を見込んだ計画ですので、是非積極的に雇用を伸ばす方法をレビューをしながら考えていただきたいと思います。 時間もありますので、ちょっと資料の二を参考にしていただきながら、質問の内容を変えていきたいと思います。 これは国土交通省に関係する問題でしょうが、先ほどから出ておりますURですけれども、これ、Uでアーバン、Rがルネッサンスという外国語の略で、独立行政法人都市再生機構のことだというのは皆さんよく御存じだと思いまして、今から何と六十三年前に、昭和三十年に日本住宅公団として設立されたのが起源ですけれども、当時は大都市への人口流入による住宅需要の緩和政策ということで、現在はその政策目的はもう終了しているものと思われますが、しかし、多様化する都市開発事業の担い手であるという名目でURは現在も存続しております。それはいいんですけれども、問題はその経営状況でございまして、これが明確でないと思います。 日本維新の会は、民営化できるものは民営化へという根本的な考え方もありますが、御紹介したその資料の二は維新が提案している新規法律案ですが、それを参考にしながら、まずURの財政上の、財務の債務超過についてお伺いしたいんですけれども、担当の方にお答えいただけるかどうか分かりませんが、今、純資産として公開している資産を時価ベースで教えていただけませんでしょうか。公表している資産ですが、これは簿価でしょうか、時価でしょうか、お答えいただけますか。都市再生機構の参考人の方にお答えいただければと思うんですが。
○参考人(天河宏文君) お答えいたします。 当機構の財務諸表は、独立行政法人通則法及び独立行政法人都市再生機構に関する省令の規定に基づきまして、企業会計原則に従って作成をしております。 財務諸表の資産の部につきましては、取得原価を簿価とすることを原則としております。ただし、販売用不動産につきまして、時価が簿価を下回る場合には簿価を当該時価まで切り下げるなど、企業会計原則にのっとった会計処理をして表示をしております。 当機構の資産の部の大部分は不動産ということでございますが、ほかの民間企業と同様に、取得原価を簿価とするということを原則としておりますので、時価ベースの価格をお答えするということは、済みません、申し訳ございませんが困難でございます。
○石井苗子君 多分、時価は御説明していただけないんだろうなと思っておりましたが、民間企業でしたら、上場会社の場合、市場の評価というのを公開するためのチェック機構というのがなければいけないはずなんですけれども、URは経営の透明性に少し欠けているのではないかという問題意識を持っております。 UR担当の方からは、資本の欠損について質問した際に、財務の健全化を図るために、時代の変化に合わせて役割の変換をしつつ財務の健全化を図っておりますという御説明を受けましたけれども、資本の欠損の状態が続いていては、やっぱり財務健全化というのは難しいのではないかと思うんですが、再生計画というのをお持ちで、いつまでに回復させる御計画であるか、都市再生機構の方に御答弁をお願いいたします。
○参考人(天河宏文君) 当機構は、平成十六年七月の発足時点におきまして、七千二百八十八億円の繰越欠損金を計上しております。繰越欠損金につきましては、平成二十六年度から平成三十年度までの第三期中期計画におきまして、平成三十年度、今年度までに解消するということとしておりまして、経営改善にこれまで取り組んだ結果、平成二十八年度末時点で四百六十五億円まで縮減したところでございます。今後、平成二十九年度及び平成三十年度の年度計画におきまして、それぞれ四百億円、三百六十億円の利益計上を計画しております。 引き続き、平成三十年度までの繰越欠損金の確実な解消に向けて努力してまいりたいというふうに考えてございます。 以上でございます。
○石井苗子君 回復計画としてはちょっと遅いような気がするんですが、今後、債務の超過主体に融資を続けることができないとか、追加融資ができない、さらには融資引揚げとなってしまうと、URの資金繰りが行き詰まって、そうなって破綻させないために、URを債務超過にしないようにしようとして、数兆円の債務を一般会計へツケ回すなんというようなことになれば、国家財政が厳しい中で、やっぱり国民の皆様の感情としては許される選択肢ではないというふうなことになってしまわないようにしていただきたいんですけれども。 過去に低価格で提供したツケを、そのURの債務が一般会計にして、これから生まれてくる子供たちの負債に回すということは、次世代に対してちょっと責任が、無責任じゃないかと思うんですが、民営化することは、これどうでしょう、一考の価値があると思うんですけれども、国土交通大臣に民営化に対しての御見解をお聞かせ願えないでしょうか。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 URにつきましては、賃貸住宅、現在、少子高齢化が進展化する中で、高齢者や子育て世帯など民間市場で入居を拒まれるなどの制約を受けがちな方々にも公平に受け入れる受皿として、住宅セーフティーネットの役割を果たすということをやっております。また、あわせまして、賃貸住宅事業のほかにも、都市再生事業や被災地の復興事業など、地方公共団体や民間事業者を補完、支援しながら政策的意義の高い業務を推進しているところでございます。 一方で、財務状況につきましては、先ほど申し上げましたとおり、繰越欠損金を解消するように努力してはおりますけれども、まだ多額の有利子負債を抱えているということでございまして、こうした状況を踏まえまして、平成二十五年十二月二十四日に閣議決定した独立行政法人改革等に関する基本的な方針に基づき、引き続き独立行政法人としてURが本来担うべき役割を果たすこととし、民業補完の徹底と財務構造の健全化とを両立させる観点から各種の改革に取り組んでいるところでございます。 今後とも、URについては、財務構造の健全化に取り組みつつも、民間では十分に供給されないところを補完する住宅セーフティーネットの役割等を果たしていくことが重要だというふうに考えております。
○石井苗子君 ありがとうございました。 二〇〇八年の住居者の調査結果というのをちょっとインターネットで引いてみましたら、百件余りのアンケートが寄せられていまして、中に家賃について、毎月支払っている家賃が都市機構の総収入の何%を占めているんですかなんという質問もあったりしましたので、大分こういった経営に関する御質問も多いかと思います。 あと一分ありますので、資料の三の、警察庁に御質問させていただきます。六月一日の社説です。国家公安委員長にお尋ねします。 十三歳未満の被害者に対する性犯罪で服役した出所者について、法務省が警察庁に情報を提供し、警察庁が定期的に在所を確認するという出所者情報提供制度というのがありますが、これが不十分であるという指摘がたくさん出ています。適切に運用されるべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
○政府参考人(小田部耕治君) 警察庁におきましては、法務省の協力を得て、同省から、十三歳未満の子供を対象とした暴力的性犯罪で刑務所に服役している者につきまして、その者の出所情報の提供を受け、刑事施設出所後の所在確認を実施するとともに、その者の同意を得て面談を実施、必要に応じて関係機関、団体等による支援に結び付けたり、再犯防止のための指導、警告等を行うなど、再犯防止に向けた取組を実施しているところでございます。 例えば、出所者の社会復帰に資する各種支援事業を行う機関、団体を紹介するなどの支援を行ったり、子供の声掛け事案等の発生時に、出所者情報を活用して行為者を早期に特定して警告等を行うことで深刻な事案に発展することを未然に防止するなど、再犯の防止に一定の効果を上げているものと考えているところでございます。 警察といたしましては、この制度の適正な運用を図るほか、関係省庁等とも連携を図りながら、通学路の安全対策、防犯教育等の子供の安全確保のための対策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○石井苗子君 時間が来ましたからやめますが、これ少し強化しないと、最近すごく多いですから、もうちょっと時代に沿った強化方法を考えていただきたいと思います。 ありがとうございました。終わります。
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司です。 まず、通告した質問に入る前に、吉野復興大臣に一言いただきたいと思います。 おととい、昨日と盛岡で東北絆まつり二〇一八が開催をされました。東北六県の県庁所在地を代表する祭りが一堂に会したということで、鎮魂と復興へ、東北は一つという大きなイベントでございました。二日間で三十万三千人が集まったという大きなイベントに大臣もお越しいただき、御観覧をいただいたと。ありがとうございました。 その御感想と、また、東京オリパラ競技大会開会式へ是非この絆まつり、参加をしたいということで、実行委員会から大臣にも要望が出されていると聞いております。是非その決意もお聞かせいただければと思います。お願いいたします。
○国務大臣(吉野正芳君) 本当に二日、三日とわたって、東北は一つである、そして鎮魂と復興というのが大きなテーマとして東北絆まつり、本当に盛会に、盛大に行われました。私も一度に六つのお祭りを見たのは初めてでございまして、感動を覚えた次第であります。 今おただしのように、東京オリンピック開会式に御要望いただいております。組織委員会等にもお願いをし、また鈴木オリパラ大臣もお見えでございましたので、一緒になってお願いをしていくつもりでございます。 ありがとうございました。
○木戸口英司君 ありがとうございます。 それでは、質問に入らせていただきます。 平成二十八年度復興関連予算の執行状況は、歳出予算規模四兆六千三百四十五億円に対し、支出済額二兆九千六百九億円、繰越額一兆一千四百二十六億円、不用額五千三百九億円、執行率は六三・九%となっております。事項別に見ると、被災者支援の執行率の割合が高くなっている一方、住宅再建・復興まちづくりは五一・四%、うち災害復旧に係る公共事業は四七・四%と特に低調となっております。 また、平成二十八年度末時点の復興交付金事業の進捗状況について、平成二十三年から二十八年度に執行すべき事業費として交付された額二兆八千九百二十二億円余のうち、契約済額は二兆三千三百二十八億円余であり、五千五百九十三億円余が契約に至っておらず、未契約率は一九・三%に上っております。東日本大震災の復興に係る総額三十二兆円の予算のうち、平成二十八年度までに約八割の二十六・一兆円が使われているというのが現状であります。 政府が掲げる復興の加速化に今向かっているのか、復興予算の執行状況についてどのように分析、評価しているのか、お伺いいたします。また、低調な事業の執行率の向上や契約に至っていない交付金事業の契約率の向上に向けた対応策が必要であると同時に、被災自治体の復興事業の進捗状況や財政状況の適切な把握に努め、財政基盤の弱い団体や事業の進捗が遅れている自治体に十分に配慮した対応が必要と考えますが、復興大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(吉野正芳君) 地震・津波被災地域では、生活インフラの復旧はほぼ終了し、住まいの再建も今年度でおおむね完成する見込みであるなど、復興は着実に進展しているというふうに私は認識をしております。 平成二十八年度復興予算の執行状況については、委員今お話しになりましたとおり、歳出予算現額は四・六兆円のうち、支出済歳出額は三・〇兆円、次年度への繰越額は一・一兆円、不用額は約〇・五兆円でございました。繰越額を含めた執行見込額は四・一兆円であり、歳出予算現額に対する割合は八八・五%で、ほぼ前年並みとなっております。 復興関連予算の執行見込み率が九〇%前後にとどまっているのは、事業の実施に当たって、用地取得や地元調整に時間を要するケースがあったことなどによるものと認識をしております。 引き続き、執行実績を踏まえた適切な予算計上、効率的な予算執行に努めることを通じて改善してまいりたい、このように考えております。
○木戸口英司君 大臣には何度も被災地に足を運んでいただいております。地元の実情などよくお聞きいただいていることだと思いますが、なお寄り添ってお願いをしたいと思います。 震災からの復旧復興事業に対しては、これまでも手厚い財政支援措置が講じられてきております。平成二十七年六月、平成二十八年度以降五年間の財源フレームが閣議決定され、平成三十二年度までに必要となる国費六・五兆円が確保されております。国の平成三十年度予算においては、被災者支援総合交付金や被災地の人材確保対策事業が継続措置されるとともに、避難解除等区域における生活再建に向けたソフト面の環境整備として、医療・介護人材の確保支援、施設整備、運営支援等の措置が講じられるなど、復興のステージに応じた対策が取られていると認識をいたしております。 今後においても、復旧復興事業に必要な予算の確実な措置と、被災地方公共団体のニーズに対応するための財源措置の充実が必要だと思います。この「平成二十八年度以降の復旧・復興事業について」に基づいて復興に必要な予算が確実に措置されることに加えて、被災地方公共団体において、今後、具体化が進む町づくりの進捗に応じ、住民生活の安定や地域経済の振興に向けた事業を継続的、安定的に実施できるよう、使途の自由度の高い交付金等、従来の枠組みを超えた財源措置の充実を今なお図られることが求められております。 復興大臣の所見をお伺いいたします。
○国務大臣(吉野正芳君) 平成二十八年度からの復興・創生期間においても、復興の基幹的事業や原子力事故災害に由来する復興事業について被災自治体の実質的な負担をゼロとするなど、特例的な財政支援を継続をしております。 復興・創生期間を含む復興期間十年間の復興事業費については三十二兆円分の財源を確保しており、引き続き、この財源を活用して確実に復興を進めてまいる所存でございます。
○木戸口英司君 事は、予算に加えて、やはりマンパワーの確保、まだまだ必要です。 復興に係る人的支援とその財源措置については、平成二十八年度から五年間は、職員派遣に要する経費を引き続き震災復興特別交付金の対象とされるなど、支援策が講じられております。復興事業を迅速かつ着実に行うためには、各分野において専門的知識を有する人材が必要であり、全国的に災害が多発する中で、復旧復興業務に従事するマンパワーの確保は引き続き強化することが求められております。 特に、被災市町村における他県応援職員の確保数は前年度の確保数を下回っている状況であり、今後も、市町村における町づくり事業等の復興事業が長期化している中で、一般事務、土木技術職を中心に継続的な人材確保が求められております。 全国の地方公共団体等からの人的支援の総合的な調整について取組強化や、独立行政法人、民間企業を退職した者の任期付職員としての採用支援、被災地方公共団体と国、国家公務員との人事交流の促進などが求められております。民間企業等からの人的支援の推進、関係団体等への継続した働きかけを行うとともに、被災地方公共団体のニーズを把握した上で丁寧なマッチング調整を行うなど、円滑な受入れについて国の支援が強く求められております。 復興大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(吉野正芳君) 被災自治体のマンパワー確保は、引き続き非常に重要な課題である、このように認識をしております。 このため、全国の自治体からの職員派遣や被災自治体による任期付職員の採用等に要する経費については、引き続き全額国費で支援をしております。また、全国知事会等、様々な機会を通じて、職員派遣の継続、協力の要請や任期付職員の採用の支援を行っているところでございます。加えて、復興庁でも、一般公募によって採用した国家公務員の非常勤職員等を被災市町村に駐在させ、人材確保に努力をしております。 今後とも、総務省等の関係省庁や県等とも連携し、様々な形で地域の実情に応じた人材の確保に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○木戸口英司君 ありがとうございます。引き続き、お願いを申し上げます。 移転元地についてお伺いをいたします。 被災地では、防災集団移転促進事業により市町村が買い取った土地、移転元地の利活用に向けた検討が進められておりますが、課題は多いと言えます。移転元地及びその周辺地域の有効活用は、災害危険区域に指定され住宅の建築が制限される中で、地域のなりわい、にぎわいの再生に向け重要な課題と言えます。 被災市町村では、全ての移転元地において利用計画を立案することは困難が今伴っております。利用計画の立たない移転元地では、維持管理など、復興期間終了後における市町村の大きな負担となることが懸念されております。 移転元地の利用計画の策定や維持管理に係る市町村の負担を軽減しつつ、今後の利活用が進むよう、国として支援が必要と考えますが、復興大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(吉野正芳君) 移転元地の活用については、復興庁は、登録免許税の減免措置の創設による公有地の集約促進の支援、具体的な土地利用ニーズに応じた基盤整備の支援など、総合的な支援策を取りまとめ、自治体に伺うなどして説明をしてまいりました。それによって、公有地を集約した産業用地への企業進出や民間事業者による農業施設整備など、移転元地の約六割で利活用が始まっております。 〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕 こうした支援策を通じて自治体の移転元地の有効利用の取組を促し、あわせて、自治体からの相談にきめ細かく対応してまいりたい、このように考えております。
○木戸口英司君 いろいろと御支援をいただいている、また柔軟な運用ということにもいろいろ御配慮いただいているところでありますけれども、どうしても住民との協議にも時間が掛かります。また、元地の利活用計画、なかなか、ほかの事業が優先されている中でどうしても後回しにならざるを得ないということで時間が掛かります。その意味で、少し時間を要する、そういう中での息の長い支援をお願いしたいと思います。 次に、観光についてお伺いをいたします。 東北の観光の現状を見ると、全国的なインバウンド急増の流れに大きく後れを取っております。取り残され感も言われているところでございます。 政府は、東北六県の外国人の宿泊者数を三十二年に百五十万人泊、二十七年の三倍にすることを目標としており、様々な施策を実施していただいております。東日本大震災により大きく落ち込んだ外国人観光客の入り込みは、ここのところ、確かに対前年比、伸び率は示しておりますけれども、全体として全国の流れからは少し置かれているという状況であります。 東北観光振興対策交付金の継続、拡充と併せ、宿泊施設等における外国人観光客の受入れ体制の充実や、食やスポーツなどを組み合わせた具体的な旅行商品の開発、また官民共同での海外への売り込みなどの取組を国を挙げて支援する施策が講じられること、これが求められております。 〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕 観光による経済効果を沿岸被災地域に波及させるため、国内外の観光客の誘導策と併せ、観光地の再生や二次交通の拡充、多彩な滞在型旅行商品の造成などの観光地域づくりの取組について、新たな支援制度の創設など特別な施策を講じることが求められております。こちらは観光庁の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) お答え申し上げます。 東北地方の宿泊者数は、全体としては震災前の水準に回復しておりますものの、このうち訪日外国人につきましては、全国的なインバウンド急増からは遅れている状況でございます。もちろん、その要因としてあの東日本大震災による被害や震災後の風評被害が大きかったというのは事実でございますけれども、震災前からの課題といたしましても、東北地方の魅力についての情報発信が弱く認知度が低いというようなこと、それから県相互間、市町村相互間での連携が十分なされていないこと、それから外国人の受入れ体制整備が不足していることなどがございます。 こうした課題に対応するため、政府は、二〇二〇年に東北六県の外国人延べ宿泊者数を百五十万人泊とする目標を掲げ、その実現に向け、二〇一六年を東北観光復興元年とし、東北観光復興対策交付金を創設して、今先生がいろいろ御指摘いただきました施策も含めまして、様々な地域の取組を支援するとともに、JNTOによる集中的な訪日プロモーションとして東北に特化した海外主要市場向けのデスティネーションキャンペーンを実施してまいりました。また、特に福島県につきましては、風評被害対策及び震災復興に資する観光関連事業として、国内プロモーションに併せまして教育旅行再生事業等に対する支援を行っているところでございます。 こうした支援を継続して行うことによりまして、全国の伸びが二〇一六年から一七年にかけては一二%でありますのに対しまして、東北六県では四六%と東北の伸びが全国の伸びを大幅に上回ったところでございます。そして、外国人延べ宿泊者数九十五万人泊となりまして、震災後初めて東北六県全てで震災前の水準を上回ったところでございます。 ただ、まだ道半ばでございますので、今後とも引き続き、これらの制度を活用しながら事業内容のグレードアップを図り、実施主体である東北地方の地方公共団体、復興庁等、関係機関としっかり連携協力して東北地方の観光復興に取り組んでまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 そこと関連するわけですけれども、JR山田線宮古—釜石間、本来、JRでの復旧が望まれておりましたけれども、来年三月、三陸鉄道による第三セクターで運営が決定をいたしました。今、JRにより復旧工事が進められております。日本で一番長い第三セクターが三月に開通をするということになります。 復旧工事に当たり、原形復旧費用はJR負担、町づくり事業に伴う掛かり増し費用について地元負担も心配されておりましたが、国の補助金等の活用が関係省庁と調整されているということを聞いて非常によかったと思っております。 そこで、国交省にお伺いいたしますが、JRから三陸鉄道へのスムーズな移管、再開後の持続的な運営へ国の支援が重要と考えますが、いかがでしょうか。また、平成三十一年度からの山田線移管を踏まえた新たな鉄道事業再構築実施計画が策定中とお伺いしておりますが、現状をお伺いいたします。
○国務大臣(石井啓一君) JR山田線の宮古駅から釜石駅間につきましては、JR東日本が復旧工事を行った上で三陸鉄道に移管され、平成三十一年三月二十三日に運転が再開される予定であります。 JR山田線の三陸鉄道への移管に関しまして、JR東日本、関係自治体及び三陸鉄道との間で、JR東日本が移管協力金三十億円を関係自治体に提供するなど資金面の支援を行うこと、三陸鉄道が人的支援を要請した場合にはJR東日本は支援を行うこと等について合意がなされていると承知をしております。 国土交通省といたしましては、復旧工事が着実に進むよう、さらに、JR東日本から三陸鉄道への移管が円滑に行われ、予定どおり運転が再開できるよう、関係者と緊密に連携をし、必要な助言や調整を行ってまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 もう時間になりましたので、最後、これは質問はやめておきます。 復興庁、二〇二〇年度までということで時限組織であります。我々は、一人一復興という言葉、岩手ではそういう言葉を使って、一人一人の復興成し遂げるまで寄り添っていくということを合い言葉にしてやっております。是非、今後の後継組織について検討がなされていると聞いておりますが、被災地、被災者の皆さんに、福島、宮城、岩手、みんなが安心できるような組織になるように、大臣には御検討をよろしくお願いいたします。 以上で終わります。
○行田邦子君 希望の党、行田邦子です。よろしくお願いいたします。 私は、今日は官民ファンドについて伺いたいと思います。 まず、会計検査院にお越しいただいていますので、伺いたいと思います。 平成三十年四月の会計検査院随時報告では、官民ファンドにおける業務運営の状況について報告をされています。官民ファンドについて横断的に検査を行ったのは今回が初めてということでありますけれども、会計検査院として自らの判断で検査を行ったその理由をお聞かせいただきたいと思います。 また、今回の報告の中で、たくさんあるとは思いますけれども、特に一点だけ強調するとしたらばどのような点でしょうか。
○説明員(堀川義一君) お答え申し上げます。 官民ファンドにつきましては、平成二十五年一月に閣議決定された日本経済再生に向けた緊急経済対策を背景といたしまして、二十四年度から二十七年度にかけて多くのものが創設されるなどしております。そして、官民ファンドの業務運営に関する政府出資等の額は多額に上っており、官民ファンド運営法人が行う支援に損失が生じていないか、政策目的に沿った支援が行われているかなどについて国民の関心が高くなっております。 このような状況を踏まえまして、会計検査院は、官民ファンドにおける業務運営の状況について検査を実施し、本年四月に会計検査院法第三十条の二の規定に基づき、国会及び内閣に対して報告したところであります。 今回、官民ファンドにおける業務運営の状況について、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から検査を行ったところでございまして、所見といたしまして、最終的に国が政府出資等の額を回収できるように、繰越損失を解消するまでの計画等について必要な見直しを継続的に行い、必要な施策を講じていくことに留意する必要があることなどを記載したところでございます。
○行田邦子君 それでは、個別の官民ファンドについて見ていきたいと思います。 まず、農林漁業成長産業化支援機構、いわゆるA—FIVEですけれども、お手元に資料をお配りをしておりますので御覧いただきたいと思いますが、資料一、平成二十八年度の決算では、資本金等に対する実支援額の割合が二〇・五%と非常に低い状況です。ファンドが設立されてから、平成二十八年度末ですので四年以上が経過している時点で、支援案件の件数、そしてまた金額共に低調な理由を、農水省、どのように分析をしていらっしゃいますでしょうか。 そして、これ見ますと、ファンドを設立して四年以上たっているわけでありますので、本当にこの六次産業化を支援する方法として官民ファンドというものが有効なのかどうかといったこともこれは検証しなければいけないと思っております。私、資本金の一部でも国庫に返納すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(新井ゆたか君) お答え申し上げます。 農林漁業成長産業化支援機構による出資が低調であった理由につきましては、出資対象が地域の農林漁業者を起点とする小規模な六次産業化の取組であったため一件当たりの出資額が小規模であったこと、昨年五月までは農林漁業者が主体となって設立された新設法人に出資対象を限定していたことなど、出資ニーズに柔軟に対応し得なかったこと、さらには、サブファンドを主体とした案件発掘に注力し、機構による直接出資の案件取組が十分でなかったこと等があると考えております。 このような状況を踏まえまして、農林漁業成長産業化支援機構におきましては、現在、出資の拡大に向けまして、昨年五月の運用改善により可能となりました農業法人等への直接出資のスキームの積極的な活用、大型、広域案件の機構からの直接出資の拡大、農業競争力強化支援法によりまして昨年八月に支援対象として追加されました農業生産関連事業者への事業再編等への積極的な出資に取り組んでいるところでございます。 こうした取組によりまして、平成二十九年度におきましては、機構の直接出資を通じた大型案件の組成が進んだことから、今御指摘がございました資本金に対する実支援額の割合は、平成二十八年度末の約二〇%から平成二十九年度末には約三〇%と着実に増加をしております。 農林水産省といたしましても、今回の会計検査院の報告も踏まえまして、農林漁業成長産業化支援機構に対し出資の拡大が図れるよう必要な指導を行っていくとともに、効率的な運営や組織体制の必要な見直し等についても幅広く検討してまいりたいと考えております。
○行田邦子君 平成二十九年度末には三割の資本金等に対する実支援額の割合ということで、二割から三割に伸びているではないかということですが、それでもまだ非常に低調だと思っております。六次産業化の支援は必要だと思いますけれども、本当に官民ファンドという方法が適切なのかどうかということも含めて見直しをするべきだと思っております。 それでは、続きまして、クールジャパン機構について伺いたいと思います。 平成二十八年度の決算では、支援を終了した案件が一件となっています。クールジャパン機構が設立以来初めてのエグジットでありますけれども、これは何かというと、恐らく日本アニメを海外に動画配信する事業に対して平成二十六年度に機構から十億円の出資をした案件というふうに思われますけれども、このエグジットの方法と、それから十億円出資したわけでありますけれども、機構として、回収額はどうだったんでしょうか。
○政府参考人(小瀬達之君) お答え申し上げます。 クールジャパン機構が平成二十八年度に支援終了した案件でございますけれども、議員御指摘のとおり、株式会社アニメコンソーシアムジャパンによる正規版日本アニメの放映を通じまして、日本アニメの海外流通拡大や海賊版駆逐を図るために、平成二十六年十月に支援決定を行い、機構より十億円を出資支援した案件でございます。 本案件につきましては、事業を行う中で、アマゾンプライムなど海外の動画配信プラットフォームでの日本アニメの取扱いが急速に拡大しまして、結果としてアニメの海外流通が進展し、アニメコンソーシアムジャパンが果たすべき役割を再検討する必要が生じました。このため、筆頭株主でありますバンダイナムコホールディングスが、自社事業との連携を強化した発信など事業方針を検討するために一〇〇%子会社化することとなり、機構からバンダイナムコホールディングスに株式売却されました。 なお、本件は企業間の取引でございまして、バンダイナムコホールディングスの要望もあることから、具体的な金額については回答を差し控えますけれども、アニメコンソーシアムジャパンの監査法人の議を経て確定されたものというふうに聞いてございます。 経済産業省としても、適切なプロセスを経たものというふうに考えているところでございます。
○行田邦子君 官民ファンド全部に言えることなんですけれども、機構も株式会社で、そして出資先も株式会社と、民民の関係ということで個別案件についてはなかなか明らかにされておりません。ただ、私が疑問に思いますのは、こうして個別の案件において多額の損失が出た場合、どうなんでしょうか。やはり国民に対してしっかりと情報開示をすべきだと思っております。 このクールジャパン機構なんですけれども、平成二十八年度の決算では、いわゆる会計検査院の報告では赤字と。投資倍率が八五・六%というわけでありますので、やはり個別の案件についてもできる限り情報開示をすべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(小瀬達之君) お答え申し上げます。 クールジャパン機構は、国からの資金が投入されている官民ファンドという性格上、情報開示は積極的に行っていくことが必要だというふうに考えてございます。 他方、個別案件の損益の開示につきましては、投資先企業を他の企業との競争上不利な状況に置き、ひいては機構の今後の案件組成や業績に影響を及ぼすことが懸念される場合もあることから、個々の案件の状況も踏まえ判断していきたいというふうに考えてございます。 なお、政府出資を受けた官民ファンドとして、機構全体で収益を上げることは運営の大前提でございます。そのため、クールジャパン機構では、運営費を加味した上で機構全体の長期収益性を一・〇倍超とするという全体KPIを設定しており、エグジットの段階で案件ごとに設定された個別KPIの総合的な達成状況を官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会に報告し、その内容が公開されることとなってございます。 国としても、こうしたKPIの達成状況を注視しながら、政策的意義を踏まえつつ、機構全体での収益性の確保が達成されるよう監督していきたいというふうに考えてございます。
○行田邦子君 官民ファンドに任せておけば大丈夫だからということで情報開示がなされなくて、気付いたときにはもう大赤字というふうにならないようにお願いしたいと思います。 それでは、石井国土交通大臣にお越しいただいていますので、大臣に伺いたいと思います。 海外交通・都市開発事業支援機構についてです。JOINについてなんですけれども、私はこの機構、必要だと思っております。 海外インフラの輸出目的の機構ですけれども、相手国によってはやはりこうしたインフラというのは長期にわたりますし、また政府の影響が非常に強いということも聞いております。ですので、こうした機構は必要だと思いますけれども、特にこのJOINにつきましては個々の案件において出資額の規模が大きく、そしてまた案件終了まで非常に長期となるわけであります。ですから、機構全体の財務状況だけではなくて、個々の支援中の案件の状況についても可能な限り情報開示をすべきというふうに思っております。 また、投資決定とか、それから投資のエグジット、終了を決定するプロセスについても後々に公開できるようにしておくべきではないかと思いますけれども、その点、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 株式会社海外交通・都市開発事業支援機構、JOINの業務の透明性の確保を図っていくことは重要であり、JOIN法及び会社法に基づきまして、JOINの財務状況の公表、JOINが支援を行うに当たって従うべき支援基準の公表、毎年度行う業務実績評価の公表などの情報開示の取組を行っております。 また、平成二十五年に関係閣僚会議で決定をされました官民ファンドの運営に係るガイドラインでは、投資決定時のみならず、投資実行後も情報開示を継続的に行うこととされております。 一方で、支援中の案件の情報開示に際しまして、JOINが支援している企業に現地の法令等の定めを超えて情報開示を行うよう求めることにつきましては、関係者との信頼関係を損ねたり、支援企業を他の企業との競争上不利な状況に置き、ひいてはJOINの案件形成や業績に影響を及ぼすおそれがあることなどから、慎重に対応する必要があると考えております。また、JOINによる支援決定や終了等のプロセスの公開につきましては、JOIN法におきまして、支援決定等を行うJOINの事業委員会の議事録の作成と保存を求めているところであります。 国土交通省といたしましては、以上のような状況も踏まえつつ、引き続きJOINの業務につきまして透明性の確保が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 海外へのインフラ輸出というのは非常に私は夢のあるものだと思っておりますので、しっかりと情報開示をして、また国民にも逆に知ってもらいたいというふうに思いますし、また大臣もトップセールスを更によろしくお願いをいたします。 それでは、続きましてもまた大臣に伺いたいと思います。 もう一つの国交省の官民ファンドですが、耐震・環境不動産形成促進事業について伺います。これ昨年も決算委員会で伺わせていただきました。 平成二十八年度決算での資本金等に対する実支援額の割合は二三・六%と低いですが、その後、少し頑張られたようでして、平成三十年四月末現在では四四・九%まで伸びていますけれども、その案件を見ますと、これほとんど都市部の案件です。上野、新横浜、大阪、大阪、大阪、六本木、錦糸町、横浜、渋谷ということで、ほとんどが都市部です。私は、これを見ますと、本当に真に国のリスクマネーの投資がなければならない案件なのかと疑問を感じております。 大臣に伺いますが、今後のファンド運営についての御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 本事業は、耐震・環境性能が不足をしております老朽化したビルなどにつきまして、耐震性や省エネに優れたビルへの改修、建て替えを促進する事業であります。 平成二十五年の官民ファンドの活用推進に関する関係閣僚会議幹事会におけます地方への貢献も考慮した指標設定についての議論を踏まえまして、本事業全体におけます地方物件数の割合を平成三十四年度末時点で二割以上とすることを目標としております。 地方物件に対する出資実績につきましては、平成二十八年度まではゼロ件でありましたが、平成二十九年度におきまして地方五物件に対する出資を実行いたしまして、現在の事業全体における地方物件の件数の割合は二六・三%となっております。 地方における本事業の活用を図るため、これまで地方において本事業の普及セミナーを五十三回開催をいたしまして、また、不動産証券化に詳しいファンドマネジャーの地域の事業者への紹介を十四件行うなどの取組を進めてまいりましたが、引き続き、地方における案件形成に向けまして積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○行田邦子君 出資額をとにかく消化してというか、投資実績を増やすことが目的化してはいけないというふうに思いますので、是非その内容についてもしっかりチェックをしていただきたいと思います。 それでは、財務省にこの後伺いたいと思いますけれども、官民ファンド十四のうち九ファンドにおいて財政投融資特別会計の投資勘定からの出資を受け入れています。 平成二十八年度の投資勘定の決算、資料三ですけれども、を見ますと、予算にはなかった歳入として、二次補正の未来への投資を実現する経済対策として一般会計から二千五百九十億円受け入れています。これを財源とした産業投資の予算上の内訳を見ますと、どういう内訳になっているかと、これ予算上なんですけれども、国際協力銀行への一千九十億円、石油天然ガス・金属鉱物資源機構一千五百億円のほか、いわゆる官民ファンドのクールジャパンに三十億円、JOINに五十二億円、海外通信・放送・郵便機構二十二億円となっていますが、決算を見ますと年度内に運用されたのは国際協力銀行だけです。それ以外は全て翌年度に繰り越しています。 この資料三の平成二十八年度のこの投資勘定の決算を見ますと、結果論としてというか、決算を見ますと、一般会計第二次補正からの二千五百九十億円の受入れって、これ要らなかったんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(市川健太君) お答え申し上げます。 二十八年度第二次補正予算におきましては、日本企業の海外インフラ展開支援やクールジャパン戦略推進等を盛り込みました経済対策の方針に基づきまして、財投特会投資勘定から御指摘の国際協力銀行、JOGMEC、ほかクールジャパン以下の三ファンドに合計二千六百九十四億円の補正追加を行ったところでございます。 これらの補正追加のうち、国際協力銀行向けは自己資本の拡充を目的としたもので、年度内に執行されました。一方、JOGMECや三官民ファンドについては投資資金を追加提供するものでありましたが、これら機関におきまして、海外出資先の選定や現地事業者等との調整が年度内では整わず、なお時間を要すると見込まれたことから、大宗を二十九年度に繰り越すこととなりました。 海外投資業務を行うファンドにつきまして、私どもとしても、予算編成時にできるだけ確度ある案件に絞って所要の投資資金を計上しているところでございますが、一般の役所の仕事とは異なる投資業務の特性上、市況の変化や相手方事業者の事情変更など、様々な事情により計画どおりに執行できないということも間々あることに御理解賜れば幸いでございます。 なお、決算剰余金の御説明をしてよろしゅうございましょうか。 投資勘定の前年度決算剰余金でございます。これは、例年、前年十二月時点で確実に見込める金額を当年度予算に計上して、七月末の決算で剰余金を確定後、残額を翌年度の産業投資の歳入として活用してございます。 二十八年度につきましても、補正予算編成時点で既に二十七年度決算剰余金五千三十六億円のうち二千八百五十七億円は二十八年度予算に計上済みでございまして、残りの金額はこの補正予算と同時に編成中の二十九年度の産業投資計画に使うことを既に見込んでおりまして、このため、追加出資の必要額につきましては、一般会計から二千五百九十億円を受け入れたところでございます。
○行田邦子君 御答弁聞いていて、やっぱり二千五百九十億円の一般会計二次補正、要らなかったなという思いを強くしております。 最後、簡潔にお答えいただきたいと思うんですけれども、この決算見ていても分かるんですけれども、この財政投融資会計投資勘定ですけれども、JT株とNTT株の配当金の収入があります。これ、元々昭和六十年までは一般会計で持っていたものです。この投資勘定の目的というか原則からしますと、やはり、投資をし、出資をし、それを回収し、そして収益を得て、それを国に返すということでありますので、その原則からしますと、私は、JT株それからNTT株は一般会計に戻すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(市川健太君) JT株式及びNTT株式につきましては、両社からの配当金の一部を産業の開発及び貿易の振興のために還元することとして昭和六十年六月に産業投資特別会計に帰属させ、以来、両株式からの配当は産業投資の貴重な財源となっております。産業投資におきましては、現在、政府系金融機関や官民ファンドを通じて、民間だけでは十分に資金が供給されない分野に呼び水としての長期リスクマネーを供給しておりまして、成長戦略の上でも重要な役割を担っております。 理想的には、委員御指摘のとおり、こうしたリスクマネーが十分な規模のリターンを生み、官民ファンド等から産投等への配当等の形で還元され、産業投資の安定的かつ十分な財源となることが望ましいと考えております。このため、各官民ファンドにおいては、今回の検査院の指摘も踏まえ、効率的な運営や収益性の確保を図ることが重要であります。 しかしながら、現実には、ファンドの歴史の浅さや投資回収期間の長さなどにより、いまだ官民ファンドは安定した利益を生み出す状況にはなく、一方、日本経済における民間のリスクマネー供給もいまだ十分とは言えない状況でございます。このため、引き続き産業投資においてリスクマネー供給に努める必要がありますが、その際には、安定財源として、産投支出の約六割に当たりますNTT株式やJT株式の配当が今後とも重要であることに御理解賜れば幸いでございます。
○行田邦子君 財源がだぶついているから余計なことに使うんじゃないかと思います。 これからも、会計検査院におかれましては、定期的に官民ファンドの検査をお願いしますことを要請しまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○平山佐知子君 国民の声の平山佐知子です。 今日は、去年十月から施行されています改正住宅セーフティーネット法について伺ってまいります。 これは、高齢者や低所得者など住宅確保要配慮者の増加に対応するために、例えば空き家ですとか民間の賃貸住宅を活用していこうと施行されたものです。 今朝、ホームページで確認してみたんですが、現在登録されている住宅ですが、全国で九十件八百十六戸、うち登録数が多いのが大阪府、山梨県、岡山県などです。私の地元の静岡県も調べてみたんですが、二十二戸にとどまっていまして、二十六県については登録数がいまだゼロと、施行から半年以上たってもゼロという数字が出ておりました。 国交省は、年間五万戸の登録住宅を整備して、二〇二〇年度までに十七万五千戸の住宅を整備するという大きな目標を掲げていらっしゃるところですが、半年以上たちましてまだ八百十六戸という状況で、あと数か月でこの年間目標である五万戸を達成できるのか、かなり目標が達成危ぶまれる、厳しいんじゃないかなというふうに感じます。 また、新制度では、家賃債務保証の拡充、それから住宅扶助費の代理納付など、貸主の不安を払拭するための措置を講ずるともしていますが、現実として登録住宅数伸びていないというこの現状について、それからその原因をどういうふうに考えていらっしゃるのか、大臣に伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年十月に施行されました改正住宅セーフティーネット法に基づく住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅につきましては、二〇二〇年度末までに十七万五千戸の登録を目標としているところでありますが、五月二十八日現在で八百二戸が登録されたほか、千三百二十六戸が受付審査中となっております。 登録が目標を下回っている要因といたしましては、制度が創設されてまだ約半年であり、賃貸住宅の所有者に制度がまだ十分知られていないこと、地方公共団体が地域の実情に応じて登録基準の緩和や要配慮者の追加等を行うことができる賃貸住宅供給促進計画の策定に時間を要していることが考えられるほか、事業者団体からは、事務の手間や費用負担、登録に対して手数料を取っているというところがあるということについて御指摘をいただいているところであります。 国土交通省といたしましては、こうした状況を踏まえまして、セーフティーネット住宅の登録を促進するために、地方公共団体、事業者団体等と協力をして、説明会やセミナー等による制度の周知や居住支援活動の充実を図り、地方公共団体に対して、賃貸住宅供給促進計画の策定や補助制度の創設を働きかけることなどのほか、登録手続の簡素化や各地方公共団体の登録手数料に係る情報提供等に取り組んでまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 まだ始まったばかり、半年程度の制度とはいえ、やはり分かりにくさがあるのかなと。おっしゃったように、しっかり周知徹底、説明を引き続きやっていただきたいということと、同時に、管理会社ですとか大家さんには、高齢者、障害者に対する先入観なども改めてもらう必要もあるのかなというふうに考えます。 今後も、経過をしっかりと、数字等も踏まえて認識をしていただきながら、本当に困っている人たち、住宅に困っている人たちがいらっしゃるわけですから、しっかりとその人たちに分かりやすい、利用しやすい制度に、続けて仕組みづくり、お願いをしたいと思います。 また、登録するには、一室原則二十五平方メートル以上が必要だということです。これは、恐らく住生活基本計画の最低居住面積水準に沿って出されたものだと思いますけれども、これだと、特に都市部ですと登録が難しくなってしまうんじゃないかなというふうに考えます。例えば地域によってなど、この規定の緩和など配慮も必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 セーフティーネット住宅の登録基準につきましては、原則的な全国共通の基準として、耐震性能や最低居住水準を念頭に置きまして、原則二十五平米以上の床面積を有すること等を定めております。また、あわせまして、共同居住型という形で戸建てなどを転用される場合の基準についても併せて定めているところではございます。 しかしながら、住宅事情等は地域によって様々であることから、地方公共団体が賃貸住宅供給促進計画に定めることにより床面積の基準を緩和できるなど、地域の実情に応じて柔軟な運用ができる仕組みとしております。現在、供給促進計画を定めた地方公共団体は十七ありますが、そのうち、東京都、大阪府、横浜市においては、床面積を原則十八平米以上にするなど登録基準の緩和を行っております。 具体的に申し上げますと、大阪府、横浜市が一般住宅の基準二十五平米に対して十八平米以上、それから東京都は一般の住宅の基準二十五平米以上に対して、建設された時期に応じて十五平米から二十平米までの間の基準を設けられているほか、シェアハウス、共同居住型の基準として、専用居室について私どもが九平米以上としていることについて七平米以上とする、こういった基準を別に定められているということでございます。
○平山佐知子君 やはり、地域地域でまた事情も変わってくると思いますので、その辺りしっかりとまたその地域の事情を聞きながら進めていただきたいなと思う一方で、やはりその地域のことは地方自治体に全部任せてしまいますと、またそれは分かりにくさにもつながってしまうのかなという心配も出てきますので、その辺りも含めて進めていただきますようお願いを申し上げます。 さらに、平成二十七年度から二十八年度に事業化した住宅確保要配慮者あんしん居住推進事業という、これ新たな今回の住宅セーフティーネット制度の前の、前身のものですけれども、各年度のこれが、改修見込み五千戸に対して、実際の改修住戸は二十七年度が百四十八戸、二十八年度は六百四十戸にとどまったということで、総務省の行政評価でも実績が極めて少なかったという指摘もされています。 しかし、不思議なのは、国交省が選定した事務事業者のホームページを見ますと、いまだにこの前のものであるあんしん住宅情報提供システムのページもまだあるんですね。確認してみますと、こちらも不思議なことに、登録住宅が多少変化するなど更新をされているというものなんですが、皆さん、お手元の資料一を御覧いただきたいと思います。左側、黄色ベースのものがあんしん住宅情報提供システムのページで、右側が、緑色のベースがセーフティーネット住宅のページで、これ、違い分かりますでしょうか。色以外はほとんど同じで、違いが分からないんですね。 旧制度のあんしん住宅とこの新制度のセーフティーネット住宅がなぜ併存しているのか、このままの状態でいくつもりなのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 御指摘のあんしん住宅につきましては、住宅確保要配慮者への住宅供給を促進する観点から、平成二十四年度から平成二十八年度まで、補助事業によりモデル的に実施したものです。具体的には、住宅確保要配慮者等への賃貸住宅の供給について空き家や空き室を活用して行う場合に改修費補助を行うものでございまして、補助事業のホームページにおいてその住宅の情報提供を行っているということでございますが、地方公共団体への登録という形は取っておりません。 一方で、セーフティーネット住宅につきましては、改正住宅セーフティーネット法に基づきまして昨年十月に制度化したものでありまして、空き家や空き室を活用して住宅確保要配慮者を拒まない住宅を都道府県等に登録し、都道府県等が指導監督をすると、こういう仕組みになっておりまして、これは補助を受けるかどうかということは要件としておりません。 ただ、両者は、御指摘のとおり、共に住宅確保要配慮者への住宅供給を促進するという観点で行っておりまして、両者あって分かりにくいという御指摘は御指摘のとおりかというふうに思います。 今後は、新たに創設されたセーフティーネット住宅にできる限り一本化していきたいというふうに考えておりますが、あんしん住宅につきましては都道府県等に登録するということについて大家さんの了解を取るという必要がございますので、当面の間、両者が併存するという形になろうかというふうに思っております。
○平山佐知子君 今いろいろ説明を伺っても、ちょっとやっぱりなぜかというのはよく分かりにくいところがあるんですけれども、どう見ても、登録する人、住宅に困っている人、どちらから見てもやっぱり分かりにくいですよね。普通に考えますと、新しい制度ができればその旧制度の方は新制度に吸収していくというのが普通でして、これ、なかなかやっぱり分かりにくさというのは、どうしても登録住宅の伸び悩みにもつながっていっているのかなという気がいたします。 ちなみに、これ、登録がダブっているということはあるんでしょうか。あるとすれば、それは何件と把握しているのかどうか、伺います。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 あんしん住宅のうち、改正法に基づくセーフティーネット住宅としても登録されている住宅は、五月二十八日現在で一件、八戸となっております。
○平山佐知子君 ダブっているものもあるとなりますと、ますますちょっと分かりにくいなというふうに思うんですが。 それでは、今後についてですが、先ほど、できる限りというお話もありましたけれども、利用する人などの利便性を考えると、今後はどのように管理をしていって、また情報提供をどういうふうに分かりやすくしていくのかというのをお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 国土交通省といたしましても、利用者の分かりやすさという観点から両制度の一本化を図ることが望ましいというふうに考えております。 まず、あんしん住宅からセーフティーネット住宅への移行を進めるため、登録手続の簡素化等を図るとともに、あんしん住宅の大家さんや管理業者に対してセーフティーネット住宅としての登録を働きかけているところでございます。 また、セーフティーネット住宅への移行について大家さんの了解が得られるまでの間はどうしても両制度が併存するという形になりますので、両制度で登録された住宅を一括で検索できるように、そういう機能を導入することによって利用者の利便性の向上を図りたいというふうに考えておりまして、既にその作業に着手しているところでございます。
○平山佐知子君 やっぱり、分かりにくいイコール使われないということにどうしてもつながってしまうと思いますので、是非、現場の声をやはり聞いていただきまして、使う側にとって分かりやすい制度、移行を含めて計画的にしていただきたいなというふうにお願いを申し上げます。 また、住宅を登録する側、大家さんたちの障害者などに対する偏見や誤解もなかなか残念ながら見られます。静岡県によりますと、相談窓口には、障害者差別解消法や県の条例に基づいて配慮してほしいといった意見ですとか、入居拒否などはやめてほしいなどといった声が相次いだため、今年一月から三月に不動産業者ですとかアパートの大家さんたちを対象にした入居促進を支援する初めての研修会を県内七か所で開催したということです。 こうした活動は大家さんたちの理解を深めていくためにも本当に良い取組だなというふうに感じますが、国としてもそのような活動はされていらっしゃるのかどうか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 御指摘の静岡県の取組は、県が福祉団体や不動産団体と連携して、不動産業者、大家さん、福祉事務所などを対象として賃貸住宅への円滑な入居を進めるための研修会を開催したものというふうに伺っております。 国としても、このような取組、非常に大事だというふうに考えておりまして、居住支援全国サミットの開催による先進事例の紹介ですとか、あるいは居住支援協議会、これは宅建業者さんのほか、居住支援を行っている福祉関係の方々、それから公共団体などから成る協議会でございますが、こういった協議会による普及啓発を含む活動への支援などを通じて、障害者の方を含め、住宅確保要配慮者が住まいを確保しやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 住宅セーフティーネット機能、これを充実していくには、やはりハード面はもちろんですけれども、居住支援などのこのソフト対策、重要だと思っています。 新たなこの住宅セーフティーネット制度では、住宅確保要配慮者が民間の賃貸住宅へスムーズに入居できるようにするために、地方公共団体や関係業者、居住支援団体などで構成する、先ほどからもありますように、居住支援協議会が住宅情報の提供ですとか相談などを連携して実施することになっています。 静岡県の志太榛原地域では、精神障害者の自立と地域定着支援に向けて、地元の宅建協会支所それから福祉医療関係機関、また市、町が連携して、五年前から住宅あっせん事業を実施しています。言わば居住支援協議会の先行事例と言えるかと思うんですけれども。 一方、この従来の居住支援協議会制度に関して総務省の行政評価を見ますと、都道府県による居住支援協議会の活動が低調になっていたと指摘されています。この理由として、市区町村の福祉部局で把握していた居住支援ニーズを都道府県協議会では把握できていないということ、また都道府県単位では個別のケースの支援は困難であることなどが挙げられています。 新制度ではこうした課題をどのように解決をしていこうと考えていらっしゃるのか、大臣に伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 居住支援協議会は、平成十九年に住宅セーフティーネット法が制定された際に位置付けられまして、現在全ての都道府県と二十三の区市町の計七十の協議会が設立をされております。 御指摘の居住支援協議会に対する総務省の行政評価は、平成二十八年十二月からの調査を基に本年一月に勧告が行われたものであります。福祉部局との連携、都道府県と市町村の協議会の役割分担、公営住宅入居者等への協議会の活用などについて指摘をいただいております。国土交通省では、改正住宅セーフティーネット法を平成二十九年十月に施行しておりますが、結果としまして、総務省の調査と並行して取組を進めてきたものと認識をしております。 改正住宅セーフティーネット法におきましては、福祉部局と連携をした賃貸住宅供給促進計画の作成、居住支援協議会活動の中核となる居住支援法人の指定などを位置付けるとともに、基本方針におきまして、政令市など比較的規模の大きな地方公共団体においては自ら居住支援協議会を設立するとともに、規模の小さな市町村においては都道府県の協議会に参画する形で活動するなど、積極的に居住支援協議会の活動に取り組むよう求めているところでございます。 さらに、総務省の指摘も踏まえまして、本年三月には、公営住宅の入居者につきましても、身寄りのない場合や福祉的な支援が必要な場合など、地域の実情に応じて居住支援協議会のネットワークを活用するよう、地方公共団体に対して通知をしたところでございます。 今後も、厚生労働省とも連携をいたしまして、居住支援協議会の活動の更なる充実を図り、住宅セーフティーネット機能の強化に努めてまいりたいと考えております。
○平山佐知子君 ありがとうございます。 やはり大きなくくりであるこの都道府県単位での居住支援協議会では、細やかな実態把握ってなかなか難しいと思いますので、本当に住居を必要としている人に本当の支援が行き届かない部分もなかなか大きいのかなというふうに考えます。 政府は、居住支援協議会について、地域の実態を把握して細やかな支援ができる市区町村が自ら協議会を設立するものというものと、大きなくくりである都道府県協議会に参加するものの合計で全市区町村の八割である千三百九十三市区町村以上を目標に掲げていらっしゃいますが、現状ではほとんどが、先ほどもおっしゃっていましたように、都道府県が設立した居住支援協議会への参加型となっています。これでは、やはりどうしても地域の実態を把握した細やかな配慮ができないのではないかという部分が解決されないというふうに考えますので、国として、一定規模以上の市区町村には自ら居住支援協議会を設立するようにも促していっていただきたいとお願いを申し上げます。 国交省では、新たな住宅セーフティーネット制度では、的確にニーズを把握して、住宅セーフティーネット機能の充実が図られているかを検証することが重要としています。何度も申し上げましたけれども、是非、利用する側に立った分かりやすい制度、仕組みづくりをお願いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。本日はよろしくお願いをいたします。 まず、インバウンド観光促進のKPIについて質問させていただきます。 本日の二十八年度決算概要の中でも、観光統計の整備事業というのが入っております。このインバウンド観光、今政府一体となって進めている中で、このKPIということでいうと、二〇二〇年度に訪問客数四千万人、消費額八兆円、そして二〇三〇年、訪問客数六千万人、消費額十五兆円というKPIが出されております。 そして今、昨年度、二〇一七年で見ると、二千八百六十九万人の訪問客、そして四・四兆円の消費額ということで、これは順調に来ているように見えるんですが、ただ、ちょっと細かく見ていくと、二〇一五年から二〇一六年にかけてというのは、訪問客数が二千万人から二千四百万人、四百万人、約二〇%増えているんですが、このときの消費額というのは三・五兆円から三・七兆円で、〇・二兆円しか増えていなかった。これ、ちょうど、いわゆる爆買いが収まって、物から事へと言われた、こういう時期だと思うんです。そういう中で、やっぱりこのKPI、特に消費額というものの考え方をちょっと整理していく必要があるんではないかというふうに思います。 今までこのKPIとした消費額ということだけで来ましたけれども、実際にはこのインバウンド観光によって相当いろんな経済効果出てきているだろうと。 単純に考えても、このインバウンド観光に起因するような越境ECだとかあるいはその地域におけるホテル建設の投資効果、こういったものがあると思うんですけれども、これについて観光庁の方で今どういう見方をされているのか、説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) お答え申し上げます。 政府で観光を地方創生の切り札、成長戦略の柱と位置付けまして、この五年間で訪日外国人旅行者数は約三・五倍、訪日外国人旅行消費額は約四倍に拡大するなど着実な成果を上げているところでございますけれども、訪日外国人旅行者がもたらす経済効果は、旅行消費にとどまらず、今先生御指摘のように様々な分野に及んでいると認識しております。 例えば、宿泊業におきましては、訪日外国人旅行者の増加に対応すべくホテル等の建設投資が拡大しておりまして、二〇一二年に千百二十一億円であった宿泊業における建築物の工事予定額は、二〇一七年には九千四百三十一億円と約八倍に拡大しております。 また、訪日外国人旅行者が、訪日観光をきっかけに、帰国後も越境電子商取引を通じて日本製品を購買する動きも中国等において広がっておりまして、その規模は六千億から八千億円程度と推計されます。中でも、外国人旅行者に人気のある化粧品等の輸出額が拡大しておりまして、これに対応した工場新設といった動きも出ているところでございます。 政府におきましては、一昨年に策定した明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、二〇二〇年に訪日外国人による旅行消費額を八兆円にするとの目標を定めたところでございますけれども、他方、今申し上げましたとおり、あるいは御指摘いただきましたように、インバウンドによる経済効果は旅行消費額のみならず様々な分野に及んでおるところでございますので、現在、観光庁では、平成三十年版観光白書におきましてこうした点を幅広い観点から分析しておりまして、結果を今取りまとめて公表に向けた準備をしているところでございます。 さらに、今後もこうした調査分析を継続的に行うことによりまして、先生御指摘のように、インバウンドが幅広い経済効果をもたらすことをしっかりと説明してまいりたいと考えております。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 今の数字、結構これは大きな数字だと思うんですね。インバウンド観光で今消費額四・四兆円ということで、非常に大きいというふうに思っていたら、それだけじゃなくて、実は越境ECで八千億、ホテル建設で八千億、一兆六千億、合わせるともう既にこれだけで六兆円に達しているという非常に大きな数字ですが、実はこれ以外にもまだあるんじゃないかという気がするんです。 それは、今、観光全体については、これ観光庁で旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究というのを以前されておられました。平成二十八年の数字で見ると、観光全体、これインバウンドに限らずですけれども、旅行消費額で二十六・四兆円、生産波及効果で五十三・八兆円、雇用誘発効果四百五十九万人、税収効果四・七兆円、こういう数字が記載をされていたわけですね。これ、旅行消費額から単純に見て波及効果の乗数というのは二・一ぐらいあると。この中には、逆にさっき言ったものが必ずしも入っていないんだと思うんです。 だから、これ、観光というくくりで経済効果出すというのはなかなか難しい、算定しにくいというのは非常によく分かるんですけれども、ただ、やっぱりこの観光産業って実に裾野も非常に広い、そして経済効果がこれだけあるということですから、やっぱりこれについては引き続きしっかりと継続的に数字をまとめるように見ていっていただきたい。 また、この消費額の定義というところも、今言った従来の本当に消費額だけに限定した定義でいいのかどうか、これについてももう少し再考いただいて、そして、やっぱりこういうKPIで出すときに、併せてほかの今言ったような経済効果の数字についても是非並べて議論をしていただいた方が、これだけ今観光促進税という議論もあった中で観光に注目が集まっていますので、どれだけの効果があるかということが分かりやすいと思いますので、是非引き続いてしっかりと御検討いただきたいと思います。 次に、同じく、やっぱりこういうインバウンド観光に関連してのちょっと別の部分での経済効果をお聞きしたいんですが、港湾局の方で今、訪日クルーズ船、これをどんどん増やそうということで進めておられます。これについても、やっぱり旅客数の増加による地域への波及効果というものが非常にあるんだろうと。 こちらも、もっと実はこれ数字としては出しにくい。それは、クルーズ船に乗っている人たちというのは宿泊しませんから、宿泊という形では出ないわけで、何か数字としては小さく出てしまうと思うんですが、実際にはそれぞれの地域での波及効果というのは結構大きいんじゃないかと。 例えば、秋田県のクルーズ列車というのが最近、秋田市と秋田港の間に臨時便で運行されたり、それによって地域の人たちがまた活性化するというようなことが起こっていると思うんですけれども、こういう訪日クルーズ船に関連した地域への波及効果について港湾局長にお尋ねいたします。
○政府参考人(菊地身智雄君) お答えいたします。 近年、我が国の港湾へのクルーズ需要は急増しておりまして、昨年は、訪日クルーズ旅客数が前年比二七%増の二百五十三万人、クルーズ船の寄港回数は前年比三七%増の二千七百六十五回となり、いずれも過去最高を記録したところでございます。 こうしたクルーズ船寄港による地域への効果につきましては、旅客の買物等による経済効果に加えまして、にぎわいの創出であるとか地域との触れ合いによる文化交流など、非経済的な側面を含めた幅広い波及効果があると考えております。 まず、経済効果につきましては、食事や買物、交通、観光施設の入場料など、旅客による直接消費額を集計いたしました直接効果に加えまして、例えば旅客が訪れたレストランが行う食材の仕入れなど、直接効果によって誘発される間接効果を含めた試算が幾つかで行われております。 一例を御紹介いたしますと、大分県の別府港におきましては、平成二十九年度にクルーズ船が二十一回寄港いたしまして、クルーズ旅客三万四千人が訪問いたしました。これによりまして、地獄巡りであるとか由布院の温泉巡りなどの観光消費、そして地元での昼食やさらにはお土産の購入など、こうしたもので約九・四億円の直接効果が生じたところです。このうち大分県内では約五・六億円の直接効果、そしてこれによって誘発される間接効果として二・六億円、合計八・二億円の経済波及効果が大分県の中で発生をしております。 こうした試算結果に加えまして、平良港のある沖縄県の宮古島市では、クルーズ船の寄港増加を背景に、大手ディベロッパーによる港湾周辺への大型ホテルの開発などの投資が決定した事例もございます。 また、今委員御紹介されました秋田港でのクルーズターミナルに隣接する鉄道駅が整備をされまして、クルーズターミナルと市内を結ぶクルーズ旅客専用の列車の運行が始まっておりまして、これによってクルーズ旅客が快適に市街地へアクセス可能となりまして、非常に滞在時間が拡大するということによっての消費拡大も期待されています。 にぎわいの創出という観点から、地域との触れ合いによる文化交流ということについては、函館港での例を御紹介しますと、クルーズ船の寄港時に地元の女子高校生が通訳ボランティアとして受入れに関わりまして、観光案内、学校を開放しての書道や茶道の体験メニューを提供するといったようなことで、国際交流の推進あるいは日本文化の発信といった観点からも大変大きい効果を示しております。 このように、クルーズ船の寄港は地域に様々な効果をもたらし、地方創生にも大きく寄与するものと考えております。国土交通省といたしましては、政府目標である訪日クルーズ旅客を二〇二〇年に五百万人というこの目標の実現に向けまして、クルーズ船の受入れ環境整備や観光地開発に取り組むとともに、地域への経済波及効果の最大化に努めてまいりたいと考えております。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 クルーズ船が日本に来始めた最初の頃は、クルーズ船が来てその地域に大量に外国人が来ても、結局買物をするのは大手の家電ショップかあるいは薬屋だけで、ほとんど地域にお金が落ちないと。むしろ逆に、港のそばが大渋滞するだけで迷惑だみたいな話もあったわけですけれども、だんだんこれ定着してきて、むしろその地域がそれをうまく活用し始める、あるいはそういう渋滞が起きないように、先ほどの秋田港のようないろんな検討も始めるということで、秋田港の場合、通常はこれ貨物しか通っていない場所に特別の許可をもらってそのときだけ旅客をやるという、こういうことをやったわけですけど。 これなんかもJR東の秋田支店長のある思い付きで始まって実際にこうやって動き出した、こういう話ですから、やっぱりこういう、今、菊地局長がおっしゃられたような事例を、なるべくいろんな事例を紹介いただいて、それを全国各地に広めていただくと、ああ、うちにもこういうことができるんだということが分かって更に広がっていくんじゃないかと思いますので、是非そういう事例紹介を引き続き御検討をいただきたいと思います。 それでは、次の質問に移らせていただきます。 今ちょっといろいろ御説明聞いても思ったんですけれども、やはり、特に今の港の話なんかの場合に、こういうインフラ整備、これによる経済効果というのは従来のBバイCで本当に全部出てきていた話なんだろうかと。ちょっと、観光の場合どの部分でCがあったかというのは微妙なところはありますけれども、この港湾のところで見た場合に、やっぱりBバイCというのは全部をすくい切れていなかったんじゃないかという気がするんです。 特に今の日本のBバイCの計算というのは、ベネフィットを五十年で見るにしても、これ社会的割引率四%で現在価値に割り戻しますから、そうすると、これほとんど五十年先のベネフィットというのはそのとき発生したものの一〇%ぐらいしかカウントされないわけですね。そうすると、本当にそういうBバイCというのが今まで全部のベネフィットを織り込んでいたのかとやっぱり考える時期に来ているんじゃないかと。 例えば、これ港湾についてですけれども、これ昨年も実はちょっと質問をさせていただいた徳山下松港の国際物流ターミナルのケースですけれども、これ事業費三百四億なんですが、大型の石炭運搬船がこの国際物流ターミナルを開くことによって入るようになると、十四メーターの深さまでの船が入ってこれるということで、その結果として、この地域に大型の石炭運搬船のハブをつくっていくと。これによって周辺、特に西日本の化学メーカー、鉄鋼メーカーが、石炭の輸送コストが非常に下がるということで、大体トン当たり十ドル弱ぐらいという、こういう数字を試算しているわけですね。 私、この国際物流ターミナルの着工式に行ったときに、ここの数社出てきていたメーカーの方々が、うちは何トン使っていますという数字をずっとおっしゃっていたので、その数字見ると、大体数十億円分ぐらい年間輸送費のセーブができる。それから、これ山口県が出している数字では、今回のこの国際物流ターミナルで百億円ぐらいの経済効果があると、こういうことを言っているんですね。 前回お聞きしたときに、BバイC四前後という数字をお聞きをしたんですけれども、これ大体もし百億ということでいくと、さっきの社会的割引率四%で見ると、大体BバイC八ぐらいまで行ってしまうんですね。それから、その手前の数十億円というところで見ても六ぐらい行ってしまうということで、そうすると、どうも今までのBバイCで言っていたBと実際の経済効果だとかコスト削減効果との間に大分ギャップがあるんじゃないかというような気がいたします。 同じように、これはもう西田先生お得意の整備新幹線の話なんですけれども、たしかこの決算委員会でも、一番最初のときに西田先生が新幹線の効果ということを力強くおっしゃられました。今、いろいろ話を聞いていくと、やっぱりこの北陸新幹線の経済効果というのも、これ富山県が大体四百二十一億、石川県が六百七十八億、波及効果入れての経済効果ということを言っています。ただ、ここで波及効果と言っているのは、企業立地等に伴う設備投資、それから新規雇用、これを入れての波及効果なので、さっきあったような新規の宿泊施設への投資は入っていないんですね。 そういう状況でさえ実はもう一千百億ぐらいの効果が出ているということですから、これに加えて先ほどの観光庁の調査で出てくるような雇用促進効果、それから、あるいは税収効果というのを考えると、当然これ新幹線の沿線というのは路線価が上昇し、その分、それぞれの地域でのいろんな税収も上がっているということになってくると思うんです。 そうすると、やっぱり、今までのBバイCの議論、これいろんな理論的な裏付けもあって、そしてまた全部の公共事業に同じように適用されてきたということでなかなか動かせないというのが今までの実態だったと思うんですけれども、これ、国土交通省として、もう少しこのBバイC、今までの学者さんたちの議論が本当に正しかったのか、それをもう一度しっかり検討すべきなんじゃないかというふうにも思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 社会資本が整備をされますと、例えば、委員御紹介いただきましたように、輸送コストが削減されて生産性が向上する、あるいは防災力が強化をされて地域の安全、安心が確保される、あるいは人々の生活の質そのものが向上するといった効果、これ我々はストック効果というふうに呼んでおりますけれども、こういったものが発揮されます。さらに、それを前提として民間投資が更に拡大をされる、あるいは資産価格が上昇するといったことがあろうかというふうに思います。こういった様々な効果、社会資本整備を進めるに当たって出てまいります。これがやはり最大限発揮されているということを定量的にお示しをするということが大変重要な課題だというふうに思っております。 その中で、これまでもBバイCの議論、御紹介をいただきましたように、具体的な事例に即して、例えば雇用でございますとか企業の立地や利益、あるいは地価がどうなっているかといったような指標の変化を用いつつ、社会資本整備が地域経済などに与える効果の定量的な把握、それから周知には努めてきたところでございます。 一方で、委員御指摘のように、BバイCの議論は様々なところで議論が積み重ねられておりまして、そもそもどこまで指標として定量化できるのかという問題や、あるいは因果関係を厳密に説明できるのかといった問題や、それぞれ指標ごとに重複やあるいは循環があるのではないかという非常にややこしい問題がございます。こうした問題も当然クリアしつつ、こういう技術的な課題はクリアしつつ、なお私どもは、先ほど申しましたようなストック効果の定量的な把握をより分かりやすく、かつ、委員が御指摘いただきましたように、皆様に当然あると思われるものが入っているような、そういうような形で把握をするということが大変重要だというふうに思っております。 したがいまして、これまでもいろんな形で把握の充実に努めてまいっておりますけれども、引き続きそれぞれの社会資本の性格に即しました分析手法の検討に取り組みまして、すぐBバイCに反映できるものと、恐らくもう少し周辺的に御説明をしていく必要があるものとが出てくると思いますけれども、引き続き充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 やはりこういう社会資本整備、これからこういう厳しい財政状況の中であってもどんどん進めていくことによってやはり日本経済というのがもう少し活気付くというふうに私思いますし、そのためには、やっぱり実際に社会資本整備に掛けたお金がいかに有効に、そしてどれだけの富をちゃんと生んでいるのか、これがちゃんと言えないと、またなかなかこういう厳しい財政状況の中で予算の話というのも正当化していきにくいと思いますので、この点については特にやはりしっかりと理論武装を考えていきたいというふうに思います。 また、その上さらに、やはり実際に今お話あったようなストック効果というのを考えていったときに、これ、港湾だとかあるいは駅というのはそれ自体で非常に開発効果というのが起きる、周辺の民間がどんどんそこを開発することによってその地域自体が非常に経済が上がっていくということがあります。そういうことを考えると、むしろこういう開発利益、これが今まではその地域が元気になればいいやというふうに見ていた部分がありますけれども、やはり場合によったらこういう開発利益というのをこの整備費用の一部に充当するというような、こういう仕組みもやっぱりこれからは考えていかないといけないんじゃないかと。 むしろ、例えばさっき言いましたような徳山下松港の国際物流ターミナルの場合、それによって実は競争力が付いて、それによって会社の利益を上げている企業が現実にあるわけですね。ただ、その利益というのは税収という形で回ってくるだけで、その会社自体がほかのところで損を出していたら税収という形では国に入らないということになりますけれども、ただ、それだけの地域、数十億円のそういうコスト削減効果があるのであれば、そういうものをやっぱりしっかり取り込むような仕組みというのも何かあるんじゃないかというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(由木文彦君) お答えいたします。 厳しい財政状況の中で引き続き社会資本整備を推進していくためには、やはり財源の確保というのが大変大きな課題になるというふうに考えております。広い意味では、恐らく税金だけでない受益者負担をどう取っていくかという議論になるんだというふうに思っております。 もう委員御承知のとおり、直接の利益者としては、例えば有料道路とか港湾とか、そういったところからは整備費用あるいは維持管理費用について利用者から料金等を徴収するという非常にリジッドな受益者負担の制度もございます。一方では、最近は特に空港とか下水道の分野で、民間のできるだけ活力を活用する、資金も活用するということで、コンセッションなどのPPP、PFIも進められるところは進めてまいっているということがございます。さらに、先般、リニアの中央新幹線の全線開業前倒しのために財投の制度も活用させていただきましたし、かつ、今年度予算はそれを大都市圏の環状道路等への重点投資に振り向けるということもさせていただいております。 さらに、その上で、周辺の開発利益をどういうふうに還元していくかというのは、これは実は古くて新しい課題でございまして、これをどう特定して、どういうふうに徴収をし、整備費用に充てていくかというのは大変大きな課題だというふうに思っております。 私ども、さらに、社会資本整備の財源、これをいろんな手法によって総合的に活用していくということが大変大きな課題だというふうに思っておりますので、御指摘いただきました開発利益の還元等も含めまして、今後、更に幅広い見地から受益者負担に基づく財源対策について検討を行ってまいりたいと考えております。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 特に、北陸新幹線敦賀開業が今、二〇二三年を予定されていますけれども、今のままの整備新幹線の枠組みでいくと二〇三五年以降しか国の金が付かないと。それでは完成がもう二〇四七年、八年ということですから、そのストック効果ということを考えるのであれば、やっぱりこれを前倒しにするための知恵を出していかないといけないと。二〇二三年以降も継続して大阪延伸の工事ができるようにするために、是非知恵を出して、こういうインフラへのしっかりお金を付ける方法というのを考えていきたいというふうに思います。 では、次の質問に移ります。 住宅局にお尋ねをいたします。 パリ協定が平成二十八年十一月に発効し、そして、これを契機として世界的な脱炭素化へのモメンタムが高まっておりますけれども、そういう中で、住宅・建築物分野において、二〇一三年度比で二〇三〇年度に温室効果ガスを四〇%削減するという地球温暖化対策計画等がありますけれども、この省エネ目標を達成するための方策をどう考えているのか、住宅局にお尋ねをいたします。
○政府参考人(伊藤明子君) お答え申し上げます。 住宅・建築物分野は我が国全体のエネルギー消費量の三分の一を占めておりまして、温室効果ガスの排出量の四〇%削減に向け、給湯器や照明等の設備機器の高効率化のほか、住宅・建築物の省エネ性能の向上は大変重要な課題だというふうに考えております。 このため、平成二十九年四月から、建築物省エネ法に基づき、住宅以外の大規模な建築物の新築等に際して省エネ基準への適合を義務化したところです。これに伴う審査上の混乱や確認審査の遅延は発生しておらず、おおむね円滑に施行されている状況でございます。 さらに、今後の進め方としては、まず、住宅・建築物の省エネ性能に関する実態について徹底的に把握、検証を行い、その結果を踏まえ丁寧に検討を進めていくことが重要であるというふうに認識しております。 このため、昨年九月より、学識者や業界団体の方々をメンバーとする研究会を立ち上げ、住宅・建築物の省エネ性能の実態把握、検証や課題の整理を行い、本年三月末に取りまとめを公表したところであります。この中では、省エネ基準への適合義務化の対象拡大に当たっての留意点のほか、住宅・建築物全体の省エネ性能の底上げと併せて、マーケットメカニズムの活用等による省エネ性能の高い住宅・建築物の普及促進も必要ではないかなどの課題についても御指摘をいただいております。今後は、審議会等において、これらの御指摘も踏まえ、具体的な制度設計について検討を進めていくこととしております。 また、省エネ性能の高い住宅・建築物の普及促進に向け、経済産業省、国土交通省、環境省の三省連携によるゼロエネルギー住宅への支援のほか、既存ストックの省エネ改修への支援等の施策を講じているところでございます。 今後とも、関係省庁と連携し、住宅・建築物分野における温室効果ガス排出量の削減目標の達成に向け、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 これ、やはり国際公約ですので、最後におっしゃられたとおり、経産省、環境省、国交省ともしっかりと連携をいただいて、やはり日本の環境技術をフルに生かして、単に省エネ基準を確保すればいいということではなくて、むしろトップレベルの性能を更に向上するということで取り組んでいただきたいと思います。 それでは、次に海事局にお尋ねをいたします。 IMOでは、二〇二〇年から、SOx規制、今の三・五%を〇・五%まで求めるということを決めているわけですけれども、このSOx規制について、やはりこれ、特に内航海運、経営基盤がそんなに強くない内航フェリーだとかあるいは生活航路である離島航路の、こういうところでは非常にこの問題についての懸念が広がっているところでございます。 このSOx規制についての今の対応について、海事局長にお尋ねをいたします。
○政府参考人(蒲生篤実君) お答え申し上げます。 船舶で使用される燃料油中の硫黄分濃度規制は、船舶からの排出ガスの中の硫黄酸化物、いわゆるSOxでございますが、それによります健康や環境への悪影響の低減を全世界的に行うものでございまして、我が国も環境先進国として適切に対応していく必要があると考えております。国土交通省では、海運事業者等に過度の負担が掛からないよう、関係省庁とも連携しつつ、規制対応の円滑化に向けて取り組んできているところでございます。 具体的には、海運業界のみならず、資源エネルギー庁等の関係省庁、石油業界、例えば石連も含めまして、そういった関係者が参加する連絡調整会議を昨年三月に立ち上げ、両業界が本規制に円滑に対応できるよう、関係者との情報交換、意見交換等に努め、議論を深めてきているところでございます。 その結果、規制開始後に供給される燃料油等につきましては、様々な種類、製造方法があるものの、船舶用の需要量は供給可能であるとの調査結果が石油業界より報告されているところでございます。 このほか、船舶の燃料油の需給、価格の安定化に向けまして、特定の燃料油に需要が集中することを防ぐため、燃料油の燃焼試験の実施によります船舶で使用可能な燃料の種類の拡大、さらには排ガス洗浄装置、スクラバーと呼んでおりますが、これは脱硫装置でございます。その使用を進めるための環境の整備、液化天然ガス、LNG燃料船等の代替燃料船の導入促進などの取組を進めているところでございます。 以上でございます。
○阿達雅志君 ありがとうございます。 国土交通省の方で、経産省また石油業界ともしっかり話をいただいているということですが、ただ、やはりこのスクラバー、これを取り付けるにしても、一、二か月の間、船を外さないといけない、運航から外さないといけない。それから、低SOxのC重油について、先ほど供給は可能であるというお話はありましたけれども、やはりこれ、コストがどうなるかという問題がある。 このスクラバーにしても低SOxのC重油にしても、いずれにせよ、これコストが掛かる可能性が極めて高いんじゃないかと。その場合に、この内航フェリーの業者、特にそういう離島航路を持っている会社にとっては、価格転嫁をするというのはこれ極めて厳しいことだと思います。 そうすると、二〇二〇年からこれを実際にやっていかないといけないということになると、少なくとも来年度予算では何らかの手当てをしていく必要が出てくるんじゃないかというふうに思いますので、この点については、是非、国土交通省海事局の方で、経産省、しっかり話をしていただいて、早め早めに対応について御検討をいただきたいと思います。 少し時間が残りましたけども、これで質問を終わらせていただきます。
○足立敏之君 自由民主党の足立敏之です。 決算委員会での質問は初めてになります。二之湯委員長を始め理事の皆様には、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 本日は、地球温暖化の適応策の在り方、そして日本のインフラの整備水準について、配付した資料に沿いまして質問をさせていただきます。本日最後のバッターですので、皆さん、よろしくお願いいたします。 現在、参議院の環境委員会におきまして、気候変動適応法案について審議中でございます。地球温暖化対策、特に適応策を進めるために大変重要な法案であり、私も大いに期待をしているところであります。 しかしながら、衆議院、参議院での質疑の議事録を読ませていただきましたが、気候変動により激甚化する水害、土砂災害にどう対処していくのかという点についての議論が少なく、国土交通省で長らくこういった件に関わってきました私にとりましては、とても不安に感じているところであります。大切なことは、法律の制定後、具体的に適応策として住民の安全に直結する対策、予防的な防災対策になろうかと思いますけれども、これをいかに実施していくかであると考えます。 ところで、先月の五月の十七日から十九日にかけまして、秋田県の雄物川の流域で大雨による大きな浸水被害が発生しました。五月の雨としては観測史上最大ということでございます。専門用語になって恐縮ですが、本来なら出水の考えられない時期、非出水期といいますけれども、季節外れの洪水の被害でありました。また、平成二十九年には線状降水帯による九州北部豪雨や秋田県の大雨、さらに、平成二十八年には観測史上初めて一週間に三つの台風が直接北海道を襲い、迷走台風十号が観測史上初めて東北の太平洋側に上陸し、大きな被害を与えています。それ以前にも、お手元の資料の一に示しますとおり、毎年毎年必ず激甚な水害、土砂災害が発生しております。 このように、最近の激烈な雨の降り方や、これまで経験したことのないような台風の動き、季節外れの大雨などを見ますと、従来とは異なる気象現象が起こり始めているように感じられます。 気象庁では、昨年三月三十日に地球温暖化予測情報第九巻を取りまとめ、公表しています。資料の二、三にそれを添付してございます。 まず、気象庁長官に地球温暖化による今後の温度上昇の見通しについて伺いますとともに、地球温暖化により豪雨災害が今後更に拡大していくのではないかとの懸念に対する見解をお願いしたいと思います。 よろしくお願いします。
○政府参考人(橋田俊彦君) お答えいたします。 気象庁では、地球温暖化による今後の気温や雨の降り方などにつきまして、昨年、温室効果ガスの排出が高いレベルで続く場合の予測結果を地球温暖化予測情報第九巻として公表しております。 これによれば、日本における年平均気温でございますけれども、これが今世紀末には二十世紀末と比較して四・五度上昇すると予測しているところであります。また、豪雨災害をもたらすような短時間の強雨や大雨はこの三十年余りの変化を見ますと増加傾向にありまして、最新の地球温暖化による豪雨の予測では、日本における一時間当たり五十ミリ以上の短時間強雨、これ、滝のように降る雨と例を取っておりますけれども、このような短時間強雨の発生頻度は今世紀末には二十世紀末の二倍以上になると予想しております。 今後とも、地球温暖化対策に資するよう、気候変動の監視、予測に努めてまいりたい、このように考えています。
○足立敏之君 気象庁におきましては、引き続きしっかりとモニタリングを行い、地球温暖化の影響による気候変化の動向を把握していただきますとともに、必要に応じましてしっかりと警鐘を鳴らしていただくようにお願いをしたいと思います。 それでは、次に参りますが、地球温暖化対策の柱、資料四でございますけれども、これについては、緩和策、ミティゲーションと、適応策、アダプテーションということになります。 緩和策は、CO2など温室効果ガスの削減を図るもので、地球温暖化対策の抜本対策であり、既に地球温暖化対策推進法、これによりまして先行的に対策が講じられてきております。 一方、地球温暖化に伴って実際に出てくる影響、ひょっとしますと、もう既に出てき始めているとも考えられますけれども、それらを減じるための対策、適応策についてはこれまで法的な措置がとられてきておらず、今回の気候変動適応法案で初めて取り扱われることとなりました。 地球温暖化への取組が評価されノーベル賞を受賞したIPCC、気候変動に関する政府間パネルといいますけれども、その第五次評価報告書、これは資料五で示しておりますけれども、ここでは気候システムの温暖化については疑う余地がないとしておりまして、温室効果ガスの排出に関する様々なシナリオの下で、二十一世紀末までに世界平均気温が最大四・八度上昇すると見込んでおります。また、平成二十七年十一月に閣議決定されました気候変動の影響への適応計画、これによりますと、温室効果ガスの排出量が非常に多い場合で平均四・四度、それから厳しい温暖化対策を取った場合で平均一・一度上昇すると予測しています。 これに対して、環境省の気候変動影響評価等小委員会の検討の中で、資料六でお配りしていますが、気候変動の影響と適応の基本的な施策が示されておりまして、水害対策あるいは土砂災害対策の必要性も指摘されています。 環境省に伺います。 今後、地球温暖化に伴いまして、自然災害という観点で具体的にどのような影響が生じてくるのか、そのような影響に対してどのような対応が必要となってくると考えているのか、特に今回の気候変動適応法案の成立によりまして自然災害の面でどのようなことが可能になるのか、伺います。
○政府参考人(森下哲君) お答えいたします。 我が国の気候変動及びその影響に関する科学的知見につきましては、平成二十七年に中央環境審議会が報告書として取りまとめております。その概要でございますが、自然災害の分野につきましては、気候変動により、施設の能力を上回る外力による水害が頻発するとともに、発生頻度は比較的低いが施設の能力を大幅に上回る外力による極めて大規模な水害が発生する懸念が高まっているとされているところです。 このような気候変動の影響による被害を回避、軽減するため、将来の影響も考慮した上で、堤防等の施設の着実な整備、ハザードマップの作成など、ハード、ソフト対策の両面から適応策を推進することが重要だと考えてございます。自然災害分野を含めまして、農業、健康、生態系など様々な分野の適応策を推進するため、今国会に、先ほど御紹介のありました気候変動適応法案を提出し、現在御審議をいただいているところでございます。 本法案では、環境大臣が最新の科学的知見を踏まえましておおむね五年ごとに気候変動影響の評価を行うこと、また、国立環境研究所が中核となって適応の情報基盤を構築することなどを規定してございます。 国会での御審議を経て本法案を可決、成立いただきましたら、特に自然災害の分野におきましては、より精度の高い気候変動影響の予測情報を組み入れた上で、より効果的な防災対策を推進していくことが可能になるというふうに考えております。 本法案の下、環境省で汗もかかせていただきまして、国交省の皆様方始め関係省庁の皆様と一緒に連携をさせていただきながら、自然災害の分野も含めた適応策、しっかり推進してまいりたいと考えております。
○足立敏之君 環境省には、是非大切な適応策の特に事前防災の旗振り役としてしっかり取り組んでいただきたいと思います。適応策は待ったなしです。是非よろしくお願いしたいと思います。 次に、具体的な防災対策の実施主体である国土交通省に伺います。 全国的に発生しているこれまで経験したことのないような大雨、そういったものはこれからも地球温暖化の進行に伴いまして増加すると考えられます。そうであれば、これまでの延長線上の対応では不十分であり、全く新たな視点での対応が必要になってくると考えられます。 イギリスのロンドンのテムズ川では、高潮被害を防ぐためテムズバリアという防潮堤が設けられていますけれども、このバリアの設計に当たりましては、将来の海水面の上昇を見込むなど、地球温暖化に配慮した計画となっています。 まず、国土交通省水管理・国土保全局長に伺いますが、海外では地球温暖化に伴う気候変動に対して具体的にどのような対策を講じているのか、伺います。
○政府参考人(山田邦博君) お答えいたします。 現在、詳細を把握している範囲では、オランダ、ドイツなどにおいて、気候変動による将来の降雨量の増加を踏まえて水害対策に取り組んでいると承知をしております。 オランダでは、ライン川におきまして気候変動による将来の降雨量の増加分を考慮した流量を算定し、堤防の整備を始めとする洪水防御対策等を講じることとなっています。具体的には、気候変動によって今後河川の安全度が徐々に低下することが懸念されるために、定期的に安全度を評価し、一定の水準を下回らないようあらかじめ対策を講じることとされております。 ドイツでは、例えばバーデン・ビュルテンベルク州におきまして、将来の流量の増加率として地域ごとに設定した気候変動係数を乗じた流量を基に堤防の整備が行われています。また、バイエルン州におきましては、気候変動の影響として一律一五%割増しした流量を基に堤防の整備が計画されています。
○足立敏之君 ありがとうございます。 海外では、既に地球温暖化に伴う気候変動に対して対応が始まっているということが明らかになりました。 国土交通省では、本年四月の十二日、水管理・国土保全局で、気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を立ち上げたというふうに聞いています。この検討会では、気候変動を踏まえた治水計画の前提となる外力、すなわち計画高水量だとか計画流量の設定方法や気候変動を踏まえて治水計画を見直す手法等について検討を行うこととしているというふうに聞いております。 資料の八の方に準備させていただきました。 少し専門的になって恐縮でございますけれども、地球温暖化に伴いまして一定の安全度に対して想定される外力、すなわち、河川の整備の目標となる降雨量、これが増加します。資料八では、二度上昇で約一・一倍、四度上昇で約一・三倍に増えるというふうにしています。これに伴いまして、雨が増えるわけですから河道の流量が増えることになり、洪水の発生確率が高まります。そうなると、これまでの河川整備で確保してきた河道の流下能力では不足してくるため、改めて、河川堤防の整備や河床の掘削、ダムの新設やダムの再生など、やらなくてはならない治水対策、インフラ整備が発生してきます。 秋本政務官に伺いますが、地球温暖化に対する適応策の在り方について、自然災害の観点で実際の対策を実施しなければならない立場でお考えを伺います。
○大臣政務官(秋本真利君) 平成二十七年関東・東北豪雨や平成二十九年九州北部豪雨など、近年、猛烈な雨による洪水被害が先生御指摘のとおり各地で発生をしております。このため、施設では防ぎ切れない大洪水は発生するものとの考え方に立ちまして、社会全体で洪水に備える水防災意識社会、再構築をする取組をハード、ソフト一体として進めるところでございます。 今後、地球温暖化による気候変動等の影響により災害が更に頻発化、激甚化することが懸念されており、気候変動を踏まえた治水計画に係る技術検討会を先生御指摘のとおり四月に設置をしたところでございます。そして、今日、本日までに二度開催をいたしまして、年度内に取りまとめをしていきたいなというふうに今現在考えているところでございます。 国土交通省といたしましては、地球温暖化による気候変動に適応するための対策は極めて重要であると考えておりまして、技術検討会の検討結果も踏まえまして、河川の整備や水害対応タイムラインの策定など、ハード、ソフト両面総動員をして水分野における気候変動対策を進めてまいる所存でございます。 また、ダムについても同時にお尋ねがあったというふうに思っておりますけれども、例えば、昨年の九州北部豪雨におきましては、筑後川中流右岸の山地部の河川において、河川の氾濫に加えまして土砂や流木の流出により甚大な被害が発生した一方、同じ地域を流域に持つ佐田川の沿川では、上流の寺内ダムにおきまして、最大流入量の九九%を貯留するとともに、大量の土砂、流木を捕捉したため、被害はほとんど生じませんでした。これは私も実は視察に行きまして、現地をしっかりと見させていただいたところでございます。 ダムは上流で洪水を貯留することによりまして、下流の河川整備を待つことなく河川の長い区間にわたり効果を発揮することができ、計画を超える規模の洪水に対しても被害を防止、軽減させることができます。 これまでも流域や河川の特性を踏まえ十分な検討を行った上でダムの整備を進めてきたところでございまして、今年度は、既設ダムを運用しながら有効活用するダム再生事業として、三つの新規事業にも着手したところでございます。 今後も、気候変動の影響を踏まえつつ、堤防整備等の河川改修等適切な役割分担の下で、ダム再生も含めまして、必要なダムの整備、河川の改修に努めてまいります。
○足立敏之君 ありがとうございました。 この後ダムの質問をしようかと思っておりましたが、省略をさせていただきますが。 いずれにしても、ダムだとか堤防の整備だとかを含めまして、ハード対策を進めていくためには公共事業予算の確保が不可欠であります。財務省、国土交通省において、しっかり確保していただくようにお願いをしたいというふうに思います。 次に、日本のインフラの整備水準について伺いたいと思います。 今年一月、タイのバンコクにたまたま伺うことができました。その際驚いたのが、資料十二を見ていただきたいんですが、国際空港からバンコクの中心市街地に移動する際の高速道路、これが片側四車線、五車線ありました。日本に帰ってきて帰宅する際に乗った首都高は、幾ら数えても二車線しかありません。日本のインフラの整備水準が世界水準から見て二流、三流の水準に落ち込んでしまっているんじゃないか、このときそういうふうに強く感じました。 平成二十八年度の国土交通白書によりますと、これは一万台当たりの高速道路延長なんですけれども、ドイツ、資料なくて申し訳ありません、ドイツは二・七六キロメーター、フランスは三・〇二キロメーター、アメリカは四・〇八キロメーターですが、日本は一・四四キロメーターであります。浜口議員から先ほど高速道路の分担率の低さの御指摘がありましたけれども、分担しようにも高速道路がまだ整備されていないというのが実情ではないかというふうに思っています。まだまだ日本は高速道路整備途上というふうに言えるというふうに思います。 なお、資料十三に付けましたけれども、中国は物すごいスピード、年間七、八千キロのスピードで整備が進んでおりまして、こういうような国もあるんだというのをしっかり皆様、頭に置いていただければというふうに思います。 次に、資料十四に示しましたけれども、高速道路の車線数であります。これを見ると、主要国ではほとんど片側二車線以上を確保しています。日本は残念なことに三八%が片側一車線の暫定二車線です。韓国も二十年前には四割、暫定二車線があったらしいんですけれども、この二十年間で既に解消しています。 こうしたことが影響しているというふうに思いますけれども、資料十五、次のページですけれども、都市間の連絡速度というのを出してみると、間のスピードですね、日本は今言いましたようなことがいろいろ影響してだと思うんですけれども、かなり低い水準であります。これは、物流面で影響が出て、いわゆる生産性の面でも大いにマイナスになるのはこれでは当たり前ではないかというふうに思っています。 ところが、四月二十五日の財政審財政制度分科会で、資料十六なんですけれども、財務省は、日本の社会資本は概成しつつあるというふうに指摘をしました。五月二十三日財政審の新たな財政健全化計画等に関する建議にも盛り込まれております。しかし、今お話ししたような状況では、とても概成などとは言えないのではないかというふうに思います。まだまだミッシングリンクがつながっていない地域の皆さん、ここにいらっしゃる先生方も、そういう地元を持っていらっしゃる方はいっぱいいらっしゃると思いますが、そういう方々からすると、とんでもないということではないかというふうに思います。 まず、日本のインフラ整備水準について国土交通省はどのように感じておられるのか。秋本政務官も海外によく行かれていると思うんですけれども、他国と比べて日本のインフラの水準が、特に高速道路を見て一流の域にあると考えておられるのか、伺いたいと思います。
○大臣政務官(秋本真利君) 社会資本の整備は、未来への投資でもあり、次の世代に引き渡すしっかりとした資産を形成するものでございます。これまでも、高速道路ネットワークや整備新幹線の整備等により我が国の経済成長や国民の暮らしを支えてきたものと認識をしております。 先生御指摘のとおり、高速道路の車線数が少ないなど、我が国の整備水準については指摘があるものと承知をしております。一方で、諸外国と比較した我が国の整備水準につきましては、自然や国土条件等、様々な違いを踏まえなければならないということで、一概に比較することは難しいというふうに思っているところでございます。 しかしながら、私個人としてどうかというふうにお尋ねがございましたけれども、私も政務官として様々な諸外国に行かせていただいておりますけれども、全く先生と同感でございまして、必要な社会資本整備をこれからもしっかりと進めていくことが必要であるというふうに思っているところでございます。 我が国は人口減少社会を迎えておりますけれども、それを上回る生産性の向上があれば経済成長を続けていくことは十分可能であり、全国物流ネットワークの核となる大都市環状道路や、整備新幹線、国際コンテナ・バルク戦略港湾、国際クルーズ拠点、地方空港など、生産性を向上させる社会資本整備を全国で重点的かつ計画的に整備していく必要がございます。 近年頻発する災害から国民の命と財産を守ることは、社会資本が果たすべき最重要の使命でございます。社会資本の維持管理、更新を計画的に行っていくことはまさに重要な課題であると認識をしているところでございます。我が国の経済成長や地域の活性化、国民の安全、安心の確保といった重要な役割を担っているものであり、今後とも、こうした観点から必要な社会資本整備をしっかりと進めていきたいというふうに思っております。
○足立敏之君 実は、先日、岸田文雄自民党政調会長にお話を伺う機会がありまして、今と同じような質問をしました。岸田会長からは、外務大臣として九十数か国を訪れた経験から見て、日本のインフラは残念ながら世界水準で一流と言える状況にはないというふうに言っておられました。皆様からそういうお言葉をいただいて、私の立場としては有り難い限りであります。 これからも、日本のインフラを一流のものにするために、是非、高速道路のミッシングリンクの解消、そして暫定二車線の四車線化、こういったものの促進、そのほかにも、先ほど阿達先生もおっしゃっておりました港湾も空港も新幹線も、いろんな面でインフラの整備をしっかり進めていく必要があるというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、道路の維持管理の観点から、日本のインフラの整備水準について質問をしたいと思います。 資料の十七に写真を載せました。全国を回っていますと、地方の直轄の一桁国道について、アスファルトの舗装の傷みが非常に激しくて、目を覆うばかりの状況のところが各地にあります。地方の道路については、それに輪を掛けたような状況であります。各委員の御地元の状況もそんな状況ではないかというふうに思います。以前ならしっかりと舗装の打ち替えをするようなところも、お金がないということもありまして、簡単な補修で済ませているところが目に付いています。 また、資料十八にお示ししましたが、中央分離帯には雑草が繁茂して、伐採、除草ができていないような状況ですし、道路標識などもさびついて見えなくなっているところがたくさんあります。これでは、物流面のみならず、観光面など様々な面でマイナスであろうかと思います。日本の幹線道路、こんなことでいいのか、本当に心配になります。 三十年ほど前に、アメリカでは、一九三〇年代にニューディール政策に基づいて整備したインフラが一斉に老朽化して、橋梁が落ちたり通行できなくなるような事態が頻発しました。荒廃するアメリカというふうに呼ばれました。日本においても、高度成長期に整備したインフラが今一斉に老朽化を迎え始めており、笹子トンネルの事故に象徴されるような、日本でもそういうようなことが起こり始めているのではないかというふうに心配になります。 道路局長にお伺いしますが、日本の道路について、維持管理の面から見て深刻な状況にあり、荒廃するアメリカと日本が同じような状況だと言われる前にしっかりと手を打つ必要があると考えますが、見解を伺います。
○政府参考人(石川雄一君) お答えいたします。 アメリカでは、一九八〇年代に多くの道路施設が高齢化を迎え、いわゆる荒廃するアメリカと呼ばれ、社会生活や経済活動に大きな影響を与えました。日本におきましても高度成長期以降に整備した道路施設の高齢化が進んでおりまして、国民の安全、安心の確保のため、道路インフラの老朽化対策にしっかりと取り組む必要がございます。 国土交通省では、平成二十五年に道路法を改正いたしまして、平成二十六年から、国が定める統一的な基準に基づき、橋梁、トンネルなど道路施設について点検、診断、措置、記録というメンテナンスサイクルを持続的に回す取組を進めるとともに、地方公共団体に対しましては財政面や技術面での支援を行っているところでございます。 また、老朽化対策に当たりましては、損傷が深刻化してから大規模な補修を行う事後保全型から、損傷が軽微なうちに補修を行う予防保全型へ転換することにより、構造物の長寿命化やライフサイクルコストの縮減に取り組んでいるところでございます。 委員の資料にもございましたように、道路の舗装につきましても、維持修繕費の削減に伴いサービス水準が十分に確保されていない状況にございましたが、平成二十八年に舗装点検要領を策定の上、点検を開始し、計画的に舗装、修繕が行えるよう取り組んでいるところでございます。 今後とも、メンテナンスサイクルを確実なものとし、利用者が安心して使い続けられる道路を実現できるよう、適正な予算の確保に努めるとともに、新技術の導入等によるコスト縮減や、点検結果を踏まえた予防保全型の維持管理に取り組んでまいります。
○足立敏之君 ありがとうございました。 道路の維持管理レベルも早急に従来の健全な状態に戻していただくようにお願いしたいと思います。 これまで指摘しました日本のインフラ整備の状況を考えますと、公共投資を再びしっかり進めていく必要があるというふうに考えます。 日本の公共投資は、資料十九に示しますとおり、平成十年度をピークに削減を続けまして、約四割に縮小しています。なぜ公共投資を減らしてきたのか、その根拠となりましたのが、その次のページ、資料二十ですけれども、一般政府の総固定資本形成、公共投資に当たると思いますけれども、その対GDP比であります。日本はその割合を欧米並みに引き下げるべきとの議論を受けまして、公共投資の削減を行ってまいりました。しかし、それは本当に正しいことだったのでしょうか。 まず、日本の公共事業の特性をよく考える必要があります。日本は有数の地震大国で、欧米諸国に比べて厳格な耐震設計が求められます。橋脚一つ一つとっても、日本のものは欧米に比べ太くて頑丈で、多額の費用が掛かります。また、あの氷河で削られた平たんなヨーロッパの国々に対して、日本は山あり谷ありの急峻な地形で、資料二十一に示しましたけれども、高速道路の中でトンネルや橋梁などの構造物の比率が非常に高いということになっておりまして、やっぱり欧米に比べますと、高速道路の整備をするに当たっても費用が掛かります。 さらに、日本はアジア・モンスーン地帯にあるため、欧米と異なりまして風水害、土砂災害への備えも大事ですし、東日本大震災のような海溝型の大規模地震による被害も目の前の脅威としてあることから、事前防災にも多額の費用を要します。こうしたことからすると、公共投資を欧米並みに削減してきたこと自体が問題があったというふうに言わざるを得ません。 次に資料二十二を見ていただきたいと思いますが、これは横軸が世界各国のこの二十年間の一般政府総固定資本形成、いわゆる公共投資の変化です。横軸が公共投資の変化、縦軸はGDPの伸びです。よく見ていただければと思いますが、日本は公共投資を半減させて、GDPも先進国の中で唯一減らしている国であります。一方、日本以外の先進国は、公共投資を伸ばし、GDPも大幅に伸ばし、経済成長しているんです。 日本が経済で一流を目指すのであれば、公共投資を伸ばし、インフラの整備水準を先進国並みに引き上げていく必要があると考えます。日本のインフラを国際的にも恥ずかしくない水準にしていくためには公共投資をしっかり行う必要があると考えますが、秋本政務官そして財務省の木原副大臣のお考えを伺います。
○大臣政務官(秋本真利君) 我が国にとりまして必要な社会資本整備はこれからもしっかりと進めていくことが必要であると考えております。 我が国の国際競争力を高めていくためには生産性の向上が不可欠であり、例えば、大都市環状道路、国際港湾、国際空港等の物流・交通ネットワークを重点的かつ計画的に整備していく必要がございます。また、安全、安心の確保の観点からは、気候変動の影響により頻発、激甚化が懸念される災害に対応するため、ハード、ソフトを総動員した防災・減災対策を進めるとともに、計画的なインフラ老朽化対策に取り組んでいく必要がございます。 こうした生産性の向上や、安全、安心の確保といったストック効果の高い社会資本整備をしっかりと進めていくためには、安定的、持続的な公共投資の確保が重要であると考えております。厳しい財政状況の中でございますけれども、必要な公共工事の予算の確保に努めてまいりたいと思います。
○副大臣(木原稔君) 足立敏之委員におかれましては、公共事業、インフラ投資の御専門としていつも大所から御指導いただいておりまして、ありがとうございます。 公共事業につきましては、これは未来への投資として資産を形成して次世代にしっかりと残していく、我が国は今までそのインフラをうまく利用して安定的な経済成長を果たしてきたと、私はそのように理解をしているところです。 今十九ページにお示しいただいた公共事業予算の推移、確かに当初予算だけを見てみても、これピークは平成九年、九・七兆円、橋本龍太郎内閣だったと思いますが、そこに比べると、確かに、現在はおおむね六兆円の水準を安定的に確保しているとはいえ、当時からいうと四割減ということになります。ちなみに、最小値は平成二十四年でしょうかね、これは野田内閣だと思いますが、この補正から安倍内閣、現政権が担当させていただいているわけですが、現在では六兆円を安定的に確保しているところです。その後、災害あるいは経済情勢等による追加財政需要に対して補正予算によって対応してきたところでありますが、今後とも引き続き厳しい財政事情であります。 また同時に、最近では人手不足等によって公共事業の担い手確保という新たな問題もあるところではございますが、公共事業関係費につきましては所要額をしっかりと確保していきながら、関係省庁と連携しながら、防災・減災対策や生産性向上のためのインフラ整備などへの重点化を引き続き推進してまいりたいと、そのように思っております。
○足立敏之君 現在、骨太方針の議論が今進んでおりますけれども、西田昌司議員からも再三御指摘がありますとおり、プライマリーバランスの黒字化目標の撤廃によりアベノミクスの主要な柱である財政出動を図り、公共投資の拡大に努めていただく必要があるというふうに考えております。 私個人は、当初と補正と合わせて七・五兆から八兆円ぐらいの規模は必要ではないかというふうに考えておりまして、是非とも財務省、国土交通省にお願いをして、質問を終えます。 ありがとうございました。
○委員長(二之湯智君) 他に御発言もないようですから、復興庁、国土交通省及び警察庁の決算についての審査はこの程度といたします。 次回は来る十一日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時六分散会