経済産業委員会 第6号
- 発言数
- 260 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2018/05/15
会議録
○委員長(浜野喜史君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、今井絵理子君及び石上俊雄君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君及び伊藤孝恵君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜野喜史君) 生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 本日は、両案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、早稲田大学名誉教授・商学博士松田修一君、千葉商科大学国際教養学部専任講師常見陽平君及び東京共同法律事務所弁護士川上資人君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。 参考人の皆様方から忌憚のない御意見を拝聴し、両案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 それでは、議事の進め方について申し上げます。 まず、松田参考人、常見参考人、川上参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、参考人、質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず松田参考人にお願いいたします。松田参考人。
○参考人(松田修一君) おはようございます。参考人の松田でございます。このような機会をいただきまして、どうもありがとうございます。 私は、公認会計士そして大学の教員を長い間勤めておりましたが、ベンチャー支援を一貫して行ってまいりました。その間の経験を踏まえて、今日は三ポイントに絞って参考人意見としたいと思います。 お手元にレジュメがございますので、それに従って説明したいと思います。 まず、ローマ数字のⅠでございますが、「失われた二十五年」というのが書いてございます。これは平成のバブル崩壊後の二十五年ということを意味しておりますが、その間に、二〇〇〇年当時、非常に日本の起業家社会実現ということが盛り上がってまいりました。大学発ベンチャー一千社計画、そしてマザーズの開設、そして、創業・ベンチャー国民フォーラムという国民的な運動体もございました。そこの提言委員長を私が担当いたしまして、Ⅰにございますような提言書のかがみでございますが、作ってまいりました。 まず、広い裾野の起業家社会をつくるということで、コミュニティー型・自己実現型創業の拡大ということと、そして、日本に海外から付加価値をもたらすような価値創造型・先端技術型ベンチャーの輩出ということでございますが、そこで、大きく中身としては、教育改革、組織風土改革、制度インフラ改革ということを提言していますが、実は今議論になっているのはまさにこれと内容はほぼ同じでございまして、その頃から中身については余り変化していないということが失われた二十五年でございます。 それから、ローマ数字のⅡでございますが、開業率が長期低迷しているということが言われていまして、これはGEM、グローバル・アントレプレナーシップ・モニターという世界六十か国が参加している調査の結果のランキングで、いつも言われているものでございますが、日本はなかなか五%開業率が上がらないと。二〇〇一年から二〇一五年までのデータをまとめたものの非常にコンパクトな資料を一ページの下に書いてございます。 年齢別の起業家予備軍の日本の割合、これがTEAと言っていますが、そして起業家を評価する割合、そして起業したいというときに知識、経験があるかという割合、そのデータが載っております。一番大きい問題は、十八歳から二十四歳の若者が圧倒的に日本は低いということであります。特に、知識、経験、能力の指標というのが、先進国が三〇%にもかかわらず日本は六・六と、いかに起業家教育ということが、自立する教育、生きていく教育、稼ぐ教育というのを小中高も含めて、大学も含めてやっていなかったということの証明であります。 しかし、光がございまして、一番右の方のデータが、その若い人たちで起業家教育を受けた知識があるという方々から、先進六か国以上に日本の若者は会社を起こしていく、起業していく割合が一三・一に対して一七・六というふうに高いということであります。ですから、起業家教育をすることによって、背中を見て学ぶということができなくなった現在に学校教育がいかに大事かということをここでは意味しています。 そのような状況で、二ページに参りまして、希望の光というのが今見えております。それを六ポイントほど申し上げたいと思います。 一番最初は、最高の教育を受けた知的ハングリー精神を持った方々がベンチャーを今起こし始めたということであります。大学院の修士及びドクターを出た方々が起業を始めています。 そして、グローバルアントレプレナーリーダーということを大学教育の中でもやっていくということが、やっとスタートし始めました。五年経過しております。 そして、大学の研究成果を研究のためではなくて社会実装していくという仕組みが、これも五年間、既に試行的に行われておりまして、大企業とのオープンイノベーションのつながり、連携ということも今開始されております。 そして、これは都心部だけではございませんで、地方でもきらりと光る技術というのが多くございますが、それに対する面白いビジネスモデルに対する支援というものも今開始されています。 そして、一千万程度の小規模のファンディングにつきましては、クラウドファンディング、そしてまた株主コミュニティー制度と、こういうふうなことで資金調達が可能になっています。今、仮想通貨での資金調達ということも始まっております。 そして、地方自治体が活性化のためにいろんな起業システムというものを運営しております。 しかしながら、これは希望の光の若干の光でございますが、大きなうねりになっていないということが今の大きな課題でございます。 ローマ数字のⅢでございますが、少なくとも、過去と比べたら三倍速では遅いかも分かりませんで、五倍速か分かりませんが、グローバル化とスピードということが世界を席巻しておりまして、それに日本がどう対応しているかというのが今回の大きなテーマであろうというふうに思っています。四ポイントまとめてお話ししたいと思います。 まず一ポツでございますが、ICTセブンシスターズ、これは米国アップル、アルファベット、こういうふうなものと中国のアリババ等々が入りますが、この急成長の中で日本はどんどん今置いていかれているというふうなことがございます。 これは何を意味しているかというと、そこの表にございますように、第四次産業革命においては、従来型の縦型の業種別分類の動きとしてはもう既に遅れてしまっているんじゃないかと。むしろ、その縦型の業種に対して横串刺しを差し込んでいくという新しいビジネスモデルが、まさにプラットフォーム事業ということで動き出しているということであります。こういう大きなうねりに対して、日本で即やらなければいけないことが二つございます。 ①でございます、まず。ユニコーンベンチャー、まあ時価総計、未上場で一千億ということを言われていますが、リアルテック、技術をベースにしたこういうメガベンチャーを毎年十社ぐらいは最低日本は輩出したい。どんどんどんどん、今約二百社ぐらい世界ではあるかと思うんですが、日本には今一、二社しかございません。 それから②でございますが、既存の上場会社の収益力が余りにも低過ぎる。世界水準というのが経常利益率やROEが一〇%以上でないと世界では残っていけないということで進んでいますけれども、この収益力の低い産業構造をどう直していくかと。これは産業再編というような問題に関わっていくかと思います。 そして、従来、二、三十年のことを見ていますと、日本は技術で勝って、そして市場が急成長し始めると負けていくと。③でございますが、半導体や液晶に代表されますようなことがずっと起きてきたのをどのように転換するかと。残された期間というのがそう長くないということでございます。 二ポツに参りまして、そのような大きなうねりをサポートしようとしますと、市場や顧客や株主との対話を進めながら長期資金を、いかにリスクマネーを確保していくかとかということが非常に重要でございますが、リスクマネー確保につきまして、世界で主要国が、多くの国々が既に行っていますソブリン・ウエルス・ファンドというものが日本にはございません。ないという前提でどのように進めていくかということが重要になるかと思います。 そういう意味では、この資金というのが、長期資金はユニコーンテック型のベンチャーと将来の産業構造の組替えに投資対象を絞るということになるんだろうと思います。 そして、ユニコーン育成には最低二桁、あるいは数百億という三桁の投資が必要でございますが、そのような大型のファンドを持っている会社というのは、日本には一、二社しかまだございません。 じゃ、日本にお金がないのかと。決してそんなことございませんで、③と④でございますが、個人と企業のストック相当ございます。そして、多くが銀行預金のままマネタイズしていない、これをいかにリスクマネーへ流していくかということであります。そして、我々の年金であるGPIF、約百六十二兆円のファンド総計でございますが、このオルタナティブ投資といいますか、リスクマネーへの資金供給を少し枠を増やしていくと。こういうことで相当対応できるのではないかということを思っています。 そして、ユニコーンというテック系ということを考えますと大学というのは非常に重要になりますが、日本の大学の知財というのは世界と比較して余り独立していません。自由に大学で使えない、共同研究によって、その一方の共同研究者側に多くの制約が掛けられていると。これは大学が自己資金を持っていないということでありまして、エンダウメントと書いてございますが、開発のための少なくとも基金というのを大学は今つくっていく、早急につくっていく必要がある、そのための税制が必要であろうということであります。 そして六番目でございますが、ユニコーンというのが大学発ベンチャーから出てき始めました、やっと出てき始めました。しかしながら、大学がダイレクトにエクイティーに出資をしていないものですからロイヤリティー収入しか入らない。ロイヤリティー収入の百倍ぐらいの時価総額が付くわけですが、そこに参入できない。大学が自ら大学発ベンチャーに対してエクイティー投資をしていく、リスクをしょわないでしていくということの知恵がこれから出し合いになるんだろうというふうに思っています。 いずれにしましても、①から⑥のことをうまく運用しようと思いますと、テクノロジーですから、世界標準の発想で動かなければいけないというふうなことになりますと、リスクマネーを運用、長期資金の運用者に世界のトップ人材が日本に参画していただかなければいけない。そのときに重要なのはインセンティブ、報酬をどう払っていくのかというのが今の体系の中では全く解決できていないというふうなことがございます。 これが二ポツでございますが、三ポツに入りまして、その中核、長期資金の中核に今現状なっているのが産業革新機構でございますが、今回新しい法案ではここに投資機構というふうに名前が変わってくるわけでございますが、民間主導型で困難な産業構造の転換だとか、今のユニコーンベンチャーに対する成長資金を出していくと。これが民業を圧迫しないというのが今までの条件なんですが、民業圧迫ではなくて民業強化の誘い水になるというぐらいの気持ちで進んでいく必要があるのではないかというふうに思っています。世界のスピードに付いていくには当然そういう発想が必要だろうと思います。そのためには従来の方法と組織構造を変えていく必要があるんだろうと。 ここに「ガバナンス機能を活かした二重構造の組織づくり」というふうに書いてございます。まず、ホールディング会社と投資ファンド、投資の実行というのを二段階に分けていく必要があるということになるかと思います。 そして、ホールディングについては直接投資も可能なんでしょうが、投資ファンドにはどんどん、認定をした投資ファンドについては民間企業を加え、そして海外資金も入ってくる、海外からも是非それに参画したいと、こういうことができるような仕組みをつくっていく必要があるというふうに思っております。 そして、投資ファンドの期限というのは非常に長うございますので、四、五年でリアライズするわけじゃございません。やはり、最低十五年は必要だろうというふうに思っています。 そして、国のお金も使うわけですから、情報開示どうするんだという大きな議論ございますが、年に二回しっかりと開示する必要がありますが、これは国際的な会計基準がこういう投資ファンドについてもございますので、そのルールにのっとった開示ということになると思います。そういう意味では、投資した一社一社の成果があったとかなかったとかそういう議論ではなくて、包括的に日本の最終的な国富に貢献しているかどうかという視点から、包括的、長期的な視点での開示ということになるかと思います。 それにしましても、そういうファンドを運用する専門家ということがどうしても必要になるわけでございまして、⑤にございますように、技術でも勝ってビジネスでも勝ち続けられるような産業構造や事業構造をハンズオンできる専門家というのがまだ日本には少のうございますから、海外も含めて人材を入れていく必要があるかと思っております。 四ポツ目でございますが、二〇二五年、最近ちょっとこういうふうな言葉が出てまいっております。二〇二五年ということを考えたときに、完全に団塊の世代が後期高齢者になってしまうという大変な時期でございます。それまでにいろんなイノベーションの日本における固有のやり方というのを仕上げておく必要があるだろうと思います。そういう時間がないということでございますが、その方法につきまして何ポイントかここに書いてございます。 まず第一でございますが、「「プロジェクト型サンドボックス制度」の活用」ということが書いてございます。これは、規制があって、既存の規制にとらわれることなく新しい技術だとか新しいビジネスを実証実験をすると。その実証実験をしたいという方々が参加者として手を挙げて、じゃ、どの程度の期間でやるのかということを限定をして、そして、そこにおける問題点をまた直しながら新しい挑戦をしていくという仮説検証スピードということになるかと思うんですが、これを速めていかない限り世界のスピードには付いていけないと思います。この仮説検証スピード、スタートアップのベンチャーにはほぼ使われておるわけですが、世界の伝統的な企業もこういうことを使い始めております。 それから、②でございますが、各省庁いろんな知恵を出しながらベンチャー支援を行ってまいりました。しかしながら、ベンチャー企業については少人数運営でございまして、どこの省庁とどのように関係すると自分にとって一番いいかということを考えたときに、どの省庁とも付き合わなければいけないとなるとこれは大変なことなんでありまして、そういう意味では、ベンチャー支援は省庁の垣根を越えて国の一元的窓口ということを是非つくっていただきたいというふうに思っております。 ③でございますが、IoTやAIやロボット、これもコアのところへいきますと、全てデータをどう活用してそれをマネタイズしていくかという社会になってきたと。こういうふうなことで横串刺しということのビジネスになってくるんだと思いますが、その制度設計が日本では非常に遅れている。日本が逆に先進国として進んできた、いろんなルールの枠を超えて進み始めましたので、これをどうするかということになるんであろうというふうに思います。 ④でございますが、とはいえ、日本の中小企業、全国に相当力ある方がおられます。そして、そこで新しいビジネスを開発されています。新しいビジネスを開発して、それをどこが購入してくれるのかと。もし購買ニーズがあるとすれば、政府、自治体、公共機関が購買枠を必ずこういうことに対して門戸を開いていくという、出るくいを伸ばす地方自治体の仕組みも含めて考えていく必要があるんではないか。二〇〇〇年の半ばには随分これ運動体というのは動いたんですが、いつの間にか消えてまいっております。 それから、⑤でございますが、今ネットの上で新しいビジネスがどんどん入っていますし、個人間取引も多くなっています。それで、個人開業という方々が非常に多くなっていますが、このネット上の個人開業の取引の捕捉というのが現状ではほとんどできておりません。ですから、開業率というのは実質相当高まっているんじゃないかということを考えていますが、いずれにしましても、事業を開始した人たちは納税義務意識をしっかり持てるような仕組みというのが必要になると思います。 それから、六番目でございますが、最後でございますが、海外の受入れ、海外の有能な方々の受入れをしない限り日本はもうもたないというのも確かでございます。是非、そういう施策を積極的に考えていただけたらと思います。 以上、二つの法律の改正に関する参考人意見を述べさせていただきました。どうもありがとうございました。
○委員長(浜野喜史君) ありがとうございました。 次に、常見参考人にお願いいたします。常見参考人。
○参考人(常見陽平君) 常見でございます。よろしくお願いいたします。 私は、会社員を三十八歳までやっておりまして、それから大学の教員になりました。五年前から妊活を始めまして、五年という歳月と五百万というお金を投じて、昨年、やっと第一子を授かりました。今日もいわゆる保育園に送ってからこちらに来たんですけれども、保育園ですとか書店の子供コーナーの本棚を見ていると、昔の物語をつい思い出します。その中に「マッチ売りの少女」という物語がございました。幼い頃から、あの物語を初めて読んだときから僕は疑問を抱いていました。何かというと、何でライターを売らないんだろうと、そういうことでございます。もっと言うならば、みんながたばこを吸わなくなったら、税金が上がったら、マッチ売りの少女は大変になるんじゃないかと思いました。 この「マッチ売りの少女」というのは、実は我が国の現状そのものじゃないでしょうかということです。いつの間にかもうからない産業だらけになっていないか、いつの間にか疲弊する働き方になっていないかということがあります。非常に、最近ではよく若者は元気がないと言うんですけど、そもそも世の中に、例えば若者にお金がないんです。若者のお酒離れ、車離れと言いますけれども、実際に起こっているのはお金の若者離れでございます。まあ、元気があれば何でもできると叫ぶ参議院議員の方がいて、国会中継のときに丸川珠代さんが映り込んで苦笑いをしている様子がいつも楽しみなんですが、元気だけでは何もならないんです。 ということで、我が国の生産性向上、競争力強化のための労働者が疲弊しない稼ぎ方改革をということでスピーチをさせていただきます。 二ページ目をちょっとゆっくり話させていただきます。シートがたくさんありますけど、私が言いたいことはここに凝縮されています。「「生産性向上」「競争力強化」のために」ということで、働き方改革だけでなくて稼ぎ方改革が大事だということです。 元々は今回の国会は働き方改革国会となっていたんですけど、なかなか残念な進み具合になっております。ちょっと国民の意見を代弁させて言わせていただきたいんですけれども、国民は今日も真面目に働いております。汗水流して働いております。十八日間にわたって国会が空転したことについては与野党とも反省をしていただきたいです。 その上で、いわゆる稼ぎ方改革ということで、いかにもうけるかという発想が大事なんです。実は、日本人がなぜ忙しいのか。その答えの一つは、産業の競争力がなくて収益率が落ちているからということです。だから非常に厳しい働き方をしないといけないのだということです。 そして、今回の法案ですとかを見させていただきましたけれども、非常になりふり構わない本気を感じた次第なんですけれども、いつもこの政策を見るたびに私が気にすることがあります。何かというと、この国はいつまで戦術の話をするんだろうという、そういう問題でございます。どちらかというと、オペレーションの話中心になっているかと思います。この「オペレーションの効率化は、戦略ではない」、これは戦略論の大家マイケル・ポーターが約二十数年前に残した言葉であり、これはまさに日本企業に対する警鐘です。もちろん、IoT大事です。ビッグデータの活用大事です。AI大事です。だけど、その上でどんな産業を動かすのか、どの産業でもうかるのかということが考えていかないといけないことだと思います。 そして、私が声を大にして言いたいのが労働者に生産性向上を強要するなということです。いわゆる生産性向上については後ほどお話ししますけれども、要するに生産性向上ということを真面目に考えた場合、実は労働者の努力によってなし得る部分って少ないんですよ。簡単に言うと、もうかる産業をつくること、さらにはいかに設備投資などで効率化していくこと、そして労働者の活躍を期待するんだったら人材育成にちゃんとお金と時間を掛けること、これが大切でございます。 その上で、先ほどの松田先生からの御意見でもありましたけれども、アウトプットの提供価値を上げるためのトライ・アンド・エラーといいますか、僕はエラー・アンド・エラーぐらいでもいいと思います、なりふり構わずやらなければならない。 そして、「ものづくりは人づくり」ということで、これは実はトヨタ自動車に伝わる言葉でございます。もっと言うと、今年百周年を迎える松下といいますかパナソニックという会社には、松下は人を育てるところでございますという松下幸之助の言葉が残っております。人づくりに力を入れないといけないんではないかということが問題意識です。 めくっていただいて四ページ目、このページもちょっとゆっくりめに話させていただきます。 生産性という言葉がいろいろ話題になるんですけど、私は、政官財そしてメディアも、労働生産性という言葉を、積極的に誤解して誤読して誤用して、ミスリードしていないかということです。労働生産性とは、付加価値を労働投入量で割ったものです。必ずしも効率を表現するものではないです。ましてや、労働者の勤勉さを表現するものでもないんです。産業構造や労働力人口などが関係しております。設備投資の充実度も影響します。付加価値の高い産業をつくることができるかどうかが鍵です。そして、人が張り付くという意味でサービス業中心の国、我が国はGDPベースでも就業者ベースでも七割がサービス業なんですけど、こういう国は元々不利なんです。 一位や二位に入っている例えばルクセンブルク、六十万人の人口があって、六十万人の人口、これは船橋市や八王子市と同じぐらいです、そこに重工業があって金融センターがあって人々が国境を渡ってやってくる、で、その人たちをカウントしていない。これは生産性高くなるわけですよ。ノルウェーも昔は貧しい国でした。でも、石油が見付かって潤ったんです。もっと言うと、これはOECDでの比較であって、実際これOECD以外の国を含めると、産油国が上に来ます。やっぱり石油は強いんですよ。掘れば石油が出る国と掘っても温泉しか出ない国、これが違いでございます。なので、もうかる産業をつくらないといけないということです。 そして、五ページ目、六ページ目は飛ばしますけれども、働き方改革ということが叫ばれる中、八割のビジネスパーソンは働き方改革を実感していない。そして、企業側の認知度は九六・三%もあるんですけれども、取り組んでいる企業は六割弱だと、就労者側の認知度が四一・三%だということです。 そして、七ページ目ですね。残業が発生する根本的な原因ということで、よく、だらだら会議をしているだとか、付き合って残業をしているだとか、いろいろ言われますけれども、根本的なところは人に仕事を付けるという雇用システム。要するに、いわゆるメンバーシップ型でジェネラリスト型の雇用システム、労働市場の問題。そして、仕事の絶対量がそもそも多いんですよね、こなし切れないだけの量がある。そして、神対応などの過剰品質ということでございます。非常に過剰に対応していないかということです。まあ、一回作った文書を書き換えたりだとか日報が見付からないとか、そういうことがあったら生産性は落ちるんですけれども、そういうことで過剰品質というのが良くないんじゃないかということです。 メディアの論調も変わってきています。働き方改革疲れしていないかということで、ビジネス雑誌などでも働き方改革を批判する特集が組まれるようになってきましたということです。 九ページ目をゆっくりちょっと話させていただきますけれども、その中で、私のところには講演依頼が殺到しております。労働組合からが一番よく来ているんですけれども、民間の企業ですとかメディアが主催する講演会、さらには、実は経済団体からも来ております。東京経営者協会ですとか、先日は関西財界セミナーという関経連と関西経済同友会が共催するセミナーでも登壇したんですけれども、なぜ私に講演依頼が殺到するか。それは、みんな働き方改革に疑問を持っているからにほかなりません。 そして、彼らとの意見交換及び私の取材の下、聞き取り調査の下で働き方改革が進んでいる企業の特徴として挙げるのはこれらの例です。 一つは、社内でプロジェクト化して各部署に推進役を置いている。よくトップのリーダーシップが大事だと言うんですけれども、トップを従業員は選べないわけですよ。そのトップのリーダーシップに過度に依存する改革は危険です。各部署に推進役を置いてプロジェクト化すると。トップ営業マンが働き方改革をしようと言ったらみんな従うわけですよ。これはある企業の事例ですけどね。 その二、人事だけでなく、総務、IT、法務、広報など、スタッフ分野の全体で連携しているということです。人事だけが叫んでいちゃ駄目だと。 人材、これは採用も育成もですけれども、とITとオフィスに具体的に投資をしているということで、働き方改革にはお金が掛かるんですよ。 そして、人材の確保において課題に直面している。実は、改革が進んでいる企業はIT企業なんですけど、これはなぜかというとエンジニアが採れないからなんですよ。良い労働条件を用意しないと人が採れないということでございます。 そして、ブラック企業と呼ばれるなど社会から批判されたことがあって、今進んでいる企業は、実はブラック企業として社会的にメディアにたたかれた会社が実は進んでおります。 そして、仕事のクオリティーの基準だとか、やらないことを決めている。 さらに、役割分担を見直している。 福祉的な意味ではなく、合理的なダイバーシティー推進。これはどういうことかというと、語弊がありますけど、女性を活躍しないとかわいそうだとか、高齢者や障害者の方に活躍していただかないとかわいそうだという論理だけではなく、彼らが活躍した方が会社はもっともうかるよね、労働力も確保できるよねという観点でやっている企業が強いなということでございます。 そして、現状把握に力を入れていて、失敗事例をうまく共有している。 そして、うまくいっている会社は、労働組合が建設的な提案を行って意味のある労使対話を行っている。今回も働き方改革春闘と言われましたけれども、一部の会社は、労組が、これがチャンスだということで積極的に提案した次第でございます。 そして、社内外に進捗を発信する。若干これずるいんですけれども、メディアに出ることによって社内の抵抗勢力を潰すということも含めてやっているということでございます。 今まさに働き方改革関連の法案がこれから、審議が進んでいるわけですけれども、これはやっぱり役割分担を促すことですとか、ちゃんと投資をすることということがないとうまく進みません。今回の法案の中には中堅・中小企業の設備投資推進ということがうたわれていて、これはすばらしいことだと思うんですけれども、人間が頑張るだけでは改革は進まないんだということを御認識いただければと思います。 その次、次のもうけ方を考えようという話をさせていただきます。 次のもうけ方を考える上で私が注目しているのは、いや、私だけじゃなく全世界的に注目されているのはデザイン的思考という考え方でございます。これは現状の閉塞感を打破するための思考アプローチ法でございまして、別にすばらしいデザインをつくるというわけじゃなく、物事のいわゆる目的だとか問題解決の在り方を根本的に考えてみようというものでございます。 その成功事例とされているのが、これは新潟県の越後湯沢の北の方にある里山十帖という宿でございます。御覧のとおり数々の賞を受賞しております。百数十年続いた宿泊施設を改装して造ったものなんですけれども、めくっていただいて、あっという間にビジネス誌の宿ランキングで星のやですとか二期倶楽部だとかに続いて第三位に入っていると。そして、御覧のとおり驚異的な稼働率を示しているということでございます。彼らがこだわったのは何かというと、これは本当に寂れた温泉街にある一つの宿なんですけれども、本質的にユーザーの方が喜ぶものは何なのかということを捉え直して、新潟でしか取れない食材を提供するですとか、そこでしかできない体験をするということで価値を提供しています。 こういった新しい価値を生み出している人たちに私がインタビューに行ったんですけれども、彼らはこう言います。まず、里山十帖の岩佐氏は、肌感覚、スピード、徹底的なコミット、これが必要だと。 その二、これはリクルートでずっと新規事業コンテストを統括していた方で、今新規事業インキュベーターをされている方なんですが、不の解消、そのための国語、算数、理科、社会ということを言うんです。これだけちょっと説明させてください。 今回の政策もそうなんですけれども、あるいは企業でのビジネスプランも数字から入りがちです。数字、今これだけ高齢者が増えている、だからこうしないといけないだとか、いや、ここにビジネスチャンスがあると。違うんです。国語から入らないといけない。国語とは何かというと、文脈を読むことと相手の主人公の気持ちを考えることです。例えば、だから、これだけ介護に困っている人がいるから介護ビジネスだというんじゃなくて、いやいや、介護に困っている人の気持ちって何だろうねと。そこに実は本質的なユーザーのニーズがある、これをつかむと。 そして、アイデアの数を、これは無限プチプチという、全世界で三百五十万個ぐらいヒットした商品を手掛けた方のコメントなんですけど、アイデアを可能な限り多く出すということです。 特に若者を中心に、先ほど松田先生の話からもありましたけれども、社会を変えたいと思っているんですよ。オープンイノベーションのために、実は私は、いろんなことの効率化もそうなんですけれども、意味のある無駄を積極的に生み出すことが大事だと思っています。 その一事例として、一つは異業種交流型プロジェクトに期待しようということで、「One JAPAN」という取組がありまして、これはパナソニックの濱松さんという若手社員が声を掛けているんですが、様々な企業の社内勉強会、交流会をまとめたもので、よく若者経団連と呼ばれているんですけれども、ここが積極的にアイデアを提供しているということなんです。そういったようなところにどんどんアイデアを出させようということ。 そして、プレミアムフライデー、まあプレミアムフライデーというものがうまくいっていないことは誰の目から見ても明々白々なんですけれども、これを、実は推進協議会の方ともお話をしました。様々な関係者とも話をしたんですけれども、これは別に悪いとは言わないんですけれども、今のは単なる飲み会キャンペーンになっていないかということです。早く帰って飲みに行こう、これも社会に活性化をもたらすんですけれども、飲み会のために早く帰るのかと、帰りづらいという声もあります。そうじゃなくて、みんな勉強したいんですよ。企業の枠を超えた、飲み会から勉強会、プレミアムフライデーからイノベーションフライデーに変えることはできないかと。 さらには、シェアオフィスという、人々が交わる場をつくるということで、トキワ荘というのは、藤子不二雄先生の自伝的漫画「まんが道」というのに出てくる漫画家たちが切磋琢磨をした宿、宿といいますかアパートなんですけれども、官製のシェアオフィスですとか官製のいわゆるシェアハウス、そういったものをつくってオープンイノベーションを起こせないかということを考えます。 最後に、「ものづくりは人づくり」ということで、「生産性向上のための人材育成を」ということで、時間なのでこのページだけ御説明しますが、石川県が非常に面白い取組をしています。生産性を上げろという声掛けだけでは変わりません。石川県は何をしたかというと、県の予算で、トヨタ自動車で四十年間活躍した物づくりのプロたちを先生役として企業に送り込むと、そこで改善の指南をしていただいて生産性を上げるという取組をしました。県内企業は、これ実験的に昨年やったんですけど、四社無料で受けることができ、在庫削減だとか大きな効果を生みました。それをお手伝いしたのがトヨタとリクルートの合弁会社のOJTソリューションズという会社なんですけれども、この後に事例がまとまっていますけれども、十四トン分の在庫を処分して非常に効率的になったですとか、そういった事例ができていて、要するに何が言いたいかというと、生産性向上のために声掛けだけじゃなくて具体的に人づくりのための投資が必要なんじゃないかということです。 二十七ページに今までのまとめが入っていますが、最後にこれだけは言いたいのが、国民の安全が第一でございます。過労死、過労自死ゼロということと、職場で人が倒れない、傷つかない、一億総安心労働社会をつくるために、是非、生産性向上というものの下で国民が苦しむことがないことを、ここで皆さんにお伝えしたいと思います。 お時間いただきまして、ありがとうございました。
○委員長(浜野喜史君) ありがとうございました。 次に、川上参考人にお願いいたします。川上参考人。
○参考人(川上資人君) 川上と申します。本日はどうもありがとうございます。 このような法案の審議にお招きいただいて、本当にありがとうございます。この法案が通って、その向こうにある、私も含めて国民の生活がいかなる影響を受けるのかということをよく考えた上で、真に私たち国民のためになるような法律ができることを希望して、本日意見を述べさせていただければと思います。 私は、弁護士として二〇一六年の一月から開始したわけですけれども、当初、一月に、私の所属事務所が労働組合との付き合いが多いものですから、労働組合の旗開きという一月の新年を祝う会に招かれました。その際に、タクシー労働組合の方で、労働組合の人たちがライドシェア絶対反対とかウーバー絶対阻止という気勢を上げておりまして、私は、そのときまだ弁護士になったばかりで、何でこの人たちはライドシェアに反対するんだろうと。つまり、タクシー会社で勤務してタクシー運転手をしていれば、水揚げ、売上げの幾らかは、何割かはタクシー会社に持っていかれるわけです。それに対して、ライドシェアということで直接お客さんを取ることができれば自分で売上げを取れるということになりますから、反対する理由はないんじゃないかと思っていたんです。 ただ、私の所属している事務所が労働組合と付き合い長いということもありまして、頭ごなしに彼らの主張を否定するのは良くないと思いまして、自分でもうちょっと勉強してみようと思いまして、ライドシェアという片仮名でグーグルで検索してみたところ、シェアリングエコノミー、新しい経済、これは非常に社会を便利にするもの、いいものだという報道がNHK、朝日新聞、いろんなところで検索ヒットしました。それに対して、本当にそうかなと思いまして、例えばridesharingとかUberみたいにアルファベット、英語で検索してみたところ、そういった報道は皆無でした。労働が破壊されてタクシー運転手さんの生活が破壊される、それだけではなくて、ウーバードライバーも、例えば最初は年間九万ドルの収入を約束されたと思ったら、働いてみたら三万五千ドル、時給にしてみたら例えば十ドルとか、中には三ドルしか稼げないという報道が多数で、ほぼ全てそういった報道だったんです。 英語で検索するとそういった情報が出てくるのに、日本語で検索するとそういった報道が全く出てこない。それは、日本においてまだライドシェアが始まっていないという理由もあるかもしれませんが、とにかく、そういった情報のみによって、ライドシェアが行け行けどんどんでシェアリングエコノミー便利だと、国民の生活を便利にするから取り入れればいいということで進んでいくということは、これは私たち国民にとってもマイナスなんじゃないかと思いまして、二〇一六年のその頃から八月まで、大学の先生とかジャーナリストとか市民活動家等々と相談しながら、そういった労働に与える問題というのもあるんじゃないかという情報を発信できるような団体をつくりたいということで相談して立ち上げましたのが、皆さんに資料を配らせていただいていますこの「生産性向上特別措置法に対する意見書」、この意見書に名前を記載させていただいている、交通の安全と労働を考える市民会議というものになります。 この市民会議を二〇一六年の八月五日に発足させまして、それから十四回ほど、この二年弱の間に各地でシンポジウムを開催したり、アメリカのニューヨークからウーバードライバーとタクシードライバー、両者を呼んで生の声を日本、東京で伝えてもらうというのを、シンポジウムを企画したり行ってまいりました。 その中で、やはりこのライドシェア、シェアリングエコノミーの問題点というのは、簡単に申し上げると、配付していただいている資料の中に、一番最後に、「季刊・労働者の権利」という雑誌にライドシェア問題とは何かという論考を寄せたんですけれども、その五十八ページに政府のシェアリングエコノミーというものに対する定義が載っているんですが、「「シェアリング・エコノミー」とは、典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービス」であるというふうにされておりまして、遊休資産の貸出しを仲介するサービスであればいいんですけれども、今の括弧書きのところに入っているように、スキルのような無形のものも含むということになると、それは、簡単に言えば労働力なり人になるわけであります。 そういった人と労働力をこのプラットフォームにおいて企業又は個人が直接物のように取引することになるとどういうことになるかというと、本日配らせていただいた「「ライドシェア」の問題点について」という冊子の開けると一ページ目に、契約関係というものが書いてあるんですけれども、この図二というのは「ライドブッキングの契約関係」ということで、これは、シェアリングエコノミーにおける労働者と利用者、それからプラットフォーム事業者の契約関係においては全て当てはまる図ですので、これを見ていただければ一目瞭然ですけれども、この緑の枠の運転者というのは労働者に当たるわけですが、に対して、例えば雇用保険、労災保険、労働基準法、労働組合法、各種労働法制の保護が全く何も及ばないということになります。これがさらに、タクシーという事業においては利用者との関係においてもう直接契約を結ぶわけですから、例えば事故に遭ったときに、利用者からの損害賠償追求の責任を一手に引き受けるということになって、労働者が全ての責任を負い、プラットフォーム事業者は全く責任を負わないという契約関係が生まれるわけです。 そうすると、このシェアリングエコノミーにおける問題点というのは、シェアリングエコノミーというふうに十把一からげにするのは適切ではなくて、アメリカの例えばプライスクーパーアンドウォーターズでしたっけ、という会計事務所なりモルガン・スタンレー研究所なりも提唱しているんですけれども、シェアリングエコノミーというそのターミノロジーは誤解を招きやすいと。シェアというのが経済のその特徴を表しているんじゃなくて、プラットフォームがあることで、そこで取引が行われるのが経済の特徴であるということで、つまり、その名前は適切ではないので、プラットフォームエコノミーと呼ぶべきだというふうに提唱してます。その中で、人、労働のやり取りをするプラットフォームについてはレーバープラットフォーム、そして、物のやり取りをする、例えばエアビーアンドビーのような、民泊のようなプラットフォームについてはキャピタルプラットフォームと呼ぶべきだと、そのようにプラットフォームを分けて考えることで適切な規制なり法律を考えることができるというふうに言われております。 そのレーバープラットフォームの典型例として挙げられているのがライドシェア、ウーバーなりのライドシェアなわけですけれども、このライドシェアが進むとどうなるかというと、冒頭にも申し上げたように、当然、台数規制がまずなくなりますので、一気に車が市場に流入してしまいます。これが端的に非常に分かりやすい事例として生じたのが現在のニューヨークです。 ニューヨークでは、二〇一一年にウーバーが事業を開始しました。それまでは、ニューヨークのタクシー台数というのは一万三千台ほどでした、何十年もの間。これが今では十三万台になっています。十倍に台数が増えたことによって、タクシー運転手さん、それからウーバードライバーの営収もがた落ちになってしまい、十二時間働いても五千五百円稼ぐのがやっとという状況にタクシー運転手は今置かれておりまして、昨年の十二月から先月四月まで、毎月一人ずつタクシー運転手さんが自殺しております。特に、三月に自殺したダグラス・シフターさんという人は、ニューヨーク市役所の前で、あなたたちが台数規制を行わなかったこと、ウーバーの営業規制を行わなかったことで我々の生活は一気に破壊されましたと、私はこのまま生活していって働き続けても、自動車のローンだったり借金を返すだけで精いっぱいで、豊かなまともな生活ができませんと、まともな生活ができないのであれば、今、私の命を抗議のために使ってこの問題に光を与えたいということで亡くなられた方もいました。 そういった事態になることは、例えば日本においては、二〇〇二年にタクシー事業の規制緩和が行われました。その後一気に台数が増えまして、その台数増加の中で運転手さんの営収の低下が起き、労働条件の悪化が起きたと。二〇〇七年には、NHKの「クローズアップ現代」でタクシー労働者の労働条件の劣悪な状態というのが報道されました。そのような社会問題化した報道等を受けて、二〇〇九年にはタクシー適正化特措法というのができて、台数をまた削減しようという流れになってきたわけです。この際には、行き過ぎた規制緩和、市場の失敗ということを国側も認めて、二〇〇九年にタクシー適正化特措法ができたわけです。そうすると、今回、もしこのライドシェアというものをよく検討もしないで認めるようなことになると、このように旅客事業の規制という中でやってきた国の政策の流れと全く整合性がないという事態にもなるわけです。 そういったいろんな点を含めて、今回の「生産性向上特別措置法に対する意見書」というのをまとめさせていただいたんですけれども、少しお手元に取っていただいて見ていただければ幸いですけれども、そもそもこの生産性向上特別措置法というものについて、目的条項が一条にありますが、その目的については、新技術等実証を促進して革新的事業活動を支援することで生産性を向上させて我が国の健全な発展を企図するものと言えて、妥当なもの、いい法案だと目的規定においては考えられます。けれども、同法が、この認定を受けた事業について規制の適用を免除するという重要な作用を持つものであるにもかかわらず、対象事業範囲に何ら限定を設けていないという点は極めて問題だと考えております。また、新技術等実証それから革新的事業活動というのがこの認定の要件となっているようですけれども、その認定を、何らそういった事業に該当しないにもかかわらず、ただその規制を潜脱して事業をしたいという事業者がこのような名目的な認定を受けてはならないという、その二点が問題だと考えております。 その一点目からもう少し詳しく説明させていただくと、例えば諸外国においてはこの規制のサンドボックスの対象事業はフィンテック等の場合が多いと。そういった場合には、新技術に基づく金融の革新的事業活動を試みる事業者が、規制が金融新技術に追い付いていないために事業機会を逸することを回避する効果があると言え、そういった場合には意義があると考えられます。しかし、規制のサンドボックスという制度の下で対象事業に何ら限定を設けていない場合には、人命を保護するような規制さえも潜脱して事業を行うことが可能となるという点において問題と考えております。 例えば、道路運送法は、旅客自動車運送について、人命を保護するための各種の安全管理規定を設けております。それを守れるというふうな証明をした業者に限って国土交通大臣が免許を交付するわけですけれども、そういった制度を受けないということになれば、結局その安全管理を行わない事業者が旅客運送事業に参入できて、そうすると当然そこでコストは削減できるわけですから、安全管理規定を行うためにその分運賃にコストを反映せざるを得ない既存のタクシー事業者と、そうではない、コスト削減によって運賃を安く抑えられるライド事業者による非常に不公正な競争が同じ、同一市場で起こってしまう。その場合には過当競争になって、結局、平成二十八年一月に起きたような軽井沢スキーバス事故のような事態になるというのは目に見えていると言えるのではないかと考えます。なので、我々市民会議としては、旅客運送事業等人命を扱う事業はこの法律の適用除外としていただきたいと考えております。 最後に、この三という点について簡単に御説明させていただきたいのですけれども、新技術等実証それから革新的事業活動というこの要件、この名目の下に、何ら新技術でも革新的事業活動でもない事業者が、単にインターネット上でプラットフォームを介して取引を促進しているとか、スマートフォンのアプリを介して取引を促進しているとか、そういった理由で新技術、革新的事業とされてこの事業認定を受けて、その規制を潜脱して営業を行うようなことがあってはならないと考えておりますので、その認定は厳格にするような法運用なり法の立て付けにしていただきたい。 それから、最後に、同法はこの新技術等の定義として、「実証に参加する者(当該実証により権利利益を害されるおそれがある者があるときは、その者を含む。以下「参加者等」という。)」の範囲を特定して、その者の同意を得ることを必要とするとしております。したがって、この権利利益を害されるおそれがある者には同法の認定を受ける事業と同じ事業分野において規制を遵守して適法に事業を行っている同種の事業者も当然に含まれると考えられますので、この事業認定を受ける事業者は、そういった同種の事業者の同意を得るというこの要件を厳格に認定されるような法の立て付けにしていただきたいと考えております。 以上です。
○委員長(浜野喜史君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡邉美樹君 質問の機会をいただき、ありがとうございます。自由民主党の渡邉美樹でございます。 三人の参考人の皆様、本日は大変有意義なお話をありがとうございました。それぞれの参考人にそれぞれ質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 まず、松田参考人から質問させていただきます。 松田参考人は著書の中で、日本のベンチャー支援体制が縦割り行政だと批判をされております。また、ベンチャー企業は、その成長ステージ、具体的には、売上高三億円までのスタートアップ期、売上高百億円程度までの急成長期、百億円を超えた安定成長期によって課題やリスク、特性等も違うんだと述べられています。全く同感であります。そして、成功した起業家がメンターやエンジェル、さらにキャピタリストというベンチャー支援側に回るエコシステムを形成することが重要であり、起業家予備軍や起業家が悩むときに相談できるプロのメンターが必要だとも述べられております。 非常に現場のことをよく理解された意見だと共鳴いたします。ですから、私も、中小企業支援体制においては抜本的な見直しが必要だとこの経産委員会でも繰り返し発言をしてまいりました。スタートアップからIPOまで指導できる体制を、たくさんの支援機関を一度ゼロベースで見直して統廃合し、中小企業の支援体制を再構築することこそ私は大切だと思っております。松田参考人も、二〇二五年までにはワンストップ支援体制をつくらなければならないと先ほど述べられておりました。 また、その機関で働く経営指導員、この経営指導員が不足していると考えておりまして、経営指導員の育成こそ日本の中小企業に最も重要であると考えております。先ほど常見参考人も、石川県の例を基に経験者の活用、そして人づくりへの投資ということも述べられておりましたが、私も全く同感であります。ものづくり補助金というのは、決して有効ではないとは言いませんが、現状を肯定した中における投資であります。しかし、現状否定しないことにはあしたの日本を私はつくっていけないと思いますので、人づくりこそ重要だと思っております。 日本のベンチャー企業、中小企業に大変詳しい松田参考人には、現状の日本の中小企業支援体制についてどんな御意見を持っているのか、総論をお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(松田修一君) ありがとうございました。 今の御質問、日本がベンチャー支援も縦割りでということの御質問もございました。先ほど、二〇〇〇年当時のやるべきことということも提示いたしましたけれども、あの当時から比べますと今はいろんな、もっと詳細な支援制度ができているのは確かなんです。しかし、それがパーツパーツに分かれていて、それが一体化していないということではないかと。 巨大なアクセラレーター施設が海外で運営をされて、そこから新しいイノベーション、ベンチャーがどんどん起きているというふうなことですが、日本では決して、ビットバレーというのが一時ございましたけれども、今は本郷バレーというふうに東大の近辺では言われていますが、その程度のレベルでしかまだないということを、一体的に省庁が支援を、一体化してワンストップで支援していくと。東京ではややそれができているんですが、地方へ行くとまだなかなか難しい。地方は地方なりのやり方があるかと思うんですが、そういう意味では典型的なのは今は福岡かなというふうにも思っていまして、福岡は、新しいいろんな方々の支援をする方々、そしてベンチャー企業も含めて多く進んでいます。 ここで、ベンチャーを起こすプレーヤーの方々の質が変わってきたということを先ほど申し上げましたけれども、支援する方々も若干のエコシステムがどんどん増えているのも確かであります。三、四十代で事業を一回、二回、三回起こして相当スキルとファンドを持っている方々が、いわゆるエンジェルとしてスタートをし始めました。そういうようなことを考えると、エコシステムは徐々に進んでいると。しかし、徐々に進んでいる程度では、ちょっと今、日本の置かれている状況からすると間に合わないんじゃないかというのが私の危機感でございまして、そういう意味で、今、渡邉先生がおっしゃったような再構築、パッチとして分散しているんじゃなくて、それを統合して進んでいくというふうなことがどうしても必要だろうなというふうな気がしています。 じゃ、それを具体的にどうするのだというのは、海外にはいろんな事例があるわけでございますが、日本はやっぱり日本なりのやり方とはどういうことなんだろうというのを少しアイデアをみんなで出す必要があるのではないかというふうに思っております。 ありがとうございました。
○渡邉美樹君 どうもありがとうございます。 続いて、常見参考人に質問をさせていただきたいと思います。 「「働き方改革」の不都合な真実」という共著を読ませていただきました。その中で、果たすべき仕事はどこまでなのか、要するに、働く人が果たすべき仕事はどこまでなのかということを明確にしないと、労働生産性が上がれば、その分、雇用者がもっと働けということで、これは雇用者のためだけの労働生産性向上になるのではないかということで、私も全くこれ同感でございまして、そのためにも、業務請負型、あなたの仕事はこれだけですよと、一週間で終わらせたらそれはそれでいいですよというような業務請負型を増やすべきではないかと。 その業務請負型の典型的なのは、一つは高度プロフェッショナル制度という形になると思うんですが、是非、常見参考人に、この業務請負型の仕事のやり方、それが高度プロフェッショナルではないとしたらどんな仕組みがいいのか、つまり、労働生産性が上がった、そのことに対して、労働者にちゃんとそれに報いられるためにはどういう仕組みがいいのかということをちょっと御提案をいただきたいと思います。
○参考人(常見陽平君) ありがとうございます。 今御質問いただきましたけど、これ非常に難しい問いだと思っています。というのも、やっぱり今はまさに高度プロフェッショナル制度というのがこの国会でも問題になっていますけれども、これは非常に慎重な議論が必要な案件だと思いますし、何といいますか、労使のいわゆる最適なコミュニケーションがないと成り立たないものだと思うんですよ。気を付けないと、やっぱり野党が批判するように、あるいは連合も批判するように、定額使い放題になってしまう、新料金プランができたみたいなものになってしまうということがあり得ると。やっぱり、健康上の課題でも御指摘されているように、年間百四日の休日はいいけど、それは毎週二日休んだのと同じだろうということで、二十四時間働いてもオーケーというふうになってしまう。これはよくないなということです。 ですから、そこでいうと、やっぱりその業務、互いに何を果たすべきかということで、いわゆる業務のクオリティーですとか量を把握する、及びどれぐらい働いたのかということをしっかり記録を取っていくという仕組みが大事だと思います。個人的には、そこで、まさに高度プロフェッショナル制度ですとか今回見送りになった裁量労働制ですけれども、そこでも無限に仕事が増えていくということが課題だと思うんですよね。ということなので、仕事の業務範囲をいかに握るかということが大事かなと思います。 そして、業務請負型ということなんですけれども、私はまさにフリーランスで働いていた時代があったんですね。こちらも、フリーランスも、よく自由な働き方、柔軟な働き方と言うんですけれども、やっぱりサラリーマン時代よりも死ぬほど働きました。確かに、原稿一本二千円ですよ、そのギャラが二万円ですよとか決められていて、納期も決められているんですけれども、結局、やっぱりそこに掛かるパワーというのが、読めなくはないんですけれども、無限に掛かってしまうわけなんですね。だから、アウトプットだけで判断するというのも危険で、どれぐらいの労働投入量があったのかというのをうまく把握する仕組みが大事かなと。 ただし、これが請負関係になるとなかなかこれは回らなくなるわけですね。今はいわゆるフリーランスの見直しということが議論になっていますが難しいなというところなんですけど、高度プロフェッショナル制度をもし運用するとしたならば、そこのいわゆる最適な把握ということが必要であるのと、やはり健康上のリスクというのは考えないといけないなと。 もっとそもそも論で言うと、時間よりも成果だと言われるんですけれども、今も実は成果で見ているんですよね。いわゆる時給換算の考え方の会社でも成果型の賃金というのは導入されていて、いわゆる高度プロフェッショナル制度になると本当に劇的に変わるのかということも議論しないといけないなということを非常に感じる次第でございます。
○渡邉美樹君 ありがとうございます。大変バランスの取れた意見をありがとうございます。 次に、川上参考人に質問させてください。 ライドシェアに対して大変批判的な御意見を聞かせていただきました。いろいろと述べられているので見ますと、タクシーは高いけど安全だと、そしてライドシェアの普及が、タクシー経営が成り立たなくなるような、そういう可能性を言及されているわけですが、確かにそういう可能性は私もあると思います。しかし、物事には何でもプラスとマイナスがあるわけでありまして、大事なことは、社会全体の全体最適と国民の選択の幅を広げるということではないかと思います。 例えば、これは、もちろん最低の安全を確保した上でですが、安全じゃないけど安い車に乗るのか、安全で高い車に乗るのか、これを選べばいいのではないかという、一方あります。タクシーとライドシェアの共存によるトータル経済の活性化というものを是としなければ、サンドボックスの今回推進ですが、生産性向上法案のこの法律自体が必要のないものになってしまうんではないか。 先ほど少し述べられておりましたが、こういう条件においてはサンドボックスは有効だし、こういう条件においてはサンドボックスは使うべきではないというところをもう一度確認させていただきたいというふうに思います。
○参考人(川上資人君) ありがとうございます。 一番大きなのは、同じルールの下で、同じ市場で営業、事業を行っているならば、やはり同じルールの下で事業を行うべきだと考えるところです。 したがって、やはり旅客運送事業ということでウーバーなりライドシェアというのは昨年EUの高等裁判所で認定されました。今年の初めが最終的な判断だったと思いますが、つまり、ライドシェアの会社というのは、我々はテクノロジー企業にすぎないのでそういった安全管理の規制というルールを適用を受けないという主張をずっとしていたんですけれども、それはEUの高等裁判所の方で違うでしょうと、あなたたちがやっているのはやっぱり誰が見ても旅客運送事業だという認定がされ、旅客運送事業を営んでいる以上は各国で定められている、EU全体でも定められている安全管理規定を遵守しなければならないという判断が出されておりますので、これが例えば日本でライドシェアが導入される場合になっても、私は別にそれはそれでいいと思うんです。 ただ、問題なのは、そこでこちらの業態、タクシーですけれども、はこの安全管理ルールを守らなければならないけれどもこちらの人たちは全く守らなくていいというのは、どこから考えてもちょっと整合性がないし、不公正だと思いますし、そこから生じる過当競争というのが起きるとは思われますし、そのときに、その過当競争から最終的にコストを負担するのは一般消費者だと思われますので、やっぱり道路運送法の法律の枠組みの中でライドシェア事業者は適法に事業を運営するべきだというふうに考えております。 それともう一つ、この生産性向上特別措置法についての点でいうと、例えばフィンテックなりそういった先端金融分野においてこういった法律が威力を発揮するというのはあると思うんですけれども、そういった分野において、例えば既存の、今私が述べたような規制法令を遵守して営業している、事業を行っている既存の事業者と、そういったルールを守らなくても事業ができてしまうという二者の、同じ市場で競争しているのに全く違うルールの下でやっていいという不公正な状態は生まれないと思うんですね、先端金融分野等においては。したがって、そのような分野においてはこの法案は有意義な効果を及ぼすのかなとは考えます。 以上です。
○渡邉美樹君 大変貴重な意見ありがとうございました。 質問を終わります。ありがとうございます。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。 三人の参考人の先生方、大変貴重な御意見、大変にありがとうございました。参考になりました。 私からは、まず松田参考人にお伺いをしたいというふうに思っております。 参考人の御意見の、特にこういう長期資金の不可欠性であったり、また産業革新投資機構、こちらを民業圧迫ではなく民業強化の誘い水にという御視点、本当に重要であるかなというふうに思っております。午後にも、その観点も含めてまた対政府の方にも質問をしようと今思ったところであります。 参考人にちょっとお伺いしたいのが、レジュメの三ページ目で書かれている中の情報開示の部分です。 機構の情報開示でありますが、御意見の中では包括長期視点でということをおっしゃっておりました。大変に重要な視点だなというふうに思います。他方で、それぞれの機構の投資が事後的にやはり検証されなければいけない部分もあり、そうすると個別案件についての情報もやはり開示は必要なところはあるかなというふうに思います。 例えば、個別株式の売却金額等も含めた情報開示、これをどのようにすべきか御意見をいただくとともに、仮に個別にいろんな事情で開示ができない場合であっても、やはり事後的に検証をして規律維持を図っていくという必要があるかというふうに思います。その辺りの在り方について御意見を是非いただければと思います。
○参考人(松田修一君) ありがとうございました。 今、産業革新機構、今度、投資機構というふうに変わったときの案件と同時に、最近、新聞紙上で、官民ファンドについての採算がいろんなことで新聞に書かれるわけでございますが、長期資金、特にテック系の長期資金というのを考えてみますと、成功するかどうかというのは、成功するためにあらゆるハンズオンをし続けなければいけないと、こういうふうなことがあるものですから、当然なこととして、ハンズオンのためのコストと、そしてその成果というのがバランスが取れなければいけない。それは短期には決してバランスが取れないということで、短期の情報開示というのは、まだ大学発ベンチャー一千社について利益出ていないじゃないかと、出ていないのは当たり前なんですが、そういう議論がちょっと過ぎているんじゃないかなという気が、まず前提でお話ししたいと思います。 それから、個別案件の開示につきましては、きっちり個別案件のリサーチをし、そしてハンズオンを行っているかどうか、最初のリサーチをした段階の投資の事実が、意思決定が正しかったかどうかと、こういうようなことについては、内部の投資委員会というのをしっかり設けてやっていく必要があるというふうに思います。 そして、じゃ、その投資した金額、幾らの株式で幾ら投資したという一件一件については、実は研究開発の中身と同じような状況でございまして、いかにこの会社をハンズオンして将来成長させるためには幾らのバリューを付けていくかというものはプロの判断でございまして、これは民間のプロがやっていくということだろうと思います。その民間のプロの判断が、短期的に一時いいか悪いかという判断はなかなかこれはできないのが現状でございます。と同時に、IPOした場合には価値がみんなにリアライズされるわけですが、MアンドAというようなことを途中で行っていこうとしたときに、MアンドAというのはまさに交渉事になります。そうすると、取得した金額とこのぐらい差があってほしいということを投資側が言うことはできないわけでありまして、将来価値から幾らの売却だったら応じますということになると思うんです。そういう意味で、個別案件の情報開示ということになりますと、一社一社について幾らの単価でもって投資したかということを全部開示するというふうなことはあり得ないことだろうと思います。 そういう意味で、定期的な情報開示、しかしながら、未上場の会社を含めての企業の評価につきましては会計上の国際ルールは相当確立していますので、そのとおりやっているかどうかということが非常に重要なんだろうというふうに思います。そういう意味で、定期的な、少なくとも年に二回、大体こういう方針でこういう分野に投資していますということは明確に出資していただいた方に開示するということは絶対必要だろうということは考えますが、年二回の開示と、そして長期的な投資のファンドが終わってみないと本当は業績出てこないと。そしてまた、有力な方々をそこに参画させようと思いますと、そういう方々にインセンティブを、投資に対する成果報酬を差し上げなきゃいけないと。その成果報酬というのは期限が終わった段階でしかまたはっきり言えないということもございます。 そういう意味で、個別案件の情報開示ということは、まず今のようなファンド、長期資金のファンドの運用については非常に困難、難しい案件であろうと思いますが、今申し上げましたように、年二回のしっかりした公認会計士の監査も付いた業績評価については会計ルールにのっとって開示していくということが非常に重要であろうというふうに思っています。 以上であります。ありがとうございました。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。大変参考になりました。また政府にもしっかりとその旨も伝えて、私も訴えていきたいなというふうに思います。 それで、川上参考人にお伺いしたいというふうに思います。 今回のこのサンドボックスに絡みまして、ライドシェアのお話でありました。参考人の方の御意見の中で、特に安全とかに関して、安全規制とかを潜脱するような業者が出てはいけないというような御視点があった、これは本当に非常に重要な視点であるかなというふうに思っております。 それで、そのようなことがないように制度の運用をどのようにしていくのか。例えば今回の制度ですと、主務大臣が既存の法令を遵守するかどうかということをしっかり判断する権限もあるわけであります。そういった規制官庁の主務大臣の判断などがこれ安易に侵されないようにする運用というのも非常に重要だと思いますが、その辺りについてまず御意見をいただきたいことと、その上で、また松田参考人にもちょっとお伺いしたいんですが、スピーディーな規制の見直しを求められる一方で、やはり安全であるとかそういうのはこの制度の下でも損なわれてはいけないのはこれは当然のことであるかなというふうに思っております。参考人も危機管理システムの研究学会の創設にも携われたというふうにお伺いもしておりますが、そのような御識見の下で、実証におけるリスクへの考え方についてお伺いをしたいというふうに思います。 まず、川上参考人から。
○参考人(川上資人君) そうですね、そもそもこのライドシェアという事業は、先ほど申し上げたように、EUの裁判所からも旅客運送事業だと認定されているように、そういった認定がなくても誰が見ても旅客運送だと思われるんですけれども、そうだとすれば、そういった運送事業はやっぱり人命を扱う事業であって、人命、身体の安全を扱うものですから、それを保護するために道路運送法という法律がずっとあるわけでして、そうしたら、やっぱりその事業を行いたいと思っている事業者は道路運送法の枠組みで事業を行うべきであって、なぜそれができないのかと。ライドシェアの事業が禁止されているわけではないわけですから。なので、こういった認定が出れば、規制法令の何か適用を受けないようなそういった特例措置によってその事業を行わせる必要はないのではないかと思います。
○参考人(松田修一君) では、松田でございますが、先ほど、スピードということの関係とサンドボックスとの関係でちょっと申し上げたいと思いますが、まず、こういう実証をやってみたいと思う人が申し出て、それを認可していくということになるかと思いますが、少なくとも仮説検証をしていくということがみんなに、認可そして評価する方々にどの程度のタイミングで開示されていくのかということが非常にやっぱり重要で、見える化というのが重要なんだろうと思います。 仮説検証スピードということはいろんなビジネスの上で使われるわけですが、いかに多くの、失敗も含めて、小さい失敗の中で、早く検証して次の仮説を修正して新しい挑戦していくと、こういうふうなことが重要だろうと思います。 そういう意味で、期間を認定するというのは、期間で完成版の認定と、もう少し小さく、課題が起きたときにどういうふうなことを対応してきたかということを含めた期間、細かい期間の公表、情報開示と、そしてトータルでの期間としての情報の完成版といいますか、それを多く広げていくかどうかというものの決定というのがどうしても必要なんだろうというふうに思います。 そういう意味で、全ての完璧なことというのはできませんので、必ず情報共有をしながら、そして評価のタイミングというのを適切に設けていくと。そういう意味では、対象と期間、その期間の中の詳細な期間、プロセスとしての期間というのをどのように決めていくかということが非常に重要ではないかというふうに思っております。 ありがとうございました。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。今のお二人の意見も大変参考になりました。本当にありがとうございます。 松田参考人の御意見の中の、この後、二〇二五年までに仕上げておくべきことということの、イノベーションを仕上げるための方法ということの御意見も非常に重要かなと。これについては、今回の制度も、金融面に限らず、いろんな分野に関わっているわけであります。こういう先生の御趣旨も踏まえた上で、いろんな分野に可能性を開く在り方というのもやはり必要なのかなということをこれも実感したところであり、これはちょっと私の感想としてお伝えしたいなというふうに思います。 最後に、常見参考人にお伺いしたいんですが、参考人の御意見の中で、アイデアを生むためには数字ではなく国語だというようなお話もされていた、そのとおりであるかなと。相手の立場に立って思いを酌み取るという、そういう発想から初めて社会に必要なアイデアというのはやはり生まれてくるんだなと。単なる数字から、データからしたらこれが必要なんじゃないかというのは結局机上の空論で、そのままずれていくというようなところはあるかなというふうに思います。 今、創業者の教育とかがやはり重要であり、私も、そういうところを広げていくためには、これ松田参考人もおっしゃっていただいたことの観点かもしれないですが、そういった観点からの教育というのも重要かなというふうに思っております。これについての御意見と、どのように進めていくべきかということを御示唆いただければというふうに思います。
○参考人(常見陽平君) 創業者の教育、これは非常に大事な問題です。今起こっていることですとか、ちょっと事例の御紹介ということでしたいと思うんですけれども、やっぱりこれを誰が音頭取りしてやっていくのかという問題があると思うんですね。実は今、民間の方では非常に起業家のネットワークで例えばそれが進んでいるケースがあるんですね。 たまたま、そうですね、リクルート出身の起業家に千葉功太郎さんという方がいらっしゃって、彼は数社の起業、例えばコロプラですとか、その前はKLabですとか、そういった会社の立ち上げに関わった方なんですけれども、彼は、これまでのIPOですとかそういったことで、もう今はエンジェルになっているんですね。いわゆる投資家になっているんですね。彼は千葉塾という塾を主宰していまして、何をやっているかというと、自分が出資している起業家数十人、もう数十社に投資しているんですけれども、数十社を集めて、そこで合宿形式でずっと語り合うんです。必ずそこでは、その会場にやってきた瞬間、NDAを書かされるんですね。今日話したことは絶対に口外しないという誓いを誓った上で、千葉氏自身あるいはそこに参加した起業家たちが自分のここでしか言えない失敗談を話すんですね。こういったことで育て合うという連鎖が起こっている事例があります。 ほかにも、この前も関西財界セミナーに参加したときも話題になったんですけれども、やっぱり次世代の経営者のいわゆる育成をどうするかというところで、そこでアイデアレベルで出たことではあるんですけれども、いわゆるそのエリアの起業家あるいは大手企業の社長たちが次世代の経営者を育てるための私塾をつくる、あるいは交流会を開くみたいなアイデアが出ていました。 ちょっと話が拡散しましたけれども、一部そういう起業家同士のネットワークをどうつくるか、単に、しかも仲よしサークルにするのではなく、意味のある事例の伝承といったことが必要なんじゃないかなというふうに思いました。 答えになっていないかもしれませんが、私からは以上でございます。
○矢倉克夫君 大変参考になりました。三人の先生方、本当にありがとうございました。 以上で終わります。
○伊藤孝恵君 国民民主党の伊藤孝恵です。 今日は本当に、参考人の先生方、示唆に富むお話、ありがとうございました。 私は、まず常見先生にお伺いしたいと思います。 二十一世紀型ときわ荘とかイノベーションフライデーとか、本当にワーディングの妙に聞き入りましたけれども、生産性を語るならまず労働者の在り方だというような、そういった本質的なお話をいただきました。 現在、国会では、御存じのとおり働き方国会が審議入りしておりますけれども、常見先生から見て、この生産性の向上とか競争力強化の文脈と働き方改革の文脈、そういったものに矛盾を感じられるのか否か。先ほどの渡邉委員の質問とも関連するかもしれませんけれども、やはりフリーランスとか業務委託というところの方々に生産性を求める余り、そこにパワハラとかセクハラとか、そういったものをストップをする法律がこの国にはまだありませんので、そういった部分でこの議論がまだ、十分なのか否か。そういったところの疑問も私自身にはあるんですが、そういった部分、いかがでしょうか。
○参考人(常見陽平君) ありがとうございます。 非常に、まさに働き方改革といわゆる稼ぎ方改革、これが連動していないんじゃないか。もっと言うと、働き方改革ということが国を挙げた議論になったことは、これはすばらしいと思うんですけれども、やっぱりそれがどういうもので、その目指すものが何なのかという議論をもっとするべきだなというふうに思います。 非常に感じるのが、伊藤先生に以前お見せしたかもしれませんけれども、昨年の参議院選の公約集を私の方でまとめたことがあるんですね。公約集にどんなことが書かれているか、各党がいわゆるどのような政策を打ち出しているかということを書いていって非常に面白かったのが、特に自民党とその他の党で違いが見受けられるんです。それは何か決定的なのは、自民党の方は、いわゆる公約集の中で経済に関する取組事項のところにいわゆる働き方改革関連の話が入っているんですね。それで、野党はどちらかというと国民の生活なんですね。これは大きなスタンスの違いだなというふうに思います。非常に政策集を見ていて自民党の取組の中には面白いものもたくさんあったんですけれども、非常に労働力が減っていくんじゃないかということに対する危機感を非常に私は感じましたということなんですね。 これは別に決して悪いことではないんですけれども、ただ、そこのいわゆる働き方と稼ぎ方ということの連動がまだまだ弱いんじゃないか。突き詰めていくと、これから日本は、この業界は、そしてうちの会社はどうやって食べていくんだろう、このことについて国民はまさに疑問を持っていると思いますし、このような産業を育てたいからこの働き方なんだという連動になっていないなと。突き詰めると、今は時短ハラスメントという言葉も生まれていまして、とにかく、要は国が言うから、あるいは労基署がやってくるから、実際労基署は今たくさんやってきているんですけれども、だから労働時間を減らせということを言うんですよね。結局、でもそれが丸投げになってしまって、管理職が疲弊して、ついには自殺してしまった管理職がいたりですとか、サービス残業の温床になってしまっていたりするということなんですね。 そもそもここのデザインをどうするかということが非常に難問でございます。やっぱりこれは絵物語かもしれませんし、どちらが先かということかもしれませんけれども、これからこれでもうけるんだと、もっと言うと、利益率を何ポイント上げるんだという目標を掲げた上でこの働き方だと。うがった見方をすると、非常に今の政策は、これは悪い方向に進むと、いわゆる誰がどれだけ働いているか見えなくなると。フリーランスになった瞬間そうだし、副業の推進というのもその色が感じられるわけですよ、例えば。ということですとか、あとは、悪いシナリオに行くと結局労働者が疲れるだけなんじゃないかということが感じられるということです。そこをどう役割分担するか。 とても期待しているのは、生産性に関する改革のところで、もうずばりこれは、まずITの投資はするべきなんですよ。設備投資はするべきなんですよ。やっぱり五年後、十年後に、どうしてあの仕事を人間がやっていたんだというような議論が起こるようなことをするべきだと思うんです。今、例えば駅の改札で、何でこの改札は駅員さんが丁寧に切符切ってくれないんだとどなる老人っていませんよね。いないですよね。もうSuicaが当たり前でしょう。でも、それは当たり前なんだけど、人間はどんどんいろんなことを機械に置き換えていったんです。もちろん、そこでAIが雇用を奪うみたいな議論があるんですけれども、そこも非常に僕は慎重な議論が大事だと思っていて、人口も減っていくわけですよ。人間は、産業革命のときからいわゆる機械と競争し、協働をしてきたわけなんです。そこの新しい環境をつくっていくべきだなというふうに思いました。 今は、正直、働き方改革法案というものが規制緩和と規制強化をセットにしたもので、議論も見えにくくなっています。そして、この法案が通らないと、高度プロフェッショナル制度は非常に問題があると思うんですけど、この法案が通らないと、来年も再来年も非常に労働時間は規制が掛からないということですとか、非正規の方は同一労働同一賃金という世界観にならない。同一労働同一賃金は非正規の世界観だけじゃないんですけれども。 ということで、僕は、ちょっと法案が一本化したことで見えなくなったことがあるなということと、結局労働者にとってどんなメリットがあるのかということで、労働者が安心できる社会、この働き方だったら死なないよねということと、一方で稼ぎ方においてはこの戦略を打っていけば、いわゆる企業としても日本としても安泰だねというものが見えないから不安なんじゃないかなというふうに思います。 そして、もうそろそろ終わりますね、やっぱり、僕、労働者の人権後進国だと思うんですよ。やっぱり死んでしまうということだとか、いろんな各種嫌がらせを受けるですとか、そういうことに対しての後進国なんで、やっぱり安倍首相は、世界で一番ビジネスがしやすい会社と言ったんだけれども、その前に、世界一働きやすい会社となぜ言わないのかということを私は問いたいと思います。 済みません、長くなりました。ちょっと答えになっていないと思いますが。
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。 では、次、川上先生にお伺いします。 ライドシェアの問題点について、つまりは安心、安全が確保されない、それは運行管理ですとか車両管理、労働管理について責任を負う主体が見えにくい、見えない、ないと、そういうことだというふうに理解をしました。 しかし一方で、先般、世耕大臣が委員会で答弁されたんですけれども、過疎地などではライドシェアを求める声もあるというような、そういったこともおっしゃっております。 私自身は、交通空白地については、何かを一つ、例えばライドシェアを入れれば解決できるものじゃないというふうに思っていますし、高齢者に免許を返納させて、その先の見通しというのを示さないのも無責任だというふうに思っています。そもそも、地域に土木課とか森林課というのはあるのに、交通政策課というのはないんですよね。そういう部分で、本当は、新聞配達とか郵便配達とか荷物とか、そういった買物、そういった貨客混載の議論も一体でしていかなきゃいけないのにというような違和感があるんですが、いかがでしょうか。
○参考人(川上資人君) 交通空白地、過疎地等の公共交通の問題というのは当然あると思うんですけれども、そこにおいては、やっぱり道路運送法の七十八条各号、特に二号において、自家用有償運送、公共交通空白地自家用有償等、制度が用意されているので、まずはその制度の枠組みの中でしっかり、例えば協議会のデザインとか、そういった法制度が用意されているにもかかわらず、それが今おっしゃられたとおり、交通政策課自体がそもそもないとか、そういう自治体が多いためにその制度が活用されていないという実態があるというその問題点を飛び越して、じゃ、ウーバーを入れればいいのかという話はちょっと違うんじゃないかと思います。 それと、ウーバーというのは、結局、極めて市場原理の中で動く会社ですから、当然の株式会社ですから、そういった過疎地でビジネスをやることで彼らがもうけを上げることはほぼありませんので、当然そういったところから撤退している海外では状況もありますし、一番その需要が高いところ、ニューヨーク等に高い運賃等を設定して、そこで利用者が増えるように、それからドライバーも増えるように、そういったビジネスモデルになっていますので、今、例えば中頓別でウーバー社が中頓別町と提携してライドシェアのようなものをやっていたとしても、それをそのプラットフォームがずっと永続的に、公共交通の永続性というその責任等を考えた上でやっているのかというと、やっぱり手放しでやってもらうことになれば、それは市場原理のみに任せるということになれば、手を引くのはもう目に見えていると思うんですね。結局、需要がないから今までの公共交通会社は撤退しているわけですから。 そうすると、やっぱり今あるその自家用有償制度等の法の枠組みの中でしっかり公共交通機関としての責任を自覚してやるようにした方が住民の足にはなるんじゃないかと思います。 以上です。
○伊藤孝恵君 おっしゃるように、行政連携の福祉タクシーとか、まずちゃんと検討しなきゃいけないですし、おっしゃるように、協議会に例えばバス事業者は呼ばれるのにタクシー事業者は呼ばれないとか、まだまだそういうできることがあるので、飛び越えてというのは大変参考になったお話でした。 最後に、松田先生、お願いします。 冒頭お話された世界から周回遅れの日本が取り組まなければならない国民運動というのを非常に合点いたしました。やっぱりまず教育で、私も、若い日に世界に、若い人たちに世界を見に行ってほしいなというふうにいつも思います。 日本では何となく大学に行って高学歴という切符を手に、通行手形を手に大企業に就職するというのが幸せだなんていうような人もまだこの二十一世紀に及んでもいらっしゃる中で、例えば、フランスでは十五歳から働いている職業人としてのロブションが大変尊敬されていたりですとか、日本企業ではアイフォンに我が社の部品が採用されたと喜んだりしますけれども、そうではなくて、やっぱりデバイスを作って、そこにプラットフォームをつくって課金モデルをつくった、そういったものこそがビジネスをつくるということなんだというのを体感してきてほしいなと。それが、やっぱり次の組織風土改革、社会風土改革とも言えるかもしれませんけれども、自然につながっていくんじゃないかというふうに思います。 今回の法案、制度インフラ改革の一つだと思うんですけれども、先生が指摘されたやっぱりお金、投資、国も大胆に投資先を変更していかなきゃいけないなというふうに思いますし、先生も御指摘されておりましたけれども、地域に眠っている資源の掘り起こし、これまだまだできるんじゃないかなというふうに思っています。例えばローカル局の映像、いっぱい映像蓄積されたものありますけれども、そういったものをマネタイズとかいろいろできるんじゃないかな、できることいっぱいあるんじゃないかなというふうに思います。 一方で、自分が制度を使う側になったらという形で今回の法制を見たときに、例えば今回プロジェクト型のサンドボックスですけれども、ほかにも地域限定型のサンドボックスもできて、国家戦略特区もあって、構造改革特区もあって、新事業特例制度もあって、その上にグレーゾーン解消制度も、ほかにもありますし、規制改革推進会議もあったりして、もはや誰がハンズオン機能というか、マッチングとか知見の蓄積とかそういったものの主体者であるのかというのが非常に見えにくい。やっぱりマッチング機能というのをもっと国が担保してこそ、いろいろビジネスを創出していく、グローしていくんじゃないかというふうな課題感を持っているんですが、そこについて御意見伺えればと思います。
○参考人(松田修一君) ありがとうございます。 先ほどの御質問、いろんな先生方の御質問とも関連するんですが、パーツとしてはいっぱいできていて、それがコンバインされていない、融合していないというのが非常に多いんだろうと思います。 そういう意味で、法律ができ過ぎたがゆえに、その法律をまたしっかり守らなければいけないと、いわゆる広い意味でのお役人の方々、きっちり守ろうとしているんですね。ところが、それ以外のことが起きたときに、ちょっとそれは問題かも分かりませんねと言われたら、そこから一歩出れないと。じゃ、グレーゾーンだったらやってみたい、やらせるという方法が日本ではなかなかないんだろうと思います。 これは、大会社がいろんな新規事業をやろうとして省庁に問い合わせると、問題がないとは言えないと、こういうふうなことですから、リスクがあると有価証券報告書にも書かなきゃいけませんので、そういうリスクをしょって一歩前へ出ようということがなかなかできないということを考えたときに、サンドボックス制度というのは一つの救いではないかなと。 いずれにしましても、パーツを本当にボックスに入れて、そして一番効率的に、ユーザーオリエンテッド、国民にとって一番有益なのは何だろうということをもう一度本当は考え直す必要があるんではないかなと思います。 ここのサンドボックスの中で、これ説明しなかったので一つだけ説明して、これがサンドボックスの対象かって言われちゃうと思うんですが、先ほどの過疎地のライドシェアの問題がありましたけど、過疎地で一番、ライドシェアどころじゃなくて、食べるものシェアなんですよね。そうすると、乾物類を入れて、車でもって、移動車がある、移動するという方々がおられるわけですが、やはり日本人ですから、そこでさばいたお刺身が食べたいんです。お刺身をさばくということができないんです、今の状況ではですね。それは、上下水道ということが完備していなければ、上水を使ってさばかなければ、下水はそこへ垂れ流してはいけないということになっています。 こういうふうなことは、逆に言うと、明治時代はみんなどこでも普通やっていた。ですから、どんどん国が都市化することによって都市化制度がどんどん進化しちゃって、そして今、人口が逆ぶれで動いていて、むしろ過疎地というのが出てきたときに、昔の制度をもう一回見直して復活するというのも必要なんじゃないかと。 そのためには今いろんなツールがあると。で、これがフィンテックではないじゃないかということになるかも分かりませんが、例えば徳島の「いろどり」という会社がございます。葉っぱビジネスを、世界中の日本レストランにも卸しています。大変なハイテクをどんどん入れた、基本的には刺身のつまを売るということですからローテクなんですが、そこにやっぱりハイテクが入ってきていると。 こういうふうなことを考えますと、日本にある経営資源が何があって、それにどういうツールを入れるともっと日本が稼げる国になるのかということをみんなで考えていく必要があるのかなと。そのためには、それを、コーディネートを本当に考える人というのが必要なんだろうというふうには思っております。 ありがとうございました。
○伊藤孝恵君 全く同感です。ありがとうございました。
○真山勇一君 立憲民主党・民友会の真山勇一と申します。 三人の参考人の方、今日はありがとうございました。 私は、まず川上参考人の方からお伺いをしていきたいというふうに思っております。 ライドシェアの話、よく分かります。やはり私も、命とか人の危険というものに対して、それを脅かすようなものはやはり避けなければいけないという、そういう考え方を持っております。その一方で、ただ、ニューヨークの話も出ましたけれども、私もニューヨークへ行ったときにいろいろ現地の人に話を聞いたら、やっぱりウーバーって便利だよという声が大きいわけですね。やはり利用者からすれば、より便利なものを求めるというのも当然のことだというふうに思うんです。そういう中で、どこに、じゃ調和を求めていくかということになると思うんで、川上参考人がおっしゃった統一ルール、同じ土俵できちっと守ろうよという考え方というのは一つの私は納得できる理論ではないかなというふうに感じました。 ただ、日本の場合、見ていますと、やっぱり規制という問題ですね、一時は規制緩和というのは金科玉条のように言われましたけれども、私も、何でもかんでも規制緩和というのがいいのかどうかという疑問を持っているんです。規制というものに対する、弁護士さんという立場からどんなふうにあるべきかということを考えていらっしゃるか、その規制ということについて伺いたいと思うんです。
○参考人(川上資人君) ありがとうございます。 やっぱり、必要な規制とそうではない、その時代に合っていない規制というものがあると思うんですけれども、先ほど松田先生から紹介いただいたような、例えば上水道がないととか、もうこれはちょっと時代に合っていないんじゃないかとか、例えば風営法でダンスを踊っちゃいけないとか、ダンスはいけないけどギャンブルはいいとか、よく分からないそういった規制はやっぱり時代に合わせて見直していくべきだと思うんですけれども、それに対して、今の例でいうと人命ですけれども、乗客の安全というものを確保するために発展してきた法律があって、また労働法であれば、労働者の働く場所の安全だとか、働く社会における安定的生活を守ることだとか、そういった法の規制というものは、これをなくせば自由にできるから規制は何でもなくした方がいいというのは、必要な規制と見直しを検討すべき規制というのは二つやっぱりあるのではないかと思います。
○真山勇一君 ありがとうございました。 続いて、常見参考人にお伺いしたいんですが、常見参考人には、ちょっとお話しになったこととは直接関係ないと思うんですけれども、今回、法案でも出ているライドシェアですね、サンドボックスに出ておりますけれども、今申し上げたように、ウーバーなんかはやっぱり利用者からすれば便利だという、もうそれは圧倒的にあるわけですよね。そうすると、そういう中で、命という、安全という面でやっぱりどうかというふうなことも言えると思うんですが、例えば、今第四次産業革命というようなことを経産省で言っておりますけれども、過去を振り返ってみれば、馬車から蒸気機関とかエンジンになった、それから、その次は石炭なんかが石油に代えられたということがありますね。そうすると、やっぱりそういう時代の大きな、先ほどの川上先生の話もありましたけど、時代の流れというのはあると思うんですよね。 そうすると、タクシー業界がやっぱり今後これから生き残っていくため、これは、常見参考人は非常にいろいろなアイデアがありそうなので、例えば、じゃ、これからタクシー業界がこの厳しい競争の中で生き残っていくためにはどういう改革をしていかなければいけないのか、どういうものを消費者、利用者に対して打ち出していかなくちゃいけないのか、業界の改革みたいなものということで、アイデアございますか。
○参考人(常見陽平君) ありがとうございます。質問が来てびっくりしております。 私なりの答えを言う前にそもそも論をちょっと話したいんですけれども、ウーバーが海外から生まれてしまったことに日本人はもっと悔しがるべきだと思うんですよ。ということでございますよ。やっぱり、今一部の業界の中では日の丸ITという言葉もあるようなんですけれども、全てのプラットフォームを海外に押さえられているというような実態については、やっぱり我々は猛反省しないといけないということなんです。 個人的にはアマゾンという会社をよく使っているんですけれども、アマゾンというものがどんどんああいう、ある意味、アマゾンというものが敵なのか味方なのか、ホワイトナイトなのか黒船なのかよく分からないんですけれども、結局そこで、アマゾンのおかげで運送業者が疲弊したとかそんなこともあるんですけれども、やっぱりとことん顧客に応えようとしているということ、ルールを変えようとしているということですとか、生活者をあらゆる、言ってみればあれはデータ産業だから包み込もうとしているということが必要で、今やるべきことは、僕は実はイノベーションを起こすためにはこうだと思っていて、今の日本の主要な企業だとか有力企業をどうやったら潰せるかということを考えると新しいアイデアって出てくると思うんですよ。ウーバーってある意味その発想だと思うんですね、ということです。 それを前提として、じゃ、タクシー業界どう乗り越えるかということでいうと、やっぱりそこでウーバーでは得られない何かということを考えるべきで、やっぱり、ちゃんとしたタクシーと言ったら失礼ですけれども、旧来のタクシーに乗った方が安全だよね、安心だよね、何か付加価値があるよねということが大事なんじゃないかなと思います。 変な話、ウーバーが増えていくと、逆に普通のタクシーの方が捕まる可能性もあるわけですよ。やっぱり普通のタクシーが捕まりやすいだとかサービスがいいねだとか、絶対道間違わないだとか適切な対応をしているだとか、ちゃんと個々人の家庭の事情に合わせたタクシーがやってくるだとか、そういったことがあり得るんじゃないかなというふうに思いましたということですね。 済みません、答えになっていないと思いますが。
○真山勇一君 いえいえ、ありがとうございました。やっぱり付加価値というのがすごく大事じゃないかなと、私もそれは感じております。
○参考人(常見陽平君) ちょっとだけいいですか、済みません。
○委員長(浜野喜史君) 常見参考人。
○参考人(常見陽平君) その付加価値の掘り下げこそがまさに大事だと思います。済みません、私もそういうずるい逃げ方していると思うんですけれども、誰でも彼でも付加価値付加価値と言うんですよ。今、タクシーに、何に満足していて何に満足していないんだっけということなんですね。 今回も、例えば、僕、ここにタクシーで来たんですけど、参議院と言ったのに参議院議員会館に行きましたからね。例えばそういう初歩的なミスということから、あと、僕はたばこが嫌いなんですけれども、とてもたばこ臭かったとか、もろもろそういう、僕が、えっ、ここじゃないですよと言ったから、すごい態度が悪かった、それに対して急に機嫌が運転手悪くなったとか、いろいろあったんですけれども、やっぱり、タクシーに乗ったからの満足感というか、また乗りたいなと思えることをまず今の日本のタクシー業界は果たすべきだと思います。
○真山勇一君 ありがとうございました。 それでは、最後に松田参考人にお伺いしたいと思います。 松田参考人はもうまさに教育の現場にいらっしゃって、教育が大事だというお話も今伺いました。それで、やっぱり感じるのは、日本の若者が、なかなか起業するにはその環境が整っていないとか、あるいは教育を受けていないんじゃないかとか、いろんなことが言われたりしていると思うんですけれども、今ちょっとお話にも出ましたように、アメリカなんか見てみますと、アップルだとかグーグルだとか、それからアマゾン、こうした会社が出てきているわけです、IT業界のいわゆる巨人というものが。 ウーバーが何で日本から出なかったのかという、そういうこともあると思うんですけれども、やっぱりそれは教育が原因なのかなというのが一つと、松田参考人は、そういう実際にその若者たちと接している現場にいらっしゃって、何かアメリカなんかと日本はやっぱり教育で違うところがあるのかどうか、何が決定的に違うところがあるのかということをちょっと伺いたいと思います。
○参考人(松田修一君) ありがとうございます。 すぱっとした答えになるかどうか分かりませんが、日本の人材採用のときに、大学卒業偏差値で採らないで入学偏差値で採っているということがあると思うんですね。だから、入学のときの偏差値が高いから、あの人立派だろうって。しかし、四年間というのは、人生にとって、あの大学生のときの四年間というのはすばらしいチャンスがあると思うんですね。それが、海外の交流も含めて、自ら考えて社会課題を発見して、それを解決するにはどうしたらいいんだろうかということを考えるような教育。これが、大学のことを言っていますが、小中高も同じだと思います。受験がありますので、中学校というと二年生まで、小学校も五年生までというのがあって、最後の学年は受験でみんないくものですから親も離さないんですが、そういうふうなある程度の期間に、徹底して何かにサービスをし、物を作って誰かに喜ばれる、そういうふうな感動といいますか、その体験というのが今は本当にない。 私のちっちゃい頃というのは、隣に手伝いに行ったりいろいろなことをして、十円いただいてうれしかったという、いっぱいそれはあるわけですが、今そういうことが身近にないということは、教育現場としてどのようにして、背中を見て育つ、あのロールモデルをどのように提示してしていくか、そしてそのベースは、やはり社会課題というのは何があって、それに対して解決したことをやると非常に喜ばれるのだということの体験といいますか、それが僕は非常に大事なんだろうなというふうに思っています。 そういう意味で、海外との違い何があるかというと、特にアメリカなんかに行っている多くの方々というのは留学生の方が圧倒的に多いわけで、彼らは一もうけしようと思ってアイデアを探しに行くわけですが、日本の場合はどこかに就職するために行くという方が非常に多いわけですけれども、今非常に大きな問題は、日本でも、海外からストレートに中学校から、高校から、少なくとも大学にはもう海外へ行っちゃうという層が相当多く出始めました。 だから、優秀な人材を日本の中で、イノベーション国家日本と言われるような状況をつくり出して、日本から何かを目指していくというような場をつくっていかないと、もう人材、若者自身が海外に行ってしまうというようなことかなと思います。そのためには、少なくとも学校の教育、特に大学あるいは大学院教育というのは非常に重要なんだろうと。入学したらすぐ我々は教養を習ったんですが、入学したときに社会でどう生きていくのかという教育を一番最初にすべきではないかというふうに思っています。 そういう意味で、先生のお答えにストレートにはなっていないんですが、やはり風土が、日本が全て安心、安全国家づくりをし過ぎた、今から考えるとし過ぎたところがあって、それに安心した方々が非常に多いんじゃないかと、若者がですね。そういうやっぱり危機意識というのを持っている方々が挑戦し始めているというふうに思っております。
○真山勇一君 どうもありがとうございました。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 三人の参考人の皆さん、本当に今日はありがとうございます。 まず、川上参考人にお聞きしたいと思います。 いわゆるライドシェアの問題というのは、安全性の問題というのもあると思うんですけれども、もう一つ、ライドシェアに参加をする運転手さんが、この方がいわゆる労働者なのか、それともそうではないのかというその分類の仕方といいますか、ここも一つ大きなところではないかなというふうに思っております。 もちろん、シェアリングエコノミー、ライドシェアのスキームからいえば、これはいわゆる自営業者という形になると思うんですが、そのことで様々な海外の事例、裁判の事例などでは、そうじゃないんじゃないか、実際は労働者ではないかというような判決なども出ているというふうに聞いているんですけれども、その辺りの海外の事例など、もし紹介していただければというふうに思います。この労働者性の問題についてお伺いします。
○参考人(川上資人君) そうですね、まず、二〇一七年の十月だったと思いますけれども、ロンドンの雇用裁判所では、ウーバーの運転手は労働者であるという判決が出ております。したがって、ウーバー社としては、割増し賃金、残業代、それから最低賃金、それから年休権、これを与えないといけないというような決定が出ていたと思います。 それから、アメリカのカリフォルニア州では、今クラスアクションが起きておりまして、ウーバーの運転手さんたちが、自分たちはウーバーの労働者である、指揮命令下にあるので雇用関係がある、したがって我々がその事業のために支出した経費、これを返してくれと経費償還請求の訴訟を起こしておりまして、まだ判決まで至っていないんですけれども、クラスアクションですので原告数が三十八万五千人に上るんですね。みんなウーバーの運転手です。クラスの認定をするに当たって、裁判所はその労働者性を認めています。労働者ということで一くくりにできるので、三十八万五千人の運転手さんたちは一つのクラスであるというふうにされています。 そのほかにも、個別の労災等の訴訟で、アメリカ、イギリスにおいて労働者性が認められています。 それから、昨年だったと思いますが、そのロンドン雇用裁判所の判決を受けて、アメリカのフィナンシャル・タイムズは、ウーバー社に雇用責任を課す判決は妥当である、それだけ指揮命令下に置いて働かせて、それで彼らの労働によって莫大な利益を上げているのであるから、その雇用責任を負うということは当然であるというような社説がフィナンシャル・タイムズにも掲載されて、これは日経新聞にも紹介されています。 したがって、やっぱりウーバーなりライドシェアの事業モデルの問題というのは、今までずっと安全管理なりの、道路運送法上の同じ土俵の上で、何で同じ土俵なのに同じルールを守らなくていいんだとか、そういった安全管理上のお話はさせていただいていましたが、確かに、労働法制上からおいても、労働法上の責任を守らなくていいので、そういった点からも莫大なコストを削減できるという、そういった事業モデルというふうになっているわけなんですね。そういった二つの側面から規制を守らなくていいというふうに彼らは主張しているおかげで、それによって非常に安い運賃が可能となっていると。そうすれば、利用者としては、その裏に何があるのかというのを知らなければ取りあえず百円でも二百円でも安い方がいいわけですから、当然それは利用者にとっては安い方がいいということになります。 しかし、その裏で、じゃ誰が泣いているんですかという調査をすると、結局労働者、運転手にしわ寄せが行って、それは同じ土俵で争わされているタクシー運転手もそこで泣かされるし、ウーバードライバーも同様であるということで、例えば、今年の三月九日のブルームバーグの記事では、スタンフォード大学の調査結果、それからそれに反論しているウーバー社側の調査結果、これを総合的に評価したとしても、ウーバードライバーの平均時給は良くても十ドルだというふうに言っているわけです。このブルームバーグの記事では、八・五五ドルか九・六八ドルか十ドルぐらいだというふうな報道がされています。結局、これは今年の一月二十七日の日経新聞にも書かれていましたけれども、このようなシェアリングエコノミーモデルの下で働く人が増えれば、賃金の、何というんですか、どんどん安くなる、賃金の低下が起きるという記事はこれ載っているんです、日経新聞でも紹介されているわけですね。 それは、経産省が雇用によらない働き方の研究白書みたいのを、昨年だったと思いますが、出していますが、その統計からも明らかなんです。結局、フリーランスなりの人たちの年収レベルというのは三百から四百万ぐらいです。さらに言えば、プラットフォームのような、こういったITのところで仕事を取っているような人たちの年収は二百万円台というふうになっています。あの白書は、そのまとめだけ読んではいけなくて、生のデータをちゃんと読まないと、まとめではすごくいい結論になっているんですけれども、生のデータはそういうふうになっていないので、そこは注意して見るとそういうことがよく分かる。 そうすると、結局、この規制、先ほどの質問で、規制というものはその便利さを犠牲にする側面もあるという観点も確かにあるかもしれませんけれども、その規制をじゃ取っ払ったときにどうなってしまうのかというと、例えばこのライドシェアの問題に関して言えば、労働者の収入の低下が起きて、結局そうすれば消費が冷え込みますからGDPが減っていく、それに対して、当然投資家なりの収益は非常に大きくなります、労働分配率が下がりますので。あと、もっと言えば、もしここでライドシェアを解禁したとしても、得するのはウーバーなりの世界的にプラットフォームを持っている会社だけですよ。結局、そのビッグデータをウーバーなりのアメリカの企業に持っていかれるだけなので、何にも得しないですよ。 それに対して、この日本で、今フルタイムで旅客運送をやって、家族を支えて、子供を大学にやっている人たちは、みんな十ドル足らず、千円前後、それから年収三百万円前後の職業になってしまって、今フルタイムでそうやって生活を支えている人たちはいなくなり、ウーバーイーツというものが今東京で行われていますが、ウーバー社の別のサービス、これは法に抵触しないのでやられていますが、ベトナム人の留学生の配達員が非常に増えています。そうすると、これ、ライドシェアを解禁するということは、当然ウーバーが一番市場を圧倒的にシェアを占めることになりますが、そこで多分、運転手さんとしてはウーバーイーツで起きているような状況になると思います。そうすれば、彼らにとっては、時給十ドルぐらいだったら、千円ぐらいだったらいいかという話ですから、そういった低賃金のパートタイム労働者を増やしてこの国は豊かになるのかという問題もあるんじゃないかと思います。 以上です。
○辰巳孝太郎君 よく分かりました。 労働者ではないというようなこのビジネスのスキームであるからこそプラットフォーム業者に富が集中するということでありますけれども、しかし実態を見れば労働者ではないかということで、海外でもそういう判決が続いていると。労働環境が引き下げられれば、賃金引き下げられれば、低いところの競争、引下げ競争が起こるということだと思いますので、つまり、国民にとっても国の産業にとってもええことはないんじゃないかなということではないかと私も思いました。 続けて、常見参考人にお聞きしたいと思うんですが、この労働生産性の議論そのものに対して、常見さんは先ほどの陳述の中でも、ノルウェーだとかルクセンブルクだとか、いわゆるGDPがばあんと大きくなって、それを就業者数で割るわけですから、その数字だけを見ていたらよく分からないんじゃないかという御趣旨のことだと思うんですね。しかしながら、その統計の取り方に倣って考えても、全体的に付加価値を上げないと駄目なんじゃないかと、こういう話だと思うんです。ところが、一方で、その付加価値を上げるためには、民間消費が今下がっているじゃないかという問題意識も著書の中で述べられておられまして、その労働生産性を上げようとするならばやはり民間消費を上げなきゃならないよねということにつながると思うんですね。 そこで、常見参考人には、なぜ日本でこの民間消費が下がっているのか、上げるためにはどうしたらいいのかというところをお聞かせいただければと思います。
○参考人(常見陽平君) 非常に、消費のことについてということで、やや私の専門の範囲を超えるんですけれども、ただ、率直にもっと賃金を上げられるというふうに私は思いますね。賃金を上げるということと安心して働けるようにするということなんです。 まあ、非常にたんす貯金があるんじゃないかみたいな議論もありますけれども、やっぱり不安で使えませんよということだと思うんです。雇用も安定しないんじゃないか、心身が疲れて倒れてしまうんじゃないか。今、離婚するカップルも増えています、三六%ぐらいのカップルが離婚しますから。あと、しかも、良くも悪くも今、長生きな社会になっているんですよね。人生百年時代ということを言われていますけれども、最近はだから、金融商品を見るとより具体的に、人生九十年時代ですよということを言っていて、百年時代の前にもう九十年時代がやってきているので、そうなるとお金足りなくなりますわねということなので、月並みですけれども、やっぱり安心できる社会にするべきじゃないかということと、要するにお給料を上げろということだと思いますよ。 だから、冒頭でも触れましたけど、若者の○○離れというふうに言いますけど、自動車離れだとかお酒離れだとかいろいろ言いますけれども、その前に、いや、離れる前にくっついていないんだからということで、やっぱり突き詰めると、暴論ですけど、若者にお金配れというふうに思いますよね。
○辰巳孝太郎君 常見参考人にもう一点お聞きしたいんですけれども、賃金を上げるということと同時に、日本の商慣行として、取引先とのやり取りですよね、なかなか適正な請負で、あるいは単価で取引ができないというようなことが日本には海外に比べて強いのではないかと、そこの部分のデザインをし直さなければならないんじゃないかというふうにも考えるんですが、いかがでしょうか。
○参考人(常見陽平君) はい、全くおっしゃるとおりだと思います。 いわゆる神対応ですとか、あるいはお客様は神様だ信仰みたいなものがあるということです。三波春夫さんはホームページで釈明していまして、お客様は神様ですというのをいわゆる営業先に押し付けないでくれということを遺族が釈明しているんですけれども、ただ、そのようなことが今実際起こっているんじゃないかなというふうに思います。 一つ希望となるのが、やっぱり企業がサービスレベルを明確に決めるということだと思うんですね、このお値段だったらこうだと。もっと言うと、これは社内にも適用すると。以前、私はバンダイという会社に勤めていたんですけれども、そのときに実験されていたのが、いわゆるシェアードサービス構想というもので、簡単に言うと、社内の管理部門のサービスに全て値段を付けて、そのセンターで集約してやるぞというような、簡単に言うとそういう構想なんですけど、そのとき、例えば、人事が中途採用のお手伝いをしたら幾らとか、IT部門の人がPCのセッティングをしたら幾らというのを明確に決めていったんですね、サービスレベルですとか。まあ、一部うまくいかなかった部分もあるんですけど、例えばそのような形で、サービスレベルはこうですよということを決めることが大事だと思います。 プラットフォーマーという話が出ましたけど、プラットフォーマーって、それこそ営業活動すらせずに、こういうルールでこのプラットフォーム使ってねということをやるんですよね、良くも悪くも。ということで、サービスの基準を設けていること、サービスレベルを見直すことが大事だと思います。 ただし、それができていない会社もあって、実際、やっぱり労働組合の方の勉強会でも、そういう話をすると、いや、とはいえって労組の方からも、そうすると商売が立ち行かなくなるという意見が出たりするんですよね。なかなか悩ましいところです。 ただし、私は予約の取れないすし屋モデルというふうに呼んでいるんですけれども、要するに、サービスエリアを区切って顧客もここまでしか取らないという運用をやるという発想、実際そういうことをやってうまくいっている会社もあるんですけれども、そういう発想も必要かなというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 示唆に富む発言でした。ありがとうございました。 もう一点だけ、松田参考人、最後、時間も少ないんですけれども、公認会計士としての御意見を少しお伺いしたいんですけれども、今プラットフォーマーとか、新たな産業という意味ではいろいろ海外でも出てきております。一方で、アマゾンとかエアビーアンドビーとかいろいろあるんですが、実際にアメリカでは生まれてはいるんだけれども、ウーバーも含めて、ただ、税金を納めるところはいわゆるタックスヘイブンというようなところで納めていると。これは非常に大きな、新たな産業の創出とは違う観点にはなりますけれども、問題ではないかというふうに思うんですけれども、公認会計士の立場としてどのようにお考えかだけ、最後お聞かせください。
○参考人(松田修一君) ありがとうございます。 産業競争力強化の根幹になるような御質問かなというふうに思うんですが、国は動けない、国は動けませんが、考えてみますと民間企業は自由に動けると。その動けるところで最適地主義、最高に適しているところで開発し物を作って販売する、こういうのを自由に設計できるのは民間企業であります。 そういうことを考えますと、日本がその最適地主義にどこまで門戸を開いて日本に多く皆さんが来ていただけるかということは非常に重要なんだろうと思いますが、今の税制の話でしますと、例えばアマゾンは日本で売上げ立っていないから云々ということはよく新聞にも出てまいります。そして、開発案件が特にハイテク系が多いとすると、開発の知財を一番タックスの低いところに全部集約して、そこにロイヤルティーフィー払わせて資金ため込むと。 これは、創薬会社が今回非常に大きな日本で買収案件があるわけですが、創薬会社のトップテンを見ていただきますと、二五%以上税金を利益に、課税に対して税金を納めているのは日本企業だけなんですね。そのぐらい、世界のタックスのルールを利用した、いかに持続的に成長していくかというふうなことを世界が今競争しているということを考えると、日本の税制のところを、いかに働いた人たちに税制上も有利だという仕組みをどのようにつくっていくかという非常に大きな課題が突き付けられているんではないかなと。 そういうことも考えていきますと、いろんな意味での恩典があるところに若者が逃げていってしまうということが今起きているのをどう防ぐかというふうな大きな課題を先生が御質問されたのかなというふうにちょっと思っております。 ありがとうございました。
○辰巳孝太郎君 決して、税金の引下げ競争になって、世界の全体が税収がなくなっちゃうということにならないようにしなきゃならないなというふうに感じました。 ありがとうございました。
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。 本日は、何かとお忙しい中、参考人の皆さん、貴重な御意見賜りまして、心から御礼を申し上げたいと思います。 それでは、参考人の皆様方それぞれに同じ質問をまず一回目したいと思うんですが、今回の法案は生産性向上特措法と産業競争力強化法の改正ということでありますけれども、生産性向上について、どのような生産性向上を目指すのかということが非常に重要であると思います。しかし、どうも法案審議を通じましてもなかなか政府の目指す明確な方向性が見えない、分かりにくいものもあります。 我が国では、生産性向上といえば、いまだにリストラ、賃金カットあるいは人件費の削減に結び付けてしまう傾向が強くて、特に中小零細企業にはそれが多いわけであります。特に、労働生産性を見ますと、リストラによって一時的には生産性が数字が向上するわけですけれども、国家が目指す生産性の向上には決して当たっていないというふうに思います。 そこで、参考人の先生方のお考えになる我が国が目指すべき生産性向上というのはどのようなものかをお聞かせいただきたいと思います。 まず、松田参考人から。
○参考人(松田修一君) ありがとうございました。 私も、世界標準の業績はというところで若干述べさせていただきましたけれども、日本の会社、産業構造、戦後に相当多くの競争会社をいっぱいつくって、それが再統合するというプロセスを経ないまま現在に来ています。銀行はメガバンクに集約されましたが、そのほかについてはほとんど集約が進んでいない。そういうふうな状況で、お互いがそこそこのパイを食い合っているがために非常に収益モデルが日本は低いというふうなこと、低いから先行投資ができない、先行投資はリスクがありますから、あるいは海外戦略も含めて遅れてしまうと、そういうふうなことがあるかと思います。 そういう意味で、既存企業自身の再編ということを国レベルで、十年後にどこが生きておくべきなのかということを真剣に考えていく必要があるんではないかと。そういう意味では、日本は買収するといったらのみ込むだけなんですが、切り離すということも、スピンアウトも含めてダイナミックに行っていく必要があるのではないかというふうに思います。 それから、中小企業、特に地域の中小企業で地産地消という言い方をよくするわけですが、地域でもう高齢化しているんですから地産地消もなかなかできないというふうなことを考えますと、やはり地産外消といいますか、外に対して売る、海外に対して売るというようなことがやっとこのネット社会でできるようになってきたということを考えますと、今の新しいテクノロジーを使ったビジネスモデルをもう一度いろんな地域でいろんな業種で考えていく必要があるのではないかなと、そのように思っております。 ありがとうございました。
○参考人(常見陽平君) 繰り返しになりますけど、やっぱり次の産業をつくるというのがまず基本だと思います。世界シェア一位を取れる産業をこの十年間で十個つくるとか、十年じゃ遅いですね、例えば、それぐらいの志で次の産業をつくる、今までの産業を守るんじゃなくて、国際的に競争力の高い産業をつくるというのが総論でとても大事なことだと思います。 逆に言うと、各論で言うと、私は今回の法案で非常に感じたのは、中堅・中小企業に設備投資、特にIT投資を行うということなんですけど、私は攻めのIT投資ということを提案したいと思います。働き方改革の文脈で、様々なIT企業にヒアリングに行きました。非常に日本のITの状況ではなかなか大変なことがあって、例えばノートパソコンの持ち出しがオーケーな会社って、実は日本っていまだに五割しかないんですね。逆に言うと、五割が禁止なんですよ。そういう状態になっていたりすると。 あと、まさに働き方改革を支援しているような企業にもヒアリングに行ったんですが、そのITの投資も、どちらかというと従業員を縛るIT投資になっちゃうんです。つまり、例えば基幹システムにアクセスするログを取るようにして誰がサボっているかというのを確認するとか、そういった方向に行くんですね、誰かを縛り付けるようになる。そうじゃなくて、その会社のパフォーマンスが上がるような投資をするべきだと思います。 例えば、最近でいうと、いわゆるセールス・フォース・オートメーションと言われて、例えばセールスフォース・ドットコムですとかSansanという会社が有名なんですが、営業を支援するツールがあるんですね。簡単に言うと、営業の進捗状況を管理したりだとか、あと私も実はそのSansanという会社のアプリを入れているんですけど、無料のものでも、取引先の人事異動の情報がポップアップで出たりだとか、取引先に関するいわゆる最新のニュースがポップアップで出たりして、営業支援をしてくれるんですね。 というわけで、中堅・中小企業の方々が営業をしやすいように、あるいは生産活動をしやすいようにという投資の支援が必要かなというふうに思います。 以上です。
○参考人(川上資人君) 労働生産性ですね、この労働生産性ということについての御質問なんですけれども、私はまず常見先生のこのレジュメの二ページ目のスライドの四番というところで、やはり端的に労働生産性とは付加価値を労働投入量で割ったものである、こういった指標ですので、ここにやっぱり常に立ち戻らないといけないと思うんですけれども、そうすると、この指標を上げるには、リストラをするか又は付加価値を上げるか。付加価値を上げるというのは、価格を上げるということですよね。 そうすると、例えば、じゃ、アップル社の労働生産性というのは非常に高いということは簡単に想像される。なぜなら、アイフォン一台今もう十万円という時代ですけれども、それを誰が作っているかというと、中国の工場ですよね、インドの工場ですよね。自分のところでは一切作らないわけですよね。アップル本社には多分数万人のエンジニアがいて、あとこれを生産するのは全て外注だと。途上国のインド、中国の非常に安い労働力を使う。それもきっと労働力とは既にカウントされていないはずですよね、もう下請ですから。そうすると、単純に一台十万円のアイフォンを彼らは数万人のサンフランシスコの労働力で作っているということになるわけですから、非常に高い付加価値に対して非常に少ない労働者ということですから、労働生産性は高いんだろうと思われますけれども、なので、この指標自体にそこまで重みがあるのかという気はします。 ただ、この法案が目指そうとしている新規事業が、古い、その時代に合っていない規制によって足下をすくわれてはいけないというような理念というのは非常に重要なものだと思いますので、そうすると、そもそもこの法案自体の名称が、新規事業促進法案とかそういった名前であればより良かったのかなという気もするんですけれども、そのときに、例えば、じゃ、私のこの本日呼ばれている主題としてライドシェアというものに立ち戻ったときには、先ほど松田先生の方から、この法案の下でやっぱりいろんなベンチャーを育成するにはスピーディーな仮説検証が必要なんだというお話があったと思いますが、これはもう二〇〇九年にウーバーが事業を開始してから十年近く世界各国で、もうあらゆるところでこれ実証されているわけですから、ライドシェアというものに関しては、この仮説検証は、既に海外の事例をつぶさに検討することでどのような社会的問題を生むのかというのは実証検討可能なんではないかと思いますので、この法律を適用する必要性というのはそんなにないんじゃないかなという気がしております。 結局、つまるところは、この国がもっと元気になるとかというのは、我々国民はみんなそれは望んでいることで、そのためには、やっぱりお二人の先生がお話ししてくれたような新しい事業がどんどん生まれるとかというところが大事ですと思うんですが、そのときにやっぱりもっと大事なのは、この労働生産性という指標では測れない、例えばタクシーの運転手さんが生活を支えられる十分なお給料をもらって、それで例えば四人家族、六人家族を養って、子供を大学に行かせられた、こっちの方が大事だと思うんですよ、タクシー運転手さんの労働生産性が高かったということより。それで、そのタクシーの運賃が高過ぎるという問題よりも、そんなに問題なんでしょうか。 それは、今、ニューヨークで多くの人たちがウーバーというアプリをもうデリートし始めています。この四か月の間に毎月タクシー運転手さんが死んでいっている、それで初めて私たちがこの使っているウーバーというアプリが彼らに及ぼした影響というものに気付いたといって、いろんなところ、フェイスブック、ツイッターとかに投稿しながら、私はもうウーバーは使わないという人たちが増えています。私も、大学のとき留学したところの友達が、私はもうタクシーしか使わないのと言っている友達もいます。 なので、生産性向上も大事ですけれども、その指標では測り切れないもっと大事なものというものはあるんじゃないかという気がしまして、それをこの法律で壊さないということだけは是非お願いしたいと思います。 以上です。
○石井章君 タクシー業界の場合には、それぞれの県で条例と同じように、例えば東京と大阪では全く運賃形態が違って、大阪は五千円超えたら全部半額になっています。そういったこともあって、小泉内閣のときに規制緩和で相当タクシー業界がぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう首絞められていたんですけれども、またタクシー業界の巻き返しがあって、また規制に歯止めを掛けたという歴史があります。まあ、それはまた別な機会に議論したいと思うんですけれども。 次に、松田参考人に、こんな、ちょっと大局的なところから話をお伺いしたいんですけれども、ベンチャー、特にメガベンチャー育成についてお伺いしたいと思うんですが、何度ももう言わずもがなで、CBインサイトによりますと、二〇一七年九月時点で全世界におけるユニコーンの企業数は二百十五社、アメリカが百六、中国が五十七、インドが十社、イギリス六社、ドイツ五社、韓国が三社と、我が日本は一社しかないということでありますけれども、歴史や国民マインド、商慣行の違いなどが存在するのは理解しておりますけれども、日本でメガベンチャーやユニコーンが今日まで育っていない要因について分析されると、どのような考えがあるかお伺いします。
○参考人(松田修一君) ありがとうございます。 今、メガベンチャーを育てるためには長期資金が不可欠だという文脈の中から、産業競争力の中で産業革新機構の改編について御説明したわけですが、翻って、メガベンチャーということを考えたときに、先ほどのプラットフォーム事業もそうなんですが、ITテクノロジーが入ったことによって産業構造ががらっと変わってきた。その中で重要なのは、一つはスピードでありまして、今回新聞紙上にメルカリがこの六月にIPOすると、三千億円付くんではないかというふうに時価総額が言われておりますけど、たった五年なんですね。それほど急激な成長について支援する長期資金の出し手がいたということは非常に確かであります。 それと、もう一つ重要なのは、じゃ、たまたまメルカリの話をしますが、メルカリ自身がどこにマーケットを求めているかと。それは、日本にはもちろんあるわけで、日本をベースからスタートしたんですが、すぐヨーロッパ、アメリカということでグローバルに展開しております。 ですから、メガベンチャーというのを考えてみますと、育てるための資金が必要なのと、プレーヤー自身がグローバル化視点、グローバルな市場というのをどこに求めて、そしてそこにどのように訴えていくかということができるかどうか。そうすると、プレーヤーという起業家だけではできませんから、それを支援するような周りのメンターといいますか、広い意味ではエンジェルも含めてなんですが、メンターが必要だろうなと。もうそういうふうな総合力をどうしても必要だろうというふうに今思っております。 そういう意味で、やっと、ペプチドリームという東大発の大学発ベンチャーは、今六千億ぐらい付いていると思うんですが、世界のメガファーマーを相手にしている、まさに創薬プラットフォーマーなんですね。テクノロジーからのプラットフォームも日本から出てくる可能性があるなというふうなことが最近具体的な事例として出てきたというのが非常に希望だろうというふうに思っております。 ありがとうございました。
○石井章君 ありがとうございます。 じゃ、時間がないので、最後に常見参考人にお伺いいたします。 労働生産性に関しまして、日本が一九九〇年代から二〇〇〇年代まではトップクラスに位置していまして、技術立国の誉れのように感じて生きてきた世代の私は人間なんですけれども、他方で先生の御意見は同じく、単純に他国と比べますとなかなか難しい、労働生産性の数値を上げる簡単な方法は労働者を泣かせることにもつながりかねないというのが横行しているのではないかと。政府が労働生産性をとにかく上げようという政策には疑問を持っています。 そこで、これからの時代に政府が目指すべき労働生産性はどのようなものか、どういう理想が先生の御意見かをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(常見陽平君) ありがとうございます。 先ほどの川上参考人の意見にも重なるんですけれども、一旦労働生産性という指標を手放すというのも一つの手だと思います。大胆ですけどね。いかに賃金が上がるのか、企業価値が上がるのか、国際的競争力が上がるのかということが非常に大事だと思います。 そして、繰り返しになりますけど、戦略をやらないといけません、我が国は。戦術じゃ駄目なんです。ということなので、やっぱりオペレーション、オペレーション、オペレーションと来るのは僕はおかしいというふうに思う。だから、稼ぎ方をいかに変えていくかという発想をするということだと思います。例えば、手法としてあるならば、例えば日本企業の利益率高いよね、日本企業の賃金って高いよね、日本って今賃金高い国じゃないですからね、というような状態を目指すと。結果として労働生産性が上がっているということが大事かなというふうに思います。 そのためにも、誇れる産業、誇れる企業、そして労働者が安心して働くことができる時代。明日の糧食にもままならぬ労働者がいるわけですよ、本当に。例えば、豊かな社会は、今もりかけ問題ってやっていますけれども、本当に市民たちはもりそばを食べるか、かけそばを食べるかと悩んでいる。そのときに、値段を見ないで天ぷらをたくさん乗せられる社会、これが豊かな社会です。 ということで、非常に豊かないわゆる消費生活が行えるように、皆さん、一円でも国民の給料が上がるような努力を是非していただければと思います。 以上です。
○石井章君 貴重な御意見をありがとうございました。 終わります。
○委員長(浜野喜史君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様方には長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(浜野喜史君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、伊藤孝恵君が委員を辞任され、その補欠として石上俊雄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜野喜史君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業省経済産業政策局長糟谷敏秀君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜野喜史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(浜野喜史君) 休憩前に引き続き、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○北村経夫君 自由民主党の北村経夫でございます。 私は、これまでのこの委員会での質疑応答、そして今朝行われました午前中の参考人質疑を踏まえまして、幾つか確認するとともに、提案も含めて質問させていただきたいと思います。 昨年の総選挙でありますけれども、自由民主党、六つの柱を国民の皆様に政権公約としてお約束いたしましたけれども、その一つに、劇的な生産性の向上と国民の所得増というものを掲げたわけであります。 この生産性向上、そしてその実現を支えるコネクテッドインダストリーズという構想、これ私は、単に産業政策ということではなく、このことによって人づくり革命と両輪を成すということからして、この国の社会そのものを大きく変える、そのような大きな壮大な構想だというふうに、試みだと私は理解しているわけであります。したがって、その実現のためには、大企業から個人事業主まで、そして経営者から生活者まで、そして東京から地方まで、広く国民の皆様に理解していただくとともに、参加していただくことがこの構想の成功の鍵となるんだろうというふうに私は思っております。 そこで、生産性についてでありますけれども、その定義、労働生産性を指標とするとしておられますけれども、今朝の参考人質疑でもこの労働生産性というのはいろいろ議論が行われておりました。その一つに、常見参考人はこう指摘されておられます。この労働生産性とは、付加価値を労働投入量で割ったものである、必ずしも効率を表現する指標ではない、ましてや労働者の勤勉さを表現するものではないというふうに指摘しておられるわけであります。政府は新経済政策パッケージの中でこのことを触れておられますけれども、その確認をしたいというふうに思っております。 そして、世の中も今変わってきておりまして、今日、現場で働く人に対してもっと長く働けということは言えないわけでありまして、むしろ、どんな事業を進め、どのような付加価値を生み出すか、そういった判断を経営者とともに現場で働く人も主体的に担っていくような時代になっているわけであります。 まず、この時代を踏まえまして、これからの生産性革命と働き方革命と、この二つの政策が目指す共通の将来像、それも含めてお伺いをいたします。
○政府参考人(宇野雅夫君) まず、生産性の定義についてお答え申し上げます。 今回の生産性革命の趣旨は、一人一人が生み出す付加価値を拡大させまして、これを賃金の上昇につなげることでデフレ脱却を図るという大きな流れを実現させるということにございます。 このような観点から、生産性革命では労働生産性を年二%向上させるという目標を置いておりますが、その際、これは一人当たりではなく、一人が一時間当たりに生み出す付加価値というものを基準としております。 以上でございます。
○北村経夫君 次に、コネクテッドインダストリーズについてお伺いいたしますけれども、これは大臣も説明しておられますけれども、この構想の先に、高齢化、人手不足、エネルギー制約などといった社会の課題が解決されるソサエティー五・〇が形成されていくわけであります。こうした日本の将来を大きく左右する極めて重要な構想でありますけれども、ただ、経営者でもコネクテッドインダストリーズにぴんとくる方はまだおられないわけであります。 私は、全国回りましていろいろな方とお会いします。この週末も宮崎、大分と回りまして、首長さん、あるいは地方議員さん、そして中小企業の経営者の皆さんといろいろ意見交換をしてまいりまして、いろいろ気付いたことはございますけれども、その中で、このコネクテッドインダストリーズというその構想、ほとんどの方がまだ理解していらっしゃらない。名前も聞いたことがないという、そういう方も多くおられたわけです。やはりこれは推進する上で、先ほども申しましたけれども、国民の皆様お一人お一人が理解していく、されることが肝要なんだろうというふうに思っております。 そこで、私は、どうすればこれが広がっていくかということを考えたときに、地方自治体の役割というものに注目しております。 今申し上げたように、自治体の首長さんや議員さんはなかなかまだ理解をしていらっしゃらない。一方で、深刻な人口減少というもの、そして企業誘致や雇用といったもの、そういった、その確保をできるかといったいろんな意味で、不安感、危機感というのはお持ちであります。 ところが、このコネクテッドインダストリーズというのが認知されていないわけでありますけれども、その原因というものを私、考えてみたら、やはりこうした先進的な構想というのは地方の経済産業には関係ないという、そういう先入観といったものもあるのではないかというふうに感じているわけであります。問題意識といったものはそれぞれ地方に行けば行くほど強烈なものをお持ちなんですけれども、やはりここは自治体に積極的に参加していただく、共に働く、協働を図っていくべきではないかというふうに考えております。 そこで、自治体にはどのような役割、そういうものを期待しておられるのか。経済産業省はもちろん、地方自治を所管していらっしゃる総務省に御見解をお聞きいたします。
○政府参考人(寺澤達也君) コネクテッドインダストリーズは、委員御指摘のとおり、人手不足の解消とか、また生産性向上という、まさに地域が抱える課題とか中小企業の競争力向上に大いに貢献し得るものだというふうに考えているわけでございます。 こうした意味では、コネクテッドインダストリーズを東京だけ、大企業だけではなくて、地域や中小企業に展開することは極めて重要でございますが、その際、御指摘のあった地方自治体、あるいは地域の中小企業等の関係が深い地方の経済団体との連携が不可欠だと考えているところでございます。 具体的には、経済産業省としては、物づくりとITの双方に精通した人材を地域の中小企業に派遣するというスマートものづくり応援隊という事業を展開しています。これは全国に拠点を設けているわけですけど、まさに自治体とか地方の商工会議所とかそうしたものが主体となって、現在二十九の拠点がございます。これを今年度四十拠点に広げるということで、より地方の皆様に実感を持ってもらいたいということでございます。 また、地方におけるIoTの活用推進ということで、地方版IoT推進ラボという事業も展開をして、現在全国で七十四の地域を選定しているわけでございます。具体的には、ITの専門家をメンターとして派遣をしたり、様々な広報活動を行っているわけですけれども、この事業の推進に当たっても、地方自治体、地方経済団体、そしてまた総務省とも連携しながら進めているところでございます。 また、中小企業とか小規模企業にとって急務は人手不足の中で生産性向上ということではございますけれども、そのためには、いろんなIT化とか業務プロセスの改善の成功事例を知る、共有することは極めて重要だということで、中小サービス等生産性戦略プラットフォームというのを関係省庁あるいは地域の支援機関など連携してスタートしたところでございます。このプラットフォームを通じて、全国ベースでITの利用についてのノウハウとか成功事例を強力に横展開をしていきたいというふうに考えているところでございます。 そういう意味でも、以上申し上げたとおり、委員御指摘があったとおり、このコネクテッドインダストリーズを地域や中小企業に展開をすると、そうした観点からも、自治体や地域の経済団体あるいは関係省庁との連携をしっかりと図っていきたいと考えているところでございます。
○政府参考人(吉岡てつを君) コネクテッドインダストリーズ始め、ICT、IoTの利活用につきましては、御指摘のように、地方公共団体の取組を強く促しながら地域の抱える社会的課題の解決につなげていくということが重要というふうに考えております。 こうした中で、総務省におきましては、平成二十八年度から、国民生活に身近な様々な分野におきましてIoTを活用した新たなサービスの創出を支援するプロジェクトを全国各地で実施しているところでございます。また、こうした実証等の成果の横展開を迅速に進めるために、平成二十八年十二月に二〇二〇年度までの地域IoT実装推進ロードマップというものを策定をいたしますとともに、IoTの利活用を進める地方公共団体等に対し、計画策定支援、人的支援、財政支援をパッケージで提供しているところであります。さらに、昨年の七月には、地域へのIoT導入に意欲的な地方公共団体と民間企業のマッチングの場として地域IoT官民ネットを立ち上げ、官民協力を推進しているところでもございます。 現在御審議いただいている法案が成立した際には、経済産業省とともに、主務官庁として、データ利活用推進に関する認定制度の活用についても地方公共団体や地域の企業等に積極的に周知をしていきたいと考えております。 また、加えて、先月、地方公共団体、企業等からのICT利活用に関する相談に対応するICT地域活性化サポートデスクを開設したところでございます。このサポートデスクにおきましても、本制度の活用に関する個別相談にも丁寧に対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○北村経夫君 ありがとうございました。 コネクテッドインダストリーズを、これを成功させるために、地方自治体の役割というものを今、経産省そして総務省から伺いました。いろいろな取組をされようとしておられるのがよく分かりましたけれども、ここはやはり縦割り行政を脱して、これはうまく連携しながら、地方自治体、役割を更に向上するように指導もしていただきたいというふうに思っております。 次に、このコネクテッドインダストリーズの構想の中で、国際競争にどう勝ち抜いていくかについての戦略についてお伺いしたいと思っております。 第四次産業革命と言われるこの中で、世界各国様々な構想、ビジョンというものを生み出してきているわけであります。製造業とIoTに焦点を当てた当初のものとしては、ドイツのインダストリー四・〇、アメリカのインダストリアル・インターネットなどがありますけれども、そしてより広く産業政策まで拡大したものとしては、中国の中国製造二〇二五、インドのメーク・イン・インディアといったものがあるわけであります。 こうした様々な構想が世界戦略をもくろむ中で、日本のコネクテッドインダストリーズの強みである製造現場、自動走行、健康、医療、介護といったリアルデータで巻き返しを狙っていくわけでありますけれども、自動走行のアメリカ、生体データの中国といった国がリアルデータの急速な蓄積というものを進めているわけであります。そのことによって我が国の強みが失われつつある、ゆえに、日本も実証実験やデータビジネスなど様々なリアルデータの蓄積、活用を更に加速しなければならない、そのとおりだろうというふうに思っております。 しかし、私は、注意しなければならないのは、よくある、これまでもあったんですけれども、日本の独特の手法にこだわり過ぎるとガラパゴス化してしまうこともこれまであったわけであります。そのようなことがあってはならないということを指摘したいんですけれども、例えば、製造技術については、本家のドイツ、インダストリー四・〇をパッケージ化して、コアとなる部分のブラックボックス化を図っているわけであります。同時に、オープンな部分については国際標準化をして売り込むという知財戦略で着実に新興国の中に入っている、新興国を取り込んでいるわけであります。国際標準につきましては中国ともすり合わせているということでありますので、なかなかこれは厄介になっているんだというふうに感じております。 これまでの質疑において、競争領域、協調領域について数々の御質問、説明がございましたのでこの部分については割愛したいと思いますけれども、重要なのは、この日本のコネクテッドインダストリーズ構想と例えばドイツ、インダストリー四・〇構想と、そこでどこで協調し、どこで競争するのかを戦略的に検討することが私は大事なんだろうというふうに思っております。諸外国に対しまして何をオープンにして商圏を広げ、何をクローズにして収益化すべきか、戦略の基本的スタンスをお伺いいたします。
○政府参考人(寺澤達也君) 委員が御指摘になりました特にドイツのインダストリー四・〇でございますけれども、これは、ITと製造技術の組合せによって生産の高度化や国際的な規格、ルール作りに力を入れるというものでございます。この中では、物づくり分野を中心に、大手ソフトウエア企業がほぼ寡占的に提供するシステムを中小企業などが利用するということを想定しているというものだと思います。 これに対して、日本の強みは、委員御指摘のとおり、物づくりを始めとする多様な分野において、中小企業も含めた多くの現場が高い技術力を持ち、個別に良質なリアルデータを蓄積していることでございます。このため、日本のコネクテッドインダストリーズにおいては、中小企業を始めとする多様な産業の規格が参画し、協調領域のデータの相互利用を通じてお互いに成長することを目指しているということでございます。 このように、ドイツと日本というのはアプローチが違うわけではございますけれども、いろんな物づくりのサプライチェーンというのは国境を越えて展開するということで、例えば、規格がばらばらであるということであるとメーカーも非常に困ってしまうということでございますので、ドイツともいろんな規格の標準化に向けて議論は密接に行っているところでございます。ただ、そういう規格は標準化をしながらも、コアとなるリアルデータ、これは競争力の源泉なものですから、これはしっかりと日本のプレーヤーの間で共有し、それによって競争力を高めておこうということでございます。 加えて、日本のコネクテッドインダストリーズは、ドイツのインダストリー四・〇が製造業にほぼ限定されているのに対して、日本のコネクテッドインダストリーズは、物づくりだけじゃなくて、委員からも御指摘があったように、日本の強みである自動走行、あるいは今後のモビリティーサービス、バイオ・素材、インフラ保安、それから家庭に関係するスマートライフという広範な領域をカバーするということによって、日本の強みを生かし、国際的な競争にも立ち向かっていきたいと考えている次第でございます。
○北村経夫君 ありがとうございます。 是非、国際戦略構想の中で勝ち抜けるように、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。 そして次は、データについてでありますけれども、連携についてでありますけれども、これもいろいろ議論がございました。事業者の技術情報、個人の情報の保護については議論がありましたのでこれは省かせていただきますけれども、一点、ビッグデータの保護について申し上げたいと思っております。 最近、今月下旬に施行が迫っております欧州の一般データ保護規則、GDPRが話題となっておりますけれども、この欧州の制度設計というのは、プライバシー保護の観点が中心となっているわけであります。一方、我が国は、不正競争防止法、そして著作権法、特許法などを通じて、ビッグデータを知的財産として保護していこうというアプローチを取っているわけであります。これは、私、国際的に見ても先駆的な取組だというふうに思っております。 データを法制度上どのように扱うという議論は国際的にもまだ始まったばかりなんですけれども、せっかく我が国が先行したこの知的財産としての保護という視点、これからも国際機関などを通じまして積極的に国際ルールについてルール化を図っていくべきと考えておりますけれども、これについて、現状の取組と今後の予定についてお伺いいたします。
○政府参考人(糟谷敏秀君) データが付加価値の源泉となっている中で、この価値あるデータを知的財産としてどうやって保護するかということについて知的財産戦略本部において検討を行ったところでございます。 まず、ビジネスモデルが確立しない中で強い権利が与えられるとそれを試行錯誤しづらくなるなどの指摘がありまして、利用を拒否することができる排他的な権利を設定するというのは適切ではないのではないかと。次に、他方で、安心してデータを提供し、かつ利用できる公正な競争秩序を確保するために、新たな不正競争行為としてデータを保護する言わば行為規制について具体的に検討を進めることが適当だというふうにされたわけでございます。 これを受けまして、経済産業省として、今国会に不正競争防止法等の一部を改正する法律案を提出させていただいているところでございます。これは、データの不正流通に対する対抗手段を措置し、安全、安心なデータの利活用環境を整備する観点から、データの不正取得などに対する差止め制度を創設するものでございます。 国際的に見ますと、こうしたデータについての不正流通への対応策として統一された制度は存在しておりません。例えばEUでは、創作性のないデータベースにも排他的な権利が付与されて差止めが可能となっていたり、他方で、それ以外のデータについては、ビッグデータについては対象になっていないという実情もございます。また、アメリカでは、いわゆる懲罰的な損害賠償が不正使用などへの抑止力として機能しているという状況でございます。 このように、各国の法体系に応じてまだまだ個別、様々であるのが現状でありまして、今回、不正競争防止法の改正ということで御提案申し上げている制度は国際的に先駆けとなるアプローチでございまして、アメリカやEUを始めとする主要国に対して新しい制度の趣旨とか内容についてしっかりと情報発信を行ってまいりたいと考えております。
○北村経夫君 ありがとうございました。 次に、産業革新投資機構の役割について、ガバナンスについてお伺いいたします。 今回見直しが行われるわけでありますけれども、この産業革新機構の投資についてはなかなか厳しい批判もございます。例えば、そもそもの目的だったベンチャー投資ではリスクを取った投資ができていないとか、事業再編投資は日本の競争力強化につながらず、かつての産業再生機構の域を脱していない、あるいは、長期的な政策目標を達成できていないなどの指摘があるわけであります。 今後、政府としてのビジョン、日本の国益を反映する官としての性格と、純粋な投資としてリターンを追求する民としての性格、これが矛盾しないように機構の中で慎重にバランスを取る組織体制が鍵であると私も確信しているところではございますが、今回の改正では、政府の株式保有義務が株式総数の二分の一から三分の二に引き上げ、官としての使命をより一層果たしていこうとする姿勢を示したものと言えるわけでありますけれども、他方で、財務省は、各省に官民ファンドの収益性目標を設定するよう求めております。 これは、比較的短期の収益性を重視した言わば民の視点によるものだと思いますけれども、経産省としては、評価を行う部門、そして投資といった実務を行う部門、これを分離するというふうに説明していますけれども、機構の官の視点と民の視点、これを共存させるためにどのような組織設計、ガバナンス設計を採用されるのか、改めて確認したいと思います。そして、今回の機構の名称を、産業革新、投資を入れた、投資機構に変更をしているわけでありますけれども、その辺も含めて御説明していただきたいと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 官民ファンドであります産業革新投資機構におきましては、御質問いただきましたように、中長期的な視座に立って、日本の国益を追求する官としての性格と純粋な投資としてリターンを追求する民としての性格のバランスを取っていくことが非常に大事であるというふうに考えております。ただ、これらは必ずしも相反するものではありませんで、国益にかなう形で国民へのリターンも最大化するという、両立させることが可能であるというふうに考えております。 このため、改正産業競争力強化法におきましては、第一に明確なミッションの設定、第二に投資に適したガバナンスの実現、こうした二つの見直しを行うことで、官の性格と民の性格をバランスをさせまして投資機能を強化をするということを目指しております。まさに投資機能を強化をするということで、今回、産業革新機構から産業革新投資機構ということで、投資の二文字を新たに追加をさせていただきたいということでございます。 この二つの見直しのうち、まず第一の明確なミッション設定につきましては、政府が、官の視点、すなわち国益を反映した投資基準を設定することで、第四次産業革命の社会実装など、国の方針に沿ったミッションの明確化を図ることとしております。 第二の投資に適したガバナンスの実現につきましては、投資実務を行う機関とその評価を行う機関を分けることとしております。これによって、投資判断の自由度、柔軟性を高めつつ、事後評価と成果主義を徹底をいたします。評価を行う機関は、機構の下に置かれる認可ファンドの個別の投資決定には関与をいたしません。第三者的な立場から事後的に徹底した評価を行うこととしております。 このように、適切な規律と現場での迅速かつ柔軟な意思決定、これらを両立させることで、国益を追求しつつ国民へのリターンも最大化できるよう、経済産業省としても適切に指導監督を行ってまいりたいと考えております。
○北村経夫君 この産業革新機構については、午前中の参考人質疑の中でも取り上げられたんですけれども、その中で早稲田大学の松田先生が御指摘しておられました。これは、今回の見直しというのは、民業補完ではなく民業強化の誘い水の発想で運用組織を見直すことは重要であると指摘され、そして、技術で勝ってビジネスにも勝てる事業や産業をハンズオンできる専門家による運営が大事なんだというふうに御指摘もしておられました。私も、やはり人材確保というものが重要になってくるんだというふうに思っております。 先日、会計検査院から報告がありました官民ファンドの投資損益の状況についてでありますけれども、平成二十八年度末で十四ファンドのうち六ファンドが損失を抱えていると、そういう状況もあるわけでありまして、やはりこの運用管理を担う人材の確保、これは大きな大きな重要な問題だというふうに思っておりますけれども、これには待遇改善というものもあるんですけれども、これは予算措置があるので難しい面もあるんでしょうけれども、その中でどのような優秀な人材を確保するのか、これは大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 産革投資機構がしっかりと生まれ変わって立派な投資運用機関として活動していくに当たっては、優秀な人材の確保、これは必須だと思っています。今、報酬の面の御指摘がありましたが、それ以前の問題として、やはり投資のプロがなかなか好まない社風というか、やっぱりどうしても官の性格が強いものですから、投資一件一件が成功するのかしないのかというような判断に物すごく時間が掛かったりしていて、なかなか民間で投資運用ビジネスをやっている人たちがここへ来てやりたいという雰囲気にならないというまず問題点があるというふうに思っています。 今回の法改正によって、もちろん国の政策に沿った基準というものはきちっと決めるわけですが、基準を決めた後は、その範囲内であれば、あとはCIO以下の投資のプロたちに投資先とか運用といったことをきちっと任せていくということによって、投資のプロにとって魅力ある職場にするということがまず一つ重要だと思います。 もう一つが、やはり御指摘のように報酬も重要でありまして、やはり、せめて日本の民間の投資運用のプロの給与水準ぐらいまでは持っていく必要、外資とまでいくとちょっとこれはかなり我々の常識から懸け離れた数字になってしまいますので、日本の同様の投資運用機関と同水準が確保できればというふうに考えておりまして、今回のこの改正の法案の中の百二十条の中で、優秀な人材の確保並びに若年の出資専従者の育成及び活躍の推進に配慮するという規定を新たに盛り込ませていただいておりまして、まさにこれは、一般の職員の給料を上げようとは思っていませんが、いわゆる投資に携わる職員については民間のファンドと比較し得る報酬水準を確保したいというふうに考えております。 いろんなやり方で優秀な人材がしっかりと集まって、そしてまたここから育っていくというような産革機構にしてまいりたいと考えております。
○北村経夫君 ありがとうございます。 今大臣が言われました民と官の風土の違いみたいなことですね、これは本当大事な点だろうというふうに思います。やはり民間の人が同じようなスピード感を持って働ける場所づくりというのもまず大事なんだろうというふうに思っております。そして、待遇改善のことも是非よろしくお願いしたいというふうに思っております。 次でありますけれども、大学ファンドについてであります。 今回改正で大学ファンドの見直しというものが行われるわけでありますけれども、今回の改正によって、大学ベンチャーであれば、その大学と共同研究状態にない場合でもその大学のファンドを活用できるように制度の見直しが図られるわけであります。本当にこの点について私も評価しているところでございます。そして、午前中の参考人質疑の中でも、この大学ファンドの重要性、これも松田参考人でありましたけれども、指摘しておられました。やはりこの大学ファンドという、こういうものを強化していく、それによってイノベーションを促進させる、これは肝要だというふうに思っておりますけれども。 そこで、私、大学発のベンチャーと自治体との連携、これを強化してはどうかという御提案でございます。 政府は、これまで、産学官の連携を強める、こういう指導もしておられ、方針も取っておられるわけでありますけれども、官というのは国の機関だけではなく地方自治体というものも含まれるわけでありますから、日本のアーリーステージにあるベンチャーへの資金提供、供給というのは、諸外国に比べれば、全国的には厳しい環境にあるわけであります。その中でも、都市部においてはまだ恵まれているんだろうというふうに思います。 私、いろいろ地方を回りますと、よくお話聞くのは、地方の大学、国立大学の技術の活用という、そういった話も聞くわけでありますけれども、地方の国立大学には優れた技術というものもある、それが眠っている場合も多いわけでありまして、その場合、この民間の資金供給メカニズムに頼っていたらこれはなかなか難しいのはこれは実態なんだろうというふうに思います。 それで、そのことを踏まえて、やはり自治体というものは、産業育成あるいは地域住民の利便性を向上させる、そういったために、地元の大学ファンドといったもの、大学のファンドをもっと活用したらどうかなというふうに思っているわけであります。 今お配りいたしました資料を御覧いただきたいと思うんですけれども、これは大学ファンドと自治体が連携した大学発のベンチャーの一例であります。これは大阪大学のベンチャーキャピタルでありますけれども、これは、大学発のベンチャーが近隣の自治体と連携してそれぞれの地域住民の利便性を向上させる、そういった取組を展開しているわけであります。今この日本においては、大学ファンドというのは、東北大学、東京大学、京都大学、大阪大学の四大学が認定を受けているわけでありますけれども、今後、このほかの地域の大学に拡大していったらどうかというふうに思っているわけであります。 やはり自治体もこういったものを活用することによって地域住民の皆さんのためになることができる可能性があるわけでありますので、どうかその辺のことを考えて、今の段階での認識と今後の展望についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(末松広行君) 大学ファンドについては、先生御指摘のとおり、現在、東北大学、東京大学、京都大学、大阪大学の計四大学が事業計画の認定を受けております。それらの事業の中で、各大学及び大学ファンドが、それぞれの地域において自治体とも連携しながら、大学発ベンチャーの支援を行い地域産業の発展に貢献していくことを期待されているところでございます。 北村委員が御提示された大阪大学ベンチャーキャピタルの出資先であるエルブズの例は一つの注目すべき事例でございますが、このほか、これまでに、例えば東北大学ベンチャーパートナーズが出資しているピエゾスタジオが開発中の電子デバイス素材は、宮城県のみやぎ優れMONO制度の認定を受け、優れた工業品として県内外にPRされております。また、京都大学イノベーションキャピタル及び大阪大学ベンチャーキャピタルが出資しているAFIテクノロジーは、京都府が運営する京都エコノミック・ガーデニング支援強化事業における補助金を通じた支援も受けて、微生物の分離、検出装置を製造しております。 こういうように、経済産業省としても、地域産業の発展に資するよう、大学ファンドを通じた大学ベンチャーの育成に取り組んでまいりたいと考えておりますし、今先生御指摘されたことに関しては、現行法では、大学ファンドはそのファンドを運営する大学発のベンチャーが同じ大学内の研究施設を利用している場合などに限って出資が認められていたわけですが、今回の改正案では、ファンドを運営する大学発のベンチャーが他大学との連携を通じて事業活動を行う場合なども支援することを可能として対象を広げております。 こういうことを活用して、地域の産業の発展に資するように努めてまいりたいというふうに考えております。
○北村経夫君 ありがとうございます。是非その試みも強化していただきたいというふうに思っております。 今回、いろいろ長時間にわたってこの法案の改正に対する質疑、拝聴してまいりましたけれども、その中で、私は法案の中身とはちょっと違うことで感ずることがございます。 いずれのこの今回の法案、取組というのは、各省庁の横断的な体制が不可欠であるということであります。新しい概念といったものや新しい分野、これが短時間によっていろいろ生まれるこの時代において、行政組織の縦割り、そしてその連携の在り方、これを根本から見直す時期に来ているのではないかというふうに感じております。 例えば、データ連携、データの共有が課題となりますIoT、AIの分野においては、総務大臣と経産大臣が並んで主務大臣となっております。諸外国といえば、官民で総力を挙げて産業の高度化を図っております。その中で、我が国は果たしてそうしたスピード感、スピード感を持って満足に競い合える状況なのかということが私は心配であります。 今、一府十三庁になっておりますけれども、二〇〇一年、中央省庁の再編が行われて、このときは一府十二省庁でありましたけれども、そのとき以来約二十年経過しているわけであります。二十年というのは二昔前でありますけれども、でも、この二十年というのは本当にすさまじい勢いで世の中、世界が変わってきている。第四次産業革命という時代に入っているわけでありますけれども、そうした中でこの省庁体制が果たして今のままでいいのかということであります。 今、自民党においては、厚労省の分割あるいは総務省と経産省の情報通信分野の再編といったことも論じられておりますけれども、大臣にこの辺のことについて本音のお考えを伺いたいと思っています。
○国務大臣(世耕弘成君) 私も報道等でいろんな省庁再編の議論が行われていることは承知していますが、これ今、ちょっと現職の大臣としてはコメントは控えさせていただきたいと思います。 ただ、今、コネクテッドインダストリーズの中で、我々は、民間に協調領域をもっと増やしてくれということをお願いをしているわけであります。そういうお願いをしている以上は、我々省庁もやはり縦割りを排して協調領域をしっかりつくっていかなければいけないというふうに思っています。 特に経産省と総務省というのは、一九八〇年代のテレコム戦争の遺恨が残っていて、いろいろ政策に関してぶつかり合うことも多いわけでありますけれども、特にコネクテッドインダストリーズの中で、ICTを所管する経産、総務両省は、特にICT分野ではしっかりと連携をしていかなければいけないと思っています。 私、今さらっと歴史的な発言をしたんですが、実は経産省というのはITとしか絶対言わないんですね。総務省はICTとしか絶対に言わないんですが、野田大臣との間でもうそういうくだらないこだわりはやめようということで、今経産省も積極的にICTという言葉を使わせていただいて、そういうところから経産、総務のICT分野での連携をしっかりと進めて、民間に更に協調領域もお願いしてまいりたいというふうに考えています。
○北村経夫君 ぎりぎりのところで御答弁いただきまして、ありがとうございます。まさに、私もくだらないこだわりというものはやっぱり取っ払っていかなければならないというふうに思っております。 冒頭申し上げましたけれども、この生産性向上、そしてそれを支えるコネクテッドインダストリーズという構想は、産業政策ということではなく、この日本という社会を変えるような壮大な試みであろうというふうに思っておりますので、やはり縦割り行政があってはこれはなかなか進まないということでもありますし、そして地方も、自治体も巻き込んだ取組というのが大事なんだろうと再度申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。 法案の審議、いよいよ佳境に入ってきたなという思いでおります。とりわけ、よく議論もされているサンドボックス制度、こちらの範囲というか、有用性を議論する上で、私、前提として、まず今日は、中小企業金融、少し問題提起をしたいなというふうに思っております。 先日、私の国会の部屋に東京情報大学の教授の堂下先生という方がお越しくださったんですが、その方、昨年の我が党の財政・金融部会でも、フィンテック時代に適合した新しい金利の体系の在り方という講演をしてくださった方であります。 まず、その堂下先生とお話ししていく中で、やはり議論になったというか、意見が一致したのは、特に事業性の短期金融であります。主に、もう無担保で無保証で短期に決裁をしてすぐに融資ができるような、そういうローンの在り方というのも非常に重要であるかという議論もありました。 確かに、私も地元入っていろいろと、いろんな業者と話をしているんですが、通常の運転の場合であっても、例えば支払サイトが長いような旅客であったりとかは、売り掛けが立った後も実際それが回収されるまで時間が長くなる、その間のつなぎ融資をどうしても運転継続していくためには必要だというのはよくある話でもありますし、農業関係とかでいえば、問屋さんなんかは、取引が多いところはやはりそういうような融通というのも非常に重要になってくる。 突発的に来る顧客からの要望に対しても対応するためにどうしてもつなぎの融資が必要になってくるということは、現実の中小取引でもこれ間々あることだと思うんですが、まずは経済産業省に対して、そういう中小企業の事業用の短期資金の重要性やこういうつなぎ融資を含めた短期資金の供給に対してどのような対応をされているのかをまずお伺いしたいというふうに思います。
○政府参考人(安藤久佳君) お答え申し上げます。 中小企業の皆さん方に限らないと思いますけれども、事業全体としては成り立っているんだけれども、その時々のキャッシュフローとの関係でショートしてしまうと、こういうようなお話がよくあるわけであります。したがって、そういった段階のときに弾力的かつ柔軟に短期資金を速やかに供給させていただく、こういった機能は大変大事だというふうに認識をさせていただいております。 一例を申し上げますと、昨年の中小企業の信用保険法などの改正の際に、信用補完制度につきまして新たに金融機関と信用保証協会の連携規定というものを置かせていただきました。この連携に基づきまして、現実に、私どもと金融庁がアレンジをさせていただきまして、金融機関と信用保証協会の適切なリスク分担によって、金融機関によるいわゆる事業性の評価、こういったものを行った融資や適切な期中管理、そして経営支援を促進をするということをさせていただいております。また、中小企業の多様な資金需要に一層対応するため、逆に、信用リスクの高い創業あるいは小規模事業者の皆様方について利用可能な一〇〇%保証の上限額を拡充する、こういったような制度の見直しを行ったところでございます。 いわゆる事業性評価の融資も様々な種類がございますけれども、例えば一例申し上げますと、一つ一つの担保を設定するのではなくて、仕入れや在庫といったような商流全体を把握をさせていただいて融資を行ういわゆるABLといったような手法とか、あるいは、あらかじめ設定した一定の貸出額の範囲内におきまして金融機関が企業の短期資金をスピーディーに融通をするいわゆる当座貸越し、こういったような融資制度がございます。 まだまだ金融機関の皆様方、リスクをなかなかお取りになれないということで、十分まだこういった融資が行われているというところまでは行っていないわけでございますけれども、少しずつでもこういった融資制度が普及をするように全力を挙げてまいりたいと、このように思っております。
○矢倉克夫君 今、事業性評価のお話と、またありました。事業性評価をする、要は、こういう小口のものであっても即座に融資をするための評価の在り方という部分での事業性評価であろうと思います。これはまた後ほどフィンテックの関係で、そういった財務データにかかわらず評価し得る技術が生まれたというところのまた文脈でも話関わるところだと思いますが。 その上で、堂下先生とも、今中小企業庁からいろいろと対応いただいていることをお伺いしたんですが、そういういろんな工夫をされている中ででもやはり広がらない仮に理由があるとしたら、これは金利の上限規制というものもやはりあるのではないかというようなところが意見があったところであります。 御案内のとおり、貸金業法改正等も経た上で、今は、かつてのグレーゾーン金利をなくす趣旨の下で、利息制限法の利息にあって百万以上の融資であっても上限一五%、こういう金利の下でのみ貸し出すことができるというような体制になっております。 例えば小規模の事業者の短期金融というのはどれぐらいの額かといえば、何百万とかそういう額というのは頻繁に融通は行われるときはあると思うんです。例えば百万の融通をお願いして、その分で今の一五%、仮に二〇%だとしても、じゃ金利はどうなるかといえば、一日大体六百円ぐらいであります。それが二か月間、三か月間ぐらいの貸出しでもどれくらいの金利収入になるかといえば、大した金利にはならない。結局、そうなると、貸し出す人がなかなか貸し出さないというような事態になるというようなことはよく言われていることであります。 金融庁さんに今日来ていただいているのでちょっとお伺いもしたいんですが、金融庁さんの方でも、平成二十二年の六月のいろいろ内部での検討におきましても、ヒアリングで、零細事業者から、短期のつなぎ資金なので金利が高くても負担を感じることはないといった御意見や、また他方で、平成二十年の内閣府の規制改革会議の生活基盤タスクフォースとかの議論の中でも、上限金利の引下げを受けまして貸金業者の急激な貸し渋りが発生をして、中小零細事業者の中でも倒産や廃業が目立つようになったというような政府内部の議論もあったというふうにお伺いもしておりますが、金融庁として、この貸金業法の改正によって、金利の上限規制などにより、小口の短期資金の供給についてはどのように理解をされているのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(水口純君) お答え申し上げます。 平成十八年に成立しましたいわゆる貸金業の規制等に関する法律の一部改正法、貸金業法でございますが、によりまして、出資法の上限金利の引下げ、それと、利息制限法の水準の上限金利といたしますことで資金需要者の金利負担の軽減というのをなされたところでございます。 こうした中、中小企業の資金繰りの状況について見ますと、例えば平成三十年三月の日銀の全国企業短期経済観測調査、短観によりますと、資金繰りが楽であるとされている中小企業は、苦しいとする中小企業に比べまして一二ポイント高うございます。そして、金融機関の貸出態度が緩いとする中小企業は、厳しいとする中小企業に対しまして二二ポイント高いという結果になってございまして、実際、足下では、銀行、信用金庫、それから信用組合、各業態の中小企業向け貸出残高というのは増加を続けているという状況でございます。 また、平成二十六年八月に全国財務局が各都道府県の商工会議所を対象に実施したアンケート調査によりますと、中小企業の資金繰りが悪化した要因としてこの改正貸金業法の影響というのを挙げた中小企業の割合はゼロであったところでございまして、貸金業法の改正による中小企業の資金繰りに与える影響というのは限定的であるというふうに考えてございます。 ただ、いずれにしましても、金融庁としましては、引き続き、中小企業を含む資金需要者の状況というのをよくフォローしてまいりたいというふうに考えてございます。
○矢倉克夫君 今、現状の認識をいただきました。 他方で、今後の景気状況によっては、また金利の状況いかんによっては、今おっしゃっていただいたような事実が仮にそうだとしても、しっかりした小口の事業性の融資というのをやはりこれ考えていかなければいけない事態が来るかというふうに思います。そのための制度の実証というのもやはり重要な意味もあるかなというふうに思っているところです。 私、大臣に、改めてこの中小企業の金融とサンドボックス制度についてちょっとお伺いもしたいと思っているんですけど、今の上限金利の話なども、これは制度としてはまさに今そうなっているので今の金融庁さんのおっしゃっていただくような形に当然なると思うんですが、やはりサンドボックス制度の中でどういうふうにより良く変えていける動きがつくれるかというところも一つ例があるかなというふうに思っています。 今の金利の在り方というのは、例えばその議論も見ても、やはり消費者金融というところを中心に想定をされている。私、当然その部分では今の金利の制限というのはあるべき姿であると思うし、ここは一切動かしてはいけないというふうに思っているんですが、他方で、金融も、消費者金融もあれば事業者金融もあり、今はそういうのはもう一律で、金融の動きにも限らないで一律な金利規制になっているところであります。 今言った事業者金融の側面から見れば、小口、消費者金融にしたら百万円以上は当然大口なんですけど、事業性の金融としたら、百万ちょっとを超えるぐらいでもよくある金利の話だと思います。そういうものであっても、全て年利換算されて上限が掛かる。本来であれば、事業者としてももう少し利息を払ってでももらいたいというようなニーズがあっても、上限金利のせいで駄目だというような事態が今後も起こり得る可能性もあるかというふうに思っています。 そういうときこそ、規制の中でのグレーの部分をある解釈という部分でも新しく何か試みをしなければいけないんじゃないかというような例としてこの金利の問題というのも考えられると思いますし、その上で、ちょっと前置きが長くなって恐縮ですけど、例えばトランザクションレンディングという形で、今のITの技術を使って、即決でもういろいろ融資もできるような体制も今後生まれてくると思います。 そういう技術進展を踏まえて、今後は、このサンドボックスの制度を使った上で、新しい上限、事業性金融についての取組というものも実証し得る範囲内としても考えられるのではないかというふうに思っておりますが、大臣のその辺りの御所見と、もし、また加えて、そういった取組が社会に与えるインパクトを大臣の中で御所見があればまたおっしゃっていただければというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今、トランザクションレンディングというお話がありました。これは、大手のネット通販のプラットフォーマーなどが、そこに出店している人たちの、例えば彼らは取引データですとかそういったことが全部分かるわけですから、それをベースにして即断即決でつなぎ資金を融資していくという、そういう仕組みなわけであります。ただ、現状では、御指摘のとおり、上限金利の範囲内で行われている、あるいは金融機関が行っている、あるいはそういったプラットフォーマーが上限金利の範囲内で行っているという状況ですけれども、新しいファイナンスの形態として注目すべき点はあるというふうに思っています。 また、委員御指摘のように、これを、じゃ、サンドボックスの中でその一五%の上限金利を外したようなサービスがあり得るのかどうかということですが、このサンドボックス制度というのは、私も何度も答弁していますように、事前に何か形態を決めているわけではありませんので、トランザクションレンディングで上限金利が今の貸金業法の規制を上回るようなものを申請していただくことは可能であります。 ただし、じゃ、これ今度審査する段階で、この上限金利規制というのがなぜ入ったのか、やはりいろんな事件とか社会問題が起こった結果として上限規制金利が入っているわけですから、そういった規制が保護しようとしているような権利利益が損なわれないことがきちっと担保できるのかどうか、これは少し議論をしてみないと分からないということになるんだろうというふうに思います。 そういったことをチェックの上、それが可能である、しかも、適宜ここでも議論になっているモニタリングも含めて、実行中の監督もしっかりできているということであれば認定されるということになっていくんではないかと思っています。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 大臣のお考えに全く同意でありまして、新しい分野として実証し得るものも当然ある、この部分は非常に私、有用だと思います。他方で、大臣もこの前御答弁いただいたとおり、この制度の目的は、既存の法律の目的が更に適切に実現され得るような実証をしっかり努めていくということであるかなというふうに思います。 そういう趣旨の下で、安易な実証が、弊害が起こらないようにちゃんと制度の中でチェックをしていくという在り方、これも制度の中では私はしっかりとできているところもあるかなという理解もさせていただいて、是非こういう形ででの実証も進めれるような運用もまた広げていっていただきたいというふうに思っております。 こちらのこの件に関しましては、ちょっと一点だけ、例えば金利の問題にしても、既存の法令に全く没却するような実証というのはやはりあるべきではないと思うんですが、いろんな工夫の仕方、金利ではなく、また手数料であったりとか、そういういろんな名目の下でという動きもあるかもしれませんが、そういうのも含めて、社会のいろんなアイデアが出ていく、その中でシャッフルしていって、既存の法令の趣旨に反しないようなものをしっかり採用していって、実証していって、それが制度に変わっていくというような大きなダイナミズムが生まれるようにこの制度については改めて御期待をしたいという点だけは申し上げておきたいというふうに思います。サンドボックスについては以上で終わりたいというふうに思います。 続きましては、もう一つの法案の産業競争力の強化法、こちらについて幾つか質問をしたいというふうに思います。 午前中の参考人の質問でも、松田参考人などは、とにかく今の状況については、ITというものの進展によって産業構造が大きく変わったということを強調されていました。また、第四次産業革命による新たな産業構造の転換、これは業態別、業務別のものではやはり遅れてしまう、そのために横串を刺すような産業構造というのがやはり起きているというようなことをおっしゃっていただいて、非常に今の時代のダイナミズムを的確におっしゃっていただいたというふうに私も理解したところであります。 この産業競争力の強化法の改正というのは、まさに今起きている産業構造の転換、これにしっかりと、企業の動きも含めて、経済全体の動きも含めて適用するための法案だというふうに理解もしておりますが、まず経済産業省の方に、経済産業省としては、この産業競争力の強化、これに向けて産業構造をどのようにこれから今後動いていくというふうに捉えていらっしゃるのか、その点まずお伺いしたいのと、その上で、特に法案ではMアンドAという手法を強調した形で産業構造の転換ということを一つ重視をされているわけであります。その今の流れの中でMアンドAという手法が果たす役回りをどのように捉えているのかを御答弁いただきたいというふうに思います。
○政府参考人(中石斉孝君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、第四次産業革命の中、IoTや人工知能という新しい技術が既存の産業と組み合わせて新しい製品、サービスが生まれてきたということでございます。この中で、産業構造を、これまで、例えば自動車産業とかあるいは電子製品産業、製造業とか、あるいはサービス業といった縦割りの区分でありましたけれども、今後は、業種の垣根を越えて、経営資源を組み合わせて、例えばモビリティーですとかスマートライフですとか、そういう新しいものが生まれてくるというふうに考えております。 そして、この産業構造の変化は極めて速い流れになっておりまして、国際的にもそのトレンドがくるくる変わるぐらいに大変激しくなっております。この中で、日本企業も、迅速に経営資源を戦略的に組み替えて、そして外部の経営資源をどんどん取り込んでいくことが不可欠になっています。 この事業再編を迅速に行う手段として、我々は、今回、MアンドAは極めて有効な手段というふうに認識しております。事業再編の円滑化については、これまでも税制上の支援措置や会社法の特例措置等を講じてきましたけれども、今回の産業競争力強化法等の一部を改正する法律案では、大胆な事業再編を機動的に行えるよう、今回新しく、自社株を対価としたMアンドAを円滑化する措置を講じるなど、事業再編を促す各種支援措置を整備することと考えております。 こうしたような支援措置を活用して、今後とも産業競争力の強化に取り組んでいきたいというふうに思っています。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 法案の審査ですので、ちょっと法案の重要な定義とかの内容についてちょっと確認の上でまたお伺いしたいというふうに思います。 今審議官の方から、自社株を対価にしたMアンドAというようなお話、答弁をいただきました。このまさに株対価のMアンドAの対象としては、特別事業再編という法文がありまして、これを一定程度の要件の下、認定をするという手続になっているかというふうに思います。 この内容そのものが今おっしゃったものの対象になるというふうに思っているんですが、この内容について、認定対象としてどのようなものを想定をされているのか、そして、その要件については省令や告示に委ねられている部分も多いかと思いますが、今の現状で、お答えできる範囲で具体的にどのようなものを想定されているのかを答弁いただければと思います。
○政府参考人(中石斉孝君) お答えします。 自社株式を対価とするMアンドAにつきましては、平成三十年度税制改正におきまして、産業競争力強化法に基づき特別事業再編計画の認定を受けた場合に、買収に際し譲渡した買収対象会社の株式の譲渡損益に対する課税の繰延べをすることが認められました。 これを受けまして、今回、この株価MアンドAの対象となる認定要件を今検討しているところでございますけれども、現在のところ三類型ほど考えておりまして、一つ目には、今後成長が見込まれる事業分野において革新的な技術などを用いて行うもの、二つ目には、幅広い事業者に利用されるプラットフォームを提供するもの、三番目には、事業ポートフォリオを転換を進めるものというのを考えています。そして、生産性の著しい向上が見込まれ、また、買収対価の額が買収会社、買う方の会社の余剰資金の額を超えているというものも一つの要件に考えています。 さらに、その詳細につきましては、委員御指摘のとおり、今後、省令及び実施指針で定める予定ではありますけれども、省令では、さらに余剰資金の額の具体的な算定方法など、あるいは、実施指針では、一つ目の対象類型で先ほど申し上げました事業分野として、例えばフィンテックなど、様々な戦略分野というのを未来投資戦略などを活用しながら定めていこうというふうに考えております。
○矢倉克夫君 ちょっと、じゃ、更問いで大変恐縮ですけど、最後、今、省令の方で未来投資戦略に基づいた五分野というのを想定されたんですが、それ以外のものも入り得るようなものまで想定されていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(中石斉孝君) やはり重点分野ということを考えておりまして、その際に、やはり、未来投資戦略というのを今回また改定いたしますけれども、それが主にメーンと考えています。 ただし、この重点戦略分野というのは非常に幅の広いものを今回ターゲットとしておりますので、そういう意味では、有望な分野についてのカバレッジは相当広く考えてございます。
○矢倉克夫君 その五分野の部分を割と幅広にというような御趣旨だと今捉えましたが、それではもう一つ、MアンドAというところで今回幅を広げたところでは、再編を通じた事業承継の加速化に係る部分で、経営力向上計画について措置をされているというふうに思っております。 経営力向上計画をそのような趣旨で、MアンドAも含めた形で措置をされたというふうに理解もしておりますが、これについても、認定の対象としてどのようなものを想定されていて、また、要件としては、省令や告示に委ねられている部分もあると思いますが、これ、具体的にどのようなものを考えていらっしゃるのかを答弁いただければと思います。
○政府参考人(吾郷進平君) 御指摘のとおり、中小企業が抱える事業承継あるいは後継者問題の解決策としても、MアンドAは重要な選択肢であると考えております。このため、今回の法改正では、高齢化や後継者不在等の事情により将来的に事業の継続が困難となることが見込まれる中小企業の経営者からMアンドAを通じて事業を承継した上で生産性の向上をする計画、これを経営力向上計画の対象に追加することとしております。 そして、認定要件というお尋ねでございましたが、この計画の認定要件といたしましては、従来の経営力向上計画と同様、事業所管大臣の定めた事業分野別指針あるいは基本方針に沿ったものでありまして、MアンドA等によって獲得する経営資源を十分に活用して、原則として、買手企業の労働生産性を三年間で一%以上向上させること、そして単なる人員削減を目的とした再編ではないこと等を確認することとしております。
○矢倉克夫君 ありがとうございました。 今、それぞれの要件的なものもお伺いもしたところなんですが、今のそのMアンドAのいろいろ企業再編等、今度は、次はちょっと中小企業の関わりを少しお伺いしたいなというふうに思ったんですが、質問前にいろいろとレクを受けて、今、二つ、MアンドAの関係では認定を受けた制度の設計があるわけなんですけど、中小企業の関わりというところですと、どうしてもやはり後者の方の事業承継、承継がこのままだとできないからという文脈でやはり中小企業って出るのが非常に多いかなという印象が正直ありまして、最初の方の、まさにこれからの新しい経済構造に向けた主要なプレーヤーとして、最初の方のMアンドAにも中小企業というような思いというかイメージがなかなか伝わってこなかったところがあったんですが、経済産業省としては、今後の株対価のMアンドAに係る会社の特例措置、今回設けているわけでありますが、こういったものに対して、こういったものを使って、今まさに産業競争力を強化するためにいろいろ手配をして産業構造を変えるという大きな動きの中、対応しようとされているわけですけど、その中で中小企業がこういった措置をどのように活用していくということをこれ想定されているのか、答弁をいただければと思います。
○政府参考人(中石斉孝君) お答えいたします。 自社株式を対価とするMアンドAは、買収会社にとって、多額の金銭の流出を伴わずに、また、買収対価が会社の余剰資金を超えたとしても規模の大きな買収を実施することができると、そういう意義があると思っています。 それは、例えば急速な成長を目指すベンチャー企業ですとか、同じく急成長を上げています中小企業、こういった企業ではなかなか資金の制約が大きいわけですけれども、この自社株式を対価として使えば、自社株式の対価というのは、成長するときは特にまた対価が高く評価していただけるわけですけれども、積極的なMアンドAを仕掛けることができて、他社の革新的な技術や事業の獲得を進めることが可能となると考えています。 例えば、海外でのケースで私ども一つ念頭に置いていますのは、例えばグーグルなどは、急成長する過程でユーチューブを買収したりということは全てこの株価対価を使っておりまして、やはり急成長、ユニコーンを生むためにも一つの大きな道具であるというふうに考えております。 そして、これまで、産業競争力強化法では、会社法の特例措置、すなわちこの株価対価につきましては、株式公開買い付け、いわゆるTOBを行う場合のみを対象としておりましたけれども、したがって、買収対象は上場企業に実質限られておりました。しかし、今回の改正では、その特例措置の対象に相対取引を追加いたしまして、言わば非上場でも可能にするということを考えました。これによって、非上場会社同士の買収も支援することができ、そういった意味では、中小企業、ベンチャーにも使いやすい制度になったのではないかというふうに考えております。
○矢倉克夫君 まず、中小か大企業かという区分けですとなかなかあれかもしれないですけれども、どんなベンチャーもやはりスタートのときは中小だったりするわけであります。そういう創業精神にあふれる中小に対しての期待というのも今お伺いできたかなと。 TOBだけではないというところで、非上場のものも含めたというような趣旨も踏まえたということも今お伺いもした。そういった中小企業も含めた、今回の制度のしっかり活性化を図って、とりわけ、今、中小企業の文脈で言っていますので、中小企業がこの制度を使いしっかりとMアンドAも通じた形でこの産業構造の変化に対応できていくためにやはり必要なのは、そういう中小企業がしっかりとMアンドAのマーケットにもちゃんと入れるような体制をつくることもやはり必要かなと。大企業同士のMアンドAとかですと、中に投資銀行が入ってとか、いろいろそういう仲裁する仕組みというのが既にあるわけでありますが、特に中小の場合ですと、そういう仲裁するサービスというのもなかなか民間ではないかもしれない、マッチングというのもなかなか難しい、そういった課題もあるかなというふうに思っております。 それ以外にも、当然ですけど、株価の評価の問題であったりとかそういった問題も含めて、私としては、やはり中小企業がMアンドAを行う上での課題というのを認識した上で、中小企業向けのMアンドAマーケットというのもしっかり育成、整備していく必要があるかなというふうに思っております。 その辺り、大臣から、どのようなお考えであるかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 事業承継といっても、親族だけの承継ではなくて親族外の承継も増えてきておりまして、中小企業のMアンドAを推進するということは非常に重要でありますので、今回の法案でも、税制の支援ですとかあるいは金融支援、こういったものを講ずることにしております。 ただ、やはり中小企業のMアンドAについては、なかなかこれ民間での担い手というのが存在しない。今おっしゃったように、大規模なMアンドAであれば、投資銀行が間に入って、当然、手数料ビジネスも成立をしているわけでありますけれども、この小規模なMアンドAについてはなかなか担い手が少ないというのが実情だというふうに思っています。 そこを埋めるという意味で、我々は、事業引継ぎ支援センターというのを全国に設置をしておりまして、ここには年々、相談件数、マッチング成約件数が増加をしているところであります。まだまだ少ないですけれども、相談件数でいけば、二十六年度二千八百件だったものが、二十九年度二月末の時点で七千七百件まで増えております。成約件数も、二十六年度は百件程度でしたけれども、二十九年度、これも二月末ですが、千三百件という形でマッチングの成約も増えているというところであります。 さらに、事業引継ぎ支援センターが一定程度データベースを持っていますので、このデータベースと民間の金融機関ですとか民間の支援機関が持っているデータベースをしっかり連携をさせて、このマッチングの精度を更に高めていくということもやってまいりたいというふうに思っております。 これからも、いろいろ案件の掘り起こしですとかこのマッチングのやり方を更に磨き上げるなど、引き続き努力を続けてまいりたいというふうに思っています。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 冒頭の話で、産業構造の変化に適応するための再編というのは、やはり業態を超えた再編だということであると思います。その業態を超えてお互いがシナジーを生むような連携というのは中小企業の世界でもやはりしっかりしていかなければいけないなと思いますし、今、引継ぎの文脈でおっしゃっていただきましたが、引継ぎということは、より良くそれが、ほかのところの事業がほかのところに移ればより良くなるという、そういう意味も当然含んだものであり、是非、その事業引継ぎセンターのマッチングの在り方というのも、それぞれの承継するところと譲り受けるものの本来持っている価値がくっつくことで更により価値が生むというようなマッチングの在り方も更に追求をしていただいて、中小企業連合による更なる日本の元気、構造改革というところも視野に入れてまた制度をつくっていただきたいというふうに改めて思っております。 残りのお時間を使って、あともう一つ、もう二点ほどだけちょっとお伺いしたいなというふうに思うんですが、午前中の参考人の質疑でもちょっと出ました産業革新投資機構、こちらについてであります。 産業革新投資機構についてでありますが、この投資について、私も松田参考人にも同じような問いを実はお願いしたんですが、松田参考人のお言葉からは、事業の評価についても包括的長期視点でというようなお話がありました。 その上で、私、政府の方にもお伺いしたいんですが、やはり産業革新投資機構による支援の成果というのを事後検証するためにも、それぞれの個別案件についての検証というのもやはりしっかりしなければいけないというふうに思います。その検証をした上でそれを後に生かしていくというこのサイクルをつくる、そういう前提を込みで午前中の松田参考人は総括長期的視点というようなこともおっしゃったんだなという理解もしているんですが、政府として、この産業革新投資機構の支援成果を事後検証するための情報開示の在り方というのはどのようにお考えかをまず答弁いただきたいというふうに思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 産業革新機構は、国からの資金が投入されているわけでございますから、情報開示が適切に行われることは非常に大事であるというふうに考えております。 これまでの情報公開については、毎年度の事業報告書でありますとか、個別案件の支援決定ごとの記者会見やプレスリリース、また、半年ごとに機構全体の投資活動や収支の状況、一部個別投資案件の損益等に記者会見を行っているということをやってまいりました。個別案件の損益等については、個別企業の投資対象企業への影響ですとか、譲渡先の検討に際して一定の制約が生じる可能性があることなども踏まえて、なかなか一律に開示、全て開示というわけにはいかず、慎重に判断されるべき面もあるというふうに考えております。 ただ、その中でも最大限の積極的な情報開示を行うべく、本年から株式売却案件の開示項目を見直しをいたしまして、過去の株式売却案件の全てについて新たな項目での開示を行うとともに、IPO銘柄とか譲渡先企業が開示を行っている場合は、これは個別案件ごとの損益についても公開されておりますので、こういうものについてはしっかりと公開をすることにしておるところでございます。 経済産業省としては、積極的な情報開示を行うべく不断の見直しが行われるよう適切に指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
○矢倉克夫君 引き続きよろしくお願いします。 午前中の参考人の御意見は、そういう部分でも非常に参考になるような御意見だったと思います。参考人の御意見に応じた形での開示というものも是非引き続きお願いしたいなというふうに思います。 最後、ちょっと大臣にお伺いしたいというふうに思います。この産業革新投資機構による投資に対して政府の関与をどういうふうにすべきかという御視点をちょっと最後お伺いをしたいなというふうに思います。 午前中、松田参考人からは、この革新投資機構、投資機構となりますけど、投資機構による投資について、まず、やはり長期資金というものは不可欠だと、長期資金をしっかり出し手を確保するということは非常に重要である、そしてその長期資金の担い手としての機構の在り方については、やはり民業圧迫ではなく民業強化の誘い水になるようにというような御視点がまず一つございました。そして、先ほども申し上げた急激な資金の変動に対しての資金の出し手として期待をされているということであります。 こういった参考人の御意見に対してもし御所見があればお伺いしたいのと、今回の法の立て付けでは、投資基準というものが、まず産業革新投資機構が準拠するものである、これがどのようなものを想定されているのか。 そして、問題意識としては、私は、これ、時代の変化の速度は非常に速いわけであり、政府が投資の基準というのを非常に決めることもいいんですが、それが余りに硬直過ぎるとかえってこういう大きなダイナミズムを妨げてしまうことにもなり得るのではないかと。そこ辺りのバランスをどのように取られるのかという文脈から、政府の関与をどの程度にすべきかということを、最後、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(世耕弘成君) この産革機構というのは、幾つかある官民ファンドの中の一つであります。日本ではなかなか投資ファンドがしっかり育たないという中で、この官民ファンドという形態で、まさに民間の投資の呼び水になるという思いで幾つか官民ファンドが設立をされてきたんだろうというふうに思います。 ただ、官民ファンドというのは、非常に性格が分かりにくいんですね。国のお金を扱っているものですから一つたりとも失敗は許されないんじゃないかという考え方もあれば、あくまでも投資運用機関なんだから、多少の失敗があってもうゼロになっちゃうようなものがあっても、全体としてポートフォリオがちゃんと組まれていて一定程度の利回りが確保されていればいいんじゃないかという考え方もある。一方で、やっぱり官がやっているんだから民業を圧迫しちゃいけないし、そして、実は、目的はもうけではなくてやはり政策目的の方であって、多少損が出ていても掲げた政策目的がしっかり達成されていればいいんじゃないかとか、いろんな少し見方があって、この官民ファンドの考え方というのは、非常に私、これ官房副長官時代からずっと悩んできて、どういうふうにやればまともなものになるかというのをずっと取り組んできているんですけれども、そういう中で、産革機構をできる限りきちっとした民間の投資機関と同じような立場のものにしていきたいというのが今回のガバナンス改革です。 しかし、一方で、官民ファンドとしての性格はしっかりと踏まえて、政策目的を外されては困るというふうに考えておりまして、このまさに政策目的の達成というのがこれが投資基準であります。これ、民間のファンドであればいわゆる運用方針ということになるんだろうと思いますけれども、政府の政策目的を踏まえたこの投資基準というのをしっかり決めていくということにさせていただいたわけであります。 しかし、それが過度に投資判断を縛るというようなことになってはまたファンドとしての活力を奪うことになりますので、この投資基準が定める事業分野については、余りがちがちの事業分野を絞るのではなくて、重点的に政策対応が必要な分野をある程度幅広く領域を示すという形にしていきたいというふうに思います。 また、投資基準も一回決めたら終わりではなくて、動きの速いビジネスの世界ですから、これ適宜見直しを行っていくということも極めて重要だと思っておりまして、毎年度機構が行う実績評価の報告を踏まえて、必要に応じて投資基準を変更するというのも定めさせていただいているところであります。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 この前ちょっと中国へ行ってきて思ったんですけど、ちょっと前までは自転車のシェアリングとかも日本でも話題になっていたんですけど、今中国に行ったら、もうその辺りはもう完璧に市場が固まって、もう次に新しいビジネスの方に話が向いている。どんどん、ちょっと前まで話題になっていたものがもう既成のものになって、今度はまた更に革新的なものをという形でいろいろ動いている、本当に時代の速さを感じました。これにしっかり合わせていくためにどうすればいいかという官民一体の動きはやはり重要であるかなと、その上で、今大臣がおっしゃった視点が本当に大事かなと思っております。 そういうバランスの観点も踏まえて、民業強化の誘い水としてのファンドというところはいい言葉であるかなというふうに思っておりますので、是非そういう形での運用をお願いしたいことを申し上げまして、質問を終わりたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○石上俊雄君 国民民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。 本法案の議論もかなり煮詰まってきたというふうに思いますけれども、改めて、関連する内容で質問させていただきたいというふうに思います。 まず、生産性向上、産業競争力強化法を目指す上での大切なそういった視点についてまず質問させていただければというふうに思います。 この二つの法案の目的でありますけれども、生産性革命、産業競争力強化について国として明確な意識を持って取り組むことというのは大変重要なことだというふうに思っております。この分野の指標、KPIですね、労働生産性、さらには全要素生産性、またビジネス環境ランキング、さらには世界競争ランキング、これ、いずれも日本というのは低迷をしておりまして、このところをしっかりと改善していかないといけないというのは、多分ここにおられる皆さん共通の認識だというふうに思います。 昨年の十二月の八日に、国の方は、新しい経済政策パッケージを閣議決定しまして、いろいろな数値目標を決めたわけであります。具体的に言っていると時間が掛かりますけれども、一つ紹介しますと、我が国の生産性を二〇一五年までの五年間の平均値である〇・九%の伸びから倍増させ年二%向上させるとか、さらには二〇一八年度以降三%以上の賃上げをやるとか、そういったものを掲げているわけであります。 世耕大臣はこの法案の審議の中で、衆議院の方でありますけれども、いろいろな皆さんと質疑をやっている中で、もう少しブレークダウンしたKPIを幾つか作っておかないと、この目標だけでやっていたのではちょっとなかなか途中のコントロールがしにくいなと思い始めております云々と答弁を熱弁をされまして、さらに、多くの指標設定を考えているというふうにお聞きしておるところでございます。詳細な設計図はより詳細にということについては一概に悪くはないわけでありますけれども、安倍政権で進めておりますKPI好きとかKPI乱造はちょっと余りに過ぎるといかがなものかなというところがあるわけであります。 今日は資料も準備させていただいておりますけれども、資料の一の①に付けさせていただきましたが、二〇一六年の成長戦略で、実は百三十四項目あったわけであります。そこの中で、達成は六十項目、ちょっとまだだなというのがここの赤で囲った五十四項目あるんですね。そういうことで、表題の成長戦略、目標四割が未達というふうになっているわけでありますけれども、この項目自体も互いに連動されているものが結構あったりするわけであります。 確かに、指標をたくさん掲げて、達成した数が増えたから、ああ、これは良くなったということで、アピールするには大変大きな要素かもしれませんけれども、それだけにとらわれていると大切な大きなものを見落としてしまうのではないかといったところが危惧されるわけであります。 生産性の向上の本質はイノベーションというところにあるわけでありますけれども、数字としてこのGDPをかさ上げする、そういったところに注力することをやってしまいますと、あれ、計算でいくと、分母のところの就業者数とか労働時間というのを減らせれば上がるわけでありまして、そういったところを何か集中的にやってしまうと、何というかな、政策的にちょっと浅いものになってしまうんではないかというふうに思うわけであります。ちょっと少々言い過ぎなところがあるかもしれませんが、最近の企業も何か同じようなところが見受けられるところも結構あるのかなというふうに思っています。 資料一の②にちょっと示させていただきましたが、これは参考なんですけど、血圧計のシェア一番といったら、大体皆さん、もうお分かりになるかというふうに思いますが、京都のオムロンでありますが、そこの創業者の立石一真さんが伝記に書いてあるわけでありますが、「「できません」と云うな」の、これ伝記なんですけど、その中で、企業は利益を追求するもんや、それは人間が息をするのと同じや、そやけど人間は息をするために生きてるんか、違うやろと言って、より良い社会をつくる、このことが企業の原点だと喝破しておられるというわけであります。確かに、企業は社会に貢献して何ぼだというふうな形で、私も一般企業で働いているときにそう言われてきたわけであります。 国も同じで、生産性向上、産業競争力強化の指標を産業政策として追求するのは当たり前でありますけれども、数字のために政策があるのではないということだというふうに思うんですね。目指すことが、豊かな国民の生活の実現、社会の困りごとを解決してイノベーション気風を次の世代につなげていくということが一番重要なのかなというふうに思っているところであります。ここに至る道しるべに違いないKPIの達成ばかり、視野狭窄に陥って、達成ばかりもうやっていってしまうとそういったところへ陥ってしまいますので、産業政策にしっかり取り組んでおられる世耕大臣としてはこの辺についてどのようにお考えになられているか、御意見を賜ればと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 大変本質的な御指摘だと思っていまして、まさに経済産業省の仕事はGDPや成長率のためにやっているわけではなくて、経済をしっかり成長させることによって国民を豊かにして、そして将来に希望を持てる社会にする、これがまさに経済産業省のミッションなんだろう、まさに御指摘の点は同じ思いであります。 とはいっても、やっぱり政策であり法律でありますので、これは内閣として、大きな目標を、先ほど御指摘いただいた労働生産性二%伸ばすとか、設備投資額を一〇%増やすとか、賃上げを三%続けるとか、こういう目標を掲げているわけであります。ただ、この目標の数字も、どちらかというとちょっとアウトプット的なところがあって、結果として全然駄目でしたなんてことになってはいけませんので、やはり進捗管理をしっかりやってPDCAを回していかなきゃいけない。 これ、実は衆議院の経産委員会で、それこそ立憲民主の議員の方から、やはりそういう進捗管理、途中で必要じゃないかという御指摘を受けました。また、参議院の本会議でも石井議員から同様の御指摘をいただきまして、私は開かれた心の持ち主でありますので、与野党を超えて、いい御提案であれば積極的に取り上げるということで、確かに、生産性の伸び率二%と言いっ放しではなくて、その二%を達成するためには細かくどういう部品の数字をしっかり達成していかなければいけないか、これをダッシュボードのように見ておいて、政策を進めていく上で、もうちょっとここはアクセル踏んだ方がいいとか、そういう調整をしっかりやって最終的に掲げている目標を達成をしていくということが、これが責任ある行政の在り方ではないかということで、今、どういう指標がいいかと、生産性上げる、二%上げるんだったら、その部分指標としてどういうものがいいかということは今省内で議論をさせていただいているところである。 ただもう数字万能の立場には全く立ちません。あくまでも、国民が豊かさを実感できるということを大きな目標に掲げて、しっかりと取り組んでまいりたいと思っています。
○石上俊雄君 ありがとうございます。 今の指標の話にちょっと関連するんでありますけれども、日本には、元来、GDPや生産性には直結し難い、有名になりましたおもてなしとか、真面目にやることによって高品質とか高性能なものができたり、さらには納期をしっかり守るとか、そういう数値にはなかなか表しづらい、お金では買えないとか、お金では計算できないような、そういう欧州流のGDPでは計測し難いような内容が多々あるわけでありますが、その大事な価値という、その日本の大事な価値ですね、これについて世耕大臣はどんな感じでお考えになられているか、お考えを詳しくお聞きできればと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 日本の産業には、今御指摘のようなサービス業におけるおもてなしの伝統ですとか、あるいは製造業においても、もう高品質ですとか納期を絶対に守るとか、いろいろと社会や慣習に根差した強みが特に現場力という形で私はあるんだろうというふうに思っています。こうした強みを生かしながら、一方で、世界のニーズに合わせた価値を提供をしていくということ、そして、そのことによって日本の産業の稼ぎにつなげていくということも重要なんじゃないかなというふうに思っています。 今御指摘の旅館なんかは、非常に我々としてはおもてなしの心ですばらしいと言っているんだけれども、海外の人から見たら若干ツーマッチに見えるところがあるかもしれない。あるいは、それだけ一生懸命おもてなしをやっているのに、それが価格に反映をされていないので、実際働いている方々の労働条件は極めて悪いというような状況もあるわけです。 そういった点もしっかりと我々は直視をしながら、いいところはしっかり生かしながら、だけど、それでしっかり稼げて、働く人も豊かになっていって日本全体の生産性が上がっていくということを考えていかなければいけないんではないかなというふうに思っています。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 この二法案をしっかりと進めていくその背景には、AIとかIoTとかビッグデータ、ロボットをコアとする、あれにも書いてありましたけれども、第四次産業革命があるわけでありまして、その核心にはやっぱり、先ほどちょっと大臣からも言葉が出たかと思いますが、プラットフォーマー、例えばGAFAと呼ばれるアメリカのIT企業のグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンによるデータの支配といったところがあって、そのデータが付加価値の源泉となって人や投資マネーをより一層集める、一種の雪崩効果というふうに言われているようでありますけれども、そういうことが起こっているということであります。ここが、ですから、そのデータが、昔でいうと、昔というんですかね、デジタル時代の石油ということでございまして、石油を精製するというよりは、データをAIを使って分析するともうけるところにつながっていくという、そういうふうな形になっていくんだというふうに思います。 資料二に付けさせていただきましたが、先ほどGAFAと言いましたけれども、そこにアメリカのマイクロソフト社を加えますとこれが米国のITビッグファイブというふうに言われるらしいのでありますが、合計時価総額が過去一年で四割増えまして、計算すると三百二十兆円ぐらいになるんだそうですよ。そうすると、世界で五位の英国のGDPを抜き去ったというふうになるわけだそうです。 この拡大する格差の中で、我が国の企業価値、テクノロジー系ベンチャーへのMアンドAとか研究開発投資がちょっとずつかすんでおりまして、勝負を挑むとか競争力を強化するというだけではいかんともし難い状況になっているような気もしないではないわけであります。実情ははるかに深刻でございまして、巨大IT企業の加速するデータ独占でデジタル時代の公正な競争環境が大きく損なわれる状態に何か陥るような状況になりつつあるわけでありますけれども、そのことについて、海外の動向も含めて、公正取引委員会としてどのような対応をお考えになられているか、教えていただけますでしょうか。
○政府特別補佐人(杉本和行君) 先生御指摘のように、我が国だけではなく、世界的な動きとして、経済のデジタル化が進展いたしまして、人々のニーズに対応する商品やサービスが利用でき、メリットを享受するようになっていると考えております。他方、プラットフォーマーと呼ばれる一部の企業の寡占化が進み、また、支配的地位を占める傾向が指摘されていることも事実だと思っておりまして、私どももそのように承知しているわけでございます。 このような寡占化自体が独占禁止法上の問題となるとは考えておりませんが、これを背景に形成される力を濫用する場合には独占禁止法上の問題となり得ると考えております。例えば、欧州委員会においては、昨年六月、グーグルが検索エンジンでの市場支配力を濫用しまして、自社の比較ショッピングサービスを違法に有利にしたとして、グーグルに対して二十四・二億ユーロの制裁金を科す等の決定が行われたところでございます。 公正取引委員会におきましても、公正かつ自由な競争を活発に行うことができる環境を整えることによりイノベーションを推進することが競争政策の重要な役割と考えております。 公正取引委員会では、データと競争政策に関する検討会を開催いたしまして、昨年六月に報告書を公表したところでございます。同報告書におきましては、不当なデータ収集や、独占、寡占事業者によるデータの不当な囲い込み等について、独占禁止法上の考え方を明らかにしております。 また、昨年六月においては、アマゾンジャパン合同会社が価格等の同等性条件を定めていた件につきまして、同社から自発的な措置を速やかに講じるとの申出が出され、その内容を検討したところ、疑いを解消するものと認めたところから、審査を開始しておりましたが、その審査を終了したところでございます。 公正取引委員会としては、今後とも、プラットフォーマーによる反競争的行為が行われないか、十分に注視してまいりたいと考えておるところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 続きまして、先ほどGAFAと言いましたが、あそこ級の大きなイノベーションを起こすというのはなかなかこれ、いろいろ高いバーがあるなというふうに考えるところでありますけれども、これからちょっと身近な話題を二つぐらい出させていただいて質問させていただければと、そういうふうに思うんですけれども、このGAFAみたいなやつはなかなか取り組みにくいんですが、身近な困り事を解決するというのは、これなかなか、すぐ手を出しやすい、そういうところにつながるのではないかなというふうに思います。 そこで、一つ目なんですけれども、資料三の①でありますけれども、RFIDという技術ですね。これは多分皆さんもお聞きになられているかというふうに思いますが、無線を利用して非接触で電子タグのデータを読み書きする自動認識技術でございまして、バーコードと比較して、書き込み量が多くて、商品一単位ごとの識別、複数タグの一括読み取りが可能でございまして、レジの効率化、在庫管理に大きく貢献できると言われているわけでございます。 既にタグ自体はユニクロさんとかで使っているのかな、よく分かりませんが、結構高い、ちょっと高めになっているので、今コストダウンするのが重要だというふうに言われているんですが、更にそれがどんどんどんどん広がっていってサプライチェーン全体でIoT化ができれば、流通の無駄を排除できたり、生産性向上やその隣接分野への波及効果も本当に大きいのではないかというふうに思っているんですね。私も展示会場に行って見ましたら、結構、何ですかね、働き方改革にもつながるような使い方ができるようなものでございます。 経産省として、このRFID技術の現状、そして将来どのように対応していくとか支援をしていくとか、その辺についてお考えがあればお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、RFIDに関しましては、店舗においてはレジの効率化あるいは在庫管理の最適化といったことを通じまして、サプライチェーン全体の効率化を図るという意味で大変重要な技術であると認識しております。こうしたサプライチェーン全体の課題解決ということで、これまでもRFIDの普及に努めてきたところでございます。 現在、このRFID、いわゆる電子タグの普及に向けた課題といたしましては、一つは電子タグの単価の引下げ、それから貼付けの技術の開発、それから三つ目には関連のフォーマットの標準化といったような課題があるというふうに認識しております。 昨年四月にはコンビニ電子タグ一千億枚宣言というのが出ておりますけれども、今年三月には、コンビニに続きまして、日本チェーンドラッグストア協会がドラッグストアスマート化宣言を策定するなど、業界が一団となって課題解決に取り組む枠組みをつくっております。また、先ほど申し上げました様々な技術的課題もございますので、実証実験を通じまして、協調領域での標準化を進めるということで、効率的かつ効果的にRFIDを導入できる環境整備を進めていきたいというふうに考えております。 先ほど申し上げましたように、価格の話、技術開発の話、様々課題はあるわけでございますけれども、大変有望な技術でございますので、本取組に賛同いただけます多数の事業者の皆さんと一緒に課題解決に向けて様々な実証実験あるいは技術開発、さらには標準化といった取組を進めてまいりたいというふうに思っております。
○石上俊雄君 技術開発とか、できれば最終的にはバーコードみたいに印刷で全部できればいいのかなというふうなことも言っている方もおられたように思いますので、是非積極的な取組をお願いしたいと思います。 二つ目が、資料三の②に付けさせていただきましたが、昨年から企業系ホワイトカラーの間で急速にはやり始めているRPAというものなんです。これ皆さん御存じでしょうか。これ、ロボティック・プロセス・オートメーションという事務用のロボットでございまして、デジタルレーバーとも呼ばれております。何をやるかというと、伝票の整理やネット上のデータ収集など、パソコンを使う定型業務を自動化するソフトなんです。ロボットといいながらソフトなんですね。そういうものであります。 この絵を見ていただくと分かると思うんですけれども、自分がやっている定型作業をパソコンに読み込みまして、それを何時から始めると言うと何かあたかもロボットが自動にやっているように動くというものなんだそうです。私は使ったことがまだありませんが、これが普及していく背景には、やっぱり人手不足とか働き方改革というのがありまして、従業員の皆さんにより付加価値の高い仕事をやっていただくというのが企業としての思惑というところだというふうに思っております。 RPAは、データ入力、集計など社内業務だけではなくて、流通、小売販売のネット通販や金融の代理店システム連携、通信業のコンタクトセンターなど、様々な業種への展開が想定されているというふうにお聞きしているわけであります。このものについて、経産省としては、RPA、どんな形でこれから進めてというか、支援をしていくとかというお考えがあるか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(寺澤達也君) RPAにつきまして、今委員御指摘がありましたとおり、IT技術を使ってオフィスにおける定型業務の自動化を図ると、そうしたソフトなり情報サービスであるわけでございます。 また、御指摘があったように、働き方改革の中で労働環境の改善が必要になっています。また、人口減少の中で生産性向上も必要になってくると。そうした厳しい状況に対応する技術としてこのRPAは非常に有望な技術であろうと考えているところでございます。実際、企業でも既に導入が始まっておりまして、大体二〇一〇年代の半ばぐらいから導入が始まっています。ある民間調査会社による市場予測では、二〇一八年度段階で四十四億円、二〇二〇年度には七十二億円のマーケット拡大を予測しているところでありまして、具体的分野としては金融・保険業中心の拡大を予測しているところでございます。 実際、既に具体的な成果も出ているところでございまして、ある大手金融機関の例ですけれども、住宅ローンでいろんな書類のチェックが必要なんですけれども、そのある書類の突合作業にこのRPAを使ったところ約二千五百時間の作業時間を削減できたということで、こうした比較的単純作業をRPAでやってもらうという、そうした具体的事例が出てきているわけでございます。 今御審議いただいています生産性向上特別措置法案の中では、IoTとかAIとか先端的なデジタル技術を活用して企業の生産性を高める、そうした取組を税制でバックアップしようという法案でございますけれども、その技術の中には、当然にしてRPAなどを活用した取組についても、例えばデータ連携に必要なソフトとかハードの導入等のために必要な措置があった場合に、法律の要件を満たす場合には税制措置の対象になるということでございます。 また、昨年度、平成二十九年度の補正予算において措置しましたサービス等生産性向上IT導入支援事業というのがあるわけでございますけれども、この補助対象となるITツールとしてこのRPAを明示的に位置付けております。こうした明確な位置付けを通じて、こうしたRPA技術を中小企業の皆様に導入してもらって、業務の効率化、生産性の向上に向けて御活用いただくということでしっかりと応援していきたいと思います。 このように、RPAを含めて生産性を向上させるためのIT導入をしっかりと支援をしてまいる所存でございます。
○石上俊雄君 是非、支援の方はお願いしたいと思います。 それでは、これからちょっと、また各論的なところで、大きく三つになるわけでありますが、そのテーマでちょっと質問させていただければというふうに思います。 まず初めは、規制緩和と、特に安全規制の見直しと産業政策のはざまについてちょっと質問をさせていただければと思います。 今回の法案で規制のサンドボックス制度が導入されるわけでありますけれども、現行の企業実証特例制度とかグレーゾーン解消制度とか各種の特区制度、さらに、そもそも論になりますけれども、内閣府の規制改革ホットラインなどのスキームがサンドボックスも入ってくるので様々立ち並んでしまうのかなというふうに思うわけであります。 しかし、一方で、事業者からは特色や違いが理解できないという声も大きく聞かれるわけでございます。実際、ある経済官庁の幹部に言わせますと、これは新聞に書いてあった内容でありますけれども、規制改革の仕組みだけ毎年のようにつくり、まるで焼き畑農業だと表現をしている、そういうところも見受けられました。 経産省から事業者に向けて、政府の規制改革スキーム全体の中で、例えば、こういう場合は企業実証特例制度がいいですよとか、それなら規制のサンドボックス制度がぴったりですよとか、そういうような、何というか、易しいというか、初心者にも分かるように、どういうケースならこうすればよい的なポイントを分かりやすくお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(中石斉孝君) お答えいたします。 新しい事業を行う際、委員御指摘のとおり、事業者は様々壁にぶつかります。規制制度の壁というのが一番大きいわけでありますけれども、この規制面での課題をどう解決するかということで、幾つか方法がございます。 まず一つ目に、事業者が単体でやるのか、あるいはもう一個、自治体と組むかというのが大きな一つ目の分かれ目だと思っています。もし自治体と組む場合でありますけれども、これは地域限定の特区制度が一番なじみます。その特区を使って法令の特例制度を使うと。特に、国家戦略特区といいますのは、対象となる地域を自治体を指定しまして、その地域ごとに区域会議を開催して、その区域会議で特例制度を提案して改正していく、結構大掛かりな話になります。地域を絡ませて、大きくには多分特区が一番なじむというふうに考えています。 他方、自治体と組まずに事業者単体でいく方法というのがあります。その中に更に二つやり方がありまして、事業者単体の場合でもなお法令の特例措置を目指す方法と、もう一つはそこまで目指さない方法。 前者の方が事業者特例制度でありまして、特例措置、それを打つためには、やっぱり規制の代替措置というのを打たなきゃいけない。代替措置が提案できれば、規制目的、安全性その他の規制目的をこれでもう大体それを達成できるということで、企業単位での特例措置をできることができます。しかし、これも法令の特例措置を打ちますので、やはり時間が掛かります。 他方、グレーゾーン解消制度というのがあります。こちらは、法令改正は前提にしません。確認をしまして、これならば大丈夫ですということでできます。そういう意味では、余り大きくはできませんけれども、早めにできるということであります。 ただ、今回新しい制度を考えていますのは、実はこの二つもまだ限界がありまして、やっぱり両方とも、事業として永続的な、長いというのがありますので、やっぱり慎重になってしまうと。そこで、慎重になるというのを前提として、やはり実証を行っていこうということで今回考えています。その実証のための制度が今回の規制のサンドボックスでありまして、実証という前提においては、限定を幾つかしますけれども、その限定の中で、これまでの規制に関しては少し特例的な扱いをしてそして進めていくということであります。 最後申し上げますけれども、今回、いろいろとこういうノウハウというのを提供するのにやはり一元的な対応が必要であろうということで、内閣官房に窓口を置きまして、受け付けいただけましたら、これはやはりこちらですね、この制度が使えますということをサジェスチョンしていきたいというふうに思っております。
○石上俊雄君 そうですね、窓口が一元化されるということであれば、そこでしっかりと優しい対応をしていただいて効果的な方向に導いていただければと、そういうふうに思っております。 そこの中で、企業実証特例制度というので、先ほど出させていただきましたが、この制度というのは、民間が起点、民間の提案が起点となる、そういう代物でございまして、現行制度がその目的としている安全性などの確保を現行制度とは異なる方法で担保をする、担保は可能だと、そういうふうな場合にその規制の特例措置を事業者単位で認める制度でございまして、四年前ですね、何度かこの件については質問をさせていただきましたけれども、四年前にスタートして、現在は新事業特例制度となっているということでございます。 しかし、これまでに産業競争力強化法第八条に基づく申請は僅かに十一件でございまして、第十条に基づく新事業活動計画の認定も二十二件と少ないわけでございまして、実際、この二十二件から、六か月を超えるプレミアム商品券の発行の十七件を除くと四年間で僅か五件でございまして、まずは何でこんなに少ないのかなといったところをお聞きしたいというふうに思います。 さらには、法設定時の、茂木大臣だったと思うんですけれども、小さいところから入っても、全国展開することで大胆な改革につなげていきたいと答弁をされているわけでありますけれども、結局、堂々と全国展開と言い切れるのはヤマト運輸とヤマハ発動機のリヤカー付き電動アシスト自転車の公道走行くらいでございまして、残りの四件、正味、中身を見ると三件なんですけれども、水素タンクのフォークリフトとか、セグウェイの公道走行とか、半導体ガス容器の先進的検査方法というのがなかなか全国展開に至っていないわけであります。 前段で言った何で少ないのかというところと、この全国展開に至らなかった、このことについて経産省、内容について御説明いただけますでしょうか。
○政府参考人(中石斉孝君) 十一件というのは確かに少なく思っておりまして、これ、何とか増やしていきたいというふうには思っておりますが、この内容、その原因はどういうことかということを考えますと、やはり一件というのがひとつ時間が掛かってしまった、手間が掛かってしまったというふうに考えています。要するに、一件について法令改正一つがぶら下がっておりますので、それに関する様々な手続、検討が入るということです。 そして、もう一つは、先ほど代替措置ということを申し上げましたが、その代替措置が本当に法目的を達成するために適切であるのかと、この実証がまた時間が掛かる。また、場合によっては、その実証すること自身が規制があってできなかったと、こういったこともありまして、なかなかこういった検討が進まなかったということを考えております。 先ほど申し上げましたように、その実証すらできないという状態を解消したいということで、今回、新事業等実証制度を導入したということでありまして、そこにおいてまずはエビデンスなりデータを集めてそして話を進めていこうということでありまして、今回のいわゆる規制のサンドボックスを活用することによって、これまでの新事業特例制度についても、併せて更に円滑に早く進めることができるんじゃないかというふうに考えております。
○石上俊雄君 なかなか、まずは数が本当に少ないなというところと、これ全国展開をしていくことがやっぱり肝だと思うんですね。ですから、やっぱりそこら辺はしっかりと、今度はまた新しいものになるわけでありますけれども、しっかりと対応いただければと、そういうふうに思います。 特に、資料の四の①に示しておりますけれども、企業実証特例制度の半導体製造に用いるガス容器の先進的検査方法の導入のこの案件につきましては、昨年の五月三十日の経産委員会でも多少取り上げさせていただいて質問させていただきました。 このガス容器の内容なんですけれども、これ、半導体製造に用いるものですから、不純物が極端に少なくなければいけないという代物でございます。しかし、検査方法で今法令で指示されているとか規定されているのは、要は、ガス容器ですから、圧力が掛かるのでひびとか割れがあっちゃいけないということで、水を入れて圧力を掛けて、要は安全性を担保しなさいというような法令での義務付けになっているわけであります。これだと、安全確認の検査としては信頼性は抜群なわけでございますけれども、一方で、検査後に内部を、先ほど申し上げましたように不純物があってはいけないわけでありますから、徹底的にきれいにしないといけないですし、時間もそういうふうなことを考えると掛かるし、コストも高くなってしまうということであります。 そこで、半導体の競争相手でございますアメリカですとか韓国ですとか台湾では、短時間で低コストの、ガス容器に水を入れないで、要は超音波を使ったり音響検査を使っているわけですね。何とアメリカでは三十年前から、韓国や台湾でも十年前から使っているわけでございます。 じゃ、何でというところになるわけでありますが、今回のこの半導体製造に用いるガス容器の先進的検査手法の導入の案件は、聞くところによると、中型、小型容器では目標達成で告示改正と伺っているわけでありますけれども、一方で、大型のガス容器については、一番経済効果が大きいということで本命と言われていたわけでありますけれども、大型容器の検査で問題発生とお聞きしているわけでありますけれども、その内容についてお聞きしたいというところと、こういった事態に陥った根源的な原因はどこにあるのかと、根源どこにあるのかと考えられているかというのをちょっとお聞きしたいなというふうに思っております。 国際競争力のイコールフッティング、これはいろいろ質問立たせていただいたときに言わせていただいているわけでありますけれども、当初どおりの規制改革を目指して国は全面支援、改革断行に力を尽くすべきと考えているわけでありますけれども、そこも含めて経産省の御認識を賜りたいと思います。
○政府参考人(中石斉孝君) 委員御指摘の半導体製造に用いる超純度ガス容器につきましては、五年ごとの耐圧検査が義務付けられているのは御指摘のとおりです。この耐圧検査は大変コストの掛かるものでありましたけれども、代替方法として超音波によるものが事業者から提案があり、これを新事業特例制度を活用して実証事業を行いました。これにつきましては、必要なデータが得られて、委員御指摘のとおり、今年の平成三十年三月に告示の改正を行ったわけであります。 ただし、この超音波検査、中型、小型検査に有効でありまして、大型の容器にはなかなかうまくいきませんでした。といいますのは、大型容器につきましては、音響検査を組み合わせなきゃいけないということでありまして、そしてその音響検査をする際に、日本は海外と少し違う構造になっているようでして、容器をバンドで束ねるというような少し構造上の工夫といいますか、特殊といいますか、変わった方法を使っていまして、その関係でなかなかデータとして効率的なものが取れずに安全性が確認できなかったということで、結果として一般化はできなかったということでありまして、中型、小型においては有効なデータが取れましたけれども、大型については取れなかったということであります。 そのことを踏まえて、私ども一つの考え方としていますのは、大型容器の検査手法の課題については有識者の意見をあらかじめ聞いておけばもう少し状況は変わったかもしれません。今回については、結果的には日本のやり方は特殊なものですからなかなかできなかったんですけれども、ただ、一般的に申し上げまして、新しい技術について規制所管官庁は必ずしも理解が十分じゃありませんし、お話がありました国際的イコールフッティングという海外の動向も必ずしも把握しているわけじゃありませんので、やはり専門家の意見というのはとても重要であろうというふうに考えています。 そこで、今回は、この新事業等実証制度におきましては、主務大臣の計画認定の判断が適切になるように、認定の判断においては専門家から構成される革新的事業活動評価委員会の意見を聴くということで、さらに、これまでの認定スキームについての海外的な視点や技術的な専門的な知見を加えて適正な判断をしていきたいというふうに改善を加えたところでございます。
○石上俊雄君 内容的には大体分かりました。 やはり問題は、これが、企業実証特例制度というのは、企業側からの提案で、企業側で費用負担とか実験とかやって、それを見て審議会で判断していただくということでありますから、いかに国としてのバックアップがしっかりあって、最後やっぱり駄目だよと言われたらこれ元も子もないですから、やっぱり支援の方を引き続き講じていただかないといけないのかなというふうに思います。 さらに、これ言わせていただきますと、こうした制度設計下で、先ほども申し上げましたように、企業からこういうのはどうですかということでアイデアを出すわけでありますね。さらに、先ほども申し上げましたが、企業がコストを負担するわけでございまして、全国展開できますとこれはいいわけでありますが、一方で、規制緩和というふうになりますと、ライバル企業もおるわけでありますから、規制緩和内容によっては要はコスト削減になるわけですね。先進的な手法等を取り入れるわけでございます。ということは、先駆者的な取組をすると、要は単に勇敢な開拓者という形で、それで、後から使う、全国展開してですね、後発の方々はぬれ手にアワということですね、フリーライドまるっきりオーケーということになってしまうわけでございます。 そういうふうな形になると、何がしか先行者のアドバンテージが制度的にないと持続可能な制度とは言えないのではないかなというふうに思うわけでありますけれども、経産省の認識をお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(中石斉孝君) 新事業活動制度につきまして、規制の代替措置を実施する事業者に限って必要な法令改正を行った上で新たな取組を特例的に認め、後に全国ベースでの規制改革につなげていくと。その中で、新たな市場や産業を生み出していくことを全体狙っているところでありますが、おっしゃられましたように、確かに、最初のフロントランナーの事業者の方の先行者利益はどうするかというのは、これは経営上の問題としても大事な部分だと思っております。 今回、実際、実態上、特例制度を活用する事業者には幾つかの先行者利益というものがあるかというふうに思っています。 まず、特例措置を講ぜられるのはこの事業者だけでありますので、他社に先駆けていち早く特例措置による新事業活動を展開して、そこでノウハウ、実績といったものをつくり上げることができるんじゃないかと。この時間的なアドバンテージは、やはり非常にトレンドが速い中では大きなものではないかというふうに考えています。 そしてもう一つは、規制所管省庁は特例措置の新事業活動の終了後にその実施状況や実施結果を踏まえて規制の見直し、検討いたしますけれども、事業者は当該新事業活動を通じて規制所管官庁と規制の在り方について意見交換をして、規制官庁側の考え方と事業者側のこういうデータが出ましたという意思疎通をしますので、その中で、事業者においてはその規制制度に精通していくようなノウハウもたまっていくのではないかというふうに考えております。 こういった先行者利益もしながら、他方で、私どもは、やはりこの特例制度を活用して新しい新産業、新事業を生み出していきたいので、バランスを取って進めていきたいと思いまして、全体として我が国において規制改革による新産業が生まれるように、うまく工夫していきたいというふうに思っております。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 この辺、結構重要だと思うんですけどね。せっかくこうやろうと思って突っ込んでいくんですけど、何か、あれ、これ自分たちで費用負担するけど、結局的に損しちゃうのかなと思うと、国際競争力のイコールフッティングの観点で全国展開しないといけないんだけれども、結局は何かそのことが前に進まなくて終わってしまうというところに着きますので、是非その辺については検討いただければと、そういうふうに思っております。 次に、この企業特例実証制度の所管大臣は世耕さんということになりますので、今のやり取りを聞いて、この今回入ってくる規制サンドボックス制度にいかに魂を入れていくかというところについて決意をお聞かせいただきたいというのがまず一つあります。 さらに、併せてお伺いしたいというところが、資料四の②にちょっと付けさせていただきましたけれども、数年前まで議論されていた国際先端テスト的発想の必要性について、かねがねずっと思っているわけでありますけれども、企業実証特例制度とか規制サンドボックス制度、その他の特区でも、規制改革ホットラインでもそうなんですけれども、基本形は全て同じで、じゃ何が基本なのかというと、規制改革を要望する者は政府に申し出なさい、審査して問題なければ許可してあげるよという、これが基本的なスタンスなんですね。これみんな一緒なんですよ。そうではなくて、政府自体、自身が、諸外国の事例を調査を研究しまして、また当局との情報交換などを通じて、国内の古い規制、制度を棚卸しして改革していくというような自発的な仕組みが必要ではないのかなというのはかねがね思っているところでございます。 先ほどの半導体製造のガスボンベの案件というのは、これ典型的な例なんですね。金属などの材料工学や超音波などの物理法則はアメリカでも韓国でも台湾でも地球上どこでも全く同じであるわけでありまして、グローバル競争を行う業種であるにもかかわらず、海外では三十年前から使っていいよと言われているわけでありまして、国内では特段理由もなく使えないというのはどう考えてもおかしいのではないかなというふうに思うわけであります。安全性といったところが確認できていないので使えないというのがその理由なんでしょうけれども、それが特段に当たるかどうかはちょっと分かりませんが、ちょっとおかしいのではないかなというふうに思うんです。 企業も責任があると思っていて、積極的に国に提案すべきだというふうに思いますけれども、先ほど言ったように、やはり先に走ると、いやいや、自分たちだけが損するのではないかというところがあると、どうしても走れないというところもあるわけでありますから、やっぱり国自身も他国の規制の調査ぐらいはしっかりしていただいて進めるべきではないかなというふうに思うんですけれども、その辺も含めて世耕大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、今回の制度をまず最初、軸に御説明したいと思いますけれども、こういうサンドボックス制度という形では入っていきますけれども、これは国家戦略特区も同じくですが、最終的にはやはり全国一律の規制の見直しを行っていくということが本来の目的だというふうに思っています。ですから、サンドボックス制度というと、どうしても事業者の活動にスポットライトが当たるわけではありますけれども、一方で、国も主体的にそのテーマとなっている規制についてどうするかということについてやはり不断に見直していかなければいけないという立場だというふうに思っております。 そして、今回のこのサンドボックス制度が認定されていく中で、規制所管の主務大臣がこの実証計画の認定を行って、そして自ら規制を見直していく仕組みを法律上盛り込ませていただいているところであります。また、規制の見直しその他必要な事業環境の整備を法案に定める計画実行期間の間に集中的に行うことを国の責務としてこれも法律上規定をさせていただいております。そしてさらに、このサンドボックスの総合的かつ効果的な推進を図るために政府が実施すべき施策などに関して基本方針を閣議決定することとなっておりますので、法案を提出した大臣として、政府全体での制度活用を徹底的に促していきたいというふうに思っております。 また、後段御指摘の、もっと政府自ら規制緩和について国際的な状況を勉強すべきではないかというのは全くおっしゃるとおりだと思いますし、政府自身が勉強する力が足りないのであれば、もう少し事業者が言ってきやすいような、そういう環境をつくるということも重要だろうというふうに思っております。 今、経産省では、例えばエネルギー政策なんかは、やはり海外の事例しっかり勉強をしていかないと、なかなか、日本だけで閉じてそして今までのルールの範囲の中で議論をしていたのではこの新しいエネルギー政策の変動には対応できないと思っていますから、これは積極的に海外のいろんな事例を勉強するようにという指示も出しております。意欲的に勉強していきたい。そういったところから、海外の規制の状況、あるいは規制緩和の状況を先取りして勉強する姿勢を経済産業省もしっかり確立をしていきたいというふうに思っています。
○石上俊雄君 ありがとうございます。是非お願いしたいというふうに思います。 あと、全国展開というか横展なんですけど、普通の民間企業だと横展って結構簡単かなというか、やらないと怒られちゃうのでしっかりやるんでしょうけれども、国で横展をした場合に、結構自治体独自で改善している内容をどうやって横展するんだろうなというところもあると思うので、その辺についてもしっかりと検討していただければというふうに思います。 それでは次の、各論二つ目のテーマに入らさせていただきますが、データ共有事業としての特定革新的データ産業活用で、コネクテッドインダストリーズ重点取組五分野が設定されたと。その一つが自動運転でございまして、また資料五に付けさせていただいておりますけれども、具体的には、自動運転用の高精度三次元地図であるダイナミックマップ関連が検討されておるということでございますので、その点について質問をさせていただければと思います。 自動運転といっても、これはメディアの報道的なところもありますのでイメージ的なものがありますが、ここに、資料五に付けさせていただきましたけれども、大きく、そのイメージですが、自律型とインフラ型に分かれるのかなというところがあります。 要は、自律型というのは、グーグルさんとかが何か積極的にやっているのかどうかですけれども、要は、自分の車にあらゆるセンサーを取っ付けてそれを頼りに走っていくという、そういうものではないかなと。さらには、インフラ型と言うのかどうか分かりませんが、一方で、そうではなくて、要は、何というんですか、内閣府がやっている官民ITS構想というんですかね、高精度地図や衛星の測位などのインフラを活用して、あたかも目に見えない線路の上を自動車が、自動運転の車が走っていく、要は鉄道が走っていくというような、そういうイメージのこの二通りあるのではないかというふうに言われているわけであります。 そこで、昨年六月に、三菱電機やゼンリンさんなどの電機や地図、測量、自動車の各社計七社が、高精度三次元地図データの研究開発、実証及びデータ提供のダイナミックマップ基盤株式会社をスタートさせたということでございます。 このことによって、気になるのは、世界の自動運転用地図作りでは、ドイツのヒア社とかオランダのトムトム社が有名なわけでありますけれども、今回、この法改正で具体的にはどういうことが可能になるのか。さらには、その結果で、ダイナミックマップ基盤株式会社など日本連合が、世界で繰り広げられております地図データというか、地図の覇権争いに加わることができるのかなといったところについてお聞きしていきたいのと、さらには、一方で、独自でやろうというところと、さらには、実際に我が国の企業でも、パイオニアさんなんですけれども、ヒア社と自動運転時代に向けてグローバルな地図ソリューション実現の基本契約を締結するなど、単純な国別対抗と言われるだけではなくて、様々な合従連衡も展開中と聞くところでございます。 国としての課題、テーマの仕分をどう考えて、どういう役割を果たしていくべきかと考えられておられるのか、この二点について世耕大臣の御認識をお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のDMPですね、地図の会社であります。 日本企業というのは、やはりどうしても国内予選が非常に厳しくて、国内予選で徹底的に一から十まで全部競争して、そして、へとへとになって海外の本戦に出ていくと各国からもう選ばれて出てきた会社になかなか対抗できないで負けてしまうというケースが多いのかなというふうに思っていまして、コネクテッドインダストリーズ、第四次産業革命を考えていく中では、今、我々経産省として企業の経営者、産業界側に呼びかけているのは、やはり協調領域というのを考えてくれと。競争をしないでもうみんなで一緒にやった方が非常に効率がいいと、で、別のところで競争をしていこうじゃないかと。 だから、自動車であれば、やはり走行性能で競争するのであって、地図のようなところはもう連携した方が早いのではないかという発想の中から出てきたのがまさにあのDMPの発想だろうというふうに思っておりまして、これは、この取組は歓迎したいと思いますし、このままほっておいたらヒアに全部世界の地図が制覇されるんじゃないかとまで言われていたわけですが、このDMPの動きが出てきて、自動車メーカー、地図メーカーがみんな集まって協調領域で始めたことによって、日本の地図はこのDMPが押さえることによって、ヒアと交換しながら対等に渡り合えるというようなこともできていくのではないかということを期待をしたいというふうに思っています。 ただ、この協調領域をどこにするかというのは、これは国が決める話ではなくて、あくまでも産業界がしっかりと議論をして決めていくべきだというふうに思います。例えば、自動運転の分野でも、協調領域は一つというわけではない。地図だけではなくて、例えばセンサーが集めるデータのフォーマットとか、そういったことも協調領域になり得ると思います。 また、今御指摘のように、じゃ、地図はもう決めたら一社だけなのかといったら、これも、産業界の考え方によっては、地図の分野でも複数のものが別に競い合ってもそれは構わないんだろう、あるいはヒアと連携をするという考え方があってもいいし、独自でうちは地図を作るんだという企業があったってそれは私は構わないんだろうというふうに考えております。
○石上俊雄君 この自動運転のところは本当にいろいろ複雑で、しかし、急速というか、すごいスピードで進んでいるんだろうなというふうに思いますので、引き続き取組をいただいてしっかり国の国益にかなうような形で持っていっていただければと、そういうふうに思います。 そのデータ共有事業として、特定革新的データ産業活用で、先ほども申し上げましたけれども、コネクテッドインダストリーズ重点取組五分野であるわけでありますが、スマートライフとか、自動走行・モビリティーサービスとか、ものづくり・ロボティクス、バイオ・素材、プラント・インフラ保安が想定されているとお聞きするわけでありますけれども、これ以外の分野も排除されないということでよろしいんですよねという確認と、また、データの提供の要請に関しては、地方自治体のデータも同様に提供を促すような仕組みが必要と考えるわけでありますけれども、今回の法案の改正に当たってはどうお考えなのかということですね。 要は、何でかというと、グーグルが二年前に買収しましたアーバンエンジンズというところの会社があるわけでありますが、ここは、物のインターネットというものではなくて、動くもののインターネット、インターネット・オブ・ムービング・シングスと言われているらしいんですが、具体的には、要は地図の上で、ここの路線は混んでいますというか、こっちの方がすいていますという表示を出していく、そういう仕組みのものなんだそうです。ですから、今ここは混んでいるからこっちの方を先にやった方がいいよというのが分かるような、そういうものなんだそうですね。 そうして、これ、シンガポールの方で何かもう既に導入されているというふうに聞きましたけれども、そういったものをつくろうとすると、やっぱり公共サービスというか、そういったところのデータというのは取り込んでいかないとできないというふうになってくるわけでありますので、要は、その辺の地方公共団体のデータも同様に提供を促す仕組みをしっかりつくっていく必要があるんではないかという、そういうような質問でありますので、経産省、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。 委員御案内のとおり、コネクテッドインダストリーズというのは、機械とか人とか技術とか、これまでつながってこなかった様々なものがデータを介してつながることによって付加価値を生み出していくという構想でございまして、何か特定の業種を排除しているとか特定の業種に限定している、そういう概念ではございません。 他方、スピーディーに具体論を展開していくためにはやはり重点的な取組も重要であろうということで、日本の強みとか具体的課題のニーズを考えながら、例えば自動走行・モビリティーサービスとか、ものづくり・ロボティクスといった委員御指摘の重点五分野については重点に取り組んで取組を加速させているということでございます。 その意味では、このデータ共有事業につきましても、この重点五分野についてしっかりと支援をしていきたいと考えていくところではございますけれども、同時に、これら五分野以外の分野においても、データ共有、連携について具体的なニーズがあって法律の要件を満たすということであれば、この法律に従って支援をしていきたいというふうに考えている次第でございます。 二点目の御質問は、データ提供要請制度についての御質問がございました。 この法案にございますデータ提供要請制度というのは、その対象は国や独立行政法人等の政府機関としているわけでございまして、地方公共団体に対してこの制度に基づいて直接要請を行うということはできないと、こういう制度となっているわけでございます。 この背景でございますけれども、行政機関個人情報保護法等や情報公開法というのは、あくまでも国の機関や独立行政法人等を対象とした規律であります。それに対して、地方公共団体につきましては個別に条例での規律に委ねられているということでございますので、この法律において国と規律を別とする地方公共団体に対して同じ枠組みの下で一律にデータ提供要請をできるとするというのは必ずしも適当ではない、適切ではないということなどの考えにより、今般のデータ提供要請制度の対象からは地方公共団体等は除外されているということではございます。 他方、委員御指摘のとおり、いろんなデータ共有、連携を進めていく上で、地方公共団体が保有するデータに対する提供ニーズもそれは当然あり得ると考えているところではございます。こうした場合の多くは中央省庁の施策に関係のあるデータが多いと考えられるわけでございますので、その場合は、当該施策を所管する関係省庁ともよくよく相談、協議した上で、地方公共団体に対してデータ提供への協力を求めていくことも検討していきたいと考えているところでございます。 なお、官民データ活用推進基本法がございますけれども、その基本法においても、地方公共団体はその保有するデータの活用につきましては必要な措置を講ずるということとされておるものでございますから、地方公共団体にも一般的にはデータ提供に向けた環境整備が求められていると考えている次第でございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 それでは、時間がもう少しありますね。次のテーマでございます産業革新機構についてお伺いしていきたいと、そういうふうに思います。 産業革新機構については、機構は次世代を担う新産業をつくる旗印で二〇〇九年に発足をするも、現実には経営不振企業の救済色の強い案件もあったと批判があるわけであります。しかし、個人的には、その批判は一面的、表面的で、本質は、産業の国内外構造をどう捉え、国として産業競争力の維持向上にどのような施策を機構に取らせるか、また、その施策が十分適切だったかどうかというのが問われるべきと考えておりまして、そういう視点でちょっと質問させていただければと、そういうふうに思います。 この産業革新機構の対応する案件というのは、振り返れば、この十年、特に電機産業的なところが結構大きかったのかなというところがございまして、いろいろ金額とかというと、えっという感じになるのであれですが、とにかく多かったなというふうに思います。例えば、ジャパンディスプレイさん、これは二千億で支援をいただいているし、ルネサスさんが半導体で一千三百八十三・五億円といったところを支援をされたりというところがあるわけでございまして、こういうところがこの十年ぐらいであったということであります。 そこで質問させていただきたいと思いますが、二〇一六年の二月にシャープが鴻海の傘下を決めてからもう二年になるわけでございます。現在は中期経営計画、人に寄り添うIoT、これは人工知能、AIとIoTをプラスしてAIoTと言っているらしいのでありますけれども、あとは8Kのエコシステムなどを基本に掲げて、企業、株式がV字回復しているというところでございます。しかし、それまでは産業革新機構が再建策を主導しておりまして、最後の最後に鴻海案が逆転したのは皆さんも記憶に新しいところだというふうに思っているところでございます。 そのものを資料の六の①にちょっと付けさせていただきました。機構と鴻海案の提案を比較させていただいたものでございますけれども、これは報道のものから持ってきましたけれども、機構の出資規模三千億円に対して、鴻海は七千億円、銀行出資に債権放棄を求めない。また、経営側、社員雇用に関しては、機構案は経営陣の総退陣、雇用は事業再編の状況によるとした一方で、鴻海案は経営陣の維持、雇用は現行を維持するということでありますから、内容的には鴻海案の方が経済的な合理性は大きかったと一般的には評価されているというふうに思っておるところでございます。 このことに対しまして、世耕大臣として、今振り返ってみられて、また当時、この一件をどのような観点から分析されておられたか、率直な感想をお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) これは各社のそれぞれ経営判断だというふうに思っていまして、シャープについても、これ、産革機構は、一時期、この表にも整理していただいていますが、シャープの要請に応じる形で、液晶などの事業に着目をしながら、再編などを通じて、これ産革機構というのは単なる事業救済はできませんので、あくまでもオープンイノベーションということが前提になりますので、オープンイノベーションを促進していくことを目的として出資などの提案を行ってきたというふうに承知をしています。しかしながら、シャープとして様々な条件を検討した上で鴻海による提案の受入れを自ら判断をされたというふうに認識をしています。 結果としては、今V字回復と言っていただきました。また、雇用が確保をされ、あるいは取引先も確保されという結果になっているということはいいことだというふうに思っておりますし、このシャープのV字、シャープは今もう家電メーカーとしては生まれ変わろうとしていまして、そのことがまた日本の家電メーカーにもっと刺激も是非与えてほしい。このIoTの時代において日本の家電メーカーもこのまま待っていては勝ち残れないわけでありますから、シャープの状況も見ながら、日本の家電メーカーもビジネスモデルを新たに組み立てていってほしいなというふうに思います。 これ、金額の多寡とかいろいろ言われていますが、結果はやっぱり経営者だと思いますね。これ、経営陣、現状維持となっていますが、シャープには戴さんという鴻海から送り込まれた強烈な個性の人が経営に当たっていて、やっぱりそれで変わったというところが多いと思います。 これからも産革機構は、いろんな形で、オープンイノベーションを前提にしながら、事業再生ということも、またそこにお金を出すということもあると思いますが、やはり単にお金を出すだけではなく、単に事業再編のスキームを編み出すだけではなくて、やっぱりどういう経営者を連れてくるか、どういう経営者にリーダーシップを取ってもらうかというところが非常に重要だなというのが今回のシャープの件から私が感じているところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。 このシャープの案件を見ていくと、鴻海は本体に出資して全体として再生とか成長を狙っている一方、機構案の方は事業に着目をして、他社の事業との再結合とかその辺も考えながら進められていたということなので、そもそもちょっと視点的に違っているのかなといったところもあって、この辺はしっかり大事にしていかないといけないのかなと思います。 そこで、資料七に示させていただきましたけれども、産業革新機構の志賀俊之CEOは、当時、日経新聞のインタビューに応じておりまして、日本企業は事業を抱え込み過ぎている、それを解き放ち、常にリフレッシュされた状態にする、シャープで目指しているのもそれだと話されておりまして、さらに、記者に、もう一つの論点は液晶は日本が守るべき技術かという点について問われたところ、国が守るという発想はしていない、また、経産省が流出を恐れてやらせているということではないんです、ジャパンディスプレイという液晶会社に出資し、そこにシャープが合流した方がシナジーが生まれると考えたと答えられておるわけでございます。 そこで、ちょっと質問をさせていただければと思いますが、この日本企業の事業を抱え込み過ぎという点や、液晶技術流出を国が守るべきか否かという点など、経産省として、当時、現在でどのような認識を持っておられるのかというところと、さらには、シャープの液晶が革新機構の出資するジャパンディスプレイに合流しなかった結果、当初の狙いだったシナジーも生まれないわけであります。今の現在のジャパンディスプレイのビジネス環境、さらには今後の展開等についてどのようにお考えになられているか、併せて経産省のお考えをお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(吉本豊君) お答え申し上げます。 産業革新機構の会長である志賀CEOの二年ほど前の発言、その詳細につきましては正確には把握しておりませんので個々に論評するということは差し控えさせていただきますけれども、一つだけ申し上げますと、総じて言えば、日本企業は、欧米等他の地域の企業と比較いたしまして、低収益性の事業を抱え続け、その結果として全体の収益性を引き下げている、こういった面はあるんだろうというふうに認識しております。 具体的に申し上げますと、数年前に、日本、アメリカ、欧州、アジア、いわゆるコングロマリット、多くの事業体を持ちますグローバル企業の部門ごとの収益性の比較というのを行いました。その結果、日本企業では、売上高利益率が一〇%に満たない、いわゆるそんなに収益性の高くない事業部門の割合が全体の九割ということでございます。それに比べまして、同じ数字が、米国企業では約三割、アジア、欧州でも約六割と、こういう状況でございまして、やはり比較をしてしまいますと、低収益性の事業を抱え続けている、こういった傾向というのは認められるんだろうと、こんなように考えてございます。 このため、我が国経済全体の活性化の観点から、グローバルな競争を永続的に勝ち抜けるように、企業が事業の選択と集中、あるいは事業の連携、再編などを行いまして研究開発など前向きの投資に果敢に取り組む、こういったことが大変重要になってくるというふうに考えておりまして、そうした中で、産業革新機構は既存の企業の枠組みを超えたオープンイノベーションの促進、こういったことに取り組むことによってそのためのお手伝いをさせていただいていると、こういうふうに認識してございます。 お尋ねのジャパンディスプレイでございます。御指摘のような経緯もございましたけれども、現在、昨年八月に公表いたしました中期経営計画、これに基づきまして、新型液晶ディスプレーによる収益力の強化、有機EL分野における技術革新、車載事業など新たなビジネスの創出などを柱とする企業価値の向上に努めておるということでございまして、足下でも、固定費の削減あるいはキャッシュフローの改善といった相応の成果も出つつあるというふうに認識してございます。さらに、こうした中、最近では、今後の需要の増加が見込まれます新型液晶ディスプレーによる収益力強化を目指しまして外部資金調達に成功されるといったようなこともございます。引き続き全力で企業価値向上のための努力をしておられると、こういうふうに認識しておるところでございます。
○石上俊雄君 ありがとうございました。もう時間的に、ちょっともう残り少ないので。 この革新機構は、以前から度々でありますけれども、国内電機業界の大型再編を念頭に置いていると言われてきたわけでありますけれども、働く者の立場に立つ労働組合の立場で、まあ出身なんで言わせていただきますと、従業員の後ろには家族もいて、雇用の大切さというのは最後まで忘れてはいけないということを強調したいというふうに思っているところでございます。 今回の法案でも、スピンオフの円滑化が規定されております。企業価値向上が目的であろうと思いますけれども、スピンオフの実施で分割される会社の従業員の皆様には、いい方向に影響が与えるところもあると思いますけれども、悪いところの影響も起こり得るわけでございまして、やはり雇用と事業再編の関係について世耕大臣としてどのようにお考えになられているかというところをひとつお聞きしたいというふうに思っております。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の産業競争力強化法改正案で導入するスピンオフに関する会社特例の適用に当たっては、従業員の地位を不当に害するものでないことを法律上の要件としておりまして、具体的には、労働組合などとの協議による十分な話合いを行うとともに、雇用の安定に十分な配慮を行うことなどを求めることとしております。また、計画の認定を受けた事業者の責務として、労働者の理解と協力を得ることや雇用の安定を図るために必要な措置を講ずることを定めているところであります。 事業再編による企業価値を向上させようと思ったら、最終的には、これ株主とか経営者だけの話ではなくて、実際に現場で事業に携わっている従業員の方々の理解と協力がなければ実現できないというふうに考えております。今私が申し上げたような措置によって、スピンオフをされる会社の従業員に不当な影響が及ぶことがないように、そういった方々の士気が落ちることがないように適切に実施をすることが重要だと思っています。 また、労働組合や従業員による会社の経営に対するチェック機能が重要だというふうに思っています。これ、コーポレートガバナンス・コードの中でも、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の創出のため、従業員等を始めとするステークホルダーとの適切な協働に努めるべきという基本原則があるわけでありまして、コーポレートガバナンス改革をこういう視点で進展をさせていくことも重要だというふうに考えております。
○石上俊雄君 ありがとうございます。 資料八に最後付けてあるんですけれども、産業革新機構が対応いただいて、このルネサスエレクトロニクスというところは、今、産業革新機構が持っていた株式を売却して、最終的に復活というところに至ったわけであります。 このことについては、昨年の経産委員会で世耕大臣にもちょっとお聞きして、四万人という従業員が一万何千人になったというところがあったり、いろいろ事業所を閉鎖したりという様々な苦労があったわけでありますが、結果的には産業革新機構の力を借りて復活したというところであるわけであります。そのときに大臣から、そういうところに対して基本的に考えておかないといけないところはどこですかと言ったら、やっぱりできるだけ調子がいいときに早く手を打つことが必要ではないかというようなお答えをいただいたわけであります。 そういうルネサスエレクトロニクスでありますけれども、そこの荒井委員長という方がおられまして、ルネサスのグループの労働組合の委員長でありますけれども、資料八の②にちょっと付けてございますけれども、「苦節十四年 リストラの教訓と展望」と題しまして、雑誌のインタビューでお答えになられているわけであります。企業危機に陥る前、労働組合によるチェック機能は働かなかったのでしょうかと記者に聞かれまして、五ページにわたってインタビューに答えているんですね。 しかし、ちょっとここでは抜粋をして御紹介すると、会社がいかなる状況にあるか知らなかった、知らされていなかった、知ろうという努力が不足していたということであります。競争環境が変わっていることを敏感に察知し、対応しなければ、事が表面化したときもはや何もできないということですね。さらに、あそこはいろいろなところが一緒になりましたので、日立、三菱、NECの時代には、半導体部門が赤字でも本体のどこかにお金がある、出るだろうと思っていたと痛烈な反省と記しているわけであります。 確かに、この言葉を聞くと、私も労働組合の出身の一人でございますので、従業員は経営陣の下で働くという役回りでありますが、労働組合が経営をチェックするとしても限界があるんだというふうに思います。しかし、それでも不断に危機察知能力を磨く必要があるのではないかと今述懐しておりまして、自分でも、先ほども申し上げましたが、組合役員の一員であったので、この言葉を聞いて胸に突き刺さる思いだというふうに感じているところでございます。 やはり、雇用環境がしっかりしている、このことを実現するために取り組んでいくことがやっぱり一番なのかなというふうに思いますので、是非、世耕大臣におかれましても、日本の産業政策をしっかりリードいただいて、日本の産業を活性化させる、そういう取組を引き続き進めていただきたいと思いますが、最後に一言大臣からお言葉をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 先ほども申し上げたように、従業員も重要なステークホルダーの一人であります、一つでありますので、しっかりと経営に関して意識を持っていただくということは非常に重要だというふうに今の教訓も含めて考えておるところであります。
○石上俊雄君 ありがとうございます。
○真山勇一君 立憲民主党・民友会の真山勇一です。どうぞよろしくお願いします。 この場では、生産性向上特別措置法案、それから産業競争力強化法改正案の審議ということで、まず、前回の委員会のときに質問が残ってしまって途中になってしまったサンドボックスについて質問を始めたいというふうに思います。このサンドボックスについては、石上委員の方からも割と多角的に様々な質問もしていただきましたので、多少ダブったり重複したりするところもあるかもしれませんけれども、それはお許しをいただきたいというふうに思っております。 まず、前回からの続きでいいますと、このサンドボックスですけれども、これは、今回、この特別措置法案の目玉ということで、プロジェクト型ということになっています。調べてみたら、国家戦略特区の方の制度にもやはり同じサンドボックス、規制のサンドボックスというのがありますね。 今回、やっぱりこの新たな法案の中での新設ということで、それだけ期待度も大きいのではないかというふうに思うんですけれども、具体的に、今回、同じ名称ですけれども、今回のこのプロジェクト型と国家戦略特区の中のものというのは、もちろんそれぞれ狙いがあると思うんですけれども、どんなふうな違いがあるのか、この辺からまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘の今国会に提出をされております国家戦略特区法の改正案で措置することになっている地域限定型のサンドボックスは、対象地域を国家戦略特区の自治体に限定をして、そして、国、自治体、事業者の三者が一体となって先端的な実証実験の具体化を図るというものであります。具体的には、自動運転ですとかドローン、あるいは電波の利用といった特定の分野について、適切な事後チェック体制の下、関連する事前規制の最小化を図るものになっているわけであります。 それに比べて、今回、この今御審議いただいている特措法で措置をする新技術等実証制度は、これは民間事業者の側が提案をして、そして期間や参加者を限定をして、そして規制が適用されない環境の下でスピーディーな社会実証を可能とするものであります。先ほど申し上げた国家戦略特区の地域限定型と比べますと、特区に指定された地域以外でも活用が可能だということ、そして自治体による提案が要らないということ、そして実証のために法改正は要しないといった点が特徴であります。 自治体の提案に基づいて地域社会と一体となって協力をもらって実証を進めたいという場合は先ほど申し上げた国家戦略特区の地域限定型を活用していただいて、逆に、地域は限定できない、例えばITのサービスなんかはなかなか地域限定できないものがありますから、地域を限定しないでスピーディーに実証を行いたいというのはこの法案の新技術等実証制度を活用いただくというように、実証のニーズによってうまくこの両制度を使い分けていただくことが重要ではないかなというふうに考えております。
○真山勇一君 今のお話を伺っていると、二つが両輪になってうまく新しい事業を起こしていこうということではないかというふうに思います。 その中でも、特に今回のプロジェクト型というのは、今お話を伺っていると、やっぱり非常に柔軟性がある、それからスピーディーにやっていかなければいけないと。やっぱり時間が掛かってしまったら、多分、恐らくこういうものというのはアイデア勝負というところがあると思うんですよね。ですから、やっぱりどれだけ早くスピーディーにやれるかということだと思うんです。 そうすると、やっぱり国家戦略特区の方は、国やら地方自治体ぐるみということもあって、比較的、例えば、今一番大きなプロジェクトだと思いますが、自動走行なんというのもありますし、ドローンなんかも今は使い道が非常に広がってきていると。そういうことがあるので、そういうものに対して、このプロジェクト型の方は本当に小回りが利く、それで柔軟的にやれるということで、それだけ期待度が大きいと思うんですが、そうすると、じゃ、こういうものができてほしいという、あったと思うんですね、期待度が。そうすると、どうでしょう、今のところ例えばどんなものが出てきているのか、どんなものが実現性の可能性があるのかということを伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) そういうアイデアがどんどん浮かぶようでしたら、私は今頃ベンチャー経営者になっているのかもしれないわけでありますけれども。 今いろいろと対話をしている中で出てきているのが、例えば、フリーランスの人に仕事のマッチングをしている会社があります。フリーランスの人で、例えば、分かりやすく言って、ウエブデザインの仕事がやれる人で、ただし、少し介護か育児があって何年間か仕事の現場から離れていたんだけれども、そのウエブデザインのスキルを使って、個人として、フリーランスとしてビジネスを受注したい。そういうのをマッチングしているサービスが今たくさんあるわけでありますが、そのマッチング会社が、このフリーランスの人が、じゃ、新たに働き始めるとなったときに、三年休んでいると、例えばソフトウエアもパソコンもどんどん新しくなっていますから新たに買わなきゃいけない、じゃ、そのために融資をしなきゃいけないというときに、今のこの融資、個人に対する融資の限度額というのはあくまでも前の年の年収をベースに考えなきゃいけないというルールになっていますから、そうすると、その人には、お金、休業中ですから前の年の年収がありませんので、貸せないということになってしまうんだけど、ここを少し柔軟にしてもらえないだろうかというような要望が出てきています。 あるいは、宅配便に関して、やはり今ネット通販などで宅配の需要が非常に増えている中で、ラストワンマイル、いわゆる宅配会社の各地域にある拠点から最後その自宅までのところを誰か別の人に委託をするというようなルールの見直しができない、それの実証をやって問題がないということを検証できないだろうか。この辺のニーズが今のところ出てきているところでございます。
○真山勇一君 今伺っていると、本当にいろんなことが考えられるような気がするんですね。その辺の知恵を絞るのが大変なことだというふうに思うんですけれども、やっぱりそれがベンチャーのベンチャーたるゆえんのところだと思うんですが。 ベンチャーは、そういう新たな事業に挑戦するということ、これが大事なことなんですけれども、その一方で、今回のこの規制のサンドボックスの適用に当たって、この委員会でも度々取り上げられているのが、例えば命に関わる、安全に関わることとか、それから、私、それに加えて、やっぱり環境の問題とか、それから、これまでにある既存の産業、しっかりとした基盤を築いている産業を脅かすようなことになる、あるいは痛みを強いかねないようなことになるという、そういう事業についてはなかなか承認が難しいではないかとか、あるいはそういう問題をどうするかというふうなことがありますけれども、例えば、やっぱりこういうものについて慎重に、承認の際に際して慎重になるとか、ベンチャーだからいろいろやりたいけれども、その中にも、やっぱりそう簡単にはやることができないなというような、そういうことという考え方というのはあるんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回、このサンドボックス制度というのは、今の規制、規制というのは必ず目的があるわけですよね。国民の生活の安全を守るとかいろんな目的があるわけですが、今の時代の変化に応じ切れていないんじゃないか、安全を守るには別の方法もあるんじゃないか、それを実証してみたいというのが今回のサンドボックス制度だというふうに思っていまして、何でもかんでも規制を緩めるとか、そういう形ではなくて、その規制の目的を別の方法で達成できるのではないか、そのための実証をやるというのが私は今回のサンドボックス制度の本質だというふうに思っていまして、ですから、当然のこととして、実証に当たっては生命や身体の安全が第一である、第一に重要であるということは、これはもう言うまでもないことでありまして、サンドボックス制度では、事業者に対して、期間、場所、方法を限定して参加者の同意を得ること、実証実験の管理監督をしっかりと行うこと、また、この間の質疑の中でも、モニタリングもしっかり行うことなどで実証を適切に措置するために必要となる措置を講ずるということを参加する事業者に対して求めているわけであります。 そして、規制を所管する主務大臣は、こうした措置が適切に講じられていることなどによってこの規制法令が保護しようとしている本来の目的である権利とか利益が損なわれないことを確認をして、そして革新的事業活動評価委員会の意見を聴いた上で計画を認定するかどうかを判断をするということでありますので、安全性とかそういったことに関しては万が一にも問題が起こらないような体制になっているというふうに考えております。
○真山勇一君 規制のサンドボックスのこの質疑、審議の過程で、やはりライドシェアが、何かそれだけが非常にクローズアップされてしまっていることがちょっと私は気になって、やっぱり駄目なものは駄目、でも、やれるものはやろうよ、できるものはやってみよう、そういうことですね。その辺をしっかりとこの制度でやっていっていただけるということを確認をしたかったのでまた改めて伺ったということで、そういう何でもかんでもというところではなくて、やはり生命とか命に関わる問題もありますから、規制緩和ということがあっても、その辺をどうしっかりと区別していくかということは、この制度を生かすかどうかというところの大変大きなことになると思いますので、是非きちっとした基準でやっていただきたいというふうに思っております。 ここからちょっと具体的にお伺いしたいんですが、前回ちょっと途中で終わってしまったので。お手元のお配りした資料を見ていただきたいんですが、これは経産省の方からいただいた資料の中からの一部のコピーでございますけれども、このプロジェクト型規制のサンドボックスの仕組みというかシステムですね。 前回のところでちょっとお伺いしたのは、この左側の事業者と、右側に評価委員会というのがありますけれども、事業者がいろいろなアイデアを出すと、その一元的窓口、これが内閣官房に設置されるということで、ここでどこの官庁が扱うかということを決めてそこへ振り分けますという説明を伺いました。真ん中のその主務大臣というところですね、事業を所管するところへこの窓口から振り分ける。確かに、どこへ持っていっていいか分からないというのをこうやって一元的窓口で振り分けていただくということは、非常に事務の効率化にはなるというふうに思っております。 ただ、この流れ、左から右へ申請という形で流れていく、そして今度は右から左へと認定という形で流れていく中を見て、何点かやっぱり気になることがあるので、この辺をちょっと確認をさせていただきたいというふうに思うんですけれども、まず、評価委員会というのが右側にあります。この評価委員会というのはどういうものなのかということについて伺いたいと思います。 内閣総理大臣が任命ということなんですが、人選は、任命ということは、これは任命だけという意味なんでしょうか。人選はどんなふうに誰がやるのか、それからどんな基準があるんでしょうか。その辺りからまず伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、この評価委員会ですけれども、新技術等実証が経済全般に及ぼす効果について、各省庁の所掌範囲を超えた大局的な見地から主務大臣に対して専門かつ客観的な意見を述べていただくというのがこの評価委員会の機能であります。あくまでも最終判断は評価委員会の意見を聴いた上で主務大臣が行うことになっているというポイントが一つ重要かなというふうに思っています。 その上で、評価委員会の委員というのは、幅広い分野、領域に及ぶ内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関して優れた識見を有する者を任命することとなっておりまして、委員会が置かれるのは内閣府ということになる、これ、各省にまたがることですから内閣府に置くことになるわけであります。そして、その内閣府の長は内閣総理大臣でありますので、これは、形式的と言うとあれですけれども、内閣総理大臣が任命するという形になります。委員の人選に当たっては、委員によって代表される意見、学識、経験などが公正かつ均衡の取れた構成になるように留意することとしておりまして、構成や分野のバランスについて対外的にきちっと説明できるようにしなければいけないというふうに思っています。 評価委員会が公正公平である、評価委員の人選も含めて公正公平であるということを国民の御理解が得られるようにしっかり努めていかなければいけない。これだけいろんなことが問題になっている状況の中でありますから、きちっと説明責任が果たせる人選はしっかりとやっていく必要があるというふうに思っています。
○真山勇一君 それから、この評価委員会のことで更に伺いたいのは、この評価委員会というのは、このプロジェクト型サンドボックスで固定されたメンバーで常設ということになるのか、あるいは、出てくるプロジェクトごとによって多分専門性がかなり違うと思うんですよね、そういう場合に、逆に言えば、そういうときにまたそういう委員を選ぶのかどうか、そこはどうなっているんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 基本的には、この評価委員会は常設であります。ただ、今委員御指摘のように、テーマによっては、少し専門性、深く掘り下げなきゃいけないというようなときがあるわけであります。その技術が、イノベーションが社会実装されることによってどんなインパクトが世の中に与えるかなどはまた個別の人から聞かなきゃいけないときもあると思いますので、必要な調査をしなければいけないということになった場合は、例えば個別のユーザー団体ですとか、あるいは専門的なその分野に深掘りして詳しい学識経験者などから意見を聞くということもあり得ると思いますし、場合によっては海外の事情をいろいろと聴取をするということもあり得るのではないかというふうに思っております。
○真山勇一君 それから、やっぱり新しい事業、まあベンチャーと言われるものですから、新しい革新的なそうしたアイデアを含んだ事業ということなので、賛成という人はもちろんいいと思うんですね。だけど、賛成じゃなくて、いやいやそれはちょっと待ってくれとか、あるいはちょっと問題があるんじゃないかという反対の立場の人もいると思うんですが、この評価委員会の中でその反対の意見というのは例えばどんなふうにして取り入れられることになりますか。
○国務大臣(世耕弘成君) その評価委員会が、まだ人選もやっていない中で、この人は反対派の人だというようなことにはちょっとならないんだろうというふうに思います。やはり、規制改革とかこういったイノベーション全般に関して知見のある方を基本的には評価委員会に入ってもらう。それぞれの案件については、やはり必要があれば、外部の専門家も呼んで意見を聞いた上で評価委員会としていろんな御意見をいただくということになるんだろうと思います。 当然、業界団体とかそういったところからは、案件によっては反対の声が出るかもしれません。そういうことについては、最終的には主務大臣が取りまとめるということになるんだろうというふうに、主務大臣が判断するときに、そういった慎重な意見とかそういったことも聞きながら、一方で評価委員会からいただいた御意見も聴きながら、最終的に主務大臣が判断をしていくことになるんだろうと思います。
○真山勇一君 先ほど大臣がおっしゃった中立性とか公平性という面で見ると、そのプロジェクトに賛成とか推進する方の人だけでなくて、やっぱり慎重な意見を持っている人あるいは反対の意見を持っている人の言い分というのも聞いていかないとなかなか分からないと思うんですね。その辺の広く意見を聞くということは、この専門委員会にそういうふうな役割を持たせているということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(世耕弘成君) ともかく、この評価委員会には、予断なくしっかりと、その提案のあったイノベーションを社会実装するに当たっての実証実験に関してやっていいか悪いかの御判断は、御判断というか御意見をしっかりいただきたいというふうに思っています。
○真山勇一君 それから、この図で見ると、上に内閣総理大臣を通じて勧告というのがありますね。それからもう一つは、意見を聴くというのがあります。 今、お答えですと、評価委員会の評価を受けてそして最終的に結論を決めるのは主務大臣になるというふうにおっしゃいましたけれども、ここにある勧告というのと意見というのはどういう違いがあるんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 基本的には、評価委員会が主務大臣から意見を聴くと、主務大臣としての言い分というか、そういうところを聴くというのがこの意見を聴くというところだというふうに、違う、あっ、主務大臣に対して評価委員会が意見を言うということであります。 最終的に、これ個別のケースに応じて様々な場面が想定されるわけですけれども、例えば、主務大臣が、サンドボックスに関して、規制の特例措置や新技術等実証計画の認定の判断に際して、例えば革新的事業活動評価委員会の意見を踏まえての検討とか判断を全く、例えばですよ、サボタージュして行っていないという場合には、これはもう意見ではなくて勧告という形になるんだろうというふうに思っております。 これ、内閣総理大臣を通じての勧告というのは、別に総理が恣意的に勧告をするというわけではなくて、この評価委員会がどうしても各省庁ときちっと連絡を取らなきゃいけないという立て付け上、内閣府にこの評価委員会を置いています。そうすると、内閣府の長はあくまでも内閣総理大臣なんです。だから、内閣総理大臣としてというよりは、内閣府の長としてこの評価委員会の勧告を総理大臣が伝達をする役割をしているというふうに御理解いただければというふうに考えています。
○真山勇一君 こんなふうに私は思うんですけど、意見の方は、評価委員会が主務大臣に対する意見というのは、これは通常ルートであると。だけれども、やはりプロジェクト自体がいろんな省庁にまたがっている、なかなかその辺が意見が一致しないし、まとめるのが難しいというときには、つまり評価委員会がまとめたものを総理大臣という名前で勧告をするというふうに取ってよろしいんですか。特別なルートになるということでよろしいんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) 全くそのとおりでありまして、内閣府の長としての内閣総理大臣の機能で伝えているということになるんだというふうに、あくまでも主体は評価委員会というふうに思っていただければと思います。
○真山勇一君 それから、やっぱり気になるのは、評価委員会というのは、いろんな専門家など広く範囲を広げるということだったんですが、任命するのがやっぱり総理大臣ですね。そうすると、総理大臣が任命するということになると、やはり総理の意向とかそういうものが多少出てくるという懸念とか心配というのはないんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) これも、総理が名簿に丸打って決めるとかいうことではなくて、あくまでも内閣府の長として総理大臣が任命行為をやるということでありまして、これは基本的には内閣府を中心に人選が行われるんだろうというふうに考えております。
○真山勇一君 それから、出てきた事業、その計画、実証、これ是非やりたいということになってきて、当然、主務大臣が評価委員会にいろいろ相談をする、意見を聴く体制をつくるということになりますと、評価委員会の方が意見が同じで、うん、これは推進していこうという結論になればいいんですけれども、例えば、主務大臣の方はこれはいけるんじゃないかというようなことで専門委員会に例えば相談をする、意見を聴くと、そうすると、専門委員会の方では、いや、これはちょっと無理だろうみたいな話で違ってしまう。つまり、主務大臣の方と評価委員会の方で評価が違ってしまった場合というのはどうなんでしょう。
○国務大臣(世耕弘成君) この実証計画の認定については、基本的には、評価委員会の意見を聴いた上で、最終判断はあくまでも主務大臣ということになろうかと思います。決して一回きりで、もし意見が対立したような場合は一回きりで終わることはないというふうに思いますが、そこはよく主務大臣と評価委員会がコミュニケーションを取ってよく調整をするということだというふうに思っています。 これは、何度も申し上げている、いきなり規制を外すわけではなくて、規制の目的をほかの方法で達成できないかどうかを実証するという意味でありますので、そういう意味では、何かマルかバツかの対立構造ではなくて、一定の歩み寄りということもしっかりできるんではないかというふうに考えております。
○真山勇一君 その辺りで、このプロジェクト型の規制のサンドボックスというのは、新しい、新設される制度ですし、期待感もそれだけあると思うんですけれども、やっぱり感じるのは、そうしたちょっと懸念の部分があって、私、二つぐらいその懸念をちょっと伺いたいんですけれども、一つは、今申し上げたような評価委員会のその勧告とか、それから主務大臣がそれを認定する間のそのプロセスですね、そういったものに透明性とか公平性とか客観性、これがないとやはり恣意的に何か物事が考えられるんじゃないかと。 先ほど大臣もちらっとおっしゃいましたけど、今問題になっている加計学園問題なんかというのはやっぱりそういうところもあると思うんです、特に国家戦略特区ということで。この仕組みを見ていると、やっぱりそうした懸念を持ってしまうんです。今伺った話では、そういう公平性とか透明性は確保しますよというふうに言われても、これまで、書類がないと言われたり、出てきたらちょっと書き換えられていたりということになるとやっぱり困ると。 ですから、この少なくともプロセスの、何というのか、透明性とか公平性、客観性というのは担保されなくてはいけないと思うんですが、その辺りのその透明性、公平性を担保することと、それから、事後に、これ確かにそのとおりきちっと意見を聴いてそして認定がされたよということを証明されるような、その検証可能とするためにはどういったことが必要だと思われるか、どういったことは最低やらなくちゃいけないというふうに大臣として考えておられますか。
○国務大臣(世耕弘成君) いろんな形で担保はされていると思うんですが、ちょっと御説明をさせていただきたいと思います。 まず、この評価委員会が勧告を出す場合は、これは先ほど申し上げたように総理大臣の名前で出すわけですけれども、主務大臣はその勧告に基づいて講じた措置を委員会に通知をするということになっています。また、評価委員会は、勧告を出した場合はその内容を遅滞なく公表しなければならないということになっていますので、ここでまず勧告に関する透明性は確保されているというふうに考えております。 また、実証計画の認定のプロセスについては、この評価委員会においては、例えば、ある委員に直接の利害関係があるような議題が上がる場合は、その委員はその審議には参加しないことにするなど、公平性についてこれは疑念を抱かれないように運用上しっかりと留意をしていきたいというふうに思っております。 また、主務大臣は評価委員会による専門的かつ客観的な観点からの意見を聴くことを求められておりまして、個別の計画を認定するか否かなどの最終判断はあくまでも主務大臣ということになります。主務大臣は、計画を認定した場合には、その内容を直ちに公表することになっています。それとともに、評価委員会から勧告があった場合に講じた措置を評価委員会に通知をすることを通じて、その判断について説明責任を果たすことになっているわけであります。 加えて、実証計画の認定プロセスにおいて作成された文書のうち、公文書管理に関する法律上の行政文書に該当するものは適正に管理する、これはもう当然のことでありますし、営業上の秘密を除いて会議又は議事録を速やかに公開することにしております。こういったことによって議事の透明性ということも担保されるというふうに考えております。 こういった仕組みを活用して、評価委員会による勧告ですとか実証計画の認定における公平性、透明性をしっかりと担保してまいりたいというふうに考えております。
○真山勇一君 いろいろおっしゃってくれて、確かにそれが機能すれば大丈夫という気もするんですけれども、何か、それを保証するというか、例えば明文化してある、法律以外のところですね、法案の中以外のところでこうしたことがきちっと明文化されているとか、そういうことというのはあるんですか。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、今申し上げたことはおおむねこれ法律の中で規定をされていることでありますし、今後、いろんな運用をしていくに当たっていろんなルールとかガイドラインを定めていくわけでありますから、その辺はまた改めて国会にもしっかり御説明をしていかなければいけない。 いずれにしても、透明性、公平性、これ特例を認めるわけでありますから、透明性、公平性については格段の留意をしながら進めてまいりたいというふうに思っております。
○真山勇一君 今おっしゃった運用とかルールの部分をやはり細かく決めていただいた方が、やはり変な疑いは掛けられないし、恣意的な運用というのもそれによって避けられるということがありますので、それは是非、これ今後この法案が成立した後の整備ということで、是非しっかりとやっていただきたいと思います。 やっぱり、制度をつくる、こうした新しい制度をつくって期待もされているということでしたらば、それがうまく運用される、その制度が利用されるということが大事だと思いますので、是非それはお願いしたい、重ね重ねお願いしておきたいというふうに思います。 次は、中小企業の話を少しさせていただきたいと思います。 設備投資政策が、今回、産業競争力強化法改正の中に盛り込まれています。特に、特例措置として、固定資産税、この固定資産税についてちょっとお伺いしたいというふうに思います。 中小企業における生産性向上のため、その先端的な設備に対する投資、これを促進する特例措置ということで、企業が自治体に対して、区市町村ですね、払っている固定資産税、これを軽減する措置が盛り込まれています。 この仕組み、これ、固定資産税、多分自治体にとっては大事な財源なので、これによって税収が減ってしまってはいけないので補填される仕組みはあるというようなことを伺っているんですが、その辺の仕組みを改めて伺いたいのと、これに対する自治体、どうなんでしょうか、期待度というのは大きいんですか。その反応はどういうことなのか、ちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回は、あくまでも自治体の判断ということを重視していまして、自治体の判断によって新規に企業が投資した分の固定資産税をゼロにすることができるということになっています。 最終的に、当然、減収は幾ばくか出ます。そんな大きな減収にはならないと思います。新規投資分に係る固定資産税のところですから、しかもそれが三年間ということでありますので、何か、その固定資産税収入ががくんと落ちるということにはならないと思っていますが、今回のこの特例措置による減収については、地方交付税の基準財政収入額の算定にしっかりと含めるということになっておりまして、それぞれの市町村が条例で定める特例率、ゼロにするところが多いと思いますが、その特例率をしっかり用いますので、結果として、地方交付税の交付を受けている自治体の場合は、この特例率の適用、要するに固定資産税を減らしたことによって減少した基準財政収入額は地方交付税で補填されることになるわけであります。 また、これ、自治体の今受け止めですけれども、おおむね全自治体の八六%となる千四百九十二の自治体がこの趣旨に賛同して固定資産税をゼロにするという回答をいただいています。私の地元でも、北山村という人口四百人の村も固定資産税をゼロにするという判断をしていただいているところであります。 この心は、やはり自治体も、それは固定資産税が少し減るかも分からないですけれども、長い目で見れば、自分のところに立地する中小企業が新たな設備投資を行うことによって生産性が向上する、販路の開拓につながって最終的には地方の税収の増につながっていくという点を御期待をいただいているのではないかなというふうに思っています。 まだゼロを宣言されていない自治体に対してもしっかりとこの制度の趣旨とか効果について引き続き説明を続けていきたいというふうに思いますし、小規模な自治体でも円滑にこの固定資産税ゼロに対応できるよう、例えば、これ事業計画をちゃんと出してもらわなければいけませんから、この計画内容の記載例などをしっかりと提示をするとか個別相談に応じるなど、きめ細やかな対応を引き続き行ってまいりたいというふうに思っています。
○真山勇一君 今お話伺っていると、大体自治体は期待しているというようなイメージもあるんですけれども、今おっしゃったような小さな自治体ほどやっぱりこれうまく運用できるといいというふうに思うんですね。 やっぱりどうしても今大都市中心になって地方が疲弊しているということもありますし、それから、そういうことによって格差が今自治体の中で出てきてしまう。これが余り大きくなってはいけないということがありますので、やはりそうしたことに注意しながらこれやっていかなくちゃいけないというふうに思いますし、それから、固定資産税を補填してくれるということで、自治体としては安心してある意味できるんじゃないかなというふうに思っております。 ただ、一方、じゃ設備投資するかどうかということで、企業側の方から見ると、これも平成二十八年度から中小企業の設備投資に係る固定資産税を半減できるこの特例措置がありますよね。これで制度が十分に生かされてきたのかどうかということをちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) まさに、この二分の一に減免できるこの今御指摘の制度が非常に効果があったから今回ゼロにしようという判断をしたわけであります。更にもう一段踏み込んでゼロにできるようにすればもっと効果が出るんじゃないかということでやらせていただきました。 既に、平成三十年三月末時点において、この二分の一の制度を利用して新規の設備投資を行った事業者が三万七千者に上っております。対象となった設備投資は、推定ですけれども、一・九兆円ぐらいに上るのではないかというふうに思っています。 我々、ただ単に金額とか件数を計算しているだけではなくて、これ、使った中小・小規模事業者からもいろいろ話を聞いています。例えば、今までは、やはり固定資産税の負担が重たい、赤字でも払わなきゃいけないので、新しい機械を入れたらもっと効率よく作れるということは分かっていたんだけどやれなかった、だけど二分の一になったことによってようやく決断ができて新しい機械を入れたと、その結果、非常に効率が良くなって、納期に間に合わせるために今までは土日も社員を働かせていたんだけど、ちゃんと週休二日休ませられるようになったとか、あるいは、効率が上がったことによって今まで製造ラインに張り付けていた社員を営業に回すことによって販路を開拓できたとか、そういう非常にいい反応があったものですから、それを更に深掘りしようということで今回ゼロということを思い切ってやらせていただいた。 財政当局も理解をしてくれた、総務省も理解をしてくれたのは、やはりこの二分の一の効果があったということを評価してくれているということの証左だというふうに考えております。
○真山勇一君 やっぱり、よく日本にある企業の九九・七%が中小企業、中小零細企業と言われているわけですよね。そうすると、やはり今そうした中小零細というのは、大変経営も厳しいし、赤字を抱えているところもたくさんあるし、そうすると、これまでやっぱり設備投資を渋っていた、なかなかそれをやろうという気持ちが起きなかったというのは、何というんですか、設備投資をやったところで、じゃ本当に企業はそれでうまく再生できるかとか活力が取り戻せるかということがあったと思うんですね。 そのインセンティブというか、それに、今大臣のお話聞くと、二分の一でもなったというふうなお話伺ったんですけれども、やっぱり固定資産税自体がその企業の中のこれどのぐらいになるのかということですよね。例えば、これは設備投資にだけ固定資産税が特例措置をとるというふうに伺っているわけですね。土地とか建物は関係ないと。そうすると、金額的にそんなに大きい金額になるのかなというのが一つ。 例えば、じゃ、五百万円ぐらいの設備投資に必要な資金が必要だということになったとき、その固定資産税を、例えばゼロになるにしてもどのぐらいになるのかなということと、それから、今おっしゃったように、二分の一でもやれるところ、つまり体力の強いところはもう大分やっちゃったんじゃないか、逆に言えばね。そうすると、これから、じゃ今度は二分の一じゃなくてゼロにするよと、そういうもう少し優遇措置ができるわけですけれども、もうほとんどの中小零細が今までの制度でやってしまったということはないんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 固定資産税というのは大体簿価の一・四ですから、今御指摘のように、五百万円だと七万円ぐらい。ただ、赤字中小企業で七万円の負担というのはやっぱりこれはなかなか大きいものだというふうに思っていますので、まだまだ、これゼロになることによって、だったらというところはこれから出てくる可能性があると思っています。また、固定資産税だけが設備投資の判断を鈍らせていたわけではなくて、そもそも投資するお金がないという部分もありますから、これはまさにものづくり補助金、IT補助金でしっかりと支援をしていく。 あるいは、それ以外のもう一つのファクターは、何に投資していいか分からないというところもあると思いますから、これはまさに今、サービス産業の生産性向上ということで、IT化をやるとこれだけの効率が上がりますよということを百万者に水平展開やっていこうということの政策も今進めておりまして、こういういろんな複数の政策を組み合わせる中でやっぱり固定資産がゼロになるということも価値を持ってくるんだろうというふうに思っております。
○真山勇一君 固定資産税だけじゃなくて、今まであるいろんな制度、それも、何というんですかね、組み合わせて利用ができるということでよろしいんですね。 そういう固定資産税だけだと、やっぱり、今おっしゃったように、例えば一・四%ぐらい、七万円ですか、五百万円だと七万円。七万円もという考え方もあるかもしれませんけど、いや、やっぱり五百万のお金投資して七万円だけだとなという気持ちも逆に言うと経営者にはあるんじゃないか。そこまでしてリスクやっぱり冒せないよなと。今これだけ人手不足で、それから新しい設備入れたところで、じゃどれだけそのマーケットが増えるかどうかも不安だということになると、なかなかそういうところはないと思うんですよね。 もう一つ、その特例措置の条件として、三年間で、労働生産性年平均三%、それで三年間で合計九%向上させるということ。そうすると、この条件って、つまり、どこからその三%、年三%というのは出ているかということと、ちょっとこういう、単純にこの数字で目標を課せられるというのはちょっとつらいんじゃないか、厳しいんじゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 中小企業の現場では非常に急激な人手不足や少子高齢化など厳しい環境に直面していまして、これを乗り越えるためには、中小・小規模事業者といえどもやはり生産性をしっかりと向上させていくということが非常に重要な課題、方向性になるというふうに思っています。 今回のこの特措法では、新しい経済政策パッケージにおいて政府として掲げた二〇二〇年までの三年間の生産性革命集中投資期間に合わせて、特に短期で取り組むことが必要な施策を講じるため時限の特別措置法として制定するものであります。 生産性についての目標値は、革新的な物づくり、サービス開発を行うためのものづくり補助金の目標の参考としております経営革新計画では年平均三%の付加価値額の向上を目指しておりまして、二十九年度末までに全国で延べ七万者の計画承認がなされているところであります。今回の目標もそれと同様の三年間で年平均三%、合計九%の労働生産性向上を設定したいというふうに考えておりまして、生産性向上に取り組む幅広い中小企業に活用をいただきたいというふうに思っています。 ただ、この労働生産性年率三%の達成見込みを計画認定の段階でちゃんとやれますかということを我々は確認をさせていただきますけれども、それをしゃくし定規にその後運用をしていくつもりはなくて、例えば、計画期間中に、雇用、ちょっと人をたくさん雇って対応しようと思ったと、人を雇うと一瞬労働生産性は下がりますので、その結果として労働生産性が下がってしまった、このような場合は、それによって直ちに計画の認定を取り消して固定資産税を元へ戻しますなんということはしないように柔軟に運用をしていきたいというふうに考えています。
○真山勇一君 その柔軟な運用というのはとても大事じゃないかなというふうに思っています。 お金を借りて、そして固定資産税の特例措置受けて、事業がうまくいけばいいと思うんですけれども、やっぱりなかなか難しい面もあるんじゃないかというふうに思うんですね。 これ、例えば失敗してしまった場合というのは、何か救済措置とかあるいは対応というのは考えておられますか。
○国務大臣(世耕弘成君) この制度において失敗した場合の救済措置というのはありませんが、当然、中小企業、セーフティーネットはこれ一般的な仕組みとしていろいろあるわけですから、事業が行き詰まった場合にはまた別途セーフティーネットにおいて対応をしていくことが必要だというふうに思っていて、この制度の中で何かセーフティーネットを担保しているということはございません。
○真山勇一君 分かりました。 中小企業がやはり何か新しいことをやるときに一番気になるのは、万が一失敗してしまったらということで、そういうモチベーションというのがなくなってしまって、どうしても攻めの姿勢よりも守りの姿勢になってしまうということが今あるんじゃないかと思うんです。 特にやっぱり私が感じるのは、中小企業というのは九九・七%も日本の企業の中であるわけだし、それを見ていると、やはりいろんな中小企業対策というのをこれまで打ってきた、資金的なものですね、融資から始まっていろんなことを、今セーフティーネットあるというふうにおっしゃっていたんですけど、それでもやっぱり中小企業というのは、今やはり苦しいし、倒産してしまったり、事業自体をやめるというところが多くなっているわけですね。 そういうところから見ると、やはり根源的な問題として、高齢化とか、それから、事業を引き継げる、つまり、自分の実際にお子さんがいらっしゃっても、おやじ、俺はその仕事やらないよみたいな話で、そういうことで結局閉めなくちゃいけなくなるということが、やっぱりそういうことも非常に多いと思うんですね。 ですから、こうした面もやはりひとつ対応策を立てていかなくてはいけないと思うので、今回のこの法案の中にもそれが入っておりますけれども、この辺り、やっぱり中小企業をこれから元気にさせるために、こうした例えば高齢化とか、どうやってその後継ぎ、この企業をつなげていくかということに対しての大臣の基本的な考え方、ちょっと伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回、この法案、そして昨年度の補正予算、今年度の当初予算、さらに税制含めて、中小企業に対するかなり抜本的な、久々に大型のパッケージでの中小企業の支援策というのが行えているんじゃないかというふうに思っております。 今御審議いただいている法案では、まさに固定資産税ゼロということも決めさせていただきました。そして、昨年度の補正予算、現在執行中ですけれども、これが、ものづくり補助金一千億円、IT補助金五百億円を、これも過去にない非常に大きな規模を積ませていただいております。さらに、事業承継という観点では、事業承継税制、これかなり今回財務省にも御理解をいただいて、かなり踏み込ませていただきました。過去にない抜本的な拡充を行うことができました。また、親族外の承継に対しても、一定規模の優遇措置も入れさせていただきました。 そういう意味では、こういったことを総合的に措置することによって中小企業の活性化にしっかり取り組んでいきたいというふうに思っていますし、特に今回は、昨年度の補正から今年度当初、そして今御審議いただいている法案と、かなり大きなパッケージになっていますので、この運用をしっかりやることによって、中小企業の活性化、しっかりと行っていきたいと思っております。
○真山勇一君 やっぱり私、気になるのは、社会の形が大きく今変わってきている、そういう中で、やはり従来どおりのものを繰り返し繰り返しやっていただけじゃなかなか前へ進まないという面があるんじゃないかと思います。そういう意味で、新しい制度つくって、そしてその仕組みをうまく活用していくということはすごく大事だと思いますし、今の大臣の、これまでとは違う制度を今回設計したということを伺って、やはりまさにそういうことで、私たちの社会それから企業を元気にしていかなくちゃいけないというふうに思っております。 ありがとうございました。 〔委員長退席、理事大野元裕君着席〕
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 前回に続いて、生産性向上特別措置法案のデータに関わる問題について質問をします。 資料の一から三を御覧ください。これ、前回も示した資料です。前回の委員会の中で、内閣官房情報通信技術総合戦略室が行った第一回目の官民ラウンドテーブルにおいて、ウイングアーク1stという企業が、国からのデータの提供を受けて、そのオープンデータとツイッターなどのソーシャルデータ、そしてリアルデータを組み合わせて訪日外国人の観光行動を分析したいという提案を行っているんだということを紹介いたしました。 国が提供をするデータは非識別加工をされているといっても、名前であるとか顔が明らかになっているソーシャルデータなどと組み合わせることで個人が特定をされてプライバシーが侵害されるようなことが起きるのではないか、その場合は一体誰が責任を取るのか、こういうふうに質問をしました。大臣からは、あくまで我々は公的データを非識別加工していくことが極めて重要だという答弁があったわけなんですけれども、この答弁を聞いて、公的データには責任を持つんだけれども、組み合わせた情報には責任がないということなのかなというふうに聞きました。私が前回大臣に質問したのは、公的なデータとソーシャルデータなどを組み合わせた場合のことなんですよね。 改めて大臣にお聞きします。国が提供した非識別加工情報とそのほかのデータが組み合わされて個人が特定をされる、プライバシーが侵害をされるということがあったときに誰が責任を取るのでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の生産性向上特措法における公的データの提供に当たっては、そのデータの提供が既存の法令に違反しないことが法律上当然のこととして求められているわけであります。このため、行政機関などが保有する個人情報に関しては、行政機関等個人情報保護法に基づいて個人の権利利益を保護するための規律に服することとなります。 具体的には、もう今御指摘いただいていますが、行政機関などが保有する個人情報については、特定の個人が識別することができないよう匿名加工を行う非識別加工情報制度が設けられておりまして、その加工は、個人情報保護委員会規則が定める個人識別符号の削除や特異な記述の削除などの基準に従うこととなっています。そして、非識別加工情報の提供を受けた事業者が他の情報と組み合わせ個人を特定する識別行為が禁止をされるなど、個人情報の保護のための十分な規律が設けられているというふうに理解をしています。 今回の法案においても、こうした措置は個人情報保護法及び行政機関個人情報保護法に基づいて確保されるため、個人を特定する行為については個人情報保護委員会が監督をされるものと承知をしております。
○岩渕友君 今の答弁でも、組み合わせた情報について一体何かあったときにどうするのかということについては答弁なかったというふうに思うんですけれども、では、個人情報保護委員会が責任を持つことになるのか、保護委員会、答えてください。
○政府参考人(福浦裕介君) お答えいたします。 生産性向上特別措置法案における革新的データ産業活用計画の認定や公的データ提供に当たっては、個人情報保護法を始めとする法令の遵守が前提と認識しております。このため、同法案における革新的データ産業活用計画の認定や公的データの提供を受けた事業者は、個人情報保護法に基づく匿名加工情報や行政機関等個人情報保護法に基づく非識別加工情報を取り扱う場合には、識別行為の禁止等、法令を遵守した適正な取扱いを行う義務がございます。 したがって、誰が責任を取るかという御質問については、その義務違反ということを鑑みますと一義的には当該情報を取り扱う事業者が責任を取ることになりますが、その上で、当委員会としましては、万が一申請された革新的データ産業計画におけます個人情報の取扱いについて個人情報保護法に違反する内容が含まれている場合には、その旨を主務大臣に回答するとともに、主務大臣におかれては、認定を行わない等しかるべき対応を御検討いただくということになろうかと思います。 加えまして、万が一認定を受けた革新的データ産業計画に基づいて実際に行われた事業の内容に個人情報保護法違反があれば、当委員会として、主務大臣とは独立して、同法に基づき必要な措置を検討いたしたいというふうに考えてございます。
○岩渕友君 個人情報保護委員会が作っているガイドラインを見ると、再識別行為について、本人を識別する目的でのみ禁止をしています。更に言うと、非識別加工については、あらゆる手法によって個人が特定することができないよう技術的側面から全ての可能性を排除することまでを求めているものではなく、少なくとも、一般人及び一般的な事業者の能力、手法等を基準として、通常の方法により特定できないような状態とすることというふうにあります。 〔理事大野元裕君退席、委員長着席〕 これ、一般人及び一般的な事業者の能力が基準ということになると非常に心配だなという思いもあるんですけれども、結局、匿名加工情報を扱う事業者が本人を特定する目的ではなく組み合わせた結果、本人が特定されることになる可能性があるんじゃないのかと。だからこそ、万が一情報が漏れたときの結果責任が重要なのではないのかというふうに思うんですけれども、改めて大臣、どうですか。
○国務大臣(世耕弘成君) あくまでも、これは、基本的にはそういう、ほかのデータと組み合わせた特定行為というのは禁止をされているわけでありますから、これは個人情報保護委員会の監督。そして、個人情報保護委員会から例えばこの事業者が違反していますよということになれば、これは私も、私の管轄する範囲であれば主務大臣としてきちっと対応をしていく、それによって責任を果たすということだと思います。
○岩渕友君 先ほど紹介した個人情報保護委員会のガイドラインによれば、識別行為の禁止というところで、個人情報に係る本人を識別するためにというふうに書いてあるんですよ。だから、取扱事業者が本人を特定する目的でという場合ですよね。 先ほど紹介した、前回から紹介しているウイングアーク1stは、別に本人を特定する目的でほかの情報と組み合わせるわけではないんですよね。その結果、組み合わせた結果できたもので本人が特定されるような可能性があったときにどうするのかと。要するに、組み合わせた結果できた情報で個人が特定されて情報が漏えいしていくようなことがあったときが心配だと。要するに、結果責任がだから重要なんじゃないんですかというふうに聞いているんですけど、改めて大臣、どうです。
○政府参考人(寺澤達也君) ちょっと私なりに答えさせていただきたいと思うんですけれども、委員御指摘のことは、本人を識別する目的がなかったとしても、そこで組み合わせた情報を誰かが利用して本人が特定されてしまうということを御懸念されているんだと思うんですけど……(発言する者あり)いや、ただ、行っちゃったところで、じゃ、その情報を得た者が匿名加工情報取扱事業者に該当する場合は、その当該匿名加工情報取扱事業者は、個人情報保護法に基づいて、その事業者が、行っちゃった先の人が情報を組み合わせて本人を識別するということをやっちゃいけないと。そこで、個人情報保護法の規制が、行った先でもその人が匿名加工情報取扱事業者になれば、そこで規律が及ぶという構造になっていると理解をしております。
○岩渕友君 組み合わせて別な情報ができていろいろ出ていく可能性があると。そのウイングアーク1stの場合は、SNSの情報で顔や名前が出ているものとの組合せということが提案されているということで、非常に心配だということなんです。 資料の四を見ていただきたいんですけれども、これ、前回の委員会で大臣は、公的データの中にはフェイスブックやツイッターの情報は入っていないというふうにおっしゃっていました。それはそのとおりなんですけれども、ウイングアーク1stが官民ラウンドテーブルで提案をしているものの中にはこういった資料四のようなものがあって、観光庁が行っている訪日外国人消費動向調査の調査票の変更希望というものもあるんです。調査票には、出発前に得た日本の旅行情報の中で役に立ったと感じたのは何かという設問があって、SNSが選択肢に入っているんですけれども、さらに、どんなSNSを使っているのか、フェイスブックなのかツイッターなのかインスタグラムなのか、SNSの種類を選択させる項目をこの観光庁の調査票に加えてほしいという要望が出されているんですね。 これが実現するということになると、観光庁が事業者に提供したデータによって訪日外国人が具体的にどのSNSを利用しているのかが分かる、事業者はそのSNSと公的データを含めてデータの組合せを行って訪日外国人の観光動向が分析をできるということになるということなんですね。非識別加工しているからとか、識別行為が禁止されているから個人が特定されることはないとは言えないと思います。 前回紹介をしたように、内閣官房IT総合戦略室は、個人に係らないデータであってもほかのデータと組み合わせることによって個人の特定につながる可能性があることに留意をしてくれ、こういうふうに書いてあります。一度データが漏れてしまえば取り返しが付かないし、どこまでも広がる危険があります。そもそも、公的に集めた個人情報をビジネスに活用させるというのは明らかに目的外の利用だということになりますし、匿名加工するから、非識別加工するからいいんだということにはならないと思います。 EUでは、世界でも最も厳格とされる一般データ保護規則が五月二十五日に施行をされます。EUの域内で事業活動を行う企業、域外からEUの顧客に商品やサービスを提供する企業も規則に基づいた対応が求められます。また、域外へデータを持ち出すのは原則禁止となっていて、持ち出すことができるのは、EUが十分な保護体制にあると認めた、認定をした国・地域に持ち出す場合などに限られています。 衆議院の審議で日本共産党の笠井亮衆院議員が、EUでは規定をされている忘れられる権利、データポータビリティー権、プロファイリングという三つの重要な権利について、日本の個人情報保護法ではEUのような権利が明文で規定されているのかと確認をしたところ、個人情報保護委員会から、同様の趣旨に沿ったそれぞれの規定があるという答弁がありました。その規定について確認をします。簡潔に答弁をお願いします。
○政府参考人(福浦裕介君) お答えいたします。 議員御指摘のとおりでございまして、先般御答弁申し上げたのは、我が国の個人情報保護法上は、全く同一の規律ではないものの、それぞれ同様の趣旨に沿った規定があるということを申し上げました。 まず、忘れられる権利については、法令に違反して個人情報が取り扱われている場合には本人には消去請求権が認められているほか、事業者にはデータが不要になった場合に消去するよう努める義務があります。 また、いわゆるデータポータビリティーについては、事業者に対して本人が自分のデータについて開示請求を行う権利が認められております。 また、いわゆるプロファイリングの関連でいえば、事業者には、個人情報の取得時に利用目的の通知、公表義務が義務付けられておりまして、利用目的違反や不正取得の場合には、当該事業者に対して本人が利用停止等を求めることができるという制度でございます。
○岩渕友君 今、同様の趣旨に沿ったそれぞれの規定があるということで言っていただいたんですけれども、例えば、請求権とか、また努める義務とかということで、EUデータ一般保護規則とは、今言っていただいた中身というのは似ても似つかないものになっています。 資料の五を御覧ください。これは、衆議院の本法案の参考人質疑で福家秀紀参考人が示した資料です。EUの一般データ保護規則と日本の改正個人情報保護法の比較をしているんですけれども、忘れられる権利、データポータビリティー権、プロファイリングについて赤字で示しています。改正個人情報保護法では、いずれも規定なしということになっています。EUの一般データ保護規則は、人間の尊厳の観点から、プライバシー権や個人情報の自己コントロール権を保障するものとされています。個人データ利用について、あらかじめ本人の同意を得るオプトインが原則で、日本は本人が拒否して初めて対象外になるオプトアウトということで、基本原則からして違っています。 本法案では、革新的なデータ利活用促進といいますけれども、EUのように安心して利用者、消費者の個人情報を守る仕組みがあってこそ、初めて新産業の育成、真の競争力の強化につながります。憲法十三条の幸福追求権、個人の尊重を保障するためにも、個人情報を保護する法整備が早急に必要だということを強く求めて、質問を終わります。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 中小企業経営強化法の前回の改正の際に、提案理由として、中小企業・小規模事業者等は、地域に根差した特色ある事業活動を行い、多くの就業機会を提供するなど、地域経済の活性化や雇用の確保に重要な役割を果たしています、しかしながら厳しい事業環境にさらされていますと、こういうふうに説明があります。 まず最初に確認をしたいんですけれども、大企業と中小企業の生産性、これが今どれぐらい開きがあるのか、これをまずお答えください。
○政府参考人(吾郷進平君) お答えします。 法人企業統計年報によりますと、従業員一人当たり付加価値額で見た労働生産性は、二〇一六年度におきまして、資本金十億円以上の大企業では千三百二十四万円、一方、資本金一億円未満の中小企業では五百五十六万円となっておりまして、二倍程度の差があるというふうに認識しております。
○辰巳孝太郎君 二倍以上の差があるわけですよね。先ほどの提案理由の中にも、近年更に格差が拡大する傾向があるということも指摘をされております。 今ありましたとおり、規模別で生産性を比べるときに使われるのは、この付加価値というものを就業者数、人数で割ったものということになるわけですね。つまり、生産性を向上させるためには、付加価値を伸ばすのか、それとも人を減らすのかと、こういうことになるわけなんですが、しかし人手不足に悩む中小企業はこれ以上人員を減らすことはできないと。それは、今提案されている政策の狙いとも違うと私は思うんですね。 未来投資戦略二〇一七のⅢ、1の中堅企業、中小企業、小規模事業者についての項にも、付加価値を高めて生産性を向上することが重要だと、こうされております。そのためにどうするかということで、IT化とかロボットとかデータ利活用などがまず最初に一項目めに出てくるわけなんですけれども、私は、その前段階でもっと重要なことをしなきゃならないのではないかというふうに思うんですね。 大臣は、いわゆる世耕プランというものを作り、取り組まれておられます。この大企業と中小企業との間の取引、下請関係での取引が最も顕著に現れていると私は思うんですね。つまり、中小企業の生産性向上の阻害要因として、不公正な取引、大企業と中小零細企業、この間の不公正な取引があるんだという問題意識は大臣お持ちかどうか、伺います。
○国務大臣(世耕弘成君) 当然、中小企業の生産性を上げるためには中小企業の手取りを増やしていかなければいけないわけでありますから、そういう意味では、不公正な下請取引があるとしたら、それは当然、中小企業の生産性向上の阻害要因になっていると考えておりまして、そういう意味でも、下請取引の改善、世耕プランに今熱心に取り組んでいるところであります。
○辰巳孝太郎君 あるとすればという話がありましたけれども、私は非常に顕著ではないかなというふうに思うんですね。 中小企業・小規模事業者の活力向上のための関係府省等連絡会議というものも立ち上がりまして、三つのワーキンググループで、下請問題、最賃引上げ、働き方や生産性向上を取り扱っています。そのうちの下請問題のワーキンググループの資料に、昨年、下請Gメンが行った下請企業ヒアリングの概要があります。そのうちの「業況等について」を紹介してもらえますでしょうか。
○政府参考人(吾郷進平君) 昨年四月から全国に下請Gメン八十名規模で配置をいたしまして、今年の三月末まで累計で三千件の下請中小企業ヒアリングを実施しております。その中で、売上量、売上単価や原材料価格、エネルギー価格、人件費などのコストの上昇の状況についても取引状況と併せて調査をしたところでございます。 具体的な回答があった企業のうち、売上量につきましては増加しているという回答が多うございます、四八・二%でございますが、売上単価につきましては横ばいであると回答した企業が六二・七%と多くなっております。また、コスト面につきましては、増加していると回答した企業が、原材料価格につきましては六六・〇%、エネルギー価格につきましては四四・八%、また人件費では八二・二%と、いずれについても増加していると回答した企業が多くなっております。
○辰巳孝太郎君 売上量は増えているんだと、だけれども、エネルギーコストとか材料価格とか、あるいは人件費というのは上昇をしている、しかし売上単価というのは横ばいだと、こういう話なんですね。 大臣、つまりこれ、製品を作るためにはお金が掛かるようにはなっている、ところが売値が上がっていないわけなんですね。つまりこれ、利益幅が圧縮をされているわけなんです。ですから、材料の価格とかエネルギーコストの上昇分がきちんと転嫁をされていれば下請企業の生産性は計算上向上することになるんじゃないんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 全くおっしゃるとおりだと思います。 ですから、価格転嫁が非常に重要だということで下請取引の改善に取り組ませていて、特に、今おっしゃったように、電気代上がっています、東日本大震災以降ですね。あと、アベノミクスで円安に振れていますから、輸入している材料代も上がっています。あるいは、今、賃上げを我々一生懸命取り組んでいて、最低賃金ですらかなり大幅な過去最高の上げ幅をやっているわけでありますから、そういう意味では賃金も上がっている。こういったことをしっかりと下請取引の価格に転嫁をしていくということが中小企業の生産性高める上でも極めて重要だというふうに認識をしています。
○辰巳孝太郎君 ということになりますと、コストが上がっているんだと、これは中小企業の皆さんの努力ではどうすることにもできないわけですよね。中小企業の生産性がそこで下げられていると。下請関係だけではなくて、大規模小売業者との、納入業者との取引でも、返品の押し付けとか協賛金の負担とか、様々な方法で取引先に利益を削られ、取られてしまう、そういう実態があるということがここでも報告をされているわけなんです。 働き方や生産性向上のワーキンググループ、これ二〇一七年の十一月の二十二日のものですけれども、ここで示された働き方改革関係ヒアリング等概要というものもあるんですが、ここでは、中小企業支援をしている有識者や中小企業経営者にヒアリングをしてまとめられています。大きく分けて、事業者内の問題、発注者側、調達側の問題、その他の関係となっているんですが、このうち、発注者側、調達側の問題、特に民間の取引で出た意見というのを紹介していただけませんか。
○政府参考人(吾郷進平君) この一月十一日に関係省庁連絡会議で御報告いたしました中小企業・小規模事業者の働き方改革をめぐる取引に関する不安や問題点といたしましては、一つは、大企業の働き方改革の影響によって短納期発注などのしわ寄せが来るのではないか、あるいは、人手不足の中、せっかく自分たちが生産性向上、コストダウンの努力をしてもその果実を大企業や親事業者に吸い上げられてしまうのではないか、そういった点が挙げられております。
○辰巳孝太郎君 だから、深刻ですよね。これ、結局、発注者側のしわ寄せを食らうんだということですよね。生産性せっかく向上させても全て吸い上げられてしまう、コストの上昇分を転嫁できない、大企業がやりたがらない仕事を回されるとか、そういうこともあるんですよね。まさにここに端的に示されていると思うんです。 今日は、資料にも付けましたけれども、私の地元の大阪の現状、これが本当に深刻なんですね。これ、大阪シティ信用金庫さんが御自身の取引先の中小企業に聞き取り調査をしたものなんですが、それを紹介したいというふうに思います。 コストの状況はということについては、七割が上昇しているんだと。それを売上げに転嫁できているかということを聞きますと、余り転嫁できていないが六八・三%、全く転嫁できていない一九・七%で、これ九割の近くの企業ができていないんだと。近々できそうになるか、見通しはどうかと聞きますと、転嫁できそうだと答えた人は五・一%にすぎないわけなんですね。値下げ圧力を感じている企業、これは七七%というふうになっています。これ、毎年聞いているようなんですね。これ通年で見ましても、どんどんどんどん値下げ圧力感じている人が増えているんですよね。むしろここ二年間増えていると。この圧力の中で何とか価格を据置きで耐えているというのがこのアンケート調査からも分かります。デフレの実感ということもありまして、デフレが続いていると答えた人は九七%、デフレ感じなくなった企業が三%ということですから、大阪ではこんな状況になっているんですね。 先ほどのワーキンググループのヒアリング結果とやっぱり同じなんですよ。上昇したコスト分も販売価格を上げられない、これ利益が圧縮をされている、その状況を改善できないんですね。これ解決できない状況で中小企業は大企業よりも生産性が低いんだということは、私は、これ決して論じられない、論じるべきじゃないんじゃないかというふうに思うんですね。 大体、経産省にもちょっと言っておかなきゃならないんですが、未来投資会議構造改革徹底推進会合「地域経済・インフラ」会合の第一回の議事要旨の中で、中小企業庁の次長はこう言っているんですよ。私どもも、中小企業について、廃業される方々について、廃業された方が中小企業全体の生産性向上に資するケースがあると、こういう発言があるんですね。これ、僕、とんでもないと思うんですね。これは、小規模企業振興基本法に反するわけですよ、こういう発言は。つまり、この基本法は、中小零細企業に対して事業の持続的な発展を原則として初めて位置付けたわけなんですね。つまり、技術やノウハウの向上、安定的な雇用の維持を政府が、国が支援することが基本原則なんだと。多国籍化とか空洞化などで厳しい中小零細企業でも、事業を維持していることそのものに意義があるんだ、それを応援するんだというのがこの基本法の基本原則なんですよ。ですから、中小企業白書でも、この基本原則の追加をパラダイムシフトと記していたわけなんですね。 経産省、確認しますけれども、こういう今の中小零細企業の状態を改善するためには、あるいは生産性向上というのであれば、こういう現状を正確に把握をして、本当にそれが現場で実行されているのかということを確認する、あるいは取引環境がこれだけ劣悪になっているわけですから、それを正していく必要があると思うんですよ。今、いろいろ取組もしていると思うんですけれども、この立入検査の権限のある下請検査官というのは何人おられるんですか、あるいは増えているんですか。
○政府参考人(吾郷進平君) 下請代金検査官の数についてでございます。経済産業省中小企業庁は平成三十年五月一日現在で五十七名、公正取引委員会は平成三十年四月一日現在で百七名となっております。当省においては、大体、近年ほぼ同数で推移しておるところでございます。 下請代金検査官に加えまして、下請Gメンあるいは転嫁Gメン、こういったものも含めて全体として必要な体制を確保するよう努めてきているところでございます。
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、変わっていないんですよ。 大臣、お聞きしたいんですけれども、中小企業の数は二〇一四年で三百八十万者程度ということになっているんですけれども、もちろん全部が下請関係で仕事をしているわけじゃないんですけれども、今紹介していただいた数ではちょっと桁が違い過ぎると、余りにも不十分だというふうに言わざるを得ないんですね。 大臣、検査官、思い切って増員していただきたい、いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 増員しますと答えたいところなんですが、非常に国家公務員全体の定員が厳しい中で、下請代金検査官の専任者の数というのはなかなか増やせない。何とか昨年度と同数の職員を配置するというところで頑張っているところであります。 その代わりと言ったら何なんですが、先ほどもお話ありましたように、下請Gメン、取引調査員ですね、これの体制を八十名から今百二十名規模に増強をいたしました。 何よりも大切なのはやはり中小企業の生の声を聞くことですから、これも年間ヒアリング件数を今四千件という目標を指示をして、四千件の声をしっかりと聞いてこさせる。今おっしゃるように、中小企業全体の数からしたら四千件少ないじゃないかと言われますが、この四千件をある程度業界別とかそういうのをきちっとそれなりに分けてありますので、そこで把握した業界の実態を、それぞれ業界別にしっかりとこういう声が現場から出ていますよというのをぶつけていくと。ですから、人員の予算の限られている中ではありますけれども、フル活用しながら下請取引改善に現場の声をしっかりと反映して取り組んでいきたいというふうに考えています。
○辰巳孝太郎君 その検査官による指導件数を見ましても、実は人員はほとんど変わっていないんですけれども、この三年間で見ても、平成二十八年度が六千三百二件、指導件数なんですね。これは三年前と比べて大体千近く増えているんですよ。ですから、一人一人の方が頑張っていただいているんだと思うんです。 同時に、下請関係、この単価が、エネルギーが転嫁できない、そういうやっぱり関係がまだまだ改善されていない。増やしていただければこれもっと指導件数も増えていく、下請関係の改善ができていくということの証明ですから、これ是非増やしていただかないことには、生産性という数字だけでは本当の企業のポテンシャルというのは見えないと思います。技術や人材などその企業の努力で売上げを伸ばせる可能性があっても取引条件によってその利益が奪い取られているということですから、中小企業の創意工夫した努力がきちんと中小企業自身の実になるような取引環境を整備するということを申し上げたいというふうに思います。 次に、コンビニフランチャイズ問題を取り上げたいと思います。 経済産業省の小売業生産性向上マニュアルには、日本の小売業の生産性が低い原因として、市場における事業者数が多く、競争環境が激しいこと、及び収入が見込めない時間帯(主に深夜)に至るまで長時間営業を行っていることなどが挙げられますと、こう記されております。全国に六万近い、六万以上ですかね、今ではもう店舗があります、コンビニですね。近くに店舗をどんどん出していくというドミナント戦略というのがあるんですね。あえて近くに固めていくわけですね、同じコンビニさんがですね。あるいは、二十四時間三百六十五日開いている、これがコンビニですね。 コンビニの加盟店は、強い立場にある本部から様々な圧力を受けている実態があります。通常十年とか十五年とかいう長いスパンの契約の中で、本部に対して契約変更の交渉すらなかなかできないというのが現状であります。本部が契約更新を認めなければ店も職も失ってしまうと、それを恐れて加盟店のオーナーたちは声を上げられない。ですから、フランチャイズというのは、それぞれが独立した経営者との対等の関係あるいはウイン・ウインの関係と言われたりするんですけれども、実態としては、一方がもう契約更新しないよと、こう言えば契約更新できないわけですから、オーナー側は非常に弱い立場に置かれているということです。 日本生産性本部の報告でも、日本のサービス業の労働生産性がアメリカの半分であり、二十四時間営業のような長時間労働が行われていることや高品質なサービスが安い価格で提供されていることなどが理由と、こういうふうにも書かれております。 大臣、昨年も聞いたんですけれども、やっぱり今回は生産性の議論ですから、働き方改革とも言われていますけれども、やっぱり実態としては、オーナーは二十四時間営業しなきゃならないんですよ。だけど、深夜、これはもうオーナーとしては赤字なんですね。今、防犯の問題もありますから、売上げほとんどないのに、一人じゃなくて二人も、あるいはそれ以上レジに置かなきゃならない、これが実態です。ですから、コンビニ二十四時間営業、これせざるを得ないという状況をやっぱり管轄する経済産業省としても正していくべきではないかという考えはございませんでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 済みません、フランチャイズ契約については、本部と加盟店の間で締結される事業者間契約ではあるわけですが、中小小売商業振興法によって、本部に対して、店舗の営業時間を含む契約事項などを加盟希望者に対して契約締結前に開示することを義務付けています。このため、コンビニの加盟店は、営業時間などの契約内容を理解した上で本部との加盟店契約を締結をしていると承知をしております。営業時間を二十四時間とするか否かは、あくまでも経営判断に基づく両当事者間の契約に委ねられているものと承知をしています。 フランチャイズによっては、もう二十四時間を前提にしない契約をやっているところもありますし、あるいは二十四時間に対して補助金のようなものを本部から出しているようなフランチャイズもあるというふうに聞いております。また、今も、一部のコンビニエンスストアチェーンにおいてはもう二十四時間を前提としないチェーンも出てきましたし、あるいは、二十四時間を前提としているチェーンにおいても、いろいろな観点から、人手不足、生産性といった観点から営業時間を見直す検討が行われているというふうに承知をしていますし、例えば、夜間無人で運営をするというような実験も行われてきているというふうに考えています。 営業時間の在り方については、コンビニエンスストア各社が地域社会のニーズや社会環境などを踏まえて総合的に判断すべきものではないかと考えております。
○辰巳孝太郎君 実態としては、もちろん開示もしているし、契約のときには双方が合意という話なんですけれども、だけど、基本的には、二十四時間じゃないと契約をしてくれないですし、契約更新もしてくれません。 これは、私、昨年も、コンビニ会計というのは独特の会計システムなんだという話をおにぎりの例を使ってさせていただいたわけなんですけれども、コンビニ本部は、基本的に、各店舗の売上げさえ上がれば、これロイヤリティー、ロイヤリティーの商売ですから増えるんですよ、そういう仕組みなんですね。ですから、深夜営業を続けていて、その深夜の時間帯がオーナーにとっては赤字であろうが、これは、各店舗のオーナー、これ、人件費は増えるわけですけれども、それは負担するのはオーナーなんですよね。少しでも、ある意味、売上げが上がっていれば本部自身はもうかりますから、これはやっぱりコンビニ会計の問題とも深くつながっているんですね。だから、実態としては、本部としては二十四時間開けてもらいたい、深夜の時間帯は赤字であってもと、これはもうかるわけですから。そういうコンビニ会計がやっぱり根底にあるということも指摘をしなければならないと思います。 今日は、資料の二枚目に付けさせていただきましたけれども、実は驚くべきことも起こっておりまして、これ、今年の二月に福井で大雪がありました。御記憶の方も多いかと思いますけれども、この記事であります。これは、現在、中央労働委員会で、オーナーの労働者性について、加盟店のオーナーがつくる加盟店ユニオンと本部が実は争っているんですけれども、そこで、オーナーの労働者性を示す実態としてこの福井のセブンイレブンのケースが報告をされて、新聞などでも報道されています。 この二月に福井県が豪雪に見舞われた際に、県内にあるコンビニ大手の加盟店、五十代の男性オーナーが、複数回にわたって営業停止を申し入れたんですが本部側が認めなかったと、三日間にわたる断続的な勤務のために、約五十時間、一睡もできなかったというふうに訴えておられます。オーナーは、客が通常の三分の一程度で、店員が疲弊している上、店の屋根から雪が落ちて客に当たるのも危険があるんだということで、本部に一時閉店などを要請をし続けたわけでありますが、本部側が同意をせずに、担当者は、けがをしても仕方ないから店を開けておくようにと、けがをしたら保険対応すればいいんだと答えたとされています。一緒に除雪に当たっていたパートナーが過労によって救急車で運ばれても、店を離れられないから付き添いができなかったと。まさに二十四時間営業が加盟店をきつく縛っていることを示したケースです。 私は、経産省にもこの報道が出て事実確認を求めたわけですが、このコンビニ本部はこのことについてどのように言っているんでしょうか。
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。 本年二月の日本海側の豪雪の際に、御指摘のように、福井県内の大手コンビニエンスストアの加盟店オーナーから閉店したいという相談を本部側、本部の店舗指導員という立場の方ですけれども、この方に申し出たところ、その閉店の了解が得られなかったということであります。 記事の中にもございますけれども、このコンビニエンスストアのチェーンにおきましては、災害時の加盟店向けのマニュアルにおいて、災害時や人命に影響のある場合はオーナーの判断で営業継続の可否を判断するということが定められているところでございまして、このマニュアルの内容について現場において不徹底であったということでありまして、この事案を踏まえまして、当該コンビニエンスチェーン本部の職員が現地を訪問して、当該オーナーの方に直接面談して事情を御説明申し上げ、そういった事情についてオーナーの方にも御理解をいただいたという状況であるというふうに聞いております。
○辰巳孝太郎君 ですから、オーナーの判断でという話になりますけれども、つまり、これ、セブンイレブン本部としても、今後同様のことが起きればオーナーの判断で閉店すると、できるということでいいんですね。
○政府参考人(藤木俊光君) 繰り返しになりますが、セブンイレブンにおきましては、災害時のマニュアルにおいては、災害時、人命に影響のある場合はオーナーの判断で営業継続の可否を判断するとなっております。今回、それが不徹底であったということでございますので、今後、社内、これは本部側も、それからオーナー側にもしっかり周知徹底していくと、こういう方針であるというふうに伺っております。
○辰巳孝太郎君 今回の一例は、やはりオーナーさんの労働者性というものが顕著に現れているのではないかというふうに思うんですね。 マニュアルはそもそもあるわけですよ。災害時のときには元々オーナーさんの判断で店を閉めることができるとなっているわけですね。もちろん、念のためにオーナーさんは店を閉めていいのかと本部に聞くわけですけれども、先ほど言ったように、元々、本部とオーナーとの立場というのは、これはもう対等じゃないわけですよ、対等じゃないんですよ。この新聞記事でも、許可を得ずに閉めてしまったらこれ継続できないんじゃないか、契約解除されるんじゃないかと、そういうおそれがあるから店を閉めることができなかったと言っているわけでありまして、そもそもやっぱり対等ではないんだということが大本にあると言わざるを得ないと思います。 と同時に、本部としては、一分でも一時間でも長く開けておけば、とにかくけがをしてでも何でも売上げさえ上がればいいんだと、こういう状況ですから、これは、非常に大きな問題、構造的な問題を体現しているんじゃないかなというふうに思います。ましてや、客数や人手不足を理由に閉店するということは、これは契約上も基本的にはできないわけですよね。だから、ここもやっぱり改善していく必要があると思うんですね。 今、オーナーさんが、コンビニの中には、開業するときにもう夫婦じゃないと開業できない、夫婦じゃないと開業、契約してくれないという条件がそもそもあるように、長時間労働が大前提に今コンビニというのはなっているんですよ。二十四時間開けないと駄目ですから、アルバイトの人が急に来れなくなったという際にはこれ誰がレジを打つのかといえば、これはコンビニのオーナーさんですよ。夫婦で結局打たなきゃならない。そんなときに店、閉めれないんですよ。だから、三年間一度も、一度もですよ、休むことができない、そういうオーナーさんは全国にこれもう普通にいますよ。 ですから、労働生産性とか、あるいは、経産省の中でも、コンビニの社会的役割とかよう言われますやんか。最近では、民泊の鍵をコンビニで受渡ししようとか、あるいは、防犯の役割をコンビニに、二十四時間開けてもらっているわけだから地域で連携してやろうじゃないかと、こんな話ありますけど、コンビニのオーナーさん、別に警察じゃないですからね。売上げ上げるために必死に頑張ってやっていますからね。そういう、やっぱりいろんな役割担わせられながら、しかし、人手不足でも、あるいはこれだけの災害があるときでも店を閉められない、オーナーさん自身が疲弊をしていく、こういうことになっているわけであります。 大臣、大臣ね、独立した事業者同士の契約というんですけど、やっぱり立場が強い弱い、これあるのは明白だと思うんです。本当に共存共栄というものを目指すならば、やっぱり法律できちんと取引環境を整備することこそが今後のコンビニ業界にとっても私は必要じゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) コンビニエンスストアの本部が加盟希望者との間でフランチャイズ契約を締結しようとする際には、中小小売商業振興法によって、本部は加盟希望者に対して、商品の販売条件、加盟店料、店舗の営業時間や休業日などの契約内容に関する書面交付や事前説明を行うことが義務付けられているわけであります。 現行のこの中小小売商業振興法に基づくフランチャイズ契約の下、結果として、本部と加盟店の関係は総じて良好であると認識をしています。経産省は、平成二十六年に一度アンケート調査を行っていますが、約七割の加盟者がコンビニエンスストアのフランチャイズに加盟していることに満足というふうに回答をしております。 経産省としても、今後とも、本部が関連法令やガイドラインをしっかり遵守をして加盟店を支援していくことによって、本部、加盟店双方にとって生産性の高い持続的な発展が可能な関係を構築していくことが望ましいと考えております。
○辰巳孝太郎君 大臣、今、加盟店の声を二〇一四年に聞いていただいたということだったんですけれども、これ、非常にいいことだと思うんです。今、二〇一八年ですからね、四年たっているんですよ。人手不足もやっぱり急速に悪化をしておりますし、コンビニがもう六万店ということになれば、ある意味飽和状況になっているという報道なんかもあります。 やっぱり、コンビニ業界のこれからの発展のためにも、もう一度、もう四年たちましたから、コンビニ加盟店、もちろん本部に聞いていただいてもいいんですが、ここに声を聞いていただきたいんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(世耕弘成君) ちょっと御提案を受けて検討させていただきたいと思います。
○辰巳孝太郎君 是非検討していただきたい。 もう一つ検討していただきたいことがあるんです。もちろん、ウイン・ウインの関係、対等な関係の契約ということをおっしゃられるんですけれども、今日私が述べさせていただいたように、やはり本部とオーナーさんの力の関係というのは歴然としていると思います。フランチャイズというのは、別に日本だけの制度ではなくて、アメリカにもありますし、他国にもたくさんあります。他国は、フランチャイズ法というのを制定をして、もちろん双方の独立した経営者の経営ではあるんだけれども、やっぱりオーナーさんの立場が弱いということを前提として規制をしていこうじゃないかという方向に流れていっていると思うんですね。 是非フランチャイズ法の制定も考えていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今のところは、まあいろいろ一部問題はありますけれども、先ほどもお話ししたとおり、基本的には本部とそれぞれ加盟店の関係はおおむね良好だというふうに思っていますので、現時点で新たな法律を制定する必要はないというふうに考えております。
○辰巳孝太郎君 検討していただく、いわゆるアンケート調査で結果が出た際にはこの法律の制定も是非考えていただくよう求めて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○石井章君 日本維新の会、石井章でございます。 本日の長い委員会の最終バッターでございますので、もうしばらくお付き合いいただきたいと思います。 まず初めに、先日の委員会にて質問させていただきました起業に関する件でございますけれども、我が国がかつて産業立国と呼ばれていた二十世紀末と比べて産業分野における国際競争力の面で日本のプレゼンスが大きく後退している中で、政府の日本再興戦略二〇一三の成長戦略の柱の一つとしまして、開業率が廃業率を上回る状態にし、開業率、廃業率が米国や英国レベル、一〇%台になることを目指すというKPIがあります。 前回は、GEM調査におけるTEAが諸外国と比べて日本が低くなっている要因や今後の対策についてお伺いしたわけでありますけれども、本日は、初めに、この目標が立てられた二〇一三年当時の日本の開業率と廃業率の実数値及びその目標達成によるものと考えられる効果についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(高島竜祐君) お答えいたします。 二〇一三年度の日本の開業率でございますけれども、二〇一三年度は四・八%でございました。また、廃業率につきましては四・〇%でございました。 そしてまた、目標達成の評価、効果についてということでございますけれども、一般論といたしまして、開業率が上昇すれば雇用の創出があると考えられます。また、それに加えまして、経済社会に新たな付加価値を生み出す新しい新規の企業が生まれることによって国全体の生産性の向上にも寄与すると、このように考えているところでございます。
○石井章君 それで、二〇一三年当時はその数字でありましたけれども、四年たって二〇一七年にはその数字はどうなっているのか、お伺いします。
○政府参考人(高島竜祐君) お答えいたします。 二〇一六年度の数字が最新でございまして、二〇一六年度でお答えを申し上げます。二〇一六年度の開業率は五・六%、廃業率は三・五%となっております。
○石井章君 開業率や廃業率を示すデータは数種類存在すると思いますけれども、この指標に使われている実数値は何を利用して出しているのか、お伺いします。
○政府参考人(高島竜祐君) お答えいたします。 私どもとしては、厚生労働省が行っていらっしゃいます統計でありますところの雇用保険事業年報、各年度の雇用保険事業年報に基づいて算出をいたしております。
○石井章君 ありがとうございます。 雇用保険事業年報、いわゆる厚生労働省が出しているものでありますけれども、これを利用していれば、先ほどの二〇一三年、開業率四・八%、廃業率が四・〇と、開業率が廃業率を上回っていたはずでありますけれども、目標として、一〇%については分かりますけれども、開業率が廃業率を上回る状態にしという部分については、これは不要でありまして、不自然さを覚えます。当初は経済センサスを指針としていたはずではないかと思いますけれども、その辺の指摘がありますが、いかがか。
○政府参考人(高島竜祐君) 雇用保険事業年報に基づく開業率、廃業率ですと、二〇一三年度の時点でも開業率は廃業率を上回っていたわけでございますが、以前、もっと以前の数値で言いますと、二〇〇九年などの段階では我が国においても廃業率が開業率を上回っていた時期もございます。したがいまして、今委員からお話のありましたような文言が入っているということではないかというふうに思っております。 確かに、現時点、一番最新時点の二〇一六年度の数字ですと、開業率五・六%の方が廃業率三・五%を上回っているわけでございますけれども、この状態をできれば維持をしたいというふうに現時点でも考えてございます。
○石井章君 未来投資戦略二〇一七には、これまで記載されてきた開業率と廃業率の件、そのくだりが本文への記載が消えていまして、添付の工程表にしか記載されていない上に、昨年まで併記されてきたKPIの実数値までも本年版には記載されていないんですけれども、その理由についてお伺いいたします。
○政府参考人(高島竜祐君) お答えを申し上げます。 開業率、廃業率につきましては、確かに目標として掲げてはおりますけれども、私どもが行っております創業支援の目標として見た場合に、私どもの政策のみで達成できるような数字では必ずしもないのではないかと、社会全体の様々なことを反映した結果としての開業率でございますので、必ずしもKPIとして適切かどうかという面も別途あろうかと思いましたので、別途、前回委員から御質問のございました統計も用いまして、起業活動指数、これから起業をする、あるいは起業を予定しているという人の割合を別途記入をしているところでございます。それもございまして、さっき委員から御指摘のございましたような状態になっているということでございます。
○石井章君 細かいようなんですけれども、やっぱり開業率、廃業率についての、政府は長年にわたって国家の産業政策の大きな指標としてきたわけであります。しかし、ここに来て、取扱いの変化に対して当惑している国民も多いのも事実であります。 突然に取扱いが変わったことについての理由を簡単に述べていただきたいと思います。
○政府参考人(高島竜祐君) お答えを申し上げます。 突然に変わったという御指摘でございますけれども、私どもとしては、開業率、廃業率で一〇%を目指すということ自体を変えたというつもりはございません。記載ぶりにつきまして突然変わったではないかという御指摘かというふうに思いますけれども、目標とすること自体を変えたわけではございません。 ただ一方で、今後十年間で、さっき申し上げました起業活動指数を倍増させるという別途の目標も立てたという、こういう状態ですので、そういう記載ぶりになっているということでございます。
○石井章君 ありがとうございます。 次に、高齢化が進展する日本のこの現状において起業の促進を考える際に、シニア層による起業の促進は重要なテーマだと考えております。 日本のシニアの起業家の数は、二〇一五年時点で約六十三万人、十年前の約七〇%、七割も増えているということであります。GEM調査によると、起業の活動率が六十九か国中六十七位。六十九か国中六十七位ですから下から二番目なんですけれども、シニア世代の平均起業率は、先進国二十六か国中、四・六%、日本の起業率は四・〇%ということで十八位となっております。 今日、日本人の平均寿命は大きく伸びて、定年を迎えてもなお元気なお年寄りが多いこともその一因かと考えられますが、年金だけでは生活が苦しいという理由で起業される方が大勢いられるのも事実でございます。しかし、現在の我が国における高齢者の起業は、先ほどから申し上げましたとおり、先進各国と互角になっているわけであります。六十年定年となっている現在、まだまだ元気で知識や経験が豊富な即戦力のシニアの方々がその起業に対して個人的にも非常に期待しておるのも事実でございます。 そこでお伺いいたしますけれども、年金不安の解消という大きな政策課題がありますが、高度成長期の時代を生き抜き日本を支えてきたシニア世代の方々の豊富な経験とスキルの活用は、イノベーション、産業競争力を高めていくことを目的とした我が国の開業率の底上げに大きな担い手となり得るのではないかと思いますが、政府の認識をお伺いします。
○政府参考人(高島竜祐君) お答えいたします。 今委員から御指摘のございましたシニアの創業ということにつきましては、全体の創業に占めるシニアの創業の割合というのは増加傾向にございます。私どもといたしましても、開業率の一層の上昇に向けてシニアの創業を促進するということは大変重要な視点であると認識をいたしております。 私どもといたしましては、シニアも含め、日本全体の創業を促進するために、まず、資金面での支援といたして、創業補助金でございますとかエンジェル税制、会社設立時の税制面での優遇などを行っているところでございます。 また、産業競争力強化法に基づきまして、市町村が地域の創業支援事業者のネットワークを構築し、創業を希望する者に対してワンストップで支援する体制というのも整えているということでございます。 さらに、今シニアについてのお話がございましたが、日本政策金融公庫におきましては、女性・若者・シニア起業家支援資金という名前の融資制度も設けておりまして、シニアの起業家を含めまして、創業を促進するための支援を行っているところでございます。 引き続き、こうした支援策によりまして、シニアも含めた創業を一層促進してまいりたいと考えております。
○石井章君 日本政策金融公庫でそういった取組をしているということは非常にいいことだと思いますし、いわゆるシニアだけでなくて、若者にも裾野を広げた今融資制度ができておりまして、日本政策金融公庫だけでもし対応できないものは、いわゆる協調融資で地元の小さい銀行と組みながらやっているというのも実情でありまして、今調べていますけど、数の方は、その辺は世耕大臣のしっかりとしたリーダーシップの下で、隅々まで、今、政策金融公庫の方々も生きがいを持って、片や安達社長がいたところとは違いまして、日本政策金融公庫の方はしっかりやっていらっしゃる、まあそれは評価するところでございます。 そして、ベンチャー大国の米国においてでも、年齢層別の起業率を見ますと、近年、四十五歳以上の起業率が高くなっておりまして、年齢層別の起業家数では五十五歳から六十四歳の割合が全体の三割から四割と最も高いところでございます。シニア層の起業家が多い要因の一つが、シニアの例えば人脈や経験の活用にあるということ、米国のハイテク起業家は業界での人脈や経験が起業の成功にとって重要な要素であると考えておりまして、創業時におけるパートナーとして重要な役割を担うケースが多いそうであります。 このように、シニア層が必要とされる人脈や経験を多く持ち合わせているのは、我が国でも同様だと思います。しかしながら、日本では、ベンチャーというと何となく若い世代によるものであるという概念が強くありまして、これは、グーグルやフェイスブックなど、IT企業イコールベンチャーというイメージからくるものだと思われますが、この認識を変えていくことが重要ではないかと思います。 また、シニア起業を支援するための更なる環境整備も必要だと思います。政府では、シニア起業家支援資金、先ほど言ったような内容ですね、低利融資による資金調達環境の整備が進められておりますけれども、他方、資本の調達について、シニア起業家を対象としたリスクマネーはまだまだ不足しているのも実態であります。 そこで、シニア起業を促進するためのインセンティブとなる更なる施策が必要と考えますが、政府の考えをお伺いいたします。
○政府参考人(高島竜祐君) お答えをいたします。 我が国におきましても、全体の開業に占める六十歳以上の方の開業の割合というのが、男性では三五・〇%、女性では二〇・三%となっておりまして、決して少なくない、むしろ増加傾向にあるものというふうに考えております。 おっしゃられますように、シニアの創業を促進するということは大変重要であると考えておりますので、今委員からもお話のありました、先ほどお答えもいたしました公庫の制度融資というようなものも活用しつつ、また、その他の補助金も、シニアのみに限定はしておりませんけれども、シニアも含めた創業について活用することで創業を支援してまいりたいと考えております。 また、六十歳以上の方であっても、確かにシニアの方々というのはそれまでの社会人経験で培った知識や技能をお持ちなわけでありますけれども、そういう方々であっても、創業をすることについての知識やノウハウというのは不足をしている、創業支援講座などを望むという方の割合が比較的高くなっております。こういうこともございますので、地方自治体や創業支援事業者とも連携をいたしまして、シニアも含む創業希望者に対する相談対応、セミナーの充実などを図ってまいりたいと考えております。
○石井章君 そういった取組に期待したいと思います。 地方の行政に任せるというか、どっちかといえば、これは商工会議所とか商工会とかを含めて、やはりシニア専門のそういった講座を開いて、やっぱり資金調達というのは非常に一番のネックになるところなので、先ほど辰巳先生からも質問ありましたけれども、いろんな、共産党さんから質問ありましたが、やっぱり失敗したときのための、その政策だけで失敗したらどうだという問題ではなくて、恐らく、セーフティーネットということも含めてそういったものありますよとやっぱり優しくきちんと説明すれば、皆さん、やっぱりシニア層って、私もシニアになって、この中に何人もいますけれども、そういった方々はもうやる気満々ですから。そういう人たちは、やる気があってもやり方が分からないというのが、大体、特に我々茨城の方の田舎はそういう人が多いものですから、でも一度覚えればしっかりと真面目に取り組む人も多いので、是非とも経産省が所管の省庁なんでしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 例えば、以前、厚生労働省がシニアの起業資金を助成する高年齢者等共同就業機会創出助成金を設けておりましたが、現在は廃止されています。これからは、雇用創出を目的とした、そういったものも重要ですけれども、イノベーション創出に寄与するような事業内容のシニア創業に対して新たな助成制度を経産省が主となって検討すべきではないかと、いま一歩深掘りした内容でやるべきじゃないかと私は思うんですが、どうでしょうか。御答弁お願いします。
○政府参考人(高島竜祐君) お答えをいたします。 大変申し訳ございません、厚労省さんの制度についてはちょっと今手元に資料がございませんので分かりませんけれども、私どもとしても、イノベーションを促進をすることで新しいベンチャーをたくさん生み出していきたいと思っておりますので、ただいまの委員の御意見も踏まえ、更なるベンチャーの振興を検討してまいりたいと考えております。
○石井章君 そうですね。決してアベノミクスで世の中が全て良くなったわけではないというのは、これは皆さん御案内のとおりでありますから、円安、株高で良くなったのは九九・七%のうちの本当のその残りの部分の方々しかもうかっていないわけで、一般の国民は恐らく全然恩恵にあずかっていないと。ましてや、今度消費税上がるとなればなおさら冷え込むわけですから、その前段で今から手を打っておくと。消費税など怖くないというようなイメージを植え込んで、一億総社会じゃないけど、皆さんが働いて日本が明るくなるような牽引役というのは、やっぱり経産省なんですよ、世耕大臣。世耕大臣ですから、しっかり頑張っていただきたいことを、エールを送って次の質問に入ります。 まず、政府は、革新的なイノベーションを起こしてくれるベンチャー企業の育成を重要視しております。未来投資戦略二〇一七の中でも、企業のベンチャー投資促進税制、あるいは先ほどおっしゃっていましたエンジェル税制、そして起業家教育推進事業など、様々な政策を展開しております。 御案内のとおり、ベンチャー先進国の米国では、創業から十数年という短期間で時価総額を非常に大きく成長させる企業が続出しております。私たちがよく知っているアマゾン、一九九四年設立、グーグル、一九九八年、フェイスブックに至っては二〇〇四年創業であります。それで米国の時価総額の十位以内に入っているものでありますが、また、ユニコーンと言われる企業価値が十億ドルを超える非上場のベンチャー企業の主なものも、創業十年以内のものであるものがほとんどであります。対して、日本は、時価総額の上位百社のうち、八割以上がもう創業から六十七年以上経過している。その違いは明白であります。 歴史や国民マインド、商慣行の違いなどはありますけれども、これまで日本でベンチャーが育ちにくかった要因について政府としてはどのように分析しているのか。これ肝腎なところなんで、その辺を端的にお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 日本のベンチャー振興策をいろいろやってきた結果、起業活動指数とかベンチャー企業への投資額は、近年上昇、増加しているとはいえ、まだまだ諸外国と比較すると少額にとどまっております、若しくは非常に下回っております。 この要因として、例えば、社会全体として新しいことに挑戦する起業家精神が低調であること、またベンチャー企業の成長を支える大規模なリスクマネー供給の不足、こういった点があると考えております。
○石井章君 ありがとうございます。 ユニコーンの数では、現在、中国がアメリカに迫っているのは周知の事実でございます。ベンチャーキャピタルのコンサルティングも手掛ける米国のカスタムリサーチ会社、CBインサイツが発表したレポートでは、中国と米国の両国で世界の十大ユニコーンランキングを独占しています。また、他の統計では二十位まで全てを占めているとも言われております。 CBインサイトによりますと、二〇一七年九月時点での全世界におけるユニコーン企業は二百十五社、アメリカが百六、中国が五十七、インドが十、イギリスが六、そしてドイツが五社、韓国は三社、日本は一社と先ほども参考人のときに私言いましたけれども、残念ながら、我が国においては、企業価値が十億ドルという規模のベンチャーは、DMM、メルカリ、そしてプリファードネットワークスぐらいしか存在しておりません。 今後は、ユニコーン企業の創出、育成が我が国の大きなテーマであると誰もが感じておるのも事実であると思いますが、政府が進めるリスクマネーの供給や企業風土の変革、起業家精神の醸造などについて更にスピーディーにイノベーションを起こしていくことが重要であると考えますが、そこで、日本発祥のユニコーン企業の更なる出現の必要性について政府の考えをお伺いいたします。
○政府参考人(糟谷敏秀君) ユニコーン企業といいますのは、第四次産業革命を牽引するような先端的な分野、グローバルに非常に伸びている分野からこそ生まれてくるものでございます。したがいまして、こうしたユニコーン企業を日本からつくり出していくということは、イノベーションを生み出すという点からも、また我が国の成長戦略という観点からも非常に重要であるというふうに考えております。
○石井章君 日本の起業ムードの低さが日本経済の致命的な欠点であると批評する記事を中国の最大の財政経済情報ポータルサイトの和訊が掲載しております。現在、メガベンチャー育成という面では、日本は中国に大きく水を空けられているのも事実でございます。記事には、ほかにも、日本人の起業意欲やリスクマネー供給体制、政府の姿勢などについて酷評されております。私は、一人の日本人として非常に悔しく感じております。 そこで、メガベンチャー企業の育成において、ここまで中国との格差が広がっている原因についてはどこにあるのか、中国にあって日本にはないものは何なのか、その敗因について政府の考察をできればお伺いしたいと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 最近の中国の状況を見てみますと、STEM分野と言われます科学、技術、エンジニアリング、数学といった分野を中心に多くの学生が米国に留学し、こうした人材が自国に戻ってイノベーションの創出や起業分野での人材供給源となっている。こうしたことも、中国でどんどんベンチャーが生まれ、またユニコーン企業が育っているということの大きな背景であるというふうに考えております。 翻って、日本におきましてこうしたユニコーン企業が生まれていない要因としましては、先ほど申し上げましたような、起業家精神が低調であること、また大規模なリスクマネー供給が不足していること、これに加えまして、IT人材の不足、また研究開発投資の不足、こうした点もあると考えております。
○石井章君 最後に、大臣にお伺いいたします。 ユニコーン企業の誕生には、国民の旺盛なベンチャー意欲と環境の整備が不可欠であると思います。ベンチャー白書二〇一六によれば、二〇一五年度の世界各国のVC投資額は、アメリカが七百二十三億米ドル、中国が四百八十九億米ドル、インドが百十八億米ドル、イギリスが四十八億米ドル、イスラエルが四十三億米ドル、ドイツが二十九億米ドル、フランスが十九億米ドルという順になっております。これに対して、日本の投資額はたったの七億米ドルで、アメリカの一%未満、中国の一・四%にすぎないといいます。 そこで、今後、我が国発のメガベンチャー、ユニコーン企業を創出していくためには、政府はどのような方策を考えていくのかについてお伺いいたします。
○国務大臣(世耕弘成君) ベンチャー育成が重要だというのは私が初当選した二十年前のときからもう議論をしていて、まだうまくいっていないわけであります。おっしゃるように、私は、もう最終的にこれはマインドの問題ではないかなと。やはり日本というのは、どうしてもサラリーマン社会でありまして、私も大卒一括採用で採用されて、そのままサラリーマンでいて、途中で政治家に転身したわけですけれども、やはりサラリーマン主流のこの社会というものをやっぱり見直していかなければいけない、起業するのが当たり前だという形に変えていかなければいけない。そのためには、やはり学校教育から会社をつくるということを教えていかなければいけないと思いますし、また、ベンチャーで成功した人、そういう人をやはりたたえるということも非常に重要だと思います。 今ユニコーンはないと言われていますが、一方で、メルカリとかプリファードとか、あるいはニューズピックスとかスマートニュースとか、そういうのはプラットフォームになり得る可能性も十分あると思いますから、そういう人たちをしっかりたたえて、若い人たちにこういうロールモデルがあるんだということを見せていくということも非常に重要だというふうに思います。 いろんなお金の支援をいっぱいやってきました。制度的支援もやってきましたが、ここへ来て、もうやはりマインドチェンジをしっかりと頑張るしかないかなというふうに考えています。
○石井章君 ありがとうございます。 世耕大臣、プレミアムフライデー、プレミアムベンチャー企業、これを合い言葉に、経産省一丸となって牽引していただきたいと思います。 終わります。
○委員長(浜野喜史君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(浜野喜史君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、中川雅治君が委員を辞任され、その補欠として自見はなこ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(浜野喜史君) これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、いわゆる生産性革命二法案に対する反対討論を行います。 二法案は、未来投資戦略や新しい経済政策パッケージに基づくものです。この二十年間の産業競争力強化策、構造改革と規制緩和の下で、生産性向上が実質賃金の上昇につながらず、格差と貧困が拡大しました。まずやるべきは、国民の暮らしと雇用、地域、中小企業の実態を検証、総括すべきです。 反対理由の第一は、グーグルなど巨大プラットフォーム企業による市場独占に目をつむったまま、人工知能、IoTなど新しい情報通信技術等の社会実験のために内外資本と多国籍企業の要求に応える新たな優遇策を措置し、格差と貧困を拡大するものだからです。本来、新技術は、人類社会の平和と進歩、労働時間の短縮と自由獲得のためにこそ役立てるべきです。 第二は、首相官邸への権限の更なる集中と一任で、異次元の規制緩和を推進する日本版サンドボックスが、国民の安全や安心、命をも脅かしかねないものだからです。 我が国の制度には事業分野の限定がありません。世界中で事件、事故を多発させているウーバーや我が国のクルーなどライドシェアの例で見たように、これまで産業競争力強化法で業法に穴を空けた上、本制度で規制を凍結すれば、白タク解禁につながりかねません。国民が日々の暮らしを営む現実社会を利潤追求優先の実験場にするなど、断じて許されません。 第三は、国等が保有する行政データの民間事業者への提供が重大な人権侵害の危険をはらんでいるからです。個人情報を含む官民のビッグデータを組み合わせて利活用を促進するオープンデータ政策は、我が国の脆弱な個人情報保護制度の下では個人情報を犠牲にしかねません。EUでは、今月、人間の尊厳を守る立場から、一般データ保護規則が施行されます。国民のプライバシー、権利を守ってこそ、新産業の創出と健全な発展につながります。 さらに、生産性革命の一環として、フリーランスや請負など、シェアリングエコノミーを推奨し、雇用によらない働き方を広めることは重大です。労働者保護法制の対象外で不安定、無権利な働き方を蔓延させてはなりません。 最後に、森友、加計、日報疑惑など、データの隠蔽、改ざん、捏造が行政への信頼と民主主義の土台を根底から壊しています。こうした安倍政権に国民の暮らしや経済を委ねることはできません。 このことを厳しく指摘し、反対討論とします。
○委員長(浜野喜史君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、生産性向上特別措置法案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜野喜史君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大野君から発言を求められておりますので、これを許します。大野元裕君。
○大野元裕君 私は、ただいま可決されました生産性向上特別措置法案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 生産性向上特別措置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 激変する技術環境、成長分野への事業展開が必ずしもうまくいっていない日本産業の現状に鑑み、本法の積極的な運用に加えて、国を挙げての最先端のデータ利活用ビジネスをリードする人材の育成、発掘、より柔軟で自由度の高い事業環境構築に努めること。 二 「規制のサンドボックス」制度については、同様の制度を導入した他国と比較してより広範な措置となっていることに鑑み、全国一律の規制改革へと拡大する際には、多方面にわたり意見を募るなど慎重な検討を加え、適正な手続の下に進めること。また、実証を実施する事業者に対し、関係者等の安全性を確保させるとともに、特にライドシェア事業のような安全や雇用に問題が指摘される事業の実証については、規制法令に違反するものが認定されることのないよう厳に対応すること。さらに、実証を継続的にモニタリングすることとし、このため、事業者から定期的に主務大臣に報告させるよう、制度的な措置を講ずること。 三 「規制のサンドボックス」制度の幅広い事業者の活用促進を図るため、制度の周知徹底に努めるとともに、海外の事業者の革新的な技術やビジネスモデルの実証実験を誘致するため、外国での広報活動にも積極的に取り組むこと。また、革新的な技術等のアイデアを有するが資金調達等の不足により実証が困難なベンチャー・中小企業者の支援にも積極的に取り組むこと。 四 国の機関等が保有するデータを提供する特定革新的データ産業活用事業者に対するデータの安全管理については、国の機関等におけるサイバーセキュリティに準ずるものとすること。また、データ利用の裾野が広がるように、データセキュリティの確保を前提に、データのアクセスの利便性向上、個人の事業者、研究者等を含めた多様なユーザーへのデータアクセスを確保すること。 五 「規制のサンドボックス」制度等に係る評価を行う革新的事業活動評価委員会の委員について、構成、任命理由等を明らかにし、その適格性及び公平性を担保すること。また、委員会での決定過程について、議事録等を作成し速やかに公表する等、その透明性を確保するとともに、委員会で表明された反対意見についても国民に周知すること。あわせて、一連の過程に係る書類等を適切に保管し、検証可能なものとすること。 六 市町村が速やかに導入促進基本計画を作成できるよう、必要な政省令の整備等を早期に進めるとともに、より多くの中小企業者の設備投資を支援できるよう、市町村に対する周知徹底を図ること。また、中小企業者にとって申請手続き事務が大きな負担となっていることに鑑み、その添付書類等を省略化するなど、手続きの簡素合理化を図るとともに、認定の予見可能性を高めるため、市町村による認定判断に当たっての客観的基準等を定めたガイドラインを作成すること。さらに、本特例措置の活用促進を図るため、設備導入による雇用増が、労働生産性評価の際に不利にならないよう配慮すること。 七 中小企業者による先端設備等導入及びIT投資を促進するため、人材の確保・育成やサイバーセキュリティ対策等への支援に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(浜野喜史君) ただいま大野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜野喜史君) 多数と認めます。よって、大野君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。世耕経済産業大臣。
○国務大臣(世耕弘成君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○委員長(浜野喜史君) 次に、産業競争力強化法等の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜野喜史君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大野君から発言を求められておりますので、これを許します。大野元裕君。
○大野元裕君 私は、ただいま可決されました産業競争力強化法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 産業競争力強化法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 産業競争力の強化を実現するため、民間の活力を最大限支援するための環境整備を行うこと。また、企業収益の改善が、雇用増大、賃金上昇及び消費拡大につながる好循環を生み出していくために、成長戦略を着実に実行するとともに、その効果を検証し、不断の見直しを行うこと。 二 株式会社産業革新投資機構については、支援対象の審査やモニタリング体制の強化等について不断の見直しを行うこと。あわせて、質の高いファンド人材の確保等を図るとともに、官民ファンドにおいて官の果たすべき役割を踏まえ、民間リスクマネーを誘発するべく適切な運営を行うこと。また、ベンチャー企業への支援については、出資先に対するハンズオン支援を強化するとともに、投資決定の迅速化や円滑な資金供給に努め、出資の保全・回収が確保されるよう努めること。 三 株式会社産業革新投資機構が、特定政府出資会社の株式を譲り受けるに際しては、当該官民ファンドに期待される政策課題の実現を図るべく投資案件の選定が適切に行われていることを検証し、適切な成果目標を定めた上で、積極的な情報開示を行うこと。 四 事業再編計画及び特別事業再編計画の作成に当たり、事業者が労働組合等と協議により十分に話合いを行い、また、計画の実施に際して、事業者が雇用の安定等に十分な配慮を行うことを確保することにより、労働者の雇用の安定に最大限の考慮を払いつつ当該計画が実施されるよう、厳に適切な運用を行うこと。また、事業譲渡等において、労働者の保護に資するよう、労働契約の承継ルールや労働組合等への説明・協議等に関する留意事項がまとめられている「事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針」等に沿った対応がなされるよう、周知を徹底すること。 五 創業支援について、従前の施策に対する検証を行い、ベンチャー企業等がその成長過程に応じた効果的な支援が受けられるよう、資金、経営手法等、多様な支援の仕組みの構築に努めること。また、特定研究成果活用支援事業の実態を踏まえ、資金の拡充、経営人材の確保及び外部ネットワークの活用も含めた総合的な支援体制の整備に継続的に取り組むとともに、他大学や民間企業との連携を積極的に図ることにより、オープンイノベーションの促進に努めること。 六 認定経営革新等支援機関や認定情報処理支援機関等の支援機関が、相互の情報交換や協力体制強化を促進し、中小企業に対する支援の質の向上を図ること。また、中小企業の情報管理能力向上の観点から、中小企業が認定技術等情報漏えい防止措置認証機関の認証を積極的に得るよう支援に努めること。 七 中小企業の事業承継が喫緊の課題であることに鑑み、事業承継五ヶ年計画の取組を加速するとともに、承継準備から承継後の経営革新等の支援まで、切れ目ない支援を実施し、取り分け黒字企業の廃業を回避するよう万全を期すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(浜野喜史君) ただいま大野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浜野喜史君) 多数と認めます。よって、大野君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。世耕経済産業大臣。
○国務大臣(世耕弘成君) ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。
○委員長(浜野喜史君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浜野喜史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十四分散会